初音ミク 『メイト』から、『Melt』載せますね☆
(*´∇`)/
『Melt』
誰よりも早く起きた朝。
と言うより、昨夜から一睡もしていない。
昨日いきなり、姉のかがみが帰省すると、母のみきから聞かされてから、嬉しさからくるドキドキと緊張で寝ていない。
かがみは高校卒業後、大学進学で一人暮らしなので、普段はなかなか顔を見れない。だから最近はと言うと、大好きなお姉ちゃんとは、電話とメールでのやり取りが殆んど。そんな中 帰省という一報が、つかさの胸を踊らせた。
「…あ、かがみ? うん…うん…そう、もうすぐ着くのね! じゃあ楽しみに待ってるわ」
「お母さん、 電話 お姉ちゃんから? 」
「そうよ、かがみ もうすぐで着くらしいわ」
「じゃあ私、駅までお姉ちゃんを迎えに行って来るよ! 」
「あ、待って、つかさ! ……って、もう行っちゃたわ。つかさったら、かがみに会えるのがそんなに嬉しいのね」
かがみからの電話に、いてもたってもいられずに飛び立つつかさを見て、微笑ましく笑うみき。
「まったく……つかさも少しは、私達に頼ってほしいわ」
「あ〜、いのり姉さん、もしかしてヤキモチ? www 」
「ち、違うわよ! てか、笑うなぁ〜!! 」
「は〜 はいはいwww 」
「はぁ〜 つかさはかがみで……この子達はつかさが必要みたいね」
…………
……
…
「お姉ちゃん、まだかな〜? えへへ……」
駅の改札口で、かがみの到着を待つつかさ。
「この日の為に……って、別にそうゆう訳じゃないけど、買ってからまだ一度も着た事がなかったピンクのスカート、似合ってるかな? 」
恥ずかしそうに卸したてのスカートに照れる。しばらくすると、改札口からかがみが姿を見せる。
「あ、お姉ちゃん!! 」
「つ、つかさぁ〜? どうしたの? 御迎え? 」
嬉しくて思わず抱き着くつかさ。かがみはいきなりのサプライズに嬉しくて、つかさをぎゅっと胸に迎えた。
「ありがとね、つかさ………って」
「あ、うん…どうかな、これ似合ってる? 」
「…………」
「お姉ちゃん……? 」
「……はっ! う、うん! つかさ、すごい似合ってるじゃない! 可愛いわよ? 」
「えへへ……」
ピンクのスカートを着たつかさに、つい見とれてしまい、つかさの声で我に返る。
かがみ「(もう、つかさ! それ反則よ! 一瞬理性が飛んだわよ! )」
つかさ「(やった! お姉ちゃんに可愛いって、言われちゃった。てへ☆ )」
そして、二人で手を繋ぎ家路についた。
夕食はつかさが作った、かがみの大好物の料理が並び、かがみの大学での話で盛り上がった。
食後は以前のように二人で一緒になって、テレビを観て、夜は二人して同じ布団で寝た。
時間はあっという間に過ぎていった。
翌朝、かがみが帰る前に二人で遊ぼうという話になり、二人で街へと出掛けた。気分はデートだ。
今話題の映画を観て、洋服や雑貨屋を巡り、カフェで楽しい時間を過ごした。
そして店を出る時、突然 土砂降りの雨が街を灰色の世界へと変えた。
つかさは今朝、みきから朝の天気予報を懸念して、つかさにオリタタミ傘を手渡していた。晴れのち曇り、降水確率60%……微妙な予報は見事、最悪な方を選んだようだ。
姉との久しぶりのお出かけ、気分はデート感覚。だから本当は「これ」を使いたくはなかったけど、仕方なくカバンから傘を取り出した。
ため息をつくとかがみが「しょうがない。!天気予報なんてこんなものよ」と笑った。
ドキッ!
つかさの胸がドキッ! と音をたてた。その瞬間つかさは妙な感覚に落ちたような感じがした。
……もしかしてこれが恋?
雨の中の道を駅の方へと歩く。傘を持つ手がかがみの手に触れ、心なしか震えているような気がした。
胸はさっきからドクン! ドクン! と鼓動を打って高鳴っている。
つかさ「(私……お姉ちゃんが…好き! )」
しようと思えば、キスが出来る距離にかがみの唇に届いてしまう。でもそれは出来ない。もしそれをしてしまったら、きっとこの淡い気持ちと一緒に今までの関係が崩れそうな気がした。
でも、このままでも良かった。願うなら、このまま時が止まればいいのに! と本気で思った。
でも無情にも、もうすぐ駅へと着いてしまう……
改札口……別れの時。
またしばらく会えない日が続く……
なんだか、近くにいるのに遠くに感じてしまう。そんな感じだ。
-もうバイバイしなくちゃ、いけないの? -
「じゃあ、つかさ ありがとね! 」
「う、うん! ……」
-だったら-
「また しばらく会えなくなるけど……元気でね? 」
-強く抱きしめてほしい! -
「お姉ちゃんも……元気でね! 」
ドアの前だと別れが余計、辛くなるから改札口でお別れ。次第にかがみの姿がホームへと吸い込まれていく。それを見届けたあと、駅の入口付近の壁に寄りかかる。
「抱きしめてほしい……か、って………なんてね♪ 」
すぅ〜っと息を吸って吐きだして、寄りかかっていた壁から離れ、一歩、踏み出そうとしたその時……
ギュ!
「へ? 」
「えへへ、来ちゃた♪ 」
後ろから伝わる人の温もり、それは自分のよく知る者の温もり。
「えぇ〜!? お、お姉ちゃん! 電車は? 」
「見逃しちゃった! 」
「なんで、乗らなかったの? 」
「だって、そんな思いつめた顔したつかさを、1人残して行けないでしょ? 」
「え? …………お姉ちゃん…」
自分の事に気遣ってくれたかがみに嬉しくて、ついその勢いでかがみの唇にキスをした。
「んっ〜〜!? 」
「えへへ、お姉ちゃん大好き!! 」
「つ、つかさぁ〜!! 」
「えへへ♪ 」
これはまだ私とお姉ちゃんが『今』みたいに、もっと深い関係になる前のお話。でもこのあと、お姉ちゃんが自重出来なくて、私を……え、えっちなホテルに連れ込んで、その……愛し合った事は内緒です! ><
END