「泉こなたを自殺させる方法」を考える31

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1名無しさん@お腹いっぱい。
けいおん!に浮気してたヤツは一列に並べ

■前スレ
「泉こなたを自殺させる方法」を考える30
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1237167390/

■保管庫等
こなた自殺Wiki
http://www34.atwiki.jp/konataowata/

つかさビッチWiki
http://www10.atwiki.jp/tsukasa-bocchi-owata/

VIPのらきすたSSまとめ
http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/

らきすた呼称リスト
http://www.syu-ta.com/luckystar/luckystar-namecalled.shtm
2名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 20:09:34 ID:5WN3HgRv
2げと乙
3名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 20:14:02 ID:KnNkSp2T
                 ノ)
               (;:.:.__)
              (=ω=. )  < >>1
             (;;:_:.__゚.:.:⌒)
              _(;;;::。:.. :;+;::;;`)_
      ,. -‐_´:-: : : : : l: : : : : : : : : : :`: .、
      /‐/: :,: : : : : :, :l: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
      /: : /: : : : : /: /l: : : : ハ: l: : : : : : : l: :`、
     /: ,//: :/ : : :_LL_l: : : l:l レA、:_: : :、: l : : l
   ////: : :l : : : ∧/ l: : : リ l: |丶:`: : l: l: : :l  < >>1
  / //l: : : l: : : /_V_ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
      /│: : ,、: : :lT亦テl ヾ: l  T示┬l: : W :、:l
      l : ハ: : ハ`、'::,┤ ヾ   P:,:::ノ'lヽ: ト`,:x
       V  ヽ:l: :l `''´  ,   `''´'.: ヽl_ノ: N
         `  N: :ゝ、_,  ノ)、    ノ: : N : : l
         │: : :,‐´(;:.:.__..)-イニ: /: : :ハ: : :l
             l : , (≡ω≡.) .`〉/: : : l: l: : :l  < >>1
            ハキ(;:_:.__゚.:.:⌒)、、/ /: : :/彡l、: l
         l//)、::。:.. :;+; ,'、゙、l Y : : /〃彡l l
         /l´ l '`,‐ニ┬┤l `,.l l /,´/  |l
4名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 22:53:03 ID:tUWYJXdm
(≡ω≡.)まだ自殺しなきゃなんないの?
5名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 00:05:44 ID:DkF4vMB3
前スレ>455-462
着々とかがみ達以外団結していってるな。
この作品のこなたは本当に救いがある。
どうせだから柊家や高良家の家族にもチクったれww
6名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 00:48:05 ID:IcUPMc2H


         / /         |    ヽ   /      , ´
 楽 楽 は 弋´  /     ___| \  〉-/_,. -‐     /
 し  し  ぁ   .> /   /――-ヽ__Y^y      /
 い い は  (_ /   /-―- ./ /   爪     /
  l !! っ  (/   /´ // /`/  /://:::|`―< ヽ
 よ    は   \ /  //_∠__/  /://::::,' |l \〉 .ハ
  l     っ /⌒ 7 /ィ≠''''ニミヽ/:://::::/ /l l:| |‖ |
!!      |   //_イ/ /  ', }}::::::〃::::/./:/ヽl:| | l| |
         弋 //::::  /  / / ::::/::::::/厶〈 ハ | | ‖
         /⌒,/:::::::  l   /.::::::::::::::::/,イΞミ〈// 人_人||人_ノ
ヽ/⌒ヽ(⌒Y  /:::::::::::ヽ _ー::::::::::::::::::::::::: / } |l<
   | .|| | |l  |       ::::::::::::::::::::: / / / jj::::::} は は あ
   ヽ|| | |l ∧   ト⌒\   ::::::::: し _〃:<  は は っ
     ヽ从ハ | ヽ   |  \ ` 、 ′ ヽ..::::::::::/  ) ぁ. は は
   _ /ヘ| \ ヽ   `ヽ、__フ   :::::::/<   l   は は
         |   \   _)/      / / ヽ !! は は
            l:::>  __,   -‐ ´ /_ノ     は は
            l:/ =ニ二三≠イ //  `ヽ
7名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 08:48:19 ID:fDKMpF70
>>1
乙です。
旧らき☆すたファンが、けいおん!に根こそぎかっさらわれたようで、
らき☆すた関連スレがどこも過疎化してる中、
このスレだけはまだまだ賑わってるようでよかった。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 12:03:10 ID:7EWcywZM
こなた「けいおんはいいね!」

次の日

つかさ「こなちゃん器物損壊で取り調べ中に自殺したって…」
かがみ「ふーん何で?」
みゆき「駅に行って“けいおうはちおうじ”の看板を全て“けいおんはちおうじ”に書き替えたそうです」
9名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 17:33:24 ID:uHGY3xCs
続きマダー
10名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 18:29:24 ID:gswDEzmf
前スレ>>459 改変MIX

「黙ってても分からねーだろ。何とか言えよ」
「そうよ」
 みさおに続いて、あやのは少し語気を強くして言った。
「泉ちゃん、人間同士の付き合いなんて、迷惑のかけあいなのよ。そんなこと気にしてた
ら、友達なんて作れないじゃない」
「みさきち……峰岸さん……」
 こなたは顔を上げ、2人の顔を見た。
「さすが、彼氏持ちはいうことがちげーなー」
「こらみさちゃん、こんな場面で茶化さないの」
 みさおがあやのに向かってからかうような表情で言うと、あやのは苦笑して返した。
「…………」
 こなたは、言葉もなく2人を見る。
「大丈夫、どんなことだったとしても、私達はこれ以上泉ちゃんを責めたりしないって、
約束するから」
 穏やかな表情と口調に戻って、あやのは言う。
「そうだぜ、気にしないでバーンと話して良いんだってば」
 みさおはドン、と胸を叩いてそう言った。
 こなたは不安げな表情になりつつ、言う。
「う、うん……それじゃあ、話す、ね?」

 そして、こなたは事の一部始終を2人に話した。

「はぁ!? 何だよそれ、ふざけんなっつの!」 」
 それを訊いたみさおの第一声は、それだった。
「や、やっぱりそうだよね、私、取り返しのつかないこと……」
 こなたはびくっ、と怯えたように身構え、半分泣き声で言う。
「お前のせいだぞ」
「え…………?」
 こなたはキョトン、として、みさおを見る。みさおは憤りの感情を露わにしていた。
「いじめられてるのはお前だけなんだ。私たちは無関係なんだから、自分で何とかしろよ」
 むしろみさおの気迫に、こなたの方が押されかける。
「え、さっきと言ってる事違…」
「み、みさちゃん?」
「何とも思わないのかよ? お前のせいでリボン紛失したんだぞ?  悪いと思わないのかよ?」
「ちょ、ちょっとみさちゃん」
「……ん?あ、悪いちびっ子。間違えて死に至る隘路の台本持ってきちまったZE☆」
「…もう一度自殺したくなったよ」
「みさちゃん、帰って?」
「HAHAHA、次はマジメにやるから出番取るなよー」
11名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 23:14:56 ID:wRG4EGzM
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=3980720
拾い
二人がであったらこんな風になるのか?
12名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/10(日) 23:50:46 ID:uHGY3xCs
>>10
みさきち自重w

SSの続きは今日は無しかorz
13324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:14:43 ID:PLMvYm4N
前スレ>455-462の続きです。7レスお借りします。

ちょっと請った感じにしようとして、時系列が錯綜してしまいました。すみません。
前スレ>465氏のであってます。
14324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:16:57 ID:PLMvYm4N
 *

 人の口に戸は建てられぬ

 *

「明日、泉さんが退院されるそうです」
 みゆきが、険しい表情でそう言った。
 かがみ、つかさ、みゆきは、糟日部と鷹宮の間、こなたの家の方面との分岐点の駅から
近いファミリーレストランの、奥まった席で顔をつき合わせていた。
「まだ2週間ぐらいは、自宅療養が必要だそうですが……」
 そう言って、みゆきはかがみとつかさを交互に見た。
「かがみさん、日下部さんと峰岸さんはその後、何か?」
「それが……何も」
 かがみもどこか血の気が足りないような表情で、そう言った。
 つかさも心なしかおろおろとしている。
「何も、ですか?」
 意外そうに、みゆきが軽く目を円くして聞き返す。
「……こなたと会ってるのか、って日下部を問い質したら、割合あっさり認めたのよ。
『友達なんだから、当然だろ』って。でも、それ以上突っ込んだ事は……」
 かがみはもどかしそうに軽く歯を噛みながら、そう言った。
「下手にこちらから質問しますと、藪を突いて蛇を出す結果になりかねませんしね……」
 憂鬱そうにみゆきが言うと、かがみはこくりと、つかさはこくこくと頷いた。
「アイツが入院する前日までの様子なら……例え日下部と峰岸が面会に行ってたとしても、
本当のことをしゃべったりするとは思えないんだけど……」
「それが、難しいんですよね。可能性は低いけどゼロじゃない。でも、もし知らないとし
たら、日下部さんの言葉が本当に偶然だとしたら……逆にこちらから訊ねると、峰岸さん
に疑うきっかけを与えてしまう……」
 歯痒そうに言うかがみに、みゆきが続ける。
 3人ともこなたの復帰は快くなど思っていない。だが、それ以上に事態の露呈は絶対に
回避しなければならない。
 かがみもみゆきも成績優秀で態度も──少なくとも教師からの評価では──方正、つか
さも成績は2人に劣るが特に問題のある生徒ではないと評価されていて、各々希望の進路
を確実にしつつあった。ここで蹴躓きたくない。
 だからこそ、こなたへの攻撃はその露見に対して最大限気を使ってきた。────筈だ
った。
 だが、どこからか歯車の噛み合わせが狂い始めている。みさおの質問、留年覚悟でこな
たに付き添っているゆたか。自分達を睨んできたみなみ。
 しかし、事実がどの範囲にどのレベルまで漏れているのか、それを確認しようとすると、
自分達の視界の前にカーテンがかかっているようなもどかしさがある。
「でも、どんなに知ってたとしても、最悪事件そのものが狂言だとは気付いてないはずよ」
「そうなんですか?」
 かがみの言葉に、みゆきが顔を上げて、聞き返す。
「う、うん、私とお姉ちゃんと、小学校で同級生だった人達に全部確認したから」
 つかさが緊張でどもりがちになりつつ、言う。
「え、そ、そこまでしたんですか……?」
15トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:17:42 ID:PLMvYm4N
「念には念を入れてというか、まずそれだけはどうしてもバレるわけに行かないでしょ?
全員で80人程だったし、2人で手分けすればなんとか週末2日で……ね。引越しとかで連
絡先変わっちゃっててわからない相手もいたけど、それは峰岸達も同じって事になるし」
 驚きと関心で目を円くしながら言うみゆきに、かがみは口元に引きつった笑みを作りな
がら、そう説明した。
「た、確かにそうですね。それならひとまずは安心です……」
 ────そこから破綻する可能性もありますが。
 みゆきは険しい表情のまま言い、口には出さずにさらに続けた。2人とも必死だったの
だ。下手に言えばむしろさらに傷口を開くような真似をさせかねない。
「とにかく……私は、泉さんが戻ってきても、しばらくは下手に突かない方が良いと思う
んです」
 険しい表情で、みゆきは重々しく言った。
「私も……しばらくは出来るだけ普通に接するようにする」
 つかさがみゆきに賛同するように、少し焦ったように言う。
「悔しいけど、ほとぼりが冷めるまではそれしかないわね」
 下唇を噛みながら、かがみは悔しそうに言った。
16トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:19:29 ID:PLMvYm4N

 *

 翌日の放課後。
 ────今日、退院よね……もう家に戻ったのかしら?
 かがみは授業も上の空、そのことばかりを考えてはため息をつきつつ、1日を過ごした。
教師に指されて気付かずに注意されることもほぼ毎時限で、教師に意外がられた。
 ────これじゃまずいわ、平静、平静、よ。
 何とか精神の安定を保とうとしつつ、帰り支度を整える。
 ────て、どうしてあたし達がこんな、追い詰められなきゃならないのよ。悪いのは
こなたじゃない。そうよ、開き直ってれば良いのよ。
 急に憤怒の感情を感じて、僅かに顔を赤らめつつ、つかさと合流する為に3年C組の教室
を出た────
「!!」
 3年B組の教室の前に出て、驚愕に円く目を見開く。
 ────日下部、岩崎さん……
 B組の教室の前後の扉に、それぞれみさおとみなみが、さりげなくを装いつつも、張り
付くように立っている。
 ────これって、偶然じゃ……
 かがみは愕然として、しばらくの間、硬直してその場に立ち尽くしてしまった。
 その、B組の教室の中。
「い……ずみ、さん……」
「こな……ちゃん」
 教室に現れた、私服姿のこなたを目の当たりにして、みゆきとつかさは怯んだように身
構え、立ち尽くしている。
「どうしたの2人とも?」
 こなたは、3人がこなたを虐めだす前の、飄々としたような表情で、小首をかしげるよ
うにしつつそう言った。
「え、えっと、た、退院おめでとうございます、い、泉さん」
 みゆきは表情を引きつらせつつなんとか笑顔を作りながら、そう言った。
「うん、ありがと、高良さん」
「え…………」
 口元で笑いながら言ったこなたの答えに、みゆきは軽くショックを受けたように、短く
答えを漏らす。
「あ、あの、しばらくは自宅療養だって聞いたんです、けど」
 呼吸が止まるような感覚から何とか抜け出し、みゆきは引きつった笑顔で、問いかけた。
「うん、だから教科書持って帰ろうと思って。ゆーちゃんとかに頼んでも良かったんだけ
ど、私の机の中メチャメチャじゃん? だから悪いと思ってさ」
「あ、そ、そういうことだったんですね」
 説明しながら自分の机に向かうこなたに、みゆきはどこかほっとしたように短くため息
をつきつつ、そう言った。
「あ、そ、そうだ。こなちゃん。こなちゃんの退院祝いに、みんなで食事にでも行かない?」
 極度の緊張におかれ、その状況から抜け出そうと、つかさが苦笑しながらそう言った。
「いいよ、悪いし。事情が事情だし、友達とかと内々にやるよ」
 こなたはさらっと、素の表情でそう言い、断る。
「え、だ、だったら私達も一緒に行くよ?」
「いいよ、つき合わせちゃ悪いじゃん」
17トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:21:14 ID:PLMvYm4N
「え、だ、だけど……」
「ところでつかささん、リボンの事はもう良いの?」
 こなたは机の中を覗き込みながら、つかさの相手をしていたが、やがてつかさの顔を見
上げて、そう訊ねた。
「え…………」
 つかさは一瞬茫然自失しかけ、硬直して沈黙した後、
「あ、ほら、私、あの時はあのリボンを失くされちゃったってショックが大きくて……か、
感情的になっちゃってて……だ、だから、し、心配してたんだよ?」
 と、引きつった笑顔を作ってそう答えた。
「そ、そうですよ泉さん、私も、泉さんが自殺したって聞いて……ひょっとしたら今回の
ことで思い悩んだのかもって思って、し、心配してたんですから」
 慌てたように、みゆきがつかさに賛同するように言った。
「ふぅん、高良さんがねぇ」
「い、泉さん……」
 再び、自らをファミリーネームで呼ぶこなたの声に、みゆきは動揺する。
「おいこら、こなた」
 こなたの背後から、棘のある声が聞こえてきた。
 こなたが振り返ると、そこにかがみがいた。
「あ、かがみさん」
「つかさもみゆきも心配してるって、つかさなんかアンタにあんな目に逢わされながらそ
う言ってるのに、その言葉疑うのかよ」
 あからさまに動揺するつかさやみゆきと異なり、かがみは完全にいつもの口調と表情で、
こなたを軽く睨みながら言う。
「お姉ちゃん……」
「かがみさん……」
 つかさとみゆきは、かがみの存在に気付くと、縋るような視線を向けてしまう。
 ────ったく、わざわざ絡むんじゃないわよ、スルー耐性ないわね、2人とも。
 かがみは胸の中で嘆くように言い、2人の顔を順番に見てから、こなたに視線を戻す。
「ホントに最低だな、アンタ」
「まぁ、そう言われるのも今にはじまった事じゃないし」
 かがみの攻撃的な言葉に、こなたは平然とした様子でそう返した。
「つかさ、みゆき、行くわよ。こんなやつ相手にしててもしょうがない」
 かがみははき捨てるように言うと、そのまま、2人がさらにボロを出す前に引き離そう
とする。
「あ、ところでつかさ」
 2人がかがみに率いられて離れようとしたその背後に、こなたは声をかけた。
 びくっ、と、つかさの歩みが止まる。
「あのリボンの男の子って、どんな子だったの?」
「あの、えっと……」
「アンタねぇ!」
 振り返ったつかさが言葉をつむぐ前に、かがみが割り込んでつかさを制しながら、怒鳴
るようにそう言った。
 すでに4人以外、生徒の姿の消えた教室に、かがみの罵声が響く。
「まさか、つかさの言葉疑ってんの? 今度はそうやって自分の罪から逃れるつもり?」
「やだなぁ。かがみ。別に疑ってなんかいないよ」
 かがみはこなたを追求するが、こなたはけろりとした表情で、笑い混じりに答えた。
18トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:22:21 ID:PLMvYm4N
「いーや、わざわざそんなこと聞き返すって、つかさにとってはもう思い出したくもない
記憶になっちゃってるのに、それをわざわざ蒸し返すなんて、つかさを疑うことで、自分
の罪の意識を軽くしようってことじゃない。つかさは今回のこと、言いすぎたと思ってる
みたいだけど……アンタはそんなつかさを、自分の罪の意識から逃れる為に更に貶めよう
っての?」
 かがみは、態度こそ完全に平静を装おうとしていたが、やはり何とかこの場を切り抜け
たいという緊張の前に、こなたの反応を確認せず、一気にまくし立ててしまう。
「わかんないかなぁ、かがみ」
「なにが、よ……」
「私は、疑ってるんじゃなくて……」
 こなたの声が、急に重く低く鳴り出す。
 そう言うと、こなたは机から教科書やノートを移していた紙袋の中から、それを取り出
した。
 それは、ネームライターで『日下部』と書かれた黄色いテープの貼られた、いまや古風
なマイクロテープレコーダー。
「もう、真実を知っちゃってるんだよ」
 こなたは再生ボタンを押す。
 テープレコーダーが声を発する中、3人の顔が戦慄し、見る見る青ざめていく。
19トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:23:31 ID:PLMvYm4N

 *

 こなたと最初に面会してから、最初に訪れた週末、土曜日の午前中。
 まだ清々しい陽が降り注ぐ鷹宮神社の境内。時間も10時前で、特に何か行事があるとい
うわけでもなく、参拝者の姿はまばら。
「おはようございます」
「って、あら、峰岸さん」
 巫女服姿で、社の前の参道を掃除していたいのりが、声をかけられて振り返ると、あや
のの姿があった。
「かがみならまだ家の方だ思うけど」
「あ、いえ、ちょっと今日は、柊ちゃんや妹ちゃんの事で……お姉さんに聞きたい事があ
って」
「私に? かがみやつかさの事で?」
 少し小首を傾げつつも、特に深く気にするようなわけでもなく、いのりは聞き返した。
「はい、中学の同窓会の幹事の子から確認したいことがあるって言われて、私が柊ちゃん
の家族と親しいから、引き受けることになったんですけど」
 あやのは周囲に気を配りつつ、そう言った。
「ふうん、どんなこと?」
 いのりは相変わらず笑顔のまま、再度聞き返す。
「小学校の頃、妹ちゃん……つかささんが、つきあっていた男の子が亡くなったって噂が
流れてまして」
「えー、それマジで言ってんの?」
 あやのは至極真面目な、深刻そうな表情で言ったが、いのりは苦笑交じりに呆れたよう
な声を出した。
「はい、ちょっと、出どこまではわからないんですけど……」
 そう言って、あやのはリボンの由来についての話を、あくまで“噂”として、いのりに
説明した。
「ふーん、つかさにそんな噂がたつんだぁ」
 いのりはどこか感心したように言ってから、
「でも、それってガセだよ。つかさやかがみの通ってた頃に誰かが亡くなったなんて、訊
いた事ないもん」
 と、あやのに申し訳なさそうな苦笑をしつつ、そう言った。
「でも、ひょっとしたら他の小学校の子だったかも知れないし、それで、家族にも言わな
かったとか……」
 あやのはさらに眉をひそめつつ、いのりに問いただす。
「あはは、ないない。かがみならともかく、つかさだよ? もし本当にそんなことがあっ
たら、わんわん泣きながらお母さんや私にしがみついてくるよ」
「そうですか……」
 気落ちしたように、あやのは肩を落としてため息をついた。
「まぁ、気にしない気にしない。噂なんて根も葉もないのが立つことって、結構あるんだ
からさ」
 いのりはあやのの態度を、空振りに終わった事に対するものだと思い、労う様に苦笑し
ながら言った。
「すみません……それと、この話、柊ちゃん……かがみさんとつかささんには」
「内緒、なんだ」
「はい、何もなければ何もないで、それに越したことはないって話なので……」
20トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:24:20 ID:PLMvYm4N
「まぁ……うん、いいよ。とりあえずは黙っとく」
 少し怪訝に思いつつも、いのりは口元で笑ったまま、そう約束した。
「お願いします。それと、お邪魔してすみませんでした」
 あやのはそう言って、頭を下げた。
「別に気にしなくていいよ。峰岸さんも大変だね」
 いのりは終始笑顔のままだった。

 *

『あはは、ないない。かがみならともかく、つかさだよ? もし本当にそんなことがあっ
たら、わんわん泣きながらお母さんや私にしがみついてくるよ』
 机の上に置かれたマイクロテープレコーダーは、かがみとつかさの実の長姉の声で、彼
女達に破滅の宣告を告げていた。
21トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/11(月) 02:25:28 ID:PLMvYm4N
>>14-20
今回は以上です。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 15:59:23 ID:b3vkh4Ob
今のこなたが回復、誰かに相談するみたいな感じで同じ話でもターニングポイントがあって複数に分岐できるんだよね
さてかがみ達はまだ言い逃れるか、それとも開き直るのか…
23名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 19:10:11 ID:tjQ75Rfl
ついに暴かれた真実……はてさてこれからどうなる事やら。

つかさとみゆきに限っては元の作者のルートの方が
苦しむのは数分間ですんでよかったかもしれないなw
24名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 21:37:27 ID:MsckmucG
>>17
やっぱり
かがみは
パネェなぁ
25名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 12:02:42 ID:g/nbXVs9
よーこそでっどらいん
26名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 13:29:40 ID:q+XatRI+
これはいのりじゃなくてまつりかな?
なんか口調が違う感じがするが
27名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/12(火) 23:54:11 ID:PWtQbgXf
うはおk
28名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 00:06:45 ID:YeSBPEGZ
続き待ってます
29名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 01:20:56 ID:clz9g+vW
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   /└-.二| ヽ,ゝl
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 //--─'( _●_)`ーミヘ    フラッシュバックに〜ぃ♪
<-''彡、   |∪|  、` ̄ ̄ヽ
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      / /<二>  <二>!゙、
     //--─'( _●_)`ーミヘ
    <-''彡、   |∪|  ミ __>
   (  (/     ヽノ_  |
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   (  (    ヽ |
  /  )    ∪
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         _人人人人人人人人人人人人人人人_
           >  シャア♪  シャア♪  シャア♪  <
           ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
     ll     ll          ll     ll          ll     ll
     l| -‐‐- |l  __     l| -‐‐- |l  __     l| -‐‐- |l  __
    ,イ」_  |ヽ_| l、〈〈〈〈 ヽ  ,イ」_  |ヽ_| l、〈〈〈〈 ヽ  ,イ」_  |ヽ_| l、〈〈〈〈 ヽ
   /└-.二| ヽ,ゝl.〈⊃  } /└-.二| ヽ,ゝl.〈⊃  }./└-.二| ヽ,ゝl.〈⊃  }
   l   ,.-ー\/. 、l |   |. l   ,.-ー\/. 、l |   | l   ,.-ー\/. 、l |   |
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 //--─'( _●_)`ーミ /.//--─'( _●_)`ーミ / //--─'( _●_)`ーミ /
<-''彡、   |∪|  / <-''彡、   |∪|  /  <-''彡、   |∪|  /
 / __  ヽノ /     / __  ヽノ /    / __  ヽノ /
 (___)   /     (___)   /     (___)   /

30名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 18:23:10 ID:GHTTiNIe
>>29
失せろゴミ。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 23:43:31 ID:O0bHDeBG
みさお「1,2,3,4,1,2,3!!!」

かがみ「君を見てると いつも殺意ムカムカ♪」
かがみ「揺れる殺意は コロネみたいにドロドロ♪」
かがみ「いつも殴る♪」
つかさ「いつも殴る♪」
かがみ「君の横顔♪」
つかさ「君の横顔♪」
かがみ「ボディ殴れば 気づかれないよね♪」
かがみ「夢の中なら♪」
つかさ「夢の中なら♪」
かがみ「こなたの首 締め上げるのになぁ♪」
かがみ&つかさ「ahah〜 神様お願い こなたがいない♪」
かがみ&つかさ「Dream Timeください♪」
かがみ&つかさ「お気に入りのオタ話抱いて♪」
かがみ&つかさ「永遠におやすみ♪」
かがみ「ふわふわDive♪」 つかさ「ふわふわDive♪」
かがみ「ふわふわDive♪」 つかさ「ふわふわDive♪」
かがみ「ふわふわDive♪」 つかさ「ふわふわDive♪」

Bass&Vocal Kagami
Guitar Tsukasa
Keyboard MiWiki
Drum Misao
32名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 00:26:29 ID:ICbFe/Vi
つづきマダかな。
あのかがみ達は殺したい。
以下俺が考えた奴。
こなたが内緒で最近付き合いだしたDQN彼氏が別のクラスにいて、たまたまかがみ達の悪巧みを知り激怒。
こなたと一緒にかがみ達を呼び出し、こなたのネトゲ友達を呼んで、暴行を加えてから輪姦。
処女喪失シーンを動画に収め、誰か1人でも警察や家族に口外したら、実名と住所付きでネット配信すると恐喝。
仲間が誰か1人でも捕まったり、かがみ達の誰か1人でも自殺しても、即座に仲間と連絡を取り合って全員実名と住所付きでネット配信すると恐喝。
こちらが飽きるまで永遠に言いなりにさせる。
当然売春もさせて金も巻き上げる。
妊娠したら、腹を殴って強制堕胎。
受験も休日も関係なし。
ヤりたい時に呼び出し即レイプ。
逆らったら実名と住所付きでネット配信すると恐喝。
最後は三人揃って精神崩壊して、電車に飛び込み自殺。
笑いながら、仲間のハッカーが足が付かないようにかがみ達のレイプ動画(淫乱の演技をさせてる)をネット配信。
死んだ後まで、世間の嘲笑と侮蔑の的になるかがみ達。
33名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 00:50:56 ID:haq6TbIx
憎悪がパネェw
どんだけ嫌ってんだよw
てかそれ、そのままこなた自殺に使えそうなネタでもあるな
34名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 01:39:24 ID:SM0PNNI+
>>32
それ以前にこなたがそんな屑野郎と付き合うとは思いたくない
35324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/14(木) 06:12:08 ID:/rgh5Wo7
すみません、週末まで待ってくださいorz
36名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 11:11:15 ID:WPEAFNl3
ゆっくりで構いませんよ
続き楽しみにしてます
37名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 13:00:21 ID:Ii190G6s
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1196547285/326
重複という理由で削除依頼が出されているので、
もしコレが受理されたら次スレはこなた本スレという事で。

【らき☆すた】泉こなた Part31
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1239371581/

だって運営様が自殺話はこなた本スレで扱うのが適当だって判断を下すって事だからね。
本スレ住民は、受け入れざるを得ないよ。
運営様の太鼓判があれば、文句は言わせない。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 14:20:10 ID:rDMzS+41
>>37
受理される訳ないじゃん
削除依頼出した奴は只の馬鹿だろ
ここの住人とこなた本スレの住人が一緒に住める訳がない
ここは本スレからは隔離病棟扱いされてるんだから
39名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 15:08:06 ID:/rgh5Wo7
ってか依頼出したの>>37だろ?
40名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 16:29:56 ID:DRGuUk7j
>>37
今までに何回も見てる
別に放っておけばいい
41名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/15(金) 11:18:12 ID:9+yqhaMV
219 :名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2009/04/13(月) 19:25:53 ID:iEwFSwYv0
らき☆すた 1984年バージョン

泉こなた=薬師丸ひろ子
柊かがみ=伊藤かずえ
柊つかさ=原田知世
高良みゆき=渡辺典子
小早川ゆたか=河合美智子
岩崎みなみ=三原じゅん子
田村ひより=森尾由美
パトリシア=アンディ・マクダウェル
日下部みさお=仙道敦子
峰岸あやの=武田久美子
黒井ななこ=浅野温子
桜庭ひかる=風吹ジュン
白石みのる=野村宏伸
泉かなた=田中好子
泉そうじろう=渡瀬恒彦
成実ゆい=志穂美悦子
成実きよたか=斎藤洋介
柊ただお=梅宮辰夫
柊みき=丘みつ子
店長=京本政樹

これ見て思ったんだが、このメンツじゃあこなたはいじめられるな。
伊藤は大映ドラマでいじめキャラやっていた人だし、京本、斎藤、渡辺
河合は人間・失格で堂本剛をいじめていた奴らたちだし、風吹ジュンだと
こなたがいじめれているのを見て見ぬしていそう。三原は今でいう福田沙紀
ポジションの人だし、丘みつ子は徹底的にこなたをいじめそうだな。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 16:55:17 ID:TQbsmJiM
>>35
週末だぞ〜♪
43名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/16(土) 22:09:07 ID:S3q3SEqg
>>35
わくわくてかてか
44名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 20:33:28 ID:NnYUwtBf
まとめ全部読んだ。
なんていうか、レベルの高いSS遭遇率が非常に高かった。エロパロまとめの比じゃない。
胸糞悪いのが大半だけどとにかく面白かった。
幾つか感想

・みゆきが最後の最後に泣くやつ
あれの最後手紙を燃やす以降が神だった。
・コナトラマン、エアフォースコナタ
自殺の動機が正方向にあって異色だった。
周りの批判が微妙に一直線じゃなく迷ってる部分が妙にリアルな気がしてなんか良かった。
・誕生日ドッキリ
胸糞悪さMAX。たがそれがいい。
・孤島、エンドオブザワールド
いずれも救いが無さすぎて喜劇に近い印象受けたが神。
・デンちゃん
キャラがたまらん。

まだまだある枚挙に暇がない
みんな神
45324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:04:35 ID:kfGhZveM
お待たせしました。
>>14-20の続きを投下します。

今回少し長いです。
11レスお借りします。
46トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:06:24 ID:kfGhZveM
 *

 辛い時にこそ手を差し伸べてくれる人間が、本当の友人だ。

 *

「う……そ…………」
 マイクロテープレコーダーが告げる言葉に、病室のベッドの上で、こなたはようやく声
を絞り出し、そのまま絶句した。
 あまりに衝撃的かつ、残酷な事実に、こなたは嘆くことも怒ることも悲しむことも出来
ず、ただ微かに引きつった無表情で呆然とする。
「まぁ、これでちびっ子ももう柊妹の事気にしなくて大丈夫だよな」
 みさおはニタニタと笑いながら言う。その傍らであやのは椅子に腰掛けて、やはり穏や
かに笑っていた。
 だが────
「ちょっと……泉ちゃん?」
 こなたの様子がおかしいのに気がついて、あやのは表情を曇らせ、声をかける。
「そ……ん……な……私…………偽者の……リボン……お母さんの櫛……」
 凍りついたようだったこなたが、やがてぶるぶると震えだし、呻くように途切れ途切れ
に呟く。
 その言葉端の単語を聞きつけて、あやのははっと険しい表情になり、立ち上がって身を
乗り出した。
「泉ちゃん!」
 そこでようやく、みさおもただ事ではないと顔の色を変え、あやのの傍らに寄る。
「私……つかさの大事なもの……ぜんぜん疑ってなくて……お母さんの櫛……壊しちゃっ
た……お母さんの事、捨てちゃったよ……!」
 それまで固まっていたこなたの表情に、朱みが差したと思うと、その目に一気に涙がこ
み上げてくる。
「うわぁぁぁぁっ! お母さん、おかあさぁぁーん!! ごめんなさい、お母さぁぁんっ!!
うわぁぁぁぁぁんっ!!」
「泉ちゃん……」
 こなたはそのまま突っ伏すようにして、一気に堰を切ったようにして声を上げ、泣き叫
ぶ。
 あやのはかける声も見つからず、俯き加減にして、そっとこなたに手を伸ばし、背中に
触れた。
「ちびっ子……」
 一方のみさおは、立った姿勢からこなたを見下ろしつつ、両の拳をぶるぶると震わせて
いたが、
「ごめん、あやの、ちょっと頼む」
「え?」
 あやのが聞き返すような返事をするが早いか、みさおは早歩きに病室を出て行った。僅
かに経って、病室の外の廊下で何かを思い切り蹴飛ばしたような衝撃音が響いてきた。
「泉ちゃん、しっかりして」
 あやのははっと我に返ったようにしつつ、泣き続けるこなたに顔を近づけて声をかける。
「でも、でも…………!!」
 こなたはしゃくり上げつつ、くしゃくしゃの顔で取り乱したように繰り返す。
「大丈夫……お母さんもきっとわかってくれるから……ね?」
47トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:07:43 ID:kfGhZveM
 あやのは努めて穏やかな表情で、そう言いながらこなたの頭を撫でた。
「でっ……もっ……あの……櫛、私と、お母さんの……つなぐ、大切な、もの、だった、
のにっ……」
 しゃくりあげながら、こなたは涙を流したまま、赤い顔で言う。
「それこそ……たとえどんなことがあったって、血のつながりは消せないでしょう?」
「み、ねぎし、さん……」
 少し逡巡しつつ、あやのが言うと、こなたは少しだけ声を穏やかにしてあやのを見た。
「ん」
 あやのは僅かに眉を下げた笑顔で、こなたの頭を抱きかかえるように撫でる。
「うっ……ぁ……うわぁぁぁぁぁっ!! あぁぁぁぁぁっ!!」
 こなたはそれに身を委ねるようにしつつ、再び泣き声を上げ始めた。
 ────今は、泣くだけ泣かせた方がいいかな……
 あやのはそう思い、そのままの体勢でしばらく、こなたが声を上げるままにした。

「ちびっ子、おちついたか?」
 こなたの泣き声がようやくやむと、みさおがむすっと、不機嫌そうな表情で入ってきた。
「おごりだ、気にすんな」
 みさおはいつにも増してぶっきらぼうな、怒気を孕んだ声で言いつつ、手に持っていた
アイソトニック飲料の缶をこなたに差し出す。
「あ、ありがとう……」
 こなたは弱々しい表情で言って、それを受け取った。
「これ、あやの」
「ありがとう」
 みさおはあやのには缶ミルクティーを渡した。
「くぅぅぅぅっ!」
 2人に飲み物を渡してから、みさおはその場で歯を食いしばりながら身をかがめ、ダン、
と床を垂直に蹴りつけた。陸上ランナーの強い脚が、病室に甲高い乾いた音を響かせる。
「柊双子に高良〜っ!!」
 くぐもった声で言ってから、身を起すと、
「ああもう、このままじゃ腹の虫がおさまんねっつの!」
 と、頭をかきむしるようなポーズで、忌々しそうにそう言った。
「みさちゃん……」
 椅子に座っているあやのが、少し困惑気な表情をみさおに向けた。
 だが、みさおはそれには気付かなかったかのように、びしっ、とこなたを指差した。
「おいちびっ子! 仕返しするんなら手伝うぜ」
「仕返し……」
「ちょ、ちょっとみさちゃん?」
 こなたが鸚鵡返しに呟く。あやのは慌てて立ち上がり、みさおに寄って嗜める。
「そんな、過激なこと考えちゃダメよ」
「じゃあどうすんのさ。あいつらの事だから、ちびっ子が学校行くようになったらまたな
んかしてくるぜ、絶対、このままじゃ」
「それは……確かに、そうなんだけど……」
 みさおは感情のままに荒い声で反論したが、あやのはそれに対して否定し切れなかった。
「それとも、先生とかちびっ子の親父さんにバラしちゃうか?」
「お、お父さんはまずいよ!」
 そうじろうの存在を出され、こなたは慌てて声を上げた。2人がはっと驚いたように、
こなたを見た。
48トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:08:51 ID:kfGhZveM
「あ、あの……その……」
 一瞬、驚いた円い目でこなたを見る2人の顔に、こなたは少し物怖じしてしまう。
「お父さんは……知らないんだ、櫛の事も……」
「あ……」
 こなたが俯き、床に視線を這わせるようにしながら言うと、みさおとあやのははっと我
に返り、あやのが短く声を漏らした。
「じゃあ、先生。B組の黒井ってちびっ子と仲良いんだろ?」
 みさおはすぐに憤りの表情に戻ると、そう提案するように言った。
「う、うん、確かに黒井先生なら私の言うこと聞いてくれるだろうけど……」
 書き文字でも方言の出る典型的な似非関西弁の担任を思い出しながら、こなたは少し躊
躇うような声を出す。
「けど?」
 煮え切らないようなこなたの言葉に、みさおは焦れたように聞き返す。
「うん……」
「さすがにそこまでは……なのよね?」
 曖昧に返事をしかけたこなたを、あやのが代弁するように言った。
「証拠も揃っちゃってる明確な虐めだし……この時期になって、って思うわ……」
 あやのはマイクロテープレコーダーを見ながら、ため息混じりに言う。
「黒井先生は進学率とか卒業率とか、そういう体裁気にする人じゃないから、余計なのよ
ね……」
「うん……」
 あやのの言葉に、こなたは複雑な表情で頷く。
「そりゃあいつらの進路はメチャメチャになるかも知んないけどさ、でもよ! ちびっ子な
んか自殺させられかけたんだぜ!? 命とられかけたんだぜ!? 正直私はそれでも生易しいと
思うって」
 みさおは、あやのに向かって怪気炎を上げるように、声を荒げる。
「それもそうなんだけど……」
 あやのは困惑気に言う。
「そりゃ、このままちびっ子が復帰しても、あたしが柊達に手出しなんかさせねーつもり
だけどよ」
 みさおはこなたの方を向きつつ、そう言った。
「みさきち……」
 こなたは顔を上げ、みさおの顔を見る。
「……ごめん、峰岸さん」
「えっ?」
 不意にこなたが上げた声に、あやのが短く聞き返すように声を出した。
「仕返し……って程じゃないけど、つかさやかがみ達にはちゃんと……私がこれからどう
したいのか、解ってもらいたいと思う」
 こなたはどこか穏やかな表情で、そういった。
「泉ちゃん……」
「よっし、で、どうすんだ?」
 あやのは困惑気に言い、みさおははしゃぐような笑顔で聞き返した。
49トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:10:52 ID:kfGhZveM

 *

「アタシもミサオに賛成デスー、目には目ヲ! Remembers Pearl Harbor!!」
「パティちゃん、意味解って言ってる?」
「リメンバー ヒロシマ・ナガサキっスよ」
「田村さんも話合わせない」
 オーバーリアクションでパトリシアが言い、びしっと天井を指差す。向かい合ったあや
のが汗をかきつつつっこむ。俯き加減からジト目でパティを見ながらひよりがぼそっと呟
く。あやのはさらにひよりに「なんでやねん」なポーズでため息混じりにつっこんだ。
 みさおとあやのがこなたに報告に来た翌日、今度はゆたから1年生4人も加わって、相
談が始まった。
「それで、大体の話は聞いてるんですけど、私達は何をしたらいいんですか?」
 一連のやり取りを苦笑しながら見ていたゆたかだったが、気を取り直したように表情を
引き締めて、あやのやこなたの方を見てそう訊ねた。
「うん、それなんだけど」
 言って、あやのは説明する。
「あくまで主役は泉ちゃんなんだけど、妹ちゃんはともかくとして、柊ちゃんと高良さん
は確信犯なわけでしょ? 下手に不利な位置に追い込むと……あまり考えたくはないけど、
ね?」
 苦笑交じりに、あやのはそう言った。
「私達は最初、とりあえず教室の外で待機していようと思うんだけど、出来れば前後両方
の出入り口で、荒事に備える形で行きたいの」
「片方は私が。まぁ腕っ節が強いわけじゃねんだけどな」
 みさおが手を上げて、名乗り出るように言った。
「それなら……もう片方は、私が」
 1年生4人の中から、おずっと手を上げながらみなみが前に出た。
「いいの? みなみちゃん」
 驚いたように、ゆたかが聞き返す。
 みなみはゆたかに向かって頷いてから、あやのに視線を戻す。
「日下部先輩と同じで、喧嘩は嫌いですが、運動神経には自信があります。それに体格で
も負けませんから……」
「それじゃお願い。そうしたら、私は岩崎さんと一緒にいるわ。その方が3年の教室の前
にいやすいでしょう?」
「はい。ありがとうございます」
 あやのの言葉に、みなみは静かな口調でそう答えた。
「お礼を言わなきゃいけないのは私達の方だって」
「うん、ありがとう、みなみちゃん」
 あやのが苦笑しながら言い、ベッドの上のこなたもやはり苦笑して、そう言った。
「それと、小早川さんと田村さんは、逆に近づかないで欲しい、出来ればその日は学校に
残っていないで欲しいの」
「えっ、どうしてですか?」
 ゆたかが驚いたように、円くした目をぱちくりさせながら聞き返す。
「考えたくはない荒事になるかもしれないって……小早川さんは泉ちゃんの身内、家族だ
し、身体も弱いでしょ? 田村さんは今回の発端に関わってるし……」
 あやのは険しい表情になって、そう言った。
「で、でもだったら、尚更お姉ちゃんを置いて帰っちゃうわけにも……」
50トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:11:42 ID:kfGhZveM
 ゆたかは困惑気な表情で、上目遣いであやのとこなたを交互に見る。
「だったら、漫研の部室で待ってるってのはどうですかね? 2年ですけど信用できる先輩
も一緒にいますから」
 ひよりがそう提案した。
「本当に信用できる子なの?」
 あやのは怪訝そうな表情で聞き返した。
 それを聞いて、みさおとこなたはあれっ、と軽く驚いたような表情であやのを見て、そ
れからこなたと顔を見合わせた。
「そりゃもちろんですよ」
 ひよりは特に気にしなかったのか、笑いながらそう答えた。
「それって八坂さんの事だよね?」
 フォローするように、あやのの背後からベッドの上のこなたがひよりに問いかけた。
「泉ちゃんも知ってる子なの?」
「うん、学校以外でもよく駅前のゲーセンで会ったりするよ」
「そう……ならいいけど」
 ほう、とため息をつくように、あやのは言った。
「それじゃあ、こっちから報告に行くから、それまでは待機しててね。特に小早川さんは」
「あ、はい……解りました」

 それから2・3、確認や雑談をして、その場は解散となった。
51トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:13:06 ID:kfGhZveM
 *

 帰りの電車の中。
「あやの、お前……」
 みさおがいつになく真剣な表情で、小声でロングシートの隣に座るあやのに問いかける。
 来た電車は、この時ばかりは幸いにも浅草行き区間準急。某所で絶賛大不評中の糖武
8000系。老朽化したモーターの唸りが、周囲から2人の会話を遮る。
「うん、みさちゃんのことあまり言えないみたい」
 ────田村さんに言われて、一瞬その子の事を素直に信用できなかった。
「そっか……」
 みさおはそれまで張り詰めていた緊張が解けたかのように、天井を見上げ、空いている
車内に、ズボンを履いた足を投げ出した。
52トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:14:42 ID:kfGhZveM

 *

 3年B組の教室。こなたの机の上で、マイクロテープレコーダーが柊いのりの声を発し
ている。
 かがみははっと我に返ると、ばっとマイクロテープレコーダーに手を伸ばした。
 だが、一瞬早くこなたがそれを掴み、自分の左手に握る。
 かがみは姿勢を崩して、机につんのめりかけた。
「さすがかがみは復帰が早かったね。もっとも、テレコを取り上げられても、ちゃんとパ
ソコンのオーディオファイルにして保存してあるんだけどね」
「う……」
 こなたは普段通りの──つかさのリボンを失くす前の普段の表情で、テープレコーダー
を握りながらそう言った。
 ────く、強行手段を防ぐ為の配置か、やっぱ峰岸は危なかった……!
 かがみは教室の前後の扉をちらっと確認して、そう心中で毒ついた。
「あ、あの、こなちゃん? 今の声、うちのお姉ちゃんと峰岸さんだよね?」
 つかさが慄きながら訊ねる。表情はまるで笑顔にも見える様に引きつっていた。
「安心してよ、つかさ。お姉さんは今回の事情までは知らないそうだから」
「え、そ、そう、なんだ……」
 つかさは引きつった表情のまま、それでも内心少しだけ安堵してしまった。
「でも、つかさ」
「え?」
「私は信じていたんだよ? あれがつかさの大事な物だって。何にも変えられない物だっ
て。私はつかさの命と同じぐらい大事なものを失くしちゃったんだって」
「こ、こなちゃん……それは……」
 つかさの顔から、さらに血の気が失せ、蒼いを通り越して白くなる。
「友達だったから。つかさのこと友達だと思ってたから。友達だと信じてたから」
「こな、ちゃん……」
「待ちなさいよ!」
 かがみがつかさを制し、割って入る。
「何が信じてたよ、そうやって現に、つかさの言った事を疑ってうちの姉さんに問いただ
したテープがあるじゃない! それも自分の手だけじゃなく、峰岸と日下部を使って!」
 かがみはこなたを睨むような表情で、テープレコーダーを指差しながらそう言葉を荒げ
る。
「まぁ、2人は私の友達だって言ってくれたからね」
 こなたは悪びれもせず、さらりと言う。
「ほら見なさい! 結局また、ここでも友情を自分の為に利用したんじゃないの、アンタ
は! 日下部や峰岸が心配してくれるのをいい事にして……」
 友情を利用した、その言葉に、こなたがびくり、と身体を震わせた。
 かがみはそれを見逃さず、さらに畳み掛ける。
「アンタ、日下部や峰岸があたしと付き合い長いの知ってるわよね!? これであの2人とあ
たしがこじれたらどうするつもりだったの? アンタは自分の為にあたしとあの2人の友情
も壊そうってわけ?」
「見損なうなよな!」
 かがみに怒鳴り返したのは、こなたの声ではなかった。
 前側のドアから、憤りの形相のみさおが、ずかずかと入ってくる。
「日下部……っ」
53トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:16:28 ID:kfGhZveM
「これは私とあやのでやったんだ。ちびっ子は何も指図してなんかいねーぜ」
「柊ちゃん、泉ちゃんはあなた達のこと、まったく疑ってなんかいなかったわ」
 同様に険しい表情のあやのが、エスコートするように後ろにつくみなみとともに、後ろ
側のドアから入ってきた。
「峰岸……っ」
「じゃ、じゃあどうして……」
 呻くかがみの後ろから、驚いたような顔のつかさが問いかける。
「……柊ちゃん」
 指を差すつかさを、睨むように見つめた後、あやのはゆっくりと視線をかがみに向ける。
「な、なによ?」
「付き合い長い、割には、泉ちゃんに話してくれたこと、私達知らなかったよね?」
「ぐっ…………」
「だったら、おかしいと思うのが当然だろ?」
 みさおがかがみをあからさまに睨みながら、そう言った。
「事実はどうあれ真偽ははっきりさせておいた方が良いと思ったの。泉ちゃんの為にも、
私達の為にも」
「何が友情だっつの。そんなもん、お前らがちびっ子を自殺させたって知った時点で、と
っくに捨ててたぜ」
 みさおが続き、かがみ達を強烈に睨みつけながら吐き棄てるように言った。
「うっ……」
 かがみは言葉に詰まる。
「い、泉さん!」
 たまりかねたと言う様に、みゆきが声を上げた。
 頬を引きつらせながら、必死に愛想笑いを作っている。
「な、仲直りしましょう、仲直り、わ、私達もやりすぎたと思ってますから! 今回の事、
本当に……で、ですからもう……」
「ねぇ、峰岸さん?」
 みゆきに視線を向けたまま、こなたは問いかける。
「なに?」
 優しげな口調で、あやのは聞き返した。
「仲直りって友達とか恋人同士が仲悪くなったときにするものだよね?」
「そうね、あとは家族とかもあるかしら」
「ねぇ、みさきち?」
 そのまま、今度はみさおに声をかける。
「なんだ?」
「私に高良みゆきなんて友達いたっけ?」
「さーな。B組に高慢チキな金持ちの優等生がいることぐらいしかしらねー」
 みさおは白々とした目でみゆきを見ながら、ぶっきらぼうに答えた。
「そ、そんな……」
 みゆきは目じりに涙を浮かべながら、そう言う。
「で、でもこなちゃん、や、やりすぎたと思ってるのは本当だよ? だ、だからもう、この
話するのよそうよ」
 次に堪え切れなくなったつかさが、やはり笑顔を装って言う。
「そうだね、つかさとなら仲直りしてあげてもいいよ」
「え……」
「な、なんで……?」
54トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:18:27 ID:kfGhZveM
 こなたの意外な言葉に、つかさが逆に呆気に取られたような声を出す。みゆきが不満そ
うにこなたとつかさを交互に見る。
「よ、よかった……ありがと、こなちゃ──」
「ただし」
 安堵の表情でつかさが言いかけた時、こなたは半オクターブ下げた低い声で、それを遮
った。
「お母さんの櫛が戻ってきたらね」
「え…………」
 血の気が戻りかけたつかさの表情が、再び蒼白になる。
「つかさ達のウソと違ってね、あれは正真正銘、本当にお母さんの形見の櫛だったんだよ?
この世にふたつと無い物だったんだよ?」
「そ、それは……」
「まぁつかさが失くしたわけじゃないから、つかさに返してとは言わないよ。だからもし、
お母さんの櫛が戻ってきたら、つかさと仲直りするって事にしとくよ」
「そ、そんな……」
「ああ、そう言えばみゆきさん」
「は、はひっ!?」
 つかさが再び沈みかける中、こなたはみゆきに向かって再度、声をかける。
「あの櫛が偽物かもしれないって最初に言ったの、みゆきさんだったよね」
「そっ、それは……ただ、そう言う可能性も否定は出来ないかなーと、お、思っただけで
して、べ、別に悪気があったわけじゃ……」
「悪気がねーのにそう言う恥知らずなことが言えんだ、高良は」
 みさおがじろっ、とみゆきを睨みつける。
「やっぱ大金持ちのお嬢様は考え方がちげーよな」
「みさきち、そう言っちゃ悪いよ。みなみちゃんに」
「あっといけねぇ、メンゴメンゴ」
 こなたの言葉に、みさおはみなみを振り返り、軽々しくながら謝るポーズをした。
 だが、みなみは始めから動じてなどいない。
 「あなたの事を信じて尊敬していたのに見損ないました」黙してはいるが、みゆきに向
けられた視線がそう語っている。
「そういや、柊妹も高良も、仲直りとか言ってる割には一度もごめんって言葉が出てこね
ーよな」
 みさおはにやりと笑い、じろっと2人を見た。
「そう言えばそうだねぇ」
「悪い事したと思ってねんじゃね?」
「そ、そんなことは!」
「そんなことないよ!」
 みさおの言葉に、2人はそろって慌てたように、ひっくり返りかけた声を出す。
「だったら!」
 2人を腕で制すると、かがみは低い声で、
「ごめんなさい私達が悪かったです、もうしません許してください」
 と、言って、こなたに向かって、深く頭を下げた。
 ただし、他人からは見えないその表情は、プライドを潰されて歪んだものだった。
「か、かがみさん……」
「お姉ちゃん……」
 かがみの突然の意外な行動に、呆気に取られかけたつかさとみゆきだったが、すぐに我
に変えると、慌てて、
55トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:20:07 ID:rSCHeqfY
「こなちゃん、ごめんなさいっ」
「申し訳ありませんっ」
 と、頭を下げる。
「おい柊、おめー、ホントに状況わかってんのか?」
 頭を下げたままのかがみに、みさおが呆れたようにそう言った。
「柊ちゃん、あなた、法学志望だったよね?」
 あやのに言われて、ぎょっとしてかがみは顔を上げる。
「だったら、法治国家の刑罰の精神ぐらいもう解ってるはずよね?」
 あやのの声が、半オクターブ下がった。
「そ、それは……っ!」
 かがみは蒼白な表情で、あやのと、こなたの手にあるテープレコーダーを交互に見る。
「や、やめてよ、な、なんでもするから、そ、それだけは……っ」
 いやいやをするように、涙混じりに首を左右に振る。
「心配しなくても、別にかがみ達をどうこうしようなんて、私は最初から考えてないよ」
 ふぅ、とため息交じりに、こなたは言う。
「お母さんの櫛は帰ってこないけど、かがみ達の命に代えられる物じゃないからね」
「うっ……」
 うめき声を漏らしたのは、つかさだった。
「ただ……」
 再び、こなたの声が低くなる。同時に、顔に影が差した。
「もう、3人とも、私に構わないでよ……私もそうするから。触れないで……私だけじゃ
ない、みさきちにも峰岸さんにもゆーちゃんにもみなみちゃんにもひよりんにもパティに
も八坂さんにも! 私の大事なヒトに二度と触れないで!」
 声は途中から、悲痛な叫びになった。
「私もあなた達に二度と触れない! だからもう、これ以上私から大事なものを奪わない
で! 思い出を消さないで! 友達を失くさないで! うわ、うあぁぁぁぁぁっ!!」
 こなたはそのまま、その場で人目も憚らずに泣き叫び始めた。
「…………」
 かがみ達は絶句し、みさお達はかける言葉をみつけられない。しばらく、こなたの泣き
声が、既に静寂となった教室を支配する。
「柊さん達、それに高良さん」
 やがてあやのが、険しい表情で3人に告げる。
「泉ちゃんの言いたい事は、解ったわよね」
 かがみ達は、あやののあからさまではない凄みに息を呑んだ。
 沈黙がそれを是と答える。
「正直私はそれじゃおさまんねぇ。でもちびっ子がそれでいいって言うから見逃してやる。
許すんじゃない、見逃すだけだぞ」
「私もみさちゃんも、もうあなた達と付き合いたいと思わない。同じ教室にいる事ぐらい
は許してあげる。でもそれだけ」
「峰岸……日下部……」
 かがみの方も、泣き出しそうな表情で、2人の顔を交互に見る。
「解ったら、さっさと消えなさい」
 鋭利な冷たさを感じさせる言葉が、紡がれた。
「…………くっ」
「あ、お、お姉ちゃん!」
「ま、待ってください!」
 ばっとその場を駆け出したかがみを、慌ててつかさとみゆきが追っていく。
56トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:21:09 ID:rSCHeqfY
「なんかいまいちおさまんねー。やっぱ1発殴っときゃよかったか?」
 3人の立ち去った方を見ながら、みさおが忌々しそうに言った。
「暴力は……良くないです」
 みなみが小さい声ながら、はっきりと聞き取れるように言った。
「そだな」
 表情は険しいまま、みさおはみなみに同意した。
「そうよ、あんな人達と同じレベルに落ちてやる必要なんかないわ」
 やはり険しい表情のまま、あやのはそう言った。
 それを見て、みさおはギョッと目を円くする。
「やっぱ、あやのは怒らせるとこえーなー……」
57トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:23:29 ID:rSCHeqfY

 *

「とりあえずはこれで、めでたしめでたしとは言わないまでも引けですかね……」
 漫画研究会の部室。
 4人が報告に訪れると、ひよりがため息混じりにそう言った。
「もうしばらくは注意が必要かもしれないけどね。時期的にそのうちそんな事言ってられ
なくなるから」
 あやのが苦笑しながら言った。
「でもホント、ありがとう、みんな」
 こなたは泣きはらした後で上気したような表情のまま、その場の面子にそう礼を述べた。
「いいんだって、気にすんなってば」
「そうよ、元々は私達が勝手に始めた事なんだし」
 みさおとあやのは照れくさそうに苦笑する。
「ゆーちゃんも……」
「えっ?」
 こなたの顔がゆたかに向く。ゆたかは短く声を出した。
「ゆーちゃんが真剣に止めてくれなかったら、多分ホントに死んでたと思う……だから」
「そっ、そんな……お姉ちゃん、心配するのは当然だよ、私達家族じゃない」
 ゆたかは慌てたように手を振って、そう言う。
「むしろ、お姉ちゃんが自殺する前に止められなかったから、悪いくらいだよ」
 ゆたかは、そう言って少し俯きがちになった。
「ううん、そんな事ないよ」
 こなたは首を軽く左右に振って、そう言った。
「でも、それに、そう言うんだったら田村さんに言ってよ、最初にお姉ちゃんの異変に気
付いたの、田村さんなんだから」
「えっ!?」
 突然話題に出されて、ひよりは驚いたような声を出す。
「そ、そんな、わ、私だって、泉先輩は大事な先輩で同好の志で、だから……お礼を言わ
れるような事じゃないですって!」
 ひよりも困ったように手を振りながら言った。
「泉先輩、また……」
 こなたの目から涙がこぼれるのを見つけて、みなみが軽く驚いたように、気づかって声
をかける。
「ううん、ちがうよみなみちゃん。これは悲しいんじゃないよ」
 こなたは首を左右に振って、そう言った。
「えへへ、なんだか、昔の漫画だかアニメの台詞、思い出しちゃうな」
 こなたは、どこか照れくさそうに言う。
「あ、それ、なんとなく解る気がします」
 ひよりはぱっと表情を輝かせて、身を乗り出した。
「何はともあれ……」
 こなたはそう言って、その場にいる顔を見渡す。
「みんな、ありがと……」

「私は結局、蚊帳の外だったけどねぇ」
「言わなきゃ綺麗にまとまるっスのに」
 椅子を前後逆に腰掛けたこうの言葉に、ひよりが呆れたようにつっこんだ。
58トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/17(日) 21:25:15 ID:+sntjIZo
>>46-57
今回は以上です。

11レスと書きましたが12レスになってしまいました。
原因は>>50-51が1レスになる予定だったのがミスって分かれてしまったからです。

>>26
立場的にいのりなんですが、まつりに見えるのは書いてる奴の腕が悪いからです。

ちなみにターニングポイントの握り手は、実は背景コンビでもゆーちゃんでもなかったりします。

このスレに投下するにはあまりにも「ちょっとだけ優しい世界」でした。


                                                       …………ここまでは。
59名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 22:01:20 ID:Ac/vrO0w
>>58
乙!
正直かがみ達への制裁が甘い!甘過ぎる!
奴等には地獄すら生温い!
俺がこなたなら即学校家族に全てぶちまけるね。
…ここまでは、と言う意味深な発言の先にある結末を期待してまする。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 22:05:10 ID:Giyr4zdI
一刻も早くこなた自殺させようぜ
61名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 22:10:32 ID:Ac/vrO0w
>>60
お前が死ねよ。
62名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 22:14:24 ID:8ssjm1T9
ここから続き読むの怖くなりそうだw
63名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 22:19:33 ID:xFuvv58U

いい話だ……
ここまでは。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 22:20:49 ID:Giyr4zdI
>>61
いや、お前、スレタイ嫁こら
65名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/17(日) 22:53:13 ID:xV6JOQtQ
>>58
乙です。
これから、かがみ達がどう追い詰められていくのか、とても楽しみです。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/18(月) 01:04:15 ID:FUFD+xZT
あやのんここまでこなたに尽くしてるのに
彼氏盗られたりパラレルワールドから来たこなたに殺されたり散々だなw
67名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/18(月) 01:38:55 ID:rCNJgb4C
ある日のこと

こなた「でも、競争相手がつかさだと張り合い無かったんじゃなあい?w」
かがみ「まぁ、たしかにねぇ・・・」
つかさ「こなちゃんのくせにー!」

・・・
こなちゃんのくせに・・・
こなちゃんのくせに・・・
こなちゃんのくせに・・・・・・
こなちゃんのくせに!!

くっそ〜〜!!
こなたのくせに!!


この日、つかさはこなたに対して何かひどい目に合わせてやろうと決意した。

つかさ「おのれ、見ておれよ、糞野郎が・・・」
68名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/18(月) 03:11:23 ID:eqh9JbhZ
>>67
多分つかさがこなたを虐めるネタはそこから来てると思う。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/18(月) 12:29:59 ID:zZeoRdL2
おもしろいな。
でもごめん、>>51のくだりがイマイチよく分からなかった
どっかでヒントでてたっけ?
70名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/18(月) 20:47:33 ID:0Si6Vfsa
>>58
続きがあるのか?きっとこの後かがみの報復が始まるんだろうな。
71名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/19(火) 01:21:27 ID:Lowv5rgZ
            ヽ、__,..-:‐:‐-ィ':ヽ:-‐::-:.、_
        _,.-‐='ニ´: : : : : : : : :;{: : : : : : : : : :`ヽ、 .
       ´ ̄>: : : : : :/: : :/::/|: : :.::|: : : :`ヽ: : :ヘ ;
     .,ィ'/: : : : : : :/:: : :;j: :| ∨: :::|V: : :ヘ::.:\: :ハニ:=‐-.、 .
    ; 〈:/:.:,ィ´: : : : :j:: : ::/|: :|  V: ::| ∨: : ハ::: :ヘ:: :}:::\::::/ ;
      j/::j: : : : : ::|::__,ノ'|: j u V:.:|ヽ、:__: ::|:::: ::ヘ::|::::::::\
       \:|: : ::i: : ::|:.:/ __|:/    ヽ:|___ \:.:|::: : :ハリ:::::::::/;
          ; |: .:::|: : ::|;/ィチ弐" ....... ゛オ弐z∨:::: : : |:\:/
         : |:.;/:|: : :ハ\:゜:..   ,    ..:::/:∨:::.:ト:|::: :| :
         レi: ::|: ::|.-}:::| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|:u::;r-'|:.:|:::::: :| ; ケホホッケホッケッホッ
         |: ::::ヽ:|:| ヽ|         ,|/|:::||/:i::::: .:|
          |i: : ::::|i:| : `,ニ=‐r--r‐<.   |::| |:|:::::: :|
         |:|: :::::|'|:|  /  r:j   {ア  \; |::| .||:::::: :|
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          : |:| : :::|.|::j\    | ./     ,/ハj  |::: : :| ;
         ; |:|: ::::| |:{  {\  | /    /}   }  |:: : :.|

72名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/19(火) 01:26:56 ID:ixTxmQ9N
かがみん風邪?可哀想だから許してあげようぜ。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/19(火) 12:37:55 ID:1Xr3xidJ
>>58
乙。
続き楽しみにしてます。
何時頃かな…。
74324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/19(火) 13:46:28 ID:LNIkjvfH
明日か明後日の予定です。

なんか過剰に期待されてるみたいですがあと1回で終わる予定です。orzドオカコノトオリ。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/19(火) 19:06:59 ID:OudFiedq
>>74
ダラダラ長いのよりずっと良いよ。
待ってます。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/20(水) 12:56:17 ID:xHApQOFV
なんかこのSSの自殺者はこなたじゃなくてかがみにしてほしいと思ってしまう
(´・ω・`)
77名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/20(水) 16:57:05 ID:KMzbi1Jm
もう一波乱あってこなたが自殺するなら、かがみ達には相応の天罰が下って欲しい。
こなたいなくなったら何だかんだで3人の目的達成されてしまう・・
78神奈川(≡ω≡.):2009/05/20(水) 20:57:44 ID:G64ORxid
やっと書き込めた〜

世の中けいおん!だろうが、やっぱこなたを自殺させなきゃな。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/20(水) 21:06:08 ID:55G+HfTv
あっは!
待ってたぜ!
ってかこのタイミングかよwwwwwwwwwwwwww
感動的にこなたの幸福を願う声が多い中wwwwwwww神w奈w川w降臨wwwwwwwwww
いやいやwwwwwwwwwww神w降w臨wwwwwwww
かがみ達なんてメじゃないくらいの鬼畜っぷり!!!!
80名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/20(水) 23:56:26 ID:1oSfsBuc
みんなの陰気を集めて自殺玉を作り、こなたにぶつけるんだ!!
すごく大きいのができるだろうな。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 01:22:36 ID:p8Tc2szQ
たまには自殺しないSS作ってよ(≡ω≡.;)
82名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 08:36:41 ID:xxzelm2S
こちらもよろしくお願いします。

「平沢唯を自殺させる」方法を考える
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1242862349/l50
83名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 09:56:20 ID:+Ot+61TV
そういえヴぁ、ヤク中大分も最近、絵を描いていないな。

あの人はつかさ好きだったな。
84名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 11:48:41 ID:BGgBu/re
「泉こなたを自殺させる方法」を考える31
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1241867286/

基地害はうぜえけれど、基地害の劣化品の>>1は汚物
85名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 17:32:25 ID:i28TDRsy
うつすた正直俺の中だといまだに最強だわ
文とか漫画とか曲とか充実しすぎてる
86名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 18:26:01 ID:p8Tc2szQ
そのうつすたを神奈川が書いたらどうなるだろう?
87名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/21(木) 21:45:12 ID:i28TDRsy
それは失礼な提案だな
88324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 04:55:25 ID:hvC0z+sZ
こんな時間ですが>>46-57の続きです。

結局1回じゃ収まんなかった……orz いやなんとなく予想はしてたけど。or2

6レスお借りします
89トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 04:57:05 ID:hvC0z+sZ
 *

 天網恢恢、疎にして洩らさず。

 *

 つかさが気がつくと、今ではよく見知った糟日部の繁華街にいた。
「あ……れ……? 私?」
 前後関係の経緯がつかめず、困惑する。
 真昼だというのにやたら静か。すれ違う人々から“生活している”という気配が感じら
れない。
 しかし、つかさはそれを異様とは認識しなかった。
「帰らなくちゃ……」
 もしかしたら学校に行く途中だったのかもしれないが、つかさはとりあえず自宅に帰る
ことを選択した。
 しばらく歩くと、記憶どおりに駅前に出た。
「あれ、お母さん?」
 駅前の大型スーパーの正面口の前で、つかさの母である柊みきが、誰かと談笑している
のが見えた。
 それは、よく見知った顔────
「ど、どうして! どうしてこなちゃんがお母さんと一緒にいるの!?」
 きゅう、と胸が締め付けられるような緊張を覚える。
 ────もしかして、リボンのことお母さんに言っちゃうつもりなんじゃ……
 つかさは慌てて、みきとこなたが話しているその場所へ向かって駆け出す。
 しかし、おかしい。
 距離にして50mもないはずなのに、どんなに走っても、どれだけの人とすれ違っても、
スーパーの出入り口に近付くことが出来ない。
「?」
 はあはあと必死に息を切らしながら走っていたつかさだが、やがてその光景に違和感を
覚える。
 気がつけば、こなただ色がない。
 周囲はいつもと変わらず総天然色なのに、その中で、白いサマードレスを着た彼女にだ
け彩色がなかった。
「え……っ!?」
 気付いた。
 気付いてしまった。
 みきと談笑している少女。否、少女に見えるが、母と同じくらいに落ち着いた表情。
 何度か見たことはある、だが直接会ったことはない。いや、会った事があってはおかし
い人物。
 それは泉こなたではなく────
「ま、待って!」
 つかさは慌てて手を伸ばす。
 談笑していた2人はそのまま、楽しそうに笑いながら、色のないこなた似の女性がみき
の手を引いて、つかさに背を向けて歩き始めたからだ。
 2人が向かうのは、アーケード街。
 しかし、糟日部の駅前にこんなアーケードは存在していなかった。
 だが、そのことそのものには、つかさは違和感を感じなかった。
90トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 04:58:30 ID:hvC0z+sZ
 何より────アーケード街には、色がなかった。────泉かなたと同じように。
「いやあぁぁぁぁぁっ! だめ! お母さん、行っちゃ駄目! 行っちゃ駄目だよぅ!!」
 つかさの声は届いていないかのように、2人は背を向けたまま歩いて行ってしまう。
 つかさは全力で走っているのに、静かに歩いている2人にまったく追いつくことが出来
なかった。
「いやぁぁぁっ、ごめんなさい! 許してください! 私が悪かったんです! こなちゃん
の……だから、だからお母さんを、私のお母さんを連れて行かないでぇぇぇっ!!」
91トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 04:59:26 ID:hvC0z+sZ
 *

 隣の部屋から響いてきた尋常ならざる叫び声に、かがみは飛び起きた。
「どうしたの、つかさ!」
 かがみが真っ先に飛び込んだとき、つかさは自室のベッドの片隅に縮こまり、ガクガク
と震えていた。目の焦点はどこを捉えているのか定かではない。
「こなちゃんごめんなさいこなちゃんごめんなさいこなちゃんごめんなさい……」
「つかさ、つかさしっかりして!」
 かがみが駆け寄り、つかさの肩を掴んで揺するが、つかさはすぐには反応せず、姿勢を
固めたままうわ言のようにその言葉を繰り返した。
「なんなの、こんな時間に」
「つかさー?」
 廊下の照明が点き、かがみのさらに上2人の姉達が、心配半分、迷惑半分と言った様子
で部屋を覗き込んできた。
「どうしたの、つかさ?」
 続いて、母みきの言葉と共に、両親も心配げな表情でやってくると、いのりとまつりを
退かすようにして、部屋に入ってきた。
「あ……ぅ……お、お母さ……ん?」
 みきの声を聞くと、つかさは飛び跳ねるように視線を上げ、その顔を見た。
「良かった……お母さん生きてる……」
 つかさは心底安堵したような口調で言うと、そのまま両目から大粒の涙を零し始めた。
「なによ、怖い夢でも見たの?」
 みきは穏やかに苦笑しながら、より年少の子供をあやすように、つかさに手を伸ばす。
「うん……うん、見ちゃったの、お母さんが……」
「私が死んじゃう夢?」
「うん…………」
「やぁね、まだそんな歳じゃないわよ」
 苦笑しながらも、みきはつかさを宥めるように優しく頭を撫でた。
「うううぅ……おかあさぁん……」
 つかさはみきに抱きついてくる。
「あらあら……もう、小さい子に戻っちゃったみたいね」
 苦笑しながら、抱きついてきたつかさの背中を支える。
「もう、大丈夫かしら?」
「うん……」
 みきの問いかけに、しかしつかさの声は弱々しい。
「1人で寝られる?」
 つかさはみきに抱きついたまま、左右に首を振った。
「仕方ないわね……今日は、私達の部屋で寝なさい」
 つかさに自分に伴わせるようにして、共に立ち上がる。
「お父さん、布団出してくれます?」
「ほいきた」
 後ろに控えていたただおが、そういいながら、みきとつかさを先導するように部屋を出
る。
 さらにみきとつかさに続いて、かがみは心配そうに寄りそいながら、部屋を出ようとし
た。
「待ちなさい、かがみ。アンタはここに残って」
 背後から、いのりの声がそれを呼び止めた。
92トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 05:01:18 ID:hvC0z+sZ
「いのり? まつり?」
「お姉ちゃん?」
 みきとつかさも振り返り、険しい表情をする長女と次女の顔を見る。
「ごめんお母さん。ちょっと聞きたい事があるから」
「ええ……あまり夜更かししないようにね?」
 いのりが言う。すると、少し怪訝そうに思いつつも、みきはつかさを連れて部屋を出る。
「お姉ちゃん……」
 つかさがか細く声を出したが、それがいのりとかがみ、どちらを指しているのかは曖昧
だった。
 3人の気配が階下に降りていったのを確認してから、まつりが部屋の扉を閉めた。
「なによ……2人とも」
「それはこっちの台詞」
 かがみが険悪な口調で言うと、まつりが険しい表情で言い返した。
「この間から変よね、アンタもつかさも」
「べ、別にそんなことないわよ」
 いのりが目を細めて問いただす。すると、かがみは強気を装って荒く答えた。
「嘘だ。この前小学校の同窓生に電話かけまくってたし」
 まつりが否定しながら、大きい目でかがみを睨むようにしつつ、いのりの隣に回りこむ。
「あ、あれは別に、仲良かった子がどうしてるか気になっただけで……」
「卒業アルバムの連絡先見ながら? 2人で携帯電話使って?」
 かがみが言い訳すると、まつりがさらにつっこんだ。
「そ、それは……」
「…………」
 かがみが言葉に詰まる。姉2人の追及の視線は緩まない。
 僅かの間、沈黙が流れる。
「ああ、こうなったら仕方ない。黙ってるって約束したけど、言うわ」
 いのりが焦れたように言う。
「峰岸さんが神社の方に来てね、変な質問されたのよ」
「!」
 俯きかけていたかがみの顔が、ギョッとして目が真ん円になる。
「つかさに小学校の頃付き合ってた男の子がいて、その子が死んだって噂があるって……
私はそんな事ありえないって返事したけど、峰岸さんは納得できないような顔してた」
「姉さん、そんな事あったの!?」
 まつりが目を円くしていのりを見ると、いのりは一旦まつりを見て軽く頷いてから、再
びかがみに険しい表情を向ける。
「その時は、ただ単に流れてる噂が根も葉もない事だったからだと思ってたんだけど、ち
ょうどその頃からよね、アンタとつかさがおかしくなり始めたの」
「そんなの、関係ないわよっ!」
 かがみは荒い声で言い返した。
「本当に関係ないのね?」
 いのりが確認するように言う。まつりはおやっ、とした表情で、いのりの顔を覗き込ん
だ。
「関係ないわよっ」
 かがみは、再度そう言った。
「そう……そう言うなら仕方ないわね」
 いのりは目を伏せてため息をつくと、そのままかがみとすれ違ってつかさの部屋を出て
行こうとする。
93トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 05:02:47 ID:hvC0z+sZ
「姉さん、ちょっと」
 あわてて、まつりがそれを追いかけた。
「かがみ」
 いのりに続いて部屋を出かけたまつりだったが、その間際に振り返って、険しい表情を
かがみに向けた。
 かがみは背を向けている形で、振り返ろうともしない。
「アンタはそうやって意地張れてもね、つかさはもたないよ」
 そういい残して、まつりも部屋を出て行った。
 ドアを閉める音が、やけに高く大きく響いた。

 *

「姉さん、あれで良いの? ずいぶん甘いんじゃない?」
 部屋を出たところで、まつりはいのりに背後から声をかけた。
「良くない……と思う」
「えっ?」
 いのりの洩らすような小さい声に、しかしまつりはそれを聞き取った上で聞き返す。
「アンタの言ってること正しい……かがみは良くてもつかさが持たない……でも……」
「でも?」
 まつりは、不安そうな表情で、鸚鵡返しに再度聞き返す。
「私はアンタやかがみみたく聡くないけどね、でもわかんのよ、2人が何隠してるか……」
「やっぱ、姉さんも泉さんの自殺のこと……?」
 まつりの問いかけに、いのりは頷いた。
「それ以外ないじゃない。タイミングよすぎるでしょ?」
「うん……確かにあの泉さんが受験を苦に自殺するなんて思えなかったし、お母さん亡く
してるから尚更……それに、あの2人が急に泉さんの話しなくなった途端だから
なんかあるなとは思ってるけど……」
 まつりは頷き、そのまま俯きがちに視線を床に這わせる。
「でもねぇ認めたくないの、そうでしょう? だって2人とも私の妹なんだもの。本当に違
うんならそれでいいって思いたいのよ」
「それは……私だってそうだよ……」
 泣き出しそうな表情でいのりが言うと、まつりも瞳を熱くしかけながらそう言った。

 だが、2人はこの時かがみを厳しく追及しなかったことを、後悔することになる──
94トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 05:05:06 ID:hvC0z+sZ
 *

「ほんでうちのがビデオ占領しててさ、いい加減大学生なんだから1台自分で買えっつの」
「でも今だと地デジのおかげでかえって高くつくからねぇ、まったく財布に優しくないよ。
2ちゃんでも激しく叩かれてるし」
 こなたとみさおがくだらない話をしながら、それに1歩下がる形であやのが付き添って
3人で登校してくる。
「そんじゃ、また後でなー」
「それじゃぁねー」
 みさお達とわかれたこなたは、特に何を思うわけでもなく扉を開けて、中に入った。
「ひっ!」
 ガタガタンッ
 突然、短い悲鳴が聞こえてきたかと思うと、机を鳴らしてつかさが飛び跳ねるように立
ち上がった。
「!?」
 それがあまりに突然で、しかもつかさが自分を見ていたので、こなたも一瞬身構えたの
だが、つかさはそれ以上に、異様なほどに怯え慄く表情を見せていた。
「どうした? 柊ー」
 近くにいたみのるが声をかけるが、つかさは怯えた目でこなたを見ながら、ガクガクと
震えている。
「ちょ……」
「いやぁぁぁぁっ、こ、来ないでぇっ!!」
 さすがにわけが解らず、こなたが声をかけかけた途端、つかさは周囲を震わせるほどの
悲鳴を上げた。
「つ、つかささん!」
 みゆきが慌てて駆け寄ろうとする。
 つかさは反射的に後ろに下がろうとして、足をもつれさせて床に転がった。
「来ないで、来ないでぇ! もうしない、もうしないから! 絶対しないから、お母さんを
連れて行かないで、こなちゃんのお母さんごめんなさい、ごめんなさいぃぃっ!!」
「お母さん?」
 こなたはそう呟きつつ、周囲の人間と共に呆然とそれを見るしかない。
「何があったんだ!? って、うわっ!? 柊妹!?」
 廊下で、こなたがB組の教室に入るのと同時に、尋常ならざる悲鳴が聞こえた事に、み
さおが慌てて飛び込んできた。だが、教室の床に転げながら、のた打ち回るように取り乱
すつかさを見て、思わず顔をしかめる。
 つかさはうわ言の様に「ごめんなさい」「こなちゃんのお母さん」「お母さんを連れて行
かないで」を繰り返していた。異臭が教室内に微かに漂った。つかさは失禁していた。
「つかささん、しっかりしてください、しっかり!」
 みゆきが必死に呼びかけるが、つかさの返事は要領を得ない。
 つかさはみゆきとみのるに保健室に運ばれて行ったが、それからいくらもしないうちに、
ななこのワゴンRがつかさを乗せて校門から出て行った。
 それが、つかさが稜桜学園で見せた最後の姿になった。
 付け加えるなら、その日、3学年前半クラスの社会科系教科は自習だった。
95トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/22(金) 05:07:10 ID:hvC0z+sZ
>>89-94
今回は以上です。

つかさの性格ってせいぜい小悪党どまりだよねー。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 10:40:52 ID:/9bLKhzB
>>95
乙。
この展開は全く予想してなかったな。
次がラスト?
楽しみです。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 12:14:31 ID:rtLQwmFz
乙です。
つかさの取り乱しぶりが演技によるものだったら?
これを足掛かりにまたこなたが窮地に陥りそう
98名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 14:51:15 ID:rsbepfV1
つかさは操り人形ですから…
99名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/22(金) 15:16:25 ID:+SlP4eSe
つかさ退学か死か発狂か。
何れにせよ、一つの柱が落ちたか。
残り二本。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/23(土) 18:58:11 ID:nAZdISfz
てすてす
101名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 01:37:48 ID:ABnrwj4i
ちょ、続きも期待w
102名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 02:37:04 ID:kvYEi6fY
漫画描いたんですけどうpしてもいいですか?ちょっと長めで
16〜20ページ(2ページを1枚にまとめるのでうpする
のは8〜10枚)くらいになるんですが
103名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 05:38:06 ID:xMvf3FK4
104名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 08:42:59 ID:Y/oDtp12
>>102
ぜひ、うpよろしく。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 14:22:25 ID:WvRR6Ett
>>103
そうじろう何てことを・・・。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/24(日) 14:55:31 ID:Y2OuK+mY
107名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 00:10:18 ID:vPdJkgoH
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1266590.html
ここのこなたとかがみみたいなもんか。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 01:20:50 ID:gAtWkZ7T
アンチでも信者でもないが、一時期ネトゲ廃人だったからわかるが
こなたのネトゲのアカウント消したらかなりキツイと思うわ

自殺はしないだろうが、結構頭ん中真っ白になる

そこを突いたらどうにかなるかもな
109失職:2009/05/25(月) 03:05:54 ID:Cx9HXyJp
漫画描いたのでうpします

『人形』〜はじまり〜
何気ない日常、とあるゲームセンターでこなたたちが遊んでいると
クレーンゲームのコーナーで不思議な人形を発見し…

http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d572802.jpg
http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d572803.jpg

なんか練習のつもりで描いた汚い漫画がウィキにのってて申し訳ないやら…
ウィキの絵師のレベル凄すぎてワロタwww仕事見つかんないし失業給付
もらうまで金使いたくないので、家にこもって精進します…
110名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 07:03:48 ID:IdbQkDVP
>>109
普通にいい感じだと思う
はやく続きみたい
111名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 07:37:18 ID:fiwabduy
こなたイジメ一部で流行ってるみたいだけど
ハルヒのイジメ的なものは無いの?
112名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 12:01:22 ID:0kLgQEjX
>>109
不気味で素敵です
113名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 17:19:31 ID:jUQXzZMR
>>109
リアルが大変なのにこんな暗い漫画描いて大丈夫かちょっと心配だw
114名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 19:14:10 ID:vPdJkgoH
>>111
以前いじめSS専用スレがあった。これがまとめ。
http://www.geocities.jp/izime_sos_dan/
115名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/25(月) 21:47:18 ID:8chK37+5
>>109
お世辞抜きで普通にうまいです。
続きに期待
116名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 11:19:28 ID:bSoBi2Jg
このスレのおすすめは、かの氏が再臨する予兆なのか?
117名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 20:23:26 ID:rYud64fc
>>109
面白いなこれ
118名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 21:12:37 ID:qxG7J3dj
>>95
続きマダー
ってか次で最終回?
119名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/26(火) 23:02:18 ID:0XDEjFmz
>>109
gj!
人形怖っ
120名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 02:25:00 ID:uEf84dws
>>109是非続けてくれ

121名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 02:30:00 ID:qWRzrCw+
本当に職人に事欠かないスレだなw
次から次へと供給されていく
122名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 03:20:01 ID:aE10xW4+
>>105
もう一人は?
123sf655:2009/05/27(水) 20:13:16 ID:qfjg8Xli
大学入試の結果見事に留年したsf655です。
そこそこに勉強しつつ、かなり暇な時間が増えたので、久しぶりに戻ってきました。
受験中にssを上げようとして中途半端だったけど、再開しようとおもいます。
といっても、これからプロットを立ち上げるのですが・・・。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 20:23:25 ID:5ObXaSJU
ジョックに貶められたり失業したり浪人したり…
書き手にフラグ立ってる…
125sf655:2009/05/27(水) 20:31:24 ID:qfjg8Xli
>>124

留年じゃなくて浪人だったwwwww
126名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:21:42 ID:W7xfetjA
本スレと同じスレ数たってるとか2ちゃん住人どんだけ歪んでんだよ…
127名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:33:32 ID:EuLIbftd
いいんだよそれで
128名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/27(水) 22:34:57 ID:4g4njLLf
さすが2ちゃんねら
129失職:2009/05/27(水) 23:56:27 ID:5gwk2iOc
続き描いたのでうpします

『人形』〜疑惑〜
見てはいけないものを見てしまったつかさ。それに対するかがみや
こなたの反応は…

http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d574008.jpg
http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d574009.jpg

レスくれた人感謝です。まだ色々試しながら描いてる状態なので
絵が安定しなかったり突然変わったりするのはご容赦ください。
伏線ははり終わったので次回はこの話の本題です。とある作品
の影響を受けているので、分かる人にはこの話で結末までみえる
かもしれないですね。話は全部考えてあるんですが、絵描くの
遅いので次は少し時間かかるかもしれないです。
130名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 00:45:48 ID:hjIGh7hM
こなたん 誕生日おめでとう
131名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:07:28 ID:+RQ775pP
>>129
あのそうじろうが怖がるとは、よっぽどなんだろうな
132デフォ北:2009/05/28(木) 01:24:52 ID:zmzbRd0b
お久しぶりです

泉こなたを誕生日にじさつさせる方法を考える

ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d574045.jpg
ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d574046.jpg
ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d574047.jpg
ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d574048.jpg
ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d574049.jpg

何か色々シュールです
暇つぶし程度で読んでください

>>129
謎の人形ドナルド人形の正体や如何に、ですね
続きがとても楽しみです
133名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:47:56 ID:XD9WQw0n
      , -―‐-、_
    ,/      `ヽ、
  __/V / , iヽ/i ,  、ヽ
  / .iミl .l ,ハl  l/l/i l .|
  | !ミ| レ -‐‐  ‐- l .ハ/
  | トi、{"   r┐  }/   あんたら、救いようの無いヴァカだぬぇー
  | | ヘ|ゝ、__ _.,イレ
  | | ./`, `━' `ヽ、
  | | 〈ヘ/     )、〉
  | | | |〉  _ム. |
 人リ | |/二/ /ニヽ|

134名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:54:28 ID:yVUz5sQY
>>129
人形のキモさがたまらんねwwwww
>>132
つかさに食われたほうが、Gを食べる事よりも、ね。
ってかマジひさ
135名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 01:54:35 ID:XD9WQw0n
「ここの住人はね…オヤシロ様の祟りを一身に受けた呪われた連中なの…!
 こなたもここの腐った外道野郎どもに、消されてしまった…!!みんな消えちまえ!!!」
             /      |ヽ /:\     . ヽ  |     \
           /      i  i::::V:::/ \  、  : .ヽ |       \
            / ィ     i |V゙^"  ∠_V :|、  : . ∨         \
         i/ ,  . :i  ハ |ヽ、'、ィ≠__ X|_|l  }: : \.          ヽ
         i l  l: :l   |二、iy)\V (i!ツ ト|l / : : i、:\: .  : . .    ハ
             |  i: : 、 メ (タノ 、  \ ̄`  ノィ: : : : | ヽiヽ、: : . : . .    ハ
            ヽ  ヽ: \ ヽ fニニュ     /フ}: ノ    } }ヽ: : . : :    }
            へ i\i `‐ヽ|_r'⌒ヾ, '   /! |ノイ TT丶.ノノ: ハ : : . : : . ノ
           /_ `ヽ、.\  !{   ノj i /::| | |  | |  ヽ/  }: : : : /
        . "´    、   >`==彡'_ノ:ノ '|.|  | |    ハ  ノ: : /
      /         ,i -‐'    下二二/   ||  | |    K:__/
     ∠.....      /               || //      ヽ
`丶、  { / ヽ     /          /      、lj_// /      \
   ` <    ∨   {         /       ハ  | '   ....................\
.           |   ゝ.......     /        j  | | /      \`>

136324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/28(木) 05:23:21 ID:b1tsdc1e
スレ本来の趣旨に沿った作品が落とされている中ではありますが、
>>89-94の続きを投下します。
137トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/28(木) 05:26:01 ID:b1tsdc1e
 *

 因果応報

 *

「つかさ、つかさは大丈夫なの!?」
 帰宅一声、かがみは息せき切った様子で柊家の玄関に飛び込むと、まずはそう声を上げ
た。
 まだ陽ははるかに高い。
 つかさが病院に運ばれた。そう聞かされたかがみは、最初は救急車を要する程ではない
と言うことで授業を受け続けたが、どうしても落ち着いて専念することが出来ず、結局、
2時限目の終わりで早退してきてしまった。
 その際、ひかるにつかさは既に帰宅したと聞かされ、病院ではなく自宅に向かった。
 こんな時に限って入ってきた電車が、こなたの家の方へ向かう南粟橋行き急行だったり
と、電車の中で揺らされて焦れた。日中の時間に高校の制服姿ということで奇異の目を向
ける人間もいたが、それは気にならなかった。幸い、警察官から職務質問は受けずにすん
だ。
「あ、お姉ちゃん」
 家に飛び込んだかがみを、最初に出迎えたのは、上下パジャマ姿のつかさだった。
「つかさ……? 大丈夫なの?」
 あまりに緊迫感を欠いたつかさの様子に、かがみは一瞬呆気にとられつつ、怪訝そうな
表情で訊ねる。
「うん。あ、私が心配で帰ってきちゃったんだ、ごめんね心配かけて」
 つかさは答えつつ、そのことに気がつくと、申し訳なさそうに眉を下げた。
「そ、そうよ……本当に大丈夫なの?」
 かがみは唖然とした表情になって答えると、再び眉をひそめて訊き返す。
「うん、お医者さんに行って注射してもらったら落ち着いたよ」
 つかさはあっけらかんと答えた。
 だが、かがみはさらに表情を険しくし、
「こなたに何かされたの?」
 と、問い質した時。
「こな……ちゃん……?…………」
 不意に、つかさの様子が豹変する。それまでのおっとりとした表情のまま、呆然とした
ように呟くと、いきなり、表情から血の気が一気に失せ、表情が恐慌に歪む。
「…………つかさ?」
「……い、や、……いやぁぁぁぁっ!」
 つかさは頭を抱えるようにして、立ったまま振り乱す。
「つかさ! しっかりして!」
「つかさ!」
 慌てて、家の奥からみきが飛び出してきた。
「つかさ、大丈夫、お母さんはここにいるから、つかさの傍にいるから……」
「うんっ、うんっ、お母さん……っ」
 みきはぎゅっとつかさを抱きしめ、頭を撫でながら、耳元で囁く。
「大丈夫だから……お母さんと一緒に、部屋に行きましょ? 一緒にいてあげるから……」
「うん……うん……」
138トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/28(木) 05:28:28 ID:b1tsdc1e
 つかさはガクガクと震えつつ、涙をボロボロとこぼしながらくしゃくしゃの顔で、みき
の声に答える。
「かがみ」
 つかさの取り乱し様と、それを聞きつけて直ちに飛び出してきたみきの姿に、かがみが
呆気にとられていると、別の方向、居間の方から呼ばれた。
「ちょっとおいで」
 居間の襖からまつりが顔を出し、険しい表情で手招きしている。
「あ……」
 かがみは不安そうな表情で、階上のつかさの部屋に行くつかさとみきを後ろ髪引かれる
ように見送りつつ、居間に入った。
 今に入ると、家族がつける大きな座卓の上座に、どっしりとただおが腰を下ろしていた。
まつりと、いのりの姿もある。いずれの表情も険しい。
「かがみ、座りなさい」
 ただおは自らの正面になる位置を指して、かがみに低い声でそう言った。
「はい……」
 かがみは僅かに慄きつつも、力が抜けたように神妙としながら、ただおの正面に正座し
た。
「解離性障害とてんかん症状を伴う心的外傷後ストレス障害、いわゆるPTSD、だそうだ」
「つかさが……」
 かがみは下唇を噛み締める。
「今のところは急性的な症状だが、重度の慢性障害の傾向が出ているそうだ。家庭での日
常生活は可能だが、今日の様に急な発作を起すと生命の危険に晒される可能性もあるので、
介護者の手が必要だそうだ。精神障害者と自立支援医療の申請をするよう勧められたよ」
「そんな……つかさが……なんで……なんでよ……」
 ただおが淡々と事実を語ると、かがみはふるふると顔を振りながら、震えながら言う。
「なんで……つかさが……こなたと……日下部達のせいで……っ」
「やっぱりなんか関係があったんだ!」
 かがみのうわ言のような言葉に、まつりが反応してかがみを睨みつけながら声を荒げる。
「まつり」
 ただおは一言そう言って、手でまつりを制した。まつりは口は閉じたが、今にも噛み付
きそうな表情でかがみを睨んでいる。
 いのりは複雑そうな表情で、何かを考えるように軽く俯いていた。
「かがみ、何があったのか話しなさい」
 ただおは静かに、だが有無を言わせぬ威圧感を伴いながら言う。
「泉さんと何があったのか、全部」
「…………それ、は……」
 かがみは一転、俯きがちに、ぼそぼそとかすれそうな細い声で、話し始めた。
 偽の形見のリボンをでっち上げて、それをこなたに貸し、失くさせた。
「…………そうやって、こなたを追い込んだの。でも、自殺までするなんて思わなかった」
「ふむ……」
 かがみはそこまで話して、以後の経過を濁した。
「父さんも泉さんが自殺するような人間だとは思わないな」
「で、でしょ? 普段あんだけ面の皮厚いのに……」
 かがみは引きつった笑みを浮かべながら、父に同意しようとする。
「確かに性格的な面もあるが、それより父子家庭で育っているというのがな」
「え…………」
 ただおの言葉に、かがみの表情がさらに引きつる。
139トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/28(木) 05:29:40 ID:b1tsdc1e
「親を亡くしている子供というのは、故に命の重さを他人より感じるものなんじゃないか
と思う。泉さんの普段の明るさも、その裏返しとも取れなくもない。その泉さんが自殺す
るほど思い詰めるには、それだけでは足りないような気がするね」
「…………」
 ただおの口調はあくまで穏やかなものだったが、かがみを確実に追い込んでいく。
 バンッ!
 まつりが座卓を平手で叩いた。
「まだ隠している事があるでしょ! さっさと言いなさいよ!」
「まつり」
 焦れたように怒鳴るまつりを、ただおは再度制した。
「泉さんの自殺だけじゃない、つかさの障害もだ」
「え…………」
「つかさが発作を起す条件は泉さんだろう。そして発作の最中につかさが言う言葉が『お
母さん』だ。何か意味があるんじゃないのか?」
「…………それ、は……」
 かがみは俯き、沈黙してしまう。
「言えない様な事をしたと、思っていいんだね?」
「…………」
 ただおが再度訊ねても、かがみは沈黙したままだった。
「まぁ、その先はもう聞いても取り返しのつかないことなんだろう」
「…………」
「それじゃあ、今後のことなんだが……」
「お父さん」
 それまで沈黙していたいのりが、顔を上げてただおに声をかけた。
「何かな?」
「ごめん……私、もう一度学校に通わせてもらっても良いかしら?」
 訊ね返すただおに、いのりは穏やかな表情で、緩く笑みながら言った。
「姉さん?」
 まつりが驚いたような声を出し、いのりを振り返る。
 いのりは穏やかな表情のまま、まつりを振り向いて軽く頷く。
「私が父さんの後を継ぐわ。それでつかさの面倒も見る」
「本気なの!?」
 まつりが素っ頓狂な声を出す。
 いのりは頷いてから、
「婿をとることも考えたけどね、相手につかさを背負うことまで強要できないでしょ? 父
さんはひょっとしたら、女性神主には抵抗あるかもしれないけど……」
 と、言いながらただおを見た。
「……いや、その気があるなら、別に娘自身に跡目を譲る事は否定はしないが……いのり、
それは本気で言ってるのか?」
 ただおは少し愕然としたようにしつつ、搾り出すように言い、いのりに訊き返した。
「本気よ。後悔はするかもしれないけど、しょうがないじゃない? お父さんとお母さん
がつかさをこの先ずっと見ていくのは無理があるし……それだったら、長姉の私が見るし
かないじゃない。覚悟は出来てるわ。どんなことをしたにせよ、つかさは私の妹だもの」
「姉さん……」
 まつりが、詰まったような言葉を出す。
「うむ……そういうことなら……」
 ただおも未だ詰まるような口調で、しかし同意する言葉を出した。
140トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/28(木) 05:30:44 ID:b1tsdc1e
「ちょ、ちょっと待ってよ、そ、それならつかさの面倒は私が見ればいい、私がやれば…
…」
 かがみは顔を上げると、表情を険しくして、胸に手を当てながら声を上げる。
「かがみや」
 ただおは、少し醒めた目で実娘の顔を見た。
「お前は、2人分の罪を背負えるのか?」
「…………それは……」
 少し言い澱んだが、顔を上げなおすと、
「背負うわよ、背負ってみせる」
 と、強気に言い返した。
 しかし、ただおといのりは顔を見合わせると、お互いにふるふると首を横に振った。
「それは背負おうとしているんじゃない。逃げようとしているだけよ」
 いのりが、ため息混じりにそう言った。
「そんなことない!」
 かがみは反射的に言い返す。
「それじゃあさ、かがみ」
 まつりが険しい表情で、問いかけるように言った。
「なんでアンタは、つかさのように泉さんを怖がらないの?」
「それはっ……!」
 まつりの言葉に、かがみは即答できなかった。
「アンタはねぇ、実際まだ悪いことをしたと思ってないのよ! まだ全部を話してもいな
けりゃ、さっきはつかさのPTSDが泉さんと日下部さんたちのせいみたいに言ったし!」
「…………」
 図星だった。かがみは今でも、この事件の原因そのものはこなただと思っている。
「かがみ、アンタがどう思っていようが構わない。でも、アンタにつかさを任せることは
出来ない。だからつかさは私が面倒見る。だからアンタは好きにしなさい」
「…………っ……!」
 いのりが突き放すように言った。かがみは屈辱と哀しさが入り混じって歪んだ表情にな
り、再び言葉を失って俯いた。
 ただおは何も言わずにいたが、その沈黙が肯定を示していた。
141トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/28(木) 05:31:50 ID:b1tsdc1e

 *

 柊つかさは再びその教室に戻ることはないまま、稜桜学園を退学した。
 もう夏休みも近い時期だったが、介護無しでの生活が絶望的だったからだ。
 ただおとみきは稜桜学園に事情を説明しに言ったその脚で、地元の市役所に寄り、つか
さの精神障害者認定と自立支援医療の申請を行った。
 3ヶ月後に発給された障害者手帳には、1級が認定されていた。

 *

 つかさが正式に退学した頃、岩崎家は泉家の近所の住宅街に引っ越してきた。
142トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/28(木) 05:32:40 ID:b1tsdc1e
>>137-141
今回は以上です。

こ、今度こそあと1回で……いや、2回かかるかも……orz
143名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 07:12:11 ID:wgcndtG/
あのさ、ここのスレ的には否定した意見になるけど……このSSだけはこなたが死ぬような事はなしにしてほしいな………

やっぱり、かがみがした事は許せないんだよ。


(´・ω・`)ごめん、スレチ承知で言ってみた
144名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 08:07:45 ID:k+LZahR2
>>129
この人形にこなた達の友情が封印されたのかな?
145JEDI_tkms1984:2009/05/28(木) 12:04:10 ID:EJyWL+po
>>124

そのジョックに虐められている僕ですが、またしても規制で書き込めなくなったり、
家のすぐ近くで高校生が新型インフルエンザにかかったり、総会という名の飲み会がなくなって万歳三唱したりしてます。
SSのストックはありますが現在投下中の方もいらっしゃいますし、
決算整理が始まり断続的に忙しくもなるので、折をみてスレの殷賑に貢献したいと思います。
146JEDI_tkms1984:2009/05/28(木) 12:35:33 ID:EJyWL+po
>>129

 なんか人形に殺人鬼の魂が憑依してそうな感じですね。
思えば道化師はみな、どこか不気味な顔ですよね。

>>142

 非常に深いお話です。
実はいじめっ子よりも大抵はいじめられっ子の方が遥かに忍耐力があるんですよね。
大勢からの責め苦をひとりで耐えているわけですから。
ですからこのお話のつかさみたいな人間は本当に嫌いなんですよ。
「散々に他人を虐めておいて、いざ自分がされたらすぐ音をあげるのか」と。
そういう想いを起こさせるこのSSは大変に素晴らしいものと思います。
147名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:08:09 ID:Yucl/jid
>>129
完成度の高い絵柄だなぁ
尊敬します
148名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 17:14:07 ID:NFfhpVqT
>>129
もしかして元ネタって耳が長い女の人が案内人の漫画の
UFO キャッチャーの話?
149名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 20:01:30 ID:6rO+V+1y
>>142
毎度乙です。
しかしクラスメイトを自殺未遂に追い込み、実の娘をPTSDで崩壊させて未だ反省無し。
かがみは柊家勘当にしてもいいのでは?

>>143
こなたは一度自殺未遂してるから、このまま死なないで終わっても違反にはならんな。

>>146
つかさ=スネオみたいな感じ?
150誕生日でも自殺:2009/05/28(木) 20:01:47 ID:aJk/yvO4
151名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 22:36:53 ID:+ji9i3Oj
>>150
ちょwww
152名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/28(木) 23:54:13 ID:hjIGh7hM
>>150
おめでとう、そしてさようなら。
背景がオープニングなのがいいね。
153名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 02:10:54 ID:aB/ouPGW
>>150
いつ見てもこのシリーズ面白くて好きだw
154名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 11:22:18 ID:wQlWEpil
>>132
相変わらず絵柄が大好きです
発想もすごいw
155名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/29(金) 17:55:29 ID:rGsrOeBA
>>143
わかる
こなたには幸せになってほしい
156名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 15:54:40 ID:lsfCZHoS
かがみ「ぼっちスレでも自殺スレでも私嫌われてるのね」
157名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:26:11 ID:ljX8m99I
>>150
つかさ写メとってる…
158名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/30(土) 17:40:39 ID:hvd3G9MD
昔はつかさみゆきがこなたを虐めてかがみが助けようとするSSが多かったけど、
今はかがみ主導でつかさみゆきを使ってこなたを虐めるSSが目立ってきたな。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:35:05 ID:P6rzwoYL
続きがみたい〜
160名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 00:41:15 ID:/qJBvZ4m
>>157
ホンマやww
161名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 03:30:08 ID:5J0KJ9K7
SSも絵もくるときはドッとくるんだがな。今は嵐の前の静けさか…
162名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 10:57:31 ID:WIr9sKb6
>>142
岩崎家がわざわざ都内から交通の便が悪い幸手に引越して来たのが何か引っ掛かるな・・・・
高良家の面々と絶縁したと見るべきなのかそれとも・・・・・?

(実際リアル泉家は幸手駅より徒歩で30分、チャリでも10分くらいはかかる上に
バスも毎時1本ペースでしかも駅方面逝きは19時台か20時台で終了という場所にあるし)
163名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:22:36 ID:LPyHCoCW
けいおんに浮気してました
164名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 15:43:22 ID:uY6eHtC7
>>162
俺の地元と並ぶ交通の便の悪さだ
165名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:08:27 ID:vmOB49bP
正直このスレの住人ってアンチこなたで虐めて喜んでる人間の屑の集まりだと思ってたけど
>>142の作品読んでてそういう基地外ばっかりじゃないんだって事を知った
この人の作品は兎も角、こなたを自殺させて喜んでる人間の考えてる事は理解出来ない
166名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:11:48 ID:8yWLWdT8
ここだけの話、ここでは写真を撮って遊んでるけど、SSスレでは普通のSS書いてる
決してこなたが嫌いなわけではない
167名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:21:57 ID:JEcxHqHd
348 小松千春の下痢便を直飲みしたい ◆tQyI2NGshY (≡ω≡.)sage 2009/05/30(土) 17:52:09 ID:86EiS179
エアコンの吹き出し口に小松千春の写真六枚貼ったら風力で
必死に腰を使ってるみたい☆架空セクロスしたら唐揚げと烏龍茶を頂いてきまつ
168名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 21:26:34 ID:0tJJqEIy
>>166
だがそれを他のスレに転載して荒らす奴がいた場合、
免疫やキャパがない人が「こんなもん作りやがって」と作者とこのスレに怒りを感じるのは仕方ないわな
169324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:30:18 ID:M5yyRFvo
>>137-141の続きを投下します。

今回はちょっとろくでもないというか、人間不信な話です。
オリキャラが出るので注意してください。
170名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:31:07 ID:mLVsBT+C
>>165
おっと、神奈川の悪口はそこまでだ。
171名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 22:32:11 ID:mLVsBT+C
>>169
思わぬタイミングでキター!
今回はって事は、まだ続きがあるのね。
172トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:32:35 ID:M5yyRFvo
 *

 憎まれっ子世に憚る。

 *

 泉こなたが療養生活を終え、学生生活に復帰した頃のこと。

 岩崎みなみの母は最近、ため息をつくことが多くなった。
 近所の住人からの視線が痛い。
 今まで友好的に近所付き合いをしていた夫人仲間から、急に避けられるようになった。
 家の前にペットの物と思しき排泄物が放置されていたことも何度かあった。
 最近も変わらずに付き合いを続けているのは、向かいの高良ゆかりだけだった。
「いったい……どうしたって言うのかしらねぇ」
 何か不始末があったのかと考えてみるが、心当たりがない。
 無自覚に誰かを攻撃してしまったのだろうか?
 それにしても周囲の反応が過敏に過ぎる気がする。
 今もスーパーからの帰り道、彼女の行く先からは近所の住人の姿が見えない。
 にもかかわらず、周囲から嫌な視線を感じる。
「はぁ……」
 どれだけ考えても答えが見つからず、ため息ばかりが漏れる。
 が────
 自宅の前にたどり着いたとき、その様子は一変した。
「な、なによ、これっ!?」
 岩崎家のガレージのシャッター一面に、スプレーラッカーで乱暴に文字が書かれていた。
“イジメ親子は出て行け”
 そう読み取れた。
「親子? みなみが何か関係しているの?」
 誰にともなく呟く。
「どうしました? って、あらあら……」
 背後から、聞きなれた、妙に気の抜けた声が聞こえてきた。
「これは酷いわねぇ……」
 高良ゆかりは、緊張感はないが困惑したように言う。
「イジメだなんて……みなみちゃんも奥さんもそんなことする人じゃないのに……」
「…………」
 みなみの母は愕然としている。
「大丈夫? 奥さん。顔色悪いですよ」
「あ……いえ、大丈夫です、少し休めば……」
 ゆかりの声にこたえつつ、彼女はふらふらとよろめくように家の中に移動していった。
「…………どうなってるのかしらねぇ……」
 はふ、と軽くため息をついて、ゆかりは呟いた。
173トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:34:04 ID:M5yyRFvo

 *

 高良みゆきの成績が急激に落ちた。
 こなたが退院して自宅療養にうつった頃、それは日常の何気ない会話の中で、ゆかりが
ぽろっとこぼした言葉の内容でしかなかった。
 受験も近いのに心配なのよねぇ、と。
 だが、人の噂というのは無責任なものだ。広まったそれはやがて様々な憶測を生み出す。
 その過程で、みゆきとみなみが鉢合わせする場面を、複数の人間が目撃してしまった。
 同じ学校に通い、しかも住んでる家が向かい同士なのだから当然といえば当然なのだが、
玄関から出てきたみなみの顔を見て、一瞬オーバーリアクションで怯えるみゆきの姿が何
度も展開されたのである。
 そこから、噂には勝手に尾ひれ背びれがつきはじめる。
 ────
 高良さんの娘さん、学校でいじめに逢ってるんじゃないのかしら。
 あり得るわねぇ、この前も自殺未遂があったばかりでしょ?
 受験勉強のノイローゼとか言ってたけど、いじめが原因かも知れないわよね。
 岩崎さんの娘さんがいじめに加担しているらしいわよ。
 本当に? そんなことをするようには見えないけど……
 それに、岩崎さんの方が年下でしょ?
 でも、普段から愛想も良くないし、明るい性格じゃなさそうよねぇ。
 それは言える。なんか睨んでるような顔してるし。
 岩崎さんの娘さん、昔はみゆきちゃんに懐いてたものだけどねぇ……
 だからこそ何じゃないのかしら。みゆきちゃん、人良さそうだし。
 ────
 こういった噂は得てしてその当事者達の耳には入りにくい。
 岩崎家の人間はみゆきの成績が落ちたとか、その辺りの話しか入ってこなかったし、高
良家にいたってはむしろ完全に蚊帳の外に置かれていたといっても言い。
 加えて、周囲の評価というか、認識。
 みゆきは以前から優等生で、人当たりも良く、温和な性格と思われている。
 それに対して、みなみは学校の成績こそいいものの、無口で無愛想、加えて容姿的に顔
つきがキツイ。
 表面だけしてみることのできない人間からすれば、みゆきか被害者タイプで、みなみは
加害者タイプ。と、こうレッテルを押しやすいのである。
 地域コミュニティのデータリテラシー能力なんぞぶっちゃければ2ちゃんねる未満であ
る。積極的に1次情報を収集する意欲がないからだ。断片的な情報を元に全体図をでっち
上げる。
 かくて周囲は勝手にみなみを敵視し、みゆきに同情するようになる。
 その理由を知らぬは、高良・岩崎双方の本人ばかりなり、だ。
 だが本人達を蚊帳の外に置いたまま事態はエスカレートしていき、やがては暴力に至る。
174トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:36:24 ID:M5yyRFvo

 *

「…………」
 学校から帰宅したみなみは、ガレージのシャッターに書かれた文字に愕然とする。
 呆然としつつ、家の中に入った。
「ただいま……」
「あっ、みなみ」
 みなみの声に、母の憔悴したような声が聞こえてきた。
「お母さん、ガレージのところ……」
「ああ、見ちゃったのね……」
 みなみがガレージのある方角を指差しながら言うと、母は困惑したような声で、ため息
をつくように言った。
「お母さん、あの……」
 みなみは、母に話しかけようとするが、上手く言葉をまとめられない。
「やっぱり、何かあったのね?」
「ええと、それは……」
 何から説明したら良いのやら、あるいは状況を確認するべきなのか、みなみはやはり困
惑する。
「大丈夫、お母さんはみなみがそんな子じゃないって信じてるから……」
「それなら……」
 そう言って、みなみは事の一部始終を説明した。

「そんな事があったのか……」
 数時間後。
 みなみの父が帰宅してから、再度家族3人で話し合いが持たれた。
 経緯を聞いた父は、ため息混じりに言いつつも、
「だが、みなみの言うことだから嘘じゃないんだろう」
 と、言った。
 両親は実娘の言葉を信じた。16年間育て上げて本質は理解しているつもりだったし、何
より泉こなたが自殺未遂を起したのは、彼らも知っている事実なのだから。
「みゆきちゃんがそんなことをする人とも思えないんだけど……」
 みなみの母は、みなみがどう行動したかというより、みゆきの行動に疑問を感じている
ようだった。
「高校で付き合う友達が変わって、生活態度が変わってしまうことは良くあることだよ、
母さん。私達だって、身に覚えはあるだろう? ただ、言うほど悪い方向に行かなかった
だけで」
「そうねぇ……」
 夫に諭されるように言われ、母は困惑気に、しかしそれはどちらかというとみゆきに落
胆したと言った様子で、ため息混じりに言った。
「それより問題は今後どうするかだ……特に母さんは矢面に立つことになるだろう?」
「ごめんなさい……」
 父の深刻そうな言葉に、みなみは俯いてしまう。
「みなみ、お前が悪いわけじゃないんだ。気にするな。むしろ胸を張っていろ」
「え…………」
 父の言葉に、みなみは軽く驚いたように顔を上げる。
「それより私としては、みなみに直接嫌がらせが行かないか心配だわ」
175トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:37:29 ID:M5yyRFvo
「そうだなぁ、それは、私も同じだ」
 母は心配げにいい、父もそれに同意して頷いた。
「お父さん、お母さん……」
 みなみが、再度申し訳なさそうに俯きかけたその時。
 ────ドンッ!!
 外で、鈍い爆発音が響いた。
「何だ、今のは!?」
 明らかに至近からの音だった。父は驚いて玄関から飛び出し、母とみなみがそれに続く。
 そして飛び出して驚愕した。昼間落書きされたばかりのガレージのシャッターの元で、
炎が上がっている。1斗缶がひっくり返っている。石油系のベンゼン臭が漂う。
「いったいどうし……きゃあぁっ!?」
 向かいの高良家から出てきたゆかりも、炎を見て悲鳴を上げる。
「くっ!」
 みなみの父は一旦屋内にとって返すと、粉末式消火器を手にし、そのノズルを炎に向け
た。消火剤が噴射され、炎がかき消されていく。
「すみません奥さん、お騒がせしました」
「え、えっと、……はい?」
 鎮火した後、みなみの父はゆかりに向かって、自分達から謝った。
 ゆかりは状況が把握できず、途方にくれるだけだった。
「みなみ、母さん、家の中に入りなさい」
 そう言いつつ、みなみの父は完全に火が消えたことを確認してから、散水用のホースで
辺りを洗い流す。
 何事かと集まってきた近所に、再度頭を下げてから、彼は家の中に戻った。
 怯えたような様子のみなみの母と、困惑したようなみなみがいる。
「迷ってる暇はなさそうだ」
「あなた……」
「引っ越そう。この街にいると危ない」
 彼の決断に、妻は頷いた。
「え……で、でも、お父さん……」
 1人、みなみだけは困惑気な声を上げる。
「なに、元々3人で住むには広すぎる家だ。惜しくはない。正直者が馬鹿を見る街に住ん
でやる必要などあるものか」
「そうよ……逃げたって笑う人もいるでしょうけど、命が一番大事……私達にとっては、
みなみ、あなたのね」
「お父さん、お母さん……」
 言い聞かせてくる両親に、みなみは目に涙を滲ませた。
 やったことが間違っていたとは思わない。だが、両親に対しては申し訳ない気持ちが胸
中を支配した。
176トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:38:11 ID:M5yyRFvo

 *

 その週の金曜日。
 ゆかりが買い物しようと家を出ると、正面に引っ越し業者のパネルバンが停まっていた。
 そして、岩崎家の中から家財道具が持ち出され、業者の手でてきぱきとパネルバンに積
まれていく。
「えっ、えっ……これ……どうなってるの?」
 ゆかりが困惑しつつ、その敷地内を覗き込むと、岩崎夫妻と目が会った。
 2人もゆかりに気付くと、門を出てゆかりの下へやってくる。
「すみません、奥さん。急にこのようなことになってしまって」
「え、と、急に転勤か何か、でも?」
 ゆかりは戸惑いつつ、聞き返す。
「ええ、まぁ、そんなところです」
「それは……でも、みなみちゃんもまだ高校に入ったばかりなのに」
「ああ、大丈夫です。学校は通える場所ですから」
 ゆかりが気の毒そうに言うと、そう答えられた。
「そ、それなら良かったですね……」
 ゆかりは笑って言うが、岩崎夫妻には笑顔はない。
 それどころか、睨まれているような気がする。
 日ごろ温和な夫人の方までもが、だ。
「えっと……その」
「すみません、後でご挨拶には伺おうと思っていたのですが……長い間、お世話になりま
した」
「えっと……は、いえ、こちらこそ……」
 ゆかりは頭が混乱したまま、岩崎夫妻に合わせて頭を下げる。
「それでは、引き止めてもどうかと思いますので、また後ほど」
「あっ、はい……」
 ゆかりは結局、終始混乱したまま、引越し作業に戻る岩崎夫妻と別れて、スーパーへの
道に戻ろうとする。
「高良さん、高良さん」
 頭の中で混乱したまま歩いていると、岩崎家の並びのある家の夫人から、呼び止められ
た。
「あ、こんにちわ」
 ゆかりは杓子定規に挨拶をする。
「こんにちわ。奥さん、良かったですわねぇ。早々とこんなことになって」
「は……?」
 何を言っているのか、ゆかりは一瞬理解できず、きょとん、として聞き返してしまった。
「岩崎さんのことですよ」
 ニタニタと、どこかいやらしい笑みを浮かべる相手に、しかしゆかりは何も納得できな
い。
「はぁ、岩崎さんは大変だと思いますけど……良かった……?」
 鈍いゆかりでも、さすがに話が穏やかではない方向にあることに気がついた。
「岩崎さんの娘さんにいじめられていたそうじゃないですか、それで学校の成績も落ちて
いたって。でも、これでみゆきちゃんも安心して受験に取り組めますわね」
「は!? みなみちゃんがみゆきを!? い、一体それはどういうこと!?」
 いつもの様に、口調からはいまいち緊張しきれずも、ゆかりは素っ頓狂な声を上げた。
177トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:39:13 ID:M5yyRFvo

「はぁ…………」
 押しつぶされそうなため息をつきながら、みゆきは帰宅した。
「ただいま帰りました」
「みゆきー?」
 家の中から、いつもの、緊張感のカケラもないゆかりの声が聞こえてきた。
「ちょっと、こっちいらっしゃい」
「あ、はい」
 そのまま自室に逃げ込んでしまおうと考えていたみゆきだったが、母に呼ばれて、居間
に入る。
 ゴゴゴゴゴゴゴッ
「ひっ!?」
 入った途端、みゆきは室内を満たすオーラというか瘴気のようなものに、裏返った悲鳴
を上げてしまった。全身が直立したまま硬直する。
「お、お母さん?」
「みゆき、ちょっとお母さん、あなたに聞きたい事があるんだけど」
 そこに、ゆる系聖母の皮を被った、ぴんくいろのあくまがいた。
178トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/05/31(日) 22:40:50 ID:M5yyRFvo
>>172-177
今回は以上です。

万事すべて円く収まるというのもあれなので、こなた側の人間が酷い目に合ってしまう話を挿入しましたが……
さすがに放火はやりすぎかなぁ……

次回で終わる、筈。またこれかorz
179名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:03:57 ID:qRiCv7/B
保守
180名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/31(日) 23:04:38 ID:mLVsBT+C
>>178
乙。ぴんくいろのあくまと言うとこれ思い出すw
http://www34.atwiki.jp/konataowata/pages/71.html
181名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 00:00:53 ID:DC2Xy4Sb
>>178
乙。

岩崎家はある意味村八分にされちまったって所か・・・・・
火のない所に煙を立てる新興住宅地or団地的ムラ社会の醜悪さを見た感じだ・・・・・

そしてゆかりに追求されたみゆきはその場を取り繕うのか
それとも脅しに負けて素直にゲロるのか・・・・・・

どっちにしてもこのまま無事に終わってくれそうにはないようで・・・・・・

>>164
リアル泉家詳細
ttp://www.satte-sci.or.jp/home/gyarari-/hp/index.html
泉家方面バス時刻表
ttp://www.asahibus.jp/html/time/sate09.pdf
幸手駅方面バス時刻表
ttp://www.asahibus.jp/html/time/sate10.pdf
182名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 01:15:30 ID:FWM4BRxc
>>178
乙です。
「悪人のレッテルを貼られた相手ならば、何をしても構わない」
という、人々の醜い思考がよく書けてると思います。
ああいった人たちは、直接の利害関係が無いにも関わらず、
何故か加害者の弾劾に全力を傾けるんですよね。
そんな力があるなら、被害者の救済に力を割いた方がまだ有意義なはずなのに。
みゆきも、直接の利害関係が無いにも関わらず「つかさの友達だから」という理由で強引にこなたを弾劾した。
岩崎家を弾劾した人々も、みゆきと同じような表情をしている。
朱に染まって赤くなったというよりは、朱という類が赤という友を呼んでしまった皮肉っぷりに、
戦慄を禁じえません。
鏡に映せば分かる、その醜さ。ああ、かがみはみゆきの側か。

期待しています。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 11:13:20 ID:Q1FTeAkK
集団でやるから一人一人の罪の意識は薄いんだな…そういう奴に限って一人じゃ何もできないんだよな
184名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/01(月) 23:18:10 ID:Z6+qDFZc
オリキャラってのはみなみ父の事か?
185名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 18:15:44 ID:PmleVye4
続きを………
186名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/03(水) 22:15:00 ID:oWtJwS6L
これだけの文章を書くのも大変だろう。
気長にいこうぜ
187名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 01:19:10 ID:xmMARygB
      \  黙れ! カス共! 鼻ぴーでも付けてやる!  /

      \   ゝ‐<::./::./ .::.::.::.::\/  | .::.::.::.::.::.:: /::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.:::
      \ 〃 / _  ヽ:/::.::.::.::.::.:/\  |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::.::.::.ヽ::.::
      {{ / / __ ヽ ',.::/::./   `ー |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|_::.::.::.::.:l::.::
.   ──  |  ! /●) } |イ斤テ左≡ォz /::.::.::.::/ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.::
.         ∧ ヽヽ _/ /::! レヘ :::::::::/ /::.::. /    j /  | .::.::.::.::.:: |::.::
.     , -―ヘ  `ー   /.::.| rー'゚:::::::/ /::.:/   テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::
____/   {     /.::.::.| ゞ辷zン //    う。::::::7 /イ .::. |::.::.::.|::.::
彡_/     ヽ    イ ::.::. |             /ヘ:::::::/  |.::.::.:|::.::.:∧::.
〃   V    ヽ    ヽ.::.: |              ヾ辷:ン /:l::.::./!::.:/
 l    {      ∨  }__.::.|\     <!         ・ /::.l::|::./│/
 ヽ   ヽ     {      ̄ ̄ ̄`ヽ _         イ::.: l::|:/ j/
、 \   \    }           ) / ̄ ̄ ̄l7::.:|::.::.j::l′ /
188名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 12:16:23 ID:4CaiZ+tI
続きが待ち遠しいぜ
189名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 15:38:37 ID:5g9EsSFQ
名前からして病んでる奴ばっかだと思ったけど意外に健全だった
SSとか読んでみたいと思ったんだがまとめ多すぎてどれがいいかわからない
お薦めとかあったら教えてくれ
190名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 16:28:41 ID:KY7Il3W7
自分で探せ、甘ったれるな
191名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 17:21:33 ID:csDqbz2k
>>189
うつ☆すた
死に至る隘路
みゆきの想い

うつすた以外長いけどな。
鬱になったらグレゴリーとか神奈川とか読んで口直し。
192324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:24:56 ID:aDjB/GVr
>>172-177の続きを投下します。

最終回です。地の文での説明が多くなっていますがご容赦の程を。

>>184
その通りです。一応まだ本編には出てきていない人物ですので、オリキャラ扱いになるかと思いました。
193トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:25:43 ID:aDjB/GVr
「すみません、手伝っていただいてしまって」
「いえ、なーに、自営業みたいなものですから」
 少しすまなそうに言う岩崎夫妻にそうじろうは軽口を叩くように言う。
 新しい岩崎家は泉家から徒歩5分、その分だけ駅に近い場所にあった。中古の木造一戸
建てで、以前の家の様に豪邸と言えるような代物でこそないものの、所謂首都圏通勤60分
圏の一般住宅としては6DKの贅沢なつくりだった。庭も一般家庭の基準で見るなら充分広
い。
「それに……うちの娘がずいぶんご迷惑をおかけしたみたいですし」
 小物類の入ったダンボールを抱えたまま、背中越しにそうじろうは言った。
 岩崎夫妻は、軽く驚いたように目を円くして、顔を見合わせる。
「泉さん、うちの娘の話じゃ……」
「情けない話でしょう」
 みなみの母が声をかけると、そうじろうは振り向かずにただ足を止めて、言う。
「異変自体には気付いていたんですけどね……事実に気付いたのが一番最後だなんて、親
失格だと思いますよ、自分は」
「…………」
 岩崎夫妻は、かける言葉を失いつつ、困惑気にそうじろうを見る。
「みなみさんには感謝しています。もちろん、他の娘の友人に対してもですが」
「泉さん」
 みなみの父がはっきりとした声で言う。
「私達も娘も、間違ったことをしたとも、後悔もしていません。あなたや娘さんに負い目
を感じていただく必要はありません」
「…………ありがとう、ございます」
194トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:26:27 ID:aDjB/GVr

「こんちゃーす」
「みなみちゃん、手伝いに来たよー」
 みなみが新しい自室で荷物の梱包を解いていると、こなたとゆたかがやってきた。
「いらっしゃい……でも、手伝いなんて良かったのに」
 みなみは言いつつ、困惑気な表情をする。
「だって折角家も近くなったんだし、遊びに来たついでだと思ってよ」
 ゆたかがにこにこと笑いながら言う。
 一方のこなたは、笑顔ではあるものの、それにはどこか影があった。
「それに……さ、みなみちゃんちこんなとこまで越してきたの、私の事と……なんか、関
係あるんだよね?」
 こなたが気弱そうな声で訊ねる。
 さすがに放火までは想定していなかったが、岩崎家と高良家が向かい同士で、これまで
家族ぐるみで付き合いがあったことは知っている。みゆきとみなみが姉妹当然だったこと
も。岩崎家の突然の転居に高良家との関係が影響しているのではないか、と考えるのは当
然のことだった。
「否定は、できません……」
 みなみは俯きがちに言い始めたが、途中から顔を上げて、
「……でも、泉先輩が気にすることは、何もありません」
 と、しっかりとこなたを見ながら、そう言った。
「でも……」
 こなたはなおも未練がましいような声を出す。
「私自身、みゆきさんがあんな事をする人だとは思わなかった……中学までのみゆきさん
からは信じられません。私は……許せません。これは、私の問題……」
 みなみは、憤り半分、哀しさ半分といった様子で、静かな口調ながら、そう言いきった。
「やれやれ、みなみちゃんまでみさきちみたいな事を言うんだね」
 こなたはため息交じりに、苦笑してそう言った。
「それに……お父さんやお母さんには悪いけど、私はちょっと嬉しいかも」
 みなみは照れくさそうに、ちらちらと視線をゆたかに向けながら言う。
「本音を言うと私も。これでみなみちゃんと一緒に学校通えるし、学校なくてもすぐに会
えるしね」
 苦笑しながらゆたかが言った。
 ────お熱いですなぁ、お2人さん。
 いつもなら声に出して言うところだったが、さすがに不謹慎と思い、こなたは胸の内で
そう思うだけにしておいた。
「それじゃあ荷物出しちゃおうか」
 ゆたかが言った。
「ご近所なんだし友達なんだし、手伝うぐらいはいいよね?」
 こなたも、視線を南に向けたままダンボール箱に向かって手を伸ばしながら、訊ねる。
「はい、ありがとうございます」
 みなみはぺこり、と頭を下げた。
「うわ、これ重い……本、かな……」
「あ、ゆーちゃん、危ないからそういうのは私がやるって」
 こなたは慌ててゆたかが持ち上げようとしていた段ボール箱を受け取ると、室内に運ん
で開墾する。
 本棚やクロゼットといった家具類は既に運び込まれているが、その中に納まる本や雑誌、
衣類はまだカラのままだ。家電も同様である。
195トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:27:07 ID:aDjB/GVr
「これって……」
「わぁ」
 こなたが箱を開けると、大きなハードカバーのアルバムが何冊も収められていた。
「みなみちゃんの写真? 見てもいい?」
 覗きこんだゆたかが訊ねる。
「え? う、うん、いいけど……」
 本当は恥ずかしいのだが、雰囲気的に逆らえず、みなみは承諾してしまう。
「うわぁ、みなみちゃん、ちっちゃいー」
 ゆたかはアルバムに貼られた、幼い頃のみなみの写真に、感心したような声を上げた。
 みなみは恥ずかしさのあまり、真っ赤に赤面してしまう。
 しかしアルバムのいくつかのページは、不自然に写真が少なくなっていた。それらのペ
ージには、アルバムのページが白く真新しく見える部分が、四角くあった。
 こなたもゆたかも、それがアルバムが新しかった頃から写真が貼ってあり、それが後に
なって剥がされたものだということには気がついた。
 だが、主に日常風景を写した写真のページから剥がされた、その写真の内容が何だった
のかまでは、察することは出来なかった。
196トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:27:56 ID:aDjB/GVr

 *

「あまり、気持ちの良い終わり方じゃなかったわね」
「そだな」
 数日が経過した稜桜学園、放課後。
 ごく自然にC組に顔を出したこなたと、みさお、あやのが合流し、教室を出て、廊下を
歩く。
 階段を下りながら、あやのが呟いた言葉に、みさおが同意した。

 つかさは一般の高校生として学生生活が送れる状況ではなく、回復するとしても年単位
に渡る長期療養が必要と判断され、両親と長姉はやむなくつかさを自主退学させた。

 みゆきは中間考査ではみさおより僅かにだが下、という急激な成績低下を見せ、その後
改善の兆しがない。3年次開始までみゆきが志望していた大学の進学は難しかった。もっ
とも、みゆきは志望校を新設大か地方私大、それも東北地方の大学に変えると申告してい
た。これはみゆき自身が東京(正確には埼玉県)から出来るだけ離れたいと言うものと、事
実を知ったゆかりが、上っ面では緊張感のかけらもなく、しかし大魔神もかくやな負の瘴
気をあたりに充満させながら「高校生の娘じゃなかったら、しばらく顔も見たくないって
言うところだわ」と言った事とが合わさった結果だった。
 さらに付け加えるなら、みゆきには婚約者が出来た。と言っても親同士が決めたと言う
やつである。高良家を維持する為の政略結婚だ。元々、みゆきの両親は家柄にこだわりは
あったものの何が何でも家督を継がせようとは思っていなかった。娘はしっかりした人物
なので自立した社会人としてやっていけると思っていたからだ。だが、両親のその期待は
裏切られた。泉こなた自殺未遂事件からその後の経過を見るに、とても社会人として自立
できるようではないと思われてしまったのだ。婚約者とやらは不憫な気もするが、あっち
も高良の家柄と、あとはみゆきの胸ぐらいが目に入っている程度なのだから構うまい。

 かがみも若干の成績低下が見られたが顕著ではなかった。だが、かがみもまた志望校を
変えた。同じく地方大だがそれなりの学力の公立大だった。分野としての進路自体にブレ
はなかったが、かがみの成績であればわざわざ関東から出て行くレベルでもなかった。理
由はみゆきと同じで、家を出たいと言うものだった。つかさが退学した後の柊家はかがみ
にとって針のムシロだった。もしかがみが男子であったらただおは勘当を言い渡していた
だろう。だが女子であったためにそれは思いとどまったが、かがみ本人にとってはその方
がどれほどか楽だったろう。ただ唯一、つかさの事だけは気にかけていて、離れたくない
という意思があった。だが、かがみがつかさと会話するときはいのりかまつりがさりげな
く監視している状況でもあった。つかさの携帯はつかさの安全の為に取り上げられていた。

「…………」
「やっぱり、割り切れない?」
 浮かない表情で軽く俯いているこなたに、あやのが声をかける。
「うん」
 こなたは、正直に頷いた。
「私でもなんかすっきりしねぇもんなぁ、ちびっ子なんか余計だろーな」
 みさおが、あまり深刻そうではない表情で、手を頭の後ろに組みながら言う。
「かがみ達にされたことが、許せないって言うのは私自身あるんだ。でも、それでも友達
って言うか、友達だった人達が人生狂わせていくのって、あまり気持ちよくないよ」
197トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:29:06 ID:aDjB/GVr
「そうなのよねぇ」
 こなたの言葉に、あやのもため息混じりに同意する。
「でもさ、連中の卑怯なトコってそこじゃん? ちびっ子が自分達のこと信じてるって解
ってたからあー言うことが出来るんだろ?」
 みさおは何気なしにそう言った。だが、こなたとあやのはそろって、目を真ん円くして、
驚愕したような表情のまま、絶句しつつみさおを見る。
「な、なんだよ……」
 みさおは2人に凝視されて、どきりとして反射的に聞き返す。
「みさちゃんがそう言う分析できるなんて……」
「こりゃ今年の夏コミも台風直撃かねぇ、それも2発ぐらい連続で」
「ケンカ売ってんのかゴルァ」
 間接的にバカにされてると感じたみさおは、額に血管を浮かべながら言う。
「んなん、本人以外から見りゃわかるってば。友達とか友情とか、信頼とかそういう言葉
で縛って、ちびっ子を追い詰めてたわけだろ?」
「うん、そうなんだよね。正直、みさきち達が介入してくれなかったら、私はその言葉に
惑わされたままだったと思う」
 こなたは真剣な表情で、頷きながら言った。
「しょうがないで片付けたらいけないんだろうけど、こっちが付き合う理由も意味もない
って事は、はっきり意識しておいた方がいいわね」
「うん……」
 あやのの言葉に、こなたは一旦頷き、そのまま俯いた。
「でもね、確かにイジメって加害者側の方が悪いと思う。100%ね。でも責任がどうとかじ
ゃなくて、原因って言うか要素って言うか……それは私の方にもあったんじゃないのかな」
「泉ちゃん、そういうことは……」
 あやのが、不安そうな表情になって反論するように声を上げる。
「あ、うん解ってる、気に病むとか責任感じるとかそーいうんじゃなくて、純粋に今後へ
の反省」
「それならいいけど……」
「私ってオタクだし結構人の言うこと聞かないし悪い意味でマイペースだし、あの3人に
も思うところは前々からあったと思うんだよね。何が原因で爆発したかまではわからない
けど」
「けどさ、人間同士の付き合いってそーいうもんじゃねの? 私だってちびっ子と似たとこ
結構あっけど、あやのとはなんのかんの言って付き合い長いぜ?」
 みさおはどこかキョトン、としたような表情で、反論する。
「結局はどこまで受け入れられるかなのよね」
「けど、受けいれられねんだったら口でいや良いじゃん? 動物じゃねんだから」
 あやのが言うと、みさおはそれに続くように言った。
「そう簡単じゃないかもしれないけど、基本はそうよね」
 あやのは補足しつつも、みさおに同意する。
「でも、ホントはいつの間にか言われてたのかもしれないよ。私が悪ふざけのつもりだっ
ただけで」
「それはあるかもしれない、でもね、泉ちゃん」
 こなたが苦笑しながら言うと、あやのはどこか真剣な表情になって、言った。
「相手に言葉を理解させようとする努力をしない時点で、友達なんかじゃないのよ」
 どこか淡々と言い切ったあやのに、こなたはキョトン、として凝視してしまい、思わず
立ち止まっていた。
「な、あやのって怒るとこえーだろ?」
198トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:29:47 ID:aDjB/GVr
 みさおが、立ち尽くしかけたこなたに耳打ちするように、小声で言う。
「今回のことでよーくわかったよ」
「みさちゃん? 泉ちゃん?」
「は、はいっ」
 にこやかな笑顔で振り返ったあやのに、2人は一瞬、その場で直立不動の体制になって
しまう。
 あやのが再び前を向いて歩き出し始め、それを2人が追った。

 *

 確かにこなたの言うとおり、そのきっかけにおいてかがみ達3人がこなたと言う人間を
そう評価するに至ったという意味でこなたのかがみ達に対する言動があったことは確かで
ある。
 だが、あくまでその評価はかがみら3人の主観による評価でしかない、そのことを気付
かなかったが故にかがみ達は今回のしっぺ返しを喰らうことになった。
 いくらかがみ達にとってこなたが「大した人間ではない」としても、周囲のすべての人
間がそう評価するわけではない。
 かがみ達はこなたが1年生をはべらせているのが気に入らなかったわけだが、付き合っ
ているその当人達からしてみればとんでもない話である。
 ひよりとパティがこなたを慕うのは彼女達にとってこなたが有益かつ尊敬できる存在で
あり、故に敬う対象であるのだ。
 かがみ達の完璧な筈の計画は、この土台の部分に大きな欠落があった。故に小さな綻び
から修復不能なダメージを負うことになったのである。
 もっともこなたやみさお達は、その全てを認識していたわけではなかったが────

 *

「ねぇ、峰岸さん」
「ん? なに、泉ちゃん」
「なんだか私、あまり苗字で呼ぶのって他人行儀な気がしてさ、これからは下の名前で呼
んでいい? あやのんとかあやのっちとか」
「泉ちゃんの好きで良いよ。ただ、それなら私もこなたちゃんって呼んで良いかな?」
「もちろんいいよ」
 靴を上履きから履き替え、昇降口を出る。
「うわちー……」
 みさおが手で日差しを遮る仕種をする。梅雨も明け、青い空に輪郭のはっきりした雲が
浮かぶ。
 夏の空の下を、“友人”達は歩いて行った。
199トモダチって時間じゃない ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/04(木) 20:34:57 ID:aDjB/GVr
>>193-198
以上です。お付き合いいただきありがとうございました。

そもそもは>>46-57までをおおざっぱなプロットとしてはじめて、それほど長居をするつもりはなかったのですが、
文中でみさおも言っているようにこれでめでたしめでたしと言うのもかがみ達3人に対して甘すぎる気がしたので、後日談を追加、
長居させていただく羽目になってしまいました。すみません。
200名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 20:49:49 ID:WeRVpx4U
200get
>>199
乙でございます。タイトルの意味が最後になって分かるとはw
しかし首謀者のかがみだけはほとんど報いも受けてないな。
大学入って地元離れたらそれでOKだし、最後まで反省の色無しだったしw
201JEDI_tkms1984:2009/06/04(木) 21:47:47 ID:BARCr89U
>>199

 拝読いたしました。
まったくもって羨ましい限りです。
文体の巧みさもなのですが、こなたの周りにいる心優しい人々。
みさおやあやののように行動できる人間が果たして現実にいるでしょうか。
かがみ達のような残忍性を持つ者や実際に彼女がやったように行動を起こす者はいるでしょう。
こなたは自分の周りにいる人間によって自殺に追い込まれましたが、
同時に周りにいる人間に助けられもしましたね。
人間の心とは何と醜くて美しいのか。
こういうお話を読みますと、人間の心や思考について考えたくなります。
傷つける側と傷つけられる側、手を差し伸べようとする者。
三様の描写が秀逸で非常に愉しませて戴きました。
お陰様でまた少し、みさおを好きになりました。
202名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 22:13:09 ID:u00AexPf
>>199
こなた勝利!!
複数の友達グループがあれば、1つのグループからいじめられても、
他のグループから助けてもらえるからリスク分散になると思っていたのですが、
今回の2つの話はそれがよく表れていておもしろかったです。

らき☆すたは主人公のこなたを中心に話が進められているので、
登場人物もこなたと関わりを持っている人が多く、
こなたが関わっているグループの数が多くなっています。
その点で主人公のこなたが準主人公(主人公の親友)のかがみ、つかさ、みゆきに
格の違いを見せつけた結果になったと思います。

かがみの誤算は手を抜いても(背景扱いしても)自分の味方をしてくれると思っていたみさおとあやのが
こなた側についたことかな。
かがみが受け入れることができなかったこなたのうざったさは
同じタイプのみさおと付き合ってきたあやのやみさおには受け入れることができたのでしょう。

最後に、普段はめだたないあやのですが、怒ったあやのは彼女らしい怖さで存在感を表していて良かったです。
(そして私は無を望むのあやのも怖かったけれど)

おもしろくてすごく楽しめました。お疲れさまでした。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 22:56:53 ID:EZs4VCjH
乙カレー
おもしろかった
204名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/04(木) 22:59:21 ID:ajWYppUJ
>>199
この作品は前スレ>317さんの「狂え壊れろ崩れろ砕けろ挫けろ病めよ死ね」の完結直後に
それを原作として書かれ出した作品でしたね。

即座に話を構成し、この様なクオリティ高い作品を書ける氏と
原作となった前スレ>317さんの文才には脱帽するばかりです。

かがみ達3人は自業自得ですが、その人を含めたほとんどの登場人物がたくさんのモノを
亡くしたのが印象的でした。
こなたはみさお達との絆を一層深められましたが失ったモノも計り知れないですね。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:04:27 ID:hlObWucb
乙!
206名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:26:23 ID:GjqOeeZS
乙です
勧善懲悪ってやっぱりスッキリするね
つかさ達は少しかわいそうかもしれないけど、まぁ自業自得ですかね
こなたが真の友に出会えつ良かった…
207名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 00:35:03 ID:PDKFnHxM
>>199
乙です
あなたの作品が見たい、もしほかで書かれているなら是非教えてください
208名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 01:13:02 ID:khl8eWaG
>>200
かがみが受けた報いって、>>317氏原作で抱いてたつかさに対する想いの全否定って事じゃないのかな。
大事なつかさは精神病んでぶっ壊れ、かがみが世話したいと言っても姉2人に否定されて取り上げられる。
209名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 17:16:53 ID:tupSkSq9
   |  ..   ..  
   | : (ノ'A`)>: 
  / ̄: ( ヘヘ:: ̄
210名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/05(金) 20:16:06 ID:/LVhWl37
だれかまとめ更新してくれ
211名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 00:05:37 ID:d6M6E4NH
こなたの自殺は、神でさえ阻止できない
212名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/06(土) 02:23:23 ID:RBXcmlf5
              , -‐-'´ー- 、._
          ,、' : : ,:-'´: : : : : : :\
          /: : :/: : : : : : : : : : : : \
        /:/ : /: : :, : : : : : :/: : : : : : : ヽ
          !': : :/: :/;.、=7;、イ;i: : |: : : : 、: ヽ
         !: : /': :'´ ;| 'iァz;、,'ト|: :/;イ: : : }: i l
        !: : : : : : :{  `''゛'` !/'´/イ;ィ:/: リ'!
          '; : : : : ;|ヾ     ,ィ')y'/;ィ:/
          ヽ:|'; :{ヘ     _   ゝ./!'´ !'  
            /' ヽ! 、   ´,. ィ':i/    らんらんるー  
       _,,..../    /` ‐' ´l/リ゛    
      ノ `丶、  {、   ´
     / ' ‐- 、   \トヽ、
     ,イ;;;:::、:_:::::::`ヽ、 _\!`)、
    i;/    ヽ::::::::::::', `>ヶ、:>
     !     '、:::::::::::',∨|:ハ! ',
    /      iヽ、:i::::::',. |:| ';〉 i
   /      l   /::::::::',.L! ';. !


213324 ◆ZFYhPjiPGw :2009/06/06(土) 18:03:43 ID:ckZTBWum
>>207
今更レス。

残念ながら「らき☆すた」では過去にエロパロスレでエロくないショートショートを別鳥を投下したことがあるだけです。
その他の作品では、あまり大声で宣伝するようなものではないのですが、



                                                        原作の理不尽に対する反撃物であれば、もし「機動戦士ガンダムSEED Detiny」をご存知でしたら、
                                                         「ジオン」「光芒」「逆襲のシン」あたりでぐぐってみてください。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/07(日) 00:43:07 ID:8uDmkQmP
215名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/07(日) 01:39:05 ID:j+ArhfwS
  _
  \ヽ, ,、
_  `''|/ノ
\`ヽ、|
 \, V
    `L,,_
    |ヽ、)                ,、
   .|                   ヽYノ
   /                     r''ヽ、.|
  /        ,.. -──- .、    `ー-ヽ|ヮ
 .|      , ‐'´   __     `ヽ、  `|
  |    / , ‐'"´       ``''‐、  \  |
  |   / /             \ ヽ |
  ヽ,  y'   /` ‐ 、    ,.. -'ヘ   ヽ. }ノ
   ヽ,'     /   /`,ゝ' ´     ヽ   Y.
.    i    ,'     { {        ヽ   `、
    l    ,イ─- 、.._ ヽ ,, _,.. -─:}   !
.    |  r‐i| ー=ェェ:ゝ ,.∠ィェェ=ー' |r 、.  l
   |  {ト」l|.      : | "    ``: |!トリ  |
.  │  ヽ、|      ;.」_      |'ソ    !
.  │     ヽ     r──ッ    /ノ    |
    |      lヽ    ̄ ̄     / イ    │
.    !    丶ヾヽ    ~   , ' ノ │   !
    ト.    ミ.ゝ ヽ.____./  /  l   /
    ヽ  ヽ           イ ,' / , '       ┼ヽ  -|r‐、. レ |
     \.             ノレ'/         d⌒) ./| _ノ  __ノ

216名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/07(日) 09:34:52 ID:HoxfDkwB
トモダチって時間じゃない が終ってまた職人待ちモード
217名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/07(日) 11:28:16 ID:QH/GybKP
まだ、こなたがゲーセンに行く漫画がある
218名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/07(日) 12:46:43 ID:uGP4rjtY
>>199
完結乙。

岩崎家に陰湿な嫌がらせを行った近隣住民連中が
事実を知った後どうしたかがちょいと気になるな。

とはいえ岩崎家一同が連中の民度の低さを見限った上に
未練も一切なさげに幸手に退避したわけだから特別気にするまでもないか?

そしてみなみがアルバムから剥がした写真はみゆきが一緒に写ってた奴なんだろうな。
それこそ「お前には失望した」(声:立木文彦)って感じで見切りつけてたわけだし。

ってかおしん丸の内光はいったいいつになったら規制解除されんだよ・・・・・・
219失職:2009/06/08(月) 02:12:23 ID:nl9ViO3l
続き描いたのでうpします

『人形』〜狂気〜
ゲームセンターで奇妙な人形を取ったこなた。しかしどういうわけか
その人形を取ってから次々と異変が起こり始める…

http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d580664.jpg
http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d580666.jpg
http://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d580667.jpg

遅くなってすいません。レスくれた人感謝です。数少ない不動産系の求人が
あったので必死で勉強しなおしたり履歴書書いたりしていたのですよ。
まぁ面接すらすることなく履歴書つき返されたわけだがwwwwwwww
せっかく資格とってもダメだなこれは…生かせそうにない。

漫画のほうはアレですね…うまくまとめられなかった。スマソ。短くうまく
まとめるって難しいですね。もっとじっくりやればよかったのか…とにかく
性急過ぎた。一応次で最後です。次はもう少し早く描きます。今回スクリーン
トーンきらしてしまって申し訳ない。


220名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/08(月) 07:19:18 ID:+pz82DV0
読んでてマジ怖いなw
それにしてもクオリティ高い
221JEDI_tkms1984:2009/06/08(月) 12:30:40 ID:257Cs4DG
 もしどなたも投稿のご予定がないようでしたら、今夜にでもSSをひとつ投じてみたいと思います。
ご予定ありましたら日をずらします。
222JEDI_tkms1984:2009/06/08(月) 15:01:17 ID:257Cs4DG
 ……と思ったのですが、今日が月曜であることを失念していました。
投下は明日以降になります。
223名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/08(月) 18:20:54 ID:9FUHEcWh
>>219
ネットで売り払うって言っときながら数週間も放置したのかよw
こなちゃんの自業自得www
224名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/08(月) 19:51:33 ID:zICl5GAd
どうでもいいけどゆうちゃんじゃなくてゆーちゃんな
225名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/08(月) 21:06:50 ID:r8yXYhON
ほのぼのしたアニメにはバトロワとか
残酷な設定つけたくなるよな…
http://2sen.dip.jp/cgi-bin/upgun/up1/source/up28047.jpg
226名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/09(火) 00:53:41 ID:YOC0AtcE
>>199
乙ですー。
こなたに救済が訪れ、破綻した友情に変わって新しい友情が芽生えて良かったと思います。
こなたってらき☆すた原作では何気に人望あるんですよね。
その辺、見事に捉えていたと思います。
後これは個人的感想ですが、最後までかがみがふてぶてしくて、私好みでしたw
加えて、こなたに明るい状況が訪れた事や、
つかさ達に下った制裁が厳しすぎなかった点にも、安心しましたw

展開といい台詞のテンポといい、リズミカルに読めました。
色々勉強になりました。感謝。

>>219
可愛い絵ですね。
ぞっとする展開と相俟って、不思議な雰囲気が漫画に付与されていると思います。
最終回、楽しみに待ってます。
227JEDI_tkms1984:2009/06/09(火) 21:27:46 ID:IwAlMzJy
 みなさん、こんばんは。
他に投稿のご予定ないようですので、SSを投下いたします。
殷賑に繋がれば幸いです。
228胡蝶之夢1:2009/06/09(火) 21:29:24 ID:IwAlMzJy
 ハッキリとしない意識のまま家を出る。
昨夜はゲームやりすぎたかな?
最近のって好きなところでセーブできないんだよね。
それにやたらと字が小さいし。
ひどいのだと背景の色と文字色の相性が悪くて、目を凝らしても見えなかったり……。
「学校行くの面倒くさいなあ」
思わずそんな言葉が出てしまう。
本当は勉強できる環境にいられるのがありがたい事だって分かってるけど、やっぱり面倒は面倒。
勉強せずに済むならそうしたいし。
「でもそうもいかないんだよね」
気がつけば高校3年生。
そろそろ進路とか考えないといけない時期だ。
っていうか今からだと遅すぎるか。
しっかり者のかがみやみゆきさんはもう進む道を決めてるみたい。
意外なことにつかさも料理の勉強をするという方向で考えているそうだ。
…………私だけかぁ。
でも別にやりたい事とかないんだよね。
小さい頃は魔法使いとかどこかのお姫様になりたい、なんて本気で思ってたけど。
今は特にこれになりたい、っていうのがない。
前につかさたちにその話をしたら、
『だったらこなちゃん、声優になったら?』
って言われたっけ。
たしかにアニメとかゲームに関われるのは楽しいだろうけど、仕事としてやるのではやっぱり違うと思う。
それに声優って今はアイドルと同格だから、自然と露出も多くなるんだよね。
う〜〜ん…………。
正直、興味はあるけど熱意はない。
消費者としてオタクであり続けたいとは思うけど、いざ作り手となるとなぜか尻込みしてしまう。
理由は何となくだけど分かる。
私、きっと楽したいんだ。
厭なこと、疲れること、面倒なことからずっと逃げてきたから。
”働く”ことそのものから目をそむけてるんだと思う。
一日中ゲームできたらどんなに楽だろう……。
なんて今から駄目なこと考えてる。
一応バイトはしてるし、まだ学生だからニートじゃないけど。
このまま行ったら悪い方向にばかり進みそうな気がする。
「はぁ〜〜」
暗い気持ちになってため息ひとつ。
…………あれ?
駅に向かう途中、電柱に立てかけられるように置かれた箱に目が留まった。
あれってもしかして……。
落ちている物を拾うのは感心できないけど、これには人を惹きつける魔力がある。
「そうだよ。この魔力には誰も逆らえないんだよ!」
誰も聞いてないけど言い訳がましくそう言い、私はそれに手を伸ばす。
おおうっ!
これは……これは…………PS2用ゲームソフト!!
紛れもなくゲームだった。
一応、全年齢対象になってる。
タイトルは……”かみさまタウン”?
直訳すると神様の町……でいいのかな。
聞いたことないや。
パッケージを裏返して見て、妙なことに気付いた。
229胡蝶之夢2:2009/06/09(火) 21:31:34 ID:IwAlMzJy
メーカー名がない。
あるハズのバーコードや認証マークも見当たらなかった。
裏面にはいくつかのゲーム画面と、
”きみも神様になって自由に町を歩きまわろう”
なんか安っぽそうなキャッチフレーズが書いてあった。
ハッカーゲームってやつかな。
それとも同人ゲームの類かも……?
最近の同人ゲームは凝ってるから、パッケージがコンシューマーゲームのそれに似せてるのも多い。
ま、いいや。
とりあえず……貰っとこう。
どう見ても落としたって感じじゃないし……。


「おっす、こなた。あれ、なんかご機嫌ね?」
いつもの時間、いつもの場所でかがみとつかさに会う。
「ふぁ〜……おはよう、こなちゃん……」
つかさは相変わらず朝は弱いみたいだね。
私も他人のこと言えないけど。
「おはよ〜。むふふ……分かる、かがみん?」
「気持ち悪い笑い方するなよ……どーせまた新しいアニメが始まった〜とかなんとかでしょ?」
「ちっちっちっ――違うんだなぁ、コレが」
指を左右に振って鞄から例の物を取り出す。
「じゃーんっ!! 恐れ入ったかっ!」
私が意気揚々と掲げたパッケージをジト目で見ながら、
「なにそれ?」
鼻で笑うようにかがみが訊いた。
もうちょっと別な反応してくれてもいいじゃん。
「来る途中拾ったんだよ」
「はぁ? あんた、子供じゃあるまいしそんなモン拾ってどうすんのよ?」
う〜ん、思ったとおりの答えだね。
かがみんは真面目だから困るよ。
「もちろん家でやるに決まってるよ。ほら、PS2だし」
「見せんでいい、見せんで! ……にしても変わったゲームよね」
おっ、興味を持ち出したか、かがみんや。
「”かみさまタウン”だって。ちょっと面白そうかも」
あまりゲームをやらないつかさも乗ってきた。
「でしょでしょ?」
私はここぞとばかりに意気込む。
かがみが手に取ったパッケージをまじまじと見つめている。
「それ、ちょっと変わってるんだ……ほら」
ちょっと背伸びして裏面を指差す。
「メーカー名とか何もないでしょ?」
「あ、ほんとだ」
「たしかにヘンね」
「多分、同人ゲームだと思うんだけどね」
私がそう言うと、
「同人だってサークル名くらい挿れるだろ。これじゃどこが作ったか分かんないし」
かがみが尤もなことを言った。
「それに同人ゲームだとプレステじゃないんじゃない?」
「だ、だよねぇ〜」
かがみんめ、なかなか鋭いな。
そこまで読むなんて何気に立派なオタクだよ。
まあでも、普通の人がプレステのゲームなんてまず作れないからね。
「大丈夫なの? 捨てたほうがいいんじゃない?」
「大丈夫だよ〜、落ちてたの拾っただけだし」
「いや、そうじゃなくてそもそも拾うこと自体どうなのよ……」
ほんっと真面目だよね、かがみんは。
230胡蝶之夢3:2009/06/09(火) 21:32:23 ID:IwAlMzJy
「いいじゃん。とりあえず帰ったらやってみるよ。面白くなかったらかがみんにも貸してあげるからさ」
「いらんわ! っていうか普通、面白かったら貸してくれるんじゃないのか?」
怒りながらも律儀に突っ込みを入れるかがみに萌えながら、私はゲームを鞄にしまう。
黒井先生に見つかりでもしたら即没収だからね。
「つかさ、どうしたの?」
難しい顔をして俯くつかさに、かがみが心配そうに訊ねた。
「交番に届けなくていいのかな……?」
「…………」
「…………」



 面倒な授業はあっという間に終わって放課後。
ホームルームが長引いたのか、10分ほどしてかがみがやって来た。
「遅くなってごめん」
わざわざ走ってきたのか息が弾んでる。
「かがみさんもいらしたことですし、そろそろ帰りましょうか」
そう言ってみゆきさんが微笑む。
相変わらず優雅だなぁ。
ひとつひとつの動作がいちいち綺麗なんだよね。
「あ、そうだ。私、帰りに買いたい本があるんだけど……」
みゆきさんに見惚れていると、急にかがみがそんな事を言い出した。
これはつまり、私にも付き合えってことなんだろうけど……。
「う〜ん、ごめん。今日はパスで」
なんて答えたらかがみ、大袈裟なくらい背を反らせて、
「うそっ!? あんたが寄り道しないなんて!?」
熱でもあるんじゃないの、って言いたそうな目で見る。
「失礼なっ!」
……って言い返したいところだけど、普段が普段だから仕方ないかも。
とか思ってると、かがみがニヤッと笑って、
「あんた、もしかして今朝のゲームやりたいだけなんじゃないの?」
ズバリと衝いてくる。
つかさが思い出したように口元に手を当てた。
「まあね。なんか気になるし」
私は照れ笑いを浮かべる。
かがみに見抜かれたのはなんか悔しいけど、実はあのゲームが気になってた。
黒井先生に見つからないかとか、授業中もずっと考えてたよ。
「ゲームですか……?」
みゆきさんが首を傾げた。
……だからイチイチ可愛すぎるって……。
「こなたが道端でゲーム拾いやがったのよ。それがよく分からないやつでさ――」
私に代わってかがみが説明した。
って別にわざわざ言うほどのことじゃないけどね。
「まぁ、それでしたら……」
交番に届けたほうがよろしいのでは、とみゆきさん。
うーん……やっぱり普通はそう思うよねえ。
だけど悲しきかなゲーマーの性。
落とし主が見つかって、もう手元に戻ってこないって考えたらやっぱり躊躇っちゃうんだよね。
「いや、どんなのかやってみて面白くなかったら届けようかなと――」
「……最低だ」
かがみがジト目で私を見る。
「そゆわけだからさ。今日はパスするよ」
いつも私に付き合ってくれるかがみに悪いと思いながら、私は鞄を持ち上げた。
この埋め合わせはいつかしないとね。


231胡蝶之夢4:2009/06/09(火) 21:35:29 ID:IwAlMzJy
「ただいま〜」
「お帰り、今日は早かったな」
目の下にクマを作ったお父さんが迎えてくれた。
お父さんも私がいつも寄り道すると思ってるみたいだね。
まあ否定はできないけど。
ゆーちゃんは……まだ帰ってないのか。
みなみちゃんとどこか行ってるのかな。
まぁいいや。
とりあえず着替えてこないと。
いつもより大事そうに鞄を抱えて自室に向かう。
「ふぅ〜〜……」
自分だけの空間に戻ってきたことで少し安堵する。
やっぱり隠し事するのって気分良くないね。
別に誰かに迷惑かけてるわけじゃないけど。
あ、落とし主がいるのか。
でもあれってどう見ても置いてたような感じだったし……。
「う〜〜ん……」
どうしようかな?
届けたほうがいいのかな?
「でも気になるしなあ――あっ!」
いま気がついた。
これ、プレステだったら部屋でできないじゃん。
本体は居間にしかないし、それだとお父さんやゆーちゃんにも見つかっちゃう。
「いっか……べつに」
見つかっても、買ってきたってことにすればいいんだし。
パッケージなんてまじまじ見ないだろうしね。
一度開き直ってしまえば何も考えることなんてない。
部屋着に着替え、例のソフトを持って居間に向かう。
お父さんは……いない。
この時間に部屋にいるってことは締め切りが迫ってるのかも。
大変そうだけど今の私には好都合。
さっそくテレビを点けてプレステを起動する。
……ロゴが出る時間がもどかしい。
早く始まらないかなと、じっと画面を見ていると、

”規格のディスクではありません”

というメッセージが出てきた。
「あれ……?」
私は思わず間抜けな声を出してしまう。
ってことはプレステのソフトじゃないんだ。
「だったらPCだね」
本体からディスクを抜き、誰も見てないのに隠すようにして自室に戻る。
う〜ん、思ったとおり同人ソフトだね。
最近のはパッケージも凝ってるね。
とか思いながら愛機の電源を入れる。
常駐アプリをできるだけ切ってディスクを挿れると、すぐに回転音が聞こえた。
オートランかぁ……って今となっては当たり前か。
とりあえず、”開く”っと。
いきなりタイトル画面が出てきた。

”かみさまタウン”

真っ暗な画面に赤い字でタイトルだけが書いてある。
なんかヘンな感じ……。
しばらく待っているとメニューが表示される。
『はじめから』と『つづきから』の2つだけ。
途中データなんてないから、『つづきから』の文字は灰色になっている。
ひねりも何もないタイトル画面……放っておいてもデモも流れそうになかった。
232胡蝶之夢5:2009/06/09(火) 21:36:39 ID:IwAlMzJy
もしかしてクソゲー?
拾ったやつだから文句言えないけど、お金出して買った人がいたら最初の画面で投げてたかもしれないね。
「………………」
とりあえずここは放っておいて添付の説明書を開いてみる。
タイトルはこんなだけど、こういうところはしっかり作ってあるんだよね。
どれどれ……。


『”かみさまタウン”は自由度を追求したノンジャンル・アドベンチャーゲームです。』


……ノンジャンルって言いながら思いっきり”アドベンチャーゲーム”って書いてるけど?


『あなたはこの”かみさまタウン”の住人となり、町を自由に歩き回ることができます。
町の真ん中にある赤い屋根の家があなたの住居です。ゲームの中であなたは何をしても構いません。
たとえば一日中、家の中で過ごす。あるいは外に出て買い物を楽しむ。池で釣りをすることもできます。
何をしても自由です。ただし町の外に出ることはできません。さあ、”かみさまタウン”での生活を満喫してください!』


「さあ、って……とってつけたように……」
こういうゲームってあらすじの文章がなんか幼稚なんだよね。
脈絡がないっていうか、最後の一文が妙に軽く感じられる。
さらにページをめくる。


『操作説明……行きたい場所をマウスでクリックすると、その場所に行けます。
       途中、選択肢が表示された時は好きなほうをクリックすることでゲームが進みます。
       それ以外についてはゲーム中に表示される説明に沿って操作してください。』


「え……これだけ?」
わざわざ操作説明で1ページとっておきながら、書いてあるのはその3行だけだった。
ほんっと考えて作ったのかな……?


『システム……このゲームは現実の時間とリンクしています。
       つまり現実世界で1時間が経てば、ゲームの世界でも1時間が経過するのです。
       
       
 データ………このゲームのデータはあなたが行動する毎に自動的にセーブされます。
       したがって”やりなおし”はできません。セーブする箇所はひとつのみです。』


ヘンなところでリアルだね、これ。
でも時間がリンクしてるってのは面白いかも。
そういえば昔、スーファミのRPGでそんなのがあったっけ。
縁日があったり卵を孵したりするやつ。
なんだったっけ……?
まあいいや。
説明書の最初のほうで投げたくなったけど、読んでいるとけっこうしっかりした作りのゲームみたい。
いや、たぶん面白くはないんだろうけど、何となくやってみたくなる魔力がある。
「いやな性だな……」
言い訳するみたいに呟きつつ、手は勝手に『はじめから』をクリックしていた。
ポン! と音が鳴って画面が切り替わる。
windowsに最初から入ってる効果音だ。
なんかやる気削がれるな……。
と思っていると、モニターに青空が映し出された。

233胡蝶之夢6:2009/06/09(火) 21:37:50 ID:IwAlMzJy
『かみさまタウンへようこそ。あなたはこれからかみさまタウンの住人となり、
町で起こる様々な出来事に触れていくでしょう』


いきなり頭の悪そうな文章が出てきちゃったよ……。
画面はさらに変わって、トップビューの町が表示された。
スーファミのドラク○をちょっとだけ綺麗にしたような街だ。
真ん中に赤い屋根の家がある。


『ここがあなたの家です。ゲームの開始はこの家からになります。まずあなたの名前を決定してください』


まあ最初はそうだよね。
”いずみ こなた”と。
漢字が入力できないのもドラ○エっぽい。
ちょっと違うのは苗字が5文字、名前も5文字入力できるところくらいだ。
入力が終わると、いきなり家の中に切り替わった。
画面が3分割され、左上にグラフィック、右上にコマンドが並んでいる。
その下――ちょうどモニターの下半分――は大きな白い枠で囲まれている。
なるほど、こういうゲームなのか。
このキューブリックみたいな女の子が私ってわけだね。
「とりあえずコマンドを……おおっ!?」
右上のコマンド一覧を見て、私は目を疑った。
「食う」「寝る」「住む」の3つしかない。
っていうか、”住む”って何?
ここって私の家じゃないの?
明らかにギャグ狙いなんだろうけど、敢えて「住む」をクリックしてみる。


『もう住んでいます』


……何これ?
下のメッセージ欄に出たのは、余白をたっぷり残してその一文だけ。
なーんかバカにされてるような気がしてきた。
次に「食う」をクリックする。


『何を食べますか?』
→米
→パン
→道草

「米」「パン」「道草」のコマンドが新たに出てきた。
なんで薬草が……って、よく見たら道草じゃん?
じゃあ「道草」で。


『食べられません』


むぅ……誰だこんなの作ったのは。
もう仕方ないから「寝る」をクリックする。


『仮眠してスッキリしました』
『気分が良くなったので外に出てみましょう』

234胡蝶之夢7:2009/06/09(火) 21:38:45 ID:IwAlMzJy
お、なんか知らないけどとりあえず外に出られるみたい。
それにしても自由度を追求してるわりに、行動がものすごく制限されてる気がする。
実際、「寝る」を選ばないと先に進まないわけだし。
いつの間にか画面はオープニングで見たトップビューの町並みに変わっていた。
これでクリックしたところに行けるわけか。
ふーん……家とかはちゃんと描いてるね。
そこそこ立体的に見えるし、バランスも……まあ悪くはないか。
さて、どこに行ってみようかな。
アニメショップなんてのは……ないみたいだね。
っていうか何もないじゃん。
私は改めてマップを見回した。
画面内に収まっているのは主人公宅を含んだ民家ばっかり。
道路とか歩道橋なんかはヘンにリアルに作ってあるけど、特に移動してみたい場所がない。
「駅に行けばそこから電車でさらに移動できるのかな?」
と思ったけど、マップには駅がない。
スクロールできるのかとカーソルをあちこちに持っていっても、何の変化も表れなかった。
とりあえず適当に歩道の真ん中あたりをクリックしてみる。
するとまたあの気の抜ける効果音とともに画面が切り替わった。


『○○町4丁目の交差点に来ました』


……ある意味、ものすごく自由度高いかもね。
十字路と電柱以外、背景が何もないよ?
と思っていると、何やらメッセージが出てきた。


『この近くで通り魔事件があったようです。近くの人に話を聞いてみましょう』
『誰に話を聞きますか?』
→近くのおばさん
→遠くのおばさん
→横にいるおばさん

「近くのおばさん」「遠くのおばさん」「横にいるおばさん」
おばさんしかいないのかな?
さすが噂好きだね……。
とりあえず近くのおばさんに聞いてみよう。


『(おばさん):通り魔だって……怖いですねえ。刺されたのって2丁目の天堂さんらしいけど本当でしょうか?』


こういうゲームのキャラって主人公と初対面なのに親しげに喋るよね。
じゃあ遠くのおばさんと横のおばさんは?


『(おばさん):銀行を出たところを襲われたんですってよ。ずっと目をつけられていたんでしょうね』
『(おばさん):犯人は駅の方に逃げていったらしいわ。警察は何をやってるのかしら?』


ほんとにただの噂好きのおばさんだね、こりゃ。
あ、でも”駅の方”とか言ってたから、これで移動できる範囲が広がるのかも。
とりあえず同じ人に何度も話を聞くのはこの手のゲームでは基本だよね。
もう一度「近くのおばさん」を選んでみよう。


『(おばさん):もう言いました』

235胡蝶之夢8:2009/06/09(火) 21:39:45 ID:IwAlMzJy
…………もう言いましたって?
遠くのおばさんも横のおばさんも同じ返事しかしない。
もしかして一度聞いた話って2度と聞けなかったりする?


『(おばさん):もう言いました』
『(おばさん):もう言いました』
『(おばさん):もう言いました』


連続でクリックしたらこうなった。
これじゃ進めないじゃん。
いい加減、投げ出したくなったその瞬間、


『この場を離れますか?』


別なメッセージが出てきた。
迷わず「はい」を選ぶ。
なんかゲームに遊ばれてる気がするなあ。
まるで私の考えを読んでるみたいなタイミングで画面変わるし。
とりあえず町のマップに戻ったけどどうしようか。
そういえばゲーム終わる時ってどうするんだろ。
説明書には終わり方とか特に書いてないし。
データが行動する度にセーブされるんだったら、このまま消してもいいのかな。
「ま、いっか。続きはまた今度やろ」
言い訳っぽく呟いてから、ウィンドウ右上の閉じるマークをクリックする。
「えっ――?」
マウスを握る手がじわりと汗ばむのを感じた。
いま…………?
私は思わずイスから立ち上がり、咄嗟にPCから離れた。
ウィンドウが消える瞬間、真っ暗な画面に手のようなモノが映った気がした。
「なんかの……見間違いだよね…うん……」
とか言ってみるものの、やっぱりちょっと気味が悪い。
かがみんじゃあるまいし、そこまでビクビクすることないんだけどね。
とりあえずCDを取り出しておく。
これは棚の奥にでも置いておこう。
「おーい、こなたー! 晩御飯だぞー!!」
突然、名前を呼ばれて不覚にもビクリと体を震わせてしまう。
え、もうそんな時間?
慌てて時計を見た私は最初、電池が切れているのかと思った。
ゲームを始めてから3時間ちかく経ってる。
「ウソ……? そんなにやってないのに…………?」
せいぜい1時間くらいしか経ってないと思っていた私は、背中に冷たいものを感じた。
たしかにネトゲに集中してると時間が経つのも忘れるけど……。
このワケの分からないゲームは没頭できるほど面白くない。
「すぐ行くよー!」
わざと大きな声を出して私は部屋を出た。


236JEDI_tkms1984:2009/06/09(火) 21:41:33 ID:IwAlMzJy
 今夜は以上です。
今年は挑戦の年ということで、普段滅多にやらない一人称に挑んでみました。
それではまた。
237デフォ北:2009/06/09(火) 22:28:43 ID:RLz4TbHh
>>236
乙です
かみさまタウンの実体とは一体何なのか

一人称ですと、読者もより一層こなたに感情移入しやすいですし
とても良い挑戦だと思います

序盤からここまでワクワクさせる展開を書ける
JEDIさんには、感服させられるばかりですw
238名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/09(火) 22:50:53 ID:he/FScT3
乙ー
不気味也不気味也
239名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/10(水) 15:18:02 ID:W3ajIvzg
乙です
職人さんが多くて相変わらずここは賑わってますね
240JEDI_tkms1984:2009/06/10(水) 21:23:07 ID:GoIOUCGE
 みなさん、こんばんは。
昨日に引き続いて今夜も投下いたします。

>>237

 一人称は他人称より難しいと感じていますので、既に手探り状態です。
こなた視点なので難解な言葉は極力使わないようにしています。
241胡蝶之夢9:2009/06/10(水) 21:24:24 ID:GoIOUCGE
「勉強してたのか?」
サラダに箸をつけながらお父さんが訊いてきた。
顔が半分笑ってるから答えは最初から分かってるね。
「私が勉強するのは試験前だけだよん」
一夜漬けには自信がある私は胸を張って言った。
「お姉ちゃんってすごいね〜」
でもいま言うのはちょっとマズかったかな。
ゆーちゃんの前では一応、ちゃんとしたお姉ちゃんでいたいもんね。
「あ、いや、勉強はしてるよ? ただ試験前にまとめてやってるだけなのさ」
慌てて取り繕ってみたけど、あまり上手くいかなかったみたい。
ふうん、とあまり興味なさそうな返事をするゆーちゃん。
「まあゲームもほどほどにな。一応受験生なんだから」
ってお父さんもゆーちゃんの手前だからそう言ってるけど、口調に真剣さがない。
受験かぁ……あんまり深く考えてないんだよね。
まだ自分が何したいのかよく分からないし。
(自分探しの旅でもしてみようかな…………)
とも思ったりするけど、そんな呑気な考えでいいのかなとも思う。
「うん、まあ頑張るよ」
結局、私はこういう答え方しかできなかった。



 翌日。
いつもより少し遅めに家を出た。
昨晩はゲームもしないで早く寝たのに、なんか体がダルい。
眠いのはいつものことだけど、それとは違う倦怠感みたいなのがある。
「またテンション低いわね。また野球の延長か?」
「う〜ん? 違うよ」
したり顔のかがみにも気の利いた返答が思い浮かばない。
なんていうか考えがうまくまとまらないんだよね。
だからついつい生返事してしまう。
「そういえばさ、通り魔事件があったのってあんたの近くじゃないの?」
不意にかがみが口にしたその言葉に、私の体はビクンと震えた。
「ど、どうしたのよ?」
「え? あ、いや、別に……」
「そう……?」
「今日のこなちゃん、なんかヘンだよ? 大丈夫?」
つかさまで心配そうに顔を覗きこむ。
「平気平気! 大丈夫だってっ!」
そう、本当に何でもない。
ただちょっと……”通り魔”って言葉が気になっただけで。
「で、昨日のゲームはどうだったのよ?」
私に気を遣ってくれたのか、やけにニヤニヤした顔でかがみが話題を変えた。
動揺を悟られまいと私は、
「ん〜? なになに? 実は気になってたの〜〜?」
いつもの調子でかがみに顔を近づける。
「ちが……そんなんじゃないわよ! ただどうだったのかなって思っただけよ!」
思ったとおりの反応をしてくれる。
こういうのがツンデレだって言われる所以なのにね。
「まだ始めたばっかりだからよく分かんないよ」
その言葉にウソはない。
あのゲームには分からないことが多すぎる。
「へぇ〜、こなちゃんでも分からないゲームがあるんだ」
って、つかさ……あんまり嬉しくないよ、それ。
でもなんとなくオタクとしてのプライドが許さない私は、
「まあでもどんなジャンルのゲームでも攻略してみせるさ!」
いつものノリでそう言ってしまう。
これじゃかがみのこと言えないよ……。
なんて思いながら、私はかがみたちに感謝していた。
2人のおかげでいつの間にか体が軽くなっていた。
242胡蝶之夢10:2009/06/10(水) 21:25:37 ID:GoIOUCGE
胸の奥にシコリのようなものは感じるけど、それでも起きた時ほどのダルさはない。
いくらか気分が楽になってきたところで、さっき私が遮った話題を蒸し返す。
「ところで通り魔の話って何だったの?」
わざわざ私の方からその話をするとは思わなかったのか、かがみはキョトンとした顔で私を見た。
「ほら、さっきの――」
「大した話じゃないわよ。今朝のニュースで通り魔事件をやっててさ。住所に見覚えがあって……。
もしかしたらあんたの近くじゃなかったかなって」
それだけよ、とかがみは最後に付け足した。
「う〜ん、知らないなあ。っていうかあんまニュースとか観ないし」
「ちょっとは観ろよ……」
かがみが呆れ顔で私を見る。
「だって深夜ってあんまりニュースやってないでしょ?」
「いや、だから夕方とか朝に観ればいいだろ……」
「まぁそのうちね」
なんて呑気に答えながら内心、通り魔事件がほんとに家の近くであったらどうしようと思っていた。
別に私がどうこうなるわけじゃないけど、何か引っかかるものがあった。
――やっぱりあのゲームのことかな。
思い当たるのはそれくらいしかない。
「ん? どうした?」
かがみが心配そうに言った。
「あ、ううん、何でもない」
頭からひとまず通り魔とゲームのことを振り払う。
考えたってしかたない。



 家に帰ると私はすぐにPCを点けた。
ゲームをするためじゃない。
ニュースを観るためだ。
「う〜ん、普段観ないからよく分からないや」
とりあえず大手の検索サイトからそれらしいリンクをたどってみる。
首相が漢字を読み間違えたとか○○大臣が不謹慎な発言をしたとか、そういう大きな記事ばかりだ。
さらにリンクをたどっていくと…………あった。

 ”通り魔事件発生 犯人の足取りいまだ掴めず”

いまだ……っていうのは発生から1日経ってるからだね。
「ウソっ!?」
記事を読みながら私は思わず声をあげた。
事件があったのはかがみが言ったとおり、家の近くだった。
○○町4丁目の交差点付近で銀行から出てきたおばあさんが犯人に刺されたらしい。
その際、犯人は現金の入った鞄を持ち去ったことから、金目当ての犯行と見られる、って書いてある。
「…………」
おばあさんは幸い命に別状はないみたいだけど。
私は導かれるようにブラウザを閉じ、デスクトップのアイコンを眺めていた。
ほとんどがエロゲのショートカットだけど、その中にひとつだけ見覚えのないアイコンがある。
見覚えがないから昨日のゲームのものだと分かる。
開いてみる。
何の演出もなく真っ暗な画面にタイトルだけが出てきた。
『つづきから』だけが表示されていた。
迷うことなくゲームを再開する。
たしか町のマップに戻ったところで昨日は終わったハズだけど……。
タイトル画面が暗転した後、主人公の部屋に切り替わった。
どこでゲームを中断してもこの部屋から再開されるようになってるのかな。
243胡蝶之夢11:2009/06/10(水) 21:26:58 ID:GoIOUCGE

『なにをしますか?』

メッセージの後に、
「家を出る」「調べものをする」
のふたつのコマンドが出てきた。
食うとか寝る、はもうないみたい。
「調べものをする」をクリックした。

『インターネットを使って昨日の通り魔事件について調べています』

というメッセージに思わず息が止まる。
画面はPCに向かう主人公を後ろから映している。
カタカタ……とキーボードを叩く効果音も生々しいけど、それよりも……。
主人公の行動が私には怖かった。
ただ調べものをするというだけで、何についてかまでは全く指示できなかった。
それなのにゲームでは通り魔事件を調べる、という展開で勝手に話が進んでる。
「一緒だ……」
思わずそう呟いてしまう。
私がさっきやったのと同じ行動を主人公がとっている。
さすがに具体的にどのサイトのどのリンクをたどって―ーという細かい描写はないけど。


『通り魔事件は○○町4丁目で起こったようです。どうしますか?』


「家を出る」のコマンドしかないから、これを選ぶ。
これって自由度の高いゲームって謳ってなかったっけ?
選択肢が限定的すぎる気がするんだけど。
とか思ってると画面はまた町のマップに切り替わった。
「あれ……?」
右のほうに矢印マークがある。
この種のゲームをある程度知ってる私はすぐにマークの意味を理解した。
カーソルを合わせてみると、思ったとおり画面が右方向にスクロールした。
行動範囲の中に駅が入った。
迷わすそこをクリックする。
電車に乗ればさらに遠くまで行けるハズだ。
このゲームの最終的な目的は分からないけど、狭い地域しか移動できないんじゃ面白くない。
切り替わった画面はいきなり別の町を映していた。


『○○町まで来ました』


相変わらずの素っ気無いメッセージ。
しばらくして駅のシーンをスキップして、強制的に別のマップに移動したのだと分かった。
「昔のゲームじゃないんだから……」
いい加減げんなりしてきた。
もうちょっと構内でどうなるとか、どこで降りるかとかの選択肢があってもいいのに。
駅に行く=特定のマップへの移動、ならただの画面の切り替えだ。


『あなたの友人が前を歩いています。どうしますか?』


「声をかける」「無視する」と出てきたから「声をかける」を選ぶ。
髪の長い、これもまたキューブリックみたいな女の子が出てきた。


『(友人1):オッス、こなた。また徹夜でゲームしてたのか? 目の下にクマできてるぞ』
244胡蝶之夢12:2009/06/10(水) 21:28:51 ID:GoIOUCGE

自分の名前が出てきたことに驚いたけど、そういえば最初に名前入力したんだっけ。
それよりもこの喋り方……っていうか内容もだけど……。


『(友人1):このあいだ拾ったゲーム、あれ結局どうしたのよ?』
『(こなた):あ〜あれね。やってるよ』
『(友人1):貸してくれるとか言ってなかった?』
『(こなた):いらないって断ったくせに。やっぱり気になるの?』
『(友人1):別に気になんてなってないわよ。ただちょっと気になっただけよ!』
『(こなた):どっちなのさ……』
『(友人1):どっちだっていいでしょ』
『(こなた):まあいいや。やっと面白くなってきたところだからさ、もうちょっとやらせてよ』


会話文を左クリックで淡々と送りながら、今度こそ私は得体の知れない恐怖を感じた。
主人公のセリフは勝手に作られてるものだけど、本当に私が言いそうな言葉だった。
それにこの友人っていうのも、どことなく…………。


『(友人1):あんたも受験生なんだからいい加減に勉強したら?』
『(こなた):分かってはいるんだけどね。まあ適当に頑張るよ』
『(友人1):適当じゃなくてちゃんとやれ!』


いつのまにか主人公が受験生という設定になってる。
別に年齢とかのプロフィールはなかったハズだけど?


『どうしますか?』
→遊びに誘う
→別れる

「遊びに誘う」をクリックする。

『(こなた):まあいいじゃん。それより今日、ちょっと寄りたいところがあるんだけど』
『(友人1):またかよ? どうせゲームか何かだろ?』
『(こなた):どうしてもはずせないんだ。ほんとは学校休んで朝から並びたいところなんだけどね』
『(友人1):そういう熱意をちょっとは勉学に向けたらいいのに……』
『(こなた):たまには息抜きも必要だよ』
『(友人1):じゃああんたはいつ息を抜いてないんだ?』
『(こなた):どうでもいいじゃん。それより早く行こうよ!』
『友人1が仲間に加わりました』


なんか本格的に○ラクエっぽくなったきたよ、このメッセージ。
画面に動きはないから、文章をただ目で追うだけ。
アドベンチャーゲームってこんなのだったかなあ。


『あなたと友人は楽しい時間を過ごしました』
『どうしますか?』
→さらに遊びに誘う
→別れる


……楽しい時間はスキップしたわけだね。
どうせ上のやつを選んでもそのあたりのシーンは飛ばされるだろうしね。
というわけで「別れる」を選択。
245胡蝶之夢13:2009/06/10(水) 21:31:14 ID:GoIOUCGE

『(友人1):じゃあまた明日ね』
『友人1は帰りました』
『どうしますか?』
→家に帰る


このゲーム、なんでこう行動が限定的なんだろう。
家に帰るだけならわざわざコマンド制にしなくてもいいのに。
もしかして自由なのって最初に家を出てからの移動先だけだったりして?
「………………」
なんか疲れた……。
出だしから気味悪かったし、今日はもうこれでお終いにしよう。
私はカーソルを×印のところまで持っていき、わざと画面から目をそらしてクリックした。
昨日のは見間違いだと思うけど、またヘンなのが映ったりしたら嫌だからね。
……と、そらした視線の先に時計を見てハッとなる。
まただ。
自分では10分程度しか経ってないと思ってたのに、もう1時間も過ぎてる。
そんなに没頭できる内容じゃないのにな。
夢現で部屋を出る。
今日は私が夕食当番の日だった。





「通り魔事件があったの知ってる?」
夕食時、ゆーちゃんがいるのも忘れて私はふと口にしていた。
「ああ、そういや昨日そんな話があったな。2人とも気をつけるんだぞ。最近は物騒だからな」
物騒なのはもうずっと前からのような気もするけど。
そっか……お父さんも知ってたんだ。
「この頃はそういう暗い話が多いですね」
ゆーちゃんも伏目がちに乗ってくる。
「まあ新聞やテレビがその手のニュースしか取り上げないのも良くないんだろうけどな。
ほんと、明るい話ってのは聞かないな」
そうだね、と私も相槌を打つ。
お父さんの言うとおりだった。
景気がどうとか雇用がどうとか、どこかで誰かが殺されたとかそんな話しか聞かない。
その点ネットで好きなゲームをやっている間は、そういう陰鬱なニュースから離れられる。
ハッキリ言って今のこの国じゃ将来に何の期待もできない。
有名な大学を出ても就職に困るくらい景気が悪いらしい。
大手の企業に勤めていても突然の解雇を言い渡されることもあるって言ってた。
そんな世の中でこの先、何十年生きて何が楽しいんだろう。
私には分からない。
あ〜あ、好きなことを好きなだけやれたらいいのにな。
それでもって生活に困らない世界とかないかな。
――ってあるわけないよね。




「寝不足? 私もなの〜」
いつもの時間、いつもの場所で合流した私たちは冷たい風になぶられながら通学路を歩く。
「遅くまで勉強してたからね」
かがみが腰に手を当てて言った。
……ふぅん、つかさも勉強してたのか……。
そういえば料理の道に進むとか言ってたもんね。
それに比べて私は何をやってるんだろう。
皆みたいに将来の夢もないし、夢がないから努力もしてない。
246胡蝶之夢14:2009/06/10(水) 21:34:53 ID:GoIOUCGE
「で? あんたはまたゲームで寝不足か?」
かがみがにんまり笑って言ったけど、もしかしたらこの笑顔の裏に蔑みがあるんじゃないかとか考えてしまう。
そんなハズないって頭では分かってても、つかさと比べられているような気がする。
自己嫌悪ってやつだね…………。
「ん〜まあね。あと10分のつもりがついつい長引いちゃって……」
「ったく、あんたも受験生なんだからちょっとは勉強しなさいよね」
呆れ顔で、それでもそこがあんたらしいけど、と言って笑ってくれた。
軽蔑……しないのかな、私のこと。
かがみやつかさと違って私は怠けてばかりなのに。
「あ、そういえば、こなちゃん。この前言ってたゲームってどうなったの?」
あくびしながらつかさが訊いてきた。
「うん、まあやってるよ。なんか独特のシステムのゲームでさ、とっつきにくいんだよね」
つかさからその手の話を振られるとは思ってなかった私は、すぐには返事ができなかった。
「ふーん……」
聞いておいて興味がないのか、つかさは眠そうな目であくびをした。
”ふーん”で済まされるとは思わなかったよ。
ま、いいけど。
「いつ貸してくれるのよ?」
冗談なのか本気なのか、つかさが何も言わなくなったから今度はかがみが訊いてきた。
「え〜貸すなんて言ったっけ?」
わざとおどけてみせる。
するとかがみはちょっと拗ねたように、
「自分で言ったこと忘れるなよ」
口を尖らせた。
「まあまあ。やっと面白くなってきたところだからさ、もうちょっと待っ――」
言いかけて慌てて口を噤む。
「……どうしたのよ?」
かがみが訝しげに覗き込む。
いま鏡を見たら、きっと私の顔は真っ青になってると思う。
「う、ううん……別に……なんでもないよ」
「なんでもないって感じじゃないわよ。あんた、最近ヘンよ?」
そう言うかがみは本当に心配してくれてる感じだった。
大丈夫だよって。
ありがとって言いたい。
でもそれができない。
あのゲームの内容を思い出した私は口を開くことを躊躇った。
つまらなかったら貸してあげる、と言ったのもちゃんと憶えてる。
そうは言ったけどもちろんウソで、本当は面白かったら貸してあげるつもりでいた。
だけど……。
咄嗟に出た言葉はあのゲームの主人公と同じセリフだった。
意識したわけじゃなかった。
でもどういうわけか、私はそう口にしていた。
「………………!!」
いや、そうじゃない。
たまたま私が同じ事を言っただけじゃん。
この会話の流れからしたら別に不自然なことじゃないし。
もしかしたら頭のどっかにゲームのフレーズが残ってたからかもしれないし。
それに問題のシーンは”友人1”だけ……つまりかがみだけがいたってことになる。
でもここにはつかさもいる。
だから単なる偶然なんだ。
「………………」
そう考えたらバカバカしくなってきた。
通り魔の件だってただの偶然だよね。
「いや〜〜、コレクションモードのカードが全部揃わなくてさ。ずっとそればっかり考えてたんだよね」
照れ隠しに頭を掻く。
カード探しなんてやってないけど、私らしい誤魔化し方でしょ?
「ふ〜ん――」
かがみが興味なさそうに息を吐いた。
また、”ふーん”で済まされちゃったよ……。
私なりにいろいろ考えたのに。
247胡蝶之夢15:2009/06/10(水) 21:37:17 ID:GoIOUCGE
「そ、それよりさ! 放課後ちょっと付き合ってよ。欲しいDVDがあるんだよね!」
居心地の悪い沈黙が流れたので、私は慌てて話を変えた。
「またぁ〜? あんた、よくそんなお金持ってるわね」
思ったとおり、呆れながらもかがみは乗ってきてくれた。
「いちおうバイトしてるからね」
「ま、まあ私も買いたい本があったからちょうどいいわ」
なんて上を向いて口をとがらせるのは、素直になれない時の典型的なツンデレの仕草だね。
愛いやつ愛いやつ。
「じゃあ決まりだね!」
かみさまタウンのごたごたでDVDのことすっかり忘れてたんだよね。
ずっと狙ってたやつだから、どうしても発売日に初回限定版を買いたかったんだ。
かがみが買おうとしてるのもたぶんラノベだね。
わざわざ私が行くような場所に一緒に行ってくれるってことはそれしか考えられないし。
「さっすが、かがみん! 心の友よ〜」
とりあえず持ち上げておく。
「心の友ってなによ……?」
かがみの問いを私は敢えて無視した。


248JEDI_tkms1984:2009/06/10(水) 21:42:06 ID:GoIOUCGE
 キリがよいので今夜はここまでにします。
実は”かみさまタウン”はパラレルワールドの話で既に出ていたりします。
ではまた明日。
249名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 01:15:26 ID:eLm3mJG3
gj!
wkwkしながら明日を待つ
250名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 20:20:12 ID:hZpd7tKV
こなちゃん、そんなキモゲー捨てちゃいなよw
251JEDI_tkms1984:2009/06/11(木) 21:01:43 ID:BY0TnX04
 皆さん、こんばんは。
例により本日分の投下です。
252胡蝶之夢16:2009/06/11(木) 21:04:18 ID:BY0TnX04
「ここしばらく通り魔やら変質者やらが出没しとるさかい、自分らも外を歩くときは気ぃつけや」
黒井先生がいつになく真剣な様子でホームルームを進めてる。
詳しくは知らないけど、うちの学校の生徒が痴漢に遭ったらしい。
テレビではしょっちゅう聞く話だけど、いざ身近で起こるとやっぱりちょっと怖いかも。
つかさもみゆきさんも不安そうだし。
2人とも可愛いから犯人も放っておかないんじゃないかな。
「なんぼ体は大人や言うても未成年や。自分の身を守るんも限界があるからな。
できるだけ人通りの多い道を歩くとか、何人かで固まって行動するとかせなあかんで」
そういえば同じことを小学校でも中学校でも言われた気がする。
変質者とかっていつの時代にもいるものなのかな。
「うちからは以上や。ほな号令頼むわ」
その一言で日直がいつもの号令をかける。
通り魔云々は怖い話だけど、気をつけてれば大丈夫だよね。
「こなちゃん、お姉ちゃんと寄り道するんだよね?」
鞄を手にしたところでつかさが声をかけてきた。
「うん、そだよ。つかさも行く?」
「私はいいよ。講習会があるからそれに参加したいんだ」
「講習会……ですか?」
みゆきさんが首を傾げる。
「岸枝みなみさんっていう先生が講習会開くんだよ」
ああ、とみゆきさんが手をポンと打った。
岸枝さんっていうのは料理番組によく出てくる先生のことだ。
たった3分で夕食を作ったり、200円分の材料で幕の内弁当を作ったりしてるのを観たことがある。
「とても有名な方ですね。私もあの先生のお料理を参考にしているんですよ」
へえ、みゆきさんも料理番組とか観るんだ。
そういえば時々、お母さんの代わりにご飯作ってるとか言ってたっけ。
容姿端麗、頭脳明晰、そのうえ料理上手な家庭的な女の子ときたら、放っておく男の人はいまい。
「いいなぁ〜〜」
なんて思わず声に出してしまう。
「はい? どうかしましたか?」
みゆきさんがキョトンとした顔で私を見る。
いちいち萌えさせてくれるね。
……っと、今はみゆきさんに萌えてる場合じゃない。
早くしないと初回限定版が売り切れちゃう。
「私、もう行くから! つかさ、みゆきさん、また明日ね!」
言い終わるより早く教室を飛び出す。
C組は……まだホームルームか。
ここっていっつも長いよね。
桜庭先生ってけっこう話が長いのかな。
なんかあんまり喋りそうにない雰囲気だけど。
あ、終わったみたい。
戸が開いてまばらに生徒が出てくる。
その隙間を縫って身を滑り込ませる私。
こういう時は小っちゃいって便利だね。
「お、チビッ子じゃん」
入った途端、みさきちと目が合った。
「やふ〜」
一緒にいた峰岸さんにも声をかける。
「珍しいよな。チビッ子のほうから来るなんて」
「そうね、いつも柊ちゃんがB組に行くのにね」
「背景はつらいよな〜」
2人が互いを慰めあうように何か言ってるけど、ハイケイって何だろう?
手紙の最初に書くやつかな?
「今日はかがみんと約束があるからね!」
言いながら教科書類を鞄に詰めているかがみの袖を引っ張る。
「あ、ちょっと、こら! 待ちなさいっての!」
「ちぇっ、ま〜たあの2人かよ〜」
「いいのよ、みさちゃん。私たちは私たちで仲良しこよししましょ」
なんかスネてるよ……。
253胡蝶之夢17:2009/06/11(木) 21:05:19 ID:BY0TnX04
ちょっと気の毒な気もするけど、私は強引にかがみを外に連れ出す。
「ちょっと待てっての!」
「待てないよ。こうしてる間にも初回限定版は有象無象の手に渡ってるんだよ!」
「意味分からんわ!」
「それじゃお先〜〜」
後ろでみさきちが何か言ってるけど、気にせずかがみを引っ張っていく。
「ちょっ、引っ張るなって! 危ないだろ!」
とか言いながら、しっかり私の速さについて来てるかがみ。
もともと運動神経いいんだよね。
……運動神経ってどこにあるんだろう。
だらだらと下校する生徒の間をよけながら駅へ急ぐ。
「かがみは何の本買うの?」
「ウルフアンドスパイスって知ってる?」
「ああ、聞いたことあるよ。ちょっと前にアニメやってたしね」
「気になってたんだけどさ、あんた週に何本アニメ観てんの?」
「う〜ん、時期にもよるけどだいたい20か30くらいかな」
「はぁっ!? 30!? 1本が30分だから……15時間……」
かがみが呆れたようにため息をついた。
「その分勉強したら相当成績上がると思うぞ?」
「え〜? だって学校で習う勉強なんて将来ほとんど役に立たないじゃん。数学と国語ができてりゃ問題ないでしょ」
「お前なあ……将来ロクな大人にならないぞ」
「かの項羽も言ってるじゃん。”書は自分の名前が書ければいい、剣は1人を相手にするもので習うに値せず”って」
「時代が違うだろ時代が。あれは秦の時代だからよ。平成のただ中で何言ってんだか……」
なんていつものやりとりを交わしているうちに駅に着いた。
聖地までの切符を買って電車に乗る。
――あっという間に目的地に到着!
駅に着いたらみんなが歓迎してくれて、ついでにお祝いももらえて、次の目的地がルーレットで……。
なんてことはもちろんない。
それはゲームの中だけでの話だ。
だいたい電車乗るのにいちいちサイコロなんて振らないし。
「ほら、置いてくわよ?」
少し前を歩いていたかがみが振り返りざまに言う。
「そんなに急がなくてもいいじゃん」
「急いでたのはあんただろ」
「おぅ、そういえばそだった。早くしないと限定版が売り――――」
追いかけようと踏み出した瞬間、視界が暗転した。







「えっ――――?」
気がつくと私は駅のホームにいた。
なんで……?
たしかヘンな感覚になってギュっと目を閉じて……次に目を開けたらこうなっていた。
「どした?」
声をかけられて慌てて振り向く。
かがみがいた。
「え? あ、うん……」
何も分からず頷く。
そこではじめて自分が袋を持っていることに気付いた。
(いつの間に……?)
おそるおそる中を覗いてみる。
やけに大きな箱。書かれてある文字を見てそれが何かすぐに分かった。
私が買おうとしていたDVD(の初回限定版)だ。
「ウソ……買った憶えないのに…………!?」
再び奇妙な感覚が襲ってきた。
かがみを引っ張って学校を出て、電車に乗ったところまではハッキリ記憶してる。
254胡蝶之夢18:2009/06/11(木) 21:07:05 ID:BY0TnX04
電車を降りて駅を出て……それもちゃんと……あ…れ……?
なにかがおかしい。
時計を見る。
午後5時を少し過ぎていた。
「どういうこと?」
「それはこっちが聞きたいわよ。あんた、ちょっとヘンよ」
からかうような気遣うような視線を私に向けてくる。
さらに心配させてしまうかも知れないけど、
「あのさ、かがみ。かがみはラノベ買ったの?」
訊いてみた。
「なに言ってんのよ。あんたと一緒にレジに並んだでしょうが」
案の定、かがみは怪訝そうな顔になる。
「そっか……そうだよね、あははは……」
取り繕うように笑ってみたけど、声も表情もぎこちないのは自分でも分かってる。
いよいよ心配そうにかがみが顔を覗きこんでくる。
「なあ、こなた。なんか隠し事してないか?」
「へっ?」
「前から思ってたけど、時々ボーッとしてるし。あ、それはいつものことか。でもほんとに最近不自然な感じがするのよね」
「そ、そんなことないって……!」
「ほら、それよ。あんたはウソつくのが下手なんだから」
私がうろたえているのをかがみはしっかりと見ていたらしい。
「悩み事、あるんじゃないの? 私でよかったら相談に乗るわよ?」
なんて照れもせずに言ってくれるだけで嬉しかった。
愛すべきいじりキャラだといつもからかってばかりいた自分が恥ずかしくなる。
「うん……ありがと……。悩みっていうか…大したことじゃないんだけどね……」
言いかけて私は口を噤む。
私の様子がおかしいっていうのは、多分あのゲームを拾った後のことを言ってるんだよね。
でも私が感じてる違和は、ついさっきの出来事だ。
”さっき”っていうか”今”なんだけどね。
「……うん…………」
かがみに打ち明けるべきなのかな。
思い留まった私の口は動いてくれなかった。
今までも散々かがみをからかってきた。
反応がいちいち萌えさせてくれるからだけど、本人は決して気分が良くなかったハズだ。
宿題も課題もいつも写させてもらってばかりだった。
2回ほど風邪で寝込んだかがみのお見舞いに行ったけど、実際はお見舞いらしいことはひとつもしてあげなかった。
こんな私が悩んだ時だけ相談に乗ってもらうなんて、いくらなんでも調子が良すぎる。
それに……。
数分前までの記憶がない、なんて言って信じてくれるだろうか。
買い物をした覚えがない、と打ち明けて笑われたりしないだろうか。
「やっぱいいや! 大したことじゃないし!」
大袈裟に笑ってごまかす。
「そうか……? そんな風には見えないけど?」
「もしかして心配してくれるの? かがみんは優しいねぇ」
「ちがっ、そんなんじゃないわよ! ただ……ちょっと心配になっただけなんだからね!」
「どっちなのさ……」
と、何とかいつものペースに戻すことができた。
気持ちは嬉しいけど、いますぐ話さなきゃいけないことでもない。
それに――なんだかんだ言って、やっぱりかがみに余計な心配をかけたくない。
「あ、電車来た」
私が指差した方向から速度を落としながら電車がやって来た。
「じゃあね、かがみ。今日は付き合ってくれてありがとね」
乗り込みながら努めていつものように振る舞う。
「あ、まあ……私も欲しいものあったし」
「かがみんも立派なオタクだね」
「あんたと一緒にすんなって。それよりさ――」
真剣な目で私を見る。
その視線の意味が分かっている私は、
「本当に大丈夫だから」
とだけ言っておいた。
255胡蝶之夢19:2009/06/11(木) 21:09:10 ID:BY0TnX04
アナウンスとともにドアが閉じ、私は中に、かがみは外に分けられた。
(………………?)
走り始めた電車によろめく。
ドアの向こうのかがみがなぜか寂しそうな目で私を見ていた。
「かが…………」
呼びかける間もなくホームはどんどんと右に遠ざかっていった。



「ただいま〜」
奥に向かって言いながら、その声がかなり疲れていると分かった。
本当なら疲れるハズないんだよね。
買い物の数時間の記憶がないんだから。
「おかえり。ご飯できてるぞ」
「着替えたらすぐ行くよ」
DVD(初回限定版)を抱えて部屋に入る。
荷物を降ろして部屋着に着替える。
「よかった……」
思わずそう口にする。
特に変わったところはない。
昼間みたいに不可解なことが起こるかもしれないと身構えていた私は、一気に脱力するのを感じた。
あ、そういえばご飯。
荷物は後で片付けるとして、早く行かないとお父さんもゆーちゃんも待ってるしね。
私は足早に部屋を出て居間に向かった。
「今日はまた豪華だね」
テーブルにはお味噌汁にサラダに肉じゃがと、見ただけで十分お腹がいっぱいになりそうなくらいおかずが並んでいる。
「私も作ったんだよ。ほら、この肉じゃが」
と、ゆーちゃん。
いただきますと同時にそれに箸をつける。
「おいしいよ、うん。すごくおいしい」
お世辞なんかじゃない。
ゆーちゃんの作った肉じゃがは本当に美味しかった。
「えへへ、ありがとうお姉ちゃん」
言いながら恥ずかしそうに顔を赤くするゆーちゃんは可愛いなあ。
きっといいお嫁さんになれるね。





「ん? 記憶がないって?」
食事が終わって、ゆーちゃんが部屋に戻るのを待ってからお父さんに声をかけた。
内容は今日のこと。
買い物したハズのあの数時間のことだ。
「どうだろうな、そんな話は聞いたことないな。若年性の健忘症ってやつかな」
「ええ〜? 私まだ高校生なのに」
「だから若年性なんだよ。記憶はなくてもこなたはちゃんと買う物を買って帰ってきたんだろ?」
「う〜ん、たしかにそうなんだけどね」
「財布の中見てみたらどうだ? ちゃんと買ってるんだからお金は減ってるハズだろ」
「いくら入ってたかなんていちいち憶えてないよ……まあ捕まってないからちゃんと払ってるハズだけど」
それにかがみも”一緒にレジに並んだ”って言ってた。
やっぱり私に記憶はなくて、でも買い物はちゃんとしているということになる。
「俺がいま書いてるのがちょうどそんな話だな。平凡な少年がある日、異世界に飛ばされるんだ。
目が覚めた彼はしかし記憶を失っていて、彼の周りにいる女の子たちが甲斐甲斐しく――」
「お父さん、それってエロゲか何かのシナリオだったりしな――」
「そんなことはないぞ!」
すぐに答えるところがますます怪しいよ……。
「でもまあ、そういう事もあるんじゃないか。俺はなったことないけど。ほら、あれだ。錯覚かなにかだろ」
つまるところお父さんもよく分からないってことだね。
むぅ…………なんか胸の中がモヤモヤする。
256胡蝶之夢20:2009/06/11(木) 21:11:27 ID:BY0TnX04
といってこれ以上この話を続けても仕方がないから、私は私で部屋に戻ってきた。
考えても分からない。
こればっかりは流石のみゆきさんにも分からないだろうな。
なにしろ私自身、なにひとつ理解して――――!?
一瞬、本当に心臓が止まるかと思った。
それくらい奇妙な光景が広がっていた。
いや、奇妙っていってもリンゴ好きな死神がいたとかじゃないけど。
ごく自然なことだけど、でも不自然なことが起こってる。
点けた憶えのないPCが起動していた。
もっと言えば画面には”かみさまタウン”のタイトル字が表示されている。
「な…んで…………?」
全身がかぁっと熱くなるのを感じた。
普通は寒気がしそうなものだけど今の私は全くの逆。
自分でも分からないくらい興奮していて、気がつくとPCの前に座っていた。
「続きから」をクリックする手が止められない。


『あなたの友人1は何者かに殺されました。捜査を開始しますか?』
→はい
→いいえ


なに……これ…………?
さっきとは正反対に手先が冷たくなっていくのを感じた。
いつもは真っ黒なメッセージ欄に白字で文章が書かれているのに、この一文だけは赤字で書かれていた。
不吉な感じがする――っていうのは読めば分かるか。
よく分からないけどアドベンチャーゲームっぽくなってきた気がする。
このジャンルはなんといっても推理物が多いからね。
たいていは主人公が探偵になってるけど。
迷わず「はい」を選ぶ。
正直、どうして自分がこのゲームをやり続けているのかは分からない。
普通に考えたら点けた憶えのないPCが立ち上がってる時点で、離れるべきなんだろうけど。
でも手は勝手に動いていた。


『学校に着きました。誰に話を聞きますか?』
→友人2
→友人3
→友人4
→友人5
→学校を出る

『(友人2):お姉ちゃんが……なんでお姉ちゃんが…………っ!!』
『(友人3):この度のことは本当に残念でした……』
『(友人4):まさかこんなことになるなんて。信じない! 私は信じないわ!』
『(友人5):…………ウソだよな? こんなの……ウソだって言ってくれよ!』


念のため何度か友人1から5までを選んでみたけど、台詞は変わらなかった。
どうやら学校の外に出られるみたい。
他に選択肢もないから、「学校を出る」をクリックする。

257胡蝶之夢21:2009/06/11(木) 21:13:14 ID:BY0TnX04
『あなたは友人2と友人3と学校を出ました』
『(友人3):なんと言っていいか……どうかお力を落とさないでください』
『(こなた):私も……どう言えばいいか分からないけど、元気出してよ。ね?』
『(友人2):……………………』
『(こなた):ほら、友人1だってそんな顔してほしくないに決まってるって』
『(友人2):勝手なこと言わないでよ!』
『(こなた):か、勝手なことって……』
『(友人2):誰のせいでお姉ちゃんが死んだと思ってるの!?』
『(友人3):友人2さん!? いくらなんでもそれは……』
『(友人2):こなちゃんのバカッ!!』
『友人2は走り去っていきました。どうしますか?』
→追いかける
→立ち尽くす


なんか急な展開だけど……いや、それよりも……。
この友人2ってキャラ、たしかに”こなちゃん”って言ったよね?
私のことをそう呼ぶのは……つかさしかいない。
それにお姉ちゃんがどうとかって台詞もあった。
――そう考えると友人1はかがみ!?
じゃあかがみが死んだってこと!?
「いや、そんなバカな話あるわけないよね」
強がるように私は呟いた。
冷や汗が流れる。
だいたいこれ、ゲームじゃん。
私が最初に主人公の名前を”こなた”ってつけたから、キャラがそう呼ん――。
「…………違う」
そうじゃない。
たしかに”いずみ こなた”って入力したのは私だ。
でも私が主人公について設定したのは名前だけだ。
性別も職業も決めた憶えはない。
なのにこのゲームの主人公は学校に通う女の子と勝手に設定がされている。
少なくとも友人が5人いて、友人1は友人2のお姉さんになっている。
ただのゲームだ。
そう思いたいけど、思えば思うほど現実にあてはまりすぎる設定が怖くなってくる。
「追いかける」「立ち尽くす」の選択肢が出たままの画面で、私はウィンドウを閉じた。
ついでにPCの電源プラグも引っこ抜く。
正しい終わり方じゃないけど構わない。
PCもだけどこのゲーム、絶対ヘンだ。
最後までやってないから分からないけど、まるで私たちをモデルに作ったみたいになってる。
「きょ……今日はお父さんかゆーちゃんと一緒に寝ようかな……」
足早に部屋を出る。
勘違いしないでよね。別に怖くて1人で寝られないんじゃないんだから。



 翌朝。
「お姉ちゃん、おはよう」
まだハッキリしない頭にゆーちゃんの声が響く。
「おはよ〜」
昨晩は結局、ゆーちゃんと一緒に寝た。
お泊りみたいだね、って嬉しそうに言ってたけど私はそれどころじゃなかった。
なにしろ部屋の電気を消した途端、あのゲームの画面がちらつくから。
忘れようと思って目をギュッと閉じても駄目だった。
おかげで2時間くらいしか寝てない。
「おはよう。こなたは相変わらずダルそうだな」
「う〜ん、ちゃんと寝たんだけどね」
ちょっとだけウソをついた。
新聞を読んでるお父さんを尻目に冷蔵庫から牛乳を取り出す。
私はまだ諦めてないんだよ。
258胡蝶之夢22:2009/06/11(木) 21:14:37 ID:BY0TnX04
眠気覚ましにぐいっと一口。
小さい頃から――今も小さいけど――毎日飲んでるんだけどなあ。
そういえばみゆきさんが言ってたっけ。
牛乳をたくさん飲んでも背の伸びには大きく関係しないって。
カルシウムは必要だけど、成長期は睡眠時に背が伸びるからよく寝たほうが育つって。
だからみゆきさんはあんなに育ってるのか……。
私なんか寝る時間削ってまでゲームしてるもんなあ。
「あ、お姉ちゃん。今日は私、遅れていくから」
白い髭を拭っていると、ゆーちゃんがそんな事を言ってきた。
声の調子からして具合が悪いみたい。
「分かった。無理しちゃ駄目だよ?」
ここしばらくは元気だったのに、急に寒くなったせいかもしれないね。
用意されたパンを頬張って家を出る。
正直、食欲なかったけど朝は何でもいいから口にしないとね。





眠い目をこすりながら慣れた道を歩く。
私が歩くのが遅いのか、登校する生徒たちにどんどん追い抜かれていく。
「う〜ん……」
なんだか肩が重い。
やっぱり今日は休もうかな……なんて思ったけどやっぱりできないよね。
それに2人を待たせるのも悪いし。
「――あれ?」
いつもかがみとつかさがいるハズなのに、今日は2人ともいない。
つかさはともかく、かがみが遅刻するとは思えない。
「風邪……かな?」
かがみはよく風邪引くし、あり得ないことじゃない。
つかさは……寝坊してるのかも。
まぁいっか。
いつも合流してるけど、待ち合わせの約束をしてるわけじゃないし。
せっかくここまで来たんだから遅刻するなんてバカバカしいよね。
とりあえず他の生徒に遅れないように先を急ぐ。
肩のだるさはいつの間にかとれていた。
「おはよ〜」
教室に入ると同時にちょっとだけ無理をして元気よく言ってみる。
「あ、おはよう」
「おはよう」
先に教室に来ていた何人かが返してくれる。
う〜ん……ちょっとつかさたちとベッタリしすぎかも。
未だに名前がうろ憶えの子もいるし。
「おはようございます」
同級生でこう声をかけてくるのは一人しかいない。
「みゆきさん、おはよ〜」
「今日はつかささんとご一緒ではないのですか?」
「あ、うん。かがみもいなかったんだよね。風邪引いてるのかもしれないよ」
「そうですか。ここ数日、気温が安定していませんでしたからね」
「そういえばさ、みゆきさんってあんまり風邪とか引かないね」
「え? そうですね。内科は特に怖いというわけではないのですが……」
風邪を引きやすい体質になる代わりに、虫歯が治ったらいいのに、とみゆきさんがこぼす。
みゆきさんはなんていうか、愚痴ってもそれが愚痴にならないのが凄い。
よっぽど歯医者嫌いなんだね。
「チャイムはとっくに鳴ってるで。自分ら、さっさと席着きや」
いつの間にか黒井先生が入って来ていた。
けど何だろう。
先生はいつもテンションが高いほうじゃないけど、今日はそれに輪をかけて声が沈んでる感じがする。
「起立!」
全員が自分の席に戻ったところで当番が号令をかけた。
259胡蝶之夢23:2009/06/11(木) 21:15:49 ID:BY0TnX04
「ああ、いや、今日はええんや。座ってそのまま聞いてくれ」
先生、どうしたんだろ?
なんかいつもと違う感じ。
「応援している野球チームが負けてしまったのでしょうか?」
みゆきさんが囁く。
つかさとみゆきさんってやっぱり似てるな。
なんて思ってると、
「今日はな、大事な話があるんや。自分らにも関係する話やからよう聞くように」
明らかに沈んだ声で先生が言った。
なんだろう……なんか胸のあたりがザワザワする、
その時、遠慮がちに教室のドアがノックされた。
「ちょっと待っとき」
そのまま先生がドアの方に向かう。
「どうかしたのかな?」
不安になってみゆきさんに訊いてみたけど、首をかしげるだけだった。
そりゃそうだよね。
何も聞いてないのに分かるワケないか。
「……なんで……今日は学校来んでええ言うたやろ……いや、そら分かるけどやな…それより――」
入り口のあたりで先生が何か言ってるのが聞こえる。
「こんな……やから授業はないんや……ええんか? 無理しとんちゃうか……?」
何をこそこそ話してるんだろう。
次第に教室内でもヒソヒソと声が聞こえてきた。
しばらくして先生が誰かを連れて教室に戻ってくる。
あ、つかさじゃん。
やっぱり寝坊したのかな。
……それにしては顔に元気がないな。
「おはよ――」
横を通り過ぎたときに声をかけたけど、聞こえないみたいにつかさは俯いたまま自分の席についた。
「静かにせえ。あのな――」
教卓に凭れるように両手をついて、黒井先生は長く息を吐いた。
居心地が悪い……。
つかさも沈んだままだし……。
「先生、前に通り魔の話したやろ。それでな、昨日の夕方……C組の柊かがみが、その……襲われたんや」
「えっ――!?」
私は思わず声をあげていた。
ふと見るとみゆきさんも同じように驚きを隠せない様子だった。
つかさは……つかさだけは変わらず俯いたままだった。
「後ろからいきなり刺されたらしい。すぐに病院に運ばれたけど……傷が深うてな…………」
ウソでしょ……?
かがみが……?
通り魔に刺された……?
「――亡くなったんや」
そう言う先生の声はほとんど聞き取れなかった。
教室中がざわめく。
「こんな世の中や。どんな人間がおるか分からん。あんまりこんな事、先生言いたないんやけどな。
学校内はまだしも、一歩外に出たら警戒するくらいの心構えが必要なんかもしれへん」
「先生、それって学校の近くだったんですか?」
前の方で誰かが言った。
なんて無神経な人なんだろう。
つかさがいるのに……。
「駅からちょっと離れたとこや。その時は人通りもなかったらしい」
先生はちらっとつかさを見てから律儀に答える。
これって本当の話なんだろうか。
いくらなんでもこんな冗談を言うとは思えないし、つかさの顔を見ればウソじゃないって分かるけど。
でも何かの間違いであって欲しかった。
だってこんなの、いくらなんでも信じられないよ。
「自分らもいつまでも子供やない。塾にしても何にしても、それぞれに都合があるやろと思う。
親御さんの考え方もあるし門限も違うハズや。それについてはウチもとやかく言うつもりはない」
「………………」
260胡蝶之夢24:2009/06/11(木) 21:17:15 ID:BY0TnX04
「でもな、状況が状況や。それに今は陽が沈むんも早い。特に夕方5時以降は絶対に1人で外に出るな。
止むを得ん場合でもできるだけ人通りの多い、明るい道を歩け」
強い口調で言う先生は本当に私たちのことを心配してくれてるんだと思う。
そうじゃなかったらこんなに真剣な顔つきにはならないと思うから。
だからこうやって言ってくれるのは本当にありがたいことなんだろう。
だけど……だからってどうなるわけじゃない。
これが冗談でも何でもないんなら、かがみは……。
かがみは――。
「………………」
その後も先生は何か言ってたけど、上の空だった私はほとんど聞いていなかった。
ずっとつかさが気になってた。
たぶんみゆきさんも私と同じだったと思う。
他の子はどうか知らないけど、私たちはずっと一緒にいたから。
「――いうわけや。今日はこれで終わるけど、くれぐれも気ぃつけるんやで」
一斉にイスを引きずる音で我に返る。
ホームルームが終わったらしい。
私はつかさから目を離して教室中を見回した。
それぞれに沈痛そうな顔はしてるけど、別に悲しんでるっていう感じはなかった。
自分とは関係ない話だから特に気にもしてないのだろうか。
「………………」
さすがに雰囲気的に騒いだりはしないけど、学校出たら遊んだりするんだろうね。
かがみのことなんて全然考えないでさ。
「かがみ…………?」
頭の中で何度も呼んだ名前。
ゲームだ。
この状況、あのゲームと一緒だ。
「つかさッ!!」
無意識のうちに私はつかさの肩を掴んでいた。
(…………!!)
つかさは一瞬、怖いくらいに私を睨みつけてきた。
でもその後すぐに目尻に涙を溜めて、
「お姉ちゃん……お姉ちゃんが…………!」
ずっと我慢してたのか、わんわんと泣き出した。
「つかささん……」
みゆきさんはどう声をかけたらいいか考えてるみたい。
困ったように私を見る。
ヘタな慰め方はできない。
だいたい私自身、まだかがみが殺されたなんて信じられない状態なんだ。
「この度のことは…本当に残念でした……」
搾り出すようにみゆきさんが言った。
「なんと申し上げればいいか……つかささん……」
みゆきさんは声を詰まらせてる。
私にはそんな気の利いた言葉すら思い浮かばない。
もう何度も思っては違うって拒んできたけど……。
さすがにここまできたら偶然だなんて言えない。
やっぱりあのゲームと現実は同じなんだ。
ゲームの中で起こったことが現実にも起こるんだ。
「つかさ……」
みゆきさんみたいに頭が良くない私には、どう声をかけてあげればいいか分からない。
私があのゲームを拾わなければ……遊ばなければこんなことにはならなかったのだろうか。
「………………」
黒井先生が寄ってきた。
「柊……なあ、無理せんでええんやで? こんな事になってもて、ウチもどう言うたらええか分からんけど。
今はゆっくり休み……あ、いや、つらかったら何でもウチに言うたらええ。できるだけ力になるからな」
それから先生はこっちを向いて、
「高良、泉、すまんけど柊のこと頼むわな」
そっと耳打ちした。
頼むと言われたけど正直、何ができるとも思えなかった。
もしかしたらかがみが死んでしまったのは私の所為かもしれないんだ。
だったら私が殺したも同然――。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 21:24:26 ID:K338Q8fi
支援
262名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 21:28:13 ID:K338Q8fi
規制解除
263名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 21:39:48 ID:K338Q8fi
これでいけんだろ
264胡蝶之夢25:2009/06/11(木) 22:01:54 ID:BY0TnX04
「日下部さん……」
先生が立ち去るのとほとんど同時にみゆきさんが呟いた。
さっきまで泣いてたのかな。
入ってきたみさきちも峰岸さんも目が真っ赤だ。
「妹ちゃん……」
峰岸さんがつかさの肩に手をかけた。
「お姉ちゃんが、なんでお姉ちゃんが……!!」
つかさが肩を震わせて泣いた。
それを峰岸さんがぎゅっと抱き寄せてる。
「信じないわ……柊ちゃんが……こんなことって……っ!!」
「ウソだよな? ウソだって言ってくれよ!! なんでこんな事になるんだよっ!!」
「みさきち…………」
みさきちが拳を机に叩きつけた。
みゆきさんはオロオロと見守っているだけだ。
「ごめんね」
気がつくと私はそう口にしていた。
すぐにみゆきさんが、
「ど、どうして泉さんが謝るんですか?」
怒ったような顔を私に向けてきた。
自分でもなんでそう言ったのかは分からない。
勝手に口が動いたって感じだった。
「え、あ、いや……」
言い訳が思い浮かばず、私は適当に相槌を打ってごまかそうとする。
その時に見た。
つかさが刺すような目で私を睨んでいる。
「………………」
多分みゆきさんも傍にいる峰岸さんも気付いてないと思う。
ハッキリと私にだけ敵意が向けられてるんだ。
――私が原因…………?
率直な疑問が湧いた。
あのゲームのことが私の考えてるとおりなら、現実でかがみが通り魔に襲われたのは私のせいだ。
ゲームさえ進めなければこんなことにはならなかったんだ。
でもいま気になってるのはそれじゃない。

つかさは――私の所為でかがみが殺されたって知ってる?

そうとしか思えない。
つかさが私にだけこんな目をするのは、やっぱりそういうことなんだろう。
私のこと、きっと恨んでるんだね。
当たり前か……だって私が殺したようなものなんだから。
「ね、ねえ……つかさ……」
ひとつ、確かめないといけないことがある。
私が声をかけるとつかさはふっと視線をそらした。
間違いない。
今の反応でハッキリしたよ。
やっぱり私の所為ってことなんだよね。
でも肝心の部分がまだ分かってない。
「つかさ、聞いて――」
「私、帰るから……」
避けるようにつかさが教室を出て行こうとする。
「あ、つかささんっ!」
みゆきさんと2人、廊下を走っていくつかさを追いかける。
みさきちと峰岸さんも追ってきてくれるかと期待したけど、2人とも教室から出ようとはしなかった。
「待ってよっ!!」
運動が苦手なハズなのにつかさの足は速くて、私たちが追いついたのは校門を出たあたりだった。
私は咄嗟に腕を掴んだ。
「離してっ!」
つかさが暴れる。
だけど離すわけにはいかない。
どうしても確認しなければならないことがあるんだ。
265胡蝶之夢26:2009/06/11(木) 22:02:40 ID:BY0TnX04
「つかささん、一体どうされたのですか!?」
みゆきさんは一緒に走ってきたのに息ひとつ切らしてない。
ちょっとマズいかな。
みゆきさんがいる所でこの話はあまりしたくない。
けど、だからって遠ざけるわけにもいかないし。
「つかさ、お願い! ひとつだけ教えて!」
つかさの腕を掴む手に力を込める。
こうしてないとまた逃げ出しそうだし。
「…………ッ!!」
つかさは逃げようとしなかったし、答えようともしなかった。
その代わりに鬼の形相で私を睨んでくる。
「あ、あの、お2人ともどうされたのですか? なにが……?」
「なんでもないよ」
つかさが言った。
みゆきさんに対しては、って意味なんだろう。
「つかささん、お気持ちは分かりますが…その……お力を落とさないで下さい」
黙っていてくれればいいのに、みゆきさんがそんなことを言う。
だから私も、
「そうだよ。私もなんて言えばいいか分からないけど……かがみだってそんな顔して欲しくないと思うから」
つい聞き覚えのある台詞を口にしてしまった。
こうなってしまったら、この後のことは何となく分かる。
私はさらに強くつかさの腕を掴んだ。
「勝手なこと言わないでよ!」
思ったとおり、つかさは凄い力で私の拘束から逃れようとする。
「誰のせいでお姉ちゃんが死んだと思ってるの!?」
ああ、やっぱりこうなるんだ。
つかさの台詞、何となく予想してたよ……。
私はその言葉をどこか他人事のように聞きながら、頭の中ではこの後どうなるのか必死に考えてた。
考えてどうにかなる問題じゃないけど、私がどうするかでこの後の展開は大きく変わるんだと分かってた。
だからヘタなことは言えない。

”誰のせいでかがみが死んだのか”

つかさはハッキリとそう言った。
つまり私の所為だって言いたいんだ。
「あのゲームのこと、知ってるの!?」
私はさらに強くつかさの腕を掴んだ。
痛かったのか、ちょっと苦しそうに顔をそむけた。
「ゲームなんて知らないよっ!」
「し、知らないって……じゃあなんで私だって…………?」
「こなちゃんが寄り道に誘ったからでしょっ!!」
「えっ…………?」
呆気にとられて立ち尽くす。
拘束が緩んだ隙にさっとつかさが私から離れた。
「つかささん、どういうことですか?」
今までずっと横にいたみゆきさんが訊ねる。
「こなちゃんはね、自分が寄り道したいからってお姉ちゃんを無理やり連れ回したんだよ!!」
「はい…………?」
声をあげたのは私じゃなくてみゆきさんだった。
寄り道…………。
言われて思い出した。
そういえばかがみと買い物に行ったんだっけ。
でもあの時の記憶はない。
気がついたら私は荷物を持ってて、ホームに立ってた。
「こなちゃんのせいだっ!!」
ちょっと待ってよ。
それでなんで私が原因になるの?
「つかささん、それはちょっと……」
「こなちゃんが無理やりお姉ちゃんを連れ回したせいでお姉ちゃん、学校に戻るのが遅くなったんだよ!?」
「ま、待ってよ! だってそれはかがみも行きたいって言ってたし……!」
266胡蝶之夢27:2009/06/11(木) 22:04:32 ID:BY0TnX04
それで私の所為にされたら堪らない。
寄り道なんてよくすることじゃん。
……でも今、学校がどうとか言わなかった?
「――お姉ちゃんね、学校に忘れ物してたんだ。こなちゃんと違っていつも遅くまで勉強するから。
今度のテストに使う参考書だって言ってたよ」
突き放すようなつかさの口調が怖かった。
忘れ物……参考書……?
なんだろう……なにかがひっかかるような感じがする。
「すぐに取りに帰ればあんな事にならなかったのに、こなちゃんが遅くまで付き合わせたからだよ」
「ど、どういう……こと……」
「それでは、かがみさんが学校の近くで襲われたというのは…………」
みゆきさんが何か分かったみたいに頷いた。
……忘れ物……あっ……!!
そうか! いま分かった。
私がC組にかがみを呼びに行った時――。
そういえばかがみは鞄に教科書とかノートをしまおうとしてたんだ。
それを私が強引に連れ出して……。
あの時、私はかがみを待とうとしなかった。
無理やり教室から引っ張り出したんだ。
つかさが言ってるのは……だから……。
かがみが荷物を全部入れ終える前に私が連れ出したってこと……?
机の中に参考書を残したままだったから、それを取りに戻ったってこと……?
いや、それだけじゃない。
記憶はないけど、駅で別れたのも夕方遅くだった。
私がもっと早く買い物を終えていたら、陽が沈む前に学校に戻れたんだ。
「こなちゃんのせいだ! 全部、こなちゃんが悪いんだ!」
そう叫んでつかさは走り出してしまった。
「あっ、つかささんっ!!」
急な展開のせいか、みゆきさんは困ったように立ち竦んでいる。
「………………」
そっか。
そういうことか。
だったらやっぱり私が悪いんだ。
つかさが怒るのも無理ないよ……。
ゲームの内容がどうとかじゃない。
寄り道したのも、きっと遅くまでかかったのも私の意思なんだから。
「い、泉さん…………」
だいたいゲームでああいう選択をしたのは私なんだ。
現実とリンクしてるって分かりかけてたんだから、すぐにリセットすればこんなことには……。
「泉さんっ!!」
「え……?」
みゆきさんに腕を掴まれた。
……怒ってる……って感じじゃないね……。
「つかささんが――」
分かってるよ、みゆきさん。
追いかけないのかってことでしょ?
分かってるよ。
でもつかさに追いついたところで、どうしろっていうのさ。
余計に怒らせちゃうだけかもしれないじゃん。
だってかがみがこうなったのも……。
ううん、こう考えること自体逃げてるのかもしれない。
ちゃんと話すべきなのかもしれない。
ゲームのせいだ、なんて言っても信じてもらえないと思うけど。
このままじゃすっきりしない。
「………………」
そういえばこの場面、ゲームであったな。
昨日だ。
点けた憶えのないPCが点いてて、あのゲームをやったんだ。
あの時の選択肢は――”追いかける”と”立ち尽くす”だったハズだ。
267胡蝶之夢28:2009/06/11(木) 22:06:38 ID:BY0TnX04
…………憶えてる!
怖くなってその画面で電源を切ったんだった。
だからこの先はゲームでは見てない。
逆に言えば私が行動した結果が、またゲームのシナリオに追加されるってことになる。
「みゆきさん!」
「えっ、え――」
「ごめん、先に帰っててっ!」
「あ、あのっ……!!」
「これは私の問題だからッ!!」
私はつかさの後を追って走った。
後ろでみゆきさんが何か言ってたけど、振り向かない。
出遅れたけどつかさの足ならそんなに遠くには行ってないハズ。
途中、何人もの生徒を追い抜いた。
かがみが亡くなったっていうのに、誰も悲しそうな顔をしてない。
どうせ早く帰られてラッキーくらいにしか思ってないんだろうね。
前の信号が赤になりそうだから、私はさらに速く走った。
横断歩道を一気に駆け抜ける。
つかさ……どこにいるのさ……。
ちょっと息があがってきた。
つかさは…………。
「…………ッッ!?」
――いた!!
フラフラになりながら、それでも走ることをやめないつかさを見て私は悲しくなった。
何も悪くないのに。
つかさは何も悪くないのに。
「待ってッッ!!」
坂を駆け降りてつかさの肩を掴む。
彼女は驚いたような眼で私を見た。
でもそれはほんの一瞬で、私だと分かるとその顔がすぐに怒りに変わる。
「離してよっ!!」
「ちょっと待ってよ! 落ち着いて!」
「落ち着いてるよ!」
つかさが暴れる。
腕を振って逃れようとするところを何とか押さえ込む。
ここで逃げられたらもう話を聞いてくれないかもしれない。
「お願いだから話を聞いてってば!!」
「こなちゃんと話すことなんてないよ!」
つかさはそう叫んだけど、いちおう視線だけは私に向けてくれた。
さっきみたいに走りだしたりはしないと見た私は、
「かがみのこと……本当に申し訳ないと思ってる。私の……私の所為だけど……でも……!」
言葉を選びながら状況を説明しようと試みた。
「でも……なんなの……?」
怖いくらいに低い声で訊き返してくる。
「理由があるんだ。つかさは信じてくれないかもしれないけど、でもちゃんと言っておきたいから」
「………………」
肩で息をしながら私を睨んでる。
よかった。取り敢えずは耳を貸してくれるみたい。
「実は――」





私の説明をつかさはちゃんと聞いてくれた。
頭から否定されると思ってたけど、私はどうにか事の詳細を話した。
「だからその……言い訳するつもりじゃないけどそのゲームが――」
「ふうん」
悄然とした感じでつかさが呟いた。
当然だよね。
268胡蝶之夢29:2009/06/11(木) 22:07:38 ID:BY0TnX04
いくらゲームの所為にしたって、かがみが亡くなったのには変わりはないんだ。
記憶がないとはいえ、その原因が私にあるんだったら……。
「それだけ?」
「えっ…………?」
冷たい。
すごく冷たい目で私を見てる。
「それだけなの?」
「う、うん……それだけっていうか……うん……」
「ふうん」
「………………」
「こなちゃんっていつもそうだよね」
「な、何が?」
「いつだってアニメとかゲームの話しかしないもんね。今だってそう。
本当はこなちゃん、お姉ちゃんのこと何も考えてないんでしょ? 何とも思ってないんでしょ?」
「……ど、どういうこと?」
つかさの厳しい視線に私は思わず顔をそむけてしまった。
「こんな時までなんでゲームの話なんかするの!? お姉ちゃん、こなちゃんのせいで死んじゃったんだよ!?
それなのに……ひどいよッ!! ひどいよぅ…………ッ!!」
「ま、待ってよ、つかさ! 本当なんだって! 信じられないと思うけど、ほんとにかみさまタウ――」
「いい加減にしてよッ! そんな話なんて聞きたくないよ!!」
真っ赤になった目で私を睨む。
……憎んでるんだ。
私を憎んでるんだ。
私がかがみを殺したようなものだから、つかさは私が憎くてしかたがないんだ。
「こなちゃんが死ねばよかったのにっっ!!」
つかさが走り出す。
私はそれを見ている。
やっぱり駄目だった。
そうだよね。
ゲームと現実がリンクしてるなんて信じられるわけないよね。
ましてや私が言うんだもん。
怒られてもしかたないよ。
私……ずっと不真面目な人間だって思われるんだろうな。
こんな時なのにゲームの話するんだもんね。
ふざけてるつもりはないし、かみさまタウンの事も全部本当なのに。
つかさには信じてもらえないんだよね……。
「………………」
いや、そうじゃない!
言葉で駄目なら実際に見せればいいじゃん!
つかさにあのゲームを見せればきっと信じてくれる。
かがみを遅くまで付き合わせたのは私の意図じゃないって分かってくれる。
「つかさっ!!」
私はまた走った。
さっきよりもずっと速く走った。
「もうちょっとだけ話聞いてよっ!」
息が弾む。足が熱い。
前のめりに地面を蹴って体を前に送る。
「つかさ!!」
今度は肩じゃなくて腕を掴む。
「離してよっ! こなちゃんなんか嫌いだよっ!!」
「嫌いでもいいからちょっとだけ話聞いてッ! つかさにもあのゲームを見てもらいたいんだ!」
「聞きたくないって言ってるでしょ!?」
普段のつかさからは想像もつかないくらいの剣幕だった。
気持ちは痛いくらいに分かるけど、でも私にだって引き留める理由がある。
つかさを掴む手にさらに力を込めて、
「お願い! ちょっとでいいから!」
声を限りに叫んだ。
「しつこいよ!!」
私の拘束から逃れようと、つかさが信じられない力で腕を振り上げた。
突然のことで私はバランスを崩す。
269胡蝶之夢30:2009/06/11(木) 22:09:28 ID:BY0TnX04
その拍子につかさを掴んでいた手が離れ、それを待っていたように再び走り出し――。
「あっ――――!?」
彼女の体は宙を舞った。
一瞬の出来事だった…………。
ちょうど死角になっている道路から車が走ってきた。
そこにタイミング悪くつかさが飛び出したから――。
少し遅れて”ぐしゃっ”と鈍い音が聞こえた。
バタンとドアを閉める音も。
「くそっ! やっちまった!」
男の人の声で我に返る。
つかさは……つかさは……?
「ついてねえなあ、ちくしょう! しゃあねえ、とりあえず警察――」
つかさは――。
――あった。
20メートルほど離れたところにつかさの体がある。
首と足がヘンな方向に曲がっていた。
「あ…あ……あぁ…………!!」
状況を理解するのにどれだけかかっただろう。
飛び散っている血と車のへこみ。
それから、それから……。
「ウソ……でしょ…………?」
私はふらつく足取りでつかさに歩み寄る。
「ウソだよね……こんなの……」
一目見て即死だと分かった。
おかしな角度に折れ曲がった首。
襤褸布みたいになった手足。
私とつかさは見つめ合った。
光のない目が私を見ている。
それがぐるんと反転して白目をむいた。
「おい、そこのお前。触るんじゃねえぞ!」
車から降りてきた男が怒鳴った。
「いま警察呼んだからな。勝手に触って不利になったらかなわねえ」
「………………」
何も言い返す気になれなかった。
轢き逃げしないだけマシだけど、この人は別に反省している感じじゃない。
だからって責めたってしかたがない。
私がもっとちゃんとつかさを留めておけば、道路に飛び出すことだってなかったハズなんだ。
「ねえ……つかさ……」
返事はしてくれない。
動いてもくれない。
「ぜんぶ私の所為だよ……ぜんぶ……ぜんぶ……」
もうあのゲームに責任をなすりつけるのはやめた。
結果的にそれをやったのは私なんだから。
ゲームだろうと現実だろうと、どっちの世界も私が動かしたんだ。
どれも軽率だった。
こうならずに済む方法はあったのに……。
「………………」
野次馬の声がする。
270胡蝶之夢31:2009/06/11(木) 22:10:27 ID:BY0TnX04

”かわいそうに”

”うわ、血まみれだぜ”

”あの車ね”

”見てほら、あれって骨じゃない?”

”ほんとだ! うわぁ〜すげぇな……”

「道を開けてください! 道を開けてください!」
サイレンの音と同時に警察官の声がする。
野次馬はなかなか立ち去ろうとしない。
救急車も遅れて来た。
早く運んであげてよ。
もう助からないって分かってるけど、いつまでもこんな所で人目に晒したくないよ。
「きみ! きみ!!」
警察が私を呼んでる。
轢いたのはあの人だよ。
つかさを死なせたのは私だけど。
ああ、そうだ。
私なんだ。
逮捕されるのは私なんだ。
だって私がつかさとかがみを殺したようなものだから……。
わたしが…………。



271名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 22:14:14 ID:XpA3X/Yx
支援
272JEDI_tkms1984:2009/06/11(木) 22:14:28 ID:BY0TnX04
 今夜は以上です。
キリのよい処までと欲張り規制にかかってしまいました。
支援して下さった方、ありがとうございました。
明後日には完結します。
ではまた。
273名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/12(金) 01:12:28 ID:XaoRB5xv
乙です。
かみさまタウン、世界狂えや法破れやであったアレですね。
最初かみさまタウンの文字を見たときは、何らかの比喩だと思って元ネタ探してぐぐったのもいい思い出。
まさかこの作品への伏線だったとは。
そうじろう痴漢というのも、次回作辺りの伏線なのか…。

しかし難解な単語使わずともここまで引き込める筆力は流石です。
展開転がすのは非常に上手いですね。尊敬してます。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/12(金) 12:20:16 ID:Crc4S4tP
犯人よりこなたを憎むとは…
流石つかさ
275JEDI_tkms1984:2009/06/12(金) 21:10:04 ID:EaSgoxLo
 皆さん、こんばんは。
なんとか今夜で完結できそうです。
では参ります。
276胡蝶之夢32:2009/06/12(金) 21:12:03 ID:EaSgoxLo
「目が覚めたか……」
気がつくとお父さんが覗きこんでいた。
あれ、じゃあここは……?
あったかい……。
ベッドか。
首だけを起こしてそっと周りを見てみる。
見慣れた内装。
これは私の部屋だ。
……ってことは家に帰って来たんだ。
「いろいろ大変だったな」
お父さんが優しい口調で言った。
「いろいろ?」
「警察から電話がかかってきた時は、てっきりこなたが事故に遭ったのかと思ったぞ。
でもかすり傷ひとつしてないのを見て安心したよ」
「う〜〜ん…………」
話がよく分からない。
つかさが撥ねられたのは憶えてるけど、その後は……。
警察が来ていろいろ訊かれたんだっけ?
男の人が何か喚いてた気もする。
「憶えてないか?」
「うん」
「ああいう事があったからな、無理もないさ」
お父さんが目をそらした。
ああいう事……。
「警察に質問されたのは憶えてるか?」
「なんとなくだけど」
「その時にな、急に倒れたんだよ。警察はまだいろいろ訊きたがってた感じだったけど、様子を見て休憩させてくれたんだ。
それでまあ……無理に質問を繰り返すのはこなたの体に障るってことでそのまま帰ってきたんだが――」
「ねえ、お父さん。つかさは? つかさはどうなったの?」
「…………」
言葉を遮ってした私の質問にお父さんは答えてくれない。
「つかさは……?」
「訊くのか?」
「だって知りたいよ……! 私の所為でつかさは――」
「こなたの所為じゃないっ!!」
突然、お父さんがもの凄い剣幕で怒鳴った。
「こなたは何も悪くないんだ」
今度は逆に萎れるように付けたす。
「あ、あの、どうかしたんですか……?」
その時、ビクビクした様子でゆーちゃんが入ってきた。
「さっきおじさんの声がしたから…………」
おずおずと呟くゆーちゃんと目が合った。
「あっ、お姉ちゃん! 気がついたんだね!」
さっきまでの緊張したような顔とは打って変わって、本当に嬉しそうに笑顔を向けてくる。
私もそれに笑顔で頷いた。
「ああ、ごめんな。おじさんたち、ちょっと大事な話があるから少し席をはずしてくれないかな?」
「え? あ……はい……」
お父さんがやんわりとした口調でゆーちゃんを追いだした。
やっぱり事故の話とかは聞かせるべきじゃないよね。
ゆーちゃん、もともと体が丈夫じゃないから受けるショックも大きいと思うし。
「ごめんね、ゆーちゃん。また後で話そうね」
私はそう言って悲しそうな目のゆーちゃんを送り出した。
その姿が見えなくなるのを待って、お父さんが小さく息を吐いて私を見下ろす。
わざわざゆーちゃんを追いだしたってことは……つまりそういう内容なんだよね。
「つかさちゃんのことだけどな……」
「うん……」
「その、即死だったらしい。打ちどころが悪くてな」
分かってはいたけど、心のどこかでは生きてるかもしれないって期待があった。
最後に見たつかさの顔が忘れられない。
そういえば私を怨んで死んだんだよね……。
277胡蝶之夢33:2009/06/12(金) 21:14:32 ID:EaSgoxLo
「こなたの所為じゃないからな。かがみちゃんの事も自分が連れ回したからと思ってるかもしれないが、
その後で学校に戻ったのは彼女なんだ。こなたが気にする必要はないぞ」
「えっ? なんでそのこと知ってるの?」
「心配してみゆきちゃんが電話してくれたんだ。その時にいろいろ聞いたよ」
「そう…………」
みゆきさんはどう思ってるのかな?
あの時は仲裁してくれた感じだったけど、やっぱり私の所為だって思ってるだろうね。
それに今度はつかさまで死んじゃったんだもん。
かがみにつかさ。
どっちも私が絡んでるんだ。
きっと気味悪がるに決まってるよ。
死神みたいなものだもんね…………。
「お、おい。まだ寝てなきゃ駄目じゃないか」
起き上がったところをお父さんが慌てて止める。
「大丈夫だよ。別にケガしてるわけじゃないし……」
「いや、しかしだな。精神的なのもあるだろ」
「ううん、平気」
私は大袈裟に飛び起きて調子がいいことをアピールした。
ちょっとでも疲れてる素振りを見せたらお父さん、きっと不安になって引き留めるだろうからね。
「お父さん、今日はいろいろありがとね」
「俺は何もしてないって」
「悪いんだけど……独りにしてくれないかな」
「うん? あ、ああ……大丈夫なのか?」
「大丈夫だって。ゆーちゃんとは少し間を置いてから話すよ……知ってるんでしょ?」
「つかさちゃんが亡くなったことだけ、な。それ以外は一切言ってない」
「うん、私もそのほうがいいと思う」
「…………」
お父さんは私が気に病んでるんだと思ってるんだね。
私が2人の死に関わったから。
間違いじゃないよ、それ。
でもお父さんが思ってるのとはちょっと違う。
だって私が悪いんだもん。
「なあ、こなた。俺さ、頼りないけどこれでも一応は親だから」
「…………?」
「だから何でも相談してくれよ? 独りで抱えたって何も解決しないんだからな」
「分かった……ありがと……」
お父さんは最後にヘンな笑顔を見せて部屋を出て行った。
やっぱり親子だね。
私が考えてること、ある程度分かってるんだよね。
でもそれは私も同じだよ?
お父さんもゆーちゃんもいない部屋でひとり考える。
1秒おきに聞こえる時計の音が厭に響く。
…………分かってたのに。
ゲームであったことが現実に起こって、現実で起こったことがゲームになってるって。
「………………」
あの時、つかさを追いかけなかったら……。
みゆきさんには嫌われたかもしれないけど、そうしていればつかさは車に撥ねられなかったかもしれない。
前の日にやったゲームではちょうどその場面で電源を切ったんだっけ。
「はは…………」
そうじゃん。
結局どっちも私がやったんじゃん。
ゲームで選択肢をクリックするのも、現実で私が行動を起こすのも。
結局は私の意思ってことじゃん。
寄り道をしない選択だってできたハズだし、つかさを追いかけないって判断もできたハズなんだから。
「ゲームの所為にしちゃだめだよね」
私は嗤っていた。
不謹慎だと分かっていながら私は嗤っていた。
2人の死を悼む気持ちはあったけどそれ以上に――。
私の意識はたった今、ひとりでに点いたPCに向けられていた。
そろそろこれにも慣れてきた。
278胡蝶之夢34:2009/06/12(金) 21:18:19 ID:EaSgoxLo
ポルターガイスト現象って言えばいいんだろうけど、いざ体験してみるとそういう言葉じゃ片づけられない。
画面が勝手に切り替わり、思ったとおり”かみさまタウン”の文字が表れた。
「あくまでこれをやれってことだね…………」
そうだ。
これは悪魔だ。
拾ったのは私だけど、これがキッカケで私はかがみとつかさを死なせてしまったんだ。
このゲームの目的は何なのだろう?
RPGならボスを倒せば終わるし、推理物なら犯人を特定したら終わる。
”かみさまタウン”は何をどうしたらエンディングに辿り着くんだろう?
「………………」
私の手はいつの間にかマウスを掴んでいる。
魅了されるように『つづきから』をクリックし、ゲームが始まる。


『あなたの不手際で友人2は死にました』


ドラ○エのセーブデータが消えた時みたいな効果音が流れ、真っ黒な画面に赤い字が浮かびあがった。
「あなたの不手際……か……」
腹は立つけど言い返せない。
少なくともつかさの事故はゲームとは関係ないから。
だけどこのまま続ければ、かがみの時のようにまたワケの分からない展開になって誰かが不幸になるかもしれない。
だとしたら今すぐこのゲームを止めるべきだ。
でもそう思う反面、さすがにもうそういう事はないんじゃないかっていう期待もある。
それにエンディングを見たい気持ちもある。
現実とリンクしているのは分かったとして、じゃあどうすればこのゲームは終わるのか。
ここで止めてしまえばそこには辿り着けない気がする。
文字が消えると、ゲームの中の私は部屋の真ん中に立っていた。


『あなたは失意のまま部屋に戻ってきました。どうしますか?』
→寝る
→考える
→追悼する

『追悼する』を選択

『(こなた):ごめんね、友人2。私の所為であんな事に……』

『どうしますか?』
→寝る
→考える

『考える』を選択

『何について考えますか?』
→自分の存在意義について
→友人1、友人2について
→死について


……なんか否定的な選択肢ばっかりだね。
どういう結果になるか想像もつかないけど、まずは……。
279胡蝶之夢35:2009/06/12(金) 21:20:04 ID:EaSgoxLo


『自分の存在意義について』を選択

『(こなた):(私、友だちを2人も殺してしまったんだね……。お父さんは違うって言ってくれるけど。
        でも現に手を下したようなものだから、やっぱり私が……)』

『何について考えますか?』
→友人1、友人2について
→死について

『死について』を選択

『(こなた):(たしかに2人を死なせたのは私だし、それは申し訳ないことだと思うけど……。
        でもひとつ、気がついたことがある)』
『(こなた):(それは他人の死を間近に見た時に得られる快感だ)』
『(こなた):(これ以上の快感は一度も味わったことがないよ)』

『あなたの中で何かが変わろうとしています』


「えっ…………?」
思わず自分の目を疑った。
慌てて前の文章を見ようとしたけど、このゲームには読み戻し機能がついてなかった。
いま確かに快感がどうとかって……?


『あなたはその快感を再び得るために行動します。どうしますか?』
→友人3を殺害する
→父親を殺害する
→従姉妹を殺害する


一番恐い選択肢が出てきた。
今まではもうちょっと遠回しな言い方だったのに、”殺害”なんて言葉を使ってる。
それにこれ……。
友人3っていうのは昨日の会話からしてみゆきさんだよね?
じゃあ残りはお父さんとゆーちゃんってことになる……。
この3つの中からしか選べないんだったら、どれをクリックしても私は誰かを殺すってこと?
逆に考えれば選択さえしなければ殺さずに済むわけか……。
違う、そうじゃない!
昨日は――。
昨日はたしかつかさを”追いかける”か”立ち尽くす”かの選択肢が出ている状態で電源を切った。
結果、現実での私はつかさを追いかけて――。
じゃああの時、私に”追いかける”以外にどんな行動がとれたんだろう?
みゆきさんが困ってたんだっけ。
敢えてあの場で先にみゆきさんに事情を説明することもできたわけか……。
ということはつかさを追いかけなかった場合、私は”立ち止まってる”ってことになるよね。
でもそれじゃ、どっちにしろゲームの選択肢と同じ行動をとってる。
「………………」
追いかけもせず、立ち止まりもしない方法は――?
たとえば校舎に戻るとか、全然違う方向に走り出すとか?
……不可能じゃないけど不自然だ。
それだとみゆきさんに不信感を与えてしまうし、つかさだって車に撥ねられずに済んだかどうかも分からない。
ぼんやりと画面を眺める。


280胡蝶之夢36:2009/06/12(金) 21:21:27 ID:EaSgoxLo
『あなたはその快感を再び得るために行動します。どうしますか?』
→友人3を殺害する
→父親を殺害する
→従姉妹を殺害する


もちろん私はこんなことに快感を覚えたりしてない。
かがみやつかさを喪ったのにこんな風に考えられるハズがない。
だけど……。
今はそうでも……そうじゃない時が来るかもしれない。
”かみさまタウン”は現実とリンクしてるし、どれもこれも正確だ。
憶えてる中で唯一違ったのは最初のシーン。
通り魔がどうとかいう話でゲームでの私はおばさんたちに声をかけたけど、現実ではそんなことしてない。
違ってたのはそれだけ。
かがみと寄り道したことも、つかさが死んだことも……。
何もかも同じだった……。
「だったら…………!!」
その考え方でいけば、私も間もなく人の死に快感を覚えるようになってしまうのかもしれない。
明日……ううん、1時間後にそうなってるかもしれない。
それになにより――。
もう選択肢は表示されてしまったんだ。
どうせ電源を切っても結果は同じ。
いつかは分からないけど、いずれ私はこの3人の誰かを殺してしまうことになる。
「そうだよね。どうせ現実はそうなるんだもんね」
抗おうなんて気はなかった。
こんなゲームさえやらなければ、かがみもつかさも死なずに済んだんだ。
かがみの事は事故だとしても、つかさの件は完全に私の所為だ。
そうだと分かっているのに、私は今もこうしてPCに向かってる。
でも……これで最後だよ……。
こんなワケの分からないゲームにぐちゃぐちゃにされてたまるか。
マウスに張り付いた手を無理やり引きはがし、その勢いのままPCのコードを引き抜く。
「はぁ…はぁ…………」
なんだか胸のあたりが熱い。
きっと”かみさまタウン”は私に呪いみたいなのをかけてたんだろう。
だから頭では止めたいと思っていても、体は勝手にプレイを続けてたんだ。
「……どうだ! ざまみろ! はぁ……私は……私はあんたなんかに負けない……から…………!!」
傍から見たらおかしいと思うだろうね。
真っ暗な画面に怒鳴りつけてるんだから。
お父さん……。
ゆーちゃん……。
みゆきさん……。
みんな、私が守るからね。
ううん、守るとは違うか。
殺そうとしてたのは私なんだから。
でもそれもこれで終わり。
「はぁ……はぁ…………」
ゲームにまた操られる前に、やっておかなきゃいけないことがある。
私は抽斗(ひきだし)からカッターナイフを取り出した。
プラモを作るためにしまっておいたものだけど、まさかこんな使い方するとは思わなかったね。
数センチ刃をせり出させて喉にあてがう。
「…………ッ!!」
決心はついてるのに手が動かない。
またあのゲームが何かやってる?
私にゲームの続きをさせたがってるのかもしれないね……。
でもそうはいかないよ。
みんなを……助けるんだ……。
ひと思いに刃を引く。
さすがに呪いもこれは止められなかったみたいだね。
選択肢はもう出てしまったけど、私が死んでしまえば無効にできる。
誰も……誰も死なせないから……。
281胡蝶之夢37:2009/06/12(金) 21:23:21 ID:EaSgoxLo



目の前が赤く染まっていく。
――痛みはなかった。
喉が裂けてる感覚はたしかにあるのに全然痛くない。
ただ……熱かった。
すごく熱かった。
PCのスピーカーから音楽が流れてきた。
なんだか寂しい感じの曲だ。
あ、これ聴いたことあるな……。
ええっと……ブラームスの……なんだっけ……。
『これは弦楽六重奏第一番の第2楽章で、ブラームスの有名な曲なんですよ』
ああ、そういえばそうだったね。
いつかみゆきさんにCDを借りたんだっけ。
クラシックの話をしていて……みゆきさんが何度もブラームスの名前を出したから気になったんだよね……。
それで快く貸してくれた……っけ……。
あれ、あのCD返したかな……。
みゆきさん…催促しないからなあ……。
なんか気になってきた……よ……。
借りっぱなしじゃ悪いもんね……。
ええっと……どこに……しまったか……な……。
たしかこのあたりに…………。
あ、これ……かな……。
見えないけど、きっとこれだね……。
「み…………」
ちゃんと……返す…ね……ゆき……さ…ん…………。







   終
282JEDI_tkms1984:2009/06/12(金) 21:27:36 ID:EaSgoxLo
 以上です。
相変わらずの長文で、しかも苦手な一人称だったので精細さに欠けていたかもしれません。
ともかくこ胡蝶之夢はこれで完結です。
お読みくださりありがとうございました。
283デフォ北:2009/06/12(金) 21:43:08 ID:wCQa0JHQ
>>282
お疲れ様です

流石JEDIさんと言ったところでしょうか
見事に「かみさまタウン」の世界観に引き込まれていました
ゲームとリンクした現実世界、禍々しさ溢れるゲームのテキスト、
その全てがまさにこなたの一人称を通じて読者にもリアルな不安感が伝わってきました

やはり、元々つかさは何となくこなたに嫌悪や嫉妬を抱いていた訳ですね
それが顕著に現われているSSだと思います
284名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/12(金) 22:19:09 ID:NeaJSb9s
面白かった、乙!
285名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/13(土) 01:02:14 ID:VpBrXfq3
乙。面白かった。

こなた視点のみでゲームが進んでいる、というのは実はこなたの勘違いで、
みゆきと視点が混在してゲームが進んでいたのではないだろうか。
いや、みゆきも同じゲームをプレイしていた可能性もあるなぁ、と。

ラストの友人3=こなたであるならば、こなたが死んでゲームの筋書き通りではある。
みゆきが殺害したわけではないけれども、みゆきが貸した音楽ゲームが流れている。
そこに、非常に弱いが関連性程度は見出せる。
みゆきに従姉妹が居ないとも限らない。
こなたの記憶にないシーンや、周囲との会話はみゆきが経験(もしくは選択)した事。
人の死に触れて、もう一度快感を得たくなったのもみゆきだろうか。

おばさん達との会話もこなたが経験した事ではなく、みゆきが経験した事。
またつかさが走り出すシーンでは、こなたが追いかけるを選択し、みゆきは立ち尽くすを選択した。
そうしてつかさは死んだ。

うーん、他にも色々解釈ができますね。
何にせよ、深い作品です。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/13(土) 02:43:25 ID:K7miNPhT
                         _. - ._             _
                      /. -−- \             l `i   __
                         //      ヽ          } ´ ̄ ´ '´ う
                     |{      /\  ____  j     /
      ( ヽ              '.l.   ___/    ヽ´  ー-=ニ.¨`7     r '
   r──’ `ヽ            .ゞ ' ´         '.       `丶、  /
 (´_ ̄       ヽ         /             |       \  \/
 ‘ー⊂.         \      /  ,    l  |    |、        ヽ‐-,ヽ
      ̄ ̄\     \.     /  /     !  ∧   ||ヽ__|     ∨ `
          \     \  /  /     | / '   ||'´ヽ l      l. ',     スパロボNEOオワタ
            \     \l  '    |  ,ィ´′ ∨ ハ. |   Nヽ.   |、 i
              \     \l.    |  /|/     / /       ',   |、ヽ!
                \     ヽ、.  | i       ∨    三三 ハ.  ! \
                  \.   /\ | | xィ彡        ・{ l. ∧ /
                /\ /   }'ヽ! "´       ,、_,   l |∨ ∨
                  / /   /   \     ‘7´  )   .ノ |     l
               {      /    ',\    、__,. ' ,/  |    /
                 \   /      ', ヽ----r ' ´ |   |  ./
                 | ー ´         ',  ',   ヽ    |   |  /
287名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/13(土) 10:49:09 ID:WEVp0WNN
288名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/13(土) 16:12:39 ID:dup6dgn4
乙なのです。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/14(日) 00:22:23 ID:oxPNBKuC
>>286
おまえもな
290名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/14(日) 02:56:53 ID:BceJoKyv
「ふふふふふ……あはははははは!!」
          .  ´丶.
       . ´      \ _       _  --─ 、_ -- 、
      /         ヽ \「| - ´ -     ├ 、    ヽ
    , ′            /イ/  ,   /__    ̄ヽ.  `、
   /            \  У/ / / ./ィ´-ゝイ i  \   、
.  /               ∨ / ,  /∠_\,,;;;;';;;;;l イ  \ヽ ∨
  {                 /イ  l ,'{{__t.1_'",;;;;;j/;;| /   ト、}  V
  \     |        /  l  l l ,,、;;;''"´ ,:=;<;;j/   } ′ V
    `丶.   l          ハ  トl;;'"「` = '、`ヾ'_」!' ,   l |     :i
       \ l     |       ハ: トハ l: : : |>';;//  ハ l     !
        1     :l   /   ム! ヽ>' - イ  ,  / リ    l
         `、    |  / ./, ' /ヽ_ -'一1/ //.イ       l
          ` - _!  ./ / _∠ ´  __/'"´  ̄`丶!         l
              |/  _/'´   .  ´    /    ヽ.      |
             /  /  ,  ´     /       \     !
             , /  /     l  /         \   |
             l/  /       '.  l    ` ー- -  ` - ' 、
             } , ′        \!               ヽ
            j/            |             ── \________
            / --- _         _ハ                              ` −
         r  ´    _/`ヽ      }  V
         V      j-イ \─ -/   ∨
291名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/14(日) 02:58:18 ID:BceJoKyv
               /   /         l   |   l
             ;    ;   / /     l/_,. | l   |
               i |  i   /! /   /! l"´ `| l  l
                l l l l‐-x l /|   / l斗-‐ァ ! !   !
            l l l l r‐tテぅ、l /ィイ元テト、l l  l
             l l l lV 辷ソレ'   ヒz少 ´ | l  l |
              l | | |ハ      i       │l l  l l
.             l l l│iヽ.     〈       /j|│l  l i  てめぇら人間じゃねぇ!たた斬ってやる!!
             l ││|  \  r_‐,   //:l |l i  l l
.             l l  l│ l   \ ー  ,.ィ  l〈::| l ! l  l l
             l l  l│  l  r、|` ー '  / l゙| l!│ ! l
          l l │l  _Lノ \__r‐‐'   `l |!│ l!
             l___! l l l-::´:::/  ,ィ┴、     ,l l`ト..、  l l
     r<:::::「l´_|__l l  !l::::::::::|  / |  ∧    /::l l:::l:::::::>‐ァ、
     >、\l l  │l! ll:::::::::::i /ノ l / ∧  /:::::l !:::\/:::://__ >‐、__
.   /   \l l  l ll  l!::::::::::/  l l l ', /::::::::ヽ=':::::://  \/:::::>、
  〈、     ',ハ  V!  |:::::/    l l l  V:::::::::::::::::::::::://   /ニニニ´ <
.   V丶、   V', │ l:/    /  l !  \::::::::::::::::;.'/  /          \
    ヽ   ̄ ̄ V´! l    /___}    /::::::::::/ '  /           〉
    <\    /  ∨ハ\__ヽ| レ__/\:::::;. '/ l l/     __..  -‐ ァ'
292名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/14(日) 21:51:41 ID:EihSKFOC
>>285
>真犯人はみゆき説
なかなか面白い解釈ですね
293名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 02:16:24 ID:DefW7ZJB
>>291
オクタヴィアさんハァハァ
294名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 04:38:23 ID:r4F1J9Tv
295名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 16:49:08 ID:mC78SSTA
>>294
これは何をしてる図なのかな。
296JEDI_tkms1984:2009/06/15(月) 20:54:49 ID:Vg9bFdkX
規制にかかっておりました。
改めてお読みくださりありがとうございます。
遅くなりましたがレス。


>>273

 僕は暗喩を多用するので、確かに変わった単語が出てきたらその可能性大ですね。
そうじろうの痴漢は……まだ内緒です。



>>283

 頑張ってこなた視点で進めました。
久しぶりにファミコンのゲームを引っ張り出して遊んでいたら、この話を思いつきました。
ミシシッピー殺人事件とか。
関係ない話ですがゲームはPCエンジンの頃が一番面白かったと思います。
最近のは使うボタンが多くてついていけません。


>>285

 ゲーム大好きこなたなら、極限までこれで遊ぶのではないでしょうか。
結局、このゲームの目的もクリア条件も闇の中となりました。
それにしても、まさかそこまで深い解釈をされるとは……恐れ入りました。
僕自身、その設定は全く考えていなかったもので……。
その解釈でイフストーリーを書いて欲しいくらいです。
書き手としてはいくつもの解釈をして下さるのはとても有り難いことです。

297名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 21:41:32 ID:kfhcpoH/
>>294
死ね
298名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 22:10:16 ID:hymz00tm
>>297

あ-こいつ、絵師さんに粘着してぼっちスレの前スレから荒らしてる糞コテなので注意

78 名前:紳士 ◆ZvDEaCLhas [sage] 投稿日:2009/06/15(月) 21:16:20 ID:kfhcpoH/
俺が真の大学ネタを読ませてやる!!刮目しろ!!
かがみ「カラオケに行ったら友達がいなくなったわ」
つかさ「何を歌ったの?」
かがみ「ファンタスティムポよ!」

他スレのパトロールに行ってくる!
299JEDI_tkms1984:2009/06/15(月) 22:13:09 ID:Vg9bFdkX
 一度完結させたSSの続きを投下するのはルールから逸脱しますでしょうか。
胡蝶之夢のラストに追加したいシーンを思いついたのですが……。
もし問題無いようであれば30分くらいで書きます。
300名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 22:38:04 ID:YXHYfkwE
頑張って書いてね!
301JEDI_tkms1984:2009/06/15(月) 22:54:00 ID:Vg9bFdkX
 おまたせしました。
ルール違反な感じもしますが追加分を投下します。
37の”終”の文字が無かったものとしてお読みください。
302胡蝶之夢38:2009/06/15(月) 22:55:10 ID:Vg9bFdkX
「ごめんな、何のもてなしもできなくて」
「いえ……お気になさらないでください」
泉家の玄関前。
すっかり憔悴した様子のそうじろうは、弔問客であるみゆきに頻りに頭を下げている。
「なんていうか、言葉が思いつかないよ。きみの友だちばかりがこんな目に遭うなんてな……」
そうじろうが搾り出すように言う。
「事故だと言い切れればいいのですが……。かがみさんは通り魔に襲われましたし……。
あ、つかささんの事は事故ですよ! 警察の方もそう仰ってましたから」
つかさの死にこなたが関わっていた事実を知ったみゆきは、そうじろうに気を遣って事故だと強調した。
「ですが……まさか泉さんが自ら命を絶たれるなんて…………!!」
彼女は”自殺”という言葉を使わない。
そうじろうの前ではなおさらで、今も彼の傷心を抉らないように言葉を選んでいるくらいだ。
「こなたの奴……つかさちゃんの件を気にしてた感じだったからな……」
みゆきもそうじろうも、こなたが自殺した原因はつかさを事故死させたことへの贖罪だと思っている。
遺書もなく、ましてあの日の夜に起こった出来事である。
多少の事情を知っている者であればそう推測するのが妥当であろう。
換言すればそれ以外の理由が思い当たらないのである。
「ええ、かがみさんの事に関してもご自身を責めていらっしゃった様子でしたし……」
みゆきにとっては柊姉妹の死は不幸な偶然の積み重ねだ。
誰が悪いわけでもない。
別にこなたに責任があるわけではなく、責めるべきは未だ捕まらない通り魔と、ある意味では被害者でもある運転手だ。
(轢き逃げでもなければ飲酒運転や居眠り運転でもありませんでしたものね……)
こなたたちと親しかったということで、みゆきはななこから状況を聞かされている。
目撃者の証言からも飛び出したつかさをたまたま走ってきた車が撥ねてしまった、ということで決着している。
その運転手も警察の調べに素直に応じ、今は悔恨の念を抱いているとのことである。
(偶然……偶然ですよ……)
その言葉をそうじろうに言ってあげるべきだと思っていたみゆきだが、なぜかそれが声にならない。
代わりに彼女はカバンから包みを取り出し、そうじろうに差し出した。
「これは?」
「CDです。ブラームスの――」
そうじろうが訝しげに受け取る。
「以前、いず……こなたさんにお貸ししていたものなのですが……」
かがみが殺害される少し前に返却された、とみゆきは説明した。
「気に入っていらしたようですから、もしよろしければ……ご霊前に…………っ」
そこで言葉を詰まらせる。
俯いたみゆきの下に真新しい涙の跡が滲んだ。
「ありがとう……ありがとうな……みゆきちゃん…………」
いつの間にかそうじろうも落涙していた。
(俺は妻子を喪ったが……きみは友人を一度に喪ってしまったんだな……)
かけてあげるべき言葉が見つからない彼は、ただただ涙を流していた。
この厚意は無碍にはできない。
おそらくCD一枚とってもみゆきには大切な物だろうと思ったそうじろうは、一度は突き返そうとした。
が、現にある”モノ”と彼女の”キモチ”を秤にかけ、彼はそれを言葉どおり霊前に供えることに決めた。
「ありがとうな…………」
彼はもう一度言った。
このCDはこなたとみゆきの間を往ったり来たりしている。
互いの想いを運んでいる。
そう感じ、そうじろうは強く拳を握り締める。
いまや2人の気持ちの橋渡しとなるのは、この薄っぺらなディスク1枚だけ。
「あの、小早川さんは…………?」
間をおいてのこのみゆきの問いも、興味本位ではなくそうじろうを慮ってのことである。
彼は思い出したように、
「こんな状態だからな……あの娘は一旦親元に送り返したよ」
淡々と現況を告げた。
「では学校も……?」
「休学だ。ショックが大きすぎるからね、安心できる場所で休ませたほうがいいと思ってな。
勉強なんて少しくらい遅れたってどうにでもなるけど、心に負った傷はそうはいかないからな」
「………………」
みゆきは何も言えない。
303胡蝶之夢39:2009/06/15(月) 22:56:13 ID:Vg9bFdkX
(その心の傷も小早川さんよりもおじ様のほうが遥かに深いハズでしょう…………?)
彼女ははたと思い当たる。
弔問は済ませた。
ここで立ち話を続けさせては彼に負担を強いるばかりだ。
心身が耗弱しているのだ。立っているのもつらいハズだ。
自分の浅はかさを呪いながら、みゆきは一歩退いた。
「申し訳ありませんでした。突然お邪魔して……」
慇懃に頭を垂れる。
「いや、そんなことはないよ。きみが来てくれてこなたも喜んでると思う」
「はい……あの……これで失礼いたします…………」
「ああ、今日は本当にありがとう」
自分の半分も生きていない少女の恭しい態度を見て、そうじろうも精一杯の感謝の意を示す。
長幼の序はここでは関係ない。
彼女は娘を慕って来てくれたのだ。
「………………ッ!?」
みゆきは言葉を失った。
彼女の目の前でそうじろうは――。
膝を屈して両手を地面についていた。
「ありがとうございました……」
双肩を震わせ、這い蹲うように。
「お、おじ様……! お頭をあげてください!!」
みゆきが慌ててそうじろうの肩を掴む。
が、彼は立ちあがろうともせず、ただ只管にお礼の言葉を述べ続けた。
「俺は何もしてやれなかった……! かなたにもこなたにも、何もできなかったんだ……!!
でもきみが来てくれたことで……こなたは生きている意味があったんだ。それだけで十分だ。
ありがとう……みゆきちゃん……本当に……ありがとうございました…………」
みゆきは困惑した様子でそうじろうと目線を合わせた。
長身のハズの彼も今となっては小さく見え、その様がまたみゆきの心を打ち拉(ひし)ぐ。
「おじ様…………」
慟哭するそうじろうの肩に、みゆきはそっと手を置いた。




 みゆきが帰った後も、そうじろうは呆然として天井を見上げていた。
(カッコ悪いところ見せちまったな……)
取り乱していた、と言えば一応の説明はつく。
妻子に先立たれ心神喪失状態だった故の行動だったのだ。
「あの娘だってつらいハズだもんな」
そうとも。
悲しいのは自分だけではない。
同じように家族を喪った柊家がいる。
友人を一度に亡くしたみゆきがいる。
どこで何が狂ったからこうなったのか。
「………………」
そうじろうは仏壇に手を合わせた。
供物と一緒に先ほどみゆきから受け取ったCDが置いてある。
「なんでこんなことに……」
放心した様子で呟き、徐(おもむろ)に立ち上がる。
なかば導かれるように彼が向かった先はこなたの部屋だ。
踏み込んだ途端に陰鬱な空気が取り巻いていると分かる。
床に目をやると完全には拭きとれなかった血液が、カーペットのいたるところに生々しい痕を残している。
血痕は壁にもあった。
喉元から勢いよく噴き出した赤は真っ白だった壁面を乱暴に黒く染めた。
「こなた…………」
愛娘の名を一度呼び、そうじろうは机の上に視線を向けた。
不自然に置かれているものがある。
ゲームソフトのパッケージだ。
できれば思い出したくない光景がそうじろうの頭の中に鮮明に蘇ってくる。
こなたが自殺を図った直後。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 22:56:49 ID:mC78SSTA
問題ナッシング!
どうぞどうぞ。
305胡蝶之夢40:2009/06/15(月) 22:57:57 ID:Vg9bFdkX
何かが倒れる音がし、慌てて飛び込んだ彼が見たのは赤い海の中に沈むこなただった。
傍に落ちていたカッターナイフからこれによって自殺したのだとすぐに分かった。
(…………………)
うつ伏せに倒れたこなたは伸ばした左手にこのパッケージをしっかりと握り締めていたのだ。
「メッセージなのか? なあ、こなた? このゲームに何か隠されているっていうのか?」
つかさとかがみの死に責任を感じて自殺したというのなら、わざわざ最期にゲームを手にした理由が説明できない。
(もしかしたら……あの2人に借りていたのかもしれないな……それをとうとう返すことができなくて…………)
彼はみゆきから受け取ったCDを思い出した。
音楽用とゲーム用の違いはあるが、どちらもこの1枚がこなたと彼女たちを繋いでいたのだろう。
溢れる涙を拭ってから、そうじろうはパッケージからCDを取り出す。
(”かみさまタウン”か…………)
パッケージ裏面を一読してからPCを起動する。
幸い、こなたはパスワードの類を設定していなかったようである。
起動するまでの数分間、彼は説明書をななめ読みした。
「変わったゲームだな」
あらすじも目的もないゲーム内容に、自然とそのような呟きが漏れる。
説明書を読み終えたそうじろうはこれを柊家に返却すべきか考えた。
持ち主は故人となってしまったが、だからといって自分が持っておいてよい理由にはならない。
「返さないといけないよな……」
と考えるのだが、次の瞬間にはCDを読み込ませていた。
少しだけやってみよう、という気になったのかもしれない。
ディスクの回転音がするとほぼ同時に画面が切り替わる。
「な、なんだ!?」
そうじろうは見た。
デスクトップが暗転した瞬間、真っ黒な画面に赤い字で、

”GAME OVER”

と表示されたのだ。
だがそれも瞬きひとつする間の出来事である。
すぐにその文字は消え、代わって”かみさまタウン”という題字が表れる。
「今のは……見間違いか……?」
そうじろうは胸がざわつくのを感じたが、魅入られたようにマウスを手にした。
『はじめから』『つづきから』のメニューがあるが、『つづきから』は灰色で表示されて選択できない。
彼は躊躇うことなく『はじめから』をクリックする。


『かみさまタウンへようこそ。あなたはこれからかみさまタウンの住人となり、
町で起こる様々な出来事に触れていくでしょう』

『ここがあなたの家です。ゲームの開始はこの家からになります。まずあなたの名前を決定してください』


次々と変わっていく画面を茫乎(ぼんやり)と眺めていた彼は、立ててあったキーボードを置き直し、


”いずみ そうじろう”


と入力した――。






   終
306JEDI_tkms1984:2009/06/15(月) 23:06:39 ID:Vg9bFdkX
 これで本当に終わりです。
>>285さんの解釈の可能性をひとつ潰してしまうことになってしまいましたが、
名前入力文字数を姓名5文字ずつと設定していたのを思い出し、慌てて追加しました。
お読みくださった方にはご迷惑ではありましたが、40を以って完結とさせてください。
307名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 23:11:15 ID:mC78SSTA
乙!
間にレスが重なっちゃってごめん!
うん、この後日談をつけた方が格段に良くなった!
前のはクライマックスのまま突然終わった感じで物語をクールダウンさせる余韻の部分がなかった気がする。
とにかく乙でした!
308名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 23:42:18 ID:IGoaB8/v
>294
うむ、かわいい。GJ。
309JEDI_tkms1984:2009/06/16(火) 00:19:58 ID:U846GkgW
>>307

 ありがとうございます。
37は確かに僕の終わり方ではないんですよね。
ゲームの不気味さを出すにも今ひとつ足りない感じがしていましたし。
そもそもタイトルの胡蝶之夢が、
”ゲームが現実なのか、現実がゲームなのか”
という意味のつもりだったので、やはり追加して正解だと思いました。
やはり投下するなら熟慮して完成してからにすべきですね。
310名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 00:25:07 ID:+K9kgSS7
>>294
今までのこっちの作品もパンチが効いていていいぜ
でも俺もこの作品はよくわからない
上はかなたが迎えに来ていて、電線とトランスで感電自殺を暗示しているのか
でも電柱でなくて滝みたいだし
スイッチの形からしてダイナマイト?線は導火線でこなた自体が発破?

311デフォ北:2009/06/16(火) 01:05:19 ID:iuPUtwm6
>>309
お疲れ様です。

いやはや、文章の終わらせ方のタイミングは
書いてる側としては、何度も読者視点で推敲してから漸く気づくもので、
JEDIさんの気持ちは本当によく判ります。

実は自分も少しずつSSを執筆中なので、完成したら投下致します。
312名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 01:16:58 ID:PhUB6ZaO
>>309
今回こなたは理不尽な悪魔的ゲームソフトによって死に追い込まれた訳ですが、
このゲームソフトの正体というのをこなたは分からないにしろ、読者には分からせても良かったかも。

例えば悪魔が人間界に仕掛けた罠、人間の楽しみたい欲望に付け込む罠、そういった存在である事を読者に教えないと、こなた同様読者も訳の分からないまま混乱して終了してしまう。

神様タウンというゲーム名も中身と合っておらず、これも混乱する。


またあるいは完全な理不尽ではなく、厳格なルールに基づいた不幸にも幸せにもなるゲームソフトというのも良かったかも。

神様タウンが内容は違うがデスノートと同じく人間界に舞い降りた超常アイテムであるなら、何らかのの説明は欲しかったところだ。

今回後日談が付いた事で謎は謎のままで終わってもこの先を想像させるラストになったので後味はかなり良くなりましたが、後日談つく前は本当に訳が分からないまま強制終了って感じで読後感はあまり良くありませんでした。


すみません、ろくに分からないくせにあれこれ批評して。

これからも良い作品を書き続けて下さい。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 09:19:55 ID:7Nji4c8c
こういう何がなんだかわからない理不尽さは星新一的でいいと思うZE
でも最初のだとやっぱりあまりに唐突すぎて「え?終わり」って感じ
今回後日談がついてうまいことバランスとれたと思う

なんにせよ乙
次回作も期待してる
314名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 10:39:36 ID:D/uPN8dH
次はくそみそ風味で頼むわ
315名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 11:26:28 ID:+K9kgSS7
星新一への冒涜だな
316名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 11:38:46 ID:+K9kgSS7
ああ神様タウンは面白いし良作
だがきちんと誰の仕業かとか動機が説明さる星新一作品とは異質
だから引き合いに出すのは冒涜と言う意味
317名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 17:23:06 ID:7Nji4c8c
そうか?星新一もけっこう説明ないのあるぜ
タイトル出てこないけど、底なし穴になんでも捨てまくるやつとか突然停電してサル以外みんな死ぬやつとか
見せるとランダムでいいことか悪いことが起こるカードとか夢の中で家具に押しつぶされるやつとか
ぱっと思い付くだけでもあとふたつみっつ

まあ1000本以上書いてる人だから割合としては知らないが
一定数そういうのも書いてるという意味でね

いわゆるdeus ex machina的な、よくわかんないけどとにかく解決!ではなく
最初から最後までずーっと謎の存在がいるというのは
物語としてアリだと思うけどねえ
318名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 17:59:11 ID:+K9kgSS7
>>317
星新一の場合は物事の発生への説明はなくとも
底なし穴は公害やゴミ・環境問題への風刺
夢の話は限りない物質欲への皮肉
と言った風にきちんと物事の意味合いは説明している

神様タウンと言うゲームの存在自体の説明は必要ないとしても
何のための存在だったか曖昧のまま終わっている点がちがう

比較的近い星新一作品に、悪魔を呼び出す方法を書いた本を偶然手にして興味を持って実行すると
その人間が現れた悪魔に生贄にとして連れ去られると言う話が星新一のSSにあるけれど
これも何の説明もなく本が登場するが、オチで本そのもの.がトラップであることを説明して終わっている

こなたが特定のターゲットとして選ばれたのか無差別に選ばれたのか
ゲームを始めた人間と周りの人間を不幸と自殺に追い込む理由がわからないまま

含みを持たせて読者の想像に任すのも一つの終わり方だし、そういう作品としては胡蝶の夢はいい作品だと思う
どちらが優れているというのではなく星新一の作風とは似て非なる作品ではないかと感じただけ

馬鹿だから長文になってすまない

319名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/16(火) 18:34:44 ID:7Nji4c8c
>>318
なるほど、言いたいことが良く分かった
胡蝶の夢の作者氏の意図は推測するしかないから何とも言えないけど
星新一に関してはそのとおりだろうな
まあじゃあ>>313はそこらへんを留保した上でのコメントと読むなり、
適宜脳内で修正しておいてくれw

悪魔の話はあと、つかまえた悪魔をいじめて楽しんでた夫婦が
悪魔に逃げられたすえ最後は殺し合うという話もあったな
人間が自分でを引き起こしたことによって自ら災厄にあうという愚かさの象徴なのかも
スレ違い気味失礼
320JEDI_tkms1984:2009/06/16(火) 22:14:49 ID:2+IBLFhB
>>311

 悩むところですよね。
欲張ればひとつの作品の分岐などいくつも思いつくのですが、
そこから取捨選択して1本道にするのはなかなかに勇気の要る作業ではないでしょうか。
僕の方はこれから忙しくなるので当面の間は投下できません。
デフォ北さんの新作を楽しみにしております。


>>312

 僕は暈かすのが好きなので、その辺りの事は明示せずに進めました。
というか僕自身がそこまで考えていなかっただけかも知れません。
風刺だとか隠されたメッセージだとかそこまでの高尚な想いはなく、
あくまで読み物として書いただけですので後味の悪さはあるかもしれません。
ゲームの存在理由などをハッキリさせてしまっては読み解き方も絞られてしまいますから、
これはこれで良かったのではないかと思っています。
その意味では>>285さんが深い解釈をしてくれた事は大変ありがたく、また同時に追加したことで、
その解釈の可能性を狭めてしまった点には申し訳なく思います。


>>313 〜 >>319

 読書嫌いだった僕が初めて与えられた本がボッコちゃんでした。
当時は原稿用紙の右半分も埋められないくらい国語が苦手で……。
氏のようなお話を書いてみたいものです。
321名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 00:59:56 ID:fgNN26Mb
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               楽しいかい?
322名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 01:00:52 ID:fgNN26Mb
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:::/⌒!:/ l/./:./:.:{:.|:.|:.l:.|:.|:.:.:|:.|:.|:.|:.:i   ノ   /
/  / |   |:.:|:.l:|:.|:.ハ|:.|:.ト、:.l:.|:.|:.:l:.:| ,イ   | 貴様等は何
  { ト    !:.|:.|:|`メ、_l, !:.|、_,k!弋ヽ:|´:.|  < 馬鹿なことを
ーi l l   ヽハ|{'Tljラヽヽ| 'Tljア |ヽ:.ゝ:|    | 言ってるんだ?
 し' |_}ヽ   小         |:.:|:.}:.:.|    \ ______
.   /〈 〈⊃  |:.|ヘ  `、っ     ,!://:|:.:|
.  /、ヽヽ`ヽ、_.!:|:.:|:ゝ、  ,. イ///j:.|:.:.|
 / ヽ、    `ヽ|:.|:}.`ニ´二7仁}イl:|:.:.|
/    ` ー-ェ__|_ ̄ ̄``ー-ニ{从|:.:.|
      /i´    !-───--、_`ニュ、|
     / /    |_       `ヽ,  `ヽ,
:ヽ、  / /    |/         l   l
::::::`ー-、_ム    |     //   !  /
:::::::::::::::::::::::`ヽ、 |     // /i ///
323紳士 ◆ZvDEaCLhas :2009/06/17(水) 15:53:43 ID:lB3RTN1A
>>321
>>322
嵐て楽しいか?
324こなたがらき☆すたの映画を作るようです:2009/06/17(水) 19:21:41 ID:9T1STl5Q
「私は今、1984年にタイムスリップして角川書店にいる・・・(≡ω≡.)
 こうなったららき☆すたを映画化してもらおうヽ(≡ω≡.)ノ 」

「だーかーら、私が書いた脚本通りに映画化すれば大ヒットするんだ!(≡皿≡.)」
角川春樹「しかしね、きみ。主人公がオタクで舞台が埼玉、秋葉原じゃあ
     こんなの、人に受けないということが丸分かりだよ」
角川重役「普通にどこでもいる等身大の女の子がいい男に惚れたり、部活で頑張ったり
     するのがデフォだよ。それに相手役が一人もでないのがねぇ〜」
「私が考えているのはトレンディドラマじゃない!(≡皿≡.)」
角川春樹「まぁここでお茶でも飲みながらゆっくりしよう」
「私がいれます(≡ω≡.)」

「たく!使えねー野郎ばっかだよ。(≡皿≡.)
 ん、まてよ、社長と重役たちに殺虫剤入りのお茶を飲ませば・・・うふふ(≡∀≡.)」

「お茶入りました〜(≡∀≡.)」
角川春樹「おお、ありがとう。ゴクゴク・・・ぐえ!」
角川重役「どうしたうぎゃあ!」
「うぷぷ、上手くいったな(≡∀≡.)」

映画スタッフ「なんてことだ!社長と重役たちが倒れるなんて!」
「えーもしもし、私は社長に託されて全権任されたから大丈夫なのだよ(≡∀≡.)」
映画スタッフ「そうか・・・で、新作について教えてください」
「豪華キャストで贈るオタク女子高生たちの青春群像劇だよ。タイトルはらき☆すた(≡ω≡.)」
映画スタッフ「そうですか・・・じゃあスタッフとキャストは」
325こなたがらき☆すたの映画を作るようです:2009/06/17(水) 19:22:32 ID:9T1STl5Q
「監督、脚本、音楽は私に任せたまえ・・・キャストは(≡ω≡.)ゴソゴソ」

泉こなた=薬師丸ひろ子
柊かがみ=伊藤かずえ
柊つかさ=原田知世
高良みゆき=渡辺典子
小早川ゆたか=河合美智子
岩崎みなみ=三原じゅん子
田村ひより=森尾由美
パトリシア=アンディ・マクダウェル
日下部みさお=仙道敦子
峰岸あやの=武田久美子
黒井ななこ=浅野温子
桜庭ひかる=風吹ジュン
白石みのる=野村宏伸
泉かなた=田中好子
泉そうじろう=渡瀬恒彦
成実ゆい=志穂美悦子
成実きよたか=斎藤洋介
柊ただお=梅宮辰夫
柊みき=丘みつ子
店長=京本政樹

「これだからよろしくね(≡ω≡.)」
映画スタッフ「すげー豪華キャストだな・・・おい。ところで予算とはどうするんですか?」
「社長が好きなだけ使っていいって(≡ω≡.)」
326こなたがらき☆すたの映画を作るようです:2009/06/17(水) 19:24:01 ID:9T1STl5Q
1ヶ月後、撮影中だが・・・
投資家「で?君が作っている映画に投資してほしいだと?」
「ええ、この映画はヒットしますよ。大ヒット間違いなしなのだよ(≡∀≡.)」
投資家「じゃあ100万円ほどだそう」
「おお!どうもありがとうございます!ちょろいもんだな・・・くふふふ(≡∀≡.)」

また1ヶ月後
「これからKIレーベルを発足する!すべて私が考えたものだ!(≡∀≡.)」
ジャーナリスト「それはどういう映画ですか?」
「一言でいえば恋愛ものかな、かな?(≡∀≡.)」
ジャーナリスト「ぜひタイトルとか教えてください」
「わかりました!いいでしょう(≡∀≡.)」

第一弾 らき☆すた
第二弾 涼宮ハルヒの憂鬱
第三弾 SHUFFLE!
第四弾 DC ダ・カーポ
第五弾 H2O

「くふふ、私が今後の日本映画界を変えていくのだよ・・・(≡∀≡.)」
327こなたがらき☆すたの映画を作るようです:2009/06/17(水) 19:25:46 ID:9T1STl5Q
しかし、らき☆すたが大ゴケし、
「投資家たちから巻き上げた八兆円が残っている(≡∀≡.)」
と豪語して、涼宮ハルヒの憂鬱を作ったが大ゴケし、続いて作ったSHUFFLE!やダ・カーポも大ゴケし
角川映画は事実上、倒産した。そして、こなたは・・・

「ここはフィリピン・・・私は債務者や投資家から逃げるため、ここまで来た・・・(≡ω≡.)
 これから私はフィリピンで平穏に生きようと思う・・・怒った債務者や投資家はここまでこまい(≡ω≡.)」
投資家「見つけたぞ!泉こなた!死ねー!」
グサ!
「ぎゃああああああああああああ(T皿T.)」

終わり
328名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 20:25:59 ID:v0zPMn7G
わーおもしろい



棒読w
329名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 21:35:51 ID:soJ2InvC
何か凶ウニ崩壊の歴史を彷彿とさせるなww
面白かったよ、乙!
330名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 21:38:24 ID:IgsRuscY
っつうか1984年の秋葉原ったら、オタクはオタクでもパソコンオタクとハムの街じゃないか。
PC-9801はまだビジネス機で、PC-8801やX1、FM-77が一世を風靡していた頃。

まあ、2年後にはPC-9801UVがデビューして、3.5インチFDDの手軽さと16ビット機としてはそこそこの安価で爆発的大ヒット、
そして大量のエロゲユーザーを生み出し、秋葉原は今の方向に突っ走り始めるんだけどな!
331名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 21:40:41 ID:soJ2InvC
あと脚本家・泉こなたも。
同じ作者の人?
332名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 21:58:23 ID:5wJZofSi
でもこのこなたの場合、後にすごい事になりそうだな
萌えの創始者とか、預言者とか言われそう
333名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 22:15:12 ID:9T1STl5Q
個人的に、なんで映画がコケたのか知りたいよ。

334名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 22:39:18 ID:soJ2InvC
時代を先取りし過ぎたんだろうな。
335名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/17(水) 22:45:42 ID:ViE8QLWa
>>331
神奈川以外にいないだろこんなSS書くのはwww
336名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/18(木) 01:32:38 ID:HwhyLUzh
80年代は爽やか熱血モノがメインだったから萌えのらき☆すたが受け入れられるはずないなw
ところでこなちゃんは自殺してないぞ他殺だぞwww
337名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/18(木) 04:13:49 ID:4Sbg2xIn
>>295
>>310
モーターに取り付けた水車で発電して感電死しようとしているところです。
わかりづらくてすいません…
338名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/18(木) 10:33:13 ID:eZPY0A7r
>>333
簡単にいえばキャストが豪華なだけで中身がないと評論家から
言われたんじゃない?

あの当時は青春映画と言ったらフットルースやフラッシュダンスみたいな
ダンスや流行りのロックを使う映画が多かったし。
339グレゴリー:2009/06/18(木) 14:57:34 ID:9TnH+QSj
フットルースはあの凶悪な人相から後に悪役俳優となるケビンベーコンが歌って踊れるアイドルとして売り出しているのにワロタ。
フラッシュダンスは男のダンサーがヒロインの替え玉としてハイレグでダンスしてるのを知らずにそのシーンで抜いていた。
340祝、ドラマ版らき☆すた:2009/06/18(木) 20:16:24 ID:eZPY0A7r
1997年、日本のドラマ、映画業界は不況真っ只中で、ホラーどころか恋愛ドラマですら
マトモに撮れない状況になっていた。これも泉こなたが「らき☆すた」といった
萌え重視のクソ映画を連発していたせいである。しかし、それに影響されて萌え重視のクソドラマ
クソ映画を作った業界人も悪い。しかし、この状況に救いの手を差し伸べるものがいた。
「タイのスピルバーグ」ことマレー・マホメッド・コナンジョ率いるコナータグループである。
コナータグループの映画は低予算&短期間撮影の映画を大量に製作している。日本の人気アニメ
漫画、ライトノベル、ゲームへの便乗・模倣が多いのも特徴。表現・演出面ではグロテスクな
スプラッター描写や、エロティックな場面を盛り込む傾向にある会社であった。そのコナータ
グループの主要メンバーが日本進出のため、成田空港にいた。

「10年ぶりだな・・・日本に戻ったのは・・・私は債務者から逃れるためフィリピンから
 カンボジア、ベトナム、マレーシア、イランへとそしてタイまで逃げた(≡ω≡.)
 タイで映画会社を作り上げ、億万長者になった。日本よ!私は戻ってきたぞ!ヽ(≡ω≡.)ノ」
341祝、ドラマ版らき☆すた:2009/06/18(木) 20:17:11 ID:eZPY0A7r
テレビ朝日にて
「私が月曜ドラマインで新作のドラマをとることになったマレー・マホメッド・コナンジョです。
 よろしく(≡ω≡.)」
ジャーナリスト「コナンジョさん、なぜ、あの失敗作「らき☆すた」を撮るようになったんですか?」
「「らき☆すた」には思い出があるのです。1年前、私の目から涙が突然流れ出して止まらなくなった
 のだよ。何をしても止まらなかった涙は、映画館に行ったらピタリと止まった(TωT.)
 そこで上映 していたのが「らき☆すた」でした。これは『映画を作れ』というアラーの神の
 お告げだったのだ!ヽ(≡ω≡.)ノ」
ジャーナリスト「そうなんですか・・・でも、「らき☆すた」は制作費に約110億350万円を使いながらも
        映画評論家からは酷評され、また興行的にも不振を極め、興業収入はわずか350万円しか
        得られず、110億円という、当時世界最悪の赤字を出した映画なんですよ」
「それは評論家や大衆が芸術を見る目のない馬鹿だからなのだよ!(≡皿≡.)」
ジャーナリスト「監督の泉こなたが投資家を騙して、大金を持って逃走して、フィリピンで行方不明に
        なったのを知っていますか?」
「ええ、知っているよ。彼女は才能ある監督でした。ハルヒとかシャッホーとかダ・カーポとか見ました(≡ω≡.)
 彼女の映画はスタンリー・キューブリックや黒澤の映画より面白かった。死んだのは残念です(TωT.)」
解説「ではスタッフの紹介に移りたいと思います、まず演出の白石みのるさん」
白石「WAWAWA、どうぞよろしく〜あれ?泉じゃん?」
「いやだな〜人違いだよ(セバスチャンもタイムスリップしていたのか・・・)(≡Д≡.)」

渋谷の映画館にて
「私は今、シネ・フィルに映画版の評価を聞くことにした。これもリサーチだ!(≡ω≡.)
 ・・・あそこの人に聞いてみよう、もしもし(≡ω≡.)」
シネ・フィル「なんでしょうか?」
「実は私、「らき☆すた」をリサーチしているんですよ、改善点とか見つかればいいかなと(≡ω≡.)」
シネ・フィル「あの映画ね、編集の下手さ、キャストだけは豪華、面白くも何ともないストーリー
       邦画界のエド・ウッドの再来だと俺は思ったよ」
「はぁ・・・(≡Д≡.)」
シネ・フィル「あと、伊藤かずえは分かるけど、角川3姉妹のキャラの区別すらつかなかったよ。
       ほかには青春映画特有の恋愛要素がなかったね。」
「ふむふむ(≡ω≡.)」
シネ・フィル「映画自体、高校の文化祭用に作られた自主制作レベルだったな。どうせなら、大林宣彦か
       相米慎二が監督したら面白かっただろうね。あと、今やるなら安達祐実と奥菜恵がいいな」
342祝、ドラマ版らき☆すた:2009/06/18(木) 20:18:03 ID:eZPY0A7r
オーディションにて
安達祐実「どうも、安達祐実です。」
「はい、こなた役はあなたにきまり(≡∀≡.)」
白石「えええ!」

奥菜恵「えー、オーディションに来ましたけ」
「おーあんたが奥菜か?つかさ役はあんたに決まりだよ(≡∀≡.)」
白石「適当すぎる・・・」

松本莉緒「オーディションに来ました。どうぞよろしくお願いします」
「ツンデレぽくてきゃわいいな、かがみん役に抜擢だよ。良かったね〜(≡∀≡.)」
白石「もしかするとやっぱり・・・」

仲間由紀恵「オーディ」
「みゆきさん役はこいつでいいか・・・(≡ω≡.)」
白石「やっぱりこいつ泉か・・・」

そして、数ヶ月後、らき☆すたが月曜ドラマインにて放送された。平均視聴率 21.9%、最高視聴率 33.0%の
大ヒットになった・・・なお、ドラマ版は恋愛要素も含んでいた、「こなかが」といったレズだけど・・・
そして打ち上げ式にて
343祝、ドラマ版らき☆すた:2009/06/18(木) 20:19:43 ID:eZPY0A7r
プロデューサー「いやーコナンジョさん、凄いですよ。やっぱり天才ですな」
「いや〜それほどでも〜(≡∀≡.)」
プロデューサー「ぜひ、次回作もお願いしますよ」
白石「おい!プロデューサー!そいつは泉こなただ!」
「げっセバスチャン!(≡Д≡.)」
プロデューサー「なんだとこいつが業界をめちゃくちゃにした泉こなたか!」
「人違いだよ。私はマレー・・・(≡Д≡.)」
その場にいた全員「殺せ!泉こなたを殺せ!」
「逃げよ〜(≡Д≡.)」

ホテルにて
「ここにいれば殺されることないな(≡ω≡.)」
プルルルル
「なんでしょう?(≡ω≡.)」
コナータグループの社員「コナンジョ社長!俺たちが作っていた映画が盗作だということがバレた!
            俺たちはもう破滅だ!(バキューン)」
「そんなぁ(TωT.)」
そしてこなたはバスルームに入って行った。
そして3ヶ月後、バスルームで首をつって自殺したこなたの死体をベッドメイク係が見つけた死体は
かなり腐乱していたそうだ・・・

めでたし めでたし
344名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/18(木) 21:03:37 ID:HwhyLUzh
続きあったのかよwwwwww
345名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/18(木) 23:25:17 ID:UeNCOzfb
刺されて死んだんじゃなかったのかww

しかしこなたも10年の間に腕を上げたんだな。
大コケから大ヒットにするんだから。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/19(金) 00:46:34 ID:/1JuCSv1
>>345
だから盗作だってさwwwwww
347名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/19(金) 06:28:13 ID:7AC6tkds
しかし、月曜ドラマインとは懐かしいなwww
あの当時の安達や奥菜は可愛かったな。
348タイムトラベル漫画家、こなた:2009/06/19(金) 20:24:22 ID:7AC6tkds
「私が気づいたら、1968年にタイムスリップしていた・・・(≡ω≡.)
 私はこの時代に生き抜こうと思う。そうだ・・・萌えの素晴らしさを説く漫画を描こう
 そうすれば、萌えの預言者と呼ばれるじゃん!最高!ヽ(≡∀≡.)ノ 」

2年後
ジャンプの編集者「君の書く漫画は絵も下手、ストーリーもなっていない。漫画書くのは
         やめたほうがいいんじゃないか?」
「そんなことない!私は漫画界のキング・オブ・キングなんだ!(≡皿≡.)」
ジャンプの編集者「まぁいいか・・・もし今度、面白くない漫画書いたら漫画家やめてもらうよ」
「・・・(≡ω≡.)」
帰り際
「このままじゃあ私は終わりだよ・・・ん、まてよ?(≡ω≡.)
 2000年代のアニメとゲームをパクればいいじゃん!盗作だとばれっこないし、私って頭いいな!ヽ(≡∀≡.)ノ」
1週間後
ジャンプの編集者「この前のより面白いよ〜どうだね?今度うちで連載を始めて見ないか?」
「いいでしょう!やります!ヽ(≡∀≡.)ノ」
こなたの住む段ボールハウスにて
「うふふ、これで一人前の漫画家だな〜よし、ハルヒを丸パクって、人気漫画家に乗り出そう!(≡∀≡.)」
そして連載開始後のアンケート
ジャンプの編集者「凄いな〜君が書いた「涼宮ハルヒの憂鬱」は読者の人気投票第1位だよ」
「うふふ、だから私は漫画界のキング・オブ・キング・・・萌えの預言者だよ(≡∀≡.)」
349タイムトラベル漫画家、こなた:2009/06/19(金) 20:25:06 ID:7AC6tkds
帰り際
「しかし、疲れたな・・・(≡Д≡.)」
老婆「もしもし、お嬢ちゃん、元気になる薬いるかね?」
「なんていう薬?(≡Д≡.)」
老婆「シャブという元気になる薬だよ」
「じゃあ一つ買うよ(≡Д≡.)」
こなたの住む段ボールハウスにて
「一発やってみるか(≡ω≡.)」
ブス
「うおおおおおおおおおお!ぎもぢいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
 いいいいいいいいいいいいいいいい!バッギンバッギンぶっ飛んでらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
 いっいまなら全話かけるじょおおおおおおおおおおおお!ヽ(≡∀≡.)ノ」

2年後
ジャンプの編集者「月刊少年ジャンプで連載やるかね?」
「やります!私が長い間、考えていたストーリーがあるのだよ。ホラー漫画ですよ(≡ω≡.)
 「ひぐらしのなく頃に」っていうタイトルだよ(≡ω≡.)」
こなたの住む段ボールハウスにて
「しかし、連載2本受けてしまった・・・・私にはアシスタントを雇う金がない・・・(≡ω≡.)
 まぁ、仕事の忙しさで全部書かず誤魔化して下書きさえ出せば、なんとかなるか・・・さてやるか(≡ω≡.)」
ブス
「ふぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
 んがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
 いぐいぐいぐいっぢゃぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅヽ(≡∀≡.)ノ」
350タイムトラベル漫画家、こなた:2009/06/19(金) 20:27:55 ID:7AC6tkds
さて、こなたが前述したように忙しさで下書きだけで掲載はこなたの影響でほとんどの漫画家が真似るように
なった。また、他の漫画家に悪影響を与えたのはもう一つある、原作ではありえないSEXシーンやグロテスクな
スプラッターシーン、目を背けたくなるようなバイオレンスシーン盛り沢山と原作レイプを行った。
それも少年誌で、だ。これもほとんどの漫画家も真似るようになってしまった・・・
ところでこなたが盗作して作った漫画を下記にリスト化したものだ。

涼宮ハルヒの憂鬱 1970-1975 週刊少年ジャンプ
ひぐらしのなく頃に 1972-1975 月刊少年ジャンプ
H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND- 1974-1975 週刊少年サンデー
ゼロの使い魔 1975-1981 週刊少年ジャンプ
School Days 1976-1978 週刊少年サンデー
To Heart 1977-1980 コロコロコミック
SHUFFLE! 1978-1982 週刊少年サンデー
CLANNAD 1978-1983 月刊少年ジャンプ
AIR 1980-1981 ヤングマガジン
Myself ; Yourself 1982-1984 週刊少年ジャンプ
Gift 〜eternal rainbow〜 1982-1986 週刊少年サンデー
けいおん! 1983-1987 週刊漫画ゴラク
苺ましまろ 1984-1985 週刊少年ジャンプ
灼眼のシャナ 1984-1987 月刊少年ジャンプ
Kanon 1986-1987 週刊少年ジャンプ

また、こなたは漫画家同士での会話でも調子に乗り、シャブのせいでイカレた言動を始めた・・・
「手塚って時代遅れだよね。マジ死ねってカンジ(笑)(≡∀≡.)」
「池沢さとしの漫画ってさ、なんかキモイ絵だよね(笑)キモくない?(≡∀≡.)」
「梶原一騎がマジうざい(笑)ファッションとか、ヤーさんかよ(笑)(≡∀≡.)」
「中沢啓治ってマジ最悪(笑)。なんか原爆とか反戦とかどうでもいいこと書いてるし(笑)(≡∀≡.)」
そんなこんなで、こなたは調子に乗りまくった挙句、ほとんどの漫画家はこなたを嫌うようになった。
しかし、逆に読者から人気があり、ファンレターが送られるてきた。しかし、こなたは読者に感謝の
言葉も出さず、雑誌のあおり文に新刊出た→買え。漫画が打ち切り→編集者に抗議の手紙送れ。というと
から読者からも編集部からも見放されるようになった・・・そして、こなたの最後の時が来た。
351タイムトラベル漫画家、こなた:2009/06/19(金) 20:29:57 ID:7AC6tkds
1987年6月12日、こなたはシャブでラリっていた時だった・・・
「ふぅシャブって気持ちいいな〜(≡∀≡.)」

ドンドン

警察官「警察だ。麻薬取締法違反で逮捕する!」

こなたは警察署に連れて行かれ、留置所に入れられた。
「うううう・・・体がだるいよ・・・・シャブが欲しい・・・シャブが欲しい・・・(≡Д≡.)
 うぐぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!(≡Д≡.)
 しゃぶくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇじゃぶよこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
 しゃぶしゃぶしゃぶしゃぶしゃぶしゃぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

数時間後、こなたは発狂し、そのまま死んだ。まさにシャブ中らしい末路だった

めでたし、めでたし
352名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/19(金) 21:49:40 ID:ABIG42x/
新作次々と発表されてますね!
面白かったです!乙!
次回作も期待してます!
353名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/20(土) 01:44:50 ID:tBdfKT7D
貴様等全員この電車に轢かれてしまえ!

http://up.2chan.net/r/src/1245429434479.jpg
354名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/20(土) 07:01:35 ID:Vqy9fiP8
>>353
可愛いww
355名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/20(土) 09:40:54 ID:QOId+nUG
今回の新作は平気で作品を盗作するのと覚せい剤でラリるので
笑いどころ満載だったなw

でもこなたが盗作したアニメって1970年代と1980年代に通用するのか?
356グレゴリー:2009/06/20(土) 10:43:10 ID:S41yDS/K
高度経済成長のガンバリズム、スポ根、熱血の押し売り飽和とバブル崩壊とその後の不況による価値観の転換を経ていなければ、ヌルさという今の流行りは受け入れられるまい
357画伯@紳士 ◆mi232HdHr/5o :2009/06/20(土) 12:25:12 ID:/CMHMEAw
いい感じじゃん?
358名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/20(土) 18:19:47 ID:My21Qibs
自称時給\2千稼げる男紳士 ◆ZvDEaCLhas@時給\800スレ
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1245338051/
359画伯@紳士 ◆mi232HdHr/5o :2009/06/20(土) 20:55:16 ID:/CMHMEAw
360画伯@紳士 ◆mi232HdHr/5o :2009/06/20(土) 23:49:25 ID:/CMHMEAw
361名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/21(日) 00:15:24 ID:a4L9SLUk
>>311
四面s……いや、何でもない

>>355
カラーテレビさえ普及していれば通用すんじゃね?
どうせ人の価値観なんざ、大して変わるもんでもない。
いや、その昔の熱血アニメとやらも現在の萌えアニメとやらも、大して本質は変わらんさ。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/21(日) 00:49:32 ID:+JrWImHn
>>361
無理無理w
グレゴリーも言ってるが価値観が違いすぎ。
当時は熱血純愛モノが好まれていたから萌えより燃えです。
って言うか、現代でも通用してるのか微妙。
職場とか同窓会で萌えアニメの話題などまず無いし、一部のヲタにしか受けてないのが現状。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/21(日) 10:08:57 ID:ye1+Dc3f
でも昭和50年代あたりって、「飛んだカップル」がヒットして
ラブコメが流行っていたんだよね。こなたが盗作して書いた漫画も
結構ヒットしたんではなかろうか?
364デフォ北:2009/06/21(日) 15:57:34 ID:HHLyYGjP
>>361
すみません

実はまだ終盤を考えていないので、
今執筆しているSSが終わった後に執筆していきます
続きは7月下旬までに公開します
365デフォ北:2009/06/21(日) 16:20:58 ID:HHLyYGjP
>>363
確かにkey系なら、時代に関係なく受けるかと思います
当時だったら少女漫画になってたんですかね
「ひぐらしのなく頃に」も、時代設定が当時に近いので
結構受けそうですね
366名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/22(月) 00:27:06 ID:gSEcxCvf
てか原作高校卒業後も続いてるね。
最終回マジでどうするんだろ。もう一同が会する機会なんてないぞ。
成人式は市毎、同窓会はクラス毎、大学卒業式は大学毎だし。
あるとすれば…冠婚葬祭。ただ婚は無いだろう。
結婚式で終わらせるには、脇役では無く主役が花嫁にならないと薄くなる。
だが今までこなたに男の影は無い。今更ぱっと出のキャラだして結婚させる、
とかだと最終回の重要人物が新参とかいう打ち切りめいた展開になるからなぁ。
と、なると…葬、しかないね。
こなたが自殺してお葬式。皆集まって主人公たるこなたとの思い出語って綺麗に終了。
これしかない。
遂に原作でも、こなた自殺フラグが立ってきているな。
367名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/22(月) 03:10:22 ID:cCyfPEOB
なんでおとなしくループさせなかったんだろ
368名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/22(月) 11:14:40 ID:lLA2W9kj
真面目に聞きたいんだけど、今のらきすた読んでないんだけど、高校卒業後はどんな話になってるの?
こなたは大学行ってるの?
369名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/22(月) 16:13:46 ID:c+lJ2FEz
こなたとみさおが同じ大学の同じ学部だったと思う。
こなたは教習所に車の免許取りに行ってた。

つかさはまだ進学先がどうのこうのという描写出てなくて
普通の大学か、専門学校か、はたまたニートwかと色々憶測でてる。

かがみとみゆきはどうだったっけ?
それぞれ法学部と医学部に進んでそうだが・・?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/22(月) 19:10:19 ID:lLA2W9kj
>>369
なるほどなるほど。
教えてくれてありがとう。
このまま時系列が進んで、こなたの大学卒業、こなたの就職、こなたの結婚、こなたの子育て、と連載が続く限り全く別の漫画となっていく訳か。
新キャラも舞台が変わる事にどんどん出て来そうだな。
そして過去キャラはどんどん出番なくなっていく訳か。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/22(月) 22:08:58 ID:cCyfPEOB
テキスト読み漁ってて思った
俺はホラーものかクスリものかこなたを好きな人がいるものが好きらしい
372名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 00:06:24 ID:rl1c2gji
>>367
ゆーちゃんが入学出来ないじゃまいか。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 00:41:21 ID:WwGzeLo1
>>370
いや?精々大学がリミットだと思ってる
確か「ゆるい”学園”コメディ」みたいに銘うたれてたはずなので
大学卒業後はないかと
374名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 01:06:35 ID:sBu2TL75
>>373
こなたと大学が違うかがみ、つかさ、みゆきの出番はどうなってるの?
ああ、もう良いや、凄く気になるから原作レンタルで借りて来る!
375名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 01:07:25 ID:ApnERjJp
どうせ上級生キャラいねーんだからこなた3年になったトコで止めときゃよかったんだ
もうこれでいつか終わらざるを得ないマンガに進化しちまった
376名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 10:06:55 ID:leDAdEZT
そもそも「萌え」そのものを前面に押し出した作品が通用するようになるのって1999年以降だからね。
火付け役は「To Heart」だろうけど作品自体は萌えがテーマじゃないし、
そこに至るきっかけになった前々作「雫」・前作「痕」なんかはストーリーそのものは萌えとは正反対のオカルティックノベルだし。

逆に今で言う「萌え」を前面に押し出した作品ってのは
1980年代後半にOVAでポツポツと出始めてるけどたいてい失敗してるからな。
有名どころ……というか有名になってないから失敗なんだが、そこそこ名前の通ってるところでは、

 万能文化猫娘
  OVAハーフクール予定でメディアミックス展開→OVA売上不振で3本で一旦打ち切り。その後3本追加

 トップをねらえ!
  庵野を投入してガンダムシリーズ以外のバンダイビジュアル系ストリームをねらう→パトレイバーに食われ日陰者

とかか……
377名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 21:05:40 ID:kWZkG25Z
萌えとやらの時代は終わった。これからは自殺の時代だ。
378名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/24(水) 05:24:22 ID:I4fdM0XT
今マジで自殺者多いしな
379名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/24(水) 09:55:15 ID:hvThbMCm
原作高校卒業後から読んでないけど、大学編も変わらず面白い?
今までのキャラで、きゃっきゃはもうしてないよね。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/24(水) 11:18:00 ID:DFc3crLf
多少人間関係に変化はあったものの
卒業生6人は今でも普通に友達付き合いしており、
良くも悪くも変わっていないという印象

まぁヒロイン達のまったりした掛け合いを見せる漫画だから、
舞台が学校だろうが家だろうがあんまり関係ない気もするが

あと7巻では春休み中の話が結構多めになるので注意
381神奈川版「私のお父さん」:2009/06/24(水) 19:34:09 ID:3C6cmEAr
その日、こなたは学校があるにもかかわらず家に閉じこもっていた。
そうじろうは仕事中突然倒れ、病院で治療している。話は数日前にさかのぼる。
「みんな〜おはよーヽ(≡ω≡.)」
かがみ「あのさ、こなた、もうわたしたちに話しかけないでくれる」
つかさ「こなちゃん、もう話しかけないでくれない」
みゆき「私もご遠慮願います」
「え・・・(≡ω≡.)」
そしてホームルームの時
黒井先生「泉、もう学校に来なくてええ」
「先生まで・・・(TωT.)」
帰りがけでも、地元住民はこなたを避けていた。そして家に帰ると
「人非人!」「埼玉から出て行け!」と壁に落書きされていた。
そして、毎日、家に怪文書が送られ、無言電話が続いた。

ピンポーン

「やっと来たか・・・(≡ω≡.)」
ガチャ
竜崎「こんにちわ、泉さん」
「待ち遠しかったよ・・・ヽ(≡ω≡.)ノ」
ゆい「やっほーこなた」
「ゆい姉さんまで来たの(≡ω≡.)」
382神奈川版「私のお父さん」:2009/06/24(水) 19:35:17 ID:3C6cmEAr
こなたたちは夕飯を食べながら、嫌がらせの件や、かがみたちが突然冷たく
なったことを話した・・・

ゆい「そうか・・・こなたは本当の事情を知らないのね・・・」

ゆいは事情を話し始めた。そうじろうは泉家の父親つまりこなたの祖父の妾の子で
ある日突然、妾と共に泉家に転がり込んだ。その結果、家庭を滅茶苦茶になり
泉家は地元住民から疎外されるようになった。その後、そうじろうの母親は家にあった
大金や家宝を持って失踪。そうじろうもかなたと駆け落ちし、埼玉に移り住んだ。
かなたはこなたを生んだときに死んだが、その時、そうじろうは執筆に熱中で
かなたを見殺し状態にしたという誤解が知れ渡り、両親はそのことが原因で自殺。
その結果、そうじろうは親戚一同から疎外されてしまった。

竜崎「そうですか・・・でも怪文書や泉さんの友人たちが避けるようになったのは?」
ゆい「父だよ・・・父はおじさんを一番憎んでいたし・・・」

話はそうじろうの親の死後、遺産相続の際であった。
ひであき「遺産さえ手に入れりゃ、こいつとは縁が切れるな」
そうじろう「・・・」
遺言人「では、遺言を読み上げます・・・全財産は長男そうじろうに全額譲るとする」
そうじろう「よっしゃ!家買うぞ!」
ひであき「なんだと!そうじろう!お前、遺言書に細工したな!いつか殺してやる!」

ゆい「というわけだよ・・・・」
「だから家を作る金があったのか・・・・(≡ω≡.)」
竜崎「なるほど、それなら嫌がらせの件につながりますね」
383神奈川版「私のお父さん」:2009/06/24(水) 19:36:12 ID:3C6cmEAr
話を終えるとゆいと竜崎は帰っていた。
次の日、こなたは病院に行き、そうじろうの病室に入った。そして、こなたが見たものは
「あれ?お父さん起きてたの?(≡ω≡.)」
そうじろう「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
      女だ!女だ!やらせろー!」
「ひぃ!やばい逃げろ!(≡Д≡.)」
こなたは病室を飛び出し、階段を降りはじめた。
そうじろう「まてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
刹那、そうじろうはコケた、そして、階段をごろごろ転がり始めて踊り場で止まった時、後頭部からゴキ!
という痛々しい音が聞こえた。
「なんてこった・・・お父さん死んじゃったよ・・・(≡Д≡.)
 ん、まてよ。こうなると保険金と遺産相続できるから私は遊んで暮らせるぞ!やったー!ヽ(≡∀≡.)ノ 」

つづく。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/24(水) 21:54:43 ID:L3zDKAzc
最近神奈川が躍動してるなwww
385名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/24(水) 23:07:32 ID:HRpaZtyu
続きwktk
386名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/24(水) 23:11:40 ID:HRpaZtyu
果たして竜崎がどう話に絡んで来るのか。
役回りでいうとこなたが夜神月で竜崎に追い詰められ自殺か?
387名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 00:45:24 ID:+nJ6jn6K
マジで神奈川なのか?確かに今回のこなたのウザさといい、
周りの人間の気持ちいいくらいのこなた嫌いっぷりといい、神奈川のそれだ。
顔文字の使い方も、神奈川じみてる。
ってか地文も上手かったんだな。

ただ、>>327は神奈川なのか?
あの神奈川が、自殺させずに終わらせるとは。確かにその後、後付で自殺させたとはいえ…。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 01:56:12 ID:C8N8HtDt
俺このふてぶてしいこなた好きww
389名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 04:30:23 ID:O+c5xgQy
神奈川こなたはアスペだな
390神奈川版「私のお父さん」:2009/06/25(木) 07:19:17 ID:xJ5jocUQ
次の日、保険会社で

「保険は娘である私にわたるはずだ!(≡皿≡.)」
保険会社の社員「しかしね、君。保険の受取人は小早川ゆたかなんだよ。君じゃない」
「ゆーちゃんが・・・!(≡皿≡.)」
(そうか!ゆたかはお父さんを殺すために青酸カリを入れたんだ!(≡皿≡.)
 保険金を手に入れるために!私がもらうお金をネコババするなんて!殺す!(≡皿≡.))

次の日、ゆたかの教室にて
ゆたか「・・・どなたですか?」
「私だよ!(≡皿≡.)」ドガッ!
こなたはゴルフクラブを取り出し、ゆたかの腹を殴った
ゆたか「痛い・・・何するの?」
「とぼけるなよ!お父さんの保険金手に入れただろ!おまけに変な噂流しただろ!(≡皿≡.)」
ゆたか「ごっこめんなさい・・・お母さんが青酸カリとエンジェルダスト入りの水をおじさんに飲ませろと
 言われて・・・」
「おばさんがなんで?(≡皿≡.)」
ゆたか「お母さん、おじさんのこと嫌ってて・・・」
「やっぱり・・・ゆい姉さんのいっていた通りか・・・(≡ω≡.)」
こなたはゴルフクラブを振りかざし、ためないもなく、ゆたかをぶん殴った。
ドガッドガッドガッドガッドガッドガッドガッ!

何十発殴っただろうか・・・ゆたかは顔をぐちゃぐちゃにされ、頭から脳みそが飛び出ていた・・・
「ふぅ・・・普段からムカつく女、殺してスキーリしたヽ(≡∀≡.)ノ」
391神奈川版「私のお父さん」:2009/06/25(木) 07:20:06 ID:xJ5jocUQ
夕方警察署の留置所にて
竜崎「まったく、泉さんは派手な事をやってくれましたね」
「しかたないじゃん!私のお父さんを殺した奴だし(≡∀≡.)」
竜崎「でもその割には嬉しそうですね・・・」
「いや、笑っている振りしているけど、本当は悲しいのだよ(≡∀≡.)」
竜崎「そうですか・・・あと、これは差し入れのウォッカとテキーラ」
「サンキュー!頂くね(≡∀≡.)グビグビ」
十分後
「なんだか気持ちいいな〜空を飛んでいるようだな〜(≡∀≡.)」
ゆい「こっこなた・・・」
「ねぇゆい姉さん、ここから出してよ〜じゃないおばさんの犯罪を幇助した罪を
 警察にばらっしゃうぞ〜いいのかな〜うぷぷぷ(≡∀≡.)」
ゆい「わっわかったわよ。今から出すから」
こなたとゆいは留置場を出ると、武器庫に入りコルト・ガバメントと弾丸を盗んだ。
その後、駐車場に入った。こなたはある立ち話を聞いた・・・
大石「竜崎さん、小早川ゆき、小早川ひであきを明日、逮捕することにしました」
竜崎「そうですか、これで事件は解決ですね」
大石「実は小早川ひであきのことですが、25年前彼は妻子供を亡くしているんですよ
   でも私の直感からね・・・」
竜崎「保険金目当てですか?」
大石「んっふっふ。そうです、今回も保険金目当てでやっていると思うんですよ
   ところで泉さんはどうするんです?」
竜崎「彼女には仕方ありませんが、刑務所に入ってもらうことにしましょう。それも
   彼女のためです。彼女の全財産も全部僕が預かることにしますよ」
「なんだと!(≡皿≡.)」
竜崎「泉さん!なんでここに」
「竜崎!お前裏切ったな!やっぱりお前も金目当てだったのか!(≡皿≡.)」
大石「まぁ落ち着いてくださ・・・」
バキューン
大石「ううっ」
「くふふふ、こっちは拳銃を持っているのだよ(≡∀≡.)」
と言い、こなたはそこに止められていた日産レパードの覆面パトカーに乗り込んだ。当然人質として
ゆいも乗せた。こなたはレパードを急発進させると、小早川家のほうに向かった。
392神奈川版「私のお父さん」:2009/06/25(木) 07:22:24 ID:xJ5jocUQ
追跡してくるパトカーを体当たりしながらや歩道を走るのも当たり前、信号無視までしでかした。
「あれ?つかさじゃん?あの野郎!親友が苦しんでいるのに素知らぬ顔して!死ねー!(≡皿≡.)」
ドゴ!パギグチャグチャグチヤ
「うひょうひょうひょ〜ざまーみろ!ヽ(≡∀≡.)ノ」
ゆい「こなた!前!」
ドガシャーン
レパードは吉野家に突っ込んだ。ゆいはフロントガラスを突き破って店内に入った。店内はさっきの衝撃で
ガスが充満している。こなたはレパードから降りると、外に向かった。しかし、カウンターに
白い粉とストローがあった。それも頂戴する。
「これがコカインか・・・ちょっと吸ってみよう(≡ω≡.)」
外に出ると白い粉を吸った。
「んぎぎぎぎぎぎぎ!たまんねぇぇぇぇぇパオポアピポパポ!?!?!?!?ヽ(≡∀≡.)ノ」
ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!
後ろを振り返ると吉野家が大爆発していた。
「汚ねえ花火だぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(≡∀≡.)」
そう言うと、こなたはまた歩きはじめた・・・

つづく
393名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 09:14:18 ID:C8N8HtDt
おいおい、今回のこなたは暴力的だなww
初めゆたかに暴力振るったときはちょっと引いたけど、あそこまで徹底的にやるとむしろ清々しいね。

神奈川こなたは今までふてぶてしいだけで暴力は使ってなかったと思うけど、その素養は前からあったのかな。

なんにせよGJ。
続きwktk。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 11:05:09 ID:fTD9JurP
エロゲ規制についてこなたはどう思うんだろ
395名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 15:41:55 ID:DPdO/+zL
こなたかっこ良過ぎる。
396神奈川版「私のお父さん」:2009/06/25(木) 19:10:57 ID:xJ5jocUQ
「クスリが切れた・・・ダルいな・・・あれ、あそこ。かがみんちじゃん?(≡Д≡.)」
こなたは玄関のガラスを割って、柊家の中に入った。しかし、真っ暗で誰もいないようだ。
ただ、つかさの部屋だけ電気がついていた。こなたは部屋に入った。そこには男が一人いた。
「あんた誰?(≡ω≡.)」
りゅうじ「俺っすか?りゅうじって言うんすよ。つかさの彼氏」
「そう、ちょっとゆっくりするね(≡ω≡.)」
「じゃあこれでもどうっすか?」
りゅうじはこなたの目の前に煙草みたいなのを差し出した。
「じゃあ吸ってみるか・・・(≡ω≡.)」
ジュポ、スパー
「たまんないなぁ〜このタバコすごく気持ちよくなるよ〜(≡∀≡.)」
りゅうじ「ああ、それ、マリファナっすよ。俺、結構好きなんすよ、ただ・・・」
「ただ?(≡ω≡.)」
りゅうじ「つかさのやつ、マリファナよりシャブが好きなんすよ」
「シャブか・・・どこにある?(≡ω≡.)」
りゅうじ「押し入れに入れているといっていたが・・・」
ゴソゴソ
「一発やってみるか・・・(≡ω≡.)」
ブス
「たまんねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!このトビ!トビがコカインより凄ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!
 気持ちよすぎて止められないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!ヽ(≡∀≡.)ノ」
りゅうじ「そうっすかw」
ガラ
かがみ「げっこなた!」
「やふーかがみん♪どこ行っていたの?(≡∀≡.)」
かがみ「どこ行っていたって・・・つかさが車にはねられて死んだのよ!」
「うふふ、かがみん、実はあれは私がやったのだよ(≡∀≡.)」
かがみ「え?まさかあんたが・・・」
「そうだよ、かがみん♪つかさのくせに噂一つで私と絶縁という行動をとるからなのさ(≡∀≡.)」
かがみ「あっあんた!やっぱり人間じゃないわ!」
「なん・・・だと。かがみんだって親友の私が嫌がらせに苦しんでいる時、シカトしていたじゃん!(≡皿≡.)
 普通友達って言うのは友達が苦しんでたら、助けるもんじゃん!ええ!(≡皿≡.)」
かがみ「そうな理由でつかさを・・・ぶっ殺す!」
かがみは鉈を取り出し、こなたに向けて振りかざした。しかし、こなたは攻撃をよけて、外へと出た。
こなたは走って、小早川家に目指した・・・いや途中で車を奪って逃げたりした。また、コンビニを襲い
酒類を奪ったりしていた。
397神奈川版「私のお父さん」:2009/06/25(木) 19:12:09 ID:xJ5jocUQ
夜の12時。小早川家にて
「おーいだれかいるか〜(≡∀≡.)」
この時、こなたはかなり泥酔していた。
ゆき「今開けますね・・・」
こなたたちはダイニングルームに入った。そこにはひであきがいた。
「おばさん、今日は何しに来たか分かるよね・・・(≡ω≡.)」
ゆき「ええ、保険金や遺産のことでしょう?でもね悪いのはあなたのお父さんよ」
ゆきはポツリポツリ話し始めた・・・
そうじろうが泉家の後継ぎとして来たため、扱いが酷くなったこと。
そうじろうの母親が大金や家宝を持ってトンズラしたため、せっかく合格した高校の進学を
断念せざる得なくなったこと。
そうじろうがかなたと交際の際、両親は大喧嘩になりゆきとかなたが子供産んだら
二人が離婚するという事で家から追い出されたこと。
妻子ある有名小説家と付き合っていたが、そうじろうが「俺の小説を酷評する奴と付き合うな!」と
反対され無理やり別れさせられ、その時に身籠った子供がゆいだということ。
ちなみにその有名小説家つまりゆいの父親はハードボイルド小説の巨匠ヲーヤヴ・ハルヒッコだということ。
その時、キャパクラで働いていた時にひであきと知り合ったこと。
しかし、ひであきは無精子症であり、ゆたかは事故死したひであきの弟の子であること。
結局、かなたの出産の事で両親は自殺し、そうじろうを恨んだこと。
ひであきは遺産の事で荒れて、ゆきやゆい、ゆたかに暴力を振るうようになったこと。

「そんな理由でお父さんを殺したのか!許さん!(≡皿≡.)」
バキューンバキューンバキューンバキューン
ゆきはこなたによってハチの巣にされて死んだ。その時、窓が割れる音が聞こえた。
竜崎「もう辞めるんだ!泉さん!」
「竜崎・・・(≡ω≡.)」
竜崎「そんなことしてもお父さんは帰ってこない・・・銃を捨てるんです」
398神奈川版「私のお父さん」:2009/06/25(木) 19:13:16 ID:xJ5jocUQ
バキューン!
「ぐえっ!(≡Д≡.)」
銃を撃ったのはひであきだった。ひであきの手にはブラックホークが握りしめられていた。幸いこなたは
右手を吹っ飛ばされていて命に別条はない。
竜崎「何で撃ったんです」
ひであき「くっくっ私はねぇ金に目がくらんだ一人でねぇ〜妻や子供が死んで金が手に入るなら
     殺すのもためらわないんだよ〜さぁ!こっちに来い!」
二人は二階に連れて行かれた、その部屋には一億以上ある大金とニトロが詰まったボトルが大量にあった。
あの大金はそうじろうとゆたかの保険金であろう。
ひであき「へっへっへっ、こんだけ金がありゃ一生遊んで暮らせるな」
竜崎「ちょっと待ってください・・・ゆいの保険金の受取人は旦那のきよたかですが?」
ひであき「きよたかか、あいつには死んでもらったよ。交通事故でな。無論、保険金かけてなw」
(これだけ大金があれば遊んで暮らせるぞ!まず、どうやっておじさんを倒すかだ(≡∀≡.))
ひであき「さて、お喋りはこれまでだ、竜崎!お前から死んでもらうぞ!」
ズキューン
ひであき「うぐっ!」
大石「警察だ!小早川ひであき!25年前の保険金殺人及び保険金目当てで弟夫婦を殺害した罪で
   逮捕する!」
「そこまでだ!この銃が目に入らぬか!(≡皿≡.)」
竜崎「何してるんですか!泉さん」
「くふふふ、私の金なんだ!私はこの金で遊んで暮らすんだ!(≡∀≡.)」
ひであき「この餓鬼!これは俺のだぞ!」
竜崎「・・・君たちは金と家族どっちが大事なんですか?」
「金に決まってんじゃん!私には家族はいないよ。うぷぷぷ(≡∀≡.)」
ひであき「家族ぅ?馬鹿だな。おい、俺は家族なんか興味ねえよ!それより金だな金!」
竜崎「それを聞いてもうためらいは無くなりました・・・最後に泉さん、そのガバメントには
   弾は入っていますか?」
「じゃあ試してみよう!(≡∀≡.)」
ひであき「おっおい!」
バキューン
竜崎「大石さん、逃げますよ」
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
399神奈川版「私のお父さん」:2009/06/25(木) 19:15:12 ID:xJ5jocUQ
竜崎「ふぅ家が粉々に吹っ飛びましたね」
大石「ああ、服がボロボロですよ」
竜崎「一応、「自殺」したと報告します」
大石「そうしましょう・・・ところで竜崎さん、泉こなたはあなたのお友達で?」
竜崎「友達?何を冗談を?欲におぼれているあいつは僕の友達ではありませんよw」
竜崎と大石は笑いながら、パトカーのほうへと向かって行った・・・

めでたし めでたし

注意書き、ちなみに筆者は神奈川氏とは関係ありません。ただ、書き方を真似ただけです。
400名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 19:44:15 ID:j4UHDaP/
これはカオスw
まさにカオスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
401名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/25(木) 19:54:11 ID:C8N8HtDt
ああ、やっぱり違う人か。
神奈川版こなたはふてぶてしいけど頑張り屋で暴力は振るわないもんな。
凶ウニ崩壊の歴史や脚本家泉こなたに代表される様に。

でもこれはこれで面白かったよ。
乙でした。
でも違う人なら最初に違うと言って置いて欲しかったな。
402名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/26(金) 00:18:28 ID:24iK6CKv
熊ちゃんはどうした!
赤坂はどうした!
403名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/26(金) 07:25:08 ID:A0J6Nyw4
ところで竜崎って何者ですか?

赤い悪魔の続編に出ていたのは知っているけど・・・
404名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 00:20:51 ID:+njxjNkZ
ひぐらしでしょ
405名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 00:21:28 ID:q7DkCnxQ
デスノートに一票
406名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 00:22:31 ID:+njxjNkZ
あ、間違えた、竜崎はデスノートのLが名のった偽名でしょ。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 02:13:07 ID:Zw34r2so
>>403
闘将ダイモスのパイロット
408名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 04:20:16 ID:RxTVrMCb
ダイナソー竜崎のことたまに思い出してあげて
409名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 16:55:38 ID:iMob5jil
ひであき「くっくっ私はねぇ金に目がくらんだ一人でねぇ〜妻や子供が死んで金が手に入るなら
     殺すのもためらわないんだよ〜さぁ!こっちに来い!」

この台詞、なんかの漫画で聞いたことあるなw
410名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/27(土) 18:00:33 ID:+njxjNkZ
>>409
何のマンガだっけ?
411名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/28(日) 12:37:22 ID:0WfsdvpX
こなた可愛いよこなた
412名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/29(月) 01:18:06 ID:EIh/8ykB
神奈川…
413名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/29(月) 02:24:56 ID:8bI0erVq
ピアスの人の新作まだかな
414名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/29(月) 06:10:43 ID:iwJcDcDL
人知れずこのスレからインスピレーションを頂きました
ぐだぐだだったけどよいものが出来たと自分では思ってます
AAものなんで載せたりはしませんが、ご挨拶だけしていきます
by埼玉
415名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/30(火) 04:45:10 ID:cHg/M7kr
良いんじゃない、載せてみたら。
416名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/30(火) 10:02:44 ID:f9zIxapF
今考えているストーリーなんだが、エロゲー会社経営しているこなたが
資金繰りに困って、やらせ感動ノンフィクション小説書いて、儲けるんだか
最終的にやらせがバレて、自殺するという話なんだが・・・
どうだろうか?
417名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/30(火) 13:28:10 ID:cHg/M7kr
>>416
面白そう!
ぜひ書いて下さい。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/30(火) 17:40:24 ID:qD0tnAne
>>414
vipのマザーのやつなら見てたよ
最後もにょってたけど乙でした。
違ったらごめん
419名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/30(火) 20:42:00 ID:pMeT2lXL
ゲームネタだが・・・
あのEDの後、主人公がこなたと付き合い始めて結婚
結婚式の日、みゆきがかつて主人公とキス寸前まで行った事を思い出す
高良家が破産の危機でみゆきが醜悪な金持ちのボンボンに身売りされる
好きな男の子を妊娠して幸せなこなたに激しい憎しみを抱く
こなたを誘い出して拉致監禁
当然誰もみゆきが犯人とは考えない
子供を流産させてやろうと黒人やチョンを集めてこなたを集団レイプさせる
420やらせで大儲けの仕方教えます:2009/06/30(火) 21:37:58 ID:f9zIxapF
201X年、泉こなたはかなり苦しんでいた。まず、こなたが経営するエロゲー会社
「rakeyster・rise」がヒット作一つも出さずに倒産の危機にひんしていた。
なぜなら、キャラクターは「ハルヒ」や「ひぐらし」「ゼロの使い魔」「コードギアス」等
のキャラをパクリ、ストーリーと言えばストーリーらしいストーリーもなくエロだけでなり
たっていた。オマケに性行為のほとんどはSM、スカトロ、レイプ、触手傾向が強く、敬遠され
なかなか評価とユーザーが付かなかった。それもそうだ、スタッフも悪名高い連中ばかりで
シナリオはかってはエロゲー会社の社長で大ヒット作次々と連発し、豪邸やスーパーカーを
何十台も持っていたが、ワンマン行動ぶりで会社は倒産、業界から追放されていた中林健二郎。
原画は某漫画雑誌でアニメ化された人気ラノベの漫画版を担当していたが、コミケでその漫画版の
エロ同人誌を発表し、連載を打ち切られ、エロゲーの原画で食っている羽目になったみずしままこと。
グラフィックは北朝鮮からの密入国者、フランク・キム、ジョニー・パク。
音楽はジャイアン並の歌唱力を持ち、ライブの時にライブハウスを破壊し、曲も名曲をパクリまくって
音楽活動を中止に追い込まれ、今じゃあしがないエロゲーの音楽担当しているパンクバンド、ザ・フラッシュ。
そして、制作総指揮兼企画は大学を1年で中退し、ニートしていた泉こなただ。
421やらせで大儲けの仕方教えます:2009/06/30(火) 21:40:01 ID:f9zIxapF
しかし、こなたは
「ヒット作が出ないよ!このままじゃあ破産だよ!(T皿T.)」
と、毎日泣きごとを言っていた。収入はあまりなく、小遣い稼ぎにと人気アニメをパクったエロ小説を
書いているが、本は売れず、こなたの自宅兼仕事場は返品の山だ。当然、印税も入らない。
「働けど働けど、生活は苦しくなる・・・(TωT.)
 まてよ・・・感動物のラブストーリーを出せば、破産は免れるな・・・(≡ω≡.)」
そして、仕事場にて
「私、ラブストーリーを書こうと思う(≡ω≡.)」
中林「そうは賛成だがラブストーリー書いても、ヒットしないぞ」
みずしま「やっぱ、今は実話物が受けるんだよなぁ」
「実話と言うと?(≡ω≡.)」
中林「やらせ・・・捏造をすればいいんだよ」
「そりゃいいな、早速やるか!(≡∀≡.)」
みずしま「じゃあ俺は知り合いのAV女優を呼んでくるわ。写真がないと実話じゃないことがバレるからな」
中林「俺はどんなストーリーにするか考えるよ」
「じゃあみんな頑張ってね!うぷぷ、これで大金持ちだな(≡∀≡.)」
422やらせで大儲けの仕方教えます:2009/06/30(火) 21:43:10 ID:f9zIxapF
数日後、ストーリーはできた。内容はこんな感じだ。
ある女性・・・仮にA子としょう。A子さんは白血病を抱え、あと余命、数カ月しか生きていけなかった。
A子は友人たちに支えながら、恋人と結婚し、数カ月息を引き取った・・・
「ううう、我ながら最高のストーリーなのだよ(TωT.)」
中林「まぁ俺から安っぽい三流メロドラマなんだがなw」
みずしま「じゃあ、白血病患者のため会「こなた会」のブログを作るとしますか」
「ブログ作ってどうするの?(≡ω≡.)」
みずしま「簡単にいえばエロゲーを作るための資金集めと言えばいいか、見ている人は
     寄付金を出してくれそうだし」
「おお良いね〜こんなので金もうけできるのって凄いな〜(≡∀≡.)」
ピンポーン
みずしま「おっ、俺が呼んだ奴が来たか、ほら、例のAV女優」
中林「たしか「春佐皇子」っていう名前だったな」
つかさ「えへへ、こんにちわ〜」
「つかさじゃん!(≡Д≡.)」
つかさ「えっこなちゃん!」
中林「お前ら知り合いだったのか?」
つかさ「知り合いって言うほどじゃないよ〜大親友だよぉ〜えへへへ」
「ていうかなんでつかさ、AV女優になったのさ?(≡Д≡.)」
つかさ「最初は小遣い稼ぎでAVに出ていたんだけどさぁ〜お金がいっぱい貰えるから
    これを本業にしたんだよぉ〜」
みずしま「さて、久々の再会はこれぐらいにして、撮影始めるか」
423やらせで大儲けの仕方教えます:2009/06/30(火) 21:44:19 ID:f9zIxapF
本が発売される日が来た。本は大ヒットし、「世界仰天!ニュース」にも取り上げられた。
司会者、ギャラリーをはじめ
あきら「ううう・・・感動しました〜」
あきらも涙を流すほどであった。収録終了後、
白石「あきら様、あとで俺の家で飲み会がありますけど行きますか?」
あきら「はぁ?なんで私が参加しなきゃあいけないのよ?」
白石「ティーパーティなんだけどな・・・ボソ」
あきら「しかたない、行くか」

白石の家にて
参加者A「おっ!あきらじゃん」
参加者B「おひさ〜」
あきら「おっはらっき〜☆おひさしぶりぃ〜!」
参加者A「あきらちゃんの為に上物の葉っぱ持ってきたよ〜」
参加者B「俺も上物のエロビデオ持ってきたよ〜」
あきら「わ〜い!サンキュー」
白石「じゃあ、ビデオ入れますよ」
白石たちはマリファナを吸いながら、AVを見ていた、それは運悪くつかさの出ているAVで
あった。
あきら「あれ?こいつ、今日のドキュメンタリーに出ていたやつじゃね?」
参加者A「余命数カ月の女性のやつ?」
参加者B「そういや、似てるといや似てるな」
白石「ちょっとビデオを止めてくれ」
ビデオを止めた
白石「どこかで見たことがあるかと思えば、この女優、たしか「春佐皇子」だっけな?
   高校の時のクラスメートに似ているよ」
参加者A「えーマジかよ?証拠あんの?」
白石「じゃあ、今から卒業アルバムを持ってくるよ」

つづく
424名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/01(水) 00:37:12 ID:El+F7fFl
神奈川タイムの始まりだ
425名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/01(水) 02:12:27 ID:mYAQT8uZ
>>420-423
面白い、面白いよ、話に引き込まれるよ!
つかさのあっけらかんとした感じがまた良いね!

さぁこなたにはこれからどんな運命が待ち受けてるのか!?
426名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/01(水) 02:20:13 ID:mYAQT8uZ
>>419
レイプネタはあんまり好きじゃないんだけどな…。
なんだかんだ言ってこなた好きだし。
レイプは救いがなくて惨め過ぎるからこなたにはやって欲しくない。
427やらせで大儲けの仕方教えます:2009/07/01(水) 22:12:45 ID:mSiMLf8M
白石は卒業アルバムを持ってきた。
白石「ほらこの子、柊つかさって子だよ」
参加者A「うわ!似ている!本人か?」
参加者B「俺が思うにドキュメンタリーの女と白石のクラスメートと「春佐皇子」って
     同一人物じゃね?」
あきら「白石・・・あんた凄い発見したな・・・あの感動のドキュメンタリーは捏造でした
    を告発するサイトを作れば?」
白石はあきらの一言で捏造検証サイトを作った。まず、下調べにA子と春佐皇子いや柊つかさは
同一人物だということが分かり、A子という女性は存在しないこと。A子が入院していたという
病院を当たったが、そんな女性は入院していなかったことが判明した。

さて、白石が捏造検証をしている頃、こなたはブログ更新していた。ただのブログ更新ではない。
こなたが経営する「rakeyster・rise」のエロゲーの広告であった。
「生前、A子がプレイしたかったエロゲーが発売されます。ぜひ買ってください(≡∀≡.)」
結果は感動実話人気でエロゲーがバカ売れし、かなりの金が入った。
みずしま「ねーこなちゃん?今度のコミケで「苺ましまろ」のエロ同人出すんだけど、宣伝して
     くんない?」
ザ・フラッシュ「今度俺等さ新作のアルバム出すのよ、ブログで動画発表してくれなよ」
キム「ウリたちは脱北者と言われているけど、実は北朝鮮の潜入工作員ニダ。今からチョーパリ共を
   将軍様マンセーさせる洗脳動画貼りたいニダ?頼むニダ」
「いいよ!いいよ!なんでもじゃんじゃんブログで宣伝していいよ!(≡∀≡.)」
とこなた会のブログは広告みたいになっていた。しかし、こなたの収入は昔より多いのが現状だ。
本の印税、ファンからの寄付金等、こなたはこれだけの詐欺同然の手口で儲けて、六本木ヒルズの
家を買い、スーパーカー三台買った。それもブログに書き込んだ。
428やらせで大儲けの仕方教えます:2009/07/01(水) 22:13:45 ID:mSiMLf8M
また、こなたはつかさのコネを使って、AV業界にも深入りするようになる。
こなたとつかさ、AV会社TMAと共に「TMこなつか」を設立した。
「TMこなつか」では、アニメのエロパロ路線、「復讐するは我にあり」みたいな
実録犯罪路線、「rakeyster・rise」のエロアニメ化の三つの路線があったが、経営的には
エロパロもので上げた収益を実録犯罪路線もので使い果たすことの繰り返しであった。
こなたはこれもブログで宣伝、「これの作品は白血病患者のため会「こなた会」の寄付金集め
です、ぜひ皆さま方もこの作品のDVDを買ってください。寄付金は全国の白血病患者の
入院費などに当てます」と詐欺同然の行為も行っていたのだった。
そして、映画化され、こなたの希望通り、ヒロイン役は平野綾に決まった。そして、主題歌を歌
うのはザ・フラッシュだ。当然映画も大ヒットした。こうなるとこなたは有頂天である。
「何が不況だよ!今の私にそんなの関係ねぇ!(≡∀≡.)」
と大笑いするこなただったが、そのこなたにも最後の時がやってきた。
ようは捏造がバレたのである
429やらせで大儲けの仕方教えます:2009/07/01(水) 22:14:57 ID:mSiMLf8M
白石の捏造検証サイトにて、前述のことに付け加え、こなたが家を買ったという書き込みを初め
「A子さんが好きだったという作品」の宣伝文句のエロゲー、エロ同人をただ、人気に乗って
宣伝していると2ちゃんで指摘し、さらに決定的な証拠は「TMこなつか」のAVでつかさが
出演していたことが、捏造だという決め手となった。
数日後、こなたの家にはマスコミ関係者が大勢いた。
「あれ、なんでマスコミがいるの?(≡ω≡.)」
ジャーナリストA「泉さん、あの実録物はやらせだったのは本当なんですか!」
「実話だよ!そうだよね中林さん?(≡Д≡.)」
中林「すみません!実は捏造なんです!悪いのは泉なんです!」
「何言ってんだ中林お前も加担していただろうが!ハッ!(≡皿≡.)」
ジャーナリストA「やっぱりそうなのか!なんて最低なやつなんだ貴様は!」
ジャーナリストB「貴様それでも人間か!」
そうこうしている内にジャーナリストたちに精神的にフルボッコされてしまった。
その後、「rakeyster・rise」は倒産し、こなたは全財産を失った。
そして、こなたは山口県下関市の赤間神宮に火をつけ焼身自殺をしたそうな。

めでたし めでたし
430名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/01(水) 23:02:35 ID:mYAQT8uZ
面白かった〜!
\(^o^)/

乙です!

毎回こなたのバイタリティには感心させられます。

こなたくらい人生積極的行動的になれたら楽しいでしょうね。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/02(木) 20:14:02 ID:1TsSF2ZD
こなた可愛いよこなた
432名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/03(金) 11:19:12 ID:TC/egzkn
原画担当のみずしままことってハルヒの漫画書いていたみずのまことを
モデルにしているの?
433 ◆kKsewaWfHE :2009/07/03(金) 20:51:42 ID:Ef0NM51I
このスレ未だあったんだ・・・・。
434名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 00:11:55 ID:U+dBmk1j
 ll     ll
     l| -‐‐- |l
    ,イ」_  |ヽ_| l、
   /└-.二| ヽ,ゝl
   l   ,.-ー\/. 、l
  |  /.__';_..ン、    ビ〜ィ〜ム かがーやーく♪
  / /<二>  <二>!゙、
 //--─'( _●_)`ーミヘ    フラッシュバックに〜ぃ♪
<-''彡、   |∪|  、` ̄ ̄ヽ
 / __  ヽノ   Y ̄)  |
 (___)       Y_ノ
      \      |
       |  /\ \
       | /    )  )
       ∪    (  \
             \_)
         ll     ll
         l| -‐‐- |l
        ,イ」_  |ヽ_| l、
       /└-.二| ヽ,ゝl
       l   ,.-ー\/. 、l
      |  /.__';_..ン、  ヤツのかげーー♪
      / /<二>  <二>!゙、
     //--─'( _●_)`ーミヘ
    <-''彡、   |∪|  ミ __>
   (  (/     ヽノ_  |
    ヽ/     (___ノ
     |      /
   / /\  |
   (  (    ヽ |
  /  )    ∪
  (_/

         _人人人人人人人人人人人人人人人_
           >  シャア♪  シャア♪  シャア♪  <
           ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
     ll     ll          ll     ll          ll     ll
     l| -‐‐- |l  __     l| -‐‐- |l  __     l| -‐‐- |l  __
    ,イ」_  |ヽ_| l、〈〈〈〈 ヽ  ,イ」_  |ヽ_| l、〈〈〈〈 ヽ  ,イ」_  |ヽ_| l、〈〈〈〈 ヽ
   /└-.二| ヽ,ゝl.〈⊃  } /└-.二| ヽ,ゝl.〈⊃  }./└-.二| ヽ,ゝl.〈⊃  }
   l   ,.-ー\/. 、l |   |. l   ,.-ー\/. 、l |   | l   ,.-ー\/. 、l |   |
  |  /.__';_..ン、!   ! |  /.__';_..ン、!   !|  /.__';_..ン、!   !
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 //--─'( _●_)`ーミ /.//--─'( _●_)`ーミ / //--─'( _●_)`ーミ /
<-''彡、   |∪|  / <-''彡、   |∪|  /  <-''彡、   |∪|  /
 / __  ヽノ /     / __  ヽノ /    / __  ヽノ /
 (___)   /     (___)   /     (___)   /
435名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 01:42:24 ID:MmyrFeYi
436名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 07:59:46 ID:FnyPUuMV
何か多分K-0764描いた人っぽいののムギの絵がVIPで出回ってて笑った
437名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 21:59:00 ID:s5BGR8Ez
438デフォ北:2009/07/04(土) 22:26:48 ID:7gOzri36
>>436
恐らく自分のことでしょうが、
残念ながら自分はけいおんキャラを描いたことがないので…
439名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 22:36:57 ID:YeN425Sd
>>433
終わらないよ。永遠に
440名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 22:49:30 ID:YeN425Sd
しかし本当に神奈川復活したのか。
会話形式ながら、こなたが発言主体となる時は名前入れない辺り、
本物っぽいな。
441名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 01:27:30 ID:hioQYx0+
そういやあと一ヵ月半で二周年だなw
442名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 02:05:08 ID:u2HJznQ8
あれ、違ったのか
なんか体の感じとか似てる気がしたんだけど
>>437
これこれ
443名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 15:59:41 ID:JEGlRA80
ttp://vipss.main.jp/haruhi/1222779675.html
↑これってこのスレの作品?
444名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 19:03:00 ID:Z2CW8VoH
>>443
救いようがない話だな。
こなたが可哀想すぎる。
池沼はこの世から消えるべき。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 21:51:01 ID:Pa3zmEIH
こらこら、誰にだって存在する権利はあるさ。
存在を認められない属性を作り出すから、人は疎外感を覚え逸脱に走る。
その逸脱行動のうちの一つが、自殺だ。
ってこれ我々のテーマだな。
446名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/05(日) 23:18:41 ID:HtSSpDZs
トモダチって時間じゃない(>>199氏の作品)は何でWIKIに纏めがないの?
最初から読みたいんだけど。
正直こなたが虐められるのは嫌いだからこういう作品が読みたい。
447名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/06(月) 09:57:13 ID:Pjq/0Wo3
しばらく迷いましたが
このスレのインスピレーションを受けて、VIPにて投下したものがありまして
長編andAAストーリーにつき、wikiへのアップやこのスレへの投下は難しいですが
せめてdatログだけでも、このスレに残していかせてください

らき☆すたinMOTHER
第一夜http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/takeshima.2ch.net/news4vip/kako/1245/12458/1245842154.dat
第二夜http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/takeshima.2ch.net/news4vip/kako/1245/12459/1245923311.dat
第三夜http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/takeshima.2ch.net/news4vip/kako/1246/12460/1246010825.dat
第四夜http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/takeshima.2ch.net/news4vip/kako/1246/12460/1246099712.dat
第五夜http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/takeshima.2ch.net/news4vip/kako/1246/12461/1246181449.dat
448名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/06(月) 23:01:26 ID:jnSltQ7N
>>443
池沼に対してここまで怒りを覚えたことがないって程の怒りを感じた…。
449名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/06(月) 23:52:39 ID:I2ZCYG7a
同じパターンでかがみが柊家が預かった池沼にレイプされて妊娠して
中絶しようとしたら人権団体に抗議されて無理矢理.出産させられた子供が池沼という話も某SS保管庫にあったな
450名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/07(火) 03:57:14 ID:xrXcejtg
>>13
>前スレ>455-462の続きです。
読みたい…。
誰かWikiに纏めて下さい。orz
451名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/07(火) 15:05:25 ID:YofZMM2Q
>>447
かがつかスレで見たコレは、自殺スレにインスピ受けた作品だったのか。
452名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/07(火) 15:29:09 ID:zrmJgVoH
>>451
それと同じ系統だけど別です
具体的にはかがつか版はMOTHER2で自殺はMOTHER1です
453デフォ北:2009/07/07(火) 23:46:18 ID:3p1Fs88x
454名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/08(水) 17:39:58 ID:mNLqs8ZS
俺、神奈川版「私のお父さん」に触発されて、神奈川版「審判」を
書くことにしたわ。これには大石やゆい姉さんやアニメ店長や
http://punpunpun.blog107.fc2.com/blog-entry-887.html
の伊藤伸江を出す予定。
455デフォ北:2009/07/08(水) 19:57:02 ID:ThSgi5hA
ttp://upload.jpn.ph/upload/img/u43658.jpg

消えるの早いですね…
456名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/08(水) 20:28:51 ID:sEwcEAzJ
>>455
>>453のやつ?相変わらず貴方は首吊り好きですなw
457JEDI_tkms1984:2009/07/08(水) 22:44:39 ID:cAt3PBz6
 つまり、「こなたんざく」ということですね。
その気になれば笹でも首を吊れる……自殺とは奥が深いですね。
そういえば昔、何かの本で、
「ここにある全ての願いが叶いませんように」
と書かれた短冊の写真を見たことがあります。
”全て”のというところに矛盾が生じてしまう妙なお願い事です。
458名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/09(木) 02:00:52 ID:RQrDXcuC
神奈川の影響力は絶大過ぎる。
459神奈川版「審判」:2009/07/09(木) 10:15:46 ID:umkUpIZm
×月2日(水曜日)
昼休み、こなちゃんがいつものようにどうでもいいアニメ話してきたよぉ〜
もう、私は聞きたくないのに
「でね、渚っていう触覚キャラがメインキャラなんだけど・・・(≡ω≡.)」
とか言うんだよ、はあ〜こなちゃん死んでくれないかな、かな?その時
お姉ちゃんが
かがみ「つかさ、無理して話合わせる必要はないわ」
と言った。うん、同意見だよぉ〜
そしてお姉ちゃんが私がこなちゃんのアニメ、ゲームネタの話に拒絶できない
ことを話したんだよぉ〜
かがみ「あんた!つかさに謝りなさいよ」
「はい、ごめんなさい(≡ω≡.)」
かがみ「何よその謝り方!」
「はぁ!誤っているじゃん!私がいつ、つかさをいじめたんだよ!(≡皿≡.)」
とこなちゃんが逆ギレしてきたよぉ。実のところお姉ちゃん、こなちゃんの
ことが最近ウザいと思い始めているんだ。後ろの方で見物しているクラスメート
たちがポカーンとしていたよぉ〜昼休みが終わって、クラスメートのみんなが
『柊さん、負けないでね』
『私達、柊さんの味方だから』
『なぁ、柊さん。先生に相談した方がいいんじゃね?』
『虐めなんて、本当に許せないよね』
『貴方は一人じゃないよ。あまり思いつめないでね』
と言ってきたよ。エヘヘヘヘ、嬉しいなぁ〜。クラスメートにこなちゃんのことを
「あいつ、昔から嫌いだったよ」
「今じゃあ殺したいほど憎いけどな」
と言っていたよぉ〜。こなちゃんって案外憎まれていることを知って安心だよ〜

家に帰って寝ている時、知り合いの伊藤伸恵・・・のぶちゃんから電話がかかってきた。
伸恵「柊さん、起きてた?」
つかさ「のぶちゃんどうしたの?」
伸恵「あんた、いじめられていると聞いてさ、柊さんの力になろうと思う」
つかさ「そ、そうなんだよぉ、こなちゃんにいじめられているんだよぉ〜」
伸恵「ああ、あいつか、ムカつく顔をしている青虫か?あいつに会うとついつい
   殴り殺したくなる衝動に駆られるんだよな〜」
そのあと、のぶちゃんがこなちゃんを〆ると言って電話を切った。
エヘヘへ、計画通りだよぉ〜お姉ちゃんに私、こなちゃんにいじめられていると
話したし、明日から楽しみだよ〜
460神奈川版「審判」:2009/07/09(木) 10:16:40 ID:umkUpIZm
×月3日(木曜日)
エヘヘヘヘ、今日は学校を休むことにした。今日からこなちゃんいじめれるのに
いけなくて残念だよぉ〜でも今日はだいちゃんから貰ったシャブでもやりながら
ゆっくり過ごすことにするか。はぁシャブって気持ち良いな〜
午後、お姉ちゃんが帰ってきた。お姉ちゃんに今日のことを聞くと、こなちゃんは
クラスメートから無視されて、昼休みにこなちゃんは日下部さんと喧嘩になり
峰岸さんにボコボコにされたんだよぉ〜。なんでも峰岸さん、こなちゃんをトイレに
連れ込み、こなちゃんのアホ毛を引っ張って
あやの「ねぇ、柊ちゃんがどれだけ迷惑してるか知ってる?あんまりしつこいとアホ毛
    抜くわよ、おちびさん」
これを聞いて、私は峰岸さんもこなちゃんを嫌っているということがわかったよぉ〜
嬉しいな〜仲間が増えて・・・エヘヘヘヘヘヘヘヘ・・・・
それからもうひとつ、ゆきちゃんが言っていたけど、午後の授業の時、桜庭先生が
突然やってきて、こなちゃんをバールでぶん殴ったって言っていた。
そのあとも何百回もバールで全身を血が出るほど、殴ったんだって。エヘヘへ怖いなぁ〜
エヘヘへ、計画通りだよぉ〜昨日、のぶちゃんに桜庭先生の家を放火してね、と頼んだ
からだよぉ〜当然、青髪の鬘を使ったから桜庭先生、こなちゃんがやったんだと
思い込んだみたい。

夕方頃、成実さんとゆたかちゃんが来た。なんでもこなちゃん自殺させるのを
協力してくれるって〜、エヘヘへ、この密約に裏があるなぁ〜と思って、理由を聞いて
みたよ。ゆたかちゃんが言うにはこなちゃんがウザくってしょうがないからなんだって
それもそうだよね。こなちゃんウザいしwその後、成実さんは表面上は慕っていけど
本当はこなちゃんだけでなくおじさんまで憎んでいて、財産分与のことで揉めていると
聞いたよぉ〜、なんでも、成実さん、欲しい車があって、財産分与のお金で買う予定
なんだけど、全部、こなちゃんに持って行かれそうで、こなちゃんとおじさんが死ねば
お金が手に入るんだって。これは裏がないなと思った私は、この密約を受け入れることに
したよぉ〜。もう眠くなったな〜そうだ。のぶちゃんにメールしょう。のぶちゃんには
まだ、やってもらいたいことがあるんだぁ〜エヘヘへへへへ
461名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/09(木) 16:46:04 ID:bTiE4z+i
>>459-460
みんな黒いなww
それにしてもシャブや伸恵が出た所をみると、神奈川は
VIPのらきすたSS見てる?
462神奈川版「審判」:2009/07/09(木) 19:40:59 ID:umkUpIZm
注意、神奈川版「私のお父さん」同様、神奈川氏とは関係ありません。ただ、文章が似ているだけです。

×月4日(金曜日)
う〜ん、私の腕の中とお部屋の壁や天井に虫がいっぱい動きまわっているよぅ。
気が晴れない、気が晴れないよぉ〜早くシャブをキメないと、憂鬱だよぉ〜
あれ?下駄箱にこなちゃんとクラスメートの平井さん、新見くんがいるよぉ〜
ちょっと立ち聞きしてみるか・・・
「今、何を入れたの?答えろ!(≡皿≡.)」
新見「はぁ?お前に制裁しているだけじゃん」
平井「そうよ、いじめッ子に制裁しているのよ」
「なんだと!もう一遍言ってみろ!(≡皿≡.)」
こなちゃんが平井さんの胸倉を掴んでいるよぉ〜早く何とかしないと・・・
平井「全く反省していないようね・・・新見君、例の男に電話を」
新見「ハハハ、平井の言っていた通りだ、こいつ最低の人間だな」
ピポパポ
新見「あ?大石さん?「鷲が舞い降りた」そうです」
なんだろ?「鷲が舞い降りた」って・・・気になった私はさっそくゆきちゃんの所に
行った。
つかさ「ねぇゆきちゃん、「鷲が舞い降りた」って何?」
みゆき「ええ、「鷲が舞い降りた」って言うのはジャック・ヒギンズの小説です。
    でも埼玉県警では別の意味があるんですよ。うふふふ」
つかさ「え」
みゆき「たしか、新見は大石さんと言う方に「鷲が舞い降りた」って言っていたそうですね?
    そうなると泉さんはもうこの世からいなくなるんですよ。うふふふ」
エヘヘへへ、ゆきちゃんの言っている意味は分からないよぉ〜ホームルームの時は
その事で、頭いっぱいだった。
しかし、ホームルーム中にアニメイトの店長が木刀を持って、私のクラスに殴りこんできたよぉ〜
そして、いきなり、こなちゃんの頭を木刀でぶん殴ったよ〜血が飛び散っていたよ。
「いきなり何するんだ!(T皿T.)」
兄沢「とぼけるな!お前、店の売上金や物を盗んだ挙句、放火しただろう!」
「えっ・・・そんなの知らないよ(≡Д≡.)」
そういうと、こなちゃんは逃げました。
463神奈川版「審判」:2009/07/09(木) 19:41:58 ID:umkUpIZm
兄沢「逃げるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!このキョシヌケがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
店長もこなちゃんを追いかけていきます。エヘヘへへへへ、計画通りだよぉ〜
昨日、のぶちゃんにアニメイトを放火してくれ、と頼んだもん。ここまで上手く行くなんて
天才だな、私。
兄沢「おい、お前ら、あの青虫捕まえてきたら一万円出す!」
店長がそう言うと、クラス中が大騒ぎになって、みんなこなちゃんを追いかけはじめたよぉ〜
結局、本日の授業は中止で全校生徒総出でこなちゃんを捕まえることになった。
え?私?エヘヘへ、ダルイからシャブ、キメて少し横になるよぉ〜
12時を過ぎる頃、こなちゃんは一年生たちにとっ捕まって、釘バットや鉄パイプでボコボコに
されていたよ。
ドカッドカッドカッドカッ!
「ひっひよりんやめて・・・(≡Д≡.)」
ひより「ストレス発散には最高っス!止められないっス!」
バキドゴグシャバキドゴッグシャ!
グラウンドで田村さんたちにボコボコにされているこなちゃん見て少し笑えたwしかし、
ドキューン!ドキューン!ドキューン!
大石「警察だ!みんな武器を捨てて!」
「たっ助かった・・・(≡Д≡.)」
大石「んっふっふ、泉こなたさん、オタク秩序維持法違反であなたを緊急逮捕します」
そう言われると、こなちゃんは大石さんに引きずられながらもパトカーに連れて行かれました。
大石「んっふっふ、これでやっと復讐ができますよ、はっはっは」
私はゆきちゃんに本当のことを聞きました。
みゆき「えーと「鷲が舞い降りた」という意味はですね、泉さんのような方がオタク秩序維持法を
    違反したという暗号なんですよ。あと、オタク秩序維持法というのは、昔で言う戦前に
    あった治安維持法のオタク版です。勿論、埼玉県のみで使われる法律ですけどね」
つかさ「へーそんな法律があるんだ〜」
みゆき「うふふふ、これは人から聞いた話ですが、あの大石と言う方は泉さんにかなりの憎悪を
    抱いているんですよ。昔、泉さんは三輪車で国道を走って、渋滞させたんですよ。
    大石さんは泉さんを注意したんですが、その事で上層部から減俸されたんです」
私はゆきちゃんの話が終わるとそのまま、家に帰らず、のぶちゃんの所に泊まる予定です。

つづく
464神奈川版「審判」:2009/07/10(金) 08:40:56 ID:QqZ9F2Zp
×月5日(土曜日)
エヘヘへ、今、のぶちゃんちでゆっくりくつろいでいるよぉ〜昼頃にはゆたかちゃん達がここに
来るんだ。でも、そんな時、携帯が鳴った。
つかさ「もしもし?」
黒井先生「柊か?うち、大変なことしてもうた」
つかさ「えっ?」
黒井先生「人殺してもうたんや!」
つかさ「えええええええええええ!どんだけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
黒井先生「今からそっち行くからな」
と黒井先生は電話を切りました。
数分後、黒井先生は私がいるところまで来ました・・・
黒井先生「これが柊の友達の伸恵ちゅー子かいな?ほな、よろしくな」
伸恵「ああ、こちらこそよろしく」
つかさ「黒井せんせー、何で人殺したんだよぉ〜」
黒井先生は話し始めました。高道という昔、黒井先生をいじめていた人を刺し殺したらしく
死体は今車の中に積んであるそうです。
伸恵「死体を元の場所に戻したらどう?」
黒井先生「そんなことしたらうちが捕まるやないか、まだ警察には捕まりたくないんや」
伸恵「いや、泉の学生証を死体の所に置けばいいんだよ、そうすれば犯人は泉になる」
つかさ「エヘヘへ、罪をこなちゃんに被せればばいいんだよぉ〜のぶちゃんって冴えているなぁ〜」
伸恵「ついでに財布の中の金は私が貰っておく、タバコ代に困っていたんだけど、これで一安心だな」
数分後、黒井先生はのぶちゃんの言われたとおり、行動することになりました。エヘヘへ、これで
こなちゃん、死刑確定だよぉ〜
そして、お昼頃、ゆたかちゃんと成実さんがここに来た。二人とも少し血で汚れていたよぉ〜
ついにこなちゃんのお父さんを殺して、山の中に捨てたんだって、なんでも、二人がかりで押さえつけ
延髄をコンバットナイフで抉って殺したんだよぉ〜その後、風呂場で鋸でホットドッグを食べながら
バラバラにして、山の中に捨てに行ったんだって。その山の中、野犬が多くて、バラバラにした死体を
そこに置くと野犬が群がってほとんど食いつくしたんだよぉ〜なんだかスプラッター過ぎて怖いよぉ〜。
成実さんにエンジェルダストを渡すと、ゆたかちゃんたちは帰って行きました。
465神奈川版「審判」:2009/07/10(金) 08:42:16 ID:QqZ9F2Zp
×月6日(日曜日)
夕方頃、私は家に帰りました。家の中に入るとお姉ちゃんはにこやかに笑いながら
かがみ「つかさ、今ニュースでこなたが自殺したんだって」
って言っていました。
かがみ「ついでにあんたの友達の伸恵も死んだよ。ハハハハ、あいつが死んでせいせいしたわ」
詳しく聞くとこなちゃんは取り調べ中突然暴れだし大石さんの拳銃を奪い大石さんをはじめ
警察官三名を射殺し、逃走したそうです。逃走途中、偶然居合わせたのぶちゃんや一般市民を
撃ち殺し始めたそうです。その後こなちゃんは廃ビルで首をつって死んだそうです。
エヘヘへへ、予想外だよぉ〜のぶちゃんはもう少し後に口封じで事故死に見せかけて殺す予定だった
けど手間が省けてよかったよぉ〜。ついでにこなちゃんにエンジェルダストを飲ませたのも上手くいったよぉ〜
かがみ「あと、夜の7時頃、学校でこなた死亡記念パーティが有るんだけど、つかさも来る?」
つかさ「うん、行く―」

めでたし めでたし
466名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/10(金) 23:38:58 ID:Zwiit6d0
エ        ン        ド


ス                 レ


エ        イ        ト


夏休みが明けたら、また苛められる。
そう考えた泉こなたは、夏休みが終わらないことを望んだ。
永遠に終わらないエンドレスサマー。
467名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/11(土) 00:22:00 ID:/pNlhckx
8月32日
468名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/11(土) 00:56:07 ID:+mxIDt4A
こなた「鬱だ…死のう…」(かまって、かまって)




かがみ「よっしゃああああああああああああああああ死になさいよおおおおおお!!」

つかさ「よしっ」グッ

みゆき「よ、ようやく、この時がきました!」


(≡Д≡.)「なん…だと…」
469名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/11(土) 20:08:51 ID:jmShV04e
>>465
さすが神奈川版こなた、ただでは死なんな。
他の人間たくさん道連れにしたのは天晴れ!
470名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/11(土) 20:40:41 ID:RQRThJ57
>>465
つかさ「はあ〜こなちゃん死んでくれないかな、かな?」
伸恵「ああ、あいつか、ムカつく顔をしている青虫か?あいつに会うとついつい
   殴り殺したくなる衝動に駆られるんだよな〜」
あやの「ねぇ、柊ちゃんがどれだけ迷惑してるか知ってる?あんまりしつこいとアホ毛
    抜くわよ、おちびさん」
ひより「ストレス発散には最高っス!止められないっス!」
かがみ「ついでにあんたの友達の伸恵も死んだよ。ハハハハ、あいつが死んでせいせいしたわ」

みんなの言動少しばかり恐怖したわ。あと、そうじろう解体シーンには
吐きそうになったよ。

あと、伸恵と大石って何者?
471名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/12(日) 09:27:30 ID:DXLYCa+d
>>199の纏めはキョロ━(゚∀゚≡゚∀゚)━キョロ━マダ━?
472名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/14(火) 04:52:08 ID:5pogM+LS
ひぐらしと苺ましまろじゃね?
473名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/14(火) 12:15:52 ID:BAo0BeSj
らきすたがシャフトでアニメ化されたんで
ゆ○っちみたいに絶望先生のエンドカードで首を吊るネタをやらなくてはならなくなった、なんて話はダメかな?
474名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/15(水) 12:00:28 ID:HMuCHWjv
自殺さえすれば駄目なことなんてないよ
多分
475名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/15(水) 23:35:57 ID:CituZd71
中尉…
476名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/16(木) 10:11:44 ID:4tRlbYHm
こなた(どうしよう…もう一月遅れてるよ……)

かがみ(ガラガラ)「オースッ!」

こなた「…あっ、あの…、かがみん……。」

かがみ「んっ?どーした?」

白石「wawawa忘れもの〜♪(※訳:皆さん、おはようございます。)」

こなた(ビクッ!!)

かがみ「…どうかした?」
こなた「あっ、あの……あのさ!相談したい事が…」
みゆき「あら、つかささん。素敵な待ち受け画面ですね〜。」

つかさ「ねー、良く写ってるでしょ〜w動画もあるんだよ〜、見たい〜?よーく写ってるやつwwお姉ちゃんも見たい〜?」

かがみ「あっ、ちょっと待って!どうした、こなた?アンタなんか変よ?ってか最近いつも変。」

こなた「………うんぅ、やっぱ何でも無い。ゴメンね、あたしちょっと勘違いしてたみたい。」

かがみ「…そう。まっ、アンタの変は今に始まった事じゃないからね。でもなんか悩みあるんだったら、ちゃんと言いなさいよ。話位聞いてあげるから。」

こなた「うん、そーするよ。」

つかさ&みゆき「…。」

かがみ「で、つかささっき何か言ってなかった?」

つかさ「あたしも勘違いしてたみたい。ヤッパイイヤ。」

かがみ「…?そう。まー良いけど。あぁ、そうそう。今日も委員会で遅くなりそうだから、こなたと先に帰ってて。じゃ、みゆきはまた後でね〜」

つかさ「わかった。」

みゆき「はい、後ほど。」
こなた「………。」

477名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/16(木) 10:59:52 ID:4tRlbYHm
つかさ「こなちゃんさ〜、お姉ちゃんに何か言おうとしてたよね〜?何言おうとしたのか気になる〜wwねー、ゆきちゃん。」

こなた「………『アレ』から一月来てないんだ……だから!………もう…やめ…」

みゆき「随分と酷いおっしゃり様ですね。まるで私達が何かした様な。確かご自分から『何でもするから許してほしい』と言っていた様に記憶しているのですが?」

つかさ「『アレ』はこなちゃんが望んでセバスチャンと勝手にした事じゃん。都合悪くなったら被害者面とかウザイよ。結局まだ反省してないんだね?」

こなた「でも一回したら許してくれるって…それに写真とか……」

みゆき「思い出を写真に収めるのに理由が要りまして?」

つかさ「ってゆーか、人のお姉ちゃんに一々甘えないでほしいんだけどな。それに別に産めば良いじゃん。あの臭い奴の子供wwwwwww」

こなた「…先生に相談してみようかな。」

つかさ「どうしてこなちゃんってそういつも自己中なの?」

こなた「…えっ?」

みゆき「本来あなた一人で対応すべき問題を他人に頼る…全く反省も学習もしていないのですね。あなたは…」

こなた「……ゴメン。」

みゆき「あら?愛しの臭い彼が呼んでますわよ?」

白石「おい泉、今日も放課後良いよな。」

こなた「………。」

白石「実はさ〜、谷口って友達にあの写メ見せたら、お前に会いたいとか言いだしちゃってさ〜。」

こなた「……………ゴメン。今日は逝くトコあるから。」

白石「おいおい、そんな事言ったらあの写メみんなに…」

こなた「別に良いよ…もう……ゴメン。」

白石「???(なんだコイツ…)」

つかさ&みゆき『ニヤニヤ(・∀・)人(・∀・)ニヤニヤ』

478名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/16(木) 15:02:56 ID:T1dHKncR
イイヨイイヨー
479名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/16(木) 22:52:30 ID:XSw7LVJj
孕みENDktkr
480名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/17(金) 01:03:21 ID:Psv9giTk
こなた「やばい。1セメの習得単位数0だ…」
みさお「まだ試験結果来てねーだろ…」
こなた「いやいや、甘いのだよみさきち。私レベルになると、履修登録忘れてしまうのだからね」
みさお「…どーすんだ?教務課に泣きついて、再登録お願いしてみるか?」
こなた「あー無理無理。そもそもどれも出席してないから、サイトウ通っても.、
    出席あるヤツ全オチ確定だね。必修は全滅。選択もテストオチかくて」
みさお「おまっ。マジどーすんだよ」
こなた「練炭…しかないね」
みさお「いや、残り7セメでどーにでもなるだろ…」
こなた「めんど」
481名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/17(金) 23:01:22 ID:xV9fBpfY
ガンガン…
482名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 02:40:46 ID:iPiwrg/t
アラバマはこなかがとけいおんに逝っちまってるし
ガンガンとヤク中は行方知れず・・・・・
483名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 23:19:05 ID:qSBx9x1t
ななこ「こらーっ!お前ら何しとるんや!?」
みゆき「つかささんが泉さんをいじめていたんで注意してました」
484名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 23:36:02 ID:rdqulls1
このスレのみゆきってそーいうヤツだよな。
で、ヘタレて悲惨極まりない最期を遂げる、と。
485名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/18(土) 23:59:58 ID:RBgzhwbc
アラバマの移籍は残念だな。
よりにもよってこなたが幸せになる方に行くとは。
もう職人は居ないのか……
486名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/19(日) 00:35:24 ID:8F9UcDPv
いや、ユーフォーキャッチャーの職人が居る
487名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/19(日) 15:51:38 ID:8h/NkbBU
>>485
描いてるうちに情が移ったんだろうな。
香具師のBlogはもはやこなかがだらけだ。
488名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/20(月) 00:55:40 ID:ZIs6a1N8
>>219の続きが気になるぜ。いよいよ最終回、か。
489名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/20(月) 17:45:55 ID:oaqsrXds
続きまだー?…
490名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/21(火) 00:15:34 ID:KGvrEagW
四面楚歌が更新されてる…
491名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 02:39:48 ID:bhpoBJBa
相変わらずここの住人の脳味噌は腐り切ってるな。
こなたを自分の名前に置き換えて投稿しろよ人間の屑共が。
492名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 07:28:38 ID:n/RtQtGL
夏ですね
493名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 19:32:30 ID:yadMljUK
>>491
そー思うんなら治してくれよw
まー腐ったつーより醗酵してんだけどな。
湧いた脳味噌で、スイサイド繰り返してやる
494名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 23:44:56 ID:/B62RBpy
青酸カリ入りのお菓子を、善意を装ってプレゼントする。ついでに残り3人も巻き添えになるかもしれんが・・・
495名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/22(水) 23:55:47 ID:/B62RBpy
祭のたこ焼きの屋台に先回りし、主人を監禁して入れ替わる。そしてこなたが買う時に
隙を見て、たこ焼きの中に青酸カリを仕込む。
496名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/23(木) 00:08:03 ID:OGd8zSmx
話を軽く考えてみた

よろしかったら暇つぶしにでも 
 
【人柱】
 
「私が・・・祖国の為に・・・犠牲になります」
 
高校生のこなたは、とあるアニメを見ていた。そのアニメのヒロインは、自分の国を救うため、自ら崖から身を投げた。
 
次の日のかがみとこなたの電話
 
「おいーっす。夏休みだからって、毎日アニメ見てだらけてんじゃないわよ?ちゃんと宿題やってんの?」
 
「ねぇかがみ、私、みんなのためなら死ねるよ。」
 
「はぁ!?あんた、何言ってんの!?暑さで頭おかしくなったんじゃないの!?」
 
「私ひとりの犠牲でみんなが助かるならそれでいいのだよ、かがみん」
 
「あー、あれでしょ?どうせまたアニメやゲームの影響でしょ?まったく。現実にそんなこと起こり得ないっつうの。」
 
その時は二人とも夢にも思っていなかった
 
まさかあんなことになるなんて・・・
 
「ふぅー、やっぱネット注文にしとけば良かったかな・・・新刊買いに行くのもだるいなー
あれ・・・Aじゃん。奇遇だね、こんなとこで会うなんて」
 
こなたは街で偶然クラスメイトのAに遭遇した
 
「泉・・・お前はいいよな、悩みなさそうで」
 
「あれあれ?何気にひどいこと言われちゃってるな私。」
 
その後二人はビルの八階にある喫茶店でお茶した
 
「俺さ、もう人生嫌なんだ・・・」
 
「んー・・・でも嫌でも生きていくのが人生だよー?」
 
「お前に何が解んだよ!!」
 
Aはこなたの腕を強引に引っ張って屋上へ走って行く
 
「ど・・・どうしたの?A?」
 
「お願い・・・泉・・・俺と一緒に死んでくれ」
 
「A・・・・・・」
 
こなたは必死に説得するが、Aは死ぬ意志を変えようとしない
 
「・・・わかったよ、一緒に死ぬよ」
 
こなたはAを抱きかかえてビルの屋上から身を投げた
 
終わり
497名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/23(木) 08:43:25 ID:fOUNjTvM
Aって誰だよw
498名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/23(木) 18:05:33 ID:OGd8zSmx
>>497
とりあえずAは6巻の86ページに出てくる人にしとく
 
こなたとそこそこ仲いい男子
499名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 00:02:47 ID:59vjbD6b
まとめ見たんだが

『普通にいじめ 〜壮絶なイジメと闘う少女の物語〜』の動画が3つとも消されてた・・・
イラストだけでも見たいんだが見当たらない。誰か持ってる人いませんか?
500神奈川(≡ω≡.):2009/07/24(金) 07:28:44 ID:94taR5q0
「どしたの? もしかしてビビった? (≡ω≡.)」
「ウヒュヒュ、根性無しだなぁ〜 (≡ε≡.)」
「じゃあ、先に飛び降りてあげる。いっくよ〜 (≡ω≡.)」

「ヒャァァァァ〜〜〜〜〜〜〜 \(≡Д≡.)/」



グシャ!


A「あんなんになったら、父さん母さん泣くだろうな…… 」
A「ありがとう泉。お前のおかげで立ち直れたよ! 」
A「お前の分も楽しく生きてやるからな! それじゃ! 」


ななこ「泉が死んだそうや。葬式行きたい奴は行きぃ、なんぼの得にもならんけどな。」
ななこ「与太話はここまで、授業始めるで。」

(終)


なんてどう? 
501名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 10:56:23 ID:2gBW4htv
>>500
A、殺人罪てきよ
502名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 16:34:38 ID:V+62fwuv
横須賀線の自動放送は違和感あるなぁ〜
503名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 22:05:27 ID:defZtOk8
>ななこ「泉が死んだそうや。葬式行きたい奴は行きぃ、なんぼの得にもならんけどな。」
>なんぼの得にもならんけどな

あー、これ真理だわ…。葬式は僅かの得にもならないね。
しかも誰も得しないね。お寺とか葬儀会社とかくらい。
てか遺族にしても、悲しみを癒す期間与えられず葬式の準備に取り掛かんなきゃイケナイ、
って苦痛以外の何物でもないよなーっと。
504名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 22:09:43 ID:defZtOk8
そういった事を見事に透徹している神奈川さんが、ボクは大好きです。
それと…人口大阪越えおめ^^
505名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 03:11:18 ID:2oZ3qO9o
恋という字をー
506名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 12:52:11 ID:XeuofKPn
落とします。
507名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 12:52:55 ID:XeuofKPn
IFのお話。もしものお話、落とします。
508こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 12:54:15 ID:XeuofKPn
もしもこなた達が1985年に生まれていたら

◆──2006年10月
こなた「みさきちー、カラオケ行かない?」
みさお「いかねーよ」
こなた「なんでさっ」
みさお「就職のガイダンスあんだろ…。出ねーでどーする心算だよ?」
こなた「むー。まだ大学三年の10月じゃん。
    就活なんて四年になってから始めればいーよ」
みさお「キャリアプランどーすんだよ。自己分析やら業界研究やらやらねーと、
    何処受けていいかも、面接で何言っていいかも分かんねーぞ」
こなた「年明けでいーよ。コミケの準備に忙しくて、年内は動けそーにないのさ。
    遊ぶ暇はあるんだけどね♪」
みさお「あのなー、早いヤツは夏休み辺りからおっぱじめてんだよ。
    私達は出遅れてるんだ。それに、大手はES提出やらWEBテストやらが、
    年明けから始まるんだぞ?危機感持てよ…」
こなた「でも売り手市場だし、テキトーにやっとけば通るよ。
    先輩達も、イイトコ内定キメてんじゃん。就職率や大手内定率もハンパなく高いし」
みさお「…実態知ってっか?出来るヤツに内定が集中してっから、そー見えるだけなんだよ。
    内定複数抱えるヤツと、無い内定のヤツに二極化してんだ。
    格差があんだよ。どっちの極にウチラが入るか、この秋が勝負の分かれ目だぜ?」
こなた「大丈夫大丈夫。稜桜だってチョチョイで受かったしね。
    私はラストスパートに強いのさ。それにこの秋の過ごし方が、コミケの戦果を分けるっ。
    業界研究だの自己分析だの、私にはやってる暇はないね」
みさお「馬鹿に付ける薬はねーな…」


◆──2007年春
こなた「もう春かー。そろそろ就職活動始めようかなー。
    でも大手は内々定出始めてるって訊くし、大手狙うには少し遅いかな。
    それにまだ働きたくないよ。そーだ、院に内部進学しちゃおーかな。
    モラトリアム延長しようっと。それに大手金融狙いたいから、
    少しはお勉強もしときたいしねー。証券外務員2種くらい、
    修士課程やってるウチに取っとこうかな」

509こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 12:55:11 ID:XeuofKPn


◆──2007年夏
アナウンサー「サブプライムローンが…」
こなた「?」

こなた「ねーみさきちー、サブプライムローンって何?」
みさお「おめーニュースくらい見とけよ、就活生だろ?
    時事問題どーすんだよ。
    まーそれはそーとアレだ、サブプライムローンって言うのは、
    アメリカで貸し出されている低所得層向けの住宅ローンの事だ」
こなた「ふーん。で、それがどーして問題になってるの?」
みさお「低所得層が顧客層だから、とーぜん返済される保障はねーよな?
    でもな、地価の上昇による資産価値の高騰により、
    充分担保は補償される、そういう考えによって低所得層にもバンバン融資実行したんだ。
    ところが、最近になって前提とされていた地価の上昇に翳りが出てきた。
    そいつが問題になってる」
こなた「そっかー。それで返済に滞りが出たりしたら、金融機関損失出しちゃうね」
みさお「話はそれだけじゃねー。ストラクチャードファイナンスだの、
    証券流動化だの…もっと直接的に言えば、REITって聞いた事ないか?」
こなた「ぜーんぜん」
みさお「ったく。要は不動産証券化だよ。不動産を証券化して、
    直接保有せずとも不動産に関する権利を取得するんだ。
    地価の上昇がそのまま債権価格の上昇に繋がる、
    まぁ株券の土地バージョンみたいなもんか。
    株券の場合は支配介入権が目的となることも」
こなた「あー、もういいよ。疲れた。要はアメリカの地価下落で金融機関やら投資家やらに
    損失が出そうって事だね。でもまー、日本は大丈夫でしょ。
    まだまだ好景気だし、採用意欲もハンパなく高いし」
みさお「どーかな。バブル崩壊ん時と似たような雰囲気漂ってんぜ?」
こなた「だから大丈夫だよ。そういやみさきち、就活のほうはどーなの?」
みさお「とっくに内定出てんよ」
こなた「おめー」
みさお「おめでとうじゃねーよ、お前はどーすんだ?就活してる素振りねーけど」
こなた「院進学するから、大丈夫だよ。内部だし、そんなに倍率高くない研究室だから楽勝」
みさお「ふーん」


◆──2007年秋
こなた「私もかがみも院受かったし、他の皆もイイトコ内定貰ったりしてるし、
    私たち安泰だね♪」


◆──2008年春
アナウンサー「未だに就活前線は売り手市場で…」
こなた「やっぱり♪私が就活始める来年まで続くだろーね、確実に。
    それに引き換え、就職組は大変そうだよ。
    名詞配り1日100枚とかのノルマ、研修で課されてる人も居るそーじゃん」


◆──2008年夏
アナウンサー「空前の内定率を…」
こなた「やっぱりみさきちの心配は杞憂だったんだね♪
    日本経済も世界経済も強い強い」
510こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 12:56:07 ID:XeuofKPn


◆──2008年初秋(9月頃)
アナウンサー「リーマンブラザーズがっ」
新聞紙「メリルリンチ、経営危機へ!」
リーマンブラザーズ破綻!
メリルリンチ救済へ!
こなた「ちょっ、どーなってんの!リーマンブラザーズって言ったら、
    ライブドアのフジテレビ買収劇の際に暗躍して大利得たトコだよね…。
    そこが破綻。それと…メリルリンチ証券って言ったら…
    経済に疎い私ですら知ってる伝統ある超大手じゃん。
    ニュースやら新聞やらに出まくりコメント出しまくりの…。
    その二つが…破綻やら経営危機?もしかして…ヤバイ?
    モラトリアム進学せずに、就職しといた方が良かったのかも?」


◆──2008年9月終わり頃
アナウンサー「リーマンの受け皿やメリルリンチの救済に、
       野村を初めとする国内金融機関が名乗りを上げ…」
コメンテーター「空前の好景気で資金が潤沢な邦銀や国内証券会社が、
        米系の金融機関を買収しようと攻勢強めてますねー」
こなた「やっぱり日本は強い♪私も大丈夫大丈夫♪…きっとね。
    ダイジョブ、だよね…?」


◆──2008年10月初め
新聞紙「アメリカ発金融危機、ヨーロッパに飛び火へ」
経済誌「日本もヤバイ!?」
こなた「…ダイジョブ、だよね?私の進路選択、間違ってなかったよね?」


◆──2008年晩秋
新聞紙「内定取消相次ぐ」
アナウンサー「内定の取消が相次いでおります!」
別局アナ「企業の中には、内定を取り消した学生にお金渡す事によって…」
コメンテーター「企業の採用責任が問われてますねー。労組も学生の救済に立ち上がっている模様です。
        まぁ、今更内定取り消されてもリクルート生は困るでしょうねー」
別局コメ「春先に大量に内定を出しすぎたが、企業業績が急激に悪化したので
     採用できなくなった、という事が背景にあるそうです」
こなた「…」

こなた「もしかして…本格的にヤバイ…のかな?」


◆──2008年冬〜2009年冬
こなた「採用激減かー。第二次就職氷河期宣言も経済誌から出されたみたいだし…。
    アメリカではビッグ3の経営危機、日本でも派遣切り…。
    いよいよ以って、大変な事になってきた。
    そーいえば、契約切られて自殺した人も居たっけな。
    私もそーなっちゃうのかな…嫌だよ、死にたくないよ」
511こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 12:57:54 ID:XeuofKPn


◆──2009年春
こなた「受からない…。さっぱり受からない。ESがそもそも通らない。
    通っても面接落ち。倍率が高すぎるよ…」


◆──2009年初夏
こなた「やっぱり受からない…。あ、そーいえば大学院進学者を救済する制度があったような。
    ハロワに行って聞いてみよう。
    …現役の新卒生が、ハロワかー」

こなた「あの、大学院進学者を採用した企業に対して報奨金を出す制度があると聞いたのですが…」
窓口「あー、それ博士課程卒業者を採用した企業に対してですね。
   だからまぁ、修士課程卒生は対象外です。ってか貴女、新卒生じゃないですかー。
   対象外にも程があります」
こなた「そ、そんな…」


◆──2009年梅雨
こなた「ゆーちゃん、確か今年学部新卒だよね?どう?就活」
ゆたか「苦労したけど、なんとか内定取ったよ。本当にキツかった」
こなた「ふーん。何処?」
ゆたか「M紅。旧財閥系商社かI藤忠商事欲しかったけど、不況だししょうがないよね」
こなた「ま、まぁ、まぁまぁの企業じゃないかな。
    ほら、金融やメーカーはズタボロだし、商社はいい方なんじゃないのかな」
こなた(M紅って…。旧財クラスじゃないけど、S日と並んでネクストエンドクラスの
    大手商社じゃん。姉の面目、丸潰れだよ)
こなた「ほ、他の人は?」
ゆたか「金融やメーカー。心配だよ…」
こなた「メーカーは休業しまくってるそうだし、金融も証券流動化に伴う
    損失がどれだけ出るかまだ未知数だからね」
512こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 12:58:55 ID:XeuofKPn
ゆたか「うん。幸い、それなりに大きいところなのがせめてもの慰めかな」
こなた「大きい?」
ゆたか「みなみちゃんはコネでM菱重工。本当はM菱商事行きたかったみたいだけど、
    そこまでお父さんのコネクションは強くなかったみたい」
こなた「そ、そう」
ひより「私も金融ならせめてメガバン行きたかったけど、Rそなっすよー」
こなた(メガバンの次点じゃん…。この不況下に…。
    でもこの人たち、勉強頑張っていい大学行ったし、その後も勉強しまくってたし、
    不況でも真面目な人は強いかー)
パティ「OH!都市銀ならまだ良イ方ヨー。ワタシなんてチギンですよー?」
こなた「地銀…」
パティ「Y浜銀行とS岡銀行とC葉銀行デスー。
    何処行キマスカネー」
こなた(何れも、地銀トップクラスじゃん…。パティも、日本語かなり流暢になったしなー。
    努力、し続けてきたんだな。
    それに引き換え私は大学3年や4年になってもノンビリし続けちゃった…)
ゆたか「お姉ちゃんは?何処か決まった?」
こなた「いや…まだ。でもさ、マスターの就活はほら、学部生と違うから、
    大丈夫だよ。やっぱり専門知識活かしたいし」
ゆたか「そっか。頑張ってね^^」
ひより「私泉先輩みたく頭良くないんでよく分かんないですけど、シンクタンクとか狙ってんすか?」
こなた「…まー、そんなトコかな」
パティ「OH!カッコイイデスー」
こなた「任せてよ!」

こなた「…大口叩いちゃった。でも、ゆーちゃん達に負けてらんないし、
    かっこ悪いトコ見せらんないし、頑張るしかないっか」


◆──2009年夏
こなた「駄目だ、トコトン決まらない…」
みさお「ちびっ子ぉー、大丈夫かー?」
こなた「う、うん。頑張るよ」
みさお「無理すんなよー?てかさ、もうマスターの拘り捨てて、小さいトコとかも受ければ?」
こなた「だ、駄目だよ。頑張らないと…」
みさお「気持ちは分かるけどなー、今はほら、大不況だし。
    てか小さいトコロですら、受からないヤツ一杯居るんだぜ?
    そのくらい不況なんだ。だからさ…」
こなた「でも、ゆーちゃん達にとって尊敬できるお姉ちゃんでありたいんだよ、いつまでも。
    だから…だから…頑張んないと…」
みさお「ちびっ子…」
こなた「妹の居ないみさきちには、分からないだろうけど」
みさお「そーかよ、じゃーもー何も言わねーよ」

こなた「…何やってんだろ。みさきちも離れて行っちゃった…」


513名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 13:00:58 ID:XeuofKPn
>>508-512
今回はここまでです。次で終わらせたい所。
今回は時事ネタ取扱いつつ、色々と記号で遊びます。
記号弄して遊べるのが、文字媒体の面白いところ。
次にお目にかかりましょう。
514名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 18:47:52 ID:DbYMuiGa
>>508-512の続き投下します。
515こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 18:49:23 ID:DbYMuiGa


◆──2009年晩夏 8月 8月 8月 8月 ∞月 8月 8月 8月 8月8月8月8月8月
こなた「リクスー暑いよ…。何でこんな事に…ぐすん」
こなた(な、泣いちゃ駄目だ。堪えて頑張らないと。弱音吐いちゃ駄目なんだ…)
通行人「ん?辛そうな顔してどーしたんですか?」
こなた「あ、いや」
こなた(何でも無いと言え、私の口…。でも本心は、全てぶちまけてしまいたい。
    だってゆーちゃん達には見栄張ってる都合上、弱音は吐けない。
    お父さんにも心配させたくないから、弱音吐けない。
    みさきちとも…喧嘩別れしちゃったし。もう、私が苦しみぶち撒けて許される人なんて、
    身近には居ないんだ。…でも、見知らぬこの人なら?
    見知らぬ人なら、過度に心配される事はない。どうせ、これっきりの関係だし、
    訊いてきたのは向こうだ)
───辛いだろ?ぶちまけちまえよ
────その胸中に巣食う絶望の一端を、垣間見せてやれよ
          脳裏過ぎったその声に、孤独に蝕まれたこなたは逆らえなかった
こなた「今就活してるんですけど、中々決まらなくって」
通行人「へー、氷河期世代ってヤツですかー」
こなた「…へ?」
通行人「83年4月1日生まれ以前の前期氷河期世代には…ちょっと見えないですね。
    86年4月2日生まれ以降の後期氷河期世代ですかね?」
こなた「後期…前期…。いや、85年5月28日なんで、どちらでも」
通行人「…は?85年?83〜85は、売り手市場だったじゃないですか。
    なんだ、氷河期世代かと思って同情して損した」
こなた「!?」
通行人「じゃ、さよなら」
こなた「い、今のは一体…。生まれた年で、氷河期世代かどうか分けて、
    同情や救済の対象になるかどうか判断する…。
    それじゃ、ステレオタイプそのものじゃん。
    てかおかしいよ。確かに83〜85は売り手市場に一見見える、
    でもそれは、学部新卒時の話だよ。浪人してれば82生まれだって売り手市場、
    高卒なら87生まれだって売り手市場。
    83〜85だって、院行ったり高卒だったりすれば、氷河期にぶちあたるのに…」
─ほら、人間って単純だろ?
こなた「どーして、ストレート学部新卒時がスタンダードに置かれて考えられてるの…。
    浪人する人、高卒の人、短大卒の人、専門卒の人、院行く人…。
    色々と居るのに、どうして十把一絡げにしか捉えない…」
──ちょっと考えればおかしいと分かる事でも簡単に取り込んじまうのさ
こなた「はは…は。社会に形成された共通認識は、個々人の事情を凌駕するって事か。
    だから人は周りの期待に沿うような役割を演じているのかもね…」
こなた(でも私は…その周囲の期待に沿う役割を演じ切れなかった。
   期待を裏切った者に課されるのは、制裁だ。
   社会の期待を裏切ったのなら、制裁を課すのは社会そのものか…。
   とてもじゃないけど、耐え切れるワケがない。
   いっそのこと──)
516こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 18:50:35 ID:DbYMuiGa
──死んじゃおっかな──
通行人B「ん、何か辛そうな人居るねー」
こなた「ほうっといてよ。内定貰えないマスターだよ。笑いたきゃ笑えばいい」
通行人B「笑わねーよ。代わりに言ってやる。自己責任だよ、お前の状態」
こなた「自己責任…」
通行人B「そーいう事らしーぜ。その一言で全て片付くらしーぜ。
    少しでも落度があれば自己責任。この言葉の意味するトコロ、何だと思う?」
こなた「自分の将来や状態については自分で責任を負え、そういうところでしょ?」
通行人B「もうちょっと具体的に言ってみな?責任という言葉を使わずに、説明してみな?」
こなた「自分の選択の結果なんだから、その結果については自分で引き受ける、って事でしょ。
    或いは、自分の人生なんだから、起きた事については自分が引き受けるしかない、
    って事でしょ」」
通行人B「はっ、違うな。責任を何だと思ってやがる。お前もアイツラの一人か?
    責任という言葉を、都合よく使おうとする人間の一人か?
    いいか、よぉーく考えてみろ。今お前が言った事な、
    それ、当たり前の事なんじゃねーのか?自分の人生なんだから、
    その人生で起きた事については自分で引き受ける。
    そんなの当たり前だろーが。能動的主体的に引き受けようって話じゃない、
    そうならざるを得ないだろうが。自分から積極的に責任を負おうなんて考えるまでもなく、
    そうなっちまうんだぜ?そもそも回避なんてできない。
    だからさ、本来その程度の意味しか持っていないのなら、
    そいつに”責任”なんて言葉を用いる必要はない。んな重い言葉、用いる必要はない」
こなた「…。そりゃ、そうだけどさ」
通行人B「てゆーかなぁ、自己責任っていう言葉自体おかしいんだ。
    責任っていう言葉はよ、本来何かを遂行する義務であったり、
    悪と認定される人間の特定であったり、
    或いは賠償義務か原状回復義務を指す言葉なんじゃねーのか?
    つまりな、責任ってヤツは他者に対して負うものなんだよ。
    自己に対して負うものじゃない。
    ってか考えてみろ、チビ。その小さい身体に不似合いなくらいにどでかい脳みそ使って、
    よくよくよく考えてみろよ。責任を遂行される側は、
    責任を負う側に対して免責する権利を持っているよな?
    当たり前だ、恩恵を受ける側が恩恵なんて要らないと言うのなら、
    恩恵を授けなければいけない側の義務は消滅するんだから。
    そいつを自己に対して負うってどういう事だ?
    債権の行使主体と債務の履行主体が同一人に帰するのと同じ効果になるだろうが。
    自分で自分を免責できる事になる。だから本来、自己に対して責任なんて負い得ない。
    問題にすらそもそもならない」
こなた「でも、世の中には自己責任論ってのが蔓延ってるよ?
    実際に、強い力を持っている」
通行人B「ああ、持っている。強い力を持っている。
    毎年々々多くの人間に自ら死を選ばせるくらいに強力な力を、持っている」
こなた「でもおかしいよ。貴方の話では、自己責任なんて存在しないと…」
通行人B「本来なら存在し得ないとは言ったがな。だからな、
    責任という言葉の意味とは別の意味で、存在しているのさ。
    自己責任という言葉の真の意味はな、
    不遇な環境・状態を押し付けるっていう事なんだよ。そこに少しでも落度があれば、な」
こなた「どーいうこと?」
517こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 18:51:49 ID:DbYMuiGa
通行人B「お前の今の状態は、お前が過去に選択に失敗した結果だ、或いは、
    失敗があった結果だ。お前のせいだ、自業自得だ。
    だから、今の境遇に文句垂れるな。救済なんて一切求めるな。
    お前に落度があったんだから、受け入れろ」
こなた「…。それこそ、当たり前の事のように思えるよ。
    失敗したのなら、それについての損害は自分で被らないといけない。
    自業自得なら、多少の不利益は蒙らないといけない…」
通行人B「そーだなぁ、自業自得なら、不利益は蒙らねーとなぁ。
    失敗したんなら、その失敗は受け入れねーといけねーよなぁ。
    け、ど、な。文句垂れるな愚痴零すな、って結構不可能な事要求してねぇか?
    お釈迦様じゃねーんだぜ、人間なんだぜ。愚痴の一つも出るだろーよ、
    失敗した日にはよ。
    それとな、失敗や選択ミスがあったのなら、例えそれが予見可能か否かを問わず、
    人生破滅しても致し方ない、ソイツを押し付けてんのさ。
    自己責任、という言葉に…いやいや造語によってな。
    ははっ、コイツは重い!重すぎる!
    でもな、誰かが破滅しても自己責任の一言で片付け、
    公的救済の必要性を認めねーヤツにしたってよ、
    自分が同じ目にあったらきぃっと情けない声上げて救いを求めるだろーぜ。
    それこそ、神の慈悲を乞うヤツラみてーにな。或いは…」
こなた「或いは?或いは何?」
通行人B「世界そのものの破滅を願うか、だな。お前も経験ねーか?
    自分が辛い境遇に陥った時、
    世界中で自分一人が不幸になったかのような錯覚に見舞われた経験が、よ」
こなた「…無いとは言い切れないよ。甘えた心だ」
通行人B「まぁそう自虐的になんなって。別に責めてるワケじゃねぇからさ。
    誰もが陥る錯覚さ。そりゃ世界中に不幸なヤツはゴロゴロ居るさ。
    日本限定にしたって、な。更に言えば、同じような不遇に見舞われたヤツだけでも、
    大勢居るだろーねぇ。余程特殊な事情じゃない限り、な。
    でもな、その同じような辛苦背負ったヤツとコンタクト取れない限り、
    そいつは孤独なのさ。一人でその重荷、背負わなければいけない。
そういった意味じゃ、ソイツが…或いはお前が、世界中で一人だけ不幸、
    ってのもあながち間違いじゃねーかもなぁ。
    んで、そういった心理状態に陥ったヤツは、世界そのものを憎むようになる。
    その憎んだ世界の、破滅を願うようになる。
    何故か自分が周りと同じ立場になる事を願わずに、
    周りが自分の立ち位置まで堕ちてくる事を願うようになる。
    何故か自分の幸福より、周囲の不幸を願っちまうんだ」
こなた「…」
通行人B「それと、よ。どーして他人がソイツの失敗責めるんだ?」
こなた「失敗したら、そりゃ責められて当然なんじゃないの?」
通行人B「ああ。その失敗によって不利益蒙った奴は、責める権利はあるだろーさ。
    損害賠償責任を追及する権利も、な。
    だが、無害無関係な第三者はどーだ?何でソイツが他人の失敗を責めて、
    人生終了の烙印押し付けるんだ?んな権利あんのか?
    体のいいサンドバッグ見つけたから、ただただストレス発散の為に
    ぶっ叩いてるだけじゃねーのか?」
こなた「…そりゃ、無関係な人間に知ったような口利かれたらムカツクけど」
通行人B「そーだろ?それが自然な感覚だ。
    そしてまた、そのぶっ叩いた側の無関係な第三者様も何れは失敗するかも
    しれねーのになぁ。マジに自分だけは大丈夫とでも思ってんのかねぇ。
    自分と自分に親しい人間達だけは、大丈夫とでも思い込んでるのかにゃあ?」
こなた「…」
通行人B「そーいやよ、前の冬によ、派遣切りってあったの覚えてるか?」
こなた「うん」
通行人B「んで、救済するかどーするかとか、色々問題になったよなぁ。
    でもな、アイツ等、同情を買うには至らなかった。
    なぁんでだと思う?」
こなた「さぁ?」
518こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 18:53:21 ID:DbYMuiGa
通行人B「テレビの前で愚痴ったヤツが一人居たんだけどな、
    そいつが煙草吸ってる場面、テレビに映されたらしーぜ」
こなた「で?」
通行人B「で?じゃねーよ、それだけ。
    まぁ、煙草吸う余裕あるじゃねーか、という反発が視聴者に沸き起こったんだろーぜ」
こなた「なるほど。余裕見せながら救済求めたり愚痴ったりしたって、
    そりゃ反発買うよね。自己責任、って話で片付けられても仕方ないや」
通行人B「仕方ないやじゃねーよ。煙草一本だぜ?
    何、首切られたヤツでも、煙草一本でもう余裕有りと看做されるのかよ?
    そいつは凄い価値観だ。煙草一本でもう救済の必要無し、
    同情の余地無し、樹海に見送るのに異議無し、ってか。
    おいおい、んな価値観が罷り通るなら、そりゃ生活保護だって支給しなくなるわ。
    さらば憲法25条、さらば生存権、さらば人権、さらば社会権、ってな。
    そしてさらば失敗した人よ、ってか」
こなた「でも、煙草は嗜好品だよ。その嗜好品の部分を生活費に回すなり、
    色々と出来たはず…」
通行人B「ほー。しくったらもう娯楽も何もかも取り上げ、か。
    例えそれが、どんなささやかな楽しみであっても、
    或いは中毒性を有するようなものであっても、か。
    いやいや、赤貧の中でも文化を感じられる類のものであっても、か?
    文化的な生活…の部分否定してんぜ、25条のな。
    まー煙草は別に文化的でも何でもねーけどよ。ただの、毒だ。中毒性はあるけども。
    でもなぁ、煙草一本すら吸う余裕の無い状況って、それもう終わってんだろ。
    その極限状況に陥る前にとっとと手ぇ差し伸べた方が、安上がりで済むんじゃねーか?
    煙草一本の憩いすら叶わなくなるまで放置っすか、半っ端ねぇ」
こなた「…どーして、貴方はそんな事を見ず知らずの私に?」
通行人B「見ず知らず、か。妹が世話んなりましたー、とかどーよ?」
こなた「妹?」
通行人B「分からなきゃいーぜ。いやいや分かってくれなくていーぜ。
    むしろ分かってくれないほーがいーぜ、かな?」
こなた「兄が居るような友人は…確か、高校から大学にかけての友人に、兄が」
通行人B「分かってくれないほーがいいっつってんだから、詮索すんなっつの」
こなた「う、うん」
通行人B「まーそーいうワケだから、頑張って下さい」
こなた「待ってよ。訊いてないよ、どーして私にこんな話したのか、って事」
通行人B「だぁから言っただろーが。妹が世話んなりました、ってな」
こなた「理由になってないよ。妹が世話になった、その恩返しに今の話をしたって事?
    でも、どの辺が恩返しになってるの?
    私は貴方の言った事を、どう活かせばいいの?」
通行人B「…。今した話の中でお前に伝えたかった事、ソイツはな…」
こなた「そうだよ。それを訊かないと恩返しにはならない。
    …まー、その恩に心当たりが無い以上、貴方に恩返しなんて偉そうな事を
    要求する権利は私にないけど」
通行人B「いいさ、俺の自己満足だ。要求に応えてやる。
    それは…あんま自分を責めるな、って事さ。
    追い詰められた人間は、助けを求めるか身の破滅省みず噛み付くか、或いは…」
こなた「世界の破滅を願う、でしょ?」
通行人B「それともう一つ…。世界を認識の対象から外す…つまり、自殺を考える」
こなた(そうだね。それは、考えるね。それこそ考えた経験あるよ。
    それも、そう古く無い。ついさっきの事だ。そして──)
こなた「…それだけは、私に限ってないよ」
こなた(──継続中の思いだ)
519こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 18:54:30 ID:DbYMuiGa
通行人B「…ならいいんだけどよ。まー、ホント妹が世話になったからな。
    俺がアイツの親友と別れたせいで、その親友と気まずくなって
    離れちまったらしい。そん時、お前が傍で慰めてくれた。
    お前にその気は無かったらしーがな。
    そいつの兄…つまり俺が、その親友と付き合ってるなんて事、知らなかったらしーし」
こなた(誰だろう…)
こなた「でもさ、私が自殺考えたなんて、どーしてそんな突飛な発想が出てくるの。
    しかも、今日の出会いだって偶然でしょ?
    私をストーキングしてない限り」
通行人B「ははっ、ストーカーなんてしねーよ。そこまで堕ちてねーし。
    まー今日お前を見かけたのはマジに偶然さ。
    いや、偶然っつーか、お前が妹の恩人かどーかも実は確信持ってない」
こなた「…え?」
通行人B「妹から聞いてる風貌と瓜二つだからな。
    そんで、顔つきが暗かったから気になった」
こなた「その妹さんからその恩人の名前、聞いてるの?いや、別にその妹の名前言うだけでいい。
    それで本人かどうか、確認できる」
通行人B「別にいーよ、お前が誰かなんて。そいつ本人じゃなくても、
    取りあえず一人救えりゃそれでいいさ」
こなた(救っては、いないんだよ)
通行人B「…俺のオヤジの知り合い、かなり前に派遣契約打ち切られたんだ。
    派遣切りが問題になる遥か以前の話だけどな。
    子供の頃から俺の事可愛がってくれた人だったんだが…。
    結局次の仕事決まらず、自殺しちまった。
    面接で言われた台詞『派遣を選んだ貴方の自己責任でしょ』の一言が、
    粉微塵にその人の精神砕いちまったみたいでよ。
    他に選択の余地がなくとも…或いは未来予見できずとも…
    いやいや未来を甘くみていた程度の落度であっても、
    選んじまったらもう引き返せず落度があったらもう終了を押し付けられる、
    その重さに耐え切れなかったらしーぜ。
    最期に見たその人の顔と、お前のさっきの顔がだぶって、な。
    つい話しかけちまった」
こなた「…私は、違うよ」
こなた(見事な洞察力だね。選んだのが派遣か修士か。
   予見できなかったのが、派遣は不安定だったって事か、
   急な景気悪化があったかかの違いはあるにせよ、似てはいる)
通行人B「その人は言ってたっけな。ずぅっと夏休みが終わってくれないって。
    夏休み終われ、そう言ってったけな。
    なー、八月、空けるといいな。お前の八月、とっとと終わってくれるといいな。
    お前が具体的に何に苦しめられてるのか、そいつについてはよく知らない。
    まーリクスー着てるトコ見れば、大抵の察しは付くけれども」
こなた「…私は一応、新卒だよ。マスターの新卒だけど。
    無職じゃ、ない。肩書きあるから。
    終わらない夏休みと言う名の、無職期間を過ごしているワケじゃない。
    それに、八月はもう終わりに近づいてる。
    まだまだ暑いけど、次は秋がくる。冬が来て…そして春だ」
520こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 18:55:29 ID:DbYMuiGa
通行人B「…。そーいや、マスターとか言ってたっけな。
    でもな、無職状態を指してその人は夏休みだと言っていたワケじゃねーと思うぞ。
    夏休みは孤独だ。リア充と言われるヤツラならそりゃ充実してんだろーけど、
    基本的には孤独だ。そして、すぐに飽きる。長ければ長いほど、
    拘束すら求めるようになる。そういった孤独の状況を指して、
    夏休みが終わらないと言ったのかもな。
    辛き時期の代名詞として、8月と表現したのかもな。
    現にあの人は言っていたよ。
    『8という数字は、横に倒せば∞になる。転んだだけで、
     それはもう繰り返される灼熱地獄になる。エンドレスエイト、
     終わらない8月。その地獄に、俺はハマッちまったのさ』
    ってな。夏休みと無職期間を掛けて言っていたワケじゃない。無間地獄の代名詞として、
    用いた表現だったのかもな。日本じゃ4という数字が嫌忌されるが…
    8という数字こそ禍々しいと思うね。
    まー、お前を追い詰めている地獄が具体的になんであるかまでは知らないが…
    その苦痛が明けるように祈っておくよ。31日の次は1日が来るよう…
    決して32日とならないように、な」
こなた(そういった意味なら、私の8月はずっと前から終わっていないよ。
   転んでしまったあの時から、エンドレスエイトに嵌ったままなんだよ。
   でも私は分かってる、終わらせ方を!
   その人もエンドレスエイトを終わらせる方法を、知ったんだ!)
通行人B「まー、そういうワケだ。じゃ、な。…頑張れよ」
こなた「じゃーね、大丈夫だよ。私は知っているから。
    エンドレスエイトの終わらせ方。だから、もう、心配には、及びません」
通行人B「…そうか。8月、明けるんだな?良かったよ。
    エンドレスエイトに、ピリオド打つんだな?
    起き上がれるんだな?
    いや、起き上がれなかったとしても、悲しい決断だけは」
こなた「8月は、終わる」
こなた(秋も冬も越えて、春まで一足飛びに)
こなた「じゃあ、ね。あ、ちなみにね…エンドレスエイトも…ていうか8だって、
    二つに分ければ○が二つ出来るよ。だからそう、嫌忌しなくてもいいんじゃないかな。
    そうそう、厭うべき数字でもないんじゃないかな。じゃ…」
通行人B「あ、おいっ。…行っちまったか。
    ……
    …
    大丈夫、だよな
        本当に今の女が妹の言ってた泉こなたかどうかなんて
             どうでもいいよ
           別人であったとしても
    どうか頼むから
                      悲しい決断だけはしないで
              なぁ   」




521こなた from 1Q∞5:2009/07/25(土) 18:56:27 ID:DbYMuiGa


こなた(ここの建物から)
こなた「終わらせる!苦痛を!地獄を!
    このまま生きていても、どうせ過去の失敗を永遠にグチグチ言われ続けて
    負けたまま底辺を彷徨う人生しか待ってないんだ!だったら」
こなた(飛んでやる)
こなた「は、奇しくも8階立てか!しかもこの建物…部屋番103の次が105だ。
    ふはっ、そういう事だよ」

 こなたは手すりに脚をかけた。下を覗き込めば、遥か下方に横たわる地がこなたを呼んでいた。
こなた(エンドレスエイトの終わらせ方…それはね…転んだ∞を起き上がらせて
   8に直すって方法じゃない。だって、一度転んだらもう起き上がれないのが
   この世の中だ。∞は起き上がってくれない。エンドレスエイトの終わらせ方、
   それは8を二つに分ければいいんだ)
 こなた自身、8を二つに別ければ○が二つ出来るなんて信じていなかった。
出来るのは○二つではなく
こなた「8を二つに分ければ…」
 こなたは跳躍した。エンドレスエイトを、終わらせる為に。
こなた(8を二つに分ければ…つまり8割る2は)
 空に舞ってから、地面に激突するまでの時間がいやに長い。
だがその長さが教えてくれていた。エンドレスエイトが、確実に終わるという事を。
到底、生存の望めない高さである事を。
こなた(死、だ)


◆──2009年9月
「マンションとかのオートロック機能ってさ、
もしかしたら住民を守る為にあるんじゃなくて、
自殺に使われない為にあるのかもな」
「なんだよ、また自殺の話かよ。
止めてくれ、思い出すから。先月飛び降りて死んだ、ちびっこ…泉の事思い出すから」
「…」
「つっても、忘れる事なんてできねーけどな。そのちょっと前に
ちびっ子と喧嘩別れしたきり…なんだから。
ああくそ、あっこで喧嘩なんてしなかったら、ちびっ子、止めれたかもな。
ちびっ子が死んだの、私のせいかもな」
「…。いや、もしかしたら…俺が止めれたのかもしれない。
止められたはずなのに、説得方法、間違ったのかもしれない」
「はぁ?会ったのかよ」
「いや、会ったかもしれない。お前の話とそっくりな容貌のヤツに、
その泉さんが自殺した近辺で会って話したんだよ」
「…他人の空似じゃねー?てぇかイマイマしいぜ。
8月来る度、アイツの事思い出しちまう」
「でも、8ってそう縁起悪い数字じゃないらしーぜ。
二つに別ければ、○が二つ出来る。
…受け売りだけどな。髪の長い、背の小さい、泣き黒子のある、儚げな女の…。
それが、自殺現場の近くで出会った女なんだけどな」
「馬っ鹿。○が二つできるわけねーだろ。変な事吹き込まれてんなよ。
8を二つに別ければ、二で割れば、4になるんだよ。
死を連想させる、この上ない…縁起悪い数字だぜ」
「でも、死ねば全て終わるよな。全ての苦痛から、解放される。
横に倒れて∞となった8すらも、終わる」
「だから…縁起悪いんだよ。ちびっ子には、ずっと生きていて欲しかった。
まだまだ、終わって欲しくなんてなかった。
エンドレスエイトの只中でも、ずっとアイツと夏休みみてーな気分、味わいたかった。
あの、髪の長い、背の小さい、泣き黒子のある、儚げな…
泉こなたと」

<FIN>
522名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 18:57:37 ID:DbYMuiGa
>>515-521
以上で終了です。
次の機会にお会いしましょ
523名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 19:14:45 ID:AtPgyAQF
通行人Bの話gdgd長すぎ
大した事言ってないし読み飛ばし推奨だな
524名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/26(日) 20:14:34 ID:NtgOf8UJ
次の挑戦者の方ー
525名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/27(月) 12:58:43 ID:WhUOyOd6
>>522
GJです!
セリフ長くてもストレスなく読めたよ。面白かった!
526名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/28(火) 21:38:09 ID:H23XNR34
読ませる気あんのか。
僕ちゃん賢いアピールすんなら他所でやって。
527名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 00:19:20 ID:eM9aV6Pw
かがみ「こなた、何してるの?」
こなた「あ、かがみんにつかさとみゆきさん・・・」
こなた「なんでもないよ!」
つかさ「なんかあやしいな〜何を隠してるの?こなちゃん?」
みゆき「泉さんその自動販売機ぼろぼろですね」
みゆき「しかしどうして斧なんてもってるんですか?」
かがみ「まさかこなた、自動販売機壊してお金取ろうとしてたの?」
こなた「え・・いや・・・お願い!この事は誰にも言わないで!」
つかさ「どうしようかな〜()笑」
かがみ「んじゃあこれから私達の言うことなんでもきくことね」
こなた「・・・はい」
みゆき「んじゃあまず盗ろうとした反省としてそこに正座しなさい」
こなた「はい」

こうしてこなたは永遠に正座をしました

らき☆すた 完
528名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 01:25:42 ID:qIQfMOdp
>>527
自殺してなくねwww
滅茶苦茶笑えたから別にいけどwww
529名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 07:20:28 ID:m51kmypV
>>522
原作では存在判明してるだけ未登場の半端オリキャラが出てきて
初対面相手にいきなり長々と偉そうに説教。
なんかこういう形で持論展開に入ると萎えるんだよな・・・

こなたの独白とか相手が顔見知りキャラだったらもうちょっと受け入れられたかも。
530名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 12:09:27 ID:6QGSLXbX
というより説教の入り方があまりに不自然
そこに至るまでの土台ができていれば違和感はさほどなかったはず
531名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/29(水) 12:43:10 ID:jV4NV3aY
>>527
即身仏自殺
こなたは神になりました。
532名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 00:59:00 ID:O9H5GWwA
我々は思い違いをしていた。
我々は美水かがみ先生の手で踊らされていたに過ぎないのだよ!
こなたんの誕生日は5月28日。
8はループを意味する数字だ。つまり何かが繰り返される事を意味している。
その何かのヒントが残された数字にある。
5月2日が残った。これは4月で言えば32日に相当する。
4月32日。数字だけ取り出すと432・・・つまり

じ さ つ
4 3 2

こなたは自殺を繰り返すという意味だ。
つまり先生はこのスレの存在を予見していたのだよ!
そう、このスレは美水先生公認だ。
我々は少数派ではなく先生の意思を尊重している。
本スレの連中に憚る事はない。錦の旗は我等にあり!
偶然の一致にしては出来すぎているからな。
533名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 01:37:55 ID:7+g++BrF
>>523
社会や周囲が自分の望む役割を押し付けることで、本来は自由意志によって決定されるべき問題に圧力を加える、
そういうテーマが陳腐とは思わないね。自分は。
自分が知る限り、モンテスキューは既にこういうテーマを扱ってた。最近はますます増えてる感じだけど。
自分が他者に圧力を加えてる可能性、これを気付かずにやってる可能性に思い至るかどうか、だと思う。

アタマ使うのが苦痛な人は、目を瞑ってひたすら多数派と同調するのもひとつの方法だけど。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 01:39:17 ID:7+g++BrF
×自分の望む
○自分たちの望む
535名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 12:08:46 ID:g+df91lg
テーマ云々ではなくあのキャラがここまで高説垂れるのが不自然なだけ
作者はもちろん通行人Bの台詞を主題に置きたいのだろうけど、この台詞を言わせたい! 
という思いだけが先行して浮いてしまっている
536名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 16:57:17 ID:TpTDsqmL
だよな。
いきなり面識の無い通行人(しかもこの時点では読者も正体明かされてない一般人)
が説教始めるのは話の流れ的に違和感あった。

「この作品のこなたみたいな境遇の奴に俺が物申す!」
っていう気持ちが丸見えというか・・・

でも過去の作品に在る通り、自身の持論を作中に織り交ぜテーマにする事自体は悪くないと思う。

よく見ると作者さんへの感想もほとんどは
通行人Bの言ってる内容じゃなくて通行人Bとの会話に入るまでの
展開への不自然さへの指摘だし。
537名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 18:41:22 ID:g+df91lg
オリキャラが重厚なテーマを語るのは結構だと思う
最終的にこなたが自殺するのだからスレの意義からも逸脱してないし
ただ今回の場合はBの持論があまりに現実的すぎるから、そこに至るまでの下地も
同じく現実味のある展開にしなければチグハグな印象になってしまう
この下地ができていないと初対面相手につらつらと持論を述べるBの感覚はもちろん、
それに婉娩聴従で耳を貸すこなたの行動も不可解になる
Bの論にこなたの自殺を誘うだけの相当程度の説得力があっただけに惜しい
作者の次回先に期待したい
538名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/30(木) 22:37:08 ID:NaNAlf96
>>522
最近カラマーゾフ読んだ?
539名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/31(金) 16:12:22 ID:Mzwzic8j
540JEDI_tkms1984:2009/07/31(金) 23:39:25 ID:0g4szTnV
 やっと決算手続が一段落したので執筆再開です。
541名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/02(日) 01:56:49 ID:rbvgu5P7
待ってたよ
542名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/02(日) 18:21:25 ID:Rns1UgNj
今度、神奈川風の トモダチって時間じゃないを書く予定。

あきら様とか竜崎とか小野だいすけとかシブタクとか
ブラック・エンジェルズの雪籐も出す予定。

乞うご期待!
543名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/03(月) 15:40:24 ID:TPuB+Wxv
さん☆げき☆かん あふたー

ひより「あー」
こなた「どしたのひよりん、ぐらぐらして」
ひより「いや、ぐらぐらはいつもしてるッスが」
こなた「そいやそろそろ外の世界じゃコミケの時期だねえ」
ひより「この時期になるとうずくッス」
こなた「今年は無意味に原稿書いたりしないの?」
ひより「先月右手骨折しちまったッスから……」
こなた「ヤケになってみさきちと生首バレーボールなんかするから……」


かがみ「ちょっと日下部、いい加減あんたが壊したあの窓直しなさいよ」
みさお「ごぼごぼ」
かがみ「アレ壊したのは私だって? あんたのためにやってやったんじゃない、それにあたしは立ってるのもきついのよ」
あやの「がぼごぼ」
かがみ「喧嘩しないでって? いい加減あの窓、雨が吹き込んできてうっとうしいのよ」
みさお「がぼごぼ」
かがみ「つーか、それ抜けよ」ずいっ
みさお「げほっげほっ」
かがみ「あんた10時前後以外は比較的元気なんだから、力仕事ぐらい引き受けろよ」
みさお「しょーがねーなあ」


こなた「……」
ひより「……」
みゆき「あ、あの、お二人とも……?」
こなた「物置に石膏があったから、なんとかみゆきさんを美人に戻せないかと頑張ってみたけど」
ひより「やっぱ立体はだめッスね……専門外ッス」
みゆき「すごく頭が重いんですが……」
こなた「ムーディー・Bと半々になったアバッキオみたい」
ひより「あーわかるッス」
みゆき「わかりません……」
ゆたか「お姉ちゃーん、そろそろ時間だよー」
こなた「あ、もうそんな時間? ごめんひよりん、私ちょっとハラキリしてくるから」
ひより「あたしはもうちょっとがんばってみるッス」
こなた「じゃーにー」


ゆたか「みなみちゃん?」
みなみ「……ゆたか」
ゆたか「こんなところにいたんだ、探しちゃったよ」
みなみ「……」
ゆたか「段差が上れなかったの? みなみちゃんったら、ほら、つかまって」
みなみ「ありがとう……」
ゆたか「なんだか、立場逆転しちゃったね、わたしたち」
みなみ「うん……」
ゆたか「私がみなみちゃんのこと、いつでも支えてあげるからね?」
みなみ「ありがとう、ゆたか……」
544名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/03(月) 15:55:55 ID:TPuB+Wxv
さん☆げき☆かん あふたー

かがみ「よっ、うん、しょっと……」
つかさ「」もぞもぞ
かがみ「あ、つかさ」
つかさ「」もぞもぞ
かがみ「いや、このところよりいっそう肌が土色になってきた気がしてねえ」
みゆき「こうなってしまった以上、血行など私たちにあるかはわかりませんが、確かに何もしないよりは気が休まりますね」
かがみ「昔雑誌で見た体操だからうろ覚えなんだけどねー」


こなた「ご飯食べる元気ある人いるー?」
みさお「ちびっ子、また料理したのかよ?」
こなた「なんかしてないと落ち着かないし」
みゆき「泉さん、くれぐれも火傷には気をつけてくださいね。このうえ火傷までしてしまったら地獄も地獄ですよ」
こなた「で、どう?」
みさお「あたしは気をつけないと喉から漏れちまうし、いーや……」
ひより「なんかいーにおいッス」
こなた「あ、ひよりん、ご飯どう?」
ひより「お気持ちは嬉しいですがあたしは気をつけてもダダ漏れなんで……」


ずりずり
こなた「ねえねえ、これそこに落っこちてたんだけどさ」
みなみ「あ、それは私の……」
ひより「下半身ッス?」
みなみ「これ、うまくしたらみなみんを素の身長に戻してあげられないかな?」
みゆき「まだもぞもぞ動いていらっしゃいますし、うまくしたら再結合できるかもしれませんね」
かがみ「でも、どーやってやるのよ」
ひより「こないだの石膏は未だ残ってるッスが」
みゆき「あれは……やめておくのをオススメします、経験者として」
こなた「みなみちゃん的にはどーかな?」
みなみ「私は……」
ゆたか「……」
みなみ「……このままでも、別に」
ゆたか「……みなみちゃんには、私が付いてるからね?」


ひより「……あーっ!! もう! 手が震えて書けねーッス!」
ひより「この館来てからネタの宝庫なのに!」
ひより「って、書いたところで見せる相手も売る相手も居ないッスが……」
ゴロンっ ごろごろごろごろ
ひより「あっとととと」
545名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/03(月) 16:10:30 ID:TPuB+Wxv
さん☆げき☆かん あふたー

こなた「SIRENやりたいなあ」
かがみ「常時リアルSIREN状態だってのにまだやりたいか」
こなた「プレ2持ってくればよかった」
かがみ「DSで我慢しろよ」
こなた「せめてドラクエ9買ってから来ればよかったなあ」
ひより「今頃大絶賛されてるんじゃないッスかねえ」
みさお「延期で未だ発売してねーんじゃね?」

パティ「ごめんクダサイ」
かがみ「ぱ、パティ!? あんた、どうしてここに!?」
パティ「皆さんが離島にryそのあとみさおサンたちも追ってry行方不明だというので様子を見にまいりマシタ」
こなた「あれから一年立った今になんで?」
パティ「ふと思い出したもので」
みさお「思い出すまで忘れてたのかよ」
パティ「皆さん、仮装パーティー中でいらっしゃいマスカ?」
ひより「やーなんつーか……パティ」
パティ「fm?」
ひより「……仲間が増えて嬉しいッス」
パティ「ひよりん、一体なにを


こなた「……ガラスまみれかー」
かがみ「あーあ、この戸棚気にいってたのになあ」
みさお「たしかツボとか燭台とか入ってたよな?」
パティ「う、うう……い、イタイです……こんなに血が出てマス……」
こなた「あ、復活した」
パティ「み、皆さん、コレは一体……」
ひより「パティ」

「「「「ようこそ惨劇館へ」」」」



おしまい☆
546名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/03(月) 23:57:42 ID:TPuB+Wxv
俺しか居ないんで調子に乗って


さん☆げき☆かん えくすたしー

こなた「うーん」
かがみ「何よこなた、起きるなり唸って」
こなた「なんていうか、この生活に足りないもの? を見つけちゃった気がするんだよね」
かがみ「はぁ? なによそ―――きゃあっ!?」
こなた「はいはい、怖がらないの、かがみーん? 痛いだのなんだので言ったらとっくに味わってるでしょー?」
かがみ「こ、こなた! あんた、殺人だけじゃ飽き足らず、強姦までするつもりっ!? ってか、あたしもう大概腐ってるのよ!? 正気なの!?」
こなた「うーん……確かにあんまりフルーティーじゃないけど……ま、生臭さで言ったらあたしも大差ないし? うりゃー!!」
ちゅっちゅっ
かがみ「あ、ちょ……あう、やめ、こなた……」
こなた「おお? 感度は生前のままと見たよ? うりゃー!!」
かがみ「あぁん///」


みゆき「うわ……な、なんていうか、すごいですね。あれ。お二人とも、お顔が無事だから、赴きもあるということかも痴れませんが……///」
つかさ「」うごうご
みゆき「あ、つかささん……あの、ごめんなさい。さすがに、つかささんぐらい干からびていらっしゃると、その、欲求も出てこないというか……」
つかさ「」うごうご(泣)


みなみ「あっ……ゆ、ゆたか…だめ、そこは……」
ゆたか「みなみちゃん……感じてる? 私の指で、十二指腸を犯されて、感じてるんだ? ……くすくす」
みなみ「あっ、あっ……ああっ!!」




ひより「……さすがにこれはねーッス」
547名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/04(火) 00:54:21 ID:ISsR1Gd+
何やってんだこの逸材w
548名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/04(火) 08:24:32 ID:HskGZBCc
>>199氏の作品をWIKIにうpしてくれてありがとう!
これが一番読みたかった。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/04(火) 13:07:39 ID:NpUQa9J3
さん☆げき☆かん だっしゅ!

みさお「ごくごくごく」
どぼどぼ
ひより「うわっ!? く、日下部センパイ、零れてます零れてます! あたしにかかってます!」
みさお「お、わりーわりー。つか、テーブルの上に頭置くのやめてくれよなー」
ひより「持ってるのかったるいんスよ……てか、絶対零すんだから水飲むのやめてくださいよ」
みさお「しょうがねーだろー、こんな身体でも水分補給は必要なんだから。じゃなきゃ毎晩血ぃどばどば出てねーっつの」
ひより「流血組は大変ッスねぇ」
みさお「田村はいいよなー、時間が着たらコロッと死ぬだけだもんなー」
ひより「そりゃ首は一つッスからねぇ」
みゆき「要するに穴をふさげば良いんですよね?」
みさお「あ? ちょ、眼鏡ちゃん、手に持ったそれで何を――」
バチンバチンバチン
みさお「ヴぁっ!? な、何だこりゃぁ〜〜!!?」
ひより「ほ、『ホッチキス』ッス! ちゃんとマンガ本閉じるみたいに止まってます!」
みゆき「あとはこのガムテープでぐるぐる巻きにしておいてください、とりあえず飲み物ぐらいは大丈夫ですよ」
みさお「なっ、何かこれバイキンとか入んねーかァー!?」
ひより「ところどころ腐ってるのに今さら何言ってんスか」


ひより「うぐっ」
どさっ ごろんごろんごろん…………
こなた「あれ、もうそんな時間?」
みなみ「あ、私が拾ってきます……」ずりずり
かがみ「無理しなくていーのに、そんな身体なんだから」
みなみ「拾ってきました……あの……あと、暖炉の影にこんなのがあったんですけど」
かがみ「何そのミイラ?」
こなた「あー、こりゃつかさの頭だね。こんなとこ行ってたんだ」
つかさ「」もぞもぞ
こなた「こりゃ再起不能っぽいかなー」
みなみ「水に漬けておいたら……もどらないでしょうか」
こなた「そりゃ、多分無理じゃないかなー……」
かがみ「つかさ、どーする?」
つかさ「」もぞもぞ
ぎゅっ
かがみ「……そう。じゃ、つかさがもってなさい」
つかさ「」なでなで
こなた「なんか和むにゃー」
ひより「(むくっ)あー、死んだ死んだ……あ、仲間が増えてるッス」


そろそろJEDIの人に怒られそうだからおわり!
新作楽しみにしてるからがんばってください
550名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/04(火) 14:40:14 ID:BxUU+VOI
そろそろ美水に怒られそうだが終わらせるつもりはない!
551JEDI_tkms1984:2009/08/04(火) 15:11:03 ID:XPcytNDb
 怒るどころか、もっと見たいくらいです。
今回のは今までよりずっと長く、まだまだ投稿できる状態ではないので……。
それにしても惨劇館の設定(繰り返しや死の予告時間など)をしっかり残して
ここまで面白い話が拡がるとは思いませんでした。
書き手として嬉しい限りです。
552名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/05(水) 00:06:01 ID:7ooT2wut
いだいて
553名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/06(木) 12:32:41 ID:k4EkFQAj
554名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/06(木) 23:56:06 ID:trS/OMAm
つかさ「自殺ループ!」
かがみ「自殺ループ!」
みゆき「自殺ループ!」

さんにんのおもいがひとつになったよ。
こういう時に奇跡って起こるんだよね。

こなた「何回自殺すればいいの…?」

つかさ「6回!」
かがみ「100回!」
みゆき「しゃんじゅうしゃんかい!」

ゆきちゃんがいらない事をしたからこなちゃんは自殺しなくていいよ

おめでとう、こなちゃん

さよなら、ゆきちゃん
555名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/07(金) 01:41:07 ID:1YRYTHRg
このネタ分からない。ハルヒ辺りか?
ってかあのアニメ見てないけど、まぁだエンドレスエイト続いてんの?
さて、自殺しても復活してしまうこなたん、を想像して身悶えた。
556名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/07(金) 15:51:03 ID:KaP4koze
惨劇館シリーズ書いていいですか?

あきら「白石、惨劇館って知ってるか・・・」
白石「怖そうですねえ。」
あきら「じゃあ、夏休み企画でカメラ片手に一人で行って来い!!」

そして・・・
そこで待っていたのは、10人の愛すべき死体たち。
Shikabane Princess.

変なこと書いてごめんなさい。
557名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/07(金) 18:15:57 ID:0tJ5Ky0X
一人増えている……
558JEDI_tkms1984:2009/08/07(金) 21:35:44 ID:g/WO9N5c
 ”あふたー”でパティが追加されて10人になったのでは?
559名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/07(金) 23:03:38 ID:KaP4koze
>>558
はい。パティを追加しました。

死にたいたいたいたいたいのにぃ〜
死ねないあいあいあい今夜も〜
勝手にあふれてく流血を止められない〜〜
560名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/08(土) 00:34:32 ID:v52J2DnL
このまま増え続けていけば、ゾンビが世界征服するかもね!
って、そんな話あったっけな。保管されてないけど。
こうやって、自殺の世界はリンクし続ける。
561名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/08(土) 12:50:17 ID:p7qE5f67
ああそうか、つかさも入れて10人か
562名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/09(日) 00:25:44 ID:QJlOBk0I
てえか、ガンガン・グレゴリー・中尉の合作の話はどうなったんだ?
あの三人が手を組む所が見たい…
563名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/09(日) 10:14:40 ID:xZJCp5w2
久しぶりに来た。すごくペースがゆっくりになってるな・・・。
まだ未完だけども、SS書いてる。
少しまっていてくれ。
564名無しさん@お腹いっぱい。
昏鐘鳴の音が聞こえるか?