1 :
Haruhi:
2 :
Kyon:2008/05/19(月) 20:40:25 ID:pa74lpgC
やれやれ……皆聞いてくれ、団長命令だ。
最近、荒らしのような発言をする奴が目立つが、そういうのはまず下記リンク先に目を通せとのことらしい。
それが出来ない奴は王様で団長なハルヒのスルー対象にされちまうので、気をつけるように。
【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ【避難所】
http://jbbs.livedoor.jp/comic/3935/ (PC用)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/comic/3935/ (携帯用)
/.:.:.:.:.:.;i.:.:.:.:.:.::;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.::,:,:,.:.:.:.:.:.;:;:;.:.:.:.:;:;::.:.:;:;:;::.:.:.:.::、;:.ヽ
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:.:.:;.;:;:|:.:.:.:.:.:;:;:;:;:|;:;:;:.:./\l,:,:.:.:./ j;:;:.:./ l:::/ .l;:;:;:;:;:.| i::| }
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.:.:.;:;:;/`>、:;:;:;:;:|;:/i l:::::illii;:::::リ // ' " l.|;:;:;:;:;!/f=‐'゙ /
:.:./ /,/lヽ;:;:;:;レト{ ヽっ::ノ:::{ ゝ ノ.|:;:;:;/ .| / いい?
:.;:.ヽ'. > >ヽ;:;:ヽ ヽ;;;;=''" _,,ィ /_=!:;:;/ .l / 優雅に、そして華麗にスルーしなさい
\;:;:,\へ! ヽ;:;.`、、 l ̄ ヽj ,イ.!='' /;/ヽ、 / 〈_/i じゃないとあたしを語らせてあげない
ヽ;:;:;.,\ ヽ;::;:ヽミ'''ー- ,,,._`ー_'',/.// /:' )^''、 `ヾf゙〉 あたしが王様なんだから
ヽ;:;:,<¨ヽ、 ヽー-≧ニェェ‐-=,,_ // ' // i `''、ー-' 王様の言うことは絶対っっなんだからねっ♪
3 :
Haruhi:2008/05/19(月) 20:40:58 ID:pa74lpgC
SSやAAを投下する前に注意!
一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えるそうです。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイみたい。
デザインとして最初に改行入れたいときは、スペースを入れておけばいいらしいわよ。
−−−
↑文頭にこういう単一キャラクタが重複するのもまずいらしいから、気をつけた方がいいかもね。
今はもう大丈夫みたいだけど、過去にあった規制情報ってことで念のために教えておくわね。
まだなにかあったかしら?
え、なによキョン、大事なことを忘れてるって?
このスレではメール欄に半角で「sage」と入れる事、良いわね?
うっかりageちゃったりしたら、暇を持て余した荒らしやアンチが来るって言うから気を付けなさいっ!
…………。ねえ、キョン。何でこんなこと言わないといけないのよ。あたりまえじゃないの。
/.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:ィi.:,、.:.ヽ
/イ.:.:.:.:i|:/__,V'、|l_j:.:.:.l
lr:l:.:.l -ー -、 レヘ!
l l:.| | |:l
`ーi;| ' ,N
| `ー  ̄ , '
,,rへ、_ ` 〔´__
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
/ :::::::::::|
>>1乙 |__
/ :::::::::::::| rニ-─`、
. / : :::::::::::::| ハルヒは `┬─‐ .j
〈:::::::::,-─┴-、 |二ニ イ
. | ::/ .-─┬⊃ 俺の嫁 |`iー"|
.レ ヘ. .ニニ|_____________|rー''"|
〈 :::::\_ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: /::::::::::::|
すばらしい>1乙。さすが涼宮さんですね。
コテが…orz
すいません
一乙です!
前スレ埋めネタラッシュだったなw
まとめてで悪いが皆GJ!
前スレで埋めネタ投下した後に感想書こうと思ったらあっという間に埋まってしまったorz
恐るべしラスト6レス…
萌えた萌えたw みなさんGJです!
このバカップルどもがーと思いつつ埋まるのをみていたぜ
みんなGJ
>>1 乙なのね。
みんな埋めネタにするのがもったいないぞwGJ!
のんびり埋めネタもう1本書いてたら間に合わなかったぜw
他の職人様方GJ!!
遅ればせながら
>>1乙!
埋めネタに間に合わなかった。
このスレの埋めまで封印する
前スレの埋めネタの方々GJです!ニヤニヤが止まらないィィィィィ!
>>23 だったなw
あと今日約束やってたけど、ハルヒのバッドエンドはニヤニヤだなw
それは一応古泉バッドじゃね?ハルヒバッドってか、ハルヒルートはどうもな…
>>1乙!
埋めネタGJ!
告白してからのテンションぶりがwww!
ヤキモチの勘違いぶりがwww
雨宿りも静かな感じでイイカンジwww
狸寝入りwww
といくらい俺もテンションが高いぜ。乙でした。連レススマソ
ラグビーをするSOS団
ハルヒの健康的な美脚の前に全然集中出来ないキョンが見えます。
どうしよう キョンに本気で 怒られた
サクラサク キョンがゆるして くれたから
祝完成 映画大入り 間違いなしね
まねしてみた(・∀・)
30 :
SSハルキョン:2008/05/20(火) 00:26:30 ID:fzXtJ/LI
月と徒花
期末試験も終わりセミたちが合唱を始め、我らが団長様が七月初旬のメランコリー
状態を脱した頃の話だ。
二年の夏休みを目前に控えているのにこの文芸部室はいつもと変わらない
俺の試験の結果は上々で担任の岡部教師もおどろいていた。
それもそのはず、中間試験での俺の惨憺たる結果に激怒したのは、親でも教師でもなく
ハルヒだった。(谷口にはハナ差で勝っていた)
「あんたこんな成績で栄えあるSOS団の団員が務まると思ってるの?」
「仕方ないわねこれも団長の勤めよ私や有希までとは言わないけどせめて国木田ぐらいの結果が取れるように勉強みてあげるわよ、全く団長の手を煩わせないでよ、バカキョン」
と一方的に宣言された。言葉とは裏腹にどこかハルヒが楽しそうだったのは俺を合法的にいたぶる口実ができたからだろうか?
その後文芸部室はハルヒの私塾となり旧帝国陸軍の鬼軍曹のようなやさしさで新兵の俺を鍛え上げていた。周りでは長門がいつもの様に分厚い本を読みふけり古泉はニヒルな笑みを浮かべたまま春先にフリマで購入した碁盤で本を片手につめ碁をしている。
31 :
SSハルキョン:2008/05/20(火) 00:29:37 ID:fzXtJ/LI
朝比奈さんは先日ハルヒがネット通販で購入した夏用メイド服に身を包みいつものように
すごしている。(ちなみに俺がその姿を網膜に焼き付けんとすると塾長の腕章をつけたハルヒの罵声と鉄拳が飛んだ)
受験を控えた三年生だから参考書と必死に格闘していた。わからない所は古泉に、時々恐る恐る長門に教わっていた。進学クラスのエリートと万能宇宙人端末の指導のお陰で成績もかなり上がったようだ、朝比奈さん自体かなりの努力家だしな
32 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 00:35:42 ID:2GQYccyG
みなさん本当に乙です
33 :
SSハルキョン:2008/05/20(火) 00:42:05 ID:fzXtJ/LI
どこの大学を受験するのかと聞きたい所だったが聞かずとも判るよ 、来年ハルヒが受ける大学だろう、
34 :
SSハルキョン:2008/05/20(火) 00:43:22 ID:fzXtJ/LI
おそらく古泉と長門も彼女らの目的は大学に進学する事ではなくハルヒのそばにいることだからな、一番恐れているのは俺も同じ大学に進学する事をハルヒが俺に求めたらどんな恐ろしい個人授業が待ってるのかあまり考えたくない
35 :
SSハルキョン:2008/05/20(火) 00:44:26 ID:fzXtJ/LI
下手すりゃ古泉が「機関」に手をまわして俺を合格させるだろうが
こんな俺にだってミジンコ並みのプライドがある、奴に借りは作りたくない
ハルヒが俺に合わせた大学を受験するかもなんてのは俺の自惚れだろう。
アイツは頭も良いし運動神経抜群、ルックスも文句なし性格のみが問題だったがSOS団
結成後は友達も増えて性格もよくなった。入学直後が嘘のようだ
この先俺がどうなるなんてわからんし未来人に聞いても「禁則事情です」と返事が返って
来るのは確実だ。どう考えても俺じゃハルヒとつり合いが取れなくなる。
おいおい俺達付き合ってるわけじゃないだろう、何を言っているんだろうね
アイツに大学で彼氏ができたらせいぜい祝ってやるさメルトダウン必至の原子炉を引き渡せてせいせいするよ良かった良かった。そんな事考えながら空を見上げると
俺の心理状況とは逆に雲ひとつ無い青空だった。そんな時俺にとっての大事件が起きた。
37 :
SSハルキョン:2008/05/20(火) 01:10:28 ID:fzXtJ/LI
部室の冷蔵庫にアイスがないと気づいたのは俺だった。
この暑い中アイスが無いと知った団長様がどの様な態度に出るか俺にだってわかる
ますます暑さが増すだろうし古泉は急なバイトで部室から消えるであろう
そんなのはマシなほうで北半球と南半球が入れ替わるおそれも出てくる
この時この場に居合わせたのは古泉、長門、俺の三人、いくらなんでも
長門に炎天下の中地獄の行軍訓練をさせるわけにはいかない
自然と俺と古泉のジャンケンになり結果負けてしまった。
古泉はハルヒの集めたガラクタの中からクーラーボックスを取り出し
「暑い中ご苦労様です。僕はガリガリ君で結構ですから」
とにこやかスマイルでクーラーボックスを俺の肩にかけた。
「長門は何がいい?」
暑さを忘れたように読書に没頭していた長門は風鈴の音のような微かな響きで
「あずきアイス」
と振り向きもせず答えまた何事も無かったように読書をつづけていた。
ちなみにこのとき長門が読んでいたのは民明書房の「我氷をアイス」だった。
(古泉、間違った知識を得る前にこの本をとりあげてやってくれ)
38 :
SSハルキョン:2008/05/20(火) 01:25:13 ID:fzXtJ/LI
ふもとのコンビニでアイスを購入し(今月のSOS団のお菓子代は授業料がわりに俺が全額払う事が団長様の有難いお言葉により決定した)クーラーボックスにアイスと
大量のドライアイスを満載した俺は再び炎天下のハイキングを開始した。
肩にかかるベルトが食い込んでくる。あまりの暑さに坂の上がぼやけてみえる
しかしこの任務を放棄したらとんでもない事になる、進むも地獄退くも地獄
自称「元グリンベレー」だった世界史と日本史のT教師が語った
インパール攻略作戦とはこのようなものであっただろうと創造しながら歩き
やっと校門についたとき鶴屋さんとばったり会った。
長いね
即興で書いてるのか?
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 01:32:42 ID:fzXtJ/LI
すまん書き始めたら次々とアイディアが浮かんできてしまい多分かなりの
長編になる もう寝るが明日の昼過ぎから続きをレスしてよろしいか?
1回ワードかメモ帳に全部書いて、清書してからUPしたほうがいいかもよ。
どうぞ
44 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 01:41:32 ID:fzXtJ/LI
そうだね一旦清書してからレスするよ 楽しみにしててください
題名の意味がわかるのはいちばん最後だし
すごい自信だな
46 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/20(火) 01:50:34 ID:fzXtJ/LI
後でけなされるの承知の上ですよ。では失礼します
>>44 楽しみに待ってる。後、メール欄の「sage」は半角な。
即興でもちゃんと読めるし面白い。
たいしたもんだな。
続きは
おやすみハルにゃん。
なんか台風とかハルにゃん好きそうだよなw
わくわくしてそわそわする様が容易に想像出来るぜ
『町内ベストカップルコンテスト』
商店街の企画する振興事業はどうしてこうもセンスのかけらも無いのだ?
しかも、言わずもがな絶対参加を決め込んだハルヒを誰が止められるものか。
「で、誰が参加するんだ?」
「決まってるじゃない、みくるちゃんと古泉君よ」
何故にそのカップリングなのだ?納得できかねん。
「何勘違いしてんの?あんたなんか絵にならないわよ、それよりこれで優勝の海外旅行はいただきね」
目をギラギラと輝かせたハルヒの表情に寒気がするぜ、まったく。
当日の事だ。
北高からというかハルヒが勝手に決めたカップリングは忌々しいことに、
朝比奈さんと古泉、そして何故か長門と谷口まで出場していた。
「手駒は多い方がいいじゃない」
こんな組み合わせ、見る人が見たら殺されかねないぞ。
「別に本当の恋人じゃ無いんだから構わないじゃない、賞狙いだし」
この場にいる真意の恋人達に申し訳ないセリフだ。
ところで、俺とハルヒは両カップルの推薦人として会場入りしていた。
かみ合っていない長門・谷口ペアは問題外だったとして、
朝比奈さんと古泉の美男美女カップルは好評を博し二次審査まで通り抜けた。
非常に悔しい事なのだが…。
「いよいよ決勝ね、推薦人からもコメントがあるから、キョン、しっかりやるのよ」
何をだ?聞いてねぇぞそんな話し。
決勝が始まった、目も当てられないラブラブカップルの後に朝比奈さんと古泉が登場。
たどたどしく質問に答える朝比奈さんを優しくリード&フォローする古泉。
いい雰囲気をかもし出す二人に会場からも暖かい眼差しが注がれていた。
はっきり言おう、悔しすぎる。
「さて、お二人を推薦した方に登場していただきましょう。涼宮ハルヒさんとキョン君です」
ハルヒめ、そのあだ名で登録しやがったな。
「見てのとおり、古泉君は格好いいしみくるちゃんはかわいいし、とってもお似合いだと思いますよ」
ハルヒにしては杓子定規なスピーチだった。
「さて、お友達のキョン君は二人をどうご覧になっていますか?」
司会のお節介な質問に空気を読んで答えるか、素直に心根をぶちまけるか悩んだ末、
やはり、優勝は本当に愛し合っている恋人同士に与えられるべきだろう。
俺たちが引っかき回していいもんじゃないしな。
俺はハルヒには悪いがぶちこわしにかかることに決めた。
「そうですね、朝比奈さんの隣は本当は俺がいるべきじゃないかと思っています」
「はぁ?何言ってるのキョン!」
司会のマイクをぶん取ってハルヒが叫んだ。
「古泉じゃなくて俺の方がいいんじゃないかってことだ」
「なんであんたとみくるちゃんでカップルにできんのよ、誰が許してもあたしが許さないわよ」
「どうしておまえが許さないんだよ」
「どうしてって…どうしてだっていいじゃない!」
「だったら他に選択肢はねぇのかよ」
「じゃぁ、あたしと古泉君でもいいわけ?」
「却下だ」
「何よそれ、理由は?」
「理由は無いけど却下だ!」
「あんただって考えてること一緒じゃない!」
「…」
ん?なんだこの会場の生暖かい目線は…。
しまった、すっかり熱が上がってハルヒとトンだマイクパフォーマンスを演じてしまった。
これは恥ずかしい…、さすがにハルヒも真っ赤になってうつむいてやがる。
とっとと退場しよう。
さて、結果なのだが…。
「優勝は涼宮ハルヒさんとキョン君ペアです!」
なんですと?そんな馬鹿な…。
「さすがは涼宮さんです、彼女も本当の恋人同士が優勝に相応しいと思ったのでしょう」
古泉、海外旅行をやるから俺の側からしばらく消えてくれ。
会場の人のノリが良過ぎるw
そしてハルヒはペアの海外旅行を獲得して何がしたかったのでしょうか?w
婚前旅行じゃね?www
>>46 おいおい即興で書いてるのか。あんたすげぇな、すらすら読ませる上にめちゃ面白いぞ。
続き楽しみにしてmath
>>51 なんというツンツンカップル。
朝からごちそうさまと言わざるを得ないのですね、わかります。(・∀・)ニヤニヤ
ちょっとハルにゃんのために飛行機の予約でも取ってくるわw
アメフトをするSOS団
前スレ「ヤキモチ」のハルヒが可愛すぎる/////
おかげで月曜だと言うのに今日は仕事が楽しい。お客様相手に自然に満面の笑顔が出てくるぞ
SOS団即ち世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団のアジト、つまり県立北高の部室棟、通称『旧館』の三階の端っこの文芸部室内の『団長』と書かれた三角錐の置かれている机の中には『あたし専用!』と書かれた腕章が隠されているかなんて俺は知りたくもない。
なんてな。
二人きりのときに着けるんですね、わかりますw
>>58-59 「おい、なんだこの『あたし専用!』って腕章は。誰が専用だ、誰が」
「何言ってるのよバカキョン! あんたは団長専用雑用係に決まってるでしょ!」
「専用の雑用ってどんな奴隷だよ。だいたい何で他の連中が帰ってから出してくるんだ、わざわざ」
「うるさい、四の五の言わずにつけなさい!」
「やれやれ、こいつの我が儘に付き合わないと俺も帰れそうにないな……ほら、つけたぞ、これでいいのか」
「最初から素直につければいいのよ!」
「わかった、俺が悪かった(そんな笑顔で言われたら反論する気も失せるよな)」
「じゃ、命令するわよ」
「何だ? って、こんな腕章なくてもいつでも命令されてる気がするんだが」
「いいから命令聞きなさい!」
「やれやれ、わかったよ。なんだ、命令って」
「…………ギュってして///」
こうですかわかりません(><)
>>60 ちょww
スマン、実は一行何文字書き込めるかの実験だったんだw
つーわけで次回のテンプレ候補
-----------------------------------------------------------------
SSやAAを投下する前に注意!
投下が複数レスにまたがる事が確実な場合は別のテキストファイルに纏めておいた方が無難かしら。
その場合、分割数が予め解っている場合は、名前欄に書いたタイトルの後に分数表記しておくとみんなも安心だと思うわ。
1行の最大文字数は全角で125文字、1レスの最大行数は60行ってことになってるから気をつけなさいよ。
また、1レスの最大書き込み容量は4096バイト、つまり全角換算にして2048文字分ってわけなの。
でも改行コードがただのテキストファイル場合の2バイトと違って6バイトってことには要注意なんだからね。
専用ブラウザの中には書き込み容量計算をしてくれるものもあるから、それを利用するのもアリかもね。
まだなにかあったかしら?
え、なによキョン、大事なことを忘れてるって?
このスレではメール欄に半角で「sage」と入れる事、良いわね?
うっかりageちゃったりしたら、暇を持て余した荒らしやアンチが来るって言うから気を付けなさいっ!
…………。ねえ、キョン。何でこんなこと言わないといけないのよ。あたりまえじゃないの。
俺専用、なんて腕章をキョンに付けるよう命令されたハルヒ
>>60 勝手に続き。
「お前な。そんなこと命令されなくてもしてやるっての。ほらよ」(ぎゅっ)
「………………」
「なんだ。まだ命令し足りないのか。……この際だ。どんなことでも聞いてやろうやねぇか」
「…………い……一生、あたしの隣に……居なさい」
「一生でいいのか」
「…………なによ。逆らおうっていうの……?」
「一生なんて控えめなこと言うなんてお前らしくねぇな。永遠に、だろ」
「………………バカキョン」
ハルヒコ×キョン子のSSも書いて
荒れるからVIPあたりでやってくれ
前編を書き終えたのだがUPしていいかな?
家紋
「やあ!今度は何の罰ゲームだいっ、この暑い中にそんな荷物かついでさ」
鶴屋さんは手にしていたペットボトルを俺の頬にあてながら笑い続けていた。
多分このSOS団名誉顧問には夏バテの二文字はないだろう
ペットボトルの冷たさが気持ちいい
「飲ませてあげてもいいんだけどさっ!そんなことしたらハルにゃんに悪いからね」
いえいえ滅相もございません。これを飲ませて頂けたらエリクサーより
効果がありますよ。
「あっそうだキョン君、終業式の日の夜にうっとこの別邸でパーティーするからさっ
是非来てよ、実はさっきまでハルにゃんとその打ち合わせをしてたんだ
詳しくはハルにゃんにきいてね」
「夏休み終わったら今までみたいに遊べなくなるよ来年は受験なんだし、ハルにゃん
との距離を一気に縮めるチャンスじゃないか」
「できたら今よりもっとハルヒとは距離をひろげたいのですが」
俺が冗談交じりに答えると驚く無かれ鶴屋さんの表情が一変した
声は笑っていたが目は鍛え上げられた日本刀のようだ
昨年末あの悪夢の三日間、朝比奈さんに話しかけた俺の手首を古武道の技で
ひねりあげたときと同じ目だ。どうやら鶴屋さんを怒らしてしまったらしい
「何言ってるの?勉強まで見てもらって、ハルにゃんがどんな気持ちで教えていたか
わからないの少年?」
「私がいないと危なっかしいとか、どうしてあのぐらいの問題が解けないの
あのバカキョンとかいってる割にはニコニコしててほとんど、いや
どう考えてもタダのノロケ話だったのさっ、たとえ冗談でもハルにゃんの気持ち
踏みにじるような事言ったらお姉さんは許さないよっ!」
このとき俺は暑さで頭がおかしくなっていたのかもしれない、いや
きっとおかしくなっていたに違いない次の瞬間信じられないような事を
口にした。
「俺じゃ駄目なんです!アイツは俺の心配なんてするよりもっといい男見つけて
幸せになってくれれば俺はそれで充分なんですよ。普通に考えたら俺なんかじゃ
つり合いがとれませんって、なんか変ですね付き合ってるわけでもないのに
暑さで頭おかしくなったかな?」
我にかえると鶴屋さんはいつもの表情に戻っていた。
「女の子ってさ、そうゆうものじゃないとおもうんだけどね」
「安心して今の発言ハルにゃんには秘密にしとくからさっ!」
坂をくだりはじめていたが突然振り向き
「パーティーは必ず参加するにょろよ!」
と言い残しふたたび坂をくだっていった。
なんつーはずかしい発言しちまったんだ俺はこのまま日射病で倒れちまえば
どんだけ楽だろう?蝉の大合唱のBGM、照りつける太陽を照明に
俺はひとり舞台に取り残された役者のようだった。
「遅いわよ!キョンせっかく素晴らしいお知らせがあるのに」
「なんだ?ツチノコでもみつかったか?それとも徳川埋蔵金の場所が
わかったとか?」(いい加減に言うのがコツだ)
「なによそのそっけない態度」
「パーティーのことならさっき校門で鶴屋さんから聞いたよ」
「わかってるなら話がはやいわ、みんな聞いて終業式の日の夜に鶴屋家の別邸
でパーティーを開催します。なんでも高校生活最後の夏休みだから学校の
友達をたくさん集めて思い出をつくりなさいって親父さんがOKしてくれたらしいわ
俺の買ってきたアイスを食べながら職員室からガメてきた扇風機を独占しつつ胸元を
はだけさせたハルヒは例の100Wの笑顔全開で団長席の上に立ち上がった。
いくら何でも目のやりばに困る、年頃の娘が生足、はだけた胸元、汗ばんだシャツの
下には薄っすらとブラまで確認できる。今日は黄色か・・・
こいつは俺も古泉も男として意識していないのだろう。
「コラ!エロキョンなにジロジロみてるのよ」
やっぱり少しは意識してるのか?ハルヒ
壇上の団長様は御神託をつげる卑弥呼のように下々の民に告げた。
「鶴屋さんと決めたんだけど今回のパーティーは今までのようなドンチャン騒ぎ
では無く女性はドレス、男性はスーツ、ネクタイ着用のフォーマルスタイルで
行います。異論はもちろんないわよね」
「あのう涼宮さん、あたしお洋服は結構もってるけどドレスとかは持ってないんですが
どうしましょう?」
朝比奈さん貴女のドレスアップすがたなんてみたら男性の95%は舞い上がって
地球の重力圏を脱出してしまいますよ。そこにいる涼宮ハルヒに任せたら
どんな衣装着せられるかわかったもんじゃありませんが、それはそれで
たのしみであって・・・
「何考えてるのよエロキョン、そんなに楽しみ?あた・・みくるちゃんのドレスアップ」
「安心してみくるちゃん、ドレスは鶴屋さんが用意してくれるからさ、着てない
ドレスがたくさんあるんだって、鶴屋さんは有希におしゃれさせるのが凄く楽しみ
みたいよ、いいわよね?有希」
それはそれでみたい気がする休日恒例の不思議探索にも制服で来て
私服の時も地味な服装しかしない長門のドレスアップ、もともと顔立ちは
かなり整っているのだからかなりの期待がもてる。
長門は本から顔をあげると俺のほうをジッと見ている。
常人なら無表情にしか見えないが俺にはわかるこの目は許可を求めるものだ
長門のマネをしてミクロン単位でうなずいてやった。
「問題無い」
このやりとりをみていたハルヒは何故か口をアヒルのように尖らせていた
「大丈夫よ有希、みくるちゃん悪い虫がつかないようにあたしが守って
あげるから、でもあたしに悪い虫がよってきたらどうしようかしら?」
ハルヒは小悪魔のような表情で俺をチラ見しやがった。
「わざわざ食肉花に近づく虫はいねえよ」
「誰が食肉花よ!バカキョン」
「それに俺はそんなパーティーに着てゆけるスーツはおろかネクタイだって
持ってないぞ」
「よろしいですか?」
急な声におどろきふりむくとそこには古泉が苦笑を浮かべて立っていた。
「急に話しかけるな、息を吹きかけるな、顔が近いんだよ!」
「失礼しました。よろしければあなたの衣装は僕が用意させていただきますが
いかがでしょうか?」
「遠慮しとくよ、おまえに借りは作りたくない」
「何意地はってるのよキョン古泉君に甘えちゃいなさいよ」
「古泉君SOS団団長としてお願いするわこの哀れなキョンに衣装を用意
してあげて」
「うるせえー!」
気がつけば俺は大声を出していた。さすがのハルヒも驚いたらしくキョトンとして
いる。朝比奈さんは今にも泣き出しそうだ。古泉はにこやかスマイルのまま
だったし長門にいたっては振り向きもしなかったが、
この二人がべつのリアクションを起こしたら逆に怖い
部室に居づらくなった俺はカバンを手に取りドアにむかった
しばし呆然としていたハルヒだったが
「キョン待ちなさいよ!ちょっと待ってよキョン」
そんな声を無視してドアを開け俺は帰宅の途についた。
古泉スマンまたおまえのバイトを増やしてしまった。ボチボチ携帯電話が鳴るだろう
良く考えたら俺は古泉に借りを作ってばかりいる。どれだけの負債総額だ
想像もしたくない。この件だってハルヒは何も悪くない、悪いのは変な
コンプレックスに苛まれてる俺だからな、しかし今日は部室に居たくはなかった。
明日放課後ふたりに謝ろう、古泉はともかくとしてハルヒに教室内で謝罪なんか
したら谷口や国木田にどんな誤解をされるかわからない。
前編は以上です。後編は明日の夕方にはUPできると思いますので
>>75 意識して区切ってたのならすまん。
でも1レス辺りの文字数と行数、話の流れを見る限りもう少しレス数減らせると思うぞ。
>>58-63 カレーなるチームプレイですね!
>>73-75 後半期待してます。
月と徒花はこの文脈では月とすっぽんくらいの意味かしらと妄想しつつ。
忠告ありがとうございます。極力読みやすいように区切ってみたのですが
>>77 「あら、どうしたの有希?スプーン握り締めたままキョロキョロして」
「……カレー、どこ?」
>>76 >>61によると横全角で最大125文字って事だけど、それすると見難いよね?
60行なのはまぁいいとして……横は全角何文字にしたらいい?
いや、自分がSS書くときに参考にしたいもんで。
そういうお前は誰やと言われると困るけど、前スレだと「みくるの陰謀」と「ニキビ」の作者ね。
自分のSS読み返すと、ハルキョン大甘になってるね(´・ω・`)
>>78 GJ
君の書くキョンは妙にコンプレックス餅なのね
後編楽しみにしてるよん
今までSSなんて書いたことがなかったので設定などはよくわからんのです
勘弁してください。どうか生暖かい目で見守ってください
>>80 俺は余程の長文じゃない限り途中で改行して欲しくないな。突然途切れるように見えて読みにくいと感じる。
横に長くてもブラウザで勝手に調節できるから。
まぁこれは俺個人の感じ方だから。60文字で改行するって書き手さんも居るみたいだよ。
>>81 乙。言いたいこともあるけど明日まで黙っとく。
>>78 そういう工夫は見る側としてとても嬉しい。
でもタイトルや日付が間に入る影響で良い流れを切ってしまったりすることがあると思うんだ。
それが今回のSSに出ているなと思い、敢えて書かせてもらった。
後編も期待して待ってるよ。
>>80 見る人によるだろうけど俺個人としては、制限の半分の60字までくらいが見やすいんじゃないかと。
84 :
ぬこはるにゃん:2008/05/20(火) 21:56:26 ID:ujb+q9ir
例えば、だ
サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、それでも俺がいつまでサンタなどという想像上の赤服じーさんを信じていたかというとこれは確信を持って言えるが最初から信じてなどいなかった。
と、これだけで全角124文字。
原作っぽいキョン語りとか狙ってみたら解るけど125文字でも全然足りないって思っている人もいるんじゃないかな。
あと、中途半端な位置で改行が入っていると狭い幅でしか表示できない時にズタズタな感じになってしまうこともあるんだw
まあ
>>61は強制とかそういうルールみたいなものとして捉えるんでなく、初めての人がいざ投下したいって場合の
ヒント的に考えてもらえばいいんじゃないかと個人的に思ってる。
>>84 うはwwwテラカワユスwwww
某学園ドラマの見過ぎでラグビーにハマったハルにゃん
そんな時ラグビー大会の知らせが来たのでSOS団で参加すると提案する電波を受信した
>>86 ラグビーなのにアイシールドを付けるハルにゃん
>>81 んにゃ、期待してまっせ(`・ω・´)
>>82-83 やっぱり半角120文字(全角60文字)がいいんですかね。
次のSSはその辺考えて投下してみます。さて何書こうかな…
>>84 かわいいですね
>60>63あんま続いてないけど便乗
――――――――
目を覚ますと、脇にはいつものようにあたしのキョンが寝ている。「あたしの」と言うものの近頃の激しさを考えると、どうにも調子に乗りすぎなのよね、こいつ。
「あたし専用!」の精神をもっと叩き込まないといけないわね。腕章だけじゃ足りないなんてホント手のかかる奴!
ふと見ると机の上には注射器ではない油性マジックが――――――
目を覚ますと、脇にはいつものように俺のハルヒが寝ている。大仕事を終えた後に特有の達成感のある表情ですやすやと。
起こすこともあるまい。顔でも洗ってくるか……俺はパンツ一丁でベッドを出た。
「なんじゃこりゃあ!!!」洗面所の鏡を見て悲鳴を上げた。字面じゃ分かりづらいが裏声になっちまった。
体中に「あたし専用」「すずみやはるひ」と書いてあるのはあれか、何の琵琶法師だ。耳だけ書いてないのか?千切られちゃうよ!
冷静に見直すと、かろうじて服を着たとき露出する部分には書いてないようだ。
やれやれなんてイタズラだ、ハルヒの奴め。悪戯と言うより徒だな。落ち着こうぜ俺。男がみだりに大声を上げるもんじゃないさ。
そのままトイレに入り、俺は再び悲鳴を上げた。息子よ!
>>78 明日楽しみにしてるぜ!
>>63 >>89 60ですが続けてくれてありがとうってどんどんエスカレートしてますがなwww
>>84 ハルにゃんカワユスGJすぐる
ときに改行とか1行辺りの文字数って、俺も試行錯誤してるが結局人それぞれ読みやすいと感じる文字数って違うよな。
ある程度個人個人の裁量に任せるしかないだろう、強制できるもんでもないし。
>>74 続き楽しみにしております。
>>84 (* ´Д`*)
キョンじゃないから見ても大丈夫……なわけないですよねごめんなさいごめんなさい石鹸を投げるのはやめてください。
SS投下します。6レス。甘さ控えめ。
いつものように教室に着くと、そこには窓側の最後尾で机に突っ伏すSOS団団長様の姿があった。
あとで何を言われるかわからないので、とりあえず声をかけておくとするか。
「よぅハルヒ」
「…………」
「昨日はどうして部室に来なかったんだ」
「…………」
昨日からハルヒ様子がどうもおかしい。
いや、もとから涼宮ハルヒという人間はちょっとばかりおかしいんだが……ってそうではなく"いつもの"ハルヒとは異なるのだ。
教室では大抵机に突っ伏している。そのくせ休み時間になるや、両手でめいいっぱい引っ張ったゴムを離したかのような瞬発力で教室を飛び出して行くのだから、具合が悪いというわけでもなさそうなのだが……。
「なぁハルヒ。なんか変なもんでも拾い食いしたのか」
「………」
……やはりおかしい。
こう言えば「そんなことしないわよバカ!」と拳のオマケ付きで返ってくると思ったんだがな。
こいつがSOS団の活動を無断で休むとは余程のことなのだろう。
しかしハルヒのことだからな。どうせしょうもない理由なんだろう。またよからぬコトを計画していて徹夜続きとかな。
間違っても五月病とかではないだろう。こいつはいつぞやに五月病患者なんて2,3発ぶん殴ればいい、みたいなこと言ってたくらいだし。
────とまぁ若干無理があるとは思うのだが、楽観的に考えることにする。
そうさ、しなくてもいい苦労をわざわざ背負いに行くことはないのだ。
ま、ハルヒのことだ。そのうちいつものように壊れた玩具の如く暴れ回り俺を振り回すに違いない。
ひょっとしたらこんなのでも一応生物学的には女性に分類されるのだから、男には一生縁のない月の障りとかいうやつなのかもしれん。
もしそうならば、それはそれで自然の摂理として歓迎すべきことだ。
無ければ無いで俺があらぬ疑いをかけられそうだし。……何故かは俺も知らん。知りたくもない。
「んあ? キョン、あれお前のツレじゃね?」
「あはは。谷口、やっと気づいたんだ。5分くらい前から立ってたよ」
昼休み。いつものように国木田とアホの谷口と机を同じくして弁当を食っていると、古泉と思われる男子生徒がうちの教室の扉を背もたれにして廊下に立っていた。
……やれやれ。今度は一体なんなんだ。
っていうか国木田よ、そんな前から気づいてたんなら言ってくれ。
「いや〜。ふたりともいつ気づくかなぁと思って」
ちなみに現在、ハルヒは教室にいない。午前中机にへばり付き続けていた団長様は、昼休みが始まった瞬間に飛び出して行ったのだ。
俺は食べかけの弁当箱に蓋をしお茶を一口啜ってから、廊下に出て部室以外では出来ればお目にかかりたくないニヤケ野郎────別名:古泉イエスマン一樹。自称:涼宮ハルヒの精神分析家────に声をかけた。
ハルヒに見つかるとまずいということで中庭に移動する。
何の用だ。弁当食ってる途中なんだ。手短かに頼む。
「あなたも気づいているはずです」
俺は溜息をついた。この先聞きたくもない話を聞かされるのだろう。
「実は昨日の朝から閉鎖空間が多発しておりましてね……」
そういやお前、昨日部室に来なかったな。
「昨日の閉鎖空間は小規模なものでして、機関でもあまり重要視していなかったのです。
恐らく朝方に何か嫌な気分になるようなことが起きたのではないかと。
例えば……そうですね、寝起きに脅威の生命力を持つ生きた化石などと呼ばれる黒光りするアレに遭遇したとか、ね。
ですから今日になってまで閉鎖空間が多発するようなことはないと思っていたのですが……。何かご存知ではありませんか」
俺が知ってるわけないだろう。それとハルヒが例のアレを怖がるとは思えんのだが。むしろ「不思議生命体発見!」とか言い出しそうな気がするぜ。
古泉は飽きれたように溜息をついた。なんだよ。
「……涼宮さんはああ見えてごく一般的な女子高生ですよ。むしろ今時珍しいくらい繊細で純粋な方だと言えるでしょう」
俺にはそう見えんがね。
「今朝からかなり閉鎖空間の規模も発生頻度も上がってきておりましてね。
機関でも原因を調査しているのですが、未だに判明されず困惑状態です。あなたに何か心当たりはないかと思ったのですが」
お前はハルヒの精神分析家だろ。お前にわからんものが俺にわかるはずないだろう。
「そうですか。このままでは少々まずいことになりそうなのですよ」
そんなこと俺に言われても困るんだがな……。
古泉は名残惜しそうに食堂の方に去っていった。今から昼飯なのだという。
俺も弁当を食っている途中だったことを思い出し、教室に戻ろうとしたところ、危うく何かにぶつかりそうになり咄嗟に急ブレーキ。
「長門。びっくりするじゃないか」
「……」
お前とこんな場所で会うのは奇遇……じゃないな。何か俺に言いたいことがあるんだな。
「……部室」
部室?
「……来て」
ハードカバーを胸に抱いた長門は風のように部室棟へ歩いて行く。
……やれやれ。どうやら残りの弁当を食うのは5時限目が終わってからになりそうだ。
長門と並んで文芸部室に足を踏み入れると、ハルヒが長机にへばりついていた。
「……おい、どうしたんだハルヒ」
「…………」
無視か。それとも寝てるのか。
長門を見る。
「………………」
「あなたが起こして」という無言の圧力を感じるんだが……。長門よ、せめて言語で伝えてくれないか。
「ハルヒ……お前、飯は食ったのか?」
「…………」
「なぁハルヒ、具合でも悪いのか」
さすがに心配になってきた俺は、熱をはかってやとうとハルヒの額に手を伸ばしたのだが
「! なにすんのよ、エロキョン!」
思いっきり手を叩かれ、ハルヒはまた机に突っ伏してしまった。いてぇなぁ、くそっ。
俺は「やれやれ」と溜息混じりで呟き、パイプ椅子を引き寄せハルヒの横に腰掛けた。
「なぁハルヒ。お前昨日から様子がおかしいぞ。具合が悪いんなら保健室に……」
「そんなんじゃないわよ!」
おお。やっとマトモに答えてくれたか。だが怒鳴るこたぁないだろ。
ハルヒの肩に手を置いて優しく話しかける。
「ひょっとして…………何かあったのか? 俺でよかったら相談に乗るぞ。俺に話しにくいことだったら長門か朝比奈さんにでも────」
「うるさい! ほっといてよ!」
「……ハルヒ」
「…………あんたのせいなんだから!」
「………………俺?」
「…………全部あんたのせいなんだからっ! だからっ! ……だから、あんたには関係ないのっ! 出てって!!」
なんだそれは。
俺が原因でありながら俺には関係ない…………? さっぱり意味がわからん。
思わず助け船を求めるように長門を見るが、長門のふたつの瞳は何かを言いたそうにまっすぐにハルヒを見つめているだけだ。
うーむ。ここはハルヒの言葉に従って部室を出て行くべきなのか。
いや、そんなことしたら何の解決にもならん。
俺が原因だというのに、俺が関係ないなんてことあるか?
…………ひょっとして、俺に言いにくいことなのか? 例えば……俺のことが嫌いになった──とか。
「…………」
アホか。そんなこと…………あるはずないよな。
いや、無いと信じたいだけなのか?
身に覚えがないことでハルヒに拒絶されショックを受けない程、俺は神経が図太い人間ではないからな。
俺…………なんかしたっけか。
────あ。一昨日の帰りハルヒがコンビニで肉まんとあんまんとイチゴまんを買い食いしようとした時「そんなに食うと太るぞ」って言ったのを根に持ってるのか?
それとも先週、部室の冷蔵庫の奥から発掘された賞味期限が1ヶ月過ぎている牛乳プリンを食おうとしたのを阻止したのが原因か?
いや、後者は俺の方が正しいよな。さすがに1ヶ月前のはどうかと思うんだよ。
あのときは大変だった。長門が「食べない方がいい。危険」と言ってくれたからよかったものの…………ってそれどころではない。予鈴が鳴っているじゃねぇか。
「おいハルヒ。授業始まるぞ」
「…………」
「教室戻らないのか」
「……ひとりで戻ればいいでしょ」
「サボる気かよ。……授業中寝てる俺が言うのもなんだが、あまり感心しないなそれは」
「うるさい!」
ダメだこりゃ。
ふと長門を見ると、いつもの定位置に座りハードカバーを開いている。おいおい、長門もサボる気かよ。
俺は盛大に溜息をついた。
……腹を括るしか無いか。
こんなことなら部室来る前に教室寄って弁当取ってくるんだった。
「お前が戻らんなら俺も戻らん」
「…………」
「…………」
「……バカキョン」
とうとう何の進展もないまま、午後の授業も終了し放課後になっちまった。
やがて朝比奈さんが部室にご光臨あそばしたので、朝比奈さんがメイド服という別名を持つ天使の衣に着替えている間、俺は自分の荷物を取りに教室に戻った。
ハルヒの鞄も持って行ってやろうかと思ったのだが、やめておいた。さすがに女生徒の鞄の中に物を詰めるのは躊躇われるからな。
はてさて……どうしたもんかね。
「…………涼宮さん、どうしちゃたんですか」
「さぁ。ずっとこんな調子なんでこっちも困ってるんですよ」
「具合が悪いのかと思って、何度も聞いてみたんですけど『そんなのじゃないから気にしないで』って…………」
ハルヒは、朝比奈さんのいれた緑茶にすら手をつけようともせず、相変わらず突っ伏したままだ。
「……放っておきましょう。本人もそうしてもらいたいみたいですから」
「でもぉ………………」
朝比奈さんはハルヒのことを本気で心配しているようだ。
普段ハルヒにあんな目に遭っているというのになんてお優しい方なのだ。まさに天使ですよ、朝比奈さん。
ハルヒめ、こんな天使のように愛くるしい……もとい、こんな愛くるしい天使に心配されているというのになんて罰当りなんだ。俺と替わりやがれ。
「…………」
「…………」
「……古泉くん、来ないね。…………バイトなのかな」
「…………でしょうね」
朝比奈さんは部室を支配する重々しい空気に耐えきれなくなったのか、教科書やらノートやらを出して勉強を始めた。
長門はいつもと変わらず本の世界を旅行中。
古泉は……ハルヒがこんな状態だからな。どう考えても神人退治しているんだろう。
俺はやることもなく、そうかといって寝る気にもならず、延々と机にへばりつき続けるハルヒの頭部を見ながら不規則に溜息を漏らすしかなかった。
長門がハードカバーを閉じる音で我に返る。どうやら知らないうちに夢の世界への招待状を受け取っていたらしい。
「もうこんな時間か」
俺たちが帰り支度を始めても、ハルヒは机に突っ伏したまま動かない。いつまでこうしている気なんだこいつは。
「ほれハルヒ、下校時間だ。帰るぞ」
「…………先に帰って」
「お前はどうすんだ」
「先に帰ってって言ってるでしょ!」
「そんなわけにいくかよ。……なぁ、アイスでもおごってやるからさ。一緒に帰ろうぜ」
「嫌よ! あんたなんかと帰りたくない!」
……さすがにこれには傷ついたね。それと同時に何故だか知らんが無性に腹が立った。
「いい加減にしろ!」
ハルヒの両肩を掴み、力の限り引っ張り上体を起こす。
「なにす……」
回り込み、ハルヒの左肘を掴む。さぁ立つんだ、バカ野郎!
「いつまでこんなことする気だ! バカハルヒ!」
「! ぃやっ!」
予想外の弱々しい声に、はっとなる。戸惑いながらも顔を覗き込もうと近づくと、ハルヒは右腕で顔を覆いながら俺から逃れようとする。
「ハルヒ?」
……まさか…………泣いてるのか?
「……ないで。もう、ほっといてよ!」
それとも────そんなに俺が嫌いなのか?
俺のことを嫌いになったっていうのならそれでも構わない。
でもな、さんざん俺の人生も心も掻き乱して翻弄させたのはどこのどいつだ。
今更理由もわからず嫌われるのは納得がいかないし、理由はどうあれこんな形で拒絶されたくはない。それにこんな振る舞い、お前らしくないじゃねぇか。
嫌いなら正面から「あんたなんか大嫌い!」って言ってくれ。
そうすれば俺だって……俺だってお前のことを────あぁもう、そんなんじゃねぇ!
俺は無理矢理ハルヒの右腕を外しにかかった。
情けないことに、この馬鹿力女に力で勝つ自信は無いのだが、俺だって男だ。男が本気出して女に勝てんわけないだろう!
「おま……いい加減に…………」
もう少しでハルヒの顔面を覆う鉄壁が外れようというところに、白い手がふわりと伸びてきてハルヒの前髪をかきあげた。
「……長門?」
「ゆ、有希っ!?」
長門は無表情のまま、顔を覆う腕の力が抜けたハルヒの額を見つめ一言。
「…………ニキビ」
「は?」
長門の視線の先、ハルヒの額をまじまじと見る。そこには、デキモノがひとつ。ぷっくりと盛り上がっており────
「! み、見ないでっ! ……見るなぁああーーー!」
くだらん。
実にくだらん。
昨日今日とハルヒが始終机に突っ伏していた理由────それは、額に大きなニキビが出来てしまったので、それを人に見られないようにするためだったのだ。
「……これ、使って」
長門がハルヒに手のひらサイズのチューブ状のものを渡している。
「……いいの?」
「返さなくてもいい。……効果はテキメン」
どうやら長門特製ニキビ治療薬のようだな。何が入ってるのかは知らんが、効果があるのは間違いないだろう。
そんな長門とハルヒのやりとりをぼんやりと眺めながら、コトの真相のあまりのくだらなさに俺は大いに脱力していた。
哀れ古泉はじめ機関の方々。ニキビひとつであんな化け物退治やらされるんじゃ、たまったもんじゃないな。
前に古泉が「閉鎖空間が涼宮さんの精神に生まれたニキビだとしたら、僕はニキビ治療薬なんですよ」とかなんとか言ってた気もするが、あれはあくまでも古泉のわかりにくい比喩だからな。
「でも、涼宮さんの気持ちわかるなぁ」
そりゃあ俺も多少はわからんでもないですよ。顔にデキモノが出来たら男の俺だって憂鬱になりますよ。
だからってずっと机に突っ伏して人に顔を見られないようにするなんて、アホ以外のなにものでもないと思うんですが。
ま、それで学校休むよりはマシ……なのか。っていうか出来たのが額なら前髪で隠れるだろうが!
「ほんっとーに、あんたは女心がわかってないわね!」
そういうハルヒこそ乙女心がわかるとは思えんのだが。
「キョン、これ塗りなさい」
ハルヒは意地悪で我が侭なお嬢様が哀れな召使いに命令するかのように、長門特製ニキビ治療薬を俺に差し出した。
「なぜ俺が塗らねばならんのだ」
「あんたのせいなんだから、あんたが塗るのが当然でしょ!」
…………なんつーか……これ以上反抗する気にもならん。
俺は「やれやれ」と呟くと、ハルヒの頭に手を伸ばした。
「動くなよ」
「……優しくやりなさいよ。潰したりしたら一生恨むわよ」
言われんでもそうするさ。俺のせいで痕が残ったりしたら、それこそどんな罰ゲームを課せられるか想像したくもない。
ハルヒの前髪を指で斜めにズラし、もう片方の手の小指でちょん、ちょん、と薬を患部に付けてやる。
ハルヒの眉はつり上がり口を真一文字に結んでいるが、本当に怒っているのではないということを俺は知っている。
こいつはどういう表情をしていいかわからない時こんな風に怒ってみせるのだ。
……畜生。俺もどうしていいかわからないんだぞ。俺も怒った表情を作ればいいのか?
「……塗ったぞ」
「…………ありがと」
ところでそのニキビが他人に見られたくなかったからずっと机にへばりついてたのはわかるんだが、なんでそれの原因が俺なんだ?
「…………それは……」
どうしたんだこいつ。急に狼狽えだしたぞ。こんなハルヒもある意味新鮮で可愛い……ってそうじゃねぇ。お前そんなキャラじゃねえだろ。なんだ? 薬の副作用か?
「ち、違うのよこれは! そ、そうっ!
あんたがあまりにもSOS団の活動に熱心に取り組まないからどうしたらもっとSOS団の活動に意欲的に取り組むようになるかを連日徹夜考えていたから寝不足でニキビが出来ちゃったのよ!
そうよ、そうなのよ! だから、このニキビはあんたのせいなのよ!」
ハルヒは大声で一気に捲し立て、肩で息をしている。何そんなムキになってるんだ。
脳内にクエスチョンマークを散りばめていると、朝比奈さんがこんな妙なことを言い出した。
「あぁっ! 思い出しましたぁ! おでこに出来るニキビって"想いニキビ"って言うんですよね!」
これにはさすがのハルヒも驚いたようだ。
「ななななに言ってんのっみくるちゃん!!」
「そうかぁ。鶴屋さんが言ってたこと、本当だったんですねぇ」
「な、なっ……つ、つる……な……」
「涼宮さん、連日連夜キョンくんのこと考えてたんですよね。それでおでこにニキビが出来ちゃったんですよねっ。まさに"想いニキビ"ですっ!」
…………鶴屋さん、あなた朝比奈さんに何教えているんですか。
「みくるちゃん! それ以上言うと、ひどいわよっ!」
いつの間にか正気に戻ったハルヒは朝比奈さんに飛びかかると、がっちり頭部を両腕で固定。必殺お耳はむはむを繰り出した。
「……ぅはぁん。やぁん。……やめてくらさぁい」
俺は朝比奈さんに抱きついているハルヒをひっぺがしにかかった。
今は耳を甘噛みしてるだけだが、放っておいたらそのうち胸を揉み始めたりするからな。
「おいおい。もうやめろハルヒ」
それから、これだけは朝比奈さんに言っておかねばならないだろう。ハルヒの名誉のためにもな。
「朝比奈さん、そんなの迷信ですよ。ハルヒが俺なんかのことを"想う"はずないじゃないですか。
それにその迷信が本当だとしたら、ハルヒのニキビが出来る箇所は"おでこ"じゃなくて"あご"のはずですよ」
「……えっ」
「…………キョン、それって…………どういう……」
…………疲れているのかもしれん。俺はなにかとんでもないことを口走ったようだ。
朝比奈さんが真っ赤な顔でこちらを見ている。
長門は既に鞄を持ち扉の前に立っており、一瞬こちらを振り返ったが音も無く部室から出て行った。
そして肝心のハルヒはというと……。
おいおいハルヒ。お前な、怒るか笑うかどちらかにしろ。
「……これは詳しい話を聞かないといけないようね」
ハルヒはまるで聖女のように微笑むと朝比奈さんをあっけなく解放。どうやら次の処刑者を決めたようだ。……つまり俺なんだが。
「そ……そうだ。ハルヒ、ニキビといえば昔ニキビ治療薬のCMで、成分を早口言葉のように言ってたやつなかったか」
「知らないわよ、そんなの。そんなことよりキョン! "おでこ"じゃなくて"あご"のはず、ってどういうこと? 詳しく説明しなさいっ! そうね……。誰にでもわかるくらい簡単で、かつストレートな言葉でね!」
翌朝、目覚めた俺の額にはニキビがひとつ出来ていた。
……やれやれ。昨日の仕返しか、ハルヒ?
家にニキビ治療薬がないので、とりあえずオ○ナインを患部につけ、今日は帰りにドラッグストアに寄らなくては────と思いながら登校すると、窓側最後尾の席のハルヒは頬杖をつき表面上不機嫌そうな面持ちで空を眺めていた。
「よぅ」
「おはよ。有希のくれた薬のおかげで、今朝目が覚めたらおでこのニキビが綺麗に消えてたわ」
そうか。そりゃあよかったな。じゃあなんでそんな不機嫌そうなんだ。
するとハルヒは一転して満開の向日葵のような笑顔に変わり
「そのかわりね、ここにニキビが出来てたのよ! あんたのせいだからねっ! このニキビ!」
と、"あご"のデキモノを指差して叫んだ。
おいおい朝っぱらから叫ぶな。ほれ見ろ、クラスの連中が「またあいつらか」っていう目で見てるじゃねぇか。
「あんたのせいでこーんなおっきなの出来ちゃったのよ! 責任取りなさいよっ! 出来ちゃった責任!」
まったく。ニキビが出来たということを、こんな嬉しそうに言うなんてどうかしてるぜ。俺にどうしろと言うんだ。
そんなの迷信だろ……という反論が通用するわけないことはわかっている。
あぁそうさ。昨日洗いざらい白状させられちまったんだ。まさか今更、濡れ衣だなんてことは口が裂けても言えねぇ。
仕方なく俺は前髪を上げ、言ってやった。
「俺の"コレ"だってお前のせいなんだからおあいこだ」
それと"出来ちゃった"とか"責任"とか大声で言ってくれるなよ。妙な方向に勘違いされたらどうすんだ。
お前がそんな言葉を口にするたびに、クラスの連中から生暖かさとはまた別の微妙な視線が飛んでくるということに気付け。
冗談じゃねぇ。俺はまだ仕込みはしてないんだぞ。
「あら、あたしのココに出来て尚かつあんたのソコに出来るってことはそれだけ"あんたが"あたしのこと想ってるってことじゃない。あたしのせいじゃないわ!」
「ほーう。お前のせいじゃないのか」
「そうよ」
「……なぁハルヒ、知ってるか。男の場合はな、組み合わせが逆になるとする説が有力なんだぜ。
……つまり、"あご"に出来るのが"想い"で"額"が"想われ"。"右頬"が"振り"で────」
するとハルヒはプイ、顔を横に向けた。
「……そんなの迷信よ、迷信! くっだらないわ! そんなの信じちゃって、バカみたい!」
そうかい。俺はなかなか素敵な迷信だと思うがな。
揺れる尻尾と後れ毛。
中途半端な長さの髪をくくっているのは、衣替え前の冬服が暑苦しいからじゃないんだろ?
俺がその赤く染まる耳の熱さをはかろうと手を伸ばそうとすると、ハルヒは正面に向き直りキリリと眉を吊り上げ、にやりと不敵に笑った。
何思いついたんだこいつは────と思ってる暇があるんだったら逃げるべきだった。
「そんなこと言ってないであんたもこの薬使ってとっとと治しなさい! バカキョン!」
と、長門特製ニキビ治療薬を持って飛びかかってきたのだ。
「ぐあっ」
俺の頭部はハルヒの両腕によりがっちりガード。何する気だ。離せ!
やめろ。この体勢はいろいろマズい。
「んふふふふ。さぁキョーン♪ いい子ね〜。お薬ぬりぬりしましょうね〜」
「くっ、やめろっつってるだろ。自分で塗るっての!」
畜生。朝っぱらからどんな羞恥プレイなんだこれは! 勘弁してくれ!
「あれ、谷口どうしたんだい? キョンと涼宮さんがあんな感じなのはいつものことじゃん」
「違うんだ……。あいつらのことじゃない…………。そうか……男の場合は、組み合わせが逆になるのか…………」
「ちょっと、谷口どこ行くの? もうHR始まるよ!」
>>100 ドタバタGJwww
そして谷口モチツケwww
>>84 ティーカップ風呂(*´Д`)
>>101 そういやそんな迷信(?)があったなwGJ!
>>101 ついでに…
キョン「さぁ、この繊細な指使いを見ろ!」
ヌ リ ヌ リ ク リ ク リ
ハルヒ「ひゃうん!!くすぐったい!」
キョン「ほら、ここがそうなのか。」
ヌ リ ヌ リ ク リ ク リ
ハルヒ「そこっ!白いのヌリヌリして!」
谷口「WAWAWA忘れm…お前ら…教室で一体ナニシテンデスカ?」
キョン「何って、ハルヒにニキビ薬を塗ってやってるだけだが?」
ハルヒ「あぁ、気持ちよかった!」
谷口「おめぇら、毎回毎回ややこしいんだよっ!!!
もう、『ゆっくりやってろ』」
すまん、いきなり怪電波が…
>>101 GJ! ハルヒの前半と後半の機嫌の変化がらしくて良かったw
しかし谷口www
>>104 紛らわシリーズwww
106 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/21(水) 00:22:59 ID:pTXGewOJ
SSまとめサイトでオススメのSS教えてくれない?
出来ればスレッドの数も
>>94-101 GJです。私が前スレで書いた「ニキビ」SSよりいいですな。
寝る前に良いものを見ました。
でもニキビ出来て恥ずかしがるハルヒ、ってやっぱりそうなっちゃいますよね(´・ω・`)
>>106 まずはsageてくれ。
SSも個人の趣味でお勧めなんて変わるだろうから、あくまでも個人の好みです。
27スレ 涼宮ハルヒと台風の夜
45スレ さらば、穏やかなる日々よ とその後のシリーズ
48スレ 涼宮ハルヒの催眠術 これVIPに転載されてたけど本人かな。
72スレ 別時間軸シリーズ 数スレにまたがってる
81スレ 二人の部屋
何も考えずにタイトルが出てきたのを羅列しただけで、これ以外にもお勧めは山ほどある。
最近の職人さんのも良作が多いし、あれだけある中から数本だけ名前出すってのもおかしな話だよな。
時間があるなら1から全部読むべし!
薬剤師となるハルにゃん
>109
惚れ薬を作ろうと怪しげな材料を調合するハルにゃん。
ちょっと失敗、えっちな媚薬ができちゃってしかも自分で飲んでしまって
アタマがフットーしそうだよう!なところにキョンが現れてわっふるわっふる
おやすみ。
乙いもんだぜw
遊んでたら一晩経ってた。
おハルキョン。
人がいない今のうちに
30分ハルヒ。
∈( ゜◎゜)∋
>>114 ごめん、魚に見えてしまった……
ちょっと吊ってくるよorz
ハルにゃんと魚釣り。
全然釣れないハルヒは大変ご立腹だが、キョンが釣れまくり(でも逃す)のを見て、
「あんたはさっきから引いてるのになにやってんの!」
と言いつつ、結局キョンを一緒に釣りをすることに、な電波が
>>116 キョン「を」釣る?
まさにハルにゃん!
ポニテの先っちょにキョンが食いつくんですね、わかります
>>116 >>118 >>119 「ちょっと、キョンはどこ行ったのよ!」
「めずらしいですね、彼が何も言わずにいなくなるのは」
「帰ってきたら罰金よ! ……でも、本当にどこ行ったのかしら」
「おびき寄せる」
「え? 何言ってるのよ有希」
「涼宮さん、ここ座ってくださあい♪」
「え? ちょっとみくるちゃん、これじゃいつもと逆じゃないの! 髪の毛弄られるのはみくるちゃんの役目なのに、ちょっと!?」
「いいからいいから♪」
「おや、ポニーテールですか」
「後はこれを」
「ちょっと有希、いきなり縛るってどういうことよ! こら、ほどきなさーい!」
「場所はどこがいいでしょう」
「中庭が適切だと思われる」
「じゃ、中庭に行きましょ、涼宮さん♪」
「みくるちゃん、キャラ変わってるわよ……」
「あなたは彼が釣れるまでここで待機」
「待機って何よ! 釣れるってまさか!?」
「うふふ、絶対釣れますよね〜」
「ええ、間違いないかと」
「ちょっと、何よそれ! 団長のあたしを釣り餌代わりにするってどういうことよ!」
「まったくもう、こんなのでキョンが来るわけないじゃないの」
「でも、もし本当にキョンが来たら……」
「そうよ、団長がこんな目に遭ってるのに雑用がk 「ハルヒ――――!!!!!」
「え!?」
「ポニーテールのハルヒだああああああ!!!」 ガバッ
「きゃあああああ!!?? ちょっとキョン離れなさい!! こら、ちょっとどこ触ってんのよバカキョン!!!」
「釣れた」
「やっぱり釣れましたぁ」
「お見事ですね」
何やってんだ俺。 釣ってじゃなくて釣ってこよう……_| ̄|○
連レススマソ だから釣ってじゃねえって言ってんだろうが俺。
本当に吊ってきます……_| ̄|○
後編
翌日朝のハイキングを終え教室にたどり着く、俺の後ろの座席にハルヒの姿はなかった。
休み時間にいなくなるのはいつものことだが毎朝の始業前はいつも仏頂面で座っているのに今日はどうしたんだろう。
「オッスどうしたキョン今日は涼宮との朝の痴話喧嘩はないのか?」
「谷口、朝っぱらから喧嘩売ってんのか、まあ例えハルヒであっても喧嘩する女もいないより100倍マシだぜ」
「なんだとコラ!羨ましくなんかねえぞ!」
ここで国木田登場
「なにやってるの二人とも、ああキョンさっき九組の教室で涼宮さんみかけたよ古泉君だっけ?あのキョンの仲間のニコニコしてる人、彼と楽しそうに何か話してたよ」
「バカ!国木田余計な事言うな」
谷口は小柄な国木田を引っ張っていった。
「キョン俺と国木田も鶴屋さんのパーティーに呼ばれたんだよ楽しみにしてるぜいろんな意味でよ」
くそっ何勘違いしてるんだ二人ともハルヒがどこの誰と楽しそうに話してたなんて俺には関係ねえよ相手があの胡散臭いニヤケハンサムでもな
おかげで謝る気がうせちまったじゃねえか、忌々しいああ忌々しい忌々しい
始業のベルが鳴り岡部教師の入ってくる直前にハルヒは戻ってきた。表情はいつもの仏頂面やはり昨日の事で怒ってるのだろう。
結局休み時間も昼休みもハルヒは教室に居なかった。
どの様な理由かしらんが阪中さんや他のクラスメートから次々と休み時間に古泉と何か話してたとか二人で学食で仲良く食事をしてたとか要らぬ報告が舞い込んだ。
クラスメートの視線が痛い、午前中は好奇心でスキャンダルに見舞われた俳優のようだったが午後にはいると明らかに同情と憐れみの視線に変わった。
勘弁してくれ仮にあいつらが付き合い始めたとしても知った事ではない
SOS団なる地下組織はうまくいけば解散し晴れて俺も自由の身だ。
ハルヒも彼氏ができればまともな人間になるだろう古泉も監視をし易くなりバイトの回数も減るだろう。
あの悪夢の三日間で他校の制服を着て共に下校するふたりの姿を思い出した。ひねくれたただの女子高生のハルヒ
そのハルヒを好きだといった学ランを着た古泉、悔しいぐらいにお似合いだった。単純に俺と古泉を比較すれば鬼戦車T−34と九七式中戦車ぐらいの差があるよ。
だが腑に落ちない。あいつらが付き合い出せば「鍵」は俺から古泉に移る事になるそうなれば・・
宇宙人、未来人、超能力者がせめぎあうハルヒの不思議パワーについては「機関」が圧倒的有利になる。
もしそれが目的であいつがハルヒと付き合いだしたなら俺は古泉を絶対に許さない。そうであったなら・・・
俺はハルヒにジョン・スミスだと名乗り出て洗いざらい全てをぶちまけてこの世界を作り変えてやる
たとえ世界を敵にまわしてもあいつの幸福は俺が守る。我ながら恐ろしい事を夢想したがある事実に気づき愕然とした。
「これじゃただの嫉妬じゃないか、それにあいつを悲しませたりするのはいつも俺だ」
気がつくと午後の授業もHR終わり着席したままの俺を掃除当番の谷口があきれ返った表情で俺を見つめていた。
「キョン、そこどいてくれ掃除が始まらん、あと涼宮からの伝言だ『当分団活動は自主参加、帰ってもいいわよ』だってさ」
俺は執行を宣言された死刑囚の如く立ち上がりとぼとぼと歩き始めた。
「キョンまだ諦めるなよ!変な気おこすんじゃねえぞ」
との谷口のあまり有難くない激励も俺の耳には入らなかった。誰かと話をしたかった。
このまま家に帰っても多分部屋でひとり泣いて
お袋や妹に心配をかけるだけだ。部室にはハルヒはいないだろう、居るのだったらあんな伝言は残さない
朝比奈さんの入れてくれたお茶を飲み、頃合をみて長門に相談しよう頼ってばかりいるのは気が引けるが
このままじゃおかしくなってしまう。あのニヤケハンサムの面は見たくもないが仕方ないやっと部室に着きドアをあけた。
「長門おまえだけか?他のみんなはどこにいった。」
「涼宮ハルヒと古泉一樹は当分ここには来ないとメッセージを受け取った。」
「朝比奈みくるは受験対策の補修を受けているためここにはいない」
長門は指定席でいつもの様に本を読んでいた。どこかその姿はさびしそうだ、部室には風鈴の音だけが響いている。
ハルヒに不法占拠される前の文芸部室はこんな感じだったのだろう。俺に白紙の入部届けを渡したもう一人の長門を思い出した。
「長門よかったら、これから図書館にいかないか?ひとりでいてもつまらんだろ」
長門は一瞬俺に目をむけたがまた本に眼を移した。
「行かない・・・」
再び俺を見つめた長門の瞳はこれまでみたこともない程の悲しみを映していた。
「わかった無理にとは言わないよ、戸締りよろしくな」
気まずい雰囲気から逃げるように俺は部室を後にし校門を出た。
家に入るとそのまま部屋に引きこもってしまった。今日は金曜だから二日間の休みだ気分を切り替えよう。
「キョン君、キョン君、ご飯だよー」
妹がシャミセンのごはんのうたを俺バージョンに変更し夕飯を知らせてきた小学6年とは思えぬほど幼い
本当にミヨキチと同じ年齢なのか疑いたくなる、
「お袋に今日は調子が悪くて食事がとれないと伝えてくれ」
「ええ!キョン君だいじょうぶ?おくすりもってこようか」
「いらない、あと少し静かにしてくれ」
「わかった・・・」
ドア越しに妹の落ち込んだ声が聞こえる。すまん妹よ今の俺にはおまえと遊んでやる余裕が無い。
しかしなんで俺は落ち込んでいるのだろう最大の謎はそれだ正解がわかる方至急ご連絡ください。
さて翌日の土曜日は不思議探索はもちろん無く暇をもてあました俺はひとり買い物に出かけた、
家にこもっていたら鬱が悪化するから気分転換も必要だろう。昨夜真っ暗な部屋でラジオをつけたら鬱が悪化した。
「マリコの部屋へ電話をかけて〜」
ながれてきたのはよりによって中島みゆきの「悪女」だったこの時俺は神も仏もいやしないことを実感したよ
街に出ると何の気もなくデパートに足を向けた。ハルヒの希望で世界が動くならこれもおまえの希望なのかハルヒ?
紳士服売り場をフラフラしていると遥か向こうに一組の男女の姿が見えた。何故俺が隠れなければならんのだ?
間違いないハルヒと古泉だ、二人はネクタイ売り場で仲良く品定めをしている。
俺と二人でいるときには見せない笑顔で古泉となにやら話し店員に質問していた。
彼氏へのプレゼントですか?なんて聞かれているのだろうか、凄く楽しそうだ。まるで俺はストーカーだ
情けなくなってすぐ家に帰りはずっと寝ていた。月曜に眼を覚ましたときには余程悪い夢をみたのか
寝汗で下着は濡れており顔面蒼白、眼の下にはクマができていた。
その後五日間、終業式の日まで何とか学校に通ったのは確かだがあまり記憶が無い
ハルヒは空き時間全て教室におらず放課後は部室にも行かず毎日猛ダッシュで下校していた。
教室にいると思った爆睡しており話もできない、矢吹との試合後のホセ・メンドーサな俺に話しかける奴もいなかった。
ただ一度長門が教室の出入り口で俺の様子を伺っていたときがあったがもう動く力も俺には無かった。
終業式の日、岡部教師から通知表を受け取り一学期が終了した。HR後久しぶりにハルヒに話しかけられた。
「あんたここんとこ毎日ボーっとしてるじゃない?SOS団は年中無休よわかってる!」
「今夜のパーティー絶対に来なさいよ来ないと死刑だからね、あんたに話もあるから」
言いたいことだけ言ってハルヒはさっさと下校してしまった。
いよいよ今日が最後の日か、さよならハルヒ幸せになってくれ俺はピエロで充分だ・・・
家に帰ることもせず部室に向かう俺の私物を引き払うつもりだ。ドアをあけると誰もいないのは好都合
みんなパーティーの準備に向かったのだろう今のうちに片付けてしまおう。
ひとり部室にたたずみ部屋を眺めていた。全てはこの部屋から始まったのだいろいろな事が記憶から甦る。
かなり疲れていたのだろう、そのまま俺は眠ってしまった。
楽しい夢を観た入学式の日の伝説の自己紹介、SOS団結成を思いついた100Wの笑顔、
幾度となく続く喧嘩
そしてあの閉鎖空間からの脱出、あの時俺は脱出したいだけであんな行動取ったわけじゃない!
眼が覚めると時間は5時をすぎていた。
「ようやく、お目覚めですねあまりにも幸せそうな寝顔なのでしばらく眺めていましたよ」
「おまえなんでこんなとこにいるんだ?今夜はパーティーだろ速くハルヒのとこに行けよ古泉」
「おや?それは僕の台詞ですよ口調は違いますが、まだ寝ぼけているようですね」
「何言ってやがる、だがなハルヒは絶対におまえになんか渡さん、そんな世界作り変えてやる」
確かに寝ぼけていたのか疲れていたのか通常の精神状態ではなかったのは事実だ、酒は飲んでいないが
何でこんな台詞言ってしまったんだ俺は、頼む古泉この場で俺を殺してくれ
「これで僕のミッションは完了しました。そろそろ種明かしをしたいのですが」
しばらく俺は口をポカーンとあけて間抜け面をさらしていた。多分気を失っていたと思う
「実はある方から依頼を受けましてね、あなたを追い詰めて正直な気持ちを引き出せと」
「機関ではありませんよそれに近い方と言えばお分かりになるとおもいますが」
俺は先週アイス買出しの日校門前で立ち話をした長い髪の先輩を思い出していた。
「無論涼宮さんは何も知りません、しかし朝比奈さん谷口さん国木田さんはこの計画に賛成してくれました。」
「長門さんはあなたを苦しめることはしたくないと言われましたが何とか納得してもらいましたよ」
「全員グルだってことか?」
「まあそんなところです」
「しかし今から行くのか?制服じゃいけないだろ」
「問題ありません」
ドアが開くと執事の新川さんが入ってきた。なにやら包みを開くとそこにはスーツ一式が入っていた。
「おまえに借りは作りたくないって言ったろ、気持ちは有難いけど」
「逆ですよ「機関」はあなたにたくさんの借りがありますからそれを返しただけです」
「それにそのスーツは涼宮さんがデザインしたんですよオーダーメイド品です」
古泉の話はまわりくどいので俺が説明する。話はこうだあの日俺が帰った翌日ハルヒから相談を受けたらしい
どうにかして俺をパーティーにだせるようにしてくれといろいろ話した結果、
まずデザインだと気づいたハルヒは手芸部に突入したが江口部長は不在
たまたま居合わせた副部長の津山さんという女性に頼み込みあれやこれや言いながらデザインを完成させた。
古泉から事情を聞かされた津山さんはハルヒに同情しノリノリで手伝ってくれたそうだ。
そのデザインを古泉が洋品店に持ってゆき先程完成して俺を探したがなかなか見つからず苦労したらしい
「機関」てのはなんでもありかよ
「さあ早く着替えてください車の用意もできてます。時間に遅れると急にバイトが入ってしまいます。」
「ネクタイが無い様だが」
「あんなものは飾りです偉い人にはそれがわからんのです」
「なんだって?」
「いえ冗談です。ネクタイはここに」
古泉はあのデパートの包みを開けるとなかには俺でも知ってるブランド物のネクタイが出てきた
「あのとき僕らをあなたが遠巻きにみてたときに選んだものですよ」
「知っていたのか?」
「すいません朝比奈さんに尾行してもらい行き先を確認して先回りしました」
「大変でしたよ『これはキョンにはあわない』とか、『もっといい品が有るはずよね古泉君』ですって」
「やっと納得したのは一本五万円のブランド物、彼女の手の出る金額ではありません」
「僕が払うといっても『大丈夫よ五日間あるからバイトして買うわ団長として当然よ』言い切り予約してました」
「覚えてますか?彼女が今週毎日すぐに下校してたのを、この暑いのに着グルミ着て子供に風船くばったり・・」
「もういいよ古泉わかったから、それ以上いわないでくれ頼む・・・」
俺はなんてバカなんだアイツは俺の為にそんなことまでしてたのかそれに引き換え俺は情けない
情けなくて涙出てくる
「涼宮さんにとっての主役はあなたです。その演技力は未知数ですが」
「はっきり言う、気にいらんな」
「気休めかもしれませんが、あなたならうまくやれますよ」
「ありがとう信じよう」
俺はジオン・・違った新川さんの運転するハイヤーにのりパーティー会場に向かった。
「古泉おまえはそれでよかったのか?」
「涼宮さんは太陽です。あなたは空、僕は河原に咲くヨルガオで充分です」
「すまない、ありがとう」
「その言葉と彼女の笑顔が僕にとっての一番の報酬ですよ」
パーティー会場には時間ギリギリに間に合った。まず主催者(黒幕)のもとに挨拶に
向かう、会場は結構広く北高生やその友達、良く見ればうちの妹とミヨキチも来ている
かたや七五三でかたやどこかの令嬢のようなギャップあるが仲の良い親友同士だ
おい!谷口なにミヨキチに近づいてるんだヤメロおまえはしらないだろうがその子は小学生だ犯罪だぞ犯罪
「やっほーキョン君良くきたっさ、良く似合ってるにょろよ」
「鶴屋さん反省しましたからもうあんなことしないでくださいおねがいしますよ」
「ああ あれね大変だったよっ、みくるはキョン君の姿みてかわいそうだからもうやめようって泣き出すし」
「だってこのままじゃキョン君しんじゃいそうだったから心配でしょうがなかったんですよう」
朝比奈さんあなたがそんなにも俺のこと心配してくれていたなんて光栄です。正直たまりません
「コラ!みくるにおイタしちゃだめっさ、今度はもっとすごい罰ゲームをするにょろよ」
スイマセン本当に勘弁してください、あなたには絶対に頭が上がりません
「ハルにゃんならキョン君来るのが遅いからってドレスのまま会場飛び出そうとしたのよ」
「そういえばハルヒをみかけませんが?」
「実はねあまり会場にキョン君来るのが遅いから来たらすぐ屋上に来るように伝言頼まれてるのさ」
恐ろしい決闘じゃあるまいし何故屋上によびだされなきゃならんのだ?
「今日のハルにゃんはとってもきれいにょろよ、キョン君めがっさ驚くよ」
「ありがとうございます、それじゃちょっと屋上にいってきますね」
「あのう、キョン君今夜は涼宮さんにやさしくしてくださいね、おねがいします」
わかりました。あなたの頼みならどんな無茶でもしましょう、もうすこしそのヒラヒラのついたドレス
見ていたかったのですが、はやくいかないと古泉に急なバイトが入ってしまうのでこれで失礼します
屋上に向かう途中長門をみかけた。いや多分長門だったと思う、窓際に無表情で月を眺める美女を見た。
薄い水色のドレスに身をつつみ控えめなメイクを施されたどこかの国のお姫様を確かにこの眼で見た。
まわりにいた男共数人も見惚れていたのいたのだが間違いないだろう
あとで声をかけてやろう、おしゃれした感想なんかも聞いてみたいしな、さて早く屋上にいかねば
意外な二人にばったり会った。生徒会長と喜緑さんだふたりは腕を組みながら堂々と歩いていた。高校生だよな?
「やあ諸君らも招待されていたのか?まったく鶴屋は何を考えているのだ」
「喜緑君少し席をはずしてくれたまえ、彼と話があるのでね」
「さて、やっと仮面をはずせるぜもっとも最近どっちが仮面かわからねえがな」
「一服つけたいどころだがまさか高校生のパーティーで喫煙はまずいからしょうがねえよ」
正体を現した不良生徒会長は眼鏡をはずしニヤリと笑った。
「この夏が終わればお役御免さ、脳内お花畑女の面倒は頼んだぜ」
「ところで俺は生徒会指名の後継者を今日この場で発表するつもりなんだが古泉を見かけなかったか?」
俺は会場までは一緒にいたがその後はみていないと答えた。なんでも会長最後の仕事はハルヒの立候補を
断念させるために古泉を後継候補に指名することらしい。話を終えると会長は喜緑さんを迎えにいった。
はやく屋上に行かないとやばいとおもい急ぎ階段をのぼるとこんどはコンピ研の部長氏に話しかけられた
「ああ君か、長門さん見かけなかった?この場でコンピ研部長就任を発表する予定なのに見当たらない」
さっき窓のところで見ましたよと聞くと部長は足早に去っていった。
やれやれ、やっと屋上に着いたな
「遅い、遅い、遅い、罰金よ罰金」
第一声がそれかい!しかし突っ込みも忘れて俺は立ち尽くした。赤いドレスが月明かりに映える
付け髪をした髪型はポニーテール、見たことが無い別のハルヒがそこにいた。
「おまえ本当にハルヒだよな?凄い似合ってるぞ」
「なにいってんのよバカキョン、当たり前じゃないそれより話があるんだけど」
「なんだ今度は洞窟探検か?それともミステリーツアーの場所決まったのか」
「違うわよもっと大事な事あんたあたしのこと・・」
赤面しあさっての方向をむいてハルヒが何事か言いかけたがそれは言わせるわけにはいかない
普通男から女に伝えるものだ
「まってくれ俺も話があるんだハルヒこれからも勉強教えてくれないか?
「こんなスーツやネクタイの似合う男になりたいからと頼むよ」
ハルヒは振り向き100Wの笑顔で答えた。
「しょうがないわね、あんたはあたしがが側にいないとだめだから」
「でも個人教授は厳しいわよ覚悟しなさい」
いつものように胸をはってポーズを決めようとしたハルヒだったが履きなれぬハイヒールのせいか
バランスを崩し俺のほうにもたれてきた。俺はハルヒを抱きとめるとそのまま両肩に手をかけ告白した。
「ひとつ伝えておきたい事がある」
「なによ突然、」
「実は俺ポニーテール萌えなんだ。」
「今日のおまえのポニーテールは反則的に似合ってるぞ」
ハルヒは驚いた様だったが何かを思い出したらしく、眼を閉じてあごを僅かに上に向けた
今度は閉鎖空間での夢オチではない正真正銘の本物だ。
二度目のキスをしようとしたそのとき聞き覚えのある歌が耳の三半規管に伝わってきた
「WAWAWAわすれもの〜」
屋上のドアを開けた谷口がそこにたっていた。谷口は俺たちの体勢を確認すると
いつぞやのようにネクタイを締めなおし
「邪魔したな、どうぞごゆっくり!」
と叫び階段を下っていった。ガシャーンと凄い音がした多分階段を踏み外したのだ
ハルヒは顔を真っ赤にして俺を突き飛ばし谷口の口を封じるべくハイヒール脱ぎ捨て
階段を下っていった。
結局ハルヒとの距離は延びたのか縮んだのかはわからない、ただこの一週間でどれだけ
あいつを俺は必要なのかはよくわかった。
「おいハルヒ谷口の口は封じても息の根まで止めるなよ」
俺はハルヒの後を追った。
さて余談、会場の庭に小川が流れており河原に白い花が咲いている。月明かりの下
背の高い笑顔の青年と小柄な少女のふたりが佇んでいる。
「探しましたよ長門さん、あなたには謝らなければなりませんから」
「どうして」
「辛いお願いをしてしまいました。許してください」
「仕方ない、それに辛いのはあなたも同じ」
「涼宮さんは太陽、そして彼は空そして僕はこの白い花です。」
「この花はヨルガオといいまして夜の間だけ咲くことがゆるされる徒花なんですよ」
「使って」
少女はハンカチを青年に差し出しました。
「あれ?ごみでも眼に入ったかな?では長門さん有難くお借りします」
「先程の続きですが『徒花は実を結ばぬからこそ美しい』と思いませんか?長門さん」
「今のあなたの精神状態を私は理解できる」
「涼宮ハルヒに対するあなたの感情は私の彼に対する感情に極めて類似している」
「彼女が太陽なら私は月、太陽が沈むときだけ空は私をみてくれる」
「古泉一樹。私はあなたに依頼する」
「なんなりと伺いましょう」
おっつきさま、おっつきさま、おつきさまがきれいだなキョン君もハルにゃんに会って元気になったし
ミヨキチはキョン君のおともだちとなにかおはなししてるみたい。
つまんないからお庭にでてきちゃった。あっちに白いお花がさいてる
あれ?だれかいるよ有希ちゃんと一樹くんだ、えいがのばめんみたい
ふたりでだきあってるこれってらぶしーん?
あれ有希ちゃん泣いてるみたい、震えてるよおくきいたら有希ちゃんの泣き声がきこえるよ
一樹くんが泣かしちゃったのかな?ちがう一樹くん背中をさすってあげてる、なぐさめているんだ
わかった有希ちゃんはかぐや姫なんだ月にかえりたくなくて泣いちゃったんだ
このことはキョン君やハルにゃんにはひみつにしておこう
有希ちゃんが泣いちゃったなんてきいたらキョン君またおちこんじゃうから
おつきさまおねがいです。有希ちゃんも一樹くんみんなしあわせにしてあげてください
了
私の駄文を読んでいただきありがとうございます。初心者ゆえ
お見苦しい点はどうかご容赦ください。
あまりハッピーな話にならなかった事をお詫び申し上げます。
なんだろう、偉そうに聞こえたらすまんけど
荒削りだけどもの凄く勢いがあるよね
オチで徒花が誰のことをさしているのかが明らかになるわけだけど
そこがこちらの予想を上手く裏切ってくれたので特に良かったと思う
前編に対しての後編のこの長さ。お疲れさまでした。
>>138と感想が似通ってしまったけれど、タイトルがまさかそうくるとは思わなかった。実に良いよ。
それなだけに推敲不足なのが惜しい。
情熱が感じられたよ。GJ。
>>120 コーヒー吹いたw
>>137 GJ
すごくいい すごくいいんだけど、少し句読点を増やすべきじゃないかな
読みにくいと感じるところが多々あった
次作に期待
>>137 GJ。
ちょっと俺も釣りの準備してくるわ。
とりあえず、餌の代わりにキョンにツリバリをつけてくる
>>141 ⌒⌒
., -‐―- 、 。
/. ,ィ^'V^ヾ、 / ヽ
iミ〈《(リ`´〉)》〉 / ヽ ⌒⌒
|(| | ┃ ┃ |.|. / ヽ
l .ハゝ ヮ ,ノ/ ヽ
| | lリにつ@O j
l.l i.く_/_i_l_ゝl.i i q_ p
.(__八__) i 、/'ω`ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. ! { }
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜i〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
| i
| i >巛゚<
| i
| オイ ダメダ i コ コンナエサ ナンカニ
, -‐- 、. | チカヅクナ!!, -‐-ー.、 アタシハ ツラレナインダカラ…
/ ・___ヽ.! 〃 u ヽヾ ,.-‐―‐-.、
... i ((八ヾ从〉)). i ハハバハ> ノンニニヾ*、ヽ
レイ| ┃ ┃ | ! イ(! ─ ─|i オl|ノメ从从|.芥ハ
. ;' リハ'' 〜''ノハ!. ゞハ、 (7 ノ’ |li | |||).l |
iXX((つ大)つ.! ミ≡≡j ハl、'' 「) ''ノN从!
. 人X入,ニニノ .| ミ≡≡j ⊂ニ皿t皿´つ
. ` (_,/ノ . | (_ノノ ヽx'xk. )
|. ヾ爻j
| 、、 /バヽ
≫
>>1乙 `´^`´
>>137 GJ! いい話だったぜ。最後しんみりした。
みんなが言ってる通り、せめて文末に句点は入れて欲しい。
>>143 ちょwwwワロタ
>>143 みくるとハルヒかな。
毎度毎度すごい。
一度事故で死んだが機関の技術により蘇ったサイボーグハルヒ
んな事しなくてもハルにゃんは新しい世界を創るのさ
ハルヒ・ザ・ワールド
>>147 ハルヒアイ 10km先からキョンを視認可能
>>143 うめぇGJ!
この後エサだけ取られて涙目な朝倉を想像しちまったw
ハルヒの胸揉んで「冗談冗談」って言ってみたい
ご感想ありがとうございます。句読点など不備がありましたことを
次回作の参考にさせていただきます。
さてクイズです作品内で出てきた「T教師」は実在の人物をモデルにしました
その人物はだれでしょう?ヒント(グリンベレー)
>>137 GJ!
最後のまとめがどちらも素敵♪
みんなで幸せになってほしいねぇ。
>>150 ハルヒ愛 10km先からキョンを認知可能
ハルヒ卑猥 10km先から(以下各自補完
サーセン。
ギズモになったハルヒ
ノソレ匕
∈( ゜◎゜)∋ ちなみに私はウナギだ
ハルヒとグラウンドでバスケしたい
ハルヒ「ごめんみくるちゃん!バスケットボールと間違えちゃった!」
1on1か。面白そうだw
バスバスとボールをドリブルし、ゴールに向かうハルにゃん。
だがしかし、キョンもハルヒ観察力を駆使し、タイミングよく阻止をする。
そして勢い余ってドシーンとなると
流れぶったぎりですまない。
SSを探してるんだが、「今日からまた風が好きになれそうだ」とか
「ハルヒはオレが幸せにする ジョン=スミス」みたいなくだりがあるSSを探してる
たしかキョンは社会人になっていて、朝比奈さんに過去に連れて行ってもらって
ハルヒが事故にあうのを防ぐストーリーだったと思う。題名を忘れてしまったんで、読もうにも読めない。
エロパロの方で見たような?
VIPにそんなのがあったような…
俺も思い出せない
>>164 ちょっと違うんだが「ジョン・スミスの憂鬱 〜あの日の風〜」じゃないか?
「ジョン・スミスへ ハルヒは俺が必ず幸せにする」とノートの裏に書いてあるってやつだったが、
昔はググったらひっかかったが今はひっかかって来ないな。
もうネットから消えてるのかもしれん。BLなら出てくるんだが。
俺もVIPで見たことある様な…
朝比奈さんから「涼宮さんそこに居ますか?」みたいな電話が掛かってくるやつ。
でも事故には遭ってなかったから違うと思う。
注意書き忘れた
>>169 のページはエロ多いので注意。
VIPのまとめで確認してみたら全然違ったorz
>>169 おお、初めて見た。
おおおおおおおお
やっほい!これでルンルンで学校にいけるがな。
ありがとうございます
>>169 愛してるぜ>>165-
>>168
朝比奈さんから電話がかかってくるのは『涼宮ハルヒの笑顔』じゃないかな
珍しく朝早く目が覚めたのでハルにゃんに電話してみるキョン
獣だ!弾丸だ!いや、涼宮ハルヒだ!
君もいつかはきっと出会うさ青い小鳥に〜
ツンデレ口調全てがハルヒに見えるのは基本。
好奇心旺盛な娘ってのも当てはまるな
180 :
D2:2008/05/22(木) 13:27:03 ID:TJhQPYCq
アニメを見るまで りょうみやだと思っていた。
どんな理由であれかわいい子が話かけてくるのはうれしいこと
何が言いたいかというとキョンがうらやましい
具体例に触れるとスレチなんで節度を持っていきたいが…
ハルヒの性生活を想像すると
「奔放で頓狂、自分から色々と」
「夜は従順」
「貞操観念強い。結婚まで許さない」
不思議とどれでも結構違和感ないと思う。
いつのまにか90スレ目か
>>183 雰囲気とかで自然な流れでいっちゃいそうじゃない?
二人きりになったときとか
>>183 2番目3番目は容易に想像が付くな
一番目は無さそうな気がする
携帯をトイレに落っことしたハルヒ
187 :
○:2008/05/22(木) 15:56:59 ID:VCYGYTyu
>>183 「貞操観念が強い」のは表面的な心理であって、真相は単純な恐れや不安であると思われます。
雰囲気や流れなども彼女の否定要素にあり、はっきりしない態度を涼宮さんは好みません。
あなたが本心さえきちんと示せば、少々強引でも涼宮さんは心を開くはずです。
この場合、開くのは心だけではありませんが…。
おっと、どうやらバイトの時間が来たようです、それでは。
言わなくても分かる関係じゃなかったのか?
ハルにゃんは耳年増なイメージがあるw
つまり、面と向かって
「や ら な い か」
ですか?
わかりません
こ づ く り しまっしょ♪
ツンデレハルにゃん万歳〜
甘いSSばかり見てるから病気になりそうだってことで考えた。
その名も、「ハルキョン病」
症状は、・口に入れた物がたとえカカオ99%でも甘くなる。
・見る物がすべてピンクになる。
・道行くカップルなどを見るとハルキョンに脳内変換してしまう。など
付けたしがあれば、勝手に追加して下さい。
焼肉屋に出掛けるハルキョン
焼肉臭いとキョンにいわれて一杯消臭付きのガムを噛みまくるハルヒ。
ガンダムエースに、消失ハルヒがキター
らしいです
実は俺、焼き肉の匂い萌えなんだ
>>197 朝飯に焼肉くって登校してくるわけですね、わかります。
でもハルニャンはニンニクくっても体内で匂い分解されていい匂いになりそうだ
雪山のときのハルヒの尋問は
まるであんた浮気してない?!みたいな風に見えた
>>199 そして吊り目になったハルヒの瞼を下げるキョン
これは良かったw
長門に過保護なハルヒも好きだ
そういやあの時ハルヒって偽キョンに何をされたんだろう
>>199 雪山での長門を苦しめた閉鎖空間は、キョンと長門の
関係に嫉妬し、長門を亡き者にしようとして生んだものだという説がある
be俺
>>203 ハルヒはそんな黒くねーよww
というかSOS団の中でハルヒが1番仲間想いだろうな。
>>202 全員が全員偽朝比奈さんにキョンがやられたこととだいたい同じなんじゃない?
長門がヒントを与える為に操作してあれが出て来たらしいから。
>>202 悔しそうな顔してたんだっけ?
偽キョンに「俺はハルヒのこと好きだが、お前は俺のこと好きか?」とか訊かれたんじゃないか?w
>>206 キョンリミッター解除ってやつですね、わかります。
キョンらしくない事をしてきたらしいから
おそらく後ろから抱きついて耳元でアイラブユーと囁く的な事だろう
一方的に何か甘い囁きされて何も言うまもなく部屋から出て行ったとかじゃないだろうか?
それがもともと古泉の提案だったことを踏まえれば、
>>209でハルヒがぶん殴るところまで行くとは思えない。
そこからさらに何かしたのではないか。
ぶん殴ったというのはハルヒの言い訳というか嘘です。
ほんとは、キョンから強引に性的な強要を受け
ハルヒのドMな性格がキョンを受け入れ始めた頃
キョンが逃走してしまった。それを追いかけて廊下に
出たと。こんな説があります。
by俺
キョンらしくないと言ったら古泉の如くハルヒの言う事に唯々諾々と従う事かな?
突然部屋の中に現れたと思ったらいつになく真剣な目をして
「ハルヒ、お前可愛いな」などといいつつ手に触れてきて、
そこから流れるように肩に移り、
気がつくと抱きすくめられて耳元で「好きだ」と囁かれて、
さすがに「キョン、どうしちゃったのよ、熱でもあるの」と
両手で制止したんだけど思ってたよりも力が強くって、
書いてて恥ずかしくなって来たので(中略)して、
殴ったら逃げてしまった。それを追いかけて廊下に
出たと。こんな説があります。
by俺
また(ry
それを早くSS化する作業にとりかかるんだ!
殴るわよ?って言って終わったんだっけ
雪山は一番好きな回だな2期は・・・任せたぞ京アニ!
このスレは俺が沢山いるなwww(´・ω・((>ω< )スリスリ
「待て」
「俺も行く」
とキョンの台詞はいいぜw
ハルにゃんはキョンの責めには弱いのです
二月末、とても寒い日の出来事
もう最悪今日はついてないわ、体育の授業で捻挫しちゃうし、
部室でまたキョンがみくるちゃん見てデレデレしてたからまたケンカしちゃった。
すごく寒いし、あたし寒いの苦手なのよね暑いのは大好きだけど、雪まで降ってきた、
いちばん嫌なのはなんでキョンが私をおんぶしてるのよ!
帰るときあたしが足を引きずってたら、古泉君やみくるちゃんが薦めたから仕方なくよ!
古泉君はバイト、みくるちゃんは鶴屋さんとお食事、有希はなんかいつもにも増して無口で一人で帰っちゃうし
文芸誌の時掲載した幻想ホラーを思い出してるのかしら?
そんなわけでキョンにおぶさり家路についている。
今まで気づかなかったけど、キョンの背中はこんなに大きいんだ、ちょっとびっくり
暖かくて安心する、あたしなに言ってんだろ?
「おい!ハルヒ寝ちまったのか?」
起きてるのばれたらまたケンカになっちゃうから寝たふりしとこ、ずっとこのままでいたい。雪が降ってるし
こうしているとキョンの心臓の音まで聞こえそう
「もうじき、おまえの家に着くぞ」
「俺ポニーテールも好きだが、そのカチューシャも好きだぜ」
何言ってるのよバカキョン余計起きれないじゃない、あたしが寝たとおもったのかキョンが何か歌っている。
キョンの歌なんてはじめて聴いた。
つまりハルヒはキョン限定Mということですね。
カチューシャかわいや
わかれのつらさ
せめて淡雪とけぬ間に
神にねがいを ララ かけましょか
キョンはずっとその歌を歌っていた。子守唄みたいに
カチューシャかわいや
わかれのつらさ
せめてまた逢うそれまでは
同じ姿で ララ いてたもれ
「おい!起きろ家に着いたぞ」
キョンからおりて空をみたらもう雪は止んでいた。うっすらと積もっていたけど明日には溶けてしまうと思う。
「じゃあ、また明日なあまり無茶するなよ」
あたしはキョンの背中をずっと見送っていた。耳に残るあの歌を口ずさんでみる
カチューシャかわいや
わかれのつらさ
せめて淡雪とけぬ間に
神にねがいを ララ かけましょか
今日は最高の一日だった。
H/Kこんなスレもみていますで横浜FCスレがあったが電波アンテナが小さすぎてぜんぜんだめだorz誰か頼んだ。ちと文が読みづらいが勘弁をssgj!
おおGJ!しんみりするなw
>>222 キョンが歌ってるw 寒い日ネタ好きだ!
GJ!
前作「月と徒花」が長すぎたので極力短いものを作ってみました。
>>202 キスぐらいなら一回されてるから
それ以上のことと考えるのが自然だろう
キョンが見てた幻覚はせいぜい4〜5分ぐらいだが
あの館は場所によって時間の流れが違うから
事後という可能性も(ry
>>222 これはいいツンデレ
テレ東にハルにゃん
その日、SOS団はハイキングに来ていた。もちろん提案は団長涼宮ハルヒ。一行はいつものように全員揃って小高い山を登り、頂上で少し遅い昼食を済ませ、山を降りる途中だった。
「ねぇ、帰りはこっちの道へ行かない?」
その山にはコースが二つあり、ひとつはファミリー向けのゆるやかなコース。もうひとつはハイキングに慣れた人のための若干坂が急で地面むき出しコースだった。一同が通ってきたのはファミリー向けのコース。ハルヒが指差したのは通っていない地面むき出しコースだった。
「いや、来た道で戻ればいいだろう。朝比奈さんももうクタクタなんだ」。
キョンがすかさず突っ込む。ハルヒが振り返った先には苦笑いしながらも若干疲れた顔の朝比奈みくるがいた。その横には疲れた様子を微塵も感じさせない長門有希とみくるの荷物を少々引き受けている古泉一樹。
「うーん、ほら、でもこっちのほうがくだりの道はきっと早いわ。」
「無理言うな。坂が急な道ということだろ。俺たちも疲れているんだし、ゆっくり来た道を戻ればいいだろう。危険を冒すことはない。」
キョンはキョンで一歩も譲らず、ハルヒももちろん譲るわけがない。キョンは冷静に諭そうとするが、ハルヒはヒートアップし声を荒げる。
「なんだか僕たちは蚊帳の外のようですねぇ。」
古泉はやれやれといった調子で両手を挙げて頭を振る、いつもの動作をとって二人を眺める。
「私のせいで…ごめんなさい。」
みくるは申し訳なさそうに言うが二人は聞く様子も無く延々言い合っている。
「気にしないでください、朝比奈さん。たまにはこんなことがあってもいいでしょう。」
古泉は適当な場所に腰掛け二人を見守っている。その横にはいつのまにか長門も座りどこから出したか文庫本を読んでいた。
「あー!もういいわ!私だけでいくから!いいわよ、競争よ!私が早かったらキョン、あんたのおごりね!」
「なんで俺だけのおごりなんだ。それに勝手に行くなって…あっ…コラ!」
言い出せば瞬時に行動を移すのが涼宮ハルヒであり、疲れているはずなのに駆け出していった。後に残された面々はキョンと長門以外はいつものことと、苦笑い。
「はぁ、まったく。すみません、朝比奈さん。」
「私はいいんですけど…。それより涼宮さんは…。」
「いいんですよ、あいつは。さぁ、俺たちも行きましょう。あいつにおごらされてはたまったもんじゃない」。
荷物を持ち直して先頭を切って歩き始めるキョン。それに続いて三人も歩く。ハルヒがいないこと、全員疲れがきていることもあり静かな道のりだった。日はゆっくりと西に落ち始め空がオレンジ色に染まりつつある。
「静かなもんだな…」。
キョンがポツりと呟いた。
「キョン君寂しいんでしょうか…」
みくるが横を歩く古泉のほうを向いて小さな声で聞く。
「どうなんでしょうか。でもいつも言い合いをしている相手がいないというのは寂しいものかもしれません。涼宮さんも今頃同じようなことを一人で呟いているかもしれませんね。」
そんなことをキョンに聞こえないようヒソヒソと二人が言っている間にも四人はゆっくりと山を下りていく。ちょうど3分の1ほど降りたところだった。静かな山道にブーンブーンと音が響く。
「ん…電話か。すまん、ちょっと先行ってくれ。」
キョンが携帯電話をポケットから取り出し、後ろの三人に声をかける。とは言われても、他の三人も待つ。
「ハルヒか。いったい何なんだよ…。」
画面を見て発信がわかるとをブツクサ言いながらも電話を取る。
「もしもし、どうした?」
「ああ、よかった。出てくれたのね。ごちょっと変な躓き方しちゃって、私は少し休んでいくから、もし下に降りて私がいなかったら悪いけど先に戻ってもらえる?私は適当になんとかするから。」
「はぁ!?変な躓き方って、大丈夫なのか?」
「大丈夫、大丈夫。一応座って休んでくだけだから。それじゃーねー。」
ガチャ、という音を立て電話は切れた。古泉が顔を近づけてキョンに問いかける。
「涼宮さんがどうしたんですか?」
「どうも、躓いて足を痛めたらしい。先に戻れと言っていたが…」
「そうですか、じゃああなたは涼宮さんの所へ行ってあげてください。」
「なぜ俺だけなんだ。お前らもくればいいだろう。」
「いいえ、足を痛めているということは早急な手当てが必要です。僕は朝比奈さんの荷物を持っていますし、
女性お二人が行くよりもあなたが走って行くべきです。」
真顔でマジマジと見つめキョンをまくしたてる古泉。そんな古泉をキョンは手で払いのける。
「ええい、やめろ。顔が近い。わかった、わかったよ。俺が行けばいいんだろ。」
「わかっていただけて何よりです。それじゃあお二人は僕と一緒に降りて行きましょうか。下で待っていますからね。」
手招きして長門とみくるを後ろにつれ歩き始める古泉。それを見て苦々しく思いながらもキョンは山を登り始める。
「キョン君行っちゃいましたね。それもすごい速さで…。」
「あれは、彼自身の持つ脚力をややオーバーしている。」
「まったく彼も素直じゃないですね。さ、僕たちも行きましょう。」
キョンは必死で山を駆け登った。風景など楽しむ余裕などもちろん彼には無かった。
ハルヒと分かれることになった立て看板を見つけた頃には足が棒になっていたが、そんなことお構い無しに急な坂に任せ歩をどんどん進めていく。ただ一心にハルヒの場所へ行こうと必死に走ったのだった。
どれほど山を降りただろうか。ヨロヨロ動く小さな影をキョンは見つけた。
「…!おーい、ハルヒか?」
黄色いリボンをつけた少女はゆっくり振り返ると面食らった表情のまま固まってしまった。
「な、なんであんたが…ここにいんのよ。それにすごい汗…。」
「俺のことはどうでもいいだろう。それより足、見せてみろ。」
そういうとキョンは、ハルヒの靴を脱がせる。その間にキョンは応急処置用のスプレーを取り出す。ハルヒの足はすこし腫れあがっていた。
「…見事に腫れてるな。捻ったか?」
そういいながらスプレーを吹きかける。ハルヒは一瞬ピクっと体を震わせる。
「っ…たぶん。変な風に足をついちゃったから。」
「そうか、じゃあ靴を履いて、肩貸してやるから。ゆっくり降りるぞ。」
そういうとキョンは荷物を背負いなおし、ハルヒに肩を貸す。
「ごめん、キョン…疲れてるでしょ?」
腕を伸ばしキョンの肩にゆっくりとかける、キョンの気のせいかその腕は若干震えているようにも見えた。
「ああ、疲れてるさ。でも団長を助けるのは団員の役目だからな。」
悪態をつきながらもそっと立ち上がる。人通りもほとんど無く幸いにも通行の邪魔になったりすることも無かった。しばし無言の時間が続いた。
「さっきあんな風に言ったのはね、同じ道を通りたくなかったからなの。」
ゆっくりと確実な一歩を踏みながらハルヒが口を開いた。
「…そうか。」
「だってそう思わない?ひょっとしたらここを上ることは二度もないかもしれないじゃない、
それに行きの道をまた通っても同じ風景だし面白くないと思ったの。だから…」
「だから、あんなに意地を張ったのか。」
ハルヒはキョンと目を合わせないようにしながらも小さくコクリと頷く。その様子を見てキョンは小さくため息をついてしまう。
「理由を言えばいいじゃないか。お前が理由を言わないから俺だって意地になってしまってだな。」
「うん、ごめん。でも、正直に言って押し通すことばっかりしていたらその…」
「別に他の道を行きたいということくらい言えばいいだろ。変なところで気を使うよりもお前らしくハッキリズバっと言ってくれ。」
相手の顔を見ずに一歩踏む。相手が話しているときはなぜか相手と目を合わせない。そんな二人三脚をしながら二人は一歩一歩と進めていく。
「まったく…変なところで不器用だな。」
「ありがと・・・」
二人がそんなことを呟き、再び二人は無言で山を降りるのだった。
「いやぁ、無事でよかったです。」
二人を待っていたのはとっくに下で待っていた三人だった。少しだけ暗くなり始めた空のした数時間ぶりに集合したSOS団は
休憩の真っ最中。ハルヒは長門の的確な応急処置を受けている。
「それじゃあ、あなたの荷物は分担して持ちますので、今度は涼宮さんをおぶってあげてください。」
「なぜまた俺なんだ。」
即答で返す。
「いやぁ、適材適所というやつですよ。さ、処置も終わったようですし寒くなる前に帰りましょう。」
「待て、俺は納得していないぞ!」
「キョン、あんたは黙って私を背負えばいいのよ。光栄に思いなさい!」
「ぐおっ!まったく、こいつは、どうしてこう極端なんだ…!」
応急処置が終わったハルヒはキョンの背中に飛び掛る。ずり落とさないように瞬間的にキョンも手を出してしまった。
「さぁ、とっとと駅を目指すわよ!ほら、みんなも行くわよ!」
足をジタバタさせて暴れるハルヒを背負いながら小走りのキョン。その後ろに三人もついていくのだった。
うん、良かった
>>234 GJ~~
一人称じゃないのも新鮮でいいねw
>>230 どの辺りが自然なのかまったく判らないんだが
ハルヒの中であのキスは夢なわけだし、
そのキスで世界の改変がストップしちゃうぐらい衝撃的なことだったんだぜ?
あったとしてもおさわりぐらいだとおもうんだがww
涼宮ハルヒは――御機嫌斜めだ。
普段は何かと俺にちょっかいを出してくるはずが、何故か妙に静かな今日のハルヒ。だが、お淑やかとかそういったのとは対極の、どす黒いオーラを教室内に張り巡らせたまま頬杖を突いてじっと窓の外に視線を遣っている。
谷口を初めとするクラスの連中も、
「おいキョン。お前なんとかしてくれよ。このままじゃ俺たち居たたまれないってモンだぜ、全く。どーせ夫婦喧嘩とかそんなんだろ? さっさと謝っちまえよ」
と、勝手なことをぬかしてくる始末だ。大体なんだ、その夫婦喧嘩ってのは? それに、そもそも俺には何の心当たりも無いんだがな。
少なくとも昨日の日中はそんな感じには見受けられなかった、と思う。そうだな……放課後、文芸部室に現れた時点では、寧ろ満面の笑みを浮かべて朝比奈さんにセクハラめいたイタズラをしていたぐらいだから、どちらかと言えば上機嫌だったんじゃないか?
それが、突然まだ下校時間にもなっていないのに「あたし、もう帰る!」といったかと思うと俺たち四人を残して一人で飛び出していってしまったのだ。
直後、古泉も急用が入ったとかで先に帰ってしまったが、今から考えれば閉鎖空間絡みで機関の呼び出しだったに違いない。
「ええ、ご想像の通りです」
ほらな。って、古泉、お前何時の間に――どうしたんだ、その顔? 目の下にクマが出来てるぞ。
「実は昨晩からずっと神人の相手を務めていたものでして。日中はさすがに授業があるので僕は免除されているのですが、もう放課後ですし、連絡があり次第直ちに駆けつける必要がありそうです」
おいおい、そんなに今度の閉鎖空間は厄介なのか?
「ええ……正直、地球の――いえ、宇宙の存亡の危機といっても過言ではないでしょう」
そう言って古泉はいつになく真剣な眼差しで俺を見据えた。って待ってくれ。だから俺には心当たりなんて何も、
「そういえば、キョンくん。涼宮さんは一緒じゃなかったんですか?」
お茶の準備を済ませたメイド服姿の朝比奈さんが心配そうに訊いてきた。
「ええ、今日はハルヒの奴、掃除当番だったはずですけど」
俺がそう答えると、可憐な先輩は心配そうに目を伏せてしまった。その表情に俺は何故か罪悪感にとらわれてしまう。
「なあ、長門。お前ならハルヒに何があったか知ってるんじゃないのか?」
困った時の長門様、というのもどうかと思うが、それでも俺は脇で分厚いハードカバーと対決中の無口な少女に一縷の望みを託すことにしたのだった。
「……」
長門は顔を上げると、無言のまま団長席のパソコンを指差した。
そういえば、昨日ハルヒが急に帰る前には、あいつはネットサーフィンでもしてたんだろう。電源も落とさずに出て行ってしまったから、代わりに俺がシャットダウンするハメになったのは言うまでもない。
長門に促されるまま、俺はパソコンを起動すると、ウェブブラウザを立ち上げてから履歴を辿り、ハルヒが最後に開いていたサイトを表示させてみた。
ttp://www.figma.jp/info/info.html 2008.5.22 ■「figma キョン 制服ver.」発売延期のお詫び
って、まさかこれがあいつの不機嫌の原因だってってことなのか?
「そう」
ふと見ると、長門だけではなく、朝比奈さんも古泉も俺の方に注目している。
「あなたに任せる」
「おっと、機関からの連絡のようです。僕はもう行かなければなりませんので、後は宜しくお願いしますよ」
「あ、あのぅ、キョンくん。――頑張ってくださいね」
やれやれ。
俺は椅子から立ち上がると、ハルヒを迎えに文芸部室を後にしたのだった。
宇宙の危機とかそういうのはこの際考えないでおこう。あいつにこのままずっとしかめっ面でいられるのも俺の精神衛生上よくないことだしな。
俺自身がハルヒのオモチャ代わりになる引き換えに、あいつの笑顔を取り戻すことが出来るのなら、きっと悪い取引じゃないはずだからな。
>>234 ハルヒの一人称は「あたし」。間違ってる時点で萎える。ごめんね。
>>237 メタktklって、あ〜この前のやつかw 延期しちゃってハルにゃん涙目><
その代わりにホンモノのキョンと楽しんでくれw
「もう、何考えてんのよ!バカキョン!」
それはいつも言ってる挨拶みたいな言葉だった、でもその時のキョンは、なぜかいつもとは違う反応をした。
「そうか…そうだよな。俺は、バカだ…」
そうポツリと言うと、椅子からガタっと立ち上がった。
いつもと雰囲気が違う。あんな顔は、初めて見たかもしれない。
「ちょっと!まだSOS団の今日の活動は終わってないわよ!何所へ行く気?」
「外に行くだけだ。心配するな」
そう言いながら、部室のドアまで歩いていき、ドアノブに手を掛けて、団長席にいるあたしに振り向いた。
「もう2度とここへ来ない。お前も、俺の事を、2度と誘わないでくれ」
バタンとドアを閉め、静かに出て行ってしまう。
「待ちなさいよ!団長の許可も得ず、勝手にそんな事、許されないんだからね!」
あたしは急いで後を追いかけて、部室の外に出た。
廊下には既にキョンの姿はなかった。以外にすばやいのね、あいつ。
「隠れてないで、出てきなさいよ!キョン!」
廊下を走って追いかける。でも、いくら進んでもキョンの姿は見当たらない。
「戻ってきなさいよ!キョン!」
ひたすら廊下を走る。キョンは見当たらない。
「何所に隠れてるの?キョン」
もう何分も廊下を走ってる。それでもキョンは見当たらない。
「キョン、出てきてよ。どこいっちゃったのよ…」
息が切れるぐらい走り続けた。それでもキョンは見当たらない。
「キョン…戻ってきて…おねがいだから…」
もうだめだ、これ以上走れないぐらい走った。それでもキョンは見当たらない。
ガバッ……夢…。
そうよ、こんなの夢に決まってる。キョンがあたしを置いて出て行っちゃうなんて、考えられない。
でも、その時、ふと映画を撮影している時のワンシーンが頭の中に浮かんだ。
みくるちゃんと古泉くんとで、ラブシーンを撮影している時、あの時キョンは本気で怒ってた。
もしも古泉くんが止めに入っていなかったら、どうなっていたんだろう。
あたしは頭をブンブンと振って嫌な考えから頭を切り替えようとした。
夢だ。こんなのは夢にすぎない…でも、正夢っていうのもあるかもしれない。
身体に変な汗が浮いている。気持ち悪い。
涼宮ハルヒの正夢
さて、今日も色んな意味で楽しい学校生活が始まるわけだ。
俺は延々と坂道を登っていくという、朝の苦行を終え、自分の教室へと向かった。
「うぃーっす」
途中で出会ったクラスメイトに適当に挨拶して、教室のドアをくぐると…。
「!?」
いつもの、窓際最後尾の位置に座っているハルヒの姿、なのだが。
髪型がポニーテールになっている。
こんなことは、あのフロイト先生が爆笑した時以来だ。
まてまて、今日は何かの記念日だったか?誰かの誕生日?…いや違うな、記念日でも誕生日でもない。
じゃあ、昨日、なにかあったっけ?…いや、特に何も無い、SOS団的一日だった。
ならなんでお前はポニーテールにしているんだ。単なる気まぐれか?それならそれで…ま、嬉しいのだが。
「おいキョン。教室のドアで立ち止まるなよ。中に入れないだろうが」
すまん谷口、思わず考え事をしてしまっていた。
俺は、なるべくいつもと変わらないふりをしながら、ハルヒの前の席に座った。
よう、どうしたんだ。その髪型。
「べ、別に?なんとなく、したいと思ったからしただけよ」
そ、そうか。
「悪い?」
そんなことはないぞ。…よく似合ってる。
最後の部分は小声で付け加えておいた。
いつもと変わらないハルヒ。しかし、妙に違和感を感じるのは、俺の考えすぎだろうか。
「ねえ、キョン。今度の不思議探索、どこか行きたい所はある?」
めずらしいな。いつもはお前が勝手に行き先を決めてしまうのに。
「団長として、たまには団員その1の意見も汲み取ってやろうと思ったのよ。で、何所が良い?」
そうだな…最近は商店街や駅前ばかりに行っていたから、たまには山の方とかはどうだ。
「いいわね。またみくるちゃんにサンドイッチか何かを作ってもらって…」
朝比奈さんのサンドイッチか、いいねえ。またあれを食べる事が出来るなんて、至福の時に違いない。
「ちょっとキョン。いま、デレっとした顔してなかった?」
そ、そんなことないぞ。
「もう、変なこと考えてたんでしょ、バ…」
そこまで言って、急にハルヒの動きがピタっと止まった。
「バ…馬超についてどう思う?三国志の」
突然なんなんだよ。
まあ、三国志大戦じゃあ良く使うけど、それがどうした?
「そう。意味は特にないんだけどね。あはは…」
やっぱ変だ、今日のハルヒは。
餅は餅屋。こういうときは専門家に意見を求めるのが吉だろう。
というわけで、昼休みの時間に、俺はスマイル男の教室までやってきた。
「涼宮さんの様子ですか…。昨日までは、特におかしな点は見当たりませんが」
閉鎖空間の方はどうだ?
「明け方に、最近にしてはわりと大きめの物が発生しましたね。それでもイレギュラーというわけではありません」
俺は今朝のハルヒの様子がちょっとおかしい事を説明した。
「なるほど。…では、こうしましょう。今日の部活は、僕と朝比奈さんと長門さんは少し遅れて入ります。
最初はあなたと涼宮さんだけにしますから、その間に少し探りを入れてみては、いかがですか」
そうだな。誰も近くに居ない方が、あいつも話しやすいかもしれん。
「しかし…。あなたも、やっぱり気になるんですね、涼宮さんの事が」
そうじゃねえ!俺はまたあいつが面倒な事を起こしやしないかと思ってだな。
俺がそう言うと、古泉は苦笑しながら、
「解りました。…そういうことにしておきましょう」
どういう事だ、まったく。
かくして今日の授業も滞りなく無く終わり。部活の時間となる。
俺とハルヒは連れ立ってSOS団の部室に入り、それぞれの指定席に座った。
さて、今日は他の3人は遅れてくるはずだからな。お茶は自分で入れることにしようかね。
と、思っていると。めずらしい事にハルヒが自分でお茶を入れ始めた。
「はい、キョン」
ああ、ありがとう。ハルヒ。
「団長自ら入れてあげたんだからね。感謝して、よーく味わって飲みなさいよ?」
確かにレアリティあふれるお茶ではあるな。
2度と無いかもしれんし、ゆっくり飲む事にしよう。
2人しかいない部室に、ハルヒがマウスを動かす音だけがカチカチと鳴っている。
さて、どうやって話を切り出そう。
いざ切り出すとなると、妙に緊張するな。
なんとなくチビチビとハルヒ特製のお茶を飲んで時間を浪費していると、湯飲みが空っぽになってしまった。
とりあえず、湯飲みをテーブルに置き、カバンから本でも取り出すか。
と、その時、変な緊張をしていたせいか、広げたカバンが湯飲みに当たり、湯飲みがガタンと倒れた。
よかった、中身がからっぽで。
「もう、なにやってのよ、バカ…」
そこまで言って、急にハルヒの動きがまたもやピタっと止まった。
「バカ釣り日誌って映画なかったっけ?」
なんだよ、その変な倒置法もどきの改題は。釣りバカ日誌だろ。
「あー、そうだったわね」
バカという言葉に敏感に反応しすぎなんじゃないか?
ハルヒの事が本気で心配になってきた。
もう回り道は無しだ。ずばり聞いてしまおう。
…なあ、ハルヒ。今日のお前はやっぱ変だぞ。
なにか悩み事でもあるのか?もし、相談できる事なら、聞かせてくれないか。
「な、悩み事なんか、何も無いわよ」
そうか?なんか隠してないか?
「隠し事なんてしてない!もう、何考えてんのよ!バカキョン!」
その瞬間、ハルヒは顔を硬直させて、眼を見開いた表情で俺の顔をにらみ付けた。
どうしたんだ、何か触れてはいけない事に、俺は触れてしまったのか?
どうすればいい、何でもいいから話すんだ、この場をまぎらわせろ、俺。
「そうか…そうだよな。俺は、バカだ…」
俺がそう言うと、ハルヒは顔をますます青ざめさせていき、体をプルプルと振るわせ始めた。
まずい。なにかわからんが、俺は地雷を踏んだ。
こういうときは36計逃げるにしかず、だ。昔の人は良い事を言った。
いや、逃げるわけじゃない。一時的な戦術的後退だ。少し時間を置いて、ハルヒが落ち着いてから、また話をしようじゃないか。
俺は椅子からガタッと立ち上がった。
俺が立ち上がると、ハルヒは身体をビクッと震わせた。
ハルヒの顔は、もう蒼白といった感じになっている。ここまで動揺したハルヒを、俺は初めて見たかもしれない。
「まだ…活動は…終わって…何所へ行くの?キョン…」
蚊の泣くような小さな声。どうしちゃったんだよ、いったい。
とにかく、なにか、お前を落ち着かせるような説明を…。
「外に行くだけだ。心配するな」
次の瞬間、ハルヒは団長席から飛び上がるようにして立ち上がった。
だめだ。観測史上過去最大級のカミナリが来るぞ。もう、防ぐすべはあるまい。
俺は逃げるためにドアへ向かおうとした。
するとハルヒは全速力で俺に向かって突進してきた。
ちょ、ちょっと待ってくれ。
俺の願いもむなしく、現役のアメフト選手なみのタックルを決めて、部室の床に俺を押し倒す。
痛ってえ。なんで、お前、こんなに。
ハルヒは俺の身体にギュッとしがみ付きながら、学生服に顔を埋めて、
「行かせない」
え。
「SOS団を辞めるなんて、絶対に許さない!あんたはあたしと、ずっと一緒にいるんだから!」
何を言ってるんだハルヒ。ちゃんと順序立てて話してみろ。
…そんな理由だったのか。
ハルヒ、俺はSOS団を辞めたりなんかしないぞ。
こんな面白い団、お前が辞めろって言ったって、絶対辞めたりはしないからな。
「キョン…」
夢の話なんかあてになるもんか、正夢だの逆夢だのと言った話は、話半分ぐらいで聞いておけ。
夢なんかに人生を左右されるもんじゃないぜ。
あの神人の夢を、本気にされても困るしな。
ハルヒは俺の身体にしがみ付いたまま、顔だけを上げて俺の方を見て、
「辞めろなんて言わないわ。あたしのSOS団から、脱退者なんて1人も出させないんだからね」
そう言いながらニヤリとしたハルヒスマイルを見せた。いいね、いつものお前らしくなってきたぜ。
ポニーテールのハルヒが、俺にしがみ付いている。
しかも身体を密着させているせいで、ハルヒの胸の部分が、俺の腰に当たっていてだな。
いや、だからその、なんだ。
「失礼します、遅れてしまいまし…」
「キョンくん!」
「…ユニーク」
うわ、お前ら急に…って、今の俺の状況は、ハルヒに床に押し倒されている、まさにその現場なわけで、
「どうやら僕たちは邪魔者のようですね、行きましょう朝比奈さん」
「キョンくん、お幸せに」
「…録画開始」
ちょっとまて!誤解だ!それから長門!こんな場面を保存すんな!
ハルヒ、お前もなんか言えよ!
ギュッ。
ちょ…お前…。
長門、早く保存を終了しろ!
「録画停止」
おわり
以上です。
話の展開上、序盤に鬱が入ってすみません。
では、また〜
いやあこういうのは怖いよね。GJ!
>>222 GJ、YOUいろいろ書けるねえ
>>232 GJ、三人称も「らしくない」の遊びだと思うのだけど新鮮でした
>>237 GJ、宇宙的存在に関わると一般人なのにフィギュアが作られてしまうのですねw
>>239 GJ、オチの長門「●REC」に吹いた、そんなもん撮って何に使うんだよw
おはようハルにゃん
>>244 GJ!長門は何がしたかったんだwww
248 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/23(金) 06:47:35 ID:RH8QPwZS
【動画】 アメリカ人が作った「涼宮ハルヒの憂鬱」のAMV (本人の歌つき?)
偶然に見つけた涼宮ハルヒの憂鬱」のAMV動画 です。
製作者はアメリカ人のようで、かなりのマニアぎみ。
最後に歌を歌っていて、かなりうまいです。
歌詞がちょっと変な感じもしますが・・・
AMVはアニメ・ミュージック・ビデオ(Anime Music Video)
日本のアニメの映像に曲を合成、編集したミュージック・ビデオのことである。
大抵の場合、AMVと略される。[Wikipedia]
全体的にはGoodな感じなので、日本とは違ったアメリカ人のセンスはどうでしょうか。
ttp://media2008.blog25.fc2.com/blog-entry-42.html
仕事に行きたくないと朝っぱらから言い出すキョン
5月病って言われて2、3発ぶん殴られて引きずり出されるな。
ハルヒが代わりにいくと言い出して命がけで止めるキョン
会社でもいつの間にかキョンと呼ばれてるキョン
それは既定事項
キョンはどこ行ってもキョンだな
だが約束で古泉はキョンって言わないって話がチラっと出てたな
>>243 GJ!
長門はキョンの言うことなら何でも素直に聞くんだよなぁw(;´Д`)
学校入学当初ハルヒは男の前でもなんも抵抗もなく着替えていたりしていたなと
思い出すハルヒ。
しかし、今になってその男の中にキョンがいたことを思い出したら顔が真っ赤になって
自分の黒歴史だと後悔するハルヒ。
キョンに自分の着替えのことを覚えているかどうか聞きたいが聞けないハルヒ。
キョンのベッドに飛び込み布団に顔を押し付け足をパタパタさせるハルヒ
眉毛の手入れに失敗し、少しおかしな眉毛になってしまうハルヒ。
キョンに見せるのが恥ずかしくて顔を一日中隠している。
>>257 良く読め。わざわざクライマックス終了してから止めてるw
突然引っ越しすることになったハルヒ一家。
そして時を同じくしてキョン家の隣に新しい隣人が越して来たという……
ところがどっこいお隣の苗字は「古泉」だったんですね、わかります
野球拳をするハルヒ
波動拳と勘違いしてたってオチですね
自転車を撤去されたキョン
それを見かねたハルヒが「2人乗りするわよ!だけど運転はあんたがしてよね!」
あんまりハルヒが後ろから抱きついてくるので
体のバランスがとれず危ない運転になってハルヒに注意さるキョン
ハルにゃんかわいいよハルにゃん
バットマンとなって北高に蔓延る悪を成敗するハルヒ
>>264 そこはハルにゃんがキョンの腰にギュッと、それでキョンが図らずも前傾姿勢でフルターボとかそんなんでw
もしもSOS団が幼馴染だったら
ハルヒは基本立ち乗りらしいので首を締めるポジションかも知れない
自転車にF1エンジンを付けたハルヒ
>>271 仮に付けたとしても、それはもう自転車じゃない。
>249
正夢ネタ被ってましたか。
過去ログは膨大すぎて、まだ全部は読んでないです。ごめんね。
>>272 パルスジェットエンジン付けた自転車なら売ってるぞ
時速120km出るらしい
>>271 そんなネタ動画をニコ動で見た覚えが。
正直、危険スグルwww
そうなるとキョンは二輪免許持ってないと無免許運転になるよ。
>>276 それ以前に車検通らないかとw だから公道で乗っちゃダメ。
私有地内なら免許要らんから無問題。
そういえばハルヒちゃんが発売するけど、あれって面白い?買うつもりだけど
>>276 で、二人乗りで暴走した際にやはり事故を起こして空にキノコ雲を浮かせた末に
仲良くミイラ状態で入院するハルキョン。そこでも、
「お前の阿呆な発想のせいでひどい目にあった」
「何言ってるの、あんたの運転が下手糞だったせいじゃないの!」
のやりとりが。その横で古泉か長門が2人に街の被害に対する賠償額を述べる電波が北。
>>278 ハルヒちゃんだけ買ってきたよ。
ハルキョン成分補充のため「だけ」に買うんだったらおすすめはしないかな。
でもパラレルワールドやギャグ許せるならおkかも。
ハルヒちゃんはかわいかったし、個人的には古泉はじめ機関の面々の壊れっぷりが面白いと思った。
ところで5月23日は「キスの日」らしい。言っておくが魚の方ではない。
「と、いうわけで! キョン、キス……しなさい」
とキョンに言ってしまうハルヒ。
>>281 痛そうだなーwww
というか元はどこのだっけ?見覚えあるがわからない
ねんぷちのプレゼントに応募するのでツガノ6巻&ちゃんを購入
ちゃんの方はSSみたいだな
>>279 ハルヒちゃんならやりかねないネタだなw
>>281 おお!……ってちょっと待て。今日はキスの日だったのか?
>>273 いえいえ、似たようなこと考える方がいらっしゃるなあ、とw
自分が投下した分もきっと先人の方々の作品と被りまくってるだろうなと思います。
さて、ハルヒちゃん買ってきたけど
眠さ限界zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
今日は日本で初めてキスシーンのある映画が放映された日らしいよ
ふと思ったんだがキョンとハルヒが閉鎖空間内でキスしたのって5月だよね?
キスの日を狙ってたのかな?七夕がポニーテールの日って事を考えるとありえなくはないような
290 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/23(金) 23:10:08 ID:M7q+Icwt
キスにちなんで誰か「キョンが首筋にキスマークつけられた」をお題にSSを作って欲しい
(つけたのはハルヒ以外で)
世の中記念日だらけで仕込まなくてどれかに当たりそうな気もするな
5月がキスの日で、それに合わせて
閉鎖空間でのキスが行われたのではなく、
ハルヒが5月にキスをしたから、キスの日が
5月にあるという説があります。
by俺
SOSウォーズ〜泣き虫ハルヒの7年戦争〜
「この物語は、ある高校の文化祭に戦いを挑んだ、熱血団長たちの記録である。
部活としても同好会としても全く無名のSOS団が
ゼロの中から健全な精神を培い、
わずか数年で映画のアカデミー賞受賞を成し遂げた奇跡を通じて、
その原動力となった萌えと野望を、余すところなくドラマ化したものである」
294 :
風林火山:2008/05/24(土) 00:21:56 ID:Lqf3+cHJ
時は現代、世界制覇をめざすSOS団団長涼宮ハルヒにつかえる軍師がいた。
某は蒼き月影の如く
団長様は燃える日輪の如し
我が宿敵は眩き光の如く
古泉は暗き闇の如し
朝比奈さんは咲き誇る花の如く
長門は降り積もる雪の如し
某は涼宮ハルヒが軍師・・・
「何格好つけてんのよ、バカキョン誰があたしの軍師ですって!」
「キョン、それなに?」突然ハルヒがそんな事を言いだした。
はて? 『それ』とは何だ? ひょっとしてこれか、古泉が持ってきたお茶請けの饅頭。
「食いたいなら自分で取りに来い」
「違うわよ」
じゃあ何だよ。
「僕も気になりますね。それは何ですか?」
古泉はそう言って自分の首筋を指差す。首? なんだってんだ、意味が分からん。
「…………」長門が無言で鏡を向けてくる……もしかしてお怒りですか。なぜ……?
「──な、なんじゃこりゃあ!」
コレはアレだ。えーっと、ホラ、マーク。
「で、なんなの?」
いやぁ〜ホント、何なんでしょうかね。不思議です。
「ききききょんく! ご、ごめんなさい」
「へ?」ハルヒ。
「バキッ」本。いや、長門。
「ふんもっふ」ふんもっふ。
何を言ってるんですか、朝比奈さん。訳が分かりません。ごめんなさい?
「あたしがココに来たとき、キョンくん寝てたでしょ?」
「え、ええ」
「そのときしちゃいました!」
…………。
「なにをですか?」
「き、キスです」真っ赤な顔で言う朝比奈さん。
「首筋に?」長門は絶対零度の視線を俺に固定して言う。
「そ、そうですけど……」
「そう」文字通りそう言いながらじりじりと俺に近付いて来る。誰か助けて下さい。
「じゃあ、わたしはココ」ちゅっ。
……目を瞑っていたのでよく分からなかったが、おでこだ。確かにそれらしい感触があった。
「じゃあ僕はココですね」俺の手を取る古泉。そして手の甲に……ちゅっ。なんだこれ。
「あたしの番ね」
団長席からひょいと立ち上がり、にんまりと笑いながら近付いて来るハルヒ。
「じゃあモチロンあたしはココよね♪」
ハルヒが指差した場所はご想像におまかせする。
なんというカオスw
297 :
風林火山:2008/05/24(土) 01:08:06 ID:Lqf3+cHJ
武田信玄 ハルヒ 山本勘輔 キョン
由布姫 長門 三条夫人 みくる
伝兵衛 谷口 太吉 国木田
上杉謙信 佐々木 宇佐美定満 周防
直江実綱 藤原 柿崎景家 橘
真田幸隆 鶴屋 香坂弾正 古泉(アーッ)
「あれ?キョン、首のとこに何つけてんのよ」
なに?首って…まさかさっきの!
「唇の跡。形状からして朝比奈みくるの物と99.999%以上の確率で一致」
「唇って…。ちょっとキョン!あんた勝手にみくるちゃんにエッチなことしちゃダメって言ったでしょ!」
違う、そうじゃないんだ。
さっき、廊下の曲がり角で朝比奈さんとぶつかちゃってなあ。その拍子に朝比奈さんの唇が首に当たっただけなんだよ。
「そうなんです…」
「ふうん、ま、不可抗力とはいえ、キスはキスね」
「憂うべき事態」
ん?長門?
「私にはそれ以上の接触を要求する」
と、言うが早いか、長門は俺の手を取り、自分の胸にピタっと。
…小さいけど、形は良いんだな。っておい!
「あああ!有希まで!それじゃあキョン。あたしは有希以上の接触を希望するわ」
これ以上って、お前。
続きは省略されました。 続きを読みたい方はわっふるわっふると書きこんで(ry
●<vipからきますた
ハルヒかわいいー!
ギャルゲー展開すぐるw
誰もいない今がチャンスだ
30分ハルにゃん
※このスレはキョンに監視されています
リボンでぐるぐる巻きなハルヒ萌え
>>304 毎度のことながら誰も居ないようで阻止するのが早いなw
じゃあ俺も
一生ハルにゃん
>>304こういうことか?
448 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/25(土) 02:10:11 ID:WHuXBWjI
\ , -‐- 、 -‐- 、、 /
, ヾ、 ,'. / ト、 ヽ 〃 ; ヽヾ、 :λ:: ::'; :::,)、::.:;.:,:;.:
(ヽ、 ,ノ )´( 、 ゝ、. i. ((从ソlll.从〉 ハミ((メノリ从)) ヾ ソ)人ノ从:.ソ)ノ ):.: .;,.' ゴ
. ) Y 人 ヽ)ゝ'丿 l. (|┳ ┳i!l | i(|┰ ┰|l | ' Vィ' (ソヘ (::.:.:'.,; :. . ゴ
. !)ノ' ノ ,.-,へー-、´(. ハNiヘ ー ノハ! | トリ、'' ー ノl'!| ', , ) , -‐―‐- 、て:;;':. .: ゴ
. / (( ´ ノ,K ヾ、ヽ、.ヽ.`t )___{iづニ/ ̄ ̄ ̄/'}__{\}_i'>リ (ノ /r#/ニニヾ (::..,;. ゴ
,′, ヽ ノiリヽ\Nハヾ 〉 .Y( \/___/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/) ハ芥.lノメ从从l't _ゞ ___ ___
/f .イ!⌒| ⌒|l) ! ) ∧∧∧∧∧. /ソ. i l (| | ┃ ┃ !| ||\ .\ |◎|
./. ル、ー ノリN (! \ < ○ > /( . i从リ、'' 〜''ノリ || | ̄ ̄|:|:[]
. _| ̄ ̄ ̄||と)}__ ソ \. < の > /(.:.: .) ┌/'{´フづilつ__,l| / ̄ ̄/ |=|
) /旦|―――||// /|( \.< 分 > /..::..:ソ .|く/_j_,i_|二二二」二二二二二二」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| . | < 予 >/:::..:..⌒)  ̄]||ヽ._フフ| | | | | |
―――――――――――――― < キ >――――――――――――――――――
-‐- . = = = = , .-‐- . < 感. ョ > イ/::/:::::::;ィ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
〃. ヾ ≡≡≡. ソ .ヽ< ン >┬r─────-┐ /::::i::::/.l::/l::ハ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
. ! |ノiノハ从ハヽゝ≡≡≡ ノハノハ从ハN < !!! >|| |  ̄ ̄ ̄ ̄ | | /;ィ::{:/ー、l/_.!' |:::ハ:;∧:::::l:::::::l
i (| |┰ ┰iイ ≡≡≡≡.!i┰ ┰ | |) i/ ∨∨∨∨∨ヽ. || |お前らさ ||/ |::| テ''ッ、` 丶ー- 、 i;:::|::::::/
ヾ、ハリ、 - ノリ,彡,≡≡ ミ.リ、 - ,ノリ ,/ ,.ィ'i^i^i`r、 っ \. || | 一日一回|| |::l//// , 'テ''z、 l:::リ::::::i
゙ミ、ミ゙}:|{H}l:i'ィ.彡ン≡≡`ミ゙ミ゙i:l{H}l:{〃/ ,レ' ;' "~~` ヽ っ \.| |だと何度言| |. |/| / //r.Kヽf''i/'lノリ
. Σ / ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/ / ̄/ ! ((八从リ))) \ ───- ┘| ハ ` | .| l .| |ノ
_Σ_/ Prius // BIBLO /./Th/ |(| | ┃ ┃ |_!.( "ミ0 ̄`ヽ. -─-┬─┘ ,小. - 、 .| .l/././、
\/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ / ノリ.ハ.''' '',:-/ハ))(八)ヽソ \  ̄-日_,,ィ'´.H. ゙.. ,, -'" ,/  ゙̄'
Σ_/ VAIO // Mebius / dy/ (.(.(リ{'i(_ア/__Oリ ヾ)゚ヮ゚ノ) \ニ, ''´ / { ' `''r'´ / /
\/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/_/ くfi._j},ゝ o(PSPo \ / ヽ、 ,ィl イ / /
Σ_/ LaVie // Osborne/ / (__j__) し-J. \ ,ィ^i }_/_/l |/
309 :
308:2008/05/24(土) 09:08:56 ID:fohS9Dxe
あっ!
これキョンスレのだったorz
おっはーるひー
ロボハルヒ
>>305 裸に全身リボンでぐるぐる巻きで「あたしがプレゼント」と申したか!
キョンの誕生日に巨大なラッピングされた箱が届くんですね
上手い具合に乳と股は隠してくださいNE
顎が割れたハルヒ
ハルちゃんキテー!
ハルヒのfigma買ってきたぜ
フィギュアを買うのはこれが初めてだ
これは良いものだよ
ハルヒ対メカハルヒ
>>318 何故かゴノレゴ対メカゴノレゴを思い出した。
ハルヒで魔法陣グルグルってのが浮かんだ。
……キタキタは古泉で
・・・!!!
驚愕が発売されててアニメも始まってて、それを俺だけ知らなくて、それを確かめたくて必死でこのスレに飛んできた
…ていう夢をみた。
変な時間に寝ると変な夢みるわ
俺も夢でハルにゃんとキョンがイイカンジになってるもんだから実況してやろうとこのスレに飛んできた
っていう夢を見たぜ
あまりの可愛いさにねんどろハルヒ購入…台座にうまく立たないw
一人じゃ寂びそうだからキョンもよろしく。
ねんどろキョンが販売されないのは政府の陰謀だ!!
と言ってみる
今更な感じだが、『涼宮ハルヒの憂鬱6(ツガノガク)』のP129の『古泉』の字が『小泉』になってるのはネタだよね、誰かそう言ってくれ
よし俺も買ってみる
拡張セットのポニテハルヒが可愛かったからな
>>324 いや一人じゃ寂しそうだしネンドロ長門も一緒に購入したんだけど、これ嵌まるとどんどん揃えたくなるな。危険だ。 ねんどろキョンが出たら即買うけどSD化しにくい造形だしなぁw
>>328 ぷちを大きくすればヨクネ?
まぁアスコの造形力は昨今のガレキ業界ではTOPクラスだから心配ないでしょう
いつも古泉は忘れられてるが・・・
キョンfigmaが延期っぽいので
ひたすらハルヒと長門を絡ませてる以外と百合もいい
>>330 フィギュアってそういう風に使うものなのか
そうです
飾って愛でるくらいなのかと思ってた。
ところで。
漫画/ぷよの涼宮ハルヒちゃんで、
お前はエロ親父か!とキョンに顔寄せられ赤面したり、パニくってそういうお前はお父さんだ!とか口走っちゃったりして
そんな作者の愛に2828してるのは俺だけかそうか
百合板にあるハルヒの百合スレにも行ってる俺ガイル
まだ発売日来てないからうちの近所で売ってません><。
figmaとフィギュアは差別化したほうが良さそうだな
>>334同意 ネタバレだから伏せとくけど、キョンに○さんと言われて照れてながらキョンを殴るハルヒが可愛いかった
たまに顔を赤くするハルヒちゃんが可愛かったw
漫画のやつは興味無かったけどおまえらのおかげでwktkが止まらないじゃねーか。
ちょっと本屋行ってくる……と思ったけど雨降ってるから明日にする
バイストン・ウェルに召喚されたハルヒ
342 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/24(土) 21:00:53 ID:3ERBWmn3
ハルヒちゃん売ってなかったなんでなんだ
ageてるからだよー
本当は26日なんだよね
まあ雨降ってるからどうせ行けないけど
雷が鳴るたびに雷に怯えるハルヒのSSを思い出すw
ハルヒちゃん明日探して来よっと
俺もハルヒちゃん欲しくなってきた
フラゲ羨ましい
まあもしリアルにハルヒがいたら
SOS団に入れなくとも同じクラスにはなりたいな
そしてハルキョンの仲を温かく見守ると
画家になって全国津津浦浦を放浪するハルにゃん
その途中で知り合ったキョンにおむすびを貰うハルにゃん
いきなりだが俺の前にはハルヒがいる。
それも普通のハルヒではなく、まぜかメイドの格好をして頭にはネコミミ、そしてご丁寧に尻尾まで生えているハルヒだ。
俺?俺はいたって普通の格好、いつもの制服姿である。
しかもこの『ネコミミメイドハルヒ』は俺の専属メイドらしい。
なんでかって?そんなの知らん。そう、既定事項だ、既定事項。
そのネコミミメイドハルヒは、ってこれ毎回言うのかよ。長いな、面倒くさい。ハルヒでいいだろう。
そう、ハルヒはなぜか不機嫌そうに箒を持って部屋を掃いている。
スカートの裾から覗く尻尾が何かに当たる度にひょこひょこと動くのがまた可愛い。
箒がけが終わったら今度ははたきに持ち替えてそこら辺をパタパタする。
髪の毛からひょっこりと出た耳がはたきがけのリズムに合わせてぴくぴくしてる。
そんなお掃除ハルヒを眺めているのもいいんだが正直飽きてきた。
そろそろ俺の相手もしてくれよ、ハルヒ。
「ハルヒ、俺はコーヒーが飲みたい」
はたきがけが一息ついたハルヒに向かって俺はコーヒーを所望する。
「なんであたしがあんたの飲み物の世話をしなくちゃいけないのよっ!」
耳と尻尾を逆立てて、つかつかと俺に向かって歩み寄ってくるハルヒ。
おっ、引っかかったな。
全身から「なんであんたなんかに!」オーラを撒き散らしているハルヒに向かって俺はとっておきの一言を投げかける。
「だってネコミミメイドだろ。俺専用の」
「……!」
みるみるうちに赤くなるハルヒ。
「あーあ、可愛いなあ、耳まで真っ赤になっちゃって」
おまえのご主人様は俺っていう既定事項なんだ、俺専用なのは仕方が無いことだろ?
「うーうーうーうー」
「うーうーうーうー?」
「……俺専用って言うなっ!」
「そんな顔で言われても説得力無いぞ。ハルヒ」
耳まで真っ赤なハルヒの顎を持ち上げて俺は自分の唇をハルヒに重ね…………
-----------------------
「イテッ!!」
誰だ!俺の耳を引っ張るのは!
「こらキョン!あんたすぐ目を離すと居眠りするんだからっ」
目の前に耳を引っ張った張本人、ハルヒが仁王立ちをして俺を見下ろす。
「あ、あれ?ハルヒ、おまえねこみみめいd」
言い終わらないうちに怒り色に満ちた瞳が間近に迫り
「何言ってんのよ!このバカキョン!」
とバカ力で頭を殴られた。
ああ、俺のネコミミハルヒ……。
よくこんなアホネタ思いついたなーと自分にorz
元ネタは某所の萌えなネコミミハルヒイラストから。サーセンwww
今月会社の上司が定年退職で今日送別会だった。
そしたら宴会場にしてるホテルの同じ階で結婚式(披露宴?)していた。
新郎新婦を速攻ハルキョンに変換して2828していた。
更に親族と思しき老夫婦もいて孫と遊んでるの見てそっちもハルキョンに変換していた
もう駄目かもしれないwww
>>350 GJ!いいじゃないかいいじゃないか(*´Д`)
ネコミミメイドハルヒカワユス
>>351 なんという変換器w
ネコミミメイドハルヒの絵を今か今かと待ち望む俺
>>350 キョンwww猫耳メイドに萌えてオチに吹いたGJ!
流れ切って失礼します
空気読めずにSS投下します。
2スレ予定
いつもの『花言葉』です。
オリキャラがいます。
いろんな意味で嫌いな方はスルーして結構です
では
俺が北高で涼宮ハルヒと出会い"あの自己紹介"の日から何年が経っただろうか。
ハルヒが巻き起こす非日常な世界に巻き込まれていた筈の俺が、気がついたら物事の中心だったり、人知れず世界を救ったり、
過去の世界に行ったり、異次元や異世界まで関わる事になったのは他でも無くハルヒが原因なのだが、何時しかそのような日常にもすっかりなれてしまい、
中学時代の友達が実はもう1人の神候補だったりもう一組の宇宙人・未来人・超能力者と関わるのも何時のまにかすっかり当たり前になってしまった。
だがそんな非日常な現実もそれを超えた現実には到底かなわないな。
何かって?
それはハルヒとの結婚生活さ。
結婚にまで至る過程を話し出したら長編小説2冊分にも成りそうなので割愛させていただくが其れは大変だったのだけ言っておく。
まさか高校に入学し、自分の後ろの席に座った女の子が自分の嫁さんになるとは中学時代の俺には想像もできなかった事だろう。
さて告白したのもハルヒなら結婚を迫ったのもこれまたハルヒで事恋愛に関しては全てハルヒに引っ張られてばかりだな。
高校卒業後に婚約し成人を迎えるのと同時に結婚、大学卒業時には既に1歳になる子供いたのだから我ながら驚きだ。
因みに最初に生まれたのは男女の双子でハルヒの希望通りになったしだいなのだが出産と同時にハルヒの例の"力"は無くなってしまった。
なら何処に行ったかと言えば子供達にしっかり受け継がれていたそうな。流石に此れは長門や古泉も予想外で急遽子供達も観察対象になってしまったわけだが
"力"自体はハルヒの全盛期に比べたら1/10も無いとの話でせいぜい小規模な閉鎖空間を作るのが関の山のようだ。
しかし、自分の子供というのは実に可愛い!何せ"アノ"ハルヒがすっかり子煩悩ママになっちまった位だからな。
そんな俺も最初の子達がハイハイを始めたのを見て余りの可愛さに
「子供は多いほうが良いよなぁ。」
とツイ口走ってしまったものだからハルヒが張り切ってしまい結局その後男女の双子を更に2組設ける事になってしまった。
さて、いっきに6児の父になった俺だが。実はハルヒと結婚して直ぐある願掛けをしていたのだ。
何かというと『イチゴ』の苗を買ってきて育てるという事。
最初はハルヒに食い意地が張ってるとか言われたが訳を話したら納得してくれたいうえに何時かプランターではなく家庭菜園も出来る庭付きの家に住みましょうと言い出した。
おいおい、どっちみち頑張らないといけないのは俺だろ?と言ったら
「キョンなら大丈夫よ!」
と実に根拠のない太鼓判を押されてしまった。
しかし其処まで言い切られると逆に如何にかなるかも思えてくるから不思議だ。
と今までの出来事を掻い摘んで思い出していると我が妻がそんな俺を見つけて話しかけてきた。
「如何したの?キョン。ボーっとして、もしかしてボケた?」
「おいおい誰がボケたって?まだまだ俺はそんな年じゃないぞ。」
「どうだか。最近若年性痴呆症とか増えてるから気をつけなさいよ。」
「問題ない!それに・・・」
「されに?」
「可愛い子供達と大事な嫁さんを残してそんなものになってたまるか!」
「まったくよ、アンタは一家の大黒柱なんだからもっとしっかりしなさいよ!」
「わかってるさ。」
だったら大黒柱らしくもう少し小遣いを増やしてもらいたいものだが。
チラ
「お小遣い増額の交渉には応じられません。」
うちの大蔵省は経費削減にこと五月蝿いから、もう少し給料上がらんと無理かね。とほほ
「財形はしっかりあたしがやってあげてるから安心してキョンは仕事しなさい!」
「わかってるさ。」
まぁ其処まで困ってるわけではないからな。まぁ男の威厳の為にも必要なときがあるからな。
「それで何をみてボーとしてたわけ?」
「あぁ、あれさ。」
「子供達?あら今年も『イチゴ』が実ったのね。どれどれ今年は如何かしら。」
そういって庭の菜園でイチゴ狩りをしている子供達の輪に入っていった。
母親もやってきたのを見て自分のほうが大きいのを採れたと競うように告げる子供達。それを高校時とは又違った笑顔で暖かく見つめるハルヒ。
「キョン凄いじゃない!!今年も豊作よ!」
そういって「今年もお母さん特製イチゴジャムを作ってあげるわよ!」と子供達につげ「わーい」と歓声を上げる子供達。
そうさ此れが俺は見たかったのさ。
宇宙的・未来的・超能力的・異世界的な非日常ではない。何処にでもあるようで何処にもない日常の中に少しだけの非日常。
俺だけの『家庭』。
「なぁハルヒ。」
「何?キョン。」
「今・・・『幸福』か?」
ハルヒは少しキョトンとした表情になり直ぐに"アノ"100Wの笑顔になった。何故かって?なんせ聞いた俺も笑顔だからさ。
そしてこの世界の隅々まで行き渡れとばかりこう告げたのさ。
「あったりまえじゃない!キョンがいてあたしがいて可愛い子供達がいる。こんな『幸福』世界中、いいえ宇宙中探したって見つけられないわ!」
高校に入学し、涼宮ハルヒと出会ったあの日。
それはこの『家族』と出会う為の必然だったのだと俺は確信している。
以上です
田舎からイチゴが送ってきたのを見て速攻書いてみました。
お見苦しい物で申し訳ありません。
今月はこれで去ります。
>>359 花言葉氏、毎度ながらGJでした!
しかし子だくさんで大変そうだなw その分幸せも大きいのか。
>>350 あっ増えてる(笑)ウチの江なんかにあんがとう
いつになく積極的なキョンw夢オチがいいなぁ〜。
>>359 双子が三組!家計が圧迫しそうですね。
キョンもがんばったんだね(・∀・)ニヤニヤ
>362
見つけられなかった自分に取ってはちょっとしたGJですw
おいおい、おまえさんもGJだぜ
どこだよと思いつつらしいワードでぐぐったら一発で出てくれた。
確かにこれはイイ。
イイが、これではキョンは何か言う度やる度にホウキで叩かれる運命。
ハルヒ、コーヒー入れてくれ
「自分で入れなさい!」ポカっ
ハルヒ、肩もんでくれ
「自分でやりなさい!」ポカっ
ハルヒ、お前可愛いな
「う、うるさいっ!(//▽//)」ポカっ
>>362 プロの絵には無い味と愛があるね GJ!
仕事を休んでハルヒとイチャイチャするキョン
トラッカーハルにゃん
>>359 子沢山幸せだな〜。
>長編小説2冊分の結婚までの道のりが気になるwktk
そういう自分は350なんですが早速誤字見つけてしまった。
吊ってくるorz
おはようハルにゃん
今日は近所の神社で縁日があるぜ
金魚すくいをしているカップルをハルキョンに脳内変換してこよう
>369
寝坊して時間がなく、髪を結わえずに出勤しようとするハルヒ。
カチューシャを付けずポニテでもない状態のハルヒを見ると欲情しちゃうキョン。
ハルヒが髪を下ろすのは風呂のときと行為のときだけなので、キョンとしては条件反射的に。
体調不良なのに「重要な会議があるから」と休もうとしないキョンに当身の上
代わりに会議に出るハルヒ。
最初は当惑した会社役員も会議が終わる頃にはハルヒに心酔。
数日後元気になったキョンが出社したら、
SOS課なるものが出来ていてハルヒがキョンの上司になっていた
ハルヒって処女なの?
378 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/25(日) 12:27:56 ID:wXipR/c4
SSまとめの「月と徒花」の古泉と長門の会話を少し手直ししましたので良かったら
見てください。こちらの方が雰囲気出てるとおもいます。
星を見るひとをプレイして機嫌が悪くなるハルにゃん
寝たふりしてキョンにおいたしてもらおうとするハルヒ
この団は俺が貰う、と団長席に座るキョン
>>383 「この団長は俺が貰う」だろ
一文字抜けてるぞ
ハルにゃんってMだよな。
みんなのハルにゃん、略してMハルにゃんですね。分かります。
SS投下良い?
未投下ネタで
>>381に似たのがあったw
埋めネタぶりだけどうちのキョンはエロキョンばかりだorz
2レス消費予定
「う〜む…」
どうしたものだろうか?
今日は日曜日。天気は生憎の雨である。5月後半梅雨時だから仕方あるまい。
その日曜日だがハルヒとのデートは大抵俺の家かハルヒの家である。また、ハルヒの家は両親が仕事でいないことがあって度々二人きりなれる。え?二人きりで何をしてるのか?って?悪いな、それは禁則事項だ。
だが、何処かに行くにも俺にハルヒを連れて行ってやれるような金銭の余裕は無い。
恥ずかしい、というより非常に不甲斐ない。と自分でも思うが、バイトをしようにもそんな時間は無い。
言い訳にしか聞こえないが事実無いのだから仕方ない。
学校のある日はSOS団の活動があり、土曜日は不思議探索。どちらでも帰ってから働けと言うかもしれないが、それも出来ない。ほとんどの場合、終わったあとはハルヒが家に来るからな。
なんでも花嫁修行だとかなんとか。じゃぁ俺がその間バイトをしようかと考えたこともあるが、ハルヒに、
「そんなの許さないわ!だ、だってあたしたちの時間がへ、減るじゃない…」
と、半ば泣きそうになりながら言われたのではするわけにもいかないだろ。
と言うわけで日曜日のデートは大抵俺の家かハルヒの家になるのである。ああ、二人で散歩に行くくらいはしている。
さて、では今日は何をしているかと言えば、何もしていない。
「…キョン」
何故ならば俺のお姫様は来るなり俺のベッドで寝入ってしまったからだ。
もうかれこれ30分くらい俺は床にあぐらをかいてベッドの上で眠る眠り姫の寝顔を眺めているだけである。
いや、至福と言えば至福なのだが、このままでは俺の理性がいつ崩壊するか分かったものじゃない。
寝ている娘を襲うなんてことはしない。しないが、目の前には無防備なあのハルヒだぞ?分かるか?この愛らしさと言うか。ハルヒの柔らかさはお前らには分かるまい!
「…って俺は誰になんつうことを言ってんだ!」
マジでそろそろ限界が来てるな、うん。
一人で悶えていると言う、自分で言うのもなんだが、端から見なくとも色々な意味で危ない状態でいると、
「キョンくん、はさみ貸して〜」
妹がいつも通りノックもせずに入って来た。
「こら、静にしろ。ハルヒが起きちまう」
「ハルにゃん寝てるの〜?」
「そうだ。ほら、はさみ貸してやるからさっさと出てけ」
「はぁ〜い」
wktk
とてとてと部屋から出ていく妹。とてもじゃないが小学6年生には見えない。
「全く…」
と、起きてないよな?
「…キョン」
こいつの寝言はキョンオンリーなのか?
覗けば、ハルヒはすぅすぅと可愛らしい寝息を立てている。まだ寝ているらしい。
しかし何時までもこうしてるのは辛い。色々な意味で。だからと言って起こすのも、この可愛い寝言を見ていると、とてもじゃないがそんな気にはなれない。
よし、決めた。寝よう。それしかない。
俺はハルヒを起こさないよう細心の注意を払って、ハルヒの横に寝転び布団をかけ直す。
「ホント、可愛いなお前は」
今すぐにでもいただきますをしたい欲求を抑え、ハルヒの頬に軽いキスをして目を閉じる。
「おやすみハルヒ」
睡魔はすぐにやってきた。どうやら俺もこいつの隣だと安心して眠れるらしい。
「…ヘタレキョン」
完全に眠りに落ちる前にハルヒのそんな声が聞こえた。
なんだ…食べときゃ良かった。
そんなことを思いながら、ハルヒの柔らかい肢体を抱き人肌の暖かさを感じ、俺は眠りに落ちた。
>>392 なんというGJ
そして寝ているときにハルヒを襲うんですね。わかります。
>>392 「ハルヒの柔らかい肢体」…その言葉だけで鼻から赤い汗が…
これはいいエロキョンw
>>392 GJ!
>「…ヘタレキョン」
>なんだ…食べときゃ良かった。
なんだお前らwww
起きた後の桃色空間を妄想w
ところで『射手座の日』に
「ああ、ハルヒ?すっかり性格の知れ渡った今や、こいつを指名するような男は真性のマゾかよほどの変わり者なのさ。
でもってハルヒ以上に変わってもいないと思われる。だから俺も安心して放っておけるというものだ。」
ってキョンローグがあるんだ。
これってハルヒを誰にも取られる心配がないから、今は“慌てて自分の気持ちに素直になる必要”がない…と読めると思うのだが。
珍しくキョンの本音が見えた気が…
スレチだったらスマン。
>>392 GJ! 寝言がキョンオンリーなハルにゃんが可愛すぎる。
>「ホント、可愛いなお前は」
まったくその通りだ
さあ電波よ降って来いー
と昨日思ってたらリアルで暑いのに
二人で年越すときに年越しそばすするハルキョンが降って来て
なごんだがむしろ暑かった。ん、ハルキョンが熱かったの間違いか
あのさ、ハルヒの考え方って鬱の一歩手前だよねw
だから、涼宮ハルヒの憂鬱なんだね・・・・
ロシアで昨日「妻運び競争」なるものが開催されたらしい
お姫さま抱っこで町中を走り回るハルキョンとかw
ハルヒのよしみで今日6巻買って来たけど
自分的溜息的二大名場面
・キョンがハルヒに思わず手を上げそうになる
・「この映画は絶対成功させよう」
が滅茶苦茶パワーダウンしてたorz
5巻はオリジナル含めて読める部類だった分だけショックだ…。
ホントそうだよな。
6巻より、はるひちゃんの1巻の方が楽しめたよ。
ハルヒちゃんはさすがに近所の本屋レベルじゃ棚に並んでなかった。
明日駅まで行ってみるよ。
この系統の本ろくに買ったことないのでメチャ恥ずかしいけど頑張る。
>>396 そうだよなー。
「俺以外の男がハルヒに寄ってくるはずないし、仮に寄って来たとしてもハルヒがそいつになびくことはない!」
という絶対の自信というか、これってどう見ても旦那気取りじゃんww
とっとと結婚してしまえ。
キョンは気を抜くとだだ漏れになるからなw
しかし元気に飛び跳ねるハルヒはかわいいなあ
ハルヒにとっての俺は特別なんだっていうキョンの述懐は他にもあるよね。
溜息の谷口にキレるところとかもベクトルはほとんど同じだし。
読み手に向けたキョン流のノロケと理解。
ノンケでも構わず食っちまうハルにゃん
ハルヒちゃん巻末の谷川流のあのコメントはなんなんだ?w
谷川流の憂鬱
ハルヒちゃんと6巻を買ってきた。
あとPSPも買ってきた。
ついに発売日以来放置していた約束の出番だw
約束のハルキョンは最強w
>>392 のわー、も、悶えるw
エロキョン、いいと思います。ええそりゃあもう。
ということでGJだー!
はるひちゃんどこの本屋も売ってない。
でも6巻はおいてあるんだよなーorz
たまたま買った宝くじが一億当たってしまったハルヒ
>>409 今まで寝かせてたのかw
…思う存分楽しんでくれ
最近久しぶりに約束やってるけど、やっぱ面白いなw
約束かあ
放置状態だったけど今度やってみるか・・・
Trueエンドとハルヒバッド&グッドエンドは外せないよなww
初めてやった時はバッドエンドに直行だったw
キョン「カップヌードルはやはりシーフードだな」
ハルヒ「あたしはカレーがいいわ」
キョン「カレーはうどんだろ、まぁいいが」
ハルヒ「ちなみにポテトチップスはのりしお派よ!」
キョン「うすしおだろ、びっくりだぞハルヒ」
ハルヒ「むっ!リンゴ派?梨派?」
キョン「リンゴに決まってる」
ハルヒ「梨の方がおいしいじゃない!」
キョン「スイカとメロンはどっちがいい、俺はスイカだ」
ハルヒ「はぁ?メロンよメロン!網がキッチリのマスクメロン!」
キョン「どうやら貴様とは決着をつける必要があるようだな」
ハルヒ「・・なんでそうなるのよ(汗)」
ハルにゃんはジャンクフードとか好きだろうか
>>417 そこはキョンが自分の考えを出さずにとことん団長を問い詰める展開希望
「ポテチは何がおいしいと思う?」
「そういうあんたはとっちが好き?」
「質問してるのは俺だぞ、ハルハル」
「う、うぐぅ〜」
「さぁ〜どうなんだ、ハルハル〜」
「・・・ひ、卑怯者っ///」
ハルヒ「あ、あたしが好きなのは……」
手についたポテチの食べかす(?)を舐めるのが好きなハルヒ
キョンに指を舐められちゃうハルにゃん
ライブ演奏中に間違えるハルにゃん
うっかり「大好きー」とかいっちゃうのか?w
しかし、堂々と弾き続け気付かれない
きっと最終巻は
「涼宮ハルヒの告白」
なんだろうな(`・ω・´)
考えただけでニヤニヤしてきたwww
ライブ中にバニーのコスチュームがずり下がったハルにゃん
キョンが光より速くステージに乱入してきて隠します。
>>428 それは告白違いだったりする・・・・
「SOS団解散!」とかな・・・・
事の起こりはハルヒが部室のパソコンで見た昔のアニメだったと思われる。
20年以上前の作品で凄腕のスイーパーとその助手の女性を描いた作品だった。
物語は進んでゆき、クライマックスシーンで主人公が親友でライバルの殺し屋「海坊主」との決闘が始まる。
両者が最後の力を振り絞り決着を付けようとしたその時、いつもは主人公とケンカばかりしている助手が割って入る。
「下がっていろ香!、おまえまで死んじまうぞ!」
「嫌だ!あんたが死んだら生きてたってしょうがない」
ここからが良いシーンなのにハルヒは画面を変えやがった。
「バッカじゃない、こんなの有り得ないわよ恋愛感情なんてのは精神病の一種よ、あたしだったら絶対逃げるわ」
「そんな事は相手がみつかった時点で言え、何とかの遠吠えにしか聞こえんぞ」
「うるさいわよ、バカキョンあんただったらどうするの?」
「朝比奈さんなら身を盾にして守る、長門は心配無い」
「じゃ・・じゃああたしだったら?」
「置いて逃げるに決まってんだろ!」
この会話の直後に古泉の携帯が鳴り始め、急なバイトにでかけてしまった。
その夜に奴から電話で散々嫌味をいわれたのは言うまでも無い。
数日間ハルヒは不機嫌極まりなく、古泉もバイトが入り続け当分部室にこなかった。
これが先週の事だ
さて、俺たちは掘っている、掘っているのは別に硫黄島では無く鶴屋山の一角だ、昨日ハルヒは提案をした。
「みんな!タイムカプセルを埋めるわよ」
いつもこいつの発想は突然である、おそらく昨夜のテレビでやっていた「30年前の夢」とか言う番組の影響だろう。
ふつうこんなものは校庭に埋めるのがセオリーなのだが
「もし、建て替えとかで掘り出せなくなったらどうするのよ!」
の一言で却下、思案のあげくバレンタインデーの事を思い出し鶴屋さんにお願いして
鶴屋家所有の山、通称鶴屋山に青春のおもいでを封印することとなった。
俺にしてみりゃ永遠に封印したい、いや、しなければならぬ「おもいで」ばかりだが、
いつの日にか封印を解く日がくるのだろうか?
休日、鶴屋山に集合したSOS団は第一次大戦の欧州戦線の兵士の如く穴を掘り始めた。(掘ったのは俺と古泉だが)
団長様の提案で「高校時代楽しかった事」「未来の自分の創造図」の二種類のカプセルを作成
それを二箇所に埋めるとのことだった。「一箇所の方が速いし楽だろ」との俺の提案は
「なに言ってるの?、未来にまた苦労してみんなで掘り出すから楽しいのよ」
以上の理由で却下、将来も俺達はハルヒにふりまわされるのか(朝比奈さんは別として)
二手に別れ掘り始めた。堀手は俺と古泉、助手は三人でくじの結果古泉と長門、俺とハルヒになった。
ランチの準備要員として朝比奈さんを残しスコップかついで二手に分かれた。
埋める場所を探していると微妙にクレーター気味になった部分をハルヒは見つけ出し
「もしかしたら隕石でも埋まってるかも」とか「古代人の遺跡発見」など
あいかわらずの様子で封印場所を決定、作業を開始した。俺が掘った土をハルヒがどけるその繰り返し
何か出てくると思って張り切っていたがそのうち飽きたらしくスコップで土をいじりはじめた。
これでいい、以前この山で穴を掘ったとき朝比奈さん(大)の指示が無ければ
あの謎のオーパーツを危うく掘り出してしまうところだった。
生半可な深さではハルヒは納得せず2メートル程掘ったときスコップが何か掘り当てた。
この時ほどハルヒの不思議パワーを恐れた事はない、丁寧に周りの土をどけると腰が抜けた。
ある意味タイムカプセルである、しかしその中身は「将来の夢」や「未来の自分への伝言」では無かった。
忌まわしいタイムカプセルそれは二メートル程の大きさで丸っこい形をしており全体は錆びていた
60年以上前の戦争の記憶、問答無用の不発弾であった。
「なに?何かみつけたのキョン」
ああみつけたともとんでもない代物をな、ハルヒの100Wの笑顔が蛍光灯のように白くなってゆく
「なによ・・それ、早く穴からでなさいよ」
出ようにも出れない、手は届くのだが足元の土が崩れて登れない朝比奈さんの弁当食べるまで死にたくない。
「ほら、キョンあたしの手につかまりなさい」
「バカ!そんなことしなくていいから古泉か長門を呼んで来い!」
「なに意地張ってるのよ!はやくつかまって」
強引に俺の手を引っ張りあげようとしたがいくらハルヒでも女の細腕、引っ張りあげるどころか自分が落ちた。
「バカ!なんで逃げなかったハルヒ、おまえまで死んじまうぞ!」
「嫌だ!あんたが死んだら生きてたってしょうがない」
ハルヒは俺に抱きつき離さなかった。
あまりの強さに背中は痛いが、おなかの辺りの柔らかい感覚にどーにかなりそーだ、
そんなこと言ってる状況じゃないのだが・・
「二人とも御無事ですか!」
古泉と長門が駆けつけてきた。助かった、早くここから出してくれ頼む
「私、大きな声が聞こえて二人を呼んできたんですよう・・」
朝比奈さんは泣き出している。
「ほう、これは凄いものを掘り当てましたね。太平洋戦争で米軍が投下した1トン爆弾ですよ」
うるせえ!この状況で解説なんていらんわ、長門が穴を覗き込み何事かつぶやくと俺は安心した。
「危険は無い、その爆発物の信管は機能を停止している」
停止してるんじゃなくて、停止させたんだよな長門
「お二人とも、お邪魔かもしれませんが離れていただきませんと引き上げられませんよ」
古泉の言葉にわれにかえったハルヒは俺を突き飛ばし赤面していた。
俺は不発弾に頭をぶつけたが小さいコブができる程度で済んだ、長門がいなかったら爆発してたかもしれない
「あたしは団長だから先に上がるわよ、まったく迷惑かけないでよね。ブツブツ・・」
なにごとか小さな声でささやいたが俺には聞こえていた。
「ごめんね、キョン心配かけて」
その後、古泉が警察に連絡しさしたる事情聴取もなく家に帰った。
「実は本来ならいろいろ聞かれるのですが警察に知り合いがいまして・・」
また「機関」に手をまわしたな、おかげで助かったよ
以上で話を終わる。
数日後不発弾は自衛隊により無事解体され事なきを得た。
今部室には鶴屋さんが来ており大笑いしながらハルヒや朝比奈さんと歓談中、長門は本を読んでいる。
俺は古泉とオセロをしながら今回の一件について話している。無論ハルヒに聞こえぬように
「しかしこの不発弾もハルヒの願望なのか?」
「いえ、違います涼宮さんがあなたの危険など望むわけありません、しかし願いはかなったようです」
「どうゆう意味だ」
「あのアニメのヒロインの台詞を言ってみたかったのですよ」
「なんで、おまえそんなこと知ってるんだよ!」
「長門さんがお二人の会話をリアルタイムで教えてくれましたから、任務ですから悪く思わないで下さい」
「勘弁してくれ、ハルヒ爆弾の扱いだけで精一杯なのに盗聴かよ」
「大丈夫ですよ、その爆弾の信管を我々は信用してますから、涼宮さんは爆発しません」
「もっとも別の意味でその信管が起動することを祈っているのですがね」
古泉は意味ありげにニヤリと笑った。
ああ、タイムカプセルはどうなったかって?それはまた、別の話
乙。ピンチでようやく素が出るハルにゃんかわいい。
ただCHだとその後がつらいよね……
レオタード怪盗三姉妹ものも頼む。役柄的にはハルヒが次女になっちゃうけど。
GJ。
長門がかけつけるまでの数秒だか数十秒だか
確かに危険はあったはずと考えるとドラマだねえ。
>>438 朝比奈さんは上級生だから、どのみちハルにゃんは次女ポジですよ。
――――――――――
食事は済ませてきたので、帰宅して着替えて晩酌、
のいつもの予定を変更してハルヒとテレビ。とりあえずケーキを渡してみる。
「どうしたのこれ?」
「あー、ちょっと寄ってみた。好きそうなチョコケーキ買ってきた」
文章にすると本当野暮ったいな。いかんいかん。
それでも喜ぶハルヒ。ちょっと俺も和む。
こーゆう顔が見れるから、言葉にして伝える事が大切なんだなと思って奮起してみた。
嬉しそうにケーキ食ってたハルヒの方を向いて、
「ちょっと」
「結婚して3年になるなぁ」
「うん」
「なんかの区切りってわけじゃないんだけどなぁ」
「うん」
「やっぱりお前の事、好きなんだなあって思ってなぁ」
「うん」(嫁のボキャブラリーが少ないわけじゃなく、ちゃんとした返事。)
「言葉で伝えるってのをしてみようと思ったんだよ」
「うん」
「ハルヒの事、愛してる。今までありがとう。これからも一緒にいてくれ」
直後、嫁頭突きが顔面直撃。
「ごめん!大丈夫?痛くない?」
痛いです。
「今言ったの!もう一回だけでいいから、今言って!」
熱い抱擁をされつつ、アグレッシブになるハルヒ。副産物はアゴにジダンヘッド。
「いやな、何度を言うもんじゃねーだろ」
「この距離で、ちゃんと目を合わせて、もう一回」
「そんなk「言って欲しい」
「好きだよ」
・・・・。微妙に納得してない顔。
「愛してる」
「いやーん!」強く抱きしめられ、顔じゅうにキスされた。ここまでテンション高いハルヒひさびさ見た。
しかしいやーんはねーだろもうすぐ三十路。
その後、ご満悦のハルヒと出会った頃の事とか話しつつ、お互い体くっつけてました。
まぁ、なんというか、セクロスもした。久々腰砕けるかとオモタ。4時間て。年考えれ。
布団でぬふんぬふぅん言ってるハルヒを寝かして、今風呂入ってきますた。明日休みで本当良かった。
明日は朝から買い物付き合うんだけど、正直めっさ疲れた。
でも、おくさん予想外に喜んでくれてよかったよ。以上です。
やってしまったものの、この手のは自重します。
あのスレ見てはハルキョン妄想しまくりでキリがないので。
もう泣かない。もう泣かない。
あたしは明日を…未来を見る。
こんなに大切な人が近くにいることさえも気付かずに、涙を流した日もあった。
いつからか追い求めていた不思議。あたしはそれを、机の上に書きなぐった。輝いてたあたしの夢のカケラ。
きっと、すごい楽しいことが待っているに違いない!
でも、理解してくれる人もいないし、そんなこと起きてはくれなかった。
あたしはそれをひとり胸に隠したりしていた。イライラは隠せなかったけどね。
そうね。そんな淋しい日々を繰り返すのはもうやめよう。この空の色に変えてやるわ。
自分ではそう思わないけど、逃げ出すことに慣れていたのかもしれない。
自分だけだ…ってすさんでたのかも。そんな昨日のあたしには、サヨナラね。
そうよ、こんなのあたしらしくないじゃない。突っ走るわよ!もう泣かない!
あんたの手も引いて、どこまででも行ける。
明日へ向かって。
泣くとしても、悲しみじゃなく喜びの涙をながしたいじゃない。
あの日のあいつの優しさに、素直になれないあたしはその手を振り払った。
ほどけたままの靴ヒモじゃ走れない。そんなのわかってるわよ。
この空を、深く吸い込もう。
うん、見えてきた。不思議を追い求めるあまり、大切なことを忘れていたのね。
そう、あたしは未来から目をそらしていた。そんな昨日のあたしには、サヨナラよ!
あたしの側にはいつもあいつがいてくれる。やれやれ、なんて言いながらも笑顔で。
だからあたしは何度でもやり直せるの。
あんたのことも、もっと話しなさいよ。こんなにもあんたを求めているのよ。自分でも驚いたけど。
いつでもあたしの側にいなさい!
ひとりでは生きていけない。きっと、誰もが。
今までは不思議とさえ出会えればひとりでも平気って思ってた。でも、そうじゃない。
もう気付いてる。あたしの居場所、SOS団と、そしてキョン。
ねぇ、キョン。凍えた指先を触れて温めたいよ。
目に映る全てを今は…抱きしめたい。
悲しみじゃなく喜びの涙を流したい―
>>442 キョンよ、ずっとこんなハルヒの隣に居て下さいw
GJ!!
>>438 AHは無かった事にしてしまいたいなあ…。
過去ログのSSとかをちびちび見てるんだけど、昔は結構長いのも投稿されてたのね。
>>446 なんというフリーダムwwwwww
SOS団でバス旅行という電波が跳んできた。
歯茎に挟まった食べカスが取れず苛々のハルにゃん
>>447 それいいなw
帰りのバスでうとうとと、隣のキョンにもたれ掛かるのも忘れちゃだめだぜ
今日大雨と雷がすごくて昼なのにかなり暗かったんだが
授業中いきなり俺の学校停電したぞwwすぐ復旧したけど
こんなときハルキョンはどうするんだろうな
>>450 停電じゃないけど雷ネタなら過去に書いたな〜って今まとめ見直したら80スレの頭だった。
もう10スレ前なのか、って何でそんな時期にこんな話書いたんだろうw
停電で部室のPCのデータがすべて消去され、バックアップを取り忘れて後悔するキョン
どうやらハルにゃんもがっかりしているようです。
キョンに両肩掴まれると大人しくなるハルヒ
でも恥ずかしくてつい頭突きしちゃうんですね
救急車を強奪するハルにゃん
救急車といえばさ
階段から落ちたキョンがタンカで運ばれたとき、ハルヒは救急隊員と二言三言会話したってあるけど、何を言ったんだろうね。
>>458 ハ「あたしも乗らして下さい」
救「あなたは?」
ハ「彼の妻です」
救「分かりました。乗って下さい」
ハ「ありがとうございます」
しかし憂鬱のラストでハルヒに確認もなく、いきなりキスを敢行するキョンは流石にたらしだぜ。
>>459 ちょっとまて。青ざめた恐い顔してるんだぞw
隊員も乗車を了承せざるを得なかったんだろうな
血まみれで青ざめた顔したハルヒみて
血…血まみれ…?
外傷はないって話じゃなかった?
>>460 「俺、実は(ハルヒの)ポニーテール萌えなんだ(。つまりハルヒが好きだ!)」
「(な、)なに?(それなら早く言いなさいよ…あたしがどれだけ待ったと…)」
「(すまん。だが、)いつだったかのお前のポニーテールはそりゃもう反則なまでに似合ってたぞ(。俺はハルヒのポニーテールを毎日見たいんだ!一生大事にする!だから、キス、していいか?)」
「(なっ!ば、)バカじゃないの?(す、するなら早くしなさいよ。大事にしてくれないと許さないんだから…でもファーストキスは…)」
黒い目が俺を拒否するように見る。
(夢じゃ意味ないし…やっぱり現実で…)
(そう)抗議の声を上げかけたハルヒに、俺は強引に唇を重ねた。
(お前は俺の妻なんだ!)
こういう時は(以下略
ごめん冗談で言ったんだよ・・・
青ざめた顔、死んだ目、血まみれな手
ヤンデレなハルヒも良いかなと・・・
ヤンデレは朝倉さんに許可を取らないとダメだよ
>>461 ハ「あたしのキョンを返しなさいよ!!」
救「落ち着いて下さい、奥さん」
ハ「夫が階段から落ちたって言うのに落ち着いていられるわけないじゃない…」
救「とにかく一緒に来てください」
ハ「当たり前じゃない!あなた、今あたしが助けてあげるからね…」
ヤンデレ
世界を崩壊させようとしたのに
キスひとつで思いとどまるなんてかわいすぎる
どんな童話も
王子様のキスでお姫様は正気に戻るもんですよ
なんだよこの妄想ワールドはww
>>1からじっくり堪能させていただこうか
救急車でドライブに出掛けるハルキョン
>>449 お約束ってやつだなw
妄想が蔓延るwww
内定でたら、勢いで作って投下するかもしれん。
>>469 世界を崩壊させようとしていたハルヒだが、
キスで閉じられた自分の世界が崩壊し、キョンという
新たな異世界に出会った。キョンと二人の世界を新たに
追究したいと思って世界は保たれたという説があります。
by俺
>>465 告白のはずがプロポースになってるwww
っていうか目と目で会話し過ぎだ。
おやすみハルにゃん
478 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/27(火) 00:28:41 ID:F2RhQT6J
ハルヒちゃんの憂鬱ってハルキョン場面ってないよね?
借り物競争ネタでキョンが長門に告白したかと思ってハルヒが唖然としててニヤニヤしてたらよく見たら古泉だというとんでもない勘違いしたし・・・OTL
_
.,'´r==ミ、
i 《リノハ从)〉 来週のNHKトップランナー
从(l|゚ ヮ゚ノリ ビデオ撮り逃したら獄門だからね!
\_____ ____________
∨ ,. ‐-ー- 、
ノ / ヽ
. ノハハハハハ !
[>|─ ─ ,iリ)!
○ 、 - ,ノル´ ゼンコック タレント ニ
. [>}゙|†'|´{つ ナッチマッタナア…
. i´T `i
. 〈_,八__〉
>>479 うっかり死刑関連の単語使ってる辺り、だいぶ浮かれてるなあw
481 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/27(火) 01:06:54 ID:imwB6+BV
3姉妹といえば、みなみけとかもあったな。
後半良くわからないオリキャラが出てきたり、もとからいたキャラも崩壊して
悲惨なことになるけど。
酔ってハルヒの肩に手を回して甘い台詞を次から次へと飛ばすキョン
うっとりして抵抗できないハルヒ
スレチッチで悪いが質問
消失でキョンが朝倉に刺されたけど何であのタイミングでいるの?宇宙人じゃないのに
おハルにゃん
>>478 キョンのツッコミで顔が近づいて照れてる場面と
ハルヒお母さん→キョンお父さんな場面くらいか
お母さん!!(*´Д`)
キョンにピコピコハンマーで突っ込みを入れられるハルヒに、なんか萌えるw
とある富豪の別荘に眠るお宝を奪うと怪盗「猫の目」から予告状が届く。キョン刑事古泉刑事は警備を固めるが、それを見下ろすレオタードの女子高生がいた… (公開未定)
「警備配置、無事完了しました。」
「了解、古泉必ず奴等を逮捕するぞ!」
「あんな警備で捕まえる気?あいつら」
「止めましょうよ〜こんなの危ないですぅ」
「問題ない我々なら」
「行くわよ!有希、みくるちゃん」
金に困ったのでコスプレ衣装をネットオークションに出すハルにゃん
落札者はキョン
翌日、バニー姿の古泉とキョンが部室に
ハルヒはSOS団の物を大切にするだろう。
だからオークションに出せそうなキョンの私物を持ってこさせます。が、もちろんオークションには出しません。
はい二人組みつくって〜と言われて
いつのまにかハルヒといるキョン
そしておもむろに肩車する二人。
>>492 怪盗名前が直球だなw
いつの間にかハルヒとキョンの妹が入れ替わっていて戸惑うキョン
ハルヒって漢字でどうかくんだ?
春日?
晴日
当て字するなら自分はこれ。
イメージするところは同じだねえ。
その前にキョンの名前を推理しようぜ?
>>502 そのネタはキョンスレで絶賛ループ中らしいです
ところで最高のハルキョン分補給サプリはやっぱ原作だよなあと読み返して思う。
二人にはブレずにずっとこのまま行って欲しいな。サッドエンドは現実だけで十分だし。
家を出てすぐに雨がぱらついて舌打ちしたのもつかの間、今度は雲の隙間から薄日が差してきた。
雨で少し濡れたシャツが身体に張り付いて気持ち悪いが、着替えに戻るのも億劫だ。
と言うよりは、遅くなるとあいつが怒るに違いないと思うと戻るに戻れない。
「五月晴れって言葉があるんだからカラッと晴れればいいじゃねえか」
5月だというのに梅雨を前倒ししたようなジメジメとした空気に悪態を吐きながら、俺は駅前の駐輪場に自転車を止めていつもの待ち合わせ場所へと向かった。
その途中、ちらりと時計を見る。
「20分かかってるか。怒ってるだろうな」
今日はSOS団の探索はない。
探索は昨日嫌と言うほど行っており今日は安息日なはずだったのだが、安息日の定義に従っていかなる義務からも開放されようとしていた俺は一本の電話ですべてが台無しになってしまったというわけだ。
『あんたどうせ暇でしょ! 北口のいつもの場所に集合ね! 30秒以内!』
キリストやマホメットと違って安息日というものを定義する気はないらしいな、この団長は。
俺の家から北口まで普通に自転車で20分以上かかるところを支度を含めて20分で着いたのだから褒めてもらってもいいと思うのだが、どうせこの団長様が迎える言葉は時候の挨拶も真っ青なくらい同じ言葉と決まっている。
だいたいどう考えたって30秒で着くわけないってことくらいあいつだって分かってるだろうに、何で俺が遅いといつも怒るんだろうな。
日曜日の駅前は人が多く、俺は横断歩道を渡ろうとする人をかき分けるようにいつもの場所に向う。
歩いてくる俺を腕を組んで待ちかまえ、姿を見るなり「遅い、罰金!」というセリフで迎えられるとばかり思っていた俺は意表をつかれることになった。
ハルヒという女はいつも必要以上にエネルギーを放出していて実は地球温暖化に一役買っているんじゃないかと疑うほどなのだが、今日はその特有のパワーが感じられない。
いつもの場所にボーッと立っているハルヒは群衆に埋もれてともすれば見失いそうな雰囲気を漂わせていて、俺が近づいていることにも気がついていないようだ。
こいつは本当にハルヒか?
「おい、ハルヒ?」
ボケッとあさっての方向を見ているハルヒに声をかけると、あからさまにビクッと身体を震わせた。おいおい、驚きすぎだろ。
「あ、な、何よキョン、驚かさないでよ!」
一瞬、本気で驚愕の表情を見せたハルヒは、すぐにいつも通りの強気の顔に戻って俺を睨み付けた。
「あんた遅刻よ! 罰金!」
やれやれ、結局そうなるのか。
俺の手首を掴んで歩き出すハルヒの後頭部を眺めつつ、俺は密かに溜息を吐いた。
「で、今日はいったい何の用なんだ?」
一応聞いてみるが、どうせたいした用事ではないだろう。
今までもこんな風に突然呼び出されたかと思うと、単なる買い物の荷物持ちにされたことが何度かあった、ってそれがわかってるのに今日もこうやって来てしまう俺はどれだけお人好しなのかね。
俺の問いかけに、ハルヒはアイスコーヒーを一気のみすると、いつになく歯切れの悪い調子で言った。
「ちょっと、付き合って欲しいところがあるのよ」
「どこだよ」
「いいから! 来れば分かるわよ!」
俺の追求にいつもの調子に戻ったのだが、一瞬の逡巡するような表情を俺は見逃さなかった。
何だってんだ、いったい。
ハルヒに押しつけられるまでもなく伝票を手にしてしまう事実に少し悲しくなってしまうのだが、今日は昨日と違って2人分だと思うと気が楽だ。
って普段なら奢らなくていい日に奢ってるんだからむしろ気が重くなりそうなもんだが、そうでもないのはなんでかね。
「じゃ、行くわよ!」
会計が終わるのを外で待っていたハルヒは、俺が出てくるなりそう言うとまた手首を掴んで歩き出す。
そろそろ手首が痛いんだが、そのまま俺は駅まで引きずられるように連れて行かれた。
駅から私鉄のいつもと違う路線に乗り2駅、更に別の私鉄に乗り換えて2駅。
到着した場所を見て、俺は心底意外に思った。
「お前、野球は興味ないんじゃなかったのか」
着いた場所は高校野球と某プロ野球チームの本拠地として有名な球場であった。
今日はそのプロ野球チームの試合がデーゲームで行われるらしく、首位をキープしているせいもあるだろう、かなりの人でごった返していた。
しかし、ほぼ1年前になるが、俺はハルヒのあの独白を覚えている。
ハルヒが今の奇天烈と言うか奇想天外というか、とにかくそういう性格を得るに至った最初のきっかけ、その球場はおそらくここだろう。
だがあのとき、ハルヒは野球なんか興味なかった、そう言ったと思うのだが。
SOS団で野球の試合に出て興味を持ったのだろうか。
「全然興味ないわよ、野球なんて。でも両親が見に行く予定だったのに急用でダメになったんだからしょうがないじゃない。チケット余ったからお前行けって渡されたのよ。せっかくあるのに無駄にするのももったいないでしょ」
なるほど、親父さんはこのチームのファンなのか、ってこの市に住んでいる野球ファンは大半がここのファンだろうな。まあ俺も嫌いではない。
しかしもったいない。
今首位を走っているこのチームのチケットなら金を出してでも欲しい人が多いだろうに、わざわざ娘とはいえ興味のない奴にくれてやるとはね。
当日券は売り切れました、との掲示を横目に見ながら俺はチケットを入手できなかったファンに少しだけ申し訳ない気持ちになった。
ハルヒは適当なゲートでチケットを俺の分も一緒に渡し、2枚同時にもぎってもらうと早速俺に命令する。
「先に行ってるから飲み物買ってきなさい! 暑いったらないわね!」
結局ここに来ても俺は雑用でしかないらしい。
って、さっき奢ったアイスコーヒーだけじゃ飽きたらずここも奢りかよ!
都合の悪いことは聞こえないという特殊なフィルターをつけたハルヒの耳に俺の文句が届くわけもなく、ハルヒはさっさと行ってしまった。
やれやれ、飲み物は何でもいいのかよ。
しまった。飲み物を両手に持って俺は途方に暮れた。
ハルヒは俺の分のチケットも一緒にもぎってもらって持っていってしまったわけで、つまり座席がわからん。
全席指定だったよな、確か。そして球場はまもなく試合開始で満員御礼、見渡す限り人、人、人。
「まったく、席番くらい教えてから行けよな」
今日はハルヒはどんな服を着ていたっけ、確か黄色のTシャツにデニムのスカート……って黄色かよ。
よりによってチームカラー、見渡す限り黄色だらけじゃねえか。
取りあえず通路を一番下まで降りて見上げるように座席を見渡してみる。
この入り口から入ったってことはこの辺にいるだろうと思ったんだが、見当たらない。
入るゲート間違えたんじゃないだろうな、と少し離れた方に目をやると……いやがった。
おい、そこだったら隣のゲートから入った方が近いだろ、と1人ごちつつ俺はグラウンドを睨み付けて座っているハルヒの方へと向かった。
俺の目がいいことに感謝してくれよ、まったく。
「ほらよ、コーラで良かったか」
買ってきた異様に高いコーラを差し出しながら声をかけると、ハルヒはハッとしたように俺を見た。
やはり様子がおかしいが、その理由はなんとなく解っているつもりだ。
「あ、うん、ありがと」
めずらしく買ってきたものに文句も言わず素直に礼を言うハルヒに少し面食らいながら、俺も座席に着いてコーラを啜った。
炭酸が喉を抜ける感覚が気持ちいい。
しばらく2人とも無言だった。
ハルヒは不機嫌そうな顔をして主にグラウンドを睨み付けており、そんなハルヒが気にならないわけではないが、俺もどう言っていいか分からない。
ハルヒの様子がおかしい理由なんて聞かなくても分かる。
1年前に聞いたあのハルヒの独白。球場で感じた自分が卑小であるという感覚、自分は特別じゃなく大勢の中の1人でしかないという現実。
そんなものは生きてりゃ誰でも漠然と感じるもので、しかもそのうちある程度当たり前のこととして受け入れざるを得ないものだ。
しかし小学生のハルヒは受け入れられなかった。
そして、今、高校生のハルヒは?
なんて考えるまでもなく、ハルヒは自分が大勢の人間と同じだなんて認める気は全くないはずだ。
SOS団団長という肩書きはきっとこいつの中では何よりも偉く特別なんだろう。
それでも今、ハルヒの表情を見るとその自信が揺らいでいるように見える。
小学校のとき、自分の周りが世界で一番楽しいと信じていたハルヒ。
ある日、本当にたいしたことないきっかけでその信仰が破綻した。
ハルヒはこの1年、とても楽しかったはずだ。
一度諦めた「世界で一番楽しい」自分を、SOS団を通じて取り戻したはずだ。
ずっと隣で見ていた俺が一番分かってるさ。
そのやり方がめちゃくちゃなのはこの際目を瞑っておく。
だが、今日、ここに来てハルヒは子供の頃に感じた衝撃を思い出しているに違いない。
この球場にいる人間、いや、日本にいる大勢の人間の中で自分がまたありふれた出来事に囲まれた詰まらない人間なんじゃないか、そう感じ始めているのかもしれない。
あのとき、1年前のあのとき、ハルヒの心情吐露に対して俺は「そうか」としか言えなかった。
どう言っていいか分からなかったし、そのときのハルヒの気持ちをトレースしようにもわからなかったから。
あのときもっと気の利いたことが言えれば、その後あんな苦労することもなかったのかもしれないと苦笑する。
でもあれは俺にとっても必要だったのかもしれないな。
あれがなかったらSOS団という奇妙な集まりの中で、非常識なプロフィールを持つ連中と深く関わり合おうなんて気にもなれなかったかもしれない。
俺はあらためてハルヒを見た。
形の良い眉を寄せて前方を睨み付けているあたり、入学したての頃を思い出すね。
世の中何も面白いことが起こらないってことにイライラし続けていたあの頃。
おいおい、また戻ったりしないでくれよ。
せっかくいい笑顔ができるってのにもったいないだろ。
さて、このハルヒに何か言ってやらなければ、と考える。
1年前に何も言えなかった後悔と懺悔も込めて。しかし、なんと言おう?
「ねえキョン」
って、まだ何も思いついてないのに先に話しかけられた。
「な、何だ?」
さて、俺が用意すべきはツッコミなのか何か哲学的な引用なのか。
「あんたさ……」
少し間を開けて、ハルヒは俺を見た。
「自信ある?」
「は?」
予想外の問いかけだ。
てっきり1年前のことについて言われるんだと思ってたし、まあ予想していた問いの答えも用意はできてなかったんだが、それにしても自信て何だ。
目的語をはっきりさせてもらいたい。
「すまん、意味がわからん」
いきなり「自信ある?」と聞かれてそれが何に対してか分からずに「ある」と答えられる奴なんていないだろ。
いや、ハルヒならそう答えるかもしれないが。
こんな意味不明根拠なしの自信に満ちあふれている奴もめずらしい。普段なら、な。
ハルヒは3歩歩いて物事を忘れる頭の悪い鳥でも見るかのような侮蔑的な視線を寄越した。
「あんた去年あたしが言ったこと覚えてないの?」
いや、一字一句とは言えないが覚えてるさ。
今まさにそのことを考えていたとこだが、だからと言っていきなり自信があるかという問いかけに繋がる理由がわからん。
「だから、あんたはここにいる人間の中で一番面白い人生を送ってる自信があるかって訊いてるの!」
最初からそう言え。
単語だけで会話する奴は知り合いに1人も居れば充分だ。
しかし、俺に聞くか。お前はお前自身の人生が面白いかどうか、そっちの方が気になってるんじゃないのか。
それとも自分が作ったSOS団の面々が面白いと感じているかどうかに自信がなくなっているのか。
どっちにしてもらしくねえぞ。
「お前はどうなんだよ」
俺の答えなんか決まっている。
だからこそ先にハルヒの答えを聞きたかったんだが、やっぱり怒られた。
「あたしが訊いてるんだから質問で返すな!」
はいはい、悪うござんした。しょうがない、俺から答えるか。
「自信があるに決まってんだろ」
そう、この球場の中で、いや、日本中で俺より面白い目にあった奴がいたら出てきてみろ。
絶対にない、と言い切ってやる。
ある意味大変な目と言っても差し支えないが、それにしても本にしたら9冊くらいは出版できそうなくらい面白い目にあってきたんだぜ、俺は。
「誰かさんのおかげで人生楽しくてしょうがないぜ」
まったく、まさか入学してすぐに話しかけた後ろの席の妙な女に文字通り人生を変えられるとはね。
果たして殺されかけたり世界ががらりと変わってしまって走り回らされたりしたことまで楽しかったと言っていいのか疑問が残らないでもないが、過ぎてしまえば普通ならあり得ない体験ができたとも言える。
もう2度と体験したくはないけどな。
「で、お前はどうなんだよ」
俺の答えが意外だったのか、ハルヒは目を見開いて俺を見つめていた。
何だよ、面白くなかったとでも言うと思ってたのか。お前が巻き込んだくせに。
俺の質問に、ハルヒは我に返るとその瞳に超新星爆発でも起こしたかのような輝きを宿らせた。
「そんなの訊くまでもないわ! あたしより楽しんでる奴なんかいるわけないじゃない!」
そう言うと手でピストルの形を作って俺に向ける。
「あんたにだって負けてないんだから、バカキョン!」
さっきまでの憮然とした表情はどこへやら、すっかりご機嫌モードにシフトしたハルヒは残りのコーラを一気に啜ると、俺に今日初めての100Wの笑顔を向けた。
「わかったわかった、じゃあ俺は2番でいいや」
「何よバカキョン、諦めるの早すぎるわよ。あたしに負けないくらい人生楽しみなさい!」
言われなくてもそうするさ。ただし……
「お前がさっきみたいな顔してたらその限りではないけどな」
「どういう意味よ」
「さてね」
俺が楽しむためにはお前が笑ってることが必要条件なんだよ、とはさすがに言えない。
結局俺はハルヒが楽しそうにしていないと落ち着かないわけで、そう言う意味では結局こいつには敵わずいつも2番に甘んじなければならないのかもしれないが、それでもいいだろう。
「ちょっと、誤魔化してるんじゃないわよ!」
尋問する気満々だな、こりゃ。さて、どうやって誤魔化そうか。
「なあハルヒ」
「何よ」
「俺もお前も確かにこの空間の中では5万分の1でしかないけどな……」
そのとき、スタメン発表の場内アナウンスがあり、一気に沸いた歓声によって俺の声はかき消された。
球団マスコットが何やら選手の物まねをして大ウケしているらしいが、残念ながら各選手のバッティングフォームのくせが分かるほど俺はコアなファンではない。
「ちょっと、聞こえなかったわよ! なんて言ったのよ! ちゃんと言いなさい!」
「何も言ってねえよ!」
ハルヒは満面の笑顔のくせに目に怒りの色を含ませて俺を睨む。
「嘘、何か言ってたわよ!」
「単なる妄言だ、気にするな!」
誤魔化そうとして墓穴を掘っちまった。なおさら言えるわけないじゃねえかよ。
「ダメ、言いなさい! 言わなきゃ後で罰ゲームよ!」
「だから何でもねえって言ってるだろ! って襟を掴むな、シャツが伸びる!」
って言うか顔が近い!
いくら脅したって絶対言わねえからな!
確かにこの空間の中では5万分の1でしかないけどな、お前がそうやって笑ってる限りは例えこの球場の反対側にいたって俺はお前をすぐに見つける自信があるさ、なんて2度と言ってやるもんか、畜生。
おしまい。お粗末。
>>504 完成度の高さに舌を巻きました。
キョンの語りに違和感なしなのはすごいなあ。
ほんとこれだからこのスレはやめられない。
509 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/27(火) 19:37:56 ID:yLJ5QSeX
いいよいいよ
これはGJと言わざるを得ない
キョンデレは時にハルヒデレを上回る2828をもたらしてくれるということですね、わかります。
>>507 素晴らしいぜ!GJだ!
>>511 約束で寝ているハルヒに自分の上着を掛けてやるキョンを思い出した
514 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/27(火) 20:10:18 ID:lo3MweRe
>>504 現在の北口駅からは、某球場まで直通バスがあります。
>>507 こいつあヤバいぜ。GJ過ぎる。
球場でのキョンの心情吐露とハルヒの情動が良かった。
作者の才能とハルキョンに嫉妬
>>507 GJ
さっき自転車で転んで捻挫した、歩けないほど捻挫がこんなに痛いなんて思わんかったorz
明日から松葉杖生活かあ。涼宮先生助けて
中国は中国でも台湾の方のだからおk。
キョンが部室に入ると隅のパイプ椅子で本を読んでいたのが長門じゃなくメカ沢だった電波がっ
>>523 ハルヒちゃんを見る限り長門は着ぐるみに向いているかも知れない(ナストラップ)。
ハルにゃんが部室に入ったら全員着ぐるみだった!
>>525 そしてどれがキョンなのかを一発で当てるんですねわかります。
>>507 乗り遅れたー。
さすがですね、これは良SSてなことでGJです!
はるにゃんのさこつ萌え
ハルヒのおっぱいは理想的なサイズだ
おやすみハルにゃん
ハルにゃんと一緒に飯を食う夢でも見れねえかな
場末のラーメン屋でのハルキョン
チャーシューをキョンの醤油ラーメンからくすねるハルヒ
代わりにハルヒの餃子を一つくすねるキョン
>>531 おごった上でさらにチャーシューくすねられるキョンが可哀想です><
ハルヒー
「ロックの勉強をするわよ!」とか言ってザ・フーの「トミー」を聴いたのはいいが、
長門もアルバム中の物語の主人公同様に幼少期のトラウマを抱えていて、
そのせいであんなに無表情なのかと勝手に妄想し一人思い悩む、という電波を受信した。
SSを書こうと思ったけどオチがないorz
ハルヒ「キョン以外の男には興味ありません」
ハルヒの背中を掻くキョン
537 :
(゚∀゚):2008/05/28(水) 00:42:00 ID:y4qUfxG9
ハルにゃんかわいいよ
一途なハルヒ萌え
部室で、朝比奈ウェイトレスバージョンさんを思い出し「ツインテールもよく似合ってますよ」と褒めたら、
↓
橘「呼んだ?」
橘の存在完璧に忘れとったわ・・・ぶっちゃけ・・・
>>540 橘をここで見れるとは…感動した
どこ行っても空気なんだもん
きょこたんいいコなのにね
どこいっても扱いがひどいw
>>539 キョン家にて
ハルヒ「……どう?って何よキョン。その格好は。ていうかそのムチみたいな手は何よ?」
キョン「ナニって?グドンだよ。グドンはツインテールが好物なんだぜ?」
ハルヒ「ちょ、キョン?なんか、その、わきわきされるとちょっと怖いんだけど」
キョン「無敵のSOS団団長さまがナニをおっしゃるやら……さあ行くぞハルヒ!」
ハルヒ「きゃあぁ〜〜♪」
545 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/28(水) 03:44:31 ID:EZjZ7kL/
ハルヒワールドにおける覆らない規定事項とは何か。
50字以内で簡潔に答えよ。
ハルヒがキョンを選んだように、キョンもまたハルヒを選んだことを、いつの日か二人が認め合うのが規定事項
怪獣から子供と子犬を庇って死んだキョン
ハルヒ「キョーン!」
キョンの自転車『流星号』を荼毘に付すハルヒ
>>551から変な妄想 怪獣とか子供とか子犬とかいきなりシカトw
「涼宮ハルヒから異常な情報フレアを観測」
「閉鎖空間が発生しました! 全世界を覆い尽くす勢いです!」
「ふえぇ、時間振動が……こんな時空震今まで見たこともないです……!」
嘘でしょ、キョン。
ねえ、嘘でしょ。
起きてよ。目を開けてよ。
名前を呼んでよ。
「この情報フレアは情報統合思念体をも凌駕する。時空改変に対するいかなる介入も無効」
「ダメです、閉鎖空間に侵入できません」
「時空が歪んでTPDDが使えません! もしかしたらこの時間平面も……!」
嫌。イヤ。
こんなの認めない。
キョンがいなくなるなんて。
キョンがいない世界なんて。
キョンがいない世界なんて、
「涼宮ハルヒはこの世界を改変ではなく破壊しようとしている」
「やはり彼がいなくなったという現実は受け入れられませんでしたか」
「……わたしがいた未来があるのか……わたしの存在ももうすぐ消えるかもしれません……」
――――要らない。
『アホか』
! キョン!?
『何後ろ向きになってるんだ、お前らしくもない』
キョン! ねえ、キョンなの!? どうして!?
『さあ、幽霊にでもなったんだろ。それより、そんな後ろ向きの考えはお前らしくもない』
な、何よ! だって、あんたがいない世界なんて面白くも何ともないわ。
あたしあんたのことが――――
『こんなことになってから言うのは反則かもしれないがな、俺が好きなのはいつだって前を向いているお前だったんだ』
『もしお前が願って本当に叶うとしたら、お前は世界の終焉と俺の復活、どっちを選ぶ?』
何よ、偉そうに! そんなの決まってるでしょ!
あたしの願いは…………
――――――――――――
「って言う夢を見たんだが」
「はあ、夢だと思ってるんですか」
「それは夢ではない」
「キョンく〜ん、良かったですぅ〜」
「なんですと!? まさか俺、1回死んだって言うんじゃないだろうな!」
「やーっほー!! みんな揃ってるわね!」
「……お前は元気だな」
「当たり前じゃない! あたしはいつだって前向きに生きてるのよ! だからキョン、あんたも突然あたしの前から居なくなるんじゃないわよ!」
「ああ、わかってるさ」
---
なんて小ネタを書いていたら昼飯食い損ねた。コンビニ言ってくるぜw
>>555 元ネタあるんじゃないかと思ってたがやっぱりあったかw
とすると地球を訪れていた朝倉が自分の生命と能力をキョンに与えてキョン復活、
キョンは怪獣攻撃部隊SOS団に入団して続々と現れる怪獣や宇宙人に立ち向かっていくのであった。
って話にすれば良かったのか、ってそんなの書けねーよ!
↑ウィキペディアで調べたw
恥ずかしいので穴掘って潜ってくる。カロリーメートうめえ。
休み時間、キョンがいないとき阪中たちからキョンが好きなんでしょとからかわれるハルヒ
ついヤケになってはっきり好きだと言ったのがキョンに聞かれていて思わず逃げるハルヒ
散々校内を走り回り放送室ですったもんだの末、告白するハルヒ
実はスイッチが入っていて校内に放送されていた、というありがちな電波がやって来た
>>556 生徒会長を始めとする上層部からしょっちゅう解散をちらつかされたり
キョンいじめ役が長門になるんですね、わかります
ハルにゃんは永遠にキョンの嫁です。
>>557 その後のキョンの告白返しもLIVEで放送ですね、わかります。
>>560 そこに古泉がふんどし一丁で乱入してくるのですね、わかりますんもっふ。
>>561 そして怒りの閉鎖空間を発生させたハルヒによって●は粛正されるわけですね、わかり……ねーよw
もしかしてまた元ネタ分からずにレスしてるか? 俺。
もうちょい穴の中にいることにする。
テラカオスな流れ
大丈夫、フルメタネタは自分もさっぱりわかりません
キョンたんハァハァ
フラメンコを踊るハルにゃん
SS投下良い?
エロキョンから普通のキョンに戻って頂きました
3レス消費予定
きなさい
今は世間一般に梅雨と言われる時期である。そしてそれを証明するかのように連日雨が降っていた。
が、雨雲も休日を取りたかったのか、今日は太陽がさんさんと輝く、何日ぶりかのまさに快晴であった。
朝、登校した時のハルヒのテンションは最近では最も高いものであった。
それは何故か?
体育の授業があるからである。
ちなみに女子は外でのテニスなのだが、どうやら前回の体育の授業で長門に負けたらしい。
そして、そのリベンジに燃えていたらしいのが、この連日の雨で体育が体育館での活動になり、「決着がつけられないじゃない!」と一人怒っていた。
きっと今日のこの快晴だってハルヒの仕業に違い無い。我慢の限界にでも達したのだろう。じゃなきゃテニスコートがあんなに乾いてるわけがない。
そして4時限目。体育は何の支障も無く行われ、ハルヒは長門相手に見事勝利をおさめたらしい。ただ、その試合を観ていた他の女子生徒の話によると、人間どうしの試合ではなかった、と言うことだった。お前らもう少しセーブしろよ。
で、そのハルヒはと言うと足取り軽く、まさに上機嫌であった。今頃は古泉の奴も一安心してるんじゃなかろうか。
その満開の笑顔なハルヒは昼休み、終業のチャイムと同時にいつも通り学食へ走るように消えて行ったのだが、いつもより早く戻って来て、「あたし寝るから授業始まったら起こしてね」と言い残し自分の席で机に突っ伏して睡眠に入ってしまった。
「なんだ涼宮の奴帰ってくるなり寝ちまいやがって」
昼飯のために机を同じくしていた谷口が、ハルヒが完全に寝ているのを確認しながら文句を垂れた。
「あんまし見てやんなよ」
俺は弁当の包みを閉じながら谷口に言ってやるが、谷口は古泉とは真逆のベクトルのニタニタと言う言葉が一番似合うような顔で、
「分かってるってキョンよ。嫁の寝顔は夫だけのもんだもんな」
誰が嫁で夫だ、コノヤロウ。
「おっ、照れてんなこのバカップルが」
てめぇ、その口にふやけたキャットフードでも詰め込んでやろうか。
「意味わかんねぇよ!」
「まぁまぁ二人とも」
すかさず国木田が間に入る。
おい国木田、俺はただだな、ハルヒが起きたら谷口がどうなるかをだな……。
「はいはい、ツンデレツンデレ」
「なっ!このチューリップ!」
「んな可愛くねぇよ俺は!」
うわっこいつ自分で可愛いとか言いやがった。
「言ってねぇし、そこで引くんじゃねぇ!」
「まぁまぁ、谷口も寝ている女の子の寝顔を覗くなんて良い趣味じゃないよ?」
「趣味じゃねえよ!」
「今日の体育、長門さんと凄い試合したらしいし、流石の涼宮さんも疲れたんじゃないかな」
「スルーか!」
谷口が何か言っているが気のせいだろう。
それよりも俺も国木田の予想が当たってるような気がしなくもない。あの長門相手に勝利するなんて俺からすればあり得ないことだしな。
長門に聞いた話じゃ、
「わたしはわたし自身の人間としての機能内の能力で戦った。だが、予想よりも遥かに涼宮ハルヒの身体能力が高かった。今度は負けない」
と言ってたからな。ハルヒも久しぶりに本気でやったのだろう。余程体力を使ったと見える。
ちなみにハルヒの神的能力は使われてなかったとも言っていた。
全く、能力を使わずに長門相手に勝利だからな。ホント恐れいるぜ。
その後、谷口と国木田相手に適当な話をし、チャイムがなったところで昼休みの雑談タイムをお開きにした。
二人がそれぞれ自分の席に戻るのを見てから俺は後ろを振り返った。
「やれやれ、マジで熟睡してやがる」
本当に疲れたらしいな。規則正しい寝息が聴こえる。
何かこうやってこいつの寝顔を見ていると去年の夏の天体観測のことを思い出すな。
その寝顔は、イタズラ描きをしたくなるほどさまになっていた。と言っても寝ている顔が一番よいというわけじゃない。こいつは笑っている顔が一番似合う。
だが、やはりと言うかこれだけ気持ち良さそうに寝ている奴を起こすのは忍びない。
そんなことを考えながら起こすかどうか迷っていると、
「キョン…」
静かな寝言がハルヒの口からこぼれ落ちた。
一体こいつは何の夢を見てやがるんだろうね。俺をパシりにしてるのか何かか?
しかし、こいつ寝顔は可愛…、いや、ただの妄言だ、気にするな。
って俺は誰に言い訳してんだ。
と言うかあれだ、世間一般に言ってだ。きっとどの男だってこの寝顔を見たら可愛いって言う。いや、決まってる。
まぁ、見せはしないが。ほら、一応ハルヒだって女の子なわけだし、知らない奴に見られるのは嫌だろう?そう、ただそれだけだ。他意は一切無い。
だが、幼さが残る耳、整った眉、鼻、柔らかい唇、頬、閉じらた瞳。その一つ一つが俺の意識を持って行く。
何処へ?知るか。
…やれやれ、俺はホントに何を言っているんだろうね。
こういうときのハルヒの寝顔には邪気の欠片もなく、年齢よりも幼い感じがして俺はひょいと目を逸らした。
見つめていたら俺が変なことを考えてしまいそうであったからだが、まぁ、その変なことなんてのが何かは俺にも解らない。
しかし、不意打ちのように再びハルヒの寝言が耳に届く。
「キョン…好き…」
「………」
今、俺はどんな顔をしているのだろうか。正に不意討ちだ。討ち取られた。男一人、寝ている女の子を前に顔を赤くしている怪しい奴になっているに違い無い。
俺はどうすりゃいいんだ。寝言だから別に良いって無視して聞かなかったことにするか?
「…キョン」
しかし、追い討ちを掛けるようにハルヒの寝言が俺の全神経を逆撫でる。
フロイト博士なら何て言うのだろうか?夢は…何を表しているんだっけな。
ああ、ちくしょう。
一回だけだぞ?ちゃんと聞いとけよバカハルヒ。
俺はハルヒの耳元に唇を近付け、静かに囁いた。
「好きだぞ、ハルヒ…」
「なぁ国木田」
「どうしたの?谷口」
「あいつ授業中ずっと涼宮の方向いてたよな?」
「うん。五時間目はずっと後ろ向いて涼宮に向かって何か言ってたね」
「しかも最後の何だよ、お互いに好きって。ノロケが聞こえてるって気付いてねぇだろあいつら」
「そうだね。先生が注意してもキョンが前向かないから諦めて授業始めたけど、皆気になって静かだったからね」
「まだやってるぜ」
「六時間目もやってるんじゃないかな」
「「…やれやれ」」
>>570-573 以上です。
結局4レス消費…しかも最初のやつ『ハルキョンSS 可愛い寝顔 1/3』って入れるの忘れたorz
申し訳ない
先生、世界がピンク色に染まって見えますがこれは病気でしょうか
>>574 (*゚∀゚)=3ムッハー!
ハルにゃんの耳たまらんとです
>>574 GJ! 寝言ハルにゃん反則すぐる
キョンも授業中くらい自重w
教室中が桃色に染まったんだな、目に浮かぶぜ。
>>574 GJ!!!
>>575 俺も、画面が時たまピンク色がかって見えるのですが、故障でしょうか?
口から砂糖吐きそう
永久糖土
SOS団サイトに侵入したハッカーを追うハルヒ
ハルにゃんが電脳戦を出来るとは思えんので、不思議パワーでパソコンの電脳世界に侵入して半ば物理的に犯人を追うんですね
青いイルカが電脳世界の案内役として登場するのですね、わかります。
そしてLANケーブルをトンネルの如く通過してたどり着いた先には電脳世界
情報を食い荒らすウィルスと戦う訳ですね
SOS団と生徒会とで電脳戦を繰り広げて、だんだんエスカレートしていって、
ついに本気になちゃった長門と喜緑さんの間で、人間の介入する余地が無いぐらいの宇宙戦争になるって奴を書いたけど。
ハルヒが出てこないので、お蔵入りになりますた。
その部分はさらっと二行くらいで収めて、残されたハルヒたちの話を描写するんだ!
「笑い男」の謎を追うSOS団
>SOS団サイトに侵入したハッカーを追うハルヒ・・・
ハルヒが歯噛みしてパソコンのディスプレイを鷲掴みでガタガタ揺らした挙句
それをキョンたちが止めてる間に裏で長門がなんとかすると思った自分は
つくづくと凡人だ
糖分摂りすぎは危険と思い。御口直しに甘さ控え目のSSを書き上げたのだが長編のうえネットが止められてしまいレス出来ない。しかたないから自分で読んでニヤニヤしてる…悲しい
うおおおおおおおおおおおおおおお!!ハルヒーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
>>591 ケータイで頑張るとかw 一日3レスずつくらいでw
スマン、読み返して手直ししたところ、甘さ控え目どころか無茶苦茶暗い鬱展開だわ。書いてて俺もブルーになってしまった。 ネット繋り次第掲載予定
受験結果と季節。
2つの意味で春待ちな、朝の教室。
机に突っ伏して、この上なくグッタリしているキョン。
心配そうな顔で谷口・国木田が寄ってくる。
「よぉキョン。随分眠そうだな。っていうか大丈夫か?」
「顔色悪いよ。物凄いクマだし。あれ?でも、もう受験終わったんだよね?」
「ああ、なんとかな。受験は終わったんだが…」
「終わったんだが…?」
「夕べはハルヒのヤツがポニーテールだったからな…」
2人にだけ聞こえる程度のささやき声、むしろ瀕死の蚊のような声で言うキョン。
「……」
谷口・国木田が、ゆっくりとキョンの後ろの席に目をやると…。
教室の入り口から、妙に毛づや(?)のいいハルヒが、
超機嫌良さそうに歩いてきて席に着く。
……なんていう電波を受信した。末期か。
毛づやという表現に笑った。
競走馬かい。
おハルにゃん。
>>595 ポニテだったからって頑張りすぎだキョンw
やれやれ、過疎だな。
何だハルヒ。なんて書けって?
「5分ハルヒ」?
それに何の意味があるんだ。
仕方ない、団長命令だからな。
5分レスがなかったらハルヒは俺の嫁。
キョンはハルヒの嫁
ハルにゃんはキョンの婿
ハルヒはキョンの顎
藤原「ハルヒがキョンの嫁なのは規定事項だ。」
なんか色々スマン。
考えようによっては今日の夜(日付は明日だ)が例の閉鎖空間発生日だな。
「俺、実はポニーテール萌えなんだ」のセリフは午前2時頃か。
自分のスレッドストッパーぶりに泣いたので小ネタを書いた。
---
「あんた昼休みに女の子から手紙もらってたわよね」
何だ、見てたのか。確かに封筒を渡されたがそれが? それに見てたなら昼休みに訊けばよかったじゃねえか、もう放課後だぞ。
「ラブレターなんじゃないの?」
「多分そうだろうな」
俺が諦め半分に言うとハルヒは眉をつり上げた。
「ダメよ」
「何が」
「SOS団の団員は恋愛禁止なの! ラブレターもらって喜んでるようじゃ団員として認められないわ!」
恋愛禁止って前にも言ってたよな、しかし別に喜んじゃいねえ、むしろ……。
なんて暢気に考えてる間に、その手紙はハルヒの手に渡っていた。渡されたところを見られていた以上こうなることは規定事項だったので、俺は内心溜息を吐きつつハルヒの表情を見守った。
正直、うやむやにしてしまいたかったのだがそう言うわけにも行かないか。
そのハルヒは手紙を開いて……きょとんとしている、というのが正しいか。これはめずらしい表情だな。
「ねえ、これ、何であんたが女の子から渡されてるのよ」
なおも首を傾げながら訊いてくる。そりゃそうだろうな。
「頼まれたんだよ、俺も彼女も。よそのクラスの奴かららしい」
そう、このラブレターは残念ながら俺宛ではない。俺に渡してきた女子クラスメートは、他のクラスの奴から頼まれた、と言っていた。
そして何故か俺に「渡しておいてね」などと言って押しつけてきたというわけだ。何で俺が。
「じゃあ何でさっさと渡さないのよ」
やっぱりそこをついてくるか。気にするな。
「忘れてたってことで勘弁してくれ」
ハルヒは疑い深い目で俺を見たが、取りあえずは納得してくれたらしい。
「で、それどうするんだ」
俺はその「涼宮ハルヒ様」で始まるらしい手紙を横目に見ながらさりげなく訊いた。気にならないと言えば嘘になる。
「あたしはさっき団員は恋愛禁止だって言ったばかりでしょ! 団長自ら破ってどうするのよ!」
なるほど確かにそうだが……。半分安心して半分がっかりしているのを自覚して溜息を吐いた。
断る気だったってのはいいが、恋愛禁止ってことは俺に望みもないってことかよ。
やれやれ。
>>604 ほほう。明日はそんな運命的な日だったのか
>>605 おお、なんか来てたw
やきもきするキョンにどこか安心してるハルヒがイイカンジだGJ。連レススマソ。
>>604 ということは2時間くらい姿を消して例のセリフを言わなきゃ。
いつからだったろうか、不思議探索という名のデートみたいになったのは。
ハルヒとなんてめったにペアになることはなかったが、
ここ最近はたて続きにハルヒとばかりペアになる。
それもそのはず、ハルヒがそうなるように仕組んでいたからだ。
あらかじめ俺達にに赤いクジを握っておかせ、
全て無印のクジを適当に引いて拳の中でそのクジと入れ替えて差し出せばよい。
というわけで今日もハルヒとペアになった。
ハルヒは俺の横を無言で歩いている。
無言のハルヒには昔にはない妙な心地良さがある。
いや、寧ろ最近はそっちのほうがいい。
喋りだすとうるさい。というのは冗談で
無言でいて気まずくない、という関係は長門と一緒だ。
どこかへ行こうなんて特に考えてはいない。
どこでもいい。道行く人々の目線がハルヒに集まる。
。ハルヒを見る。
ハルヒは手をちょっとだけこっちに差し出している。
今繋いでも繋がなくても世間からの目はどうせ
高校生カップルだ。だったら繋いでやる。というのが俺の結論だった。
ハルヒと手を繋ぐのは多分これで4回目くらいだ。
俺はなんとなく、人気の少ない場所を求めていた。
もう既に本来の目的を失っているような気がする。
でも一応聞いてみた。
「不思議探索とやらはいいのか?」
「今やってるでしょ」
まあ、確かにそうだ。今までの不思議探索も
ただ適当にブラブラ歩いてどうでもいい話をして終了ーっていうのが
基本的な流れだったからな。じゃあなぜそんなことを聞いているのかというと・・・
しかし皮肉にもこれは完全にデートだ。
ハルヒが当初言っていたことと完全に矛盾してるな。
そこをハルヒはどう思っているのだろうか。
と、考えたときもし長門らと鉢合わせしたら
まずいことになりそうな気がする。
谷口あたりだともっと面倒だ。
なんかどうでも良くなってきた。
ふとハルヒを見る。ハルヒもこっちを見る。
今ならエネルギーを注入してもらったら効果があるような気がする。
「やっぱりポニーテールのほうがいいな」
と、注文するとハルヒは珍しく俺の注文通りにポニーテールに縛りあげた。
いつも思うのだが、ハルヒのポニーテールは
中途半端でなにかこう、いじらしくなってくる。
弾力性があり、ピョコピョコする。
しかし貴重なポニーテールは集合の時間には既に解かれており、
写真にでもこっそり残しておけば良かったと後悔するばかりだ。
そろそろハルヒとペアになるのも連続して3回目。
そろそろ怪しいと誰しも感づいてきているはずだ。
だから今度は俺から正式なデートに誘ってやろうと思う。
>>605,609
GJ!
最近はキョンが素直なせいか雨ばかりの日々が続きますね
>>609 GJ! 細工をしておきながら何言ってんだキョンw まったくお前ってやつはw
>>609 ギュッとしないだけの理性を残せるキョンは化け物か
>>609 GJ! 細工をしていることは既にバレバレかとw
少なくとも長門は分かってるでしょうし、古泉は細工でなければハルヒパワーだと思ってそうだ。
どう見てもバカップルです。
たまには雨もいいな、
と相合い傘しながら微笑むハルにゃん
ビッグマックに齧り付くハルにゃん
一本あれば十分でしょ!
>>609 長門と鉢合わせを心配?
団活なら、長門はハルキョンがペアになったのを知っているはずだが
>>618 横からだが、手をつないでるのを長門ら他の団員たちに見られたら恥ずかしいからだろ
今日授業中に教授が突然フロイト先生の夢の話を始めるもんだから
ハルキョン思い出してニヤニヤしちまったww不覚
Lサイズでお願いします
622 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/29(木) 23:48:20 ID:r7bAf8/Z
数十年後、夫に先立たれた老婆が夕焼けのなかかつて北高があった山を見上げている。仲間達は全て彼女のもとを去っており、ひとり人生を思い起こしていた。「キョン、SOS団はあたしとあんたの二人だけの物だったわ…」
>>620 大丈夫だ。
きっと教授もニヤニヤしてるさw
ホットドッグのマスタードで鼻にツンときて涙目のハルヒ
「はい、お茶どうぞ♪」
「ありがとうございます、朝比奈さん」
ニコニコ顔の朝比奈さんが皆にお茶を入れてまわっている。あーいいね、このお茶を飲んでる瞬間。だがその至福の時は長くは
続かなかった。ハルヒが熱いお茶をあっという間に飲み干したと思ったら、いきなり立ち上がって俺に命令した。
「キョン!焼肉パーティーするわよ!」
ハルヒの唐突な発言はいつもの事ながら、あいかわらず食い意地張ってるのな。まぁそんな事指摘したらハルヒにぶん殴られそう
なので黙っておこう。まずその意図から確認しようじゃないか。
「なんで焼肉なんだ?ハルヒ?」
「何でもいいじゃない!あたしが食べたいからよ!」
うん、いつもの気まぐれだな。どうせどっかの雑誌かテレビか何かで焼肉食ってるとこ見た、とかなんだろう。
「まさか、この部室でするとか言わないよな?」
「何よ、そんなにすぐ食べたいの?キョンったら食い意地張ってるのね!」
ちょっと待て、言い出したのはお前だろう、ハルヒ。俺が食い意地張ってることにするなよな。
「まぁいいわ。いくらなんでもここじゃ焼肉なんて出来ないわよ。」
ふ〜やれやれ。その程度の常識は持ち合わせてたんだな。
「で、いつ、どこでするんだ、焼肉なんて?」
「そーねー、土曜の夜に有希のお家、ってのはどうかしら?」
本を読んでた長門が、こちらに顔を向けた。”どうかしら?”って、ハルヒが長門に先に許可取ってないのはいつもの事だろうが…
「私はかまわない」
まぁ長門が拒否するはずはないわな。だが問題はそこじゃなくて……
「そりゃそうと、肝心の鉄板とか食材……とくに肉はどうするんだ? 最近は和牛でなくても高いんだぞ。」
「それは解決済みよ!? ね、古泉くん!」
「はい、もちろん。」
ニコニコスマイルの古泉が答えた。ああ、なるほど、こいつが首謀者なのか。
「僕の親戚の結構な富豪でおられる方が……」
古泉の話は面倒だから省略だ。というか、聞かなくてもわかるだろう?どーせ例の機関とやらの差し金で全部準備したって事だ。
「じゃ、決まりよね!! あと、キョン!あんた何にも準備してないんだから、肉焼く係よ!わかった!?」
「わかったわかった、ハルヒ。雑用係は何でもするよ。」
「みくるちゃんはあたしと一緒に食材の準備よ。」
「は、はい」
「じゃ、みんな、いいわね!!」
まぁ俺が金を出さずに済むんならそれでいいし、これでハルヒの気が晴れるならそれでもいいだろう。
そう、俺はこの時はそう気楽に思ってたんだ。
「おい、古泉」
「なんでしょうか?」
あっという間に土曜の夕方だ。長門のマンションに来た俺たちは食材やら何やらを持ち込んだわけで……俺はというと
焼肉焼く係だそうだから、一応肉を見てたんだが……そうそう、ハルヒと朝比奈さんはキッチンで野菜を切ってる。キャーキャー
言いながら切ってるみたいだが、朝比奈さんは包丁使っても大丈夫なのか? まぁそんな事はハルヒに任せるか。
長門はといえば俺の横で本を読んでる。まぁ場所を提供してもらってるわけだから、このまま静かにしていてもらえば
いいわけだが……
「これだ、これ。お前、神戸牛なんてどこから調達したんだ?」
「どこといっても、ここから近所じゃありませんか。」
「そうじゃない。こんな高い肉をたかだか高校生の焼肉パーティーに持ってくるなよ。」
「ご不満ですか?」
「俺はどうでもいいが、問題はハルヒだ。あいつの舌が肥えたら、またいろいろとうるさいぞ。」
「いいじゃありませんか。またその時は我々が色々と準備させていただきますよ。」
ちぇ、古泉にいろいろと貸しを作りたくないんだが……と思ったら台所から大声で呼ぶ奴がいる。
「ちょっとキョン!こっち来て、野菜持っていって!」
へいへい、そっちに行きますよ。行って見ると皿一杯に玉ねぎにジャガイモ、ニンジン、いろいろ切ってある。しかしなんだ
この量は。そもそも野菜皿だけでいくつあるんだよ。
「おいおい、ハルヒ、肉以外にもこんなに食うのか?」
「いいじゃない。それにせっかく用意してもらったのに悪いわよ。食べないともったいないお化けが出るわよ、キョン。」
「小学生じゃあるまいし、何が”もったいないお化け”だよ、ハルヒ。」
と思いつつテーブルの食材を眺めてて……焼肉するには見慣れないものが……なんだこれ? なんでマツタケがあるんだ?
「あ、キョンくん。それは鶴屋さんの差し入れですよ♪」
「鶴屋さん?」
「はい。”今日は用事があって来れないから代わりにょろ♪”と言って差し入れてくれたんですよ♪」
朝比奈さんが鶴屋さんの口癖を真似つつ説明してくれた。ああ、相変わらずいい人だな、鶴屋さん。
しかしマツタケって今の時期のものだっけか?
「ちょっとキョン!!みくるちゃん見て何にやにやしてんの!! さっさとこれ運ぶ!」
「わかったよ」
ん?ハルヒの奴は何かマツタケ見て立ち止まってるが………どうした?
「それよりもこのマツタケね……そうね、食べたら性格が変わるとかだったら面白くない?みくるちゃん?」
隣で危なっかしい手つきで一生懸命に玉ねぎ切ってる朝比奈さんに声かけた。
「ええ?このマツタケさん食べちゃうと、性格が180度変わっちゃうんですか?」
「そうよ!! どうかしら?」
ちょっと待て、ハルヒ。そういうのはマジ止めてくれ……ただでさえお前はそれを実現させかねないんだぞ。危ないから
話を変えさせよう。
「ハルヒ、それ面白くないな。せっかくの焼肉で毒キノコを食べるなんて考えたくも無いぞ。」
「なによ、キョン、あんたつまんないわね。」
「つまらなくて悪かったな。じゃ、これ持ってくぞ。」
ふ〜危ない危ない。ハルヒの奴、あのまま話したら無意識のうちにマツタケを毒キノコに変えかねないからな。
だが、今から思うとこの時はもう事が起こってたんだよな。
「さすが古泉くん!美味しいわ!」
「お褒め頂き、ありがとうございます。」
ちぇ、こいつが自腹で用意したんじゃないぞ。まったく…
「ほら、キョン!何ぼけっとしてんのよ。さっさと肉を鉄板に置く!!」
「ちょっと待てハルヒ、お前の前にまだ肉が一杯あるじゃないか。」
「空いてる場所がもったいないから焼くのよ!」
ひょいパク!ひょいパク!ひょいパク!ひょいパク!ひょいパク!
「あ!有希、あたしが焼いてたの取ったわね!!」
「待て待てハルヒ、いまそこに肉置いてやるから。いちいち長門を責めるな。」
「キョンくんやさしいですね♪」
「ちょっと、みくるちゃん、キョンは雑用なんだから、そんなのでいちいち褒めたら駄目!!」
「ふえぇぇ〜」
なんだそりゃ。まぁこんな感じで、つつがなく焼肉パーティーの方はは進んだ。いつものようにハルヒは豪快に食うし、
長門は延々と食べ続けてた。肉自体は最高級に近いものだけあって、大変美味しい。ま、不本意ながら、その辺に
ついては古泉の貢献大なのは認めざるを得ないがな。んで、俺は肉を焼くのに忙しくて、実はマツタケを食べそこねて
しまったわけだが、そんな事どうでもいいくらいお腹一杯だ。
さて焼肉が終わって、このあとまったりした後の事だ。いや酒は飲んでないぞ。未成年云々と細かいこと言う気はないが、
孤島でいろいろあったし、それ以前にお腹に入らないけどな。そうこうしているうちに、いつの間にか妙な状態になってた。
「涼宮さん、いいこと!? いつもいつもキョンくんといちゃいちゃしてて、さ」
「み、みくるちゃん!? あ…あたしがいつキョンと……」
「いいからまず黙って聞くの!!! でもね、キョンくんが優しいことをいいことにキョンくんを顎でこき使ってて…彼がかわい
そうだと思わないの!?」
「…い、いや…その…」
「キョンくんは優しいし、あなたが好きだから文句言う振りしてるけど。まずそこ、わかってる?」
「…そ、そうなの?……」
ハルヒに食って掛かるように説教してるのは……なんと驚くべきことにマイスイートエンジェルの朝比奈さんだ。いつも
ハルヒにおもちゃ扱いされていつも泣きそうな顔してるのに、毅然としてハルヒと対等に…というかハルヒが圧倒されてる。
これは見ものだな……って違う違う、そうじゃない。というか、どさくさにまぎれて朝比奈さんは何を言ってるんだ?
俺の隣で成り行きをじーっと見てる古泉に近づいて小声で話しかけた。ハルヒに聞こえちゃいけないから仕方ないとはいえ、
何が悲しくて俺がこいつの耳にささやきかけんといかんのか……いつもと逆だな。
「おい古泉、あれ放置してていいのか?ハルヒの機嫌を損ねたらまたいつもの閉鎖空間が頻発するぞ。」
「顔が近いぞ!俺の知ったことじゃない。それに閉鎖空間なんて、初期段階なら俺が行かなくたって組織の誰かが何とかするさ。」
おい、「顔が近い」は俺がいつも使ってる台詞だぞ、古泉よ……というか古泉が”俺”?……酒でも飲んだのか?頭でも打ったか?
だめだこりゃ、よーしここは一番頼りなる長門に聞いてみよう。
「だーいじょうぶ♪だーいじょうぶだって♪ すぐ元に戻るって。もぉ〜心配性なんだから、キョンくんったら♪このこの♪」
そこには100Wの笑顔の長門。このこの、と言いながら俺の右頬を人差し指でツンツンしてる……うーむ、長門もこんな女の子
らしい表情やゼスチャができるんだな。というか、お前も俺をその名前で呼ぶのかよ。いや、そんな事言ってる場合じゃない。
朝比奈さん、古泉、長門、それぞれの性格が大変な変わりよう……というか逆転してる?これはどういうことだ??
とにかくこの状態を何とかしないといかんが……閉鎖空間とかじゃないみたいだし、例のカマドウマの時とは違うようだ…さてはて。
「何だよ。俺を見るなよ。今の俺には何も能力無いぞ。」
そんなこったわかってる、古泉。今回はお前の出番はないみたいだし相手をしてると面倒だから、そのままそこでおとなしくしてろ。
朝比奈さんには悪いが聞くだけ無駄どころかハルヒ相手に説教して事態を逆に面倒にしてるので、ここはやはり長門に頼るしかないな。
「長門、質問がある。」
「なになに♪あたしに出来ることなの?」
100Wの笑顔の上に愛想のいい長門か……何か調子が狂うが、とにかく目の前のこれを解消するほうが先だ。
「率直に聞こう、長門や朝比奈さん、古泉の性格が変わってしまった原因はなんだ?」
「これ♪」
笑顔の長門が指差してるものは…うすく切ったキノコみたいなものだが……これ?
「マツタケ?」
「そう♪」
「実は毒キノコとか、マツタケもどきとか?」
「キョンくんったら、違うって。これは本物のマツタケ♪でも涼宮ハルヒが変な成分を与えただけ。」
ああ、なるほど、そういう事か……いつものハルヒの能力って奴か。だから言わんこっちゃ無い。なるほど俺はマツタケ食べてない
から普通なんだな。なるほど原因はわかった。
「じゃぁ長門、どうやったら元に戻るんだ?」
「だ・か・ら、しばらくしたら直るって♪」
「しばらくって、どのくらい?」
「個人差があるからはっきりとしたこといえないけど……1時間から2時間ってトコかな♪」
笑顔で話す長門を見てると一瞬このままでもいいかなと思ったが、そこでハルヒを説教している朝比奈さんを見てその考えは
即座に否定した。
「長門、お前の能力ですぐ元に戻せないか?」
「それが駄目なの。涼宮ハルヒの能力が強くて、わたしじゃ干渉できないの。ごめんねキョンくん♪」
笑顔で謝る長門についクラ!と来てしまったが……その瞬間、朝比奈さんと目があった。う、目が坐ってる…これはまずい!
「ちょっとキョンくん、あなたもこっち来て座りなさい!」
「は…はい」
逆らったらやばそうなので、朝比奈さんの言うとおりにした。ハルヒと並んで正座してみる。ハルヒ、お互い何か無様だよな。
「キョンくん、あなたはあなたでぜんぜん女心というのがわかってないわ。」
いや、俺は女じゃないので女の心はわかりません……というボケツッコミが通じる状況じゃないみたいだから素直に答えよう。
「は、はい」
「あれだけ涼宮さんの事が好きなのに、そのそっけない態度は何なの?」
え〜と、いつからそう決まってたんでしょうか?……とそこで少し反論しようとしたのが、この後の悲劇の始まりだった。
「いや、あの〜〜〜いつから好きだというのが規定事項に…??」
「違うというの?」
「いや、違うと言うわけじゃない…というかなんというか…」
いや、どう答えればいいのか…俺の頭が混乱中名ところに古泉の余計な一言が拍車をかけた。
「アレだけ夫婦喧嘩しておいて、いまさら否定もへったくれもないだろう。」
くそ!ため口で語る古泉、むかつく!? と思ったら笑顔で俺に微笑みかけてるけど朝比奈さんと目があった。あ、目は
笑ってない……こ、怖い……
「ち・が・う・の・か・し・ら♪」
「あ、いいぇ、違うとかじゃなくて……その……」
「そ、そうよ、みくるちゃん! きょ、キョンは只の団員その1であって、そ、それ以上じゃないわ…」
まてまてハルヒ、今の朝比奈さんに反論したら大変な事になるぞ、と思った時は遅かった。
「ふ〜ん、そう♪ ホントに二人とも素直じゃないんだから……じゃぁ、たとえばあたしがキョンくんとキスしても問題ないってこと?」
へ?何を言ってるんだ、朝比奈さん???
「べ、別に、キョンが……みくるちゃんとキスしたくらいじゃ……な、何ともないわよ。勝手にすれば!?」
「そう、わかったわ♪」
え?何で朝比奈さん、俺ににじり寄ってくるんですか?あの……ちょっと待って!?!?
「じゃ、キョンくん、許可も出たことだし、遠慮なくいくわよ♪」
次の瞬間、俺の唇が朝比奈さんのやわらかい唇に押された。あ、あ、あ、あの〜〜〜〜これって……硬直した俺の唇に延々と
キスし続けてる朝比奈さん……ちらっと隣を見ると、ハルヒが唖然としていている。あ、まずい!!
次の瞬間、ハルヒが俺を朝比奈さんから引き離した……
ぱぱぱぱぱぱぱっぱっぱん!!!ぱぱぱぱ☆!バンバン!!!!!!!!
いていていていていててててて!いたいいたいいた!
ハルヒに馬鹿力で往復ビンタをされた!!!!うおぉぉぉ!頭がくらくらする……
「キョン!!!あんた、みくるちゃんと何してんのよ!!!!?!?!?」
顔を真っ赤にしてお怒りモードのハルヒがそこに……い、いや、俺は何もしていないぞ……朝比奈さんが勝手にしたんだぞ。
「い、いや、その…」
そこに朝比奈さんが横から余計な一言。
「キョンくん、キスが上手♪」
「ちょ、ちょっとみくるちゃん!!!あなたも…」
そう言いかけたハルヒが朝比奈さんに向いた瞬間、俺の頭が誰かに掴まれた……って長門?いつのまに俺の横に???
と思った瞬間、俺の頭がぐいっと引き寄せられた……長門、何をするんだ????
「朝比奈さんだけじゃ不公平だから、わたしもするね♪」
え?何を?というのを考える前に、今度は長門が俺の唇に触れた……おいおいおいおいおいおい、これって……
またまた硬直した俺の唇にキスし続ける長門。おい舌まで使ってきて……
「キョン!?あんた有希にも何するのよ!!!!!!」
次の瞬間、俺はハルヒに掴まれて長門から離されたと思ったら
ドス!!!!!!!
ハルヒの右パンチが俺の鳩尾に決まった! は、ハルヒ、お、お前、どこでこんなパンチ習ったんだ……と思ったが、
そこまでだった。俺の意識は、はるかかなたの天国へ飛ばされていった。
うーん……???
俺は目を覚ました。なんだか頭の後ろがやわらかいが……と目をあけると俺を心配そうに覗き込む黄色いリボンをつけた
女の子…ハルヒ???
「お、起きた??」
「あ、ああ」
え?この体勢でってことはハルヒの膝枕????
あわてて起き上がったらハルヒと目があった。あれ目が…赤い…??
「よかった。この前みたいに目覚めないんじゃないかと……キョン、心配したのよ!?」
「ちょ……っとまてハルヒ。今回はお前が俺をぶっ飛ばした直後に俺の意識が無くなったんじゃ……」
「もういいじゃない、そんなこと。」
よくないぞ、ハルヒ……まぁ往復ビンタやパンチされても仕方が無いことした気もするが、あれは俺のせいじゃない気が…
「それよりキョン、はい、あーん♪」
まだ寝ぼけてた俺は、泣いたせいか少し目が赤いハルヒの右手から差し出されたものを何の疑いもなくパク!とたべた。
もぐもぐ、ごっくん。うん、なかなかおいしい…これマツタケ?うんうん……っておいハルヒ、まさか!?!?
「最初は焼肉パーティーの話だったんだけど、長くなったから後半はまた明日の夜にょろ♪」
「あ、鶴屋さん、こんばんわ。キョンくん、あのマツタケさん食べたら、どうなっちゃうんでしょう?」
「お、みくる、お疲れさま。でもそれは次回のお楽しみにしていてってことっさ。」
「う〜ん、心配ですぅ…」
「そりゃそうと、キョンくんとキス出来た感想はどうだい、みくる?」
「え?え?え?え? その〜あの〜その〜」
「うむ、よかったみたいってか」
「いや、その…」
「まぁそれは明日ゆっくり聞こう。じゃね♪」
631 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/30(金) 01:38:58 ID:gAIz1rT1
面白い!果たして松茸食べたキョンはどーなるのですかね?
二つの頭脳をもってツンギレに目覚めるとか
GJ! まさかそこでキョンがマツタケw
──ん、ここは……? 閉鎖空間、か。やれやれ。
毎年のことながら、思いっきりキスをしたいって為だけにこんな特殊な閉鎖空間を発生させなくてもいいだろうに。
今でこそ慣れっこだが、当初は古泉たちも大慌てだったんだぜ? まったく困った嫁さんだよ。
と、感慨にふける間もなく、静寂を破りながらけたたましく足音が近づいてくきて急ブレーキをかけた。
「キョン! こんなとこに居たのね! もう……探したわよ」
ああ、俺もだよ、ハルヒ。
ハルヒはさっきまでの勢いはどこへやら、一転、大人しく静かに俺に寄り添ってくる。
「今なら誰も居ないし、ね?」
わかった、わかった。そんなビッグバンでも起こしかねないような目で見つめないでくれ。クラクラして倒れちまう。
「もう、焦らさないの!」
お前のその衰えることの無い輝いた目をいつまでも見続けていたい、なんて面と向かってだと言えやしない。いや、ここは俺たちだけの空間だ。普段は言えないようなコトだって言っていいんだよな。
「愛してる、ハルヒ。世界がお前を裏切っても俺だけはお前の味方だ」
「……あたしも。愛してるわ、キョン」
ハルヒを腕に抱いて、目を見つめながら睦言を交わす。吸い込まれそうなハルヒの瞳は本当に綺麗だ。いや、もう吸い込まれてるんだよな。
「あたし、キョンのその目が好き。なんだが透き通るような感じでいつも眩しくて、でもじっと見つめるのは照れくさくて」
なるほど、ハルヒの瞳の銀河系が俺の中にも入ってきてるのかも知れない。
そうか、そういうコト、なのかもな。
「俺だってハルヒのその目が、大好きだ」
「ん、キョン……」
ハルヒのぷっくりとした唇に口づける。位置をずらしながらやさしく、ときに激しく、何度も何度もキスをした。
ハルヒは俺の首に両手を回し、絶対に離すまいとガッシリを俺の頭を固定して──
ん、と天井が視界の真ん中に飛び込んできた。小鳥のさえずりが俺の耳朶に届く。朝だ。なんだもう夢の時間はおしまいか。
台所へと顔を出すと、エプロンにポニーテールをしたハルヒが朝食を用意している最中のようだった。
「おはよ、キョン♪」
今朝は随分とご機嫌だな、ハルヒ。
「えへへ。まあね」
まったく、とひとりごちながら俺は後ろからハルヒを抱きしめながら呟いた。何度やってもこればかりはドキドキが治まらない。
「似合ってるぞ」
"あなたが似合ってるぞと言ったから今日のこの日はポニテ記念日"
以上、お粗末。おやすみなさいませ。よい夢を。
ファーストキス記念日、もといポニテ記念日GJ。
なんという激甘馬鹿夫婦だ。
>>635 違う違う!
それ閉鎖空間じゃなくて桃色空間だよwwGJ!
スナック 鶴屋の部屋
>>625-630 これは続きに期待大! キョンはどうなるんだ!?
>>634 なんて甘い記念日なんだGJ!
バカップル夫婦いいよバカップル夫婦。
結婚してもハルヒは働いてそうだな
ずっと家に居ても退屈だろうし
社会に出て働くってのも案外退屈なものですよ
そこで会社経営ですよ
主婦でも子育てがある。
子育ては大変だけど楽しいらしいぜ
さて、甘い気分のとこ悪いが少し苦めなの投下するぜ
またキョンとケンカしちゃった。理由は忘れちゃうぐらい些細なことだったけど当分口も聞きたくない。
だから部室の雰囲気はあまり良くないの、みんなはそんな空気を感じているのかな?
みくるちゃんはオドオドしてるし、あいかわらず有希はずっと本を読んでる、
古泉君は携帯を気にしながらバカキョンと花札やってる、あたしも参加したいけど・・・
でもキョンの顔は見たくないし喋りたくもない、でもあいつなんで部室に来るんだろ?
いきなり、それまで鳴った事の無い部室の内線電話が鳴った。
「ふぁーい、文芸部兼SOS団ですが、あっ、はいわかりました。今変わります」
「キョン君お電話ですよ」
めずらしいわね今時内線電話なんて、どうせ谷口か国木田あたりからだろうけどさ
「はい、変わりました、俺だけど、ああそうですかだったら今からそっちにいくね」
「ちょっと用事ができたから、今日はもう帰るぜ」
キョンはあたしの顔もみないで部室から出て行った。ちょうど良かったあたしもあいつの顔見たくないから
いつもだったら「あんた!団員としての自覚があるの」なんて言ってると思う。
「みくるちゃん、今の電話誰から?」
「名前は聞かなかったですけどキョン先輩って呼んでましたから、一年生ですね、かわいい声でしたよ」
そう言った直後みくるちゃんは何か失敗でもしたドジメイドみたいに口を押さえてまたオドオドし始めた。
「いい気なもんね団長を怒らせてとっとと先に帰るとは、もうあんなバカ知らない、どこにでも行っちゃえ」
つくづく思う、こんなこと言うんじゃ無かった・・・
次の日もキョンと口を聞かなかった。あいつが謝るまで許してやらないから覚悟しなさい!
でもあいつあたしを避けるように休み時間も昼休みも教室にいないの
たまにいると思ったら国木田の奴と何か話してる、あいつと話す暇があるなら席についてじっとしてなさいよ!
なんであたしこんな事考えちゃうんだろ、あっバカが近づいてきた。
「涼宮、今度は何が原因だ?いい加減仲直りしろよ、みんな心配してるぜ」
「なんであんたにそんなこと言われなきゃならないのよ」
急に谷口の顔が真剣になった。キョンからメッセージでも頼まれたのかな?
「おまえ中学の時に戻っちまうぜ、五年もクラスメートやってるから言わせて貰うけどな」
「わけの判らん行動についてきてくれて本気で心配してくれる、そんな人間キョンしかいないぞ」
「うるさい!あんたには関係ないでしょ」
気づいたら谷口の胸倉を掴んでいた。いつもだったら腰を抜かして逃げるのに今日は違う
呆れ返った表情で軽くあたしの手を引き離すとどこかにいってしまった。
あんなバカでも一応男だから本気になればあたしよりずっと力は強い、キョンもあたしにいつも手加減してるのかな?
あいつがあたしに本気で怒ったのは映画撮影の時だけだったし、大体は文句言いながら着いてきてくれた。
もう、こんな気分は嫌だ、バカキョンなんであたしの気持ちがわからないの、早くそばに来てよ・・・
また今日も部室に向かう、いい加減こんな時間終わりにしたい、でもどうしたらいいかわかんない
いつもの様に時間が過ぎるとまた内線電話が鳴った。みくるちゃんから奪うようにあたしが受話器をとった。
「あの、書道部の槇村ですけどキョン先輩はいますか?」
頭にきた、あたしがこんなに悩んでいるのにあのバカキョンなにやってんのよ!無言で突き出すように受話器を渡した。
「ああ槇村さん?わかった今から行くよ」
そのとき久しぶりにキョンが喋ってくれた。
「ハルヒ、悪いが今日も帰らせてもらうよ」
こんな悲しい気持ちになったのはいつ以来だろう、でもここで怒ったらまたケンカになっちゃう。
「仕方無いわね、気をつけて帰りなさいよ一応大事な団員なんだから」
「おう、じゃあみんなまた明日な」
キョンはあたしを振り向くことなく出て行った。我慢はそこまでで限界だった。
「なによあのエロキョン!」
気がつくと持っていた雑誌をキョンが出て行ったドアに投げつけていた。
有希は何事も無かったように本を読んでたけど、みくるちゃんは涙目で怯えてるし
古泉君は携帯をとりだすと急なバイトが入ったそうで帰ってしまった。みんなごめんね全部あたしが悪いのに・・
今日はなんだか落ち着かない、とぼとぼ歩いていると駅が近づいてくる、コーヒーでも飲んで落ち着こう
今まで入った事の無い喫茶店を覗いてみる。あの後姿はキョンだ!嬉しくて走り出そうとした足が止まった。
窓ガラス越しにキョンとポニーテールの女の子が制服姿で談笑してる、、頭の中がまっしろになった。
膝が震えて歩けない、凄く寒い、息が苦しくて立ってられない、涙がとめどなくあふれてくる、おもわず叫んだ
「だから恋愛感情なんて嫌なのよ、こんな事になるからあたしはひとりで生きるの!」
まわりに人が集まって来た、人ごみから避けるように、あたしはなんとか立ちあがり泣きながら走って帰った。
家に帰ると笑顔でママに「今日は晩御飯たべてきたから」と嘘をついた。心配させたくなかったから眼は見せない
部屋に戻ってお風呂に入る、涙も悲しさもみんな洗い流せたらいいのに、それができたらどんなに楽だろう
着替えてまた部屋へ戻る、そうだ!あたしもキョンを嫌いになればいいんだ、ベッドで転がりながら思いついた。
キョンの嫌な所を思い出そう。みくるちゃんにデレデレしてるし有希とはただならぬ雰囲気で眼と眼で会話してる
いつもかったるそうにしててやる気が感じられないし、何かあるとすぐ文句を言ってくる
あたしにはたまに優しくするだけ、髪型かえると褒めてくれる、それがすごくうれしかった。
落ち込んだあたしをいつも心配してくれる
高校生になったばかりの頃、孤立していたあたしにいつも話しかけてくれた。
わがままなあたしを本気で怒ってくれた。
ずっとあたしのことを見ていてくれていた。
夢の中だけど、真夜中の校庭で突然キスしてくれた時、この世界がずっと続けばいいと思った。
もうキョンの心のなかにあたしはいないかもしれないけど、このままでお別れするのは嫌
時間は12時少し前だけど携帯電話を手にとった、一言でいいから声が聞きたい
「キョン?ごめん寝てた?」
「起きてたよ、なんだこんな時間に,これからUFOでも呼びにいくのか?」
「ちっ違うわよ・・そのゴメン」
「なんだって?聞こえんぞ」
「だからごめんなさいって言ってるのよ!」
「あのことか?あれは俺も言い過ぎた、ごめんなハルヒ」
「うん・・・」
「明日の朝、野暮用があるんだ、もう寝るから切るぞ、おやすみ」
「おやすみ、キョン」
喫茶店の事は怖くて聞けなかったけど少しすっきりした。キョンはあの槇村さんと付き合うのかな?
夢の中でポニーテール萌えって言ってたけど、まさか・・・また悲しくなってきた。
キョンが他の女の人と付き合うなんて絶対に嫌!これからもずっとあたしのそばにいてほしい。
気がついたら目覚ましが鳴っていた。泣きながら寝ちゃったみたい、酷い顔してる、でも学校に行ってキョンに逢わなきゃ
なかなかキョンに喫茶店の事はきけなかった。登校して普段どうりにジャレて一日が過ぎてゆく
休み時間に谷口のバカが話しかけてきた。
「やっと終わったか、頼むぜ涼宮、キョンの奴もここんとこ様子が変で俺を避けるんだよ」
このバカあたしが今どんな心境か全くわかってない、ひと睨みしてやったらいつもどうり逃げていった。
「ハルヒ、先いってるぞ」
キョンは先に部室に行った。また槇村さんに電話で呼ばれるのかな?結局例の事は教室で聞かずじまいだった。
あたしは谷口と一緒に掃除当番、何とか掃除を終わらせて部室に向かおうとすると意外なものを見た。
なんであの二人が一緒に帰ろうとしてるの?下駄箱でみつけたのはふたり寄り添い歩く国木田と槇村さんの姿
頭に血が昇った。冗談じゃないわよ!あんなかわいい顔してキョンと国木田の二股かけてるの?許せない
忘れ物をしたらしく国木田が引き返してきたけどニヤニヤしあたしに気づかなかったみたい、こいつもバカ?
このチャンスをあたしが見逃すわけ無いわ、獲物をみつけた狼のようにウサギのような槇村さんめがけて走った。
「ちょっと、あんた話があるんだけど」
「はい?あの涼宮さんですよね」
なに考えてるんだろう?笑顔で槇村さんが近づいてきた、こんな現場みられて恥ずかしくないのかな
「実は明日にでもお伺いしようと思っていたんですよ」
「なに、どんな用件?」
「キョン先輩をお借りしちゃって、すいません、ありがとうございます」
「実は私、国木田さんとお友達になりたかったんですけどなかなか声をかけられなくて」
意外な告白ねでも安心した、そうよねあのキョンがもてるはず無いわ
「書道部の先輩に相談したら、国木田さんのお友達がSOS団にいるから文芸部に内線か掛けてみなさい
その人が出たら、『鶴屋からの紹介だって聞いたら必ず協力してくれるにょろよ』って言われまして」
「本当にありがとうございました。ずっと私の相談を聞いてくれて、今朝待ち合わせして国木田さんを呼んでくれたんです。」
「あたしに感謝されてもしょうがないわ、お礼はキョンに言いなさい」
「もちろんです。でも鶴屋さんにうまくいったら必ず涼宮さんに説明してお礼を言いなさい
でないとキョン先輩に身に危険が及ぶと念を押されまして」
「あっあたしは別に関係ないわよあいつは我が団のタダの雑用係だから」
「キョン先輩優しいですよね、実は一年生の間で結構人気があるんですよ、」
「あいつが優しいのはかわいい子だけよ、いつもはぶっきらぼうなんだから」
「大丈夫ですよキョン先輩が絶対に浮気や二股はしないのは全校生徒の常識ですから」
「あっ国木田さんが戻ってきたのでこれで失礼しますね」
事情はわかった。だってキョンがあたしを置いてどっか行っちゃうはずないもの、でも何か引っかかる。
その引っかかるものが判ったとき、あたしは部室にむかって全力疾走した。
さてここからはキョン視線、部室で古泉と将棋をしながら話をしている。
「そんな事をしていたのですか、しかし、何故涼宮さんに黙っていたのですか?」
「あいつに話したらおもしろがって、暴走し全校生徒のまえで告白とか計画しかねんだろ」
「それは杞憂ですよ彼女はひとの心に土足で入りこむようなことはしません、前にも言いましたね」
「そのわりには、相変わらず俺のなかに爆弾かついで突っ込んでくるけどな」
古泉はいつもにも増してまたにやけている。
「あなたが涼宮さんに例の話を伝えなかったのは、心配させたくなかったからでしょう」
「どういう意味だ?」
「友人の為とはいえ女性とずっと談笑していたら、彼女は不安になる、あなたはそれを避けたかった。」
古泉は話しながら一手指してきた、猪口才な
「おそらく、彼女は気づいていますよ、それならこの二日間に閉鎖空間が多発したことが納得できます」
「余計な心配しなくてもあなたが素直になれば、万事解決するのですがね」
俺は古泉の攻めを受け流し、逆に王手飛車取りをかけた
「俺はいつだって素直だよ、それに国木田の件についてはあいつが来たら説明するさ」
「友人として忠告しますが、あいまいな態度は命取りになりますよ」
そのとき部室のドアが豪快に開いた。間違いない、奴だ、奴が来たんだ。
団長様は笑いながら怒る不思議な表情で仁王立ちしていた。こいつはどんな顔していいか判らんときこんな顔をする
「キョン、あんたに聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「さっき槇村さんから話を聞いたわ、あんたいいとこあるじゃない」
そうか、なら何故おまえはそんな顔をしている、褒めるのか怒るのかハッキリしろ
「あの子妙な事言ったのよ、あんたが浮気や二股しないのは全校生徒の常識だって」
なんだそりゃ?悪いが全然心当たりがない。おい!いきなりネクタイ掴むな
「あんた彼女がいたのね!あたしに黙っていたなんていい度胸してるわよ」
「あのう、涼宮さん本当にわからないんですかぁ?」
朝比奈さんの助け舟がきた。しかし全然たすけてねえ、逆に魚雷を打ち込んだ
「なに!みくるちゃんまさかあんたなの?」
ハルヒはカエルを睨んだキングコブラのような視線で朝比奈さんをみている。
「うう・・違いますよう」
あわれカエルはキングコブラのひと睨みで退散してしまった。
「有希、どう思う?」
長門は顔を上げ俺を少しみつめたあとハルヒ火事を消火せずガソリンをぶち撒いた
「私個人の認識は同じではないが全校生徒の認識は正しいと思われる」
そう言うとまた本に視線を落としてしまった。
「まさかとは思うけど古泉君、相手はあなたなの?」
勘弁してくれ、朝比奈さんや長門相手ならいくらでも誤解してかまわんが、よりによってそれは無いだろう
「一部でそんなうわさが流れている事はありますが全くのでたらめです。僕は健全な男子高校生ですよ」
何を言いやがる、健全な男子高校生はわけのわからん異空間に入り込んで赤い球にならないし
「機関」とか言う正体不明の組織なんてまったく関係ないだろ、
それよりも俺と古泉に対して一部でどんなうわさが流れてるんだよ?聞きたくは無いが・・・
「すいません、これからバイトがあるので失礼しますね」
うそつけ!携帯は鳴ってないだろ、こいつ逃げるつもりだな、俺は古泉に助けを求めた。
「さて、どうしましょうかね、忠告はしましたよ素直にならないと命取りになると」
古泉はそういい残し出て行ってしまった。
ハルヒは俺に払い越しを決め、マウントポジションをとった。
「いい加減白状しなさい、あんたが惚れた女は誰なのよ!」
俺の顔につばが落ちる、違う、これは涙・・ハルヒは泣きながら俺を揺さぶってくる
なんで泣くんだよ、おまえは怒っているか笑っているかどっちかでいいんだ、泣いてるハルヒなんてみたく無いぞ
俺には全く心当たりがない、しかし、ハルヒは揺さぶる事も止め俺にまたがり号泣している
このままじゃ人が集まってきてとんでもないスキャンダルを提供してしまう
「誰なのよキョン?あたし絶対負けないから・・・」
なにいってるんだこいつは、やばいこのままじゃ埒が明かない
俺は世界でいちばんやかましいが、一緒にいると楽しく、笑ってくれるとうれしい女の名前を大声で叫んだ
ハルヒは泣き止んだが我を忘れて呆然としている。「カチャ」何か音がした。
長門が部室のラジカセを操作している
「安心して全て録音したから」
言うや否や風のような速さでテープを取り出し部室から去っていった。
終わり
駄文で正直スマンかった
休日なのでこのスレを監視している俺が登場。
>>658 長文GJ
ハルヒが普通の女子高生しててそこが新鮮だったよ。
>>658 GJだっぜ!
ハルキョンであればこういうの結構好きだぜ俺。
GJ
って長門はなにしてんだよw
>>644 子育てもそうだが、ハルにゃんは先生とかいけるかもしれん。
もしくは大学でフィールドワーク専門であっちこっとと冒険しまくるとかなw
>>658 キョンかっこええー
ハルヒの名前は銀時風に叫んだのかな
>>658 GJ!谷口が妙にかっこよかったw
あとこの二人にはいつまでも幸せになってほしいな
ペンをいくつ重ねられるか勝負するハルキョン。
卒業式の日、SOS団メンバーで無人になった各教室の黒板に様々なメッセージを書こう!
という企画が持ち上がる。夕暮れの校舎。無人となった教室の黒板に、
さまざまなイタズラ書きをする団員達。先に卒業した鶴屋さんやみくるも来ていたり。
そんな中、騒ぐ一団を離れたキョンは、かつてハルヒと出会った元1−5教室にやってくる。
3年間の回想とモノローグ。そして6年前の七夕の記憶。
黒板の前に立ったキョンは、チョークを手に取り、黒板に大きくメッセージを書く。
誰に見せるわけでもない、自分だけのメッセージ。そして最後に署名。
「世界を大いに盛り上げてくれて、ありがとう! ジョン・スミス」
黒板から二歩三歩と下がり、手についた粉を叩きながら満足気なキョン。
それから、ちょっと首を傾げて、署名部分だけ変更する。自分のあだ名を署名する複雑さと
うっすらと残ったままの元の署名に「まぁいっか」と苦笑しつつ
そのまま、一番最初に出席番号順に座った頃の自分の席に座って、再びモノローグ。
不意に背後に気配を感じて、振り返る。あの日の様に。
「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません」
「…!」
凍りつくキョン。
「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら私のところまで来なさい!以上!」
キョンを見つめて、満面の笑みで、それこそ宝物を見つけた子どものような表情をするハルヒ。
「…つかまえた!」
唖然とするキョンに、かつて自分の席だった机を乗り越えて抱きつくハルヒ。
そのまま教室に倒れ込んでしまう2人。
「今日は高校生活最後の団活なのよ! 1人だけサボりなんて許さないんだから!
…さ、さがしちゃったじゃないのよ。トイレにしちゃ遅いし…」
3年間変わる事のない、やりとりをいくつか交わした後、同じだけの歳月の中で
少しだけ変わったところ。先に立ち上がって、その表情を見せるキョン。
いつからか見せる様になった、ハルヒの全てを受け入れる優しい笑顔に
しゃがみ込んだまま見とれるハルヒに、右手差し伸べるキョン。
「さ、いこうぜ。みんな待ってるんだろ?」
「…うん!」
再び笑顔を見せるハルヒ。引っ張り上げられた勢いでか故意か、キョンに抱きつく。
手をつないだまま、1−5教室を出て行く2人。
キョンのモノローグ
「この先何年、何十年の人生が続くのか、その間に何が起こるのか、今の俺にはわからない。
ただ、一つだけわかっていることがある。
世界はまだまだ盛り上がる。コイツと、涼宮ハルヒと一緒なら…!」
「キョン!いくわよ!」
こたーえはーいつもわーたしーのむねにー♪
という最終回を幻視した。なんだこれwwww
キョン「過去の世界に来たらとんでもない頼まれ事をしちまって…
東中あたりをうろついてる涼宮ハルヒってやつに
会ってくれって…見つかりゃしないよな。
あんたがハルヒだってことにしちまってさ、ちょっと会話して帰るわ。
あんたがハルヒだ!答えなくていい!俺がそう決めたんだ!! 」
ハルヒ「・・・なんなのよ一体・・・」
>>662 各地のフォークロアを調べながら不思議に遭遇するんですね!
>>667 おいおいイイじゃないかそれ……早くSSにする作業に戻るんだ!
いつごろからだろう。
キョンは、有希を見るときすごく優しい目をする。
ときおり二人の視線が合う。なにか目で会話しているのが分かる。ときに全幅の信頼を寄せるような、ときに庇護するような、ああもう!
アイツはみくるちゃんのことも良く見てる。でも、あれは胸元を見ていたり胸元を見ていたり性犯罪者同然の視線であって
それはそれでアブないけど、あたしがしっかりキョンを見張っていれば危険な少年犯罪を予防できると思う。
それにあたしもまだまだ成長期だし、キョンからそういう視線を向けられるようにばばーんと成長してあげる予定でもある……いやいや情報の伝達に齟齬が発生した。
とにかくキョンは、有希やみくるちゃんを良く見ている。団長として不純異性なアイコンタクトやら視姦やらを許しておくわけにはいかない。これは団長としての客観的な判断ね!
さらに客観的に考えると、それを防ぐためにはあたし自身もやってみないといけない。いや、あたしがそうしたいとかいう話でなく、客観的にね?
以前、視線でエネルギーを注入してあげたこともあるけど、そのときは上手く伝わってなかったみたい。
視線には魔力が宿るという逸話もあるし、今度は改めてあたしの瞳に屈
あれ?弾かれた?すみません張り直しです
いつごろからだろう。
キョンは、有希を見るときすごく優しい目をする。
ときおり二人の視線が合う。なにか目で会話しているのが分かる。ときに全幅の信頼を寄せるような、ときに庇護するような、ああもう!
アイツはみくるちゃんのことも良く見てる。でも、あれは胸元を見ていたり胸元を見ていたり性犯罪者同然の視線であって
それはそれでアブないけど、あたしがしっかりキョンを見張っていれば危険な少年犯罪を予防できると思う。
それにあたしもまだまだ成長期だし、キョンからそういう視線を向けられるようにばばーんと成長してあげる予定でもある……いやいや情報の伝達に齟齬が発生した。
とにかくキョンは、有希やみくるちゃんを良く見ている。団長として不純異性なアイコンタクトやら視姦やらを許しておくわけにはいかない。これは団長としての客観的な判断ね!
さらに客観的に考えると、それを防ぐためにはあたし自身もやってみないといけない。いや、あたしがそうしたいとかいう話でなく、客観的にね?
以前、視線でエネルギーを注入してあげたこともあるけど、そのときは上手く伝わってなかったみたい。
視線には魔力が宿るという逸話もあるし、今度は改めてあたしの瞳に屈服させてやるつもり…なんか趣旨が違ってきてるかな、まあいいわ。
「キョン!ちょっとこっちを見なさい!」
こちらを振り向きながら器用に肩を竦めている。
「なんだよ?」
なによそのいぶかしげな目は?ちょっと真剣になりなさいよ。
「あたしの目を『しっっかっっりっっ』見なさい」
あたしは目から怪光線が出そうなくらい力を入れて、歯を食いしばってキョンを見つめてあげる。
「睨むなよ……」
キョンは目を逸らそうとするけど、あたしはキョンの両頬を両手で包んで、それを許さない。
怯えつつもこちらの真剣さが分かったようだ。まばたきもせずまっすぐにこちらを見返してくる。
何秒?何分過ぎたんだろ?
※※※※※※※※※
いつしかただ見つめることに没頭していた
伝わってるんだか伝わっていないんだか
けっこう綺麗な色の瞳をしてるのよね
光を放つような強い色でなく透明な
辟易?心配?許容?友誼?理解?
すべてを受け止めるような視線
いつもあたしを見ている瞳だ
その全部でそれ以上のもの
いつも見守ってくれてる
わかるよ大事に大事に
あたしにもあるから
言えないけどでも
つたえたいこと
いつかは必ず
さいごには
ぜったい
キョン
××
×
※※※※※※※※※※
気がつくとあたしはキョンのまぶたに口付けをしていた。
ゆっくりと顔を離す。キョンの驚く顔。その瞳に写るのは陶然としたままのあたしの顔。
キョンの目には拒絶がない。顔が赤い。多分あたしも。
「……おい、ハルヒ。いったい……」
ううん、これは……いや!今あたしを見ないで。見透かされちゃう!恥ずかしいじゃない。穴があったら入らないと……
「ち、違うのよ!」
後ずさる。近くに穴はないみたい。
「違うんだから!」
とっさに飛び出た必殺のハルヒパンチがキョンの顔面にめり込んだ。我ながらひどい。ごめんキョン、だってキョンがあたしのこと見るから……
そのままダッシュで団室から逃げ出してしまう。
――――――――――
最速新記録で帰宅すると自宅のベッドでダイブ。枕に顔を埋めて、えんえんとじたばたと悶える。
なんてこと。こうして逃げてきてもキョンの視線が頭から消えない。そう、あたしは逃げてしまったんだ。
あってはならないこと。これはリベンジが必要よ。SOS団団長ともあろうあたしが、平団員と見つめあって何だか見惚れてしまうなんて…う、見「惚れる」って……
キョンの綺麗な瞳をよーく思い出して、見つめあったときを何度も思い返してから再戦しよう。
明日のSOS団室で。いや朝一番でいいじゃない。今からだっていい。今すぐがいい!
もっとキョンの目を見て、キョンの目で見つめてもらわなきゃこんな気持ちは収まらない。30秒で駅前に呼び出そう。
あたしは携帯電話を取り出した。
以上です。すみません一回張り間違えました。
夢枕獏風のタイポグラフィを修行して色々やってみる予定です
見てる方が穴に入りたくなってくるじゃねえかwww
GJ!
>>674 GJだ。なぁに、気にすることなぁ無いさ。またがんばりゃいい。
それが愛なの♪ですかwwGJ!
スケボーで競争するハルキョン
ここ最近の名作の連発ぶりはヤバイぞ
七夕近いせいか
681 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/30(金) 21:25:04 ID:3NqhqgxN
682 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/30(金) 21:32:35 ID:gAIz1rT1
傑作の同人短編集でも発行できそうな勢いだな
暇だったからミステリックサイン見直した
カマドウマとかふんもっふとか色々あったけどハルヒの行動が最高に可愛かった
>>674 GJ!やっぱりこのバカップルはいいなwww
部室でバルサン焚くSOS団
部長氏のベッドで跳ねるハルヒ
「かかったわね、キョン♪」
「ひ、卑怯だぞ、ハルヒ……”涙”で動揺させておいて、これを食べさせるとは…」
「失礼ね!? あたしほんとに泣いたんだからね。女の子泣かせた罪は重いのよ!それにあたしも食べたんだから。さぁキョン!
あんたも食べて本性を現しなさい!!」
いや、あれ食べたって、お前だけ性格変わってなかったじゃないかよ。それに本性って、あれは性格が逆転するんじゃなかったのか!?
いやいや、その前に何でこれが原因だと知ってる?
「ハ、ハルヒ、なんでマツタケの事知ってる…んだ?」
「有希に問い詰めたら簡単に教えてくれたわ♪」
ああ、やっぱり……そんな動揺する俺に満足したらしい100Wの笑顔のハルヒ。ああ、お前の陰謀にこんなに簡単にはまるとは。
「んふふふふふ♪ あまいわ、キョン!そ・れ・に、みくるちゃんや有希とキスしておいて、何もなしで済ませる団長だと思って?」
いや、あれは朝比奈さんと長門が勝手にだな……あれ、なんか意識が遠くなっていた……いや、遠くなったんじゃない。
なんか何重ものガラスの向こうに風景があるような感じだ……なんか自分が自分じゃなくなってきた気がする…
「そろそろ効いてきたみたいね。さぁ、いくわよ、キョン!」
くそーどうなってるんだ。誰が何とかしてくれ……ああ、こんな時に長門がいない。どこいった〜〜〜。ああ、目の前にいるのは
天使の笑顔した魔女ハルヒ。万事休す!!!
「それじゃ、質問よ。キョン、あんたあたしの事、本当はどう思ってる?」
お前、ストレートに聞いてくるんだな。まぁ適当に答えてやる……と思った俺の口から出た言葉に俺自身が驚愕した。
「そりゃ大好きだ。いや、好きとかじゃない、この世の誰よりも愛してる。」
ちょ、何を言ってるんだ、俺!?!?
「え……ちょ、ちょっとキョン。真面目に答えるのよ!それともまだ効いてないの?」
「効いてるから、こうして正直に答えてやってるんじゃないかよ、ハルヒ。」
ああ、このマツタケ恐ろしい効き目だな、長門の言うとおりだ……ぢゃない!ちょっとまて、止まれ俺!!!
「いつもの俺じゃ、こんな言葉を素面じゃ言えないんだよ。悪かったな、ハルヒ。」
「………」
あ〜だめだ〜ハルヒが長門モードに入ってる。またぶっ飛ばされる……いや、落ち着け俺。
「お前はまっすぐだけどわがままだから、俺はいつも振り回されてる。でも嫌だと思ったことはない。」
ここはまぁまぁ本心だ。なんだ、落ち着けば大丈夫じゃないか……と思った俺は甘かった。
「それにハルヒ、大好きなお前と一緒にいられるなら……いや、お前を守る為だったら世界中を敵にまわしてでも何だってする。」
「………」
い、いや、まぁそれに近いことはしたかもしれんが……ちょ、ちょっとまて。まるでどっかの下手な恋愛ドラマみたいな台詞ポンポン
噛ますな、俺。ハルヒはハルヒで真っ赤になって俺をじーっと見てやがる。おい、ハルヒ、こうなったのもお前のせいなんだぞ。
「キョ…キョン、それ本気で言ってるの?」
「もちろん!」
と言いつつ、ハルヒの肩を抱いた……って俺!即答するな!ハルヒ抱くって、おい何してんだ!止まれ!!!
「………じゃぁ、なんでみくるちゃんや有希とキスしたのよ!?」
「おい、あれは俺が望んでしたことじゃないぞ。というか、ハルヒ、お前から”あの”朝比奈さんや長門をけしかけておいてそれは
ないだろう?」
「う……うん、わかったわよ……」
おお、言い訳能力も長けているようになってるのか、俺は。なんて恐ろしいマツタケ…
「じゃ、じゃぁ、もうひとつ聞くわ。そんなにあたしの事好きなら、普段のあんたがなぜそう面と向かって言わないのよ!?」
「そりゃ、怖いから、さ。」
「え?」
ハルヒはわからない、という表情で俺を見てる。いや、俺も自分で何を言い出すかわからないんだから、そんなうるうるした目で
見ないでくれ、頼むよ。
「だって、ハルヒ。お前、中学までは告白してきた相手を全部フッてたんだろ。」
「あ、あれはあれよ。何よ、キョン、もしかしてあんたが告白してきても同じようにすると思ったの?」
「違うのか?」
「そ、そんな事……あたしが、キョンに……す、するわけないじゃない。」
「でも、俺にはそうだという100%の確信が無い。もし違ったら……俺はSOS団にも居られなくなるだろう? 今までお前と一緒
にいた楽しい高校生活を全部崩壊させることになるんだ。何より、ハルヒ、お前と一緒に行動できなくなるんだし、それが怖いと
思っても仕方がないだろう。」
あ〜もう何とでも言え、俺。こんな恥ずかしい台詞がなんで止まらないんだよ。
「な、なによ、キョン!今までそんな事思ってたってこと? そ、そうよ、あんたが告白してきたら……そうね、つ、付き合って
あげても…い、いいわよ。」
「本当にそうなのか、ハルヒ?」
「なによ、疑ってるの、キョン?」
「確証がほしいんだ。普段の俺は小心者だから、さ。」
ああ、俺は小心者だ。悪かったな。そう思ってたら、少し目をそらしていたハルヒが俺の目をじーっと見てこう言い放ちやがった。
「じゃ、じゃあ、あたしに……キスしてみなさいよ。ほら、さっきみくるちゃんや有希にしたように、ね。そうしたら、確証になるでしょ!?」
そ、そうか??? それ何か違うような気がするぞ。ああ、でもハルヒの綺麗な目を見てるとなんか吸い込まれそうだ。いや、今の俺
ならこのままじゃ普通にキスしてしまうぞ。ああ、止まれ俺!!
そう思った瞬間、俺はつかんでいたハルヒの両肩を抱き寄せた。あ、あれ?
「今の俺は普段の俺じゃない。そんな状態でこのままキスをしたら絶対後悔すると思う。」
「え?」
「だからハルヒ、キスは普段の俺に、お前の方からして欲しい。それにお前がそれを本当に望んでるのなら、俺は命を懸けてでも
それに必ず答えてやるから、さ。」
あ〜俺、聞いてて恥ずかしい台詞がポンポン出るんだな。どうなってるんだよ、全く。ハルヒはハルヒでうるうるした目で見てるし。
「う…うん、わかったキョン。」
「ありがとう、ハルヒ。」
「で、でも、キョンのキスが……みくるちゃんや有希に先に取られた……なんか悔しい。」
ああ、ハルヒは相変わらずの負けず嫌いなんだな。こんなときでも負けたくないのか?でも、そんな事今となってはどうでもいい事
じゃないか、そうだろ、ハルヒ。
「ハルヒ、もう一つお願いがある。」
「なによ?」
「俺、実は…ポニーテール萌えなんだ。」
「なに?」
「いつだったかのお前のポニーテールは反則的なまでに似合ってたぞ。」
「そ…それって」
いや、ちょっとまて俺。その台詞はまずいぞ。
「キョン、あれって夢じゃない…の???」
「ああ、俺の夢だ。ハルヒ、お前も同じ夢見たのか?」
「え?え?え?ど、どういうこと?」
「あの時、俺はお前にキスしたんだ。朝比奈さんや長門よりも先にキスしたんだ。だから、お前は負けてない。」
「そ、そうなの??」
唇を指でなぞるハルヒ。何だか可愛いな……じゃない、危ない危ない、あれは夢だと信じ込ませないと後々大変だ。ああ、もう
思ったのと違うことを延々と語るなんて危なっかしい。何とかしないと……ってあれ、何だか眠くなってきた……そうだ、このまま
寝てしまえばいいんじゃないか。
「は、ハルヒ」
「な、なによ?」
猫のようにおとなしくなったハルヒをだきしめつつ、俺は語りかけた。そうだ、このまま眠りについてしまえば…この現状からは
逃げ出せる………
「今はこのまま抱きしめていたい……それでいいか?」
「うん…」
おお、でも何か俺かっこいいこと言ってるな……ハルヒはハルヒで俺の腕の中で真っ赤になって俺を見てる……ハルヒを抱いた
まま、俺は横になった。
「しばらくこのままで……いてくれ、ハルヒ…」
「……うん」
……何だか眠くなってきたんだ……おやすみハルヒ、ZZZZzzzz.......
うーん……???
俺は目を覚ました。
周りが明るくなってるな、ああ、焼肉パーティーの後は長門の家でそのまま寝てしまったんだっけな。しかし、ひどい夢を見た。
例の3人の性格が逆転したり、朝比奈さんや長門とキスしたり、俺がハルヒに迫ったりとか。俺、鬱憤がたまってたのか?
って腕が重い。誰だ俺の右腕に乗っかってるのは?誰が寝てる?おい風邪引くぞ。そう思ってゆっくりそっちを見た。
ん?ポニーテール?誰だ? 黄色いリボンしてるがハルヒか?なんでポニーテール……??
って、まさか!?
あ、あれは夢じゃない!!血の気が引いていくのが手に取るようにわかった。とりあえずハルヒは寝てるみたいだから、
一時撤退して長門に頼んで……と思ったが遅かった。
「キョン、起きたの?」
顔をこっちに向けずにハルヒが話しかけてきた。え?ハルヒ起きてたのか!?
「よ、よぉ、ハルヒ。」
「………」
やばい、こっちを見もしない。本気で怒ってるな。まぁ好きだの愛してるだの死ぬほど恥ずかしい台詞ぶつけて何度も抱きしめ
てたら怒らないわけないわな。だからここは素直に謝っておこう。
「い、いや、昨日はすまない。あれは……例のアレの勢いでだな……その…言った事であってだな…」
それを聞いて急にこっちを見たハルヒ……あれ、顔が真っ赤?? そう思った瞬間に頭をつかまれ引き寄せられた。
「やっぱり昨日の夜聞いた通りね!!」
「ハルヒ…ど、どうした???」
「ほんと、意気地なしなんだから!責任取るのよ!いいわね!!」
「へ?責任って???」
というか、えーと、ちょっとハルヒさま、あの…そのですね…そんなに引き寄せたら…顔が近づきすぎ……
ちゅ♪
え?え?え?え?ハルヒからキス??な、なんだ? 硬直してる俺にお構いなしに、ハルヒは情熱的にキスを続けてきた。
あ、舌入れてきやがった……ちょっとお前、なんでこんなのどこで覚えたんだ……おい、ハルヒ……
「ぷは〜♪」
何分キスし続けたのか……大混乱して硬直してる俺をよそにハルヒは離れたと思ったら、真っ赤な顔をして言い放った。
「もう決心したのよ。あたし迷わないわ!……って言うか、あんたがこうしろ、って言ったんだからね!!」
いや、ちょ、ちょっと待て!
「は、ハルヒ。ちょっとまて、お、俺、そんな事言ってたか?」
「どっちにしろ同じよ! あれだけ恥ずかしい思いさせられたんだから!」
まて、ハルヒ、何か違うし。というか、話せばわかる、ちょっと待て……ああ、頭が混乱して何から話していいんだ……
「それに、あんたのファーストキッスはみくるちゃんに取られたんだし、有希にも先越されたなんて団長として許せないわ!」
いや、俺はこれよりもずーっと前に、してるんだが……どうするよ俺、どーする、どーするよ……
しかし混乱する俺にハルヒの一言がトドメをさした。
「だから、キョン!あんたに一生かけてこの償いさせるわ! 覚悟しなさいよ!!」
「い、一生?償い? 覚悟?」
「そうよ、キョン!みくるちゃんや有希には絶対渡さないわ!あんたをあたし無しじゃいられない体にしてやるから!!」
ハルヒはそう言い放った直後、俺に抱きついてきた。おい、ハルヒ、い、一生って……ま、まさか……あのときの俺の
言葉を真に受けてかよ! いや、ハルヒがそういう覚悟決めたなら……俺だって、そのだな……あああ、何を考えてい
るんだ俺!? いや、俺にも覚悟決める時間が欲しい。そうだ、時間といえば朝比奈さんがいるじゃないか!
あ、朝比奈さん!時間戻してくれぇぇぇ!
>>658 カメですみません
内線電話が原作小説のどの巻で出てくるか教えてくれませんか?
涼宮さんの告白を聞いてるわたしの顔は真っ赤かもしれません。それに、あんなにわたしや長門さんに嫉妬する涼宮さんは
初めてじゃないでしょうか。
と、隣の部屋で涼宮さんとキョンくんのラブラブな話が続いてるせいで、わたしたちはここに缶詰です。もっともキョンくんが気を
失った直後は大変でした。気を失ったキョンくんを抱きかかえて、涙を流す涼宮さん……そんなのも初めて見ました。キョンくん
が階段から落ちて入院したときも涙を見せなかった涼宮さんが、です。さすがにその光景を見て、3人ともだんだんと正気に
戻りました。いや、もしかしたら涼宮さんが正気に戻ることを望んだからかもしれませんね。長門さんはいつもの無表情で
したが、古泉くんは顔面蒼白になって笑顔が消えていました。おそらくわたしも……
その後、少し落ち着いた涼宮さんは長門さんに原因を聞いた後、キョンくんと二人っきりにして欲しいと言ったので、わたし
たちはリビングを出て今までずーっとこの部屋にいました。その後は……皆さんご存知ですよね。でも涼宮さんとキョンくん
の距離はぐっと縮まったみたいで……それでよかったかも。
でもまだ古泉くんは少し焦った顔をしています。長門さんはいつものように無表情ですが、心持ち頬が赤い気が……??
しばらくして古泉くんが小声でわたしたちに話しかけました。
「いや、朝比奈さんに長門さん、大変申し訳ありません。この混乱を止めるどころか拍車をかけるような真似をしてしまいました。」
「ううん、それを言ったらそもそもあたしが涼宮さんを説教するなんて事したのもそもそもの原因ですし。」
おまけにキョンくんにキスまでしちゃいましたから……とは恥ずかしくて言えませんです。
「ところで長門さん、マツタケがあんな効果を持ったのはやはり涼宮さんが原因ですか?」
ああ、それはわたしも知りたいです。古泉くんはじーっと長門さんが語りだすのを待っています。そのうち小声で長門さんは
話し始めました。
「涼宮ハルヒが調理中、彼とマツタケについて話した際に無意識に性格が反対になるような効果を与えてしまった。」
「あ、あの…キョンくんがマツタケについて聞いてきた後の事ですね?」
「そう。でも涼宮ハルヒ自身には効かなかった模様。」
そういえば涼宮さんも食べてましたけど、性格変わらなかったですね。それはそれで何だか見てみたかった気もします。
「なるほど。そういう事ですか。しかしまぁ”雨降って地固まる”と言いますし、収まるトコに収まりそうですから結果オーライなの
かもしれません。いや、でも僕も今回は焦りましたよ。」
古泉くんはいつもみたいに一人で納得してなにやらホッとした顔をしてます。彼もいろいろと大変なんでしょう。でもこうでも
なければ、わたしはキョンくんとキスなんて出来なかったでしょうから、マツタケさんには感謝しておかないといけないかも
しれません。
でも……だとすると、一つ疑問が出てくるのです。
「長門さん。あの、一つ聞いていいですか?」
「なに?」
「そこまでわかってて、なぜ長門さんもあのマツタケ食べたんですか?」
「……」
沈黙する長門さん。も、もしかしてもしかすると?
「も、もしかして、長門さんもキョンくんと…キスしたかったとか???」
あ、長門さん、顔が真っ赤!!
>>694 GJ!何で最近はこんなにも良作がいつも以上に多いんだwww
697 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/30(金) 23:13:25 ID:gAIz1rT1
今日は世界が救われた日だから SS祭りだな
>694
やべえ長門かわいいよ長門(スレちがうが…)
ID:gAIz1rT1テンプレ嫁
スマン 忘れてた
〉〉693 内線電話は俺のフィクションだよ原作には無い。
本当はキョン宛の電話にハルヒがキレてケンカになるのだが
キョンの出ていった部室にまた内線が掛かって来て
嫌々ハルヒが電話にでたらキョンからの電話で
国木田の件の説明をして仲直りする話の予定だったが
元ネタから直球すぎるので大部分を変えた
ハルヒの告白は「好き」とか「愛してる」とか
言わないと思うんだ俺は。
多分こんな感じになるんだろうと思う
「キョン!あなた、あたしの事好きでしょ」
「やれやれ、そのセリフお前には言われたくないな」
703 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/31(土) 00:41:38 ID:7sTT4lBJ
>>704 朝比奈、な
どっちにしても朝比奈さんに失礼だ
比べるな
ポニー牧場という言葉に反応するキョン
阪中「涼宮さん、ここ最近ずっとポニーテールなのね、なんだか可愛らしいのね。」
ハルヒ「やっぱ気付いてたの!?そうなのよ、これはちょっとした『証』なのよ。」
阪中「(い、いつになく食い付きが…!なんだか嬉しいのね)」
阪中「へ、へぇ…どんな証なのね?」
ハルヒ「?なんだ、それも気付いてるかと思ったんだけど。まぁいいわ、これはね…」
阪中「どきどき」
ハルヒ「ふふん、一度しか言わないからよく聞きなさい!」
ハルヒ「この髪形は『私はキョンの女である!』という証なの!!」
キョン「ガハッ!!?」
国木田「危ないよキョン、ガラス割れたらどうするのさ。」
阪中「よ、よく見たら涼宮さんその腕章…!!」
ハルヒ「なーによ、今頃気付いたの?もうすぐ一週間経つってのに…」
阪中「ちょ…、超彼女………」
ハルヒ「あきれた、ほんと他人に無関心なのねこのクラス…、よくないことだわ!」
谷口「(お前らのこと四六時中気にしてたら糖尿病で死ぬっつーのバカップルどもが)」
キョン「…ハルヒ、ちょっとお前に話がある。」
ハルヒ「なぁに、あなた!(はぁと)今日は校内で何するの?」
ハルヒ「準備するから待っててね、どんな変態的要求にも応えちゃうから!」
阪中「『あなた(はぁと)』!!?」
谷口「『校内で変態』!!?」
ハルヒ「だって超彼女だもん、超嫁になるともっと凄いわ。」
キョン「ちがあああああううううう!!!!!」
国木田「もぅ…、いい加減ハラ決めなって、そろそろ見苦しいよ、キョン?」
キョン「うぐぅぅぅ…」
ハルヒ「さ、凡骨どもは放っといていきましょ、あたしだけの旦那さまっ!」
キョン「は、はるひいいいいい!!」
阪中「キャラが…」
国木田「引き摺られてったね。」
谷口「…ああ」
急速落下でキャラ崩壊。
たまにはデレデレもいいよね。
>>707 キョンは毎晩こんな夢を見てるんですね。わかります
超彼女笑タ
スレッド内糖度が上昇中w
「なぁ、ハルヒ」
「何よ」
「その手に持ってるブツは何だ」
「これ? おやつに決まってんじゃない。いただきまーっす」
言うやいなやそれにガブッと噛み付く豪快団長。
くぅ、と唸りながら美味そうに頬をもごもごさせている。リスみたいだな、じゃなくて。
「皮くらい剥けよ。つーか、よくそんなもん丸齧りできんな」
「新鮮で美味しいわよ。みんなも食べる?」
ハルヒのカバンから出てくるレモンレモンレモンに、何時もはイエスマンな不思議能力戦隊の三人も丁重にノーサンキュを決めた。
無論俺もだ。はちみつに着けたやつやからあげに絞るんならともかく、レモンそのままなんて食えるワケない。
種をぷぷぷと窓から飛ばしているハルヒの後姿を見て、そういえば、とある事を思い出す。
「妊娠するとやたらすっぱいもんが食いたくなるって聞くな」
他にもトマトとか炭酸とか辛いもんを欲するなども良く聞く話だ。
排気ガスを無性に嗅ぎたくなったり、土壁を齧りたくなったりする人も居るらしい。
いやぁ、妊娠って人体の神秘だなーと一人でうんうん唸っていると、
「……何故俺を見る?」
ハルヒ以外の三人が変な視線を俺に集中させていた。
「妙な想像をしているんなら即刻止めろ」
「そうおっしゃられましても……涼宮さんの様子を見ていると、いやはや」
「ハルヒがどうした、って――」
団長席に視線を向けて頭がぶっ飛びそうになった。
ハルヒは難解な数学問題に挑むような顔つきで、うむむむ唸りながら……腹をさすっている。
ハハハハ。まさか。そんな記憶ないし、そもそもそんな気を起こしたこともないし、
「身に覚えがない。断じて違う。そうだったとしても俺じゃない。違うったら違う」
「……無責任」
はぐあっ!
長門の視線が痛い。痛すぎる。そんな痴漢犯を見るような目で見ないでくれ。
本当に違うって。でも長門が言うだから俺の記憶がないだけでもしかしたらうわあああ、とてんぱっていると、
「うぷっ」
腹をさすっていたハルヒが口元を押さえた。
今にも吐きそうです、といった気持ち悪そうな辛い表情である。
「ぎもぢわるい……」
「お、おい、大丈夫か」
「だめ。お腹もいたいし……うえぇー」
それで冷静になる。何しろこいつがこんなにまいるなんて相当なことだぞ。
保健室に連れていくべきか? でも動かしても平気か、などと俺は真剣に悩んでいるのに、
「ひゃ、も、もしかしてつわりですか!」
「のおぉぉぉ!」
朝比奈さんまでそういう事をおっしゃるんですか!
やべぇ。再びてんぱってきた。背中に嫌な汗が流れ始める。
……ど、どうするよ。どうするってそりゃそうなんだったら俺だって男なんだし、おろしたりしたら一人の命を奪うってことで、そんなことできるわけないし、ええい、救急車! 110番! 違う119番! 女だったら名前はハルカが良いと思うんだ俺!
アト数秒で男から漢になった俺は今まさに携帯を取り出しボタンをプッシュせんとして、
「だべずぎた……、うぐぅ、なによ、レモンでダイエットなんて、やっぱりうそじゃない……」
「ズコーッ!」
何もないところで滑って転んで、気がつけば俺は伸身カサマツとび一回半ひねりを決めていた。
体操部に見られなくて良かったぜ。スカウトされるところだった――なんて胸を撫で下ろすわけないだろ。
「すばらしい。お見事です!」
「……良いセンス」
「え、えーと、じゅってん、れーです。ぱちぱち」
全員後で屋上来いや。
とりあえずと古泉の延髄にソバットをぶち込み、おえおええづいてるハルヒの背中をさすってやる。
「大丈夫か? 保健室まで行けるか?」
「むり。うごげない、うぇ」
「分かった。おぶってやるから、ほら」
青白い顔でよちよち背中にのっかてくるハルヒを支えてやりながら、もし本当に……なんて考えてもしょうがないので、
「ダイエットなんぞせんでも今のままで十分軽いぞ」と後ろに声をかけたら「ばかー」と返された。
いやもう本当にどいつもこいつもやれやれやれやれやれやれやれだぜ全く。
レモンなんてもうこりゴリラ!
>>712 GJ
話を読んでふと思ったんだが
ハルヒが想像妊娠しちゃうとすごいことになるよーな?
キョンはハルヒがどこまでも健全な精神を持っていてくれて助かったね!
くそ…この流れは何なんだ…。萌え死ぬ…。た、助k(ry
世界を改変したの誰だよ
周りの物が全て桃色になったぞ
>>707 ハルヒwww キャラ崩壊しすぎwww
これで2人だけになるとキョンが主導権握るわけですね。
>>712 ネタフリもオチも素晴らしくGJ!
数年後、今度は本当にレモンばかりが食べたくなってキョンが「やれやれ」とか言いながらもハルヒを気遣っている姿を幻視した。
レモンばかり気持ち悪くなるまで食べるハルヒに何故か萌えw
「朝比奈ミクルの冒険X」撮影の為渡米するSOS団
しかしそこでマフィア同士の抗争に巻き込まれてみくるが誘拐される電波が来た
SSラッシュですね。GJ!
>>702 どちらかというと、キョンの方が言いそうもない。
好き「なんだろう」好き「だと思う」とか付け足しそう。
>>712 まさか井上さん?GJだっぜ!!
なんというすっぱさw こういうバカスセンシズ大好きだw
>>719 憂鬱でやってくれたキョンだから決めるときは決めるだろう。
何年後か知らないけど。
GWに我らSOS団は東京に遊びに来ている
何でも古泉の知り合いがホテルを経営しており招待してくれたのだ。
(今度は何をするんだ?古泉)
夕食はハルヒのリクエストで月島でもんじゃ焼を食べる事になった。
関西人の俺達は慣れね手つきで苦闘していたが
ハルヒはいとも簡単に食べている。
「涼宮さんすごいですぅ」
「ええ、まさにもんじゃのクイーンですね」
ハルヒは上機嫌で応えた。
「当たり前よあたしはもんじゃのキングにあった事があるんだから!」
「ほう、興味深いですね聞かせていただけませんか?」
余計な事聞くな古泉、下らん話に決まってるだろ
「もんじゃにはおもいでがあるの」
急に神妙になったハルヒは語り始めた。
「七年ぐらい前の正月休みに静岡にあるもんじゃ焼屋に行った時の話よ…」
以下略
「あれには本当にびっくりしたわ」
俺は思わず叫んだ。
「カズさんかっけぇー!」
もんじゃについてはただそれだけの話
涼宮ハルヒは神だと思っている。後悔はしていない
「どうしたの?最近元気ないわよ?」
「そりゃこっちだっていろいろあんだよ」
「ふぅん・・・」とハルヒ。
「注入してあげよっか?」
俺が返事をする暇もなくハルヒは俺に顔を近づけてきた。
ストップ!と言おうとしたときには遅く、ハルヒの顔は俺に衝突、いや、
ハルヒのやわらかい唇の感触がある。
「・・・・!!」
しばらく時間が停止したかと思った。
「どう・・・?」
ハルヒがようやく俺から離れた。
「ああ、すごい効き目だよ。十分すぎるくらいにな
・・・だからおつりを返してやる!」
ハルヒを無理やり抱き寄せると
ハルヒが俺にそうしたように俺もハルヒにそうしてやった。
「んっ・・・んんん・・・はぁ・・・」
しかしハルヒは俺以上に効果があったらしく、
そのままクラクラと倒れてしまった。
「お、ハルヒ!!誰か!救急車だ!救急車を呼べーっ!!」
そして機関の病院で・・・
「今日は特大の桃色空間が発生したようです
さて、僕もそろそろ行かなければ・・・」
「病名は急性接吻症候群でしょう。血圧が一時的に上昇してしまったようですな。
なに、ちょっと横になってればすぐに良くなりますよ。」
>>725 桃色空間は自然崩壊するしか対処のしようがないのですねwwGJ!
727 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/31(土) 14:10:36 ID:MgGFMGva
ハルにゃん
ハルヒちゃん
ハルたん
ハルちん
ハルハル
ハルルン
今日はSSラッシュだな…
このスレをもっと糖分で一杯にしてくれ!
>>729を見て、何故か賞味期限ギリギリの菓子を山ほど古泉辺りがもらってきて、
もったいないから必死で食べ、甘いもの地獄に苦しむSOS団という電波を受信した。
「もう糖分は当分要らない」とか親父ギャグまで浮かんで来たorz
実際の菓子はともかく糖分SSはいくらでも食えるぜ。
トン。そういやそんなんあったなw
そろそろ梅雨の季節だが、ハルヒ的にはやはり雨が続くとNGなのかね。
なんとなく気分が乗らないとか。
憂鬱月間とかSS投下祭りとかすっかり乗り遅れた自分がきますたよ
GJとかもできんかった。すまん orz
何か雨降ってて寒いんで、季節はずれなSSでも投下します。
が、全部で10レスあるんでまずは前半5レス投下から
『好事魔多し』なんて言葉がある。
詳しいことはよく解らんが、要するに『順調なときに限って邪魔が入るものである』ということらしい。
それはともかく、珍しくも俺が自発的に勉強しようってな時に限って邪魔してくるとはどういうつもりだ谷口?
「おいおい、キョン。つれないこと言うなよな。そんなの後にしてこれでも見てみろよ」
そう言って俺のノートの上に広げられた本は、何故か浮世絵――といっても谷口が持ってきたことからも解るように全然高尚なものではなく――春画、要するに江戸時代のエロ絵を多数載せたものであった。学校にこんなモン持って来るなよ。
「なんだ、お堅いこったな。それよりこれ、何かスゴくね? 触手プレイだぜ、触手!」
「ああ『蛸と海女』だね。北斎の作ってことだし、結構有名なんじゃないかな」
傍にいた国木田も何故か冷静に解説を入れてくる。へえ、葛飾北斎がねえ。
って、いつの間にか俺の机の周りに男子どもの人だかりが出来上がっている始末だ。
おいこら、お前らいい加減にしてくれ。こんなのハルヒにでも見付かったら――、
「なにやってんのよ? あんたたち」
ジャーン! ジャーン! ジャーン!
ほれ言わんこっちゃない。ハルヒが目を三角にして登場だ。
「げえっ、涼宮!」
驚きのあまり真っ白石稔、もとい、真っ白な灰になってしまった谷口である。要領のいいことに国木田は既に危険区域から離脱したようだ。
と、突き刺すような視線を感じてそちらに目を遣ると、ハルヒはじっと俺のことを睨みつけていた。
「なんだよ?」
「……不潔!」
言葉にすればたったの一言。だが確実に俺の胸のど真ん中に突き刺さったそのセリフのみ残して、ハルヒは鞄を手につかつかと教室から出て行ってしまった。
沈黙するクラス内。
開いている窓から吹き抜ける風が名状しがたい空気を増幅させる。サラサラと崩れ落ちていく谷口だった物体。
やれやれ、本日放課後の部室では魔王が待ち構えているに違いない。気のせいか頭の中でピアノの十二連符が鳴り響いてるようだ。おと〜さん、おと〜さん、怖〜い〜よ〜♪
恐る恐る部室のドアを開けた俺を待っていたのは、予想に反していつも通りの光景であった。
ニコニコしながらお茶の準備をしているメイド姿の可愛らしい先輩。
ページを捲る動作にすら無駄な動きの見られない無口な読書大好き少女。
さわやかな笑顔が却って気に障るニヤケ野郎。
そして――先程の怒り顔も何処へやら、といった団長様。
「こら、遅いわよ、キョン! あんたが来ないから中々ミーティング始められなかったじゃないの」
ミーティング? ハルヒの奴、また何かおっ始めようてことなのか。今度は一体どんな騒ぎを起こすつもりなんだろうかね。
「別にあたしたちが騒いだりするわけじゃないわ。ねえキョン、あんた最近この近くに現れるって噂の『謎の屋台』のこと知らない?」
はて? 謎の屋台ね……。って、どうやらいつの間にかもう第何回だか数えるのも忘れちまったSOS団のミーティングはスタートしているらしい。
で、その噂話とやらだが――古泉曰く、
「僕が聞いた話では、何やらその屋台で食事すると、身の毛もよだつような恐ろしい目に遭う、とのことでした。もっともそれがどんな体験なのかまでは残念ながら知っている方はいないようでしたけど」
ということらしい。だが、朝比奈さんは、
「えっ、あ、あのぅ、あたしが鶴屋さんから聞いた話、ちょっと古泉くんのとは違うんですけど」
と前置きした上で、
「その屋台でしたっけ――のお話を誰か他の人に教えちゃうと、後で誰かがどこかに連れて行っちゃう、ってことみたいでした」
と、おっかなびっくり説明してくださった。あれ、でも朝比奈さん?
「は、はい。何でしょう?」
もしそうなら鶴屋さんも今話してくれた朝比奈さん自身も危ないってことになりませんか、それ?
「ふえっ、そ、そうなんですかぁ? ひえぇ! ど、ど、どうしよう、キョンくん」
自分のした話にブルブルと怯える朝比奈さん。自分自身の肩を抱いて今にも泣き出しそうな表情だ。
「ちょっとキョン! 何であんたがみくるちゃんを怖がらせてんのよ。――ああ、ほらみくるちゃん。あなたもしっかりしなさい」
ハルヒは朝比奈さんを抱き寄せると小さい子供をあやすかのように頭を撫でていた。って、今のは俺が悪いのか?
「うえぇぇぇ。えぐっ」
結局朝比奈さんはハルヒの胸に顔を埋めて泣き出してしまった。
そういえば改めて冷静に考えてみると、なんだかんだで俺は朝比奈さんのことを泣かせてばかりいるような気がする。ちょっと反省した方がいいかもな。
「でも二人の話って、あたしが聞いたのとは全然違うのよね。どういうことかしら?」
ちなみにハルヒが聞いた噂とやらは、夜中に屋台のリヤカーを引いたおっさんが大声で笑いながら時速五十キロで追いかけてくる、というものらしかった。ある意味一番怖い気がするぞ、それ。
「そういえば、ねえ有希。あなたはなにか聞いていない?」
「なにも」
長門はたった一言返事をしたのみで、再び貝のように沈黙してしまった。実に省エネルギーだ。俺も見習いたいね。
「で、その怪しげな屋台に何の用があるってんだ?」
「そんなの決まってるじゃないの。いい、キョン? あたしたちSOS団で、その怪しげな屋台のおっさんを捕まえるの! モチロン生け捕りよ、生け捕り」
両の瞳の中で超新星を数十個ほど炸裂させたような笑顔でハルヒはそう宣言した。
「いい、みんな? 今晩八時に有希のマンション前に集合。各自、懐中電灯持参でねっ! じゃあ、ミーティングは終了。本日は一旦これで解散!」
そう叫ぶとハルヒは真っ先に部室から飛び出していこうとした。が、ドアを開けたところで振り向きざまに、
「キョン、解ってると思うけど、遅刻は厳禁だからね!」
と言ってバタバタと駆けて行ってしまった。
やれやれ、と俺が嘆息したところ、目の前の古泉がおもむろにこう切り出してきた。
「やはり――あなたもお気付きのようですね」
何を勿体つけてやがる。俺にはお前の言いたいことなんてサッパリ解らんぞ。
「おや、別に隠さなくてもいいじゃないですか。僕にだって解りますよ。涼宮さんが無理をしてまで明るく振舞っている、ということがね」
ふん。だからそれがどうかしたのか?
「もし、差し支えなければ、本日あなたと涼宮さんの間に起こったことをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」
いつの間にか朝比奈さんも長門も俺に注目していた。
「ダメですよぅ、キョンくん。涼宮さんとは仲良くしなくちゃ」
「………………」
多勢に無勢。仕方なく俺はつい先程の教室での顛末を三人に白状させられることになってしまった。って、そもそも悪いのは谷口の野郎で、俺は無実だ!
「なるほど、僕自身、個人的な嗜好に関してとやかく言うつもりは全くありませんが、件の芸術作品はおそらく涼宮さんにとっては刺激が強すぎたのでしょうか」
それにしてもただの絵だぞ。何でそこまで過敏にならんといかんのだ。
「あるいはこうも考えられませんか? 涼宮さんはあなたには春画の女性よりも自分の方に興味を持って欲しい、というある種の嫉妬のようなものを感じてしまった、とね」
バカバカしい。大体あいつのセリフはたった一言『不潔!』だったんだぞ。軽蔑以外の感情なんて含まれているとも思えん。
「あの、キョンくん? わたしも古泉くんの言う通りで涼宮さんは嫉妬を感じていたとは思うんです。でも、それは絵の女の人じゃなくって……その、谷口くんたち男子みんなに対して、じゃないかなって考えたの」
へっ? 朝比奈さん、それはどういう意味でしょうか?
「えっと、女の子って男の子たちが際どいお話をしているところには近寄りがたいと思うの。なんていうかやっぱり抵抗があるでしょう」
はあ、そういうモノなんですかね?
「もしわたしが涼宮さんの立場だったら、そんな話の輪の中にいるキョンくんを見るのって、ちょっと複雑な気持ちになっちゃうんじゃないかな、って。そもそもキョンくんって、今日涼宮さんとどのくらい会話してましたか?」
さて、今日は休み時間もほとんどノートとにらめっこ状態だったんで、ハルヒとはあんまり話してないぞ。普段の俺からすればありえないと我ながら思ってしまうが、そういえばハルヒも珍しく遠慮でもしたのかちょっかい出してこなかったしな。
「でも、谷口氏を筆頭に男子の皆さんは何の気兼ねもなくあなたに話し掛けることができた。ふむ、そういう意味でも涼宮さんはちょっとしたジェラシーを感じてしまっておられたのかもしれませんね」
いや待て、そもそも何故ハルヒが俺に関して、谷口の奴なんかに嫉妬するんだ?
「――本気でそう、仰っているのでしょうか?」
「もう、キョンくんったら! 涼宮さんが可哀想ですよぅ」
理由は解らんが古泉も朝比奈さんも本気で呆れている様子だった。
どう考えても可哀想なのはむしろ俺なんじゃないか? とは心の奥で思ったものの、あえて口に出さない方が身のためのような気がして、俺は再度溜息を深く吐いたのだった。
それにしても、今日の長門は全くといっていいほど言葉を発しなかったな。まあ、そういう日もあるってことかね。
古泉は今晩の屋台お化け探索に備えて用意が必要だとかで一足先に帰ってしまった。
朝比奈さんが部室内で着替えるため廊下で立ち尽くしていた俺の制服の袖が不意に引っ張られる。
「話がある」
長門だった。ってお前いつの間に部室から出てきたんだ? ま、そりゃともかく、さっきからずっと黙りっぱなしだった長門の方から俺に話なんて、一体何のことなんだ?
「涼宮ハルヒの述べていた『屋台』に関する都市伝説について」
長門は可視光を全く反射させることのなさそうな漆黒の瞳を俺に向けたまま、とんでもないことを喋りだした。
「本日十五時五十三分、つまり彼女がこの部室に現れる時刻までそのような噂話は存在しなかった。しかし、該当時刻以降、数週間程度の過去……正確には二十六日前の時点で件の『屋台』の目撃情報が発現したことになっている」
――ちょっと待ってくれ。それじゃあ、例の怪談染みた噂はハルヒの捏造ってことなのか?
「捏造という言葉は今回の事例には不適切。今回の事象は涼宮ハルヒ自身がつい先程創造したもの。彼女の能力は過去に遡り、『屋台』そのものを生み出した可能性がある」
おいおい、そりゃ本当か?
「あくまでも可能性のレベルでの推測。そうでなければ情報改変の結果、涼宮ハルヒはこの時空間に未知の……我々も把握していない情報生命体の一種を召喚したとも考えられる」
あー、細かい話はサッパリ理解できてないんだが、要するに長門――またあの『カマドウマ』とか『五線譜怪獣』みたいなのとやり合うことになる、って話なのか?
「そう。……更に懸念すべき点は、創造あるいは召喚された情報生命体は、わたしたちのいるこの三次元空間で実体化した形跡がある、ということ」
ΩΩ Ω<な、何だってぇ〜!
「それじゃ、前みたいに異相空間で対決ってのじゃなくって、例えば帰り道とかに突然そいつが現れて襲い掛かってくるかも知れないってことなのか」
「その可能性はゼロではない。だが、最大の問題は、その情報生命体と涼宮ハルヒが遭遇する確率が極めて高いこと。彼女から隠し通すことは非常に困難」
俺は戦慄した。長門の口ぶりでは今回の敵はかなりヤバそうな相手らしい。しかもハルヒを巻き込んでしまう虞まである。もしそうなったらあいつは好奇心旺盛だから単純に喜ぶんだろうが……考えただけで頭痛がしてきた。
「わたし自身も涼宮ハルヒの眼前での情報操作には限界がある。可能な限りあなたと涼宮ハルヒの保全に尽力するが、リスクは今までと比べて桁違いに高い」
長門でもハルヒの目を誤魔化している余裕がないというわけか。つまり、最悪俺自身でなんとかしろ、ってことなんだよな――って、俺はただの普通の人間だぞ。出来ることなんて、ハルヒを連れて逃げ出すぐらいが関の山だと思うんだがな。
「………………」
物騒なことを話し終えた長門と頭を抱えた俺が沈黙しているところに、ドアが開いて朝比奈さんがキョトンとした表情で立っていた。
「お待たせしました――えっ、あ、あの、キョンくん? 何だか難しい顔してますけど、長門さんとなに話してたんですか?」
俺は少々悩んだものの、
「――ああ、いいえ。別に大したことじゃないですよ」
と、はぐらかした。先程の長門の話をしたところで、朝比奈さんを変に困惑させてしまうのもどうかと思ったんでな。
丁度そのとき不意に思いついたことがあって、俺は朝比奈さんに質問する。
「そういえば朝比奈さん、鶴屋さんから例の『屋台』のことを聞いたのって、いつ頃だったんですか?」
「あれ? そういえばいつだったんだろう――う〜ん、ごめんなさい。わたし、忘れちゃったみたい……あっ、そういえばわたし、鶴屋さんと待ち合わせしてたんだっけ! キョンくん、長門さん。わたしもう行きますね」
朝比奈さんは慌てて先を急ごうとしたが、何もないところで蹴躓いて、
「ひょえっ! はわわぁ〜」
と妙に可愛らしい悲鳴を上げながらパタパタと走り去ってしまった。
「なあ長門、これって――」
「あなたの想像の通り朝比奈みくるも古泉一樹も、先程話した内容は涼宮ハルヒの能力によって施された情報操作による擬似記憶をベースとしたもの。彼らだけではない。半径十数キロメートル内の人間は全て記憶改竄の対象となっていた。……あなたを除いて」
えっ、俺? まあ確かに俺には、その『屋台』に関する噂話なんて今日が初耳だったからな。
「でも何でハルヒは俺の記憶を変えなかったんだ?」
「……その答えを、あなたはもう自覚しているはず」
長門はそう言ったきり、俺に背を向けて歩き始めた。どうやら自分で考えろ、ってことのようだが、気のせいか俺には長門が呆れているようにも思えてしかたがなかったのだった。
一旦自宅に戻った俺は、悠長に晩飯を食っていたのでは間に合わないことに気付いて意気消沈しながら、それでも逆算で集合時間ギリギリな時刻に自転車で再出発することになったのだ。
ちなみに、妹に『屋台』の噂を知っているかどうか訊いたところ、
「うん、知ってるよ〜。今日もミヨキチと一緒にお話してたんだよ。『怖いよね〜』って」
と、ほぼ予想通りの返答が得られた。
「こらキョン、遅いじゃないの。今度また、あんたの奢りねっ!」
「どうも、お疲れ様です」
「こ、こんばんわ、キョンくん」
「……」
またしても俺がラストかよ。いや、今更どうこう言うのはもう無駄な気もする。
「じゃあ、まず四人でくじを引いてちょうだい。二手に分かれて探索よ。それから、キョン。あんたの自転車、あたしに貸しなさい」
自転車? お前が乗るのか?
「そうよ。なんてったって、相手は時速五十キロで移動するのよ。こっちもそれなりに装備を整えておかないとね」
いや、自転車でも時速五十キロは無理だろ。なんせロードレーサーならいざ知らず、俺のはオンボロのママチャリなんだし。――長門なら生身でも何とかなりそうな気もするが、勿論それを口に出す俺ではない。
「ほら、早く引いた引いた! ……へえ、古泉くんと有希に、みくるちゃんとキョンか。いい、キョン。ドサクサに紛れてみくるちゃんにいやらしいことしたら許さないんだからねっ!」
しねーよ。
「ふんだ。――古泉くん、じゃあもう一度とりあえずの分担を確認しましょう」
「了解しました」
古泉はなにやら懐から取り出した。っていつぞやの一万分の一市内地図か。見ると妙な印が既に点々と書き込まれている。
「僕なりに調べた屋台の目撃情報をプロットしてみたんですが、大まかにいうと線路を挟んで東側と西側の、この二つの地域に集中しているようです。ええ、それがただの普通の屋台という可能性もありますけどね」
先にさっさと帰ってしまったと思ったら、こんな準備をしていたなんて、ご苦労様なこった。
しかし、長門の話からすると、古泉の示したこの目撃ポイントとやらも結局のところはハルヒに作り出されたものらしい。何か非常にいやな予感がする。
「じゃあ有希たちは東側、みくるちゃんたちは西側をお願いね。あたしはこの辺りをしばらくグルグル周ってるから、何かあったらケータイに電話してね。すぐに駆けつけるから」
ハルヒはそう言って俺の自転車に乗って行ってしまった。やれやれ。
「さて、では僕たちも配置につくとしましょうか」
古泉の言葉に従って俺も朝比奈さんと自分たちの担当の箇所へと向かおうとしたのだが、
「待って」
「あ、あのぅ――長門さん。どうかしたんですか?」
みれば長門は古泉に同行せずに俺の背後に立っていた。なんだ、用があるのは俺に、ってことか?
「……これを」
そう言って手渡されたのは中に液体らしきものが入った小さな透明のガラス製の超小型アンプル、とでも形容したらいいのだろうか。まさか今すぐこれを飲め、ってことじゃないよな。
「護身用のカプセル」
護身用ね。ってことは、割ると催涙ガスか何かが発生して目くらましになる、とかそんな類のものなのか?
「概ね、その解釈で間違いではない」
解ったよ。何とも頼もしいお守りだな。ありがとう、長門。
「いい。……気をつけて」
そう言って長門は怪訝そうな顔をして待っている古泉の方にゆっくりと歩いていった。
「キョンくん――そ、その、わたしたちも行きましょうか」
朝比奈さんに促され、俺も先程の地図でマークされていた地域の線路西側の方を目指して進み始めたのだった。
果たして、目標地点にはラーメン屋らしき屋台が構えており、仕事帰りらしきサラリーマンの客が数人集まっていた。行列こそないものの、客の回転率も悪くなさそう。結構繁盛しているのだろうか。
朝比奈さんと俺は、少し離れたところにあるバス停のベンチからその様子を観察することにした。
しかし、遠目にではあるが、人が何か食事しているのを見ていると、こっちまでお腹が減ってくるというものだ。しかも俺は晩飯抜きだ。ちゃんと食ってくればよかったな。
とか俺がどうでもよさそうな後悔を脳内に回らせていると、朝比奈さんが真面目そうな表情で俺に訊いてきた。
「ねえキョンくん。あの、長門さんとなにかあったんですか? 下校のときだって、なんだか悩んでるような感じだったし。長門さんはいつもとそんなに変わった感じはありませんでしたけど――涼宮さんのことでなにかお話してたんじゃ……」
う〜ん、さっきは上手くごまかしたつもりだったんだが、今度はそういうわけにもいかないみたいだ。どうしたもんだろう?
しょうがない、俺は嘘にならないように核心部分だけぼかしつつも答えた。
「ええ、まあそんなとこですよ。長門一人ではフォローし切れないかも知れないんで、俺にもなんとかしてもらいたい、ってことらしいです」
「あっ、やっぱり長門さんもそう思ってらしたんですね、うふふっ。キョンくん、いいですか? いくら照れくさいからってあんまり邪険にしてると涼宮さんが可哀想ですよ」
「いや、ははは」
どうやらごまかす方向を選択し損なったか。ここぞとばかりに朝比奈さんは女性というものが如何に繊細で傷つきやすいか、ということを珍しくも滔々と俺に語り続けたのだ。
実に耳の痛い話ではあったが、俺は必死に身振り手振りを交えての忠告をしてくださる目の前の可憐な先輩の様子を見ながら、ハルヒって実は朝比奈さんからもこんなに慕われているんだな、と羨ましく思ってしまったりしたのだった。
なんだかんだ言ってもハルヒ自身には強烈なカリスマというものがあることは間違いない。だからこそ朝比奈さんだけでなく長門も古泉も自分たちの属する勢力のこと抜きでハルヒの傍にいることを選んだのだろう。
「もう、キョンくんったら。お話……ちゃんと聞いてますか?」
ああ、すみません。なんでしたっけ?
………
……
…
「それに、いくら健康的な若い男の子だからって、あんまりエッチなのはいけないと思いますよ。さすがの涼宮さんでも引いちゃいますからね。メッ、ですよ」
と、散々朝比奈さんから可愛らしくも突っ込みの厳しいお説教を頂戴している間も、目標の屋台の様子に特に変わったところはみられなかった。
そうこうしているうちに携帯電話に着信。ハルヒからだ。
『そろそろ一時間経ったし、メンバー交代しましょう。とりあえずあたしがそっちに行くまで待機してなさい』
何だ、もう自転車には飽きたのか?
『違うわよ、バカキョン。ずっと監視してないといけないでしょ。まずあたしがあんたの代わりにみくるちゃんと一時的に組むから、あんたは有希たちの方に行って。で、古泉くんにここまで来てもらうまであたし待ってるから』
要するに男子だけ配置を交代ってことか。
「そうよ」
と、自転車のブレーキ音と共に目の前からハルヒの肉声が届く。おいこら、自転車に乗りながらの携帯電話の使用は道交法違反で――、
「うるさいわね! ほらキョン。ちゃっちゃと行ってきなさいよ!」
解ったって。だから自転車使わせろ。
「何でよ? 徒歩で行けばいいじゃないの」
時間が勿体無い。復路は古泉に乗って来させればいいだろ?
「――もう、しょうがないわね」
渋々といった感じで同意するハルヒ。つーか、そもそもこの自転車は俺の物なんだがな。
「あんたのモノはあたしのモノ、あたしのモノはあたしだけのモノなの。そんなの決まってるでしょ?」
ハイハイ、何処かのガキ大将理論でも好きなだけ唱えてろ。
俺は膨れっ面したハルヒとオロオロしている朝比奈さんを残して、長門と古泉の待つ東側へと向かうことにしたのだ。
しばらくして東側の監視地点に到着。小学校の脇に出店しているのはおでんの屋台らしき赤提灯、もっともこちらには客らしき人の姿はなかった。長門と古泉の組はそれをすぐ傍の公園から観察していたらしい。
「なるほど、交代ですね。では、後はよろしくお願いいたします」
そういって古泉は俺の自転車に跨って颯爽と夜の闇に消えていった。何をやっても一々気障な古泉。いや、むしろここは笑うところかも知れん。
二人きりになったところで、俺は尋ねる。
「なあ長門。あの屋台のおっちゃんが例の『情報生命体』とやらの化けている姿なのか?」
「まだ正確には断定できないが現時点のデータによれば九十七パーセントの確率でただの人間」
ちなみに朝比奈さんがいる方のラーメン屋台も長門曰く普通の人間しか存在していないとのことだ。何だ、結局のところどっちもハズレってことじゃないか。待てよ、ということは……。
「敵はまだ私たちの前にその姿を現していない。全く別の地点に存在すると考えた方が自然。もっとも監視中の二者の内一方が偽装している可能性も残っている」
しばらくは監視を続けろ、ってことなんだな。
「そう」
だが、それから更に四十分近くが過ぎたが、やはり状況は何も進展しなかった。自転車で二地点を幾度となく往復していたハルヒの機嫌も、それに比例するかのように急降下中だ。
と、そこにまた着信音。
正直、そのハルヒとの通話で俺は強硬に撤退を主張すべきだったのだ。だが事態は思いも因らぬところから転がり始めることとなったのだ。
勘弁してくれよ。もう。
>>736-740 とりあえず前半はここまでです。
残りは日付が変わる前には投下します。 ノシ
>>741 これは続きに期待大。
しかし春画とは谷口の趣味も広いなwww
>>741 うおっ!何時の間にこんな物を。残り5レス楽しみにしてるぜ。
>>741 うお、次の展開に期待大だぜ!
というか今日は物凄いSSラッシュだな
しかもどれもこれも良作と来たもんだww
正直、たまりません。
なんという屋台…!気になるなw
それとはまったく関係なく、祭とかで屋台をやるハルにゃんたちとか面白そうじゃね?
消失ハルヒなのに目が優しいな
って制服が北高じゃないか俺は何をいっているんだ。
髪をこっそりと伸ばして、いつポニテにしようか悩んでるハルにゃんですね、かわいいなあもう
まぁハルにゃんはどんな格好でも可愛いけどなw
みくるをジープで追いかけるハルヒ
>>751 まてぇぇぇ!ルパァァァァァァァァン!!!
…あれ?
帰ってきたので
>>741の続き5レス投下します。
視点がコロコロ変わるんですが済みません orz
「もう、どうしてあたしたちが見張ってるのに、中々尻尾を出さないのよ?」
ついあたしは電話の向こうのキョンに悪態をついてしまう。
キョンに何の責任があるわけでもないのは十分承知しているけど、学校の教室での一件のこともあって、結果的にあたしはキョンに八つ当たりしてしまうのよね。
『そんなこと言っても、見張ってるからこそ相手も正体を現さないんじゃないのか?』
一々正論で返してくるキョンにあたしはさらにイライラを募らせてしまう。
「そんなこと言ってても埒があかないじゃないの。あっ、そうだわ。この際あたしたちが客となって直に乗り込みましょう! 古泉くんもみくるちゃんもいいわよね?」
「成程、その手がありましたか」
「ええっ? でも、その、涼宮さん。それだとわたしたちが、その屋台で怖い目に遭っちゃうんじゃ……」
「大丈夫よ。みくるちゃんは古泉くんと一緒なんだし、なにかあってもそれはそれで面白いじゃないの」
「ふえぇっ!」
「了解しました。仮に何か恐ろしいものが現れても、この僕がなんとか朝比奈さんの身をお守りいたしましょう」
「さすがは副団長ね。偉いわ古泉くん!」
「ところで、涼宮さんは如何なさいますか?」
「そうねえ、あたしは有希たちの方に行ってみてから考えることにするわ。こっちは二人に任せたわよ」
「ははあ。仰せの通りに」
古泉くんは大袈裟にかしこまったポーズを取ると、意味ありげなウインクをあたしに寄越した。
なによ、あたしは有希が心配だからあっちに行くだけで、別にキョンのことが気になるとかそんなことないんだから。
『あー、ハルヒ。ちょっと言いにくいことなんだが――』
って、何なのよもう、キョンったら。
『……実は、財布を家に忘れてきた』
と、同時にキョンのお腹の虫らしい音がぐ〜っと鳴ったのがケータイ越しに聞こえた。
はあ、もう。
全く何処までもマヌケなんだからキョンのアホンダラゲは!
やっぱりあたしが一緒にいてあげないとダメダメなのよね、ほんと。
「ちょっと電話、有希に代わんなさいよ! ――ああ、有希? そっちはあなたが一人でお客として行ってきてちょうだい。いい? キョンが可哀想だからって立て替えたりなんかしちゃダメよ」
『なぜ?』
「甘やかすのが本人のためになるとは限らないの! ここは心を鬼にして、有希一人で見事任務を遂行してごらんなさい」
『……わかった』
それにしてもしょうがないわねえ、キョンったら。
「じゃあ、あたしもうあっちに行くから、後は頼んだわよ、みくるちゃん、古泉くん」
「は、はいぃ!」
「かしこまりました、閣下」
自転車を漕ぎながら、あたしはやっぱりキョンのことを考えてしまっていた。
昼間の学校で珍しく真面目そうに勉強していたキョン。
昨日あたしが言ったことが相当堪えたのかしら?
ともかく邪魔になっちゃ悪いような気がして、あたしもずっとちょっかい出すの控えてたら、いつの間にか男子どもで集まってわいわい騒いでたのよね。
我慢してたあたしがバカみたいじゃないのよ。
って、勘違いしないでよね。別にあたしは今日一日キョンと話ができなくて寂しかったなんてこと……。
ううん、正直、あたしは寂しかったのよ。
アホの谷口や国木田たちは男同士なんだから、同性だけでしかできないような下ネタなんかでも気軽にキョンと盛り上がれる。
そんなキョンがあたしの手の届かないところにいるような気がして、ついあたしは酷い言葉をキョンにぶつけてしまった。
高々ただの絵じゃないの。
なのにあたしはキョンに向かって『不潔』だなんて……。
って、アレ?
そもそもあいつらが見て騒いでた絵って、一体どんなのだったかしら?
何故かその部分だけあたしの記憶からポッカリ消え去ってしまっている。
まあいっか。
そんなことより、キョンはお財布忘れたって言ってたじゃないの。
それに電話越しに聞こえるぐらいお腹が鳴ってたし、ひょっとしてあいつ晩御飯食べてなかったのかしら?
みんなの手前ついあんなこと言っちゃったんだけどラーメンの一杯ぐらいならなんとかしてあげたかったな。
ともかく、何でもいいからお腹の足しになるようなものをキョンに差入れしてあげた方がいいのかもね。
でもここからだとコンビニは遠回りだし、どうしたものかしら?
と、丁度あたしの目の前に白いバンが停まっているのが見えた。
聞こえてくる発電機だかの音と香ばしい匂い。
うん、そうね、これでもいいかな、と、あたしはその車両に近付くと、華麗な手付きで仕込みをしているニコニコしたおっちゃんに声を掛けたのだった。
ハルヒの発案により俺以外のメンバーは直接屋台に乗り込む作戦が決行されることとなった。何故俺以外かというと、なんてことはない、ただ俺が財布を持ってくるのを忘れただけだったりする。
長門にちょっと立て替えてもらうというのもあったかも知れんが、そこはハルヒが強硬にダメ出ししたせいで無しになってしまった。
長門は何処からか取り出した双眼鏡を俺に手渡すと、
「行ってくる」
と言い残して、音もなく目標の屋台の方に接近して行ったのだった。
俺は長門から借りた双眼鏡でその様子を観察する。って、何だこれ、光増式と熱感知式が切り替え可能な超望遠暗視スコープじゃないか!
なあ長門よ。何もここまで高スペックなシロモノを用意する必要なんてないだろ? とか思いながらも俺はその双眼鏡に仕込まれたギミックをいろいろ試しながら長門のいる屋台を監視していたそのとき、
「キョン!」
おわぁ、ビックリした! って、何だハルヒか。あんまり驚かすなよ、口から魂が半分以上飛び出してしまうとこだったじゃないか。
「『何だ』じゃないでしょ、このバカキョン! って、あら、あんたもその双眼鏡、有希に借りてたのね」
見ればハルヒも俺が持っているのと同じ型のブツを首からぶら下げていた。さすがは長門だ。実に用意のいいことで。
適当な位置に俺の自転車を停めたハルヒは、ベンチの俺の横に腰を下ろすと、持っていた白いビニール袋からガサガサと何か取り出した――たこ焼きか。ああ、いいなあ、旨そうだなあ。でもこいつ、自分で食べるために買ってきたんだろうな。
と羨ましそうにしていた俺に、ハルヒは爪楊枝で青海苔とソースまみれの球体を突き刺すと、俺の前に差し出してきた。って、えっ?
「なによ、あんたお腹空いてるんでしょ? 全然食べずに監視だけってのも惨めかなって思ったから、その――差入れよ、ただの差入れ」
って、俺にか? 本当にいいのか?
「もう、なに変に勘繰ってんのよ。ほら、ちゃっちゃと食べなさい」
と半ば無理矢理俺の口に突っ込んできた。熱っ! でもこのたこ焼きは口の中を火傷してでも食べる価値があるな。ふわとろで実に美味だ。
「ふ〜ん、そんなに美味しいんだ。じゃあ、あたしももらうわよ」
ハルヒもその一つを自分の口に放り込んだ。ちゃっかりしてやがるな、本当に。いや、どちらかといえば俺の方こそハルヒのおこぼれに与っている身分なんだっけ。
「ほら、次いくわよ。はい『あ〜ん』」
「ん」
「それじゃあたしも……もう一個」
なんだかんだで結局俺とハルヒで一舟を半分こしたことになるな。
しかし、何かを旨そうに食ってるこいつは本当に嬉しそうな表情をするんだよな、とかついつい見惚れてしまった俺に、
「なによキョン、どうかしたの?」
と、最後の一個を平らげたハルヒは口をモゴモゴさせながら怪訝そうな顔をした。
動揺した俺はつい余計なことを口走ってしまい、墓穴を掘ってしまった。
「いや、その、さっきから何で同じ爪楊枝を使ってんのかなって思って」
ハルヒは夜目にも解るくらいに頬を朱に染めると、
「し、しかたないでしょ。どうしてか知らないんだけど、普通二本入ってるはずの爪楊枝が一本だけしか入ってなかったんだもん。別に、間接キスになっちゃうとか、そんなことあたしは気にしたりなんて――」
か、間接キス?
「うぁっ、ば、バカキョン!」
更に地雷を踏みつけたらしい俺をハルヒはポカポカと殴りつけてきた。まあ痛くも何ともないんだが別の意味でダメージは甚大だ。
ふと見るとハルヒの口元に僅かにソースが付いていた。
「おいハルヒ。ソース付いてるぞ」
「えっ、嘘?」
そんなことで一々嘘ついてどうするよ?
全く見当外れの箇所を拭おうとするハルヒを見て俺はつい、
「ああ違う違う。どれ、じっとしてろ」
と、片手でハルヒの顎に手を当てて、くいっと上を向かせると、もう片手の指で口の脇についたソースを拭き取り――、
「!」
って、今何をしようとしたんだ、俺? まさかハルヒの口元のソースを拭った指を、俺は舐めようと……。
「どしたの、キョン?」
不思議そうな顔をしているハルヒ。そのハルヒの顎に手を掛けた姿勢のまま俺は暫し硬直してしまっていた。
沈黙。
脳内に渦巻いていたわけの解らない感情が沈静化されるまでどの程度を要したのだろうか。
とにかく我に返った俺は、
「すまん、ハルヒ。ちょ、ちょっと俺、手を洗ってくるからな。長門がいる屋台の方、頼む」
と、その場から半ば逃げ出すかのように公園の隅のトイレに向かって走り出したのだった。
慌てた様子で走り去ってしまうキョンの背中を、あたしはしばらくぼーっと見ていた。
気のせいか、さっきまでキョンの触れていた顎の部分がやけに火照ってなんだかくすぐったい。
あたしとキョンの二人以外、誰もいない夜の公園。
せっかくいいムードだったのに、露骨に逃げ出しちゃうなんて、キョンったら小心者なんだから、もう!
でも待って、そういえばあたしたちはさっきたこ焼き食べたばっかりじゃないの。
ひょっとして歯に青海苔とか付いちゃってるのかしら?
ヤダヤダ、大失敗じゃないの、あたしとしたことが迂闊すぎるってもんだわ!
と、そこであたしは思わず我に返る。
なに考えてるんだろう、あたしって…………。
そういえば有希が一人でおでん屋台の潜入捜査をしてたんだっけ。
ちゃんと見張ってないとダメじゃないの。
双眼鏡を手にあたしは屋台の監視を開始する。
ここからでは店のおっちゃんの顔とかは見えないけど、有希の様子はバッチリ確認できるから、なにかが現れてもすぐに駆けつけられるってことよね。
それにしても、さっきから見てたけど、有希ってよく食べるわねえ。
何だろう、痩せの大食いってことなのかしら、今度フードファイトの大会に出場を勧めてみようかしらね。
って、ちょっと、有希が飲んでるのって、あれ、お水なんかじゃないわよね。
一升瓶っぽいのから注がれてたし、まさか日本酒なのかしら?
でも大丈夫かな、相変わらず有希は制服姿のままだし、未成年者、それも現役の女子高校生が屋台で堂々と飲酒だなんて、見付かったら大事になっちゃいそう。
でも、有希の飲みっぷり、あたしから見ても惚れ惚れするぐらい気持ちいいのよね。
いつか差し向かいで有希と飲んでみたいところよね。
ってダメよダメ、あたしはもう二度と酔っ払ったりしないって決めたんだから。
丁度そのとき、隣に誰かが座ったような気配を感じた。
多分キョンが戻ってきたんだろう。
「もう、手を洗ってくるだけでどんだけ掛かってんのよ、ほんとに。なにしてたのよ?」
「……」
ちょっとちょっと、なによ、その反応、あたしの質問を無視するつもり?
「ふんだ、あんたがそんな態度なら、あたしにだって考えがあるわよ」
「…………」
「いい根性ね、もう、ちょっとやそっとじゃ許してあげないんだから!」
あたしはキョンがちゃんと謝ってくるまでひたすらシカトすることにしたの。
顔も見てやらないんだからね。
ぺたり。
「やだもう、なに気安く肩に手なんて廻してくるのよ」
あたしはぷいっと身体を揺すってキョンの腕を振りほどく。
ぴとっ。
「ちょっとキョン、あんたしつこいわよ」
ぷいっ。
ぴとん。
ぷいっ。
ぺたっ。
んもう、何なのよ?
「しつこいったら!」
ぷいっ。
「キョン。あんた、いいかげんにしなさいよ!」
さわっ。
「やだキョン。あんたどこ触って」
さわさわっ。
なるほど、あんたがその気ならあたしにだって意地ってもんがあるわ! なにをされようが、徹底的に無視しちゃうんだからね。
さわさわさわっ。
「くっ!」
中々やるじゃないのキョン、でもあたしはそんなことで参ったりなんか、
もぞもぞっ、さわさわさわっ。
「んぐぅ! ちょっとキョン、あんた調子に乗り過ぎなのよ――ええっ?」
突然首周りをグイっと掴まれたのと同時にあたしの両手両足が変な感触のモノに捕らえられ、次の瞬間にはあたしの身体は宙に浮いていた。
「なによこれ、キョン?」
違う――キョンじゃない!
あたしの眼下にはクネクネした不気味な姿の――まるでタコのお化け――がいて、そいつから何本も生えている触手らしきものがあたしを拘束していたのだった。
「いやぁぁ! キョン、助けて!」
悲鳴にも動じる様子も見せずに、タコお化けがもう一本の触手をスカートの中に侵入させようとしたところで、恐怖と絶望のあまり、あたしは意識を失った。
「う〜〜水道水道」
そんなわけで俺は、目の前にある公園のトイレにやってきたのだ。って何だよこの変なノリは?
蛇口を捻るとさっさと指に付いたソースを洗い落とす。ついでに持ってきてしまったたこ焼きの入っていたパッケージをゴミ箱に捨てようとして、ふと思い直す。
そういえば、ハルヒは自分用に買ったたこ焼きを半分分けてくれたのかも知れんな。だとすると、代金は割り勘――いや、やっぱり俺が全額持つべきだろうかね。なんせたこ焼き一舟分だからな。
ビニール袋に入っていたレシートを取り出す。何だ、コンビニで買ったんじゃなかったのか。とすると、その辺にきてたらしいたこ焼き屋台で買ったってことだな。
ん、待てよ? 何かが俺の頭の中に引っ掛かる。
『ああ「蛸と海女」だね。北斎の作ってことだし、結構有名なんじゃないかな』
『僕が聞いた話では、何やらその屋台で食事すると、身の毛もよだつような恐ろしい目に遭う、とのことでした』
『その屋台でしたっけ――のお話を誰か他の人に教えちゃうと、後で誰かがどこかに連れて行っちゃう、ってことみたいでした』
『涼宮ハルヒはこの時空間に未知の……我々も把握していない情報生命体の一種を召喚したとも考えられる』
「しまった!」
ハルヒが危ない! 屋台なんていうからてっきりラーメンとかおでんの方にばかり頭が行ってしまったが、今日ハルヒが怒りを爆発させた原因と、それが元で生み出された怪談の関連を考えれば……、
「いやぁぁ! キョン、助けて!」
その瞬間、ハルヒの悲鳴が俺の後方で上がった。
慌てて振り返る俺、だがしかし!
「な、何だコリャ?」
目の前には真っ黒な霧のようなものが立ち込めている。これはまさか――タコの墨? でも待てよ、タコの墨が空気中で広範囲に撒き散らされるとは……いや、そもそも情報生命体とかの仕業なんだし何があってもおかしくはないか。
しかし、目の前が何も見えない。チクショウ、こんな時どうすれば――、
「そうか!」
俺は長門に借りた双眼鏡を熱感知モードに切り替えて使用した。これなら可視光が遮られていても熱を発するもの――人間の体温――に反応があるはず。そこにハルヒがいるはずだ。
スコープ越しに見ると、前方の空間にハルヒらしき白っぽい影が浮かび上がった。そっちか!
ハルヒを恐ろしい目にあわせた挙句に何処かに連れ去ろうだなんて、そんな奴、俺が許してたまるかよ!
果たしてそこには、巨大なタコの姿をした怪物がハルヒの手足を拘束して、余った触手をスカートの中に潜り込ませようとしているところだった。何て羨ましい、じゃなくて何て破廉恥な情報生命体なんだ、こいつは!
うっかりハルヒに気を取られた俺の隙を付いて、タコ野郎の別の触手が俺の手足に絡みついた。
「うぉっ! 抜かった」
俺も宙吊りにされてハルヒ同様に身動きが取れない。絶体絶命!
ぷしゅっ。
そのとき、何処からか、まるでサイレンサー付きの銃から弾丸が発射されたみたいな音が聞こえた。一瞬怯むタコ野郎、俺の手を掴んでいた触手が力を失う。
「今だ!」
俺は触手を振りほどくと、長門製護身カプセルを地面に思い切り叩き付けたのだった。
その頃、屋台にて。
「お嬢ちゃん、いい飲みっぷりと食いっぷりだね。おいちゃん、すっかり気に入ったよ」
もぐもぐ。
「そう」
ぐびぐび。
「後はおいちゃんの奢りだ! 好きなだけ飲み食いしてくんな」
「!」
「ん、どしたい? 何か気に入らねえことでもあったかい?」
「ごちそうさま」
「なんでえ、もういいのか。って一万円のお預かりね、お釣りお釣りっと、ってあれ――お嬢ちゃん…………何処行っちまったんだ?」
パキっ、とガラスカプセルの割れる音。しゅーっと白いガスが噴出し、タコ野郎の墨を中和してしまう。と、そこには八人の長門が立っていた。なんだ一体? 分身の術か?
八人長門が同時にジャンプした次の瞬間に、何かを切り裂くような鋭い音がして、俺とハルヒの身体は触手から解放されたのだった。タコ野郎の身体は微塵切りにされて黒い泡状態になり、全て消滅してしまった。
俺は分身術を解いた長門に声を掛ける。
「ありがとう、長門。またお前に助けられたよ」
「お礼ならいい。あなたが最良のタイミングで護身用カプセルを使用したからこそ、あなたも涼宮ハルヒも助け出すことが可能だった」
アレ? ってことはさっき銃弾を打ち込んだのは長門じゃなかったのか?
「わたしではない」
そういえばさっきまで脇に転がっていたダンボール箱がいつの間にか無くなってるな。まあ、そんなことはどうでもいいか。
俺は目の前に倒れていたハルヒを助け起こす。
「おいハルヒ、大丈夫か?」
「う〜ん、あれ、キョン? 何であんたがここに」
何だ、こいつ寝惚けてやがるのか。まあ丁度いいか。さっきのも全部夢だったってことにしちまおう。
「なあ長門、どうやら一段落したみたいだし、朝比奈さんと古泉にも連絡してくれないか」
「了解した」
何故か長門は携帯電話で連絡を入れるのではなく、そのまま歩いて公園から出て行ってしまった。まさか徒歩で知らせに行こうってのか?
と、長門が出て行ったのを確認してからだったのか、ハルヒが俺にしがみ付いてきた。
「お、おいハルヒ?」
「うぅっ……怖かったよぉ」
「えっ?」
俺は今まで聞いたこともないようなハルヒのか細い声に意表を突かれた。そのハルヒの身体は先程からずっと小刻みに震えている。
「なんだかすっごい怖くて恥ずかしい目に遭った気がするわ、あたし。でも全然思い出せないの。どうしてなのかしら?」
「無理に思い出すことなんてないだろ、そんなの」
俺はハルヒの頭を軽くくしゃくしゃっと撫でてやると、そっと背中に腕を廻してしっかりと抱きしめてやった。
「キョン?」
頼むからそんな怯えた顔をしないでくれよ。俺はハルヒにはいつも笑っていて欲しいんだ。
「なによそれ、なんであんた、こんなときに限ってそんなに優しくしてくれるのよ?」
さあな、そこんとこは俺自身よく理由が解らん。
「もう、キョンったら……バカ」
そう言って膨れっ面をしたハルヒは目を閉じると体重を全て俺の方に預け掛けてきた。
その頬の赤さと突き出した唇がまるで茹でダコのように見えて、俺は不覚にも可愛いな、とか思ってしまい、つい両腕の力加減を忘れてしまいそうになったのだ。
いや、そのままいただきます、なんてことはしなかったぞ。断じて違う!
そもそもタコなんて今日はもうお腹一杯って気分だったからな。当分の間は青海苔もソースも見たくないぜ。
「おや、機関の同志から緊急連絡があったために大急ぎで馳せ参じたのですが、もう全て終わってしまいましたか。今回は僕の出番もなかったということですね。少々寂しい気もします」
「いいなあ、涼宮さん。あんなにキョンくんに抱きついて、ぎゅーってされるなんて、羨ましいです。あ、やっぱりチュウしちゃうんでしょうか? タコだけに。なんちゃって。うふっ」
「…………糖分がアルコールの分解に支障をきたす。早急に撤収を」
翌日の放課後の文芸部室。
「やっぽ〜ハルにゃんっ! ねえねえ、めがっさすっごい噂、聞いちゃったにょろ〜」
既に全員集合していたSOS団のアジトに現れたのは名誉顧問の鶴屋さんだった。
「なんでも今度は屋台に現れる謎の大食い美少女なんだってさ〜っ! あんまり喋ったりせずに、ひたすら黙々と飲んだり食べたりした挙句、代金よりも大目の支払いをして、おつりも受け取らずにいつの間にか消えちゃうってことなのさっ」
謎の大食い美少女ねえ。
俺はふと長門の方に目を遣った。長門は一瞬こちらを見た後、目を逸らしてしまったように思えた。やっぱりこれはお前のことみたいだな。
「あの、鶴屋さん。せっかくの情報はありがたいんだけど、もうあたし、屋台は懲り懲りなの」
鶴屋さんは、
「へえ、そうなのかいっ。まあいいっさ。今度何か別の面白い情報があったら教えてあげるにょろよっ。じゃあ、まったね〜っ」
と、疾風のように去っていってしまった。
「どうしたんだ、ハルヒ? 鶴屋さんがせっかく不思議情報を持ってきてくれたっていうのに」
全てを解った上で俺は敢えて、ウンザリといった表情のハルヒに訊いてみた。
「なによキョン、ニヤニヤしちゃって。とにかくもういいったらいいの」
膨れっ面でむくれるハルヒ。つい俺はその頬に親指と人差し指で輪っかを作るともう片手の人差し指でその円の中に出来た柔らかな膨らみをプニプニと突いてしまう。
「こら、なにすんのよアホキョン!」
ハルヒも負けじと俺の頬に『たこ焼き』を作って突いてきた。やれやれ。全く、この程度のイタズラでハルヒの気を紛らわせてやれるなら、俺はいくら相手をしてやっても構わんけどな。
報酬は――そうだな、ハルヒの元気いっぱいの笑顔、ってとこで手を打とうじゃないか。
「おやおや、実に平和的な光景ではありませんか」
「おかしいんです! キョンくん、昨日の晩は当分たこ焼きはいらないって言ってたのに、涼宮さん相手にたこ焼きごっこなんて――いいなあ」
「……イチャコラバカップル乙。ちなみに、そろそろ『三人オチ』にも食傷気味」
俺の電波を聞けーーーーー!
クラスの女の子のポニーテールに見惚れるキョンにヤキモチを妬くハルヒ
にらめっこ勝負をするハルキョン
以前教室でキョンが長門を押し倒したと噂になり修羅場になるハルキョン
教室でキョンの背中に寄り掛かって寝るハルヒ
エクステで髪を伸ばして完璧なポニーテールをキョンに見せ付けるハルヒ
761 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/31(土) 23:10:48 ID:sWfPgley
次回作にハルキョン長編ラブ・ストーリー「フェイク」か
短編「もんじゃ焼」の続編「キングカズ」のどっちにしようか悩んでる
「フェイク」はちょっと大人向けの切ない内容で「キングカズ」は余りにもマニアックな内容ですが
俺は切ない内容かお笑いか両極端なのでみんなの意見が聞きたい。
>>760 いやいや激しくGJ! 待っていた甲斐があった!
伏線の張り方とか上手いな。キョンがかっこよかったぜ!
ところで段ボールはやはりあのお方なのだろうかwww
絵は確かにいつもとちょっと違うけどたこ焼き持ってるハルヒ可愛い。
>>760 まるで色を塗り忘れたみたいだぞw
GJ! ほうほうそう来たかって感じでよかったぜ。量の割りに読みやすかった。
>>761 お笑い系は好きだが、マニアックすぎるのはどうかとおもってしまうな。
>>760 GJ!
ところでダンボールってwww蛇www
「音も無い世界に〜♪」
GJ!楽しませてもらったよー絵もかわいい。
色は各自好きなように塗るってことでどうだろうw
たこ焼きといえばエンドレスエイトだよな。
あの場面でも同じ楊枝を使い「はい、あーん」をやったのだと信じている。
デパートの寝具売り場のベッドで寝そべるハルヒ
その寝顔に見とれるうちにつられて寝てしまうキョン
周囲にはオバンどもが集まっていい晒しカップルに。
GJ
触手ネタでドルアーガを思い出してしまいました。
スマンsage忘れた
キョンの夢を見れますようにと願いながら眠りに就くハルにゃん
>>760 桃色空間が発生している時には近づけなかったんだな、そのタコもw
GJ!!
しかしキョンの背中に抱きついたと思ったら振り向いた横顔が谷口だった。
このあたりで目が覚めるハルにゃん
【ハルヒ】
/\___/ヽ ヽ
/ ::::::::::::::::\ つ
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::| わ
| 、_(o)_,: _(o)_, :::|ぁぁ
. | ::< .::|あぁ
\ /( [三] )ヽ ::/ああ
/`ー‐--‐‐―´\ぁあ
なんという悪夢。
その後殺害される谷口もたまったものではない。
「キョンに抱きついたはずだったのに!」と教室で大声で言ってしまうんだなw
そしてぶん殴られる谷口
>>761 俺は横浜FCサポではないがJチームのサポではあるのでキングカズを…w
>>777 同時にキョンも夢の中で……そして同じ悲鳴をあげるんだなw
>>760 GJ!!触手フェチな俺にとっては、最高だったぜ。
− 長門有希 −
情報統合思念体より許可。本日に限り涼宮ハルヒの観測は喜緑江美里が行うことに決定。
緊張、と有機生命体が呼称する状態がまさに今までのわたし。
決定事項がわたしと喜緑江美里に通達された時点で、その糸は切れた。
自分に与えられた居住区域集合体の一室、その窓を開放すると、強い風が吹き込んだ。
わたしが見上げた青い空の下、どこかに彼らはともにいるはず。
その思考はまたエラーを引き起こす。
以前、蓄積したそのエラーでわたしが改変した時空は既にない。
もし、あのとき彼が鍵を集められなかったら。
もし、あの世界のわたしだったら。
違った結果になったのだろうか。
否。
あの世界であっても、結果は変わらなかったに違いない。
わたしの中のエラーは蓄積し続ける。
それでも。
「わたしは、へいき」
次に会うとき、涼宮ハルヒはきっと今まで観察した中でも最高の笑顔をしていることだろう。
その笑顔は、わたしのエラーをも吹き飛ばすに違いない。
今、吹き込んでくるこの風のように。
− 朝比奈みくる −
いつか、そう、わたしが自分の正体を話したあの公園を今日は1人で歩いている。
見上げると青いお空に白い雲、それに結構前に散ってあのときと同じように眩しい青葉を茂られている桜の木々が目に映った。
今日は、お2人には会わないことが既定事項。
だからわたしの行ってはいけない場所が最初から決められているんだけど、でも、既定事項を破りたくなってしまう。
もちろんいけないことなんだし、お2人のところへ行こうとしても行けないことがわかっているけど。
今頃あの2人は会っているのかな。
涼宮さんはどんな顔をしているのかな。
「このベンチだったかな……」
今ではもう懐かしい、あのときの会話。
わたしの要領を得ない説明をキョンくんは解らないながらも聞いてくれた。
いい人だな、って思ったの。
もちろんそれだけ。
わたしはこの時間平面では誰も好きになってはいけない。
もし好きになっても絶対表に出すわけにはいかないの。
溜息を吐いて、風が落ち着かなく葉を揺らし続ける並木をもう一度見上げた。
いくら記憶や表現に禁則事項をもうけても、人の心までは縛れない。
わたしの小さな思いなんか、この風に乗って雲と一緒に流れて行って欲しい。
きっと、月曜日には雲1つない快晴になるよね。
− 古泉一樹 −
常緑樹の葉を悪戯に散らして強い風が抜けていった。
今日はバイトも入りそうにない、かといって落ち着かない気持ちを抱えて部屋に籠もっていることもできず、仕方なくぶらぶらしている。
彼から相談を受けたのは数日前。
相談してくれと言ったのは確かに僕だけど、本当に相談をしてくれるとは思わなかったから、さすがに一瞬仮面が外れるほど驚いた。
僕に心の内を語る彼は照れもせず恥ずかしがりもせず、ただ苦しげだった。
彼には悪いけど、少し滑稽じみている。
なぜなら彼が苦しみを抱える必要なんて全くないことをおそらく北高の生徒なら誰でも知っているだろうと思われるから。
そう、彼だけが知らなかった。
そして、僕の気持ちは誰も知らない。
最初から叶わない夢なら見なければいい、そう解っていても惹かれる気持ちに贖えなかった。
破天荒な思いつきをするたびに彼に向けられる笑顔を好ましく思っていたことも、そしてその笑顔が僕にはほとんど向けられていないことを寂しく思っていたことも、幸い彼は気がついていない。
このまま気がついてもらうつもりもない。
常緑樹は新しい葉を出しながら古い葉を散らす。
今散っている葉と一緒にこの気持ちも散らしてしまおう。
そうして次に会ったとき、本気の笑顔で祝福しよう。
− 涼宮ハルヒ −
どういう偶然なのかしら。今日の不思議探索は、有希もみくるちゃんも古泉くんも参加できない、と直前になって知らせてきた。
同じようなことがあったのは丁度1年前。
今でも忘れられないあの夢を見た後、やっぱり今日と同じような理由をつけて探索を欠席した。
中止しても良かったんだけど参加人数が少ない今日だからこそ、不思議の方も油断しているかもしれないと思って決行することにしたわ。
キョンはここ数日おかしかった。顔色は悪いし元気もない。あたしの顔もほとんど見ない。
目が合うと何故か苦しそうな表情を一瞬浮かべるような気がする。本当にどうしたって言うのよ。
丁度いい機会だわ、何があったのか絶対に聞き出してやるんだから!
1年前、やっぱり2人だけで探索を行った日のことはよく覚えている。
「重要な話があるんだが、聞いてくれ」
あたしが奢ることになった喫茶店でそう言ったキョンにちょっとドキッとした。
2日前に見た夢、そして前日のキョンの言葉をあたしは忘れていなかったから。
それなのにキョンと来たら!
有希が宇宙人でみくるちゃんが未来人で古泉くんが超能力者ですって!
そんな簡単にSOS団に集まるわけがないわよ!
あのときはほんっとに頭に来たわ。
おかげで夢も前日のポニーテールのことも頭から吹っ飛んじゃって、あたしが奢るはずだった喫茶店代も結局キョンに支払わせた。
そんな回想をしながら改札を抜け、いつもの待ち合わせ場所に目をやったあたしは驚いた。
本当に1年前の焼き直しみたい。
キョンがあたしより先に来ている。まだ時間より30分も早いのに。
これはいったいどういう偶然なのかしら?
「ようハルヒ」
声をかけるキョンを、あたしは黙って見つめた。いつになく真剣な表情。
「重要な話があるんだが、聞いてくれ」
あたしとキョンの間を、一陣の風が吹き抜けていった。
- 本編 -
感情を押し込むことができる無意識という物はどの程度の容量があるのだろうか。そもそも容量がある物なのかという疑問もあるが、実際のところあるのではないかと思っている。
自分が感じないようにと無意識に押しつけていた感情は、ある日突然意識に向かって逆流してきたのだから。
そう、それはダムの決壊だ。無意識が支えきれなくなった思いは一気に俺の意識へと奔流を走らせ、俺を支配した。
俺は、涼宮ハルヒが、好きだ。
いつからだ、何てことは今考えてもよく分からない事実であり今更考えても仕方のない現実である。
それは最初にあの忘れようもない素っ頓狂な自己紹介を聞いた瞬間からかもしれないし、あのこっぱずかしい閉鎖空間での出来事からかもしれないし、もっと後かもしれない。
谷口に何度も言われても否定していたし、古泉が何やら仄めかしているのにも気がつかないふりをして、気がつきそうな自分を無意識に追いやっていたというのに。
今ではあいつの笑顔をなんとなく真っ直ぐ見れないくせに視界にあいつを捉えていないと落ち着かないなんて、もう笑うしかない。
恋愛なんて精神病の一種、一時の気の迷いだとハルヒは言った。気の迷いかどうかはともかく、精神病というのは何とも的を射た言い方だと今の俺には言える。
朝起きて飯を食って学校に行き、授業を受けて謎の部活をやって家に帰り、また飯を食って風呂に入って気が向いたら宿題なんかをやって寝る。その間、ずっとハルヒのことを考えているなんて今までの俺からしたら信じられない。
俺につきまとう幸福と苦悩。これはきっと、無意識の復讐なんだろう。今までずっと押しつけてきたのだから。
幸福と苦悩は眠れぬ夜を作り出し、俺を憔悴させた。
SOS団のみんなはすぐに俺の異変に気がついたが、俺は最初は何も言えなかった。言えるわけがなかった。
「あんた最近顔色悪いわよ。どっか悪いんじゃないの?」
ハルヒが心配してくれる。ハルヒに心配させてしまう。
嬉しい。苦しい。
自分の思いを告げれば俺は楽になれるのだろうか。それとももっと苦しくなるのだろうか。その答えが分からないのに気持ちを伝えるなんて行為に踏み切ることもできずにいた俺を救ったのは意外にも古泉であった。
「いったいどうされたと言うんですか。ここ最近のあなたは本気でおかしいですよ」
眠りたいのに眠れないというのは思ったよりもずっと苦しい物だった。普段の俺なら何でもない、変な気を回すな気持ち悪い、などと言っていただろう。いや、このときだって古泉に今の自分の状態を打ち明ける気は全然なかった。古泉の次の言葉を聞くまでは。
「何か悩んでいらっしゃるなら、僕でよければ話してください。『機関』に報告などしませんから」
嘘だろ? 『機関』に報告しない? いや、古泉は俺の悩みがハルヒに関することだと思っていないに違いない。ハルヒに関すると解れば報告しないなんてことができないに違いない。
「あなたの悩みは、涼宮さんに関することではないのですか」
俺の思考を読んだかのように続ける古泉に俺は目を見張った。ハルヒのことだと気がついていたのか。気がついていたのに『機関』に報告しないと言ってくれたのか。
本当に報告しないのかどうかなんてことはわからない。だが、俺の気持ちを汲んでそう言ってくれた古泉を俺は信用したくなった。
どのみちハルヒに関することを相談できる相手なんてSOS団しかいない。
そして、俺はもうこれ以上この気持ちを1人で抱えきれなくなっている。
「古泉……俺……」
口に出すことはやはりためらわれる。これを聞いたらこいつは笑わないか? しかし古泉はいつもの笑顔を潜め、真剣な表情で俺を見ていた。ああ、こいつはちゃんと話を聞く気があるんだな。
「俺……あいつが好きだ」
口にした瞬間、何かから解放されたかのように身体の力が抜けるのを感じた。こいつに話したって解決するわけじゃないが、それでも俺は誰かに話したかったのか。
しばらく古泉の返答は沈黙のみであった。そりゃそうだ、いきなりこんな話聞かされたって何を言ったらいいかなんてわからないだろうな。
「……驚きましたね」
本当に驚いた顔をして古泉が呟いた。今の表情はお前の素なんじゃないのか?
「そりゃ驚いただろうな」
「いえ、おそらくあなたが考えていることとは違います。僕が驚いたのは、あなたが僕にそれをおっしゃってくださったという点についてですよ」
光栄です、と古泉は言った。
「それにしても何故あなたはそんなに苦しそうなのか、僕には理解できません」
理解できない? 何故。
「いえ、理解できないというのは正確ではありませんね。その必要がないことに気づいていないことが信じられません」
意味がわからん。何で苦しいかって? そりゃ拒絶されるのが怖いからだ。普通の奴が相手だって怖いっていうのに、あいつの場合は拒絶されたら最後、きっと一生そばに寄ることすらかなわなくなるだろう。それが怖い。だから、苦しい。
この話を『機関』に報告することはありませんが、と古泉は前置きして言った。
「それでも『機関』に所属する一種の超能力者の立場で言わせて頂きますと、涼宮さんがあなたを拒絶することはないと断言します。それが恋愛なのか友情なのか、そこまでは僕にも言及できませんが」
ハルヒの精神分析第一人者だと言っていたな。少し気持ちが軽くなる俺は単純なのかね。
「そして『機関』は抜きにしてあなたの友人として言わせて頂きますが、あなたはご自分の気持ちを涼宮さんに伝えるべきです」
あっさり言ってくれるよな。それができれば苦労はしない。
「ですが、あなたの苦しみは今の中途半端な状況がもたらしているとも言えるでしょう。白黒はっきりさせた方がいいかと思いますね。先ほども申し上げた通り、白でも黒でも涼宮さんがあなたを拒絶することはありえませんから」
確信を持っているかのように断言する古泉を、俺は黙って見つめるしかできなかった。確かに今の状態は中途半端だが、だからといってはっきりさせてしまって大丈夫なのか。
もしもハルヒが俺に友情しか感じていなかった場合、俺は今より更に苦しむことになるんじゃないのか。
「あなたの様子がおかしいことは涼宮さんも気がついています。あなたが隠し切れていない以上、涼宮さんはずっと心配し続けることになりますがよろしいのですか」
そりゃちょっとした脅し文句だな。だが言われてみれば確かにそうだ。ハルヒは俺を心配してくれている。そう思うだけで何故か胸が締め付けられるような思いがする。
そうだ、これ以上ハルヒに心配をかけるわけにはいかない。
ハルヒが、俺がおかしいと感じているというのなら俺はその理由を説明しなければ。
その後、次の探索は俺とハルヒの2人でと言った古泉は、いつの間にか笑顔の仮面を取り戻していた。口調こそ丁寧なままだったが、相談に乗っている間はその仮面を外してくれていたのかもしれない。
土曜日、2人だけの不思議探索。今日は遅刻するわけにはいかない。
罰金とかそういう問題じゃない、そうだろ?
駅から出てきたハルヒはやはり不機嫌そうで、1年前を思い出した。そうだ、あのときも2人だけで探索したんだっけな。
横断歩道を渡り、俺の目の前まで来たハルヒの目を見つめながら声をかける。ハルヒは黙って俺を見つめ返した。
「重要な話があるんだが、聞いてくれ」
宇宙人と未来人と超能力者についての話じゃない。俺についての話だから。
黙って話を聞くハルヒと俺の間を初夏の青い風が駆け抜けていった。
--
ここで一度終わります。
ハルヒスレなの古キョン友情物のようになってしまってすみません。
- おまけ -
「最近ずっと悩んでいたんだ」
ハルヒは無表情に俺の話を聞いている。
「だけど言うに言えなかった」
「何でよ」
「俺の悩みはお前に関することだから」
ハルヒは眉を寄せて俺を睨む。
「何よ、あたしに関することって。何であんたが悩むのよ」
何でと言われてもな。
「まあ聞け。つまり、俺の悩みはだな」
少し間をおく。心臓が誰かに鷲づかみにされている。お前か、ハルヒ。痛いぞ。
「ハルヒが好きだってことだ」
言った。とうとう言った。後は裁かれるのを待つだけだ。
ハルヒの答えは。拒絶か受諾か、それとも保留なのか。
拒絶はない、と古泉は言った。だが本当にそうなのかという確信は俺にはない。
ハルヒはその黒く輝く目を見開いて俺を見つめていた。その表情は無から驚愕へと変化し、最後に――――怒りへ変貌した。
ああ、怒るってことはやっぱり駄目なのか。
「遅いわよバカキョン!」
そうか、遅いのか……って何が? 何か怒りのベクトルがおかしくないか?
「うるさい、バカ! あたしがどれだけ待ったと……」
待ったって、ハルヒが? まさか、ハルヒが俺から告白するのを待ってたっていうのか?
「そうよ、1年も待たされたわ!」
1年って、1年前にもあった2人だけの不思議探索。
あのときの真相激白を怒りで蹴っ飛ばしたのは、俺の言ったことが荒唐無稽だったからだと思っていたがまさか。
「それもあるけど」
やっぱりそうですか。
「それもあったけど、あんたあれだけ気を持たせておいたくせに」
そんなに気を持たせるようなことしたっけか。
「だ、だから、その、髪型が似合ってるとか……」
俺がそれを言ったとき、まったく俺を見ようとしなかったくせに今でも覚えてくれているとはね。
「悪かったな」
謝る俺を更に一睨みしたくせに、俺の肩に額を乗せて「バカキョン」なんて呟くな。抱きしめるしかできなくなるじゃないか。
今腕の中にある何よりも愛しい存在に、俺はもう一度呟いた。
好きだ、ハルヒ。
今の俺が手に入れたのは、眩暈がするほどの幸福感と、ハルヒの初夏の空みたいな笑顔だった。
ほんとにおしまい。投下ラッシュなので自重しようと思ったのにやっぱり投下してしまったorz
>>786 GJ!ああ、この良作投下ラッシュは何なんだ?そろそろ萌え死ぬかもしれない。
>>786 仕事帰りにいいの読ませてくれるじゃないの
オヤスミ
>>786 GJ!これだからハルヒスレはやめられない!
>>786 うわぁ、これはGJすぎだろ、マジで。
ハルキョン上の古ハルはなんも抵抗ない、むしろ(・∀・)イイ!と思うのは俺だけか
これはイイ古キョンw(?)
まったくお前ってやつはGJだぜ!
そういえば、キョンがハルヒに直接「ハルヒ」って言ったのって、憂鬱ラストの閉鎖空間が最初じゃね?
それを受けて、俺の中じゃキョンはハルヒ以上のツンデレキャラだと認定されているんだ
GJ!
他のメンバーの心理描写が巧みで泣いた…
>>759から (エクステで髪を伸ばして完璧なポニーテールをキョンに見せ付けるハルヒ )
増幅器が在り来たり万歳。
「ハルヒ!? お前、その髪……!」
「ふふん♪ やっぱり反応したわね」
やっぱりも何も反応するに決まってるだろ。
肩より少し長いって程度だった髪が今は腰まで届きそうなほど伸び、その魅力が36%はアップしそうな非の打ち所のない完璧なポニーテールを形作っている。
嫌になるほど似合っているのだが、内心それどころじゃねえ!
何故か得意げなハルヒのことがやけに気になるが、俺はとにかく昼休みを待った。
「あ、ちょっとキョン! 今日お昼は……」
待望の昼休みがようやくやって来た。ハルヒが何か言っているが、悪い、長門に確認することを最優先にしたい。
「悪いハルヒ、話は後だ!」
俺は教室を飛び出して部室へと走った。
「長門! いてくれたか!」
昼休み突入と同時に俺だって陸上部にスカウトされるかもしれないと思えるほどのダッシュでたどり着いたと言うのに、長門は既に定位置で本を拡げていた。
こいつは実は情報操作で授業を受けたフリをしているだけじゃないだろうな、ってそんな考察は今はどうでもいい。
「ハルヒのことなんだが……」
本から顔を上げた長門に、俺は今朝のハルヒの髪の毛のことを説明した。理由は解らないが、ハルヒは何らかの改変を自分に対して行ったんじゃないのか?
長門は俺の話を黙って聞いていたが、その表情は普通なら気がつかないだろうという程度の変化を見せていた。
その目に宿るのは……呆れ? それに少しの軽蔑? 何故?
「涼宮ハルヒはいかなる情報改変も行っていない」
なんだって? マジか? だって、それじゃ、あの髪は……。
「あなたが涼宮ハルヒに確認すべき」
そうなのか? しかしわけがわからない。ハルヒの髪は確かに伸びていた。それなのに長門は情報改変は行われていないという。
長門を疑うわけじゃないが、おかしい。まさか、ここは何らかの平行世界で、ハルヒの髪が長いのは当たり前だと言うんじゃないだろうな?
それならそれであのポニテ……げふんげふん、いや、やっぱり違う。ここが元の世界じゃないなら俺はやっぱり戻りたい。
いくら元の世界とそっくりだといっても、どこか違うはずだ。
「あなたは勘違いをしている」
俺の思考を読んだのか、長門が起伏のない声で言った。
「わたしも涼宮ハルヒの髪の毛は肩よりわずかに下の位置に達する長さだと認識している。しかし、今日彼女の髪の毛が長いことに、何ら異常な干渉は行われていない」
わけがわからん。ハルヒの髪が伸びたことが解っているのに、それは異常事態じゃないってことか。
「そう」
なんでまた。
「あなたは涼宮ハルヒに会いに行くべき」
長門はいつになく声の調子を強めていった。
「今すぐに」
長門は定位置から一歩も動かなかったにもかかわらず、そのいつもと違う声だけで見事に俺を追い出した。
すぐに、と言われたが俺は少し足止めをくらった。ニヤケ野郎が鞄を持って歩いているところに出くわしちまったからだ。
「何だ、鞄を持って。もう帰るのか?」
と言ってからしまった、と思ったがもう遅い。そりゃそうだ、こいつがこんな時間に帰るとすれば十中八九関わっている奴がいる。
「ええ、バイトが入りましたから」
それでもにこやかに返事をする古泉は、やはり俺に釘を刺すことだけは忘れなかったようだ。
「何があったかは既に聞いております。お気持ちは解りますが、涼宮さんのフォローをお願いしますよ」
では、と挨拶して立ち去る古泉の後ろ姿を、俺は舌打ちをしたい気持ちを抑えて見送った。
確かにさっき、俺はハルヒが何か言いかけたのを無視して教室を飛び出しちまったからな。それが原因か。
教室に戻ると、宇宙背景放射の方がまだ暖かいんじゃないかと思うほど冷たい空気をまとったハルヒが机に突っ伏して……あれ?
ない。
髪の毛が。
「あんた罰ゲームどころじゃないわよ」
普段より1オクターブ低いドスのきいた声でハルヒが呟く。顔も上げないのだが、それにしても怖いぞ。
「いや、すまん、髪の毛がないんじゃなくて、その、ポニーテールがだな……」
ハルヒの髪の毛はいつもの長さに戻っていた。何だよ、何で戻すんだよ。こんなことなら長門に聞くのは後回しにしてじっくり拝んでおくんだった。
これだけ怒っていると次の機会はあるのか、きっとないよな。何でもっとしっかり長期記憶に保存しておかないんだよ。
俺が今朝、少しだけ見たポニーテール姿をしっかり海馬に刻み込むべくm-RNAに頑張ってもらっていると、ハルヒはようやく顔を上げた。
「あんた、お昼どうしたのよ」
何でお前はそんな不機嫌そうな顔をしているくせに俺の昼飯なんか心配してるんだよ。
「まだ食ってない」
「どこ行ってたのよ」
本当のことを答えるべきか。部室に行ってた、と言ったら何故と聞かれるに決まっている。
「いや、授業中から腹の調子が悪くてな。便所に籠もってた」
何とも情けない言い訳だと思うのは俺だけじゃなくハルヒもだったらしく、心底呆れたって顔になった。さっき長門にもこんな表情されたな。もっとも表情筋は長門が1mmならハルヒは無限大にまで動きそうだが。
「何よもう、だったら最初からそう言いなさいよ」
そう言ってプイっと窓の方を向いたので、仕方なく俺は弁当をとりだし……ん? やけに軽いな。って何で空なんだよ、俺の弁当箱!
「あら、あたしが食べたわよ。あんた遅いんだもん」
「遅いからって人の物を勝手に食っていいわけねーだろ! 返せこの野郎!」
「うるさいわね! 何よ、あたしが吐き出したらあんたそれ食べるって言うのこの変態!」
う、それは無理だ。ってここで冷静になったら負けな気がする。しかしこの負けず嫌い王選手権があったら確実に優勝しそうな団長様は、俺が食ってやるさなんて言った日には本当に吐き出しそうだ。
それにしても食えないとなるとますます腹が減った。何でこいつはいつもこう自分勝手なんだ、むかつく。本気でむかつく。
俺の脳裏にさっきのポニーテール姿が蘇る。上手く海馬に刻み込めたみたいだな、なんて安心している場合じゃねえ。反則的なまでに似合ってるのがまたむかつく。
「誰がお前が吐き出したもんなんか食うかよ。だけどお前が俺の弁当を食ったのは事実だからな」
「何よ。金払えって言っても無駄よ。だいたいあんたが作ったんじゃないでしょうが」
要らねえよ、金なんか。
「せめて『味』だけでも返してもらおうじゃねえか」
「えっ!?」
意味が分かりかねると言った顔をしているハルヒの唇を無理矢理奪ってやった。何をしているんだろうね、なんて冷静になったら負けだ。
目を閉じている俺にはポニテ姿のハルヒしか映っていない。
何か周りがうるさい気もするが知るか。
「……んんっ……ぷはっ」
さすがに息苦しくなって唇を離した俺を、真っ赤になって見つめるハルヒ。
「あ……あんた……」
ヤバイ、やっちまったにもほどがある。罰ゲームどころか久々に死刑とか言われそうだな。
「いや、その、あれだ、そう、ポニテが悪い、ポニテが」
アレは反則だ。だから俺は悪くない、反則した方が悪いんだ、普通そうだろ、な!
「バカぁ!!!!!」
真っ赤になって叫んで飛び出すハルヒはちょっと可愛かった、って俺はもう冷静になりたくてもなれないようだ。
ハルヒは結局午後の授業が終わっても戻ってこなかった。
俺1人、クラスの好奇の視線に晒され続けたのがこれ以上なく罰ゲームだぜ畜生。
放課後、部室に行くとハルヒはそこにいた。
また俺の理性を崩壊させそうな完璧なポニーテール姿で。
そういやどうしてハルヒの髪が伸び縮みするのか聞くのを忘れてたな。
「バッカじゃないの!? エクステンションつけてるに決まってるでしょ!」
なあ、えくすてんしょんってなんだ?
ハルヒが俺のために弁当を作ってきたことを知ったのは、その直後であった。
「あんたが味見したんだから……後であたしにも味見させなさいよね! 団長命令!」
団長命令なんかなくても、その完璧なポニーテールの前では俺は言うことを聞かざるを得ないさ。
「……バカップルめ」
「あの……お茶、いつ淹れたらいいんでしょう……」
●マッガーレ!
----------
なんか、色々とすまん。
>>798 ネ申だ!ネ申がいるぞ!
2828が止まんねぇwGJ!連投スゴス!
>>798 ハルヒスレに駐在しているという噂の萌えSSのネ申はあなたですか。
お昼ご飯食べながらニヤニヤしてます
GJ
>>798 教室で、てww
まさにバカップルw
戸惑での一件を思い出したぜwGJ!
なんという快晴。
ハルにゃんが日射病にならないように麦藁帽子を買ってあげたいぜ
ボーリングで肩を痛めたハルヒ
しかし、石油を掘り当ててしまった
「キョン!人体ほど不思議なものはないわ!あたしをとことんボーリング調査しなさい!」
な下ネタ電波が飛んできた。吊ってくるノシ
石油王になり、大金持ちになったハルヒ
だけど「お金よりキョンが欲しい!」と声に出てしまい石油を掘った穴に入ってしまったハルヒ
>えくすてんしょんってなんだ?
というあたりの野暮ったさが非常にキョンらしいw
憂鬱になるとカチューシャのリボンもしゅんとしちゃうハルヒ
PTAで問題にされる日も近いな
ハルヒを動物に例えると何になるだろうか
私的にはライオン
だが問題にされない…
それがハルヒパワー!!
あ、キョンは別ねw
「キョン……えぐっ……助けにきなさいよ……」
>>813 架空の動物でもいいんならドラゴンだな。
>>804 昨晩俺が寝ている間に日本大陸が大移動し、今ははるか南、赤道直下に位置しているんじゃないかと感じさせるような天気だった。
肌が真っ黒な狩猟民族ぽい人を見かけても不思議に思わないくらいに暑い。むしろ熱い。もしも野良犬なんかを追っかけていたらジャンボと声をかけてやろう。
六月初頭に突如到来した真夏にぐんでりと九割がた死んでいたシャミセンの哀れな姿を思い出しつつ、俺は額に沸き続ける汗をぬぐった。
「天変地異だな……」
呟きのとおりに、何か母なる地球に重大な危機が迫っているとしか思えない季節の急転換である。
当然昨日まで五月であって夏服の用意なんぞしているわけもなく、急遽箪笥の奥からひっぱりだした半そでポロシャツは汗みずくで不快感を増すばかりで、本当に何が悲しくて俺はこんな日に外出なんてしているのだろう。
こういう日は水風呂にでも浸かってさっぱりとし、冷たいジュースでも飲みながら家でひっそり過ごすのが賢いやり方だ。そうに決まってる。
欲を言えばクーラーの世話にもなりたいところだが、夏服と同じくフィルターの掃除などをしているわけもないのでスクランブルには耐えないだろう。
いやしかしちょっとやそっとの埃ぐらいこの暑さに比べたら屁でもねえな、と考え直す俺の隣では、
「そう、まさに天変地異よこれは。昨日まで春の名残があったのに急にこのうだるような暑さ! 地球の地軸がずれたとか、太陽に異常があったとか、そんな太陽系規模の大事件が起きたに違いないわ!」
太陽の方が熱射病にかかりそうなほどのさんさんと輝く笑顔で無駄パワーを撒き散らすハルヒが元気に飛び跳ねている。
あぁ、せめて今日が平日だったら良かったのにという不満は誰にぶちまければ良いのだろうか。とりあえず気象庁あたりに無言電話でもしてやろうか。
よしずみ君のことを買ったばかりのゲームソフトを借りパクされた並に憎たらしく思いながら、
「そういう調査はNASAとかFBIとかJAXAとかに任せたらどうだ。正直歩くだけで魂を削ってる気分だぞ」
抗議する声にも覇気がない。
そんな俺に光の国の巨人のように太陽光を活動エネルギーに変換する機能でも持っているんじゃないかという勢いでハルヒは、
「なにじじ臭いこと言ってんのよ。子供は風の子なのよ。太陽フレアだって風みたいなもんなんだから、気合で乗り切りなさい」
「んなもん浴びたら死ぬわ」
「じゃあ、あれよ。心頭滅却すれば火もまたすずし。暑い暑い言ってるから駄目なのよ、ためしに寒い寒いって叫んでみなさい。きっと涼しくなるから」
「寒い寒い。クーラー浴びながらカキ氷食いてぇくらいに寒いなぁ、ちくしょう」
「アホ。根性なし!」
汗で衣類がすけてブラちらしてるのもお構いなしにそんなことを近距離で言う。
なんで黒なんだよくそったれ。余計暑くなんだろうが。俺の体温の2℃くらいはお前のせいで上昇しているぞ、間違いなく。
「……どっかで休憩しようぜ」
「ほんとだらしないわねぇ。三十分前にも銀行でずすんだばっかりでしょ」
今更言うまでもないと思うが、本日は土曜日で毎週恒例となっている市内不思議探索の日であった。
暑いから中止ね。などと言い出すはずがないハルヒに尻を蹴飛ばされ、SOS団こと俺たちはこうして日射野郎Mチームとなって市内を歩き回り光合成に励んでいる。
とは言うものの実際歩き回っているのは俺とハルヒペアのみで、向こうの三人は今頃喫茶店か図書館あたりですずんでいるに違いない。
むしろそうしていて欲しい。長門と古泉なら平気だろうが、朝比奈さんをこんな灼熱地獄に放りこんだら五秒で溶けてしまう。それはもう泡になる人魚姫のように。
「でもま、確かに海にでも行きたい天気ではあるわね」
「……だな。この際プールでも銭湯でも何でも良い」
「んー。じゃあ今から海行きましょっか」
「それは簡便してくれ……」
見た目だけなら人魚姫の従者でもおかしくないというに何故ハルヒはこうも元気なんだろうね。
日傘なんぞ持ってるわけもなく、帽子も被っていないし、それどころか女のくせに日焼け止めすら塗っている様子すらない。
日焼けぐらいでがたがた抜かすタマではないことは重々承知しているが、……あーほら、言わんこっちゃない。
「あら、……と、っとと」
光の国巨人でもなんでもなく、根っこはこいつだってそこらの女子高生と同じなんだなと今更実感する。
めまいを起こしたらしく、ハルヒは足元をおぼつかせふらふらと体を揺らせた。そのまま転びそうになる所をとっさに支えてやる。
お互い汗まみれで正直肌が触れ合っても不快指数が上がるだけだが、んなこと気にしてもしょうがない。
「お、おかしいわね。朝ごはんはちゃんとどんぶりで三杯食べたのに……」
「あほんだら。軽い日射病だ」
軽くで済んでいるあたりが普通の女子高生とのスペックの違いだろうね。
ハルヒはまさしく日射病患者な症状で顔を際限なく赤く染め、
「無念だけど少し休憩するわ。何か飲み物かってきなさいよ、キョン」
「俺だって休憩したいし何か飲みたいわ。……それよりだな、ちょっとついてこい」
何よー、とさっきまでの元気さを消失させたハルヒを引っ張って、俺は今しがたちょうどいいタイミングで発見したとある店舗に入っていく。
一般的な衣服屋よりも多めに設置された鏡。棚に並ぶ帽子帽子帽子。その通り、帽子の専門店である。
「少しここで待ってろ。あと先に言っておくけどな、俺のセンスに期待するな」
「は? 何いって、ってちょっとキョン。何なのよ、もう!」
客に優しく冷風の暴風を吐き出しているクーラーの真下にハルヒを放置し、俺はずんずんと店の奥へ進んだ。
汗でしめった財布の中身は気候とは裏腹に木枯らし吹きすさぶ真冬のごとく寒く、前言したように俺にセンスがあるはずもなく、
「ほれ」
税込みで漱石一枚という良心的な価格とどこか古きよき日本を感じさせるそれを即断即決即買いし、ハルヒの頭にぼこんとかぶせてやった。
顔面で冷風を受け止めていたハルヒは眦と下唇をぴくぴくさせるという器用な技を披露しながらそれを上目遣いで見やり、手をやって、
「むぎわらぼうし?」
「おう。海賊王お墨付きの中々な一品だぞ」
今日はとりあえずこれで我慢して、次からはちゃんと帽子被ってこいよ、と注意を促す俺に、
「あ……、ありがと」
どうやら熱で頭が良い感じにいかれちまったらしく、ぼそぼそと呟くように素直に礼を言った。
ま、熱に頭をやられたのは俺も同じだったがね。そうでなければこんなほいほいとこいつにプレゼントなんぞするわけがない。
さらに店員のお姉さんも同じ症状のようで、うぶねぇ、かわいいわー、などと意味不明なことをおっしゃっている。おかしいな。あの人はずっと店内に居たはずだろうに。
どうやら今年の日射病は感染タイプらしいな、と生物学的な思考をめぐらせつつ、
「お次は冷たいもん飲みにいくか」
「そうね……そうしましょうか。ほらほら、そうと決まればさっさと行くわよ、キョン!」
特効薬は何故か麦藁帽子を被ることだと証明してくれているハルヒに手を引かれ、熱砂戦線へと赴くのだった。
そういう事なら自分の分も買えばよかったと後悔するが、ゴーイングハルヒ号の舵はどうやら近くの喫茶店に向けられているようで一安心である。
ところでこいつが船長なら俺は仲間第一号ということで剣豪ポジションでいいのかね。
ひんやり天国と化した喫茶店に入店した俺はそんなくだらないことを考えていたら、
「なぁハルヒよ。店の中じゃ帽子は脱いだらどうだ」
「いーじゃないの別に。これはもうあたしの物なんだから、どうしようとあたしの勝手でしょ」
上機嫌顔でストローまで吸い込むんじゃないかというくらい勢いよくジュースを啜るハルヒの姿にどうしてか頬がにやけてしまったらしい。
「……何変な顔してんのよ。あんたも日射病?」
「いんや。気に入ってくれたみたいで嬉しいなと思っただけさ」
「わ、悪い? あんたにしちゃまともな買い物したわね、と思って、でも今日だけなんだからねこれ被るの!」
「へいへい」
どうやらまだまだお互いに熱のしこりが抜けないようだ。こりゃかなりの重度である。
とりあえず頬の緩みが収まるまではここで治療もとい時間つぶしだな、と窓の外に目をやった俺は、
「やれやれだぜ」
いやいやお前にはコイツがお似合いだぜとでも言うように浮かび上がる鼻の長い人の蜃気楼と、
窓の反射越しにハルヒがねだってねだって買ってもらった玩具で遊ぶ子供のような顔で、えへへ、なんて笑っていやがるのを目撃し、いろんな意味で肩をすくめた。
その年の夏、もしくは日差しが強い日。――それよりも、ずっと向こう。
ハルヒが決まって同じ帽子を被ってくるもんだから、毎度俺たちは日射病である。
履歴書の持病のところに書くべきかどうか迷う日々が来るなんて、その時の俺は知ったこっちゃなかっただろうな。
>>813 生意気だけど寂しいと死んじゃううさぎさん。
ハルヒのことが好き過ぎて発狂しそうです
誰か助けて・・・
>>816-817 ちょっと、このお話いいじゃないですか。ニヤニヤ。
この方の話の持って行き方好きw GJです!
ラノベの新刊が出ないのは本人がこのスレに
投下するので忙しいせいじゃないかと思ってきた
>>817 おいらの妄想をパワーアップして具現化して下さるとはっ!GJ!
良い時間をありがとう!
>>818 ぴょんぴょん跳ね回るハルにゃんには、確かにらしいと言えるなw
あまりの良作続きに谷川がこのスレみたら
やりずらいだろうな
驚愕でハルキョンがあると信じてるぜ谷川!
分裂であれだけハルヒの気持ちを書いたんだからなw
部室で酔拳の練習をしていたハルヒ
そのときキョンが部室が入ってきて恥ずかしくなって出ていくハルにゃん
828 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/01(日) 21:18:02 ID:CRfrdcVj
ところで、ハルキョンとキョンハルの違いって何ですか?
結局は甘甘の二人になる気がするのだが
>>828 受けと責めの違い
あとsage忘れ注意
>>828 sage忘れ注意
簡単に言えば、デレるほうの名前が先にくる、と
でもまぁ、ハルキョンで統一されることが多いけど
ボケたキョンに困るハルヒが見たい
>>831 ボケて「誰だ?お前」なんて言った日には………
キスで思い出させるんですね、わかります
「ばあさんや、おはようのキスはまだかのぉ」
「おじいさん、キスはさっきしたでしょ」
>>829-830 どうもありがとう。うっかりsage忘れてた。
キョンとハルヒ、どっちが先にデレるかで妄想しながら寝ることにします。
>>817 GJ
>暑いから中止ね。などと言い出すはずがない
を見てハルヒちゃんとの差に笑ってしまった。
>>836 キョンデレは、かのツンデレを越える、と思う
おやすみハルにゃん
>>838 キョンデレを妄想していたら、何故かハルヒがキョンよりもさらにデレようとする
デレデレ合戦を妄想してしまった。
最近ハルキョンのことしか考えてない…
>>840 そしてそれに負けじとキョンも……とエンドレスするわけですねわかります。
エンドレスデーレッデレー♪
今日暑い中街に出てきたが、カッポーでいっぱいだった。
それら全てをハルキョンに変換して、隣に友人が居たので表情には出さなかったが、
内心ニヤニヤしてた俺きめぇww
その中に麦わら帽子に白のワンピの子居たけど、
やっぱり麦わら帽子と白のワンピの組み合わせはガチだよな
容易にハルヒに置換できる。
白ワンピなら公式絵であったなw
それ+
>>817で破壊力が尋常じゃなくなったぜw
ゴムゴムの実を食べたハルにゃん
>>831 ハルヒが好きだという事をハルヒに相談するキョン。
なんて妄想したけど、途中で訳分からなくなったw
それは最初から暴走気味じゃないかw
>>842 >麦わら帽子と白のワンピの組み合わせ
やば、これ超萌えるんですけどw
田舎道を歩くハルヒにキョン、風が吹いてハルヒの麦わら帽子が飛ばされて…
ってあれ?普通??
我ながら自信作の長編SSてゆーか最早短編小説が完成したがネットが三日まで
つながらない。三日間で長編二本も書き上げたのに
一本しかSS祭りに参加できなかった…
ナガモンの5話がだいたい書き終わってるけど、内容がスレッドの趣旨から大きく逸脱し始めているし、妙に長くなっているから、
HDDの肥やしとして一生を終えそうな様子w
ちなみに前に書いた、長門vs喜緑さんネタはVIPにあげてみた。
ハルキョンの夢をみてやるぞ
おかしいな。ハルキョンでこっぱずかしいのを書こうとして
筆を進めていたら、気がついたら全角32000字使って
どうみても古キョンです、本当にありがとうございましたって
感じの話になっちまったんだぜ……?
どこに投下すりゃいいんだorz
ハルにゃんおやすみなさい
>>851 古泉スレはあまりSSを投下するところじゃないし…
やっぱVIPかな〜?
久々のおはるにゃん
今日テストだけど、ハルキョンの事しか頭にない…
>>851 アダムとアダムっスか!?
個人的には興味が…
858 :
851:2008/06/02(月) 11:08:13 ID:6Ovnmv1M
>>853 そんなこんなでVIPに投下してきました。
23レス消費…アホや…アホや自分…。
最近雨多いよな。
レインコート着て「これなら動きやすいわ!」とか言いながら走りまくるハルにゃんを妄想したけど、なんか傘のほうが似合ってる気もしてきた。
雨合羽ハルにゃん「(しまった!これじゃ相合い傘出来ないじゃない!)」
雨合羽二人羽織するハルキョン
>>858 VIPはほとんど行った事ないのでできればスレアド願
>>858 ここはさておきVIPで23レスなんてごく普通。200レスとか300レスクラスもあるんだから。
VIPの話はVIPでやんなさい。しかし向こうには行かないので、言いつつちょっと乗ってみるが、23ってことはこっちだと10ちょっとか。
>>862 その発想はなかったw
キョンが歩く係りで、ハルにゃんは運転する係りとかw
自分専用の京和傘でキョンと相合傘をするハルヒ
>>862 正気か、2人で雨合羽だなんて……1人でも湿気でやばいってのに、汗だくでとてもイチャイチャできるふんいきd
ハッ!
逆にその熱気が!むしろその立ち込める熱気が!
そういうことですね、そうなんですね師匠!自分浅はかでした師匠!
この時期になると雨の日SSが増えるのかな
楽しみだww
>>870 6月だからジューンブライトSSもあるかも知れんぞ
やべ、周りが桃色にw
>>871 確かにw
あ、今うち停電になった
ん?…もしかして停電SSも来るかも!?ww
って考えすぎか…
父の日も忘れないで
五月雨をテーマにそれぞれ詩を書くSOS団
>>873 長門「……パパ」
キョン「は?」
ハルヒ「な! 有希っ! なんでキョンのことをパパなんて呼ぶのよ! ……さてはキョン、あんたまさか……」
キョン「まさかって何だ。……な、長門だってたまには同級生のこと間違ってパパとか呼ぶことあるだろ」
長門「……ママ」
ハルヒ「! ゆ、有希あなたどこか具合悪いんじゃないの?」
キョン(一体どうしたんだ長門! まさか何かとんでもないことが起きていて負荷がかかってるのか?)
長門「……そう呼んでみたかっただけ」
ハルヒ「……(そういえば有希って独り暮らしなのよね……。ご両親に会いたくなったのかしら……)」
キョン「そうか。いきなりおかしなこと言い出すからてっきり具合でも悪いのかと思ったぞ」
ハルヒ「そうだわ! 有希、今度からあたしのことはママ、キョンのことはパパと呼びなさい!」
キョン「な!」
長門「……了解した」
キョン「了解すんな!」
長門「ママ」
ハルヒ「なぁに有希」
キョン「ちょ! ハルヒ! ママと呼ばれて返事するな!」
長門「パパ」
キョン「……う」(なんだその汚れを知らない4歳児みたいな目は! そんな目で見られたら拒否出来んだろ)
みくる「うわぁ。仲の良い親子って感じですね」
古泉「ちょっと時期が早まっただけという感じですね」
長門「……予行練習」
そのうち戸惑いの長門非行モードになって家族会議が…
>>875 ●<では僕の事は弟のように、いっ(ry
キョン「お前には聞いとらん!」
●<マッガーレ
>>868 見れば見るほど似てるwww
アンジェラがハルヒで冒険者が古泉に見える
すまん、全然そうは見えない俺は異常なのか
ごめん、わたしも見えない。
まぁわがままで勝気な女の子と
堅物で思い通りにならない男の子って組み合わせは
結構ありふれた題材だからな。
素朴な疑問
恐らく7月7日には大量にハルキョンSSが投下されるでしょうが『父の日』に対して
何か予定してる人います?
ちなみに予定してる『花言葉』です。
ここで聞くことでもないでしょうがww
>>882 7月7日は近所の学校の前でハルヒが来るのをを待ってるから
SS投下できません
あちこちのスレに誰か彼かが落としてくれるSSもそりゃ楽しいし嬉しいが、が!
驚愕が7月7日に出る説を信じたいのは自分だけなのかぁぁぁぁぁぁっ!!
今からじゃ告知出ないスか?無理?
朝食を作るキョン
席で新聞を読むハルヒ
>>884 それは俺も期待してる、信じてる、が……
現実ってのは時に厳しいのさ…
1時間位後でNHKにハルにゃん出るらしいよー
眠い・・・
トップランナーだよね
0:10から〜
>>891 thx!!
…だがしかし!!!!
引っ越したばかりでテレビがねえええええええええええええええええorz
\(^o^)/オワタ
俺、親が居るから無理だな…
ワンセグで我慢するしかないか…orz
まあ、中のひとが出るだけだし、そんなに必死にならんでもいいな。
ハルにゃんがテレビ出演するなら別だがw
うちも今テレビないなぁ・・・あとでどっか動画サイトにでも上がるの待つわ
>>895 土曜深夜には教育で再放送されるから
それまで待てば
団長の時はキャピキャピだったけど
今はちょっと落ち着いてきたかな
なんにしろ二期も団長は綾以外にありえんw
NHKをつけてみたら、いきなりハルヒ登場。
テラ吹いたwww
っうか、NHK最近本気(狂気)出しすぎwww
ネットスターとか。
まぁ、昔からマニア狙いなアニメとかやっていたわけだけどw
ハルヒ二期の話題とかは出るのかな?
家にテレビがないっつってるのに再放送も何もないじゃろてw
それは期待しない方がいいかもしれん
NHKで中の人出てるね
ちらっと閉鎖空間のハルキョンのシーンが出て、その後のキスシーンまで想像してニヤニヤした俺きめぇww
NHKからきました
受信料は払えません(> <)
宗教の勧誘とかを一撃で追い返すハルにゃん
TRオワタ
二期の話題はNTとか七夕の公式あたりまでおあずけということで
成長著しい彼女がどんな風に消失ハルヒとか団長の義務としての泊まり込み(笑)を演じてくれるかを期待しつつ寝ます
おやすみハルキョン
いや〜良かったぜw
NTの表紙はまだ謎なんだよね〜
CMでも「top secret」だったし…
>>906 ニュータイプのCMどこかで流れたのか? ギアス特番だとまだ先月号だったんだが。
ハルヒの中の人は生まれながらのプロなんだな。
子役で昔出てたなんて、知らなかったなあ。
CMとかにも端役で結構出てたらしいね。
なぜかあきら様の顔が浮か(ry
平野さんだけど
女優にしては声の幅が凄すぎる。
才能のベクトルが違ったんだな。
声優業は本当天職なんだろうぜ。
(´ー`)
今日も雨だよおハルにゃん。
雨だから不思議探索は中止!とか言って長門のマンションで
鍋をするSOS団、なんて電波が北
このところハルヒの様子がおかしい、知らない人がみたら普通の女子高生なのだが知ってる人がみたら一目瞭然だ
ときあたかも10月の中旬、体育祭や文化祭も終わり部室にはゆっくりと時が流れている
ああ、この前こいつがこんなアンニュイな雰囲気を醸し出していたのは七夕の時だったな
教室でもボーッと空を眺めているだけで俺の背中にシャーペンミサイルを発射することもない
本来であれば安心して勉学に集中できるのだが、逆にいえば何かの前触れかも知れずそれはそれで俺の集中力を奪った。
(決して、もともと勉学に集中なぞしていない事への言い訳ではない)
いつもだったら学校中走りまわって何事かの厄介事を持ってくるのに部室にいても大人しく団員その1に勉強を教えている。
「ハルヒここの問題、間違ってないか?」
「えっ、ああ本当だ、あんたも少しはわかってきたじゃない」
おかしい、いつものハルヒであったなら絶対に間違えるような問題ではないし間違えたとしても逆ギレしている。
何事もなく金曜の放課後は過ぎていったが解散前にハルヒは宣言した。
「明日の不思議探索はおやすみにするわ、ちょっと用事があるの」
なんだよ用事って、ハルヒにとって不思議探索を中止する程の用事なんてあるのか?
男でもできたのかよ、そんなことになったら・・・あまり考えたくない
学校をからの帰り道、長門と入れ替わった様に無言で歩いている。
「随分と涼宮さんが心配のようですね」
「あいつが大人しいのは不吉の前触れだろ、それより心当たりはあるのか?」
「いえ、閉鎖空間はここしばらく発生してませんし、彼女が心をみだすような事案も皆無です」
「しかし、なんとかならんか?いつまでもあの調子じゃこっちがおかしくなっちまうよ」
「残念ですがこの状態では僕の出番ではありません、通常空間はあなたの担当ですよ」
「いつから俺はそんな担当になったんだ、まったく」
「よいではありませんか、心配なら相談にのってあげてください」
古泉は意味ありげなスマイル向ける、何故か肛門に力が入る俺だった。
家に帰り晩飯を食べた、ミヨキチが遊びに来ており妹と三人でトランプなどをした後自宅まで送ってやる。
こんな姿を万一ハルヒに見られたら俺はロリコンの烙印を押されたあげく悪夢のような罰ゲームを課せられるであろう
古泉はバイトがいよいよ正社員になってしまい退学するかもしれん、そんなことを考えていたらミヨキチが話かけてきた。
「あの、明日はお暇ですか?実は見たい映画があるんですけど」
相手が谷口だったら二つ返事で飛びついていただろう、まああいつがミヨキチの年齢を知らなかったの話だが
(知っててOKしたら代わりに俺が行く、あんなバカでも友人だ犯罪者にはしたくない)
「ごめん、明日は用事があるんだ」
俺は嘘をついた、ミヨキチは悲しげな表情でうつむいている。
「明日は土曜日ですもんね、不思議探索でしたか?私も今度団長さんと一緒に探索してみたいな」
やめたほうがいいぞ、小学生からあのチェルノブイリの放射能のようなハルヒ電波を浴びたたら将来が心配だ
なんでありもしない予定をでっちあげたのだろう、答えは簡単、俺はハルヒが心配で映画をみる余裕なんてないからだ。
家に帰ってきたら妹が意味ありげにニヤニヤしている、そのニヤケ顔はやめてくれ古泉を思い出す。
「キョンくん、かえりみちにミヨキチがなにかいってなかった?」
と聞いてきた。いつになったら妹は俺を「お兄ちゃん」と呼んでくれるのだ。適当にあしらい部屋に戻る
時間は11時を過ぎている何気なくテレビをつけるとJリーグの話題となった。
「明日のヴィッセルはホームズスタジアムで横浜FCを迎え撃ちます。16時キックオフです」
ヴィッセルは俺たちの地元のクラブだが特に興味は無い、それより相手の横浜FCの選手が気になった。
あの選手はまだ現役だったんだ・・
2年前までヴィッセルに所属していた元日本代表、Jリーグ開幕当初からのカリスマ
もう、40歳ぐらいだよな確か、全盛期を俺は知らないがネット上では神のような偉人と、ごく一部で称えられている
そんなことを思い出していたら携帯が鳴り出した。
「キョン、明日あんた暇よね」
「用事があっても関係ないんだろ?」
「わかってるじゃない!明日2時に光陽園の駅に集合ね、あとあったかい服着てきなさいよ」
「あんたにみて貰いたい人がいるから」
一方的に電話は切れた。誰だよ?「みて貰いたい人」って事と次第によっては普通のジャンパーでは寒さは凌ぎきれんぞ
俺の気分は厳寒の八甲田山に向かう青森歩兵第五聯隊の雪中行軍隊の兵士だ「天は我々を見放した」映画の一場面を思い出した。
翌日、寝不足の身体に鞭打ち駅に向かう1時40分に到着したが既にハルヒは仁王立ちで待っていた。
「あんた、どうしていつも遅いの!罰金として目的地に着いたら飲み食い全部おごりね」
勘弁してくれ、一方的に呼び出しといてそれは無いだろう、でもこいつの調子がいつもどうりに戻った。
100ワットの笑顔、それはお金では買えないプライスレス俺にとって最も価値有るもの
やばい寝不足でカード会社のCMがリフレインしている。
割り勘で切符を購入し目的地とやらに向かう、何回か乗り換える一時間ぐらい列車に揺られていた。
どんどん列車は混んできて満員になった。ドアの近くに立っていた俺達は列車が揺れるたびにドアに押し付けられる
俺はハルヒをかばうためドアの前に立たせその前に俺が向かい合わせにたってドアに両手を付き
強烈なプレスから壁になってハルヒを守った。なに真っ赤な顔してるんだ?こうすればおまえはつぶされないだろ
列車の中にはエンジ色のユニフォームを着たヴィッセルサポーターが溢れるほどいた、明らかに場違いな俺とハルヒ
「次で降りるわよ」
降りた駅は「御崎公園前」サポーターの人たちもそこで下車するらしく駅から出るのに一苦労だ
俺はハルヒとはぐれないようにしっかりと手をにぎって人ごみの中を進んだ。
「いつまで手を握ってるのよ、バカキョン!」
気が付けばスタジアムのメインゲートのまえにいた。
「手を離すも何も、おまえが離さないでここまで引っ張ってきたんだろうが!目的地はここなのか?」
「ちょっと、待ってなさいよ」
ハルヒはバッグの中からチケットをとりだし一枚を俺に渡した
「チケット代はあたしがおごるから感謝しなさい!覚悟してね飲食代は」
「サッカー観戦?人に会いに行くんじゃなかったのか」
「来ればわかるわ、こっちよキョン」
俺達二人はスタジアムに吸い込まれていった。
ハルヒの買ったチケットはメインスタンドのアウエー側だった。
「やっとあった、ここね」
一面に緑の芝生が映え、他の観客席と照明の灯りが素晴しい景色を演出していた
「おまえ、確かこんなに人が多い場所は嫌じゃなかったのか?しかもなんでアウエー席なんだよ」
「昔のこと思い出しちゃうけど今日は特別、あんたに応援してもらいたい選手がいるからこの席にしたの」
横浜FCサポーターの男性が席をたって俺達を通してくれる、30過ぎぐらいの眼鏡をかけた優しそうなひとだった。
「キョン、おなかがすいたし喉も渇いたからジュースとお弁当買ってきて、当然あんたのおごりで」
隣の横浜サポの方には恐縮だったが、その人も食べ物とお酒を買うからと一緒に席を立ってくれた。
売店は長蛇の列でだいぶ待たされ、その間俺は横浜サポの男性と立ち話をしていた。その人は山口さん言う人で
神奈川県在住で新幹線に乗り観戦に来たらしい、ハルヒ並みの行動力を持ってる人は結構いるんだな
昨年、J2でヴィッセルと横浜FCが激しい優勝争いをしているときもここをおとずれ、そのときは2−1で勝利した事
万年最下位だった横浜がJ1に昇格したが負け続けてこの試合の結果でJ2降格が史上最短で決まるのは避けたい事
色々熱く語っていた。ようやく弁当とジュースを買って席に戻るとハルヒは礼も言わず食べ始めスタジアムを眺めていた。
スタジアムにBGMが流れアナウンスが始まる
「Jリーグディビジョン1第29節ヴィッセル神戸対横浜FCまずは横浜FCのメンバー発表です」
通常アウエーの選手紹介は映像もしょぼく盛り上がらない、しかしある控え選手がコールされると場内から大声援が送られた
「背番号11番フォワード・・」
そのとき突然ハルヒが立ち上がりその名前を大声で何回も叫んでいる
どうゆうことなんだ?ハルヒがサッカー好きなんて聞いたこと無いぞ、おいなんでうっすらと涙なんて浮かべてるんだよ!
俺はハルヒの事は全てわかっているつもりだったがまだまだ知らない面がたくさんあるらしい
(以前、冗談でハルヒの事は全てわかってるさと部室で言ったら古泉は真顔になって飲みかけの茶を噴出し
朝比奈さんは涙目で何もわかってないと俺に説教し、長門に至っては持っていた本を床に落とした。何故だ?)
試合はぶっちぎり最下位の横浜と早々にJ1残留を決めたヴィッセルとの力の差がもろに出て3−0でヴィッセルが圧勝した。
隣では山口さんが眼鏡をはずし号泣している、みているだけで気の毒だった。
試合を終え降格が決まった選手達がアウエー側の応援席に挨拶に来た。ハルヒは背番号11番をじっと見つめている
その選手は途中出場だったが必死にボールを追っていた、その姿をハルヒは追い続けていた
そろそろスタジアムを出よう、立ち上がるとハルヒは俺の手を強く握ってきた。ずっと離さない
やっとの事で電車に乗り込み席に着いた。電車に乗るまでハルヒはまた昨日までの状態に戻り終始無言だった。
席に着いてもハルヒは俺の手を握っていたが、ようやく口を開いた。
ここからはハルヒ語り
ごめん、昔の事思い出しちゃって、前に野球場でたくさんの人を見て自分の存在の小ささに悲しくなった事話したわね
世界一面白い人生を送りたいって思ったけど、どうしていいかわからなくて落ち込んでたの
そんなあたしを心配した親父が今度はここにサッカーを観に連れてったのよ、また悲しくなったわ
たくさんの人を観てその中で「世界一面白い人生を送りたい」なんてあたしの夢は絶対無理と思ったもの
試合の事も覚えていないの、ただ落ち込んでいただけ、そんなあたしを心配したのか親父が色紙を買ってきた。
何も書いてない新品で親父が「あとでサインを貰いにいこう」なんて言ってたわ、そんな気分じゃないのに
試合が終わって帰るとき親父の手を離しちゃってはぐれちゃったの、絶望したわよただでさえ落ち込んでいたから
たくさんの人たちがいるのに誰もあたしの事を知らない、ずっと親父を探して歩いてみたけど見つからないし
気がついたら関係者通用口の近くで座り込んで泣き出しちゃった。すごく悲しかった。
そのとき関係者通用口からあの人が出てきたの、真っ白なスーツと帽子、西部警察みたいなサングラス
ものすごい派手な服装だったから、すぐにファンの人が寄ってきたわ、あたしには眼もくれなかったのに
でもその人はファンの人を無視してあたしのところへ来てくれたの、当時のあたしはその人が誰か知らない
でも、そんな事関係ないように話しかけてくれた。サングラスをはずした眼はとても優しかった
「どうしたの?」
「おとうさんがいないの・・」
「そう、大変だね、名前を教えてくれるかい?」
「すっ涼宮ハルヒ・・」
「ハルヒちゃんか、いい名前だねちょっと待ってて」
その人は係員の人からトラメガを借りてきて何回も叫んでくれたの
「涼宮ハルヒちゃんのおとうさんいませんか?ハルヒちゃんが関係者通用口で待ってますよ」
それを観ていたまわりのファンの人たちも一緒になって親父を探してくれたわ
泣き続けるあたしを勇気付けるためなのか、気を紛らわすためなのか、また話しかけてくれた
「ハルヒちゃん、夢はあるかい?」
あたしね、この人は白い服を着た神様だと思ったわ、だから誰にも言えなかったあたしの夢を教えたの
「世界一面白い人生を送る事・・・」
きっと誰が聞いても笑うでしょうね、でもその人は笑わなかった。
「そうか、いい夢だね、ところでその色紙に俺がサインしてもいいかな?」
あたしが色紙を差し出すとその人はサインをしてくれた。ちょうどそのとき親父が血相変えて走ってきたわ
「すいません、ありがとうございます」
「おとうさん、気をつけて下さいハルヒちゃんがかわいそうですよ」
親父が有名人に話しかけられたように緊張していたのを覚えてる、その人は名前も言わず待っているファンの中に消えていった。
ここから再びキョン語り
ハルヒはバッグの中から一枚の色紙を取り出した。やや黄ばんだ古い色紙には
「夢をあきらめるな!11 KAZU」と書いてある
「そのサインはあたしの宝物なの、だから今日はあの人を見に行きたかった・・」
「でも一人で行ったらまた昔を思い出して泣いちゃうと思ったから、あんたを呼んだのよ」
ハルヒは相変わらず俺の手を握ってままずっと話していた。
「あたしが高校まで夢を捨てずにやってこれたのは、その人と中学の七夕の時宇宙人、未来人、超能力者の知り合いがいると
教えてくれた変な高校生の男の人のおかげだから・・」
その高校生は目の前にいるし部室にはおまえの望む人種がすべてそろっているとは無論言わない
ただ黙ってハルヒの手を握り話を聞いていた。
「変な話ししてごめんねキョン、SOS団つくって半年たつけど未だに目標が達成できてないから落ち込んでたの」
「でも、もう大丈夫!勇気をもらったから月曜には普段どうりに戻るわ、だから・・」
「わかったハルヒ、今日はこのままでいてくれ、それでいいから」
「うん・・」
ハルヒは安心したのか、すぐに俺の肩を枕に眠ってしまった。そんな中俺はひとつの推論を立ててみた
あの選手が全盛期を過ぎたのにネット上で真贋定かでない伝説とともに語られるようになったのは3年ぐらい前からだ
ちょうどハルヒに願望が実現する奇妙な能力が備わった時期と一致する、もしかしたらハルヒが願ったからこそ
もんじゃ焼きをはじめとする数々の伝説が生まれたのかもしれない、このことは古泉や長門には黙っておこう
別に害になるわけではない。みな誤解しているがハルヒは本来繊細な性格をしている、
だからこそ普通の人なら気にもしない些細な事でストレスを感じたり不安になる、それを外に出せないから閉鎖空間を発生させる
仲間が傷つくのを恐れるのも失った時が怖いからだろう、仲間に心配かけたくないため、その顔は決して俺以外には見せない
まあ、どうせ俺には気を使う必要はないとおもっているんだろうな
この事に気づいているのは俺と、悔しいが古泉だけだ
俺は列車に揺られ隣で眠るハルヒが愛おしかった。もしその時サインをもらっていなければどうなっただろう?
中学になっても普通に過ごし夜中の校庭に潜入することも無く、ジョン・スミスにも会わないから北高に進学しなかった。
そうなれば、俺達は出会ってなかった。
かつてハルヒは夢をあきらめない勇気を貰い、俺はお金では買えないプライスレス俺にとって最も価値ある物を貰った。
感謝と尊敬の意味をこめて背番号11に次の言葉を送る
「キングカズは神だと思っている」
2007年10月20日Jリーグディビジョン1第29節
ホームズスタジアム神戸 16時キックオフ 観衆1万2320人
ヴィッセル神戸3−0横浜FC
試合後、三浦知良選手(40)は翌年の現役続行を明言した
そして2008年6月3日現在も夢を追い続けている。
スレチかもしれん正直スマンかった。
涼宮ハルヒは神だと思っている
どんなネタSSが飛び出るかと思ってたら超真面目で上手くて
しかもしっかりハルキョンであんたは最高だと思っている
まさかこんな改変(?)をしてくるとはwGJ!
ただここは60行入るから投下も半分以下で済むはず。、次は参考にしてくれ。
スマンかった、次回作書くときに参考にする
932 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 12:40:40 ID:3pTbU/Tg
ただの梅雨には興味ありません。
良SSラッシュにビビリつつ会議中の息抜きに書いたので投下してみる。
キョンハルだけど許してorz
最近、俺はあることに気が付いてしまった。
気が付いたらいつも頭の片隅にそのことが常駐し、気が付いたらそのことばかり考えている俺がいる。
勘弁してくれよ、どこまで俺を振り回したら気がすむんだ。
いつものつまらない授業中、教師が書く板書をただひたすら眺めている俺の背中をつつく後ろの席の人物。
「ねえ、ちょっとキョン」
今日はこれで何回目なんだか。しかしそれが鬱陶しいわけでもなく逆に嬉しく感じる自分に少し呆れつつ俺は後ろへ視線を向ける。
「なんだよ、ハルヒ」
「あのね、今日の部活なんだけど」
俺の耳元に顔を近づけコソコソと話しかける。こいつ、俺の気持ちをわかってやってるのかよ。
「ハルヒ、ちょい耳貸せ」
「なになに?」
先ほどとは逆に俺がハルヒの耳元でこそこそと話し出す。
「あのな…………」
「!」
俺の放った言葉に一瞬にして固まるハルヒ。その耳元に軽くキスをして俺は何事もなかったように前を向く。
最近、俺は時間も体も財布も心もハルヒに振り回されっぱなしなんだ。
これくらい仕返しをしてもバチは当たらんだろう。
そう、最近気が付いたこと。それは俺がハルヒを好きだってことさ。
今夜2時、学校に集合!
不思議と言うのは足元に潜んでるやも知れないから隅々まで抜かりなく探るわよ!
>933
てめえは遅い昼休みでうだうだしている俺を
和ませました。ありがとう(´∀`)
長いのと比べて短いのが劣ることはないです。小粒で切れ味良いワンアイディアは大歓迎。
>>933 GJ! 短くても充分良作だ。
しかしお前ら授業中……w
地下のひみつ基地とかハルにゃんが好きそうだなw
6月にもなると体育の時間は暑くてやりきれないもんだが、そんな俺たちのダラダラとした態度に天が怒ったのか、突然雨まで降ってきたとなったらやりきれないどころの騒ぎじゃない。
体育教師兼担任岡部が何を言うより早く俺たちはさっさと校舎の方に避難した。
「なんだお前ら、こう言うときだけ早く動くよな」
それでも別に怒ってる風でもなく快活に笑った岡部はとんでもないことを言う。
「どうせ濡れたんだから、このまま時間終わるまでグラウンドでも走ってるか? 濡れてしまったら同じだろう」
同じじゃねえよ。そんなことしたら下着までずぶ濡れで残りの授業を下着も靴下もなしで過ごさなきゃならないじゃないか。
俺たちのブーイングを聞いて岡部は更に笑った。
「冗談だ冗談だ、そう怒るな。残り時間は各自自習だ。風邪をひく前に早く着替えろ」
そう言って自分も着替えるためだろう、職員用更衣室の方へと消えていった。
「さて、俺も着替えるか」
一気に雨が降ってきたので短時間でかなり濡れている。特に頭は一度拭きたいな。とにかく6組の教室に行って着替えなければ。
ふと見ると同じくグラウンドで体育の授業を受けていた女子も自習になったらしく、ぞろぞろと5組の教室に戻ってきていた。体操服が雨で身体に張り付いていて、なんとなく目のやり場に困る。おい谷口、あからさまにジロジロ見るのは止めろ。
「キョン、どこ行くんだよ」
着替えずに体操服入れを持って教室を出ようとした俺に谷口が声をかけた。いや、別にわざわざ言うほどのこともないんだが。
「頭が随分濡れちまったからな。部室にタオルがあったから借りちまおうと思ったんだ」
「そんなのハンカチで我慢しとけよ」
「俺はお前と違って繊細なんだよ」
誰が繊細だ、と笑う谷口に手を振って部室に向かった。雨に濡れて肌寒い。早く着替えないと本当に風邪ひくな。
部室に到着して何気なくノブを回す。回しながら鍵がかかってるだろ、と内心思ったのだが、予想に反してドアはあっさり開いた。何だ、既に誰かいるのか。
中にいたのはハルヒだった。
「……」
思わず固まっちまったのは、ハルヒが下着姿で立っていたからである。さすがに驚いたらしく目を見開いて俺を見ていたが、次の瞬間眉をつり上げたのを見て我に返った。
「わ、悪い!」
慌ててドアを閉めた俺をハルヒの罵声が追ってきた。
「こんのエロキョン!!! なに覗いてんのよ!!!」
断じてわざとじゃねえ。誰かいるなんて思いもしてなかったんだからな。
ハルヒの下着姿を見るのは2度目だな。やっぱりなかなかグラマラスだったな。いやいや、それはまあどうでもいいような良くないような、とにかく俺も早く着替えないと風邪をひきそうなんだがいつになったら声をかけてくれるのかね。
だいたい着替えてるなら鍵をかけろ。それ以前にお前は男がいたって平気で着替えていたじゃないか。前にバニーガールに着替えようとして俺を追い出したこともあったから、今では恥じらいを覚えるお年頃になったのかね。
ようやくドアが開く頃には身体が冷え切っており、こんなことなら教室で着替えておくんだったと後悔した。
「まったく、懲罰物だわ!」
「お前がいるなんて知らなかったんだから仕方ないだろうが」
不機嫌そうに眉をひそめるハルヒの頬がわずかに赤いのを見て意外に思う。確かに以前と違って着替えを見られるのは恥ずかしくなったのかもしれないが、それにしてもこれじゃ普通の女の子みたいじゃないか。
何だかこういうハルヒは妙に可愛く見えてしまって、いやこいつは黙っていれば可愛いんだが、さっきの下着姿は……って思考ストップ! 俺は何を考えているんだ!
「とにかく俺も着替えさせてくれ。寒い」
無理矢理思考を現実に戻して、俺は体操服入れから制服を取り出すと、取りあえず体操服を脱ぐことにした。
「ちょ、ちょっと!」
何だよ、俺は着替えたいんだ、何でいちいちクレームが入るんだ。
「な、何よ、いきなり目の前で脱ぐんじゃないわよ!」
着替えさせてくれと断った気がするし、何故か俺の目の前にお前が立ってるだけだろうが。気になるなら団長席でも廊下でも好きなところに行け。
「団長に廊下出ろなんていい度胸じゃない」
と、俺を正面から見据え睨んだと思ったら、いきなり顔を真っ赤にしてそむけやがった。何なんだよいったい。
「ックション」
冷えたのに上半身裸でいたせいでくしゃみがでちまった。早くシャツを着るか…………。
「…………」
「ハルヒ」
「な、何よ」
「だからシャツを着たいんだが」
「えっ あっ!」
状況が分からないって? 俺にだって分からん。何でハルヒがいきなり俺に抱きついてるんだ?
「だ、だから、あんたくしゃみなんてするから! 寒いなら団長自ら温めてあげようと、そう、雑用が風邪ひいたら雑用係が困るでしょ!」
文法おかしいぞ。困るのは雑用係じゃねーだろ。それと、言い訳するくらいなら早く離れてくれ。
このまま抱きつかれていたらさっきの光景が蘇ってきたり俺に押しつけられている感触が妙に気になったり何か頭がグチャグチャになりそうだし、てかもうこのままでいいかとか思っちまう俺はもうダメなのかもしれない。頑張れ理性。
「キョン?」
ダメでした。
俺はハルヒの背中に手を回して抱き返していた。ああもう、どう言い訳すりゃいいんだ。
「せっかく温めてくれると言うんだから、お言葉に甘えさせてもらおうか」
そう、それだけだ、他意はない。いつもアホみたいにエネルギー発散してるこいつならすぐ温まるだろ、きっと。無駄なエネルギーを有効活用してやろうと思っているだけだ。それ以外に理由はないぞ。文句あるか?
ハルヒがこつん、と額を俺の鎖骨の辺りに乗せ、俺はもう完全に理性の負けを認めるしかない。もう言い訳とか言ってられなくなってきた。
離したくないとか思ってる時点で負けは認めなくちゃな。
しかし、背中が寒いのは何とかならないもんかね。ヘックション。
おしまい。
>>939-940 2レス目名前欄忘れてたスマン!!!
タイトルに何の意味もないSSでしたorz
>>939-941 よいぞよいぞ。
しかし、ハルヒが下着見られてどうこうはみんな考えるところが同じで困るw
何回でも美味しいネタだから微塵も不満があるわけじゃないけどね。
>934
それを探していて秘密の抜け道とか枯れ井戸とか深い落とし穴に二人して落ちてしまうハルキョン
密着状態で思わずキョンの局部が極端な状態になり
「いかん!ジョンが覚醒したら世界が滅びてしまう!」とキョンが理性を働かせるが、既に時遅く――
と妄想が。あー早く仕事終わらねーかなー
>>940 安心して! あなたがたの背中は 我々が!
 ̄ ̄|/ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. ,. -‐‐- 、 ,.-,へー-、
. / ,. ,.-v.、 ヽ , -‐― , -‐ー- 、 ノ.,K ヾ、ヽ、.ヽ
l ((从/"ヽ〉)リ. /r.;/ニン u ヽ ノiリヽ\Nハヾ 〉
i (| │ │ |i ハ芥.lノリソハハ i イ!⌒| ⌒|l) !
ゝハ、'''∀''ノメ i l (| | ┃!¬iリ) ! ル、ワ ノリN
. ⊂}´|{H}l'iつ . i从リ、" 、 ノルハハメ ⊂}゙|{†}|´{つ
. く_/_i_l_ゝ O゙{'iづコ}´ l `O l´'T`^i
. (__八__) く_,/_i_lハ___」_,l 〈__八__〉
(__/_ノ〈__八__〉
>>944 キョン!冬に使わなかったカイロを使うんだ。
ひみつのハルヒちゃん
古泉に変身してキョンの内心を探るが口調でバレる
「何だハルヒ、テクマクマヤコンでもしたのか?」
目が悪くなり、眼鏡を掛けるハルにゃん。
ハルヒが寝た振りしてる間に出ていくキョン
949 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 19:53:04 ID:mggKeM9k
キョンと谷口が入れ替わり、焦るハルにゃん
天井に張り付いてSOS団の団員達を監視するハルヒ
破れかけのタロット投げてキョンの行方占うハルヒ
そろそろ次スレの時期なんだけど
速度的なこと考えると970ぐらいでも平気そうなのかな?
でも埋めネタラッシュがくると危険か?ww
テンプレの>>3はもう無効ってことて
>>61にちょっと追加してみた新しいテンプレ案
-----------------------------------------------------------------------------
SSやAAを投下する前に注意!
投下が複数レスにまたがる事が確実な場合は別のテキストファイルに纏めておいた方が無難かしら。
その場合、分割数が予め解っている場合は、名前欄に書いたタイトルの後に分数表記しておくとみんなも安心だと思うわ。
1行の最大文字数は全角で125文字、1レスの最大行数は60行ってことになってるから気をつけなさいよ。
また、1レスの最大書き込み容量は4096バイト、つまり全角換算にして2048文字分ってわけなの。
でも改行コードがただのテキストファイル場合の2バイトと違って6バイトってことには要注意なんだからね。
専用ブラウザの中には書き込み容量計算をしてくれるものもあるから、それを利用するのもアリかもね。
まあ、別に1レス/1行ににギリギリまで詰め込むような必要は全然ないとあたしはは思うんだけど。
でも一応レス数を無駄にしないって意味では頭のどこかで意識してくれた方が嬉しいわね。
ちなみに1行全角60文字ぐらいに収めるようにしてる職人さんもいるみたいだし、要は読み手のことを考えてあげてよね。
まだなにかあったかしら?
え、なによキョン、大事なことを忘れてるって?
このスレではメール欄に半角で「sage」と入れる事、良いわね?
うっかりageちゃったりしたら、暇を持て余した荒らしやアンチが来るって言うから気を付けなさいっ!
…………。ねえ、キョン。何でこんなこと言わないといけないのよ。あたりまえじゃないの。
太陽戦隊サンバルカンの映像見ていたら思いついた
ひょんな事から遊園地のアトラクションでバイトをすることになったSOS団
本来は裏方だったが何故か五人でショーをする事になる、しかしハルヒの願望が
本当に謎の組織を呼んでしまい、子供たちの前で戦うことになるハルヒはショーと思っていたが
他のメンバーによる苦闘が始まった。ハルヒ=イーグル 長門=シャーク みくる=パンサー
長官=古泉 雑用=キョン こんな感じで構想中 完成はいつになるかわからんが
956 :
953:2008/06/03(火) 21:01:23 ID:2z1tfMd1
「あたしはは」ってなんだよ
吊ってくる orz
>>954 特撮オタの自分が通るが
その配役だと途中でイーグル交代なんて事が発生しないか?
まぁアトラクションなら良いか
速度は緩くなってるけど、スレ建て規制が厳しくなってるから
>>960の方が安全じゃないかな。
>>941 これはいいハルキョンw
たててみる
>>961 乙〜
さて、今回も埋めネタラッシュくるのかな?w
964 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/03(火) 21:34:27 ID:3gfdeUx4
うめ
雨の日は
一本あれば
十分ね
夏の日は鶴屋さんの別荘で夜な夜な怪談に明け暮れるSOS団
>>965 そこはあえて「十分でしょ」と字余りにしたほうが味が出ると思うw
>>967 十分でしょ、なら字余りになるな〜っとw
アニメでの
ハルヒのブラは
黄色だな
かわいいねハルヒ
いわゆるひとつの
萌え要素
賞味期限が3日も切れてるわ!
もったいないから食べちゃいましょう。
>>941 ああもうかわいすぎるよおまえらGJ
>>944 ちょwwwせめて両手は拳銃構えて背中くっつけてでよろ
おなかをこわしてキョンにさすってもらうハルにゃん
しかしおなかだと思ったら胸を触ってしまい殴られるキョン
「いてっ!なんだおまえ元気じゃないか!」
キョンの携帯のフォルダを覗いてみたら自分の恥ずかしい写真を見つけたハルヒ
_A_
,, ‐''"/ | \"'' ‐,,,
/´ / . | ヽ `\
^⌒⌒⌒⌒⌒||⌒⌒⌒⌒⌒^
. , -―‐‐-!!-ー‐- 、
く/ "' ー '' " ヾZ、 ヽ アメ トックニ ヤンデマスヨ
. ツ! / . i iハ> ! _ __
. `| l l l. l ! ,i ./ソ、、`ヽ
. i从Nヽハヘ从リハハハメ (.ッ" `ー、eハ
{l|__に)i} l `i'> |l-‐ ‐‐ レ).i
く_/_i_l_,ゝ.,l.___」__i゙ ノl、 ー ノハ .!
. {_,l__ノ `ー' {__〉 (. 〈il{H}|'リ> 〉.)
〈/_i_l_,ゞ
(_,/ヽ_)
可愛すぎて涙でた
昨晩、ハルヒと喧嘩しちまった。
理由はわざわざ書くほどのことでもない程、くだらなく馬鹿馬鹿しいことなので割愛させて頂くとして、昨晩は古泉に苦労をかけたかもしれん。すまん、半分は俺のせいだ。
いつもならば、とっくに俺の方から謝っている頃なのだろう。
それは世界の危機がどうたらということではなく、単に惚れた弱みというもので我ながら情けないことこの上ない。
しかし毎度毎度、俺の方から折れるのは精神衛生的に楽と言えば楽なのだが、納得がいかないのも事実であり不公平ってもんじゃないだろうか。
一度そう思ってしまうと無性に腹立たしくなり、気がつくとハルヒと口をきかないまま午前中の授業もあと40分ほどで終了する時間となっていた。
つんつん、と背中を突かれる。犯人はもちろん入学以来俺の背後に陣取り続けるハルヒ様だ。
一体何の用だ──と、普段だったら振り向いてやるのだが、俺たちは喧嘩中であり、今回ばかりはこちらからは折れたくないので無視してやろうかと思う。そもそも授業中だしな。
つんつん。
無視だ、無視!
つんつん。
…………。
「……はぁ」
背後から吐息のような溜息が聞こえてきてしまい、胸が締め付けられる。
ヤバいな。少々やり過ぎたか……いやいや、これくらいはいいだろ。そろそろあの我が侭姫様には反省とか我慢とかを覚えてもらわねばなるまい。
つー、と背中に指が走る。
なんだ?
キョンの バカ
……そうかい。
バカ バカ バカ
お前な、なんで俺が無視してんのかわかんねぇのかよ。
決めた。もうこいつから謝ってくるまで許さん。無視し続けてやる。
バカ バカ バカ
あぁそうさ、俺は馬鹿だ。なんとでも言うがいいさ。
どうしようもないくらいハルヒに惚れちまっている大馬鹿者だよ。
だけどな、仕方ないだろ?
お前にあんな風に書かれたら振り向いてキスしちまうのは、さ。
ゴメン
ダイスキ
「今日はあいつらとお弁当、食べないでよね」
「……あぁ」
授業終了まであと38分。頬を染めほっとした表情で呟くハルヒにもう一度口づけた。
────
>>978 かわえぇのぅ
埋めネタラッシュktkr
孤島症候群の「何か恥ずかしい醜態」ってこんな感じかな。
(泥酔いの二人)
ハルヒ「・・・キョン!あんたに前から言いたかったのよ―!」
キョン「なにをだぁ。ハルやん(ワインをごぶごぶ飲む)」
ハルヒ「あたし、あんたのことどー思ってんの?」
キョン「知るかよ」
ハルヒ「あー違った。もとい。・・・・・あんた、あたしのことどー思ってんの?」
キョン「ちくしょ―・・・ぶん殴って簀巻きにしたいくらいスキダ――っ!!」(抱きつく)
ハルヒ「あっついはなれろー」(マジに暑がっている)
バカ力で振り払われるキョン
キョン「なにい?俺を好きだとぉ?」
ハルヒ「んなこと、あたしがいつ言ったー」
キョン「だいたいな、俺を好きなら「好き」って言いやがれ。まわりくどいぞー。
みんなを巻き込んで、世界を道連れなんてまわり道するオンナはお前くらいだぁ
やっていいのか、人として」
ハルヒ「なに言ってんらかわかりまへん」
キョン「わかんないのか。じゃあこれからこんこんと語って進ぜよう」
ハルヒ「結構。うるさい。(ワインをラッパ飲みして)
・・・そんなことよりキョン!
あんたに前から言いたかったのよ―!」
(前にもどる)
涼宮タヌキの憂鬱
キョンぎつね
泥レスでくんずほぐれつなハルキョン
「全く、何なんだよ、その格好は?」
今、俺の目の前ではハルヒが床にペッタリとしゃがみ込んでいた。
後ろで纏め上げられた長い髪は非のうちどころのない完璧なポニーテール。
上半身は懐かしの高校生時代の体操服の半袖。その裾の部分を両手で引っ張るようにして際どい箇所を隠そうとでもしているのだろうかね。
何故隠す必要があるのかって?
それはハルヒの下半身が黒のソックス以外のモノを身に着けていないからなのだ。
要するに『穿いていない』のだ、下着すらも。
俺は床に落ちていた、先程までハルヒが身に着けていたはずの――今となっては絶滅危惧種のブルマと、一緒くたに脱いだのであろう下着が重ねて丸められたもの――を摘み上げる。
その布地からポタリポタリと滴り落ちる雫。
フローリングの床の上にはそれ以外にも色の付いた水溜りが数箇所に発生していた。
「こんなにびしょびしょにしちまって、どうしたんだ、一体?」
言葉を掛けてから、俺はゆっくりとハルヒの顔に目を遣る。
先程まで呆然としていたハルヒは困ったかのように眉を顰めると同時にその頬を美しい桃色に染め上げた。
「や、やだ、キョン。お願い! 見ないで」
必死に振り絞ったような声は微かに震えていた。
「……恥ずかしいじゃないの」
そう告げて目を伏せるハルヒの元に俺は一歩一歩接近すると、そっと肩に手を置いた。
瞬間、ハルヒがぴくん、と身を硬くする。その肌の上には汗とも何とも判断できない水滴が軌跡を描いていた。
俺はそのハルヒの耳元へ顔を寄せると囁くように尋ねる。
「何でこんなことになっちまったのか、その理由ってのを詳細に至るまでキッチリと説明してもらおうか、ハルヒ?」
「うーうーうーうー」
俯いたまま俺に目を合わせようともせずに唸っているハルヒに対して、更に俺はこう続けた。
「大掃除で風呂場と洗面所の担当してるはずのお前がとんでもない悲鳴を上げたから、慌てて駆けつけてみれば何だこの惨状は? 始める前よりぐちゃぐちゃに散らかってるじゃないか。何が起こった?」
「――ネズミ」
「はあ?」
「掃除は粗方終わってたのよ。で、せっかくだからシャワーでも浴びようとしたら目の前にでっかくて真っ黒なネズミが飛び出してきて――あたし、ビックリして脱ぎかけの服とか、飲み残しのお茶のボトルとか、その辺にあるもの全部ぶちまけちゃったの」
ハルヒは一気にそう捲くし立てると、
「怖かったよぉ、キョン!」
とその格好のまま俺にギュっとしがみ付いてきた。
って、おい。そのままはマズイって! ハルヒお前、洗面所だけじゃなくって俺の理性までぐちゃぐちゃにするつもりなあqwせdrftgyふじこ
何かの糸が切れるような音は聞いたが、そこからの俺の記憶はしばらく途切れている、ということにでもさせてくれ。それにしても風邪ひいちまったらどうするんだよ? ブツブツ……。
すまんひょっとしてageちまった?
sが全角になってるからageになってる
>>980 授業中……!!www
>>983 キョンに萌えたw スキダー!
>>986 ポニテ体操着バンザイ\(^o^)/
ようはみんなGJってことだw
我ながら恋愛は精神病だ、ってよく言ったものだわ。
本当よ、なんでもない仕草や行動、言葉になんでこんなに感情が揺れ動くのかしら。
気が付いたら頭の中はあいつの事でいっぱい。
昨日の帰り道だって不意に腕を掴まれた、と思ったら
「ハルヒ、危ないからおまえはこっち歩け」
って道路側にいたあたしを歩道側に寄せたり。
急によ、急に。わざわざ腕を掴まなくたっていいじゃない。
当たり前のようにどきどきして、どうしようもなく嬉しくて。
今だってみんなで帰る帰り道なのに勝手に目があいつを探している。
目が合うと、あたしの気持ちを知っているのか知らないのか目が優しくなるのはなんで?
ほら、またときめいた。勝手に暴走する鼓動に熱くなる顔。
本当にもうやめて欲しい。一体どうしたらいいのか分からないじゃない。
そして口に出てしまうのはいつもこの言葉。
「バカキョン」
おわり。
SSってか一言メモみたいだw 埋めネタ参加したかったの。
「……キョン、もう寝ちゃった?」
「……いや。どうした?」
「あのね……あたし寝言を言う癖があるの」
「そいつは初耳だ。というかいつも言ってないじゃないか。」
「……寝言だから黙って聞いててと言ってるの!」
「いや寝言なのに聞いてろって……いやいい。分かった。」
「あたしね……」
「もしあたしたちに別れるときがあるとしたら……」
「キョンがあたしを嫌いになるんだと思うの。キョンに振られて、キョンに捨てられるの」
「だって、あたしの方が圧倒的にキョンのこと好きだから……」
「あんたもあたしのこと好きだって言ってくれるけど、あたしはわかってるの」「あたしはもう一生キョンのこと好きだから。ずーっと一緒にいたいの」
「嫌われても、避けられても、きっとあんたを嫌いになんてなれない」
「キョンの気持ちよりもきっと重く深く苦しいくらい好き」
「馬鹿みたいよね……昔バカにしてたみたいな『精神病』に自分がかかっちゃって本当に重病で――」
「…………」
「…………だめ、今そんなに強く抱きしめないで……キョンに触れて、幸せで、それだっていつか失うかもって――」
「…………」
「…………はあっ!息止まっちゃうじゃない……」
「……あのな」
「勝手なことばかり言ってるんじゃないぞ」
「どこに飛んでくかわからん暴走娘。何に噛みつくかわからん猛獣娘を好きになって」
「いつかは俺の元からも飛び出していっちゃうんじゃないかといつも不安で」
「一生お前のそばにいるためにはどうしたらいいかなんて、ずっと考えてるんだ」
「俺が、どれだけ取り返しもつかないくらいハルヒに惚れているか、わかってるのかよ」
「そりゃハルヒだって俺を好きだと言ってくれる。気持ちは伝わってる」
「でも、俺のほうがずっと重病なんだよ!ずっと好きなんだよ!ずっと重くて!ずっと深い――」
「…………」
「…………ぷはっ!息できねえって!」「あんたこそ勝手言ってるじゃないの。どう考えてもあたしの方があんたを好きなの!」
「……本当に分からん女だな!俺が――」
「あたしよ」
「最後まで言わせろよ。俺が――」
「あたし!」
「俺だ!」
「あたし!」
「おれ!」
「あた『…………』「お『…………』
「……………………」
「……………………」
「あのさ、一時休戦しないか?」
「休戦?」
「そう。延長戦を前提に休戦。今言い合っても決着つかねーよ」
「……そうね。一日二日じゃ、こんだけ強情なあんたを納得させられないみたしだしね」
「十年かかるか二十年かかるかわからないけどな」
「望むところよ!一生かけて、あんたに、あたしの気持ちの深さを思い知らせてあげる」
「それはこっちの台詞だろ。ま、取りあえずは……」
「勝負は、次スレに持ち越しね!」
「そろそろ埋まるかな……もう寝ようぜ、ハルヒ」
「うん、また91スレでもよろしくね、キョン……」
「「おやすみなさい」」
お粗末!願わくば次スレも良きハルキョンと共にあれますように。
へ
天才的な埋めネタセンスに脱帽。
お前ら大好きだー!
そして何より、
ハルにゃん最高だー!
とりあえず思いの丈を叫んだところで、次スレもよろしく。
さて、ここで5分ハルキョンだ。
華麗にSS
春彦
999なら次スレは濃厚な桃色空間
1000なら
中央構造線断裂
1001 :
1001:
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。