【まどか☆マギカ】佐倉杏子はうんまい棒カワイイ53本目

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月も星も出ていない漆黒の夜
昨日、夏祭りがあったとは思えぬほどの静けさだ
人気のない夜道を進む僕と杏子
隣の杏子はブルブルと震えている
「夏だってのにさっみーな」と杏子
台風によって齎された雨によって気温が下がっているのだろう
確かに杏子のようなホットパンツにパーカーでは寒いだろう
ブルブルと震える杏子はパーカーのフードを被っている
大丈夫?ホットコーヒーでも買っていく?
「うん・・・頼むよ」と僕の手を握る杏子
彼女の手は冷たかった
こりゃ寒いはずだ

コンビニでホットコーヒー(加糖)とフランクフルトを買った僕らは再び帰路につく
彼女は隣で美味しそうにフランクフルトを歩きながら頬張っている
美味しい?
「うん!ありがとな」と鼻にケチャップをつけた杏子が返事した
鼻にケチャップついてるよ、と僕は手で拭い取る
へへへ、と恥ずかしそうに杏子は頭を掻く
それを食べ終えた杏子は串を道端に設置されていたゴミ箱に捨て
再び、仔犬のように僕のもとへ小走りで戻っきた
そして、僕の手を握る
さっきよりは温かくなっていた

「へくちっ」と杏子が可愛らしくクシャミをした
杏子は鼻をすする
しかしまた「へくちっ!」とクシャミをする
大丈夫?風邪かな?
「うぅ・・・寒い」とまた身体を震わせる杏子
余りにも寒そうに震えているので僕はYシャツを脱ぎそれを彼女に与えた
「いいのか・・・?寒くないか?」
いいよ、杏子が風邪ひいたら大変だし
それに下に長袖のTシャツも着てるしね
パーカーの上からYシャツを着る杏子は奇妙な姿だった
でも、やっぱり可愛い

はっくしょん!
うぅ、やっぱり寒かった
漆黒の夜空を舞い遊ぶ冷たき者はやはり強かった
「大丈夫か?やっぱ返すよ」と杏子はYシャツを脱ごうとする
大丈夫大丈夫と脱ごうとする杏子を静止する
「うーん」と何かを考えるような彼女
「そうだ!」と閃いたようだ
杏子は僕にいきなり抱きついてきた
どうしたのさ?
「おしくらまんじゅうの原理さ
くっ付くと温かくなるだろ?」
・・・杏子は頭がいいな

身体がとても温かかった
でも、それ以上に心が温かかった
とても心地のよいものだった