【とある魔術の禁書目録】御坂美琴の世界を守る111
鎌池先生はご存じのように、かなり先のプロットまで組み立てて作品をつくっていきます。
その中で、御坂美琴が活躍するシークエンスとイベントを今後やっていこう、と打ち合わせ上で
やりとりさせていただいておりますので、その事実に基づいて発言いたしました。
ただ、大筋は決まってはいますが、詳細を詰めるさいに、新たなアイディアや検討中の課題、
伏線の消化速度などを鑑みて、イベントシーンの順番を変えたり、展開の微調整を行ったり
という現象が発生します。これは私が携わるほぼ全ての作品で発生しうるもので、
所謂創作という過程においては切っても切り離せないものであると考えております。
そしてそれが同時に物語のタイムテーブルに大きく影響を及ぼします。
翻りまして、御坂美琴についても同様です。
その一要素として、現在アニメにて『とある科学の超電磁砲』が放送されており、
彼女のキャラクターの掘り下げがリアルタイムで進行しています。
その動向を受けて、原作本伝『とある魔術の禁書目録』でも柔軟にそのご意見を
取り入れつつ、皆様に愛されるキャラクターとして描きたいという姿勢でもって臨んでおります。
実際、おかげさまでかなりの人気と反響をいただいておりますので、
そこから入ったファンの方々にも幻滅されないよう、繊細に気を配っている所存です。
今後の活躍についてですが、これは『未発表作品の次巻以降の構想』という
私が所属するアスキー・メディアワークスにおける明確な社外秘情報になりますので、
具体的にお伝えすることはできませんが、その範囲内でお話しさせていただきます。
御坂美琴は、今後の『禁書目録』のストーリー構成に大きく関わることになるのは
確定していますが、それは前述させていただいたように、大切なキャラだからこそ、
慎重に扱っているというのが事実です。
ですので次巻20巻ロシア編では、御坂美琴が
(『超電磁砲』のように)主人公となって、縦横無尽に大活躍をする、というわけではありません。
しかし、重要なファクターを所有するキャラクターとしての位置づけはより深くなり、
上条当麻との関係性も、現在からさらに変化がもたらされます。
ただしその描写自体が、どれくらいのウェートを占めるものになるかは、
すべての創造物はそうであると言えますが、書いてみないとわからないところもあります。
唯一断言できるとすれば、御坂美琴が、「今後も空気」「本道から除外」
といったことはありません。ただ、近日中(たとえば次の巻)にその意向が反映されるかと
言われれば難しいところです。
その理由は前述の通りですが、決してないがしろにしているわけではなく、
大きいマスからの視点で物語を描いたとき、どうしてもそうなりました。
以上です。ご理解いただけたなら幸いです。