九十九針―――
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昆布スレ
ずっと人多杉になってて吹いたwwwwwww
専ブラ入れればいいのに
ん?壷は使ってるけど?
消失九曜で
>>722やってみた
夕飯を食ってから就寝するまでというのは、けっこう時間を持て余すものだ。
いや、普段はそうではない。むしろ宿題だのなんだのと、それなりに立て込んでいる時間帯である。
しかし今日は違う。今日は九曜が俺の家に泊りにきているのだ。そう、光陽園に通う貧血持ちの周防九曜が、だ。
家族が出かけていて、家に二人きり、完全に条件は揃っているが、誤解しないでいただきたい。
そういうことは一切無いのだ。俺と九曜はそういう関係ではない。
そりゃ、家に呼ぶくらいだから仲が悪いというわけではない。光陽園の前で初めて出会ったとき以来、俺たちは何度か会っているしな。
まあいわゆるお友達というやつだ。
で、九曜が泊りに来ている。黒ずくめの制服を着て。いままで九曜と会っていて、九曜の私服というのは一度も見たことがない。
そういう点で言えば、九曜は長門と似ているのかもしれない。
長門にはこっちの世界でもいろいろと世話になっている。ただし、宇宙的な能力に頼らない範囲で、であるが。
どうやらこっちの世界では長門はごく普通の恥ずかしがりな文芸部員らしい。
聞くところによると、光陽園に在学中のハルヒと古泉も、物理法則に抗うような奇想天外パワーは持っていないようだ。
朝比奈さんも然り、である。ようするにこっちの世界では何も奇天烈で不可思議なことがないのだ。
高校入学まではあっちの世界もそうなんだと思っていたがな……。正直、どっちの世界を選ぶべきだったのか、俺はわからない。
結果的にこっちの世界を選んだわけだが、本当にそれは正しいことだったのだろうか?
俺の脳裏にはSOS団連中の顔と、目茶苦茶で破天荒な日々の活動が映し出された。
……いかん、もう考えないようにすると決めたはずだぞ。
たとえ俺の選択が誰かを不幸にしてしまったからといっても、もはやどうしようもないのだ。あっちの世界とは完全に切り離された。
「――どうしたの……? 怖い顔してる――」
九曜は心配しているのだろうか、やや顔を傾けながら言う。シャミセンが九曜の足にまとわりついている。
「いや……ちょっと目まいがしてな。寝不足かな」
「――大丈夫? もう……寝る?」
九曜は俺のベッドに腰掛けている。俺はほとんど使われたためしのない勉強机付属の椅子に。
シャミセンはなおも九曜に構ってもらおうと必死だ。ちょっと撫でてやるとすぐそっぽを向くくせに。
「大丈夫だ。寝るにはまだ早すぎるし……それにしてもすることないな」
俺は話題を変えた。九曜は何もしていなくても苦痛ではないのだろうが、俺はつい余計なことを考えてしまう。
まったく、本当に余計なことだ。
「――うん――」
「じゃあテレビでも見るか」
俺は九曜の答えを待たず、リモコンを握った。一通りチャンネルを変えてみる。
音楽番組、ニュース番組、バラエティ番組なんかは相応しくないのかな。
「となると……」
残ったのは映画番組だった。そういや今日は金曜だ。
これでいいか? と聞くまでもなく、九曜は食い入るようにテレビ画面を見つめていた。映画好きだったのか? こいつ。
放送されていたのはホラーだ。暗く、じめじめした日本映画。
俺はホラー系が別段苦手ではないので大丈夫だが、九曜はどうなのだろう。
これがホラー映画だとわかっていて見ているのだろうか。
そういうシーンになった途端、怖がって俺に抱き付いてきたりしないだろうか……。
いかん、ただでさえこんなシチュエーションなのに、そんなことまでされたら俺の理性は風の前の塵のごとく吹き飛んでしまう。
九曜がそんな素振りを見せたら急いで逃げよう。
と、そんな俺の心配も杞憂に終わった。九曜は最後まで文字通り表情一つ変えずに観ていた。
「じゃあそろそろ寝るか」
九曜はしばらく俺の足元に視線を泳がせ、小さく頷いた。
九曜の寝室は、俺の部屋の隣にある物置部屋だ。あらかじめ俺が掃除しておいた。
うん、寝室を別々にしたのは最低限の配慮だ。どっちかというと俺の理性に対する配慮だが。
「――おやすみなさい――」
「おう、また明日な」
「――――――」
九曜は無表情で部屋を出ていった。眠いのだろうか。
俺も早いうちに寝ちまおう。寝るより楽はなかりけり……と。明かりを落とし、ベッドにもぐりこんだ。
程なくして、身体の真ん中から力が抜けていった。今日は楽しかったな。明日の朝飯はどうしようか。
そんなことをつらつらと考えているうちに、意識の曖昧さは次第に濃さを増していく。
コン……。物音がした。シャミセンか? いや違う。シャミセンは俺のベットの上で夢の中だ。
コン……コン……。なんなんだこの音は。薄気味悪い。
微かに金具の擦れる音がして、ドアが開いた。廊下の明りが後光のように差し込み、部屋の中に長い影を造った。
その影の主は九曜だった。パジャマ姿で、枕を両手に抱えている。
「今日――いっしょに寝て――いい……?」
もしかして、
「……さっきの映画、怖かったのか?」
九曜は答えない。うつむいて、じっと俺を見つめている。そしてやっと小さく頷いた。
瞳の淵に涙がたまっていた。よほど我慢したのだろうか。
「わかったよ。見ててやるから俺のベッドで寝ろ」
本当は、見守っててやるから、と言いたかったが恥ずかしくて言えなかった。
またも九曜はこくりと頷く。そしてぬいぐるみのように抱えていた枕を敷き、俺のベッドにもぐりこんだ。俺はイスに座った。
「――おやすみ――」
「おう」
九曜が目を閉じた。部屋は静寂に支配されたが、息遣いは聞こえない。
どのくらい俺はそうしていただろう。真っ暗な中で動くものは何もない。
そろそろ九曜も寝付いただろう。俺はコーヒーを淹れるために、立ち上がり部屋を出ようとした。
が、出来なかった。九曜が俺の袖を握っていた。
「――行かないで――」
「まだ眠れないのか?」
「――――うん――――」
なぜか二人とも誰かに気を遣うかのように声をひそめていた。
「わかった」
「――――――うん……」
俺は再びイスに腰を下ろす。窓からはナイフで切ったようにきれいな半月が見えた。
小雨が降っていた。薄黒い雲が月にすがっている。
あいつらも――あっちの世界のあいつらも――この月をみているのだろうか。
失ってみて初めて尊さに気付いた、なんてベタな感想だが、胸にこみ上げてくる感情が、確かにそれを証明していた。
俺はあの世界が、あの毎日が、あいつらが、好きだったんだ。
俺はこの世界を選んだ。後戻りはできない。そして気付いたんだ。
そう、俺は泣きたくなるほどに、あいつらが大好きだった。
涙が伝っていった。俺は嗚咽を押し殺した。月が雨に濡れて滲んだかのようだった。なにかが手に触れた。
気付くと、九曜が起き上がっていて、俺の手を握っていた。温かくも冷たくもなく、人の温度だった。
九曜はなぜ、と言わない。なぜ、もなければ、それならば、もない。受け入れるのだ。
九曜は俺を包んだ。俺も九曜の背中に手をまわした。涙は半分になる。
なぜも、それならばも、ない。雨はやみ、月がはっきりとした輪郭を夜空に焼き付けていた。 【了】
久々のSS乙だっぜ!
なんか……いい
>>934 壷使ってて人多すぎになることってあるの?
壷入れてから今まで遭遇したこと無いんだけど。
>>938 己!
>>942 接続のLAN設定を毎回いじらないと壷発動できないんよ、俺のPCだけかもしれん。
それで発動し忘れて多杉になった。
>>938 キューちゃん可愛すぎ
母性本能に溢れてるぜ
>>938 なんというgj
キョンが消失世界を選んだSSはよく見るけど複雑な気持ちになる(良い意味でね)。
消失九曜とか原作には登場しないキャラが出てきたりすると余計に。
谷川の言う「人の数だけ世界がある」っていうのはこういうことなのかなぁと思ってみたり。
九曜「ここ――に…今―――私がいないこと―誰も……知らなく――て」
キョン「…………」
九曜「――――そっと……教えて…あげたく―て――あなたを…待って……いる――」
キョン「それが俺のベッドの餓えで体育座りをしていた理由なのか」
グロ注意
>>947 キ「つまりお前はこう言いたい訳だな
九曜かもしれない
と」
九曜が大好きだ!
かにのやつかとおもた
九曜さんをレイプしたいです
何?九曜の髪がえっちにゃ暴走をしてるって?
どれ、俺が見守ってやろう
958 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/13(金) 01:29:37 ID:NaW/iPFN
九曜がかわいいので供養すおうっと
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
961 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/14(土) 00:29:15 ID:x8fscDKj
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
次スレは
>>980ぐらいでいいか?
>>959 ―――――――――――――――――――――――――――
>>966 俺はそれでいいと思う
968 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/14(土) 14:34:46 ID:x8fscDKj
九曜かわいいよく酔う
九曜さんの髪の毛に縛られたいのです
過疎ってるな…それとも黙ってるだけか九曜
>>969 くっくっく。九曜を酔わせて、天蓋領域についての秘密を聞き出してやるぜ。
九曜「……これは――お酒――飲んで、いいの……?」
大丈夫大丈夫、バレやしないからガンガン行け。
九「……では――ごく、ごく――おいしい……」
………………。
さあ、九曜の顔も赤くなってきたぞ。そろそろ口も軽くなっただろうか?
よし、そろそろ仕掛けよう。なあ九曜、聞きたいんだが……。
九「……アルコール処理能力――限界を――突破……」
九「……安全に残ったアルコールを処理するため――休眠モードへ、移行する……」
九「……というわけで――ごめんなさい――少し――寝ていい……?」
ん、仕方ないな……(ホントは質問攻めにしたいんだが)
よし、そっちのベッドを使え。寝過ごしたら起こしてやる。
九「……ありがとう――おやすみなさい……」
(ふらふら、ばたん、すやすや)
やれやれ、まさか寝ちまうとは。ここからどんな風に、情報を聞き出しゃいいのかね。
九「……すぅ――すぅ……」
…………。
と、とりあえず添い寝から試してみるか……。
(いそいそ)
九「『意識レベル低下。セキュリティレベル、コードレッド発動。セーフティモードに移行』」
そんな声が何処から聞こえたと思ったら、九曜の髪が自身を守るかのように展開を始めた。
――――SSっす――――
表面上は穏やかな話し合いだが、実際は果し合いといったほうが正しい。
駅前の喫茶店は空いている。休日だからか?
今日は喜緑さんの出勤日ではないらしい。幸か不幸か。
俺は終始気まずい立場だ。とうに湯気の消えたコーヒーをなめる。
コーヒーは冷めても場の空気は熱くなるばかり。いよいよ修羅場か。
「キョン、ちょっと佐々木さんと話し合ってくるわ」
拳を使って話し合いをする奴がどこにいる?
「あくまでも平和的によ! へーわてきに!」
「暴力は知力の砦が瓦解したときに使う、文字通り最後の手段だよ、キョン」
二人はゾッとするほど穏やかな微笑みでそう言った。
しかし溢れ出る闘志を押さえ切れないのか互いに鋭い目線を逸さない。
「じゃ、あんたは待ってなさいね」
俺の返事も聞かずに二人は外へ飛び出していった。
これでよかったんだろうか?
まあ俺が選べと言われても選べないのだが。
「――――修羅場……それも極めてベタな――」
突然俺の向いに座る九曜が口を開いた。今日初めて声を聞く。
ていうかなんでお前がいるんだよ。
佐々木が何を考えて連れてきたのかわからん。
九曜はハルヒが注文したオレンジジュースのグラスを見つめついる。飲みたいのか?
「お前は何を頼んだんだ?」
顔の向きを俺にセットして九曜は口を開いた。
「――ウインナー……」
俺の脳裏にはジョッキ片手にそれを食らうジャーマンの親父が登場した。
「……コーヒー――」
なるほど。それでお前は鼻の下に立派な白ヒゲを蓄えてたんだな。
九曜は舌先でクリームを舐めとった。舌は実にゆっくりと、這うように進む。
カウンターで新聞を読む中年男性が咳払いをした。
「――恥ずかしい――」
本当か? 声が平坦だから全然感情が感じられない。
「――みんなには――秘密……ね――」
みんなというのが誰を指しているのかわからんが、わかったよ、俺の脳内にしまっておく。
「――よかった――」
九曜は伏せ目がちで何やら指をモジモジやっている。
どうやら本当に恥ずかしいようだ。
長い沈黙をはさみ、話題を変えるためか、
「――あなたは……どちらを選ぶの?」と聞かれた。
ハルヒと佐々木、俺は正直どちらを選べばいいのかわからない。
なんか、かつてないほどシリアスな展開だよな。うん。
ていうか九曜、あごと指にもクリームがついてるぞ。
反射的に九曜は指についたクリームを舐めた。
舌で舐めとるのは、どうやらこいつのポリシーらしい。あごはなかなか苦戦していたが。
九曜はお冷やを一口飲み、咳払いを一つした。
「――あなたには……まだ選択肢がある――」
急に話題に戻ったな。
ハルヒを選ぶか、佐々木を選ぶか……そしてもうひとつあるのか?
「――そう――」
「聞かせてくれ」
九曜が口を開くまでに少し間があった。
「――――ドジっ娘である周防九曜を選ぶ……か――」
なんと。思わぬ伏兵がいたものだ。
ドジっ娘は会得したものだったのか……ていうか俺はそんなにドジっ娘属性ないけどな。
九曜はまたモジモジ九曜になっていた。
うん、そうだな。ハルヒを選ぶ選択肢……佐々木を選ぶ選択肢……。
そして、いますぐウインナーコーヒーを注文して故意にクリームを唇につけてみる……という選択肢も検討してみる価値があるな。
了
>>975ー976
俺を萌え死なす気か……!
とりあえずそこで実際にキョンがウインナを頼んだ場合、新たな萌え展開と同時に
(店の外から、窓ガラスごしにキョンと九曜の様子を見ていた二人)
佐々木「ねえ涼宮さん、私たちはケンカなどせず、むしろ仲良くすべきなんじゃないかな?」
ハルヒ「ええ、まったくその通りだと思うわ……私たちは、敵と認識すべき相手を誤っていたようね!」
……な感じの、新たな修羅場が出現となるわけですな……!
WKWK