【らき☆すた】こなた×かがみPart20【こなかが】
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ここで話題になった同人誌 (英数五十音順)
(一般)
DREAM CAST (山猫BOX)
KNKG4 (ハネゴヤ)
LUCKY POINT (東ガル会)
LUCKY POINT SUMMER (東ガル会)
LUCKY POINT AUTUMN (東ガル会)
LUCKY POINT WINTER (東ガル会)
LUCKY☆STRIKE あじゅじゅじゅした〜 (チョボにょぽ)
Sugar☆Star (milkberry)
Sweet Spice (ぱるふぇ)
アトのまつり!@ (ゆ〜のす通信)
アンダンテ (麦畑)
鏡の中のもう一人の私 (山猫BOX)
かがみんぼ (from-D)
キラボシ (SW919)
コイビトミマン (旅人)
コココナカガガガ (ハネゴヤ)
ココココナカガガガガ (ハネゴヤ)
こころのおと (ハネゴヤ)
こな☆かがまんが ぷらす (PNOグループ)
こなたとかがみの麗しき新婚生活 (越ヶ谷興業)
こなたとかがみの麗しき新婚生活A (越ヶ谷興業)
幸いなる星 呪いたる目録 ふたつぼし☆☆ (Hellfragrance)
すく☆スク かがみん (ゆ〜のす通信)
セブンすたー (GUNP)
セブンすたー2 (GUNP)
せるふぃっしゅ2 (I'LL調)
大好きだよっ (まっさら)
ちゅー☆チュー かがみん (ゆ〜のす通信)
ちょー らき☆でい (腰の曲がった空間)
ちょこっと☆ラッキー (MIKIHOUSE)
ついんころねこ (なぐ茶)
破顔一笑 (クラスメイト・ショック)
破顔二笑 (クラスメイト・ショック)
はぐ☆ハグ かがみん (ゆ〜のす通信)
は・ぴ・ら・き (虚弱畑)
はろ☆ハロ かがみん (ゆ〜のす通信)
柊さんちのリラッコナ (おでんや)
もち*もち (スペースオレンジパンケーキ)
らき☆すたRESPECT!! (乙女たちの鳥篭)
らき☆すたRESPECT!!2 (乙女たちの鳥篭)
らき☆でい (腰の曲がった空間)
(18禁)
Caprice Star (ししゃもはうす)
CICADA DRIZZLE (しもやけ堂)
HOME SWEET HOME (いちごさいず)
KONA×KAGA (めろぷり) ※同人ソフト
LOVERY POCKY (ciaociao)
SWEET GIRL (ciaociao)
蒼☆菫 (CELTRANCE)
うぃんたぁ☆ふぃーばー (BBBえくすとら)
かがみんと遊ぼう (まるか家)
こな☆かが (ASTRONOMY)
こなかがでらぶらぶちゅっちゅする本 (最果て空間)
こな☆ちく (おとといのあれ)
こなほん (メカニカルペンシル)
しの☆はら (篠原重工営業部)
彗星 (いちごさいず)
セーラー服キャワイイ同盟 (優希M.K.C)
セーラー服キャワイイ同盟2 (優希M.K.C)
ぬがせて☆セーラーふく (yunico)
まそっぷ (ごべらっつぉ)
らき☆ちょ (恋愛漫画家)
らっきー☆すたー (GABALL SCREEN)
らぶ☆すた (彩也学園)
11 :
7-438:2008/05/29(木) 02:06:27 ID:4Q0/4tvo
12 :
14-586:2008/05/29(木) 04:46:48 ID:sZ6cfBcJ
どうやら俺はとんでもない電波を受信してしまったようだ、
前スレのイラストに影響されたのか、何やら奇妙なものを作ってしまったんだよ!!
というわけでこれより4+1レスほど書き込みを行う、
Konakaga Moemoe Reportage こなたの誕生日を祝うため今更緊急出動だ!!
そろそろ、時間ね――。
休みの日、みんなで久しぶりに集まって、飲んで、騒いだ、泉家主催の誕生会の後。
私はこなたの腕からそっと抜け出して、台所の片隅に向かった。
「ふぁ……」
思わず出かかったあくびを、大急ぎで堪える。
時計の針は、午前3時近く。普段ならとっくにベッドで目を閉じている時間だ。
私だって本当は、さっさとこなたと眠りたい。
……でもその前にどうしても果たさなければならない、特別任務があった。
雨戸も明かりもない闇の中、こなた以下全員が沈黙しているのを確認の後、ビールの空き缶や
ワインの空き瓶、その他各種障害物の間隙を突いて冷蔵庫に到達。
念のためにもう一度周囲の気配を探ってから、おもむろにソレを取り出す。
「ほんと、私って不器用よね……」
一体何皿分になるだろう。
冷蔵庫から取り出した、ビニール袋の中身。
それは、こなたの誕生日に向けて何度も何度も焼いた、ショートケーキのスポンジ生地だった。
しょーと&しょーと 〜1日遅れの、ばーすでい〜
「つかさ、ちょっといい?」
飲み会の誘いを断って、久方ぶりに妹を訪ねたのは、1週間前。
「あの、さ……1週間だけでいいんだけど、ケーキ型と温度計と、泡立て器、貸してくれない?」
「もしかして、こなちゃんのお誕生日ケーキ?」
「え……うん、今度の誕生会だけど、昼間こなたが出てる間に、ケーキ焼いてあげようと思って」
「わぁっ、いいね!絶対喜んでくれるよ!」
その後、私が買ってきたレシピで、つかさにケーキを作ってもらった。
「ジェノワーズ……あ、卵白と黄身を分けないで泡立てるやり方ね、は、始めはすごく難しいの。
だから、レシピには書いてないけど、ここでちょっぴりベーキングパウダーを入れて……」
「生クリームを泡立てる時は、絶対に温めちゃだめ。こうやって、周りを氷水で冷やしながら……」
雑誌にも載った料理教室の先生だけあって、私の手を取って色々解説しながら、
料理番組のように楽しそうに作ってくれた、つかさ。
でも、その後自分一人で作ろうとしたら、泡立てに時間を使い過ぎたり、生クリームを擦りつけ
過ぎてぼそぼそにしてしまったりで、同じ材料で作ったとは思えない悲劇。
……それ以来こなたに内緒で、毎日練習をした。
こなたが眠ってから、生地作りを練習したり、生クリームを泡立てた。
他にもみゆきとお茶するふりをしてレシピの店に行って、目標のケーキを味見してみたり、
食パンや何かにジャムを塗る時にパレットナイフを使っているのを、こなたに見つかりかけた
時もあったっけ。
そんな努力を重ねて迎えた、泉家での本番。こなたがバイトに出かけたのを見計らって、
ガスとオーブンレンジを駆使して何回もスポンジ生地に挑戦して……
大きな生地と小さな生地、それぞれ一番よくできた二つを重ねて、みんなで分け合っても余る
位のショートケーキを作った。
前にこなたが作ってくれたのには及ばないけど、それでも私の精一杯を尽くしたケーキ。
……でも、残りはみんなが訪ねてくるぎりぎり前に、冷蔵庫や台所の片隅に
緊急避難させたままだった。
そんな失敗作を、誰か――というか主にこなたにだけど――気付かれないうちに『処理』する。
それが、疲労と軽い二日酔いが残る体を無視して、早朝勤務に勤しむ理由だった。
常夜灯モードの薄明かりの中、缶をどかす僅かな音にもどきどきしながら片付けたテーブルに、
問題のものを並べてみる。
こなたは勿論、つかさやみゆきもびっくりした『会心作』の影に隠れた、数々の失敗作。
やっぱり、料理は苦手なのかな……
テーブルを占領する歪な何かに、呆れ半分、懐かしさ半分の、ため息をつく。
中途半端に膨らみ過ぎて、最後に陥没したもの。逆に全然膨らまないまま終わったもの。
グラムも計って、いい材料を使って、温度にもあんなに注意したのに、
それでもケーキにできなかったケーキたちだ。
「並べてみると、凄いわね」
こうして実際に体験してみると、改めてこなたやつかさの凄さが分かる。
焼きたてのシュクレと甘酸っぱいフルーツが絶品のタルト、
バターの香りをいっぱいに吸い込んだパイ生地が、ざくざくっ、と口の中で解けるミルフイユ……
たった20年の人生だけど、その中で二人が料理を失敗した所なんて、見たことがない。
自分が何度も焼いた中から選んだ、『奇跡的にうまくできたもの』――
それより断然美味しい生地を、当たり前のように焼いてしまう。
今更だけど、そんな二人が羨ましい。
いや、正確に言えば、二人みたいに上手にできない私が、悲しい。
「……いただきます」
流石に全部捨ててしまうのはもったいなくて、厚さが通常の3分の1くらいの生地に手を伸ばす。
確か、ベーキングパウダーと間違えて、片栗粉か何かを混ぜたやつだったっけ。
ボウルにまだまだ残っていた生クリームを塗って、ナイフで分割して……
「うわっ」
予想はしていたけど、これは酷い。
スポンジ生地の筈なのに、何だか『べたっ』ていう歯ごたえがする。
何というか、生焼けのホットケーキに齧りついた時のような……中学生頃に見た、スタジオ外に
エプロンマークを飛ばされて絶叫するアイドルの図が、頭に浮かんでくる。
でも、こなたのバイトや休日が重なってくれて、本当に助かった。
こなたは優しいから、私が作ったものなら『卵かけごはん』でも喜んでくれるけど、
折角の誕生日ケーキが『コレ』だったら、ちょっと複雑だろうし。
それとも、ケーキを待ちわびていたみんなの前で『さすが私の嫁、お約束は忘れないネ♪』
なんて、からかってくるのかな。
というかその前に、おじさんやゆたかちゃんも食べることを考えると……。
そんな妄想から帰ってきた所で、改めてテーブルという名の現実を見つめ直す。
この残骸は、果たしてどうしたものか。
明後日になれば可燃ごみの日だけど、それだけは100%ダメ。
注ぎ込んだ材料費を思うと切ないし、何より折角の食べ物を粗末にしたくない。
けど、それならどうやって再利用しよう?
正直、人に進呈するには余りにも不器用過ぎる。
なら自分が巧みに料理するしかないけれど、ここから何を作ると言われると、結構難しい。
甘味がきっちりついているから、カツサンドとかにはできないし……
でもフルーツサンドにすればお昼になるかな?それともジャムとか塗って、3時のおやつに
しようかな?でも、そうしたらカロリーが大変なことに……
と、そんなことを考えながら、もう一度フォークを伸ばした、次の瞬間。
「そんなに食べたら、また太るよ?」
「な……っ!?」
私が振り返ったのと、突然点けられた蛍光灯に目を細めたのは、殆ど同時。
数瞬後、目を開けた時には、背中からありったけの力で、こなたに抱きしめられていた。
「いつから?」
「『……いただきます』の前からかな」
「寝たん、じゃなかったの?」
「かがみが起きた時に気付いてたよ。完璧すぎる演技でネタ振りしてたけど」
「……っ!あんなに用心してたのに……!!」
思わず火照る顔を背ける。
普段は布団引っくり返しても起きないくせに、どうしてこういう時だけ鋭いんだろう。
つくづく、困った恋人だ。
「なんて、今回は心の中で戦闘準備してたからネ。かがみが夜な夜な練習してたの、気付かない
私だと思ったのかね」
「え……?」
「私が気付いてなかったと思う?ジャムをパレットナイフで塗ってたり、ラノベの代わりにお菓子の
レシピ見てたり、それに一昨日も、台所の壁に濃厚な白濁液が」
「なっ、いいいいちいち変な言い方……!」
「んふ〜っ、いやらしい想像しちゃって、かがみんってばそんなに溜まってるのかな?かな?」
「っ、こな……」
思わず出しかけた大声を強引に押さえ込む私の肩に、一層の体重がかかってくる。
視線を逸らしている分、パジャマ越しに伝わってくる熱が、二人の髪が交わる音が、よりはっきり
感じられて、どんどん心音が乱れていく。
どうしてだろう。
こなたと付き合って何年も経つし、キスどころか、体だって何度も重ねてきた筈なのに、
時々心が陵桜の頃に戻ってしまうのは。
「……あのさ、こなた」
高鳴る想いで真っ白になってしまう前に、まずはとにかく声を出す。
「い……一緒に、お茶でも飲まない?」
「星を見ながら秘密のお茶会か、そのシチュ相当嫌いじゃないね!でもそれならミルクティーは
ホットミルクに茶葉入れるタイプにした方がいいんだったかな……」
また何かのギャルゲネタだろうか、こなたはそう笑って、ふわりと私から離れた。
でも、その動きに合わせて流れ込んだ冷気がこなたの温度と甘い匂いを流してしまうと、今度は
さっきまでの感触が恋しくなる。
こなたに隠れて、小さくため息。どうしてこんなにわがままなのかなと、我ながら呆れてしまう。
ところがコイツは、内心寂しくなった私を小憎たらしいほど見通していて。
「でもさ、折角だから……お茶会よりもっと、いいことしない?」
そう言って私の食べかけを奪うと、密かな照れと最高峰の悪だくみをブレンドした笑顔で、
テーブルをセッティングし始めた。
「ちょ……いいこと、って?」
昔からのノリで質問を投げかけた私に、こなたはびしっとポーズを取って、
「お誕生会は続くよどこまでも、だよ。答えは聞いてない♪」
「べっ、無理しなくていいのよ?こんなの所詮失敗作だし、冷蔵庫の中に、昨日の余り」
「だが断る♪」
深い藍色の星空が、少しずつ白み始める頃。
遠い街灯と、星の光、そしてキャンドルの灯す橙色の中で、私達は肩を寄せて笑っていた。
目の前には、昨日食べたのと作りは同じ、二段重ねのショートケーキ。
私の『失敗』生地を、余った生クリームとフルーツで飾った、ちょっと不恰好なお夜食だ。
かがみんは、今食べてたのにこの生地継ぎ足してデコレーション。終わったらお茶お願い。
私はこっちの大きめの使うから――
あれからこなたは早速フルーツを挟むと、回転台の上でクリームを飾っていった。
私は自分のを飾るのも忘れて、アニメの歌を口ずさみながらみるみる仕上げていくこなたに
見入って……。
結局、私のデコレーションの手際の微妙さをからかわれたり、二人連れ立って紅茶を淹れたり
することになったけど、全然嫌じゃなかった。
そして。
「嬉しいな。かがみのケーキがまた食べられて」
「でも、これ……」
「かがみ」
灯したキャンドルの光が照らすテーブルで、こなたが呟いてきた。
どうしても反論したがる私を、そっと人差し指で押さえながら。
「何て言うか、かがみは完璧主義だから、昨日みたいに見栄張っちゃうけど……」
こなたの口調に、少しずつ、感情が混じっていく。
「でも、私はこういう不器用なかがみも、大好きだよ。不器用だけど、こんなに頑張ってくれたって、
凄い伝わってくるじゃん?私じゃこんなに、何度もやり直したりなんてできないよ」
「こなた……」
「誕生日なんて知らないってふりしながら、何日も前から……ほんと、世界一のツン……?」
ぎゅっ、と。
うっすら涙を浮かべながら、それでも最高の笑顔を見せてくれるこなたを、抱き寄せた。
「ったく、あんただって、なんだかんだ言って凄いツンデレじゃない」
最後の方なんか、素直になり切れなくて、わざとふざけようとしてたくせに――
「それに……そんな風に、私の不器用な……あんた風に言えばツンデレな所も、全部分かって、
今みたいに受け止めてくれて……
だから、私だってこんなに、こなたのために頑張れるんだから」
「っ、ずるいよ、こんな時にデレなんて、やっぱりかがみって、世界一の……」
幸せな涙を見せたくなくて、私の胸に顔を埋めるこなたを、そっとそっと撫でる。
私の気持ちを、体温と一緒に伝えるように。
こなた、私、こなたが大好きだよ。
ツンデレって素直になれないから、頑張り続けてると心が疲れちゃう。けど、それを癒してくれる
たった一人の人が、こなたなんだよ。
だから……綺麗なケーキを作ろうって張り詰めてた気持ちを解かしてくれたみたいに、
たまにはこんな風に、私にも……。
キャンドルの灯り中、一つに重なった二つの影。
それは、誕生日の魔法のお陰でほんの少し素直になれた、私と、そのかけがえのない恋人。
「こなた、改めて……お誕生日、おめでとう」
「ありがとう……かがみ」
秘密のケーキをご馳走になる前に、私は嬉しい嗚咽を漏らすこなたに、優しい笑顔で俯いた。
幸運の星のような――こなたに負けないくらい幸せな雫を、いつの間にか零しながら。
寝不足でSSは作るもんではないらしいことが今更ながらよくわかったきがする(自爆)
特に最後の方とか、我ながら、なんだこりゃーーーーーーーーーー(自滅)
そして一括で本当にすみませんが、
前スレのSS&イラスト職人の皆々様、よいものをほんとうに、ありがとうございましたっ
私は今めちゃくちゃしあわせだーーー
そしてこなかがもそれに輪をかけてしあわせだーーーーー
つーかまじで疲れてるのか文章とテンションがなんか滅茶苦茶でごめんなさいっ(涙)
>>11 >他の職人さんには劣りますが、自分も絵だけ
まてぇい、そんな超破壊力なイラスト持ってきといてその発言はおかしい!
謝罪と訂正を要求しますっGJっっ
18 :
14-586:2008/05/29(木) 05:09:09 ID:sZ6cfBcJ
…………と、SS書いたついでに、
以前何度かこのスレでも紹介した『こなかがスレ本作成計画』についてお知らせです。
現在この計画は、
★2008/10/19(日) 東京・損保会館
らき☆すたオンリー同人誌即売会『cannnel☆K2』
http://www.youyou.co.jp/only/ch_k/ ★2008/11/24(月・祝日) 川崎市産業振興会館 4階展示室
らき☆すたオンリー同人誌即売会『第六回陵桜祭』
http://inovel.bgrp.jp/luckystar/ での販売を目指しています。
ですが、人数が次第に集まってきたこともあり、この企画への作品提供の希望を、
6月8日(日)をもって締め切りとすることに決めました。
まだ参加表明をしていなかったものの、やっぱり参加したいという職人の方がおられましたら、
締め切りの日までに、
mixiの『週間こなかが』トピックの方にその旨を書き込むか、
[email protected]の方に、メールの方を宜しくお願いします。
>>1乙!気がつけば20スレ目。長く続くことはいいこと。
そしてこなたの誕生日の翌日に新スレというのもおめでたい気もします。
>>17 新スレ一発目のSSGJです!
上手くいえないけど、二人ともお互いのことをよくわかってる感じが凄く。
あぁもう・・・おなかいっぱいだよ!!
>>17 あれ、おっかしいなあ、失敗作、おいしさがおちるはずなのに、
なぜ、こんなにもうまいのだ?おかしい。
そんな不思議な味覚変換を起こしてしまう激甘こなかが。
スレ開始早々GJだぜ!
職人の皆様GJ
>>1乙です
>>17 新スレ立ち上げ時からいいSSを読ませていただきました
GJ !
やはり週間こなかがはノベルメインになるのかな?
part19に投下された最終兵器『事後』を見ての感想。
やっぱりこの中にメガミの中の人いるだろwww
怒らないから出てきなさい!
>>26 新スレしょっぱなから何という燃料をwww
メガミ今月も買うよw
つか絶対メガミ編集者の人ここ見てるだろw
あ、毎月こなかがピンナップ付けてくれたら毎月買うのでよろしくお願いします
思ったよりみな冷静だなw
じわじわ来るのか、それとも予想してたのか。
メガミ様、次は朝チュンでって願ってた奴は俺だけではないはず。
やっぱGJだ!
いや、コレはコレで激しくニヤニヤできるが
個人的には前回の方が衝撃が大きかったってのもあるかな。
みんなも耐性がついてきたか?w
前回を越える衝撃と言ったら……もう「事中」しかあるまいww
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/29(木) 20:47:49 ID:XwKS3eGv
34 :
sage:2008/05/29(木) 20:51:33 ID:XwKS3eGv
sage忘れ。スマセン。
欄間違えた! 誤爆スイマセン!
>>26 かがみが男役っぽいなw ポーズや服装からして
公式はかが×こな推奨? w
>>17 GJ!
冗談を言いつつも、ちゃんとかがみのこと考えてるこなたがいいですね。
お互いの間にある信頼が良く伝わってきます。
二人の幸せな姿を見ていると、こっちまで心が温かくなりますね。
>>26 GJなSSの後に何と言う破壊力抜群なものを……
ひよりの妄想というオチがありながらもGJすぎる。
これはメガミですか?
155事件に続き、メガミはどこへ行こうとしているんだ
……そのままの勢いで突っ走ってくれ
想定内と言うよりは、むしろ公然の事実として受け止めた感じ
重要なのはどういう経緯で、どっちが誘って、どんなことまでしたのかだ
前スレ綺麗に埋まったなwひよりんGJw
>>26 ようやく仕事から帰ってきたと思ったら404ってどういうこった
_
//⌒ / _人人人人人人人人人人人人_
〈.::.{ __, ベ.ー-< > 百合!百合!百合!百合!<
,ゝ'´.::.::.::.::.::|.::.::.::.::`丶、 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
/ :.::.::.::.::.::.::.::j.::.::.::.:: く ̄
,'.:/.::.::⌒/|.::.::ハ⌒.::.::.:ヽ ,
{/.::.::/:./ |::/ ヽ\.::.::::V , ィ//___
イ.::/ (゚)l/..(゚) ハ.:.| /´ ̄: : :!: : : : : :.`ヽ
|.:ハ:::::: ・┌‐ァ´/:/: :.l: ∧: :.!: : :`ヽ: \
|ヘ.::.:l、 'ー=三=-' Y´:{:/: : /__:イ:/ !__!、:.!: : :ヾー ゝ
/⌒ - - {:::::/:{: /´/l/ l/ `}:|: : l: :}
/ /| 。 。 `Y: イ:ャ : :|: :|
\ \| 亠 |∧!:/ (゚) (゚) 〉: ト、l / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\⊇ /干 .|l: 込. . . { }イ:| < そっちは菊だぞ、こなた
| | |:!:. ート、 -=ニ=u- ノl" l:.| \_______
( /⌒v⌒\_|:.ヽ::| ` ァ-- / |: :l:.|
パソパソ | 丶/⌒ - - \ノ |: :l:.|
/ \ | | / | |: :l.:|
/ ノ\____| |.、__人__ノ| | |: :l.:|
/ /パソパソ | | | | /ノjノ
/__/ | | | |
⊆ | | ⊇
そうか、朝チュンか・・・
狂喜乱舞を通り越して皆冷静になってるなぁw
それにしてもこのかがみの艶やかな表情ときたらw
…うん、まあ、その、なんだ…
とりあえずハルヒ6巻と馬なりの新刊買ってくる
>>42 なんだ、子作りの後か
しかし、かがみの表情が素敵過ぎる
心も体も十分に満たされて爽やかな笑顔だ
こなたはこなたで夜のことを思い出してボーっとしてそう
うーん、GJ過ぎる
髪の毛の乱れ具合が絶妙な感じだ
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/29(木) 23:19:12 ID:yBGoSSBa
>>46 こなたがなんかボーっとしてるのがいいんだよね
(内心)かがみ"んのみ"りょくに"、ま"たひとつきづいただけだどー
公式、悪乗りし過ぎだろwww
>>1乙
/ / / \
/Y^Y^ヽ/ / / .イヽ \ \
. /: : : ∨: : / / / / / ! ! ! ! \ ヽ
/: : : : :::/: : :.l / / イ / | | | l ', l`ヽ.l
/: : : : : :: /: : : :{ l、_ / / ! / | | ,.l -ト l | l
\: : : : : : i: : : : :| { `メ、 l/ l/、::/ノ ̄ ̄`ヽ、―ニ 二
\: : : :.|: : : : :| | / /` ::/':::::/ ´`ヽ _ 三,:三ー二
\/l___.r| l イ ヽ゜、 .ノヽ--/ ̄ ,
| l l{ ヘ l/ ".ミ } ...| /!/
| l lト、_V 」_}`ー‐し'ゝL _
| l l  ̄lヽ、 _,:ヘr--‐‐'´} ;ー------
l l ', | > .、,,ノ`ヾ:::-‐'ーr‐'"==-
. / ト、 ヽ、 |/: :.| T:.ヽ | l |
/ / \ \|: : :.< Lュ: 弋. l |
/ / | >、 \: : \___ ヽ: : lヽ.l |
. / l /⌒ヽヽ ヽ: : : \  ̄| : l: :l| | |
>>42 前スレで見れなくて涙目になってたんだ・・・ありがとう!
しかし本当に事後だねこれは…まさに夜明けのコーヒー。
かがみの表情…凄い満たされてる感じがする。
53 :
5-974:2008/05/29(木) 23:47:15 ID:iKTDdk9S
SS行きます。
2日前のSSの続き。
注意点:マジで凶ちゃん。
54 :
1:2008/05/29(木) 23:50:06 ID:iKTDdk9S
朝。
私は、いつもかがみ達と待ち合わせている駅に着く。
そして、愛しのウサちゃんにいつもの挨拶をした。
私とかがみは今、付き合っている。昨日、ファーストキスもした。
今日は二人だけで学校に向かう。
つかさは、今日は休みだってかがみから聞いた。
なんでも、『朝、起きたら体中ぼろぼろになってたんだよ〜。きっとベッドから落ちてこうなっちゃったんだねwえへへ』
だってさ。
だから今、体中に包帯を巻いてるんだって。大変だなあ。私も寝相には気をつけなきゃ。
それにしても…
付き合い始めてからでも、普段つかさやみゆきさんと一緒にいる時はそれほどドキドキしないのに…
なんでかがみと二人きりだとこんなに恥ずかしいんだろうね…
でも…
「ねえ、かがみ…手、つないでいい?」
「う…うん、いいわよ…」
かがみは、私よりひと回り大きな手を伸ばし、私の手を優しく、ぎゅっと握ってくれた。
嬉しい。こんなにかがみのことが愛しい。
かがみの横顔を見てると、かがみが私の方を向いて、にこっと笑ってくれた。
ああ、なんてかわいいんだろ…
私はかがみのことがたまらなく愛しくなって言った。
「かがみ〜、ちゅーしてぇ…」
「だめよ…外じゃ…」
「じゃあ、教室に着いたらして…」
「…誰もいなかったらね、うふふっ」
私たちはドキドキしながら歩いていった。
〈セカンドキスまでの道乗り…かなーり遠い〉
55 :
2:2008/05/29(木) 23:51:49 ID:iKTDdk9S
学校に着いて、廊下を歩いてる時、私の胸はきゅんきゅんいって止まらなかった。きっと顔も赤くなっているだろうから、さっきからずっと俯いたままだ。
もうすぐだ、もうすぐかがみと…
B組の教室の前に来たとき、中から何人かの生徒の話し声が聞こえたので、私はがっかりした。
そしたら、かがみが「ちょっと待っててね」と言って、私を廊下に残したまま、教室に入り、扉を閉めた。
中から、ばきっ、ぐしゃっ、がしゃーん、うわあー、ぱりーん、ウボァー、とか聞こえた。
何の音だろう。
「おまたせ」
かがみが教室から出て来た。
私が中に入ると、教室にはまだ誰も来ていないみたいで誰もいなかった。
よかった。
なぜか、教室には乱闘の跡があって、窓ガラスが数枚割れて風が吹きこんでいたけど、別に気になんないや。
「いつもよりちょっと早く来てよかったね!」
「そうね」
私は教室の時計を見ながら言った。
私とかがみは抱き合って、お互いの顔を見つめ合う。
「二人っきり…だね…」
「そうね…うふふっ」
「かがみって…近くで見ると……すっごくきれい…」
「…あっ…ありがと………こ、こなたも…可愛いわよ……とっても…」
「…かがみぃ…」
ガラッ。
その時、教室の扉が開いて、上品な声が聞こえた。
「あら、お二人とも、おはよふございぐはぁっ」
かしゃーん………と眼鏡が床に落ちた。
ひゅーーーー…………
今一瞬、かがみが腕を振り上げ教室の中に入ってきたピンク色の物体をふっとばし、窓ガラスが1枚割れた気がしたけど…
気のせいだったみたい。
56 :
3:2008/05/29(木) 23:53:17 ID:iKTDdk9S
「あ、眼鏡がおちてる…」
「きっと、昨日みゆきが落としていったのね」
「そっか。みゆきさんはやっぱりドジだなあw」
眼鏡ぱりぱりに割れてたけど。
再び、私たちは見つめ合う。
「かがみ…キス……していいかな……」
「うん……いいわよ………」
私の目がうるんでいる。
かがみはとっても愛おしそうに私を見つめてくれている。
かがみぃ………私…私…
ガラッ。
「おじゃまします、こなたお姉ちゃ
…ぱたり。
私は一瞬、扉を開けた瞬間に何か恐ろしいものに睨まれて気絶した私の従姉妹がいたような
気がした。
気のせいだったようだ。
その時、「ヌッコロス♪」っていう声も聞こえた気がしたけど。
気のせいだったようだ。
かがみは扉を閉めた。
57 :
4:2008/05/29(木) 23:54:47 ID:iKTDdk9S
「こなた…」
「かがみ…」
またまた見つめ合う。なんて愛しいんだろう…
「…すき、………好きよ、こなたあ…」
かがみが赤い顔で言う。
きっとすごく恥ずかしいのだけど、私に気持ちを伝えるためにがんばって言ってくれているのだろう。
嬉しかった…
かがみが私のことをこんなにも想っていてくれるなんて…
だから、私もかがみに気持ちを伝える。
「あ、あのっ、私もっ…私も………かがみのことっ………!」
ガラッ。
「ハーイ☆グッドモーニン…
ボシュッ。
…ドカーーーーン…
今、金髪の欧米人らしき人が入ってきたけど、かがみが75式多連装130mmロケット弾自走発射機で撃墜し、
そのまま吹き飛んで遠くの方で爆発したような音が聞こえてきたっぽい。
気のせいっぽい。
「なんかさっきから、よく教室の扉をしめてもひらいちゃうよね」
「ああ、今度B組だけ自動ドアになるらしいわよ」
「へえ、そうなんだ」
「こなた、もしかして、心霊現象とか思ったんじゃない?」
「そ、そんなことないもん」
「うふふっ、大丈夫よ、私が…こなたのこと、守ってあげるからね…」
私はとっても嬉しくなって、涙目で言う。
「かがみ…ありがと…大好きだよっ…かが」
ガラッ。
「あのう、ゆたかがここに来ま………!!…ゆたかっ!!ゆたかああああああっっっっっ!!!!!!」
…ぱたり。
今、背の高い緑色の髪の女の子が廊下に倒れている大切な友人てゆうか私のイトコっぽい人を見つけて、
ショック受けてそのまま倒れてしまったような音が聞こえてきたけど、
うん。
私 の 錯 覚 み た い 。
58 :
5:2008/05/29(木) 23:56:07 ID:iKTDdk9S
「こなた…」
私の名前を呼んでくれる。とても優しく…愛を込めて。
私は、かがみが私の名前を呼んでもらう度に胸が疼いてしまう。
だって、私はかがみのことがほんとに、本当に… 大好き、だから。
…だから、私もかがみの名前を、精一杯の愛を込めて…呼ぶ。
「かがみぃ…」
「なあに…?」
「かがみ……………あのね、私…私っ……」
ガラッ。
その時、また教室の扉が開いて、「泉先輩ちわっす!ふおおおっっ!!!!!こなかがどぅふぉあぁっっ!!!」
と言い、鼻血を噴きながら、自ら窓ガラスに突っ込んでいき、校舎から落ちていく黒髪の後輩を見た。
見なかったことにした。
でも、なぜかまた眼鏡がもう一つ落ちていた。
「みゆきの眼鏡が増えたのね。細胞だって分裂するでしょ?」
「そっか、増えたんだあ♪」
「ねえ、かがみぃ…早くキスしようよぉ……」
「あ…ごめんね、こなた…」
「じゃあ…するわよ……」
「うん…」
私の心臓はすごいどきどきしてる。
かがみの顔が近づく……
そして………唇が触れ
ガラッ。
「ヴァry」
何も聞こえなかった。うん、何も。
59 :
6:2008/05/29(木) 23:59:21 ID:iKTDdk9S
かがみの顔が、私の顔まであと数センチになった時、私は目をつぶって、息を止める。
かがみは、私の頬に優しく手をあてて…………唇を重ねた。
「ん…」
かがみとの2回目のキス。かがみの唇はとってもやわらかくて、気持ち良かった…
その間にもう一人デコの光る誰かがやってきて吹き飛ばされて背景になっていった気がしたけど、やっぱり気のせい。
顔を離す。
かがみとキスした後も、私とかがみはずっと抱き合っていた。
「かがみぃ……だ〜いすきっ!」
「私も…大好きよ、こな」
ガラッ。
「よ〜し、皆席つけや、うわ、こら何するんやyえtんう゛gろmしぐえひmふじこbzせりjsいあlwcむぇうfm
……………………………………………………………………………………………………………………………バタンッ。」
今。
一瞬、金髪の髪の女の先生がB組の教室の扉を開けて入ってきて、かがみがその先生に獣のように襲いかかり、
教室内で大乱闘の末、スーパーかがみん裏拳チョップで勝利し、どこからともなくロープを取り出して先生を縛り上げ、
暴れる先生を担いでそのまま教室のロッカーに無理やり閉じ込めた。
ように見えた。
気のせいじゃね?
「かがみ…もっとこうしていたいけど、そろそろ離れないと…誰か来ちゃうよ」
と言って私が教室にある時計を見ようとしたら…
「…大丈夫よ、ほら」
と言って、かがみがなぜか教室にあるでかい時計を手に持っていて私に見せてくれた。
教室の時計は、何者かが拳のようなもので思いきり叩き割ったような跡がついていて、
時計の針が全く動いていない気がしたけど。
気のせいだと思う。
60 :
7:2008/05/30(金) 00:00:10 ID:iKTDdk9S
「わあ、私たちが教室に入ってきて、まだ10秒しか経ってないんだあ♪」
「そうよ。だからまだまだ一緒にいられるわよ!こなた☆」
「かがみぃ〜!!」
私は嬉しくて、かがみに飛びついた。
かがみ、だいすき!
61 :
5-974:2008/05/30(金) 00:01:23 ID:iKTDdk9S
完。
本 当 に す い ま せ ん で し た 。
これは酷い
かがみがつかさに暴力とかありえんじゃろう
こなかが以前の問題じゃろう
いつもながらこの壊れっぷりがたまらんぜwwww
乙!
マジで「さくやはおたのしみでしたね」状態なのかっ
一次媒体暴走し過ぎ(wwww
65 :
18-236:2008/05/30(金) 00:12:11 ID:jn5mkJyK
〜翌日、教室にて〜
「あれっ、お姉ちゃんなんだか今日はいつもよりきれいだね」
「い、いきなり何よ? ほめても何も出ないわよ」
「ううん、なんだかいつもよりお肌がきれい」
「そ、そう?」
「うん。お肌がつるつるだよ。エステにでも行ってきたの?」
「そ、そんなところに行かないわよ」
「こなちゃんもお肌つるつるだ〜」
「……でもかがみ程じゃな──」
「わぁ〜〜、こ、こいつはもともとつるつるなのよ。うん、ほんとにそう」
「? どうしてお姉ちゃん知ってるの?」
「──! えっ、だって、そうでしょ? そう見えない? ねえ、みゆき」
「私は泉さんのお肌に触れたことがありませんので、なんとも」
「二人揃っていいとこに行ったんだ。ずる〜い」
「ちょっ、つかさ、あんたいつからそんなこと言うようになったの」
「えっ、エステだよね?」
「あっ……」
「いいなー、私も一緒に連れてって」
「〜〜。ってこなた、あんたもいつもみたいにつっこみ入れなさいよ」
「……」
「こなちゃん、ボーっとしてどうしたの?」
「……え、別にかがみと何もしてないよ」
「? お姉ちゃんと何かしたの?」
「だぁー、こなた、あんたは黙ってて」
「いいなー、こなちゃんといいことしたんだ」
「ああ〜、もう」
終?
突然の駄文すいません。
無性に何か書きたくなったので、書いてしまいました。
ちなみにつかさは自分が何を発言しているのか把握してません。
みゆきは後ろで顔を真っ赤にしてるんでしょうね。
「つかさも肌をつるつるにできるよ(=ω=.)」
「え?ほんとに〜?」
「ちょ……こなた、おい!」
「今夜一晩、みゆきさんといてごらん(=ω=.)b」
「ほんとに?ほんとにそれだけでいいの?」
「ものはためしさ、ね、みゆきさん(=ω=.)v」
「よろしくね、ゆきちゃん☆」
「…………………………………はい……」
まあ、なんだ
>>65氏すまんorz
>>66 いえいえ、あの絵を見ていると色々妄想が膨らみますね。
どんどん追加してください。
面白いです。けど……素直に喜びにくくもあり。
こういう内容はギャグだと割り切るとしても、他のキャラがちょっと可哀想過ぎるし。
正直、みんな好きな私には笑いたいけど笑いにくいもどかしさが。
でも、あまり細かい事言うのもなあとも思うのです。
最初にもうちょっと注意書き入れた方が良かったかも?
69 :
5-974:2008/05/30(金) 02:25:31 ID:r6ZC1qhr
>>68 ごめんなさい。注意書きを怠りました。
もちろん設定上かなり歪曲してるのは承知してましたが…
今回限りの投下にして、今後は自重しますorz
>>69 あう、いえいえ、決して非難してるわけじゃないですから。
内容自体は面白いので、ちょっと勿体ないなと思っただけなんです。
多分、同じこと気になって楽しみ損なった人いるんじゃないかなぁとか。それだけです。
あまり気にせず、また読ませて頂けたらなと……こういうのって上手く言えないですけど、すみません。
こういうギャグ物はその『他のキャラが可哀相』なギャップを楽しむんじゃないのか?
もっちろん他の皆も大好きだが、きっちりした注釈を入れられたら入れられたで冷めるものがありそうなんだぜ
まあ、あれだ。こういうのが大好きなんで自重されちゃあちょいと困る
注釈入れれば全て解決なわけじゃないのが難しいところですよね。
ただ、ネタバレは困るけど、気になる人は読み飛ばせる方がいいのかなと。
いずれにしろ、自重して欲しいとか明確なルール作りたいとかじゃなくて、職人さん達の判断で個々に対処して頂けたらより良いのかなと。
読む立場で言う事じゃないのですけど、きっと職人さんの方が気持ちよく楽しんで欲しいはずなので。
ってか、参考程度にしといて下さい、ホント(汗)
73 :
5-974:2008/05/30(金) 03:38:56 ID:RxzUiKuK
…スマン。
(このシリーズは)今回限りの投下にするという意味で…いずれにしろネタストックはもうないし…
言葉足らずでつくづくダメっ子で申し訳ないorz
とりあえず、今から
>>42の会話で続行という形で頼んます。(m_ _m)
別々の理由をつけて二人でこっそり会ってたけど
朝、つかさからこなたにかかってきた電話を
かがみが間違って受けてしまい速攻でバレる
>>74 PLLLLLL…
こ「あっ、電話だ。
おーい!!おとーさんかゆーちゃんお願ーい!」
か「いや、その二人がいないから、わたしがここにいるんでしょうが…」
こ「ん〜じゃあ、かがみがとってよ」
か「えっ!?な、何でわたしがあんたん家の電話に出なきゃならないのよ!」
こ「私今こんな格好で、こんなんだからさ…///」
か「…変な風にぼやかさずに『エプロン姿で煮物してる』って言いなさいよ!!」
こ「早くしないと電話止まっちゃうよ?
それとも火加減命のこの煮物をかがみが作れるとでも?」
か「わ、わかったわよ…」
か(うぅ、なんでわたしが……しかも何故かめちゃめちゃ緊張してきちゃったし…)
こ「はりー!はりー!はりー!」
か「どこかの吸血鬼みたいに言わないの!!
もう、取ればいいんでしょ?取れば!!」
ガチャ。
か「はい、泉です」
つ「もしもし〜、こなちゃん?
おねえちゃんは用事があっていないけど、もしよかったら遊びに来な……って、あれ?」
ガチャ。
こうですか?わかりません><
なあ、みんな
どうしても例の絵の背景が 朝 焼 け じ ゃ な く 夕 焼 け に見えちゃうんだけど・・・
あれは朝になっても歯止めがきかずについつい夕方まで、って解釈でいいのかな?
米カリフォルニア州政府は28日、同性婚を6月17日に解禁すると発表した。州最高裁が同性婚禁止は違憲との判決を下したのを受けた措置。
しかし、反対派は11月の大統領選に合わせ住民投票を実施し、同性婚の違法化を目指す構えで、長年くすぶる同性婚をめぐる論争が再燃してきた。
新たな結婚証明書では性別を問わず、「当事者A」「当事者B」の欄に結婚する2人の名前を記載する。
解禁に向け同性婚支持派の歓迎ムードが高まっており、SFドラマ「スター・トレック」で知られる日系人俳優ジョージ・タケイさんも男性パートナーとの結婚を表明した。
同性婚容認はマサチューセッツに次ぎ2州目。最大人口を誇る加州が容認に転じたことで、他州に追随の動きが広がる可能性もある。
反対派は住民投票で「結婚は男女間に限る」との規定を州法に復活させる計画だ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008052900165
>>77 なるほど、かがみはこれを見越して法曹の道を歩もうと考えたわけだな
グリーンカード取るにも何でも法律の知識豊富だと強いもんなw
メガミの人見てます?こなかが付けてるかぎり買う気ありませんから。
他キャラなり他ネタのを付けてくれたら必ず買います。
よろしくね。
あ、他紙の方も見ておられてたら御参考にしてくださいね。
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
>>77 ミスター・カトーもそうだったとは知らなかった
またまたメガミがやってくれたおかげでスレが活性化してきたなw
こう立て続けにこなかがピンナップを付けてくれるということは、結構読者からの反響がいいんだろうな
先月に続いてまた買ってしまいそうだw
前号のアンケートはがきでこなかがピンナップ希望と書いて送ったからな
今回も送らざるを得ない
GUNPのあま〜い新作が読みたいんだがまた描いてくれないのかな?
こなかが漫画をコンプで連載してくれればいいのに。
>>42がどんな大量虐殺画像だったのか気になる
再うpきぼん
うおっ、かぶってしまった
しかも全く同じ所から引っ張ってたなwすげえw
>>87 なに、左下を塗りつぶしてしまえば問題ない。
ごめんよ、ひより。
君の犠牲(妄想)は忘れない。
いまさらだけどpixiv登録してらき☆すた関連覗いてみたら、カップリングほとんどこなかがかかがこな
ばっかりで吹いたw
釣られたと不平を言うよりも
すすんでひよりんにGJしましょう
よってひよりんGJ!
うむ、肯定だ。ひよりんありがとう。メガミマガジン買いに行ってきます。
しかしひよりんの妄想は色々なものをすっ飛ばしているなw
流石、伝説の少女Aも本を持っている同人作家なだけある
ひよりんに釣られるとはwww
だがしかし腐女子GJw
「かがみんコントローラー!」
「何だ、また何かのネタか?」
「ライフを1000払い、上上下下左右左右BA!」
「ちょ! コ○ミコマンドかよ!」
「……詳しいね、かがみん」
「あ、いやっ、そのっ……」
「そんなかがみんには特別にコ○ミの某クイズゲームにて『泉かがみ』になれる券をプレゼント〜」
「いらんわそんなの!」
「ところで、私の『柊こなた』は直ったのカナ?」
「知らないわよそんなの……(あ〜、頭痛い……)」
「かがみんコントローラーの特殊効果によりっ!」
「お前はいちいち展開が急だな?!」
「かがみんにダイレクトアタックする事ができる!」
「へ? ……のわあっ! ちょっと、止めろって!」
「ほれほれ〜まだ私のバトルフェイズは終了してないぜ〜」
「くっ……甘いわねっ! トラップカード発動っ!」
「何っ!(意外とノリノリだねかがみん的な意味で)」
「右手に盾を左手に拳をっ!」
「そ、それはっ!(明らかに一文字だけ字が違いますヨかがみさん!的な意味で)」
「そうよ! このカードの特殊効果によりっ!」
『攻 守 交 代』
「うわっ! かがみん馬乗りは止めてって!
ちょ! 重……!」
アッー!
…
……
………
チュンチュンチュン
「……まだジンジンする」
「ご、ごめんってば!
私も調子乗りすぎたわ……」
「まあ良いけど……モーニングコーヒー美味しいし」
「う、うん……」
「……気持ち良かったし」
「うん……」
「かがみんの事大好きだし」
「私もあんたの事が好きよ」
「は〜あ……サレンダー、完敗だヨ」
>>97 中盤から流れおかしくなって、終盤で吹いたw
サイズdekeeeeee
堀口こなたの書き方少し変わった・・?
これ堀口じゃないでしょ多分
堀口絵もかなりばらつきがあるよ
事後なのか事前なのか
そこが問題だ
>>104 かがみとこなたの顔が全てを物語ってるよ
しかし何度見てもいいなぁ、この顔
かがみの全てを満たされたような顔と普段見せない
恥ずかしそうにしてるこなたの顔がたまらん
保管庫の画像変わっててびっくりした、いつもGJです。
誕生日祭りすごかったみたいですね、参加したかった。
シリーズでかがみ達も出る予定
つまり……わかるな?
figmaって好きなポーズをさせられるんだったな
>>42の画像を見ててふっと思ったんだけど、ひよりんの妄想オチ。
これ自体はまぁ、いいとして。
ひよりんて、ほとんどゆーちゃんとみなみちゃんの二人で
妄想してたことがほとんどだったと思う。
これが今回に関してはこなたとかがみの二人だったわけで。
とすると、ひよりんがこんな妄想をするような「何か」を二人がしていた、
ということではないのかな。
いや、ひよりんの妄想レベルは俺達と大差無いと思うぞw
逆に考えるんだ。
「OVAは全部ひよりんの妄想内容」で展開すると考えるんだ!
つまり俺達の妄想がそのままOVAに?!
>>107 あみあみで2体、尼で1体発注。
俺オワタ。
まあ、ちょっと改造の予定があるんでね。
それにしても、(=ω=.)←この顔 がついてないのだけが残念だ。
ホテルから出てきた二人と、ひよりんがばったり→時間停止
ポルナレフ風にありのまま起こったことをネタにするひよりん
ポルナレフwwww
いやー鼻血ものの2日間だったな
しかし、1枚の絵って以前に「ひよりん全能」の世界観が確立したってのはある意味無血革命じゃね?
今後はもう何でもアリだ
真性モテモテかがみん
こなた「今日は重大な発表があるので聞いてね、ひよりん」
ひより「おおお、なんかいつになく真剣な眼差しッスね…先輩」
こなた「…閃いたのだよ。かがみんの落とし方を」
ひより「落とし方って…(いつになく真剣と思ったら、オヤジモード全開だ…この人)」
こなた「実は先日あるラノベを読了してね…ネンネな女の子が、女王様然としたお姉様に
手を引かれて、百合の世界へダイビングと言う話なんだけど、これだ!と思ったね。
ツンデレってのは要するに超奥手ってわけじゃん。昔風に言うと」
ひより「昔はツンデレって言葉自体無かったですけどね」
こなた「あまり恋愛に積極的じゃなかったツン子が、ぐいぐいと引っ張っていってくれる大人の引力に絡め取られ、
ついにロシュの限界を越えて惑星直列となる訳だよ!(一大スペクタクル)」
ひより「王道…ですかね」
。。。
蒼井泉馬(アオイイズマ)様登場 主題歌:青いイズマがかがみんを攻める…(略)
こなた「と言う訳で、今回はストパニ風衣装でまとめてみた。コスプレ喫茶のバイトも捨てたモンじゃないね」
ひより「…(ああ、駄目だ…どう見ても押し倒される方です、先輩…でも身長のこと言うと怒るだろうし)」
こなた「漆黒の馬もいると良かったんだけど、みゆきさんに聞いたら、さすがに飼ってないってさ。どうしよ?
自転車で良いのかな?」
ひより「馬は乗るのに梯子が必要かも知れないので、避けた方が賢明だと思うッス」
こなた「仕方ない、自転車を黒く塗るか…自らの自転車に塗装を施す学園のスター…これは絵になるね」
ひより「…そ、それより、どうやってネタ扱いされずに会話に持っていくかッスね」
こなた「フフー、ひよりんには悪いけどそんな心配は無用の長物。
恋愛(ゲーム)上級者の私にとっては、ラブラブムードなど片腹が茶を沸かすようなもんだよ」
ひより「(言ってる意味はよく分からないがとにかくすごい自信だ…)」
こなた「うーん…お、ビビっときた。『バイト先で百合キャラフェアやるから、台詞の練習に付き合って〜』どうよ?
そんでもって『ワタクシの言うことだけを信じなさい、かがみや…(裏声)』…うし!楽勝だね。
でもまあ、かがみんの魅力をくま無く堪能するためには、それだけじゃ駄目なんだけど」
ひより「魅力?」
こなた「やっぱりツンデレなかがみんだからね、最後はデレて欲しいじゃん。
押して押して押しまくって、でも最後までは押し切らないわけよ。
端っこの隅まで追い込んで追い詰めた所で、あえて一旦止めにしてね、焦らしてね、
『かがみのせいだよ、こんな私になっちゃうのは』とか言って弱いトコを見せたりね…
そして、かがみから私に向かって飛び込んでくるのを待つのサ…
これは、これは…きっと可愛いよー…かがみんが…かがみんから…(トリップ中)…」
ひより「(泉先輩、超幸せそうだ…)」
。。。
ひより「そ、それでどうなったんスか、先輩」
こなた「途中までは上手くいったのに…台詞が全然間違ってるから、全部暗記するまで帰さないって…
うう〜…これだから、オタクは困るよ…明日も放課後練習に付き合わなきゃ…」
ひより「…(アレ、自業自得オチの筈なのに結構上手くいってる…?)」
(=ω=.)「人間万事塞翁がひのえ馬だよ」
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
かがみ「好きじゃ……しびれるほど……」
こなた「え?え?いきなり問答無用で責めモード?(=ω=.;Ξ;=ω=.)」
かがみ「好きとか嫌いとか最初に言い出した奴ぁ誰かのう?、のうコナ様?」
コナ様〜〜〜〜!!!!
ギャワーーーーー!!!
こなかがとかがこなって何が違うの?
受けとか攻めとかそいゆう事?
まさにそのとおり。
名前が最初の方が攻めとなる。
とマジレス
>123
ありがとうございます
|:::::::::::::::::| |:::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::::::::::/ /
|:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::::::::::::::/ /
|:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::/_ /:::::::::::::::::::::::::::::/ /
|:::::::::::::::::l___|_______ ̄ ̄:::::::::::::::::::::::::::::/ /
\ .|ゝ‐<´/::./ .::.::.::.::\/ | .::.::.: ̄ ̄/ー--__::::::/ /
\ 〃 / _ ヽ:/::.::.::.::.::.:/\ |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::`丶、/::.::
{{ / / __ ヽ ',.::/::./ `ー |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|_::.::.::.::.:l::.:: >>かがみ
── | ! /r ) } |イ斤テ左≡ォz /::.::.::.::/ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.::
. ∧ ヽヽ _/ /::! レヘ :::::::::/ /::.::. / j / | .::.::.::.::.:: |::.::
. , -―ヘ `ー /.::.| rー'゚:::::::/ /::.:/ テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::. ──── │ │ │
_/ { /.::.::.| ゞ辷zン // う。::::::7 /イ .::. |::.::.::.|::.::. │ │ ──┼──
_/ ヽ イ ::.::. | /ヘ:::::::/ |.::.::.:|::.::.:∧::.. ──── │ │ │
〃 V ヽ ヽ.::.: | ヾ辷:ン /:l::.::./!::.:/ / │ / │ \ ─────
l { ∨ }__.::.|\ <! /::.l::|::./│/ / / / │ \
ヽ ヽ {  ̄ ̄ ̄`ヽ _ イ::.: l::|:/ j/. / / │
、 \ \ } ) / ̄ ̄ ̄l7::.:|::.::.j::l′ /
しかし こなたは まちがえて メダパニを かけてしまった
混乱かがみ「こなたああああああああああハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」
こなた「アッーーーーーーーーー!!!!!!!!」
王様そうじろう「おお、こなた!やられてしまうとはうらy…ふがいない!」
王妃かなた「そうくん、後でちょっといいかしら」
メガミとコンプエース買ってきた
メガミのひよりんオチは残念だったが、よくやってくれたGJ !
そしてOVAの人物紹介のところでこなたの欄に「かがみのことが大好き」と書いてあるのがなんともw
コンプエースは「俺の嫁」という言い方やめてくれ。男いねーよ
あとポケットトラベラーズがこなかがエンドになってくれることを祈ってる
真性モテモテかがみん
こなた「今日は重大な発表があるので聞いてね、ひよりん」
ひより「おおお、なんかいつになく真剣な眼差しッスね…先輩」
こなた「…閃いたのだよ。かがみんの落とし方を」
ひより「落とし方って…(いつになく真剣と思ったら、オヤジモード全開だ…この人)」
こなた「実は先日あるラノベを読了してね…ネンネな女の子が、女王様然としたお姉様に
手を引かれて、百合の世界へダイビングと言う話なんだけど、これだ!と思ったね。
ツンデレってのは要するに超奥手ってわけじゃん。昔風に言うと」
ひより「昔はツンデレって言葉自体無かったですけどね」
こなた「あまり恋愛に積極的じゃなかったツン子が、ぐいぐいと引っ張っていってくれる大人の引力に絡め取られ、
ついにロシュの限界を越えて惑星直列となる訳だよ!(一大スペクタクル)」
ひより「王道…ですかね」
。。。
蒼井泉馬(アオイイズマ)様登場 主題歌:青いイズマがかがみんを攻める…(略)
こなた「と言う訳で、今回はストパニ風衣装でまとめてみた。コスプレ喫茶のバイトも捨てたモンじゃないね」
ひより「…(ああ、駄目だ…どう見ても押し倒される方です、先輩…でも身長のこと言うと怒るだろうし)」
こなた「漆黒の馬もいると良かったんだけど、みゆきさんに聞いたら、さすがに飼ってないってさ。どうしよ?
自転車で良いのかな?」
ひより「馬は乗るのに梯子が必要かも知れないので、避けた方が賢明だと思うッス」
こなた「仕方ない、自転車を黒く塗るか…自らの自転車に塗装を施す学園のスター…これは絵になるね」
ひより「…そ、それより、どうやってネタ扱いされずに会話に持っていくかッスね」
こなた「フフー、ひよりんには悪いけどそんな心配は無用の長物。
恋愛(ゲーム)上級者の私にとっては、ラブラブムードなど片腹が茶を沸かすようなもんだよ」
ひより「(言ってる意味はよく分からないがとにかくすごい自信だ…)」
こなた「うーん…お、ビビっときた。『バイト先で百合キャラフェアやるから、台詞の練習に付き合って〜』どうよ?
そんでもって『ワタクシの言うことだけを信じなさい、かがみや…(裏声)』…うし!楽勝だね。
でもまあ、かがみんの魅力をくま無く堪能するためには、それだけじゃ駄目なんだけど」
ひより「魅力?」
こなた「やっぱりツンデレなかがみんだからね、最後はデレて欲しいじゃん。
押して押して押しまくって、でも最後までは押し切らないわけよ。
端っこの隅まで追い込んで追い詰めた所で、あえて一旦止めにしてね、焦らしてね、
『かがみのせいだよ、こんな私になっちゃうのは』とか言って弱いトコを見せたりね…
そして、かがみから私に向かって飛び込んでくるのを待つのサ…
これは、これは…きっと可愛いよー…かがみんが…かがみんから…(トリップ中)…」
ひより「(泉先輩、超幸せそうだ…)」
。。。
ひより「そ、それでどうなったんスか、先輩」
こなた「途中までは上手くいったのに…台詞が全然間違ってるから、全部暗記するまで帰さないって…
うう〜…これだから、オタクは困るよ…明日も放課後練習に付き合わなきゃ…」
ひより「…(アレ、自業自得オチの筈なのに結構上手くいってる…?)」
すまん誤爆
今更だけどらき☆すたオンライン見ました。
そしてまったくこなかがと関係無くて申し訳ないけど
ドラゴンゆたかのせいでマスク・ザ・ヒヨリン思い出して吹いたw
こいやコラァァァ!!
メガミで布団被ってるこなたのかわいさは異常
早朝の泉家
かがみ「こなた〜、クリーニングから帰ってきたスーツってもう無かったっけ?」
こなた「おー、昨日戻ってきたのがクローゼットの一番左端に」
かがみ「えーと、コレか…あとゴメン、ちょっと髪持って上げといてくれない?」
こなた「はいはい、かがみ様。お召し替え手伝わさせて頂きますわ。
よっと…うん、私のツインテは今日もサラサラだね」
かがみ「あ、コラ、こなた。また毛布ズルズルさせながら家の中歩き回って。
やめなさいって言ってるのに、もー。毛布置いてきなさい」
こなた「ええー?いいの?いいの?まあ、かがみがそう言うならそうするけど(パサッ…)」
かがみ「だあぁ!何で何も着てないのよ!」
こなた「家の中だしいいじゃーん。クールビズって事で」
かがみ「限度があるでしょ、限度が」
こなた「それよりさ、今日も遅くなるの?仕事」
かがみ「…ん、悪い。新人だし、ちょっとね…やっぱり寂しい?」
こなた「いや、お弁当の量足りるかなぁ、と。かがみん結構食べるじゃん。間食は特に良くない」
かがみ「そ、そんなに食べないわよ」
こなた「まあ、元気でやってるならいいんだけど。お弁当はリビングに置いといたから(全裸で)」
かがみ「ありがと。ありゃ、もうこんな時間か」
かがみ「じゃあ、行ってくるわね」
こなた「おお、かがみん忘れ物ー!」
かがみ「え、なに?お弁当は持ったけど」
こなた「行ってらっしゃいのちゅー!」
かがみ「待ったー!ドア、ドアが!世間様にお見せしちゃまずいでしょうが」
こなた「ちゅーぐらいどこでもやってるよー」
かがみ「だから!服!服着てきなさいって!」
>>133 こなた完全にかがみの嫁状態だなw
家事得意だし妥当なポジションに収まったか
そういや原作でも将来かがみに寄生する気満々みたいなシーンあったし、案外これが
二人の将来の姿なのかもしれんw
京アニショップの新グッズ、マウスパッドがいいわぁ〜
こりゃ買いだな。
これは面白い
即全保存した。
全く、なんという完全無欠のこなかが(゚Д゚)
お久しぶりです。
前スレにおいて、避難所内『こなかが板方針について』スレのチェアマンに立候補したものです。
ただ今、避難所内『こなかが板方針について』スレでは、
前スレで問題提起された職人様の感想に対する全レスの如何や、
感情的なレスや指摘、本スレでの問題提起などによってスレの混乱を防ぐための話し合いを続けています。
それにつきまして、現状の報告と住人の皆様のご意見を伺いたいと思い本スレに書き込ませていただきました。
現状にてわかったこと+方針スレの方向性のまとめ
1、全スレが禁止ということはこなかがスレにおいては(少なくともPart7-現在では)ありませんでした。
2、主に『自重されてきた』のは住人からの職人に対する感想レスでした。
例:全レスはさすがにまずいので、まとめてになりますが職人様GJ!!
3、基本的に職人さんは感想をくれた方々の一人一人にレスを返していました。
(チェアマン注※もちろん職人さんの中で一括して御礼を言ってらっしゃった方は存在しています。
ただし、スレの指針として示されたことはなく、暗黙のうちに『各自の判断』で全レスも一括レスも行われていたようです)
(ですから『職人さんの判断に任せる』ということはスレの方針として決まっていたわけではなく、
『2chらしく各自の自己責任で…』というのが『暗黙の了解』のようになっていただけのようです)
4、ちなみに初めて全レスに対する指摘が『疑問』という形で言及されたのはPart17スレでした。
しかし、その指摘は実際には特定の職人様の全レスに対しての批判ではなく、
別の指摘に対する誤解によって副次的に生じた疑問でした。
また、その疑問から生じた全スレの如何についても『全レス』を否定する方も「あんまり好きじゃない」とおっしゃる方がいらっしゃったくらいで、
『全レスの禁止』、『自粛』を高らかに謳うものではありませんでした。
(4については避難所方針スレ139に前後の発言の詳細があります)
現在も引き続き議論は進んでおり、テンプレに何らかのガイドラインを追加する方向に向かっています。
(避難所方針スレ126、127において詳細な発言者の数や具体的な意見のまとめがあります)
そこで方向性を確定させるためにも更に住人様のご意見、
特に職人様→読み手の方々全レスに対して、あまり賛成できないな…という方の意見を避難所該当スレにてお聞きできたらと考えています。
方針スレ89に書かれた『発言される際のお願い』をご一読の上、
1.読み手は職人さんの作品にレスはすべきか
2.職人さんは読み手のレスに対してどうすべきか
3.『荒らしをスルーすることは彼らを無言のうちに肯定していることか否か』(荒らしに対応すべきか否か)
4.『「荒らしは徹底スルー、議論は避難所で」という事を論議しているレベルは過ぎているか否か』
(詳細は方針スレの139-140にあります)
に対する皆様のご意見をお聞かせください。
また1週間ほど時間を置き、あらためて意見を集約させてまたご報告にあがります。
長すぎて読む気しない
3行にまとめろカス
『スレの方針についての議論を避難所でやるので、スレのローカルルールについて
意見がある人や、こういう自治レスに文句がある人は両方来てね』ってことじゃね
とりあえず目に星が輝いてるこなたがかわいいですね
なんだ自治厨か
>>142 長いけど、要するに
全レス禁止なんて前例は今までなかった
全レスが問題になった事はあるけど、個々の判断に任せられてた
現在、全レス自由の方向でテンプレに加える流れ
ということだね?
基本的に賛成
前スレ320みたいなキチガイが現れてスレが荒れるのはもう嫌だ
荒れると職人さんも逃げて行くし、レスの自由ははっきりテンプレに書いておくべき
賛成、反対どちらにしろここでやると邪魔になるので
避難所でやりましょうよ、という話かと
俺の分類だと
こなかが→百合(一般向け)
かがこな→ガチ(成人向け)
なん・・・だと・・・?
かがみ攻めがピュアじゃないだと・・・
釣られて避難所を見に行ったら
18-817さんの新作が投下されていた
みんなも見るべし
>>137 面白いwひよりんやそうじろうがいつの間にかいたりしてワロタww
>>148 成る程。アニメじゃどちらかと言えばかがこなが多い気がするし。
まあ、ぶっちゃけ二人がくっついてれば、こなかがだろうがかがこなだろうが、どーーでもいいんだけどねw
こなかがって言いやすい気がするから使ってるだけで
意味的には両方含んでるなー
>>137 クソワロタw
実験てwwwwww
アクションが描けるっていいなぁ……
>>150 見てきた。
「レイニー・レイニー」と同じ人だったんだ…道理できれいな文だと思った。
温かいけど、楽しいSSグッジョブした!
,. - ―- 、
/ ヽ
/ ,.フ^''''ー- j.
/ /
>>1\
/ / _/^ 、`、
/ / / _ 、,.;j ヽ|
/. | -'''" =-{_ヽ{
. ./ ,-、 | ,r' / ̄''''‐-..,フ!
. { / ハ `l/ i' i _ `ヽ
| .rソ i' l r' ,..二''ァ ,ノ
| { ' ノ l /''"´ 〈/ /
.|/ -' ;: | ! ∧_∧
l l ;. l | < `∀´> n
. .| !. ; |. |  ̄ \ ( E)
| l ; l iフ /ヽ ヽ_//
l l ;: l | j {
|. ゝ ;:i' `''''ー‐-' }
| ::. \ ヽ、__ ノ
| ::. `ー-`ニ''ブ
l :. |
キモイAA貼ってくる奴、ほんとに人間のクズだな。
スレの場所を変えるとかできないの?
ちと質問、アニメ本編でこなかがを思わせる場面を1レス分くらいに延々とまとめた
テンプレみたいなのをどこかで見たんだけど誰か詳細知ってる人いないかな?
↓こんな文がかなり続くw
・○話でこなたがさっきまで抱いてたポン太君をかがみが抱く
・15話のコンサートでかがみがこなたに席を譲り「なんなんだろうね…この気持ち……」とつぶやく
かなたさんが「こなた一歳の時に逝去」というのは、どこから出てきた話なんだろうか。
詳細に言及した話はないはずなんだが……
立って歩ける時期にはすでに亡くなっていたのは間違いないが、産後すぐかもしれないんだし。
160 :
157:2008/06/01(日) 15:33:48 ID:+rb93gQT
今北産業
163 :
ツインの人:2008/06/01(日) 17:59:31 ID:X8e2pb2/
なにいってんの
こなたは
かがみの
よめ
でしょ
>>164 rァ 抱きつく
かがみ「こ、こなたから、なんて大胆……!
もうだめ、辛抱たまんない!!(がばちょ)」
こなた「アッーーーーーーーー!!」
rァ ベッドに座る
かがみ「こなた、何?それ、誘ってるの?
我慢できないの?それなら最初からいtt(がばちょ)」
こなた「アッーーーーーーーーーーーー!!」
虎で「らき☆ぱん」という本が売られていたけど間接的なこなかが本だった。
>>164 もしかして、こなかがゲーム作成してる人ですか?ワクワクw
>>137 ぉ、保管庫…というかまとめてくれたんだ…
作者さまに多大な感謝をしつつ保存した
>>150 自分も見てきた。
正直ああいうネタで書けるって素直に凄いと思う…。
何が何やらさっぱりだし、内診がどうとかなんてはじめて知ったよ…
さて…この後誰も投下の予定がないのでしたら、5分後あたりに投下したいと思います
171 :
19-149:2008/06/02(月) 05:58:00 ID:bD2hKncQ
では、そろそろ行きます。
:かがみ視点
:5レスほどお借りします
172 :
1/5:2008/06/02(月) 05:59:07 ID:bD2hKncQ
「ねえ、こなた。今日の放課後、暇?」
「今日はバイトも入ってないし、暇だけど」
「よかった。放課後、ちょっと付き合ってくれない?」
「いいけど。珍しいね、かがみから誘ってくれるのって」
「たまにはね。あんたと行きたいとこがあってさ」
「行きたいとこ?」
「別に大したところじゃないわ。ちょっとしたとこよ」
「ふぅん…待ち合わせとかどうする?」
「うちのクラスのHRが終わったらそっちに行くから、教室で待ってて」
「わかった。じゃあ放課後、待ってるね」
…よし、ここまでは問題ない。
あとは放課後だ。今日は、今日だけは予定があってもらっては困る。
だって今日は―――。
こなたと付き合い始めてちょうど一ヶ月の日、なんだから。
だから今日は、何か記念に残るようなことをしたかった。
そして放課後。
「こなた、お待たせ」
「ん、別に大して待ってないから」
「そう?じゃあ、行きましょ」
「かがみ、結局どこに行くの?」
「朝も言ったとおり、大したとこじゃないわ。
ついてくればわかるわよ」
訝しげなこなたを連れて、着いたところは…。
「…ゲーセン?」
「だから言ったでしょ。大したとこじゃないって」
「確かにそうだけど…なんでまたゲーセンなのさ」
「その前に一つ、いい?」
「…?」
「今日は、何の日?」
「今日…?なんかあったっけ」
「…そんなことだろうと思ってたわ」
案の定、こなたは覚えていなかった。
覚えてないんなら、忘れられない日にしてやるだけよ。
その程度でいちいち凹んでたら、こいつと付き合ってなんていられない。
「む、どういう意味それ」
「つくづくあんたらしいって意味」
「ほめられ…てないよね、絶対」
「そうね。とにかく今日は特別な日。あんたが覚えてないんなら、それでも構わない。
私が今日を、こなたが絶対に忘れない日にしてあげる」
「ふぅん…じゃあ、期待しちゃおうかな」
「任せときなさい」
「それじゃ、そろそろ行かない?
いつまでも店の前にいても邪魔になるし」
さて、行くとしますか。
一度しかない今日この日。
絶対思い出に残るようなことをしてあげるんだから。
173 :
2/5:2008/06/02(月) 05:59:59 ID:bD2hKncQ
「で、どれやるのさ。
私がいつもやるようなものじゃないってことはわかるけど」
「アレよ、アレ」
そうしてこなたを連れてきたところは…。
「プリクラっすか、かがみ様…」
「そ。別におかしなことじゃないでしょ?あとかがみ様言うな」
「いや、そうだけど…」
「何か問題でもあるの?」
「問題ってわけじゃないけど、私はあまりこういうのやんないからさ」
「なら、好都合じゃない。普段やらないなら、思い出にも残りやすいでしょう」
「そんなもんかなぁ」
「そういうものよ。さ、行きましょ」
そうして、二人で中へ入る。
よし。ここなら…。
「こなた」
「っ!か、かがみ?」
「いいじゃない、誰も見てないんだしさ」
「だからって…いきなり抱きつかないでよ…恥ずかしいよ」
「今に始まったことでもないでしょ。ほら、時間ないわよ」
「え?…あっ」
―――そして、フラッシュの光が私たち二人を照らす。
そうして印刷されたものを手に、二人で外に出た。
「むぅ…かがみがいきなり抱きついてくるから…」
「そう?よく撮れてるじゃない。可愛いわよ」
「なんか素直に喜べない…」
少し拗ねている様子のこなたを尻目に、
私は携帯の操作をする。
「これでよしっと」
「かがみ?」
「すぐわかるわ」
「ふぅん…お、メールだ…かがみから?なんでまた?」
「いいから。見てみなさい」
こなたが携帯を開く。
その直後、こなたの顔が真っ赤になった。
「か、かがみ!?これ!」
「そ。今さっき撮ったやつ」
そう、私がこなたに送ったものは、たった今撮ったばかりのやつだ。
笑顔の私と、その私の腕の中で真っ赤になったこなた。
「どう?それなら絶対忘れないでしょ?」
「そうだけど…」
「それともう一つ、あんたに渡すものがあるの。本命はこっちかな…」
鞄の中から小さな紙袋を取り出して、こなたに渡す。
普通に渡せばよかったんだろうけど、他にも何か思い出になるものを残したかった。
だからこんな回りくどい真似までしたけど、結果だけ見ればよかったのかな。
普段見れないこなたも見れたしね。
174 :
3/5:2008/06/02(月) 06:00:47 ID:bD2hKncQ
「これは?」
「開けてみて」
「…!これ…指輪?」
「ちょっと高かったけどね。あんたとの大事な日だもの。
このくらい、どうってことないわ。
それとね、その指輪のついてる宝石。ラピスラズリって言ってね。
その宝石言葉…花言葉みたいなものね。それは―――」
「―――永遠の誓い」
「…永遠の、誓い…」
「この先もずっと、何があっても、
こなたと一緒にいるって決めたから。その証」
「そっか…。私、ずっと大切にする」
こなたは、その小さな指輪を胸に抱いた。
「しかし参ったなぁ。
まさか、かがみも同じようなこと考えてるとは思わなかったよ」
…同じこと?
「こなた?同じって、どういうこと?」
「私もかがみにプレゼントを用意してた、ってこと」
「え…?」
そしてこなたが私に差し出してきたものは…。
「はい、これ。私からかがみへプレゼント」
「ネックレス…?」
こなたが渡してくれたそれは、緑色の宝石のついたネックレスだった。
「これは、エメラルド…?」
「うん。エメラルドにはね、『幸福』って意味があるんだって。
かがみと、二人で幸せになりたいから」
「こなた…ありがとう」
「かがみがくれた、ラピスラズリとあわせて『永遠の幸せ』、なんてね」
「そうね。なら…その二つの宝石に誓って永遠の幸せ、実現してやろうじゃない」
「大丈夫だよ。私は…かがみと一緒にいられれば、それが幸せなんだから」
「私も、こなたと一緒なら、絶対に世界で一番幸せになれるって思えるわ」
こなたと一緒なら…何があっても平気。
どんなことでも乗り越えられる。
175 :
4/5:2008/06/02(月) 06:01:38 ID:bD2hKncQ
「そういえば、どうして私にプレゼントなんて?
だってあんた」
「―――今日は、私とかがみが付き合いはじめて、ちょうど一ヶ月の日。
…だよね」
―――え?
「…!覚えてたの!?」
「当たり前だよ。一度しかない最初の記念日だよ?忘れるわけないよ」
「だって、あんた…」
「覚えてない、なんて言った覚えはないよ」
…言われてみれば、こなたは覚えてないとは言ってはいなかった。
シラを切っていただけ…?
「じゃあ、なんであんなこと…」
「かがみを驚かせようとと思って。
まさか逆に驚かされるなんて思わなかったけどね」
まったく…こんなことばっかり頭が回るんだから。
こなたらしいといえばらしいけど。
「こなた。渡した指輪、貸してくれる?」
「…?いいけど、どうしたのさ」
指輪を受け取り、こなたの左手を取る。
そして、その薬指に指輪を通した。
「…じゃあ、私も。ネックレス、貸して」
そう言って、こなたが私にネックレスをつけてくれた。
「ありがとう、こなた」
「ありがとう、かがみ」
私の胸と、こなたの指でかがやく二つの光。
その光に誓って、二人で幸せになる。絶対に…。
176 :
5/5:2008/06/02(月) 06:05:50 ID:bD2hKncQ
「私もね、かがみにもう一つプレゼントがあるんだ」
「こなたも?」
「その前に確認しておきたいんだけど…かがみ、今日はうちに泊まれる?」
「明日は学校も休みだし、大丈夫だけど…それがどうかしたの?」
こなたの家でないと受け取れないものなのだろうか。
だとしても、一体なんだというのだろう。
「よかった。もし断られたらダメになっちゃうとこだったよ」
「何なのよさっきから」
「えっとね。この日を記念して、かがみにご馳走してあげようと思って。
先週から仕込みしてたんだ」
「本当?…なんか私のほうが割に合わないものになってきた気がするわ…」
「こういうのは気持ちの問題。私は凄い嬉しかったから問題ないよ」
こなたは本当に嬉しそうにそう言ってくれた。
この笑顔が見れたのなら、確かに実際のものが何であってもよかったと思える。
「私の家には後で連絡入れるから、行きましょうか」
「うんっ!あぁそうだ。言い忘れてたことがあったよ」
「言い忘れてたこと?」
そしてこなたは私の耳元でこう、囁いた。
「今日はね―――」
―――お父さんもゆーちゃんも用事があって家にいないんだ。
だから、今日は久しぶりに…ね―――
「なっ!?」
「ほーら、かがみ!置いてくよー!」
道の先で手を振るこなたの笑顔を見て私は思う。
―――今日は眠れない日になりそうだ―――
fin
177 :
19-149:2008/06/02(月) 06:07:00 ID:bD2hKncQ
以上です。
完全に出遅れているのですが、こなたの誕生日SSもひっそりと進めております。
完成したら避難所あたりに落としておこうと思います。
駄文、失礼致しました
>>177 なんと激甘なぷれぜんとこうかんかい
GJ!
最近こなかがのお陰でA型とB型の相性が抜群というイメージがついてきた。
設定上だけでなく性格もB型っぽいこなたとA型っぽいかがみだし。
こなたは意外にしっかりしてるから、一見して感じる
マイペースっぽさは実は全てつかさを見て習得した
誘い受けのためのテクニック
「こなちゃん…恐ろしい子…」
そういえばB型のツンデレキャラって意外に少ないよね。
>>177 あまりにも甘すぎて砂吐いてしまったので謝罪と賠償を請求する代わりにGJを送ろう
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| GJ
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
>>180 あんまり血液型って当てにならない気がする
誰が言い始めたんだこの占い??
>>185 誰でもどこか当てはまるようにできてる、と本編中で言ってなかったか?
原来復って医師が1916年にはじめた「血液型と気質との関連に関する研究」から派生したものらしい。
で、学説としてはあっという間に消滅していて、占い師の間でもほとんど省みられていないとのこと。
マスコミが『ネタに使いやすいんでちょくちょく話題にする』というだけのことらしい。
そもそも占いってそういうもんじゃね
かがみんも自分とこの神社の大吉の札に
奇跡の力があるとは思ってないだろう
おまいらみたいなのばっかで…
もうらき☆すたは終わりだな
どこのアンチか存じませんが、細く長くいかせていただきますよ。
他の作品見る気しないし。
そんな冷めてると、絶対人生つまんないよぉー
こなたと付き合いだしてから、海行ったり文化祭で踊ったり
やけにアクティブになったかがみ
__t─-v-─ァ__
<:::::::::::::::::::::::::::::::>
<´:::z-r─--v、:::::::::>
く:::::{ | }ハ::}:::::〉
,...:::' ̄ヾ<::::i ィ=z z=く 〉:::>
,...::::´::::::::::::::::::V:::レ´ ! `!::/
/:::::::::::::::::::::::::::::::}rj ≡≡ ≡≡|<
. 〈:::::::::::::::::::::::::_::z-┤ u ''' i '' |ノ
ヽ:::::::::::::::::ス_r- 、`¨l、 、__ ノ
ヽ:::::::::::::::::::ヾ:::::`ー-{ヽー--‐ イ_..:-─::.、
\:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ-{チ-<::::::::::::::::l
\:::::::::::::::::::\:::::::::::|o::::::::::::::::::::::l::l
\::::::::::::::::::ヽ::::::::|::::::::::::::::::::::::l::l
. 入::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::l:〈
どこのアンチか存じませんが、細く長くいかせていただきますよ。
他の作品見る気しないし。
かがみん好きなら、かがみんに
和式のスタイルでくぱぁっと足開いてもらって、
そこに顔近づけて、かがみんのおしっこごっくごくしたいよね?
勇者キタコレ
神様困惑ww
>>195 勇者は勇者でも下の世界に閉じ込められてそうな勇者だな(笑)
ところで、メガマガ絵を見てたらひよりんの妄想通りに動いてしまうこなかがというシチュエーションを思い付いたのだが。
199 :
4-248:2008/06/02(月) 20:25:00 ID:Dr6Xz+2j
シン「それじゃあCEに行ってくるよ」
こなた「帰って…来るよね」
シン「任せろ、けど途中ちょっと寄り道するから」
こなた「寄り道?」
こなた「新シャア板に変なスレが建ってる…何々『シンがZに進出』『シンが逆シャアに進出』
また似てるだけの人違いでしょ」
そうじろう「こなたーー!!種死の最終回を観るんだ!!」
こなた「最終回?」
シン『ミノフスキー粒子!!これで全ての遠距離攻撃は使用出来なくなる』
レイ『しかしミネルバだけはすでに手を討っておいた』
こなた「……」
シン『ほれ凸wwwかかってこいよwwwww』
こなた「…………」
レイ『これで終わりだキラ・ヤマト!行けフィンファンネル!!』
シン「ただいまこなぶがばぁ」
こなた「あったって人わぁぁぁ」
レイ「お…俺は止めたんですよ」
「うーんっと………これは、まずいかな?」
泉こなたは、自分の目の前の現実に冷たい汗を流していた。
現実………いや、夢なのだ。
これが、夢なのだと言う事は、こなた自身既に気付いている。
先程まで自分は、寝巻で自室のパソコンの前にいた。
故に、『制服で夜の学校』にいるこの状態は、夢以外の何物でも有り得ない。
だからといって、自身に今から起きようとしている事を『夢だから』ですませる気にはなれなかった。
こなたの目の前には、ヌメヌメと光を放つ、異形の生物が地面から複数生えていた。
その形は、どこと無く男性器を彷彿させる。
『これって、やっぱり「触手」だよね?』
こなたは、その謎の生物の通称を知っていた。
何故なら、こなたが直前までしていたゲームに出ていたから。
ジワリジワリと『触手』が、こなたに迫る。
本能的な嫌悪感から、こなたもゆっくりと後ろに下がるが、その行動の後、何が起きるのかも、こなたは知っていた。
「あう!?やっぱり!!?」
背中が何かにぶつかる感触に振り返れば、そこには巨大な壁。
逃げ場所は完全に無くなった。
「やだ………ちょっと………こないでよ〜……」
普段とは違う、恐れに震える声。
こなたは、この後も何が起こるのかを知っている。
知っているからこそ、恐ろしいのだ。
突然こなたの足元から、新たな触手が生え、こなたの足首に絡み付く。
その、ヌルっとした感触に全身に鳥肌がたつ。
「こら!!この!!!はなせー!!!」
こなたが全力で蹴りつけ、殴り、引っ掻いても触手はびくともしない。
それどころか急速に成長し、こなたの身体を宙づり状態にする。
「やだ!!この!この!!」
スカートがめくれ下着がまる見えになっているのも構わず、あがく。暴れる。
下着が見えるくらい何だと言うのだ。
ここにそれを気にする『人』は居ないし、これから行われる事に比べれば些細な事でしかない。
「離せ!離してよー!!!ひぅ!?」
暴れていたこなたは、眼前の光景に思わず息を飲んだ。
こなたの視界一面。その全てが、触手に埋め尽くされていた。
学校の面影はもう何処にもない。全く異質な世界だ。
『ぬちゃぬちゃ。ぐちゃぐちゃ……』
気味の悪い音をたてながら、複数の触手がこなたに迫る。
「やだ………くるな………来ない………むぅぐ!!」
触手の内の1本が、こなたの口内を捉えた。
あまりに巨大なソレは、尖端だけでも、こなたの口一杯になってしまう。
「うぐ……んぅぅ……むぅ!?」
息苦しさのあまりこなたが呻くが、触手は構わず口内を蹂躙する。
舌を歯を………咽までも。
「うぅぅ……うぁ……むぅぅ!んぅぅ!!!」
こなたの本能が危険を感じ、体内に侵入した異物を吐き出そうとするが、触手はそれを許さない。
こなたの口内を何度も蹂躙し、徹底的に汚し尽くそうとしていた。
「!!?むぅ!!?うぅー!!」
腹部に感じる感触に、こなたは身をよじる。
いつの間にか近づいて来ていた他の触手が、シャツの隙間から侵入しているのだ。
目で追う事さえ叶わないけれど、身を這うその冷ややかな感触から、複数である事が感じとれた。
シャツの隙間から侵入した触手は、這うようにして、こなたの上半身を目指した。
そして、幼く柔らかな丘と、その先端にある小さな突起物を見つけると、
まるで刺激を与えるように何度もその身を擦り寄せた。
「!!!!??」
刺激を与えられる度、こなたの身が小さく震える。
『うそ………私………』
息苦しく、嫌悪感しか感じない触手から与えられる刺激は、こなたの身体に確かに快楽を与えていた。
その証拠の様に、幼い胸の2つの突起はツンと固くなっており、
まだ刺激もされていない秘部からは、蜜が溢れ始めていた。
『やだ……やだ!!?感じたくない!!!』
だが、こなたはその快楽を否定する。
いくらゲームで見慣れていても、女性としてのこなたにとって触手は嫌悪感しか感じない物体であった。
その物体に凌辱されて快楽を感じる自身の身体を認めたくなかった
>>199 GJ
pixivでもその絵見かけたよw
その時、更に数本の触手がこなたの両足へと絡み付いた。
新たな触手は朝顔の蔓の様に、両足を這いあがり真っ直ぐに、こなたを秘部を目指した。
「むぅ!!んーーむぅ!!!」
『だめ!!そこはだめぇぇ!!!』
いくらこなたが抵抗したくとも、今やまるで固定するかのように、こなたの四肢絡み付く触手がそれを許さない。
抵抗される事も無く、目的地にたどり着いた触手は、何かを探すように下着の上を何度も往復する。
『だめ………そんな所……そんなヌルヌルした身体で刺激されたら………』
薄い下着では吸収仕切れなくなったこなたの蜜が、溢れ出し触手達に注がれる。
蜜を浴びた触手達は次々と集まり、更に蜜を求めた。
そして、その中の1匹が薄い布を潜りこなたの秘部へと迫る。
「ふぁ!!?ああぁぁぁ!!?」
全ての触手が一時的に下半身に集中したことで口が開放されたこなたの声が漏れる。
「駄目!!?無理だよ!!そんなの………そんなの入らないよ!!?」
こなたは瞳に涙を浮かべ触手を拒む。
こなたの秘部も触手の巨大さにその侵入を拒む。
だが、触手は諦めず何度も何度も、その身をこなたの秘部へと擦り寄せ、
他の触手がそれを助けるように、こなたの両足を左右大きく開いた。。
「ふぁああ!!だめ………だめだめだめらめぇぇぇぇ!!!」
秘部が大きく開かれ、自身の膣内へ侵入してくる異物。
何よりもそれによって与えられているものが快楽であるという事実。
それら全てを否定する為にこなたは叫ぶ。
だが、触手はそれを意に解する事なくこなたを蹂躙していく。
「ああぁぁ………あぅ………んぅぅ………うぶぅ……むぅぅ!?」
こなたの秘部へは1匹以上は無理だと悟ったのか、口内への凌辱も再開され、
幼い胸にも数本の触手が伸び刺激され続ける。
『だめなのに………嫌なのに………なんで、なんで気持ちいいの………』
更に、あぶれた触手達は他の場所にも群がり始めた。
こなたの小さな手に、脇の間、膝の裏………ありとあらゆる場所を使って自らを刺激する。
そして………
「むぅうう!!うぅ!!!」
ミリミリと音をたてるかの様に、こなたを貫く触手。
新たに貫かれたのは、小さな菊門。
『苦し………………』
既に秘部は、こなたにはあまりに大きなものに蹂躙されており、
その中で、菊門に新たな触手を受け入れるのは拷問。
圧迫感と、本来排泄するためだけの器官に侵入されている違和感。
だが、それすらも………
>>199 高速で保存した!!!
ここ最近の甘いSSやイラストにもう溶けてしまいそうですw
「ん………ん………ん………」
『………だめ………嫌なのに。気持ち悪いのに……痛いし、苦しいのに………』
激しく動き出した触手に、こなたは確かに快楽を与えられていた。
秘部からはとめどなく蜜が溢れ、後ろを犯す触手、胸や口を凌辱する触手にさえ快感を感じてしまうのだ。
「むうう!!う………ん………ん………」
『ダメ………そんなに乳首の上で動かないで……中を掻き回さないで………後ろで動かないで………
私……わたし………もう………』
「んんんんぅぅぅぅ!!!!!!」
こなたの身体が大きくビクン!ビクン!!と痙攣し、弓なりにしなる。
頭の中に閃光が走り抜けたかのような感覚。そしてくる浮遊感。
同時に、触手達も一斉に動きを止め、白濁色の液体が吐き出し、こなたの身体を汚した。
だが、触手達が動きを止めたのは一瞬だけだ。
すぐに、こなたへの凌辱を再開する。
「むぐぅ!!!」
『そんな……!?今逝ったばっかりなのに………そんなにされたら………』
「ううう………んんん!!!!??」
休む間もなく、強制的に逝かされる。遠ざかる意識の中で僅かに見たのは、自分に群がる触手の群れ。
『……私………もうダメかも………』
「んんん……………」
眩しい光に瞼を刺激され、目覚めると目の前にはパソコン。
画面には、触手に凌辱される少女が映っている。
こなたは、小さく頭をかく。
「そりゃ、こんな状態で寝ればあんな夢もみるよね………」
顔でも洗おうと立ち上がり、こなたは顔を真っ赤に染めた。
濡れているのだ。
おもらしでもしたかの様にびっしょりと。
そういえば、部屋の中も自身の匂いが充満してるような気がする。
「こなたー。早く起きないと遅刻………」
「わー!!起きてる!!起きてるよ!!すぐ行くから先に食べてて」
近づいて来ていた父親の足音を牽制しながら、下着を取り替え、部屋を換気する。
寝巻と下着はとりあえずビニールに入れ、押し入れの中に隠した。
万が一にも、従姉妹や父親に見られたくないからである。
帰ってから真っ先に洗濯することを誓いつつ、
『私って欲求不満なのかな?』
と思ったりした。
泉こなたが、いつもと少し違う慌ただしい朝を迎え、
でも、いつも通りの日常へと戻って行く中、こなたの部屋の片隅で………
「キィキィ………」
小さな笑い声が響いていた。
以上です。
寝れない状態でボーっと書いてたらこんなんなりました。
楽しんで貰えると幸いです。
はいはい、荒らし乙。
これって削除申請しないと駄目なんかね?面倒な。
荒らしはスルー推奨なんだが
さすがに腹に据えかねるな
JaneならNGIDでまとめて消せる
スルーは問題ないんだけど、全年齢板でこのままなのって大丈夫なのかなと思い。
無視しとくだけでいいならそれに越した事ないんだけども。
悲しいことに、荒らしはスルーして削除申請が一番無難なんだよなorz
とりあえず、荒らしをスルーしやすいように、みんなに専ブラ推奨するのが関の山orz
それはさておき
>>199に頬がゆるむ。
小さい側に主導権握られるってのはいいもんだねえ。
やっぱりこな×かがだな!(゚∀゚)9m
>>215 取り敢えず、スルーだけで大丈夫なのですね。了解です〜
個人的にはどちらか一方より、場合によって攻守入れ替わるのが好きw
なんか定期的に変なのが湧くなあ・・・
最近荒らし多すぎ
前スレで懲りたよ orz
クライマックスな状況でこなかがになるように
敢えて最初はかがみにイニシアティブを取らせる
デュエリストこなた
なるほど、受けも責めも自在にこなす
かがみ専用マルチプレーヤーだったのか
さすがだな、こなた(=ω=.)
>>210 悪気がないかあるかは判らんがあえて言わせてもらう。
ここは全年齢板だからエロパロで投下したほうが喜ばれると思うよ。
なんでもかんでも荒らし扱いするここの住民の民度も落ちたもんだ。
テンプレにも18禁物禁止っていれてないのも問題だな
>>220 今朝、すでにエロパロ板に投下されたものなんだぜ
まぁ、作者本人ではないと思いたいところ。
何でもかんでも荒らし扱い→ここはもうだめだ
↑
こういうパターンもそろそろ荒らし認定されるぞ。
とりあえず、
>>220は
>>210のIDのレスを全部みてから判断してくれ
明らかにスレ違い荒らししてるのが丸分かりだから。
それとも俺、釣られたか?
今更だけどメガマガ買ってきた!
百合って! 百合ってかいてあるYO!!
あきらめろ
あれは ゆり の ため の まがじんなんだ
ああ おれたち は あきらめなくても いいのか
コンプエースのぽけとらでもニヤッとできるシーンがw
NGにされちゃうとどうしようもないから
自分で自分にレスしたのかもね
ところでみんな、聞いてくれまいか。
ぽけとらもそろそろクライマックス、ということで、俺は既刊を読み返していたんだ。
「望みが叶っていない」ということで、こなただけ小さいまま残ってるわけだが、
その望みとはなんぞや、と思ってね。
そうしたら、2話で関係ありそうなシーンをみつけたんだ。
二体揃って抱き合うフィギュアを、こなたが意味深な目で見つめてるんだな。
もしや、こなたの望みというのは……
!!なるほどそうか…次回wktkだな
ひよりん?誰のことだ?
ああ、俺ら全員か
俺がひよりんだ!
こなたが策士な二次創作って多いけどメガマガの一連の流れを見て
相手を本気で好きになればなるほどしおらしく受けっぽくなる子
なんじゃないかなと妄想してみる
ちょwwwww
お前ら今すぐゆーのす通信見ろ!!
こなかがシリーズが次で終わりなのは結構前から分かってたことだろ>ゆーのす
それより既刊の再販のほうに期待している
な!!ブライドだとお!!!
>>232 そんなこと言われると、自分の想像の中で
ますますかがみんが暴走してしまう
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
はあはあ
>>227 かがみがまだ小さいままだと、こなたとかがみがコスプレして抱き合うシチュもあり得たんだけど
かがみはもう元の大きさに戻ってるからなあ・・・
さすがにその展開はキツイかと
でも、できるだけこなかがっぽい大団円を迎えて欲しいよな
こなかが分が強ければ強いほど単行本出たら必ず買う可能性が上がるんだけどw
>>240 コスプレして抱き合う、そのためにかがみが「もう一度小さくしてくれ」とフィギュアにお願いするんですね。
わかります。
そしてオチは二人してすっぽんぽん、とw
まぁ、今月号最終ページの
「こなたは私が元に戻してあげる!」って台詞だけでキタ俺もいるんですけどね
連載終わったらせるふぃっしゅ3でこなかが描いてくれたらいいなぁ
ちょいと通りますよ
244 :
1/6:2008/06/03(火) 20:50:49 ID:e3XDxZwr
「へー、こなたってば意外に可愛い寝顔してんのねー」
聞き覚えのある凛とした声に惹かれ、私を瞼を開いた。
そのぼやけた視界の中に佇んでいた彼女。
……かがみん?
「へぇー、こなたってば意外に可愛い寝顔してんのねー」
「ぞれは、ざぁっき聞ぃだよ」
「……つまんないわね」
「なんだよー、何じに来だんだよー、がえれよー……」
「うっわー酷い声」
「うるざーい」
「まったくー、この時期に風邪を引くとは情けない……」
息を吐いて、腕を組む彼女。
「それも、揃いも揃って三人一緒にとはね」
そういうお前も昨日寝込んでいたじゃないか。
と言い返す余力も、今の私には残っていなかった。
245 :
2/6:2008/06/03(火) 20:51:15 ID:e3XDxZwr
「まぁ、あたしは心が広いから? この貴重な休日を潰して、お見舞いに来てあげた訳よ」
「……」
「でね、折角だから何かお供えも必要かなと思ってさ」
まだ生きてます。
そんな事を考えつつ枕元の時計を見遣ると、時刻は既に12時を回っていた。
「これ、作ってきたの!」
ジャーン!
と言わんばかりの笑顔で、透明の袋に詰めた物体を差し出される。
ブラック、ブラック、ブラーック、驚くほどにだ。
そうか、そういう事か。
つまりかがみは、
「それを誰かに食べて貰いたかった訳だね」
「うん!」
「ちなみに、誰かに食べさせてみたりした?」
「みんなお腹いっぱいだったらしいから、まだね」
黙り込んだ私を意にも介さず、
「仕方がないから、つかさの枕元に4袋くらい置いてきたけど」
と付け足していた。
246 :
3/6:2008/06/03(火) 20:51:51 ID:e3XDxZwr
――ゴリッ
「うっ……」
「どう、ねぇ、どう?」
「ポイズン……」
「ん?」
「いや、美味しいね、この煎餅」
言いたい事も言えない。
そんな心中を知ってか知らずか、いや多分知らないんだろうけど。
彼女はやれやれといった感じに口を開いた。
「うわぁーツッコミも入れられないほどに下手な冗談ね」
いや、まぁ……すみません。
「それチョコチップクッキーよ、美味しいでしょ?」
「へぇー、上手い冗談だね」
「ん?」
「へ、へぇー、上手い焼き加減だね」
「だよねー」
あなたの笑顔、怖いです。
247 :
4/6:2008/06/03(火) 20:52:24 ID:e3XDxZwr
風邪で頭が回らないせいだろうか。
どうもペースを乱されている気がする。
「それじゃ、あたしはそろそろ帰るね」
「え、もう? もう少しゆっくりしていってよ」
ずっと寝込んでいただけあって正直、人恋しい。
枕元に居座り続ける父はすぐさま追い払ったが、
かがみには少しでも長く側にいて欲しかった。
「でも、みゆきの所へも行きたいからさ」
「わ、私とみゆきさんどっちが大切なの?」
「みゆき」
「……」
「そ、そんな眼で見ないでよ、冗談よ冗談」
「じゃあ、どっち?」
「両方」
「女の人ってずるい!」
「うわぁー面倒くさい奴だなー」
248 :
5/6:2008/06/03(火) 20:54:20 ID:e3XDxZwr
「なーんてね、みゆきさんも寂しがっているかもしれないし、行ってあげてよ」
「アンタにしてはえらく簡単に引き下がるわね」
そう、私は物分かりがいい子なのだ。
冗談ばかりの仲だけど、ちゃんと分かっているんだよ、私は。
……分かっているんだよ。
「うーい、それじゃお大事にね!」
「うん……」
引き留めるべきか、或いは見送るべきか。
迷っているうちに答えは逃げてしまった。
249 :
6/6:2008/06/03(火) 20:55:49 ID:e3XDxZwr
「おーいこなたー、体調はどうだー?」
かがみが部屋を出ていくのを見計らったかのように、父さんが部屋へと入ってきた。
「この通り元気だよ、喉は痛いけど」
「そうかー」
うんうん、と頷いた父はそのまま続ける。
「しかし、かがみちゃんもいい子だよなー」
「そだね」
「お見舞いだぞ、お見舞い。それも朝早くから来るとは驚き物の木だ」
父の説明臭い台詞廻しは置いておくとして、気になる点を指摘する。
「朝、早くから?」
「そう、9時だぞ、9時」
「そ、そんな早くから来て何してたの?」
「お見舞いだろ?」
「え、私の所に来てたの?」
「へぇー、こなたってば意外に可愛い寝顔してんのねー……って言ってたみたいだぞ?」
うわぁ、アレ、起きるまでずっとやってたんだ……
っていうか何でそれを知っているんだ父さん。
「で、10時からは一緒にケロ○軍曹とリ○ーンを見て……」
そこは譲らないんだ。
「で、また部屋に戻っていったから、父さんは一人寂しく煎餅を御馳走になっていた訳だ」
かがみん……私の為にそこまで……
私は胸の内が暖かくなったような気がした。
こんなにも私の事を考えてくれている人は、他には居ないんじゃないのか?
こんなにも……
でも考えようによってはちょっと怖いなと考えたら背筋が寒くなったので、そのうち私は考えるのをやめた。
今度、お返しに本物のチョコチップクッキーを作ってあげようかな。
うん、そうしよう。
以上です。
こな×かがなのか、そうでないのか微妙ですサーセン。
ほのかなこなかがアザーッス
激甘もいいけど、こういうほのかなやつもいいじゃござんせんか(・∀・)
驚き桃の木山椒の木
一気に時を渡りきり、ついに出た出たやっと出た
…ってのをふと思い出した
歳がバレますかそうですか
>>250 イイヨイイヨー
むしろ、個人的にはガチよりも友情なのか百合なのか微妙なラインのほうが好き。
ばっかおまえ、
ここはウソでも
ブリキに狸に洗濯機
といえば、微妙な歳で済んだんだぞ(=ω=.)
かがみ「どっちにせよ、私らの年代が言うことじゃないよな」
なんというおっさんホイホイ
わかる俺もまた・・・orz
コンプエースとかメガマガとか買いたいのに店が開いてる時間に帰れない俺涙目
一方、みゆつか編の方のみゆきさんは完全にガチであった
>>250 GJ!
最近糖分取り過ぎてたので、程よい甘さが心地よいです。
ところで思ったんだけど、そろそろコンプエースのポケトラがクライマックスだとして
そろそろ連載が終わるとしたら、らき☆すた関連の新連載また始まるのかな?
このままらき☆すたアナザーストーリー系の漫画が一切なくなるのは寂しい気が・・
一応、ぶーぶーかがぶーあるけどさw
かがみ攻めはいい
だがこなたと違ってかがみはその手の知識をどこから仕入れるんだろうか・・
ストパニやマリみてだけだとベッドイン後が不安なので、
やはり成人向けラノベをどこからかゲットしてくるのだ
もしくは本能
何故か本能が一番合ってる気がしてしまうかがみ様。
SS書きたいのに、かがみのツンデレがうまく表現できない。
こなたデレな部分がどうしても全面に出てしまう。
だが、こなたをツンデレにすると書きやすいんだ。
かがみって本当にツンデレなのか?
>>260 ストパニってストロベリーパニックでおk?
ガチ百合と言うものをこの目で見てみたい
ストパニはストロベリーパニックですね。
アニメもあったはず。男は地軸の変動か何かで絶滅したようで、全く出てこない。
>>262 保護者的な厳しさがかがみんのツンではないだろうか
あと、こなたのオタクな話題に全然乗ってこないのもツン
まるで機嫌悪いみたい
みんなの前ではいつだってそう
265 :
グレゴリー:2008/06/03(火) 23:32:26 ID:5SxOxlya
今回はガチでこなかが!
「サンタクロース」
//////////////////////////////////////////////////
「え、サンタさんって居ないの?」
こなたの言葉につかさは心底驚いたようだ。
「どんだけ〜」
なんでみんな知らないんだろう?本当にいるのに。
こなたは胸中の思いを胸にしまった。
そしてクリスマスイブが訪れた。
とある寂れた居酒屋で、サンタはいつもどおり酔いつぶれていた。
今夜は年に一回のプレゼント配りだ。この日だけは
俺の晴れ舞台。いつもは工場に篭ってこつこつとプレゼントを作り続けている。
しかし、この日だけはきちっと正装し、そしてビール腹の突き出た
ビア樽のような体に鞭打って、酔いで赤くなった顔に満面の笑みを浮かべ、
トナカイにひかれたソリに乗って空を舞う。
意気揚々と居酒屋を出たサンタの後ろに数人の少年の影があった。
暗い曲がり角にさしかかったとき、サンタのブリーフの線が浮き出たジャージの尻を
強烈な蹴りが襲った。
あまりもの痛さにうずくまるサンタを少年たちが取り囲む。
そして、蹴るわ殴るわ。
最後に少年の一人がナイフを取り出し、「ひひひ、じじい死ね」とはき捨て
サンタの首を持ち上げ、のけぞらせると、のどを真一門に掻き切った。
泉こなたはバイトの帰りだった。今日はイブということでバイトが遅くなってしまった。
なぜかこの日、男女は発情し、そして聖夜というより性夜という表現が近くなってしまう。
今までは、家に帰ったとたんにPCの電源を入れ、そしてネトゲのコミュニティに入って、
お互いにイブなのに一人でPCをやってることについてからかいあったりしたものだ。
「私にも、いつか、恋人とこの夜を過ごすときがくるのかなあ」
と、あえて感傷に浸ったりしてみる。
目を上げると雪が夜空を彩っていた。最高の夜だ。
266 :
グレゴリー:2008/06/03(火) 23:33:17 ID:5SxOxlya
だが、視線を落としたこなたが見たものは、地面に這いつくばっているジジイだった。
酔っ払いが酔いつぶれてるものと思い、避けようとしたのだが、首の辺りから
ひどく出血しているのを発見したこなたは、急いでジジイの下にかけていった。
「おじいさん、しっかりして!どうしたんですか?」
ジジイはしゃべった。意識はあるみたいだ。だが、出たのは以外な言葉だった。
「おじょうさん、いきなりですまんが、ひとつ頼みごとがある!」
数時間後、泉こなたは、空飛ぶトナカイの引くソリに乗っていた。
「ええっと、次は3丁目の田中さんっと」
トナカイは了解したかのように鼻を鳴らす。
賢いトナカイだ。これなら飲酒運転もできそうだな。
なぜ、こなたがすんなりとサンタの存在を受け入れ、怪我のために働けない
サンタの代わりを務めることができたのか?
サンタ自身、これほどの年の少女が未だに自分の存在を信じていることに驚いていた。
「おじょうさん。なぜ、ワシが本当のサンタだと名乗ってそれを信じてくれるのじゃ?」
「うん、実はね。小さい頃、寝たふりをして、薄目を開けてサンタさんの姿を見ようと思ったことがあったの。
私、てっきりお父さんかと思ってたんだけど、サンタさんのお尻にブリーフの線が浮き出てたのを見て。
だって、お父さん、トランクス派だから。それで分かったの」
こうして、すんなりとサンタの事情を理解したこなたは、サンタの代わりにプレゼントを配っているわけだ。
やっとこれで最後の一軒だ! ええっと、住所は。
「え?まさか!」
こなたは唖然とした。
「鷲宮神社、柊かがみ...」
267 :
グレゴリー:2008/06/03(火) 23:36:54 ID:5SxOxlya
柊かがみは、自分の部屋で一人寂しく過ごしていた。なぜか寝付けない。
クリスマスイブかあ。このむなしい感情はなんなの? ま、私の家は神社だし!
キリスト教のお祝いなんて関係ないしーと自分に言い聞かせても、なぜか
今日の晩御飯はケーキが出た。馬鹿らしいと思っていても、なぜかソワソワする。
と、いきなり部屋の窓がガラリと開いて、あの声が聞こえてきた。
「かがみ! サンタなんて信じてたんだあ!かーわいいいいーー」
かがみは椅子から転げ落ちそうになった。
目の前の光景が信じられない。
こなたは空飛ぶソリから部屋に飛び降りると、興奮した様子で
しゃべりまくってきた。
だが、途中で何かを思い出すと、背負っていた袋の中をごそごそと探りはじめた。
「あれ?どうして?プレゼントがない?」
かがみは気を取り直すとやっと言葉を発した。
「あ、あんた、、、何やってるの?」
「だから、今言ったようにサンタクロースやってるんだよ!でも、かがみのプレゼントがないよー
ねえ、かがみん。一体、何をサンタにお願いしたの?」
「ちょ、そんなことどうでもいいでしょ!まずは、もう一回、この説明をしてちょうだい!!」
こなたは興奮して再び、ことの起こりを話しはじめた。
.....こういうときに、あいつがそばにいてくれれば......
一人で窓の外を眺めながら、ふと、かがみが思った願い。
これが、こんな形でかなうなんて思いもよらなかった。......
こうして、二人は長い間、一緒に話していた。
268 :
グレゴリー:2008/06/03(火) 23:37:28 ID:5SxOxlya
代わりにプレゼントを配ってくれた女の子に、最後に、粋なプレゼントを残したサンタ。
そのサンタは市営住宅の前にいた。
駐車場には高級車。あちこちに散らかったゴミ、まるで個性が感じられない無機質な造形。
人を詰め込むのが目的で作られた建造物には、側面に大きく数字が描かれている。
入り口に停めてある改造バイクを蹴り倒すと、サンタは中に入っていった。
手にはオノを持っている。
やがて、任意の玄関の前で立ち止まると、サンタはチャイムを鳴らした。
「はい、なんです?」
いかにも低所得者然とした茶髪でジャージ姿の母親が出てきた。
「お宅の息子に、サンタクロースは不死身だということを伝えに来たんじゃ」
母親は恐怖に目を開いた。
その目いっぱいに、すさまじい形相でオノを振り上げるサンタの姿があった。
完
>>260 成程な
どうみても中身成人向けなのに全年齢向けのとして売ってる百合コミックとかもあるしな
本能吹いた
>>268 暴力ネタがなければ素直にGJするんだが……
相変わらずそういう表現を書かずにはいられないらしいね
せっかく皆スルーしてるのに反応する奴が出ててくると全て水の泡になる
>>270 専ブラマジオヌヌメ
とりあえずかがこなの原因No1=かがみの本能に一票
かがみがハァハァしてこそかがこなだと思うんだ。
今、何故かOCN規制されてるね。携帯からだときついわ。専ブラ入れたら書きこめるかな。
かがみの本能に一票!
専ブラとっても便利ですよ。害虫対策に是非w
害虫って
相変わらず投下する場所間違ってるとは思うけど
まあたしかに害虫は言いすぎだとは思うが・・・
かの人よ、あなたの作風を見てると、その残虐暴力の矛先が
また愛すべき主要キャラに舞い戻りそうな気がしてならないんだ。
どうしても、何が何でも、どうあっても、残虐暴力が書きたいというのなら
それ専用のスレが必ずあるはずだから探せ、探してくれ。
後生だから。
わかるまで何度でも繰り返す
ここは何のスレだ
こなた×かがみのスレだ
ここは何のスレだ
こなた×かがみのスレだ
ここは何のスレだ
こなた×かがみのスレだ
ここは何のスレだ
こなた×かがみのスレだ
自分は攻めだと心底から疑わないこなたを受けさせたい
普段飄々としてる子の余裕が剥がれた姿はかわいすぎる
ってか、スルーしましょうよ。今更何か言うべきことあるわけじゃなし。
かがみの本能派多いのでちょっと安心w
「荒らし・煽り・気に入らない作品はスルーで」
テンプレにこの一文を入れときゃ万事解決
>気に入らない作品はスルーで
これ大事だな
正直、俺はNGというのは嫌いだ。
嫌いだが、もうやむをえない。
俺の長い2ちゃんねる人生で二人目のNGに、ヤツを任命する。
うう〜〜ん、やっぱり
最初はこな×かがな流れなのだが
時を経てかが×こなとなっていくのだなあ。
それぞれに、かがみ→本能増加、こなた→余裕減少
というギャップが、あるからなんだろうか。
うむ、おもしろし。
そう語る俺は、未だこな×かが派だけどなwww
難しいことはよく分からんがとりあえず二人でいちゃいちゃしてればいいよ
…っていうのは何派なんだろうか
>>282 やあ同志コナカガスキーよ。
共にこなた×かがみを肴にウォッカでも飲み交わそう!!
ところで誰か、つかさ→みゆきさん→こな→←かがと言った隠れキリシタンはいないのかね?
いるなら私とキャビアを肴に冷凍庫ストリチナヤで乾杯しよう。
かがこな派は俺だけですか、そうですか。
さみしす
かがみの本能に一票ではあるが、こなかがもかがこなもおいしくいただける派だ。
なんつうかなあ、少女の夢っぽく言えば
こなたはかがみにとって
「白馬の王子様」
であってほしいわけよ。
かがみよりはるかに小さな体だけど、それでも頼もしく支えてリードする。
それでこそこなただと思うのさ。
どっかの小説で見たことがあるが、
合気道経験を生かしてかがみのバランスをくずし、
上半身をやさしく支えて、いつのまにかお姫様抱っこ体制……
というシーンになったとき、かなり興奮したのを覚えている。
もちろん、かがみのピンチのときも、
合気道&空手が火wをw噴wくwぜええええwwwwな
こなたも見逃せない!
以上、酒をあおりながら、こな×かが派からの主張ですた(=ω=.)ノ
どっちかいうとかがこな派だけど、二人がイチャついてればOKかな?
希望としてはどっちも攻撃力MAXだけど防御力は最弱で、内心は悶え合ってるみたいなのが欲しいところ。
懐に飛び込まれると弱いわけですね。
わかります。
こなかがでもかがこなでも、二人が幸せならどっちでもいい
どっちが攻めとか受けとかより、
二人が笑顔でいられる関係っていうんが大事だと思うんだ。
攻め受けはその後に来るものだと思う
かがみの優先順位がこなた一番なのは容易に想像できるけど
こなたはそうと言い切れない気がするのは何故だろう
例えばゆーちゃんとかがみがピンチなら私情を抑えて体の弱い
ゆーちゃんの方を助けるんだろうなと思うよ
そういうのってこなかが・かがこな的にアウトなんだろうか
294 :
288:2008/06/04(水) 01:46:26 ID:GbQB9zNH
あーすまなんだ。
俺も2人が幸せなら本来いいんだけど。
受け攻めのときのそれぞれの魅力を追求するために、
あえて2大派閥形式にしてみたんだ。
かが×こなとなったときの魅力を、誰かに語らせることによって
話を発展させる意図だったんだ。
いや、2人が幸せならいいんだ同士よ、すまなんだ(=ω=.)ゞ
>>293 みなみちゃんを信じて、かがみを助ける、に決まってるであろう(゚∀゚)9m
>>293 こなたは冗談で済む事には幾らでもおちゃらけるけど、そうでない事には非常に常識的な性格の気が。
そうすると、あくまで状況次第だけど、重なった場合は姉代わりとしてゆーちゃんを優先しそうな感じ。
かがみには情理を尽くして説明するか、もしくは何も言えなくなってしまうか。
だけど、重要なのはどっちを選ぶかより、その時のこなたの心理描写なんでしょうね。
よりこなたらしくあれば、ゆーちゃん優先してもやはりこなかが・かがこな的であるかと。
>>293 まずかがみを助けて、共同戦線でゆーちゃんを助ける。
(=ω=.)b 「戦略は重要なのだよ。かがみんのメリケンサックは十分先陣張れる戦力だしネ」
T(~Д~;)T 「ぅおい」
「イナヅマの如き素早さで二人とも助け出すのだよ (=ω=.)b」
>>293 _
' `ヽ
| ,l/リ|/ハヘ
lv|V . .ハ! <……大丈夫、ゆたかには、私が、いる……
ここでかがみを助けようとして、叱られるという妄想をしてみる
後で絶対助けに来るから!みたいな展開にもえる
>>293 なんかわかる
どっちの方が大切、とかじゃなくてね
あとゆーちゃんに対しては姉として守らなきゃいけないという責任があるけど、
かがみとはそういうのはないよな、対等な関係。無論良い意味で
崖にかがみとゆーちゃんがぶら下ってたとして、
こなたは思わずかがみを見る。
かがみは一瞬迷ってこなたを見つめ返す。
そしてこなたはゆーちゃんに手を伸ばす。
そんなイメージ。
1.大変だ!かがみとゆたかが落ちそうだ!
2.かがみに一言「かがみ!頑張って這い上がらないと結婚しないよ!!」
3.ゆたかに手を伸ばす
4.かがみ「ファイト一発!」自力で這い上がる
5.かがみ、ゆたか共に助かる。
こなた「いやーかがみんが単純で良かった良かった」
かがみ「うるさい!私を殺す気か!…それでちゃんと約束通り結婚してくれるんでしょうね…?」
なんていうか、二人はかっこいいんだなと
ただ守られる側になるのは本当に稀であって欲しいんだネ
一晩でえらく伸びてて「何だろう?」と思ってたら、こなかが派かがこな派議論始まっててワラタ
>>303 それネタとして面白いw
これは本当に結婚しないと許してもらえそうに無いw
なんだか初期のこなかがスレみたいだw
俺はこなかがでもかがこなでもどっちでもいけるかも
細かく書くとかがみヘタレ攻め、こなた誘い受けって感じ
かがこなだと亭主関白のようで頭が上がらないヘタレかがみと
普段は敢えて夫を立ててあげてる小悪魔こなたみたいのがいいかな
>>307 職場の先輩は言いました。
「結婚するなら『掌で遊ばせてくれるような妻』がいい」、と。
310 :
(=ω=.):2008/06/04(水) 11:42:41 ID:cWlHPqiT
>>309 かーがみん、こんなとことろで油売ってないで私にも構ってよー
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
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やっぱりかがこな派は少ないのか、残念だ〜
正直、かがみもこなたも恋愛方面はヘタレだと思う。
かがみは見ての通りだし、こなたもギャルゲで耳年増装ってるけど、自分でもそんな知識役に立たないと分かってるし。
314 :
グレゴリー:2008/06/04(水) 19:19:27 ID:r17nAx9R
君らの求めているものが分からん。
ストーリーは王道中の王道、メルヘンチックでハートフル、分かりやすい懲悪勧善
を描いてもなぜ叩かれるのかw
基本こなかが派だが
時々暴走したかがみに対処しきれず
守勢にまわったこなたは、すっごくヘタレてしかもか弱いモードに
なると思うな。
しかもこなたって、いつもあんなふるまいだけど、
姿格好は保護欲刺激フラグ満載だしな。
うむ、萌える!実に萌える!
だから
>>312よ、嘆くな落ち込むな。お前の萌えを見せてやれ!
同人は圧倒的にこなかがの方が多いな
かがこな同人っていえば蒼☆菫くらいしか思い浮かばない
発音がしやすいから敢えてこなかが言ってるだけで、こなかがもかがこなも美味しくいただけます
/ / / / \ ヽ
_ノ /Y^Y^ヽ/ / / .イヽ \ \ ゝ
. 丿 /: : : ∨: : / / / / / ! ! ! ! \ ヽ (
l. /: : : : :::/: : :.l / / イ / | | | l ', l`ヽ.l ヽ
ノ /: : : : : :: /: : : :{ l、_ / / ! / | | ,.l -ト l | l /
l \: : : : : : i: : : : :| { `メ、 l/ l/ l l//l | ! ト、 (
ヽ_ \: : : :.|: : : : :| | / / `ニナー〃 ー'l / !/l l l: :〉 /
\ \/l___.r| l え¨斤〒 f 斤fア从 ∧ |/ l
. 丿 | l l{ ヘ l/ 辷ラノ 辷ノノ /}l /: :〉 / / こなたぁー、逃げても無駄よ
. \ | l lト、_V , 、、 {/l /'´// /
( | l l  ̄lヽ、 f^ー--ァ ノ l/ (
) l l ', | > 辻_ノ_,. イ l ) ____ ヽヽ ____ ヽヽ
/ / ト、 ヽ、 |/: :.| T:.ヽ | l | / / /
. 丿 / / \ \|: : :.< Lュ: 弋. l | ( / / ・ ・ ・ ・
\ / / | >、 \: : \___ ヽ: : lヽ.l | ヽ /\ /\
. 丿 / l /⌒ヽヽ ヽ: : : \  ̄| : l: :l| | ゝ / \ / \
_,-,ニ二ニ=、
//
/:/
ヾ`、
>+:‐: ´: ̄:  ̄: :`:' ̄:l.、___,/
/: : : : /: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
/: : : /: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : 、:\
l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
/: :/: :/: : : _,:_∠L、:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
l: /://: : : : :/::/':::::/: : : /::::-H、: : : : : lト、: ヽ
l://://: : : イミ土=、_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l `ヾ、
l/: :l l: : : イ:llo:::::::/:::/://:::テテヵl: : :ハ: : l
l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
. l: : : W/: : N 、 `‐':::l::l: : lN V
. l: : : : :ハ: : : ト、 ー= ノlハ: :ハl
l: : : : : :、: : : 「フ`‐- ,、-┬:T´: :l l/
. l: : : : :,レ、: : :ヾ、 /、`Y/:l:l: : l
/: : :rニミミヽ: : ヾ、-─┤ `┤: : l かがみん……やっと積極的に
/: : / ̄\ヾヽ: : :ヾ、 l ll: : l なってくれたんだね……
/: : / ヽヾヽ: : lヽ l /l: : l でも……返り討ちだよ
/: : / l \ヾ、: l ヽ l //l: :/ とりあえず……駆けつけ3揉みね。
/: : :l l ハ ヾ、l、、l l////l
最近はかがこなをよく見るようになった気がする
この二人に限らず百合は受け攻めが曖昧らしいし、いい感じで均衡してるんじゃね
おにぎりの直巻き派とパリパリ派と同じで
両方を交互に味わうことで飽きずに長く楽しむことができる
かがみんの誘い受けもいいかも知れない。
昨日今日でなんか覚醒しそう・・・
状況によりけりだな。
こなかがな時もあれば、かがこなな時もある。
どちらかに役割が固定されているという考えは無いな。
ただ、普段は余裕を見せているのに、いざ事になると
余裕を失って恥ずかしそうにするこなたは、反則なほど可愛すぎる。
逆に普段はからかわれてばかりのかがみが、そんな様子のこなたに
優しく接するというシチュエーションは好きだな。
これはかがこななんだろうか?
かがこなが好きな人が出てきてくれてよかったw
もちろんこなかが否定派じゃなく、むしろ肯定派なんですが
やっぱかがみがこなたを〜っていうシチュがたまらん
>>324 ふむ、面白い発想だ。
優しくかがみがリードするならかがこな、と言えるだろうし。
こなたから誘ったなら、こなかが、と言えるだろう。
中々深いテーマだなっ!
まあ、大抵の人は状況次第で自然に入れ替わると受け止めてる気が。
常に流動してるのでなければ精神的に異性同士と同じになってしまうし。
それがいいカップルもいるだろうけど、この二人の場合はそうじゃなさそうだから。
今度学会で発表しよう
>>327 食べ物で例えるとこなたとかがみは31のダブルのような組み合わせではなく
どちかというと玉露と饅頭のような組み合わせというわけか?
>>329 何たるお口の中でハーモニー状態。
言い得て妙かもw
かがみんをからかって抱きついたりするこなた
どうせ冗談だろうと思ってるけど、ノリでこなたに襲いかかってみるかがみん
「食べちゃうぞ〜」
しかし、急に乙女ちっくモードになった
こなた(下着の柄が上下揃っていない)は焦って
「こ、怖いよ、かがみ…優しくしてくれなきゃ、ヤダァ…」とか言いだす
かがみの中で何かアウツな部分がこみ上げてきていた
MEGAMI買って来たーヽ( ・∀・)ノ
アンケートも出した
なんつーか
こなた→記憶喪失
かがみ→こなたのウブな反応に萌えて理性崩壊
アリエール
こなた「さすがかがみん、暴走が似合う女≡ω≡.」
かがみ「愛は愛でも、愛の拳骨くらわしてあげよっかこなた###」
こなた「私、別の意味で受けモードうぐぅ……」
かがみ「あ、あんたもあんたで夜暴走するときあるじゃないの!」
こなた「かがみが好きだからだよ」
かがみ「こ、こなた・・・///」
こなた「テレてるかがみん萌え(=ω=.)」
うーむ、奥が深いな…
ところで、皆のお気に入りのSSを聞きたいんだけど、どう?
俺は、6-774氏のプロジェクト・こなかがシリーズとか好きw
てか、カウントダウンもこの人の作品なんだなと、今作者欄見て知った…
保管庫行っても、どれがどんなSSだったか思い出せない場合が多いw
エロパロみたく、シチュとか区分分けできないかな…?
5-974氏とか好きだな。短編とか演劇シリーズとか
この前は暴走気味だったけどw
お気に入りSSがこっちの保管庫だったか
エロパロの保管庫だったかわからなくなる時がよくある。
>>337 シチュ区分けは難しいのでは?
後、管理人氏とおやつ氏にこれ以上の負担を増やすのはどうかと思います。
私は10-79氏がすごい好きです。
ストーリーが神がかってる。
>>337 俺もプロジェクト・こなかがシリーズは好きだな。今でも時々読み返してるよ。
みゆきさんの詰め将棋的戦略とか、ニブイにも程があるぞバカップルとかが好きだし、
あの独特の語彙というか言い回しがツボにはまって気に入っている。
342 :
6-774:2008/06/05(木) 01:00:00 ID:R0ROjdPU
ど、どうも、ありがとうございます。
今規制受けてますので思ったように書き込みできませんが、皆様に喜んで頂けているのは、作者として光栄です。
本当にありがとうございます。
>>342 1時きっかりに書き込みとはさすが職人様!
頑張って下さい。
若干話に乗り遅れつつもレス……。
個人的に、何度も読み返す率が高いのは4-234氏の作品だなぁ。
シチュやこなかがの受け攻め的なバランスが
非常に自分が好きな案配で書かれていて、一人悶えまくってるw
申し訳無いことに普段はROMで、感想とか書いてなかったけど
この機会に思いを伝えておきますw
ちょっとエロパロの話になってしまうがサンシャインって人のは良いよ
かなり文章が上手くて鮮やか
346 :
14-586:2008/06/05(木) 01:38:38 ID:YrLP4zoT
こそこそと覗きにきましたが……
>>344 うおわ、同志発見!
自分も一番何度も読み返すのは、4-234氏だったりします。
受け攻めのバランスというのもそうなんですが、
自分の場合、氏の『あぁ、恋してるんだなぁ』みたいな、繊細な心の動きが堪りません。
あれは自分にはちょっと出せないです。
あと、8-616氏。
5年越しのラブレターとか、今ちょうど読んでましたが(笑)、
猫こなたんの続きをわくてかしているのは、私以外にもおられますよね……?
10-79氏のは心に響き過ぎて気楽に読めない
読み終えるのに何日も掛かった揚句、暫く放心状態に…
えーと、大切な気持ちを教えてくれてありがとう
大掛かりなものも良いけど
原作と同じく数Pの四コマにできそうなぐらいの
小ネタも良いな
このスレの過去作で、
こなたとかがみが修復不可能になるくらい対立した作品ってありますか?
もしあったら、作品名を教えて頂けないでしょうか?
>>349 記憶にないなあ
エロパロスレの「Elope」とか面白かったけど、こなたとかがみが・・・というよりは
こなゆたとその他全員が対立する感じだし
まあここよりはエロパロとかで探したほうがいいかと
修復不可能だったらこのスレで探すのは間違ってるな。
喧嘩はするが最終的に仲直りする話なら山ほどあるんだけど…
こなたかかわいい
こなたか・・・?
こなた化したかがみんとか?w
>>316 こなほんの後半がかがこな。
積極的なかがみにこなたが涙目になりながらたじたじになっている。
>>354 ばるるんばる〜んかw
こなた化したかがみは、アホ毛が二本でほくろの位置が逆だった。
357 :
17-337:2008/06/05(木) 14:17:08 ID:Jw00LAbu
ご無沙汰してます。作品の続きがキリのいいところまで書けたので
様子みて投下したいと思います。
注意点?
・5レス消費予定
・ラストでオリジナルキャラ登場あり
・百合度は今回も皆無かも。申し訳ない(´・ω・`)
・全体を通して災害ネタ
では行きます。
ずいぶん深い眠りに就いていたらしい。こなたに揺さぶられているのに
気が付くまではすっかり熟睡しきっていた。
「ん…そんなに揺らさなくても起きてるわよ…」
「そのセリフ三回は言ってるよかがみ!でもそろそろ起きてくれないと…
いたずらするよ?」
こなたが私の脇腹に狙いを定めて両手を近づけてきたので、これはマズイと思い
ようやく慌てて身体を起こした。
まだ寝惚け気味な私に対してこなたはやたらテンションゲージがマックスである。
「…珍しく寝覚めがいいみたいね…」
「なんてったってネトゲもしてなければ深夜アニメも見てないからねっ!
ぐっすり眠れたから最高にハイってやつだよ!」
人差し指を頭の横にドスンと突き刺して穿るような仕草をしてるけど何かの
ネタなんだろうか?いろいろな意味で心配になってきた。
「大丈夫?いささかハイになり過ぎてるような気がするんだけど」
「あれ?かがみんならこのネタ分かると思ったんだけどなー」
「あんたのはマニアックすぎて分からないわ…」
「まぁいいや。よーし、それじゃ早速我が母校へいざ出発!」
「……実は結構楽しんでない?ある意味強いというか何というか…」
「こうしてかがみと一緒に行動してるとどんな状況でもワクワクするね」
「またあんたは臆面も無く小恥ずかしいセリフを…」
そういう私も未知の場所へ行くという事で少しだけワクワクしていたりする。
保存食を控えめに食べると、道中に必要となりそうなものをまとめて各々の
鞄に詰め込んだ。
外に出ると壊れたままの世界に出迎えられた。忘れかけていたけど、
いや忘れたかったけどこれってやっぱり現実なんだ。
まだ着込むほどの気温ではないけど、かつての生活観のある暖かみが
失われ、変わり果てた街を目の当たりにするとやけに寒く感じる。
ぶるっと一つ身震いをしていると後ろでこなたが自分の家をぼんやり眺めていた。
その手には亡き母の遺影が抱かれていた……。
「やっぱこれだけは手放せないよね。こうして無事でいられたのはお母さんが
守ってくれたのかなぁ?」
感慨にふけった様子でぽつりと呟くのが聞こえた。
「それならあんたの母さんに感謝するべきね。あのまま生き埋めになるのも嫌だしね」
「まっ、偏に二人の愛が奇跡を起こしたのだよ。愛が」
「な!?いつから愛が芽生えたのよ」
「んー?あの時かがみが抱きついてきた時からかな?怖がってるかがみも
あれはあれで結構可愛かったよ?」
「だぁぁあっ、それは忘れてよっ。そ、それより早く出発するわよっ」
またいじられのネタにされるのは御免なので強引にごまかして一人で廃墟の中を
進もうとした。
「ってちょっとちょっとかがみ、場所知ってるの?」
「あ…そういえば知らない……」
後ろの方で呼び止められてはっと気が付いて足を止めた。
我ながら恥ずかしい。
「もうせっかちなんだからー。そんじゃ気を取り直して行こうか」
かくして私達は泉家に別れを惜しみつつその場を後にした。
もうここに戻ることはないかもしれない。
住人ではない私が言うのも変だけどあの家には色々と思い入れがある。
何度か足を運んだこなたの家。そこにはこなたの人となりを表すものがあって、
おじさんがいて、ゆたかちゃんがいて、うちよりずっと賑やかな気がした。
遊びに行くたびに下らない話もいっぱいしたっけ。
地震の時はあそこでなく別の場所にいたらどうなっていたか…。
今となっては考えようによればあの晩、こなたに誘われていなかったら
もっと最悪の状況になっていたかもしれない。とはいえ、こうなってしまった以上
つかさたちが心配なのは否めない。今はただ無事を信じて行動するしかない。
しかし一番辛いのは当のこなた本人だろう。長年住み慣れた家をこんな形で
離れるのはそれなりの決断を強いられただろうし、家族が心配なのは彼女も同じはず。
しばらくはあまり会話もすること無く私はこなたにくっついて瓦礫だらけの町を
歩いていたのだが、こなたがぽつりと独り言を漏らした。
「あーあ、やっぱり漫画の二冊や三冊持っていくべきだったかな。
あの中にはコミケでむさくるしいのを我慢して手に入れた同人誌もあったのになぁ」
前言撤回。やはりこなたは色々な意味で格が違った。私の杞憂だったようだ。
でも実際のところはどう思っているのか分からないし、あまり感情を露骨に
出さないので全く安心というわけではない。といっても、ああして振舞われると
こちらは結局いつもの調子で受け答えするしかなくなってしまうのだけど。
壁を作っているつもりじゃないけど、もっとお互い寄り掛かれたらいいのにと思う。
道が道でなくなっているせいでだいぶ時間が掛かったけど、ようやく広い通りに
出ることが出来たのだが、程なくして難関にぶち当たった。ビルが倒壊していて、
行く手をすっかり塞いでしまっていた。周囲には他に進めそうな道がない。
「うっはぁ、ここも通れなくなってるよ…。ここを抜ければ中学校は
もうすぐなんだけど」
「ここまで来て逆戻りするわけ?他に行く当てなんてないわよ?」
「あはは…まさかとは思ったけど目的地に辿りつくこともできないとは…」
予想外だったのかさすがのこなたも苦笑いして頭を掻いていた。
どうにか他のルートがあればいいんだけど…。
「どこか別のところから行く事は出来ないの?出来れば危険を冒してまで
あの瓦礫の山を超えるようなことは避けたいんだけど」
「んー…。無いことも無いけど同じような状況になってないとも限らないね。
それだったら私の家に戻るほうがいくらか安全だと思うよ」
「今更引き返してもどうにもならないわよ。食料も確保しなきゃいけないし、
何より情報が少なすぎるわ。色々と不可解な事が多くてこれが本当に地震なのかも分からない。
些細な事でも得られるものがあるならとにかく今は進むしかないと思う」
私としてはなるべくリスクを避けたかったけど、他に選択肢は無さそうだ。
どちらかといえば中学校に行けば、こなたの過去が窺い知れるかもしれない
何かが得られるという期待と好奇心の方が上回っていた。
「かがみにしてはアクティブな意見だね。まぁあれくらいの高さなら何とかなると
思うし、私たちでも登れるかな?」
およそ五メートルほどの高さでなんとか登っていける傾斜だった。
「足滑らないように注意してね。よっ……と。あとは私の手につかまって。
ん?かがみん意外と軽い…」
「失礼ねっ」
こなたの助けを得て瓦礫の山を登りきると、その先の交差点の近く、目の前に
中学校はあった。どうやら校舎のほうは無事みたいだ。
校門を抜けて校庭に入ってみると、そこに人の姿を見つけることは出来なかった。
てっきり避難してきた住民であふれているのかと思ったけど、がらんどうで誰も
いない。
「ふむ…。体育館に集まってるのかも」
だが体育館は扉が施錠されていて中に入ることは出来なかった。
小さな窓があるが格子がかかっておまけに摺りガラスで中の様子を見ることは出来ない。
「となると後は校舎の中かぁ」
「中に入れるのかしら?」
「誰かがいれば、ね…」
昇降口まで来たものの、やはり施錠されていて中に入ることは出来なかった。
地震があってから誰もここへ来ていないのだろうか?
「おかしいなぁ、誰もいないのかな」
「もしかしたらどこか鍵が掛かっていないところがあるはずよ。探しましょう」
校舎の窓を調べて気付いたのだが、全て内側から板でふさがれているのが奇妙だった。
ということは他の扉や出入り口も同様に封鎖されているのだろうか?
「なによこれ…用心深いにも程があるわよ」
「というか歓迎する気ゼロみたいな?」
人の気配が無いだけに不自然である。私たちが来るまでの間に誰かがいたことは
間違いないだろう。それとも今も校舎の中に潜んでいるのかもしれない。
「怪しい…。人を中に入れたくない理由があんのかしら。まさか自分だけ安全な場所を
独占しようってんなら許さないんだからっ」
「まぁまぁ落ち着いてよ。まだ調べてないところも残ってるんだしさ」
「他に入れそうな所ってどこがあるかしら」
「職員用の玄関なんだけど、まぁ見れば分かるよ」
こなたに連れられていくと近代的な鉄筋コンクリート製の校舎には不釣り合いな
鉄製の扉が口を閉ざしているのが見えてきた。どうやらこれが職員用の玄関らしい。
扉は電子ロックがされていてテンキーの端末が付いていて暗証番号を入力する
タイプのものだった。緑色のランプが淡く光っているのを見ると、ここの電気は
生きているようだ。
「あんた、これの暗証番号知ってんの?」
「もちろん知ってるよ。遅刻して正門から入れなかったらここから入ってたし」
「さらりと言ってるけどやばくないかそれ。大体知ってるったって三年前と今じゃ
番号変わってんじゃないの?」
「あぁそれなら心配ないよ。一年たっても変わらなかったから多分今もそのまま
じゃないかな」
それもどうなのよと突っ込む間もなくこなたがホイホイと番号を入力するとロックが
解除される音が静かに響いた。ここの関係者はかなりズボラらしい。
こなたのマイペースな性格を形成する要因はおそらくこの学校にあるのだろう。
重厚な扉はあっさりと私たちを受け入れてくれた。内部は照明がついていて、
電源の供給が建物全体に生きている事が確認できた。
「こちらスネーク、桜帝中学校に潜入した。大佐、指示をくれ」
「またわけわからんことを……スネークって誰よ」
「いやほら、こういうのっていかにも潜入って感じがしない?」
「どちらかというと不法侵入のような気がするんだけど」
「大佐、それは言わない約束だ」
「って私が大佐かいっ」
滑稽なコントを展開していると、不意にどこからかピアノの音が静寂に混じって
聞こえてくるのに気が付いた。こなたも気付いたようで黙ったまま耳を澄ましている。
「かがみも気付いた?…音楽室かな」
「誰かがいるのは確実ね。だけどなんか不気味ね」
「虎穴に入らずんば虎児を得ずっていうしね。行ってみよう」
「あらよくそんな言葉出てきたわね」
「…かがみ、ひょっとして私の事アホの子だと思ってた?」
「え?そ、そんなことないわよっ」
「どうだか」
中途半端にネガティブなところが面倒である。
さばさばしているのかと思えば意外と根に持ちやすかったり。
どうしたものかと考えながら隣の校舎にあるという音楽室を目指す。
「うーん、どれもこれも懐かしいなぁ。先生たち元気してるかな」
「そういえばみんな本当にどこ行っちゃったのかしらね」
「ここに来るまでの間に誰にも会わなかったのが不思議だね」
こなたの話によれば音楽室は三階にあるらしい。階段を上っていくとそれまでに絶えず
流れていたピアノの音は徐々にはっきりと聞こえてくるようになってきた。
「このメロディ…前に聞き覚えがある…。まさか……?」
音源に近づくたびにこなたの表情が訝しげに変わってきた。そのメロディはノリのいい
テンポでビートを刻んでいた。なんだか演奏する楽器が間違っているような気もする。
いよいよ音楽室の前に着くと、私達は意味も無く顔を見合わせて扉を開けた。
「それじゃ開けるわよ」
「うん…」
中に入るとピアノの奏者をすぐに確認できた。ジーパンにジャケットを羽織った
ラフな服装で、おそらく男の子だろう。年の瀬は私たちと同じくらいだろうか。
こなた同じ青色の短髪にアホ毛があるのが見える。
後姿だったので顔は見えなかった。少年はこちらに気が付いていないのか、今も曲を奏でている。
私はそのまま眺めていたが隣で見ていたこなたがそっと少年に近づいていった。
「…きょう」
こなたは少年のすぐ近くまで行くと、彼の名と思しき言葉を発した。
少年は呼ばれたことに気付いたのか、ピクリとして演奏を中断して振り向いた。
こなたによく似た中途半端に開いた目で、更にその瞳はまるでこなたと同じ緑色だった。
むしろ全体的に雰囲気がこなたにそっくりだった。彼女を男にしたらこんな感じだろうか。
こなたとこの少年の関係は一体?止まっていた歯車が今、動きだしたように思えた。
この出会いが意味するものは……?
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
364 :
17-337:2008/06/05(木) 14:40:42 ID:Jw00LAbu
あとがき……
予想外に長くなりそうです。もうしばらくお付き合いください。
中学校の名前なんかは勝手に付けてしまいました。
オリキャラについてですが、原作でこなたの中学以前の
交友関係などがほとんど語られていないので、かがみが
こなたの過去を垣間見れたらいいなと思ったのですが…。
彼はそれに深い関係があります。
なんか色々すみませんでした!
そして今回も駄文にお付き合いくださりありがとうございました!
>>364 先は長そうだ!頑張ってくだされ。
10-79氏はホント泣ける、放心するね。
4-234氏、5-974氏もニヨニヨが止まらないです。
368 :
18-236:2008/06/05(木) 20:01:42 ID:f4NPCw+E
こんばんは。
SSの話で盛り上がってますね。
それに呼応するようにこれからも良いSSが多く作られるといいですね。
それでは、『小さな足跡』の続きを投稿する準備が整いましたので、
これから投下したいと思います。
物語りも今日でラストです。
6レス消費します。
◆
かがみの頭を撫でながら、これまでに起こったことを思い返していた。
ちょっとした誤解から、かがみと喧嘩してしまったこと。
それが原因でしばらく喋ることもできなかったこと。
そして、今日奇跡的にかがみと出会い、仲直りできたこと。
どれもが運命のように感じる。
──これでよかったんだ
かがみも嬉しそうな顔を取り戻し、元気になった。
──だから、……だから私は満足だよ
無事かがみと仲直りできたし、あの子供たちみたいに一緒に雪だるまを作ることもできた。
そのことが本当に嬉しかった。
だから、これ以上求めることなんてない。
求めちゃいけない。
なのに、……満足だって思わなきゃいけないのに。
かがみがこんなに近くにいるのに、……とても遠い存在に感じる。
かがみがそばにいてくれて嬉しいはずなのに、どうして苦しくなるんだろう?
どうしてこんなに満たされないの?
それは……
でも、これ以上求めてしまったら……
当たり障りのない会話を続けながら考えていた。
私はかがみとずっと一緒にいたい。
だから、本当の気持ちを言っちゃだめ。
そうすればずっと一緒にいられる。
それだけで十分満足だよ。
満足……
でも、こんなに近くにかがみがいるのに言えないなんて。
このまま思いを伝えられないのも苦しいよ。
かがみ……
私が本当に伝えたかったこと……
それは……
──私かがみのこと……だから
だめ、やっぱり言えない。
かがみから拒否されるのが怖い。
精一杯笑顔を取り繕うことしかできない。
苦しい。
このままでいるのは苦しいよ……
私はその場から逃げるように駆け出した。
わき目も振らず、すこしでもかがみから離れるように。
何も考えずに。
外へ向かって──
「こなた!」
──えっ?
手に触れる温かい感触。
強く引き寄せる手が私を現実に引き戻した。
「か、かがみ?」
振り返ると、かがみが私の手を掴んでいた。
全力で走ったせいか、必死で息を整えている。
「……はぁ、はぁ、……どうして逃げるの、こなた?」
「そ、それは……」
そんなこと言えないよ。
「私、……私まだこなたに言ってないことがある」
「……?」
「こなた……ごめん」
「えっ……」
「私勉強に逃げてた。こなたが辛い思いしているのを知っていながら、
受験だから仕方ないんだって、自分を正当化してた」
「そ、そんなこと」
「それに、私は許してもらえないほどの辛い仕打ちをした。
自分勝手な思い込みでこなたのこと無視していたのよ?」
「私は別に……大丈夫だから」
「ううん、こんな不器用な私にずっと親しくしてくれたのに、最低な仕打ちをした。
私は……裏切り者なのよ」
「かがみ、そんな酷いこと言わないで」
かがみの告白を聞いていると私まで辛くなってくる。
「かがみ、そんなに自分を傷つけるようなこと言わないで。
そうじゃないと、私も苦しいから」
ハッと、かがみは俯いていた顔を上げた。
「ごめん」
「ううん」
「私、ずっと自分が辛いことしか考えてなかった。一番辛いのはこなたなのに。
ずっとその気持ちに気付かなかった」
「もう、……いいから」
「これまで辛かったと思う。ずっと辛い思いさせて、ごめんね。ほんとに、……ごめんね」
「もう、謝らないでよ……」
私なら大丈夫だから。
だから、もう言わないで。
それ以上言われると……
泣いちゃだめ、またかがみに心配かけちゃう……
でも……涙が……
「だから、こんな私が自分の辛さを語るのはお門違いだと思う。でも聞いて。
私もこなたと喋れなくてとても辛かった。あの日から頭が重くなって何も考えられないこともあった。
夢にまで出てくることもあった。気付いたら、……こなたのことをずっと考えてた」
「かがみ、それって……」
「私、こなたがいないと、何も出来ない。気が付いたらそうなってた。
前に私のこと寂しがりやだって言ったわよね? その通りよ。私はうさぎみたいに寂しがりやなの」
顔を真っ赤にしながらも、真剣に私の目を見て訴えかけていた。
「……かがみ」
「私こなたのそばにいたい。もうこんな辛い思いするのは嫌なの。
ずっと喋れないなんて、……もう嫌」
かがみは泣いていた。
涙を流しながら、これまで見たことないほど真剣に私のことを見つめていた。
私の頬にも熱い雫が伝うのを感じる。
「だからお願い、これからもずっとそばにいて、こなた」
「かがみ……」
「こなた、…………大好き」
「!!……うっ、ぐすっ、かがみ、かがみ、かがみ!」
これ以上我慢できなかった。
嬉しさも、悲しさも全て受け入れて、私はかがみの胸に飛び込んだ。
「ううぅ、かがみぃ」
「こなた」
これまでの思いを表すような強い抱擁。
かがみの温かさを、胸の鼓動を感じる。
とても温かくて、優しい気持ちになれて、安心できる場所。
ずっとこのままでいたい。
このままでいさせて。
時間なんか止まってしまえばいいのに……
………………
…………
……
「さっき私に言ってくれたわよね、一人で辛い思いしないでって」
「……うん」
「私の方こそずっと辛い思いさせてごめんね。もう一人にさせないから」
そうやって絶妙なタイミングで優しいこと言うなんて。
ずるいよ……かがみ。
また出てきた涙を隠すように、後ろを向いた。
「ばか……」
そんな私を、後ろから優しく抱きしめてくれる。
「辛いなら一人で泣かないで。私も一人でずっと辛かったから」
「泣いてなんかないよ、……泣いて……うぅぅ」
「もう、私よりもずっと意地っ張りじゃない」
「ぐすっ」
かがみは私にとってどんな人だろう?
普通ならまじめに相手にしてくれない漫画やアニメの話にもちゃんと付き合ってくれて。
宿題写しに行って怒られたりもしたけど、それは私のためを思ってのこと。
分からないところも丁寧に教えてくれて、いつしかかがみと会うことが目的になってた。
いつもは厳しいところがあるけど、私が困ったときには必ずそばにいてくれる。
それがとても嬉しくって。
たまには喧嘩もするけど、ほんとは一緒にいたくて仕方ない。
ずっと私のこと支えてくれる存在。
そばにいるだけで心が温かくなって、私を幸せにしてくれる人。
そんな人のことを親友っていうのかな?
ううん、もっと大事な人。
かがみがいない学校生活なんて、私こそ考えられない。
かがみは、……かがみは私にとってとても大切な人。
誰よりも近くにいたくて、誰よりも一緒にいたい。
私の、大切な、……好きな人。
「かがみ」
「ん、何?」
「さっきの返事だけど……」
「うん」
くるっと体を回し、かがみの正面を向く。
涙の跡で輝くアメジストみたいな瞳をまっすぐに見つめた。
そのまま吸い込まれてしまいそうなほど、まっすぐに。
綺麗な紫色の髪は、まるでライラックの花のよう。
胸がドキドキする。
顔も真っ赤だ。
息も苦しい。
かがみ、私もかがみのこと好きだよ。
だから、……その証に私のだいじなものあげるね。
そのままそっと爪先立ちで顔を近づける。
息が……
「……」
「……」
初めて唇に触れる感触は柔らかで、熱くて、そして──
これまでに感じたことのないほど幸せな味だった。
その幸せを伝えたくて──
ありったけの思いと──
笑顔をその言葉に乗せて──
私は……
かがみを……
「大好きだよ」
──愛しています。
◆
雲間から差し込む光に照らされ、世界は輝いていた。
穏やかな寒さの中、雪の上に足跡が続いている。
終わりを告げた暗闇の外へと、その足跡は続いている。
二人の少女がその小さな足跡を刻み続けている。
希望という名の光に向かって。
「よかったね、仲直りできて」
「よかったね、好きな気持ちが伝わって」
仲良く寄り添った小さな雪だるま。
二つの雪の精は見守り続ける、未来へと続いてゆく二人の足跡を。
「いろいろあったね」
「けんかもしたね」
「でも」
「これからも私たち」
「どんなことがあっても一緒だよ」
「今日から始まる新しい日々に」
「明日に向けて踏み出される一歩に」
「『二人の未来に幸あれ』」
Fin
以上で『小さな足跡』は終わりです。
ここまで長い話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
これが初めてのSSになるのですが、ここまで長くなるとは思っていませんでした。
文章を書きなれていない身としては、これだけ長いと作る時間も比例して長く
かかってしまい、本来雪がまだ残る季節に投稿する予定だったものが、
思いっきりずれてしまいました。
その点は反省しなければなりません。
それでは、長くなりそうなので、あとがきはこのあたりで終わりたいと思います。
最後に、この物語をこなた・かがみを愛する人々、およびこなた、かがみ本人に捧げます。
受験勉強の合間にアルバイトをすることを、賛成する親はいない。私はそれを一般常識だと思っていた。
そして女性同士が愛し合い、お付き合いを始めることが非常識なことである。これも常識だと思っていた。
しかし今の私は、この常識が間違っていたものだと気がついた。いや、正確には間違えにしてしまった。
「かがみの好きにしなさい」
アルバイトの面接を受ける前に求めた親の許可は、その一言で了承された。
放任とも取れるお父さんの言葉に、私は家族から突き放された不安に取り乱しそうになった。つかさの言葉を聞くまでは…。
「ごめんね。お姉ちゃんの全国模試の結果、お父さんに言っちゃった」
私は結果を両親に告げていなかった。それが自分に対する甘えになるのを恐れていたからだ。
第一志望の外大は常にA判定、全国順位で二桁に入ることも数回あったが私は満足しなかった。
それはあくまでも模擬試験、大学に合格した訳ではなかったからだ。つかさもみゆきも、日下部も峰岸も… そしてこなたも… 既に進路は決まっている。
私だけまた一人ぼっちの状況、どうして私だけが皆からはぐれるんだろう。その悲しみを認めたくない、そのことも模試の結果を封印する動機だった。
「お父さんはかがみのがんばりを見ているからね。アルバイトもがんばりなさい。こなたちゃんにも認めてもらいなさい」
水面の下であがいている姿など、誰にも見せることは無いと思っていた自分が過去のものになりつつある。
だって、私が住んでいるこの水溜りはきれいに澄んでいる。表面に出ている部分だけを見ていたのは私だけ、
他の皆は水中のがんばりをお互い認めて、そして励ましあってきたのだろう。私が一人ぼっちにもなるはずだ。
進路が決まっていないことに感謝しなくてはいけないな。皆見るがいい、私のあがきを。
「いいのよ、つかさ。結果を見せなかった私が悪いんだから。けど、お父さんはこの結果を聞いて許してくれたの?」
「いいや、違うよ。大人になったかがみの姿を見たからだよ」
『大人』の一言に反応する。私達は… まだ… そう言う関係には… その…。赤面する私を不思議そうにうかがう、つかさ。
「お姉ちゃんは普段からしっかりしてるから、私はいっつもお姉ちゃんのこと、大人だなって思ってるよ」
そう言う意味だとは思っていた。どうして恥ずかしかったのだろう… 恥ずかしい。
不意にテーブルに置かれた私の模擬試験の、判定評価のプリントが宙に浮く。
「これで落ちたらかがみ、洒落になんないね」
まつり姉さんに、もてあそばれる私の実力。いい加減なこと言わないで欲しい。けらけら呑気に笑う顔に腹を立てる。
「まつりお姉ちゃん笑わないでよ。お姉ちゃん絶対受かるよ」
そう言ってつかさはまつり姉さんからプリントを奪い取る。が、足を引っ掛けて転んでしまった。
「つかさが滑ったら駄目でしょ。縁起でもない。かがみは滑らないようにね」
「お姉ちゃん、ごめん…」
しおれるつかさを慰めつつ、まつり姉さんを睨み付ける。
「な、なによ。私が悪いの? 今日は私、何も言ってないじゃない」
不本意な反応に戸惑うまつり姉さんは、これ以上何も言わずに部屋に戻っていった。
「かがみ、まつりはあれで応援しているつもりなんだよ」
「うん、わかってる。わかってるけど、あの言い方は素直じゃないわね」
「お姉ちゃんみたいだね」
「つかさ!」
このようにして掴んだアルバイトの許可だ。明日の初勤務は、皆
「お姉ちゃん。服これでいいかな?」
朝から何度聞いただろう、この台詞。その度に決まってこう答える。
「あんたねぇ、どうせお店で着替えるんだから、おしゃれしなくていいのよ。私だって普段着なんだから」
「でも、お店入る前にお客さんと会ったら恥ずかしいし…」
「大丈夫よ。つかさはキッチンで、お客さんの前には姿を現さないんだから」
十二時の開店に間に合うようにと、私達は十一時から勤務だそうだ。本当は、私は十二時十五分前に来たら良いと言われたのだが、
つかさがひとりでは心細いということで、私まで一時間前集合になってしまった。
「服の心配をしていて遅刻なんてしたら、こなたに笑われるわよ。早くしな」
時計を見ると九時を少し回っていた。これは駅まで走らなきゃいけないな。
予定の電車に何とか間に合い、飛び乗ったと同時に電車が動き出す。すいている車内の席はどこでも座れるが、私達は立ったまま電車に揺られた。
「お姉ちゃん、こなちゃんは一緒じゃないの?」
「こなたとは待ち合わせしなかったから、先に行ってるんじゃないの?」
「どうして待ち合わせしなかったの?」
「なんだかわからないけど、こなたから『明日は一緒に行けないから』ってメールが来たのよ」
「こなちゃんと喧嘩したの?」
つかさの顔が曇る。
「そんなんじゃないわよ。思い当たる節はないわ。大丈夫よ」
これは間違いない。と言うのもメールが来る前まで、私達は電話で話をしていたからだ。あのたわいのない会話に、こなたの機嫌を損ねるキーワードはなかった。
電話を切った後に思い出したように来たメール。こなたは開店に合わせて来るものだと解釈していた。
「大丈夫よ」
つかさの心配が、仕事へ影響しなければいいと思いながら繰り返す。
車内が込み始めたのをきっかけに、つかさとの会話をやめた。都心へ近づくにつれ緊張の度合いが高まる。
私はうまく接客できるだろうか…。
二人だけで降り立つ秋葉腹の駅。いつも人通りが絶えない駅前は、週末のイベントがあるらしく身動きできないくらいだった。
イベントとは関わらない私達は裏道を歩く。もちろんこの道はこなたが教えてくれた道。怪しげなお店の前を早足で通り過ぎ、
表通りに出たときにはすでに時計は十時五十分を指していた。急がないと遅刻してしまう。
「つかさ、走るわよ」
私はつかさの手を取り、走り出す。よろめきながら付いてくるつかさの手が離れた時、お店の前に私達はいた。
十時五十五分。遅刻は免れた。しかしつかさの顔に表情はない。今日の体力は使い果たしたようだ。がんばれつかさ、今からが本番だぞ。
ドアを開けると私達は怒鳴られた。
「あんたたち、遅刻よ、遅刻! 罰金よ!」
「ふぇ?」
つかさの力ない反応に時間が止まる。
「え? 時間過ぎちゃった?」
「何言っているのよ。団長の私より遅いなんて、団員にあるまじき失態ね。罰として今日の昼食はあんたが買ってきなさい」
「ちょっと、こなた。遅れたわけじゃないんだからいいでしょ?」
「泉さん、もうこのくらいでいいんじゃありませんか?」
キッチンから小野店長がこなたを諌める。やり足りないらしく不満そうなこなたに一礼してから私に向かって、
「朝からずっと練習なさっていたんですよ。かがみさんに認めてもらいたくて」
と説明する。
こなたが私に認めてもらいたい? どういうことだろう。
「かがみは面接の日、ハルヒのDVD買ったって教えてくれたよね。その時私のこと似てるって言ってくれなかったから…」
子供か、こいつは…。
「あんた、今日は何時に来たんだ?」
「ん? 九時…」
「私達に『遅刻よ!』って叫びたいために、そんなに早くから待ってたのか?」
「まあね」
この努力を他に回すことは出来ないのだろうか…。私は呆れたが同時にこなたと遊びたくなった。
「やれやれ」
肩をすくめてキョンの真似をする。しかし客観的に見て、普段の私と変わらない。それはこなたも感じたようで、
「ごめんね、かがみん」
と、素で返された。申し訳なくなった私は、小声で答えた。
「似てるわよ、ちょっと焦っちゃったくらい」
うつむくこなたが微笑んだのが見えた。
つかさはキッチンに入り、料理の下準備にかかった。私はすることがなく、と言ってもただお店の中で座っている訳にもいかない。
当然だが私がつかさを手伝えることなどまったくない。そして店内の準備はこなたが既に済ませている。どうして私がいるのだろう?
これでは本当に、つかさの付き添いでしかないじゃない。私の横では私の髪で遊ぶ幸せそうなこなたがいるだけ、って和みすぎだろ?
「さっきの話なんだけど、お昼、私が買ってこようか?」
「つかさが作るからいいよー」
一蹴された。何もしない罪悪感と、初めて接するお客さんのことを考えるので、私は落ち着かないのである。体を動かしたい。
「けど、何もしないって訳にはいかないわ」
「いいのですよ。涼宮さんが望んでいること。今の時間がその望み、そのものなのですから」
「どうして、こなたを特別に扱うのですか?」
「禁則事項です」
小野店長は茶目っ気たっぷりに、みくるの真似をする。こういうお店なのか、と私は判断した。
こなたが一年以上も続けているのは、ただお金が欲しいからだけではなく、この店長とお店が好きなんだろうと思った。
そしてその大切な空間に私達を招待してくれた。こなたはいつまでも私達に贈り物を配り続けてくれる。私はその思いに、答えることが出来るだろうか…。
「おはようございます」
ドアの鈴の音と共に、みゆきが出勤してきた。
「駅前にたくさんの方がいらして苦労しました」
「あー 今日はゲマズでイベントあるから。きっとその後、お店に流れてきていっぱいになると思うよ」
「みなさん、来られるのですか…?」
顔色が変わるみゆき。人数の多さからか? それとも何かあったのか?
「階段の下まで続くくらいの列かな」
平然と答えるこなたは慣れたものなのだろうが、私とみゆきはこの後の忙しさを想像して顔を見合わせたまま沈黙する。
しかしこなたって、こんな子だったっけ? めんどくさがり屋の子供だと思っていたのが、今では私に仕事を教えてくれている。
もっともコミケで見せた自分の欲望に対する情熱を、余すことなく行動に置き換える性格は認めていたけどね。
ここでは何を燃やしてがんばっているのだろう。楽しいから? いや、それだけじゃない気がする。
こなたの中に大人が見えた。
動けない。
私の身体がベッドに貼り付いて、起き上がることが出来ない。私が出来ることは天井を見つめて、つかさの呼びかけに答えることだけだ。
「気をつけて行っておいでー」
「うん、行ってくるよー。お姉ちゃんも、勉強がんばってね」
今日、私は試験勉強の日と言うことで、アルバイトはお休みにしてもらっていた。昨日の初勤務から一晩明けた今朝、私の身体に異変が起きた。
…筋肉痛か。
慣れないうえに目まぐるしく入れ替わるお客さん、緊張している暇なんてなかった一日が遠い昔のような気がする。
こなたは私と遊ばない日に、こんなことしていたのか…。いくら慣れてないからといっても、私も体力には自信があった。
ここまでハードだとは思わなかった自分が、いかに甘い考えであったかを痛感した。そしてこなたの偉大さも。
「いてて…」
寝てばかりではつかさになってしまう、いや、そのつかさは今日もアルバイトに出かけたのだ。
不器用ながらも注文に答え次々と作り出されていた料理に、今思えばつかさの天性を感じる。私はただ必死にそれを運んだだけだったのに。
私の身体が、昨日の事を思い出すのを拒絶する。今はふくらはぎがその先頭に立っている。なんだか私は私に負けたみたいだ。
悔しさから涙がこぼれる。
「どうして私に負けなきゃならないのよ!」
腹が立ってきた。そしておなかが空いた。朝ごはんは何かな…。布団から抜け出し、ベッドの高低差を利用して床に足を下ろす。
どうも身体のほうも食事を取ることには反対しないようで、私を台所まで運んでくれた。階段の手すりに掴まりながらの昇降はさぞ滑稽だったろうけど。
食事が済んで自室に戻った私はベッドに戻るか、机に向かうか考えていた。今日の私は何もする気が起きない、ベッドで寝転びながらラノベでも読みたい気分だ。
本棚から取り出した読みかけのラノベを持って、あえて目を背けていた机の上に目を走らせる。
そこに一枚のプリントを見つけた。全国模試の判定評価のプリントだ。まつり姉さんの顔を思い出す。
「負けてなるものか」
怒りと共にやる気が出てきた。もう少し受験生に優しい応援の仕方があるだろうと、自分勝手ではあるが抗議したい。
しかしその抗議をすることより、私が大学に合格すれば何倍にも見返せる。合格した私を想像してにやける。
私はラノベをベッドに放り出し、机に向かった。過去の問題集はどこを開いても知っている問題と答え、正直、飽きた。
携帯電話が私を呼ぶ。メールの受信を知らせる音に、私は手を休め確認した。送信主はみゆき、何の用事だろう?
『かがみさん、受験勉強はかどっていますか? お邪魔でなかったら私もご一緒に、勉強させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?』
みゆきからのメールは、私をマンネリから救ってくれた。すぐに返信する。
『私も一人じゃはかどらなくて、みゆきがいてくれたら助かるよ。何ももてなせないけど、来てくれたら嬉しいわ』
『ではお昼過ぎにお伺いいたします』
よし。これで私の気合も入れなおせる。そろそろと部屋を出て行き、お母さんに尋ねた。
「お母さん、湿布無い?」
「お父さんが使っていたのが確か… あら? 無いわね」
携帯電話を取り再び送信。
『みゆき、来るとき湿布を買ってきて。お願い』
友達にこんなこと言うなんて、昔の私では考えられない。いいよね、みゆき、頼んでも。
遅めの昼食が済んで、一息入れていたところにみゆきが尋ねてきた。みゆきは早めの昼食を取ったらしく、私の昼食の時間が終わるのに合わせて来てくれたようだ。
手には私の家族分のケーキと私のための湿布。
「お役に立てて光栄です」
とはみゆきの言葉。本当に嬉しそうに、私に湿布を渡してくれた。頼まれた方が喜んでいる奇妙な光景に私は照れる。
素直にありがとうと言わなければ…。
「悪かったわね、みゆき。変なもの頼んじゃって」
これではだめだ。頭を掻きながらもう一言。
「ありがとう」
人に物を頼んで感謝する。私の一番苦手なことをやってみた、そしてやれた。
「み、みゆき… 気分悪くしてない? その… ごめんね」
「お慣れにならないことをなさって、心配されていますか? 私が出来ることは限られています。それはかがみさんも同じこと。
その欠けた所を補えるのが友達じゃありませんか?」
「そ、そうね…」
「このように泉さんの前でも出来たらいいですね」
微笑むみゆきに見つめられて、私は言葉が出ない。
「慣れてないといえば、私も今朝、筋肉痛になりまして… お恥ずかしながら」
「私もあそこまで、仕事が忙しいとは思わなかったわよ」
「昨日は近所でイベントがあって、お客様が大勢いらしたのですよね?」
「あー こなたが言ってたわね。あいつよく働いてるわよね」
「泉さんは責任感がありますから、小野店長もとても信頼なさっていましたね」
「こなたのこと見直したわよ。最後のほうには先輩って呼んじゃったもの」
「うふふ。先輩ですか。実は私も泉さんをそうお呼びしていました」
「こなたは不思議な子よね。今でもどうしてこなたのことが、好きになったのか分からない時があるの」
「泉さんは魅力的な方です。私も憧れることがありましたよ」
「だ、だめよ。みゆきはこなたを好きになっちゃ」
「うふふ。私はまだ恋愛をしたことがありませんから、かがみさんが羨ましいです」
「いや… そう言われると、なんだかむず痒い…」
「その後どうですか、泉さんとはうまくいっていますか?」
こなたとキスをした夜を思い出す。お風呂場では私がこなたに迫ったが、つかさに邪魔されて出来なかった。
その後、私の部屋でこなたから迫ってきて、私のほほにキスしてくれた。まつり姉さんに言わせるとそれは子供のキスだが、私にとっては一生の思い出。
思い出し笑いを隠せない。
「あらら、かがみさん。私は野暮なことをお聞きしたようですね」
「なによ。もっと聞いてくれていいのよ」
「いえ… 私も聞いていて恥ずかしいですよ」
うつむくみゆきに優越感。みゆきにも早く、素敵な人が現れるといいわね。けどどうして幸せな人は、自分の幸せを分けたいと思うのだろう。
このお裾分けは迷惑かな?
「そうだ。折角買って来てくれたんだから、湿布張るのを手伝ってよ」
「そのようなことは、泉さんにお頼みください」
「なによ。みゆき、妬いてるの?」
「禁則事項です」
変な言葉、覚えちゃったわね。
貴重な受験勉強の時間を割いて交わしたこの会話を、つまらないものだと言う人がいたら私の前に来て欲しい。
きっと言ったことを後悔するだろう。私の幸せの前では。
夕食を固辞してみゆきは帰っていった。今日の勉強会は私が筋肉痛であったため、終始お喋りで終わってしまった。
しかし私の合格を待っていてくれている人がいる、それを再確認しただけでも私の受験勉強が意味あるものだと自信を持った。
痛みをこらえてベッドに横になっている私に訪問者が来た。
「お姉ちゃん、具合どう?」
朝、顔を合わせたわけでもないのに、つかさは私の異変に気が付いていたのだろうか、姉の面目がない。
「ちょっと疲れただけよ」
笑顔で答えるが、痛みを堪えることが出来ない。
「かがみん、もう年じゃないの?」
え? どうしてこなたがいるの? 私は不意の出会いに心がときめく。ん、けど何て言った、私が年を取っているだと。
「な、何しに来た!」
言っちゃった…。本当はお見舞いに来てくれたのが嬉しくて、甘えたくて、抱きしめたいのに駄目だな私。
「いやぁ。つかさが『おにぇえちゃんの、ぎゅあいが、わりゅい、みたいだから、心配なにょ』って言うもんだから、来てみたんだ」
「こなちゃん、今の私の真似?」
「そだよ。つかさだよ」
「うぇーん。私そんな喋り方しないよー」
私は苦笑した。どうして私の周りにはいつも人がいるのだろう、静かにして欲しいよ…。嬉しいな、ありがとう。
「で、かがみ様は筋肉痛で動けない、と」
「はは… 結構ハードよね、仕事って」
「けど、つかさは今日も元気に働いてたよ」
「それを言うな」
「私も元気だよ」
「皆まで言うな」
「で、かがみ様、『だけが』筋肉痛で動けない、と」
「み、みゆきだって筋肉痛だって言ってたわよ」
「みゆきさんは、かがみの家まで来て、かがみ様はベッドの上でお出迎え」
「う、うるさいわね… そ、そうよ私は体が弱いのよ、労わりなさい!」
「おー。だったら今日は、私がかがみ様の面倒を見て進ぜよう」
私の中の時間が止まる。こなたが私の面倒を見てくれる…。お願いしようかな。
私はこなたを見つめた、こなたと目が合う。すぐ私は目を逸らせた。そのまま視線をはずして、
「いいの? 夜、遅いよ…」
「泊まるから大丈夫」
「明日、学校でしょ!」
「冗談だよ。ゆいねえさんが十一時頃に、迎えに来てくれるって」
あと二時間もないじゃない…。泊まっていけばいいのに…。馬鹿。
「後はお風呂に入って寝るだけだけど、お願いするわ」
「じゃあ、お風呂一緒に入る?」
「それは駄目よ」
「どうして?」
悲しそうなこなたの目が私は嬉しい。私だって一緒に入りたいよ。けど、私はけじめを付けたお付き合いがしたいの。
「私は家族に私達が付き合うって宣言したの。そして恋人同士って認めてもらったの。友達なら一緒にお風呂も入れるけど、
恋人同士が一緒のお風呂に入るのは、家族の前ではおかしいと思うのよ。これは私が決めたルールだけど、守りたいのよ。こなたと正々堂々、付き合うために…」
言い終わって私は後悔した。つかさがいるじゃない! つかさには、まだ私達の関係を話していない。
私達はまだ一人歩きできない子供な関係。世間の目に晒された時、どのような対処も出来ない未熟者なのだ。
つかさにばれないようにする。これが世間から身を隠しているバロメーターになるはずだ。ばれてしまったら私達は近すぎるということ、自重しなければならない。
それは、つかさが寝静まったあとの家族会議でまつり姉さんの
「つかさはまだ幼いから、聞いたらショックじゃないの? 女の子同意が付き合うなんて聞いたら。それも友達と姉だし」
の一言で決まったこと。私はつかさにも伝えて共に浮かれたい。内緒になんてしたくなかった。しかし、
「かがみは浮かれると、言わなくていいことまで話よね。煽られたら黙ってないでしょ? 耐性がないのよ、あんたは」
と続いたまつり姉さんの言葉に、私は黙るしかなかった。
「すべてを隠しても協力してもらうことが出来るのは、姉妹の特権じゃないかな? お父さんはそう思うよ。これはつかさにしか出来ないことなのだから」
つかさにしかできないこと…。私が取り乱して家出した夜の事を思い出す。神社の境内でつかさが話したこと。
『私は私が出来ることをして、お姉ちゃんの力になるよ』
パジャマのまま私を探してくれた妹の、精一杯の主張に今は、すがろう。
その決意が私の不注意で壊れてしまった。恐る恐るつかさがいるのであろう場所を覗う。しかしそこにつかさの姿はなかった。
「あれ… つかさは?」
私の記憶がおかしいのだろうか。つかさはこなたと一緒に、私の部屋に入ってきたはず。狐に抓まれた私を、こなたは不敵な笑みで見つめる。
「かがみは夢中になると、前後が見えなくなってすぐ暴走するね。つかさは話の途中で出て行ったよ。ここに来る前に頼んでたから」
「どう言う事よ」
「仕事のことで、かがみに話があるから席を外してってね」
「そうなの? じゃあ仕事の話しなきゃ。何なのよ」
「もう… かがみは… どうして…」
寂しく呟きながらこなたは私に抱きついてきた。ベッドの上で上半身を起こして聞いていた私は、その勢いを受け止めきれずにこなたと共に倒れこむ。
枕が私の頭を受け止める。こなたの頭が私の胸の中に納まる。こなたの香りと温もりが私に暖かくかぶさる。
「つかさの前じゃ、こんなことしちゃ駄目なんでしょ。かがみ様の掟では」
「いいのよ、いつでも… どこでも… 誰がいても… 私にはこなたしか見えないんだから…」
「本当にかがみは、私がいないと駄目なんだね。一直線すぎるよ」
「あんたがいるから、私も素直になれるのよ。悪かったわね」
「私もそうだけどね」
「こなた…」
私はこなたの唇を目指した。しかし今の私は筋肉痛で、腹筋だけでは頭を持ち上げられない。こなたを私の上から下ろし、横に寝かせる。
お互い身体の片側をベッドに付けて、向かい合ったまま寝ている。私の右腕はこなたの首の下にあり、その手はこなたの頭を絶え間なく撫でている。
自由な左手でこなたの右肩を押さえる。見つめ合うだけの時間が、幸せを膨らませる。両手を胸の前で組んだこなたは、私の次を待っているようだ。
私がこなたに近づいたのを見届けて、こなたは目を閉じた。そして心持、あごを上げたように思えた。
お互い早くなった呼吸で胸が上下する。そのリズムは合わせたように重なっていた。これがファーストキスになるのか…。
保管庫のSSをコピペする荒らし
どんどん行動がキチガイになっていくな
こなたの顔を再び見つめた。目を閉じたままのこなたからは、いつものおたくでオヤジで子供っぽくて嘘つきで、いたずら好きな少女のオーラはなく、
ただ一人のかけがえのない恋人、それだけの存在。しかしそれは私の持ちきれる、目一杯の存在だ。
不満がある。ファーストキスは、夜景を見ながらの方がよかったかな…。いや、砂浜で沈む夕日に包まれて…。
腕の中にいるこなたはもうどこにも行かない。その現実の前に、私の空想は止まらない。この時間だけ切り取って、私のアルバムにしまって置きたい。
「か… がみ?」
こなたの目が開く。少し不満げで不安な表情。しまった、こなたを待たせ過ぎた。
「今日は… キスだけに… して欲しいな…」
そんなこと… いや、それ以上のことなんて考えていません!
必死で首を横に振る私。こなたの顔が曇る。
「キス… じゃなかったの…」
違うわ。キスしたかったのよ。ちょっとこなたに見とれていたんだよー。心の中で叫ぶ。
私は目を閉じてこなたに迫った。
「お姉ちゃん達、お話済んだー?」
ノックと共に聞こえるつかさの声。とっさに私はうつ伏せ、こなたは身体を起こし私の腰をもみ始める。
「お姉ちゃんの筋肉痛は酷そうだね。こなちゃん、ずっと揉んでるの? 私、代わろうか?」
「つ、つかさもなれない仕事で疲れてるんじゃない? かがみが終わったら私が揉んであげるよ」
「じゃあ、私もこなちゃん、揉んであげる」
枕に顔を埋めたまま、私は小刻みに震える。笑いが止まらない、自分の愚かさに。
「お姉ちゃん、くすぐったいんだね」
…。一人にさせてください。
アルバイトにも慣れ、学校と受験勉強、そしてこなたとの買い物デートが、バランスよく保てるようになったある日のこと。
今日は学校が終わると、そのままアルバイト先に向かう予定だった。実際向かっているのだが、予定とは違う事態が起こっている、つまり…
私の周りには九人の女子高生がいることだ。
こなた、つかさ、みゆき、パトリシアさんは予定通り、何の問題もない。後に続く五人、日下部、峰岸、ゆたかちゃんとみなみちゃん、そして田村さん。
「本当に来るのか?」
「往生際悪いぞ、ひぃらぎぃー」
「本当に来るのか?」
「切符もちゃんと買ったぞ、柊ぃ」
「ほ・ん・と・う・に来るのか?」
「もう店の前だぞ、柊… ってなんで私ばっかり聞くんだよー」
その日の朝にさかのぼる。
「柊ぃ。アルバイト始めたんだってな。私、今日いくぜ」
「何、寝ぼけたこと言ってるんだ」
朝から冗談に付き合っていられない、いや、どうして私がアルバイトをしていることを知っているんだ?
「みさちゃん、ちゃんと話さないと柊ちゃんに招待して貰えないわよ」
「いや、峰岸、ちゃんと話してもこいつを招待する気は無いぞ」
「私は柊に招待されて、行きたいんだってヴぁ」
「はいはい。私がいない日に来て頂戴ね」
「冷てえなぁ、柊は。って、やっぱりアルバイトしてんだ!」
「どうしてあんたが知ってるんだ」
「それは…」
日下部の話をまとめると、どうも私はつけられていたようだ。
「人聞きの悪いこと言うなよ。ただ私は偶然、電車の中で見つけたからついて行っただけだってヴぁ」
「ストーカーか、あんたは」
「声掛けても柊、振り向いてくれないし…」
それは悪かった。
「秋葉腹なんてあんま行かねえから、柊見失った後迷子になって困ってたんだぜ。そしたら柊の妹に会って、駅まで連れて行ってもらったんだ。
その時アルバイトしてるって聞いたから、柊も同じところで働いてるのかなって思ったわけ」
「働いてるのはつかさだけよ。だから来ないでね」
「さっきと言ってること、違うってヴぁ!」
涙を流して抗議してきた。うるさいので無視。
「柊ちゃん。私も行ってみたいな」
「あー、峰岸。言っとくけどコスプレ喫茶だぞ。普通の人が行っても、面白くないと思うわよ」
「ふふ、柊ちゃんが働いているのを見るのが楽しいんじゃない、ね、みさちゃん」
「あやのの言う通りだ。柊が変装している姿を、この目に焼き付けたいんだぜ」
「だから、あんたは呼ばん」
「柊ちゃん、仕事の邪魔をさせないから、みさちゃんも呼んであげてよ」
この二人の仲の良さに感心した。日下部のためにこんなに交渉してくる峰岸の姿に、ただ面倒見が良いだけでは説明が付かない情を感じる。
幼馴染の友情。私とこなたには無い関係に二人を羨む。しかしその沈黙が悪かった。
「柊ちゃん、そんなに考えてくれなくてもいいわ。今日、みさちゃんと一緒に行くから、よろしくね」
「ちょっと、急に決めないでよ。私にも準備って物があるんだから」
「他のお客さんと同じようにしてくれたらいいのよ」
「決まりだなっ。ちびっ子は今日来るのか?」
「私が休みかもしれないでしょ」
「柊ちゃん、今日出勤の日でしょ?」
「え?」
「柊、私達がいつも見てるの、気が付かねぇんだな」
「あ…」
「じゃあ、今日は一緒にお店まで行きましょうよ。ありがとう、柊ちゃん。よかったわね、みさちゃん」
押し切られてしまった。最悪だ。
放課後、日下部は私の元には来ず、一目散に教室から出て行った。残った峰岸と共にこなた達の待つB組へと向かう。
「みさきち、逃げないから引っ張らないでよ」
「ちびっ子さえ捕まえとけば、柊は逃げねぇからな」
廊下まで聞こえる奇声に眉をひそめる。やれやれ。
私達六人は連れ立って校門へと向かう。そこで落ち合う予定のパトリシアさんは、既に待っていた。なぜか団体で…。
「コナタ キョウは ユタカたちも イッショに いくのデス」
「お姉ちゃん、急にごめんね。田村さんが、秋葉腹に用があるからついでに行こうって誘ってくれて」
「泉先輩っ。お邪魔しますっ。」
「…私も、…行きます」
お店に入る前に日下部にのみ、釘をさした。
「もし、邪魔したらあんたの名前、忘れるからね」
「ま、また背景になるのかよ…。うぐ… 折角ここまで登り詰めたのに」
男装の私を見て笑ったらそうなるのよ。私はみなみちゃんを見ることが出来ないけどね…。
保管庫のSSをコピペする荒らし
どんどん行動がキチガイになっていくな
「えっと・・・最後にバルサミコ酢を入れてっと。」
バルサミコ酢を手際よくボールの中へ。我ながら料理の腕が上達したな。
もう1年たつんだな。お姉ちゃんと私が一人暮らしを始めて。あ、お姉ちゃんはこなちゃんと二人暮らしだった。
「出来上がり。結構たくさんできたから、お姉ちゃんとこなちゃんに食べさせてあげよっと。」
ピーンポーン・・・
響くピンポンの音。もう7時過ぎているのに。
「およ?誰だろ?はーい!どうぞ?」
ガチャ・・・
無言で開くドア。そこにいたのは見慣れた大事に親友さん。
「あれ?こなちゃん!どーしたの?」
「・・・あの、ふつつか者ですが今晩泊めていたたけないでしょうか?」
「ふぇ?」
頭の中でたくさんの私がフル稼動。こなちゃんはお姉ちゃんと暮らしてて、こなちゃんの家はお姉ちゃんの家。
なのに自分の家に泊まれない?だから私の家に?こなたはかがみの嫁?ということはお姉ちゃんはどうするの?あれ?あれ?あれれ?
「えええっと・・・つまり、どいう事?お姉ちゃんは?」
「・・・かがみなんて知らないもん!」
「ほぇ?」
かがみなんて知らない?お姉ちゃんが分からない?こなちゃん記憶喪失かな?
「あ!分かった!こなちゃん、お姉ちゃんとケンカしたんでしょー?」
「・・・鋭いな、つかさのクセに。」
「なんですとっ!?ま、まぁとにかく上がってよ、夕飯も出来てるし。」
「つかさは優しいね。ごめんね、迷惑かけて。」
「ううん、平気だよぉ。」
お姉ちゃんとこなちゃんがケンカか。お姉ちゃんがケンカする所なんて、想像出来ないな。
それにしても、こなちゃん、元気ない。あからさまに落ち込んでる。
「こなちゃんはお姉ちゃんが大好きなんだね。」
「な、何を急に!?」
「んー、なんとなく。」
だって、こんなこなちゃん初めて。きっとお姉ちゃんに嫌われたって勘違いしてるんだろうな。
お姉ちゃんはこなちゃんの事、大好きなのに。双子だから、分かるのかな?
お姉ちゃんを怒らせて、ケンカしたの、友達ではこなちゃんが最初。
だから、お姉ちゃんにとってこなちゃんは特別。そんな気がするんだ。
‐‐‐‐
「なぁ、あやのー。宿題見せてくれよー?まだ終わってねーんだよ。」
「ダメよ、自分でやらなきゃ。あれ?あそこにいるの柊ちゃんじゃない?」
「あー、ホントだ。珍しいなあいつが一人なの。おーい柊ぃー!」
もう冬は終わる。春の息吹はすぐそこまで来ている。もう1年が終わっちゃうんだな。
1年間通ってきた校門には柊ちゃんの姿。今日は一人だ。
いつもの2人、短い可愛らしい紫の女の子、妹ちゃんと、美しい青色の女の子、泉ちゃんはいない。
「おーっす、柊ぃ!」
「おはよ、柊ちゃん。」
「おはよー、日下部に峰岸。」
「今日は妹とちっこいのはいねーのか?」
「・・・まぁ、ね。」
柊ちゃんの僅かに引きつった頬を私は見逃さない。初めて見る表情だから。
「もしかして泉ちゃん、だよね?同居人のコとケンカしたの?」
「なっ!べ、別に・・・そんなんじゃ・・・」
「おー?図星かぁ?あやの、なかなか鋭いなー。」
「うっ・・・峰岸は何でそう思ったの?」
「なんとなくよ。特に深い意味はないわ。」
簡単よ。
初めて見る表情。中学生の頃に見たことがない、新しい柊ちゃんの顔。
戸惑い?苛立ち?憤り?ううん、きっと違う。もっと単純。
「それにしても柊がケンカとはなー。」
「・・・なによ?日下部、ケンカ売ってる?」
「だってなー。柊って気性荒いけど、誰かとケンカとかしなかったよな?」
「・・・確かに。ケンカした記憶、ないかも。なんで、あいつとケンカしたんだろ・・・」
「ふふっ。」
懐かしい記憶が甦ってくる。昔からたくさんケンカした、私とみさちゃん。
ささいな事で、ぶつかり合った、私とお兄さん。
その影に、柊ちゃんと、泉ちゃんを重ねたら、なんだか可笑しくて。
「峰岸まで・・・何が可笑しいワケ?」
ケンカなんて、単純。それが特に大切な人とのケンカなら尚更。
「内緒。さ、早く教室に行こ?みさちゃんも宿題終わってないんだし。」
「あー、ヤヴぁイ!柊ぃー!あのさー・・・」
「・・・イヤよ。自分でやりなさい。」
「みゅー・・・」
大切だから、大好きだからぶつかる。本当に愛しいからケンカする。
それが分からないから、素直に仲直り出来ないから、ちょっと戸惑ってる。
それだけなんだよ?柊ちゃん?貴女はいつ、その事に気が付くのかな?
‐‐‐‐
「こなちゃん、ゆきちゃん、ご飯食べよー。」
「そうですね。丁度よくお腹も減りましたし。」
同じ営みの繰り返し。ですがその中でも私はお昼時間が楽しみです。
「そうだね。じゃ、いただきます。」
「かがみさんは今日いらっしゃらないのですか?」
「むぐっ・・・ゲホっ・・・」
「大丈夫、こなちゃん?お姉ちゃん、自分のクラスで食べるって。」
ちょっとした、違和感。かがみさんがいない。それもですが、違和感の正体は、きっと泉さん。
「泉さん、どこか調子が悪いんですか?」
「え?あ、いや・・・」
「こなちゃんとお姉ちゃん、ケンカしちゃったんだって・・・」
「あら・・・そうだったのですか。」
成る程。だから今日は朝、2人で登校していたのですね。
そしてもう1つ合点。違和感。やはりそれは泉さんでした。
「・・・だってかがみがさ・・・」
いつもの可愛らしいアホ毛も、心なしか萎れてます。いつもの澄んだ髪の毛が、海底のような暗い青色に見えます。
さらには、いつもの奇麗なエメラルドの目に、影が覆っているように見えます。
仕方ありませんね。本来、このような事はしたくないのですが、他ならぬ、大切な友人の為です。
「そうですよね。かがみさんは意地っ張りな所がありますしね。」
「ゆ、ゆきちゃん?」
「それに、泉さんにはいつも辛く当たりますから、泉さんが怒るのは当然かと、思います。」
「それ違うよ、みゆきさんっ!意地っ張りなのは、ちょっと素直になれないだけだよ!私に辛く当たるのは私を本当に想ってくれてるからだよ!かがみは悪くない!本当は私が悪・・・」
「はい、知っていますよ。今丁度その台詞を言おうと思っていました。」
「・・・ふぇ?」
計算・・・もとい思惑通りに事が運びました。それにしても、泉さんを見てると感慨深いです。
「泉さんはもう、何をするべきか分かっていらっしゃるようですね。」
「・・・みゆきさんには勝てないな。うん、帰りに謝らなきゃ。ありがとー、みゆきさん!つかさも、昨日はありがとね。」
初めて見た時のクールな泉さん、大声でかがみさんを擁護した泉さん。
人間ってこんなに変われるのだと、驚きと感動で満たされます。
人間の、かがみさんと泉さんの力は素晴らしいな、そんな風に思います。
きっと、このケンカと仲直りを通して、もっと変わるのだと思います。もちろん良い方向へ。
‐‐‐‐
>>374 長編お疲れ様
これが初SSだったんだね
時間かかってもいいから、次回作も書いてほしい
>>384 前の人が投下してから10分くらいしか経ってないのに、断りもなくいきなりSS投下始めるのはどうかと思う
どうやら以前投下されたSSのコピペらしいけど、アンタは荒らしなのか?
キーンコーン・・・カーンコーン・・・
よっしゃ!やっと昼休みだぜ。授業分からない、早く部活したい。でも時間はそんなに早く過ぎない。
「あやの、早くメシ食べよーぜ!腹減った。」
「うん。柊ちゃん、今日はどうするの?」
「うっ・・・えーとじゃ今日は一緒に食べていいかな?」
「もちろんだぜ!じゃ早く柊も準備しろ!」
今日は珍しい事ばっか。柊が私とあやのと食べるのは久しぶりだ。
最近はあのちびっこや妹やメガネさんの所で食べてるから。だからちょっと寂しいのは言うまでもない。
でも、今日の柊を見てる方がもっと寂しい。いつもの柊じゃない。
「なぁ、柊ぃ?」
「何?ミートボールはあげないわよ?」
「・・・最近太ったか?」
「ち、ちょっとみさちゃん?」
「・・・そうかもね。ダイエット、しなきゃ。」
あー、絶対違う。こんなんじゃねーもん。私の知ってる柊はもっと、こう、言葉に表せないけど、もっとすげーのに。
「ポッキーばっか食べてるからだぞー?」
「みさちゃん?」
「うん・・・ちょっと気を付けなきゃ。」
・・・つまんねー。こんな柊、嫌だ。やっぱケンカが原因か。
あのちっこい奴と一緒に暮らすようになってからの柊が、なんとなく悔しいけど、ちっこい奴と仲良い時の柊の方が、いい。
「うあぁぁ!もー、じれってーなー。ウジウジしやがってっ!柊はウサギか?」
「はぁ!?いきなりキレてなによ?」
「・・・あの、みさちゃん、頭大丈夫?」
頭は悪いさ。それがなんだってんだ?
不器用で、ヴぁカでもなんでもいい。ただ、ちょっとちっこいのと、柊の間を繕ってあげたいだけ。
ちびっこと一緒にいる時の、元気で光ってる柊に戻してやりたいだけ。
「あのな、ケンカした事を後悔したってどうにもなんねーだろ?肝心なのは仲直り!いつまでもそのままじゃ、つまんねーだろ?」
「・・・うん。」
「じゃ、私からの宿題。明日までに仲直りしろよ?いいな?約束だからな?」
「・・・日下部って結構良い奴なのね。」
「だろ?」
「ありがと。なんかあんたを見てたらなんとなく元気出た。」
「泉ちゃんと仲直り、できるといいわね。」
「そう、ね。よく考えたら、私が悪いんだし、ちゃんと謝らないと。」
「頑張れよ、柊。」
感謝しろよ、ちびっこ。仲直りできたら、私のおかげだからな。
‐‐‐‐
キーンコーン・・・カーンコーン・・・
私の闘いの幕開けを知らせるチャイム。
「じゃ、つかさ、みゆきさん、行ってくる!」
「大丈夫だって!頑張ってねこなちゃん。」
「ちゃんと4人で帰りましょうね。」
かがみのクラスまで走る。頑張れ、こなた。初めての、ケンカ。だからこそ、早く仲直りしたい。
霧がかかっているように、雨が降っているように、光が差し込まないように。
こんな気持ち、もうたくさんだ。普通に戻りたい。一言、かがみに告げて、光を浴びたい。
そんな事を思っていたら、大きな衝撃と共に床に転ぶ。誰かとぶつかってしまった。
「あいたた・・・ごめんなさい・・・ってかがみ?」
「あ、こなた・・・」
ごめん。ごめんなさい。許して下さい。私が悪かったよ。頭では分かっているのに、言葉にならない。とんだヘタレだ。
「ごめんっ!」
「・・・え?」
不意に私に響く声。かがみの『ごめん』が、風鈴の音のように、私の中で奇麗に響く。
「あ、あのさ、昨日の事!ごめん・・・落ち着いて考えたら、私が悪かったわ・・・ごめんね、こなた。」
「かがみ・・・」
「それに・・・ケ、ケンカしたままじゃ・・・嫌、だしさ・・・」
やっぱり、私の太陽は此処にあった。日差しがとても温かい。霧が、雨が、晴れてゆく。跡形もなく、晴れてゆく。
「ふっふっふ。謝りながらもさりげなくデレるかがみ萌え。」
「うるさいっ!そーやって茶化すから謝りたくなかったんだよ!」
憎まれ口。ちょっと怒ったような台詞。それでも、さりげない笑顔。私の大切な居場所。
「ごめんね、かがみん。」
「いいのよ、私も悪かったんだしさ。」
私も今日初めての笑顔をかがみに贈る。初めてのケンカ。初めての仲直り。今だけを見ると、こういうのも悪くない。
「こなちゃーん!お姉ちゃん!仲直りすんだ?」
「ごめんね、つかさ、みゆき。心配かけちゃって。」
「結局、ケンカの原因は何だったのですか?」
下らない事で笑い、なんてことない事でケンカした。そんな初めてだらけの1年間。次の年は何があるのだろう?
「・・・何だっけ。こなた、覚えてる?」
「・・・てへ。忘れちゃった。」
「ぷっ・・・私達らしいわね。」
親友が出来ました。名前はつかさに、みゆきさん。とてもいい人達です。
同居人が、無くしたくない人になりました。名前はかがみ。私の太陽。
毎日が幸福です。さぁ、明日はどんな幸福があるのかな?
>>374 GJ!
完結お疲れ様でした。
二人の未来に大きな幸せがあるといいですね・・・
しかしなんだろう。シリーズものって
読んでる最中「続きまだかな」って思うのに、いざ終わってしまうと「終わっちゃうのか…」
って思ってしまう不思議…。
OVAのこともあってかDQNが沸いてるなww
そんなくやしかったのかよ
394 :
4-234:2008/06/05(木) 23:30:20 ID:8INKpCRV
>>344 >>346 >>367 ありがとうございます!!そう言っていただけるのは一物書として
冥利に尽きます!!
お礼にというわけではないですが、小ネタ投下!
みくのほうでチョイ前に書いたやつなので新作じゃなくてすみません
続きものの方は今しばらく待って頂けるとありがたいです
リアルでものすごく忙しいんです…orz
以下2レス使用
シリアスに見せかけたギャグです
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「はぁ…」
「どしたの?あんたがため息なんて珍しいじゃない」
読んでいた本から顔を上げそう問う。1年以上こいつに付き合ってきて、
いろんな表情を見てきたけれど、こんなに深刻そうな表情のこなたは初めてだった。
「いや、ね、かがみん。ある人のことが頭から離れなくてさ…」
「またアニメキャラか」
半ば呆れつつ今度は私がため息をついた。テーブルの上に置いていた ポッキーの袋を手だけで探りつつ視線を本に戻した。
「失礼な。三次元の人ですよ」
「………男?」
「男」
探り当てたポッキーを口に含みつつ、体勢を変えて座りなおした。
「恋かー?」
自分で言っておいて、つきん、と心が痛むのを感じた。分かっている。
この気持ちは、ただ友人に感じる類のものではないということ。でも、伝えるわけにはいかなかった。
だって。私とこなたは同じ性別同士。それは変えようのない事実として
どっしり私の上に乗っていて、絶えず私を苛み続ける原因となっていた。
「恋、かぁ…。…もしかしたらそうなのかもネ」
ふ、と微笑むこなたの表情は間違いなく『女の子』のそれで。
あぁ、こなたは私の手の届かない所に行ってしまうんだな、と感じる。でも、それで
いいんだろう。そのほうが幸せになれるに決まっている。
パキ、とポッキーの折れる音がやけに大きく聞こえた気がした。
「手に入れたくて、それでもその人はどんどん遠ざかっていって…。
ねぇ、かがみ。どうしたらいいのかな」
「それ、は………」
応援してあげなきゃ、という思いとは裏腹に喉の奥から悲鳴が零れそうになる
>>374 GJ!感慨もひとしおです
>>393 ID:alKDaMJPはNG指定推奨。害虫は徹底放置でヨロ
待って。
行かないで。
ねぇ、こなた。
だって、私の好きな人は――。
「誰、なの?」
「その人?」
「…うん」
結局、『大丈夫、応援してあげるから』の一言が言えずに話題をそらしてしまった。
相変わらず、心は軋み、じくじくと痛んでいるけれど。
「かがみになら教えてもいいかな。その人は――」
その信頼さえ、今の私には辛い。ぎゅっと手を握り締めこなたの口の動きを目で追った。
「福沢さんちの諭吉さんだよ」
「ゆき…ち…さん…?って金かぁぁぁああああーーーっ!!!」
「嘘は言ってないヨ?」
そうだけど!!それはそうだけど!!!あー!もう!!バカじゃないのか私は!
というか誤解されるような言い方したこなたもこなたでしょ!?
でも、そんなことをいったらまたからかわれるのは目に見えているから
何も言うことができない。
「………っ!!!」
「いやぁー最近の限定版は凄いよネ。DVD付いたりフィギュア付いたり…。
その分お値段も張るわけだけど。…あるぇー?かがみん顔赤いよ?やきもち?」
「妬くかっ!!」
にやにや笑いながらいうこなたにそれだけ叫ぶと、また床に寝転がった。私の顔は今すごく
赤くなっているだろうから。
寝ながら食べると太るよー?とか言う声が聞こえるけれどそんなの知るか。
「まぁ、安心してよかがみ。本当に手に入れたい人は
目の前にいる人だから」
「ん?なんか言った?」
「んーん。なんでもないっ!」
以上です。
読んでくださった皆様ありがとうございました!
>>397 思いっきり噴きました。
こなたが男に……って思ったら、相手はあの方ですか!
かがみのやきもきする様子がとても面白かったですよ。
GJ!
だれも……諭吉の魅力には……かなわないっ……物欲的な意味で。
しかしオチがついてもやっぱりこの2人は萌えるのう(≡ω≡.)
400 :
18-236:2008/06/05(木) 23:53:21 ID:f4NPCw+E
お返事ありがとうございます。
>>364 余りに人がいない不思議な世界ですね。
地震と同時に異世界に飛ばされたのでしょうか?
こなたとよく似た少年も気になりますね。
続きを楽しみにしています。
>>389 6月の梅雨をテーマに書いてますが、遅筆のせいで6月中に投稿
できるかどうか……
がんばってみます。
>>392 シリーズは終わっても、こなたとかがみの未来は二人が共に歩み続ける限り
この先もずっと続いていきます。
二人の未来には幸せが待っていると信じてます。
>>395 もっと良い物を書けるようがんばります。
>>397 諭吉さんが(物欲的に)嫌いな人はいませんからね
>>396 GJ!確かにお金は・・ねw
でもかがみ…肝心な言葉を聞き逃しちゃダメじゃないか!!
>>397 た…確かにあの男になら誰もが魅了されるわw
たとえ目の前にかがみんがいようとも!どうしても想わざるを得ない魅力を秘めたあの男ならしょうがあるまい…
ゆきち「でも所詮、もらうのは物欲愛だけなんだよね、俺……」
かがみ「こなた、けったいなお面かぶってなにやってんの?」
こなた「(面をぬぐ)真実の愛にはかなわないってことだよかがみん(抱きつき)」
かがみ「ちょ……もう……ばか……(///」
>>403 >かがみ「こなた、けったいなお面かぶってなにやってんの?」
一時期流行ったターバン諭吉@お札折り紙が脳裏に浮かんだw
>>404 俺は折り目をつけたお札を思い出したよ…w
ぽつり。
授業中に落ちてきたそれは、とても憂鬱な気分にさせてくれて。
「雨、か」
雨は正直好きにはなれない。
どうしたって嬉しくはならないし、濡れるのは欝陶しい。
傘はなぜああいう構造になっているんだろうか。
足元がどうしても濡れてしまうような欠陥品。
……まあ、だからってないよりはずっとマシなんだけれど。
とりあえず私は、濡れるのが大がつくほど嫌いなのだ。
そういえば、私は傘を持ってきてるからまだ濡れずに済むけど、こなたはどうなんだろう。
忘れているかもしれないし、忘れていないかもしれない。
授業はもう六限目で、これさえ終われば放課後だ。
裏を返せば、この授業が終わったら帰らなくてはいけない、という意味で。
部活になんて入っていないから、雨が止むまで時間を潰すなんてことも出来ない。
本当に忘れていたらどうするのだろうか。
というか、こなたが傘を忘れている事を前提に話を進めているが、実際はどうなんだろう……。
あれ? 何だか思考がループしている気がする。
ううん、このままだとどんどん深みに嵌まりそうだ。
いっその事、聞いてしまえば楽になるのだが、授業中なのでそれも出来ない。
――早く、放課後にならないかな。
◆
授業、ホームルームが終わって放課後。
「かがみ様ー」
鞄に荷物を入れていざ行かん、とした所でこなたが来た。
「びっくりした」
聞こえないように口の中だけで呟く。
「お願いがあって来たんだけどさー」
「ん? 何?」
変な予感がする。こいつ、まさか――
「実は傘忘れちゃってさ」
「やっぱり忘れてるのかよ……」
そう呟くと会話を中断し、きょとん、とこちらを見上げてくるこなた。
「やっぱり?」
「あんたの事だから忘れてるかな、と思ってね」
と、言ってやるとさっきの顔とは一変、ふうん、とにやける。
「つまり、かがみは私の事が気になって仕方がなかったと」
「何でそうなるのよ!」
そしてこなたは、にやけたまま、そんなふざけた事を言い放った。
いや、気にしてたといえば気にしてたけれど、言われるとなると話は別だ。
「だって私、ホームルーム終わってから速攻で来たもんね」
考える暇なんてあった筈がないのだよ、と胸を張りながら続ける。
「だから、かがみが考えてたのは授業中かホームルーム中だけになるって事」
「それは、そうだけど……」
む、と睨みながら――と言っても恐らく赤くなっているので迫力は無いかもしれない――反論する。
と、こなたはにやついた笑いを止めて、
「まあ、冗談はここまでにして――傘、入れてくれない?」
なんて、提案をした。
「入れる?」
普通に貸して、と言えばいいのに? と聞き返す。
「そ。だってかがみ、今日折りたたみ傘持ってきて無いんでしょ?」
「そうだけど……何であんたが知ってんのよ」
「つかさに聞いたー」
「あ、そっか。つかさと私は今日持ってきてないんだっけ」
今日は鞄が重かったし、持って行かなくてもいいか、なんて言ってたんだ。
「みゆきは? みゆきは持ってきてそうだけど」
「それがさ、なんか、借りるのが心苦しくて……」
申し訳なさそうな顔をしながら頬を掻く。それを見て私は、
「私に入れてもらうのも心苦しいと思えよ」
つい、突っ込んでしまった。
言っている事は何となく分かるのだが――条件反射って恐ろしい。
「だってかがみは私の嫁じゃん? 頼み事なんて当たり前でしょー?」
わざとらしく語尾を延ばし、その一言を強調する。
しかし、その、わざとらしく強調されたその一言は、問題発言以外の何物でもなくて。
「誰があんたの嫁か!」
「かがみが私の嫁だ!」
「な、あ……!」
そこまではっきりと返されると、なんというか、言葉に詰まる。
こなたは真っ赤になっている私を見つめ、ほんの少しだけ考える素振りをして、体を翻した。
「じゃ、異議もなくなった所で、帰りましょうか」
「え、ああ、うん。帰ろっか」
もちろん、異議が無い訳じゃなくて――むしろ全身全霊をかけて唱えたい――けれど、
このまま話を続けても、私にとって不利な状況にしかならないと思うし、追求はしない。
……よく考えたら教室の真ん中でなんて会話をしてたんだろう。
ああ、顔の温度がまた上がった気がする。
こなたが後ろを向いてくれていてよかった。
◆
昇降口に着くと、雨が地面を叩く音が一層強く聞こえた。
「うわー、すごい雨だねー」
「そうね。この中を帰ると思うと……」
考えるだけでも嫌だ、とため息を吐いて肩を落とす。
「だよね、相合い傘だと厳しいかもしんないよね」
「――――――――はい?」
硬直。思考が復帰しないまま言葉を紡ぐ。
「な、あ、相合い傘……っ!?」
「え? だって一緒の傘に入るんでしょ?」
それ以外の何になるの? とでも言いたそうな目で見つめられた。
「そ、それは、そう、だけど。その、えっと」
あわあわしながら反論しようとするが、何も言葉が浮かんでこない。
「あー……、落ち着いてかがみ。はい、深呼吸深呼吸」
吸って、吐いて。吸って、吐いてを繰り返す。
――うん。少しだけど、落ち着いた。
「……何で、わざわざそんな言い方するのよ」
「他の言い方が思い付かないから、とか?」
「む、確かにそうだけど……」
そう言われると、他の言い方が見つからない。
いや、でも、恥ずかしいし、もっと別の言い方は無いものか……。
「んじゃ、相合い傘しよっか」
「今すぐみゆきに傘借りろ!」
びしい、と音がしそうな程に指を突き付けて言う――というより、それは、叫ぶに近かった。
「んー? みゆきさん達もう帰っちゃったよ?」
「なあっ!?」
予想外だ。というより今の今まで気付かなかった私に突っ込みたい。
「どっか寄る所があるんだって」
「つかさとみゆきが?」
こんな雨の日にあの二人で寄るところとは、どこだろうか。
「うん。多分、無駄話してるうちに帰っちゃったと思うよ」
「ふーん?」
疑問に首を傾げていると、こなたは私の右腕に巻き付くような形で抱き着いてきた。
温もりとか柔らかさが右腕いっぱいに広がってってこんな事を考えてる場合じゃ――
「私達も帰ろう。雨足も強くなってきたしね」
「分かってるけど、離しなさいよ!」
軽く振るようにして、無理矢理離させようと試みる。
が、こなたは腕に合わせて揺れるだけで全く離そうとはしなかった。
「何するのさー」
「それはこっちのセリフよ」
いきなり抱き着いてきたのはこなたなのだから、こなたに否があるはずなのではないか。
「ほらほら、とりあえずもう傘ささないと濡れちゃうよ?」
「え、あ、ホントだ!」
意味のない問答をしてるうちに、昇降口を出かけていた。
急いで傘をさそうと試みるけれど、
「って、離れてくれなきゃ、させないじゃない」
ワンタッチで開くタイプだったらよかったのだろうけれど、これは違うのでそうもいかない。
むう、と不服そうな顔をして離れるこなた。
「傘さしたらすぐにさっきの体制だからね?」
離れたのはいいものの、そんな提案をするこなた。
「……異議は?」
「却下します!」
これはもう何を言っても駄目だな、と諦めて、
躊躇いつつも傘を広げ、抱き着きやすいように右腕を広げる。
「ほら、おいで」
その一言がどこか気になったのか一瞬目を見開いき、辺りを見回した。
「ねぇ、かがみ……無自覚?」
「え?」
何が? と視線で聞くけれどこなたは、はあ、とため息をついて俯くだけで。
「何よ。ため息吐くと幸せが逃げるわよ?」
その様子が何となく気に入らなかったので、皮肉っぽく言ってやった。
「現在進行系で逃げてる感じがするよ……」
はあ、とため息もう一つ。
さっきまでの妙なはしゃぎ様が一瞬で洗い流されてしまったような、そんな感じ。
「あーもう、何が何だか分かんないけど行くわよ」
さっきとは逆に、こなたの左腕を取るようにして昇降口を出る。
「――――――」
ぼそり、とこなたが何かを呟いたように聞こえたけれど、私の耳にその
◆
雨の中を歩く。いくらこなたが小さいからといっても、傘に収まりきる事は無くて。
「やっぱり、濡れちゃうね」
「そうね――もしかしたら、これってささなくても一緒なんじゃ……」
足元はもとより、肩までもぐっしょりと濡れてしまっていて、
これだったらいっその事無い方が……とも思ったけど、それには抵抗があるというか。
「まあ、いいじゃん。せっかくの相合い傘だし」
「まだ言うか!」
顔を背けながら突っ込む。
そのせいでこなたの顔は見えないが、にやにやしているのだろう声で、
「だってチャンスだしね」
と、意味不明な事を口にした。
「チャンス?」
その一言がなぜか気になって、背けていた顔をこなたに向け、尋ねる。
一瞬見えた顔は本当に嬉しそうで、しかし、私が見ていると分かった途端、
「うあ! ちょ、待って! 今の無し!」
顔を赤くしながらわあわあ騒ぎだした。
「…………何よ?」
「だから、今の無しだって!」
いや、そう言われても、気になるものはどうしても気になるというか。
「そんな反応されたら気になるに決まってるじゃない」
「それでも駄目! 記憶から消し去って!」
うああ、と唸りながら右手で自分の頭を抱えている。
「そこまで言うならいいけど……力、緩めてくれない?」
さっきからギリギリと締め付けられているせいで、右腕が痛い。
「わ! 知らないうちに力込めてた! ごめん!」
「別に、気にはしてないけど――少し落ち着きなさい」
さっきからの騒ぎ様はちょっと異常だとしか思えない。
「はい、深呼吸」
数回呼吸するものの、こなたの顔の赤みは増していくばかりで。
「駄目だ……余計落ち着けない」
「何でよ」
こなたは眉を寄せて思案顔をすると、赤い顔のまま呟いた。
「……秘密」
「あ、そう」
いつもとはあまりにも違う様子。
それをあまり追求するのは悪いかな、と思い、そのまま歩く事にした。
「――いつか、言うから」
「……そう」
ぽつり。
降りしきる雨の中でも、こなたの言葉は綺麗に響いて、私の耳に届いた。
うん。追求はしないけれど、絶対に忘れてはやらない。
心なしか弱くなった雨の中を歩きながら、たまには濡れるのも悪くはないかな、と思った。
日が傾いた頃、なんとか身動きが取れるまでに片付けた後、やはり心配になり
家に帰ろうとしたのだが、こなたの家から一歩外に出ると、眼前に広がる光景に
私は言葉を失った。
ズタズタに引き裂かれた道路とおびただしい数の瓦礫、周囲には半壊した家屋…。
私の見知った街の風景は既に失われていた…。
この様子だと交通機関は麻痺しているだろうし、歩いて帰ろうにも一苦労しそうだ。
殆どの行動が制限されているとなると、不安は更に大きくなった。
私はふと視界に入った、路上駐車してあったと思われる大破した車両を一瞥すると、
踵を返して再び玄関の中に戻った。
居間に行ってみるとこなたは暢気に漫画を読んでいた。まったくいつもと変わらない
というか、冷静というか…。将来大物になる気がする。
「こんな時に漫画なんてある意味尊敬するわ…。」
「んー?だってじたばたしてもしょうがないしー。電話もまだ回線混み合ってる
みたいだし…。ってか帰るんじゃないの?あっ、それとも私と居る方がいいとか?」
「はぁ…。外の様子を見てみれば戻ってきた理由が分かるわよ。いくらあんたでも
アレを見たら事の重大さが分かるわよ」
「何それ?そんなにやばいの?」
「まぁ見てみれば分かるわよ」
私は呆れながらもこなたに外の様子を見るように促した。
百聞は一見にしかず。自分の目で直接確かめた方が分かりやすいだろう。
実際に玄関まで連れて行って外に案内すると、余裕に満ちた表情は
驚愕へと変わった。
「ふひゃあ〜、こりゃ一大事だね」
「これで事の重大さが分かったでしょ?とても帰れる状況じゃないわ」
「家が潰れなかったのは運がよかったのかな…。近所の人たち大丈夫かなぁ」
「そういえば周りに人が居る気配をまるで感じないわね…?みんな避難しちゃったのかしら」
「避難ってどこへ?これだけ荒れ果ててると移動するだけでも難しそうだよ?」
「それならまだ近くに誰か残ってるはずよね?随分静かだけど…」
「じゃあ…探してみる?」
そんなわけで私達は静寂に包まれた街を当ても無く生存者を探しに行く事にした。
しかし歩みを進めても見えてくるのは根元から折れた電柱や斜めに傾いたビル、
道路には穴とも形容できる巨大な亀裂。遠くには火災が発生したのか黒い煙が何本か
空に向かって伸びている。空はいつの間にか曇った灰色と仄暗い夕焼けが混じっていて
太陽が霞んで見える。聞こえてくるのは裂けた路面からむき出しになって破裂した
水道管から噴き出している水の音、そこかしこで起きている火事の
轟々と燃え盛る音だけだった。
…あまりこういうことは考えたくないが、無事な人はあまり多くないだろう。
駅にも捜索の足を伸ばそうとしたが、断層が起きたのか
道路がごっそり分断されて行く手を阻んでいて、これ以上の捜索を断念した。
「…誰も居ないね…。まさか生き残っているのは私たちだけ?」
「じゃあやっぱりあの時みんな…?嘘でしょ…。つかさ、お母さんにお父さん、
姉さん達は無事なの…?」
何も連絡を取る手段がないだけに不安が膨れ上がっていく。
私はその場でへたり込んでしまった。
「なんで…こんな事に…?これからどうすればいいの…?」
「ごめんね…。私が誘わなければ今頃は…」
こなたが申し訳無さそうな顔をしながら寄り添ってきた。
確かに家に居ればつかさたちと一緒に居られたかもしれない。
だけどこんなことが起こるなんて誰が想像できる?
それに私が居なかったらこなたは独りでどうなる?
あんな状況でも暢気に構えていられたのは私がいるからじゃないの?
強がっているけどきっと心の中では不安がってる。
おじさんはともかく、ゆたかちゃん達が無事なのかどうかも分からないままだし…。
こんな時にまで私に気を使うなんてこなたらしくない。
「どうして謝るのよ。こんな事が起きるなんて分かるわけないじゃない」
「たいした事無いってずっと軽く考えてた。外の様子を見るまでは…。
すぐにまたいつもの日常に戻れるって思ってた。
私、かがみの気持ちも考えずに軽率だった…。ごめん…」
うな垂れている所為でアンテナのようなアホ毛がいつになくしょげかえっている。
「何言ってるのよ。地震の時、あんたは私を不安にさせまいとわざと
あんな風に振舞ってたんでしょ?辛いのはあんたも同じなのに私は
自分の事で一杯になってしまっていたわ。だからお互い様よ。
それよりもこれからどうするか考えましょう」
「かがみ…」
「じめじめするのはもう終わり!とりあえず戻るわよ」
こなたの家に戻った頃には、太陽はすっかり沈んでしまって、
街が深い青に染まろうとしていた。
「うぅ〜寒い…」
「日が沈んだら一気に冷えるわね」
明かりをつけようと壁のスイッチを押したのだが、照明器具がうんともすんとも云わない。
そう、電気の供給がストップしているのだ。
「げ、最悪…。停電までしてるなんて…」
「完全に暗くなる前に蝋燭か何か用意しよう」
薄明かりの中を必死に探し回って、仏壇に使う蝋燭と懐中電灯を調達することに
成功すると、こなたの部屋で幸いにも常備してあった乾パンをかじりながら
これからの行動を話し合うことにした。
「はぁ〜…これじゃ冷蔵庫の中身もパーかぁ。保存食は一応あるけどいつまで持つか…
それよりかがみん、寒いよぉ〜!」
そう言うとこなたがドサクサに紛れて抱きついてきた。こなたの言うとおりこれはかなり
きつい。暖房器具が使えないのは相当な痛手である。
「ちょ、こんなときになにじゃれてんのよっ!でも確かにこのままじゃ寒さで体力が
消耗されるわね。いいわよこのままでも。別に特別な意味はないからね?」
「そう言いながら抱き返してくれるツンデレかがみんが大好き〜」
「いや普通に寒いだけだから…で、これからどうする?ここに留まっても
どうにもならないわよ?」
「そうだねぇ…水道にガス、その他諸々が使えないのはかなりやばいね」
それは先程見てきた街の有様を目の当たりにすれば言わずもがなである。
町が機能停止とあらば確実にまずい。
「復旧なんてとても見込めるものじゃないし、かといって救援を待つにも
いつ来るのかしら…」
「まぁ災害の発生した当日に来るのはまずないね」
「この被害がどの範囲まであるのかも分からないわ。情報があまりにも少なすぎるわ。
ラジオとか無いの?」
こういうときにこそ役立つのがラジオである。目や足の届かない場所の情報の把握には
昔からそれと相場が決まっている。ところがこなたは何故か重い面持ちで答えた。
「あるよ。…でも有っても無駄だと思うな」
「なんでよ?電池切れてるとか?」
「そうでもないよ」
「何よ?何か知ってるならもったいぶらずに教えなさいよ」
「実はさ、かがみが帰るって出て行ったあとにテレビつけてみたんだけど
使えなかったんだよね。そこで停電してる事に気が付いたんだけど、
一時的なものだと思って敢えてその時はかがみには言わなかったんだ」
まだ遠まわしに言うこなたに痺れを切らして私は迫った。
「だからそれがラジオとどう関係すんのよ?」
「まぁ最後まで聞きなよ。そこでラジオをつけてみたんだけど、
どの周波数帯に合わせてもノイズしか流れてこなかったんだよね」
こなたは片隅に置いてあるラジオを指差してそう答えた。
「単にアンテナの向きとかが悪かっただけじゃないの?」
「もちろん色々試したよ。でもやっぱり結果は変わらなかった…」
「…使えないって事?」
「まぁそうなるね。携帯も未だに通信不能だし、これは電波障害が
発生してるとしか」
「何よそれ…ただの地震でそんなことがあるわけ?」
次第に私は言い知れぬ不安がこみ上げてきて眉を顰めた。
半信半疑で携帯電話の液晶画面を確認してみると地震の時には
気が付かなかったが圏外と表示されていた。
「何これ…こんなに開けた場所で?」
「ほらね?表示されてる時刻もずれてると思うよ。修正効かないままだし」
こなたも一緒に覗き込んで時刻表示の部分を指差しながら説明した。
「これじゃまるっきり隔離されてるようなものじゃない!助けを呼ぶことも
出来ないなんて八方ふさがりだわ」
「まだ行動の選択肢はあるよ。近くの避難所に行ってみよう」
「この辺にそんな場所あるの?街があの状態だと安全そうな所なんてあるとは
思えないんだけど…」
「あの時点で誰も居なかった事を考えるとこれはみんなどこかに避難
してるんじゃないかな」
「それは私もそう信じたいけど…。でも何かおかしくない?私達が家にいた
時間なんて二、三時間くらいよ?そんな短時間で街中の人全員が避難できるかしら?」
かなりの範囲を捜索したけれど、いくらなんでも静か過ぎる。
誰か一人くらいは見かけてもいいはずである。
「ラジオとかがあんな状態だと避難勧告も伝わらないだろうし、すぐには
動けないだろうね。何より最初は何が何だか分からないと思うし」
「でも実際は誰も居ない…」
「となるとここはみんな避難してるって考えるのがセオリーかな。
少なくとも私はそう信じたいよ」
「あんたにしてはいやに前向きね。まぁそうでもしなきゃやってらんないか」
「それで避難所の事だけど、私が通ってた中学校が近いんだよね」
「中学校?じゃあ街の人たちもそこに集まってるのかしら」
中学時代については今まであまり話題に上がらなかったので、私はこなたの
通っていた中学校に少しばかりの好奇心が湧いた。
私やつかさと出会う前のこなたを知るいい機会だと思った。
「あそこなら必要なものも揃ってると思うし、行って損はないかと」
「このままここに居ても仕方ないし、行ってみる価値はありそうね」
「それ以前に学校が無事だといいんだけどね。あ、うちの学校もどうなってるんだろ」
「さすがにこの状況で授業は…しばらく無理そうね…。とにかく今日はゆっくり休んで
明日早速中学校に行くわよ。」
今後のためにも体力は極力消耗を抑えたい。明日のためにも温存したい。
私が一人で毛布に包まって寝ようとすると、
「そだねー。じゃあ今夜は一緒のベッドで寝ようっ」
「え…。窮屈でしょ?あんたのベッドなんだし、私は別に気にしなくていいわよ」
「いやいやこの寒さを乗り切るにはかがみの温もりが必要なのだよ」
こなたはそう言うと半ば強引に私をベッドに引きずり込んでしまった。
「なっ…変な事しないでよ…?」
「女同士なんだし気にしない気にしない〜」
「あんたが言うと何か怪しくなるわね…」
「じゃおやすみ〜」
おバカな会話を締めくくりに明日の可能性を信じて私達は眠りに就いた…。
悪い夢なら醒めて欲しい。そう願いながら…。
ヘビィだぜ・・・
NG推奨ID:FpuxdVAy
罪状:保管庫引っ張り出し荒らし
さて、随分と時間が経ってしまった気もするが、物語内での時間はそれ程経っていない事をまずはご理解いただきたい。
この話の目的は、こなたとかがみの2人に、恋文、ラヴレターを機関紙と偽装して書いてもらう事にあるのだが、いやはや、これが中々。
2人はダンゼン、日常に終始するあまり、そういった周囲の意図には全く気がついていない。
それに業を煮やした周りの人々がついに反逆の狼煙を上げた……
それは、やはりある日の事。
いつもの4人は休み時間に3年B組で固まりながら、「あ、これあるよね〜」といった雑談に終始していた。
こなたが話す貧乳の勧めに各々頷いたり、首を傾げたりしている中、ふと、みゆきが、
「そういえば、泉さんとかがみさんは、田村さんに頼まれた例の物、完成しましたか?」
と、聞かれて、こなたとかがみは顔を見合わせて苦笑。
「いや〜……それがさっぱりでね〜」
「恋愛小説だっけ?」
つかさの言葉に、かがみは頷きながら、
「そうなのよ。今までロマンスの欠片もなかったのに、恋愛を題材にした小説を書けなんて言われてもね」
「ですが、田村さん……と言うより、アニ研部長の八坂さんがお決めになった納期までもうあまり時間はありませんよ?」
「そう言うみゆきさんやつかさはどうなのさ?」
「あ、私は終わったよ〜」
「お恥ずかしながら、私も」
「え!?」
かがみが目を見開きながら驚きの声を上げた。
「い、一体何時、って言うかどうやって?確か2人も恋愛物を頼まれていたんじゃ」
はい。とみゆきはおっとり笑顔を浮かべながら、
「恋愛に関しましては、いい見本と言いますか、まぁ……手っ取り早く題材に出来るものがありましたので」
それはお2人です、とは絶対に言わない。
こなたは、そうかー、と唸りながら、
「みゆきさんは兎も角、つかさまで終わってるとはね」
「! (こなちゃんのくせにー!!)」
「どうしよっか、かがみ?」
つかさの心の叫びは今何処。そんなの関係なくかがみに問いかけるこなた。とは言え、かがみも書けないものは書けない。
「どうしようね」
気丈な彼女にしては珍しく眉尻を落とした。
「あのー、高良先輩、ちょっといいッスか?」
と、B組の戸口からみゆきを呼ぶのは、後輩のひよりんこと田村ひより。みゆきの事を何か怖いものを見るような目つきで、ちょっとキョドっているのは貴方の目の錯覚。
「どうかなさいましたか?」
対するみゆきは聖母の笑顔。聖母の背後に般若が見えたら、それは気のせい。
「いや、ちょっとお渡ししたいものが……」
戸口からちょいちょいとみゆきを手招きするひよりに頷くと、
「ちょっと失礼しますね」
そういってみゆきは席を外した。それを見送りながら、
「ひよりんがみゆきさんに用って珍しいよね」
と、こなた。つかさは訳知り顔で、
「風呂ジェクト、なんだよ」
因みに、正しくはプロジェクト。
「何の?」
「内緒♪」
時は移ろい、(恐らく)学校生活の中で放課後の次に貴重なお昼休みという、天上から流れ落ちる甘美な雫のような響きを持った、或いはお風呂上りに小指を立てて飲むコーヒー牛乳のような爽やかさを持った、至福の時間が訪れる。
いつもなら4人でB組の食卓を囲む所だが、今日は誰もいない。
チア等色々やって目立っているこの4人の不在はあまりにも注目を集めてしまう。それは大変よろしくない。
なので――
「布団が吹っ飛んだってね。WAWAWAWAWAWA!」
別な意味で注目を集めるよう大宇宙からの意志を受け取った漢(と書いて犠牲者と読む)が1人。クラス中から生暖かい視線を送られていた。
ここは、屋上へと続く階段。かがみは一通の手紙を握り締め、力強く、そして時には躊躇しながら一段一段を昇っていた。
手にした手紙には短く一文。
『お昼休み、屋上で会いたい。大切な話があります』
と、だけ書かれていた。なぜかローマ字で。
お昼の直前に机の中に入っていたものだ。筆跡は知らないもの。しかし、文面から何が起こるかを察することが出来る。もしかしなくてもこれは、
(ラブレター、なのかしら)
しかし、以前修学旅行で紛らわしい手紙を出した奴が1人いたので、かがみ的には疑いたい所。しかし、卒業間近のこの時期に、しかもわざわざ手紙で呼び出しをかけるとなれば、疑う確率の方が低い。
(ラブレターでの呼び出しなんて、まるで恋愛小説みたいね)
なんて、考えながらかがみの脳裏によぎるのは、自分より17cm低くて、とても友達思いで、とても寂しがりやな、女の子。
(こなたがこれ知ったら、どう思うかな……)
チクリ、と胸が痛んだ。
屋上への扉が、何か恐ろしいものに見えた。行かなければよかったかもしれない。でも、来てしまった。
何故?もし、告白されたら断る為に。
ギィィ、と音を立て、錆付いた扉がゆっくりと開く。空の突き抜ける蒼さが目に沁みた。そして、蒼の中に蒼を見つけた。
ゆっくりと、蒼は振り返った。
蒼の中の碧が驚きに見開かれる。
「こなた――?」
こなたは、屋上に立っていた。
理由は手にした一通の手紙。内容は『お昼休み、屋上で会いたい。大切な話があります』なぜか点字で。
数々のギャルゲーを消化し、糧としてきた彼女にとってこのシチュエーションの続きは想像に難くなかった。
今時こんな手紙もなかろうよ、とは思ったが。ここまで来た。
来る途中、
(もしかがみがこれ知ったら、どう思うかな……)
と思った。チクリ、と胸が痛んだ。手すりに凭れて手紙の主を待つ。
何故?もし、告白されたら断る為に。
ギィィ、と軋んだ音がした。目を向けていた空から目を戻し、音源を見やる。
想像していたのは、男子。見も知らないどこかの誰か。
現実は、違った。逆光の影から出てきたのは菫色。ピクリ、と固まって止まる。
「かがみ――?」
寒風吹き荒ぶ屋上。少女が2人、並んで佇む。
「こなたは、なんでここにいるの?」
「んー、何か呼び出されちゃってね。かがみは?」
「……同じ。呼び出された。手紙でね」
「おお!凄い偶然。私も手紙で呼び出されたよ」
「本当?」
「うん」
「……」
「……」
沈黙が降りた。お互いの顔を見れば、複雑な表情をしている。
「かがみを呼び出したのって誰?」
「分かんない。名前書いてないし。こなたは?」
「私も。名前書いてない」
「こういう手紙って、やっぱり……その……ラブレター、とかなのかな?」
「そうじゃないかな。ギャルゲでは良くあるシチュだし。リアルでやる人がいるとは思わなかったけど」
「やっぱり、告白とかされるのか、な?」
「う〜ん……多分ね」
「……」
「……」
再び沈黙の戦艦大和。落ち着かないね、この空気。だから、それを振り払おうと沈黙と饒舌が交互にやってくる。
「「ねぇ」」
声が重なる2重奏。やや間を置いて、
「こなたから先に言っていいわよ」
「いやいや、身長序列でかがみから」
「身長序列ってなんだよ……まぁいいや。もし、こなたは、こくはく、とかされたらどうするの?」
ピクリ、とこなたの体が強張るのが分かった。
「どうって?」
「その……付き合ったり、とか、するわけ?」
「かがみは、どうして欲しい?」
「何で私が出てくるのよ」
「あ……いや、その、まぁ、私は断るよ。きっと」
「何で?」
こなたは、難しい顔をしてしばし沈黙していたが、やがて、
「だって、まぁ、めんどくさいじゃん?」
にへら、と笑った。いつも見ている顔と口ぶりに感心するやら、呆れるやらで、ほうと息を付くかがみ。だから気が付かなかった。こなたの唇が一瞬「かがみが好きだから」と動いたのに。
「かがみはどうする?」
一旦抜けた気が再び張った。何が、と聞かなくても分かる。一瞬にして乾いた唇を舌で湿らせてから、
「私も、断ると思う」
「何で?」
「それは、アンタが……」
一瞬言いかけて、しかし、頭を振ると、
「アンタと同じ。めんどくさいしね」
その言葉に、ほっと胸をなでおろすこなた。だから気が付かない。かがみが口の中で「こなたが好きだから」と呟いたのに。
「遅いね……」
お昼休みも半分過ぎた。だが、手紙の主と思しき人物は未だに現れない。
「からかわれたのかな」
「どうだろう」
ボーっとしてるのもそろそろ飽きてきた。
「ちょっと歩かない?」
と、こなた。
「ま、何もしないで待ってるよりはマシね」
手を差し出すかがみ。2人で狭い屋上の上を散策する。
「この前話したけど、酢豚のパイナップルってどう思う?」
「いや、私はアレいらないと思うけどね」
「ふ〜ン。かがみは酢豚のパイナップル嫌いなんだ」
「別に嫌いじゃないけど、存在意義が分からないのよ。だから別に嫌いじゃないわよ、別に」
「おお、ツンデレ」
「何でだよ」
「じゃ、今度作るときは入っててもいいね」
「え?作ってくれるの。酢豚」
「いや〜、黒井先生に追加課題出されてね。ただ手伝ってもらうんじゃ悪いじゃん?」
「手伝わないからな」
「え〜、ケチ」
「ケチじゃない!大体、普段から真面目に授業聞いてればそんなことにはならん!」
「そんな〜、かがみ様手伝ってよぉ」
「えぇい、抱きつくな。泣くな!」
「メソメソ」
「……あ〜、分かったから」
「ヤリィ」
「その代わり、最高の酢豚、頼むわよ?」
「まかせたまへ〜」
他愛のない会話。でも、そんな日常が手紙で貰った不安を打ち消した。向かい合って笑う2人。
「そういえば、あの手紙だけどね。もし、差出人、こなただったらよかったなって一瞬だけ思った。あ、一瞬だけよ?」
「も〜、かがみはツンデレだな〜。私はかがみだったら良いなってずっと思ってたよ」
「ホントか〜?」
「イエス!マイロード!」
「じゃ、今度出してあげるわよ、手紙をね」
「うえ?そ、それはどういう意味かな〜」
「あ!いや、その……」
「ん〜?かーがみん?」
「な、なんでもないわよ!!」
「じゃ、私もかがみにお手紙だそっかな」
「ええっ!?」
「愛を込めたラブレター」
「……もうっ」
照れてフイと横を向いたかがみ。と、その視界の先で何か動いた。
「ば、バルサミコ酢〜!?」
「つかさ!?」
慌てて隠れようとして転ぶつかさとそれを抱きとめるみゆきがそこにいた。
「ちょ、2人ともなんでここに?」
こなたの言葉に冷や汗を垂らしながら、つかさはアハハと笑い。みゆきはいつもの微笑を崩さないまま、
「お2人はここに呼び出されていたんでしょう?」
と言った。
「何でみゆきさん知ってんの!?」
「だって、あの手紙は私が田村さんに発注して出したものですから」
「えぇぇえっ!」
かくも驚いたこなたとかがみを等分に見やって、初めて苦笑を浮かべると、
「お2人の恋愛小説がまだ書けない、と言うことでしたので。ちょっとした演出です。実際に体験していただければ、何かインスピレーションが得られるかと思いまして」
すみません、と頭を下げるみゆきとつかさを見てこなたとかがみは何だか拍子抜けしてしまった。
散々頭悩ませて、気を揉ませたというのに。
「お叱りはいかようにもお受けいたしますので」
と、頭を下げたままのみゆきを見て、こなたとかがみは顔を見合わせると、ふう、と溜息。
「ヤレヤレ、こんなオチとはね」
「ゴメンね、こなちゃん」
「言ってくれれば良かったのに」
「すみません。驚きを以って迎えたほうが面白……ではなくて、良い案が浮かぶと思ったので」
もう一回、こなたは溜息をついて、
「ま、とりあえず色々後で考えるとして、お昼食べよっか。昼休み終わっちゃうしね」
と言って、歩き出した。つかさがそれに続き、かがみも後を追おうとしたが、
「あ、かがみさん。お話が……」
みゆきによって止められた。みゆきは、こなたとつかさの方を見やって、
「泉さんとつかささんは先に行ってて下さい」
「おk」
「うん」
バタン、とドアが閉まる。その一瞬につかさが頷いたのを確かに見届けてから、みゆきはかがみの方ヘ向き直った。
「さて――」
その頃、教室向かうこなたとつかさ。つかさの前を行き、てっくてっくと階段を下りるこなたの姿は心なしか嬉しそうに見える。
「こなちゃん、何か嬉しそうだね」
「ん〜?そぉかな」
「うん。何かいい事あったのカナ?」
「いい事って言えばいい事かもね〜」
「ふ〜ん」
と、ここでつかさが足を止めた。その気配に気が付いたこなたが後ろを振り返る。
「ねぇ、こなちゃん――」
――屋上。
「かがみさん。先程、もし、泉さんが本当に男性に呼び出されていたら、どう思いましたか?」
――階段。
「もし、お姉ちゃんが本当に男の人に呼び出されてたら、こなちゃんはどう思った?」
それぞれの場所で、避けていた選択を突きつけた。
どう思った?と聞かれて、考えた。
好きな人が、同じように呼び出されていると知った時。私は――
「嫌だ……」
言葉が、口から勝手に飛び出した。
「何故?」
問われて、思う。何故?Why?
だって――
「嫌だ、だって遠くに行っちゃうと思った。私が呼び出されただけだったら断ればいい。でも、もし――」
もし、好きな人が別な人を好きになったら……
「そんなの、嫌だよ」
「だったら、素直になりませんと。想いは、伝えないと」
「だったら、素直になろうよ。想いを、伝えようよ」
「でも、どうやって?」
「もし、想いを言葉に出来ないのでしたら」
「書こうよ」
「そのおつもり、だったのでしょう?」
さっき、2人でした会話。
――じゃ、今度出してあげるわよ、手紙をね
――うえ?そ、それはどういう意味かな〜
――あ!いや、その……
――ん〜?かーがみん?
――な、なんでもないわよ!!
――じゃ、私もかがみにお手紙だそっかな
――ええっ!?
――愛を込めたラブレター
――……もうっ
「そのつもり、だった」
目の前の親友は、何も言わずに、ただ、微笑んだ。
後日。
アニ研文芸部合同の機関紙は無事発行された。
こなたとかがみの書いたのは、互いに対するラブレター。
文は、物語。小説だ。
恥ずかしくて素直に渡せないくらいなら、こちらに載せて読んでもらおうと。まぁ、誰かが2人に入れ知恵したのだが。
「どうですか、かがみさん。泉さんは想い人の事を考えながらその物語を書いたようですよ。ラブレターですね」
「どうかな、こなちゃん。お姉ちゃんは好きな人の事を考えながらそのお話書いたんだって。ラブレターだね」
二つの物語のタイトルは、
――私の好きなツンデレ少女
――私の愛するオタク少女
……なのだが、
「ねえ、みゆき――」
「ねえ、つかさ――」
「「――これ、誰のことだと思う?」」
……あれぇ?
423 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/06(金) 08:46:00 ID:GU8RsdQK
/〜⌒〜⌒〜⌒〜⌒〜⌒〜⌒ヽ
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ヽンイ ',.,,.`三'゙、,_ |
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バルサミコスわろたw
いい話でしたb
「かがみ〜、あそぼ〜よ〜」
「ちょっと待って、今からこっち片付けないといけないんだから」
「え〜」
そう言って唇を尖らせるこなた。そんなこなたを見て、かがみは苦笑しながら、
「後で遊んであげるから」
と、ポンポンと頭を軽く叩きました。
くすぐったそうに目を細めるこなた。頭に生えている狐の耳がピクピクと動きました。
そんな、2人の日常です。
助けた狐が人間になった。かがみも、そしてその家族も最初は驚きました。
ですが、昔から狐は何かに化ける動物と言われています。
なので、神社を営んでいるかがみの家の人達は、それを狐の恩返しと、解釈しました。
一方、狐であったこなたは、何故、人間になれたのか?そんなことは一切気にせず、ここぞとばかりにかがみに甘えてくるようになりました。
「かがみ〜、あの時は助けてくれてありがと」
そう言ってかがみに擦り寄るこなた。ですが、こなたの中で2箇所、人間になりきれていない所がありました。それは、耳と尾です。
どういう訳か、狐の耳と尻尾だけは消えることなく、こなたの頭と腰の辺りから生えていました。
なので、こなたがかがみに擦り寄ると、ふさふさと毛が生えた耳や尾がかがみに当るわけで、
「ちょ、くすぐったいってば」
「んふふ〜。か〜がみん♪」
それでも、嬉しそうにしているこなたを見ると、ついつい口元を緩めてしまうのでした。
「あんまり足を動かすんじゃないわよ」
かがみが言うと、こなたは、は〜い、と返事をしました。
人間になっても、足に負った怪我は治ってなくて、まだ包帯を巻いています。包帯を替えるのはかがみと、双子の妹のつかさの役目でした。
そのつかさは、今、かがみと一緒に神社の境内の掃除をしています。
サッサッ、とかがみが竹箒で石畳を掃き、つかさが一箇所に纏める。木々が多いここでは、必然、ゴミは落ち葉が主体になります。
はじめは、かがみが後で遊んでくれると言ってくれたので、こなたもおとなしく階段に腰をかけ、足をぶらぶらさせていました。
しかし段々と積もっていく葉っぱの山を見て、悪戯を思いついたのか、ニヤリと笑うと2人に気付かれないようにそっと、立ち上がりました。
「お姉ちゃん、これぐらいでいいかな?」
一通り境内を掃き終えて、かがみが、ふぅ、と息をついたところでつかさが話しかけました。かがみは辺りを見渡して、
「そうね。屋台の設営場所とかが綺麗になっていれば、とりあえずはいいと思う」
その時です。掃き溜めた山から一抱え葉っぱを持ってきたこなたが、2人に勢い良く、それを被せました。
「わっ!?」
「きゃっ!?」
狼狽する2人を見て、こなたはニコッと笑うと、
「驚いた?」
「〜〜〜っ、こなた〜っ!!」
かがみが、勢い良く拳を振り上げると、こなたは「かがみが怒った〜っ」と、楽しそうに逃げ回り始めました。
「待ちなさいっ、こなたっ!!」
追いかけるかがみ。ですが、こなたの足は早く、また、元が狐なためか非常に俊敏で、中々捕まりません。
「ここまで、おい……痛っ!」
と、突然うずくまったこなた。かがみが追いつくとこなたは足を押さえ込んでいます。
「痛いよ〜、かがみ〜」
「はぁ……だからあんまり足を動かすなって言っといたのに――ほら」
一つ息をついて、かがみはこなたの肩と腰を抱えると持ち上げました。
「傷口が開いちゃってるか、ちょっと包帯外して見てみなくちゃね」
「うぅ〜……」
ショボン、と目じりを下げるこなた。それと一緒に耳もぺたんと寝てしまいました。
「全く、なんであんなことしたのよ」
かがみが言っても、こなたは目を合わせようとはしません。不安そうに尻尾が揺れているだけです。
そんなこなたの様子を見てつかさが助け舟を出しました。
「きっと、見ているだけで退屈だったんだよ。ね?こなちゃん」
「……そうなの?」
かがみがこなたの瞳を覗き込むと、不安そうに揺れていたそれを伏せて、コクン、と頷くと、
「だって、後で、って言ったのに、かがみ全然遊んでくれないんだもん」
寂しそうに、そう呟きました。
そんなこなたの様子に、つかさは苦笑しながらかがみの方を向いて、
「ここは後、私がやっておくから、お姉ちゃんはこなちゃんをお願いしてもいいかな」
と言いました。それを聞いてこなたは顔を上げると、
「かがみ……?」
「……分かったわよ。ほら、こなた、つかさにお礼言いなさい」
「うん。つかさ、ありがと」
「ううん。気にしないでいいよ」
そして、つかさを残して、2人は家の方へと戻りました。
「はい、じゃあ、足を見せて」
かがみがそう言うと、こなたは借りている巫女服の袴の裾を持ち上げて、傷口が見えるようにしました。
「あ〜、やっぱり、ちょっと傷口開いちゃってる」
ちょっと待ってて、と言うとかがみは家の奥の方へと引っ込んで行きました。後に残されたこなたは特にすることもなく、畳敷きの部屋の中を見渡しています。と、
「あら、こなたちゃんじゃない」
かがみが向かった方とは別の方から、かがみのお母さんの柊みきが盆にお茶とお菓子を乗せて現れました。
「あ、おば……」
さん、と言おうとした時、一瞬背筋が寒くなった気がしたので、こなたは会釈をしておくだけに留めて置きました。
みきは、盆を傍の机に置くとにっこりと微笑んで、
「こなたちゃんも、大分人間の言葉について覚えてきたようね」
と言いました。
「ところで、こんな所でどうしたの?かがみとつかさは?」
みきが不思議そうに呟くと、こなたは足元の傷口を指しました。それを見て、みきは納得したようで成る程、と頷きました。
「痛くない?大丈夫?」
と、聞かれて、少しこなたは後ろに下がりました。
「どうしたの?」
みきが訝しげに眉を顰めます。こなたは、耳と尾の毛をピンと張り詰めさせて、
「人間は、嫌い」
と、言って四つん這いになると、姿勢を低くし警戒の意を示しました。
それを見て、みきは苦笑すると、
「あらあら。どうして?」
「だって、人間は私達を罠にかけたり、大きな音を出す棒を持って追い立てるから」
こなたは、更に姿勢を低くして、唸り声を上げました。その様は、人間になった狐といった佇まいは消えて、元の子狐のようにも見えます。
ですが、みきは、その様子を見ても動じません。ふっと笑うと、
「じゃあ、かがみは?」
と、聞きました。
すると、こなたの張り詰めていた緊張がほぐれ、立っていた毛も元通りにぺしゃりと寝ました。頭頂の一房だけは立ったままでしたが。
「かがみは、好き。人間だけど、優しいし。ツンデレだし」
「え〜と……それは狐の言葉、なのかしら?」
「それにね、かがみといると、温かい。ずっと一緒にいたいって思える」
そこまで言って、でも、とこなたの耳がぺしゃっと寝ました。
「かがみは、私のこと、どう思ってるのか分からない。私、迷惑かけちゃってるよね。自分勝手な狐だし、怪我もしてるし……でも、かがみといると楽しいから、だから……」
ぐすっ、と鼻を啜り上げ始めたこなたを、みきは制しました。そして、
「大丈夫よ、こなたちゃん。かがみは素直じゃない所もあるけど、きっと」
「きっと?」
それには答えず、みきは目線を横にずらしました。つられて、こなたもそちらを見ます。すると、
「ゴメン、お待たせ。中々替えの包帯が見当たらなくて。あれ?お母さん?」
かがみが戻ってきました。みきの姿に一瞬訝りましたが、直ぐにこなたのところに向き直ると、
「大丈夫?痛くない?直ぐに包帯を替えるから」
そう言ってこなたの足元を優しく両手で包みました。はっとして、こなたがみきを見ると、みきは微かに頷きました。
「あ、そうそう。かがみ、包帯を替えるなら先にお風呂に入れちゃったほうがいいわよ?」
「それもそうね。傷回りも洗わないとだし」
「……え?」
「こらっ、こなた!暴れないの!!」
「ちょっ、かがみ!?ダメ、お湯だけはダメ!!」
お風呂場、ちょっと早い入浴です。
かがみはこなたをお風呂に入れようと持ち上げますが、こなたは暴れて抵抗します。
「ヤダッ!毛が濡れると気持ち悪いんだよ?」
「ダ〜メ。清潔にしないと傷の治りが遅くなるわよ」
お互いに一歩も譲りません。狭い浴場の中をじりじりとにらみ合いながらこなたとかがみは間合いを計ります。
これは、こなたが人間の姿になった初日から続く戦いです。元々、狐であるこなたは毛が濡れる事を極端に嫌います。人間の姿になってもそれは変わらなかったようです。
しかし、元は野生の子狐。外に出れば泥だらけになるまで駆けずり回ります。それで家に上がられては困ると、無理を承知でこなたをお風呂に入れるのです。
「うぅ〜……かがみにはあの気持ち悪さが分からないんだよ」
こなたが呟くと、かがみは組んでいた腕を解いて、
「そうね、そんなに嫌なら強制するのも悪いかしら」
と言いました。それを聞いてこなたも、ほぅ、と息を吐きました。
「良かった……」
無い胸をなでおろしたこなたを見て、かがみは少しだけ微笑みました。
「ちょっとこなた、こっち来なさい。頭撫でてあげるから」
「ホントッ!」
疑うことなく、こなたはかがみの胸に飛び込みました。お風呂場なのでお互い何も身につけていない状態です。ポフッ、と音がしました。
「ん〜、かがみん柔らかい」
「く、くすぐったいってば」
すりすりと頬と耳をかがみに擦り付けるこなた。その時です、密着した状態のこなたの背中にかがみは右腕を回しました。
「ほぇ?」
しっかりと捕まえて離しません。そして、かがみの左手にはお湯の入った桶。
「ぁぁぁあっ!?」
ザパッとこなたの頭からお湯をかけました。
「うみゅぅ〜!?」
そして、こなたが逃げないように両足で挟み込むと布に石鹸を絡ませてこなたの背中を洗い始めました。
「ちょ、か、がみ……ぁ」
「じっとしてなさいよ」
背中を流し、尻尾の付け根へ。すると、こなたの体がピクっと硬直しました。
「じっとしてなさいって」
丁寧に、丁寧に尻尾周りを洗います。最初は強張っていたこなたの体も段々と緊張がほぐれてきました。
「次、頭洗うわよ〜」
かがみの声が届いていないのか、こなたは何も答えませんでした。それを肯定の意と取って、こなたの髪の毛に石鹸を絡ませます。
耳に泡が入らないように気をつけて、ゆっくりと。
「(あ、耳がぴくぴくしてる)」
こなたは先程から俯いたままで、その表情は分かりません。ですが、ぴくぴく動く耳を見ると、きっと気持ちいいんだろう、とかがみは思いました。
そっと、こなたの耳に手を当てます。
「(うわ、狐の耳って柔らかい……)」
ふわふわでもふもふ。そしてぴくぴく動く耳。ゆっくりと、毛並みに沿って指を滑らせます。
こなたの体がまた強張りました。
「こなた……?」
流石に心配になってこなたの顔を覗き込むと、潤んだ瞳と目が合いました。
心なしか、こなたの息遣いも荒くなっているみたいです。
こなたは、かがみを潤んだ瞳で見上げると微かな声で、
「かがみ、ずるいよ……そんなことされたら、私、私……」
そう言ってこなたは尻尾をかがみの体に巻きつけました。そして、ゆっくりと、顔を近づけていきます。
かがみも、こなたにあわせるように顔を近づけます。こなたが、目を閉じました。
そして、
「にゃぅあ!?」
頭の上から、またお湯をかけました。
「はい、頭洗い終わったわよ」
「うぅぅ〜……」
お風呂に入った後は、かがみの部屋に行って足の包帯の付け替えです。
お風呂に入って毛が濡れたことが相当嫌だったのか、こなたはかがみの布団に丸まって唸り声を上げ続けています。
「ちょっとこなた、いい加減機嫌直しなさいよ」
かがみが言うのに、プイと横を向いて。
「フンだ。かがみひどいよ。頭撫でてくれるって嘘までついてさ」
と言った時です。こなたの頭をフワ、と撫でるものがありました。
「……嘘は、言ってないわよ?」
こなたが顔を上げると、ちょっと困ったような、微笑んだような、かがみの顔がありました。
かがみはこなたを布団から持ち上げると後ろから抱え込むようにしました。
そして、そのまま、また頭を撫でます。
「嫌だったお風呂、頑張ったからね。ご褒美」
「かがみ……」
また、耳がぴくぴくと動き、尾がパタパタ跳ねます。短い付き合いですが、かがみには、これがこなたの喜んでいる証だと、分かりました。
ゆっくり、ゆっくり、こなたの蒼い髪の毛を撫で梳き、耳をかいてあげます。
気持ち良さそうに、こなたは目を瞑りました。
「包帯替えるの、後でいい?」
かがみが言いました。
「もう少し、こうしていたいから」
「うん」
こなたは頷きました。そして、かがみの方を向いて、その頬をペロリ、と舐めました。
「かがみ……好きだよ」
こなたに謝る決心をした後、部屋を出てまずは朝食を摂ることにした。
あれだけ悩んでおきながら、よく食欲が出るなと我ながらあきれる。
でもまあ私らしいといえば私らしい。
何事も腹が減っては戦はできぬと言うし、食欲があるのは健康な証。
そう言い訳して前向きにとらえることにした。
部屋を出て、まずは1階に向かう。
さすがにまだ朝早い時間帯だけに、家の中は静まり返っている。
まだみんな寝てるのかな?
そう思って1階に降りると、台所からトントンと小気味の良い音が聞こえてくる。
お母さん、こんな時間にもう起きてるんだ。
早速台所へと向かった。
そこには案の定お母さんの姿が。
いつもそこにある日常の風景に、心が安らいだ。
──毎朝こんな早い時間に朝ごはん作ってくれてありがとう
恥ずかしくて素直に言えないかわりに、心の中でそうつぶやいた。
「あらかがみ、おはよう。こんな早い時間にどうしたの?」
私がいることに気付いたお母さんが、手を止めてこちらに振り返った。
「おはよう、お母さん。なんだか寒くて目が覚めちゃって」
鍋から立ち上る湯気やコンロの火のおかげで、台所は他の部屋よりずいぶん温かい。
おかげで寒さに震えずにすんでいる。
「今日はこの冬一番の寒さらしいわ。待ってね、もうすぐ朝ごはんできるから」
そう言って再び手を動かし始める。
馴れた手つきで料理を作ってゆく姿を、しばらく見つめていた。
そんな私の様子に気付いているのかいないのか、てきぱきと作ってゆく。
あっという間に料理が出来上がってゆく。
さすが、すごい手際のよさ。
料理下手な私は是非とも見習いたい。
「できたわよ」
「はやっ」
見とれている内にできたらしい。
「かがみも慣れればできるようになるわよ」
「そうかな?」
「そうよ。さあ、お味噌汁よそうから食卓に持っていってね」
「うん」
温かそうに湯気を立ち上らせるお椀を食卓に運んでいく。
「お姉ちゃんたちは?」
「もう少ししないと起きてこないと思うわ。かがみが早かったからね」
「そっか」
確かにみんな起きてくるにはちょっと早い時間だ。
つかさなんかはまたお昼におはよ〜とか言いそうだけど。
「いただきます」
「はい、召し上がれ」
作ったばかりの温かいお味噌汁をいただく。
今日の寒さもあってか、普段より美味しい。
温かさが体中に染み渡り、心まで温かくなっていくようだ。
お母さんは私の向かいに座ったまま、私の顔をじーっと見ている。
どうしたんだろ。
「私の顔に何かついてる?」
「ん? かがみ元気ないなって思って」
その言葉に箸が止まる。
「……そんなひどい顔してる?」
手で顔を触って確かめてみる。
部屋を出る前おかしなところが無いか確認したんだけどな。
「顔はいつも通り綺麗なままよ。でも、何となくね」
そんなに負のオーラでも放ってたのかな。
何事も無いように振舞っていたんだけど。
お母さん鋭いから。
「別に。ただ、勉強に疲れてるだけよ」
何食わぬ顔でそう答える。
「そう……でもずっと辛そうにしてたから」
その言葉にビクッとする。
お母さんは相変わらず私を見ている。
………………
…………
……
さすがに何事も無いような顔をし続けるのが辛くなってきた。
「ふふ、素直じゃないところは変わってないわね」
「なっ」
……やっぱりお母さんに隠し事は無理か。
私が落ち込んでいるとき、最初に気付くのはいつもお母さんだった。
何も聞かずじっと私を見て、私が話すまで根気よく待ってくれた。
意地っ張りな私は、それでも隠し通そうとしたけど、いつも最後は根負けした。
「はぁ、私の負けです」
あっさりと負けを認めた。
相手が悪すぎる。
それに、お母さんと話せてどこかホッとしている自分がいる。
「かがみのことは何でもお見通しよ」
そう言って、微笑んだ。
そのまましばらく沈黙が続く。
なかなか本題を切り出せないまま、時間だけが過ぎていく。
……ただこなたと喧嘩しただけ。
それだけを伝えればいいのに、なかなか切り出せない。
……
ただ喧嘩しただけ?
それだけでこんなに悩んだりしない。
ほんとは、私……
一人うつむきながら、ずっと悩んでいた。
お母さんは、そんな私を焦らせることもなく、ただじっと優しく見守ってくれている。
私の心に無理に踏み込もうとせず、かといって遠くはなれることもせず。
私が自分から自然に話せるよう、ずっと待ってくれている。
その心遣いがとても嬉しい。
うつむいていた顔を上げお母さんの顔を見ると、目が合った。
相変わらず優しい眼差しで私のことを見てくれている。
どこかこそばゆい感じがしたけど、私もお母さんの目をしっかりと見返した。
しばらく静かな時間が続く。
そこに言葉はない。
でも、確かな信頼関係がある。
──大丈夫、かがみならできるから
いつもそうやって私のこと励ましてくれた。
言葉なんかなくても、お母さんの気持ちは伝わってくる。
これまでもずっとそうやって見守ってきてくれたから。
お母さん……
私の信頼できる人。
私の尊敬できる人。
いつも優しい眼差しで……
私を信頼してくれて……
私のことを大切に思ってくれて……
「……ぐすっ」
気が付けば涙が流れていた。
これまでずっと一人で辛い思いを抱えてきた。
一人で解決できると思ってた。
でも……無理だった。
お母さんは私のそばまで来ると、そのまま何も言わず優しく私を包み込んでくれた。
久しぶりに感じる、人の温もり。
懐かしいお母さんの匂い。
それらを感じた瞬間、心の奥に隠れていた感情が一気に表に溢れ出た。
「……うぅぅ、ぐすっ、……」
涙が止まらない。
いつもの冷静な私からは考えられないほど、感情のコントロールが効かない。
そのまま私は子供のように泣きじゃくった。
お母さんは何も言わずに背中をさすってくれる。
その手の温もりが、凍てついた心を徐々に、徐々に溶かしてゆく。
体を包み込む温かさが、こんなにも安らぎを与えてくれる。
これまで感じていた頭の重さが嘘のように消えていった。
こんなに単純なことだったんだ。
一人で抱えているときは、もう治らないかと深刻に悩んでいた。
でも、こんなにも簡単なことだったんだ。
人と触れ合うだけで、こんなに心が癒されるなんて知らなかった。
「誰でも隠しておきたいことはあるから、無理に言わなくてもいいわ」
「うん」
「でも、一人で抱え込まないで。かがみはいつも一人で無理するから」
「……ごめんなさい」
迷惑かけちゃいけないと、いつも自分ひとりで問題を解決しようとしてきた。
解決できない時には誰にも言わず我慢する。
そうやってずっと隠す癖がついてきた。
今回も何とかなると、自分だけで解決しようとした。
でも無理だった。
だって、……今回は特別だから。
「大丈夫よ、かがみならきっとできるから」
「うん」
「それに、いつでもお母さんはかがみの味方だからね」
「……うん」
その言葉にまた涙が出そうになった。
こんなとき、どういう風に今の気持ちを伝えればいいんだろう。
不器用な私には、上手い言い回しが浮かんでこない。
だから、ありきたりな言葉でごめんなさい。
短い言葉だけど、だからこそ、ありったけの感謝を込めて言わせてください。
「ありがとう、お母さん」
──と。
★☆★☆
「はぁ、はぁ、……やっと着いた」
肩で息をしながら目の前に立つ大きな鳥居を見上げた。
これでようやく一息つける。
名も知らぬお母さんと別れた後、そのままかがみの家に向かうことにした。
ずいぶん前に歩いていった時のことを思い出しながらだったので、途中何度も道に迷ってしまった。
さすがにスポーツが得意な私とはいえ疲れた。
こんな大雪の日にマラソンをする人間なんて、私以外いないだろう。
さすがの私も走る羽目になるとは夢にも思わなかったけど。
それもかがみに会いたかったから……て、考えていて恥ずかしくなってきた。
神社に着いたのはいいけど、これからどうしよう。
ここまで来たんだから、かがみに会わない手はないのだけど……
でも、こんな朝から何の連絡もなしに会うのはやっぱり気が引ける。
そうだ、携帯……、しまった、忘れてきた。
いつもの習慣が災いしてしまった。
こんな朝早くから家のインターホンを鳴らすわけにもいかないし……
勢いで来てしまったけど、どうしよう。
それに会ってもなんて言えばいいのか分からない。
後先考えずに来てしまったことを、少し後悔した。
どこかで時間を潰そうかな。
そういや、いつもかがみの家の中ばっかりで、神社を歩くことは余りなかった。
普段見慣れている様子とは異なり、白く雪化粧された境内を見ながらふとそんなことを思った。
いつもなら何人か近所の人が参拝に訪れているんだろうけど、今日の大雪のためか誰もいない。
さっきのマラソンもそうだけど、さすがにこんな雪の日の朝早い時間帯に訪れようと思う人間は、私以外いなかったらしい。
まだ足跡の付けられていない雪の降り積もった境内の先にぽつんと立つ社殿が見える。
しばらく悩んだ後、とりあえず神社にお参りすることにした。
これまで神社にお参りすることなんて初詣を除いてほとんどなかったけど、せっかく来たんだから何かお願い事でもしていこう。
神様とか特に信じるほうじゃないけど、何の神様が祀られているのかなんて知らないけど、ちょっとしたお願い事ぐらいしてもいいよね?
そう思いながら、拝殿の前に立った。
「これを鳴らすんだっけ」
からん、からん、と澄んだ鈴の音が辺りに響き渡る。
詳しい作法は知らないので、そのまま何度か手を打った後、手を合わせてお願い事をした。
願いはたくさんあるけど、とりあえず無難なところからしてみることに。
「えっと、かがみが無事目標の大学に合格できますように」
私がお願いするまでもなく、かがみなら大丈夫なんだろうけど、一応ね。
「それと、私も無事大学に合格できますように……って、自分で頑張らなくちゃいけないんだけどね、ハハハ」
お願いするよりは自分で努力するべきなんだけど、別にいいよね。
「それから、かがみと無事仲直りできますように」
顔を引き締めて改めてお願いをする。
そのために今日来たんだから。
あと、最後のお願い。
「その……私の……伝わりますように……」
恥ずかしくてちゃんと言葉に出せなかった。
心なしか顔が赤くなってる。
けど、神様はお願いを聞いてくれたよね?
かなわない願い、そんなものがあるからみんな神様にお願い事をするんだよね。
だから、私もお願いします。
どうか、願いをかなえてください……
◆
久しぶりに泣いた後、これまで塞ぎ込んでいた気持ちがずいぶんと晴れた。
でも、まだ問題は解決していない。
お母さんにお礼を言った後部屋へ戻り、早速こなたと連絡を取ることにした。
携帯の着信履歴の中からこなたの名前を探すのに少し手間取ったけど、すぐに見つかった。
目的の名前を見つけ、発信ボタンを押そうとする。
こんな時間に電話かけてこなた何て言うかな……
いや、そもそもこんな時間に起きてるかな……
色々心配ごとが頭をよぎったけど、それを振り切って電話をかけることにした。
勇気を出して発信ボタンを押してみる。
プルルル、プルルル…………
「……おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか……」
お決まりのアナウンスが流れる。
出鼻をくじかれ落ち込みそうになるも、これは想定内。
こなたが携帯を余り使わないのは知っている。
今度は直接こなたの家に電話をかけることにした。
プルルル、プルルル…………
何度かの呼び出し音の後、こなたのお父さんが電話に出た。
「はい、もしもし、泉ですが」
「あ、もしもし、朝早くからすいません。柊と申します」
「ああ、こなたの友達のかがみちゃんかい? 久しぶりだね」
「はい。さっきこなたの携帯に電話したんですけど、出なくて」
「こなたなら朝早くから出かけて行ったよ。相変わらず携帯を持っていくのを忘れたんだな」
「えっ、そうなんですか? じゃあ、何時ぐらいに帰ってくるか分かりますか?」
「ちょっと外に出かけただけだから、もうすぐ戻ってくると思うよ」
「そうですか……」
「会う約束でもしてたのかい? 戻ってきたらすぐ電話するように伝えておくよ」
「いえ、そういう訳じゃ。すいません、よろしくお願いします」
「なに、気にしないで。あと少し聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「はい、いいですけど?」
おじさんから質問ってなんだろ。
想定外の質問がきたらどうしよう。
「いや、こなたのことなんだが、最近学校で何かあったのかな?」
「何かと言いますと?」
「こなたが最近元気なかったもんでね。思わず気になって。まあ、気にしすぎなんだろうが」
「……」
喧嘩した当初、ずっと辛そうな顔してたことを思い出し、胸が痛くなった。
そんな顔を見るのが辛くて、なるべく見ないようにしてきた。
私は逃げていた。
ここ最近学校での様子は、特におかしなところはなかったと思う。
でも、それは普段通りを装っていただけなの?
ずっと辛い気持ちを無理に隠し続けてきたの?
「もしもし、かがみちゃん?」
「え? ああ、すいません、学校では普段通りだったと思いますが……」
「そうか……ならいいんだが」
ずっと辛かったんだ……ごめんね。
「それにしても、遅いな、こなた」
「そんなに朝早く出て行ったんですか?」
「ああ、俺が起きたときにはもう外に出かける準備ができていたみたいなんだ」
「いつもそんなに早く起きてるんですか?」
「いや、いつもは昼まで寝てることが多い」
その言葉を聞き、不安が募る。
いつも休日前は遅くまで起きているんだろう。
なのに今日に限ってこんな朝早く起きて一人で外に出るなんておかしい。
「何の用事で出かけたんですか? 何か練習にでも行ったんですか?」
こなたは昔格闘技をやっていたと聞いたことがある。
もしかすると今でも続けてるんだろうか。
「いや、最近は習い事もしてないから、それはないと思う。ちょっと雪を見にとか言っていたが、何しにいったんだろうな」
「そうですか……」
こんな寒い中一体何しに行ったんだろう。
しかも久々の大雪。
地面もずいぶん滑りやすくなって危ないはず。
今朝のニュースで大雪による事故を伝えていたことを思い出した。
あれは車同士の事故だったけど、この大雪でスリップした車が人にぶつからないとも限らない。
そうじゃないにしても、どこかで転んで怪我でもしてるんじゃ……
もしかしたらそのまま動けなくなって……
心配のしすぎかな。
何とか心を静めようとするも、不安な気持ちは納まってくれない。
「それにしても1時間経っても戻らないのはおかしいな。30分ぐらいで戻ると思ったんだが」
「えっ、そんなに?」
──まさか、本当に事故に遭って……
顔から血の気が引いていく。
「こなたは、こなたはどこへ行ったんですか?」
「えっ? いやあ、行き先までは聞いてないな。すぐに帰ってくると思ったから」
「こなたが行きそうなところは分かりますか?」
「うーん、あいつが行きそうなところといえば秋葉なんだが、出かける時はいつも行き先を告げてから行くから」
「私、今からこなたを探してきます。失礼します」
「えっ、かがみちゃん? どうした──」
おじさんには悪かったけど、そのまま電話を切った。
悠長に電話してる場合じゃない。
早くしないと、こなたが……
すぐにコートを着込み、家の外へ飛び出した。
「こなたの馬鹿、こんな雪の日に倒れたらただじゃすまないのに」
また泣きそうになるのをぐっとこらえた。
今は泣いてる場合じゃない。
早くこなたを見つけないと。
こなたの行きそうなところ、雪を見に外に出かけたのなら家の近所のはず。
秋葉なんて論外。
とりあえずいつもの通学路を探してみよう。
でも、ここからこなたの家の近くまでは時間がかかるし、どうしよう……
とにかく走ってでも早く行かなきゃ。
そのまま一目散に鳥居の外めがけて走り出した。
足元の雪が邪魔で上手く走れない。
それに雪と砂利が跳ね返ってコートの裾が汚れる。
でもそんなものどうでもいい。
わき目も振らず、前だけを見て走り続ける。
早く、早く──
すると突然、目の前に蒼い影が飛び込んできた。
──えっ?
急いで止まろうとする。
でも、間に合わない!
ドンッ!
「うわっ!」
「キャッ!」
ドサッ……
ぶつかった勢いで二人一緒に木に倒れこんでしまった。
ついでに枝に降り積もっていた雪が落ちてくる。
私が何とか目の前の影を庇ったおかげで、ぶつかった相手に怪我はないようだ。
私も特に怪我はしていない。
不幸中の幸いだ。
そ、そんなことより謝らないと。
「ご、ごめんなさい、私急いでいて……」
慌てて目の前で雪まみれになっている小さな蒼い影に目をやった。
……蒼い髪?
え、ま、まさか……
ぶつかった相手は私のことを呆然と見つめている。
私もその顔に釘付けになった。
そのまま動けない。
何も考えられない。
…………
……
そのままどれぐらいの時間が経っただろう。
二人とも見つめあったままの時間がしばらく続いた。
やがて、目の前の相手が私に話しかけてきた。
「かがみ、大丈夫? どこか痛いの?」
「ねえ、かがみ。怪我でもしたの? 大丈夫?」
心配そうにずっと話しかけてくる声に、私は正気を取り戻した。
「……えっ、こな……キャッ!」
「う、うわぁ!」
相手がここにいるはずのないこなただと認識した瞬間、思わず悲鳴を上げてしまった。
目の前で大きな悲鳴をあげられたこなたは、驚いた反動で後ろの木にぶつかった。
その振動で再び枝から雪が落ちてくる。
雪まみれになりながら、非難の目をこちらに向けてくる。
「いたたた、いきなり大声出すなんてひどいよ」
「こ、こなた?」
えっ、ど、どうして?
どうしてこんな朝からここにいるの?
雪を見に外へ出かけて……そのまま……
そのまま……そうだ、事故に遭って動けなくなったと思ってたけど。
無事だったのね……よかった。
本当に無事で……
うぅ、こなた……
こなた……!
「こなたぁ!」
「わわっ、かがみ?」
そのまま私はこなたをぎゅっと抱きしめていた。
安心したら、不覚にも少し涙が出てきた。
「よかった、無事で」
「かがみ? ……泣いてるの?」
再び心配そうな顔でこなたは私の顔を覗き込んでくる。
「ううん、何でもない。私の勘違いだったから」
「何をそんなに慌ててたの?」
「そ、それは……」
自分が早とちりしてこなたが倒れていると思ったなんて、恥ずかしくて言える訳ないじゃない。
言ったら、またいつものようにからかうに決まってる。
こなたはじっと私の顔を見つめている。
きっと顔は真っ赤なんだろう。
それに目も赤いし。
またからかわれるに違いない。
でも、そんなことよりこなたが無事でいてくれたことのほうが、はるかに大事だった。
「私のこと心配してくれたんだ。……ありがと、かがみ」
こなたはからかう素振りを一切見せず、私の目をしっかりと見据えたままそう言った。
予想外の展開に、こちらも戸惑ってしまう。
「こなた?」
普段と違うこなたの様子に、目の前にある顔を見つめなおした。
こなたの顔が普段より赤く見えるのは、この寒さのせい?
しばらく見つめ合った後、こなたは珍しく恥ずかしそうに目をそらした。
それをごまかすように、いつものにやけた顔に戻る。
「なーんてね、私を心配して泣きそうなかがみ萌え」
「なっ、またあんたはそう……やって」
目の前のこなたは笑っていた。
こぼれそうなほどの幸せな笑みを浮かべて。
こんな嬉しそうな笑顔を見るのは、ほんとに久しぶりだった。
──そんな顔されたら言い返せないじゃない。
こうやって言葉を交わすのもとても久しぶりに感じる。
もう一度こなたの笑顔を見ようと顔の向きを変えると、すぐ目の前でこなたはこちらを見返している。
……目の前?
そこで、自分がさっきからこなたを抱きしめたままだったことに気付いた。
……!
慌てて離れたものの、恥ずかしさで一気に顔が赤くなる。
こなたはそんなこと全く気にしていない様子。
……嫌じゃなかったのかな、迷惑じゃなかったかな。
喧嘩の発端となった教室でのやりとりを思い出す。
そうだ、こなたは私と会えなくてもいいと言った。
だから、私なんかに触れられても何とも思わないのかな……
私一人こなたと会えて喜んでたけど、こなたは迷惑だったのかな……
そう思うと、再び心に冷たい風が吹き込んできた。
「どうしたの、かがみ? さっきから様子が変だよ?」
「ううん、何でもない……」
落ち込んだ私の顔をしばらく見つめた後、こなたは決心したように言った。
「かがみ、一緒に雪を見て歩かない?」
「えっ、いいけど……こなたは迷惑じゃないの?」
そう言うとこなたは、一瞬驚いた顔をしたものの、すぐに笑顔を返してくれた。
「どうして? 私はかがみと一緒に雪が見たいよ? だって、そのほうが嬉しいから」
まっすぐに私を見て、そう言ってくれた。
「こなた……」
その一言でどれだけ心が温かくなったろう。
「こなた……あり……う」
「ん、何か言った?」
「ううん、何でもない。行きましょう」
「うん」
やれやれ、ヘビィだぜ・・・・・・
こういうときこそ、避難所活用じゃね?
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
このくらい酷く荒らしやってるのなら、運営に報告してもいいんじゃね?
>>448 運営が動いてくれればいいんだろうけど、どうなんだろうね
見てる方としてはスルー対処できるからいいけど、
自分の作品がこんな使われ方されてる職人さんが不憫だからなぁ…。
まあ、考えても仕方ないかな。
運営任せかスルーしかないというか、結局それが一番なのが実証されてるし。
そんな事より、少し気が早いけど七夕も何かイベントやるのかな?
柊姉妹二人の誕生日だから、こなかがこなだけ強調するのもちょっと違う感じだけど。
その辺配慮しつつ、いつもみたいに祭りあると嬉しい。
>>450 こなたの誕生日が大盛況だったんだから、かがみの誕生日でも何かしらお祭りやるんじゃない?
とりあえず絵を投下してみたいけど、今のままだとスレ荒れてて気が引けそう orz
452 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/06(金) 18:18:58 ID:GU8RsdQK
___
/ R /\
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| / /=ヽ \ |
|/ (゚)..(゚) \|
\ 'ー=三=-' ノ
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r⌒ヽ / \
| \│;:。:. :。;| _____
| .i \. i / m \
│ .i ヽ. . i / ⌒ ⌒ \
| . ノ\ . .U | /\ /\ | /',⌒:l
| ./ ヽ、_iツ ノ .| <`(゚) X (゚)´> | / ノ i
| / / / |O \/o\/O | , -厂 /ヽ i
/ / / / , -\ トェェェイ ノ 、./ ! l
(_/ / / l ノ \ しw/ノ / ;:。:; i /之ツ
./ / ヽ t │;。 ̄ ̄ .U ''´ ヾミ
/ ./ ヽ .ヽ \: . :;l 、__
/./ . ,} ,ヽ l.ヽ ,´ : ヽ
/ / '´7/l ; >'´``~`..ヾξiξツ _ .ノ
|_/ "Y' : : _,ヾlツ '‐-‐¬丁 ::/
l : r‐'ー- ' ´ _l.: /
ヽ . l、 〈 i /
ヽ. 〉〉 ヽ 〉
ヽ,ヾ
角川書店、ならびに京都アニメーション関係者の方、見ておられますか?
OVAは、「こなかが」ネタ抜きの内容で作ってくださいね。
お願いしま〜す! m(_ _)m
ファイルを整理していたらば、
書きかけのこなかがssらしきものを発見したわけなんだ。
それで、まあ折角だし、と書き途中のものを完成させようと思ったんだが
さっぱり何を書こうとしたか続きが思いだせん。
ので無理矢理書いたらグダグダに…orz
と言うわけで荒れ気味の空気読まずに投下させてもらうぜ
三月、
暦の上では春とはまだ少し肌寒い日。
深呼吸をする。
冷たい空気が体を通り、鈍りがちな朝の頭を鮮明にさせた。
ふと、窓から空を眺めて見れば、
空は高く遠く、そして一際青く見えた。
どうやら柄にもなく、感傷に浸っているようだ。
あの空の青さでアイツと過ごした日々を思い出すなんて。
でも、まあ…今日ぐらいはいいか。
最後だものね。
あの場で会えるのも。
感傷に浸ったとしても罰は当たらないだろう。
今日、私達は卒業する。
長いと思っていた高校生活は、意外とあっさり終わろうとしている。
私は私の。
こなたはこなたの。
それぞれの道を進んで行くだろう。
私達が歩んでいた道は決して同じ道ではない。
この三年間が特別だっただけ。
たまたま道が重なり合っただけの話だ
「近くに住んでるんだし大学生になっても会おうと思えば簡単に会えるよ」
こなたのこの言葉は正しい。
だけれど、自分の周りを取り巻く環境でゆっくりと実現しなくなっていくだろう。
私は私で忙しくなりこなたはこなたで忙しい日々を送る事になり、
会いたくても会えず、そしてその会えない日々に慣れて、会うこと自体も少なくなってゆくんだろう。
最初こそはその状況に寂しさを覚えるかもしれないが、きっと慣れる。
そういうものなのだと。
少しづつ少しづつ良い思い出になって行く。
きっと、それは切ない痛みを伴うものではあるだろうけど、
けして悪いものではないはずだ。
緩やかに別れて行く時間はこの想いを
傷つけることもなく傷つくこともなかった、
ただの遠い日の思い出に変えてくれるだろう。
きっと良い思い出になるだろう
きっと良い思い出になるだろう
………なるだろう、と思っていたのよ?
この時は…本当に………。
「なのに何でこんな事になっているんだか…」
「はっはっはっ、やっぱりかがみは詰めが甘いというか見通しが甘いよねー」
折角のセンチメンタル的厨二文章もあっという間にカッコのつかないギャグ文章に早変わりするあたり、
かがみらしいね! ある意味そこに萌える!
などとバカなことを言いながら目の前にいる私の十年来の親友兼…『こ』のつくあの関係
―まあ、なんだ、察しろ―であるところの泉こなたはゲラゲラと笑った。
ここは私の仕事場である事務所。
私はここの事務所のイソ弁をしている。
(事務所の所長に雇われている弁護士の事。居候弁護士の略。ちなみに所長をボス弁と呼ぶ事もある)
そしてこの事務所内にある休憩用のソファー(客用のとは別に何故か置いてある)に
何故かゴロゴロと勝手に人の家に入り込みくつろぎだす猫かのように、
傲岸不遜…いや違った。
傍若無人な態度でこなたがそこに寝そべっていた。
何故に私の仕事場にこいつがいるか。
簡単な話、こいつもここに仕事をしに来ているのだそうだ。
誤解を生みそうなので注意しておくけれども
別にこなたは弁護士でも検事でも警察でも契約顧問先の大手の会社社員でもなく、勿論霊媒師でもない。
ここにいるのはこなたの職業であるゲームシナリオライターとして
あくまでも仕事の一環として次作のための取材として来ている。
…と、言った名目を掲げてサボりに来ている。
実際、次回作のため次回作のためと言いながらも次回作が弁護士モノだった例はなく、
事務所に来て取材のようなものをする気配はない
いや一応は私のボスである所長に話を聞いてはいるが切り出しが
「そういえば所長、所長の息子、今年小学校に入学だっけ?」
と、どう聞いても取材じゃなくて世間話をしだすあたり、
ダメだこいつら…早く何とかしないと…の心境である。
そんなんだから卒業式間際まで
卒論の締め切りとサボりすぎた授業の足りない単位の為の追加課題の締め切りに追われる羽目になるんだ。
そして在学中はもちろん、卒業してからも脚本の締め切りに追われる毎日ときているのだから、
つくづく締め切りとの追いかけっこが好きなようだ。
コイツ実は結構Mなんじゃないか?
本来なら所長もこいつを追い出すべきなのだが歳の差を超えたシンパシーと言うか、
要は同じ穴の狢で意気投合してしまい、ここの事務所のゆるい空気の一因となってしまっている。
そう言えばコイツは昔から趣味を同じくする同士を見つけると
普段のものぐささを感じさせないフットワークを見せネットワークを形成するのが上手かったな、
などと軽く物思いにふけった。
まあこんな日常も悪くはないと思う。
私はそう結論を出し事務所の窓から、あの日の空を眺めようとした。
うん、やっぱグダグダはよくないね
へビィだぜ……
いやよかったよw
GJ
>>459 で、事務所で二人きりになると途端にイチャイチャし始めるわけですねw
ゆーちゃん×の左側伝説
こなた「最近、ゆーちゃんのお陰で私にも姉としての自覚が芽生えてきたよ。
お姉ちゃんって大変だよねー、かがみん?」
かがみ「とてもそうは思えないんだけど…」
こなた「いや、あのね、やっぱり妹の姉に対する期待の視線が痛いじゃない。
そうそう失態ばかり見せられないって言うか…」
かがみ「失態ばかりなのか」
つかさ「お、お姉ちゃんも普段プレッシャーを感じてたの?」
かがみ「うーん、私は全然だわ。さらに上の姉がいるからかなあ」
こなた「それにゆーちゃんは、いわゆる所の無邪気攻めだからね…」
つかさ「無邪気攻め?」
ゆたか「こんにちわ〜、あの、少しいいですか?」
こなた「どうしたのゆーちゃん?おねーサン達に何でも聞きなー」
ゆたか「えっと…実は中学の時の友達が、告白されたらしいんです…
相手の子は友達とすごく仲が良い同級生で…
それで、その相手の子は友達と同じで女の子だったから、友達もビックリしちゃって
『今は返事できないよ』って言っちゃったらしいんですよ。
昨日、その友達に会ってきたんですけど、どうも別に女同士が嫌なわけじゃなくて
『あの子を本当に幸せにできるのかなあ』と悩んでるみたいで…
でも、相手の子の方は『嫌われちゃった…』って元気ないみたいだし、何かアドバイスを頂けたら…」
こなた「…///」
かがみ「…///」
つかさ「(強い…)」
ゆたか「(ど、どうしよう、すごい気まずい…)」
おおうっ、感想ありがとう。
こういうグダグダな文章しか書けないからそう言ってくれるとありがたいよ。
本当。
どうでもいいが「そこをなんとか」とかの弁護士漫画読むと
弁護士かがみんネタが色々出てきて困る。
>>463 いいえ、所長がいてもツンデレながらもイチャイチャします。
バルサミコスわろたw
いい話でしたb
投下したいのに、投下したくない。
今のこの状況なんとかならないかな。
いっそのこと、板変えることも考えないか?
お前が移動しろ
これはひどい
書いてあるレスは少ないけど、スレ読んでる人はコンスタントにいるので
強力なネタがあるなら、投下すればいいと思う。
良いネタなら雰囲気は変わると思うんだ。
つまり、反響が薄かったらつまんなかったことがバレバレ。
自分のようなMにはヨダレもんです。
>>468 板変え賛成。
こんな状態じゃもう無理だろ
いずれにしろ、作品投下が多いほどいいと思うよ。
大半の人には荒らしとか路傍の石だからスルーするけど、作品には反応返すし。
とにかくこのスレを終わったことにしたい人がいるのはわかる
>>474 同意。全くネガティブキャンペーン乙だな。
移動したらそれこそつぶしたい側の思う壺だつうのに。
ていうか、議論は避難所でやってくんないかな。
これくらいの荒らしで板変えとか…どんだけだよ
投下するのが怖いなら避難所あるだろ?
ここでのネガキャンはお断り願います
雰囲気ってかコピペで埋められてる状況だろ
こちら側の反応は関係ないぜ
移動するより荒らされ続けるほうが人が減る
また最萌の時期も近づいてきたし
致命傷負う前に態勢整えたほうがいいんじゃね
>議論は避難所でやってくんないかな
移動賛成でも反対でもいいから避難所の議論に参加してくれ
ほとんど機能してない
ゆーのすさんのブログを読むと
きら☆キラ かがみん後もらきすた本は作るのか
主役は別のキャラになっても、
こなかがは既定のカプみたいな設定になるのかな
そういうのむしろ好きだ
ゆーのすさんとこの本はらき☆すた本として見ても面白いから、今後も続けてくれると嬉しいねぇ。
ほかのとこはどうなるんだろ。サンクリはともかくOVA出てからの夏コミではまた盛り返してくれるかなぁ
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| みんな乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
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>>480 ウェディングドレスとは違った良さがあるw
>>480 可愛いですね。
上の文、何て書いてあるのか気になります。
>>480 こなた×かがみの組み合わせは国をも超えるということか…。
いろんな意味で凄まじいな
>>480 これ外国の人が描いたの !? 中国語だと思うけど (台湾かも)
すごいね、外国の人たちが見てもこなたとかがみって熱々カップルなんだ・・・
以前スレで話題になったけど、
確か中国のオタランキングで、かがみとこなたはカップル部門受賞だったなw
所渭人生的?家就是即使生的是女八将来也不用煮赤豆飯!
こう書いてあるみたいだけどね。ちなみに繁字体だから台湾はほぼ確定(台湾角川もあるわけだし)
※文字化けして"?"になってるところがあったらその文字はUnicodeの0x8D62
台湾もこなかがかw
話が書けなくなった職人が荒らしてるんだろ
くやしいのうwwwwwwくやしいのうwwwwww
日本のどっかの絵師が描いた絵に台湾語を付け加えたという可能性もあるが
>>479 ゆ〜のすさんは、ぶっ壊れ柊一家(『アトのまつり!』)シリーズに走りそうな感じ。
ちゃんとかがこなテイストも入ってたし、面白かったから全然おk。
ただおさんとみきさんクソワロタw
こなたとかがみの結婚絵は結構多いんだけど、和式だとこなたが男装で洋式だとかがみが男装が多いね。
単純にその方が似合うからだろうけどw
ていうか、結婚ものは洋風しか見たことが無かったから和風は新鮮だ。
和風だとこなた男装が多い理由?
どう考えてもこなたに袴がバッチリマッチ過ぎだからwww
494 :
5-974:2008/06/07(土) 19:21:11 ID:CNyyqXeH
SSいきます。結構長めになってしまったので、規制にひっかかったら避難所に1からまとめて投下します。
5分後から投下します。
今回はまともなSSかとw
うんうん、こなたの紋付き袴はかわゆいww
太陽が空のてっぺんに登る頃。
お昼休みの学校の屋上に一人の少女。
柵に腕をのせてぼーっと、遠くに浮かぶ雲を見つめる。
空はとてもきれいな青。
しかし、青空を見つめる少女は、この空とは正反対の表情だった。
クラス発表の日。かがみにとっては、とても重要な日だった。
…また同じクラスになれなかった。今年が最後のチャンスだったのに…
いろいろ手を尽くしたけど、やっぱりダメだった。ショックが大きい。
わざわざ文系まで選んで、可能性を増やそうともしたのになあ…
…今年こそはつかさと…みゆきと…それにアイツとも…一緒のクラスになりたかったなぁ…
「はぁ…」
ため息が出る。
どうして私だけ…
やっぱり私、ハブられてんのかなあ…
暗くてネガティブなことばかり考えてしまう。
屋上で一人。
何もする気が起きない。
そういえば、今日ご飯持って来てなかったわ…いっか、もう…ダイエットと思えば。
今年こそは、と思っていたのに。
想いが強すぎて、いつの間にかそうなれると勝手に自分の中で思い込んでいたくらいだ。
だからこそ、余計悲しかった。
…冷静に考えてみたら、叶うなんてことあるはずないのにね…
かがみは俯いて、ため息をつく。
4人が同じクラスになった時のことを何度も、何度も思い描いていた。
「わ〜い!やっとおんなじクラスになれたよ〜」「そうね、良かったわ」
大喜びするつかさと私。
「かがみ〜!宿題見せて〜!!」「同じクラスになってもこれかよ!!」
相変わらず私に宿題を見せてとせがんできて、私に怒られるこなた。
「ここはこうすればいいんではないでしょうか?」「あ〜、なるほど。さすがみゆきね!」
私とみゆきが一緒に考えれば、どんな難しい問題でも解けそうな気がする。
そして、4人の楽しい時間がもっと増える。
授業も一緒になるし。
そう思うと、虚しくなってきた。
「どうして…私だけ…」
497 :
2:2008/06/07(土) 19:27:25 ID:CNyyqXeH
こんないじけてる所、誰にも見られたくはない。
私は強がりだから…お姉ちゃんだから、弱いとこなんて見せらんないのよ。
それに、こなたになんかなおさら見られたくない。また、からかわれるネタにされるし。
でも…
「…一緒になりたかったなあ」
寂しいー。
神社で熱心にお願いもしたし、先生にも何度もアピールした。
その苦労が全く実らなかった。結局いつもとおんなじ。
それでも、私はずっと期待してた。そんな自分が愚かしい。
「…」
胸がくやしさでいっぱいになる。手をのせた柵を思いきり握りしめる。
「もう…!!なんでよおっ!!!」
それに何やってんのよ私は…もう、なんで、なんで、どうして……!!?
ガチャン!
突然、後ろから屋上への扉を開ける音がして、驚いた。
振り向くと、背の小っこいアホ毛が出て来た。あー…今一番会いたくない奴だわ。
どーせ、『こんなとこでいじけてるかがみ萌えw』とか言うんだろうな…
やれやれ、とかがみはまた外の方を向いて、こなたに背を向ける。
「かーがみっ!」
「…何よ」
…うるさい。今は一人でいたかったのに。
すごい腹が立ってるし。これから、からかわれるのが目に見えるようでなおさら。
こなたは私の隣に来たが、私は全く見ようとはしなかった。
「どしたの?うちのクラスに来ないの?」
「…」
何も返さなかった。どうやって追い帰そう…
「かがみはまた違うクラスになっちゃったから寂しいんだよね〜」
はあ…思った通りのことを言われてため息が出る。
「それで、一人屋上でいじいじしてんの?かがみ、かわい〜い♪」
きっとニヤニヤ顔言ってるであろうこなたに、私は怒りを通り越してただ呆れる。…あーあ。
498 :
3:2008/06/07(土) 19:28:36 ID:CNyyqXeH
「よしよし」
こなたが突然私の頭を撫でてきた。
「なっ…!や、やめてよっ!!」
やっと、私がこなたに反応したのかちょっと嬉しそうにするこなた。…やっぱりこいつ、むかつく…!
「さびしんぼなかがみw」
「…」
もう何も言い返してやんない。
「ねえ〜かがみぃ」
「…」
「かがみさぁ…さびしいんだったら、うちのクラスにくればいいのに。いつでも来ていいんだヨ」
「…」
「たまには素直になったっていいんだよ。私だって、かがみと一緒のクラスになりたかったんだからさ」
「そう、なの…?」
「うん、だからやっぱり私も残念」
…意外だった。こなたが私にこんな優しい言葉をかけてくれるなんて。
そういえば、こいつは人のことを気にかけてくれるとこあるんだよなあ…たまにだけど…でも…
「元気出してよっ!かがみぃ〜」
まさか、こなたがなぐさめてくれるなんてね…
さっきまでガチガチになってた私の心がほんのり温まってきた。
そして、急な寂しさが襲って来て涙が込みあげてくる。
「かがみはさびしんぼだからね。私たちが一緒にいてあげるよ!」
…おねがい。これ以上言わないで、泣いちゃうから。
目に涙が溜まってくる。私は外を見たまま、必死で泣くのをこらえた。人前で泣きたくない。ぜったいに。
かと言って、手で涙を拭おうとすればばれちゃうからできない。
「ね…かがみ。だから、元気出してヨ!」
と言って私の頭を優しくなでてくれた。
…もう限界。
私の目から涙が、ぽろっと落ちた。
499 :
4:2008/06/07(土) 19:30:11 ID:CNyyqXeH
「こなたぁ…」
「…かがみ…?」
「うぅ…ひっく……ひっく…ぐすん……私っ…一度くらいっ、…つかさや、みゆきや…あんたと…一緒のクラスになりたかったよお…」
急に私が泣き出してしまって、こなたは少し慌ててるようだった。
「あ〜…かがみ、な、泣かないでよ…」
「…よしよし」
また私の頭をなでてくれる。
優しい。こいつがこんなに優しくしてくれて…余計涙が止まらなくなる。
「よしよし、悲しいよね。かがみ、ずっと同じクラスになりたいって思ってたからね…」
「私…おんなじクラスになって……一緒に授業で考えたり…一緒にグループ発表したり…学園祭の出し物一緒に作ったりしたかった…!今年で最後だったのに…!」
「あーもう…そんなに泣かないでよ、かがみ……もう……よしよし、今日は、目一杯私に甘えていいよ、かがみ」
「うぇえ〜ん……こなたぁ〜…」
私は、こなたの肩に頭を寄せて泣く。
「黒井先生に一緒のクラスになりたいって頼んだのに…神社で何度もお願いしたのに…」
私は、こなたの小さい体にすがりつく。
こなたはうんうんと相づちしながら、私の背中を優しくさすってくれる。
「ふえぇぇぇん…」
もう我慢なんてできなかった。
もう私は泣くことしかできなかった。
でも、こいつは……こなたは…私の悲しみを全部受け入れて慰めてくれた。
「だいぶ落ち着いてきたカナ?」
「くすん…くすん…、うん…」
「ところで、かがみ…ごはんは?」
「ぐしゅ…あ…今日は……ないんだった…」
「じゃあさ、私のお弁当、はんぶんこしよ!ね?」
そう言って、持って来た包みを出す。
「………ぅん。…くすん、ありがとね…こなた…」
こなたが、自分のお弁当の箱を開ける。
中には、おいしそうなおかずがきれいに並べられていた。こなたの料理の才能はつくづく意外だと思う。
こなたは、お弁当の卵焼きを箸でつまんで、私の前に出す。
「はい、あーんして!」
「ふぇ?」
「ほら、口開けてヨ」
「…………はずかしい」
「誰もいないから大丈夫だって」
「…」
500 :
5:2008/06/07(土) 19:31:20 ID:CNyyqXeH
「ほ〜ら」
私はちょっとだけ考えて、恥ずかしいけど、そのまま食べさせてもらった。
「…あ…ん…」
ぱく…
「どう?おいしい?」
「…うん。とっても…」
こなたは、私の頭をなでてくれながら、ごはんを食べさせてくれる。
食べさせてもらってる時でも、こなたの気持ちがただただうれしくて、時々涙が出ちゃうんだけど、その度にこなたが、ハンカチで涙を拭いてくれる。
私の中の悲しみがどんどん溶かされていくみたいだった。
やさしい…
普段のこなたと違って、弱々しくなってる私にとても親切にしてくれる。
「ごちそうさま。…ありがと、こなた。こんなにしてもらって、すごい嬉しい…」
「かがみ、もっとお願いしたっていいんだよ…もっと甘えたっていいんだよ!今日は私のサービスデイだからね!何かしてほしいこと、ある?」
「…ん……」
考えてみる。
ふと、私は去年のある日の光景が思い浮かんだ。
しかし、ちょっとお願いしにくいことだったので、他のことを考えてみる…が、他には全く思い付かなかった。
「でも…」
「なんでもいいよ。…言って」
「じゃあ、…………………………………その、ひざまくらとか……だめ?」
私は、こなたの目を見ずに言った。
「…いーよ。はい」
「…うん」
私は、ゆっくりと、こなたのお腹の方に顔を向けながら、こなたのひざの上に頭を乗せた。
こなたのぬくもりを感じる。
静かに、息をはく。
胸がドキドキする。
…とっても……気持ちいい。
「でも、どうしてこれなの?」
「つかさがね…この前、泣いちゃった時、お母さんにこうしてもらって甘えてるとこ見て…うらやましかったんだ…
つかさは…素直だから、すぐ誰かに甘えることができるけど…私はさ…こんなだから…誰かに甘えることなんてできなくて……」
「かがみは強がりだもんね」
「うん…そのくせ、あんたの言う通り、さびしんぼでさ…いっつも一人で何でもどうにかしようと思ってたから…」
「そっか」
こなたは私の髪を優しくなでる。とても気持ちいい。
今まで、こんなに優しいことはしてもらったことがなかった。
また、涙が出そうだったので、目をつぶる。
「だからね…例えあんたでも…こうしてくれるの、すごく、安心する…」
501 :
6:2008/06/07(土) 19:32:23 ID:CNyyqXeH
「…でも、つかさやみゆきには言わないでね。他の皆の前では…しっかりしたお姉ちゃんでいたいから…
あんたの前だけだからね…こんなことするの…」
「…かがみのツンデレ」
こなたは、口元に笑顔を浮かべながらかがみの紫色の髪を梳いた。
私は嬉しくなって、目をつぶったまま、こなたにさらに寄り添った。
「ありがとね…こなた」
「…うん」
今なら言える。素直になれる。
私は弱々しい声で話す。私がこうしているうちは、こなたはすごく優しくしてくれるから。
いつもみたいにからかわれないもんね。…だから、私はそれにめいっぱい甘えちゃう。
こなたが優しいから、こなたが優しく話してくれるから…私はこなたに甘えられる。素直になれる。
こんなに人に優しくしてもらって…幸せ…
甘える…か、
つかさが甘えたがる気持ちが分かるなあ…
あったかい…
今日くらい…この小っちゃい奴に…甘えたっていいよね。
後でこれをネタにして、からかわれたっていいや…今は…こなた、すごく優しいんだもん……
今日は温かい。
屋上で二人きり。
自分より小さい奴に甘えてるわたし。
…いいのよ。
友達だし…それに、こいつの方がちょっと年上だもんね…
こなたに気付かれないように腕時計をみる。あと10分だけか…こうしていられるのは。
だからあと少しだけ…いっぱい甘えさせてもらおう…
「ねえ、かがみ…」
「…なあに?」
「そろそろ…いいんじゃない…?」
「え…」
なんで…まだ少しだけ時間あるのに…
502 :
7:2008/06/07(土) 19:33:35 ID:CNyyqXeH
「なんか恥ずかしくなってきちゃってさ…だから、もういいよね…?」
…!!
どうして…どうして、そんなこと言うの…!?
私の顔がまた悲しい顔に戻ってしまう。
「…いや……!!もっと…このままでいさせてよ…!!」
「…で、でも…」
「こなた、今日だけは甘えさせてくれるって言ったじゃない…!!」
私は離れたくなくて、こなたのお腹にすがりつく。
「…」
「こなたぁ…!」
「…でも、人に見られてるのはさすがに恥ずかしぃよ」
私の動きがピタッ、と止まる。
そしてゆっくりと首を後ろに向ける。
すると、つかさとみゆきが気まずそうに、見ていた。
「…やっ…!!!な!な!!なぁぁ!!」
私は慌てて体を起こそうとした。が、こなたにがっしりと押さえ付けられてジタバタする。
「いっ、いつからいたのよ!!あんたたち!!…てか、こなた離せ〜!!」
「え〜〜?だーってかがみこのままでいさせてって言ったじゃ〜ん?」
「あんた、さっきもういいんじゃないって言ったくせに〜!!」
どうかしてた!絶っっ対どうかしてた!!!こいつに甘えてるなんて!!!!!!
私はいつも通りに戻っていた。
こなたもいつもの調子に戻って私をからかってくるし…
503 :
8:2008/06/07(土) 19:35:07 ID:CNyyqXeH
私はこなたから1メートルくらい離れて座っている。真っ赤になった顔が元に戻らないから、顔を背けている。
「お姉ちゃん、すごい甘えんぼさんだったね…」
つかさがえへへ、と笑う。
「うぅぅ…」
「ごめんなさい…お邪魔してしまいましたね…」
みゆきが申し訳なさそうに笑った。
「違うわよっ!!そんなんじゃないんだからっ!!」
俯いたまま叫ぶ。
「あのね、私たち今日お弁当ないって言ったらね、こなちゃんがお姉ちゃん探しに行くって言ったから…」
「もうすぐ授業が始まってしまいますので、探しに来たのです」
「あ…そう」
「…」
沈黙。
「かがみ〜もっと、甘えて〜!」
こなたが私に倒れこんでくる。
「うるさいっ!!もういいわっ!!」
「こんなデレかがみ、滅多に見る機会ないからさ〜。すんごい可愛かったよ〜」
「……!!」
やっぱり今日はさいてーの日だっっ!!!
その日の夜
私は自室のベッドに横になった時に昼間の…こなたにしてもらったひざまくらの感触を思い出す。
「はあ…」
ふと息をつく。
「なんで、あんな恥ずかしいことしちゃったんだろう…」
ぼーっとしながら、昼間の出来事を思い出す。たぶんまた顔、赤くなってる。
帰り道、ずっと今日のことをこなたにからかわれるし…
なんでそうなったんだっけ…?
確か…そっか。また私だけ違うクラスになってへこんでて…
それで…
ひざまくらされてる私の情景が浮かぶ。
温ったかかったな…
504 :
9:2008/06/07(土) 19:36:07 ID:CNyyqXeH
「ああもう!何考えてるのよ!!」
はっと気付いて、思考を振り払う。
あんまり久しぶりに…ひざまくらして優しくしてもらったから、そう思っただけなのに!!
別につかさやみゆきにしてもらったって…
「…」
あまりはっきりとイメージができなかった。
(なんでかな…こなたは他の誰かと何か違う…?)
(こなた、だから…?私はこなただから…こんなに…)
「…!」
また、はっとして、ぶんぶんと頭を振る。
(別に私は、あいつのことなんか… あいつは宿題やらないし、遅刻するし、すぐ私のことからかってきて…)
昼間、優しくしてくれたこなたを思い出す。
普段とは逆に…下から見上げたこなたは…長い髪がちょっとだけ…ほんのちょっとだけ…だけど大人っぽく見えて、
母性すら…ちょっと感じた。
…あいつに母性なんかあるのだろうか。甘えさせてもらったからそう感じてるのかな。
きっとあいつにそっくりの…かなたさんもこんな感じだったのかなあ…
「! もっ…もぉ!…何でこなたのことばっか考えちゃうのよっ!!」
顔に熱が集まってくるのが分かった。
「これじゃまるで…私がこなたに… こなたに… 」
その時、私の頭の中に浮かんできたのは、手をつないで楽しそうに話す私とこなた。
お互いの背中に手をまわして、恥ずかしげに見つめ合う私とこなた。
私とこなたが幸せそうにしている様子が、簡単にイメージができてしまう。
しかし、かがみはもうそのイメージを止めることはしなかった。
「恋……………しちゃったのかなあ……」
赤くなった顔でぽつりとつぶやく。
そう結論を出すと、落ち着いてきて、だんだん眠気が現れてくる。
「こなた…」
この名前を呼ぶと、胸がきゅっとしめつけられる。
そしてそのまま眠りについていった。
505 :
10:2008/06/07(土) 19:37:28 ID:CNyyqXeH
その日の夜・こなた
私は、ベッドに寝転がって今日のお昼のことを思い出す。
泣いちゃうかがみ…可愛かったなあ。
私のひざの上で『もっと、このままでいさせて…』とか、
『いや…もっと甘えさせて…!』と言って私にすがりついてくるかがみが…
…
「あー!もう!!かがみ可愛いよかがみー!!」
私は顔を赤くしながら、枕をぎゅーっと抱きしめた。
「…かがみぃ……」
今日のことをくり返し思い出すたびに顔がにやけてしまう。
やっぱりかがみはいいな…リアルでこんな萌えさせてくれる人いないヨ…!
それから私はずっと物想いにふける。
今日のお昼にあったちょっとした事件。とっても幸せだった事。
ひざまくらしてもらいながら、目一杯私に甘えてきた大好きな女の子のことを。
こんないじけてる所、誰にも見られたくはない。
私は強がりだから…お姉ちゃんだから、弱いとこなんて見せらんないのよ。
それに、こなたになんかなおさら見られたくない。また、からかわれるネタにされるし。
でも…
「…一緒になりたかったなあ」
寂しいー。
神社で熱心にお願いもしたし、先生にも何度もアピールした。
その苦労が全く実らなかった。結局いつもとおんなじ。
それでも、私はずっと期待してた。そんな自分が愚かしい。
「…」
胸がくやしさでいっぱいになる。手をのせた柵を思いきり握りしめる。
「もう…!!なんでよおっ!!!」
それに何やってんのよ私は…もう、なんで、なんで、どうして……!!?
ガチャン!
突然、後ろから屋上への扉を開ける音がして、驚いた。
振り向くと、背の小っこいアホ毛が出て来た。あー…今一番会いたくない奴だわ。
どーせ、『こんなとこでいじけてるかがみ萌えw』とか言うんだろうな…
やれやれ、とかがみはまた外の方を向いて、こなたに背を向ける。
「かーがみっ!」
「…何よ」
…うるさい。今は一人でいたかったのに。
すごい腹が立ってるし。これから、からかわれるのが目に見えるようでなおさら。
こなたは私の隣に来たが、私は全く見ようとはしなかった。
「どしたの?うちのクラスに来ないの?」
「…」
何も返さなかった。どうやって追い帰そう…
「かがみはまた違うクラスになっちゃったから寂しいんだよね〜」
はあ…思った通りのことを言われてため息が出る。
「それで、一人屋上でいじいじしてんの?かがみ、かわい〜い♪」
きっとニヤニヤ顔言ってるであろうこなたに、私は怒りを通り越してただ呆れる。…あーあ。
507 :
5-974:2008/06/07(土) 19:39:27 ID:CNyyqXeH
完。
タイトルは、「今日だけのあまえんぼ」
屋上には甘いカプールがいるもんです。
今回はまともなSSでした。
…………だから…………次は……………ほどよく壊れネタでも……………………おk?
また荒らしか
>>506 荒らしっすね。まあもう投下終わってるけどw
>>507 GJ!
さびしんぼかがみが超萌え(≡ω≡.)
これはひどいな
>>507 GJ!
こういうの読むと、本当は凄く優しいのに照れて普段はふざけてるこなたもツンデレちっくだなぁと思う。
次は適度な感じに壊れて下さい(笑)
「最近、あいつと会ってないな…」
カレンダーを見て溜め息をつく。…まだ一週間しか経ってないじゃん。
『こなたのいない日』
「お姉ちゃ〜ん、クッキー焼いたんだけど食べる?」
「おぉ、サンキュ」
最近体重減ったし、いいよね。
「ねぇ、最近何かあった?」
「ふぇ?なんで?」
やっぱつかさのクッキーは美味しいわね。
専門学校に通ってるせいか、最近ますます腕を上げてるんじゃないかしら。
「何もないんだったらいいけど…」
「それよりあんたはどうなの?いい男とかできた?」
「え!?い、いないよそんな人!」
顔を真っ赤にして言っても、説得力ないぞ。
「怪しいなー」
「ほ、本当にいないから!!」
つかさは逃げるように部屋を後にした。
…クッキーまだいっぱい残ってるんだけど。
言えないってことは、姉に気使ってるのか、それとも言えないような人なのか…。
女だったりして。
………。
…いや、その発想はさすがにおかしいから。
最近、よく自分につっこんでる気がする。
☆ ☆ ☆
ひよりんにネタ収集のためには屋上を張れとアドバイス
クッキーを完食した私は、台所に向かった。
「うん、うん。あはは、どんだけー」
やけに楽しそうに話すつかさに遭遇した。
携帯使えばいいのに。
「うん。わかった、10時だね。バイバイ」
「デートの約束か〜?」
「はぅわ!?お、お姉ちゃん!!」
「どんな人かくらい教えなさいよ」
「え、えっと…その……今のはゆきちゃんだけど………」
みゆきかよ。
期待外れの返答に肩を落とす。
やっぱ私たちにロマンスはないのかしらねー。
「そういえば、みゆきとも最近会ってないわね。ついてっていい?」
「うぇ!?それは、えっと……ゆきちゃんに聞いてみなきゃ」
頭に?マークが浮かんだ私の背景には、でかでかとKYの文字がはられていた。
☆ ☆ ☆
結局会いに行くことになった私は、つかさと一緒に待ち合わせ場所に行く。
「あ、つかささん。こんにちは。かがみさんもお久しぶりです」
「ゆきちゃんお待たせ〜」
「おっすみゆき。久しぶりね」
みゆきのことだ。待ち合わせの時間より相当前に来ていたんだろうな。
「では、行きましょうか」
行き先は初めから決めていたようだ。
みゆきにエスコートされて来たのは、落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。
慣れた足取りのつかさは、みゆきと二人で来たことがあるんだろう。
私は高そうな内装を見て、少したじろぐ。
「この店、お気に入りなんです。かがみさんもぜひ、またいらっしゃって下さいね」
そう言うみゆきの隣につかさ、その向かいに私が座った。
「私にはちょっと早いかな…はは」
メニューに目を通して呟く。
「あのね、お姉ちゃん。今日は、ちょっと話したいことがあるの」
「なに?改まって」
一番安いコーヒーをすすぐ。へぇ、けっこういけるじゃない。
「私たち…付き合ってるんだ」
「ぶふっ!?」
盛大に吹いたコーヒーを拭きながら、私は頭の整理に努める。
「えーと、その、私たち…っていうのは、えっと、だれとだれのことを……」
「つかささんと、わたしです」
………へぇ、マジなんだ。
そういえば、卒業してからもよく連絡取り合ってたっけ。
「…いつから?」
「真剣にお付き合いを始めたのは、卒業式が終わって間もない頃です」
「受験が終わるまではお互い励まし合ったりして…ね、ゆきちゃん♪」
「えぇ、あの頃が懐かしいです」
まずい、この雰囲気は……。
ノロケモードに突入する前に立ち去ろう。
☆ ☆ ☆
「私たちがこういう関係になったのは、お姉ちゃんたちの影響なんだよ」
「へ?」
適当な用事を考えていると、つかさが突然変なことを言い出した。
私?『たち』ってなに?
「こなたさんと、何かあったんでしょう?」
久しぶりに聞いたその名前は、なぜか重々しく感じた。
「お姉ちゃん。お願い、こなちゃんを許してあげて」
「…許す?」
「うん。前電話したとき、全然元気なかったから…」
むしろ、私が加害者なんだけどね。
「勝手かもしれないけど、お姉ちゃんたちにはずっと仲良しでいてほしいから…」
あーもう、ホントこいつは…。
頑張って考えないようにしてたのに……。
「私からも、お願いします。
かがみさんたちがこんな調子だと、私たちまで不安になってしまいます」
なんで、こんなお人好しばかりなんだろ。
私の周りにいるのは……なんで、なんで…こんなに………。
「…こなた」
こぼれ落ちたその言葉は留まることを知らず、
「こなた、こなた。こなた…こなたぁ………」
涙と一緒に溢れ出した。
>>516 一度屋上でひどいめにあってるかがみが、
逢引に場所を変えることが予想されるw
太陽が空のてっぺんに登る頃。
お昼休みの学校の屋上に一人の少女。
柵に腕をのせてぼーっと、遠くに浮かぶ雲を見つめる。
空はとてもきれいな青。
しかし、青空を見つめる少女は、この空とは正反対の表情だった。
クラス発表の日。かがみにとっては、とても重要な日だった。
…また同じクラスになれなかった。今年が最後のチャンスだったのに…
いろいろ手を尽くしたけど、やっぱりダメだった。ショックが大きい。
わざわざ文系まで選んで、可能性を増やそうともしたのになあ…
…今年こそはつかさと…みゆきと…それにアイツとも…一緒のクラスになりたかったなぁ…
「はぁ…」
ため息が出る。
どうして私だけ…
やっぱり私、ハブられてんのかなあ…
暗くてネガティブなことばかり考えてしまう。
屋上で一人。
何もする気が起きない。
そういえば、今日ご飯持って来てなかったわ…いっか、もう…ダイエットと思えば。
今年こそは、と思っていたのに。
想いが強すぎて、いつの間にかそうなれると勝手に自分の中で思い込んでいたくらいだ。
だからこそ、余計悲しかった。
…冷静に考えてみたら、叶うなんてことあるはずないのにね…
かがみは俯いて、ため息をつく。
4人が同じクラスになった時のことを何度も、何度も思い描いていた。
「わ〜い!やっとおんなじクラスになれたよ〜」「そうね、良かったわ」
大喜びするつかさと私。
「かがみ〜!宿題見せて〜!!」「同じクラスになってもこれかよ!!」
相変わらず私に宿題を見せてとせがんできて、私に怒られるこなた。
「ここはこうすればいいんではないでしょうか?」「あ〜、なるほど。さすがみゆきね!」
私とみゆきが一緒に考えれば、どんな難しい問題でも解けそうな気がする。
そして、4人の楽しい時間がもっと増える。
授業も一緒になるし。
そう思うと、虚しくなってきた。
「どうして…私だけ…」
こんないじけてる所、誰にも見られたくはない。
私は強がりだから…お姉ちゃんだから、弱いとこなんて見せらんないのよ。
それに、こなたになんかなおさら見られたくない。また、からかわれるネタにされるし。
でも…
「…一緒になりたかったなあ」
寂しいー。
神社で熱心にお願いもしたし、先生にも何度もアピールした。
その苦労が全く実らなかった。結局いつもとおんなじ。
それでも、私はずっと期待してた。そんな自分が愚かしい。
「…」
胸がくやしさでいっぱいになる。手をのせた柵を思いきり握りしめる。
「もう…!!なんでよおっ!!!」
それに何やってんのよ私は…もう、なんで、なんで、どうして……!!?
ID:kstwaLNV
NGワードでヨロ。
ガチャン!
突然、後ろから屋上への扉を開ける音がして、驚いた。
振り向くと、背の小っこいアホ毛が出て来た。あー…今一番会いたくない奴だわ。
どーせ、『こんなとこでいじけてるかがみ萌えw』とか言うんだろうな…
やれやれ、とかがみはまた外の方を向いて、こなたに背を向ける。
「かーがみっ!」
「…何よ」
…うるさい。今は一人でいたかったのに。
すごい腹が立ってるし。これから、からかわれるのが目に見えるようでなおさら。
こなたは私の隣に来たが、私は全く見ようとはしなかった。
「どしたの?うちのクラスに来ないの?」
「…」
何も返さなかった。どうやって追い帰そう…
「かがみはまた違うクラスになっちゃったから寂しいんだよね〜」
はあ…思った通りのことを言われてため息が出る。
「それで、一人屋上でいじいじしてんの?かがみ、かわい〜い♪」
きっとニヤニヤ顔言ってるであろうこなたに、私は怒りを通り越してただ呆れる。…あーあ。
「よしよし」
こなたが突然私の頭を撫でてきた。
「なっ…!や、やめてよっ!!」
やっと、私がこなたに反応したのかちょっと嬉しそうにするこなた。…やっぱりこいつ、むかつく…!
「さびしんぼなかがみw」
「…」
もう何も言い返してやんない。
「ねえ〜かがみぃ」
「…」
「かがみさぁ…さびしいんだったら、うちのクラスにくればいいのに。いつでも来ていいんだヨ」
「…」
「たまには素直になったっていいんだよ。私だって、かがみと一緒のクラスになりたかったんだからさ」
「そう、なの…?」
「うん、だからやっぱり私も残念」
…意外だった。こなたが私にこんな優しい言葉をかけてくれるなんて。
そういえば、こいつは人のことを気にかけてくれるとこあるんだよなあ…たまにだけど…でも…
「元気出してよっ!かがみぃ〜」
まさか、こなたがなぐさめてくれるなんてね…
さっきまでガチガチになってた私の心がほんのり温まってきた。
そして、急な寂しさが襲って来て涙が込みあげてくる。
「かがみはさびしんぼだからね。私たちが一緒にいてあげるよ!」
…おねがい。これ以上言わないで、泣いちゃうから。
目に涙が溜まってくる。私は外を見たまま、必死で泣くのをこらえた。人前で泣きたくない。ぜったいに。
かと言って、手で涙を拭おうとすればばれちゃうからできない。
「ね…かがみ。だから、元気出してヨ!」
と言って私の頭を優しくなでてくれた。
…もう限界。
私の目から涙が、ぽろっと落ちた。
「こなたぁ…」
「…かがみ…?」
「うぅ…ひっく……ひっく…ぐすん……私っ…一度くらいっ、…つかさや、みゆきや…あんたと…一緒のクラスになりたかったよお…」
急に私が泣き出してしまって、こなたは少し慌ててるようだった。
「あ〜…かがみ、な、泣かないでよ…」
「…よしよし」
また私の頭をなでてくれる。
優しい。こいつがこんなに優しくしてくれて…余計涙が止まらなくなる。
「よしよし、悲しいよね。かがみ、ずっと同じクラスになりたいって思ってたからね…」
「私…おんなじクラスになって……一緒に授業で考えたり…一緒にグループ発表したり…学園祭の出し物一緒に作ったりしたかった…!今年で最後だったのに…!」
「あーもう…そんなに泣かないでよ、かがみ……もう……よしよし、今日は、目一杯私に甘えていいよ、かがみ」
「うぇえ〜ん……こなたぁ〜…」
私は、こなたの肩に頭を寄せて泣く。
「黒井先生に一緒のクラスになりたいって頼んだのに…神社で何度もお願いしたのに…」
私は、こなたの小さい体にすがりつく。
こなたはうんうんと相づちしながら、私の背中を優しくさすってくれる。
「ふえぇぇぇん…」
もう我慢なんてできなかった。
もう私は泣くことしかできなかった。
でも、こいつは……こなたは…私の悲しみを全部受け入れて慰めてくれた。
「だいぶ落ち着いてきたカナ?」
「くすん…くすん…、うん…」
「ところで、かがみ…ごはんは?」
「ぐしゅ…あ…今日は……ないんだった…」
「じゃあさ、私のお弁当、はんぶんこしよ!ね?」
そう言って、持って来た包みを出す。
「………ぅん。…くすん、ありがとね…こなた…」
こなたが、自分のお弁当の箱を開ける。
中には、おいしそうなおかずがきれいに並べられていた。こなたの料理の才能はつくづく意外だと思う。
こなたは、お弁当の卵焼きを箸でつまんで、私の前に出す。
「はい、あーんして!」
「ふぇ?」
「ほら、口開けてヨ」
「…………はずかしい」
「誰もいないから大丈夫だって」
「…」
「ほ〜ら」
私はちょっとだけ考えて、恥ずかしいけど、そのまま食べさせてもらった。
「…あ…ん…」
ぱく…
「どう?おいしい?」
「…うん。とっても…」
こなたは、私の頭をなでてくれながら、ごはんを食べさせてくれる。
食べさせてもらってる時でも、こなたの気持ちがただただうれしくて、時々涙が出ちゃうんだけど、その度にこなたが、ハンカチで涙を拭いてくれる。
私の中の悲しみがどんどん溶かされていくみたいだった。
やさしい…
普段のこなたと違って、弱々しくなってる私にとても親切にしてくれる。
「ごちそうさま。…ありがと、こなた。こんなにしてもらって、すごい嬉しい…」
「かがみ、もっとお願いしたっていいんだよ…もっと甘えたっていいんだよ!今日は私のサービスデイだからね!何かしてほしいこと、ある?」
「…ん……」
考えてみる。
ふと、私は去年のある日の光景が思い浮かんだ。
しかし、ちょっとお願いしにくいことだったので、他のことを考えてみる…が、他には全く思い付かなかった。
「でも…」
「なんでもいいよ。…言って」
「じゃあ、…………………………………その、ひざまくらとか……だめ?」
私は、こなたの目を見ずに言った。
「…いーよ。はい」
「…うん」
私は、ゆっくりと、こなたのお腹の方に顔を向けながら、こなたのひざの上に頭を乗せた。
こなたのぬくもりを感じる。
静かに、息をはく。
胸がドキドキする。
…とっても……気持ちいい。
「でも、どうしてこれなの?」
「つかさがね…この前、泣いちゃった時、お母さんにこうしてもらって甘えてるとこ見て…うらやましかったんだ…
つかさは…素直だから、すぐ誰かに甘えることができるけど…私はさ…こんなだから…誰かに甘えることなんてできなくて……」
「かがみは強がりだもんね」
「うん…そのくせ、あんたの言う通り、さびしんぼでさ…いっつも一人で何でもどうにかしようと思ってたから…」
「そっか」
こなたは私の髪を優しくなでる。とても気持ちいい。
今まで、こんなに優しいことはしてもらったことがなかった。
また、涙が出そうだったので、目をつぶる。
「だからね…例えあんたでも…こうしてくれるの、すごく、安心する…」
「…でも、つかさやみゆきには言わないでね。他の皆の前では…しっかりしたお姉ちゃんでいたいから…
あんたの前だけだからね…こんなことするの…」
「…かがみのツンデレ」
こなたは、口元に笑顔を浮かべながらかがみの紫色の髪を梳いた。
私は嬉しくなって、目をつぶったまま、こなたにさらに寄り添った。
「ありがとね…こなた」
「…うん」
今なら言える。素直になれる。
私は弱々しい声で話す。私がこうしているうちは、こなたはすごく優しくしてくれるから。
いつもみたいにからかわれないもんね。…だから、私はそれにめいっぱい甘えちゃう。
こなたが優しいから、こなたが優しく話してくれるから…私はこなたに甘えられる。素直になれる。
こんなに人に優しくしてもらって…幸せ…
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
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やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
甘える…か、
つかさが甘えたがる気持ちが分かるなあ…
あったかい…
今日くらい…この小っちゃい奴に…甘えたっていいよね。
後でこれをネタにして、からかわれたっていいや…今は…こなた、すごく優しいんだもん……
今日は温かい。
屋上で二人きり。
自分より小さい奴に甘えてるわたし。
…いいのよ。
友達だし…それに、こいつの方がちょっと年上だもんね…
こなたに気付かれないように腕時計をみる。あと10分だけか…こうしていられるのは。
だからあと少しだけ…いっぱい甘えさせてもらおう…
「ねえ、かがみ…」
「…なあに?」
「そろそろ…いいんじゃない…?」
「え…」
なんで…まだ少しだけ時間あるのに…
「なんか恥ずかしくなってきちゃってさ…だから、もういいよね…?」
…!!
どうして…どうして、そんなこと言うの…!?
私の顔がまた悲しい顔に戻ってしまう。
「…いや……!!もっと…このままでいさせてよ…!!」
「…で、でも…」
「こなた、今日だけは甘えさせてくれるって言ったじゃない…!!」
私は離れたくなくて、こなたのお腹にすがりつく。
「…」
「こなたぁ…!」
536 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/07(土) 20:46:47 ID:+7FcEQVO
もう駄目だw
「…でも、人に見られてるのはさすがに恥ずかしぃよ」
私の動きがピタッ、と止まる。
そしてゆっくりと首を後ろに向ける。
すると、つかさとみゆきが気まずそうに、見ていた。
「…やっ…!!!な!な!!なぁぁ!!」
私は慌てて体を起こそうとした。が、こなたにがっしりと押さえ付けられてジタバタする。
「いっ、いつからいたのよ!!あんたたち!!…てか、こなた離せ〜!!」
「え〜〜?だーってかがみこのままでいさせてって言ったじゃ〜ん?」
「あんた、さっきもういいんじゃないって言ったくせに〜!!」
どうかしてた!絶っっ対どうかしてた!!!こいつに甘えてるなんて!!!!!!
私はいつも通りに戻っていた。
こなたもいつもの調子に戻って私をからかってくるし…
私はこなたから1メートルくらい離れて座っている。真っ赤になった顔が元に戻らないから、顔を背けている。
「お姉ちゃん、すごい甘えんぼさんだったね…」
つかさがえへへ、と笑う。
「うぅぅ…」
「ごめんなさい…お邪魔してしまいましたね…」
みゆきが申し訳なさそうに笑った。
「違うわよっ!!そんなんじゃないんだからっ!!」
俯いたまま叫ぶ。
「あのね、私たち今日お弁当ないって言ったらね、こなちゃんがお姉ちゃん探しに行くって言ったから…」
「もうすぐ授業が始まってしまいますので、探しに来たのです」
「あ…そう」
「…」
沈黙。
「かがみ〜もっと、甘えて〜!」
こなたが私に倒れこんでくる。
「うるさいっ!!もういいわっ!!」
「こんなデレかがみ、滅多に見る機会ないからさ〜。すんごい可愛かったよ〜」
「……!!」
やっぱり今日はさいてーの日だっっ!!!
その日の夜
私は自室のベッドに横になった時に昼間の…こなたにしてもらったひざまくらの感触を思い出す。
「はあ…」
ふと息をつく。
「なんで、あんな恥ずかしいことしちゃったんだろう…」
ぼーっとしながら、昼間の出来事を思い出す。たぶんまた顔、赤くなってる。
帰り道、ずっと今日のことをこなたにからかわれるし…
なんでそうなったんだっけ…?
確か…そっか。また私だけ違うクラスになってへこんでて…
それで…
ひざまくらされてる私の情景が浮かぶ。
温ったかかったな…
「ああもう!何考えてるのよ!!」
はっと気付いて、思考を振り払う。
あんまり久しぶりに…ひざまくらして優しくしてもらったから、そう思っただけなのに!!
別につかさやみゆきにしてもらったって…
「…」
あまりはっきりとイメージができなかった。
(なんでかな…こなたは他の誰かと何か違う…?)
(こなた、だから…?私はこなただから…こんなに…)
「…!」
また、はっとして、ぶんぶんと頭を振る。
(別に私は、あいつのことなんか… あいつは宿題やらないし、遅刻するし、すぐ私のことからかってきて…)
昼間、優しくしてくれたこなたを思い出す。
普段とは逆に…下から見上げたこなたは…長い髪がちょっとだけ…ほんのちょっとだけ…だけど大人っぽく見えて、
母性すら…ちょっと感じた。
…あいつに母性なんかあるのだろうか。甘えさせてもらったからそう感じてるのかな。
きっとあいつにそっくりの…かなたさんもこんな感じだったのかなあ…
「! もっ…もぉ!…何でこなたのことばっか考えちゃうのよっ!!」
顔に熱が集まってくるのが分かった。
「これじゃまるで…私がこなたに… こなたに… 」
その時、私の頭の中に浮かんできたのは、手をつないで楽しそうに話す私とこなた。
お互いの背中に手をまわして、恥ずかしげに見つめ合う私とこなた。
私とこなたが幸せそうにしている様子が、簡単にイメージができてしまう。
しかし、かがみはもうそのイメージを止めることはしなかった。
「恋……………しちゃったのかなあ……」
赤くなった顔でぽつりとつぶやく。
そう結論を出すと、落ち着いてきて、だんだん眠気が現れてくる。
「こなた…」
この名前を呼ぶと、胸がきゅっとしめつけられる。
そしてそのまま眠りについていった。
その日の夜・こなた
私は、ベッドに寝転がって今日のお昼のことを思い出す。
泣いちゃうかがみ…可愛かったなあ。
私のひざの上で『もっと、このままでいさせて…』とか、
『いや…もっと甘えさせて…!』と言って私にすがりついてくるかがみが…
…
「あー!もう!!かがみ可愛いよかがみー!!」
私は顔を赤くしながら、枕をぎゅーっと抱きしめた。
「…かがみぃ……」
今日のことをくり返し思い出すたびに顔がにやけてしまう。
やっぱりかがみはいいな…リアルでこんな萌えさせてくれる人いないヨ…!
それから私はずっと物想いにふける。
今日のお昼にあったちょっとした事件。とっても幸せだった事。
ひざまくらしてもらいながら、目一杯私に甘えてきた大好きな女の子のことを。
支援
こんないじけてる所、誰にも見られたくはない。
私は強がりだから…お姉ちゃんだから、弱いとこなんて見せらんないのよ。
それに、こなたになんかなおさら見られたくない。また、からかわれるネタにされるし。
でも…
「…一緒になりたかったなあ」
寂しいー。
神社で熱心にお願いもしたし、先生にも何度もアピールした。
その苦労が全く実らなかった。結局いつもとおんなじ。
それでも、私はずっと期待してた。そんな自分が愚かしい。
「…」
胸がくやしさでいっぱいになる。手をのせた柵を思いきり握りしめる。
「もう…!!なんでよおっ!!!」
それに何やってんのよ私は…もう、なんで、なんで、どうして……!!?
ガチャン!
突然、後ろから屋上への扉を開ける音がして、驚いた。
振り向くと、背の小っこいアホ毛が出て来た。あー…今一番会いたくない奴だわ。
どーせ、『こんなとこでいじけてるかがみ萌えw』とか言うんだろうな…
やれやれ、とかがみはまた外の方を向いて、こなたに背を向ける。
「かーがみっ!」
「…何よ」
…うるさい。今は一人でいたかったのに。
すごい腹が立ってるし。これから、からかわれるのが目に見えるようでなおさら。
こなたは私の隣に来たが、私は全く見ようとはしなかった。
「どしたの?うちのクラスに来ないの?」
「…」
何も返さなかった。どうやって追い帰そう…
「かがみはまた違うクラスになっちゃったから寂しいんだよね〜」
はあ…思った通りのことを言われてため息が出る。
「それで、一人屋上でいじいじしてんの?かがみ、かわい〜い♪」
きっとニヤニヤ顔言ってるであろうこなたに、私は怒りを通り越してただ呆れる。…あーあ。
完。
タイトルは、「今日だけのあまえんぼ」
屋上には甘いカプールがいるもんです。
今回はまともなSSでした。
…………だから…………次は……………ほどよく壊れネタでも……………………おk?
運営に報告しましょうよ
毎晩さすがに我慢できない
頭にきました
流れを断ち切るため絵でも投下しましょうか?
>>548 絵ですと!?是非お願いします!(゚∀゚)
報告しても望み薄だとは思うが、やらぬよりはやったほうがいい。
>>548 荒らしは去ったからもういいんじゃない?
投下してくれたら見てあげるけど。
>>550 見てあげるって言い方はどうかと…
でも絵が見たいので、
>>548さん、投下お願いしますw
553 :
8-784:2008/06/07(土) 21:38:49 ID:LZ3dyrWA
>>549 >>550 後押しありがとうございます。本当は前回の投下でひっそりと姿を消すつもりでいました
でも大好きなスレを毎晩荒らされて本気で頭に来ました
ボツネタで申し訳ないのですが、流れを変えるために敢えて投下します
http://konakaga.me.land.to/cgi-bin/imgboard/img-box/20080607211913.gif 続か・・・ないと思います orz
ところでお願いがあるのです
前回ネタの使用許可をもらって描いた漫画の続きが描きたくなったのですが、IDが違うので
別の作者さんなのだと思うのです。続きのネタを書いた作者様、いらっしゃいますか?
使用許可をいただきたいのですが・・・
保管庫のSS17スレ目の小ネタの続きです
内容は「かがみがこなたに鋤を読ませようとする」「つかさがみゆきさんにskiを発音させようとする」
感じです。かがみとつかさの誕生日に投下したいのですが・・・
前回の作者さんがかがみ勝利ルートをリクエストしてくださった方と同じ方でびっくりしました
縁って不思議なものですよね・・・
>>507 GJ ! 荒らしにめげないで !
良作でした
556 :
8-784:2008/06/07(土) 21:49:37 ID:LZ3dyrWA
>>553 おおおおお!8-784略してハナハシさん久しぶり!
姿消すなんてとんでもない。いつでもきてくださいよー(´・ω・`)
ていうか、なにこのおこちゃましてるかがみん
やばいかわいすぎ(≡ω≡.)
で、
>>556 またまちがえていますw
>>555ファイズが正しいURL出してます。
なんにせよおかえり!
かわいすぎるw
>>553 8-784氏が帰ってきたー!!つか、かがみカワイすぎるっ!!
初期の頃の漫画(これも結構好きw)よりだいぶうまくなって、少女漫画家かあんた!?
2コマ目に8-784さんの愛を感じる
>>553 GJ!
最近は頓にかがみの表情をステキに描かれるように……
四コマめのつかさと同調出来そうな気分ですw
566 :
8-784:2008/06/07(土) 22:29:45 ID:LZ3dyrWA
>>555 す、すみません
本当に私、ドジなんです orz
私、小心者なので投下するのに勇気が要りました
皆さんありがとうございます
>>553 うおおおおおお!
8-784氏が復活している。
感無量!
そしてGJ!
つかさはいつもこういうタイミングで現れる役ですよね
結構昔のスレだから作者さんが見てるか微妙だな
小ネタだし、とりあえず書いちゃえばいいと思うが
>>566 ドジっ子8-784萌えw(≡ω≡.)
小ネタなら書いちゃっていいと思うヨ。私は待ってるネ。
>>507 うーん、デレかがみですか。
そういやデレ全開のかがみって、これまでSSとかでも
みませんでしたね。
単純に自分が見落としてるだけかもしれませんが。
普段甘えられず苦しい思いしているかがみが、
存分に甘えられて良かったです。
次も楽しみにしていますね。
C組の人間はかがみがこなたの前で
デレることは知らないんだろうな
だからツンデレではなくツンのみと
認識されている
5年間一緒だったハイケイズはどう認識してるのかねえ。
特に高校時代から、急激に一緒にいる機会が減り、
心穏やかでないみさおとかw
>>553 おー久方ぶりじゃないですか
絵が描ける人は羨ましいな
人の少ない今のうちに書きこみしておくな
荒らしについてスルーで問題ない奴、我慢できない奴、職人、ROM専
色々いると思うんだが
>>547の避難所で結構面白い意見も出てるんだ。
時間があるときでいい、向こうの方針議論スレの176あたりから
軽く目を通してみてくれないか?一人でも多くの意見と知恵を拝借したい。
以下 何事もなくこなかがこな話でも
了解。
では、速筆で書いたこなかがを一つ。
こなたとかがみは結婚して、二人の子供が生まれていた。一人はかなた、もう一人はかなみ。
女同士の子供なので、当然子供も女の子。
長女のかなたは、紫色の髪。だけど、性格はこなた似でしょっちゅうこなたとかがみに甘えてくる。
次女のかなみは、青色の髪でかがみ似のツンデレ。なかなか素直にはなれないが、オタ度はかなたよりも上w
そんな家族のある一コマ。
「かがみおかーさーんっ!」
かなたがかがみに抱き付いてきた。
「もう…かなたは甘えんぼね。うふふっ…」
そして、
「かがみぃー!」
と言ってかがみの腕にしがみついてきたのはこなた。
「あ…あんたまでくっついてくるなっ!!」
「いーじゃん♪だって私だって、かがみのことが好きなんだもん!」
「…!!」
「あ、おかあさん赤くなったwほんとにおかあさんはこなたママのこと大好きなんだね〜」
「…う、うるさい…」
「かがみはねぇ〜、高校の時から素直になれない性格でねえ〜…だが、それが萌えるんだよ!!」
「へぇ〜」
「もう…あんたは…///」
さて、その3人から少し離れたところでチラチラと見ているもう一人のこなたとかがみの娘、かなみ。
こなたたちの様子を気にしつつも、無関心を装っているようだ。
「ほら〜、かなみもおいで〜!」
こなたが言った。
「べ、別に私はいいもん…!」
「むう、かなみはかがみに似てツンデレになっちゃったんだネ」
「だ、誰がツンデレだ!誰が!全くこいつは昔から…」
「…かなみ」
かがみが優しく呼んだ。
「おいで」
「……うん」
かなみは、頬を染めつつ、かがみの隣に来た。かがみは、かなみを優しく抱いてあげた。
すると、かなみの口元は微かに微笑みを作った。
「やっぱり家族4人でくっついてるのがいいねぇ〜〜」
こなたがかなたの頭を撫でる。かなたは気持ちよさそうにこんな顔→(≡ω≡.)をしていた。
「ふふっ、そうね…」
かがみは、かなみの背中を優しく抱いた。かなみは、表情を変えずに、ちょっと赤い顔をしたままかがみに寄り添った。
>>575 4人の姿を読みながら想像してしまいました。
・・・ニヤニヤして床を転げまわりたいくらい萌えですw
「三人目が生まれたら こなみ かしらね」
「↑↑↓↓←→←→BA (≡ω≡.)b」
578 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/08(日) 03:37:07 ID:JyMZlH8F
>>507 うーむこれは…稀に見る神SSか…!
キャラの雰囲気は微妙に変わってるんだけど上手い具合に元設定を使ってそれを表現してるねぇ…。
いつもSSを読むたびに何かが違うんだよなぁと思ってたけど、今回のはすんなり読めた。
負けた場合、一枚づつ脱衣ですね
わかります
シレン3のコガタナバチというモンスターをコナカガバチと言い間違えないように注意する日々
>>580 見える、みえる、俺には見える…
>>581のシチュで、勝負が一向にゆずらず、
同じように脱ぎあっていて、未だに拮抗し続けている二人……
という構図が(≡ω≡.)
そして勝負がついたときは(ここより先かがみのツッコミ跡地
>>566 相変わらず可愛い四コマGGJです!
例の小なたですが、実は自分が書いたものだったりします。
その前の方の小なたを見て、自重出来ずに30分ほどで書いたものなんでお恥ずかしいですが、
8-784さんに漫画化してもらえるなんて感動です。
ぜひぜひよろしくお願いします!
昨晩中に素早いレスできなくてすみませんでした(汗)
>>580 GJ!!柔らかい線が素晴らしいですね。
このスレの絵師さんたちくらい素敵な絵が描けていれば、またいろいろ人生も変わっていたのかなぁ…
と日曜日の朝、そんなことをしみじみと考えてしまいました。
>>553 GJ!
やっぱりかがみは乙女ですなぁ・・・
そしてつかさwwww
「だよね〜、秋ってついつい食べちゃうわよね」
「そうですね。過ごしやすい季節ですし美味しい物も多いですし、つい食も進んでしまいますね」
「まぁ、おかげであっちの方も大変なことになるのよね……」
「そ、そうですね……。気を付けないといつの間にか、なんてことになりかねませんね……」
「でもやっぱり食べたいよねぇ〜。色々食べたいから、私はお姉ちゃんと半分こにしてるよ〜」
「食べないようにって思ってはいるんだけどね……」
朝、いつも私は通りつかさのクラスに来ていた。
みゆきやつかさと話しながらも、ちらちらと入り口と時計、そしてある空席を順番に見る。
後1分―――。
まさか、遅刻してくるってことはないと思うけど……。
待ってるのに来てくれなかった。
朝からここにいれば絶対会えると思った。
卑怯だけど、どんな手段を使ってでも私は会いたかった。
それなのに、まだ会えていなかった。
もしかして、休みなのかな……。
「そう言えば、こなちゃんまだ来てないね」
「そうですね。どうされたのでしょうか」
不意にその名前を出されて、内心驚いたけれどなんとか平静を保つ。
「め、珍しいわよね」
「そうですね。泉さんが遅刻することはあまりありませんでしたからね」
「どちらかというと、私のほうが多いかもぉ……」
チャイムが校舎全体に、そして私の心にも虚しく響き渡る。
「……それじゃ、私は戻るね」
「うん、お姉ちゃん、ばいばーい」
「はい、またお昼に」
結局、私の願いは神様にも、こなたにも届かなかったらしい。
ため息をひとつこぼしながら、私はとぼとぼと教室に戻った。
☆
つかさのクラスでお弁当を食べてる最中、私は2人にそのことを知らされた。
「えっ!?こなた遅刻してきたの!?」
「ええ、3時間目と4時間目の間の休み時間にいらっしゃいましたよ」
「昨日も夜中までゲームやってたんだってさ〜」
「な、なら、今はどこいるの?」
「なんかお昼買い忘れたとかで、学食行ったよ」
「そう……なんだ……」
―――本当に……そうなの……?
私に会いたくない……だけじゃないの……?
遅刻したのも、学食にいったのも、全部―――。
私はこなたを裏切った……。
初めてのデートの時、こなたに約束したのに……。
それなのに、私はその約束をやぶったんだ………。
あんなにも喜んでくれたこなたを、私は背信したんだ……。
私から誘った最初デート。
こなたはずっと暗そうな顔をしていた。
服やアクセサリーを見てる最中も、ご飯を食べてる最中も、ずっとそれが気になっていた。
いざデートするとなると、女同士で歩いてたらやっぱり周りの視線が気になるのかな……。
………それとも、私だから……?
そんな不安を抱きながら、暗くなってきた道一緒に歩いていると、小さな公園を見つけた。
誰もいない、寂しそうな場所。
あるのは、ちょっとした遊具とベンチだけ。
でも、不思議と雰囲気が気に入った。
『こなた、ちょっと休んでいかない?』
『うん……そうだね』
少し不安だったけど、こなたは小さく頷いてくれた。
『違うよかがみ、そんなんじゃないって!』
『えっ……?』
こなたの慌てた顔を驚いて見つめる。
『私、デートとか初めてだから……どんなこと話したり、一緒にしたりすればかがみが喜んでくれるのかわかんなくて……。それでかがみが私に愛想つかしちゃって、嫌われたらって思っちゃって……』
そうだったんだ……。
こなたも不安を抱いてたのね……。
……ごめん、気付いてあげられなくて………。
『バカ……。変わろうなんて思わなくていいのよ……』
『え……?』
こなたは、驚いた顔をしていた。
『私は……今のままのこなたが好き……』
『かがみ―――ッ』
こなたは涙を浮かべて、私に抱きついた。
その体は、小さく震えていた。
こんな小さな体の中に、そんな大きな不安を抱えてたんだ……。
教えてもらえてよかった……。
それを払ってあげられてよかった……。
『かがみ……ごめん……私、かがみのこと、信じてなかった……』
『私も気付いてあげられなくて………ごめんね』
『ううん………ありがと………』
『こなたも、私と一緒にいてくれてありがとう』
『うん……。いつもの私に戻るまで、もう少しこうして待っててくれる………?』
『ふふ、いくらでも待ってあげるわよ』
『かがみ……ありがと』
『いえいえ』
『大好き……』
『私もよ……』
……こなたは迷惑してるかもしれない。
私みたいな詐欺師からつきまとわれて。
すぐ俯いちゃったからほんの一瞬だったけど、あの時のこなたの顔を忘れられない。
今まで見たことがないくらい驚いていた。
その後、こなたは私と目すら合わせてくれなかった。
そして今、もう会ってくれない。
私は言った。
『私だって、無理してもらってまで一緒にいてもらおうとは思ってないから……』って。
つまりは、そうゆうこと………なんだよね。
「お、お姉ちゃんどうしたの!?」
つかさが驚いたような顔をしている。
「えっ……?」
「ご飯の中に、なんか変なの入ってた!?」
「ううん、そんなことないわよ。ちょっと塩っぽいかなって気はするけど……」
流石に農薬なんかは入ってないだろうし、そんな大げさにすること……?
「かがみさん、お気づきになっていませんか?」
みゆきも心配そうに私を見る。
二人が何をそんなに言っているのか、私には全く分からない。
「どうしたのよ、二人とも―――あ……っ」
手の上にぽつんと小さな水滴が落ちた。
それは、昨日の雨のように冷たかった。
「あはは、私どうしたんだろ……。目にゴミでも入ったのかな……」
笑いながら拭う。
誤魔化しきれた自信はない。
声が震えていたから。
でも、二人は何も言わなかった。
だから、私もそのまま気にしないようにした。
帰り道、つかさと二人で歩いていた。
こなたは出れなかった分の授業のプリントなどを受け取りに行ったらしい。
『こなちゃんのこと、待つ?』
つかさの言葉に、私は首を横に振った。
『………ううん、帰ろ』
プリントを受け取りにいくなんて大した時間がかかるわけじゃない。
先生がみつからなくても、せいぜい15分程度。
それなのに、先に帰って欲しい、とこなたは言った。
それはつまり、私に会いたくないってことなんだよね……。
『無理してもらってまで一緒にいてもらおうとは思ってないから……』。
せめて、これだけは嘘にしないようにしよう……。
『……わかった、じゃあ帰ろっか〜』
『うん………』
電車を乗り継いだ、地元の道。
秋の太陽は真っ赤に輝きながら、その身を街へと隠し始めていた。
「ねぇお姉ちゃん、こなちゃんってさ……」
不意につかさがこなたのことを切り出した。
「こなたがどうかした?」
私は少し躊躇いを感じながら、その名前を呼んだ。
「……小さい頃にお母さんが死んじゃったでしょ?」
「そう………ね」
それは、こなたの前では暗黙の了解で禁句とされているもの。
こなた自身、気にしてないって言ってるけど、やっぱり軽々しく話題に出していいものなんかじゃ到底ない。
この場にこなたがいないとしても、この話題を出すというのは普段なら出来ないこと。
でも、この話題を出した。
私にはその意図が汲み取れなかった。
つかさは少し間を置いてから、こう言った。
「こなちゃん……誰かに甘えられた………のかな……」
暮れかかった真っ赤な太陽の逆光になっているつかさの顔は、どこか悲しげだった。
つかさの疑問の答え。
私は知っていた。
「――――――」
「そう………なんだ」
私たちは少しの間、そのまま黙って歩き続けた。
太陽はもうほとんど暮れていて、あたりは暗かった。
空は群青が広がる中、別れを惜しむような赤が幻想的だった。
「でも、突然どうしたの?」
私の言葉に、不意につかさは立ち止まった。
「ど、どうしたの?」
私も立ち止まりながら振り返る。
その時のつかさの表情は、やけに大人びて見えた。
「ねえ、お姉ちゃんは甘えたこと、ある?」
「甘えたこと……?」
「私がこう言うのもなんなんだけどね、私はいっつもお姉ちゃんに甘えてた。甘えられた。けど、そのせいで、お姉ちゃんって誰にも甘えられてなかった気がして……」
―――私、誰かに甘えたっけ……?
―――その答えは―――。
「………どうかしらね」
私は呟いた
向かい合ったつかさだけがなんとか聞こえるくらいの声で。
「お姉ちゃ―――」
「ほら、早く帰るわよ」
つかさの言葉を遮り、背を向けて私は歩き出した。
――――それは、【拒否】の意思表示。
これ以上その話はしたくない、という。
「あ、待ってよお姉ちゃん〜」
そうよ、つかさ。
私はアンタのお姉ちゃんなの。
だからね、それ以上聞かないで。
私がお姉ちゃんであるために。
私が私であるために。
光のなくなった空。
それは、まるで私の心を表しているようだった―――。
もういいよ
「これだけできれば、大丈夫かな」
答え合わせしたノートの『188』という数字を見て、ほっと一息つく。
入学試験まで、もう18時間。赤本に残っていた最後の過去問も無事に撃墜した私は、窓から
陽の傾き始めた空を見やった。
今頃こなたの奴はどうしてるだろう。
陵桜祭の夜、頑張って同じ大学に受かる、って約束してくれたこなた。
本当は凄く嬉しかったのに、無理しなくてもいいのにって誤魔化した私を、こなたは嫌な笑顔で
からかってくれたっけ。
でも、あれからこなたは本気で頑張り始めた。好きなネトゲやアニメもやめた。
行き帰りのバスの中でも世界史の年号を覚えて、休み時間や昼食の間も、自作の英単語帳
(何故か例文が全部アニメやゲームのネタだったけど)と向き合って……。
「私も、頑張るからね」
空の向こうのあいつの家に、小さく呟いてから、とっくに冷めてしまった紅茶に手を伸ばす。
ところが。
「あ、れ……?」
指先から力が抜けて、飲みかけのティーカップを支えられない。
それと同時に、頭の中をぐちゃぐちゃにされたような頭重感と、悪寒と熱感が入り混じった嫌な
震えが、前触れもなく私にのしかかってきた。
Exam Climbing 〜かぜにあそばれて〜
「うわっ、凄い熱……」
体温計を覗き込んだつかさが、不安げにうなだれる。
「何度?」
「えっと、39度6分……」
「そっか……」
予想より更に高い数値に、私は諦めの微笑を浮かべた。
突発的な高い熱に、生半可な風邪とは全然違う倦怠感、関節の重々しい痛み。
どう考えても冬の名物・インフルエンザだ。
体を起こそうとするが、布団を押しのける力も出ない。
頭を少し上げようとしただけでも、悪心と頭痛が酷くて、すぐ枕に落ちてしまう。
ぽふっ、と頭が埋まる感触。普段なら心地良いそれさえ、今では音のない鐘のように体に響く。
こんな調子では、もう最後の追い込みどころか……。
「だめだよお姉ちゃん、ちゃんと寝てないと」
「みたい、ね」
「うん、私今から、お粥作って……あ、その前に、お母さんにも連絡して……
だから、お姉ちゃんはしばらく休んでて」
ハンカチで額の汗を拭うと、つかさは足早に部屋を出て行った。
横になるには強過ぎる照明が消え、少し遅れてぱたん、とドアの音が聞こえた。
とたとたと階段を下りていく足音も遠ざかると、後はもう、私一人しかいない、寂しい世界だった。
傾き始めた光からも隔離された、薄暗いベッド。
いつもは一番落ち着ける筈の場所が、今はこんなに重苦しい。
目の前をちらつく埃も、淀んだ空気の臭気も、体と心を一層陰鬱にしているようだ。
ちく、ちく、ちく、ちく……。
枕元で耳障りに廻る時計の針を、もう何回覗いただろう。
鉛のような布団の中で、何時間も何日も、治るまでただ目を閉じて横になり続けるだけの時間。
そんな時間なんて、一人きりで耐えるには酷過ぎる。
どうして……どうしてこんなに大事な時に、こんな風邪なんかひくんだろう。
アニメやゲームの世界なら、魔法一つで綺麗に治せるのに……。
こなたみたいなことを考えてみるけど、楽しくなるどころか、寂しさばかりが募ってしまう。
……こなた。
あんなに頑張って、私との約束に応えようとしてくれたのに、肝心の私はこんな調子。
あいつ、ちゃんと勉強してるかな。まさかこんな時に、アニメなんか見てたりしないわよね。
でも、こんなこと言ったら、きっと怒るよね。
まったりした笑顔で、かがみが私をどういう目で見てるかよくわかったよ、なんて。
それとも、失礼な、一緒に受かるまで我慢してるんだよ?なんて、むぅっとむくれてくれるかな。
それで、受かったら二人で、ずっと貯めてたDVDをいっぱい見て……。
「こなた……」
閉鎖空間のような夢うつつの中に、いつの間にか『その名前』が入り込んできていた。
何度も面倒ごとを持ってきて、何度も私をからかって、何度も私をむかつかせて……
その何十倍も、私を幸せにしてくれた、こなた。
もし、こなたが傍にいたら、こんな時でも幸せだろうな――そう考えかけて、慌てて押し留める。
受験がもうすぐなのに、私の風邪なんかで勉強時間を取らせちゃ駄目。
それに、もしこなたにうつして、こなたにまでこんな目に合わせたら……そんなの、絶対駄目。
「こな、……」
電話くらい、くれないかな。
ううん、そしたら、自分の体調が悪いの、ばれちゃうかも知れない。
あいつああ見えて、そういうとこは凄く鋭いから。
でも、もしかかってきたら、つかさじゃ咄嗟に誤魔化……せないだろうし、私がナントカしなきゃ。
咳とかがなければ、ありがちだけど『ごめん、ちょっと疲れてて……』で乗り切ろう。
それで、明日は用事ができたから、入試には一人で行ってて、って。
――かがみん。
「こなたぁ……」
机の上に出しっ放しの携帯が気になって、体を起こして……また頭痛に倒れこむ。
目を閉じて、嫌な眩暈に耐えた後、そんな自分が哀しくなる。
私って、いつからこんなに寂しがりになったんだろう。
これも病気で心細いからなのかなぁ。
――かーがみんっ♪
必死になって否定してるのに、こなたの声ばかり浮かんでくる。
こんなにぎゅって目を閉じてるのに、目蓋の裏ではこなたが、眩しい朝みたいに飛び跳ねてて。
しつこいわねぇ、どうしてそんなに出て来るのよ?
こなたに会っちゃいけないのに、こなたになんて会いたくないのに……。
「かがみんってば」
「えっ!?」
やけにすぐ傍から聞こえた声に、思わず目を開けて……そこにあった姿に、思考が止まる。
だぶだぶのコートに、黒い毛糸のマフラーを巻いたままの、小さな姿。
灰色の部屋の中でも一際明るく見える、エメラルドの瞳。
それまで夢で求めていた大好きなひとが、すぐ枕元で頬杖をついていた。
「馬鹿、なんで……」
驚きでフリーズしていた思考が戻ってすぐ、声に出せたかも怪しい呟きで、こなたを睨む。
どうしてこんな所にいるの。明日入試でしょ?病気、うつったら駄目でしょ?
「つかさから『俺の嫁がインフルエンザ』って聞いたから、特別にご奉仕に来たのだよ。
病気の恋人を見舞いに行くなんて、こんなイベント滅多にないからね?」
「おい……」
変な理由で目を輝かせるこなたに、心の中でうなだれる。
一瞬でも『かがみが病気って聞いたから……』なんてセリフを期待した私が甘かった。
やっぱりこいつは相変わらずだ。
いつだってマイペースで、こんな風にオタクちっくな話を振ってきて。
……なのに、どうしてだろう。そんな『普段通り』が、余計心に温かく感じるのは。
「けど、あの凶暴なかがみ様が……まさに鬼のかく乱だねぇ」
「あんたは私をどんな風にみてるのよ」
「んーとね、ツンデレ」
「結局それかよ」
声こそ弱々しいけど、いつもの調子で反発してしまう。
ああ、やっぱり私って、こんなにこなたに会いたかったんだ。
頭痛と眩暈は相変わらずで、五感が遠のくくらいに酷いのに、ほら、今は何故か、ちょっとだけ
笑顔が浮かんでる。それまでずっと苦しくて、寂しい顔だったのが嘘みたいに。
「……と、それよりかがみ、ちょっと来てくれない?」
「どこによ?」
「行き着けの病院。下にお父さんの車が待ってるんだよね。というわけで、ちょっと寒いと思うけど
大人しく拉致られてもらうよ?」
「え……?」
予想外の展開に戸惑っている間に、こなたは熱を吸って重たくなっていた布団を引っぺがすと、
羽織っていたコートとマフラーを私に巻きつけてくる。
汗と締め切られた部屋の臭いが、たちまちこなたの匂いに置き換わる。
でも……。
「待って」
「ん?やっぱり自分のコートがいい?それとも寒いの?」
「そうじゃ……」
私を除き込んでくるこなたに、小さく首を振る。
こなたが来てくれたのは凄く嬉しい。病院に連れて行ってくれるのも、凄く嬉しい。でも。
「こなただって、明日入試でしょ?それに、こんなに……」
おい、勝手に職人のSSを貼ってる害虫。
お前はさっさと首吊って死ね!お前がいなくなれば、少しは社会に貢献できるだろw
「かがみ」
「え、……っ」
全力で強がろうとする私の言葉は、途中で止められた。
こなたからの、優しいキスで塞がれて。
「っバカ、あんた……んっ」
「ちゅ……しつれいな、バカなのはかがみだよ?」
更に言いかけた私を、もう一回唇で妨害して。
「私に心配かけたくないのは分かるけどさ、そんな様子で無理されても、余計心配になるじゃん?
こういう時くらい、素直にデレてくれないかな?」
いつもよりほんの少しだけ頬を赤らめて、笑う。ああもう、正直、むかつくほどずるい。
こんなことされたら、もう断れないじゃない。
「もう、試験で倒れても知らないわよ?」
「平気平気、うつってから症状出るまで1〜3日はかかるって婆っちゃも言ってたし、入試終わる
までは多分セーフだよ。それにほら、大好きな嫁と……同じ風邪、ひいてみたいじゃん?」
「――――っ!??!?!?」
「なーんて、本当は予防接種してるから、かがみんと同じ熱に浮かされて一緒にハァハァ悶えるのは
無理なんだけどね。残念なことに」
「……っ、もう勝手にしなさいっ!」
根負けして手渡されたコートを手に取る。こなたに手伝ってもらいながら袖を通すと、こなたの
体温以上に温められているのに気付く。
「これ……」
「ふっふっふ、どうかね、冬コミ用に買い溜めしておいたけど当日持ってくの忘れたホッカイロは」
「威張るな、あとコミケとか言うな!」
ムードってのを考えないのかな、こいつは。折角最高の気の利かせかたしてるのに。
でもほんと、何だかんだ言っても、いつもいいとこどりで、ここぞという時にかっこ良いんだから。
「でも、温まってるでしょ……あ、電話だ。 こちらコナーク……了解、これより柊かがみを護送する
……お父さんは指一本触るな、ここは『お姫様抱っこ』を使う……以上だ」
「は?」
「心配ない、ゆーちゃんのお陰で慣れている。正月以降のかがみんの体重増加が5キロ以内なら
耐えられるはずだ」
「バカ……」
「よし、ではいくぞかがみんや、ふんぬらばー」
小さくて、ヲタクで、本当に受験生なのかって思うくらい自覚なくて。
でも、実は誰よりも優しくて、誰よりも私を幸せにしてくれる、そんな彼女に抱かれながら。
「こなた、試験の後、もしあんたが風邪引いたら……こんどは私が看病するからね?」
「ありがと。そしたら一緒に病気直して、二人で合格祝いだね」
二人笑いながら、約束をした。
こんなに最悪の体調なのに、何故かもう、試験に落ちる不安はどこにもなかった。
保管庫に持ってくときは、小ネタを抽出したりした方が良いかも
>>599 荒らしの相手をすると削除・アク禁依頼が通りにくくなるのでスルーで
603 :
11-228:2008/06/08(日) 15:01:42 ID:9vjehr/d
アキバで通り魔事件があったそうだけど…
住人のみんなや職人様は無事?
スレ違いはわかってるけど、もしものことがあったらと思ってしまって…。
スレ汚し申し訳ない
>>603 GJすぎる
かがみん必死w
そんなに脱がしたいかw
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
先に負けて追い詰められているのに、冷静にカリ梅をかじるこなた
「この格好になっとけば、かがみんは集中できないからねえ」
逆転勝利を狙う計画
>>603 チラシの裏にでも描いてろよ。
下手糞。
>>603 あはは
次に勝った方が実質勝利ですね
ブラかショーツ取られたらゲームどころじゃなくなるw
>>603 GJです。かがみの炎が熱すぎ!
そういえば、かがみは、こなたが秋葉でバイトしてることをどう思っているのだろう
けっこう人気あるって言ってるし、気が気でないのかも
こなたがパティとユニット組んでで販売までしてることは・・・・かがみもバイトに応募してきたりして
>>603 思わず吹いたwww
そして焦りだすこなたと必死すぎるかがみに萌えたwwww
そして最後の1枚は2人同時に、
そして夜2人は(ここより先こなたの合気道跡地
かがみ燃えすぎw
>>612 意中の相手が自分の知らないところで人気者って状態は、やっぱり面白くないかと
内心モヤモヤしてるに違いない
で、しばらく悩んだ後に「私・・・こなたのことが好き・・・なのかも?」みたいな感じで
本当の気持ちに気づくと超萌えるw
実際こなたって主人公だから色んな人と絡むしライバルが多そうだ
結構押しに弱いし意外と真面目だから早く告白した者勝ちのような気がするし
かがみ頑張れ!
まあ、かがみはかがみで友達も多いんだろうけど、接客業のバイトしてると交友関係は広がります
それこそ真面目にこなたを援助しようとする者、援助をたてに関係を迫ろうとする者、
真面目に交際を申し込もうとする者多数だと思う。
>>616 かがみには是非積極的になっていただかないと
他の人にいっちゃうよ〜むふふ〜≡ω≡.
つかさ「(こなちゃん、抱きついて顔摺り寄せて胸つんつん
しながらそういっても説得力ないと思うんだけど……)」
こなたの誕生日を祝おうと思って店にいったら、
常連客やバイト仲間に盛大に祝ってもらってコスプレ衣装で歌を歌うこなた達・・・・・
をみて、トボトボ帰るかがみ
途中で帰ったりなんかしたら
来てくれなかった…と、こなたが泣いちゃうぞ
帰ろうとしたかがみをみつけ、飛びつくこなた
「どうしたの我が嫁、嫁が来ないと祝いムード半減だヨ(≡ω≡.)」
実際、こなたはバイト先で人気者って設定だしね。
CD出せるほど人気なのは結構凄い、というか特徴的な外見と相まってちょっとしたアイドルのような?
声色が得意(まあ、本人だったけどw)だからあの手の店ではそれも強力な武器だろうな
いい雰囲気になってきた
このまま荒らしが居なくなればいい
みんなでがんばろう
そういうのが荒れる原因なんだから自重しろよ。
ごもっとも
こなたが勝手に嫁アピールしてたせいで、秋葉で
「かがみの姐御!今日はお一人ですか」とか
「かがみ様に失礼があっちゃ、こなちゃんに怒られますからね」とか
気を遣われるかがみん
>>622 かがみ凄い心配してそう
変な男寄り付かないか
対外的にみれば、こなたと一番仲いいと見えるのは、
趣味も合いユニットも組んでるパティかクラスメイトのつかさだよな
かがみは全然趣味合わないし、けっこうこなたに辛らつなこと言うし、なんでこの人が
こなたと・・・・・みられているのかも
かがみんが店に来る日は18番のpuppy loveを歌うので
その辺の理解は常連達には浸透している
>>629 でも近くで二人のやり取りを聞いていると「ああ、この二人の深い信頼関係の成せる業なんだな」と
納得しそう
で、次回以降二人の容赦の無いやり取りを聞くたびにニヤニヤするハメになるとw
クラスメイトにこなた紹介してくれ!って言われたときのかがみの反応が見たい
リアルに一瞬固まるな
>>631 関西人のメンタリティを持っていれば、こなたとかがみの親密さを見抜きやすいとオモ。
ときおり辛らつなコトをいいつつ丁々発止やってるさまは、どうみても上方漫才だし。
634 :
フタ☆某:2008/06/08(日) 22:03:34 ID:GALtwwk+
>>633 こなた「♪丁々発止、皆必死〜♪」
かがみ「ネタが古いっつーの」
こうですね!わかります!
>>635 きたあっ!
あのプリンセスかがみと、こナイト!
カラーになって鮮やかに見参!
「一生お守り申し上げます、姫」
「…勝手になさいよ……///」
637 :
636:2008/06/08(日) 22:07:52 ID:mfa7zn6X
>>634 GJ!!この季節にあってるイイ絵です、ステキすぐる・・・!
韓災塵とか、アレ人間じゃないし
641 :
フタ☆某:2008/06/08(日) 23:27:37 ID:GALtwwk+
ありがとうございます。
せっかくなんでpixi○に投稿してみましたが… ここの絵師さんも結構投稿されておられるようで、ちょっとビックリでした。
しかし… おえびの方でもそうですが、感想の二言めにはSSの催促されてるな、僕って…w; もう少し時間が取れたら、ちゃんと取り掛かりますから気長にお待ちになって〜。
このスレあとどのくらい容量残ってるの?
結構長いSS作ってる最中だけど、次スレに投下した方がいいのかも…
むしろ推奨
>>643-645 ちょw俺、大人気www
では、早速、仕上げたSS投下したいと思います。
>>646 そして、手をつながれたまま、こなたにいろんなイタズラされるのですね?分かりますw
GJ!
650 :
5-974:2008/06/09(月) 05:23:39 ID:p92oikbi
しかしてその正体は、自重できない5-974でした。
イカれたネタの多い私めですが。
でも、保管庫にはイカれたSS以外にもちょっとは真面目なSSあるじゃないかー!!
ほんとだって信じてくれよぉ\(`Д´)/ウワァァァァン!!!
では、イカれたSSいきます。
続きが投下されなくなったら、避難所にて。
性格大改変注意。
甘いの通り越してものすごく恥ずかしいです。
糖分過多で死にたい人はお読み下さいw
651 :
1:2008/06/09(月) 05:25:19 ID:p92oikbi
今日もいつもと変わらない日。
こなたと、かがみと、つかさと、みゆきの4人はお昼ご飯を食べながら、いつもの談笑をする。
取り留めもなく続く、些細な出来事の会話。
しかし、彼女たちはそれに終始することが日常であり、また彼女たちにとってはその会話をすることこそ有意義な時間なのであった。
「あはは、愚妻よね〜」
「そうですね、愚妻ですね」
「ほんとに愚妻だもんね〜」
「愚妻ね〜」
一体、どこの嫁の悪口を言ってるのか、ということはさておき。
柊つかさは、その中である異変に気が付き始めていた。
(お姉ちゃんとこなちゃんはすごく仲がいい。…最近は、ますます仲良しになってるように見えるなあ)
でもでも。
「お姉ちゃんとこなちゃんてすごく仲がいいよね!」って言うと、
「な、何言ってんのよ…別にそんなことないわよ…!」
て言う。
「…ふ〜ん」
頭ごなしに否定するが、かがみの性格のことだからそれが本意ではないと知っているのはつかさだけではない。
…ここまではいつもの日常だった。ある人達にとっては。
放課後。
つかさの携帯電話に、母・みきから、『かがみと晩ご飯のおかずを買ってきて』との内容のメールが届き、つかさは早速、かがみに会うため、C組のクラスに向かった。
だが、かがみはそこにはいなかった。そういえば、こなたもいつの間にかいない。
そこで、みゆきと一緒に二人を探していると、こなたの従姉妹のゆたかの姿を見つける。同級生のみなみも一緒にいる。
すると、ゆたかが近くに来て聞いてきた。
「あのう…こなたおねえちゃん見ませんでした?」
「ううん。見てない。私もお姉ちゃんとこなちゃん探してるんだけど、見なかったかなあ…?」
「いいえ、見てないです…」
「そっか…」
どこに行ったんだろう。
「ハーイ☆どうシマシタ?」
「こんにちはッス先輩方」
ひよりとパティが来た。
「ねえ、ひよりちゃん、パティちゃん。お姉ちゃん見てない?」
「かがみ先輩っすか…?そういえばさっき見たような…」
「コノ上の階に行くのを見マシタ。コナタも一緒でしたヨ」
そして、6人は上の階に向かう。しかしその階にもこなたとかがみはいなかった。
…となると、あとは屋上しかない。一応、確認してみようかと彼女達は屋上に向かった。
652 :
2:2008/06/09(月) 05:26:41 ID:p92oikbi
屋上への扉を開けると、赤い日の光がまぶしく照らされてくる。
夕日は、沈みかける陽の光の最後の抵抗なのだろうか。
屋上のある一角に、青い髪の背の小さな女の子と、紫色の髪を後ろ二方向にさげている女の子が座っていた。
つかさとゆたかが口を揃えて言った。
「「あ、お姉ちゃんだ〜」」
そう言って扉を開いて行こうとする二人を、ひよりが静止した。
「ちょっと待つッス!なんだか、いつもと様子が…」
ひよりは“何か”を察知したようだ。
少し開いた扉から、声を潜めて見ていると、二人の声が聞こえてくる。
『かがみ…』
『こなた…』
夕日の中、二人はお互いに向き合って座っている。
かがみは、こなたの頬にそっと手をあてた。こなたは一瞬目を大きく開いたような表情をして、
顔を赤くしながら恥ずかしそうに微笑んだ。
それに合わせてかがみも優しく微笑む。
「…何してんだろ。お姉ちゃんたち?」
「ちょ、ちょっと…!!!これは、これは、まさかまさかっ…!」
興奮を抑えきれないひより。
その時、かがみが口を開いた。
『こなた……好きよ………』
「「「「「「!!!」」」」」」
「お、お姉ちゃん…!?」
つかさが口を押さえてびっくりしている。
「おおおお……!」
「Humm…これはヨイ“こな×かが”デスネ☆」
「ふぉおお…マジっすか…やっぱりそうだったんすかあの二人…なんだかすごくいい感じっすよ…まさか、この場に居合わせることができようとは……」
ドキドキしながら見守る一同。
653 :
3:2008/06/09(月) 05:28:27 ID:p92oikbi
こなたは、かがみの手を両手でぎゅっと握って、言った。
『…私も………かがみのこと、大好きだよっ!』
これ以上ない可愛らしい笑顔でかがみに微笑んだ。
「「「「「「おおおお〜〜〜〜っ!!!」」」」」」
「こ、こんな乙女な泉先輩始めて見たッス…!」
「おねえちゃんとかがみ先輩が…」
「きゃ〜!!絶好ノ萌えシチュデスね☆」
屋上の二人は、ぺったりとくっついて手を握りながら、座って話をしている。
どことなく甘い空気が漂う。
それはやがて、いつもの他愛のない話に移っていく。
こなたは最近やったゲームの話を始め、かがみはそれにうんうんとうなづきながら聞いていたが、
やがてかがみの表情に陰りが見え始める。
『でさ〜、そのキャラの攻略が難しくてね〜』
『…』
ギャルゲーの話ばかりをするこなたに、かがみはぷいっと顔を背けてしまった。
『あれ…かがみどしたの?』
『…なによ!こなたったら他の女の子にデレデレしちゃって…!』
かがみはスネてしまった。
『こなたには…もっと私を見てほしいのに………………ばか……』
『ごめんねかがみ。こんな話して…でもね、私はそのゲームがただ楽しいからしてるだけなんだよ。
それにね。…ツンデレキャラを攻略して…かがみのことをもっとよく知りたいと思ってるからなんだヨ。
私が、リアルでほんとに好きなのは…… …かがみだから……』
こなたが顔を赤くしながら、言った。
654 :
4:2008/06/09(月) 05:30:22 ID:p92oikbi
『…ほんと?』
『うん』
『…ほんとにほんと?』
こなたを見つめ、不安そうな顔をしながら、指を加えて頭を傾けて聞くかがみ。
『うん!私が一番好きなのは…か、が、み、だ、よっ☆』
と言ってかがみの鼻につん、と指を触れた。
かがみの表情がだんだんと嬉しい顔に変わっていき…
『こなたぁ〜!』
かがみに抱きしめられるこなた。
『かがみぃ♪』
お互いに愛しい人の名前を呼び合う。
『こ〜な〜た♪』
つん。
『か〜が〜み♪』
つん。
お互いの名前を呼びながら、頬をつつきあう。
『えへへ…』
『うふふっ…』
「うわあ…す、すごい仲いいよね…」
「……これは、ちょっと………良すぎじゃないかと…………」
「あ、甘いですね……」
「ねえ、ゆきちゃん。あの二人は恋人さん同士だったの?」
「私は知りませんでした…つかささんはご存じなかったのですか?」
「…うん。最近、お姉ちゃんの部屋の壁や天井のあちこちにこなちゃんの写真が貼ってあって、
毎晩こなちゃんの写真に話し掛けながらおやすみって言ってちゅーしたり、こなちゃんの名前を
叫びながらおっぱいさわってるところは見た事あるけど………………………………………気付かなかったなあ」
「…そうですか(なんでやねんなんでやねん)」
655 :
5:2008/06/09(月) 05:32:36 ID:p92oikbi
『あぁ…』
かがみが、こなたの体に倒れこんできた。
『どうしたの…かがみ?』
『…こなたとの愛が甘すぎて…私、とろけちゃいそう……』
思いっきり可愛らしく言うかがみ。
『もぉう…かがみったら…』
かがみの可愛さに心打たれ、頬をますます夕日に染めるこなた。
『………ねぇ、こなたぁ』
こなたの体に寄り掛かりながら、猫なで声で言うかがみ。
『なぁに?』
『好き…って、言って…。私のこと…だ〜い好き、…って言ってぇ、おねがいよぉ…こなたぁ…』
『かがみぃ…』
「お、お姉ちゃん、どんだけ〜…」
「す…すごい甘えてるね…」
つかさは、普段見られるクールさが微塵もない姉を。
ゆたかも、頼れる姉として慕っているこなたの、こんな様子を見るのは始めてだった。
『かがみん!』
こなたがかがみの方にずいっと近寄る。
『なあに?』
『だぁい………………………………………………………………………………好きっっっ!!!!!!!!
だよ!かがみん☆…ちゅ』
こなたが、かがみの口にキスをした。
656 :
6:2008/06/09(月) 05:34:33 ID:p92oikbi
「わーっ!わーっ!!こなちゃんどんだけ〜……!」
つかさは、目の前のあまりに恥ずかしい光景に耐えきれず、顔を背けてしまった。
ゆたかも、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「パティ…………………ティッシュを……………………ガクガク」
ひよりは鼻からの出血が止まらなかった。だばry
こなたが、唇を離すと、かがみが言った。
『……うふっ、ありがとっ……こなたん♪』
『えへへ…かがみん♪』
ぷーっ、と吹き出すギャラリー一同。
「…こなたん…」
『か〜がみん♪』
『こ〜なたん♪』
『か〜がみん♪』
『こ〜なたん♪』
お互いに顔をすりすりしながら、抱き合う二人。
抱き合うと、体の小っちゃいこなたは、かがみにすっぽり包まれる形になる。
『…あ〜ん、もう!こなたったらほんとに小っちゃくて可愛いんだからぁ〜!!』
そんなこなたを、かがみはぎゅぅと抱きしめて、なでなでする。
こなたは、かがみの胸に顔を埋めて、子供のようにすりすりしてくる。とても嬉しそうに。
『ほんとに子供みたいでかわいいでちゅね〜!☆お〜よちよち♪』
「…赤ちゃん言葉!!!」
「ふぉおおおおお!!!!たまんねえっすたまんねえっすたまんねえっすたまんねえっす!!!!」
ひよりは床に頭をガンガン打ち付けている。
「ひよりちゃん!!落ち着いて!!落ち着いて!!!」
『もぉ、そんなにかわいいと、お前を食べちゃうゾ!こ・な・た♪』
『あん、こわぁい!…でも、かがみになら…食べられちゃってもいいよ♪』
『…や〜ん!!可愛すぎるよぉこなたぁ〜〜〜!!!』
『えへへっ…ねえかがみぃ………こなた、そんなに可愛い?』
こなたは上目使いでかがみを見つめながら言った。
『うん!とぉ〜〜っても!可愛いでちゅよ!』
かがみは指をくわえながら、ますますでぃーぷな赤ちゃん言葉でこなたに言う。
『だからね…かがみはねぇ、こにゃたのことがぁ〜…だあ〜いちゅきなの☆』
657 :
7:2008/06/09(月) 05:38:59 ID:p92oikbi
「お姉…………ちゃん…………………………」
呆然とするつかさ。その肩に、みゆきの手がぽんと乗せられる。
『えへっ。ありがとかがみん!赤ちゃん言葉のかがみ萌え〜!』
こなたは、かがみをぎゅう〜っと抱きしめる。
『じゃあ〜、こなたはぁ、子猫ちゃんになる!かがみがご主人様ね!』
そう言って、こなたは、どこからともなく猫耳を取り出し、頭につけた。
そして、かがみに擦りよって…
『あ〜ん、かがみご主人さまぁ……大好きだ、にゃん♪』
「こなた…………お姉ちゃん…………………………」
呆然とするゆたか。その肩に、みなみの手がぽんと乗せられる。
『こにゃたん、お手♪』
かがみが手を出す。
『にゃん☆』
こなたは、かがみの手に自分の手をのせる。
『じゃあ〜、“スキスキ”して?』
こなたはかがみのほっぺをぺろぺろなめた。
『…ちょっと恥ずかしいにゃぁ…』
『こ〜にゃた☆』
かがみは、こなたの頭についてる猫耳をふにふにとさわる。
『にゃっ…ぅ〜、くすぐったいにゃん、かがみぃ〜〜………』
『はむっ☆』
『ふにゃっ、…そ、そこは、ほんとの耳だよぅ…………にゃん…』
『あっ、ごめんねぇこなた♪こっちでちゅね☆』
ふにっ。
『あん♪かがみぃ〜……おっぱいさわっちゃだめぇ……』
『あっ、ごめんねぇ。やわらかくて耳かと思っちゃったwえへ☆』
『もぅ…かがみのえっちぃ……///』
658 :
8:2008/06/09(月) 05:40:38 ID:p92oikbi
馬 鹿 す ぎ る 。
だが、それがいい!!!!!!!
とはひよりの談。
『は〜い、こなたちゃ〜ん、いーこいーこ!』
かがみはこなたの頭をなでなでする。
こなたは気持ちよさそうに、ごろごろとのどを鳴らしながら、かがみの腕を抱きしめて擦り寄る。
『うれしいみゅ〜、かがみん☆』
こなたは言う。
『ねえぇ、かがみぃ〜ん、私いい子だからぁ…ちゅー…して♪』
こなたは、かがみに抱っこされてるような形になっている。
『じゃ〜あ、お薬の時間でちゅよ〜』
『え〜、こなたおくすりきらぁ〜〜い!』
『大丈夫!あまぁいお薬でちゅからね〜!』
んちゅ…
『んっ…』
『ぷは…』
『ど、どぉ…?こなた…』
『はぁ、はぁ…とっても気持ちいいよ、かがみ…でもね、私、かがみにこうされてるとなぜかドキドキしちゃうの…
私も病気になっちゃったみたい……だから…おくすりもっとちょうだい…』
『いいわよ…いっぱい…いっぱいあげるね…こなた…』
ちゅう…
『んふ、はあ、はあ、私…っ、幸せだよ…かがみ…ん、ちゅっ』
『…ぷは!かっ、かがみに…んっ!……ちゅ、くちゅ、……ん、はぁ、かが、み…に、
ちゅっ、んん…!、ん…はあ…こんな、に…愛して…んむぅ!!んちゅう、んちゅっ、
ちゅっ、………ちゅ………も、もらえて……
ん、んん!!…す、すきぃ……んちゅ!!ん、あっ!好き…好きぃ…』
『こなたあ…ちゅっ、ちゅっ、好きよ……すき……くちゅ、くちゅっ…ちゅぱぁ、んむ、
…っは…すき……すき……大好きっ……ん、ちゅうぅ……ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ…ぷは、
はあはあ…んっ!!んんんっ!!…は、あ、愛してる……わよ…こなたぁ…』
659 :
9:2008/06/09(月) 05:42:45 ID:p92oikbi
それからも、二人の濃厚なディープキスがずっと続く。
目を瞑り、顔を夕日より赤く染め、ただひたすら二人の唇や舌の合わさる音が、夕方の屋上に響く。
つかさたちは呆然としてもはや何もできない。
この、どうしようもなく恥ずかしい光景をただ見守ることしかできなかった…
『ぷはぁ…………今日は………これくらいにしとこっか…………』
『はっ、はっ、はあ…はぁ………うん…………』
『…すっかり暗くなっちゃったわね。そろそろ帰ろっか』
『うん…もっとかがみと一緒にいたいけど…帰らなくちゃね』
『また、明日…会えるから大丈夫よ…』
『…そだね♪』
『…はい☆』
こなたがかがみの前に手を伸ばす。
『うん♪』
かがみはその手をぎゅっと握った。
二人は、このまま屋上から去ろうと、扉に手をかけ、開いた。
ぼーっとしてたつかさ達は、二人が突然目の前に現れたことに驚く。
「「「「わああっっ!!!」」」」
突然、目の前に現れた人間に双方が驚く。
「…な、な〜んだ、つかさ達か…びっくりしたぁ。どうしたのよ?こんな遅くに」
「ふえっ!!…えっと…その…あのぉ………ぅにゃぁ…」
つかさは、ただもじもじしているだけで何も言えない。
「あれ?ゆーちゃん達もいるじゃん」
「あっ、あの…えーと…えと………………ふにぃ……」
ゆたかも、顔を赤くするだけで、なんと言っていいのか分からなかった。
660 :
10:2008/06/09(月) 05:44:18 ID:p92oikbi
こなたとかがみの中に、ざわっ…と、どうしようもない不安が舞い降りてきそうになった時、
ある欧米人女性から必殺の一撃が放たれた。
「さき程ハ、お楽しみデシタネ♪」
「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」
顔色を失う二人。それから一瞬で顔が真っ赤になる二人。
「二人トモとっても可愛かったデス☆こなたん♪かがみん♪ちゅっ☆て。トテモ良いものを見せて頂きマシタ…」
「先輩たち…すごかったっす………!!!こんな甘い空間がこの世に存在するとはっ…ぶはっ」
「オゥ、ひよりんまた出血ネ」
「「あああああああ!!!!!!!!!!」」
頭を抱える二人。後悔先に立たず。
「でっ、でも!お姉ちゃんたち甘えんぼさんで、とっても可愛かったよ!!」
つかさ、フォローになってないぴょん。
「…ええ、お二人の仲の良さがこちらにも大変よく伝わりました。…濃厚なキスも、見ていてこちらまで熱くなってしまいそうでした…」
と、みゆき。
「ぎゃあああああああ!!!」
かがみ絶叫。頭からは湯気。
「うぅ…ゆーちゃんにも…見られてしまったんだね…………姉としての……威厳が……」
「…う…ぅん……あ、でも、かがみ先輩とは……とってもお似合いだと思うから、良かったね、お姉ちゃん!………ね、ねえ?みなみちゃん」
「……(コクリ)」とうなづくみなみ。
「わっ、私は別に……こなたとなんか…………、こなたと…なんか………………ぁぅ…」
どうみても、今の状況でかがみのツンは全くもって通用しない。
661 :
11:2008/06/09(月) 05:46:41 ID:p92oikbi
こうして、頭から湯気を出しながら、どうしようもなく恥ずかしい帰路につく彼女たち。
そして、こなたとかがみは思った。
明日が来なければいいのに、と。
そして、これからもずっと愛しい彼女と一緒に居られますように、と。
ちなみに。
つかさから、『かがみと晩ご飯のおかずを買ってきて』のメールの内容を聞いたかがみは、
早速、こなたを柊家にお持ち帰りになったそうな。
性的かつ卑猥かつ色情的な意味で!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
完。
タイトルは、「甘過ぎる放課後・どうしようもねえバカップル」
なんだか自分のやってる事に愚かさを感じます。
ストックがなくなったので、しばらく失敬w
三 三三
/;:"ゝ 三三 f;:二iュ 「GJすぎる!」
三 _ゞ::.ニ! ,..'´ ̄`ヽノン 「なんでこんなになるまで放っておいたんだ・・・」
/.;: .:}^( <;:::::i:::::::.::: :}:} 三三
〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-=>>ID:p92oikbi
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
};;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄l
>>650 GJでした。
保管庫さっき見てきたけど5-974氏の作品の注意書きの糖分摂取過多ってなに?
こういう作品をああ言う表現方法で保管していいのか?
前はもっとちゃんとした書きかたされてたように思うんだけど
>>650 朝から鼻血出た
>>663 最近スレごたごたしてたからしょうがないよ。
中の人もお疲れだと思う。
すぐに訂正入るだろうしそれまで待ちましょう。
中の人で思い出したがおやつ氏の
誰が書いたかを見抜く能力異常過ぎる。
絵を書かないからわからないけど結構わかるものなのかな?
>>664 人によって絵の癖があるから、分るとは思うよ。
最近は俺も、らき☆すた版権限定で作画誰かが分るようになってきたw
それはさておき確定までは出来んだろうから、
メールかなんかで作者から管理人へ連絡いってるんじゃね?
>>650 な ん だ こ の 甘 す ぎ る 空 間 は。
もっとやれ。
つかさ何故気付かない。
みなみいつからいた。
とかそんなツッコミは瑣末なことだ。超GJ!
>>650 俺を殺す気か!
危うくどうにかなっちまうところだった・・・
>>650 あー、糖尿病が心配なのに止められない!みたいなw
/ \
/ ,r'"j i^'!、 ヽ
/ </´ `ヾ> .:;i,
,l _,._,. _,._,. .:.:l,
| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| 乙
! ` ̄´ . ` ̄´ ..: ::::::!
| ノ . : . :;i, ... ::::::.:::|
! (.::.;人..;:::) ...:.:::::.:::::::::!
ヽ、 `´ `´ ........::..::..::.::::::::/
\......,,,,,,,_ .....:::::::::::::::::::::::::/
>>650 どこからともなく猫耳を取り出すこなたwww
>>650 なんというバカ話www
でも面白くて萌えるわ〜
>>650 GJwwwちょっと人工透析行って来る。
>>650 こんなに馬鹿を愛しく思ったのは初めてだ…
「――それでは本日の議題ですが――…」
議長の淡々と会を進める声と、どこかのクラス委員の意見を交わす声。
そして時折、カツカツと書記が黒板に白い文字を書く音がする。私はそれらを『音』として
聴覚で感じてはいたものの、具体的に『何が』とまでは認識していなかった。
有り体に言えば右から入って左に抜ける状態。
普段の私であれば、よっぽどの事がない限り真面目にも聞くし
決議されたことを事前に渡された資料、あるいはルーズリーフにメモしたりもする。
その、普段ならば出来ているはずのことが手につかない。
逆に言うと今の私には『よっぽどのこと』が起きている、ということになる。
あれから一週間と一日が過ぎた。
こなたに告白したという彼は、こなた程ではないもののゲームも漫画も好きらしく
あいつとも話があうみたいだった。「みたい」というのは、私が直接確認したわけじゃなく
つかさから聞いた話だから。私自身はこなたと、その彼が視界に入るたびに
目を閉じ、耳を塞いで逃げ出していたから。
一週間以上が経った今でも、私の中でも芽を出した感情に名前は付けられていない。
ただ、それは育てているつもりがなくとも、日毎に少しずつ成長しているみたいだった。
何かが決まったらしく、パチパチとひかえめな拍手が普通の教室よりも
幾分か広い視聴覚室に寂しく響く。ふと、ぼんやり資料に落としていた視線を上げ、
夕方といえる時刻になった窓の外の空を見た。
夏の終わりを告げる蜩の鳴き声がどこからか聞こえる。
薄い雲がいくつかふわふわと浮かび、鳶がゆったり上空を旋回している。
こなたが、一人教室で待っていた、あの時程ではないけど
赤く染まった太陽が空を、雲を青や白から橙色に塗り替えていって。
怖いぐらい綺麗だった風景の中、あいつは何を思っていたんだろうかと考える。所詮、私は私で
こなたはこなたなんだから答えなんて出ないのだけれど。
「――み……ん…か…みさ…かがみさんっ」
「ひあっ!!?」
突然現実へと引っ張り戻した大きめの声に、声帯と肩、そして背中の筋肉が反射的に反応し
ガタッと椅子の揺れる音と共に、私は悲鳴をあげてしまっていた。
余りにも人を引き付ける力を持った風景に、心奪われるうちに
委員会は終わってしまったらしかった。
会が終わった開放感と、それと同時に感じる疲労感で教室が一杯になっている。
私の顔を心配そうに覗き込むB組の委員長――高良みゆきに苦笑を浮かべつつ手を振る。
「ああ、ごめんみゆき。少しぼうっとしてたわ」
「そうですか?それなら良いんですが、具合が悪くなられたのかと思いまして…」
「本当ごめん!大丈夫だから。あ、頼みがあるんだけど…今日の決定事項とか、後で見せてくれない?」
「それは構いませんが……。…かがみさん、この後ご予定とかありますでしょうか」
みゆきの問い掛けに私は首を傾げた。つかさやこなたから、こういう風に言われて
どこかに寄ったりすることはあっても、みゆきから言ってくるのはめったにないことだったからだ。
「ない、けど……どうしたの?」
「それは…あ、少し待って下さいませんか?」
私の疑問に言葉を濁し、さらに返事を聞く前にみゆきは踵を返していた。
他のクラス委員は既に教室から居なくなっていて、
一人ぽつんと取り残された私はまた窓の外を仰ぎ見る。
空は、橙色からあいつの髪の色よりもちょっと濃い群青色に変わりゆく途中だった。
「お待たせしてしまい、申し訳ありません。…ミルクティーで宜しかったですか?」
しばらくしてみゆきが戻って来た。手には二本のミニペットボトルが握られていて
どうやら下の自動販売機で買ってきたらしかった。
「あ、そんな気を遣わなくてもいいのに…」
「いえ、私が呼び止めたんですから。どうかお気になさらずに」
それに、少々長くなりそうですし、と言いながらみゆきが片方のミルクティーを差し出して来て
私は躊躇いつつもそれを受けとる。
パキッと小気味よい音と共にペットボトルの蓋が開けられ、
中身を一口口に含んだみゆきが、間違っていたら申し訳ありません、と
前置きをして話し始めた。
「……泉さんと何か、あったんですか?」
「!!!」
いきなり、しかもここ数日悩んでいたことの核心に触れられ
驚いた私は、キャップも開けず手の中で弄んでいたペットボトルから目線を外しみゆきの方を凝視した。
「な、んで……」
「…気のせいじゃなかったようですね…。…泉さんの様子も気になっていまして…」
「…………」
こなたの名前が出たことで、私はより一層緊張した。ペットボトルの蓋を開ける乾いた音が
酷く場違いなものに聞こえる。体温で大分温くなった中の液体で唇と喉を湿らす。
喉を通っていった液体に初めて、私の喉がからからに渇いていたことを知らされた。
「泉さんにも…おせっかいだと思われるかもしれませんが…
お話を伺ったんですが、上手くはぐらかされてしまいまして」
ごくん、と知らず唾液を飲み込む。その音がやけに大きく響いて
慌てて、咳込むふりをしてごまかした。
私は先刻から何も話していないけれど、みゆきは意にも介さないように話を続ける。
「――実は、泉さんとかがみさんの様子が以前と違うことには
大分前から気付いていました。かがみさんは、約一ヶ月前から。
泉さんはそれよりもさらに前から」
「最初は何か…小さな諍いがあったのか、とも思いました。
ですが、それはお二人の問題。当人同士が解決しなければいけないものです。
私が口を挟むべきではない、と考えました。
しかし一ヶ月以上が経っても一向に以前のようになる気配がありません。
諍いとは違うのではないか、という思いが生まれました」
そこでみゆきは一度口を閉じ、何かを振り払うみたいに目を閉じ
二、三度首を振ってまた、言葉を紡ぐ。
「私が、介入すべき問題ではないのかもしれませんが……今のお二人を見ているのは
辛いです。また、以前のように楽しそうにお話する泉さんとかがみさんが見たいんです。
…差し出がましいようですが、お二人の間に何が、あったんですか?」
その問いは二度目だ。だけど、私自身何がどうなのかよくわかっていない。
私の中に渦巻くこの気持ちは?
こなたの行動の理由は?
疑問が有りすぎて何から話していいのかわからない。「…断片的でも良いんです。人に話すことで楽になることもありますから。
もし、話したくないのであれば無理に、とはいいません」
ああ、みゆきは。
この友人は、私たち二人のことをこんなにも思ってくれている。
そう思ったら、両親にも、まして妹には言えなかった言葉が
涙と共に一気に溢れ出していた。
「…っ!!わ…私っ……あいつに…っく、こなたに、告白されて…っ
友達としか思えなかった、のに、拒絶、したのに…それでももやもやしたのが残って……!
どうしたらいいのかわかんなく、て……っ!」
一度崩れてしまった堤防は水を止める術を持たない。胸にあったものを全て吐き出す
私の言葉と言う名の水――いや、しゃくり上げていたせいで単語すら怪しかったかもしれない――を
みゆきは辛抱強く最後まで受け止めてくれた。
すん、と時折鼻をすする私と、時計だけがこの部屋に存在する音源。
私はいつの間にかみゆきに抱き締められていた。こういう風にされるのは
小学生、下手したら幼稚園の時以来だな、と思う。
…訂正。こなたはぺたぺた引っ付いてきてたりしたっけ。
けれど、こなたとは違う、母親が子供をあやすような抱擁。小さい子扱いされてるみたいだけど
不思議と嫌な感じはしなかった。恋人同士のそれの胸の高鳴りの代わりに、
なにもかもを預けられる安心感がある。
「……落ち着き、ましたか?」
「ごめん、みゆき…。…はは、情けないわね」
同級生に縋り付いてわあわあ泣いていた自分の姿を脳裏に描いて
恥ずかしさに、なるべく軽く笑って体を離した。
「いえ、良いんですよ」
にっこり笑うみゆきは、同い年とは思えない程の母性や包容力を持っている。
聖人君子というよりは聖母マリア様。今の私にはそんなイメージが浮かんでいた。
もっとも、どっちも似たようなものなのかもしれないけれど。
「…かがみさんは、泉さんが嫌いですか?」
「嫌いなわけないじゃない」
これは、自信を持って言えること。
「では、好きですか?」
「好き、ではあるんだと思う。ただ…その『好き』の種類がわからないっていうか…。
…近くに居すぎたせいかしらね」
大泣きして落ち着いたおかげか、前よりもすんなり言葉が出て来る。
まだまだ曖昧だけれど、それでも心の中のもやもやの輪郭が見えた気がした。
「それをそのまま伝えれば良いんですよ。言い方は少々厳しいかもしれませんが、
今のかがみさんは……もちろん泉さんもですが……中途半端に逃げているだけです。
恋人としても、友達としても付き合えていない…」
さっきとは打って変わって、真面目な顔をしたみゆきがじっと私を見つめて来る。
目を逸らしちゃいけない気がして、私も瞬きもせず見返す。
「それでは泉さんもかがみさんも傷付くだけです。
ですからかがみさんは…泉さんともう一度、向き合うべきだと思います。
……なんて、偉そうにすみません」
「ううん…その通り、だから。考えとてみれば、私ずっと気を遣ってた。
普通に接しているつもりでも、どこか腫れ物に触る態度で…。
それは、こなたも同じだと思う。だから、明日こなたと話をしようと思う。
私の気持ちをぶつけてこようと思う」
そう宣言すると、みゆきはまたいつもの優しい笑顔を私に向ける。
「その結果の関係がどうであろうと、お二人なら大丈夫ですよ」
みゆきに何度もお礼を言ってから家路に着く。一ヶ月前とは違い
心はさっぱりしていて、なぜだかとても穏やかな気分。
玄関を開けると、ちょうど台所から出て来たらしいつかさとばったりあった。
「お姉ちゃん、お帰り。今日は遅かったね……って、目、真っ赤だよ!?
どうしたの!?」
「ただいま。あー…これは…色々あって…」
まさかみゆきの胸で大泣きしていたとは言えない。そしてその理由も。
姉としてのささやかなプライドだ。
「…こなちゃんと何か、あったの?」
靴を脱いでいる私につかさが近付いて、少しだけ声のトーンを落として話し掛けてくる。
「違うけど…もしかしてつかさ、私とこなたの様子が変だとか思ってた?」
「……うん。ちょっと前からお姉ちゃんもこなちゃんも
なんか無理して笑ってるみたいだったから…」
…まさか妹にまでバレているとは。ぼんやりしてることが多いつかさだけど
今回はそんな妹にすらはっきり解るほど変だったのか、私たちは。
「さっき、みゆきにもおんなじこと言われたわ。
で、発破かけられちゃった。
大丈夫。明日、こなたと向き合ってくるから。
……心配かけちゃったわね」
「ううん、私も今のお姉ちゃんとこなちゃんを見てるのは辛いから……頑張ってね」
私たちのことをまるで自分のことのように心配するつかさに、また感謝の涙が滲みそうになる。
それをぐっと抑えて、涙の代わりにありがとう、と呟いた。
その夜。私が寝るには早い時間に部屋のドアがノックされ、
続いて枕を抱えたつかさが入って来た。
「えへへ…お姉ちゃん、今日は久しぶりに一緒に寝てもいい?」
机に向かって明日のことを考えていた私はくす、と苦笑を漏らして立ち上がりベッドに入る。
「全く、しょうがないわね。いいわよ、一緒に寝よ?」
知らない人から見れば姉に甘える妹の図なんだと思う。でも、違う。
本当に甘えているのは私の方だ。つかさは無意識にかもしれないけど、敏感に
不安な私の気持ちを察知して、こうやって支えてくれているんだと思う。
甘えるのが下手な私の代わりに。
電気を消したつかさが私の隣に潜り込んでくる。
ぼそぼそと、そうする必要なんてないのに小声で話す姿は小さい頃に戻ったよう。
「ねぇ、つかさ。好き、ってどういうことなのかな?」
「ふぇ?す、好き?」
「っていうか…友達としての『好き』と恋愛感情としての『好き』の違い、かな」
まだ暗闇に慣れない視覚の中、隣でつかさがもぞりと動く気配がした。
きっと、一生懸命考えてくれているんだろう。
「…んー…全然違うと思うよ?
恋愛感情で好きになると、その人が居るだけでドキドキするし
…毎日が楽しく感じられる、かな」
一つ一つ確かめるように言うつかさの言葉はとても実感が篭っていたけれど、
やっぱり私には、いまひとつピンとこないものだった。
「…つかさは、恋、してるの?」
「うん、してる。大好きな人がいるんだ」
漸く暗さに慣れてきた私の目に映った微笑む妹の顔はもう、雛鳥みたいに私の後を付いてきていた
甘えん坊の表情じゃなかった。
どくん
心臓が高鳴る。自分で決めたことのはずなのに、投げ出してしまいそうになる。
私はB組の教室、こなたの右隣りに座っていた。時刻は12時半。
いつものメンバーでいつもの昼食。違うところは私の心中だけ。
今日はある意味で、私とこなたの関係に終止符を打たなければならない。
そのためには、こなたを誘う必要がある。
どくん
まただ。口を開こうとする度に心臓がきゅうっと収縮して、臆病な私が顔を覗かせる。
ちらりとみゆきとつかさの方を見ると私を勇気付けるように頷いてくれた。
それに励まされた私は、大きく息を吐いてから、普通を装ってこなたに話し掛けた。
「こなた」
「んー?なにかな?かがみんや」
「……今日の放課後時間、ある?」
「……なんで?」
途端にこなたの顔が強張る。でも、それも今日でおしまいにしないといけない。
私のために。それに、なによりこなたのために。
「大事な話がある、から…。放課後、校舎裏に来てくれない?」
「……わかった……」
瞬く間に時間が過ぎていった。きっとそれは間近に迫る秋という季節のせいだけじゃないはずだ。
みゆきとつかさは邪魔しちゃ悪いから、と一緒に帰っていった。
あの二人も上手くいけばいいな、と思う。昨日のつかさの表情を思い出して
自然にそう考えた自分に驚いた。ちょっと前までは同性同士というだけで
恋愛対象にはならない、と思っていたのに。
「ごめん、待った?」
校舎の影から通学鞄を持った青い髪の小さな少女が小走りでやって来る。
「ちょっとだけね」
「それで、話って何?」
校庭の方からどこかの運動部の掛け声が聞こえて来る。
蜩の鳴き声はもうしない。代わりに鈴虫やキリギリスが季節のメロディを奏で始めている。
夕日が、長い影を私とこなたの足元から作っていた。こなたの表情は
普通ならば逆光のせいで見えないはずなのに、距離のせいか不思議とよく解る。色々考えたけれど、言いたいことは結局上手くまとまらなかった。
だから、思ったことをそのまま伝えよう。
早いリズムを刻む心臓。汗が伝う背中。唾液の出ていない口内。
それらを全部無視して、私は漸く一歩を踏み出した。
「ごめん!私、こなたに謝らなきゃいけないことがある。
いつも通りにする、って言ってて全然出来てなかった。余計にこなたを傷付けた。ごめん…!!」
「そんな…わ、私も…私こそ、かがみに謝りたい…!!」
私が一息つけるのと同時にこなたが叫んだ。
その姿がいつかのこなたと重なって、目頭が熱くなる。
「私っ……私もかがみに言ったこと出来なかった…!拒絶、されたのに
諦められなく、て。…告白された時、よかったと思った。
付き合っちゃえばかがみのことも忘れられると思った。友達として付き合ってみたけど…だけど
全然、ダメで…。話してても、かがみと比べちゃって…っ。
かがみのこと、もう、友達とは思えないよ…ごめん…っ」
一言喋る度に大きな瞳に涙が溜まり、声には泣き声が混じる。
違う。私はそんな顔を、声をさせるためにここに来たんじゃない。
「…もう一つ、謝りたいことがあるの。私、こなたに告白された時女同士だからとか
そんなことで最初から考えないようにしてた。
あんなにも真剣なこなたにちゃんと向き合ってなかった」
そこで私は一つ息を吸い込んで。私が本当に言いたいのはここからだ。
「こなたと、あの彼が一緒に居る時もやもやした気持ちになった。
…多分、嫉妬。……私はこなたのことが好き、なんだと思う。
だけど正直どういう意味の『好き』なのか私自身よく解ってないの。
……だから、もしあんたが私のことを本気で好きなら……惚れさせてみなさいよ」
――そう。これが私の出した答え。正直な気持ち。そして、後はこなた次第だ。
羞恥も、なにもかもかなぐり捨てて一気に言ってこなたを見つめる。
こなたは涙も引っ込んだみたいで、呆けた顔をして私を見てる。
「……か、がみ。それ、って、私にもまだ可能性はある、ってこと?」
「…ま、そうね。せいぜい頑張って私をときめかせてみなさい?」
「――――っ!!かがみぃっ!!」
「な………んっ……」
体を震わせたこなたが飛び付いてきて頬に、不意打ちのキスをされた。
一瞬、触れ合うだけのそれが離れてこなたがくふ、と笑う。
前みたいな、日だまりの中に咲く一輪の花のような本当の笑顔で。
「絶対落としてみせるからっ!覚悟しててよね?」
キスまでしたくせに、恥ずかしいのか
頬を夕焼けよりも赤く染めてあいつは走り去っていった。
「そう簡単に落とされてたまるもんですか」
口調とは裏腹に、笑っている私は端から見れば怪しいことこの上ないに違いない。
この前よりもいきなりのキスなのに
不思議と嫌じゃなかったのは――まだもう少し言わないでおいておこう。
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今日もいつもと変わらない日。
こなたと、かがみと、つかさと、みゆきの4人はお昼ご飯を食べながら、いつもの談笑をする。
取り留めもなく続く、些細な出来事の会話。
しかし、彼女たちはそれに終始することが日常であり、また彼女たちにとってはその会話をすることこそ有意義な時間なのであった。
「あはは、愚妻よね〜」
「そうですね、愚妻ですね」
「ほんとに愚妻だもんね〜」
「愚妻ね〜」
一体、どこの嫁の悪口を言ってるのか、ということはさておき。
柊つかさは、その中である異変に気が付き始めていた。
(お姉ちゃんとこなちゃんはすごく仲がいい。…最近は、ますます仲良しになってるように見えるなあ)
でもでも。
「お姉ちゃんとこなちゃんてすごく仲がいいよね!」って言うと、
「な、何言ってんのよ…別にそんなことないわよ…!」
て言う。
「…ふ〜ん」
頭ごなしに否定するが、かがみの性格のことだからそれが本意ではないと知っているのはつかさだけではない。
…ここまではいつもの日常だった。ある人達にとっては。
放課後。
つかさの携帯電話に、母・みきから、『かがみと晩ご飯のおかずを買ってきて』との内容のメールが届き、つかさは早速、かがみに会うため、C組のクラスに向かった。
だが、かがみはそこにはいなかった。そういえば、こなたもいつの間にかいない。
そこで、みゆきと一緒に二人を探していると、こなたの従姉妹のゆたかの姿を見つける。同級生のみなみも一緒にいる。
すると、ゆたかが近くに来て聞いてきた。
「あのう…こなたおねえちゃん見ませんでした?」
「ううん。見てない。私もお姉ちゃんとこなちゃん探してるんだけど、見なかったかなあ…?」
「いいえ、見てないです…」
「そっか…」
どこに行ったんだろう。
「ハーイ☆どうシマシタ?」
「こんにちはッス先輩方」
ひよりとパティが来た。
「ねえ、ひよりちゃん、パティちゃん。お姉ちゃん見てない?」
「かがみ先輩っすか…?そういえばさっき見たような…」
「コノ上の階に行くのを見マシタ。コナタも一緒でしたヨ」
そして、6人は上の階に向かう。しかしその階にもこなたとかがみはいなかった。
…となると、あとは屋上しかない。一応、確認してみようかと彼女達は屋上に向かった。
屋上への扉を開けると、赤い日の光がまぶしく照らされてくる。
夕日は、沈みかける陽の光の最後の抵抗なのだろうか。
屋上のある一角に、青い髪の背の小さな女の子と、紫色の髪を後ろ二方向にさげている女の子が座っていた。
つかさとゆたかが口を揃えて言った。
「「あ、お姉ちゃんだ〜」」
そう言って扉を開いて行こうとする二人を、ひよりが静止した。
「ちょっと待つッス!なんだか、いつもと様子が…」
ひよりは“何か”を察知したようだ。
少し開いた扉から、声を潜めて見ていると、二人の声が聞こえてくる。
『かがみ…』
『こなた…』
夕日の中、二人はお互いに向き合って座っている。
かがみは、こなたの頬にそっと手をあてた。こなたは一瞬目を大きく開いたような表情をして、
顔を赤くしながら恥ずかしそうに微笑んだ。
それに合わせてかがみも優しく微笑む。
「…何してんだろ。お姉ちゃんたち?」
「ちょ、ちょっと…!!!これは、これは、まさかまさかっ…!」
興奮を抑えきれないひより。
その時、かがみが口を開いた。
『こなた……好きよ………』
「「「「「「!!!」」」」」」
「お、お姉ちゃん…!?」
つかさが口を押さえてびっくりしている。
「おおおお……!」
「Humm…これはヨイ“こな×かが”デスネ☆」
「ふぉおお…マジっすか…やっぱりそうだったんすかあの二人…なんだかすごくいい感じっすよ…まさか、この場に居合わせることができようとは……」
ドキドキしながら見守る一同。
こなたは、かがみの手を両手でぎゅっと握って、言った。
『…私も………かがみのこと、大好きだよっ!』
これ以上ない可愛らしい笑顔でかがみに微笑んだ。
「「「「「「おおおお〜〜〜〜っ!!!」」」」」」
「こ、こんな乙女な泉先輩始めて見たッス…!」
「おねえちゃんとかがみ先輩が…」
「きゃ〜!!絶好ノ萌えシチュデスね☆」
屋上の二人は、ぺったりとくっついて手を握りながら、座って話をしている。
どことなく甘い空気が漂う。
それはやがて、いつもの他愛のない話に移っていく。
こなたは最近やったゲームの話を始め、かがみはそれにうんうんとうなづきながら聞いていたが、
やがてかがみの表情に陰りが見え始める。
『でさ〜、そのキャラの攻略が難しくてね〜』
『…』
ギャルゲーの話ばかりをするこなたに、かがみはぷいっと顔を背けてしまった。
『あれ…かがみどしたの?』
『…なによ!こなたったら他の女の子にデレデレしちゃって…!』
かがみはスネてしまった。
『こなたには…もっと私を見てほしいのに………………ばか……』
『ごめんねかがみ。こんな話して…でもね、私はそのゲームがただ楽しいからしてるだけなんだよ。
それにね。…ツンデレキャラを攻略して…かがみのことをもっとよく知りたいと思ってるからなんだヨ。
私が、リアルでほんとに好きなのは…… …かがみだから……』
こなたが顔を赤くしながら、言った。
『あぁ…』
かがみが、こなたの体に倒れこんできた。
『どうしたの…かがみ?』
『…こなたとの愛が甘すぎて…私、とろけちゃいそう……』
思いっきり可愛らしく言うかがみ。
『もぉう…かがみったら…』
かがみの可愛さに心打たれ、頬をますます夕日に染めるこなた。
『………ねぇ、こなたぁ』
こなたの体に寄り掛かりながら、猫なで声で言うかがみ。
『なぁに?』
『好き…って、言って…。私のこと…だ〜い好き、…って言ってぇ、おねがいよぉ…こなたぁ…』
『かがみぃ…』
「お、お姉ちゃん、どんだけ〜…」
「す…すごい甘えてるね…」
つかさは、普段見られるクールさが微塵もない姉を。
ゆたかも、頼れる姉として慕っているこなたの、こんな様子を見るのは始めてだった。
『かがみん!』
こなたがかがみの方にずいっと近寄る。
『なあに?』
『だぁい………………………………………………………………………………好きっっっ!!!!!!!!
だよ!かがみん☆…ちゅ』
こなたが、かがみの口にキスをした。
「わーっ!わーっ!!こなちゃんどんだけ〜……!」
つかさは、目の前のあまりに恥ずかしい光景に耐えきれず、顔を背けてしまった。
ゆたかも、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「パティ…………………ティッシュを……………………ガクガク」
ひよりは鼻からの出血が止まらなかった。だばry
こなたが、唇を離すと、かがみが言った。
『……うふっ、ありがとっ……こなたん♪』
『えへへ…かがみん♪』
ぷーっ、と吹き出すギャラリー一同。
「…こなたん…」
『か〜がみん♪』
『こ〜なたん♪』
『か〜がみん♪』
『こ〜なたん♪』
お互いに顔をすりすりしながら、抱き合う二人。
抱き合うと、体の小っちゃいこなたは、かがみにすっぽり包まれる形になる。
『…あ〜ん、もう!こなたったらほんとに小っちゃくて可愛いんだからぁ〜!!』
そんなこなたを、かがみはぎゅぅと抱きしめて、なでなでする。
こなたは、かがみの胸に顔を埋めて、子供のようにすりすりしてくる。とても嬉しそうに。
『ほんとに子供みたいでかわいいでちゅね〜!☆お〜よちよち♪』
「…赤ちゃん言葉!!!」
「ふぉおおおおお!!!!たまんねえっすたまんねえっすたまんねえっすたまんねえっす!!!!」
ひよりは床に頭をガンガン打ち付けている。
「ひよりちゃん!!落ち着いて!!落ち着いて!!!」
『もぉ、そんなにかわいいと、お前を食べちゃうゾ!こ・な・た♪』
『あん、こわぁい!…でも、かがみになら…食べられちゃってもいいよ♪』
『…や〜ん!!可愛すぎるよぉこなたぁ〜〜〜!!!』
『えへへっ…ねえかがみぃ………こなた、そんなに可愛い?』
こなたは上目使いでかがみを見つめながら言った。
『うん!とぉ〜〜っても!可愛いでちゅよ!』
かがみは指をくわえながら、ますますでぃーぷな赤ちゃん言葉でこなたに言う。
『だからね…かがみはねぇ、こにゃたのことがぁ〜…だあ〜いちゅきなの☆』
いい加減にしろ!
人の苦労を何だと思ってるんだ!
お前みたいなのが秋葉原で被害者の代わりになればよかったんだよ!
『こにゃたん、お手♪』
かがみが手を出す。
『にゃん☆』
こなたは、かがみの手に自分の手をのせる。
『じゃあ〜、“スキスキ”して?』
こなたはかがみのほっぺをぺろぺろなめた。
『…ちょっと恥ずかしいにゃぁ…』
『こ〜にゃた☆』
かがみは、こなたの頭についてる猫耳をふにふにとさわる。
『にゃっ…ぅ〜、くすぐったいにゃん、かがみぃ〜〜………』
『はむっ☆』
『ふにゃっ、…そ、そこは、ほんとの耳だよぅ…………にゃん…』
『あっ、ごめんねぇこなた♪こっちでちゅね☆』
ふにっ。
『あん♪かがみぃ〜……おっぱいさわっちゃだめぇ……』
『あっ、ごめんねぇ。やわらかくて耳かと思っちゃったwえへ☆』
『もぅ…かがみのえっちぃ……///』
いやいや、相手すんなってば、スルースルー
>>697 すいません・・・
確かに不謹慎でしたね。
申し訳有りません。
もう不謹慎とかそんな考えなくなってしまったなあああかがみは可愛いなでも駄目だな
あえて言うならば
周りが騒いで一旦休筆すると言ってらした方に、
再度登場させてしまう闘志と勇気を奮い立たせてしまった時点で、
あらし君は挽回不可能な失敗をしでかしたわけだし、
あらしなりに誇りを持っているというか普通の知的レベルならそこで退いたと思う
あらしとしては恥ずかしいだろうから
それでもまだやってる頭の悪い恥知らずに何を言っても無駄
こんな奴を世に送り出した彼の親もまたやっぱり人として何か欠けてるんだろうか
あえて言うならば、じゃねーよ。何を言っても無駄と知りつつ反応してしまうその心は?もう黙っとけ
>>700 滑ったりしたのか?w
705 :
700:2008/06/09(月) 21:57:16 ID:f9uc1dQh
おお、シチュエーション書き忘れました。
湿気の多い日、滑りやすい廊下で転けた
ドジっ子かがみの下敷きになったこなたの運命いかには!?
って感じです。
同僚にこなかが絵(全年齢)を頼んだら、
R-18な絵がリターンしてきたので、ついカッとなって描いちゃいました。
>>700 この後にその同僚さんの絵に繋がるんですね、わかります。
>>700 汚くなんてないですよー
いっぱいいっぱいなかがみの表情と余裕のこなたの表情の対比がカワイイw
>>705 そのリターンしてきたR-18な絵を、しかるべき場所にてぜひ。
709 :
13-351:2008/06/09(月) 23:21:00 ID:9zwT2A20
>>709 GJ!
今は辛い展開ですが、きっと幸せへの道は見えるはず!
ところで、前々から思ってたんだけど……
かがみって将来の夢は弁護士!というほどなりたがってるのでしょうか?
アニメだと進路志望の第一希望が法学部だったくらいですよね。
あれも全部法学部だったわけじゃないし、設定集とかで弁護士を熱望してるのがあるのかな、と。
個人的にはかがみって弁護士に向いてない気がしてならず。
生真面目で優しい性格で、意外に脆い面があるから、加害者弁護の仕事とかかなり厳しいと思われ。
みゆきさんやこなただと、結構上手くやれちゃいそうなんだけどね。
いあ、何が言いたかったかというと、この話みたいになっちゃうと思ってたから、先がとても気になるわけでして。
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かがみんはお姉さんだし、いつもしっかり自制してるせいで
内に溜め込む感じだな
こなた「お姉さんも大変だからね…
そんなかがみが溜まっちゃった時には、私がいじって
癒してあげる訳だよ」
かがみ「エロい言い方すんな!」
こなた「そうやって抵抗しちゃダメダメ!もっとデレなきゃ」
かがみってストレス多そうだしな
こなた+山積みのラノベ+大量のお菓子がある部屋が
かがみにとっての桃源郷だろうな
>>709 あっちゅう間に読み終わりました。二人には辛いことがあっても、
いつかは本当の幸せな生活をつかんでほしい…
あんまりシリアス…というかシビアなのが苦手な人はその下の柊かがみの悪戯も読むといいwちょっとエロイw
>>709 GJ
プレッシャーとかストレスって降り積もると大変なことになるからね…。
特にかがみみたいな性格の子はきっと、自分の中に溜め込んじゃう。
だからあるとき一気に溢れ出てしまう。
きっと、どこかにかがみが本当の笑顔を取り戻すための何かが…。
それを見つけられるのも、一緒にいるこなただけなんだろうな
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>>710 確かにかがみの性格は弁護士向きじゃない気はする
アニメしか知らないから、かがみ=弁護士志望が公式なのかは知らないけど
公式でそういうの明記してるのあれば知りたい
正義感が強いかがみが弁護士志すのは自然のような、色々調べてから決める性格だから避けそうな
>>709 GJ!
すごく読みやすい文章で、あっという間に読み終えました。
しかし、テーマが重いなあ。
みんながあこがれる弁護士だけど、精神的にタフじゃないと
やっていけない職業だろうね。
特に高い理想を掲げる人間ほど、現実とのギャップに悩み
精神を病みそうだ。
かがみが心の底から笑える日が戻ることを信じてます。
>>717 激しくGJ!!
さすが俺の誕生日レス番号!(関係ないけどw)
一応ここで議論になるのもあれなので、避難所の方にも転載しておくよ。
いい情報サンクスでした!
>>716 原作四巻58Pで進路の話題が出て、こなたとかがみが
「はぁ〜〜〜……かがみ弁護士希望かぁー」
「ま、まぁ一応ね」
という会話をしてますね。
あれ、この部分アニメではやってないんだっけ?
なんかごっちゃになってるなぁ(汗
かがみは「弁護士になりたい」というよりも、
文系の学部の中で比較的難しい「法学部」がなんとなく良いかなーっていう感じなんじゃないかと予想。
「法学部=弁護士」っていう風に安直に考えてる気がする。
というか法学部を出る頃にはその辺の資格にはアドバンテージがあるし
それらは潰しが効くからな
将来的に考えて、学力が射程に入っているなら法律に特化すべきではある
723 :
716:2008/06/10(火) 19:25:58 ID:1LTyt0N3
>>720 なるほど、ありがとう御座いますw
原作は雑誌とかで読める時しか読まなかったから知らなかった
とすると、一応弁護士志望ってことで
でも、アニメ観る限りだと、721と722みたいに自分も思える
第二、第三志望は経済とか経営とか書いてたし
性格考えると法律関係なら検察官や裁判官の方が向いてるっぽいけど、「まあ、一応」っていうところからして、本当にまだそこまで考えてないのかな?
熱く夢や理想を語るより、その方がかがみっぽいか
法学部出てなれる職業って
弁護士、検察官、裁判官とかの裁判関係の他にどんなのがあるのかな?
726 :
716:2008/06/10(火) 19:57:53 ID:1LTyt0N3
知識や資格はあって困るものじゃないから、裁判関係の仕事じゃなくても有利
政治の記事書くのだって違ってくるし、会社の経営に関わるとしても法律に通じてると何かと便利だよ
雇う方も資格あるならその辺を期待するもの
持ち前のオタク性とこなたの影響で、将来的にラノベ作家とかになってそうだな>>かがみん。
そんで、ペンネームで誤魔化そうとするけど、こなたにはあっさり見破られてしまうという・・・。
そうか、ラノベ作家は盲点だった
こなたはこなたでゲーム制作の仕事か?
なんというクリエイター一家
>>727 こなたはそういう方面向きじゃない……とはわかってるんだが、
「ネタ談義とか編集担当の噂で盛り上がる、駆け出しラノベ作家ふたり」
というのが見たくて仕方がない、そんな俺。
730 :
フタ☆某:2008/06/10(火) 21:29:36 ID:w8XsOzfA
BIN☆BINじゃないすか
かがみんは家族思いだし、堅実なので逆風の弁護士業界は回避。
手堅く企業の法務部とか入って、契約書を作る仕事をすることに方針を変更する。
女の子らしく化粧品か服飾関係のメーカーに入社するかがみ。
同僚や先輩も女性ばかりで、おまけにガチだが気にしないことにする。パートナーがいるので。
語学に堪能なかがみんは、すぐに海外の工場とか飛び回ることになる。
一方、出張がちな旦那を見送るのに飽きたこなたは、かがみんを追って渡欧。
かがみ「こなた、元気にしてるかなぁ…」
ピンポーン(ガチャッ)
かがみ「(絶句)…」
こなた「来ちゃった…
Comment allez-vous?(ご機嫌いかかですか?)」
ヨーロッパ編スタート
733 :
グレゴリー:2008/06/10(火) 23:42:48 ID:OB31D8TV
そういえば、ヨーロッパで思い出したんだが、かの地を舞台にした作品を
構想していたことがあって、漫画化は険しいんで挿絵付きのSSとして送りだそう
と思うんだがいかが?
じゃあ私は南米編でも
こなた「Como vai?Kagamin?Meu amar Kagami」(ご機嫌いかが?かがみん。私はかがみを愛してるヨ)
こなた「知ってた?ブラジルではパートナーシップ法があるんだよ」
かがみ「なぁ…!?」
文法間違ってる気がしないでもないけど気にしないでくださいw
かがみって文法的にすっごく綺麗な外国語使いそうだな
逆にこなたはめちゃくちゃだがなぜかコミュニーケションが取れてるタイプ
>>730 ちょwwかがみ探知アンテナwwwGJww
(=ω=.)いぅろっぷ!
(=ω=.)すうぃっつぁらん!
(=ω=.)あすとれぃりあ!
「こなかが in ○○」のネタは書いてみたいが、
旅行なんてここ10年以上行ってないからな
ましてや海外になんて行ったこと無い
せいぜい「こなかが湯けむり紀行 ○○編」ぐらいか
>>733 グレさん、グレさん。
もし『この場(スレ)』で受け入れてもらいたいなら、悪いことは言わないから、とりあえず『グレゴリー』コテと作風を一時封印して、
『読み手(スレ住人)が惹かれる作品』ってのを目指して名無しで書いてみたらいかがかな?
個人的に君の作品から滲み出るルサンチマン的な部分は創作家を志す一人としてはすごく好感を持っているし、
その創作衝動を上手に商業主義のオブラートに包めば作家として大成する気もするとも思ってる。
でも『こなかが好き』(もとい、らき☆すた好き)な読み手としては作風が正直かなりしんどいよ…
スルーされるのは辛いだろうし、こちらとしても偲びないからさ。
挿絵などでコテばれしても『これはキレイなグレゴリーですねw』とか『驚きの白さw』みたいにGJもらえるようにトライしてはいかがかなぁ?
本スレに迷惑かけるのも悪いから、返事くれるなら避難所の該当スレにお願いします。
>>ALL
スルーしてる皆さん、「相手すな馬鹿」とお怒りの方がいらっしゃったとしたらすみませんでした。
万人ウケしないという点では俺と似てる部分があるので他人事とは思えずつい…
以降は自重します。
親切心のつもりかも知れないけどさ
折角スルーして流してた人達の気持ちを踏みにじる行為だと思うぜそれ
かがみ「…昨日の夜はなにしてたの?」
こなた「ネトゲーと深夜アニメー♪」
かがみ「…これからどうするの?」
こなた「もちろん!かがみんと熱い夜を―ってあれ?かがみ?」
かがみ「…宿題どーすんのよ?」
こなた「うひゃぁ!忘れてた!」
かがみ「まったく…」
全然、ハードボイルドにならねぇ…
でも、その後、しょうがないわね、って言って、宿題を見せるかがみと、それにかがみ様と泣き付くこなた。
それはあまりに日常で、だが、そこがいい。
こなたの「宿題見せて〜」はかがみとの時間を少しでも増やすための、涙ぐましい努力だと思うわけですよ。
みゆきさんに見せて貰うのが悪いったって、いつもかがみに頼るのは、ねぇ?
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746 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/11(水) 16:29:01 ID:CTvVlNtn
良作品のよかん
747 :
グレゴリー:2008/06/11(水) 19:26:02 ID:kGW0wAjk
「羽化した男」
「ねえ、もしもさー、自分を変えたいってのがかなうんなら、どうなりたい?」
帰路につく4人は並んで歩いていた。
泉こなたの問いに3人はしばらく考え込むと、柊かがみはあごに人差し指を当てて
答えた。
「まあ、私は、もっとこう、ウエストとかバストとか...」
「お姉ちゃん、ダイエット失敗したんだよねー」
妹の柊つかさが横槍を入れてくる。
「わたくしは、あなたがたのような面白い人になりたいですねえ」
小競り合いを始める姉妹を横目に、微笑みを絶やさない高良みゆき。
「で、あんたは、どうなのよ?」
妹を制したかがみはこなたのほうを向いた。
「・・・・・」
なぜこのようなモノが存在するのだろう?
これが、自分たちと同じ時間と空間を共有し、そして、何よりも
自分たちと同じ人間であることが信じられないと思う。
こういう負け組みはどこから来るのか?
こなたの視線を感じだ3人は、同時に彼女が見ているモノに顔を向ける。
4人が歩く道路の横に小川が流れていて、そして対岸の土手、傾斜したコンクリート
の真ん中に、全裸の男が張り付いていた。
上ではガードレール越しに人だかりが出来ており、中年のおじさんが両手を膝について
中腰になり、下の全裸男に向けてなにやら説得みたいなことをしている。
「どうしよっか?」
柊かがみは3人に助けを求める。
「関わり合いにならないほうがよろしいのでは?どの道、わたくしたちでは何もできませんし」
「そうだよ、他の人がなんとかしてくれるよ。早く行こう」
みゆきとつかさの意見は一致している。そしてかがみもその意見に同意したかった。
しかし、こなたは全裸男をじっと眺め、そしてハッと何かを思い出すと、手前の橋のほうに駆けていった。
「ちょ、こなたー」
急いで追いかけていく3人。こなたは対岸の道路にたどり着くと、人ごみを掻き分けていき、そして
ガードレールから身を乗り出した。
「ねえーーー!!おじさーーーーん、グレゴリーさんでしょ?」
真下の全裸男は上を見上げた。
748 :
グレゴリー:2008/06/11(水) 19:29:00 ID:kGW0wAjk
いままで説得を続けていた中年おやじはこなたの隣でつぶやいた。「む、やっと反応したぞ!」
コンクリートに張り付く全裸男は上のこなたを見上げて、しゃがれた声を出す。
「お前はなぜ俺の名前を知っているのだ」
やっとこなたに追いついたかがみは、こなたと同じく、下の全裸男を眺める。
ひどい顔だ。適当に作った粘土細工を思わせる顔。
鼻からはなぜか鼻血が流れ、そして目からは涙、口からはよだれ。
頭髪は短く切り詰めているのか、それとも自然に脱毛しているのか
区別がつかないほど、まるで、モグラが掘り起こしたゴルフ場のように
所々、ハゲが出来ている。
こういう負け組みは一体どこからやってくるのか?日々、何を感じて生きているのか?
しばらくの会話のやりとりで、かがみは両者の関係を理解した。
こなたが時々、暇つぶしに訪れるインターネット掲示板。ある日、グレゴリーと名乗る人物
が所々に不気味な書き込みを残し、皆の話題となった。
そして今、目の前でその書き込みを実行しているというわけだ。
「こなた、後は警察に任せて、早く帰ろうよ」
かがみはいい加減、その場を離れたくなった。
しかし、真剣なまなざしのこなたを見て、ハアーっとため息をつく。
後ろをちらりと振り返ると、つかさとみゆきもなぜか真剣な表情で下を見つめている。
(私は苦手だな、こういうの。私にとって世界は整然とした秩序の上に、平和に運営されなければ
ならないのよ。こういう突発事項はなるべく避けたい。ま、分かってるわ。ちょっと冷めてるって
みんな思ってるんでしょうけどね)
749 :
グレゴリー:2008/06/11(水) 19:30:05 ID:kGW0wAjk
「ねえ、グレゴリーさん。こういうことをしても、何も現実は変わらないと思うよ。はやく、上にあがってきて
服を着て。掲示板のみんなも言ってたでしょう?あなたに必要なのは病院だって」
かがみはこなたの説得に噴出しそうになった。なんという説得だ。
しかし、今度はみゆきの凛とした声が隣から聞こえてきてびっくりした。
「グレゴリーさん。だれもが、与えられた現実を納得して生きているんです。あなたがこうやって土手に張り付いていても
変化は何も起きない。昆虫には変態というシステムが備わっていますが、あなたは人間です。体構造が絶対的に違う以上、
何も起こりません。ここにいるみなさんが保障します」
みゆきらしいわね。しかし、この場合、相手にとってこういう説得は火に油を注ぐだけだと思うけど。
つかさもみゆきに見習ってがんばった。
「グレゴリーさんでしたっけ?ふるさとのお母さんとかお父さん、ご兄弟が心配すると思うよ。
帰ろうよ。そして、さっぱりとお湯を浴びて一眠りしたらすっきりするよー」
かがみはずっこけそうになった。おまえはどこまでマイペースなんだ妹よ。
ん?次は私の番なの?3人の視線がこちらを向いている。周りのギャラリーたちも当然、次は私が発言するものという期待を
こめて私を見つめている。
なんでいつもいつもいつも、こういうことに巻き込まれるんだろう。
泉こなたと友人になってからいつもこうだ。私はこなたを見つめた。熱い視線と冷めた視線がぶつかり合う。
そしていつも負けてしまうのよね。なんでだろ?分かったわ。
750 :
グレゴリー:2008/06/11(水) 19:32:05 ID:kGW0wAjk
「ええっと。グレゴリーさん。私があなたに慰めの言葉をかけてくれると思ったら大間違いよ。
好きにすればいいと思ってる。私は私、あなたはあなた。ともに住む世界が違うし、私の計画では
この先、一生、あなたのような人と私は同じ土俵に立つことはないもの。うんとね、つきたい仕事があって
もしかするとあなたのような人を相手にするかもしれない。でも、それはあくまで仕事。
私はね、自分の守りたい部分だけ守っていればそれでいいと思ってる。じゃあ、さよなら」
「かがみんって、クール」
こなたがボソリと小声でつぶやく。私はさっさと終わらせて帰りたかった。しかし、突然変化が起こった。
「お前は俺だ。俺は、お前のような人間を救いたいと思う。人間の可能性を見せてあげたい。そして、お前の
言葉によって、俺の最後の変化のきっかけが作られた。」
コンクリートに張り付いた全裸男グレゴリーは、身体を小刻みに震わせると、その表情はどんどん苦悶を帯びていく。
後ろでサイレンの音が聞こえ、やっとこさ、警察官がやってきた。
後ろのギャラリーが道を空け、警察官たちを通す。しかし、彼らが出来ることは何もなかった。
美しい光景だった。グレゴリーの背中がパックリと割れると、中から目が覚めるほど繊細で美しい蝶が出てきた。
ゆっくりと羽を広げる。その羽は薄い光を反射しながら七色に光り、複雑で神秘的な模様を浮き出す。
皆、息をするのも忘れ見とれていた。蝶は、羽を思いっきり伸ばすと、はばたき一つで
成層圏を飛び越え、やがて地球の重力から放たれ、太陽系の束縛からも逃れ、星々のゆりかごへと飛び去っていった。
ギャラリーが面白半分に撮っていたビデオカメラの映像、そして天文台が確認した変化。
グレゴリーの羽化は世界中を震撼させ、やがて人間性というものに対して改めて定義をしなおす作業が開始された。
だが、それは後の話。
今は、かがみの中に起こった変化を記そう。
かがみは自分が恥ずかしかった。自分の中に作っていた壁。それが取り払われ、今まで信じていたこと、思い込んでいたこと
がいかに限られていたかを悟った。
わだかまりが氷解し、かがみはそっとこなたの手を取った。
いつか、グレゴリーが宇宙のかなたから再び地球に舞い降りて、私たちを想像を絶する世界へ向けて解放してくれるときが
来るだろう。それはきっとやってくる。だけど、今はまだ地球に残って、そして私の隣に立っているこいつと
めいいっぱい楽しもう。私とこいつとの間にもう壁はない。
「さて、帰ろっか、こなた。それとも、どこかに寄って行く?」
完
>>747 >「ねえーーー!!おじさーーーーん、グレゴリーさんでしょ?」
唐突すぎてわろたw
752 :
グレゴリー:2008/06/11(水) 19:44:12 ID:kGW0wAjk
>>739 分かっている。そろそろ限界なのを自分でも感じていたのだから。
NGワードに指定されてるみたいだからあえて未だにコテをつけて投稿
したが、名無しで作風を変えることも考えている。
>>744 いつ頃からかがみ目当てになったのかがポイントじゃね?
映画館で女優こなた。
つかさ「うう、ホラー映画は苦手だなー…」
こなた「気分転換だよー、つかさ。かがみん、いくらー?」
かがみ「大人が1500円で、子供は半額みたいね」
こな「よっし、では先程の計画通りに行きますか」
かが「先程の計画ってあんた…」
こな「子供一枚お願いしまーす!」
受付「かしこまりました。お子様は保護者の方の同伴が必要ですが?」
こな「ええーっとぉ、あの、お姉ちゃんたちと一緒に来ましたー」
かが「だあぁ、プライドってもんがないのかー!」
こな「いいじゃーん。生活の知恵って奴だよ、今月ピンチだし」
かが「普段は背の低いこと気にしてる癖に…」
つか「あ、こなちゃん見て」
こな「な、なにー、これは…『カップルの方は二割引き』!?」
かが「あはは、デートでホラー映画なんて、ちょっと古過ぎじゃない?」
こな「スイマセン、あのー、そこのツインテの人とカップル割引できますかね?」
かが「(ぶっ!)ちょっ…」
受付「申し訳ありませんが、さすがに、その…」
こな「やっぱ女同士じゃ駄目ですか」
受付「女性同士は構いませんが、先程ご兄弟と伺ったもので…」
こな「私達真剣なんです!」
かが「(ぎゃー、超注目されてる…)」
受付「第三者が差し出がましいようですが、さすがに近親、女性同士と重なりますと…」
こな「確かに、お姉ちゃんには迷惑かも知れないです…でも、今だけだからっ…いずれ捨てられたって良いんです、
今の私にはかがみお姉ちゃんの優しさだけが、全てなんですよぉ(グス…ヒック…)」
かが「ちょっと!変なこと言わないでよ、私がこなたのこと捨てるわけないじゃない!」
こな「だって、だって、私なんか…オタでルーズだし…」
かが「アンタが嫌だって言ったって、ずっと離さないから!」
『あーなたにーあーなたにーつーたーえーたーいー気持ちーを…』(館内放送のBGM)
受付「うぅ…(目頭を押さえながら)、素晴らしい百合をアリガトウ…
これ以上は野暮ってものですね。わかりました、カップル様お二人で」
こな「ヤター!愛の勝利だよ、かがみ!」
かが「どういう趣旨だよ、この企画は…」
つか「こなちゃん!ずるいよ、こなちゃん、ずるいずるいずるいー!私だって、お姉ちゃんのこと大好きなのにぃー!」
かが「つかさ…(しゅ、周囲の視線が瞬間的に冷たくなった…)」
『あーなーたがーいーなーいー…』(館内放送)
受付「…そ、それはさすがにどうかと…お客様も罪なお姉さんですね…
いや、でも、別腹はオンナのサガですものね!三股までならOKですよ!GJ!」
かが「誤解したまま、理解された!?」
こな「うわ、お得じゃーん!みさきちも呼ぼっか?」
つか「じゃあ、ゆきちゃんも呼ぶー」
かが「これ以上、私の世間体を換金するなー!」
…半額の方が、いや何もないです。
こなたの考えた順位づけが↓こんな感じってことじゃね?
カップル認定の二割引 >>>(越えられない壁)>>> ウソ姉妹の半額
ウソ姉妹の半額+カップル認定の二割引ってことじゃね?
>>744 いつもこなたのために用意しているんだから
見に行かないとかがみが拗ねてしまうぞ
初めて書き込みます。
SSを作りましたので、投下させて頂いてもよろしいでしょうか?
10分ほど経って、何も反応が無い場合は投下させていただこうと
思います。
どんとこいこなかが団
762 :
760:2008/06/12(木) 00:08:39 ID:C1zs6FBo
761さん、ありがとうございます。
それでは投下させて頂きます。15レス使用します。
ジャンルはシリアスです。鬱では無いと思いますが、少し重い展開が続きま
すので、苦手な方はご注意ください。(ハッピーエンドで終わらせるつもり
です)
また、随分長い話になってしまいましたので、今回は前編のみです。
タイトルは、『「守る」という事』です
では、投下します。
こんな話を知っていますか? と不意にゆきちゃんがお話を始めた。
「あるところに、クマとキツネとウサギがいました。彼らはある時、行き倒れていた旅人を見つけて、その旅人を助けることを決めたんです。
クマはその力を活かして魚を取ってきました。キツネはその知恵を活かして果物を取ってきました。けれど、無力なウサギは何も取ってくることが出来ず、何も旅人に与えることができなかったんです……」
「そっ、それで、ウサギはどうしたの?」
何故ゆきちゃんがこんな話を始めたのかは分らない。けれど、私はウサギがどうしたのか気になった。
「つかささんは、どうしたと思います?」
けれど、ゆきちゃんは私の質問を質問で返してきた。
「えっ、えっ、その、あの……」
わからない。だから私は口ごもるしかなかった。
「……ウサギは、火に飛び込んで、自分を食料として旅人に与えたんです」
ゆきちゃんは、普段とは比べ物にならない低い声で、端的にそう言った。
「……ゆきちゃん……どうして、そんな話をするの?」
私の声は涙声になっていた。
私は最近様子がおかしいお姉ちゃんのことで悩んでいた。一生懸命考えたけれど、どうしていいのか分らなかった。だから、ゆきちゃんの家にやって来て相談した。
まだ大学入試が終わっていないから、こなちゃんには心配をかけられないし、なによりゆきちゃんならきっと助けてくれると思ったから。
なのに、悩みを打ち明けるにつれて、ゆきちゃんからはいつものあたたかな笑顔が消えていって、そして、突然こんな話を始めた。
涙が溢れてくる。どうしてこんな話をするのだろう。前に、こなちゃんがみんなを動物に例えた話をゆきちゃんにも教えてあげた。だから、ゆきちゃんは分っている。ウサギが誰のことを指しているのか。
「どうして、ゆきちゃん? どうして困っている私に…そんな意地悪な事を…言うの?」
私は我慢ができなくなり、声を上げて泣きだしそうになったその時だった。不意にあたたかなぬくもりに包まれたのは。
それは、私がゆきちゃんに抱きしめられたからだった。
「……ごめんなさい、つかささん」
「……ゆきちゃん?」
頭が混乱して、私は何がなんだか分らなかった。だから、ゆきちゃんの次の言葉を待った。
「……私は、かがみさんが何を悩んでいるのか知っています。そして、その原因の一端は……間違いなく私にあるんです……」
「えっ? ゆきちゃん、どういうこと?」
ますます混乱してそう尋ねると、ゆきちゃんの抱きしめる力が少しだけ強くなった。
「……つかささん、話を聞いてください。理解できないかもしれませんし、嫌悪するかもしれません。けれど、力を貸してください。かがみさんを救うために……」
「…お姉ちゃんを、救う?」
ゆきちゃんが何を言いたいのかはわからない。けれど私は、ゆきちゃんも私と同じ様にお姉ちゃんのことで悩んでいたことがわかった。
「はい。その話を聞いて、私の事を嫌ってもかまいません。けれど、かがみさんを先ほどの話のウサギに…しないために、どうか……力を…貸して…ください……」
顔を見上げた私の頬に、ゆきちゃんの瞳からあたたかなしずくが落ちてきた。
そして、ゆきちゃんは私を抱きしめたまま、声を上げて泣き出してしまった。
困った私は、泣き止まないゆきちゃんを落ち着かせようと、背中を優しく撫でた。
『「守る」という事』
「何が守るよ! そんなに軽々しく言える事じゃないでしょう!」
食後の一家の団欒は、私の怒声と共に終わりを告げてしまった。
「……なっ、なにむきになっているのよ、あんたは!」
まつり姉さんの言葉に、頭にのぼった血がすぅーっと引いていくのが分った。
そう、まつり姉さんの言うとおりだ。なんということはないテレビドラマの一つのシーン。何事もまじめに取り組もうとはしない主人公が、恋人に涙ながらに引っ叩かれて改心し、君の事を一生守りつづけると告げるシーンが流れただけ。
そして、まつり姉さんが、こんなこと言われてみたいと言っただけ。
ただ、私は一度引っ叩かれたぐらいで改心して、守り続けるなどと軽々しく言うその主人公が好きになれなかった。
だから、「そんなにぺらぺら「守る」なんて事をいう男なんてろくなもんじゃないわよ」とつっかかってしまった。そして言い争いをしているうちに、
怒声を上げてしまった。ただそれだけ……。
「お姉ちゃん……」
「どうしたんだい、かがみ?」
つかさやお父さん、いのり姉さん達みんなが、私を心配そうに見ていた。
「……ごめん。まだ、入試のテンションが抜けないみたい…。今日はもう休むわ……」
いたたまれなくなり、私は皆にそう告げて立ち上がった。
「ごめん、つまらない事でむきになってた」
とまつり姉さんに謝りはしたけど、
「まちなさい、かがみ!」という言葉を背中に受けても、私は振り返ることなく自分の部屋に戻った。
部屋に戻るなり、私はそのままベッドに転がった。
「……だめだ。こんなことじゃ……」
そう声に出して自分を叱咤しても、何もする気になれない。
ふと何とはなしに視線を横にやると、枕元においてあった携帯電話が着信を知らせていた。
携帯を開くと、メールが1件来ていた。送信者はこなただ。
メールを開くと、
『いよいよ明後日が本番だよ! 大丈夫。かがみんへの愛のために、今度こそ絶対合格するから!
だからさ、とりあえず試験が終わったら私とデートしてね! 自分で決めた事とは言え、かがみ分が不足しているからさ』
いかにもあいつらしいメールだった。
「まったく、あいつは……」
私は苦笑するしかなかった。
私は何とか第一志望の大学に合格する事ができた。
けれどこなたは第一志望の大学に、私と同じ大学に合格する事はできなかった。
でも、こなたは本当に頑張ったと思う。3年生になってからだったとは言え、
今までアニメやゲームに費やしていた時間の全てを勉強につぎ込んで頑張った。
ただ私と同じ大学に行くために。……それだけを目標に。
私は返信メールに、気を抜かないで頑張る事と体調管理をしっかりする事を
自分でも細かすぎるだろうと思うくらい書き込んだ。そして最後に、
『O,Kよ』と書き込み、送信した。
すぐにメールが返ってきた。
『大丈夫だよ、心配性だな〜、かがみんは。でもありがと。かがみんと楽しい
デートする妄想を糧にして頑張るよ』
そんなメールに、猫口で微笑むこなたの写真が添付されていた。
久しぶりに見るこなたの姿に、少しだけ気持ちが和らいだ。
第一志望がダメだったこなたは、第二志望校の試験勉強に集中するために、試験が終わるまで私たちには会わないと決めてしまった。だから、もう2週間
近くこなたに会っていない。
「……気を抜かないで頑張れって、メールしたばかりじゃない」
寂しさに耐え切れず、電話をかけようとした自分に苦笑する。
携帯を閉じ、それをポンと枕元に放り投げて、私は天井を見上げた。
「……「守る」か……」
無意識に、私の口からそんな言葉が漏れた。
そして、沈黙。この部屋には私しかいないのだから、それは当然のこと。け
れど私は、その沈黙に耐えられなかった。
「私に、できるのかな?……ねぇ、こなた。私はあんたを守っていけるのかな?」
小声で、私はここにはいないこなたに尋ねた。
返事はない。
「ねぇ、答えてよ、こなた。かがみなら大丈夫だよって言ってよ」
返事はない。ただ残酷なまでの静寂があるだけだ。
「……当たり前じゃない。何を考えているのよ、私は……」
力なく苦笑する私の頬を、涙が伝って行く。だめだ、と思っても止める事が
できない。
「……強くならないといけないのに。私が強くなって、こなたを守らないとい
けないのに……」
そう、『愛しい』こなたを守るために、私は強くならなくちゃいけないんだ。
……誰も助けてはくれないのだから……。
★ ☆ ★ ☆ ★
あの時の私は自分の事ばかりで、ただ知っている知識を口にしただけだった
んです。
あの人の事を思っての言葉ではありません。ただ拒絶をしただけなんです。
……どれだけあの人は悩んだのでしょうか? 誰にも相談できない難題を抱
えて、たった一人で悩んだのでしょうか?
そして、どれだけ悩んだ末に、私に……私なんかに相談を持ちかけたのでし
ょうか?
相手の事をまるで考えない自己中心的な私の言葉を聞いて、あの人はどれだ
け絶望したのでしょうか?
私はつかささんに全てを話しました。話しているうちに、あの人の、かがみ
さんの心をどれだけ傷つける事を、そして追い詰める事を言ってしまったのか、
今更ながらに思い知らされて……自分の愚かさを再認識させられて……。
私は何度もつかささんに謝りました。「ごめんなさい、ごめんなさい」と何度
も。直接かがみさんには謝れないから。あわせる顔がないから。
……いいえ、違いますね。私はかがみさんに会うのが怖いから、つかささん
に謝って、許してもらいたかったのだと思います。少しでも自分が楽になりた
いから……。
「……大丈夫だよ、ゆきちゃん。私はゆきちゃんを嫌ったりしないよ」
優しい声。そして、私に向けられるつかささんの顔は、笑顔でした。
つかささんは私の懺悔を聞いても、私に笑顔を向けてくれました。
私の思っていたとおりに……。
その笑顔で私は気持ちが楽になりました。
ズルイですよね? 私は、つかささんが許してくれる確信がありました。
つかささんは優しいから。こんな私のことも許してくれると思っていました。
期待をしていました。
きっと、あの時のかがみさんも、今の私と同じだったのだと思います。かけ
てほしかったのは励ましの言葉。向けてほしかったのはあたたかな笑顔。
思い起こしてみると、『みゆき、あんたを親友だと思うから話すんだけど……』
と、あの時かがみさんはそう前置きをしてから、私に話してくれたんでした。
私を親友だと言ってくれたんです。私なら苦しみを和らげてくれると信じてく
れていたはずです。なのに、それなのに私は……。
★ ☆ ★ ☆ ★
大学入試を終えるまでは良かった。合格に向けて一心不乱に勉強をしていた
時は、余計な事を考えている暇はなかったから。
考えていた事といえば、合格後のこなたとの楽しいキャンパスライフ。広い
部屋を借りての共同生活。きっと楽しい日々だろうと私は胸を膨らませていた。
けれど、現実は上手くはいかず、こなたは試験に落ちてしまった。
私もショックを受けたけれど、落ちた当人であるこなたの落胆は酷かった。
合格発表のあの日、ネットを利用して自分の不合格を知ったこなたは、私の
家にわざわざやってきて、私に謝った。
「……ごめん、かがみ。私、落ちちゃった……。でも、でもね、まだ第二志望
に合格すれば、かがみといっしょに居られるから。一緒の大学には行けなくて
も……ほら、もともと学部が違ったら講義も別なのがほとんどだし……。
次こそ頑張るから。絶対に、絶対に合格するから」
涙を見せまいと無理に笑おうとするこなたを、私は抱きしめた。
必死に涙を堪えているこなたがあまりにも痛々しくて、かける言葉が見つか
らなくて……私は抱きしめる事しかできなかった。
その時、私の腕の中で嗚咽が漏れるのを我慢しながら泣いているこなたを見
て思った。これから先に何があろうと、私がこなたを「守る」のだと。私が守
っていかなければならないのだと。
こなたのこんな顔を見たくない。泣き顔や悲しい顔は見たくない。笑ってい
てほしい。そう思ったから……。
こなたを落ち着かせてから、私は手始めに、こなたの第二志望の入試対策を
行おうと考えた。幸いな事に試験までは2週間以上余裕があったし、この1年
でこなたはしっかりと全ての科目の基礎を身に着けているのだから、あとはど
うしても苦手な部分を潰していけば良いだけのはずだ、と。
しかし、その事を話すと、こなたは首を横に振った。
「気持ちはすごく嬉しいけど、大丈夫だよ、かがみ。それくらいの事なら私一
人でも大丈夫だから……」
「でも……」と私は食い下がったけれど、
「お願い、かがみ。私を信じて……」
そんなこなたの懇願に、同意せざるを得なかった。
「ありがとう、かがみ。かがみのおかげで元気が出てきたよ。愛の力は偉大だ
よね〜」
私の同意に、先ほどまでのしおらしい態度はどこへやら、こなたは軽口を言
って笑った。いつものこなたの笑顔。私の大好きな笑顔だった。
「ばっ、バカ、そういう発言は自重しろ!」
「真っ赤になったかがみん萌え〜」
いつもと同じ緊張感のないやり取りがとても嬉しかった。
だからその日は笑顔でいられた。笑顔でこなたと別れられた。幸せな気持ち
でいられた。……だけど、それは長くは続かなかった。
合格発表から3日後。たった3日なのに、私はこなたに直接会う事ができな
いことが寂しくて仕方がなかった。
予定をたくさん入れていた。まずは合格祝いに、こなたと二人で少し値のは
るレストランで昼食を食べて、帰りはゲマズに行って買い物をする。随分とア
ニメやマンガを絶っていたこなたは、目を輝かせて嬉しそうに商品の物色を始
める。私はそれを「やれやれ…」とか言いながら……。
「……しかたないわよね。こなただって我慢しているんだから」
こなたの事を「守る」と決めたのに、私の方が先にまいってしまった。こな
たに会えないことが辛くて仕様がない。
「2週間とちょっとじゃない。すぐよ、すぐ」
そう自分を言い聞かせる。
試験が終わればいくらでも遊ぶ事ができる。そして春になれば、こなたとの
共同生活を始めるんだ。
2週間くらいあっという間に過ぎていく。寂しいけれど、私はこなたを信じ
て待っていればいいんだ。
「でも、もし今度も駄目だったら……」
自分が発したその言葉に、私の体は凍りついた。気落ちしているから、思考
がネガティブになっているだけだと思おうとしても、一度芽生えた不安は消え
てはくれなかった。
「……大丈夫よ。もし駄目でも、私と一緒に暮らしながら予備校に通えば……」
支離滅裂な事を言っているのは自分が一番分かっていた。
仮にこなたが予備校に行く事になったら、私の両親もこなたのお父さんも共
同生活を認めてはくれないはずだ。当たり前だ。大学も勉強をする場に違いな
いが、ある程度の自由はある。けれど予備校は試験に合格するためだけに行く
ところ。翌年の合格のために必死になって勉強をする場所だ。予備校の寮かな
にかに入って、勉強するのが本来の姿だろう。認めてくれるはずがない。
不安な思いが膨らんでいく。こなたと離れ離れになるかもしれない。最低で
も1年はこなたと離れ離れになる……。たった3日会えないだけで寂しくてた
まらないのに。それが1年も続くと思うと……。
体が震えだした。怖い、怖くて仕方がない。
「そうだ、私も予備校に通えば……。もっと上の大学を目指すと言って……」
私の思考は、すでに最悪の事態が現実となる事を前提としていた。けれど私
はその事をおかしいと思うこともできなかった。
「……お父さんやお母さんたちがあんなに喜んでくれたのに、そんな事できる
わけないじゃない」
それに、4人も子供がいる我が家の財政状況を考えると、そんな余計なお金
をかけられるはずがない。
その後も色々と浅知恵を出しては自分で否定する事を繰り返した。
……八方塞だった。もしもこなたが試験に落ちてしまったら、何も手立ては
ない事が分った。そして同時に、自分がどれだけ無力なのかが分った。
「守れない。私はこなたを守れない…」
悔しくて涙がこみ上げてきた。私はこなたを守りたいのに。
「頑張らないと……」
私がどうにかしなければいけない。今のままでは何もできないから。もとも
と私とこなたの思いは世間に認められるものではないのだから。
そう決意を固めようとした。なのに、私のネガティブな思考は、
「守っていけるの? 私が……」
そうやってすぐに不安を増幅させる。
「私が守っていけるの? 世間の冷たい目から、こなたを守っていけるの?」
今後大学生活が終わっても、私はこなたとずっといっしょにいたい。一緒の
人生を歩んで行きたい。けれど、私は本当に守れるのだろうか……。
不安は広がっていき、私の心を侵していった。
それから何日かは何とか耐える事ができた。夜はほとんど眠れなかったけど、
頑張って普段の私でいようと努力した。けれど、
「お姉ちゃん、心配なのは分かるけど、こなちゃんならきっと大丈夫だよ」
ある時つかさにそう言われたから、私は普段どおりの私ではいられなかった
ようだ。
その時はつかさに話をあわせて、「そうなのよ。一応友達だから、心配は心配というか……」とか言っておいた。
「他に何か困っている事があるなら言ってね。私じゃ役に立たないかもしれな
いけど……」
でも、つかさにそう言われてしまった。つかさは妙に鋭いところがあるから、
私がそれだけじゃない悩みを抱えているの感じ取ったのかもしれない。
……その日までが精一杯だった。日が経つにつれて積もる不安は、私の精神
力の許容量を超えようとしていた。
一人で悩むのはもう限界だった。けれど一生懸命頑張っているこなたに余計
な心配得を掛けたり、プレッシャーを与えたりしたくないと思った。
つかさにもこんな事は相談できない。今まで秘密にしていた私とこなたの関
係を知ったら混乱してしまうだろうし、つかさは嘘をつくのが下手だから、誰
かに私たちの関係を漏らしてしまうかもしれない。
だから私は、信頼できる親友に相談する事にした。
そう、みゆきなら助けてくれると思ったから。
★ ☆ ★ ☆ ★
相談したい事があるとかがみさんから連絡があり、私はお茶菓子と紅茶を用
意して待っていました。
かがみさんの家から私の家までは距離があるので、どこかで落ち合う事にし
ませんかと提案したのですが、人目があると話しにくいことだからと断わられ
ました。
私は、かがみさんの相談したい事とは、泉さんの事だと推測していました。
私にもかがみさんは親しい友人として接してくれていますが、泉さんは別格
な存在だと分っていました。
私やつかささんといっしょに居るときも、かがみさんは泉さんに話を振る事
が一番多いんです。もちろん、私はそのことに不満なんてありません。むしろ
お二人のあたたかなやり取りが大好きでした。
お二人は本当に仲が良くて、大学へ進んでからもいっしょにいたいと、同じ
大学への進学を決めたほどです。あいにくと、泉さんが残念な結果になってし
まいましたが、近くの第二志望校への合格に向けて頑張っているはずです。
だからきっと、かがみさんの相談事というのは、泉さんの手助けをしたいと
いう事だと思っていました。そして、そのような相談事であれば、微力ながら
喜んでお手伝いするつもりでした。
本当に私は、お二人の「大切な友人」へのあたたかな心遣いとやり取りが大
好きだったんです。
約束の時間どおりにかがみさんは我が家を訪ねて来られました。
部屋に案内し、お茶菓子と紅茶をお出ししました。そして、かがみさんは私
に相談事を話して下さいました。それは私の考えていたとおり、泉さんの事で
した。
……けれど、その内容は私の想像していたものとは次元が違っていました。
「……ごめん、今まで黙っていて。でも、真剣なの。私もこなたも……。だか
ら、お願いみゆき、力を貸して。私一人じゃ、不安で仕様がなくて…どうした
らいいのか分らないのよ……」
そうかがみさんが締めくくったことから、ようやく話が終わった事が分りま
した。けれどあまりにも突飛な内容に、私は唖然とするしかありませんでした。
私は、かがみさんと泉さんは大切な友人、つまり「親友」だと思っていまし
た。けれど、それは違うと、お二人は高校3年生の春から、「恋人」なのだとい
うのです。
「……同性愛…ですよ……」
困惑する私の思考は、言葉となって口から出てしまいました。
かがみさんは、「うん、分っている」と頷きました。
「……同性を愛する思考をお持ちの方がいらっしゃる事は知っていました。で
すが……」
「あっ、その、やっぱり引くわよね……」
かがみさんが顔をうつむけて言いました。
同性愛者と呼ばれる方たちの事は知識としては知っていました。そして、そ
のような方たちのことについて、私はそのような思考の方もいるんですね、と
しか思っていませんでした。
けれど、私の友人がそのような思考を持った方だった事を知って、私は戸惑
い、正常な判断をする事ができませんでした。
何故かがみさんが、何故泉さんが……。ぐるぐると頭の中で何度も何故と問
い続けて……私はゆっくりと口を開きました。
「……同性愛というものの事例はいくつもあります。国によっては同姓での婚
姻を認めるところもあるほどです……。けれど、それは少数の意見です。大半
の人間はその様な思考には否定的です……」
何故こんな事を言ってしまったのでしょう。けれど、私の口は止まりません
でした。
「生物が生きてなすべき最大の事柄は、種の保存です。ですから、非生産的な
そのような思考が多数派にはなりませんし、なってはいけないんです。
……禁忌とされる事柄は、禁忌であるゆえに人の好奇心を刺激します。です
から、性倒錯の事柄を題材にした娯楽も存在するのだと思います。……けれど、
それは虚構の中でしか許されないと……思います」
声は震えていましたが、私は淡々と一般論を話していました。
「……分って…いるわよ……」
かがみさんの震えた声を聞いても、やはり私の口は止まりませんでした。
「誰からも理解されない状況は、強いストレスになります。……そしてそのは
け口になるのは、近くにいる存在か、自分自身だけです……。
お願いです……最悪の…事態になる前に……」
ダン! とテーブルを叩く音が響きました。
「……もうやめて……もうやめてよ! 分っているわよ、そんなこと! でも、
私は絶対にこなたを傷つけたりなんかしないわよ! 私が、私がこなたを守る
んだから!」
涙を流しながら、そうかがみさんが叫びました。
けれど、私は涙声になりながら話を続けました。
「…無理です……それは、無理です。かがみさんは、泉さんを守りたいと仰っ
ていました。ですが、「守る」ということは並大抵の苦労ではないと思います。
わずかの間……想い人に会えないだけでも精神的に追い詰められて、私に、
他の人間にすがってしまうかがみさんが、お一人で泉さんを守る事は…できな
いと……思い…ま……す。お願い…ですから……いつもの、お二人で……いて
……下さ…い……」
自分の言葉で私はようやく理解しました。何故こんな事をかがみさんに言っ
ていたのかを。
……私のエゴだったんです。私は、大切な友人と過ごしたこの三年間の日々
を、何よりも大切な宝物だと思っていました。大好きだったんです。かがみさ
んたちとの、掛け替えのない友人たちとの毎日が。
かがみさんと泉さんの関係を肯定してしまったら、私の大切な思い出が壊れ
てしまうと思ったんです……。だから、否定したかったんです。拒絶したかっ
たんです。高校生活が終わっても、何年経っても、私はずっとずっと、大切な
友人でいたかったんです。だから、だから私は、私の思い出の中のかがみさん
と泉さんでいてほしかったんです。そんな事が出来るわけがないのに……。
私は泣き崩れました。ただ悲しくて、悲しくて……。
好き勝手な事を言って、我儘を言って、そしてただただ泣いている私を、か
がみさんはどんな目で見ていたんでしょうか?
泣きじゃくる私の頭を、不意に誰かが撫でました。この部屋にいるのは私と
かがみさんだけなのですから、それが誰なのかは考えるまでもありませんでし
た。
「ごめん、バカな相談をしたわ……。みゆきはなにも悪くないから、泣かなく
ていいよ。……私の事、嫌って。……私が全部悪いんだから。みゆきは悪くな
いんだから。ねっ?」
かがみさんはとても優しい声でそう言って、弱々しく笑いました。
「みゆきに迷惑をかけたりしないから。最悪の事態になんてならないから。私
が強くなる。私が強くなって、こなたを守るから。ごめんね、困らせて……」
かがみさんはそう言って部屋を出て行きました。
私はただ泣いていました。自分が何をしたのかも理解せずに。
私は最低な事をしてしまったんです。困って、苦しんで、どう仕様もない時
に、私を頼って来てくれた大切な友人を傷つけて、追い詰めたんです。
★ ☆ ★ ☆ ★
「……私は、クマなのでしょうか?」
「えっ? ゆきちゃん、何を……」
心の中だけで呟くつもりだった言葉が、口から漏れてしまいました。
私は、言葉を続けました。
「私はあの時、ただ知識をひけらかしたんです。さも私の口にした言葉だけが
唯一の正論であるかのように言って……私が言っている事が正しいと思わせれ
ば、私の我儘を通せると考えたのだと思います……。
先ほどの話の中で、クマは簡単に魚を取って来たんですよね? なのに、無
力なウサギが困っているのを見ても、クマはウサギを助けませんでした。ただ、
自分の力を誇示したかったのだと思います。……自分だけが良ければいいと考
えていたのだと思います。私と同じよ…」
「違うよ!」
私の言葉をさえぎって、つかささんは大きな声で否定しました。
「ゆきちゃんは、クマさんなんかじゃないよ! ほわほわなヒツジさんだよ」
つかささんは真剣な顔でそんな事を言いました。けれど、すぐに顔を赤くし
て……。
「えっと、その、胸大きいから、こなちゃんが言ってたとおり、ウシさんかも
しれないけど……」
「えっ、あっ、すっ、すみません!」
私は、ずいぶんと長い間つかささんの顔を胸に抱いていた事に気づき、あわ
てて体を離しました。
苦しくてさぞ不快だったでしょうに、つかささんはそんな体制のまま私の話
を聞いてくれていたんです。
顔を真っ赤にする私に、
「よかった。いつものゆきちゃんに戻ってくれて」
つかささんはそう言って輝かんばかりの笑顔を見せてくれました。
「ねぇ、ゆきちゃん。私は頭が良くないから、何が良い事で何が悪い事なのか
は分らないけど、大丈夫だよ。お話とは違うよ。
ウサギさんには、優しいキツネさんがいるんだから」
つかささんの言葉の意味を、私はすぐに理解しました。
「でもね、今、キツネさんは忙しいから、イヌさんとウシさんも力を貸してあ
げないとダメだと思うんだ」
「……あの、ヒツジさんにしては頂けないでしょうか?」
私の要望に、つかささんは、あははっと無邪気に笑いました。
「私の方からお願いするね。お願い、ゆきちゃん。私に力を貸して。お姉ちゃ
んを助けるために」
つかささんのその言葉に、私は「はい」と答えました。何度も、何度も。
こみ上げてきた涙で、またもや泣き崩れてしまった私を、今度はつかささん
が抱きしめてくれました。
「大丈夫。大丈夫だよ……」
そう言って、私の頭を撫でてくれるつかささんの手はとてもあたたかくて、
優しくて、私はいっそう涙がこみ上げてきて……。
つかささんは私が泣き止むまで、ずっと私を抱きしめてくれました。
★ ☆ ★ ☆ ★
静かに目を開くと、部屋の天井が目に入った。
どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい。時計に目をやると、もうお昼になる時間だった。
「まったく、つかさじゃあるまいし……」
そういえば、最近ろくに寝てなかったから、そのツケがまわったのだろう。
久しぶりの睡眠で少しは体調が良くなっているはずなのだが、気だるい感じがまったく抜けない。
「……まつり姉さんを怒らせて、お父さんやお母さんたちも嫌な気持ちにさせて……。何をしているのよ、私は……」
昨日の夜の事を思い出し、私は嘆息する。
「これじゃ、みゆきの言ってたとお……」
弱気な発言を何とか飲み込むと、私はパンパンと両手で顔を叩いて気合を入れた。
「強くなる……。うん、私は強くなるんだ!」
昨日は失敗したけれど、頑張る。私は強くなる。泣いてばかりいられない。
そう決意した私は、とりあえず空腹を訴えるお腹を満たすために台所に向かう事にした。
「あら、かがみ。ようやく起きたの?」
台所に着くなり、お母さんが声をかけてきた。けれど食卓には誰もいない。休日のこの時間帯なら、いつもであれば誰か一人ぐらいはいるはずなのに。
「いのりやまつり達はみんな外に遊びに出かけたわよ。お父さんはもう少ししたら来ると思うわ」
キョロキョロしていた私に、昼食のおかずを並べながらお母さんがそう教えてくれた。
「そうなんだ。……あの、お母さん、昨日はごめんなさい。私……」
私は、昨日みんなを不快にさせた事を謝ろうとしたけど、
「謝らなくていいわよ。誰だって機嫌が良くない時はあるんだから。ほら、かがみ。顔を洗っていらっしゃい。すぐにお昼ご飯にするから」
お母さんはそう言って微笑んだ。
「うん、その、ありがと……。顔、洗ってくる」
どんな顔をすれば良いのか分からなくて、私は逃げるように洗面所に向かった。
それから顔を洗って食卓に戻ると、お父さんがいつもの席に座っていた。
「おや、かがみ、起きたのかい」