【らき☆すた】こなた×かがみPart17【こなかが】
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/02(水) 02:03:47 ID:YTUOJOsi
ハヽ /:}ヽ
. {: :丶\ /: :./ }
ヾ、: :\\ |\ /: : : / /
_ >'"´ ̄ ̄`ヽ::∧___ /: : : / /
'´¨ア::::::::/::/:::;イ::::::::: \| : : / .,′
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/イ: /:::: /イWj/ |::∧:::|:::::::}::ヽ /
∨:::::::::/f心 `^j/ーヘ !く ̄ ̄}く メガコロネ漏らしちゃったわ・・・
/:/}:::〃 ト::リ ‐ァゥ=k|:::ヽ ー人 \
. ∨ノ:八 ゞ''// /トイ::7j::::::j∨〉、_/ ゙ミ;;;;;,_
/ :::::::\r〜 -、ヾ少' 'イ::::ハ::/| ミ;;;;;;;;、;:..,,.,,,,,
. / ::::::::人_> , __}___,、_ノ|:/リノ! :! i;i;i;i; '',',;^′..ヽ
/ ::::://::::/⌒卞、 ミ/彡'´l:::| ゙ゞy、、;:..、) }
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ヾハ ∨ r〈___,〉,;'"::.: ヾ__人::::::::\ ゙{y、、;:...:,:.:.、;:..:,:.:. ._ 、}
r孑{三 } ;':.:.::. ::乃 \:::::::ヽ .".¨ー=v ''‐ .:v、,,、_,r_,ノ′
∨ `ァ^ `ト、:_;;ノ_Z }:::::::} /;i;i; '',',;;;_~⌒¨;;;;;;;;ヾ.ミ゙´゙^′..ヽ
7ーん=ァ'ーr</ /:ノjノ ゙{y、、;:...:,:.:.、;、;:.:,:.:. ._ .、) 、}
..., -、/ー/ /__,/ .".¨ー=v ''‐ .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ′
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\__ノ {::`‐ソ ゙{y、、;:..ゞ.:,:.:.、;:.ミ.:,:.:. ._υ゚o,,'.、) 、}
`‐'’ ヾ,,..;::;;;::,;,::;):;:;:; .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ′
ノ)
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////: : :l : : : ∧/ l: : : リ l: |丶:`: : l: l: : :l
/ //l: : : l: : : /_V_ヾ: : |l _ヾ__ヽ: : : l:ll: : :l
/│: : ,、: : :lT亦テl ヾ: l T示┬l: : W :、:l
l : ハ: : ハ`、'::,┤ ヾ P:,:::ノ'lヽ: ト`,:x
V ヽ:l: :l `''´ , `''´'.: ヽl_ノ: N おいしいよ、かがみん
` N: :ゝ、_, ノ)、 ノ: : N : : l
│: : :,‐´(;:.:.__..)-イニ: /: : :ハ: : :l
l : , (;;:::.:.__::;;) `〉/: : : l: l: : :l
ハキ(;:_:.__゚.:.:⌒)、、/ /: : :/彡l、: l
l//)、::。:.. :;+; ,'、゙、l Y : : /〃彡l l
/l´ l '`,‐ニ┬┤l `,.l l /,´/ |l
3 :
1:2008/04/02(水) 02:04:17 ID:z/OauYHH
4 :
1:2008/04/02(水) 02:05:08 ID:z/OauYHH
5 :
1:2008/04/02(水) 02:06:00 ID:z/OauYHH
ここで話題になった同人誌 (英数五十音順)
(一般)
CapriceStar (ししゃもはうす)
Lucky point (東ガル会)
Lucky point summer (東ガル会)
Lucky point autumn (東ガル会)
LUCKY☆STRIKE あじゅじゅじゅした〜 (チョボにょぽ)
Sweet Spice (ぱるふぇ)
アンダンテ(麦畑)
伊香保温泉物語 (煉瓦)
キラボシ(SW919)
コイビトミマン (旅人)
コココナカガガガ (ハネゴヤ)
こころのおと(ハネゴヤ)
こな☆かがまんが ぷらす (PNOグループ はせ☆裕)
幸いなる星 呪いたる目録 ふたつぼし☆☆ (Hellfragrance)
すく☆スク かがみん (ゆーのす)
セブンすたー (GUNP 杜講一郎xさくらあかみ)
セブンすたー2 (GUNP 杜講一郎xさくらあかみ)
せるふぃっしゅ2 (I'LL調 あかりりゅりゅ羽)
ちょこっと☆ラッキー (MIKIHOUSE)
ついんころねこ (なぐ茶)
破顔一笑 (クラスメイト・ショック)
はぐ☆ハグ☆かがみん (ゆ〜のす通信)
は・ぴ・ら・き (虚弱畑)
はろ☆ハロ かがみん (ゆーのす)
柊さんちのリラッコナ(おでんや)
(18禁)
CICADA DRIZZLE (しもやけ堂)
HOME SWEET HOME (いちごさいず)
「KONA×KAGA」(めろぷり+Petite*Cerisie)
LOVERY POCKY (ciaociao あらきかなお )
蒼☆菫 (CELTRANCE)
こな☆かが (ASTRONOMY)
しの☆はら (うきょちゅう 篠原重工営業部)
彗星 (いちごさいず なつめえり)
まそっぷ (ごべらっつぉ)
らき☆ちょ (恋愛漫画家)
らっきー☆すたー (GABALL SCREEN)
(?)
らぶ☆すた (彩也学園)
うぃんたぁ☆ふぃーばー (BBBえくすとら)
もちもち (スペースオレンジパンケーキ)
刀、 , ヘ
/´ ̄`ヽ /: : : \_____/: : : : ヽ、
,. -‐┴─‐- <^ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
/: : : : : : : : : : : : : :`.ヽl____: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
,. -──「`: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :\ `ヽ ̄ ̄ ̄ フ: : : : :/
/: :.,.-ァ: : : |: : : : : : : : : :\: : : : :: : : :ヽ \ /: : : :/
 ̄ ̄/: : : : ヽ: : : . . . . . . . . . . .、 \=--: : : :.i / /: : : : :/
/: : ∧: \: : : : : : : : : : ヽ: :\: : : 〃}/ /: : : : :/ 、
. /: : / . : : :! ヽ: : l\_\/: : : : :\: ヽ彡: : | /: : : : :/ |\
/: : ィ: : : : :.i: : | \!___/ ヽ:: : : : : : :\|:.:.:.:/:! ,': : : : / |: : \
/ / !: : : : :.ト‐|- ヽ \: : : : : l::::__:' :/ i: : : : :{ |: : : :.ヽ
l/ |: : :!: : .l: :| \: : : l´r. Y {: : : : :丶_______.ノ: : : : : :}
l: : :l: : :ト、| 、___,ィ ヽ: :| ゝ ノ '.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
|: : :ト、: |: :ヽ ___,彡 ´ ̄´ ヽl-‐' \: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ
!: :从ヽ!ヽ.ハ=≠' , ///// ///u /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
V ヽ| }/// r‐'⌒ヽ イ〉、
ヽ、______ー‐‐' ィ´ /:/:7rt‐---、 こ、これは
>>1乙じゃなくて
ィ幵ノ ./:/:./:.! !: : : : :!`ヽ ポニーテールなんだから
r‐'T¨「 |: | !:.∨:/:./: :| |: : : : .l: : : :\ 変な勘違いしないでよね!
/: : .|: :| !:.!ィ¨¨ヾ、:.:/ !: : : : l: : : : : :.\
9 :
1:2008/04/02(水) 02:20:06 ID:z/OauYHH
個人的には
>>5の同人誌に
Pink Bom と 鏡の中のもう一人の私 (山猫BOX)
が話題に昇っていないのが寂しいのだが、こな×かが分が足りないのかな?
そこそこ入ってると思うのだがこのスレ的にはどう?
>>9 Pink Bomは読んだことないけど、「鏡の中のもう一人の私」は入れていいと思うな。
同人誌追加分。
(一般)
・らき☆すたRESPECT!!(乙女たちの鳥篭)
4コマ
・らき☆でい(腰の曲がった空間)
ほんのわずかではあるが、描写有り。
・こなたとかがみの麗しき新婚生活(越ヶ谷興業)
前編ギャグテイストだが、こなかが的破壊力抜群。
オンリーイベントで入手した為、同人ショップに無い可能性有り。
(18禁)
・セーラー服キャワイイ同盟(優希M.K.C)
・セーラー服キャワイイ同盟2(優希M.K.C)
両者ともオークス出版のアンソロで見る事が可能。
後者は前者の続きという設定だが、成り行きから完全百合ップル化してます。
・かがみんと遊ぼう(まるか家)
告白、キス有り。
・こなかがでらぶらぶちゅっちゅする本(最果て空間)
エロ濃厚
・KONA×KAGA(めろぷり)
ノベルタイプの同人ゲーム。オンリーイベントで入手した為、同人ショップに無い可能性有り。
・こなほん(メカニカルペンシル)
後半がかがこな。
・ぬがせて☆セーラーふく(yunico/namico)
・こな☆ちく(おとといのあれ)
>>10 Pink Bomはかがみがこなたと同じ進路にしようとする話で元はコピー本。
とらに委託されている再録本 DREAM CAST に収録されてるよ。
>>12 おお、わざわざどうもです。
>>11で上がってる「こなたとかがみの麗しき新婚生活」は良かった、終始かがみが壊れてるけどw
15 :
13-553:2008/04/02(水) 06:09:05 ID:DIgYTesF
小ネタの妄想を2〜3レスで
『ねぇ、知ってた?』
「知ってた?
いつも変に想われないように
ガマンして触れてたんダヨ?」
私の胸の中に顔を埋めながらこなたはこんなことを言った。
「そのままずっと触れていたいのをガマンして
自分の持っているキャラクター故の引き際をいつも演出してたんだよ? 知ってた?」
「…我慢? あれでか?」
「ひ、ひどいよー、かがみん」
少し非難めいた声。
いやだってそうでしょ?
あれだけペタペタしてきてガマンもへったくれもあるわけないじゃない。
でも…
「・・・なに私と同じようなことしてんのよ・・・(ボソッ」
小声の本音
「えっ?」
聞き返された、私はたまらず、すぐ近くのあんたに
よく聞こえるようにはっきりと本音を言っていた
「私だってずっと触れていたいのガマンしてたんだから!
変に思われたりしないように、いつもちょっとですませてたのに!!
あんたなんか私よりぺったぺたしてくれてたじゃない…!」
「そ、それは、私がそういうキャラでそういう関係だったからだよ!
慣れ慣れしいぐらいの距離感で触れるの、苦労してたんだよ?
か、会話だって、変にならないようにならないようにって!」
「いつも…いつも!
あんたを抱きしめ返したくて仕方なかったのよ!?
あんたと私じゃ訳が全然違うわよ!」
「そうは言うけどね、かがみ
私だってあれでもいっぱいいっぱいだったよ!」
「うー」
「むー」
「…ふふふ」
「あははっ…」
結局何となくだけど
今なら分かるような気がしたんだ
確かに私たちはいっつもギリギリだったんだなぁって
ぎゅううううううう!!!!!
どちらともなく強く抱き締めあって、
それは「離さないから」そう言ってるみたいに聞こえた
もちろん、私もコイツを離してやるつもりなんてない。
「もー遠慮とかしないわよ?」
「かがみ、私だって…エンリョしないよ?」
「うん、もっと…」
「「するからね」」
以上です
>>19 GJ!!リアル投下の瞬間に立ち会えるとは感動ですw
昨日は4月1日ということで色々と妄想が止まらなかったので自分なりに
小話を書いてみましたので投下させていただきます。
『4月1日』
私とこなたは特に何処へ向かうでもなく二人で街を散歩していた。
ふと見上げると街路樹の桜が満開に近づいていて綺麗だ。
こうして歩いていてもこなたは相変わらずマニアックな話を
こちらの知識などお構い無しにしてくる。まあそんなところも含めて好きなんだけども・・・。
今日は4月1日だ。この嬉しそうに先日見たアニメの話をするこなたの様子だと
今日がエイプリルフールであることなんてどうでもよくなってるんだろうな。
いつだったかの4月1日にこなたに騙された事があったっけ・・・。
―・・・よし
「こなた。私ね、今度引っ越すの」
「へ?」
突然の私の言葉にこなたは素っ頓狂な声で答える。
ふふ、びっくりしたかな? 私は続けた。
「だから引っ越しよ引っ越し。しばらく会えなくなっちゃうけど
まあしょうがないわよね。それにアンタだって別に―・・」
22 :
2/4:2008/04/02(水) 06:31:25 ID:xvcRAVRr
―トッ
全て言い終える前に急にこなたが足を止めた。
数歩進んだ先で振り返るとこなたは俯いていた。
長い髪が顔の一部を隠し、表情がよく窺えない。
だが次の瞬間私はこんな嘘をついたのを後悔することになる。
「・・・グスッ」
(――しまったぁ!)
「・・・うっ、やっぱり・・・かがみは私なんて・・・」
予想以上のこなたの反応に堪らず私は駆け寄り肩を掴み、
「バ・・・バカッ!ウソよ!ウソに決まってるじゃない!
き・・・今日はエイプリルフールでしょ!?いつもからかわれてるから
ちょっとお返ししてやろうと思っただけ!」
「・・・」
こなたは俯いたまま動かない。胸が痛む。
私はそのまま正面からこなたを抱き寄せた。
23 :
3/4:2008/04/02(水) 06:32:27 ID:xvcRAVRr
「こなたを残してどこかに行っちゃうなんてあるわけないじゃない!
ううん、そんなの私が耐えられない!」
「・・・」
こなたの無言の反応に抱き寄せる両手に力が入ってしまう。
「私にはこなたがいないとダメなの!わがままだったり
ちょっかいかけてきたりどうしようもないやつだけど
いつも明るく笑って私の心を満たしてくれるこなたが好きなの!
こなたの全てが大好きなのっ!」
普段の自分ならこんな恥ずかしい事は絶対に言わないだろう。
でも今はそんな羞恥心など気にすることはできない。
私のついたくだらない嘘でこなたとの関係を壊してしまう方が余程嫌だ。
しかし瞬間、またしても私の心境は激変する。
「・・・んふふ・・」
「・・・え?」
「う・そっ♪」
「なッ・・・」
支援?
じゃあ、同じく4円
つ@@@@
28 :
10ー79:2008/04/02(水) 09:44:05 ID:dDUWHBmD
>>1乙です!
>>13ー553さん
小ネタGJ!遠慮なんて2人には不要なんですねw
>>20さん
GJ!エイプリルフールでもやっぱりこなたが優勢w可愛らしい2人でした!
29 :
4-234:2008/04/02(水) 11:43:24 ID:IUPjTsvb
>>1乙です!
どうも、前スレ938こと4-234です。
エイプリルフール記念SS1つ投下します。
本当は昨日投下したかったんですが容量の壁に阻まれましたw
何もないようでしたら5分後に投下したいと思います。
当方東北住まいで、いまいち関東の気候などわからないので(明日東京に引っ越しますがw)
嘘吐いてるかもしれませんが、その辺りもエイプリルフールということで
1つよろしくお願いします。
・4レス失礼します
夢の中にあった意識がゆっくりゆっくり現実へと引き戻されていく。ぼんやりと、未だけぶる頭の中に
最初に聞こえてきた音は、カタカタと軽やかにパソコンのキーを打つ音と、数度聞いたことのある
とあるネットゲームのBGMだった。
薄目を開けて確認すると、そこにはやはりパソコンの前に座り、キーボードも見ずに
パーティーの誰かと話しているこなたの姿があった。
――今日は確か。春休みも終盤に入ったからと、こなたと一緒に午前中宿題をして。
午後になって漸く一段落がついたし、なによりこなたの集中力が切れてしまったから
私でも何とかこなたと張り合えるゲームを少しだけして。
それから。――それから。…そうだ。もうちょっとで終わる恋愛系のゲームがあるからと、
そして私はそういったジャンルのゲームに興味がないからと、こなたのベッドで
前に来た時に気になっていた本を読んでいて――。
起き抜けのせいか、それとも半分寝ぼけているせいか、あるいはその両方共か。
いつもより働かない脳みそを懸命に使って出した答えはひどく単純なものだった。
ここ一週間ほどで急激に高くなり始めた気温は、河川敷や公園に等間隔に植えられた桜の蕾をやはり
急速にほころばせていて。それは今日も例外ではなかった。一ヶ月前コート無しでは
外など出られなかったのが嘘のように、一気に季節は春へ変わろうとしている。
遮るものなど何もない青空に浮かぶ太陽は、こなたの部屋の窓と純白のレースを透過して
程よいぬくもりを与えてくれている。お昼ご飯を食べた後ということも
原因の一つだったのだろう。
どうやら本を読みながら眠ってしまったらしい。
察するに、こなたがやりたいと言っていたゲームは終わっているのだろう。あれはパソコンで
やるやつじゃなかったから。となると一体何十分、いやもしかしたら何時間ぐらい
寝ていたんだろうか。思考の切れ端にそんな疑問があったけど、無視してまた目を閉じることにした。
覚醒と無意識のまどろみの時間というのもこれはこれで心地よい時間だったし、こんな機会でもなければ
こなたのベッドに寝るなんてそうそう出来る事ではないから。
そこまで考えて、どっと自己嫌悪の念が押し寄せた。これではまるで、まるで変態か何かみたいじゃないか。
好きという気持ちはもっと純粋で、綺麗なもののはずなのに。
女の人は身体的な触れ合いよりも気持の繋がりを大事にするというけど、場合によりけりだな
と思う。恋しいとこなたを想う気持ちは、私とこなたが同じ性別である以上
隠し通していかなければならないものだと思うし、それは自分のためというよりも
こなたのためだった。ずっと私だけを見て欲しいだなんて
こんな身勝手で凶悪な気持ち、こなたにぶつけてしまったら。
だけど、自制することでますます想いが強くなっていくのもまた、事実だった。
どうすればいいんだろう、それが私のこのところの目下の悩みだった。
ふと気づくと、キーボードを叩く規則正しいリズムが消えていた。飲み物でも取りにいったかと
暢気に考えていると、やけに私に近いところできし、とベッドのスプリングの軋む音がした。
「――――っ!!」
声を出さなかったのは、我ながら上出来だと思った。パソコンの電源が消された今、耳を澄ますと
呼吸音まで聞こえる、そんな距離にこなたが居るのだ。
くふ、とこなたが喉で笑う声が聞こえた。
「あー、かがみん寝ちゃったんだ。あったかくなったもんねぇ。
……放っておいた私のせいでもあるか」
それにしても寝顔可愛いよね、なんて言いながらこなたはベッドに腰かけ、私の前髪を
梳いて来る。さらさら髪が指をすり抜け、下に流れて。
瞼がぴくぴく動きそうになるのを必死で押しとどめる。自ら触れることが出来ないなら
せめて、これぐらいなら。
「全然起きる気配ないね。………そうだ」
いかにもいいこと思いつきました、みたいな声音で呟いたかと思うと私の上でこなたが
動く気配がした。シーツだろうか、何かの衣擦れの音とスプリングの音。それが
私の左右から聞こえて――ということは考えられる体勢は――。こなたが私に覆いかぶさっている?
目を瞑っているから本当の事はわからないけれど、その認識は私を混乱に陥れるには、十分すぎる
破壊力だった。そしてもう一つの爆弾が落とされる。
「お姫様を起こすには王子様のキスが必要なんだよネ」
…誰が?――こなたが。
…誰に?――私に。
…何を?――キスを。
きゅうう、と胸が締め付けられる。それは、想い人に図らずもキスをされるかもしれないという
期待感もちろんあったけれど、こんな風にしてキスを、それも人生初経験のキスを
してもいいのかという罪悪感もあった。それでも、期待感の方が勝ってしまったのは
恋ゆえ仕方のないことなのだろうか。
どくどく勢いよく全身に血液を送り出している心臓に念じる。出来ることならなるべく
ゆっくり鼓動を刻んで欲しいと。
こなたにこの音が聞こえてしまうから。気づかれたくないから。
起きていると気づかれてしまったら、夢みたいなこのひと時が終わってしまうかもしれないから。
こなたの吐いた息が唇の辺りにかかる。それが、私とこなたとの距離の近さを感じさせて
またどきどきしてしまう。こなたは体が小さいから、私との間もそれほどあいていないはず。
気取られない程度に手を握りその時を待つ。ふ、とこなたの息を止める気配が伝わってきて
私も身を硬くした。
けれど、いつまで経っても柔らかい感触が下りてこない。気になってしまって
少しだけ目を開けると、見慣れたニマニマ顔が私を見下ろしていた。
「あは、やっぱりかがみん起きてた」
「………いつから」
「んー、髪撫でた辺りから?かがみすごい勢いで真っ赤になっていくんだもん。
気づかない方がおかしいって」
「………」
しまった。こういう奴だった。自業自得とはいえ、何であの時さっさと
起きておかなかったのかと後悔する。こうなってしまったら後はからかわれるだけなのに。
だから、先手を打つことにした。こなたに主導権をとられてしまったら、
平静でいられる自信なんてこれっぽっちもありはしないしないのだから。
「…なんで、あんなこと言ったの」
「ありゃ、意外に冷静だね。あせりまくるかがみが見たかったのに」
やっぱりそんなことか、と半ば呆れの意味をこめてため息を吐いた。この手の悪戯は
良くある事で、そのたびに心臓が高鳴って、一人でどきどきして。
裏切られた気分になる。本人にはそのつもりがないんだから、こなたには
非がないのだけれどどうしてもそう思わずにはいられなかった。
「あとは、あれだね。かがみ今日何月何日か解る?」
「そんなの4月1日に決まっ…――エイプリルフール…」
「そ。…でもあんまり引っかかってくれなかったけどね」
ほら、やっぱり。こなたは私のことを『仲のいい友達』ぐらいにしか思っていなくて、
だから平気でこんなことも出来る。今一度、私のこの想いは異端だということ、届かない想い
なんだということを突きつけられているようで心が痛む。
「何度もこんな事されてたらそりゃ慣れるわよ」
嘘。内心は嵐みたいに荒れ狂っているくせに。痛みと想いを隠して私も嘘を吐く。
だって、今日はエイプリルフール。これぐらいの嘘は許されるはずでしょ?
「で、あんたはいつまで乗ってんの。終わったんならさっさと退きなさいよ」
ん、ちょい待って。と起き上がろうとした私をこなたが制止する。
正直言って早く退いて欲しかった。ただでさえいつもよりも近い距離だというのに
さらにこんな体制。こんな恋人同士、みたいな。
こなたはこなたで私の上から退く気配を見せず、ここまでやってもだめかぁ…
とかなんとかぶつぶつ呟いている。
「こなた!」
とうとう焦れて少し大きな声で呼ぶと、こなたは私の声が聞こえてないかのように、
そして何かを決心したみたいにうんうんと頷いた。
「あのね、かがみ。私はね、ずっと前から知ってたんだよ」
「……何を?」
「私もずうっとかがみだけを見てたから」
私の疑問を呆気なく無視してこなたの独白は続く。私も、この話は聞いておかなければ
いけないような気がしてこなたの言葉に集中することにした。
「でもね、私どうしてもかがみから言わせたくて。告白するよりされたい
乙女ゴコロってやつかな。で、色々してみたわけですよ。前よりも
抱きつく回数増やしてみたり……エイプリルフールにかこつけてキスを誘ってみたりね。
…まぁ、でもその激ニブな誰かさんは全然私の想いなんか気づいてくれないわけ」
「というわけで、私としては先にかがみんが我慢出来なくなるかな、と思ってたんだけど」
どうやら計算違い、と小さくこなたが舌を出した。
待て。
待て待て。
状況が目まぐるしく変わっているせいか、理解が追いつかない。今の私はひどく
間抜けな表情をしているに違いない。えぇと、端的に言うと私とこなたの気持ちは
同じということでいいんだろうか。震える声で聞くとこなたが軽い調子で
そうそう、と返す。
「…それも、エイプリルフールだから?」
まだ不安でこなたを下から見上げて問う。こなたは困った顔をして一つ息を吐いた。
「違うよ、かがみ。ああもう、私のせいだなー…。もう少し真面目に口説いてればよかった。
――好き。かがみが大好き。この気持だけは、嘘吐けないよ」
ぶわっと涙が滲んでこなたの姿が不明瞭になるのと、こなたの慌てた声が
聞こえたのはほぼ同時だった。
「ちょっ…!泣くのは反則だよぉ」
必死な声が、何故だかとても嬉しくて。さっきのが嘘なんかじゃないって言うのが
伝わってきて。握ったままだった手を緩めてこなたの背に回して思い切り引き寄せた。
「わ…」
面と向かっては恥ずかしいし、私の性格じゃ一度しか言えないから。
その代わり万感の想いをこめて。
「私も、好き、だから。あんたのこと大好き、だから」
「ん…」
暫くそうやって抱きしめあっていたけれど、不意にこなたが声を上げた。
日差しは西の空へと傾き始めていて窓から入る光も弱くなっている。こなたから
与えられる体温が心地よくて、そしてそれをまだ感じていたくて
離れようとしていたこなたの服の裾を思わず掴んでしまった。
「…あ、違っ!これは、その、そんなんじゃなくて…!」
慌てて離したけれど、無かったことにはならない。こなたがまた、喉の奥で
小さく笑った。
「やっぱりかがみんは寂しがり屋で甘えん坊のウサギさんだネ。
大丈夫だよ。まだ離れないから。ねぇ、ところでさっきの嘘じゃなくしてもいい?」
さっきのって一体何、と問いかけようとしたところで一つだけ思い当たった。
私も嘘を吐いたけれど、こなたも一つだけ吐いていた。つまり、遠まわしに
本当にキスしてもいいかと聞いているのだ。私が我慢できなくなると
思われていた事は心外だったけれど、この際水に流してやろう。
「…解りきったこと聞かないでよ。その代わり、は、初めてなんだから
優しくしなさいよね…!」
「さすがかがみん、こんな時でもツンデレとは…。…仰せのとおりに、お姫様」
最初のやり取りを律儀に覚えていて、畏まった口調のこなたにくすりと笑みを零す。
ツンデレじゃないとか、そういうことは今日だけは置いておこう。瞼をゆっくりと閉じると
柔らかくて暖かいこなたの唇が私の唇に落ちて。そうして、私たちは初めてのキスを交わした。
もう不安にならない。
心配もしない。
好きだといってくれたその言葉が嘘じゃないんだと、心と体で解ったから。
34 :
4-234:2008/04/02(水) 11:53:27 ID:IUPjTsvb
以上です。読んで下さった皆様ありがとう御座います!
ネタを思いついたのが一昨日なので練りが甘くてすみません…
でも一応記念ものなのでどうしても昨日中に仕上げたかった…!!
>>23 GJ。
やはりこういうことはこなたのほうが一枚上手か…。
>>34 GJ!
こなたは嘘と本音の使い分けが上手いのかもしれない。
あぁ、いいなぁ・・・
>>2 糞女は消えろ
/ / / \
/Y^Y^ヽ/ / / .イヽ \ \
. /: : : ∨: : / / / / / ! ! ! ! \ ヽ
/: : : : :::/: : :.l / / イ / | | | l ', l`ヽ.l
/: : : : : :: /: : : :{ l、_ / / ! / | | ,.l -ト l | l
\: : : : : : i: : : : :| { `メ、 l/ l/、::/ノ ̄ ̄`ヽ、―ニ 二
\: : : :.|: : : : :| | / /` ::/':::::/ ´`ヽ _ 三,:三ー二
\/l___.r| l イ ヽ゜、 .ノヽ--/ ̄ ,
| l l{ ヘ l/ ".ミ } ...| /!/
| l lト、_V 」_}`ー‐し'ゝL _
| l l  ̄lヽ、 _,:ヘr--‐‐'´} ;ー------
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37 :
20:2008/04/02(水) 15:16:15 ID:xvcRAVRr
今朝方の投稿でなにやら規制?がかかってしまったようで
何度かトライしましたが書き込みが反映されませんでした。
>>27氏が誘導して下さったようで感謝しています。
内容も投稿不備も見苦しく申し訳ありませんでした。
>>27 誘導ありがとうございました!
>>1乙です
前スレ
>>339の続きで4レスお借りします
―翌日―
かがみ「おはよう」
みき「おはよう、かがみ」
昨日はずっと泣いていたのだろうか…母の目が赤い、何故か心が痛くなる。
結局それ以上の言葉も出ず、朝食を食べてからつかさと学校へ向かう。
―学校―
「ヤフー、かがみーん!」
活発な、それでいて安らぎを与えてくれる声が聞こえる。そんな声の主はこの世にたった1人しかいない。
そう、私にとって…
かがみ「おーす、こなたー。今日は珍しく早いわねー」
こなた「あれー、今日はなんか元気ないけど…どしたの?」
バレバレである。隠していたつもりなのだが…さすが私の嫁。
―昼休み―
私とこなたは屋上で2人きりの昼食を食べる、最近ではこれがデフォだ。
でもまだごはんを口にしてからお互いに一言も発していない。
沈黙が続く…でも私にとって期待の在る沈黙だ。そう、救いを求めるような…。
そして私の期待通りにこなたがその沈黙を破ってくれた。
こなた「か〜がみん!」
こなたが私の顔を覗く…超至近距離で。
想いとキスを重ねていくうちに慣れたハズなのにイザとなると照れくさい。
こなた「顔を真っ赤にしちゃうかがみん萌え〜」
かがみ「う〜る〜さ〜い」
私は箸を離した両手でこなたの柔らかい頬をギュッと挟みながらそっと笑顔をこぼす。
やはりコイツといると安心するよ、つらい時でも私に笑顔を与えてくれるから。
こなたとずっと一緒に生きていきたい、永遠に…今更確信するまでもないが私はこなたが好きだ。
こなた「かがみ、何か悩みごとがあるんでしょ?」
急に真面目な顔になるこなたに私は少しとまどったが、昨日の出来事を話した。
こなた「かがみは私とじゃ幸せになれないと思うの?」
絶対にそんなこと思いたくない。納得しないし認めない、でも…。
かがみ「この世の原理原則だと+と−は引合い、+同士や−同士だと反発しあうよね。
この世はそれで秩序を保っていて、もしそれに逆らえば崩壊してしまう…。
人間でもそれと同じように女性同士で結ばれようということはこの世に認めて貰えないということなんだよね。
最終的には崩壊=不幸を悟りお互いが結ばれる事はない。
でも私はこなたとずっと一緒にいたいよ…結ばれていたいよ…幸せになりたいよ」
止めどない涙を拭うことも忘れ、ひたすら私は泣いた…。
こなた「何いってるのかがみん、あたしとかがみは+と−じゃん!」
急なこなたの発言に私はいつのまにか泣くのを止めていた。
こなた「あたしとかがみが性別無視してこんなに想い合えるってことはちゃんと引き合ってるって事だよ。
あたしたちの+−は性別なんかじゃなく心や想いに在るんだよきっと!
だから性別の+−よりずっと強い、心や想いの磁力を大事しながらこれからも育てて行こ?
そしてこの世に認めさせてやろーよ
あたしはかがみんの嫁!かがみんはあたしの婿!ってことをね〜。まあ攻め受けはちょくちょく変わるけどね」
そう言いながらこなたは優しい笑顔で私を抱きしめた。もちろん私も強くこなたを抱きしめる。
こなた「かがみ、一緒に幸せを目指そ?時間が掛かるかもだけどさ…」
私はやはり涙で何も言葉にできなかった。
だけど私はもう迷わない、この日そう心に決めた
こなたと伴に歩むことを…
―自宅―
かがみ「あの…お母さん」
みき「なぁに、かがみ?」
昨日の話で決着をつけよう…そう心に決めていたのだが言葉が出てこない。私の意気地無し!
みき「かがみはこなたちゃんの事が好きなんでしょう?友達としてではなくそれ以上の存在として」
いきなりの言葉に私は絶句した。なんで知ってるの?つかさも知らんハズなのに…。
みき「なんとなくわかっていたわ、確信したのは昨日だけど…やっぱりかがみは私とおんなじね」
お母さんと同じって、もしかして…。
みき「私がかなちゃんを好きだと気付いたのは出合って間もない頃。
想いが通じ合ってる事を知った時は本当に嬉しかったわ。
お互いに想いや体を重ねていくことになんの迷いもないはずだった。
でもある日あなたと同じように母の意見を求めたわ。
ものすごく追及され、反対されて更に父にもそのことを告げられて結局無理矢理別れさせられた…
そして自分でも無理矢理納得させたわ、世間に認められないまま無理に結ばれてもお互い幸せにはなれないって」
かがみ「そのかなちゃんって人は今どうしてるの?」
みき「幼馴染みの男性と結婚し、そして亡くなったわ…あなたの想い人を産んで間もなくね…」
かがみ「それってまさか…」
みき「こなたちゃんのお母さんよ、大きくなったこなたちゃんを見た時かなちゃんの生き写しかと驚いたわ」
私はまた違う意味で絶句した。
もし母とかなたさんが結ばれていたら私とこなたは巡り会えなかったということだ。
私は手放しにこなたと出会えたことを喜んで良いのだろうか…。
みき「私はね、かがみ達を応援することにしたわ」
母の突然の台詞に言葉もでない…。
みき「あなたはお互いが大切だと想い合える人と幸せを掴みなさい。
私達が掴めなかった幸せをあなた達が掴む事が私達の願いであり、あなた達の願いである事と信じる事にしたから
他の誰が反対しても私だけはあなた達の味方でいるわ」
いつの間にかまた私の目から涙が溢れていた…私はこの言葉を待っていたんだと思う。
みき「もう、泣かないの。
そしてかがみ、娘の幸せは親である私の幸せでもあるんだからしっかり掴みなさいよ?」
お母さん
私、あなたの子供で本当によかった…ありがとう
>>40は前スレ
>>939の続きでした
みき「ふふ…笑わないで聞いてね?
昔私とかなちゃんが話てた事でね、もし私達に子供がいるとすれば
私似の女の子ならかがみ、かなちゃん似の娘ならこなたにしようて話したの」
かがみ「あれ?と言うことは?」
みき「あなたが生まれた時かがみの名前を決めたのは私
こなたちゃんの名前もかなちゃんが決めたんだと思う」
わたしはこなたとの出会いに何か運命的なものを感じてしまった。
そして確信した…私たちは絶対幸せになれるって!
―翌日―
かがみ「おーす、こなた!」
こなた「おー、おはようかがみ…んぐ!」
その日私はこなたに今までとはちょっと違う深い味のキスをした…
end
以上で自己満長文駄文終了です
みなさんありがとうございました
>>43 GJ!
やはりかなたさんのことでしたか。
いろいろと運命めいたものを感じる作品でした!
>>34 GJ ! 寸止めキスシーンで悶絶した
重いが通じ合ったところで鼻血が出たw
>>43 GJ ! 母親公認おめでとう
こなたとかがみ・・・もはや運命としか !
>>34 イイナイイナーこの関係(*´Д`)ハァハァ
季節ネタGJ!!
>>43 待ってましたよ!
こういう少しシリアスな話も大好き
しかし……『つかさ』涙目w
ここのスレはいつも良ネタばかりで心のオアシスだよ
みんなありがとう
つかさならかがみの幸せを全力で応援するはずさ!
最後のキスシーンのときは
「あ、朝から大胆すぎるよぉ!どんだけぇーっ」
と脳内でしっかりと再生補完したっ
>>47 それはつかさが朝から二人の秘め事を覗いていたということかい? w
自分も背景に狼狽するつかさが見えたぜ!
>>43GJ!
思い詰めた表情で、こなたを引っ張って自室に連れ込むかがみん
しばらくすると、何故か満足気なこなたがフラフラのかがみんを連れて出て来る
そんなリバな展開が好きさ
ラッキーたーん♪の114ページのこなた(かがみとおそろい)が
かわいいと思っていたら、は・ぴ・ら・きの人だった。
54 :
1-166:2008/04/03(木) 00:47:09 ID:fPaFWMYJ
遅れましたが、
>>1乙です。
早速ですが、久しぶりに続きを投下したいと思います。
『彼方へと続く未来』の第二章の後編です。
・かがみ視点です。
・ややシリアス展開です。
・7レスお借りします。
55 :
1-166:2008/04/03(木) 00:49:09 ID:fPaFWMYJ
『え〜と、ここをこうやって……と。ふうっ、結構難しいわねぇ』
『お姉ちゃん。ここはこうするとうまく通ると思うよ』
『そっかぁ。サンキュー、つかさ』
『……頑張ってね、お姉ちゃん。私、応援してるから』
贈り物をする時、私はとても暖かい気持ちになる。
特に好きな人に送るとき、その想いは断然強くなる。
それを私に気付かせてくれるきっかけを与えてくれたのは、
黒井先生、つかさにみゆき。そして……お母さんだった。
『彼方へと続く未来』 第二章 (後編)
冷えきっていた体の中に、暖かな黒い液体が注がれていく。
――あれから、十分近く私はお母さんの胸の中で、
パジャマと顔がグシャグシャになるまで泣いた。
お母さんは、そんな私をただ黙って抱き締めてくれた。
そして、今私はキッチンのテーブルでお母さんが注いでくれた
コーヒーを飲んでいる。平日ならみんなで談笑しているこの場所も、
今日は土曜日ということもあって、まだ静けさを保っていた。
「どう? お母さんが入れたコーヒー。うまく出来たかしら」
「うん。凄くおいしい」
「そう……よかったわ、かがみに喜んでもらえて」
お母さんはそう言うと、自分の分のコーヒーが入ったカップを
手にとって軽く一口。ゆらゆらと揺れる白い湯気が周りに立ちこめる。
「あのね、お母さん。私……」
ようやく体が温まってきた所で、本題に入ろうと口を開く。
しかし、その様子を見ていたお母さんは首を横に振った。
「無理して話さなくてもいいのよ、かがみ。
誰にだって、自分の中にだけしまっておきたい気持ちがあるもの」
向かい側に座っているお母さんが、諭すように呟く。
その声を聞いて、今度は私が首を横に振る。
「ううん、もう大丈夫。全部話せる」
「本当に?」
「うん、本当に」
短い会話が続いた後、一旦静寂が訪れた。
窓を叩く風の音と、ポットがお湯を沸かす音だけが響く。
私は、顔を上げられないままその静けさに一石を投じる。
「――私、こなたにひどいことをした」
初めてこなたに会った三年前のことを思い出す。
泉さん、柊さん。互いにそう呼び合っていた時のことを。
「遠くの大学に進学するっていう話しを、ちゃんと聞いてあげられなかった」
最初はつかさ経由の知り合いに過ぎなかった。
だけど、いつの間にか名前で呼び合う友達になって。
56 :
1-166:2008/04/03(木) 00:50:31 ID:fPaFWMYJ
「一方的に怒って、間に入ってくれたつかさ達まで傷つけて……」
渋々だけど、宿題の面倒を見るようになった。
気付いたら怪しいグッズの買い物に付き合っていた。
あきれて、何十回もツッコミを入れた。
「逃げてばかりいた。現実からも、こなたからもっ!
純粋で、他人の気持ちを理解できる奴なのに。こんな私の側に、
ずっと居続けてくれていたのに。だけど、私は……」
そんな何気もない日常が、ずっと続くと思っていた。
だけど、私は逃げた。昨日のあの瞬間、全てを壊してしまった。
「――ねぇ、かがみ。一つだけ聞いてもいいかしら」
不意に、お母さんの声。思わず顔を上げる。
「今の話しを聞いていて、気になったことがあるの」
「気になったこと?」
「そうよ。かがみは、こなたちゃんのことをどう想っているのかなって」
「!! そ、それは……」
カップの取っ手を握る手に、力がこもった。
体が傾き、再び顔が沈みかけるのを必死で抑える。
「えーと、ね。こなたのことは、好きよ。大切な親友だし」
「……それじゃあ、つかさのことは?」
「もちろん、つかさのことも好きよ。大事な妹だもの」
「そう。でも、その二つの“好き”は、同じ意味なのかしら」
「えっ……?」
直球で、それでいて私を悩ませる質問だった。
つかさに対する“好き”と、こなたに対する“好き”は違うってこと?
前者は、ライクという意味での好き。答えはすぐに見つかった。
でも、問題は後者。こなたに対する、好きという言葉の意味。
――ラブという意味での“好き”?
……いやいや、ありえない! あっちゃいけない!
仮にそうだったとしても、こなたは女の子で、私も女だし。
それに、一応ノンケだって言ってたし……って、
なんでその言葉の意味を知ってるのよ、私はっ。
一人であたふたしている所で、お母さんと目があった。
お母さんは、何も言わずに立ち上がると、私の座っている
椅子の後ろ側に回り、ふわっと上から抱き締めてくれた。
「かがみは、きっと恋してるのね。こなたちゃんに」
「そう……なのかも。まだ気持ちの整理はつかないけど」
「女の子同士だから?」
「あっ……うん。それもあるけど」
「だけど、こなたちゃんのことが好きなのに変わりはないんでしょ」
「うん。それはわかってる。けどね……」
口から出始めた本音。しかし、それと一緒に別の不安もわき出る。
57 :
1-166:2008/04/03(木) 00:52:44 ID:fPaFWMYJ
「私、怖いの。今更好きだなんて言っても、こなたが迷惑するんじゃないかって」
「いいえ、そんなことないわ。自分で考えて出した答えなんでしょ」
「お母さん……」
「大丈夫。かがみなら……かがみならきっと自分の想いを伝えられるわ」
自分で出した答え。けれどゴールはまだ見えない。
まだ、この気持ちをこなたに伝える準備は出来てない。だけど――。
「……ありがとう、お母さん。私、こなたに謝ってくる」
こなたと仲直りしたい。残っている時間は少ないかもしれないけど、
最後まで一緒にいたい。そして、いつか私の本当の気持ちを伝えたい。
「そう……頑張ってね、かがみ。お母さんは、いつでもかがみの味方よ」
「うんっ!」
お母さんが、にこりと微笑みながら私に回していた手を離す。
同時に私は椅子から立ち上がって、お母さんにもう一度お礼を
言ってキッチンを出た。心の中の闇が消え、霧が晴れていく。
――しかし、階段を上がる途中で、私は二つの言葉に引っかかりを覚えていた。
『……誰にだって、自分の中にだけしまっておきたい気持ちがあるもの』
それは、ただの思い過ごしかもしれない。勘違いかもしれない。
けれど、そう考えずにはいられなかった。ううん、ずっと考えていた。
『大丈夫。“かがみなら……かがみならきっと”自分の想いを伝えられるわ』
もしかして……お母さんにもいたのかな。
誰よりも愛して止まなくて、ずっと側にいたかったのに、
最後は離れ離れになってしまった……女の子が。
***
――こなたの奴、もう……いや、まだ起きてるかなぁ。
こなたの朝事情を考えながら、部屋へと戻る。
机の上には、充電済みの携帯電話。それを手に取り、深呼吸。
(素直になれ、柊かがみ。毎週繰り返してたことじゃないの)
呼吸を整え、素早い手つきでリダイヤルのリストを表示。
同時に出現した、大量の『泉 こなた』という文字。その中の一つに
狙いを定め、発信。耳の中に聞き慣れた呼び出し音が響く。
いつも通りなら、緊張と期待を平等に分け与えてくれるハズの
電話の呼び出し音。だけど、今の私には緊張しか感じ取れない。
一回、二回と鳴り続く電子音と、胸の鼓動がシンクロする。
そして、七回目の呼び出し音が鳴り終わったのとほぼ同時に、
「もっ、もしもし、かがみ?」
こなたが私の電話に出てくれていた。丸一日振りに聞いたこなたの声は、
この突然の出来事に戸惑っているらしく、抑揚が不安定だった。
対する私も、声をうわずらせながら半ば手探りの状態で本題に入る。
58 :
1-166:2008/04/03(木) 00:54:17 ID:fPaFWMYJ
「あっ……こなた? 実は、昨日のことなんだけど――」
「昨日のこと? それって……」
「待って! こなた、私の話を聞いて」
何か言いかけたこなたに、先手を打って自分の意志を伝える。
左頬と携帯が面している部分、そこがじわりと汗を含んでいく。
「え……と、私ね。昨日は気が動転してたというか何て言うか……。
こなたの気持ちをろくに理解しないで、勝手にキレちゃったし、その……」
ああっ、もう! どうして私ってこうなのかしら。
素直になろうって決めたばかりなのに、どうして言い訳になっちゃうのよ。
でも、頑張らなくちゃ。多分、最初で最後のチャンスだと思うから。
「だからっ。昨日は、大人げなかったわ……ごめん。
私が馬鹿だった。遠くに行っちゃっても、こなたは、こなたなのに」
遠くに行っちゃっても。そう思っていたハズだった。
それなのに、全然素直になれなかった、貴女を傷つけた。
ごめんね、こなた。私は……。
「――かがみ」
こなたが、私の名前を呼んだ。冗談を言う時や、
私をからかう時とはまるで違うイントネーションで。
「私の方こそ、ごめんね。もっと早く話してたら、
かがみは傷つかずに済んだのに」
「ううん。きっと去年の内でも、昨日でも一緒だったと思う。
私、寂しがりやだから……」
右手で、目から出てきた暖かい液体を拭う。
光に反射して輝くそれは、今度は私に希望をくれた。
「やっぱり、かがみはウサちゃんだね。もしかして、目も真っ赤?」
「なっ! そういうアンタはどうなのよ」
「ふふん。今ここで答えてもいいけど、信用しちゃあダメだよ。
なにせ狐は、嘘をつくのがうまいからねぇ」
と言って携帯の向こう側で笑い出すこなた。
ニヤニヤという擬音が電話の回線越しに伝わってくる。
「相変わらずこういう所は誤魔化すのな。ま、こなたらしくていいけどね」
「ぷっ。一日振りに話しただけでもうデレるなんて、どんだけ〜」
「茶化すな! それに、つかさっぽい声でそのセリフを言うな〜!」
いつの間にか、私たちはいつもの調子に戻っていた。
さんざん喋り尽くした後、私たちは月曜日の予定を確認して
電話を切った。これで明後日から、何もかも元通りになる。
――だけど、本当にこのままでいいのかな。
確かにこなたとは仲直りできた。でも、それだけでいいの?
好きなのに。やっと自分の本当の想いに気付けたのに。
ふと、立てかけてあるカレンダーに目を通す。
明日は日曜日。そうよ、答えを見つける為の時間はまだあるじゃない。
探しだそう。私にしか出来ない、私だけの方法で。
59 :
1-166:2008/04/03(木) 00:55:50 ID:fPaFWMYJ
タタンタタン、タタンタタン、タタン……。
軽快なリズムをたてながら発車していく電車を横目に、
私は休日の午後で賑わう商店街の中を一人で歩いていた。
耳に入ってくるのは、名前も知らない人達の楽しそうな声。
その雑踏が、今の私には時計の針の音の様にくっきりと聞こえていた。
――昨日、あれから私はつかさとみゆきに全てを話した。
つかさには、直接部屋に行って今までの事を謝ってから、
改めて事情を説明した。最初は驚いていた様子だったけれど、
すぐにいつもの笑顔になって、『よかったね、お姉ちゃん』
と言って抱き締めてくれた。その時のつかさが、ほんの少しだけ
大人っぽく見えたのは私だけの秘密だ。
その後、つかさの部屋から出て、廊下に出た所で再び携帯の出番……。
と思っていた所で今度はこちら側の携帯に着信。相手は、みゆきだった。
向こうから、また電話をかけてきてくれた事には少し驚いたけど、
嬉しかった。加えて、みゆきの方は事前につかさからある程度事情を
聞いていたおかげで、すんなりと内容を飲み込んでくれた。
『これで、また四人一緒ですね』という言葉が、今でも耳に残っている。
(ありがとう。つかさ、みゆき……)
青空に向かって二人にお礼を言いながら、私は歩くスピードをあげた。
――どうして、こんな所を歩いているのか。正直よくわからない。
だけど、こうしていれば何かの答えがみつかるような気がする。
昨日の朝にそう感じたからこそ、私は今ここにいる。だけど……。
(やっぱり、何のアテもなく来たのは、失敗だったかな……)
苦笑いを浮かべながら、商店街をひたすら歩く。
しばらく淡々と歩いていた時、とある店の看板が目に止まった。
……それは、小さなアクセサリーショップだった。
普段なら少し気にとめる程度で素通りするハズなのに、何故か今日は
不思議とその店の雰囲気が気になって仕方がない。そして、ふと気が付くと、
私はお店のドアを開けていつのまにか中に入っていた。
お店の中は、シンと静まりかえっていた。
誰もいないのかなと首を傾げていると、
「いらっしゃいませー」
レジの奧の方から女性の声。どうやらもぬけの殻ではないらしい。
誰かがいるということに安心しつつ、周囲を見渡してみる。
すると、棚の上やガラスケースの中は溢れんばかりに綺麗な光を放つ緑や黒で
キラキラと輝いていた。もう少し、詳しく見てみようかなぁ。
そう思って近くの棚まで歩こうとした時、とある装飾品に手が触れた。
60 :
1-166:2008/04/03(木) 00:57:35 ID:fPaFWMYJ
「わぁ、綺麗な色」
その装飾品を覆っていたのは、菫がかった青い色の石。
私の、好きな色だった――この石の名前を知りたい。
透き通るような感情に誘われて、商品を解説しているプレートを見てみると、
そこには、小さな文字で『菫青石』と書かれていた。
一体、なんて読むんだろう。こういう時、みゆきがいてくれれば……。
「――それはね、菫青石(きんせいせき)って読むのよ。かわいいお嬢さん」
ハッとして振り返ると、そこに一人の女性が立っていた。
端正な顔立ちに、長く整えられた綺麗な髪。
しかし、肝心のネームプレートはその長い髪で隠れてしまっていたので、
その人の名前を知ることは出来なかった。
「綺麗な色でしょ。特にその菫がかった色とか」
「はい……凄く綺麗です」
その店員さんの言葉通り、私はその石の色にしばらく心を奪われていた。
何度見ても華やかで魅力的な色――そうだ、これを使ってアイツに……。
「あの、これって自分で手作りすることも出来るんですか?」
「もちろん出来るわよ。その代わり、適した材料が必要になるけどね」
「それじゃあその材料を買いたいんですけど」
「いいわよ。ちょっと待っててね」
軽い足音を鳴らしながら、その店員さんはレジの奧へと入っていった。
……にしても、あの店員さん。誰かに雰囲気が似ているような気が。
こなたに似てる? そう、確かにそんな印象も受けるけど、
もっと似ている人を知っている……様な気がするんだけど、多分気のせいよね。
いわゆる、他人の空似って奴よ。きっと……ね。
その後、ただ待っているというのも何なので再び店内の装飾品を
見て回ってみた。普段から、この類の物には普通の女の子並に興味は
あったけど、こうやってまじまじと見るのは今日が初めてのような気がする。
しばらくの間、その光景にしばし見とれていると、いつの間にか店員さんが
戻ってきていた。左手には、材料が入った紙袋が一つ。
「お待たせしてごめんなさいね、これで材料は全部よ。
作り方は、この袋の中に説明書が入ってるから、それを参考にして頂戴」
「はい、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げた後、私は紙袋を受け取った。
中身をチラリと確認しつつ、そのまま店員さんと一緒に正面のレジへ。
会計を済ませ、レシートとお釣りを貰って財布にしまいこんだ時、
店員さんがいかにも興味ありげといった感じで話しかけてきていた。
61 :
1-166:2008/04/03(木) 00:58:40 ID:fPaFWMYJ
「ねぇ。それって、誰かに贈る為に作るのかしら? それとも自分用?」
「えっ! ええっと、大切な人に贈るため……です」
「ふ〜ん。もしかして、恋人?」
「あっ、いえ〜、そのぉ。まだ本当の気持ちを伝えられてないんで、恋人では……」
「あらあら、そうだったの。おばさん、びっくり」
一体、何がびっくりなんだろうか。どこかマイペースな店員さんのノリに、
巻き込まれ気味な私。ていうか、これ以上ここにいると、この店員さんに
全部話しちゃいそうだわ。それだけは避けなければ。
「あの〜。それじゃあ私、そろそろ……」
必殺、お客という立場を利用して、自然に店を出る作戦。
黙って出て行ってしまえばそれでいいんだろうけど、それはやっては
いけないことだという認識があったのでやめた。
店員さんも、この流れには慣れきっているらしく、
レジスターを動かす手を止めて、顔を上げていた。
「ごめんなさいね。余計に引き留めちゃって」
「とんでもないです。楽しかったですよ」
「それならよかったわ。……ねぇ、それじゃあ最後におばさんの独り言、
聞いてくれないかしら」
「えっ? ええ、いいですけど」
突然どうしちゃったんだろう。もしかして何かのネタなのか?
問いかけようにも、店員さんは既に私を背景扱いしているらしく、
窓際の方にある棚に手をかけながら、ふう〜っと息を吐いた。
「さっきこの店にきた女の子、凄く幸せそうに見えたわよねぇ。だって――」
店員さんの唇が、微かに動いた。だけど、そこから紡がれた言葉は、
はっきりと私の耳にも届いていた。たったいま聞いた声も、その後に
聞こえてきたものも、全部。
***
「あちゃー、いつのまにか夕方かぁ」
さっきまで真上にあったハズの太陽は、既に私の目線と同じ高さにまで
落ちてきていた。見慣れているハズの町並みと、一昨日の内にほんの少しだけ
降り積もっていた雪が綺麗な橙に染まっていて、より一層魅力的に見えた。
そして、もちろん私自身も橙色に染まっていた。なんだか無性にはしゃぎたい
気分になり、年甲斐もなく商店街を小走りで駆け抜ける。
ふと、そんなことをしている私の頭の中に、さっきの店員さんの独り言が
蘇ってきていた。それは鮮明に、そして強烈に私の心の中に刻まれていた。
『だって、あの装飾品を見ていた時のあの子。凄く優しい顔をしていたんだから』
そんな表情してたんだよね、私……。
きっと、あの石の持つイメージとこなたのイメージが重なって見えたんだろうなぁ。
(だからこそ、ちゃんとコレを仕上げなくちゃ。そして、それまでは――)
足早に、私は傾きかけた夕日を背に、少し重たくなったバッグをぶら下げながら
家路についた。大好きな人に想いを伝える為の、とっておきの材料をかかえて。
62 :
1-166:2008/04/03(木) 01:01:49 ID:fPaFWMYJ
以上になります。
ここからようやく話しは終盤に向かいます。
次章では再びこなた視点に戻して展開していく予定ですので、
もうしばらくお付き合い下さい。では。
64 :
13−351:2008/04/03(木) 02:51:28 ID:FEwdsOTV
65 :
13−351:2008/04/03(木) 02:55:07 ID:FEwdsOTV
タイトル忘れてた!!!
『始まりと終わりの間に』です。
これで完結です。
>>43 GJ!母は強しですね。
>>62 母は強(ry GJです!しかしこの店員さんは一体・・・
>>65 GJ!!「好き、の後の言葉を〜・・」に妙にグッときました。気がつけば17レスにお腹いっぱいですw
>>65 GJ!
結構長かったのに気にならなかったなぁ…
長くても気にならないから不思議。
関係が友達から恋人に変わっても、基本的には変わらない二人がいいですなぁ・・・
まさに今までの積み重ねって感じ。
>>40 自分が叶わなかったからこそ、娘の思いを尊重してあげられるんでしょうね……。
しかし、本当に運命的な出会いですね。泉家の魅力恐るべしw
>>62 店員さんが……かなり不思議ですね。
かがみの思いがこなたにどのような形で届けられるか、楽しみです。
菫青石の名前、いかにもかがみとこなたらしい名前ですね。
ぐーぐる先生で見てみたら、アイオライトの日本語名だったですかー。知りませんでしたw
>>65 >>67さんの書き込みでもあるとおり、長さが気にならず、すらすらよめちゃいました。
ペアルック?をさりげなくやろうとするかがみ、いいですねw
大学になって離れ離れになっても、やっぱりちゃんと繋がってるんですね。
最後の一行で、つい噴出しちゃいましたw
69 :
9-176:2008/04/03(木) 13:38:46 ID:E44vChsH
_, -――- 、_/^\
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(´⌒;: ::⌒`) :; ). // ヽ、_ /; | │ │.:.:.|
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( ゝ ヾ 丶 ソ. | | ハ, |,ハ l |:.|: :|
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>>69 GJ!
本編屈指の名場面をベースに王道展開、これは萌ゆる!!
続きを楽しみに待ってますー
72 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/03(木) 17:53:49 ID:Dci2Nbfv
夏休みが後2週間切った・今年こそ変わらなきゃという気持ち・童貞捨てたいよ・また今年も同じなのかな
・来年こそはとか言いながらまた同じなんだろうな・俺もうこんな歳なのか・学生生活もあと数年…兄弟が
彼女つれてきた・友達がひと夏の経験済ませて変わった・今頃あの子どうしてるかな・俺の将来どうなっ
ちゃうんだろう・おっぱい触りたい・今年も一人取り残された・俺より不細工の奴が彼女作った・毎年初め
のやる気だけなんだよな・どうして俺こうなんだろう・腹の肉どうにかする予定だったのに・もう駄目だ・俺
なんか何やっても駄目なんだな・セックスしてー・かわいい子と友達になりたい・誰かに慰めてもらいたい・
夏休みが後2週間切った・今年こそ変わらなきゃという気持ち・童貞捨てたいよ・また今年も同じなのかな
・来年こそはとか言いながらまた同じなんだろうな・俺もうこんな歳なのか・学生生活もあと数年…兄弟が
彼女つれてきた・友達がひと夏の経験済ませて変わった・今頃あの子どうしてるかな・俺の将来どうなっ
ちゃうんだろう・おっぱい触りたい・今年も一人取り残された・俺より不細工の奴が彼女作った・毎年初め
のやる気だけなんだよな・どうして俺こうなんだろう・腹の肉どうにかする予定だったのに・もう駄目だ・俺
なんか何やっても駄目なんだな・セックスしてー・かわいい子と友達になりたい・誰かに慰めてもらいたい・
夏休みが後2週間切った・今年こそ変わらなきゃという気持ち・童貞捨てたいよ・また今年も同じなのかな
・来年こそはとか言いながらまた同じなんだろうな・俺もうこんな歳なのか・学生生活もあと数年…兄弟が
彼女つれてきた・友達がひと夏の経験済ませて変わった・今頃あの子どうしてるかな・俺の将来どうなっ
ちゃうんだろう・おっぱい触りたい・今年も一人取り残された・俺より不細工の奴が彼女作った・毎年初め
のやる気だけなんだよな・どうして俺こうなんだろう・腹の肉どうにかする予定だったのに・もう駄目だ・俺
なんか何やっても駄目なんだな・セックスしてー・かわいい子と友達になりたい・誰かに慰めてもらいたい・
夏休みが後2週間切った・今年こそ変わらなきゃという気持ち・童貞捨てたいよ・また今年も同じなのかな
・来年こそはとか言いながらまた同じなんだろうな・俺もうこんな歳なのか・学生生活もあと数年…
>>62 今までの辛い雰囲気が一転、甘い感じになって来ましたね ! みきさんGJ !
>>64 別々の大学になってもこの二人なら大丈夫 ! そんな感じですねGJ !
>>69 なんというSS投下ラッシュGJ !
ツンデレこなたとは珍しいw
なんというssラッシュw職人の皆さんGJ!
○月×日(金)ハレ晴れ
こなた「おはよー、かがみ〜ん!また昨日のアニメ録画失敗しちゃったよ〜(>_<)」
かがみ「おーす、こなた。もう、その情熱を少しは受験に向けなさいよ!」
何気ない日常的な、いつも通りな2人の会話だが私は注意深ーく2人に気付かれない距離を保ちながらタイミングを見計らう。
かがみ「ま〜ったくぅ、しょうがないんだから…………チュッ」
今だ!
パシャリ
撮れた盗れた、2人の絶妙な瞬間的キスシーンw
かがみ「これで少しは元気だしなさいよ?」
こなた「えへへ、ありがと…でもまだ足りないからおかわり欲しいナー」
かがみ「おあずけ!もう、こなたったら……………………………………………………お昼休みがあるでしょ?」
耳打ちで囁いた程度の小さな声だったが私の研ぎ澄まされた異常聴覚の前には無意味だった。
今日も欠かさずするんだねー、…アレを♪
―昼休み―
私は昼食を食べ終えてから急いで普段は立ち入り禁止の屋上へ向かう。もうそろそろ2人も昼食を食べ終えてアレに励む頃合だろう。
おーやってるヤってる♪今日はいつもより濃厚で私も少しクラっときちゃった。
全年齢スレなので細かい描写は省くが、しっかりと2人の濡れ声を私が通販で買った超高性能レコーダーに録音する。
大漁大漁w今日もごちそうさまー。
―自宅にて―
いやー大収穫だったな〜。今日携帯で盗った写真は全部で約15枚、キスシーンだけで10枚くらいある。
さーて、今日録った2人の濡れ声を聴きながら寝ようかなっと……アレ?
かがみ「はぁん、こなたぁ…」
隣りの部屋から声が…
な・る・ほ・ど
お昼の奴でも足りなかったんだねー、まったくイヤらしい娘♪こなかがサイコ
>>65 話が自然に進んでいるおかげで長文でもすらすら読めたよ。
文才あるね。
>>75の続き
私は今お姉ちゃんの目の前で正座してる…。お姉ちゃんは私の「こな☆かが日記」を片手に怒りに震えてる…。
私はお姉ちゃんのオ〇ニーボイスを聴きながらそのまま寝てたみたい…。
朝お姉ちゃんが起こしに来て私が目覚めた時にはもう手遅れでしっかり読まれちゃってました…。
かがみ「ったく、つかさぁ!覚悟しなさいよ…タップリお仕置してやるからね!
あと写真もレコーダーもテープも全部没収するわよ!」
そんなぁ、せっかくのこなかがコレクションが………………………………………………………ハイソレマデヨ…。
今日は地獄の休日になりそうです(ToT)
end
既出ネタだったらすんません…
なかなかの脳の持ち主だな
引っ越し終わって、やっとネット再開できた。
まだこのスレあってよかったよかった
81 :
8-616:2008/04/03(木) 23:00:43 ID:VeeVFUKn
流れを切ってしまいますが、新スレになったので再度ご連絡させて頂きます。
こなかがスレの職人様達集まってが合同誌を作る企画を成功させる為、mixiのコミュにて話し合いをする予定です。ご協力頂ける方がおりましたら、是非とも参加頂けたらと思います。
詳しくは避難所に記載されているので、そちらをご覧下さい。
貴重なレスをお借りし申し訳ありません><
それでは失礼します。
>>64 マジで待ってた!続きが気になって最近寝不足でした
皆さんすばらしい文才力ですね
84 :
1-500:2008/04/04(金) 01:37:27 ID:qmkhAmwD
お久しぶりです。
1-500です。
今までずっと5レス程度の長めの作品を何種類か書いていて、その殆どが納得できずにお蔵入り…というパターンでしたので
遅筆な自分は実にこの数字コテでの投稿は10スレ以上ご無沙汰しています。
今回はお約束のエイプリルフールネタで書いていたものの、遅筆のせいでご多分にもれず賞味期限切れになってしまいました(泣)
しかしこれを逃すと次はいつになるか分からないので投稿させていただきます。
それでは前書き、後書き含めて8レスお借りします。
携帯からなので投稿が1レス1000文字が限界のためレスが増えてすみません(汗)
自分が大嫌いな規制にひっかかった場合はそのまま避難所に投稿させていただきます。
85 :
1/6:2008/04/04(金) 01:39:22 ID:qmkhAmwD
「唐突ですみません」
何気ないみゆきの言葉でわたしは問題集を解く手を止めた。
今日はわたしの部屋で春休み明けテストに向けての勉強会。
勉強机に向かうわたしの後ろでは、会の参加者であるみゆきとつかさ、それにこなたが受験生の名に恥じぬ姿勢でいつもの白いミニテーブルに向かっている。
…はずなのだが、実際にテスト勉強をしているのはわたしとみゆきくらいで、あとの二人は必死に春休みの宿題と戦っている。
まあ学校が始まるのは週明けでまだ一週間ほどあるのだから、以前より少しは成長しているということだろう。
しかし、こなたの場合やっていることは相変わらずわたしのノートの写経なので、成長といってもジャワ原人とネアンデルタール人くらいの差でしかないのかもしれない。
「何か分からないことでもあった?英語だったら何とか答えられると思うけど」
椅子を回転させて勉強机に背を向けると、みゆきは小さく首を降った。
どうやら勉強に詰まったというわけではなさそうだ。
まあみゆきの実力からすれば当然といったところか。とほほ…
「ゆきちゃん何か忘れ物でもしたの?」
そのまま黙り込むみゆきを不思議に思ったのか、つかさが辞書を閉じて首を傾げる。
「何々?何かのドジッ子フラグ?」
意味不明なセリフとともにこなたも漫画から嬉しそうに顔をあげた。
(ん?漫画…?)
「って、あんた何漫画なんて読んでるのよ?!」
「え?いやーなんか勉強に疲れちゃってさ。骨休み、骨休み♪」
わたしのツッコミにこなたは悪戯を見つかった子猫のように笑った。
思わず頭の中で『見つかっちゃったにゃー』というセリフがアテレコされる。
ま、まったくもう!マジメにやっていると思ったらすぐこれだ。
「あんたはわたしの宿題写しているだけでしょうが!!」
「んで、あらためてどしたのみゆきさん?」
「スルーかよ!!」
そんないつも通りのわたしとこなたのやり取りを見て、みゆきは可笑しそうに微笑んだ。
「実はですね」
あれ?わたしはいつも通りのはずのその微笑みに小さな違和感を覚えた。
例えるなら硬度38のミネラルウォーターであるクリスタルガイザーを飲もうと思ったら、実は硬度60のボルビックだったといった感じだ。
86 :
2/6:2008/04/04(金) 01:41:02 ID:qmkhAmwD
しかし、そんな僅かな違いなどみゆきが次に発した言葉によって次元の彼方に吹き飛んでしまった。
「実は私、ずっと前から泉さんのことが好きだったんです」
「へっ?」
全世界マヌケな驚きの声選手権があれば間違いなくグランプリを取れる声とともにわたしは見事に固まった。
『2分の1』
「ゆき…ちゃん?」
つかさの呆然とした声でわたしはフリーズ状態から我に返った。
どうやら衝撃で呼吸も止まっていたらしく、慌てて息を吸うと今まで忘れていたアロマオイルの香りが鼻腔をくすぐった。
集中力が高まると聞き、勉強のためにと選んだペパーミントの清涼感でぼんやりとした頭が少しだけ覚醒する。
わたしが半生解凍状態まで回復するために要した時間は5秒くらいだろうか。
その5秒感――光が地球を35周半回る間、わたしは視界がブラックアウトして平行感覚すらなくなった世界の中にいた。
まずわたしの頭に浮かんだのは(あれ?『好き』ってどういう意味だったっけ?)という疑問だ。
最初の1秒間をフルに使ってわたしはみゆきの言葉の意味を思い出そうとする。
しかし直下型大地震が起きている頭ではその意味を探し出すのに永遠と思える1秒が必要だった。
さらに次の1秒で本当にみゆきが『その意味』で言ったのかどうかを確かめ、同じ時間をかけてその確認を終える。
最後の1秒間、混乱するわたしの心の中を『サキニ』『言わ』『Letter』だの『綿霜』『こなたが』『好』といった自分でも理解できないほど断絶した言葉や気持ちの段幕がまさに光の速さで駆け抜けていった。
その凄まじさはシューティングゲームなら怒りで画面を打ち砕きたくなるほどだ。
なぜそれらを避けようと思ったかは分からない。
ただその言葉や気持ちと向き合うことが怖くてわたしはひたすらかわし続けた。
おかげで我に返った後も、わたしは筋肉痛のようにギシギシきしむ心の痛みで動くことも出来ずにいた。
それでもなんとか視線だけは無理やりこなたの方に向ける。
今自分がどんな顔をしているのかよりもこなたがどんな顔をしているのかが気になったからだ。
こなたは…
「私もみゆきさんのこと好きだよ」
こなたはみゆきの方を向いて嬉しそうに笑っていた。
87 :
3/6:2008/04/04(金) 01:42:11 ID:qmkhAmwD
「こなちゃん?!」
つかさが心底驚いたようにこなたの腕に手をかける。
そしてすがるようにしがみつき、強くゆすった。
「ど、どうしたのつかさ!?」
驚くこなたの声。
あぁ、この光景には覚えがある。
子どもの頃『お母さんを独占したいとき』につかさはよくこうやってわたしやまつりお姉ちゃんにしがみついていたっけ。
わたしはそんなことをぼんやり考える。
そういえばお母さんたちに甘えたいときわたしはどうしていただろうか。
昔から甘え下手だったわたしはつかさをうらやましく思いながらじっと我慢していた気がする。
もっと他に考えることがあるんじゃないの?という心の声を無視して、わたしはギシリと椅子を軋ませて立ち上がった。
…つかさの真似をするならば、わたしはこなたとみゆきのどちらかの腕を取らなければならない。
しかしわたしはどちらの腕を『何と言って』取ればよいのだろうか?
何の『覚悟』もないわたしは立ち上がったまま動けずにいた。
「大丈夫だよ、つかさ」
こなたがよしよしとつかさの髪を撫で、しおれてしまったリボンを延ばす。
「『わたしも』つかさのこと好きだもん」
「え?こなちゃん『も』…って?…あっ!」
つかさの小さな声とともにリボンがピンと立ち上がった。
「あれ?つかさ分かっちゃった?」
何の話かさっぱり分からないが、そのセリフを聞いた瞬間つかさは顔を赤くしてこなたから離れようとする。
それをこなたは逆につかさの腕を取り、自分の方に引き寄せた。
「こ、こなちゃん…恥ずかしいよう」
「うむ、苦しゅうない!さあさあ、みゆきさんも近うよりんしゃい!!」
「それでは…失礼します」
唖然とするわたしに申し訳なさそうな視線を送りつつ、しずしずとみゆきがこなたの横にちょこんと座る。
「ふふふ…愛い奴じゃのう」
すかさずこなたはみゆきの肩に手をまわしてぐっと引き寄せる。
「きゃっ」
などと可愛い声を出してみゆきがこなたにぴとりとくっついた。
心なしかみゆきの顔も赤い気がする。
(何?何?なんなのこの状況は?!)
混乱するわたしは『右手にみゆき、左手につかさをかき抱くこなた(しかも二人とも頬を染めて)』という今の状況が全く理解できない。
ただ一つ分かるのは先程の空気が一変したということだけだ。
88 :
4/6:2008/04/04(金) 01:43:46 ID:qmkhAmwD
「どうしたのかがみ?かがみもこっちにおいでよ」
こなたがみゆきを抱いたまま右手でわたしを手招きする。
わたしは誘われるままに進み、こなたと膝を付き合わせた。
向かい合った膝と膝との間がコブシ一つ分もない距離でこなたはわたしの顔を正面から見つめる。
さっきまでは錆び付いているかのように軋んでいた心臓がまるで油をさしたかのように軽やかに鼓動を早めていく。
ちょっとそのスピードは早過ぎるくらいだ。
こなたのエメラルドに映った像でわたしは自分の顔が真っ赤になっていることを知った。
こなたは一瞬だけ目を閉じて軽く深呼吸した後、目を開けて優しく微笑んだ。
「かがみ大好きだよ」
思わず下を向いてしまった。
さらりとこなたが言った言葉がじわじわとわたしに染み込んでいく。
(や、やだ…なんなのコレ?)
自分の中から抑えきれない感情が溢れてくるのを自覚してわたしは怖くなった。
決して不快な感情ではない。
ただその勢いによって『わたし』というダムが決壊してしまいそうで怖かった。
「わ、わたしもゆきちゃんが大好き!!」
まるで何かに宣言するかのようにつかさがいきなり声をあげた。
「ありがとうございます。
先程泉さんがおっしゃったように、私も泉さんと同じ気持ちですよ」
ちらりと視線を上げるとニコニコといつも通りの笑みでみゆきが頷くのが見えた。
ふにゃ、という音が聞こえるようにつかさが茹でダコのように真っ赤になって崩れ落ちる。
それを見てこなたはつかさとみゆきから手を離し、少しだけ羨ましそうな顔をするとわたしの右耳に囁いた。
「かがみは言ってくるないの?」
こ、こいつはわたしに何を言わせるつもりなんだ?!
ココで、つかさもみゆきもいる場所でナニを言えというんだ!
「ね…かがみ?」
うぅ…こなたの声がわたしの理性の抵抗力を奪っていく。
と同時に感情の水位はますます高まり、今にも言葉になってこぼれだしてしまいそうである。
「わ、わたし…」
「私?」
その圧力に負けてわたしが口をわすがに開くとこなたの瞳が輝いた。
「わたし…」
「わたしエイプリルフール大好き!!」
…このセリフはわたしのものでなくつかさのものだ。
コロリとみゆきの膝に頭を乗せ、コブシを空に向かって突き出し親指を立てている。
89 :
5/6:2008/04/04(金) 01:45:19 ID:qmkhAmwD
何を言うかと思えばエイプリルフールなんて…ん?エイプリルフール?
がばっと立ち上がり、勉強机の上の携帯をとって今日の日付を確認する。
『4 月 1 日』
「今日はエイプリルフールじゃない!!」
「そうですね、日本では四月馬鹿、中国では万愚節、フランスではポワソン・ダヴリル(四月の魚)と呼ばれています。
一般的には『害のない嘘をついて人をからかう』というのが4月1日の慣習ですね」
怒りの叫びを上げるわたしにみゆきが解説を加える。
「そうじゃなくって!!どういうことなのよみゆき!!」
「実はですね」
そう言ってみゆきはテーブルの上の問題集をパラパラとめくり、小さなノートの切れ端を取り出した。
それには見覚えのある汚い癖字で『エイプリルフール記念・こなた専用ハーレム建設計画指令書』とデカデカと大きく書いてある。
自分の中の乏しい言語学の知識を用いて判読すると、そのタイトルの下にはどうやら
『指令1、みゆきさんの突然の告白で場を混乱』
『指令2、私の魅力でかがみとつかさをメロメロに(要:かがみからの告白)』
『指令3、みゆきさんを含めたハーレム完成』
『指令4、みんなで秋葉原デート♪』というような4つの指令が書かれているようだ。
というより!2以降は指令じゃないし!!『かがみからの告白』には蛍光ペンで下線が引かれているし!!
「ああっ!?みゆきさん!私まだかがみから愛の告白をされていないのにぃぃぃぃ!!
あれ?!かがみ!?なんかパチパチ放電してるよ?!」
焦ったようなこなたの体内から怒りのスパークが湧き出る。
『怒髪天をつく』という言葉の意味をわたしは実感した。
今なら脱色せずとも金髪になることができそうだ。
「こなた?」
「は、はい!!なんでしょうかがみ様!」
ノーベル平和賞をもらえそうなほど優しさに満ち満ちたわたしの問いにこなたは直立不動の姿勢で答える。
「つまり全部ただの冗談だったってことよね?」
「う、うん。罪のないエスペラントジョーク(意味不明)だよ。
あ!でもハーレムを作りたかったのは本当だよ♪」
ギリギリギリ。
どこかで何かをすり潰すような軋轢音がする。
視界のすみではみゆきとつかさが青い顔で抱き合っているのが見える。
今日は春らしい暖かな陽気だというのにどうして二人は震えているのだろうか?
90 :
6/6+後書き:2008/04/04(金) 01:47:04 ID:qmkhAmwD
「そうね、すっごく可愛いウソだったわね…」
「だよね!だから全然怒る必要なんてどこ…に…も…って、あれ?かがみひょっとしてすごく怒ってる?」
「ウウン?ゼンゼンオコッテイナイワヨ?」
冷静に考えるとどうやらギリギリという音はわたしの歯ぎしりが原因らしい。
わたしは無意識に『あの言葉』を噛み砕き、すり潰そうとしているようだ。
「か、かがみ?目がマジだよ?それはもう種とか割っちゃいそうな勢いで」
冷や汗をダラダラと流しながら、こなたがぎこちなく笑う。
「ウウン?ゼンゼンオコッテイナイワヨ?」
ひきつる微笑みを浮かべるわたしにこなたは震えながら尋ねた。
「本当に?」
「だから怒ってないって言ってるでしょうがぁぁぁぁぁ!!!」
「わぁぁぁぁぁかがみのウソツキィィィィィィ!!」
結局、こなたは春休みの宿題を泣きながらも自力でやることにしたそうだ。
やっぱり宿題は自分でやるものよね、うん。
それと…どんなかたちであれウソをついたら駄目よね。
ばか…
終
以上になります。
久しぶりにシリアスではないものにチャレンジしてみましたがいかがでしたでしょうか?
なんとなく前回とオチが一緒の気がしたり、エロパロも含めると誰かが絶対に考えた話の気がしますが楽しんでいただければ嬉しい限りです。
それでは最後に恒例のおまけです。
少し変化球なこなかがかもしれませんが、自分はこなかがの二人の周りも書いてみたいので作風だとお許しいただければ幸いです。
91 :
おまけ:2008/04/04(金) 01:49:38 ID:qmkhAmwD
おまけ
「…ところでつかさ?どうして気付いたときにすぐ教えてくれなかったのよ?」
「だって、こなちゃんにおねえちゃんには内緒にしてって頼まれたから…」
「ほほう…(ギラリ)」
「え?わたしそんなこと言って…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ…」
「それに、わたしもウソついてみたかったし…(チラリ)」
「つかささん、どうかしたんですか?」
「う、ううん!!な、なんでもない…」
「?」
「うー…なんでみゆきまで何でこの馬鹿のこんなアホな計画にのったのよ?」
「すみません、実は泉さんに『どうしても頬を染めて告白するかがみ(さん)が見たい』と熱心に頼まれたもので…」
「だって…デレデレのかがみが見たかったんだもん…って、ふみゃぁぁぁぁ…」
「ハァハァハァ…全くもう…」
「うぅぅ…あの時のかがみはあんなに可愛かったのに…」
「もう一発くらいたいの?」
「あぁ、あの時かがみが『わたし』の後になんて言おうとしたのか考えたら気になって夜も眠れないよ…」
「あ、あれは!『わたしはあんたのことなんて何とも思ってないわ』って言おうとしたのよ!!」
「おおっ!ツンデレktkr!!いやーツンデレってツン状態の時は基本的に嘘つきだよね。
だからおあいことで……ふぎゃぁぁぁぁぁ…」
エイプリルフール。
今日は罪のない嘘をついてもよい日。
けれどもその日に発した言葉が嘘かどうかは、いつも通り2分の1の確率でしかない。
実は昔、日本では4月1日は『日ごろの不義理を詫びる日』だった。
またイスラム教においてはこの習慣はコーランに著しく反しているため、強く禁止されているという。
それを知っている少女は心の中で微笑んだ。
(時々は自分の気持ちを『言葉』にして汲み出さないと、気持ちが溢れてしまいますものね)
了
以上です。
実はずっと『自分の書く文章はつまらないなぁ…』と悩んでいたのですが、
まとめwikiに頂いたコメントで自分を奮い立たせてちょこちょこ書き続けています。
自分の作品を保存してくれるおやつ様、コメントをくれる名無し様本当にありがとうございました。
次作は今月中に投稿できればなぁ…と思っています。
それでは失礼しました。
>>91 これは良いエイプリルフール!
こなたの叫びの数だけ
うっかり恋心を暴露しかけたかがみの恥ずかしさゆえの悔しさがわかる良いSSでした
ぐっじょぶ!
>>93 買ってくる!!買うしかない!
>>91 GJ。
こなかがだけでなく、こなつかとかこなみゆにも目覚めそうで困る
,,人_| ̄ ̄ ̄ ̄|人_人_人_人_人_人_人_人_人_人
) |. ニントン.|
) |____|
).._|____|_ なんだこのGKの巣窟は・・・
) |/-O-O-ヽ| 任豚が嫌いとかいって任天堂も嫌いなんだろう!
< .6| . : )'e'( : . |9 工作するなGKども!GK乙!
) .| ,○-=-‐'i |
)/(ヲc) | \
⌒V⌒V⌒V⌒V⌒V⌒V⌒V⌒V⌒V⌒V⌒V
97 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/04(金) 14:50:22 ID:4JuTUvzI
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| < (ヅ,> < (ヅ,> ...:.::| きんも
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>>91 GJ!かがみの動揺っぷりが可愛らしいですw次の作品も楽しみに待ってます!
>>91 GGGGGGGGGGJ!!4人いてこそ、の作風に感動です!
かがみには是非とも「わたし」の後を言ってもらいたかったですねw
>>91 GJ ! そんなに卑屈にならなくても、とっても面白かったよ !
かがみをいじって本音を引き出そうとするなんて、こなたってば策士w
なんだかお蔵入りになった作品がたくさんあるみたいですが、恐れず投下してください
本当に面白かったですから
>>93 私もアンソロ買ったけど、本当にニヤニヤが止まらないナイスこなかが本だったw