化け猫遊女
江戸は品川の色町から伝播した一種の都市伝説。
品川宿のある美しい遊女と床に入った客が夜中に目を覚ますと、
遊女が魚(人間の赤子というバージョンもあったらしい)を頭から丸かじりにしており
美貌も恐ろしい老猫の姿に変わっていたというもの。
怖いもの見たさで「化け猫遊女」と噂された女性を付回す男性が続出するなど大騒ぎになり
数多くの黄表紙本にも登場することになった。
最初はおどろおどろしい化け物だったが、実は親孝行でまじめな娘である、
片思いの男妖怪がいるなど人間くさく描写されるようになり、
それとともに猫そのものの姿から猫の尾が着物のすそから覗く以外は
何の変哲も無い美しい若い女性の姿へと変わっていった。
江戸のひとも大概好きものだな