【BAMBOO BLADE】★千葉紀梨乃 2★【キリノ】
時々プロットだけ書きなぐってる人です。
結構大真面目に取り組んでみました。
しかし…うぁぁダメだ、どうやってもこれ以上文章がまとまんねぇ… SS職人ってすごいねえorz
つい主観者の台詞を『』に頼ってしまう。読みやすくならない。気持ちが追えてない。あと改行のリズムが何気にすんごい難しい。
ともあれ休日半分返上の上、超難産だった>713-715の続編”ユータマ編”どうぞ。キリノ分も勿論在るよー
#1
”…さて、どうしたもんか?この状況。”
「せっ、先生、どうしよう?」
「………どうしよ。」
俺の名は石田虎侍。室江高校剣道部顧問だ。
今朝、ひょんな事で頭をぶつけて教え子と入れ替わると言う奇妙な体験をした俺は、
まさかその次の機会が、こうもあっさりと回って来るなんて思いもしなかった…が、どうやらガチらしい。
信じ難いが、いま目の前にいるタマはユージで、ユージはタマなのだそうだ。
確かに、こんなに狼狽したタマは見た事がない。ユージも流石にいつもより落ち着きすぎだ。
しかもこれって、俺とキリノが元に戻るのを手伝ってくれたせい…なんだよな。
一応顧問として、先に同じ現象を経験した者として、ここは大人な態度を示さなければならない。 大人な意見、うーんと…
『…んじゃあさ。もう一回同じことやってみりゃ直るんじゃないか? こう、”ごつんっ☆”と。』
「…ダメーっ!!」
声がでかい。サヤだ。何でお前が。
「ダメだよ、勝手な事言わないでコジロー先生!
そんな一日に2回も3回も記憶の操作をやっちゃうと、人は”戻って来れなく”なるんだよ!
私、小説で読んだ事あるもん!その人達、最後には記憶が混ざり合っちゃって、
元の二人はどこにもいなくなっちゃうんだよ!だからダメ!ダメなんだってば!」
『分かった。分かったからサヤお前も落ち着け。』
まぁ、多少飛躍し過ぎの観はあるが、こんな事何度もやってると人体によくはないだろうなあ、とは俺も思う。
大体、タマが剣の振り方を忘れてしまったり、ユージくらいにまで弱体化してしまったらどうなる。俺の野望は。クビは。
#2
「あのぅ〜、ちょおっとコジロー先生とサヤに、お耳に入れたい事が…」
キリノだ。元に戻れて嬉しそうだがそんなに俺の体イヤだったのか? まあお互い様だけど…ちょっと悲しいぞ。て何考えてる俺。
「ダンくんとミヤミヤも、良かったら聞いてくれる?」
キリノの所へやって来た俺とサヤ、ダンとミヤミヤは取り合えず当人達はそっちのけでキリノの話に耳を傾ける。
「(あのね… 元に戻れるかはともかくとして、私、もうちょっとあの二人はあのままでもいいと思うの。)
(って言うのもね、ユージくんって、タマちゃんの事、明らかに意識してるでしょ。この間なんて間接キ…まあこの話はいっか、とにかく)」
(でねでね、タマちゃんもちょっと今日、様子がヘンじゃなかった?他にもな〜んか、怪しいのよ。あの二人。)
(だからね、このまま二人を入れ替えたまま一緒にいさせて、そのままさりげな〜く、くっつけちゃえないかな?って…ダメ?)
『(オイオイ、お前がそうしたいのは勝手だけどな…)』
なんつー無茶を言い出す女だ。ちょっとはタマやユージの気持ちも考え…ての思いつきなんだろうな、こいつの事だから。
その方が元に戻る可能性も高まる、とコイツなりの算段もあるのだろう。
それに対し、ミヤミヤが暗そうに口を開く。
「(馬鹿じゃないですか?そんなの当事者にやらせておけばいいんだし。それより元に戻す方法を考えてあげないと。)」
ごもっとも。しかし、それには彼氏のツッコミが入った。
「(ミヤミヤ〜 俺はユージとタマちゃんがうまくいった方がいいと思うぞぉ〜)
(それに人と人が恋をするのって、いい事じゃないかあ〜 俺とお前だって、そうだろぉ〜)」
「(ダンくんっ…! わかった私協力するよ!)」
全くこいつらは。サヤはどうやら元々乗り気のようだ。
「(い〜じゃんいいじゃん?楽しそうじゃん!やってみようよ!)」
まぁくっつける云々は置くとして、いま無理に外からいじるよりは暫く放置してみるのもいいのか…?
『(まあ、じゃあ、やってみるか?)』
「(さっすが、コジロー先生!)」
キリノは嬉しそうだ。お前はあの二人のお母さんか?
ともあれ、こうして一枚岩になった俺達は、ユージとタマを呼んだ。
#3
「タマちゃん、ユージくん、ちょっとおいで〜」
俺達のひそひそ話を少し訝しがりながら、やって来るユージのタマと、タマのユージ。
「あのね、サヤの言う通り、あんな方法で何度も試してると、危ないし、もっとヤバい事になるかもしれないよね?
でね、ちょっとだけの間、他の方法が考えつくまで二人にはそのままで暮らして欲しいの。」
元に戻る方法はあたし達が絶対何とか考えるから!安心して!ぶいっ!」
「「……………。」」
まあ、そりゃ、受け入れ難いわな。
そういえば、何で俺はヘーキだったんだ…?
夢だと思ってた?時間がなかった?…相手がキリノだったから? …いやいやそれは。さすがに。
…
「わかりました。」
お、タマ。いや今はユージか。
「さっきタマちゃんとも二人で話してたんですけど…
やっぱり、こうなった以上ある程度覚悟はしなきゃいけないと思うので…ね?タマちゃん」
「………うん。 でも… ううん、何でもない。」
なんかユージ、いや今はタマか…は様子が変だな?
まぁ、でも、決めた事だししょうがない。
『よっしじゃあ、早いけど今日は解散!家に帰ってグッスリ眠る事!いいな!』
「「「「ありがとうございましたっ!」」」」
#4 (ユージの川添家)
『ただいまー。』
っと、ついいつもの家の調子で言っちゃったけど… まあ、ただいまくらいは皆言うよね?
でも…ホントに、何でこんなことになっちゃったのかなあ…
おっと、タマちゃんらしくタマちゃんらしく!
「おお、おかえりタマキ。今日は早かったんだな。」
『うん、そうだよ父さん、今日は部活が先生の都合で途中で終わっちゃって…
あ、でも、ちゃんと練習はしたんだよ? 心配しないでね。』
「(目をぱちくり)そ、そうか。いや心配はしてないのだよ。スマンな…」
…う〜ん、何か変な事言っちゃったかな?
…
「タマキ、道場の時間だぞ〜」
『あ、うん!』
あれ?安請け合いしちゃったらまずかったのかな…
今僕はタマちゃんなわけだから… 稽古つけるって、大人相手に!?
そりゃムリだ!うわあああどうしよう。
…
『メェェェェェン!!!!』
「今日も凄いな、タマちゃんは…お願いします!」
『お願いします、キヤァァァァァ!!!!』
…すごい。自分でも自分がとんでもない集中の域に居るのがわかる…
相手のきっと、凄く強いオジサンの行動が手に取るように分かるし、身体が勝手に動く。
どうしちゃったんだ僕? ううん、これがきっと、タマちゃんの見てる物なんだ…
だとしたら、僕ってなんなんだ…? こんなにも、こんなにも、タマちゃんは遠くに居て、クソッ!
『…ごめんなさい父さん。今日はこの位で上がらせて下さい。』
「む、そうか?まぁ今日はお前の剣にも迷いが見える。上がりなさい。」
…迷っているのは、どう考えても僕、だな。
#5 (タマちゃんの翌日・学校編)
『………栄花くん、おはよう。』
「おはようユージぃ〜」
夕べは大変だったなあ。ユージくんの家族… いい人達だったけど、私、緊張しちゃって…
ユージくんも、家じゃそんなに喋らない方みたいだから、ごまかせたけど…
…ホントに、なんでこうなっちゃってるのかな。
でも、ユージくんらしくしなくちゃ…ユージくんらしく?
…
「中田くん、中田くん、放課後ヒマ?もし良かったらここ教えてくれない?」
あ、女の子… ユージくんなら、教えてあげるのかな…
これくらいなら私でも、分かりそうかな? でも…
やっぱり、だめ。
『………ごめんね。放課後、部活、いかなきゃ。』
「えっ、ううん、いいのよ、私の方こそゴメンね〜」
「お〜、じゃあ、俺が教えてやるよぉ〜」
「えー、栄花くんはいいよお。」
「つれない事言うなってぇ〜」
…あ。
『………栄花くん、宮崎さんが見てるけど…』
「お〜ミヤミヤぁ〜ごめんよ浮気しちゃってえ〜」
「ううん、いいのよダンくん〜 だっていつも最後は私の所へ戻って来てくれるんだもん!」
…仲良いなぁ、栄花くんと宮崎さん…
ユージくんも… 昨日、キリノ部長と、仲良さそうだった。
ううん、あれは先生だから… でも… なんでこんなに、モヤモヤするの?
…部活、行こうっと…
『………おはようございます。』
「あら〜おはようユー… タマちゃん!」
キリノ先輩…先に来てたんだ。
(…チクリ。)
#6
「聞いてよ聞いてよ!サヤと今日すっごい考えてたんだけど〜」
キリノ…昨日の今日で元気な奴だ。しかし…
こいつらの共謀なんて、十中八九ロクなもんじゃないだろうな。
「そうだよ!タマちゃんユージくん!いい?」
「「キスしてみれば、治るんじゃない?」」
ほら見たことか。 …お前ら、氏んで来い。マジで。
「えっっっと、キス、ですか? な、な、なんでそうなるんですか!?」
「………キス…(俯きがちに顔真っ赤)」
おーおーおー、若いねえ。
『悪い事は言わんが、あいつ等の言う事は右耳で聞いて、左耳から流せ。』
「「………は、はぁ。」」
「もうっ、真面目に言ってるのに〜」
「そうだよ!私がこの本で、ちゃんと見つけたんだから!
いい?深層意識を共有している だけの二つの個体の表層意識はもはや別人だと言ってよく、
それ故にその深層意識を表層意識から呼び覚ます為に(ry 行う行為がキスなの!」
出典:少女漫画。わかったわかったサヤ。お前は偉い。
『オラ、練習するぞー』
「「ぶぅ〜」」
#7
やっぱりタマの様子がおかしいな。
それどころか今日はユージまで何か変に思い詰めてるし…
どうしたんだ一体。取り合えず素振りしてるユージに声をかけてみるか。
『おいユージ、掛り稽古やろうぜ。』
「あ… はい。でも… 先生じゃ相手にならないと思いますよ?」
カチーン。てめえ見た目はタマだが中身はユージだろ!
俺がてめえに負けた事… あれ?試合した事あるっけ?
まぁとにかく負ける訳がねぇだろがごるぁぁぁぁ!
「メェェェェェン!!!!メェェェェェン!!!!メェェェェェン!!!!」
『だああっ、ストップ!ストップだタ…じゃなかった、ユージ。』
…ハー、ハー、ハー。
何だこりゃ?ユージの野郎どんなドーピング… いや今はタマだが…
んっ、強さはタマのままなのか。じゃあ、タマの方にも当たってみるか。
『おいユー、いやタマ、どうした?なんか悩んでるんじゃないのか?』
「………コジロー先生。 ………私、変ですか?」
いや、俺が聞いているんだが。
『変かどうかは分からないけど、調子悪そうだぞ?それに何か今日はキリノを避けてないか?』
「………いえ、何でも…何でもないです。」
的を射んなあ。キリノとサヤのあんな寝言なんか無視しとけばいいのに。
入れ替わり生活でもストレスでもあるのか… でも、俺には無かったな?キリノの体でも…
ああっ、だから俺までキリノを意識し過ぎだ!キリノから離れろ、まず。
しかし…今日はまぁ、こんなもんだな。
『よっしゃ、今日の稽古ここまで!』
「「「「ありがとうございましたっ!」」」」
こういう長いのはエロパロ板に投下すべきかと
キリノメインじゃなきゃスレチだし
#8 (ミヤミヤの下校風景・上)
「タマちゃん、一緒に帰ろう。」
「ユージくん……うん、帰ろ。」
「あのね、タマちゃん、話したい事があるんだ。喫茶店、寄っていい?」
「……うん。私も、お話、あるから。」
…下校中にそんなとこ寄ったらダメだろあんたらは…
でも帰りに喫茶店なんて、健全だねー。
「お〜いミヤミヤ〜、の〜どかわいたから駅前のスタバよってい〜〜?」
『もちろんよダンくん!』
…
「ミ〜ヤ〜ミ〜ヤ〜 席とっといてよ〜〜」
『は〜い』
えっと、あの二人は… やっぱり、いた。
「………ふう。」「………フウ。」
「「………あのねっ!」」
「「…………ど、どうぞ。」」
ふふっ、初々しいなあ。あたしとダン君にもこんな頃、あったっけ…
「…あのね。僕、この…タマちゃんの身体になって、気付いた事があるんだ。」
「………気付いた事?」
「この、タマちゃんの体に比べて、元の、僕の体は…男なのに、全然、弱くてさ。
ホントに嫌気がさしてて… なのに、こうして入れ替わってるとさ。
時々、酔っちゃいそうになるんだ。今、この、自分の物でない力に。
それがもう… 僕自身が、許せなくてさ。情けなくて…」
「………私も…ユージくんの身体になってから…ううん、なる前から…
ユージくんがキリノ部長と… 仲良さそうにゴミ運んでた時、ちょっとイヤだったの。
それで、今日も…ユージくんの身体で他の女の子と仲良くするのが、すっごく、イヤだったの。
部活のときだって、ずっと、ずっと、ユージくんの身体でキリノ部長とお話するのが怖くて…
私、私、なんでこんなイヤな事思うのかなあ? ………私、分からない…」
ちょ、ちょっと。
#8.5 (ミヤミヤの下校風景・下)
「えっ、でも、そんな事…」
「"そんな事"じゃないよ! ………こんなに、苦しくて、悲しいのに… ………"そんな事"なんかじゃ…ない、よぉ…」
「(ムカ) じゃ、じゃあ!僕だってこんな… 強いタマちゃんが… 守り、たいのに! 何で…」
「………そんなの… グスッ …いらない… 私、」
「そっちだって、"そんなの"じゃないか! 俺だって、」
「ユージくんになんか!」
「タマちゃんになんか!」
「「なりたくなかった!!」」
…うわぁー、これは、さすがに、出て行かないとダメかなあ?
「ゆーじぃ」
「え、栄花くん!?」
(ぱぁん、とユージ(体はタマ)の頬を張るダン)
ちょちょちょっと、なんてカッコいいのダンくん! いやいやいや。
『ストーップ!ハイそこまでです。』
『あなた達が何でケンカしてるのかは知らないけど。』
『ケンカするなら、場所を選びなさいっ。お店にご迷惑、かけちゃだめでしょ?』
「「………」」
「……ゴメンね、先、帰る… 宮崎さん、栄花くん、ごめんね。ありがと。」
「僕も、帰るよ… ごめん、ミヤミヤ、栄花くん。」
…ふぅ。そうそう、今日の所は帰りなさい。
『…ダンくん、ありがとうね。カッコよかったよ。』
「ミ〜ヤミヤのほうこそ、かぁっこよかったぞ〜」
『ダンくんっ…!』
この人が私の彼氏で、ホントに、よかった。
>>865 言われてみるとエロパロって”パロ”もありなのか…
うん、じゃあ、残りはそっちに。てあと3つなんだけどね。