>>794 いただきます。
「あらびきさん」
「阿良々木だ。最近そのネタが使われていた気がするんだがな?」
「失礼。噛みました」
「わざとだ」
「かみますた」
「わざとじゃない!?」
「ヘイ、マスター」
「いつものヤツですね、ってこりゃさすがに冒険しすぎだろ」
「しかしどうでしょう。あらびきと言うとマスタードが合いそうではありませんか?
私も大人への一歩としてマスタードを効かせたトークで冒険をしてみようかと」
「ぜんぜんうまくねーよ、お子様なお前はまだケチャップで十分だ」
「ですが、青春に冒険はつきものです。私たちのトークもまた、オンザレールなのですよ」
「ぜんぜん冒険じゃないじゃん」
「いえいえ、青春を描いた名作映画のワンシーンにあるじゃないですか。レールの上を歩いていくという」
「言われてみればあったような?スタンド…」
「そこへ超特急が走って来るわけです」
「…じゃねえよ。暴走し始めたな」
「レールの上を歩いているからといって安心してはいけないという人生における大切な教訓です」
「ん?ああ、線路に入ってはいけませんってことか」
「一旦人生のレールを外れると転がり続ける石の様にローリングが止まらなくなってしまう、という事が
実に身近なところで起こっています」
「ほほう、成る程。脱線には気を付けろってことか」
「…どうも先程から会話の口車が噛み合いませんね」
「そんなもん噛み合ってたまるか。お前の口車に乗るくらいなら、暴走した特急に乗ったほうがましだ!」
「ははぁ、阿良々木さんが乗るとシベリア寒気団級ギャグ満載の大陸横断超特急になりそうですねぇ。
しかもツンドラ気候の大地を駆け抜けるなんて洒落がきいててあきれますよ。
いやぁ、それにしても無事終点に到着できるんでしょうかね?」
「今日!今!此処がお前の終着駅だ!良かったな終点だ!無事に到着だ!素晴らしき冒険に乾杯だ!
お祝いにお前だかパンツだか判らないくらいに揉みしだいてやる!!
お礼の言葉は「私がパンツだから恥ずかしいです」でいいぞ!!さあ言ってみろ!!」
「人間強度が下がると変態強度が上がるのですか!?鉄筋並みの強度です!」
「うるせえ!動くなよ、パンツがはずれるからな!!」
「では、大変危険ですから白線の内側に下がってお待ち下さいと警告しておきます。
いいですか、阿良々木さん。その線を越えた場合私は叱るべき処置をとりますよ」
「はっはー!お前に叱られるなんてむしろ燃えるわ!!お前に出来ることなんざせいぜい子供電話相談室に
電話とかそんなんだろうが」
「いえいえ、司法の手に委ねることなく刑罰を、ですよ。いわば処刑クラブです」
「なんだ、そりゃ?それも映画の話かよ」
「わかりませんか?羽川さんを通さずに戦場ヶ原さんへ直接報告が行く手筈が整ってるのです」
「…」
「ようやくことの重体さがわかりましたか?」
「…ああ、危篤なんてもんじゃないよな。今ならもれなく生コンの海へ沈められる気がする…」
「阿良々木さんと戦場ヶ原さんのカップルで超高層変態ビルディングが建設出来そうですね」
「どうやら今後のお前の処遇について戦場ヶ原と話し合う必要がありそうだな。
まあ、ビルが完成した暁には最上階の見晴らしのいい部屋に住まわしてやるよ」
「それはどう見ても囚われたお姫様です。謹んでお断りさせていただきます」