魔法少女まどか☆マギカのほむら×杏子を全力で支援するスレです。
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【まどか☆マギカ】佐倉杏子はスルメジャーキーカワイイ72本目
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【おりこ☆マギカ】千歳ゆまは猫耳可愛い3匹目
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1318063676/ 前スレ
【まどか☆マギカ】ほむら×杏子スレ3【ほむあん】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1314606669/ 【まどか☆マギカ】ほむら×杏子スレ2【ほむあん】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1308539754/ 【まどか☆マギカ】ほむら×杏子スレ【ほむあん】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1305458016/
立てたよー
>>1 スレ立てお疲れ様です。
前スレなんで落ちたのか謎ですね。11月13日(日)まで普通に書き込みあったのに。
>>1乙
百合スレの立てられなかった者です。感謝の念に尽きません
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/15(火) 23:09:57.54 ID:Daf6yIxO0
今度は油断せずに大切に育てる
映画では絶対ほむあん補完があると信じる
なぜ俺は俺の愛するほむあんスレに書き込めないのだ
また立てたのか
前スレ後半はもう ほむほむあんあん 言ってるだけでたまーに画像張るだけのスレになってたから
落ちてもしょうがないかなみたいに思ってたが
最近半日〜一日レスがないと落ちるみたいだから、今度は気をつけるんだね
ほむほむあんあん言うだけのスレならいらんとは思うがw
劇場版では過去ループ追加されて
あんこちゃんに誤解されたほむほむがボロボロにされる展開とかあると俺得だわ・・・
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/16(水) 09:41:47.85 ID:WvjWsvQG0
>>8 ほむあんはいい
まどかマギカのバトル面というか魔法少女の真の姿を体現したのがこの二人
SSとイベントレポよろしくお願いします
ほむ杏好きなんだけど妄想しづらい・・
ほむらと杏子、2人でいる場面を4コマで…というくらいの会話量なら、結構思いつきやすいと思うが…
割と本編でも一緒にいた二人なんだけどね
保護者コンビの印象が強くて…
タバコとか酒とか飲んでそうな二人だよね
そんなハードボイルドな二人は、男を性処理の道具と割り切って、週末は見知らぬホストに抱かれるのであった
ほむほむは嫌煙のイメージしか沸かないなぁ
もし杏子が近くでタバコを吸ったらゴミを見るような目で睨みそうで怖い
酒もほとんど飲めないけど酔った勢いで本音を吐けるから飲むのは好き
杏子は食いモンでストレス発散してるぐらいだし
タバコ吸ったらかなりのヘビースモーカーになりそうだ
酔ったら誰にでも一緒にいてやるよ・・・って言いそう
>>16 朝起きたら見知らぬ女と寝てましたフラグすぎるw
杏子から勧められて嫌々飲むほむほむかわいい
そっちの方が渋いからってビール飲まされたりタバコ吸わされてるけど、
この二人が飲むならやっぱり果実酒とか甘いお酒だと思うんだ
泣き上戸のあんこちゃんに、すぐ眠くなっちゃうほむほむなイメージだな
「タバコ?そんなもんじゃ腹はふくれねーよ」
とか
「あんな高いし健康に悪いもの、吸う人の神経が理解できないわ」
みたいな返しをされるイメージ
前スレの最後あたりでSSを投下させて貰っていた者です。
しかし規制と忍法帳(?)で書き込めずにいたらスレが落ちてしまうなんて……。
さやかに林檎ブン投げられた杏子の気持ちでありました。
まだ2、3残っているので、機会があればお付き合いください。
あと、自分が甘党かつ子ども舌でビール党員なので、杏子が発泡酒を飲んでいる妄想は
すいすい進みました。
安宿で安酒飲んでしょーもない話をしているほむあんがたまらなく好きなのであります。
相手の顔が綺麗に見えるのは自分が酔ってるからだ、とか互いに考えてるといいなと思います。
一日書き込まなかっただけで落ちるのか…
>>1乙
新作では二人の絡みがあるといいな
>>22 これはよいほむ杏
この二人って戦闘中に冗談つーかユーモアな発言叩き合う感じがやたら似合う
なんつーか窃盗コンビだからなのかアウトローな感じがあるからなのか知らんけど
道を外しても問題なさそうなイメージなんだよね・・
そうそう
煙草の件はちょっと否定ぎみなレスしちゃったけど言わんとしてる事はわかるというか
ちょっとダーティであったりチョイ悪な事を自然体で恰好良く決めてしまうのはこのコンビしか考えられない
杏子がほむらの家に転がりこむのが定番だが
逆に杏子のホテルの部屋にほむらが来るパターンがあってもいいと思うのだ
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/18(金) 10:45:38.57 ID:uRb+THLm0
ほむ「いくわよ、早く乗って」
あん「おまっ!?このタンクローリーどうしたんだよ!」
ほむ「いいから早く乗って」
>>25 なんか抱かれにくる愛人みたいだな、ほむら
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/19(土) 13:54:49.75 ID:Q/2hIW3k0
大事なビジネスパートナーだからな
基本杏子がほむらの家を訪問すると思ってたけど、杏子宅を訪れるほむらってのもいいね。
魔性の女(年下限定)属性で、モモちゃんに好かれまくるほむほむ。
ただし杏子は女を取っ替え引っ替えしてると思われ、パパリンから渋い目で見られる。
杏子のホテルにほむらがくる
杏子「誰だい?デリバリーなんか頼んでないはずだけど」
ほむら「私よ」
杏子「これまた珍しい客がきたもんだ」
ほむら「そうかしら」
杏子「そうだよ。あんた、こんなとこ来るのは初めてだろう?」
ほむら「いいえ、以前にも来たことはあるわ」
杏子「へぇ・・・まぁいいや。んで、なんのようだい?」
ほむら「夜中にホテルですることなんてそう多くはないと思わないかしら?」
杏子「あんたさあ・・・誘い方、下手なんじゃねえ?」
ほむら「仕方が無いでしょう。初めてだもの」
杏子「そんじゃ、次はもうちょい良いのを考えて来てくれよ」
ほむら「次があればね」
杏子「なんだい、つれないねえ。これからイイコトしようって相手にさあ」
ほむら「それはそれ、これはこれ」
杏子「はいはい、あんたってそういうやつだよな」
みたいな感じで。
暁美ほむらは私にとって、確かにある程度特別な人間と言えるが、それでも血の繋がりが
あったり恋人であるというわけではない。特別な、つまりは家族や恋人になったかもしれない
女は、今はもうこの世にはいない。ほむらとは一緒に寝たこともあるし、魔獣とともに戦った
こともあるが、同じことをした他の魔法少女がいないわけではない。だから、私の知らない女と
仲が良さそうに街を歩き、上品そうなシティホテルに入っていったほむらを目撃したとして、
それほどに衝撃を受ける理由はないのだ。
景気の良い音を立てて、フライパンの中が爆ぜる。良い感じだ。箸で中身をすいすいとかき
混ぜる。十数秒後、頃合と見て火を止める。手早くそれを大皿に移し、それを持ちながらすた
すたと部屋を横切った。
ほむらが私の部屋に来るときには、カレーやらパスタやら簡単な手料理を作ることもあったが、
私がほむらの部屋に行くときには、菓子類を置いて帰ることはあっても、手料理を作ることは
まずない。だからほむらは、私がスーパーの袋を提げているのを見て目を丸くし、台所借りる
よの声に口元を押さえた。今も、出来上がりを食卓に持っていく私を呆然と眺めている。失礼な
女だ。私とて独りは長い。簡単なものなら、いくらでも作れるのだ。勿論、それは簡単なものに
限られるが。
作ったものはご飯ににらの卵とじ、にんにく入りの野菜炒めである。それに発泡酒をつけて、
ほむらの前に並べる。
「驚いたわ」
ぼそりと、ほむらが呟いた。部屋に入ってこれほど長い時間、缶に手をつけなかったほむらを
見たのは初めてだ。
「何が」
「色々」
言葉を切り、髪をかきあげる。調子を取り戻したいようだ。やはり私の手料理は、相当にほむ
らのペースを崩したらしい。それが、何故か少し嬉しかった。
「まあ、さっさとくおーぜ。腹減った」
「同意見ね」
ほむらの部屋には私の歯ブラシはないが、なぜか私の箸がある。私の部屋にほむらの箸は
ないが、ちょこんと歯ブラシが置かれている。いただきます、と声をそろえて、私とほむらは
同時に箸をつけた。
ほむらと誰か知らない女の姿を見た夜、私も付き合いのある魔法少女を呼び出し抱かせて
貰ったが、どうにもいまいちだった。なんとなく、集中できなかったのだ。その女には引き止め
られたが、結局深夜遅くに私は女の部屋を出た。月の光が、セックス直後の気だるい皮膚に
刺さった。ポケットからチョコレート菓子を取り出し、噛み切る。小気味良い音とともに、べた
べたした甘みが舌に広がった。
関係ないね。心の中で、念じた。あの精神は一途な割に身体は奔放な、素直でない女の
ことなど、知ったこっちゃない。愛する人は別にいるのに、誰かの腕の中で嬌声をあげている
女のことなど、私には関係ない。恋人でない、愛してもいない女のことなんて、私にとっては
どうでもいいことだ。
月は、明るく光っている。私は次々にチョコレート菓子を噛み砕いた。甘みは口から胃の中に
広がり、心臓にまで達しそうだった。
「美味しかったわ」
ごくごくと缶の中身を飲み干してから、ほむらは満足げにため息をついた。
「ビールが?」
「貴女の料理よ」
ほんとに意外だけど。ほむらは微笑んだ。作られていない、あどけない笑みだった。そうかい、
と私は皿を片付ける。頬の赤みは、知られたくない。ほむらはすいと立ち上がり、冷蔵庫を開けた。
食後の一杯を楽しむつもりらしい。
封を開ける音を背中で聞きながら、私は蛇口を捻った。スポンジに洗剤を染み込ませ、
食器を洗う。そもそもほむらの部屋には、二人分の茶碗とお椀、それに数枚の皿しかない。
皿洗いも、別に手間ではないのだ。
「なあ」
「何?」
ほむらの声は穏やかだ。誰でも腹いっぱいで満ち足りているときには、穏やかになる。
だったら、私は腹いっぱいでないのかも知れない。でも、それは当たり前だ。あの青い髪を
失ってから、私の身体のどこかは、つねにぐーぐーと鳴っている。
「洗い物終わったら、するからな」
言っている間に、洗い物は片付いた。台拭きでシンクを拭い、ぎゅっと絞る。食器はすべて
乾燥棚に放り込んだ。手は濡れたままで、踵を返す。小さな食卓の上には、私の発泡酒もあった。
ほむらは上目で、私を見つめている。そして缶を傾け、ごくりと液体を飲み干した。
「杏子」
「なに」
「これ、全部飲むまで、待って」
この女を食べれば、身体の空腹がある程度収まることを私は知っている。いや、そもそも
空腹なんて本当に感じているのだろうか。もしかしたら、はるか昔にどこかで何かを間違えた
のかもしれない。あの両親の元に産まれたことや、あの青い髪に惚れたことでなく、もっと
根源的な部分で、私は間違えているのかもしれない。
それでも、それはどうにもならない。心の中の何かは、どうしようもなく変えられない。
私はぐいと缶を煽った。2分の1ほどを、一気に胃に収める。そのまま、ほむらの頬を押さえた。
ほむらは、濡れた目をしている。でも、目は合わせない。5秒だけ、唇を吸う。ほむらの頬が、
熱を帯びる。
「わかった。待つよ」
「……杏子」
「だから、私がいいって言うまで、今夜は付き合えよ」
声は、掠れた。耳元で言うと、すっと身体を離す。酒精と食物が体内で燃えていた。別の何かも、
心のどこかで燃えている。あるいは夕食のにんにくとにらが、それを誘発したのかもしれない。
「いいわ」
幾分か控えめに、ほむらは笑った。この寂れた、飾り気のない部屋には似つかわしくない、
どこか晴れやかな表情だった。
「今日は私が、貴女を満足させてあげるわ」
「ほむら」
「だって、美味しかったもの。ご飯」
そういえば、この女は美人だった。スタイルは男のようだが、感度は抜群だ。それにスタミナは
ないが、容易に意識は手放さない。こいつはそういう女だ。だからやっぱり、間違っているのは
私なのだ。
そいつは楽しみだね、と私は、残り少ない缶を口に咥えながら言った。首をすくめて、ほむらも
缶に手を伸ばす。とはいえ、あと数分、この牽制が続くというのも、悪くはない状況だった。
Love like bad spiritの人に似てる。
すごく好きな文体と雰囲気……
>>35 このSS好きすぎて思いっきり語ったりしたいのですが、代わりに設定お借りしてSS書いてもよろしいでしょうか?
雰囲気がたまらん
ニラとにんにく食ってビール飲んでキスって罰ゲームすぎるw
もうちょっと料理選ぼうかw
それ思ったw
まあ二人で食べればそんな気にならないんじゃね
たまにはということで、いつもの発泡酒ではなくウィスキーを部屋に持ち込んでみたのだが、
そのせいで家主はすっかりとぐでんぐでんになってしまった。暁美ほむらは見たこともない
ほどにいい塩梅になり、グラスを両手に抱えてにこにこと微笑んでいる。グラス自体はファー
ストフード屋でおまけに貰ったものだが、ここまで握り締めて貰えれば本望だろう。ついでに
言えばウィスキーも、それに混ぜているコーラも、近所のスーパーで投げ売りされていたもの
である。そういえば普段も発泡酒だ。それでここまで酔い潰れるとは、安上がりな女だな、と思う。
とはいえ酔っているのは私も同じだ。ウィスキーのコーラ割りは、甘いせいかとにかく飲みやすい。
知らず知らずに、こうなってしまうのである。さらに普段のしかめっ面とは違う、ほむらの白痴
まじりの笑顔は、私の脳まで蕩けさせてくれる。
「……まどかぁ」
ほむらの声も、実に甘い。そして幸せそうだ。視線は完全に別の世界へ行っている。
「えへへ。好きぃ、まどかぁ」
「……誰だよ」
先ほどから知らない女の名前を呟いているほむらである。知らないと言っても、幾度か枝葉の
会話はしたことがある。もう会えない、愛しい人だということだ。しかし、凄いものだ。目の前の
女は本当に暁美ほむらなのだろうか。普段は常に不機嫌そうな仏頂面で、冷たく弱みを的確に
抉るような言葉を放つ女なのである。それが、こうまでふにゃふにゃになっている。
私もそうなったら、こんな顔でさやかを呼ぶのだろうか。私は軽く、グラスに唇をつけた。生の
ウィスキーが、そこに琥珀を湛えている。香ばしい苦味が、高熱を伴って全身に広がる。
「杏子ぉ」
じっと、ほむらがこちらを見ていた。頬は林檎のように、また目の縁は血のように赤い。いつもは
感じない色気が、妙に発散されている気がする。
「なんだよ」
「まだあの子のこと、好きなのぉ?」
普段ならそうは感じないだろうが、なぜかどきりとした。まるで痴話喧嘩のようだ。もう一度、
グラスを傾ける。飲まないとやってられない、とはこういうことをいうのだろうか。
「ああ、好きだよ」
素直に答えた。拡散する前の熱が、胸で合わさり何か別のものに変わる。美樹さやか。私の
心を捕え続ける女。人でなくなり、どこか遠いところへ行ってしまった、自分勝手な奴。
いつまで私は囚われるのだろうか。それとも、私がそれを望んでいるのだろうか。
「じゃあ、私も杏子が好きぃ」
とんでもない言葉で、一気に現実に引き戻される。ほむらがまさに白痴の顔で、ごくごくと
黒い液体を体内に流していた。
「お、お前っ」
「杏子は凄くかっこいい!」
なぜか語尾が強くなった。ほむらは明らかに飲みすぎだ。しかし私も大概である。格好いい、
などと言われたことなど一度もないのだ。特にこの、美人で冷静な女には。
身体が酒精と違う熱を帯びた。思わず、グラスを煽る。強烈な熱が、流星のように内臓に落ちていく。
ほむらは駄々っ子のように、首を左右に振った。
「私がこんなに杏子を好きなのに、杏子は私を好きじゃないのぉ?」
目の前にいる女は誰だよ、とぼんやりとしてくる脳に問う。少なくとも暁美ほむらは、このような
女ではない。いつでもクールで冷静で、嫌いな奴には冷たいし、また好いている人間にも好意を
出さない。私に対しても、嫌いじゃない、と言うのが最大の好意だ。目の前でうにゃうにゃ言って
いる女からは、100キロメートルは遠くにいる存在である。
頭をかいて、ふと思う。私にそう見せないだけで、ほむらは実は本当は甘えん坊なのかも
しれない。私は顔も知らない想い人の前で、ほむらが蕩けそうに甘えている。まるで食べ物を
欲しがる猫のように、木の上で熟す柿のように。酔いも合わせて、その想像は私を愉快な気分にさせた。
よくよく見てみると、瞳を潤ませたほむらは可愛い顔をしている。庇護欲と、場合によっては
加虐欲をそそる表情だ。
「いや、私もほむらを好きだよ、勿論」
女好きなちゃらい男にでもなったような気分だったが、口当たりは悪くなかった。私もほむらに
対しては、「嫌いではない」が最上級の好意の言葉だ。酔っているからだろうか。快感のような
ものが、顔を伝って脳に送られた。
ほむらはぱあっと笑った。年齢よりは相当に下に見えた。
「嬉しいっ」
「そうかい」
「私、杏子の子ども産んでもいいんだ!」
酔ってはいても、さすがにそれは看過できない。ふらつく頭を、横に振った。
「なんでそうなるんだよ」
「最初はまどか。次は杏子。この順番でいいわよね」
「聞けよ!!」
叫んだつもりだが、ちゃんと叫べていたのかはわからない。ほむらは両手で包んだグラスを、
幸せそうに傾けている。幸せならばいいか。幕が幾重にもかかった意識で、そのように思う。
お互い、幸せには縁の遠い人生だ。魔法少女になるまでも、なってからも、大した人生ではない。
だったら酒を飲んで、夢の中にいるときくらい、幸せでもいいだろう。
「杏子、名前、何にする?」
広い家で沢山の子どもに囲まれて、白く清潔なエプロンをつけて料理なんかしている。暁美
ほむらには、案外そういう人生が似合っているのかもしれない。ただいまーなんて明るい声で、
そこに私が帰って来たりするのだろうか。それはない。100%ない。でも、夢の中だ。しかも
酔っ払っている。翌日には覚えていない、泡沫のような時間の中ならいいだろう。誰もが
馬鹿にする幸福も、きっと許されるはずだ。
「ほむらぁ」
ん、とほむらは小首を傾げた。勇者を前にする姫のような、可愛らしい仕草だった。それを目に
収めて、私の意識は途切れていく。短い間隔で、強いアルコールを体内に入れすぎたようだ。
机に凭れながら、叫ぶように言う。
「愛してるぞ」
そういえば、誰かに愛していると言ったのは初めてだ。意識を失う数秒前に、そう頭のどこかで感じた。
今回は以上です。
前スレ合わせて今まで6つほど投下させて頂きましたが、次で最後になります。
お目汚しであれなのですが、よろしくお願いします。
あと、半年前に書いたSSを覚えていてくださってありがとうございます。
ほむあん大好きです。
そして、ほむあんSSを沢山読めることはほむあん好きとしては最高の喜びなので、
是非もっと書いてください。
こちらこそ応援しています。「友情伝説」は最も好きなほむあんSSのひとつなのです。
お互いにんにく食べてれば気にならない……、といいなあ。
ほむらwwwww
>>46 ほむデレごちそうさまで、光栄で死にます!!
ほむあんスレは保管庫がないから、過去スレに投下された作品とかが今後どうなるのかは非常に気になるところ。
ほむあんは酒が入らないと好きとか言い合えない仲なのだけど、その距離がどんどん縮まってったら素敵だと思う。
保管庫つくるほどSSないからなあ
今後増えてけば作ってもいいかもだけど
>>42 お互いに相手のことを高く評価しているくせに「嫌いじゃない」と本心を明かさずにいるほむあんが好きだったけど
どんどんお酒をのませて本心喋らせたくなった。
こんなにニヤニヤできるほむあん久しぶりです。ありがとう。次も楽しみにしてます。
二次創作の影響でへたれにされがちなあんこちゃんだけど、本編にはそんな描写は欠片もないからね
着の身着のまま、腹が減ったら飯を食い、したくなったら手を伸ばしてほむらを押し倒す
そんなあんこちゃんを拒めなくてなんだか悔しいほむらは、マミさんと三人で居るときは見せ付けるように
優しい先輩に甘えたりして、そんな二人の心境をなんとなく察しちゃう聡明でお茶目なマミさんも
あんこちゃんに見せ付けるように、普段は絶対しないようなやさしい声色でほむらを甘やかせたりなんかして
そんな様子をつまらなそうに呆れ顔で見守る杏子だったが、その事を忘れるわけもなく
後日、二人きりになったら手土産の酒を振舞って酔わせ、飢狼の如くほむらの身体を貪り喰い、意識を失うまで攻め立てて仕返しをしちゃうのであった
もちろん、マミさんのことも何食わぬ顔で食べちゃってる
そんなベルセルクのワイアルドさんみたいなあんこちゃんも、渋くて素敵だなって思いました
杏子「魔法少女心得!」
まどか・ゆま「エ、エンジョイ&エキサイティング!」
杏子「その通り。忘れちゃダメダヨ」
ほむデレカワユス
54 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/22(火) 16:57:33.67 ID:/if8QgRR0
55 :
酒煙:2011/11/22(火) 19:46:54.00 ID:Xl5qPV7j0
情事の後に煙草を吸うのが、いつから癖になったかは覚えてない。
覚えていないが、汗やなんやの汁気をたくさん流して気だるい体に、刺激のある煙を取り込むと、
少しだけ体が目を覚ました気になるので吸うようになった。
だからその夜も、あたしはベッドに腰掛けて脚をぶらぶらさせながら、煙草を咥えていた。
昔はメンソールなんぞという軟弱なものも吸っていたが、最近は外国の読めない字が
パッケージに書かれてるのがお気に入りだ。舶来モノはパンチ力が違う。
明日の朝メシは吉野屋かマクドのどっちにしようと考えながら、一本目を吸い終わろうとした時に、
横から冷たい声がした。
「杏子」
「あん?」
「煙草はやめなさい」
ジロリと目だけ動かして部屋の隅を見る。
安宿の小汚い椅子に腰掛けた声の主、暁美ほむらが声の数倍冷たい眼差しで、
あたしの持つ煙草の箱を睨んでいた。
「なんでさ」
「私が嫌いだから」
「あたしは好きだ」
「健康にも悪いわ」
「余計なお世話だ」
鼻で笑って、あたしは視線を切った。
家族や恋人の言う事だったら、まだ斟酌をしただろう。
だが、五日に一回共に戦い、十日に一回性欲発散し合うだけの女の、
嗜好やお節介に付き合ってやる義理は無い。
「だいたい健康うんぬん言うならさ、あんたのそれはどうなんだ」
唇からぶら下がった煙草で、あたしはほむらの手元を差す。
ほむらの手には、透明な小さい器とそれに入った琥珀色の液体、要はウイスキー入りのグラスがあった。
「宵の口から何杯目だよ。肝臓ぶっ壊れるぞ」
この女、マッチ棒みたいな体してるくせにウワバミである。薩摩焼酎の一升瓶を開けても平気の平左。
そしてごく稀に限界を越えて酔い潰れると、まどかとかいう得体の知れない女の名前を
ゲロと一緒に口から吐く。うざい酒飲みだ。
「魔法は病気にも効くから、私の肝臓は健康そのものよ」
「なら、あたしも肺ガンにはならないな」
「だいたい、煙草はいいくせにアルコールを否定する、
その根性がおかしいわ、生臭シスター」
「そっくりそのまま返すよ。嫌煙女」
あたしが酒が嫌いな理由はただ一つ。弱いからだ。
初めてマミに飲まされた時には、ほんの缶ビール数本でしたたかに酔い、マミのお手製料理を
トイレの藻屑にしてしまった。もったいない。
以来、アルコールの匂いを嗅いだだけで胸がむかつく。
(まあ、こいつが酒を控えるっていうなら、ほむらの前でぐらい
吸うのをやめないでもないけどな)
世の中ギブアンドテイクだ、などと考えていた矢先、ほむらがいかにもわざとらしく、目の前でパタパタと
煙を追い払う格好をした。冷たいを通り越して、キュウべぇの死骸でも見るような眼差し付きで。
この野郎、人がちょっとばかし殊勝なこと考えてたらそれか。
むかついたあたしは深々と息を吸う。煙草がチリチリと燃える。溜めるだけ溜めきって、
煙をほむらの顔めがけて吹きかけた。
若干距離があってジャストヒットとはいかないが、煙の残骸がほむらの顔の辺りに漂った。
「………………」
ほむらの目が座る。組んでいた脚が、いつでも椅子から立てるよう解かれる。
売った喧嘩はちゃんと買ってもらえた。さてどう来るか。
腹の底抉るような罵倒の言葉か。組み敷いて第二ラウンドにもつれ込むか。
まさかお得意の鉛玉が飛んでくるのはないだろう。たぶん。
警戒九割、期待一割であたしは待ち構えたが、予想は全部外れた。
ほむらが伸ばした手の先は、行きがけに酒屋で買った四千二百円のウイスキー。
乱暴に掴むやいなや、ラッパ飲みで口に放り込んだ。
「お、おいっ?」
白くて細い喉が、ゴクゴクと豪快に動く。三分の一は残っていた液体が、薄められないまま
全てほむらの体に流れ込む。
最後に気怠そうに息を吐いて、濡れた唇を親指が拭った。
雫をちゅっとすすりなが、ほむらが立ち上がる。こっちへ来る。あっけにとられたままで、対応が遅れた。
「んっ」
「んんーーっ!?」
強引に、口づけられた。
歯で防ぐのが間に合わず、熱く柔らかいモノが一気に侵入する。
アルコールのむせる香りと、とろりと甘い唾液が混じり合って流し込まれる。
ベッドに押し倒される。唇がこすりつけられる。舌が弄ばれる。いやらしく水音が立つ。
暁美ほむらが、入ってくる。
「ぷはっ、んっ、ぁ…………!」
何十秒か、何分か。ようやく開放され、酸素を求めて喘ぐ。
「分かったでしょう」
あたしの唾液で濡れた唇を、こんどは拭おうとはせずにほむらが言う。
「へ……?」
「キスした時に嫌いな匂いがするのは、すごくイヤなの」
呆けた頭が言葉を噛み砕く前に、ほむらの唇が寄せられる。今度は耳元に。
「だから、やめなさい。それとも……」
分かるまで何度もやりましょうか、と熱い吐息が耳に吹きかけられる。
「えっ……あ……その……」
ちゃんと分かってるとか、あたしはそんなに嫌でもなかったとか、いろんな言葉が
頭をグルグルしているうちに、また口づけられた。
今度は優しく、あたしの唇を潤すように舐められる。ほむらの指が鎖骨の上をなぞる。
それだけで脳に電気が流れて、思わずのけぞりかけた。
よくない。ペースを握られた。これから始まる第二ラウンドは、ずっとほむらのターンになってしまうだろう。
この意地の悪い女は、強弱つけて、指で舌で嬲って癒して、さんざんにあたしを啼かせて悦に浸るに違いない。
煙草がどうこうじゃなくて、たぶんそこまで考えての行動だ。
(こんにゃろう……上等だ)
こっちにも女の意地がある。こうなったら延長戦突入だ。第三、四ラウンドどころか、
朝までやって白黒つけてやる。
勝つか負けるかは読み難い。朝日を勝利の余韻と共に眺めるか、腰を抜かして呻きながら拝むか、
さっぱり予測がつかない。
ただどちらにしろ、一つだけ分かることがある。
――――情事が終わった時、あたしは煙草を吸わないだろう。
終わり
.
以上です。
上にあった煙草や酒についての雑談で
なんとなく思いついたSSです。
なんだか自由に見えて不自由な生きざまの二人なのかなと思う。
ほむ「これがワルプルギスの…」
がばちょ
どさっ
ほむ「貴方は…」
杏子「あたしみたいなのを部屋に上げた時点で、こうなることぐらい覚悟してたんだろ?」
ほむ「………」
杏子「あんたみたいなのをいっぺん汚してみたかった」
ほむ「………」
杏子「いいねぇ、そういう目で睨まれるとゾクゾクするよ」
ほむ「………いいわ」
杏子「へ?」
ほむ「私に協力してくれるなら、貴方の好きにしていいわ」
杏子「本気か?」
ほむ「あの魔女を倒す為なら何でもする」
杏子「……………」
ほむ「……………」
杏子「やめたやめた、嫌がるのを無理矢理じゃないとつまんねーよ」
スレ落ちた時はもうダメかと思ったが
最近職人さん多くて嬉しいわ
>>62 おいこら杏子www
しかし確かに杏子は嫌がる相手に無理やりやるのが好きそうだ
>>63 もっとスレに投下されるのが増えて賑やかになるといいなあ
>>62みたいな台詞だけ形式も結構好きだ
魔法の力を使うと、鍵は簡単に開いた。私は首を軽く振って、ドアノブに手をかける。鍵くらい
預けておいてくれたら良かったのに。そう考えて、そもそも私自身も杏子に鍵など渡していない
ことに気づく。自分勝手なものだ。乱暴に扉を引くと、ぎしりと大きく音を立ててそれは開かれた。
勝手知ったる他人の家だ。私の部屋に杏子が来ることの方が断然多かったが、それでも私が
杏子の部屋を訪れることもあった。身体を重ねたこともあるし、昼すぎから酒を傾けてぼんやりと
していたこともある。杏子はいつでも唐突だ。せめてもの宿代と私の作ったカレーをがつがつと
かきこんでいたかと思えば、すぐにぐーぐーと鼾をかきだす。むくりと起き上がり、冷蔵庫の発
泡酒を飲み干して大きくげっぷをすると、人の悪い顔で私にのしかかってくる。ある程度私の
ことは気遣っていたのだろうが、それでもその奔放な振る舞いは、私に鬱陶しさと羨ましさを
覚えさせるには十分すぎるものだ。
杏子の部屋には物が少ない。冷蔵庫に電子レンジにトースターにテレビが、ぽつぽつと置かれ
ているだけだ。ちらちらと部屋を見渡す。生ゴミが放置されていて、虫でも沸いていたらことだと
考えたのだが、どうやらそのようなものはなさそうだった。多分、と私は思う。あの自由で良く
食べる女が死んだ日は、この地区のゴミ収集の日だったのだろうな、と。
杏子が魔獣に殺されたことを、私は人づてに聞いた。そもそも勝手な女だ。数週間、姿を見せ
ないことは良くあることだった。今回もそのあたりを適当にふらふらとしているのだろう。そう考え
ていた私に、同業者の女は淡々と事実を告げた。魔獣にやられる魔法少女なんて、珍しいもの
でもない。
床には、わずかに埃が積もっている。素足の感触が少し不快だ。ため息混じりに、足を進める。
既にいない家人のために、健気にも冷蔵庫は稼動していた。電気が止まるまで、この冷蔵庫は
中のものの温度を保つのだろう。がちゃ、と扉を開く。いくつかのチョコレート菓子に、少しだけ
残った麦茶のパック。それに数本ほどの発泡酒が、そこには残っていた。手を伸ばし、発泡酒の
一本を掴む。どう考えても、私が提供した発泡酒の方が、杏子が提供した分よりも相当に多い。
封を開けると、私はためらわずにそれを思いきり傾けた。少々気の抜けた、それでも刺激のある
液体が、心地よく喉を通り過ぎていく。ふう、と息をついて、私は部屋の隅に向かう。ワンルームの
安アパートの唯一の部屋だ。その壁に、とんと凭れる。そこが私の指定席だ。杏子が何かの
雑誌を読むともなしに眺めていたり、ぼりぼりとスティックのお菓子を噛み切っていたり、どう
やって私にセックスを切り出そうかと考えている様子を、私は発泡酒の缶を握って眺めていた。
ほう、と息をつき、私は部屋を見渡す。埃っぽい部屋が、ぽつんとそこにはある。杏子はもうここ
には帰ってこないのだなと、何とはなしに思う。
杏子は美樹さやかに会えたのだろうか。そんなことを考える。私も魔獣に殺されれば、まどかに
会えるのだろうか。ぐいと缶を傾けると、もう中身はなくなっていた。ため息でなく舌打ちをして、
私は立ち上がる。慣れた手つきで冷蔵庫を開け、まったく無遠慮に封を切る。埃の舞う、家主の
いない部屋で飲んでも、冷えたビールは心地よい。部屋の隅で、また壁に凭れる。もうここで
発泡酒を片手に、こうやって壁に凭れることもないのだろうな。そう思う。
ほむら。名前を呼ぶときに、杏子の声は低くなる。そして私がなに、と言わなければ、その先を
言わない。だから私は、どれほど身体がだるくても、杏子に呼ばれたら常にその2文字を口に
していた。ほむら。杏子はまるで犬のようだ。名前を呼んで、じっと私を見つめる。そして私も、
その目線が不快ではない。なに。私は杏子の唇も、身体も、秘芯の味まで知っている。それなのに
彼女の鍵の在処も、最期の言葉も知ってはいない。知っているのは、彼女が私を置いて、とっとと
先に行ってしまったということと、彼女が私に、さよならの一言すらも告げなかったことだけだ。
馬鹿。知らず、口に出していた。部屋にそれは拡散していく。何だよ。眉を顰めた顔は、もうない。
馬鹿。もう一度呟いて、また缶に口をつけた。この1本も、じきになくなるだろう。二人で飲んだ
ものと、味は変わらないはずだ。それなのに今日の発泡酒は、妙に苦い。埃の味だろう。そうに
決まっている。
杏子と二人、こうやって壁に凭れて、何をするでなしに発泡酒を傾ける夜があった。幾度も、
あった。それは身体を重ねたことよりも、私の頭の中に残っている。杏子が、隣にいた。きっと
互いに非生産的なことを考えながら、口を動かすことはなかった。杏子のことは、嫌いでは
なかった。隣で発泡酒を飲み、身体を許し、鍵を預けてくれなくて不愉快になってしまうくらいには、
きっと嫌いではなかった。
もしも。もしも一度だけでも、杏子に好きといわれていればどうなっていただろう。自分も捨てる
から、ほむらも何もかも捨てて、私を好きになれよと。私のものになれと。あの掠れたような声で、
真っ直ぐに言われてしまったら、私はどう答えていただろう。嫌よ。そう言ったに決まっている。
それ以外にはない。まどかは私の生きる指針だ。それを否定して生きる理由は、私にはない。
あるはずもない。でも、それでも。そう、それでも、と考えてしまうくらいには、杏子のことは嫌いでは
なかったのだ。彼女のいない部屋で、彼女のことを考えて、未練がましく同じ姿勢で同じ発泡酒を
飲んでしまうくらいには。杏子が私に誰かを見ていたように、杏子越しに誰かのことを見てしまうくらいには。
さよならを言われなかったことに、寂しさを覚えてしまうくらいには。
馬鹿。また、呟いた。その声はいかにも弱々しく、まるで失恋した直後の女の声のように
聞こえた。腹立たしくなり、ぐいと缶を深く傾ける。それで缶の中身を飲み干してしまった。
空の缶を振って、ため息をつく。冷蔵庫の残りも、あと数本くらいしかない。次はもう少しゆっくりと
飲まないと。酔いの回りかけた頭で無様なことを考えながら、私はふらふらと立ち上がった。ふわりと
埃が舞い、私は不意に眩暈を覚えた。
以上です。お目汚しでした。最後にこんなので申し訳ないです。
ほむあんを想像したときに、最後はこうなってしまうような気がしました。
それでも、素直でなく強がっているほむらと杏子が、
アホみたいに求め合っているのに、酒の力でも借りないとそうとは言えない姿を
見てみたいなと思ったのです。
ともあれ、もっと幸せなほむあんも見てみたいし、4200円のいい酒飲んでるほむらとか、
そのほむらに煙吹っかけてニヤニヤしている杏子も大好きなのです。
やっぱりほむあんは最高だなと、こちらも発泡酒を飲みながら、そう考える次第であります。
GJです、切なかった…
たしかにこの二人は酒飲んだりセックスしたあととかでないと互いに素直になれなそう
ほんとは杏子ちゃん生きてるよね?!ばかやろー、あたしがやられるわけねーだろ。って、
ひょっこり戻ってくる展開をすぐに脳内で構成して癒されようとする自分マジ甘ちゃん
ばかやろう泣いてねぇ、泣いてねぇよ
>>62 二人でワルプルを倒した後、ホテルの一室にほむらとまどっちを呼びつけて
「例の報酬、今受け取ることにしたよ」
なんて言いながら、戸惑い嫌がるほむらを押し倒して食べちゃうあんこちゃんが浮かぶんだぜ
「嫌・・・まどかの前でこんなことっ!許して杏子っ」
「へへへ、でもそのまどかの方は興味津々みたいだよ?」
「ほむらちゃんの裸、とっても綺麗だよ・・・」
「うぅ・・・お願い、見ないでまどか」
「ワルプルギスの夜を倒すためならどんな事でも受け入れるって言ってただろ?これも報酬のうちさ」
涙目のほむらをねっちゃりたっぷり、まどかに解説しながら夜遅くまで責め続ける杏子であった
「あのね、杏子ちゃん。私も触って良いかな?」
「いいぜ、一人ぼっちで見学なんて寂しいもんな。一緒に混ぜてやるよ」
「えへっ。ありがとう杏子ちゃん」
「はぁ・・・はぁ・・・ま、まどかーっ!」
>>72 >>70があまりにもショック過ぎたからそれでSS書いてやろうかと本気で思った。
罰は当たらない気がする。
この二人にゆまを絡ませたらどうなんだろ
杏子の泊まってるホテルにいってみたらゆまがいて
あなた、守備範囲広いのね・・っていうほむらとちげーよってキレる杏子が浮かんだ
ゆまちゃんがほむほむの未亡人臭を嗅ぎ取って危険視
>>78 むしろ新しいお父さんとお母さんとして期待するかも知れんぞ
>>79 胸のあたりをみて若干残念そうにするゆまさん
>>79 その場合どっちがお父さんでどっちがお母さんだろう
というかこの二人はどっちが嫁で旦那という区分が曖昧なような
キョーコの方がパパっぽいけど、おむねだけ見ると逆……何でもないよ
83 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/23(水) 22:24:00.87 ID:Fr9KWO9A0
さらに+モモちゃん生存してたらどうなるの
>>84 面白かった
危うく杏子がゲシュタルト崩壊するとこだったぜ
手乗りあんこか……ほむほむは熱心に面倒身そうだ
そして放置状態になる本物あんこ
大きくなるその日を夢見て、せっせと毎日杏子に餌をあげ続ける杏子もいいですね。
>>86 本物を放っておいてはだめ!
杏子には実際ほむらひとりしかいないんだから、マミやさやかが生きているときから既に、一緒に生きていけるのは!
杏子にもそれはわかるだろうし、ほむらが彼女を喜んで受け入れてくれると信じたい
>>88 勝手にマミさん殺すなw
さやかはともかくマミさんは最終話で生きてる
最近は漫画版のほむらの家とか小さな田舎の宿とかで小ぢんまりと寄り添っているほむあんが好みだけど
三日後にはまた違う様子のほむあんを妄想してるかも
いろいろ思い浮かんで完成形が見つかんない
テス
保守あん
またほむほむあんあん言うだけのスレに戻りそうだなw
燃料ないしあんこちゃんが好きなやつは多いけど、一番好きってやつも少なそうだから仕方がないか
>>84の手乗り杏子は一体どうやって量産しているのか
不思議な呪文「ロッソファンタズマ」と唱えれば増えるか
もしくはツガイの手乗りほむら(非売品)が存在するのか
なぜかほむらは一匹しか居なかったりしたらたいへんだー
ほむほむあんま性欲なさそうだし絞りつくされる光景しか浮かばんぞ・・・
LCRはフェロモンキャラであっても萌えキャラじゃないので許す
誤爆っす
>>94 12時過ぎに飯食っちゃいけないんだから、水かけると増えると考えるのが自然。
>>90 俺はあんまりべったりくっついてる印象無いな
一定距離を保ちながら酒飲んだりエロいことしたりと退廃的なお付き合いだが
お互い心の底では好いてる感じ
同棲して普通に暮らしてる二人もいいけどね!
まあ、明日の同人イベントもあることだし、まったりとした進みの方が
ほむあんスレぽいじゃないかな
同人イベント?
>>98 怪談の類?でも聞いた事ある様な
ツガイが居ても良いじゃない。手乗り杏子達の前に12時以降、手乗りほむらを見せてはいけないとか
普段はロッキー食うかい?でアプローチするけど、夜はほむらを見るや全員で一目散に捕獲にかかろうとする
ほむらは当然逃げるし、杏子達は追いかけ回すし、で大運動会が始まる。すごい騒がしい。
特殊能力、時止めでほむらは難なく逃げられるから全然捕まらなくて、明け方まで追いかけっこは続く
そして疲労困憊で倒れていく杏子達の中から、最後までついて来れた杏子にだけちゅーするほむら
おい
例のほむあん痛車がまた来てるぞw
よさげな薄い本あったら報告よろ
別にマミあん本とかでもいいけどw 何故か合同誌まで出るみたいだしね
カタログ見た限りじゃ今回は結構あるみたいだぞ
円環トリオとかもあるみたい
手乗り杏子がツボ過ぎた
手乗りメガほむも居たら面白いなあ
手乗り杏「なんだおまえ!なんだおまえ!」ツンツン
手乗りメガホム「やめてよ〜っ 槍でつつかないで〜っ」プルプル
オンリー行ってきた
ほむあん本、数は多くないけどちゃんとあって良かった
ほむマミあんで好きな俺に隙はない
ほむあん、マミあん、ほむマミ全体的にもっと流行ると良いんだが
公式はもう少し色々な組み合わせをプッシュしてくれないかね
パンストをすねあたりまでの脱げかけにすると拘束具になって押し倒されるとそのままではほむらは好きな姿勢が取れない
杏子が脚の間へ無理やり頭をねじ込んで内ももを口で苛めてくるため、恥ずかしさと甘い疼き、杏子を抱きしめられないもどかしさのため
泣き顔で杏子の名前を呼ぶほむらだけど、杏子は気が変わったらほむらの望みを叶えてくれると知っているので飽きるのを我慢して待つ
しかしまあ杏子はほむらに養ってもらってるイメージあるしこれじゃ杏子が強すぎるか
>>110 養ってもらってるというかメシたかりに来てるイメージだ
基本的にマミさんの家にいるけどたまにほむほむの家にやってくるイメージだなぁ
同棲してる方が楽しいけどw
杏「やぁ、ちょっとお願いがあるんだけどいいかなぁ?」
ほむ「・・・なにかしら?」
杏「いやさ、マミがとって置いたプリン食っちまったら怒って家を追い出されちまってさ」
杏「ほとぼりが冷めるまでしばらくほむらんちに泊めてくんない?」
ほむ「はぁ・・・どうせそんな事だろうと・・・」
ほむ「いいわ、上がって」
こんな感じ
世界改変後は杏子とほむらは最高に相性のいいコンビ
近接系武器としては最強クラスの槍の杏子
ホーミング能力ありで近接系援護にも最適の遠距離系武器として最強の弓のほむら
槍使いの杏子がほむら同様に近代兵器を使うなら、大型の銃器に大型の銃剣をつけた武器が似合いそう
銃剣戦闘は槍に近いものがあるしね
>>113 というか改変後は残り三人しか(ry
近接の杏子、万能のマミさん、遠距離のほむほむで普通に相性良さそうだが
リボほむは身体能力はそこまでじゃなさそうだし、時間停止も無いからその辺は杏子が補えそう
ピンチではエルザ戦みたいにほむほむも華麗に救い出してくれるだろう
スレチ気味だが
杏子個人と戦闘能力限定で相性が良さそうなのはキリカに思える
低速化した相手に一斉に襲いかかるロッソファンタズマ
ほむほむはおりこと組むと誰も手が付けられなくなりそう
>>115 真面目に考えれば万能は杏子だよ
槍を分節して遠距離攻撃+面制圧攻撃。槍を投げての長距離大威力攻撃
布のリボンと違って強度も抜群の槍は絡め取ってよし
杏子の槍の威力はマミの銃の威力に勝る
スピードもパワーもある
マミは小技の使える遠距離型で、ある程度強い相手にはなす術がないタイプ
斬撃系には通用しないリボン
銃の威力も決して高くはない
使い魔に通用しても魔女には通じないそのスピード。更に単発の武器
マミは致命的に遅いので相手が素早いと攻撃回避もできずに倒される可能性がある
実際ワルプルギス戦では攻撃を回避できなくて瞬殺されてる
マミは公式(小説、ドラマCD、コミック)で登場するたびに弱点が増えていく不思議なキャラだったりする
どれをとっても中途半端感、威力不足が否めない
ほむらや杏子の様な幾つもの技能に秀でたベテランと並ぶとどうしても器用貧乏として見劣りする
スレチになってきたのでここで終了
>>117 次元大介よろしく対戦車ライフルを持たせたら似合いそう
50口径パレットライフルに銃剣つけても似合いそうかな
>117
その世界観だと紅い耐圧服を着た魔法少女崩れの杏子と暁美フィアナといった感じのが好みだな
そして二人の前に立ちはだかるブルーAT美樹さやか、、、って見てみたいなぁw
杏子のATはブルーティシュドッグでほむらはベルゼルガあたりか
「遅かったじゃん、あんたスケートできるの?」
「初めてだけど・・・」
そういう訳で杏子先生によるほむほむのスケート特訓という展開もいいと思います
>>125 このままほむが歩いて行って、杏子と出会うパターンだな
ほむら「……佐倉杏子、こんなところで何をしてるの」
杏子「……おまえこそなんだよ」
小さくて分からんが、杏子はほむらの方を見てるのか
ぐぬぬ
あん「ばっきゃろー!そこでびびって足を開くんじゃねぇ!」
ほむ「はいっ・・・!」
さや「・・・なにアレ?」
マミ「佐倉さんは本当にスケート上手よねぇ〜」
まど「でもほむらちゃんもすごい、もうあんなに滑れるようになってる・・・」
さや「むむむ、なんかこっちも負けてらんない気がしてきたわ
まどか!アンタもまともに滑れるようになるまで今から特訓よ!」
まど「えー!?」
次の日、全員猛烈な筋肉痛でまともに歩けなくなったとさ
モバゲーでちょびっとほむあん
杏さやスレから転載
「虚ろな人魚姫」というタイトルのイベントが今日から始まってる
バナー絵が海底で眠るさやかと、その頭を撫でる(?)杏子
冒頭から無茶な戦いをするさやかに忠告する杏子……で、反発さやか
それに対して先輩に向かって……と杏子が憤るも、魔法少女に先輩後輩は関係ないとさやか反駁
結局、傍にいたほむらが「先輩なら先輩らしくしなさい」と窘めて落ち着く
続きはまだやってないから分からない
133 :
食餌:2011/11/29(火) 23:27:57.58 ID:0kk+JcIf0
まだ入院生活を繰り返していた時代、ペットを飼うのに憧れていた。
動物は病院にまず入れないので珍しかったこと。そして当時の私はひたすら孤独で、
犬でも猫でも猿でもいいから、側に寄り添っていてもらいたかったのが理由。
ペットに関する本をずいぶんと読み、犬だったらこの種類を飼おうなどと夢想したものだ。
だが、何度も何度も繰り返したループの中で、そんな思いはどこかに落とした。
今はペットを飼いたいなどと、微塵も思っていない。
本で得た動物の知識も大半は消し去り、代わりに重火器の撃ち方と爆発物の知識を入れた。
だが、一つだけ絶対に覚えておくべきだった言葉があったと、最近になって私は悔やむ。
犬に関する本に書いてあったその一言を。
『野良犬に餌を与えてはいけません』
師走の寒い街から帰ってくると、コタツに赤い駄犬が寝そべっていた。
「ようほむら、上がってるぞ」
ポテトチップスをパリパリとかじりながら、佐倉杏子がひらひらと手を振る。
その姿は私に軽い頭痛をもたらし、小さくため息をつかせた。
「私の留守中、勝手に家に上がらないでと何回言ったかしら」
「二十回は言ったんじゃね? そんなことより腹減った。メシ作ってくれよ」
全く悪びれずにほざく杏子。怒る気もしない。迂闊なのはこの野良犬に餌をやり、
味をしめさせた過去の私だ。
何度か手料理を振舞ってやって以来、杏子はこうして食事時に勝手に家へ上がりこんでは、
ご飯を寄越せと言い出す。割と頻繁に。
断固拒否してやることに意味は無い。杏子は性的な意味でも、よく腹を減らしている。
「メシをくれなきゃお前を取って食う」を実行されると、こちらは空きっ腹を抱えたまま、
何時間も運動しなくてはならないハメになる。だったら食事を作る手間を少々増やす方がクレバーだ。
とりあえず、玄関で立ち尽くしていても杏子は出て行かず、謎の小人さんがご飯を作ってくれもしない。
コートを脱いでエプロンをつけ、台所に立つ。
さて、餌作りの時間だ。
冷蔵庫の中身を取り出しながら、無駄とは分かるが提案をしてみる。
「お腹が空いたなら、いつも巴マミの所に行けばいいのに。喜んで料理を出してくれるでしょう」
「マミの料理も美味いんだけどな、上品なモノと量しか出してくんねえんだよ。
ガッツリ食いたい日ってあるじゃん」
暗に私の料理が下品だと言われたような気がし、睨んでやったが
駄犬はそっぽを向いて、ポテトチップスの袋を覗いていた。本日二度目のため息。
「鍋料理でいいわね」
「すき焼き? キムチ?」
「石狩鍋」
「いいねいいね。やっぱ冬は鍋だろ。そんなご馳走だなんてありがたいな!」
別にご馳走でもない。市販の汁の素を鍋で沸騰させ、そこへぶつ切りにした
材料を入れれば鍋など出来る。手間があまりかからず、かつ大量に出来るから
対佐倉杏子用料理として便利なだけだ。
汁の素も材料も、昨日買ってあった。そろそろ来るだろうという予感を抱いた、
昨日の私は偉い。杏子に餌の味を覚えさせた、昔の私の百倍偉い。
鮭、豚肉、豆腐、しいたけ、白菜、ネギなどを手早く切り、居間へと運ぶ。
もちろん、発泡酒も忘れずに。
さっきまで少し雑然としていたコタツの上は、綺麗に片づけられていた。
食事が絡むと杏子は非常に協力的だ。自分で包丁握ることは作ることは一切無いが。
鍋を火にかけ沸騰するまでの間、発泡酒の缶をチビチビすすり、杏子と駄弁る。
最近の異常な寒さに始まり、Dレボの新曲を攻略したこと。さやかの墓参りに
みんなで行こうと巴マミが言っていたこと。
「あ、そうだ。今度みんな呼んで鍋やろうぜ。マミにゆまに織莉子に……」
「嫌よ」
「なんでだよ。鍋はみんなで食った方が美味いだろ」
「何人分も作る私の身にもなりなさい。自分以外の食事を作るなんて
めんどくさいこと、あなた相手だけで充分よ」
「みんなで手伝うから、むしろ手間は減ると思うんだがなあ」
「それともう一つ、美国織莉子と呉キリカが嫌いだから」
「お前、あの二人を異常に嫌ってるよな。なんかあったの?」
「前世からの因縁があるの」
「……ほむらって時々電波入るよな。酔ったらまどかとかいう
謎の名前を叫びまくるし。あれいったい誰だよ」
「女神様よ」
「…………あたしは時々お前が本気で分からねえ」
戯れ口を叩いているうちに、鍋が沸いた。材料を入れて、またしばし雑談。
新作ポッキーの味比べ。今やっているゲームの話。千歳ゆまの近況。
話題は尽きない。コタツは温かい。酒はほどよく回る。悪くない。
「そろそろ煮えたか」
「もう少しね。まだ白菜の芯に火が通ってないわ」
この躾の悪い犬も「待て」は多少出来る。私の言葉に素直にうなずくと、
鍋の蓋を開けて白菜を下の方に入れ直した。
煮えていく鍋の中を見つめる杏子の瞳は嬉しそうに、綺麗に輝いている。
その眼差しを肴に、私は発泡酒をもう一口すする。
しばし黙ったまま、杏子は鍋の中を、私は杏子を見つめて時間が過ぎる。
「もういいよな?」
「ええ、いいでしょ」
「よしっ! いったたぎます!」
元気のいい掛け声と共に、鍋の中身はゴッソリ取り皿へとさらわれた。鮭と肉ばかりを中心に。
肉食派の呉キリカがいた日には、戦争が勃発しているところだ。
草食派の私は特に文句を言わず、豆腐としいたけを皿に取った。
杏子はハフハフと、それこそ犬のように熱い肉を頬張っていく。瞳はさっき以上に輝いている。
健啖家という言葉とはこういう意味かと、納得するぐらいの速度で鮭が、肉が平らげられていく。
私が半分も食べ終わらないうちに、杏子の皿は空っぽになった。
いざお代わりと伸ばされた手を、私はピシャリと叩く。
「鮭と肉は駄目。次は野菜を食べなさい」
「なんだよ、お前鍋奉行か」
「私も少しは鮭とかが食べたいの。これ以上取られたら、全部あなたの胃にいくじゃない」
「ん、そうだな。悪い悪い」
率直に謝り、杏子は野菜にお玉を伸ばす。さっきと同じぐらいの量が皿によそわれる。
杏子は雑食派だ。美味しいものなら肉でも野菜でもお菓子でもたくさん食べ、
幸せいっぱいに笑う。
ネギを噛み、豆腐を舌の上で転がし、合間に発泡酒で喉を鳴らす彼女を見ながら、
私もようやく二杯目にとりかかる。
汁の染みたシラタキがおいしい。鮭の甘味と味噌の組み合わせも抜群だ。
本当に、悪くない。
「ふぅ〜〜、食った食った!」
鍋の七割を平らげ、残り汁に入れた冷や飯まで完食し、杏子は満足そうに息をついた。
私も体が温まりお腹もふくれ、気分は上々だった。本音を言えばもう少しだけ
胃に余裕はあるが、この後のために腹八分目で止めておいたのだ。
鍋と皿を洗って戻ると、杏子は胸までコタツに入り寝転がっていた。
さっきまで快活に見開かれていた瞳は、少しずつ閉じていっている。
食べるだけ食べたら睡眠というわけか。本当に犬のようだ。
さっきまでは対面に座っていた私だが、今度は杏子の右隣に入った。
脚が邪魔になるというのもあるが、こっちの方が杏子の顔が見えるからだ。
新しく持ってきた発泡酒を開けつつ、杏子の顔を眺める。
幸せ。その表情に、それ以外の感情は無い。
半分にまで閉じた眼。緩んだ頬。おそらく無意識に微笑を浮かべた口元。
美味しい物をいっぱい食べた彼女は、満ち足りてこのうえなく幸福だ。
いったい今の杏子以上に幸せそうな人が、この世に何人いるのだろう。
(ほんと、野良犬に餌をやるものじゃないわ)
苦笑しながら、発泡酒を口にする。
飢えた野良犬に餌をやれば、喜ぶに決まっている。尻尾をブンブン振って、
満面の笑みを浮かべ、一生懸命に餌を頬張る。
その姿は愛らしいから、人はついつい餌をやり続けてしまうのだ。
そして気がつけば野良犬は飼い犬になり、家に上がりこんでいるという寸法である。
「これもある意味、生きるための野生の本能かしら?」
ひとりごちた言葉に、返事は無かった。いよいよ杏子のまぶたは閉じかけている。
このまま眠りの世界に旅立たせてやれば、杏子幸せ計画はコンプリートだろう。
だが、私も彼女の半分ぐらいは満足したいのだ。食事とはまた別の方法で。
発泡酒の残りを一息にあおる。鍋の熱にアルコールが加わり、
体はいい感じに火照り出す。準備万端。
では、晩ご飯の対価をもらおう。
コタツから抜け出し、寝転がった杏子の顔へと自分の顔を近づけていく。
五十p、三十p、十p。三pまで来たところで、声をかける。
「杏子」
「んあ……!?」
あまりの近さに驚いたのか、赤い瞳がパチリと開かれ、幾度もまたたく。
「食後のデザート、食べるわよ」
「いや、あたしもう腹いっぱい……」
「あなたじゃない。私が食べるの」
ものの本にはこうも書いてあった。
『犬は赤、黒、白の順番で美味しい』
「それじゃあ、いただくわ」
まだ状況を掴めておらず、ぼんやり開かれた唇に口づけを落とす。
味噌とアルコール、そして佐倉杏子の味がした。
終わり
.
GJ!鍋食いたくなった
繋がり会ってるほむあんイイワァ……両思いっぽい。
この手のを読んでると脳内のイメージが逆ダの絵になってて困るw
もしかして書いてる人が逆ダの人?
>>133 いいねいいね。ほむあんのこの関係がいい。
それと、文章がすごく読みやすい。
>>142 SS書いた者ですが違います
逆ダさんのほむあん漫画は大好きですけど
あれぐらいの距離感を表現したいんですが
難しくてウギギと唸りながら書いてます
どうもお久し振りです、ほむあん痛車の人です。
日曜のオンリーにコソーリ行ったんですが、当スレの住人で気付かれた方が居られた様で、ほむあん好きに見てもらえて嬉しいというか何と言うか…
実はこの度、車を廃車にする事になりまして、ほむあん車はこの前のオンリーをもってお披露目終了となりました。
とは言え、今週の日曜日に秋葉原UDX駐車場には行くんですがね(´・ω・`)
あの車を作ったお陰でほむあん好きな方々と交流もできたし、「なんでこのCPにしたし!」とツッコミを頂き、語りまくったら新たなほむあんスキーが生まれたりと様々な思い出ができました!
そして、ほむあんスキーが集まるこのスレで、暖かく迎え入れて頂いた事も凄く嬉しかったです!
今後はこのほむあん車を見掛ける事は無くなりますが、中の人は現在まったり製作中のほむあんMADをコッソリ某2525にあげたりして静かにほむあん信者を増やしていくつもりですので宜しくお願い致しますm(_ _)m
…上のSS見てやっぱりほむあんイイナァと再認識。
お鍋食べたくなっちゃいましたw
>>145 前のスレでは痛車ご披露ありがとうございました。あれはほんとよかったです。
あのすばらしい痛車が廃車になるのは残念ですがほむあんスキーはこのスレにまだまだ
集まっていますのでお暇なときにお越しください
ほむあんMAD探してみます。みつかるかなー
保守あん
>>145 ほむあんMAD楽しみにしてます
ニコ○コでほむあんタグ検索しても二件しか引っかからなかった
12話しか本編ない上にあんこちゃんの出番が少なすぎるからMAD作成もきつそう
中の人繋がりで別作品の声を無理やりあててもしんどそうだな
MADは作ったことなくて見る専だけど
曲に本編のシーンつなげるMADだったら選曲はstaple stableがいいじゃないかと
中の人もちょうど同じだし
152 :
ローカルルール追記議論中@自治スレ:
あの曲はいいよねえ