JUM「ちょ…ワガママ言うなよ」
雛「ひーなーまーつーりーっ!!しーたーいーのーっ!!!」
ガチャッ
バシャッ
雛「あ…」
雛苺が興奮した弾みでコーヒーカップを倒し、JUMの服に掛かってしまった。
JUM「雛苺、てめぇ!」
雛「う、うゆー…」
JUM「この服、お気に入りだったんだぞ!」
雛「ヒ…ヒナは悪くないもん!」
JUM「!?」
雛「ヒナな〜んにも悪くないの!雛人形をもってないジュンが悪いの!」
JUM「な…」
雛「ヒナのおまつりの日なのに…雛人形を用意できないジュンは最低なのー!」
JUM「…いいから謝れよ…」
雛「ヒナは悪くないのー!!」
JUM「コーヒー零した事を謝れよ」
雛「ヒナはぜんぜん悪くないのー!!」
JUM「…………」
雛「悪く…ないの」
JUM「…分かった」
雛「うゆ…?」
JUM「…雛苺、怒鳴ったりして悪かったよ」
雛「わ、分かればいいの」
JUM「なぁ雛苺…お前がお雛様になってみるか?」
雛「!!なるのなるのー!雛なりたいのー!」
JUM「OK任せとけ。ちょっくらコスチューム作って来てやるからな」
雛「待ってるのー!早くしてなの!」
JUMは早速、衣装のパターン起こしに取り掛かった。
普段ならば裁縫には一切の妥協を許さないのだが、今回は形だけを早く完成させる為、
かなり大雑把に適当に仕上げた。
(どうせ、使い捨てになるしな…)
そして1時間弱で、雛苺の衣装は出来上がった。
JUM「雛苺ー、できたz……」
JUMが再びリビングに降りると、雛苺は床一面にクレヨンで落書きしていた。
雛「あ、ジューン!遅いの〜雛待ちくたびれたの!」
JUM「はは…は…」
JUM「さぁ雛苺、これに着替えるんだ」
雛「うゆ〜、これお雛さまじゃなくてお内裏さまなの〜」
JUM「こっちのほうが似合うと思ってな」
(お雛様の十二単を作るのが面倒だっただけなんだが)
JUM「ほーら、やっぱり似合ってるぞ」
雛「ヒナお内裏さまなのー!かっこいいのー!」
JUM「さぁ雛苺、ここに正座するんだ」
JUMは雛苺の鞄を改造した台座を用意した。
雛「うゆ〜正座は足が痛くなるから苦手なのー」
JUM「でも、これに座れば凄くサマになるよ」
雛「うゆー…」
JUM「我慢して座ったら褒美に雛アラレやるよ」
雛「座るのおおおおおおおおおおおおぉーっ!!」
雛苺は音速の早さで台座の上に正座した
JUM「おー、いいねいいねぇ〜」
雛「えへへ…照れるの」
JUM「じゃ、記念撮影するか。カメラ持ってくるから動かずに待ってろよ」
雛「はいなのー!」
―5分後―
雛「JUM遅いの…そろそろ足がやばいの…」
JUM「悪い悪い、お待たせ〜」
雛「ジューン…ヒナ…もう足…げんかい…なの…」
JUM「さーて、写真撮るぞ」
雛「ジュン…?ヒナ足が…」
JUM「う〜ん何かが違うんだよな〜」
雛「ジューン!」
JUM「あぁそうか!髪だ!髪型が合わないんだ!」
雛「ジューン!ヒナ足が痺れてるのーっ!」
JUM「うーん…雛苺の髪の毛…全部切っちゃえ♪」
JUMはハサミで雛苺の髪をジョキジョキ切り始めた。
雛「な、何してるのーーっ!お父様にもらった大事な雛の髪なのーっ!!」
JUM「見りゃ分かるだろ♪欝陶しいから切ってるんだよ」
ジョキジョキジョキジョキ…