【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その137

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329ss リレー
 ま、確かにハルヒが大人しくなった時期と引越しの時期は重なってはいると言えなくはない
のかもしれん。
 でも、だからってそれが原因だと決め付けるのは安直過ぎる。第一引越しがいったいこいつ
に何の影響を与えたってんだ?
 同じ学区内の移動くらいで、そこまで人間変わったりはしないだろ。
 視線の先で笑っているハルヒ。あいつの変化は、また何かの前兆なのか? 
 ……ま、いいさ。どうせハルヒの事で俺みたいな一般人が頭を悩ませても無駄なんだ。前触
れもなくまた以前みたいに振る舞い始めたって驚きやしないな。
「ま、何かあったら頑張れよ」
 そう適当なコメントを返した俺に、古泉は意味深な笑みを返すのだった。


「――ねえキョン、あんたさっき古泉君と何を話してたの?」
 駅の近くで他の三人と別れ、二人っきりになった所で、ハルヒは俺にそう聞いてきた。
「さっきって……部室でか?」
「そう。何だかこっち見てた気がするんだけど」
 別に、どうでもいい事さ。
 例えるなら、古泉の名前を故泉と間違えるくらいどうでもいい話だ。
「どうでもいいなら教えなさいよ」
 隣を歩く俺の顔を見上げながら、ハルヒは口先を尖らせている。
 ふむ……アヒル口ってのも意外と悪くないな。じゃなくて、
「最近、お前が大人しいからどうかしたのかって話してたんだよ」
「あ、あたしが?」
 そう、お前だ。
「……どんな風に変わったの?」
 妙に緊張した面持ちで、ハルヒはそう聞いてきた。
 どんなって言われてもなぁ……。
 大人しくなったって正直に言ってしまえば、こいつの事だから反発して「ここ暫くの分を取
り戻すわよ!」とか言い出しかねないよな。
 となればここはやはり、穏便な線で行くべきだろう。