【涼宮ハルヒの憂鬱】朝倉涼子さんとエンドレスサマー4周目
「朝倉」
帰りのホームルームが終わるなり、キョンくんが声をかけてきた。
「今日鶴屋さんが南米のめがっさ珍しい食虫果物ってのをSOS団におすそわけしてくれるらしいんだが、
おまえもどうだ?」
「えっと、ごめんね、放課後は用事があるの」
「そうか。じゃあ朝倉の分は長門に持たせるから、家で食ってくれ」
「うん。ありがと」
キョンくんが部室に向かい、教室にはわたしひとり。
ほんとは一緒に南米のめがっさ珍しい食虫果物っていうのを食べたかったんだけど、今日は悩ましい懸案事項がある。
わたしは鞄にしまっていた手紙を取り出した。
朝、靴箱に入っていた差出人の名前も無い無地の封筒の中に入っていたそれには、
今日の放課後体育館の裏に来て欲しいとだけ書いてあった。
なんだか前に、同じようなことを自分でしたことがある気がするけど。
これってやっぱり、ラブレターの一種なのかしら。
普通そうよね。手紙で呼び出しなんて、ラブレターか果し合いの申し込み意外に考えられない。
前にキョンくんに出したのは、一応果し合いの挑戦状だったんだけど、うーん、やっぱり女の子の字で書いてあったら勘違いするかな。
キョンくんには悪いことしたかも。トラウマにならなきゃいいけど。
まあいいわ。とにかくこの手紙にどう対処するかが今の重要課題なんだから。
いっておくけど、わたしに誰かとつきあうつもりは毛頭ない。だってわたしには長門さん(はぁと)っていう大事なパートナーがいるんだもの。
でも……せっかくこうして手紙まで出してくれてる人を無碍にするのも、ちょっと気が引けるのよね。いちおう真面目な委員長って立場だし。
なので、わたしは手紙の差出人と会うだけあってみる事にした。
指定された時間に体育館の裏にいったら、あれ? おかしいな、誰もいない。
なんだろう。間違えたのかな? わたしは手紙の内容をもう一度確認して、日付も時間も場所もあっていることを確認して、
もしかしていたずら? と首をかしげたところで、
「――!」
頭上から降ってきたそれをまともに食らって、わたしは押しつぶされるように膝を突いた。
「っ……なにこれ、ネット!?」
金属製らしい網に潰されて、まともに身動きが取れない。何事かわからないけど、少なくとも告白だとかそんな甘い話じゃないみたいね。
わたしはネットの分子結合情報を改竄しようとして――驚愕した。
物質の情報が高度に暗号化されている。なんの金属なのかもクラックしないと分からない。
ありえない。少なくとも、地球に自然に存在している分子結合ではない。
わたしは急いで情報の解析を試みる。ぐずぐず驚いている暇は無い。
相手は間違いなくこちらの正体を知っていて、ピンポイントで狙い撃ちしてきてるんだから。
「よし! 宇宙人の捕獲に成功したぞ!」
その声にはっと顔を上げる。
茂みの中から出てきたのは、
,ィ, (fー--─‐- 、、
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