らき☆すたのつかさ×こなた(又はこなた×つかさ)の百合に萌えるスレです
二人の愛と同じく、ゆるーく、ゆっくり、そしてほんわかで行きましょう
/ !
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/´,x─`ヽ < `ヽ> _j_ `ヽ
ヽ{ ノ >ァ-ィ´ ̄ ̄ヽ .i ヽ
>─一^k一ー---、 / / ´ .i ,イ! .i ヾ| ハ
, .´ | < ̄ / / イ/ | ヘト ‐-、| i
/ / j| | ヽ. / / /! | | ヽ\. | |
. / y' ム-' | ‐ト、 ヽヘ. \ / ,イ! j! / | ` ヘ| i |
i ./ / / │ .ノi ハ i |い\.ヽ. i / ||∧ .| __ ≠=ト j! .∧ i |
|/,ノ / ,/ | / リ V| ! | ヾ」 k| !| ヽト≠⌒ "| / /ィ ∧!
j/! /イ __|/ __.ヘト、k.│ │∧ ヘ r‐, //!/ /|/
イ.|./ /て ̄  ̄・{ ト、|.リ ∨ ヽ 「≧ー-- イ/ /|/
| ij./ ゙i _,_, ノ | j! ヾx--く 'ー/≧|/}、 r、--ヘ _
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L__ } 白 |i ヽ | r/| |! /
|i `>┬‐".フ|く. || 〉 L.イ、│ ト-'
|ゝ_ ノ . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|! イ / .`| _____.」
荒らし・釣りはスルー、sage進行でGo!(ブラウザのE-mail欄に半角小文字でsageと入力して下さい)
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【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 5
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http://www8.atwiki.jp/konatsuka/pages/1.html 保管庫避難連絡ページ
http://www8.atwiki.jp/konatsuka/pages/36.html メロンパン画像(画像掲示板の画像ですので時間が経ちますと見れなくなることもあります)
http://www.raki-suta.com/img/src/1202053820736.jpg
充分書き込み間隔に余裕があったにもかかわらず
前スレが落ちましたのでアニメキャラ個別板に再度たてた
規制でこれないということでしたら
ここなど書き込み代行スレを利用して下さい
肉便器が演じてるから円光とかしてるだろこなた
これか
ぼっちスレより
8 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2010/08/07(土) 15:39:10 ID:???
981まで行って24時間書き込みなかったら落ちる
7 :
ナハト:2010/08/07(土) 23:39:59 ID:giN5maSq0
>>1乙です!!
成る程……では、次にそこまでレスが進んだら気をつけた方がいいって事ですね
了解です ("`д´)ゞ
8 :
913:2010/08/08(日) 03:09:45 ID:JOni7eM30
>>1乙であります!
色々知識が身についてくるなぁ、情報感謝です。
「今日はそろばんの日なんだって〜」
チャッチャッ、ビィィィィィィィッ
「へー、つかさそろばん出来たんだ」
「えへへ、小学生の時に買ってもらったんだー」
チャッチャッ、ビィィィィィィィッ
「………最初のビィィーしか出来ないんだけどね」
「まあ今は電卓とかあるし…うん」
「一緒にいたいだけじゃだめ?」
つ「こなちゃーん、食パン焼けたよー」
こ「おぉっ!つかさの手作りパンかー。いただきま……」
つ「どしたの?こなちゃん」
こ「これ……この黒い粒……なに?」
つ「ひじき」
こ「……はい?」
つ「だから、ひじき」
こ「ひじきしょくぱん……?」
つ「そうだよ!美味しいみたいだから作ってみたの〜」
こ「そ、そう……なの?」
つ「うん!ねぇねぇ、食べてみて〜」
こ「う、うん……。じゃぁ、いただきます……ムグムグ」
つ「どう?」
こ「……あんまり『ひじき』って感じはしないね」
つ「うん。でも栄養分はたっぷりなんだよ〜」
こ「ひじきだからねぇ〜。……でも、なんでいきなり?」
つ「だって……最近こなちゃん元気なさそうだし……。午前中もいっぱい欠伸してたし……」
こ(つかさが夜寝かしてくれないからなんだけどなぁ……)
つ「ん?どしたの?」
こ「あ、いや、何でもないよぉ〜」
つ「そう?……まだあるからいっぱい食べていいよ〜」
こ「うん!元気にならないとね〜」
つ(……そして、今夜も……ふふっ)
こ「つかさ、どったの?」
つ「ん〜、何でもないよ〜。私もいっぱい食べよーっと」
ひじき食パン旨いッス〜
11 :
2-613:2010/08/09(月) 23:32:58 ID:vTBdNbDF0
8月9日
「ねえつかさ、今日って何の日か知ってる?」
「え?えーと…長崎に原爆が落ちた日だよね?」
「そうなんだけど…」
「はわわ、こなちゃん何するの?」
「今日はハ(8)グ(9)の日なんだよ。だから」
「そうなんだぁ…」
「ってつかさ?その手のわきわきは何?」
「こなちゃん、ぎゅー」
「わわわわ」
「…あんたらハグの日関係なしに一年中やってるじゃないの」
「ちなみに今日は8と9で野球の日でもあるそうですよ」
「私たち野球見ないし」
「他にはシンガポールの独立記念日にもなっていますね。薬草の日とか駐車場の日にもなっています」
「さすがみゆき。一般人は普通知らないわよこんなの…」
どんな色?
☆ゅ
うにょん
捕手
こ「『まこも』も用意したし、お供えの材料も揃ってるね、よしよし」
つ「こなちゃんおはよ〜。……草と食材?」
こ「オハヨ、つかさ。……まぁ、そう言われればそうなんだけどさぁ……ププッ」
つ「え〜、なんで笑うのぉ〜?」
こ「ゴメンゴメン。えーっと、今日は何の日でしょう?」
つ「今日は……金曜日……13日か……ん?……ふぇっ!……『13日の金曜日』!?」
こ「いや……まぁそうなんだけど……そっちじゃなくてさぁ……」
つ「ほぇっ!?……えっと……あ!迎え火」
こ「せいかーい!やるのは夕方だけど、足りないものが無いか確認をしていたのだよ〜」
つ「そっか……今日はみんなも来るのかな?」
こ「ゆーちゃんも、ゆいねーさんも来るってさー」
つ「ふーん……おじさん大変そうだねぇ〜」
こ「『大変そうだねぇ〜』って……私達も朝ごはん食べたら出掛けて手伝う予定だったと思うんだけど……」
つ「あれ〜?そうだっけ〜?……あ!そうだった!ごめ〜ん、すっかり忘れてた〜」
こ「まぁ、まだまだ時間あるから大丈夫だよ〜。さ、朝ごはん食べちゃお」
つ「そだね〜。あ、私顔洗って来る〜」
こ「はーい、じゃぁ準備しておくよ〜」
……今年のお盆にも、帰ってきてくれるよね……おかーさん……
生理とムダ毛の話が出たのってらき☆すたくらいだった
えっち
「私が嘘をつくとしたら嫌われないための嘘だけだよ」
「じゃあこなちゃんは嘘をつく必要ないよね」
こなちゃんぺろぺろ
22 :
2-613:2010/08/15(日) 21:06:31 ID:lfce4M6pP
3日目に一般参加してつかさが死に掛けてた訳がようやく理解できました。
「うーん、やっぱりあの場所は慣れないか」
「ふぇ〜〜〜〜…(ばたり)」
「百戦錬磨の私でもしんどいからねー。流石に東と西を間違えることはなくなったみたいだけど」
「1から3と4から6が分かれてるなんて…」
「そこは慣れだよね。ほらつかさ、お水飲む?」
「んー…ちょうだい?」
「わかった(んくんく)」
「こなちゃん?」
「ん(口移し)」
「んん〜〜〜〜…(こくん)」
「楽になったでしょ?」
「別の意味で辛いかも」
「ふぇ?」
「もっと欲しいなぁ」
「あ、あのーつかささん?そんだけ元気あるならもう…」
チュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ん、楽になったよーありがと、こなちゃん」
「…はぁ…はぁ…どういたしまして…(今度は私が脱水状態かも…)」
24 :
1-724:2010/08/15(日) 22:23:08 ID:8kMD9WbQ0
コテ忘れ1-724です
移動してたの気がつかなかったあああぁぁぁあ
乙(´・ω・)
☆ゅ
27 :
ナハト:2010/08/16(月) 22:26:54 ID:KCVhbjVdO
パチ……パチ……
「おかーさん……今年も、もうお別れだね……」
パチ……パチ……
「そういや、ちっちゃい頃は『帰っちゃいやだ』って泣いてたよね……」
パチ……パチ……
「でもね、もう泣かないよ……だってさ……」
パチ……
「こなちゃん、どこ行ってたの?探したよ〜」
「ごめんごめん……じゃぁ行こうか」
「うん!みんな待ってるよ!……おじさんは、一足先に酔っ払ってるけど……」「全く……おとーさんったら……」
「ゆいさんが介抱してるから、多分大丈夫……じゃないかなぁ」
「よし!ここは私がしっかりと叱ってあげよう!つかさ、行くよ!!」
「あ、待ってよこなちゃ〜ん」
だって、大切な人が側に居てくれるから……。
「こらぁ〜!おとーさーん!おかーさんに言い付けるよぉー!!!」
盆の送りなので小ネタ
あ、迎えも私です。コテ忘れてました〜。
☆ゅ
♪ゆっくり流そう、oh!つかこな
はいはい昭和ネタ
こなちゃんのおっぱいかわいいね
こなちゃんぺろぺろ
「つかさぁ〜何舐めてるの?」
「ん?こなちゃん飴」
「へ?」
「だから〜こなちゃん飴」
「そ、そうなんだ」
「こなちゃんぺろぺろ」
密かにつかさ飴を作ろうと決心するこなたであった
33 :
1-724:2010/08/20(金) 06:26:12 ID:7UhaeUz40
「むふふ」
「ん、どしたのこなちゃん」
「いやつかさ飴をつくってきたのだヨ」
「わーわたしにそっくり」
「ではつかさをぺろぺろするカナ(ぱく)」
「あ」
「んーつかさはおいしいネ」
「わたしもたべたいなあ、(チューレロレロ)」
「ひゃう、つかひゃ、舌入れないでひょ」
結局つかさにたべられるこなたであった
皆さん規制?
もりもり規制中
はあ
37 :
ナハト:2010/08/22(日) 00:38:30 ID:+n/epSLx0
>>36 つか「こなちゃんどうしたの?ため息なんかついて……」
こな「ん……なんかさぁ……みんな規制なんだなぁって思うと……ちょっとね」
つか「きせい?」
こな(あ、しまった!つかさにはこのスレの事話してなかったんだっけ!)
つか「……ねぇ、『きせい』って……お盆に実家に帰るアレ?」
こな「そ、そう!それそれ!!いやぁ〜、みんな実家に帰っちゃってるみたいでさぁ〜」
つか「ふーん……。あれ?でも、もうお盆終わってるよ?」
こな「あ、そ、そうだね……あは、あは、あははは……」
「まつりお姉ちゃん、きせいってなぁに?」
「んー?あー、ほら、お母さんとお父さんってそれで結ばれたらしいよ」
「あれあれー何か今爆弾発言を耳にした気がスルヨー」
「事実は小説より奇なり、ってね!」
「そんな得意げな顔で言われましても」
「そっかぁ…こなちゃんと結婚するにはきせいしないとだめなんだ…」
(非常に間違いを生んだ気がするけど丸く収まったからいっかー)
「こなちゃんと既成事実しよっと」
40 :
ナハト:2010/08/24(火) 15:02:27 ID:9LAK6mOeO
こな「たっだいま〜」
つか「こなちゃん……お帰りなさい……ご飯にする?お風呂にする?それとも……」
こな「それとも……?まさか『それとも、わ・た・し?』とか言わない……よね?」
つか「……」
こな「え゛?な、なにその沈黙は……まさか、正……解?」
つか「……うん……」
こな「な、なんですとぉ!?」
つか「こなちゃんと『既成事実』を作ろうかなぁ〜って……テヘッ」
こな「……つかさ、それって一体何の『既成事実』を作るの?」
つか「へっ!?」
こな「だから〜、何の為の『既成事実』を作るの?」
つか「こなちゃんと……一緒に暮らす為?」
こな「ハァ……毎週末一緒に過ごしているのに……。さっきの台詞は『既成事実』になりません。てかさー、そんなの必要無いじゃん」
つか「えー、でも私に『裸エプロン』を教えてくれたのはこなちゃんだよぉ〜」
こな「まぁ、それは、そうだけど……」
つか「ん?……あ!そっか〜『既成事実』はもう出来てたんだね〜」
こな「ほぇっ!?」
つか「だってさ……」
つかさ、こなたにしなだれる。
つか「だって……私にこんな恰好を覚えさせたんだもん……ちゃんと、責任、とってね……」
こな「う、うん……」
つか「じゃぁ……私を美味しくた・べ・て♪」
昼間から失礼しました〜
昼でも夜でもどんとこいですGJ
「ねぇこなちゃん、朝ご飯にする?朝風呂にする?それとも…朝」
「んー朝寝にしよっか」
「うん♪」「「すかー」」
「はーいお前ら起きようかー」
「で、おねえちゃん「かがみん」はなぜふとんのなかにいるの」
かが「だって……折角二人が遊びに来るっていうから楽しもうと思ってたのに……」
こな「のに?」
かが「いつの間にか二人の世界に入っちゃうんだもん……」
つか「……ごめんね、おねえちゃん……」
こな「私も……ごめん」
「(きゅぴーん!)じゃあ今日はおねえちゃんを気持ちよくしよう」
「なっ?」
「よしよし、さびしがり屋のうさちゃん」
「ちょっおまえらなにを…」
46 :
ナハト:2010/08/27(金) 08:03:26 ID:WRGFO0/CO
つか「大丈夫だよ〜おねえちゃん」
こな「そーそー、何時も私達がやってるコトをするだけだよ」
かが「ちょっ……何時もやってるコトって……」
つか「最初は〜、肩のマッサージで〜す。こなちゃ〜ん、お願いしま〜す」
こな「はいは〜い。……お客さん、こってますねぇ〜」
かが「そうなのよ……最近面倒な仕事が多くてさ……って、気持ちよくするってこういう事!?」
こな「まぁ〜、最初は軽目な所からスタートするから……」
つか「それでは次の場所で〜す。腰マッサージお願いしま〜す」
かが「おぉ……これは……効くわぁ〜」
こな「……ふぅ、ちょっと汗かいてきちゃったよ。つかさぁ〜、交代してぇ〜ん」
つか「おっけーだよ!こなちゃん!」
かが「つか、普通に呼べばいいんじゃないの……?」
こな「ではでは!本日のセミファイナルです!足ツボマッサージ!つかさ先生、お願いします!!」
つか「は〜い!じゃぁまずは軽く……」
かが「……あんまり感じないなぁ〜」
つか「じゃぁ、ちょっと強く圧すね……」
かが「……ん?……ぃ……ぃぃたたたたたたたたいたいぃいいぃいぃいぃぃ!!!!」
こな「うーん、かなり痛がってますね〜。じゃぁ、これくらいで終了しますか」
つか「そだね〜。おねえちゃん、ごめんね〜」
かが「ハァ……ハァ……あ、べ、別に、つかさが、悪いわけじゃ、ないから、気に、しないで、いいわよ……ハァ……」
こな「……辛そうだから、今日はここで終わりにしようか?」
かが「……あとは?」
つか「えっ?」
かが「さっきセミファイナルって言ったでしょ……てことは、あと一つ、有るのよね」
つか「う、うん」
かが「つかさ!こなた!じゃぁその最後のをお願いするわ!」
こな「いやー、やめたほうが……」
かが「いいから!最後はなに?」
つか「……わかった!じゃぁやってあげるよ!ね、こなちゃん」
こな「そだね〜。かがみんもやる気満々だしね〜」
つか「それじゃ、最後は……えっとね〜、最初は痛いんだけど〜、何回もやってると気持ち良くなってくるんだよ〜」
こな「そうだよね〜、私も最初は痛かったよ……」
つか「ちょっとテクニックが必要なんだよね〜」
かが「テ、テクニックって……あんたたち……」
こな「ん?どったのかがみん」
かが「あ、何でもない何でもない。……まぁ、恋人同士なんだから、そういったことしてても問題は無いわよね。……あれ?でも私にするのよね……」
こな「じゃぁ、つかさ先生!お願いします!!」
つか「じゃぁ……おねえちゃん……優しくしてあげるから……リラックスしててね……」
かが「え?優しく?リラックス!?てかなんでいつの間にか私下着一枚になってるの!?」
つか「おねえちゃん……いくよ……」
かが「えっ!?そんな所を!?……んっ……んくっ……」
つか「段々と強くするからね……リラックスだよ……」
かが「んぁっ!……ぃ……ぃいいたーいぃぃぃ!!!」
★数分後★
つか「おねえちゃん、どうだった〜?私のリンパマッサージ」
かが「……プシュー……」
こな「まぁ、慣れてくれば痛くなくなるから、定期的につかさにやってもらうと、むくんだりしなくなるよ〜」
つか「こなちゃんとマッサージのしあいっこしてるから、お肌ツヤツヤだし、むくんだりもしないんだよね〜♪」
こな「ね〜♪」
かが「……教訓……バカッポーに……ちょっかいを出しては……いけ……ない……」
47 :
1−724:2010/08/27(金) 22:06:08 ID:L+Yny1n20
ネタ振りレスばかりですみません
ナハトさんもすっかりこのスレの
ミスリード的芸風になじんでらっしゃるw
48 :
ナハト:2010/08/27(金) 22:32:46 ID:HOB36oiE0
いえいえ、こんな感じの会話劇は書いてて楽しいからもーまんたいですよw
SSは書いているんですけど……上手くまとまらないから放置してるんですよね〜www
シリアスものなら8割ほど書き上がっているんですけどね、ここ向きじゃないからどうするかな〜って状態ですしw
☆ゅ
シリアスでも微エロでもつかこなであればバッチコーイです
欝展開バッドエンドでなきゃいいんじゃない?
欝展開バッドエンドにはなりませんよ〜
んじゃぁ、導入部とクライマックス以外はもう書き上がってるので、導入部が書き上がり次第投下しますね〜
54 :
ナハト:2010/08/30(月) 07:21:47 ID:yO3zsFBPO
コテ忘れスマソ
こなちゃんぺろりんこ
「こなちゃん何で机の下にいるの?」
「防災訓練」
「あれ、今日だったっけ。じゃあ私も」
「いやつかさはそのままで」
で、実際に地震が来たら
迷うことなく小さな躰で被さってつかさを護るこなた
☆ゅ
捕手
「ひかげちゃんってこなちゃんより…」
「つかさ…わかってるけど言わないで」
またみんな規制?
63 :
ナハト:2010/09/06(月) 21:12:19 ID:v1HK6fh+0
プロローグ書いてます
てか連作物(どマッタリ)の途中分岐で「あり得たかもしれない未来」として書いてたから
入りが難しいんッスよ〜。
とりあえずプロローグ半分出来たから、もう少し待っててくださいませ〜
「吸えばおっきくなるって本当かだね、ちゅぱちゅぱ」
「腫れてるんだってば、つかさ」
「こなちゃんくぱぁ」
「9/8か」
「違うよこなちゃん、くぱぁだよ」
「つかさ……真っ昼間から、そんな事を……」
「……?これだよ?」
「これって……そんな!こんな場所で……って、あの〜、つかささん?」
「な〜に?」
「これって……」
「だから〜『くぱぁ』だって」
「……私の記憶によると、これは確か……『クッパ』だったような気がするんですがねぇ〜」
「つかさはここも甘いねー」
「はぅ、こなちゃんはずかしいよ」
コッソリフッキ!913
「9月9日はきゅうきゅうで九九の日ー」
「つかさが算数の話するなんて地球オワタ」
「こなちゃんのくせにー!じゃあ問題出すよー」
「spd全振りの私に速度で挑むというか!来たまへ!」
「ににんが」「シノブ!」
「さざん」「アイズ!」
「ななに」「んのナナ!」
「はっぱ」「ふみふみ!」
「こなちゃんすごーい、私こんなに速く計算出来ないよ」
「ネトゲしてるからネー、クエ関連とか簡単な計算出来ないとやってられんのだよー」
69 :
ナハト:2010/09/10(金) 08:12:57 ID:zzCQt5tDO
こな「あれ?あそこにいるのって……」
つか「あー!913さんだ〜!!」
こな「おかえり〜」
つか「おかえりなさーい」
こな「そっか〜規制解除されたんだ〜、長かったねぇ」ウンウン
つか「え?既製事実って解除されるの?」
こな(はっ!しまったぁ〜!!)
つか「ねぇねぇこなちゃん、既製事実って……」
こな「え、えーと、それはねぇ……、あの、その……」
以外(ry
てなわけで、解除オメですー
ぺろ
71 :
ナハト:2010/09/13(月) 00:19:04 ID:Y3SPeBcv0
どもども、一応プロローグが出来たのでうpします
タイトルは
dear −Prologue 「嵐の中の苗木」
です
本文5レスほど使いますね〜
72 :
ナハト:2010/09/13(月) 00:19:41 ID:Y3SPeBcv0
「とうとうこの日がきたか……」
「そうだね……」
目の前には柊家の玄関。
私達はある『お願い』をするためにやってきた。
「みんな、揃っているんだよね」
「うん……ちゃんと『大事な話がある』って言っておいたから……」
dear −Prologue 「嵐の中の苗木」
それは、昨日の事だった。
二ヶ月前から『恋人』として付き合い始めた私達だけど、友人以外……特にお互いの親には……秘密にしていた。
でも、秘密というものは往々にして漏れるものだ。
むろん、私達の関係も……。
「こなたー、ちょっといいかー?」
鼻歌混じりに食器を拭いていると、急におとーさんから声をかけられた。
「ん〜、ちょっと待ってて〜。もう少しで食器拭き終わるから〜」
食後のコーヒーかな?まぁいいや。さっさと拭いちゃお〜。
「おまたへ〜。な〜に?コーヒー?」
おとーさんが待つリビングへ行くと、既にそれぞれお気に入りのマグカップにコーヒーが注がれて、テーブルの上に置かれていた。
「なーんだ、コーヒーあるんじゃん。んで、なーに?」
椅子に腰掛けてコーヒーを一口飲み込んだ。
「うぅ〜ん、うまひ……。あれ?おとーさん飲まないの?」
よくみると、さっきから腕を組んで座ったままで全く口をつけていない。
「……真面目な……話……なんだ」
私がそう言うと、おとーさんは静かに頷いた。
しまった……。
私は心の中で舌打ちをした。
二人分のマグカップ
口をつけていないコーヒー
腕を組んだまま微動だにしていない。
おとーさんが真面目な……しかもかなり重いテーマの話しをする時のスタイルじゃないか……。まずいなぁ〜、心構えが出来て無いよ……。
「こなた」
「は、はいっ!」
不意におとーさんが口を開いた。
「……そろそろ、俺にも話しておいた方がいい事が有るんじゃないのか?」
……それって……やっぱり……アレ……だよね……。
「それとも、親には話せないような事なのか?」
「そ!そんなことは無いよっ!」
「ふむ……。じゃぁ、改めて単刀直入に聞こう。こなたとつかさちゃんは、『友達』ではなく『恋人』として付き合っているんだよな」
「な!なんでそれを!?」
そんな!一言も話した事ないし!怪しいそぶりもしていなかった筈なのに……。
「秘密ってのはな、往々にして漏れるものなんだぞ。……まぁ、父さんがそれに気付いたのはついこの間……先週辺りなんだけどな」
「えっと……どうして気付いたの?」
「何となく、なんだけどな。ここ最近の話題の主人公がほとんどつかさちゃんだったし……」
「それだけで!?」
「あと、こなたが誕生日に貰ったプレゼントを披露するときに、つかさちゃんのを一番大事そうにしていたからな」
……しまったぁ〜!プレゼントに浮かれてて、そっちまで気が回らなかったよぉ〜!!
「……で、実際どうなんだ?つかさちゃんと付き合っているのか?」
おとーさんは真剣な表情で私を見つめてきた。こんなおとーさんを見るのは……受験するとき以来かな……。それだけ、大事な事、なんだよね……。
「うん……付き合って……いるよ……」
73 :
ナハト:2010/09/13(月) 00:20:12 ID:Y3SPeBcv0
「『恋人』として、なんだな」
「うん……。出来れば、この先も……一生ずっと……一緒に居たいって……思ってる」
「そうか……」
そう言ったきり、再び口を閉ざしてしまった。
「……おとーさん……おとーさんは、私達の事……どう思うの?」
「ん……?俺の考えか?」
コーヒーを一口飲んだおとーさんは、静かに話しはじめた。
「俺は、物書きだ。それに色々なゲームをやったりアニメを見ている。だから、同性同士の恋愛ってのも理解はしている」
「……うん」
「だがな……、それは所詮『フェイク』なんだ。ゲームやアニメや小説の中だから成立する関係であって、『リアル』では決して成り立たない関係なんだよ」
「……」
「だからな、俺は二人が付き合う事に『反対』だ」
「そう……なんだ……」
そうだよね……やっぱり、理解されないよね……。
「ところで、こなた達の事をつかさちゃんのご両親は知っているのか?」
「知らない……と、思うけど……」
「ふむ……そうか……。じゃぁ、今からつかさちゃんに連絡をして、明日にでも二人の関係をちゃんと伝えなさい。もし、柊さん達が全員認めるのなら……父さんも認めよう」
へっ!?
「今……なんて……?」
「だから、もし、柊家の両親とお姉ちゃん……えっと、三人か。その五人全員が二人の関係を認めるのなら、俺は反対はしないって言ってるの」
「で、でもでも、さっき……」
するとおとーさんの大きな手の平が私の頭のにポンと置かれた。
「いいか、こなた。俺の幸せはこなたが幸せになる事なんだ。だが、今のままでは、こなたは幸せになれない……わかるよな」
「……うん……」
「だけどな、もし、つかさちゃんのご両親が二人の関係を認めたのなら、その時は柊さん達の力で幸せになる事が出来るかもしれない」
「……そう……なのかな?」
「あぁ、そうだとも……だから、もしそうなった時、俺は反対しないよ。……『賛成』もしないけどな」
「うん……わかった……」
「それじゃ、俺はこれから仕事に取り掛かるから。ちゃんと、つかさちゃんに連絡をするんだぞ」
●
「……こなちゃん?」
「あぁ、ゴメン。……ちょっと考え事してた」
「大丈……夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「じゃぁ、扉、開けるよ」
私達の『想い』が、柊家のみんなに受け入れてもらえますように……。
☆
……空気が……重い……。
居間では既に全員が座卓を囲んで座っていた。
「つかさから聞いたよ、『大事な話』があるそうだね、こなたちゃん。さ、そこに座りなさい」
おじさんが促した場所に座る。私の隣にはつかさとかがみが、正面に対峙するおじさんの隣にはおばさんが、座卓の短辺にはそれぞれいのりさんとまつりさんが座っている。
「それで、どんな話なんだい?」
いつもと変わらない口調。だけど、その顔にはいつも浮かべている笑みは全く見えず、瞳は明らかに怒りの光を放っている。
「……単刀直入に言います。二ヶ月程前から、つかささんと『恋人』として交際をさせていただいてます。本日は、それを認めていただきたく……」
「断る!」
おじさんは、私の話を最後まで聞くことなく否定の意思を明らかにした。
「ちょっとお父さん、こなたの話を最後まで聞いてあげたって……」
「聞いたところで返事は変わらないわよ」
「お母さん……どう……して?」
思わず上げたかがみの言葉を、今度はおばさんが遮った。
74 :
ナハト:2010/09/13(月) 00:20:47 ID:Y3SPeBcv0
「どうしたもこうしたもないだろう。第一、同性同士が付き合うなんて事自体、馬鹿げている!」
「ちょっ!父さん!」
「まつりは黙っていなさい。これは私達二人とつかさ達二人の問題だ」
「……わかったよ……」
おじさんの一言で、まつりさんは黙ってしまった。
なんで……?これっておじさんとおばさん、それと私達だけの問題なの?
いのりさんは?「応援するよ」って言ってくれたかがみとまつりさんは?
……みんな……蚊帳の外、なの……?
「外野が何を言おうと関係ない。つかさとの交際は認めない。わかったね」
「ちょ、ちょっと待ってよ!お父さん!!」
大声を上げたのは、それまでずっと黙っていたつかさだった。
「なんで!なんで私達の話を最後まで聞いてくれないの!?」
「つかさの言う通りです。おじさん、どうして私達の考えすら聞いていただけないのですか?」
「ふむ、それもそうだな。じゃぁ、最後まで聞こうじゃないか。……ただし!聞いたところで考えは変わらないがな!」
「そんな……お父さん……なんで……」
涙声になったつかさの手を、そっとにぎりしめた。
「なんでも何も、さっき言ったじゃないか。こんな馬鹿げた事を認める親がどこにいる!?君の父親はどうなんだね、認めているのか!?」
「……いえ……認めたとしても、柊家の皆さんに認めてもらえるような事があれば。そう言っていました」
「成る程。あの人は小説家だから無理を承知でそんな条件を出したんだろうな」
そんな……おとーさんはわざとそんな事を言ったの?
「……さて、これでわかっただろう。お前達の味方は、ここには誰一人として居ないって事を」
「わ……私は二人の味方よ!!」
「かがみ……」
「お姉ちゃん……」
こんな状況なのに……それでも、味方でいてくれるの……?
「ほぉ、かがみは二人の味方か……。だが、残念だったな。それでも一人だけだ、他に味方は居ないぞ。……そうだよな!いのり!まつり!」
その言葉に、いのりさんは複雑な表情で頷き、まつりさんは「私は部外者なんだろ!」と言って部屋を出ていってしまった。
「こら!まつり!!……全く、後でしっかりと言っておかなければ……。とにかく、そういう事だ!わかったらさっさと帰ってくれ!もうこの家に用は無いだろう!」
「で、でも……お父さん……」
「つかさちゃんはこっちにいらっしゃい。かがみちゃん、こなたちゃんを玄関まで送ってあげて」
「母さん、そんな事しなくても良いだろう」
「お父さん、お客様はきちんとおもてなししなくてはいけないでしょう?さ、かがみちゃん、お願いね」
「……はい。こなた……」
「うん……それでは、失礼致します。……お騒がせして、申し訳ありませんでした。……つかさ、また明日、学校でね」
「うん……また明日……ね」
部屋を出る時に、おじさんの呟きが聞こえた。
「学校……か……」
玄関へ向かい、靴を履き、外に出た。
「こなた……あんまり気を落とさないでね」
「あ〜、うん。まぁ、いきなり言って認めて貰えるなんて、レアモノをゲットする確率位思ってなかったからね〜」
「……相変わらず、わかり辛い例えだな……」
「それに……学校で会うことは出来るから……次は、認めて貰えるように頑張るよ……」
「……そっか。こなた、私も応援するから、あんたも頑張んなさいよ」
「もっちのロンだよ〜かがみんや〜」
「全く……」
でもね、かがみ。かがみが『味方だ』って言ってくれたから、もう少し頑張ろうって思えたんだよ……。
「かがみ!!大事な話がある!そんなところで話し込んでないで、さっさと戻ってきなさい!!!」
「ありゃ、今日のお父さんはかなりご機嫌ななめだなぁ〜」
「じゃぁ……かがみ、また明日ね。早く戻らないと今度はかがみに迷惑がかかっちゃうよ」
「迷惑ねぇ……。ま、私はたいしたこと無いと思ってるんだけどね。でもまぁ、これ以上機嫌が悪くならないうちに戻りますか。じゃぁね、こなた」
「ばいばーい!」
75 :
ナハト:2010/09/13(月) 00:21:10 ID:Y3SPeBcv0
☆
「ただいま〜」
柊家で気力を使い果たした私は、這うようにして自宅へと戻った。
「お姉ちゃんお帰りなさ〜い。……大丈夫?」
「まぁ……何とか。あれ?おとーさんは?」
「打ち合わせだって。さっき出てったよ」
そっか……じゃぁ、『報告』は夜かな……。
「……本当に大丈夫?なんだか顔色も良くないよ?」
「そんなに?」
「うん。ちょっと横になってた方が良いんじゃないかなぁ〜」
うーん、そうなのか〜。
「じゃぁ、お言葉に甘えてそうしてるよ。晩御飯の時間になったら起こしてね」
「うん……。晩御飯、チキンカレーなんだけど……別のにする?」
「おぉ!ゆーちゃん特製チキンカレー!そんな、別メニューだなんて殺生な!?食べるに決まってるよ〜!」
「ふふっ、じゃぁ出来たら呼ぶから、それまで休んでてね」
「ほーい」
☆
「ふぅ……」
部屋に入り、一息ついて、ベッドに倒れ込んだ。
仰向けになり、天井をボーッと眺めていると、さっきまでの事が次々と浮かんでくる。
「やっぱり……難しいなぁ……」
反対される事は、多少予想していた。
でも……。
「あそこまで完全に否定されるってのは……結構……キツイなぁ……」
晩御飯を食べて、ゆーちゃんがお風呂に入ったら、おとーさんにちゃんと『報告』しないとね……。それに、おじさんが言ったあの言葉、それも確かめなきゃ……。
全部済んだらつかさにメールで報告しておこうかな。明日会う前に教えた方が安心すると思うし。
「でも……気になるなぁ……」
おじさんが最後に言ったあの『言葉』。
あれって一体……。
☆
「それじゃ、おじさん、お姉ちゃん、お休みなさーい」
「お休み」
「ゆーちゃんお休み〜」
耳を澄ませて、ゆーちゃんが自分の部屋に入った事を確認する。
流石にこんな話を聞かせる訳にはいかないからね……よし、大丈夫。
「おとーさん、……ダメだったよ」
「ま、そうだろうな」
「……おとーさん、つかさのお父さんが『無理を承知でそんな条件を出したんだろうな』って言ってたけど……、もしかして本当にそうなの?」
「ほぉ……流石、神職に就いているだけあるな、そこまで読まれているとは思わなかったぞ」
「じゃぁ、本当に……」
「あぁ、そうだ。第一、お前達の関係が世間一般から遥かに掛け離れている事ぐらい、火を見るより明らかだろう」
そりゃぁ、そうなんだけどさ……。
思わず口を衝いて出そうになる言葉を、慌てて飲み込んだ。こんな事、今この場で言ったら、どうなるかわかったもんじゃない。
「ま、これに懲りて学生の本分に……勉学に集中するんだな。……つかさちゃんの事は、素直に諦めろ」
……ちょっと、今のは、頭にきたよ!
……でも、我慢我慢。今は下手に波風立てないほうが良い。
「諦めろって、そう簡単に諦められる訳無いじゃん。学校で毎日会ってるんだよ」
「あぁ……そうだな、毎日会ってるよな」
「だからね……」
76 :
ナハト:2010/09/13(月) 00:22:02 ID:Y3SPeBcv0
そこまで言って、コーヒーを飲み干し立ち上がる。
「私は、諦めないから。おとーさん達に認めてもらえるまでずっと」
「ほぉ、そうか。……まぁ、足掻くだけ足掻いてみろ」
「言われなくてもそうするよ。おやすみなさい」
そう言い残して居間を出ると、後ろからおとーさんの呟きが聞こえた。
「学校……ねぇ……」
……おじさんに続いておとーさんまで……。一体何なのかなぁ。
☆
「お、つかさかな?」
部屋に戻ると、携帯のランプが点滅していた。時計を見ると時刻はそろそろ十時半、どちらかが眠たくなるまでの『まったりメールタイム』だ。
「どれどれ……ほえ?かがみから?……珍しいなぁ〜。なんだろ?」
メールを開くと、かがみらしくない事務的な文章でこう書いてあった。
*
こなたへ
急な用事が入ったから、明日の朝はちょっと遅れる。先に行ってて
*
「ふーん……『了解しますた。じゃぁ、つかさを頼んだよ〜』っと……送信ボタンをポチッとな」
用事ねぇ……、つかさに聞いてみるかな?
*
件名
かがみからメールもらったよ〜
本文
んもぉ〜、かがみにメールさせるなんて……水臭いなぁ〜
ところでさ、わざわざ用事なんて書くって事は、何かあったの?
まぁ、言いにくい事なら答えなくてももーまんたいだけどね〜
*
「送信……っと。さて、返事が来るまでネトゲでもしてますかねぇ〜」
☆
「……遅い、いくらなんでも遅すぎる」
メールを送信してから約三十分。お風呂に入ってたりして遅れる事はたまにあるけど……。
「まさかもう寝ちゃってた!?」
どんなに遅れてもせいぜい十五分、これだけの時間が経っても返事が来ないって事は、その可能性がとても高い。
「まぁ、今日は色々と大変だったからねぇ〜。ん〜!私も早目に寝ようかな〜。あ、寝る前にメール送っとこ〜」
*
件名
もう寝ちゃったかな?
本文
これを見るのは朝かな?ってことは
(ノ°Д°)おはよう〜!!
でも私は今から寝るです
(.-ω-)ノおやすみ〜
*
……明日の『作戦会議』、頑張らないとね……。
Prologue End
77 :
ナハト:2010/09/13(月) 00:26:49 ID:Y3SPeBcv0
以上です
本来ならこの次に書きためていた物を……と思っていたんですけど
上手く繋がらないんでもう一話、繋げる為の話しを入れてからメインに入る予定です
んで、今回のプロローグを読んで「これってここ向きじゃ無いんじゃね」と思われる方がいらっしゃいましたら
遠慮無く書き込みお願い致します
ではでは、次は約1週間後にお逢いしましょ〜
ノシ
こなたが一人っ子というところがネックなんです
つかこなの未来的にシリアスになってしまうので足踏みしてるワタシ
圧縮きてた落ちなくてよかった
80 :
ナハト:2010/09/15(水) 01:01:18 ID:hSpm9F06O
えーっと……
ネタバレになるんですけど、一応泉家は大丈夫です
……とだけ書いておきましょうw
☆
「うぅ……喉渇いたなぁ……何か飲み物はっと……」
「ジュースなら有るよ」
「ぬぉわぁっ!!つ、つかさ、驚かさないでよ!!」
「あ、ごめんね〜。で、何ジュースが飲みたい?」
「あ、えっと、オレンジジュースで」
「手搾りと機械搾りとあるけど、どっちが良い?」
「あー、じゃぁ手搾りで」
「はーい。……んしょ……んしょ……」
「あ、あの……、何をしているのかな?」
「えぇー、手搾り、だよー、んしょ……」
「そうなんだ……つかさ……せめてスクイーザ使おうよ……」
「……んしょ……んしょ……」
こなちゃん生搾り
つかさの手の汗が味ってマイルドになりそう
「ありがとつかさ……って私達未成年じゃーん!」
「……あ、そうだったね〜」
☆ゅ
ちょっとすっぱいこなちゃん
「ドロ液ニカワget…おぉ金塊が出たーこりゃんまぃ!テーテッテレー」
「こなちゃん、ずっと同じ姿勢でいたら身体に悪いよぉ」
「えー毎日こんなんだからだいじょーぶー」
「あ、そういえば姿勢が悪いと背が縮むって聞いたことあるよ」
「…あ、あんですとー?」
「整体屋さんで身体の骨をボキボキしてもらったら身長少しは伸びるかも…」
「行って参る!」
「つかさぁー身長伸びたよー!」
「うわああこなちゃんひょあああ!!」
「…っていう夢を見て…怖かったよこなちゃぁん…ひぐっ…」
「ンー喜んでいいの?悲しんでいいの?こなたわかんなぁい」
「背が伸びても貧乳こなちゃん」
「つかさ何気にひどいよ」
「ん〜、やっぱこなちゃんは今のままが良いかな?」
「え゛っ!?……それは身長的に?それとも……胸のサイズ的に?」
「どっちもだよ〜」
「どっちもっすか」
「うん。だってね……」
ムギュ
「後ろから抱き着くと、私の体にスポッと収まるし〜」
プチプチ……ムニムニ
「ほら……私の手の平にピッタリ……でしょ?」
「……もぉ……朝からエッチなんだから……遅刻しても……知らないよ……」
「こなちゃんはちっちゃい分だけ神経が集まってるんだね(ぺろ)」
「ひゃう、ちっちゃいっていわないで」
92 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:30:19 ID:HMwhDjvs0
どもども、約1週間後とか書いておきながら1週間以上経ってからの投下です
タイトルは
dear −Section1 「掘り返された苗木」
です
本文6スレ使いますねー
93 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:30:45 ID:HMwhDjvs0
dear −Section1 「掘り返された苗木」
「おっはー、みゆきさん」
「あ、泉さん。おはようございます。……あら?つかささんは?御一緒ではないのですか?」
「うん、昨日かがみからメールがきてさ、『用事があるから先に行ってて』って」
するとみゆきさんは不思議そうな顔をした。
「えっ……。ですが、先程お見掛けしましたよ」
「ほえっ!?どこで?」
「丁度職員室に入るところだったので、後ろ姿なのですが……あの髪形はかがみさん以外いらっしゃいませんので、間違いはないかと」
「じゃぁ、あのメールは一体……?よし!」
私は気合いを入れて立ち上がった。
「あ、どちらへ?」
「隣のクラス行って、かがみに直接きいてくる!」
☆
んーと……、居ないなぁ〜。
「おーっすちびっこ!どったの?」
「あ、みさきち……峰岸さんも、おは〜」
「おはよう、泉ちゃん。柊ちゃんに用事?」
「うん……ちょっと聞きたい事があってね……」
「柊なら、職員室に行ったきりだよ」
「そっか……じゃぁ、また後で聞きに来るよ」
「そうね、そろそろHRの時間だし……じゃぁ、また後でね」
「またな〜」
「じゃ〜ね〜」
……むぅ、空振りか。それにしても……なんでつかさが居ないんだろう……。
☆
「よっしゃー!HR始めるでー。みんなさっさと席につきー」
HRが始まっても、つかさは来なかった。……本当に、どうしたんだろ……。
「えーっと、最初に残念なお知らせがある。柊が暫くの間『休学』することになった」
ふーん……えっ!!!
先生の一言で、クラスは騒然となった。
「ほら、騒がない!」
今、『休学』って言ったよね……。じゃぁ、メールの『用事』ってその事?つかさに何かあったの!?
「せんせー!つかさ……柊さんは何で休学するんですかー?」
「うーん、それがなぁ〜、センセも知らされて無いんや……。『一身上の都合で休学する』って、まるで会社にでも提出するような理由しか書いとらんかったからなぁ。……泉は心当たりあるんか?」
「いえ……全く……」
「そかー。んじゃ、何かわかったらセンセに教えてくれな〜。ウチの方でも何かわかったら教えるさかい」
「わかりました、お願いします」
「ほんじゃ、次の話なんやけど、今日の午後に……」
HRの最中、私はずっとつかさの事を考えていた。
つかさ……一体何があったの……?
☆
「おーっす!こなた、みゆき」
「いよぉ〜、弁当食べようぜ〜」
「今日もよろしくね」
「おぉ〜!待ってたよぉ〜」
「さぁ、皆さん食べましょう」
四時限目が終わって昼食の時間、今日は私達のクラスで食べる日だ。……本当なら、つかさもここにいるはずなのにね……。
「やったー!ミートボールだ!いっただっきまーす!!」
「みさきちは本当にミートボールが好きだねぇ〜」
「そーゆーアンタは……珍しくお弁当なのね」
「うん、今日は何故か早起きしちゃってね〜。だからゆーちゃんと一緒に作ったのだよ〜」
「泉ちゃんのお弁当って、久しぶりに見たかも」
「そんなぁ〜、峰岸さ〜ん」
94 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:31:01 ID:HMwhDjvs0
「彩りよく詰められてますね、どれを作られたのですか?」
「卵焼きと、野菜の肉巻きフライだよ〜」
『こなちゃんのお弁当って、いつ見ても美味しそうだよね〜』
……!!
「泉ちゃん、どうしたの?」
「あ、ううん、何でもないよ〜。ちょっと味付け濃かったかなぁ〜って思っただけ」
「……泉さん、嘘はダメですよ……つかささんの事を考えていたんですね」
「みゆきさん……何でわかったの……?」
「それは……まぁ、一応ですけど、ここにいる皆さんの中では一番長く泉さんを見ていますし……」
そっか……。そうだよね、一年生の時からつかさと三人ずっと一緒だったもんね……。
「ところでかがみさん、なんでつかささんは『休学』されたのですか?」
「おぉ!それ!私も気になってたんだよ!柊ってば理由を全然話してくれないんだもん」
「私も気になるわ。なんで妹ちゃんは『休学』してるの?」
矢継ぎ早な質問に、かがみは押し殺した声で答えた。
「……ごめん……今は、ちょっと……。放課後、屋上に来てもらえるかな。その時、話すから」
その声に、みんな黙って頷いた。
「さ、お弁当食べちゃいましょ。あんまりのんびりしてると午後の授業始まっちゃうわよ」
「あ、そ、そうね」
「みゅー……午後一って英語かぁ〜」
「みさきち〜、寝ちゃダメだよ」
「あら、それは泉さんも同じですよ」
「み、みゆきさぁ〜ん」
『アハハハハハ……』
放課後か……ってことは、他の人がいるここでは話せない理由なのかな……。
☆
「おまたへ〜」
「ちびっこ〜、遅いぞ〜」
「みさちゃん、仕方が無いじゃない。職員室に呼び出されてたんだから……」
「峰岸さん……なんかその言い方だと、私が物凄く『イタイ子』に聞こえるんだけど……」
「それで……黒井先生には何と言われたのですか?HRの時の感じですと、つかささんの事についてだとは思うのですが」
「うん、でも朝と変わらないよ。何かあったら教えてくれってだけで。てか『イタイ子』スルーっすか……」
「さて、みんな揃ったわね……」
その言葉に振り向くと、かがみが立っていた。
「うぉっ!いつの間に!?」
「扉の横に居ただけよ……で、つかさの事なんだけど……やっぱり、知りたい?」
「当たり前だろー」
「うん」
「はい、是非」
「こなた……覚悟は出来てる?」
「覚悟?」
「そう……アンタにとってはかなり辛い話になるけど……それでも……良い?」
辛い話……それってやっぱり昨日の事なのかな……聞きたくないって気持ちはあるけど……でも!
「うん……聞きたい……な」
すると、かがみは「わかった」と言って静かに話しはじめた。
★
昨日ね、こなたが家に来て両親に『恋人宣言』をしたのよ。もちろんつかさも一緒だったわ
だけどね、認められなかったの。『同性同士が付き合うなんて事自体、馬鹿げている』って
でね、こなたが帰った後に家族会議をしたのよ……一方的にお父さんが自分勝手な論理を振り撒いていたってだけなんだけどね……
暫くそれを聞いていたら、急にチャイムが鳴ったの
それで私が玄関に行ったら、おじさん……こなたのお父さんが居たの
……どうやらお父さんが呼んだらしいんだけどね……
おじさんはやって来るなり居間に入ってお父さんに土下座してたわ
95 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:31:25 ID:HMwhDjvs0
でもね、お父さんは特に責めたりしなかったの……
悪いのはつかさとこなただからって
……その後、お父さん達は部屋を変えて何か相談をしていたわ
どうやら「いかに二人を会わせないようにするか」って事だったみたい
暫く……って言っても多分五分くらいじゃないかなぁ、部屋から出てきたお父さんはこう宣言したの……。
★
「……『二人の為に、つかさを暫く休学させる』って……」
……ふーん、成る程ねぇ〜。だからあんな事を……。
「お?ちびっこ、あんまり驚かないんだなぁ」
「おまぁねー。何と無く予想は出来てたし」
「予想?泉ちゃん、どんな予想をしていたの?」
「ん?どんなって……おとーさんとおじさんが『ぐる』だって事」
「えぇっ!そうなんですか!?」
「うん……。昨日ね、つかさの家を出るときにおじさんが『学校……か……』って呟いてたんだ。夜、おとーさんと話した時も、私が居間を出る時に『学校……ねぇ……』って言っててさ……」
「それでピンときたって訳か。流石というか……相変わらず鋭いわねぇ」
「うんにゃ、かがみが昼に『放課後に話すから』って言ったでしょ。それでだよ」
全く……やってくれるよねぇ〜。そこまでして私達を引き離したいのかねぇ。
……でもね、ハードルが高ければ高い程私は本気を出すって事を、忘れてもらっちゃ困るよ……。
「こなた、どうしたの?」
「ん?あぁ、何でもないよー。あ、そうだ。かがみ、これをつかさに渡してもらえる?」
そう言ってポケットから一通の手紙を取り出しかがみに差し出した。
「手紙……?」
「うん。……多分、私の事も心配しているとおもうから……」
「そっか……わかった。渡しておく」
「ありがとね〜」
つかさ……私は大丈夫だから、手紙読んで元気出してね……。
「でもさー」
手紙をかがみに渡した所で、不意にみさきちが口を開いた。
「柊、大丈夫なのか?もしその手紙が見つかったら……」
「大丈夫よ、別につかさだって常に見張られてる訳じゃないし。……携帯は取り上げられたけどね……」
「柊ちゃん……本当に大丈夫なの……?」
「もぉ〜、日下部も峰岸も心配性だなぁ〜。誰も居ない所でコソッと渡せば大丈夫だって」
「そうか〜?なら良いけどさ……」
「無茶、しないでね……」
みさきちと峰岸さんが心配するのもわかる。もしこれが見つかったら……。
「ほらほら、こなたもそんな顔しないの。私が大丈夫だって言ってるんだから、心配無用よ」
「うん……でも、別に今日じゃなくても良いからね。渡せそうな時で良いから……」
「わかった。無茶はしないように気をつける。……ところでさ、この手紙って……いつ頃書いたの?まさか昨日の夜って事は無いだろうし……」
「ん?おとーさん達の『企み』に気付いたから、午後の授業中に書いたの」
「泉さん、授業は……?」
「みゆきさん!かがみ!頼んだ!」
「……ちゃんと授業受けろよ、受験生」
苦笑いをするみゆきさん、呆れた顔で答えるかがみ、それをみて笑ってるみさきちと峰岸さん。
ここにつかさが居ないのが少し寂しいけど……。つかさ!待ってて!絶対おとーさん達に私達の事を認めさせるからね!!
☆
「ただいまー。……あれ?ゆーちゃんは?」
家に帰り、居間に入るとそこにはおとーさんしか居なかった。
「おかえり、こなた。ゆーちゃんなら部屋で休んでるぞ、体調が優れないらしい」
「ふーん……そーいや体育の授業で走ってたなぁ〜。頑張り過ぎたのかな?」
後で様子見てあげないとね。晩御飯のメニューも決まってないし。
「所で……こなたは俺に何か言いたい事、若しくは聞きたい事があるんじゃないのか?」
「ほぇっ!?別に無いけど……」
96 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:31:58 ID:HMwhDjvs0
「別に無いって……こなた、今日学校で何かあっただろう?」
「……あぁ、つかさが『休学』するって先生が言ってた。理由はわからないって言ってたけどね。……もしかして、その事?てゆーか、それだったら何でおとーさんが知ってるのかな?」
私は口の端を吊り上げてニヤリと笑いながらそう答えた。「全く……その様子じゃかがみちゃんから全部聞いているんだろう?」
「そりゃあもっちのロンだよ〜。全部じゃないけどね」
「……聞かないのか?俺と柊さん夫婦の間で何を話したのかって」
「……聞いて何かが変わるんだったら聞くけど……少なくとも、私のとっての『良い情報』が得られないのは百も承知だからねぇ」
「まぁ、そうだな……こなたにとって有益な事は全く無いな」
「じゃぁ、やっぱり聞く必要無いじゃん」
「でも、気になるだろ?」
「そりゃあ……気になるけどさ……。てか何?おとーさんはそれを聞いてもらいたいの?」
「あ、いや、そんなつもりは全く無いぞ。ただ……あ、いや、何でもない」
私が不機嫌そうな顔でおとーさんを見ると、急に黙ってしまった。
「じゃぁ私、ゆーちゃんの様子見てくるからね。晩御飯決めなきゃならないし」
「あ、あぁ、そうだな。じゃぁ、頼んだぞ」
「ほーい」
私は返事を一つ返して居間を出た。
全く……おとーさんの『語りたい病』も大概にしてもらいたいよ……。
☆
晩御飯の時にはゆーちゃんも体調を回復させていた。
だから、いつものようにみんなで一緒に晩御飯を食べた。
そして、いつものようにお風呂に入って、いつものようにお風呂上がりの牛乳を飲んで、いつものようにオヤスミを言って、自分の部屋に戻って……。
「だけど……今日から当分、つかさとメールは出来ないんだよね……」
つかさと恋人になってから、ほぼ毎日していたメール。
内容は本当に他愛もない事ばかりだったんだけど……。
「いざ『出来ない』ってわかると……結構辛いな……」
ベッドに倒れ込みながら、そんな事を呟いてみる。そうすれば少しは気が紛れるかな……なんて思ったんだけど、ダメだった。
余計に……淋しさが……増すだけだった……。
☆
♪〜
ベッドでボーッとしていると、不意に携帯が鳴った。
「この着メロは……かがみからだ!」
手紙を渡す事が出来たのかな?つかさの様子はどうなのかな?
はやる気持ちを抑えて、通話ボタンを押した。
「もしも〜し?どったのかがみ〜」
『……』
「あれ?もーしもぉーし!」
『……ごめん……』
「ん?何が?」
『……明日からは……会えないから……』
「へっ!?」
『……こなた……ごめんね……』
「ちょ、ちょっと!一体どーゆー事なの!?」
私がそう叫ぶと、急に電話の向こうが慌ただしくなった。
『……いいから私に貸しなさい!……あーもしもし、かがみとつかさの父だが』
「あ……はい」
『二度とあんな手紙の受け渡しをさせない為に、明日からかがみも休学させる事にした』
「えっ……」
『お前が余計な事をしなければ、何も問題は無かったんだがな』
「私の……せいで?」
『そうだ、ではもう話すことはないから切るぞ……っとそうだ。二人の携帯は明日解約するので、連絡を取ることは出来なくなる事を伝えておこう』
プツッ……ツー、ツー……
……そんな……かがみまで……手紙を託しただけなのに……どう……して……?
97 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:32:14 ID:HMwhDjvs0
☆
朝、ゆーちゃんを先に行かせて、おとーさんに昨夜の事を話すと、一言「そうか」とだけ言って私を送り出した。
いつもより少し遅い電車に乗り、いつもより少し遅いバスに乗る。
いつもの席に座ると、いつものように車内が陵桜の生徒で賑わってきた。
いつもと同じように他愛のないお喋りが聞こえる『いつもの通学風景』……。
先週末までは、ここにつかさとかがみも居たのに……。
全部……私の……せい……なの……?
☆
「おはようございます、泉さん」
「あ……みゆきさん……おはよ……」
「……大丈夫ですか?随分と気落ちしている感じですが……」
「ん……?まぁ、ちょっとね……」
「そうですか……。あ、そうだ。先程日下部さんと峰岸さんがいらっしゃって、泉さんを探していましたよ。えっと……『ちびっこに用事があるから、放課後屋上に来いって伝えてくれ』って言ってました」
「みゆきさん……別に言ったそのままを伝えなくてもいいから……。ところでさ、その時のみさきちと峰岸さんの様子、どんな感じだった?」
「どんなと言われると……えっと、何となくですけど、切羽詰まる感じでした。……それが何か?」
「あ、いや。大した事じゃないんだけどね。ありがと」
その様子だと……既にかがみから連絡が行ってるんだろうな……。放課後……か。あ、そうだ。
「みゆきさん。みゆきさんも放課後一緒に来ない?屋上に」
「えっ?私もですか?……今日は得に用事が無いはずなので、ご一緒する事は可能ですが……でもどうしてですか?」
「ん……。多分、みゆきさんも一緒の方が、良いと思って……ね」
私の言い方で、みゆきさんも何かを感じたようだ。
「……成る程、わかりました。では、放課後に私もご一緒させていただきますね。あ、HRが始まりますね。では、詳細は放課後に」
「うん。放課後に全部わかると思うよ」
さてさて、取り敢えず今日の授業をちゃんと受けないとね〜。
☆
「みさきち、峰岸さん、お待たせ」
「お二人共、お待たせしてしまい、申し訳ありません」
「ん?高良も一緒なのか?」
「うん……多分、一緒の方が良いと思って、私が誘った」
「そうね……高良ちゃんだけのけ者にする訳にはいかないものね」
「……で、勿論用件はわかっているよな」
「うん、かがみの事、だよね」
私は努めて静かに答えた。でもそれはみさきちの感情を逆なでするだけだった。
「あぁそうだよ!ちびっこがあんな事しなけりゃ……!」
あんな事……か。そうだよね……余計な事、しちゃったな……。
「みさきち、峰岸さん、みゆきさん、ごめんなさい……私が余計な事をしたから……」
私がそう言うと、みゆきさんが首を傾げながらこう言った。
「えっと、すみません。詳しい話を聞いていないので大まかな事しか推測出来ないのですが……昨日の『手紙』の件で、かがみさんに何か良くない事があったのですか?」
「……そっか、高良ちゃんにはまだちゃんと言っていないのね」
「うん、ここで話した方が良いと思ったから……」
「まぁ、そうだな……」
私一人だと『自分寄り』になりそうだからね……。
「昨日、私とあやのの携帯にかがみから電話がかかってきたんだ」
「落ち込んだ声で、『明日から休学する』って言ってきたの。理由を聞いたら『手紙を渡す時にヘマをした』って言ってたわ」
「最後に『ごめんね』って言って電話を一方的に切ったんだ。……その後はいくらかけても繋がらなかった」
「……多分、私の所に最後の電話をかけていたからだと思う」
「その時、かがみさんは何と?」
「明日からは会えないから、ごめんねって。……その後、おじさんが割り込んできて二人の携帯を解約するって言ってた……」
「……解……約……?」
98 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:32:51 ID:HMwhDjvs0
「おじさんが……言ってたの……?」
私が無言で頷くと、皆黙り込んでしまった。
いつもなら、ここにつかさとかがみが居て、みんなで他愛のない事を喋って、笑ったり、ふざけたり、そんな事をしていたのに……。
「全部……私の……せい……だよね……」
「決まってるだろ!!全部ちびっこのせいだよ!!あんな事しなけりゃ、柊だって……」
「ちょっと待って下さい!私達は昨日かがみさんに『無茶はしないように』と伝えて、かがみさんも『無茶をしないように気をつける』と言っていたじゃありませんか!」
ありがとう、みゆきさん。……でもね、いくらそう言っても、原因を作ったのは私だから……。
「みゆきさん……もう良いんだよ……みさきち、峰岸さん、ごめんね……」
「謝ったって元には戻らないんだ!!……もぉ……もぉ二度と私達に近付くなよ!!絶交だ!!!……あやの!行くよ!!」
「ちょ、ちょっと、みさちゃん……。そういう訳だから……泉ちゃん、ごめんね」
涙を浮かべたみさきちと峰岸さんは、そう言い残して扉の向こうに消えた。
……絶交……か。そう言われても、仕方ない……よね。
「……みゆきさんは?」
「はい!?」
二人を見て呆気にとられていたみゆきさんは、私の突然の問い掛けに慌てて振り向いた。
「みゆきさんは……いいの?二人の後に続かなくても……」
「……何故、続かなくてはいけないのですか?」
「だって……私のせいで……」
するとため息を一息ついて、こう言った。
「泉さん……私と泉さんの関係は、そんなにも希薄な物なんですか?」
え……?でも……。
「でも……みゆきさんがつかさやかがみと会えなくなる原因を作ったのは……私なんだよ」
「確かに……その一因を担ってはいますが、全てが泉さんの責任ではありません。手紙を渡し損ねたかがみさん、それに昨日、この場所で手紙を託す事を止めなかった峰岸さんや日下部さん、それに私も同じです」
「みゆきさん……」
「ほら……そんな顔をしないで下さい。……私は、いつでも泉さんの味方ですよ」
「うん……ありがと……。よし!少し元気出た!」
「その調子ですよ。カラ元気でも元気と言ってる人も居ますから」
「みゆきさん……それ何処で仕入れた知識……?」
「えっ?お父さんが持っているCDですけど……」
「あ……そうなんだ……まぁ、丁度はまる世代だからねぇ……」
はぁ……偉大なり!山本正之!!
「それで……泉さんは今後どうなさいますか?」
「うーん……取り敢えず考えるよ」
「考える?何をですか?」
「そりゃあ勿論、つかさとかがみの『奪還計画』だよ!」
「『奪還計画』、ですか……」
「うん!私は諦めないよ!絶対に何か方法が有るはずだから!!」
「……では、その『計画』を実行する時には必ず手伝わせて下さいね」
「モッチのロンだよっ!」
……待っててね!つかさ!!……かがみもね♪
☆
『屋上での一件』から十日程経った昼休み。
私はその間ずっと考えていた『奪還計画』を実行するために、みゆきさんにあるお願いをする事にした。
「ねぇねぇ、みゆきさん」
「何ですか?泉さん」
「あのね……」
Section1 「掘り返された苗木」 End
99 :
ナハト:2010/09/23(木) 11:35:13 ID:HMwhDjvs0
以上です
ここから先は書きためていた物を手直ししつつ順次投下しますんで
1週間後には続きを投下できると思います
ではでは ノシ
待ってるぜ!
ほ
し
ゅ
104 :
1-724:2010/09/26(日) 20:46:04 ID:KOaFltj70
>>104 1-724氏
保管お疲れ様です
*の件、了解しました
ふむ……次からは気をつけないといけませんなぁ
メモメモ……゛φ(ロ_ロ)
連投になってしまうが……
このスレ、結構やう゛ぁい位地に居ますなぁ〜
むぅ……落ちるのだけは勘弁してほしいなぁ
108 :
ナハト:2010/09/27(月) 23:41:45 ID:48Cz7qF90
>>107 (・o・)ゞ了解であります!
成る程……板によって違うんですなぁ〜
☆ゅ
補足
750近くというのは立っている総スレ数ね
750に達したら700に圧縮される
その瞬間にこのスレが700番までならセーフ
701以下ならアウトでdat落ち
って事は、今デッドラインギリギリって事!?
o(><)oヒィィィィ-
PCから確認しますた
成る程……でも来週あたりは気をつけなくちゃいけないんですね
了解です("`д´)ゞ
どうしてもベッドの上では
つかさにかなわないこなた
611/744
117 :
ナハト:2010/09/30(木) 09:12:12 ID:6wF00cWW0
どもども、木曜ですので約束通りに投下します
タイトルは
dear −Section2 「拾われた苗木」
です
本文5レス程使いますね〜
118 :
ナハト:2010/09/30(木) 09:12:45 ID:6wF00cWW0
「すみません、峰岸さん……少々お話したい事が有るのですが、よろしいでしょうか?」
放課後、委員会の用事で残っていた私は、同じく残っていた峰岸さんに声をかけました。
「あ……ええ、大丈夫よ。……人が少ない所で話したほうが良い話し……かしら?」
……やはり警戒していますね……。
「そうですね……、なるべくなら他の人には聞かれたくない話しですから……」
「じゃぁ、場所を移動しましょうか」
「あ、あの……日下部さんにもお話したいのですが……」
「みさちゃんにも……?わかったわ、多分もう少しで部活が終わるから……、その後、何処かで話せば大丈夫でしょ?」
「はい、それで問題ありません」
「じゃぁ、みさちゃんを迎えに行きましょう」
そう言うと、峰岸さんは警戒を解かずに早足で昇降口へと向かっいました。
大丈夫、きっと二人はこの計画を理解してくれるはずです……。
dear −Section2 「拾われた苗木」
ここは、通学路の途中にある公園。夏が近く日が長いとは言え、流石に5時近くにもなると人影もまばらですね。
「で、あたしとあやのに何の話しが有るっての?」
日下部さんは、多少苛々した声で話し掛けてきました。
仕方の無い事です、私が『お二人に』話しが有ると言うことは、間違いなく『泉さんとつかささん』に関係の有る話しですから。
「はい……、お二人はもう気付いていらっしゃると思いますが、泉さんとつかささんについてのお話しです」
「……やっぱりちびっこと妹の事か……」
「で、どんな話しなの?」
「昼休みに、泉さんから頼まれた事なんですが……」
峰岸さんに問い掛けられ、私は泉さんから持ち掛けられた『計画』を話しはじめました……。
●
ねぇねぇ、みゆきさん。
―なんですか、泉さん。
あのね……。お願いがあるんだけど……、あやのさんとみさきちに『かがみとの連絡』が出来る様に……頼んで貰えない、かな?
―……でも、それなら泉さんが直接……
……あの二人は私に対して物凄い嫌悪感を持っているから……。
―そうでしたね……わかりました。ですが、それだけではお二人は納得されないと思います。泉さんはかがみさんと連絡を取った後、一体どのようなお話をされるのですか?
……言わなきゃ……駄目……かなぁ……。
―はい。
……そっか……、うん、わかった。そうだよね、頼んでいるんだから、何を話すかちゃんと言わないとね。
―では……お聞かせ頂けますか?
うん……、実はね……。
●
「「駆け落ちぃっっ!!!」」
「……はい、泉さんはそうおっしゃっていました」
流石に、お二人共驚かれていますね……、仕方がありません。私ですら一瞬耳を疑った位ですから。
「で、でもさぁ〜、なんでちびっこはいきなり『駆け落ち』なんて言い出したんだ〜?」
「私もそう思ったので、即座に理由を聞きました」
●
―『駆け落ち』を選択すると言うことは、かなりのご覚悟が有ると思われるのですが、その理由は一体何ですが?ご無理で無ければお聞かせ願いたいのですが……。
理由……ね……、『おとーさんとつかさの両親が許せない』って事かな……、それと『私達の覚悟を知ってほしい』ってのも有るから……、その二つだね。
●
「『許せない』って……ちびっこはそんなに怒っていたのか……」
「『覚悟を知ってほしい』って、一歩間違えば『取り返しのつかない事』も厭わなかったって事……?」
119 :
ナハト:2010/09/30(木) 09:13:11 ID:6wF00cWW0
私は黙って頷いた。
「でも、でもさ〜、ちびっこと親父さんはすんげー仲良かったんだろ〜、何でそんなに怒るかなぁ〜?」
「泉さんは、こうもおっしゃっていました」
●
私やつかさに対して何らかの罰を下すのなら、まだ許せる。
だけど、かがみを休学させて、みさきちや峰岸さん、それにみゆきさんまで苦しめた。
それだけは、絶対に、許せない。
●
そこまで話して、私は息を一つつきました。
お二人は涙ぐんでいました、かがみさんが強制的に休学させられてから、お二人はずっと泉さんに冷たく当たっていました。
それなのに、泉さんは『二人を苦しめた事』に対する怒りを露わにしていました。
「ごめんよぉ〜……ちびっこぉ〜」
「泉ちゃん……今までずっと誤解してた……ごめんなさい……」
お二人は泉さんに対する謝罪の言葉を述べていました……ですが……。
「それは、お二人が直接、泉さんに伝えるのが良いのではありませんか?」
その方が、きちんと気持ちを伝えられますからね……。
「お話の場は、私が設けさせていただきます」
「そんな……悪いわよ。自分達がしてきた事だもの、自分達できちんとけじめをつけなくちゃ」
「いえ……泉さんにこう言われているので」
●
みゆきさん、もし二人のオッケーがもらえたら、みゆきさんの家で作戦会議を開きたいんだ。良いかな?
―ええ、構いませんよ。
ありがとう。あ、でもね、もしどちらかがノーって言ったら、この計画は全て無かったことにするからね。
―何故、ですか?
ん……、私はね、出来ればこの計画は『おとーさんとつかさの両親』以外全員の賛成がほしいんだ。
でも、実際にはそんなこと無理だから、せめて『かがみ、みゆきさん、みさきち、峰岸さん、いのりさん、まつりさん』
そしてもちろん『つかさ』
この人達だけでも賛成してくれたら、私は計画を実行しようと思う。
―裏を返せば、一人でも反対する人がいたら……。
●
「この計画はパーって事か、流石ちびっこらしいと言うか何と言うか……」
「では、お二人はこの計画に、賛成して下さいますか?」
「ええ!」「もっちろん!!」
「……ありがとうございます!!」
私は深く頭を下げ、謝辞を述べました。
泉さん……貴方のお気持ちは、きちんと伝わりましたよ……。
「では、今後の事について……」
私達はお互いの連絡先や住所等を交換して、それぞれの家路につきました。
☆
翌日の放課後。
高良家の門前には、インターホンを押す小さな影が一つあった。
『どちらさまですか〜?』
「あ、こんにちは〜、泉です〜」
『あら〜、こなたちゃ〜ん、どうぞ〜』
いつものように門を開け、玄関に向かう。そしていつものようにノブに手を掛けようとした瞬間!
「ぬぉうっ!!!!!」
120 :
ナハト:2010/09/30(木) 09:14:59 ID:6wF00cWW0
「あ〜、ピッタリだったわぁ〜」
ほぼ同時に、驚愕した声とのんびりした声が、高良家の玄関に響き渡った。
「び……びっくりしたぁ〜、……こ、こんにちは、ゆかりさん……」
「うふふっ、びっくりした顔も可愛いわぁ〜。……次はどんな顔を見せて貰えるかなぁ〜」
悪戯っ子の様な顔をこなたに近づけながら、そんなことを口走るゆかり。
流石のこなたも動揺を隠せ無いようだ。
「や、ややややぁぁぁぁ、可愛いだなんて、いや、その、あの、えと……」
「オドオドしているこなたちゃんも、かぁ〜わいぃ」
ゆかりはこなたのおでこを、指で『ツン』とつついた。こなたは顔だけでなく全身を真っ赤にさせ、俯いて恥ずかしさに耐えていた。
「お母様……それくらいにして頂けませんか?先程からみんなで待っているのですが……」
その声にこなたが顔を上げると、そこには親友であるみゆきの顔があった。
「や……やふぅ〜……みゆきさん……」
「あらあら、そういえばそうだったわねぇ〜。さ、こなたちゃんどうぞ」
「泉さん、こんにちは。お二人がお待ちですよ」
その言葉に、こなたはやや暗い顔をして俯いた。
「うん……わかった……、お邪魔します……」
みゆきの後について、二人はみゆきの部屋へと向かった。
その後ろ姿を、ゆかりは心配そうな表情で見つめていた。
―こなたちゃん……大丈夫かしら?。
☆
私の部屋へ向かう間、泉さんは一言も口にせず、黙って私の後ろを歩いていました。
過度の緊張、なのでしょうか、いつもより明らかに歩みが遅くなっています。
「泉さん、中でお二人がお待ちです」
私が扉の前でそう言うと、泉さんは一瞬戸惑った顔を見せましたが、すぐに緊張した顔に戻りました。
「……ドアを開いても、構いませんか?」
「うん……、お願い」
「泉さんがいらっしゃいました」
私は扉を開け、努めて平静を装った声を出しました。
「あ……お、おっす……」
「こ……こんに……ちは」
「や、やふぅ〜……みさきち……と……峰岸さん」
「……では、泉さん。こちらにお座り下さいませ」
私が促すと、泉さんは表情を全く変えずにクッションの上に座り込みました。
さて……ここからが正念場ですね……。
☆
―カチコチカチコチ……
時計の音だけが、室内に響きます。
泉さんをお部屋に案内してからもう少しで十分が経ちます。
ですが……私達の間には、全く会話が有りません。異様な緊張感の中、三人共俯いたままの姿勢で固まっています。
話し掛けたい、という雰囲気は十分に伝わっているのですけどね……。
『ふぅ』と私は心の中で溜息を一つつきました。
そういえば、泉さんは『真面目な話しをする』ということが物凄く苦手でしたね……。
いつもならば、此処にかがみさんがいらっしゃって、泉さんのフォローをされるのでしょうが……。
では、本日は私がその役を努めさせていただきましょう……。
「泉さん」
静まり返った部屋に、私の声が響きました。
三人が顔を上げて私を見ます。
「……そういえば、泉さんのお飲みものを忘れていましたね。申し訳ありません、今からお持ち致しますね……」
121 :
ナハト:2010/09/30(木) 09:15:37 ID:6wF00cWW0
私は軽く頭を下げ、部屋を出ようと立ち上がりました。
もし、予想が間違っていなければ、ここで……
「み、みゆきさん!の、飲み物は……後で……良いから……そ、そこに……座っていて……貰える……かな」
ふふっ、予想通りです……。
私には『常に周囲を観察してしまう』という悪癖が有ります、これを嫌悪することが度々有るのですが……。今回は役に立ちましたね……。
「あ、あの……」
私が座り直すと、泉さんが口を開きました。そして座ったままクッションから体をずらし、床に頭を押し付けました。
「……みさきち!峰岸さん!みゆきさん!ごめんなさい!!」
泉さんはそのまま言葉を続けます。
「私が、つかさと恋人同士にならなければ、今まで通りかがみと楽しく過ごせていたのに、それを私の我が儘で奪ってしまって……。本当に、ごめんなさい!!!」
お二人は……いえ、私も含めた三人は、何も言えずに泉さんを見つめていました。
峰岸さんと日下部さんは、困惑の表情を浮かべています。
そして……、恐らく私も。
泉さんがお二人に対して謝辞を述べられるのは、泉さんの性格からすれば『当然である』と思っていました。
ですが……何故私にも?これは完全に『予想外』の出来事でした。
私は……泉さんに何かしらの『不安』を与えていたのでしょうか……。
泉さんはそのままの姿勢で「ごめんなさい……ごめんなさい」と、涙声でつぶやいています。
すると、日下部さんと峰岸さんが立ち上がり、泉さんの前に座りました。
「ちびっこ……こっちこそ、ごめん!!」
「泉ちゃん……、私こそ、ごめんなさい!!」
お二人揃って、泉さんと同じ様に頭を床に押し付けました。
「ちびっこは、何も悪くないのに、私は自分勝手な気持ちで冷たく当たってた!」
「私だってそう、何であんな酷いことを言っちゃったんだろう……、本当にごめんなさい!」
お二人共、泣いていました。
「本当は、こんな事を言えるはず無いんだけど……ちびっこ、許してくれ!」
「私も、どんなことだってするから、許して下さい!」
泉さんは静かに顔を上げ、じっと二人を見ました。
「みさきち、峰岸さん、……それは私の台詞だよ……、私こそ、二人に迷惑をかけた事、許して下さい!!」
そして再び頭を下げました。
……又、沈黙が訪れました。
三人共頭を床につけたまま微動だにしません。
「……皆さん、そろそろ宜しいのではないのですか?」
私がそう言うと、三人は顔を上げました。
「『許す』とか『許さない』のではなく、泉さんも峰岸さんも日下部さんも、お互いに『謝った』……それだけで充分では有りませんか?」
そう声をかけても、三人は納得していない様子です。
困りましたね……では、先程の様に……。
「こなたも、日下部も、峰岸も、みんな謝ったんだから、これでこの話しは終わりにしなさいよ!」
「「「!!!」」」
ふふふっ、結構、似ていましたか?
「み、みゆきさん……。んもぉ〜、なんでかがみの真似なんかするかなぁ〜」
「ビックリしたぁ〜、柊がいるのかと思っちまった……」
「た、高良ちゃん……今のって、やっぱり……柊ちゃんだったの……?」
流石に三人共驚かれたようですね……ふふっ。
「そうですよ……自信は……結構有ったんですけれど、……似ていましたか?」
その問いに、三人共無言で首を縦に何度も振りました。
「いやぁ〜、ホントに柊そっくりだったよ〜」
「高良ちゃんって、そんな特技が有ったのね……なんか以外だなぁ〜」
「いやぁ〜、私も長いことみゆきさんを見ているけれど、こんなみゆきさんは初めて見たよ〜」
そう言った皆さんの顔に、笑顔が戻りました。
良かった……これで本題に移ることが出来そうです。
「ん、でも、本当にごめんな、ちびっこ」
122 :
ナハト:2010/09/30(木) 09:16:12 ID:6wF00cWW0
「良いって〜、こっちこそ、ごめんね」
「良いのよ……泉ちゃん。私達、この間高良さんから聞いて、その時からずっと、泉ちゃんに悪いと思っていたんだから……」
そう言い合って、三人でクスクスと笑い出しました。
「……さて、皆さん。そろそろ本題に移りましょうか。」
その瞬間、先程とは違う緊張感が漂いました。
「で……、あたしらは何をどうすれば良いんだ?」
「『柊ちゃんと連絡を取る』だけなら、明日出来るけれど……」
「……確か、つかさとかがみには二人が定期的にプリントを届けているんだよね」
「ええ、そうだけど……」
学校の方針で、休学している生徒には可能な限り、授業内容をプリントにして渡すという制度があります。
どのような理由付けで申請しているのか解りませんが、お二人は現在『休学』という扱いになっています。
「今、二人はどんな状態なの?常に親が見張っているの?」
「ん〜、妹に関してはそんな感じだなぁ〜。柊はそうでもないけど」
「おばさんとお姉さん二人が、ローテーションで見ている感じよ。携帯の番号も変えられたって言ってたわ」
「あと、妹は部屋を変えられて……ってゆーか、昼間はその日の担当と一緒に居間で、夜は両親と同じ部屋で寝ているって言ってたな〜」
……つかささん、随分と制限を受けられているのですね……。
「そっか……、つかさは私のせいで、随分と酷い目に会わされているんだ……」
泉さんの顔色が変わりました。
私にも、良く解ります。いくら『泉さんと引き離す為』とは言え、これはやり過ぎです。
「じゃぁさ……、明日、かがみにこの手紙を渡してくれないかな?」
そう言って、一通の手紙を取り出しました。
「これを渡せば良いのね?」
泉さんは静かに頷きます。
「一体、なんて書いてあるんだ?」
日下部さんの問いに、泉さんは静かに答えました。
「みさきち、ごめん……それは、言えないんだ」
「えー、なんでだよぉ〜」
「二人を信用していない訳じゃ無いんだよ」
「じゃぁ、どうして?」
「この中に書いてある事……それをかがみが実行してくれるかどうかが肝心なんだ」
「では……、かがみさんが実行して、それを確認出来たら……」
泉さんは私達を真っ直ぐに見つめて言いました。
「うん、その時には、ちゃんと話すよ。約束する」
「そうですか……わかりました。ではその時に、お願い致します」
「ちゃんと教えてくれよな、ちびっこ」
「泉さん、お願いね……」
「うん……それじゃぁ……『指切り』しよ!」
そう言うと、泉さんは私達の目の前で小指を立てました。
「『指切り』……ですか?」
「そう、だって『約束』って言ったら、これでしょ〜」
「ははは、ちびっこっぽいや〜」
日下部さんが指を絡めます。
「そういえば、定番よね〜」
峰岸さんも指を絡めました。
「うふふ、嘘をついたら『針千本』ですよ、泉さん」
四人の小指が絡まりました。
「「「「ゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのぉーます!」」」」
みんなで顔を見合わせて……。
「「「「ゆーびきったっっっっ!!!!!」」」」
Section2 「拾われた苗木」 End
123 :
ナハト:2010/09/30(木) 09:19:31 ID:6wF00cWW0
以上です
あぅ……一つ間違い見つけてもーた
>>119の1行目なんですが
× 私は黙って頷いた。
○ 私は黙って頷きました。
です〜。……チェックしたつもりなんだけどなぁ……
ではでは、来週の木曜日に〜 ノシ
124 :
1-724:2010/09/30(木) 23:22:34 ID:RhP+652F0
>>124 保管乙です!
おまけに修正までしていただいて……
感謝、感謝です _(._.)_
☆
つかさの「ひゃん」は想像できるが
こなたの「ひゃん」は想像できない
>>123 交際認めない事自体は、同性愛の茨の道に進ませたくない
親心もあるだろうし分かるけど
3年の大事な時期に学校に行かせないで軟禁はさすがにやばいな。
このスレでは新鮮な内容のSSでけに目が離せん。
129 :
ナハト:2010/10/04(月) 18:56:23 ID:glb27SIbO
フライパンでにホットケーキを焼いているつかさ
そのすぐ後ろにはこなたがお皿を持って何かを待ち構えている。
「こなちゃん!いくよ!」
「オッケー!!」
フライパンを両手でしっかり持ち、中腰になるつかさ。
「せーの!ほっ!!!」
反動をつけて振り上げたフライパンから、ホットケーキがクルクルと回転しながら後ろへと舞い上がる。
こなたはそれを見ながら慌てて落下点へとお皿を滑り込ませた。
「うわうわうわうわ!シュッっと……」
「こなちゃん!やったね!!」
「ふふーん。私の運動神経をナメちゃいけませんぜ」
こなたが持つお皿には美味しそうに焼けたホットケーキが鎮座していた。
「さ、食べようか」
「うん!」
保守ついでに一ネタ
☆
つかさの点心爛漫な中華
ほ
嘘もつかさが云えば他愛ない内容だから可愛い
134 :
ナハト:2010/10/07(木) 23:11:10 ID:gSc+PdAD0
それでは本日も投下致します
タイトルは
dear −Section3 「鉢に植えられた苗木」
です
今回も本文5レス使いまする〜
135 :
ナハト:2010/10/07(木) 23:11:32 ID:gSc+PdAD0
ピーンポーン
……日下部達、来たわね。
『こんにちは……』
『二人共、いらっしゃ〜い』
『まつりさん、妹、こんちは〜』
『まつりさん、妹ちゃん、お邪魔します』
あらっ?今日の担当はいのり姉さんじゃなかったっけ?
『あれっ?ローテーションだと今日はいのりさんですよね?』
『あ〜うん、そうなんだけどさ〜、何か急に決まった会議に出なきゃいけないんだって〜』
『そうなんですか〜、大変ですね〜』
ふ〜ん、そうなんだ〜。
ま、私達にしてみれば『好都合』だけどね。
『あ、おじさんこんにちは〜』
『お邪魔しています〜』
『やぁ、いらっしゃい。『勉強会』かい?かがみも部屋で待っているよ』
……やっぱり父さんは家に居るのか……。
dear −Section3 「鉢に植えられた苗木」
トントン
『かがみ〜、開けるよ〜』
「はーい、どうぞー」
「おーっす、日下部に峰岸」
「ちゃーっす、柊〜」
「こんにちは、柊ちゃん」
「お姉ちゃん……お邪魔します……」
……今日はまつり姉さんと一緒だから、昨日よりは元気そうね……。
部屋の定位置(私は机、つかさ&峰岸&日下部はテーブル、姉さんはベッド)に皆が座った所で、いつもの『勉強会』が始まった。
「はい、峰岸」
私は前回のプリントを渡した。
「ありがとう、じゃぁこれが次の」
新しいプリントを受け取る。
「今回は丁寧に書いておいたぜ〜、柊〜」
日下部がノートを差し出す。
「サンキュー、日下部。」
それを受け取り、自分のノートに書き写す。
「妹ちゃん、はいどうぞ」
「峰岸さん……ありがとうございます」
つかさは峰岸からノートを受け取り、自分のそれに書き写す。
そう、これは決して『勉強会』などではなく、その名を借りただけの『受け渡し&書き写し』である……。
●
あの日、つかさが父さんに『休学』を命じられた日、つかさは泣いていた。
それを見た私は、翌日学校でこなたにその事を話した。
それを聞いたこなたは、つかさを慰めようとして、私に手紙を託した。
それを私は、密かにつかさに渡した。
つかさは、それを読んでとても嬉しそうで……でも哀しそうで……複雑な表情を浮かべていた。
私は……そんなつかさを……黙って……静かに見つめていた。
136 :
ナハト:2010/10/07(木) 23:11:59 ID:gSc+PdAD0
―良かった……。
そう、思っていた。
でも、そう上手くはいかなかった。
安心していたから、気付くのに遅れてしまった。
気がついたら、母さんがつかさから手紙を奪い、父さんがそれを破いて捨てていた。
そして……私の右頬に鋭い痛みが走った。
「あんな女との連絡係を務めるとは!!お前にも罰を与える!!暫く『休学』だ!!!」
●
……その事件があった日から、つかさには常に『介助』が就くようになった。
確かに、情緒不安定になったりするからあながち間違いではない。
だけど、どうみても
『監視』
だ。
ちなみに、『監視』の厳しさは母さんが一番で、次いでいのり姉さん、まつり姉さんの順に緩くなっていく。
元々まつり姉さんは二人の事を認めていたし、応援もしていた。
それに例の一件は姉さんの部屋の前で起こったため、その後こっそりと私達に「立場上、辛く当たる事になるけど、私は三人の味方だよ」と言ってくれた。
だから、父さんが居ない時の『勉強会』は結構楽しみだったりする。
……でも、残念ながら今日は『在宅』なんだよね……。
『監視』といえば、つかさ程では無いけれど、私にも『手伝い』という名目で、外出時には両親の二人もしくはどちらかが一緒に行く事になった。
母さんと一緒の時は、学校の話題以外で多少なりとも会話が弾むので、ある程度気が晴れる。
でも、父さんは別だ。
毎回必ず
「お前が『休学』しているのは、あの女が悪いからなんだぞ」
「あの女がつかさをたぶらかさなければ、こんな事にはならなかった」
「父さんは、二人の為を思ってこの措置を取ったんだ」
「『復学』しても、あの女とは二度と会うな」
と言ってくる。
明らかに『こなたに対する嫌悪感』を植え付ける為の『会話』。
立場上「解った」とは答えるが、常に『はらわたが煮え繰り返る』状態だ。
だから、私は『決心』した。
―二人が幸せになるのなら、私が出来る事は何でもする。例え、それが『自らの崩壊』を招いても―
☆
部屋の中で、ペンを走らせる音だけが響く。
空気がとても重い。
窓から、爽やかな風が流れ込んで来る。
だがしかし、それを以ってしてもこの空気を軽くすることは出来なかった。
……あぁ、もう!
思わず叫びそうになるのを、何とか抑えた。
もし、今大声を上げたら、即座に父さんがやって来る。
そして、現在の状況を更に悪化させる。
それだけは、避けなくてはならない。
空気が重い、静かすぎる、叫びたい、叫べない……。
貯まってゆくフラストレーション。
この精神状態は、持っても後数分だろう。
137 :
ナハト:2010/10/07(木) 23:12:23 ID:gSc+PdAD0
「まつりお姉ちゃん」
不意につかさが口を開いた。
「な〜に?つかさ」
「トイレ……行きたい」
「そっか、んじゃ、行こうか」
そう言って、つかさを連れて部屋を出た。
再び静まり返る室内。
私は書き写しを再開し……ようとしたら、突然目の前に紙が置かれた。
[黙って、じっとしていて]
その紙にはこんな文章が印刷されていた。
横を見上げると、いつの間にか峰岸が立っていた。
よく見ると、まだ数枚の紙を手に持っている。
[絶対に声を出しちゃダメよ]
先程の紙を仕舞い、新しい紙を置いた。
何をするんだろう……?取り敢えず、頷いておく。
[泉ちゃんから、手紙を預かっているの]
「!!」
私は慌てて口を両手で塞いだ。
手紙?預かる?でも二人は私の事で、こなたと仲違いしていたはず……、それもかなり険悪な状態だったはずだ。
それなのに、どうして?
混乱している私の目の前に、一通の封筒が置かれた。
飾り気も何も無い、真っ白な封筒だ。
[この中に入っているから、私達が帰って一人になったら読んで]
その紙を見て、思わず峰岸に問いただそうとした。
何で?
今見たらいけないの?
どうして私への手紙なの?
いつ預かったの?
何が書いて有るの?
でも、峰岸は済まなそうな顔をして、余白にこう書いた。
[ごめんね柊ちゃん]
[何て書いてあるのかは知らされていないの]
あ……そっか……、知っている訳無いよね……。
こなたの事だから、みゆき経由で峰岸に頼み込んで、これを届けてもらったのだろう。
……あれ?
一つの疑問が、私の中に浮かんできた。
もしそうならば、この『手紙』の事を日下部が知らないはずが無い。
じゃぁ、何でこの『手紙』は無事なの?
今回の『事件』の後、最初に『勉強会』をした時。
原因となった人物であるこなたに、日下部は激しい怒りの感情を顕わにしていた。
あの時の感情を思い返すと、これがここに有るなんて事は、決して有り得ない。
私が難しい顔をして手紙を見つめていると、それを見た峰岸が首を傾げたので、今度は私が書き込んだ。
138 :
ナハト:2010/10/07(木) 23:12:50 ID:gSc+PdAD0
[二人共 こなたと ケンカ してなかったっけ ?]
すると、峰岸は微笑みながら紙を取り出し目の前に置いた。
そこには、
[私も、みさちゃんも、泉ちゃんと、ちゃぁ〜んと仲直りしたよ!!]
と書いてあった。
……峰岸……と、日下部……が、こなた……と、仲……直り、した?
思わず紙を手に取り、峰岸に向かってその部分を指で指した。「ほんとに?」と
声を出さずに尋ねると、微笑みながら頷いた。
振り返って日下部にも同様に聞いてみた、すると満面の笑みで左手の親指をグッと起てた。
ホントに……本当に……仲直り……できた……んだ……。
目頭が熱くなる。
視界が歪む。
泣いてはいけない。
泣いて……は、いけ……ない……の……に……。
「我慢しなくて良いんだよ、柊ちゃんは悪くないんだから」
耳……もとで……そんな……こ……ヒック……こと……ささや……ヒック……くなん……てっ……ヒック……は……グスッ……はん……そ……ヒック……く……グスッ……よっ……ウウッ。
「今はさ、この部屋にあたしらしか居ないんだから、好きなだけ泣いておきな」
ヒック……あ……ヒック……あた……ま……グスッ……なで……ヒック……る……な……グスッ……なん……て……ヒック……よけ……よけい……グスッ……なみ……だが……ヒック……と……グスッ……とまら……ない……ウウッ……じゃ……グスッ……ない……のっ……ヒック
☆
「落ち着いた?」
峰岸が聞いてきた。
「ん……」
私は静かに頷く。
時間にしたら一分程度だろうか、峰岸に頭を抱えられた私は、何とか平常心を取り戻した。
本当は、大声を上げて泣きたかったけれど、それをすると確実に父さんが来るから、それだけは何とか耐えた。
「二人共……ごめんね……ありがとう」
「別に構わないって、柊だって辛いんだしさ」
「みさちゃんの言う通りよ。それに、私達の仲じゃない」
うぅっ……そ……そんな……こと……いわれ……たら……って、ダメダメダメダメ!!!
ここは耐えろ、耐えるんだ、私。
「ただいま〜……おっ?何かあったの?」
姉さんとつかさが戻ってきた。
「ん?特に何もないけど」
良かった……二人が戻ってくる前に落ち着いて……。
「そっか、んじゃまぁいいや。……所でかがみ〜、そろそろ終わりそう?」
「あ、ちょっと待って、あとページ半分だから」
そういや、そろそろ二人が帰る時間だわ、急いで写さないと……。
☆
「日下部、峰岸、今日もありがと。じゃ、また明後日よろしくね」
「んじゃ、柊〜、また明後日なぁ〜」
「柊ちゃん、またね」
そう言って、二人は部屋を出て行った。
つかさとまつり姉さんが追いかける。
139 :
ナハト:2010/10/07(木) 23:13:30 ID:gSc+PdAD0
『おや、もう帰るのかい?』
『はい、おじさん。お邪魔しました〜』
『それでは、失礼します』
『お二人共……今日も……ありがとうございました』
『みさおちゃん、あやのちゃん、またね〜』
扉の閉まる音が聞こえる。
親が居る時、私には見送る『権利』が無い。
……別に、それくらいは良いじゃない……。
これも『こなたに対する嫌悪感』を植え付ける為なんだろう。
―でもね、父さん、母さん。
あなたたちは、本当に『娘達』の事を理解しているの?
少なくとも、私とまつり姉さんはその『計略』全てを『お見通し』なんだよ―
☆
「じゃぁ、まつり姉さん。ノート渡しておくから、つかさの事よろしくね」
そう言って、姉さんに私が書き写したノートを渡した。
「ん、頑張ってみる。無理だったら……今日はアンタに手助けしてもらえないか……」
私は「父さんが居るからね」の一言を飲み込んで、小さく「ごめんね」と言った。
「別に、アンタが気にする事じゃ無いって。それに、ほら、あたしも少しはつかさに『姉』っぽい所を見せないとね〜」
姉さんは「じゃ〜ね〜」と手を振って部屋を出た。
扉が閉まるのを見送って、ベッドに倒れ込んだ。
……ウッ……グスッ……
顔を枕に埋めて、声を押し殺して泣いた。
ここ最近は何時もそうだ。
二人が帰って、つかさと引き離されて、一人になって、寂しさが一気に込み上げて来る。
……ウウッ……グスッ……エグゥ……
何で、私は独りにされなきゃならないの?
『監視』が居れば、つかさと一緒に居たって良いじゃない?
……ヒグゥ……グスッ……エグッ……
私が何をしたって言うの?
つかさとこなたが付き合うのは、そんなにも『人の道を外れた』事なの?
……グスッ……ウウッ……ヒック……
わからない……わからないよ……。
なんでなのか、ぜんぜんわからないよ……。
……グスッ……ウウゥッ……エグッ……ウウッ……ヒック……ウグッ……
だれか……おしえて……よ……
Section3 「鉢に植えられた苗木」 End
140 :
ナハト:2010/10/07(木) 23:28:04 ID:gSc+PdAD0
以上です
ではまた来週木曜日に
……そろそろタイトルのネタが尽きそうなんですけどねw
追記:
現在書き終えているのがSection8迄です。
……一応10〜11で終わる予定です。
一応ですけどw
747捕手
乙!
ヒヤヒヤしながら待ってるぜ
143 :
1-724:2010/10/09(土) 01:24:04 ID:rK0ctm5I0
☆ゅ
ほらきたよ
しもやけおててに
ゆきんこが
読み人:つかさ
うにょん
☆ゅ
148 :
ナハト:2010/10/14(木) 23:56:10 ID:bWAL2xur0
仕事が長引いたために滑り込みセーフで何とか木曜日に投下w
タイトルは
dear −Section4 「水を与えられる苗木」
です
今回は本文7レスほど使いますね〜
149 :
ナハト:2010/10/14(木) 23:56:37 ID:bWAL2xur0
『……み』
『ほ……お……さい』
どこからか、声がする。
『……ん、でき……よ!』
ん〜、疲れているんだから、寝かせてよぉ〜。
「おらぁぁっっ!!さっさとおきろぉぉぉぉっっ!!!!」
「ぬおぅわぁぁぁ!!!」
驚いてベッドから跳び起きると、目の前にまつり姉さんの顔が有った。
「あ、ね、姉さん、おはよう」
「……どうみても、今は夜だと思うんだけど……。ま、いいや。ご飯食べて無いの、アンタだけだよ、早く来な」
えっ?もうそんな時間?
目覚まし時計を見ると、午後八時を僅かに過ぎた所。
……って事は、三時間近く寝ちゃっていたんだ。
あや〜、久々にやっちゃったなぁ〜。
dear −Section4 「水を与えられる苗木」
「ほら、さっさと顔を洗って来なさい」
「はぁ〜い」
電気が灯っていないから気付かれなかったけれど、今の私はかなり酷い顔をしているはずだ。
何時もなら、こんな時間まで寝たりしないのに……。
はぁ……、さっきのが原因だよねぇ……やっぱり……。
☆
「母さん、お帰りなさ〜い」
「かがみちゃん……その挨拶はもう少し早く言ってほしかったわ」
食卓を見ると、私の晩御飯だけが残っていた。
父さんはお風呂に入っているらしく、居間ではまつり姉さんがつかさの相手をしている。
「いやぁ〜、何か急に疲れが出ちゃったみたいでさ〜、まつり姉さんに起こされるまで、全然気がつかなかったのよ〜」
「全く、しょうがないわねぇ……。あんまり根を詰めないで適度に力を抜きなさい」
「!!」
後ろからいきなり声をかけられ、振り向くといのり姉さんが居た。
「あ……、姉さんお帰りなさい。うん、なるべく無理しないようにするわ……」
「そうそう、いのり、今日買い物行ったらね……」
私はお母さんといのり姉さんの話を聞きながら、晩御飯を食べた。
この二人は、私が父から受けた『罰』に対して、否定的な考えを持っている。
なので、父さんが一緒に居ない時は『学校に関する事以外』ではあるけれど、色々な話をしてくれる。
だから、私にとってこの時間が家庭内で唯一の『癒し』の時間になる。
……母さん、いのり姉さん、いつもありがとう……
☆
普段よりは少し遅くに入ったお風呂から出て、今私は自分の部屋に居る。
ここからが、本当の『一人の時間』だ。
はぁ……何だか今日は疲れたな……。
折角の『一人の時間』だけど……今日は早寝しておくか……。
あれ?何だか忘れているような……あ、手紙……
先程渡された封筒から手紙を出し、内容に目を走らせる……。
えええぇぇぇぇっっっっ!!!
叫びそうになる口を、慌てて両手で塞いだ。
150 :
ナハト:2010/10/14(木) 23:57:02 ID:bWAL2xur0
……これって……、えと……、どうしよう……。
確か明日は……母さんと父さんはつかさと一緒に、午後から氏子さんの所へ出掛ける予定よね……。
いのり姉さんは……今日出社させられたから、休みだってさっき言っていた……。
まつり姉さんは……夕方から飲み会に行くって言ってた……かな?
じゃ、じゃぁ、明日の午後、つかさ達が出た後に話しをすれば良いわね……。
う〜ん……、なるべくなら早めに話をしたいけど、どうあがいてもそれが一番早いか……。
でも……どうやって切り出そう……。
どう頑張っても考えが上手く纏まらないから、机に手紙を仕舞って私は寝る事にした。
『決戦は金曜日』……ならぬ『木曜日』ね……。
……神様、どうか作戦が……上手く……いきます……ように……おね……がい……しま……す……
☆
「父さん、母さん、つかさ、おはよう〜」
「かがみ、おはよう」
「かがみちゃん、おはよう、良く眠れた?」
「お姉ちゃん……おはよう……」
「うん、母さん。夢見る間もなく朝だったわ〜」
「へぇ〜お姉ちゃん熟睡だったん」
「ゴホン!ゴホン!……かがみ、今日父さん達とつかさは午後に出掛けるから、勉強をしっかりやっておきなさい」
「……はい、父さん」
つかさと私の間で許される会話は『挨拶と事務的連絡』のみである。
まぁ……実際には『父の前限定』なんだけどね。
だからさっきみたいに、うっかり話しをすると即座に割り込まれ、中断させられる。
あ……なんか……心の中がイヤな感じ……さっさとご飯食べて午後に備えておくか……。
☆
『じゃぁ行ってくるから、二人共かがみの事頼んだよ。』『は〜い、りょーかい』
『父さん達も気をつけてね』
行った……か……
朝食を食べた後、午前中は自分の部屋で勉強をし、昼食の後も勉強……の振りをして『その時』を待っていた。
……出掛けてから十五分……そろそろ大丈夫かな……
わたしは、ノートの間に『手紙』を忍ばせ、姉さん達が待つ居間へと向かった。
「姉さん達、今日もお願いね」
「おっけーだよー」
「……」
「どうしたの?いのり姉さん」
「ん……、何時も思うんだけどね、まつり。私達ってかがみの『勉強の手伝い』に必要なのかしら?」
「姉さん……それは言わない約束だよ〜」
「ま、まぁ、取り敢えず私勉強するから、一応見ててよ」そう言って、道具一式を座卓に広げ勉強を始めた。
「……かがみぃ〜、なんかアタシらに話したい事あるんじゃない?」
「へっ?な、何の事?まつり姉さん」
「隠したって駄目だよ、あんた昨日アタシが呼びに行った時泣いてたでしょ?『勉強会』の時もそうだったし」
……ヤバ、ばれてる……
151 :
ナハト:2010/10/14(木) 23:57:28 ID:bWAL2xur0
「そうなの?かがみ。何かあったの?」
「い、いや〜、た、たいしたことないって〜」
「かがみ、その態度でバレバレなんだけど」
……何時もと違って、まつり姉さん鋭いなぁ……。仕方ない、そろそろ切り出すか……
「あ、あのさ、姉さん達……これから話すこと、今いない『三人』には黙っていて……もらえる……かな……」
「アタシは別に構わないけど」
「私は……『内容』によるわね」
……そうだよね……普通はそう言うよね……
「でもそれって暗に『取り敢えず黙っておく』って答えているんじゃないの?姉さん」
「……だって、一応『監視役』なんだから……そう答えるしか無いじゃないの……まつり……」
あ、そうか……姉さん達も自分が『監視役』だって事わかっているんだ……って当たり前か……。
「ごめんね、ありがとう、いのり姉さん」
「んじゃ、その『話し』とやらは何なの?」
まつり姉さんに促されて、例の『手紙』を差し出した。
「これって……何時、誰から貰ったの?」
「昨日、姉さんとつかさがトイレに行った時、峰岸から」
「峰岸さんから……?それにしては余りにも素っ気ない封筒だけど……」
「取り敢えず、中身を見てみようよ、姉さん」
まつり姉さんが中から『手紙』を取り出して読み始めた……。
「なぁぁぁっっっ!!!」
「ど、どうしたの、まつり」
「どうもこうも……、姉さん見てよ」
「一体何なの……?あら、これって……こなたちゃんから?」
「……うん、そう……」
「姉さん、先を読んで」
「はいはい……、へっ?ええぇぇぇぇっっっ!!!!」
流石に二人共驚いたみたいだ。
まぁ、しょうがないよね、だってこんな事が書いて有るんだもん。
●
親愛なるかがみへ
この手紙をかがみが受け取っているって事は、私が峰岸さん&みさきちと仲直り出来たって事だね。
本当なら、ちゃんと会って話さなきゃいけないんだけど、それは無理だってわかっているから、手紙で伝えます。
今回の事で、かがみやつかさ、みゆきさんに峰岸とみさきち、色んな人に迷惑かけちゃったね。
ホント、ごめんなさい。
特にかがみにはいくら謝っても足りないくらい。
かがみのは完全にとばっちりだもんね・・・。
重ね重ね、ごめんなさい。
さて、本題に入るけど、今回わざわざこれを書いたのはちゃんと理由があるんだ。
率直に書くと
つかさと駆け落ちしたい
無茶な事を書いているのは承知しているよ。
でも、今回の事を解決するのに出来る限りの事を考えたら、これしか残らなかった。
152 :
ナハト:2010/10/14(木) 23:57:55 ID:bWAL2xur0
そこで、かがみにお願いなんだけど、出来たらでいいんだけど、この計画を認めてほしいんだ。
残酷なお願いをしているのはわかってる。
でも、かがみには認めてもらいたいんだ。
いや、かがみだけじゃない、いのりさんにも、まつりさんにも認めてもらいたい。
でも、強制はしないよ、だって、かがみやお姉さん達の事を私が決めるわけにはいかないからね。
だから、もし、本当に、三人がこれを認めてくれるのなら、もう一枚の紙に書き込んで下さい。
その紙は、次の勉強会の時にこの手紙ごと峰岸さんに渡してください。
どちらを選んでも、文句を言ったりしないから、安心して。
それじゃ、またね。
泉こなた
●
「……で、二枚目には何て書いてあったの?」
「ここに入って無いってことは、かがみが持っているのかしら?」
私は無言で頷いて、二人の前に差し出した。
「こ、これって……」
まつり姉さんが目を見張った。
当然だろう、だってそこには……
●
「誓約書」
私は、柊つかさと泉こなたが駆け落ちする事を認めると共に、部外者へ口外しないことを誓います。
●
その下には記名欄が三つ並んでいた。
そして、既に私は記名を終えている。
「……で、どうする、姉さん。アタシは……書くよ」
「ちょっとまつり!」
「姉さんが何を言おうと関係ない。もとよりアタシは今回の事で父さん達に目茶苦茶腹立ててるんだ」
「まつり、良く考えて!つかさよ!?駆け落ちよ!?」
大声をあげるいのり姉さんに、まつり姉さんはゆっくりと静かに言った。
「だから、書くの」
まつり姉さんはそのまま話しを続けた。
「姉さん……つかさは今、幸せなのかな……」
「アタシはね、父さんが言っていた『結婚』や『出産』だけが女の『幸せ』って意味が良くわからないんだよ」
「ゼミの先生は、五十歳を過ぎているけど独身生活を満喫している」
「サークルのOGは、女の子二人だけど同棲生活している」
「……アタシの後輩は……病気で卵巣を全摘出している」
「だけどね、姉さん」
「みんな、とっても『幸せ』って顔をしているんだよ」
「そりゃ、今までに『辛い』って思った事はあるだろうし、今でもたまにそんな雰囲気を見せる事もあるよ」
「でもね、みんなそれを補ってなお余る位の『幸せ』を見せてくれるんだよ」
153 :
ナハト:2010/10/14(木) 23:58:13 ID:bWAL2xur0
「ねぇ、姉さん」
「本当に『結婚』や『出産』だけが女の『幸せ』なのかな?」
「つかさにとって、本当の『幸せ』は、そこには無いと私は思うんだ」
「だから」
「私は、つかさに見つけて貰いたいんだ」
「自分だけの」
「本当の『幸せ』を」
……何も言えなかった、まさかまつり姉さんがそこまで考えているとは思ってもいなかった。
「かがみ……、ほら、ちゃんと拭きな」
まつり姉さんにハンドタオルを渡されて気がついた、悲しい訳ではないのに私は涙を流していた。
「……ま、そういった理由で、私は此処に名前を書く。姉さんは、自分の好きにすれば良いと思うよ」
「……」
まつり姉さんはいのり姉さんの前で名前を書き込んだ、ついでに『私は応援するよ!』のメッセージも添えていた。
「ねぇ、かがみ」
不意にいのり姉さんが声をかけてきた。
「こなたちゃんの性格を考えると……私の名前が無かったら……」
「計画を中止すると思うわ、確実に」
すると、いのり姉さんは口許に笑みを浮かべてこう言った。
「じゃぁ、仕方が無いわねぇ」
紙を手元に引き寄せる
「私一人のわがままで『可愛い』妹達とその友人を悲しませるなんて」
ペンを手に取る
「そんな趣味は無いからね〜」
『柊いのり』
と書き込ん……だ。
……も、もう……限界……涙……ヒック……がま……ん……ヒック……で……き……
「かがみ」
……柔ら……グスッ……かい……いのり……姉さん……ヒック……私の……あた……ヒック……ま……グスッ……だっ……ウゥッ……こ……し……ヒック……
「心配だったのね……。大丈夫、私もまつりと一緒で、今回の事は腹にすえかねているからね……」
……グスッ……あり……がと……エグッ……ねえ……さ……グズッ……
「安心しなさい、私も『みんな』の見方よ」
ウッ……ウワァァァ……
「辛かったよね、苦しかったよね……でも、それも今日でおしまい」
ウウッ……エグゥ……
「そうだよ、アタシも、姉さんも、かがみの力になるからね。父さん達がいない時は何時でも甘えな〜」
ウグゥ……ヒック……エグッ……ウゥッ……ヒック……
「わた……グズッ……わたし……こわ……ウウッ……かっ……エグッ……」
「今は何も言わないで、泣いていなさい……」
「そうだよ、これから暫く泣くヒマないんだからね……」
ヒック……ウウッ……グズッ……
☆
いのり姉さんに抱きしめられ、まつり姉さんに背中を撫でられ、私は段々と気持ちを落ち着かせていった。
「……ありがと、もう大丈夫だよ……」
「そう?私としてはもう少し妹の成長を確かめたいんだけど」
154 :
ナハト:2010/10/14(木) 23:59:00 ID:bWAL2xur0
「んなっ!!な、なにを、いわれ、る、の、ですか?」
「いのり姉さんいいなぁ〜、私も抱きしめたかったなぁ〜」
「ま、まつり姉さんまで……やめてよ……ハズカシイ……」
私は顔を真っ赤にして言った。
「ま、それは冗談として……」
いのり姉さんはそう言って体を離した。
……冗談だったんですか、いのり姉さん。
「次の『指令』が届くのは……来週の月曜日……かな?」
「多分……そうだと思う。明日これを渡すから……」
『勉強会』のスケジュールは月水金の週三日。
今日は木曜日だから、必然的にそうなるよね。
「それじゃ……まつり、かがみ」
急に姉さんが真剣な表情に変わった。
「手紙に書いてある通り『他言無用絶対遵守』だからね、わかった?」
へっ?
あ、あの〜。
「いのり姉さん……それ……私の台詞……」
「ん?良いじゃない、これくらい」
いや、そう言われても……。
「それに私達、勉強では姉らしい事出来ないんだから、こんな時位はその役をやらせてよ」
「姉さん、私『達』って……何気にアタシまで含めてない……?」
「あら、違うのかしら?」
「いや、違わないけどさ……」
「なら、問題無いでしょ」
「んと、その、何と言うか、釈然としない感じがするんだけど……」
「……そっか、まつりは今の台詞を言いたかったのね〜」
「はえっ?別にそんなこと思っていないし、ってゆーか、さっきの会話にそんな要素は無かったはずなんだけど」
「だって、私『達』ってまつりが言ったから……」
「姉さん……アタシが突っ込んだところはそこじゃ無いから……」
……ウッ……ププッ……
「どうした、かがみ。また泣いているの?」
……ウウッ……ククッ……
「かがみ、大丈夫?まだ辛い?」
……だ……だめ……ククッ……
「ァハッ……アハハハハハハハ……」
「!?」
「ごめっ……ごめん……クスッ……だって……姉さん……達の……アハッ……掛け合い……見てたら……フフッ……わ……わらいが……ククッ……こらえられ……なくって……アハハハ……」
☆
ハァ……ハァ……あぁ〜、苦しかった〜。
「かがみ」
ちょ……ちょっと……まって……いのり……ねえさん……
「元気出た?」
そう言われて、思わずハッとなった。
「……やっと……笑ってくれたね」
まつり姉さん……
「……うん……ありがと……いのり姉さん、まつり姉さん」
「ま、アタシらが出来るのはアンタを元気付ける事位だからね〜」
「かがみ、これからは私達も『味方』なんだから、どんどん頼って、一人で抱え込まないようにしてね」
……何も言えなかった。
そして、私は今まで全く気付いていなかった。
155 :
ナハト:2010/10/15(金) 00:03:17 ID:FNdmX2o90
こんなにも近くに『最も頼れる存在』が居たという事に。
……ウウッ……
「ほら、泣きたかったら無理しない、アンタの傍にはアタシが姉さんが必ず居るから」
「わたっ……グズッ……わたし……ごめっ……ヒック……ごめん……な……エグッ……ね……ねえさ……ウゥッ……」
「何も、言わない……。何も、言わなくて、良いんだよ……」
なんで気づかなかったんだろう。
生まれた時から、二人の姉はずっと身近に居たのに。
なんで甘えることを拒否していたんだろう。
二人はこんなにも私を甘やかしてくれるのに。
つかさが居たから?
自分の事は自分で何とかするという無意味な『枷』を自ら付けていたから?
……ぜんぶ……じぶんの……『わがまま』……じゃ……ない……の……
☆
「かがみ」
まつり姉さんが優しく声をかけてくれた。
「ん……あれ?」
気付くと、私は自分のベットに寝ていた。
「大丈夫?」
「あ……うん……なんで……ここに?」
「アンタ、私の腕の中で寝ちゃったんだよ……」
へっ!?
「そ、そう……なの?」
「久しぶりに抱っこしたけど、結構成長したわね〜」
!!
「寝顔も可愛かったわ〜」
……はうぅぅ〜
「これぞ『姉冥利に尽きる』ってやつね〜」
もうやめて〜、私のHPは0よぉ〜!!
「ま、冗談はそのくらいにしておいてっと」
ま、まつり姉さんまでそんな事を……。
「父さん達、もう帰ってきてるから。それと、アレはアンタのプリントに挟んでおいたからね」
「うん……ありがとう、まつり姉さん」
「たは〜、改まって言われると、アタシも流石に照れるわぁ〜」
姉さんは顔を赤くしている、でも多分私はそれ以上に赤いだろう。
うぅ……さっきから顔が熱い……。
「んじゃ、もうちょっとでご飯だから……今日もちゃんと顔を洗ってから来なよ〜」
「はぁ〜い」
「じゃ〜ね〜」と言って、姉さんは部屋を出ていった。
……さて、今私が出来ることは全てやった。
後は、次の『指令』を待つのみ……。
こなた、覚悟しておきなさいよ!
これだけいろんな人がアンタの事を応援してくれるんだから
もしアンタがつかさと一緒に『幸せ』を見つけられ無かったら……
私が絶対に許さないんだからね!!
Section4 「水を与えられる苗木」 End
156 :
ナハト:2010/10/15(金) 00:06:12 ID:bWAL2xur0
以上です
まつりがイメージと違う!
と言われるかもしれませんが
今回の主張にぴったりだったのでその役をお願いしましたw
ではでは また来週の木曜日に ノシ
うまくいってくれよ・・
>>156 手馴れた感じと文体に独特の癖があるね、他のスレでも書いてる?
>>158 まぁ、それは
ヒ・ミ・ツ♪
って事でw
512/740さすが改変期早い
612/745
この時期は24時間でも安心できない
んじゃ、ほしゅほしゅっと
「あ、あたりクジだってこなちゃん。一回ずつ引いてみない?」
「んーお祭りのクジはハズ…んや、やってみよっかー」
プピルルルルルルルブーーー
「あはははは何だか変な音するよこれ」
「こっちはう○こだよう○こ風船、えんがちょー」
「わーえんがちょー!」
好きな人とならアタリハズレ関係なく楽しめるもんだなぁと思ったこなたんであった
こ「ほ!」
つ「ほ……ホタテ!」
こ「し!」
つ「し……しらたき!」
こ「ゆ!」
つ「ゆ?ゆー、ゆー、ゆ……あっ!!ゆば!!」
こ「あちゃー、これは厳しいなぁ」
つ「じゃぁ覚悟してね……ほ!」
こ「ほ……ホヤ貝!」
つ「凄いねぇ……し!」
こ「し……しじみ!」
つ「ゆ!!」
こ「ゆ……ゆ……」
み「かがみさん……お二人は一体何をされているのですか?」
か「『決められた三文字で鍋に入れる具材を言っていこうゲーム』だって〜」
み「はぁ……そうですか」
か「まぁ、向こうは放っておいて私達で先に食べましょ。長くなりそうだし」
み「あ、はい」
こ「ゆ……ゆ!?ゆー、うーん……そうだ!!百合根!!」
「百合根といえば…」
「つかさ、好きだよ!」
「こなちゃん、愛してる!」
「私達って」
「「百合ねっ!」」バッ
「ダシが出て美味しいわね」
「そうですね」
こなちゃんの純潔はおいしくいただきました
167 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:40:04 ID:jOOiHdEy0
どもども
木曜に投下するって書いたのをちょっと後悔してるナハトです
dear −Section5 「風に揺れる苗木」
今回も本文7レス使いますねー
168 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:40:42 ID:jOOiHdEy0
「……みさきち達、ちゃんと受け取ったかな……」
「はい?……あぁ、『手紙』の返事ですか?」
今私達が居るのは泉さんの部屋。
今日は金曜日なので、泉さんの部屋で勉強会をしているところです。
「時間的には丁度『勉強会』をしているところですね……」
dear −Section5 「風に揺れる苗木」
峰岸さんは、水曜日の『勉強会』の途中で『手紙』を渡すことが出来たと言っていました。
泉さんはその時の反応をしきりと聞きたがっていましたが、お二人共にそれを頑として拒否されていました。
多分、泉さんの不安感も、それからきている物だと思われます。
「内容が内容ですからね……、かがみさんがそれを読んでどう思われるか……」
「だよねぇ……」
駆け落ち
それがどんな意味を持つか。
それは誰もが知っている事でしょう。
「……やっぱり、こんなコトしちゃいけなかったのかなぁ……」
……私は、何も言えませんでした。
なぜなら、今回の『計画』を聞かされた時、私は明確に反対したからです。
●
―私やつかさに対して何らかの罰を下すのなら、まだ許せる。
―だけど、かがみを休学させて、みさきちや峰岸さん、それにみゆきさんまで苦しめた。
―それだけは、絶対に、許せない。
……泉さん。
―何?
……そこまでの決意を聞かせていただいた上での無礼を承知で言わせていただきますが……。
―……。
その選択は『間違っている』と思います。
―……みゆきさんは、そう言うと思っていたよ。
……?では、何故私にお話しされたのですか?
―……今みゆきさんが言ったでしょ?二人に説明するには『理由』が必要だって。
それは……そうですが……。
―それにね、いずれはわかる事でしょ……それだったら、早いうちに言っておいたほうが良いかな、と思って。
そうですか……ですが、私の考えは変わりませんよ。
―……『間違っている』って事はわかっているよ。でもね、これ以外に方法が浮かばなかったんだよ……。
……本当に、『それ以外』が浮かばなかったのですか?
―……流石はみゆきさんだね……。
―わかっているんだ……ホントは。もっと他の『選択肢』が有るって事。
では……何故?
―他の『選択肢』をかんがえると……どれだけ頑張ってもハッピーエンドにならないんだよ……。
……ハッピーエンド……ですか。
でもそれは、泉さん『だけ』のハッピーエンドではないのですか?
この『選択』の結果、他の方々は『アンハッピーエンド』を迎えてしまうと思うのですが……。
―うん……そうかも知れないよね……特に互いの『家族』にとっては……。
それでしたら……。
―でもね、ダメなんだよ。どんな『選択肢』を選んでも、みんなが『ハッピーエンド』なんてモノは無いんだよ……。
それは……そうですが……だからといって
―それにね、これ以外の『選択肢』は、私が一番許せない互いの『親』が、必ず『ハッピーエンド』になるんだよ……。
●
169 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:41:07 ID:jOOiHdEy0
あの時、私は泉さんがそこまで『親』を憎んでいるとは思いませんでした。
特に、泉さんにとってのおじさまは唯一の『肉親』であり、趣味や行動を共にする『親友』でもあります。
泉さんがおじさまの事を話される時、とても輝いた表情で話されていました。
その『父親』に対して、泉さんは『嫌悪』を剥き出しにした表情で語ったのです。
●
―『親』が『子』に対して、色々と言ってくるのはわかるよ。
―でもね
―いくら『親』でも、踏み込んではいけない部分が有ると思うんだ。
―言いたい事はわかるよ、確かに『親』にしてみれば『娘』は『結婚』をして『出産』をして『母親』になる事が『幸せ』なんだろうから。
―だけど
―それって『親』の『幸せ』なだけで、必ずしも『子』の『幸せ』じゃないよね。
確かに……言われてみれば、そうかもしれませんが……。
―そう考えたらさ、一体『私』の『幸せ』って何なんだろうって思ったんだよね。
泉さんの……『幸せ』……。
―私が思うに、自分自身の『幸せ』を得る為には『エゴイズム』が必要だと思うんだ。
そうですね……確かに、自らが『幸せ』を得る為には、そこに誰かの『不幸せ』が生じますね……。
―だから、私はそうしようと思って、今回の『計画』を考えたんだ。
―決して、単純な『思いつき』なんかじゃない。
―私なりに目一杯考えた『結果』なんだ。
―みゆきさん……出来れば、それだけはわかってほしいんだ……。
●
私は、何も言えませんでした。
大変失礼なのですが、泉さんの話を聞くまで、この『計画』は『思いつき』で言った物だとばかり思っていたのです。
●
そうですか……では、わかりました。
―?
泉さんが、それだけの考えを持ってこの『計画』を立てたのでしたら、私はもう何も言いません。
―じゃぁ!
ですが、私は『賛成』も『反対』もいたしません。
―ど、どうゆう事?
私自身『駆け落ち』という行為に対する見識は『間違っている』と思っています。この事実は変えられません。
ですが、私は泉さんやつかささん、かがみさんや峰岸さんや日下部さんの『友人』です……自分自身では『親友』のつもりですが……。
―みゆきさんは、今言ったみんなの『親友』だよ。
……ありがとうございます。
なので、あくまでも『一人の友人』として、この『計画』の『手伝い』をさせていただきます。
―……ありがとう……みゆきさん……。
……泉さん、一つだけ、約束していただけますか?
―……どんなコトかな?
『計画』の通りに事が進んだ場合、とても多くの人を巻き込む事になります。
―そう……なる……かな……。
ですから……必ず……『幸せ』……に……なって……下さい。
決して……泉さん……の……『おじさま』と……つかさ……さんの……『ご両親』……が……『幸せ』……に……なる……結末……だけ……は……迎……えな……いで……くだ……さ……い。
―……みゆきさん……泣かないで……ごめんね……
あや……あやまら……ないで……くださ……い……こ……これは……わた……わたし……が……かって……に……ない……ている……だけ……です……から……。
―でも!
……泉さん!!……この……けいか……計画……を……じっこ……実行……する……には!
……こ……このよう……なこと……事が……この先……なんど……何度も……あ……ある……有るん……ですよ!
いず……泉さん……は……これを……のり……乗り越え……なければ……いけ……いけない……んで……す!!
170 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:41:37 ID:jOOiHdEy0
ですか……ですから……ですから………です……か……ら……。
●
私の涙は止まることを知りませんでした。
『計画』を打ち明けられたことで、私自身かなりのショックを受けていたからだと、今になって思います。
泉さんにも、かなり酷いことを言ってしまいました。
●
―わかったよ、みゆきさん。
……そう……です……のり……乗り越え……て……くだ……下さい……。
―でもね、私一人で乗り越えようとか、私とつかさの二人でとかは思わないよ。
……なん……なんで……ですか……これ……これは……。
―さっき言った通りだよ、私は『エゴイスト』になったんだからね。
―だから、『親』以外のみんなには出来るかぎり『幸せ』になってもらいたいんだ。
……いずみ……さん……
―悲しみを『取り除く』なんで事は無理だってわかっているけど、それを『和らげる』事なら出来るかもしれないからね。
……泉さん……
―だから……さ
―辛い時は何時でも言って
―決して一人で抱え込まないで
―悩んだ時はみんなで一緒に考えようよ
―悲しい時はみんなで一緒に泣こうよ。
●
とても重い言葉でした。
そして、気付かされました。
泉さんは、今回の『事件』からずっと
その辛さを、一人で抱え込み
その悩みを、一人で考え
その悲しみを抑えるため、一人で泣いていた
その時になってやっと、自分が成すべき事に気付きました。
●
……泉さん。
―ん?……落ち着いた?
はい……それと……ごめんなさい!!
―ほえっ!?な、なんで謝られなきゃいけないの?だって、酷いことを言ったのは私だよ?
いえ……今の泉さんの『言葉』を聞いて、自分の……不甲斐無さに……気付きました。
―?
泉さんは……私の事を『親友』と……言ってくださいました。
―う、うん……そうだけど……。
ですが!私は!泉さんが一人悩んでいるのにも!辛く悲しんでいる事にも!何一つ気付きませんでした!
―……ま、わからないように振る舞っていたからね……。
でも!それでも!気付くのが『親友』では……ないので……すか……。
……そんな……わたし……が……ヒック……しん……ヒック……親友……なんて……ウグッ……名乗る……しか……エグッ……資格……ウウッ……なんか……グズッ……
ウ……ウワァァァーーーー……
―……
……エグゥ……グズッ……ウゥッ……
―……
……ウグッ……エゥッ……ヒック……
171 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:42:40 ID:jOOiHdEy0
―……みぃ〜ゆ〜きさん。
……ヒクッ……ウウッ……エグゥ……
―なんで、私がみゆきさんを抱きしめているかわかる?
……わかり……グズッ……ません……ヒック……
―私はみゆきさんの事を『親友』だと思っているからだよ……
―それに、みゆきさんは今『親友を名乗る資格は無い』って言ったけど……
―今のみゆきさんの様な姿を見せられるのって、『家族』や『親友』位だよね……
―そう考えると、みゆきさんは私の『親友』になるんじゃないじかな?
―私は、そう思うんだけど、みゆきさんはどう?
……グズッ……ありが……とう……ヒック……あり……が……と……ウグッ……う……ごめ……ヒクッ……ごめんな……さい……
―謝るのは、私のほうだよ……ごめんね……。
……ヒック……?
―私、みゆきさんの事を試してた。
……!?
―私が、この『計画』を『考えている』って事が、みゆきさんに気付かれなければ、誰にも気付かれないはずだから……
……そう……だったん……です……か……。
―だから、本当に酷いのは私、みゆきさんは……何一つ……悪くない……んだよ。
―……ごめ……ごめん……なさ……ご……ごめ……ん……な……さい……
●
「……みゆきさん?どうしたの?」
「え……あ、ああ……すみません、少々考え事をしていました……」
不意に声をかけられ見上げると、泉さんの心配そうな顔がそこにありました。
「……もしかして、この間の事?」
「……はい……」
相変わらず、鋭いですね……。
「……あの時は、みゆきさんを泣かせちゃったからね〜」
「あ、いえ、それは、構わないのですが……。実際、私自身の問題であのようになってしまった訳ですし……」
「うん、私もみゆきさんがあんな風になっちゃうなんて、思ってもいなかったよ〜」
……普段の『私』を見ていれば、そう思うのも当然の事でしょうね。
「でも、泣きじゃくるみゆきさんは『萌え〜』だったなぁ〜」
「はぁ、『萌え〜』ですか……」
「そだよ〜、あれは間違いなく『萌え』だね〜」
「それを言われるのでしたら、その後に『泣きじゃくった』泉さんも『萌え〜』ですね」
ウフフッ……我ながら良い切り返しを閃きました。予想通り、泉さんは顔を真っ赤にしています。
「……ず、ずるいよぉ〜、そんな『声真似』までしなくたっていいじゃん……」
「あ、すみません……つい……」
「もぉ、笑いながら謝ってるし……」
クスッ……フフッ……アハッ……ウフフッ……
アハハハハハハハハハ……!!
「……いや〜……ププッ……久しぶりに大声で笑ったね〜」
「……本当……クスッ……久しぶりですね〜」
「おとーさんが出掛けてて良かったよ……」
「……そうですね……」
泉さんの家で最初に勉強会をした時、『つかささんやかがみさんとの関係が全く無い』話題に花を咲かせていました。
何を話していたのかは定かではないのですが、話が盛り上がって先程の様に二人で笑い声を上げたその時、不意にノックの音がしておじさまの声がしました。
「二人共、『勉強会』なんだから、『勉強』だけに集中しなさい……こなた!返事は?」
「はい……わかりました……」
泉さんの声は落ち着いていましたが、その顔はまさに『苦虫を噛みつぶしたよう』でした。
そして、それ以降泉さんの家で勉強会を行うときは、おじさまが在宅か否かによって私達の振る舞いが変わるようになったのです。
172 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:43:00 ID:jOOiHdEy0
☆
その後も、和気藹々としながら勉強を進め、気が付くと私の帰宅時間が迫っていました。
「では、泉さん。私はそろそろ帰りますね」
「あー、もうそんな時間かぁ〜……今日はなんだかあっという間だったなぁ〜」
「私も、そんな気がします……それに、今日は久しぶりに楽しく勉強できました……」
「……そだね……」
電車の時間があるので、二人で手早く勉強道具を纏め、玄関へと向かいました。
「……そういえば……」
靴を履きながら、ふと思い出した『疑問』を泉さんに問い掛けました。
「先日、峰岸さんや日下部さんと一緒に私の家で勉強会をした時、泉さんは峰岸さんや日下部さんと共に私にまで『謝意』を述べていらっしゃいましたよね……」
「あ……うん……」
「私、泉さんから何もされていませんが……何故ですか?」
なにかしらの『酷い事』や『損害』を受けていれば、それを理解出来るのですが、私には思い当たる節が全くありません。
「……みゆきさん……私に何か隠してない?」
「……いえ……何も隠してはいません……」
「ホントに〜?嘘はダメだよ〜。この間、みゆきさんを泣かせちゃった時、何か考えていたでしょ〜」
「……気付いていましたか……」
あの時、私が気付いた『自らが成すべき事』
それは、誰にも話さずに実行すべき事
……やはり、泉さんに『隠し事』は通用しませんね……。
「で、何を考えていたのかな?」
「……『これから先、どのような事があろうとも、泉さんとつかささんのサポートをする』という事を考えていました」
「……そっか……ありがとう……でもね……」
「?」
「『どのような事』って言ったけど……辛かったら何時でも逃げて良いん……」
「そんな事はいたしません!!」
弱気な泉さんの言葉を遮り、私は大声で叫びました。
「泉さんは、私に教えて下さいました!『決して一人で抱え込まないで。悩んだ時は一緒に考えよう』と!」
「……そんな事も……言ったね……」
「それに、泉さんは私の事を『親友』と言ってくださいました。ならば私は『親友』として、出来る事は全てするつもりです!」
「……」
「……泉さん……安心して下さい。幸いな事に、私は『範囲外』なんですよ……」
「……はえっ?どうゆうこと?」
「泉さんのおじさま、それにつかささんのご両親共々、私に対しては完全なる『無関心』です」
「……つかさの所はわからないけど、少なくともおとーさんは……そう……かもね……」
「ならば!『範囲外』の私が色々と動き回った所で、私自身だけではなくお二人にも『悪影響』が出る可能性は、全く有りません!」
「……でも……そんなに上手くいくかなぁ……」
……どうやら、『弱気の虫』が出てきたみたいですね……。
……ならば!!
「こなた!そんなに『親友』の言うことが信じられないの!」
「!」
「ちびっこぉ〜、『親友』の言うことはちゃんと聞いたほうが良いぜぇ〜」
「み、みさきちまで……みゆきさん……何気に腕をあげたねぇ……」
「ふふっ……どうですか?これでも信用出来ませんか?」
「……ううん……プッ……だ……大丈夫……クスッ……ハハッ……アハハハハハ……」
……やはり、泉さんにはこの手が一番のようですね……。
「それでは、失礼いたします」
「今日もありがとね〜」
173 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:43:27 ID:jOOiHdEy0
「どういたしまして……では、次は日曜日に」
「そだね〜、じゃあ……またね〜」
「はい……それでは『バイニ〜!!』」
「み、みゆきさん……手振りまでするとは……」
思わず固まってしまった泉さんを残し、私は泉家を後にしました。
家の中から「キャラじゃないよぉ〜」と声が聞こえましたが……。
ふふっ……
泉さんが知らない『私』も居るんですよ……。
☆
「おぉーい、みゆきちゃーん」
家を離れ、暫く歩いていると後ろから声をかけられました。
「あら、泉さんのおじさま、……まだ一応『こんにちは』の時間ですね」
振り向くと、おじさまが車の中から手を振っていました。
「今帰る所かい?何時も悪いねぇ、良かったら送って行くよ、もう遅いし」
「そうですか?……では、お言葉に甘えてお願いいたします」
「さぁ、乗った乗った」
おじさまは助手席のドアを開けて、私を迎え入れました。
「駅までで良いかい?」
「はい、ありがとうございます」
車がゆっくりと動き出します。
「いやー、みゆきちゃんのお陰でこなたの態度も成績も随分と変わってきたよー」
「そうなんですか?」
「うん、……何と言えば良いのかなぁー、うーん……『吹っ切れた』……違うなぁ……『生まれ変わった』とでも言うのかなぁー」
「『生まれ変わった』……ですか……」
「そう……アイツは……『生まれ変わった』……だな……」
おじさまの顔に陰が差しました。
「今回の事で、色々と考える所が有ったんだろうが、それ以上につかさちゃんと離れた事が大きいんだろうな……」
おじさまは淡々と話し始めました。
つかさちゃん、かがみちゃん、みゆきちゃんは、こなたにとっては初めての心からの『親友』なんだ
高校に入るまで、家で学校の『友人』の話しなんか一度もしたことが無かった
でも、高校に入ってすぐ、家での会話につかさちゃんの話題が出てきたんだ
よっぽど嬉しかったんだろうな……その時の喜びようは今でも覚えているよ
それから程なくして、かがみちゃんとみゆきちゃんの話しもしてくれたよ
本当に……大切な……『親友』って言っていたな……
おじさまはそこまで話して、「ふぅ」と一息つきました。
「あ……ごめんね、こんな話し聞かせちゃって」
「いえ……お気になさらずに……続けて頂いて結構ですよ」
「そう?……ありがとう。それでね」
丁度信号待ちだったので、私に顔を向けて聞いてきました。
「みゆきちゃんは、『同性愛』について……どう考えてる?」
その眼差しは、とても真剣な物でした。
もし回答を間違ってしまったら……多分、二度と泉さんに会うことは出来なくなるでしょう。
私は、慎重に回答を選びました。
「私は……『間違っている』と思います」
『以前の私なら』という言葉を心に仕舞い、そう答えました。
信号が変わり、再び車が動き始めました。
174 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:44:30 ID:jOOiHdEy0
「そうか……良かった……」
おじさまは安堵の声を漏らし、話しを続けました。
さっきも言ったように、こなたにとって三人は『親友』なんだ
だけど、自分自身のせいでそのうちの二人を失ってしまった
そして、もしみゆきちゃんが二人と同じ考えの持ち主だったら
オレはもう一度こなたから『親友』を引き離さなきゃならない
……出来れば、それはしたくないんだ
だから
みゆきちゃんが二人と違う考えの持ち主で本当に良かった……
おじさまは、安心しきった表情で話していました。
……やはり、一人娘である泉さんの事が心配なのですね……。
気が付くと、車は駅のロータリー近くまで来ていました。
「今日はごめんね、こっちばっかり話して、その上変な事まで聞いちゃって……」
「気になさらないで下さい、『親』からすれば『子』の行動や環境は人一倍気になる事でしょうし……」
「そう言ってもらえると、助かるよー」
どうやら、普段のおじさまに戻られたようですね。
「私でよろしければ、いくらでも聞きますので本当に気になさらないで下さいね」
「もし、また何か有ったらそうさせてもらうよ。今日は本当にありがとう」
車が駅前に着きました。
「じゃ、これからもこなたの事を頼むね」
「はい。それでは、失礼いたします」
私を下ろすと、車は静かに走り去って行きました。
それを見送りながら、私は心の中で呟きました。
泉さん……おじさまは、私が『範囲外』であると認識されました……
ですが、おじさまは、こんなにも泉さんの事を思っていらっしゃいます……
それでも、泉さんは『計画』を実行されるのですか……
先程の『決心』が揺らぎそうになります。
誰も居なくなったロータリーで、私は一人呟きました。
「泉さん……本当に……これで……良いのですか……?」
Section5 「風に揺れる苗木」 End
175 :
ナハト:2010/10/21(木) 23:48:11 ID:jOOiHdEy0
以上です
ラストに向けて現在書いている所なんですが、どうやら予定より少々長くなりそうですw
ではでは 次回は再来週の火曜日に投下致しまする〜 ノシ
乙
続き期待
こなかがは正義
ほちゅ
「ゆきちゃん誕生日おめでとう」
「みゆきさんは変わらずよき萌え要素でいてよ」
「おま、それちがうだろ、みゆき誕生日おめでとう」
180 :
紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/26(火) 00:05:17 ID:cwnIrT3OO
こなたとつかさが赤貝をしゃぶり合う!最高だな!!
181 :
紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/26(火) 00:09:05 ID:kzHrypOhO
サラ金返すと家賃払えねえ!
うにょーん
「ん…にゃ、んぁ私寝落ちして…はて何故ベッドに」
「あ、おはよーこなちゃん。風邪ひくと思ってベッドに運んだんだー」
「んおぉ意外と力持ちだねつかさ。ありがとそしてオハヨー」
「…ところで何で頭に包帯まいてるのカナ私」
「ご、ごめんねこなちゃん…運ぶ時に一回落としちゃって…」
「そういうとこつかさらしくて愛してるからダイジョーブ博士」
184 :
紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/27(水) 21:06:45 ID:Obt6dSv+O
つかさとこなたが寿司屋にやってきた。
つかさとこなたは赤貝を注文した。超イケメン寿司屋の紳士は敢えてシャリの両脇に赤貝を並べた。
つかさは「こなちゃんのマンコみたいだね」と言って股間をまさぐり始めた。こなたも「つかさのマンコみたいだね」と言って股間をまさぐり始めた。
彼女いる歴=年齢の紳士は、豊富な女性経験から二人が処女であることを見抜いていた。
紳士と目が合うと二人は悩殺されて紳士に処女膜を破いてもらおうと言い出した。紳士も、処女膜を破けば二人が激しく百合まくれることを見通していたのでビッグマグナムを勃起させた。
185 :
紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/10/27(水) 21:21:05 ID:Obt6dSv+O
紳士のビッグマグナムを見た二人はマン汁が溢れまくってビロが赤貝のように充血した。
二人はケツを突き出しながら違いの舌を絡め合い、順番に処女膜を破いてもらった。
紳士は二人を気遣いどちらの腟にも中だししてやった。
つかさとこなたは同棲し、それぞれ身篭った子を生み紳士に感謝して生きたということだ!!
fin
こ「つかさの『つ』は!」
つ「『つながる』のつ!」
つ「こなたの『こ』は!」
こ「『こいごころ』のこ!」
つ・こ「二人あわせて『つながるこいごころ!』」
か「……だから何なんだ?」
つかさのリボン
>>178の書き込みから
つ「こなちゃんこなちゃん」
こ「なーに?」
つ「ほっぺに」チュッ
こ「ほぇっ!?なに?」
つ「ほっぺにちゅーだよ」
こ「いや、それはわかるんだけど」
つ「えっと、この間『ほちゅ』って書いてあったから、ほっぺにちゅーなのかなって思って……」
こ「あぁ、『ほしゅ』って事ね……」
つ「……嫌だった?」
こ「いんや、全然そんなことないよー」
つ「じゃぁ……もっとしてもいい?」
こ「え、えっと、つかささん!?ちょっと目が怖いんですけどぉ!?……ハッ!これは『八海山』?もしかして……」
つ「えへへぇ〜、こ〜な〜ちゃ〜ん」
こ「あのさ、もしかして、これぜんぶ、のんだの?」
つ「うん〜。おいしかったよぉ〜」
こ「四合半を、一人で!?」
つ「そんなにあったんだ〜、きがつかなかった〜」
こ「気がつこうよ!てかこれが俗に言う『大トラ』!?」
つ「へぇ〜、そういうんだ〜。がお〜!たべちゃうぞ〜」
こ「って、言ってるそばから押し倒してるし!!」
つ「いただきまぁ〜す!」
こ「のぉぉぉぉーーーー!!!!」
微エロ失礼w
☆ゅ
「…寒くなってきたね、こなちゃん」
「なんかこう一気に寒くなると…」
モゾモゾ モゾモゾ
「ね、こなちゃん…」
「うん、つかさ…」
「「くかー」」
「ほーら朝だおきろー」バサッ
「「うわぁぁ殺生なー」」
191 :
ナハト:2010/11/03(水) 00:33:45 ID:NCgh/ZW80
どもども、火曜日に投下すると言いながら
致命的な矛盾が見つかってそれを修正するのに時間がかかってしまいました
タイトル
dear −Section6 「倒れかけた苗木」
今回は短めに本文4レス使います
192 :
ナハト:2010/11/03(水) 00:34:32 ID:NCgh/ZW80
晩御飯の食卓で、高良ゆかりは悩んでいた。
母親である自分だから気付く程度なのだが、帰宅した娘のみゆきが明らかに気落ちしているのである。
―確か、こなたちゃんのお家に行ったのよねぇ……。
dear −Section6 「倒れかけた苗木」
今から一ヶ月余り前の夕方、居間にいたゆかりは帰宅したみゆきから突然の知らせを聞いた。
「お母さん……つかささんが本日より『休学』となりました……」
その顔は暗く、受けたショックの大きさを物語っていた。
「まぁ……つかさちゃんが……?何か、病気なの?」
「……わかりません……理由は聞かされていないので……」
「そう……早く『復学』出来れば良いわねぇ……」
「……そうですね……じゃぁ、私は部屋に行ってます」
そう言い残して、みゆきは自室へと向かった。
ゆかりは閉められたドアを見つめながら呟いた。
「みゆき……大丈夫かしら……」
だが、翌日、ゆかりはさらに衝撃的な知らせを聞いた。
「お母さん……かがみさんまで……本日から『休学』だそうです……」
「えぇっ!?かがみちゃんまで……?」
「……はい……」
「理由は……わからないわよね……。でも、一体どうしたのかしら?こんな連続で、しかも姉妹で休学するなんて尋常じゃないわよね」
「……取り敢えず、暫く待ってみます。もしかしたらそれ程経たずに『復学』されるかもしれませんし……」
「そう?わかったわ。でも、何かあったらちゃんとお母さんに言いなさいね」
「はい……では、着替えてきますね」
だがしかし、その後も二人が『復学』する気配は全くなかった。
それから数日が経った頃、みゆきはこなたと共に帰宅してきた。
「あら、お帰りなさい。こなたちゃん、いらっしゃい。……みゆき、お友達を連れて来る時は言っておいてって言ったじゃない……」
「すみませんお母さん、急に決まったので……。これから暫くの間、週に数日程度泉さんと勉強会をすることになりました」
「そうなの?……じゃぁ、仕方が無いわねぇ」
「今日、詳しい曜日を決めるので、後でお知らせしますね」
「わかったわ〜」
そこまで話した所で、こなたが口を開いた。
「えと、ゆかりおばさん、ご迷惑をかけ……」
「もぉ〜『おばさん』なんて言わないでぇ〜!『ゆかりちゃん』って呼んでぇ〜!」
『おばさん』という単語が気に障ったのか、こなたの発言を遮り、駄々っ子のようにゆかりが叫んだ。
「あ、え、えーと、じゃぁ……『ゆかりさん』……で構いませんか?」
「えぇ〜、私としては……『ちゃん』のほうが良いんだけどなぁ……」
人差し指を唇に当て、子供がせがむような目線をこなたに向けた。
「えと……あの……その……」
「なぁ〜んちゃって、『さん』で構わないわよ、うふふっ」
真っ赤になったこなたを見て満足したのか、ゆかりは含み笑いをしながらそう言った。
「もぉ〜、お母さん、あまり泉さんを困らせないで下さい……」
「はいはい……じゃ、勉強会頑張ってね〜」
「では、泉さん、行きましょうか」
「あ、うん、じゃ、じゃぁ……ゆかりさん、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」
「い〜え〜、お構いなく〜」
●
その晩、みゆきから「火曜日が私の家、金曜日が泉さんの家、土日のどちらか都合の良い日にどちらかの家と決まりました」と聞かされた。
今日は金曜日、泉家で勉強会をしてきた筈なのだが……。
193 :
ナハト:2010/11/03(水) 00:35:01 ID:NCgh/ZW80
「みゆき……どうしたの?具合でも悪いの?」
「えっ!?い、いえ……特別体調を崩したりはしていませんが……」
「そう?……なら、良いんだけど……困っている事があるのなら言いなさいね」
「はい……」
みゆきはそう言ったきり黙ってしまった。
―どうしたものかしらねぇ……
そう思いながらも、決して顔には出さない。
高良家では『個人の自主性』を大事にしているからである。
例え、誰かが明らかに困っていたとしても、本人が言い出すまでは何も言わずに待つことにしているのだ。
「……もし、話したくなったら、何時でも言ってちょうだい」
「はい……すみません……」
結局、その日も翌日も、みゆきの口からその悩みが話される事は無かった。
☆
ピンポーン
「はーい」
インターホンを取ると、元気な声が聞こえた。
『あ、こなたです〜、峰岸さんと日下部さんも一緒です〜』
「どぉぞ〜」
暫くして、玄関が開いた。
「こなたちゃん、あやのちゃん、みさおちゃん、いらっしゃ〜い」
「「「お邪魔しまーす」」」
そこには、いつになく真面目な表情の三人が居た。
「……どうしたの?三人共……随分と真面目な顔をしているけど……」
「え!?えと、……そんな感じ、します?」
ゆかりの問いに、少々慌てた感じでこなたが答えた。
「ええ、……なんだか、一昨日からのみゆきちゃんみたいよ〜」
すると、それを聞いたこなたの表情が曇った。
「やっぱり……そうですか……。あの、みゆきさんは、部屋、ですか?」
「居るわよ〜、後でお茶を持って行くから、行ってて〜」
ゆかりに促され、三人はみゆきの部屋へと向かった。
「……さて、どんなタイミングで『様子見』に行こうかな……」
それを見送ったゆかりは、一人呟くのであった。
☆
―カチコチカチコチ……
時計の音だけが響く。
まるで、先日この部屋でこなた達がお互いに謝罪した時のようだ。
ただ、その時と違うのはその『重い空気』の中心にみゆきが居るという事である。
こなた達が部屋に着き、『手紙』の受け渡しをし、約束通りこなたはその『手紙』を皆に見せた。
手紙の内容は、他の三人にとってはある程度予想していた通りだったので、特に驚きの声があがる事も無かった。
だが、二枚目の『誓約書』を見せた時から、この場の雰囲気が徐々に変わっていったのだ。
『誓約書』には、三人の署名と共にそれぞれからのメッセージが添えられていた。
それを見たこなたは満足げに頷くと、鞄から一枚の紙を取り出した。
「ん?ちびっこ……これって……」
「『私達の分』って事?泉ちゃん……」
「う、うん……そうだよ……、みゆきさんから聞いているかもしれないけれど、この『計画』はみんなの『賛成』が無いと出来ないからね……」
そこまで言って、こなたは目を伏せた。
194 :
ナハト:2010/11/03(水) 00:35:26 ID:NCgh/ZW80
「アタシはかくよぉ〜」
「私も、書かせてもらうわね〜」
「……」
こなたに快い答えを返した二人とは対照的に、みゆきは俯いたまま黙っていた。
「高良ちゃん……どうしたの?」
それを見たあやのは、思わず声をかけた……が、みゆきはそれが聞こえていないのか、返事をすることなくそのままの姿勢を崩さなかった。
「……みゆきさん……一昨日、おとーさんと会って駅まで送ってもらったんだよね……」
誰に聞かせるでも無く、こなたが呟いた。
「はい……それで……私……私……」
すると突然、みゆきは顔を手で覆い泣き出した。
「……ウウッ……わから……エグッ……なく……グズッ……なって……ヒック……しまった……グスッ……んです……」
「わからなくなったって……高良〜、一体何があったんだ?」
「高良ちゃん……もしよかったら、私達に話してもらえないかな?」
「……ヒック……はい……グスッ……すみません……取り乱してしまいまして……」
涙を拭ったみゆきは、一昨日の車内で話した事全てを皆に話した。
「そんな事があったんだ……おとーさんからは『みゆきさんを送った』としか聞かなかったよ……」
「……ちびっこ、本当にそれだけか?」
「本当だよぉ〜、もう隠し事はしないって決めたもん……。でも、おとーさんが『ご機嫌』だったから、何か重要な話しをしたんだとは思ったけどね〜」
そう話すこなたの眼差しは真っ直ぐで、嘘など全くついていないのがよくわかった。
「……泉さん……本当に、良いのですか?」
「みゆきさん……言いたいことはわかるけど、『私自身』はもう戻る気など全く無いよ」
「高良、ちびっこが『決心』した事なんだから、アタシらは全力で応援すれば良いんじゃないか?」
「ちょっと、みさちゃん……」
―峰岸さんは、この『署名』の意味がわかっているようですね……、日下部さんは……気付いていませんか……。
みゆきは心の中で呟いた。
「日下部さん、失礼ですが……この『署名』の意味は……理解されていますか?」
「ん?ちびっこと柊の妹が駆け落ちするのを認めるって意味じゃないの?」
「……確かに……日下部さんと峰岸さんの『お二人』に限って言えば、その通りですね……」
「へっ!?高良にとっても同じじゃぁ……」
「みさちゃん!!!」
尚も言葉を続けようとしたみさおを、目に涙を浮かべたあやのが怒りを含んだ強い口調で制した。
「な、なんだよあやの……アタシ何か悪いこと……」
「もっと高良ちゃんの事を考えなさいよ!!……だって……だって……高良ちゃんにとって……」
「そうです……私は……『署名』……する事で……『親友』……を……二人……同時に……う……失い……ま……す……」
みゆきは、子供のように泣きじゃくっていた。
あやのも、みさおに抱き着き泣いていた。
みさおは、自分の不甲斐無さに腹を立てていた。
「わたっ……グズッ……どう……ウウッ……どうしたら……エグッ……」
みゆきは、自分が何を話しているのかでさえわからなくなっていた。
「初め……ウグッ……初めて……ヒック……の……ウグゥ……しん……ウウッ……親友……グズッ……いなく……エグゥ……なっちゃ……」
高校に入学するまで、みゆきには本当の意味での『親友』は居なかった。
『博識が有る』『運動が得意』等の理由で親しくなる友人は居たが、それ以上の関係を持つ事は無かった。
そんなみゆきにとって、先程の理由など関係無しに接してくれたこなた達は、初めての本当の意味での『親友』なのである。
「……」
こなたは、何も言えなかった。
195 :
ナハト:2010/11/03(水) 00:35:52 ID:NCgh/ZW80
自分が考えたこの『計画』
実行するためには、必ずなにかしらの『困難』が有ると認識していた
ただ、その『困難』がどれ程かを認識していなかった
この『計画』が、これ程『非情』で『残酷』な物だということを
「みゆきさん……」
こなたが声をかけたが、みゆきにはその声ですら届かないようだ。
―カチコチカチコチ……
時計の音だけが響く。
『重い空気』の中心であるみゆきは、既に泣き止んでいた。
誰も、何も言えなかった。
暫くの間、沈黙が続いた。
「……どんなに考えても、どの『選択肢』を選んでも……」
不意にみゆきが口を開いた。
「……私は……『親友』を……失うのですね……」
『そんなことはない』と、こなたは言いたかった。
だが、言えなかった。
本当に『そんなことはない』のか、自分でもわからなかったからだ。
バタン!!!!!
突然、大きな音をたてて、部屋のドアが開いた。
「みゆき!そんなことはないわよ!!あなた、一つ勘違いをしているわ!!!」
そこに立っていたのは……
「お……お母さん……」
Section6 「倒れかけた苗木」 End
196 :
ナハト:2010/11/03(水) 00:38:22 ID:NCgh/ZW80
以上です
ゆかりさんの性格が漫画やアニメと少々違う点については目をつぶっていただけたら幸いですw
ではでは、また来週の『今度こそ』火曜日に投下しますね ノシ
レス増えてるなと思ったら、1人の基地外が長文連投してるだけか
今のところそうじろうがらき☆すたとしてはしっくりこないね、どんでん返しがあるのかな
☆ゅ
ピッチピッチほしゅほしゅランランラン♪
こなかが最高
う
こなたってつかさと一緒の時は雰囲気けっこう変わるよなぁ
205 :
1-724:2010/11/09(火) 21:03:51 ID:f/x4Ly8l0
ナハト氏保管内容ご確認下さい
206 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:21:32 ID:nTj5HZrV0
>>205 1-724氏 保管お疲れ様です
Wiki確認しました
作者別ページで何故かSection1が二つありましたので、修正をお願い致します m(。_。;))m ペコペコ…
えー、ではでは
dear −Section7 「支えられる苗木」
投下します
6レス使いまする〜
207 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:22:37 ID:nTj5HZrV0
みゆきは混乱していた。
突然開かれたドア
母親からの一言
その二つが、無防備となった『心』に直接襲い掛かったのである。
「かん……ちがい……?なに……を……勘……違い?」
「……みゆき」
優しい、それでいて力強い母の声が、静まり返った室内に響く。
「そう、勘違いなのよ……。あなたは、決して『親友』を失ったりしません」
「でも、でも……」
ゆかりは呆然とした娘に駆け寄り、優しく抱きしめた。
「みゆき……落ち着いて、私の話を聞いてちょうだい……。お母さんね、さっきの話、全部聞いていたの……」
dear −Section7 「支えられる苗木」
「さて……と、そろそろ……かしらね……」
こなた達が部屋に向かってからおよそ十五分。
もし、ゆかりの知らない『何か』をみゆきが話すのなら、ちょうど頃合いだろう。
「取り敢えず……お茶とお菓子は用意しておかないとねぇ〜」
そう呟き、鼻歌混じりに差し入れセットの準備をし始めた。
―……一体、何なのかしらねぇ……今日来た三人も、何時もと違う雰囲気だし……
思いを巡らせつつ、みゆきの部屋へと向かう。
―面倒な事でなければ良いんだけど……
『……ウウッ……わから……エグッ……なく……グズッ……なって……ヒック……しまった……グスッ……んです……』
部屋のドアをノックしようとしたその時、泣きながら話すみゆきの声が聞こえ、思わず手を止めた。
『あの日、おじさまに駅まで送っていただきました……』
―『あの日』って……金曜日の事?
ゆかりは手に持った差し入れセットを静かに床に置き、ドアに耳を当て中の会話を聞いた。
みゆきはその日、車内で起こった事を話していた。
自らの感情を全く入れずあくまでも静かに、淡々と。
『……信号待ちの時、私に『同性愛』について……どう考えているか、問い掛けてきました』
―『同性愛』について?それって一体……
『私は、間違っていると答えました……『以前の私なら』という言葉を心の中でつけましたけど』
―……『以前の私なら』間違っている?
―……じゃ、じゃぁ、今は肯定しているって意味よね……
―という事は……ええっ!?みゆきが……なの?
驚きのあまり、思わず立ち上がりそうになったが、子供達に気付かれてはいけないので、必死で気持ちを抑え再びドアに耳を当てた。
『……そして、このように言われました』
『もしみゆきちゃんが二人と同じ考えの持ち主だったら、オレはもう一度こなたから『親友』を引き離さなきゃならない……出来れば、それはしたくないんだ』
―えっ?それは、つまり、つかさちゃんとかがみちゃんが……そうだって事……よね……
ゆかりはドアから耳を離し、考え込んだ。
―……でも、だからって引き離す必要は無いわよねぇ……ん?もしかして、こなたちゃん……も?
もう少し情報が必要だと判断し、もう一度ドアに耳を当てた。
『日下部さん、失礼ですが……この『署名』の意味は……理解されていますか?』
208 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:23:16 ID:nTj5HZrV0
―『署名』?
『ん?ちびっこと柊の妹が駆け落ちするのを認めるって意味じゃないの?』
―ええっ!!駆け落ち!?……こなたちゃんとつかさちゃんが?
ゆかりはドアから体を離し、冷静になって考えた。
―今聞いた事から考えると……こなたちゃんとつかさちゃんは……つまり……『恋人』って事……よね……。
さらに考えをまとめるため、立ち上がり腕を組んで壁に寄り掛かった。
―こなたちゃんのお父さんは、二人が付き合わないように引き離した……じゃぁ、つかさちゃんとかがみちゃんが『休学』しているのも……。
ゆかりは事の真相がわかってきた。
だが、腑に落ちない点も幾つか有る。
―直接聞いてみないとね……。
改めてドアをノックしようと近づいた時、再びみゆきの泣き声が聞こえた。
『……私は……『署名』……する事で……『親友』……を……二人……同時に……う……失い……ま……す……』
―……何で?『失う』必要なんてあるの?
『わたっ……グズッ……どう……ウウッ……どうしたら……エグッ……』
『初め……ウグッ……初めて……ヒック……の……ウグゥ……しん……ウウッ……親友……グズッ……いなく……エグゥ……なっちゃ……』
―……そっか……二人共、みゆきにとって初めて出来た本当の『親友』だものね……
本当ならば、今すぐに中に入りみゆきを抱きしめたかった。
でも、それは出来ない。
今入った所で、中の子供達はゆかりに対して盗み聞きをしていた事の非難以外の言葉は何も聞けないだろう。
ゆかりはドアの外で息を潜め、じっと『その時』を待った。
―カチコチカチコチ……
時計の音だけが響く。
室内からは、物音一つ聞こえない。
ゆかりが用意したジュースの氷もすっかり溶けていた。
―新しいジュースを用意しないといけないわね……
そう思い、台所に向かおうとしたその時、気落ちしたみゆきの声が聞こえた。
『……どんなに考えても、どの『選択肢』を選んでも……私は……『親友』を……失うのですね……』
―だから何でそんな風に思うの?そんなことはないじゃない!
ゆかりは居ても立っても居られなくなった。
―あの子、絶対に勘違いしている!早く教えてあげないと!
盗み聞きを咎められる事など、もはや眼中には無かった。
みゆきを抱きしめてあげたい、勘違いを正してあげたい。
その一心だけだった。
バタン!!!!!
目一杯の力を込めて部屋のドアを開け大声で叫んだ。
「みゆき!そんなことはないわよ!!あなた、一つ勘違いをしているわ!!!」
●
ゆかりは優しく話しつづけた。
「みゆき……さっきのあなたが言っていた通りなら、こなたちゃんのお父さんはあなたに万全の信頼を寄せているはずよ……そうでしょ?」
「……あ、え……」
209 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:23:35 ID:nTj5HZrV0
「ほら、落ち着いて……今はお母さんの質問にだけ答えれば良いから……」
そう言って更に強くみゆきを抱きしめる。
「……」
「どう?落ち着いた?」
「……少しだけ……」
それを聞き、少しだけ腕の力を緩め、みゆきと顔を合わせ、再度質問をした。
「じゃぁ、答えられるかしら?……みゆきは、こなたちゃんのお父さんから、万全の信頼を得ている……そうよね?」
「……はい……十中八九間違いないと……思います……」
するとゆかりは満面の笑みを浮かべ、更に問い掛けた。
「なら、みゆきがこなたちゃん達と『決別』する必要なんて、全く無いと思うんだけどな〜」
「……?何故……そう……言い切れるの……ですか?」
みゆきには、母が何故そんな事を断言出来るのか、全くわからなかった。
『署名』をするしないに関わらず、『親友』が離れていくのは紛れも無い事実ではないのだろうか。
「『信頼を得ている』という事は、みゆきに対して『一分の疑いを持つことも無い』という事と同じだというのは……わかるかしら?」
みゆきは静かに頷いた。
「じゃぁ……もしみゆきが陰で誰かと連絡を取っていたとして、こなたちゃんのお父さんはそれに気付くかしらねぇ?」
「……つまり、私が泉さんやつかささんと隠れて連絡を取り合っていても、おじさまはそれに気付く事は無い……ということ……ですか?」
「そーゆーこと」
ゆかりは満足げに頷いた。
「じゃ……じゃぁ……お二人……と……別れ……る……必……要……は……」
「そんな『選択肢』は存在すらしていないわよ〜。……全く……みゆきは何時でも『最悪』を考えるから……」
「そうだよ……みゆきさん、言ったじゃん……『私は範囲外』だって……」
ゆかりの言葉を聞き、こなたも思い出したように言った。
「そう……でした……」
みゆきはハッとした。
自分はこなたにそう言っていたのだ。
なのに自分は思い込みで大きな勘違いをしてしまった。
「あらあら……全く……『うっかりさん』も程々にしないとね……」
みゆきはそれ以上、ゆかりの言葉を聞く事は出来なかった。
「……お母さん……私……わたし……」
「……大丈夫……みゆきは何も悪くないのよ……ちょっとだけ、心が悪いほうに傾いただけよ……」
ゆかりはみゆきを優しく抱きしめた。
みゆきは、その胸の中で泣く事しか出来なかった。
☆
「……落ち着いたかしら?」
「……はい……ありがとうございます……お母さん……」
「うん、いつもの『みゆき』に戻ったみたいね〜」
時間にして五分位だろうか、母に抱かれ泣きつづけたその顔は酷い状態であったが、精神的にはかなり落ち着いたようだ。
「……皆様、お恥ずかしい場面をお見せしてしまい、申し訳ありません……」
「気にしなくて良いわよ、高良ちゃん……。もし私が同じ状況になったら、もっと不安になって何も手につかなくなっちゃうだろうし……」
「そうだよ、高良はなーんにも悪くない、悪いのはこんな気持ちにさせた『親』なんだからな」
「みさおちゃん……それには『私』も含まれるのかな〜?」
意外な反撃に思わずみさおはたじろいだ。
「い、いや、その……『ちびっこのお父さん』と『柊の両親』って事で……決して『ゆかりおば……』」
「『おばさん』!?」
「あ、え、えと……『ゆかりさん』の事を言ったわけじゃ……」
その様子を見て、ゆかりは思わず微笑んだ。
「ふふっ……わかっているわよ〜みさおちゃん。もぉ〜可愛いんだからぁ〜」
「か、可愛いって……」
みさおはその言葉に思わず赤面した。
「お母さん……あまりからかわないで下さいね……」
「はいはい……」
それを聞いていたこなたから、思わず笑い声がこぼれた。
「あははっ、やっぱりゆかりさんには敵わないや〜」
210 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:24:33 ID:nTj5HZrV0
あやのもそれに続く。
「うふふっ……本当ね……こんなに真っ赤になったみさちゃんなんて、初めて見たわ〜」
「みゅぅ〜あやのぉ〜そんな事言うなよぉ〜」
『アハハハハハ……』
☆
「そういえば……」
ひとしきり笑い合い、すっかり温くなってしまったジュースをゆかりが配っている途中で、あやのが口を開いた。
「ゆかりさんは……泉ちゃんの『計画』の事……どう思っているんですか?」
その言葉に、こなたの表情が固まった。
―ゆかりさんにも知られてしまったんだ……
そう、『計画』を知られた時点で、ゆかりは『部外者』ではなくなってしまった。
つまり、ゆかりがこれを拒否した場合、即座にこの『計画』は『中止』となってしまう。
こなたはゆかりの言葉を待った。
「んーとね、それについてこなたちゃんに聞きたいんだけど……どうして『駆け落ち』をしようって思ったの?」
「それは……」
こなたはそこに至るまでの経緯を詳しく説明した。
特に、今回の『計画』を決意させた父の言葉に対しては、事細かく、感情を込めて。
「そっか……」
一通り聞いて、ゆかりは溜め息を一つついた。
「で……ゆかりさんは……どう、思って、います、か?」
今にも消え入りそうな声で、こなたが聞いた。
その顔は、処刑宣告を受ける直前の罪人のように蒼白だった。
「そうねぇ……」
頬に手を当て、考え込む『ふり』をする。
ゆかりの心は既に決まっていた……が、それを口に出すにはまだ幾つか確認しなければならない事が有る。
「……もう少しだけ良いかしら?こなたちゃんは、『駆け落ち』した後……どうする予定なの?そもそも、どうやって『駆け落ち』するの?つかさちゃんは『監視』されているんでしょう?」
矢継ぎ早に質問が浴びせられた。
「……『駆け落ち』した後は……親の手が届かない場所……まだ未定ですけど……そこで暮らそうと……思っています。……『手段』は……まだ決まっていません……」
こなたは、とても小さく、絞り出すような声で答えた。
「成る程……」
そう言って、今度は本当に考え始めた。
―漠然とした計画は立ててあるのね……、でも……こなたちゃんだけじゃこの先は難しいかもしれないわねぇ……
「あの……ゆかりさん?」
―ううん、こなたちゃんじゃなくても、普通の高校生じゃこの『計画』を実行するなんて不可能に近いわね
「えぇっと……」
―あ、そうか。だったら『大人』が手助けをしてあげれば良いんじゃないの
「ゆーかーりーさぁーん!!!」
「はっ!はいぃぃ!!」
大声に驚いて目の前を見ると、こなたが少しむくれた顔をしていた。
「あ、ご、ごめんね〜、ちょっと考え事しちゃった〜」
「……もぉ……で、改めて聞きますけど……どう思っているんですかぁ?」
不安な中、随分と待たされたためか、少々棘のある口調で再びゆかりに聞いた。
「その事だけど……『両手を上げて』って訳じゃないけれど『賛成』するわ〜」
「……お母さん、何故『両手を上げて』じゃないんですか?」
みゆきは不思議そうに聞いた、他の三人も同様に困惑の表情を浮かべている。
「何故って……完全に独立している訳でもないのに『駆け落ち』を『両手を上げて』認める大人はあまりいないわよ」
それもそうだと皆は思った。
自ら生計を立てている訳でも無い只の学生が『駆け落ち』を宣言するなど、通常では考えられない。
―じゃぁ、どうして『賛成』なんですか
あやのがそう問おうとした時、不意にこなたが口を開いた。
211 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:24:58 ID:nTj5HZrV0
「じ、じゃぁ、なんで『賛成』なんですか?」
その顔は先程以上に困惑していた。
「ん〜、だって『個人の自主性』が大切でしょう?特にこういった事は……」
みゆきにはそれで全てがわかったらしい。
「そうですね……確かにそれは、とても大切ですよね」
「……あやのぉ、どーゆー事かわかる?」
「……全然、泉ちゃんは?」
「……同じく、何なんだろ……?」
小声で話す三人に、ゆかりが優しく話しかけた。
「『個人の自主性』ってのはね、我が家の『家訓』なの……」
―さっき外で聞いていた事と、今聞いた事から判断すると、今回の根源は双方の『親』が『子離れ』出来ていない事だと思うの
―高良家ではね、子供が十六歳を迎えた時から『一人の個人』として扱っているのよ
―これは、私がそうだったから、そうしているだけなんだけどね、お父さんもちゃんと了承してくれたわ
―だから、もしみゆきが何か困っていても本人が言い出さない限り、決して口出しはしない事にしているの
―……まぁ、実際には何かしらの『きっかけ』を与えたりするんだけどね
「……話が逸れちゃったわね。ええっと、だからね、こなたちゃんが自分で『決心』した事についてとやかく言うつもりは無いって事よ」
そこまで言って、ゆかりは一息ついた。
「はぁ……そうですか……」
「なんか……スゲーな、高良の家って」
「本当。私の両親なんか、未だにベッタリだもん」
三人共、呆気に取られていた。
それを見て、ゆかりは思わず顔を赤くして言い訳のように言った。
「そ、そんな大それた事じゃ無いのよぉ〜、要は『親の意識』の問題なんだから」
「うーん、これは是非ともおとーさんに爪の垢を煎じて飲ませたい位だね」
「全くだ」
「本当ね」
こなたの意見に二人も同意した。
「それでね、こなたちゃん」
ゆかりが真剣な口調で話し掛けた。
「この『計画』を実行するには、子供達だけでは限界があると思うんだけど……どうかしら?」
こなたの体が一瞬震えた。
「そう……かもしれません……でも……これは……これだけは、絶対に実行したいんです!」
強い口調でこなたが宣言した、他の三人も強く頷く。
「そうよね〜、だ・か・ら〜、おばさんも仲間に入れて貰えないかなぁ〜」
『へっっっ???』
一同の思考が思わず停止してしまった。まさかゆかりからそんな事を言われるとは、誰も思っていなかったのである。
「あ、あの、お母さん?それは一体?」
なんとか平静を取り戻したみゆきが、おずおずと聞いた。
「そのまんまの意味よぉ〜、だって楽しそうじゃないの、頭の固い大人を懲らしめるのって」
「は、はぁ」
「それにね……さっきも言ったけど、大人の手助けは絶対に必要だと思うの」
「で、でも、ゆかりさんまで巻き込む訳には……」
「もう巻き込まれているわよ」
こなたの言葉を遮り、話を続けた。
「大丈夫、絶対にこなたちゃんの『計画』を成功させてあげる、私は嘘はつかないわ」
「じ、じゃぁ、どうやるんですか?」
あやのが思わず疑問を口にだした。
「……ま、まぁ、それはこれから考えるって事で……」
先程までの表情とは一転して、申し訳なさそうにゆかりが答える。
まさかそのような答えが返ってくるとは誰一人思っていなかったらしく、開いた口が塞がらなかった。
「ゆかりさん……いくらアタシでもさぁ、一応こういった事はちゃんと考えてから喋るようにしてるよ〜」
「お母さん、日下部さんの言う通りです。事が事なんですから、ちゃんと計画を立ててから話して下さい」
みさおとみゆきに責められ、ゆかりは思わず体を小さくしてしまった。
―はぁ〜、やっちゃったわ〜。こなたちゃん、怒っているわよねぇ〜
ゆかりが反省の念に駆られていると、こなたが二人をなだめた。
212 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:25:44 ID:nTj5HZrV0
「まぁまぁ、二人とも。私だってちゃんと計画出来てなかったんだから、責めるのはそのくらいにして、これからの事を考えようよ」
「こなたちゃん……」
ゆかりが顔を上げると、こなたは笑顔だった。
「ほら、ゆかりさんも反省しているみたいだし、だから……ね」
そう話すこなたは、とても優しい顔をしている。
思わずゆかりは見惚れてしまった。
―こんな表情も見せるのね……
「ふふっ……つかさちゃんは、こなたちゃんのこういった所に惹かれたのかな〜」
「えっ!!あ、えー、あのー、そう、なんです、かねぇ〜……あはは……」
「アタシもそう思うな〜、ちびっこは誰にでも気を使うしな」
「そうよね〜、特に『交際報告会』の時の泉ちゃんったら……」
「も、もう、それはいいから!『作戦会議』始めようよ!ね、ね」
話がとても恥ずかしい方向に行きそうなので、こなたは慌てて軌道修正を図った。
「えぇ〜、私も聞きたかったのになぁ〜……でもまぁ、そんな暇は無いわね、もうすぐ三時だし」
こなたがこの家に居られるのは、午後四時半まで。
こなたが高良家に行く事を渋るため、仕方なく父と交わした約束である。
「それじゃ、本題に入りましょう。まず、こなたちゃん、この『計画』を『実行』するのは、いつ頃を予定しているのかしら?」
「なるべくなら……早くに。今日、此処で皆が署名して、つかさに『計画』を伝える事が出来ればですけど」
「……あまり時間が無いわね……じゃぁ、『二人が何処へ行くか』は後回しにして、『どうやってつかさちゃんを連れ出すか』を考えましょう」
皆、大きく頷いた。
「私は知らないんだけど、つかさちゃんは今どんな状況なの?」
言われてみれば、ゆかりはつかさの現況を全く知らない。
子供達は事細かに説明した。
「そう……困ったわねぇ……」
ゆかりは腕を組み考え込んだ、そこまで厳重な監視体制だとは完全な予想外だ。
「あ、そうだ」
あやのが何かを閃いたらしく、突然声を上げた。
「たまになんだけどね、『勉強会』の日に両親が留守の時があるの。だから、その時に連れ出しちゃえば良いんじゃないのかなぁ」
「うーん……残念だけど、それは採用出来ないわ」
「え〜、なんでぇ〜」
ゆかりが厳しい表情で否定すると、みさおが即座に抗議の声を上げた。
「なんでって……それだと二人の予定が合わないと駄目だし……それに」
「それに……もしその案が成功した場合、今度はかがみやお姉さん達に迷惑が掛かっちゃう……これ以上の迷惑は掛けられないよ……」
ゆかりの言葉を引き継ぐ様に、こなたが発言した。
「そっか、ゴメン……」
二人の言葉で、みさおはあっさりと引き下がった。
「でも……本当にどうしたら良いのでしょう?御両親が在宅中に抜け出すなんて、そんなこと出来るんでしょうか?」
みゆきの言葉で再び一同は沈黙してしまった。
「映画とかで良く有るパターンだったら、ハプニング絡みとかかなぁ……」
みさおが何気なく呟いた。
「ハプニングねぇ〜」
あやのも同様に呟く。
実際、ハプニングという物は予定して出来る物ではない、偶然が産む物であり決して必然では無いのだ。
「じゃぁさ『暗くなるまで待って作戦』なんてのはどうだい?」
皆が驚いた顔で部屋のドアを見た。
今の発言は室内ではなく室外から聞こえたからである。
「どうかな、結構良い作戦だと思うんだけど」
そこに立っていたのは………。
「お父さん……」
Section7 「支えられる苗木」 End
213 :
ナハト:2010/11/09(火) 22:28:39 ID:nTj5HZrV0
以上です
また来週の火曜日に投下しまね〜 ノシ
原作に出ていないキャラは難しい反面脚色自由ですね
215 :
紳士 ◆F5tes7w.5Ild :2010/11/10(水) 00:21:57 ID:wW0qMFO4O
長編を10数回に分けて投下はもどかしい反面
長期間楽しめていいな
楽しみだが作品の上手さを競うスレではないからな
>>1を忘れないで欲しい
他の人が書くSSが読みたい今日この頃
見れば見るほどゆかりちゃんマジ俺の嫁
もちろんこなたはつかさの嫁
こなたがつかさの嫁・・・
こな「つかさ遅いなぁ・・・まだ仕事終わらないのかなぁ〜」
♪失敗だってGoodNight〜
こな「あ!仕事終わったのかな!?やふ〜」
つか『こなちゃんごめ〜ん、今仕事終わったの〜』
こな「大変だったの?」
つか『うん、ちょっと新作の会議が長引いちゃって……』
こな「そっか〜」
つか『急いで帰るね〜』
こな「晩御飯作ってまってるよ〜、気をつけてね〜」
つか『は〜い』
こな「さてと……愛する妻の為に、栄養タップリのご飯を作らなくちゃね」
ここまで浮かんだw
後は頼んだ(=^・д・=)ノ゛
「ただいまー!遅くなってごめんねー」
「おかーりー!今日は至って普通な野菜炒めとエビチリでござます」
「わーいエビチリだー」
「でね、エビと牛肉どっちが高級感あるかで3時間も長引いちゃってー」
「どっちでもいいじゃーんって感じだけど会社からすればやっぱ悩むかー」
「うん。一応決まったんだけど、こなちゃんはどっちだと思う?」
「……………。」
その後、私は3時間悩んだ。
あれ?いちゃついてないorz
222 :
ナハト:2010/11/17(水) 13:52:34 ID:tgJIDuX3O
捕手ついでにお詫び
昨日、薬の副作用で爆睡してますた・・・orz
今夜投下しまつ
223 :
ナハト:2010/11/17(水) 20:38:32 ID:UJxOmrVz0
帰宅しますた
では
Section8 「育ち始めた苗木」
投下します
5レス使いますね
224 :
ナハト:2010/11/17(水) 20:38:59 ID:UJxOmrVz0
デジャヴュ……
そんな言葉が皆の頭をよぎった。
それ程に、父の佇まいが母と似ていたのである。
dear −Section8 「育ち始めた苗木」
「まさきさん……何時からそこに?」
ショックの度合いが割合少ないゆかりがおずおずと問い掛けた。
「ん、えーと、確かゆかりが『みゆき!そんなことはないわよ!!あなた、一つ勘違いをしているわ!!!』って言ったちょっと後からかな」
「じゃぁ、私が部屋に入った所から?」
「そうだよ。その後は扉の陰で皆の話を聞いていた」
「そうだったんですか……」
こなたが力無く呟いた、それ程に予想外な出来事だったのだ。
「盗み聞きしていたのは謝るよ。でも、お陰で良い事が聞けたな」
「……『良い事』……ですって?」
みゆきは怒りの交じった声を出した。
今までここで話していた事は、決して『良い事』ではない、寧ろ『悪い事』の筈だ。
それを、何故この父親は『良い事』などと言うのだろうか。
「お父さん……どこをどう聞いたら、今の話しが『良い事』になるんですか」
怒りの表情を見せながら、まさきに聞いた。
「ん?だってこの計画が成功したら二人とも自由になるし、なにより作家『泉そうじろう』の作風が拡がるじゃないか」
―この人は一体何を言っているのだろう
みゆきは『理解不能である』とでも言いたげな表情で父親を見た。
「『良くわからない』って顔をしているね。んー、つまり、『作家』とは『自分を切り売りする』事で『作品』を作る職業……と言えばわかるかな?」
「……つまり、今回の『計画』でおとーさんの作風に『新たな一面』が出てくる……と言う事ですか」
こなたが納得した表情で答えた。
「その通り!僕は一人のファンとして、最近の作風にマンネリを感じていたんだ。でも、今回事でそれを打ち破る事が出来るんじゃないかと思ってね」
「はぁ……」
思わずみゆきの口から溜め息がこぼれた。
「それにね」
まさきは一息置いて、話を続けた。
「ゆかりじゃないけど、頭の固い大人を懲らしめるのって楽しいじゃないか」
その顔には先程のゆかり、ひいては声真似をして皆を驚かせたみゆきと同様に、『悪戯っ子』の雰囲気を漂わせていた。
「なんかさぁ〜、高良の家族って、そっくりだよな〜」
「えっ?そう……ですか?」
みさおの言葉にみゆきが思わず聞き返した。
「「「うん!」」」
家族以外の三人が異口同音に答えた。
「おじさんがさっき見せた顔なんか、高良ちゃんにそっくりだったわよ」
「ホントだよね〜、まさに『親子』って感じがしたよ〜」
「は、はぁ。そうですか……」
あやのとこなたの思わぬ『口撃』にみゆきは顔を真っ赤に染めた。
「盛り上がっている所で悪いんだけど、さっきの僕の作戦は……どうかな?時間も余り無いから、手短に説明したいんだけど」
まさきの言葉に、一同は静まり返った。和んでいられる程、時間に余裕はもう無いのだ。
「まさきさん、その『作戦』ってあのヘプバーンのサスペンス映画を元にするの?」
「あ、いや、タイトルを使わせて貰っただけだよ。映画のストーリー通りだとかなりまずいからね」
「じゃぁ、改めて。おじさん、それってどんな『作戦』なんですか?」
こなたの問いに、まさきが静かに答えた。
225 :
ナハト:2010/11/17(水) 20:39:18 ID:UJxOmrVz0
―さっき誰か……みさおちゃんかな?『ハプニング絡み』って言ったよね、それで思い付いたんだけど
親御さん以外に迷惑が掛からない方法って、やっぱり何かしらの『ハプニング』が無いと難しいと思うんだ
だから、その『ハプニング』をおこして、その隙に……って訳だ
作戦名に有る通り、僕の考えでは『停電』を『強制的に』起こそうと思っている
……みんな、そんな簡単に出来ないって顔をしているね
でも、大丈夫
僕にはちゃんと『策』が有るからね
家族以外には殆ど知られていないけれど、僕はこう見えて電子部品を組み立てるのが趣味なんだ
だから『特定の時間になると強制的に過電流を流して、ブレーカーをショートさせる装置』なんてのも作れるんだよ
「それを使えば……わかるよね」
まさきの説明に、皆は呆気に捕われていた。
そんな短時間の間にそれだけの事を考えていたとは、誰ひとりとして思っていなかったのである。
「あの……それって、私やつかさでも出来るんでしょうか?」
こなたがおずおずと聞いた。
確かに計画としては申し分のない内容である。だが、自分達がそれを実行出来なければ意味が無いのだ。
「あー、それなら大丈夫。こなたちゃんとつかさちゃんがすることは、ただ一つだけ『停電時に家から脱出する』だから」
「あ、それで良いんですか。なら確かに……ん?えっと……ほぇっ!?あ、あの、今言った事を、もう一度、教えてもらえますか?」
「今言った事?『こなたちゃん達は停電した隙に家から出る』って事だけど」
「えと、すみません、意味が、わからないん、です、けどぉ!?」
こなたが驚くのも無理はない、本来ならば『計画』を『実行』する本人が『何もしないで良い』と言われたのである。
「お父さん、私にもその意味がわからないんですが……」
みゆきも同様らしい。見ると他の三人も同じ顔をしている。
「んーと、今回の『主役』はこなたちゃんとつかさちゃんだってのはわかるよね」
まさきの言葉に一同頷いた。
「そして、一番大変な思いをするのもこの二人だってのも、わかる……かな?」
またも皆頷く。
「なら、二人がなるべく『計画』に『参加しない』ほうが良いって事も……わかるよね」
「ええっと……二人に対する『監視』が強まらないように……ですか?」
あやのが確認の意味を込めて聞いた。
「そう、その通り。もし二人が不穏な動きをしていると思われたら、計画のハードルが一気に上がるからね」
「……じゃぁ本当に『何もしない』で良いんですか?」
「あぁ、そうだよ。だってこれは『裏方』の仕事だからね。『主役』が余計なことをしたら作品は成り立たなくなるよ」
「そうですか……」
こなたは渋々頷いた。自分だって何かしたい、そんな言葉を叫びたかったが、まさきの言葉に異を唱える隙は全く無かった。
「でもさー、それだとちびっこは機械の設置自体しなくて良いって事?じゃぁどうやってちびっこの家を停電させるの?」
みさおの言葉に一同は思わず顔を見合わせた。
「な、なんだよぉ。別に変な事言ってないだろぉー」
「うん……そうなんだけどさ、みさきちがまともなこと言ったから……」
「みさちゃん……なんか新鮮だった」
「日下部さんの口からそんな言葉が出てくるとは……以外でした」
「ホントね〜」
「確かに」
「ちょ、ちょっと!ちびっこあやの高良が言うのはわかるけど、なんでおじさん達まで納得すんのさ!てか納得しないでよ」
「いやぁ、スマンスマン。ついノリでね……まぁでも、みさおちゃんの言う事が一番重要なんだよね」
まさきは苦笑いを浮かべてそう答えた。
「お父さん、ではどうするんですか?」
「ん?丁度その役にピッタリな人が居るじゃないか」
226 :
ナハト:2010/11/17(水) 20:39:39 ID:UJxOmrVz0
それを聞いたこなたの頭に一人の少女の姿が浮かんだ。
「……もしかして、ゆーちゃん、ですか?」
「そう、その通りだよ。ゆたかちゃんはこなたちゃんと一緒に住んでいるんだろう?」
「はい……でも……ゆーちゃんまで巻き込むのは……」
こなたが言い淀んでいると、まさきが疑問を投げ掛けた。
「巻き込むも何も、こなたちゃんが駆け落ちするって決めた時点でそれは避けられない事じゃないのかな?」
「それは……そうなんですが」
「……まさか、彼女に一言も告げず駆け落ちをする気じゃ無いだろうね」
「そんな事はしません!」
「じゃぁ、もう打ち明けたのかな?」
「いえ……まだです。今日か明日には言う予定です……」
その言葉は本当だった。ゆたかには余計な不安を与えない為に計画が決定してから伝える予定だった。
「そうか。じゃぁ……えっと、何か書くものはっと……あ、良いのがあった。みゆき、附箋貰うぞ。こなたちゃん、ちょっと待ってて……」
そう言うと、手近に有った附箋に何かの文字を書き付けた。
「これをゆたかちゃんに渡してもらえるかな?この先の事で色々と話し合わないといけないからね」
手渡されたそれには携帯のアドレスが書いてあった。
「おじさんのアドレス……ですか?」
「そう。ただプライベートのだから仕事中に返信は出来ないけどね。仕事終わって確認したらすぐに返信するよ」
「ゆーちゃんにですね……わかりました。帰ったら頃合いを見て渡します。……『計画』も、その時ちゃんと話します」
それを聞いたまさきは満足げに頷くと、今度はあやのとみさおに話しかけた。
「君達にもお願いがあるんだけど……」
「は、はい!」
「どんな事ですか?」
「ちょっと携帯を出してもらえるかな?僕のアドレスを転送するから」
「はい……ちょっと待ってくださいね……いいですよ」
あやのは慣れた手つきで携帯を操作しアドレスを受信した。一方みさおはと言うと、どうやらそういった事には疎いらしく、かなり手間取っている様子だ。
「えっと……こっちじゃないや……んーっと……あれぇ〜?あやのぉ〜、どうやるんだっけ〜?」
「みさちゃんちょっと貸して……こうやって……これでオッケー」
「おぉ!さすがあやのだぜー!」
「てゆーか、みさきちがダメダメなだけじゃ……」
「みゅ〜。ちびっこぉ〜、それは言わない約束だよぉ〜」
「まぁまぁ……。ところで、私達は一体何をすれば良いんですか?」
あやのがまさきの方を向いて問い掛けると、まさきは一枚の紙を目の前に差し出した。
「先ずはなるべく早目に僕のアドレスをつかさちゃんのお姉さん……えっと……」
「いのりさんとまつりさんですよ、お父さん」
「そうそう、その二人に伝えてもらえるかな。文面はこんな感じで」
渡された紙には『至急連絡請う!! by高良みゆきの父まさき』と書かれていた。
「おじさん……わかりやすいけどさぁ、なんか……なんてゆーか、もうちょっとマシな文章にはならなかったの?」
「みさおちゃん、こういった時には『単刀直入』が一番効果的なんだよ。……まぁ、最後の名前なんかはお遊びだけどね」
「はぁ、そうですか……じゃぁ明日これを渡しておきますね」
「えっ!?渡す?どうやって?」
あやのの言葉にゆかりが驚きの声を上げた。
「あ、そういえばお父さんもお母さんも詳しくは知らないんですよね」
「そっか〜。んじゃ、みゆきさんお願いね」
「僕からも頼む。詳細を知っておかないと、どんな上等な計画でも頓挫してしまうからね」
「はい、では後ほど説明しますね」
その言葉を聞き、まさきは満足げに頷き立ち上がると皆を見回した。
227 :
ナハト:2010/11/17(水) 20:40:01 ID:UJxOmrVz0
「それじゃぁ……今一度確認するけど、先ずはこなたちゃん」
「はい!なるべく早目にゆーちゃんに伝えます!」
「頼んだよ。お次はあやのちゃんとみさおちゃん」
「いのりさんとまつりさんに伝えるんですね!明日は親が居ないから確実に渡せますよ!」
「あ、その時絶対につかさちゃんにこの『計画』を知られないように気をつけてね」
「え?何で?妹に知られちゃまずいの?」
まさきの言葉に、みさおが不思議そうに聞いた。
「うん……これはあくまでも僕の『予想』なんだけど……もしつかさちゃんがこの『計画』を知ってしまうと、浮足立ってしまう気がするんだよね」
「そう……かもね。私だっておとーさんに気付かれないようにするのが大変な位だし……」
「だから、つかさちゃんに伝えるのは実行前日にしようかと思っているんだ。……それでどうかな?」
その問いにあやのが答えた。
「それで良いと思います。……妹ちゃんには申し訳無いけど……」
「でも、予想外な方向から嬉しい事がやって来ると、その嬉しさは何倍にもなるからね〜。良いんじゃないかしら〜」
「お母さん……まぁ、確かにそうなんですけどね」
「じゃぁ、妹に気付かれないようにちゃんと渡しておくよ!」
「くれぐれも慎重に、良いタイミングが無かったらアドレスだけでも構わないからね」
「はい!」
「うん!」
「後は……ゆかり、みゆき」
「えっ?私も何かするの?」
「あぁ。岩崎さん……みなみちゃんにも伝えておいてくれ。勿論親御さんにもな」
「ほぇっ!?みなみちゃんにも伝えるんですかぁ!?」
今度はこなたが驚きの声を上げた。声こそ上げないが、皆も驚きの表情を見せている。
まさきからその名前が出るとは誰ひとりとして思ってもいなかったからだ。
「うん。僕の頭の中にある『計画』では後二人……最低でも一人必要なんだ」
「でも、それならみなみちゃんじゃなくても良いんじゃない?」
「最悪、断られた場合はそうなるけどね。……出来れば『信頼出来る人』に加わってもらった方が安心出来るんじゃないかな?」
「んー、それもそうねぇ。全く知らない人だと色々と面倒な事がおこったりもするし」
「だろ?だから、出来ればみなみちゃんが良いかなって思ってさ」
「そうですか……わかりました……」
そうは言ったが、こなたは悩んでいた。
従姉妹のゆたかがこの『計画』に参加するのは致し方ないと理解出来た。
だが、ゆたかの友人であるみなみまで『計画』に参加……いや、巻き込むのはどうだろうか。
「こなたちゃん」
そんな表情のこなたを見て、まさきが声をかけた。
「もし、この『計画』が成功して、こなたちゃんが家から居なくなった後、ゆたかちゃんはどんな状態になっていると思う?」
その言葉にこなたは頭を殴られた様な衝撃を受けた。
「一人……ぼっち……」
「そう、『一人ぼっち』になってしまうんだよ。……そんな時に、支えになってくれる人が必要だと思うんだよね」
「それで、みなみちゃんなのね」
「うん。彼女ならゆたかちゃんの支えになれると思うんだけど、こなたちゃんはどう思う?」
「多分……いえ、確実に支えになってくれると思います!」
228 :
ナハト:2010/11/17(水) 20:40:18 ID:UJxOmrVz0
そのやり取りを見ていた他の四人はまさきを尊敬の眼差しで見つめていた。
「ん?みんな、どうしたんだい?」
「あ、いや……なんか、スゲーなって思って」
「泉ちゃんの心配をするのはわかるんだけど……」
「ゆたかちゃんの事まで考えているなんて、思ってもいませんでした」
「流石は私の夫ねぇ〜。私、惚れ直しちゃった」
「……そんなに大層な事を言ったつもりはないんだけどね……」
思わぬ賛辞にまさきは照れた様子でそっぽを向いてしまった。
それを見たゆかりは微笑んでまさきに話し掛けた。
「まさきさんが言った言葉は全然『大層な事じゃない』訳じゃ無いわ。……私達では気付かなかった事を言ってくれたんだから」
「そう……か?」
「ええ。まさきさんが言わなかったら……いえ、この場に居なかったら、この『計画』自体が頓挫していたと思うわ」
「私もそう思います。……正直、ゆーちゃんがどうなるかなんて、完全に頭から抜けてました」
「……本当、私の夫がまさきさんで良かった。ありがとう」
その言葉にまさきは更に顔を赤くして皆の方に向き直った。
「もぉ、止してくれよ……照れるじゃないか……。おっと、そろそろ時間だな」
そう言われて皆が時計を見ると、時刻はそろそろ四時半になろうとしていた。
「あらもうこんな時間?……じゃぁ、岩崎さんの家には後で電話をしておくわ。詳しい話しは明日にするけど」
「頼んだよ、ゆかり。それじゃ改めて……みんな、各々がそれぞれの役割をきちんとこなすことで、その先にこの『計画』の成功が待っている」
皆無言で頷いた。
「誰ひとりとして失敗しないよう、慎重の上に慎重を重ねて行動するように。……『成功』に向けて頑張るぞ!」
「「「「「おー!!!!!」」」」」
Section8 「育ち始めた苗木」 End
229 :
ナハト:2010/11/17(水) 20:42:06 ID:UJxOmrVz0
以上です
一応次は月〜水の間に投下しますね〜
ではでは ノシ
・・・薬の副作用って怖いなぁ〜www
人が居ない・・・
規制のせい・・・?
☆ゅ
池沼コンビ
うにょ〜ん
最初から通しで読んでみた、凄いボリュームだった
ごっつぁんです!
うひひひ
236 :
ナハト:2010/11/23(火) 20:15:43 ID:Sit6wHJb0
どもども
そろそろストックが残り少なくなってきてピンチですw
タイトル
dear −Section9 「ひだまりの中の苗木」
投下します
本文5スレ使いますね〜
237 :
ナハト:2010/11/23(火) 20:16:13 ID:Sit6wHJb0
えーっと、今日はから揚げだから……んしょ……あれ?確かここら辺に本が……あった!これこれ。
まずはモモ肉をぶつ切りにして、調味液の中に漬け込むっと……。んーと、お醤油……お酒……、後は生姜をすりおろして……。
「生姜〜生姜〜生姜が無いとしょうがないよ〜」
「……ゆーちゃん……その歌はどうかと……」
「へっ!はぇっ!!」
驚いて振り返ると、いつの間にかこなたお姉ちゃんがそこに立っていました。
「お、お姉ちゃん、お帰りなさい……いつから居たの?」
「ついさっき……ゆーちゃんが『生姜〜生姜〜』って歌い始めた所からだよ〜」
あぅっ!!まさか、こんな場面を目撃されるなんて……うぅ〜。
「あの……お姉ちゃん、この事は……」
「だいじょーぶ、誰にも言わないよ〜。……ところで、おとーさんは?」
ほっ……良かったぁ〜。
「おじさんなら『ゆーちゃんのから揚げ食べたかったよぉ〜』って泣きながら、担当の人と一緒に出かけたよ。社長さん就任何年目だかのパーティーに出るんだって」
「ふぅ〜ん……て事は、今日は帰りが遅いんだね……」
「多分そうだと思うけど……お姉ちゃん、どうしたの?帰ってきてからずっと難しい顔してるよ」
「うん……。ゆーちゃん、晩御飯の後に大切な話があるから……ちょっとだけ時間を貰えるかな?」
「あ、うん。良いけど……」
「ありがと。じゃぁ、部屋に居るからご飯出来たら呼んでね〜」
「は〜い」
大切な話……何だろ?
「ま、いっか〜。えっと……あぁ!生姜!……確かこの奥に……生姜〜生姜〜生姜が無いとしょうがな……ハッ!!」
思わずまた歌ってしまった私が恐る恐る振り向くと……。
お姉ちゃんがニヤニヤしながら見つめていました……トホホ……。
dear −Section9 「ひだまりの中の苗木」
「「ごちそーさまでした!!」」
ふぅ、今日は上手に出来たなぁ〜。おじさんの分も残してあるから、明日の朝になんて言って貰えるか楽しみだな〜。
あ、おじさんといえば……。
「そういえばさぁ、お姉ちゃん最近おじさんとあまり話してないけど……何かあったの?」
「えっ!あ……まぁ……ね」
「……もしかして『大切な話』って、……それ?」
「それも含めて、かな。まぁ、取り敢えず後片付けしちゃおうよ、そのあとにコーヒーでも飲みながら話すからさ」
ここ最近のおじさんとお姉ちゃんはとても変だった。
どちらも何となくピリピリしていて、会話も少なくて、一緒にゲームすることも無くて。
何かがあったのはわかるんだけど……二人共何も話してくれないし……。
……少しは話してくれてもいいのにな……。
☆
「はい、お姉ちゃん」
「ありがとー。……で、話なんだけど……」
「う、うん」
私は唾を飲み込んだ。
どんな話……なんだろう……。
「その前に一つ、多分ゆーちゃんにとってはとてもショッキングな話になるから……、心構えだけはちゃんとしてね」
「そうなの!?わ、わかったよ!どんな辛い話だとしても、ちゃんと最後までき、聞くよ!」
「ありがと。……じゃぁ先ず最初に、私とつかさが『恋人同士』だって言うのは知ってるよね……」
238 :
ナハト:2010/11/23(火) 20:16:34 ID:Sit6wHJb0
それは、確かに衝撃的な話だった。
つかさ先輩とかがみ先輩二人が休学している理由、お姉ちゃん達がやろうとしている事、そして……その『計画』に私が必要とされている事に。
「……で、どうかな?もし、ゆーちゃんが計画に同意してくれるのなら……」
そう言って、お姉ちゃんは紙を二枚差し出した。
「アドレス……と……『誓約書』?」
「うん。そこに書いてある通りなんだけどね、……同意してくれるのなら名前を書いて欲しいんだ……」
確かに……名前を書き入れる欄が……三つ!?
「お姉ちゃん、これ……なんで名前を書く所が三つも有るの?」
「……みなみちゃんとその両親、あとはみゆきさんの両親にも書いてもらいたいからね」
「あ、そうか……うん!わかった!」
「ゆーちゃん、ありがとね」
「そんな……お礼を言われる程じゃないよぉ……」
お姉ちゃんにとっては大切なことだもんね……あ、でもこれだけは言っておかなくちゃ。
「でもね、お姉ちゃん」
「ん?なーに?」
「これからは、ちゃんと私にも何があったか話してね。……とっても……不安……だったんだから……グスッ……」
「……ゴメン、変な不安を与えないように考えてたからなんだけど……余計不安にさせちゃったね……本当にごめんね……」
「もぅ……秘密は……やだよぉ……ヒック……」
私が泣いている間、お姉ちゃんはずっと私を抱きしめてくれました。
それはとても優しくて、暖かくて、まるでお母さんが抱きしめているみたいでした。
「お姉ちゃんありがとう、もう大丈夫だよ」
「ホントに?」
「うん。……いっぱい泣いたし、お姉ちゃんにギュッってしてもらってたから……」
「……私もさ、もうゆーちゃんに隠し事とかしないから、ゆーちゃんも言いたいことがあったらちゃんと言ってね」
「うん、わかったよ。……ところでさ、このアドレスにメールして、その後はどうするの?」
「うーん、それはわからないんだよね〜。……私はもう関われなくなっちゃったし……」
あ、そうか……。
「ごめんね、変なこと聞いちゃって」
「あぁ、別に気にしてないから大丈夫だよ〜。……まぁ、『気にならない』って言ったら嘘にはなるけど、私はみんなを信頼しているからね」
お姉ちゃんはウィンクをしてそう答えた。
「じゃぁ、後でメールしておくね」
「頼んだよ〜。……そろそろおとーさんが帰ってくるかな?」
時計を見ると、結構な時間になっていた。
「そうかも……じゃぁ、これを部屋に持って行かないとね」
「ゆーちゃん」
私がそんな事を呟くと、お姉ちゃんが急に真剣な顔で話しはじめた。
「絶対に、おとーさんには見つからないでね。これ以上無用な被害者は出したくないから……。だから、お願い。絶対だよ」
「う、うん。わかったよ!じゃぁ、部屋に行ってるから。おじさんが帰ってきたら……」
「うん、上手くあしらっておくよ。それじゃ、おやすみ〜」
「おやすみなさーい」
239 :
ナハト:2010/11/23(火) 20:17:00 ID:Sit6wHJb0
☆
「えっと……『はじめまして、小早川ゆたかと言います』……んっと……『こなたお姉ちゃんからおおまかな話しを聞きました』」
うーん……目上の人に送るメールって、緊張しちゃうなぁ〜。
「『私なんかで構わないのでしたら、喜んでお手伝いさせていただきます』……こんな感じ……かな?……あ、忘れてるよ〜『それでは、失礼いたします』……よし!送信!」
チューリップのイラストが左右に揺れる画面が表示され、数秒後には『送信完了!』の画面が表れた。
ふぅ……これでオッケー。
……駆け落ちかぁ……少し、寂しくなるなぁ……。
……だめだめ!ちゃんとお姉ちゃんの手伝いをしなきゃいけないんだから!寂しがってるヒマなんか無いんだよ!!
♪〜♪〜
あ、メールだ。
「……高良先輩のお父さんからだ……えっと……そうなんだ……じゃぁ……」
私は「わかりました。では次の連絡を待っています」とだけ書いてメールを返信した。
……日時が決まったら、みなみちゃんの家に集合か……あ、そうだ!
私はふと思い付いた重要な事をみなみちゃんにメールした。
暫くしてメールが返ってきた。どうやらみなみちゃんも同じ考えを持ってくれたみたい。
「明日の朝……お姉ちゃんにちゃんと話しておかないとね……」
そう呟いて私はベッドに入る。
……私の役目……一体何なのかなぁ……。
☆
「ねぇねぇ、お姉ちゃん」
翌朝、二人で学校に行く途中に私は昨日思い付いた『重要な事』をお姉ちゃんに話した。
「お姉ちゃんの『計画』に田村さんも加えるね。みなみちゃんにも昨日メールしたら、その方が良いって返事もらってるから……」
「へっ!?ひよりんを?」
「うん……だってさ、このままじゃ田村さんだけが『のけ者』になっちゃうから……」
「でも……」
「だって、お姉ちゃんと田村さんは共通の趣味で話しが合うし、もしお姉ちゃんが黙っていなくなっちゃったら田村さんも寂しいと思うんだ……だから」
「そっか……。うん、わかったよ」
私の言葉で、お姉ちゃんも納得してくれたみたい……良かった……。
「それでね、今日の昼休みに説明してもらいたいんだ。みなみちゃんと田村さんに」
「……そうだよね、ちゃんと説明しておいた方が良いよね。うん、じゃぁゆーちゃんお願いね」
「うん!」
240 :
ナハト:2010/11/23(火) 20:17:49 ID:Sit6wHJb0
☆
「んー!!気持ち良いっすねー!」
昼休み、私はお姉ちゃんに約束した通り、田村さんとみなみちゃんを誘って屋上でお弁当を食べていた。
勿論、お姉ちゃんも一緒に。
「……で、話しってなんなんすか?」
「まぁまぁ、それは皆がお弁当を食べ終わるまで待ちたまへ〜。……落ち着いてからの方が良いからね〜」
「はぁ……そうっすか。わかったっす。んじゃ食べるとしますかね〜。お!サンドイッチにオムライスっすか〜、美味しそうっすね〜」
「田村さんのお弁当も美味しそうだよ〜」
「ひよりん……」
「なんすか?」
「筑前煮の蓮根頂きっ!!」
「あぁっ!何という事を……じゃぁお返しに……タコさんウインナーゲットっす!!」
「のぉぉぉっ!!そ、それをさらっていくとは……うぅっ、なんて極悪非道な……」
「ふふっ……いかなる時でも油断は禁物っすよー」
「お姉ちゃん達、楽しそうだね〜」
「……そうだね……」
出来る事なら、ずっとこうやってみんなと楽しくお弁当を食べていたいけど……。
……お姉ちゃんは、いなくなっちゃうんだよね……
☆
「……そうだったんすか……」
「うん……ごめんね、ひよりん、みなみちゃん。言うのが遅くなっちゃって」
お弁当の後、お姉ちゃんから事の詳細を知らされたみなみちゃんと田村さんはとても驚いていた。
「いえ……私は……昨日、お母さんから少し聞いていたので……でも、詳しくは知らなかったので……ちょっと、驚きました」
「あ、別に気にしなくっていいっすよ〜。これでハブられてたらかなり恨むっすけど、ハブられなかったからオッケーっす」
「二人とも……ありがとう」
「そんな、お礼なんていらないっすよ〜。……ところで、さっきの話しだと協力者が『あと二人』必要なんすよね」
「うん……。みゆきさんのおじさんはそう言ってたね」
「岩崎さんは……」
「うん……手伝うつもり……」
「てぇことは、あと一人っすね。……よっしゃ!ここで逃げたら男……じゃないや女がすたる!私も手伝わせていただくっすよ!」
た、田村さん……。そんな、拳を突き上げる程気合いを入れなくても……。
「ひよりん……そんな簡単に決めちゃって良いの?もしかしたらとんでもなく大変な役を担当するかもしれないんだよ?」
「うっ……、でも、大丈夫っす!気合いで何とかするっすよ!」
「気合いで何とかなるかどうかもわからないんだけど?」
「それでもっす!……それに、私一人だけ何も知らずに先輩がいなくなるのなんて……嫌っすよ……」
「ひよりん……」
……そうだよね、何も知らされずに急にいなくなるなんて……嫌じゃない人なんて、いないよね……。
「……じゃぁ、ひよりんにお願いしよ」
「まぁ……良いネタにも……へっ!?あ、り、了解っす!」
「……ひ〜よりん。ちょ〜っと一緒にあっちに行こうね〜」
田村さん……小声で何か呟いてると思ったら、お姉ちゃんが向こうに連れていっちゃった……。
「みなみちゃん……、田村さんさっきなんて行ってたのかなぁ」
思わずみなみちゃんと顔を見合わせたけど、みなみちゃんも首を傾げるだけで聞き取れなかったみたい……。あ、帰ってきた。
「ゆーちゃ〜ん、みなみちゃ〜ん。ひよりんが『一番大変な仕事をやってあげるよ』って言ってくれたよ〜。うぅっ、こんな先輩想いの後輩を持って、わたしゃ幸せだよ……」
「た、田村さん……本当なの?」
「あ、えと、うん。が、頑張るっすよぉー!!」
そう宣言した田村さんを見つめるお姉ちゃんが、とても不敵な笑みを浮かべているような気がするけど……気のせいだよね……多分。
241 :
ナハト:2010/11/23(火) 20:18:14 ID:Sit6wHJb0
☆
「……ふぅ……今日は何だか疲れたな……」
夜、ベッドに寝転がった私はそんな事を呟いた。
ここ最近身体の調子が良いとは言え、今日は色々とありすぎたみたい。
ボーッとしていると段々と瞼が重くなってくる。
……今日の『勉強会』で、高良先輩は「今日か明日には連絡が入るわ」って言ってたけど……私なんかが出来る事、あるのかなぁ……。
〜♪〜♪
「あ!」
ゆっくりと体を起こし、机の上に置いた携帯を手にとる。
予想通り、高良先輩のお父さんからのメールだ。
そこには短く「日曜日、岩崎家に集合されたし」と書いてあった。
「……高良先輩のお父さんって、古風な人なのかなぁ?……日曜日……か」
私は確認のメールを返送すると、カレンダーにお出かけ用のハートのシールを貼ってベッドに潜り込んだ。
目を瞑ると色んな事が浮かんでくる。
……お姉ちゃんと一緒のお弁当……楽しかったな……
……田村さん……あの時何て言ってたのかなぁ……
……明後日……どうなるのかな……
……ちょっと……不安だな……
でも……決めたもんね……。
……お姉ちゃん……私……頑張るよ……だから……絶対……幸せに……なって……ね……。
Section9 「ひだまりの中の苗木」 End
242 :
ナハト:2010/11/23(火) 20:22:03 ID:Sit6wHJb0
以上です
一応全話の目処が付きました
総話数は19+αになりそうですw
また来週の火曜日前後に投下しますね〜
ではでは ノシ
待ち遠しいな
, -‐ ' ´ ̄ ̄ ̄`ヽ、
, -‐'  ̄厂`:丶、 \
//: :/∧: ト、: : : |`丶 \
/イ:/: _」/ l: |‐-、: :|: : /:\ ヽ、
/ ./: : |: : ハ| ヽ|ヒz\.ト:/: : :|ヽ l
/: : /|: /,ィL 勹ヾj:/: : : |:/ イ
|: :/| l :| 仍 Γ }》: : : :.レ / |
| / | :Y弋j ヽ-' /: : : :/\/ィΓ
レ' |: : : :}` ´ , 、 |: :ィ /‐<: :/リ
. V: : ∧、 `´ |: ル'― 乂
V: :| \|``ニj "|ハい―' ̄
\| ,イ/―y′|レ'\
/ -┴‐┴‐イ//入
//f 0 |/ l
+- 、// | |
\ > 、_ ,、 | |
`ァ 、 7ノ^ヽ<~ヽ⌒ |
/ | ` 代ノィ」| | } |
/ .| ヽノ//ノ /
☆ゅ
今日初めて☆ゅの意味がわかった…
いつもありがとうございます
圧縮チェッカー復活してるな
622か・・・保守しておこう
☆ゅ
249 :
ナハト:2010/11/30(火) 23:58:51 ID:xvPtYjjh0
どもども、ギリギリ火曜日に投下です
タイトル
dear −Section10「苗木を守る人達〜高良一家・岩崎夫妻・柊いのり〜」
今回は5レス使います
えと、事前に書いておきますが・・・
今回つかさもこなたも出ませんwww
すみませんが、ラストへの助走だと理解して頂ければありがたいですw
250 :
ナハト:2010/11/30(火) 23:59:20 ID:xvPtYjjh0
えっと……あ、ここね。
インターホンを押してっと……。
「あ、すみません。私『柊いのり』と言う者ですが……はい、そうです。……あ、はい」
暫く待っていると、玄関のドアが開いてスレンダーな女の子が出てきた。
「えと……初めまして、岩崎みなみです」
「あ、初めまして、柊いのりです」
「皆さん揃っていますので……どうぞ」
「あ、そうですか。では、失礼いたします」
……『作戦会議』か……どんな作戦なのかしら……。
dear −Section10「苗木を守る人達〜高良一家・岩崎夫妻・柊いのり〜」
一昨日の夜、帰宅した私は自室に入る前にまつりから一通の手紙を手渡された。
「姉さん、これ」
「ん?何?」
「シーッ」
まつりは人差し指を口に当てながら、小声で話しつづけた。
「今日の勉強会で受け取ったの。姉さんに渡して欲しいって」
「……私に?」
「うん。みゆきちゃんのお父さんからだって、詳しくは教えてもらってないけど、早目に渡して欲しいって言われたから」
「そう……、わかった。確かに受けとったわ」
私が頷くと、まつりは無言で頷き部屋へと戻った。
……さてさて、一体どんな内容なのかしら?
●
「えーっと……ん?」
手早く着替えて手紙の封を切り中を見ると、一枚の紙が入っていた。
それを開いて文面を確認すると……。
『至急連絡請う!! by高良みゆきの父まさき』
「……いのりの筆跡とは明らかに違うから、悪戯じゃなさそうね……ここに書いてあるアドレスにメールすれば良いのかな……?えっと……」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
初めまして、柊いのりといいます
本日受け取りましたお手紙に『至急連絡請う』
と書かれてあったので
取り急ぎメールをさせていただきました
それでは、失礼いたします
柊いのり
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
後は件名を入れて……アドレス……間違い無いわね。
「送信……完了っと。さて、ごっはっん〜♪」
251 :
ナハト:2010/11/30(火) 23:59:42 ID:xvPtYjjh0
◆
「ぱぱっぱぱっぱっぱ〜じゃ〜ま♪」
「姉さん……なんでそんなの歌ってるの……?」
えっ!?
自室のドアを開けようとした私が慌てて声の方を見ると、部屋からまつりが顔を出して冷ややかな目で私を見ていた。
「ま、まつり!覗き見るなんて失礼よ!」
「覗き見るも何も……ドアを開けたら姉さんが何かを歌ってるから見てただけなんだけど」
「あ、そ、そうなの?」
「で?なんでそんなの歌ってたの?」
「なんでって、お風呂に入るから……」
私がそう言うと、まつりは満足気に「やっぱそうか」と頷きながら居間へと向かった。
……良いじゃない、別に……歌いたかったんだから……。
◆
「タッオル〜♪パッジャマ〜♪パンツ〜♪ブラ〜♪……ブラは要らないか、暑いし。よし、お風呂セット準備完了!」
「姉さん……ノリノリだねぇ〜。てかブラしないで寝ると形悪くなるって言うけど」
「え!そうなの?知らなかったわ〜、……てゆーかまつり!なんで勝手に入ってくるのよ!?」
「勝手にって……ドア開けっ放しだったし、ついでにつかさが『わからない所が有るから教えて欲しい』って言ってるから」
「そうなの?……仕方ないわね、じゃぁお風呂の前につかさの……」
ムィィィィィ!ムィィィィィ!
「ん?なんの音!?」
「あ、私の携帯だわ。マナーモード解除するの忘れてた……ふむ、じゃぁ……日曜なら……送信っと」
「誰から?」
その問いに、私は無言で携帯の画面を見せた。
「……成る程……そうなんだ」
「そうみたいね。……さて、つかさの手伝いしなくちゃね」
「あ、私もちゃんと手伝うからね」
「……まぁ、気持ちだけ受けとっておくわ」
「……姉さん……しどい……」
●
「失礼いたします……あ、みゆきちゃんこんにちは、久しぶりね」
「お久しぶりです、いのりさん。それじゃこちらの部屋にどうぞ……」
案内された部屋……居間よねぇ……そこには既に他のメンバーが集まっている様子だった。
「紹介しますね。つかささんとかがみさんのお姉さん、柊いのりさんです」
「初めまして、柊いのりです。この度は私の妹とその友人の為にわざわざ計画を練っていただき、あがとうございます」
「いえいえ、お礼を言われるほどでは……おっと失礼、自己紹介がまだでしたね。初めまして、先日はメールを送っていただき、ありがとうございました。高良まさきです」
「そして、私が妻のゆかりです。後は……」
☆
一通り自己紹介が終わり、『計画』の概要を聞いたところで、私はここに来るまでに浮かんだ疑問を率直に投げ掛けた。
「……すみません、皆さんにお聞きしたいのですが……何故この『計画』に参加しようと思われたのですか?」
すると、先程までは賑やかだった居間が突然静まり返ってしまった。
……聞かない方が良かったのかなぁ……
でも、私は聞きたかった……何故なら、私自身の『理由』が不明瞭すぎたから……
252 :
ナハト:2010/12/01(水) 00:00:07 ID:M5g5+LoO0
「いのりさん」
「はい、なんでしょうか」
不意にほのかさんから声をかけられた。
「私達夫婦は当事者であるお二人を殆ど存じ上げてません。まぁ当然なんですがね」
「……まぁ、そうですよね」
「ですが私達は高良さんからこの話を聞き、娘のみなみからも更に詳しい話を聞いた上で、この『計画』の手伝いをさせていだだこうと思いました」
「そうですか……。では改めてお聞きしたいのですが……」
「その前に、私の問いに幾つか答えていただけますか?」
……聞いてるのはこっちなんだけどなぁ〜。
ま、いっか。
「はい。なんでしょうか?」
「単刀直入にお聞きします。あなたはこの『計画』について、当初は消極的だったのではありませんか?」
うわ……いきなり深い所を突いてくるなぁ……。
「はい……その通りです」
「では次に……今、あなたは『迷っている』。そうではありませんか?」
「そう……です。この『計画』に対して自分の中で参加した『理由』が未だ不明瞭なのです……」
「やはりそうでしたか……。それでは次の質問です。『成木』が落とした『種』は、どうなりますか?」
『成木』?
『種』?
……何か理由があるのかなぁ〜?
「……ちゃんとした環境下であれば、いずれ芽を出して成長すると思いますが……。あの、これって何か意味が有るのですか?」
「えぇ、とても重要ですよ。では最後の質問です。芽を出して成長した『苗木』……その『苗木』はずっと『苗木』のままですか?」
今度は『苗木』?
……やっぱり意味がわからないなぁ。
「いえ……余程の事でも無い限り、いずれは『成木』になります。……では、先程の質問に答えていただけますか?」
「勿論ですとも。私達夫婦はその『苗木』を守りたいから、この『計画』に参加したんです」
『苗木』……?
あ!そうか!!
「つまり、つかさとこなたちゃんの『想い』という『苗木』を守りたかった……そうですよね?」
私の問いに、ほのかさんと旦那さんは満面の笑みで頷いてくれた。
「……いのりさん、あなたはこの『計画』に参加する時、どのような心境だったのですか?」
……あの時……私の心境は……そうか……。
「私は、つかさとこなたちゃんだけでなく、もう一人の妹……かがみも……いえ、かがみを守りたい……そう思っていました……」
「何故、当事者の二人ではなく、かがみさんなのですか?」
「……かがみとつかさは双子です。産まれた……いえ、産まれる前からずっと一緒でした」
「成る程……つかささんにはかがみさんという双子の姉妹がいらっしゃるのね」
「はい。ずっと、一緒でした。なので……つかさが居なくなると、かがみは『一人』になってしまいます……」
……私は、それが赦せなかった。
『親』の我が儘で『二人』が引き離され『一人』になってしまう。
それが、赦せなかったんだ……。
「ほのかさん。私、わかりました」
その言葉に、ほのかさんは優しく頷いてくれた。
「私はつかさとこなたちゃんの『想い』、そして『かがみ』という『苗木』を守りたくて……それで参加しました。これが私の『理由』です。……ほのかさん、ありがとうございました」
「どういたしまして。……これで安心して計画を実行出来るわね」
「はい!……皆さんすみません、長々と時間を取ってしまって……」
253 :
ナハト:2010/12/01(水) 00:00:31 ID:M5g5+LoO0
すると、まさきさんが真剣な表情で話しはじめた。
「いのりさん、私達の理由は岩崎さん夫妻と少々異なります。……私からも少々お聞きしたいのですが……よろしいですか?」
「はい、なんでしょうか」
「『個人の自主性』という言葉、ご存知ですか?」
「えっと……会社のようなグループに於いて、そのグループの長の考えで総てをコントロールするのではなく、所属する個人が自主的な考えで行動する……といった感じだと思うのですが」
「まぁ、大体合っていると想いますよ。では二つ目の質問です。……大変失礼なのは承知の上でお聞きしたいのですが、ご家族の仲はかなり良い関係ですよね?」
「はい……以前は、ですが……」
確かに、以前は近所で評判の仲良し家族だったな……今でも外面だけはそんな風に装っているけど……。
「三つ目です。『親離れ』『子離れ』について、どう思われますか?」
「そうですね……どちらも必要な事だと思います」
「それでは最後の質問です。柊家の皆さんは、それぞれ『親離れ』『子離れ』をされていますか?」
『親離れ』か……
経済面に関していえば、私の場合は……
少なくとも社会人として収入を得ている点では、出来ていると言えるけど
親と同居している点では、出来ていないとも言えるなぁ
まつりはバイトをしているけれど、学費は親が出しているからしていないわね
かがみとつかさは……考えるまでも無いか……
精神面では?
私は、出来ていると言える。仕事の事を話したりする時も『親』ではなく人生の『先輩』として接しているし
まつりも……そんな感じよね
かがみとつかさは……正直な所わからないけど……
でも、今回の二人を見ると……ちゃんと出来ているんだろうな
それじゃ……『子離れ』は?
……これは断言できる
絶対に出来ていないと
もし出来ていたならば、今回のような事は起こらなかったはずだし
「まず『親離れ』ですが、経済面に関して言えば、誰もまだしていません。ただ、精神面に関して言えば……姉妹四人全員が出来ていると思います」
「まぁ、経済面に関しては致し方ありませんからね」
「そして、『子離れ』ですが……全く出来ていないと言えますね……残念ですが……」
「何故、全く出来ていないと言えるのですか?」
まさきさんは先程と全く変わらぬ表情で聞いてきた。
……私の『答え』……間違っていないよね、だって私の家族の事だし。
「なぜなら、もし『子離れ』をしていたとすれば、今回のような事は起こり得ないからです」
するとまさきさん……いえ、高良さん夫妻が顔を見合わせて頷いた。
「いのりさん……私達が参加した理由はそれなんですよ」
「えと……『子離れ』出来ていない……という事が、ですか!?」
驚く私に二人はその理由を丁寧に説明してくれた。
『個人の自主性』の事、『子離れ』についての考え方、双方共にわかりやすく丁寧に。
「……という理由なんです。納得いただけましたか?」
「はい、とても……すみません、私の下らない質問でこんな時間になるまで……」
「いえ、こういった事を実行する場合、自分自身が納得出来るまできちんと考えておいた方が良いですから……」
「そう……ですね……。妹達の……私達の人生そのものを変えてしまう事を実行するんですものね」
「そうですよ。……いのりさん、もう大丈夫ですか?」
「はい。もう悩んだりしません。妹達の為にも全力でお手伝いさせていただきますわ」
「……ありがとう。では、『計画』の役割分担を決めましょうか」
☆
「……皆さん、役割分担はこれで宜しいですね」
皆無言で頷いた。
254 :
ナハト:2010/12/01(水) 00:00:49 ID:xvPtYjjh0
「田村さん……本当に良いの?」
「お、女の約束っす!武士に二言は無いっす!!」
「……私が……代わりにやっても……良いよ」
「岩崎さん……。で、でもダメっす!先輩の命令は絶対っす!!」
ひよりちゃんはこなたちゃんからの命令とやらで、自ら一番大変な役を買って出た。
……良いわね〜、青春って感じで。
「あ、そうだ!お姉ちゃんからこれを頼まれてたんだっけ」
そう言うと、ゆたかちゃんは鞄の中を探り数枚の紙を取り出した。
あ、あれって……。
「……えっと……すみません、高良先輩のご両親と、みなみちゃんとみなみちゃんのご両親、それと田村さんにこれを書いて貰いたいって、お姉ちゃんが言ってました」
「『誓約書』?あぁ、そういえばこの前こなたちゃんが来た時に、テーブルの上に置いてあったわね……成る程、こういう事が書いてあったのね……」
ゆかりさんはフムフムと頷きながら、それに名前を書き込んだ。
「あ、みなみちゃんと田村さんも。はいこれ」
「……うん、わかった……」
「ここに書き込むんすね……」
他の人達も次々と名前を書き込んでいく。
「みんな書き終えたかな?……良いみたいだね。では実行日を決めようか……といっても、いのりさん次第なんだけど」
「あ、そうですね……」
そうだよねぇ〜、唯一の土曜日出勤が有る会社員だもんねぇ〜。
はぁ〜あ、早く完全週休二日になってもらいたいなぁ〜。
……っとまぁ、愚痴は置いといてっと。
「えっと……今度の土曜日は休みなので大丈夫ですね……」
「今度の土曜日だね。他の皆は大丈夫かな?……大丈夫みたいだね」
今度の土曜日……六日後か。
「それじゃぁ、実行日は今度の土曜日、六日後に決定します」
『計画』の実行日……
つかさが我が家から居なくなる日……
岩崎さん夫妻は『想い』の『苗木』を守りたいから参加すると言ってくれた
高良さん夫妻は『親』にその『想い』そして『子離れ』を理解してもらいたいから参加すると言ってくれた
私は……二人の『想い』そして、『かがみ』を守りたいから、参加する
「皆さん、今いるメンバーの一人でも抜けたら、この計画は失敗に終わります。……くれぐれも体調管理等に気をつけて、実行日を迎えてください」
私はそっと、お社の神様にお祈りをした
……それぞれの想いが届きますように……
「……次に集まるのは実行日が過ぎて落ち着いた頃ですね。その日が笑顔で迎えられるよう、それぞれの役割をしっかりとこなしてください!」
『はい!!!』
私の役割……必ず成し遂げるからね!!
Section10「苗木を守る人達〜高良一家・岩崎夫妻・柊いのり〜」 End
実行日まで
あと六日
255 :
ナハト:2010/12/01(水) 00:03:06 ID:xvPtYjjh0
以上です
あと六日とあるように、後五話ほど脇がメインの話になります
まぁ、一応こなたもつかさも多少は出るんですけどねw
ではでは ノシ
こな「ほっほっほっほっ」つか「しゅっしゅっしゅっしゅ」
こな「ほっほっほっほっ」つか「しゅっしゅっしゅっしゅ」
かが「・・・二人でなにやってんの」
こな「えー?わたしが『ほ』!」
つか「そしてわたしが『しゅ』!」
こな・つか「二人あわせて『」
かが「あー、『ほしゅ』ね、はいはい・・・」
つか「おねーちゃーん」
こな「かがみーん」
こな・つか「最後まで言わせて!!!」
補習
つか「ほ・・・ほっかむり!」
こな「し・・・しもやけ!」
つか「ゆ・・・ゆきんこ!!」
うにょん
260 :
ナハト:2010/12/07(火) 23:14:33 ID:WEMqL5z40
どもども
Section11「苗木を守る人達〜柊まつり〜」
投下します
本文5レス使いますねぇ〜
261 :
ナハト:2010/12/07(火) 23:15:23 ID:WEMqL5z40
「お姉ちゃん……ここ……どうやるの?」
「ぅえっ!?えっと……どこ?」
「この問題……」
ぬぅ……数学かぁ……。苦手なんだよなぁ〜。
「か、母さんは出来るよね!?」
「えっ!?……こ、こんな風にやれば……って、プリント見れば良いんじゃない!」
「そりゃそうなんだけどさぁ……なんか負けた気がしない?」
「……まつり、それは言わないで……」
dear −Section11「苗木を守る人達〜柊まつり〜」
我が家での勉強会が無事に終わり、今は私と母さん二人でつかさの勉強を見ている。
本来ならばかがみが教えた方が良いんだけどね、的確だし教え方も上手だから。
だけど、今は残念ながらそれはできない。
なぜなら……。
「母さん、まつり、つかさが勉強しているんだからもう少し静かにしていなさい」
「あ、ごめんなさい。私ってば、つい……」
「……はーい……」
父さんがここで『監視』をしているから。
二人が休学する事になったあの日から
私は何度も父さんと母さんにそれをやめさせるように説得しようとした
でも……全く駄目だった
せめてこちらの言い分だけでも聞いてくれれば良いのに
それすら聞いてくれなかった
「……あ、そっか……じゃぁ、こう解けば良いんだ……。お父さん、お母さん、終わったよ」
「じゃぁ、私はご飯の支度始めるわね」
「あぁ」
「んじゃ、私は部屋に……あ、やっぱ今日は手伝うよ」
「あらめずらしい事。じゃぁ手伝ってもらおうかしら。つかさもお願いね」
「はい……」
家事に関しては父さんもとやかく言わない
だから私はこの時間が好きだ
……たまにしか出来ないんだけどね
「今日の晩御飯は何?」
「串カツ、豆腐と海藻のサラダ。茄子とピーマンの揚げ浸しに……あともう一品、おつまみになる物が欲しいんだけどね……」
「お母さん、納豆袋でも作る?材料は揃っているし」
「そうね、そうしましょうか。じゃぁつかさ、そっちはお願いね」
「私は何を手伝う?」
「じゃぁ……串カツの準備をしてもらえる?」
「はーい」
傍から見れば、至って普通な台所の一コマ
でも、つかさ……だけでなく、我が家の女性陣からすれば一番落ち着く事が出来る一コマ
実際、つかさは家事をしている時『だけ』生き生きとした表情を見せてくれる
だけど、その顔色は日々悪くなっている
……父さんはそれを理解しているのだろうか?
そして、もう一人……
「姉さん、ちょっといい?」
「ん?良いけど。何?」
「かがみ、まつりに話しが有るのなら、後にするかこちらで話しなさい」
「はい……じゃぁ姉さん、後で話すね……」
262 :
ナハト:2010/12/07(火) 23:15:48 ID:WEMqL5z40
これだ
例の手紙の一件があってから、父さんは
『勉強会』と『食事』
これ以外でつかさとかがみが近付く事を禁じている
……その結果……
かがみの顔色はつかさ以上に日に日に悪くなっている
何故、これ程までに二人を近付けさせたくないのだろうか?
今はこなたちゃんからの手紙を受け渡す事など出来ないのに
……昨日、姉さんから聞いたみゆきちゃん一家がこの『計画』に参加した理由……
『子離れ』が出来ていないと思われる
それでこんな事をするのかな……
「納豆袋出来たよ〜」
「串カツも出来たよ〜。後はパン粉を付けて揚げるだけ〜」
「二人ともありがとう。それじゃ、仕上げましょうか」
「は〜い。じゃぁ納豆袋炙るね〜」
「……ほい、衣の準備出来たよ〜」
「じゃぁ揚げるわね。まつり、お皿出してもらえる?」
「は〜い」
……今夜は……ちょっと違った角度から攻めてみようかな?
父さんと母さんが、本当に『子離れ』しているかどうか
それを、確かめるために
☆
「父さん、母さん、ちょっといい?」
「何だ?またいつもの話しか?それなら……」
「あ、違う違う。それじゃない話しなんだけど」
「なら良いぞ。そこに座りなさい」
はぁ、やっぱり警戒してるなぁ……
「で、何の話しだ?」
「あのね、……父さんと母さんはさ、つかさとこなたちゃんが付き合うのは認めないって言ってたよね」
「あぁ、……結局はいつもの話しじゃないか」
「まぁまぁ、お父さん。最後までちゃんと聞いてあげましょうよ」
「……母さんがそう言うなら仕方が無いな。で、それがどうしたんだ?」
よしよし、先ずは第一段階クリア
「それって『同性だから』って言ってたよね」
「あぁ、そうだ。何度もそう言っているだろう」
「そうなんだけど……。でね、もし、もしもなんだけど……私や姉さんが男の人を連れて来て『この人が恋人なんです!』って言ったら……どうする?」
さぁ、どう出る?
「それは……相手にもよるな」
「母さんは?」
「そうねぇ……私も相手によるかしら。あんまり変な人だと困っちゃうし」
「どうして?私や姉さんが選んだ人だよ?」
「それでも、よ。相手がちゃんとした人かどうかが肝心なんだから」
「そうだな、どこの馬の骨かわからんような奴と付き合われては困るからな」
263 :
ナハト:2010/12/07(火) 23:16:31 ID:WEMqL5z40
成る程ねぇ〜
それじゃぁ、これはどうかな?
「そっか……。じゃぁさ、私や姉さんが『一人暮らしをしたい』って言ったら?ほら、私だって何もなければ再来年から社会人でしょ?」
「一人暮らしか……まぁ、会社が遠いのなら仕方が無いが……出来ればそれはしてほしくないな」
「そうね、近場なら自宅から通えるんだし。……あなた達が一人で何をしているのかと思うと……お母さん不安で眠れなくなっちゃうわ」
「不安でって……一応私も姉さんも成人してるんだよ?」
「成人していようがいまいが、私達の『娘』である事はかわらないだろう?そういうことだ」
「『娘』の事を心配しない親なんか居ませんよ」
じゃぁ、つかさはどうなのさ……
「あとさ、今までのとは関係ないんだけど、ゼミで『親離れ・子離れ』についてのディスカッションが今度あるんだよね」
「ふーん、そんな事もやるのね」
「うん。でね、参考までになんだけど、父さんと母さんは『親離れ・子離れ』についてどう思う?」
さぁ、どう答える?
「その質問は明らかに愚問だな」
「え!?そうなの?」
「あぁ。なぜならさっき言った通り『親』にとって『子』は何歳になっても『子』だからだ」
「そうね、『親離れ・子離れ』と言ってもそれは言葉の上だけ、あなたも親になればわかると思うけど、『子』はいつまでも『子』なのよ」
「……つまり、父さんと母さんからすれば『親離れ・子離れ』は有り得ない、と」
「そうだな。有り得ないどころかそんな考えすら無いぞ」
「私もそうよ」
……これは……手強いなぁ
「そっか、ありがと」
「あまり参考にならなくてすまないな」
「ううん、そういった意見も有るって言えるから大丈夫だよ……あ、そうだ」
最後にもう一度確認しておくか
「さっきの質問……というか言葉なんだけど、もしかがみとつかさが恋人の事とか一人暮らしの事を聞いてきたら……どうする?」
「高校生なんだし、駄目に決まっているだろう」
「あ、今じゃなくてこれから先にって事」
「……駄目だな」
「そうね」
「へっ!?何で?私達は相手によりとか勤め先によりとかでオッケーなんでしょ?」
「いのりとまつりはそれでも構わないが、あの二人は別だ。……まぁ、この先どんな人生経験をするかでさっきの返事は変わるがな」
「まだあの子達は色々な経験が少ないから。だから私も、今のところは駄目としか言えないわ」
「あ、だからといって『同性』は有り得ないからな」
「それだけはいくらあの子達……だけじゃないわ、あなた達の誰かが言ってきても駄目よ」
「まぁ、我が家の娘達はもうそんな事は言わないだろうがな」
「そうね、つかさもかがみも大丈夫みたいだし」
……言葉だけで実際には娘の事を全然見ていないんだな……
誰がどう見たって二人ともストレスで潰れそうになってるじゃん……
「やっぱり『休学』させたのが良かったのかな」
「少しは悟ったんでしょう。自分達の考えが間違っているって事を」
「そうだな。……っと、すまんすまん。それで?まだ聞きたい事が有るのかな?」
「……ううん、大丈夫だよ、ありがと。それじゃおやすみなさ〜い」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
264 :
ナハト:2010/12/07(火) 23:17:07 ID:WEMqL5z40
☆
……まさかあそこまで『子離れ』出来ていないとは思わなかったなぁ〜
あ、姉さんに一応報告しておかないと
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
姉さん
今日、父さんと母さんに『親離れ・子離れ』について聞いてみた
みゆきちゃんの両親が言う通り、全然出来ていない感じだったよ
特にかがみとつかさに対しては全くだね〜
流石の私もビックリだよ
それじゃ、残業頑張ってね〜
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「……送信っと。……ふぅ……」
『特にかがみとつかさ』……か……
かがみとつかさ
産まれる前からずっと一緒だった二人
そして……私の大切な妹達……
そういや……この間姉さんが言ってたな……
この計画に参加したのは『かがみを守りたいからだ』って……
私は……
私は何でこの『計画』に参加しようと思ったんだろう……
こなたちゃんの『計画』を知ったから?
……いや、違う
それを見せられる前からずっと……
父さんのかがみとつかさに対する理不尽極まりない仕打ちに嫌気がさしていたんだ……
そして、私は、そんな父さんに現実を知ってもらいたくて……
そうか……
私は、父さんと母さんに
自分達の娘の『今』を
見てもらいたかったんだ……
……父さん……母さん……
私達はいつまでも『娘』のままじゃないんだよ
いずれ私達は自立し、家庭を持ち、『娘』から『親』になるんだよ
もしそうなった時……
それでも父さんと母さんは私達を『娘』として見るの?
私は……そんな風に縛られるのは……嫌だよ
私だけじゃない
姉さんも、かがみも、つかさも
みんな、そう思っているよ
265 :
ナハト:2010/12/07(火) 23:17:37 ID:WEMqL5z40
いつまでも『親』で居続ける事は出来ないんだよ
いずれ、必ず、『親』でなくなる日がくるんだよ
それでも……
あなた達二人は
『子離れ』という現実から目を背け続けるの?
私は、父さんと母さんにその現実をしっかりと見てもらいたい
そして……不幸にも引き離されるかわいい双子の妹達……
私達から離れ行くつかさと残されるかがみを守りたい
それが『計画』に参加した私の理由……
「まつりねーさーん!お風呂空いたよー!!」
あれ?もうそんな時間!?
……ちょっと物思いに耽り過ぎたか……
「わかったよー!かがみー!!」
さーてと、今日は姉さんも残業だし、ノンビリと入りますか〜
実行日に体調を崩さないように、しっかりと身体を休めないとね!
「ねーさーん!!聞こえたー?」
「はーい!!今行くー!!」
Section11「苗木を守る人達〜柊まつり〜」 End
実行日まで
あと五日
266 :
ナハト:2010/12/07(火) 23:19:05 ID:WEMqL5z40
以上です
ではでは、また来週火曜日に投下しますね〜 ノシ
どうみても両親異常です。
本当にあり(ry
268 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/09(木) 01:58:34 ID:qB4MZxfE0
○○らき☆すたの鷲宮神社への初詣の行き方○○
【★★行く年〜大晦日の夜★★】 〜JR線・地下鉄各路線終夜運転実施。
○湘南新宿ライン(逗子〜横浜〜新宿〜大宮〜宇都宮)60分間隔で終夜運転。
東鷲宮駅下車。タクシーが便利5分程度。
他に武蔵野線・埼京線・埼玉高速鉄道&東京メトロ線・都営地下鉄
山手線(10-12分間隔)・京浜東北線(大宮〜大船)・中央総武線(20-40分間隔)
が大晦日の夜は終夜運転。
※久喜・鷲宮・春日部周辺の東武鉄道は終夜運転は実施しません。
【○○来る年〜元旦の始発以降○○】
○JR宇都宮線(東北線)・湘南新宿ライン久喜駅乗換え東武線鷲宮駅下車。
○地下鉄半蔵門線/急行久喜行で終点で乗り換え東武線鷲宮駅下車。
東武鉄道は(PASMO/Suica)は使えますIcocaは使えません。
★久喜までのJR線の場合、ホリデーパス(首都圏地域JR線フリーきっぷ)2300円のが
お得な場合があります。自動券売機でお得なきっぷのところをタッチしてみてください。
★遠路の人や複数人での初詣は青春18きっぷ(発売は12/31まで)の活用もお勧めします。
中では平穏だったけど、いざ外に出ようとすると柵になるのか
典型的なカゴの中の鳥すなぁ
742 圧縮注意
あれ・・・?
今84だけど・・・
600/742
「うぅ〜、寒いよぉ〜」
「こなちゃん!しっかりして!!」
「つかさぁ〜、私……もぉダメかも……」
「そんな事言わないで!!きっと助かるから!!」
「……なんだか……眠く……なってきた……」
「ダメ!寝ちゃダメだよ!!!」
「……つかさぁ……私、つかさに会えて……幸せだったよ……」
「そんな事言わないで!!二人一緒に助かるんだよ!!」
「つかさ……あり……がと……」
「……こなちゃん?……こなちゃん!!こなちゃぁぁぁーーーーん!!!!!」
「かがみさん……あれは もしかして……」
「そう、王道の『雪山遭難ごっこ』」
「でも、どうして……」
「ん?『寒い雰囲気を存分に味わってからこたつに入るととても幸せ計画』だって、こなたが言ってたわ」
「はぁ……」
「ま、私達はみかんでも食べてましょ」
「……そうですね」
「こなちゃ〜ん、私達もこたつに入ろうよぉ〜」
「……へんじがない、ただのしかばねのようだ」
「もぉ……みかん『あーん』ってしてもらいたいんだけどな……」
「……」
「あ、それじゃぁ……今してもらおうかな♪」
「……今?」
「今」
「……みかん無いよ?」
「みかんの変わりに……こなちゃんを……」
「は、はいぃぃぃ!?」
「あむぅ〜!」
「うひゃぁぁぁーー!」
「……なんだか、雪が全部溶けそうな位に熱々ですね……」
「みゆき、それは言わない約束よ……」
秘密の遭難ごっこ
632/748☆ゅ
277 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:53:49 ID:WB6lUC200
どもども
Section12「苗木を守る人達〜岩崎みなみ〜」
投下します
本文6レス使いますね
278 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:54:18 ID:WB6lUC200
「じゃぁ、いってきます……」
「いってらっしゃい。あ、折りたたみ持った?」
お母さんの言葉に私は無言で頷き玄関から外に出る。
外に出ると、昨晩の雨で出来た水溜まり。
そこには上空の梅雨空が映っている。
……少し、肌寒いな……ゆたかは大丈夫かな……
dear −Section12「苗木を守る人達〜岩崎みなみ〜」
〜♪
駅の改札を抜けた辺りで携帯が鳴った。
……ゆたかからだ……あ、マナーモードにしておかないと……
メールの着信音に慌てて携帯をマナーモードにして、メールをチェックする。
……そっか、じゃぁ帰りにお見舞いに行こうかな……。
メールには「具合悪いからお休みします。みなみちゃんごめんね」と書いてあった。
……昨日まで暖かかったからね……仕方ないかな……。
☆
……えっと……3ーB……あ、ここだ……。
今は昼休み、教室の中からは楽しそうな笑い声が聞こえる。
……泉先輩……居るかな?
教室の中を覗くと、泉先輩を中心に高良先輩、峰岸先輩、日下部先輩の姿が見えた。
「あの、泉先輩!」
「あ、みなみちゃん!どったの〜?」
「あの……ゆたかの事で……」
「あ〜、ゆーちゃんの事?まぁそんな所に居ないでこっちに来なさいな〜」
「はい……失礼します」
「んで?ゆーちゃんに何か用?……てゆーかメール行ってるよね」
「ん?ちびっこ〜、ゆたかちゃんがどうかしたのか〜?」
「あ、今日休んでいるのだよ〜。体調崩しちゃったみたいでさ」
「……大丈夫なの?」
「大丈夫だと思うよ〜。大抵一日休めば良くなるし」
「風邪ですか?」
「うーん、昨日の夜に雨が降った急に冷えたからね〜、多分それでじゃないかなぁ」
「あの、それで……プリントを届けるついでにお見舞いに行こうかなと……」
「そう?ありがと〜。ゆーちゃんも喜ぶよ〜」
「あ、でも……今日は泉さん……」
「え?……あ、そっか……おとーさんも夜まで帰ってこないしな〜」
「……何か不都合があるんですか?」
「ほら……今日は、みゆきさん家だから……」
……あ、そうか……今日は火曜日だっけ……。
「忘れていました……すみません、それでは帰りにプリント持ってきますので、ゆたかに渡して……」
「あ、ちょっと待って……みなみちゃんにこれを預けておくよ〜」
何かを閃いた泉先輩は鞄の中から鍵を取り出し私にそれを差し出した。
279 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:54:35 ID:WB6lUC200
「……家の鍵……ですか?」
「いえ〜す!今日はおとーさんも居ないからさ、これで家に入ってもらえる?鍵はゆーちゃんに預けておいてもらえればいいから」
「あ……はい……じゃぁ、確かに預かりました……」
「ゆーちゃんの事お願いね〜」
家にはゆたか一人か……早く行ってあげないとね……。
☆
……ここを曲がって……えっと……あ、あそこだ。
何度か来たことのある泉家。
ゆたか一人の時は……初めてかな?
……鍵は……確かここに……うん、あった。
鍵には可愛らしい犬のプレート型キーホルダーが付いている。
前に、泉先輩とつかさ先輩は「お揃いなんだ〜」と言って私に見せてくれた。
……泉先輩……つかさ先輩と引き離された時……どんな気持ちでこれを見ていたのかな……。
☆
泉家に着いて、念のためにインターホンを押してみる。
……返事は無いか……寝ているのかな?
預かった鍵で中に入ると、物音一つしていない。
私は静かに扉を閉め、靴を脱いでゆたかの部屋へ向かう。……起こしたら悪いから……静かに……静かに……。
扉をノックしても返事は無い。
……熟睡しているのかな?それなら良いんだけど……。
静かに扉を開けて中に入ると、規則正しい寝息が聞こえてくる。
入るときと同様に扉を閉めてベッドの脇に腰を下ろし、鞄を置いてゆたかの寝顔を見つめた。
……顔色は悪くなさそうだね……熱は……。
「ちょっとごめんね……」
私は小声でそう呟くと、そっとおでこに自分のおでこを当てた。
……熱もなさそうだね……良かった……。
静かに体を起こして再び寝顔を見つめる。
……冷え込んだのもそうだけど、眠れなかったのかもしれないな……。
一昨日、『作戦会議』のあと、私の部屋に田村さんと三人で集まった時、ゆたかは自分に言い聞かせるように宣言をしていた。
「私、頑張るよ!お姉ちゃんのためだもん!絶対に成功させるよ!!」
……『計画』の事……『役割』の事……成功した後のゴタゴタ……全部わかった上であんな宣言をしたんだよね……。
ゆたか
私が高校に入って最初に仲良くなった、大切な……親友
体が弱いのに、クラス一負けん気が強くて……どんな時でも前向きで……
私は、そんなゆたかを見ているのがとても好きで……
「あ……そうか……」
私は……ゆたかを……。
280 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:54:55 ID:WB6lUC200
「ん……あれ?みなみちゃん?」
「あ……ごめん、起こしちゃったね……」
「ん〜ん。……あれ?みなみちゃんが居るって事は……学校終わったの?」
「うん。プリント……持ってきたよ」
「ありがと〜。……よいしょ……っとと!」
「ゆたか!」
プリントを受け取ろうと体を起こしたゆたかがふらついて頭を壁にぶつけそうになったので、私は慌てて腕を掴んだ。
「あ、ありがとう……」
「大丈夫?」
「うん、みなみちゃんが掴んでくれたから大丈夫だよ」
「……良かった……」
クッションと枕で背もたれを作り、ゆっくりと掴んでいた腕を離し、起こした体をそこに寄り掛からせた。
「……私……本当に大丈夫なのかな……」
「……どうして?」
「だってさ……今はまだお姉ちゃんが居るから、今日みたいに具合悪くなってもなんとかなる……でしょ?」
「そう……だね」
「でも、お姉ちゃんが居なくなったら……今日みたいに体調崩してなんかいられないんだよ……それなのに……」
「……」
「……ほんっと、情けないよね……お姉ちゃんには『大丈夫だよ』って言って……みなみちゃんと田村さんには『頑張る』って言ったのにさ……」
「ゆたか……」
「……もぉ……グスッ……嫌になっちゃうよ……どうして……グズッ……こんなにも……私の身体って……弱いのかな……」
……そんな事は無い。
私は同じクラスになってからずっとゆたかを見てきた。
だから……そんな事は……
「もぉ……嫌だよぉ……ヒック……もっと……もっと……グズッ……強くなりたいよぉ……エグッ……」
「ゆたか!」
私は思わずゆたかを抱きしめた。
そうせずに居られなかった。
「グズッ……みなみ……ちゃん?」
「大丈夫、ゆたかは弱くなんか無いよ……」
「でも!今日だって……」
「『身体』は弱いかもしれないけど、『心』はとても強いよ……」
「ここ……ろ……?」
「うん……。あのね、一昨日ゆたかが私の部屋でさっきの言葉を言ったでしょ……」
「う……ん……」
「ゆたか達が帰ったあとに考えてみたの……もし私がゆたかの立場だったらって……」
「わたしの……たちば?」
「うん……でね、私だったら……ゆたかみたいに言えないなぁって思ったんだ」
「……そう……なの?」
「だってさ……『計画』が成功したあとって……一人ぼっちになっちゃう……でしょ?」
「……気付いてたんだ……」
「でも……ゆたかは……それをわかった上で……あの言葉を言った……だから、ゆたかは弱くなんかないよ……」
「みなみちゃん……ありがとう」
「もう大丈夫?」
「うん……」
281 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:55:18 ID:WB6lUC200
私は抱きしめていた腕を解き、ゆたかの両肩に手を置いて真っ直ぐにゆたかを見つめた。
……これだけは……言っておきたかったから……。
「ゆたか……これだけは覚えておいて」
「な、なに?」
「私は……この先どんな事が有っても……ゆたかの味方だから……」
「……うん……ありがと……グスッ……」
ゆたかは私の言葉に涙ぐみながらも笑顔を見せてくれた。
……良かった……笑顔が戻って……。
「……やっぱりゆたかには笑顔が似合うね」
「ふぇっ!?いきなりどうしたの?みなみちゃん」
「あ……その……昨日も、一昨日も……ゆたかの笑顔を見ていないなぁって……思って……つい……ごめんね、変な事言っちゃって……」
「……ううん……嬉しいよ……そんな風に言ってもらえると……」
「そう……なの?」
「うん!だってさ、友達に『笑顔が似合う』なんて言われたら……みなみちゃんだって嬉しいでしょ?」
……以前の私なら「わからない」とこたえていただろう
小さい頃から『無表情』『暗い』ってレッテルばかり貼られていたから
……私は『笑顔』と無縁の生活を送っていた
でも今は……ゆたかのおかげで……私は自然な『笑顔』をいつしか見せられるようになっていた
だから……ゆたかの問いにも……自信を持って答えられる
最高の、『笑顔』で
「……そうだね。嬉しいよね」
「でしょでしょー?そうだ、前にお姉ちゃんとおじさんが言ってたよ『笑顔は人を幸せにする』って」
「私も……そう思うな……だって……」
「……だって?」
『ただいまー。……ってあれ?お客さんかな?』
「あれ?おじさん帰ってきた。おかえりなさーい!お仕事早く終わって良かったですねー!」
『ん?今のはゆーちゃんかい?』
「あ、はい!すっかり元気になりましたー」
『そうなの?……入るよー』
ノックの音がしたかと思うと、おじさんが部屋の扉を開けて入ってきた。
「あ……お邪魔しています……」
「あぁ、みなみちゃんだったのか。こんにちは。……ゆーちゃんのお見舞い?」
「はい……あと、プリントも……」
「そうか、いつもありがとね……ゆーちゃんもすっかり元気になったみたいだな」
「はい!お蔭様でぐっすり眠ったら元気になりました!……てゆーかおじさん、許可も無くレディーの部屋に入るのはどうかと思いますけど?」
「ん……?おぉっと!こいつぁ失礼!!」
「次からは気をつけて下さいね。……今回で三回目ですけど……」
「……三回も……?」
「あー、それについては……その……なんだ……ごめんなさい」
ゆたかの言葉におじさんは頭を深々と下げて謝った。
それを見たゆたかは何故か笑顔を見せている。
282 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:55:42 ID:WB6lUC200
「……なんで……笑っているの?」
「え?んーっとね……いつもおじさんこんな調子だから面白くって」
「ゆーちゃーん……。ゆーちゃんまでこなたみたいな事言わないでくれよぉ〜」
「はいはい……もう怒ってませんよ」
「うぅ〜、かなたぁ〜。ゆーちゃんまでこなたみたいに俺の事をいじめるよぉ〜」
「うふふっ」
……なんか……物凄いやり取りを見ている気がする……。
でも、これがこの家の『日常』なんだろうな……。
だけど……その『日常』も……もうすぐ無くなっちゃうんだよね……
「……ところで、みなみちゃん。そろそろ帰らないとまずいんじゃないか?もう五時半だよ」
「え……?もうそんな時間ですか?」
慌てて時計を確認すると、確かにもう少しで五時半になる。
「じゃぁ……ゆたか、また明日……学校でね」
「うん!今日はありがとね!」
「よっし、それじゃ俺が車で駅まで送ってあげるよ」
「……ありがとうございます……では、お言葉に甘えて……」
「ばいばーい!また明日ねー!」
☆
「いやー、みなみちゃんはゆーちゃんの特効薬だな〜」
「……特効薬……ですか?」
駅へと向かう車の中、おじさんは突然そんな事を言った。
……どういった意味なんだろう……。
「ん?大した意味じゃないよ。ただ……みなみちゃんが来るとさ、ほぼ必ずと言って良いくらいゆーちゃんが元気になるんだよね」
「そう……ですか」
「そう。だから『特効薬』って思ったんだけどさ……嫌だったらごめんね」
「いえ……嫌では……ありません……」
「そぉ?良かった〜、変なおやじって思われなくて」
「そ、そんな事……思いません……」
そこで会話が途切れた。
元々他人が苦手な私が……親友がお世話になっているおじさんとは言え……会話を続けるなんて事自体無理な話だ。
「俺さ……不安だったんだよね」
そんな心中を察してくれたのか、おじさんが再び話しはじめた。
「……不安、ですか?」
「そう。……俺が居ない間にゆーちゃんにもしもの事が有ったら……こなたも居ないのに……ってね」
「そう……ですか」
「そしたらね……なんか『こなたもゆーちゃんもいなくなったらどうしよう』って考えちゃってさ……そんな事無いのにね」
そう言うと、おじさんは自嘲気味な笑みを浮かべて話しを続けた。
283 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:56:05 ID:WB6lUC200
「だけど一度そんな考えが頭を過ぎるとそれからが大変でさ、何をしていても手につかない」
「それは……大変ですね……」
「だろ〜?……だから今日は打ち合わせもそこそこに急いで帰ってきちゃった」
「はぁ……大丈夫なんですか?」
「んー、まぁ何とかなると思うよ。それにしても……なんであんな事考えたんだろうな〜。……有り得るはず無いのに……」
「……そうですよ、ゆたかが居なくなるなんて……有り得ませんよ」
「……そうだよね……最近疲れているのかなぁ〜」
「……あまり無理をしないで下さいね……ゆたかが心配していましたよ」
「ゆーちゃんが?……そっか、気をつけないといけないな……」
その後も、おじさんが話して私が答えるという形だけど、他愛のない話しをいくつかした……時折、笑顔も見せたりした。
……こんな事が出来るのも……ゆたかのおかげだよね……。
「お、この先のロータリーで良いかな?」
「あ、はい……お願いします」
気が付くと、駅はもう目の前。
外はいつの間にか降り出した梅雨の雨。
「傘有るかい?」
「はい……折りたたみが」
駅に着き、外に出ると雨と共に冷たい風が私に襲い掛かった。
慌てて傘を開き、車のドアを閉める。
すると助手席の窓が開き、おじさんが顔を近付けた。
「みなみちゃん……ゆーちゃんの事……これからも頼むよ!」
「あ、はい……」
「それじゃ、気をつけてね」
「今日はありがとうございました……おじさんもお気をつけて……」
おじさんは親指を立てると、窓を閉めて自宅へと車を走らせた。
……ゆたかの事を頼むよ……か……。
一昨日、お母さん達が『計画』に参加した理由を言ってた
でも……私の理由はお母さん達とは違う
ゆたかは……私に色んな表情を見せてくれる
私は、そんなゆたかを見るのが……好きだ
ゆたかは……私を変えてくれた
一人ぼっちだった私を……
だから、今度は私の番
ゆたかが一人ぼっちにならないように……
ゆたかの笑顔が無くならないように……
ゆたかを、支え続ける
それが、私の理由。
Section12「苗木を守る人達〜岩崎みなみ〜」 End
実行日まで
あと四日
284 :
ナハト:2010/12/14(火) 00:58:40 ID:WB6lUC200
以上です
みなみちゃんがしゃべり杉
と思われる方もいらっしゃるでしょうが
ゆーちゃんと一緒に居る時はこんな感じで話してるのかなぁと思って書きましたw
ではでは、また火曜日に ノシ
☆ゅ
うにC
/: :/ : : : : 〃: 'l V:ト 、 : : !: : : ハ キラ ,':.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|::i:.:.:.:.:.:.:|ヽ::.、:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:\
/:/: /: : 斗.'/ |:/ | ',:ト、ヘ : :|: : : : ハ ☆ |:.:.:.i/:.:.:.:.::,':-‐:/ |:|.:.:.:.:.i::| ーl-|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.∧
/ィ.:,' /: : : l/ !' リ ヽ.: : |: : : : |: :l. |:.:.:,':.:.:.:.:.::|:.:.:./ !|::.:.:.::|:.l |::|、:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.、:.:ハ
/ ,': :||: : /xぅ外 fぅメ、}: : : : !: :! |:.:.|:.:.:.:.:.:.:|:.:/___ |:.:.:./|/_|/ ∨:.:.:.:|:.:.:.:.:.|\
l: : !∧ .〃ん: ハ ん 小: : : | |: :l ☆. |:.:.|:.:|:.:.:.:||:/三三 |:/ 三三 /::∨::.:|∧:.:.:| ☆
l: : !: :.} ハ 辷り/ / / ,弋に:フ7: : ∧!: :!. |:.:.|:.:|:.:.:/|´ ・ハ:.:.:|:.:/ \:| ☆
| :∧: :|: :} ' ¨ /: : //: Y |:.:.|/|:.:/::| xxx ` xxx |:.:.:.:|/ ☆
W V个ゝ、 ⊂つ /: :.イ/!.:/ ☆. |:.:.:.::|/::.:.|、 'ー'^ー' ,..':.::|:| ∪ キラ
∨.:/l }> .. __ . <.:イ}/ l'☆ キラ. |:.:.:.:.:|::..i::|::>::... __ __,..イ::i:.:.:.|:| ☆
☆ X jノ__r ィノ Lr 、__ / ☆. |:.:.:.:.:.|:.:.|::| \j 〈::.} ゛|::|:::.:.:|:| ☆
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△ 【つかさ こなた一緒に】 SAVE LOAD MENU▽
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△ おねえちゃん 『えろげ』って なぁに? おしえて わたしわかんなぁい☆ ▽
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288 :
1−724:2010/12/19(日) 15:40:31 ID:xMKBna/10
>>287 その問いに私は…
二人を叱る
こなたを叱る
姉と言われる筋合いのないほうを叱る
>>288 保管乙であります!
291 :
ナハト:2010/12/21(火) 23:55:25 ID:S2YYaIEn0
どもども、SS投下します
タイトル
dear −Section13「苗木を守る人達〜日下部みさお・峰岸あやの〜」
本文4レスつかいますね〜
>>290 えっと・・・「二人を叱る」でお願いしますw
292 :
ナハト:2010/12/21(火) 23:55:58 ID:S2YYaIEn0
「それじゃ、失礼しまーす」
「次は金曜日に来ますね」
「はーい。んじゃね〜!」
「気をつけて帰ってね」
まつりさんとおばさんに見送られた私達は、家への道を歩きはじめた。
……明後日が最後……か……。
dear −Section13「苗木を守る人達〜日下部みさお・峰岸あやの〜」
「なぁ、あやの」
「……何?みさちゃん」
いつもの帰り道、でも明後日で終わる予定の帰り道。
「明後日で……最後……だよな……」
「えぇ……明後日で……最後よ……」
柊の『休学』が決まってから始まった『勉強会』
『計画』が成功すれば……これも終わる……はずだ
「今日で何回目なんだろうな?」
「……わからなくなる程に、いっぱい来たわね……」
そして……
ちびっこと……妹とも……
「……色々、あったよな……」
「うん……色々と、あったね……」
妹が休学して……
ちびっこが柊に手紙を託して……
柊も休学して……
ちびっこと喧嘩して……
『勉強会』が始まって……
ちびっこと仲直りして……
『計画』がスタートして……
「あのさ……あやのは……どうして、『計画』に参加しようと思ったの?」
「どうしてって言われても……なんでそんな事聞くの?」
どうして……か
そうなんだよな〜
なんでなんだろう……
「……柊が『休学』してからさ……ちびっこと一緒に居る機会が増えたじゃん」
「そうね……一緒にお弁当食べたり、昼休みに話す機会が増えたわね」
「ちびっこと話したり……一緒にお弁当食べたりしてさ……ちびっこの事が色々とわかってきたら……」
「わかってきたら?」
「……私は、なんでこの『計画』に賛成したのか……わからなくなっちゃってさ……」
「……みさちゃんも、そうなんだ……」
……ん?
みさちゃん……も?
293 :
ナハト:2010/12/21(火) 23:56:20 ID:S2YYaIEn0
「『も』って……もしかしてあやのも?」
「うん……。私も同じ……」
「そっか……」
あやのもわからなくなってたんだ……
「……みさちゃんは……なんであの時賛成したの?」
「ちょっ!それってさっき私がした質問じゃん!……まぁ良いけどさ」
「だって……人の意見を聞くときにはまず自分の意見を言うのが常識でしょ?」
「みゅぅ〜」
確かにその通りなんだけどさぁ……
はぁ……、仕方無い、ちゃんと話すか……
「あの時……私は……ちびっこと妹が幸せになれれば良い!……って思ってさ、それで……」
「……私も……最初は高良ちゃんの事が気になっていたけど……大丈夫だってわかったら……」
「そっか……」
「……これって……賛成した理由になるのかな……」
「……わからない……」
「……だよね……」
お互い黙ったまま歩く帰り道
いつもと距離は変わらないはずなのに……
今日は、とても、長く感じる
「柊……大丈夫かな……」
「……どうして?」
あぅ……
「あやのぉ〜、なんで高良が一人ぼっちになるのはすぐにわかったのに、柊の事がわからないんだよぉ〜」
「え?……あ!そっか……。妹ちゃんがいなくなったら……」
「柊は……あの家で一人ぼっちになっちゃう……」
「で、でも、お姉さん達が……」
「……二人共居ない時は?いのりさんが残業で、まつりさんが飲み会だったら……柊と親しかいなくなるんだぞ!」
「あ……」
「それに!もしお姉さん達がたまたま旅行で何日か出掛けたら……」
「……その間、ずっと、一人ぼっち……」
「そんな……そんな状態で柊が普通でいられると思うか?妹とお姉さん達がいるのにも関わらず……あんな……ボロボロになって……」
「みさちゃん……」
「メイクで隠してるけど!目の下には隈が出来てるし!腕なんかも妹以上に痩せて細くなってるし!」
「……」
「柊は大丈夫って言ってるけど!どこが……どこが大丈夫なんだよ!」
「……無理してるよね……柊ちゃん……」
「だよな!……まったく……柊は中学の時から全然変わってないよな!」
「そう?」
「そうだよ!面倒な事は全部自分で抱え込んで!どんな時でも、自分が倒れない限り具合が悪くても無理をするし!」
「……そうだね……」
「なんで……なんで柊は……自分を大事にしないんだよぉ……」
「……正義感が強いから、じゃないかな……」
「……わかってる……わかってるよ……。でも!だからって……」
「柊ちゃんは……私達が注意しないと……突っ走っちゃうからね……」
「……グズッ……」
「みさちゃんは……優しいね……」
「……エグッ……」
294 :
ナハト:2010/12/21(火) 23:56:36 ID:S2YYaIEn0
「もぉ!これは全部終わったら……柊ちゃんに一言……言わない……とね!……みさちゃん……を……泣かせたん……だよ……って……」
「……あやのだって……」
「……」
「あやのだって……泣いてるじゃんか……」
「……グスッ……みさちゃ〜ん!」
「あやのぉ〜!!」
夕焼けが照らす道の真ん中
私達は人目をはばかる事無く抱き合い泣き続けた
☆
それからかなりの時間が経ったけど
涙は止まる事無く溢れ出ている
この涙は何の為に流れるの?
この哀しみは……どこから産まれてくるの……?
柊が辛い目に会ってるから?
それなのに私達は……何も出来ないから?
……多分両方なんだろうな……
柊……
正義感が人一倍強くて……
曲がったことが大嫌いで……
それが原因で人から誤解されたりするけど……
でも……
本当はとても優しくて……
いつでも他人に気を配ってて……
だから……いつでも自分は二の次で……
そんな性格だから……
私達に心配をかけないようにって思って……大丈夫なんて言っちゃうんだよな……
……そっか!
私達にしか出来ない事……あった!!
「あやの」
「……グスッ……」
「泣き止んで……。私さ、わかったよ」
「……なに……が?」
「今回の『計画』に参加した理由」
「……?」
「あのさ……さっきも話したけど……柊って正義感強いよな」
「うん……」
「そんでもって、実はとっても優しい」
「……今の台詞を柊ちゃんが聞いたら、物凄く驚くわね」
「べっ、別に言ったっていいじゃんか〜。……柊だっていないんだし……」
「フフッ……そうね。みさちゃん、柊ちゃんがいない所で色々と言ってるもんね」
「みゅ〜、あやのがいじめるぅ〜」
「ごめんごめん……つい、ね」
「全く……。んで、えーっと……どこまで話したっけ?」
「柊ちゃんが優しい、ってところまで」
「あ、そかそか。んで、結構周りに気を配る」
「……そう、だね」
295 :
ナハト:2010/12/21(火) 23:56:58 ID:S2YYaIEn0
「……自分を二の次にして……」
「……」
「だからさ」
「……?」
「私達は……柊を支える役になれば良いんじゃないか?」
「柊ちゃんを……支える?」
「そ。柊が自分を二の次にしないように。……あんなにも悩んで苦しんでる柊なんて……見たくないよ……」
「……そうだね。私も……あんな柊ちゃんは二度と見たくないな……」
「やっぱ、柊は元気じゃないとな」
「そうね、それと笑顔!」
「本人は気付いてないけど、笑った柊って可愛いよな〜」
「みさちゃん、それちゃ〜んと柊ちゃんに言ってあげてねっ」
「そ、そんな恥ずかしいこと出来るわけないだろっ」
「冗談よ、じょ・う・だ・ん。……でも、柊ちゃんには笑顔でいてもらいたいよね……ずっと……」
「もぉ……。でも、そうだよな、柊には笑顔が一番似合うよな!」
「だよね!!」
怒った顔……
困った顔……
色んな顔があるけど
悩んで苦しんでる顔の柊なんて……
もう絶対に見たくない!!
「柊を二度とあんな顔にさせないためにも……」
「私達が頑張らないとね!!」
柊が二度とあんな顔しないように……
私達が全力で支えて、助ける
それが、私達の、理由
Section13「苗木を守る人達〜日下部みさお・峰岸あやの〜」 End
「ところでさ、私達って今回何も役割が無いじゃん?」
「そうねぇ」
「でさ……ちょっと耳貸して……」
「いいけど……何?」
「あのさ……ってのはどう?」
「えっ!?で、でも……」
「まぁ、ダメもとで相談してみない?」
「……そうね、今のままだと何も出来ないもんね」
「よし!じゃぁメールで……」
「オッケーしてもらえるといいね」
「『……相談に行っても良い?』っと……こんな感じで良いよな!」
「……みさちゃん、そこは『良いでしょうか』だと思うんだけど……」
「えっ!?……あ、じ、冗談に決まってるだろ〜」
「……心配だからメール手直ししておくね……」
「……みゅぅ〜」
実行日まで
あと三日
296 :
ナハト:2010/12/22(水) 00:03:08 ID:S2YYaIEn0
以上です
先に謝っておきますが、次とその次もこなつか分ありません
_(__;)ゞ スイマセン
ついでにちょいと年末年始は投下出来そうにないのでそれも謝っておきます
m(_"_)m ペコペコ
携帯から小ネタ程度なら何とかなるんですがね・・・
一応このシリーズの投下再開は来年の11日・・・より前には再開したいなぁw
ではでは ノシ
捕手
「おはよ、こなちゃん」
「おはよ、つかさ」
「……」
「どったの?」
「……サンタクロースって、本当に居るんだなぁって思って……」
「……?」
「だってさ、ちゃんと、プレゼント、置いていってくれたから……」
「ほぇっ!?どこに?」
「……ここに」
「……ここって……どこにあるの?」
「……私の目の前」
「目の前?……何も無いよ?」
「あるよ……ほら……」
「ん……?つかさの目の前……あ……」
「ね、あったでしょ?」
「……それを言ったら、私だって同じだよ……」
「……そうなの?」
「うん。……目の前に、とても素敵で……大切な……『つかさ』っていうプレゼントがあるよ……」
「……こなちゃん……」
「……つかさ……」
「大好き!!」
「私も大好き!!」
Merry Christmas to Tsukasa&Konata!!
Σ(; ̄д ̄)おぉ!!?
SS引退してから、板離れしてたけどまだ続いてたとはビックリだ!
(´・ω・`)久しぶりに何か書きますか?
300 :
ナハト:2010/12/26(日) 23:46:24 ID:yhFD27l6O
>>299 おぉ!お久しぶりですー!
えぇ、まぁボチボチと続いてますよ〜w
書いていただけるのならどんな内容でもおkです〜
・・・他人の書いたつかこなに飢えはじめてきてるんでww
>
>>299 (;´・ω・`)でも、かがみ×つかさ の方は無くなったみたいだね……
じゃあ、時間が空いたら書きますねヾ(=ω=.)
規制されないといいんだけどwwww
743 ☆湯
ふと思ったんだが・・・
こなたはつかさを置いて有明にいくのだらうか?
588/741 ☆ゅ
「ごめんねこなちゃん…私から言い出したのに…うぅ…」
「その気持ちだけで嬉しいからさ、少し休憩して帰ろ」
「でもまだ中にも入れてないのにこれじゃこなちゃんが」
「欲しい本の大半は通販もやってるしさ、これ以上つかさの命を削るのは」
「……………」
「…こなた、買い物リスト全部よこしなさい」
「か、かがみん軍曹…まさか」
「つかさの想いを大切にしたいだけよ、あんたのためじゃないからね」
「お姉ちゃん…」
―見ておきなさいつかさ、これが姉の雄姿よ―
大半がピーな表紙の本だったけど頑張って買いましたあいつ許さん byかがみ
とかいう妄想を大晦日にしてしまったでござる
306 :
ナハト:2011/01/01(土) 00:23:53 ID:19GOJwlUO
「つかさ〜、あけおめ〜」
「こなちゃん、あけましておめでとう。はい、お年玉どーぞ」
「ありがと〜!……って、この紙切れは一体?」
「……お年玉だけど?」
「……あ、何か書いてある……手料理券?」
「うん、私が手料理するの」
「へぇ〜。……何か嫌な予感がするけど……何を?」
「それはもちろんこなc」
「ちょっと待ったストーップ!!」
「え〜、なんで〜?」
「まだ今日は元旦なんだし、ね」
「そっかぁ〜」
「そうだよ〜」
「じゃぁ、明日ならいいんだね?」
「いや、だから、そのさ、えと……」
あけおめことよろです〜
今年もつかさ×こなたは地道に不滅です
308 :
2-613:2011/01/01(土) 22:30:46 ID:hQfI+UiuP
「「あけましておめでとうございます」」
「あけましておめでとう。こなた、つかさちゃん」
「って事でうちのほうはもういいよ、じゃつかさの家に行ってくるね〜」
「ちょっと待ってよこなちゃ〜ん」
「うう…年を追うごとにオレへの挨拶がどんどんおざなりになっていくのは気のせいなのか…?
しかし、こなたがどこぞの男とくっつく事を考えたらそれはそれで…うぉー、オレはダメな親父だぁー!」
ちなみにゆーちゃんはゆい姉さんと一緒に実家。
最近なかなかスレに書き込んでいられる余裕が持てませんでしたがあけましておめでとうございます。
309 :
1−724:2011/01/02(日) 02:27:23 ID:Xgul7/gI0
つかさに姫はじめされるこなた
2-613氏お久しぶりです
310 :
ナハト:2011/01/02(日) 20:19:37 ID:872LcccSO
>>309 姫初めネタを書こうと思ったけど・・・
自重したでござるw
☆ゅ
おもちうにょ〜ん
「あのね、初夢にこなちゃんいっぱい出てきたんだー」
「い、いっぱい?そかー私もつかさの夢見たよー」
「えへへ嬉しいなぁ…どんな夢だったの?」
「んー曖昧みーまいんだけど…つかさに膝枕してもらって…て、そんな感じカナ」
「じゃあ、初夢が正夢になったんだね」
まだ、と言い返そうとした時私の頭は既につかさの膝上にあった。
そうか、もうナチュラルすぎて気付かなかった。
「そだねー。あと耳かきとほっぺにちゅーとかもしてくれたヨー」
「もー脚色しちゃダメだよこなちゃん」
こりゃ流石に調子に乗りすぎたかな?
頬に唇が触れる。それと同時に薄紫の髪の毛が私の首筋を往復してくすぐったい。
「耳かき手元にないから…ごめんね」
「んーん、耳かきは気のせいだたよ。しゃーわせしゃーわせ」
「じゃあ、正夢だね」
何だか嬉しそうな声。こういう純粋なところもつかさの魅力だよね…
「私の夢も正夢にならないかなぁ?」
「やーそれはナイナイ」
「ガーン」
☆ゅ
こ「ホイコーロー!」
つ「シューマイ!!」
こ「ユッケ!!!」
か「……なにやってんの?」
つ「あ、お姉ちゃん。三連休のメニュー決めてるんだよ〜」
こ「んで、さっきの三つに決定したのだよ〜」
か「……叫ぶ必要性が無いような気がするのは……気のせいだろうか……」
↑そんなに精力つけたらこのスレ的にはつかさが暴走すると思う
うにょーん
「おねえちゃんを開いちゃおうか」
「ああ、かがみん開きか」
「な なにをする きさまらー!」
685/705
24時間以上空けると何時おちても不思議ではない状態
つかさとこなたの出会いをラブコメ風に30分アニメやってほしい
外国人「Ano sumimasenn 」
つかさ「ふぇっ!?」
外国人「Eki ha dochiradesyouka?」
つかさ「あの、えと、ふぇぇぇ〜」
こなた「むむっ!○岸あ○り似の少女が悪漢に襲われている!!これは助けなければ!とうっ!!!」
324 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:29:46 ID:LWGP1paH0
どもども、ようやくPC起動できたのでSS投下します
タイトル
dear −Section14「苗木を守る人達〜田村ひより〜」
本文6レス使います〜
325 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:30:16 ID:LWGP1paH0
「ホッホッホッホッ……」
……元々は体力をつけるために始めた夜のジョギングだけど……
「ホッホッホッホッ……」
まさかこれが役立つとはねぇ〜、三ヶ月前の自分が知ったら驚きっすね
「ホッホッホッホッ……」
駆け落ちかぁ……
あの日……泉先輩に釘を刺されたけど……
こんな良いネタ、ほって置く訳にはいかないっすよ〜
dear −Section14「苗木を守る人達〜田村ひより〜」
でも……あの時の泉先輩は怖かったなぁ〜
●
「……ひ〜よりん。ちょ〜っと一緒にあっちに行こうね〜」
泉先輩に呼ばれた私は、素直に後を付いて行った。
……多分、怒ってるっすね……
そんな事を考えながら歩いていると、少し離れた場所で不意に立ち止まりこちらを向いて小声で話しかけてきた。
「……ひよりん……さっきさぁ『ネタ』って……言ったよね」
「は、はい。確かにそう言ったっす……」
「まぁ、漫画を書いている人からしたら、今回の事はかなり良い『ネタ』だよね〜」
「……」
「素直に答えてよ。ね、ひ〜よりん♪」
そ、その最後の『♪』がとても怖いんすけど!
何か今までに見たことのない笑顔だし!
「……で、ど・う・な・の・か・な?」
「……とても……良い……『ネタ』……っす……」
「うんうん、そうだよね〜。こんな事、普通に生活してたらまず巡り会う事なんてないもんねぇ〜」
「……そうっす」
「そりゃぁ、『ネタ』にもしたくなるよね〜」
「そりゃぁもぉ、こんな事有り得ませんからね!」
この時に、ちゃんと自重してればよかったんすよね〜
「両親によって恋人と会えなくなった娘!それを助け出そうとする恋人!もぉ、王道っすよー!」
「ふぅ〜ん」
「恋人を助け出すために策を練り上げ、それを実行して恋人と駆け落ちする!……はぁ……ロマンチックっすね〜」
「ほぉ〜」
「そして、駆け落ちした先での数々の試練!……それを乗り越えた二人はさらに愛を深め、そして……えへへ……」
「ひよりんは、そんなさきのことまでかんがえているんだね〜」
「はい!……って、なんで棒読みな感じで言うんす……はっ!」
思わず勢いで色々と話してしまった私を、泉先輩はとても清々しい笑顔で見つめていた。
……目は笑っていないけど……。
「……あ、あのぉ〜」
「な〜に?」
「す、すみません……でした……」
「何が〜?」
326 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:30:35 ID:LWGP1paH0
……これは怖い、てゆーかかなり怒ってるっす〜
「えと、その……『ネタ』にした……事っす……」
「別に〜、『ネタ』にするのは仕方ないよ〜」
「え!?じ、じゃぁ……」
「でもさ」
そう言うと、泉先輩は急に真面目な顔でこんな事を言ってきた。
「私は……真剣なんだよ……だからさ……」
「は、はいっ!」
ビビりまくる私を見た泉先輩は、表情を一転させて満面の笑みでこう言った。
「『自重』しよ〜ね〜」
「す、すみませんでしたぁぁぁぁーーーー」
「そんなに謝らなくてもいいよ〜。……ただし『罰』は受けてもらうけどね」
「……はい、どんな『罰』でも受けるっす……」
はぁ……自分が蒔いた種だし、仕方がないっす……
「それじゃぁねぇ……、うーん、どうしようかなぁ〜」
「あ、あのぉ……出来ればそんなに厳しくない感じで……」
「そう言われてもねぇ……。あ、そうだ!……良い事考えた♪」
だからその『♪』が怖いんすよぉ!
「あのね〜、『計画』には役割分担があるんだ〜」
「役割……分担?」
「そ。私が動かない代わりに、みんながそれぞれに仕事をするんだよ。……どんなのかは知らないけど……」
「はぁ。……で?その……役割分担と『罰』の関係は……」
この時、物凄くテンパってたんすね〜
少し考えりゃわかる事なのに……
「そりゃ勿論有るよ〜。えっと、ひよりんは『罰』として、一番大変な仕事を担当する義務をあげよう」
「……頑張るっす……」
「さ、それじゃ二人の所に戻ろっか〜」
「……はい……」
「ゆーちゃ〜ん、みなみちゃ〜ん。ひよりんが『一番大変な仕事をやってあげるよ』って言ってくれたよ〜。うぅっ、こんな先輩想いの後輩を持って、わたしゃ幸せだよ……」
そんな!私自分からなんて言ってないし!!
「た、田村さん……本当なの?」
あぅ……小早川さんと岩崎さんが心配そうに見つめてる……
でも……仕方がないっすね……
「あ、えと、うん。が、頑張るっすよぉー!!」
●
「ホッホッホッホッ……」
でもまぁ、最初は辛そうに感じたけど……以外と楽そうっすね〜
大変は大変だけど、そんな言うほどとてつもなく大変って感じはしないし……
やっぱコミケその他で鍛えられてるからっすね!流石は私!!
327 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:30:52 ID:LWGP1paH0
……コミケかぁ……
……泉先輩とヲタ話するの……楽しかったなぁ……
でも……
それももう無理なんすね……
はぁ……
こればかりは小早川さんや岩崎さん相手に話す事は出来ないからなぁ〜
……って、あれ?……待てよ……
確か泉先輩が見せたから、二人とも私が書いた同人誌がどんな物かを知っているっすよね……
……じゃぁ……さらにディープでカオスな……
『ひよりん!自重しよ〜ね〜♪』
「ひぃぃぃぃ!」
い、今のは気のせい?
それともテレパシー?
……はい……自重します……
☆
「ホッホッホッホッ……」
コースの半分通過っす!
……そういや、岩崎さんが言ってたな……
『私は……ゆたかが笑顔でいられるように……支えつづける』
うひゃぁ〜!か〜っこい〜!!
こんな事をサラッと言っちゃうあたり、流石岩崎さんって感じっすね〜
う〜ん、やっぱりこの二人は絵になるなぁ〜
頼りにしていた従姉妹……いや、この場合は姉って事にしておいて……
突然姉と離れ離れになった娘
その娘からは以前のような笑顔が失われていた
その笑顔を取り戻すべく、心の支えになろうと懸命に頑張る……
「あぁぁぁぁー!ダメダメダメダメ!!……自重しろー!自重するんだ!私!!」
……はぁ……
なんで私ってばすぐにこんな風に考えちゃうんすかねぇ……
いくら締め切りが迫っているからって……こんなんじゃ……
「友達、失格っすね……」
……ちょっと休憩しよっかな……
☆
「はぁ……ヒンヤリしてて気持ち良いっす……」
自販機でスポーツドリンクを買って、公園のベンチで一休み……
流石にこの時間ともなると、歩いている人も殆どいないっすね……
「駆け落ちかぁ……」
未だに実感が湧かないっすね……
……やっぱ『当事者』とは言え、結構ギリギリなところでそうなってるから……なのかなぁ
328 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:31:10 ID:LWGP1paH0
「はぁ……」
「どうしたの?ため息なんかついて……」
「ぬぉふわぁっ!?」
……だ、誰!?
……あ!
「峰岸先輩……」
「田村さん、こんばんは」
「ど、どうしたんすか?こんな所で……」
「ん……、ちょっとした夜のおさんぽってとこ……かな」
「はぁ、そうっすか」
「田村さんこそ、どうしたの?こんな所で」
「あ、私は日課のジョギング中にちょっと疲れたんで一休みしてる所っす」
「そう……」
峰岸先輩はそう言ったきり、夜空を見上げている。
……そういや、おさんぽって言ってたけど……
「あの……『おさんぽ』って……よくされるんすか?」
「うん……たまにちょっと気分転換したい時とか……ね」
「気分転換っすか……」
再び訪れた沈黙。
辺りは時折車の音がするだけ。
静かな空間を、久しぶりに見せた満月が照らしている。
「……『計画』の事……かな?」
その沈黙を破って峰岸先輩が声をかけてきた。
「へっ!?」
「田村さんがため息ついてた理由。そうでしょ?」
「……はい」
はぁ……やっぱバレバレっすかね〜
「で?どんな事で悩んでいるのかな?」
「あ、いや……そんな言うほどの事でも……」
「言うほどの事じゃないのに、ため息なんかつくの?」
「あ、いや、えと……」
……どうしたら良いっすかね……
ちゃんと話すのが良いのかなぁ
「……無理に理由を話せなんて言わないわ。……でもね、一人で抱え込んでも……何も解決しない時もあるわよ……」
「……そうっすね……」
いいや!ここでウダウダとしてても仕方がないっす
ここはキッパリサッパリと全てを話した方が後腐れないっすね
「実はですね……」
☆
「……そうなんだ……」
「はい……だから……私なんかがこの『計画』に参加する資格があるのかなって……『理由』も明確じゃないし……」
「うーん……」
329 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:31:23 ID:LWGP1paH0
あ、考え込まれちゃったっす……
まぁ、難しい問題だから仕方ないっすね……
「すみません……変なこと言っちゃって……」
「ううん、変なことじゃないわよ。……だって、その考えでいけば私達……みさちゃんと私も同じ立場になるから……」
「……同じ?」
「えぇ、私達だって元々は妹ちゃんや泉ちゃんととても仲が良かった訳じゃないし……」
えっ!?
「そう……なんすか?」
「うん。中学の頃からずっと、遊ぶのは柊ちゃんだったからね、妹ちゃんとはあまり遊んでないの」
「それは……以外っす」
「そうかしら?だって……妹ちゃんには妹ちゃんの友達がいたし……それにクラスも違ったからね」
「成る程、それならわかるっすね」
「だから……今回の事も、田村さんの理論からすれば私達もギリギリの所で関わっているのよ」
うーん……でも……
「でも……峰岸先輩も日下部先輩も、泉先輩やつかさ先輩と仲が良いっすよね」
「『今は』ね。泉ちゃんなんか以前は全く話したことないし」
「でもそれはまだ友達になっていなかったから当たり前じゃ……」
「そうね……でも、今は友達だから……友達が関わっている事だから……友達のために協力するのは普通の事、でしょ?」
「まぁ、そうっすね『友達が困っていたら助ける』。それは人としての常識っす
私は腕を組んで頷きながら答えた。
「そっか〜、常識か〜」
「そうっす!常識っす!!」
「じゃぁさ……田村さんと泉ちゃんや妹ちゃんは……友達じゃないのかな?」
「……友達というよりも……大切な先輩っすね」
「……じゃぁ、その『大切な先輩』が困っていたら……どうするの?」
……あ、そっか……
「勿論、助けるっす!」
「……ね、ギリギリな所じゃなくちゃんと関わっているでしょ?それに……今回の『計画』で、あなたの『大切な友人』が辛い目に会うでしょ?」
「……小早川さんっすね……」
『計画』が成功した暁には、一人ぼっちになっちゃうんすよね……
「田村さんは……小早川さんの『支え』にならなくても……良いの?」
「そんな!『支え』にならない訳無いっすよ!」
「それなら……充分に『資格』があるし……それが『理由』になるんじゃないのかな?」
あ……
「そっか……私……ちゃんと『資格』も『理由』もあったんすね……」
「そうよ。だからそんなに考え込まないの。あ、それと……何でも『ネタ』にしちゃう事についてだけど」
……やっぱ、それはまずいっすよね……
「別に構わないんじゃないかしら?」
「……へっ!?」
なに……ゆえ!?
330 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:31:39 ID:LWGP1paH0
「あのね、前に高良ちゃんのおじさんが『作家は自分を切り売りして作品を作る職業だから、今回の件で作風が拡がるんじゃないかな』って言ってたの」
「……つまり、泉先輩のお父さんも、今回の『計画』を小説の『ネタ』にする可能性がある……と」
「多分ね。実際、こんな『ネタ』を体験することなんてこの先まず無いだろうし……フェイクじゃなくてリアルを書けるんだから」
「そうっすね、やっぱナマの体験は貴重っす。想像では限界があるっすから」
「そーゆーこと。だから、田村さんもあんまり気にしなくて良いと思うわよ」
「そうっすか?」
「そうよ」
「そうっすか!ありがとうございます!」
「そんな、お礼を言われる程じゃ無いわよ〜」
峰岸先輩はそういうけど……私からしたらいくらお礼を言っても言い尽くせ無いっすよ……
「あ、でもね、書くのならある程度時間を置いてからの方がいいと思うわ」
「あー、それはそうかもしれないっすね〜」
「う〜ん、そう考えると……」
考えると?
……何をっすか?
「今度の『冬コミ』くらいかしら?」
「……はぃぃぃーーー!?」
「ま、あんまり焦らなくて大丈夫よ〜。それじゃね〜」
「ちょちょちょっとー!!峰岸せんぱーーーい!!!」
私の絶叫も虚しく、峰岸先輩は手を振りながら公園を出て行った。
てか、峰岸先輩……冬コミ知ってるんすね……とても意外っす……
「はぁ……世の中って……狭いっすねぇ〜。……ジョギング再開しますかね〜」
☆
「ホッホッホッホッ……」
……ま、最後の言葉はアレっすけど……峰岸先輩と話せて良かったなぁ〜
「ホッホッホッホッ……」
……小早川さんの『支え』、か……
私一人じゃ多分無理だけど……岩崎さんと一緒なら、やれる気がするっす!
「よーし!頑張るっすよー!」
小早川さんの『支え』になる
それが、私の理由。
Section14「苗木を守る人達〜田村ひより〜」 End
……あとは漫画のネタとしても……
『ひ〜よりん♪』
「うひゃぁぁぁぁ!!!」
実行日まで
あと三日
331 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:36:43 ID:LWGP1paH0
以上です
次回は来週中に投下出来ればなぁ・・・と思っていますが
体調や仕事の具合と相談しつつ投下しようと思います
ではでは ノシ
332 :
ナハト:2011/01/15(土) 16:37:47 ID:LWGP1paH0
あ・・・ミス発覚w
SSのラスト
「あと三日」じゃなく「あと二日」でした
失礼しました m(。_。;))m ペコペコ…
☆ゅ
うにょ〜ん
穂志柚
干し湯
"柊つかさです。メールアドレスを変更しました、
[email protected]です"
「…かがみん、これ私もribonloveとかに変更したほうがいいかな?」
「はいはいノロケノロケ」
リボンならかがみもしてるからな
面白いけれどちょっと詰めが
☆ゅ
「という意見を頂いたのでつかさにしかない特徴をメルアドにしたいと小一時間」
「で、決まったの?」
「いやー…天然も妹も巫女もいるしなかなか難しいねぇ」
「でもつかさにしかないものがあるから好きになったんでしょ?」
「…そっか、ありがとかがみん。決まったよ。」
「shigusa_eros@tinti
「おい待て」
「寝逃げでリセット」
「あ、こなちゃんズルイ」
342 :
1-724:2011/01/30(日) 21:57:36 ID:2PpR83cm0
過疎
>>342 保管乙であります!
「えーっと今年は南南東なんだね」
「こっちがキターあっちがミナミだから南南東はこんくらいかな」
「凄いねこなちゃん、私方角とか弱いんだー」
「こういう時に便利なのが磁石なのだよ、こっちが北でこっちが南」
「東と西ってどっちかわからなくならない?右か左かーって」
「いやーそれは…そろそろ食べよっかー」
外出る時は手を繋ごう、そう思うこなたであった
「ふぅ、お風呂でさっぱりしたよ〜」
「こなちゃんこなちゃん」
「ん〜?」
「はい、お風呂上がりのデザート」
「……これは山○の○ールちゃん?」
「そ、デザートも恵方巻だよ〜」
「ナイスアイデア!じゃぁ一緒に食べよっか」
「うん!」
「……ふぁぶぇうあいえぇ(食べづらいねぇ)」
「……うぁうぁいえうえぇ(ふわふわしてるねぇ)」
「……普通に食べよっか……」
「……そうだね……」
○崎のロー○ちゃんで恵方巻は無謀ですた・・・orz
買い物する二人
「えーっと、いわし、太巻き…」
「柊はつかさがいるから大丈夫だね」
「じゃあお豆ちゃんはこなちゃんので」
348 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:00:53 ID:kjyta+++0
どもども
久しぶりにPC立ち上げられたのでSS投下します
タイトル
dear −Section15「苗木を守る人達〜泉そうじろう〜」
本文6レス使います〜
349 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:01:21 ID:kjyta+++0
「ふぅ……。今日はこのくらいにしておくか……」
時計を見ると、針はとっくに日付を跨いでいた。
「流石に……締切が重なると……辛いなぁ〜っと」
同じ姿勢のままで強張った身体を伸ばしながら、そんな事を呟く。
「さてと……おやすみ、かなた」
仏壇に声をかけ、既に敷いてある布団に潜り込み、目を瞑る。
連日の夜更かしが祟ったのか睡魔は即座に訪れ、俺は眠りの世界へと導かれていった……。
dear −Section15「苗木を守る人達〜泉そうじろう〜」
―……う……ん、そ……くん
まどろみの中、誰かの声が聞こえる。
……うるさいなぁ……
―そう……ん、そうくん
……誰だぁ?俺の名前を呼ぶのは……
―そうくん、そうくん!起きて!!締切は今日でしょ!!!
「ぬぁぁぁっっ!!!」
『ふふっ、やっと起きた』
「あ?……なんだ、かなたか……もう少し寝かせてくれよ……」
全く……相変わらずヒヤヒヤさせる起こし方するんだもんなぁ〜、まいっちま……えっ!?
俺の思考はそこで一時停止した。
目の前に座っているのは、少女と見間違えそうな程幼い顔立ちの女性。
独特のくせ毛と泣き黒子が無いだけで、外見はこなたそっくりだ。
だが、その女性がここに居るはずがない。
かなたは……遥か前に……この世を去っている。
こなたの変装かとも思ったが……それは有り得ない。
どんなに言い方を似せたとしても……あの声や微妙な言い回しは、物心つく前に母を失ったこなたには……真似出来ないからだ。
ならば……まさか!
「本当に……かなた……なのか?」
怖ず怖ずと問い掛ける俺。
すると女性は満面の笑みで答えてくれた。
『はい、そうですよ。……久しぶりだからわからなかった?』
「いや……わからなかったんじゃなくて……意外というか……驚いちまって……」
『……ま、それもそうよね。死んだはずの人間が目の前に居るんだし……』
「……てことはだ、やっぱり……幽霊……なのか?」
『幽霊……なのかな?やっぱり……』
「……でも、なんで今?お盆にはまだ早いだろう?」
『……わからない……でも、どうしてもそうくんと話さなきゃならない気がするの……』
話さなきゃならない……?
「話した方がいい、じゃなくてか?」
『うん……でもその理由がわからないのよね……』
「理由……か」
350 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:01:43 ID:kjyta+++0
……本来、霊魂というものは何かの未練がある場合にさ迷い出ると聞いたことがあるが……
理由も無く出てきたと言う事は、もしかしたら……
「理由は……俺が呼んだからかもしれないな……」
『呼んだから?』
「あぁ……ちょっとな。こなたの事で悩んでいて……な」
『こなたの?……一体何があったの?』
「……少し……込み入った話しなんだ……。始まりは……」
俺はこなたとつかさちゃん、二人に起こった事を淡々と話した。
かなたはその間、黙ってじっと聞いていた。
『……そんな事が……。でも、なんでそうくんは悩んでいるの?』
「……俺は最初、柊さんが言った『二人を会わせないようにしたいから、つかさを暫く休ませます』って言葉を鵜呑みにしていたんだ」
『鵜呑み……?でも実際つかさちゃんは……』
「スマン、言葉が足りなかったな。俺は柊さんの言葉を『一週間程度、何らかの理由をつけて休ませる』って意味だと思っていたんだ」
『そうだったの?』
「あぁ。実際柊さんも『少し会わない期間を設ければ共に頭を冷やすでしょう』と言っていたからな。だが……」
『一週間どころか一ヶ月以上……』
「それに、本来は関係の無いかがみちゃんまで……」
『そうくん……』
「俺はこなたからそれを聞いた時、流石に耳を疑ったよ。それでこなたが家を出た直後に電話をしたんだ」
『……柊さんは、なんて?』
「『これが我が家の方針だから、余計な口出しをしないでいただきたい。それに、うちの娘をたぶらかしたのはお宅の娘さんじゃないか』と言われたよ」
『そんな……酷い……』
「だろ?第一これはこなたとつかさちゃん二人の問題なんだから、かがみちゃんは無関係じゃないか!」
『そうよね、そうくんの言うとおりだわ』
「それに!俺が『こなたの大切な友人だから、せめてかがみちゃんだけは』って食い下がったらなんて言ったと思う!?」
『そうくん、落ち着いて……』
「『私はそんな友人など認めない!』って言ったんだぞ!有り得るか!?有り得ないだろう!?なんだよその言い草は!!」
俺の怒りは止まることを知らなかった。
だから、気付かなかった。
扉の向こうで聞き耳を立てている小さな影が有ることに。
「二人はこなたにとってとても大切な友達なのに!なんで、なんでそれを引き離すんだよ!?そりゃあ、俺も最初同意したさ!!でも、だからって!だからって……!」
『……そうくん、辛かったのね……』
「俺が……!あの時……!そこまでしなくてもと一言言っていれば……!そもそも二人の仲を認めていれば……!こんな事には……」
俺は年甲斐も無く涙を流していた。
自分の不甲斐無さ、それがとてつもなく悔しかった。
俺のせいで……そんなことを呟いていると、身体が不思議な感覚に包まれた。
『ダメよ、そうくん。自分を責めちゃ……』
気付くとかなたが俺を優しく抱きしめていた。
……幽霊の触感ってこんな感じなのかな?
「だってそうだろ?俺がもっと寛容な気持ちで二人の仲を見守ってあげていれば……、ちゃんと二人を信頼していれば……」
『それはそうだけど……でも、過ぎてしまった事を悔いても仕方が無いわ』
「かなたぁ……俺はどうしたら良いと思う?俺はこなたに謝りたいんだ。でも……あの一件からこなたはずっと俺を避けていて……」
『まぁ、こなたからしたら当然でしょうね……。少なくともそうくんは柊さんと共に「敵」とみなしているだろうし……』
「……そう考えるのが妥当だよな……」
俺はずっとその事で悩んでいた。
おそらくかなたが此処に来た理由はこれなんだろう。
351 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:02:00 ID:kjyta+++0
「どうしたらこなたに話しをすることが出来るんだろう……」
『……あ!ね、そうくん。話しじゃなくて手紙なんてどうかしら?これなら取り敢えず目を通すくらいするんじゃない?』
「そうか……手紙か……盲点だったな……。それじゃ、ひとつ書いてみるとするか」
そう意気込み、かなたから身体を離して机に向かおうと……思ったんだが、かなたが右腕をしっかりと握って離してくれない。
「かなた……スマンが腕を離してくれないかな」
『そうはいきません。だって今、そうくん手紙を書こうとしてたでしょ?……今はまだ書いちゃダメよ』
「今は?……なんでだ?」
『なんでって……そうくんが私に書いたラブレター、覚えてる?徹夜で書いたって言って渡してくれた……』
「……覚えてる……そういや誤字脱字だらけで支離滅裂だったなぁ……」
そういやあれは恥ずかしかったな……
一世一代の名文だ!なんて思っていただけに……
『でしょ?だから……』
「あぁ、そうだな。一眠りしてこなた達が学校に行ったら書くよ……ふぁ〜あ……」
『あ、もうこんな時間……それじゃ、おやすみなさい』
「……かなた……ありがとうな……」
『どういたしまして……私こそ、こなたの事を相談できて嬉しかった……そうくん、ありがとう……』
「……そろそろか?」
見ると、かなたの濃度とでもいうのか、それが先程よりも薄くなっている。
『うん……でも……そうくんが眠って、こなたの顔を見てからだけどね』
「そっか……『次』は……あるのかな……」
『もし又何か困ったら、その時に……かもね……』
「……まぁ、いずれは会えるからな……遠い先になるとは思うが」
『そうよ。少なくともこなたが大人になって、独り立ちをして……ってこれじゃもう条件を満たしているわねぇ〜』
「おいおい……勝手に死期を決めないでくれよ」
相変わらずというか……死んでもというか……生前の茶目っ気はそのままだな……
「ま、少なくともあと60年位は生きるから、ちょっとだけ待っててくれないか?」
『はーい。……あんまり早く来たら……承知しないからね……』
「あぁ。肝に銘じて長生きするよ……それじゃ、また」
『うん……またね、そうくん』
かなたの声を聞き、俺は再度布団に潜り込む。
どうやら話した事で多少なりとも胸のつかえが取れたようだ。
俺は十数える間もなく、眠りに落ちていった……。
☆
「おじさーん!朝ご飯ですよー!!」
「……ん?……ふぁ〜ぁ……朝か……」
それにしても……今日の夢はリアルだったなぁ〜
手紙か……それも有りだな、うん
「おじさーん!起きてますかー?」
「あ、あぁ。今行くよ」
洗面所で顔を洗い、居間に入るとこなたとゆーちゃんが朝食を食べていた。
352 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:02:17 ID:kjyta+++0
「こなた、ゆーちゃん、おはよう」
「おはようございます」
「……おはよ」
「あ、今コーヒー煎れますね」
「あぁ、すまない。……こなた、ちょっといいか?」
「……ごちそうさま。ゆーちゃん、私先に学校行ってるね」
……今日も変わらず……か
例の一件から、こなたはあからさまに俺を避けるようになっていた。
当たり前と言われれば、その通りなのだが……。
……やっぱ手紙しかないかなぁ〜
「はい、コーヒーどうぞ」
「ありがとう、ゆーちゃん」
「どういたしまして」
コーヒーを一口飲んだところで、扉の音が聞こえた。
……行ってきますくらい言ってくれても良いと思うんだがなぁ〜
「あの……おじさん。ちょっといいですか?」
「ん?なんだい」
そう言ったゆーちゃんは何故か小難しい顔をしている。
「えっと、単刀直入に聞きます。……夜中に言っていた事は、本当ですか?」
「……えっ!?夜中?」
「はい。喉が渇いて目が覚めたので、飲み物を取りに台所に向かう途中におじさんの部屋から声が聞こえたんです」
「声?」
「そうです。それで……悪いとは思ったんですが、盗み聞きを……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。ゆーちゃんは『声』って言ったけど……それって俺の声かい?」
「はい。ただ……会話をしているような感じだったので……つい」
「……なんてこった……それじゃぁ、あれは『夢』じゃなかったんだ……」
「『夢』?」
「あぁ……かい摘まんで話すと……」
俺は昨晩の出来事をざっと説明した。
流石にゆーちゃんも驚きを隠せないようだ。
「かなたおばさん……だったんですか……」
「おそらくね。いやー、てっきり『夢』だとばかり思っていたんだがな〜、世の中色んな事があるもんだなぁ」
「そうですね……っと、それはそれとしてですね、おじさんが言った言葉、あれは本当の事なんですか?」
「……本当だよ……まぁ、謝って済むような問題じゃない事は重々承知しているけどね」
「……でも、少なくともおじさんがお姉ちゃん達の事を認めているのなら、お姉ちゃんも少しは心強いと思います!」
「……心強い?どうして?」
「それは……あ!もうこんな時間!おじさん、細かい事はメールしますから!」
「あ、うん。わかった」
「それじゃす、みませんけど後片付けお願いします!行ってきまーす!!」
「いってらっしゃ〜い」
……はて?一体何が『心強い』んだろう……?
353 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:02:37 ID:kjyta+++0
☆
「……なんてこった……」
予告通りに送られてきたメール。
一通目には『つかさ先輩とかがみ先輩の現況です』のタイトルと、つかさちゃんとかがみちゃんが現在置かれている状況が書いてあった。
そして……二通目には『驚かないで下さい』のタイトルと、こなたが……こなた達が実行しようとしている『計画』が書いてあった。
「俺は……こなたをそこまで追い詰めていたのか……」
やはりあの時……いや、やめておこう。昨日かなたにも言われたしな
ふぅ……取り敢えず手紙を書くか。そして……こなたにしっかりと謝って……
そんな事を考えていると、メールの着信音が響いた。
「ん?……そうか、わかったよ」
件名には『おじさんにしか出来ない事があります』、本文には『詳しい事は帰ってから話します。もしまだ手紙を書いていないのなら、そのまま書かずにいてください』と書いてあった。
「俺にしか出来ない事……か。なぁ、かなたは何だと思う?」
仏壇に問い掛けても、昨晩のように答えが返ってくる事は無かった。
「……考えていても仕方ないな、ゆーちゃんが帰ってくるまでに今日のノルマを終わらせておくか〜」
☆
「なぁ、ゆーちゃん……『俺にしか出来ない事』って……何なんだい?」
俺は向かい合わせに座るゆーちゃんに問い掛ける。
こなたは入浴中だ、聞くチャンスは今しかない。
「その前に……おじさん、誓ってもらえますか?お姉ちゃんの『計画』を止めさせないという事を」
「……もし俺が止めたとしても、こなたはなにかしらの手段を用いて実行するだろうからな……わかった、誓うよ」
「それじゃぁ……先ずはこの紙にサインをしてください」
目の前に差し出された紙には『誓約書』と書いてあり、その下に文言と記名欄がある。
「……それだけ『本気』だって事か」
「はい……そうです。そして、『計画』に参加する人全員がこれにサインをしました」
「そうか……」
俺がこれにサインをするという事は、つまるところ俺自身 が『俺の下から駆け落ちする』という事を認める意味になる。
……矛盾だらけだな……
だが、仕方ないか。これ程の『本気』を我が子から見せ付けられたんだからな……
親として、もう二度と娘をあんな目に会わせる訳にはいかないからな
俺は名前を書き込み、ゆーちゃんに渡した。
「……これで良いかな?」
「はい……ありがとうございます。それで……おじさんにしか出来ない事なんですけど……」
「うん。それは一体……」
「えっと、その前に……本来の計画で明日おこる事をお話しますね……」
それは俺が思っていた以上に綿密な計画だった。
もしこのまま明日を迎えていたら……俺は恐らく平常心を保つことなど出来なかっただろう。
354 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:02:54 ID:kjyta+++0
「凄いな……まるでドラマか何かのワンシーンじゃないか……」
「まぁ、これは今おじさんに話した時点で実行されなくなりましたけどね。それで……ここからが本題なんですけど……」
「うん」
「お姉ちゃんを抱きしめてあげて下さい」
「……へっ!?」
その言葉に俺は思わず驚きの声をあげてしまった。
抱きしめる?どうやって?
……ゆーちゃんにはなにかしらの策があるのだろうか……?
「なぁ、ゆーちゃん。それは……かなり難しいんじゃないのかなぁ」
「あ、もちろんその前にちゃんと謝ってもらいますよ。ちゃんとセッティングもするから安心してください」
「そ、そうか……じゃぁ、頼むよ。……でもさ、なんで『抱きしめる』なんだい?」
「それは……お姉ちゃんが安心出来るかな……って思ったから……」
「……安心?」
「えぇ。ほら、なんか不安な時とか親がギュッってしてくれると……なんか安心するじゃないですか」
「安心……か」
そういえば……こなたが落ち込んだり、悩んだりした時は……抱きしめて、頭を撫でて、俺なりの励ましをしていたんだっけな……
「そうだね……うん、わかったよ」
「ありがとうございます。……っと、そろそろお姉ちゃんがお風呂から出てきますね。じゃぁ私、部屋に戻っていますね」
「あ、あぁ。今日は色々とありがとうな、ゆーちゃん」
「どういたしまして……それじゃ、明日は頑張って下さいね」
居間を出て自室へと向かうゆーちゃんを見送ると、俺は仏壇の前に座り線香を上げた。
……かなた……
俺は心の中で呟く。
……ゆーちゃんの手前、ああ言ったけど……俺に出来るかな……
……もし、出来たとしても……俺の気持ちが伝わらなくちゃ、意味がないよなぁ
……気持ち?伝える?おぉ!そうか!!
突如として沸き上がったアイデアに、俺は慌てて仏壇に背を向け机の引き出しから便箋を取り出す。
ゆーちゃんには済まないが、これだけは書かせてもらおう
こなたに、俺の『本当の気持ち』を伝えるために。
Section15「苗木を守る人達〜泉そうじろう〜」 End
実行日まで
あと一日
355 :
ナハト:2011/02/05(土) 14:06:19 ID:kjyta+++0
以上です
次回は・・・2週間後くらいには投下出来たらいいなぁ〜
ではでは ノシ
乙〜
いよいよ次から実行か
☆ゅ
百合厨うざい
カプスレで何言ってんのこいつw
ツンデレな保守だな
まさかのかがみん降臨・・・・か?
☆ゅ
本日も異常なし
364 :
1-724:2011/02/14(月) 01:06:38 ID:q9oxS35s0
自分でチョココーティングしたものの固まって動けなくなったところを2時間後こなたに助けられるつかさ
救助法?
もちろんぺろぺろです
「つかさ!大丈夫!?」
「こなちゃん……たすけて……」
「えっと……チョコを割れば良いから……」
「わ、割る……の?」
「だって……完全に固まっちゃってるし」
「えと……痛く……しないでね……」
ボンッ!!
「つ……つかさぁ……」
「ど、どうしたの?」
「今の台詞は……反則だよぉ〜」
「え?何?あの……こなちゃん?息が荒いよ?」
「ハァ……ハァ……」
「えと、その、んと」
「……いただきます」
数時間後
「ハァ……ハァ……救出……完了……」
「ハァ……ハァ……」
「つかさ……ごちそうさま……」
こんな感じでつね
わ(ry
あえて密着して体温で溶かしつつトロトロになったところに舌を這わせ…
ってエロパロ行きになりかねないですねはい
また圧縮が近い☆湯
おぉう、ホントだ
百合はマロンだね
370 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:36:42.58 ID:6Uhhe+Eb0
どもども
SS投下します
タイトル
dear −Section16「育ち始めた苗木」
本文8レス使います〜
371 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:37:09.74 ID:6Uhhe+Eb0
「お母さん、揚げ浸し出来たよー」
「ありがと」
「えっと、後は……」
「じゃぁ、これ盛り付けてもらえる?」
「はーい……お皿ってこれで良いかなぁ?」
「うーん……そっちじゃなくて……それ、そう。その上の」
「これ?……よいしょっと」
『軟禁』されている私にとって、唯一『自分』でいられる時間……。
でも、その生活も今日まで。
……こなちゃん……早く……逢いたいな……
dear −Section16「育ち始めた苗木」
私が『計画』を知ったのは、昨日の『勉強会』だった。
●
「つかさ、大事な話があるの」
『勉強会』の途中、お父さんが居たら絶対に出来ないお茶の時間、いのりお姉ちゃんが真顔でそんな事を言ってきた。
見ると、まつりお姉ちゃんや峰岸さん、日下部さんも真顔だった。
「大事な……話?」
「そう。とても大事な話……。先ずは……峰岸さんと日下部さん、お願い」
「はい。妹ちゃん……これを読んでもらえる?」
「……封筒……手紙?」
「そ。とある人からの手紙だよ」
封筒を逆さにすると、一通の手紙がでてきた。
「誰から……えっ!?この文字って……」
久しぶりに見た癖のある文字。
こんな文字を書く人の事を忘れる訳が無い。
「こなちゃん……から?」
「そうよ。今日預かってきたの」
「取り敢えず読んでもらえる?それは回収しなきゃいけないから。……見つかると色々ヤバいし」
「う、うん……」
私は促されるままに手紙を読みはじめた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
親愛なるつかさへ
久しぶり、元気してた?
・・・って、そんなワケないよね。ごめんね
あのね、いきなりだけど、落ち着いて聞いて・・・じゃなくて読んでね
突然だけど、明日の土曜日、駆け落ちしようと思うんだ
思うんだじゃない、駆け落ちするよ、つかさと
色々と考えて、これを決めたんだ
・・・勝手に決めてごめんね
でも、私なりに考えたこれからの私達が幸せになる方法ってのが、これ以外に思いつかなかったんだよ
372 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:37:28.71 ID:6Uhhe+Eb0
だから、もしも、駆け落ちが嫌だったら、私はそれに従うよ。だって無理強いはしたくないから
でも、もし、駆け落ちしても良いっていうのなら・・・
お姉さん達が詳しい事を教えてくれるから、それに従って
私も、頑張ってこの家から抜け出すから
それじゃ、またね
P.S. なんか手紙の内容がグチャグチャでごめんね〜
昼休みにいきなり『書いて』って言われたからさ〜
しりめつれつ過ぎだよね〜
それじゃ、バイニー
つかさの恋人 こなた
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
涙が止まらなかった。
それ程長い月日が経った訳では無いのに。
とても懐かしくて、愛おしかった。
「……つかさ、大丈夫?」
「グスッ……かがみお姉ちゃん……うん……大丈夫だよ……」
「それで、だ。私もあやのもなんて書いてあるかは知らない。それは高良が書いてほしいって頼んでたからな」
「ただ、大まかな事だけは聞かされたわ。そして……」
峰岸さんが一枚の紙を裏返しに差し出した。
「これを、託されたの。泉ちゃんに」
「こなちゃん……に?」
「そう。だからもし妹が手紙の内容を受け入れるんだったら……それに書いてほしい」
「書く……?」
私は恐る恐る紙をめくった。
そこには……
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
私、泉こなたは、柊つかさとの駆け落ちに同意します
私、 は、泉こなたとの駆け落ちに同意します
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「……どうする?」
「まつりお姉ちゃん……」
「ちなみにだけど、私達は全員同意しているわよ」
「いのりお姉ちゃん……」
「私達だけじゃなく、みゆきやゆたかちゃん、それとみなみちゃんに田村さん後は……」
「高良ちゃんの両親、みなみちゃんの両親も同意しているわ、柊ちゃん」
「峰岸、ありがと。……つまりはそういうこと」
「かがみお姉ちゃん……峰岸さん……」
「あ、そうだ。これも預かってきたんだっけ……えっと……あった。これこれ」
日下部さんはそう言いながら数枚の紙を机に拡げた。
373 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:37:46.01 ID:6Uhhe+Eb0
「日下部さん……これって……」
「まぁ、私達が応援しているっていう証……かな?」
「……日下部にしては良いこと言うじゃない」
「『しては』って……私だってたまには真面目な事言うよっ」
「はいはい、『たまには』、ね」
「みゅぅ〜。あやのぉ〜、柊がドライアイスより冷たい〜」
「まぁまぁ、みさちゃんも柊ちゃんもあまり時間が無いんだから……」
「おっと、そうだった。思わずかがみとみさおちゃんの漫才に見とれてたよ」
「漫才って……まつり、あなたねぇ。……ってそれは後に置いといて、……つかさ、どうするの?」
「え……どうするって……」
「こなたちゃんと『駆け落ち』するの?」
「……」
私は答えられなかった。
『駆け落ち』なんて、そんな簡単には決められない。
「……私達は、つかさがどんな答えを出しても誰も文句は言わないわ。だって、つかさの人生なんだもの」
「かがみお姉ちゃん……」
「ただ、これだけは理解して。もし今のままで居た場合、この先こなたちゃんに会えるという確率は……かなり低いわよ」
「えっ!?なんでですか、いのりさん」
峰岸さんの驚いた声に、いのりお姉ちゃんが静かに答えた。
それは、私にとってとても理不尽な内容だった。
「……つかさは、退学させられるわ。そして……縞根のおじさんの家で暮らす事になるの。一昨日、父さんと母さんがそう話していたわ」
「ちょっ!それって本当なの?姉さん!」
「えぇ、本当よ……私と三人で決めたんだから」
「そんな!いのり姉さん!?」
「かがみ、落ち着きなさい。……勿論私は『ふり』をしただけよ。そんなの本心から認めるわけ無いじゃない……」
「……はぁ……心臓止まるかと思った〜」
「本当ね、みさちゃん」
「ビックリさせちゃってごめんね。……私、絶対にそんな事は認めないわ」
「……つかさ、どうする?」
「……『今』のままじゃ、この先そう簡単にはこなちゃんに会えなくなるんだよね……」
「えぇ、確率はゼロ……とまでは言わないけれど、かなり低くなるわ」
「そうだよね……」
私は自分でも驚く程に冷静だった。
『軟禁生活』で親の本性を嫌というほど見せ付けられていたからかもしれない。
「だったら私、やる!『駆け落ち』するよ!」
「……失敗したら、確実に会えなくなるわ。それでもやるの?」
「うん。……だって、お姉ちゃん達はこのために色々と頑張ったんでしょ?」
「それは……そうだけどさ」
「それに……私は『いつか会えるかも』じゃ嫌。『今すぐ』が良い」
「……そっか。じゃぁ……」
私はいのりお姉ちゃんに促され、紙に名前を書き入れて、手紙と共に峰岸さんに返した。
「確かに、預かったわ」
「あと……こなちゃんに伝えて。『絶対に会いに行くから』って」
「……わかった。高良に伝えてメールしてもらうよ」
「それじゃ、つかさ。『計画』を説明する前に一つだけ注意」
「何?」
「明日、絶対に、父さんと母さんに気づかれないようにすること。……つまり、今日までと同じように過ごすこと。……わかった?」
374 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:38:15.52 ID:6Uhhe+Eb0
度重なる親からの抑圧。
その結果、私は自らの感情を押し殺してきた。
なので、いのりお姉ちゃんからの注意も、さして難しい事ではなかった。
「うん!大丈夫だよ!」
「そう?でもくれぐれも気をつけてね。……じゃぁ、本題に入りましょうか。えっと、まず最初に……」
●
「さてと、明日の天気はどうかな。まつり、チャンネル回してくれないか?」
「はーい」
時刻は午後八時五十七分。
お父さんが毎日欠かさずに見ている天気予報の時間。
そして……『計画実行』の合図……。
「……あ」
「どうしたの?まつり」
「姉さん、これから録画する番組ってある?」
「得に……無いけど」
「ホント!?よかった〜。私この映画見逃してたんだよね〜」
「何て映画?……あぁ、これね〜。えっと〜、結末はね〜」
「ストーップ!言わなくて良いから。OK?」
「……二人共、静かにしなさい」
「あ……はい」
「はぁ〜い。……んじゃ予約しておくから」
先ずは初手。
「……カフェオレ煎れてこよっと。誰か飲む?」
「かがみが煎れてくれるの?じゃぁお願い」
「はーい。って……いのり姉さんだけ?」
「あ、私も〜」
「姉さん達二人ともブラック?」
「私はカフェオレが良いわ。ミルク多めで」
「私はブラックね〜」
「はーい。じゃぁ煎れてくる」
これが二手目。
時刻は間もなく九時。
天気予報が終わる。
そして……
まつりお姉ちゃんが
三手目となる
電源ボタンを押した
「キャッ!!」
爆ぜたような音が響き、台所の悲鳴と共に暗闇が訪れる。
375 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:38:32.78 ID:6Uhhe+Eb0
「何!?」
「ブレーカーが落ちたんじゃない?」
「ちょっと待ってて、今上げるから。……えーっと、椅子は……アイタッ!!」
「かがみ、大丈夫!?」
「……大丈夫……暗くてぶつけただけだから……」
「母さん!かがみ!そこで待っていなさい!お父さんがやるから!」
「うん……わかった」
居間には外の光が差し込んでいるため、暫くすると目が慣れてきてきた。
お父さんが懐中電灯を片手に台所へと向かう。
「えっと……ここか。よいしょっと」
パチンという音がして、明かりが再び点灯した。
「これで大丈夫……しかし何でブレーカーが落ちたんだ?」
「さぁ……」
「明日調べてみるか……」
お父さんとお母さんの話し声が聞こえる。
その間、私は目を瞑ったままじっとしていた。
そして……ブレーカーを上げてから三十秒後……。
再び、暗闇が、訪れる。
「また!?」
「大丈夫だ、今上げるから」
パチンという音が静まり返った屋内に響く。
一度ではなく、何度も。
「……おかしいぞ!ブレーカーが上がらない!!」
「えっ!なんで!?どうして!?」
「かがみ、落ち着きなさい。考えられる理由としては……ってまさか……漏電!?」
「その可能性は高いな」
「それじゃぁ今すぐにお父さんは部屋と洗面所を見てきて!お母さんは台所!私達は自分の部屋を見てくるわ!」
「さっすが姉さん、この間会社で訓練しただけあって手際が良いねぇ」
「まつり、そんな事を言っている場合じゃ無いのよ!もし漏電だったら、火事にも成り兼ねないわ!」
「ホントに!?」
「よし、じゃぁいのりが言ったように各自急いで確認するんだ!」
よし、今だ!
「お父さん!じゃぁ私は居間を見てみるね!」
「そうだな!頼んだ!!」
皆が慌ただしく動きはじめる。
幸か不幸か、懐中電灯が一つしかないためかなり手間取っているようだ。
その隙に、私は目を開けて立ち上がり、素足のまま濡れ縁から庭に降りて、裏木戸を通り外へ出る。
停電の混乱に乗じて家を抜け出す。
これが私の初手。
二手目は、社の鳥居脇にある林の中、そこに隠れている田村さんに会う事。
素足でアスファルトの上を走るのなんて……何年ぶりだろうな
小さな頃は気付かなかったけど、結構痛いもんだね
……っと、余計なことは考えないで、今は集中!
376 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:38:49.53 ID:6Uhhe+Eb0
神社の裏を駆け抜け、大回りで鳥居の所まで走り抜ける。
夜風が心地好い。
もしこれが、親から逃げるためじゃなければ……どれ程清々しい気分だったのかな……。
☆
「ハァ……ハァ……」
流石に……動いて無かったから……体力が……辛いね……
でも!こんな所でくじけちゃダメだよね!
こなちゃんが待っているんだし!
砂利の音を立てぬよう、静かに鳥居をくぐる。
いのりお姉ちゃんの言う通りなら、右手の林の中に田村さんが居るはず……。
「―か――輩」
「?」
「つか―先―」
何処からか私を呼ぶ声が聞こえる。
……どこから?
小さな声を頼りに林の奥へと進む。
「つかさ先輩……こっちっす」
「あ、田村さん。……久しぶり、だね」
「こちらこそ、お久しぶりっす。……少しやつれましたね」
「……ずっと閉じ込められてたからね……」
「そうっすね……。ってそんな事話している暇は無いっす」
「そうだね。それで……私はどうすれば良いの?」
「えっと、先ずは……脱いで下さい」
「ほぇっ!?」
ぬ、脱ぐぅ〜?
「あ、あの、えと、脱ぐって言っても、これに着替えてほしいって意味で、別にそんな、その」
「……はぁ〜、ゆいさんじゃ無いけど、お姉さんびっくりだー」
「……すんません……」
「いーのいーの、私も早とちりしちゃったんだし……。で、これに着替えれば……変装すれば良いのね」
「……多少はごまかせると思うんで」
私は素早く着ていたワンピースを脱ぎ、用意されたTシャツとショートパンツに着替える。
「……サイズピッタリだね」
「まつりさんが用意したんで、そこら辺はバッチリかと」
「そっか……」
お姉ちゃん……ありがとう……
「それで、これからなんすけど……」
「うん」
「ちょっと待って下さい……よいしょっと」
「……自転車?」
「はい。これに乗って『公園』まで行って下さい。西側の入り口に泉先輩が居るはずっす」
「『公園』って……どこの?」
「……私達が言う『公園』と言ったら……一つしか無いはずっすよ」
「私達の?……あ!」
377 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:39:16.17 ID:6Uhhe+Eb0
私達の言う『公園』
学校帰りにみんなでお喋りをしたり、アイスや肉まんを買って食べたりした『公園』
そして……こなちゃんから……告白された……『公園』
「わかったみたいっすね」
「うん、大丈夫。あの『公園』に行けば良いのね」
「そうっす。表通りをなるべく使わないで、裏通りを使って行けば安心っす」
「オッケー。じゃぁ……行ってくるね」
挨拶をして自転車に跨がる。
漕ぎ出す前にもう一度田村さんを見ると、とても寂しそうな顔をしている事に気付いた。
「田村さん……どうしたの?」
「……あの、つかさ先輩……一つだけ聞いても良いですか」
「な〜に?」
「……さよならじゃ……無いです……よね」
「……うん。必ず戻ってくるから」
「本当……ですか?」
「本当だよ。だって……このままじゃ『逃げる』だけでしょ?私、そんなのは嫌だよ」
「じゃぁ……本当に……」
「うん。だから……みんなと待ってて。必ず、戻るから。……あ、そうだ……」
私はリボンを解いて田村さんに渡した。
「私達が戻ってくるまで、預かっててもらえないかな?」
「つかさ先輩……はい、確かに!」
「それじゃ、改めて……行ってくるね!」
「いってらっしゃい!気をつけて!」
☆
『公園』までは約二十分。
車に気をつけながら、裏通りを走る。
流れる風景。
お姉ちゃん達と一緒に遊んでいた路地裏。
かがみお姉ちゃんや友達と一緒に歩いた通学路。
お母さん行きつけの美容院。
お父さんと一緒にパフェを食べた喫茶店。
涙がこぼれそうになる。
だけど、泣く訳にはいかない。
だから私は、それを振り切る為、脚に力を込める。
必要な物以外
全てを置いていく為に
☆
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
さ……流石に……息が……切れて……きたよ……
「ハァ、ハァ、ハァ」
でも……もう一頑張り……
378 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:39:39.93 ID:6Uhhe+Eb0
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
ここを……曲がれば……
体力不足の肉体に鞭を打ち、最後の角を曲がる。
目的地まであと僅か。
目を凝らして前を見ると、入り口と思われる場所に立つ街灯の下に一台の車。
その脇には人影が一つ。
「!!!」
近付くにつれ、人影がハッキリとしてくる。
まるで小学生の様な身長。
腰まで届く長い髪。
そして……風に揺れるくせ毛……。
視界が歪む
押さえていた感情が込み上げる
今すぐ聞きたい
その声を
今すぐ触れたい
その温もりに
私は最後の力を振り絞り、ペダルを漕ぐ脚を早め、ありったけの感情を込めた声で叫ぶ。
あの人に、届くように。
「こなちゃぁぁぁぁーーーーん!!!!!」
続く!
379 :
ナハト:2011/02/20(日) 16:40:32.63 ID:6Uhhe+Eb0
以上です
続きはWeb・・・じゃなくてまた二週後くらいにw
ではでは ノシ
いよいよ物語が動き出したな
よきかな
☆ゅ
待ち遠しくなってきたw
保守
ホッシュホッシュ
☆ゅ
ho
干
歩
「まつりお義姉様お誕生日おめでとうございます」
「お、義姉さまっ?こなたちゃん可愛い、ぎゅうううう」
「ふぇえ?こなちゃんぎゅうーしちゃだめまつりお姉ちゃん」
「つかさー疲れたよー」
「もうちょっとだけ、着物のこなちゃんかわいいもん」
4GBのメモリーが埋まるまでこなたを撮影するつかさであった
☆ゅ
392 :
913:2011/03/06(日) 11:20:31.58 ID:w/eCX+3r0
お久しぶりです、久々にミニ投稿ー。こなつかですが…('A'
お内裏様とお雛様、二人並んですまし顔〜
「私ね、おだいりさまとおひなさまってちょっと苦手だったんだー」
「つかさにしては珍しや、なんでまた?」
「二人とも夫婦なのに、なんだか楽しそうじゃないんだよね」
一対の人形に目をやると確かに楽しそう、とは言い難い表情を浮かべていた。
むしろ無表情にすら感じる。対有機生命体(以下略)ってこんな感じなのかな。
「んーまぁすまし顔〜ってうたってるくらいだしねぇ…オォ当時からツンは存在したか」
「手を繋いだりにこにこしてるのが夫婦だと思うの。お互い好きだから夫婦なんだし」
「極端というか純というか、つかさらしいネ」
「私はこなちゃんと一緒にいて凄く楽しいから…。わかんないよ」
小難しそうな表情で腕を組むつかさ。
意外とつかさなりに真剣に考えてるんだなぁ。
あまりにも無防備な体勢に私は優しく押し倒す。
「ふぇっこ、こなちゃん!?いきなりあの私その準備のっ心が」
「さてつかささんや、今誰かが入ってきたら恥ずかしいかね?」
「(ぱくぱくぱく)」
ただでさえ真っ赤な頬色が顔中に広がっていく。
おぉうこのままだと完熟トマトになってしまう。
「多分さ、照れ隠しなんだよー。一種のツンデ…いやこの場合クーデレ?」
「てれれくし?」
「人前じゃ恥ずかしいから澄ましてるんだヨ。二人きりになったらもう遺伝子レベルで激しく」
「は、はげしく…」
「そ、そっかぁ…じゃあ直す時は同じ箱に入れてあげないと可哀想だね」
「だねー。だから外にいる間はちゃんと照れ隠し照れ隠し」
「うん。…えへへ、二人とも照れ屋さんなんだね…」
捕らえ方が変わったのか、つかさは一対の人形を見て何か嬉しそうにしている。
悩んでるつかさもいいけどやっぱ尻尾ふってるつかさ萌へ。
そういやひなまつりネタのエロゲあったなーと思い出に浸りながら、私はつかさの笑顔を眺めていた。
ttp://ichigo-up.com/cgi/up/qqq/nm32056.jpg 次回、つかさとこなた二人っきりの箱の中。お楽しみに(嘘です
あ
>>392 おぉ!お久しぶり〜
相変わらず上手いですなぁ〜
GJ!!!
補
>>392 イラストは保管庫に保管済み、TOPに使用
398 :
913:2011/03/09(水) 07:01:39.65 ID:Fhata6XY0
保管お疲れ様です、ありがとうございます!
うにょん
659/749
やばい圧縮注意
ほ
保守です
☆ゅ
引き続き保守です
405 :
ナハト:2011/03/14(月) 18:07:22.99 ID:BXn0Hw7oO
ところで・・・いまさらなんですが皆さん無事ですか?
ほ
ほちゅ
ふと今思った
学力では明らかにこなたの方が上だけど
一般常識はどっちの方がしっかりしているんだらうか?
☆ゅ
ほ
干し湯
お久しぶりでーす(´・ω・`)
ちと、とある事情で去年の冬頃から九州のほうに長らく行っておりました
漫喫ではなく自分ちのパソいじるの随分と久しぶりです
久しぶりに東京帰ってきて、パソは変わらず頼もしく起動してくれたんですが
相も変わらずアク禁とは・・・
大地震の影響とかは今でも続いており何かと耐え時だと思います
皆々様もどうかご自愛くださいませ
せっかく帰ってきたんで今一枚作ってます(´・ω・`)
またこれからは住み着いて小ネタとかやってければと思ってますんでどうかよろしくお願いします
-‐==─-- .._
` ‐- ._: : : `: :‐:-. ._
` ‐ : : : : : : :`:‐. 、 /ヽ、
_ .. . .-.--`--: : : : : : :/: : : : ̄ ̄`: :>: . .、
,. . <: : : : : : _, : : : : : : : : ; : ,': : ; : : : : : : : : : : :ヽ: :`ヽ、
,ィニ´-───-‐'´ ヽ : : : : / : ,': :λ: : 、: :.: : : : : : : : ヽ: : :ヽ,.-、--、
, ィ<. . . . . : : : : : : : /: : :i: : :i i: : : ヽ:::: : : : : : : : ノヽ::::ヾ:::::::::ハ
/. . : : : : :/: : ..::: : : :/: : :,イ: : ii V: : :ヽ::::、: : . . ヽ::::::::、‐、::i
/: : : : : : : /: : ..::::: : : :_: : / i: : i i .V: : ___ヽ: : : : : : . . ヽ::::/: :i::ハ
.,イ: : : :_ ニニ:/: : ::::::/: :/´:l: : / i: : i i V:´:.i V:`ヽ、: : : : : : : : .V : ヽ:}:::::ヽ
/:>´ /: ::::::::/: : : : /ィ: :/ i: : i .i V: :i. V:::i: :`: : : : : :: : :ハ: : :ヽi:::::::ハ
/'´ /:.:::::::::/: : : : ∠ェ:/、 i: :i i V_:i V::i: : : : : : : ::: : : i : : : ヽ:::::>
./:.::::::::::;' : : 不i|-‐i/ミト、 V:i i ,ィホ三三訃、: : : : ::::: : :i: : :::::::.ヽ
/::::::::::::;' : : :∧.il| iミ彡卦 Vi .i ´,ヽノ三ミi:〃: : : :: :::::: :i: : :::::::::::ヽ
';::::::::::,イ : /:::∧.i、iミ::ミヌ:| ム::ミ彡:ミi/: : : : :ィ、 : : i : : i::::::ヽ:::ヽ
イ::::/::::i: :/:::/:i マゞ:::ノ / / {i::;:;:;:;::タ: : : : /、 i、::: ;: ; : i::::::::ヽ::::ハ こなた、つかさをよろしくね
/i//:::::V{i:/:::/::i ///〃 , /// `ヾー-' .i: : : / ノ:i: :;': :i: :i:::::::::::ヽ:::ハ
/: : /':::::::::::::::i/:::/::::{ _ i: : /-::´i: :i:/: : l: l::::::::::::::iヽ:ハ
/:.:::/ /:::::::::::::::::/:::/:::/. > 、 ヽ _,) ィi/ i:::i: :y:::: : :ii::::::::::::::::i ヽハ
/:::::/ ./:::::::::::::::::::i:::/::/ `>-、.._ _.. t<:ヽ i:::i: : ::::: : :i'::::::::::::::::i V:i
/:::;イ /::::::::::::::::::::i::/:/ _ /.:.:.:_i ̄ jイ.:.:.:{ .i::i: : : ::: i: i:::::i:::::::::::i ∧}
/:/::i '::::::::::::::::::::::i// /´.:.:.:.:.` ':.:.:./_.._ /:.:.:.:.:.:´⌒:ヽ、i:/: : : ::: :i: i::::::i:::::::::i .i::i:i
,':/::::{ '::::::::::::::::::::::::i/ /、ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ̄ `y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i/: : : ::: : :i: i::::::i:::::::i i:::i
;/:::::::i i:::::::::::::::::::::::{ ∧、ヽへ,-、:.,-、_. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._,;,;,;,;,;/: : : ::: : : :i i:::::::i:::::i .∧:i
i::::::::::::l .i::::::::::::::::::::::::i .}、//`ヽ}/,i/ヘ´ヽ /:.:.:.:.:>_.´-‐ ニ二/: : : ::: : : : i: ::::::::i:::i ∧:/
i::::::::::∧.i::::::::::::::::::::::::Y / /`ヽ}i二ヽ、ヽ i>´<_.ニ==二../: : : : : : : : :i i::::::::::i/ ∧:/
i::::::::::::∧i::::::::::::::::::::::::l l /ヽ/ ,、ヽ }>,<>´ ̄ ./: : : : : : : : : :i:i:::::::::::i ∧:/
>>413 おかえりなさい、小ネタもイラストも待ってます!
417 :
1-724:2011/03/29(火) 22:08:38.36 ID:umwdIoPC0
420 :
1-724:2011/03/30(水) 21:51:21.69 ID:oEgCHp+B0
☆ゅ
422 :
1-724:2011/04/01(金) 00:02:11.04 ID:tlQZh+so0
俺はつかさ×こなたなんて大嫌いだ!
このコンビが最強だな
和むね
424 :
ナハト:2011/04/02(土) 00:05:45.56 ID:B9vwsaxCO
>>422 つか「ふぇぇぇ〜ん」
こな「ど、どったの?つかさ」
つか「私達の事嫌いだって言われたぁ〜!」
こな「えぇっ!?で、でも……まさか……」
つか「……私達って、祝福されていないのかなぁ……」
こな「そんな事無いよ!みんな……みんな祝福してくれてるよ!」
つか「……じゃぁ……なんで『嫌いだ』なんて……言われるの……?」
こな「それは……私にもわからな……ん?」
つか「……どうしたの?」
こな「あぁーーーー!!!」
つか「キャッ!な、何?」
こな「そうかそうか〜、すっかり忘れてたよ〜」
つか「何を?」
こな「さてここで問題です!今日は何月何日?」
つか「えっと……四月一日……あぁーー!そ、そっかーー!」
こな「そーゆーこと。だから、『嫌いだ』ってのは嘘って事だよ〜」
つか「よかったぁ〜。……あ、そうだ」
こな「ん?」
つか「こなちゃん!私の事、好き?」
こな「え?う……うん。好きだよ」
つか「……ふぇぇぇぇーーーん」
こな「え?何で?どうして泣くのぉ〜?」
つか「こなちゃんは……グズッ……私の事……ヒック……嫌いなんだ〜」
こな「な、なんでそうなるのぉ〜!?」
つか「だって……エイプリルフールだから……」
こな「……つかさ、もう日付変わってるんだけど……おまけに嘘ついていいのは午前中だけだし……」
つか「ほぇっ?……あ……」
こな「それに……」
つか「それに?」
こな「エイプリルフールだからって……つかさに嘘なんてつきたくないから……」
つか「……エヘヘ……なんか……恥ずかしいな……」
こな「……言った私も……恥ずかしいよ……」
SSの神様が下りてこなかったので小ネタにて失礼w
きゃああああああああエイプリルの書き込みしようと思ってたのに乗り遅れたあああぁぁぁ(´;ω;`)
ええいこの位のロスなら問題ないべや
午前限定はおろかもう1日ですらないけどしょうがないです、はい
えーと漏れゆたか×そうじろう好きになった!!
ああんもうつかこな不滅すぎて生きてるのが楽しい(´・ω・`)
、_
_____ \:ヽ、
\: : : :;: ̄::`=:‐-ヽ:.:`:=:‐::─::─-.、_
>'´.: : : : : : : :;/|: : :i:: : : : : : 、:: : : :`ヽ、
/:/..: : : : :/: :.;イ |: : |、::. : : : : : :、:: : : : :..\
/:/. . . . : : :/: :;/ | |: ::| 丶: : : :.、::.:\::: : . . ..ヘ
'´/. . . . . . _:_,'_;ノ | |: ::|`ー─-: . i.. . :.\.. . . ..ハ
´`ヽ/: : : : /: : :/: ::/ | |: :| ∨: : :|:: : : :、::\:.: : :}
/:;': : ::/: : :/'|:.:/ | |: :| ∨: :ト、:: : .:ハヽ:ゝ:: :|‐-、
/::/.: : ::l: : / |/ | ヽ:| l:\|:::\: : :|::: : : ::|
/:/: : : :::|: :∧ ,.=.、 .. . . . . . . ,.=.、、 |:: : : : :|::\:|::: : : リ
'"|: : : : :::|:/::::} :|l j:| : : : : : : : |l j:|; |:: : : :i:|:::::: : : :i::/
|: : : :.:::::;/:::,| ゛=" : : : : : : : :.゛=" |::i: : :|:|、:::::: : :l/
|: : :/|/|:.( | |::|: : :|:| ):::: : :|
|:/ |:::`l、 l ̄ ̄  ̄ヽ |::|i: :.:|リ'::::::|ヽ:| ええええ?起きたらもう4/2?
´ |: :::::::ヽ、_|___.. ._,}_ノ|/|: : :|::::::::::|
`ヽ:;/|:/ヽ::__;;〉 ̄ ,{;/ ,/ ヽ:/::::|\:|
___r===ュ__,ィ'´~ ̄`/'`ヽ"__,/ / ,ィ'⌒ヽ、
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|: /__,/'|o|:\_,//'" ̄`ヽ.〉 4/1ずっと寝ていたつかさ
/´ヽ:─::::‐::::−| ,ノ´`ヽ、r-‐'ヽ、─'´ /
r-‐/  ̄ヽ、 ( ,ノ´ヽ `}:: 〉" /
/"/:{  ̄ヽ、,〉─‐┐:|:( ,.ヘ ,ノ:: _,,/::ヽ. ,/{
662/747 圧縮注意
捕手
もう誰も居ないのかorz
「こなちゃん、掲示板に書き込むのってどうするの?」
「んーとね、まずmailに……… …で、書き込むを押せばおk」
「ありがとう、やってみる!」
-2時間後-
788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 03:25:45.44 ID:TkKn07j21
こなた「つかさだいすき」
つかさ「わあいわたしもだいすき」
-----------------
「…うぅ、恥ずかしいのと同時に虚しさが…」
「おお初カキコおめおめ。どれ何て書いたのかね」
「わわわごめんこなちゃん画面消しちゃった」
「え、いやつかさが手で隠してるだけのように」
「消し方わかんなくて…じゃなくて画面消しちゃったんだよぉ」
☆ゅ
ほちゅ
「「ケロッケロッケロッいざっすすーめー♪」」
「あんたらマイクふたつあるんだからわざわざひとつ共有せんでも…」
実際つかこなでカラオケ行ったらどんなの歌うんだろうな
こなたはアニソン一択なんだろうがwww
ほ
☆ゅ
「ゾーウさん、ゾーウさんオラは人気者〜」
「しっしんのすけぇぇ」
ゴールデンタイムの歌とか一緒に歌いそう。日曜朝とかのはつかさ起きてないだろうし…
つかさってアニソン以外何歌えるんだろう
女性アイドルの曲…
でもあまり知らなそうだなぁww
438 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/13(水) 01:28:52.26 ID:0NypScaa0
捕手
きっとパフィーとかミニモニとか
つかさの持ち歌を知って裏でこっそり振り付け練習するこなたん
つかこな「「かに〜た〜べ行こう〜」」
みゆ「完璧な振り付け……凄いですね……」
かが「連日二人で練習していたからね……」
☆
真聖堂本舗か
☆ゅ
んだば☆
つか「ある〜ひ」
こな「?」
つか「もりの〜なか」
こな「えっと……」
つか「こなた〜んに」
こな「ほぇっ!?」
つか「であぁ〜った」
こな「あ、あの……」
つか「はなさ〜く〜も〜り〜の〜み〜ち〜こなた〜んに〜で〜あぁ〜った〜」
こな「……つかさ……どっったの?急に……」
つか「えっとね〜、なんか歌ってみたくなっちゃったの」
こな「……あ、そう……」
│・ω・`) いきなり電波を受信してしまってな……スマヌ OTZ
☆ゅ
ほ
「お嬢さん、お待ちなさい」
「あ、うん何こなちゃん」
「ちょっと 落とし物ー、白い貝殻のー」
「小さな こなちゃん」
「小さなイヤリ…えっ、いやイヤリング」
「わーい私のこなちゃんだありがとー」
「毎回同じオチだよぉぉぉぉ!ノォォォ……(ズリズリ」
ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ〜
こな「ゆうや〜けこやけ〜のあかと〜ん〜ぼ〜」
つか「おわれ〜てみたの〜は〜いつの〜ひ〜か〜」
こな「私おんぶよ派じゃなくて抱っこ派だったんだよ〜」
つか「ふぇっ!?こなちゃん突然どうしたの?」
こな「えっと……『おわれてみた』ってのは『おんぶされて見ていた』って事なんだ……よ?」
つか「えぇぇぇーー!!そうなのぉぉぉぉーー!!!!???」
こな「う、うん」
つか「私ずっと巨大赤とんぼが追ってくるんだとばかり思ってた……」
こな「巨大ってところがつかさっぽいね〜アハハ……ハァ……」
>>452 鹿に追われトンボに追われつかさは動物や昆虫にも人気だなw
☆ゅ
744
☆ゅ
749捕手
641: 【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 6 (455)
457 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/30(土) 20:53:42.84 ID:xZbBoMioI
これはアメリカのゲームです。1度やってみてください。
これは、たった3分でできるゲームです。試してみてください。
驚く結果をご覧いただけます。
このゲームを考えた本人は、メールを読んでからたった10分で願い事が
かなったそうです。このゲームは、おもしろく、かつ、あっと驚く結果を
貴方にもたらすでしょう。
約束してください。絶対に先を読まず、1行ずつ進む事。
たった3分ですから、ためす価値ありです。
まず、ペンと、紙をご用意下さい。
先を読むと、願い事が叶わなくなります。
1)まず、1番から、11番まで、縦に数字を書いてください。
2)1番と2番の横に好きな3〜7の数字をそれぞれお書き下さい。
3)3番と7番の横に知っている人の名前をお書き下さい。(必ず、興味の
ある性別名前を書く事。男なら女の人、女なら男の人、ゲイなら同姓の名
前をかく)
必ず、1行ずつ進んでください。先を読むと、なにもかもなくなります。
4)4,5,6番の横それぞれに、自分の知っている人の名前をお書き下さ
い。これは、家族の人でも知り合いや、友人、誰でも結構です。
まだ、先を見てはいけませんよ!!
5)8、9、10、11番の横に、歌のタイトルをお書き下さい。
6)最後にお願い事をして下さい。さて、ゲームの解説です。
1)このゲームの事を、2番に書いた数字の人に伝えて下さい。
2)3番に書いた人は貴方の愛する人です。
3)7番に書いた人は、好きだけれど叶わぬ恋の相手です。
4)4番に書いた人は、貴方がとても大切に思う人です。
5)5番に書いた人は、貴方の事をとても良く理解してくれる相手です。
6)6番に書いた人は、貴方に幸運をもたらしてくれる人です。
7)8番に書いた歌は、3番に書いた人を表す歌。
8)9番に書いた歌は、7番に書いた人を表す歌。
9)10番に書いた歌は、貴方の心の中を表す歌。
10)そして、11番に書いた歌は、貴方の人生を表す歌です。この書き
込みを読んでから、1時間以内に10個の掲示板にこの書き込みをコピー
して貼って下さい。そうすれば、あなたの願い事は叶うでしょう。もし、
貼らなければ、願い事を逆のことが起こるでしょう。とても奇妙ですが当
たってませんか?
「そんなの関係ねぇ」
「そだねー」
☆
干し
ほ
し
ゅ
☆
つかこな
ほほほ
殆ど生命維持装置で延命状態ゾンビスレ
つか「こなちゃ〜ん……」
こな「なぁ〜にぃ〜?」
つか「……なんでもな〜い」
こな「……そっかぁ〜」
つかこな@ポカポカ昼下がり的な感じで
こなちゃん
うにょん
「んおはよぉつかさぁぁ…」
「こなちゃん眠そうだね…ふぁぁおはよー」
「つかさも眠そうじゃん、寝不足?」
「うん、いつもよりちょっと寝るの遅くって…」
「ちょっとネトゲ白熱しちゃってさ、布団入る頃には外明るくて」
「私も晩御飯食べた後クイズ番組見てたら遅くなっちゃって…」
「えっ」
「えっ」
☆
睡眠時間2倍以上の差か…
寝ている間に何かされても不思議ではない
寝ている間云々で
何故かつかさに色々と悪戯されるこなたが浮かんできた
・・・なにかがおかしい
そろそろこなちゃんおきちゃうかなぁ…?ペロペロ
うーんでもあと5分ダケー、ホントニー ペロペロ
1時間後
「いやー夏だねぇ、最近毎日寝汗でべとべたーだヨー」
つかささん、どれほど舐めまくってるんですか?
そしてこなたさん、本当に気付いていないんですか?
つかさ「こなちゃんの躰で舐めてないところなんてもうないから」
こなた「むぅ」
枚の好きだ〜ー!!
間違えた
平野好きだー
つかさとこなたの声優やってる人
どちらも可愛いよな。
つか「ねぇねぇ、こなちゃん」
こな「んー?」
つか「声優って、アニメとか映画で喋る人だよねぇ」
こな「そだよー」
つか「だよねぇ……」
こな「ん?どったの?何かのアニメか映画で気になる中の人でもいた?」
つか「……『中の人』ってなーに?」
こな「あぁ、声優さんの通称だよ」
つか「通称……そうなんだ」
こな「うん。んで?気になる中の人がいたの?」
つか「そうじゃなくって……なんか私とこなちゃんの『中の人』がかわいいって言ってる人がいるから……」
こな「それで私達の『中の人』が気になったと」
つか「でも……私、中に人なんか……」
こな「……まぁ、それはある意味正しい意見なんだけどさぁ……」
つか「……何で『中の人』がかわいいって言ってるんだろ……中に人なんか……ん?中に人!?そうか!!」
こな「……ど、どったの?」
つか「こなちゃん!ちゃんと責任取ってくれるよねっ!!」
こな「ふえっ!?せ、責任って……何を?」
つか「何をって……だって、中に、人がいるんでしょ……それもかわいいって言われる人が……お腹の中に!!!!」
こな「は、はぃぃぃぃぃ????」
つか「こなちゃん……グスッ……ごめんね……」
こな「な、なにゆえあやまるのですかぁっ!?」
つか「だって……グスッ……こなちゃんのお腹の中にも……スン……居るんでしょ?……私の……赤ちゃんが!!」
こな「えぇぇぇぇっっっっ????」
つか「こなちゃん、私頑張るから!私の赤ちゃんとこなちゃんの赤ちゃんが無事元気に育つよう、頑張るからっっっ!!!」
こな「……どうしてこうなった……」
どうして\(〓ω〓;.)/コナッタ
486 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/22(日) 02:24:28.01 ID:PJQvuKNy0
「つかさ、えっとここじゃまずいからあっちで」
「うんそだねー」
☆
「あ。こなちゃんほら、お腹蹴ってる」
「いやいやいや、仮に孕んでたとしてもまだ3日目で」
「名前は何がいいかなぁ、男の子ならこなたろう…うーん私の名前も入れたいなぁ」
「アノデスネ…かがみさん何か言ってやってくださいよ」
「何故私に振る。んー…仮に孕んでたとしてもって言ってたわよね」
「つまり孕むようなことはしたことがある、と」
「…………」
「……」
「…ハイ」
「…どちみち責任はとりなさいよ…」
489 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/24(火) 03:28:33.59 ID:U7eeXLYc0
「ひよりちゃんのお誕生日のクッキー焼けたよ」
「うかさはマメだね…」
「えへー、大丈夫こなちゃんの誕生日は新作ケーキ焼いてあげるから」
「むぅ、最近つかさのペースだ」
「いいの、だってつかこなスレなんだからね?こなちゃん」
「こなちゃん私たち移動しなけりゃいけないの?」
「アニメキャラ個別スレは5年縛りないから大丈夫」
490レスで334KB SS投下の威力は凄いけれど
もう続き書かないのかな
あと2時間半で
こなたの誕生日なので保管庫TOPは
以前913氏が投稿の絵に変更しました
>>491 スミマセヌ・・・
MP回復するまで少々お待ち下さいm(._.)m
494 :
1-724:2011/05/28(土) 00:00:44.71 ID:U3bN036d0
こなた誕生日おめ
495 :
1-724:2011/05/28(土) 19:20:57.88 ID:Ly9DCdn10
みゆき、ひよりスレ落ちてる中しぶといスレだな
つか「こなちゃん、お誕生日おめでとう!!」
かが「おめでとう!!」
みゆ「おめでとうございます!!」
こな「ありがとー!!!」
つか「今年のケーキはストロベリーショートケーキでーす!」
こな「うぉっ!さ、三段ケーキ!?」
みゆ「つかささん、今年は頑張りましたね〜」
つか「えへへ〜」
かが「さ、電気消すわよ」
つか「あ、ちょっと待って、ローソクに火をつけなくちゃ……」
かが「コホン。では改めて……」
つか・かが・みゆ「ハッピーバースディトゥーユー ハッピーバースディトゥーユー ハッピーバースディディアコナチャーン(コナター)(イズミサーン) ハッピーバースディトゥーユー」
こな「みんな、ありがとー」
つか「こなちゃん、早くローソクを」
こな「うん!せーの……フゥーーーーー!!!」
つか・かが・みゆ「おめでとうー!!」
本当はSS書ければよかったんだけどね……スマヌ
改めて、こなたん誕生日オメー!!!
497 :
ナハト:2011/05/28(土) 20:26:05.66 ID:Ad5MyrOTO
あ、コテ忘れてたwwwww
498 :
913:2011/05/28(土) 22:30:54.95 ID:a4StDdTa0
誕生日おめでとうこなたぁぁー!!
この時間帯はきっと今頃つかさと…ゴクリ
499 :
1-724:2011/05/28(土) 23:21:09.31 ID:45DZxE/y0
というわけで愛こそパラダイスのつかこな同人誌を読む
500 :
2-613:2011/05/29(日) 00:34:21.39 ID:3VJI2aaGP
きっとこの時間だとつかさが寝てしまってる。
「いつも早寝なのに昨日徹夜でケーキ作ってたって…」
「うにょー…ん…」
「どうしよう、この私の身長より大きいケーキ…さすがに半分以上残っちゃってるよ」
当然ゆーちゃんはみなみちゃんの家にお泊り、お父さんはホテルに缶詰というご都合展開。
「こなちゃん」
「ん?」
「保管庫の中の人最近放置気味だね」
502 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/29(日) 23:26:43.85 ID:d4hjiNmU0
ひよりスレもみゆきスレも漫画キャラ板か
CPスレは漫画キャラに立てても漫画サロンへ移動させられるんだよな
「やっと完食しますた」
「ありがとうこなちゃん、流石にちょっと作りすぎかなって反省アンラッキー…」
「いやいやつかさの愛が伝わったよ!それを全部受け入れる(胃袋的な意味で)のも婿の務め!」
「こ、こなちゃーん!」
ガチャッ
「いやー何故かホテルに缶詰にされてたけどこなた、ケーキ買ってきたぞー」
「みなみちゃんやゆかりおば…お姉さんからこなたお姉ちゃんのお祝いにケーry」
「 」
「貧乳はステータスだ希少価値だ」
「ステータスかぁ…レベルアップしないのかな?」
「…いやー胸の経験値が足りないからレベルアップしないというか」
「じゃあ経験値貯めないとね」ガタッ
「あ、ごめん今のナシいやナシだからナシなうわぁぁぁぁ」
LvUP!
ひんぬーのステータスレベルが上がったら
みなみちゃんに近づくような気がs
おや?電話だ。誰だろう?
506 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/03(金) 00:12:24.56 ID:5Ye8KEMd0
「むぅ、いよいよ潮時か」
「そだねー、このタイミングで塩入れるべきだよねー、ゆで枝豆は」
>>505 無茶しやがって…
「てことで早速潮干狩りに来てみたヨ」
「あのねこなちゃん、こうやって立ってて潮が退いたら…」
ザザザー…ゾワゾワゾワ
「立ってるとこの砂がなくなっていってゾワゾワでかるちゃぁー!」
「楽しそうだねつかさ」
508 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/05(日) 01:47:23.08 ID:GVB/jnDG0
「こなちゃんクリック」
「ひゃう」
509 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/06(月) 01:01:09.59 ID:BnTsu2Ge0
☆
「今日はとっても楽しかったね 明日はもっと楽しくなるよね ねっこなちゃん」
「へけっ」
511 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/08(水) 00:15:21.48 ID:Hitw4NVV0
☆
ほ
「Zzz…」
「ZZZ」
「遊びに来て早々二人で昼寝かい」
苗木シリーズ続き読みたい〜m(_ _)m
☆ゅ
517 :
ナハト:2011/06/11(土) 18:44:35.00 ID:jg7KeXVkO
>>515 長期間の放置スミマセヌ・・・m(._.)m
MP回復したので来週中にはなんとか投下できそうです
なのでもう少々お待ち下さいませ
518 :
1-724:2011/06/12(日) 02:33:09.11 ID:vuyofvbR0
「「おかあさん誕生日おめでとう」ございます」」
「えっと?こなたちゃんも?」
☆
520 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/15(水) 05:50:35.60 ID:6F4vkpE10
♪
てs
関係が深まったカップルは目で会話すると聞いたことがあります。
最近つかささんと泉さんは目だけで会話しているように覗えます。
これはつまり…
「あの、つかささん泉さん。失礼ですが二人の関係はどこまd」
「んふー。何時間見つめててもつかさマイラーブ」
「こなちゃん…はぁこなちゃぁーん」
…どうやら会話していたようではなく、ただ見つめあっていたようです。
こちらピンクスネーク、調査を続行します。
深夜のノリで書き込んだのを見直したら色々酷かった
524 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:17:42.96 ID:l93nd1Kw0
どもども
続きがようやく書き上がったので投下します
タイトル
dear −Section17「育ち始めた苗木」 Part.2
本文8レス使います〜
525 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:18:41.82 ID:l93nd1Kw0
「『……ムダだから。それじゃ、サヨナラ』……ふむ、こんな感じかなぁ?」
みゆきさんに「置き手紙を書いておいた方が良いですよ」って言われたから書いたけど……こんなことをしてもムダなんじゃないかなぁ〜
……特におとーさんが相手じゃ……ねぇ
『お姉ちゃん……ちょっといい?』
そんな事を考えていると、不意にドアがノックされてゆーちゃんの声が聞こえてきた。
「いいよ〜、どーぞー」
『あ、あのね、ちょっと……居間まで来てもらいたいんだけど……』
「ん……?わかった〜、ちょっと待ってて〜」
机の中に手紙を仕舞い、ドアへと向かう。
……居間に何があるんだろ……お菓子でも作ったのかな?
なんて……まさかね
dear −Section17「育ち始めた苗木」 Part.2
「おまたへ〜。……ぬぉぅっ!」
「えへへ〜。どう?凄いでしょ〜」
私を出迎えたのは、笑顔満開のゆーちゃんとガラスの大皿に乗っかっている直径約二十五センチのフルーツゼリー。
梅雨の終わりで蒸し暑い今日にピッタリのデザートだ。
「みかん、桃、パイナップル、マンゴー……随分と頑張ったね〜」
「なんか急に作りたくなって、缶詰探したらいっぱいあったから……つい」
「いやいや、今日みたいな日にはこれくらいの方が丁度良いよ〜」
「そぉ?良かった〜。じゃぁ取り分けるからそこに座って〜」
いそいそと椅子に座り、ゆーちゃんが取り分けたゼリーを掬って口に入れる。
「ん〜!うまい!」
「本当に?果物多過ぎる感じはしない?」
「全くもってもーまんたいだよ〜」
「じゃぁ私も……。うん!美味しい!!」
「ちょっ!『うん!』って!もしかして私毒味役!?てゆーかそんなに自信無かったの?」
「うん……。ほら、フルーツ入れすぎちゃったかな〜って思ったから」
「あ〜、確かにね〜。ゼラチンが固まるかどうか心配になる時あるよね〜」
「あ、お姉ちゃんでもそうなんだ」
「伊達にゆーちゃんよりも料理歴は長くないからねぇ。生のパイナップル使った時なんか悲惨でさぁ〜」
「ゼラチンが固まらなくなっちゃうんだよね〜」
「おとーさんが居ない間に作っておいて、デザートにサプライズで出そうと思ったんだけど見事に固まらなくってさぁ〜」
「その時はどうしたの?」
「えーっと、悪戦苦闘している間におとーさんが帰ってきちゃって、そのあとは……どうしたんだっけなぁ?」
「そのままゼリー風スープとして飲んだんじゃなかったかな」
むぅ……
「あ、おじさんも食べますか?」
「そうだな……丁度区切りも良いし、頂くとしようか」
「じゃぁ取り分けますね〜」
折角美味しく食べてたのに……
526 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:19:06.64 ID:l93nd1Kw0
「それじゃ、頂きまーす。……うん!美味しい!!」
「本当ですか?」
「本当だよ、お世辞抜きで美味しいよ。な、こなたもそうだろ?」
「……うん……」
「……こなた?」
「……おとーさんが来なければ、もっと美味しかったんだけどね」
「ははは……こりゃ参ったなぁ」
目の前には一口だけ食べたゼリー。
残すのは非常に勿体ない。
「……私、自分の部屋で食べるね」
「ちょっと!お姉ちゃん!?」
「ゆーちゃん、ごめんね。私、おとーさんと一緒には食べたくないんだ」
「……俺も、随分と嫌われたもんだな……」
そんな事……当たり前じゃん……
心の中でそう呟いて立ち上がる。
と、ゆーちゃんが不意に声を上げた。
「お姉ちゃん、ちょっと待って!」
「……何?」
「……聞いてもらいたい事があるの」
「今?」
「うん」
「ここで?」
「そう。だから、取り敢えず、座って」
「う……うん」
ゆーちゃんの顔はまるで何かを決意したかのように真剣な表情だ。
流石にこんな顔をされちゃ、おとなしく従うしかない。
「……それで?」
「お姉ちゃん……今までずっと、おじさんを避けてたよね」
「そりゃぁ……まぁ……」
「……一度で良いから……おじさんの話を……聞いて……お願いだから」
ゆーちゃんは今にも泣き出しそうな顔で懇願してきた。
それに対する答えは一つしか見当たらない。
「……わかった。それじゃ……おとーさん、どんな話?」
私は一応おとーさんの方を向き、話を聞く体勢に入る。
……まぁ、大した内容じゃないだろうな〜
私がそう思っていると、おとーさんはやおら椅子から立ち上がり床に正座した。
この体勢って……まさか!?
「こなた……スマン!!おとーさんが全部悪かった!!」
……え?
なんで……今頃?
しかも土下座までして……
527 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:19:32.10 ID:l93nd1Kw0
「おとーさん……それは、私達が付き合うのに反対した事?」
「それともう一つ……つかさちゃんとかがみちゃんが休学した事についても……」
「ふーん。……で?それを聞いた私はどうすればいいのかなぁ?……泣けばいいの?それとも……怒ればいいの?」
おとーさんは黙ったままだ。
それが余計癪に障る。
「ねぇ、私は聞いてるんだけど。それとも今ので話はおしまい?なら部屋に戻ってもいいよね」
「あ、いや……その……聞いてほしい事が……」
「ん?何?聞いてほしい事?さっきの事について?なら私は聞く気は無いから」
私は突き放すようにそう言って立ち上がると、ゼリーを持って扉へと向かう。
すると小さな人影が扉の前に立ちはだかった。
「お姉ちゃん!おじさんの話……まだ終わってないよ!」
「ゆーちゃん、どいて。どーせ大した事無い話しなんだろうからさ、聞いても無駄な事は聞きたくないんだ、私」
「聞きもしないでなんでわかるの!?」
「な・ん・で・も。だからさ、そこどいてもらえるかな?」
「嫌!!」
「……と・お・し・て!」
「絶対に、嫌!!」
「なんで?」
「だって!おじさんの話しが終わってない!!」
ふぅ……強情だなぁ〜
「じゃぁいいよ。おとーさんの部屋を通って出るから」
そう告げてゆーちゃんに背を向けようとしたその時
パチンという乾いた音とお皿の割れる高い音が部屋に響き
強い痛みと衝撃が私の頬を走った
「お姉ちゃん!!!なんで……なんで逃げようとするの!?」
「ゆー……ちゃん?」
ゆーちゃんは泣いていた。
泣きながら、私の頬を叩いたのだ。
「おじさん……おじさんが可哀相だよぉ……」
「かわい……そう?」
「グズッ……おじさん……ずっと……ヒック……なかなおり……したかったんだよ!!それ……なのに……」
「なか……なおり?私……と?」
「そうだよぉ……ずっと……ずっと……そう思ってたんだよ!それなのに……それなのに……ウワァァァァーン」
「ゆーちゃん……」
仲直り……?
おとーさん……が?
どう……して?
「こなた……ちょっと、見てもらいたい物があるんだ。……ゆーちゃん、アレは何処かな?」
「ヒクッ……グズッ……あ……ここ……です……」
ゆーちゃんは泣きながらもポケットから紙を取り出しておとーさんに渡した。
おとーさんはそれを拡げると裏返しのまま渡しに差し出した。
「……これを見たうえで、俺の話しを聞くかどうか、判断してくれ」
528 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:20:07.73 ID:l93nd1Kw0
一体何が書いてあるんだろう……?
恐る恐る紙を表に返す。
……!!
「え……こ、これって……」
それは私がゆーちゃんに渡した『誓約書』だった。
私が作った『誓約書』
どうすれば私の本気が皆に伝わるか
何度も何度も練り直して作った……
私の分身とも言える物
「こなた……そこになんて書いてあるか読めるよな」
言われなくてもわかる
だって、私の瞳は、瞬きを忘れる程にそれを注視しているのだから
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「誓約書」
私は、柊つかさと泉こなたが駆け落ちする事を認めると共に、部外者へ口外しないことを誓います。
署名 泉そうじろう
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「あの……さ、ちょっと聞きたいんだけど」
「ん?」
「なんで……おとーさんの名前がこの紙に書いてあるの?てゆーかさ、いつどこで手に入れたの」
「昨日、ゆーちゃんからだ」
「それじゃ……ゆーちゃん」
「グスッ……何?」
「なんで……これを……おとーさんに渡したの」
「それは……一昨日の夜中に……おじさんの話し声を聞いたから……」
「話し声?おとーさん、誰と話していたの?」
「……かなたと話していたんだ」
「……はぁっ!?」
私は思わず目を点にしていた。
よりによっておかーさんと話していただなんて……
一体この人はどれだけ私を馬鹿にすれば気が済むのだろう?
「まぁ、信じられないよな。だが、事実なんだ」
「何を言ってるのさ!ふざけるのも大概にしてよ!!」
「お姉ちゃん、おじさんはふざけてなんかいないよ!だって、私聞いたんだもん!!」
「ゆーちゃん、それって本当におとーさんとおかーさんだったの?」
「あ、えと、私が聞いたのは『誰かと話しをしているとしか思えないおじさんの声』だから……かなたさんかどうかはわからないんだけど……」
「……やっぱり!ゆーちゃん騙されてるよ!!おとーさんの小芝居に引っ掛かったんだよ!!!」
「え……でも……私がたまたま喉が渇いて水を飲みに行った時に聞いたんだよ?」
「おとーさんの事だから、ゆーちゃんが戻ってくるタイミングでそんな事したんだよ!全く……なんでそんな事するのさ!!」
「い、いや!断じて嘘じゃない!誓ってもいい!!」
「じゃぁ証拠を見せてよ!!嘘じゃないって言うんだから証拠の一つくらいあるんでしょ!!」
「……証拠は……無い。だがな!」
「……もういいよ……そこまでして私達を引き裂きたいんでしょ、だからもうこの話しは終わりにしようよ。私の気持ちは変わらないんだから」
「こなた!!!」
529 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:20:39.59 ID:l93nd1Kw0
私はおとーさんとの話しを切り上げ立ち上がり、ドアの方へと向かう。
今回ばかりはゆーちゃんも私を止める気は無いみたいだ。
「……それじゃ」
一言残しドアを開けようとしたその時、ガタンという音が室内に響いた。
「……今の音は何?」
「おじさんの部屋から……だよね」
「あぁ。だがそんな音を立てるようなモン無かっ……、……こなた、ちょっとこっち来て見てみろ」
「ぁん?なんでそんな事しなきゃいけないの?」
「いいから見るんだ!」
ちょっ、そんな大声ださなくても……
はぁ……やれやれ、じゃぁ見てみますかね……
「何を見ろっての?」
「……あそこだ」
おとーさんが指で示した場所を見ると、細く黒い物が転がっていた。
あれは……
「お……おかーさんの……位牌?」
「……あぁ」
おとーさんはゆっくりと近寄り、位牌を優しく拾い上げた。
でも……なんで?
誰も……触っていないのに……
「多分、かなたじゃないかな」
不思議そうにしている私を見て、おとーさんがそう告げた。
「おかーさん……が?」
「あぁ……俺の言った事は本当だって……言いたいんじゃないのかな……」
そう言って位牌を元に戻し、蝋燭を点けお線香を立てた。
その炎は風も無いのに大きく揺らぎ、煙りはまるで私を心配するかのように室内を舞っている。
「おかーさん……本当に、おかーさんなの?」
私が問い掛けると、室内に拡散していた煙りがゆっくりと私の周囲に集い、それは首から胸にかけて纏わり付いた。
まるで、後ろから抱きしめるかのように……
「おかーさん……おかーさん!……おかーさぁーん!!!」
気付けば私は立ち尽くしたまま泣いていた。
掴むことの出来ない煙りに手をかけ、そこにあるはずの無い温もりを求めて……。
「こなた……」
優しい声と一緒に、大きくて、暖かくて、安心できる温もりが私を包んだ。
「お……とー……さん?」
「このままで……かなたと何を話したか……聞いてもらえないか」
「……うん……」
530 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:21:13.30 ID:l93nd1Kw0
おとーさんは一昨日の晩にあった事を淡々と話した
余計な感情を加えないよう、静かに、でも、はっきりと
「……というのが、俺が話したかった事だ。スマンな……突拍子もない話しで。……こなた?」
「ウゥッ……グズッ……」
私はどれだけ愚か者なんだろう
おとーさんはこんなにも心配してくれているのに
話しもろくに聞かず悪者に仕立てあげるなんて
「こなた……」
「お……グズッ……おとーさん……ごめ……ウグッ……ごめんなさい……」
「……もう良いんだよ、俺が悪かったんだから……こなたは悪くない……悪くないんだよ……」
「おとーさん……エグッ……おとーさぁぁーーーん!!!」
「よしよし……」
おとーさんの腕の中
私が一番好きな場所
ずっと……ずっと……
欲しかった……温もり……
悲しい時や辛いとき……私は必ずここにいた
こんな大切な場所を……自分勝手な理論で遠ざけるなんて
私は……本当に……愚か者だ
「……落ち着いたかい?」
「……うん……ありがと……おとーさん、ごめんね……」
「いや、さっきも言ったがこなたは全く悪くないよ、悪いのは俺の方なんだから」
「でも、でも、……私がもっとちゃんとおとーさんの話しを聞いてれば良かったんだし」
「だが、その原因を作ったのは俺なんだからさ」
「だけどさぁ……」
「はいはいはいはいはいはい、お姉ちゃんもおじさんもそれくらいにしておいたら?このままじゃ明日の朝になっちゃうよ」
話しが堂々巡りになりそうになったところで、ゆーちゃんが手を叩きながら私達の間に入ってくれた。
ふぅ……正直いつ退こうか迷っていたから有り難かったよ……
「あ、そ、そうだな、うん」
「そ、そだねー、うん」
「じゃぁ、仲直りの握手……じゃぁなんだからハグ……もさっきしちゃったねぇ……」
「そだねー」
「うーん……あ、そうだ!ちょっと待ってて、良いこと思い付いたから!」
良いこと……?
てゆーか別に何かをしなくてもいいんじゃないのかなぁ〜
そんな事を考えていたら、ゆーちゃんが満面の笑みを浮かべて両手に何かを持ちながら近づいてきた。
「はい、一つずつどーぞ」
「……ゼリーを一緒に食べて仲直り……てな感じかな?」
「うーん……半分当たりです」
「半分……?」
「はい、半分です。正解は……『あーん』で仲直り、でーすっ♪」
「「ぬぁっっ!?」」
おぅ……思わずハモっちゃったよ……
てかそれなんて罰ゲーム!?
531 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:21:37.92 ID:l93nd1Kw0
「さ、遠慮なくどーぞ♪」
「遠慮なくって言われてもさぁ……」
「ゆーちゃん、流石にこの歳になるとするのもされるのも小恥ずかしいんだけど……」
「そう言わずに……仲直りなんですから」
あうぅ……そんなキラキラした眼差しで見つめないでおくれよ……
はぁ……仕方ないなぁ……
「それじゃ……おとーさん、あーん」
「えぇっ!?本当にやるのかぁっ!?」
「だって……多分やらないとゆーちゃんが許してくれないよ?」
「そう……なのか?」
「はい♪勿論ですよっ♪……あ、そうそう。お互い同時でお願いしますね♪」
「……わかった。じゃぁ……こなた」
「「あーん……パクッ……」」
「……はい、よくできました〜♪これで完璧に仲直りですねっ♪」
「「ソウデスネー」」
「ムッ……そんな言い方するんだったら、もう一回してもらいますよっ!」
「はぇっ!?あ、んと、うん!仲直りだよー!ねっ、おとーさんっ♪」
「あ、ああ!そうだとも!完璧に仲直りしたぞー!」
「……本当ですか?」
「うん!ホントホント」
「間違いない、俺が保証するよ」
「フフッ……それなら良かったです♪」
「ちょっとゆーちゃ〜ん、目が笑ってないよぉ〜」
「えぇ〜?そんな事ないですよぉ〜……クスッ」
「いやいや、俺が見てもそう思うぞ、うん」
「そんなぁ……おじさんまで……」
「フフフッ♪お返しだよん」
「ハハハッ、俺もこなたに同じくだぞ〜」
「もぉ……プッ……」
「……エヘヘッ……」
「……ハハハッ……」
「「「アハハハハハハハ……」」」
……こんなに大声で笑いあうのも……久し振りだなぁ……
おとーさん、ゆーちゃん、ありがとう
……あと……おかーさん……
……仲直りの手助けをしてくれて……ありがとう……
私は部屋に残った煙りを見ながら心の中で呟いた
すると煙りはまるで意思を持っているかのように集まり、一瞬でその場から消えた
「……やっぱり、かなただったのかな……」
「うん、そうだよ。間違いないよ」
「お?随分と自信タップリだなぁ」
「ま〜ね〜」
だって……聞こえたんだもん
消える瞬間……
「いつでも私はこなたの味方だからね」
って言う小さな声が……
532 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:21:57.07 ID:l93nd1Kw0
◆
「ところで、だ」
ゼリーを食べながら久し振りの団欒を楽しんでいると、唐突におとーさんがそんな言葉を発した。
「細かいところまで聞いていないからわからんのだが……『計画』では一体何時頃に停電が起こるんだ?」
「えっと、午後九時丁度ですよ」
「そして、停電が起きたら……」
「私が混乱に乗じて家を抜け出し、外の通りで待ってるみゆきさん達と合流して、つかさとの待ち合わせ場所まで行く……って流れだね〜」
「成る程……えっと、今は……まだ三時半か……」
そう言ったきりおとーさんは考え込んでしまった。
ん〜、説明どこかおかしかったかなぁ〜
「こなた」
「な〜に?」
「……今から、高良さんに連絡してもらえないか?……家に来てほしいと」
「おっけ〜。……って!えぇぇぇぇぇーーーーーー!!!!!」
「お、おじさん……本気、ですか?」
「あぁ、本気だとも。……二人共、よく考えてみな?もし俺が知っている事を伏せたまま『計画』を実行したら……どうなると思う?」
「どうって……」
「特に何も変わらないと思うんですけど……」
「最初は、な。だがもし、後々何かの拍子にこの事を知ったら……」
あ……そうか……
「……皆さんとの関係が……」
「……完全に壊れる……」
「その通りだ。だからな、俺は先に全てを知らせておいた方が良いと思うんだ」
「……うん、わかった。じゃぁ……電話するね」
とは言え……どうやって伝えよう?
『おとーさんに知られた』……いやいや、これはまずい
『おとーさんが呼んでる』……これも、なんか違うなぁ〜
私が電話を前に思案していると突然おとーさんに声をかけられた。
「こなた」
「な、何?」
「高良さんには『おとーさんが謝りたいって言っている』と伝えてくれ」
「ほぇっ!?あ、謝る?どうして?」
「……親として、お前にできる最後の『けじめ』として……かな」
「『けじめ』?」
「あぁ、そうだ。ほれ、早くしないと時間が無くなるぞ」
「あ、うん。じゃぁ……そう伝えるよ?」
「頼んだぞ」
私は意を決して電話に手を伸ばし、みゆきさんの番号を選んで外線ボタンを押す。
受話器の向こうからコール音が数回聞こえ、次いでみゆきさんの声が聞こえた。
『はい、高良です』
「あ、みゆきさん……ちょっと良い?」
『あぁ、泉さん。どうかされました?』
「あのね……」
続く!!
533 :
ナハト:2011/06/18(土) 00:27:50.07 ID:l93nd1Kw0
以上です
仲直りさせるのが非常に難しかった・・・orz
てか脳内で勝手に動きすぎだよ@登場人物諸君
あ、そうそう
今回のタイトルでわかると思いますが、前回のタイトルを
dear −Section16「育ち始めた苗木」 Part.1
に改めさせていただきます
一応、残り本編2話とエピローグ1話となっておりますので、完結まではもう少々お待ち下さいませ〜
次の投下は・・・なるべく早めに出来るよう頑張ります
ではでは ノシ
534 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/18(土) 02:48:38.63 ID:sdRQtTGD0
大抵は過放電や過充電出電圧下がりすきてて不良電池とはねられる
普通簿jy通則充電器は400から1000mA」流すので不良電池のチェックが厳しい
セリアのは単純に3分の1から8分のいち位の電流をかける
時間はかかるが発熱も小さく多少充電時間越えても大きな問題はない」
あくまでも
個人的な感覚だが指定時間の2割り増しぐらいがいいよう
震災起こって以来久々の投下か
乙
537 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/20(月) 00:57:47.61 ID:6gZ/mdnT0
☆ゅ
>>533 どこのらきすたスレももうほとんどSS見かけなくなってるだけに貴重だ
ガンガレ
>>533 投下お疲れ様でした〜m(_ _)m
今回もストーリーに引き込まれました。次回も楽しみにしてます。
こな「梅雨ですなぁ〜」
つか「そだねぇ〜」
こな「梅雨といえば?」
つか「え!?えっと……キ、キューリ!!」
こな「……はいっ!?」
つか「ふぇっ!?な、なんか変だったかなぁ?」
こな「いや、変ってゆーか……ナゼにキュウリ?」
つか「だって……梅雨といえばってこなちゃんが言うから……」
こな「いや、それはそうなんだけど、じゃなくて何で梅雨といったらキュウリなのかなぁ?」
つか「えっとねぇ、梅雨で〜、雨で〜、レインコートで〜、キューリ〜」
こな「ハァ……つかさのその思考回路にはいつも驚かされるよ……」
つか「……?」
541 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/24(金) 22:48:24.98 ID:hMHx4sZV0
うにょん
「今日はこなちゃんとデートだぁ〜」
「よかったわねつかさ」
tellll...telllll....
「あ、こなちゃん!」
『つかさごめん…今外出てみたんだけど暑くて一歩も出れませんヨ』
「えぇっ!?そんなぁ楽しみにしてたのに…じゃあ私がいくよぉ」
「あいつは相変わらずねぇ。気をつけていってきなー。」
「いってきまーす!」
ガチャッバタンテッテッテ… …ッテッテッテガチャッバタン
「ただいまー…暑くて外に出られないよぉ…もう今日は電話デートで…」
『デスヨネー。んじゃネトゲでもしよっか』
「こっこいつら…」
〜浴場にて〜
「つかさ、つかさ、見てみて!ジョーズジョーズ!」ザブンッ
「わぁこなちゃんのあほ毛がヒレみたい!」
コポコポコポ…ドプドプコポッ
「え、何これ血…あううわぁぁぁこなちゃぁぁん!!」
こなたの身に何が起きたのか!?もしくは一体何を目撃したのか!
544 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/29(水) 11:55:42.27 ID:sIvpK2QI0
☆
ほ
546 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/02(土) 02:24:38.76 ID:i3qWAD9J0
☆
「暑いよー…」
「そんな時にはコレ!涼しくしてくれる霧状スプレー・スズシナールZZ!」
「わぁ凄いねそんなのあるんだー!かけてかけてー」
「よーしじゃー腕あげててねー」
プシュプシュー
「わわわ、こなちゃん胸にばっかりかけるのやめてよー!」
「ぬぅ、この程度の水霧では透けぬか!おのれ!」
「もー、次私の番だからねー。えーいっ」
「なにをするきさまー!」
〜30分後、授業中〜
「・・・・・・」
「・・・・・・」
((胸元だけやたらスースーして変な感じ…))
548 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/04(月) 02:03:18.34 ID:rW9yb+pA0
つかさはともかくこなたはノーブラ・・・
549 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/06(水) 01:26:19.04 ID:XYQIBrgB0
☆
「せ、先生胸が寒いので保健室行ってイイデスカ」
「何や泉間接的な意味でか?保健室行ってもどないもならんでー」
「セクハラだー!ううう訴えてやる!」
「あのー黒井先生…私も胸が寒いので保健室行っていいでしょうか…」
「ははぁん。まぁほどほどにしときや」
「凄く誤解を生んだような気がする」
551 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/06(水) 23:27:59.47 ID:ynqQcHX20
寝おちしそう
フライングでつかさとかがみ誕生日おめでとう
552 :
1-724:2011/07/07(木) 00:01:05.75 ID:p70UQnMq0
おめつかこな
553 :
ナハト:2011/07/07(木) 22:46:08.13 ID:rKTNo3oBO
お誕生日SS・・・
なのかどうか怪しいけど投下しまーす
554 :
ナハト:2011/07/07(木) 22:46:53.01 ID:rKTNo3oBO
誕生日
私がこの世に産まれた日
小さな頃はそれを特に意識した事は無かった
プレゼントを貰えて、いつもより少しだけ豪華な食事が食べられる
その程度にしか
でも、今は違う
だって……大切な人が祝ってくれるから……
《似ている二人》
「泉さん、飾り付けはこんな具合で良いですか?」
「おぉ!さっすがみゆきさん!センスあるねぇ〜」
「そ、そうですか?」
「うんうん、私のイメージ通りだよん♪」
「後は何をすればよろしいですか?」
「あとはねぇ……うーんと……もうないかな〜、笹を飾るのは二人が来てからだし」
「では一先ず小休止ということで」
「コーヒーでも飲んで二人を待ちますか〜」
☆
同時刻 駅前ロータリー
えーっと、つかさは何処かな〜
「あ!おねーちゃーん!!こっちこっちー!!」
……全く、もう二十歳なんだから少しはそういった行動を慎みなさいよね……
「お待たせ」
「待ったよぉ〜」
「仕方が無いじゃない……車両点検で電車が止まっちゃったんだから」
「あぁ、そうだったんだ〜。だからなんかアナウンスしてたんだね〜」
「……それを聞いていたのなら、私が遅くなるのも予想できたと思うんだけど?」
「……」
「何故そこで黙る?」
「……全然気付かなかった。テヘッ♪」
「テヘッじゃないでしょ……全く、ホント最近似てきたよね〜」
555 :
ナハト:2011/07/07(木) 22:47:35.48 ID:rKTNo3oBO
☆
「ほぇっ!?似てきたって……誰に?」
「自覚していないのですか?」
「うん。全く」
「……そ、そうですか……」
「あ!もしかしておとーさん?」
「いえ、違います」
「じゃぁ……ゆーちゃん……んなわけ無いし……ハッ!もしかしてゆいねーさん!?」
「どちらも違いますね」
「むぅ……じゃぁ誰だろう……」
……腕を組んで悩んでいる所を見ると、本当にわからないようですね
私やかがみさんからしたら、すぐに判る程似てきているんですけど……
あらあら、両手を上げているということは降参ですか?
仕方がありませんねぇ……
「泉さんが似てきた人は……」
☆
「えぇっ!?私そんなに似てきてる!?」
「多分みゆきも私と同じ意見を言うと思うわよ……実際仕種とかそっくりじゃない」
「そう……かなぁ?」
ほら、その考える時の手の動き、首の傾げ具合、誰が見たってそっくりじゃない
「でも……エヘヘ……嬉しいな……」
「……そう?」
「そうだよ。だって……似てるんでしょ?」
☆
「えぇ、そうですけど……」
「だからだよ〜。だってそれって夫婦みたいなもんでしょ〜?」
「夫婦……まぁ、そうですね。長年連れ添った夫婦は似てくると言いますし」
「……ねぇ、みゆきさん。私達が付き合い始めてからどれくらい経ったと思う?」
「確か……高校三年生の時の……」
☆
「こなたの誕生日からだから……二年とちょっとか。でもそれって何か関係有るの?」
「大有りだよ〜。だって付き合い始めてからまだそれだけしか経ってないんだよ〜。それなのに夫婦みたいなんでしょ〜?」
「ん〜、まぁ、そうとも言えるわね」
「だから嬉しいんだよ〜」
「……私はまだ誰とも付き合った事が無いからわからないけど……そんなモンなの?」
「そんなもんだよ〜」
……随分と嬉しそうにしてるわね
てことはやっぱそんなモンて事か……
あ、そうだ
「ねぇ、つかさは短冊になんて書くの?」
556 :
ナハト:2011/07/07(木) 22:48:53.76 ID:rKTNo3oBO
☆
「泉さんはなんと書かれるのですか?」
「えぇ〜?今それ聞くのぉ〜?」
「はい♪だってお二人が来たらこんな事聞けませんから」
「みゅぅ〜、……絶対に秘密だよ」
☆
「はいはい、ちゃんと約束するから。で?なんて書くの?」
「えっと……ちょっと恥ずかしいんだけどね……」
「こなちゃんと「つかさと」ずっと一緒にいられますように」
「……って書く予定。みゆきさん、絶対に言っちゃダメだからね!」
「勿論ですよ」
フフッ、泉さんったらあんなにも顔を真っ赤にして恥ずかしがるなんて……
でも……素敵な願い事ですね……
正直、とても羨ましいです
「お!そろそろ着くかな〜」
「あ、そうですね。では、お出迎えの準備でもしますか?」
「……準備?」
「あら?泉さんはやらないのですか?」
「……何を?」
「エプロン一枚の恰好で……」
557 :
ナハト:2011/07/07(木) 22:50:41.55 ID:rKTNo3oBO
☆
「お帰りなさい、お風呂にしますか?ご飯にしますか?それとも……なんてね」
「えぇ〜!?いくらこなちゃんでもそんな事は……しないよぉ〜」
「ハハッ、わかってるって。……でも今一瞬考えたでしょ」
☆
「え、や、それは、その、あの」
「ウフフ、恥ずかしがらなくてもいいんですよ」
「べ、別に恥ずかしがってなんか……」
「あら、じゃぁ今からやってみますか?」
「も、もぉ!みゆきさん、そのくらいにしないと怒るよっ!!」
少々名残惜しいのですが、泉さんをからかうのはこれくらいにしておきましょうか
丁度足音が聞こえてきましたし
◆
誕生日
大切な人がこの世に産まれた日
小さな頃はおとーさんがその対象だった
だからそれを特に意識した事は無かった
プレゼントをあげて、いつもより少しだけ豪華な食事を食べる
その程度にしか
でも、今は違う
だって……大切な人を祝う事が出来るから……
「つかさ!そして他一名!!お誕生日おめでとう!!!」
おしまい!!
558 :
ナハト:2011/07/07(木) 22:51:13.51 ID:rKTNo3oBO
おまけ
「だからなんで毎年毎年アンタは私の名前を省略するんだ?」
「いやー、何となく……」
「こなちゃん!」
「な、なーに?」
「私の誕生日はお姉ちゃんの誕生日でもあるんだよ!だからちゃんと名前で呼ばなきゃダメだよ!」
「あ、えと、その、一応お約束って事で……」
「それだとしてもダメだよ!!」
「は、はぁ〜い。……では改めて、かがみ、お誕生日おめでとう!」
「あ、ありがとう……」
「はい、よくできました♪」
(ねぇねぇ、みゆき)
(なんですか?かがみさん)
(あれってさ、所謂『尻に敷かれている』ってやつ?)
(……近しい物ではないかと)
(ハァ……こりゃ完璧に『夫婦』ですなぁ〜)
(フフフ……そうですね)
おまけおしまい!!
559 :
ナハト:2011/07/07(木) 22:51:58.64 ID:rKTNo3oBO
以上です
改めて・・・
つかさ他一名!お誕生日おめでとう!!!
560 :
913:2011/07/07(木) 22:54:57.30 ID:UVsXKOaU0
誕生日おめでとうつかさ!&かがみん!
「つかさ、もう短冊書いた?」
「うぅんまだー。願い事がなかなか書ききれなくって…」
「へーつかさって意外と強欲なんだねぇニヨニヨ」
「うんちょっとね…あ、そっかぁ」
「んお?アホ毛に何か…って短冊?」
「うん。これが一番いいかも」
「見た感じ白紙っぽいけど…うーむむむつかさの癖に難しいことを」
「えへへ、こなちゃんにはわからないよー」
「な、なにをー!」
その後何時間か考えてたそうです。短冊つけたまま。
561 :
913:2011/07/08(金) 03:16:20.93 ID:HF2Dugl+0
更新せずに書き込みしたので危うく間に入るところでした危ない('A';
>>553 つかさ他一名誕生日おめでとう!
つかさに似てくるこなた…つかさの仕草をこなたで脳内再生したら破壊力が凄いです。
ほんわかできました、GJです!
それにしてもこのみゆきさん、ノリノリであるw
562 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/10(日) 06:46:23.50 ID:kTfkVDG00
結構危なかったみたい ☆ゅ
691: 【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 6 (561)
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☆
こな「熱いよぉ〜」
つか「……こなちゃん、焼かれてるのかい?」
こな「へっ!?なんで?」
つか「だってさ……さっきこなちゃん『熱い』って言ってたよ?」
こな「……ち、ちがうよっ!私は『暑い』って言ってたよっ!」
つか「ふぅ〜ん……ま、そーゆー事にしといてあげましょうかねぇ」
こな「ホントだもん……『熱い』って……あ!」
つか「ふっふっふ、ついに自ら認めたね」
こな「あ、あぅぅ……つかさぁ〜、見逃してぇ〜」
つか「しょーがないなー、次からは気をつけるんだよ」
こな「はーい」
みゆ「あの……お二人の口調が逆のような気がするのですが……」
かが「『本日限定!二人の口調を逆にして一日過ごしてみよう選手権!』だってさ」
みゆ「そ、そうなんですか……」
かが「ここら辺は猛暑日だってのに……更に暑くしてどーするんだか」
みゆ「クーラー強くしますか?」
かが「世の中じゃ節電って騒がれてるけど……お願いするわ」
みゆ「はーい」
つか「さーってと、PCでゲームでもしようかな」
こな「そ、それだけは真似しないでぇぇぇぇぇーーーー!!」
☆
566 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/13(水) 23:55:40.75 ID:frFVG7VE0
「つかさって髪梳かすのうまいね」
「んー、tねえちゃんの髪も長いからね」
「ん、そっかかがみんの」
「ふふ、こなちゃん今ちょっと妬いたね」
「な、つかさのくせに〜」
あーやの声で再生される。
満月を見上げてふと思う・・・
つかこなは今宵どんな夢を見ているのだろうか・・・
569 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/16(土) 20:27:12.60 ID:mC7TRUrC0
こなたとメロンソーダ水風呂で涼をとっているとか
風呂上り前には全部飲んでお口の中が幸せいっぱい
「こなちゃんスイッチ。お」
「お?お…お…オンドゥルルラギッタンディスカー!」
つかさ「台風来てるよ大変だよ怖いよ助けてこなちゃん」
573 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/22(金) 01:09:32.60 ID:ZZUvomzb0
☆ゅ
574 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/23(土) 14:54:56.68 ID:XtmJra010
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夏休みなので24時間空けると危ない
そうか夏休みか…了解した
こな「愛にー!気付いてくだっさっいっ!僕が抱きしめてあっげっるっ!」(チラッ
こな「余所見をするのはやめてヨ〜♪私が誰よりイチバン☆」(チラッ
こな「好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰なのかしらっ」(チラッチラッ
つか「こなちゃんいっぱい歌知ってるんだね、凄いなぁ」
かが(明らかにラブソングっぽいの歌う時つかさのほうチラ見してるわよね)
みゆ(気付いてもらえないのがまた不憫ですね)
補修
578 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/25(月) 21:21:19.85 ID:lBHbHYg20
補習
「夏だ!家だ!室内だー!ぐへぇ…」
「あついよぉー…」
かが「つかさ!ダラけてないで補習に行ってきなさい!!あ、そこのちびっ子もちゃんと連れていくのよ!」
581 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/27(水) 00:36:10.45 ID:GnmHbJGZ0
まさにががみん
「我々は一人の英雄を失った。私の嫁、諸君らが愛してくれた柊つかさは死んだ。何故だ!」
「あついよぉー…」
「ということで先生、保健室を要求する!それと便座カバー」
「はよ終わらせな時間が延びるだけやでー、とっとと済ませや」
日中はこなつかですが日没時はつかこなです
584 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/07/28(木) 00:45:15.22 ID:8RceerB60
「そう、昼間のこなちゃんはかわいくて、夜のこなちゃんはしおらしいんだよ」
「ちょ、つかさ」
「ふーん(ニヤニヤ)」
「あらあら」
思わぬ攻撃(発言)を横から喰らって赤面しながらムゥゥな顔するこなちゃん萌えす
ってつかさがさっき言ってた
夜食はこなちゃん
こなたがバイトを始めた本当の理由はつかさ用のコス服(高価)を買うためと妄想
こなたはおいしくつかさにぺろぺろされました
_「Yフ _「Yフ _「Yフ _「Yフ _「Yフ _「Yフ
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/ つ つ / つ つ / つ つ / つ つ / つ つ / つ つ / つ つ / つ つ / つ つ
30人のつかさに…ゴクリ
アッチこっちの板でdat落ちの嵐、何かあったの?
ここでも落ちてるのって有るのか?
「かがみんちょっと聞いてよ、最近つかさのDVが酷いんだよ」
「つかさが?色々想像出来ないけど…何したって言うのよ?」
「うん… …最近つかさがディープキスにはまっててさ」
「はぁ」
「あまりに長時間やるもんだから至る所が口内炎で」
「へぇ」
「それ言ったら"じゃあ治してあげるね"ってまたキスしてきて…」
「それは大変だ」
「こなちゃんのからだでぺろぺろしてないところってもうないよね」