それはほんの気まぐれだった。
ローゼンメイデンは一つのローザミスティカを7つに割り、欠片を人形に入れる事で命を吹き込まれた。
なら、人形の体内にあるローザミスティカを更に細かくしたら?
昼寝をしている雛苺に近付くと気付かれないように手足を縛り、目隠しと猿ぐつわをして何も出来ないようにする。
ここまでされて起きないとは本当に間抜けなヤツだ。
ローザミスティカがどこにあるかわからないので、適当に心臓の位置に当たりをつけて思い切り錐を突き立てた。
「ゔむ゙ま゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
飛び起きてビクビクとのた打つ雛苺を押さえ更に深く刺すと先端が硬い何かにぶつかった。
ローザミスティカに違いない。
予め用意していた金槌で錐の柄を思い切り打つと砕けるような感触が金槌を通して感じられた。
ところが拘束していたものを取ると雛苺は何事も無かったかのように起き上がり罵声を浴びせてきた。
「ばかやろうなの〜!ヒナの体穴空いちゃったの〜!なおしやがれなの〜!何とかい…?」
突然雛苺は腹の辺りを押さえて黙ってしまった。
「なん…なの?ヒナの体の中で何か動いてる…いっぱい動いてるの!!」
腹を押さえて悶える雛苺。
いったい何が……