ア  ネ  モ  ネ  た  ん  3

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206名無しさん@お腹いっぱい。
自分の腕の中にすっぽりとおさまるアネモネ。
胸板に顔を埋めてくるので、彼女の髪が鼻腔をくすぐる。
その甘い匂いに、アネモネが自分とは全く違う生き物だと、自分は男で、
アネモネは女の子なんだということを理解した。

(遂に・・・自分も・・・)

胸の鼓動が早くなる。
早い奴は、ジュニアハイぐらいでそれを経験するものもいた。
それらのクラスメートの自慢話を、いつもドミニクは聞き流してきた。
興味が無かったわけじゃない。
本当に心の底から抱きたいと、触れたいと思う女性に出会えたら、いつかはと思っていた。
そして、軍に入ってやっと出会えた運命の女性は・・・年下だった。
彼女の世話をしながら重ねた日々。
遊びや金で買える快楽も得ず、気づけば、20歳で童貞だった。

(アネモネが求めているんだ・・・いいよな・・・)

そっと、彼女を抱く腕に力を込めただけ。
ただそれだけで、彼女はビクっと身体を硬くした。

「・・・アネモネ?」

「ど・・・どうしたのよドミニク!!早く抱きなさいよ!!わたし、もうちゃんとした女なんだから!!」

バッと胸元から顔をあげ、ネグリジェのボタンを外そうとするが、うまく外せない。
手がボタンをつかんではすべり、それを繰り返す。

やっと・・・気づいた。
小さく、アネモネの指先が震えていることに。

彼女の肩に回していた手を後ろから回し、柔らかい髪をゆっくり撫ぜ、耳元で囁いた。
「無理・・・しなくていいから」

「無理してない!!無理なんかしてない!!」

だだをこねるように腕の中で暴れ、僕の愛しい姫君は叫ぶ。

「私を求めてよ!!必要としてよ!!」

最後まで叫び終える前に、ぎゅっと強く抱きしめた。
ちょっと痛いかもしれないけど、今のアネモネは手を離したらどこかに飛んでいってしまいそうな、
アゲハ蝶に見えたから。

「してる・・・」

「な・・・ちょ・・・ドミニク、痛い。」

「僕は君を必要としてるよ!!アネモネ!!」

「だったら!!何で!?」

「・・・好きだから・・・君に無理をして欲しくない・・・君の事抱きたいって思ってる。誰よりも強く思ってる。
でも、同じぐらい強く、君を大切に思ってるんだ。」
207名無しさん@お腹いっぱい。:2006/03/31(金) 10:35:58 ID:1wMistTw

腕の中のお姫様から、すっと力が抜けた。
抵抗をやめて、僕の身体にもたれかかる。
顔を覗き込むと、下から口を尖らせて拗ねるような目つきで僕を見る。
少し顔を赤らめて、アネモネは抗議する。

「でも・・・そういうことしないと大切な人に嫌われるって・・・別の女に気持ちがかたむくって・・・」

「誰がそんなこと言ったの!?」

「今月号の雑誌・・・」

ガクッと力が抜けそうになる。
でも溜息は絶対につかない。
ここで溜息でもついたら、彼女の機嫌が悪くなるのは長い付き合いで分かっている。

「僕は、アネモネのこと嫌ったりしないから」

「ほんと?怖いの・・・いつ私がもういらないって言われるか・・・」

「今、僕の腕の中にアネモネがいる・・・それは、すごい奇跡みたいだなって思ってる」

「・・・ほんと?」

「この世界を大嫌いだった時期があるんだ。何で生まれたんだろうって、いつも思ってた。
でも、君に会うためだったんだって、今は思ってる。」

「ドミニク・・・」

アネモネの顔が耳まで赤くなってうつむく。
可愛い。「世界中に彼女が僕の恋人です」って自慢したい。

「アネモネ、今、1番したいことはなんだい?」

「ええと・・・ドミニクに添い寝して欲しい!!」

「ああ、喜んでさせてもらうよ」

「あと、10秒に1回はキスしてよね。ほっぺでも、鼻でも、たくさんキスされながら眠りたいの。」

「僕はずっとキスしたいけど。」

「優しく頭撫でて。いい子いい子って、して欲しい。」

「分かった。今夜はずっとキスしながら頭を撫でるよ。」


昼に干しておいたフカフカのベッドが二人を迎える。
ドミニクの腕枕で、アネモネはしがみついて眠った。
その寝顔は、天使のようで。

ドミニクは、彼女がそれを本当に望んでくれる日が来るまで、我慢しようと思った。
だから今夜は、その柔らかい唇にキスすることで我慢しようと思い、ますます眠れない夜を過ごすハメになった。

>>189
長くなって、なおかつつまんない・・・ゴメン