アリストテレスさん何やらかしてたんだよ……
「ふふふ、いや、あの娘を見ていると、何となく知人を思い出してな。
子供の頃の話だが、あんな風に余を振り回した男がおったのだ」
「お前にもそんな奴がいたんだ」
「まあな。そいつのお蔭で見識は広がったし、
余の亡き後も、その才覚から辣腕を振るっていたという話だから、
やはり大した男であったのだろうな」
「と、この坊主は言っておる。確かに教鞭をとる姿は、なるほど解る気がする。
かく言うお前に似た印象を持つ知人も、かつて余の家庭教師を務めておった。
―――そうさな、あと付け加えるならば、
お前が近い将来教師となるなら、勉学に勤しむもの達の指針となる。
それこそ、その男を越える、模範の教師となる事であろうよ」
「ええー、何それ!? て言うか、私と比較対照にされる家庭教師って、一体誰?」