【まどか☆マギカ】杏子×さやかスレ22【杏さや杏】
372 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/06(月) 18:45:14.16 ID:5TcyCu260 [1/2]
上位も何も最初から捏造カプと公式カプじゃ勝負になってないじゃないですかー
こっちはさやかの意思をちゃんと尊重してますし
375 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/08/06(月) 21:49:06.93 ID:5TcyCu260 [2/2]
キャラスレじゃ本音を語っちゃ駄目な流れになるけど…
赤はさやかの魔女化の原因だからカプにされたらもにょる人は多いでしょ
百合はあれだけどまだ相手がまどかやマミなら理解できる
>さやかだけはカプだけでも6通りあって一部が内部抗争しあってるから救いが無い
まどかの中で一番めんどくさいファンがついてると思う
常にお互いを拒絶し合ってる気がするよ
その日、いつものように通学路途中のさやかちゃんと仁美ちゃんとの待ち合わせ場所に着いたわたしは、面食らっていました。
何故なら、わたしの顔を見るなりさやかちゃんがわたしの手を取り、手の甲に口づけをしてくれたからです。
「おはよう、あたしのお姫様」
普段なら「もう、なにふざけてるのさやかちゃん」と笑って返せるところですが、今日はそれどころではありません。
きりっとした表情からとろけるような笑顔になって言われたその言葉に、わたしは顔を赤くしてあわあわするしかありませんでし た。
「あの、そのっ、どどどうしたのしゃやかちゃん!?」
昨日までのさやかちゃんは全くもって普段通りだったというのに、今日いきなりのさやかちゃんの変貌はわたしを面食らわせるばかりです。
さやかちゃんは支離滅裂な言葉を発しながら慌てているわたしのあごをくいっと持ち上げ、わたしの顔をまっすぐに見つめてきま した。
その真剣な眼差しに、わたしの顔は熱くなるばかりです。けれど顔をそらそうにもさやかちゃんはそれを許してくれません。
「どうしたの、あたしの可愛いまどか。そんなに顔を真っ赤にして、熱でもあるのかな?」
そう言ってさやかちゃんは自分のおでこをわたしのおでこにこつんと当ててきます。当然、わたしの熱は上がる一方です。
それに、わたしの頭の中で『あたしの可愛いまどか』というフレーズがグルグル回っていて、わたしはもうそのことしか考えられなくなっていました。
「もう、あたしのお姫様は恥ずかしがり屋さんなんだね? でも、そんなまどかも可愛いよ?」
わたしはもはや、失神寸前でした。
さやかちゃんはすっかりオーバーヒートしきって動けなくなったわたしをお姫様だっこして、見滝原中まで連れてきてくれました。
道中、仁美ちゃんはニコニコしているばかりで全く不審そうな様子がありませんでした。あまりに非現実的な事態に、
わたしはまだベッドで寝ていて、今見ているものはすべて夢ではないかとも思いましたが、わたしを席に降ろしてくれたあとに
さやかちゃんがほっぺにしてくれたキスの感触は、確かに現実のものでした。
クラス中の視線がわたしとさやかちゃんに集まっていますが、さやかちゃんは気にした風もありません。一方のわたしはまだ頭が
パニックから回復していませんし、クラスメイトの注目や何より後ろの席のさやかちゃんからの視線が気になって授業どころではありませんでした。
そして、休み時間。さやかちゃんは相変わらず「あたしの宝物」「地上に舞い降りた天使」「愛しい愛しいあたしの女神」などと
わたしがその場から逃げ出したくなるほど嬉しくなるような大げさな言葉ばかりをかけてくれます。
お昼ご飯の時は膝に乗せてくれ、一口一口「あーん」して食べさせてくれました。スキンシップはいつものようなセクハラではなく
優しくわたしの手を取ってエスコートしたり、廊下を走ってきた男子にぶつかりそうだったわたしを腰を抱いて華麗にかばってくれたりと
普段のさやかちゃんとは別人のようでした。
下校の時も同様です。わたしの鞄を持ってくれ、わたしの手を取って耳元に甘々な台詞を囁きながら家まで送ってくれたさやかちゃんは、
最後にわたしのおでこに優しく口づけし、「明日また会えるときが待ち遠しいよ。いい子にして待っていてね、可愛いまどか」とわたしを抱きしめてくれました。
わたしはもううっとりとしてしまって、暗くなるまでその場に立ち続けていました。
翌朝、わたしは飛ぶように駆けてさやかちゃんと仁美ちゃんとの待ち合わせ場所に急ぎました。
昨晩はその日の出来事が次から次へと思い出されて、そのたびに顔がかあっと赤くなり、一睡もできませんでした。
そして今日も昨日のようにさやかちゃんに可愛がってもらえると思うと、心臓がドキドキしていてもたってもいられなくって
朝食もそこそこに家を飛び出し、知らず知らずのうちに走り出してしまっていたのです。
家の前の坂を下り終わって、待ち合わせ場所に一人たたずむさやかちゃんの姿が見えてきました。
わたしの胸の高鳴りもよりいっそう大きくなります。さやかちゃんがわたしの足音に気付いてわたしの方に振り向きます。
そして。
「あっ、まどかおはよー」
あれ? 確かにさやかちゃんは笑顔でわたしに手を振っていてくれていますが、その振る舞いには昨日の面影は全くなく、普段通りそのものでした。
わたしが駆け寄っても、手にキスしたりお姫様だっこしてくれようとする素振りすらありません。
「どしたのまどか? 変な顔して」
「えっと、その……」
当てが外れてわたしが混乱していると、仁美ちゃんがやってきました。
「おはようございます、お二人とも。遅れて申し訳ありませんでしたわ」
「んーん、そんなに待ってないよ。あたしらも今来たとこだし。じゃあ、行こっか」
歩き出した二人に続いて、わたしも歩き出します。昨日と違うさやかちゃんの様子を見ても、仁美ちゃんは全く気にした様子がありません。
昨日のさやかちゃんは、やっぱり夢か幻だったんだ、とわたしがひそかにため息をついたその時。
「いやー、昨日は仁美のおかげで大変だったよー。いくら負けた方が何でも言うこと聞く罰ゲームだったからって、
『一日まどかさんに思いっきりキザに格好良く接してあげてくださいな』なんて言われるなんてさー」
「あら、さやかさんだってノリノリだったではありませんか。私がお願いした以上のことをやってらしたくせに」
わたしは、二人の言葉を聞いてただただ呆然とすることしかできませんでした。昨日のさやかちゃんは、夢でも幻でもなかったのです。
ですが、ですが。いっそ、その方が良かったかもしれません。
「まどかー、あんただって昨日は可笑しかったでしょ……まどか?」
わたしの方を振り向いたさやかちゃんが、わたしの顔を見てぎくりと動きを止めます。何故か仁美ちゃんも慌てています。
「まどかさん? あの、私は良かれと思って……」
「良かれって?」
「いえ、その」
わたしの肩は小刻みに震えていました。昨日のあまりのさやかちゃんのかっこよさに浮かれて、舞い上がっていた自分がバカみたいです。
すべて仁美ちゃんの計略とさやかちゃんの悪ふざけのせいだったなんて。自分が情けなくてみっともなくて消えてしまいたくなりました。
「あの、まどかごめ」
「さやかちゃんのばかあああああーーー!!!」
そう叫ぶと同時に走り出して一日中学校のトイレに閉じこもり、キザさやかちゃんの延長三日間を引き換えに説得に応じたわたしを誰も責められないはずです。(キリッ
杏子からさやかの一方通行よりよっぽど自然なまどさやSSだよね