「ジューン!これ何なのー!?」
リビングでテレビを見ていた雛苺が興奮気味に身を乗り出している。
画面には見事な雛人形が映し出されている。
「あぁ、そういや今日は雛祭だな」
「うゆ〜!?ヒナのおまつりなの?」
「そっか…雛苺は日本の雛祭は始めてなのか」
「きれいなお人形さんがいっぱい並んでるのー!すごいのー!」
「女の子がいる家ではこうやってひな壇に飾るのさ」
「じゃあ雛人形出してなのー!見たいのー!」
「残念だけど家にはもう無いと思うなぁ。姉ちゃんが小さい頃はあったんたけど…」
「えええーーーー!!無いのー?つまんないのー!!」
「そんな事言われても、ないものはしょうがないじゃ…」
「やーの!やーの!雛人形飾りたいの!! ヒナも雛祭したいの!したいのー!!」