【とある魔術の禁書目録】初春飾利ちゃんマジ天使47

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358名無しさん@お腹いっぱい。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/02/12(土) 01:45:45.22 ID:ObxX0uXd0
「もうやめてください!佐天さんはこんなことする人じゃ・・・!」

今までとは打って変わって暴れだした初春が、私の手を振りほどいて逃げようとする。
それを差し出した足で転倒させて阻止すると、馬乗りになってカッターを持ち直した。
そうして見下ろした初春の顔は血で薄汚れていて、それが私の興奮をさらに煽った。

「私はこういう人間なんだよ初春。」

頬に当てた刃が、奥へと沈んでいく感触を味わいながら語りかける。
言葉にならない声をあげ続ける初春に、私の声が届いているのかはわからない。

「初春、私ねあなたの前に一人殺したんだ。
 私のことを無能力者だからってそれだけの理由で見下して、馬鹿にしたクソみたいな能力者を。
 それで気づいたの。無能力者の私でも、能力者を簡単に殺せるってことに。
 意味もなく能力者の採用を続ける企業のお偉いさんに見せてやりたかったなあ。」

プツン、と小気味いい音が響いたかと思うとカッターを押し付ける手から力が抜けた。
どうやら左頬を貫通したカッターの刃が口内へと滑るように侵入したらしい。
初春が痛みに耐えられないように首をふり、その動きに合わせて傷口が大きく広がった。

「だから私は能力者を殺さないといけないんだよ。
 私がそこら辺の能力者なんかよりずっと優秀な人間だってことを示すために。」

口内をかき回すように奥へ奥へとカッターを力任せに突っ込むと、初春は大きく体をうねらせて抵抗した。
その無駄な抵抗が今の私には滑稽に思えて、咳き込むほどの笑いを誘った。