あと、もう少しだ。
とその時…
ズドォオオオオーーーーン!!!
凄まじい爆発と共に、熱風が吹き荒れ、私は壁に叩きつけられてしまう。
手榴弾を足元に置いたのは、どうやら正解だったみたい。
私を追いかけてきたゾンビ達が、ちょうどそこを通った時に爆発したみたいだったから。
私は体を起こすと、下の方を見る。
ゾンビ達は、すべて吹き飛んだみたいだったけど、階段も一緒に吹き飛んでしまったようだ。
どうやって下に降りよう?
ウウン、そんなことは、かがみを助け出してから考えればいいや。
私は階段を駆け上がると、ようやく屋上の扉の前までたどり着いた。
「すぐに行くから、待っててね、かがみ。」
私はポケットの中の鍵の束を取り出すと、屋上の鍵で扉を開けた。
「かがみ!!!」
屋上の扉を開けると、すぐに私はかがみの名前を呼んだ。
でも、屋上にかがみの姿はなかった。
「かがみ、どこ?どこにいるの?」
屋上と言っても、全く何もないわけではない。
私は、拳銃を手に持って、ゆっくりと歩き出す。
とその時、見覚えのある携帯が、地面に落ちていることに気づいた。
「あれは、かがみの携帯だ。」
私はかがみの携帯を手に取ると、携帯の裏側ところどころに、血がついていた。
私の視界が、一瞬、真っ黒になる。
まさか、かがみまで……
ダメだよ、弱気になっちゃ。
携帯の画面には、入力途中のメールが表示されていた。
宛先は、私になっていた。
でも、そのメールは、まだ書いてる途中だった。
メールを書いてる途中で、携帯をほったらかしにして、姿を消すなんてことがあるだろうか?
とその時、屋上の入口の建物の裏側から、何やらうめき声が聞こえてくる。
私は恐る恐る声のする方へ、歩いていく。
一歩その音に近づくたびに、心臓がドクンドクンと凄まじい音をあげる。
なぜなら、この時、私の頭の中には、二つの予感しか、頭によぎらなくなっていったから。
それは、
@かがみが、ゾンビに食われている。
Aかがみが、ゾンビになって、他の人間を食っている。
どっちも、最悪の予感だった。
大丈夫。能天気な私の予感なんて、きっと的中率0だって…
自分にそう言い聞かせようとするんだけど、一歩歩くごとに、その予感ばかりが、どんどん強くなっていく。
建物の曲がり角までやってくる頃には、心臓が爆発するんじゃないかってくらい、鼓動が激しくなっていた。
私は大きく深呼吸をする。
かがみは、私なんかより、ずっとしっかりしてるんだし、きっと大丈夫。
自分に強く言い聞かせながら、私は一気に、物音のする方を覗き込んだ。
とりあえず、ここまでです。
続きはまた、夕方にでも投稿します。
いいところで切るなぁw
続きかなり気になる
何となくこなちゃんの自殺の方法が読めてきたw
スクールオブザデッドみたいだな
支援
423 :
326:2009/05/06(水) 17:49:25 ID:agLy6ZAj
それでは、
>>418の続きを書きたいと思います。
これでラストになります。
どれくらい、私は放心してただろうか?
その光景が飛び込んできてから、時間的には1分ぐらいしか経っていなかった。
でも、その1分が、永遠の時間のように思えた。
私の目の前には、かがみがいた。
かがみは、私に気づいていないようで、目の前の白石の死体を、一心不乱にむさぼり食っていた。
かがみの肩には、ゾンビに噛まれた傷跡があった。
きっと、かがみは、傷つきながらも、必死に屋上まで逃げてきたんだ。
でも、メールを書いている途中で、力尽きて……
目の前の光景を見た瞬間、私の中で、何もかもがガラガラと音を崩れて落ちていくような気がした。
世界が終わろうとしている中、お父さんもゆい姉さんもゆーちゃんもいない。
黒井先生も、きっともういないだろう。
そして、親友だったかがみもみゆきさんも、もういない。
こんな世界で、これ以上生きていく意味なんて、あるんだろうか?
一瞬、つかさのことが脳裏に浮かんだけど、それよりも絶望感の方があまりにも大きすぎた。
「つかさ、ゴメン。私、もうダメかもしんない。」
白石を貪り食うかがみの姿を見て、私はこの世の全てに絶望していた。
私は銃を構えると、銃口をかがみの方に向ける。
かがみは、目の前の白石を食べるのに夢中で、まだ私のことに全然気づいていない。
今なら、あっさりと頭を打ちぬける。
私はかがみの頭に銃口を合わせると、引き金に指をかけた。
あとは、引き金を引けば、あっさりとかがみは倒れるだろう。
でも、その時、生前のかがみやつかさやみゆきさんとの楽しい思い出がよみがえってくると、目の前が涙でぼやけてくる。
どうして、こんな時に、楽しい思い出なんか、思い出したりするんだよ?
卑怯だよ。これじゃ、絶対にかがみを殺せないじゃんか。
気がつくと、私はいつの間にか銃をおろしていた。
「かがみ……」
私が声をかけると、かがみはようやく私に気づいたのか、顔をあげて、私の方を見る。
私を見るかがみの目には生気がなく、かがみの口の周りは、血まみれだった。
だが、この時、普通ではありえないことが起こった。
かがみが、私の姿を見た瞬間、うろたえたように見えた。
まるで、今の自分の姿を見られたくないと言わんばかりに……
「かがみ、待たせてゴメンね。約束通り、かがみのために、お弁当作って来たよ。
いろいろあって、おかずとか、ぐちゃぐちゃになっちゃったけどね。」
私はカバンから弁当を取り出すと、かがみの前に差し出す。
でも、かがみは唸るだけで、どうしていいのかわからないようだった。
「そうだよね。今のかがみには、弁当じゃ物足りないよね。」
私は地面に弁当を置くと、両手を思い切り広げる。
私には、どう頑張っても、かがみを撃ち殺すなんて、できそうにもなかった。
それに、どうせこれ以上、こんな世界を生き延びたって、いいことなんて何もない。
生きてる間、ずっとゾンビの恐怖に、おびえ続けないといけない。
家族や親友が死んでしまった悲しみに、心を痛め続けないといけない。
「つかさ、生きて帰るって約束したのにゴメン……
黒井先生、命がけで助けてくれたのに、ゴメンなさい。
でも、私、もう生きる気力がなくなっちゃったよ。」
目の前のかがみは、私のことを欲していた。
どうせ短い命なら、せめて親友のために死にたいと思った。
「お腹がすいてるんだよね、かがみ。
待たせたお詫びに、私を食べていいから。」
私がそう言っても、かがみはまだ、うろたえているようだった。
もしかして、私のことを、まだ覚えてくれているのかな?
そう思ったら、涙があふれて、止まらなくなった。
「かがみ、苦しいんでしょ? いいから早く食べて。」
私は両手を広げたまま、かがみの方に歩いていく。
その時だった。
「ゴメン、こなた。」
一瞬、かがみの声が聞こえたような気がした。
それと同時に、かがみが、私の方に向かって走ってくる。
途中、地面に置いてあった弁当が、かがみの足に当たり、弁当がひっくり返ると、中身が地面に散らばった。
そして、かがみは私の前までやってくると、肩に思い切りかみつく。
体中に、今まで味わったことのない強烈な激痛が走った。
かがみは、私の体を食べるのに夢中になっていた。
私は激痛に耐えながら、かがみの首にそっと手をまわすと、かがみの首に誕生日プレゼントのネックレスをかけた。
かわいいうさぎの絵が書いてあるネックレス。
寂しがりやのうさちゃんのかがみに、やっぱりよく似合ってる。
でも、できれば、生きているかがみにつけたかった。
私は、体中に走る激痛に耐えながら、そんなことを考えていた。
体中に走る苦痛も意識が薄らいでいくとともに、次第になくなっていく。
ああ、もうすぐ、私は死ぬんだな。
そう思ったその時だった。
「こなた…」
かがみの声が聞こえてくる。
自分の体を食べているかがみからじゃない。
どこか別の場所から、かがみの声が聞こえてくる。
「かがみ、どこ?どこにいるの?」
周りを見渡すと、少し離れた場所に、かがみが姿を現した。
そのかがみは、私のよく知っているかがみの姿だった。
「ゴメン、こなた。私のせいで……」
そのかがみは、申し訳なさそうに、私にそう言うと、頭を下げる。
「いいよ、かがみ。そんなことより、私のプレゼント、気に入ってくれた?
寂しがりやのうさちゃんのかがみに、ピッタリだと思うんだけどな。」
「バカ、誰が寂しがりやのうさちゃんだ?
でも、ありがとう。初めてこなたから、まともなプレゼントもらったね。」
かがみはそう言うと、ニコッと笑みを浮かべる。
いつの間にか、私は、体から離れた状態になっていた。
下では私の体を、かがみがまだむさぼっていたけど、もう痛みを感じることもなくなっていた。
いつの間にか、私のすぐ傍に、かがみが来ていた。
「行こう、こなた。」
そして、私に手を差し伸べる。
どこに行くつもりなのか、聞くまでもなかった。
きっと、私達があの世と呼んでいた場所だろう。
あの世に行ったら、お父さんとお母さん、死んでいった皆に会えるのかな?
そう思ったら、あの世に行くのも悪くはないと思った。
「ウン、行こう。かがみ。」
私がかがみの手をつかむと、目の前が次第に真っ白になっていく。
できれば、天国に行けますように……
そう思いながら、私は真っ白な世界の中に、かがみと一緒に飛び込んで行った。
………なた…
どれくらい経ったのだろうか?
誰かが、私を呼ぶ声が聞こえてくる。
…こなた……
この声には、聞き覚えがある。
かがみの声だ。
でも、意識がもやっとしているせいか、かがみがどこにいるのかわからない。
もう、あの世とやらについたのかな?
そんなことを、考えていた時だった。
「いい加減に起きろ、こなたーーーっ!!!」
突然のかがみの大声に、私の意識ははっきりと目覚める。
目を覚ますと、そこは屋上だった。
どうやら、屋上で、私はずっと眠っていたらしい。
「そっか、あれは、夢だったんだ。」
そう思い、夢で良かったと安堵し、胸に手を当てた時だった。
自分の体に手を当てて、自分の身体が血まみれであることに気づく。
「あれっ、私、血まみれだ。」
しかも、お腹は引き裂かれ、辺りには内臓が飛び散っていた。
でも、痛くない。
これは、一体?
とその時、生前、ラジオで聞いたフレーズを思い出す。
『地獄が死者であふれかえる時、この世に死者が蘇ります。』
「嘘っ、これってまさか!?」
とその時、
「ようやく目を覚ましたわね、こなた。」
声のする方を見ると、そこには血まみれのかがみが立っていた。
「これは、一体どういうこと?」
私はわけがわからず、思わずかがみに尋ねる。
「驚いたみたいね。私もビックリしてるとこよ。
まさか、こんなことになるなんて…」
目の前のかがみは、まともにしゃべっているようには見えなかった。
にも関わらず、かがみの声が聞こえてくる。
「一種のテレパシーみたいなものですね。」
とその時、どこからかみゆきさんの声が聞こえてくる。
「えっ、みゆきさん?どこにいるの?」
私は周りを見渡すけど、どこにもみゆきさんの姿が見えない。
「ここだよ、お姉ちゃん。」
とその時、建物の影から、ゆーちゃんが姿を現す。
ゆーちゃんは、みゆきさんの首を手に抱えて、こっちにやってきた。
「そっか、みゆきさん、ゾンビ達にやられて…」
「お恥ずかしながら、首だけになってしまいました。
自分では動けなかったので、ゆたかちゃんにここまで連れて来てもらいました。」
みゆきさんはそう言うと、ニコリと微笑んだ。(ような気がした。)
「ゆーちゃんは、どうして学校にいるの?
確か、家でゾンビに襲われて死んだはず…」
「お姉ちゃん、私もこの学校の生徒だよ。」
ゆーちゃんがそう言うと、私は納得する。
あー、これが生前の習慣ってやつですか。
そう思いながら、私は思わず吹き出しそうになった。
生前の習慣って、私も死んでるじゃん。
なんか予想してなかった方向に
「でも、よくこの場所がわかったね。」
「だって、お姉ちゃん、かがみ先輩とつかさ先輩のために、お弁当作ってたでしょ。
だから、多分、また屋上で食べるのかなって思って。」
ゆーちゃんはそう言うと、テヘヘと笑みを浮かべた(ような気がした。)
「でも、階段は爆発で壊れてたはずだよ。どうやって、ここまで上ってきたの?」
「倒れてたゾンビの服を集めて、ロープにしてここまで上ってきたんだよ。
これって、みゆき先輩のアイデアなんです。」
おお、ゾンビになっても、さすがは、みWikiさんだ。
私は起き上がろうとしたけど、その時、お腹から、腸がこぼれおちてくる。
「あーあ、かがみががっつくから、お腹からこぼれて大変だよ。」
「だ、だって、こなたがおいしすぎるのが、いけないのよ。」
おー、ゾンビになっても、かがみのツンデレは健在ですか。
「ヘイヘイ、でも、そんなに私っておいしかったの?」
「そりゃあ、もう〜♪」
それから、かがみはまるでスイーツでも食べたかのように、しゃべりだす。
かがみの話を、みゆきさんもゆーちゃんも、ずっと笑顔で聞いていた。
いや、実際には笑顔のような気がするだけだけど…
「でも、かがみにそこまで喜んでもらえて、嬉しいよ。
それでこそ、体を差し出した甲斐があったというものだよ。」
私がそう言うと、かがみの表情が曇った気がした。
「ゴメン、こなた。本当は、こなたには生きていてほしかった。
でも、どうしても我慢できなかった。だって…」
「ウン、今ならわかるよ。だって、私も今同じこと考えてたから…」
私がそう言うと、全員無言になる。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「何、この底なしの空腹感は!?」
私がそう言うと、全員が一斉に反応する。
「でしょ?この空腹感で、目の前にこなたがいたら、誰だって我慢できないわよ。」
「お恥ずかしながら、私もお腹がすいてきました。」
「いや、みゆきさん、首だけなのに、どうしてお腹がすくのさ?」
私がそう尋ねると、みゆきさんは困った表情をする。
「さあ、どうしてでしょうね? すみません。私にもわかりません。」
「そう言うお前も、内臓空っぽなのに、どうやって消化するつもりだ?」
「私の内臓を食べたのは、かがみでしょ。」
「うっ…ゴ、ゴメン。」
「もういいよ。それに理由なんて、誰にもわかんないんだから。
でも、一つだけ確実なのは、私達が空腹であること。そんだけ。」
私がそう言うと、みんなウンと頷く。
「で、これからどうする?何か食べ物でも探しにいかない?」
かがみがそう言った時、私の脳裏に、突然、生前の記憶が蘇ってくる。
「あっ、そうだ。かがみ、つかさとみさきちは無事だよ。」
「そう、つかさ、無事なのね。よかった。」
かがみはそう言うと、ホッと胸をなでおろす。
やっぱり、こんな姿になっても、かがみはつかさの姉なんだね。
私なんか、つかさが生きてることを思い出して、別のことを考えてたっていうのに。
「つかささんですか…おいしそうですね。」
みゆきさんが、ポツリとそうつぶやく。
やっぱ、みゆきさんも私と同じこと、考えてたんだ。
つかさのすこしふっくらとした頬とか、太ももとか、想像しただけでよだれが出てくるよ。
「ダメよ、つかさはダメ。」
かがみが大声で反論する。
「どうしてさ。かがみだってお腹すいてるでしょ?」
「だって、つかさは、私の双子の妹よ。だから、つかさは私が食べるの。」
あーそう言うことね。
少しでも、かがみのことを見なおした私がバカだったよ。
「アンタ達は、日下部でも食べてればいいのよ。」
「ヒドイよ、かがみ。
私の体、こんなにしておいて、私にはつかさを食べさせてくれないわけ?
それに、つかさも、私にとっては親友なんだよ。
私だって、つかさを食べたいよ。」
私が懇願した表情でそう言うと、かがみは下を俯く。
「わ、わかったわよ。でも、食べていいのは、手足だけだからね。
お腹はダメよ。つかさのお腹は、私が食べるんだから。」
かがみが、こんなに内臓好きだとは思わなかったよ。
「じゃあ、みさきちは皆で仲良く分けて食べようよ。
あーでも、みさきちって、スジっぽくて、あんまり食べるところなさそうな感じだよね。」
「こなた、さすがにそれは日下部に悪いだろ。」
「あっ、そうだ。ゆーちゃん、みなみちゃんも一緒にいるよ。」
「えっ、みなみちゃんも一緒にいるの?」
みなみちゃんの名前を聞いて、ゆーちゃんの口から血のよだれがこぼれてくる。
ゆーちゃんも、かなりお腹すいてたんだね。
「他にも、確か5人ぐらいいたから、当分、食べるものに困ることはないと思うよ。」
「でも、3人とも体育館に籠ってるんですよね。どうやって入るつもりですか?」
「あーそれなら、私の生前の記憶が確かなら、これを使えば大丈夫なはず。」
私はニヤリと笑みを浮かべながら、鍵の束とトランシーバーを3人に見せた。
「遅いね、こなちゃん。」
こなちゃんが体育館を飛び出してから、これで何度目のつぶやきだろう?
こなちゃんからもらったイヤリングを眺めては、ずっと同じことばかり呟いてた。
「大丈夫だぜ、柊妹。きっと、チビッ子が柊を助けてくれるさ。
そんなことより、せっかくチビッ子が作ってくれた弁当、全部食べてやらないと、チビッ子に悪いぜ。」
「そうだね…」
私は日下部さんにそう返すのが、精一杯だった。
日下部さんの言いたいことは、私にもわかるよ。
こなちゃんがつくってくれた弁当だもん。
私だって、全部食べたいよ。
でも、ゆきちゃんの最期を思い出すと、どうしても吐き気を催してしまう。
それに、黒井先生の最期も、ここから見ちゃったし。
黒井先生を追いかけて、学校からすごい数のゾンビが飛び出してきて、そのゾンビが黒井先生を、あっという間にバラバラに……
あまりにも怖かったから、思わずトランシーバで、こなちゃんに呼びかけたくらいだったよ。
あの時、こなちゃんの声が、トランシーバから聞こえてこなかったら、きっと私、ショックからもう立ち直れなかったと思うよ。
しばらくして、気分が悪いのは収まって来たけど、気分がよくなると、今度はこなちゃんのことで、頭の中が一杯になった。
「こなちゃん、大丈夫かな?」
そして、また同じことをつぶやく。
どうして、もっと強く、こなちゃんを引き止めなかったんだろう?
黒井先生の最期を見てからは、後悔ばかりしていた。
お姉ちゃんには、もちろん生きていてほしい。
でも、そのために、こなちゃんまで、危険な目にあってほしくなかった。
だって、もしこなちゃんまで死んでしまったら、私一人だけになっちゃう。
姉や親友がみんな死んでしまった世界で、一人だけで生きてくなんて嫌だった。
だから、こなちゃんがお姉ちゃんを助けに行くのを、もっと強く止めるべきだったんだ。
たとえ、お姉ちゃんを見殺しにすることになっても……
「私って、ひどい妹だね、お姉ちゃん。」
「そんなこと、ないってヴぁ。」
私の独り言が、日下部さんにも聞こえたらしい。
「わ、私のことなら、大丈夫だよ。それよりも…」
私はみなみちゃんの方を指さす。
「みなみちゃん、ゆたかちゃんが死んじゃったことがショックで、一口も食べてないんだよ。」
「それに、高良も目の前で殺されちゃったからな。私が何とか慰めてみるよ。」
日下部さんはそう言うと、みなみちゃんの方に歩いていった。
日下部さんには悪いけど、今は一人になりたかった。
一人になって、いろんなことを考えたかったから……
私はバカだけど、でも、こんな私にもわかることがあった。
それは、この世界が、終わろうとしていること。
どう抗っても、私もみんなも、もうすぐ死んじゃうってこと。
だったら、最期くらい、お姉ちゃんとこなちゃんと一緒に迎えたかった。
3人一緒なら、きっと死ですら素直に受け入れられるって思った。
「だから、こなちゃん……お願いだから、早く帰ってきてよ。」
こなちゃんの笑顔を思い出すと、自然と涙がこぼれてくる。
とその時だった。
トントントン…
つけっぱなしにしていたトランシーバーから、突然、軽快なリズム音が聞こえてくる。
少したどたどしいリズムではあったけど、このリズムが、何の曲かはすぐに理解できた。
こなちゃんの好きな曲、ハレ晴れユカイだ。
「こなちゃん!!!無事だったの、こなちゃん!!!」
嬉しさのあまり、トランシーバーに向かって思わず叫んでしまい、叫んでからあわてて口に手をあてた。
私の声で、こなちゃんの居場所が、ゾンビにバレてしまうかもしれないのに、私、本当にこなちゃんの足をひっぱってばかりだ。
「何だ、どうした?柊妹?」
「聞いて、このリズム。」
私は、日下部さんにトランシーバーを渡す。
「おお、これは、チビッ子の合図じゃんか。チビッ子、生きてたじゃんかよ。
よかったな、柊妹。」
「ウン。」
これで、最期の時まで、こなちゃんとお姉ちゃんと一緒にいられる。
そう思ったら、嬉しくて涙が止まらなかった。
「じゃあ、体育館の鍵を開けないとな。
玄関の扉が開いた音がしたら、こっちの鍵もあけようぜ。」
「ウン!!!」
さっきから、ずっとトランシーバーから、こなちゃんのリズムが聞こえてきた。
「おっ、体育館の玄関の鍵を開けてるみてえだぞ。」
「早く、入ってきて。こなちゃん。」
とその時、入口の扉が開く音がした。
「入口が開いたみたいだぜ。」
「ウン」
私は体育館の鍵で扉を開けようとするが、気ばかり焦って、なかなか鍵が回ってくれない。
「柊妹、焦りすぎだってヴぁ。」
「だって、だって、この向こうにこなちゃんとお姉ちゃんがいると思ったら……」
一刻も早く無事な姿を見たい気持ちを抑えて、私はゆっくりと鍵を回す。
カチャリ
「やった、開いたよ。」
そして、私は満面の笑みで、勢いよく、体育館の扉を開けた。
「お帰り、こなちゃん、お姉ちゃん。」
−World's End 完−
支援
>>431 乙です。でも・・・
ヴァ早く逃げろ!!!
というわけで、このお話はこれで終わりです。
非常に長い長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
頭を潰されたあやのはゾンビとして歩き回ることもできないのだろうか
乙
ゾンビ化した後の描写は一見ブレインデッドのようなギャググロに見えてちっとも救いの無い最悪なシーンだったw
いややっぱギャグか・・・
救いの有無の判断に困るw
ところでゾンビが世界中に大量出現した原因って結局なんだったんだ?
>>431 拝読しました。
かがみに身を捧げるか、拳銃自殺を図って終わり……と思っていましたが、
その後に蘇生させるというのはお見事でした。
ラストのつかさ達の「おかえり」はその後の悲劇を想像させるキーワードですが、
なぜかあまり残酷さや悲惨さを感じさせないものでした。
ある意味ではハッピーエンドかもしれませんね。
死んで終わり……ではないので、この後さらにこなたに自殺させるという
分岐展開を作ることも可能な幅の広いお話でした。
生前の行動を繰り返す。
本人達にとっては居心地の悪くない世界。
これ見てるとゾンビというよりSIRENの屍人を連想するなw
乙でした
こなた「さって、今年は何処のくらすかなー。」
こなた「Z組か。ってこのクラスメイト……。登校拒否したい……;;;;;;」
出
席
番
号
1. アラバマ
2. 泉こなた
3. うつ☆すた大阪
4 SF655
5. オナ禁沖縄
6. お漏らし中尉
7. 顔芸
8. 神奈川( =ω=.)
9. ガンガン福岡
10. 筋肉
11. グエムル少佐
12. グレゴリー
13. JEDI_tkms1984
14. デフォ北大阪
15〜36 .名無し
37. みゆキチ=ハンニバル=アラバマ
38. ヤク中大分
39. ヤケクソ
40. ラノベ君
担任=千葉県(初代1)
こなた「人生オワタ\( =ω=.)/」
お待たせしております。
>>357-362の続きです。
このスレは他の職人さんの仕事が速くて感服させられます。
自分は元々&現在椎間板ヘルニアで遅筆に拍車がかかってます。
待っている方には申し訳ありません。
*
友達の友達は皆友達だ、世界に広げよう友達の輪
*
気がついたときには、カーテンで区切られた白一色の無機質な部屋の中、やたらと高い
ベッドの上に寝かされていた。
────ここ、は…………
夜の闇が辺りを包んではいるものの、足元の方でところどころ、蛍光灯の白い光が見え
る。それとは別に、赤やら青やら緑やらの、LEDや液晶ディスプレィの表示がチカチカと
している。
自分の身体の自由が利かない。あまりにも気だるくて動くのすら億劫だったのだが、そ
れに加えて両腕の肘の裏に何かが接続され、その上から厚ぼったく包帯を巻かれて自由を
奪われていた。
────病院、か…………
それだけが認識できた。
大量の失血により意識が朦朧とし、それ以上の状況判断は無理だった。
総合病院のICUのベッドの上で、こなたは再び意識を手放し、眠りについた。
*
再びこなたが意識を取り戻した時、前よりは明瞭に状況を判断することが出来た。
────私……結局、死に損なったんだ……死ねなかったんだ…………
ICUから病室に移されてはいたが、相変わらず腕には点滴、全身に計測機器が取り付け
られ、小型の心拍測定装置が取り付けられている。
────ダメだよ……これじゃ……私……つかさに償ったことにならないよ……
こなたは強迫観念に取り憑かれたようにそのことを考える。
途端に、目頭が熱くなってきたような気がした。
────最初に頚動脈いっとけば、こんなことにならなかったかね……
自嘲気味に、そんなことまで考える。
────そうだ、今度は、ちゃんと、つかさの、見てる前、で…………
すぐにそう考え付くと、身を起こした。
腕と首の傷口に、激しい痛みが走ったが、それにも構わない。
周囲を見渡す。幸いにして誰もいない。父親の姿もなかった。
致命的な罪悪感に苛まれるこなたは、常人離れした精神力、というより精神状態で以っ
て、ベッドを降りると、自らの足で歩き、病室を出た。
ばたん、と扉が閉まり、
「お姉ちゃん?」
と、その直後に、声がかけられた。
びくん、と身体が硬直するように反応する。
「ゆ、ゆー、ちゃん?」
声の主を振り返った。そこにはこなたの想定通り、ゆたかが立っていた。
「だ、ダメだよまだ動いちゃ!」
私服姿のゆたかはこなたに駆け寄ると、慌てふためいた表情で、強い調子で言う。
「い、いやちょこーっと、トイレに行こうかと……」
「それでもダメなの! まだ絶対安静なんだから! 傷口開いちゃったらどうするんだ
よ!」
こなたは咄嗟の思いつきで、いつもの軽さを装って誤魔化そうとしたが、ゆたかはそれ
でも引かず、たった今出てきたばかりの病室の扉に追い詰められた。
「う……ご、ごめん、ゆーちゃん!」
こなたは表情をゆがめると、点滴と計測器の吊るされた点滴台を掴み、ゆたかがきたほ
うとは逆にするりと抜けて逃げ出そうとする。
「あっ! お姉ちゃん」
ゆたかは一瞬遅れて、こなたを追った。
普段なら、あっという間にこなたはゆたかを引き離してしまっただろうが、今はまった
く逆だった。こなたの身体はまったく思い通りに動かず、数mも進まないうちにゆたかに
追いつかれ、背後から拘束される。振りほどくことも出来ない。
「ゆ、ゆーちゃん、お願いだよ、離して……」
「ダメ!」
はぁはぁと荒い息をしながら、こなたは懇願するように言うが、ゆたかは頑として譲ら
ない。
「お姉ちゃん、一体何があったの? どうしてここまでするの?」
こなたに後ろから抱きついた姿勢のまま、ゆたかは必死そうな声で問いかける。
「そ、それは……所謂受験勉強のストレスって奴で……」
「嘘」
間髪入れずに否定された。
「お姉ちゃん、そんな事で悩むような人じゃないもん」
「さ、さり気に酷い事言われてるっ!?」
こんな時でも、ゆたかの言葉にこなたは場違い気味に少しショックを受けて、反射的に
言葉を返してしまう。
「…………かがみ先輩や高良先輩達となにか……あったんだよね?」
声を絞りつつ、ゆたかは柔らかい口調で問い質す。
「う……そ、そんなんじゃ……ないよ」
「それじゃあどうしてここまでするの? 理由があるんでしょ? 私やおじさんにも言えな
い様な事なの?」
「そ、それは……」
「ねぇ、お姉ちゃん」
ゆたかは表情に悲壮感を漂わせる。
「お姉ちゃんは私の事妹みたいって言ってたけど、私もこなたお姉ちゃんの事は実のお姉
ちゃんの様に思ってるよ? そりゃ、私はこなたお姉ちゃんみたく1人っ子じゃなくて、本
当のお姉ちゃんが要るけどさ」
「…………」
「でも、やだよ。こなたお姉ちゃんがいなくなっちゃったらやだ。おじさんの前の言葉じ
ゃないけど、家族がいなくなるなんて考えたくないよ」
「…………」
「お姉ちゃんは、私からこなたお姉ちゃんを取っちゃうの?」
「え…………」
それまで、荒い息を立てながらも、気まずそうに沈黙していたこなただったが、瞳を潤
ませながらそう問いかけてくるゆたかの言葉に、動揺を覚えた。
「家族には取替なんか無いんだよ? たとえゆいお姉ちゃんがいても、お父さんやお母さ
んがいても、おじさんがいても、こなたお姉ちゃんの替わりにはならないんだよ?」
「で、でも私は……つかさから取替の利かないものを……」
「やっぱり、なんかあったんだね!?」
苦し紛れに出たこなたの呻くような言葉に、ゆたかは跳ねるかのように反応して、問い
詰める。
「う…………」
「何があったの? 話してくれないの?」
「それは……ごめん……」
こなたは俯き、低い声でくぐもったように言う。だが、すぐに顔を上げた。
「でも、ゆーちゃんの言葉は解ったから……理解したから……」
「ホント? ホントに?」
念を押すように、ゆたかは聞き返す。
「大丈夫……もう、こんなことしない、から……」
こなたは力なく苦笑して、そう言った。
「じゃあ……戻ってくれるよね」
「うん」
こなたの返事を聞いてから、ゆたかはこなたを離す。
こなたはゆらゆらと立ち上がった。
「車椅子、持って来ようか?」
「ううん、大丈夫……傷口も開いてないみたいだし……」
言いつつも、力なく歩き、ゆたかに付き添われて病室に戻り、ベッドに横になった。
────馬鹿だ、私…………
こなたはベッドに横になり、ゆたかに向かって穏やかな表情を作って見せつつ、自分の
愚かさを嘆く。
────私の命でつかさに償ったって、同じことをお父さんやゆーちゃんに対して繰り
返すことになるじゃんか。それじゃ何の解決にもなってないんだ…………
やがて、ゆたかが呼んだのか、医師が来て軽く診察した後、鎮痛剤の注射を受けた。
────あは……大体、お母さんの櫛、お父さんに黙って壊しちゃって……なんで、そ
こで……気付かなかったんだ……ろ、馬鹿……だ、私…………
鎮痛剤の影響で身体の緊張が緩む。身体が疲弊しているところへ急激な動きをしたせい
か、やがて痛みが消えると急にまどろみ始め、眠りについた。
*
「ゆたか」
「みなみちゃん!」
夕方になって、ゆたかの友人である1年D組の3人が、こなたの入院している病棟にや
ってきた。
談話室で腰掛けながら、それまで重苦しい表情をしていたゆたかだったが、その姿を見
ると、顔を明るくして立ち上がった。
「田村さんにパティちゃんも……」
「えへへ……一応、私達もただの先輩後輩よりは深い付き合いだし」
「コナタは Good friend で同志デス。心配するのはトーゼンダヨ?」
ひよりは苦笑気味に、パトリシアはいつも通りネアカな表情でそう言った。
「これ、お見舞いと、ゆたかに差し入れ」
みなみは、菓子折りと思しき四角い包みと、お菓子類とソフトドリンクの入ったコンビ
ニ袋をゆたかに手渡した。
「あ、ありがとう」
まだ幾分弱々しくながらも、ゆたかは笑顔で礼を言った。
「デモ、コナタのDadはトモカク、ユタカまで泊り込んでるのはナニカ理由があるんデス
カ?」
一転、表情を怪訝そうにして、パティが訊ねる。
「うん……おじさんもお姉ちゃんもいなくなっちゃうと、家が私1人になっちゃうから、
って言うのもあるんだけど……」
ゆたかは困ったような表情で、言い澱む。
「ひょっとして、やっぱりあの日、なんかあったとか?」
困惑げな表情でひよりが訊ねる。すると、ゆたかはこくん、と俯きがちに頷いた。
「あの日?」
みなみがひよりに向かって訊ねる。パティもひよりに視線を向けた。
「あ、私は詳しいところまでは知らないんだけど……」
ひよりは苦笑して、軽く手を振りながらそう言った。
するとみなみとパティは、視線をゆたかに戻す。
「なんか、つかさ先輩と何かあったみたいなんだけど、それ以上は私にも話してくれない
の」
しゅんと落ち込んだように、俯きがちのままでゆたかは言った。
「つかさ先輩とか……」
「ソレではカガミにも相談し辛いデスネ」
ひよりとパティも、困惑気に軽く俯いてそう言った。
「私達だと、年下だから、困らせたくないと思ってるのかもしれない」
みなみは、いつもの様に静かだがはっきりした言葉で、そう言った。
「でも、おじさんにも何も言ってないみたいだから……言えない様な事なのかも」
ゆたかも困惑しきった様子のまま言う。
「ソンナ事気にする必要ないんですケドネ〜」
腕組みをしてう〜んと唸りながら、合衆国的価値観でパティは言う。
「それなら、2人の事良く知ってる、3年の先輩に来てもらったらどうかな」
みなみが提案した。
「それって、3-Cの日下部先輩と峰岸先輩のこと?」
ひよりが聞き返す。みなみは一旦ひよりの方を向いて、頷いた。
「確かに、かがみ先輩達とは中学から一緒だから、良く知ってるとは思うけど……」
ひよりは俯きがちの姿勢で、難しそうな表情をした。
「日下部先輩は、お姉ちゃんとはいっしょにいることも多いけど、高良先輩達ほど仲良く
はないんじゃないかな……」
ひよりの言外の言葉を、ゆたかが口にした。
「デモ、他にコナタの悩み解決できそうなヒトがいないなら、やってみるデス」
パティが力強くそう言った。
「うん、一応、頼むだけ頼んで見て良いと思うよ、日下部先輩はそう言うトコ、情強そう
だし」
ひよりも顔を上げて言う。
「田村さんも、日下部先輩と付き合いあるの?」
「うん、ゲーセンでたまに会うよ。知らない顔じゃないし、話ぐらいはするよ」
「そうなんだ」
意外そうに言ったゆたかに、ひよりは苦笑しながら答えた。
「それじゃあ、明日……学校で、私達から2人に頼んでみよう」
「決まりデスネ」
みなみとパティが言い、ひよりも頷いた。
「ごめんね、みんな、ありがとう」
ゆたかは目を潤ませながら、3人に礼を言う。
「そんな、大げさな事じゃないっから」
ひよりが、むしろシリアス感に堪えられないといったように、苦笑しながら言った。
「ソウデス。アタシ達もコナタとはタダの先輩後輩じゃなくて、Good friend デショウ?」
「私達も、泉先輩の事は心配だから……」
パティに、みなみも付け加える。
「ありがとう……みんな、ホントにありがとう」
しかしゆたかの涙腺はさらに緩んでしまい、悲しみではない涙がぽろぽろと零れだして
しまっていた。
乙〜
最終的に完結してくれるなら投下スピードはそこまでは気にしなくて良い思います。
つじつまあわせがお見事ですね。
かがみ達の態度からしてこなたはそこまで嫌われるほどのウザキャラ仕様なのかと思ったら
後輩達にかなり慕われててそうでもないもよう・・・
続き楽しみにしてますけどお体もお大事に。
>>442 盛大に吹いたwww
>>442 自分は、つかさをビッチもしくは腹黒に仕立てたいだけで、
こなた個人に恨みはないw
このクラスだったら他の絵師に絵を教わりたいな〜
*
袖振り合うも、他生の縁
*
「あやの、どう見えた?」
先程、かがみと話していたときの、いつものようなヘラヘラとした表情から一転、みさ
おは険しい表情で、かがみをちらちらと振り返りつつ、目の前にいるあやのに訊ねた。
「嘘ついてるかどうかまでは判らないけど、やましいことがあるのは間違いなさそうね」
手に持っていた携帯電話のフリップをたたみつつ、あやのは重そうな表情でそう言い、
軽くため息をついた。
「で、どうする? 柊と同じ小学校のやつに聞いてみっか?」
みさおは険しい表情のまま、あやのと向かい合って、訊ねるように言った。
「それも考えたんだけど、でも、同じ学校の子とは限らないでしょ? 確かに、小学校で
他の小学校の子と付き合ってる、っていうのは考えにくいけど」
「そっか……」
「それに、高学年とは言ってたけど、何年か言ってないじゃない? 4年、5年、6年、どの
時に誰が柊ちゃんや妹ちゃんと同級生だったかまで、解らないでしょ?」
眉を下げた表情で、あやのは説明する。
「そんじゃ、どうすんだよ。もっとはっきりした証拠がないと、ちびっ子納得しねーぞ」
みさおは不機嫌そうに表情をゆがめて、言った。
「一気に本丸を攻めるのよ」
「おいおい、柊自身に問い質したって、すっとぼけるに決まってんじゃん。妹の方はわか
んねーけどな」
あやのの言葉に、みさおは半ば驚き、半ば呆れたように言った。
「だから、柊ちゃんと妹ちゃんの、極近いところを攻めるのよ。上手くいくかは賭けだけ
ど……失敗しても、柊ちゃん達に警告は与えられるから」
あやのはそう言って、口元で笑った。
*
こなたの容態が快方に向かっていると3年B組の生徒に伝えられ、かがみ達が放課後の階
段の踊り場で極悪な会話をしていた頃。
「んぁー?」
みさおは、すでに陸上部も現役からは引退し、教室で帰り支度をしていた。すると、良
く知っているというほどでもないが見覚えのある顔の下級生が2人、自分の教室の入り口
でキョロキョロしていることに気がついた。
「えっと、篠崎と田中だっけか」
「すみません、岩崎です……」
「田村っス……」
みさおが声をかけると、みなみとひよりはむしろ自分の方が申し訳なさそうに、上目遣
いでそう言った。
「ごめんごめん、記憶違いだったんだってば」
対するみさおの方は、本当に申し訳ないと思っているのか微妙な苦笑で、頭を掻きなが
らそう言った。
「でー、柊に用ならもういないぜー。なんかそそくさと帰っちゃったぜ」
みさおはいつもの様に緩んだ表情で、そう言った。
「いえ、今日は日下部先輩にお願いがあって……」
「え? 私に?」
みなみが静かに言うと、みさおは軽く驚いてキョトン、として、聞き返した。
「それと……峰岸先輩も」
「え、私も、なの?」
やはりのんびりと帰り支度をしていたあやのは、みなみに視線を向けられ名前を呼ばれ
て、同じように軽く驚いて聞き返した。
「はい、その……実は、泉先輩のことで」
人目を憚るようにしながら、ひよりがそう切り出した。
「ああ、ちびっ子? なんか自殺とかしたらしいじゃん? ばかだよなー。いくら受験が厳
しいったってさ、死んじゃったら何にもならないじゃん」
「…………、!」
みなみとひよりは、一瞬慌てて周囲を見回した。
しかし、みなみはふっと、みさおの言葉にある事実を気付き、円い目でみさおを見た。
「みさちゃん、大声で言っちゃダメでしょ!」
あやのが、脇でみさおをたしなめるが、
「いえ……助かりました」
と、みなみは言った。
「助かった……?」
あやのは軽く驚いたようにしてみなみを見る。みさおも同じようにみなみに視線を向け
た。隣にいるひよりも、どこかぽかんとしたような表情でみなみを見る。
「あの、私の同級生で……泉先輩の従妹で、今、泉先輩の家に下宿してる子がいるんです
けど」
「ああ、小田川とかいうやつだったっけ?」
「小早川よ、みさちゃん」
みなみが切り出すと、みさおが聞き返すように言い、それにあやのがツッ込んだ。
「ちょっとした記憶違いだってば」
「その小早川さんから聞いたんですけど、泉先輩の自殺の理由、本当は受験のことじゃな
いらしくて」
みなみに代わって、ひよりが説明を続ける。
「んぁ?」
「なにか、あったの?」
みさおはキョトン、としつつ2人の顔をまじまじと見、あやのは少しだけ表情を険しく
して、聞き返した。
「詳しくは知らないんですが、つかさ先輩となにかあったみたいなんです」
「妹ちゃんと……」
「ほへ」
「それで、そのせいでかがみ先輩や高良先輩とも上手くいってないらしくて」
「ふーん」
みさおが間延びした返事をしながら、かがみの席の方に視線を向け、すぐに元に戻した。
「でも、そんくらいで自殺なんかすっかなぁ」
「私達もそう思うんですけど、とにかくゆたか……小早川さんにも詳しいことを話してく
れないのそうなので……」
「私達だと、年下だから気を使っちゃってるんじゃないかと思うんですよ」
みなみが困惑気な表情で言い、ひよりが同じようにそれに続いた。
「それで、あたし達の出番ってわけだな」
みさおがニカッと笑い、そう言った。
「良いんですか?」
みなみとひよりは軽く驚いたように目を円くし、みなみが聞き返した。
「おう、柊や柊妹とは中学から知ってるしな。ちびっ子が柊達と何があったんか知らない
けど、困ってるんなら話ぐらい聞けると思うぜ」
「それに、一度お見舞いに行っておいても良いしね」
あやのも穏やかに笑って言う。
「ありがとうございます」
みなみとひよりはそろって言い、頭を下げた。
「止せって。これぐらいで、なんだか照れちゃうんだってば」
みさおは擽ったそうに苦笑した。
「そんじゃ、早速これから行ってみっか?」
みさおが思いついたように、あやのに向かってそう言った。
「え、今から……?」
あやのは少し困惑したような表情で言い、
「面会謝絶とかじゃ、ないの?」
と、みなみ達に向かって訊ねた。
「あ、大丈夫です。出血も止まってますし、意識も安定してますから」
みなみがそう、説明した。
「よっし、それなら善は急げなんだぜ」
「そうね、泉ちゃんもゆっくりと休めないだろうし」
みさおとあやのは顔を見合わせて、頷いた。
*
「ちーっす、お邪魔するぜー」
ちょっと病室にあるまじき声の大きさで挨拶しながら、みさおはあやのと共に、こなた
の病室に入ってきた。
「あ、みさきち、それに峰岸さんも」
その姿を確認するや、ベッドの上で相変わらず点滴を受けているこなたは、驚いたよう
にその名前を呼んだ。
「お見舞いに来たぜー」
「どう、今は落ち着いてる?」
みさおがニカニカと笑いながら言い、あやのは穏やかに笑いながらそう聞いた。
「うん、もう大丈夫。なんか発作的みたいな感じだったから、今は落ち着いてる」
こなたは気弱そうに苦笑しつつ、そう答えてから、
「でも、どうしてみさきちと峰岸さんが?」
と、まじまじとした表情で訊ねた。
「あ、なんだよ、友達が入院してるのに、お見舞いに来ちゃまずいのかよ」
「友達……」
みさおは何気なく言ったが、その単語に、急にこなたの表情が曇る。
「柊ちゃん達と、何かあったんだってね?」
その様子の変化に、あやのが気遣うような、優しい口調で言った。
「え……どうしてそれを」
こなたはあやの達を力なく見上げて、訊き返した。
「もしかして、ゆーちゃんから?」
困惑気な表情で、こなたが言う。
「頼まれたのは確かだけどね、私達も泉ちゃんの事が心配だから来たのよ」
「水くせーぜー、ちびっ子ー」
あやのが穏やかに笑いながら言い、みさおはニカッと笑って言った。
「でも……2人にも、そんな迷惑は……」
こなたは躊躇うように、視線を2人から外して、俯いてしまう。
「あー、なに言ってんだよ、友達が困ってんだから助けるのは当然だろ?」
「みさきち……」
みさおの、少し怒り混じりの言葉に、こなたは顔を上げ、みさおを見た。
「ねえ、泉ちゃん」
すると、今度はあやのが、やはり穏やかな言葉で言う。
「『袖振れ合うも他生の縁』、って言うじゃない? 確かにお互い、柊ちゃんほど長くは
付き合ってないけど……少なくとも、袖が触れ合う以上の関係ではあるよね?」
「峰岸さん……」
「柊の事なら良く知ってるし、柊妹もそれなりには知ってるからよ、たぶん力になれると
思うんだぜ」
みさおは得意げに胸を張って、そう言った。
「2人とも……」
感激に声を上げてしまいかけたこなただったが、ふっと急に表情を曇らせると、再び俯
いてしまう。
「でも……だめだよ、私はつかさの友情を裏切ったんだから……多分2人にも、迷惑かけ
ちゃうよ……」
押し殺したような声で、言う。
「だぁから、それが何なのか話してくれなきゃ、私達はワケわかんねっつの!」
「そうよ」
みさおに続いて、あやのは少し語気を強くして言った。
「泉ちゃん、人間同士の付き合いなんて、迷惑のかけあいなのよ。そんなこと気にしてた
ら、友達なんて作れないじゃない」
「みさきち……峰岸さん……」
こなたは顔を上げ、2人の顔を見た。
「さすが、彼氏持ちはいうことがちげーなー」
「こらみさちゃん、こんな場面で茶化さないの」
みさおがあやのに向かってからかうような表情で言うと、あやのは苦笑して返した。
「…………」
こなたは、言葉もなく2人を見る。
「大丈夫、どんなことだったとしても、私達はこれ以上泉ちゃんを責めたりしないって、
約束するから」
穏やかな表情と口調に戻って、あやのは言う。
「そうだぜ、気にしないでバーンと話して良いんだってば」
みさおはドン、と胸を叩いてそう言った。
こなたは不安げな表情になりつつ、言う。
「う、うん……それじゃあ、話す、ね?」
そして、こなたは事の一部始終を2人に話した。
「はぁ!? 何だよそれ、ふざけんなっつの!」
それを訊いたみさおの第一声は、それだった。
「や、やっぱりそうだよね、私、取り返しのつかないこと……」
こなたはびくっ、と怯えたように身構え、半分泣き声で言う。
「ちげーって! 私が言ってんのは、柊達の方だってば!」
「え…………?」
こなたはキョトン、として、みさおを見る。みさおは憤りの感情を露わにしていた。
「確かに柊妹にとって、命と同じくらい大事なものだったのかもしんねーけどよ、だから
ってホントにちびっ子に自殺させてどーすんだっつの!」
むしろみさおの気迫に、こなたの方が押されかける。
「あ、でも、それは私が言い出したことだから……」
「同じことよ、泉ちゃん」
あやのが言う。
「さんざん泉ちゃんを批判した挙句、自殺するって言った泉ちゃんを止めなかったんでし
ょ?」
あやのはみさおのそれとは対照的に、静かながらも重々しく圧し掛かるような怒りの気
を纏っている。
「え……う、うん、そういうことになるかもしれないけど……」
あやののオーラのようなものにじり、と圧されながら、こなたは濁すようにそう言った。
「おお、あやのが怒った。こうなるとこえーぜー」
みさおは一瞬、おどけたように言ったが、すぐに表情を険しくした。
「でも、当然だよな、普段友達ヅラしてたくせによ。高良だって、自分のことでもないの
に、一緒になってちびっ子虐めやがって」
「え、虐めるって、でも、それは、私のせいなんだし……」
みさおの言葉に、こなたはおずおずと声を出す。
「でも、柊ちゃんはともかく、高良さんは直接の利害関係にはないわよね? だったら、友
達だって言うんなら、その場でお互いの調停役になるべきなんじゃないの?」
あやのは険しい表情で、問い質すように言う。
「それは…………」
こなたは軽く混乱する。
「確かに最初の原因は泉ちゃんにあったのかもしれない。でも、その後は寄ってたかって
なんて、これはもう制裁の域を超えてる。立派な虐めよ」
「そ……う……なの、かな?」
こなたはまだ、躊躇うような、半信半疑の声で言う。
「そうなの。泉ちゃんがそう認識してないだけでね」
あやのはそう断言した。
「大体、ちびっ子もちびっ子だぜ。そんなに困ってるんなら、私達にだって相談してくれ
たっていいのによー」
みさおは険しい表情のまま、こなたにそう言った。
「何度も言ってるかもしんねーけど、柊や柊妹との付き合いはちびっ子より長いんだぜ?」
「う、うん……でも……」
こなたは俯きがちになって、躊躇うような声を出す。
「だからそれが水くせーんだって、友達だろ、私達」
みさおはいい加減焦れたように、そう声を上げた。
「友達……みさきちは、友達でいてくれるんだ」
「ったりめーだろ。すくなくとも私にはちびっ子と友達止める理由はないぜ」
「峰岸さん、も?」
こなたが訊ねると、あやのは穏やかな表情に戻って、微笑む。
「うん、もちろんよ」
「みさきち……峰岸さん……」
じわり、こなたの目に涙が浮かぶ。
「お、おいちびっ子」
その様子に、みさおが慌てた声を出すが、もう止まらない。
「えぐっ……ありがとう、えぐっ……うっ……ぇ……っ、ありがとう、2人とも……えぐ
っ……あ、ありがとう」
「ちびっ子……」
さすがのみさおも、表情を困惑させて見守る。
「泉ちゃん、もう大丈夫だから、安心して。学校にも戻ってきても大丈夫。柊ちゃん達が
何か言ってきても、相手にしなくて良いから。私達がいるから……ね?」
「おうっ! 柊達が何かしようとしたら、私たちが守ってやるぜ」
あやのが手を伸ばしてこなたの頭を優しく撫でつつ、宥めるように穏やかに言う。みさ
おが威勢良くそれに続いた。
「ありがとう、ありがとう、2人とも、うっ、ぁ、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
後は堰が切れたように、こなたはしばらく、泣き声を上げ続けた。
*
「本当に、ありがとうございます!」
ゆたかが言い、深々と頭を下げた。
「い、良いって。そんなにされたらかえって照れちゃうんだぜ」
みさおは慌てて手を振りながらそう言った。
「そうよ、私達だって泉ちゃんの友達なんだし」
あやのの言葉に、ゆたかはその表情を明るくした。
「それで、小早川さん、もし泉ちゃんになにかあったら、私にもすぐ知らせてくれる?」
自分の携帯電話を取り出しながら、あやのは言った。
「おっ、そうだな、私も頼むぜ」
みさおもいい、ポケットから携帯電話を取り出す。
「あっ、は、はい」
ゆたかはあわてて、自分も携帯電話を取り出した。
3人とも、切っていた電源を入れなおす。
「今日は本当に、ありがとうございました」
番号とメールアドレスを交換してから、ゆたかが改めて礼を言う。
「だから、そんなに気にしなくって良いってば」
みさおが照れくさそうに言ってから、
「それじゃあ、またお見舞いに来るから」
「そだな」
「はい、よろしくお願いします」
そう言って、2人はゆたかと別れ、帰途に着くためエレベーターホールに向かって歩き
出す。
「ねえみさちゃん、どう思う?」
歩きながら、あやのが切り出した。
「どう思うって、んなん、柊達がやりすぎに決まってんだろ」
みさおは憤りの表情になって、不機嫌そうに言う。
「柊っていじめっ子っぽいよなーとは思ってたけど、まさかホントにやるとは思わなかっ
たぜ」
みさおはばしっ、と、胸の前で、左手で右手の拳を受け止める仕種をした。
「それもあるけど……そうじゃなくて」
あやのは険しい表情で言う。
「へ?」
みさおはキョトン、として、あやのに訊き返した。
「柊ちゃんの妹の話……小学校の時の男の子からもらったリボンで、その相手の子が亡く
なったって……みさちゃん、そんな話聞いた覚えある?」
「…………ない」
「でしょ? おかしくない? 中学の時は私達、柊ちゃん達と同じ小学校の子とも一緒だっ
たんだから、そんな話があるんだったら、誰かから一度くらい聞いててもいいはずでし
ょ?」
あやのの説明に、みさおの表情が劇的に変わった。
「まさか、柊のやつ!」
「断定は出来ないけど……調べてみても、いいかもしれないわね、泉ちゃんの為にも……」
あやのも深刻そうな表情で、病室の方を振り返りつつ、言った。
「みさちゃん、協力してくれる?」
「あったりまえだぜ。ちびっ子だって、今のままじゃ辛いだろーからよ」
みさおはガッツポーズをして、即答した。
「決まりね……」
支援
時系列がよく分からなくなってきたが、流れはこれでいいのか?
かがみの罠にはまってこなたがつかさの偽形見りぼんを紛失。
↓
当日、漫研の発表でこなたの様子が変なのに気付いてひよりがゆたかに相談。
↓
心配したゆたかがこなたに聞き出し、ががみ達が何か原因なのだけ知る。
↓
こなたが自殺未遂で入院。
↓
ゆたかがひより等を介してヴァとデコに相談。
↓
こなたから真相を聞いたデコがつかさのリボンに不信感を抱きかがみにカマかけてみる。
↓
ヴァやデコに感づかれたのに気付き、ゆたかが何か漏らしたのではと疑う。←話の冒頭部分
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