「つかさとみゆきが?」
こんな雨の日にあの二人で寄るところとは、どこだろうか。
「うん。多分、無駄話してるうちに帰っちゃったと思うよ」
「ふーん?」
疑問に首を傾げていると、こなたは私の右腕に巻き付くような形で抱き着いてきた。
温もりとか柔らかさが右腕いっぱいに広がってってこんな事を考えてる場合じゃ――
「私達も帰ろう。雨足も強くなってきたしね」
「分かってるけど、離しなさいよ!」
今日は鞄が重かったし、持って行かなくてもいいか、なんて言ってたんだ。
「みゆきは? みゆきは持ってきてそうだけど」
「それがさ、なんか、借りるのが心苦しくて……」
申し訳なさそうな顔をしながら頬を掻く。それを見て私は、
「私に入れてもらうのも心苦しいと思えよ」
つい、突っ込んでしまった。
言っている事は何となく分かるのだが――条件反射って恐ろしい。
「だってかがみは私の嫁じゃん? 頼み事なんて当たり前でしょー?」
わざとらしく語尾を延ばし、その一言を強調する。
しかし、その、わざとらしく強調されたその一言は、問題発言以外の何物でもなくて。
「誰があんたの嫁か!」
「かがみが私の嫁だ!」
「な、あ……!」
そこまではっきりと返されると、なんというか、言葉に詰まる。
こなたは真っ赤になっている私を見つめ、ほんの少しだけ考える素振りをして、体を翻
こなたのベッドに寝るなんてそうそう出来る事ではないから。
そこまで考えて、どっと自己嫌悪の念が押し寄せた。これではまるで、まるで変態か何かみたいじゃないか。
好きという気持ちはもっと純粋で、綺麗なもののはずなのに。
女の人は身体的な触れ合いよりも気持の繋がりを大事にするというけど、場合によりけりだな
と思う。恋しいとこなたを想う気持ちは、私とこなたが同じ性別である以上
隠し通していかなければならないものだと思うし、それは自分のためというよりも
こなたのためだった。ずっと私だけを見て欲しいだなんて
こんな身勝手で凶悪な気持ち、こなたにぶつけてしまったら。
だけど、自制することでますます想いが強くなっていくのもまた、事実だった。
こなたのベッドに寝るなんてそうそう出来る事ではないから。
そこまで考えて、どっと自己嫌悪の念が押し寄せた。これではまるで、まるで変態か何かみたいじゃないか。
好きという気持ちはもっと純粋で、綺麗なもののはずなのに。
女の人は身体的な触れ合いよりも気持の繋がりを大事にするというけど、場合によりけりだな
と思う。恋しいとこなたを想う気持ちは、私とこなたが同じ性別である以上
隠し通していかなければならないものだと思うし、それは自分のためというよりも
こなたのためだった。ずっと私だけを見て欲しいだなんて
こんな身勝手で凶悪な気持ち、こなたにぶつけてしまったら。
だけど、自制することでますます想いが強くなっていくのもまた、事実だった。