【まどか☆マギカ】鹿目まどかちゃんを応援しよう100
まだ日が昇りきっていない夜明け前、俺はホムラチャホムラチャという騒々しい声で目が醒めた。
その声は窓の外、家の庭の方向から響いてくる。
霧がかかったようなぼんやりとした頭で、眠気まなこを擦りながら階段を降りて庭に向かった。
玄関扉を開けて庭の片隅、騒音の発信源へと目をやった。
予想通りというか、そこには嬉しそうに尻尾をバタつかせながら愛犬のドッグフードをガツガツと食い荒らすごまどかの後ろ姿があった。
最悪の目覚めだ。
俺の立つ位置からはごまどかの後姿しか見れないが、体の汚れ具合とゴワゴワに広がった髪からして野良のごまどかと見て間違いないだろう。
俺の愛犬のポメは、己の餌と飲水を嬉々として略奪するごまどかを心底鬱陶しげな表情で眺めていた。
おそらく相当に苛立っているのだろうが、ポメの爪牙の射程距離内に陣取るごまどかが攻撃を受けた形跡はない。
主人の教えを忠実に守る俺の愛犬は『他の動物を見ても俺の許可がない限り絶対に攻撃するな』という教えを遵守しているのだろう。
ポメが本気になればごまどか風情など瞬きする暇もなく昇天せしめることができるのだが、当のごまどかはそんなことも知らずに呑気に餌を貪っている。
ポメは前足でごまどかを指差しながら何か言いたげな表情で俺の目をじっと見ている。
俺は溜息をつきながらごまどかの後ろ姿に歩み寄る。ようやくごまどかは俺の足音に気付いたらしい。
つーかさっきまで俺に気付かずに人んちの餌食ってたんかい。ごまどかとは人間の常識では推し量れない程に鈍感な生き物らしい。
まあ家の主の存在に気付いたんだ。ごまどかはヘタレな性格でもある。このまま怖じ気づいて逃げ出していくだろう。
ごまどか「ウェヒヒヒwwwwアリガトゴシュジンwwwwww」パタパタ
なんてことを考えていた俺が馬鹿だった。ごまどかはヘタレ以上に厚かましくて頭が悪かった。
不法侵入の上に食糧強奪までやらかしておいて、一切の罪悪感を感じないどころか既に飼いごま気分らしい。
盗人猛々しいとはこのことである。
ごまどかはほむらっこと共に市の駆除対象になっているが、こんな図々しい生き物ならば害獣認定されるのも頷ける話である。
ごまどか「ウェヒヒヒwwwwwカイゴマホムラチャwwwwwミルキュチョウダイwwwwwww」ノッシノッシ
ごまどかは腹を引きづりながら玄関口に向かってきた。
ドッグフードだけでは飽き足らず、人の家に上がり込んで牛乳まで強請るつもりらしい。
このごまどかには、教育的指導が必要だな。