シン・アスカと前田慶次がプリキュアS☆Sを応援するスレ 弐
???「ほんとうに・・・・それでいいの?・・・・・本当にそれでいいの?シンさん」
シン「・・・・?舞・・・ちゃん・・・か?」
まただ・・・またおぼろな夢。慶次さんの次は舞ちゃんか・・・正直、今の彼には舞の囁きさえ
耳に痛いだけだった・・・
舞「辛いんですね・・・ごめんなさい、私たちのせいで。もう、いいんですよ・・・もう。
私たちを応援してくれなくても・・・。辛いのなら・・・でも、あなたのそんな姿だけは見たくない!!
お願い、ルナさんの・・・みんなのところへ戻って。そしていつものあなたに戻って!!
このままじゃ、シンさんどんどん辛くなっていくだけ・・・ルナさんもどんどん・・・慶次さんだって
絶対、そんなあなたを・・・・ねえ、本当にそれでいいの?」
シン「ダメなんだ・・・・もうオレは・・・猫背だとかどうとか、そんなレベルの話じゃないんだよ!!
オレは・・・ステラ・・・『守る者』『守りたいもの』があった。守れないものもあった・・・でも、
その悲しみはみんなや、君や咲ちゃんが癒してくれた・・・でも違うんだ!慶次さんと言う・・・自分を
『守ってくれる人』『導いてくれる人』がいなくなった・・・かもしれないと思った時、今までの自分が
一気に・・・崩れた・・・ルナとだって、慶次さんがいなくなったとたんにあのザマだし・・・ガトーさんが
言ったんだ・・・『慶次さんという看板がなければ何も出来ないヤツ』って。戦ってるときは、気にも止まらなかった
言葉が、こんなに重いなんて!!オレはあの時、ガトーさんに言おうと思ってた言葉があったんだ・・・
でも今にしてみればオレが・・・こんなオレが何を一体偉そうに言うつもりだったんだ?そう、思うと
ただ情けなくて・・・あの、自分の信念をつらぬくどこまでもまっすぐな瞳に!眼光に!何をいえるんだ?
言えたとしても、慶次さんの威を借る代弁者・・・じゃないか!!!笑ってくれよ!舞!今、たった今気づいた!
オレ・・・慶次さんに嫉妬してるんだよ!!ガトーにも!!今までさんざん慶次さんの後ろにいたくせに!
あの人達の”舞台”に上がれないからって・・・もう、いいだろう!ガトーなら君達を守ってくれる!!
絶対諦めないで君たちを守り抜いてくれ・・・・・
舞「・・・・だめなのよ・・・・あの人は」
そう、舞はポツリと言った・・・涙を流すわけでもなく、ただ・・・とてつもなく冷たい、酷薄ともとれる
表情で・・・シンは、この可憐な冷たさに戦慄を覚えた
舞「あの人は・・・ダメ・・・正しいのは・・・あなた・・・今、あなたが胸に秘めている言葉・・・」
シン「舞・・・ちゃん・・・何を、言ってるんだ!?本当に、舞ちゃんなのか?」
舞「あの人は、悲しい・・・悲しみしか残さない・・・残せないひと・・・なの。本当にまっすぐな人よ・・・
まっすぐだからどこまでも突き進んでゆく・・・そしてみんなの気持ちさえ置いていくの・・・私と咲さえも・・・」
シン「正直、よくわからないけど、オレの、あの言葉なんかで・・・『本当にそれでいいのかい』?
その瞬間、舞の表情がまた変わる・・・うれし泣きをこらえるかのような、不思議な顔で。
舞「ええ!『本当にそれでいいの』!ガトーさんにいってあげて!!それは慶次さんにだってできない、
あなただけの・・・あなただから上がれる『舞台』なの・・・お願い。」
シンは、自分のの心に再び熱が篭るのを感じていた・・・でも、まだその熱にはとまどいがある。
舞「わたしも・・・あなたのこと、応援してるからね。それと、わたしたちと・・・よかったらこれからも・・・
変だね、私さっきとぜんぜん違うこと言ってる。」
そこで・・・いつもの、見慣れた舞の顔に戻る。その変化に、シンはまた、熱を覚えた!
舞「それじゃ、さようなら」 シン「え?ま、待ってくれ!!」
まただ・・・また、おぼろに消えてゆく・・・・・シンは飛び起きた!見知らぬ、部屋で。
傍らには、煌めく、白銀の羽があった。
目が醒めたシン・・・ここはどこだ?まだ、体が痛む。とりあえず起きてみる・・・裏口
らしき扉があったので出てみた・・・そして表に回ってみるとそこには・・・
ホビーショップ ☆レズナー☆
と言う看板があった。なんか気が抜けた・・・店内に人影がある、店の扉をあけ入っていく。
片腕の男「ん?客か!・・・お前は・・・目が醒めたのか?食欲はあるか?あるならメシにする。
顔を洗って奥に来い!」
シン「あ、あの・・・」
とりあえず、言われるがままに食卓につくシン・・・酒のせいであまり食欲はなかったが・・・
シン「あの、助けてもらったみたいで、ありがとうございました・・・」
片腕の男「フン!なんだ、素直だな。昨日、やさぐれてたヤツとは思えんな。
憑き物が落ちたって顔してるぞ、今は!」
シンは昨日の夢のおかげか大分心が軽くなっていたが、それだけではない・・・どうやら
このホビーショップの店長らしいこの男は、男の眼光は彼にとって見かける機会が多かったもの・・・
”いくさ人”の目をしていたからだ・・・このような場所にはおおよそ不釣合いな。やはり、このまなざしには・・・弱い。
ケリィ「フン!オレはケリィ・レズナーお前は」 シン「シン・・・シン・アスカ」
ケリィ「シンか・・・シン、どうしてお前S☆Sのドール持ってたり、歌唄ったりしてたんだ?
まさか本当にデラーズ・ニートの真似事してたってわけでもあるまい?」
シン「違います!どっちかって言うとその逆で・・・いえ!と、ところで、この店、いろんなジャンルのホビーが
置いてあるみたいですね!!ミリタリーのスケール物とか、ガンプラとか・・・美少女フィギュアもたくさん」
ケリィ「フン!気に入ったのがあったら持って行け・・・これも何かの縁だひとつぐらいならタダでやる。そのかわり
もう昨日みたいなバカなことはするんじゃないぞ!!ああ、そこにある1/100のデスティニーガンダムって
やつはみんな持ってってもいいぞ!売れんで困ってるんだ!!まったく、主人公のメカが一番売れないなんて
初めてだ!!(これ、近所の模型屋で聞いた実話なんだけど、本当なんだろうか?)」
シン「ショボーン (´・ω・`)」
シンはとりあえず言われるまま、興味もあったので店内をいろいろ見ていたが・・・
店内ではなく、店の奥・・・の個室にある作業台と、その上にある人型に目が留まった。
ものすごく気になる形をしていたからだ。そして奥に入り、思わず手にとって見る。
1/6スケールくらいの、いわゆる美少女フィギュアキットの作りかけ・・・と言うより、フル・スクラッチ
だった。そして何より気になったのはその造形・・・このキャラクターって、もしかして・・・
ちなみに、そのさらに奥には、ありえないほど広い地下施設への入り口と、中には巨大なMAが
眠っていたようにも見えたが、それは華麗にスルーしたシンであった・・・と、そこで、いきなり強い力で、
肩をつかまれ、シンは後ろに投げ飛ばされた!!ケリィだった。激しい憤りの表情で
ケリィ「おい!そいつに触るんじゃない!!何をしてるんだ!!」
シン「あてて・・・ケリィさん、これってもしかして・・・キュアイーグレットのフィギュアじゃないですか?」
ケリィ「それは売り物じゃないぞ!!それはただのガラクタだ!!おれの道楽のな!!分かったら部屋からでろ!!」
なぜそこまで激昂するのか、シンには分からなかったが、思わず目に止まったその造形の巧みさ・・・
シンのような素人にも分かる、未完成ながらも素晴らしい出来映えだった。
シン「すごい・・・変身時の背景の翼まで表現してある・・・それに、この凛々くて、可憐な表情・・・
シンは夢に見た舞のイメージそのもの・・・そうとまで思えた。
ケリィは、シンとの悶着で棚から崩れ落ちたプラモの箱を戻そうとした・・・しかし片腕では
なかなか難儀しているのがありありと伺えた・・・思わず手を貸す・・・こういってはなんだが、片腕で
こんなに見事な作品を作れるものなのだろうか?作業台にも埃がかぶさり、作業は止まっているようだった。
シン「あの・・・このイーグレット、ケリィさんが作ったんですよね?もう・・・これ以上は作らないんですか?」
ケリィ「フン!余計なお世話だ」
そうは言うものの、シンから取り戻した時のケリィの目は真剣そのもの、とても大事なものらしいのは
間違いなかった・・・やはり片腕のせいなのだろう・・・どこか、フィギュアを見つめる目は悲しそうだった。
そして、昨日の夢のせいもあるのか、シンはこのイーグレットの完成した姿が無性に見たくなっていた・・・
思わず、再び手にとって見ていた。なぜか、完成させなきゃいけないとさえ思えてきた。あの夢の舞に
あえるような・・・そんな気が。
ケリィ「おい!!いい加減にしないと・・・!!」
シン「ケリィさん!!お願いがあるんですが!・・・しばらく、ここにおいてもらえませんか?」
ケリィ「何?おれには人を雇う余裕なんてないぞ?」
シン「構いません、そして、この舞ちゃんを完成させるのを、手伝わせて欲しいんです!雑用でも何でも!!」
ケリィ「・・・・・フン!好きにしろ!!」
意外なことに、許しが出た、荒れていた自分が曲がりなりにも明るくなったのに水をさしたくなかったのか、
案外、面倒見のいい人なのかもしれない。シンはそう思った・・・こうして、このフォン・ブラックの最下層にある
ホビーショップに、にわかバイト店員が誕生した。
ビームサーベルは音も無く格納されていく
擦れ違う時にかなりの至近弾を浴びている。直撃が無かったのは幸いだった
慶次を始めとする一同は声も無かった
連邦艦の追撃は鈍く、やがてレーダーからはその姿が消えると皆の深いため息が漏れる
「なんですか、この巨大なビームサーベルは!」
「あのレーザーもそうだが…これは今までの技術の拡大版だ…極めて非合理的だがな」
ゴードンが解説する
「こっちも酷くやられたみたいだが…連邦が抹殺したがっているのも解る…
これじゃあ、ただの虐殺だ!」
「だんな、早くこの船を降りましょう!この距離なら連邦のヤツラも追って来れない
この船は危険すぎます!」
「…そうか、世話になったな。オレはまだやる事が残っている。お前達だけ逃げろ」
「一体、何をなさるんで?」
「ヤツラの親玉を一発殴ってやらんと気がすまん!」
「…またそんな無茶な事を…平気な顔をして言うんだから…
…わかった!わかりましたよ!お供しますよ、もう…」
「松風」は大きく円弧を描きながら連邦艦隊が展開していた場所へ戻る事になった
「よし、『松風』、接近したら連邦艦隊の武装だけを狙って撃て。旗艦に接舷するぞ!
MSも同様、武器だけを狙え」
艦内装備を確認しながらゴードンが言う
「だんな、遭難船救助用の移乗用アンカーチューブを使いましょう
左前方格納庫の待機所へ移動して下さい」
慶次についてスティーブとイワンが待機所へ向かう
「こいつはスゲエ!戦闘宇宙服…だけじゃない!装甲戦闘服もあるぞ!」
白兵戦用の装甲服を慶次に手際よく着せてゆく
「…手際がいいな…どこで習ったのだ?」
「軍隊にいっていた頃にね…技術も身につくし、何よりメシの心配をしないでいいですから
…できましたよ、だんな」
「む?体が軽く感じるな…これは?」
「倍力構造が組み込まれています。機械が力を補助しくれるんですよ…だんなには不要でしょうがねw」
連邦艦隊は集結をして次の作戦に移る準備をしていたが、
短時間のうちに『松風』が戻って来るとは思ってもいなかった。
接近とともに蜂の巣を突付いたような騒ぎとなる
先ほど伏せておいて間に合わなかったMS隊が迎撃に出たが、それは一斉射撃を遅らせる結果となった
『松風』も学習したらしく、艦隊中心部から遠い艦を選びながら円を描いて回り込み
その攻撃力を封じていく
MS隊は精鋭のジムコマンドであったが頭部と両腕を撃ち抜かれ、母艦に撤退を余儀なくされ
やがて艦隊は我先に遁走し始めて行く
「敵旗艦と思しき艦に接舷!だんな!いつでも大丈夫ですぜ」
「よし!いくぞ!」
―Yes!プリキュア5本スレ(サンク・ルミエール要塞) ナッツハウス鎮守府―
かつてS☆S一年戦争時、S☆S派軍の本スレ”夕凪”要塞と呼ばれていたこの宇宙要塞は
最大の激戦地となり、終戦後、YP5連邦の本スレとなり、”サンク・ルミエール”と呼ばれていた。
今、この地では番組とスレの好調によるYP5の人気・売上げ的戦勝を高らかに宣言し祝うための式典
『観艦式』の準備のため、各関連スレから続々と連邦艦艇が集結しつつあった・・・。
連邦高官「みよ・・・このスレの伸びと艦隊の威容。そしてスレの特に荒れもせず静かなこと・・・どこにSS儲共の徘徊がある。
デラーズめ、来るなら来いだ!!圧倒的な住人の戦力差を教えてやる!!。・・・おっと、お茶の時間だ。
私は、ミントティーがいいな・・・お茶菓子は豆大福で頼む」
部下「は、、しかし閣下実は件の実験艦のことで、報告がありまして・・・どうやらあの船がなにやら
今までとは違う動きを見せ始め、あろうことか我が軍の艦隊と交戦に入ったとのことです!」
高官「・・・!バカめ、さかりおって!『あの女』の船らしいわ!!観艦式を控えて、デラーズ以外に不安要素が増えては
問題だな・・・しかるべき処置をとるように! 諸君!!知ってのとおり此度の観艦式は、デラーズを初めとした
反乱分子共に、我々の5人のプリキュア様達の、特に私のこまち様の・・・ハァハァ(*゜Д゜*)・・・大人気ぶりを見せつけ、
奴らの戦意を完膚なきまでに叩き潰す絶好の機会である!!くれぐれも各方面に不備がないように!!」
部下「それでしたら・・・あの船の『処分は』あの部隊に命令なされては?」
高官「・・・!なるほど、あの派閥の部隊ならばいくら損失しても惜しくはない・・・我が軍にありながら、S☆Sなどと言う駄作に
肩入れする奴らをまとめて処分するいい機会・・・と言うことか。ふふふ・・・まさしく、一石二鳥だな・・・」
戦後、連邦においてかつてのS☆Sアンチたちはその禍々しい処世術を遺憾なく発揮し、軍内の一大勢力となっていた・・・
『松風』は誘爆を起こさないように慎重に旗艦の推進部を狙撃した
旗艦を置いて一目散に逃げる敵艦を尻目に悠々と接舷しアンカーが撃ち込まれる
スティーブの操作でと引火性の催涙ガスが敵艦内に放出され、続いて慶次とイワンが
圧縮空気とともに送り出された
宇宙服の一団がすぐに駆けつけて来たが、銃が使えず慌てているのが見て取れる
「この時代の小火器は引火性のガスを検知するとロックがかかるんですよ」
「手馴れたものだ…それも「軍隊」で習ったのか?」
「毎日毎日、なんでこんな訓練するのか疑問だったんですがね…今わかりましたよ
…だんなを手助けするためだったってね」
イワンはニヤリと笑った
「さあ、艦橋はこの上です」
慶次は手近なパイプを壁から引き剥がすと、槍のように振り回して言った
「よおし!誰からオレの相手になる?」
艦橋内ではてんやわんやの大騒ぎで「松風」からの侵入者の報告を受けると
混乱は頂点に達した
「連絡宇宙艇で脱出するのだ!急げ!急がんかバカ者ども!」
司令官が見境もなく部下に当り散らした。その時、
出入り口から宇宙服の兵士が一人、悲鳴とともに飛んでいくのが見えた
同時に催涙弾が打ち込まれ、その場にいた連邦士官達は むせ返る
二人の装甲服の大男が艦橋に立つ。出入り口に一人が見張りに立ち、
もう一人は司令官らしき男を探し出して胸倉をつかみ上げる
「げほ!ななな何だキサマは!ごほ!」
「お前がこの艦隊の司令官か?オレの名は前田慶次郎!覚えていてもらおう」
「ままま前田慶次!?げほげほっ!キサマのような原始人が何のようだ!げほ」
「聞きたい事がある!おぬしワザとあの船にオレ達を拾わせたな?
あの船の秘密はなんだ?答えてもらおう!」
そう言うと司令官を床に放り出し、何を思ったか倍力構造のある装甲をはずし、
素手同然の通常宇宙服になった
「げほっ!バカかお前は!わたしは栄えあるYP5連邦艦隊の軍人だぞ!ごほ!
お前らのようなテロリストになぞ、たとえ知っていても答えるものか!げぇーほ!」
慶次は無言で司令官の胸倉を片手でつかみ上げると平手打ちを食らわせた
スパーン!「ぽげぇぇ!!…ぼ、暴力には屈し…」
パン!「ぱっ!」パン!「ぴぃ!」パン!「ぷぅう!」スパパーン!「ぺぽぉぉおお!!」
頬を押さえてごろごろと床を転がっていった
「ひぃぃいいい!知らない!ホントに何も知らないんですぅぅ!」
とうとう司令官は泣き出してしまった
「信用できると思うか!大体、つい先日まで『S☆Sマンセー』…などと言っていたクセに
上の者の顔色をうかがって『のぞみタソハァハァ』なんぞと言っているヤツラの言う事など!」
―月 フォン・ブラック―
連邦艦船などが大手を振って出入港を繰り返す第1ゲートからはなれた、小規模な第6宇宙ゲートに
人目を忍ぶかのようにひっそりと一隻の輸送船が入港した。だが、それを出迎えたのは、月最大の企業の
重役であった・・・そして、輸送船からスーツ姿の美女が降りてくる・・・
重役「お待ちしておりました。シーマ様」
シーマ「ずいぶんたいそうなお出迎えじゃあないか。YP5の船は第1ゲートで、我々の船は
グッズ返品用の第6ゲートかい・・・」
重役「いえいえ、とんでもございません・・・我々はS☆S派の皆さんと、シーマ様のお役に立ちたく
思っておりますものを・・・」
シーマ「そう思うなら、もう少しましなMSを分けてもらえないかなあ?そのために来たのだ・・・」
重役「ええ!シーマ様のために、とっておきのMSをご用意させていただきました。ただ・・・少々いわくつきの期待でして」
シーマ「性能がよければ裏の事情なんか知ったこっちゃあないさね、どうせこちとら悪名高い舞スレ艦隊だ・・・フフ案内してもらうよ。」
そうして、裏取引用の工場へ向かうシーマたち・・・はたして、そこにあったのは、現在シンやガトーらが駆る、
GPシリーズの4号機となるはずだった機体・・・性能はそのままに、機体の外装をジオン系の意匠に換装した機体だった。」
重役「『花』の名を冠したGPシリーズでしたので、名前は『ガーベラ・テトラ』と申します・・・」
シーマ「しかし、お前らもいい商売してるねえ・・・こうやって新鋭の期待をYP5連邦とS☆S派に共に
売りさばいて戦わせるなんてねえ・・・そしてその両者の間で常に自分たちを対等に、対等以上に持って行こうとする。
2ちゃんにおいてもそうさ、結局、プリキュアスレを混沌とさせているのは、お前らのような 初代派・ナギホノリアン
なんだなあ・・・フフフ」
重役「滅相もございません・・・ふふふ」
シーマ(しかし・・・『花』としては咲けない花・・・か、まるで私のようだねえ・・・)
シーマ・ガラハウ・・・この女傑は、元々咲派であった。勝気で快活な彼女は咲の性格に共感する
ところが大きかったのだ・・・当然、ガトーらと同じ、咲スレ部隊を志願していた。
しかし、S☆S軍を取り巻く情勢は、彼女を舞スレ部隊・しかもおピンク変態ぞろいの
『まいまいに突撃・機動海兵隊』に配備させた。そして、そんな彼女の運命を狂わせた
ほのかスレへの毒ガス攻撃(ちなみに、ほのかスレは当時、空気荒らしと変態しかいなかったため
月のなぎほの派とは別物であった)・・・彼女はその任務の真相を知らされることないまま、その手を汚す
こととなる・・・戦後は、YP5連邦からB級戦犯として追われ、満薫派のひょうたん岩派閥からも
亡命を拒否され、海賊稼業へ身を落とした。彼女はまさしく、咲く事が許されなかった花なのだ。
彼女とて”いくさ”場を『キュアブルーム変身なりきりパイロットスーツ』で身をまとって華々しく駆けたかったのだ・・・
ガトーのように『絶好調ナリ〜〜〜』と叫びながら咲のために戦いたかったのだ!!しかし運命はそれらをことごとく奪った・・・
シーマ(皮肉か・・・フフフ・・・今更、そんな感傷にひたってもしょうがない・・・いや案外、コイツとの
相性はいいってことかもしれないねえ・・・面白いことが出来そうだ・・・)
「気に入ったよ・・・しかし、キツネ耳アンテナは追加してもらうよ・・・フフフ、ウチのバカ共はそいつがないと
うるさいんでねえ・・・・・」
―CM―
♪ア ゲア バ〜ニンラ〜〜〜〜〜ヴ♪
ガトー「苦渋の闇を捨て、いざ征かん!!全国のDVD取扱店へ!!」
夕凪よ・・・私は帰ってきた・・・
S☆Sの劇場版『チクタク危機一髪』DVD4月18日発売予定
デラーズ「ふふ・・・ガトーめ、またレーザー通信をジャックしてまで、自らCMを買って出るとはな・・・
よほど待ちきれんと見える。」
部下「ひさしく補給らしい補給のない我々にとってはまたとない朗報ですな。」
デラーズ「この補給を終え次第、我々の本格的な作戦は始まる・・・・・いや、すべての終わりか・・・我々の総力を
上げて行う本作戦は、甚大なる損害を覚悟せねばならぬ。そして、なかよし単行本やVFBでの
補給が絶望的な状況では、同志おともだち諸君は皆、損害から再起はできまい・・・
あとは幾多の終了した過去のアニメスレ同様、落ちるのみ・・・二本目の矢は放てんのだ!!
万一の時は、ワシは作戦を中止してでも兵を退かせるスレを立てねばならぬのか・・・
糞スレだの重複だのと・・・あの屈辱のア・ニメイタ・ツーのように!!(ググッ)
部下「心中、お察しいたします・・・・・」
慶次は、艦橋にいた者達のおどおどとした目の他に
刺すような激しい怒りにも似た視線があるのに気が付いた
その視線の持ち主は一人の女性兵であった
問いかけようと目線を移したその時、転がっていた司令官はにわかに立ち上がり、
コンソールに取り付くと、機械を何やら操作し始めた
「ひゃあはは!このまま逃げ帰っても、仲間には蔑まれて一生便所掃除がオチだぁ!
オマエラ共々木っ端微塵になってやるぅ!あひゃひゃひゃひゃ!ポチっとな♪」
スイッチが押され警報が鳴り響く
「キサマ!」
「司令!」
慶次と同時に一人の高級士官が叫ぶ。慶次は司令官をぶん殴り、士官は機械に飛びついた
「だめだ…15分後にこの艦は自爆する」
「『松風』に…いや、あの船を使え!全員を移乗させろ!」
「しかし…あなたと我々は今は敵同士…」
「そんな事を言っている場合か?…見た所、おぬしがこの艦の長だろう?部下の命を優先しろ!」
「…わかりました。…総員退艦せよ!『悪魔の船』に移乗する!」
満員の連絡艇とランチが艦を離れ、残った30名ほどを移乗用チューブが次々と吸い込んでゆく
艦長と気絶した司令官をチューブに押し込むと最期に慶次が脱出する
「『松風』!あの船は自爆する!安全圏外へ離れろ!」
慶次は待機所のモニタースクリーンで虚ろな目をした者達とともに旗艦の最期を見届けた
連絡艇やランチも収容され、この空域から最も近い中立都市、サイド6へ送り届ける事になった
スティーブ達は反対したが、慶次は兵員達を特に拘束はしなかったが、司令官と幕僚は軟禁する事にした
戦闘後、『松風』は慶次の命ずるまま、元いた場所から離れる気になったようだ
「サイド6に着いたらお前達もこの船から降りろ」
慶次はにべも無くスティーブ達に言い渡した
「待って下さい、だんな!こうなったらどこまでもついて行きますよ!」
「だめだ!…これまでは、オレとお前達が生き延びるための『いくさ』だった…だが、これからは違う…
オレが『松風』と生き延びる『いくさ』だ…巻き込むわけにはいかん」
彼らも短い間とはいえ、慶次の事を彼らなりに理解していた。反抗は無意味だ、と悟った
「…わかりました…ですが、『もとの世界』にお戻りの際は是非サイド6へ立ち寄って下さい!」
「ナスバディなネエちゃんがブルームの衣装でウハウハな店へご招待しますぜ!」
「…解った。必ず寄らせてもらうよ。そのかわり、シンへの通信を頼む」
にこりと笑う慶次を見て目を潤ませる三人であった
三人を下がらせると慶次は、連邦旗艦の艦長、ホーネットと名乗る男を呼び出した
何にしても情報が欲しかったのだ。この船についての情報が。
「…では、この船の中央制御室の三人は、まだ見ていないのですか?」
「三人…?」
「わたしも詳しい事は知りませんが…その三人の『女性』は生きながらコンピュータとして
『開かずの間』に『つながれている』…と言う話です」
「おぞましい話だな…その『開かずの間』は開けられんのか?」
「今まで研究施設の科学者どもでもダメだったと聞いています。我々のような
素人には無理でしょう…亡くなった技術者か…あるいはジオンの高度な技術者でも無い限りは…」
「ジオン…デラーズ・フリートにもそんな研究をしている者がいるかも知れんな…」
「まさか!危険ですよ!?」
「それは連邦にとって、だろう?今はオレは連邦の敵となった…デラーズは嫌がるかも知れんが、
案外、ガトーあたりは歓迎してくれるかも知れんよ…はっは」
冗談には聞こえない響きがある
「いずれにしても、サイド6ではこの船の修理は望めんそうだ…一番近いドックのある場所は
そこしかないのだからな…」
次に、激しい視線を投げていた女性兵士を呼び出した
「なぜ、そんな目をオレにするのかね?」
(最近、女性には冷たい目をされてばかりだ…)慶次は心の中でグチを言った
「…わたしは姉を探しに来ました」
「?」
「姉はこの船の開発責任者の一人でした」
「!」
>>351 >ナスバディ→ナイスバディ
失礼しますた
>安全圏外へ離れろ
↓
安全圏まで離れろ
難しいなあ
駄文さんガンガッテクレ
一日一回ここに来るのが楽しみでしょうがないよ!
―満薫派・ひょうたん岩先遣艦隊―
YP5連邦の774艦隊を撃破後、彼らは深追いをせず、戦闘を中止した。それには訳があった。
彼らは、あくまでデラーズたちの後援・2ちゃん地球圏の情勢視察のための艦隊だからだ。
上層部からも戦力の喪失は極力避けるようと命令されていた・・・
ハスラー「デラーズには苦労をかけるな・・・しかし、これが我々満薫派の現状なのだ。
せめてもの手向けはアレのみか・・・しかしアレはまだ調整中と聞くが、間に合うのか?」
『アレ』はその巨体を、補給艦の格納庫内にどっしりと降ろしていた・・・その傍らで一人の技師が
忙しそうに、システム調整用のモニターとにらめっこしながら、しきりにキーを叩いていた・・・
技師「う〜〜ん、このMA、ノイエ・ジールの機械的な部分は完全に稼動状態まで持ってきたけど・・・
肝心な、オレの専門のニュータイプ技術を応用したデジタル人格管制プログラム『SAKI』システム
がこうも不調じゃあな〜〜大体、満様命のこのオレにあのタヌキの人格研究なんかさせんなっつ−の!
ガトーだかコトーだか知んないけど、そのパイロットに最適な状態にするためとはいえ・・・迷惑な話だ・・・
きっと、そいつもバカに違いないな!よし!けって〜〜〜い!!・・・おっと、こりゃ敵性語か・・・
ど〜れSAKIちゃん・・・プログラミング修正完了!今度こそ頼むよ〜〜〜(ポチ)
そして、ノイエ・ジールのシステムとリンクしたモニターに、アナウンサー姿の咲が写しだされる・・・
アナウンサー咲「え、え〜〜と、今、この機体の使用可能状態にある武装は・・・有・・・線、放送?じゃなくて
クローワッサン?クロール?・・・!クローアーム!有線クローアーム!!です!やった〜〜☆読めた!」
技師「ガクッorz・・・だめだこりゃ、またバグか・・・デラーズ・ニートに引き渡すまで間に合うかな・・・?『オリエ・ジール』への改修・・・トホホ」
がっくりと肩を降ろす彼に合わせるかのように、モニターの中の彼女も
__ ..:
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/ /7 ヽ ヽ::::
/ r‐-='、 :|} l .... : :
/{ ,.イ,ィlー' /'´ /!::::__::::::::::::: :
//イ__ 'ヘ:, ー-、イ二こ´ノ-'=r‐、ヽ::: オールレンジ火器管制
{_!/´ ̄`ヽ :', V|_ 」!ヽ ,-':‐::イ システムエラーです・・・
/ /´! ヽ!-- ‐'ノ:、_ノ'´.::::: 絶不調ナリ・・・
{ f‐'、ノ :小ーイ .:::::::
_ト{ __」 イ 〉 | | .:::::::
{_ `ト、__ ノリ ,' |::::::
└'´` {ーイ::
_」 ̄ヽ
└ ヘ.__/
と、表示されていた・・・
そのころ、捨丸や骨たちは、月で買い取った廃工場に、傷ついたガンダム『咲』を
密かに運び込んで、修理に取り掛かっていた・・・ただ修理するならいざ知らず、
部品は気がついたら、先に大破したデスティニー(地上から積んできた)から『共食い』
で調達するなど、プロのMSメカニックも顔負けの要領のよさであった。戦国の忍び恐るべし・・・
と、ルナマリアが感嘆していると、休憩に入った捨丸が声をかけてきた。
捨丸「ルナさん・・・やっと部屋から出てきましたね。どうです?シンさんみたいにパ〜ッと街に
繰り出してみては?気分転換になりますよ?」
ルナは嘆息した・・・要するに彼は、出て行ったシンを捜しにいって仲直りしたら?と言いたいのだろう。
ルナ「わかったわ・・・ちょっと街に出てみます。ま、あんなバカはもう知らないけどね!」
捨丸(ニヤ〜〜〜〜)
ルナ「な、何よその顔は!大体、捨丸さんたちも頭に来ないの?こうしてみんなが頑張ってる時に、
やさぐれて出て行ったきり居場所も分からない誰かさんに。」
捨丸「い〜え、それぐらいでどうかするようじゃ、あの旦那のお供はつとまってませんよ!それに大丈夫、
シンさんはあれでも旦那の一番弟子!きっと大事な時が来たら”いくさ人”の顔になって戻ってきますよ!」
ルナ(慶次さん・・・)「と、とにかく行ってきます!帰ってきたら私も手伝うわ」
骨「どれ・・・私も行きましょうかね・・・このガンダムの宇宙用パーツを『貰い』に・・・
捨丸「・・・?何?なんかアテがあったのか?しかも、なんだ?その箱一杯のにんじんは?もってくの?」
YP5連邦パイロット コウ・ウラキは戦っていた・・・皿一杯の山盛りにんじんと
ウラキ「うえ〜〜〜こんなもん、みんなよく食べるなぁ〜〜〜よ〜〜し!!オレも男だ!」
彼は、オーストラリアでガトーにガンダム2号機を奪われ、気がついたら自分の1号機も何者かに奪われた・・・
しまいにゃ軍からプリヲタの烙印まで・・・今、雪辱に燃え、月で1号機の新造・再受け取りと宇宙用パーツへの換装を待っているのだ・・・
???「ニンジンが苦手なら、ジュースにするのがいいですよ〜〜自然のままに育ったニンジン
のジュースは果物みたいに甘いんです。どうぞ・・・ つ『ジュース』
ウラキ「ん?ありがとう!なんか美Oしんぼのばっちゃんみたいな物言いだけど・・・それにどこかで聞いたような声ですね?
いただきます(グイッ)・・・・・うん!うまい!これなら・・・・・ウッ!!!(ガクッ)
骨「ふふ・・・おやすみなさい。どれ、目的のものはどこかいな〜〜〜〜〜」
そして
ニナ「イヤ〜〜〜〜〜!!私のガンダ(ry
ちなみに、こんどのウラキは『プリキュア5のヒロイン達の大食いぶりに触発されてニンジン大食いに
挑戦したあげく、食あたりで悶絶し気絶』として軍から処理されたという・・・
こうして、骨はガンダムのパーツが入ったコンテナをまんまと強奪し、トラックで
工場へ運び込んできた。捨丸ももはや経緯は聞かなかったが、いざ、コンテナを空けてみると、
中に入っていたのは、宇宙用パーツではなく、ガンダムの部品そのものだったのだ・・・
皮肉にも、地上で骨が1号機を強奪したため、連邦はまた、一からガンダムを新造する必要に迫られ、
その分、宇宙用パーツの納入が遅れていたのだ。これでは、修理ははかどるが、結局、空間戦闘には出せない・・・
捨丸「ん〜〜こりゃまいった。シンさん、宇宙に羽ばたく翼は持てないままか・・・」
骨「おや、お前さん、今日はずいぶん詩人だねえ」
捨丸「うるさい!!・・・!?翼?・・・そういえば、大破したデスティニー、背部のスラスターはほとんど
無事だったな・・・・・・いっそのこと、アレくっつけちまうか!」
骨「?できるかねえ・・・」
捨丸「やっぱ無理だなあ・・・くっつけてもハイパーデュートリオンがメイン動力だから核融合動力だけで
必要な出力は出せないだろうし空間戦闘用のソフトウェアもない・・・どうしたもんかねえ、
あのスラスターなら宇宙でも高機動力は確保できそうなんだけどなあ。かといって、デスティニーは
損傷がひどくて、部品もない。こっちはこっちで修理が出来ねえ。あ〜〜〜〜!!!」
捨丸は苛立ち紛れに、図面や整備マニュアルを置いていた棚をかきむしるかのように漁る。
もちろん、現状を解決してくれる方法など書いてはいない・・・しかし、捨丸は見慣れぬ手帳がいつのまにか
紛れ込んでいるのに気づいた。プリキュアダイアリー・・・無印プリキュア時代のグッズだ・・・この月は、
なぎほの派のお膝元だけに、これら初代アイテムは当たり前のように店に置いてあるが、手帳には『H・Y』
と、イニシャルらしき文字があった。捨丸はその時、なぜか無性にその手帳の中が見たくなった。そうしなければ
ならないとさえ思えるほどに・・・思わず、ページを開いていた・・・
「姉はこの船の開発責任者の一人でした」
年の頃は14、5であろうか、まだ幼さが残っている顔だった
慶次は驚きを隠して女性兵士に尋ねた
「事故でこの船を開発した技術者の多くは亡くなったと聞いたが?」
「この空域で船外に投げ出され、行方不明になったと言う話ですが…
姉は死んでなんかいません!…感じるんです、わたしには!」
「…その様子だと、『お姉さん』を探しに軍隊に入ったのか…
そして、ようやくこの船まで辿り着いた、か…苦労したのだな」
「名前はフゥと言います。この船に置いて下さい、お願いします!」
慶次は即答を避けたが、拒む理由が思いつかなかった
「…よかろう。だが、つらいものを見る事になるかも知れんぞ?よいな?」
「?…はい」
兵員一行とスティーブ達をサイド6領空手前で下ろす前に
慶次は全チャンネルに向けて放送を開始した
そのころ、ルナマリアはフォン・ブラックの街に繰り出したものの、当てもなくただ
歩いていた・・・ショーウィンドウにならぶ初代プリキュアグッズの数々・・・まるでここは
2年前から時が止まっているかのようだった・・・道行く人の携帯が鳴る。着信音は
『DANZEN ふたりはプリキュア』・・・そんなショッピング街を抜け、物思いにふける
シンを探す気には・・・なれない。でもそれは、彼がいまだに許せないからではない・・・むしろ逆・・・
許せないのは自分だった。確かにあの時、シンが出撃しなかったら、自分単機で母船を守りきれたか?
答えはNo・・・それなのに、慶次がいなくなった悲しみが、自分の心を曇らせた。改めて、自分の慶次への
依存心を思い知った・・・しかし、それでもシンへ素直にはなれない自分もまた存在する。だから、さまよう。
結局、自分もシンと同じ・・・・・・そんな夕暮れの物思いは、唐突に破られた、誰かが声をかけてきたのだ・・・
夕暮れの、ひどい逆光・・・顔立ちはよく分からない。声や背丈から、少女とは分かった。彼女はこういった・・・
???「ねえ!もし良かったら、私とキャッチボールしようよ!!」
ルナ「はあ?何をいきなり・・・」
ルナはいぶかしんだが、次の瞬間にはなぜか、まあいいか・・・と思えてきた。ルナが了解!と告げると、
逆行でも分かる満面の笑顔を浮かべた少女は、長い、棒のようなものを差し出してきた。ゴムボールか、
せいぜい野球のグラブくらいを想像していたルナは面食らった・・・それは、ラクロスに使うスティック・
クロスだった・・・
慶次は全チャンネルに向けて放送を開始した
画面に涼やかな慶次の顔が映し出される
「やあやあ、遠からん者は音にも聞け!近くば寄って目にも見よ!
我こそは、前田慶次郎利益!お見知りおきあれい!!
さてさて、バンダイカーン殿と連邦の者どもより、無体にも抹殺されんとする船一隻、
この前田慶次が賊どもより救い申した!」
変わって画面には青黒い巨体の「松風」の全景が映しだされる
「バンダイカーン殿には いつぞやの褒美を未だ頂戴申しておらぬゆえ
この船を今より『松風』と命名し、わが手に入れる所存にござる!
ご承服いただけぬとあらば、刃をもって、この前田慶次の前に参られよ!
どのような挑戦も存分にお受けいたす!!」
前田慶次が再び画面に登場し、高らかに宣言する
「この船に まつわる禍々しき技術と陰謀の数々!百代かかっても
この前田慶次が明らかにさせ申す!心して参られい!!」
放送が終わり、スティーブ達を下船させると慶次は独り、舵輪の前で
腕を組んで考える
「…さて、『返せ』と言ってくるか、艦を連ねて力ずくで押してくるか…
まずは様子見、といった所か…」
不敵に笑う慶次をフゥは怪訝に見つめている
「『松風』!お前を直してくれる所を探すとしようか…まずはデラーズ・フリート!
暗礁空域の『いばらの郷』へ!」
「慶次『松風』を得る」 終
慶次をどうしても「松風」という船に乗せてみたくて書いた愚文ですが
無駄にナゾが増えて手に負えなくなってしまいました
駄文氏、他の方が『松風』を使って頂ければ幸いです
付き合って読んで下さった方、ありがとうございました
毎回小ネタが満載ですごく笑えるなw
捨丸達やルナがそれぞれに行動している頃、ケリィの店に転がり込んでいたシンは・・・
昼はあまり客がこないホビーショップの店番、そして夜は遅くまでイーグレットフィギュアの
製作に、ケリィの助手として打ち込んでいた・・・正直言うと、これも一種の現実逃避なのかもしれない。
まだルナたちの下には帰りづらいと言う気持ちもあった。しかし舞が夢に出てきて以来、このフィギュアを
見つけたことに何かの縁のようなものを感じていた・・・そして製作者である男、ケリィ・レズナーにも。
今、助手のシンのとなりで一心不乱に黙々とイーグレットの頭髪パーツの形状修正のため、紙やすりを
往復させているこの男・・・シンは今まで、美少女フィギュアの原型師なんて、ハァハァしながら下着パーツやニーソの
『しわ』表現に妙にこだわったりしてるみたいなイメージしかなかったのだが、イーグレットの脚部パーツの
プロポーションを再確認のため片目で凝視しているこの男からはむしろ、例えるならば、幾多の敵を切り殺してきた
剣豪が、自分の庵で今まで斬ってきた者たちの冥福を祈って仏像を彫っている・・・そんな光景が浮かんでくる。
そう、彼の眼光は『いくさ人』なのだ。それも深い憂いのある瞳・・・少しずつ完成に近づく『舞』を見つめるその目は
どこか、寂しげにさえ見えた・・・ふと気がつくと、シンはいつの間にかケリィと目が合っていることに気づいた・・・
ケリィ「・・・おいシン!そこのリューターを取ってくれないか?・・・疲れたか?よし!今日はここまでにするか・・・」
シン「え?い、いえ大丈夫ですよ!オレもこの舞ちゃんが完成した姿をを見たいですし・・・ひとつ、聞いていいですか?
今、イーグレットを作っているのなら、もしかしてブルームのフィギュアもあるのかな〜?なんて。
やっぱり、プリキュアのフィギュアは、ふたりがそろってないとね。」
ケリィ「・・・・・・ブルームは、人にくれてやっちまった・・・咲が好きな、戦友にな・・・・」
シン「戦友?ケリィさんて、軍隊にいたことがあるんですか?(もしかして・・・)」
ケリィ「フン!余計な詮索はやめろ・・・それに貴様こそ、店番の時、客へ妙にガンプラの
商品説明が上手かった・・・いやマニアックだったな・・・まるで整備員あがりの店員がミリタリー物
の戦車とかを説明してるみたいだったぞ?プチMSをいじったりしてたのか?」
シン「ははは・・・そういえば1/100デスティニ―、在庫全部、さばけましたよ!ま、少しは役に立ったから
結果オーライと言うことで・・・後、初代と5のプリキュアドールはもちろんですが、S☆Sのドールも・・・
売れました!!!」
ケリィ「・・・・フン!また仕入れてやる!(ニヤリ)変なヤツだなお前は」 シン「ははは」
あくる日、シンは昼間から一人で舞フィギュアのサフ吹きをエアブラシで行っていた。
店は休み、ケリィは仕入れの関係で問屋に出かけている。コツをつかむのが上手かったシンに
ケリィは簡単な部分のパーツ仕上げを任せてくれたのだ。そういうわけでフーフー吹いていると、
突然、コンプレッサーが止まり、エアが弱くなって、出なくなった・・・ふと後ろを見ると、一人の
女性が立っていた。頻繁にケリィ、そして今はシンの生活の世話をしてくれている人・・・ラトーラが
電源プラグを抜いて、立っていた。シンを刺すような瞳で・・・
ラトーラ「どうして・・・彼を手伝うの?今更、S☆Sなんて・・・」 シン「え?」
「ケリィはね、S☆S一年戦争で片腕を失ったのよ!・・・そしてMSから降ろされた・・・大好きな舞の
フィギュアも上手く作れなくなった・・・やっと、S☆Sのことを忘れかけてきてくれてたのに・・・
やっと・・・プリキュア5だって一緒に見てくれるようになってたのに!!
メガOウスも浪O堂もS☆S立体化してくれなかったから諦めかけてたのに!!・・・彼はまだ咲舞に・・・
萌 え 尽 き ち ゃ い な い の よ !!! (ダッ!!)
シン「ラトーラさん!!(ケリィさんが・・・S☆S軍のMS乗りだった!?そんな!)
スティーブ→捨丸
イワン→岩ベエ
ゴードン→金悟洞
ホーネット→骨
フゥ→おふう
って事にいまさら気付いた(´・ω・`)
正直もう少し続けてもいいと思う気もする今日この頃
368 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/10(火) 03:37:27 ID:pjdL/37f
良スレだよね、たまにくるけど
あげときます
シンはケリィの過去を知り驚愕したが、それは心に秘めたままフィギュア完成目指して
そのまま居座っていた・・・もう一週間になる。みんなへの申し訳なさは日ごとに身にしみてきていたが
もう少しでイーグレットは完成するのだ。実際、シンの手助けは、ケリィにとっても必要不可欠なものに
なっていた。そんなこんなで雑用を頼まれ外出したシンは、その用事が思ったより大分早く終わったので
店に戻ってきた・・・しかし、店に戻ってもケリィの姿はない。かすかに奥の部屋にある地下施設の方から
声がした。複数の人間の話し声・・・シンは聞き耳を立てることにした。
女「こんな素晴らしいフィギュアとMAまで眠っているなんて・・・デラーズ閣下の舞ちゃん好きは
有名だからねえ・・・よろこんで復帰を認めてくださるだろうねぇ・・・フフフしかしこのイーグレット
完成は間に合うのかい?片腕では塗装も大変だろう?我々は明後日までしか待てないよ」
ケリィ「今は、アニメ版よりふたご先生の作画イメージに合わせて修正中です・・・しかも九分九厘。
完成は・・・間に合わせます!!」
女「さすがは元S☆S軍最高の原型師ケリィ・レズナー大尉だ。期待しよう」
ケリィ「ハッ!ありがとうございます!!必ずや!」
???「お、おれも早く完成したまいまいがみたいお/ヽア/ヽア(*´ρ`*)/ヽア/\ア
♪ま〜いまい 絵か〜きさ〜んだお〜〜〜〜♪」
女「2番があったのかいその歌・・・まあ、それはどうでもいいさね。そういうわけだ、
我々デラーズ・ニートは近く本格的に動き出すからね・・・頼むよ。」
ケリィ「ハッ!!」
シン(ケリィさんが・・・デラーズ・ニートと!?そんな!?)
その日の夜
ケ「おいシン!どうした?早く塗装を手伝ってくれ。ここのとこのグラデを・・・」
シ「ケリィさん・・・デラーズ・ニートに参加するんですか?考え直してください!!」
ケ「・・・!!盗み聞きとは行儀が悪いな!そうだ!!それがどうした!?気に入らんか?しかし
オレはお前に居てくれとも手伝ってくれとも頼んだ覚えはないぞ!!」
シ「そんな・・・ラトーラさんはどうするんですか?」
ケ「聞いたようなことを言うんじゃない!!大体、お前なんかに何が判る!S☆Sが好きなくせに
何もせず、街でやさぐれていたようなヤツに!!」
シ「クッ!あ・・・あんただって、オレの何が分かるってんだ・・・(グッ)」
ケ「フン!悔しいか!?ならかかって来い!!腰抜け!」
シ「く・・・く そ お〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」 (ドカ!バキ!ドン!)
ケ「フン!こんなものか・・・うおりゃあ!!!(バ キ イ ッ!!!)
シ「ぐわっ!!!(ドサッ)」
ケ「どうした!?もう終わりか?オレは負け犬にはならないぞ!!オレは今度こそ必ず
あのふたりを守る!再びあの男とともに最後まで戦ってやる!!・・・」
そこに、ラトーラがやってきた。シンとケリィとの間に立って仲裁に入る
ラ「やめてケリィ!もういいの!シン・・・出て行って!とにかく出て行ってよ!!」
シ「・・・・・・くっ!」
こうして、シンはイーグレットの完成間近でホビーショップを出ることになった。
再び、あてもなくさまよう・・・
シンを追い出した後、気が荒れたケリィは自室で酒をあおり、ある自分宛の
ビデオレターをうつろな瞳で眺めていた・・・そこに写っている男は・・・
ガトーだった。ケリィが彼にかつて贈ったブルームフィギュアを傍らに、彼は
しゃべりつづける・・・
”ケリィ、私は今デラーズ閣下の元である任務を遂行中だ・・・それが成就した時、”
君も閣下の声を聞くことになるだろう・・・その時こそワンOェスへ捲土重来!
私の手元にあるブルームと君が作るであろうイーグレットの轡を並べよう!
そして、大儀なき連邦ディーラー共のプリキュア5フィギュアを駆逐するのだ!
私も売り子として協力する!そしてなにより、君と再び共に咲と舞のため、
正義の剣を振るう時が来ることを、私は一日千秋の思いで待つ。
あの夕凪(S☆S本スレ)での日々のように・・・
親愛なるケリィ・レズナー大尉へ
ケ「・・・・・ガトー・・・お前は今・・・」
>>362 お疲れ様です、今の月編が終わったら、『松風』使わせてもらおうかなと考えていますが
どうでしょうか?あと、空箱爆弾ネタは非常に助かりました。改めてありがとうございました・・・
ネタ的にも助かりましたし、なにより自分、あのフィギュア存在を忘れてたもので・・・
あわててゲットしました。そういう意味でも助かりましたw今となっては数少ない補給源orz
ルナマリアは今、エレカに乗って夜のフォン・ブラックの街中をシンを捜して駆け回っていた。
そんな中でも脳裏から離れない、先ほどの体験・・・夕暮れに、ひょんなことから、女の子とラクロスの
キャッチボールをすることになったルナ。最初はお互い黙々とボールを交わしてきたが、ふいに女の子
の方から声をかけてきたのだ
???「ねえ、お姉さん!どうしたの?なんか悩み事でもあるような顔してるけど・・・」
ル「えっ?」
???「あ!ちょっと!ボールあさっての方へ飛んでっちゃったよ〜〜。どうやら、図星みたいね。」
確かに的を得ていた。驚きを隠せなかったが、再びキャッチボールを続けていると、妙に安心した気持ちが
戻ってくる・・・いつの間にか、こちらからその事について話し始めていた・・・
ル「い・・・いやぁ〜〜。あのね、実は友達とケンカしちゃって。ま、まあ向こうが悪いんだけど絶対、きっと、多分・・・
そんでまあ、かなりひどいことも言っちゃったのよ。それで、どうしよっかな〜〜・・・・・とね。」
?「あ!あるある私もあります!あの時はホント、どうしたらいいかわかんなくて、相手にすごくひどいこと言っちゃって・・・
”あんたなんか友達でも何でもないんだから!”とか・・・」
ル「ん?なんかどっかで聞いたような話ね?」
?「え?そ、そうですか?とにかく!後になればなるほど、お互い気まずくなっちゃって・・・
ホント、どうしよう・・・って思った時、思いついたんです。直接、言いずらいなら、自分の
素直な気持ちを、何かに書いて、伝えてみようって・・・そしたら、相手も同じこと考えてて!
相手の気持ちにも触れることができて・・・それからは、仲直りして今じゃあ一番の友達かな?エヘヘ」
ル「え?それって・・・ラクロス・・・・!?あなたもしかして本当に!?」
そこでルナマリアは気づいた・・・夕暮れの中、確かにまばらながらも人がいたはずの
このあたりに、気がつけば自分と、この相変わらず逆光で顔がうかがえない少女のふたりだけに
なっていることを・・・その静寂を。ルナのつぶやきに、その少女はいたずらっぽい笑みを浮かべながら
?「え?何のことかな?私があなたの知ってる誰かさんなんて”ありえな〜い”ですよっ!
あ・・・この手帳、私のじゃないけど、そのときのと同じのだからよかったらあげる!
使ってみるのもいいかもしれないよ!じゃあね!キャッチボールしてくれてありがとう!」
ル「ちょ・・・ちょっと待って!!」
別れを告げるやいなや、元気よく手を振りながら駆け出す少女。その後姿にルナは見た。
背番号らしき数字『7』を・・・そして夕暮れの風景は夜の影を増し、人通りも戻っていた。
ル「やっぱりあの子は・・・そしてこの手帳、初代のプリキュアダイアリー・・・ふふ」
ルナは不思議と迷わなかった・・・ペンを手に取り、自分の気持ちを道端に立ったまま書き綴ってみる。
彼女の明るさに触れて毒気が抜かれたのか、電話している時に思わず書いてしまう落書きのように
すらすらと・・・でも素直に書いていった・・・そして、夜の影がすべてを支配する頃、手帳を閉じ、つぶやく
ル「・・・捜しにいくか!あのバカを」
そしてエレカで街をさまようこと数時間、最下層まで探しに来て高速で飛ばしていると、
ふと交差点で、一人の少年の姿が目に止まる。あわてて急ブレーキをかけ、そっちを見る。
シンがいた。
駄文さん心から乙!
いつも楽しみにしていますよ。
『1、2の慶次郎』
「いやっはは〜〜〜あなたも『S☆S』でしたか〜〜〜気が合いますな〜〜』
五分後
「なに〜〜〜?!咲ちゃんのどこが『タヌキ顔』だって言うんだ〜〜〜」
『お志乃』風「キュアブルーム」
「で〜〜〜!!スパイラルハートスプラッシュが効かない〜〜〜!!」
―デラーズ・ニート本拠地 いばらの郷―
デラーズは、満薫艦隊との合流、そしてYP5連邦との交戦によるいばらの郷の秘匿基地
としての機能の喪失を鑑み、艦隊旗艦グワジン級『グワ太陽丸』をはじめとする全艦隊を
抜錨、本作戦に向けての作戦行動に移ることとなった・・・本来はチクタクのDVD補給が可能となる
4月18日より後のことであったが、状況はそれを許さなかった。もちろん所在地が秘密基地では
通販も利用できない。やむなく一隻のムサイにDVD買い込みを命令、合流ポイントを指定すると言う
苦肉の策をとることになった・・・そして今、彼らは出撃を前にして、旗艦の映写室にて、尉官以上全員が
敵戦力の研究・再確認のための最後の作戦会議を行っていた。”敵を知り己を知れば百戦危うからず”である。
まあ、要は大の大人達が薄暗い映写室の大スクリーンでプリキュア5を見ていると言う事になるのだが・・・
男たちはただ黙々と、スクリーンに映る5人を無表情に眺めていた・・・なぜかかれんの姿が
所々見切れていたが、映像の多少の不備を連邦に潜入し命がけで録画してきた諜報員に責める
つもりは毛頭ない。なにより咲も舞も出てこないプリキュアの画質など『彼ら』にとっては”どうでもいい”
ことであった・・・当然、その中には少佐であるガトーもいた。そのいつもにも増した強面に、隣に座るグラードルが
恐る恐る尋ねてみる・・・
グ「少佐、一話からご覧になって、プリキュア5はいかがですか?」
ガ「ん!?ああ・・・いいな!成田にしては見事・・・といったところか・・・」
グラードルにとって、この発言は意外であった。ガトーの普段の態度から見て、
プリキュア5を肯定する発言が出るとは思えなかったのだ・・・だが、実はグラードルも
いちアニメ作品としては良作の部類には入るとは思った。そうしたやりとりを交わすうち、
全話の放映が終了した。最前列で、武人として敵のアニメにも敬意を払い、見事なまでの全裸正座で
微動だにせずプリキュア5を凝視していたデラーズがおもむろに立ち上がり、いそいそと服を着ると
居並ぶ士官たちに対し意見を求めた。
デ「諸君、今更言うまでもないが、これが『Yes!プリキュア5』である・・・10話連続視聴は
疲労も大きかろうが『星の屑』作戦遂行に当たって、敵を知ることは必要不可欠である。諸君の
意見・感想を聞きたい・・・」
その声に、真っ先に挙手した士官がいた・・・言うまでもなくガトーである
ガ「閣下、このプリキュア5・・・まずは敵ながら見事、良作であろうと思われます」
この発言に、やはりグラードルならずとも動揺が広がる。デラーズだけが、真摯な瞳で
ガトーを見ていた・・・
ガ「作品タイトルは分かりやすく語感も良し、主題歌はノリが良く、五條さんがボーカル
ではないこと以外は及第点といえましょう・・・作画が安定していないようですが、今のところ
演出でそれは12分に補われています・・・キャラクター性においては秋元こまちに難があるものの
好感が持てる者達と思えました・・・脇を固める者たちにも良き個性が期待でき、この点に関しては
S☆S一年戦争の戦訓を敵は見事に生かしていると思われます・・・そして・・・・」
動揺が広がる・・・S☆Sの為、打倒YP5連邦のため、核弾頭を奪取し薄氷を踏むような命がけの作戦を
こなしてきた男が敵を激賞・・・士官たちは、デラーズを見た。しかし彼は表情に不快感のひとつも
見せることなく、ガトーの意見に耳を傾けていた・・・。
ガ「・・・・・しかし・・・しかしこれは、この世界は我々の夕凪・・・『祖国』ではない・・・この景色には・・・笑顔には
あの色あせぬ夕暮れも、咲の・・・屈託のない輝きも”すべてのものには命がやどってる”の理想も・・・ないっ!!
そして!・・・・・・」
言葉につまり、訥々と吐き出される言葉・・・その彼の不器用さに、他の者は彼の・・・そしてデラーズの真意を
理解した・・・彼らとてむやみにプリキュア5をただ嫌い、叩いているわけではない。戦場の中においてはそうもいかない
こともあるが、彼らが戦う目的はあくまで自分たちが愛した星空の中間達・・・いや、あの夕凪の風景が見せてくれた、人々への
『答え』を理不尽に奪った者たち、心ない中傷、乗り換える軽薄さへの憤りと、その『答え』を、一年間を再び取り戻すことなのだ・・・
この場にいるものはすべて、その真意を改めてかみ締めた・・・・・
デ「ふふ・・・もうよい、皆まで言わずともお前の思い、この場に行き渡っておるよ・・・
わしも敵に学ぶか・・・さて、ここで問題です。言葉にしなくても、相手に大儀の思いが伝わることを
四字熟語でなんと言うでしょう?ふふ・・・いっておくが『鎧袖一触』や『捲土重来』などではないぞ、ガトー!」
せーの!
デ「以心伝心!!」 ガ「以心伝心!!」
デ「ふふ・・・正解だ、見事。」
ガ「・・・心・・・洗われました・・・死すまで、お傍をはな(ry」
デラーズ・ニート いくさを前にして士気は揚々たるものあり
作戦会議終了後、ガトーはMSデッキに行き、そこで新たにデラーズ・ニート
に参戦するため駆けつけた一人の男と出会う・・・いや、再会だった。その男は、乗ってきた
リック・ドムから飛び出すと、真っ先にガトーの元へやってきた
???「少佐〜!」
ガ「・・・!!来てくれたか!懐かしいぞカリウス!!貴様のドムの咲マーキング、忘れようがない!」
カリ「咲スレ302・アイドル咲親衛中隊、残り3機となりましたか!」
ガ「他のものも間もなくだ!私の心は・・・夕凪の海のように震えている!」
カリ「はは・・・少佐もお変わりないようで・・・今でも出撃の後にはやはり・・・?」
ガ「うむ!やはりハンバーグカレーだな!お前と食堂でスプーン握ってカレーを待っていたのが
昨日のことのようだ!今、腹は減っているか?・・・」
かれは、S☆S一年戦争中、ガトーの部下として良く彼を支えた頼もしい部下である。
そして、慶次がシンを見届けるように、彼はガトーの”いくさ”を見届けることになる・・・
―月― フォン・ブラック
シンとルナは唐突に再会を果たした・・・しかし、やはりお互い声もかけづらい。
シンはなぜかたくさんのガンプラやプリキュアドールを抱えていた。ルナはそれを見て、一体
今まで彼に何があったのか?といぶかしんだが、シンは気まずそうに目線をさまよわせているばかり、
ルナは意を決すると、やはり無言のまま、あの少女にもらった手帳とついに発売なったチクタクのDVDを
シンに投げてやった。
ル「・・・あ、あのさ、それ・・・みんなからの言伝が書いてあるから・・・あ・・・あとさ・・・私、あのときああ言ったけ・・・・
い、いえ!DVD、買って来てやったわよ!劇場に行ったときから早、四ヶ月かあ・・・あのときあんた入り口でさあ
お、おほん!!とにかく、それでも見たら?そんな気持ちさえもなくなったのならシン、あなたホントに・・・
と、とにかく私はもう行くからね!!じゃ!」
シンの顔色を伺いながらちょっと挙動不審なルナにもあまり反応を示さず、シンは言われるまま、手帳とDVDを
受け取った。その反応を見て、去りゆくルナもまた心が痛くなる・・・なんどもつい振り返る。ふと、シンがあの手帳を
開いた・・・
―デラーズ艦隊・補給合流ポイント―
カリ「よし!ついに待ちに待ったDVDが到着した!だが少佐のお姿が見えん・・・少佐も
劇場にはいけなかったはず。それなのに一体どこへ?」
命がけで買出しを果たした補給隊からチクタクのDVDを受け取り、デラーズ・ニートの将兵は
熱気に包まれていた。しかし、ガトーの姿は見えない・・・カリウスはしばらく彼の姿を求め、太陽丸艦内を
歩く・・・すると、人気のない片隅に、彼は物憂げに宇宙を見つめ、たたずんでいた・・・
カリ「少佐、此処においででしたか!DVDがついに届きました!皆も沸き返っています!・・・!?
どこかお加減でも!?」
ガ「いや・・・DVDどころか劇場にさえいけずに散っていった、同胞(おともだち)のことを思うとな・・・」
カリ「そうですね、直接少佐に従ってアイドル咲のコンサートに行き、ペンライトを振りながら
『L・O・V・E 咲 ちゃん!』と叫んでいた者たちもいくさに散り、私だけになってしまいました・・・」
ガ「カリウス・・・私はこれで良かったのか?外を見ろ・・・ここもかつての夕凪同様、多くの同胞が漂っているではないか・・・
私はこれだけの犠牲の上に立っているというのに咲舞続投どころか本スレさえいまだに荒れ放題、救いようがない有様ではないか・・・」
ガトーの普段は決して見せないその弱さに、カリウスは
カリ「それは、直接指揮をとってS☆Sを応援される方の宿命でしょう。あの海(スレ)はまだ若いのです!波が穏やかになるには・・・まだ
それに『すぷらっしゅ☆すたー板』なる良心的なファンサイトも出来たと聞きました。S☆Sはまだまだ絶好調なり!・・・です」
ガ「そうだな・・・わたしはただ、ふたりのために駆け抜けるだけだ・・・
DVDが届いたと言ったな、見に行くか?軍曹!」
カリ「放映20分前です、映写室においでください」
シン「慶次さん、それは何ですか?…S☆Sのお弁当箱…ナプキン…巾着袋
…うわぁ、ステーショナリーセットまで…」
慶次「うむ…『西松屋』とかいう赤ちゃん用品販売店で投売りされていてな…
…使うあてもないのに、買い込んでしまったよ、はっは」
シン「……あの、何でしたら、オレが…」
慶次「駄目だ!(ピシャリ!)」
『松風』
元の正式名称は不明。艦番号はXSV-0013
内宇宙探査実験船として、各種装備が確認されている
右前部格納庫内に謎のモビルスーツが格納されているとの情報もある
全長:推定300m全幅180m
前足部にあたる前部格納庫は「ペガサス」級よりも約1.3倍長く、
エンジン部は約1.5倍長い。詳細は不明
武装:前部格納庫に同軸固定された大口径メガ粒子砲2×2 別名「ツインストリーム」
艦体両舷に配置された対艦ビームサーベル×2
レーザー砲×6 ミサイル発射管×8 その他不明
―月― フォン・ブラック
シンは手帳を開いた・・・そこには、別に気の利いた文章も、ルナの靴下が臭いとかどうとか、
そんな類のことは書いていなかった。ただ、書き損ねたのかペンで乱暴に横線で潰された文はかなりあったが。
しかし、結局はただ一行
”あの時はごめん、私も慶次さんは生きてるって・・・絶対に諦めないから、ネバー・ギブアップ!!”
とだけ、書いてあった・・・シンの心にその瞬間、波が起こる!思わず後ろを振り返ると、遠くにルナの姿がまだ見えた。
シンは心のままに叫んでいた。
シ「ルナ!DVDありがとう!!オレはまだやることがあるから行くよ!!オレも諦めない!!
必ず戻るから! ネバー・ギブアップ!!」
ルナもそれを聞いて、シンの笑顔を見て、思わず心が高ぶる・・・ふと、あの逆光の少女の笑みと重ね合わせながら
ル「・・・うん!ネバーギブアップ!捨丸さんたちも、アンタのMSを直すメドがついたって!!
早く・・・戻ってきなさいよ!!」
ネバー・ギブアップと言う言葉がある・・・かつて、S☆Sで篠原先生が掲げた言葉・・・その言葉は咲たちに受け継がれ、
その後もS☆Sファンたちの心に刻まれ、受け継がれて行った言葉だ
ある時は、奪われた未来を取り戻す戦いへ臨む男たちが集うため、己が心を震わせ、駆け抜けるための旗印として
そして今は、心傷ついた若者たちが、再びそのためらう手を取り合うため、ささやかな希望を見失わぬための心の灯台として・・・
強さと弱さ・・・激しさと優しさ・・・この相反するふたつの”ネバー・ギブアップ”はどちらが正しいのだろう?篠原先生も、もはや
日曜朝に答えてはくれない・・・それは、そのふたつがいつか重なり合うその時、表れるのだろうか?
―ジャブロー・プリキュア5連邦本部―
ここでは、今までも数々の作戦と、策謀がが練られてきた・・・そして今も密室で、初老の高官と、大将の証をその身に付けた
将官にしては若い中年の女性がなにやら思索をめぐらせていた・・・
フェミーナ大将「ジャミトフ、例の”いくさ人”前田慶次と『あの船』の映像に対する報道管制は徹底しましたね?」
ジャミトフ准将「は・・・地球、月をはじめとしたメディアはすべて抑えました。まず民間レベルで流れることはないかと・・・」
フェ「ふふ・・・それでよい。あのいくさ人と言う人種はどうにも扱いづらいイレギュラー・・・我々の思惑から平然と外れてゆく
やっかいで、もっとも我々と相容れぬ存在・・・秘密裏に消えてもらいましょう?」
ジ「そのあたりの駒の選定もおまかせを・・・それと、サンク・ルミエール要塞駐在の高官たちは皆、此度のデラーズ決起を軽視
して対策を怠っておりますが、捨て置いてもよろしいので?」
フェ「ふふふ・・・・・その現状こそが理想的よ・・・我々が目指す目標へはね・・・それがわからぬ貴公でもありますまい?」
ジ「失礼いたしました・・・それともうひとつ、コーウェン中将所属の部隊だけが以前にもましてS☆S残党への強硬論を主張し、
独自に準備を整えているようですが・・・以前からタカ派で”岩をも砕くコーウェンの激流”と言う異名を持つ将軍ではありますが
最近の動きは、どうも気になるのです・・・もしや?」
フェ「ふふふ・・・皆まで言わずとも良い、あの『御大』も此度のことで重い腰を上げた・・・という事でしょう。まあ、その抑えは私がしよう。
あの『御大』といえどもこの私には・・・ねえ?」
ジ「・・・・・・は」
それより少し前、ジャブローの執務室で、YP5連邦軍人・コーウェン中将は
苛立ちを隠せぬ渋面で、部下の報告や書類に目を通していた・・・
コ「ぬう〜〜!サンク・ルミエールのボンクラ共が!!危機感と言うものがまるでない!!
S☆S軍残党に対してほとんど手も打たずにいるくせに観艦式は強行するつもりなのか!?
こんなことでようやく軌道に乗ってきたかれん様・・・もといプリキュア5を守れるとでもおもっとるのか!!
わしも、かれん様のじいやとして・・・もといYP5将官として心ともない限り!!もっと対策を・・・・・
いきまくコーウェン・・・しかし、突然彼の視線の焦点は定まらなくなり、意識が失われる・・・半開きの口がわずかに
意味不明な単語を口走るだけとなった・・・脇に控えていた秘書が、怪訝な顔をする・・・実は今、彼の意識に『何者か』の別の意思が
入り込んできているのだその『何者か』は迅速に彼の意識を侵食していく・・・
???(すまん、この体と、将官としての立場・・・しばらく借りる・・・悪いようにはしない。止めねば、今、この世界に・・・『プリキュア』に
何らかの干渉がある。なんとしても止めなくては!・・・まさか本来、見守るだけの私自らこの『世界』に『役割』を持つことになるとは・・・
結果によっては、再び彼を裏切ることにもなるのだろうか?・・・・・シン)
そうして彼はコーウェンの姿を借り、なりすましてS☆S強硬策の準備を整えていく・・・だがその表情は晴れることはない・・・
いつか、とある少年に見せた、激しい、だが悲しそうな光が瞳にあるだけだ・・・