【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その92

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1Haruhi
アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の超ヒロインにしてSOS団団長! あたし涼宮ハルヒについて語りあうスレよ!
じゃんじゃん語りなさい! 過疎になんかさせたら許さないんだからねっ!
ただし【荒し】【荒しに反応する人】はダメ! もし見かけたら生暖かく見守るとよいでしょう。
SS、あたしとキョンのカップリングネタは、名前欄に「SS」「ハルキョン」と書くように…。
あたしが恥ずかし……くは別にないけど、部室のPCのNGワードに入れといてあげるから。

次スレは960が立てること。スレの進み具合によってはスレ立てが早まることもありうるから、臨機応変に対応しなさいよ!

前スレ
【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その91
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1212495011/

ハルヒスレSSまとめ Wiki
http://wikiwiki.jp/haruhi/
2Kyon:2008/06/18(水) 02:09:59 ID:zytFUP8m
やれやれ……皆聞いてくれ、団長命令だ。
最近、荒らしのような発言をする奴が目立つが、そういうのはまず下記リンク先に目を通せとのことらしい。
それが出来ない奴は王様で団長なハルヒのスルー対象にされちまうので、気をつけるように。

【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ【避難所】
http://jbbs.livedoor.jp/comic/3935/ (PC用)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/comic/3935/ (携帯用)


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:.;:.ヽ'. >  >ヽ;:;:ヽ   ヽ;;;;=''"    _,,ィ  /_=!:;:;/  .l  /        優雅に、そして華麗にスルーしなさい
\;:;:,\へ!  ヽ;:;.`、、      l ̄ ヽj ,イ.!='' /;/ヽ、 /  〈_/i        じゃないとあたしを語らせてあげない
  ヽ;:;:;.,\   ヽ;::;:ヽミ'''ー- ,,,._`ー_'',/.//  /:'   )^''、  `ヾf゙〉     あたしが王様なんだから
   ヽ;:;:,<¨ヽ、  ヽー-≧ニェェ‐-=,,_ //   '  // i  `''、ー-'       王様の言うことは絶対っっなんだからねっ♪
3Haruhi:2008/06/18(水) 02:10:29 ID:zytFUP8m
SSやAAを投下する前に注意!

投下が複数レスにまたがる事が確実な場合は別のテキストファイルに纏めておいた方が無難かしら。
その場合、分割数が予め解っている場合は、名前欄に書いたタイトルの後に分数表記しておくとみんなも安心だと思うわ。

1行の最大文字数は全角で125文字、1レスの最大行数は60行ってことになってるから気をつけなさいよ。
また、1レスの最大書き込み容量は4096バイト、つまり全角換算にして2048文字分ってわけなの。
でも改行コードがただのテキストファイル場合の2バイトと違って6バイトってことには要注意なんだからね。
専用ブラウザの中には書き込み容量計算をしてくれるものもあるから、それを利用するのもアリかもね。

まあ、別に1レス/1行ににギリギリまで詰め込むような必要は全然ないとあたしは思うんだけど。
でも一応レス数を無駄にしないって意味では頭のどこかで意識してくれた方が嬉しいわね。
ちなみに1行全角60文字ぐらいに収めるようにしてる職人さんもいるみたいだし、要は読み手のことを考えてあげてよね。

まだなにかあったかしら?
え、なによキョン、大事なことを忘れてるって?

このスレではメール欄に半角で「sage」と入れる事、良いわね?
うっかりageちゃったりしたら、暇を持て余した荒らしやアンチが来るって言うから気を付けなさいっ!

…………。ねえ、キョン。何でこんなこと言わないといけないのよ。あたりまえじゃないの。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 02:20:45 ID:ffHJtFi4
>>1乙しようぜ、>>1乙!
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 02:26:23 ID:eIj75iuX
>>1乙です
6 ◆RAXLFIwrP6 :2008/06/18(水) 02:37:22 ID:fvBN4+In
┏─────┓  . . ..::::::::::|  ||  ./
│≡≡≡≡≡│  . . ...:::::::|  ||/     ||
┗─────┛    . . . .:::|  ||       ||  |  .
    (◎) , -‐―‐- 、  . ..:::|  ||/     ||  .! :   :
    ヽ| /rシ/ニニヽヽ    !  !!         ||   | :   :
__(_. ハ芥.lノノ从从|゙t >>1 乙…       ||  | :   :
.     i l (| | │ │ i<] . ヽl  ll     /  ||  ,i :    :
 ̄|| ̄. i从リ、''' c.''ノ○.. ̄||.  \ . //  ,|i〕 ,! :    :
==||====||=/'} |{H}l'il<]====||    \    ||  ,| ::   ::
\||__\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||.      \ . ||  i ::   :::
  \  ||\______\ \     \,||  | :::   .:::
 ̄||.   ||\||   〔 ̄ ̄ ̄〕 ̄.  \     \ | :::   ::::
 ̄ ̄\ ||. .|| \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\.. \     ノ .::::   :::::
     \ . ||. ||\______\ . \   ゙^ヽ,  .:::::::
 ̄ ̄ ̄||~     ||\||   :=:   || ̄.   \     `〜、
 ̄ ̄ ̄||.       || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||        \
              ||          ||        \
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 03:52:22 ID:teHMjKIQ
>>6
なんか寂しいぞ

>>1乙だ! >>1乙パーティだ!
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 10:33:50 ID:syhxMt0q
>>1
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:54:16 ID:/pw2zLeg
>>1

キョンがジョンじゃなくてマイケルとかダニーなんかハルヒに名乗ってたらどうなったろう?
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:49:56 ID:+Poqm/hI
「あんた、名前は?」
「ドン・キング」
「バッカじゃないの?」
「俺もそう思っていた」
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 16:39:01 ID:ZWd50GR5
>>1乙でしょでしょ♪
乙が>>1乙に変わる世界で〜♪
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 17:26:27 ID:3REtI53o
い、>>1乙ですぅ!
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 17:42:16 ID:3REtI53o
前スレの
>>979の自然っぷりに(*´Д`)ハァハァ 早く結婚しろ!
>>980の無自覚っぷりに(*´Д`)ハァハァ 墓穴掘りまくり!
>>981のスケジュール吹いたw
>>978>>983
しっかり気づいてるハルヒにさり気なく用意してあげるキョンがいいなw
>>988
なんという甘甘夫婦で(*´Д`)ハァハァ…!
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:25:36 ID:MBVQyKNr
前スレ埋ネタラッシュGGGGJ!&>>1
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:33:22 ID:BF9hR5Pb
煎じ詰めて言えば、「>>1乙があるべき姿をしているのは、住人が観測することによって初めてそうであることを知ったからだ」という理論です。
住人観測す、ゆえに>>1乙あり。とでも言い換えましょうか。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:36:07 ID:KQOMURN6
>>1おつ

1000 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/06/18(水) 18:24:07 ID:BF9hR5Pb
1000なら驚愕発売情報が角川から出る!
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:08:22 ID:ZWfH0WMD
………>>1
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:10:47 ID:EdN1GusC
>>1乙&全スレ埋めネタSSもGJGJ!
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:11:02 ID:2vtxFGX8
出先なので簡単に前スレ埋めネタの全てにGJ!を

そして>>979がハルヒシリーズの巻名をこっそり文章に仕込んでいた点についてお見事!と
20SS 王様と奴隷 1:2008/06/18(水) 19:16:58 ID:EdN1GusC
新スレついでに埋めネタ投下し損ねたSSを。5レスほど消費予定
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「……ちょっと、もうダメなの? だらしないわねえ。腰の鍛錬が足りてないんじゃないの?」
 無茶言うな。俺だって初めてなんだ……っ! あくぁっ……スマン、ハルヒ……も、もうダメだ……っ!
「えっ?! ちょ、ちょっと待ってよ! やだ、危ないってば! キョン!」
 非常に残念なことだが、ハルヒの必死の制止も空しく俺は果てた。
 そして文字通り『グッタリ』といった体でハルヒに身体を重ねる。下半身がまるで自分のものではないようにビクビクと痙攣している。
 だめだ。一歩も動けん。
 俺は荒い息を吐き続け、下敷きになっているハルヒにもう一度詫びた。
 すまん……ハルヒ……。

*****

 放課後の部室。長門も古泉も進路面談で、朝比奈さんは鶴屋さんと大学見学。そんなわけで現在ここには俺とハルヒの二人しかいない。
 俺は読みかけのマンガのページを捲りながら自分で淹れた美味くもないお茶をすすっている。ハルヒはといえば、せっかく俺が淹れてやったお茶を一気飲みしてから味に関して原稿用紙一枚分くらいの苦情を陳べて、現在はネットサーフィン中だ。
 まぁ部室にいるのが二人だけであるということを除けば、いつもと変わらぬ日常風景ってことだな。問題はこいつが退屈しのぎに、またぞろ突拍子もないことを言い出さないかどうかってことくらいかね。
「ヒマねー。まーったくヒマ。ネットも面白い記事とかないし……ねーキョン、つまんないわよ。あんたなんとかしなさいよ」
 相変わらずの無茶振りをしやがる。なんとかしろったってここには何にもないぞ。まぁ強いて言えば古泉のコレクションがあるにはあるが、俺はお前とゲームに興じるつもりはない。俺の読書タイムの邪魔をしてくれるな。頼むぜ。
「読書ったって、あんたそれマンガじゃないのよ」
 バカにしたもんでもないぞ。谷口オススメの一冊だ。まー内容はあってないようなもんだがな。ちなみに今のはシャレってわけじゃない。
「んなこたわかってるわよ。で、どんな本なのよそれ?」
 んー……俺たちが生まれた頃の漫画雑誌に連載されてたラブコメモノだな。なんでも古本屋でまとめ売りしてたのを見て、谷口が『ぴーんと来た』らしい。他にも何冊かあるがヒマなら読むか? 又貸しは出来んがここで読む分にはかまわんだろ。
「ふーん……まぁバカ口のオススメなんて面白いわけもないだろうけど、どーせヒマだしね。でも途中から読んで話のスジとかわかるもんなの?」
 ああ、その心配には及ばん。オムニバスっていうのか? 一話完結、もしくは前後編とかだから別に問題ないと思うぜ。ほれ。
 そういうと俺は通学バッグから二冊ほどの在庫を取りだしてハルヒに渡した。ハルヒは受け取ると団長席にのけぞる様に座って、ペラペラとページをめくり出す。読むというよりは品定めしているらしい。
「へぇ……結構キレイな絵じゃない。でも服装のセンスが古いわねー」
 だから俺たちが生まれた頃のマンガだっつーの。
「あそっか。ま、いいわ。それじゃキョン、あたし読み始めるから、お茶のお代わりちょーだい」
 へいへいっと……。

 それから十分ほどだろうか、最初は「はぁ?」だの「バッカじゃないの?」などと時折イラついたような感想を独りごちていたハルヒだったが次第にのめり込み始めたようで、今では熱心に読んでいる。
「……な、なるほどね」
 パタン、と団長専用PC卓に単行本をおくハルヒ。その音に目を向けるとハルヒは顎の下に指をあてて何やら思案顔をしている。
 どうした? なんか発見でもあったのか?
「……え? へ? あ、いや、なんでもないのよ。うん」
 それならそれでいいんだが。ってなんだ?
 思案顔を解いたハルヒは、席を立つと俺のところまでつかつかと音を立てて進んでくる。なんだ? 他の巻貸せってか?
「違うわよ。ね、ねえキョン。ちょっとゲームやんない?」
 は? さっきも言ったがお前とゲームやるつもりはないっつっただろ。将棋もチェスもオセロも、お前と俺とじゃ勝負にならんじゃないか。古泉みたいに負け戦にわざわざネギと鍋背負って立ち向かう趣味はないからな。
「ちっがうわよ。そんな頭使うのじゃなくて……ま、まぁ頭は使うかも知れないけどね。どっちかっていうと頭の体操よ!」
 頭の体操っつってもなぁ。
 仕方なく俺は読みかけの漫画を閉じる。ハルヒはといえば俺の返事も聴かずに朝比奈さんのお茶棚ゾーンでなにやらゴソゴソやっているようだが……。
 で? なんだってんだ?
「えーとね……よしオッケー。じゃーん!」
 セルフ効果音と共に差し出されたのは一対の割り箸。先端を拳で握っている。
21SS 王様と奴隷 2:2008/06/18(水) 19:18:20 ID:EdN1GusC
「王様と奴隷ゲーム!」
……スマン、なんだって?
「だからー王様と奴隷ゲームよ。このクジを引いて、先っちょに書かれたとおり王様と奴隷になって命令を出すの!」
 この上なく簡潔な説明だが、それのどこが頭の体操なんだ?
「ふふん。このゲームはね、ただの王様ゲームじゃないのよ。なにしろ二人しかいないんだから命令をされる側とする側だけでしょ? だからね、命令に工夫をするのよ。まぁ縛りをいれるってわけね」
 相変わらずよくわからんが、どういうわけだ?
「五十音順に命令をするの。あいうえおかきくけこーってね」
 うーん……? ああ、なんとなくわかったぞ。つまり最初に王様を引いたら「あ」から始まる命令をしなきゃいけないんだな? で、次が「い」から始まる命令ってわけか。
「そ! なかなか察しがいいじゃない! それともう一つね、命令はここですぐ出来る事でなきゃダメ。頭使うでしょ?」
 なるほどね。こりゃ確かに頭の体操にはなりそうだ。確率は二分の一。仮に激運女のハルヒが王様になり続けたとしても、命令の内容は制限されるってわけだ。
 それにハルヒが最初に王様になっても、ここで出来る事っていう縛りがある上に「あ」から始まるものだから、えーと……「アンコールワットに行って地雷を片づけて来なさい!」なんてことは命令出来ない、と。なるほどなるほど。
 逆に俺が王様になる可能性もあるわけだが、その時に普段の復讐とばかりに無茶な命令はできないし、その時の命令の頭文字は指定されるわけだ。
 ふむ。面白そうだ。よし、受けて立とうじゃないか。
 実のところ退屈していた俺は、ハルヒの対戦要求を受けて立つ事にした。ついでに最後の質問をぶつけてみる。
「最後はどうするんだ?『ん』から始まるのはないだろ?」
「それもそうね。まぁその前にきっと降参することになるだろうけど」
 降参? どういうこった? 命令が浮かばないときとかか?
「それもそうだし、その命令にどうしても従いたくないってときは降参すればOKってことね。あと出来ないときも負け」
 ほー。随分とお優しいじゃないか。敗北と引き替えだが拒否権もあるってことだな。
 そこそこの命令ならリベンジの機会もあるわけだし、拒否するか従うかも駆け引きってこったな。OK。全て把握したぞ。日頃の恨みを晴らしてやろうじゃないか。
「ふふん! 雑用係のあんたに永世絶対君主たる団長が負けるわけないでしょ? さ、一回戦行くわよ?」

*****

 こうして俺とハルヒのゲームは開始された。
 一回戦目、御題は『あ』だ。言い出しっぺのハルヒが優先権を与えてくれたので、俺はハルヒの手から割り箸を一本抜いた。
 念のため目を閉じて引かされたのは言うまでもない。もちろん指先の感覚で割り箸の形を調べるのもナシだ。
 で、王様はというと……なんと一発目は俺だった。
「あーあ、ついてないわねー。で? 命令は?」
 ふむ。御題は『あ』か……。
 俺はしばらく考えてから、空になった湯飲みを視界の隅に捉えて、命令を下した。
 よし、『あ』ついお茶を入れてくれたまえ。
「えー? まったくもー……一発目から地味な命令ねー」
 愚痴愚痴言いながらも朝比奈さんゾーンに向かうハルヒ。地味な命令っつってもなあ。派手な命令なんかしたら、どんな仕返しがくるかわかったもんじゃない。最初はこんなもんでいいんだよ。
 まぁお湯は電気ポットに入っていたので、お茶ガラを一回捨てて淹れ直すだけなんだけどな。
 それでも俺の手元には本人曰く永世絶対君主たるSOS団長の手ずからのお茶という、世にも珍しい一服が献じられたわけだ。うむ。これはなかなか良い気分だ。
 文字通り熱いんで、まだ飲めないがな。
「さー! 次いくわよ!」
 二回戦目の御題は『い』。王様は……ハルヒだ。
「ほっほっほ! さーキョン! 覚悟はいい?」
 わざとらしい女王様ボイスでの派手な笑い声。嫌な予感がひしひしとするぜ。さすがに攻守交代の一手目でギブアップはしたくないところだが……。
「そーね、じゃあキョン! あんた『い』すになりなさい!」
 くっ……そう来たか。どうすりゃいいんだ?……もしかしても、もしかしなくても四つん這いになれってか?
「わかってんじゃないの。下衆な奴隷根性が身に付いてるのかしら?」
 すっかり女王様気分のハルヒだ。誰かムチ持ってこい、きっとえらく似合うぞ。いや、やっぱりいい。叩かれる趣味はないからな。
 仕方なく俺はいつもの口癖を漏らしながら床に手と膝をついた。くっそー屈辱だ。
22SS 王様と奴隷 3:2008/06/18(水) 19:18:51 ID:EdN1GusC
「貧相な椅子ねー……よいしょっと」
 さほど重いワケじゃないが、勢いをつけて座られたもんだから、ちょっとした衝撃だ。ええいこの際背中に感じる柔らかい何かだのなんだのは気にしていられん。
「やっぱお茶は出がらしよりも一番茶よねー」
 ずずずー……ってオイ! それは俺のだろうが!
「あーら? あんたが出した命令は『熱いお茶を淹れてこい』だけでしょ? 飲むところまでは命令に入ってないわ! それと! 椅子が喋るんじゃなーい!」
 のっしのっしと背中の上で暴れるハルヒ。くっそー! 絶対リベンジしてやる! 次は『う』か?『う』だと? よーし腕立てだ!
 男女の体力差など知ったことか、絶対に腕立てさせてやる! 上から見下ろして鼻歌交じりのE気分になってやるっ!

*****

 勝負は既に六回戦目を迎えていた。くそーハルヒめ……無茶な命令ばっかしやがって……。
 ちなみにこれまでの流れはこんな感じになっている。

 三回戦『う』・王様ハルヒ。命令『腕立て五十回』
 四回戦『え』・王様ハルヒ。命令『笑顔でスクワット五十回』
 五回戦『お』・王様ハルヒ。命令『踊りなさい』

……ハッキリ言おう。全敗だ。
 回数自体は問題じゃないが、突然やったもんだから腕もギシギシいってるし、笑顔をはりつけたままスクワットなんてするもんじゃない。古泉にでもやらせとけ。
 しかも一つ前の命令で、俺は五分以上不思議な踊りをさせられた。なんだあの「ウーウーウマウマ」っていうヘンな曲と踊りは! 腰が痛いわっ! 悪いインターネットめっ!
……まとめて言えば、ハルヒの命令は全て体力を消費させるものばかりで、俺は精神力も体力も確実に削られていた。息が荒くなると同時に抵抗力も思考力も低下しているのが認識できる。
「だっらしないわねー! さー次の御題は『か』よ! 引きなさい!」
 俺は呼吸を整えながら目を閉じて手を伸ばす。『か』……『か』……『かっぱえびせん買ってこい!』ダメだ。『カッコイイって言え!』ダメだ、俺が死にたくなる。『カンチョーさせろ!』勿論ダメだ、殺される。下手したらセクハラで法廷直行便だ。
 酸素を必死になって脳に送り込むが、全く有効な考えが浮かばない。そして割り箸をひいた俺が目を開けると……。
「あっちゃー……」
 王様は俺だった。よし、リベンジだ……ぜーぜー……えーと『か』……『か』……ダメだ。ロクな命令が思い浮かばない。
『か』……『か』……カイワレ、角煮、かけそば、果汁100%オレンジジュース、カツオのタタキ、カレーライス……なんで食べ物しか浮かばないんだ? エネルギー切れか?
「はーやくしなさいよー! タイムアップにしちゃうわよー!」
 非情な新規ルールを追加しようとするハルヒ。ええい、なんかないのか! えーとえーと、カレイの煮付け、カロリーメイト、だから食べ物はもういいって!
 えーと、ラ行の次はワ行か。『か』、かわ……。
「かわ? なに?」
 ぬ、しまった。どうやら口に出してしまっていたらしい。
「かわ、なんなのよ?」
 えーとだな、かわ……かわ……えーと……かわあ、かわい……。
「かわい? もーイライラするわね! なんなの?!」
 パニックだ。俺の脳はすっかり思考停止し、今にもタイムアップの審判を下そうとしているハルヒを、とにかく押しとどめることしか考えられないでいた。
「かわいく!」
「はぁ?」
 言ってから呆然とする。かわいく? かわいくの後なんだ? 何を言えばいいんだ?
 えーとえーと……か、かわいく……命令を……。
 そこで絶句してしまう。ダメだ、なーんも思い浮かばん。
「な、なによ……? か、可愛く命令しろっていうの? 次の時に……?」
 なんだかしらんが勝手に解釈されてしまったらしい。タイムアップで負けになるよりはマシだ。よくわからんが。
「そんなのルール違反じゃないのー……? そっ……そりゃ……この場でできることだけど……」
 なんかそわそわしている風なハルヒ。気のせいか顔が若干赤いような気がする。どうしたんだコイツは。
 可愛く命令しろったって、その内容が「死んで?」とかだと困るんだぞ?
……いかん、いらんこと思い出した。
 俺はトラウマ再発掘のセルフサービスを受けて思わず身震いしてしまった。見ればハルヒは相変わらずそっぽを向いてブツブツ言っている。
23SS 王様と奴隷 4:2008/06/18(水) 19:19:27 ID:EdN1GusC
 とにもかくにも命令は受理されたようで、なんとかギブアップもタイムアップも免れたようだ。さて、続きだが……七回戦目の御題は『き』だ。
 前戦の奴隷が先攻なので、まだブツブツ言いながらハルヒが差し出してきた割り箸をつまんで引き抜く。
 目を開けて確認すると。うん、神さまって存在しねーようだな。再び奴隷に逆戻りだ。
 一方のハルヒは『王』と書かれた割り箸を凝視して固まっている。もしもーし。
「ちょっ……ええー?……まだ心の準備が……こんな予定じゃなかったのに……」
 どうやら独り言らしいが、心の準備をするのは俺の方だろうが。どんな予定だったのか知らんが、さっさと命令してくれ。次当たりでギブアップだ。体力も思考力もペケだしな。
 キルギスタン共和国の首都と都市名を全部言えとか、そのあたりで勘弁してくれるとギブアップもしやすいんだが……。
「え、えっと……じゃ、じゃあ命令するわよ?」
 ああ、好きにやってくれ。可愛らしく命令しろってのが、さっきの俺からの命令だったが、この際無視してくれて構わんぞ。
「……ばーか」
 そう言うとハルヒは本棚にもたれてグッタリしている俺に歩み寄ると、下から俺の眼を上目遣いに見上げた。……なんか知らんが顔が赤い。
 な、なんだ、そんな見た事もないような表情で見るなよ! 俺まで顔が赤くなるじゃないか!
 慌てて目を逸らそうとすると、ハルヒはそれを妨げるかのようなタイミングで俺のブレザーの袖をきゅっとつまんだ。
「……キョン……?」
 な、なんでしょう?
「あ、あたしね。あたし……に……その……あたし……」
 言い淀むハルヒ。可愛く命令っていうさっきのオーダーを果たしているのであれば、大した演技力だ。今のコイツは仕草といい声色といい、見た事もないくらいに、その、なんだ――可愛い。
 思わず喉を鳴らして唾液を飲み下してしまう。
「その……あのね……えっと……キ……」
……『き』……?
 ハルヒは上目遣いに見上げていた顔を伏せてしまう。
「その……キ……」
……『き』……?
「えっと……キ……て……」
……なんだって? ごにょごにょ言ってたんじゃ聞き取れんぞ?
「だ、だからあ! キっ……キ……」
……『き』……?
 そろそろ二人して顔色ごとサルになりかけたとき、我慢しかねたのかハルヒは顔をあげて命令を下した。

「キ……騎馬立ち20分しなさいっ!」

*****

 騎馬立ち。空手や中国拳法の基本姿勢の一つ。文字通り馬に跨るが如く足を拡げ腰を深く落とす立ち方。中国拳法では站椿(馬歩站椿)とも呼ばれ、下半身の安定感と筋力の基礎鍛錬に用いられる――。

 そんなことを格闘技経験ゼロの俺が突然やったところで、そうそう長い時間耐えられるわけがなかった。
 オマケに、その前の腕立て&ヒンズースクワット&ウマウマ踊りで俺のライフは限りなくゼロだ。
 深夜に観た若き日のジャッキー・チェン映画の師匠よろしく、キセルではなくアクリル定規でビシビシと姿勢を矯正するハルヒ。
 結局10分はなんとか耐えただろうか……後ろに回ったハルヒに「腰が高い」と膝裏を叩かれた次の瞬間、俺は崩れ落ちるように倒れ込んでしまったわけだ。
 後ろにいたハルヒごと、な。冒頭のアレはそういうわけなんだが……。
24SS 王様と奴隷 5(終):2008/06/18(水) 19:21:09 ID:EdN1GusC
「いたたたた……ちょっとバカキョン! どきなさいよ!」
 そうしたいのは山々なんだが、足がいうことをきかん。ついでに言うと腕もだ。なんとか転がってどくから、もうちょい待て! よっ……と。
「ったく……! ってどこ触ってんのよ! 変態! エロキョン!」
 いたたたた! 定規で叩くな! 別にどこも触ってねーだろ! って、おわっ……もふっ!
「やっ……ちょっ……こら! 変なトコに顔押しつけるなっ! きゃっ……」

――ガチャ。

「……おやおや、これはこれは……お邪魔でしたね。それでは失礼します。あ、大丈夫ですよ。長門さんには今日の団活は中止だと伝えておきますので。まだ本校舎にいるはずですから……それでは、ごゆっくり」
 待て古泉! 誤解は後でゆっくり解くとして、とりあえず俺を助けろ!
 そう言ったつもりだったのだが、ハルヒのふくらみに遮られて、もがもがとしか言えない。そして閉まるドア。硬直する俺とハルヒ。
「……こっ……このエロキョン! ど・き・な・さ・いーっ!」
 数秒の沈黙の後、我に返ったらしいハルヒは潜り込ませた両足を思い切り突っ張って……というかナイスなほどの蹴りで、俺の身体を吹っ飛ばした。
 やれやれ離脱成功だと一息吐く間もなく、追加のダウン攻撃。
 いってえ! お前なー! 教科書入りの通学バックは既に鈍器だぞ!
「うっさい、このアホンダラゲ! 帰る! バカ! エロ! アホーーー!」
 言いたい放題に叫んで部室を出て行くハルヒ。それでも理性のカケラが残っていたのか一旦閉めたドアを開くと、まだへたりこんでいる俺に部室の鍵を投げつけてきた。
「バカキョン! 鈍感!」
 二度目の捨て台詞も一緒に。
 なんだってんだ全く……そりゃコケて巻き込んだ俺が悪いのは仕方ないから、どんな罵りを受けようとも甘んじるしかないが、最後のはなんだってんだかね。

 俺は口癖をつぶやくと鍵を拾って立ち上がる。あいててて、こりゃ明日筋肉痛決定かね。
 帰り支度をしようと谷口のマンガを拾い集めてカバンに詰めながら部室を見渡すと、机の上には七回戦で王様と奴隷が決まって以来うち捨てられたままの割り箸が一対。
 俺はなんとなしにそれを拾い上げると、制服のポケットにしまった。

――騎馬立ち、ねぇ。

 あの時、ハルヒが御題キーワードの『き』の後に続けそうになっていた五十音のどれか。
 声にこそならなかったものの口の形は……。
 俺の見間違いじゃなければ、子音こそわからんが母音は『A』じゃなくて『U』の形に見えたんだがね――。
 ま、いいか。
 そう呟くと、俺は我が儘で暴力的な女王……もとい、お姫様を追って、駆け足気味に部室を飛び出した――。

----------
以上ス。駄文申し訳ない。多分谷口がキョンに貸したマンガはBOYS BEかなんかだとw
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:36:08 ID:2vtxFGX8
GJ!
新スレそうそう笑わせないで下さいw
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:37:55 ID:yH5s6j3t
>>1

>>9
「アンタ名前は?」
「マイケル・J・フォックス」
「!? さてはアンタ未来人ねっ!!」
「な、なぜそれをぉぉっ!?」

>>20
埋めネタにしてはこのボリュームw
ゆっくり読ませてもらいます。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:30:20 ID:/pw2zLeg
キョンが海外に行ったらいくら訂正しても現地の人にジョンって呼ばれそう
で、もう好きに呼びやがれと。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:30:41 ID:6HEZNa9k
前スレ>>979も気付いた>>19もsugeeeeee!
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:03:05 ID:ZWfH0WMD
何故か新川さんが団員達に英会話を教える光景が脳内に浮かんだ
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:05:34 ID:BF9hR5Pb
>>20-24
何という奴隷ゲームGJ!!!
冒頭のまぎらわから終盤に到るまでニヤニヤしっぱなしでしたよ顔が戻らんどうしてくれるw

>>28 同意。そして気が付けなかったことにちょっと悔しい俺。
ともかく前スレ>>979あらためてGJ!
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:22:35 ID:3REtI53o
>>24
GJ! うまいなw にやにやさせと貰ったぜ!
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:40:53 ID:MS+QwUT3
>>24
やべ、ニヤニヤがとまらなかったじゃねーかwGJ!!
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:18:20 ID:Co8H5CEx
charaのやさしい気持ちを国営放送で久しぶりに聞いた。

サビの歌詞にハルキョンがかぶってかなりヤバイw
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:58:01 ID:Ug+uJvRO
>>33
初音ミクのメルトとワールドイズマインがハルキョンソングにしか聞こえない





ニコ厨でごめんなさい
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:08:49 ID:eAwu4ktN
たまには趣を変えて日曜は中華料理店で待ち合わせするSOS団
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:17:41 ID://Ku2hG1
>>24
これはいいハルキョンw
よっし、シリーズ化して「ん」まで考えるんだ!
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:21:09 ID:tEWu7sM4
ハルにゃんをくすぐる
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:31:47 ID:L6a87Yac
>>24
GJなんだが、団長も雑用もそろそろしたいことをすっきり吐き出せと小一w
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:50:14 ID:rjljiW5g
北京五輪開催記念SS「HARUHI!」
を現在執筆中です。
40SS やさしい気持ち 1:2008/06/19(木) 00:59:42 ID:YXuhM1Ah
>>33に触発されて即興SS。2レス消費。
----------
 試験まで後一週間。

 あたしの目の前で小さく寝息を立てているコイツは、本当に頑張ったと思う。
 睡眠時間? 足りているわけがない。だから今の居眠りも、あたしは責めたりしない。
 それどころか抱きしめてあげたいくらいだ。そうしたい。本当にそうしてあげたい。
 それくらいコイツは、キョンは頑張っているし、これまでも頑張ってきた。

 一時期は志望校のランクを落とすことだって考えた。だってコイツと一緒じゃなきゃ意味がない。大学で勉強できることなんて、なにがどうなってるのか今だってわかんないもん。
 大学一覧なんて、それこそ電話帳なみの厚さっくらいがあって、同じ学部だって沢山ある。本当にやりたい勉強があるんだったら、入るときの偏差値なんて関係ないはずだ。
 そんな小理屈を捏ねたこともあった。

 でも、コイツは絶対に弱音を吐かなかった。

「一緒の大学に行こうハルヒ。俺がそうしたいんだ。俺がお前を追いかけたいんだ。まだ、お前と一緒にいたいんだ……もっと、ずっと」

 あれは……告白……だったのかな。今でもわからない。
 考えてみると、あたしはキョンからちゃんとした告白をされていない気がする。
 そして、あたしからもしていない。
 でもあたし達は、しっかり結びついている。……キスまでしかしてないけど。

 今はまだそれでいいと思う。曖昧なふわふわした関係だけど、ちゃんとした告白をお互いしていない事に対する言い訳なんかじゃなくて、あたしも同じ気持ちだから。

 ちゃんとした言葉を待っていないのかと言われれば嘘になるし、自分からの言葉だって喉まで出かかったことなんか何度だってある。

 だけど、あたしはキョンを理解しているつもりだから。
 いつか、ちゃんと言ってくれるって。信じているから。
 それまでは急かさない。急がない。焦らせない。焦らない。我慢する。
 キョンもそうしているから。

 今はまだ、素直になれないフリをして、このふわふわした関係のまま、コイツと一緒に一つ目のゴールに向かって歩いていきたい。

「ん……」

 起きたのかな、と思ったら、ちょっと体勢を変えただけみたいだ。
 まったく、図太いというかなんというか。無防備な寝顔に思わず頬が緩んでしまう。
 いいけどね、それだけ安心してくれてるってことだとおもうから。追い込みばかりかけたって、もうここから急激に上がったり下がったりすることなんかないんだもん。
 それだけ頑張ってきたんだから。大丈夫。大丈夫。
41SS やさしい気持ち 2:2008/06/19(木) 01:01:29 ID:YXuhM1Ah
 あたしはキョンを起こさないように、そっと手を触れてみる。髪に、肩に。
 まだ、こうやって触れるたりするだけでどきどきするのは、良い傾向なのかな?
 顔が赤くなるのを抑え込むように、あたしは子どもの頃に聞き覚えた古いラブソングを子守歌のように口ずさみはじめた。

 『 なけない女のやさしい気持ちを あなたがたくさん知るのよ
   無邪気な心で私を笑顔へ導いてほしいの ぎゅっと私を抱きしめて―― 』

 小さな声で奏でる歌は、かき消えるように時折かすれてしまう。
 それはとてもとても優しい歌。つけられた題名そのままのように。

 拍子を取るように、キョンの背中に軽くのせた掌をゆっくりと上下させる。
 魔法が使えるわけじゃないけれど、この短い居眠りで少しでもキョンの疲れが取れるように祈りながら。

 『 手をつなごう 手を ずっとこうしていたいの
   おねがい ぎゅっと私をだきしめて もうあたしを離さないで 』

 歌い終えたあたしは、そっとキョンに身を寄せると、頬にキスした。
 あと少し、あと少しだよ。頑張ろうね。キョン。


――それはあたししか知らない。二人の想い出。


 今、同じキャンパスで二度目の夏を待つあたし達。
 梅雨の肌寒い夜、隣で安らかな寝息を立てている彼の顔を見て、ふとあの時のことを思い出す。
 同じように小さな声で口ずさんだのは、あの時の曲――『やさしい気持ち』。

 歌詞を声でなぞっていくと、寝返りを打つようにして彼が布団に顔を埋めた。……これは起きてるわよね。

 あら、どうしたのキョン。顔が真っ赤っかじゃない?

 いたずらっぽく声をかけたあたしは、くすくすと笑いながら裸の胸に彼の顔を抱きしめて、そのまま歌を続ける。

 『 もうあたしを離さないで 』

 そして歌いながら、この後どうやって、あの時の狸寝入りの真相を聞き出すか、あたしはゆっくりと考えはじめる。
 雨の夜は少しだけ長い。二人の時間も。

 『 もうあたしをとめないで もうあたしをとめないで 』

----------
この曲1997年発売だから、もう十年以上前なんですな。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:06:10 ID:d90nUdPh
>>40-41
こんな真夜中?にGJ!!
卒論の草案がなかなかまとまらなくて辟易してたところだったから、ちょうどいい精神的糖分摂取になったわw
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:11:10 ID:LnjVDJQD
>>36
「く」=「口づけしなさい」
「け」=「結婚しなさい」
「こ」=「子供を作r(ry

>>40-41
乙女ハルにゃん(* ´Д`*)
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:12:33 ID:cxvQHqFI
>そんな小理屈を捏ねたこともあった。

ごめん、それを正当化しちゃってるSSを前スレで書いたわw
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:23:45 ID:e+Fb6QmK
戸惑ってあんなニヤニヤするゲームだったのか
全体はともかくハルキョンのやりとりは最高だな
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:30:52 ID:d90nUdPh
>>45
戸惑いか。
やりたいんだけどいかんせんテレビがな…。家族共用のものしかないから
恥ずかしくてできたもんじゃないww
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:31:31 ID:J1eAaI1z
>>45
自分でやるのに疲れたためニコニコに上げられるやつをニヤニヤしながら見る
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:31:58 ID:raTUNIKB
>>40-41
これで即興とは! なんてGJなんだ!
しかしこの歌もう10年以上も経つのか。年取るのが早いわけだ……。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:34:41 ID:YXuhM1Ah
ID変わる前にお礼書きそびれてしまった。奴隷ゲーム書いたもんです。
沢山のニヤニヤとGJありがとうございました。
当SSに登場するゲームはフィクションであり(ry 嘘っぱちですw

>>43
『き』で自分が王様になれなかったら、その『く』でリベンジするつもりだったかとw
『ち』までは粘るつもりだったと思いますよ。策士ハルにゃん(* ´Д`*)

>>44
平行世界ってことで一つw
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:46:51 ID:yU3YZP4z
>>43
10年後のハルキョンなら喜んで実行しそうだw
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:05:36 ID:e+Fb6QmK
>>47
それなんて俺www
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:09:20 ID:eAwu4ktN
発明家になったハルにゃんが見たい
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 03:29:23 ID:e+Fb6QmK
「きゃっ!やん!」
と言ってキョンに押し倒されてしまうハルにゃん

指相撲です変なことを考えたら負け
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 05:20:46 ID:lObBgLg/
おはようSOS団
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:30:53 ID:h/2fxUj2
皆さんGJ!にやにやが止まらないよ、おハルにゃん。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 08:19:43 ID:SHCurIEv
ハルヒ:きのこの山派

キョン:たけのこの里派
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 08:33:03 ID:jNgt7ZWk
>>56
長門に自分の好きなお菓子をすすめるハルキョン。

ハルヒ「やっぱり、キノコの山が一番ね!」
キョン「いやいや、たけのこの里の方が断然良いぞ。」
ハルヒ「なによ。」
キョン「なんだ。」

長門「コアラのマーチがいい…」
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 08:35:18 ID:FsRb34w9
長門の空気の読みっぷりがGJ
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 09:09:29 ID:J1eAaI1z
>>57
少し前にSSあったぞ
山里騒動っていうの
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 10:05:43 ID:UIQ+rfZ/
今朝食べた牡蠣に当たったハルにゃん
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 10:45:41 ID:tVPn11vt
>>60
朝っぱらから牡蠣なんか食わないだろwww
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 11:03:53 ID:ID0p3S0v
>>59
83スレだね
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 13:39:35 ID:xyBs4+lJ
我が家のハルヒさま

突然思いついた…
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 14:18:38 ID:eAwu4ktN
演劇部にて舞台のヒロイン役が失踪したのでハルヒがヘルプで誘われて
それを受ける事になり、そのまま舞台公演に突入してキョン達がホールまで観に来る電波が来た。
ラブシーンでキョンが何となくムッときたり
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:35:42 ID:rjljiW5g
間違い無く。キョンが相手役になります。
ハルヒの希望通りに世界が動くなら
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:38:50 ID:vBldgLDz
>>52
キョン「ハルヒ! この手紙を読んでくれ! 未来のことが書いてあるんだ!」
ハルヒ「キョン! 未来ってのはね、変えちゃ駄目なのよ!」
と言って手紙を破り捨てるハルヒ。


……すまん、なぜかバック・トゥ・ザ・フューチャーな二人が浮かんでしまった。
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:58:34 ID:Q+vCIW0r
キョンと一緒に機関車型のライムマシンを作るんですねw
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:01:23 ID:ms26yA3z
ライムマシンってどんな味がするんですか?
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:02:14 ID:JhFqELMA
キョンとハルヒの甘酸っぱい濃いの味
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:03:37 ID:tVPn11vt
>>68
キョンとハルヒがキスした時の味だ
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:53:18 ID:dDiQSA0C
いやいや桃色空間の甘甘な味や風味だろうw
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:51:29 ID:77LTLNmr
誤字から広がる夢がありますハルヒスレ
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:57:49 ID:LnjVDJQD
「…………なによ。嘘つきじゃない」
「どうした」
「全然甘くないじゃない!」
「は?」
「キョンのやり方が悪いんだわ。きっと」
「話が見えないんだが……」
「絶対甘い味がする方法があるはずだわ! キョン、その方法が見つかるまで何度でもキスするわよ!」
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:00:42 ID:lObBgLg/
このスレの住人はポジティブだなw
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:50:43 ID:YXuhM1Ah
それで飴ちゃんをお互いに口移しするんですね。わかります。

「あんたはライムね。あたしはアップルにするわ」
「……味が混ざるぞ?」
「それがいいんじゃない! 新しい味をみつけるの!」

色々甘い。
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 20:11:42 ID:eAwu4ktN
暑いのでカチューシャをずらしてデコを出したハルにゃん
何故か鶴屋さんに同盟に引きずり込まれる図を幻視した
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 20:59:47 ID:KMW6ZNWj
>>74
みんな『射手座の日』の回と戸惑いで、ハルヒからエネルギーを注入されているからですよ。
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:08:09 ID:lObBgLg/
>>76
そしてスモチで洗脳されちゃうんですね、わかります
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:13:22 ID:cwvCe3V8
演劇部にて舞台のヒーロー・ヒロイン役が失踪したのでハルキョンがヘルプで誘われて
それを受ける事になり、そのまま舞台公演に突入してSOS団メンバーがホールまで観に来る電波が来た。
ラブシーンでキョンが何となくムラっときたり


すまん>>64を勝手に(ry
8033だが:2008/06/19(木) 21:19:27 ID:L6a87Yac
今帰宅してPC開いた。

>>41
拙い電波をこんな素敵に増幅してくれてありがとう
激しくGJだ!

しかし10年以上前か・・・俺が年取るわけだw

>>75
ちょwww
それならレモンを齧って「甘酸っぱいレモンの味」の方が
・・・疲れてるな、俺 orz

81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:40:14 ID:lObBgLg/
それにしても最近暑くなってきたな…
ハルにゃんに団扇で扇いでもらいたい
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:43:11 ID:cwvCe3V8
いや、そこは下敷きの方がリアルw
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:57:57 ID:8ybLkNE/
First Good-byeって普通を嫌うハルにゃんの作詞にしては
至って一般的な女の子の事を歌ってる気がするけど
何か理由あるのかな?
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:12:01 ID:cHKAtgLo
ENOZを参考にして作ったからじゃね?
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:20:49 ID:sUUuMaVC
あれハルヒというよりは佐々木の歌みたいに感じる。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:22:03 ID:D4JKXCX2
あの歌は佐々木を意識してるような気がする

考え過ぎか?当時まだ登場してないし
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:23:11 ID:D4JKXCX2
>>85
リロってなかっただけだが結婚してやってもいいぜ
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:28:17 ID:h/2fxUj2
曲名から考えると、ジョンの事かもよ。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:33:56 ID:sUUuMaVC
>>87
すまんハルヒとキョンの式を見るまではちょっと……
90SS Nervous breakdown 1/4:2008/06/19(木) 23:44:33 ID:2mwmIlO6
すみませんSS投下します。4レス予定。
雨と仕事のチョンボで,作者がすっかり病み系になってしまいました…


 1 
 
不思議を見つけるためだったのか,仲間が欲しかったのか,今では分からない。
 理由なんかどうでもいい。SOS団の毎日はこの上なく楽しいから。

 一年が過ぎても,それは変わらない。みんなとの絆も日々深まっていく。
 変わったとすれば,あいつと一秒でも長く一緒にいたいと思う,あたし。

 あいつは不平を言いながら,必ず団活に参加する。あたしを本気で叱ってくれる。
 授業中もあたしに振り向いてくれる。あたしの言葉を聞いてくれる。

 SOS団を作って間もない頃,あたしは夢の中で暗い世界に閉じこめられた。
 不思議に遭遇して,喜びと不安で混乱するあたしを救ったのは,あいつだった。
 キスを,してくれた。…思えば,それが精神病の始まり。

 恋愛なんて精神病と切って捨てたのはあたしの方。
 だから,あいつはあたしに恋心なんて抱いてくれない。
 あたしが病に冒されてるなんて考えもしない。解っている。それは自業自得。

 団員の恋愛は禁止なんて声高に言うのは,有希とみくるちゃんへのつまらない嫉妬。
 二人だけじゃない。いつかの小説でデートをしたという娘。「親友」の佐々木さん。
 あいつの過去にすら煩悶する,醜いあたし。

 もう,隠しようもない。狂おしいほどあいつが好き。
 だから,あたしはあいつに嫌われたくないはず。なのに。
 恋人達のように歩幅を合わせて歩けない。追いつかないあいつに理不尽に苛立つだけ。
 そのくせいつも心の中で叫んでいる。あたしの傍にいてと。
91SS Nervous breakdown 2/4:2008/06/19(木) 23:45:26 ID:RHF2lpF6


 6月。雨が降っている。
あたしは,終礼までずっと机に突っ伏していた。
 このところ続く憂鬱は,雨のせいだけじゃないことは分かっている。
 あいつは休み時間の度にあたしを覗き込んだ。心配して…くれいていた,はず。
 でも,あたしは素直にあいつの問いかけに答えられない。それはいつものこと。
 あたしは愁眉を閉じたまま,もの言いたげなあいつと部室に向かった。

 いつもの光景。みくるちゃんの美味しいお茶。有希の絵画のような読書風景。
 古泉くんとあいつの静かな熱戦。
 
 一戦終えたあいつがみくるちゃんと楽しげに話している。
 あいつに話を振られた有希が,珍しく会話に混じっている。
 あいつは,あたしには見せない笑顔で3人と話している。
 
 夢の中では二人きりだったのに。あたしだけに話をしてくれたのに。
 あいつがこの世界の方がいいといったから−

 あれは,夢。二人きりの世界なんて望むべくもない。
 あいつのせいにしそうな自分をようやく押し止めて,あたしは終了を宣言した。
 有希の本が閉じられる前に。
92SS Nervous breakdown 3/4:2008/06/19(木) 23:46:06 ID:RHF2lpF6
 3

 あいつに声を掛けられるまで,あたしはどこをどう歩いてきたかも覚束なかった。
 傘を持つ手も緩んで,肩が濡れてしまっていた。
 あいつは,夢遊病者みたいなあたしの様子を見て,追いかけてきたと言った。
あたしは子供のような悪態を吐いて,そっぽを向く。
 涙は,見られたくなかったから。
  
 あいつはあたしの後ろを歩きながら,ぽつ,ぽつと話しかける。
 最近上の空だとか,悩み事なら言ってみろとか,雨音に交じり,止め処なく続く。
 あたしは生返事を返しながら,部室での疎外感を思い出す。
 もっと近づきたい。もっと傍にいたい。なのにあいつは遠い。
 それはあたしのせい。みくるちゃんのように真摯に,有希のように一途になれれば。
 いつもの無限回廊に入り込む。幾度となく繰り返された自己嫌悪。

 次の信号で,あいつは別れを告げて家に帰るだろう。
 あたしの不機嫌の理由を分からず仕舞で,世話の焼ける奴だなんて思いながら。

 心の裡だけで悩んで,でも納得できずに懊悩して。  
 また繰り返すのと,あたしがあたしに問いかける。

 ふと沸き起こるあの狂おしい感情。そう,精神病。
 こんなに悩むのはあいつのせい。部室での殊勝な自制も忘れてあたしは思う。
 あいつが気にしてくれているうちに。あたしを見てくれいているうちに。 
 決意と興奮半ばのうちに振り向くなり,あたしは言葉をぶつけた。
93SS Nervous breakdown 4/4:2008/06/19(木) 23:47:46 ID:RHF2lpF6
 4

 あいつは驚いた顔であたしを見つめ,でもじっと支離滅裂な告白を聞いてくれた。
 およそ告白とは思えない言葉を出し尽くすと,あたしは少し早足で前に出た。
 顔が上気しているのが分かる。それに,あいつの顔をまともに見ていられない。
 沈黙の中,歩き続ける。沈黙は不安を呼ぶ。
 不安はもがくような怒りに変わり,やがて言い様のない哀しみになる。

 振り向きたい。でも。

 その時,不意にあたしの横にあいつが並んだ。思わずあいつを見つめる。
 あいつは前を見据えたまま,あたしの手を握る。
 そして,あいつが少し照れたように囁いた言葉は,あたしの生涯の宝物になった。

 気付くと雨は上がり,霞に滲む夕陽があたしたちを覆う。
 あいつに抱き竦められ,足元から伸びる2つの影が,不意にひとつになる。
 ぎこちなく抱きしめるあいつの胸の中で,あたしはようやく安堵した。
 そして,いつも言いたくて言えなかった,何の変哲もない言葉を呟いた。
 今日からは,あいつを見つめて言える。

 「ありがとう,キョン。」



以上です。30スレ振り位に見ましたが,皆さんハルキョンで良い雰囲気ですね。
 ではよい週末を。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:05:27 ID:F/ag5BZw
GJ。
こういう雰囲気のいいなぁ。
思わず涙が出ちまっただよ。歳のせいかのぅ……。
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:39:02 ID:Dd648YTt
>>90-93
じーんときた。GJ!
何か多くは語れないんだが、とにかくじーんと来た。
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:42:20 ID:AFNVz1T7
つくづく思ったよ、キョンになりたいと…('A`)
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:44:03 ID:yasRDZv1
いいね、生きることに不器用なハルヒ。
GJです。
98SS サムデイ・イン・ザ・ヘアー 1:2008/06/20(金) 01:14:27 ID:FTuEuDFl
先ほどまでは炎天下だったのにもう、どんよりと雲が張り出している。
この時期の天気はハルヒの気分同様に変わりやすく、
どう予測していいかは天気予報が当てにならないのと同じように、
放課後になっても部室に来ないハルヒの動向も良くワカラン。
「今日はまた、涼宮さんは何処に行ったのでしょうね?」
陰気な空と同様に、古泉と差し向かいでする将棋も退屈なもんだ。
「さてな、学食で昼飯を喰いっぱぐれたらしいから、
 近所の駄菓子屋にパンでも買いに行ったんだろ」
「なるほど」
なにが納得出来たのか?考えるだけ無駄なのでやめとくが、
長門と朝比奈さんが居ない訳の方が俺としては気になる。
「それでしたら、長門さんは貸し出し期限が今日までだそうで図書館です。
 朝比奈さんは明日の家庭科の授業に必要な物を買いに行きましたよ、鶴谷さんと」
なんでまた、古泉があの二人の行き先に詳しいのか少々シャクな事だな。
「しかし、涼宮さんの行き先を予測したのはあなたですよ」
「…」
俺がどんな顔をしたか知らないが、外は土砂降りとなっていた。

「あー!もうやんなっちゃう!いきなりなんだもん!」
雷鳴かと思われるほどの怒号と共に団長様が御光臨なさった。
小脇にカレーパンを抱えたハルヒは見事なまでにずぶ濡れで、
形相は鬼のようだったが、透けた制服がまた…なるほどオレンジか。
「いきなり降ってくるんだもん。あれ?有希とみくるちゃんは?」
「長門は図書館、朝比奈さんは家庭科の買い物だ」
「へぇ、そうなんだ、雨が強いけど大丈夫かな?」
おいおい、納得どころか心配までして、俺なら絶対に許されざる行為のはずだが…。
ずいぶんと待遇に開きが出てきたもんだ。
「あんたと比較してもしょうがないでしょ、未だに雑用なんだから。
 ということでキョン、教室からあたしの体操着持ってきてちょうだい」
やれやれ、早速雑務の催促ですか。
「涼宮さん、僕も今日は用事がありまして、そろそろおいとまいたします」
「あら、そうなの、凄い雨だから気をつけて帰ってね、古泉君」
なんでこう、三人には気遣いがまるで違うんだ。
南米風にアディオスとばかりに古泉は部室から出ていきやがった。
蹴飛ばしていいか?文句は無いよな?
99SS サムデイ・イン・ザ・ヘアー 2:2008/06/20(金) 01:15:15 ID:FTuEuDFl
「着替えるんなら早くしろ」
教室から生暖かい目線を浴びながら持ってきたハルヒの体操着を部室に放り込んだ。
死ぬほど恥ずかしかったぞ、女子の鞄から体操着を引っ張り出しで持ってくるって、
情熱を持て余しすぎの変態男子じゃないか。
…そうか、鞄ごともってくりゃいいじゃねぇか…
なんて事しちまったんだ…。
「入っていいわよ、って何頭抱えてんのキョン?」
「何でもない!」

体操着姿にタオルを首に掛けたハルヒはカレーパンをかじりながらネットサーフィン中である。
外は土砂降りで止みそうもなく、髪が乾くまでは待つと言うハルヒ同様に、
まぁ毎度のことだが傘なんて持ってきていない俺もまた、
部室で雨宿りという無意味な時間を過ごすことになった。
「この学校ってドライヤーがないって不便よね」
「別に」
「まっ、しゃれっ気のないあんたには必要ないかもね」
ひどい言いぐさだ。
「暇なんだったら、あたしの髪でも乾かしなさい」
理不尽な命令の団長様だがへそを曲げられても困るんでね、従ってやるか。
ハルヒの後ろに立って肩に掛かったタオルで頭を拭いてやった。
「ちょっとキョン!そんなんじゃ髪がグシャグシャになるじゃない!」
悪いな、妹の頭と同感覚で拭いちまったよ。
「次は仰いで髪を乾かす」
下敷きを渡された。しょうがない、扇いでやるので感謝しろ。
「あのねキョン、あたしは鰻の蒲焼きじゃないんだから。
 もっとこう、高原にそよぐ爽やかな風のように優雅に扇ぎなさい」
「無茶言うなよ」
しばらく扇いでいたら、まぁ生乾き程度になったか?
「次はブラシで整える」
はいはい、もう仰せのままにいたしますよ、面倒くせぇ。
でも、ハルヒといえど女の子の髪の毛をこうして弄っているというのもなんだ…
俺は気がついたらハルヒの後ろ髪を一本に束ねて持ち上げていた。
ハルヒのマウスの動きと画面のスクロールが止まった。
「…ちょっと、キョン!」
急にハルヒが振り返ったもんだから俺は驚いた弾みでひっくり返ってしまった。
100SS サムデイ・イン・ザ・ヘアー 3:2008/06/20(金) 01:15:50 ID:FTuEuDFl
その際、椅子に足を引っかけたようで、上にハルヒがのしかかっていた。
「いたたた、何すんのよキョン…」
そこには髪の毛をふわふわさせた、ちょっと感じの違う女の子が居た。
いつも見るハルヒとは違う…正直に言うとなんだ、可愛らしい女の子が。
でも、なんでだ?雰囲気がちょっと違うのは?
そうか、カチューシャをしていないんだ、それだけでこんなに…。
「…キョン、そんなに見られたら…恥ずかしいっていうか、その…」

このタイミングで悲しくもドアが開いた。
「スイマセン、突然雨で遅くなっちゃいました…」
「みくる、これは邪魔しちゃぁいけないね、帰るにょろ〜ん!」

顔を真っ赤にしたハルヒは俺を蹴飛ばすと直ぐにカチューシャを装着してしまった。
「…キョン、お風呂上がりならもういっぺん見れるわよ」
101100:2008/06/20(金) 01:36:38 ID:FTuEuDFl
以上、ちょっと以前に受けた電波が完結しました。
タイトルが意味不明だ。
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:47:11 ID:F/ag5BZw
寝る前になんつーもんを!GJ
あと団長さん、風呂上がりってことは……も、妄想が蔓延っちまうぜ(* ´Д`*)
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:49:37 ID:Kg3o72MJ
ハルヒのおすすめ同人教えて
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:24:04 ID:vvU33o3T
「恋するハルヒは切なくて、キョンを想うとすぐHしちゃうの」
「TIMTIMマシン16号」
「夏の日の。」
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:58:11 ID:lOquyX6E
>104
一本目いいチョイスだ。103は18禁という意図で聞いているかわからんがな。
106名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 03:05:09 ID:Lh/K0dS2
>>104
VIPに
「恋するハルヒは切なくて、キョンを想うとすぐギタースレしちゃうの」
ってスレがあってなぜか爆笑したことがある。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 03:05:20 ID:Txi+tS+N
>>105
どう考えても>>104の3つの中じゃ、1個目が一番よくないと思うんだが
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 03:27:27 ID:oMpERwbO
ワシは「涼宮ハルヒの微熱」をおすすめするぞ

>>101
イイヨイイヨGJ!

109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 03:27:59 ID:XSy+qhgg
一個目はハルにゃんが多少性格ぶっとんでるけど純粋にエロい。絵は微妙。
二個目はエロさ以上に甘味も強い。池田氏のハルにゃんに似てる。
三個目はよんだことない…

エロはいらないからひたすらイチャつくハルキョン同人ないのかな
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 04:12:46 ID:p1zHr6Q5
>>104
これの一番目は長門の話も同じくらい力入れてるという理由から
ハルヒオンリー本の二番目と三番目ほどは受け入れられんかもね
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 05:37:27 ID:bx7Hnbe7
>>101
GJ!女子の鞄から体操着を取り出すてw
生暖かい目で見られるってレベルじゃねーぞw
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 06:38:38 ID:y93mOj+j
冬の日の。のほうが糖分は高いよな
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 07:00:32 ID:JM/BHtvB
エロ同人の話はそれにふさわしいスレでやってくれると助かる
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 08:59:41 ID:NPUkXB+m
>>113
恋するハルヒの実用性は異常だよね
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 09:43:39 ID:uTcnd8vY
なぐ茶さんところの「夏の日の。」「冬の日の。」「ぽにってハルヒ」
それから合同誌の「なんだって?」は全力でお勧めする

エロ抜きだとヒャッホーさんところの「ガンバレおにいちゃん」とかかな
古みくが多いけどサイトの方にも漫画があるぞ
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 09:44:15 ID:MOih+0yT
ハルキョン同人なら
『ハルヒかわいい1・2』と『夏の日の』『冬の日の』『ポニってハルヒ』
は必須じゃないか?
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 11:44:13 ID:pzxwGbqS
TTT信者は消えろ。
アレわざわざシュレッダーにかけるためだけに買ったわ。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 12:02:10 ID:+U8OpfRS
>>101
オレンジってキョンどこ見てんだよ!
ってことでGJ!
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 12:13:04 ID:mcPGfuPe
見返して噴いたw
本当キョンどこを見てんだwww
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 12:23:33 ID:CeQVhrtM
>>118-119
「彼も若くて健康的な一男子なのですよ、これは仕方のないことです」
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 12:26:04 ID:luVtsN8Q
>>109
Magical Holy Water(遠野 真白)の同人誌は良いと思う。
べたべたとイチャつく事はないが、日常生活で自然な感じで
お互いに近い存在として描かれている作品が多い。
キョンフィルターの使い方もうまいと思った。
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 13:12:37 ID:y93mOj+j
いっそのことこのスレで同人誌つくればよくね?
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 13:14:31 ID:Dd648YTt
>>122
よし、まかせた!
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 13:17:28 ID:mcPGfuPe
言いだしっぺの法則が発動しました
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 13:20:42 ID:CkAWK8qj
同人誌ねえ
このスレで時々話題になるんで最近数冊買ってみたんだよ(同人誌自体初めて)
最初に見たのがいきなりハルヒ×古泉本だったんでスンゲー落ち込んだ
包装されてて見れなかったてのもあるんだけど
良く調べてから買えばよかった。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 13:22:25 ID:tg/oeege
みんなでハルキョン本・・・愛の塊だね( ^ω^)
ってかハルキョンオンリーとかあればいいのにね〜
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 14:24:48 ID:y93mOj+j
言ってはみたがやらんぞwww
ただこのスレ名義にするんだったらあくまで「ハルヒスレ」だからハルキョンオンリにはできないでしょ
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 14:35:32 ID:AFNVz1T7
ポニってハルヒって何処に売ってんの?
とらのあなにはねえのか!?
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 15:28:15 ID:3yCC6LJ5
実際刷ることになったら誰が印刷費出すとか売れたら売れたで売り上げどうするとかややこしそーですね。
ウェブ同人誌作るなら0円で幾らでも寄稿するよ!
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 15:56:52 ID:MmU/7OI/
>>128
通販でメッセサンオーとかかな?
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 17:19:33 ID:lOquyX6E
まとめから良いのを選べばかなりクオリティ高いもの、それも文章本ではトップクラスのが出来ると思うけど
投稿者にはサイト持ちも多いし、いちいち了承取るのが難しいかな。
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 17:31:52 ID:UHClGdBN
同人誌を執筆するSOS団?
133名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 17:34:30 ID:a9RKj3uN
SOS団団長の活動日記
134名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 18:07:49 ID:TX6VJUcO
編集長☆一直線みたいなもんか。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 19:45:40 ID:36Ou2IEL
>>131
実現可能かどうかは別として,SS人気作を選び出して,
同人にまとめれば,それはそれで楽しそうだ。
136名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 20:11:53 ID:NqNjT5sy
>>135
これだけあると選ぶために読み返すのが大変だ。
137名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 20:16:49 ID:aF0Nb6AR
実は中学時代に変な物に金を注ぎ込んだので親から小遣いを止められてるハルヒ
138名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 20:42:09 ID:AFNVz1T7
>>130
心から感謝した
139名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 21:06:07 ID:NKczP2tC
>>135
殆どが甘々SSばかりで見てて楽しいから全部掲載してくれても構わないよもう。
うちの書いた下手糞なのも一部混じってるけどwww
140名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 21:20:22 ID:BbQaggh7
ここはひとつまとめwikiの管理人さんに頑張ってもらうとか。
管理人さんすみません冗談です。
自分の下手なSSも,まとめに上がると嬉しいんだよね。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 21:23:19 ID:+NMxiFBp
俺に絵の才能があればぜひとも書きたいもんだがなあ…。
絵は描けない、だからSSを俺は書くのさ。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 21:28:22 ID:+U8OpfRS
どっちかの才能があればOK
143名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 21:37:35 ID:NqNjT5sy
どっちの才能もない俺涙目w
144名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 21:52:24 ID:BbQaggh7
>>143
そんなこたあない。
俺も絵心は全くないが,SSはこのスレやVIPのまとめ,エロパロのまとめ
なんか読んで,自分でも書くようになった。上手下手より,とにかく書いて
みると,形になることがだんだん面白くなってくるよ…って,偉そうにゴメン。
ここのスレは,SS落とせば分け隔てなく声援をくれるから嬉しい。
エロパロなんかは,エロ非エロ問わず文章力や構成力はものすごいレベ
ルだけど,本スレは殺伐としてるからなあ…
145名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:01:57 ID:mcPGfuPe
他人の作品が面白くてなかなか一歩目を踏み出せない俺涙目。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:05:18 ID:1qWfgV6b
ハルキョン書くつもりでホラーになっちゃった俺もいる。
147名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:08:25 ID:+NMxiFBp
電波受信

妄想で膨らませる

試しに妄想を文にしてみる。

納得or没――→最初に戻る。

投下


ほぅら簡単。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:12:13 ID:lOquyX6E
才能はないが、ときたまハルキョンの神様が降りてくる。ワンフレーズとかワンシーンだけのアイデアなんだが。
それを二週間〜1ヶ月くらい妄想しつづけて、会話や前後のシーンを取り留めもなく考えていると
あるときパズルが完成したような感覚になって、書き上がっている。投下は一スレに一本程度。遅い。
早いペースで良作を書いてる人は、アイデア→醸成→具体化→文章化のプロセスが明確で素早いんだと思う。
そのあたりが技術として身についてる人が上手い人なのかなあと。
それだけの技術があれば大抵自己顕示のために使うだろうに、名無しでただただ良作を投下してくれる人は凄いと思うね。
書けない人は、良くある「電波を受信」したらいっぱい書き留めておくと、いつのまにか書けてると思う。
今、尻込みしてる人がいつか素晴らしいハルキョンものを発表してくれたら
書き手も読み手も幸せなので応援したくなりましたノシ
理屈の長文で失礼しました。
149名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:14:43 ID:MmU/7OI/
下手だけどSS書いてる
でもここに落とす勇気がないためブログに妄想落としてるよ

だってまとめられてるSSとくらべたら落ち込むこと請け合いだもん
150名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:22:58 ID:F/ag5BZw
どうして忙しい時期に限って電波がびんびん飛んでくるんだろう……。書く時間がないよぅ。眠いよぅ。今年も七夕ネタ書けないよ。助けてハルにゃああん!

>>149
もったいない。たまにはここにも投下しておくれ。読みたい。
151名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:28:55 ID:NKczP2tC
>>149
まあ頑張って書いてもウケない事はあるけど、
逆に大したことのないSSがウケてしまうような事もあるから運次第の部分もあるような。
しっかり公正したり客観的に修正を加えると勿論評価は上がる。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 22:42:29 ID:lOquyX6E
>151
おもしれーw
153152:2008/06/20(金) 23:08:52 ID:lOquyX6E
>151
あ、すまん。煽っているみたいになってしまった。
「公正する」のが校正できてないというボケと思って即レスしてしまった
154名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:14:48 ID:NKczP2tC
orz
155名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:17:59 ID:FTuEuDFl
>>149
大丈夫、俺はいつも落ち込んでいるから。
あと、ここでウケなくてもまとめで落ち着いて読むといい作品だったりするから、
その時の流れでスルーされちゃってもガンバレ。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:23:27 ID:EZ9+hWbe
酒飲んだ勢いでつかぬ事を聞いてみる。
かなり前に他所で投下したことのあるSSがPCから発掘されたんだが
再度、こっちに投下ってマナー違反かな?
ハルキョン物なんだけど、当時、そこしか知らなかったから
こちらでならどう評価されるか気になったんだが、どうだろう?
157名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:40:21 ID:9yXTrv1W
>>156
待ってたぜ!!w
158名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:44:47 ID:pzxwGbqS
どうだろうなあ。個人的には読んでみたい。
推敲しなおして、ちょこっと手直ししてリメイク版ということにしてみるとかどうよ?
159名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:45:55 ID:EZ9+hWbe
>>157
期待されても困るんだがwww
じゃあ、3レスくらい使います。
当時、初めて書いたSSなんで、拙いのは勘弁w
160名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:51:47 ID:EZ9+hWbe
>>158
リメイクすると書き足して長くなったりしそうだからそのままいかしてもらうわ。
そんな大したもんでもないし。気になったとこだけ直します。
ここでの評価が気になるってのがまずあるし。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 23:57:00 ID:EZ9+hWbe
じゃあ、いかしてもらいます。↓

無事、大学受験も乗り切り、高校生活も残り一週間をきったある日のこと、いまだ律儀にも部室に足を運んでいた。
なんの因果かハルヒに長門に古泉、それにおれも、去年朝比奈さんが進んだ大学に進学が決まっているためか
高校の卒業に対してそれほどの感慨もなく、ハルヒはネットサーフィン、長門は読書、俺と古泉はボードゲーム
そして卒業してからもちょくちょく部室に姿を現す朝比奈さんが給仕と、卒業間近とは思えないようにいつも通りの光景のなか、
ハルヒが発した言葉が事の起こりだった。

ハ「ねえ、キョン、この三年間楽しかった?」

キ「なんだ、突然、まあ退屈だけはしなかったな。」

ハ「あんた、高校生活の最後にもっとほかに言いようはないの?」

キ「そういうおまえはどうなんだ?」

ハ「あたしは楽しかったわよ。相変わらず素直じゃないわね。楽しかったならそう言えばいいのに。」

キ「いつもそこそこ素直なつもりだぞ。たしかにこれ以上ないってくらい充実していたのはたしかだ。」

ハ「そ。でもここまであんたを引っ張ってきてあげたのはあたしなんだからね、感謝しなさい!」

キ「振り回したの間違いだろ。この先しばらく振り回される日々が確定してるんだ、それが終わったら、
まあ悪くはなかったな、くらいは思ってやってもいい。」

ハ「なに言ってんの!SOS団は永久不滅なんだから終わりなんてないの!とくにあんたは目を離すとすぐにだらけるから
 団長であるあたしが死ぬまで引っ張っていってあげるから、今から深く感謝してなさい!」

キ「はいはい、わかったよ。」

ハ「まあ、いいわ。じゃ、あたしは用事思いついたから先帰るわ、じゃね!」

そういうとハルヒはなにか面白いことでも見つけたような笑顔で勢い良く帰っていった。
やれやれ、卒業までの僅かな間くらい大人しく出来んのかね、そんなことを考えながら
古泉の「あたしが死ぬまで引っ張っていってあげる、とは、もう生涯を共に過ごす約束ですか。羨ましいですね」
なんて言葉はいつも通り聞こえないフリをしていたわけだが。まあ、思えばこの日のこの会話が卒業式の日の
ネタふりなってるなんて思いもしなかったんだがな。

卒業式の日、式も滞りもなく終了し、教室に戻ってむせび泣く谷口に若干のウザさを感じつつもクラスメートとの別れを惜しんでいると
ハルヒが唐突に言い出した。

ハ「そろそろ行くわよ、キョン」

キ「なんだ、どこに行くって?」

ハ「市役所よ。」

キ「なぜ唐突に市役所なんて行かなきゃならん?」

ハ「これを出しに行くに決まってるじゃない。」

なんですか?この茶色い書類。おれの国語力に問題がなければ婚姻届と書いてあるように見えるが。
162SS 悪くない人生 2:2008/06/20(金) 23:59:21 ID:EZ9+hWbe
タイトル抜けてた・・・。

キ「なんだこれは?」

ハ「婚姻届よ。見ればわかるでしょ。」

キ「そうじゃなくて、なぜこれにおれとおまえの名前が書いてあって、ご丁寧にも印鑑まで押してあるのかが知りたい」

ハ「あんた、このまえ話聞いてなかったの?あんたはあたしが死ぬまで引っ張っていってあげるからって言ったじゃない。
 ほっといたら、あんたすぐだらけるからね。普段の生活もあたしがきっちり管理してあげるわ。だったら先に籍だけでも
 入れたほうがいいじゃない、どうせ一緒にいるなら早いうちにハッキリしておいたほうがいいのよこういう事は。」

キ「意味わからんし、飛躍しすぎだろ!だいたいおれはこんなの書いた覚えもないぞ、
 大体だな、自署じゃないと駄目なんじゃないか?こういうのは。それに印鑑はどうしたんだ!」

ハ「名前はあんたの筆跡真似て書いたの、どうせ調べたりするわけじゃないし、バレやしないわよ。
 印鑑はあんたのお母さんに(キョンと籍入れるから判子貸して)って言ったら(どうぞー)って。なんの問題もなく貸してくれたわ。」

キ「おまえの両親はどうした!?いきなり娘が高校卒業の日に結婚なんて許すはずないだろ!?」

ハ「キョンが相手ならいいって。あんたの親が賛成ならいいらしいわ。」

キ「そもそも当事者であるおれの意思はどうなってんだ!YESともNOとも言ってないぞ」

ハ「なによ、嫌なの?このあたしが結婚してあげるって言ってんのよ!」

キ「嫌だとは言わないが、こういうことはもっとちゃんと段階をふむべきであっt・・・・・」
163SS 悪くない人生 3:2008/06/21(土) 00:01:22 ID:8sXAVQod
ふと、気が付くとクラス中から生暖かくもほのぼのとした視線が向けられていた。しまった、最後の最後までやらかしちまった。

ハ「あーっもうっ!ごちゃごちゃ言ってないでさっさと行くわよ!これ出したらうちの家族とあんたの家族で食事に行くの!もう場所も予約済よ!
 その後は有希の家で結婚祝い&卒業パーティーね!鶴屋さんも呼んでパァーっとやるわよっ!明日はあんたの家にあたしの荷物
 運ばなきゃならないし、あっそうそう、明日の朝ご飯なにがいいか考えとくのよ、腕によりをかけて作ってあげるわ!楽しみにしてなさい!
 これから忙しくなるわよ!まだまだやることいっぱいなんだから、しっかりついて来なさい!」

まったく、おれの意見なんてどーでもいいんだろうな、こいつは。言っても無駄なら早々に覚悟を決めるとするかね。

キ「はぁ、わかったよ。これからもよろしくたのむな、ハルヒ」

やれやれ、これで一生、退屈を感じることもなさそうだな。それにこいつの隣でこいつの暴走を止めるのはおれの役目だ。
そしてそれも最後には悪くない人生だった、といえるだろうさ。

   おわり
164名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:06:12 ID:AqEgT/Vb
GJ!強引だなハルヒw

てか、会話文の前のハ・キ・ハ・キは無くてもいいんじゃない?
無くても誰がしゃべってるか解るぐらい会話文が良く書けてる。
165SS 悪くない人生 3:2008/06/21(土) 00:08:56 ID:8sXAVQod
今も昔もハルキョンしか知らん俺が当時、勢いのまま初めて書いたSSです。
やっぱ、拙いな・・・・・・。
お目汚し失礼致しました。
続きもあるにはあるけど、ハルキョンって感じじゃないし、自重します。
すいませんでした。

>>164
やっぱりいらなかったみたいですね。初めてということでご容赦ください。
166名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:10:23 ID:WHmuJIaJ
>>161
前にどっかに投下したとあったけど,VIPで見た覚えが…
ま,そんな無粋はさておいて,爽やかな話でGJ。
167名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:11:28 ID:ZETqBTj/
続きがあるなら迷わず希望
168名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:11:53 ID:8LqDLX9l
うむ、読んだことあるぞこれw
でも素直にGJだな。初めて読んだときもそう思ったし
169名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:14:26 ID:jQqTBGbA
ジュリーの「勝手にしやがれ」が喧嘩した時のハルキョンソングに聞こえて困る
170名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:17:08 ID:wDUefUGa
>>165
見覚えがあるっていうレベルじゃねえぞw
このシリーズはお気に入りです。
171SS 悪くない人生 3:2008/06/21(土) 00:22:32 ID:8sXAVQod
>>166>>168
覚えていてもらえて光栄ですw
>>167
長門も関わる話なんですがいいんですかね?基本ハルキョンですが。
>>170
マジっすかwwwうれしいですwww
172名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:23:36 ID:AqEgT/Vb
思わずVIPまで見に行ってしまったw
173名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:23:46 ID:UAanB9Y4
このSSだとハルヒがDQNになってしまってるよ。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:23:55 ID:EpdJDL/R
>>165
これは…VIPで読んだってレベルじゃないぞwww
続きも全部読んでるwww
175名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:32:38 ID:d/L11unz
>>163
お、これ俺も見覚えあるぞww
176SS 悪くない人生 3:2008/06/21(土) 00:34:16 ID:8sXAVQod
こんな覚えていて貰えたとは思わんかった・・・・・・。
こんなに評価して貰えてマジで感涙ものですw

続きあったほうがいいのかな?
177名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:43:53 ID:AqEgT/Vb
同じのをもう1回張るのもなんだか変な労力だなw
リンクはればいいんじゃない?
178名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 00:52:53 ID:0w6VfaUX
この後たしか長門がハルキョンの(禁則事項)になって
さらに次ではハルキョンの(規定事項)るんだよな。
179SS 悪くない人生 3:2008/06/21(土) 01:04:00 ID:8sXAVQod
>>177
たしかに。
最初はハルキョンメインだったけどそれ以降、
ハルキョン→それを踏まえた長門や他の幸せみたいになったし
ここで載せる話じゃないしね。
でも、こんな覚えてもらえてたとは本当に思いませんでした。
お目汚し失礼&感想ありがとうございました。
>>178
ええ、さらに古泉も(禁則事項)になりますw

一応、リンクはときます。読んで頂けたら幸いです。
ありがとうございました。↓
http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4477.html
180名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 01:04:16 ID:ruH3VEVL
会話形式系かぁ。
個人的には向こうにもあるんだったら地の文ふやして小説っぽくしてみるとか、
いや俺が単に会話形式オンリーでの長文は読みにくいなってだけなんだけどねw
181名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 01:04:53 ID:9FFcVHsh
SS書きたいが最近アンテナの調子が悪いんじゃ。
トシかのう。
182名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 02:41:37 ID:i5i6wDgf
久しぶりに着たら91が終わってた・・・

まだ新スレの流れが読めないけど何時もどおり空気読まずにSS投下します
『花言葉』
とある方から良い花を教えていただきましたので。

6月も残り10日あまり。次は七夕ですね。
183名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 02:55:04 ID:bXIk/GD8
wktk
184名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 03:02:22 ID:ruH3VEVL
もう七夕か…早いなぁ
185名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 03:04:43 ID:5Smg4mQS
182はどこへ……?
瞼が勝手に閉じ始めたんで諦めてねよう。明朝読ませてもらいます。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 03:14:23 ID:i5i6wDgf
すみません今夜投下します『花言葉』

なんかwktkされると嬉しい反面プレッシャーが・・・

・・・最近親友が此処を見てるのしって
『お前らしいSSやね』って言われた。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 04:53:17 ID:rTXtRJgF
>>165
なにが拙いだコノヤローw
とっても好きな話だコノヤローw
続き待ってます。

待ってました、花言葉。
188名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 06:45:50 ID:oFQ7oDMR
>>53から電波を受信して書き始めたら何故か20000字コースへ。
挙げ句書き進めれば進めるほどハルキョン成分が薄くなってしまったので
ココに投下するかどうか迷った挙げ句、VIPのプリンに投下…と思ったら規制で
投下できなかったので、避難所に投下した俺 orz
本来ならココに落とすつもりで書き始めたんで、よかったら読んでやってつかぁさい。
ttp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4829.html
「ユ・ビ・レ・ス」ってヤツです。

それにしても、ご褒美ごっこ・王様と奴隷・ユビレスと、なんで書き始めるとゲームになるんだ。orz
189名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 07:30:46 ID:a+NxdkOc
それは心の中のフロイト先生に聞いて下さーい。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 08:03:52 ID:8mRhoxkd
読ませてもらったぜ!GJ!最後の噴火で吹いたww
191名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 09:31:50 ID:o79kPkkG
>>188
素晴らしい。
指レスとはこれほどまでに奥が深いものだったのか。
そしてこれほどまでにラブラブなものだったのか。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 10:00:35 ID:xngoTpRQ
>>188
やってることは単なる指相撲なのに、すべてのキャラの性格を完璧に
描写してる・・・
あんたすげえよ。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 11:26:35 ID:ruH3VEVL
連投規制って、確か時間が変わると(一時→二時)一旦リセットされるんだよね。
だから、1時50分くらいから1〜2分間隔で投下開始して、時間をまたぐカタチで投下すれば15レスくらいなら行けそうな感じ。
板全体(他のスレも含む)で12書き込み中に同一ホストから5つになると駄目って話だから、
人の居る時間帯なら1〜3分間隔で投下するだけで大丈夫かもしれない。

長文スマソ

というわけでちょっと読んでくる!
194名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 11:50:44 ID:Zl89qMaI
キョンと谷口が入れ替わってしまって困惑するハルヒ。
195名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 11:53:50 ID:hPRNjFyP
素晴らしい…
国木田いい加減揚げパンは許してやれよw
そしてそんな裏技があったとは…キョン器用すぎるぞ。

何よりハルキョンに萌えてしまった。GJじゃ。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:08:06 ID:nzn3mTPO
なんか国木田が元気だなw
197ハルキョン4コマ:2008/06/21(土) 12:23:24 ID:4C8NuZoW
>>188
ご褒美ごっこの方ですか!
毎日、寝る前に読んでにやにやしております〜(´∀`*)

ついでに自分のアホ4コマ投下します。ツマランネタでスンマセン・・orz
http://upload.jpn.ph/img/u20296.jpg
198名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:27:41 ID:H0CDnzfu
なにこれ可愛すぎじゃないか
199名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:27:55 ID:EpdJDL/R
>>197
光速で保存した
200名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:32:23 ID:3V85sLGT
>>197
うはw萌え死んだw
201名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:37:43 ID:i5i6wDgf
>>197
毎度毎度あんたって人は!
良いぞもっとやれ!
202名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:39:18 ID:hPRNjFyP
>>197
何と言うものをww
4コマ目は右から谷口・古泉・国木田か。
203名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:41:31 ID:i5i6wDgf
>>202
場所教室みたいやし右は坂中じゃないか?
服もセーラーっぽいし
204197:2008/06/21(土) 12:55:36 ID:4C8NuZoW
右から谷・国・坂です〜わかりづらくてごめんね;
こんなのにコメありがとう;;みんな優しくて涙でた。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:56:52 ID:BbOSXavt
>>197
携帯だと見れない・・・
206名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 12:57:48 ID:hPRNjFyP
坂中か。セーラー見落としてた俺死んでよし。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 13:03:56 ID:nzn3mTPO
>>204
そんな謙遜しないで。
最高です。GJ!
208名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 13:15:53 ID:O2SgFOrR
>>197
かわいい!
ちょっと旅してくる
209名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 14:19:07 ID:0w6VfaUX
>>197
鼻の下がのびたwwww
210名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 15:48:12 ID:lDRs3eix
>>197
か、カワユスw なんてGJなんだ!
全てひらがなのハルヒ…ヵヮ。゚+.(・∀・)゚+.゚ィィ!!
211名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 16:32:49 ID:qYHe0s7M
>205
PCSVでサイズ上げたら読めたよ
212名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 16:41:01 ID:EMo9F9Az
>>205
まとめのトップから讃岐とかべっかんことか使ってアクセスするんだ!

しかしこれはなんというハルヒちゃんw
213名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 17:40:42 ID:NOx1Hl0f
>>197
あんた最高だ!
214名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 18:47:04 ID:gqI0tRTZ
「んー」でやられますた
215名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 18:52:39 ID:+QP4kX+8
>>197
(* ´Д`*) ハルにゃんかわいいよハルにゃん。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 18:56:02 ID:B/M0JGa+
既女板をROMってるハルヒ
217名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 19:18:07 ID:csVb0j1s
久々に原作読んだが、あらためて読むとキョンのハルヒへの素直になれない気持ちみたいなのが
いたるとこにあってニヤけてしまった。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 19:28:42 ID:NOx1Hl0f
読み返す度に発見がいろいろとあっていいよね
しかしハルヒの笑顔がどーのこーのとキョンは何回言えば満足するのだろう
219名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 19:39:05 ID:H0CDnzfu
よほどハルヒの笑顔が好きなんだなw
220名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 19:41:53 ID:B/M0JGa+
弱気になっている顔も割合可愛かった。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 19:44:43 ID:i5i6wDgf
>>165氏のSSはVIPで見てから好きです。
久しぶりにVIPに見に行って良いなぁと思いました。
やっぱハルキョンの子供は男女の双子がデフォかな?

ついでに回り観て軽くヘコンでしまった『花言葉』


気持ち上げるためにヘル○ング読んだら変な電波が着て困った・・・

『諸君、花言葉はハルキョンが大好きだ!』
222名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 20:13:00 ID:z0+Jr7W8
ハルキョンの人形でトイストーリーするのが見たい
223名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 20:25:27 ID:ZDeenNNG
vipはあまり行かないな。行くとだいたい腹が立つから……。

>>188
亀だがGJ!
いやぁ正統派(?)萌話でしたぜ。
指相撲…奥が深いぜ。そして最後に「あぁ、それで指に顔か!」でニヤニヤがw

>>222
なぜかドラの宇宙小戦争思い出したw
224名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 20:59:40 ID:AqEgT/Vb
>>221

諸君、私はハルキョンが好きだ
諸君、私はハルキョンが好きだ
諸君、私はハルキョンが大好きだ

憂鬱編が好きだ
溜息編が好きだ
退屈編が好きだ
消失編が好きだ
暴走編が好きだ
動揺編が好きだ
陰謀編が好きだ
憤慨編が好きだ
分裂編が好きだ

部室で 教室で
公園で 自宅で
喫茶店で 駅前で

この地上で行われる、ありとあらゆるハルキョン行為が大好きだ

戦列を並べたSOS艦の一斉発射が、轟音と共にコンピ研艦を吹き飛ばすのが好きだ
フルボッコにされた部長氏が、白旗を揚げて部室に来た時など、心が躍る

閉鎖空間に取り残された二人が好きだ
脱出の為にフロイト先生が爆笑する様など、胸がすくような気持ちだった

病院の部屋に泊り込んでいる二人が好きだ
眼を覚ましたハルヒが「おが…」と声をあげ、照れ隠しに怒ってみせる様など、感動すら覚える

消失空間で初めて出会った二人が好きだ
ブレザー姿でロングヘアのハルヒを見つけたときの、キョンのセリフは最高だった

編集長一直線の二人が好きだ
ハルヒに押し倒されたキョンが慌てているところに、3人が入ってくる様などは
Ss定番のオチとして使われている

諸君、私はハルキョンを、楽園の様なハルキョンを望んでいる
諸君、君達は一体、何を望んでいる?

更なるハルキョンを望むか?
情け容赦の無い、糖分過剰摂取のハルキョンを望むか?
桃色空間の限りを尽くし、周りの連中を萌え倒らせる、嵐のようなハルキョンを望むか?

「ハルキョン!ハルキョン!ハルキョン!」

よろしい、ならばハルキョンだ。

−−−−−−−−−−−−−−−

すまん、ちょっとやりすぎだw
225SS?小ネタ? 『メンテナンス要員』:2008/06/21(土) 21:06:04 ID:qUCvciLl
 のっしのっしといったいかにも不機嫌そうな足音の後、バーンとドアが蹴飛ばされて悲鳴を上げた。誰が登場したかなんて言うまでも無かろう。
「あら、なによキョン。あんただけなの?」
 俺だけで悪うござんしたね。何かクレームでもあるのか、と言いかかったところでおれは言葉を飲み込んだ。以前全く逆の立場のやり取りをした覚えがあったからだ。同じような返し方をしたのでは俺もハルヒと同レベルってことになっちまうからな。
 それに今俺はこいつを変に刺激することは避けたかったのだ。
「みんなはどうしたのよ? 有希までいないなんて珍しいじゃないの」
「ああ、長門ならさっきコンピ研の部員たちに泣きつかれて行っちまったぞ。何か大層なトラブルとかで手に負えないらしい。まるでメンテナンス要員だな」
「へえ、有希も結構頼りにされてるのね。でみくるちゃんと古泉くんは?」
「朝比奈さんは進路面談とかで今日は遅くなるって昨日言ってただろ。忘れたのかよ? あと古泉ならバイトが急に入ったとかで今日は来れなくなったんだと」
「ふーん、そう……」
 一見なんてことなさそうなハルヒの態度だが状況的には予断を許さなかった。古泉のバイトってのが久々の閉鎖空間がらみのことなので、俺の方でもハルヒを何とかして欲しいと頼まれていたからな。
 だが、こんなときに限って部室で二人きりだなんてな。

 と、そんな俺のモノローグを読み取ったわけでもないだろうに、ハルヒが急にソワソワし始めた。俺の方をチラチラと見ては俯いてモジモジ。オノマトペだらけで恐縮だが、いつもでは考えられないハルヒのこの様子は何なのだろうね?


「ねえキョン。お願いがあるんだけど……」


 お、おう。一体何だ? 思わず唾をゴクリと飲み込んでしまった。聞かれちまったんじゃないかと冷や汗が流れ落ちる。
 ハルヒは長机の上に何か置くと俺の方に背中を向け、セーラー服の裾に手を掛けて徐に脱ぎ始め――、って、ええぇぇぇぇ? ちょ、ちょっと待てー! 何やってるんだよお前は!
 た、確かに今この場は二人きりで、いやでも長門ならこの場にいなくても俺たちのことを監視してる可能性も、ってそういうことじゃなくって、くぁwせdrftgyふじこ、


「ちょっとキョン、早くしなさいよ」


 は、早くって、一体俺に何を御所望なのでありましょうか団長閣下?








「なによもう、バカなこと言ってないで、早くそこの虫刺されの痒み止め、あたしの背中に塗りなさいよ」
 へっ、痒み止め?
 見ればハルヒがさっき置いたのはテレビのCMとかで見たことのある緑色の小瓶だった。
 あ、いやぁ、あはは。べ、別に変なこと考えてたわけじゃないぞぉ。
 とは言うものの、目の前の制服半脱ぎで覗いているハルヒ白い背中は妙に眩しかった。が、だからそれが一体何なのだろうね。さっきから俺はパニック状態のままである。
 仕方なくその白い肌に目を凝らすと、中央部分に赤く腫れた部分を発見することができた。しかしこんな箇所を蚊に刺されるなんてどんな格好してたのやら?
 とりあえずぬりぬり――はい、お仕舞い。っと手のひらでパンと叩く。
「ん……ねえキョン――ちょっとでいいから、直に掻いてくれない?」
 こいつはなんでそういうことを平気で言ってのけるのだろうか?
「仕方が無いじゃないの、有希もみくるちゃんもいないんだから、あんたに頼むしかないじゃないの!」
 解った解った。――ホラ、これでいいか。
「ん、違う! もうちょっと右、ああ行き過ぎ、もっと左……そう、その辺。――しばらく続けてて」
 やれやれ。……なあハルヒ、ひょっとして背中が痒かったせいでずっとイライラしてたのか、お前?
「まあね。全くもう、血を吸われただけじゃなくって手の届かないところが痒くなるなんて、ほんと最悪」
 それで閉鎖空間かよ。困ったもんだな。

 なんだかんだで結局下校時間ギリギリまで俺はハルヒの背中を掻き続けさせられてしまったのだった。ハルヒは真っ赤な顔でしばらく目を伏せていたが、まあ一応機嫌は良くなったみたいだし、古泉のバイトも何とかなったことだろう。
 何? 俺の顔も真っ赤だって? いやあ、それは気付かなかったなあ、どうしちまったんだろうね、あははははは。
 ちなみに、知らない間に朝比奈さんが部室に顔を出していたらしいのだが、俺たちの様子を見て逃げるように帰ってしまった、とのことらしい。
 って、違いますって、何も疚しいことなんかしてませんよ。信じてくださいお願いですから! って長門、その冷たい視線は一体……。
「……あなたたち二人につける薬は、もはや存在しない」
226名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 21:30:15 ID:RCxz5GLE
>>225
二人が素直になるには何の薬をつけたらいいんだろうなw
ニヤニヤするしかないぜ、GJ!

>>224
どうでもいいかもしれんがvipのまとめにある「桃色空間奮闘記 〜戦慄のブルー〜」にも似たような改変あったぞ
227名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 21:50:00 ID:9XDsT4/3
>>226
の感想が気になったので最初から読むぜ
228名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:27:35 ID:4jXafbZ1
いきなりで失礼。皆さんの設定の豊富さにいつも感心するのですが、甘口のシチュエーションはどうやって妄想、もとい作っていますか?
私もたまーに投下させてもらっているのですが、好きな作品の影響か、格好よくいえば叙情的、要はちょっとテンションが低めのものばかりなので、突き抜けて明るいのを書いてみたくて…
初めて携帯からの書き込みで不安な一住人ですが、アドバイスお願いします。
229名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:38:01 ID:0w6VfaUX
脳内にハルキョンの新居を建ててそこで二人を生活させる。
後は放っておいたら勝手にイチャイチャしはじめる。
しばらく経つと見慣れない子供達が走り回ったりし始めるけど気にしない。
230名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:41:47 ID:AqEgT/Vb
>226
少佐の演説は定番ネタっぽいからなあ…。

VIPは後味が嫌なのもあるからあまりいかんのだ。
231名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:44:16 ID:0w6VfaUX
こなちゃんいじめにしろキワミ削除依頼にしろ
VIPの連中は心が汚れてるよ。
232名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:52:56 ID:H0CDnzfu
VIPとかどうでもいいわ。ここのSSさえ読めりゃそれでいいさ。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:55:31 ID:qYHe0s7M
カプ板からパクる
ボーイズビーからパクる
犬上すくねからパクる
日坂水柯をパクりたいものの難しい
シギサワカヤも難しい
ティーンズラブのうち明るいもの(とくに絶対恋愛Sweet)からパクる
こいびとどうしですることぜんぶからパクる
青橋由高や森野一角を微エロに仕立てる
あまりに露骨なときは事前に断りを入れるけど、「これは」と思えるらぶいネタを
ハルキョンでやってみたい!のが私のSSなので、妄想の最初の種は他の作品であることが多いです
234名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:55:35 ID:SfQFrSB0
ハルキョンの漫画で、SOS団全員がキョンの家に行くのってどこだっけ?
235名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 22:57:15 ID:q2fbohwM
まあBADENDになる話とかあるしな
236名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:02:21 ID:5Smg4mQS
>>228
ひたすら街中のカップルを観察し、すべてハルキョンに変換する。
ニヤニヤしそうになるので顔の筋肉は引き締める。
時々現実に戻って夏なのに薄ら寒い気分になれる。

>>231
VIP投下経験のある俺涙目w(普通にハルキョンエンドものしか書いてないが)

>>234
妄想界の住人じゃないか?
237名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:08:01 ID:47NPu20I
>>230-232
すまん、ハルキョンの甘いSSも結構あるし、自分が好きだから他に好きな人も多くいると思い込んでたよ
またROMに戻ります

238名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:15:17 ID:+QP4kX+8
前はプリンで保守ネタ書いてたけど最近は行ってないなぁ。

>>229
なんというハルキョン飼育日誌w
239名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:19:02 ID:lDRs3eix
>>225
ちょうど虫刺されて凹んでたところになんだこのバカップルはw
そんなに掻いたら掻き崩しちゃうぞw GJ!

>>228
ひたすら自分が萌える要素を思い浮かべそれについてつらつらと書き綴る。
脳内垂れ流しですねorz
240名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:22:18 ID:B/M0JGa+
>>228
1.自分をキョンだと思いこむ。
2.気に入っている職場の女の子をハルヒと思いこむ。
3.妄想開始。
4.SS投下
5.翌日実践
6.ハローワークへ
7.以下繰り返し
241228:2008/06/21(土) 23:26:03 ID:4jXafbZ1
皆さんアドバイス?ありがとうございます。
パクリ…オマージュは、2回ほど書いたことがあるのですが、確かにイメージがハマるとニヤニヤしてしまう面白さはあります。試しに投下して、批評をもらうのもいいかな。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:26:12 ID:EpdJDL/R
>>240
wwwwww
243名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/21(土) 23:28:54 ID:nzn3mTPO
>>237
いやいや、実際好きな人は多いと思うぞ。
親父シリーズの作者さんとか、敬愛の人のハルキョンは最高じゃないか。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 00:12:39 ID:XIovBDEJ
>>240
wwwちょwww
245名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 00:37:48 ID:krOgYwvn
>240
通報しま……されてるんだなwwwwwwwwww
246名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 01:40:02 ID:Lhx7vmy3
>>228
1.ここの住人の電波を受信して、何かひらめく。
2.そのひらめきを元にSSの起承転結を決める
3.するとハルキョンと愉快な仲間達のセリフが脳内に浮かぶ
4.それを書いて、さらに説明文をつける
5.あら不思議、SSの完成だ

SOS団構成員+αはキャラがかぶらないから、意外とセリフは簡単に浮かぶなぁ。
たとえば「何か用事あるの?」という質問のセリフだけでもこれだけ違うし…

「何よ、何か用あんの?」
「何だよ、俺に何か用あるのか?」
「何?」
「な、何かあたしに用事あるんですかぁぁぁ?」
「はい、僕に何か用事があるんですね?」
「いや〜あたしに何かめがっさ用事でもあるのかぃ?」
「な・な・な、何か用?」
247名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 01:41:50 ID:hfrW5Hvs
谷口ちがうだろw
248名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 02:03:19 ID:gB40zeju
蒸し暑い六月の日曜日
ああハルにゃんは可愛いなあと改めて思ったのだった

まる
249名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 02:04:41 ID:zU7GWRpx
似合ってるぞ、ハルヒと言うのが谷口だったら
250名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 02:07:22 ID:+uJ5XPGI
>>249
アホ谷口のくせにあたしを呼び捨てにするなんていい度胸ねって言われるw
251名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 02:43:15 ID:asL9WzW8
>>249
「ハルヒにツッコミを入れていいのも、ハルヒを呼び捨てにしていいのも俺だけだ!」とキョンがキレる
252名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 04:11:37 ID:j78QgwVN
夜分にすみません『花言葉』です

先ずはお礼
>>224氏へ改変ネタ有難うございます正に私の心境そのものです。
お陰で又SS書く気力が戻ってきました

お詫び
VIPネタ出してしまい申し訳ありませんでした。荒れる元ですね以後止めます。

>>229
はて?この時間まだネットに繋いでないはずなのに何時書き込んだんだ私w


SS投下します。今回は異常に長くなりましたのでスルーして結構です
話も微妙ですし。
せっかくネタ頂いたのにコンナのしかできませんでしたすみません
投下したら吊ります。
では
253『大きな志』1:2008/06/22(日) 04:13:28 ID:j78QgwVN
暦の上では既に秋の筈だが、まだまだ暑さが残る今は9月。
高校最後の年だというのに我がSOS団は年中無休・・・いや無給か?・・・で営業中だ。
もっとも相変わらず開店休業状態だが。
SOS団を立ち上げた頃ハルヒだったら今の体たらくを見て何て言うだろうか。
弛んでる!とかやる気がない!とか言いそうだな。
まぁそのハルヒも昔と比べれば随分と現実を受け入れられるようになったもんだ。
いや、現実にある面白い事を見つけられるようになったんだと信じたいね。
じゃないと行き成り目が覚めたら高校1年からやり直しなんて事に成りかねないからな。もっともそんな心配は皆無だ。
古泉の奴が異様に気にしているようだが、俺から言わせてもらえばまだまだハルヒの事は理解してない証拠だな。

さて、2学期が始まってから、やれテストだ進路相談だと時間がとられて本格的にSOS団が活動開始になるのが本日からになる。
まぁ肝心な団長様は担任の岡部に呼び出されて現在不在だが。
どうも進路で少々問題があったようだが・・・なんて書いたか容易に想像できるのが困るね。
そんな訳で本格活動初日とあり在校生であるところの長門・朝倉・古泉に加え朝比奈さんも本日はお越しいただいている。

「はい、キョン君。お茶ですよ。」
「有難うございます朝比奈さん。」
「いえ。でも久しぶりですね。」
「何がです?」
「こうやってキョン君にお茶を入れてあげるのがです。卒業してからは休日しか会えませんでしたから。」
「そうですね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へぇ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はは(汗)。」

・・・なんだお前らこっち睨んで何か怖いぞ、特に長門と朝倉。古泉は冷や汗たらしてるがな。
分かってるよ、朝比奈さんと仲良くしてるところをハルヒに見られて又閉鎖空間が発生しないか心配してんだろ?
心配しすぎだ。昔ならいざ知らず今のハルヒがそんな理由くらいで閉鎖空間作るわけないだろ。
それに今日は朝比奈さんが久しぶりに部室に来たんだから、こうまるで部室に花が咲いたようじゃないか。

「もぅキョン君たら。そんなにほめてもお茶くらいしか出ませんよ?」

いやー朝比奈さんのお茶が飲めるなんて幾ら積んでもあずかれない特権ですよ。SOS団様様ですね。

「・・・パーソナルネーム『朝比奈みくる』を敵と断定。当該対象の有機情報連結の解除を申請する・・・不許可・・・再申請する・・・。」
「殺らないで後悔するより殺って後悔した方が良いって言うよね?このままじゃジリ貧なのは目に見えてるんだから。」
「お二人とも落ち着いてください!あなたも、もう少し自重してください!つまらない事で世界を終わらせる気ですか!」
「あ・・・あの、私決してそういうつもりじゃ。」

はぁ、なんだろね全く。
3年も苦楽を共にしてるってのにハルヒがいないと如何もお前ら纏まり無いよな。
大丈夫だ。確かに朝比奈さんのことは好きだがSOS団の掛替えの無い仲間としてだよ。俺が愛してるのは今までも此れからも
『涼宮ハルヒ』只1人だけさ。

「・・・そう。」
「・・・まぁそうよね。」
「ふう、勘弁してくださいよ寿命が縮むかと思いました。」
「えっと、ごめんさい。久しぶりでしたのでつい調子に乗ってしまいました。」

ところで話は変わるが良いか?

「何でしょうか?」
254『大きな志』2:2008/06/22(日) 04:15:56 ID:j78QgwVN
ハルヒが居ないうちに聞いておきたいんだが、お前ら何か『志してる事』ってあるか?

「例えばどういった事?」

そうだな俺達ももう直ぐ卒業だろ?ハルヒに"力"の事も在るから皆が好きな生き方を選べないのは知っているがその"力"も可也落ち着いているんだろ?
だったら今までみたいにハルヒの近くで観察する必要も無いんじゃないか?そう考えたら皆もそれぞれの好きな事をしても良いんじゃないかって思ってさ。

「・・・私達の存在意義は涼宮ハルヒの観察にある。よって私達が彼女の観察を止める事は無い。」
「・・・そうか。」
「・・・でも。」
「なんだ?長門。」
「・・・それとは別に私自身がやってみたい事はある。」
「へー何なんだ?参考までに教えてくれ。」
「・・・此れまでの出来事を『本』という形にして残したい。私がここに存在した証として。」
「・・・長門。・・・そうか、もし書きあがったら読ませてくれよなそれ。」
「・・・分かった。」

・・・少しシンミリしちまったな。長門が居た証か。役割が終わればどうなっちまうか分からない長門と朝倉、それに喜緑さんに周防。
こいつ等が居た証を残す事がやりたい事とは少し寂しい気もするがそう言った長門の目には何時ものような液体ヘリウムでは無く強い意志が感じられた。

「そうですね、僕としては早くこの仮面をとって素の『古泉一樹』としてあなたと向き合う事でしょうか。」
「随分と夢が無いなぁおい。」
「まぁ仕方がありませんよ、それが僕に与えられた『役割』なんですから。」
「・・・古泉。」
「もっとも、そう遠くない将来に実現できそうですがね。それもあなた次第ですが。」
「はぁ、全く『機関』から指令かなんか知らんがもっと自分を出しても良いんだぞ。大体お前みたいな奴が溜め込みすぎて行き成り大事おこすんだからな。それと古泉。」
「なんでしょう。」
「その俺次第ってのは良い加減に止めろ。俺がハルヒをどうこうできるわけ無いだろ?今の結果はハルヒが自分で望んだ結果さ、俺の話なんて聞かんだろアイツは。」
「いえ、やっぱり今の状況はあなたが居たからこそ実現したものです。やはりこの世界の行く末はあなた次第ですよ。今後とも涼宮さんをお願いします。」

ぬかせ!全くお前は何時も人を煙に巻きやがって。あぁ言われなくてもそうするさ、此れからもずっとな。
だからそんな小さな悲しい声で『僕では涼宮さん相手は勤まりませんから』とか言うなよ。何時かお前にも相応しい奴が現れるさ。

「私も本当は保母さんとかに成りたいんですよ。」
「良いですねぇ、実に朝比奈さんらしいじゃないですか。」
「キョン君もそう思います?」
「ええ。」
「・・・でも。」
「?何か心配事でも?」
「長門さんや古泉くんとちがって私は任務が完了したら元の時間に戻らないといけないんです。だからどんなに願っても叶わないんですよ。」
「・・・朝比奈さん。」
「でも、心配しないで向こうに戻ってからでも夢は叶えられるから。だから今の私の一番の目標は・・・」
「目標は・・・」
「何の権限にも縛られずこの時代に来れるようになる事です。そうすれば此れからもキョン君や涼宮さん達といる事が出来ますから。」
「・・・そうですね。そうなってからコッチで保母さんをやるのも良いじゃないですか。応援してますよ。」
「有難うキョン君。」

そういった朝比奈さんは本当に目標に向かって頑張るぞっと可愛らしくガッツポーズまで作っていた。
只、俺の脳裏に朝比奈さん(大)の姿がよぎった。今の朝比奈さんが目指しているものと少し違って見えた。
朝比奈さん(大)には悪いが俺にとっては目の前の朝比奈さんが俺の朝比奈さんだ、未来の為でなく目の前の朝比奈さんの為にも
未来の思い通りなら無いようにしてやるさ。ハルヒと一緒にな。
255『大きな志』3:2008/06/22(日) 04:20:35 ID:j78QgwVN
「で?あなたは如何なの?」
「何がだ?朝倉?」
「私達のそんな話を振ったんだからあなたにもあるんでしょ?その『志し』ってもの」
「そうだな。」
「それに僕達にこんな話をする切欠が御ありに成るんじゃないですか?」
「そうだな、夏休みの話なんだが。」
「・・・あのう、濃いお茶準備したほうが良いでしょうか?」
「・・・推奨する。」

何でそんな対応するんだよ。良いから聞け。
ハルヒと旅行に行ったときにある花をみてな。

「何て花?」

"タチアオイ"って花なんだが結構でかくて印象に残ってたんだ。それで旅行から帰ってきてから調べたら花言葉に『大きな志』ってのがあったんだ。
それでこれからの事かんがえてみたんだ。ただ漠然とではなく、もっと『志し』をもって将来に繋いでいけたらなって。

「なるほど。それであなたの『志し』とは?」

大した事じゃないさ、此れからもずっとハルヒの隣に居る事さ。でもその為には自分が何をすべきか考えたんだ。
そしたら此れまで漠然としか思えてなかった将来が急に現実味を帯びてきてな。
だから人間目標をもって生きるのは大事だと思ってな。

「その始まりが涼宮さんと一緒に居ることなんてキョン君らしいですね。」
「・・・バカップル乙。」

・・・まぁこの事にかんしてはそういわれてもしょうがないか。ただバカップルはないだろバカップルは。

「大体だな・・・」
「みんなー揃ってる?欠席しようものなら罰金だからね!」

と人の話の途中にあいも変わらず部室のドアを勢い良く開けて入ってきたのはSOS団団長:涼宮ハルヒである。
まぁ一々説明する必要も無いんだがな。

「まったくあの担任ったらムカつくわね!人の進路に一々口出して。あー思い出しただけでも腹が立つ!みくるちゃんお茶!とびっきり冷たいのでお願い!」
「は、はい!ただいま。」

やれやれ。
こいつが着ただけで一瞬にして部室の雰囲気が変わっちまったな。これもハルヒたる所以かね。

「ところで皆で何話してたの?もしかしてUFOでも見つかった?」
「残念ながら違いますよ。彼が今後の事を如何考えているかと聞かれたので皆で将来について話していたんです。」
「そうなの?」
「まぁな。」
「キョンしては偉く殊勝ね。なんか悪いものでも食べた?」
「こちとら目が覚めてから今までお前と一緒の物しか食っとらん!」
「まぁそうよね。で?何故なの?」
「まぁ俺は俺なりにお前との将来を考えてるわけだよ。」
「も、もう、いきなり変な事言わないでよ。」

・・・お前との将来は変な事なのか?軽くへこむぞ。

「そうじゃなくて、もう察しなさいよ!」

わかってるよ冗談だ。お前がこの手の話は最初ははぐらかしたりするのは何時もの事だからな。

「・・・だって面向かって言われたら。やっぱり恥ずかしいじゃない。」
256『大きな志』4:2008/06/22(日) 04:22:25 ID:j78QgwVN
そうかい。
で気になるんだが俺達の会話を他所にお茶飲んでるお前らはなんだ。

「気にしないで下さい。・・・すこし口の中が甘くなってきたもので。」
「・・・現在、桃色空間の拡大率47%更に拡大中。」
「・・・こんなの観測してたらこっちが糖尿になるわよ。・・・急進派から労災でるかしら。」
「ふええ、サーバーの中のお茶が『ハチミツ入りグリーンティ』に。」

・・・なんか聞き慣れん言葉も出ているが今は気にしないでおこう。
で?今日は何をするんだ?

「良いこと聞くじゃない。実はね今日は今後のSOS団について話し合おうと思ったの。」

今後といっても俺達が卒業しちまったら誰も居なくなってしまうのだが。こいつの中ではどんな構想がでているのかね。
言っとくが今更新入部員募っても無駄だと思うぞ。それに今後っていってもどうするんだ?

「良い?キョン。SOS団の目的は【世界を大いに盛り上げる】事なのよ!世界を盛り上げる事がどれだけ大変かはこの3年間であんたも分かったでしょ?」

まぁな。大体その名称はその場で閃いた物だろ?それに今までそんな活動してきたっけ?

「してきたわよ。何?その年でもうボケたわけ?」
「そんな訳あるか!で?具体的にどうするんだ?俺達ももう直ぐ卒業だぞ。」
「それよ!あたし達がいなくなったら誰がこの世界を盛り上げていくのよ。でも確かにあたし達が卒業したら後に続く者達はいないわ。
でもねあたし気がついたのよ。」
「なにをだ。」
「世界を盛り上げる事がたった3年で完了する分けないのよ。もっと長期的な計画もってしないとね。
そうよもっと『志し』を大きく持って事に当たらないといけないのよ!」

こいつも『志し』か。なんか気持ちが通じてるようで少しくすぐったいな。もしかしたらハルヒもあの花を見て思いついたのかね
もしそうだったら少し、いや結構嬉しいんだがな。
しかし俺達が卒業しちまったらその計画もクソも無いだろ?大体長期的って、いったいどれ位先まで考えてるんだ?

「まぁ取り合えず20年先もSOS団が続くようにはしないとね!」
「えらく具体的だな。しかし肝心な今後のSOS団を率いていく団長候補が居ないんだがそれは如何するんだ?」
「それでねあたし閃いたのよ。」
「何が?」
「居ないんだったら作れば良いのよ!」
「だから何を。」
「こど・・・・・・コホンッ!新団長よ!」
257『大きな志』5:2008/06/22(日) 04:24:17 ID:j78QgwVN
まてまて作るってなんだ?まさかそこら辺の中学生でも捕まえて洗脳でもするつもりか?
頼むから変なことは止めてくれ。それにそんな事しても意味無いだろ。
神聖にして不可侵たるSOS団団長の座なんだろ?そんな詰まらん事で汚して良いのか?

「そんな事しないわよアホキョン。大体今時の中学生なんかにSOS団を率いていける人材なんて居るわけ無いでしゃない。
まぁ妹ちゃんなら頑張り次第では見込みがあるかしら。でもね真のSOS団を率いていける人間なんて世界中探しても居ると思う?」

居ないだろうな。少なくともお前の眼鏡にかなう奴なんか居ないだろな。

「でしょ?だから一から作るのよ。だからキョン!あたしに協力しなさい!」
「だから作るってなんだ?大体協力ってお前が考えてることに俺が何か出来るのかよ。もっと具体的にいってくれでないと理解できん。」
「もぅ此れくらい察しなさいよ。新団長ってのはあたし達の子供の事よ。」

一瞬世界が停止したかと思った。

「いえ停止しているのはあなただけです。」
「・・・予想の範囲内。」
「別に今更驚くことでもないわ。」
「既定事項ですから。」

っておいお前らは驚かないのかよ!って既定事項かよ!
大体おかしいだろいきなり子供つくろうなんて、しかも理由が不純だ納得できん。

「別にそれだけが理由じゃないんだけど。ほら前から言ってるじゃない子供ほしいって。キョンもあの時思ったでしょ?」
「あの時って?」
「旅行のときよ。」

しまった始まりは其処か!
確かに俺もそんなこと言った。
しかしだな、何度もいってるがまだ早いだろ。

「大丈夫よ。もうあたしは16過ぎてるし。キョンも今年で18になるから法律的には問題ないわ!じゃ早速いきましょ!」
「へ?行くって何処へ。」
「役所に決まってるじゃない。今ならまだ受付は開いてるわ。」
「まて話が飛びすぎだ!大体未成年の俺達がいってみろ変な目で見られるぞ、それに何しに行くんだ!」
「婚姻届を出しに行くのよ!大丈夫、あたしとキョンの両親の判子も貰ってきてるから。後は役所に出せばOKよ。」
「まて何時用意したソンなの!良いから落ち着け!急ぎすぎだ!もう少し考えろ!大体学生結婚て早いだろ、しかも高校生でなんて。」
「そうも行かないわよ。だって此れが進路の第一希望なんだから。」

・・・なにか今日の岡部からの呼び出しはそれが原因か?
しかも結婚が進路の第一希望って、永久就職ってことか

「さ!行くわよキョン!じゃ今日は解散!」

と言うが早いかハルヒは俺の手を掴むと一気に走り出しやがった。
慌てて体制を立て直してハルヒの顔を覗いたら、其処にあるのはふざけたり勢いで行動してるときの表情はなかった。
強い意志をもって未来を見ている瞳があった。その中には俺とそしてまだ見ぬ子供達との生活が映し出されていた。
あぁそうか、これが今のハルヒの目指しているものなんだな。なんだ俺と同じじゃないか。
やり方は相変わらず強引で俺の意見を無視して突き進むがそれもその『志し』があればこそか。
なら俺は俺なりにその気持ちの応えてやらないとな。
取り合えず先ずはハルヒの説得かね。幾ら同じ『志し』でも意見が違えば叶わなく成っちまうからな。

「おい待てよ。」
「待てないわよ、この先にあたし達の未来があるんだから。」

まだまだ暑さが残る9月の空の下、俺とハルヒの未来への珍道中が幕を上げたのだった。
『大きな志』と共に。
258名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 04:28:11 ID:j78QgwVN
異常です

いや以上です。
話的には『あなたを見つめる』の直後になります。

これで数えて11個目ですねそろそろ自重するべきでしょうか・・・

今回は本当に下らない話ですみません。

では吊ってきます
 ∧||∧
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ 
  ∪∪
259名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 04:39:10 ID:wt6tSaoc
Gj!
俺はこのシリーズ好きだぞ。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 05:50:33 ID:XIovBDEJ
>>258
GJ!!いつも良いSSありがとう。
さて、今日寝てないから寝るかな。あとイ`。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 05:50:36 ID:69l+JDpS
自重せんでえーです
262名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 08:08:50 ID:s07pbmOK
あんまり自虐的過ぎるのはよくないぞ。
263名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 08:09:43 ID:yQUj48A4
シリーズが好きな人にはいいだろうが嫌いな人にとっては自重してもらいたいところ。
先に何のシリーズか書いてあれば読み飛ばすだけなんだがね
264名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 08:24:09 ID:j2qJausQ
>>263
これは花言葉だと書いてあるから、苦手と思ったら飛ばしたらいい
>>258
毎度毎度自虐的すぎるとうざいとしか思えんぞ
続きだったのか、ちょっと読み直してくるか

GJだが誤字注意、三点リーダは…か・・・のどっちかで統一な
正直スマン、またやってしまった。あまりにも長くなってしまったので
前編 後編にわける 後編は近いうちにレスします
最近テレビなどでは、オリンピック、オリンピックと騒いでいるが高校時代の俺たちはスポーツとは無縁の意味不明な部活動にいそしんでいた。
ハルヒはとんでもない運動神経の持ち主であるが、それを全く生かそうともせず、運動部からのスカウトを全て断った経歴の持ち主でもあるのだ。
そんなハルヒがSOS団の活動において一回だけ真剣にスポーツに取り組んだ事がある、
もしあの時、別の道を選んでいたら、表彰台に登って金メダルを貰い、センターポールには日の丸ではなくSOS団の旗を掲げていたかもしれない。
今日はそのときの話を書いてみた。
推奨 ビックコミックスピリッツ愛読者、推奨年齢30歳以上
 
「あんたと二人じゃつまんないから帰るわよ」
「俺だっておまえと二人じゃ何されるかわからんから、もう帰る」
放課後、部室での何気ない会話、今日に限って古泉はバイトの研修(どんな研修だよ?)朝比奈さんは受験対策の補修
本来この部室の主で、校庭にミサイルが着弾しようが指定席で読書をしている長門も欲しい本があるとかで古本屋めぐりに行ってしまった。
いつもより早く部室を後にし、急坂を下る
「時間があるから、駅前でコーヒーを奢りなさい!」
わけがわからん、何で俺と二人でいるのが嫌で早めに下校したのに、二人で喫茶店に行かなければならんのだ?
しかし俺の意見など聞きはしないことを、充分に学習しているので「やれやれ」とつぶやき財布の中身を確認した、コーヒー二杯ぐらい大丈夫だろう
坂を下り駅前に着いたとき悲鳴があがった。
「ひったくりよ!捕まえて!」
人ごみのなかから、ハンドバッグを抱えた男が俺たちの方に走ってくる。右手にはナイフを握り凄い形相だ
「どけ〜!邪魔だ〜」
俺はあわてて道を空けようとしたが、ハルヒは動かない、ハルヒの手を引っ張ろうとしたが、その時ひったくりがナイフを振り上げハルヒに突っ込んできた。
「ハルヒ!逃げろ」
ハルヒは男の襟を掴み、みずから後ろに倒れこんで一緒に倒れ込んだ男を右足で跳ね上げる、見事な弧を描き男は背中を強打して失神した。
警官が駆けつけてくる、野次馬も集まってきた、投げた瞬間近くでシャッターを切る音まで聞こえた。
俺はハルヒを強引に引き起こし喫茶店に逃げ込んだ。
「バカ!なんであんな危ない事をした!」
「だって悪人よ、ぶん投げられて当然じゃない、悪人に人権は無いわ」
某有名魔道師かおまえは?それじゃ俺は相棒のマヌケな剣士みたいだな、ってそんな話じゃない
「ともかく二度とあんなことするな、俺を投げてあいつにぶつけるほうがまだマシだ、おまえが怪我をするよりな」
俺は何を言ってるんだろう?そうだハルヒの身になにかあったら世界が消滅しちまうかもしれんからだ、きっとそうだ
「あんたが近くにいなくたって大丈夫よなんともないわ」
「そういう問題じゃない!」
ハルヒは俺のいつにない口調に驚いたようで、眼をパチクリさせている
「わっ、わかったわよ、あたしがケガなんてしたらSOS団が活動できないもんね、じゃあ条件としてこれから登下校時にあたしをガードしなさい・・」
こいつにガードなんて必要ないとは思うが、仕方ないその条件を飲もう、しかし俺の心がウキウキしてるのは何故だ?
「ともかく、ひったくりを巴投げで投げ飛ばした事は、俺たちだけの秘密だSOS団のみんなにもだぞ、わかったか?」
そんな希望とはうらはらに話は進んでいたらしい・・・
翌朝、約束どおりハルヒと駅前からは一緒に登校し教室に着くと、あいつはバックを席に置いて、どこかに行ってしまった。
「おいキョン!これみたか!?」
谷口が教室に入るやスポーツ新聞片手に話かけてくる、スポーツ新聞片手に登校なんてどこのおっさんだ?
「いいからこの新聞を見ろ!」
谷口から強引に渡されたスポーツ新聞を広げた。
日刊エヴリースポーツ?発行部数もさほど多くないマイナースポーツ紙だ、昔は女子柔道の記事が好評で発行部数が伸びたこともあるらしい
一面の写真付記事をみたとき、俺の時間が止まってしまった。なんてこった・・・
デカデカと大きな字で書いてある。
 
「パンチラ少女、ひったくり犯を巴投げ!」
 
写真は北高の制服を来た少女が、パンツ丸見えの構図でひったくりを巴投げしている瞬間だった。顔は写っていないが、うちの生徒に間違いない
「その謎の少女の技のキレたるや、必ず日本柔道を背負っていける人材だと本誌記者は確信した、彼女の正体を明らかにしたい」
と記事は結んでいる。
俺はなるべく平静を保とうと、無表情でどうでもいいようなそぶりを見せた。
「へえ〜凄い奴が北高にいるんだな、女子柔道部の奴か?」
谷口があきれかえった表情で俺を見ている
「女子柔道部は部員がひとりしかおらん、それにすげえでかい女だ、その写真の女とは身体のでかさがまるで違う」
あきれかえった表情から一転して、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべ始めた
「とぼけんなよキョン、こんなことやらかす女は北高にひとりしいないだろ」
あくまで知らん降りを続ける俺、わかる、わかるよ谷口、おまえが何を言いたいのか
「涼宮に決まってるだろ!あいつ仮入部した柔道部で黒帯の男3人を簡単に投げ飛ばした実績もあるしな」
そのとき最悪のタイミングでハルヒが教室に戻ってきた。
「あんたたち、朝っぱらから何騒いでるの、その新聞に面白い記事でもあった?」
凄い記事が一面写真付であったよ、北高生にとっては面白いが、俺にとって最悪の記事だがな・・・
その日のうちに噂は全校生徒にいきわたった。話に尾ひれがつきまくり、ひったくりを巴投げで投げ飛ばしたのが
闘牛場で牛を素手で倒したとか(空手バカ一代?)SUZUMIYAがあと10人戦前にいたら太平洋戦争で米軍が負けていた(塾長?)とか
挙句の果てに、俺が他の女と歩いているところに出くわしたハルヒが一本背負いで俺を投げたあと、送り襟締めで失神させた。なんてのがあった。
まあ、最後の噂に関しては幾度となく同じような目に遭わされてるので否定はしない、ハルヒの耳に入ったらと思うと想像するだけで恐ろしいが・・・ 
意外な事にハルヒの機嫌は大変良かった。目立つ事を至上の喜びとするこの女にとってみればとても楽しい事なのだろう
(最後の噂はまだ耳に入って無いようだ、後で長門に頼んで全校生徒の記憶を改ざんしてもらおう)
その日の放課後、いつもの面子がそろって何事も無かったようにすごしていた。
俺は古泉と軍人将棋をしている、審判の朝比奈さんが駒の内容を口にしながら判定するのには困ったが(シャレではない)
「昨日は我々の失態です。申し訳ありません、まさかひったくりの発生までは予期できませんでした。」
「頼むぜ古泉、昨日は大丈夫だったが同じ事がまたあるかもしれん、おかげ様で登下校時にあいつをガードするようにとの団長命令がでたよ」
「我々はあくまで涼宮さんに気づかれぬようガードを続けます。
しかしあなたがうらやましい、本人公認のもとガードできるのですから、こちらにお礼を言って貰いたいぐらいですよ」
古泉はニヤケた顔で謝罪をしつつ駒を動かし朝比奈さんに渡す。
「えっと、軍旗の場合は後ろの駒で判定するんですよねぇ、あっ地雷ですぅ、地雷は工兵と飛行機以外には勝てるから、キョン君の駒の勝ちですね」
朝比奈さんお願いですから、声に出さないで下さい。審判の意味がありません
「ずるいですよ、僕の地元では軍旗の後ろに地雷を置くのは反則です」
「なにを言ってるんだ、戦争に反則も何もあるか、貴様それでも軍人か?」
そんな感じで時が流れていると「コンコン」と、この魔窟のドアをノックする音が聞こえた。
猛烈に嫌な予感がする、今までこの展開から始まった話は大抵厄介事ばかりであった。
「ひゃーい、どうぞ」
朝比奈さんがドアをあけるとそこには柔道着を着た女が立っていた。
身長は180センチぐらいあるだろう、富士山のようなおかっぱ頭をしており、眼は細くまさにノッポの姉ちゃんと言う形容詞がふさわしい
次の瞬間、ハルヒが立ち上がり、100ワットの笑顔で眼を輝かせながら叫んだ。
「なに!あんた道場やぶり!?望むところよSOS団はいつ何時誰の挑戦でもうけるんだから!」
どうやら、例の一件で何かに目覚めてしまったらしい、やれやれ・・・
「観客がいないとつまんないから、キョン今から体育館押さえて校内放送で発表して、旗揚げ戦だから入場無料にするわ、プロレス研の連中に手伝わせなさい」
いよいよ暴走が加速してきた、いい加減とめないとやばい、古泉はニヤニヤとこっちをみて笑ってるし、朝比奈さんはおろおろしている
長門は眼もくれず昨日買った本を読んでいる「柔の道は一日にしてならずぢゃ」どこかで聞いた事のある題名だ。
そんなこと言ってる場合じゃない下手すればこの場でデモンストレーションを兼ねた乱闘が始まる、亀田じゃねえんだぞ、似たようなもんか・・
「みくるちゃん、バニーの服でラウンドガールお願いね!」
それはそれで見たいのだがいい加減止めよう、そのとき引きつった表情で黙っていた柔道着の女が口を開いた。
「あああ、あの私、道場破りじゃありません、お願いがあってきました」
「へえ、何の用?」
ハルヒは拍子抜けしたのか、きょとんとしている
その人を席に案内し、朝比奈さんがお茶と茶菓子を用意してくれた。
お茶を飲むと柔道着の女はようやく落ち着き話を始める、内容は以下のことだった。
その人は花園富薫子(ふくこ)さん、一年生で我が北高唯一の女子柔道部員らしい、一応初段の腕前で、日夜練習に励んでいるのだが
両親が柔道を続けるのに反対している、なんでも彼女の両親は揃って柔道の経験者で、父親は関西豪学連高校の女子柔道部監督、
母親はかつてオリンピックで銅メダルを獲得したこともある有名選手、なぜそんな柔道一家に生まれたのに反対されてるのかと聞けば
一人娘に危険なスポーツをやって欲しくないらしい、自分たちがいかに柔道が危険なスポーツか知っているための親心であろう
母の勧めでバレエを習っていたが、身長が伸びすぎ断念して両親の影響もあり柔道を始めた、しかしプレッシャーに弱いため試合で勝ったこともなく
進学した北高にも女子柔道部員が自分ひとりしかいないため、進歩がないから柔道を止めて欲しいと言われている
どうしても柔道を続けたい彼女に父親が条件を出した。
なんとか5人集めて、父親が監督を務める関西豪学連女子柔道部と練習試合を行い勝つことができたら柔道を続ける事を許すとのことだった。
 
「それで、あたしたちに助っ人を頼みたいの?」
ハルヒは不敵な笑みを浮かべている、厄介事をそうは思わず楽しい事に変えてしまう思考の持ち主それがハルヒだ
「はい・・・何人か頼んだんですけど、みんな断られてしまって、朝新聞を読んだら北高
生がひったくりに巴投げを決めている記事を見てこの人しかいないと」
噂は時として真実を語る、確かに普通の人に頼んだら断るが、いつ何時誰の挑戦でも受けるこの団長様は受けて立つだろう、下手したら勝ってしまう
しかしちょっと無理かもしれんな、今回も俺が突っ込みをいれる
「待てハルヒ、おまえが加わっても二人だけだろ、残りの3人はどうするんだ?」
ハルヒは俺を「何言ってるの?」みたいな表情で見返した。
「大丈夫よ、有希、みくるちゃん、いいわね?」
やっぱりそうきたか、長門はともかくとして朝比奈さんに柔道なんてできるわけないだろ
長門は本を閉じ俺を見つめた後
「問題ない、この本に書かれていた事に興味がある」
朝比奈さんは狼の群れに囲まれた、子羊のような眼で怯えていたが、狼より強い虎に歯向かえるはずもなく
「はい・・・」
と力なく返事した。
「大丈夫よフクちゃん、謎の助っ人も考えてるし、絶対柔道を続けさせてあげるから、戦艦大和に乗った気分で安心しなさい」
ちょっとまて、会ってすぐにフクちゃんと愛称をつけるのは良いが、戦艦大和は沈んだぞ
それを言うなら大船だ、せめて終戦まで沈まなかった長門にしておけ、別の意味で感情移入できるから
「ありがとうございます。たとえ負けても悔いはありません!」
花園さんは長身を折り曲げ礼を言う、しかし顎を尖らせたハルヒが一喝した。
「やる前から負けること考える奴がいるかよ!」
花園さんは驚いて、直立不動になった。
「みんなも覚悟してね、あたしは負けるのが大嫌いだから、絶対勝つわよ!」
おもむろにカチューシャを外し、ポケットから髪留めゴムを取り出すと、右上の部分の髪をちょこんと斜めに縛り
机から腕章を出してなにやら書き込んでいる。腕章に書かれたのは「柔」の一文字であった。
それから二週間後の試合までハルヒたちは日夜トレーニングに励んでいた。受身、打ち込み、その他基礎トレーニングに精を出し
俺と古泉はこの試合をハルヒの希望通りにプロデュースするため色々な交渉に忙殺された。
会場は武道場ではなく体育館に決定、あっさり許可が下りたのは古泉の手腕であろう(いろんな意味で)
放送部に実況アナウンスを頼み、その他演出はプロレス研究会が協力を申し出てくれた。
どう考えても武道の試合でなく、プロレス興行になりつつあるが、関西豪学連に連絡したところ、ただの練習試合なので全く気にしないと了承を得た。
俺はハルヒの指示に従いコンピ研の手を借りて試合のポスターを作製し学校の至る所に掲示した。
 
北高VS関西豪学連 全面対抗戦5対5女子柔道スペシャルマッチ
母校の名誉を賭け乙女たちが戦う
 「絶対観に来なさい!来ないと死刑だから」
会場 体育館特設試合場 開催日時 日曜13時試合開始
   スペシャルリングサイド
   アリーナ席
   二階席
   全て入場無料
出場予定選手
 
花園富薫子 涼宮ハルヒ 長門有希 朝比奈みくる 謎の助っ人(お楽しみに)以上五名
 
主催 SOS団
その他問い合わせ  全部キョンまで
 
ちなみに写真は下にTシャツを着ない柔道着姿の朝比奈さんが涙目で座り込んでいるものが使われた(俺は一応止めたのだが・・・)
学校中がこの話で盛り上がっていた、文化祭のライブの件といい、この件といいハルヒは天才エンターテイナーだとしみじみ思う
俺は皆に黙っていた事がある、フクちゃんも黙っていたが先日中河に電話で関西豪学連の情報を聞いたところ
典型的なスポーツ高校で女子柔道部は全国トップレベルの強さを誇っているらしい。フクちゃんの親父さんは余程娘に柔道を続けて欲しくないのだろう
しかし必死になって柔道に打ち込むハルヒたちに水を差したくなかった。またこの試合を楽しみにしている人たちをがっかりさせたくなかったからな
試合まで一週間を切ったある日の事、試合の準備もめどがつき俺と古泉は柔道場に向かった。
基礎トレーニングの時点で朝比奈さんは力尽きており、長門は端っこで例の本を黙々と読んでいる。
今回の試合はインチキ無しで戦わないと意味が無いと長門を説得しておいた。そうじゃないと文字通りの八百長試合になってしまうし
必死にトレーニングに励んでいるフクちゃんとハルヒに失礼だ、たとえ負けたとしても全力を尽くしたのならハルヒも閉鎖空間を発生させないだろう
万一そうなったら、古泉あとは頼む
畳の上ではハルヒとフクちゃんが乱取りの真っ最中
「違うわフクちゃん!1,2,3このタイミングで技をかけるのよ!」
「えっ、ええわかりました」
どっちが柔道部員かわからなくなってくる。頭二つ分自分より小さいハルヒにいともたやすくフクちゃんは投げられている
「どうもタイミングが難しくて、なかなか掴めません」
「フクちゃん、バレエやってたんでしょ?それと同じよ」
ハルヒが妙な事を言い出した。
「古泉君、バレエで1,2,3、てなんて言うの?」
古泉は何かを思い出したらしく、笑いを堪えながら答えた。
「アン、ドゥ、トロワです。その感覚でタイミングを計ってみてはいかがですか?」
そのやり取りからしばらくの間、フクちゃんは投げられ続けていたが、やがて俺を仰天させた。
「アン、ドゥ、トロワ!」
次の瞬間見事な大内刈りでハルヒを倒してしまった。
「涼宮さん、ありがとうございます、投げられて貰ってなんとかコツを掴んできました」
ハルヒは狐に包まれたような表情で座り込んでいたが、すぐに立ち上がった。
「そうよフクちゃん!今のタイミングで仕掛けなさい!」
また乱取りが始まった。
 
「よろしいですか、お話があるのですが」
「急に話しかけるな、息を吹きかけるな、顔が近いんだよ」
俺は古泉に誘われ柔道場の外に出た。
「先ほどの大内刈りですが、涼宮さんはわざと投げられたわけではありません、花園さんの技は本物です。血は争えないですね」
「何言ってんだ、意味がわからんぞ?」
「花園さんの母親はバレリーナから柔道家に転向し、銅メダルを取りました。得意技はバレエで培ったタイミングを使っての大内刈りです。」
「本当かそれ?」
「ええ、偶然であんなに上手く涼宮さんに技が決まるわけがありません。それに彼女の母親も当時最高の選手に稽古をつけて貰ってました。よく似た親子です」
「なんで、そんなに詳しいんだ?当時は俺たちは赤ん坊だぞ」
「実は新川さんが大の柔道好きで、以前話を聞いたことがあるのですよ、当時の日刊エヴリースポーツのスクラップを見せて貰いました。」
「古泉、おまえだけには伝えておく、相手はかなりの強豪だはっきり言って勝てるわけ無い、ハルヒと長門は勝つかも知れんがこれは団体戦だ」
俺の話を聞いて古泉はますますニヤケてきた、何が楽しい?長門の情報操作も無しで戦うんだぞ
「失礼、しかし勝つかもしれませんよ、涼宮さんが勝利を望むなら、それに本当に花園さんは母親と似た運命を背負っていますね」
「メダリストだったら強豪高のエリートだったんだろ?フクちゃんとはだいぶ違うぞ」
古泉は前髪をかき上げ、得意満面に話を続ける、何をやっても絵になる男だ
「いいえ、彼女の母親は普通の女子短大出身で短大入学まで柔道の経験はありませんでした。しかしある人物と出会い柔道を始めたのですよ」
「ある人物って誰だ?もったいぶらずに言え」
古泉からその名前を聞き腰を抜かした。国民栄誉賞を貰った超有名選手じゃないか、過去の映像見たことあるけど、小さな身体で大きな相手に一本背負い決めてたぞ
「その選手と母親は素人揃いの女子柔道部で強豪校と試合をして勝ちましたから、我々にも勝機があるかもしれません」
果たして日曜の試合はどうなるのだろう?しかし結果から言えば俺はハルヒの試合しか見れなかったが会場は大盛り上がりだったらしい・・・
ここからはハルヒ視点
 
もう、あのバカキョン、試合は明日なのにお母さんの田舎に帰っちゃうなんて運の悪い男ね、おじいちゃんが倒れちゃったから仕方ないけど・・・
おじいちゃん大丈夫だといいね、あんたなんていなくてもあたしたちは大丈夫だから心配しなくていいわよ
今あたしのとなりではフクちゃんが寝ている、親父さんと顔をあわせたら余計プレッシャー感じちゃうと思ったからあたしの家に泊まってもらったけど
本当はあたしも明日の試合が急に怖くなった。なんでだろ?今までこんな気持ちになったことなんて無いのに
普段と違うのは、明日キョンが居ない事だけなのに・・・
怖い、怖いよキョン、強がりは言ってみたけど、昔はずっとひとりで平気だったのに今は違う、あいつが傍にいないとすごく不安になってくる、お願いだから明日試合に来てよ
あんたがいないと調子でないのよ
怖くて眠れない姿をフクちゃんが見たら余計な心配させちゃうから、もうベッドに入ろう
あたしは、キョンの写真が入った定期入れを枕に入れて眠りについた。
明日はみんなにこんな顔みせないように頑張らなくっちゃだめね
 
後編読んでくれないと、あたしの一本背負いお見舞いしちゃうんだから!
273名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 11:52:18 ID:pk06p2dY
こんなにジメジメだとハルにゃんが走り回ると汗塗れになりそうだな。
……よし、タオルを用意しよう
274名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 11:55:14 ID:gB40zeju
な…懐かしい…

ハルヒさあーん
275名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 11:55:30 ID:pk06p2dY
おぉ、リロってなかった。
ハルにゃん頑張れ!
276名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 12:09:22 ID:69l+JDpS
最後の一人はあの方だな。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 12:39:59 ID:j78QgwVN
>>259->>264
コメントありがとうございます
やはり潮時ですね。
今までありがとうございました
278名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:21:26 ID:BRr1rdU2
すいません。ウザいでしょうが1レスだけ。

悪くない人生の作者です。
我侭で再投下させて頂いたSSをまとめにも載せて頂いて、
さらに外部リンクまで付けていただきありがとうございます。
予想外に読んでいただけていたことに驚きと嬉しさを感じています。

多くの読んだことあるのレスに正直ビビッたwww

感想くれた方、ほんと、ありがとうございました。

>>277
なんで潮時と思うのかがわからんのだが・・・?
おれはこのシリーズ好きなんで出来れば続けてもらいたい。
279名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:27:11 ID:jKMcAAYu
>>277
それをやめろと言ってるんだと思うよ。
っていうかここでやめられるのは個人的にだけど認めん。

ここのスレは優しい人も多いから「読まなかったら氏ね!」っていう位の勢いで書いてもいいと思う。
勿論シリーズ物ならそう書く必要はあるがね。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:30:36 ID:ZpKu8wM+
>>277
俺は好きなので続けて欲しい。
てか、コメント見て潮時と判断したってことは、>>259-261とかの意見は丸無視ですかそうですか、と言いたくなってしまう。
投下してから「やっちまった」と思う気持ちは俺もあるのでわからんでもないが、他の人も言っているように自虐的過ぎるのは良くない!
バカップルいいよバカップル。

>>266-272
これは後編に期待w ハルにゃんの一本背負いならくらいたいけど後編も読ませてもらうぜ!

>>278
完全に出遅れていますが俺もVIPで読んでました。まさかの展開に笑いつつ最後にはああなるとはw
281名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:44:42 ID:JrRXF/fL
>>277は典型的なかまってちゃん、相手するな
282名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:48:46 ID:j78QgwVN
>>278->>280
ありがとうございます。
確かに自虐的過ぎましたね。
今後は少し間をおいて書き続けたいと思います。
皆さんの言葉胸に来ました。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:51:26 ID:asL9WzW8
>>279も書いてますが、投下する人はもっと自信持った方がいいと思うんだ。「俺の妄想を受け取れー!」ってな具合に。
謙虚なのは結構だけどあまりにも自虐的過ぎると「そんなこと言うなら最初から投下すんじゃねぇ!」って言いたくもなるよねw

うぜぇな!って人はNG登録しとくか黙ってスクロールすればいいんじゃないかと。

だからSSとか絵とか書いてるけど投下する勇気ない人も思いきって投稿ボタンを押すんだ!いや押してくださいお願いします。


>>272
うはwww
元ネタ好きの自分にはたまらない!
後半wktkして待ってるよ〜
ついでに番外編としてハルキョンには寝技で組んずほぐれt(ry
284名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:55:01 ID:OeWvJPW/
>>278
俺もvipで読んでたよ、ああいうの好き

それにしてもハルキョンの子供に「ハル」がついてるの多いよな
ハルナ、ハルカ、ハルキなどなど
285名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 13:57:30 ID:y5HNRRLO
>>282
SSを書くのは義務ではないし書かないのも義務ではない。書きたくなった時に書けばいい。
で、出来上がって投下したくなったのなら「投下する」とだけ言って投下しちゃえ。
他の人に突っ込み入れたり雑談したくなったら別端末から書き込めば同一人物とは解らんし、
職人なんてそんなもんで良いんよ
286名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 14:13:35 ID:Dj5PHA1s
懐かしい、皆口裕子の声が聞こえてきそうだよw
後半も頑張ってくれw
287ハルキョンSS席の位置:2008/06/22(日) 14:48:58 ID:OeWvJPW/
どちらかというと小ネタっぽいけど投下


授業が終わり、トイレに行こうかと立ち上がる。しかしがつん、と何かに阻まれ俺はバランスを崩し、再び椅子に座り込んだ。
一体なんだ、と振り返ってみればすぐそこにハルヒの机と、胸の下あたりを抑えながら俺を睨みつけるハルヒ。
「〜〜〜痛ったいわね、このバカキョン! ちゃんと後ろみて立ちなさいよ!」
「すまん、まさかこれほど近いとは思わなかったんだ」
謝るもののハルヒはふん、とそっぽを向く。というか椅子に座れるくらいの幅しかないじゃないか、これはぶつかるのも当たり前だ。すまんがもうちょっと下がってくれないか?
「分かってるわよ、こんな痛い思い何度もしたくないものね。今度はぶつからないでよね!」
せっかく寝てたのに、とぶちぶち言うハルヒに、
「そりゃ悪かった」
もう一度謝った。

などという会話をしたのがつい先程の休み時間。
用を済ませ教室に戻ってきたときにはハルヒは言っていたとおり机を後ろに下げてくれていた、これなら立ち上がってもぶつからないだろう。
そこまできちんと確認していたというのに。

がんっ。
「痛てっ!」
「痛っ!」
いつの間に時間を巻き戻したのかと聞きたくなるほどまったく同じように、立ちあがろうとして失敗し座る俺と、またあばらを打って押さえるハルヒ。えーと、すまん。
「すまんじゃないわよ! ついさっきの時間、後ろを確認して立てって言ったばっかじゃないの! もう忘れたって言うの!?」
そう簡単に忘れてしまうほど俺の脳細胞は死んでないぞ、だが座るときに確認した限りではだいぶ間が離れていたはずだ。それなのにまた近くなっているということはお前が机を前にやったということだろう。
「何でそんなことをする必要があるっていうの」
「じゃあ俺が授業中に少しずつ後ろに下がったっていうのか? そんな器用なことするわけないだろ」
「あたしが前に行ったっていうの? それこそありえないわ」
「ほう、ありえないことの方がありえそうだけどな」
じりじりとハルヒとにらみ合いをしていると、やはり一人はいるものだな、空気が読めない奴が。
「おいおい、何見つめ合ってるんだよ、涼宮にキョン」
「「見つめ合ってない!」」
って何でハモるんだよ、谷口の変な顔がさらに変になったじゃねえか。
「変って言うな! うぉっほん、それはさておき。見つめ合ってないっていうならなんだっていうんだよ」
「「にらみ合ってる」」
……だから同じことを言うなって。
「あーもう! 何でさっきからあたしとおんなじことばっかり言うのよ!」
「それは俺の台詞だ! お前が俺と同じことを言ってるんだろ」
「あんたよ、あんた!」
「お前だ」
「あんた。大体あんたはねぇ……」
「お前こそ……」
「……」
「…」




おっと、ハルヒとの言い合いについムキになっちまった。ふと我に返り周りを見る。っておい? 何でみんなして俺たちからそんなに距離を置いてるんだ? なんだよ、その生暖かい視線と射殺すような視線は。俺が何をしたって言うんだよ、おーい。
「ちょっとキョン! あたしが言ってることちゃんと聞いてるの!?」
「あーはいはい、聞いてます聞いてます」
「ならいいけど。それにあんたは……」
まだまだハルヒの話は続きそうだ、まったく、やれやれ、だね。


「そこの二人ー、いい加減授業始まってることに気付いてくれないかー? ついでに谷口、いつまでも睨むな」
「先生、あの二人と谷口は放っておいて授業をどうぞ」

288名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 15:01:01 ID:vbFlQ8k/
>>287
GJ!
無意識なのか意識的なのか、少しでもキョンに近いとこに居ようとするハルヒカワイい!
289名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 15:01:44 ID:s07pbmOK
机ごとジリジリと詰め寄るハルヒを想像したw
290名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 15:22:52 ID:wt6tSaoc
二人の間だけの磁力が働いて引き寄せ合ってるんですね、わかりますw
完成は結構先になりそうなので予告も兼ねて今まで書きあがってる分を
掲載します。残りは今月中に完成させますのでご容赦ください
ここからは試合実況 足りない部分は俺があとから聞いた話だ
 
お待たせいたしました。ここ北高体育館は日曜にもかかわらず超満員に膨れ上がり試合開始を今や遅しと待ち望んでおります。
申し送れましたが実況は私、放送部員、若林がお送り致します。解説にはSOS団副団長古泉一樹さんをお迎えしました。よろしくお願いします。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
古泉さん、本日の試合はSOS団プロデュースとうかがっておりますが
「ええ、涼宮さんが基本設定しプロレス研が演出してくれました。両チームの選手たちは控え室からひとりづづ入場し5対5の点取り試合を行います。
勝ち抜き戦ではありません、5試合やって勝ちの多い方が勝利となります。
出場順はロイヤルランブル形式により相手が入場するまでお互いにわかりません、先に豪学連、後に北高が入場します」
「資料では相手はかなりの強豪のようですが」
「勝負はやってみないとわかりません、絶対不利との声が大きいのにこれだけの観客がいるのです。みんな期待してるのですよ、SOS団なら何かやってくれると」
二階席中央では谷口と国木田が臨時応援団を結成し仲間たちとエールの練習をしている、中学時代の学ランまで持ち出してやる気まんまんだ
審判は我が校の男子柔道部顧問が勤める事となった。タキシードを着た放送部員が畳の上にあがりマイクを持つ
「これよりSOS団プレゼンツ女子柔道全面対抗戦を開催致します!女の中の女でてこいや!」
会場のボルテージは一気に上昇し凄い熱気だ、学食の自販機のジュースは全て売り切れたらしい。
「先鋒戦、まずは関西豪学連の選手入場です」
反対側の出入り口からでてきたのは、トドにしかみえない大女だった。
「古泉さん、相手チームの選手ですが、藤堂由香、身長181センチ 体重95キロまさしく重戦車です。最初から厳しい戦いが予想されますね」
「まあ、重戦車と言うよりも藤堂ではなくトドにしかみえません、柔よく剛を制すといいますし北高の先鋒に期待しましょう」
そのとき北高先鋒の入場曲が場内のスピーカーから鳴り響き、コンピ研が陣取ってるあたりから「キター!」との歓声があがった。
 
「お〜ともな〜いせか〜いに、ま〜いおりた、T Was Snow・・・」
「なんと北高出場口から出てきたのは、藤堂とは対照的な、小柄な文芸部員、柔道着に身を包んだ長門有希です!」
コンピ研有志たちが二階部分の手すりから入場にあわせて横断幕を張る、みただけでも恥ずかしくなるシロモノだ、
青を基調にした横断幕には雪の結晶がプリントされており、白くでかい字でメッセージが書いてある、あえて言おう「おまえら狂ってるよ」
 
「長門は俺の嫁」
 
横断幕に書かれたメッセージを長門がどのように受け取ったかはしらんが、今度聞いてみよう
「古泉さん、いくらなんでも長門に勝ち目は無いと思われますが」
「普通に考えたらそうでしょうね、しかし柔道は身体の大きいものが勝つとは限りません」
畳の上では試合が始まろうとしている、こんな小さな相手をぶつけられた藤堂は明らかにいきり立っており、今にも突進しそうだ
長門は対照的に棒立ちのまま、相手の眼をじっとみつめている。 
 
「はじめ!」
「おーっと開始と同時に藤堂が突っ込んで行きます、えっ、嘘だろ、試合開始と同時に突っ込んだ藤堂が組み合った瞬間・・
転んでひっくり返ってしまい、長門はその襟をちょこんとつまんでいたため、見事一本勝ちです」
「柔よく、剛を制す・・・」
ミクロン単位で礼を交わした長門は控え室へと戻って言った。
「いや〜ラッキーな試合でしたね、古泉さん」
「そう見えますか?仕方ありませんね」
解説者は薄気味悪い微笑でアナウンサーを煙にまいた。
293名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 15:51:33 ID:zU7GWRpx
ザクフェチになったハルにゃん
294名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 16:25:46 ID:69l+JDpS
>>292
コンピ研w
ワクワクして待ってます。
295名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 18:37:40 ID:hcofb/Vm
助っ人っても消去法で八重歯の可愛いあの人しかいないような気がするが
意表をついて「それ、無理!」な人や事後処理が得意な人が来たらそれはそれで楽しいな
296名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 18:52:04 ID:km/joWGG
左のほほに鈍い感触があった。
麻酔注射のあとのほほのような。・・・・歯医者なんかに行ってたかな・・・
このあたしが虫歯なんて、いまいましい。
今はそんな場合じゃないのに。
あたしのことなんかどうだっていいのに。
うなり声をあげて目を開けたら、まだ夢の続きだった。

あいつが、うれしそうな、やさしそうな顔であたしをながめてる。
この顔だ。
あたしが求めていたのはこの顔。あいつの顔。
こんな顔で、もしあいつがあたしを見つめてくれたら・・・
え?!
あたしは気づいた。
キョンの指が、あたしの顔に触れてる。キョンが起きてる!
「あ!?」

寝袋を着込んだのを忘れて立ち上がろうとしたあたしは、
そのまま床を恥ずかしくのたうったのだった。
ちっ。
297名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 20:31:42 ID:KdsiTXlW
浴衣姿のハルにゃん
298名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 20:54:03 ID:LuEgOmUk
寝巻き姿のハルにゃん
299名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:00:31 ID:xqNBgsbq
忍者姿のハルにゃん
300名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:03:10 ID:hOMsRqzo
着物姿のハルにゃん
301名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:05:00 ID:ZGAC2PjO
バニーガールのハルヒ
302名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:05:41 ID:6mv6Zno2
ウェディングドレス姿のハルヒ
303名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:12:20 ID:Se/47FqW
キョンのTシャツ姿のハルヒ
304名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:18:18 ID:jpchwZwm
キョンのYシャツ姿のハルヒ
305名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:18:19 ID:zU7GWRpx
以上、キョンの(禁則事項)時のハルヒへのリクエストでした
306名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:24:10 ID:v+dOqRFo
キョンの皮を被ったハルヒ
307名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:27:52 ID:jpchwZwm
キョン<サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことは〜中略〜今でも信じている
308名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:32:14 ID:zU7GWRpx
ハルヒに化けた古泉
309名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 21:54:05 ID:jKMcAAYu
SOS団団長、涼みアッー!
310名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:02:09 ID:yGRvDyeh
なぁ、ハルヒwiki*がみれないのは俺だけか?PSPだからなんとも言えんのだが・・・
311名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:11:58 ID:jpchwZwm
>>310
今試したが繋がったよ
312名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:15:44 ID:yGRvDyeh
情報サンクス。まだつながらないからやはりPSPの問題かな?つなぎなおしてくる
313名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:21:24 ID:yGRvDyeh
連レスすまないが、直った。迷惑かけてすまなかった。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:31:33 ID:krOgYwvn
麦わら帽子に白いワンピースのハルヒ。
が夕立でずぶ濡れ。キョンと二人で雨宿り。
315名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 22:50:39 ID:4HMe9i7A
透けるよワンピース
316名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:04:53 ID:WUu9Z9VD
寂れたバス停でごしごしと髪を拭くハルにゃんを想像したら、すごく、かわいいです。
317SS 離さない:2008/06/22(日) 23:34:41 ID:XJ1xBzEv
 朝、教室に入るなり、いきなり涙目のハルヒに抱き付かれた。周囲の視線が実に痛い。これは何の罰ゲームだ。
「おいハルヒ、どうしたんだ?」
 ハルヒは俺の胸に顔を埋めたまま何も言わなかった。
 ――そのまま授業が始まってもハルヒは自分の席に着かず、俺の横に椅子を持って来て俺にしがみついたままだった。
 これはさすがにひどい。居心地の悪さもさることながら、なにより非常にノートがとりにくい。
 見兼ねた教師が近寄って来た。
「涼宮、席に戻りなさい」
 それに対してハルヒは反抗するようにさらにぎゅっと力を込めた。
 ハルヒの問題児ぶりを承知している教師が触らぬ神に祟り無しと判断したのか、ハルヒのトンデモパワーが教師を退けたのか、それ以上追求されることは無かった。
 そのまま昼休みになって、ハルヒはこの日初めて口を開いた。
「キョン、学食に行くわよ」
「おい、俺は弁当……」
「学食で食べれば良いじゃない」
 俺はふぅ、と溜め息を吐き、谷口と国木田に断って学食に向かった。もちろんその間もハルヒはしがみついたままだ。
 食券の券売機の前でハルヒはこう言った。
「ねえキョン、左のポケットに財布が入ってるから買ってくれる? 日替わり定食大盛りね」
 だんだん呆れてきた。こいつは何が何でも手を離さないつもりか。
 俺はそのままハルヒの代わりに日替わり定食を受け取り席に着いた。
「ねぇキョン、食べられないわ」
「手を離せばいいだろ」
「食べさせてよ」
「生憎だが俺は自分の弁当を食うのに忙しい」
「何よ、雑用係のくせに、団長がお腹空かせてるのよ? 優先順位が逆じゃないの」
 これにはさすがにカチンときた。
「あのな、また何の新しい遊びを考えたか知らんがTPOくらい弁えろ。いい加減離せ」
 俺はハルヒの腕を掴んで力ずくで引き剥がした。
 すると、突然ハルヒの顔がこの世の終わりでも見たかのような表情に変化し、喚き出した。
「あああぁぁぁぁ!!」
「うっ!?」
 ゴムが戻るみたいにまたしてもハルヒは俺にしがみつき、しかも今度は本気で全力で締め付けてきた。
「いい……加減にしろよ……この…………」
「うわあぁぁぁ! キョン! やだ! やだぁ! ああぁぁぁ!」
 その声はまさしく悲痛の叫びだった。シャツの胸に湿り気を感じてきた。これは、涙?
「ハルヒ、泣いてるのか?」
「キョン! やだよぉ! やだよおおぉぉ!」
 だめだ、これでは話が出来ない。俺はハルヒを中庭に連れ出し、落ち着くまで待った。
「なあハルヒ、何があったんだよ。言わなきゃわからないだろ?」
「……夢、見たの」
「夢?」
「キョンが、いなくなっちゃう、夢……起きてからも、涙が、止まらなくて……」
「なんだよ、そんな夢くらいで……」
「だって!」
 ハルヒは突然大声になった。
「……だって……」
 その続きは言わなかった。
「バカだなあ、ハルヒ。俺がお前を置いてどっかに行くわけないだろ? お前から目を離すなんざ、危険過ぎて出来ないぜ」
「ホント? これからもずっと一緒に居てくれる?」
「ああ」
「一生一緒に居てくれる?」
「いっ、一生?」
「……だめなの?」
「だってお前、それじゃまるっきり……」
 プロポーズじゃないか――言おうとして飲み込んだ。
 別に一生の付き合いなんて人生の伴侶に限ったことじゃないだろうに。朝比奈さんや長門や、ついでに古泉だって、別れを考えれば悲しくなる。出来ればいつまでも一緒に居たい、そう願うのは特別なことじゃない。
 なのにハルヒの言葉がそう聞こえたってことはようするに――そうだ、俺はハルヒのことを……。
「わかった、ハルヒ、一生だ。一生面倒見てやる、約束だ」
 ハルヒは顔を上げて、今日初めて俺と正面から向き合った。
 それからハルヒはゆっくり背伸びして、顔が極限まで接近し、まさに接触するところで――ハルヒはスッと顔を横にずらし、俺の頬にキスをした。
 ハルヒは顔を真っ赤にし、一度俯いて、また顔を上げて、片手を頭にやり、恥ずかしそうに、えへへぇ、と、ハルヒらしくない笑い方をした。
318名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:36:46 ID:fY49WbfQ
>>317
さすがにそれはキチガイじみてる^^;
319名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:40:58 ID:jXWkjO9l
元ネタはみなみけだなw
320名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:42:57 ID:WIiFc2e3
>>317
そんなハルヒはハルヒじゃない。




個人的には好き
321名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:45:33 ID:WUu9Z9VD
情緒不安定はハルヒもまた良いものだ
322名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:46:40 ID:jKMcAAYu
漏れもw
たまには本性を表してこんな風にキョンに抱きついちゃえばいいのに
323名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/22(日) 23:56:47 ID:xqNBgsbq
不思議探索の日にサングラスをしてきたハルヒ
324名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 00:11:15 ID:9NrmyNzD
>>317
おい、折角歯磨きしてきたのにまた口の中が甘くなった。
どうしてくれるwwwwww
325名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 00:12:50 ID:fTC1PrcU
326名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 00:14:05 ID:fTC1PrcU
↑ごめん、ミスった!
俺は今から歯磨きしてくるwww

そんで>>317のハルキョンが夢に出てくることを祈っておやすみハルキョン。
327名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:01:49 ID:5qRbDS0l
呪いのビデオを見るハルヒ
そこには鶴屋さんが・・・
328名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:12:10 ID:h8DB0/N2
ハルヒ「も、モリゾー!?……じゃなかった、鶴屋さんか」
「ねぇキョン……眠れないの。何かお話しして?」
「……ったく。子供じゃねぇんだから。話なんかよりも睡眠を促すものがあるんだがな」
「なによそれ」
「それはだな……こうするんだよっ!」
「あっ……やんっ! 今日は、ダメ……だってばっ! 明日早……ひゃう! エロキョン!」


翌日。

「あんたのせいで遅刻しちゃったじゃないの!」
「俺のせいかよ。お前が眠れないっつーから眠らせてやろうと……」
「うるさい! あーもう! せっかく修学旅行の代金払ったのに無駄になっちゃったじゃない!」
「……でもそのかわり、今日から3日間ふたりっきりで過ごせるじゃないか」
「んもう、バカキョン」

---

うん、眠れないのは自分なんだ。ごめん。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:21:03 ID:/PsMKC8D
まだ出てないけど、これかわいいな。
ねんどろいどハルヒとはまた違ったかわいさがある。
http://ga.sbcr.jp/mprize/010073/

でもクレーンゲームっすか・・・買えないかなあ。
331名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:30:36 ID:Ug3jdS2y
さりげなく長門はキョンとセットなんですね。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:34:17 ID:iAe74yXb
>>330
みくる涙目wwwなぜみくるだけがwwww
333名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:36:06 ID:h8DB0/N2
朝倉にもキョンたちがいるなw
334SS:牛乳とハルヒ:2008/06/23(月) 01:48:23 ID:h2rquo5S
「うわっ!え?あっ?ハルヒ!?」
牛乳を持ったまま何もないところで躓いた俺。
目の前にいた着替え中のハルヒに俺は手に持っていた牛乳パックをぶちまけた。

「けほっ、目に入っちゃったじゃない……」

尻餅をついて髪から牛乳の白い液体を滴らせながら涙目で睨み付けてくるハルヒはちょっと別の何かを連想させる、ってそんなことこんなクソ忙しい朝に考えてる暇はこれっぽっちもないんじゃないかと、俺は一体何を考えてって
あ、あ、ああそうだ!風呂、風呂だ風呂!

「すすすす、すまん!」

勝手にどもる自分に落ち着け静まれと言い聞かせ、着替え中なのになぜかノーブラにシャツを羽織った姿で頭から足元まで牛乳まみれになってるハルヒを風呂場まで引っ張っていく。
浴室にハルヒを入れてそのまま出てくれば良かったのにそのときの俺は変な想像が頭を駆け巡りすぎているせいか思考がまともじゃなかったんだ。
無駄に焦っている俺はシャワーを手に取り蛇口の栓を思い切りひねった。

「ちょ、ちょっと、キョン!」

ハルヒの慌てた声で正気に戻るが時既に遅し。そこには牛乳ではなく水を頭から被ったずぶ濡れのハルヒが。
水で濡れたシャツが肌に張り付き白い滑らかな肌が透けて見える。それがいつもに増してなんとも色っぽく見えるのはどうしようもない事で俺の心臓はバクバクと早鐘を打ち出し、目線が勝手にはだけた胸元へ行ってしまうのは男なら誰も攻められまい。

ゴクリ。

自分の意思とは関係なく動く自分の腕がハルヒの小さい肩を掴み、そのまま細い首筋に吸い込まれるように唇を寄せ……

いてっ!思い切りハルヒに叩かれたところで我に返る。

「もう!エロキョン!!キョンのエッチ!」
と真っ赤な顔をしたハルヒに俺は浴室から叩き出された。

朝っぱらから俺は一体何をしているんだろう。
ああ……情熱を、持て余す。

おわり。
なんだこのオチはw
寝ますノシ
335名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 01:50:34 ID:h8DB0/N2
ちょw どこの新婚さんですかw 
GJ!
336名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 04:59:13 ID:+bDJ1FQe
>>334
ちょwwwこのネタwwwww
投下ありがとうGJ

超久々の投下。全部で11レスもあるんで2分割で行きます。
337SS:Remnants Ravens' Residence - Part A 1/5:2008/06/23(月) 04:59:43 ID:+bDJ1FQe
 その日は昨日まで降り続いていた雨も上がり、この時期にしては湿度もない爽やかな空気だった。

 放課後に文芸部室へと向かうのもほぼ習慣と化してしまっていた俺なのだが、その道中の階段で見覚えのある集団とすれ違った。
 ノートPCやら基板剥き出しの怪しげな装置を運んでいるのはコンピ研の連中、そしてその後ろには――普段なら今頃は文芸部室で読書モードのはずの――長門が鈍い光沢を放つ奇妙な二本足のメカを抱えていたのだった。
「よっ、長門。一体何だそいつは?」
「……高硬度導電性結晶構造体装置試作型第二版」
 へっ? え、えーと、何だって?
「高硬度導電性結晶構造体装置試作型第二版。コード名『RAX=mkII』。通称『涼子2』」
 リョウコ・ツー? って、まさか……その名前を聞くと思わず緊張が走る。それに、その装置って言うかロボット? の顔らしき部分に付いている特徴的な二本のそれは――、
「眉毛は重要」
 重要、ね。で、その『リョウコ・ツー』とやらは要するに何なんだ? ロボットか何かか?
「自律的な行動は不能。仕様的には半自動姿勢制御式の遠隔操作型二足走行車両の範疇に該当する」
 うーむ、さっぱり解らん。まあ勝手に動き出したりはしない、要はラジコンみたいにこっちで全部操作するってことなんだな。
「そう」
 どうやらコンピ研のPC制御ロボット実験に長門が協力することになったらしい。しかしこれ、コンテストか何かに出展したらえらいことになりそうなんだが。
「地球人類の持つ技術的限界を超える仕様は排除済み」
 えー長門、ついでにそのレベルを人類ではなく高校生レベルに下げてもらってもいいか?
「了解した」

 てなわけでコンピ研連中と長門は中庭を目指して階段を下りていった。久々の晴天、外に出ての部活ってのも悪くはないかもな。

 というわけで部室のドアの前。

 誰か中にいるのか、室内から物音が聞こえる。
 といっても長門ではない。いや、そもそも長門がこんな物音を立てるような動作をするってことの方が俺には想像が付かない。
 となると麗しのマイ・スィート・エンジェル、朝比奈さんだろうか。とか思い込んで部屋に入ったら、古泉が白い歯を光らせながら上半身半脱ぎで妙なポーズを決めつつ不思議な踊りを踊っている、とかは正直勘弁して欲しい。

 え? もう一人誰か忘れてやしないかって?
 ああ――ハルヒなら今日は掃除当番で遅れてくるはずだから現在この部室内にいるはずもない。
 そもそもあいつが何処で何してるかなんてのを気にする必要があるのは俺一人だけで十分だし、だからみんなには言うまでもないかなと思ったんだが、まあそんなことはどうでもいいだろ。

 前置きが長いな。まあ時間的にはもうお着替えタイムは終わっているはずだが一応ノックをしてから入室するのがマナーだよな、とか考えていると、
 ガタン!
 と不自然なほどの物音とともに「ひえぇ、ほにゃ〜!」と朝比奈さんの悲鳴が上がった! マナーとか言ってる場合じゃねえ。俺は慌てて部室に飛び込んだ。
「朝比奈さん! 大丈夫ですか? ってうわっ!」
 俺の目の前には真っ黒な塊があった。否、真っ黒な鳥が三羽、バサバサと翼を翻して大暴れしていた。
 カラス……にしては図体が大きすぎるような気もする。それに鳴き声も『カア』とか『ガー』ではなく、まるで喉を鳴らすように奇妙な音をさせていた。
 って、冷静に観察なんてしてる場合なのかよ!
「チクショウ、この野郎!」
 俺は持っていた鞄を振り回すと、頭を抱えて床に這いつくばっていた朝比奈さんとの間に割って入った。
 俺の勢いに気圧されたのでもないのだろうが、黒い翼の三羽は開いていた窓から飛び去っていった――各々が何かを足に掴んだり口に咥えたまま。

「うぅぅ――ふひぃ〜ん」
 俺は足元で丸まって震えているメイド服の先輩に近寄り、
「朝比奈さん、しっかりしてください」
 と声を掛けて肩に手をやるも、
「ふえっ! こないで〜!」
 と払い除けられてしまった。って、朝比奈さん、落ち着いてください。
「ほえっ?」
 恐る恐る顔を上げた朝比奈さんは俺の方を見て顰めていた眉を緩ませたが、その次の瞬間には両目から大粒の涙をポロポロと零すと、
「ふえぇぇん、キョンく〜ん! と、とっても怖かったですぅ。わぁ〜〜ん」
 といきなり俺に縋りついてきたのだった。突然の反応にバランスを崩して床に背中から倒れこむ俺。
 それと同時にドアを粉砕するかのような勢いでもって部室に闖入してきたのは我らが団長――涼宮ハルヒその人だった。

 何とも最悪のタイミングだ。っておい、またこのパターンかよ。
338SS:Remnants Ravens' Residence - Part A 2/5:2008/06/23(月) 05:00:18 ID:+bDJ1FQe
「いや〜ゴメンみんな〜! すっかり遅くなっ……キョン――それにみくるちゃん――なにしてんの、あんたたち?」
 ハルヒは眉を一度ピクリと動かすと、妙に冷静そうな口調でそう言い放った。
「待て、ハルヒ! 実はこれにはだな――」
「す、涼宮さ〜ん! ぐすん。わ、わたし、とっても大事にしていたアレ……奪われちゃいましたぁ! ふえぇぇん」
 朝比奈さんはようやく俺の体の上から起き上がると、ハルヒの胸元に抱きついてわんわんと泣き出した。
 ハルヒの眼が逆三角に吊り上がる。って、おい!
「キョン、まさかとは思ったけど――あんたがこんなに悪逆非道な鬼畜だったなんてね」
「なあハルヒ。まずは落ち着いてだな、俺の話を――」
「問答無用っ! あんたはみくるちゃんのことを――乙女の純情を踏みにじったのよ! そこまでしておいて、まさか覚悟の一つもできてないなんてことないわよね。もう許さないわ。このあたしが直々に天誅を――」
「お前、いい加減に俺の話を聞け――」
 俺が起き上がったのと、ハルヒの上履キックが俺の顔面にめり込んだのはほぼ同じタイミングだった。

「なるほど、つまり僕と長門さんの不在中に、朝比奈さんは久々の好天に部室内の空気を入れ替えようと窓を全開にして掃除されていたところ、突然舞い込んできた三羽の黒い鳥に襲い掛かられて危機一髪のところを彼に救われた、と仰るわけですね」
 長々と説明台詞をありがとうよ、古泉。
「なによ、そうならそうと早く言ってくれればあたしも変な誤解をせずにすんだのに」
 珍しいことにハルヒは真っ赤な顔で恐縮している様子だった。その表情を拝むための代償が俺の顔にくっきりと付けられた上履の痕だ、というのも複雑だな。
「しかし黒い鳥ですか。ふーむ――念のため訊きますが本当にカラスではなかったのですか?」
 朝比奈さんはパニック状態だったわけだし、代わりに俺がそのあたりを大きさとか鳴き声とか見聞きしたままに説明させられることになった。
「ふむ、身体の大きさといい鳴き声といい、どうもハシブトガラスともハシボソガラスとも違う、とあなたは仰るのですね」
 しかし自分で違うと思っていながらアレなんだが、カラス以外の鳥だとは思えんし、かと言ってカラスの突然変異とかそういうのにしても三羽一緒ってのも、
「……喉元と眼の上の羽毛は?」
 うわっ、長門かよ。いつの間に来てたんだ? ビックリしたじゃないか。
「喉元と眼の上ねえ。――そういえば気のせいか顎ヒゲと爺さんみたいな眉毛っぽい羽毛でカラスの長老、見たいな感じがあったかも知れん」
「やはり。……その鳥はワタリガラスである可能性が高い」
 へっ? 何? わたりがらす?
「ワタリガラス。オオガラスとも呼ばれる。ハシボソガラスやハシブトガラスよりひとまわり大きい体格をしている。のどを鳴らすような鳴き声が特徴」
 珍しくも饒舌な長門に俺はつい尋ねる。
「普通のカラスと比べて他に違うところはあるのか?」
「カラスは雑食性と言われるが、ハシボソガラスやハシブトガラスが植物食性主体であるのに対し、ワタリガラスは動物食性が強いと言われる。基本的に動物の屍骸を好むとされるが、海鳥の雛や小動物を襲うこともあるとされる」
 って要するに肉食の気が強い雑食性ってことか。おいおい、そんな危険なのがこの辺を飛び回ってるって言うのか?
「ただし日本では北海道にのみ冬の渡り鳥として見られる。本州で確認されることはほとんどない」
 うーん。でもその珍しいのが三羽も現れたなんて一体どういうことなんだろうな。

「でも、そういえば最近――カラスさんたちの姿を見かけること、多くなりましたよね」
 ようやく泣き止んだもののまだ目を赤く腫らしたままの朝比奈さんがポツリとそう呟いた。
 確かに俺の住んでいる市内では最近カラスによるゴミの被害がどうだ、とかニュースで話題になっていた覚えがある。
 元々は地方ではハシボソガラスしかいなかったとか、都会で繁殖したハシブトガラスが急激に勢力を増やしているとか、繁殖期に気性の荒くなった親ガラスが巣の近くを通った人間に襲い掛かったとかそんな話も聞いたっけな。
 要するに人間が生活空間を拡大した結果、それがカラスの分布にまで変化をもたらしたってことらしい。俺は環境問題にはあまり詳しくないんで細かいことは解らんが。
「で、みくるちゃん。さっき大事にしていたモノを盗られたって言ってたじゃないの。何だったの、それ?」
「はい……実はこの前涼宮さんとキョンくんの妹さんに見せた――ペンダントなんです」
 その言葉を聞いた瞬間、ハルヒの表情が凍りついたような気がした。
 そう、あれは先週の土曜日のことになる。
 ………
 ……
 …
339SS:Remnants Ravens' Residence - Part A 3/5:2008/06/23(月) 05:01:05 ID:+bDJ1FQe
 不思議探索パトロールもたまにはお休みってことで、あいにくの雨の土曜日、俺は現実逃避ばかりもしていられんなあ、とか腹を括って一念発起、間近の試験に向けた勉強に取り組んでいた――はずだったのだが――、
「何故みんなが俺の家に集まってるんだ?」
「いいじゃない、そんなの。大体あんたが珍しいことに試験勉強するなんて言い出すから、あたしがせっかく臨時家庭教師を務めてあげようってんでしょ。感謝されて当たり前、文句を言われる筋合いなんかないわっ!」
 今現在の俺の自室、目の前にはSOS団のメンバー四人と何故かシャミセンを連れた妹までもがいるのだった。
「あ、あのぅ、わたし、やっぱり帰った方がいいんでしょうか?」
 朝比奈さんは申し訳なさそうに俯いてモジモジしていらっしゃる。
「えー、みくるちゃんに有希ちゃん、帰っちゃうの?」
 妹はその朝比奈さんと長門の間で二人の手を握ってブラブラと前後に揺すっていた。
「…………」
 長門は沈黙したまま俺の方を見つめている。帰るべきかどうかを俺の判断に委ねているかのようでもある。
「まあまあ、『三人寄れば文殊の知恵』ともいいますし、ここは五人もいるわけですからそれ以上の効果を発揮できるのではありませんか?」
 古泉がいつものごとくニヤケ顔でまとめようとする。いやそもそも試験勉強なんだし五人いるとかそういう問題でもない気がするんだが。
「やれやれ、好きにしろよ、もう」
 俺の諦め半分の宣言に妹の奴は大喜びで朝比奈さんと長門の二人を振り回し始めた。あんまり無茶すんな。
「で、キョン。そもそも何であんたが自分から勉強なんて梅雨に大雪が降りそうなことをしてるのよ?」
 俺のことを茶化すのはいいとしてさりげなく怖いことを言うな。
 環境情報の改竄がどーたらこーたらとか言う長門の台詞がプレイバックされたため、つい俺は妹にシャミセンを頭に載せられたままで文庫本とにらめっこ中の寡黙な少女の方を見てしまう。
 ちなみに妹は朝比奈さんの御髪で遊んでいた。確かにいかにもフワフワと柔らかそうで触ると気持ちいいであろうことは間違いないんだが、その、程々にしておけ。
「こら、あたしが質問してるのになによそ見してんのよ!」
 ああスマン。と言っても全然大したことなんかじゃないぞ。この前の試験の結果で親にちょいとばかり釘を刺されたんでな。無理矢理塾にでも通わされることにでもなってみろ、SOS団の活動どころじゃないだろ?
「要するに、キョンの自業自得ってわけじゃないの、それ。もう、しっかりしなさいよね。そんな理由でSOS団の活動をサボられたらあたしも困るじゃないのっ!」
 困るって、何が困るんだ?
「んな、と、とにかくキョンは雑用なんだからあたしのためにキリキリ働いてもらわないと困るの! 当然でしょ」
 そんなに顔を真っ赤にして怒鳴らんでも聞こえてるさ。目の前にいるんだからな。
「う、うるさい!」
 とまあ、こんな調子で集中力を欠いたまま俺は自分が書いたにもかかわらず判読不能なノートの文字と格闘するハメになった。それにしてもみんな、揃いも揃って暇人だな。

 ――数十分後。
「だぁ〜っ! ここんとこの文字がどうしても読めねえ!」
 俺の中の何かがプッツリと音を立てて切れてしまったような気がした。そのまま床に倒れこむ。
「はて、少々根を詰めすぎなのではありませんか? 人が集中力を持続させられる時間の限界は九十分程度と聞きますし、もう休憩を入れてはいかがでしょうか」
 あーそーだな、こいずみ〜。そーさせてもらうわー。
「あ、キョンくん休憩ですか? よかったらわたしがお茶でも――」
 と立ち上がろうとした朝比奈さんに
「あれー、みくるちゃん、なにか落ちたよー」
 妹が能天気な声を上げる。
「あっ、ごめんなさぁい」
 妹相手にすら妙に恐縮した様子の朝比奈さんがなんとも微笑ましい。
「あーひつじさんだー! かわいいなー」
 妹が手にしているそれは銀の羊細工のペンダントが付いた首飾りのようだ。
「わたしってドジだから失くさないようにいつも気をつけてたのに。あーあ、ダメだなぁ」
 妹はしょげた様子の朝比奈さんに落としたペンダントを渡す。
「はい、みくるちゃん」
「ありがとう。このペンダントはとっても大事にしてたの。わたしの大切な人からもらった――思い出のペンダントなんです」
「ふーん。その人って、みくるちゃんの彼氏なの?」
「へっ? い、いいえ! ち、違います。違いますよぅ」
 俺の方をチラチラ見ながらも一人慌てた様子の朝比奈さんの反応に、つい俺はそのペンダントって朝比奈さんが元いた時代の誰かからもらったものなのかもな、とか気になってしまうのだった。
340SS:Remnants Ravens' Residence - Part A 4/5:2008/06/23(月) 05:01:57 ID:+bDJ1FQe
 ハルヒも、朝比奈さんと妹のやりとりにつられてその場に寄っていく。
「あら、シルバーのペンダントなんてオシャレじゃない。ちょっと見せてもらってもいいかしら?」
「えっ、あ、はい――どうぞ」
 朝比奈さんから受け取ったペンダントの羊細工をしげしげと眺めているハルヒの脇で妹は、
「いいなー。ねえキョンくーん。あたしもこんなのほしーよー!」
 とかぬかしやがる。こらこら、何でもかんでもすぐに人のモノを欲しがるんじゃありません。
「ぶぅー!」
「こらキョン、あんまり妹ちゃんを子供扱いしたら可哀想じゃないのよ! ……そうだ妹ちゃん! 今度あたしがこれと同じのを作ってあげるわ」
「えー! ホントにいいの?」
「もちろんよ。ねえみんな、せっかくだから一緒に銀細工教室に参加してみない?」
「それは面白そうですね。そういえば僕の知り合いに彫金と銀粘土細工の講師をしておられた方がいたはずです。体験教室なども開いていたと思うので一度お願いしてみることにしましょう」
「さすがは古泉くんね。期待してるわよ」
 唐突にイベントを企画するハルヒも毎度のことながら、そのリクエストにあっさり応える古泉も古泉だった。
 やれやれ、予定調和もここに極まれりと言った感もあるんだが、妹と一緒に笑顔を炸裂させていたハルヒを見ている内に、俺はそういうのもまあいいかもな、とか思ってしまったのだった。
 …
 ……
 ………


 突然沈黙してしまったハルヒに古泉が声を掛ける。
「涼宮さん。どうかなさいましたか?」
「――ああ、ごめんなさい古泉くん。なにかしら?」
「いいえ、別に何でもありません。こちらこそ失礼しました」
「そう……」
 ハルヒはまた黙り込んでしまった。それと同時に古泉がアイコンタクトを送ってきやがった。まあこんな調子だと気付かない方がどうかしてるってモンじゃないかね。
 ふと、朝比奈さんがみんなに尋ねた。
「あの、わたしは自分のことで精一杯だったからよく見てないんですけど――他になにかカラスさんに盗られちゃったもの、ありませんか?」
 そういえばみんなして第一被害者の朝比奈さんの方にばかり注目していたんだった。
 部室内を見ると、長机の朝比奈さんがいる方とは反対側の床に、机の上にあったらしき荷物が無残にぶちまけられていた。
「これは僕の鞄ですが――そちらは長門さんのものでしょうか?」
「そう…………!」
 自分の鞄の中身を仕舞っていた長門の動きが静止する。どうしたんだろう? まるで長門の周囲一帯のみが空間ごと凍結されてしまったみたいじゃないか。
「……迂闊」
 長門はそう一言漏らすと、ゆっくりと俺の方を見上げてきた。何となくだが俺にはその長門の視線がどこか申し訳なさそうに感じられた。
「なあ長門、ひょっとしてお前も何か盗まれちまったモノがあるのか?」
 俺の問いに長門は僅かに首を上下させて頷き、
「市立図書館の貸し出しカード」
 と告げたのだった。
 どうもその図書貸し出しカードとやらは第一回目の市内不思議探索パトロールの午後の部で、俺が長門を図書館に連れて行ったときに作るハメになったアレのことに違いない。
 しかしカラスだったら金属みたいな光るモノを狙いそうなんだが。いや、ラミネート加工とかで表面が反射してキラキラして見えたのかも知れん。
 先程から黙っていたハルヒは我に返った様子で、
「ちょっと有希、あなたもなにか盗られちゃったのね。まさか――大事なモノだったの?」
 と長門に訊いた。長門は何故か俺の方を一瞥したかと思うと、少しだけ俯き加減になり、
「…………とても大切なもの」
 とだけハルヒに返答した。
「そうか。確かに長門は読書好きだし、カードが無いと本を借りるのに困っちまうだろうからな」
 俺がそう告げると、長門はどこか悲しそうな目で俺の方を見つめてきた。
 朝比奈さんも、どこか非難するような感じで俺に対して首を横に振ったのだった。
 はて、何か俺まずいことを言ったっけ?
 ハルヒもどこか呆れたような視線で俺の方を見ていたが、
「古泉くんは大丈夫? なにか無くなってたりしなかった?」
 と尋ねたのだった。
「はい――大変申し上げにくいのですが――実は涼宮さんからいただいた『副団長』の腕章を失敬されてしまったようです。何とお詫びすれば――」
「うーん……」
 ハルヒは古泉の言葉が終わらない内に腕組みと難しい顔をしたままドアの方に歩いていった。っておい、どこに行くつもりだ?
「ちょっと考え事。しばらく一人になりたいから」
 そう言い残してハルヒは、まるで幽霊のような足取りで廊下へ出て行ってしまった。
341SS:Remnants Ravens' Residence - Part A 5/5:2008/06/23(月) 05:02:44 ID:+bDJ1FQe
「さて、あなたは如何いたしますか?」
 いきなり何だ? 急に話を振られても答えようがないだろ。
「失礼。でも先刻からあなたはずっと涼宮さんのことを気に掛けているのではありませんか? 今度の土曜日に行われるはずだった銀粘土細工の体験教室への参加が危ぶまれてしまったのですから」
 確かにそれは図星だった。今週中のハルヒは何かと俺の背中を突付いては「今度の土曜日のことなんだけど……」と頻りに体験教室のことを話題に挙げていたからな。
「す、すみません。わたしがしっかりしてなかったせいで涼宮さんは――」
 朝比奈さんはまた落ち込んでしまわれたようだ。そんなに自分を責めないでくださいよ、朝比奈さん。
「キョンくん、でも……」
「いえ、これは僕たち全員の責任であり、最優先で対処すべき事態です。――そうですね、長門さん」
 古泉の問いに長門は声に出して返事をする代わりにナノ単位での頷きで応答した。って、それは一体どういうことなんだ?
「考えてもみてください。涼宮さんに接触を図っている組織の末端の三名が全員、各々が大事にしていたものを奪われてしまった――果たしてこれは偶然の一言で済ませてしまってもいいのでしょうか?」
 まわりくどいぞ。もっと解り易く頼むぜ。
「つまり……これは警告なのではないか、と僕は考えています。僕と――長門さんや朝比奈さんに対して――手出しは無用である、と。彼らがどのような存在なのかは解りませんが――現在、長門さんが調べてくださっていることでしょう」
 古泉の言葉につられて俺は長門に眼を遣ると、長門はしっかりとした視線でもって俺に応えた。
「問題はその何者かの目的です。彼らが涼宮さんのことをどう捉えているのかはまだ何とも判断が付かないのですが――一つだけ解ることがあります」
 だから勿体ぶるなよ。何だそれは?
「彼らは涼宮さんの性格も含め、僕たちSOS団のメンバーのことを相当熟知していると思われます。襲撃の際にはいつも部室内に常駐しているはずの長門さんの不在を狙っていますし、それに――」
 そこで古泉は一息置くと、いつになく真剣な表情を見せてこう言った。
「こうなった以上、涼宮さんが直々に行動を起こすに違いない――きっと涼宮さんご自身が彼らの元へ僕たちの奪われたモノを取り返しに来るはずだと踏んでいるのですよ」
 何だって? ハルヒがさっきここから出て行ったのは、まさか……、
「いえ、まだ僕の仲間からそのような連絡は入っていません。それに――どうか落ち着いてください。彼らは鍵となる存在のあなたのことも狙っていると十分に考えられます」
 部室を飛び出しかけた俺は古泉の言葉で思いとどまる。
「……彼らの拠点が判明」
 長門は先程から弄っていたノートパソコンの画面を俺たちに示した。って、学校のすぐ傍の植物園とかのあるあそこの自然公園か。
「なるほど、ここならカラスたちのねぐらにはもってこいですね」
 そこには間違っても可愛い七つの仔なんていないだろうがな。
 ふと、俺は気になることを長門に尋ねた。
「なあ、そのカラス野郎共ってのはまた、じょーほーせーめーたいだか何だかの一種だってことなのか?」
「あくまでも可能性としてならその確率は高いものと思われる。問題は彼らが既にこの三次元空間にて相応の組織力を発現させていること。……現在、わたしたちは彼らの監視下にある」
 そういって振り返った長門の視線の先――窓の外では、十羽を超えるカラスの集団がこちらを伺っていた。おいおい、あいつらが全部そうなのか?
「あのカラスはハシブトガラス。この近辺でもよく見られる一般的な種類のもの。でも彼らによって操られていると考えた方がよい」
 何だ、要するに例の三羽ワタリガラスはこの辺のカラス全部のボスみたいなもので、その辺の下っ端ガラスを自在に操ることができるってことみたいだな。
「そのように考えて間違いではない」
 相変わらず恐ろしいことをあっさり言ってくれるぜ、長門。
 その間古泉は携帯電話でどこかに連絡を取っている様子だった。といっても十中八九は『機関』への通信なのだろうけど。
「――失礼、機関としても最優先の対処を開始することに決まりました。それで当面の方針ですが、どうにか先手を打って涼宮さんと彼らを接触させないように――」
 なあ古泉、せっかくのご提案だが、もう手遅れだと思うぞ。
「はて、それは一体――」
 古泉の言葉が終わらぬ内に部室のドアが弾け飛ばんばかりの勢いで開き、
「みんな、これからカラス退治に出発するわよっ!」
 ハルヒがどこかで観たスポコンモノの熱血主人公のごとく瞳に炎をメラメラと浮かび上がらせて雄叫びを上げたのだった。
 ほらな、俺の懸念した通りだぜ、やれやれ。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 05:04:45 ID:+bDJ1FQe
>>337-341
以上が前半です。
後半は本日中に投下します。 ノシ
343名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 07:22:37 ID:ObV1sIzH
>>342
おおっ、続きが気になる!

>>334
それはmelonのあの絵が元だねw
あれは良いものだ…
344名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 07:50:29 ID:nlJNvKYb
>>342
まだ半分なのでGJ1/2
操られるカラスさんカワイソス

>>343
あれはエロイものだ…
345名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 08:29:33 ID:0V3lY7H1
>>342
GJだぜ。
俺が帰る頃には投下されていてほしい。

それにしてもこのスレSS職人多いね。
読むのに必死で自分のSS執筆に手が付けられないw
七夕ネタだから何とか7月7日まで済ませたいんだが、まだ半分も書けてない…orz
346名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 08:56:40 ID:pd8mQCEb
>>342
乙!続き待ってます。

SSを書いたことが無い人でも、不思議と書きたくなるって人が多いみたいだね。
347名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 11:36:40 ID:DYwUNyz9
>>342
読ませるなあ…面白いです。続きも気になる。
348人殴りLOVER:2008/06/23(月) 12:04:21 ID:3iYT9ksm
「情報統合思念体は、涼宮さんを狙っています」

潜水艦の中のように静かな培養室に
直径一メートルほどのカプセルがいくつも立ち並んでいる。
手前の黒いモニターにはその中にいる人間のステータスが
白いデジタル表記で表示されていた。
身長158センチ、体重44キロ、age16、水温25℃・・・
その生命体は人間の大人の女性に近い体つきをしている。
何も身に着けておらず、眠っているかのように目を閉じている。その表情はどこか幼さが残る。
緑色の液体に満たされたカプセル内には細かい泡がいくつも発生しており、
それが連なって天井の方向へ龍が如く登っていく。。
人は誰もいない。低い機械の起動音が延々と空間にこだましているのみである・・・

「一目目に焼き付ければ半年は忘れることがないであろう
その全体像。セーラー服という起源は水兵という堅苦しいイメージに反して
下半身は太股を露出させているミニスカートというギャップとその水色と白を基調とし、
清涼感を漂わせながらも紅蓮の赤い薔薇のようなリボンがアクセントとなっている上半身の完璧なまでの構成は
究極の連帯感を生み出していく。リボンの下で光るシルバーのベルトの止め具は
罪を犯した少女を連想させ、一層性的魅力を高めることに役立っている。
そしてその少女は眉をキリリとさせ自信の証に口元は外側へ向かっており、
団長と書かれた腕章は多くの男性を魅了してやまない彼女の大胆不敵な性格を表している。
爛々たる大きな美しい瞳に見つめられれば胸が高鳴り、髪は彼女の行動力を象徴するかのような
ショートカットで、カチューシャに取り付けられたリボンが少女のその
第一印象に反してこの年頃の乙女心を映し出している・・・
一度押し倒したならば一週間は顔を離したくないであろうそのかたちのいい乳房。
狭い肩幅は男性の保護願望を意識させ、同時に破壊願望をも意識させる。
それが絶妙なバランスで混在している。・・・理想の女性だ」

「中河・・・」
弱者を圧倒する位置から、そいつは俺に目を向けた。
俺の知る寛恕なラグビー青年の面影はどこにもない。
日本人とは思えぬその巨大な体躯。発達した僧帽筋はより彼の太い首を象徴している。
ボーリングの球を埋め込んだような見事なまでに発達した胸筋。
これだけの身長でありながらも手を抜いた箇所が見当らないほどにまで
完璧に鍛え上げられた屈強な南海のコマンドー。
薄暗い僅かな照明によってより目尻の影が強調される。
「お前も彼女の魅力に魅了された哀れな男のひとりなのだろう?」
一般人がドン引きしそうな台詞は、権威と正義と暴力を象徴するバストーンによって正当化されてゆく。
「俺は知っている。彼女の心の闇を」
その圧倒的なパワーの前に一歩後ろに下がる。
「なにが言いたい」
臍の下には過剰に分泌された男性ホルモンによって発生した
火の鳥のようなギャランドゥが垣間見える。
「しかし涼宮ハルヒは向上心のある女だ・・・彼女は自身の心の闇を自分の力で克服した。
それに比べお前は・・・お前はこの数年間で何か変わったものはあるのか?」
冷蔵庫を一階から二階まで投げ飛ばせそうなほど太く強靭な腕。
手のひらをゆっくりと握り締める。りんごが押しつぶされる様子が脳内再生される。

「情報統合思念体はついに彼女の体を直接調べることにした・・・
お前も、もう少しだったのに・・・・・・な
まずは・・・不純物を排除する」

「待ってくれ中河!」
そう叫びながら両手を前羽の構えのように突き出した俺の抵抗も虚しく、
俺にやつの強靭な広背筋によって培われたマイクタイソン級のパンチが飛んできた。
血管の浮き出た前腕を目前に見たのを最後に、俺の顎は破壊され、一t級の衝撃が脳を駆け巡った
349名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 12:07:46 ID:3iYT9ksm
本来はVIPに投下しようとしたものだ・・・スルーしてくれ><
350名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 12:52:15 ID:DYwUNyz9
昼間から萎えさすな。ネトラレエロとかよそでやってくれ。
351名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 13:42:35 ID:VnsQJQTM
誤爆装うなよ
352名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 13:45:29 ID:vJvzGlQp
これだからvipperは……
>>349
許さん、脱げ
353名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 14:03:28 ID:ObV1sIzH
>>349
>本来はVIPに投下しようとしたものだ
なぜVIPに投下しなかったんだ?
規制でだめなら避難所に落とす事だってできたはずだ。

結局ワザとか……
354名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 14:48:45 ID:vJvzGlQp
言い忘れてた!
>>334
なんという牛乳…(*´Д`)

>>342
乙。おのれカラスめ!
で、なぜか脳内でカラススーツを着てるハルにゃんの姿が浮かんできちまった…
355名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 15:22:04 ID:pd8mQCEb
>>334
絵を見てきた。このSSはあの絵の事だったのか。
ありゃ確かにエロ良いものだな、うん。
356名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 15:53:31 ID:fTC1PrcU
>>334
こっちにも投下されてるw ハァハァ

>>337-341
後編期待しております! ワタリガラスが何者か気になる。
が、カラスを愛する俺としてはハルにゃんお手柔らかになんて思ってもいたりw
357名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 16:41:38 ID:h8DB0/N2
>>354
なぜか俺の脳内ではタカスーツに身を包んだハルにゃんの姿が!
358名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 16:44:37 ID:M61rzdJE
クチバシでキョンの背をつつくハルヒ
359名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 16:50:02 ID:ObV1sIzH
>>357
なんとなくガッチャマンの格好をしたハルにゃんを連想してしまった俺はいい加減いい年だな……
360名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 16:55:10 ID:sF4NwHG3
>>359
大鷲のハルヒ
コンドルのキョン
スワンのみくる
つばくろうのイツキ
みみずくの…ユキ?
361名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 17:48:53 ID:3Wcv1Yq9
超遅レスだけど、ユビレス読んで下さった皆さんありがとうございました。
>>197 GJ過ぎる! そして拙作でニヤニヤしてくださってありがとうw 処じ…童貞を捧げた甲斐があったというものです。押忍。
>>292 コンピ研が情報連結解除されないか心配だw 元ネタ好きとしては期待せざるを得ない!全裸待機してる!
>>341 これは続きが気になる…が、>>356同様にお手柔らかにと思っていたりw
362名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 18:34:07 ID:V6+L0YgQ
大空を翔るハルキョン
363名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 18:38:36 ID:M61rzdJE
ハルにゃんとラーメン食べに行きたい
364名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:16:31 ID:rVYR2Cab
チャーシュー麺頼んだのにチャーシュー食えないのは既定事項
365名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:19:52 ID:aK32FSR9
「ロリ巨乳キャラでしょ? 無口読書キャラでしょ? 爽やかイケメンキャラでしょ?」
「何の話だいきなり」
「幅広いニーズに応えるには、もっと色々な属性持ちが必要だと思わない?」
「ニーズって、どこの誰がSOS団に何を求めてるんだ」
「みくるちゃんも有希もどっちもロリ寄りでしょ? 年上キャラよ! 先輩キャラよ! 姉属性が居ないのよ!」
「朝比奈さんと鶴屋さんの立場はどうなるんだ」
「みくるちゃんはロリ! 鶴屋さんねぇ、うーん。確かに付き合ってるぶんには良い先輩だと思うけど、友達のイメージが強くて先輩としては弱いと思うのよ。
 もっとこう、いかにも先輩風吹かした先輩みたいなさあ! オトナのオンナなさあ! いわゆる『お姉ちゃん』なさあ! わかるでしょ!?」
「まー、言わんとすることはわからないでもないが、そんな先輩が出て来たらお前の団長としての立場が危ぶまれることになるぞ」
「むっ……そっかぁ……じゃあ決めた! あたしが姉になる!」
「姉っておい、誰の?」
「アンタの!」
「………………え?」

↓わっふるわっふる
366名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:33:29 ID:V6+L0YgQ
わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
以下無限ループ
367名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 19:51:16 ID:sS3MJqej
ほらー!バカ弟ー!さっさと起きなさ…って何この膨らm



わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
368誰か書いてたらごめん:2008/06/23(月) 20:04:06 ID:fTC1PrcU
「ただいま……」
「キョンくんおかえりー! あれー? ハルにゃん? いらっしゃーい!」
 どうしようもなく無気力に帰宅した俺を迎えた妹は、不思議そうな顔をして隣に立つハルヒを眺めたが、すぐに持ち前の深く考えないという羨ましい能力を発揮して嬉しそうにまとわりついた。
「どうしたのー? あそびにきたの?」
 妹の至極まともな意見を肯定してくれればどれだけありがたいことかと思った俺の願いをあっさり否定するのはもちろんハルヒである。
「違うわよ! 今日からあたしはキョンの姉なの! 姉なんだから一緒に住むのが当然でしょ!」
「待て、正気か? お前の家はどうするんだ、だいたい俺の親だって許可するわけないだろ!」
 学校でも散々こんな会話をしたにも関わらずまたここで再現しちまったが、仕方ないだろ? どう考えたっておかしい。何故ハルヒが突然俺の姉として我が家に転がり込むんだ?
「ハルにゃんがキョンくんのおねえちゃん?」
 妹は再び不思議そうな表情が顔をよぎったかと思うとパッと笑顔に変えた。
「じゃ、今日からハルにゃんはあたしのお姉ちゃんでもあるんだ! やったー!」
 やったーって。何故そこで喜ぶんだ、兄だけじゃ不満だというのか妹よ。

 じゃれ合っている妹とハルヒを見て、取りあえず遊びに来ている分には問題ないかと無理矢理自分を納得させてみるが、しかしこれからどうしようかね。

↓わっふるわっふる
369名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:15:45 ID:V6+L0YgQ
わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる
370342:2008/06/23(月) 20:28:37 ID:+bDJ1FQe
なにこのわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるwwww

流れ全く無視なんですけど
朝投下したやつの後半投下していい?
371名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:34:21 ID:fTC1PrcU
>>342
正座して待ってました。投下願います!
372SS:Remnants Ravens' Residence - Part B 1/6:2008/06/23(月) 20:35:02 ID:+bDJ1FQe
 てなわけで、その翌日に俺たちSOS団の面々による『カラス退治と奪われた秘宝を取り戻すための作戦』が展開されることに決定されたのだった。
 なお、当然のことながらハルヒが当日中にも出動する気満々であったのを、俺が全身全霊を注いだ説得によってなんとか一日延期するよう納得させたのは言うまでもない。
「と言うわけだから頼むぜ古泉。団長様はお前が持ってくるはずの対カラス用必殺兵器の数々に期待しているみたいだからな」
 古泉はスマイルを何とか浮かべながらも冷や汗を垂らしながら答えた。
「果たしてご期待に添えるかどうかは解りませんが、大急ぎで手配に尽力してみますよ」
 ハルヒはおっかなびっくり状態の朝比奈さんの肩を抱いて、
「安心して、みくるちゃん! あなたの大事な思い出のペンダントはあたしが絶対無事に取り返してあげるんだからね」
 と一人ボルテージを上昇させっ放しだ。
 長門はと言えば、再度コンピ研に出向いた後、重そうなダンボール箱を抱えて戻ってきた。帰り道の今もその箱を抱えたまま黙々と歩いている。
 アレの中身は多分きっとナントカ二足歩行車両なのかね? とか俺が考えていると、突然長門は立ち止まって俺の方を見上げてきた。一体何だ?
「明日の作戦行動にあたり、『涼子2』に設定した各機能制限を一時的に解除したい」
 何だそんなことか。それなら一々俺なんかに確認を取らなくても長門の判断で決めてくれたらいいぞ。
「いいの?」
 いいの? って、うーんそうだな――例えば今ブレーキの故障した暴走車が俺の方に向かってきたとすると、長門ならどうする?
「!」
 いや、あの、長門さん? そんなにウルウルした目で俺を見られても――スマン、仮定の話にしても例が悪かった、謝る。
 まあとにかく、その場合には俺のことを蹴っ飛ばしてでも事故から防いでくれるはずだよな? ってもしここで否定されでもしたら俺はしばらく立ち直れそうもないんだが。
「……」
 長門は小さく頷いて同意を示してくれた。何故か安堵する俺。
 とにかく今回はそういう類の緊急回避的なところがあるから全て長門に任せるよ。俺からは文句なんて付けやしないさ。
「了解した」
 頼んだぜ長門。ハルヒを助けるためならば、お前の拵えたメカが反重力で光速を超える動きをしようとも俺は何も言いやしないさ。


 さて、その次の日の放課後。

 ハルヒは古泉の持ち込んだスタンガンやらスリングショットにDA・I・KO・U・HU・N☆なのであった。ってこら、人に向けるんじゃない!
「いやあ、実は昨日の晩に森さんにお願いしてコレクションの一部を貸していただきました。この借りは少々高く付きそうな気もしますので、万一の場合はあなたもご協力お願いいたしますよ」
 古泉が小声で囁く。ふーん、森さんがこんなコレクションとはねえ。……怖くなってきたのであまり深くは考えないでおくことにしよう。
 ちなみに武器だけではなく防具、と言うほどのモンでもないが、眼を突付かれたりしないようにサバイバルゲームとかで使われるゴーグルが全員に行き渡る数だけ用意されていた。って、長門――ゴーグルを手に何を考え込んでるんだ?
「以前あなたは眼鏡属性はないと言った」
 ゲフンゲフン! い、いや、あの長門さん。今はそういう場合じゃないんで、ここは一つみんなに合わせて装備してくれよ。
「……わかった」
 朝比奈さんは救護兵と言うわけでもないのだろうが、何故かナース服姿だった。久しぶりに拝見したが、うーん、やはり可憐です。いや、そんなこと言ってる場合じゃないって!
 ちなみに昨日長門が調べた敵の本拠地がどこだ、とかはハルヒには伏せたままだ。こいつにそんなことを教えでもしたら一人で突撃をかますに決まってる。
「それで涼宮さん、本日の作戦ですがどのような手筈で進行させればよいのでしょうか?」
 ハルヒは自信満々といった態度で、
「ああ、古泉くん。その点は抜かりはないわよ。こういう場合にはまず囮を使うのが基本よね」
 と言うと朝比奈さんに抱きついた。
「ふえぇっ!」
 ちょっと待てハルヒ。まさかお前、朝比奈さんを囮にするとか言い出すんじゃないだろうな?
「もっちろん違うわ! ここはあたし自らが囮役を務めるからね」
 と、どこに隠し持っていたのか、妙にキラキラ光るガラス球だらけのネックレスを取り出して自分の首にぶら下げた。
 またお前はそういう無茶を――、
「無茶かもしれないけど無理じゃないわ。さあ、小生意気なカラスたち、今すぐあたしの前に姿を現しなさいっ!」
 ハルヒはそう叫ぶと部室の窓を全開にした。
 おいおい、いくらなんでもそう簡単にはいかないだろう、普通。
373SS:Remnants Ravens' Residence - Part B 2/6:2008/06/23(月) 20:35:31 ID:+bDJ1FQe
 だがその直後、激しい羽音と同時に黒い翼の使者がハルヒの目の前に飛び込んできた。
 あっけに取られる俺たち四人には構うこともなく、例のカラス野郎三羽はハルヒの首のネックレスを奪い去ろうと掴み掛かってきていた。
「こらー、あんたたち! いきなりなにすんのよ!」
 ハルヒも負けじとそいつらの一羽の足をガッチリと掴み返した。
 そのとき俺は信じられない光景を見た。
 窓から大量の黒い大群――外で待機していたらしいハシブトガラスやハシボソガラス、要するにその辺にいるカラス共が押し寄せたかと思うと、ハルヒの制服のあちこちを捕まえて羽ばたき始めた。
「へっ? ちょ、ちょっとなによこれ?」
 何が起こったのかまるで理解していないハルヒを捕まえたまま、黒い羽の塊は宙に浮かぶと、ありえないスピードで窓の外――空の彼方へと飛び去ってしまったのだった。
「ほほう、さすがは涼宮さんですね。これ程あっさりと敵の本拠地へ案内してもらうことが可能だなんて、僕にも全く予想が付きませんでした」
 感心してる場合かよ、古泉! 早くハルヒを追いかけないと、何されるか解ったモンじゃないだろ!
「ご心配なく、こんなこともあろうかと涼宮さんの首飾りに超短波発信機をこっそりと取り付けさせてもらっていたんですよ。長門さん、現在地を確認できますか?」
 長門はいつの間にかノートPCを起動させていて、
「現在発信機は北山貯水池西岸部の丘陵にて静止中。既に判明している彼らの拠点とも一致」
 よし解った。待ってろよハルヒ。今すぐ俺たちがお前を助けに行って――、
 ピリリリリリリ。
「失礼、機関からの連絡です」
 携帯電話の着信音に出鼻を挫かれてししまったぜ、チクショウ。で、今度は何だ、古泉?
「まずいことになりました。閉鎖空間が発生した模様です」
 閉鎖空間、ってハルヒが作り出したってのか?
「ええ。おそらく現在の涼宮さんには相当なストレスを感じさせるような境遇に追い込まれているのでしょう。僕は閉鎖空間の処理に向かいますので、後はみなさんでよろしくお願いいたします」
 そういい残して古泉は自分の役目を果たすために出動していってしまった。
 さて、こうなった以上は俺がハルヒを助けに行くことになるわけだが――、
「待って。……これを」
 長門は古泉の用意したゴーグルに使い捨てライターほどの大きさの機械を取り付けたものを俺に手渡してきた。
「通信機能を追加した。わたしはこちらで後方支援に当たる。装備が完了次第増援も手配予定。……気をつけて」
 ああ、解ったよ長門。精々頑張ってみるさ。
「キョンくん――わたしは何にもできませんけど――涼宮さんのこと、どうかお願いします。それに、無理しないでください」
 朝比奈さんに無事を祈っていていただければ勇気百倍ですよ。それじゃあ、行ってきます。
 待ってろよハルヒ。今すぐ助けに行くからな。
 決意を胸に、俺は部室のドアから一歩を踏み出した。

 屋外に出るも、意外なことに敵カラスの姿は全く無かった。拍子抜けするじゃないか。さっきまでの俺の意気込みはなんだったんだろう。やっぱ柄にも無いことはするなってことなのか?
『油断は禁物。彼らは勢力を本拠地周辺に集結させつつある。自然公園内に侵入してからが本番』
 まるで俺の表情が見えてるんじゃないかってぐらい絶妙なタイミングで長門からの通信が入る。
 ああ解ってるって。リラックスするのは今の内だけにしておくさ。
 校門を出てから県道に辿り着くまでの間、北高生たちの視線が痛い。冷静に考えれば俺の格好は制服姿のまま変てこな装備に身を固めた危ないヤツに見えることだろう。
 だがそんなことは気にしている場合じゃない。こうしてみると今まで散々ハルヒに付き合わされて恥ずかしい経験を積んだことが図らずも耐性というかあまり嬉しくない経験値になってしまったようだな。
 県道を駅とは逆方向に坂を登ると公園にある植物園の入り口が見えてきた。
 案内板を見ると、目的地の貯水池は丁度公園の反対側、十五分程度は掛かるとのことだった。
 やれやれ、せっかくだからハイキング気分でひとっ走り行ってくるとするか。

 ――甘かった。

 長門の言葉通り、園内は大量のカラスの姿で溢れ返っていた。なんていうか、古い映画で見たことのある目の前一面を覆い尽くす黒い鳥の大群。どう考えても正面突破は無謀というものだ。
 仕方ない、ここは遠回りだが迂回ルートで、と振り返った俺はギョッとした。
 既に後方の木々の枝にも黒い花でも咲いたかのごとくカラスの群れが冷たい眼で俺のことを捉えていた。鳴き声一つ発しないところが余計に不気味じゃないか。
 絶体絶命、どうするよ俺?
374SS:Remnants Ravens' Residence - Part B 3/6:2008/06/23(月) 20:36:15 ID:+bDJ1FQe
 そのとき、パニックで叫び声を上げそうになってしまった俺の身体は音も無く背後に引き倒され、何者かによって拘束されてしまった。口元も押さえられ声も出せない。
「!」
 まさか、これが噂に聞く近接格闘のCQC?
「動かないでいただきたい。どうかお静かに」
 聞き覚えのある落ち着いた声。そこにはオールドスネ……もとい、タクシー運転手姿の新川さんが冷静さの中にも優しさを含んだ表情で佇んでいた。
 って、新川さんがどうしてここに? 閉鎖空間はいいんですか?
「あちらは古泉たちに任せておりますのでご心配は無用です。それよりもお待たせいたしまして申し訳ございません。古泉から手配するようにと申し付けられました品をお届けに参上いたしましたので、どうかご利用ください」
 そう言って新川さんが取り出したのは防犯用のカプサイシン・スプレーだった。
 一応説明しておくが、カプサイシンってのは唐辛子などに含有される辛味成分のことだ。
 カプサイシンダイエットなどという言葉を聞いたことのある方も多いんじゃないだろうか。俺なんかは聞いただけで口の中が熱くなってくるような気がする。
「少々失礼いたします。どうかしばらく息を止めておいてくださいませ」
 指示されるままに俺は口元にハンカチを当てると目を閉じた。一応ゴーグルは装備しているが、曇り止めの通気孔も開いていることだし、肝心の俺自身が行動不能に陥ってはシャレにならない。念には念をというわけだ。
 ちなみにカラスは辛いものが苦手らしく、各地の自治体では試験的に辛味成分を含ませたゴミ袋の使用を始めたところもあるらしい。いや、こんな話は今はどうでもいい。
「それではご武運を」
 そういうが早いか、新川さんは脇に転がっていた古びたドラム缶に潜り込むと横転させて、襲い来るカラスを弾き飛ばしながら斜面を転がり降りていった。目が回って気分悪くなったりしないんだろうか? 少々心配な気もする。

 直後、通信機からしばらく途絶えてしまっていた長門の声が届けられ、俺は少々安堵した。
『敵は電磁波妨害を使用していると思われるため、ニュートリノ通信にモードを切り替えた。これからわたしもリモートでバックアップ活動を開始する。あなたも急いで』
「そいつは頼もしいな」
 俺はカラス共を牽制するようにスプレーを構えたまま貯水池へと続く道を早足で進み始めた。
 途中何羽かの特攻カラスの襲撃を受けつつもスプレー噴射で撃退、を繰り返しながら、やがて俺は目標地点にまで辿り着くことができたのだった。

 問題はそこからだった。

 小高い丘の上に一本の立派な楠らしい木がそびえ立っている、その周囲を取り囲むように黒い塊が待ち構えている。
 はっきり言って物凄い数だ。一体全部で何羽ぐらいいるのか、俺は最初から数えるのを放棄してしまったのだが、もしも暇なヤツがいたら是非代わりに数えてもらいたい程だ。
 人海戦術、いやこの場合はカラス相手なんだが、とにかく多勢に無勢というモンだ。このままでは新川さんから貰い受けたスプレーが後何缶必要になるのか解らんぞ。
 俺はつい長門に助けを求めたくなってしまった。しかしバックアップとやらが到着するまでにはまだ時間が掛かるようだ。
 駄目元で俺は通信回線を開くとアドバイスを求めた。
「なあ長門、どうすればいい?」
『現状の敵勢力数からして下手に策を弄しても無駄。極力相手を刺激しないように前進して』
 やっぱりそれしかないんだろうな。無茶かも知れんが無理じゃない、か。
 俺は覚悟を決めてゆっくりと足を繰り出した。一歩進むのに三十秒以上も掛ける牛歩戦術――言わば『だるまさんがころんだ』作戦だ。
 そうやってカラスを刺激しないように極々僅かだが確実に一歩ずつ先に進む。
 一般的にカラスは頭のいい鳥だと言われているが、果たしてこいつらには俺がじっとしているようにでも見えているのだろうか?
 いや、それとも解っていても敢えて無視しているのか知らんが、もしそれならそれでなんか癪に障る気がしないでもない。とにかく俺は我慢しながらも先へと進んだ。
 しかしなんだ、改めてこの光景を目にして逃げ出したりしない俺って一体どうしちまったんだろうな?
 古泉も保証してくれた普通の人間のはずなのに、これじゃまるでハリウッドムービーのマッチョヒーローの役みたいではないか。
 とか馬鹿なことでも考えながらじゃないと、とてもではないがMIBとかエージェントなんたらみたいな黒尽くめスーツみたいな空気で包囲しているカラスの大群相手に立ち向かうなんて真似はできないだろうぜ。
 全く、やれやれだぜ――我ながら他人事のような口振りだが、そうとでも思っていなけりゃこんなところにはいられないからな。
375SS:Remnants Ravens' Residence - Part B 4/6:2008/06/23(月) 20:37:20 ID:+bDJ1FQe
 植物園入り口から貯水池脇まで来た時の倍近い時間を掛けて、ようやく俺は楠の下に辿り着いた。
 何故か周囲五メートル内にはカラスは一羽も入ってこなかった。それにボス的存在のワタリガラス三羽の姿も無いのが気懸かりでもある。
 とにかく、今の俺の目の前の木の根っこの部分では――ハルヒが膝を抱えて顔を伏せたままじっとしていたのだった。
 ハルヒの着ている体操服のジャージはボロボロ、もし制服姿のままだったらなんてぞっとしないね。
 とにかく早くここから脱出することを考えないとな。俺は深呼吸した後ハルヒに声を掛けた。
「ハルヒ、無事だったか? どこか怪我とかしてないか?」
 ハルヒがゆっくりと顔を上げる。いつもとは逆に、ハの字に両端を下げた眉が元気の無さを表していたが、どうやら泣いてはいないようで俺は少しばかりホッとした気分になった。
「キョン? うん、あたしは全然平気。有希のカードも古泉くんの腕章も無事取り返したわ。でも――」
 そういってハルヒは右の手に握っていたものを俺に向けて開いて見せた。
「みくるちゃんのペンダント……あたしの目の前で、あいつらに壊されちゃったの」
 ハルヒの手の中では、頭の部分で無惨にもポッキリと折られていた銀製の羊が悲しげな光を放っていた。
「絶対無事に取り返してあげる、だなんて大きなこと言っててこのザマよ。……あたし、みくるちゃんに何て謝ったらいいのか――わかんないよ、キョン」
 なるほど、奴等はハルヒに精神的ダメージを与え、その隙を突いて何かやらかそうって腹積もりらしい。
 まるで魂でも抜け落ちたかのように力なく呟くハルヒに、
「おいコラ、ハルヒ!」
 俺はデコピンを一発かましたのだった。
「痛っ! ちょ、ちょっとキョン、あんた一体なにすんのよ?」
 驚きと痛みのためか一瞬でハルヒの目は吊り上り、尻尾を逆立てた猫の如き戦闘体勢を取り戻す――そうだ、笑ってないんだったらせめて怒っててくれ。その方がお前らしい。さっきみたいな腑抜けた表情なんてのは全然ハルヒらしくないんだよ。
「確かに壊されちまったかも知れないが、でもちゃんと奪回できたんじゃないか。壊れたんなら後で修理すればいいだろ」
「……だ、だって」
「それともハルヒ、こんなことで朝比奈さんがお前のことを怒鳴りつけたり咎めたりするとでも思ってんのか? あのお方に限ってそんなことはあるわけないだろ!」
「――!」
 ハルヒは一瞬ハッとしたみたいだったが無言で頷いた。やれやれ、少しは冷静さを取り戻してくれたのかね。
「さて、こんな所からはとっととオサラバしよう――って、やっぱそこまで甘くはないか」
 ハルヒは無意識のうちに俺の腕に縋り付いていた。まあ無理もない。
 俺たちの目の前に、ボス格のワタリガラス三羽が姿を現したのだ。
 しかも、あちこちからザコ級カラスの大群が押し寄せてきていた。よく小説の一シーンなどに『空が真っ黒になるくらい』みたいな表現があったりしたと思うが、眼前の光景はまさにそれを地でいっていた。
 ボス三羽が羽ばたいたかと思うと中空に静止、そこに吸い寄せられるように突っ込んでくる大量の黒い翼――やがてそいつらは巨大な黒い鳥型の塊となった。
「まるで――悪魔みたい」
 思わず呟いたハルヒに俺は声には出さずに頷く。
 その黒き巨体は地響きと共に目の前の斜面に着地した。ものすごい衝撃と共に土砂が埃となって立ち上る。
 よく特撮なんかでスケール感を出すために高速度撮影したものをスローで再生するとか聞いたことがあるが、今目の前で起こっている光景はそんなレベルじゃねーぞって程の大迫力だ。
 カラス群体野郎の頭らしき部分が俺たちのことを捕捉するかのように首をもたげる。
 やばすぎるぞ。こんなの相手じゃ、俺一人じゃハルヒを守ることすら――、


 その次の瞬間、

 突然貯水池から水飛沫が上がったかと思うと、巨大な物体――前に長門が抱えていた二足歩行のアレをそのままデカくしたようなヤツ――がカラスの群体野郎に激しく体当たりをぶちかました! 御丁寧に頭部の眉毛部分まで同じじゃないか。
「ちょ、ちょっとキョン、なによアレ?」
 俺に訊くなよ。多分長門が俺たちに救援目的で送り込んだのだろうが、ちょっと派手過ぎやしないか? って、やっぱりな。それみたことか、ハルヒの瞳は銀河系の恒星全ての光を集めたかのように輝いている。
 それと時を同じくして、俺のゴーグルに取り付けられていた無線機から冷静そのものといった声が届いた。
『今の内に逃げて。移動手段は確保してある』
 その通信と同時に今度は見覚えのあるサイズの二足歩行車両(眉毛付き)が音も無く姿を現した。光学迷彩で隠れてたのか?
376SS:Remnants Ravens' Residence - Part B 5/6:2008/06/23(月) 20:38:02 ID:+bDJ1FQe
「ハルヒ、逃げるぞ!」
「え、でもキョン? って、ちょっとなにすんのよ」
 カラス怪獣対巨大メカの格闘戦に夢中のハルヒに有無を言わせることなく抱き上げると、俺は『リョウコ・ツー』とか言ったそのチビっこいメカに無理矢理乗っかった。
 その途端、『リョウコ・ツー』は俺たち二人を乗せたまま猛烈なスピードで走行を開始したのだった。。
 何故か片足で乗っているだけなのに俺の身体は振り落とされるどころかバランスを崩すことも無いままだった。さすがだな、長門。お前が本気を出したら重力制御から巨大ロボまで何でもアリだとはな。
 しばらくは虚を突かれてじっとしていたハルヒは我に返ったのか俺の腕の中で動き始めた。
「もうキョン、なんなのよ一体さっきから?」
 いいから大人しくしてろ、と俺はハルヒの顔面を自分の胸元に押し付けた。いくら落っことされる心配は無くとも、相当な揺れだ。変に喋ってて舌でも噛まれたら困るんでな。
 そのとき背後で閃光と共に爆音が轟いた。
 振り返ってみると、カラス群体は足元から一体一体のカラスに分裂を始めており、そいつらは集団を作るでもなく散り散りに飛び去っているようだ。
 巨大メカも、まるで光の砂が崩れ落ちるようにその形を徐々に失っていき、いつの間にか完全に消滅してしまっていたのだった。
 それを見て俺はいつかの放課後の教室での光景が思い出されて仕方なかった。
「キョン――ねえキョンってば、ちょっと離しなさいよ!」
 ハルヒの声に押し付けていた頭を起こさせると、ハルヒは真っ赤な目でボロボロと涙をこぼしていた。って、ええっ? お、俺何かマズイことでもしたのか?
「どーもこーもないわよ。何かあんたの服、すっごいヒリヒリして仕方が無いんだけど」
 そう言われれば忘れていたが、さっき新川さんにカプサイシン・スプレーを散々吹き付けられていたではないか。マジでごめんな……ハルヒ。
「もう……キョンのバカ」


「キョンく〜ん、涼宮さ〜ん!」
 校門まで辿り着いた俺たち二人は『リョウコ・ツー』から降りると、こちらに向かってぱたぱたと駆けて来るナース服朝比奈さんに出迎えられたのだった。
「――み、みくるちゃん。ごめんなさい、その」
「もう! 涼宮さんのバカっ!」
 って、ええっ? 朝比奈さんは今までに見せたことも無いような激しい剣幕でハルヒのことを叱りつけたのだった。
 が、そのまま朝比奈さんはハルヒの胸に抱きついたかと思うと、
「ああ、こんなにボロボロになるまで、無茶ですよぅ。……ペンダントなんてどうでもいいんです。わたし、わたし――涼宮さんになにかあったら、って思っただけで――ふえぇぇぇぇ〜!」
 と周囲のことも構わず大声で泣きじゃくり出してしまった。
「ごめんなさい、ほんとにごめんね、みくるちゃん」
 ハルヒもそれに合わせて小さく呟くように謝り続けていたが、ホッとしたのだろうか、緊張の糸が切れたらしく朝比奈さんの方に倒れ掛かっていってしまった。
「ひえっ、す、涼宮さん?」
「心配ない。気を失っているだけ」
 いつの間にか長門が背後に立っていた。いきなりだな、おい。まさかいつもステルス迷彩を装備しているってわけじゃあるまいし。
「なあ長門、アレだけの大騒動をしっかりハルヒにも目撃されちまったし、どうするつもりだ?」
「問題ない。全ては無かったことにする」
 はあっ? 全てってまさか――、
「情報操作はもうほとんど完了している。あとは涼宮ハルヒの体操服と朝比奈みくるのペンダントを修復するのみ」
 次の瞬間、ハルヒのボロボロだった体操着は新品同様の元通りになり、強く握り締められていた銀細工の羊の首も何事もなかったかのようにくっ付いていたのだった。
 しかし何だろう。気のせいか最初に見せてもらったより光沢が増しているような気がする。ひょっとして本当に『新品状態』にまで戻してしまったとか言い出すんじゃないだろうな。
「なあ長門」
「なに?」
 俺はハルヒから預かっていた図書カードを長門に返してやる。受け取った長門の表情がどこか嬉しそうに見えたのは俺の欲目なんかじゃないと信じたいね。
「……ありがとう」
 長門は朝比奈さんに寄りかかって寝息を立てているハルヒに向かってハッキリと告げたのだった。どうせなら意識のあるときに言ってやればいいのにな。
 俺がそう言うと長門は無言のまま休館の方に戻っていってしまった。
 まさかな、長門にも面と向かって言うのが恥ずかしいってこともあるんだろうか、などとつい考えてしまう俺なのだった。
 ちなみに古泉の腕章も預かってはいたのだが、あいつはバイトでこの場にはいないし返すのは後日でもいいだろうか? うん、そうしよう。
377SS:Remnants Ravens' Residence - Part B 6/6:2008/06/23(月) 20:38:50 ID:+bDJ1FQe
 その後のことになる。


 連れて行った保健室のベッドの上で目を覚ましたハルヒに、古泉抜きの三名で一連の出来事を誤魔化すというのは相当な難易度のミッションであった。
 つーか、実質俺しか喋ってなかったし。
「だから、あたしはカラスに捕まえられちゃって、でもキョンがあたしのことを助けに来てくれて、そしたらカラスが合体して怪獣みたいになって……」
「いいか。俺がお前のことを助けに行けるようなそんなどこかのヒーローものみたいな真似事ができるとでも本気で思ってるのか?」
「そりゃまあ、言われてみれば確かにそうなんだけど、でもあたしこの目で見たのよ――あそこの貯水池から、バーンって巨大ロボットが飛び出してきて」
「なあハルヒ。お前この間なんとかっていうゲームやってただろ。アレにそんなムービーのシーンがあったと思うんだが。それとごっちゃになってないか? どーせ夢でも見たんだろ」
「うーん、そうかしら? でもおかしいわ。確かにみくるちゃんのペンダントも――」
「い、いええ、私のひつじさんは、べ、別に首なんて折れてないですよぅ」
「えっ、あたし首が折れちゃったなんて言ったかしら?」
「ふえっ、そ、それはその……」
 と、朝比奈さんは自ら薮蛇を突付く始末だし、長門は長門で、
「…………」
 と沈黙を貫き通しだったのだ。
 正直、こういうのは勘弁してくれ。


 さらに数日後の土曜日の銀細工体験教室。

 ハルヒは予告通り朝比奈さんのペンダントにソックリな羊の銀細工を見事に完成させると俺の妹にプレゼントしてくれたのだった。
「うわー、みくるちゃんのと同じだー! ハルにゃん、どーもありがとうね。てへっ♪」
「ほんと、すごくソックリなんです。わたしビックリしちゃいました」
「別に大したことないわ、妹ちゃんにみくるちゃん。こんなのあたしに掛かればお茶の子さいさい、一丁上がりってなもんよ!」
「いえ実に大したものですよ。講師の方も絶賛されていました。さすがは涼宮さんですね」
 いつもの古泉スマイルがそれに続けられる。
 しかし古泉の言葉にも一理ある。パッと見だとどちらがオリジナルか判断できないほどじゃないか。相変わらずだがハルヒのポテンシャルは底が知れない。
「……どちらもオリジナル。あのペンダントはいわば『異時間同位体』」
 へっ? なあ長門。今お前何か言ったか?
「……何でも」

 夕刻、銀細工体験教室も成功裏に終わり、今週のSOS団的活動プラス一名(俺の妹)はお開きとなった。
「キョンくーん、早く帰ろうよー」
 ハイハイ。さて、さっさと帰るとしますかね。
「あー、ちょっとキョン。こっちにいらっしゃい」
 と、ハルヒに呼び止められてしまった。何なんだ、一体?
 ハルヒは右手をすっと俺に差し出すと、
「ホラ、受け取んなさいよ」
 と目を逸らしたまま命令してきた。
 言われるままに出した俺の手のひらに、鎖の付いた小さな銀のペンダントらしきオブジェクトが手渡された。
「一応、お礼よお礼」
「さて、俺って何かしたっけか? ともかく、何だこりゃ?」
 碁石を半分に割ったような――いやそれにしては円というより楕円っぽいっていうかなんというか。
「何かの欠片みたいじゃないかこれ。残りの部分はどうしたんだ?」
「ああ、それならあたしが持ってるから安心して。ねえキョン、あんたも大切にしなさいよ、それ。うっかり失くしたりしたら許さないんだからね!」
 と言い置いてハルヒはスタスタと歩き去っていった。何か顔が妙に赤い気がしたが、俺の気のせいなんだろう、きっと。
「全く、何かのまじないのつもりなんじゃあるまいな」








 俺が漏らしたその言葉はある意味当たっていた。だが俺自身がそのことに気付いたのは――実に数年以上たってからのことだったのだ。

「もう、キョンったらほんと鈍感なんだから!」
378名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:43:19 ID:+bDJ1FQe
>>337-341 / >>372-377
以上で終了でございます。お粗末さまでした。
超久々の投下って書いてたけど実は埋めとか小ネタ投下してたのカウントしてなかったw

恒例ラクガキ二個。出来に関しては何をかいわんや。 orz
でも二枚目は多分無いとオチが解らんかも。文章で表現できない未熟者でつwww

ttp://upload.jpn.ph/img/u20517.png
ttp://upload.jpn.ph/img/u20518.png
379名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:55:23 ID:fTC1PrcU
>>378
GJGJ!!
落ち込んでるハルヒ萌え〜!
長文お疲れでした!
380名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 20:58:48 ID:XaomvDsS
乙でした!
でも流石にこれはvip向けかなーと思った
381名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:14:30 ID:NO6ppWPB
>>378
だーかーら俺は砂糖が入ったコーヒーは酸っぱくて嫌いなんだよ!
甘くさせるんじゃないバカヤロウ!

嘘ですすいません御免なさい。本当にGJ!!!
382名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:17:33 ID:5qRbDS0l
「今、時代はキョンだ!」の著書を書いたキョン
383名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:19:01 ID:YPoKtBQS
>>378
流石ですね
GJでした。
特に最後の欠片とか。いわゆるハートマークだったのかな?w
384名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:28:21 ID:f8rPYf06
>>378
GJ
しかし新川さんはどう考えてもスネ(ry
385名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:34:50 ID:R5vMYtDo
>>378
GJ!ハルヒも有希もみくるもいい娘だなぁ…
386名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:37:33 ID:3Wcv1Yq9
>>378
GJ
そしてハルヒよりみくるに萌えてしまった俺。
迂闊。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 21:45:18 ID:WLutL1iU
一つ聞きたいんだけどハルヒは黒のハイソ、長門は紺のハイソ、みくるは白の靴下。
これはなんか意味があるの?
388名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 22:59:35 ID:kb0guzIv
>>387
やっぱり黒が一番いいな
389名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:05:12 ID:Ajv6PhAP
最近買ったハルヒ公式4コマ


「まったく…これだからキョンは…」
「その出来の悪い息子を見るような目をやめい。」
「そんなんだから、いつまで経っても平団員なのよ。」
「そうか…それなら今のままでいいよ母さん。」

ドゴッ!!!

「誰が母さんか!!殴るわよ!」
「殴った後に言うな!!!」
「そういうお前は父さんだ!//////」
「落ち着けハルヒ、意味が分からない!」


…のやり取りに萌えたwww
390名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:34:31 ID:HoEB0FtQ
笑ってるはるにゃんが1番かわゆい
391名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:38:04 ID:HoEB0FtQ
消失の時のはるにゃんが1番美しい
392名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:42:08 ID:5qRbDS0l
キョン「ハ〜ルヒちゅぁ〜ん」
393名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:47:05 ID:pd8mQCEb
>>378
GJ!
欠片はハートマークだな。そうだ、そうに決まってる。

>>389
ハルヒちゃんか…古泉とキョンが良い雰囲気というのを見て買うのを躊躇ってるw
買ってみようかな。
394名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:47:19 ID:kb0guzIv
踊って!はるにゃん!
395名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:49:00 ID:tST9DyQC
>>393
俺も古泉とキョンがいい感じと聞いて悩んだが、そんな感じはあまりなかったと思う
396名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/23(月) 23:50:10 ID:Ajv6PhAP
>>393
長門がオタで(エロ)ゲーマーでコスプレ好きになってるが、面白いぞ。
397名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:05:29 ID:5BfL6tmX
>>378
ふと思ったんだが、これはみくるが妹の未来ってことなんだろうか?
398名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:16:32 ID:uPFFjWlt
>>360
南部”鶴屋さん”博士
399名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:32:01 ID:n4Yet4+M
>>334
一瞬「生乳とハルヒ」に見えた
400名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:35:30 ID:mdPbTPMu
「なまちち」と読むか「せいにゅう」と読むかによって意味変わるぜ
俺?もちろん前者だが

おや、こんな遅くに誰か来たみたいだ
401名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:44:15 ID:c/L1qivA
>>368の続きを勝手に。

 ……まったくうちの両親はどうかしている。
 玄関先でのハルヒと妹の会話を聞いた母親は
「あら、いいじゃない。お父さんは子供は二人で充分だって言ってたけど、お母さん実はもうひとり女の子が欲しかったのよねー。それがハルヒちゃんなら大歓迎よ」
 と言い出し、親父に至っては
「こんな花も恥じらうお年頃のべっぴんさんがうちの子になりたいとはな。こりゃあ華やかでいいな」
 とまで言い出した。
 当然それを聞いたハルヒは調子に乗り、暫くうちに居候することになってしまった。
 ハルヒの親御さん? 放任主義なんだそうだ。いや、意味間違ってるだろそれ。放任じゃなくて放し飼いとしか思えない。

 そんなわけで、ハルヒと俺の家族との奇妙な同居生活が始まったのである。

 

 眠くなってきたので続きは誰か書いてw

 わっふるあっふる
402名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:52:23 ID:4x6jkOM/
>>389
あれいいよねw
ハルヒちゃんは思っていたより面白かったな、みんなかわいいよ!
403名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 00:59:38 ID:14brNZAI
ハルヒちゃんは面白いが、ハルキョン成分が足りないな…
404名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:01:51 ID:HN6lgRj5
デレ度というか自覚度こんくらいのハルヒが大好きなんだが↓
http://be-sp.com/eroparo/sslibrary/h/haruhi/haruhi892.html

まとめでオススメありますか?
405名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:18:06 ID:SXTJVVRs
鶴屋「さん」とか古泉「くん」とか言うハルヒにドキドキしてしまう
406名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:25:23 ID:0+IYmwxc
ハルハル〜♪
407名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:25:36 ID:DN9ZQUoR
>378
GJ!面白かった。
MGS4でヒッチコックな話でしたねw
408名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:48:12 ID:Fqvz+lsw
>>401
ここに一つの疑問がある。疑問、いや課題と言うべきか。
「今日はもう遅いし、もう寝ましょ」
そう言ってハルヒは俺のベッドにもぞもぞと潜り込んだ。っておい何やってんだ!
「何よ、床に寝ろっての?」
──そう、ハルヒの部屋が無いのだ。当たり前だが俺の家に余分な部屋なんてあろうハズが無いわけで……。

ごめん俺も眠い
409名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:51:42 ID:Bi8IhnG0
>>408

「妹の部屋に行けよ」

「あ、そうね」

寝るわ。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 01:59:36 ID:/t8Sbop5
>>401の続きを勝手に。

 正気を疑いたくなる様な家族の反応に溜め息を吐きながら部屋に戻ると、そこには既にハルヒが陣取っていた。おいおい、俺のプライバシーはどちらにお出かけされたんですか?
「姉が弟の部屋に入るのにいちいち許可なんか取るわけないでしょ?」
 いや俺は妹の部屋に入るときはノックするぞ。妹はしたことないけどな。
「ふん。一応ノックはしたわよ。部屋の中で怪しげなコトとかされてたら困るしね。でも返事がなかったから勝手に入っただけよ」
 方法論としては正しいような気がしないでもないことを言っているが、結論としては不法侵入をされただけである。
 で、なんか用か? 俺はさっさと部屋着に着替えてダラダラしたいんだがな。
「あそ、好きにすれば? あたしはあたしで好きにさせてもらうし。さてと……」
 そう言うとハルヒは本棚を物色しはじめた。
 あんま勝手にいじるなよー……って、そうじゃないだろハルヒ。あんまりにも自然だったから流しちまったが、俺は着替えたいんだ。
「だから好きにすれば?」
 あのな。俺は着替えるっつったんだぞ? ブレザーを脱いで、ネクタイを外して、ズボンを脱いで、それらをハンガーにかけてからワイシャツを脱ぐ。
 それから靴下を脱いで部屋着に着替えて、靴下は風呂場の洗濯機に放り込む。これが俺の日常スタイルなんだ。いいか? よく考えてくれよ?
 その工程で俺は半裸になるわけだ。一般的に言えばパンツ一丁、略せばパンイチ、ブランド化するならP−1(ピーワン)だぜ?
 その間お前がここに居続けるってことは、その姿をお前の眼前に晒すってことなんだ。わかってんのか? 追加して説明するならば、俺には露出狂の気はないんだ。
 さ、わかったら部屋を出てくれ。その後でなら本を貸すことも吝かではないからな。
「だからー。好きにすればっつってるでしょ!」
 人の話を聞かないヤツだな。そんなに俺の半裸を見たいのか?
「ばーか。そんなもん見ても嬉しくもなんともないわよ。興味もないわ。あたしは今あんたの姉なの。おねーさんなのよ? 姉が弟の半裸姿見たってどうってことないでしょ?」
 どういう理屈だ。まーいいか。別に見られて減るもんじゃないしな。それにいつぞや島に合宿に行ったときには海パン一丁だったわけだし、そう変わるもんでもないか。
 やれやれと呟きながら、俺はカバンを放り出すとブレザーを脱ぎ、ネクタイを緩めた。ついでにベルトも外して、ズボンのホックに手を――。
 あのー……?
「……あ、へ?」
 へ? じゃねーよ。凝視されてると着替えにくいんだが。
「だ、誰が凝視してんのよ! バカキョン!」
 お前だお前。
「あ、あんたの着替えなんか興味ないっつってるでしょ!」
 いや、その、なんだな。ネクタイを緩めた辺りから、激しく視線を感じているんだが。
「きっ……気のせいよ! あんたって自意識過剰なのよ!」
 酷い言われ様だな。まぁ見てないっていうんなら、そうなんだろうさ。
 俺はハルヒの態度及び言動にちょっとした悪戯心を刺激されて、ネクタイを大きく緩めてだらしなくぶら下げると、ワイシャツのボタンをゆっくり外し始めた。
 一つ、二つ……やっぱ見てるじゃねーか。まぁ予想通りだけどな。
 気づかないフリをしながら続ける。三つ……思わずわざとらしい鼻歌まで出ちまうね。当たり前に恥ずかしい気持ちもあるが、ハルヒをからかってやりたい気持ちの方が今はでかい。
 赤面しそうな自分やら、笑い出しそうな自分を抑えて――イメージはいつぞやバラエティ番組で見た男性ストリップだ。そして四つ。ワイシャツの胸元は大きくはだけられる。我ながらなにやってんだかね。
 だが、作戦は成功のようだ。痛いくらいに視線を感じる。こんなもん見て何が楽しいんだかな。
――ごくり。
……喉を鳴らして唾飲み込むほどのもんなのかね。おっといかん、笑うな笑うな。
 俺は込み上げてくる笑いを噛み殺しつつワイシャツの裾の下に手を伸ばし、ズボンのホックを外そうとして……思い出したように手を止めるとベッドに座り込んだ。
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【参照】
ttp://upload.jpn.ph/img/u20571.jpg
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んで、わっふるわっふる。続きヨロシクw
411名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:02:16 ID:/t8Sbop5
しまった。書いてる間に既に……!orz
412名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:06:38 ID:Fqvz+lsw
俺のことは気にするなw GJだぜw
413名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:34:31 ID:4cJofmy7
>>408ルートで

「やれやれ。じゃあ俺は床で寝るからせめて枕だけは渡してくれ」
年頃の男女が一緒のベッドで寝るなんて…俺にはまだ無理だ。
「キョン!床だと体痛くなるからあんたもベッドに入りなさいよ。ほら」
そう言ってハルヒは毛布をひらひらして俺を手招いている。
うーん。正直たまりません。
「あたし達姉弟なんだし別に一緒に寝たっていいじゃない。妹ちゃんだってたまにあんたと寝てるって言ってたし」
本当の兄妹ならいい。それにあいつはまだ小学生だ。だがハルヒと一緒に寝るといろいろ困るんだよ。
朝の生理現象を見られるたりしたら死ぬほど恥ずかしい。それに気になって気になっておそらく寝れん。
「ぶつぶつ言ってないで早く来る!」
そういってハルヒは俺の腕を引っ張って強引に布団へ押し入れた。
隣にいるハルヒの香りが俺の嗅覚を刺激する。あーいかん。このままでは禁則事項になってしまう
あやうく俺が幻想の世界へと旅立とうとする寸前、
「ねえ、キョン。あたしね一人っ子だからずっと姉弟が欲しかったのね。あんたや妹ちゃんが楽しそうでいつも羨ましく思ってた。」
と急にまじめな口調で語りだした。
「妹ちゃんはあんたを頼ってくれてる。あたしも弟や妹に頼られてみたかった。だから、あたしはあんたのお姉ちゃんになろうと思ったのよ。」
そうか。やはり一人っ子って寂しいものなんだな。ただあんな騒がしい妹がいるとたまには一人っ子が羨ましくなるもんだぞ。
「あんた…妹ちゃんが悲しむようなこと言わないの」
「いや、だからごく希に思うだけだ。本当に妹がいなくなったりしたらそれこそ血眼になって必死で探すさ」
そう…ハルヒがいなくなってしまったあの12月の時のように
「あんたからそこまで思われてるなんて妹ちゃんは幸せね…あたしも本当にあんたのお姉ちゃんだったらよかったかも…」
なんか妙にしんみりとしてしまった。
「ただハルヒが本当に姉だったりしたらたまらん。それに…」
「それになによ!はっきり言いなさいよ!ふさぎ込んでると精神に毒よ!」
はあ…まったくこいつは。俺はハルヒの目をしっかりと見つめて、
「ハルヒ。お前が俺の姉ちゃんだったらお前と、け、けk」
「け?何よ!はっきり言いなさい!」
「結婚できないだろ!!!」
そう言うとハルヒの顔は夕日に染まったように真っ赤なった。言うまでもないが、俺もたぶん真っ赤だ。
うろたえるハルヒを抱き寄せると




わっふるわっふる
414名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:47:42 ID:eQuQW104
>>410>>413
どっちのルートもわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる!!!!
415名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 02:49:13 ID:+KnMDyWh
>>409
てなわけでハルヒが妹の部屋へと行ってようやく俺は一人きりになれた。
ベッドに腰掛けると今日の疲れがどっと押し寄せて上半身だけ大の字に倒したくなる。
やれやれ、あいつと姉弟ごっことはねぇ、ハルヒが飽きるまで
明日も明後日もずっとこの状態って訳か。考えるだけで冬でもないのに薄ら寒くなってくる。
妹がよくても俺は全くよろしくないのだ、そうでなくともあいつには我が家に干渉されまくってるというのに。
こんなお芝居、早めにハルヒに飽きが来る事を祈るしか出来ないのが無力な小市民たる俺の哀しき性、笑っておくれよ。
とまあひとしきり頭でぼやいた所で下半身も移動させて寝ようと試みたが、
ふと脳の隅っこで歯茎に挟まった食べカスの如く引っ掛かった事柄が浮かんで来た。
今日の数学の宿題、まだ指先すら触ってなかった。
しかも締切は岡部教諭いわく明日の朝一だと来た。こいつはまずいぜ、ハルヒに付き合わされてたお陰でどうやら今まですっかり忘れてら。
案の定開いたノートは一面見渡す限りの雪原さながら真っ白である、どうするよ、これ?

よかったら続きよろしく
416名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 04:59:11 ID:5MsipD75
>>334
もちろん二人は結婚してるんだよな?な?
417名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 06:01:06 ID:Uh3S8/n0
もうね・・・
五体満足なくせに医者だの薬だの・・・
一体どこまでクズなのかと・・・
近所のガキ殺したり取り返しの付かない事やる前に早く死んだ方がいいぞ。
418名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 06:17:29 ID:5BfL6tmX
>>410 勝手に続き

 ニヤニヤしそうになる表情筋を叱咤激励してあえて真顔を保ったまま、正面からハルヒの視線を捉える。
「う……あ……?」
 ハルヒは可能な限り血液を顔に集めましたと言うほど赤い顔をして、口を半ば開いたまま俺を見つめていた。誰が見てないって? とツッコミを入れたくなる気持ちを抑えて俺も黙って見つめ返す。
 絡まる視線。正直少し恥ずかしいが、目をそらしたら台無しになる。
「キョン……」
 放心したように俺のマヌケなあだ名を呟き、ハルヒはふらふらと俺の方に近づいてきた。おい、どうした、大丈夫か? なんて思っている間にハルヒとの距離はどんどん短くなって行く。
 目の前に来たハルヒは俺の頬にそっと手を触れる。顔が近い、と思っているのに何故か金縛りにでもあったように動くことも出来ない。
 そのままハルヒはゆっくりと俺に顔を近付けた。
 後10cm。吐息が顔にかかる。
 後5cm。ハルヒは目を閉じていた。俺も目を閉じて――――


「キョンくーん! ハルにゃーん! ご飯だってー! ……あれえ? 2人とも何してんの?」
「ななななんでもないわよ妹ちゃん!」
 ハルヒの運動神経が良くて助かった。ドアが開いた瞬間にバネ仕掛けのように俺から離れて距離を取ったからきっと妹は気がついていないに違いない。
「2人とも、お顔まっかっかー」
 不覚にも、ハルヒだけでなく俺も顔に血液を集中させてしまっていたのは誤魔化せなかったらしい。気にするな、なんでもない。
「とにかく俺は着替えたら降りるから、ハルヒは先に行ってろ」
「そ、そうね、そうするわ」
 今度は素直に、そそくさと妹を伴って部屋を去ってくれた。やれやれ、ようやく落ち着いて着替えられるってもんだ。
 しかし……さっきもし妹が乱入してこなかったら……?
「おい、お前は俺の『姉』なんだろ?」
 いなくなった自称「姉」に空しくツッコミを入れることで誤魔化しておこう。顔の火照りが治まるまでは階下に行くことはできないな、こりゃ。


 食事の後、ハルヒは「荷物を取りに行くわよ!」と俺を運転手に自転車で自宅に向かった。このまま帰れと言っても無駄なことは百も千も承知だが、やっぱり帰る気はないのか?
 なんて諦め半分なのが悪かった。

 いきなり他人が自分の家に転がり込んでくるということは、様々な課題をクリアしなければならない。お互いの生活環境が違えば、家の中での暗黙のルールみたいな物も違うだろう。
 もちろんそんな課題など物ともせずに突っ走るのが涼宮ハルヒの涼宮ハルヒたる由縁である。

 って、だからといってその解決法はねえだろ、おい!

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>>408につなげようとしてしまったが、ルート分岐している方が面白かったかもしれない上に上手く繋がってないようなorz
419名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 06:18:21 ID:ulJ65Xhk
リレーは完結させるの難しくないか?w

>>404
いいなこれw自分もこれ位が好きだ。
探せば結構あると思うんだけどな。
420名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 06:29:10 ID:5BfL6tmX
>>419
すまん、続けたの(つまり2番手)俺だ。
あんまりルート分岐すると難しいが、沈静化した時点で完結してなかったら責任持って1ルートは完結目指すことにする。
あまり荒唐無稽な展開になるとどうしようかと今からgkbr。
始めた人が完結させてくれると嬉しいんだがw

後、名前欄をすっかり忘れていたことに今更ながら気がついたorz

ってなわけでまだわっふるわっふる!
421名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 08:06:38 ID:SXTJVVRs
鶴屋さんに「最近キョンくんとうまくいってるのかい?」
といわれ、困ってしまうハルヒ
422名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 08:29:27 ID:3BSiBDDv
鶴「おいたならキョンくんにやっちゃえばいいっさ! 勘だけど、うん、きっと受け入れてくれると思うよ!」
423名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 10:12:06 ID:4Qaql/KF
>>422
もはや勘ではなく間違いなくの領域だと思うw
424名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 10:44:21 ID:Yw6zf2Za
( ゚∀゚)o彡゜ハル姉!ハル姉!
425名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:10:57 ID:4x6jkOM/
消失ハルヒが姉で普通のハルヒが妹って感じ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:34:32 ID:SXTJVVRs
ハルヒちゃんの裏表紙のハルヒが姉ぽくて好き
427名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:47:04 ID:/aIQ1H8o
ハルヒって弟が居そうなイメージがあるんだが、
そんでキョン妹と…。
428名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:49:21 ID:oVJYAILx
ハカセくんの家庭教師やってたりするからじゃね?
429名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 11:52:57 ID:5kAs8HPp
年下の兄弟がいたらあんな性格にはならんと思う。
430名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 12:08:18 ID:EqkNwwpo
>>426
カバーはずした裏表紙は途端に妹っぽいぞ。
431名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 12:17:50 ID:Vyh4KKZy
保管庫の91-スレ小ネタ集を読んでて壮大に吹いた。
何だよあの絶妙な広告は。
432名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 13:48:57 ID:/t8Sbop5
昼休み中に勝手に補完してみたw
>>365 >>368 >>401 >>410 >>418 >>408 >>409 >>415 の順で間を埋めてみる。
 思案すること数十秒。
 俺はベッドから起き上がると膝を叩いた。なーんだ、我が家には現在頼もしき姉君がいらっしゃるではないか。
 晩飯前は俺が変な悪戯心を出したせいで、危うくアレがナニな空気になりかけたが、晩飯と荷物取りに行く間にはそこそこ普通に戻ってたしな。
 追い出して早々で恐縮だが、ここは『ハルヒ姉さん』にご助力いただいて、ぱぱっと片付けちまおう。
 俺は我ながらナイスアイデアだと思いながら開いたノートとテキスト、筆記用具一式を携えて部屋を出ようとした。
――がちゃり。
「ぅあっ?!」
 おわっ?!
 素っ頓狂な声を上げてしまったのは俺自身、そして同じくして声を上げたのはビックリ顔のハルヒだった。
 えーと『お姉さん』。いつの間にかすっかりパジャマ姿ですが、俺の部屋の前でなにしてやがるんでしょうか? 足音どころか気配すらしませんでしたけど。
「え、と、その……い、妹ちゃんがもう寝てたのよ! 起こしちゃ悪いと思ったから!」
……で?
「あの、その、だから……もう洗面所でパジャマに着替えちゃったし! こっそりあんたの部屋で寝ようかなーって!」
……よっぽど動転しているのか、洗いざらい喋ってしまっているハルヒである。
 まーいいか。っつっても、俺の部屋で寝ることが、じゃないぞ。俺もお前に用事があったんだよ。丁度いいや、まぁ入ってくれ。
 まだパニック状態のままの顔をなんとか訝しがるような表情に変形させつつあるハルヒを部屋に招き入れる。
 さてと……。座卓に差し向かいに座り込む俺とハルヒ。
「……で? なに?」
 ハルヒ、いや『ハルヒ姉さん』。ちょっと頼みがあるんだ、聞いてくれ。
「な、なによ? 改まっちゃって。お小遣いならあげないわよ? 戸棚のクッキー食べたのあんたでしょ!」
 思わぬタイミングで『姉さん』と呼ばれたことで、余計にパニックになっているようだ。
 お前はどこの世田谷在住なうっかり主婦兼姉だ。ウチのシャミセンはちゃんと躾けてあるからお魚咥えて逃げたりしないぞ。裸足で駆け出すなよ? 財布も忘れるな。
 それはともかく、だ……スマン! 数学の宿題全然手ぇつけてないんだ! 手伝ってくれ!
 パチンと音がするくらいの勢いで手を合わせて拝んでみる。
「はぁ?!……え?……あ、あたしもやってない!」
 数瞬の忘我の後で事態を把握したのか慌て出すハルヒ。まぁ帰宅してからずっと一緒だったわけだしな。俺がやっていない以上、こいつもやってないわけだ。
「えーと、どこからどこだっけ? ちょっとキョン。教科書借りるわよ?」
 俺の手からテキストをひったくって出題範囲をチェックするハルヒ。
「あー、えーと……よし、大丈夫! これなら一時間もあれば終わるわ!」
 助かったー。心底安堵の溜め息を吐く俺。枕元のデジタル目覚ましの表示は23:30。普段なら既に寝ている時間だが、ほんの少し夜更かしする程度で済むな!
「は? なにいってんの?」
 なに、とは?
「あんたは自分でやるのよ? あたしは一時間もあればちゃっちゃと終わるけどね。写させる気なんて全然ないんだから」
 えええっ?! そりゃないよ『姉さん』!!
 思わず世田谷在住な丸刈り半ズボンの弟のように慌ててしまう俺である。
「だーめ! あんたはあんたでちゃんとやりなさい!……まぁ、どーしてもわかんないところがあったら教えてあげるけどね」
 そう言うと自分の荷物から宿題セットを取り出すべく部屋を出てしまったハルヒである。
 今更だがハルヒは頭はいい方だ。そのハルヒで一時間かかる宿題。さて、俺のこの平均をやや下回る頭脳ではどのくらいかかるんだろうね?
 俺は座卓に突っ伏すと、もう一度タタキにすると美味しい魚の名を持つ弟の口調でボヤいた。
 ひどいや『姉さん』……。
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ごめん、もう一個続いて >>413にパスする。
マジですまない、あまりにも長くなってしまったので中編を投下させていただきます
次こそは完結まで投下するのでご容赦下さい
前編http://wikiwiki.jp/haruhi/?%CB%CC%B5%FE%B8%DE%CE%D8%B3%AB%BA%C5%B5%AD%C7%B0%A3%D3%A3%D3%A1%D6%A3%C8%A3%C1%A3%D2%A3%D5%A3%C8%A3%C9%A1%AA%A1%D7%A1%A1%A1%CA92-266%A1%CB
そんな盛り上がりをよそに、俺は妹と母親と3人で母の実家帰っていたのだが・・・
金曜日、じいちゃんが倒れたとの電話を受け学校を早退し慌てて家に帰った。ハルヒは「あんたなんていなくても大丈夫だから」と快く送り出してくれた。
実際にその通りだろう、別に俺がいなくても準備は万端だし怖いのは負けたときの閉鎖空間だが、ハルヒだって成長しているもう些細な理由で発生させないだろう
万一発生してもそれは俺の担当ではない
まあ、ハルヒなら俺がいなくても全く気にしないだろう、などと考えつつ俺自身はじいちゃんの無事を確認した後、ずっとハルヒのことを考えていた。
幸い軽い疲労が溜まっていただけらしく、一週間の検査入院で済んだ、心配したばあちゃんやお袋に対しても
「こんなもん、若いときに乗ってた軍艦が沈められた時に比べりゃ何てことはねえよ」
などと強気の姿勢を崩さず皆を安堵させた。
土曜の午後、俺はじいちゃんと病室でふたりっきりになった。
「おい!学校はどうした、こんなとこで何で油売ってんだ!?」
「今日明日は学校休みだよ、明日は友達の柔道の試合があるんだけど、そんなこと言ってる場合じゃねえだろ」
病床のじいちゃんはいかにも迷惑そうに言った。
「全く、ばあちゃんもおまえのお袋も心配性なんだよ、わしは大丈夫じゃ、さっさと帰れ!」
「じいちゃん・・・」
それ以上言葉が出なかった。じいちゃんは皆に心配掛けたくないのだろう
「おまえの友達って、あのなんとか団の事か?ばあちゃんから話は聞いてるぞ無茶なことばっかりやってるらしいな」
「ああ、そうだよ女子柔道部の助っ人頼まれて俺は裏方なんだ」
「おまえ、団長さんに惚れてるらしいな、お袋から聞いたぞ」
次の瞬間、俺はじいちゃんを黙らせる方法を色々考え始めた、とうとうボケがきたか、あとでお袋にも釘を刺しておこう。
「明日、始発の電車で帰れ、ばあちゃん達には、わしから伝えておく」
じいちゃんは夕日が沈む景色を眺めていた
「何事も若いうちだぞ」
その一言を残し、じいちゃんは眠ってしまった。
 
そんなわけで、始発の電車に乗った俺は一路北高に向かったのだが、最悪のタイミングで信号機が故障し、北高までかなりの距離がある駅で降りざるを得なかった。
時刻は試合開始と同じ午後1時ちょうど、バスなんか乗ってたら絶対に間に合わない
駅から出てタクシー乗り場に向かうと、凄いスピードで黒塗りのタクシーがやって来て俺の前で急停車する
いきなり後部座席のドアが開いた。こんな偶然があるのだろうか?迷わず乗り込み運転手に行き先を告げようとしたら
聞き覚えのある渋い声で話しかけられた。
「聞かずともわかります。これより北高に急行しますのでシートベルトを締め、しっかり手すりに捕まっていて下さい。料金はいただきません」
「新川さん・・・これも「機関」の仕事ですか?」
「それもありますが私自身の希望です。実は涼宮さんが柔道の試合を行うと聞きまして
是非その試合が観たくなりました、おそらくあなた様が引き返してくるので何としても涼宮さんの試合に間に合わせろとの命令に狂喜しましたよ。」
古泉の奴・・・ありがとよ
新川さんは白い手袋を皮手袋に変えて、アクロバット走行で北高に向け車を走らせた。
妙にテンションが高くなった新川さんは「パッパラー、パラパッラ!」などと意味不明の歌を歌い続けている。
かなり危険な運転だ、「ハルヒ待ってろ」俺は呟いた後、悲鳴を上げながら後部座席で転がり続けた。
再び試合会場に戻る
 
畳の上では、豪学連の選手が鋭い眼光で対戦相手を待っている、まさか初戦で巨体を誇る藤堂が偶然とはいえ(普通そう思うだろ)
北高の、素人としか見えない小さな女の子に秒殺されたのだから油断ならぬと思ったのだろう
そして、北高チーム次鋒の入場曲が鳴り始めると、会場全ての男共が拳を突き上げその名前を叫んでいた。
「ミ、ミ、ミラクルみっくるんるん・・・」
ミクル!ミクル!の大コールが入場曲とのコラボにより凄まじい音響世界を構築する。
男たちの声は体育館を越え校門まで響いていたと後々まで語り継がれた。
周囲の盛り上がりをよそに入場した来た朝比奈さんは、涙目で震えている、それが男たちの琴線に触れたらしく更に興奮度は上がった。
これで朝比奈さんの最初の仕事は終わった。試合はいきなり出足払いで有効をとられそのまま押さえ込まれて、朝比奈さんは負けてしまったが
押さえ込まれてじたばたもがいている彼女の姿を眼に焼き付けんとした男たちがリングサイドならぬ畳サイドに押し寄せ、
警備員を務めていた男子柔道部員たちと押し合いになった。
泣きながら退場してゆく朝比奈さんには万雷の拍手が送られ、非難するものは誰一人いなかった。
会場のみんなも、勝敗より朝比奈さんが勇気をだしてこの試合に出場した事のほうが素晴しい事だとわかっていたのだ。
これで対戦成績は1勝1敗の五分になり中堅戦につづく、その前に15分の休憩があり、二階の谷口と国木田が陣取る応援席に異変が起きた。
「おい、国木田やっぱだめかな?」
「厳しいね、さすが豪学連だ、先鋒戦は勝っちゃったけどもう油断はしないよ」
「せっかく、応援団つくったのにな・・・」
そのとき意外な人物が即席応援団の前に現れた。生徒会長と喜緑さん、なぜこんなところに?
「情けない応援団だ、下らんショーのような試合とはいえ、女性たちが必死で戦っているのだぞ」
「あんたになにができるんだよ!」
谷口がくってかかる。一触即発の状況だ。しかし会長は谷口を相手にせず、眼鏡をはずし喜緑さんに渡すと、彼女から長い学ランを受け取った。
「いいかおまえら!北高男児の意地をみせるぞ、これより北高名物「大鐘音のエール」を切る」
 
大鐘音 
 
その由来は戦国時代、武田信玄が上杉謙信との合戦に於いてどうしても援軍に行けず
苦戦に陥っている遠方の味方の兵を励ますために自陣の上に一千騎の兵を並べ
一斉に大声を出させ、檄を送った古事に由来する、その距離はおよそ二十五里、
キロに直すと100キロ離れていたというから、驚嘆の他はない
余談ではあるが、昭和十五年の全日本大学野球選手権に於いてW大応援団エールは
神宮球場から池袋まで聞こえたと記録がある。
 
民明書房刊「戦国武将考察」より
 
「喜緑君、アレの用意を」
喜緑さんが手をあげると生徒会役員数人がなにやらでかい荷物を運び込み、組み立て始める
街宣車に着いていそうなでかい旗だった。ただし日の丸でも旭日旗でもなく北高の校旗だ、ぶっといポールが着いており、とてもひとりで揚げられる品物ではない
「通称、揚がらずの校旗「喝魂旗」だ、これをひとりで揚げる奴がいて初めて大鐘音のエールが切れる、漢を魅せてくれる奴はこの中にいるか!?」
一同静まり返っていたが意外な奴が志願した。頭に鉢巻を巻き気合を入れ名乗り出る
「会長、俺がその旗を揚げます!」
谷口だった。
体中にポールとつながるベルトを着け、必死に力を入れるが全く動かない
「会長、いくらなんでもひとりじゃ無理ですよ」
国木田が会長に問いかける。
「その旗を揚げるのは腕力じゃねえ、男気だ!谷口とか言ったな?一世一代の男気をみせろ!」
その声に答え、谷口はオールバックの髪を振り乱し、何事か叫んだ、するとゆっくりではあるが旗が揚がり始めた。
そのときアナウンスが流れる
「これより中堅戦を始めます。豪学連の選手入場です」
入場してきたのは、日本人ではない、金髪を角刈りにして凍てつくような冷たい眼をした筋肉質の女だった。
「豪学連中堅、マリア・テレシコワ!」
テレシコワは全身から恐怖のオーラをまとい対戦相手の入場を待つ、誰が戦っても勝ち目は無いのは一目両全だ。
テレシコワを見た会長が叫んだ。
「よし、手始めにあいつと戦う選手が入場するとき北高運動部応援歌を歌うぞ!全員腹の底から声を出せ!」
北高控え室のドアが開くと大音量の歌が体育館に鳴り響いた。
 
北高生の生き様は
色無し 恋無し 情けあり
己の道をひたすらに
歩みて明日を魁る
嗚呼、北高の心意気
己の道を魁よ
 
北高中堅はなんとフクちゃん、真ん中あたりならプレッシャーもかからず戦いやすいと思って決めたのだろうが、それが完全に裏目に出た。
フクちゃんはガチガチになってしまい、右手と右足を同時に前に出したりする漫画でしか見たことの無い歩き方で畳に向かった。
セコンドにはハルヒが着いている、しかしいつもの表情とは違い元気がなく、あちこちを見回している
「古泉さん、中堅の花園ですがガチガチですよ、それにセコンドの涼宮も落ち着きがありません、やはり花園が心配なのでしょうか?」
「相手がいかにも強そうですから仕方ありません、何とか花園さんには普段の力を取り戻して貰いたいですね」
「しかしセコンドがあの様子では厳しいですよ?」
「涼宮さんが不安げな表情を隠しきれないのはテレシコワを怖れているわけではありません。別の問題です」
「別の問題とは何ですか?」
「僕の口から言ってしまったら、副団長を剥奪されてしまうかもしれないのでこれ以上は言えません」
 
試合開始を目前に控えハルヒがフクちゃんに話しかけている。
「相手が強くたってフクちゃんなら勝てる、いい?相手がフクちゃんのアン、ドゥ、トロワのリズムを掴む前にやっつけるのよ!」
「リズムを掴む前・・・」
ハルヒはフクちゃんの手を両手で握り彼女を勇気付けた。
「先手必勝よ、そうすれば勝てるわ」
しかしフクちゃんは不安げな表情でハルヒを見つめていた。
「涼宮さん、あなた・・・今、自分も辛いのに私の事なんか・・・」
(知ってるんですよ、キョン先輩がこの試合に来れないって聞いてからずっと元気が無くて、昨日の夜もなかなか寝付けなかったことを、
それなのに私を勇気付けてくれる、本当にありがとう緊張してる場合じゃないわ、私も涼宮さんを励ましてあげなきゃ)
「大丈夫、涼宮さんキョン先輩は絶対にあなたのこと見守ってますよ」
ハルヒはわずかにうなずき、精一杯の作り笑顔でフクちゃんを試合に送り出した。
後編につづく 
 
次回予告
こんにちは、解説の古泉一樹です。
花園さんは強敵テレシコワに柔道人生をかけて戦いに挑みます。
そしていよいよベールを脱ぐ北高の謎の助っ人
この展開から眼が離せません。
大将戦では涼宮さんが強敵と戦いますが、「彼」のいないプレッシャーに追い詰められて行きます。
果たして「彼」は涼宮さんの試合に間に合うのでしょうか?
次回 「HARUHI!後編」
見ていただかなければ、僕の縦四方固めをお見舞いしますよ
マッガーレ!
437名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:25:14 ID:/t8Sbop5
>>432の続き
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 かっきり一時間後――。
 ハルヒは手早く座卓の上に広げていた自分のテキストとノートを片付けると、洗面所に手を洗いにいってしまった。つまり一足お先にゴールってこった。
 俺はといえば……ま、半分くらいってとこかね。どうにもこうにも数学ってやつは相変わらず好きになれんね。といっても他の科目も好きなわけじゃないんだがさ。
「さーてと。そんじゃあたしは、お先に寝るわよー」
 実に非情な事を言う『姉さん』である。って! 待て待て! それは俺のベッドだっつってんだろ! お前に先にそこに寝られたら俺はどこで寝りゃいいんだよ!
「しーらなーい」
 語尾に四分音符がつきそうな語調で言うハルヒである。俺の布団にそそくさと潜り込んでごろごろしている。枕は頭の下に敷くもんであって抱え込むもんじゃないぞ?
「いーからちゃっちゃと片付けちゃいなさいよー電気ついてたら眠りにくいでしょー」
 へいへい……。
 再び数字と取っ組み合いを始める。
「んー……ぷふー……キョンの匂いだぁ」
 ぶふっ! なに言ってやがるんですかいな!
「うっさーい! こっち見てないでさっさとやりなさいって言ってんでしょ! 明日のおやつ抜きにするわよー」
 ううっ。横暴だ。別にこの歳になっておやつが欲しいというわけじゃないんだが、背後でもふもふ言ってるハルヒが気になって仕方がない。数式のxとyが染色体に見えちまうじゃないか。……ナニ言ってんだ俺は?

 結局その一時間後、ようやく俺も出題範囲を全て終えることが出来た。まぁ四分の一はハルヒの手助けあってのことだったんだけどな。なんだかんだ言って優しいヤツではある。いや、早く寝たかっただけか?
 それにしてもうつぶせのまま上半身だけベッドから出して、人の肩にアゴをのっけてくるのはどうかと思うぞ。弟に対してそんな風にベタベタする姉なんて、谷口の蔵書でしか見たことがないぜ?
「とにもかくにも終わったぜ……やれやれ」
 ノートと教科書なんかを通学バックにしまい込んで、俺は肩と腰を拳で叩いてから大きく伸びをした。時計は既に午前2時に近づいていた。
 やれやれ、週末でもないってのにとんだ宵っ張りだな。
 俺は起床時間までの残り時間を計算して、明日の授業の五割以上が安眠タイムにすることを自分会議で議決した。
「んー終わったんなら早く寝なさいよー。電気消してー」
 布団に戻り直したハルヒがステレオタイプ過ぎるほどのムニャムニャ声で言う。
 まぁその、なんだ。早く寝たいのは山々なんだがな。何度も言うが、ここは俺の部屋で、それは俺のベッドなんだぞ?
「うっさいわねーあんた姉をこの温まったベッドから追い出すつもりー?」
 ハルヒは既に50%はオチている状態らしい。
 さてどうしたもんかね……。まぁ仕方ないな。コート引っ張り出してそれを掛け布団にすりゃ、床で寝ても風邪引くこともねーだろ。
 年頃の男女が同じ部屋に寝るってのは微妙だが、今更両親や妹を起こすのも偲びないしな……。
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>>418 に続く、ってことでどうでがしょ?w 拙くてすんません。仕事に戻りまーすw
438名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:26:21 ID:/t8Sbop5
間違えたorz 続くのは>>413です。orz orz orz=3
すまん、間に挟んじまった
440名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:41:24 ID:/t8Sbop5
>>439
お気になさらずだ!お気になさらずパーティーだ!
今中編読み終わったとこです(仕事しろ)。
年代的に差し込まれてる小ネタにニヤニヤなんだぜw
新川さんテンション高すぎw ラリパラッパー! 秀磨……谷口の男気にも期待大だ。
試合では当たらなかったけどテレシコワと長門は仲良くなれそうだよなw
441名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 14:54:18 ID:BsjH0Euk
>>440
これは上手く繋いだGJ!
自分も繋ごうかと思ってたけど詰まってたのでwww
さて>>413の続きを書いてる人いるのか? 書いていいものか。
わっふるわっふる!

>>433
いやこれオモロイわw テンポ良くて読みやすいし、引き続き後編お待ちしております!
442名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:25:05 ID:yUWtqg3p
涼宮ハルヒのエロ画像
http://eroanime1919.blog50.fc2.com/
443名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 15:51:25 ID:e/kPo+bY
セクロスしたいキャラ
444リレーSS:2008/06/24(火) 16:03:07 ID:BsjH0Euk
>>365 >>368 >>401 >>410 >>418 >>408 >>409 >>415 >>432 >>437 >>413 勝手に続き

 うろたえるハルヒを抱き寄せると、その滑らかな髪に顔を埋めた。シャンプーの匂いが俺と同じなのが妙にくすぐったい。
「……本気で言ってるの?」
 俺の胸に顔を埋めているせいもあるだろうが、夜中の静寂でなければ聞き漏らしそうな声でハルヒが呟いた。確かにこんなこといきなり言われても戸惑うだけだろう。
しかし正直言って、ハルヒが俺の姉になるなんて言い出したときから少し面白くない気持ちを持っていたことは事実なんだ。
どうせ一時の暇つぶし、そのうち飽きるだろうとは思っていても、ハルヒと姉弟になりたいか? と聞かれりゃ答えはNOだ。理由はたった今言ったとおり。
「本気だし、ついでに言うなら正気だ」
「……」
 ハルヒは何も言わない代わりに抵抗もせず、俺の腕の中で大人しく三点リーダを発するだけであった。俺の言葉をどう思ったのか、少し不安になる。
この状況による理性の崩壊と勢いだけで告白どころか一気に「結婚」まで言い出してしまったわけで、返事をしろと言われても困るだけかもしれない。
 うわ、もしかして俺やっちまった? 明日からハルヒは普通に接してくれないかもしれない。
「なあハルヒ」
「……」
 不安にかられて声をかけても返事はない。ああ畜生、だから一緒の布団なんて無理だと言ったんだ。これで明日から避けられたりしたら俺は今日の俺を一生恨んでやる。
 さすがに本気でマズイかと思い、腕を放して顔を覗き込んでみた。
「……すぅ」
 おーい、ハルヒさん? いや、ハルヒ姉さんと言うべきか?
 お前は俺の一世一代の大告白を前にしてあっさり寝ちまったってわけですね。なんだよ言った直後はあんなにうろたえていたくせに睡魔には勝てないってわけですかそうですか。
 身体の力が抜けるとともに、俺にも強烈な睡魔が襲ってきた。もうこうなったら俺も寝るしか選択肢は残されていない。とっとと寝ることにしよう。
後のことは明日(いや、厳密には今日だが)考えるさ、tomorrow is another dayってことだ。英語は宿題なかったよな…………。

 ヤケに抱き心地のいい抱き枕のおかげで、朝妹が起こしに来るまでそのまま寝てしまったのは一生の不覚と言ってもいいだろう。


---
基本的にキョンデレはあまり書かないので難しかったっす。
引き続きわっふる!わっふる! しながら仕事する。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:35:41 ID:GkgFekbO
あなたたち皆、もうなんて言うか、スゲェよ!! どのパートもGJすぎる!!!!
当然わっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふるわっふる!!!!!
446名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 16:50:48 ID:Fqvz+lsw
>>439
おお、どうなるんだこれはw GJ!

このわっふるどもめ! もっとやれw
447名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:24:18 ID:0+IYmwxc
はるにゃんかわいいよぉ
448名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:29:24 ID:Yw6zf2Za
ハルにゃんが可愛すぎてもう死にたい
449名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 18:30:52 ID:9x7PZkF2
わっふるだ!わっふる祭りだ!!
わっふるわっふるわっふるわっふる
450365 責任持って落とします:2008/06/24(火) 19:03:15 ID:P3+3Ac0o
「キョンくん、お姉ちゃん、朝だよー」
 ごっこ遊びの設定はなかなか忘れないあたりは小学生の特性で、律義にハルヒをお姉ちゃんと呼ぶ妹だったが、実の兄を差し置いて他人をお姉ちゃんと呼ぶのもどうなのだろう。知らない人が聞いたら俺のほうが他人かと思えるセリフだ。
 とりあえず一階に降りて朝食をとることにする。
 ごく自然に何の気兼ねも無く人んちの味噌汁を啜ってるハルヒを見ると、なんだか本当に元から家族だったような気がしてこなくもないが、いやいや、こいつはきっと何処の家に行ったところでこんな態度に違いない。
 それにしてもこいつ、平然としてるが昨夜のことは覚えてるのか? 忘れてくれてるなら有り難い。……ちょっと残念な気もするけどな。
「キョンくんとお姉ちゃん、すっごく仲良いんだよ? 起こしに行ったら一緒にベッドで寝てたの!」
 ぶふっ!
 俺とハルヒは同時に味噌汁を吹き出した。
 しなくても良い報告をなんでするんだ。小学生ゆえの無邪気さなのか、はたまたそれを装ったわざとなのか……。
「押し入れにお客さん用ふとんあったから出せば良かったのに。ねー」
 くそっ、妹の笑顔が黒い。黒すぎる。健やかに育ってると思ってたのにいつの間にこんなに悪い子になった。
 耐え兼ねたハルヒが反論した。
「ねっ、寝てただけなんだからね! 本当よ! 決して変なことはしてないんだから!」
「……? 変なことってなーにー?」
「うぐっ……」
 藪蛇も良いところだ。ハルヒは顔を真っ赤にして押し黙ってしまった。
 オフクロも、いい年こいた中年おばさんが頬を染めてあらあらうふふってな表情をするんじゃない。あなたの大切な息子は、きちんと貞操を守っております。……なんだろう、それもそれで悲しいような気がする。
 朝食を終えて学校へ向かう。道中、ハルヒは浮かない顔をしていた。
「はぁ、なんだか結局いつものあたしと全然変わんなかったな。全然『お姉ちゃん』できなかった」
 そこなのか、気にするところは。
「あんたももうちょっとしっかり弟しなさいよね? やりにくいったらありゃしないのよ!」
 お前の求める弟像なんか知らん。
「はぁー、頑張ってちゃんとしたお姉ちゃんにならないとな」
「おいおい、いつまでこの下らんごっこ遊びを続ける気だ」
「何言ってんの? あたしは本当のお姉ちゃんになるのよ」
 勘弁してくれよ、うちの養女にでもなる気か?
「……妹ちゃんの、お義姉ちゃんに……よ」
 は?
「ん何よ、変な顔して……あんたがゆうべ言ったんじゃな……はっ、あんたまさか覚えてないの……? い、今のナシ! 忘れて!」
 ハルヒは逃げるように走り出した。
「おい待てよ!」
 後ろから追い付き肩を掴んで振り向かせる。そしてそのまま反射的に、腕の中へ抱き寄せた。
「……今のが、昨夜の返事なんだな……本気にして良いんだな?」
「……そうよ……冗談でこんなこと言うわけないじゃない……」
「そうか……」
 俺は一旦ハルヒを放し、左手を掴んで、指輪をはめる動作だけした。
「何コレ?」
「今は持ち合わせが無いからな。予約だ、予約。いつかこの指に、指輪をはめてやる」
 ハルヒは口に拳を当ててクスリと笑った。
「キザなふうに決めたつもり? 全然ダサいわよ、それ」
「そうかなあ」
「まあ、いいわ。そんなちょっとズレたところもあんたらしい」
 俺はもう一度ハルヒを抱き寄せた。
「ハルヒ、好きだ」
「プロポーズの後に『好きだ』か……順番が逆ね」
「普通じゃない方が好きだろ?」
「違いないわ。あたしも好きよ……」
 その言葉に続けて、ハルヒは初めて、俺を『キョン』じゃない方の名前で呼んだ。
451名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:08:00 ID:c/L1qivA
おおお!わっふるが無事焼き上がった!皆乙&GJ
452名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:13:04 ID:P3+3Ac0o
なんかずっとリレーが続いてたのに、おいしいとこだけさらったような気がして
……これで、良かったのか?

大丈夫、いつかきっと分かり合える日がくる……

そして遠い未来へ、わっふるは受け継がれるから……
453名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:13:58 ID:GkgFekbO
>>450
超GJ!!!!!
きれいに纏めたなぁ
みんな凄いや
454名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:18:31 ID:4cJofmy7
おおお!みんな乙!リレー形式で完結するとなんだかうれしい
455名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:20:55 ID:5BfL6tmX
みんな乙! ルート分岐も上手くまとまって大団円だったな。
>>450
言い出しっぺがまとめてくれると安心するんだぜ。
やっぱり「俺が終わらせていいのか?」と思うからw
そして最初と最後非常に綺麗にまとまってGJでした。
楽しかったぜ!
456名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:23:46 ID:VvfedCQv
>>444の続きのつもり

ヒヨコのけたたましい鳴き声と目覚まし代わりの妹のボディプレスが俺と横の自称姉貴ことハルヒを強襲し、
意識を覚醒せざるを得なく無くなった翌朝。
にも拘らずハルヒは寝息を立てて意識は未だあっちの世界に留まっていた。素晴らしい神経である種羨ましくなる。
そんなハルヒを目覚めさせるのもサファリーパークで熟睡中のライオンかはたまた虎を起こすような危険な香りがするので
俺はハルヒの手とベッドから離れて妹の「ハルにゃん起こさなくてい〜の〜?」の声を遮っていざ洗面所へと足を運んだ。
まだ瞼が重い、お世辞にもいい起し方じゃないからな、うちは。眠い目を擦ってトレーナーの上を脱いで、
水道を捻り、水を溜めて両手で掬い、顔を洗った後は棚からシェービングクリームを取り出して
顎や揉み上げに塗って剃刀を手に不精髭の手入れと寝起きの準備は進む。
そんな時に後ろから妹の声が剃刀を肌に滑らしながらも聞こえてくる。
「ね〜、ホントにハルにゃん起こさなくてい〜の〜?」
「んなのすぐ自分で起きるだろ。それよりお前も飯食って学校行ったらどうなんだ、今日は早いんだろ?」
「別に早くないよ〜、今日はハルにゃんとキョン君と出たいからさ、楽しみなんだっ♪」
はは、楽しみか。我が妹ながら甘いな。そんなに起こしたきゃ盛大な起こし方を教えてやろうか?
「例えばぁ?」
水をぶっかけたりとか。
「わかった、キョン君のチューで起こすんだね!」
絶対聞いちゃいないだろ、とそんな他愛ないトークをしながらいよいよ剃刀を頬に滑らせた時、
「ちょっと、キョン!」と妹とは明らかに違うボイスがリアルに鼓膜に響いた。

ピッ!

と、手元がいきなり滑って左頬に小さな赤いラインが通った。
457名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:26:10 ID:9x7PZkF2
>>450
おおみなさんGJ!!!
俺が最初にわっふるコールしたからか?
そうでなくても凄いや。もう一度皆さんに乙!!!
458名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 19:26:47 ID:0ek8u06V
>>450
(・ω・`)GJ これはポニーテールが勘違いでなんとかかんとか
459名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:10:52 ID:/t8Sbop5
>>444 >>450 GJ!&乙! 前走者の皆さんもGJ!&乙!
なんという甘々なプロポーズエンドwww
途中>>410で混ぜっ返した分を取り戻せてよかったよぉ。
460名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:24:13 ID:Ljo8tCWR
このスレキモ杉w
461名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:34:31 ID:by+nJv8O
>>450
うおーマジGJなんだぜ!!
462名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:38:51 ID:b/YCcY2a
>452
斑鳩乙&GJ
463名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:48:50 ID:0QOnSXdN
このスレってすごいんだぜ!
画面がピンク色に見えてきやがる!!!






…ディスプレイの寿命でしたOTL
464名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 20:52:46 ID:dqsToypy
>>463
お前か!俺のパソコン勝手に使ってたのは!
465名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:46:51 ID:uDTbfaFt
走者のみなさん乙&GJ!
リレーがキレイに落ちるとは…感動だぜ。
>>456もついでに誰か落としてやってくれw
466名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 21:49:40 ID:cPZQXxFv
SSのバーゲンセールだぜ…
467名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 22:14:44 ID:/t8Sbop5
流れ全く無視なんだが「HARUHI!」のせいで
YAWARA!全巻読み始めちゃった俺は他にいない?w
468名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:06:48 ID:ulJ65Xhk
リレーSSを完結させるとは…
お前ら流石だぜwGJ!
469名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:13:09 ID:KMu498FW
>>467
読み直してはいないけど、つい最近までアニメみて泣いてた。
470名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:20:23 ID:4cJofmy7
>>456

「キョン!?だ、大丈夫?」
ハルヒのやつが珍しくも慌てている。
「なに。少し切っちまっただけだ。気にすんな。男だったら何回経験することだ」
「で、でも…」
ハルヒはやはり気にしているようだったが、急にはっとしたかと思うといつもの100Wの笑顔を浮かべた。
何か妙なことを思いついたらしい。
「なんだ?急にどうし…!?」
言い終わる前に頬に柔らかな感触が訪れた。なんだ?今のは…ハルヒが頬にキスしただと…
「ハ、ハルヒ。起きたばかりで、ね、寝ぼけてるのか?」
「あんたじゃないんだしそんな訳ないじゃない!あたしをキスで起こそうとしてたみたいだからこっちからしてやったのよ」
畜生。妹との会話、やっぱり聞いていたのか。今日は厄日なのか?全く。
「それに傷口に唾つけるといいって言うじゃない。だからあんたのためを思っての行動よ!ありがたく思いなさい」
とかハルヒは強気な発言をしているがそんな真っ赤な顔して言われても説得力ゼロだ。やれやれ。
ガタガタ
「お母さ〜ん!キョン君とハルにゃんがおはようのキスしてたよ〜」
ぬかった!妹に見られてしまうとは…今日は本当に厄日だ。忌々しい。ああ忌々しい忌々しい。

「キョン!お腹すいたし朝ご飯食べましょ!」
「そうだな。遅刻したらまずいしな」
俺はさっき起こった出来事を早く忘れてしまおうと急いで朝食を食べに向かった。


>>450の4行目へ


なんとか繋がって落ちたかな?う〜ん相変わらず上手く書けないorz
471名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:37:20 ID:F7l1gwZt
皆が力を合わせるって感じですばらしいぜw 
472名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:37:44 ID:FrdaknzQ
473名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/24(火) 23:45:08 ID:LZ5Xwlf7
「HARUHI!」は中盤以降ハルヒの声を平野綾から皆口裕子に脳内変換
するとカオスになります
474名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:28:02 ID:BFtkCBRD
脱力する
475名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:38:31 ID:uPMfe2B8
「HARUHI!」
面白いぜw魁男塾までネタにしやがってw

もっとやれw
476名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 01:40:09 ID:wu3N1LEe
ピクサーでハルヒの映画作って欲しい
477名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 05:51:02 ID:8cVOBl4s
うどんか蕎麦かで争うハルキョン。
478名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 08:44:42 ID:aWkBRfZE
味噌派ハルにゃんVS醤油派キョン
479SS 小ネタ Hand in HAND 1/2:2008/06/25(水) 10:20:10 ID:vtSPITMX
流れを読まずに小ネタ投下。
----------
 涼宮ハルヒというイキモノは、よく手を繋ぎたがる――。
 それが意識的なものなのか無意識的なものなのかはわからんが、出会ってから一年と数ヶ月以上を経た今この時に、俺はハルヒの手の繋ぎ方に一考察を加えてみたい。

case.01『手首を掴む』
 これは手を繋ぐという行為の分類からは少し外れているかも知れない。利き手である右手で俺や他の団員達、もしくは団員予備軍達の左手首を掴むわけだ。
 いくらハルヒとはいえども女子は女子、さほど握力があるわけでもないのに、この繋ぎ方をされると有無を言わさず引っ張り回されるのは、もはや定説といっても過言ではないだろう。
 あ、引っ張り回されるってのは物理的にも情緒的にも、な。手の甲側と掌側があるが、まぁ同じようなもんだ。

case.02『指を組み合わせる(上)』
 少々わかりにくい説明で恐縮だが、これはいわゆるフィンガーロック状態と考えて欲しい。指は天頂方向に向け、お互いの右手と左手の指を組み合わせてしっかり握り合う状態だ。
 ただし、別に力比べをしようってわけじゃない。まぁそんな場面になったことも何度かあったが、最初にコレをやったのは、一年生の時の夏だ。
 突然の台風で……えーと……クローズド……サークルだっけ? そんな状態になったときの事だな。
 足場の悪いところを嵐の中歩き回ったもんだから、これはお互いの身を保全するための、いわば命綱のようなものだった。

case.03『掌をあわせる』
 手を繋ぐ、という言葉からその行為を想定するときに一般的に思い浮かべられるのがこの状態だろう。いわゆる「おててつないで」ってやつだ。
 最初の頃はcase.01の発展系でしかなく、引っ張り回す為の手段だったのだが、次第に平行移動するようになったことは大いなる成長と思いたい。
 俺の右手がハルヒの左手を握ったのは、思えばあの閉鎖空間での出来事が最初だったと思う。ちなみに最近では俺の左手とハルヒの右手が繋がれることが多いんだが……まぁこれは余談だな。
 なにかあったときに利き手が空いてないと困るだろ?

case.04『指を組み合わせる(下)』
 これもある意味「手を繋ぐ」から想定される一般的行為の一つかもしれない。まぁ発展系だがね。case.02とは異なり、指を地面方向に向けて双方の指を組み合わせて繋ぐ。
 まぁ強く握ることはないが、その分触覚が否応にも刺激されるのは言うまでもなく……非常に気恥ずかしい。
 未だに慣れないが、この繋ぎ方をするとハルヒの機嫌が少なく見積もっても五割り増しになるから、時々活用している。……俺も恥ずかしくはあるが嫌なわけじゃあない。
 みなまで言わせるな。顔が赤くなる。
480SS 小ネタ Hand in HAND 2/2:2008/06/25(水) 10:20:47 ID:vtSPITMX
case.05『指を絡ませる』
 厳密に言えば「手を繋ぐ」ではないのかもしれないが、まぁ手という部位は指と掌で構成されているのだから構わないだろう。繋ぐのは主に小指と小指だ。
 といっても指切りげんまんってヤツじゃあない。指は地面方向に向けた状態で右手と左手の小指同士を、その、なんだ、絡ませるわけだ。
 これは結構非常事態に用いられるスタイルで……ケンカしたときなんかに仲直りをしたいと思った方から、この繋ぎ方をする、らしい。
 俺からは2回くらいしかした事がないのでわからん。だが、大体case.04に以降するんだがね。

case.06『指を組み合わせる(横)』
 これを説明するのは……まぁいいか。情緒的にではなく物理的に状態を説明するだけだからな。あんまり具体的に想像するのはオススメしないぜ。
 手を横方向に向けて、左手は右手と、右手は左手と、お互いにゆるく指を絡めさせるってだけだ。もしくは右掌と右手の甲、左掌と左手の甲を重ね合わせる場合もあるな。
……え?向かい合ってそんなことしたら腕がこんがらがるんじゃないかって?……まぁ確かにそうだな。ヒントは互いの手の甲に互いの掌が、無理なく重ねられる状態ってことだ。
 これ以上の説明はしねーぞ。これで理解できなきゃ、ぬいぐるみでも膝の間に置いて試してみてくれ。

case.07『指を組み合わせる(重)』
 重い、じゃないぞ。重ねる、の方だ。
 いや、ひょっとしたら重いかも知れない。ハルヒは大丈夫なんだろうか?
 いや、何分初めてのケースだから勝手がわからん。なるべく体重を預けないようにはしたいところだが。体勢的に結構無理が……。
 ちなみに今、俺の右手はハルヒの左手と、左手は右手と互いに指を絡ませ合っている。
 指は天地横のどちらも向いておらず、強いていえば横。

 そしてハルヒの手は俺の手の下敷きになっていて……。

――その下には真っ白いシーツ。

 緊張と興奮と動揺とでパニックになった俺は、僅か数瞬のウチでこんな風にわけのわからん回想をしてしまったわけだが、それもここで終わりだ。
 もう、何も考えられないし、これからは回想するんじゃない、全てをしっかりと記憶に焼き付ける時間だからな。
「キョン……大好き」
 絡み合った指に力が入る。俺の手にハルヒの爪が食い込むほどに――。
----------
以上っす。変な電波受信したんで、ちゃかちゃかっと書いてみました。
相変わらず駄文で申し訳ない。
481名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 11:29:28 ID:5lE6DkLF
おおおお、これは変則的だがアリだな、これw
GJ! 
まったく持て余しちゃうねっ! 
482すまん:2008/06/25(水) 12:00:52 ID:vEES5iPd
case.ex『自分の指を絡ませる(痛)』
長門!朝比奈さん!古泉!
どうしたんだそんな怖い顔で。両手の指を組んで骨をバキバキ言わしてるのはなんなんだ。
これ北斗の拳のバンクシーンじゃないよな?暴力の匂いがして、むちゃくちゃ怖いんだが。
別に見せつけてた訳じゃないし、ここが部室だってことは良くわかってる。
ちょっと手のつなぎ方を研究してただけなんだよ!
ハルヒの手は暖かいし柔らかいしすべすべしてて、触り方と握り方で絶妙に感触が違ってくるんだ。ハルヒだって俺の手を離そうとしないし、二人でしっかり研究する必要があると思うんだ。お前らも納得してくれるだろ?
いやだから暴力反対、指をバキバキ鳴らさないで……
……俺の悲鳴が「あべし」だったか「たわば」だったかなんてまったく覚えちゃいないね。

>480
GJ!↑読んだ者の率直な気持ちとして書きましたw
リレーじゃないんでまとめに組み込みはナシで。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 12:01:54 ID:RXcdhES7
>>480GJ!
午後からの活力nになった!
484名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:34:55 ID:1sLXpuf6
>>482
怖い顔
 表情…長門:無表情、みくる・古泉:普段より五割り増しの笑顔
 雰囲気…怒りのオーラを纏って&こめかみに青筋を浮かべて

こんなイメージw
485名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:51:12 ID:TIv7Bnp5
登校中カラスにカチューシャを盗られたハルヒ
486名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 15:58:02 ID:8cVOBl4s
>>478
醤油かソースだろ!と思ったけど、ラーメンの事か。

>>480
これは斬新なエロキョンですねえwGJ!
487名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 16:38:09 ID:5lE6DkLF
>>485
しょうがないので赤いカチューシャを着けることに……
>>485

「アホー、アホー」
「きーっ! ばかーっ! 覚えてなさいよねーっ!」
 カチューシャを奪い取られてなみだ目なあたしを嘲笑うかのように、カラスは雄雄しく翼を羽ばたかせ空に消えていった。
 ふぁっきゅーと中指をたてて黒いあんちくしょうが見えなくなるまで睨みつけ、……あたしははふんと息をついた。
 朝からついてないったらありゃしないわまったくもう。追いかけていって巣に強襲をかけたいところだけど、皆勤をふいにするのは勿体無いし……。
「しゃーがないわね……」
 再びはふんと息をついて、あたしは予備のカチューシャを取り出してずびびと装着した。
 何で予備を常備してるんだとか突っ込まれても困るから口閉じてなさい。いいわね。

 で。自分でも分かるくらいの不機嫌顔なあたしの頭には赤いカチューシャ。
 何時ものやつとは色が違うだけなんだけどどうもしっくりこない。
 自慢じゃないけど深い黒髪だから明るい色じゃないと映えないのよねー、ま今日だけの辛抱だけど。
 あ……でもあいつが赤の方が好みだったら……などとごにょごにょ考えながら、教室に入る。
「おっはよー」
「おう。また朝から妙な顔して……ん? ……お前、ハルヒだよな?」
「はぁ? あたし以外の誰に見えるってのよ」
「いや……うん……確かにハルヒだな。けど、なんつうか、こう……ハルヒはハルヒでもぱちもんみたいな雰囲気が」
 ロシアのお菓子の袋みたいなとか意味わかんないことを言うキョン。
 カラスといい朝から失礼なやつね。どこからどう見てもあたしはあたしでしょうが。昨日今日で突然うさんくさくなるはずが……って、
「もしかして、これのせい?」
 閃いたあたしはカチューシャをとっぱらってキョンに見せ付けた。
 キョンは「ああ!」と大げさに納得した顔で手のひらをぽんとうつ。ベタね。
「そう、それだ。何か何時もと違うと思ったんだよ。おい、黄色のやつはどうしたんだ」
「どうしたもこーしたもさ、ちょっと聞きなさいよ」
 席につきながらあたしは今朝のカラスとのファイナルバトルの様子を語りだした。
「間抜けなやつだな」「朝から災難なこった」なんて屈託なく馬鹿話に笑うキョンを見てるといらいらも薄まってくる。
 くるけれど……くるけれど……。

 黄色のカチューシャであたしをあたしと認識されてるってどういうこと? 
 ねぇこれ怒るんじゃなくて泣くところじゃない? ねぇねぇ?

「アホー、アホー、アホー」
 そのにっくき鳴き声につられて窓の外を見る。
 カラスフライフリー。校庭の空を旋回するカラスのくちばしには黄色いカチューシャが咥えられていた。

 猟銃よ! だ、誰か猟銃もってきて!
489名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 17:54:33 ID:BiRkzbkz
>>488
GJ!
予備のカチューシャを常備してるハルにゃんかわいいw
490名無しさん@お腹いっぱい:2008/06/25(水) 18:35:47 ID:7H8Ppz8H
妹の国語の教科書読んでたらハルキョンっぽい会話があったので
それパロったやつ投下してもいいかな?
491名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:13:21 ID:V0LLpUOm
>>490
やっちまえw
492国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 19:19:23 ID:k7wuHD4y
>>491
サンクス


ハルヒとキョンは同じ班。キャンプのあとかたづけも一緒です。

キ「ハルヒ、そこ汚れてるぞ。なべ。そこ。」
ハ「どこよ?」
キ「そこ。」
ハ「どこよ!」
キ「底だよ!」


まだ5つぐらいネタがあるんだが・・・
あとこれの原文っている?
493名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:28:51 ID:7A0QWiSY
そこwwww底wwwwwwwww
494国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 19:43:01 ID:k7wuHD4y
2つ目。けっこうセリフ改変してるかも


キ「自分のこと「僕」って呼ぶ奴と「俺」って呼ぶ奴とどっちが好きだ?」
ハ「そういうの大した問題じゃないっていうか・・・
そういうことを言う人が嫌い。」
キ「えっ」

キョン、突然の「嫌い」発言に当惑ぎみです。
495名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:45:12 ID:V0LLpUOm
>>494
おいキョン、それは「俺と古泉どっちが好きだ?」って言ってるようなものだぜ?ww
496国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 19:50:54 ID:k7wuHD4y
>>495
あっ・・・そう言われてみれば

3つ目

ハ「もしもし、って言うじゃない。電話で。」
キ「言うね」
ハ「あれの品詞って知ってる?」
キ「ん。・・・付属語じゃないのか?活用もしない、主語にはならない。
すると、連体詞か副詞か接続詞か感動詞か。」

・・・あれ?こんな賢そうなのキョンじゃないな

入れ替えてみた

キ「もしもし、って言うだろ。電話で」
ハ「言う。」
キ「あれの品詞って知ってるか?」
ハ「んー。付属語じゃない。活用もしない。主語にはならない。
すると連体詞か副詞か接続詞か感動詞か。」

こっちのがしっくり来る気がする
497名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:51:28 ID:L5/xVX+Q
>>495
谷口も仲間に入れてやってください
498名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:55:24 ID:TTQbirRA
>>497
国木田もですか?
499名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 19:57:20 ID:Y8JJDkLu
>>495
佐々木が仲間になりたそうにこちらを見ています。
500国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 20:02:38 ID:CHgiVVMw
仲間呼びすぎじゃないか、これは

4つ目。

キ「ハルヒ、発見したぞ。『○○ない』っていうときは『ない』の前は
だいたいア段なんだ」

ハ「じゃ、『起きない』は?」

キ「あ。」


今確認したらネタがあと5つほどあった。
国語の教科書意外と面白いな
501名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:11:37 ID:5bL56vio
>>479
何故そんなときにそんなことを思い浮かべるんだキョンw
しかしGJ! エロいぜw

>>488
キョンに笑ったGJ! お前はカチューシャで認識してるのかw
>>485
でもカラスはそんなことしないんだからねっ 人に飼われていたらわからんが

>>500
国語の教科書……遠い記憶……。
502名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:16:29 ID:V0LLpUOm
>>500
キョンよ、もっと国語の勉強しなよww
503名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:17:13 ID:sziEaVz4
国語の教科書で思い出したが、ハルにゃんはキョン君にキスされた時に赤い実はじけたのかな?
504名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:21:45 ID:TIv7Bnp5
赤いカチューシャを付けると心なしか通常の三倍のパワーがみなぎるハルにゃん
505国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 20:23:16 ID:CHgiVVMw
>>503
ごめん、赤い実=●に思えて古泉がはじけたみたくなった

5つ目。なんかどっちでもアリだから2通り作ってみた

ハ「似たものどうしって、言うでしょ?あれはさ・・・」
キ「煮たものどうし?なべか?」
ハ「違うわよ。似る、似てる、似たもの、の『似る』。」
キ「煮る、煮てる、煮たもの、の『煮る』。・・・なべ?」
ハ「いや、確かに同じだけど、そうじゃなくて・・・」

入れ替えた

キ「似たものどうしって、言うだろ?あれはな・・・」
ハ「煮たものどうし?なべ?」
キ「違う。似る、似てる、似たもの、の『似る』。」
ハ「煮る、煮てる、煮たもの、の『煮る』。やっぱりなべじゃない?」
キ「いや、確かに同じだが、そうじゃなくてだな」

書き込んでて煮ると似るがゲシュタルト崩壊してきた
506名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:27:36 ID:V0LLpUOm
>>505
煮たもの同士って何ぞ?w
507名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:29:33 ID:2aeNeEI9
おでん?
508国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 20:34:12 ID:CHgiVVMw
6つ目。

ハ「問題です。」
キ「うむ。」
ハ「次の言い方のうち、正しいものはどれでしょう」
・ごはんを食べれる
・友達としゃべれる
・この漢字書けれる

キ「違いがわからん」



どうでもいいが、この国語の教科書の範囲は文法について、で
>>492>>494が名詞
>>496が連体詞、副詞、接続詞、感動詞について
>>500>>505とコレが動詞について、だそうな。
509名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:36:26 ID:V0LLpUOm
>>508
ってこれ何年の教科書だよ?w
510国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 20:40:09 ID:CHgiVVMw
>>509
中2の。


ハ「キョン、これいくら読んでも全然わからないのよ、この問題」
キ「え、それ俺でも分かったぞ」
ハ「嘘」
キ「本当だ。多分子供にも分かるんじゃないか、それ」
ハ「えええ!?ちょっとそれ酷いわよ、キョン!」

次でラストかな
511国語の教科書でハルキョン:2008/06/25(水) 20:48:21 ID:CHgiVVMw
ラスト

ハ「ねえキョン。雨が降りそうだわ」
キ「ああ。雨が降るそうだな」
ハ「え?」
キ「今朝、天気予報でそう言っていたからな。傘持ってきたんだ。
備えあれば憂いなし、って言うだろ?」
ハ「何言ってるのよ。待ち合わせに遅れたくせに。」


これで終わり。
512名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 20:52:27 ID:Y8JJDkLu
>>511
なんというサムデイ・イン・ザ・レインw
513名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:08:07 ID:40EhiUZO
みくるor長門or●に嫉妬するハルヒ
514名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:38:49 ID:vEES5iPd
おもしろいな。今年30だがそんな面白い教科書に当たったことない。

515名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 21:41:41 ID:TIv7Bnp5
体育館でジョニー・B・グッドを演奏するENOZとハルヒと長門
ところがハルヒが途中タミフルって終盤、観客ドン引き
516長門 有希:2008/06/25(水) 22:03:02 ID:4SXu1WgX
画像いっぱい貼ってまぁす
よかったら来てください(荒らしはしないでね☆)
http://blogs.yahoo.co.jp/nagato_yuki48
517名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:12:56 ID:5bL56vio
>>515
それを古泉がチャック・ベリーに電話で聞かせるわけですね。
518名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 22:39:06 ID:RXcdhES7
国語の教科書、SSでも書かれてない普段の会話みたいな感じでいいなw
519名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:31:23 ID:FoZuj9rM
>>488
これいいなw ハルにゃんのわんぱくっぷりがナイスw
GJ!


520名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:54:22 ID:87zYhXZa
いつものカチューシャを付けていないせいでキョンに「偽物だ!」と疑われたので
「唇の感触」とか「胸の感触」で「本物の涼宮ハルヒ」だと証明するハルヒ
521名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/25(水) 23:57:44 ID:O6xshIT7
なんていうか、ハルヒってエロイ体しすぎだから困る。
522名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:07:33 ID:LUORNHk9
ジャック・ダニエルをあおるハルヒ
523名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 00:34:02 ID:q/gwbfCk
ぶつかったりスキンシップをしたりするフリをしてハルにゃんの体を触りまくるエロキョン
524名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:00:25 ID:OdEE6a9q
落語のCDを聞いてたら、ふと「寿々美屋の春陽太夫」という電波を受信した。
歌楽碁書茶と一級品だが、我が儘三昧で、宇宙人・超能力者・未来人・異世界人以外は
どんなお大尽でも袖にするという花魁。で、それに岡惚れするキョン。

……俺にどうしろってんだ、この電波は。
525名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:23:13 ID:LUORNHk9
ハルヒ、プルプルプル〜っつってみ。
526色々とキターーーーーーー:2008/06/26(木) 01:23:39 ID:WWJAe+3Z
○ホワイトアルバム(PS3)
 ・声優は由紀が平野綾、里奈が水木奈々
 ・2009春からTVアニメスタート
 ・新キャラ、新イベント追加予定
 ・純粋なAVGに
 ・キャラデザは一新。担当はカワタ
 ・洋服などは現代風にリファイン
 ・スタイルも進化(ウエスト周りを絞って引き締め)
 ・フルボイス。オーディション中


DS 涼宮ハルヒの憂鬱 冬 セガ
アドベンチャーパートと問題解決パートの2部構成でこれの繰り返し
アドベンチャーパートが一定量進むと問題解決パートへ移行する
オリジナルキャラクターの追加などはナシ
ゲームの目的はハルヒと不思議な現象の接触を防ぐこと
527名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:34:33 ID:K7bNXYjX
>>524
電波を放置しておくと集中力が無くなり、
注意が散漫になったり、妄想が止まらなくなり、脳内でハルヒとキョンが
会話し始め、そのうち独り言のようにハルヒになったつもりでしゃべりだし、
キョンになったつもりで返事をするなどの症状が出たり幻覚が見えたりする。
そうなると職場や学校で白い目で見られるなど、弊害も出てくる。
そうなる前に、早急に対策を講じる必要がある。

SS書くしかないだろう。
528名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 01:42:39 ID:valOsuZt
DSハルヒか! …逆転裁判みたいなAVGゲームになるのかなw 楽しみ。

>>527
なんという販促w
529赤いカチューシャ(1/2):2008/06/26(木) 02:17:12 ID:R3qiKPr0
さて、ここはいつもの朝の朝礼前の教室だ。

そして目の前にいるのはどこからどう見てもハルヒで、それは間違いない。だが人間は習慣というものがあるらしく、普段
あるべき所にその物がないとなると、違和感を感じるものでもあるらしい。

「なによ?」
「いや、そのだな…」
「キョン、何か言いたいことがあるの?なら言いなさいよ。」
「…」
「どうせろくなことじゃないんでしょうけど。黙ってため込むのは精神に悪いわよ!」
ん〜ハルヒ、おまえ、そのセリフ以前どっかで言わなかったか?
「そんなにあたしの顔がおかしいの!?」
あ、だんだん苛立ってきたみたいだ。まぁ黙っていたらハルヒの精神に悪そうだから正直に言うか。

「なぁ、ハルヒ、お前今日寝坊でもしたか?」
「はぁ?何言ってるの?」
「まだ息が上がってる。あの坂を走ってきたからだろ。」
「そ、そんな事ないわよ…」
どうも図星らしい。このハルヒが息が上がるとなると、最初はかなりぎりぎりだったに違いない。それでも俺より早く来てる
とこはさすがだ。だが俺がそう思ったのはもっと他に理由がある。
「ハルヒ、お前あわてて家を出てきただろ?」
「キョ、キョン。な、なんでそうわかるのよ?」
「髪型をばっちり決めてくるお前が、それをしてこないなんて、寝坊した以外に考えられんからな。」
「はぁ?」

これだけ言ってもまだ気がつかないらしい。いつもの事ながら鈍感もここまで極まれり、だな。
「カチューシャつけてないぞ。」
「え?え?」
あわてて髪をさわるハルヒ。なかなかそのしぐさはかわいいものがあるが、さすがに気がついたらしい。
「ちょ、ちょっと、キョン。そういうのは早く言いなさいよ!」
「だから言おうとしてるのに、お前がいろいろと…」
「あ〜うるさいうるさい!ちょっと待ってなさいよ!!」
そう言って、鞄の中をごそごそとあさるハルヒ。どうやらカチューシャは鞄に入れっぱなしにしてたらしい、やれやれ。
「ふん!今日はこれでいいわ!」
そう思って取り出したのは……赤いリボン? いや、カチューシャだ、と思ってるまに、ささっとそれを髪にセットして
しまった。ふーん、いつもこんなに簡単につけてたのか。というか今日はそれすらしてないくらいに時間なかったんだな。


530赤いカチューシャ(2/2):2008/06/26(木) 02:17:46 ID:R3qiKPr0

それはさておき、珍しい赤いカチューシャをつけたハルヒの出来上がりだ。うーん、ハルヒに間違いはないんだが
やはりいつものと違うから違和感は残るな。
「……」
「なによ?」
「いや、そのだな…」
「キョン、何か言いたいことがあるの?なら言いなさいよ。」
そのセリフ、さっきも言っただろう、ハルヒ。まぁ面倒だからさっさと答えてやろうじゃないか。
「じゃあ言おう。赤いのも似合ってるぞ。」
「え?」
「だが、いつものハルヒじゃなくて、なんだかパッチもんハルヒみたいにも感じるけどな。」
「ちょっと、何よそれ!?」
「何って、お前が言いたいことあるなら言え、と言ったから正直に答えたんだぞ。」
「う〜あたしが偽者だって言うの?!」
「ちょいまてハルヒ、そんな事言ってないだろう。」
「言ってるようなものじゃない!!」

あ、ハルヒのやつ、だんだんとテンションあがってきた。これはまずいかも…と思ったらとんでもないことを口走り始めた。
「何よ、あたしはあたしよ!胸の大きさだってほら!同じでしょ!?」
そう言って、ハルヒは両手で自分の胸を下から持ち上げた……ってちょっとまて、同じっておれはお前の胸比較できる
ほど見てないし、そもそもここは教室だぞ! おいこら谷口!国木田! どさくさにまぎれてハルヒの胸見るな!
これは俺に見せつけるためにハルヒがやってるだけで、見世物じゃない!

「わ、わかったから落ち着け、ハルヒ!」
しかしハルヒは俺の配慮も、気持も、周りの目も気にせずさらに暴走し始めた。
「ちょっと、キョン、こっち見なさい! ほら、それにあたしの唇とか目とか同じでしょ! どこが偽者なのよ!!」
ハルヒは唇を右手人差し指でおさえている。いやハルヒ、その動作とセリフは誤解を招く……って谷口&国木田以外の
教室全員もこっちを向いてるじゃないか!

とにかくこの暴走を止めないと、いろいろと面倒だ。
「わ、わかったわかった、ハルヒ、お前は本物だ。」
「ふん、わかればいいのよ!!」
ちょうどその瞬間に先生が教室に入ってきた。お、グッドタイミング!
「さ、朝礼が始まる。席つこうぜ、ハルヒ。」
「わかったわよ。」


その後、俺とハルヒがいわゆる×××な関係まで進んだ、という噂が全校中に流れてるという話を聞いた。
ほらみろハルヒ、誤解されるようなこと言うからだ……やれやれ。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:20:06 ID:R3qiKPr0
>>520
君のその電波で即興でSS作ってみたぞぃ。
ただしあまり”感触”を強調するとスレ違いになりそうなので抑えたけど。
532名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:24:09 ID:X1IhkW0/
>>530
GJ!
深夜になんというエロ甘さw
533名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 02:40:46 ID:K7bNXYjX
>>530 GJ!
こんな夜中に濃いお茶が飲みたくなるほど甘いw
534名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 04:12:05 ID:hD1EEGA1
これはGJと言わなければなるまい

ふと気付いたが、版権絵だとわりとハルにゃん積極的なんだな
535SS:2008/06/26(木) 05:53:33 ID:WWJAe+3Z
それは今日の授業も終わり、SOS団アジトへ向かおうかと俺がカバンに手を掛けたときの事だった。
「あーちょっとキョン?今日、どうしてもやらなくっちゃいけない用事があんのよ、掃除当番代わってくれない?」
掃除当番っていうのは、勝手に交代していいような事じゃ無いだろうが、ハルヒよ。
「いいのよ、緊急事態の時には。じゃよろしくね、キョン」
相変わらず勝手な奴だな。団活はどうするんだ?中止か?
「もちろんやるわよ。…いいこと?掃除が終わったら、即部室に来なさいよ?これは団長命令だかんね!」
なんなんだよ、いったい。
俺に掃除当番を押し付けると、我らが団長様はレールガンの如き速さで教室から飛び出して行った。
やれやれ、しょうがない奴だ。そう言いながらも律儀に掃除当番を代わってやる、俺も俺なんだがな。

しかし、ここ最近のハルヒはなんかソワソワと落ち着きが無いように見えた。
いや、あいつが落ち着きが無いのは毎度のことなのだが、なんとなく違和感を感じていたのだ。
それが何なのか、さっぱり解らないまま、掃除を終えた俺が文芸部兼SOS団アジトのドアを開けた途端、
ぱーん、ぱーん、ぱーん、ぱーん。という乾いた音。なんだ、レジスタンスの襲撃か?
「キョン、誕生日おめでとう!」
100Wの笑顔をたたえたハルヒが、クラッカーを片手に俺を出迎えてくれた。


キョンの誕生日 あるいは 最初の一歩


「おめでとう、キョンくん」
「おめでとうございます」
「おめでとう」
朝比奈さん、古泉、長門といった面々も、クラッカーを片手に俺を出迎えてくれている。
うう。ガラにも無く、ジーンと来ちまったぜ。ありがとう、みんな。
「はいはい、そんな入り口で突っ立ってないで入って入って。今日はあんたの為に、いろいろ用意してあるんだからね」
ハルヒに引っ張られるまま部室の中に入っていくと、長テーブルの真ん中に俺の誕生日ケーキが用意してあった。
例によってロウソクの火をいっぺんに吹き消すという儀式を済ませた後、みんなが俺にプレゼントを渡してくれる。

「キョンくん。わたしからはこれです」
朝比奈さんから頂いたのは、趣味の良い柄のハンカチだった。
ありがとうございます朝比奈さん。俺の家宝として、一生大切にします。
「僕からはこれです」
古泉がくれたのは、靴だった。
これでハルヒの不思議探索に付き合えというわけだな?恩にきるぜ古泉。
「私からはこれ」
長門がくれたのは、ハードカバーの一冊の本だった。
実にお前らしいよ長門。ありがとう、大事に読むよ。
「キョン、あたしからはこれよ」
ハルヒが差し出したのは、「団長」と書かれた腕章だった。
「今日はあんたの誕生日だから、今日一日だけはSOS団の団長をやらせてあげるわ。感謝しなさいよ?そして、団長としての責務の重さを実感しなさい!」
なんだよそれ。ま、ある意味お前らしいぜ、ハルヒ。
俺は早速、団長専用腕章を装着する。

536SS:2008/06/26(木) 05:54:09 ID:WWJAe+3Z
その後は、ケーキを食べたり朝比奈さんが入れてくれたお茶を飲んだりして、時間が過ぎていった。
一日団長だからといって、特に何もすることがないなあと思っていると、
「今日のあんたの席はここだから、さあ、ここに座って」
と、いつもは自分が座っている団長席にハルヒが俺を座らせる。
なるほど、お前はいつもここから団員たちに無理難題を吹っかけてるわけだな。
「で、一日団長として団員たちに何か指示は無いの?」
眼を輝かせるな。そんなに指示を期待してるのか、お前は。
そうだな、じゃあハルヒ。お茶のお代わりはお前が入れてくれよ。
「ええ、いいわよ。団員として、団長の指示に従うのは、あたりまえだもんね」
ハルヒは嬉しそうな表情で、全員分のお茶を用意した。
朝比奈さんが入れてくれたものとは一味違う、ハルヒに入れさせたお茶というのは、また別の味わいがあるな。
古泉、みんなで遊べるタイプのボードゲームを用意してくれ。
「かしこまりました、閣下」
まるで役者のように慇懃な礼をする古泉。

好きなように命令できて、面白いと言えば面白いのだが、なんだか全身がむず痒くなってくるな。
やっぱこういう役はお前の方が似合ってるぜ、ハルヒ。
俺にはお前の横からつっこみを入れる役の方が、性に合ってるのさ。

まあ、一日だけの団長様だし、いろいろと無茶をやらせて遊びたいところではあるが、あまりハメを外すと明日の逆襲が怖そうだ。
ほどほどにしておくとするかね。

ボードゲームの待ち時間の間に俺は、なんとなく長門から貰ったハードカバーの本をパラリと捲ってみた。
忘れもしない。前に貸してもらった本は、中にメッセージが書かれた栞が挟まっていたんだよな。
この本にも紙で出来た栞が挟まっていた。特に考えも無く、それを裏返してみると。

「今日、団活終了後、駅前公園にて待つ」

長門?
俺は思わず長門の方を向いてしまったのだが、長門は相変わらずの無表情で特に変化も認められなかった。
内容を確認したい所だが、長門がこういう連絡方法を取ってくるときは、大抵ハルヒにばれちゃまずい時だろう。
俺はなるべく長門を意識しないようにして、その後のパーティを楽しんだ。

537SS:2008/06/26(木) 05:54:52 ID:WWJAe+3Z
さて、楽しい時間と言う物は、えてしてすばやく過ぎ去ってしまう物であり、下校時間がやって来てしまった。
俺たちはパーティーの後片付けを終え、下校する事にする。
例の栞に書いてあった内容が気になっていた俺は、みんなと別れたあと、急いで駅前公園へと向かう事にした。
このとき、あまりにも急いでいたため、俺の後をあいつが尾行していることに、全然気が付かないでいた。

夕日もいい具合に傾いてきた頃、俺は因縁浅からぬ、駅前公園の例のベンチへと到着した。
案の定、長門は先についてベンチに座って待っていた。

長門、あの栞に書いてあったことなんだが…。
俺が言いかけると、長門はカバンの中から包装紙に包まれた箱を取り出した。
「これを」
ん?なんだ、開けていいのか?
長門がうなずいたのを見て、俺が開けてみると、中から出てきたのはこれまた栞だった。
但し、革製のちょっと値の張りそうな本物の栞である。長門、これは?
「これは、本命のプレゼント」
本命って。ひとまず礼を言っておくが、なんで部室じゃなくて今なんだ?

長門はここで一呼吸置き、少し潤みのかかった黒曜石の様な眼で俺を見つめながら、
「あなたにお願いしたい事がある」
ん?お前の頼みなら、大抵の事は聞いてやるつもりだが。
「私と付き合って欲しい」
付き合う?これから図書館へでも行くのか?
「そうではない。より広義な意味での付き合う」
んん?
「他の言葉で言えば…」
長門は真剣な表情で、
「私と交際して欲しい」

俺は長門の瞳をマジマジと見返してしまった。長門は本気だ。その瞳には一点の曇りも無い。
交際って…。
俺の頭の中で、これまでの長門の姿が次々と流れ始めた。
文芸部で最初に会ったときの、メガネを掛けた長門。
朝倉に殺されそうになったとき、俺を助けてくれた長門。
朝比奈ミクルの冒険での、魔術師の格好をした長門。
コンピ研とのゲーム対決で、高速キータイプをする長門。
改変された世界での、向こうの世界の長門。
そして、今俺を見つめている長門。
長門は人間ではない、ヒューマノイドインターフェイス、宇宙人。古泉風に言えばTFEI。
最初に出会ったときは、無口で何を考えてるかもわからない、人形のような奴だと思っていた。
だがその後の変化で、徐々にではあるが人間らしい感情を獲得し、俺はナノ単位ででもそれを読み取れるようになっていた。
長門、俺はな…。

その時、後ろの藪のあたりでガサリと何かが落ちる音がした。
振り返った俺の視界に入ってきたのは、地面に落とされた包装紙に包まれた箱と、…ハルヒだった。

538SS:2008/06/26(木) 05:55:33 ID:WWJAe+3Z
ハルヒは、大きく見開いた瞳をわなわなと震わせながら、明らかに動揺した顔で俺と長門を見つめていた。
「なにイチャイチャしてんのよ!」といった、大音量の罵声が飛んでくるかと思ったのだが、
以外にも、ハルヒから発せられた声は、しんみりとした、静かなものだった。

「そう…有希が、あんたをね…」
ハルヒは顔をややうつむかせながら、
「前々から、なんか怪しいとは思っていたんだけどね。…時々あたしに内緒でこそこそと会ってたみたいだし」
ハルヒは顔を上げて長門の方を向くと、
「有希はとてもいい娘だわ。大人しくて、優しくて、…あんたが好きになるのも無理は無い」
顔をチラリと傾け、俺の方を向くハルヒ。
「あんたなら有希を優しく導いてあげられるかもね。あんたたちは、お似合いの組み合わせよ…あたしなんかより」
ハルヒ、俺はだな…。
「何も言わなくていい!SOS団の恋愛禁止条例はいまここに撤廃するわ。あんたたちの恋路を邪魔する権利なんて、あたしにはないもの!」
ハルヒ!
ハルヒは踵を返すと、そのまま走り去っていった。
取り落とした箱は、ぽつんと地面に置かれたままだった。

どうするべきなんだ。
長門は俺の答えを待っていて、ハルヒは去って行った。
俺はどちらを選ぶべきなんだ?

俺は振り返って長門の瞳を見つめると、その答えを返すべく、口を開いた。

すまない長門、俺はお前の頼みならば、できる限りの事は聞いてやるつもりだ。
だが、これだけは、どうしても、かなえてやる事ができない。
「…。」
長門はいつも通りの無表情で、黒目がちな瞳を俺に向けていた。
俺はナノ単位で長門の表情の変化を読み取る事が出来たはずだった、だが、今回ばかりは長門の顔を見ても、何の変化も見つけることができなかった。
ハルヒは全力で走り去っていった。あまり距離を離されると、見失ってしまうかもしれない。

今はあまりにも時間が無さ過ぎた。
短い言葉しかお前に返せない。すまない、キツイ言葉になってしまったかもしれないな、長門。

じゃあな、長門。また後でな。
「…そう」
俺は立ち尽くしている長門を後にして、ハルヒが落としていった箱を拾うと、ハルヒの元へと駆けて行った。

ハルヒ!やっと追いついた。
「キョン!」
ハルヒは驚いた顔で俺を見つめた後、ぷいっと視線をそらした。
その瞳に光る物が流れ出ていた事を、俺は見逃さなかった。
「な、なんで追いかけてきたのよ。有希のところにいてあげなきゃ、ダメじゃない」
ああ、長門の話は…断ってきた。
「バカ!有希はとってもいい娘じゃない。あんたなんかにはもったいないぐらいの!あのおとなしい有希が、あれだけ勇気を振り絞って告白したんだから、
あんたはそれに答えて上げなきゃダメよ!」
いいんだ。俺は、長門の告白を受けるわけにはいかない。
「なんでよ。理由は?あたしが怒ると思って、躊躇しているの?」

539SS:2008/06/26(木) 05:56:52 ID:WWJAe+3Z
俺はここでどう答えるべきだろうか。
今までどおり、のらりくらりで問題を先送りにするべきか?
だがまて、長門は本気で腹を括って俺に交際を申し込んだのだ。俺はそれを断って、突っぱねた。
その後で俺が腹を括らなくてどうするんだ。
ここで俺が本気にならなければ、ハルヒにも長門にも失礼な事に、引いては侮辱する事になるんじゃないか?

俺は一度深呼吸して、心を落ち着けた。

俺には他に好きな奴がいる。だから、受けるわけにはいかないんだ。
俺がそう言うと、ハルヒは一瞬ビクッとした顔になり、
「誰よ、それ」
決まってるだろ?…お前だよ、ハルヒ。
「…!」
ハルヒは呆然とした顔で俺を見て、
「バ、バカなこと言わないで…」
俺は本気だぜ、ハルヒ。
「嘘よ!だって、あたしは今までキョンに酷いことばっかりしてきたじゃない…。無理矢理SOS団に入れて、下っ端扱いして、毎回のように奢らせて…」
次々と出てくる、ハルヒが俺にやった仕打ちの数々。お前、自覚しているなら少しは手加減してくれよな。
気の弱い奴なら5分ぐらいでハルヒ恐怖症になるかもな。俺にとっては「やれやれ」の一言で流せる範囲だが。
「…これだけ酷いことばっかしてきたのに、あたしとなんて、嘘よっ!」
火山噴火のような勢いで、涙をこぼしながら、一気にまくし立てるハルヒ。
ハルヒ、お前といた時はそんな酷い事ばかりじゃなかったぜ?
教室から引っ張り出して、部室に初めて俺を連れていった時のハルヒ。
野球大会で、ひたすら張り切っていたハルヒ。
朝比奈ミクルの冒険で、監督として無茶苦茶やらかしたハルヒ。
ENOZの臨時メンバーとして、文化祭で歌声を披露するハルヒ。
別荘のある孤島で、事件の推理を披露するハルヒ。
改変された世界での、向こうの世界のハルヒ。
そして、今俺を見つめているハルヒ。
お前は長門によると自律進化の可能性で、朝比奈さんにとっては時空の歪み、古泉にいたっては神なんだそうだ。
最初に出会ったときは、稀代の変人で、他人の迷惑も省みず、無茶をやらかす変な奴だと思っていた。
だがその後の変化で、徐々にではあるが、お前は確実に成長していった。
楽しかった。他の奴と一緒に過ごしたのでは絶対に味わえないくらいに、楽しかった。お前に散々引っ張りまわされて、面白かった。
…そうでなければ、俺はあの時エンターキーを押したりはしなかったはずだ。

「キョン…」
泣きはらした瞳で、ハルヒは俺の事を見つめていた。
俺はハルヒの両肩を掴むと、あの閉鎖空間でやった時と同じように、引き寄せて強引に唇を重ね合わせた。
周りの通行人どもがざわざわ騒いでいやがるが、いまはそんなこと、しったこっちゃねえや。

ややあってから、ようやくハルヒを解放してやると、
「…あんたはバカよ。バカキョン。あたしなんかを、選んじゃうなんて」
涙を指で拭いながら、ハルヒがニヤリとした笑みを浮かべる。
「覚悟しなさいよね。あたしと一緒にくるからには、もう普通の人生なんか、絶対に過ごさせないんだから」
ハルヒ…。
ああ、覚悟してるぜ。今までのように、俺を滅茶苦茶に引っ張りまわしてくれ。

540SS:2008/06/26(木) 06:02:22 ID:WWJAe+3Z
いつの間にか、雨が降ってきていた。
俺はハルヒが落としていった箱を手に取った。
「ああ、それは…」
ハルヒはちょっとバツが悪そうに、
「あんたがみんなと別れた後に、渡そうと思っていたんだけどね。そしたらあんた、急いでどこかに向かってるみたいだったから、後を追いかけて…」
妙に縦長の箱、もしやと思い、俺は開けてみた。
中から出てきたのは、都合のいい事に傘だった。

いつぞやの冬の日の事を思い出す。
あの日、天気予報がなぜか外れて雨が降り、使える傘が1本しか無かった…あの日。
今の雨も、あの日の雨も、無意識にお前が生み出した、突然の雨だったのだろうか?

ま、そんなことはどっちでもいいさ。
さあハルヒ、一緒にいこうぜ。
俺はあの日と同じ様に、傘をさしてハルヒと共に中に入ると、最初の一歩を踏み出した。
それは小さな一歩だったが、俺が選んだ純粋でどこまでも元気な少女と共に歩む、最初の第一歩だった。

エピローグ

「これで、よかったのですか?」
「いい。これは、あなたに取っても既定事項へ繋がる道が促進される結果になったはず」
「それは、そうですけど…長門さんは本気だったのでは…」
「本気」
「!」
「もし彼が、涼宮ハルヒでは無く私を選んでいたら、私は躊躇無くそれを受け入れた」
「しかし…」
「それは失われた道。彼は自分の心で涼宮ハルヒを選んだ。私はその思いを尊重したい」
「長門さん…」
彼女は身体を反転させて、自分の部屋へ帰宅するルートを選択すると、一歩足を踏み出した。
それは小さな一歩だったが、彼女が得た自律進化の可能性への最初の第1歩だった。

おわり
541名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 06:03:25 ID:WWJAe+3Z
以上です。
連続投稿は5個までなんですね、最後の1個を阻まれてしまった。

ではまた。
542名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 07:05:59 ID:iAnNyMQy
GJ!こういう感じのSSは久しぶりな気がするぞ。

おハルにゃん
543名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 07:13:34 ID:MECkuvLt
GJ
でも長門が可哀想だったな…
544名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 07:24:09 ID:opGlaBz1
GJ
だけど自分も長門がちょっと可哀想だと思った。
恋愛意識の強い長門がそもそも自分の中では違和感あるけどねー。
545名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 09:39:53 ID:PBMTbwYp
キョンと同棲始めたのに雨ばかりで遊びに行けず憂鬱なハルヒ

って電波
546名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 09:52:47 ID:CXMb13Yy
遊びにいけないんなら部屋でゴロゴロいちゃいちゃしてればいい
547名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 10:33:11 ID:lDLDMTHr
レインボーカラーのカチューシャを装着したハルヒ
548SS?こんな電波がw:2008/06/26(木) 11:01:22 ID:valOsuZt
 …………
 (青か…今はちょっと沈んでるんだな)

「どうした、ハルヒ? 腹でも減ってるのか? ほれパンやるよ」

 がばっ! むう〜! ! !
 (赤くなった…む、今のは失敗か)

「すまん。そういう問題じゃなかったか」

 むぐぐ……がたんばたん!
 (…今度は青に、緑になって…なんか濃い色が渦巻いてるな)

「あ〜、その、なんだ。俺でよかったら相談に乗るぜ? 言いたいことを溜め込むのはカラダに悪いんだろ? それに、元気の無いハルヒは……いや団長さまは元気でいてくれないと俺は、俺たち団員は困っちまう。だから──」

 むくりっ。ごにょごにょ……がたん! ──にぱっ!!
 (おお。黄色に、いやレインボーに輝き始めやがった!?)

「そ、そうか。じゃあ……え、俺たちだけで? まあすぐ終わるってんならそれでもいいか。わかったよ。付き合うぜ」

 にこにこ。
 (いつもの色に戻ったな。ま、ハルヒはこうでなくっちゃな)
549名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 12:32:06 ID:DCbpW6yO
>>548
カチューシャがその時の気分を表してるのかw
550名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 12:35:39 ID:LUORNHk9
ふとした事からヨハネ・クラウザー3性としてステージに上がることになったキョン
551名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 12:43:40 ID:Ia1A1BLD
昨日の朝日新聞夕刊に校庭にありだとうの文字を書いたって写真がのってたが、ハルヒ(キョン)はあれよりさらに複雑で大きいのを一晩で書いたのか。キツいなw
552名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 12:47:28 ID:LJsDWlDm
ジョンスミが一晩でやってくれました。
553名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:06:18 ID:Fjf10i3z
しかも30分ほどだぜ
554名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:10:23 ID:WWJAe+3Z
>543-544
実はこのSSは元々、途中で話が分岐してルートAハルヒ、ルートB長門みたいなマルチエンドにするつもりだったんだけど、
ちょっとやなことがあって長門ルート書いてる途中で煮詰まって置いてあったものなのだ。
その名残が少し残ってるね。

やっぱ双方恋愛感情があるとすると、どちらか一方を選んだ後に残された方が可愛そうになってしまうよなね。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:17:42 ID:RWmEmVze
「……はぁ、雨ばっかりで憂鬱ね……」
「100Wの笑顔も良いが、少し憂いを帯びた表情も普段のハルヒとは違う、妙な色気を感じさせてこれはこれで悪くないと思った」
「……キョン、間違ってカギカッコ付けてるわよ」
「うおっ! しまった!」
556名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 13:43:10 ID:Pxn4op70
>>555そんなあなたに
http://wikiwiki.jp/haruhi/?%A5%BD%A5%EA%A5%ED%A5%AD%A1%BC%A1%A6%A5%E2%A5%CE%A5%ED%A1%BC%A5%B0%A1%A1%A1%CA14-965%A1%CB

俺も変な電波来た
パロばっかですまん

趣味で時効事件を捜査する婦警ハルにゃん。毎週末には同僚キョンを助手の名目で捜査兼デートに連れ回す。「コレは趣味だから誰にも言わないわ!」

大学進学と同時に原宿に住み始めるハルにゃん。めきめきとファッションセンスは上昇し、ついには雑誌のモデルにまでもなってしまう。

死神鎌の武装〇金、バルキリー・スカートを使うハルにゃん(傷無し)。槍使いキョンと共に蝶・サイコーなマスクの男、古泉を探す。「臓物をブチ撒けなさい!」

スタイリッシュ悪魔狩人なハルにゃん。愛銃「ジョン&スミス」と愛剣「リベリキョン」で悪魔を狩る。魔人化するとロングポニテに。

人間台風のハルにゃん・ザ・スタンピード。「ラブ&ピース&キョン」を掲げ、今日も砂漠を駆け抜ける凄腕ガンマン。

英国で吸血鬼退治をする最強の吸血鬼ハルにゃん。若本ボイスの神父とか戦争好きのデブヲタから(キョンと)英国を守る。

高位咒式士のハルキョン。二人で事務所を経営してエログロ欝展開な仕事とレーベル移籍にもめげずに頑張る。ちなみにキョンは眼鏡。

なんぞこれ。

あと古内東子の『誰より好きなのに』がハルヒ→キョンにしか聞こえなかったり。
557名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 14:23:43 ID:lDLDMTHr
スカイダイビングに挑戦するSOS団
558名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 15:12:17 ID:cpz3FT/R
>>556
ナイス電波。
想像してにやけたw
副将戦冒頭まで書き進んだのだが投下して良い?
560名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 16:38:51 ID:valOsuZt
最後までで長くなりそうなら良いんじゃない? 
561名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 16:41:21 ID:/JgqVkpW
皆長いSSが欲しいの?
じゃあ近々昨日の夜徹夜して書いたの載せようかな
562名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 16:43:05 ID:valOsuZt
いや、連投規制の関係でちょっと時間を置いた方がスムーズになるからって意味。
期待してるぜw
563名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 16:45:38 ID:OdEE6a9q
>>527に背中押されて、俺もちまちま書いてるぜw
真ん中あたりで全角5000字だから、大体1万字かな。
長くはないけど夜にでも投下できれば、と。
後編 
 
試合が始まった。テレシコワは積極的に仕掛けてくるがフクちゃんは必死に組み手を避ける
「古泉さん、手元にテレシコワの資料が届きました。ロシアからの留学生ですね、母親はオリンピックのメダリストで母直伝の裏投げが得意技です。」
「ここまでくると花園さんとテレシコワの戦いは偶然とは思えませんね。」
「何かご存知なのですか、古泉さん?」
「二人の母親がかつて旧ユーゴスラビアで行われた世界選手権女子無差別級で対戦した記録が残っています」
「そのときの結果はどうだったのですか?」
解説者はニヒルな笑顔を浮かべ人差し指を唇の前にたてて言い放った。
「それは秘密です・・・」
 
試合はとうとう組み付かれたフクちゃんがテレシコワに押されている
「フクちゃん、先手必勝よ!」
ハルヒの檄が飛ぶ、その声に応えるようにフクちゃんは体勢を立て直して、独特のリズムを刻み始めた。
(アン、ドゥ、トロワ、アン、ドゥ、トロワ・・・)
何かに気づいたテレシコワが腰を引いた瞬間だった。
「アン!ドゥ!トロワ!」の掛け声と共に花園さんの大内刈りがテレシコワに襲い掛かかる。
ウオー!と場内がどよめきアナウンサーが絶叫する。
「これはきまったか〜!」
必死のテレシコワはなんとか身体をよじりながら倒れこむ、審判の手が横に動いた。
 
「技あり!」
 
場内が大歓声に包まれる、しかしテレシコワはすぐさま立ち上がり逆に寝技に持ち込もうと襲い掛かった。
「逃げてフクちゃん!」
必死のフクちゃんは場外へと逃れた。
「いやあ、危ない危ない、助かりました花園、意外な展開ですね古泉さん」
「テレシコワは全く油断していましたね、出会い頭に花園さん独特の大内刈りですから、いやぁ、それにしても・・・」
「そうです!圧倒的不利を予想された花園がなんとあのテレシコワから技ありをもぎ取りました」
フクちゃんは肩で息をしながら中央に戻り試合が再開される。
「フクちゃん先手必勝よ、リズムを読まれる前に仕掛けて!フクちゃん・・・」
ハルヒも必死にアドバイスを送る、意外な展開だ、こんな必死の表情をするハルヒをはじめてみた。俺を締め上げるときともまるで違う
その後テレシコワは積極的に仕掛けるがフクちゃんはなんとか凌いでゆく
「フクちゃん早く仕掛けて!今よ!」
(アン、ドゥ、トロワ)
「花園、大内刈り!テレシコワは警戒して前かがみだ!」
アナウンサーが叫んだが、解説者がそれを否定する
「いえ!違います」
フクちゃんは前かがみになったテレシコワの襟を引き寄せ、右足を相手の股に差し込むと反対側を向き一気に跳ね上げた。
「内股だ〜!」アナウンサーも我を忘れて興奮し、実況席の机を叩いた
「やった!その技もずっと一緒に練習したもんね」
ハルヒも我が事のように喜んでいる、この二週間でフクちゃんと友情が芽生えるとは入学当初考えられなかった事だ、
審判の判定は如何に・・・
「有効!」
 
またも場内が大歓声に包まれる、二階では巨大な旗をひるがえした応援団が「フレーフレー富薫子!」の大合唱、確実にフクちゃんを後押ししている。
「ここ北高体育館は全く予想外の展開になっております、中堅戦で期待されてなかった花園が、健闘、健闘、大健闘です!」
焦ったテレシコワは強引に攻めてくるが、必死にフクちゃんは逃れる、そして強引に持ち上げられ場外に投げられた。
そこへハルヒが駆け寄りフクちゃんを励ます。
「フクちゃんその調子よ、勝てるわ!」
(涼宮、私もしかしたら・・・)
「テレシコワは全く冷静さを失っております。古泉さん花園はこのまま逃げ切れるのでしょうか?」
アナウンサーはこのニヤケ解説者が肯定するものと思い話を振ったのだろうが、帰ってきた返事はそれを否定した。
「厳しいですね、出会い頭の技が決まって技ありと有効をとりましたが、テレシコワは完全に花園さんのタイミングを掴みました。
もともとかなりの実力差があるのでいつ一本とられても不思議はありません、一本とれねば一本とられる、それが柔道です」
そのとき豪学連控え室のドアが「バン!」と大きな音を立て開き、なかからパイナップルのような頭をした大男が出てきて大声で叫んだ
「富薫子、逃げるな!一本取らねば一本とられるぞ!」
大男は溢れ出る涙を拭おうともしない
「古泉さん、あの大男はもしや?」
「はい、豪学連女子柔道部監督の花園薫さんです。おそらくドアのむこうからひっそりと見ていたのでしょうが、娘の健闘ぶりに我を忘れてしまったようですね」
そんな解説をよそに周囲の観客から野次が浴びせられる
「逃げ切らせないためにそんなこと言ってんだろ!」「あんた娘がかわいくないの!?」「そこまでして柔道やめさせたいのかよ!」
しかし野次をものともせず、花園監督は必死に叫び続けていた。この体育館にどれだけの人間がいるかはわからんが、たった一人だけその言葉を理解し実行した。
「おーっと花園これまでの守勢から一転して攻撃に転じました!」
フクちゃんは再び内股をしかけたがそれを読まれ、逆に内股をすかされた。両者はもつれあうが、テレシコワはすくい投げでフクちゃんをすっ飛ばし、フクちゃんはハルヒの前に倒れこんだ。判定は場外
「フクちゃん、大丈夫!?フクちゃん!しっかりして」
「涼宮さん・・・」
「しっかりして、あと少しよ」
フクちゃんは力なく立ち上がりハルヒに答えた。
「そうよねお父さんも応援してくれてるし、私もしかしたら・・・」
その様子を凄いオーラをまとったテレシコワが睨み続けている。
「さあ〜!技あり、有効と圧倒的有利になった花園、残り一分となりました。おお!テレシコワが猛然と組みかかります。古泉さんいかがですか?」
「花園さんは逃げの柔道をしませんからまだ安心できません、たとえ逃げたとしてもすぐに捕まってしまいます。
それにテレシコワ得意のすくい投げや裏投げはまともに組まなくとも投げにかかれます。逃げて逃げ切れるものではありません」
ハルヒが叫んだ。
「何か仕掛けてくる・・・フクちゃん足の運びに気をつけて!」
次の瞬間、右袖をつかんだテレシコワの隅落としが決まった。
(お願い!柔道を続けたいの)
 
審判の手が上に上がろうとしたが、その手を躊躇し水平に戻した。
 
「技あり!」
 
「テレシコワの隅落としが技あり!花園は身体を捻って堪えるのが精一杯でした。さすがテレシコワ、力技だけかと思っていましたが、まさかの隅落としです!」
「花園さんもよく堪えましたよ、あのバランスとバネは身体の柔らかさの賜物です。」
「大丈夫!リズムは読まれちゃったけど、大内刈りと内股はまだ通用するわ!」
息絶え絶えのフクちゃんにハルヒが檄を飛ばす。実に残念なのはこれを俺が生でみることができなかったことだ
(とてもじゃないけど、この人から逃げ切れないわ、大内刈りと内股このふたつでやっつけるしか勝ち目は無い)
フクちゃんは何かを覚悟したように、中央に戻っていった。
「中堅戦、残り30秒を切りました。おお!花園まともに組みました、この状況でも逃げようとしません」
「いいとこを取りましたね花園さんは勝負に出ますよ、しかし内股も大内刈りもタイミングが命ですが下手をしたら裏投げの餌食になります。」
古泉、おまえはハルヒの心理状態だけでなく柔道の解説もたいしたもんだ、知っておるのか雷電?
テレシコワは裏投げを狙っている、それはフクちゃんも承知しているだろう、ポイントはどっちが先に仕掛けるかだ
(大内刈りと内股、両方使ってできるかわからないけど・・・アン、ドゥ、トロワ、アン、ドゥ、トロワ)
「アン!ドゥ!トロワ!」 
 
「花園が仕掛けました!内股です、いや違う、その体制から大内刈りへの連続技だ!テレシコワ必死に堪える、これは決まったか〜!」
「だめぇ!フクちゃん、足をしっかり掛けてー!」
全ての人間が呼吸をする事を忘れていた。
 
運、不運というものが有る、ハルヒに出会えたフクちゃんは運が良かったのかもしれないがこのときのフクちゃんは不運そのものだった。
テレシコワにかかっていた足が外れてしまい、満を持して裏投げが炸裂した。ほとんどバックドロップだ
フクちゃんは思いっきり叩きつけられてしまった。「富薫子〜!」静まり返った体育館に花園監督の娘を想う悲痛な叫びがむなしく響く
 
「一本、それまで!」
 
「テレシコワの裏投げが決まり逆転で一本勝ちです!まともに頭から落とされた花園は起き上がることができません、大丈夫でしょうか!?あっ立ち上がりました。」
 
「フクちゃん!」
ハルヒは駆け寄ろうとするが礼をしていないため審判に止められる、力尽きたフクちゃんは礼を済まし、よろめきながら畳を出ようとするがへたり込んでしまった。
ハルヒがそばに座って心配している
「フクちゃん、大丈夫・・・?」
なんとか作り笑顔でフクちゃんは答えた。
「駄目ね、私って・・・」
「そんなことない、頑張ったわ」
テレシコワが駆け寄ってきた、ハルヒは自分が仇を討たんと身構える。フクちゃんの前に立ったテレシコワは右手を差し出し、たどたどしい日本語で言った。
 
「ハナゾノ、マタ、タタカオウ」
 
フクちゃんと握手を交わしテレシコワは引き上げていった。場内からは拍手が送られたがフクちゃんは悲しげだ。
「ごめんなさい涼宮さん、もう一敗もできなくなっちゃった。もっと柔道続けたかったけど・・・」
「大丈夫、残り二試合連勝すれば柔道続けられるわよ」
そのとき、ラッセル車のように観客を掻き分け花園監督がフクちゃんのもとにやってきた。
「だから柔道をやめて欲しいと言っただろ!おまえがこんな事になるのを俺は耐え切れん!」
「お父さん・・・私、柔道を続けたい、お母さんみたいになれなくてもいい、凄く楽しかった。」
ハルヒが花園監督に食ってかかる
「お父さん、こんなにフクちゃんが頼んでるのよ!心配なのはわかるけどフクちゃんの気持ちも考えてあげて」
「俺は今、猛烈に感動している、こんな良い仲間に恵まれて、富薫子おまえは本当に幸せだ」
その涙は文字通り滝のように流れていた。
「それじゃフクちゃんが柔道続けるのを許してくれるの!?」
「それは別だ、柔道家に二言は無い、富薫子に柔道を続けさせたいのなら残り二試合連勝してくれ」
花園監督はフクちゃんを抱きかかえて保健室へと向かって行った。
これで1勝2敗となり、もう一敗もできなくなった。残るはハルヒと謎の助っ人、この二人が勝たねばフクちゃんは柔道を辞めなければならない
また休憩が入り、畳の上ではバニーガールの朝比奈さんが掃除機で試合場を清掃している、大昔のプロレスみたいだ。そして応援団達は・・・
 
「やべえ、もう限界だ!みんなすまない、この旗を降ろすぞ」
谷口も花園さんの敗北に力を失い限界を迎えていた。国木田が心配そうに様子を見ているが会長は眼もくれずエールを送り続けている。
「谷口!離しちゃ駄目だよ、まだ勝負は終わってないし、涼宮さんたちもあきらめてないぞ」
「そんな事言われたって・・・」
意を決した国木田は、どこからかマイナスドライバーを持ってきて、ポールに紐で括りつけた。ドライバーは下を向いている
そして旗が倒れたらドライバーが胸に突き刺さる位置を確認し、その場に大の字で寝転んだ。
「その旗を倒したら僕の胸にドライバーが突き刺さるよ、だから絶対にその旗を倒すな!僕だってみんなと一緒に戦うんだ!」
 
「二年の連中も漢を魅せるじゃねえか・・・」
その様子を見ていた会長はつぶやいた。
 
 
試合場では朝比奈さんが「副将戦」と書かれたプラカードを持って一周している。つくづく思う「生で見たかった・・・」
 
「これより副将戦を始めます!豪学連選手入場です。」
場内に重低音の雷鳴が響いた。
放送席に戻る
「さあ、副将の選手が入場してまいります。この曲は・・・高中正義の名曲「サンダーストーム」です!」http://jp.youtube.com/watch?v=moPeL_Vo4t8
「資料が来ました。副将「源龍ひかる」167センチ65キロ、源龍式格闘術の師範代でもあります。好きな言葉はレボリューションです。」
「いやぁ、強そうなのが出てきましたね、あのアフロがみたいな髪型、そして男性にしか見えない顔、これは強そうですよ」
「更に続けますと、源龍選手は3年前に日本武道館で行われた全国中学生大武闘会で優勝しております。」
アナウンサーの喧騒をよそに源流はRevolutionと黄色い字で書かれた黒いジャージを羽織って入場し対戦相手を待つ
「さて放送席には試合を終えた長門有希さんをお迎えしました。」
「よろしく・・・」
「ところでお二方、副将戦ですが、涼宮選手は大将戦に出場してくる事が予想されます。謎の助っ人とは一体・・・」
「お話の途中で申し訳ありませんが、長門さんが源流選手の経歴についてコメントがあるそうですよ」
長門が解説を勤めていたなんておどろいた、人間にわかるように話せよ、言葉でも簡単な事は伝えられるんだ。
「・・・3年前の中学生武闘大会、優勝したのは彼女だけではない、時間切れ引き分けで同時優勝だった・・・」
アナウンサーが長門のコメントに対しなんと答えて良いか考えていると、今度は北高副将の入場曲が始まった。
「この曲は・・・今は亡き、名レスラージャンボ鶴田の入場曲「J」です!」http://jp.youtube.com/watch?v=JN7oL1JR9P0
「応援団が曲にあわせて一斉に、ツ、ル、タ、オー!のコールを送ります。いえ間違えました。ツ、ル、タ、オー!ではなく、ツ、ル、ヤ、オー!です」
北高謎の助っ人は一部の予想どうり鶴屋さんだった。プロレス研は事前に知らされていたのだろうが選曲がジャストミート!by福沢朗
鶴屋さんは自慢の長髪をきつく結んでいる、口元こそ八重歯を覗かせ笑っているが、眼は鍛え上げられた刃のように源流を睨みつけている
畳に上がると観客に応えるかのように右手を高々と挙げ、それにあわせて観客たちは「オーッ」と拳を挙げた。
「なんと、謎の助っ人とは書道部の3年生鶴屋さんです、しかし大丈夫でしょうか?」
特別ゲスト長門有希がその質問に答える
「彼女は鶴屋流古武術の達人、19歳で免許皆伝の予定、3年前の武道館であの二人は戦い引き分けている」
解説役を奪われた古泉も黙ってはいない
「長門さんもご存知でしたか・・・その戦いは「武道館伝説、鶴龍頂上決戦」と言われて
格闘技ファンの間で語り継がれています」

 
試合場では二人が睨み合っている、源龍は文字通りガンを飛ばしていたが、鶴屋さんは口元だけ笑って余裕すら感じられる
「源ちゃん、おひさしぶりっさ」
「鶴屋、あんたとこんなところで決着をつけられるとは、監督に感謝するよ、ただの親ばかだと思っていてけど」
 
試合会場の盛り上がりをよそに、北高控え室ではハルヒがごついペンダントのようなものを握り締め、鶴屋さんの勝利を祈っていた。
残りは目下執筆中です、何回にも分けてしまってすまない
570名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 17:43:33 ID:OdEE6a9q
これはなんという鶴龍対決www
花園くんはちゃんと体育教師になれたんだなw
そしてまさかのツ・ル・ヤ・オー!にコーヒー吹いたわww
おばちゃんパーマの寿司屋の大将じゃあんまりにも可哀想なんで
勝手に某レッスルエンジェル○のサンダー龍○で脳内補完しとくwww
571名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 19:00:35 ID:8cXDC+l1
ハルヒちゃん設定きたこれw
572名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 19:01:52 ID:PBMTbwYp
>>554
長門信者は帰れ

>>527
それ寝取られ有りヤン
葉っぱ信者視ね
573名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 19:05:58 ID:RWmEmVze
ハルヒか長門か、どちらを選ぶという問題ではない。
どちらでもおいしい!
574名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 19:06:58 ID:zCC+NZfU
>>540
長門やハルヒに感情移入してしまったぜ、GJ!!

>>569
鶴屋さんキターーー!!w
予想はしてたが、やっぱりそうきたかw
575名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 19:09:47 ID:8cXDC+l1
阪中「何も言わずにNGが一番なのね」
576名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 20:15:27 ID:MECkuvLt
>>569
予想通りの鶴屋さんw
続き頑張れ!
577名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 20:49:59 ID:cpz3FT/R
陸上部に助っ人に入るハルにゃんたち
578名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 21:42:14 ID:lDLDMTHr
キョンのズボンを履くハルヒ
しかしキョンがメタボ気味なのでベルトの穴何個か開けないとずり落ちる
579名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 21:53:36 ID:mWO6XGuM
ハルヒ「あたしキョンと結婚します!絶対けっこんします!」

キョン「俺まだ18才未満だし・・・」
580名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 21:58:28 ID:PBMTbwYp
>>578
それは何十年後のハルキョンですか?
581名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 22:13:05 ID:uoDmY++k
>>531
亀で申し訳ないが>>520です。おおお!なんという早業!GJ!
電波事故処理しようと増幅してみたら、やはりちょっとあんなことやこんなことな展開になってしまったwので感謝。

>>556
あれは名曲だよな。同じく古内東子の「ケンカ」はどう聴いてもハルキョンなんだぜw

>>569
続き楽しみにしてますノシ
582名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 23:30:16 ID:67Pf64O/
ハルにゃんに「おやすみ」と言われたい
583名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 23:30:26 ID:q/gwbfCk
>>554
遅レスだが、ハルキョン派なら無理に長門の恋愛感情まで描くことはないと思うよ
無理な物を書いても上手くは仕上がらないし。
どうしても長門まで書きたいならそれはアリだが、ハル長的な内容でない限りはここに投下すべきじゃない
まずは落ち着こうぜ
584名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 23:32:27 ID:cpz3FT/R
>>582
俺はハルにゃんに「おやすみ」って言ってるぜ
585名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/26(木) 23:44:45 ID:t2Uig6wJ
>>526
ユキなのに平野

誰か先に突っ込んでたらごめん
586名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 00:41:56 ID:Tk0uyQtF
>583
このぐらいならいいのでは
ハルヒが振られて長キョンになるとかならVIPの方がいいかもしれないけどさ
587名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 00:54:47 ID:EzbGZc5h
付けるカチューシャの色によって性格が変わるハルヒ
588名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 00:55:20 ID:AOKBI63u
ハルキョン前提で古泉、長門、みくるのハルヒ・キョンに対する感情はあくまでlikeの好きで
それぞれ二人の仲を応援したり見守ってるっていう設定が好きだなぁ
みんな好きだから、ご都合設定と言われようと誰も不幸になることもなく、みんな幸せが良い
589名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 01:05:57 ID:G4fnmeze
>>588
俺は原作がその設定だと思うんだけどな…
こんなのこと言うと厨呼ばわりされそう…でもあくまでも俺が思ってるだけだからな。
590小ネタSS?:2008/06/27(金) 01:08:14 ID:GKm8Jie8
>>587
「……あ、キョン。おはよう」

おはようハルヒ。朝っぱらから読書か?
(青、だな。今日はのんびり出来そうだ)

「有希が貸してくれたの。面白いわよ」
──
「遅いっ!」

いったいどうした。まだHRには間に合ってるだろ?
(赤い……これは今日は疲れそうだ)

「HRまであと3分くらいしかないじゃない! せっかく今日は何話そうかドキドキしながら待ってたのに!」
──
「……おはよ」

おう、おはよう。どうした気分でも悪いのか?
(紫か。またやっかいな)

「べっつに〜。カラダは元気だけどさぁ、なんかどうでもいいなぁって」

──
「おっはよー! キョン」

おう、なんだ今日も無駄に元気だな。
(やっと黄色か)

「何爺くさいコト言ってんの! ほらシャンとする! そんなんじゃあSOS団の団員として失格よ!」

分かったよハルヒ。だからいちいち手を掴まないでくれ。ネクタイを締めないでくれ。子供じゃないんだからさ。やれやれ。
591名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 02:24:24 ID:Yc8zs9t6
凄いデジャヴを感じる。
592名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 03:01:54 ID:DLH4cOFA
授業中にキョンから昨日のお前は可愛かったぞとメールが来たハルヒ
593名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 03:13:08 ID:UK+Vffag
席替えでお互いの席が逆になり授業中退屈なハルにゃん
594名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 04:06:26 ID:1PqmZIip
>>589
俺もそう思うぞ?消失世界では古泉はLoveだったが、それはあくまでそっちの世界であって
環境が違えばそれぞれ人に対する想いも変わる。
本来の世界ならハルキョンを誰よりも願ってるのは古泉だろう。
595名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 04:36:33 ID:lsj6AdGS
俺の意見は少し違う
ハルヒとキョンが上手くいって欲しいと一番願っているのは古泉だが
惚れた相手が自分以外の人を好きとわかっているので、その二人のために奮闘する、
寅さんや山本勘輔のような哀愁を感じる、ハルヒは気付いていないが
キョンだけはそれをハッキリとわかっていると思う。
大体、仕事だからって、惚れてもいなければあそこまでハルヒの為に色々行動出来ない
俺はSSを書く時、それを基本設定にしてる
596名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 04:43:59 ID:Tk0uyQtF
じゃあ消失での長門の行動は何なのだ。世界を変えてハルヒを別の学校に遠ざけて。LIKEでここまでやりますか?
それを踏まえたうえで言いますが、長門がキョンに告白してふられてしまうSSの何がいけないというの?

長門スレじゃハルヒがキョンにふられた腹いせに長門を殴ったりするSSなんてのがGJGJと持てはやされているというのに。
むこうがそれぐらいやってるからこっちもいいだろ、と言う気はありませんが変な空気だなと思ったので。
597名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 04:51:55 ID:jZYLbuln
俺も以前、キョンとハルヒが上手くいったが、影では古泉と長門が泣いている
というオチのSSを書いたが、特にその点に関して意見は無かったけどな
598名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 05:08:34 ID:YzttF6pA
>>595
ハルヒスレで古泉談義続けるのはどうかと思うがと言い訳して、
古泉はハルヒに好意がある、ここまでは自分も同意できるけど
今の古泉はキョンにも多大の好意があるのであって
二人の背中を押すのはさほど犠牲精神からのものではないと思うぞ。
最近の古泉はみくるや長門にも結構気をまわしてるし
女一人に全てを捧げてみたいな必死さは自分には感じられないなあ。
599名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 05:27:39 ID:qixRUtE1
>>596
基本キョンハル以外のssは読まないから知らんけど
長門スレのSSが酷くても関係ないよ(あんまりハルヒの扱いが酷いのは腹立つが)
相手と同じことして同じレベルまで落ちてしまうの嫌だし

>>595
自分も古泉はハルヒに少なからず好意があると思うぞ
(原作での真意はわからんけど)

けど>>598と同意見で古泉は
ハルヒも好きだがキョンも好き(変な意味じゃくて)
結局古泉はキョンと一緒にいるハルヒが好きなんだと思う。
恋愛感情を抱いていてもいなくても


 
600名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 05:41:05 ID:YzttF6pA
>>596
何がいけないってなら
ハルヒは有希が好きなんだよね。みくるちゃんも古泉君のことも。
だからこのスレではみんな笑ってて欲しいなって思う人がいる。
単にそれだけだろう。
601名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 05:51:48 ID:37e8kL7V
消失世界での話は長門が作り出したものなんだよな?消失古泉がハルヒを好きだと言ったのと通常世界の古泉とは何の関係も無くない?

602名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 06:42:15 ID:Tk0uyQtF
>600
だからといって原作の設定を無視するのはおかしくね?
ハルヒとキョンがくっついて長門が無表情のまま古泉はスマイルのままとは思えないよ。表面上はそう取り繕うにしても。
603名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 06:48:32 ID:sKyGEaNr
みくる「こんな流れでもあたしは空気♪」
604名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 06:59:58 ID:Jsn/viqM
総合でやれ
605名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 07:07:34 ID:YzttF6pA
自分は原作スレの過去ログ読むことをおススメする。
こうと思い込む前にもっといろいろな見解を聞いた方がいいかと。
606名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 07:09:11 ID:+aFfqRI5
>>601
消失世界についてはキョンが『十八日以降、SOS団の連中は全員変な秘密のプロフィールを失っていた。しかし性格までは変化していなかった。その中で唯一人、今までにない行動や表情や仕草を見せる奴がいた。』と語ってる。
だから、『好き』と言う感情を『性格』からくるモノの一つと言うなら、古泉の消失世界でのハルヒに対する『好き』と言う感情は通常世界でも適用されるんじゃないかと。


だが個人的に古ハルやイヤだっ
正直どんな良古ハルSSでも鬱になるorz
やはりハルヒはキョンの嫁が一番さ
607名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 07:38:18 ID:K2RauIVA
>>606
性格というのはその人の性質を現すものだから、好みの傾向は性格からもくるけど
性格だけで恋愛感情が決まるわけじゃないよ。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 07:47:20 ID:ORh1LC1D
>>603
「団長であるこのあたしまで空気な流れね」
「お前は原作でも空気っぽいけどな」
「なんですってぇ!?」
「涼宮さん、落ち着いて」
「なに?」
「キョンくんのモノローグでは、しょっちゅう涼宮さんの事を語ってるんですよ♪」
「え? なにそれ?」
「見て下さい。この笑顔の表現描写♪」
「へぇ〜、ふ〜ん。ねぇキョン。無邪気な笑顔を見るとなんなの?」
「…………」
609SS「涙のリクエスト」:2008/06/27(金) 08:18:05 ID:0BmD3Czc
空気を変えるため投下します
610名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 08:23:45 ID:Sg9JOmim
どぞ
611名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 08:24:04 ID:uZl3S4XK
宇宙人  長門有希
未来人  朝比奈みくる
超能力者 古泉一樹

我等、涼宮ハルヒをチェックする者達
涼宮チェッカーズ
612SS「涙のリクエスト」:2008/06/27(金) 08:40:30 ID:0BmD3Czc
深夜ラジオにて
 
「次のメールは西宮市の「カチューシャ」さんからです。」
 
こんばんわ、あたしの悩みを聞いてください。
同じ部活の鈍い男が、あたしの気持ちに気づいているのに知らない振りしてるだけなのか
本当に鈍いのかわかりません
昨日も部室でケンカしちゃいました。だってあいつ胸の大きい子を見てデレデレしてるし
読書好きな無口な子と眼と眼で会話してるんだもん、あたしはその二人が大好きだから文句は言わないようにしてるけど
あの鈍感、あたしが何かやろうとすると、すぐ文句ばっかり言ってくるし、あたしといると疲れたような顔をする
でもね、たま〜にだけど凄くあたしに優しいときがあったりするから、嫌いになるどころか、もっと好きになっちゃうの
明日は仲直りしたいけど、あたしから謝りたくない、だからあの鈍感が反省してくれるようこの曲をリクエストします。
「あらあら、カチューシャさんは大変な人に恋しちゃったみたいですね、私が思うに彼もきっとあなたと同じ気持ちだとおもうよ」
「思い切って、カチューシャさんのことどう思っているのか、鈍感な彼に聞いてみたら?」
「それにやらないで後悔するより、やって後悔するほうがいいじゃない!今のままじゃジリ貧になるのは眼に見えてるから」
「それではカチューシャさんのリクエストでチェッカーズ「涙のリクエスト」

俺はあらゆる意味で怖くなり曲を聴かずラジオの電源を切った。早く寝よう、
明日あいつに謝るか・・・
613名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 08:44:24 ID:o1Ko3U/r
長門厨うぜぇ
ここくんなよ
614名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 08:53:22 ID:DLH4cOFA
自衛隊に入ったハルキョン
615名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 09:07:15 ID:sKyGEaNr
>612
こえええw
616名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 09:10:33 ID:RMxxytnT
>>612
朝倉さんなにやってるんすかwww
617名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 10:06:18 ID:TlEzTCvI
キョンの初恋の親戚のお姉さんが風呂場からいきなり裸で登場

キョン「な!・・なななな!」

そこへ、たまたまキョンの部屋にいたハルヒがいきなりドスドスやってきて

ハルヒ「な!・・・なななな!」
618名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 10:12:33 ID:n2ZfyJHX
なななな・・・なべあつ
619名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 10:28:08 ID:ORh1LC1D
>>612
朝倉さんワロタw

7の倍数だけ素直になるハルヒとキョン
620名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 10:47:28 ID:GEbH7QuO
>>563のSSが完成したんだが、例によって長いんだよな…。
ざっと計算して13か14レスくらい消費。
規制にあいそうだ…悩むぜ。また避難所に落としてリンク張るかなあ。
621名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 10:47:48 ID:K/FYqvNL
パトレイバーネタで「機動警察SOS」を書きたいのだが
「HARUHI!」を書き終えた時点で、多分力尽き当分SSは書けなくなる
誰か書いてくれる、つわものはいないか?
設定は 一号機フォワード・ハルヒ、バックス・キョン、二号機フォワード・みくる、バックス長門
    後藤隊長・古泉 南雲しのぶ・鶴屋さん 整備班長・新川さん 整備士・谷口と国木田 
 こんな感じで
622名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 10:56:02 ID:xfuy2FnS
>>617
なんだそのジャンプみたいなのはw

>>620
半分づつとか、3分間隔とかで落とすとか。
人の多い時間帯なら結構問題なくいける。
623SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 01:2008/06/27(金) 11:10:08 ID:GEbH7QuO
>>622 サンキュ。いくだけいってみるわ。
--------------------
 せんべい布団の上で何度目になるかわからんくらいの寝返りを打って、俺は大きく溜め息を吐いた。
 やれやれ、寝込んでもう三日目か。お医者様でも草津の湯でも……なんて歌があったが、まさか自分がなるとはねえ。
「ようキョン。入るぜ」
 否応の断りも無しに入ってきたのは谷口だ。こんなヤツでも一応は俺の雇い主なんだよな。まぁ寺子屋通いの頃からの付き合いなんで、二人きりの時は気にしないでもいいんだがさ。
「どうよ具合は? もう三日も寝込んでっけど、ちゃんと食ってんのか?」
 まぁ一応はな。
 俺は布団から身体を起こして応えた。
「それにしても頑丈さだけが取り柄だと思ってたのになあ。流行病でもねえっていうし、一体どうしたんだよ?」
 ぐ……まぁただの過労だよ。疲れがたまってただけさ。
 本当のことなんか言えるわけがない。徹底的に馬鹿にされるだけだからな。
「やれやれ。まぁなんだ。小芝居打つのもガラじゃないからなあ。ズバリ! お前恋煩いだろ!」
 失態だ。こんなヤツに見抜かれるとは。俺は無言で視線を逸らして肯定とも否定とも取らせない態度を返した。無駄な抵抗だがね。
「しっかし朴念仁のお前がねえ。相手は誰だよ? 甘味処の看板娘のおみくちゃんか? それとも呉服屋鶴屋堂のお鶴ちゃんか? 貸本屋のお有希ちゃんやら、剣道場の一人娘のお涼ちゃんなんてのもアリか。ん?」
 谷口が列挙する名前に、俺の病の相手はいなかった。まぁどの娘も顔見知り程度の高嶺の花なんだが、俺の……その想い人ってのは、それよりも遙かに高みにあるからな。
 コイツになんぞ知られたら、それこそ爆笑されるのがオチってもんだ。
「なんだ、どの娘も違うのか。んー……? お前の様子がおかしくなったのは三日前だからなぁ……あ? ははぁ……」
 谷口はアゴの下に当てていた手で二・三度頬を撫でると、ニヤリとイヤな笑みを浮かべた。
 まさか……。
「お前あれか。この前、吉原に行ったときの花魁道中でやられちまったってわけか?!」
 最悪だ。耳まで赤くなってきてやがる。これじゃどれだけ否定しても無駄だ。
「お前なー街の娘なら、そりゃいくらでも目はあるかもしれねーけどよ。花魁は無理だろうよ。それにあの時道中ぶってたのは、よりによって寿々美屋の春陽太夫じゃねえか!」
 春陽太夫。そうさ、寝ても覚めても俺の頭の中にちらつくのは、その太夫の顔なんだ。吉原でも大店中の大店である寿々美屋の太夫。
 俺みたいな染め物職人如きが相手に出来るわけもない高嶺の花だ。
 思い返せば五日前のことだ。谷口に連れられて吉原を冷やかしに行った俺は、人だかりに紛れて谷口とはぐれちまったんだ。
 往来の激しい吉原だが、人だかりが出来るなんてのは火事か喧嘩か、もう一つに決まってる。で、俺は人垣の向こうに、そのもう一つ、つまり花魁道中を見たってわけだ。
 なにしろ今をときめく太夫だからな、俺にゃ縁がないと特に興味も持たずに谷口を捜そうとしたんだが、ちらと覗いた行列――禿を先導にしたその後ろに――。
 えらい美人がいた――。
 外八の字でゆっくりゆっくりと歩く花魁の傍らで、禿が口上を唱う。

『 おいらんとこの姉さんは 歌に三味線 舞にお茶 東の中で随の一
   ただの大尽 興はなし 人外神人仙人や 聞かば寄り越せ 寿々美屋へ 』

――それが寿々美屋の春陽太夫だったってわけだ。
 以来俺は何をしていても頭に浮かぶのは太夫のことばかり。しまいにゃこうして寝込んじまったってわけだ。我ながらなんとも情けないね。
「あいつはダメだ、やめとけ。なにしろどんなお大尽だって振っちまうんだからな。器量はいいし、太夫の品格もある。学もあるし歌も楽も舞も碁も特級品だが、なにしろ我が儘さも天下一品だからな」
 知ってるさ。大門の外でだって男衆の間じゃ有名だからな。そんな噂話を聞くだけで、俺には手の届かない高嶺の花だってことを改めて知るばかりだ。
 だからこうして布団引っ被って寝込んでたんだよ。放っといてくれ。
「なに言ってんだか。お前は腕の良い職人なんだから、ちゃっちゃと現場に出てもらわなきゃ困るんだ。まぁ叶わねー相手だ。諦めて現実を見ろって。別に太夫でなくてもいいだろ。気晴らしに冷やかしに行こうぜ!」
 明るく励ましてくれているようだが、吉原なんぞに連れて行かれたら、余計に辛くなるっつーの。どっかのお茶屋に道中打たれてるところに出会してみろ。しまいにゃ大川に飛び込むぞ。
「やれやれ、岡惚れもいいところだな」
624SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 02:2008/06/27(金) 11:12:35 ID:GEbH7QuO
 うっさい。その内諦めもつくから、もう少し寝かせといてくれ。
「困ったヤツだなあ。まぁあの我が儘ぶりじゃ、年季明け前に誰かに身受けされるなんてこともないだろうけどな」
 考えたくもねーよ、そんなこと。
「なにしろどれだけのお大尽でも振り飛ばしてるんだ。太夫の特権だな。会うだけでも十両はかかるってのに五分で振られちゃ世話ねえぜ。なにしろ天人、仙人、人外でもなきゃ興味が無いとか言ってるらしいからな」
 そう言うと谷口はにが虫を噛み潰したような顔をした。まさかお前……。
「ち、ちげーよ! とにかく! さっさと店に戻ってこいよ! 染め物の注文がたまっちまう前にな!」
 慌てたように部屋を出て行く谷口。……まぁ振られたんなら構わないけどな。
……それにしても……。
 俺は布団にごろりと横になって考える。十両、十両か。十両ねえ。
 俺がしこたま働いて得られる金が一年三両。手持ちの金なんか一両にも満たない――最低でも四年か。
 その間に年季が明けるか、どこぞのお大尽の囲われものになるか、大寺の後家さんにでもなっちまうかもしれないんだなぁ……やれやれだ。
――ガラリ。
「おいキョン」
 なんだよ谷口。帰ったんじゃねーのかよ。
 再び扉を開けて顔を覗かせた雇い主に悪態を吐く。
「十両だ。いいか、お前気合い入れて三年働け。そうすりゃ九両になんだろ。幼馴染みのよしみで、残りの一両は俺が出してやる。それで十両だろ? そんときまでに春陽太夫が大門の内に居たら……お前会うだけ会ってこい。いいな?」
 谷口……。
「それとな、太夫の動向はそれまで俺が見張っててやる。大丈夫だ。こう見えても紺屋の若旦那様だ。吉原じゃそこそこ顔が利くからな。だから……さっさと仕事に戻れよ?」
 三年経ったら春陽に逢える。三年。三年か。俺はさっきまで考えていた四年という時間が一年間縮まったというだけで有頂天になっていた。
 現金なもので、それまでの憂鬱が吹っ飛んだ俺は、せんべい布団から身体を跳ね起きさせて、戸口にいた若旦那に飛びかからんばかりの勢いで近づくと、何度も何度も礼を言った。

 ◇ ◆ ◇

――それからというもの、俺はそれこそみっちりと働いた。紺屋の職人仕事ってのはなかなかに重労働だ。時間のかかる染め物仕事だが、それでも丁寧にやってなんぼのもんだからな。
 藍で手を真っ青に染めながら働く俺。三年経ったら春陽に逢える、三年経ったら春陽に逢えるって心の中で呟きながらな。
……時々口に出してたようで、随分とからかわれたもんだがね。
 谷口……いや、若旦那が言うとおり、俺の腕は悪い方じゃないとは思う。本人としちゃあ、ただ丁寧にやるってだけなんだが、それが評判になるってのは悪い気はしないもんだ。
 その内仕事ぶりが大旦那にも認められ、俺はいつの間にか手代から小番頭に出世していた。そして中番頭にまで出世するというような話が出た二年目の夏頃のことだ。
 俺は仕事終わりに湯屋に寄り、近所のお社の縁日を冷やかしてみることにした。ついでに賽銭一つも放って願掛けもしようかってね。
 ところが参拝を済ませたところで、突然の夕立がやってきやがった。
 やれやれ困ったもんだ。せっかく湯で温めた身体が冷えちまう。暑い夜のお湿りにゃいいかもしれんがね。
 そんな風に独りごちながら、お社の軒下で雨宿りをしていると、娘が一人こっちに駆けてきた。雨宿りのお仲間ってわけだ。
「もー! ひっどい目にあったわー」
 誰とも無しに憤慨の声を上げる娘さん。
「まぁ仕方ねえさ。突然振るから夕立ってんだからな」
 俺も気軽に声をかける。
「そりゃそうだけどね。あら兄さん、いいもの持ってるじゃない。ちょっと貸してもらえない?」
 俺が肩からかけている手ぬぐいを指さして言う。ま、構わんけどな。湯屋の帰りなもんで、多少濡れてるがいいのかい?
「露を払うだけだからね。じゃ、借りるわよ」
 そう言うや、ひったくるように手ぬぐいを取って着物の肩口やら袖やらを拭い始める。裾から覗く白い脚が酷く目に眩しくて、目を逸らす。
「やれやれ、ありがとね。さて、どれくらいで止んだものかしらねえ」
 軒から空を覗いてみるが、当分は無理だろう。ま、半時もすればってところかね。
「参ったわねえ。お賽銭ケチったからかしら?」
 ころころと笑う娘。よく見れば大層な美人だ。化粧をすればもっと化けるかもしれんね。
「兄さんはどうしてここへ? 夜見世の冷やかしかしら? それともお参りに?」
 ま、そんなところさ。
 俺は突然出来た雨宿りの道連れに、自分の恋煩いを告げる気にもならず、誤魔化してみた。
 そういうそっちはどうなんだい?
625SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 03:2008/06/27(金) 11:13:47 ID:GEbH7QuO
「あたし? 今日はうちの娘……じゃなくって、妹たちにね。夜見世で欲しいものがあるってんで、お暇もあったからお参りついでにちょっとね」
 なるほどね。確かにこの時間に子供らを外に出しちゃいけないしな。
「そういうこと。ま、それともう一つ理由はあるんだけどね」
 へぇ? お参りの方かい?
「そ。まーでも他人様に話すようなことでもないわ。……そーね、兄さんが語ってくれたら話してあげてもいいわよ? 雨上がりまでの退屈しのぎってことでね」
 そう言ってまたころころと笑う。随分とおきゃんな娘さんだ。どこぞの茶屋の看板娘かもしれんな。ま、同じ軒下に入ったのも何かの縁だ。
 笑ってくれても構わんが、出来ればそんなに笑わんでくれよ?
 そう前置きしてから、俺はお参りの願い事を話してみた。って、お参りごとってのは話しちゃ願がとけちまうんじゃないかね?
「へ、へぇ。随分と初心なんだねえ兄さん。そんな一目惚れがあるもんなのねえ」
 まぁ、これまであんまり女衆とは縁のない人生だったからな。
「あははっ。で、でもその相手の太夫さんってのも、きっと喜ぶだろうねえ。兄さんが三年みっちり働いて逢いに来てくれるってんなら、三度目の馴染みを待たずに床入れだってしちゃうかもしれないわよ?」
 こらこら、若い娘がそんな吉原の仕来りに詳しいってのはどういうこった。嫁の貰い手がなくなるぞ?
「お生憎様! これでも引く手はあまたなんだから。まぁ、お断りさせてもらってるけどねぇ。ろくな男がいないもんだからさ」
 そういうと娘は少し寂しげな顔をしてみせた。
「あたしねぇ。昔っから不思議なことに目がないのよ。器量には自信がないわけじゃないから、寄ってくる男衆はそりゃ多いけどね。ただの男には興味ないの」
 どっかで聞いたことのあるような事を言いやがる。
「芸事を一通りやってみたりもしたけどね、てーんで面白くなくってさ。今日お参りに来たのもね、不思議なことに出会えますようにってね。そんなお参りにきたってわけ」
 そして、また鈴の転がるような声で笑うと、たまの縁日だから、お稲荷さんでもそこいらにいるんじゃないかってね、なんて付け加えて、娘は向日葵みたいな笑顔を見せた。
「これで晴れ間が射してりゃ、お狐さまの嫁入り道中でも見られたかもしれんがねえ」
 そんな風に俺も返すと、二人で顔を見合わせて笑いあう。
 よほど面白かったのか、身体を折って笑う娘さん。と、姿勢を崩したものか二足ほどよろけると、石畳に尻餅をつきそうになった。慌てて手を伸ばして白い手首を握る俺。
 やれやれ間一髪だな。着物が台無しになるところだったぜ。
 笑うも結構だが、足下にゃ気をつけなきゃな。年頃の娘さんらしく、おしとやかに笑えばいいものを、馬鹿みたいに大笑いするからだぜ?
「余計なお世話様! でも……あ、ありがとね……」
 憎まれ口と礼とを同時に受け取りながら助け起こしたが、見れば見るからに上等な草履の鼻緒が切れちまっている。なるほど、これじゃ転ぶわけだ。
「ちょいと待ってな」
 そういうと俺は娘の足下にしゃがみ込んで、肩に掴まらせると懐から染め物の端布を取りだして鼻緒を結い直した。仕事帰りでよかったぜ。そら。
 そう言うと結い直した草履を履かせてやる。左が紅で右が藍ってのはどうにもいけないが、まぁ家に帰るまでの辛抱だ。
「……あ、ありがとう」
 見れば娘さんは顔を真っ赤にしている。どうしたんだ? 雨にうたれて熱でも出したんじゃあるまいな。
「ち、違うわよ!」
 まぁそれならいいんだがな……ん? 娘さんはじっと俺の手を見ているようだ。どうしたんだ? 俺の手がどうかしたか?
「え、あ、うん。兄さん、いい手をしてるねえって思ってさ」
 いい手? これがかい?
 俺の手は爪まで真っ青に染まっちまってる。紺屋の染め物職人なら誰でもそうなるもんだ。職人にとっちゃ勲章みたいなもんだが、あんまり見栄えのいいもんじゃあない。
「そんなことないわよ。ちゃあんと働いてる手。あたしはきらいじゃないわよ。ろくな働きもしないで真っ白けな手をしてるお大尽共より、よっぽど実があるわ」
 端布一枚分にしちゃ過分な誉め言葉だね。ありがたく受け取っとくさ。
 そう言って頭を掻きながら笑うと、今度は俺の顔を見てぼうっとしてる。
 おいおい本当に大丈夫かい? なんならお医者に診てもらった方が……。
「な、なんでもない! 大丈夫、大丈夫だから!」
 慌ててそっぽを向く娘。同じ方を見れば雨は上がり始めたようだ。
 さて、そろそろ帰るとするかね。
「そ、そうね。ねぇ……兄さん、お名前は?」
 別れ際に娘さんが問いかけてくる。
626SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 04:2008/06/27(金) 11:15:19 ID:GEbH7QuO
 おいおい、娘から名前を聞くなんてあんまりするもんじゃないぜ?
「いいから!」
 谷口屋っていう紺屋の小番頭さ。店の連中も旦那衆もキョンって呼んでる。間抜けな呼び名だが、親からもらった名前より通りがいいんでね。お前さんは?
「あ、あたしは……お春。お春っていうの」
 そうかい。そんじゃお春さん、気をつけて帰るんだぜ? お稲荷さん探しは明るい内にな! 縁がありゃ油揚げ用意して付き合ってやるからさ!
 そう言うと、俺はまだ小雨の降る中へと一足先に飛び出した。
 お春さんか、あの娘も大層可愛らしかったなぁ。白粉はたいて紅をさせば、そりゃあ春陽太夫にだって負けないくらいの器量だったかもしれん。
 いやまぁ太夫になるにゃ少々おきゃん過ぎだけどな。
 境内へと続く石段を駆け下りて、ちらと振り返ると、お春さんはもういなかった。

 ◇ ◆ ◇

 それからまた一年。あの日から都合三年が経っていた。
 それだけ経てば岡惚れした花魁のことなんて忘れるだろうって? そんなわきゃねえだろう。一年前の雨宿り、たまたま出会ったお春さんに少しばかり心揺れたこともあったが、あれから一度も会えてねえしな。
 まぁそれをいったら春陽太夫だってそうなんだが……。
 それはそれ、これはこれ、だ。あの日から三年という約束を果たすべく、俺は谷口……もとい若旦那に話をしにいった。
「お? どうしたキョン。えらい顔色して。なんか良いことでもあったのか?」
 まあな。今日で年季明けだからな。ちょっと興奮もするってもんだよ。
「年季明けって別に奉公で来てるわけじゃねえんだから。自分の店でも持つのか? いくらなんでもそりゃまだ早いだろう」
 こいつ、絶対に忘れてるな……。
 そうじゃねーよ。俺の今まで溜め込んでた給料を全部出して欲しいって言ってんだよ。
「ん? 確かにこの三年のお前の給料は全部預かってるが……なにか買うのか?」
 まぁ買うっちゃ買うんだろうけど……ズバリ言うなよ。設定上仕方ないとはいえ、ちょっと色々、その、なんだ、困る。
「わけわかんねえやつだなあ。お前の溜め込んでた分は総じて九両だ。大したもんが買えるわけだが、なにを買うのか教えてくれたっていーじゃねーかよ」
 そりゃその……なんだ。はる……ごにょごにょ……をだな。
「貼る温パ○クスだあ? そんなもん九両分も買ったら店が開けるほどになっちまうぞ?」
 なんだよそれ! っつーか時代考証的にそんなものがあるわけねーだろ!
 春陽だよ! 春陽太夫!
 お前が言ったんだろうが! 三年勤めて九両溜めたら一両足して十両にしてやるって。それで座敷あげて春陽太夫を呼んでくれるって! 忘れたのかよ!
「あー! あーあーあー! そーいやそうだったな! いや、和和和忘れてたわけじゃねえんだ! いやマジだって! そっかそっか、いやしかしお前も純情だねえ」
 余計なお世話だ。他に道楽ごとがあるわけじゃなし、こうと決めて貫き通しただけだよ。
「ま、いいや。気に入ったよ! よし、一両足して十両な。確かに出してやる! 春陽太夫は相変わらず馴染みもつけずにいるって話だ。お前なんかじゃ無理だろうが、行くだけ行ってこい!」
 俺は大きく肯くと谷口の手を取って感謝した。後にも先にもないくらいにな。
「だがなーキョン。大門の座敷ってのは、そうそう職人なんぞがあがれるところじゃねーんだ。粋であることも必要だが、お上品でなくちゃいけねえ。だからな、お前お医者の古泉先生のところに行ってよくしてもらいな」
 先生には連絡しとくからよ、なんて言って谷口は丁稚を一人呼びつけると、自分の着物を一張持ってこさせた。それも随分上等なものだ。
「せっかくの晴れの日だからな。藍の染みた着流しなんかじゃつまんねえだろ。これ貸してやるから着ていきな」
 なんか悪いものでも食ったんじゃないかという程の大盤振る舞いだ。俺は思わず谷口の額に手を当てて熱を測りたくなったが、ぐっと堪えて着物を押し抱いた。
 悪いな。恩に着るぜ。
「幼馴染みのよしみだ。いいってことよ。頑張って来いよ!」
 そう背中を押されると、俺はまず湯屋にかけこんで身体中を音の出るほど洗い、ニヤケ面で有名な古泉先生のところへと向かった。
627623:2008/06/27(金) 11:20:29 ID:4hBun9wV
ケータイからw
連投規制対策で小休止します。
平日昼だし当たり前だが人少ないよなー。
628名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:20:43 ID:Mt2Qj0ca
支援
629SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 05:2008/06/27(金) 11:22:31 ID:GEbH7QuO
「話は聞いてますよ。ふふっ。随分と熱をあげたものですね」
 何を隠そう、こいつも寺子屋からの幼馴染みだ。いつでも薄ら笑いを浮かべたにやけ面で、街の娘にも人気がある。吉原でも馴染みの気障ったらしい野郎だ。
 こんな奴の世話になるとは歯がみしたくなるね。
「まぁまぁ、あなたみたいな堅物の朴念仁が一身をかけた三年越しの恋煩いじゃないですか。協力は惜しみませんよ」
 へいへい。さっさと座敷の作法とやらを教えてくれよ。
「そうですねえ。まず、あなたが紺屋の職人だということを気付かれてはいけません。とりあえず遠い大寺の次男坊あたりにしておきましょうか」
 なるほどなるほどって、俺は経なんざ読めないぞ?
「いいんですよ、次男ですからね。それで書道の達人で、寺の名を慈音、雅号は墨州といった感じでいかがでしょう? なに、座敷で一筆ねだられたら自前の硯と筆でないと無理だと断ればいいんです」
 慈音墨州(じおんすみす)……ねえ。なんだか舌を噛みそうだな。
「まぁ、お座敷じゃその名で呼ばれることもないでしょう。さて、お召し物はいいようですから、あとは言葉遣いと……その手ですね」
 言葉遣いったって、突然お前みたいにお上品に喋れってのは無理だぜ? それに手だって染みこんだ藍は落とせねえ。これでも湯屋に行ってきたんだがな。
「ふふっ。まぁまぁ、言葉遣いはそう改まりませんからね。粋な会話を楽しむというのは難しいですが、花魁に何を言われても『あいよあいよ』と応えるようにしてください」
 なんだそのナヨナヨした口調は。
「まぁまぁ、一応は努力してくださいね。それから手ですが……湯で落ちなければこういうものがあります。鶯の糞で作ったものなんですけどね……ああこれでも落ちませんか。じゃあ、こうしておいてください」
 そういうと古泉は着物のたもとに指先を隠してみせた。なんだかますますナヨナヨだなあ。お座敷じゃこんなことしてなきゃいけないのか。
「氏素性やら、お郷が知れたら、喩え金を払っていても追い出されるのが座敷という場ですからね。太夫に逢いたいなら、我慢ですよ。いいですね?」
 諭すようにいいながら、にこりと微笑む古泉である。やれやれわかりましたよ。
「結構です。それじゃお茶屋と寿々美屋には、使いを遣って話を通しておきますので」
 古泉先生、いや、古泉。
 俺は立ち上がって支度をしようとする古泉に呼びかけた。
「はい? なんでしょうか?」
――ありがとうな。
「とんでもない。幼馴染みの恋、応援しないでどうしますか。ああ、それと……一つ面白い噂があるんですよ」
 なんだ?
「あなたが夢中になっている春陽太夫ですがね。道中での禿の口上は御存知ですか?」
 ああ、人外神人仙人やってヤツだろ。
「ええ。それに一つ加わったものがあるんですよ。一年ほど前からね」
 へえ。鬼か幽霊か狐狸の類でも加わったのか?
「おや、鋭い。加わったのは『高野のお狐』だそうですよ。全く、あの太夫は何を求めてるのかさっぱりわかりませんね。不思議な花魁ですよ」
 こうやのおきつね、ねえ。
「それでこの一年は馴染みになるどころか、座敷で問答をふっかけては追い返してるそうですから……あなたが人外やら神人・仙人か狐だったらよかったんでしょうけどねえ。困ったものです」
 ま、そりゃ無理だ。慈音墨州なんて名乗ったところで、化けの皮どころか袖を捲れば紺屋の職人だからな。逢えるだけでいいんだよ。逢えるだけで、な。
「まったく、あなたの純情ぶりには頭が下がります。さて、じゃあ大門へむかいましょうかね」

 ◇ ◆ ◇

 そんなこんなでまずはお茶屋のお座敷にあがったわけだが、まーこれが大騒ぎだ。芸者衆がやってくるわ幇間が騒ぐわでなにがなんだかわかりゃしない。灘の生一本ですなんていわれて出された酒だって味もわかりゃしない。
 溜め息ばっかり吐いていると、古泉は楽しげに芸者に酌をさせちゃ三味線やら舞やらに拍子を入れてやがる。馴染みの場慣れってのはこういうのを言うんだろうね。
 まぁそれでも酒が入りつつも、なにか問われれば『あいよあいよ』なんて誤魔化してたところで、お茶屋から寿々美屋に出した使いが帰ってきたという報せが入った。
 なんでも今夜は春陽太夫の身体が空いているという。今夜が駄目なら次の約束を入れるってのが慣わしらしいんだが、本当に運が良かったってわけだ。なにしろ人気の太夫だからな。
 お茶屋での馬鹿騒ぎが終わると、古泉は「僕はこの辺りで。それではごゆっくり」なんて谷口みたいなことを言って大門を出て行った。やれやれ、ここからは単独潜入ってことだ。
630SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 06:2008/06/27(金) 11:24:58 ID:GEbH7QuO
 お茶屋の使いを先導に、提灯の灯りに引かれて奥へと進む。大店の寿々美屋に着くと相手は俺がお大尽だとばっかり思ってるもんだから、大層なもてなし振りだ。わざわざ主人が外まで出迎えてくれるってのは、やり過ぎだと思うがね。
 なんだかよくわからない挨拶ごとをされるたびに『あいよあいよ』と言うだけ言ってたわけだが、ようやく花魁の部屋に通された。
 しかしまぁ驚いたね。なんだこりゃ。どこもかしこも煌びやかな錦に飾られた上に、布団がでーん、だ。しかも俺が寝てるようなせんべい布団じゃない、分厚いやつが二枚重ねだ。
 しかも、それまできんきらりんってのは、こりゃもうなんていうか、ここはくつろぎ別世界ってやつだね。どうにも居辛くってくつろげやしないんだけどな。
 そんな風に呆然としていると、部屋に案内してくれた新造が「ぬしさんぎょしなまし」なんて言ってきた。なんだって? と聞き返したかったが、とりあえず例の言葉を返しておく。
 そうすると、また同じ言葉をかけられる。えーと、ぎょしなましって言われてもな……。
 そんな風に首を傾げていると、後ろから鈴の鳴るような声が聞こえた。
「寝なまし」
 え? 寝ろったってどこへ?
 きょろきょろと見回すと、いつの間に来たものやら、花魁――春陽太夫が禿に手を引かれてそこにいた。
 灯明の薄明かりじゃ細かいところまではわからないが、間違いない。確かにあの日花魁道中で見た春陽太夫だ。
「こちらざます」
 なんて指さされたのは、布団の上。あいよあいよと古泉に言われた通りに応えたいんだが、喉が詰まったように音が出ない。
 ふらふらと歩いて、とりあえず布団の上に座ったもんだが、禿に手を引かれて枕元にやってきた太夫に俺の視線は釘付けだった。
 やがて太夫は枕元にゆらりと座り込んだ。所作の一つ一つがたまらなく艶っぽい。灯明に照らされた花魁座りの横顔だけでも、俺はもう手を合わせて拝みたくなった。
 なにしろ三年越しの念願が叶ったわけなんだからな。感動もひとしおってもんだ。
「まずは一服のみなまし」
 そんな風にいって花魁は火を付けた煙管を寄越したが、なにしろ煙草なんざ吸ったことがない。
 それでも太夫が口づけて火を灯した煙管を断るわけもなく、俺は夢中ですぱすぱと吸って豪快にむせた。
「あらあら、ぬしさん」
 なんて、くすりくすりと笑う春陽太夫。ああ、これだけでも俺は本当に幸せだ。心からそう思った。
「今日はよう来てくんなました。お裏はいつごろに?」
 俺が噎せ返るのを終えると、太夫はそんなことを聞いてきた。「おうら」ってのはなんのことかわからなかったので思わず、きょとんとした表情をしてしまう。
 察したものか、花魁は、
「次はいつ来てくんなます?」
 と言い換えた。
 古泉から吉原への道々聞いた話では、花魁の馴染みになるには三度は通わなきゃいけない。
 一度目は逢って一服するだけ。二度目に酌をしてもらいながら話ができて、三度目でようやく床入りだ。
 一度に十両かかるなら、都合で三十両。おまけに俺は春陽太夫の望む人外でも神人でも仙人でも狐でもない。ついでにお大尽でもなんでもない。
 だから逢うだけ、逢えるだけで、それでよかったんだ。
 だけど――。
 気がつくと俺は涙を流していたらしい。自分でも驚いたが、谷口から借りた着物に染みが落ちるのを見ては、気付かざるを得なかった。
「ぬしさん……?」
 横顔だけを見せていた花魁は、ついと近寄って俺の顔を覗き込む。
 涙でぼやけてよく見えないが、ああ本当に綺麗だなぁなどと俺は泣きながら考えていた。
 どういうわけだか花魁は部屋に控えていた新造と禿に部屋から出るよう合図を送ったらしい。派手な襖が音も立てずに閉まると、二人きりの部屋で俺はぽたぽたと涙を流し続けた。
「どうなすったんですか。なにかお辛いことでもありんしたか」
 そうじゃない。そうじゃないんだ花魁。
 なんとかそう言うと、俺は爪先を隠したまま涙を拭っていた袖をはだけて、太夫の目の前に自分の指を差し出した。
 花魁、こいつを見てくれ。俺は実はお大尽なんかじゃないんだ。慈音寺の次男坊でも書道の達人の墨州なんかでもない。しがない紺屋の染め物職人でキョンって呼ばれてる小番頭だ。
 花魁、お前はさっき次はいつ来るって聞いたよな。そりゃあすぐにだって来たい。毎日だってお前の顔を見ていたい。だが俺の給金じゃここに一回来るのに三年かかるんだ。
 三年前、俺はお前さんの花魁道中を見て一目惚れしちまってな。以来、必死に働いて十両貯めて……それでようやく、今日お前に逢えたんだ。
631SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 07:2008/06/27(金) 11:26:33 ID:GEbH7QuO
 そりゃあ、お前にまた逢うためなら、また三年、そのまた三年と働いたって構いやしない。
 でもな、その間にお前がどっかのお大尽に身受けされて囲われものにでもなっちまったら……二度と逢えない。そう思ったらつい、な。なんとも情けないこった。
 俺は鼻をすすり上げて、掌で涙を拭った。
 すまねえな。男が泣くなんざ見栄えのいいもんじゃない。良い夢見させてもらったと思って、これからも働くよ。ありがとうな花魁。
 そう言って席を立とうとすると、春陽太夫は俺の裾をついと掴んだ。
「……ぬしさん……いえ、兄さん。今の話は本当?」
 しずしずとした廓言葉を取り去ったその声には、どこかで聞き覚えがあった。
 本当も本当さ。嘘偽りは一切ない。大体この手に染み込んだ藍は、一日や二日でつくようなもんじゃねえんだ。
「そうよねぇ……まさかでも、本当に来てくれるなんてねぇ……」
 へ?
 思わず上げかけた腰をおろして間抜けな声を上げてしまう。
 太夫は灯明台を近づけて、自分の顔と俺の顔がよく照らされるように置いた。
「ああ……やっぱり兄さんだ。あたしよ。いつかのお社で雨宿りした」
 白粉をはたいて紅をさして、綺麗に結い上げた横兵庫の髪には飾りかんざし。幾重もの錦をまとった吉原一の花魁……だが、その面影には確かに見覚えがあった。
「お春さん……か?」
 花魁、いやお春さんはその目をきらきらと輝かせて、こくりと肯いた。
 でも……そんな。
「もう、間抜け面してんじゃないわよ兄さん。これでも信じない?」
 お春さんはそういうと、懐から藍の端布を取りだした。それはあの雨宿りの時に、俺が草履に挿げてやった端布だ。間違いない。でも、お春さんが春陽太夫で、春陽太夫がお春さんで……?
「あの日からずっと、ずっと待ってたんだからね……」
 涙声でそう言うと、お春さんは俺にしなだれかかってきた。混乱する頭でどうすることもできず、俺はただお春さん、いや春陽太夫の身体を受け止める。
「初見は一服、裏で一献、三度で床入れなんてのが吉原の仕来りだけどね……あたし、一度も床入れなんてさせてないのよ」
 でも、それじゃあ商売ってもんが……。
「だって、あたしは太夫ですもの。それでも物好きな客が来てくれるの。でもその度にね、人外や神人や仙人でもなきゃ、なにか不思議なものを持ってきてって追い返すのよ。それでも不思議なことにお客さんは絶えないのよねえ」
 どっかの昔話で聞いたことがあるような話だな。竹取のなんとかっていう。
「でも、そういうお客さんが持ってくるのは反物やら紅やらばっかり。そんなものあたしはいらないのにね」
 そりゃあ残念だ。俺だって人外でも神人でも仙人でもないし、不思議なものなんて持ち合わせちゃいない。
「馬鹿ねえ。兄さん、あんたと出会ってからあたしは道中の口上を変えたのよ。聞いたことない?」
 そういえば……。
 俺は古泉の言葉を思い出していた。人外神人仙人に……確か『高野のお狐』だっけか。だがあいにく俺は狐じゃないぜ。尻尾でも生えてりゃよかったんだが。
「鈍い人ねぇ! こうやのおきつねってのは、あんたのことよ! 紺屋のキョン!」
 あーなるほど、狐がコンコンってのが訛ってキョンキョンって、ええええ?!
 驚いて口をパクパクさせているだけの俺にお春さんは続けた。
「あたしね、あのお社の軒下であんたの話を聞いて思ったの。どんなお大尽に身受けされるより、こうやって一途に思って一生懸命に働いてくれる人だったら、喩えあたしが伏せっても、きっと大事にして添い遂げてくれるって……」
 相変わらず口を開けたり閉じたりしている俺である。
「だからね……もしあんたがあたしを……その……嫌でなかったら……あたしを……あんたのおかみさんにしてくれない?」
 とんでもないことを立て続けに言われて、俺は頭の中が真っ白になってしまった。真っ白ついでに自分の頬をつねってみる。あ、こりゃ痛い。どうやら夢じゃないみたいだ。
「んもう、どうなのよ?」
 ちょっと怒ったような声で答えを催促するお春。
 そ、そんなもん決まってるだろう! お前が俺のおかみさんに? こんな紺屋の職人でいいのか?!
「紺屋の職人、いいじゃない。藍の染みた実のある手、あたしは大好きよ。それに……あたしのお稲荷さん探しだって、付き合ってくれるんでしょう?」
 いつか見た向日葵のような笑顔に、少しだけ恥じらいを加えた顔で微笑むお春さん。
 ああ、嘘はつかねえよ。油揚げ持って江戸中のお稲荷さんを回ろう。それに祝言は天気雨の日だな――。
 そう言って俺はお春を抱きしめた。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:29:04 ID:Mt2Qj0ca
支援
633名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:29:31 ID:Mt2Qj0ca
支援
634SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 08:2008/06/27(金) 11:29:50 ID:GEbH7QuO
「でもね、一つだけ約束して頂戴」
 なんだ? なんでも言ってくれ。
「あたしね、来年の三月十五日で年季が明けるの。そしたらあんたのところに直ぐに行くから。だからね、それまでの間……」
 今まで三年も辛抱したんだ。それぐらい待つなんざ造作もないことだが……それまでの間?
「二度と吉原に来ないこと! いいわね!?」
 そういうやお春は俺の腕をきゅいっとつねった。いてててててっ!
「約束破ったら……縛り首にしちゃうんだからね……!」
 そう言うや、俺はお春にのし掛かられるように押し倒された。幸い分厚い二枚敷きの布団の上だから何事もないわけだが、何事もないというかなんというかその、なんだ。えーと。
 花魁、いやお春さんよ。初見は一服するだけじゃないのかい?
「ばかねー! ここまで据え膳出されて何言ってるの? それに言ったでしょ? あたしに逢うにしたって二度と大門をくぐっちゃダメって」
 えーと、その……。
「あ、そうそう、今日のお代もね。あたしがいいようにしとくから、ちゃあんと貯めときなさいよ! 所帯もったら独立するんだからね!」
 あ、はい。えーと、頑張ります……?
「さ、それじゃ……えーい!」
 わっ! こら! 帯を引っ張るな! なんかこう立場が違うって!
「それそれー! くるくるくるー!」
 ぅわぁあぁあぁーーっ!!

 ◇ ◆ ◇

 五通りほどの意味で夢のような一夜が明けて、大門を出た俺は黄色い太陽を見上げながら紺屋に出向いた。
「おうキョン。随分早いじゃねーか」
 ああ、まーな。遊びに行って遅れてきちゃなんだしな。あ、それと着物ありがとうな。あとで返すわ。
「おう、いいってことよ。で、どうだった? まー振られただろ。仕方ねーよ。あの春陽太夫が相手じゃな。そもそも三度通わなきゃ床入れもできねーしな」
 あーうん。なんかそうらしいな。
「落ち込むなって。女なんかよりどりみどりさ。また吉原に行こうや。奢ってやっからさ!」
 あー……それがな。もう吉原には行けないんだ俺。
「おいおい、いくら振られたからってそこまで思い詰めることはねーだろ。太夫は無理でも、他にも女郎は大勢いるんだぜ?」
 えーと、そういうわけではなくてだな。約束したんだよ。もう吉原には行かないって。
「約束ぅ? 誰とだよ?」
 お春と。
「お春って誰だい? どっかの女郎か?」
 まぁ女郎っていうか太夫だけどな。
「は?」
 春陽太夫。本名はお春なんだよ。
「なんでお前がそんな約束すんだよ?」
 えーと……来年三月十五日にお春の年季が明けたら、夫婦になるから……?
「……は? おいおい、誰か古泉呼んでこい。キョンの野郎、すっかりおかしくなっちまってやがる」
 いやいや、俺も自分でもおかしくなったんじゃないかとは思ってるけどな。これが本当なんだよ。
「まーたまた。お前そりゃ花魁の手練手管ってやつだよ。そうやって二度目三度目と通わせるってわけだよ。お前騙されたんだって」
 まぁそれでもいいさ。全ては来年三月十五日になりゃわかるんだしな。
 よっしゃ! 気合い入れて働くぞっ!!
「ま、やる気があるのはいいんだけどなぁ……大丈夫かね」
635名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:31:59 ID:Mt2Qj0ca
支援
636SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 09:2008/06/27(金) 11:32:02 ID:GEbH7QuO
 それからというもの俺はそれまでの三年以上に精を出して働いた。
 まぁ三月十五日が待ち遠しくって昂揚しすぎてたんだろう、例によって心の中だけで呟いてりゃいいものを「三月十五日」なんて口に出して言っちまうことも多々あったらしい。
 おかげで、谷口はおろか小僧や手代まで俺のことを「三月十五日の人」なんて呼ぶ始末だ。せめて前のあだ名で呼んでくれって。
 そうこうする内に月日は流れて三月十五日。相も変わらず染め仕事をしていると、谷口がすっ飛んできた。
「さ、三月十五日!」
 日付なのか俺を呼んでるのかはっきりしろ。
「きょ、キョン! 表に、表に三月十五日が!」
 表でなくても畳を裏っ返しても今日は三月十五日だよ。
「そうじゃねえって! 表に来てんだよ! 春陽太夫が!!」
 俺は谷口の言葉を最後まで聞かずに飛び出していた。
 店の前に籠を控えさせて、質素な着物を着た女性。
 白粉も紅も薄くして、横兵庫を丸髷に結い直した――どえらい美人がそこにいた。
「お、お……」
 お春、そう言おうとするが声にならない。
「約束通り来たわよ、キョン。ちょっと早かったけど髪も結い直しちゃった」
「お春!!」
 俺はようやく言葉を取り戻すと、お春を思い切り抱きしめた。
「……もう困った人ねえ。ゆっくりする間もなく最初の仕事ができちゃったじゃない」
 なんのことかと尋ねようとすると、お春は、
「着物。これからは節約していくんだからね。あんたの手の藍がついちゃったから、これ染め直して頂戴」
 と、笑い声交じりで言った。
 ああ、そういえば俺は染め物やったままで飛び出して来ちまったんだった。
 そんな手で抱きしめりゃ……と慌てて身を離そうとすると、お春は俺の背に回した腕に力を入れて、俺を引き留める。
 そしてそのまま耳元で小さく囁く。
「これからよろしくね、旦那様。それと……あたしを『あい』に染める、夜のお仕事もちゃあんとしてよね?」
 そう言って身体を離したお春の顔は季節外れの向日葵みたいに鮮やかで、耳まで朱に染まっていた。

 ◇ epilogue ◇

「というわけで、その後二人は紺屋の大旦那を仲人に祝言をあげて、暖簾をわけてもらって早染めの店を出したっさ〜。そんでもって別嬪の若女将目当てと旦那の腕の良さもあって、そりゃあ繁盛したんだって! めでたしめでたしにょろ〜」
 そういうと鶴屋さんは『べべんべんべんつとちてしゃんしゃんすとこててんてんめがっさにょろにょろ〜』と口で囃子を奏でて、深々と一礼した。
「いや、お見事でした。鶴屋さんの見識の広さは存じておりましたが、まさか落語にまで精通していらっしゃるとは」
「ホントすごいですぅ〜。江戸の大昔から純愛物語はあったんですねぇ〜」
「……とてもユニーク」
 三者三様に賛辞を送る団員達。
 放課後のSOS団アジトで授業で習った古典の話をしていたところ、鶴屋さんが一席落語を披露してくれたのだ。
 本職のそれを聞いたことがあるわけじゃないが、さすが文芸部の機関誌でユーモア小説を執筆してくれただけあって、実に軽妙な語り口調だった。よく文章と喋りは違うっていうが、この人は別格だな。うんうん。
 まぁ登場人物の名前までは憶えていなかったらしく、手近な名前に置き換えられたのはご愛敬っていうか仕方のないことだろう。俺まで登場させられたのには、ちょっと照れたがね。
 だが、感心すること頻りな面々の中で、一人顔を真っ赤にさせているヤツがいた。
「ちょぉっとぉ……鶴屋さん……?」
「ん? どうしたにょろハルにゃんっ?」
「な、な、なんであたしがこんな唐変木のバカキョンに岡惚れしなくちゃいけないのよっ!!」
 ビシっと効果音をつけて俺を指差すハルヒ。おいおい落語の中で名前を代用されただけじゃねーか。別にお前のことじゃないんだから落ち着けよ。
「うっさい! バカキョン!」
 やれやれ。
「あーっはっはっは! ごめんごめんにょろ〜。でもさっ、花魁姿のハルにゃん、似合うと思うっけどなっ!」
「そういう問題じゃないでしょーっ!」
「うーん、横兵庫はあたしくらい髪が長くないと結えないけど、かつらもあるしねっ! 着物ならウチにめーがっさあるしさっ! そうだ! 今度みんなで花魁の格好してみないっかいっ?」
「わぁ〜素敵ですねぇ〜!」
「それはそれは、さぞかし華やかな光景になるでしょうねぇ」
「三つ歯の高下駄履いて、写真とか撮るのさっ! どうにょろ? キョンくんも見たいよねっ?!」
 突然ふられて焦ったが、即答してみる。ええ、きっとよく似合うと思いますよ。
637SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 10(終):2008/06/27(金) 11:33:25 ID:GEbH7QuO
「でっしょでしょっ! ほ〜らハルにゃん! キョンくんもこう言ってるっさ! それじゃ決まりだねっ! あ、もうこんな時間! それじゃあたしはお先にっ! ばいばいにょろ〜」
 あっという間に部室から姿を消してしまった鶴屋さん。
「あ、それじゃわたしも……お先に失礼しますね〜」
 そして鶴屋さんの後を追う朝比奈さん。
「それじゃあ僕もそろそろバイトの時間ですので……」
 古泉、お前も帰るのか。
「ええ。お先に失礼します」
 気配を感じて振り返ると帰り支度を終えた長門が立っていた。なんだ、お前も帰るのか?
「……」
 ミリ単位で顎を引いて首肯する。じゃ、俺も帰るかな。お前はどうするんだ?
 そう問いかけようとして、見上げると立ち上がったままのハルヒが、未だに顔を赤くしたまま口をパクパクさせている。金魚の真似が得意なやつだな。
 まぁ鶴屋さんの方が一枚上手だったってことだ。今日のところは敗戦を認めて帰ろうぜ?
「……う、うっさい! わかってるわよ!」
 なんであたしがキョンなんかと鶴屋さんったらもうとかなんとかブツブツいいながら帰り支度をするハルヒを見ていると、長門が制服の肩のあたりを摘んだ。
 ん? どうした? 帰らないのか?
「……私にも、似合うと思う?」
 珍しく疑問形だ。そうだな――俺は日本髪に結い上げて振り袖を着た長門を思い浮かべてみる。うーむ、下手すると七五三になりそうだが、江戸時代の人は身長低かったっていうしな。案外似合うと思うぜ?
 ショートカット以外の髪型やら、制服以外の服装を見られるだけでも珍しいことだし、俺は嬉しいけどな。
「……そう」
 心なしか嬉しそうに応えると、長門も部室を出て行った。
 さて、俺も帰り支度するかね。
「ちょっとキョン!」
 ん? なんだよ?
「さ、さっきの落語だけどね! あれはあくまでも名前が出ただけなんだからね! 変な勘違いするんじゃないわよ!?」
 んなもん、言われんでもわかってるって。
「あ、あんたなんかと所帯持つなんて真っ平ごめんなんだからっ!」
 へいへいっと。
 適当に返事をしながら帰り支度を続ける俺。
 さぁ、さっさと鍵閉めて帰ろうぜ? まだなにやらブツブツ言ってるハルヒを促して部室を出る。
 ハイキングコースを下ってる間もハルヒはまだブツブツ状態だった。よっぽど気に喰わなかったのかね。
 話しかけても怒鳴りつけられるだけなので黙ったまま並んで歩いていたが、分かれ道で「それじゃーな」と声をかけて歩き去ろうとした制服の襟首を突然掴まれた。
 あっぶねーな! なにすんだよ!
「あ、あたしはあんたなんかどうでもいいんだけどね! そっ……その……よっ、吉原なんかに行ったら絶対許さないんだからね!!」
 真っ赤な顔でそれだけ言い捨てるとハルヒは走り去ってしまった。
 やれやれ。吉原遊郭はとっくの昔に無くなってるし、ここから新幹線に乗ってわざわざ東京に行くこともなければ、そもそも風俗なんかに興味もないんだがね。まぁ金もないんだが。

「来年三月十五日、か……」

 そういえば、その頃には朝比奈さんも鶴屋さんも卒業するんだよな。そしてその翌年には俺たちも――その頃には我がSOS団の春陽太夫さんはどうなっているんだろうね?
 俺は花魁姿のハルヒを脳裏に描いて、
「かんざしでも買っていってやるかね」
 そう独りごちながら自転車置き場へと向かった。


<了>
638名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:34:01 ID:Mt2Qj0ca
支援
639名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:34:29 ID:Mt2Qj0ca
支援
640名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:36:13 ID:Mt2Qj0ca
支援
641623:2008/06/27(金) 11:39:18 ID:4hBun9wV
再びケータイからw
本編は最後まで投下できたけど、
オマケ投下しようとしたらサルったwww
12レス規制かな。
ルータ再起動してもダメかなあ。
なにはともあれ、支援してくれた皆さんありがとう!

オマケというか蛇足は後でやってみますわ。
642SS ハルキョン 『紺屋ハルヒ』 (蛇足):2008/06/27(金) 11:52:49 ID:EW5Lfcnb
【蛇足の註】
紺屋:こうや、染め物屋のこと。ガンマンも空海もいない。
吉原:言わずと知れた色町です。普通に遊女を買って抱くこともできましたが、振られてなにもできないこともありました。粋ですな。
寿々美屋:すずみや。なんかありそうな名前をつけてみたってなだけです。じゅじゅびやではない。じゅじゅびやの奇妙な冒険。ないなー。
大門:吉原と外を区切る門のこと。金払わないで逃げるアホを捕まえる為に屈強なガードマンもいたりしたそうな。
太夫:たゆう、だゆう。ふとおじゃないお。遊女の頂点。外見はもとより全ての芸事に秀でていなければならない。育てるのに金がかかるので数人しかいなかったそうで。
花魁:太夫のこと。禿や新造が「おいらんとこの姉さん」と言ったのがはじまりとかなんとか。強敵と書いて「とも」と読む状態の読み仮名。
外八の字:八の字を描くように足を摺らせる独特の歩き方。空手や中国拳法の鍛錬に同じのがあります。内転筋群鍛えるんだろうな。そりゃしまりもよ(禁則事項です☆)。
お大尽:おだいじん。金持ちの人。大臣でも大魔神でもない。ライディーンでもキョーダインでもない。
身受け:馴染みの客に置屋から買い取られること。お大尽の後家やら囲われものやらになるのがオチ。
お茶屋:ぶっちゃければお座敷のある飲み屋。芸者衆もいる。お大尽は座敷に遊女を呼ぶこともできた。花魁を呼ぶときは置屋から道中を打った。それが花魁道中。
幇間:たいこ、座敷を盛り上げる男衆。人を滅法おだてる「たいこもち」はこれが語源。落語や浪曲、講談に舞なんかもやったらしいです。
禿:歳が二桁に満たない(7・8歳)少女の遊女見習い。遊女の身の回りの世話をしながら、遊女の作法を学ぶ。ハゲじゃなくてカムロ。ガンダムは動かさない。
新造:しんぞう。禿より年上でデビュー前の遊女見習い。アンドロ軍団とは闘わない。フレンダーも飼っていない。つまりキャシャーンとは関係ない。
横兵庫:よこひょうご。遊女や花魁の髪の結い方。浮世絵なんかの遊女画は大半これ。左右から引田天功大脱出状態で簪をさされているのが美学。横浜倉庫街とは関係ない。
お裏:別の客に同じ布団は出さないので、二度目は一度目の布団の裏を返して使うことから二度目を「裏」と呼ぶ。三度目は三枚重ねだそうで。もはやトランポリン。Yes,アクロバティック。
花魁座り:横顔だけを見せるように座る作法。鼻を高く見せるため、煙管を咥える所作を色っぽく見せるためだったとか。
床入り:とこいり。えちするお!のこと。ゆかに入るのとはちょっと違う。ゆかかわいいよゆかだと、ちょっと近い。
丸髷:まるまげ。シンプルな女性の髪の結い方。若い既婚女性がすることが多かった。隕石をブルース・ウィリスがワンパン入れて止めるハリウッド映画とは関係ない。
三つ歯の下駄:文字通り歯が三枚ついた下駄。爪先側はなめらかな曲線になっている。滅茶苦茶重い。よって外八の字・内八の字でしか歩けなかったという説も。
和和和:WAWAWA。

【蛇足の言い訳】
・花魁道中で禿が口上を唱うかどうか知りません。すみません。ごめんなさい。
・名作古典落語の『紺屋高尾』が元ネタですが、縁日雨宿りの段は存在しません。創作です。
・っていうか花魁って大門の外じゃ普段どんな生活してたんだろ。昼間から座敷あげて呼ぶ馬鹿もいたから暇なんてなかったのかな。
・初見から「ぬしさん」て呼ぶことはなかったそうです。落語でも省略されてますけどね。初見は話も出来ず、お裏から話が出来て「主さん」と呼んでくれる、という感じだったとか。
・慈音墨州。名前的に出したかっただけです。案の定出しただけで終わった。じおんすみす。ちなみに慈音寺は実在します。今ググって知ったっていう。
・身元が確かな人でないと、太夫と遊ばせるわけにはいかないので、まずは馴染みのお茶屋(この時点でハードル高)で
 お座敷上げてどんちゃん。その後、お茶屋から「ああ、この人なら大丈夫だ」ということで置屋に使いが行き、
 さらにそこで太夫の都合がよければ、 晴れて太夫と遊べるというシステムだったそうです。実際は十両じゃ足りなかったかもしれんですね。
 落語の口上ではこの説明がちゃんと入るんですが、割愛しました。すみません。ごめんなさい。
・ハルヒがデレ過ぎます。すみません。ごめんなさい。
・キョンはデレを通り越してドゥェルゥェになってます。すみません。ごめんなさい。溶けてるぞ、キョン。
・蛇足の作者註も間違ってる可能性大です。信じないで。あたしを信じないでッ! すみません。ごめんなさい。
・名作古典落語を汚してしまい、すみません。ごめんなさい。
・もし古典落語に興味を持ってもらえたら、すごく嬉しいです。是非聞いてみて下さい。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 11:57:08 ID:EW5Lfcnb
ルーター再起動したら書けました。支援に大感謝っす!
昼休みの息抜きにでもしてくれればと思って書いたんで
間に合って好かったw
644名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 12:01:48 ID:Tk0uyQtF
乙!GJ!
君のは本当に毎回毎回レベルが高いなあ。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 12:11:49 ID:ORh1LC1D
引き込まれた。これはGJせざるおえない。
646名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 13:52:52 ID:MuH9c03U
超GGGJ!
本当に引き込まれた。そして光速で保存しました。
647名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 13:56:02 ID:VWx7+nNm
これはおもしろい
脚注でも笑わせていただきました
648名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 14:17:36 ID:DLH4cOFA
現代では120円でジュースが買える事を知って驚愕するみくる
649名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 15:16:31 ID:Px3kju5U
いやいやここはこうだろ

缶にジュースが入っているのを見て驚愕するみくる
650名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 16:02:11 ID:xfuy2FnS
>>642
こいつぁ面白れー!本当にGJだぜ!
センスあるなぁw 蛇足とかとんでもない。楽しませて頂きました!
禿(ハゲ)って読んでたのは内緒だ。
651名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 16:43:44 ID:GKm8Jie8
>>643
夕方の小休止で楽しませてもらったぜw GJ!!
世界観に引き込まれちまった。自然体な感じで違和感もほとんどなかった。もう大好きw
652名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 16:43:59 ID:Jsn/viqM
GJ!面白かったよ!
653名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 17:19:16 ID:QCeLyF4q
>>643
和和和…w
最初苦手そうだったから飛ばそうとしたら…最後まで読んでた俺がいる。
気付いたらハマっちゃったんだぜGJ!
654名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 18:30:13 ID:mbbXI7zZ
>>643
GJ!!凄い秀作だな。楽しませて貰ったぜ。
655名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 19:17:29 ID:DLH4cOFA
みくるに過去に連れてかれて
若い頃のハルヒの両親の恋のキューピッドになるキョン、な電波が来た
ハルヒ母に惚れられたりでややこしい事になったり
656名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 19:22:41 ID:Jsn/viqM
>>655
なんというバック・トゥ・ザ・フューチャーwww
最終回への予告も兼ねて投下します
試合前の控え室
 
どうしよう、もう負けられない、あたしと鶴屋さんが勝たないとフクちゃんは柔道辞めなきゃならなくなる
鶴屋さんは勝ってくれると思うけど今のあたしは自信がない、別に相手が怖いわけじゃないわ、不安なのよ・・・いつも横にいるマヌケ面が見えないと
みんなに心配かけたくないからこんな顔しないって決めてたのに、有希もみくるちゃんもフクちゃんもあんなに頑張ってくれたのに
怖い・・・怖い・・・命令だから早くここにきなさいよ!団長をこんなに不安にさせてタダで済むと思ってるの!?
そんなあたしを心配したのか、準備運動をしてた鶴屋さんがこっちにきた。
「ハルにゃん、どうしったっさ?あたしをこの試合に誘ってくれたとき、あんなに楽しそうだったじゃないかっ」
「ごめんね鶴屋さん、誘っておいて変な話だけど急に怖くなっちゃった。なんでだろ?今までどんな勝負も怖いなんて思ったことないのに」
鶴屋さんはいつもの笑顔で話をきいてくれた。自分の入場が近いのに
「ハルにゃんがめがっさ不安になるのは当たり前っさ、だって女の子だもん、好きな人が大事なときにそばにいないんだからそれで普通にょろ」
「べ、別にキョンなんていなくても関係ないわ」
「誰もキョン君なんて言ってないにょろよ」
急に鶴屋さんの目が険しくなった、こんな鶴屋さん見たこと無い、鶴屋さんは自分のバックから古ぼけた巾着袋を取り出した。
中から出てきたの多少錆付いた大きな印鑑みたい、細い鎖がついていて何か字が書いてある、ごつい字で「北高女子総代」って書いてあった。
「これはねっ、ずっと昔から北高女子の代表に受け継がれてきた大事な物なのさっ、夏休みが終わったらハルにゃんに渡すつもりだったけど、今渡すね」
あたしはそれを受け取れなかった。だってこんな大事なときに怖くなっちゃうあたしにその資格は無い
「無理よ鶴屋さん、あたしなんかじゃ・・・」
次の瞬間あたしの頬に鶴屋さんの平手打ちが跳んできた。キョンにだってぶたれた事ないのに・・・
「そんなことじゃ大将戦に勝てないっさ!今のハルにゃんをキョン君だって見たくないはずだよ」
そして鶴屋さんはあたしを抱きしめてくれた。束ねた髪からシャンプーのにおいがする、
あたしは兄弟がいないからわからないけど
お姉ちゃんがいたら、きっとこんな感じなんだろう
「ごめんねぶったりして、お詫びに絶対勝ってハルにゃんに繋ぐっさ、その代表の印をもってちょろんと待ってるにょろ、もうそれはハルにゃんに渡したから・・」
鶴屋さんはあたしから離れてドアに向かう、
 
「押忍!ごっつあんです 先輩!」
 
あたしはできるだけ大きな声で鶴屋さんの後姿を見送った。
 
試合が始まった。パワーに勝る源龍が力技で強引に攻めれば、テクニックに勝る鶴屋さんが華麗に攻撃を凌ぎ、効果的に反撃してゆく
柔道のルールとはいえ3年前の戦いが如何に激しいものだったかこの試合からも想像できる、源龍が強引な背負い投げで有効を奪えば、鶴屋さんはタイミングを計った出足払いで有効を奪う
まさに一進一退の攻防が続いていた。
「古泉さん、このまま時間切れになりますと北高の勝ちがなくなりますが?」
「いえ、この試合は講道館ルールではなくIJFルールで行われますのでゴールデンスコアの延長戦になります。3年前の様に引き分けるのは両者本意ではないでしょう」
結局時間切れで決着は延長戦に持ち込まれる。
「やるじゃない鶴屋、でも引き分けはもういらない、私は私の為に絶対に勝つ!」
「源ちゃんあたしも絶対勝つっさ、でも理由はあなたと違う、それが「ベラミスの剣」になるにょろ」
 
延長戦が始まった。両者はこれまで以上に積極的に攻める、徐々にではあるが鶴屋さんに疲れが見えてきた。
それをチャンスと見た源龍は内股をしかける、多少強引だが腕力と体格で勝っている源龍渾身の攻めだ
「源龍内股~!決まるかこれは!」
「決まらない・・・」
これまで試合中ずっと黙っていたゲスト解説の声はアナウンサーに届かない、この試合に負ければ北高の敗北が決定する
応援団は声を嗄らして必死のツルヤコール、源龍と鶴屋さんが二人とも片足を挙げて踏ん張っている、まさしく鶴だ
そして二人は倒れこんだ。
 
「一本それまで!」
 
 
審判の手が上がった。体育館からため息が聞こえても不思議はないのだが様子がおかしい、
勝ったはずの源龍が畳を叩いて悔しがっている
「どうした事でしょう!?今ビデオが再生されます」
映画研究会が撮影していた試合の映像が体育館に運ばれていた大型テレビに映される、スローモーションでみると
高い位置で鶴屋さんの足が源龍の足からはずれ「内股透かし」になり、源龍は倒れこんでいったのがわかる。
礼を交わしお互いの健闘を称えあう二人
「負けたよ、あんな体勢から内股を透かすなんて信じられない」
「源ちゃん、久々に自分で戦って楽しかったさ」
「楽しんでいたのが「ベラミスの剣」とやらかい?」
「ちがうっさ、源ちゃんは自分のために戦ったかもしれないけど、あたしは自分のためじゃなくて大事な友達のために戦ったからさっ」
「3年前はお互い全くの互角だったけど今日はその分だけで勝たせて貰ったにょろ」
 
ベラミスの剣
 
古代ギリシャ神話時代、永遠のライバルといわれた闘いの神
ベラミスとマルスはその実力に於いて全くの互角であり幾多の死闘を経ても
決着はつかなかった。あるときマルスは一計を案じ、試合前ベラミス愛用の剣を
そっくり同じ形をしていながらほんの僅か重たい剣に取り替えた。
それと気づかぬベラミスは普段より僅かに重たい剣のため遅れをとり敗れ去った。
極限まで互角の二つの力が競い合う場合
どんな些細なことであれ狂いが生じれば優劣ができてしまうということである。
 
太公望書林刊「ギリシャ神話に見る現代人の教訓」より抜粋
鶴屋さんはハルヒのセコンドにつくため、そのまま試合場に戻った。そして「大将戦」のプラカードを持っていたラウンドガールもセコンドにつく
次の大将戦で全てが決まる、果たしてフクちゃんは柔道を続けることができるのか?
「これより大将戦を行います!豪学連大将、本阿弥あやか選手入場です」
場違いなクラッシック俺でも知っているベートーベンの交響曲第九番第二楽章「喜びの歌」が場内に流れてきた。
豪学連のドアから出てきたのは今までのゴツイ女たちとはまるで違う、ややきつめの顔つきだがかなりの美人だった。
髪を後ろに結んで余裕の表情、あっけにとられている男達に投げキッスのサービス付だまさしく女王の貫禄、そして女王を迎え撃つのはもちろん!
「北高大将、涼宮ハルヒ選手入場です!」
 
「唇にメロディ、いつしか刻む夕暮れ、街を見下ろせば君の姿見える・・・」
 
「涼宮選手の入場曲は永井真理子のミラクルガールです!果たしてその曲のように奇跡を起こせるのでしょうか!?」http://jp.youtube.com/watch?v=kAmMSDlXtv4
「奇跡はいつでも涼宮さんのハート次第です!期待しましょう!」
冷静なはずの解説者も興奮している。
そして場内から響き渡る大ハルヒコールは光陽園の駅前まで届いたいたらしい、
一方そのときの俺は・・・
「お待たせしました。北高の駐車場です」
ようやく新川さんの歌と恐怖のドライブから解放された。何かすごい声が体育館からきこえる「ハ・ル・ヒ!ハ・ル・ヒ!」俺と新川さんはその声を聞きながら体育館へと走った。
 
「次回最終回、ずっとハルヒのことが・・・」
見てくれないのなら、あなたの情報連結を解除する・・・
661名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:23:46 ID:o1Ko3U/r
>>621
あきらかにスレチだろ此処はハルヒスレだぜ?
そこまでやるならVIPに行けば?
あとパトレイバーを知らない人間にとって面白いの?ソレ
元ネタありは一発だから受ける続けるなら此処は違うよ
662名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:34:51 ID:Jw/tY8pR
じゃあそうするわ、俺も疲れた
663名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:43:04 ID:o1Ko3U/r
>>662
さらに言えばパトでどこをハルキョンにスンの?
クロスしたいなら自分でスレ建てしたら?
664名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:45:07 ID:5FxFYcdM
少々きついが正論というところか。
665名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:45:25 ID:sxuLGN2J
>>660
うはw最終回がすごく気になるんだぜ!w
期待して待ってるぜ!!
そして今回もGJだったぜ
666名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:45:51 ID:lsj6AdGS
はいはいわかりました。もう 書かないからいいだろ。
667名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:46:58 ID:sxuLGN2J
>>663
もう分かったからそれくらいにしとけよ
668名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 20:48:29 ID:lsj6AdGS
スマン今のはパトレイバーネタに対する答えだ
「HARUHI!」はちゃんと完結させるよ
669名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 21:29:19 ID:G4fnmeze
>>662
へんなやつのレスなんて気にすんな!乙だぜ
670名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 21:33:18 ID:EW5Lfcnb
ただいまハルにゃん。
『紺屋ハルヒ』は受け入れてもらえるか、かなり不安な投下だったんですけど
喜んでもらえたようでよかったです! 読んで下さった皆さんありがとう!
まとめの管理人さんも速攻アップしてくださって、ありがとうございました!
671名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 21:39:02 ID:G4fnmeze
>>670
吉原とかだったからビッチなんかも…と思って読んでなかったが、違ったみたいでよかったよ!
672名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:19:19 ID:Za7+LRyH
リアリティのありすぎる置屋商売な話にならなくてほんと良かったよー。
673名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:26:37 ID:xfuy2FnS
アンチは該当スレでやってくんない?

>>672
確かにw
パロディ作品として秀逸なバランスだった。

>>660
盛り上がってきたなw GJ!
674名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:32:14 ID:fvOXAvXF
ハルヒのカップリングを語るスレ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1212761216/
675名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:42:55 ID:EW5Lfcnb
>>672-673
そうですね。紺屋高尾本編の高尾は普通に幾人もと枕を交わす身ですからね。
だから病んで伏せって(梅毒やらなんやらで)も大事にしてくれそうだと久蔵に
心を寄せたとなっているわけだという解釈もあるわけですが、パロSSでそれはさすがにww
そんなわけで、雨宿りの段と床入れ断りを加えた次第ですが、お口に合わなかったら
頭を下げるばかりです。これ以上はスレチなんでアレがナニってことでw
676名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:51:11 ID:G4fnmeze
>>675
そうかそうか俺のレスは無視か…
べ、別にレス返してほしかったとかじゃないんだからね!
677名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 22:55:35 ID:EW5Lfcnb
>>676
ご、ごめん!安価打ち間違えただけなんだっ!
頑張ってまたなにか書くんで、平にご容赦を…っ!
678名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:05:22 ID:G4fnmeze
>>677
ほんの冗談だったのにそこまで畏まらないでくれ(・ω・`)
よし!俺も何か書くか!
679名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:19:28 ID:z09OupLI
とりあえずキョンをかもそう
680名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:44:07 ID:+roo5ZQm
ウチの近所の自販機には、年中「おしるこ」があるんだか、
この件について、ハルヒと話し合いたい
681名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:48:10 ID:DwGFrv0R
引きこもりになったキョンを救済するために四苦八苦するハルヒ
682名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:51:35 ID:ENBMnzm2
>>680
甘酒みたいに冷やして飲むと良いかも
683名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/27(金) 23:52:49 ID:rX3ZdRrv
>>637
うおーGJ!!
古典落語大好きで、元ネタの噺はそれこそ5本の指に入るくらい好きな噺なんだけど
すっごくよかったよーGJだよー!
縁日雨宿りのくだりとかアレンジも良かったです。和和和に吹いたwww
元ネタきくといつも泣いてしまうのだけど、これでも泣いたのはここだけの秘密w

>>660
続き楽しみにしております

684名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:12:37 ID:3ba+NP9Y
成績が伸び悩むキョンに頭の良くなる踊りを伝授するハルヒ
二人で踊ってた所を妹に目撃されて・・・
685名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:15:11 ID:MCdJPlK+
もし俺がハルヒシリーズの作者だったらこんな最終回をやるな〜
ってのを妄想して書いた最終回妄想を兼ねたハルキョンSS書いてみたけど投下OK?
キョンの一人称形式だけど
686名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:16:08 ID:KrJzgect
かもん
687超個人的最終回妄想:2008/06/28(土) 00:19:55 ID:MCdJPlK+
ハルヒはこの世の不思議を求めていたが、その根底はやはり常識人だった。
現に自分自身が秘めていた力…願望を具現化する力の存在や
直ぐ身近に同じく宇宙人・未来人・超能力者と言った不思議な連中がいた事に
気付く事無く…その力もまた高校三年の終わり頃にある日突然自然消滅していた。
勿論、そこに至るまでハルヒを中心に様々な不思議な事が起こっていたのだが…
ハルヒ本人は最後までその事に気付く事は無かった。

俺達が高校を卒業すると共に、ハルヒが作ったSOS団も解散となった。
そして、元々ハルヒが持っていた力に関して監視する目的でSOS団にいた
朝比奈さん・長門・古泉も表向きは進学や就職と言った理由で、その日以来
何処へと消え去り、一度も会う事は無かった。

ハルヒ本人が最後まで自覚する事無く自然消滅して行った力。
この力にさんざ振り回された物だが、そのおかげであの三人と出会い、
SOS団として色々な活動をして来たのだと思うと…寂しい物がある。
と言っても、そう思い始めて来たのは高校卒業から十年以上経過してからの事だが。

あの三人は元気にしているだろうか?
朝比奈さんは…きっと未来に帰ってもうこの時代にはいないだろう。
それでも以前俺の前に現れた大人の朝比奈さんみたいに再び過去に戻ったりと
朝比奈さんなりに色々忙しい毎日を送っているに違いない。

長門は…あまりこういう事を考えたくないのだが…もしかしたらもう生きてはいないのかもしれない。
そもそも情報統合思念体とやらがハルヒを監視する為に作り出し、送り込んだと言うのだから
ハルヒが力を失って、彼らにとって監視する価値が無くなった時点で長門の役目も終わるわけだ。
そうなると…やはり長門はもう…………いやいやダメだ! こんな事を考えるのは幾らなんでも
寂しすぎるじゃないか! そうだ! きっと長門は新たな任務を与えられて、この銀河の何処かで
頑張っているに違いない! 少なくとも俺はそう信じたい。

古泉は…ハルヒが力を失った時点で奴の閉鎖空間でどーたらこーたらと言った力は
自然消滅していたに違いない。もし仮にそうなら…奴は奴で平凡な人生をエンジョイしているだろう。
そう言えば奴が所属していたと言う組織とやらも…結局どんな組織なのか最後まで分からなかった。
まあどうせ多分もう解散して無くなっているだろうけどな。
688超個人的最終回妄想:2008/06/28(土) 00:20:41 ID:MCdJPlK+
ちなみに俺はどうしているかと言うとだ…。まあ普通に大学に進学して…就職して…
ごく普通に暮らしているさ。

え? ハルヒはどうしたって…? それは……………

「キョン! 何ボーッとしてんの!? 実は凄い事があったんだから!」

ほらほら噂をすれば何とやら。元SOS団超団長にして…今では
俺の超奥様やってるハルヒさんのご登場ですよ。

そう、俺とハルヒは結婚していた。高校卒業と共にさっぱり会わなくなった三人と違い、
その後も俺とハルヒの付き合いは不思議と続いて…ふと気付くとこうなっていた。
今では子供もいる始末。

正直どうしてこうなっちまったのか俺でも良く分からん。
成り行き上くっ付いちまったとも言えるが…本当どうしてこうなっちまったんだか…。
まあ別に今の生活に不満を持っているワケでは無いが。

だが、これだけは言える。これはハルヒが以前持っていたが自然消滅してしまった
願望を具現化させる力とは全くの無関係だと…。もしかするならば…俺とハルヒが
こうなる事はもはや運命付いた物……なんて安易に考えたくは無いが…他にどう説明しろと言うのだ。
それとも、俺とハルヒの努力の結果とか臭いセリフでも言ってほしいのだろうか?

「ちょっとキョン! またボーッとしてんじゃないの! 今日凄い事があったんだから!」
「何だよその凄い事って言うのは…。」

SOS団が解散した後も俺は良くハルヒに引っ張られて色々不思議探索させられたもんだ。
それは今でも変わらない。まあこれでも昔に比べると随分丸くなってはいるが…。
689超個人的最終回妄想:2008/06/28(土) 00:21:41 ID:MCdJPlK+
「実はね! ここの近所で野良犬の死体が発見されたのよ!」
「それがどうしたんだ? どうせ車にでも轢かれたんだろう?」
「いいや違うわ! これはかつて南米を震撼させたあの謎の吸血怪獣チュパカブラの仕業と
見たわね! そうに違いないわ! チュパカブラが野良犬の血を吸って殺したのよ!」
「いや、それは無い。第一ここは日本だぞ。」
「きっとチュパカブラは密かに来日していたのよ!!」
「な…なんだってぇぇぇ!? とでも言って欲しいのか!? 第一どうやって日本に来るんだよ!
パスポートとかその他荷物持って船か飛行機に乗って来たとでも言うのか?」

まったく今も昔も俺がハルヒに振り回されるのは変わらない。だが、実は今はもう一人いるのだ。

「キョンパパー! 私もチュパカブラ見たいよー!」

そう。俺とハルヒの愛すべき一人娘だ。しかもよりによってハルヒに似やがったな。
ハルヒに似てツラも学校の成績も良いが…性格もそっくりだから俺は振り回されっぱなしだ。
と言うか、コイツまで俺の事キョンって呼んびやがる…本名は覚えてくれないくせに。

「キョンパパー! 見たい見たいー!」
「だからチュパカブラが日本にいるわけないだろ?」
「いやいやきっと密かに来日してるんだって!」

結局今日も俺はハルヒと娘に振り回されっぱなしだ。だが、こういう暮らしも悪くは無いと思っている。

ま、これからもこうして振り回されながらも普通の暮らしをして行くさ。
かつてのSOS団超団長にして俺の超奥様ハルヒさんとその娘とね。

                       終わり
690名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 00:22:12 ID:MCdJPlK+
以上。他のSSとネタ被ってたらスマソねorz
691名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 01:35:24 ID:5wfZ2mmC
GJ!
俺も普通に読めば最後はハルキョン以外考えられないよw
692名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:12:16 ID:CGvIhxlp
>>683
ID変わっちゃったけど『紺屋ハルヒ』書いたもんです。
うおー!物凄く嬉しい感想だー!書いた甲斐があったっす。
噺の中じゃこっちもそれこそ五本の指に入るくらい好きなもんで、ついついやっちまいましたw
部屋での久蔵の告白は泣けますよなぁ。もしあそこで涙をもらえたならば、本当に嬉しい。
いい酒が飲めそうですw 名人の落語での『紺屋高尾』もいいもんですが、国本武春さんの
浪曲高尾もいいですぜ旦那っ! 調子に乗って他の噺もネタにしてみようかしらんww

>>678 期待してますぜっ!

>>690 GJ!まさかのチュパカブラw そして○年後的な結婚ENDはあるかもね。ある意味ラノベの王道だし。
693名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:28:05 ID:KrJzgect
>>692
今更ながら紺屋ハルヒ、激しくGJでした。
落語としては有名だと知っている程度で、あらすじも知らなかった俺でも充分楽しめた。
これを機会に聞いてみようかなと思ったくらい。
落語って笑わすオチしかないと思っていたんだが、ハッピーエンド的なオチってのもあるんだな。

>>660
相変わらずテンポが良くて楽しい。
ラストまで頑張って欲しいです。
楽しみにしている人間の方が圧倒的に多いと思うんだ。
#自分は元ネタを(知ってはいるが)読んだことはないが、それでも充分楽しんでるぜ!

>>690
GJ! 俺もハルキョンエンドはガチだと思っているw
超個人的な感想を言わせてもらうと、やっぱりSOS団の他のメンバーの消息もハッピーエンドだといいなと思ってしまった。
でもこういうのもアリだとも思う。チュパカブラを見たいと言える娘に萌え〜(え
694名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 02:57:15 ID:I3B7VDEX
ハルキョンの痴話喧嘩最高www
695名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 03:21:25 ID:MV90W1fL
新宿でマフィアに追われるハルキョン
696名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 03:34:12 ID:93QxxIlY
>>695
ボロボロになりながらも支え合う二人、みたいなの想像してしまったww
697名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 03:59:21 ID:I3B7VDEX
丁度それっぽいの書いてて吹いたww
698名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 04:31:25 ID:b83iPFO9
俺の妄想END(暫定)だと
長門は再構成された朝倉さんに見守られながらほぼ人間として生き
古泉は戻ってきたみくる(大)といい感じにバーで酒を傾けている。
まあ、スレチなんだが。
699みくるを忘れてた:2008/06/28(土) 05:09:01 ID:wnb68YZ/
全員死亡エンドで。
古泉「涼宮さん、銀河をお手に入れください……」

長門「遅いじゃないか朝倉涼子、わたしのバックアップの名が泣くぞ……」

キョン「ごめんハルヒ、ごめんみんな」キョンの時間は○年7月7日に16歳で永遠に停止した。

ハルヒ「不思議を手に入れたら……みんなで……」

700名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 06:30:59 ID:sX+Y5pIA
伝説は終わり、歴史が始まる。
701名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 06:58:31 ID:Ty6DKI2x
おはようハルにゃん
702名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 08:43:24 ID:Np1rFZFi
>>699
やはり神人はイデだったのか
703名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 08:52:02 ID:k6T0LjO6
不思議世界へ行ってしまった不思議少女が無理して
故郷にもどってくる話を某SF作家が書いてるんですが、
全世界の人間がみんな「彼女」に変貌していくのが衝撃でした。
「こんなはずじゃなかったのに・・・」と言いながら。

「ハルヒ」の結末がほのぼのしてるのには賛成ですが、
そこに至るまでの経過はもっと破天荒になってほしいです。
704名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 08:56:47 ID:arzHylcK
この物語は始まりに過ぎない。
705名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 10:53:23 ID:hA6jpy7E
「虹のはしっこってどうなってると思う?」
「あのなあハルヒ。そんなのはググればいいだろ」
「どうなってるかって聞いてるの」
「やれやれ。虹のはしっこは蜃気楼みたいにその場に行くと消えてしまうんだ確か」
「ふうん。なんだ。つまんない。」
「いつまでも子供のような幻想を持たないでもっと高校生らしくだな・・・」
「あたしね。思うんだけど不思議は不思議のままでいいと思うのよね。
確かにそれを探りたくなるってのが人間だと思うんだけど、結果より過程のほうが面白いじゃない!」
「まあ、確かにそれには同意しておこう・・・か」
「でしょでしょっ!つまり、知らないほうがいいこともあるのよ!
でもあたしはどうしても知りたいことがあるわ」
「ほう」
「どうしてキョンは・・・なんでもないわっ!」
706名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:05:12 ID:psbZdfAQ
>>705
それは最大の不思議なのです。
707名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:13:31 ID:7T/8WYFK
不思議なのね。
708名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:26:51 ID:GoYiDI0L
そしてそのキョンの不思議を探るために監視し続けるわけですねw
709名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:31:06 ID:hA6jpy7E
>>705
勝手に続きを

「何だよハルヒ。体に溜め込むのは良くないぞ」
「えっ・・・」
「ほら言ってみろハルハル」
「・・・どうしてキョンはアピールしてもあたしの気持ちに全然気づいてくれないのよっ!」
「・・・」

「ふ、ふぅんだ。抱きしめられたって全然嬉しくないんだからね!」
「好きだぞ・・・ハルヒ」
ちゅっ
710名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 11:40:26 ID:g2YX1SRg
俺もハルにゃんの熱視線を感じたいお
711名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:10:05 ID:arzHylcK
ハルにゃんのスク水見たい。
712名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 12:13:42 ID:MV90W1fL
三分が近いとカチューシャが点滅するハルヒ
713名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:11:37 ID:dJLWcKuS
ハルにゃんと呼んでいいのは俺だけだ
714名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 13:29:49 ID:Ty6DKI2x
>>713
じゃあハルハルって呼んでいいのは俺だけだからな!
715名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:03:31 ID:YBWdU3Dq
ハルヒって呼んでいいのはキョンだけ。
716名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:33:40 ID:8fKNWAux
じゃあハルルンって呼んでいいのは俺だけ
717名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:35:11 ID:Np1rFZFi
もう、ハルビンしか残っていない  orz
718名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:35:22 ID:oO+Yu4kQ
じゃあ俺はハルちゃんで。
719名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 14:57:27 ID:g2YX1SRg
じゃあ、俺ねぇ、えぇとねぇ、何でもいい!
720名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 15:06:26 ID:h5wCDUlA
キョンもいい加減にID変えてまで自演するのやめなよ
721名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:20:56 ID:B4Hn1cfQ
俺は最後のほうには、ハルヒは自分の力を自覚することになると踏んでいる。
と言うかキョンがハルヒに話す展開になるとか何とか俺の妄想。
まあ少し遅くなったがどちらにせよ>>690GJ!
722名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 16:22:50 ID:GoYiDI0L
>>719
ラピュタ吹いたw
723名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:17:49 ID:cGWPt15P
さぁて…
7月7日に向けてみんなSS頑張ってるのかな。
それとも埋めネタ参戦したくてせっせと小ネタをためこんでんのかな。
次スレは七夕ネタだけで半分はイクといいよ―なんて気の早い事を言ってみる。

…七夕ネタが、1週間以上も書き直しを重ねてやっと半分は仕上がってたネタが、違うのを同じ名前で上書きしちゃって消えたんだorz
今日・明日の週末でヤルしかない。
こんなに晴れてるのにヒッキー確定だ俺
724ハルキョンSS@:2008/06/28(土) 17:51:50 ID:UxxIq0qc
SS投下します。

キラキラと柔らかな日差しを反射して、俺達の脇に流れる小川の水面が揺れている。
昨日まであれだけ猛威を振るった雨雲も、今はどこかに身を潜めたのだろう。仰ぎ見た空の色は見事に蒼く、薄く雪のように白い雲がふわりフワリと羽のように浮いていた。
休日になるとよく俺達はこの公園へと足を運ぶのだが、どうしてだろう。近所で有名なデートスポットの一つであるにもかかわらず、二人で来ると必ず人っ子一人いなくなる。それはもしかすると俺の隣を歩くコイツの仕業かもしれない。
いや、十中八九そうなのだが、肝心の本人が無自覚ゆえに改善する手立てはありそうにない。
そんな話題の中心であるアイツはそんな俺の悩みなんて露知らず、隣でなにやら思案中のご様子。近くの四人がけベンチの真ん中に陣取り、アゴの下に手を当てて右に左に首をかしげている。
俺は別に無理して座らなくても良かったんだが、なんせハルヒのヤツがチラチラとこちらを睨み、自分の隣を手のひらで叩き、急かすもんだから。
どっこらせと少し年寄りめいた掛け声。ハルヒの隣に腰掛けて、そよそよと季節はずれの爽やかな風に少し汗ばんだ肌が気持ちよく冷やされていく。
ウンウンと唸り続けるハルヒには悪いのだが、俺は少し手持ち無沙汰である。なんともなしにあたり一体を眺め、小川に小石を投げ入れる。小気味のいい音を立てて沈んでいくのがなんとも癖になり、もう一つ、二つと投げ入れていく。
ただただ石を投げるだけの時間。
足元に小石が見当たらなくなるまでそれを続け、もう一度手持ち無沙汰さを感じハルヒの顔をのぞく。
あぁ、コレはまだ続きそうだ。
未だに考えごとをやめそうに無い、そんな顔をしている。口なんてこんな『へ』の字にまげて、目を瞑り腕を組んだまま。
適度に木漏れ日の射す遊歩道はまるで星を散らしたようにきらびやかで、辺りに誰もいないせいか心地よい静寂間も感じる。そんな景観の中、コイツは一体何を思案しているのだろう。
何か悩み事なら相談に乗ってやりたくもある。まぁ、コイツにそんなものがあるとは思えないが。だからといって自分から聞き出すのも俺としてはやりたくはない。自分以外の人間の、しかもプライベートな悩みなら尚更根掘り葉掘りというのは気が引ける。
ぐぅっと腕を突き上げて背筋を伸ばす。欠伸が出そうになったがそれはさすがに押し殺しておいた。
まぁ、それならそれで気の済むまで付き合ってやろう。どうせ今日は暇だ。予定なんてコイツに連れまわされる以外は白紙の状態だ。もしコイツが夕暮れ時までこの調子でもそれはそれで構わないさ。何度も言うが、今日は暇だからな。
725名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 17:53:30 ID:psbZdfAQ
支援
726ハルキョンSSA:2008/06/28(土) 17:53:50 ID:UxxIq0qc
背もたれに体重をかけ、頭の後ろで腕を組む。そのまま体重をかけていけばハルヒと一緒に真後ろに転げ落ちるな。なんてバカなことを考えていた。
「ねぇ」
ハルヒが声をかけてくるまでは。
「なんだ?」
ゆっくりと背もたれから身体を離し、ハルヒのほうへと視線を動かす。一体どういう顔をしているのかと少しばかり気を使いながら。
「あのさ・・・・・・」
どこか思いつめた声色でこちらに顔を向けず、小川をはさんだ向こう岸をじっと見つめたまま、ハルヒは言葉を続けていく。
「アタシとしてもすごく考えたんだけど、でも、やっぱりそれじゃダメだと思って」
似つかわしくないほどの小声で言葉をつむいでいく。
「こういう事はアンタと二人、よく話し合って決めたほうがいいと思うの。後から後悔しないでいいように、きちんと二人で・・・・・・」
自分の腹部を優しくさすりながら、ハルヒはやっとその目を俺に向けた。
しかし、コイツはさっきから何が言いたいのだろうか。コイツのセリフの意図するところは何なんだ。どこか強い意志を秘めたその両の目に、恥ずかしながら気圧されてしまう。
「いつもなら、ほら、アタシが強引になんでもかんでも決めちゃうんだけど、さすがにね。そう思わない、アンタもさ?」
思うも何も意味がわからない。もう少し主語と述語を明確にして、それから俺にわかりやすいように説明してもらいたい。それがわからないと今度は先程と逆、こちらが首を傾げてしまう。
ハルヒはそんな俺の悩み顔が気に入らなかったのか、
「もうっ!男なら『俺に任せとけ』ぐらい言えないの!?」
明らかにへそを曲げ始めた。
と言われてもなぁ、困ったことに俺には一体全体何のことやらで。
そんな頭の上に疑問笛を浮かべる俺なんてお構いなしに、ハルヒは俺の鼻っ面に人差し指を突き出して、一言。
「しっかりしなさいよ!もういい年齢なんだからっ!」
いい歳って、俺はまだ高校生だぞ。
「あぁもう!」
そう言って、ハルヒは俺をひと睨み。何が気に入らなかったのかそのままベンチから立ち上がりあっけに取られる俺を置いてさっさと歩き始めた。
「お、おい、どうしたんだよ」
つられるようにその背中へと問いかける。足音を鳴らし蟹股歩きのアイツはピタリとその足を止め、
「――今日のお昼は『また』アタシが決めるからっ!!」
声高々に言い放つ。
「もちろん今日もアンタのおごりだから!!」

 おわり
727名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:31:47 ID:YBWdU3Dq
>>726
それについては二人でじっくり考えてやって下さいw
GJだったぜ
728名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:38:20 ID:WbqN7Zta
甘いとみせかけてなんというw
でもやっぱり甘いwww
729名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 18:58:44 ID:93QxxIlY
>>726
「腹部を優しくさすりながら...」のところで激しく勘違いしたわw
730名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:07:10 ID:5wfZ2mmC
いいねw久しぶりに糖分摂取なSSw
731名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:10:02 ID:dJLWcKuS
ハルにゃんは洋楽好き
732名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:15:08 ID:g2YX1SRg
でも実は演歌も好き、だったりしてw
733名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:17:00 ID:z266ugJ6
キョンが状況に順応しすぎているのがいかんな。
奢らされることに疑問持ってないしw
734名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 19:33:45 ID:3ba+NP9Y
ハルにゃんとSAW見たい
735名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 20:40:59 ID:N0kBjXe+
>>734
「ふん!こんなのただの作り話よ!」なんて見る前に言っておきながら
途中で怖くなってキョンに抱きついてくる展開ですね、分かります
736名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:07:06 ID:z266ugJ6
そういやキョンはワンダリングシャドウでは結構びくついてたのに
ミヨキチとホラー映画見に行くのは平気だったねー。
737名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:11:50 ID:7T/8WYFK
>>735
いやいや、ハルヒの事だから次々と矛盾点を指摘するだろう。
キョンも「なるほど、一理ある」なんて言いながら楽しむ筈さ。
738名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:32:07 ID:g2YX1SRg
で、楽しんだ後にやっぱり怖くなってキョンの布団に潜りこんでくると
739名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 21:46:12 ID:wnb68YZ/
「キョン!あんたがどうしても怖いって言うなら、手を繋いでいてあげてもいいわ。
あんたがどうしてもって言うならね。団長たる者団員の心のケアも大事だからね?
キョンが頭を下げるならあたしも恥を忍んでハンドパワーを分けてあげようと言うのよ。ほら早く!早くしてよ!
必要ない?なにやせ我慢してんの!ほら怖くてプルプル震えてるじゃない!
ああああたしが震えてるからそう見えるだなんて、そんなワケないでしょ!
あたしを誰だと思ってんの!SOS団の団長たるもの怖いものなんて何もないのよ。
本当に震えてるし鳥肌立ってるですって?今はちょっと寒いし、武者震いとか色々あるだけ!
だから、早く、手だけでいいから触れててよ……あ、違う今のナシナシ。
違うの、こら勝手に手を握らないでよ!お願いしてからでしょ!
もー勝手ね!けっこう大きな手であたしの手がすっぽり隠れちゃうじゃない!
ゴツゴツしてて固いし男の子の手は本当にガサツね。なぜか安心しちゃうじゃないの……
すごくあったかいし、強く握られてるとなんだかボーっとしてきちゃうよ……

(あ、震えが止まった)



続かない。
740名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:07:55 ID:3IGtwPU3
わっふるわっふる
741名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:12:01 ID:hA6jpy7E
オカルト的なネタは以外と女の子は信じてしまいやすい
キョンの計画通り!
742名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 22:14:46 ID:YBWdU3Dq
>>739
わっふるわっふるw
743名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:04:43 ID:W8PJdOKf
SS書いたんだが、オチが・・・。

誰か続き書いてくれない?
744名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:09:02 ID:93QxxIlY
>>739
>>743
どっちも、わっふるわっふるw
745SS 誤解:2008/06/28(土) 23:24:44 ID:W8PJdOKf
寝坊した。

急いで朝食を食べて、着替えた。
髪はカチューシャで誤魔化せるから便利よね。
学校に着いたらきちんと整えようと思う。

走って登校してるんだけど、右足に違和感を感じる。
どうしたんだろ、昨日は体育もなかったし。

学校も近くなった頃、いつもの後姿を見つけた。
後ろから声をかける。
「あんた、いつもこんな時間に来てるのね」
ああ?って感じで振り返る。
「お前がいつも早いんだよ」
ったく、なんで朝っぱらからそんな憎まれ口なのよ。

学校について、靴を履き替える。
・・・右足の違和感の正体に気づいた。
靴下に穴が開いていた。
ああ、もう、寝坊なんてするからっ!!
気になって仕方ないじゃない。

「大丈夫か?」
珍しいわね、あんたが心配なんて。
「いや、何か歩き方がおかしいから」
・・・気にしないで。
靴下に穴が開いてるなんて言えるはずないじゃない。


さて、キョンと一緒に教室に入った。
「おいおい、夫婦で登校か?」
アホの谷口が何か言ってるが無視。
「おはよう、涼宮さん。どうしたの、歩きづらそうなのね?」
・・・心配してくれる阪中さんには悪いけど、理由が理由だけに、
「いや、その・・・」
と、どう説明しようかと言いあぐねていると、
「歩きづらい・・・キョン君と一緒に登校・・・説明できない・・・」
坂中さんはぶつぶつ言い出したかと思うとハッと何かに気づいたように顔を上げた。

「ま、まさかキョン君と・・・?」
746名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:25:16 ID:W8PJdOKf
続きを頼む。
747名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/28(土) 23:49:32 ID:UM+OIqlr
て、徹夜でWiiFitやって筋肉痛に!?
748名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 00:05:11 ID:8F6+sIOw
ずるいのねキョン君、私にも涼宮さんを一晩貸して欲しいのね!
749名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:24:11 ID:8sm0GGs9
久々に来てみたらお前らがいつも通りで安心した
書き残したSSあるし、続き書いてみようかな
750名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 01:26:19 ID:Zizcl4Qx
>>749
わっふるわっふる
751名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 02:57:49 ID:hDyBc5/J
>>746
なんか以外に難しいネタフリだなコレw

>>749で思い出した。
別時間軸のお春をねんどろでやろうと思ってねんどびんちょボディに換装してみた。
ttp://imepita.jp/20080629/105590
着物ハルにゃんもいいものだw
752名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 07:35:30 ID:5Mb6wv6s
おはようハルにゃん
そしてわっふるわっふる

>>751
ちょっと玩具屋に突撃してくる
753名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 08:23:40 ID:phJV8nmg
>>751
おー。可愛いよおハルにゃん。
754名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 10:35:18 ID:c3iz/MWX
そんなお前らが好きだ。
あとハルにゃん可愛いよハルにゃん
755名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 10:44:46 ID:E+FcCTBE
何かの機会でハルヒの家にお邪魔したキョンがハルヒを「ハルヒ」と呼ぶ父親に
なんとなくもやもやとした感情を抱く、的な電波が。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 11:31:17 ID:3vzn5YYJ
おハルにゃん
757名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 11:32:02 ID:QHeEH1FR
思わず対抗してハルハルとか呼んじゃうんですね
758名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:08:07 ID:mnu/2ulH
そしてお母さんはハルちゃんと呼ぶ
759名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:44:09 ID:Zizcl4Qx
キョンは何しに涼宮宅へ?
760名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 12:50:49 ID:ty/oCj+Q
「君がキョン君か、娘から話は良く聞いておるよ」
「キョン君。これらもハルヒをよろしくね」
「は、はい」

やれやれ、俺はどうしても本名では名前を呼ばれない運命のようだぜ。
761名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:17:22 ID:phJV8nmg
キョンが入院した3日間ハルヒも泊まり込んでずっと一緒に居た。
これってさ、キョンの両親もハルヒの両親も絶対知ってるよな。
762名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:25:55 ID:DKwV/dlz
>>761
あたふたするハルにゃんを想像したw
763名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:29:56 ID:3vzn5YYJ
もっと長い間キョンの意識が戻らない
→ハルヒとキョンの両親が感極まり「もうキョンが起きたらその場で婚姻届けを書いていいよ」
→ハルヒパワーでまさかの復活
764名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:43:26 ID:8F6+sIOw
緊縛プレイも試してみたけどハルにゃん相手じゃ意味が無い
765名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:50:38 ID:4REHxAQT
そういえばあの三日間って平日だよな。
勿論クラスの奴らはハルヒが何故学校を休んだか知ってる訳で…。
766名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 13:53:24 ID:HDvdwGW9
>>764
だから次は絶対やるために、僕のジョンスミスだけは最後までとっておく〜♪
767名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:24:11 ID:doEE1qYX
エアーマンw
燃えた、燃え尽きたよ・・・真っ白だ、もう何も残っていない
これを最後にSS職人を引退する、みんなありがとう
「いよいよ大将戦が始まります!これまで2勝2敗の五分と五分、果たして結果はいかに!?」
体育館全体が緊張に包まれていた。常識で考えれば名門柔道部のエースにほとんど素人のハルヒが勝てるわけ無いのだが
全校生徒も知っての通り、涼宮ハルヒという女はそんな常識を最も嫌い、そして通用しない女だ
畳の上では両者があいまみえている、余裕の笑みさえ浮かべる本阿弥あやかと緊張と不安の色が隠せないハルヒ
「おい!涼宮が普段と違うぞ」「ハルヒ先輩でも怖くなることがあるのね」
などとざわつき始める観客たち、
「ハルにゃん!大丈夫っさ、絶対来てくれるにょろ」
「涼宮さん、ファイトですぅ!」
そんなハルヒを必死に盛り上げる二人のセコンド、読書を続けるゲスト解説者、携帯をいじっているニヤケハンサムの解説者
それぞれが決戦の時を待っている。
「今、本阿弥あやか選手の資料が届きました。・・・・おい!この資料は間違いないな
!?」
いきなりスタッフに確認を取り始めるアナウンサー、そして確認をとると緊張の面持ちで本阿弥あやかのプロフィールを公表した。 
 
「昨年のインターハイ48キロ以下級優勝者、なんと父親は本阿弥トラベル社長、母親は本阿弥グループの会長の娘でソウル五輪の銀メダリストです!
CV鷹森淑乃?なんですかこれは?」
 
場内が静まりかえった。そりゃそうだろ!いくらなんでも相手が悪過ぎる
「古泉さん、よりにもよって凄い相手が出てきましたね・・・しかも涼宮はメンタル面で不安を抱えています。これまででしょうか?」
「メンタル面の不安はまもなく解消されると思います。確かに強敵ですが涼宮さんにそんな常識は通用しません、奇跡は彼女のハート次第で起こすことも可能です」
圧倒的不利な状況でも相変わらずのスマイルですっかり解説者が板についてきた古泉は自信満々に語る。
そう、俺達だけが知っているハルヒ本人も知らないその力がハルヒの心次第で勝利に導くに違いない。
だが、いつに無く不安を抱えているハルヒがどうやったらこの状況でもいつもの調子を取り戻すのだろう?
ハルヒが不安になることなんてあるのか?普段と違う事なんてせいぜいこの場所に俺がいないことだけだ
 
「さあ、審判が位置につきました。白は豪学連、本阿弥あやか、赤は北高、涼宮ハルヒ、かたやインターハイ王者のプライド、かたや友への友情のため
今ここに決戦であります!」
審判が声をあげた。
 
「始め!」
開始早々は両者相手の出方を見るためか、なかなか組み合わず様子をみている。そして近づき、激しい組み手争いが始まった。
つくづく恐ろしい、ハルヒにできないことなんてあるのか?あったら俺が知りたい
「両者激しい組み手争い、全くゆずりません!」
そして組んだ、ハルヒにとって充分な形だ、
「涼宮小内刈り!本阿弥逃げる、逃げる」
本阿弥が腰をひいた瞬間だった。
「出たー!一本背負い、しかし本阿弥、足をかけてこらえる、その体勢からすかさず足を跳ばす涼宮!」
凄い攻防だ、たった2週間の間にこれほどの技術を身につけるとは、天才とはハルヒのことを指す言葉だろう
その後も息もつかせぬ連続技で本阿弥を攻め続けるがことごとく防がれ、逆に本阿弥は余裕の表情だ
その隙をついて本阿弥が巴投げをしかける、それを手を突いて逃れるハルヒ
「ハルにゃん、危ないっさ!」
鶴屋さんが何かに気づいたとき本阿弥は肩固めを決め押さえ込みに入った。
「資料によりますと本阿弥の得意技は蟻地獄と言われた寝技攻撃です。これは決まったか!?」
「先ほど一本背負いを掛け損なったときに既に襟を締めて寝技に持ち込もうとしていましたね、巴投げは寝技に入るための道具に過ぎなかったのです。」
古泉、冷静に解説してる場合じゃないだろ!
ハルヒは苦悶の表情で必死に蟻地獄からの脱出を試みるが本阿弥は放さない、
「10秒経過、本阿弥が効果を奪いました。30秒で一本勝ちです。」
 
(キョン強いよこの人、あたし負けちゃうかも・・・)
 
 
ようやくその頃俺と新川さんは体育館に入ったが、凄い人だかりで前に進むことができないでいた。
「頼む通してくれ、俺はSOS団の一員なんだ!」
そんな声も興奮した観客たちの耳に入らず、ここまで来てハルヒのそばに行ってやる事ができない
「通してくれ!ハルヒが、ハルヒが・・・」
 
俺とハルヒの間にできた壁を打ち破るべく、あるときは執事、あるときはタクシー運転手そしてその正体は胡散臭い「機関」のメンバー
新川さんの大音声が興奮の坩堝と化した体育館にこだました。
 
「どけい!我々の大儀の前に立ちふさがるのなら、このアナベル・ガトーが相手になるぞ!」
 
とてもモノマネとはおもえぬ「ソロモンの悪夢」の声がおそらくガヲタであろう男達の心に響き、俺と新川さんの所へ集まってくる
「少佐、我々が突破口を開きます」
「すまんケリィ、そしてカリウス、ジオンの栄光の為に力を貸してくれ」
「ハッ、星の屑成就のために!」
男達が道を作り始めた。新川さん、あんた一体何者なんだ?
何人もの男達が協力しようやく道が開いて俺はハルヒが闘っている試合場のすぐ脇に到着した。
「15秒経過、決まってしまうのか!?」
アナウンサーが絶叫する。俺が初めて見たのは押さえ込まれて窮地に立つハルヒの姿だった。
「キョン君遅いですぅ・・・」
スイマセン朝比奈さん、ゲッ、もう効果を取られてる。しかも2勝2敗の大将戦だって!?
気が付いたら鶴屋さんにヘッドロックの要領で引きずっていかれた。
「ハルにゃん、頑張るっさ!キョン君がやっと来たにょろよ、ほらキョン君も応援してあげるっさ!」
畳の上でもがいていたハルヒと眼があった。
「返せハルヒ!返してくれ!」
それしか言える言葉は無い、なんとその言葉に応えたのかハルヒは押さえ込みからの脱出に成功した。
 
「これで涼宮さんは自分の力を取り戻しました。奇跡は必ず起こります」
アナウンサーも古泉につられてにやけている。
「なるほど、涼宮の不安はそれが原因でしたか」
何の事だか俺にはさっぱりわからん、それに効果を奪われたんだ、にやけてる場合じゃねえぞ
ほれ見ろ、脱出したのもつかの間、すぐに後ろをとられて送り襟締めを決められそうだ
「頼むハルヒ、こらえてくれ!」
審判の手が上がった。
「待て!」
「涼宮、かろうじて、本当にかろうじて難を逃れました!まさに本阿弥の寝技は蟻地獄のように獲物を捕らえます」
そして試合が再開された。果たしてどんな方法であの寝技攻勢に立ち向かうんだ、ハルヒ?
そして今度は強引に持ち上げられ、またしても押さえ込まれた。しかしハルヒは足をからめて必死に堪える、足が抜けたら押さえ込みだ
「試合は俄然、本阿弥のペースです。涼宮に打開策はあるのか!?」
「本当に上手いですね、完全に寝技に入る形ができあがっています。インターハイ王者は伊達ではありません」
 
ハルヒは本阿弥を跳ね上げたが、すかさずうで拉ぎ逆十字をかけられる、それをハルヒはなんとか切り返すが、本阿弥の寝技攻勢は止まらない
待てがかかると場内から一斉にため息が聞こえてきた。俺も思わず深呼吸する
「苦しいですぅ、息をするのを忘れてましたぁ」
俺は朝比奈さんに人工呼吸を・・・なんて想像する余裕も無く戦況を見守っている
「さあ〜試合は完全に本阿弥のペースのまま残り2分を切りました。涼宮はこのあたりで何か突破口を開きたいところです。」
「そろそろですね・・・」
古泉がつぶやく、襟をとった一瞬のチャンスを見逃さずハルヒの大内刈りが決まった。
「効果!」
観客の大声援が巻き起こった。そして「ハルヒ!ハルヒ!」の大コールが発生する。
そしてその体勢から寝技をしかける
正気か?ハルヒ
「涼宮さんは長門さんを相手に寝技の練習をしていましたが、二人とも高校生離れした動きを見せていましたよ」
古泉、解説ありがとう
「ハルにゃん、その調子っさ!がっちり固めるにょろ」
鶴屋さんが必死にアドバイスを送る、しかし本阿弥はそれを切り返し、またしても腕ひしぎをかけてきた。
ハルヒはそれを腕をつないでこらえる、腕が伸びきったらおしまいだ。朝比奈さんが泣きながら叫んだ
「やめてくださぁい!涼宮さん、もう充分ですよぅ、花園さんも納得してくれますぅ」
俺もそう思う、もう充分だ、これ以上やったらおまえがケガをしちまう、やめてくれハルヒ
しかしハルヒの他にもう2人勝負を捨ててない奴がいた。そいつらは実況席で携帯電話を使い何事か話している
「はい、今夜六時、鶴屋邸に特上寿司20人前お願いします。領収書は古泉一樹で書いてください」
古泉、おまえは何でそんなに余裕があるんだ!?ハルヒが心配じゃないのか?
「それでは足りない・・・30人前を希望する」
長門、おまえまで・・・・
「放送部のみなさんもご一緒にいかがですか?今夜の祝勝会に招待しますよ」
古泉、気は確かか?今にもハルヒは負けそうだぞ、そして腕ひしぎがきまってしまった。
「ハルヒ外せ!外してくれ!」
こんな事しか言えない自分が悔しい、俺に出来ることはないのか?
「涼宮さんあきらめてない・・・あきらめてません!」
朝比奈さんの言葉に眼が覚めた。俺に出来ることは唯ひとつ、勝利を信じてハルヒを応援する事だ。
その気持ちが通じたのか、ハルヒは脱出に成功し待てがかかった。幸い腕にダメージはないようだ。
「ハルにゃん、本当にすごいっさ」
鶴屋さんが手を叩いて大喜びしている。そして勝負はまだこれからだ
「さあ、試合時間は残り一分、泣いても笑ってもこの一分で全てが決まります。」
しかし依然として本阿弥有利だ、素人相手に判定勝ちでは納得できず積極的に攻勢を仕掛ける
773名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 14:35:27 ID:HDvdwGW9
支援
「死闘!まさに死力を尽くした死闘になってきました!」
(キョン、お願い・・・あたしに力を貸して)
一瞬ハルヒと眼が合った。その眼はいつもの輝きを放っている。
「このくだらない茶番も、もうすぐ終わりますわ、ごきげんよう」
余裕の本阿弥は油断をしている、今しか勝機は無い
「どうする涼宮!あと30秒しかないぞ」
うるせえぞアナウンサー、ハルヒの力を知らんからそんなことが言えるんだ。勝てハルヒ!勝ってフクちゃんに柔道続けさせてあげるんだろ!
それにおまえの一生懸命な姿をみたくて俺はここに駆けつけたんだ!頼む勝ってくれ、おまえは勝利しか似合わない女だ
「涼宮、左手で本阿弥の襟を取る、右手は袖に添えるだけだ!」
「涼宮さん、今です!」
「そう・・・今しか無い」
実況の声は大声援で誰の耳にも届かない
(キョン、あんたのためにも絶対勝つわ)
出た、この試合のきっかけにもなった、ひったくりを投げ飛ばした巴投げが決まる
 
「有効!」
 
これでポイントは逆転した、もう少しだハルヒ!
「しかし見事な巴投げでしたね、古泉さん」
「ええ、完全に相手の虚をついた見事な技です」
本阿弥から余裕の笑みが消えた。自分が常識の通用しない相手と戦っている事にようやく気づいたのだ
勝負は終わってないぞ、これからが真剣勝負だ、ハルヒ!
「試合時間は残り15秒、本阿弥が勝つには攻めるしかありません」
「涼宮さんも判定勝ちする気はさらさらありません。必ず一本勝ちを狙ってきますよ!」
実況にも熱が入る、そして耳をつんざくようなハルヒコールがそれを後押ししていた。
両者がまともに組み合った、間違いなく最後の勝負になる、一瞬本阿弥の懐にハルヒが潜り込む。
「出ました〜!一本背負い!」
 
「決まれ〜決まってくれ」
古泉も我を忘れて絶叫する
 
観客が声を出す事も忘れていた。
 
宙を舞った本阿弥が叩きつけられる
 
 
審判の手が高々とあがった。
 
「いっ、一本それまで!」
静まり返った場内にフクちゃんの声が聞こえる、隣では花園監督が例によって涙を流していたが悔し涙ではないだろう
「涼宮さん!やったあ!ありがとうございます。」
 
次の瞬間、観客席から体育館の屋根を吹き飛ばすような歓声があがった。
「涼宮ハルヒ一本背負いで一本勝ち、この対抗戦に決着をつけました!凄い、凄い本当に凄い試合でした!!!」
「立てません本阿弥、呆然としてまだ立てません!時計は残り時間3秒を示していました。」
アナウンサーも観客もみんな涙を流して喜んでいる。ハルヒは意外な行動にでた。
本阿弥に歩み寄り、何かを話しかけている
 
「本阿弥さん、あんた本当に強かったわ、でも本当に楽しかった。ありがとう」
 
そして本阿弥の手を取り、感動の握手を交わした。場内から割れんばかりの拍手が送られた。
「よくやりました!本当によくやりました!私はこの試合を実況できたことを生涯誇りに思います」
 
本阿弥が立ち上がって、両者礼を交わす。そしてハルヒが俺のところへ走ってきた。少々恥ずかしいが仕方ない
俺は両手を広げハルヒを待つ、ハルヒは俺の懐に飛び込んできた、そして熱い抱擁を・・・じゃなかった。そのまま俺の右手を担いで
先ほど見せたような見事な一本背負いが炸裂する
 
「来るのが遅いのよ!このバカキョン!」
 
痛む身体をやっと起こし周囲を見渡すと生暖かい視線が俺とハルヒに注がれている、何とか立ち上がってハルヒの手を引き、逃げるように体育館から出た
 
ようやく中庭につくと俺はハルヒの手を離した。
「凄いなハルヒ、俺もわざわざ引き返してきて良かったよ。じいちゃんも軽い疲労で倒れただけだったし、良かった、良かった」
「べっ、別にあんたなんかいなくても、あたしは、あたしは・・・・グズッ」
急にハルヒは泣き出してしまった。一体どうしたというのだ?仕方なくポケットに入っていたハンカチをハルヒに手渡す。
「ほらこれで涙を拭け、俺はトイレで手を洗ってもズボンで拭いちまうからハンカチは清潔だ」
ハルヒはハンカチを受け取ったが泣き止む気配を見せない、俺はハルヒを落ち着かせるため二人でベンチに腰を下ろした。
ようやく落ち着きを取り戻したのか、俺の横に座るハルヒは黙り込んでいる。
「ハルヒ頑張ったな、あんな大勝負に勝つなんて大したもんだ」
そうハルヒは頑張ったのだ、じいちゃんの声が頭をよぎる
 
「何事も若いうちだぞ」
 
俺もハルヒに負けず大勝負に挑んでみるか・・・・
「ハルヒ、俺はじいちゃんの無事を確認してから、ハルヒの事を考えてた。俺も大勝負をさせてもらうぞ」
ハルヒの返事は無い
「俺、ずっとハルヒのことが好きだ、おまえは俺がいなくても大丈夫だろうが俺はおまえのそばにいたい・・・おまえはどうだ?」
言ってしまった、しかし悔いは無い、返事を待ってる時間がとてつもなく長く感じた。
そして返事の代わりに俺の肩に何かが当たる、ハルヒは俺の肩に頭を預けて動こうともしない 
 
勝ったのか?俺
恐る恐るハルヒの顔を見た。あの大きな瞳は眼を閉じており安心しきった表情で寝息をたてている
よほど試合で疲れたのか、さすがのハルヒも昨夜は緊張して寝不足だったのか、俺の肩を枕に眠り続けている。
まあ、さっきの勝負は無効試合にさせてもらおう、代わりに別の言葉をハルヒにかけてやる
 
「おつかれさま、ハルヒ」 
 
 
試合後、花園監督を残して豪学連の選手たちは帰っていった。試合会場の片付けも終わり後は映研によって映像化されるのを待つばかりだ
みんなはどんな試合をしたのだろう、早く観たいぜ
俺とハルヒを残しみんなは鶴屋邸での祝勝会の準備のため下校してしまった。一応生徒会長も誘ったらしいが
喜緑さんの休日を潰してしまったお詫びにこれから二人でお食事らしい(上手い事やりやがる)
夕焼けがきれいな空の下、俺とハルヒが校門を出ようとしたところ、40歳過ぎの男が話しかけてきた。
「実は私、こういう者です」
手渡された名詞は日刊エヴリースポーツ記者のものだった。
「試合を観させて貰いました。実はあのひったくりの記事を書いたのも私です。失礼かしれませんが、どうしてもあなたの正体が知りたかった。」
こいつか!あの記事を書いたのは、まあ結果論としてフクちゃんが助かったのだから許してやろう
「花園監督とは彼が高校時代からの知り合いなんです。富薫子さんも生まれた時から存じております、この高校と試合をするなら必ずあなたが出場すると思い
取材をさせて頂きました。」
なおも記者は続ける
「涼宮さん、本気で柔道をするつもりはありませんか?あなたなら金メダルだって国民栄誉賞だってねらえますよ」
そんなことだろうと思ったぜ、しかしそんな常識ハルヒには通用しない
「続けるつもりは無いわ、フクちゃんを助けてあげたかっただけだし、あたしには別にやる事があるの」
「なんですか、そのやりたいこととは?」
「宇宙人、未来人、超能力者を探してみんなで遊ぶことよ!だからあたしの記事はもう書かないで、代わりにフクちゃんの記事を書いてよ、知り合いなんでしょ?」
記者は呆然としている、そりゃそうだ
「いくわよキョン!早くしないとお寿司が全部有希に食べられちゃう」
ハルヒは俺の手を引き、記者を置き去りにして全速力で坂を下った。
 
呆然とする記者に花園監督が校門から出てきて声をかける
「お久しぶりです。」
「やあ、花園君フクちゃん大丈夫かい?」
「はい、大したことありません、約束どおり柔道を続けさせます。我校の選手たちにこの負け試合を責めるつもりはありません」
「昔を見てるようだったよ、いよいよ富士子さんに似てきたね、」
「それだけじゃ無いでしょう、あの涼宮選手の一本背負い、まるで猪熊・・・いや失礼あなたの奥様を思い出してしまったのではないですか?」
「あぁ、そう思って本気で柔道を始めないかと聞いてみたけど、その気はまるで無いらしい、どうやら異世界に迷い込んでしまったようだよ」
「自分もそう思います。富薫子が原因で本来交わるはずのなかった世界に迷い込んでしまったようです」
「そうだね、彼女を追うのはもう止めよう、ところで取材も兼ねてこれから飯でも食いにいかないか?」
「いいですね!妻にも連絡します」
二人は坂を下っていった。
数日後、女子柔道部には6人が入部した。そして俺は日刊エヴリーを朝比奈さんのお茶を飲みながら読んでいる。
それは柔道欄の端っこに載っていたちいさな記事だった。
 
バルセロナ五輪銅メダル花園富士子(旧姓伊東)の娘、花園富薫子さん(16)は今柔道部で主将を務めている。
 
部員は彼女1人しかいなかった女子柔道部は友人たちの手を借りて練習試合に勝利し花園さん自身は強豪選手に善戦むなしく敗れたものの
 
その勇姿に感動した女子生徒数人が入部を申し出た。
 
今は主将として毎日トレーニングに精を出している
 
いつの日かオリンピックの大舞台で彼女の姿を見ることができるかもしれない 
 
記事 松田耕作 
  
  
「キョン新聞なんて読んでないで、早く柔道場に行くわよ!」
「やれやれ」
あれからハルヒは、たまに柔道場に顔を出し、もっぱら俺を相手に身体を動かしている、女とはいえインターハイ王者に勝ってしまうハルヒに
俺がかなうはずもなく簡単に投げられる、おかげで受身だけは上手くなった。寝技の練習もあれば楽しいのだが、そんな俺の思いはとっくに見抜かれており
ひたすら俺は投げ飛ばされている
実はあのあと幾度と無く本阿弥あやかからハルヒ宛に挑戦状が届いたのだが、全てハルヒの眼に入る前に、古泉と長門によって処分された。
それでよいと思う、これは学園ストーリーで柔道物ではないのだから
 
 
エンディングテーマ「いつもそこに君がいた」レイジー・ルース・ブギー
 
終わりの鐘が鳴って君が席を立つ
 
気が付けばいつでも君だけを見つめてた
 
ページをめくるといつもそこに君がいた ノートの落書き、いつもそこに君がいた
 
過ぎ行く時の中であの時の仲間は今、何を語ってるだろう 
 
ページをめくるといつもそこに君がいた ノートの落書き、いつもそこに君がいた
http://jp.youtube.com/watch?v=MaO5JzaC2bk
 
終わり
 
北京五輪まであと何日かは知らん
778名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:06:32 ID:DKwV/dlz
>>777
燃えた…萌えつきたよ!!
779名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:09:38 ID:5jUPoXdm
>>777乙。お前は頑張った。
ちなみに北京五輪の開会式は8/8、あと40日だ。
780名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:27:14 ID:/DDPv3pK
>>777
乙。初めから読んだ。
元ネタはテレビで少ししか見たことなかったからよく分からんが面白かった!
ぜひとも今後も引退しないでSS職人続けて。

で、私>>334なんですが牛乳とハルヒの続きを書いてみました。
>>777の余韻に浸りたいから、また後で投下しに来ますノシ
781名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:39:49 ID:c3iz/MWX
>>777
うう…途中から涙が出てきて画面が見えない…。
萌えた、燃えつきたようだ…。とにかく感動した!!>>777乙!
782名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:40:17 ID:ty/oCj+Q
>>>777
GJ!俺は今、猛烈に感動しているぞ!
休養を取ってまた気分が乗ってきたらぜひSSを書いてくれ、荒らしのアンチなんかきにすんな。
783名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 15:47:07 ID:phJV8nmg
>>777
乙&GJ!
書きたくなったら書くというスタンスで良いんだぜ。
784名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 16:14:20 ID:5Mb6wv6s
>>777
GJ!原作はほとんど知らないけど面白かった!
無理にとは言わないけどまたいつかSS書いてほしいな
785名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 17:20:47 ID:QHeEH1FR
GJ!
問題なのは空気を読むことさ。

>>780
おぉ期待してるんだぜ!
786名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:07:52 ID:DKwV/dlz
大胆MAPにハルヒ出るのかな?w
787名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:24:54 ID:Orbk/jHr
テレビ見てたらハルヒでてきてびびった。
788名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:26:42 ID:DzrP+ZWc
フィリピン刑務所でハレハレktkrwwwww
789名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:29:24 ID:0SF1VcRd
フィリピン刑務所自重www
790名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:33:27 ID:DzrP+ZWc
ハレハレ採用理由
セブ刑務所所長「みんなが好きって言ったからさ」

フィリピンすげえええええwwwwww
791名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:34:34 ID:DKwV/dlz
やっちゃったな、ハルヒw
792名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:35:54 ID:qvA/sfz6
さすがハルヒ

793名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:36:04 ID:utMRMLXV

                        _,, --‐''` ‐ - 、
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                  i:::::::::::::::::::::::::/|:::::! i!!::::::::!i:::::k::::::l::::::::::iヘ
                   '!:::::::::::::::::i!:/ !::l ゙ !::::/ |::/r 、::l:::i:::|:l  やれやれ・・・
                   !:i^l:l:::::!i.レ..,__ヘ!   l::/  !(ヽ、`\i'リ   
                   !k i!',:::::! _  ̄_゙゙´ ゙' -‐‐'\ \ \
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                  _, r´:/ : :|゙' !、      ,'.:.   /-、\     `、
              _, r ´:.:.:.:./:.:.:.:.:|  ヾ、  r‐--っ /!:.:ヽ :`ヽ      ヽ
           _, r'´:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:|  \ヽ、` ̄ /  |::.:.:ヽ: : ヘ      i
        _, r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.|    >-、ー_'/   !::.:.:.:.:ヽ: : :!、    ___!=、
       /゙: : : : : : : : : : : : ヽ:.:.:.:.:.:./i!  /ヘ i. / 入  |\.:.:.:.:.ヽ;,r'`‐´_,,..---┴‐,
794名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:39:37 ID:mTwdiVdo
ありえねー!
マジすげええええWWWWW
795名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:42:17 ID:wBFu52oc
ヤッターマンの次にハルヒ、
ハルヒの次にドラえもん、
ちと場違いじゃないか?ww
796名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:44:50 ID:7S/7L7Ix
ハルヒだけ浮いてるじゃねえかw
797名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 19:47:50 ID:DKwV/dlz
>>794>>795
sage忘れ注意

しかし、ハルヒも世界を大いに盛り上げたなw
798名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:30:51 ID:qKB+YCzm
フィリピンの刑務所とは驚いたw
799名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 20:46:31 ID:zAsJITSP
今テレビ見たらハルヒの名前あってビビった
ハレハレ見たかったなー
800名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:07:35 ID:Zizcl4Qx
ハルにゃんと一緒にアナコンダ2観たい
801名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:10:54 ID:8F6+sIOw
大脱走するSOS団
802SS:続 牛乳とハルヒ:2008/06/29(日) 21:42:29 ID:/DDPv3pK
おかしいなあ、紫陽花の話を書こうと思ったら手が勝手に続きを書いてた。

----------
「もうっ! エロキョン!! バカキョン!! キョンのエッチ!」
 と真っ赤な顔をしたハルヒに浴室から叩き出された俺は、壁に寄りかかりながらズルズルと床へしゃがみこむ。
 耳に入ってくるシャワーの水の音。その音にあわせ、先ほどのなんとも色っぽいハルヒの姿が脳内に再生される。
 ああ、もう、なにやってるんだ、俺……
 自分の顔を右手で覆いつつも、湧き上がる情熱は覆いきれず。どうしようもないモヤモヤを胸に抱えながら別の事を考えようと思考の中から一生懸命に胸元のはだけたハルヒを追い出す作業をしていた矢先に、一つのワードが頭に浮かんだ。

 嫁。

 そうだ……! ハルヒは俺の嫁だ。
 いや、な、別に嫁さんだから何をやってもいいわけじゃないわけだけど、その、あの、その、夫婦だったらお互い合意の下でって俺何言ってんだ。頭で言い訳をしながら体は勝手に動くわけで、あっという間に服を脱ぎ浴室のドアを開ける。

「きゃっ! な、何よ、いきなり入ってきて!」
 肩越しに振り向くハルヒへずんずんと歩いて行き、持っているシャワーを取り上げて壁の高い位置の方へ引っ掛ける。
 さっきは叩き出されたけど今度はそうはさせんぞ。
「ちょ、ちょっと」
 驚く顔のハルヒの顎を取り、軽く唇を吸うようにちゅっと口付ける。
「き、キョン?」
 驚く顔が戸惑う顔に変わるのを気にしないようにして二度目の口付けは一度目よりも深く長く。
 口付けた唇を割り、逃げるハルヒを強引に絡め取る。
 初めは奪うように強引に、次は優しくいたわるように、そしてお互いを求め合うかのように激しく熱く。

「んんっ」
 くぐもったハルヒの声に俺の後頭部がしびれる感覚に襲われる。
 数え切れないほど同じ行為をしているのに毎回毎回ドキドキして大変なんだ、なんて言ったらハルヒは笑うかな。

「ぷはっ」
 ようやっと長い口付けから開放して何も纏っていないハルヒの身体をギュッと抱きしめる。
 妨げるものがなく直接伝わる温かくて柔らかい感覚に頭がくらくらとする。

「ごめん、ハルヒ。その、しちゃ……だめか?」
 俺のその言葉に反応してか、背中に回されたハルヒの腕にほんの少し力が入る。

 少しの沈黙の後に小さくハルヒが呟いた。
「ここで「しちゃダメ」って言っても我慢できない……じゃない」

 その言葉に一気に心拍数が上がり気分が舞い上がる俺はお子様か。
 覗き込んだ俺の表情があまりにもわかりやすかったのか、ハルヒは頬を少し赤く染めながら「バカキョン」と呆れている。
 バカキョンでもエロキョンでも何でもいいさ、ハルヒの許可が出たんだからこれでもう叩き出される事はあるまい。

 幼さが残るハルヒの耳に唇を寄せ、遅刻の言い訳はどうしようかと頭の隅っこで考えるもそれはすぐに意識の中から吹っ飛ぶことになるのだった。

休んでしまえ。ってことでおしまい。
803名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:50:42 ID:ads0P7ML
エロパロへ行け
804名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:55:00 ID:/DDPv3pK
あー、やっぱりそっち行けば良かったか。
ごめん。
805名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:57:41 ID:JJCobWrk
行く前に前編が何処にあるのか教えてくれw
806名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:58:14 ID:N+dfTmlT
過去の投稿作品を見る限りでは許容範囲かもよ
807名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 21:58:59 ID:95MEaqfD

もうてめーら勝手にイチャコラしてろよww
808名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:17:22 ID:OKyGfbi2
このスレキモすぎw
809名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:24:50 ID:KdZQFhDZ
おまいら今まで散々わっふるな流れとか作ったりしてたくせにその言い種はねーだろw

>>804
気にすること無いですよ
全然許容範囲だと思うんだっぜ!
810名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:26:30 ID:8F6+sIOw
ハルにゃんと世界の車窓から見て和むキョン
811名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 22:33:24 ID:ByzDOgPO
>>777
遅まきながら完結オメ&長編乙!
そして非常にGJでした!
元ネタ知らなくても充分楽しめた。
やめるなんて言わないで小ネタでもいいからまた書いて欲しい。

>>802
キョン自重wwwGJ!
別に具体的な描写があるわけではなし、こっちでもまったく問題ないと思うんだが。
まとめとか見てるともっとエロい描写なんか結構見つかるし。
812名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:00:52 ID:DKwV/dlz
>>802
うんうん、詳しい模写が無いから大丈夫なんだぜ
前作に引き続きGJだっぜ
813名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:19:30 ID:WRj7Av4r
>>777
完結乙&GJ
元ネタ好きとしては毎回うはうはさせてもらいましたよ

>>802
キョン発情期www
ハルにゃんの反応もかわいいな。
個人的にはここでも全然問題ないような……。
814名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:19:53 ID:xy62STmq
足の親指の付け根側面部を指圧されるのに弱いハルにゃん
815名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:27:41 ID:hDyBc5/J
実は俺も弱いんだぜ
816名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:33:19 ID:/DDPv3pK
>>802です。
みなさんどうもありがとうございますー。
こういうネタは受け取り方が人それぞれだから難しいですね。
817名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/29(日) 23:39:26 ID:QHeEH1FR
>>815
お前には聞いとらん!
818名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:02:54 ID:8F6+sIOw
●>その命、神(ハルヒ)に捧げなさい
819名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:06:02 ID:DQ0ef9tN
>>817
ラウンドアラウンドを思い出したぜw
その場面でハルハル〜が出たんだよなーww
820名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:10:59 ID:6/8tV9DO
>>802
GJ!
俺もまったく許容範囲としか思えんかった。

みんなスルーしてるみたいだからから言わなかったけど、
なんかたまに煽りとしか思えんコメとかレスしてるやついるよな。
作者さんたちにはそういうの気にせず伸びのびとSS書いてほしい。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:21:19 ID:cVcaAEj1
>>820
そういうレスも余計だろ。
SSの内容に対して感想いわれるときに賛否あるのは当たり前。
なんでも無視すればいいみたいな物言いは良くない。
822名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:22:24 ID:cVcaAEj1
特にエロやグロの許容できる境界は個人的なものであることが多いんだから。
823名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:33:20 ID:P+9t5UkA
おやすみハルにゃん。
たまには夢の中に出てきてほしいお
824名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:47:00 ID:4INlwcFc
エロパロの方であったここで報告しづらいSS見て思ったんだが、ハルヒ世界感とクトゥルー世界感はちょっと似てるかもな。
どっちも神(ハルヒ、アザトース)の見てる夢みたいな不安定な世界で、神がほんのちょっときまぐれを起こしただけで現実も変わってしまう。
825名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 00:52:58 ID:W/01ZSmP
「朝チュン無罪」ということでどうか。
いやそうじゃないと今書いてるのがちょっと困る……
826名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:02:48 ID:4INlwcFc
それぐらいOKだって。
必要以上に叩いてるのは多分荒らしだよ。2期情報でたから集まってきたんだろ。
827名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 01:10:03 ID:DQ0ef9tN
最近増えたよな、まったく
ま、みんなスルーしてるから大丈夫さ。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 02:36:33 ID:Z6I6MP7G
>>823
明晰夢だっけ?
出来たら面白そうだよね
829名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 04:52:53 ID:Z8DEaxKR
>>816
そうかもしれんが、個人的にはスーパーGJ!!
今後も期待してますww
830名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 05:52:53 ID:vMvNMPZh
おハルにゃん。

>>825
期待してるぞw
831名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 07:41:49 ID:KzjtVoaX
アンチと感想の見分けは大事だね。
SSは好みがある訳だから、GJ!以外の感想は無視と言うのは確かにおかしい。
まあ、ただ批評するだけの感想は良くないと思うがな。
>>802は良いと思うよ俺は。
832名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 07:49:17 ID:rnoFyi1D
本当のアンチと思われるものに対してはアンチだから無視しろではなくてNGが最適解だしね
書き手も読み手も感情的に相手にしちゃダメよ、それこそがあっちの狙いなんだから
833名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 07:50:51 ID:rnoFyi1D
× 無視しろ
○ 無視しろとわざわざ書きこむのではなく
834名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 10:27:58 ID:PHAi9+mg
二日きてないと流れわからないなぁ〜

エロやグロやVIPを引き合いだす人は無視していいのでは?

後他スレでどうのとか言う人も
835名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 10:28:45 ID:i3HBndM9
最近誰かに見られてる気を感じ取ったハルヒ
836名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 11:23:11 ID:P+9t5UkA
>>828
ありがとう。

てか夢ん中に出てきたよ!ハルにゃんが!
商店街抜けたところの本屋でキョンと雑誌を立ち読みしてた。
何読んでんのかなーって近づこうとしたら目が覚めちまった。すごい気になる終わり方だっぜ。
いったい何を読んでたのかな。ファッション雑誌とかかな。
837名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 12:04:01 ID:SR7oo7k4
流れの遅いスレでスルーはあまり良くない
全員そう思ってると思ってしまうからそれこそ向こうの思う壺なのでは
838名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 12:56:43 ID:8sbWsiWm
>>836
間違いなくたまひよ倶楽部だな
839名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:18:24 ID:3yp0B1Rp
婦人警官になったハルにゃん
840名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:20:29 ID:W/01ZSmP
>836
女性誌かなんかの「かわいいって言わせたい!特集」「夏までに意中のカレを落とす100の方法」みたいなページ。

841名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:22:45 ID:kiAXgccK
カチューシャをブーメランに使うハルヒ
842名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 15:55:13 ID:Z6I6MP7G
>>836
レジャー雑誌なんかもいいな。
843名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 16:56:57 ID:i3HBndM9
>>836
通販カタログで珍しいものを探すハルヒとそれに頭抱えるキョンですね、わかります
844名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 17:38:56 ID:qc7pHq4V
>>815
普段からしかめっ面してません?
845名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 17:56:57 ID:LS1OYZUf
>>841
それなんてウルト(ry
846名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:11:11 ID:u5+SmuJV
マンションの管理人「わしにチューしてくれたら朝倉さんの居場所を教えてやらん事もないぞ」

ハルヒ「え・・う〜ん・・キョン・・」

キョン
   →「なんで俺にきくの?」
     「別にかまわないと思うが・・・」
847名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:36:35 ID:ByCIjww1
キョンが管理人にすればOK
848名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:40:44 ID:i3HBndM9
>>846
ハルヒが管理人のツラを回し蹴りして終了
849名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:44:07 ID:4INlwcFc
キョン
    →「あいつにするぐらいなら、俺にしろ」
850名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 18:50:21 ID:ByCIjww1
大体、高級分譲マンションだっていうのに管理人の教育がなってない
管理人は普通、管理会社の社員で、個人情報の保護とかは会社から叩き込まれてるぞ
アニメの描写だと、まるで賃貸アパート(非高級)の管理人に見える
851名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:03:09 ID:i3HBndM9
実はあのマンションは書き割りアパートだったとか
852名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:04:10 ID:LS1OYZUf
>>850
管理人もインターフェイスだからなんじゃね?
853名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:08:38 ID:DQ0ef9tN
情報統合思念体はちびまr(ry
854名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:10:04 ID:vMvNMPZh
実は長門の部屋だけが高級なのかw
855名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:14:42 ID:PcgAgXtS
>>850
まあそれを言うと、管理人がマンション購入がローンか一括かなんて知っていること自体が(ry
>>852
インターフェースと言うよりハルヒが調べに行くことを見越して機関から手が回ったに一票w
856名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:18:10 ID:vMvNMPZh
いや、待てよ。
実は長門の部屋一室だけで、あのマンションはロボットになるんだ。
長門の部屋はコックピット。
857名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:21:31 ID:DQ0ef9tN
んで、右手は朝倉で左手は喜緑さん、ってかw
858名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:24:39 ID:i3HBndM9
長門と喜緑さん以外は空き部屋だったのでそこに越して来たハルキョン
859名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:25:37 ID:blaiwUI9
なるほど、賃貸情報誌を読んでたのかw
860名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:33:43 ID:5xfuAwby
そのうち古泉もみくるも越してきて、いつでも出撃できる体制が整うと
861名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:38:01 ID:DQ0ef9tN
全軍突撃!!
862名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:43:00 ID:LS1OYZUf
巨大怪獣タニグーチ出現!!全軍出撃せよ!!
863名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:45:15 ID:kiAXgccK
隊長、滝とか屋外プールから発進するのはやめてください!
隊からケガ人が続出します!
864名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:48:22 ID:DQ0ef9tN
隊長!タニグーチのWAWAWA攻撃に……ぐわあぁぁ!!
865名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 19:56:59 ID:vMvNMPZh
待て待て、敵はあれだ。
九曜に文芸部室を乗っ取られロボットに改造された北高。
「俺達の部室を取り戻すぞ!」
驚愕の戦いが今始まる…
866名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:15:56 ID:u5+SmuJV
>>865
日常を壊すなよ
俺は普通になまける
目標とかいいからどうでもいいから
867名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:21:17 ID:PHAi9+mg
あれだ最終決戦近くで古泉負傷し変わりに鶴屋さんが入隊
異例の男女比で戦うんだな!
868名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:30:39 ID:3q1qGxfb
男女男女女男女男女
869名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:31:11 ID:ByCIjww1
敵だった朝倉さん(黒)が味方に!
870名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:01:23 ID:5xfuAwby
朝倉・長門・喜緑「トライアングルアターック!」
871名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:08:28 ID:kiAXgccK
朝倉・長門・喜緑「ジェットストリームアタック!」
872名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:18:54 ID:5xfuAwby
それは朝倉さんが踏み台にされるからナシで
873名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:22:34 ID:Z6I6MP7G
負けじと対抗して合体技を編み出すハルにゃん
874名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:22:52 ID:DQ0ef9tN
なんかハルヒスレなのにハルヒが出てきてないw
やっぱりSOS団のストナーサンシャインでトドメでw
875名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:26:11 ID:PcgAgXtS
SS書き上がったが展開納得行かないと凹みながら来てみればなんだこの流れwww
お前らノリ良すぎだ、いいぞもっとやれwww
876名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:26:37 ID:iRbOr7bw
やっぱりハルヒは後ろから抱きしめるに限る byキョン
877名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:31:08 ID:PHAi9+mg
ファーストガンダムのネタで大いに盛り上がるハルキョン+宇宙人三人娘+みくる

スタゲネタ振って場の空気を冷やしてしまう古泉って電波
878名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:35:26 ID:i3HBndM9
ジャンボグレード涼宮ハルヒ
879名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 21:44:23 ID:DQ0ef9tN
ハルヒ「ハルヒ、行くわよー!」
キョン「キョン、行くぞ(って何で俺だけあだ名なんだ)」
長門「……出る」
みくる「え、えー、あれ?これどうするんですかぁ〜?」

古泉「マッガーレ」プシューン
某「何!?ビームが曲がった!?」
880名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:18:56 ID:kiAXgccK
まだ朝倉と仲良くしていた頃のキョンにジェラシーなハルヒ
881名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 22:21:11 ID:tN2pN4IR
ハルヒのノマカププチオンリー行った人いる?
行きたかったけど行けなかったよorz
882名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:30:30 ID:y5MYdoWG
>>880
嫉妬の対象はキョンなのかw
883名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:36:21 ID:P+9t5UkA
仲良くしてたかというと微妙なラインだけどなw
しかし朝倉の社交性と長門の社交性は正反対だよな
884名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:41:29 ID:qc7pHq4V
キョンの家庭教師を終えて一息ついていたところ、妹がリコーダーの練習をしているのが聴こえたので
一緒にリコーダーを吹いてコツを教えてあげるハルヒ
885名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 23:46:31 ID:HPKRYntj
>>881
ハルキョン本を買ってホクホクの俺が通りますよっと
886ハルキョン SS それから:2008/06/30(月) 23:48:27 ID:QcvGmU7U
「……あのっ!その……す、好きです!付き合ってください!お願いします!」
高揚と羞恥の入り混じった裏返った声。内容からしたらそうなるのも無理はない。なにせ愛の告白なのだから。
「……ごめんなさい」
心底悪いと思っているような声。それでもはっきりとそう答えていた。
「…………ありがとう……ございました」
絞り出す声は儀礼のような潔さと強制力をもっていた。
「……終わったか?」
「うん……」
身を隠していた壁から顔を出し問いかけるでもなく呟く。
「今年に入って何回目だったかな」
俺達が3年になったということは新しく一年が入ってくると言うわけでそんな一年が玉砕する様を見てきたわけだ。
凄い撃墜率だな、なんて茶化してやろうと思ったがハルヒの思いつめた横顔に軽薄な言葉を溜飲とともに嚥下する。
ほっとしている自分が嫌だった。

朝比奈さんが卒業し、SOS団は4人になった。ハルヒは新しい部員を入れようとはしなかった。
言葉にはしなかったが俺も賛成だった。
入学してからの2年間とちょっとでハルヒは随分丸くなった。それが加速したのは朝比奈さんの卒業のように思える。
人と会話するようになったしあの近づきがたいオーラもなくなった。
だからこそ、今の時点で俺の知っている限りで総勢52名(女性含む)もの告白を受けたわけだ。
中学のハルヒならともかく今のハルヒが簡単に告白を受けるわけないと思っていたし知っていた。
それでも誰かのものになってしまうハルヒを想像するだけで苦瓜を丸呑みした気分になった。

だったらお前が告白すればいいだろ、一年からの友人より上、親友以下は簡単に言う。
でも俺達は近すぎる。いまさらそんなことを言えないくらいに近すぎる。
この関係が壊れるのが怖い。チープでループなこの思いは幾千と重ねられた人類の愚考だ。
わかっていても、すぐ傍で、手が触れそうなこの距離が、手放せそうにない。

涼宮さんは待っているんだと思いますよ、超能力者以上親友以下はにこやかに語る。
何をだ、とはぐらかす。それきりそいつは黙る。わかっていることを何度も言う必要はない。

ある日部室に入るとハルヒが一人で窓の外を見ていた。
俺が入ってきたことにも気付いていない。集中ではなく散漫で気付いていないようだ。
何か口ずさんでいる。歌のよう、伴奏なしの独唱、上等なものではなくただの鼻歌。
アップテンポなリズムなのにどこか悲しい失恋の歌だった。Lost My ……。

「ハルヒ」
「わっ!な、なによ。もう驚かさないでよ」
「お前、これから先も世界を大いに盛り上げるつもりか?」
「え?あ、うん、当たり前でしょ。何の為にこの団を作ったと思ってるのよ」
「一つ聞いていいか、なんで『世界を大いに盛り上げる』なんて言葉思いついたんだ?」
「えっと、それは……」
ハルヒは歌と同じ顔をした。
「別に、なんでもないわ。宇宙的インスピレーションがこうビビッと来たのよ。っていうか、なによ急に」
ハルヒにそんな顔させるなんて世界で、いや宇宙でたった一人しか出来ないに違いない。
そいつは将来ハルヒがどう思うかなんて深く考えずに言ったに違いない。
鶏が先か卵が先か、そんなもの突然変異の卵が先に違いない。
自分に嫉妬するなんてどうかしてる。でもそれは正しい気持ちだと思う。
あのときの俺と今の俺は違うんだから。
だから、ジョンスミスからハルヒを取り返さなきゃいけない。
「ハルヒ、世界を大いに盛り上げるのはかまわんが一人じゃ無理があるんじゃないのか」
「だからSOS団作ったんでしょ」
「なるほど、しかし朝比奈さんは卒業しちまった。来年には皆バラバラだ。それでも続けられるのか?」
「っ!それは……。出来るに決まってるでしょ、あたしを誰だと思ってるのよ!」
「無茶言うなよ、昔ならともかく今のお前じゃ一人はきついだろ」
言葉に詰まるハルヒ。だから。
「だから俺に手伝わせてくれ。この先もずっと」
「え……そ、それって」
「お前のことが好きだから」
その後は大変だった。泣いたり笑ったりするハルヒを必死でなだめていた。だがまあ返事は言うまでもないだろう。
世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒとキョンの団を、今までもそしてこれからも、よろしく。
887名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:04:38 ID:P+9t5UkA
こ、この見事な構成力……ひょっとして帰ってきたのか!? 
うおーGJ!! あれ?目から汗が…
888名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:05:48 ID:dRMJ7I3o
シンプルさがまことに良いなGJ。
ジョンかキョンかってみんな思うところは同じなんだね。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:13:43 ID:+nrINHUi
>>886
この雰囲気のSSは久しぶりだな、GJ!!
890SS「深夜ラジオ再び」:2008/07/01(火) 00:40:08 ID:/qYl+qH+
さて次のメールは西宮市のカチューシャさんからです。いつもありがとう 

こんばんわ、例の部活の鈍感男なんですが、この前の放送の次の日にいきなり
謝ってくれました。嬉しかったけどDJのリョウコさんがアドバイスしてくれた
あたしの事をどう思ってるのかをまだ聞く事ができません。だって恥ずかしいもの
あいつ優しいから、いろんな女の子が好きになっちゃうかもしれない
どうしたらいいですか?リクエストは「恋のミクル伝説」をお願いします。

すいませんカチューシャさん、実はリョウコさんは先日カナダに留学してこの番組を降板してしまったので
代わりに僕がお答えします。相変わらず鈍感な彼に苦労しているようですね
ひょっとしたら彼を好きになってしまうのは女性だけではないかもそれませんよ
その部活にイケメンの笑顔の似合う男性部員でもいたら要注意です。
早く彼の態度をはっきりさせるために二人で部活の野外活動でもしてみたらいかがですか?
では本日のラストナンバー「恋のミクル伝説」聞いてください。
以上、新DJ イツキがお送りしました。

俺はラジオの電源を切り、押入れにしまったままの金属バットを取り出し
顔面をフルスイングするべく素振りを始めた。
明日場外に叩き込んでやる。
 
891長門 有希:2008/07/01(火) 00:44:16 ID:DuijhdJj
892名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:46:46 ID:/qYl+qH+
>866,GJ!あとこのSSは引退した奴が書いたものじゃないと思うが・・・
893名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 00:54:59 ID:+nrINHUi
>>890
最後のキョンの台詞は、ちとNGじゃないか?
ひ〇ら〇を連想してしまう…
894名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:00:33 ID:1ghNa5PR
キョン「あれが涼宮ハルヒか・・・乙女座の俺にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない」
895名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:04:16 ID:9VwCV2JH
>>893
ひいらぎ?
896名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:08:37 ID:+nrINHUi
>>895
ひぐらし
897名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:14:51 ID:SKGKPQXm
>>895
七夕生まれの双子?
898名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:24:55 ID:K5t/7kmH
>>890
GJ!面白いw
899名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 01:48:12 ID:uX9UJZw3
>>886
GJ!この雰囲気が良いな
>>890
ワロタww次は誰だw
900SS「深夜ラジオみたび」:2008/07/01(火) 02:19:08 ID:iB9WJ/Ko
ゲッ、次のメールは、また西宮市のカチューシャさんからです。いい加減にしてくれ

こんばんは、もう嫌になっちゃう、あの鈍感が部室で胸の大きな子といちゃついてたから
頭にきちゃった。もう嫌だ、いっそあいつと二人だけの世界に行きたいなんて考えながらふて寝したら
凄い夢をみたの、真夜中の学校であいつとあたしが二人っきりになって怪獣に追いかけれて
グランドまで逃げたらね、急にあいつがマジな顔していきなりキスされちゃった・・・
キャーあたし何かいてるのかしら!?そのとき「実は俺、ポニーテール萌えなんだ。おまえのポニーテールは反則的ににあってたぞ」
なんて言われちゃった。
ひょっとしたらあいつも同じ夢を見たかと思って次の日ポニーテールにして学校に行ったら
会ってすぐに、「似合ってるぞ」なんて微笑みながら言ってくれたの!
だから今日はこの曲をリクエストします。

うわー!だからこの番組出たくないって言ったんだよ!勝手にやってろこのバカップル!どうぞごゆっくり!
はいはい、ではドリカムの「うれし、たのし、大好き」聞いてやってくれ

俺はベッドの下に隠したエロ本のなかから、お勧めやつを傷心の友人に贈呈する事を決めた。
901名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 03:19:36 ID:eLYowPVm
>>900
谷口wエロ本てww
902名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 05:21:37 ID:2/wpTshv
>>886
GJ! いい話だー!

>>890, >>900
ラジオktkr! 古泉も谷口も何やってるんだwww GJ!

投下ラッシュ何で自重しようかと思ったんだが、季節もの何で投下させてもらいます。3レス予定。
903ハルキョンSS 半夏雨 1/3:2008/07/01(火) 05:22:38 ID:2/wpTshv
 なんてこった。
 今日7月に入ったばかりといえばまだ梅雨最盛期で、当然雨が降ることなんか天気予報を見なくても空を見れば充分予想出来るってのに、よりによって傘を忘れてしまうなんてな。
梅雨も後半になると雨の降り方は激しく、走って帰れば大丈夫なんてとても言えるような状態じゃない。2〜3分もすれば全身濡れ鼠、下手すりゃ鞄の中の携帯も壊れそうな勢いである。
これが夕立だってならしばらく待てばいいのだが、梅雨の雨ともなればいつ止むともしれず、誰もいない昇降口から激しく降ってくる雨を途方に暮れて眺めていることしか出来なかった。
 誰かさんのように職員用の傘をかっぱらってくるか、と思ったとき、後ろから誰かが歩いてくる足音がしたので振り返る。なんだ、お前か。
「やんなっちゃうわね、この雨」
「まったくだ。しかも俺は傘持ってないしな。お前持ってるか?」
「あたしも持ってないわ。職員室に寄ったけどもうなかったもの。みんな同じこと考えてるのかしらね、1本くらい残しておきなさいよ」
 お前のためにわざわざ自ら進んで濡れることを良しとするお人好しなんか蜂蜜好きな黄色い熊くらいしかいないだろ。
 しかしハルヒも傘を持っていないとなるとどうしようもない。持っていれば不本意とはいえ同じ傘に入れてもらうことを考えていたのだが。
「こういう日は傘置きにあるのも壊れた傘くらいなのよねー。どこかで調達出来ないかしら」
 人の物を使うことに良心の呵責を覚えないのかお前は。傘置き場を漁っているハルヒに呆れた視線を投げかけてから再び灰色の空に目を戻す。
ハルヒが本気になりゃ天気くらいどうとでもなりそうだが、もちろんそんなことをさせるわけにはいかない。たかだか1度濡れることを世界の物理的秩序と引き替えにする気はないんでね。
 やれやれ、と溜息をついてなんとなく足下を見やった俺は、そこにさっきまではなかったものを発見した。なんだ?
いや、さすがに最初から足下にあったなら気がついてるさ。絶対さっきまではなかったと言い切れる。何でこれが今ここにあるんだ?
 子供の頃に使ったような黄色い傘。今見ると随分小さく見えるな。しかし、どっから出てきたんだ、これ。
 考えるまでもなくハルヒが何かしたとしか思えない。しかし理由がわからん。もし傘が欲しいと思うなら、何もこんな子供用じゃなくて普通の傘を用意すればいいじゃねえか。何を考えてるんだ、いったい。
 試しに傘を開いてみたが、やはり小さい。1本しかないがこれで2人入るのはちょっと無理だな。雨が激しすぎる。
 俺が首を傾げていると、ハルヒが俺の持つ傘に気がついたらしい。
「あら、傘持ってるじゃないの!」
「いや、持ってたんじゃなくて、今そこにあったんだよ」
 どう説明したものかわからないまま適当に言うが、ハルヒは別に傘がそこにあったことには疑問を持っていないらしい。
「子供用? 何でこんなところに子供用の傘があるの? 誰かの親が弟か妹でも連れて学校に来たのかしら」
 その可能性もあるが、違うと思うな。これが最初からなかったことは間違いなく、途中でその傘の持ち主が来たなら俺たちの目に付かないわけはない。
「わからん」
 それ以外にこたえるべき言葉がみつからない。
「うーん、これじゃ小さすぎて2人じゃ入れないわよね。……ねえ、キョン?」
 最後の呼びかけだけ、がらりと声の調子が変わった。どう説明すればいいのかわからんが、いつものハルヒとは違う。何か企んでいるのか?
「なんだ?」
 警戒しながら返事をする。
「知ってる? 今日はね、天から毒が降ってくるのよ」
「なんだ突然」
 天から毒? 雨ならさっきから鬱陶しいほどに降っているが、これが毒なら人も生き物もとても生きてはいけないだろうが。
 ハルヒは俺の言葉なんか聞いちゃいないように、繰り返す。
「天から毒が降ってくる」
 そして、見たこともないような微笑みを浮かべて俺を見つめた。何だ、何がいいたい。これは何かの謎かけか? 古泉あたりに入れ知恵でもされたのか?
「この傘じゃ、2人は入れない。だから、あたしかあんた、どっちか1人は死ぬの」
 何を言ってるんだ? お前がどんな不思議ごとを探していたって、毒が降ってくるとか誰か死ぬとかそんなことは望んでいないんだろ? さっきまでいつものハルヒだったってのにいったいどうしたって言うんだ。
「ねえ、キョン」
 その声と表情は俺の知らないハルヒ。ハルヒはこんな顔はしない。こんな――――“女”を意識した声は出さない。
「あたしが死ぬかあんたが死ぬか、あんたならどっちを選ぶ?」

 ぞくり、と背中に何かが走った。
904名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 05:23:38 ID:2/wpTshv


「…………」
 気がつくと俺は天井を眺めていた。あれ? 俺さっきまで学校にいて、ハルヒと……。
 まだはっきりしない頭で何とか現実を把握しようと努力していると、突然けたたましく目覚ましが鳴って俺は飛び上がるほど驚いた。
目覚ましの音は急速に俺を現実に引き戻し、先ほどまでのことは夢であったと告げている。
「夢、か」
 なんとなくホッとして目覚ましを止めた。意識がはっきりするに連れて夢であったとの認識が濃くなってくる。以前に見た現実感がありすぎる夢とは違うな。
しかし何でまたこんな夢を見るんだ、俺の頭はどうなってやがるんだ。
 勢いよくドアを開けて妹が乱入してきた。起きている俺を見てきょとんとした顔をしている。
「あれえ? キョンくん起きてるの? 雨でも降るのかな」
 おい、さりげなくひどいことを言うんじゃない。そんなに俺が起きてるのがめずらしいか。第一梅雨なんだから俺が起きてようが寝ていようが雨が降ってもおかしくないだろうが。
 妹を追い出して支度を始めつつなんとなくカレンダーを見てみる。昨日めくっておいたカレンダーは新しい月を示しており、今日はその最初の日だと教えてくれた。
「1」の数字の脇に小さく「半夏生」と書いてあるのを見て、俺は先ほどの夢の理由に思い当たった。確か昨日の天気予報で、今日は半夏生だと言っていたな。
昔から天から毒気が降ってくると言われており、井戸に蓋をしたりその日には野菜を収穫しないようにしていたそうだ。そんな話が頭の片隅に残っていて、あんな夢を見せたのだろう。
しかしよりによってハルヒかよ。どうせ知り合いが出るなら朝比奈さんがいいに決まってるじゃないか、頼むぜ、俺の頭。
 窓の外を見ると、今にも降り出しそうなどんよりとした灰色の雲が空を覆っていた。なるほど、こんな空なら毒でも降ってきそうって気にもなるな。
 ……今日は傘を忘れないようにしないとな。


 もうすぐ期末テストが始まるということで多少は勉強に身を入れなければならないと思いつつ結局ほとんど授業の内容なんか理解出来ないまま放課後になり、これまたいつも通りの無意味で意義を今更見出すことも放棄している時間を過ごしていた。
「あら、雨が降ってきたわね」
 窓の外を眺めていたハルヒが呟いて、俺は何故かドキッとした。今朝の夢はあらかた頭から抜けているのだが、最後の部分だけはやけにはっきりと覚えていて、まさかという気にさせられる。
だいたい、俺はちゃんと傘を持ってきているんだから正夢になりうるわけもない。
「雨がひどくならないうちに帰った方がいいわね。今日はもう解散!」
 いつもより早い時間で終了宣言を出したハルヒは鞄を引っ掴むとそのままさっさと部室を出て行ってしまった。
 やれやれ、いよいよ正夢にはほど遠い結果となってきたな。どうもハルヒの出てくる夢ってやつは何かあるんじゃないかと言う気になっている自分に気がついて苦笑する。よしてくれ、そう毎回何かあっても大変なだけじゃねえか。

 残された俺たちも帰り支度をするか、と思ったが、長門は時間まで本を読んでいたいといい、朝比奈さんは着替え、教室に忘れ物をしたという古泉も去ってしまって結局1人で昇降口へと向かうことになってしまった。まあいいけどな。
905ハルキョンSS 半夏雨 3/3:2008/07/01(火) 05:26:46 ID:2/wpTshv


 靴を履き替えて外に出ようとして、そこに佇む駅前で主人が出てくるのを待っている忠犬のような人影に気付いて俺は足を止めた。先に出て行ったのにまだ残っているってことは、もしかして。
「よう、帰らないのか」
 先ほどより強くなった雨を見ながら隣に立つと、俺に不機嫌そうなまなざしを向ける。いや、雨降ってるのは俺のせいじゃねえぞ。
「傘忘れたのよ。職員室に寄ったけどもうなかったし。みんな同じこと考えてるのかしらね、1本くらい残しておきなさいよ」
 おいそのセリフどっかで聞いたような気がするんだが、気のせいか。
「あんたは傘持ってるの?」
「ああ」
 そう言って傘を広げると、ハルヒに差し出した。
「ほら、入れよ」
 子供用の傘じゃないから、多少濡れるかもしれないがちゃんと2人で入れるぜ。
「な、なによ、あんたにしちゃ気が利くじゃない」
 ふと、また今朝方の夢を思い出す。あれは結局夢でしかなく、この目の前にいるハルヒはいつも通りで反応も予想通りだ。
こいつが俺かハルヒかどっちかが死ぬなんて選択を迫るわけもないが、もしあの夢と同じように今降っている雨に毒が含まれているとしても、どちらかが死ぬなんて選択は絶対にしない。
よく考えなくても死ななくていい選択肢なんかたくさんあるじゃねえか。親に迎えに来させてもいいし、いっそ文化祭のときみたいに部室に泊まりこんじまってもいい。どうせ毒が降るのは今日だけだ、明日になればどうとでもなる。
 そう、死ぬとかそんなことを考えるだけバカバカしい話だ。だいたい、ハルヒが俺やハルヒ自身、それにSOS団の連中もそれ以外のどんなヤツのことだって死んで欲しいなんて思うわけがない。
あの夢は多分「毒」という言葉から連想した俺の妄想でしかないのだろう。

「何ボーッとしてんのよ! 早く帰るわよ!」
 ハルヒに急かされて雨の中を一歩踏み出した。雨脚はどんどん強くなっているようで、確かに早く帰った方がいいな、これは。
 傘を弾く強い音を聞きながら、なんとなく、ハルヒの方に傘を寄せる。俺の肩に雨がかかるがまあこいつが濡れたらそれはそれで文句を言いそうだしな。だったらまだ自分の肩を犠牲にした方がマシだ。
別に今朝の夢が気になったとかそんなことはない、断じてない。だいたいこれで俺が死ぬわけはなく死ぬくらいならハルヒなんか放ってさっさと帰ってるさ、間違いない。
 ハルヒは俺が濡れていることにに気がついたのか、突然傘を持つ俺の腕に抱きつくように身体を寄せた。
「お、おい?」
 突然の行動に戸惑いながら声をあげるが、ハルヒは俺から視線をそらして首だけ明後日の方を向いている。おい、首が痛くならないかその体勢。
「くっついてないと濡れるから仕方ないでしょ! 試験前だし、あんたが濡れて風邪でもひいて赤点なんか取られたらSOS団の活動に支障がでるし! ああもう、いいから早く行く!」
 大昔に流行った人形が乗り移ったかのごとく腕に抱きつかれては少し歩きにくい気がするんだが、無理に振りほどくこともないだろう。だが夢とはまた違った意味でハルヒらしくないような気もする。
「半夏生は毒が降るらしいからな。まあしばらくそうしていてくれ」
 毒に降りかかられてはかなわん、ということにしておこう。俺は俺で俺らしくないとかそういうツッコミは封印しておいてくれ。なんて、俺はいったい誰に頼んでいるんだろうね。
 腕に感じる温もりと押しつけられる柔らかさに戸惑いながら帰路につく。なんとなく半夏生の雨に感謝したい気分にもなるんだが、それが何故かとは考えないことにしよう。

 いつの間にか普段の調子に戻っているハルヒの笑顔に一足早い夏空を思い浮かべながら、俺は梅雨はいつ頃あけるのかねなんて考えていた。
 まあそれでも、たまにはこんな雨の日も悪くはないか。


  おしまい。

---
ゴメン、前レスまた名前欄忘れたorz
・ 半夏生(はんげしょう)の頃に降る梅雨後半の強い雨のことを半夏雨と言うらしいです。
・ 半夏雨と「半夏生に毒が降る」ということに直接的な関係はないはずですがw
・ 今年の半夏生は7月1日ですが、例年だと2日のことの方が多いみたいです。
906名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 05:27:26 ID:CGrEjn9A

改行しろよって誰かツッコめよこれはいくらなんでもww
907名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 05:57:18 ID:oBUr9S05
>905
面白かったよGJ
908名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 06:02:40 ID:2/wpTshv
>>906
ごめん、つい面倒で最低限しかしてなかったw
レス数を減らしたかったというのもあるが。
>>907
GJありがとう。
909名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 06:41:20 ID:ecZf5iII
いいねえ。乙ってなもんだねえ。
改行についてはうちの専ブラでは気にならなかったわ。
設定次第かもね。
910名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 06:51:02 ID:vnQRCeJK
みんなGJなんだよおハルにゃん。

>>905
ハルヒが朝倉さんになるのかと思ったぜw
911名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 09:08:20 ID:K+48chrp
GJ! 半夏生か。知らなかったぜw 電波はこういうところから受信するんだな。
あとケータイの俺は改行が無い方が読みやすかったりするが、環境が違うとまた変わってくるんだろうな。


心機一転するために部室を模様替えするハルにゃんという電波が。
912名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 09:12:10 ID:eLYowPVm
GJ!!

>>910
俺もそう思ってかなりドキドキしたww
913SS「深夜ラジオ、オールナイト北高」:2008/07/01(火) 12:16:32 ID:k4CXN6U0
はい、リクエストのコーナー最後の1曲になりました。
今日はお手紙ですね、ありがとうございます。PN・カチューシャさんからのお手紙です。

こんばんは、いつもこの番組を楽しく聴いてます。
絶対あたしの気持ちをわかっているのに、あの鈍感男がなかなかはっきりしてくれません
あたしの片思いなのかな・・・、今日なんか同じクラスのバカにエロ本を渡してました。
しかも巨乳もの、同じ部活に巨乳で萌キャラの子がいるんだけど、そっちのほうが好きなのかな・・・
その子はあたしの大切な友達だけど、絶対に負けたくない!
どうやったら勝てるでしょうか?リクエストは「オッパイがいっぱい」をお願いします。
 
カチューシャさんに大変なライバルがいるみたいですね、こんな方法はいかがですか?
彼とふたりになった時に、おもいきって禁則事項して、更に禁足事項して二人の関係を規定事項にしてしまったら
いいんじゃないかな?それしか方法はないと思うよ
あと鈍感な彼!この放送を聴いていたら早く素直になりなさい!下駄箱に不幸を呼ぶ手紙が入ってるかもよ
ではカチューシャさんのリクエストで「オッパイがいっぱい」を聞いてください

俺はラジオの電源を切り、


どうしたらいいんだ?・・・・
914名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 12:41:31 ID:gKH4t+Zz
>その子はあたしの大切な友達だけど
友達という割りには結構おもちゃのように使ってるのは気のせいか?
915名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 13:20:15 ID:K+48chrp
初めそう思ってたみたいだけどね。
今は違うよ。
みくるもいつの間にやら楽しんでるようになってるしw
916名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 15:20:53 ID:ksdyn24i
いじめられてるように見えるけど普通に仲いいしな
長門と胸の大きさを比べるハルヒとかも見てみたい気はするが・・・
917名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 15:22:55 ID:c/GniMPe
休日に一緒に買い物に行く三人娘も見てみたいな
918名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 15:55:17 ID:H8rpgGE2
落語ネタで一本書いたんだが、明らかに新作落語になってしまった上に
ハルキョンとは微妙に言い切れない感じになってしまった……。
投下先に悩むぜ。VIPはまだ規制中だし、ユビレスの時みたいに
また避難所投下かなあ……。
919名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 16:04:16 ID:vnQRCeJK
ユビレスは十分ハルキョンだったぞ?w
920名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 16:09:06 ID:LCZCqdSo
いやあんたの作品だったらまったく問題ないと思うぜ?
さあ投下だ!
921名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/01(火) 16:13:08 ID:Yj//o+uH
ネタバレ・ハルヒのキョンの本名は清野大地
922SS 『新説・おみくの皿』 01:2008/07/01(火) 16:13:54 ID:H8rpgGE2
>>919-920
そんじゃ御言葉に甘えて……。
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「まーた一杯食わされちゃったわ! まったくなにがのっぺらぼうよ! ハゲ親父の後ろ頭じゃないの!」
 俺の前をツッタカツッタカと歩いている女は、肩をいからせ頭から湯気を立てんばかりに激怒している。
 まぁ、暗がりでみたらそう見えないこともないだろうさ。それにあそこの蕎麦はなかなか美味かったじゃないか。それでよしとしとこうぜ。
 愚にも付かない慰めを幼馴染みに投げてみるが、まぁ火に油だろうね。
「バカいってんじゃないわよ! 確かにお蕎麦は美味しかったけどね! あたしは美味い物巡りの紀行文を書きたいわけじゃないのっ!」
 やれやれ、案の定だ。
 まぁまぁ落ち着けって。大体そんじょそこいらにそんな不可思議なもんが落っこってるわけがねえだろうよ。
 見世物のオオイタチだってデカイ杉板に鶏の血がぶちまけてあるだけ。目が動くっていう幽霊画は目の塗料に砕いた石が混ぜてあっただけ。首が伸びるっていう長屋のおかみさんはムチウチになってただけじゃねえか。
 世の中そんなもんなんだって。
「うー……でも、絶対どこかにあるはずなのよ! 混じりっけのないホンモノの不思議がっ! あたしはね! それを絶対見つけて江戸で一番売れっ子の戯作者になるんだから!」
 へいへいっとね。まぁ夢追いするのは構わんが、いくら寺子屋の幼馴染みとはいえ、いつまでも引っ張り回さねぇで欲しいもんだがねえ。
 さっきからプリプリしてるのは俺の幼馴染みのお春だ。頭は良いし器量も好い、竹刀を持たせりゃ町道場じゃ男顔負けの強さだ。現に俺も勝ったことがないしな。
 そんなお春が目指してるのは、夢はでっかく江戸一番の戯作者ときたもんだ。ガキの頃から天狗だ河童だ人魂だの話を聞きつけちゃ駆けつける物見高い女だったが、それに付き合わされ続けたまんま今にいたってる。
「キョン! 明日は大川の二本柳に行くわよ! なんでも身投げした人の幽霊が出るって話だからね!」
 全く……世を儚んで石を抱いたんだろ? 恨み辛みもあろうが、そっとしといてやれよ。ご供養するってんなら話は別だが、物見に行くのは感心しねえぞ。
「そりゃ出たら出たで供養もするわよ。でもその前に真偽を確かめなきゃいけないでしょ? そういうわけだから提灯忘れないでよね! それじゃおやすみ!」
 はぁ……全くやれやれだ。ガキの頃からのあだ名で人のことを呼びつけちゃ付き合わせて、挙げ句に送り迎えだ。甘味を奢らされたり今日だって蕎麦を三杯も食いやがった。
 あんなんで嫁の貰い手があったもんかね。
 大きく溜め息を吐きながら、俺は自分の家へと向かい始めた。陽はとっぷりと暮れてすっかり暗くなっている。やれやれ提灯が必要なのは明日じゃなくて今なんじゃないかねえ。

 そんなことを考えながら荒れ屋敷の土塀脇を小走りに歩く。川風が吹いたもんか、どうにも肌寒い。さっき蕎麦を流し込んだ身体も冷え始めてきた。
 こんな日は途中で熱いのでも一本入れたいところだね……なんて考えていると、突然ゾクっと全身に悪寒が走った。
 荒れ屋敷の壁はまだまだ続いているが、どうも今し方通りがかった崩れ塀の向こうから冷たい風が吹き込んできているらしい。
 ふと耳を澄ますと、冷たい風に乗せて女のすすり泣きのような声が聞こえてくる。
 よせばいいのに俺は二歩三歩と後戻りして、崩れ塀の内側を覗き込んでみた。
 すると月明かりに照らされた草もぼうぼうとした荒れ庭に、ぽつりと古井戸がある。
 ここは確か随分前に潰れた旗本屋敷だったはずだ。誰がここにいるわけもなし。夜鷹が客を引いて事に及んでるんじゃなかろうかとも思ったが、そんな気配もない。
 それでもなにやら女のすすり泣く声は聞こえてくる。
 よもや持病で苦しむ娘がいるんじゃなかろうか、辻斬りにでもあって助けを求めているんじゃなかろうか。
 そんなことを考えて、俺は崩れ塀から荒れ庭に足を踏み入れた。
「もし! どなたかいらっしゃるんですか?」
 返事はない。ただすすり泣く声がするばかりだ。
「具合が悪いんだったら、夜でも診てくれるお医者を知ってますから、いるなら返事してください!」
 荒れ庭を足下に注意しながら歩く。薄暗い月明かりだけでは細かい様子はわからないが、それでも相当荒れているようだ。
「なんだってんだ全く……井戸を吹き抜ける風音と聞き違えたもんかね」
 そう独りごちて踵を返そうとすると、突然身体が動かなくなった。参ったね、これが世に言う金縛りってヤツか。するってぇと次に来るのは……。
923SS 『新説・おみくの皿』 02
「ううっ……ひっく……あのぅ……いますぅ……」
 ひゅーどろどろなんていう音や人魂と共にうらめしや〜ってのが出てくると思いきや、随分と可愛らしい声が聞こえてきた。
 目だけを動かして声の主を捜してみれば、蓋の開いた井戸の上に、淡い色をした髪の娘が立って小さく手を挙げていた。やれやれ、どうせならお春と一緒にいるときに出てくれりゃいいものを。
 確認するまでもなく足はない。オマケに人魂も浮いてるし、そもそも『蓋のない井戸の上にいる』んだから、混じりっけなしの幽霊なんだが……。
――うん、怖くない。
 なんというか、まぁ声に違わぬ愛らしい娘さんだ。幽霊なんだけどな。それになんというかこう、全体的に弱々しすぎる。
 門前の小僧の経でも三文字詠んだら悲鳴を上げそうな弱々しさだ。人魂なんて桃色だぜ? 触っても火傷もしなけりゃ煙管に火もつけられそうにないね。
「あのぅ……えっと……うらめしやぁ〜……」
 はいはい。えーと、どんなご用件で?
 俺は緊張が解けたせいか金縛りもなくなったので、袂の内で腕組みして娘幽霊さんに向き合った。
「えっと、そのぅ。お皿を数えるので、聞いていって下さいぃ〜……」
 はいはい、お皿ね。見れば娘幽霊さんは、井戸の中から木箱を取りだし、丁寧に蓋を開けている。
「いきまぁ〜す……いちまぁ〜い……にまぁ〜い……」
 随分とごゆっくりだね。ちなみに娘さん、お名前は?
「あ、はい。おみくっていいますぅ〜」
 ほうほう、おみくさんね。で、なんでまた井戸なんかに化けて出てきたんで? おまけに皿を数えるなんて、そんなんで恨み辛みが晴らせるんですかね?
「あのぅ、えっと……それがよくわかんないんですぅ〜」
 へぁ? よくわかんないって……。
 俺は方眉を上げて思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

 ◇ ◆ ◇

「えっとですねぇ……」
 そういうと、おみくさん(幽霊、歳は数えで十八だそうだ)は、身の上話を始めた。
 なんでも奉公に来たこの旗本屋敷で働いていたそうだが、いかんせん生来の……まぁ言葉は悪いが粗忽者だったもんで、随分と失敗をしたらしい。
 それでも器量好しな上に人柄もいいもんだから、奉公人仲間にも主人にも可愛がられてたんだそうだ。
 ところがある日、この旗本屋敷の家宝の十枚組の皿を手入れしていたところ、なにをどうしたもんだか九枚しかなくって大慌て、失くしたもんだと思って家中探し回ったが出てこない。
 最後は神頼みということで、井戸で水垢離をして失せ物探しのお参りに行こうとしたらしいんだが、足を滑らせて井戸にどっぽん――ってなことらしい。
 やれやれ、随分な粗忽加減だねえ。
「で、それで皿を探して恨めしやってことなんですかね?」
「いいえぇ……そのう、それが違うんですぅ〜」
 は?
「えっとですね、その、お皿は実は一枚、旦那様が持ち出してらっしゃったんですよぅ。お友達に見せるとか、そういうご用事だったそうで〜……」
 ほうほう。
「でも、わたしが井戸に落っこちちゃったもんですから、責任を感じたらしくって……心労で倒れてしまったんですぅ」
 なるほどなるほど。随分可愛がられてたんですねえ。
「はいぃ。でも、その、そうしたらこう……わたしの祟りだって話になって……」
 ほー。まぁそういう考え方もできますね。
「わたし、違うんですって何回も夢枕に立って説明したんですけどもぉ……」
 ま、幽霊になっちゃそれくらいしかできませんよね。
「そしたらますます祟りだって事になっちゃって……お家もこんなになっちゃって……ひっく……ぅう……旦那様、悪く、ないのにぃ〜……」
 やれやれ、幽霊に泣き出されちゃ手拭いも渡せないね。
 まぁまぁ事情はわかりましたけどね、じゃあ別にあなたに咎があるわけでなし、成仏したらいいじゃないですか。
「わたしもそうしたいんですけど……心残りになっちゃったもんですから……なかなか成仏できなくって……」
 それで今も皿を数えてる、と。
「はいぃ。でも、お皿はちゃんと十枚全部あるんですよぅ。何回数えても……だから別に恨みもなにもないんですけどぉ〜……」
 そりゃそうだ。
 そう相槌を打ってから、俺ははたと気がついた。