京太郎に手を伸ばそうとするタコス
「ロンだ」
後ろから突き刺さる声。それはまぎれもなく仇敵、咲のものだった。
振り向くとそこには和、部長、そして咲がいる。
驚愕するタコスに咲は、まるで追い討ちをかけるかのようにこう言った。
「リーチ、一発、おっぱい、年増、そしてドラ京太郎──倍満だ」
「うそ──だじぇ」
愕然とするタコスを京太郎は振り返らない。
「じゃ、じゃあタコスもロン! ロン! ロンだじぇ!!」
泣きながら、声を嗄らして叫ぶタコス。その声はむなしく校庭にこだました。
「ドラはな――」
咲の声は冷たく、そして鋭利だった。
「──役じゃねぇんだよ」
砂煙だけがあたりを舞っていた。