>>197 毎度毎度あんたって人は!
良いぞもっとやれ!
>>197 何と言うものをww
4コマ目は右から谷口・古泉・国木田か。
>>202 場所教室みたいやし右は坂中じゃないか?
服もセーラーっぽいし
204 :
197:2008/06/21(土) 12:55:36 ID:4C8NuZoW
右から谷・国・坂です〜わかりづらくてごめんね;
こんなのにコメありがとう;;みんな優しくて涙でた。
坂中か。セーラー見落としてた俺死んでよし。
>>204 そんな謙遜しないで。
最高です。GJ!
>>197 か、カワユスw なんてGJなんだ!
全てひらがなのハルヒ…ヵヮ。゚+.(・∀・)゚+.゚ィィ!!
>205
PCSVでサイズ上げたら読めたよ
>>205 まとめのトップから讃岐とかべっかんことか使ってアクセスするんだ!
しかしこれはなんというハルヒちゃんw
「んー」でやられますた
>>197 (* ´Д`*) ハルにゃんかわいいよハルにゃん。
既女板をROMってるハルヒ
久々に原作読んだが、あらためて読むとキョンのハルヒへの素直になれない気持ちみたいなのが
いたるとこにあってニヤけてしまった。
読み返す度に発見がいろいろとあっていいよね
しかしハルヒの笑顔がどーのこーのとキョンは何回言えば満足するのだろう
よほどハルヒの笑顔が好きなんだなw
弱気になっている顔も割合可愛かった。
>>165氏のSSはVIPで見てから好きです。
久しぶりにVIPに見に行って良いなぁと思いました。
やっぱハルキョンの子供は男女の双子がデフォかな?
ついでに回り観て軽くヘコンでしまった『花言葉』
気持ち上げるためにヘル○ング読んだら変な電波が着て困った・・・
『諸君、花言葉はハルキョンが大好きだ!』
ハルキョンの人形でトイストーリーするのが見たい
vipはあまり行かないな。行くとだいたい腹が立つから……。
>>188 亀だがGJ!
いやぁ正統派(?)萌話でしたぜ。
指相撲…奥が深いぜ。そして最後に「あぁ、それで指に顔か!」でニヤニヤがw
>>222 なぜかドラの宇宙小戦争思い出したw
>>221 諸君、私はハルキョンが好きだ
諸君、私はハルキョンが好きだ
諸君、私はハルキョンが大好きだ
憂鬱編が好きだ
溜息編が好きだ
退屈編が好きだ
消失編が好きだ
暴走編が好きだ
動揺編が好きだ
陰謀編が好きだ
憤慨編が好きだ
分裂編が好きだ
部室で 教室で
公園で 自宅で
喫茶店で 駅前で
この地上で行われる、ありとあらゆるハルキョン行為が大好きだ
戦列を並べたSOS艦の一斉発射が、轟音と共にコンピ研艦を吹き飛ばすのが好きだ
フルボッコにされた部長氏が、白旗を揚げて部室に来た時など、心が躍る
閉鎖空間に取り残された二人が好きだ
脱出の為にフロイト先生が爆笑する様など、胸がすくような気持ちだった
病院の部屋に泊り込んでいる二人が好きだ
眼を覚ましたハルヒが「おが…」と声をあげ、照れ隠しに怒ってみせる様など、感動すら覚える
消失空間で初めて出会った二人が好きだ
ブレザー姿でロングヘアのハルヒを見つけたときの、キョンのセリフは最高だった
編集長一直線の二人が好きだ
ハルヒに押し倒されたキョンが慌てているところに、3人が入ってくる様などは
Ss定番のオチとして使われている
諸君、私はハルキョンを、楽園の様なハルキョンを望んでいる
諸君、君達は一体、何を望んでいる?
更なるハルキョンを望むか?
情け容赦の無い、糖分過剰摂取のハルキョンを望むか?
桃色空間の限りを尽くし、周りの連中を萌え倒らせる、嵐のようなハルキョンを望むか?
「ハルキョン!ハルキョン!ハルキョン!」
よろしい、ならばハルキョンだ。
−−−−−−−−−−−−−−−
すまん、ちょっとやりすぎだw
のっしのっしといったいかにも不機嫌そうな足音の後、バーンとドアが蹴飛ばされて悲鳴を上げた。誰が登場したかなんて言うまでも無かろう。
「あら、なによキョン。あんただけなの?」
俺だけで悪うござんしたね。何かクレームでもあるのか、と言いかかったところでおれは言葉を飲み込んだ。以前全く逆の立場のやり取りをした覚えがあったからだ。同じような返し方をしたのでは俺もハルヒと同レベルってことになっちまうからな。
それに今俺はこいつを変に刺激することは避けたかったのだ。
「みんなはどうしたのよ? 有希までいないなんて珍しいじゃないの」
「ああ、長門ならさっきコンピ研の部員たちに泣きつかれて行っちまったぞ。何か大層なトラブルとかで手に負えないらしい。まるでメンテナンス要員だな」
「へえ、有希も結構頼りにされてるのね。でみくるちゃんと古泉くんは?」
「朝比奈さんは進路面談とかで今日は遅くなるって昨日言ってただろ。忘れたのかよ? あと古泉ならバイトが急に入ったとかで今日は来れなくなったんだと」
「ふーん、そう……」
一見なんてことなさそうなハルヒの態度だが状況的には予断を許さなかった。古泉のバイトってのが久々の閉鎖空間がらみのことなので、俺の方でもハルヒを何とかして欲しいと頼まれていたからな。
だが、こんなときに限って部室で二人きりだなんてな。
と、そんな俺のモノローグを読み取ったわけでもないだろうに、ハルヒが急にソワソワし始めた。俺の方をチラチラと見ては俯いてモジモジ。オノマトペだらけで恐縮だが、いつもでは考えられないハルヒのこの様子は何なのだろうね?
「ねえキョン。お願いがあるんだけど……」
お、おう。一体何だ? 思わず唾をゴクリと飲み込んでしまった。聞かれちまったんじゃないかと冷や汗が流れ落ちる。
ハルヒは長机の上に何か置くと俺の方に背中を向け、セーラー服の裾に手を掛けて徐に脱ぎ始め――、って、ええぇぇぇぇ? ちょ、ちょっと待てー! 何やってるんだよお前は!
た、確かに今この場は二人きりで、いやでも長門ならこの場にいなくても俺たちのことを監視してる可能性も、ってそういうことじゃなくって、くぁwせdrftgyふじこ、
「ちょっとキョン、早くしなさいよ」
は、早くって、一体俺に何を御所望なのでありましょうか団長閣下?
「なによもう、バカなこと言ってないで、早くそこの虫刺されの痒み止め、あたしの背中に塗りなさいよ」
へっ、痒み止め?
見ればハルヒがさっき置いたのはテレビのCMとかで見たことのある緑色の小瓶だった。
あ、いやぁ、あはは。べ、別に変なこと考えてたわけじゃないぞぉ。
とは言うものの、目の前の制服半脱ぎで覗いているハルヒ白い背中は妙に眩しかった。が、だからそれが一体何なのだろうね。さっきから俺はパニック状態のままである。
仕方なくその白い肌に目を凝らすと、中央部分に赤く腫れた部分を発見することができた。しかしこんな箇所を蚊に刺されるなんてどんな格好してたのやら?
とりあえずぬりぬり――はい、お仕舞い。っと手のひらでパンと叩く。
「ん……ねえキョン――ちょっとでいいから、直に掻いてくれない?」
こいつはなんでそういうことを平気で言ってのけるのだろうか?
「仕方が無いじゃないの、有希もみくるちゃんもいないんだから、あんたに頼むしかないじゃないの!」
解った解った。――ホラ、これでいいか。
「ん、違う! もうちょっと右、ああ行き過ぎ、もっと左……そう、その辺。――しばらく続けてて」
やれやれ。……なあハルヒ、ひょっとして背中が痒かったせいでずっとイライラしてたのか、お前?
「まあね。全くもう、血を吸われただけじゃなくって手の届かないところが痒くなるなんて、ほんと最悪」
それで閉鎖空間かよ。困ったもんだな。
なんだかんだで結局下校時間ギリギリまで俺はハルヒの背中を掻き続けさせられてしまったのだった。ハルヒは真っ赤な顔でしばらく目を伏せていたが、まあ一応機嫌は良くなったみたいだし、古泉のバイトも何とかなったことだろう。
何? 俺の顔も真っ赤だって? いやあ、それは気付かなかったなあ、どうしちまったんだろうね、あははははは。
ちなみに、知らない間に朝比奈さんが部室に顔を出していたらしいのだが、俺たちの様子を見て逃げるように帰ってしまった、とのことらしい。
って、違いますって、何も疚しいことなんかしてませんよ。信じてくださいお願いですから! って長門、その冷たい視線は一体……。
「……あなたたち二人につける薬は、もはや存在しない」
>>225 二人が素直になるには何の薬をつけたらいいんだろうなw
ニヤニヤするしかないぜ、GJ!
>>224 どうでもいいかもしれんがvipのまとめにある「桃色空間奮闘記 〜戦慄のブルー〜」にも似たような改変あったぞ
いきなりで失礼。皆さんの設定の豊富さにいつも感心するのですが、甘口のシチュエーションはどうやって妄想、もとい作っていますか?
私もたまーに投下させてもらっているのですが、好きな作品の影響か、格好よくいえば叙情的、要はちょっとテンションが低めのものばかりなので、突き抜けて明るいのを書いてみたくて…
初めて携帯からの書き込みで不安な一住人ですが、アドバイスお願いします。
脳内にハルキョンの新居を建ててそこで二人を生活させる。
後は放っておいたら勝手にイチャイチャしはじめる。
しばらく経つと見慣れない子供達が走り回ったりし始めるけど気にしない。
>226
少佐の演説は定番ネタっぽいからなあ…。
VIPは後味が嫌なのもあるからあまりいかんのだ。
こなちゃんいじめにしろキワミ削除依頼にしろ
VIPの連中は心が汚れてるよ。
VIPとかどうでもいいわ。ここのSSさえ読めりゃそれでいいさ。
カプ板からパクる
ボーイズビーからパクる
犬上すくねからパクる
日坂水柯をパクりたいものの難しい
シギサワカヤも難しい
ティーンズラブのうち明るいもの(とくに絶対恋愛Sweet)からパクる
こいびとどうしですることぜんぶからパクる
青橋由高や森野一角を微エロに仕立てる
あまりに露骨なときは事前に断りを入れるけど、「これは」と思えるらぶいネタを
ハルキョンでやってみたい!のが私のSSなので、妄想の最初の種は他の作品であることが多いです
ハルキョンの漫画で、SOS団全員がキョンの家に行くのってどこだっけ?
まあBADENDになる話とかあるしな
>>228 ひたすら街中のカップルを観察し、すべてハルキョンに変換する。
ニヤニヤしそうになるので顔の筋肉は引き締める。
時々現実に戻って夏なのに薄ら寒い気分になれる。
>>231 VIP投下経験のある俺涙目w(普通にハルキョンエンドものしか書いてないが)
>>234 妄想界の住人じゃないか?
>>230-232 すまん、ハルキョンの甘いSSも結構あるし、自分が好きだから他に好きな人も多くいると思い込んでたよ
またROMに戻ります
前はプリンで保守ネタ書いてたけど最近は行ってないなぁ。
>>229 なんというハルキョン飼育日誌w
>>225 ちょうど虫刺されて凹んでたところになんだこのバカップルはw
そんなに掻いたら掻き崩しちゃうぞw GJ!
>>228 ひたすら自分が萌える要素を思い浮かべそれについてつらつらと書き綴る。
脳内垂れ流しですねorz
>>228 1.自分をキョンだと思いこむ。
2.気に入っている職場の女の子をハルヒと思いこむ。
3.妄想開始。
4.SS投下
5.翌日実践
6.ハローワークへ
7.以下繰り返し
241 :
228:2008/06/21(土) 23:26:03 ID:4jXafbZ1
皆さんアドバイス?ありがとうございます。
パクリ…オマージュは、2回ほど書いたことがあるのですが、確かにイメージがハマるとニヤニヤしてしまう面白さはあります。試しに投下して、批評をもらうのもいいかな。
>>237 いやいや、実際好きな人は多いと思うぞ。
親父シリーズの作者さんとか、敬愛の人のハルキョンは最高じゃないか。
>240
通報しま……されてるんだなwwwwwwwwww
>>228 1.ここの住人の電波を受信して、何かひらめく。
2.そのひらめきを元にSSの起承転結を決める
3.するとハルキョンと愉快な仲間達のセリフが脳内に浮かぶ
4.それを書いて、さらに説明文をつける
5.あら不思議、SSの完成だ
SOS団構成員+αはキャラがかぶらないから、意外とセリフは簡単に浮かぶなぁ。
たとえば「何か用事あるの?」という質問のセリフだけでもこれだけ違うし…
「何よ、何か用あんの?」
「何だよ、俺に何か用あるのか?」
「何?」
「な、何かあたしに用事あるんですかぁぁぁ?」
「はい、僕に何か用事があるんですね?」
「いや〜あたしに何かめがっさ用事でもあるのかぃ?」
「な・な・な、何か用?」
谷口ちがうだろw
蒸し暑い六月の日曜日
ああハルにゃんは可愛いなあと改めて思ったのだった
まる
似合ってるぞ、ハルヒと言うのが谷口だったら
>>249 アホ谷口のくせにあたしを呼び捨てにするなんていい度胸ねって言われるw
>>249 「ハルヒにツッコミを入れていいのも、ハルヒを呼び捨てにしていいのも俺だけだ!」とキョンがキレる
夜分にすみません『花言葉』です
先ずはお礼
>>224氏へ改変ネタ有難うございます正に私の心境そのものです。
お陰で又SS書く気力が戻ってきました
お詫び
VIPネタ出してしまい申し訳ありませんでした。荒れる元ですね以後止めます。
>>229 はて?この時間まだネットに繋いでないはずなのに何時書き込んだんだ私w
SS投下します。今回は異常に長くなりましたのでスルーして結構です
話も微妙ですし。
せっかくネタ頂いたのにコンナのしかできませんでしたすみません
投下したら吊ります。
では
暦の上では既に秋の筈だが、まだまだ暑さが残る今は9月。
高校最後の年だというのに我がSOS団は年中無休・・・いや無給か?・・・で営業中だ。
もっとも相変わらず開店休業状態だが。
SOS団を立ち上げた頃ハルヒだったら今の体たらくを見て何て言うだろうか。
弛んでる!とかやる気がない!とか言いそうだな。
まぁそのハルヒも昔と比べれば随分と現実を受け入れられるようになったもんだ。
いや、現実にある面白い事を見つけられるようになったんだと信じたいね。
じゃないと行き成り目が覚めたら高校1年からやり直しなんて事に成りかねないからな。もっともそんな心配は皆無だ。
古泉の奴が異様に気にしているようだが、俺から言わせてもらえばまだまだハルヒの事は理解してない証拠だな。
さて、2学期が始まってから、やれテストだ進路相談だと時間がとられて本格的にSOS団が活動開始になるのが本日からになる。
まぁ肝心な団長様は担任の岡部に呼び出されて現在不在だが。
どうも進路で少々問題があったようだが・・・なんて書いたか容易に想像できるのが困るね。
そんな訳で本格活動初日とあり在校生であるところの長門・朝倉・古泉に加え朝比奈さんも本日はお越しいただいている。
「はい、キョン君。お茶ですよ。」
「有難うございます朝比奈さん。」
「いえ。でも久しぶりですね。」
「何がです?」
「こうやってキョン君にお茶を入れてあげるのがです。卒業してからは休日しか会えませんでしたから。」
「そうですね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へぇ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はは(汗)。」
・・・なんだお前らこっち睨んで何か怖いぞ、特に長門と朝倉。古泉は冷や汗たらしてるがな。
分かってるよ、朝比奈さんと仲良くしてるところをハルヒに見られて又閉鎖空間が発生しないか心配してんだろ?
心配しすぎだ。昔ならいざ知らず今のハルヒがそんな理由くらいで閉鎖空間作るわけないだろ。
それに今日は朝比奈さんが久しぶりに部室に来たんだから、こうまるで部室に花が咲いたようじゃないか。
「もぅキョン君たら。そんなにほめてもお茶くらいしか出ませんよ?」
いやー朝比奈さんのお茶が飲めるなんて幾ら積んでもあずかれない特権ですよ。SOS団様様ですね。
「・・・パーソナルネーム『朝比奈みくる』を敵と断定。当該対象の有機情報連結の解除を申請する・・・不許可・・・再申請する・・・。」
「殺らないで後悔するより殺って後悔した方が良いって言うよね?このままじゃジリ貧なのは目に見えてるんだから。」
「お二人とも落ち着いてください!あなたも、もう少し自重してください!つまらない事で世界を終わらせる気ですか!」
「あ・・・あの、私決してそういうつもりじゃ。」
はぁ、なんだろね全く。
3年も苦楽を共にしてるってのにハルヒがいないと如何もお前ら纏まり無いよな。
大丈夫だ。確かに朝比奈さんのことは好きだがSOS団の掛替えの無い仲間としてだよ。俺が愛してるのは今までも此れからも
『涼宮ハルヒ』只1人だけさ。
「・・・そう。」
「・・・まぁそうよね。」
「ふう、勘弁してくださいよ寿命が縮むかと思いました。」
「えっと、ごめんさい。久しぶりでしたのでつい調子に乗ってしまいました。」
ところで話は変わるが良いか?
「何でしょうか?」
ハルヒが居ないうちに聞いておきたいんだが、お前ら何か『志してる事』ってあるか?
「例えばどういった事?」
そうだな俺達ももう直ぐ卒業だろ?ハルヒに"力"の事も在るから皆が好きな生き方を選べないのは知っているがその"力"も可也落ち着いているんだろ?
だったら今までみたいにハルヒの近くで観察する必要も無いんじゃないか?そう考えたら皆もそれぞれの好きな事をしても良いんじゃないかって思ってさ。
「・・・私達の存在意義は涼宮ハルヒの観察にある。よって私達が彼女の観察を止める事は無い。」
「・・・そうか。」
「・・・でも。」
「なんだ?長門。」
「・・・それとは別に私自身がやってみたい事はある。」
「へー何なんだ?参考までに教えてくれ。」
「・・・此れまでの出来事を『本』という形にして残したい。私がここに存在した証として。」
「・・・長門。・・・そうか、もし書きあがったら読ませてくれよなそれ。」
「・・・分かった。」
・・・少しシンミリしちまったな。長門が居た証か。役割が終わればどうなっちまうか分からない長門と朝倉、それに喜緑さんに周防。
こいつ等が居た証を残す事がやりたい事とは少し寂しい気もするがそう言った長門の目には何時ものような液体ヘリウムでは無く強い意志が感じられた。
「そうですね、僕としては早くこの仮面をとって素の『古泉一樹』としてあなたと向き合う事でしょうか。」
「随分と夢が無いなぁおい。」
「まぁ仕方がありませんよ、それが僕に与えられた『役割』なんですから。」
「・・・古泉。」
「もっとも、そう遠くない将来に実現できそうですがね。それもあなた次第ですが。」
「はぁ、全く『機関』から指令かなんか知らんがもっと自分を出しても良いんだぞ。大体お前みたいな奴が溜め込みすぎて行き成り大事おこすんだからな。それと古泉。」
「なんでしょう。」
「その俺次第ってのは良い加減に止めろ。俺がハルヒをどうこうできるわけ無いだろ?今の結果はハルヒが自分で望んだ結果さ、俺の話なんて聞かんだろアイツは。」
「いえ、やっぱり今の状況はあなたが居たからこそ実現したものです。やはりこの世界の行く末はあなた次第ですよ。今後とも涼宮さんをお願いします。」
ぬかせ!全くお前は何時も人を煙に巻きやがって。あぁ言われなくてもそうするさ、此れからもずっとな。
だからそんな小さな悲しい声で『僕では涼宮さん相手は勤まりませんから』とか言うなよ。何時かお前にも相応しい奴が現れるさ。
「私も本当は保母さんとかに成りたいんですよ。」
「良いですねぇ、実に朝比奈さんらしいじゃないですか。」
「キョン君もそう思います?」
「ええ。」
「・・・でも。」
「?何か心配事でも?」
「長門さんや古泉くんとちがって私は任務が完了したら元の時間に戻らないといけないんです。だからどんなに願っても叶わないんですよ。」
「・・・朝比奈さん。」
「でも、心配しないで向こうに戻ってからでも夢は叶えられるから。だから今の私の一番の目標は・・・」
「目標は・・・」
「何の権限にも縛られずこの時代に来れるようになる事です。そうすれば此れからもキョン君や涼宮さん達といる事が出来ますから。」
「・・・そうですね。そうなってからコッチで保母さんをやるのも良いじゃないですか。応援してますよ。」
「有難うキョン君。」
そういった朝比奈さんは本当に目標に向かって頑張るぞっと可愛らしくガッツポーズまで作っていた。
只、俺の脳裏に朝比奈さん(大)の姿がよぎった。今の朝比奈さんが目指しているものと少し違って見えた。
朝比奈さん(大)には悪いが俺にとっては目の前の朝比奈さんが俺の朝比奈さんだ、未来の為でなく目の前の朝比奈さんの為にも
未来の思い通りなら無いようにしてやるさ。ハルヒと一緒にな。
「で?あなたは如何なの?」
「何がだ?朝倉?」
「私達のそんな話を振ったんだからあなたにもあるんでしょ?その『志し』ってもの」
「そうだな。」
「それに僕達にこんな話をする切欠が御ありに成るんじゃないですか?」
「そうだな、夏休みの話なんだが。」
「・・・あのう、濃いお茶準備したほうが良いでしょうか?」
「・・・推奨する。」
何でそんな対応するんだよ。良いから聞け。
ハルヒと旅行に行ったときにある花をみてな。
「何て花?」
"タチアオイ"って花なんだが結構でかくて印象に残ってたんだ。それで旅行から帰ってきてから調べたら花言葉に『大きな志』ってのがあったんだ。
それでこれからの事かんがえてみたんだ。ただ漠然とではなく、もっと『志し』をもって将来に繋いでいけたらなって。
「なるほど。それであなたの『志し』とは?」
大した事じゃないさ、此れからもずっとハルヒの隣に居る事さ。でもその為には自分が何をすべきか考えたんだ。
そしたら此れまで漠然としか思えてなかった将来が急に現実味を帯びてきてな。
だから人間目標をもって生きるのは大事だと思ってな。
「その始まりが涼宮さんと一緒に居ることなんてキョン君らしいですね。」
「・・・バカップル乙。」
・・・まぁこの事にかんしてはそういわれてもしょうがないか。ただバカップルはないだろバカップルは。
「大体だな・・・」
「みんなー揃ってる?欠席しようものなら罰金だからね!」
と人の話の途中にあいも変わらず部室のドアを勢い良く開けて入ってきたのはSOS団団長:涼宮ハルヒである。
まぁ一々説明する必要も無いんだがな。
「まったくあの担任ったらムカつくわね!人の進路に一々口出して。あー思い出しただけでも腹が立つ!みくるちゃんお茶!とびっきり冷たいのでお願い!」
「は、はい!ただいま。」
やれやれ。
こいつが着ただけで一瞬にして部室の雰囲気が変わっちまったな。これもハルヒたる所以かね。
「ところで皆で何話してたの?もしかしてUFOでも見つかった?」
「残念ながら違いますよ。彼が今後の事を如何考えているかと聞かれたので皆で将来について話していたんです。」
「そうなの?」
「まぁな。」
「キョンしては偉く殊勝ね。なんか悪いものでも食べた?」
「こちとら目が覚めてから今までお前と一緒の物しか食っとらん!」
「まぁそうよね。で?何故なの?」
「まぁ俺は俺なりにお前との将来を考えてるわけだよ。」
「も、もう、いきなり変な事言わないでよ。」
・・・お前との将来は変な事なのか?軽くへこむぞ。
「そうじゃなくて、もう察しなさいよ!」
わかってるよ冗談だ。お前がこの手の話は最初ははぐらかしたりするのは何時もの事だからな。
「・・・だって面向かって言われたら。やっぱり恥ずかしいじゃない。」
そうかい。
で気になるんだが俺達の会話を他所にお茶飲んでるお前らはなんだ。
「気にしないで下さい。・・・すこし口の中が甘くなってきたもので。」
「・・・現在、桃色空間の拡大率47%更に拡大中。」
「・・・こんなの観測してたらこっちが糖尿になるわよ。・・・急進派から労災でるかしら。」
「ふええ、サーバーの中のお茶が『ハチミツ入りグリーンティ』に。」
・・・なんか聞き慣れん言葉も出ているが今は気にしないでおこう。
で?今日は何をするんだ?
「良いこと聞くじゃない。実はね今日は今後のSOS団について話し合おうと思ったの。」
今後といっても俺達が卒業しちまったら誰も居なくなってしまうのだが。こいつの中ではどんな構想がでているのかね。
言っとくが今更新入部員募っても無駄だと思うぞ。それに今後っていってもどうするんだ?
「良い?キョン。SOS団の目的は【世界を大いに盛り上げる】事なのよ!世界を盛り上げる事がどれだけ大変かはこの3年間であんたも分かったでしょ?」
まぁな。大体その名称はその場で閃いた物だろ?それに今までそんな活動してきたっけ?
「してきたわよ。何?その年でもうボケたわけ?」
「そんな訳あるか!で?具体的にどうするんだ?俺達ももう直ぐ卒業だぞ。」
「それよ!あたし達がいなくなったら誰がこの世界を盛り上げていくのよ。でも確かにあたし達が卒業したら後に続く者達はいないわ。
でもねあたし気がついたのよ。」
「なにをだ。」
「世界を盛り上げる事がたった3年で完了する分けないのよ。もっと長期的な計画もってしないとね。
そうよもっと『志し』を大きく持って事に当たらないといけないのよ!」
こいつも『志し』か。なんか気持ちが通じてるようで少しくすぐったいな。もしかしたらハルヒもあの花を見て思いついたのかね
もしそうだったら少し、いや結構嬉しいんだがな。
しかし俺達が卒業しちまったらその計画もクソも無いだろ?大体長期的って、いったいどれ位先まで考えてるんだ?
「まぁ取り合えず20年先もSOS団が続くようにはしないとね!」
「えらく具体的だな。しかし肝心な今後のSOS団を率いていく団長候補が居ないんだがそれは如何するんだ?」
「それでねあたし閃いたのよ。」
「何が?」
「居ないんだったら作れば良いのよ!」
「だから何を。」
「こど・・・・・・コホンッ!新団長よ!」
まてまて作るってなんだ?まさかそこら辺の中学生でも捕まえて洗脳でもするつもりか?
頼むから変なことは止めてくれ。それにそんな事しても意味無いだろ。
神聖にして不可侵たるSOS団団長の座なんだろ?そんな詰まらん事で汚して良いのか?
「そんな事しないわよアホキョン。大体今時の中学生なんかにSOS団を率いていける人材なんて居るわけ無いでしゃない。
まぁ妹ちゃんなら頑張り次第では見込みがあるかしら。でもね真のSOS団を率いていける人間なんて世界中探しても居ると思う?」
居ないだろうな。少なくともお前の眼鏡にかなう奴なんか居ないだろな。
「でしょ?だから一から作るのよ。だからキョン!あたしに協力しなさい!」
「だから作るってなんだ?大体協力ってお前が考えてることに俺が何か出来るのかよ。もっと具体的にいってくれでないと理解できん。」
「もぅ此れくらい察しなさいよ。新団長ってのはあたし達の子供の事よ。」
一瞬世界が停止したかと思った。
「いえ停止しているのはあなただけです。」
「・・・予想の範囲内。」
「別に今更驚くことでもないわ。」
「既定事項ですから。」
っておいお前らは驚かないのかよ!って既定事項かよ!
大体おかしいだろいきなり子供つくろうなんて、しかも理由が不純だ納得できん。
「別にそれだけが理由じゃないんだけど。ほら前から言ってるじゃない子供ほしいって。キョンもあの時思ったでしょ?」
「あの時って?」
「旅行のときよ。」
しまった始まりは其処か!
確かに俺もそんなこと言った。
しかしだな、何度もいってるがまだ早いだろ。
「大丈夫よ。もうあたしは16過ぎてるし。キョンも今年で18になるから法律的には問題ないわ!じゃ早速いきましょ!」
「へ?行くって何処へ。」
「役所に決まってるじゃない。今ならまだ受付は開いてるわ。」
「まて話が飛びすぎだ!大体未成年の俺達がいってみろ変な目で見られるぞ、それに何しに行くんだ!」
「婚姻届を出しに行くのよ!大丈夫、あたしとキョンの両親の判子も貰ってきてるから。後は役所に出せばOKよ。」
「まて何時用意したソンなの!良いから落ち着け!急ぎすぎだ!もう少し考えろ!大体学生結婚て早いだろ、しかも高校生でなんて。」
「そうも行かないわよ。だって此れが進路の第一希望なんだから。」
・・・なにか今日の岡部からの呼び出しはそれが原因か?
しかも結婚が進路の第一希望って、永久就職ってことか
「さ!行くわよキョン!じゃ今日は解散!」
と言うが早いかハルヒは俺の手を掴むと一気に走り出しやがった。
慌てて体制を立て直してハルヒの顔を覗いたら、其処にあるのはふざけたり勢いで行動してるときの表情はなかった。
強い意志をもって未来を見ている瞳があった。その中には俺とそしてまだ見ぬ子供達との生活が映し出されていた。
あぁそうか、これが今のハルヒの目指しているものなんだな。なんだ俺と同じじゃないか。
やり方は相変わらず強引で俺の意見を無視して突き進むがそれもその『志し』があればこそか。
なら俺は俺なりにその気持ちの応えてやらないとな。
取り合えず先ずはハルヒの説得かね。幾ら同じ『志し』でも意見が違えば叶わなく成っちまうからな。
「おい待てよ。」
「待てないわよ、この先にあたし達の未来があるんだから。」
まだまだ暑さが残る9月の空の下、俺とハルヒの未来への珍道中が幕を上げたのだった。
『大きな志』と共に。
異常です
いや以上です。
話的には『あなたを見つめる』の直後になります。
これで数えて11個目ですねそろそろ自重するべきでしょうか・・・
今回は本当に下らない話ですみません。
では吊ってきます
∧||∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ
∪∪
Gj!
俺はこのシリーズ好きだぞ。
>>258 GJ!!いつも良いSSありがとう。
さて、今日寝てないから寝るかな。あとイ`。
自重せんでえーです
あんまり自虐的過ぎるのはよくないぞ。
シリーズが好きな人にはいいだろうが嫌いな人にとっては自重してもらいたいところ。
先に何のシリーズか書いてあれば読み飛ばすだけなんだがね
>>263 これは花言葉だと書いてあるから、苦手と思ったら飛ばしたらいい
>>258 毎度毎度自虐的すぎるとうざいとしか思えんぞ
続きだったのか、ちょっと読み直してくるか
GJだが誤字注意、三点リーダは…か・・・のどっちかで統一な
正直スマン、またやってしまった。あまりにも長くなってしまったので
前編 後編にわける 後編は近いうちにレスします
最近テレビなどでは、オリンピック、オリンピックと騒いでいるが高校時代の俺たちはスポーツとは無縁の意味不明な部活動にいそしんでいた。
ハルヒはとんでもない運動神経の持ち主であるが、それを全く生かそうともせず、運動部からのスカウトを全て断った経歴の持ち主でもあるのだ。
そんなハルヒがSOS団の活動において一回だけ真剣にスポーツに取り組んだ事がある、
もしあの時、別の道を選んでいたら、表彰台に登って金メダルを貰い、センターポールには日の丸ではなくSOS団の旗を掲げていたかもしれない。
今日はそのときの話を書いてみた。
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「あんたと二人じゃつまんないから帰るわよ」
「俺だっておまえと二人じゃ何されるかわからんから、もう帰る」
放課後、部室での何気ない会話、今日に限って古泉はバイトの研修(どんな研修だよ?)朝比奈さんは受験対策の補修
本来この部室の主で、校庭にミサイルが着弾しようが指定席で読書をしている長門も欲しい本があるとかで古本屋めぐりに行ってしまった。
いつもより早く部室を後にし、急坂を下る
「時間があるから、駅前でコーヒーを奢りなさい!」
わけがわからん、何で俺と二人でいるのが嫌で早めに下校したのに、二人で喫茶店に行かなければならんのだ?
しかし俺の意見など聞きはしないことを、充分に学習しているので「やれやれ」とつぶやき財布の中身を確認した、コーヒー二杯ぐらい大丈夫だろう
坂を下り駅前に着いたとき悲鳴があがった。
「ひったくりよ!捕まえて!」
人ごみのなかから、ハンドバッグを抱えた男が俺たちの方に走ってくる。右手にはナイフを握り凄い形相だ
「どけ〜!邪魔だ〜」
俺はあわてて道を空けようとしたが、ハルヒは動かない、ハルヒの手を引っ張ろうとしたが、その時ひったくりがナイフを振り上げハルヒに突っ込んできた。
「ハルヒ!逃げろ」
ハルヒは男の襟を掴み、みずから後ろに倒れこんで一緒に倒れ込んだ男を右足で跳ね上げる、見事な弧を描き男は背中を強打して失神した。
警官が駆けつけてくる、野次馬も集まってきた、投げた瞬間近くでシャッターを切る音まで聞こえた。
俺はハルヒを強引に引き起こし喫茶店に逃げ込んだ。
「バカ!なんであんな危ない事をした!」
「だって悪人よ、ぶん投げられて当然じゃない、悪人に人権は無いわ」
某有名魔道師かおまえは?それじゃ俺は相棒のマヌケな剣士みたいだな、ってそんな話じゃない
「ともかく二度とあんなことするな、俺を投げてあいつにぶつけるほうがまだマシだ、おまえが怪我をするよりな」
俺は何を言ってるんだろう?そうだハルヒの身になにかあったら世界が消滅しちまうかもしれんからだ、きっとそうだ
「あんたが近くにいなくたって大丈夫よなんともないわ」
「そういう問題じゃない!」
ハルヒは俺のいつにない口調に驚いたようで、眼をパチクリさせている
「わっ、わかったわよ、あたしがケガなんてしたらSOS団が活動できないもんね、じゃあ条件としてこれから登下校時にあたしをガードしなさい・・」
こいつにガードなんて必要ないとは思うが、仕方ないその条件を飲もう、しかし俺の心がウキウキしてるのは何故だ?
「ともかく、ひったくりを巴投げで投げ飛ばした事は、俺たちだけの秘密だSOS団のみんなにもだぞ、わかったか?」
そんな希望とはうらはらに話は進んでいたらしい・・・
翌朝、約束どおりハルヒと駅前からは一緒に登校し教室に着くと、あいつはバックを席に置いて、どこかに行ってしまった。
「おいキョン!これみたか!?」
谷口が教室に入るやスポーツ新聞片手に話かけてくる、スポーツ新聞片手に登校なんてどこのおっさんだ?
「いいからこの新聞を見ろ!」
谷口から強引に渡されたスポーツ新聞を広げた。
日刊エヴリースポーツ?発行部数もさほど多くないマイナースポーツ紙だ、昔は女子柔道の記事が好評で発行部数が伸びたこともあるらしい
一面の写真付記事をみたとき、俺の時間が止まってしまった。なんてこった・・・
デカデカと大きな字で書いてある。
「パンチラ少女、ひったくり犯を巴投げ!」
写真は北高の制服を来た少女が、パンツ丸見えの構図でひったくりを巴投げしている瞬間だった。顔は写っていないが、うちの生徒に間違いない
「その謎の少女の技のキレたるや、必ず日本柔道を背負っていける人材だと本誌記者は確信した、彼女の正体を明らかにしたい」
と記事は結んでいる。
俺はなるべく平静を保とうと、無表情でどうでもいいようなそぶりを見せた。
「へえ〜凄い奴が北高にいるんだな、女子柔道部の奴か?」
谷口があきれかえった表情で俺を見ている
「女子柔道部は部員がひとりしかおらん、それにすげえでかい女だ、その写真の女とは身体のでかさがまるで違う」
あきれかえった表情から一転して、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべ始めた
「とぼけんなよキョン、こんなことやらかす女は北高にひとりしいないだろ」
あくまで知らん降りを続ける俺、わかる、わかるよ谷口、おまえが何を言いたいのか
「涼宮に決まってるだろ!あいつ仮入部した柔道部で黒帯の男3人を簡単に投げ飛ばした実績もあるしな」
そのとき最悪のタイミングでハルヒが教室に戻ってきた。
「あんたたち、朝っぱらから何騒いでるの、その新聞に面白い記事でもあった?」
凄い記事が一面写真付であったよ、北高生にとっては面白いが、俺にとって最悪の記事だがな・・・
その日のうちに噂は全校生徒にいきわたった。話に尾ひれがつきまくり、ひったくりを巴投げで投げ飛ばしたのが
闘牛場で牛を素手で倒したとか(空手バカ一代?)SUZUMIYAがあと10人戦前にいたら太平洋戦争で米軍が負けていた(塾長?)とか
挙句の果てに、俺が他の女と歩いているところに出くわしたハルヒが一本背負いで俺を投げたあと、送り襟締めで失神させた。なんてのがあった。
まあ、最後の噂に関しては幾度となく同じような目に遭わされてるので否定はしない、ハルヒの耳に入ったらと思うと想像するだけで恐ろしいが・・・
意外な事にハルヒの機嫌は大変良かった。目立つ事を至上の喜びとするこの女にとってみればとても楽しい事なのだろう
(最後の噂はまだ耳に入って無いようだ、後で長門に頼んで全校生徒の記憶を改ざんしてもらおう)
その日の放課後、いつもの面子がそろって何事も無かったようにすごしていた。
俺は古泉と軍人将棋をしている、審判の朝比奈さんが駒の内容を口にしながら判定するのには困ったが(シャレではない)
「昨日は我々の失態です。申し訳ありません、まさかひったくりの発生までは予期できませんでした。」
「頼むぜ古泉、昨日は大丈夫だったが同じ事がまたあるかもしれん、おかげ様で登下校時にあいつをガードするようにとの団長命令がでたよ」
「我々はあくまで涼宮さんに気づかれぬようガードを続けます。
しかしあなたがうらやましい、本人公認のもとガードできるのですから、こちらにお礼を言って貰いたいぐらいですよ」
古泉はニヤケた顔で謝罪をしつつ駒を動かし朝比奈さんに渡す。
「えっと、軍旗の場合は後ろの駒で判定するんですよねぇ、あっ地雷ですぅ、地雷は工兵と飛行機以外には勝てるから、キョン君の駒の勝ちですね」
朝比奈さんお願いですから、声に出さないで下さい。審判の意味がありません
「ずるいですよ、僕の地元では軍旗の後ろに地雷を置くのは反則です」
「なにを言ってるんだ、戦争に反則も何もあるか、貴様それでも軍人か?」
そんな感じで時が流れていると「コンコン」と、この魔窟のドアをノックする音が聞こえた。
猛烈に嫌な予感がする、今までこの展開から始まった話は大抵厄介事ばかりであった。
「ひゃーい、どうぞ」
朝比奈さんがドアをあけるとそこには柔道着を着た女が立っていた。
身長は180センチぐらいあるだろう、富士山のようなおかっぱ頭をしており、眼は細くまさにノッポの姉ちゃんと言う形容詞がふさわしい
次の瞬間、ハルヒが立ち上がり、100ワットの笑顔で眼を輝かせながら叫んだ。
「なに!あんた道場やぶり!?望むところよSOS団はいつ何時誰の挑戦でもうけるんだから!」
どうやら、例の一件で何かに目覚めてしまったらしい、やれやれ・・・
「観客がいないとつまんないから、キョン今から体育館押さえて校内放送で発表して、旗揚げ戦だから入場無料にするわ、プロレス研の連中に手伝わせなさい」
いよいよ暴走が加速してきた、いい加減とめないとやばい、古泉はニヤニヤとこっちをみて笑ってるし、朝比奈さんはおろおろしている
長門は眼もくれず昨日買った本を読んでいる「柔の道は一日にしてならずぢゃ」どこかで聞いた事のある題名だ。
そんなこと言ってる場合じゃない下手すればこの場でデモンストレーションを兼ねた乱闘が始まる、亀田じゃねえんだぞ、似たようなもんか・・
「みくるちゃん、バニーの服でラウンドガールお願いね!」
それはそれで見たいのだがいい加減止めよう、そのとき引きつった表情で黙っていた柔道着の女が口を開いた。
「あああ、あの私、道場破りじゃありません、お願いがあってきました」
「へえ、何の用?」
ハルヒは拍子抜けしたのか、きょとんとしている
その人を席に案内し、朝比奈さんがお茶と茶菓子を用意してくれた。
お茶を飲むと柔道着の女はようやく落ち着き話を始める、内容は以下のことだった。
その人は花園富薫子(ふくこ)さん、一年生で我が北高唯一の女子柔道部員らしい、一応初段の腕前で、日夜練習に励んでいるのだが
両親が柔道を続けるのに反対している、なんでも彼女の両親は揃って柔道の経験者で、父親は関西豪学連高校の女子柔道部監督、
母親はかつてオリンピックで銅メダルを獲得したこともある有名選手、なぜそんな柔道一家に生まれたのに反対されてるのかと聞けば
一人娘に危険なスポーツをやって欲しくないらしい、自分たちがいかに柔道が危険なスポーツか知っているための親心であろう
母の勧めでバレエを習っていたが、身長が伸びすぎ断念して両親の影響もあり柔道を始めた、しかしプレッシャーに弱いため試合で勝ったこともなく
進学した北高にも女子柔道部員が自分ひとりしかいないため、進歩がないから柔道を止めて欲しいと言われている
どうしても柔道を続けたい彼女に父親が条件を出した。
なんとか5人集めて、父親が監督を務める関西豪学連女子柔道部と練習試合を行い勝つことができたら柔道を続ける事を許すとのことだった。
「それで、あたしたちに助っ人を頼みたいの?」
ハルヒは不敵な笑みを浮かべている、厄介事をそうは思わず楽しい事に変えてしまう思考の持ち主それがハルヒだ
「はい・・・何人か頼んだんですけど、みんな断られてしまって、朝新聞を読んだら北高
生がひったくりに巴投げを決めている記事を見てこの人しかいないと」
噂は時として真実を語る、確かに普通の人に頼んだら断るが、いつ何時誰の挑戦でも受けるこの団長様は受けて立つだろう、下手したら勝ってしまう
しかしちょっと無理かもしれんな、今回も俺が突っ込みをいれる
「待てハルヒ、おまえが加わっても二人だけだろ、残りの3人はどうするんだ?」
ハルヒは俺を「何言ってるの?」みたいな表情で見返した。
「大丈夫よ、有希、みくるちゃん、いいわね?」
やっぱりそうきたか、長門はともかくとして朝比奈さんに柔道なんてできるわけないだろ
長門は本を閉じ俺を見つめた後
「問題ない、この本に書かれていた事に興味がある」
朝比奈さんは狼の群れに囲まれた、子羊のような眼で怯えていたが、狼より強い虎に歯向かえるはずもなく
「はい・・・」
と力なく返事した。
「大丈夫よフクちゃん、謎の助っ人も考えてるし、絶対柔道を続けさせてあげるから、戦艦大和に乗った気分で安心しなさい」
ちょっとまて、会ってすぐにフクちゃんと愛称をつけるのは良いが、戦艦大和は沈んだぞ
それを言うなら大船だ、せめて終戦まで沈まなかった長門にしておけ、別の意味で感情移入できるから
「ありがとうございます。たとえ負けても悔いはありません!」
花園さんは長身を折り曲げ礼を言う、しかし顎を尖らせたハルヒが一喝した。
「やる前から負けること考える奴がいるかよ!」
花園さんは驚いて、直立不動になった。
「みんなも覚悟してね、あたしは負けるのが大嫌いだから、絶対勝つわよ!」
おもむろにカチューシャを外し、ポケットから髪留めゴムを取り出すと、右上の部分の髪をちょこんと斜めに縛り
机から腕章を出してなにやら書き込んでいる。腕章に書かれたのは「柔」の一文字であった。
それから二週間後の試合までハルヒたちは日夜トレーニングに励んでいた。受身、打ち込み、その他基礎トレーニングに精を出し
俺と古泉はこの試合をハルヒの希望通りにプロデュースするため色々な交渉に忙殺された。
会場は武道場ではなく体育館に決定、あっさり許可が下りたのは古泉の手腕であろう(いろんな意味で)
放送部に実況アナウンスを頼み、その他演出はプロレス研究会が協力を申し出てくれた。
どう考えても武道の試合でなく、プロレス興行になりつつあるが、関西豪学連に連絡したところ、ただの練習試合なので全く気にしないと了承を得た。
俺はハルヒの指示に従いコンピ研の手を借りて試合のポスターを作製し学校の至る所に掲示した。
北高VS関西豪学連 全面対抗戦5対5女子柔道スペシャルマッチ
母校の名誉を賭け乙女たちが戦う
「絶対観に来なさい!来ないと死刑だから」
会場 体育館特設試合場 開催日時 日曜13時試合開始
スペシャルリングサイド
アリーナ席
二階席
全て入場無料
出場予定選手
花園富薫子 涼宮ハルヒ 長門有希 朝比奈みくる 謎の助っ人(お楽しみに)以上五名
主催 SOS団
その他問い合わせ 全部キョンまで
ちなみに写真は下にTシャツを着ない柔道着姿の朝比奈さんが涙目で座り込んでいるものが使われた(俺は一応止めたのだが・・・)
学校中がこの話で盛り上がっていた、文化祭のライブの件といい、この件といいハルヒは天才エンターテイナーだとしみじみ思う
俺は皆に黙っていた事がある、フクちゃんも黙っていたが先日中河に電話で関西豪学連の情報を聞いたところ
典型的なスポーツ高校で女子柔道部は全国トップレベルの強さを誇っているらしい。フクちゃんの親父さんは余程娘に柔道を続けて欲しくないのだろう
しかし必死になって柔道に打ち込むハルヒたちに水を差したくなかった。またこの試合を楽しみにしている人たちをがっかりさせたくなかったからな
試合まで一週間を切ったある日の事、試合の準備もめどがつき俺と古泉は柔道場に向かった。
基礎トレーニングの時点で朝比奈さんは力尽きており、長門は端っこで例の本を黙々と読んでいる。
今回の試合はインチキ無しで戦わないと意味が無いと長門を説得しておいた。そうじゃないと文字通りの八百長試合になってしまうし
必死にトレーニングに励んでいるフクちゃんとハルヒに失礼だ、たとえ負けたとしても全力を尽くしたのならハルヒも閉鎖空間を発生させないだろう
万一そうなったら、古泉あとは頼む
畳の上ではハルヒとフクちゃんが乱取りの真っ最中
「違うわフクちゃん!1,2,3このタイミングで技をかけるのよ!」
「えっ、ええわかりました」
どっちが柔道部員かわからなくなってくる。頭二つ分自分より小さいハルヒにいともたやすくフクちゃんは投げられている
「どうもタイミングが難しくて、なかなか掴めません」
「フクちゃん、バレエやってたんでしょ?それと同じよ」
ハルヒが妙な事を言い出した。
「古泉君、バレエで1,2,3、てなんて言うの?」
古泉は何かを思い出したらしく、笑いを堪えながら答えた。
「アン、ドゥ、トロワです。その感覚でタイミングを計ってみてはいかがですか?」
そのやり取りからしばらくの間、フクちゃんは投げられ続けていたが、やがて俺を仰天させた。
「アン、ドゥ、トロワ!」
次の瞬間見事な大内刈りでハルヒを倒してしまった。
「涼宮さん、ありがとうございます、投げられて貰ってなんとかコツを掴んできました」
ハルヒは狐に包まれたような表情で座り込んでいたが、すぐに立ち上がった。
「そうよフクちゃん!今のタイミングで仕掛けなさい!」
また乱取りが始まった。
「よろしいですか、お話があるのですが」
「急に話しかけるな、息を吹きかけるな、顔が近いんだよ」
俺は古泉に誘われ柔道場の外に出た。
「先ほどの大内刈りですが、涼宮さんはわざと投げられたわけではありません、花園さんの技は本物です。血は争えないですね」
「何言ってんだ、意味がわからんぞ?」
「花園さんの母親はバレリーナから柔道家に転向し、銅メダルを取りました。得意技はバレエで培ったタイミングを使っての大内刈りです。」
「本当かそれ?」
「ええ、偶然であんなに上手く涼宮さんに技が決まるわけがありません。それに彼女の母親も当時最高の選手に稽古をつけて貰ってました。よく似た親子です」
「なんで、そんなに詳しいんだ?当時は俺たちは赤ん坊だぞ」
「実は新川さんが大の柔道好きで、以前話を聞いたことがあるのですよ、当時の日刊エヴリースポーツのスクラップを見せて貰いました。」
「古泉、おまえだけには伝えておく、相手はかなりの強豪だはっきり言って勝てるわけ無い、ハルヒと長門は勝つかも知れんがこれは団体戦だ」
俺の話を聞いて古泉はますますニヤケてきた、何が楽しい?長門の情報操作も無しで戦うんだぞ
「失礼、しかし勝つかもしれませんよ、涼宮さんが勝利を望むなら、それに本当に花園さんは母親と似た運命を背負っていますね」
「メダリストだったら強豪高のエリートだったんだろ?フクちゃんとはだいぶ違うぞ」
古泉は前髪をかき上げ、得意満面に話を続ける、何をやっても絵になる男だ
「いいえ、彼女の母親は普通の女子短大出身で短大入学まで柔道の経験はありませんでした。しかしある人物と出会い柔道を始めたのですよ」
「ある人物って誰だ?もったいぶらずに言え」
古泉からその名前を聞き腰を抜かした。国民栄誉賞を貰った超有名選手じゃないか、過去の映像見たことあるけど、小さな身体で大きな相手に一本背負い決めてたぞ
「その選手と母親は素人揃いの女子柔道部で強豪校と試合をして勝ちましたから、我々にも勝機があるかもしれません」
果たして日曜の試合はどうなるのだろう?しかし結果から言えば俺はハルヒの試合しか見れなかったが会場は大盛り上がりだったらしい・・・
ここからはハルヒ視点
もう、あのバカキョン、試合は明日なのにお母さんの田舎に帰っちゃうなんて運の悪い男ね、おじいちゃんが倒れちゃったから仕方ないけど・・・
おじいちゃん大丈夫だといいね、あんたなんていなくてもあたしたちは大丈夫だから心配しなくていいわよ
今あたしのとなりではフクちゃんが寝ている、親父さんと顔をあわせたら余計プレッシャー感じちゃうと思ったからあたしの家に泊まってもらったけど
本当はあたしも明日の試合が急に怖くなった。なんでだろ?今までこんな気持ちになったことなんて無いのに
普段と違うのは、明日キョンが居ない事だけなのに・・・
怖い、怖いよキョン、強がりは言ってみたけど、昔はずっとひとりで平気だったのに今は違う、あいつが傍にいないとすごく不安になってくる、お願いだから明日試合に来てよ
あんたがいないと調子でないのよ
怖くて眠れない姿をフクちゃんが見たら余計な心配させちゃうから、もうベッドに入ろう
あたしは、キョンの写真が入った定期入れを枕に入れて眠りについた。
明日はみんなにこんな顔みせないように頑張らなくっちゃだめね
後編読んでくれないと、あたしの一本背負いお見舞いしちゃうんだから!
こんなにジメジメだとハルにゃんが走り回ると汗塗れになりそうだな。
……よし、タオルを用意しよう
な…懐かしい…
ハルヒさあーん
おぉ、リロってなかった。
ハルにゃん頑張れ!
最後の一人はあの方だな。
>>259-
>>264 コメントありがとうございます
やはり潮時ですね。
今までありがとうございました
すいません。ウザいでしょうが1レスだけ。
悪くない人生の作者です。
我侭で再投下させて頂いたSSをまとめにも載せて頂いて、
さらに外部リンクまで付けていただきありがとうございます。
予想外に読んでいただけていたことに驚きと嬉しさを感じています。
多くの読んだことあるのレスに正直ビビッたwww
感想くれた方、ほんと、ありがとうございました。
>>277 なんで潮時と思うのかがわからんのだが・・・?
おれはこのシリーズ好きなんで出来れば続けてもらいたい。
>>277 それをやめろと言ってるんだと思うよ。
っていうかここでやめられるのは個人的にだけど認めん。
ここのスレは優しい人も多いから「読まなかったら氏ね!」っていう位の勢いで書いてもいいと思う。
勿論シリーズ物ならそう書く必要はあるがね。
>>277 俺は好きなので続けて欲しい。
てか、コメント見て潮時と判断したってことは、
>>259-261とかの意見は丸無視ですかそうですか、と言いたくなってしまう。
投下してから「やっちまった」と思う気持ちは俺もあるのでわからんでもないが、他の人も言っているように自虐的過ぎるのは良くない!
バカップルいいよバカップル。
>>266-272 これは後編に期待w ハルにゃんの一本背負いならくらいたいけど後編も読ませてもらうぜ!
>>278 完全に出遅れていますが俺もVIPで読んでました。まさかの展開に笑いつつ最後にはああなるとはw
>>278-
>>280氏
ありがとうございます。
確かに自虐的過ぎましたね。
今後は少し間をおいて書き続けたいと思います。
皆さんの言葉胸に来ました。
>>279も書いてますが、投下する人はもっと自信持った方がいいと思うんだ。「俺の妄想を受け取れー!」ってな具合に。
謙虚なのは結構だけどあまりにも自虐的過ぎると「そんなこと言うなら最初から投下すんじゃねぇ!」って言いたくもなるよねw
うぜぇな!って人はNG登録しとくか黙ってスクロールすればいいんじゃないかと。
だからSSとか絵とか書いてるけど投下する勇気ない人も思いきって投稿ボタンを押すんだ!いや押してくださいお願いします。
>>272 うはwww
元ネタ好きの自分にはたまらない!
後半wktkして待ってるよ〜
ついでに番外編としてハルキョンには寝技で組んずほぐれt(ry
>>278 俺もvipで読んでたよ、ああいうの好き
それにしてもハルキョンの子供に「ハル」がついてるの多いよな
ハルナ、ハルカ、ハルキなどなど
>>282 SSを書くのは義務ではないし書かないのも義務ではない。書きたくなった時に書けばいい。
で、出来上がって投下したくなったのなら「投下する」とだけ言って投下しちゃえ。
他の人に突っ込み入れたり雑談したくなったら別端末から書き込めば同一人物とは解らんし、
職人なんてそんなもんで良いんよ
懐かしい、皆口裕子の声が聞こえてきそうだよw
後半も頑張ってくれw
どちらかというと小ネタっぽいけど投下
授業が終わり、トイレに行こうかと立ち上がる。しかしがつん、と何かに阻まれ俺はバランスを崩し、再び椅子に座り込んだ。
一体なんだ、と振り返ってみればすぐそこにハルヒの机と、胸の下あたりを抑えながら俺を睨みつけるハルヒ。
「〜〜〜痛ったいわね、このバカキョン! ちゃんと後ろみて立ちなさいよ!」
「すまん、まさかこれほど近いとは思わなかったんだ」
謝るもののハルヒはふん、とそっぽを向く。というか椅子に座れるくらいの幅しかないじゃないか、これはぶつかるのも当たり前だ。すまんがもうちょっと下がってくれないか?
「分かってるわよ、こんな痛い思い何度もしたくないものね。今度はぶつからないでよね!」
せっかく寝てたのに、とぶちぶち言うハルヒに、
「そりゃ悪かった」
もう一度謝った。
などという会話をしたのがつい先程の休み時間。
用を済ませ教室に戻ってきたときにはハルヒは言っていたとおり机を後ろに下げてくれていた、これなら立ち上がってもぶつからないだろう。
そこまできちんと確認していたというのに。
がんっ。
「痛てっ!」
「痛っ!」
いつの間に時間を巻き戻したのかと聞きたくなるほどまったく同じように、立ちあがろうとして失敗し座る俺と、またあばらを打って押さえるハルヒ。えーと、すまん。
「すまんじゃないわよ! ついさっきの時間、後ろを確認して立てって言ったばっかじゃないの! もう忘れたって言うの!?」
そう簡単に忘れてしまうほど俺の脳細胞は死んでないぞ、だが座るときに確認した限りではだいぶ間が離れていたはずだ。それなのにまた近くなっているということはお前が机を前にやったということだろう。
「何でそんなことをする必要があるっていうの」
「じゃあ俺が授業中に少しずつ後ろに下がったっていうのか? そんな器用なことするわけないだろ」
「あたしが前に行ったっていうの? それこそありえないわ」
「ほう、ありえないことの方がありえそうだけどな」
じりじりとハルヒとにらみ合いをしていると、やはり一人はいるものだな、空気が読めない奴が。
「おいおい、何見つめ合ってるんだよ、涼宮にキョン」
「「見つめ合ってない!」」
って何でハモるんだよ、谷口の変な顔がさらに変になったじゃねえか。
「変って言うな! うぉっほん、それはさておき。見つめ合ってないっていうならなんだっていうんだよ」
「「にらみ合ってる」」
……だから同じことを言うなって。
「あーもう! 何でさっきからあたしとおんなじことばっかり言うのよ!」
「それは俺の台詞だ! お前が俺と同じことを言ってるんだろ」
「あんたよ、あんた!」
「お前だ」
「あんた。大体あんたはねぇ……」
「お前こそ……」
「……」
「…」
おっと、ハルヒとの言い合いについムキになっちまった。ふと我に返り周りを見る。っておい? 何でみんなして俺たちからそんなに距離を置いてるんだ? なんだよ、その生暖かい視線と射殺すような視線は。俺が何をしたって言うんだよ、おーい。
「ちょっとキョン! あたしが言ってることちゃんと聞いてるの!?」
「あーはいはい、聞いてます聞いてます」
「ならいいけど。それにあんたは……」
まだまだハルヒの話は続きそうだ、まったく、やれやれ、だね。
「そこの二人ー、いい加減授業始まってることに気付いてくれないかー? ついでに谷口、いつまでも睨むな」
「先生、あの二人と谷口は放っておいて授業をどうぞ」
>>287 GJ!
無意識なのか意識的なのか、少しでもキョンに近いとこに居ようとするハルヒカワイい!
机ごとジリジリと詰め寄るハルヒを想像したw
二人の間だけの磁力が働いて引き寄せ合ってるんですね、わかりますw
完成は結構先になりそうなので予告も兼ねて今まで書きあがってる分を
掲載します。残りは今月中に完成させますのでご容赦ください
ここからは試合実況 足りない部分は俺があとから聞いた話だ
お待たせいたしました。ここ北高体育館は日曜にもかかわらず超満員に膨れ上がり試合開始を今や遅しと待ち望んでおります。
申し送れましたが実況は私、放送部員、若林がお送り致します。解説にはSOS団副団長古泉一樹さんをお迎えしました。よろしくお願いします。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
古泉さん、本日の試合はSOS団プロデュースとうかがっておりますが
「ええ、涼宮さんが基本設定しプロレス研が演出してくれました。両チームの選手たちは控え室からひとりづづ入場し5対5の点取り試合を行います。
勝ち抜き戦ではありません、5試合やって勝ちの多い方が勝利となります。
出場順はロイヤルランブル形式により相手が入場するまでお互いにわかりません、先に豪学連、後に北高が入場します」
「資料では相手はかなりの強豪のようですが」
「勝負はやってみないとわかりません、絶対不利との声が大きいのにこれだけの観客がいるのです。みんな期待してるのですよ、SOS団なら何かやってくれると」
二階席中央では谷口と国木田が臨時応援団を結成し仲間たちとエールの練習をしている、中学時代の学ランまで持ち出してやる気まんまんだ
審判は我が校の男子柔道部顧問が勤める事となった。タキシードを着た放送部員が畳の上にあがりマイクを持つ
「これよりSOS団プレゼンツ女子柔道全面対抗戦を開催致します!女の中の女でてこいや!」
会場のボルテージは一気に上昇し凄い熱気だ、学食の自販機のジュースは全て売り切れたらしい。
「先鋒戦、まずは関西豪学連の選手入場です」
反対側の出入り口からでてきたのは、トドにしかみえない大女だった。
「古泉さん、相手チームの選手ですが、藤堂由香、身長181センチ 体重95キロまさしく重戦車です。最初から厳しい戦いが予想されますね」
「まあ、重戦車と言うよりも藤堂ではなくトドにしかみえません、柔よく剛を制すといいますし北高の先鋒に期待しましょう」
そのとき北高先鋒の入場曲が場内のスピーカーから鳴り響き、コンピ研が陣取ってるあたりから「キター!」との歓声があがった。
「お〜ともな〜いせか〜いに、ま〜いおりた、T Was Snow・・・」
「なんと北高出場口から出てきたのは、藤堂とは対照的な、小柄な文芸部員、柔道着に身を包んだ長門有希です!」
コンピ研有志たちが二階部分の手すりから入場にあわせて横断幕を張る、みただけでも恥ずかしくなるシロモノだ、
青を基調にした横断幕には雪の結晶がプリントされており、白くでかい字でメッセージが書いてある、あえて言おう「おまえら狂ってるよ」
「長門は俺の嫁」
横断幕に書かれたメッセージを長門がどのように受け取ったかはしらんが、今度聞いてみよう
「古泉さん、いくらなんでも長門に勝ち目は無いと思われますが」
「普通に考えたらそうでしょうね、しかし柔道は身体の大きいものが勝つとは限りません」
畳の上では試合が始まろうとしている、こんな小さな相手をぶつけられた藤堂は明らかにいきり立っており、今にも突進しそうだ
長門は対照的に棒立ちのまま、相手の眼をじっとみつめている。
「はじめ!」
「おーっと開始と同時に藤堂が突っ込んで行きます、えっ、嘘だろ、試合開始と同時に突っ込んだ藤堂が組み合った瞬間・・
転んでひっくり返ってしまい、長門はその襟をちょこんとつまんでいたため、見事一本勝ちです」
「柔よく、剛を制す・・・」
ミクロン単位で礼を交わした長門は控え室へと戻って言った。
「いや〜ラッキーな試合でしたね、古泉さん」
「そう見えますか?仕方ありませんね」
解説者は薄気味悪い微笑でアナウンサーを煙にまいた。
ザクフェチになったハルにゃん
助っ人っても消去法で八重歯の可愛いあの人しかいないような気がするが
意表をついて「それ、無理!」な人や事後処理が得意な人が来たらそれはそれで楽しいな
左のほほに鈍い感触があった。
麻酔注射のあとのほほのような。・・・・歯医者なんかに行ってたかな・・・
このあたしが虫歯なんて、いまいましい。
今はそんな場合じゃないのに。
あたしのことなんかどうだっていいのに。
うなり声をあげて目を開けたら、まだ夢の続きだった。
あいつが、うれしそうな、やさしそうな顔であたしをながめてる。
この顔だ。
あたしが求めていたのはこの顔。あいつの顔。
こんな顔で、もしあいつがあたしを見つめてくれたら・・・
え?!
あたしは気づいた。
キョンの指が、あたしの顔に触れてる。キョンが起きてる!
「あ!?」
寝袋を着込んだのを忘れて立ち上がろうとしたあたしは、
そのまま床を恥ずかしくのたうったのだった。
ちっ。
浴衣姿のハルにゃん
寝巻き姿のハルにゃん
忍者姿のハルにゃん
着物姿のハルにゃん