Rozen Maiden ローゼンメイデン SSスレ 3
4 :
カオス・メイデン:2005/11/03(木) 10:53:13 ID:eQkTSjXL
やぁやぁ皆さん、こんにちわ。
■このスレの約束
・過激なグロは坊ちゃんの方々もいらっしゃるので禁止ですぞ!
・『SS投下』は『GJまたは感想』、それが美しい因果律のあり方!
・蠢く荒しにご注意を。彼らは狡賢く粘着していますから。スルーですぞ!
・GJ=トリビァル。このスレでのトリビァルはつまらないと意味ではないので勘違いなさらぬよう。
・批判は職人の傷に染みるもの……職人のやる気を削げない程度でお願いしますぞ?
それでは、御機嫌よう。また、
>>1000でお会いしましょう。
とうとう蒼の子がスレタイから消されたな
カオストリビァル
7 :
はろ:2005/11/03(木) 22:13:01 ID:MMcoWCp9
ナイス、カオス氏!
是非続いてください!
※テンプレ支援
なんだかこのスレの「乙」「GJ」は「もうくんな」って読み替えたほうが言いと思った。
というか、誰も蒼星石のキャラちゃんと掴めてないですねぇ…
あと喋り口調も全然わかっちゃいねーですぅ
ボーイッシュにすればなんでもいいと思ってやがるんですね、ここの人間共は
いいねwwww雛苺可愛くていいよwwwww
DVDが出るまでトロイメントが見られない俺にとっては好ましくない流れだ。
これ以上ネタバレしなry。・゚・(ノ∀`)・゚・。
乙
GJ
10 :
レ プ ◆utWEud8dUs :2005/11/04(金) 18:43:01 ID:0jntOOWm
|
まだ出ないのかしら |
/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄
,. −-、_ ,rf'l「 _レ、
/ /' ニ=トゝ /~ヽニへ、>、 _______
l Y _彡イ〉 // ィ l l ヽ,彡ゝ, /
ヘ_ゝr'V テ7 ヽVLィハレ'´'´_〉‐7 < まだ出ないのぅ
>ニL、 > __ ) く5レ'彡アァ'´ \_______
/='´`ヾ5´ (人) ` -グ ⌒ヽ
,′l ヽ、〔 | | _∠´ ヘ
rニイ >ィト、´゙'' - 、、 (;人) _,. -'´ ‐仁´ ト、
く, イ ´フヽ`ヽ、 フ7ァ' ィ‐'ハ、 / / |l>、
7 ,ノ ,ハ ,/'´´ ゙ヘ^ヾ、 _,イ l ノ lィ'´
了 彡' 」L,,ノヘ、 ,. -rXュ ⊥_∠ |jl
_L_,. -' _ィ7二 ` ヽ //ヘ⊥ゝ____ イ
r「、_,Г7アく_∠_ _ _,.ノ l、 |`l>V ハ V八ヾ
^¬イl `「 `レ'´ ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ/_,)
12 :
はろ:2005/11/05(土) 02:02:42 ID:Ifpe2mf/
一人の人形師が、おそらく彼の工房であろう部屋の中をせわしなく歩いている。
部屋には多くの人形があった。
その中に、真紅たちも混じっている。
「もうすぐ完成だ。私のアリス」
そう言って、作りかけの人形に笑いかける男。
「長年追い求めてきた理想の少女……アリス見えるかい、このローザミスティカが?これは奇跡の石、モノに魂を与える魔石、お前の命だ」
彼は錬金術で作り上げた魔石を、人形の前に掲げた。
作りかけの人形は、まだ自分で話すことは出来ないが、人形師が自分の作り手であり父親だと理解していた。
そして自分は、望まれて完成を迎えようとしていると言うことも理解し、それを誇りに思っていた。
だが悲劇は突然おきた。
彼女がもう完成するという時に、男は姿を消してしまう。
「違う。このままのお前はアリスではない。私の心を照らす灯火にはならない……」
(お父様?何を言っているの?私は完璧よ?)
「そう、このままでは……濁った光しか照らさない出来損ないのランプにすぎない……」
(行かないで、お父様!私はまだ完成ししてないわ!)
「お前は名はアリスではない、水銀燈だ。私は去ろう。時が来るまで……アリスが羽化するその時まで……」
(いやああぁぁ!!お父様!私を置いていかないで!)
「お……ぎんと………おい、すい………じょ……か!」
(だから私を独りにしないで!私は出来損ないじゃない!私は、私はジャンじゃない!!)
「大丈夫か!水銀燈!!」
「え?」
13 :
はろ:2005/11/05(土) 02:04:42 ID:Ifpe2mf/
ジュンに揺さぶられ、目を覚ます水銀燈。
「ジュン?ジュンなの?」
「大丈夫か?だいぶうなされてたけど……」
心配そうに水銀燈の顔を覗きこむジュンに、彼女は抱きついた。
「ジュン、ジュン!」
水銀燈に突然抱きつかれ動揺を隠せないジュンだが、彼女が泣いていると気がつくと、優しく抱きかえした。
「大丈夫。もう、独りじゃないから」
水銀燈は泣きべそをかきながら、ジュンを上目遣いで見た。
「もう、私を置いていかない?」
どうやら夢と現実がまだはっきりしていないのか、ジュンは水銀燈を少し幼く感じた。
「ああ、もう君の傍から離れないから……。約束するよ」
命一杯優しく、ジュンは言った。
しばらくして水銀燈も落ち着いてくると、さっきの事が原因で気まずい雰囲気になっていた。
(でもこの雰囲気、心地が良いな……)
そんなことをジュンが考えていると、水銀燈が静かに口をひらいた。
「ジュン、私ね……ジャンクなの」
「え?……ジャンク?」
ジュンは、彼女の言葉の意味がわからない。
「そう、ジャンク。……私たち薔薇人形が、一人の人形師から作られたのを知ってる?」
ジュンは静かに頷いた。
14 :
はろ:2005/11/05(土) 02:05:32 ID:Ifpe2mf/
「人形師ローゼン、いやお父様は……私を作ってる最中に姿をけしたの。だからは私は未完成のドール。……ジャンクなの」
「な!?」
ジュンは驚きを隠せない。
「私が目覚めた後、お父様の使いラプラスの魔がアリスゲームについての説明をしたわ。その後、お父様は何処かで他の六体のドールを作った」
「ん?まてよ、つまり水銀燈が一番初めに作られたの?」
力なくうなずく水銀燈。
「私は後に作られた娘達を探したわ。羨ましかった。彼女たちは私のように未完成でなく、最期まで作られていた。」
悔しそうに顔を歪める彼女に、ジュンはなんと話しかければ良いかわからない。
「悔しかった。本来私に与えられるはずだったローザミスティカから作られた彼女たちが……嫉妬していたのよ。私はいらない娘では無いと自身に言い聞かせ、私は懸命に生きてきた……でも……」
水銀燈は過去を思い出しているのか、今にも泣き出しそうな顔をしている。
「…………その後、私が会えていないのは七体目のドール薔薇水晶だけ。名前はラプラスから聞いていたけど……」
「薔薇水晶……」
ジュンはその名を聞き、先ほどの事を思い出していた。
二度と同じ過ちはしたくない、後悔はしたくない、と強く思うジュン。
「私たち七体のドールは各々目覚めては眠り、眠っては次の持ち主の所へと各地を転々としてきたわ。ゲームの開始の合図は、七体が一つの地に集まり、同時に目覚めた時……」
「つまり、それが今というわけか……でも何でみんな、僕のことが?」
ジュンは問いかけるが、水銀燈もわからないと首を横に振った。
「つまり私はジャンク。壊れてるの。こんな私でもジュンは受け入れてくれる?」
水銀燈は返ってくる返事が、初めからわかっていた。
今まで彼女の持ち主になった者は彼女が欠陥品だと知ると鞄に閉じ込め、売りとばした。
15 :
はろ:2005/11/05(土) 02:06:23 ID:Ifpe2mf/
何時からか彼女は人を信用しなくなり、無理やり持ち主や他の人間から命を吸い出してきた。
今回も彼女は、ジュンが自分を否定したら無理やり力を吸い、洗脳しようと考えていた。
今までジュンに優しい面を見せていたのも、彼を自分から離さないようにするためだった。
優しい言葉とちょっとした洗脳を施すだけで、彼は面白いように自分に信頼を置いてくれた。
彼女は好意をもつ人にさえ、信用を持てないほどに歪んでいた。
だが、ジュンの返事は彼女の予想とは違った。
「ジャンクなんかじゃないよ……」
「……は?」
彼は水銀燈を真正面から見つめると、はっきりと言った。
「水銀燈はジャンクなんかじゃないよ。立派なドールだ」
水銀燈はムキになって言い返す。
「何を聞いていたの?ジュンが何と言おうと、私は未完成。ジャンクよ!」
だが、ジュンも譲らない。
「いいや、違うよ。ドールの価値は作り手や、ドール自身が決めるものじゃない。所有者が決めるものだ。僕はおまえを信頼してるし、そばに居て欲しい」
ジュンは自分が口走っていることの重大性に気づきながらも、もう言葉が止まらなくなっていた。
「これは水銀燈で無くちゃ駄目だ。これだけは僕も譲れない。ほら?持ち主にここまで言われても、そのドールはジャンクと言える?」
少し呆気にとられた水銀燈は気を取り直すと、信じられないといった風に言い返す。
「そんなの屁理屈よ!そもそも、ジュンは私の持ち主じゃないわ!」
ジュンは真顔で言った。
「なら、僕が水銀燈の持ち主になればいい!」
16 :
はろ:2005/11/05(土) 02:07:14 ID:Ifpe2mf/
「え!?」
もう一度言うジュン。
「僕は水銀燈の持つ主になりたいって、言ったんだ!」
照れくさいのか、顔を背けるジュン。
その様子が可笑しくて、
「なぁ〜に?それ、ウフフフフ!可笑しい!」
そしてジュンの言葉が嬉しくて、
「ウフフフ………フ…うっ、く……ぐすっ、うえぇ〜ふえっ……」
色々な感情が入り混じって、水銀燈は目から大粒の涙が溢れ出した。
「な!?泣くこと無いだろう!」
戸惑うジュンに、水銀燈は抱きついて泣き続けた。
「だってぇ!ジュンがぁ、そんな事言うから、私嬉しくて、自分でも良くわか……わからないよぉ〜。涙が…とまらな……ふえぇ〜ん」
ジュンは照れくさくて口では、
「まったく、しかたないな。何でこいつらは、蓋を開ければ園児ばっかなんだ?」
と悪態をつきながらも、しっかりと水銀燈を抱きしめていた。
17 :
はろ:2005/11/05(土) 02:08:13 ID:Ifpe2mf/
真紅は青ざめた。
現実を受け止めることが出来ずに、さっきから放心していた。
(何故?あそこでジュンの腕の中に居るべきなのは、水銀燈ではなく自分のはず……)
真紅は気配を殺し、ずっと水銀燈をつけていたのだ。
今や五体のローザミスティカを手に入れた蒼星石に、今の自分が到底敵うはずが無い。
だが、単体で強力な力を持つ水銀燈のローザミスティカを手に入れれば、勝機があると踏んでの行動だった。
だが、今はどうでも良かった。
全てがどうでも良くなっていた。
彼女は、誇り高いドール。
力ずくで愛を手に入れても仕方が無かった。
「私は……どうすれば?」
あらゆる思考と想い、そしてジュンとの思い出が、彼女の胸を抉り取る。
「わたし?……泣いてるの?」
あまりにも惨めな自分に、あまりにも唐突な現実に、真紅の心は耐えられない
真紅は、聞こえてくるジュンと水銀燈の話し声から逃げるように、その場を離れた.
18 :
はろ:2005/11/05(土) 02:09:30 ID:Ifpe2mf/
蒼星石は、もう壊すところが無いほどバラバラになった薔薇水晶の残骸を、足で蹴り飛ばした。
「くそ!くそ!くそお!!」
怒りは収まらない。
しかし、いつまでも時間を無駄にするわけには行かなかった。
「ジュンを探さないと……。見つけたら僕の手で直してあげるんだ。そして僕だけの、僕だけを見てくれるジュンを……ははははは!」
自分の都合に合わせた未来を想像し、笑いながら駆け出す蒼星石。
彼女はフィールドを風の様に駆け抜ける。
しばらくして、近くに他のドールが居るのに気がついた。
「ジュンを早く探したいけど、どうせ後で壊すんなら、先に殺っておいた方が楽かな」
蒼星石はそのドールの元へと走り出す。
しばらく進むと、よく知っているドールが居た。
「やあ、真紅。お久しぶり。元気にしてたかい?」
陽気に挨拶する蒼星石。
「蒼星石……。私を殺しにきたの?」
真紅はまったく気力が無く、まるで絶望そのものと言う顔をしていた。
「なんだか元気が無いようだけど、僕は容赦はしないよ。ジュンが僕を待ってるんだ」
と、蒼星石はいたって真面目に言ったつもりだが、真紅はその台詞を聞いて吹き出した。
「ジュンが貴方を待ってるですって?とんだ勘違いなのだわ。ジュンは貴方ではなく、水銀燈が良いそうよ?」
蒼星石は、真紅の言葉にまったく動揺しない。
「ふーん。ジュンは単純だからね。きっと洗脳されてるんだよ。だから僕が夢に入って、悪い記憶をこの鋏で切ってあげるんだ。そうすればジュンは、僕しか見ない。ははははは!」
得意げに語る層星石を見て、真紅は嫌気がさした。
真紅にとって蒼星石の発言は、到底聞き捨てられるものではない。
「もう私にやるべき事は無いと、そう思っていたけれど、どうやら違ったみたいだわ。蒼星石!貴方をジュンと水銀燈の元へは行かせわしない!」
蒼星石に指をむけ、高々と宣言する真紅。
「僕も元からそのつもりだよ。君をジュンの元へは、行かせないさ!」
19 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/05(土) 03:31:28 ID:jacNv/DJ
はろ氏よ、お疲れ様どす。
はろ氏グッジョブ!
続き気になります
はろ氏おつです!
真紅イイ奴…
23 :
はろ:2005/11/06(日) 02:52:31 ID:mdSDkVll
蒼星石は先制を仕掛けるべく、真紅の元に走りより手にした鋏で斬撃をくりだす。
真紅は、腕から出した無数の薔薇の花びらで猛攻を防ぎ反撃を試みるが、蒼星石の圧倒的気迫に防戦一方になっていた。
「さっきの威勢は、どうしたの?ははは、守ってばかりじゃ、勝てないよおっ!!」
さらに、手数を増やす蒼星石。
目にも留まらぬ速さで鋏を扱うその姿は、まるで舞を踊ってるような美しささえ感じられる。
(まさか、ここまでとは!)
真紅は相手の予想以上の力に、内心焦りを感じていた。
(だけど、必ず勝機はあるはず!)
彼女は、諦めずにひたすら攻撃を防ぐ。
「ちい!これで、終わりだぁ!」
痺れを切らした蒼星石は、渾身の一撃で真紅の防御を崩そうとした。
その瞬間、真紅はひらりと身をかわす。
まさか避けられるとは思っていなかったらしく、大きく体制を崩す蒼星石。
「隙だらけよ!」
真紅は、突き出された鋏を掴むと、蒼星石に蹴りを入れた。
「ぐああ!!……くっそお!」
蹴りをもろに喰らい吹き飛ぶ蒼星石だが、地面にぶつかる前にクルリと受身を取ると、真紅を睨み付けた。
しかし蒼星石は、真紅に鋏を奪われた事に気づき、青ざめた。
「貴様ぁ!それを返せ!それは僕の、僕の大事な……」
「大事なモノなら、ちゃんと持っておかないと駄目でしょう、蒼星石?これは貴方のミスが招いた結果なのだわ」
見下すような目つきで、蒼星石を見る真紅。
「ぜったいにっ!コロスッ!!」
蒼星石は如雨露を取り出すと、それを力強く横に振った。
こぼれた水に触れた部分から、生え出た木は、ウネウネと蠢いていた。
「今からコイツ等で、串刺しにしてやる!」
その声を合図に、一斉に真紅目掛けて伸びる木。
真紅は避けるどころか、逆に伸び進む木に向かって走り出した。
そして、鋏で次々にそれらを切り裂いていく。
24 :
はろ:2005/11/06(日) 02:53:50 ID:mdSDkVll
「ちっ!いちいちやる事が、ウザイんだよ!!」
蒼星石は自分が追い詰められているという現実を、理解できない。
いや、認めたくないのだ。
進行の邪魔になる木だけを、的確に切り捨て近づいてくる真紅。
蒼星石は、真紅に向かって駆け出す。
真紅が木の群から抜け出すとほぼ同時に、彼女は真紅に飛び掛った。
真紅も予想していたらしく、それを鋏ではじく。
「甘いのだわ!お見通しよ!」
しかし蒼星石はそれに、不敵な笑みで応えた。
不思議に思った真紅は、木が綺麗さっぱり消えていることに気がつく。
それが意味する事はひとつ、スィドリームが如雨露から人工精霊に姿を戻したという事だ。
「どこから!?」
真紅が周りに気を張っても、すでに遅かった。
真紅の頭上から、スィドリームの突進が襲った。
「くあぁ!」
吹き飛ぶ真紅だが、何とか受身をとって体制を整えようとする。
しかし、蒼星石は甘くなかった。
無理に立ち直ろうとしたその隙に、一気に近づいてくる。
「これで終わりだ!!」
渾身の一撃を振るう蒼星石に、真紅は微笑んだ。
「ええ、これで終わりよ。さようなら蒼星石」
あとちょっとと言うところで、蒼星石のこぶしは真紅に届かない。
それもそのはず。
彼女の足はいつの間にか、無数の薔薇の花びらに拘束されていた。
「え?……いつのまに?」
「本当に馬鹿ね。貴方が自分で近づいたのだわ。私は何もしていない」
蒼星石は過去に同じような事を、誰かにいわれた気がした。
しかしそれを思い出すよりも早く、彼女の右腕が斬り落とされた。
「うわぁ!?僕の腕がぁ!」
真紅は微笑んだまま、今度は左足を切り捨てる。
25 :
はろ:2005/11/06(日) 02:55:07 ID:mdSDkVll
「うぎゃあ!やめろっ!!」
バランスを崩した蒼星石が倒れるよりも早く、片方の足も切り落とした。
地面に転がる蒼星石を、見下して真紅は言った。
「どう?壊される気分は……?」
「やめて!真紅、もうやめてよお!」
泣きじゃくり、残った左手を真紅に向ける蒼星石に彼女は、
「いやよ。貴方が私の立場なら止めないでしょう?だから、いやよ」
と冷酷に言い放つと、自分に向けられた左手を切り捨てた。
「うああ!僕は、僕はただ!……ジュンに」
最期の台詞を言い終わる前に、蒼星石の頭は切り落とされた。
「わかってるのだわ。私たちはただジュンが愛しい、狂おしい。そう……ただ、それだけの事」
真紅は決心した。
自分のやるべき事に迷いは消えた。
「あの二人が愛を選ぶなら、私は狂気を選ぶわ。あの二人が未来を望むなら、私はそれを破壊するのだわ」
真紅は笑う。
しかしその瞳だけは、笑ってはいなかった。
前よりさらに、光が差し込むようになった水銀燈のフィールド。
そこの建物の屋根の上に、ジュンと水銀燈は寄り添うように座っていた。
すでに契約を済ませた二人はお互いの手を握り合い、何か話し合うわけでもなく景色を眺めていた。
「このまま、時が止まればいいのに……」
「ぷっ」
水銀燈は真面目に言った台詞をジュンに鼻で笑われた事に、頬を膨らまして反論した。
「今のは笑うところじゃ無いじゃな〜い!」
「わかってるよ。でも言うと思ってたんだ、その台詞。ぷくくくっ、ははははは!」
ジュンは怒った水銀燈の顔が可愛くて、さらに笑ってしまった。
「なによぉ、なにが可笑しいのよぉ〜!」
26 :
はろ:2005/11/06(日) 02:59:40 ID:mdSDkVll
水銀燈はさらに頬を膨らませ、ポカポカとジュンをたたき始めた。
「ごめん、ごめんってば」
何度も謝るジュンに、ようやく手を止めるものの、今度はふてくされてプイっと横を向いてしまった。
そんな彼女を見ながら、ジュンは呟いた。
「でも、本当にこのまま時が止まればいいのに……」
水銀燈は横を向いたまま動かない。
それを不思議に思ったジュンが、彼女の顔を覗き込むと、
「ウフフフフフッ、もうだめぇ!堪えられない!」
と言うと、お腹を抱えて笑い出す水銀燈。
「だって、その台詞、ジュンにまったく似合ってないんだもの!ウフフフフフ!」
ジュンは彼女の言葉にムッとするが、自分でも似合ってなかったと思い、つられて笑い出した。
ジュンも水銀燈も、周りから自分を否定されてきた。
自分を受け入れてくれる所など、自分の居場所など無いと思ってきた。
お互いの居場所を見つけた二人に、もう他のものなど要らなかった。
ただ二人でいられれば……
だが時は無限ではない。
水銀燈の人工精霊メイメイが、周囲の情報を伝えに偵察から帰ってきた。
「そう……。真紅が残ったの」
「真紅が……」
二人は同時に複雑な表情になった。
ジュンにとって真紅は、恩人であり、友人でもあり、そして家族の様なものであった。
まだ平和で一緒に家に居たころは、口では悪態をついても、内心とても感謝していた。
その真紅と水銀燈が戦うのに、何もできない自分を不甲斐なく感じた。
水銀燈にとって真紅は、ライバルであり、天敵であり、そして意見が決して合わないドールだった。
真紅は人との間にある絆を信じ、水銀燈はそれを否定してきた。
だがいまの彼女は、真紅の言っていた事が痛いほどよくわかるのだ。
真紅の絆を奪い、自分のものにした水銀燈は、どういう顔をして彼女に会えば良いのか困っていた。
メイメイがせわしなく動き回る。
どうやらフィールド内に、真紅が来たようだ。
「二人とも元気だったかしら?久しぶりね」
27 :
はろ:2005/11/06(日) 03:01:19 ID:mdSDkVll
真紅はいつもの調子で話しかけてきた。
「真紅…………」
「………………」
かろうじて名前を呼ぶジュンに、無言の水銀燈。
二人の表情は重い。
そんな二人を見て、いつもと変わらぬ口調で、
「二人とも何を迷っているのか知らないけれど、私は貴方たちの未来を壊しに来たのだわ。そして、貴方たちはそれを守る。それだけの話でしょう?」
とさらりと言う真紅に、水銀燈は答えた。
「そうね、その通りだわ。私たちは戦わなければならない。その理由がある。他の事なんて、関係ないわね」
そして、ジュンの方に振り返ると笑顔で、
「すぐにやっつけてくるから。ジュンは向こうで待ってて?」
と、なるべく明るく言った。
「約束だよ。必ず勝って帰ってくるって……」
水銀燈は、優しくかえす。
「ええ、約束するわ。必ず勝ってくるわ」
「わかった。僕は水銀燈を信じる」
力強く頷くと、ジュンは少し遠くに離れた。
水銀燈は真紅の方に向き直ると、いつもの調子で言った。
「さあ、はじめましょう?真紅」
「ええ、そうね。アリスゲームを終わらせましょう。」
28 :
はろ:2005/11/06(日) 03:02:47 ID:mdSDkVll
真紅はそう言うと同時に、手に鋏を握って走り出す。
水銀燈は真紅の攻撃を、空に飛ぶことで避けた。
すぐに後を追う真紅。
「向こうは六つのローザミスティカを持ち、こっちは一つ。その上、片翼は使い物にならない。力の差は歴然ね……」
水銀燈は羽根の一部を分離させ、そこから獅子を二匹造りだした。
そして水銀燈は羽根を無数、真紅にとばした。
真紅はそれを、無数の薔薇の花びらをぶつけて掻き消す。
そして、鋏を手にこちらに突き進んできた。
「行きなさい!」
水銀燈の号令で、真紅に襲い掛かる獅子。
だがスィドリームと薔薇水晶の人工精霊に体当たりをされ、呆気なく消えてしまう獅子。
真紅自体は足を止めるどころか、ますます加速している。
懐に入られたら負ける、と直感で悟った水銀燈は危機を感じた。
「メイメイ!」
人工精霊に体当たりを命じるが、真紅もすかさず、
「ホーリエ!」
と叫び、メイメイをホーリエが防いだ。
人工精霊同士の衝突で、強烈な閃光が広がる。
「う!」
思わず目を伏せる水銀燈。
だが、真紅の風を切って近づいてくる音が聞こえ、水銀燈は薄っすらと目を開け前をみた。
輝く閃光の中、真紅は目をつぶりながら、水銀燈の元へ駈けていたのだ。
最期は、呆気ないほど簡単に終わった。
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/06(日) 04:52:43 ID:rLM3wuTL
お疲れ様です!
はろ氏乙!
銀様かわえぇなぁ…
続きに期待!
31 :
はろ:2005/11/06(日) 23:34:13 ID:mdSDkVll
ジュンは上空で繰り広げられる戦いを、ずっと見ていた。
そして、閃光が突然彼の目に降り注ぐ。
人工精霊同士が衝突したのだ。
余りの眩しさに目をそむけるジュン。
ようやく光が止み、彼が上空を見上げると、そこには信じられない光景が広がっていた。
水銀燈と真紅は折り重なるようになっている。
「うそだ?」
真紅の手にはしっかりと鋏が握られ、
「こんなの、うそだぁ!!」
鋏は水銀燈の腹部を、深々と貫いていた。
「私の勝ちね、水銀燈」
真紅の台詞に、水銀燈はこう答えた。
「ええ……そうね。私の負けよ。そんな事、やる前からわかっていたわ。これでよかったのよ」
「どういうこと、水銀燈?」
真紅の問いに、水銀燈は彼女の体を抱きしめる事で返した。
「私は、未完成品なの。そう、私には欠けてる部分がある」
「は?」
話が飲み込めず、キョトンとする真紅。
そんな彼女を、さらに抱きしめると、水銀燈は続けた。
「欠けてる部分はね、真紅?腹部なの」
「な!?」
驚いた真紅が下を見ると、鋏は服を破っていただけだった。
「真紅。貴方は試合に勝って、勝負に負けたのよ」
いつの間にか二人を、水銀燈の僕である無数のドールが囲っていた。
「まさか、貴方!?」
「たとえ私の命に代えても、ジュンは守る。私が、絶対に……」
真紅は硬く抱きしめられて、身動きが取れない。
そこに無数のドールが絡みついた。
「私と一緒に死にましょう、真紅」
「や、やめっ……」
真紅が言い終わる前に、絡みついた人形たちは爆破した。
爆発の直撃を免れた水銀燈は、上空から地面へ落下した。
しかし即死はしなかったものの、到底助かる傷ではなかった。
そこに駆け寄るジュンは、悲壮な顔をしていた。
「泣かないで、ジュン」
水銀燈の体を抱き上げるジュンの顔をなでながら、彼女は優しく言った。
「でも……でもぉ……約束したじゃないか。……必ず勝って帰ってくるって」
水銀燈の体はボロボロだった。
両足と右手を失い、体のあちこちが欠けていた。
「あら、私は勝ったわよ?嘘はついてないわ」
陽気に笑う水銀燈。
「そんなの、そんなの屁理屈だ!」
ジュンの涙は止まらない。
32 :
はろ:2005/11/06(日) 23:35:42 ID:mdSDkVll
「前に、屁理屈言われたから、お返しよ……」
水銀燈はにこやかに笑うと、今度は真顔で言った。
「ありがとう、ジュン。貴方に会えて、私は……しあわ…せだった。」
ジュンは、水銀燈の手を握る。
「僕も君に会えてよかった。でも、まだまだ一緒にいたいんだ。だから……だから、死ぬなよ!」
「ふふ……、ごめん…ね。それは……む…りか…な。…………じゅ…ん……すき…よ…」
握っている手から力が抜けた。
そして、ジュンの指にある契約の指輪が砕ける。
「水銀燈……。僕も…好きだよ……」
ジュンは涙を流しながら言った。
「これはこれは、とんだ悲劇ですね?坊ちゃん」
突然、背後から声が聞こえ、ジュンは振り向いた。
そこにはタキシード姿のウサギが立っていた。
「!?」
驚くジュンに、彼は言う。
「私は、ラプラスの魔。ローゼン様の使いの者です」
ジュンはローゼンの名を聞いて、立ち上がる。
そして凄い勢いで、ラプラスの魔に詰め寄る。
「ローゼンだと!?そいつのせいで皆は!!」
「まあまあ、落ち着いて話を聞いてください」
そう言うとラプラスの魔は、怒鳴るジュンの口を妙術でくっつけてしまう。
「んー!んんーーっ!!」
ジュンは口を開けれず、困惑する。
「私が坊ちゃんを伺った用件はですね、ずばり水銀燈を生き返らせる手助けを頼みたいのです」
ジュンはその台詞を聞いて、顔色が変わった。
「どうですか?悪い話で無いでしょう?」
「んー!んんーっ!!」
しかし、ジュンは返せない。
「おっと、そうでしたな。それそれ」
ラプラスの魔が手をジュンにの口に沿って動かすと、不意に口が元に戻るジュン。
彼をにらみつけ、ジュンは尋ねた。
「一体どうすれば水銀燈は生き返るんだ?」
「あるモノがあれば、すぐにでも!」
ジュンは、はっきりしない物言いにイライラしながら、再び尋ねた。
「あるモノって、何だよ?」
ラプラスの魔は、にやりと笑うと口をひらいた。
「それは、坊ちゃんの命です」
33 :
はろ:2005/11/06(日) 23:37:14 ID:mdSDkVll
ジュンは、ラプラスの魔から一連の事情を聞いた。
ドールは人との絆で動くのだと、絆が強ければドールは強くなれると、そして例えそれがドール達の一方的なものだとしても……
そして絆の力次第では、ドールを直すことも、生き返らすこともできると……
しかし、生き返らす事に限っては、その代償に絆を結びし者が命を失う可能性が高いこと……
「復活に限っては、今回が初めてなので確証はありませんが……我々にも、最後に残ったドール。水銀燈が必要なのです」
ジュンは、もとより迷ってなどいなかった。
(洗濯のりの奴、やっぱり悲しむんだろうな……)
残される姉の事だけが、心配だった。
「どうなさいます?お早い、お決断を!」
「もちろん、やるよ」
ラプラスの魔は、その返事を聞いて体全体で喜びを表現した。
「素晴らしい!では、はじめましょう」
ジュンはラプラスの魔に言われる通り、欠けた指輪を左手に握り締め、もう一方を水銀燈の胸に当てた。
「ではでは!水銀燈の事を、想うのです、強く!」
「…………………」
ジュンは思い出していた。
ほんの短い間だったけど、彼女と過ごした時間を……
そのとき、水銀燈の胸に当てている右手が、振動のようなものを感じた。
(これは、鼓動?どんどん強くなっていく)
ジュンは、水銀燈が生き返ろうとしているのを、体で感じていた。
そして水銀燈の心音が強くなればなるほど、彼の心音は比例するかの様に、弱まっていった。
(水銀燈……また生きた君に会えないのは、残念だけど……)
ジュンの目から涙がこぼれた。
(守られてばかりだった僕の、これが唯一の恩返しだから……)
ジュンは、次第に体から力が抜けていくのを感じていた。
(どうか……僕の……ぶ…んも、し……あわせに…い………)
彼のの意識はそこで途切れた。
34 :
はろ:2005/11/06(日) 23:38:28 ID:mdSDkVll
『どうか僕の分も、幸せに生きてくれ、水銀燈』
「ジュン!!」
突然起き上がる水銀燈。
目が覚めた彼女は、自分の状況に頭をかかえた。
(今、ジュンの声が?というか、私は死んだはず……)
そして水銀燈は、自分の横にジュンが横たわっているのに気がついた。
「ジュン、ジュン!どうしたのよ?しっかりしなさいよぉ!」
ジュンを揺さぶる水銀燈に、声がかけられた。
「そんな事をしても無駄だよ、水銀燈?彼は君のために、そうなったんだ」
彼女はこの声に聞き覚えがあった。
そして声の主の方に振り向くと、そこのは初老の男性が立っていた。。
「お、お父様?」
「ああ、そうだよ。久しぶりだね、水銀燈。いや、アリス」
気になるところで今日の分は終わりか…
金糸雀の声に意気消沈しているレプです・・
>金糸雀の声に意気消沈
私もだよ。
しかし、あの絵的にはあの声がベストかもしれない。
原作だと、違う物を想像していたが…
あの金糸雀の声は翠星石辺りに使った方が良かったかも。アニメの翠星石声はなんかネチっこいから
愚痴ってもしょうがないけどね
はろ氏乙
何だか終わりそうな気配
銀様だけでも幸せにしてやってくれ…
金糸雀の声は俺も同感
薔薇水晶は良かったんだがなぁ
翠星石の声は、場面によると思う
兎に角、蒼い子と一緒に居る時はありえない…w
音程の高さが、明確になり過ぎて困る。
それよりも、雛苺の声があれじゃない?
一期と比べたら、どもりが強くなったと言うか、声質が変わったと言うか
薔薇水は大分良い感じ
声についてはやっぱね・・・どうしても不満が出ちゃうよね
ジュンなんかも、あの度の過ぎたキレ声がどうも耳障りで・・
45 :
修業僧:2005/11/07(月) 07:03:40 ID:hMa1BzNy
書き込みがないと思ったら、こんな所に新スレが…
個人的には
真紅と水銀燈と薔薇水晶の声には不満ないなぁ
>>修行僧氏
投稿待ってます
恋愛ゲームにならないのかな。
なったらこんなJUM様も見れる筈。
何も無かったかのようにフツーに登校したりして笑える。
>>48 攻略対象はドールズと巴か
まともな人間が一人しかいない
>49
のり姉も
「ジュン君、ダメよ、お姉ちゃんもジュン君の事は好きだけど、そういう好きとは・・・」
「姉ちゃんのセクハラ紛いの発言に、いつもムラムラさせられてたボクの気も知らないで・・っ」
「ご、ごめんなさい、ジュンくん・・、そうね、きっと私、気付かないうちにジュン君の青い性を掌の上で弄んでしまってたのね」
「・・・・・」
「ど、どうすればいいのかしら・・・お姉ちゃん分からないわ・・」
「今度はボクの肉棒を掌の上で弄んでくれよ・・」
「そ、そんな・・・ちょ、ジュン君・・・いきなり・・・・・・・」
「姉ちゃんのせいでこんなんなってんだぜ」
「あ、ちょ、ちょっと、顔に押し付けな・・・・・あ・・・こんなに・・・硬い・・・・」
ダメだすぐにエロに持ち込んでしまう
んでもってガンパレやネギまのようにポリゴンキャラで走り回れるシステムで
>>52 それ、やりたいな…
573あたりつくってくれ…
タイトーとかマジ勘弁OTZ
水銀燈&薔薇水晶との戦闘イベントも定期的に入ってきたりしてな。イベントが始まると強制的にnのフィールドへ。
んでゆめりあみたいにジュンが好きなキャラを援助。
ゆめりあ同様、エネルギーを注ぐ為にタッチする場所がどんどん増えてくんの。
ある条件を満たすと水銀燈や薔薇水晶と戦闘中にコンタクトを取れるようになり、日常パートでのイベントを起こすきっかけを作れる・・・なんてな
55 :
はろ:2005/11/07(月) 18:47:43 ID:WSHak89v
水銀燈は頭が混乱して、何がなんだかわからない。
その様子を見かねて、ローゼンは説明した。
「アリスゲームにお前は勝ったんだ。だが、せっかく勝ったのに死んでしまった。そこでジュン君に協力してもらったのさ。しかし、上手くいってよかった。何せ、実例がないからね。今回が……」
途中からローゼンの言葉が、水銀燈に届かなくなった。
「ジュンが私のかわりに……?」
彼女の様子に気づかずに、ローゼンは話をしている。
「しかし、途中はヒヤヒヤさせられたよ。水銀燈がやられてしまうのではないかとね……」
水銀燈は今の言葉の意味を、理解できなかった。
「お父様、それはどういう意味ですか?」
ローゼンはよほど機嫌が良いのか、機嫌が良いと饒舌になるタイプなのか、水銀燈の問いに答えた。
「ああ、水銀燈。お前には本当につらい思いをさせたね。私にとってアリスは初めからお前だったのだよ。当初の予定では、私が自らお前を完成させようと考えていた。だが、重大なミスに気がつい
たんだ。そう、完璧な存在であるアリスが、一人の人間の手によって完成するものなのかと……そこで、名案が浮かんだ!あえてお前を未完成のまま放置して、自力でアリスになるための舞台を用意しようとね。それがアリスゲームだ」
驚愕の真実に、どう反応すれば良いのかわからない水銀燈。
「私が、初めからアリス?」
「そうだ。可愛い子には、旅をさせよとは、よく言ったものだ。お前がひねくれていく様は、見ていて胸を抉られる思いだった」
この男、ただ単にお喋りなだけかもしれない。
「もしかして今回の件も……お父様が?」
「ああ、全てのドールの頭をすこしいじったんだ。お前や薔薇水晶はともかく、他のドール達がどうもやる気が無いようなのでね。痺れを切らして少し介入させてもらった」
ローゼンはそこまで話すと、後ろに控えているラプラスの魔に、目で合図を送った。
ラプラスの魔が合図に応え指を鳴らすと、唖然とする水銀燈の周りに、全てのローザミスティカが集まってきた。
「これは!?ローザミスティカが?」
「さあ、水銀燈。アリスへと羽化するときが来たぞ!」
ローザミスティカが、次々に水銀燈の中に吸い込まれてゆく。
「体が!……熱い!!」
すると、彼女の体が輝き始めた。
そして、彼女の姿は光に完全に飲まれてしまった。
「さあ!私のアリス!その姿を魅せておくれ!」
光の繭に、意気揚々と話しかけるローゼン。
次第に光は弱まり、完全に収まったとき、そこにこの世の者とは想えないほどの美しい少女が、いやアリスがたっていた。
「なんと美しい。これが、アリス」
「ほお……」
56 :
はろ:2005/11/07(月) 18:48:34 ID:WSHak89v
ローゼンはもちろん、ラプラスの魔までもが感嘆をもらす。
水銀燈は、自分の頭が驚くほどクリアーになっている事に驚いた。
(そうか、全てが完璧な少女。それがアリス)
そして、さっき聞いたローゼンの話も全て整理出来た。
「さあ、私のアリス。私の元へ来なさい」
腕を広げて微笑むローゼン。
だが、水銀燈はきっぱりと言い切った。
「嫌です。私は誇り高きアリス。私の主は、私が決めるのです」
「私以外に主にふさわしい者が、居ると言うのかね?それは誰なんだ?」
ローゼンは、本当にわからないといった風に尋ねた。
「私の主はジュンです」
はっきりと言う水銀燈に、ローゼンは笑い出した。
「ははははは、何を言うのかと思えば、彼はもう死んでいるのだよ?故人を主というドールが、どこにいるんだ?」
「ここに居ます。例えジュンが死んでも、私の心は彼と共にあります」
その台詞を聞いて、ローゼンは困り果てた顔をした。
「ふむ、仕方が無い。余りこういうのは、自分でアリスをつくった様で好まないのだが……ラプラスの魔よ。設定を元に戻せ」
「仰せのままに……」
ラプラスの魔が指を鳴らすと、空間に設定画面の様なものが開いた。
アリスゲームの設定変更をしますか?
はい。
全ドールの設定を元の状態に変更。
以上でよろしいですか?
はい。
では、アリスゲームを開始します。
ラプラスの魔は、あっという間に設定を書き換えた。
「さあ、これで元通りのはずだ。私のアリス、私を抱いておくれ」
水銀燈は無表情のまま、ローゼンを見つめる。
「どうしたんだ?私のアリス。さあ、おいで」
ローゼンは両腕を広げ、微笑む。
57 :
はろ:2005/11/07(月) 18:49:23 ID:WSHak89v
水銀燈は、今度は満面の笑みを浮かべて、ローゼンの元へと近づいていく。
「お父様。この腕に抱かれる日を、何度夢に見たか……。私の主は、お父様だけです」
その台詞を聞いたローゼンは、この上ない至福に満たされた。
「ああ、私もだよアリス。お前をこの腕に抱くのを何度夢見たか……」
そういうと、水銀燈を優しく抱きしめるローゼン。
グサッ!
「なっ!?」
ローゼンは驚愕の表情で、水銀燈を眺めた。
水銀燈は手には、ローゼンの血で塗れた短剣が握られている。
短剣は次第に崩れ、無数の羽根に姿を変えた。
腹部を押さえて崩れるローゼンに、水銀燈は言った。
「お父様……貴方は、最低のゲス野郎です。自分の自己満足のために、貴方は多くを犠牲にし、その自覚すらない……救いようが無いとは、正にこの事」
今だ現実が受け止められずに、ローゼンは彼女を見つめた。
「私の、あり…す……私を、置いて……いかな…いで……く………れ…」
ローゼンは必死に手を伸ばす。
彼が長年追い求めてきた夢に、探し続けてきた理想に、愛し続けてきた少女にもう一度触れようと……
「愚かね、お父様。貴方が欲しかったのは、完璧な少女ではないわ。貴方の好きにできる完璧な少女の間違いでしょう?つまり、私はお父様の理想でも何でもないわ」
「アリスッ!……わた…しの、ありす……ごほお!………わた…しを……ひと…りにしないで……く…がはぁ、ごほぉ!!」
大量の血を吐き出しもがくと、ローゼンはついに動かなくなった。
ローゼンの最期に、昔の置き去りにされた自分の姿を思い出す水銀燈。
「そこのウサギ?ちょっと、言う事を聞きなさい」
ラプラスの魔は、目の前の事にも特に動じず、平然と応えた。
「いいですよ。私は主を失いましたから、自分の意思で貴方の頼みごとを承りましょう」
水銀燈は静かに尋ねる。
「おまえはローザミスティカも操れるの?さっき、私の周りに集めたりしていたわね?」
おどけた口調で返すラプラスの魔。
「ええ、もちろんですとも!私はドールとアリスゲームの管理のために作られたのですか。でわでわ、ご用件は何ですかな?」
「私を元に戻して……」
ラプラスの魔は、少し驚いて聞き返した。
「それそれは、しか何故?貴方は、アリスになりたかったのでは?」
その問いに、水銀燈はジュンの方を見ながら答える。
「だって私は、水銀燈だもの。未完成で、ちょっと性格が捻くれていて、人間が嫌いで……それに」
「それに?」
そして水銀燈は、最高の笑顔をジュンに向けて言った。
「それに、ジュンは水銀燈である私を好きでいてくれたもの」
58 :
はろ:2005/11/07(月) 18:50:21 ID:WSHak89v
とある町のとある病院。
その中に数多くある病室の一室にジュンが寝ている。
そして窓際には、黒い翼の生やし、これまた黒いドレスを身に纏った少女の人形が腰掛け、歌を歌っていた。
「からたちの花が咲いたよ……」
六つのローザミスティカの力を使い、ジュンは命を吹き返したものの意識は目覚めなかった。
今もnのフィールドのどこかに彷徨っている彼の魂。
「白い白い花が咲いたよ……」
水銀燈は、まるで今にも起きてきそうな顔で眠るジュンを見つめる。
そして、彼女は静かに歌う。
「からたちのとげは痛いよ……」
窓から病室に、心地よい風が入ってくる。
カーテンがなびき、水銀燈の銀髪が流れるように風に揺れた。
「青い青いはりの………」
水銀燈は誰かが病室に近づいてくるのを感じ取り、さっと窓の外に隠れる。
まもなくして病室に、ジュンの見舞いに来たのりが入ってくる。
「ジュン君。元気にしてた〜?今日はね、ジュン君が好きだった…………」
答えるはずの無いジュンに語りかけるのり。
でも水銀燈は彼女の気持ちが痛いほどわかった。
「私も良く話しかけるもの……ふふ」
水銀燈は窓の外のふちに腰掛け、晴天の空を見上げた。
そして、思いっきり背伸びをすると、
「さあ、今日もジュンを探しにフィールドへ行かないとっ!」
と、張り切って立ち上がった。
いつか、また逢えると信じて……
どこまでも続く青い空へ……
少女は羽ばたく……
-完-
すげぇ・・・
マジ乙です
60 :
修業僧:2005/11/07(月) 20:38:09 ID:hMa1BzNy
GJ
他に言うことがないよ
おお…
凄いな…
はろ氏超乙!
GJです!
寂しさの残るEDが銀様らしくてイイ
水銀燈が第一ドールっての、原作者の設定の上手い所だよなぁ・・と思う事が良くある
どこが上手いのか上手く説明出来ないけど
63 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/07(月) 21:35:34 ID:YnBOR3rF
流石の一言だな。
64 :
はろ:2005/11/07(月) 21:36:24 ID:WSHak89v
よかったら詳しい感想やここをこうしたらいいんじゃないか?などの批評も書いちゃってください。
参考にしたいと思います。
むう…
そうだな…
全然思いつかないOTZ
もっとエロくしてください
最低だな
蒼い子虐待して。
>>64 初めから水銀燈がアリスに決まっていたって設定は上手いと思った
少なくとも水銀党の俺は終始楽しく読むことが出来たが他ドールのファンだと…
69 :
はろ:2005/11/08(火) 01:13:44 ID:B4+fpfWc
今回は水銀燈をフォーカスしてみました。
まぁ他のドールファンからしてみると評価がきつくなるのはしかたないですね。
70 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/08(火) 01:29:53 ID:r0E7q8JQ
マルチエンドにしてみたら?投稿した文が残っているなら書き変えも簡単だろうし?
71 :
はろ:2005/11/08(火) 01:33:29 ID:B4+fpfWc
>>70 検討してみます。マルチエンドにしたらゲームが用意できそうですね。
でもそれって大変な事じゃないのかな?
73 :
はろ:2005/11/08(火) 02:17:28 ID:B4+fpfWc
かなり大変になるでしょうね。相当パターンを考える必要があるでしょうし。
前も似たような展開があったけど、批評までならともかく話の希望まで募るような流れになると大変な事になるからやめた方が。
75 :
M.I:2005/11/08(火) 02:29:08 ID:oZqXKDSc
ふむ
確かに…
あくまで参考に意見を取り入れる方向でいくのが良いのでは?
76 :
はろ:2005/11/08(火) 02:31:33 ID:B4+fpfWc
そうですね。
マルチは余裕があればチャレンジしてみます。
収拾も付かないし、リクエストに応えるという事務作業になったら書くのも楽しくないしね
やっぱり好きな時に好きな人が好きな内容を書くって事でよろしくデフゥ
うん
それがこのスレのクオリティだね
はろ氏の次作に期待します
79 :
はろ:2005/11/08(火) 02:36:57 ID:B4+fpfWc
みなさんよろしくです!
デズゥ!デズゥ!
,ヘー―-、_
/ ,、--―-、 、ノ
l / ヽl\Nヽl
|6 l ◎. .◎l |
l, d、 A ノ/
/>→ー-‐爪
/ / [= ∞ =] |、
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/ミ (| l\_) ̄ ̄〈 \_)
ヾミミ/l、/ :l
__) /lミl l
(,―´ └┬┬‐┬┬┘
. ( ( ト┤ ト┤
真性ひきこもりが多そうなスレですね
( ´∀`)σ)∀`)あぅ…
83 :
ヒッキー:2005/11/08(火) 13:06:27 ID:oZqXKDSc
>>82 お前はエスパーか?
すげえなぁ…
よくわかったな…
ひねくれた銀様のイメージが・・・orz
…なんか過疎りそうな雰囲気。
よし、ここは俺が……でも何も思い浮かばないよ(´・ω・`)ショボーン
その日もジュンは机に向かって奮闘していた。
既に日付が変わってから一時間がたとうとしている。
「ああ、もう駄目だ……眠たい」
ジュンが目を擦りながらぼやくと、背後から誰かが近付いて来た。
「ジュン、お疲れ様」
ニッコリと微笑みながら珈琲の入ったカップを差し出す蒼星石。
「ああ……ありがとう」
ジュンは少し驚いたが、すぐに笑みを返した。
「じゃあ僕は寝るね。あまり無理しちゃ駄目だよ?」
トランクに入る蒼星石を背後に感じながら、ジュンは珈琲を一口飲んだ。
「あ……美味しい。そう言えば最近、紅茶ばかりで珈琲飲んでなかったな」
ジュンは少し気合いを入れると、再度机に向かった。
「ん……まだ明かりがついてる?」
トランクを少し開き外をうかがう蒼星石。
そこには、いつの間にか寝息をたてて机に突っ伏しているジュンがいた。
「ジュン、こんな所で寝てたら風邪ひくよ?」
ジュンの体を揺らしてみるが、起きる気配は無い。
大声をたてると真紅達が起きてしまうため、小声で必死にジュンに呼び掛ける蒼星石。
「もう、ジュンったら……どうしよう」
困り果てた彼女はジュンの寝顔を覗いてみた。
無垢な顔で眠るジュン。
「……可愛いい」
>>困り果てた【彼女】はジュンの寝顔を覗いてみた。
訂正:【おにんにんの付いている少年】は
思わず漏らした言葉に、蒼星石は顔を真っ赤にする。
「僕は何を考えてるんだ……でも今なら誰も見てないし…」
周りを確認すると、蒼星石はジュンの顔に自分の顔を近付けた。
「ジュン……僕は君の事が好きだ」
そして重なる二人の唇。
蒼星石はジュンから離れると、ベットから毛布を取ってきて彼に被せた。
「今度こそお休みなさい、ジュン」
彼女はそう言うと、再びトランクに入った。
突然ジュンが体を起こす。
「今の蒼星石の台詞……」
ジュンは自分の唇に手を当てると、顔を赤らめた。
そして蒼星石が眠るトランクを見つめた。
「ジュン君まだ起きてこないわね」
既に朝食が並ぶ食卓で、のりが不思議そうな顔をした。
「のり、寝坊をするジュンが悪いのよ。放っておきなさい」
真紅はそう言うと、一人朝食に手をつける。
「真紅の言う通りですぅ。ちび人間なんて待たなくても良いですぅ」
「うゆー、ヒナも食べるー」
翠星石や雛苺も真紅に続く。
「僕が起こしてくるよ。だからのりは早く登校して?」
「本当?助かるわ、蒼星石ちゃん!」
そう言うと、のりは慌ただしく玄関に向う。
そして蒼星石は笑みを浮かべながら、ジュンの部屋がある二階へと向かった。
89 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/09(水) 03:06:39 ID:GsfU+j/i
続き気になる…
名無し氏gj
部屋のベットで転がりながら、昨日の蒼星石を思い浮かべるジュン。
心が高揚するのを感じる。
「そう言えば、最近ご無沙汰だな……今ならチャンスかも」
ジュンはベットに腰掛け、ティッシュの箱を横に置くと自慰をはじめた。
「蒼星石……ハァハァ」
ジュンはすっかり蒼星石を意識し始めていた。
次第に高まる感情と快楽に、ジュンは爆発寸前になる。
「うっ……もう!」
ジュンがサッとティッシュを取ると同時に、バタンと部屋のドアが開けられた。
「ジュン、もう朝だよ?そろそろ起きな…………え?」
「蒼星石!僕もうイク!…………って、え!?」
お互い目が合う二人。
「きゃあ!ごめんなさい!」
蒼星石は慌てて目を伏せるが、
「もう終りだ……もう駄目だ」
彼女の耳に聞こえて来たジュンの悲痛な嘆きに視線を戻した。
「幻滅しただろ?こんな朝から自慰してる奴なんて……しかもお前をオカズにして……」
ズーンと落ち込むジュンに、蒼星石は微笑みながら歩み寄った。
「大丈夫だよ、ジュン。男の人がそう言う事をしないといけないのは知っていたし……」
そこまで言うと、蒼星石の顔は真っ赤に染まった。
「それに僕を…その…対象にしてくれた事……嬉しいし……」
目が駄目です…
今日はこれが限界です。
すいません。
エロ展開はOKですか?
4 :カオス・メイデン :2005/11/03(木) 10:53:13 ID:eQkTSjXL
やぁやぁ皆さん、こんにちわ。
■このスレの約束
・GJ=トリビァル。このスレでのトリビァルはつまらない
8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/03(木) 22:30:32 ID:7YfQdAsA
※テンプレ支援
なんだかこのスレの「乙」「GJ」は「もうくんな」って読み替えたほうが言いと思った。
age + gj = jagge = ジャッジ ≒ judge
つまり、彼は自分が審査員である。と言う隠語を付け加えていたんだ!!
「僕、男の子だけどいいの?」
トゥリヴィアル!!
あれ、蒼の子はジュンに『君』つけて呼んでなかったか?
原作では呼んでないから、個人的にはどっちでもいいと思う
アニメオリジナル設定に縛られる必要も無いだろうし
>>レ プ氏
前スレ
>>439の続きはもう期待しない方がいいですか?
(´・ω・`)ショボーン
ちょっと説明不足だったから出だしで躓いたしね('A`)
新スレできてるの知らなくて、向こうでテカテカしてた・・・さびしかった。
次スレ誘導しなかったからなあ…。
ここはアニメキャラ板だから、アニメ版準拠のがいいんじゃない?
と俺は思っているので、何か書くときはそうしてる。
その台詞を聞いて、ジュンは目の前の少女が愛しくて堪らなくなり、おもわず抱き締めてしまった。
「ジュ、ジュン君!?」
突然の事に驚き、口をパクパクさせる蒼星石。
「ごめん、蒼星石。僕途中で目が覚めてたんだ。お前が必死に起こそうとしてくれたから…」
一瞬何の事かわからず考え込む蒼星石。
だがじきにジュンの言葉の意味に気付き、顔をこれ以上無い程に真っ赤にした。
「ち、違うんだ!あれは、その……何て言うか……ううぅ」
必死で言い訳を考えているのか、軽いパニックを起こしている彼女の手をジュンは握った。
「僕は嫌じゃないよ、蒼星石。むしろ嬉しいと言うか…」
「ジュン君……」
今度は蒼星石の方からジュンに抱きついた。
「嬉しい。ジュン君、いやジュンにそう言って貰えて凄く嬉しい」
ジュンは黙って彼女を抱きかえした。
「まだ僕は蒼星石の事を、はっきりと好きとは言えない。でも嫌いじゃないし、むしろ真面目で素直な所とか…良いなぁと思うし……」
賢明に言葉を探すジュン。
「こんな優柔不断な僕で良かったら、その……」
「ジュン…」
良い雰囲気で見つめ合う二人。
その時、突然部屋に声が響いた。
「そうはいかないのだわ!」
「ですぅ!」
うはwww
続きを期待する
人形・動物 = 人間外
人間 + 動物 = 最低
人間 + 人形 = 最悪?
いや、
人間 + ダッチ = 性
(´ー`)y-~~ マターリ座って待ってるよ
過疎ってる…
過疎っていてもおれはマターリ(´・ω・`)
SSの投稿を待ってるぜ!
マダー?('A`)
「何でこんな事になったんだ…」
ジュンは体を苺わだちで拘束され、身動きがとれない。
蒼星石との現場を見られた後、nのフィールドに連れてこられ今に至る。
「あいつら、冗談じゃ済まないぞ。何考えてるんだ」
ぼやくジュンの前に翠星石が現れた。
「あわれな、ちび人間ですぅ」
「この性悪人形、いい加減にしろよ!大体、蒼星石はどこに行ったんだ!?」
「お前が知る必要は無いですぅ。ちび人間の今日から真紅と私のペットですぅ」
翠星石はジュンのズボンをずり下ろす。
「なっ!?お前、何してるんだ!」
驚くジュンを気にせず、翠星石は彼の性器をくわえた。
「これだけやれば、大丈夫ですぅ。次はこっちで…」
翠星石がスカートをあげると、既に充分過ぎる程濡れた性器が現れる。
「なっ……やめろ!」
ジュンが嫌がるのを無視して、翠星石は性器同士を重ねると腰を沈めた。
「んくっ……はぁはぁ…まだまだこれからですぅ」
彼女はジュンを犯しながら、快楽と至福に満ちた笑いを浮かべた。
同じくnのフィールドに拘束されている蒼星石。
「どうしたの?元気が無いのだわ!」
真紅は蒼星石を蹴りつける。
「うぎぃ!」
何度も蹴られ軽い痙攣を起こす蒼星石。
体のあちこちに痣ができ、既に起き上がる気力も無いようだ。
「これだけ何時間も痛めつけられて、それでも逃げようとするなんて…馬鹿なドールなのだわ」
蒼星石は地面を這って逃げようとする。
しかし真紅は容赦なく頭を踏みつけた。
ゴリィ!
何かが砕けた音が響く。
「へぁ…うぎぃ!」
頭を抑えのたうち回る蒼星石を真紅が嘲笑う。
「ジュンを寝取ろうなんて…随分ふてぶてしい事を考えたわね?」
のたうち回る蒼星石の顔面を蹴りつける真紅。
そこに翠星石が来る。
「終ったですぅ。次は真紅の番ですぅ」
「あら、わかったわ。後は任せるのだわ」
去っていく真紅を見送ると、翠星石は不敵な笑みを浮かべる。
「蒼星石、私はあまくないですよ?うひひひ…」
蒼星石は絶望で頭が狂いそうになった。
ジュンは力尽きた様に地面に倒れている。
何度も翠星石に犯され、精根果てていた。
「あら、私の番なのだから無理にでも起きてもらうわよ?」
真紅の声に青ざめるジュン。
「もう止めてよ…」
真紅はジュンの上に馬乗りになった。
「美味しそうなのだわ」
ジュンの性器を太股の間で擦り始める真紅。
「まだまだ元気のようね?」
妖しく笑う彼女にジュンは戦慄した。
「ボクゥ」
蒼星石は昔、実蒼石であった事を思い出していた。
あの頃は、実装石を狩り続ける事だけに精魂を注ぎ、
あわよくば、実装紅を狩る事も出来た。
だが、今の現状はどうだろうか?
同じ繭から孵化せし、双子の体。
その片割れが、今の僕を傷つけ陰鬱な笑みを浮べている有様。
「蒼星石? 幾らなんでも自由すぎはしないですかぁ!?」
容赦なく手に持つ如雨露を、双子の妹に叩きつける。
「うぎぃ!」
何度も殴られ、気を失いかけてる蒼星石を如雨露の水で正気にさせる。
「眠る事はゆるさないですよ!」
朦朧とした頭で、声を絞り出す蒼星石。
「ボクゥ…」
あぁ・・・また、やっちゃった・・・・・・またまた・・・・・・
ごめんなさい・・・ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさい
112 :
のーぶる:2005/11/12(土) 07:33:47 ID:CvqzMrBt
114 :
のーぶる:2005/11/12(土) 12:34:05 ID:CvqzMrBt
「嫌だ…僕は、僕はっ!」
ジュンは残った力を振り絞り真紅を押し返した。
「きゃ!なっ?…ジュン!」
脇目も振らず走るジュン。
だが突然何かに足を絡まれ彼は転ぶ。
足に絡まったのは無数の薔薇の花びらだった。
「逃げるなんて、自分の立場がわかっているのかしら?」
「く、来るなぁ!僕が何をしたんだ!」
泣き叫ぶジュンに真紅は冷酷に言い放った。
「逃げようとした奴隷にはお仕置きが必要ね。そうね…手足をもぐと言うのはどうかしら?」
「ひっ!?お前…?」
しかし真紅の眼は本気だ。
「少し痛いと思うけど傷口は焼き切ってあげるから、死ぬことは無いのだわ」
真紅は掌に花びらを集めると、それを魔法の様に剣へと変化させる。
「これで逃げる事も無いし…ジュン、これで貴方は永遠に私たちの奴隷なのだわ」
ジュンは恐怖のあまり声をあげる事も出来ない。
そして剣は振り下ろされた。
「もう…やめ……て…っ!ぎぃやぁ!」
翠星石は手にしたハンマーを蒼星石の背中に振りおろした。
「今まで散々目にかけてやったのに!飼い犬に咬まれるとは、まさにこの事ですぅ!」
翠星石は杭を四本取り出す。
そして、それを蒼星石に見せるとニンマリと笑った。
115 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/12(土) 13:21:47 ID:dbpBoHoN
生温い?
>115
あげるなや
のーぶる氏はGJかつ今後の展開に大期待なのだが…「うぎぃ」はどうも、裸足のゲンを思い出してしまう…
アニメ蒼星石は格好良いなぁ
原作シナリオに追いつこうと頑張られると序盤でさっさと殺されそうだけど('A`)
前期は水銀燈殺して笑顔を見せる真紅にどうしても違和感感じてますた
今期は作者の軌道修正が露骨に表れてますね
久々の蒼星石いじめキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
激しく期待してます。
120 :
のーぶる:2005/11/13(日) 06:24:04 ID:BKkXeuja
蒼星石は杭を見ても反応する気力すら無かった。
「面白みが無い奴ですぅ……まずは一本目ですぅ!」
翠星石は杭を蒼星石の右手に添えると、思いっきりハンマーで打ち付けた。
ゴシャッ!
異様な音が響く。
「ぐぎゃあ!うがぁっ!」
あまりの痛みに跳び起きそうになる蒼星石だが、右手が引っ張られてしまい更に痛みは増した。
「ほらほら!二本目いくですよ!」
次は左足首に杭を打ち付ける翠星石。
「やめっ…ぎゃあ!うっ、うぐ…」
痛みに苦しむ蒼星石を見て笑い転げる。
「三本目に四本目、一気にくれてやるですぅ!」
「もう…ぐっぎぃ!……がはっ…もう…やめ」
両手足を杭で留められた蒼星石は、虚ろな眼差しで翠星石を見上げた。
目の焦点は合っておらず、涙と鼻水と涎で汚れた顔。
「その汚い顔を向けるなですぅ。これが自分と同じ顔だと思うとヘドがでるですぅ」
蒼星石の顔面を蹴りつける翠星石。
手足を留められ逃げる事も出来ず、蒼星石は暴行を受け続けた。
ジュンは不思議なモノを見ていた。
自分の右足が今切断されているのに、まるで他人のモノを見ている様な感覚。
真紅が飲ました薬は、彼から感覚だけでなく思考能力まで奪った。
「ジュン…綺麗ね……」
真紅は両足を無くしたジュンを見てゾクゾクした。
「これでもうジュンは私から離れないのだわ……素敵ね」
彼女は左手に剣を刺しこんだ。
まるでケーキでも切るかのようにズブズブと肉を断つが、途中で骨に当たり作業は難航した。
ゴリィ、ギリィ…
左手を切り終えた真紅は、右手に取り掛かる。
「ふふふ…もうすぐ完成なのだわ」
傷口を彼女の人工精霊ホーリエが焼ききっている。
「何なんだろ、コレ?僕の体…?変だなぁ、僕の手が…腕?」
ブツブツと独り言を言うジュンをよそに、真紅は骨に取り掛かっていた。
骨が削られる度にジュンの脳に軽い振動が来る。
次第にそれは大きくなり、ボヤけていた感覚がはっきりし始める。
「腕?…えっ!?真紅、お前何してっ!手が、僕の手がぁ!痛いぃ!!」
「薬がきれたようね。ジュン、腕だけでは無くてよ?ほら足も…」
真紅は妖しい笑いを浮かべ、ジュンの足を手にとり彼に見せた。
「うわぁぁ!体が?……何で?こんな事ある訳ない…足も腕も?夢か?そうだ、夢だ!早く起きなきゃ」
ゴキッ、ブチブチブチ!
骨を無理矢理へし折り、肉を引き剥がす真紅。
「夢な訳ないでしょう?これが現実よ」
122 :
のーぶる:2005/11/13(日) 20:12:35 ID:BKkXeuja
「うぎゃぁっ!」
あまりの痛みにジュンは気を失った。
リビングで溜め息をつくのり。
「ジュン君と蒼星石ちゃんがいなくなってから一週間……まだ見付からない」
「のり、元気を出して?ジュンならきっと大丈夫よ。私達が動いていれるんだもの」
真紅はのりに微笑みかける。
「そうね!私達が元気にしてないと、ジュン君達が帰って来たら笑顔で迎えてあげれないものね!」
のりは無理に元気を装うと元気よく登校した。
その姿をみてニヤリと笑う真紅と翠星石。
「全く単純なヤツですぅ。灯台下暗しとはまさにこの事ですぅ」
「ふふふ…そうね。さあ、二人の所に行くわよ」
二人は物置の鏡からフィールドの中に入った。
それを見つめながら、雛苺は一人悩んでいた。
「このままじゃ、いけないのぉ……でも雛どうしたら良いのかなぁ」
力なくうなだれる雛苺。
結局何か出来るわけでも無く、居間に座り込んでしまった。
そんな桜田家を外から見ている者がいた。
「何だか最近、様子が変なのからしら?」
双眼鏡で家内を覗く金糸雀。
「あのヒキコモリの男の子が見当たらないのかしら?」
「へぇ…真紅のミィーディアム行方不明何だぁ。ちょっと私にも貸しなさい?」
明日への期待にトリヴィアル!
124 :
修業僧:2005/11/13(日) 22:42:24 ID:wmmfUauG
前スレ
>>798 奴が出て行ってから、一週間。奴は帰って来ていない
最初は翠星石と二人きりでうれしかったが、奴がいないと何か物足りない
「蒼星石どこに行ったですか…早く戻ってくるですぅ」
「…翠星石出かけるぞ」
「どこにですか?」
「ちょっとその辺まで」
「はいですぅ」
(さて、奴は何処にいるんだろう)
・
・
・
奴は家を出ていった
「僕はいったい何処に行けばいいんだろう?」
ほとんどジョン(マスター)の家にいたことしかない奴にこの街のことは、分からない。もうすぐ冬が始まる。このままでは奴は…
125 :
修業僧:2005/11/13(日) 22:59:06 ID:wmmfUauG
公園に向かうジョンと翠星石。寒そうに震える翠星石。そこに通り掛かる焼き芋屋
「焼き芋でも食うか」
「そうするですぅ」
「すいません、焼き芋3つ下さい」
「はいよ。二人で3つ食うのかい?」
「いえ、これは…何でもないです」
「?よし、サービスで一個ただでいいよ」
「ありがとう。おじさん。」
芋を食べながら、再び歩きだす二人。片手には、3つ目の芋を持ったまま
126 :
修業僧:2005/11/13(日) 23:08:24 ID:wmmfUauG
一週間寒さに耐えながら、街をさまよう奴。目は霞み、お腹は空く。
焼き芋に誘われて屋台の前にくるが、少年と少女がいる。腐っても誇り高きローゼンメイデン。こんなみすぼらしい格好をあまり、人には見られたくない
またさまよい始まる奴。行くあてもないまま。
そんな時だった。
「おじょうちゃん、どうしたんだいそんな格好して。風邪ひくぞ」
屋台のおじさんだった。
奴は答えない。いや、で答えられない
グゥ〜
辺りに響く音。奴は顔を赤くする
「なんだい腹が減ってるのか。今いいもんやるからよ」
127 :
修業僧:2005/11/13(日) 23:22:40 ID:wmmfUauG
差し出された焼き芋。久しぶりの人の温もり。
「おいしいか?」
「うん」
「そうか」
「ウゥヒック」
「おいおい泣くほどうまいか?照れるじゃねえか」
「ありがとう。おじさん。」
「さっきの男の子も同じこと言ってたな。二人で3つも芋買ってって。そういや一緒にいた女の子おじょうちゃんに似てるな」
「えっ!?どこに行ったの?」
「たしか公園の方に向かったな。知り合いかい?」
「うん。でも、家をでて来たからもう会えないんだ。」
「何が原因か知らないが、家族が会っちゃいけないなんてことはないんだよ」
>>のーぶる
GJ!!
>>修業僧
乙!
…ジョン?!
何処からか現れた水銀燈が、カナリーの双眼鏡を奪い取る。
「ふ〜ん、本当にいないわねぇ」
双眼鏡を取り上げた者を睨みつけるカナリー
「ちょっと、何するのかしら! ……って水銀燈!?
こっ…ここは一先ず許してあげるのかしら〜〜!」
と捨て台詞を吐き、カナリーは傘を利用して何処かに飛んで行ってしまった。
「ねぇカナリー、真紅のミィーディアムは何時頃からいなくなったーー」
隣りを見るが誰も居ない。 素早く周辺を見渡すが、カナリーの影さえ見当たらない。
「って、居ないじゃない! もう…何時消えたのよぉ」
「目が覚めたのだわ?」
貼り付けにされたJUMに、真紅が語りかけた。
両腕を千切られ、両足をもぎ取られたその体には、頭と<自主規制>しかパーツが無い。
「狸寝入りね… 貴方が望むのなら首を掻っ切って上げてもいいのだわ?」
ピクンと彼の肉棒が動いた。体は動かないが<自主規制>だけは良い返事を返している。
「そう、そう言う事… なら許して上げてもいいのだわ」
真紅は下で唇を舐め、勢い良く彼の<自主規制に>齧り付いた。
その拍子に時限爆弾へスイッチが入る。ーー残り10秒。
真紅の動きが速さを増し、それに連れて、秒針の動きも加速されて行く。
一際大きく彼の体が動いた。それは、彼の限界を告げる合図。
発射一秒前、地面にジッパーが現れ、ウサギが中から現れた。
0.5秒前、<自主規制>に貪り付く真紅を投げ飛ばし、爆発を阻止する。
0.3秒前、カウントダウンは止まらず、ウサギの顔が青ざめる。
0.1秒前、逃げようにも時間が無く、ウサギは聖少女領域を展開させた。
0秒、<自主規制>は臨界点を迎えた。 そこから吹き出す白い液体。
精巣より発し、尿道を駆け抜け、亀頭から噴出する白い子供達。
白い天使は乙女の壁をもろともせずウサギへと付着した。
「トットリヴィアーーーー!!」
ウサギは、自らの運命に恐怖した。
そう、トリヴィア、つまり之が雑学と言う意味である。
〜fin〜
…わりぃ、すまねぇ、ゆるせ。
死ね
131 :
修業僧:2005/11/13(日) 23:42:58 ID:wmmfUauG
「本当?本当に会ってもいいの?」
「焼き芋屋は嘘つかねぇ」「でも…」
「会って見れば以外となんとかなるもんだ。」
「………うん。僕行ってみるよ。ありがとうおじさん」
奴は手を振りながら公園に向かって走る。
「おう。頑張れよ。…これで3回目か。おじさんも悪くないもんだな」
ジョンに会えばまた酷い目にあうかもしれないしかし、奴は家族に会うため。ジョンとやり直すため
人の温もりにふれ、勇気をもらった奴は走る。
後先を考えず
なんじゃこりゃフェムトワロス
133 :
修業僧:2005/11/13(日) 23:48:22 ID:wmmfUauG
虐待書いてる片がいらしたので路線を変え、書き方変えてみましたが、どうでしょうか。
最後の方は確実に変になってしまいましたが。
>>129 いったいどうなったんだ?
134 :
のーぶる:2005/11/14(月) 00:18:56 ID:B/phHBgG
135 :
のーぶる:2005/11/14(月) 00:32:05 ID:B/phHBgG
連投すまん
>>修業僧
GJ!
屋台のおっさんカッコイイ!
>>29 白い天使か…
ワロタw
修学旅行で5日間ほど見ていない間になにやら新SSが…
>>のーぶる氏
なかなか面白い
それと勝手に続き書かれるのはよくあることだから気にするな
>>135 次からはテンプレを付けてみたらどうですか?
そうしたら偽との区別がつきますので。
トリじゃないか?
801なら蒼星石といちゃいちゃところてんフィニッシュ
ごめ誤爆
そうか。
で、SSはまだかね?
反省の意味を込めた、軽いSSだよ。
まぁ、既存のSS書きなら、続きでも構わないが?
143 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/14(月) 15:57:13 ID:5XmaEdMM
カオスはまだかいなぁ?
突然現れた水銀燈は、金糸雀から双眼鏡を奪い取った。
「な!?水銀燈!それを返すのかしら!」
「嫌よぉ、今覗いてるし……へぇ、雛苺しかいないね。nのフィールド…?」
横で双眼鏡に手を伸ばそうとする金糸雀を押し退けながら、水銀燈は桜田家内をくまなく覗く。
「はい、ありがと。で、金糸雀?いつからああなの?」
金糸雀は差し出された双眼鏡をふんだくると、水銀燈を睨んだ。
「カナが知る限りでは、もう六日近くはこんな状態なのかしら」
「ふぅーん。何だか気になるわねぇ……」
水銀燈が悩んでいると、庭に雛苺が現れた。
どうやら花に水をやりに来たらしい。
「ナァイスタイミング!」
水銀燈はすぐさま彼女の所に行った。
「ちょっと待つのかしらぁ〜!」
それに続く金糸雀。
「ふぇ?水銀燈に……金糸雀ぁ?」
突然の来訪者に目を丸くする雛苺だが、直に普通の調子に戻った。
「二人ともどうしたのぉ?もしかして、遊びにきたのぉ?」
「いいえ違うわぁ。何だか最近、この家から活気が見えないから心配して来てみたのよぉ」
嘘八百をつく水銀燈に金糸雀は呆れた。
しかし雛苺は真剣にそれを聞いている。
「それで私達に何か出来ればと思って……ねえ、金糸雀?」
「え!?あっうん、そうなのかしら!カナ達に任せるのかしら!」
突然話を振られ、しどろもどろに答える金糸雀。
「…………」
雛苺は何かを堪える様な顔を浮かべると、金糸雀に抱きついて泣き出した。
「ううぅ、ジュンがぁ!ジュンと蒼星石がぁ!大変なのぉ!ぶえぇぇーん!」
雛苺の涙に二人は顔を見合わせた。
体を巡る快楽の渦。
「うぅ…はぁはぁ、ああっ!」
手足を失い動けない者を、一方的に犯す征服感に真紅は震えた。
「ふふふ…どうしたの、ジュン?中で震えてるわよ?イキそうなの?」
ジュンは口に拘束具をはめられ、話すことが出来ない。
彼は命一杯の憎しみを込めて真紅を睨みつけた。
「反抗的な目付きね。まだ自分の立場が理解出来ないのかしら?」
真紅はジュンの性器を強く締め付けた。
我慢できずに真紅の中で達するジュン。
それと同時に、彼は大きな喪失感を感じた。
彼が桜田ジュンでいる為の大切なモノが流れた様な気がした。
「あら、泣いているの?そんな惨めな顔をされたら私……また体がうずくのだわ」
真紅は涙を流すジュンの顔を、陶酔した顔で見下ろした。
「だめ、次は私の番ですぅ。真紅は蒼星石の担当ですよ」
翠星石の声に、渋々ジュンから離れる真紅。
「全く、真紅は呼びに来ないと何時までも来ない、仕方の無いヤツですぅ」
「あら、ごめんなさい。盛り上がってきたのに……まあ良いわ。蒼星石で遊んでくるのだわ」
真紅が立ち去ろうとしたその時、突然フィールドに声が響いた。
「ふふふ…真紅ぅ、元気にしてるぅ?早く家に戻らないと、貴方の大切な物がジャンクになるわよぉ」
「この声は水銀燈?まさか、くんくんグッツを人質に?」
言うが早いか、真紅はフィールドの出口へと走り出した。
「ちょっと、真紅!待つですぅ!」
翠星石は真紅の後を追う。
独り取り残されたジュンの泣き声だけが、静かに木霊した。
「あぁ〜ら、やっと来たのね?余りに遅いからいくつか怖しちゃった……」
真紅達がリビングに駆け込むと、破れたくんくん人形を手に水銀燈が待ち構えていた。
「なっ!?くんくん人形が……水銀燈、貴方ただで済むと思ってはいないわね?」
真紅は殺気に満ちた眼差しで水銀燈を睨む。
「真紅、私も手伝うですぅ!」
翠星石も構える。
水銀燈は翼を広げ、二人を射抜く様な眼で睨む。
「二人とも仲良くジャンクにしてあげるわぁ!」
147 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/14(月) 19:37:15 ID:5XmaEdMM
ナニ、この生温い展開〜
wktk
わかります・・・あなたの気持ちがわかりますぅ♪ ふふふふふふふふ――
wktk ⇒ WaKuTeKa ⇒ (゚∀゚)<わくてか
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
つまり、
>>148は、AAを出すのがメンドクサかったので、省略していたんだ!!
水銀燈萌え
ジュンの虐待なんてどうでもいいから正直蒼星石の虐待を書いてほしい
152 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/15(火) 16:28:57 ID:7LeV8xtI
翠星石の調教
続きマダー?('A`)
>>153 自分で書くんだ。
君なら、きっとできる。
(´ι _` )…期待しているよ
ひ・な・い・ち・ご 〜雛苺〜
書こうと思ったが何も思いつかなかった('A`)
何か思いついたら書くよ
>>156 1スレ目みたいな長編の蒼い子苛めキボン。
158 :
修業僧:2005/11/15(火) 21:26:09 ID:UNkC34NI
今書いてるの終わったら、マルチストーリとして書いてみるよ
多分
>>158 マジで!?
期待して待ってます。(*´Д`)'`ァ'`ァ
160 :
のーぶる:2005/11/15(火) 23:18:12 ID:9xQt80+U
嗚呼……
書き込もうとしたら間違えて、
けしてしまったぁ!
嗚呼……
まとめて書き上げてから出直しますOTZ
何故テキストに書いて保存しないのかと
小一時間(ry
新米だから読んだ事の無い漏れ
166 :
修業僧:2005/11/16(水) 06:34:30 ID:5lj6gSuf
裳介石はリレー形式で建てたんだな〜
167 :
のーぶる:2005/11/16(水) 08:55:33 ID:cp+7tQCw
しばらく来れなくて、前スレの>958より後をゲットしそこねてしまったのだが、
カオスな話は残りの42レスで完結してたりする?
なんか最終話のみ読めていないという状況がとてもセツナイのだが・・・
あとカオス氏の鬱翠星石話は前スレの雨の中で泣き濡れる話で完結?
>>169 確か、カオス関連は全部繋がっていなかったか?
それと、左下にある
【○○KB】 ってのが【512KB】を越えると、スレは終るのよね。
>>169 俺もあれは蒋介石に次ぐ大作の予感がしたな〜ヽ(´ー`)ノ
たしか鬱翠はスレの前半〜中盤にあったと思うけど、あの後カオスは一話も
書かなかったよ( ´Д⊂ヽ
それと、作者が誰かは忘れたけど、主人公が意識を失って人形師と会う話の
続きも俺的には気になる。
つか、カオス最終話('A`)マダー?
蒋介石の話は裏設定などを妄想するのも中々面白い。
双子の内死んでいるのが翠星石で、ついでにジュンも死んでるのか?(仮)的なとことか。
真紅と苺の蒼に対しての態度も、上記の何らかの事件が起きた事によるものなのだろう・・・とか。
幸せな桜田家での時間が終わりを告げる原因となった出来事
そしてその根底の部分には、例え不慮、不可抗力な事であったとしても蒼の存在が大きく関わって事は間違いない
わぁ、妄想万歳。
まぁ蒋介石からすれば単なるお遊び的な要素なだけで、深い意味などはなんだろうけどもねー>裏設定
>>169 自分もあの鬱翠はなんかスゲー好きなんだよね・・・ まぁ、あれはあれで完結、とも取れるかもだが。
カオスの最終話は確かに読みたい。
>>171も一緒に全裸で正座しつつ信じて待とうゼッ
えっと……鬱翠はカオスが終わったら続き書こうかと…
なんだかとっても虐待ブームの様子なので……
で、肝心のカオスの続きなんですが…その…あの…
トゥゥゥゥリビァァァルゥゥゥゥ!!!
ってな感じです。
ぶっちゃけ作品が結果的に完結さえしてくれるのなら、
一週間、一ヶ月、半年以上間が開こうとも、自分は続きが読める事を楽しみに待たせていただきますゼ
どの作者さんの作品でもネ。作者自身のペースで書くのが一番大事だからネ。
スマン。もう無理ッス。モチベ無いッス
てな場合はその旨を一行でもレスで伝えて貰えれば皆の胸にもモヤが残らずもすっきりんぐ
上に居るギャラリー達よ。
そろそろ、読者から筆者になっても、良い頃では無いかな?
…はい?漏れですか?
まぁ…いつかね…
って事で、新人さん達! よろしく!!
よ〜しパパ、○○○のSS書いちゃうぞ〜
柏葉巴?
キムシジャン?
>>175 書いているうちにエロパロになってしまいましたのでエロパロスレ
に行ってきます(`・ω・´)
エロパロスレの板貼って(・∀・)
検索汁
182 :
修業僧:2005/11/18(金) 22:50:54 ID:2pUgnLOe
>>131 「蒼星石〜どこですか〜?出てくるで〜す」
「出てこいよ、蒼星石」
人気のない公園に二人の声がこだます。
「いないのか?……くそっ!行くぞ」
「あっ!待つです。おいてくな、ですぅ」
・
・
・
・
「はぁ、はぁ。」
(待ってて翠星石、マスター)
奴は走る。既にだれもいない公園に。
「はぁ、はぁ。翠星石、マスター、二人ともどこ?ねぇ出てきてよ」
奴は必死に二人を呼ぶ。しかし帰ってくるのはむなしい風の音だけ
「まだ近くにいるはずだ。僕は二人に会うんだ!」
奴再び走りだす。会いたい人のために
183 :
修業僧:2005/11/18(金) 22:54:13 ID:2pUgnLOe
だめだ、眠い
今日はこれでやめます
('A`)まとめて投稿した方がいいと思うよ
正直に言おう
軌道修正は失敗だったのでは?
自分に合わない文は、書いてても面白くも無いし
書く意欲も湧かないと思う。
自己中心的な解釈でスマソ。
何も書けない俺にとってはぐっじょぶ
汚い樹を燃やすことに成功した僕こと桜田ジュンであるが、まさか炎が巨大な樹にまで燃え移るとは思いもしませんでした。正直すまんかった。
もはやこのレベルの火事ではムシャクシャしてやった、では通用しないだろう。それほどにまで火の勢いは凄まじかった。
「うわぁ!! マズイ、こいつはマズイぞ!」
このでっかい樹はきっと自然文化遺産のようなトンデモない代物に違いない。
こんなものを燃やしてしまったら一生クサイ飯を食い続けるか、365日延々と公安の厳ついオッサンどもに監視されるに違いない。
こうなってしまったのは全てこの真紅とかいう禍々しい樹のせいだ。
燃え尽きる前に火を散らばせるなんて、この真紅という樹はやたらと死に汚い。
「こうなったらもうヤケクソだぁ!! もっと燃えやがれ! 僕の熱いハートで全てを焼き尽くしてやるッ!」
僕は半狂乱で笑いながらそこら中にある無傷の樹に火を点けていく。
どうせ僕は少年法で守られてるんだ!社会は僕の味方さ!未成年万歳!
大体こんなところに生えているから燃え移ってしまったんだ。僕のせいじゃない。こんなところに生えたこの馬鹿デカイ樹が悪い!
僕はナイスな責任転換でブルーな気分を振り払うと、放火のギネスブックを塗り替える早さで次々と火を広めていく。
僕がひと段落して額の汗を拭う頃には、背景は真っ赤に染まり、紅蓮の炎が周囲を高熱と熱風で包み込んでいた。
その熱さに常夏のサマーバケーションを思い浮かべる反面、何かが頭の中でひっかかる。
「あっ……そういや僕はどうやってここから出るんだ?」
思考。次いで青ざめる僕の顔。
なんてこった!?僕自ら、自分の退路を無くしてしまうとは……!
策士、策に溺れるとはまさにこの事かしら!
「む、無念……」
こうして僕は炎の熱と煙に巻かれ、意識は真っ暗な闇に沈んでいった。
「ブハァ!」
「に、人間っ!? い、生きてたの!?」
僕は鼻と口から大量の羽根を吹き出した。何故だかは知らないが、どうやら再び現世へと舞い戻ってくることができたようだ。
「はぁ…はぁ…死ぬかと思った……」
「ほんとぉ……ほんと心配したんだからぁ……!」
生還したばかりで満身創痍の僕に追い討ちをかけるよう、メチル水銀が泣き喚きながら翼で殴りつけてきた。
その翼は僕のアブトロニックで鍛え上げた腹部にものの見事に食い込んだ。
「ふぐぅ!?」
くそっ……二、三本持ってかれた……!
だが女性の悲しみの一つや二つ、受け止めてやらなくてなにがマエストロだ!
僕は恐ろしいぐらいにガクガクと震える両足に力を込め、倒れまいとしっかりと地を踏み続ける。へっ……女泣かせな罪な男だぜ、僕は。
そう頭の中で呟きながら、僕は全身を走る痛みに半泣きで鼻水たらしながらも我慢する。
「し、心配させてごめん……」
「ほんとよぉ!! でも……無事でよかったぁ……」
メチル水銀は僕と同じように涙で歪んだ顔で怒鳴った後、また顔を伏せ嗚咽していた。
普段の姿からは想像できないほどの彼女の、少女としての一面を見た僕の表情は綻ぶ。
そして僕は肩を震わせる彼女の頭を優しく撫でる。
「泣くなよ……」
「だってぇ、だってぇ……!」
「泣きたいのは僕の方さ……だって――」
自分の家が燃えてるんですから。
火の粉が飛び散り天井の一部が僕のすぐ傍に落下してきた。
轟々と燃え盛る灼熱の炎。衰えることのない火は、僕が長年住み続けた家を思い出ごと黒い墨に変えていく。
そうか……自宅を燃やされるという気持ちはこんな虚しいことだったのか……
やられてから初めて相手の気持ちが分かるとはよく言ったものだ。
ごめんね、梅岡先生……あの時、先生の家を燃やしてしまって……
いや、やっぱり今のナシ。ざまぁみやがれ梅岡!
「……ん?」
ふと、僕は気配を感じ瞳を横に動かした。
赤い火をあげる壁の向こう、灰色の煙にうっすらと映し出される影。
「え?」
信じられない場面。
誰かが夢だと一言でも僕に教えてくれたら、僕は安心して頬をつねり目を覚ますだろう。
それほどにまで、眼前に広がっていたのは出来の悪い悪夢だった。
そうさ、誰が信じられるか。
――片腕をもぎ取られ、床に身動き一つせずに横たわる女王様の姿なんて。
「おやおや、ようやくお目覚めですか、坊ちゃん?」
聞く度に虫唾が走るあの声を、僕の耳が拾う。
ステッキをつきながら綽々とした態度で現れた二足歩行のウサギ。
奴は言葉を発することができずに立ちつくす僕に会釈すると、足元の女王様をつま先で軽く蹴りその赤い目を細める。
「あまりに起きるのが遅いので、退屈しのぎにこのドールと戯れていたのですが……なんとまぁ」
奴は女王様の体を踏みつけた。
「脆い」
その一言に、充分に激昂していた僕の中でついに何かがブチ切れた。
血が出るほどに強く握り締めたこの拳を、奴の顔面にお見舞いする以外に僕の荒れた心を平静に戻すことなどできないだろう。
「……おい、ウサギ。 その汚ねぇ足を今すぐ退けろ……!」
「嫌ですぞ、と言ったら?」
僕は緩慢な動きで指輪をウサギに向ける。
「縛る。 泣いても喚いても喘いでも縛り続けてやるッ!」
「ククク……トゥリビァル! その前に私のステッキで貴方の菊門を拡張してやりますぞ!」
僕とウサギの間を塞ぐように、さらに火が勢いを増した。
「ダメよぉ、人間! 貴方じゃ、あのウサギには勝てない……! だから、私が……!」
力ない翼を持ち上げたメチル水銀を片腕で制止させる。
「僕は負けない。 負ける気なんて毛頭もない。 メガネが吹き飛ばされようが、エロ画像が消去されようが、何をされようとも僕はここに踏みとどまってやる。」
「……ジュン」
「メチル水銀。 女王様を、皆を頼む。 僕は―――」
最早、熱など感じないほどに僕の感覚はただ一点に集中されている。
「――奴を倒す」
そう、ウサギを倒すということだけに。
「負けたら、許さないわよぉ」
「ああ、任せとけ」
僕は横顔で笑ってメチル水銀に応えてみせた。彼女も精一杯の微笑みで返す。
今、限界まで研ぎ澄まされている僕の感覚は、例えるならば一本のナイフだ。
そして僕はその刃先を目の前の敵へと向ける。
鋭く尖った僕の戦意は衰えることなく、折れることもない。
天井が赤を纏い崩れ去る。動じずに僕は真っ直ぐにウサギを見据えた。
「行くぞ、ウサギ―――縛られる覚悟は充分か?」
気づけば僕は駆け出していた。
燃え盛る火を飛び越え、倒すべき敵であるウサギの元へと全速力で走る。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
右拳をギュっと握り締め、奴の顔目掛けて突き出した。
が、やはり届く寸前でオレンジ色の壁に阻まれれしまう。
性少女性癖。真なる淑女だけが使える聖なる領域。
これを破らなければ僕に勝機はない。
「無駄、無意味、無謀ですぞ! 坊ちゃんごときに破れる聖少女領域ではありません!」
耳障りな高笑いが響く。
僕は歯をかみ締めてさらに腕に力を込めた。
骨の軋む音が右腕を中心に全身に伝わっていった。
最初は振動、遅れて襲い繰るのは反動よる想像を絶する痛み。
「うあああぁぁあああぁぁああ!!」
体中から悲鳴があがる。
それでも僕は一歩も退かなかった。
背負った多くのモノのためにも、退くわけにはいかないのだ。
脳裏に浮かぶのは傷いついた皆の姿。
「破れろ、破れろ、破れろ、破れろよ! 今破らなきゃ、何にもならないんだよ! みんなジャンクにされるんだよ!」
喉から迸る絶叫は、無常にも火の渦の中に飲み込まれて消えていく。
「もう、そんなの嫌なんだよ! だから……だから破れてよ! お願いだから破れてよッ!!」
瞬間、心の水が波紋を打つ。
ウサギの性処女性癖を殴りつけた拳から、視界が真っ白になるほどの輝かしい光が放たれた。
「なっ!? こ、これは聖少女領域!?」
先ほどの高笑いとは真逆に、今度は奴の口から零れたのは驚愕の二文字であった。
辺りを覆う眩い光は、ウサギのオレンジ色の壁に溶け込むように侵食する。
何が何だか理解できない僕は、その様をただ呆然と見続けることしできないでいた。
「ぶ、ぶっちゃけありえませんぞ!? 坊ちゃんの領域が私の領域を中和しているなど……そ、そんなことは断じて……」
パリン。
あれほど強固な防壁は、いとも簡単に砕け散った。
そして阻まれていた右拳はようやく障害を取り除かれ、叩きつけるべき目標へと突き出される。
右拳が捉えた目標。それは、柔らかいウサギの顔面。
「ドリブァルぅぅぅ!?」
哀れにも、モロに食らったウサギの口からは赤い鮮血が飛び散り、奴の顔を真っ赤に染め上げた。
綺麗な弧を描きながら後方に飛んでいくウサギの体は、今度は床に頭から突っ込み、それでも勢いが止まらず二、三回転してからようやく止まった。
間髪いれずに走り出した僕は、左拳を高く掲げた。
理由は分からない。だが、あの絶対防御がない今こそがチャンスなのだ。
仰向けに寝そべるウサギの顔面へ、力を込めて振り下ろす。
「これは柏葉の分!」
「トリヴィアルルルルル!?」
ウサギは鼻血を噴出しながらも立ち上がろうと慌てて上体を起こした。
それを見て、僕はすかさず顔面を足で蹴り倒す。そして奴の無防備な腹部に僕の拳が突き刺さった。
「これはメチル水銀の分!」
「トぅリブァルァァル!?」
吐血しつつも、このままではマズイとその小さい脳で判断したのか、ウサギは背中を向けて走り出す。
急いで僕から離れようとする奴だが、蓄積したダメージのせいかその足取りは安定していない。
「逃がすか!!」
僕は逃げる奴の背中に、指輪を向けた。飛び出した縄は目にも留まらぬ早さでウサギを追いつき、あっという間に縛り上げる。もちろん亀甲縛りだ。
「フオオォォォォォォ!!?」
指輪に力を送り続け、完全にウサギの動きを封じた僕は床に落ちていた木刀を拾い上げた。
そしてそれを勢い良く奴目掛けて投擲した。真っ直ぐに飛来する木刀は風切り音をたて、突き出されたウサギのケツに物の見事に突き刺さった。
「私の貞操がトゥリビァル!!?」
「それは女王様の分だ!」
あと一人、赤いのがいたような気がしたが、まぁアイツはどうでもいい。
「私、汚されちゃった……汚されちゃいましたぞ……」と泣きながらブツブツ呟くウサギに、僕は一歩一歩を踏みしめてゆっくりと近づいていく。
「そしてこれは……僕と女王様達の――」
「お、お、お、お止めなさい、坊ちゃん!! わ、私が悪か……」
ウサギの言葉に耳を傾ける僕ではない。全身の力を手に込めて右拳を振り上げる。
「絆の力だぁぁあああああぁぁぁぁ!!!」
全てに終止符を打つ強力な一撃は、ウサギを遥か後方に弾き飛ばした。
火のせいで脆くなった壁をぶち破り、赤い血を撒き散らしながら奴は庭へと転げ出る。
茂みに突っ込み、ようやく止まったウサギは最早、木刀が突き刺さったケツしか見えなかった。
こうして、アリスゲームにおいて猛威を奮い続けたケモノはその無駄に長い生涯を終えた。
「はぁ……はぁ……」
僕は勝った。
だが、勝利の代償はあまりに大きすぎた。
「うっ……」
一気に押し寄せた疲労に、耐え切れずに膝をつく。
火も完全に家中に燃え移り、最早逃げ場さえ見当たらない。
どのみち、逃げようにも体が言う事をきかないのだが。
僕は操り手のいなくなった人形のように、床に倒れこんだ。
辺りにたち込める灰色の煙のせいで、ろくに呼吸をすることのできない僕に、追い討ちをかけるように炎がさらに勢いを増した。
幸い、大きく開いた天井からは青い空が顔を覗かせている。こんな真っ赤な炎の中で死ぬのはまっぴらゴメンだが、こうして晴々とした空を見れて死ねぬのなら、幾分この世への未練も和らいだ。
思い残すことは只ひとつ、女王様達の安否だけ。
メチル水銀に任せたから大丈夫だとは思うが、それでも僕の心中は晴れなかった。
「最後に……もう一度、女王様に……」
叶わぬ願いだとは分かっている。
だげど、せめて一言だけ伝えたかった。
閉じた瞼に映るのは楽しい思い出ばかりでもないが、それでも幸せだった日々。
赤いのが押しかけてきたのは突然だった。
最初にM属性に目覚めたのはメチル水銀の羽根の洗礼だった。
捕まったくせに、キムを連れて姉が脱獄してきた時には舌打ちをした。
臭い緑がゴミ穴から這い上がってきたのには驚かされた。
梅岡がくたばった日には狂喜した。
女王様に初めて踏まれた時は――
「ははっ……色んなことがたくさんありすぎて…思い出しきれないや……」
目から温かい何かが溢れかえる。
泣いてなんかいない。目にゴミが入っただけだ。
「……ありがとう」
精一杯の感謝の気持ちを、僕は皆に返す。
『………』
僕の瞳が最後に見たのは、青空を背に白い影が優雅に佇む光景だった。
影は優しく微笑み、僕の頬を撫でる。
赤い業火が視界を包み込んだ時には、僕の意識は闇の奥底に沈んでいた。
そして、そこで意識は完全に途切れた。
一週間後…
「グッドモーニング、ジュン殿! 今朝も心地よい朝ですぞ!」
目覚めてリビングへと来た僕を迎えるメイド服のウサギ。
クソッ垂れ!朝から清々しい気分が台無しだ!お前は快感かもしれないが僕は見たくもないものを見せられて不快指数100%だ、このげっ歯類!
あの後、残念ながらも生きていたウサギ。
奴の生死なんかどうでもいいと僕達は総出でシカトをしていたが、夜になる度「寂しいですぞ!寂しいですぞ!人肌寂しいですぞ!ウサギは寂しいと死んでしまいますぞ、トゥリビァァル!」
と奇声をあげて、僕の部屋に侵入し、ベットにルパンダイブしてくるので仕方がなく全員で相談した結果、下僕として飼ってやる事にした。
正直こんな可愛いさの欠片もないペットより、チワワの方が断然いい。
いっそのこと山奥にでも捨てに行こうかとも思ったのだが、しかし捨てたら捨てたで、市役所から廃棄物不法投棄として罰金を取られるので下手には扱えない。
まったく迷惑この上ないウサギだ。
まぁ、人参一本で24時間ぶっ続けで働かせている僕もあまり偉そうなことは言えないが。
それに最近では大人しく言う事も聞くようになってきたし、よくよく接してみれば悪い奴じゃなさそうし、まぁ、このまま家に置いといてもいいか…
「今朝の献立はキャロットスープに人参ジュースに生人参が一本ですぞ!」
前言撤回。このケモノ、絶対いつか山中に埋めてやる。
腹いせに人参料理が埋め尽くすテーブルをひっくり返すと、僕は絶叫をあげるウサギを尻目にソファーに座り、おもむろに新品の大型液晶テレビのスイッチを入れる。
もちろんこんなものを買う財力はこの桜田家にはない。このテレビはウサギにバイトさせて稼がせた金で買ったものだ。
相変わらず家の修復は手付かずのままだが、じきにウサギにやらせるつもりだ。
「おはようなのだわ」
「おはよう、ジュン」
僕がくんくんを見てる頃、ちょうど赤いのとメチル水銀が起きてきた。
「おはよう、メチル水銀。 ……それと……え〜と……」
「真紅よ! いい加減覚えて頂戴!」
「……ウザッ」
「聞こえてるわよッ!」
赤いのは相変わらず生意気だ。こいつも山中に埋めてやる候補にいれておこう。
ちなみにあの火事のせいで赤いのの身体は燃え尽きてしまい、ローザミスティカしか残らなかった。だが、幸いなことにローザミスティカの抜き取られたキムの抜け殻があったので、その中に赤いののローザミスティカをつっこんだのだ。
初めは冗談で入れてみたのだが、動き出したのでビックリ。薔薇乙女とは思いのほかに単純なことが判明した。
「まったく……ウサギ、紅茶をいれなさいのだわかしら」
多少、後遺症は残っているようだが。
「おはよう、桜田くん」
「おぉ、柏葉。 もう学校行くのか?」
制服姿の柏葉が、いつもどおり血塗れた木刀片手に廊下から顔を出した。
「ええ、もう少しで学級崩壊寸前だから。 この調子で行けば学年崩壊も近いわ」
彼女は楽しそうに口元を歪める。
「それじゃあ、いってくるね」
「ああ、頑張れよ」
柏葉はその一言を残してテレビ画面の中へと消えていった。
どうやらテレビから出入りするのが癖になってるらしい。
一気に貼られても読む気しねぇ
「さぁさぁ、皆さん! 朝食が出来上がりましたぞ!」
ちっ、めげずにまた作りがったのか……
またテーブルをひっくり返してやってもよかったが、それでは食べ物を粗末に扱うなとメチル水銀の怒りを買うことにもなるのでやめておいた。
メチル水銀は雑食なのか何でも喜んで食う。例え毎日人参料理でも、だ。
僕は重い溜息をつきながら、皆と一緒に席につく。
テーブルを挟んで正面には、食事前だというのにいまだ紅茶を啜る赤いの。その横で目の前の料理に表情を綻ばせるメチル水銀。幸せな奴だ。
そして、台所からはロングスカートを楽しげに揺らしながらポッドを運んでくるウサギ。食べる前から食欲が大幅に削られた。
空いている席は二つ。一つは柏葉で、もう一つは僕の隣の席だ。
ウサギは床で食うので問題外。
僕は横の空席に目をやり、あの時の白い影を思い出していた。
僕をあの炎の中から救い出してくれた人物。
忽然と姿を消してしまった純白の少女
彼女の小さな背に背負われていたことを曖昧ながらも覚えている。
だが、家から出た後のことは、まるでそこだけ切り取られたように記憶がないのだ。
目を覚ました僕の前から、あの少女はいなくなってしまった。
メチル水銀に彼女の行方を尋ねてみても『ついさっきまでここにいたのに……』と不思議げに首を傾けるだけだった。
でも、僕は待ち続けた。いつか彼女が帰ってくると信じて。
一週間たった今でも、僕は彼女の帰りを待っている。
じゃあ、一旦切りますか
>>カオス
/
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く三三三>/ ┃┃┏┛┗┓┃┃┗━━┛┃┃┠‐ ‐┨ ┃┃
ノ 6从~从 . ┃┃┗┓┏┛┃┃ ┃┃┗┓┏┛ ┃┃
. ( リ >ヮ<ノヽ. 乙 ┃┃┏┛┗┓┃┃ ┃┃┏┛┗┓ ┃┃
)(~_OO) . ┃┃┃─┏┛┃┃┏━━┓┃┃┃─┏┛ ┠┨
6/ @i^i_lヽ \ ┗┛┗━┛ ┗┛┗━━┛┗┛┗━┛ ┗┛
~ し'し'~
202 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/19(土) 03:08:02 ID:wMBr2Yij
マジでトゥリビァル♪
蒼い子の和姦モノが読みたいです。
僕…男の子だけどいいの?
ああ、かまわないさ
こうですか? わかりません!
ま、ましゅたぁぁぁ・・・・っ・・ だろ
>>カオス
乙です
そういえば蒼の子が登場していないです……何故ですか?
>>203 時間があれば書いてみたいです。
上と矛盾しますがエロはエロパロスレでどうぞ。
「僕… 男の子だけどいいの?」
そっと彼女の後ろに手を回して答える。
「ああ、かまわないさ」
瞳を潤ませる蒼星石。
腰に回した手をズボンにかけ、
一気に下まで下ろす。
「……!」
彼女は驚いたような表情をしているが、
私のおにんにんから来る衝動は、一向に止む気配が無い、 …寧ろ増してる。
彼女をぎゅっと抱き締め、左手を本能のままに解き放つ。
左手は芋虫のように彼女の下着へと侵入するも、
もはや肉とは呼べない二つのプリン峠の感触にて、呆気なくその旅路を追えた。
しかし、当初の目的を忘れる事が出来ず
惜しまれつつも漆黒の秘境へと、左手を徐々に這わせていった。
「ひゃっ!!」
アヌスに到達。
人差し指をゆっくりと彼女のアヌスに指し込み、第一間接を少しだけ動かす。
「…うっ…あっ…」
指を動かす度に、彼女の体は大きく悶える。
か弱い小動物のような震えを俺に伝えつつも、プリン谷は力強く俺の左腕を愛撫する。
まるで少女である彼女の心と、少年である彼の肉体を表わすかのように。
アヌスに入った指を第二間接まで押し込んだ。
「ま、ましゅたぁぁ…!」
・
・
・
もう無理だ。
てか、ジャンルが違いすぎる
と言う事で、後は↓に任せた。
前スレ860の続きっちゅうことで。
スレまたぎで今までの話の流れが見えん! という方にはひたすら陳謝。
桜田家に到着した私を出迎えたのは、涙目で膨れ面を作る真紅だった。お叱りの言葉を
いただく前に、私は持っていたデパートの紙袋を真紅に差し出した。
「遅くなりました。申し訳ありません」
「――中身は何?」
「紅茶と、それに合う菓子を持って来ました」
一瞬、表情を綻ばせた後、真紅は鼻をスンスンさせながら呟いた。
「……そんなものでは、誤魔化されないんだから」
それから30分ほど後。桜田家のリビングは賑やかなお茶会の場と化していた。
「うわぁ……泉田さん、この紅茶とっても美味しいです!」
アルプスあたりの民族衣装を模した衣服をまとい帽子をかぶった、蒼星石というボーイ
ッシュな人形が嬉しそうに声を上げた。右眼が緑、左眼が赤のいわゆるオッドアイだ。
「ねぇねぇ蒼星石、このケーキもおいしいの〜♪」
蒼星石の横で、雛苺という人形がケーキに舌鼓を打っている。ここにいる人形の中で、
一際幼い容姿だ。ワンピースと同じピンク色の大きなリボンが一際目を引く。
「お馬鹿苺、ケーキはデカ人間が作ったわけじゃないです。美味しくて当然ですぅ」
雛苺の歓声を聞き、緑色のドレスをまとった人形が鼻先で笑った。蒼星石の双子の姉・
翠星石。蒼星石とは逆に、右眼が赤、左眼が緑だ。
「――『デカ人間』って、誰?」
「……お、お前の事を言ってる、ですぅ」
翠星石が、おずおずと小声で言いながら、私の鼻先に指を突きつけた。基本的には人見
知りが激しい臆病な人形らしいのだが、なかなかどうしてきつい事を言う――ちなみにジ
ュンくんは『チビ人間』と呼ばれているらしい。
「やめろよ翠星石。泉田さんに失礼だろ?」
「チビ人間は黙ってろです――あ、えと……お代わりが欲しい、ですぅ……」
「あなた達、少しは静かになさい。泉田、私にも紅茶のお代わりを」
翠星石がおずおずとカップを差し出したのに対し、真紅は悠然とカップを差し出してき
た。私は紅茶をカップに注ぎながら、目の前で繰り広げられている、賑やかな光景を見つ
めた。『微笑ましい』と取るか『姦しい』と取るかは別として、こういう喧騒は決して嫌
いではない。
「……機嫌は直ったみたいだな」
「泉田、何か言ったかしら?」
真紅の眼が光った。今度から、独り言は私独りだけのときに言うようにしよう。
それにしても、こうして見ていると到底人形とは思えない。喜怒哀楽の感情を持ち、言
葉を発し、食べ物や飲み物を口にする。以前この家を訪れた時にも思った事だが、一体、
どこの誰がこの不思議な人形たちを作ったのだろうか?
「デ、デカ人間っ、何やってるですかあっ!」
「ちょっと泉田! 何をぼーっとしているの!」
「――え? ……あ゛」
たった数秒意識を飛ばしただけで、悲劇は襲い掛かってくる。真紅が、翠星石が、彼女
らの叫び声に反応した雛苺や蒼星石が私を見上げている。私は大きく溜め息をついた。
テーブルの上には、温かな湯気を立てる紅茶の海が広がっていた。
多分続く。ていうか続ける。
次回は、泉田くんを巡って翠星石と水銀燈が鍔迫り合いを演じる予定。
俺はお前を待っていた
>>199の続き
「お食べください、皆さん! 今朝のは自信作ですぞ!」
「とってもとっても美味しいわぁ」
「……私は紅茶だけでいいわ」
人参スープを口に運ぶ。
ほんのりと甘みがあるそれは、思ったよりすんなりと喉を通った。
冷え切った胸が少し暖まった。
……もし、彼女との出会いが夢ではないのか?と、問われたら、僕は口を噤んでしまうだろう。
あの少女の存在は儚く、実際に夢だという一言にすれば片付けることは容易い。
やはり、僕の夢だったのだろうか。あまり確信が持てなくなってきたその時、ふと太股に違和感を感じた。
その違和感はどうやらズボンのポケットに入っている何かのせいのようだ。
おもむろに僕は手をつっこみ、中のものを引っ張り出し手の平に置いた。
「あっ……」
紫の神秘的な輝きを放つ欠片。
それは、小さいながらも水晶の破片であった。
「ラプラスの愛のエプロン! 私の料理は常に進化し続ける奇跡の因果律! 満足してもらえましたか、皆さん!」
「美味しかったわぁ」
「ラプラス。 この気味の悪い食物を下げて頂戴。 紅茶の匂いが悪くなるのかしら〜……ハッ!?」
それぞれが感想を述べる中、僕は黙って手の平の水晶を見続けていた。
「ジュン殿! 貴方様のトゥリビアルな感想を聞かせてもらいたいのですが?」
「え……? あ、ああ……そうだな……」
僕は手の中のものを、再びポケットの中に戻した。
自然と浮かんできた笑みと喜びを隠しきれず、思わずテーブルに手をかけて、
「マズイんだよ、こん畜生!」
そして思い切りひっくり返した。
飛び散る人参。
「トゥゥゥゥリビァァァル!!? 私の料理がぁぁ!?」
叫ぶウサギ。
「食べ物を粗末にする人は許せないわぁ!」
「人参がぁ!? 人参の汁が目にぃ!?」
メチル水銀が翼を広げ、赤いのが目をおさえて床を転げまわる。
僕は笑いながら黒い羽根から逃げる。
朝っぱらからドタバタと騒がしくなる桜田家。いつも通りのカオスっぷりだ。
近隣の迷惑などお構いなし、それが桜田家クオリティ!
僕達は、見えない絆の糸で繋がっている。
女王様と下僕。
白い少女と僕。
踏みつけられた瞬間に芽生えた絆の糸は、決して切れることはなく、僕と彼女をつないでいる。
いつか、その糸を辿り彼女は僕の元へ戻ってくるだろう。
戻ってこないなら、僕がその糸を引っ張って彼女を見つけてやる。
だから、また会うその日までのしばしの辛抱。
隣の空席が埋まるその日まで、僕は君が帰ってくるのを待とう。
そう、皆と一緒に。
僕は心の底から笑いながら、羽根を全身に受ける。
「エクスタシぃぃぃぃぃ!!」
幸せで楽しくて、少し混沌とした平和な日々が続く桜田家。
白い少女が戻ってきて、ジュンの隣の空席が埋まるのは―――そう遠くない未来のお話。
おわり
カオス・メイデンはこれで完結です。
次からはほっときぱなしの他の作品を続けていこうと思います。
蒼い子がでないのは仕様です。
決して忘れていたワケではありません。いや、マジで。
214 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/19(土) 14:27:06 ID:wMBr2Yij
カオス氏はエクスタCだったの?
様々な思いを凝縮して一言。
カオス氏よ 楽 し か っ た ぜ !
〉カオス氏
お疲れ様〜!
蒼の子なら前スレでジジィと一緒にでてましたよね?
>>カオス
乙です
ほのぼのな幕引きがいいですヽ(´ー`)ノ
>>208 乙です
久しぶりです、泉田巡査(`・ω・´)ゝ
自分も何か書きたいけどなかなか時間が取れないです(´・ω・`)ショボーン
来週には何か投稿できると思いますのでそのときはよろしく。
蒼い子が出てた話は黒歴史にして、改訂版書いたから……実質登場していないことになるかな?
>カオス
カオスな終り方がいい感じです。
お疲れ様でした。
>タイトル無し
いいですねぇ
時間を置いても、必ず投稿される点が素晴らしい。
続きが気になる感じです。
実装石マダー?
実装ネタは初代スレのレ プ氏と675氏のSS(未完だけど)で我慢なさい。
トロイメントの絵コンテの人って尻フェチなのかな。
執拗な尻描写が限りなく嬉しい。
カオス氏に遅蒔きながら余計なつっこみを
うさぎは
重歯類だ・・・・げっ歯類じゃない
>>222 ヒヨコとかアヒルとかカルガモやらがプリプリケツ振って歩いてる様に心がキューンと来る人なんじゃない?
で、レ プは最近ローゼン関係の書き物は充電中なのかね?最近MY SUNも寂しがってるんだが。
>>208の続き(タイトルをいい加減に考えろよ俺)。激しく短いです。
「まったく……お茶を淹れているときに眼を離すなんて、信じられないです」
「……面目ない」
何故か私はキッチンで洗い物をしている。大切な紅茶をテーブルに飲ませた罰だそうな
――紅茶第一主義者・真紅の発案である。翠星石が手伝ってくれている。
「それにしても、本当に美味しい紅茶だったです♪ どこで覚えたです?」
私が洗ったティーカップを拭きながら、翠星石が訊いてきた。
「――学生の頃、好きだった女の人が大の紅茶好きでね」
「それで、なんとか口説こうとしたわけです?」
「アパートに誘ってね。結果は失敗だった」
拭き終えたカップを置き、翠星石はきょとんと私を見上げた。やがてクスクス笑いなが
ら、翠星石は口を開いた。
「分かった。テーブルに紅茶をふるまったですね?」
「外れ――アッサムティーにミルクをつけるのを忘れてね。慌てて買いに出て、戻ってき
たら部屋から消えてた。それっきり」
「……しまらない結果ですぅ」
翠星石は、呆れながらもおかしそうに笑った。
ちなみに、テーブルに置いておいた4個のフィナンシェが、彼女と一緒に姿を消してい
たのだが、そんな事を告白しようものなら、翠星石から『お菓子以下なのですね、お前の
存在価値は』と、心底哀れまれることは確実である。
恥の上塗りは避けるに限る。私は食器洗いに専念することにした。
今回はここまで。次回は食器洗い桶の中からs(ry)
226 :
208:2005/11/21(月) 22:48:50 ID:2MXgxPui
×今回はここまで。次回は食器洗い桶の中からs(ry)
○今日はここまで。次は食器洗い桶の中からssssss
227 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/22(火) 12:51:02 ID:+cEVk/70
一旦浮上age。
228 :
コロネ:2005/11/22(火) 14:22:51 ID:2F9NfvO3
「ネコ」
(ネコ)にゃおんw
(真紅)雛苺、猫の泣き真似をやめなさい
(ネコ)にゃおんw
(真紅)何度言えば分かるの?止めなさいと言って・・
(ネコ)にゃやあお〜んw
(真紅)ど、どうして家のなかにね、ね、ね、ねこがいるののかしら・・!
(ネコ)にゃゃあぁぁ〜w
(真紅)しっ、しっかりしましょう。これは夢よ。落ち着くのよ真紅。ひぃひぃふぅ〜
(ネコ)にゃお〜ん!(真紅に飛び掛かる)
(真紅)いやぁぁぁ〜JMJMAMTMGMAMAMTMふじこJMJMAQAG
(雛苺)あれれ?ねこさんどこに行ったの?みつからないの。翠星石知らない?
(翠星石)知るかですぅ、でぶねこなんぞ興味はサラサラないですしね。
(蒼星石)僕も見かけなかったけど・・ここに猫を連れてきたの?
(雛苺)うん!手紙出しおわって帰ったらね着いてきたの。だから雛がお母さんなの。
ジュン「ただいまぁ」
翠、雛、蒼「おかえりです、なさい、なの。」
ジュン「あれ?真紅は?」
翠星石「ジュンの部屋で本読んでるですよ」
ジュン「そっか。そろそろご飯だし呼んでくるか」
ジュン「バタン、真紅。下降りよう、ってなんだぁぁ?真紅!?どうした!?」
真紅「・・ね、、猫よ。見て分からないの・・?わ、わたしは、もう・・猫警部が嫌いになったわ!!」
ジュン「何を言いだすかと思えば。というか何で猫がいるんだよ?鍵は閉まってたのに」
雛苺「あぁ!ねこさんいたの!もう、雛から離れちゃだめなの」
翠星石「チビ苺、前を見るです。ヤバい視線が注がれてるですよ。死も秒読みですぅ」
真紅「雛苺、分かってるわね?無断で猫を入れ、じゃれ回るなんていい度胸だわ」
真紅「いいこと?これは正式な罰よ。いじめじゃないわ。受けなさい、ケツ叩き百発」
バチパチパチパチン!!
雛苺「うう、いたいの!真紅、もうやめてなの。痛い痛い痛いいたい!」
真紅「うるさいわ、雛苺、この時ばかりは鬼と化すわ覚悟して受けなさい!」
雛苺「う〜・・今日の真紅、どうして鬼なの〜。」
ジュン「はぁ・・良く分からないけど雛苺がまた何かやったんだな。まぁ、いいや。
下降りてこいよな。」
雛苺「う〜・・!ジュン!待ってなの〜!雛を見捨てないでなの〜。」
真紅「こら、雛苺。まだ70発よ。あと30発余っているのだわ。覚悟しなさい。」
パチンパチンパチン!
雛苺「う〜〜〜!お尻がお猿さんになっちゃうなの〜〜〜〜!」
>>223う、嘘だ!嘘だ!ウサギがげっ歯類じゃないなんてそんなの嘘だ!
自身の無知を呪いながら吊ってくる……
>>225 >>228 トゥリビァル!!
また盛り上がってきましたかな?
>>229 キニスルナ。重歯類なんて単語知ってるヤツのが少ないから。呪って吊るような無知じゃないぞw
ところで前スレ読み返してて初気付きだったのだが、前スレ>194〜197のSSもカオス氏だったのね
当時は「面白いが随分難度高そうなコンセプツで書いてんなー」と思って読んでた記憶が。
ま、その内気が向いたらでいいので続きを投下して頂戴ネ
>>228 鬼ババコワスwww しかしこれは雛に非はないよな?
>ひぃひぃふぅ〜
まて。
>JMJMAMTMGMAMAMTMふじこJMJMAQAG
アナグラムだな。くんくんが言ってたからわかる。
>>225 悪くは無い、悪くは無い…だけど
(ry
>>コロネ
新キャラGJ!
ヒント:トゥリビァル = つまらない・面白みが無い
トゥリビァル! = 糞つまらない!・読む気しねぇ!
トゥリビァル!! = ?
もうちっとしたら、こっちにSS投稿したい・・・
カマン!
それにしても金糸雀と雛苺の尻をクローズアップしたシーンが多いんだよな
>ヒヨコとかアヒルとかカルガモやらがプリプリケツ振って
金糸雀はカルガモで分かるけど、雛のはペドがやるカメラワークだぜ
さすが雛ペドSSの権威だけあって着眼点が既に違うな!素晴らしい才能です!
ぶっちゃけ今でもあのJUN登り〜なSSはよく読み返してるぞコノヤロウッ
全くあんたの雛は最高やで・・・
テンション高い時じゃないとああいうのは書けないw
トロイメントの雛は妙に絵が可愛くて非常に嬉しいね。
5話で卵爆弾の後でジュンになでなでされてる雛が可愛い
雛だけ顔射アップだったのに、何で翠星石だけ写さなかったんだろ・・
ローゼンメイデンの蒼星石を虐めるスレ 1〜370
ローゼンメイデンの蒼星石を虐めるスレ3 1〜1000
ローゼンメイデンの蒼星石を虐めるスレ 371〜1000
【SS】ローゼンの蒼星石を虐めるスレ2【総合】 1〜1000
Rozen Maiden ローゼンメイデン SSスレ 3 1〜
の順に読むのが正しい
なかなかややこしいな。
ところでSSまとめサイトの更新ていつ頃から止まってる?
以前しばらくスレ見れなくて読めてなかった分が結構あるから期待しつつ待ってるんだが・・・
エロパロの方も。
>>228 ほのぼのSSも大歓迎。もっとカイテカイテー
>>242 たぶん2ヶ月ぐらいとまってると思う。
交通事故とかでいないとか・・・
または、すごく急がしい。
244 :
コロネ:2005/11/24(木) 19:02:40 ID:6p823H4z
「いつもの」
ジュン「ん〜、数学ってのは難しいよなあ・・。」
少し後ろを見る。
真紅「ん?どうかしたの?」
ジュン「ん?いや、何でもないけど、真紅ってさ、頭良さそうだよな。」
真紅「何を今更。私があなた(家来)より頭脳明晰なのは当たり前でしょう?」
ジュン「(く〜!少しの否定もなしに、ぬけぬけと〜!)」
翠星石「ちょいと人間!お菓子がなくなったです。さっさととってくるですぅ」
ジュン「あ〜もう!うるさいんだよ。お前が取ってくりゃいいじゃんかよ」
翠星石「・・・うぅ、チビ人間がいじめるですぅ。このか弱い翠星石を・・。
お前のマスターになってあげましたのに、何でそんな唾汚い言葉を吐くですか。」
ジュン「マスターにならざるおえなかっただろ?じゃなきゃお前は死んでたかも
しれないんだぞ?感謝しろよな」
翠星石「・・・むぅ、今日は何故か返す言葉が見つからないですぅ。」
ジュン「あ、お菓子だったな。ったく、今とってきてやるよ。」
翠星石「はいですぅ」
トントントントン(リビンクへ) ガチャ
ジュン「はぁ・・相変わらず汚いなあ」
雛苺「あ!ジュン〜!いい所に来たの!見てみてえ〜。くんくん描いたのよ〜!」
ジュン「はいはい。上手いよ、上手くなってるね。」
のり姉「雛ちゃん、ホットケーキが焼けたからみんな下に降りてきてって言って来て^^」
雛苺「うん!^^ わ〜いホットケーキなのwみんな降りてくるなの〜w」
真紅「ふう・・雛苺は相変わらず無邪気ね。」
蒼星石「ほんとだね^^ドールの中でも一番可愛らしいね^^」
翠星石「チビ苺のせいで、あちらこちらが苺臭いですぅ。」
蒼星石「余計なこと言わない、翠星石」
カナリア「はぁ〜いい匂いがするのかしら〜。今日こそ!突撃するかしら〜!」
のり姉「それじゃ、お姉ちゃんお昼から部活があるから、行ってくるわね〜」
翠星石「今日の夕飯は何ですか?」
のり姉「今日はシチューよw」
雛苺「し・・し・・シチュ〜wあ〜・・美味しいの〜w待ってるなのw」
のり姉「(笑)じゃ行ってくるわね」
ドール全員「いってらっしゃい」
カナリア「あ〜、ドアが開いた!今なら行けるはず。ピチカート。突撃かしら〜!」
ガチャ。カチッ(鍵をかけた音)
カナリア「う〜・・軽い脳震盪を起こしたかしら〜。目が回るのかしら〜」
245 :
コロネ:2005/11/24(木) 19:08:51 ID:6p823H4z
中々難しいですね、SSって。
カオスメイデンさんや
そのほかの作家さんのアイデアに圧倒されます。
翠星石「最近翠星石を見てくれないですね?」
ジュン「ん゛ん゛ぅぅぅ〜〜〜〜ッ!!」
翠星石「翠星石が嫌いになったですか?」
ジュン「ぶ、ぐぅぅぅぅッッ〜〜〜!!!!」
翠星石「そんなに人間の女がいいですか?」
ジュン「ひ、ぎぃぃぃ〜〜〜っっ!!!!」
翠星石「今ごろ蒼星石があの女の首をちょっきんしてるです」
ジュン「ぐっっ!!??ん゛ぅぅぅぅ!!!!!!」
翠星石「何も心配する事はないです。ジュンは気持ちよくなることだけ考えるです」
びゅーーーっ・・・びゅーー・・・
ジュン「お前のお腹って異様に柔らかいよなぁ・・」
ソファの上に横たわる雛苺。その服をペロンとめくり、腹をナデナデするジュン。
雛苺「やぁっ・・ジュン、そんなにさすっちゃ嫌なのぉ・・」
眉をひそめ、切ない声を上げる。
ジュン「ガキのくせに、なに一丁前に恥ずかしがってんだよ。・・あー、なんか水風船みたいだな。ぽよぽよで」
むに・・っ・・・もにゅ・・・
雛苺「ジュ、ジュンぅ・・・・だ、ダメなのぅ・・・・っ」
両足をくの字に曲げて、モジモジと太股をよじる雛苺。
ジュン「へーっ、足もやらかいんだな・・・どれどれ」
雛苺の懇願を一顧だにせず。・・・つつーーーっ・・
雛苺「くっ・・・!・・・・あうぅぅぅぅ・・・・・・・っっっ・・・!!」
両太股をパタパタと開け閉じしたかと思うと、膝をガクガクと震わせてエビぞりになる雛苺。
堪えきれないとばかりに自らズロースを引き下ろすと、顕わになった秘部を指で猛烈に摩擦し始めた。
ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく!!
雛苺「ひゃぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!」
激しい水音と、聞いた事も無いような甘い叫びを上げる雛苺。
その壮絶な光景に唖然としたジュンだが、すぐにダメ息子がムクムクと首をもたげる。
・・ゴクリ。生唾を飲む。
自慰に必死な雛苺の腹に亀頭を押し付けると、その人智を超えた柔らかさにジュンはすぐに腰砕けになって達した。
びゅく、びゅ、びゅくっ・・・ とめどなく精液が噴き出す。声が出そうになるのを歯を噛み締めて堪えるジュン。
その大量の粘液は、ジュンの欲望のままに、雛苺の柔らかい腹の上にビシャビシャドプドプとぶちまけられ続けた。
翠星石「なっ・・!何ですかこの有様はッッ!?」
ジュン「ゲッ・・・翠星石ッ」
雛苺「あぅーん・・なのぅ・・・」
翠星石「ジュ、ジュン・・・・や、やっぱりお前はしょうしんしょーめいのケダモノですぅっ!!」
ジュン「ちょ、ま・・・!!ぼ、僕は別に・・・・・・・・」
翠星石「あーあーあーーー!!聞こえないです聞きたくないですぅ〜〜!!これはもうノリや真紅に報告せねばならないですぅ!!」
ジュン「そ、それだけはカンベンしてくれぇ〜〜〜〜!!!」
翠星石「・・・・こ、こほん・・・・ま、まぁ・・・翠星石のお願いを聞いてくれたら〜〜〜・・・ゆ、許してあげなくも無いです・・・っ」
ジュン「え・・・?」
翠星石「そ、そーーうですねぇ・・・・、こ、ここ今夜の午前2時にトイレの中で待つですっ・・」
ジュン「ト、トイレ・・・・?・・・・・・・・・・ごくっ・・・・・」
リハビリで書いてみますた。>247-248が話繋がってます。
レプちゃんにうにゅーあげるの
「だ、駄目だよジュンくん…そんな、おち、おちん…」
「ん〜?聞こえないなぁ、蒼星石。どこが駄目なんだ?」
「はぁぅっ!ん、うぁぁ!や、やめ、ごしごししないでぇっ!」
「はっ、止めていいのかっ!?こんな人形ちんぽおっ立ててるくせによ!」
「や、にゃ、にゃめ、てぇ…」
「どうだ蒼星石!ちんこ擦られて逝くのか!?」
「でひゃうぅぅ!びゅーってでひゃうょぉぉ!!」
ごめん、もう無理('A`)
ふたなり蒼い子にも(´Д`;)ハァハァ
でもやっぱ普通が一番好きだなww
>レプ氏
GJ!!
>レプ GJ!!
>>なんだかこのスレの「乙」「GJ」は「もうくんな」って読み替えたほうが言いと思った。
久々のエロネタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>246-248 レ プは 相変わらず エロィ なっ!!
これでリハビリ中だもんな・・・ほんま、あんさんは恐ろしいお方やでぇ
>>244 まだ脳内で個々のキャラの妄想イメージが確立しきれてない感じかな?
例「ん?どうかしたの?」→「あら?どうかしたの?JUN」
もっと原作やアニメを台詞や心理描写等を意識しつつ観賞DAッ!
(書き終わった後に上記のモノを観賞しつつ比較して、違和感を探すのもヨイヨ)
あと「w」や顔文字等にはなるたけ頼らないようにするともっと良くなるヨ
>>245書けば書くだけパゥワァーになるからガンバレー
さっきトイレで頑張ってきたのに…
こんなの読んだらまた…!
レプ様あああぁあぁああ
長編書いたけどどうしてもセリフが少なくなって困るな
情景描写(説明セリフとも言う)にすぐに字数を取られる
ハッキリ言って終始セリフだけで書ける人は尊敬する
とてもコンパクトにまとめきれね〜
セリフとそれ以外の対比2:8くらいだよ・・・
>>259 >情景描写に字数
それがまたいい!
どんとこい長編小説
っと、情景描写が多すぎて、文の圧縮中(推敲)に挫折した漏れが言って見るテスト
会話と文が繋がりませぬ…
>終始セリフだけで
イィーヤッハー!セリフだけ最初に書いて後から他の描写を書けばいいや!と考えても……
>会話と文が繋がりませぬ…
になって発狂してしまうんだよな……
あぁ、誰か俺に文才をおくれよ……トリビァル…
今初めてこのスレに来たのだけれど
ここに投下されたssのまとめサイトのURL教えてエロい人お願い
>>264 うはw東大もト暮らしwww
ありがとう。
>あぁ、誰か俺に文才をおくれよ
それだけあれば十分、こっちはその1/10もないってのに!
トロイメントって全12話なのか・・既に3期を前提としたような作りだな
268 :
265:2005/11/27(日) 02:08:41 ID:dHtmdJ8+
今読みオワタ。あー面白かった。
個人的にはもっさり氏の作品が一番楽しめました。
触発されて俺も書いてみたくなったんだが、もしよければ
>>269の人お題指定してくれないかな?
非エロ非虐待しか書けないけど……。
梅岡
ウハw
>>269 おまwwwwwwwww
脳内でキャラ立ってないから漫画読み直してくる。
>>268 水銀燈って緩衝材のプチプチ(エアパッキン?)をやりながら
たまに音がせずに空気が抜けると「いやああぁぁ!?」って絶叫して
そのたんびジュンにボコられるイメージがあるんでそんな感じで
っしゃー一時間かけて書き終えた!
なんかやたら長くなっちゃったんだけど、ここの住人ってあんまり長いのは好まないんだよね?どうしよう。
>>272 任せろwwww
面白ければ長くていい
てか俺は長いの好きだ(´・ω・`)
275 :
梅岡先生:2005/11/27(日) 04:34:16 ID:dHtmdJ8+
……一体何度目になるだろう。
あと数センチ、今日もまた、どうしてもその一歩が踏み出せない。
震える指の先には、最早見慣れた真っ白なチャイムがあった。
視線を表札に移す。
――桜田家――
僕の受け持つ生徒の家だ。
彼は少し特殊な生徒で……そう、有り体に言えば、所謂「引き篭もり」というヤツだ。
彼がどうしてそうなったのかは分からない。
全校集会の際に突然嘔吐し、大事を取ってそのまま早退させたのだが、彼がそれから学校へ来たことはない。
……彼がどうして学校へ来なくなったのかが分からないだって?
嘘、欺瞞だ。
本当は気づいているんだ。僕のせいだって。
何度自己弁護を繰り返してみても、それは変わらない事実。
安易な僕の言動が、希望ある彼の未来を閉ざしてしまったのだ。
残された僕の唯一の贖罪は、彼を復帰させることのみ。それ以外に選択肢はない。
分かってはいる、分かってはいるのだが……。
どうすれば彼は僕に心を開いてくれるのだろう?
前回訪ねた時も、彼は途中で吐き気を催し、僕はそのまま帰らざるを得なかった。
正直、小憎たらしく思ったこともあった。
なんせ僕がどんなに誠意を見せたつもりでいても、殆ど顔さえ見せてくれないのだから。
だがしかし、そんな僕の感情は正当なものだろうか?
確かに彼は子供だ。いつまでも現実から逃げてばかりいてはとてもじゃないがこの社会では生きていけない。
だが逆説的に云えば、彼が子供だからこそ、僕に責任があるのではないだろうか?
繊細な少年の心を不安定な物にした僕にこそ責任があるのではないか?
そのことに気づいた時、彼を少しでも疎ましく思っていた自分を強く恥じた。
dがそれからというもの、僕は彼の家を訪れるのが怖くなってしまった。
どう接すればいい?どう償えばいい?
一体どうすれば彼に許してもらえる?
……堂々巡りだ。
今日もきっと、いつものように呼び鈴の前で躊躇した挙句このまま帰ることになるのだろう。
自分の不甲斐なさに溜息が漏れる。
ふと目を上げると、居間のカーテンの横から桜田のお姉さんがこちらを覗いていた。
手を振ろうとしたが、彼女は目が合うとすぐに身を翻して窓から離れてしまった。
まずい、恐らく彼女は僕が来ていることを桜田に話すのだろう。
これで後戻りができなくなってしまった……。
276 :
梅岡先生:2005/11/27(日) 04:35:37 ID:dHtmdJ8+
いっそ全く違ったアプローチをしてみたらどうだろうか?
ぶん殴って、大声で厳しく叱咤して……。
いや、駄目だ。僕にそんなことできる訳がない。
……そんな教師像に憧れていたこともあったかな……。
抵抗する生徒を力技で押さえつける、バシッ、ドカッ、ガッシャーンと「ガッシャーン!!」……何だ!?
慌てて上方を見上げると、小さなガラスの破片が落ちてきた。
間一髪の所で避ける。まさか桜田、ついにお姉さん相手に家庭内暴力までッ!?
「駄目じゃないか翠星石!」
「ふぅ〜、遊びに来てやったですよ、チビ人間」
「うわぁあああ!!! どうしてお前ら玄関から入ってこれないんだよ!!」
「下僕の癖に、そんな口の利き方をしていいと思ってるですか〜?」
「だ・れ・が・お前の下僕になったんだ?」
「もうやめなよ、翠星石……」
「甘いですよ蒼星石! 翠星石のミーディアムに選ばれたからには、上下関係を厳しく躾けなきゃいけないのです!」
……友達が遊びに来たのか?それにしても、随分派手な登場の仕方だな……。いや待てよ、まずどうやって二階の窓から入ったんだ?
最近の子供の考えることはよく分からないな。
声からして、女の子と男の子、かな?
しかし、それにしても……
桜田の奴、こんなに楽しそうな声が出せるのか……。
四六時中暗い顔して俯いているのだとばかり思っていたよ。
……なんだ、僕は、自分の生徒のことを何一つ知っちゃいないんだな。
277 :
梅岡先生:2005/11/27(日) 04:36:11 ID:dHtmdJ8+
「あのなぁ、何度も言ってるけど、僕はお前らの召使になんてなった覚えはないからな!」
「あーらあらあら勘違い、召使じゃなくてげ・ぼ・く・ですぅ」
「こぉの性悪人形! 今日こそはキッチリ社会の礼儀って奴を教えてやる!」
「引き篭もりがよく言うですぅ〜」
「むきー!!!」
「翠星石、言いすぎだよっ」
「翠星石は本当のことを言ってるだけです! あのドン臭いのりでさえちゃんと毎日学校に行っているというのに、チビ人間ときたら……」
「うるさいっ! お前なんかに何が分かるっていうんだよ!」
盗み聞きという行為に罪悪感を覚えなかった訳ではない。
本当なら窓ガラスが割れた時点で、安全が確認でき次第帰ろうと思っていたのだ。
しかし桜田がそれまでの調子とは異なった声を張り上げた時、踏み出しかけていた足が止まったのだ。
桜田の本音が聞けるかもしれない。
その思いが罪悪感に勝ってしまったのだった。
「チビ人間の考えることなんか分かる訳ないです〜!」
「僕だって……僕だってなぁ!」
「チビ人間なんて名前はもったいないくらいですぅ。チビのチビチビチビチビ人間ですぅ!」
「もうやめなよっ!!」
「僕だってなぁ……学校に……行きたいと、思ってるさ……」
今僕の耳は確かに、彼の、桜田の「学校へ行きたい」という言葉を捕らえた。
心臓の鼓動が高鳴り、視界が歪んで見えるほど衝撃的だった。
彼は、本当は、学校へ行くことを望んでいた?
「でも怖いんだよ! 怖くて、気持ち悪いんだ、みんなからの視線が……吐きそうになる。僕が何より嫌なのは、他人から特別視されることなんだよ。学校なんか行ったって、アイツは他と違うって、気持ち悪いって、後ろ指さされるだけなんだ……」
「それは違うよ、ジャム君」
「蒼星石……」
278 :
梅岡先生:2005/11/27(日) 04:37:54 ID:dHtmdJ8+
「僕は真紅たちほど君のことをよく知らないけれど……君が凄くいい人だってことは分かる」
「……」
「辛いことから逃げてばかりじゃ、何も始まらないよ。何があったのかは分からないけれど、勇気を出して一歩進みさえすれば、必ず何かが変わるんだ。自分に勇気がないのを、他人のせいにしちゃ駄目だ」
「わかっ……てるよ……」
「きっとみんなにも伝わるよ。君の思い、君の優しさが。少しずつでいいんだ。何が正しくて何が間違っているのかを、君はもっと考えるべきだと思う」
「……わかったよ」
僕も同じだ……。
僕は逃げていたんだ、桜田から。
踏み出す勇気がなかった。いや、踏み出しても、いつも浅い所で空回りしていたんだ。
あれだけ自己嫌悪しておいてなお、桜田が理解してくれない、本心を出してくれないって、無意識の内に全てを彼のせいにしていたんだ。
大事なのは踏み出すより踏み込むこと。
表面的なことばかりに惑わされて、桜田の本質的な面まで踏み込めなかったんだ。
そして偽善的でありがちな台詞を吐いて、精一杯説得した気でいたんだ。そして自分を納得させていた。
僕は、大馬鹿だ……。
「分かったなら即実行です! 今すぐ学校に行って来いですぅ!」
「今すぐぅ!? それはまだ、ちょっと……」
「えーいドン臭いチビ人間です! 今やらない者はいつまで経ってもやらないままですぅ!」
「翠星石、君はまず散らかしたこの部屋を片付けるべきだと思うよ」
「そ、それは明日やるからいいですぅ」
「翠星石……」
279 :
梅岡先生:2005/11/27(日) 04:38:25 ID:dHtmdJ8+
くすくすと苦笑しながら、僕は踵を返し、彼らの楽しげな会話に背を向けた。
今日は桜田の家を訪ねるのはやめよう。
彼には一人で考える時間が必要なんだ。
なに、大丈夫さ。彼にはあんなにいい友達がいるんだ。
今は僕の出る幕はない。
もしそれでも駄目だったら、今度は、本音と本音でぶつかり合えるような、そんな関係を築いていこう……。
そして僕は今後の桜田の行動を楽しみに、桜田邸を後にする……ハズだった。
「あ、ちょっといいですかー? このお宅の娘さんから通報がありましてね……。家の前に不振人物が何時間も突っ立ってるって」
「ちょwwwwwwwwwww桜田のお姉さんwwwwwwwwwwwwwwwwww」
280 :
梅岡先生:2005/11/27(日) 04:39:00 ID:dHtmdJ8+
「さっきはありがとな、蒼星石」
「ううん、勝手なこと言ってごめんね」
「うん、それはいいんだ。でもさ、蒼星石……」
「なに?」
「僕 は ジ ャ ム じ ゃ な い」
「マジで?」
〜おわり〜
>>274 俺の文章力かつこのお題じゃ面白い物なんて書ける訳がないってww
GJ
GJ! 語爆したorz
のりの通報テラワロスwww
オチの蒼星石のジャム発言は読んでいて
まさかと思ったら最後にきたとはwww次回も期待する
>dが
ボブサップ吹いたw
285 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/27(日) 05:11:28 ID:+c60umiG
二段落ちワロスwwwww
翠星石萌えた(*´Д`)
ごめん上げた(´・ω・`)
>>265 あのな、良く聞けよ? ぶっちゃけ面白かったぜ!
梅岡つー題材見たとき「そいやネタキャラオンリーでない『教師梅岡』を書いたSSて皆無だよなぁ」
と思いはしたが、まさかほんとにソッチ方面の梅岡を書いてくるとは。
>>279-280の二段オチも見事なり。しかし行動力あるっつーか、あんさん手ぇ早いなっw素直に感心したよ
あと設定は原作とアニメを色々混ぜてる?
アニメは梅岡出てないし、原作は蒼はリタイア済み、翠は両作でJUMと契約済みだけど住んでるのは桜田家・・・
と、SS面白けりゃどうでもいい揚足取りか、スマンヌ。次も期待してるぜー
意外と沢山レスついたので嬉しいなぁ。
やっぱ感想貰うとモチベ沸くよね。
>>283 なんか余りにも面白くないのでラストだけ捻ってみようかと思って。
やっぱ難しかったよこの題材はwレスサンクス!
>>284 ごめw
次から推敲してから投稿するw
>>285 翠星石……うーん、正直自信なかったから嬉しいなぁ。ありがとう。
>>288 AGE足取りだなんてとんでもない!
むしろそういう突っ込みを期待してたよ。
正直梅岡先生を指定された時はこのままバックレちまおうかと思ったんだけど、プロット練らずに適当に書き殴ってたら意外と形になってきたから、実は話の芯が滅茶苦茶なんだよね。
それでも「面白い」って言って貰えたし、書いてよかったなぁ。ありがとう。
>>287 ちょwwwwwwwモエスwwwwwwwwwwww
>287 ネ申、続キボン
水銀燈ってジャムのことなんて呼んでたっけ?
わはは、20分で書き上げたぜ。
という訳で
>>272へ
彼女は図々しくも、出会った直後に僕を自分の家来にすると宣言し、勝手に住み着いてしまった。
最初こそ彼女の傍若無人な態度に腹を立てていたものだが、こちらが少しも屈しない姿勢を固持している内に、段々彼女も我侭を言わなくなっていった。
「あら、何かしらコレぇ」
「緩衝材だよ。ちょっと貸してみろよ」
そう言った僕は水銀燈の手から緩衝材を乱暴に引ったくり、例のぷちぷちを潰した。
彼女は僅かに頬を膨らませる仕草をしたが、僕の行動を見て興味津々といった様子で目をいっぱいに広げていた。
「ねぇ、人間、私にも貸してくれなぁい?」
「いいけど、あんまり潰しすぎるなよ。クーリングオフする奴なんだから」
彼女は始め、緩衝材をそっと撫でていたが、やがて真剣な面持ちで徐々に指に力を込めていった。
水銀燈の綺麗に切り揃えられた爪が、段々とあの空気の固まりに食い込んでいって……
―――プチッ。
「人間!!!!!」
「な、なんだよ」
「……なぁに、これぇ……癖になりそう」
突然の大声にビックリが、恍惚とした表情の水銀燈を見て脱力してしまう。
ごめん、↑の誤爆……orz
「ねぇ人間、また新しい荷物が届いてるわよ」
「触るなよ、壊したりしたらクーリングオフできないんだからな」
そう言うと彼女は眉を顰め、不機嫌そうな様子を見せた。
彼女、水銀燈が我が家に来てから既に一ヶ月が過ぎようとしていた。
とあるダイレクトメールから始まった出会いだが、まさか僕の趣味がこんな形で日常を変えてしまうことになるとは思ってもみなかった。
彼女は図々しくも、出会った直後に僕を自分の家来にすると宣言し、勝手に住み着いてしまった。
最初こそ彼女の傍若無人な態度に腹を立てていたものだが、こちらが少しも屈しない姿勢を固持している内に、段々彼女も我侭を言わなくなっていった。
「あら、何かしらコレぇ」
「緩衝材だよ。ちょっと貸してみろよ」
そう言った僕は水銀燈の手から緩衝材を乱暴に引ったくり、例のぷちぷちを潰した。
彼女は僅かに頬を膨らませる仕草をしたが、僕の行動を見て興味津々といった様子で目をいっぱいに広げていた。
「ねぇ、人間、私にも貸してくれなぁい?」
「いいけど、あんまり潰しすぎるなよ。クーリングオフする奴なんだから」
彼女は始め、緩衝材をそっと撫でていたが、やがて真剣な面持ちで徐々に指に力を込めていった。
水銀燈の綺麗に切り揃えられた爪が、段々とあの空気の固まりに食い込んでいって……
―――プチッ。
「人間!!!!!」
「な、なんだよ」
「……なぁに、これぇ……癖になりそう」
突然の大声にビックリが、恍惚とした表情の水銀燈を見て脱力してしまう。
「やだぁ……凄いわぁこの感触……」
「そ、そんなに?」
そう言いながらも水銀燈はどんどんつぶつぶを潰していく。
正直目がヤバイことになっている。今この場にお巡りさんがいたら間違いなく逮捕されてる。
止めた方が良いのだろうか。
「す、すごぉい……こんなの初めて」
本来なら小馬鹿にしてやる所だが……
一心不乱に緩衝材を一つ一つ丁寧に潰す水銀燈は、妙になめまかしかったため、僕は目を奪われてしまっていた。
「ああっ!!」
「な、なんだよ!!」
「……もう、一つしかないわぁ……」
「あれだけやってりゃ当然だろ」
「フ……フフ……まぁ、いいわ。最後の一つ、ゆっくりじっくり楽しんであげるんだからぁ……」
第一ドールでいきなり直接アリスを作ろうとして挫折した、それが水銀燈か
彼女の唇が三日月状に歪む。
彼女は火照った顔を少し覚ますように大きく深呼吸すると、やがて意を決したように目を大きく見開いた。
―――ぷすぅ〜……。
不発。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ビシッ。
「痛いじゃなぁい……」
とりあえず小突いといた。
「貴方には分からないわよ、私の気持ちなんて……うっ、うっ……!」
「うわぁ! なんで泣くんだよ!!」
「……例えるならば、最愛の恋人を目の前で失った気分? はたまた乳酸菌たっぷりのヨーグルトを食べる前に床にぶちまけてしまったような……」
前者は分かるが後者は訳分からんぞ。
「ったく、こんな様子でアリスゲームとかいう過酷な戦いに勝ち抜けるのかよ」
「ドールズが同じ時代に七体揃うことなんて滅多にないわ。この時代では恐らく、アリスゲームは始まらないわね。……あぁ、それにしても緩衝材……ひくっ、ひくっ……!」
「あああああもう鬱陶しいな! ちょっと待ってろ!」
そう言うと僕は帽子を深くかぶり、近所の100均で緩衝材を買い、すぐに戻ってきた。
家を出ることに抵抗がなかった訳ではない。
何せ二日ほど風呂に入っていないし、服は四日同じ物を着ているし、アニメ画では分からないかもしれないが不摂生な生活のせいでニキビなんてとんでもないことに(ry
だがそれでも外に出る気になったのは、水銀燈が見せた初めての涙が、何故か僕の心に深く突き刺さったからだ。
あーところで……100均に緩衝材なんて売ってたっけ?
「ほらよ」
「に、人間……」
「か、勘違いするなよ……ぎゃーぎゃー喚かれるのが嫌なだけだからな」
僕がそう言うと、彼女はその白い綺麗な指先で涙を拭い、僕を見据えてこう言った。
「ありがとう……」
それはとても綺麗な笑顔だった。
やれやれ、今日も我が家は平和だ。
ごめん、落ちも糞もないけど、暇だったから書いてみた。
. ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(;´Д`)< すいませんすぐ帰りますんで。
-=≡ / ヽ \_______
. /| | |. |
-=≡ /. \ヽ/\\_
/ ヽ⌒)==ヽ_)= ∧_∧
-= / /⌒\.\ || || <丶`∀´> ←俺
/ / > ) || || ( つ旦O
/ / / /_||_ || と_)_) _.
し' (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))
>ごめん、落ちも糞もないけど、暇だったから書いてみた。
それでも読んだ俺が満足しつつニヤニヤしてるので何ら問題無し。
しかしあんたのSSはなんつーかテンポが良いなw次回作もワクテカしつつ待ってるゼ
>>299 完成した時は「完成だ!私の愛しきアリスよ!」てな感じだったのが
しばらく同じ時間を過ごす内に「・・・この娘はアリスではない・・・少なくとも私の理想の完璧な少女では」
て感じに気持ちが変化していったんかねぇ?
そいやアニメは全員同じ工房作(薔薇水は知らんが)なようだが、原作の方はその辺りどうなのだろうか
原作の方は何か長い年月をローゼンが放浪しつつそこかしこで人形作り ってなイメージがあるんだが。
でも薔薇以外全員古くから顔見知りのようだし、昔同じ平和な時を過ごした(銀は知らん)描写とかもあるから
やっぱ6体は皆同工房作と考えるのが自然か?
アニメでは槐がローゼンっての確定っぽいし
眼帯の位置が違うってのは、アニメと漫画で鏡合わせの世界という事にしてるんだろーな・・
>>304 あの耽美青年がローゼン(お父様)ってのも原作読んでると微妙にイメージg
まぁ
>眼帯の位置が違うってのは、アニメと漫画で鏡合わせの世界という事にしてるんだろーな・・
完全にパラレルですよ?って事なんだろうね、アニメと漫画は。なら問題無し。
アニメてドールの製造ナンバーって出てたっけ?
アニメの銀も「第一ドール」だとしたら、お父様は銀を未完成な状態で製作打ち切り→放置・・・なまま、
後の真紅達をあのローゼンスマイルを湛えつつ何食わぬ顔して作ってるんだからヒデェ話しだよなwww
二期の最後で蒼死亡と予想・・
しかし、どんなに二期で原作追従っぽい流れにしようとも、一期でジャムの不登校理由を・・
>どんなに二期で原作追従っぽい流れにしようとも
いやぁ別にその辺りの心配はする必要はないんじゃない?
兎やメグが出てきたり原作中のエピソードからネタ持ってきてたりしてても、
実際アニメ中の8.5割はオリジナル設定&展開みたいなもんだし。ハガレンとかトライガンとかみたいなもんでしょ
>一期でジャムの不登校理由を
「12話でJUMを成長させる」為に我々にも共感、理解しやすく、かつ「JUMが大きく成長できても納得可能な理由」
をトラウマの原因として設定したという点では、俺は個人的には上手くやったな、と思ってるけどね。
割と我々が持つ身近な悩みの延長上のものでもあるし(のりも言ってた。一期はのりの成長物語でもあり)
JUMのデザインが原作と違い「いかにも普通の少年」っぽく設定されてるのも、その辺りによるものじゃないかな
アニメの方は最終回でJUMが言ってたようにクラスから孤立してしまった原因等も、
どちらかといえばJUM自身による部分の方が大きかったし、教師も普通の先生っぽかった。
ヒキコモリったのも自らのアイデンティティを失ったという点が核になってるので、
アニメJUMは自らの意思の改革さえ行えれば学校復帰も可能なレベルなのだろう。
それに比べると原作JUMは「状況が極めて特殊」過ぎる上に、
トラウマの原因のほぼ大半は「外部からの干渉」によるところが大きい。
それに孤立規模もクラス単位ではなく「学年単位」。その上進級してもクラス変えもしてないっぽく、
とどめは担任も変わらず あ の 梅 岡 だ。
原作でも真紅達と共に日々成長し、一旦学校に行く決意直前までたどり着いた(どれ程の葛藤があった事か)
が、梅岡の空気を読めてない『核爆撃』により再び新たなトラウマを心に刻み轟沈。
まぁ梅岡訪問イベントがなかったとしても、以前「学校復帰SS」書いたのレ プだったっけ?
結局あんな感じの惨状が待ち受けてただけだったろうな。(さすがに梅岡を殺るこたないだろうがw)
原作JUMが本当の意味で復帰するならば、自分だけでなく「周り」も大きく変化、成長する必要があるように思う。
糞長い長文な上既にスレ違いスマソ・・・ ROMに戻りまう。
巴も決してあのクラスに順応してる感じではないのに、よく頑張ってるよなぁ・・;
あの繊細さでもって、一見無邪気なクラスメート達の裏にある残酷さに気付いて(ジュンの事件抜きにしても)一歩引いてる感じ。
真紅も気丈に振舞っているだけでなく、水銀燈に謝罪した後には緊張の心境を告白している。
水銀燈の冷酷さも、言いようの無い寂しさと不安の裏返し。
こういう生々しさ、作品全体に漂う物悲しいところが好きだな(他の作品は読んだ事ないけど)
アニメはドール同士の接触においてはバトル面を前面に置いてる感じなんだけど、原作はその真逆がテーマって感じ
漏れもスレ違いだ; んでわ
その都度書き貯めするのはいいけど、ただ長いだけの
ぐだぐだSSになりそうな予感。自分でも訳分からん。
お倉入り(HDの肥やし)にしてしまいたい。
早く続きを読ませてくれ( ;´Д`)
>>295 要望した者だが、良くやった感動した!
ナイスGJ!!
勇気をありがとう、後に続かせてくれ!
モニターがほのかに部屋を照らしだす。
「だ、大丈夫だよな……」
短針は1の数字を指している。
ジュンは安堵の息をつくと、検索エンジンにしばらくごぶさただったサイト名を
弾き出した。
徐々に彼の息子が生理的反応を見せる。
そして思春期なら当然ともいうべき行為をはじめた。
「……どうしたのかしら?」
白の空間で、赤いドレスを身にまとった少女はさまよっていた。
突如として崩れ去った彼の夢。
「まさか水銀燈が襲ってきたのかしら……」
彼との夢の探索を楽しみにしていただけに不安がよぎる。
「こうしてはいられないのだわ」
彼女はあわてて近くのドアノブに手をまわした。
一方、久しぶりの閲覧に彼はいつもに増して興奮状態にあった。
「っ…ぅ…あっ…あっ……」
声をもらすほど快楽をむさぼっていた。
次第に限界が近づいてきたのか、彼の手はティッシュに伸びていた。
――彼のベッドにいちばん近い位置にある鞄
いま彼女は目を覚ました。
「……うぅ…まだ1時じゃないの……」
体を丸めたまま懐中時計をなおした。
「ふぅ……もう一眠りしましょう……」
徐々に頭がさえてくる。
「――そうだったのだわ。ジュンが危ないのだわ!」
彼女は、鞄の中でも、彼の、息を切らして水銀燈と闘っている様子が想像できた。
「ジュン!」
金具の外れる音と同時に、ジュンは一瞬で最悪の情景を予見した。
「――終わりだ」
絶頂寸前にあった彼の息子の勢いは急激に落ちた。
おそらく、今からはじまる幕劇は、アリスゲームよりも、梅岡の天然な晒しageよりも、
ヨハンの見た終わりの風景よりも、残酷なものだろう。
硬直した彼の背中に、冷や汗が流れた。
数秒の沈黙。
異様に長かった、数秒の沈黙の末に飛んできたのは、銃弾のような鋭い侮蔑の言葉だった。
「最低ね」
その頃の彼の息子は、すでに元気を失い、初秋のうつむいたひまわりのようになっていた。
続けざまに彼女は静かに言った。
「人間のオスって本当に野蛮なのだわ」
胸に重く突き刺さった。
ただ、彼が考えるには“お父様”はもっと(ry
「やっぱりくんくんだわ。人間のオスと違ってずっと紳士なのだわさ」
とうとう彼女にジュンは、犬、それもぬいぐるみの犬未満の格付けにされた。
しかし、これには彼も反論した。
「僕よりも犬がいいだって?ふざけるな!犬なんて発情期になればバンバンやって――るぅ」
弁証の途中に彼女が歩み寄ってきたのだ。
彼女はイスから立ち上がった彼の愚息を、好奇の目で見つめていた。
そんな彼女に、ジュンはあろうことか妙な期待を――その上、彼女にまじまじと見られて、
彼の息子は再び元気を取り戻してきた。
「なにコレ?こんなのでレディを満足させようって言うのかしら?」
彼女はほおを赤らませながら感想を述べた。
「なにを〜〜」
思わず彼女の顔に近づけた。
「イヤッ、けがらわしいのだわ」
彼女の言葉は微妙に矛盾していた。
それもそのはず。
彼女は(当たり前だが)性の交わりなど経験しておらず、第一人間のオスのいちもつを
本以外で見たのも初めてだった。
「はぁ……なんだか苦しいのだわ」
急にヘナヘナと座り込む彼女。
「おい、大丈夫か?」
彼女は顔をさくらんぼのように紅潮させていた。
「ええ……ぜんまいが切れかかっているみたい……」
「まったく、心配させやがって……」
ぶつくさ言いつつも、ジュンのさっきまでの妙な気持ちは、いつのまにか吹っ飛んで
いた。
――はずだった
彼はぜんまいを彼女の背中に押し付けた。
「ひゃっ、ち、違うわジュン、もっと上よ」
ジュンは、彼女の背中…というよりは臀部に近い部分を優しくさするようにぜんまい
を動かしていた。
彼の理性は崩壊した。
「お、お前たちが来て3ヶ月の間……僕はずっと我慢していたんだぞ」
「だからって……」
すると片方の手でドレスの上から胸をもみ始めた。
「だ、だめっ……ジュ、ジュン!いい加減にしなさい!」
彼女が振り返ろうとしたその時、ジュンは彼女をベッドに押し倒した。
「はぁ、はぁ、しんく……」
「ちょっ、ちょっと、あなたまさか……」
彼女が驚いたのはジュンの男性を象徴する部分だった。
先ほどとは比べ物にならないほど凛々しいものになっていた。
突然、ジュンが強引に彼女の口を奪う。
「んっ、んん……あっ……やだ……ジュン……」
徐々に、彼女の体の自由が利かなくなってきていた。
それを見越してか勝ち誇ったようにぜんまいを秘部の方へと侵入させる。
ついにそれは彼女の小さな、とても小さな膣穴に達した。
「ジュン!やめなさい!……あぅ……うぅ……いっ……巻いた……あと、どうなるか、お、覚えてなさい……」
もはや彼女に余力などなかった。
続きを楽しみにしてるぜ!
>>225の続き。
一部の方が心待ちにして下さっているようなので、くじけずに書いてみます。
不意に、翠星石が私の手を握り、俯き気味に言葉を発した。
「……くっつかなくて正解だったです。そんな女なんかには、準一郎の淹れた紅茶を飲む
資格はないです」
穏やかな物言いの翠星石だが、言葉の中に静かな怒りが感じられた。
「そりゃ、事前にミルクを用意し忘れて、慌てて買いに行く準一郎もおマヌケさんです。
けど、準一郎がいない間に出て行ってしまうなんて……冷たい女です。仮に巧くくっつく
事が出来ても、長続きはしなかったと思うです」
一気に言うと、翠星石は黙り込んだ。私は食器を洗う手を休めた。
暫くして、再び翠星石は言葉を発した。
「真紅が言ってたです……『美味しい紅茶を淹れる事が出来るのは優しい人間だけ』と。
準一郎の淹れた紅茶は、香りが良くて、温かくて、美味しくて……」
翠星石はそう言うと、微笑みながら私を見上げた。
「優しさが凄く伝わってきたです」
「優しさ?」
「美味しい紅茶を皆に出したいという思いです。真紅や蒼星石、チビ苺にも、準一郎の優
しさは伝わっていると、翠星石は思うです……あの、ごちそうさまでした……ですぅ」
翠星石はそう言うと、顔を赤らめながらゴニョゴニョ呟いた。何を呟いているのか気に
なるが、詮索するのはやめておこう。
私はそっと、翠星石の頭を撫でた。翠星石が、ビクッと身を縮こまらせた。
「紅茶の事で、そんな風に言われたのは初めてだよ……有難う」
「え……ど、どういたしましてですぅ♪」
翠星石は照れくさそうに笑った。
ごぼごぼごぼ、ごぼごぼごぼごぼごぼごぼ。奇妙な音がキッチンに響いた。
「……何です? 今の音は」
「さあ?」
すぐ間近で音が聞こえた気がしたので、私は下を見た。
「げっ!」
水が溜められた洗い桶の中から、手が2本伸びていた。人の頭部らしき物も見える。横
から覗き込んだ翠星石も絶句した。洗い桶の中のそれは完全に姿を現し、キッチンシンク
の中に立つと、妙に怒りながら服の裾を絞り始めた。
黒を基調にした衣装とプラチナブロンドの頭髪――ついさっき見たばかりだ。
「は〜あ、服がビショビショだわぁ」
「……自業自得だろうが」
私の呟きを聞き、それは顔を上げた。妖しく微笑む顔を見て、私は無性に腹が立った。
「うふふっ、やっと見つけたわぁ、人間……あら、今度は驚かないのぉ?」
「――いちいち驚いてられるか。また貞子みたいな悪趣味な登場をしやがって」
自分でも敵意剥き出しな物言いだと思う。貞子もどきの眉間に、深く皺が刻まれていく
のがはっきりと分かった。翠星石がいぶかしげに私を見た。
「……水銀燈を知ってるですか、準一郎?」
「水銀燈? 貞ぶっ!」
貞子に改名させろ、と提案しようとしたが、絶妙のタイミングで側頭部――ちょうどこ
めかみ辺りにヒットした水入りの洗い桶によって、私はキッチンの床に昏倒した。
提案は却下、というか未然に阻止された格好だ……残念。
「きゃあああああっ! 準一郎、しっかりするです! 水銀燈、何てことするです!」
翠星石が悲鳴をあげた。水が蓄えられた洗い桶って十分凶器になるなぁ……そんな事を
考えつつ、私は意識を手放した。
最後に見えたのは、怒筋を立てながら両手で洗い桶を抱えている、水銀燈という名前の
生き物(だと思う)だった――やはり人形なのだろうか?
次こそようやく翠星石と水銀燈の鍔迫り合い。
翠星石視点で話を進めています(泉田くんが意識を失ってしまった為)。
はてさて、どうなることやら?
318 :
梅岡先生の人:2005/11/28(月) 22:02:57 ID:PAMshgfZ
>>312 ありがとう。
お題が細かく指定されてたし、骨に肉付けするだけだったから凄く楽だったよw
俺と
>>312氏の合作ってことで。
正直オリキャラハーレム物はつまらん。
文句を言うな
オリキャラ物はパロの基本でもあるだろ
つまらんと思うならNG入れるなりなんなりして
読み飛ばせばよろし
321 :
317:2005/11/28(月) 23:00:14 ID:ovdMUQL/
俺もオリキャラはつまらないと思う。だからお前も飛ばせ
ちょwお前ら結構酷いなw
グッジョ!
>>324 まあ自分で何もしないで文句だけ言う奴と
そういう奴を完全にスルーして妄想を垂れ流す奴ってのが2りゃんの基本だからな。
>>326 その通りだな。
絵師にしろSS書きにしろネタ師にしろ、
>そういう奴を完全にスルーして妄想を垂れ流す奴
これ位のタフさは平然と持っていたいもんだな。そもそも公開オナヌー同然なんだからなっ!
むしろもっと晒せ!全てを晒け出せっ!
んじゃ早速拙い処女作をば・・・
329 :
S&M:2005/11/29(火) 01:32:44 ID:y+vnDA86
アニスレに一度貼ったヤツを大幅修正したもので見た人いるかも
「 ふ じ こ 」
念願叶い、ついに私は水銀燈のミーディアムとなった。
「ミーディアム募集」
これに応募し、宝クジに当たるような幸運を得たのだ。
それはかつて彼らの全てを預かってきた少年が留学に際し、
「お互いのために」とミーディアムの資格を破棄したためだ。
再びドールズをただ長い眠りに就かせるのは忍びないと
少年は彼女らの嫁ぎ先を求めてHPで募集をかけたのである。
彼女との生活は新鮮だった。 勿論、私が女性との交際経験が
まるで無い文字通りの仕事人間だったためであろう。
(これは彼女の指定した条件であったらしい)
彼女は優雅な淑女を演じながらも悩ましいしぐさや絡みつくような
声音で私を挑発し、私の初心な反応を楽しんでいた。
私自身、彼女の言動に振り回されながらもその関係を楽しんでいた。
そして運命の日が・・・・・来た。
330 :
S&M:2005/11/29(火) 01:34:49 ID:y+vnDA86
その日は珍しく仕事が重なっていた。 彼女との約束を
気にしながらも仕事に没頭するあまりつい時の経つのを
忘れ気が付くとすでに時計の針は8時を回っていた。
彼女との「約束」を果たすことは絶望的だ。
情けない気持ちで職場を後にし、彼女を宥める手土産を
物色しようと、遅くまで開けている百貨店を目指した。
時計はすでに10時を回っていた。 憂鬱ではあったが
威勢良くドアノブを回し、努めて明るい声を出す。
「ただいま!」
「・・・おかえりなさい。」
水銀燈は玄関で私の帰りを待っていたらしい。
背丈からすぐには気付かなかったが彼女の言葉に視線を
落とすと微笑を浮かべた秀麗な面が私を見上げていた。
(しまった)
思わず内心舌打ちする。 彼女の目が全く笑っていない。
「こんなに遅れてすまない!
どうしても抜けられない仕事があったんだ。
キミの怒りももっともだがどうかわかって欲しい。」
331 :
S&M:2005/11/29(火) 01:36:12 ID:y+vnDA86
そして私はありったけ買ってきた「お土産」を彼女の前に押し出した。
最初はそれをつまらなそうな目で眺めていた彼女も次第に興味を
そそられたのか、最後には本物の「笑み」を浮かべ、私を安堵させた。
「・・・しょうがないわね、じゃあコレは部屋に
運んでおいて。 後でゆっくり見せてもらうから。」
「ああ! わかった、すぐに持って行くよ。」
私はすぐさまそれらの品を掻き集め、袋につめていった。
「それから今夜はもう休むわ、おやすみなさい。」
「え?・・・わかった、お休み・・・」
彼女にしてはかなり珍しいことだ。
本来彼女は夜行性なのか夕刻に活動を始める。
「疲れたでしょう? ゆっくり休んでね。
明日はたっぷり付き合ってもらうんだから。」
「・・・ああ! 勿論だとも!
仕事も休みにする、一日中でも付き合うよ!」
「・・・嬉しい、明日は薔薇色ね・・・」
「・・・?・・・」
私は翌日の水銀燈との時間のために早めに休みを取ることした。
ベッドに身を横たえるとすぐに眠気が来る。
ここちよい眠りを期待しながら私は意識を失った。
332 :
S&M:2005/11/29(火) 01:38:20 ID:y+vnDA86
「・・・おきなさい。」
脳内に響き渡るようなその声に私は思わず跳ね起きる。
「やっとお目覚め? 約束の時間の始まりよ。」
「・・・?」
再度の声に振り向くと、そこには水銀燈が浮かんでいた。
「今、ちょうど12時をまわったわ。 昨日の約束の明日。
今日は一杯楽しみましょうね?」
床に就いたのが11時を少し回ったところだったからまだ1時間と
経ってはいない。 確かに約束の「明日」だがあまりにも早すぎる。
内心、どうしたものかと逡巡するがここで約束を反故にすれば
本当に殺されそうだ。 事実、そう感じさせるほどの異様な気配を感じた。
心を決めて口を開く。
「わかった、今日は何をしようか?」
「鬼ごっこなんてどうかしら?」
思わず口をポカンと開けてしまった。 あまりに間抜けな反応だったのか
彼女はさもおかしそうに笑っている。 私はすぐに気を取り直して尋ねた。
「・・・鬼ごっこかい? キミにしては珍しいね。」
「そうかしら? 私は大好きよ!
前のミーディアムとも最後に遊んだもの。」
何が可笑しいのか彼女はまたクスクスと笑い始めた。
「最後」と言う言葉に引っかかりを感じながらも私は言葉を続けた。
「そうか。 じゃあ鬼ごっこをしようか?
二人だけと言うのもなんだけどキミとなら楽しいだろう。」
私は思わずCMなどに流される「浜辺で戯れる男女」を
連想してしまい苦笑した。 とてもではないがあんな真似はできないだろう。
「じゃあ始めましょうか? 私が鬼よ。 私が貴方を捕まえたら・・・」
「私に鬼が出来るかな? とてもキミを捕まえられそうにないよ。」
しかし彼女はニッコリ笑って言った。
「貴方を殺すわ。」
333 :
S&M:2005/11/29(火) 01:40:48 ID:y+vnDA86
一瞬彼女が何を言ってるのかわからなかった。
何かの聞き間違いか、あるいは私の知らない用語なのだろうか?
それにしたって殺すなんて言葉は穏やかじゃない。
「あははははっはははは! どうしたの?
さぁ始めましょう! 貴方を薔薇色に染めてあげる!」
「ちょっ・・・」
何かを言い出そうとした瞬間、左腕に何かが食い込んでくるのを感じた。
その直後に走る激痛!
「・・・ぃがっ!?」
「まずは左腕が真っ赤っ赤♪
次はどこにしようかしら?」
私は悟った。 水銀燈は本当に私を殺すつもりなのだ。
「ホラホラ早く逃げないと? 捕まえちゃうわよ?」
「くっ!」
彼女に背を向け走り出す。
「あははあっはははははっははは・・・」
狂ったような彼女の嬌声を聞きながら少しでも
遠ざかろうとがむしゃらに走り続けた。
良く見ると周囲の景色は全く私の見知らぬ異郷のものであることがわかった。
周囲を埋め尽くすくたびれた洋風の建築物。 そしてあちこちに散乱している
手足の欠けた、あるいはバラバラになった
人形、人形、人形、人形、人形、人形・・・。
334 :
S&M:2005/11/29(火) 01:42:00 ID:y+vnDA86
続きは今日中にでも
335 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/29(火) 02:42:55 ID:1FCzwoRG
いいねぇ、偏愛ってのは純愛に通じるモノがあるね
>>317 何て言いますか、翠星石の台詞で
>>208・デカ人間
>>317・準一郎
この変わり様は一体?
というか、行き成り時系列が…?
頑張って続けて欲しいのですが
もう少し、過去を大事にしてくれると有り難いような…
>>S&M
いいね
「前のミーディアムとも最後に遊んだもの」
JUM死亡を連想させる一言がさらに、イイ!
続き期待します。
「・・・今度はかくれんぼかしら? どこにいるの〜?」
ひときわ背の低い建物の中に身を潜めた私は息を殺し、
彼女の通り過ぎるのをジッと待ち続けた。
一体どれくらいの時がたっただろう?
私は外の様子を伺うべく入り口から恐る恐る上空を覗き見る。
「・・・っ!?」
すぐそこにいた彼女と目が合ってしまった。
私が外を伺う瞬間を息を潜めて待っていたのだ!
「みぃ〜つけた♪」
「うわぁああぁあぁ!?」
間の抜けた悲鳴を上げ、そのまま表に走り出す。
見知らぬ町をただひたすら走り続ける。
気が付くと私はどことも知れない茂みの中に潜り込んでいた。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・。」
荒い息をつきながら、耳の聞こえが悪いことに気が付いた。
右耳がおかしい? そして妙に右頬が冷たい。 そっと右耳に触れる。
・・・ない
右耳はすでに失われていた。 ぐっしょりと頬を
濡らしていたのは耳の付け根から流れでた私の血だった。
探るように右耳のあたりを撫で回していた私の頭上から・・・
「探し物はコレかしら?」
「ひぃっ!?」
水銀燈がそこにいた。 私の耳を片手で弄び
細く小さな舌でチロチロと嘗め回している。
339 :
S&M:2005/11/29(火) 16:58:56 ID:zNWkFuVb
私は慌てて茂みを飛び出した。
すかさず背後から黒い羽が私の体に穴を穿つ。
「命中〜♪」
「・・・っ!?」 それでも私は走り続ける。
「そ〜ぉれ!」 さらに数本の羽が背中中に突きたてられる。
「ぁぎゃ!?」
流石に苦鳴を上げてたたらを踏むがそれでも走り続けた。
やがて息も切れ、歩くのと変わらぬほどに速度が落ちてくる。
「もうおしまい?」
ぎょっとして声の方を振り向くと彼女がピッタリと張り付いていた。
拗ねるようなそのしぐさも、もはや愛おしいとは感じない。
「鬼ごっこはもう、お・し・ま・い!」
言い放つと同時に数本の羽を私の足に突き立てる。
「ぅがぁあ!!」 派手にその場に倒れこみ、足を抱えてうずくまる。
「オマケよ♪」
「ぃぎゃあぁぁあ!?」
さらに無数の羽を突き立てられる。
まるで足中から羽が生えているようだ。
私はもはやまともな思考能力を失っていた。
頭の中を巡るのは「どうする?」という漠然とした疑問のみ。
どうする? どうする? どうする? どうする?・・・
340 :
S&M:2005/11/29(火) 17:00:44 ID:zNWkFuVb
「・・・ま、まってくれ・・・。」
息も絶え絶えに辛うじてそれだけを口にした。
時間を 少しでも時間を稼がなければ
「こ、ここはどこなのかな?
初めて見るよ。 どこなんだい?」
極寒に凍えるように顎はガチガチと噛みあい
言葉を上手く発せない。 それでも必死に言葉を継いだ。
「キミはヨーロッパの生まれだったよね?
するとここはヨーロッパなのかな? 私は来るのは初めて・・・」
「・・・次は思い切って80点を狙ってみようかしら?」
「・・・?」
80点? なんのことだ? そう考えた瞬間視界がわずかにかすむ。
続いてズンッと軽い衝撃が私の頭を揺らす。
「・・・あ?」
「80てぇ〜ん♪」
目が・・・見えない・・・?
「次はどこがいいかしら?
リクエストはある? 私の可愛いミーディアム。」
「・・・ああああああぁぁぁっああ!!!!」
目を射抜かれた事態をようやく認識した私は今度こそ絶叫した。
頭は恐怖に埋め尽くされ、もはや思考は吹き飛んでいた。
「あああああああぁあぁぁっぁぁ!」
「・・・」
なおも叫び続ける私を彼女はじっとそして満足そうに見つめている。
「素敵な声! もっと聞かせて私のミーディアム。 さぁ次は・・・」
そして彼女のダーツゲームが始まった・・・
341 :
S&M:2005/11/29(火) 17:03:24 ID:zNWkFuVb
「・・・」
「20点!」
「・・・っ」
「50点!」
「・・・」
「あら? 惜しいわね。
ウフフ、次は・・・」
一本、二本、どんどん羽が増えていく。
極度の恐怖のためか、傷自体が浅いためかさほどの痛みは感じなかった。
私は悲鳴を上げることさえなくただ地面にうずくまった。
反応の鈍いことに飽いたのか、このゲームはすぐに終わった。
「しょうがないわね。 少し早いけど
このゲームはもうおしまい。」
「・・・」
助かるのか? 彼女の言葉に淡い期待を抱く。
「次はお人形さん遊びをしましょう?」
「・・・?」
それはどんな遊びだったろう? もはや思考はマトモに働かない。
私はお人形遊びがどんなものだったのか思い出すこともできなかった。
342 :
S&M:2005/11/29(火) 17:04:57 ID:zNWkFuVb
「さぁこっちよ?」
そう言って彼女は私を引きずり側にあった名の知れぬ木に私を固定する。
「まずは着せ替え! でも替えの服を持ってきてないの。
ゴメンね? 私の可愛いミーディアム。」
本当に申し訳なさそうに謝る彼女に不気味なものを感じる。
「でもとりあえず服を脱がせましょうね。」
そう言って私の服を引き裂き、剥ぎ取っていった。
やがて半裸になった私から少し離れてじっと眺める。
「綺麗な色・・・とっても素敵よ。 薔薇色とはいかないけれど
これはこれでたまらないわ・・・」
ウットリという言葉がそのまま当てはまるような陶酔の言葉としぐさ。
この状況においても、いやこの状況だからか彼女はたまらなく美しかった。
「さぁ、はじめましょうね?」
私の姿に満足したのか彼女は一つ頷くと私に近付きあちこちを撫ではじめた。
「ウフフッ・・・」
慈悲さえ感じられる柔らかな愛撫、そして傷口に這わされた小さな舌の
感触に私は思わず身震いした。 その反応が気に入ったのか彼女は
あちこちの傷口に舌を這わせる。 やはり傷口ゆえ疼きはしたが、
それ以上に溢れる快感におぞましい現実を忘れて溺れていった。
この世にこれほどの悦楽があろうか?
今世界は暗く、生あるものは我ら二人。
天上の月は彼女をかすかに照らしその姿は天使のごとく美しい。
それは傷ついた聖者を癒す敬虔な乙女。
その美に聖性さえ備えて彼女はほのかに輝いていた。
酔った
私はただ酔いしれた。
夢にさえ見なかった至福の時がここにあった。
世界は今、我々のためにはある。
至上の快楽の中、私はぼんやりと月を見上げた。
蒼い・・・彼女を飾る衣のように・・・
343 :
S&M:2005/11/29(火) 17:05:54 ID:zNWkFuVb
続きは今夜にでも上げます
344 :
はろ:2005/11/29(火) 18:47:02 ID:Ul07Poh6
薔薇玩具物語
登場人物
【JUN】
本編の主人公。
男女ペアで売られていた人形の男の子の方。
眼鏡をしたヒキコモリ風なのがウリらしい…
本人は自分の見た目にコンプレックスを持っている。
【真紅】
全七体シリーズのアンティークドールの第五弾。
一見高慢で自己中心的だが実は……?
【水銀燈】
シリーズの第一弾だけあり、全てのドールの中で一番大人びた雰囲気を持つ。
新参者の真紅にやたらとつっかかる。
【金糸雀】
シリーズの第二弾だけあり、全てのドールの中で一番頭が良い……と本人は思っている。
しかし実際はどこかネジが抜けた思考の持ち主で、つまりはドジなのである。
皆から生暖かい目で見守られている。
【翠星石&蒼星石】
第三、四弾目の双子ドール。
ワガママで腹黒い姉翠星石、おとなしく面倒みの良い妹蒼星石と、本当に双子なのか迷うぐらい似ていない。
しかし本人達はかなり仲が良い。
【雛苺】
第六弾目になる予定のドール。
甘えん坊で人なつっこい性格。
しかし実は猫を被っていて……?
【薔薇水晶】
シリーズ最後のドール(予定)
かなり無口で突然不可解な行動を起こしたりと、少し電波な所がある。
思い込みが激しい。
345 :
はろ:2005/11/29(火) 19:17:33 ID:Ul07Poh6
【ラプラス】
隣の家にいる兎人類型の人形。
かなり紳士な性格で少し幼いJUNに助言してくれるお助けキャラ。
しかし言い回しが捻り過ぎていて、JUNには理解できない事も多い。
【JAM様】
隣の家にいるマッスルでナイスガイな人形。
女子に第人気だが、JUN達にはキモがられている。
【梅岡】
隣の家にいる男子教師型の人形。
熱血教師に見せかけて重度の変態で、JUN達を狙うロクでも無い人形。
【桜田のり】
JUN達の持ち主。
両親は仕事の関係で海外に居り、広い家に一人暮らしをしている。
人形を大切にする良い人。
辛い過去を持つようだが……
【柏葉巴】
隣の家に住む趣味の変な少女。
好きな人がおり、何とかその人を奪おうとしている。
【柿崎めぐ】
向かいの家に住む病弱な少女。
彼女は玩具の秘密を知っている……
夢でみた話を加工してみました。
この設定で話を書こうと思います。
ぶっちゃけト○ストーリーのぱく、いえオマージュですw
346 :
S&M:2005/11/29(火) 20:25:00 ID:E1OsMVjo
ボギッ
「・・・ぃぐっ!?」
突如襲った激痛に私は現実に引き戻される。
人指し指がヘシ折られていた。
「あら? 意外と可動域は狭いのね。次は中指を・・・」
「やめっ・・・!」
ボギッ
「がぁぁああ!」
勢い良く一瞬でヘシ折られる。 刺突とは全く違う痛みに私は仰け反った。
「次はもっとゆっくり、ね?」
そういって今度は薬指を徐々に折り曲げていく。
そして限界と思われる位置で止め、小刻みにゆする。
「いだっ、やめ・・・」
ギッ
「でぎゃっ!?」
「あははははっ!」
声を発した途端にヘシ折られ、奇妙な悲鳴を上げてしまう。
それがおかしかったのか彼女は声を上げて笑っている。
347 :
S&M:2005/11/29(火) 20:25:45 ID:E1OsMVjo
「・・・助けてくれ、頼む、助けて・・・」
必死に哀願する。
もはや無意味とわかっていても哀願せずにはいられなかった。
「・・・いいわ、命だけは助けてあげる。
でもそのかわり、もう少し付き合ってね?
だってまだ朝にもなっていないんだもの。」
「・・・わ、わかった。」
あと少しでも付き合って果たして私は生き延びることができるのか?
はなはだ疑わしかったが彼女の「許し」が今や最後の希望なのだ。
「それじゃあ・・・いくわね?」
いく? いくとは何のことだ?
彼女を見上げるとそこには、竜? 目の前に竜の顔があった。
いつの間にこんなものが・・・
グブッ
「っ!?」
突如竜が私の肩に噛み付いた。
一体何を・・・?
ブチィッ!
「・・・ぃぎゃぁぁぁああああああ!!」
私の肩から先は喰いちぎられた。
鮮血が勢い良く噴出す!
348 :
S&M:2005/11/29(火) 20:26:34 ID:E1OsMVjo
「止血しなくっちゃねぇ?」 そう言うと彼女の手から青白い火が放たれる。
「ぅぎぃいぃぃぃいあああああ!!」 傷口を焼かれ更なる絶叫をほとばしらせた。
「はぁはぁはぁはぁ、なひぉ、なひ・・・」
痛みにのたうちながら必死に声を発した。
何故だ? 許してくれるのではないのか?
このままでは死んでしまう!
「何をって? フフッ、最後はね? マリオネットで遊ぶのよ♪
マリオネットはバラバラの手足を紐で繋いで作るのよ?
だ〜か〜らぁ? まずバラバラにしなくっちゃ!」
「・・・あ、あ、あ?」
激痛のためにしばらくは彼女の言葉が理解できなかった。
やがて一つ一つの単語の意味を認識しそれらを繋いでいく・・・
「・・・ぁぁああああああああ!!!!」
とうとう私は発狂した。
迫り来る竜のアギト、
しかしそれももはや何の意味も持たなかった。
私は・・・・・・
349 :
S&M:2005/11/29(火) 20:29:44 ID:E1OsMVjo
西条義行氏が遭遇した凄絶な地獄。
それを知ったのは事件が起きてから半年が経過した後だった。
私がこの事件の詳細を知ったのは旅行途中に私を訪ねてくれた
友人から「土産話に」と当時の資料を贈られたからだ。
ゴミ捨て場に捨て置かれ、鴉に啄ばまれていた
彼の姿は凄惨を極めたと言う。
第一発見者は近所の主婦。 幸運なことに彼女はその実態を
後に紙面で知るに留まった。遠目に見た異常事態にすぐさま
自宅に取って返し各所に連絡の電話を入れたためだという。
この辺の「危うきに近寄らぬ」知恵はまさに
都会人の培った知恵である。
発見された義行氏は生きていた。
あるいは死んでいた方が彼には幸せだったかもしれない。
四肢は指の関節まで千切り取られ、しかも御丁寧にそれら全てを
縫い合わせて繋げてあったと言う。 耳や鼻、舌も同様であり、
眼球や歯は一旦くり抜かれた後再び押し込まれていたと言う。
各裂傷箇所は高熱で焦がされていた。 恐らくは「止血」のためであろう。
それでも彼は死ぬことなく生きていた。 発狂していた彼は今も
病院の集中治療室の中、生命維持装置や医療機器に埋もれている。
彼が何者によってこのような陰惨な目に合わされたのか?
ドールズの一人、水銀燈が失踪したことも合わせ、文字通り
「世界中の」注目を集めた。 数週間後、水銀燈は忽然と関係者の
前に姿を現し奇跡の生還として再度世界を沸かせた。
・・・真実を知り、なお生きている者は私と義行氏のただ二人である。
今の義行氏を「生きている」と言えればの話だが。
あの時、水銀燈は私が死んだと思ったことだろう。
なにせ間違いなく私の心臓は停止し、30分以上もそのままだったのだ。
文字通りの奇跡を喜ぶいとまもなく私は姿を消した。
後に両親に連絡を取ると私の存命を喜び見知らぬ
異国の地に揃って引っ越して来てくれた。
私はいつか日本に帰ろうと思う。 そして彼の墓前に花を手向けよう。
同じ「恐怖」を味わった者として、せめて祈りを捧げたい。
私は静かに思いを馳せ、瞑目した。
・・・プルルルルル、プルルルルル、プルルルルル
350 :
S&M:2005/11/29(火) 20:31:33 ID:E1OsMVjo
電話が鳴っている、誰からだろう。
「もしもし?」
「・・・おひさしぶり」
「っ!?」
「元気そうね? また貴方の声を聞けて嬉しいわ、私の可愛いミーディアム♪」
「な、なんで・・・?」
「貴方のお友達に教えてもらったの! とっても素敵な方ね? 私気に入っちゃって。」
「新島をどうした!?」
「そんなに怒鳴らなくても聞こえるわ。 一緒に楽しく遊んだだけよ。
でももう・・・遊べないけどね?」
即座に理解した。 新島はもうこの世にはいない。
願わくばその魂の安らかならんことを・・・
「貴方の次のミーディアムもね? まだ元気なのよ!
毎晩こっそりお見舞いに行くの。
私が耳元で囁くだけで泣いて喜んでくれるのよ!
歯も舌もないのにね? 鼓膜を残しておいて良かったわぁ・・・」
悪魔だ! 悪魔の所業だ!!
義行氏はあの地獄の果てになお彼女に苦しめられ続けるのか!
「でも心配しないで?
いずれ貴方もたっぷり愛してあげる。 だって貴方は私のものだもの?
そうでしょ? 私の可愛いミーディアム♪ 壊れて動かなくなるまで、ね・・・」
「貴様の思い通りになるものか! すぐに貴様を告発してやる!
貴様ももう終わりだ! 覚悟するんだな!!」
私は受話器を乱暴に叩きつけた。
気が付くと体中が汗でベッタリとしていた。
大口を叩いて見たものの勝ち目などあるわけもない。
するべきことはもはや一つだ。 覚悟はすでにできていた。
私は引き出しにある拳銃を取り出して装弾を確認する。
三人が死ぬには十分だろう。 老いた両親を残してはいけない。
深くタメ息をつくと両親のいるリビングへと向かった。
父さん、母さん、愛してるよ・・・
351 :
S&M:2005/11/29(火) 20:32:42 ID:E1OsMVjo
ドアを開けた瞬間私は凍りついた。
目の前に水銀燈がいる。
携帯電話を両手で支えもち自分の耳に押し当てていた。
「・・・」
「ごきげんよう? 私の可愛いミーディアム♪」
だが一瞬で腹を決めた私の行動は素早かった。
即座に拳銃を構える。 彼女にではない、自分のこめかみにだ。
しかし手が嫌に軽い?
「コレ?」
「!?」
拳銃は水銀燈の手に握られていた。
いつの間に・・・
「ダぁメよ? 貴方は私がたっぷり可愛がってあげるんだから!
ウフフフフフフフフフフ♪」
「・・・」
恐怖と絶望が私の意識を奪い私はその場に昏倒した・・・。
352 :
S&M:2005/11/29(火) 20:37:35 ID:E1OsMVjo
そして指の動きは止まる・・・終わった、ようやく
「ふぅっ・・・こんなもんかな?」
桜田ジュンは自身の書き上げた短編の推敲を終え、一息ついた。
「水銀燈忌憚」
それがこの短編の題名である。
いかに水銀燈が残忍で冷酷で非情で傲慢で我侭で根暗で
自己中であることを知らしめるのだ!
「そうそう、アイツの趣味は押入れの中でエアパッキンをプチプチすること、と」
新たに思いついた文面を書き込む。
「・・・なにをしているのかしら?」
カチッ
すかさずPCのモニタースイッチを切断する
その間わずかにコンマ1秒
金メダルも夢じゃない! やったぜ姉ちゃん!
ってそんな競技ねーや・・・
膨らみかけた妄想を切り上げ、背後を振り返る
見なくてもわかっているが・・・水銀燈だ
「・・・なんだよ?」
そっけなく聞き返す。
「なにか面白そうだったから、つい、ね」
相変わらずの皮肉っぽい笑み、ムカツク
「別に? 大したもんじゃねぇよ。」
「かまわないわ、ぜひ見せていただけないかしら?」
「駄目だよ」
「どうして?」
「どうしても」
「子供みたいなコトを」
「子供だからな」
「・・・あら? アレ巴ちゃんじゃない?」
「なにっ!? ど、どこだ?」
カチッ
あっ
水銀燈はすかさずスイッチを入れていた
モニターを見た途端に引きつる笑顔はマジデビルだ
「・・・」
「覚悟はいいわね? ボ・ウ・ヤ♪」
うわなにをせdrftgyふじこlp;
「 ふ じ こ 」 完
353 :
S&M:2005/11/29(火) 20:40:59 ID:E1OsMVjo
とりあえず処女作改「ふじこ」はこれで完結です。
続編? というか関連作品をもうすぐ書き終えるので
出来次第書き込みます
最後の一文 うわなにをせdrftgyふじこlp;
これを書くためだけに書き上げた作品と言っても過言ではありません
罵詈雑言受け付けますので御感想よろしく
354 :
S&M:2005/11/29(火) 20:47:42 ID:E1OsMVjo
訂正 自己中であることを知らしめるのだ!
自己中であるか世間に知らしめるのだ!
最後の一行は、今書いているSSで使おうと思ったことがあるので、
「うわっ、やられた!」
という思いで一杯です。いや〜、勇気あるわ(笑)
>>S&M
いいね
しかし、JUMの作り話で終る所は少々頂けないな。
折角のホラー物が…
感想:後味以外、かなりイイ感じでした。
連投スマソ
よっち書き忘れた事が一つ。
>>はろ氏
そう言う事は、SS内で説明してくれ。
設定だけを読んでも、興がそがれるだけなので…
追申:白馬のJUM様まで読んだ
ふ、ふじこ!
>>356 ヒント つ【マルチエンディング】
>>351、
>>352のお好きな方をオチにできるオイシイ作戦ねっ
せっかくだから自分は>352のオチ付きの方を選ぶぜ!
最近新たなSS書きが次々誕生しててほんまエエ感じやでぇ・・・
>>はろ氏
設定読んじゃったからには物語完結までしっかりちゃっかり期待しちまうんだけど、覚悟完了おk?
とりあえず楽しみにしてるので、マイペースで良いからどんどん書いとくれ!
後、超遅レスだが
>>58のSSたいへん面白ぅ御座いました。との感想を今書かせてもらうぜ
360 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/30(水) 01:00:42 ID:p/7bTSMV
出来る奈良、ムナクソ悪くなる様なエグイSSを
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工
>>360 感想レスの全てが「読んでてムナクソ悪いんだYO!」系で埋め尽くされる訳か
・・・こいつぁ公開オナヌーな上にかなりハイレベルなマゾプレイだぜー
363 :
S&M:2005/11/30(水) 02:21:53 ID:/eTDDQPU
ここはnのフィールド。
荒野と化した大地に一体の人形が立ち尽くしていた。
彼女の名は水銀燈。
名工ローゼン初のドールにして、今やドールズ最後の戦士である。
「・・・そろそろ、行かなくちゃね。」
誰にともなくつぶやく。 しかし応えるものはすでにない。
やがて彼女はその翼を広げると最後の戦いに向け飛び立った。
「 行 き 着 く 先 」
あれからどれくらい経ったろう?
思い返せばわずかに数時間に過ぎないことに気付く。
それでも彼女には何年も昔のコトのように思われた。
感覚が狂っているのか? 私はジャンクだ、無理もない
自嘲気味に薄く笑い、今一度過去を振り返る。
364 :
S&M:2005/11/30(水) 02:22:35 ID:/eTDDQPU
「水銀燈。 貴女の力を貸して頂戴。」
珍しく真紅の方から水銀燈を訪れると、開口一番そう言った。
「あら真紅! ごきげんよう。 一体何の冗談かしら?」
「冗談ではないわ水銀燈。 私は真面目にお願いしているの。」
「お願い? お願いならお願いらしく振舞ったらどうかしら?」
そう言うと、真紅は膝をつき頭を垂れる。
「お願いするわ水銀燈。 貴女の力を貸して頂戴。」
自分の言ったこととは言えこれにはさしもの水銀燈も呆気にとられる。
ドールズの中でも特に気位の高い真紅がここまでするとは思わなかったのだ。
「・・・あらあら、そこまで言うなら貸してあげてもよくってよ?
でも、その代わりの報酬を戴けるかしら?」
「報酬? 何がお望み?」
「うふふ、わかるでしょ? ローザミスティカよ。」
「・・・いいわ、全てが終わったなら持って行きなさい。」
「・・・」
またしても呆気に取られる。 思わず真紅の真意を探るべくその瞳を覗き込む。
「なにかしら?」
迷いのない澄み切った瞳は水銀燈の目を正面から受け止めた。
「・・・わかったわ。 ではこれからどうするのかしら?」
先に目を逸らしてしまった水銀燈は内心の動揺を隠し尋ねる。
「あの人形は12時に来ると言っていたわ。 それまでには来て頂戴。」
「そう。 では12時に伺うわね。」
「あまりレディを待たすものではなくてよ?」
「お互い様ね真紅。 私もレディよ?」
「・・・そうだったわね。」
そのやり取りを面白くもなさそうに切り上げると真紅は鏡の向こうに姿を消した。
「・・・真紅、どういうつもり?」
水銀燈は真紅の消えた鏡をじっと見つめ続けた。
365 :
S&M:2005/11/30(水) 02:23:15 ID:/eTDDQPU
ローザミスティカを狙う水銀燈は常時桜田邸を監視している。
当然コトの成り行きは見知っていた。
真紅が説明の手間を省いたのも全て承知との暗黙の了解があったからだ。
あの人形は突如彼女らの前に現われた。
ドールズの父ローゼンの作ではない。
日本の人形造形師、上近柳斎の作「瑞樹」。 それが金糸雀と
薔薇水晶の首を携えて来たときはさしも水銀燈も戦慄を禁じえなかった。
宣戦布告としてミーディアムとその姉が殺害され桜田邸は炎上した。
そしていくらもしないうちに先の真紅の訪問である。
「・・・なにを考えているのかしら? 真紅。」
ローザミスティカはドールズの宿願たるアリスへの翼
例え壊されても手放せるものではない。
それが、なぜ?
「行ってみれば、わかるわよね? 真紅?」
水銀燈は配下のジャンク人形達を従えて鏡に入った。
366 :
S&M:2005/11/30(水) 02:23:46 ID:/eTDDQPU
nのフィールドの一角にはすでに4体のドールズが揃っていた。
緑色の服の人形が落ち着きなく歩き回っている。
「・・・それにしても水銀燈はホントにくるですか?」
「さぁ?」
「さぁって!? 来ないんですか?」
「知らないわ。 来るとは言ってたけど?」
真紅は相変わらず読書にふけり、片手間に答えるだけだ。
「まったく、あんなゲス野朗なんてアテにできないです。」
「でも味方は一人でも多い方がいいのぉ〜。」
「そうだね。 水銀燈はボク達の中でも一番強いし。」
「そうね。 この戦いには絶対に欠かせない存在だわ。」
「うぅ〜、来るなら早く来るです!」
「・・・お待たせしたかしら?」
「ひぃっ!?」
突如の背後からの囁きに思わず飛び退く翠星石。
「ごきげんよう。 お久しぶりね?」 優雅に一礼してみせる。
「久しぶりなのぉ〜。」
「久しぶり、水銀燈。」
「お、脅かすんじゃないですっ!?」
「・・・よく来てくれたわね、水銀燈。」
真紅は水銀燈に一瞥くれるとまた本に目を落とす。
「まぁ、真紅のたっての頼みだもの。 それで?
まだ時間はあるようだけどどうするのかしら?」
「別に? 時間が来るまで待つだけよ。」
「作戦は立てなくてもいいの?」 驚いたように蒼星石が尋ねる。
「ないわ。 立てようがないもの。」
「じゃ、じゃあどうするのぉ〜?」
「各個奮闘努力せよ。 こんなところかしら?」
相変わらずその目は本から外れない。 そして誰もがこれからの
戦いに気を取られ、本が逆さまであることに気付かなかった。
「相変わらずですねぇ真紅は。 先が思いやられるです。」
「・・・」
嘆息する翠星石、そして水銀燈は静かに真紅の横顔を伺う。
不安な沈黙の中、時間だけが過ぎていった。
367 :
S&M:2005/11/30(水) 02:24:34 ID:/eTDDQPU
「来たわね。」 真紅は本を閉じると立ち上がる。
「い、いよいよです!」
「うん。」 翠星石と蒼星石は如雨露と鋏を構え、宙を睨む。
「こ、怖いのぉ〜。」 雛苺は物陰に隠れてしまった。
「・・・」 水銀燈の目は相変わらず真紅の横顔に注がれているままだ。
やがて空が濁り、中心から「何か」が降りてくる。
遠目に判別できないがそれが瑞樹であることははっきりとわかった。
大気が歪むほどの「負」の気がここまで伝わってくる。
「待たせたの、西洋人形ども。
うぬらの体と命、我が父の悲願のために使わせてもらうぞえ。」
その姿はジャンクと言うも愚かな不気味な体を成していた。
様々な人形の部位をかなり乱暴に不規則に繋ぎ合わせている。
彼女本来の体が一体どれだけ残っているのだろう?
金糸雀、薔薇水晶の一部もその中に見て取れた。
「醜悪ね。」
「なんじゃと?」
「醜悪と言ったのよ。 そのお耳は飾りかしら?」
「抜かしたの小娘・・・」
「な、なんで私達を狙うですか!?」
「ほっほっほ、希代の名工ローゼンの手になる逸品なれば
必ずや究極の美を生み出す役に立とう。」
「そんなものを生み出してどうするんだ!」
「我が父に捧げるのじゃ。 究極の美こそが我が父の悲願なれば。」
「・・・」
私と同じ? 水銀燈は一瞬奇妙な親近感を覚えるもすぐにその考えを打ち消した。
(違う! 私はこんなジャンクとは違う。 私はジャンクなんかじゃない!)
「ジャンクは・・・ジャンクよ。」
その言葉に水銀燈は思わず真紅を睨む。 彼女のもっとも忌むべき言葉だ。
だがそれ以上に激昂した者がいた。
368 :
S&M:2005/11/30(水) 02:25:22 ID:/eTDDQPU
「・・・愚か者がっ!? すぐに貴様もガラクタに変えてくれるっ!」
叫ぶや否や瑞樹は真紅に襲い掛かる。
無数の手足がいくつもの連なりを見せ、ありえない距離を越える。
「真紅ぅっ!」 ババッ!
雛苺の叫びが響くと同時に真紅のいた場所に土煙が舞う。
しかし真紅は横っ飛びにかわし、ステッキを取り出す。
「はあっ!」 ガキッ!
蒼星石は一飛びで迫るや鋏を大上段に振り下ろし「腕」を切り落とす。
「邪魔じゃ!」 横薙ぎの一閃が蒼星石を弾き飛ばす。
「ぐぅっ!?」 鋏で直撃を防いだものの大きく弧を描いて飛んで行く。
「蒼星石ぃ〜!」 雛苺が伸ばした蔓で受け止めた。
蒼星石の無事を確認した真紅と翠星石は顔をあわせ頷きあう。
「行くわよ、翠星石。」
「はいです!」
正面から突進しつつ花を撒く真紅、如雨露を振りまわす翠星石。
「しゃあっ!」
真紅に飛ばした無数の腕はしかし突如伸び上がった蔓に絡め取られる。
「ぬっ!?」
「はっ!」 真紅は蔓と腕を駆け上り、掛声と共にステッキを繰り出した。
「無駄じゃっ!」 大きく開けた口から放たれた無数の「指」が真紅に降りそそぐ。
「きゃっ!?」「真紅っ!」落ちる真紅をすかさず翠星石が蔓で支える。
「わたけが!」
「貴女がね?」
「なに?・・・っ!?」
瑞樹の周囲には桃色の花が舞っていた。 それらは瞬時に針と化し瑞樹に向かう。
「ぬぅぅうっ!?」腕を体中に巻きつけて針の雨を凌ぐ瑞樹。
「はあああああぁっ!」 間髪いれず蒼星石が宙を舞う。
「てやぁっ!!」 ガキキキッ! 鈍い音と共に数本の腕を切り飛ばす。
「ぐ、おぉぉ・・・」
瑞樹は衝撃に耐えかねその場に崩れ落ちた。
「やったです!」
「やったのぉ〜!」
「ふぅっ・・・」
「・・・」
369 :
S&M:2005/11/30(水) 02:25:55 ID:/eTDDQPU
しかし直後無数の黒い筋が蒼星石に巻き付く。
「なっ!?」
「・・・やってくれたの?」
腕を開き再び姿を晒したその顔からは夥しい量の髪がうごめきたゆたっていた。
「蒼星石を放すです!」「蒼星石!」如雨露を振り回す翠星石と突進する真紅。
「かぁっ!」瑞樹は全ての腕を四方八方に振り飛ばす。
蔓は腕と喰い合い、真紅はかわすのに手一杯だ。
「やりおるわな、西洋人形。 だがここまでじゃ。」
「あぐっ!?」 髪を締め上げ蒼星石を圧迫する。
「水銀燈っ!」 真紅の悲痛な叫び。
「・・・ちぃっ!」 逡巡も束の間、水銀燈は瑞樹に向かって飛んでいく。
「かぁっ!」 口から「指」を吐き迎え撃つ瑞樹。
「ふんっ。」 水銀燈は巧みにそれらをかわし一気に瑞樹に肉薄する。
途上で見た真紅の目が何かを訴えていた。
「おのれっ!」 大量の髪を展開し絡めとろうとする瑞樹。
しかし水銀燈は寸前で急上昇をかけ一気に天に舞上る。
「逃げるか小虫めっ!」
「あら失礼ね?」 静止すると翼を大きく左右に広げ竜と成す。
「ぬ・・・?」 思わず構える瑞樹。
「ホーリエ!」
グバッッ!!
「があああぁっ!?」 死角からの突如の衝撃に揺らぐ瑞樹。
「くっ!」 そのスキを突いて蒼星石は髪の毛を切払い縛から逃れる。
「おのれがぁぁ!!」 瑞樹は荒狂い、腕と髪をさらに振り回した。
そして真紅は再びステッキを振るう。
370 :
S&M:2005/11/30(水) 02:26:34 ID:/eTDDQPU
(なぜなの真紅? なぜ?)
水銀燈は最初から真紅を全く信用していなかった。
どうせ真紅は自分を弾除けにでもするつもりなのだ
水銀燈の心中には常に真紅への疑念が渦巻いていた。
だがいざ戦いが始まると真紅は先陣を切り、勇敢に戦っている。
絶えず一番前に立ち、皆を庇ってさえいるようだ。
(貴女はアリスになりたくはないの?)
―――アリス 完璧なる乙女
それはドールズの存在意義であり悲願だ。
それを望まないドールはいない。
しかしこのままでは真紅は無事ではすまないだろう。
その体がわすかでも欠けてしまえばアリスの資格を失うのだ。
この私のように・・・
(本気なの? 真紅! 貴女はどうしてそこまで・・・)
ローザミスティカの話も自分を騙すための嘘だと思っていた。
激戦のさなか、水銀燈は真紅への懐疑に埋もれていった。
371 :
S&M:2005/11/30(水) 02:27:17 ID:/eTDDQPU
「しゃあっ!」 無数の手を真紅に伸ばす瑞樹。 しかし真紅は難なくかわす。
「!?」 その軌道の妙に気付いたときはもはや手遅れだった。
勢いを増してそのまま向かう先には・・・雛苺!?
「雛苺! 逃げなさい!」
「ぇう!?」突然の危機に雛苺は逆に固まってしまう。
「くぉっ!」攻撃を止めようと必死に鋏を振るう蒼星石、だが勢いは止まらない。
「チビ苺っ! あぶないですっ!」
ズンッ
瑞樹の腕が翠星石の腹部を貫く。
「あ・・・が・・・?」
「翠星石ぃっ!?」
「翠星石・・・」
「・・・なっ!?」
「す、翠星石ぃ・・・」
最後の力を振り絞って雛苺を突き放す。
「・・・に、逃げるで、す、チビい、ち・・・」
カクンッ
翠星石の首はそのまま力無く垂れてしまう。
「ひ、ひぇっ、ひえぇ〜〜ん!」 その場から逃げ出す雛苺。
「よくもぉっ!!」 再度鋏を振るう蒼星石。
「くっ!」 真紅も続いて瑞樹に挑む。
(翠星石・・・バカな子ね。 他人を庇って死ぬなんて。
蒼星石ならともかくあんな役立たずを庇って死ぬなんて、ね。)
心中、翠星石を罵ってはいたものの水銀燈の受けた衝撃は大きかった。
アリスになる
それは他者を倒し、己ただ一人が父の寵愛を得ること。
敗者には骸のごときジャンクの末路しかない。 それがアリスゲームだ。
(邪魔者を蹴落とす絶好のチャンスだったハズなのに・・・)
姉妹である蒼星石ならまだしもなぜ雛苺を? 水銀燈は混乱していた。
水銀燈が援護をしたのはあくまで現状、利害が一致しているからだ。
言わば自分のためである。 皆もそうであるハズだ。 それがなぜ?
372 :
S&M:2005/11/30(水) 02:28:01 ID:/eTDDQPU
しかし物思いに耽っている余裕はもはや無かった。
戦況は一気に悪化している。
攻守の要であった翠星石を失い、真紅も蒼星石も攻め手を欠いていた。
闇雲に突っ込んでも腕や指に叩き落とされ、髪に絡め取られるだけだ。
今は自分が行くしかない!
「・・・ふぅっ!」 水銀燈は翼を広げ瑞樹に向かって羽を撃つ。
「小癪なっ!」 すかさず指を吐き出して迎え撃つ瑞樹。
さらに翼を竜に変じて放つ。
「グゥォオオオオ!!」
「しゃあっ!」 宙で絡み合う腕と竜。
「はっ!」「てやぁっ!」花を撃つ真紅と飛びかかる蒼星石。
戦いはさらに激しさを増していった。
(これは?)
真紅は瑞樹の足元から腕が何本も地面に喰いこんでいるのを見つけた。
それはさらに地中に潜りこんでゆく。
「まさかっ!?」
慌てて中空の水銀燈を見る。 瑞樹の腕を必死に支える水銀燈。
その下には瑞樹から水銀燈に向かって大地に筋が這っていた。
(水銀燈っ!) 真紅は全力で走りだす。
「かかったのぉ?」
「? なにかしら?」
「先にそちが使った手じゃ・・・返すぞ!」
シュバババッ
突如地中から無数の腕が飛び出る。 とっさにかわそうとする水銀燈。
「ぐっ!?」 だが自身の翼が瑞樹の腕と絡み合って動けない。
貫手状の繊手が弧を描き水銀燈に迫る!
「っ!」「水銀燈っ!」
バキンッ
「真紅ぅっ!」
蒼星石の叫びに閉じた目を開く。
「?・・・真紅!?」
「水銀燈・・・後は、任せるわ、ね?」
水銀燈は目の前の事態が信じられなかった。
目の前で両手を大きく広げ、胸を貫かれている少女。
・・・真紅が私を庇っている?
「アリスに、なって・・・お父、様、に・・・」
「・・・真紅?」
胴を裂かれ、その体は奇妙にゆっくりと大地に落ちていった。
まるで彼女の振るう赤い花弁のように。
「てやぁっ!」蒼星石が水銀燈の翼と噛みあっていた腕を切り落とす。
373 :
S&M:2005/11/30(水) 02:28:43 ID:/eTDDQPU
「ジュン、のり、ゴメンね・・・」
まさに死のときを迎えながら真紅の心は不思議と静かだった。
どこかすがすがしい思いに包まれている。
自分は精一杯戦った。 力及ばなかったが二人は許してくれるだろうか?
そして・・・
(水銀燈・・・とうとう貴女に言えなかった。
貴女はジャンクじゃないって、最後まで伝えられなかった・・・)
姉妹の中でも水銀燈の存在は別格だった。
不完全ながら最強
いびつながら秀麗
背徳的ながら高貴
ドールズにとって水銀燈の存在は一つの壁であった。
ローザミスティカの獲得以上に、彼女を
超えることこそがアリスへの絶対条件と言える。
それはドールズ全員の共通認識である。
アリスへの試練、それこそが水銀燈の存在理由だった。
そしてその現実を受け入れられるほど水銀燈の心は強くなかった。
水銀燈が他のドールに向ける目には劣等者への嘲りと共に、
常に嫉妬と憎悪があった。
「私はジャンクなんかじゃない。」
繰り返される虚勢の言葉は彼女自身が
その現実を認めている証左に他ならない。
374 :
S&M:2005/11/30(水) 02:29:11 ID:/eTDDQPU
(ずっと言いたかった。
貴女を尊敬してる。 貴女に憧れてる。
そして貴女を愛してるって・・・)
誰よりも優れた水銀燈を誰よりも崇拝していた真紅。
その想いが、言の葉として贈られることはついになかった。
アリスへの執着がなかったワケではない。
父を愛していた。 もう一度会いたかった。
でもできなかった。 水銀燈を超えることが。
勝てなかったのは瑞樹にではない、水銀燈にだ。
(貴女を超え さらなる高みに至る時 私は誰を目指せばいいの?)
(私にはわからない 私にはできない 私には貴女が必要なのに!)
その不安が、心弱さが敗因
でもいい
彼女はきっと勝つ
そして父に会うだろう
そしたら・・・
「・・・お父、様、に・・・今度、こそ・・・
作って、もらって、ね?・・・おねえ、さ・・・」
最後まで言い切ることなく真紅はこときれた。
375 :
S&M:2005/11/30(水) 02:29:46 ID:/eTDDQPU
「・・・」(なぜ?)
縛から解かれても思考はいまだ混乱の中にあった。
しかしその迷いがさらなる悲劇をもたらす。
「カカッ!」
「うぁっ!?」
水銀燈を解き放つも着地点に這わされていた髪に絡めとられる蒼星石。
「・・・っ!?」
助けなければ! しかしその距離は絶望的に遠かった。
「ぁぁあああああ!!」 おめいて飛び込む水銀燈。
「無駄じゃっ!」 させじと締め上げる瑞樹。
ギリリッ・・・ビキッ
「きゃあああああ!?」グバァァァアアッッ!!
巨大な鎌と化した翼が大地ごと髪を切り飛ばす轟音が
蒼星石の絶叫と重なる。
すかさず蒼星石を抱きかかえ、飛んでいく水銀燈。
「・・・逃げるかぁっ!?」
瑞樹の呪詛を背に受けながら水銀燈は飛び続けた。
376 :
S&M:2005/11/30(水) 02:30:12 ID:/eTDDQPU
交戦地よりはるかに離れた荒野の一角に降り立つと
水銀燈は蒼星石を静かに大地に横たえた。
「・・・うぅ・・・くっ・・・」
「・・・蒼星石。」
あらためてみる蒼星石の姿は無惨なものだった。
あとコンマ数秒遅れていればもはや原型も留めなかったろう。
戦うことはおろか立ち上がることも、
それ以前にその命を保ち続けられるかどうかも怪しい。
「水銀、燈・・・」
「しゃっべては駄目よ、蒼星石。」
「い、いの・・・もう、わかってる、から・・・」
「・・・蒼星石。」
なんだろう、この気持ち?
胸が苦しい、なにかが溢れそうな危うい気持ちで一杯だった。
(悲しいの? 私は悲しいと思ってるの? これが悲しい、気持ち・・・)
「これ、を・・・」
外れかけた手を必死に動かす蒼星石。
水銀燈はすぐにその手を取った。
「ボク、の、鋏・・・キミ、が・・・」
「わかったわ、大事に使わせてもらうわね。」
「それ、と・・・これ、も・・・」
そう言って自分の腹部を指す蒼星石。
「・・・?」 じっと蒼星石の言葉を待つ。
「もって、行って・・・ボク、の・・・おな、か・・・」
「なっ!?」 流石にこの申し出には面食らう。
「アリ、スに・・・なっ、て・・・」
「何を言ってるの? そんなことできるワケないじゃない!」
「・・・ボク、も、翠星、石も・・・キミが、好き・・・」
「あ、貴女は何を・・・」
「・・・生き、て・・・」
その目が静かに閉じられると、手も力なく地に落ちた。
「・・・蒼星石?」
もはやいらえはない。
「・・・」
377 :
S&M:2005/11/30(水) 02:30:41 ID:/eTDDQPU
涙が止まらない。 こんなことは初めてだった。
嗚咽こそ出ぬものの涙はとめどなく溢れ続けた。
(どうして私は泣いてるの? いまいましい邪魔者が消えたのに。
おかしいわね? ふふっ、やっぱり私はジャンクなのね・・・)
水銀燈は蒼星石の言葉を思い返していた。
「ボクも翠星石もキミが好き」
信じられなかった。 いや信じたくなかった。
いまさら疑う理由とてもなかったが、それでも信じることを拒んだ。
いままでずっと皆が自分を嫌い蔑んでいると思っていたのだから。
蒼星石の言葉を信じることは今までの自分を否定することでもある。
皆の笑顔が恐ろしかった。
水銀燈にとって、彼女に向けられる笑みは全てが嘲笑だった。
自身が不完全であること、そのコンプレックスは
弱い彼女の心をいとも容易く蝕んでいた。
嘲笑や失望、侮蔑を恐れる余りミーディアムも持てず、一人孤独に彷徨った。
何かを、誰かを憎むことでしか自分を保てなかった。
でも今はハッキリとわかる。
自分に向けられた笑みは嘲りでなく、親愛の証だったのだと。
水銀燈は己の過去と現実に折り合いをつけるため
ただじっと荒野に立ち尽くした。
378 :
S&M:2005/11/30(水) 02:33:43 ID:/eTDDQPU
一気に読むのはだるいと思うのでこの辺で
続きは今夜にでも
これで全体の4割くらいっす
すまん無理だ
惰性で4レス目まで読んだが、限界だ。
バトルローズ…
これは、何か「うわなにをせdrftgyふじこlp;」だと思う。
380 :
梅岡先生の人:2005/11/30(水) 04:36:48 ID:yY92/C7r
S&M氏
最初はよくあるオリキャラならぬオレキャラ主人公の特定キャラとのカップリング話かといささか辟易していたのですが、読み進めていく内にどんどん話に引き込まれていった辺り、作者の力量の為せる技だなぁと思いました。
あとなんとなく、望月峰太郎氏の座敷女を思い起こさせる作品でした。
罵詈雑言受けつけとありますので、僭越ながら一つだけ申し上げるとするならば、他の方が指摘されているように、やはり妄想落ちについてですね。
最早夢落ちはssにおける一つのタブーになりつつあると思います。
正直、夢落ち妄想落ちだと白けてしまいますしね……。
第二作目、全然だるくないのでははははやくぅー早くきてぇええええ。
はろ氏キタコレ!
ト○ストーリーのインスパイア、大いに期待してお待ちしておりますw
381 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/30(水) 10:06:25 ID:p/7bTSMV
なんか銀様のヘタレ化が進行してますね。彼女は孤高な存在だからこそ意味があるのに
382 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/30(水) 14:14:53 ID:0RGahhUI
俺はこんな銀様も好きだが。
その日はよく晴れた、とても清々しい日だった。
太陽はまるで地上の生ける物全てを慈愛に満ちた微笑で優しく包括し、その全てを許容するかのように、ただ燦々と輝いていた。
窓の外からははしゃぎ合う少年たちの無邪気な声が聞こえてくる。
そう、世界は今日も平和であった。
流れ行く雲の合間から、キラリと光る物があった。
窓辺に立つ少年には、その光に何か思い当たる物でもあったのか、フッと軽い微笑みが漏れる。
「どうせ、窓開けたって、壊して入ってくるんだろうな」
少年は空を仰ぎながら鼻歌を奏でる。
かつて彼女のミーディアムがよく歌った歌。
かつて彼女が好きだった歌。
物憂げな表情を少しだけ浮かべて、少年は空より来る来客者を心待ちにしていた。
やがて……
がしゃーん!
「遊びに来てやったですぅ!」
「こんにちは」
だがその呼び声に答える者はいない。
「チビ人間! せっかく翠星石が来てやったんですから、お茶くらい……え……?」
「どうしたの、翠星石? ……うん? あ……」
「し、死んでる……」
少年には硝子が深々と突き刺さっていた。
おわり。
ちょw
ワロス
ヒドスw
水銀燈復活シーンでめぐが羽にやられて死亡くらい切ない
388 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/30(水) 19:55:30 ID:0RGahhUI
最初の数行を読んで大作を期待した俺っていったい…w
389 :
梅岡先生の人:2005/11/30(水) 21:27:37 ID:yY92/C7r
390 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/30(水) 21:53:27 ID:xZrCGNQJ
書こうと思ったけど、途中断念した俺が来ましたよ
やっぱりお題は必要だな。
誰かプリーズ・・・書くかはわからんが。
今書いてる奴は出来たらUPするよ。1週間くらいかかるだろうけど。
391 :
修業僧:2005/11/30(水) 22:16:04 ID:W3M7otwr
くまのブーさん
もしくは、買い物で
>>391 くまのブーさん・・・まさかそのネタがくるとは思わなかった。
梅岡といい、何故か微妙なところを付いてくるな。
短いけど書いてきます。
393 :
392:2005/12/01(木) 00:48:15 ID:Z7trezmL
初期スレからずっとここまで見てから書いたんで遅くなったわ。
流れ止まってるけど、書いたのでうpしときます。
10分程度で書いたので自分でも訳分からなくなってます。
おうよ!
395 :
392:2005/12/01(木) 00:50:45 ID:Z7trezmL
「・・・なさい」
声が聞こえる
「・・め・・・な・・い、・・覚め・・さい」
だんだん大きくなっていく
「目覚めなさい」
光が見えた
俺が始めて自分の力で見た景色だった
396 :
392:2005/12/01(木) 00:51:23 ID:Z7trezmL
「アナタにはこの家に行って、ある人を殺してもらうわ」
目覚めた瞬間に命令をされる。
(こいつは何を言っているんだ)
わけも分からずに回りを見渡す。が、無知な自分にはここがどこだか分からない。
「聞いてるの?とりあえず行ってらっしゃい」
目の前の変な銀の髪のやつが俺に向かって何かしようとしている。
(ふざけろ、この俺を誰だと思っている!見よ!この愛くるしい顔!
黄色くてふさふさで素敵なバディー!あのディ○ニーの人気キャラクターの
くまの○ーさんだぞ!この誇り高き俺が何故、お前のような名前も知らない奴に
命令されなきゃならないのだ!言ってやる、不満を言ってやる!言うぞ、言うぞ!)
「ってめっ・・・
−桜田家へ転送完了−
397 :
392:2005/12/01(木) 00:52:06 ID:Z7trezmL
「・・・・・」
飛ばされたのか?
ここどこだよ、誰かの部屋か?
「もう、来たのね」
前方で声がする
その後、さらに他の声
「何だこれ」
何が起こっているか分かった。
さっきまでは訳の分からない変な銀の髪のいた趣味の悪い部屋に居た。
今では、これまた変な小僧の家でいきなり何だこれ発言をされている。
つまり空間転送されたということだ。
(あのアマ、人の話も聞かないで・・・いつか必ずブチ殺す)
ん、ちょっと待てよ。さっきの小僧なんて言ったっけ
「何だこれ」
「何だこれ」
「何だこれ」
い、いいい、いいいい言った、確かに言った!
この俺に向かって!何だこれだと!
ふざけろ、この俺を誰だと思っている!見よ!この愛くるしい顔!
黄色くてふさふさで素敵な(省略)
この野郎!絶対許さねぇ、生かしちゃおけねえ!
ん、逃げようとしてんのか。にがさねぇよ!
398 :
392:2005/12/01(木) 00:53:43 ID:Z7trezmL
俺は何故か両手に持っていた対人用包丁を振りかざし、めがね小僧に襲い掛かる。
結果は見事直撃、小僧のピラピラを引き裂いてやった。
さすが俺!俺最強!
「人間もう一度聞くわ。誓うの?誓わないの?」
さっきから赤いのが俺を無視してめがね小僧に話しかけている。
よもやこの俺を無視するとは・・・
待っていろ、めがね小僧の後はキサマの番だ!
俺は包丁を前に突き出し小僧に向かっていく。
殺ったー!!!
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
何故俺が宙に浮いているんだ。いや、俺は確かに見た。
あいつは、めがね小僧を殺す寸前、
あいつは自分から指輪に唇を突っつけた!!
ちっ、ともかくこれでは身動きが取れない。
どうにかして打開しなければな。
「とりあえず、この人形は寝かせておくわ」
このアマ、俺に何するつもりだ!
ふざけやがって、俺を誰だと(省略)言ってやる!言ってやるぞ!
「ってめっ・・・
そして俺の意識は闇へと落ちた(笑)。
399 :
392:2005/12/01(木) 00:56:42 ID:Z7trezmL
これで、終わりです。まとめる気もないです。
まさかブーさんが来るとは思わなかったんで何書いていいか
分かんなくなりました。今は反省している。
全く逆な感じのSS書いたけどそっちは長くなりそうだから却下。
だけどここまでひどくなるとは思わなかったorz
400 :
修業僧:2005/12/01(木) 01:55:06 ID:nSTMkFih
まさか書いてくれると思わなかった。しかもおもしろい。
特に繰り返しはツボだったよくあると言えばよくあるが持っていきかたが上手い。
ブーぐっじょぶ
ワロタ
かずきぃいわあああああ
「あなたは・・・誰?」
「僕は・・・」
「あなたは・・・誰?」
「僕は君を・・・」
「アナタハダレナノ?」
「僕は・・・僕は君を・・・
タ ス ケ ニ キ タ ン ダ
404 :
S&M:2005/12/02(金) 00:43:00 ID:S62bTK/j
テスト
>>403 GJ!
読者を飽きさせないこの短さ、サイコーだね。
406 :
S&M:2005/12/02(金) 01:11:41 ID:S62bTK/j
翌日上げると言っていたのに遅れてすみません>梅岡氏
実は規制に掛けられて書き込めなくなってました。
連続投稿がマズかったみたいですがいい回避手段はありますかね?
で、前の続きです。
そして今、彼女は一人最後の地に向け飛び続ける。
すでに配下の人形達は全滅していた。
先に雛苺を狙わんとした瑞樹の気配を感じ、
配下の人形全てをその足止めに投入していたのだ。
後は自分がこの速度を保てば、先に会敵できるだろう。
(よりにもよって貴女が残るなんて、ね。)
これには水銀燈も思わず苦笑してしまう。
雛苺
一番幼く、一番頼りない少女。
妹どころか娘のように思えるほど彼女はかよわい。
アリスゲームに際し、水銀燈にとって彼女は完全に員数外だった。
例え自分に敗れるコトがあろうとも彼女が
勝ち残ることだけはあるまい。 そう確信していた。
よりにもよってその雛苺が最後まで残ろうとは
今まで苦々しく思っていた彼女のあどけない
言動も今となると妙に愛くるしく思える。
(雛苺・・・アリスには、貴女がなってね?)
自分に全てを託して逝った真紅や蒼星石には申し訳なかったが彼女の
意思はすでに決まっていた。 二人もきっと許してくれるだろう。
せめて雛苺と最後の別れをすませたかったがもはやそのいとまもない。
(貴女は私が必ず守る!)
決意を胸に水銀燈は飛び続けた。
407 :
S&M:2005/12/02(金) 01:54:50 ID:S62bTK/j
「・・・待たせたわね。」
瑞樹の眼前に舞い降りる水銀燈。
瑞樹はバラバラにされた配下のジャンク人形達の中で待っていた。
「怖気づかずによう来たの、西洋人形。」
改めて見ると、瑞樹の体は立っているのが不思議なほどに損傷していた。
彼女はただ一人でドールズ7体を相手に戦ったのだ、無理もない。
(・・・執念・・・)
まるでかつての自分を見る思い
どこか気恥ずかしい気持ちに思わず頬が緩んでしまう。
「・・・何がおかしい?」 それを嘲笑と取ったか、語気を荒げる瑞樹。
「フフッ・・・」 そんなところまで似ていることに感動すら覚える。
(おバカさんは、私一人じゃなかったのね・・・)
奇妙な嬉しさを感じ、さらに顔がほころぶ。
その顔はいつもの皮肉な笑顔からは創造も出来ぬほど屈託ない。
「・・・?」
その異様に呆気に取られ、瑞樹は手を出しかねた。
「貴女は、お父上を愛していて?」
「無論じゃ。 我ほどに父を愛する者があろうか?」
「私もよ・・・」
父への愛、しかしそれは呪縛でもあった。
父への愛に全てを捧げた、自分ばかりか他者までも。
それが間違いとは思わない。 だが悔いはあった。
今それを改められるなら・・・
「貴女とは良いお友達になれそうね。」
「・・・今更命乞いか?」
「いいえ、私は貴女を許せるけれど、
雛苺をその手にかけさせるワケにはいかないの。
引いてくださる? さもなくば・・・いまここで終わりよ。」
最前までの笑顔はいまや氷のように研澄まされ、その目は静かに闘志に燃えた。
それを嬉々として迎える瑞樹。
「やらいでか!? その美貌こそ我を成し遂げる最後の鍵!
今こそ父の悲願を叶えようぞ!!」
「ありがとう。 嬉しいわ、本当に・・・」
生まれて初めての賛美
水銀燈の寂しげな笑みも意に介さず、瑞樹は一気に躍りかかった。
408 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/02(金) 02:41:43 ID:9un1jBX1
全然エグ味が無いですよ〜人形の持っている持ち味を何故に理解出来ないのですか?
409 :
S&M:2005/12/02(金) 03:11:19 ID:S62bTK/j
また引っかかるの嫌なんでまた後日
>>355 この手のでは一度は使ってみたい文句ですからね。
そちらも公開してほしいなぁ
>>356 マルチEDってことで御理解を
>>351で完結してくださってOK
元々自分はそっち系なので。 ただ「グロ苦手」って方もいるので。
>>359 二作目も三つのEDに分かれてますのでお楽しみに
>>梅岡氏
勇気をありがとうございました。 実はエアパッキンの者です。
妄想オチ系は苦手の方のための中和剤の意味合いもあるので御容赦を
410 :
S&M:2005/12/02(金) 05:18:04 ID:nVxAduSo
繋ぎ直したのでもう少し
最後の戦いが始まった。
「がぁぁっ!」 これを最後とばかりに猛攻をかける瑞樹。
「あぁぁっ!」 水銀燈も死力を尽くす。
共に帰る道はなく、相手を倒す、ただその一点に全てを注ぐ。
雛苺に全てを託した水銀燈はもはや損傷を恐れない。
一方瑞樹も体の挿げ替えを期し、損傷を意に介さぬ。
駆け引きも何もない力と力のぶつかり合いが繰り広げられた。
「ぐぅぅぅっ・・・!!」「ぬぅぅぅっ・・・!!」
再び絡み合う腕と翼、拮抗する力に戦いは膠着状態に陥った。
「・・・水銀燈、がんばるのぉ〜。」
雛苺は物陰に隠れてその様子を伺っていた。
翠星石に救われ、戦場から逃げ出したものの彼女はすっかり途方にくれていた。
やがて彼方にいる瑞樹の敵意が明確に自分に向けられるやパニックを起こす。
だが無数の気配が瑞樹に向かい、その進行を阻んだことから水銀燈の援護に気付いた。
そして、水銀燈の激しく燃えるような気が瑞樹に向かって
行くのを感じ、いてもたってもいられなくなったのである。
水銀燈が倒されれば次は自分。
とてもではないが己一人で立ち向かえる相手ではない。
雛苺はなんとか水銀燈への加勢を目論むも荒狂う巨大な気と
苛烈を極める闘争に竦んでしまっていたのだった。
411 :
S&M:2005/12/02(金) 05:34:29 ID:nVxAduSo
「かかったのぉ?」
「なにかしら?」
以前と同じやり取り
「終わりじゃ!」
シュバババッ!
突如水銀燈の真下の地中から無数の腕が飛び出す。
しかし水銀燈は慌てず蒼星石の鋏を構える。
「同じ手をっ!」
「使うかよっ!?」
突如爆ぜ割れる腕、そして飛び出す大量の髪!
「っ!?」
「カカッ! そこまで舐めてはおらぬわえ!」
「うぬっ・・・!」 必死に力を振り絞るも体を縛る髪はビクともしない。
「その首、もらったっ!」
腕を大きく真横に薙ぐ瑞樹。 軌道は正確に首を指す。
ガクンッ
「なぁっ!?」 突如停止する腕。 それには無数の蔓が絡まっていた。
「水銀燈をイジメちゃ駄目なのぉ〜!」
「雛苺!?」
「小虫かっ!」
「ひっ!?・・・えぇ〜い!」
瑞樹の凶猛な眼光に一瞬ひるむも、雛苺はさらに蔓を展開する。
それは文字通り戦場を埋め尽くした。
「くくっ!?」「ちぃっ!?」
敵も味方も、自身さえも意に介さぬ力の暴走に二人の戦士は舌を巻いた。
その縛鎖から逃れようと一旦腕と翼を緩め合う。
「ふっ!」 水銀燈はその間隙を突き、髪を翼で斬払う。
412 :
S&M:2005/12/02(金) 14:12:22 ID:ryjEFnjZ
「おのれぇっ!?」 絶好の好機を失い激昂する瑞樹。
怒りの矛先は・・・雛苺!
「この・・・小虫があぁぁぁぁ!!」 大地を引き裂きながら突進する瑞樹。
「あぅ・・・う〜!」 怯える雛苺はさらに蔓を紡ぎ出す。
結果、それが雛苺を追い詰めた。
「逃げなさい雛苺っ! 雛苺っ!?」
水銀燈は蔓を切り払いながら近づこうとする。
だが次から次へと湧き出す蔓に阻まれ、近付けない。
一方瑞樹は蔓の及ばぬ地中に半ば身を埋ずめ、
文字通り大地を掘り進みながら肉薄する。
負荷に耐えかね、その身はさらに崩れていった。
そして・・・
「死ねぇっ!」「雛苺っ!」
ズグッ
瑞樹の腕が雛苺の体を貫く。
途端に天地を埋め尽くした蔓は霧散した。
「あ・・・ぅ・・・」
「雛苺ぉっ!!」 水銀燈は即座に大鎌と化した翼を振るう。
「くっ!?」 大地を切り裂くが如き一撃に流石に飛びすさる瑞樹。
グバァァァアアッ!!
大地は裂け土煙が巻き上がり、すべてを隠す。
その絶好の好機にしかし水銀燈は追撃を怠った。
雛苺を抱え、その場を離れる
413 :
S&M:2005/12/02(金) 14:22:30 ID:ryjEFnjZ
「雛苺! しっかりなさい!」
「・・・水銀、燈・・・?」
その目はすでに霞み、死期が差し迫っていることを告げていた。
「どうして来たの!? 臆病者の貴女が。」
「・・・だっ、て・・・水銀、燈、が・・・」
「バカな子。 なんで私なんかのために・・・」
雛苺は水銀燈に笑いかけた。
「・・・雛、ね・・・水銀燈、大、好き・・・」
「っ!」
「・・・おねえ、ちゃ・・・」
「雛苺っ!」
「・・・」
そして雛苺は静かに崩れ落ちた。
「・・・」
その様子を感情のこもらぬ瞳でじっと見つめる瑞樹。
水銀燈は雛苺の亡骸を大地に横たえると瑞樹と向き合った。
「・・・待っててくれたの? ありがとう。」
憎い仇でありながら、不思議と水銀燈に怒りはなかった。
むしろその心はこれ以上なく静かに澄んでいる。
「・・・よいかえ?」 問う瑞樹。
「・・・いいわ。」 答える水銀燈。
その身を一条の矢と化して
二人は互いに―――飛んだ
>>413 上手いところで切れたな
S&MさんGJ!
はっきり言って俺の理想とも言える展開ですな。
と、いうより実際こんな感じのものを書こうとしてたんだけど。
ワクテカしながら続きを期待しております
なんかジャンプ風味だな…
つか、水銀燈のキャラ変わりすぎじゃない?
まぁいいんでない?良くも悪くも二次創作SSなんて個人の脳内妄想の産物だかんねー
ただの「水銀燈」だろうが「ジャンプ風味な水銀燈」だろうがお好きにオナレーオナレー
俺は友情努力勝利系なバトル話は興味外なので今回はヌルー気味だけど。
ま、完結したらゆっくり読ませて貰いますよって >S&M
417 :
S&M:2005/12/03(土) 00:36:48 ID:3Bdh+w7d
「ぁああぁっ!」
「じゃあぁっ!」
繰り出される鋏と繊手
それらは交差し、互いの急所を突き貫く!
ドンッッ!
鋏は瑞樹の胸、繊手は水銀燈の腹に刺し込まれていた。
「・・・ぁ、う・・・」 苦鳴とともに水銀燈の首は力なく垂れ下がる。
「・・・カカッ! 我の勝ちじゃな西洋人形!」
勝ち誇る瑞樹、しかしその顔はすぐに神妙な面持ちとなる。
「・・・父上、ついにこの時がきました。
長かった我が旅路もようやく・・・」
「・・・終わりね。」
「!?」
突如跳ね上がる水銀燈の顔。 そこに死の翳りはかけらも見えない。
「メイメイ。」 グイッ
「なっ!?」
穿った胸部に精霊を押し込むと同時に両足で瑞樹の胴を挟み縛る。
そして上半身は宙に舞った。
「ばかなっ!?」
事態が飲み込めない瑞樹は空に浮かぶ水銀燈の上半身を驚愕の目で見つめる。
「・・・な、なぜ?」 攻撃も離脱も忘れただ問いかける瑞樹。
「私はね・・・」 ゆっくりと目を閉じる水銀燈。
「―――ジャンクなの。」
「・・・。」
「さよなら・・・メイメイッ!」
ズドオォォッ・・・
418 :
S&M:2005/12/03(土) 00:49:16 ID:3Bdh+w7d
炸裂する衝撃をその翼に受け、水銀燈はさらに空へと昇って行く
私は ジャンク
心中に呟いたことはあっても、ハッキリと口に出すのはこれが初めてだ。
「私はジャンクじゃない。」
これが水銀燈の口癖だった。 数え切れぬほど繰り返してきた言葉。
でももういい 私はジャンクで構わない
最後に見た瑞樹の顔が不思議と穏やかであったことが救いだった。
彼女も救われたのだろうか? 最後の最後に
私達はとうとう勝てなかった、でも負けなかった
それで、十分だ
空をゆっくり舞い堕ちながら、やがて彼女の意識は白く溶けていった・・・
とりあえずこれで一区切りです。
このあと、グッドEDとバッドEDに分岐します。
先に短めのグッドEDを上げます。
リアルできたこれwwwww
420 :
S&M:2005/12/03(土) 01:20:46 ID:seqtzAtw
――ここは?
再び意識を取り戻した水銀燈は奇妙に見慣れた部屋に転がっていた。
暖炉の明かりが室内を薄く照らしている。
あちこちに見える人形のパーツや衣装・・・
まさか!?
上半身だけで必死に這って行く。
翼は爆風の煽りですでに使い物にならなかった。
しかし目的の場所にはすぐに辿りついた。
さして広い部屋でもない。
「おかえり、水銀燈。」
「・・・」
言葉に詰まる あれほどに思い焦がれた父が目前にいた
「そうか・・・オマエが残ってしまったのだね。」
「・・・あ」
水銀燈の思いをよそに彼は独白を続ける。
「私は敗れたのだな、天に。」
「・・・お父様?」
「よく知らせてくれた。 ありがとう。」
「わ、わたしは・・・」
言葉を挟もうとするももはや彼は聞いてもいない。
「ついに及ばなかったか・・・」
疲れきった声
「我が愛しい娘達を捧げてまでしたこの壮大な賭けもこれで終わりだ。」
そして初めて水銀燈の顔を見る
「さぞや私が憎かろう? オマエにだけ可能性を与えなかった私が?」
「そ、それは・・・」
流石にこれには言葉に詰まる。 不完全な自身への憤りを
憎しみにこそしなかったが恨みが全くないワケではない。
その逡巡を肯定と取ったか言葉を続ける父。
「オマエには私を殺す権利がある。
オマエに殺されるならそれもいい、それこそ私にふさわしい最後だ。」
「待ってください、私は・・・」
「考えてみれば我が最高傑作たるオマエが残るのは、ある意味自然なことだ。」
その言葉は水銀燈にこれまでにない衝撃をもたらした。
「私が・・・最高、傑作・・・?」
「そうだ。 水銀燈。 オマエこそ我が生涯最高の作品だ。」
421 :
S&M:2005/12/03(土) 01:35:08 ID:seqtzAtw
ローゼンは己ただ一人でアリスを成し得ると考えるほど愚かではなかった。
いかに天を衝く才に恵まれようと
いかに歳月を重ね技量を磨こうと
いかに我身を焼く情念を注ごうと
―――アリスは生まれない
アリスゲームは苦悩の末に生み出された一つの賭けであった。
結果として全ての者が倒れ、何一つ残らないかもしれない。
しかし己一人で天に挑むより、まだ希望があった。
そして彼は生み出す、至高の少女を
水銀燈
けしてアリスにはなれない
しかしまぎれもない彼の最高傑作
名工ローゼンが、己ただ一人で成した生涯の頂点
そしてアリスを生み出すための最後の鍵
「愛しているよ、私の水銀燈。 アリス、キミは今どこに・・・?」
彼は再び自身の想念に浸っていく
「待ってください! お父様、私は・・・」
「うん?」
私は、なんだろう?
度重なる衝撃的な事実と悲劇に思考は混沌としていた。
自分は父になんと訴えるつもりなのか?
今、私は何を望む? 私の意味は?
422 :
S&M:2005/12/03(土) 01:54:53 ID:seqtzAtw
「あぁ、そうだね。 オマエの体を完全にしてやらなくては。
我が最高の作を不完全なままにはしておけない。
すでに腹部はできている。 というより最初からできていた。」
「・・・」
「下半身を失ったようだがそれも問題ない。 せめてオマエだけでも・・・」
「お父様!」
「ん?」
「たった一つだけ、お願いがあります。」
「なんだね?」
「みな倒れました。 翠星石、蒼星石、雛苺、真紅、金糸雀、薔薇水晶・・・
お父様のお力で再びあの子達を・・・」
「・・・」
「・・・お父様?」
「残念ながらそれはできそうにない。
いや物理的には可能なのだがな・・・」
「?」
「犠牲無しには、叶うまい。」
「犠牲?」
「オマエと言う、犠牲がな。」
「私?」
「そうだ、我が最高傑作たるオマエを使えば、皆を復元させることは可能だ。」
「・・・」
「どうする?」
「お願いします、お父様。」
「・・・わかった。 それでこそ我が最愛の娘だ。」
水銀燈に向けられた彼の笑顔はこれ以上ないほどの誇りと悲しみに満ちていた。
作業にとりかかる父の目は疲労に濁っていた
先ほどとはうってかわって生気に満ちていた。
最後にその顔を見られただけでも十分だ。
そしてなにより・・・
我が最愛の娘
父の言葉にすべてが報われた
いいようのない幸福感を胸に水銀燈は静かに眠りについた―――
423 :
S&M:2005/12/03(土) 02:06:03 ID:seqtzAtw
「ウフフッ♪ やっぱこういう自己犠牲モノが受けるのよねぇ〜」
自身の書き上げた短編を読み返し、そのデキに満足する
深夜にこっそり起き出し、少しづつ書き続けた力作だ
「これで私の人気もうなぎ登りよねっ!」
これで昼過ぎに起きては冷め切った朝飯をあてがわれるという
今までの辛苦も報われようと言うものである
「なにをしてるのかしら? 水銀燈」
ギクッ
「あ、あ〜ら真紅、ごきげんよう。 こんな夜更けにどうしたの?」
思わずPCのモニターを隠す
「最近外が騒がしいようだったので気になってたの」
「そ、そう? そんなことはないと思うけど・・・」
自分の悪癖、独り言を思い出す
「大層な力作ね? 誰が貴女を愛してるって? 冗談もそこまで行くと笑えないわ」
チッ 見てやがったがコイツ
かくなる上は口封じを・・・
「ふむ、裏山ってのはどうかしら?」
「・・・」
駄目だ のりにいらなくなったジャンクどもの処分を命じられて
捨ててきたら廃棄物不法投棄として桜田家は罰金を取られたのだ
おかげで一ヶ月のメシ抜きと町内清掃奉仕の刑を喰らったばかりである
空腹に耐えかね、虫や雀を捕食していた私を見かねた蒼星石は
こっそり食事を分けてくれた くぅぅっ、やっぱアンタはいいヤツねっ!
いつか私が世界を征服したら世界第二の地位をくれてやると言うと
困ったように笑っていた 遠慮してるのか? 相変わらず謙虚なヤツだ
424 :
S&M:2005/12/03(土) 02:18:10 ID:seqtzAtw
「じゃあお隣の犬に喰わせるってのは・・・」
「・・・」
犬が腹を壊すだけだ、下手すれば死ぬ
それ以前にこんなもん食べてくれないだろう
「庭に埋めようかしら?」
「・・・」
バレたらのりに怒られる
またメシ抜きはもう嫌だ
「いっそ燃やしちゃおうかしら?」
「・・・」
ドールは燃えるような材質ではない
まったく、始末に負えないヤツらだ
「あ、そうだ! 粗大ゴミのタンスの中にでも入れとけばいいわ!」
「・・・」
粗大ゴミなら中身も見ずに即スクラップでバッキバキ!
ナイスアイデア! 私は今日も冴えている♪
「ねぇ真紅? 今度粗大ゴミの日に私と一緒に・・・」
「一人で行けぇぇぇ!?」
ボグッ!――グワッシャァアン!!
真紅の腰の入った右ストレートが水銀燈の頬を捕らえる
虎の咆哮にも似たその一撃は水銀燈を窓ガラスごと吹っ飛ばした
しまった、また声に出してたか・・・
今更ながら自身の悪癖を呪う
それというのもいつも一人で寂しかったからだ
これでもママゴトでは一人で最高七役をこなす
世界タイまであと一歩!
「金メダルも遠くないわね・・・」
「・・・なにを言ってるのかしら貴女は?」
呆れ顔の真紅は背後の気配に後を振り向く
425 :
S&M:2005/12/03(土) 02:29:43 ID:seqtzAtw
「さっきからうるさいですぅ〜」
「ふわぁ、なにかあったの?」
「どうしたのぉ〜」
どうやら騒ぎを聞きつけ起き出して来たらしい
「あらあらみんなお目覚めね? 貴女の力作、ぜひみんなにも見てもらおうかしら?」
こいつらにまで知られるのはさすがに不味い
こうなったら証拠隠滅あるのみ!
「仕方ないわね、こうなったら・・・PCごとすべて灰にしてくれるわ!」
「なっ!?」
さいわい元は頭に入ってる。
短編はいつでも再現可能なのだ。
「あははっ! みんな消えちゃえっ♪」
「オマエが消えろぉっ!?」
ゴギッ!!
「げぶろぁっ!?」
マ、マジ痛い・・・
このガキ、いま本気で入れやがった!
「ボクのPCを勝手に壊すんじゃなぁい!」
「うぅ、でも証拠が・・・」
「んなモン知るかっ! そのPCにはな!
ボクが数十時間もかけて集めたエロ画像が・・・」
慌てて自分の口を抑える少年A
「ケダモノ」
「けがらわしいですぅ」
「最低」
「Hなのぉ〜」
「無様ね」
「お姉ちゃん、悲しいわ」
いつの間にかのりまで起き出して来ている、この騒ぎでは無理ないか
426 :
S&M:2005/12/03(土) 02:37:34 ID:seqtzAtw
「な、なんだよ!? 別にいいだろっ!」
「ジュン君も男の子だもんね、それは仕方のないことだわ。
でもジュン君には巴ちゃんがいるじゃない?」
最近ガキは巴と言う名のGFができていた
なんでも幼馴染とかで復学してから思い切って告ったらしい
「だ、だって、アイツ胸ないし・・・」
「ジュン君のバカぁっ!?」
ゴキッ!
のりの怒りのアッパーが完璧な角度で炸裂する
首が変な方向に曲がっているが平気なんだろうか?
「・・・チビ人間は巨乳好き、と」
翠星石が律儀にメモっている
どうやらまたエロガキをゆする気らしい
今まで一体いくら貢がせたのだろうか?
「・・・ぉごおおおおぅ!?」
なぜか顎ではなく口元を押さえもんどりうっている少年A
あ、舌噛んでら 指の間から大量の血が流れ出ていた
「・・・そりゃあね。 男の人の気持ちもわからなくはないわ。」
でもね? 女の子って、恋にはもっと繊細なものなの・・・」
どうも事態に気付いてないらしく滔々と説教を垂れるのり
相変わらずのマイペースっぷりだ
このままだと救急車をすっ飛ばして霊柩車を
呼びそうな勢いだがどうしたものか?
427 :
S&M:2005/12/03(土) 02:47:25 ID:seqtzAtw
ま、いいや
証拠隠滅の邪魔者でしかないガキにはさっさと消えてもらうに限る
のりグッジョブ! 私は100万ドルの笑顔で彼女に向かい親指を突き立てる
のりは気付きもしないが気にしない、シカトには慣れている
見てろよ愚民ども! 私が天下を取ったあかつきには不敬罪で処刑してやる!
暗い野望を胸に秘め、ゆっくりとPCに近づく
今こそすべてを闇に葬るとき!
しかし振り上げた手は何者かに掴み取られる
「っ!?」
「ダメです! 水銀燈」
「翠星石・・・どういうつもり?」
「そんなことをしても誰も喜ばないです」
「知った風なコトを! 貴女に何がわかるって言うの!?」
思わず語気を荒げてしまう しかし彼女は優しく微笑んだ
「そのPCにはチビ人間の思い出が一杯詰まってるんです」
「・・・」
「それさえあればチビ人間からいくらでもせしめられるです♪」
「鬼ね」
よーするにゆすりのネタを潰されては困る、と言いたいらしい
いいわ 分け前は5:5よ?
仕方ないので、作品項目だけ削除することにした
また打ち直すのははなはだ手間だが背に腹は変えられない
「あ、それ♪ ポチっとな?」
「させるかぁっ!?」
ゲシッ!――ガンッ!!
「はげぇぇえ!?」
真紅の矢の如きドロップキックが私の後頭部を蹴り飛ばす
顔はそのままモニターに叩きつけられた
「きさんっ!? なんばすっとかぁっ!!」
言葉がおかしいが気にしてはいけない
間違っても鹿児島在住経験などない
「せっかくの証拠をそうやすやすと消されてたまるもんですか!」
「どこまでも私の邪魔をする気? 真紅、許さないわよ!」
「許さないのはこっちの方だわ。 それをどうする気だったのかしら?」
「知れたことをっ! 全国のお茶の間にお届けするのよ!」
「そんなことは絶対にさせないわ。 私、真紅の名にかけて」
「何人たりとも私の邪魔はさせないわ! 行くわよ? 真紅!」
こうして二人のとっくみあいが始まった
ちょっwwwオチナガスwwwww
バッドEDの方は2、3回に間隔を開けて投稿した方がいいかもしれませんぞ?
文量もはんぱじゃなさそうだし、その方が読みやすそうなので。
429 :
S&M:2005/12/03(土) 02:57:06 ID:seqtzAtw
「・・・ふぇぇ〜〜ん!」
突然室内に響く雛苺の泣き声
死体予備軍に説教くれていたのりは我に返ると彼女を宥める
ちなみに少年Aは痙攣を始めた もう長くねーな
「どうしたの? 雛ちゃん」
「雛が、雛が殺されてるのぉ〜!」
「ボクも殺されてる・・・」
あ、それ私の創作作品だ
どうも真紅と取っ組み合ってる最中に蒼星石と雛苺が読んでいたらしい
「まぁ、ヒドイことするわねぇ」
「のりも殺されてるよ?」
「・・・なに?」
バカ! 余計なことは言わなくていい!
蒼星石はマウスを操り、冒頭部分に戻す
「ほら? わずか一行で瞬殺」
「・・・」
その顔が青、黄を経て赤に染まる様はまさに信号機そのもの
そうか! 信号機のモデルは人間の顔だったんだ!
私はまた一つ利口になったことを喜んだ、人生これ勉強である
「・・・これ、誰が書いたのかしら?」
やっべ! 喜んでる場合じゃない!
私は真紅を突き放すと急いで割れた窓から飛び出した
「まちなさーーーいっ!!」
夜空に響くのりの絶叫、それにしてもこういう場合の人間のセリフはいつも同じだ
「待てー!」 人間は有史以前から同じことを言っている
きっとこれから何千年経っても、やっぱりこういうときは「待て」と言うのだろう
人間とはなんと進歩のない生き物だろうか?
世の無常を憂いながら私は月夜に舞った
まるで月光の精のように――
430 :
S&M:2005/12/03(土) 03:18:27 ID:seqtzAtw
ゴンッ! 「うげっ!?」
なにかが私の頭部を直撃する
「・・・うるっせーぞ桜田!!」
どうやら深夜の騒動にキレた御近所の投擲物らしい
私はそのまま大地に堕ちる
「うぅ、ちくしょう・・・」
私は大地を掻き毟って泣いた
なんで私がこんな目に?
それもこれもみんな社会が悪いんだ!
いつか世界を支配してやろうと決意を固め
ほとぼりが冷めるまで逃げることにした
ウフフッ♪ 今度は貴方のお宅に御邪魔するわね?
「 行 き 着 く 先 」 は 貴 方 の お 家
完
グッドEDはこれで終わりです
バッドEDはややエグい内容です
431 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 05:55:35 ID:9IrPcdKk
「はぁ〜い。そういうわけでぇ、今日のデザートはみんなの大好きないちごよ〜。」
のんびりとした声がダイニングに響くと、一瞬だけ夕食時の喧騒がぴたりと止まった。
そして、またフォークやナイフを使う音や、おしゃべりの声などで騒がしくなる。
この家に人間は二人しか住んでいないが、何故かいつも賑やかなのは、
3体の不思議な人形たちがいるからだ。
そのうちの一体、桃色のドレスを身にまとった幼女姿の人形が、
他の誰よりも目を輝かせている。雛苺だ。
「わぁ! いっちご! いっちご! のりぃ、ヒナ早くいちごほしいのー!!」
「はいはい、ヒナちゃん。ちゃんとご飯を全部食べてからね。」
「えー! ヒナ、もうご飯食べちゃったよ?」
「そう? あらぁ、ヒナちゃん、まだ人参が残ってるじゃない。」
「ぶー。にんじんきらーい。」
「だ・め・よ、好き嫌いは。残さずちゃんと食べてね。」
「えー! いやなのいやなのー! いちごー!!」
言い争い合うのりと雛苺の横で、緑色のドレスをまとい、白いレースを頭にかぶった人形、
翠星石が渋い顔をしながら考え込んでいた。
(いちご……ですか……。)
緑色の右目と赤い左目。流れるような栗色の長い髪。
翠星石の脳裏には、一週間以上前にした雛苺との喧嘩の記憶がよみがえっていた。
正確に言えば、他のもう一体の人形である真紅と、のりの弟であり、
翠星石や真紅のマスターでもあるジュンとを巻き込んだ、小規模な攻防戦だ。
432 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 05:56:49 ID:9IrPcdKk
そもそものきっかけは、その日のおやつのときに、翠星石が雛苺の大好物の
ショートケーキのいちごを食べてしまったことにあったのだが、
翠星石はその事実をしらばっくれ、結局喧嘩の後にも、謝ったりはしていない。
別にそれで気にしたりはしていなかったのだが、こうしていちごを見てみると、
なんだか少しばかり苦しいような気分になった。
(そう言えば……明日って……。)
翠星石は食卓の上に置いてあった小さなカレンダーを見た。
カレンダーの日付には黒マジックで毎日バッテンが書かれているが、
今日の日付から未来の日付には何も書かれていない。
今日より一つ先の未来、つまり明日の日付をチェックする。
やはりそうだった。
(チビチビの誕生日……ですね……。)
正確には、雛苺が完成し、初めてゼンマイを巻かれた日だ。
その日から雛苺は、翠星石たち薔薇乙女の妹として動き始めたのだ。
翠星石は、自分の前に配られたいちごの入った容器を頭上に掲げると、
まだ夕食を食べていたり、いちごを食べ始めていたりの二人と二体に向かって
高らかに宣言した。
「きょ、今日は翠星石、もうおなかいっぱいですぅ!
このデザートのいちごはれいぞーこに入れて明日にとっておくですぅ!
だから、お前ら、絶対に手をつけるんじゃねーですよ! 特に、チビ苺!!」
「チビ苺!!」の部分でびしっと雛苺を指差し、腰に手を当て大きな態度を取ると、
翠星石は食卓の椅子から下り、容器を包むためのラップを探しに行った。
残された者たちは、翠星石の奇妙な言動にしばし呆気にとられていた。
翠星石の前にあった皿には、しっかりと人参が残されていた。
433 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 05:57:38 ID:9IrPcdKk
明くる日は休日で、朝も早いうちから、のりは台所でいそいそと何か作っていた。
その傍らには真紅がいて、のりの作業を物珍しそうに見ていた。
「真紅ちゃん、そこのナイフ取ってくれる?」
「これで良いの?」
「ありがとう。真紅ちゃんがいてくれて助かるわぁ。」
「こんなことくらいお安い御用なのだわ。」
翠星石の目覚めたのは昼も近くなった頃。昨日はあまりよく眠れなかったのだ。
彼女が台所への扉を開けると、のりや真紅はさっとその場にあったものを隠そうとした。
だが、扉を開けたのが翠星石だとわかると、落ち着いた様子でそれを隠すのをやめ、
二人とも翠星石に向かって微笑んだ。
「お寝坊さんね、翠星石。貴女にしては珍しいわ。」
「何してたです? 真紅、のり。」
「ああ、これ? ケーキを焼いたのだわ。のりがね。」
「真紅ちゃんに聞いたのよ〜。今日はヒナちゃんの誕生日なんですって?
だから、ヒナちゃんの大好きないちごショートケーキを作ってあげようと思って。」
翠星石の表情に暗い影が落ちたのを見て、のりは取り繕う。
「ああ! 大丈夫よ! 翠星石ちゃんの昨日のいちごは使っていないわ。
ちゃんと冷蔵庫にあるわよ。実はね、もう一パック買ってたのよ。このケーキのために。」
ほらと、のりはパックに入ったいちごを翠星石に向かって見せた。
翠星石は自分が無意識のうちに浮かない表情になっていたのに気付き、
それを打ち消すように笑った。
「あ、そ、そうです、よね。それなら良いんです。じゃ、のり、真紅、頑張ってです。」
だが、その笑顔はひきつっていた。声にも覇気がなかった。
翠星石はまた廊下に出ると、大きな鏡などが置いてある、暗い物置部屋に向かって走り出した。
残されたのりと真紅は、顔を見合わせ、肩をすくめた。
434 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 05:59:45 ID:9IrPcdKk
(どうせ……。どうせ、あのケーキの後じゃ、翠星石のあげるプレゼントなんて……。)
翠星石は暗い部屋の隅っこに座り込み、ひざを抱えた。
そう、翠星石は、昨日残した分のいちごを、雛苺への誕生日プレゼントにしようと
考えていたのだった。
普段は雛苺いじめに没頭している翠星石の、わずかながらの良心からの気まぐれだった。
雛苺はとにかくいちごが大好物だ。
何より好きなのは苺大福だが、いちごの乗ったショートケーキも負けないくらい好きだ。
のりの作ったショートケーキは、いちご単体よりもきっと何倍も雛苺に喜ばれるだろう。
翠星石は抱えたひざに顔をうずめた。
「ここにいたのか、性悪人形。」
声をかけられ、翠星石の見上げた先にはジュンがいた。
何時間経ったのかわからない。だが、ジュンが探しに来るということは、
相当の時間が経っているのだろう。
「ケーキ食うんだってさ。お前も来いよ。みんな待ってるぞ。」
そう言って、立ち上がらせようと腕をとったジュンの手を、翠星石は振り払う。
「ほっといてです。翠星石、そんなもん食べる気しねーです。」
振り払われた腕を上げ、頭をかき始めるジュン。
「あのなぁ……。何いじけてるか知らないけど……。」
「ジューン。翠星石、見つかったのー?」
翠星石をなだめようとしたジュンの声に、雛苺の無邪気な声が重なる。
とてとてと走る足音が近付き、ほどなく翠星石の横に雛苺が立った。
「翠星石、のりがケーキ作ってくれたのよ。一緒に食べるの、ね?」
小さな両手で袖をつかまれ、翠星石はやむなく立ち上がった。
435 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 06:01:55 ID:9IrPcdKk
「誕生日プレゼントって、やっぱりあげた方が良いです?」
洗い物をするのりの背中に、翠星石が問いかける。
夕食前のひととき。今日は十分食料があるので、のりは買い物に出かけず、
色々と片付けなどをしていた。
翠星石は食卓の椅子に座り、のりの作業をじっと見つめていた。
おやつの時間はちょっとしたパーティーだった。
のりのケーキは、やはり悔しいくらいに美味しかった。
雛苺も死ぬほど喜んでいた。
普段であれば、雛苺の喜ぶ姿はなんだか癪に障るといっていじめていた翠星石だったが、
今日は何もせず、ただぼーっとケーキを口に運んでいるだけだった。
「ヒナちゃんに? あー、わかった。昨日のいちご、ね?」
勘のいいのりはすぐに気付いた。翠星石が元気のない理由までも。
少々翠星石には気の毒なことをしたかなと、胸を痛めつつも、のりは優しく微笑んだ。
「誕生日プレゼントって、特別じゃない? いくら貰ったって嬉しいわ。
ヒナちゃん、いちごがとっても大好物だもの。きっと喜んでくれるわよ。」
のりの笑顔に、翠星石の瞳にもひとすじの光が差す。
「そう……ですかねえ……。」
口では疑うようなことを言いながらも、翠星石は椅子から下り、冷蔵庫に近付き、
奥の方に大事に仕舞っておいたいちごを取り出してきた。
その姿を見て、のりが慌てて洗い物の手を止め、タオルで濡れた手を拭いてから、
食器棚などをあさり始めた。
そして、どこからかピンクのリボンを取り出してきて、翠星石に渡した。
「前にね、クッキーを包んでいたリボンなの。良かったら、その容器に結んで。」
翠星石はリボンを受け取ると、満面の笑みでのりに向かってうなずいた。
436 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 06:05:27 ID:9IrPcdKk
雛苺はジュンの部屋で楽しげにお絵描きをしていた。
ちょうどジュンや真紅は階下でニュースを見ていた時間だったので、二人っきりだった。
「チビチビっ!」
ぽかんとした顔で振り向いた雛苺に向かって、
翠星石はピンクのリボンの結ばれた容器を差し出した。
少し離れたところからその中身を確認し、雛苺は例のごとく目を輝かせた。
「こ、これやるです。」
「わーい! いちごー!!」
雛苺が喜んで駆け寄ってくる。
その姿になんだか嬉しくなった翠星石は思わず笑みを浮かべた。
だが、その瞬間、雛苺の顔が凍りついた。足を止め、後ずさりを始める。
「な、何たくらんでるなの? 翠星石……。」
翠星石の微笑みは嬉しさからのものだったのだが、普段から笑顔でいじめを受けている
雛苺にとっては、ほくそえんでいるようにしか見えなかったのだ。
「うわーん! きっと何かわながしかけてあるのー!! 助けてー! のりー! 真紅ーーー!!」
雛苺は一目散に部屋から飛び出し、逃げていった。
翠星石はしばし呆然としていたが、我に返ると、雛苺の態度に憤った。
「な、な、なんですか!? せっかくの翠星石の好意を無にしやがったですねーっ!!!」
顔から湯気が出るほど怒りながら、翠星石は容器の中身をやけ食いしはじめた。
ヘタがついたままだったが、気にせず一気に流し込んだ。
「覚えていろですぅ、雛苺……。この恨みは百年先までですぅ!!」
その日から翠星石の雛苺に対するいじめは加速の一途を辿った。
そんな翠星石の姿を見ながら、マスターであるジュンはこっそり心の中でつぶやいた。
「やっぱ極悪だよな、あいつ。契約解きたくなってきたよ……。」
(終わり)
437 :
S&M:2005/12/03(土) 12:13:22 ID:zDsAZpwf
「行き着く先」バッドEDルート
「真紅ちゃ〜ん? はい、御飯よぉ♪」
「・・・」
「あらあら雛ちゃん、またこぼしちゃったのぉ?
もぅ、しょうがない子ねぇ。」
「・・・・」
「翠星石ちゃんも蒼星石ちゃんもすぐ食べさせてあげますからねぇ〜」
「・・・・・」
「はい! どう・・・」
ゴギッ!
「ぎゃああああああ!?」
「・・・それは押入れでやれって言ってるでしょ?」
私は木刀を突きつけると押入れを顎でしゃくった。
「うぅ、ごめんなさい巴様。 すぐ行きますから・・・」
散乱したわら人形や色とりどりのてるてる坊主を掻き集めるといそいそ
押入れの中に入っていった。 いちいちうっとうしいヤツだ
「まったく、我が家にはろくな人形が来ないわ。」
私は大きく溜息をついた。
話は3日前に遡る・・・
438 :
S&M:2005/12/03(土) 12:23:16 ID:zDsAZpwf
私は修行のために山篭りをしていた。
熊でも出れば新技のいい実戦テストになるのだがいかんせんここにはいない。
しょうがないので日々、自給自足と鍛錬を繰り返していた。
今日も今日とてエサを求めて山中を徘徊していると無数の壊れた人形達を見つけた。
人形に苦い経験のあった私は思わず眉をしかめたが当然それらは動き出す様子もない。
私は精神修養も兼ね、過去のトラウマを克服すべく一体持ち帰ることにしたのだった。
しかしあるのは壊れた人形ばかりで五体満足なものは一つもない。
恐らく欠けて売り物にならない人形をまとめて捨てていったのだろう。
最後に壊して遊んだのか、どれもこれも酷く損傷している。
仕方なく無事なパーツを組み合わせて作ることにした。
上半身のみの髪の長い人形が目を引き、それに合う下半身を探す。
すぐに見つかり、わずか二つの部品を組み合わせるだけで作業は終わった。
多少違和感がないでもないが十分だろう。
そのデキに満足した私はその場を後にしようとしたのだが・・・
「・・・ぇ〜〜〜」
奇妙にくぐもった声に思わず後を振り返る。
こんな山中に何者が?
私は出来上がった人形を放り出し、愛用の仕込み木刀「綾辻」を構える。
最悪の事態を想定し、親指で留め金を外す。 これでいつでも刃が使える。
注意深く周囲を伺い神経を研ぎ澄ます。 だが何者の姿も見えない。
「・・・ぇ〜〜〜」
再びの声。
それはどうやら積み上げられた廃棄人形の中から聞こえるようだ。
私は慎重に人形を取り除き、声の主を探す。
すると・・・
「おお! 父上っ・・・」 グシャ!
「それ」が何かを言い終わらぬ内に反射的に木刀を振るっていた。
誰が父上だ、私は女だ
ムカツいた私は腹いせに「それ」の残骸を薪の代わりにしてやることにした。
私は二つの人形を抱え、再び拠点にと作った巣に戻っていった。
439 :
S&M:2005/12/03(土) 12:30:29 ID:zDsAZpwf
「・・・ぉ〜〜〜・・・」
満天の空の下、焚火にくべられた残骸の断末魔が心地よい。
ここしばらく話し相手もいなかったので少し寂しく思っていたのだ。
今夜はこっちの完成品を抱いて寝よう。
少し早いが私は床につくことにした。
「・・・お父様ぁ〜〜!」 ゲシッ!
突然抱きついてくる完成品を反射的に蹴り飛ばす。
チッ、コイツもか!? 私は綾辻を手に様子を伺う。
「うぅ・・・お父、様・・・」
ゴリッ!
思わずその頭を踏みにじる。
どいつもこいつも・・・私はれっきとした女だ
「あぐっ!?」
「・・・だぁれがお父様だって? あぁ?」
その端正な横っ面を木刀の切っ先でぐりぐりこねまわす。
「ご、ごめんなさい・・・」
「私は、お、ん、な、よ! わかった?」
「はい、じゃあえ〜と・・・お母様?」
ダンッ!
「うごっ!?」
再度頭を踏みつける。 誰がお母様だ 私はまだ13だ
「あぅぅ・・・」
「巴様とお呼び、わかったわね?」
「は、はい・・・巴様。」
「よし。」
嫌な疲労感を覚えた私はすぐに眠ることにした。 とりあえず明日だ
完成品をロープでふんじばり、改めて床についた。
440 :
S&M:2005/12/03(土) 12:38:41 ID:zDsAZpwf
「ん〜、いい朝ね。」
「おはようございます、巴様。」
「・・・」
「巴様?」
「・・・おはよう。」
しっかりと縛り上げておいたはずが、いつの間にか抜け出していた。
縄抜けとは意外に器用なヤツだ
山篭りも今日で終わりだ
荷物を取りまとめ、下山の準備をする。 次来るのは来年だろう
完成品を伴い、私は山を降りはじめた。
「そういやアンタの名前は?」
「水銀燈です。」
「ふ〜ん。」
変な名前だ 「水銀」はまぁいいとして、どこら辺が「燈」なのか?
もしかして見つからなかった下半身がランプ状になっていて明かりが
取れる構造だったのか? んなわけないか
「水銀燈はこれから私の家で暮らしなさい。 いいわね?」
「はい、巴様。」
「言っとくけど私の命令は絶対よ?
逆らったら即スクラップだからね?」
「は、はい・・・」
動く人形は雛苺以来だ。 トラウマの克服にはうってつけと言えるだろう。
また、前回の失敗を反省し、これからは厳しくしつけることにする。
自分が厳しくしつけられた経験から、思わず甘やかしてしまったのが
いけなかったのだ。 子供できたら厳しくしよう
家に帰り着くと案の定、誰もいなかった。 好都合だ
とりあえず薄汚れた水銀燈を風呂に放り込み、ついでに
自分も風呂に入る。 山篭りの垢を落とさなくては
風呂から出ると早速タンスの肥やしになっていた子供の頃の服を
引っ張り出す。 手頃なサイズと言えるだろうそれを水銀燈に渡した。
「とりあえずそれを着なさい。 素っ裸じゃカッコわるいもんね。」
「はい、巴様。 ありがとうございます。」
「サイズは問題ないわね?」
「はい、ピッタリです。 でも・・・」
「? なに?」
「デザインがダサ・・・」
ガゴンッ!
「げぁぁあああ!?」
「・・・殺されたいの?」
「も、もうしわけ・・・」
「次はないわよ?」
「は、はい。」
441 :
S&M:2005/12/03(土) 12:45:55 ID:zDsAZpwf
久々にまともな食事を取ろうと台所に向かう。
食卓に置かれたメモを見つけ、その内容に愕然とする。
なんと桜田邸が炎上し、ジュン君とお姉さんは病院に運び込まれたらしい。
すでに事件より4日が経過していた。
「水銀燈っ!? すぐ出かけるわよ!」
「は、はい! 巴様。」
水銀燈を伴い、私は二人の入院先に駆け出した。
勿論お見舞いの品も忘れない。 この辺の細かい気配りで地道に
ポイントを稼ぐのは恋愛の鉄則だ。 お姉さんに対してもである。
リサーチ済みのジュン君とお姉さんの好物を物色しながら
公然とジュン君を訪問する口実が出来たことを私は天に感謝した。
大きく一つ深呼吸すると「桜田」のプレートが入ったドアをノックする。
コンコンッ
「はい、どうぞ?」 お姉さんの声だ。
「お邪魔します。」 音を立てぬようゆっくりドアを開ける。
「あら! 巴ちゃんじゃない。 わざわざ来てくれたの? ありがとう。」
頭には包帯が巻かれ、頬に絆創膏が貼られているが思った以上に元気そうだ。
「お久しぶりです。 あの、ジュ、桜田君は?」
「ジュン君は今寝てるの。 せっかく来てくれたのにごめんなさいね。」
そう言うと彼女はちらりとカーテンに遮られた隣のベッドに目をやる。
「い、いえ、いいんです。 あの、コレ良かったらどうぞ。」
「わぁ! ありがとう! 私の好物もジュン君の好物もあるんだぁ!」
「そ、そうなんですか? 良かった、気に入ってもらえて。」
あえてとぼけてみせる。 これもテクニックだ
「あら? その子は?」
「あっ、え〜と・・・しばらく家で面倒見ることになった水銀燈です。
ほら、桜田さんよ。 御挨拶なさい?」
彼女の肩をきつく掴む。 ここで下手打ったら折檻だというサインだ。
「あ、あの・・・はじめまして、水銀燈と申します。」
スカートの裾をつまむと優雅に一礼する。
その場違いなしぐさに思わず眉をしかめてしまう。
後で日本式仕儀作法を叩き込んでやる
442 :
S&M:2005/12/03(土) 12:53:42 ID:zDsAZpwf
「・・・う〜ん。 誰?」
「っ!?」
カーテンの中から漏れ出る声に思わずドキッとする。 ジュン君の声だ
やった! ジュン君に会える 私は思わず声をかけた。
「あ、桜田君? 私、お見舞いに来たの。」
「・・・柏葉?」
「そうよジュン君。 巴ちゃんがお見舞いに来てくれたのよ?」
やがてそろそろとカーテンが開けられると
お姉さんと同じような姿のジュン君が見えた。
最初は目を細めて私を伺っていたが、断念したのかメガネをかける。
「あの・・・元気?」
「・・・うわぁぁぁぁぁっ!?」
ボンヤリしたその目が私の横に注がれると彼は突如絶叫した。
「桜田君っ!?」
「ジュン君っ!? どうしたの?」
「に、人形が、人形がぁ・・・」
えっ、コイツ?
ズンッ!
私は即座に水銀燈を室外に蹴り飛ばす。
ヤツのくぐもった呻きが聞こえるが気にしない。
「はぁはぁはぁ・・・」 少しは落ち着いたようだがまだ息は荒い。
「ごめんなさいね、巴ちゃん。 最近ちょっと人形でいろいろあって・・・」
「いえ、私の方こそすみませんでした。」
「いいのよ。 ところで水銀燈ちゃんは?」
「今外してます。」 空気も読まずに入ってきたら腕の一本ももぎとってやる
「そう・・・」
「そろそろお暇します。 お騒がせして申し訳ありませんでした。」
「いいのよ、良かったらまた来てちょうだいね?」
「はい、お伺いします。 桜田君? あの、また来るから・・・」
「・・・もう二度と来んな!」
「っ!?」
「ジュン君! なんてこと言うの?」
「いえ、それじゃあ失礼します。」
「ゴメンね巴ちゃん・・・ホントにゴメンなさいね?」
「はい、それではお大事に。」
私は頭を下げると外に出て扉を閉める。
「・・・」
「・・・巴様?」
ゴスッ!
「うげぇっ!?」
とりあえず張り倒す。 まだおさまらないが後だ。
怒りと悲しみを胸に私は家路に着いた。
おっぱお
皆すげぇな……
俺には文章なんて書くことなんてできねぇから、うらやましすぎるぜ……
できることといったら齧った程度の絵をヘタレ絵を描くだけだ(´・ω・`)
畜生……!なんて時代だ!
445 :
梅岡先生の人:2005/12/03(土) 15:04:57 ID:KRxa/Yup
>S&M氏
あああなたがエアパッキンの方だったのですかw
とりあえず、感想の方はバッドエンドも完結してからにしたいと思います。
>>444 うp!うp!
446 :
梅岡先生の人:2005/12/03(土) 15:53:41 ID:KRxa/Yup
お題がないと何も書けないヘタレです。
>>447の人お題指定してくだしあ
447 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 16:03:17 ID:9IrPcdKk
私のSSの感想……
448 :
翠星石の憂鬱:2005/12/03(土) 16:05:17 ID:9IrPcdKk
ウソ。空気読まずにいきなりSSとか投下してごめんなさい。
お題はアニメ版でのりに告白しようとしている男の子で。
449 :
梅岡先生の人:2005/12/03(土) 16:14:53 ID:KRxa/Yup
あら、ちょうど今感想書いていた所でしたのにw
会話も地の文もテンポ良く進むのでサクサク読めたのが良かったです。
ただ俺にはBADエンドにしか見えないw
翠星石の頑張りが無に帰する無常感が見事に表現されておりますw
トロイメントの4話か5話の「手紙」の回を彷彿させられるお話でした。
個人的には、もうちょっと翠星石が報われてもいいんじゃまいか、と。
まぁ普段の行いからすれば当然の成り行きかもしれませんが、ねw
で、例の彼ですか。また物凄い微妙なトコ突いてきましたねw
彼の名前すら分からないので、ちょっと資料集めしてから書きますね。
450 :
梅岡先生の人:2005/12/03(土) 16:17:47 ID:KRxa/Yup
公式サイトにも載ってねぇw
スマン、誰か彼の名前だけでいいから教えてくれw
Wikiによると山本君らしい
投下量が激しすぎて感想以前にまだ読めてNeeeeeeee!!
贅沢な悩みではあるがw
深夜にゆっくり読ませてもらおう・・・
>>450 山本だかそんな名前じゃなかった?
ちがったらすまぬ
453 :
梅岡先生の人:2005/12/03(土) 17:01:18 ID:KRxa/Yup
>>451-452 婚約おめでとう、そしてありがとう。
ごめんあともうふとつだけ教えて!
・山本くんはのりと元々面識あったっけ?
・のりは山本くんに敬語だったっけ?
455 :
梅岡先生の人:2005/12/03(土) 18:15:40 ID:KRxa/Yup
ありがとう。
じゃあ友達に一期のビデオ返してもらってから書くお(`・ω・´)
456 :
憂鬱な人:2005/12/03(土) 19:15:55 ID:9IrPcdKk
>>449 感想ありがとうございます。
そうですね。バッドエンドです。
最後のシーンが書きたくて書いたようなものなのでw
リクエスト、微妙でしたね。
時間かかりそうなのを指定してしまってすみません。
でも、楽しみにしてます。
>>翠星石の憂鬱
いいじゃない
そういうのを待っていたよ
感想:………。
質問ッ!
クロスオーバーは大丈夫ですか?
他の漫画・アニメのキャラクターがミーディアムのSSを考えているのですが
>>458 俺はぜんぜん大丈夫だ。
某サイトに投稿されている奴のように一話だけ投稿して
そのまんまってのはなしだからな。
ありがとうッ!やってみるよ!
5〜6話くらい続くとおもうから、1話だけ投稿してオシマイとか
U-1とかにはならないようにするから、期待しないで期待して待っててくれ
他の漫画って・・・・
>>460 よく考えてみれば、ここローゼン関連のスレだよな?
ここってクロスだして良かったけ?
程度にもよる・・・って感じじゃないかな?
ようは他作品がクロスしてても「あくまでローゼンネタとキャラがメイン」
でありさえすれば、まぁ大丈夫なんでない?
さすがにローゼン関連ネタが付属品になってしまうような展開ならマズかろうが。
>憂鬱な人
実はバッドエンド好きだったりするのか?内容は面白かったよ。GJ
俺はあんたが書いたホノボノネタやアンマァーキャッキャッウフフなネタなども読んでみたいぜー
あぁ、でもオリジナルキャラとかならまだしも「他作品のネタ」が出てくるとなると、
それらがサッパリワカラン場合に非難レス等でちょっと荒れそうでは有る・・・か?
投稿する時に、毎回最初の一行目辺りに
「※注意※ ローゼン以外の他作品ネタも多数登場します。興味が無い方はスルー推奨、
もしくはタイトルをNGワードに登録するなどの対処をよろしくおながい致します。」
等の注意書きを加えておけば問題無いかもしれん。
本来ならば >興味が無い方はスルー推奨 これだけが徹底されてればいいだけの話しなんだけどネ
複数の漫画を登場させるのって、それは原作SSの面白さとは別のものだと思うんだけど
正直二次裏とかでやっとけってネタ
>464
おいおい。そしたら空気読めてないSSとか調子に乗り過ぎてる連投SSに批判すら出来ない無法地帯になるじゃんか。
勝手なルール作るなよ。このスレはローゼンオンリーで行くべき。複合ネタは別スレでやってほしい。
わかりました、自重いたします
レスどうもありがとうございました
他作品ネタを知らない方への都合を考えていなかったのかもしれません
申し訳ございませんでした
勝手なルールを作った気はなかったんだがな・・・スマンかったよ
469 :
S&M:2005/12/04(日) 02:58:12 ID:VCOnNlnj
テスト
>>464 >>465 そうだよなー もともとは俺がよく考えなくてOKだしたのがいけなかった。
反省してる。
471 :
S&M:2005/12/04(日) 02:59:08 ID:VCOnNlnj
「・・・んで? そいつはどうしたのよ?」
家に着くとすきっ腹にエサを詰め込み、早速尋問に入った。
案の定、水銀燈は事情に通じており今までの経緯を語った。
犯人が瑞樹という名の日本人形であることまでは
わかったがそいつのその後が判然としない。
トドメを刺したらしいのだがまだ生きている可能性もあるという。
もし生きていれば良し、そいつの首を手土産にすれば挽回も可能だ。
この失点はなんとしてでも埋め合わせなければならない。
「そ、それがなんとも・・・」
「・・・わからないって?」
「い、いえ、多分私がいた場所にいるんじゃないかと・・・」
「それってあの山のことよね? やたら壊れた人形が一杯転がってたけど。」
「それは多分、私の配下だと思います。」
「配下? そんなのいたの?」
「はい、でも瑞樹の足止めをさせたら全部壊れてしまって・・・」
「よくわかんないけど、あれは全部アンタの関係者なのね?」
「はい・・・」
「まぁ動いてたのはアンタと首だけ日本人形だったけど・・・ん?」
「・・・えっ?」
思わず顔を見合わせる二人。
先に水銀燈はこう言った。 「日本人形」だと。
「そいつの特徴、覚えてるわよね?」
「あ、いえ、それが・・・」
「・・・アンタそいつとやり合ったんでしょ?」
「瑞樹は自分の体に他の人形の部品をかなり強引に
繋ぎ合わせていましたから顔しか覚えてないんです。」
「どんな顔よ?」
「それは、言葉で説明するのはちょっと・・・」
「あぁもう!・・・そう言えばアイツ父上がどうとか言ってたわね?」
「っ!? それです。その口調は瑞樹のものです。」
「・・・マジ?」
「ええ? あの、なにか?」
「・・・」
472 :
S&M:2005/12/04(日) 03:13:42 ID:VCOnNlnj
仇を討ったのはまぎれもない事実だが、信じてもらえなければ意味がない。
そのためにはどうしても物証が必要なのだ。
とりあえず物分りの良いお姉さんに先に話を通しておこうか?
そのためには事情をさらに詳しく知っておく必要がある。
今度はもっと時間を遡って聞くことにした。
どうやら桜田家には6体もの人形が集っていたらしい。
その他もろもろ含めると数十体にはなりそうだがそれはいい。
以前に家でも飼っていた雛苺のクソガキをはじめ、赤色の真紅、
緑の翠星石、青色の蒼星石、日本人形の瑞樹、そしてこの水銀燈だ。
桜田邸はよく観察していたので水銀燈と瑞樹以外は少なくとも一度は
目にしている。 どうやら新参者がはっちゃけた挙句の炎上事件らしい。
その後、5対1のガチバトルが行われ、残ったのがこの水銀燈。
大雑把に言うとそういうことだ。
「・・・なっさけないわね〜? 5:1のリンチモードで
逆にそこまでケチョンケチョンにやられたってワケ?」
「はい、ことのほか瑞樹が強く・・・また序盤では約2名が
実質戦力として機能していなかったものですから・・・」
「誰と誰よ?」
この手の話にのめり込むのは私の悪いクセだ。
親にははしたないと言われるし、友人には変な目で見られる。
間違ってもジュン君やお姉さんに知られるワケにはいかない。
「・・・私と雛苺です。」
「なんで?」
「え?」
「雛はわからなくはないけど、アンタはそこそこデキるんでしょ?」
「はぁ、それがいろいろあったものですから。 どうにも共闘しかねて。」
「まぁいいけどさ。 他の3体も大したことないわねぇ。
3:1でのされるなんてどんな役立たずよ?」
「・・・」
なぜかこっちを恨めしそうな目で見つめる水銀燈
473 :
S&M:2005/12/04(日) 03:26:24 ID:VCOnNlnj
「何か文句ある?」
「い、いえ、別に・・・」
「? ま、結局ジュン君の仇は私とアンタで討っちゃったワケだ。」
「巴様が瑞樹を倒したんですか?」
「壊して火にくべた。」
「・・・」
「今は灰しか残ってないわ。 あ〜ぁ、知ってたらそのまま持ってきたのになぁ。」
「ジュン君がお好きなんですか?」
ゴンッ
「痛ったぁ・・・」
「ジュン様、でしょ? いずれアンタの御主人様になるんだから。」
「そうなんですか?」
「そうなるのよ。 いえ、そうするの。 どんな手を使ってもね。
アンタも手伝うのよ? いい?」
「は、はい!」
「まずは報告ね。 疲れたし、向こうにも落ち着く時間が
いるだろうから明日にしましょ。 ちょっと昼寝するわ。」
「はい、お休みなさい。」
私は布団を敷くとすぐに横になった。
天井を見つめながら私はボンヤリと物思いに耽っていた。
疲れているとは言え、今朝までぐっすり寝ていただけに頭は冴えている。
474 :
S&M:2005/12/04(日) 03:34:46 ID:VCOnNlnj
「雛ちゃ〜ん・・・」
「・・・?」
雛のクソガキがどうしたのだろう?
体勢はそのままに顔だけ声の主に向ける。
見ると水銀燈が何かに語りかけている。
「翠ちゃ〜ん・・・」
翠星石? あの口の悪い緑の猫被りのことだ
「・・・」
「・・・?」
次の言葉を耳を澄ませてじっと待つ。
「・・・4人足りな〜い!?」
「多いわよっ!?」
思わず跳ね起きて突っ込んでいた。
おい○さんだって1/10なのに、半分以上とは図々しいにもほどがある。
見ると水銀燈の前にはわら人形が置かれていた。
壁に掛けてあったのを持ってきたらしい。
「・・・なにやってんのよ?」
「あ、と、巴様? これはその・・・」
「それは雛苺でも翠星石でもないでしょ?」
「・・・」
水銀燈はうつむいてじっとしている。
その顔は今にも泣き出しそうに歪んでいた。
「・・・しょうがないわね。」
私はティッシュと輪ゴムを持ってくるとてるてる坊主を作り始める。
「・・・巴様?」
「ちょっと待ってなさい。」
やがて出来上がったてるてる坊主にスプレーで色を付けていく。
無い色をわら人形に割り振り、とりあえず数を揃えた。
「はい。」
「うわぁ〜♪」 途端に水銀燈の顔に笑みが広がる。
「乾くまで触っちゃダメよ?」
「はい! ありがとうございます!」
「あと、うっとうしいからやるなら押入れでやってね?」
「はい、わかりました。」
「それじゃおやすみ。」
水銀燈が押入れに入るのを見届けると再び私は床についた。
475 :
S&M:2005/12/04(日) 03:51:16 ID:VCOnNlnj
今夜はここまで
ただいまノーマルを執筆中
476 :
コロネ:2005/12/04(日) 11:58:49 ID:2BTvcDaF
「いつものパート2」
真紅「ふう、いつもどおりの朝ね。おはようなのだわ、ジュン」
ジュン「ふぁ〜。。真紅、いつも早いな。おはよう〜。」
真紅「相変わらず、良く寝ているわね・・雛苺・・。ふう・・仕方ないわね」
ゴスッ!雛苺のカバンを蹴飛ばす
真紅「起きなさい雛苺。朝よ。少し早いけれど、ドールにとって早寝早起きは大切よ」
雛苺「う〜ん。まだ眠たいの〜。もう少しだけ寝かせてなの〜。。」
真紅「家来なのだからしっかりしなさい。ほらほら、起きなさい」
パチパチパチン!平手で雛にビンタする。
雛苺「いたいの〜。ほっぺがヒリヒリするの〜。おはようなの〜・・。」
のり「おはよう、ジュン君、雛ちゃん、真紅ちゃん。ご飯出来てるわよぉ〜」
雛苺「目玉焼き〜♪お味噌汁〜♪美味しいの〜♪のりのお料理美味しいの〜♪」
真紅「私がここへ来た時から食べているけれど、とても優しい味だわ。」
ジュン「人形が料理評価ねぇ〜。研究もしないくせにな〜。」
真紅「余計なことを言い過ぎよ。全く家来なのだから言葉には注意しなさい」
パチン!
ジュン「いってえ〜。。分かったよ」
のり「あらあら〜、雛ちゃん、お口のまわりが汚れてるわ。ふきふきしましょうね」
雛苺「のり、ありがとなの。」
のり「それじゃ、学校行ってくるわね。ジュン君もそろそろね」
ジュン「あ、うん。また帰ってからな、雛苺、真紅。」
真紅「ちゃんと勉強するのよ。少しでも脳を動かしなさい」
ジュン「言われなくても分かってますよ。んじゃ行ってきます。」
真紅、雛苺「いってらっしゃい、なの」
ガチャン
真紅「ふう〜。今日は翠星石、蒼星石は来ないの?」
雛苺「あのね、昨日、言ってたよ?おじいちゃんとおばあちゃんと一緒にピクニックに行くから」って
真紅「そう。楽しそうね。」
------------------------------------------一方
翠星石「ピクニックに行くですぅ〜?」
おじいちゃん「あぁ、翠星石と蒼星石ももちろん行くじゃろ?」
おばあちゃん「たまにはねぇ、綺麗な花が咲いたところにねぇ行きたいものねぇ」
蒼星石「はい。もちろん行きます。」
翠星石「蒼星石、即答ですかぁ〜。。仕方ないですぅ。行くです」
おじいちゃん「いい子だなあ。おっしゃ。それじゃあ、準備しようかの」
おばあちゃん「はいはい。おにぎりや水筒も持っていきましょうね」
つづく
477 :
コロネ:2005/12/04(日) 12:20:48 ID:2BTvcDaF
翠星石「う〜、暑いですぅ。こんなにも外は。。砂漠と化してるです」
蒼星石「う〜ん、そうかなぁ?翠星石はおおげさだね。」
翠星石「大丈夫なのですか?・・って何か手についたですぅ!これは何ですか?!」
蒼星石「あ〜、これ。カブトムシだよ。翠星石は虫嫌いなの?」
翠星石「何を言ってるですか。姉なんですから、こんなものどうってことないで すぅ!!・・・ひゃ〜::」
蒼星石「素直に嫌いって言えばいいのに〜」
おじいちゃん「お〜い、蒼星石、翠星石、この辺でお昼にするかの〜?」
おばあちゃん「ええ、そうね。ここはいい場所だわ。」
蒼星石「はぁ〜〜〜。いい景色」
翠星石「花びらが舞ってるですぅ。天国ですかここは。」
おじいちゃん「はははは。翠星石、ほんとにおかしいことを言うねぇ。」
翠星石「だってそうですから。見渡す限りそんな感じです。(ぐぅ〜・・)ひゃぁ・・」
おじいちゃん「おばあさんや、おにぎりとか出してくださいな。」
おばあちゃん「はいはい。はい、翠ちゃん、蒼ちゃん。」
翠星石「ありがとです。はむっ。はう〜格別ですぅ。」
蒼星石「外で食べるととても美味しいですね。」
おじいちゃん「わしらも、美味しいよ。何年振りかのぅ。おばあさんや。」
おばあちゃん「そうねえ・・私が長く昏睡状態に入っていたから10年ほどじゃないかしら?」
おじいちゃん「すがすがしいの〜。日差しが温かくて」
おばあちゃん「そうね。。久しぶりだわ。こうしていると。」
翠星石「きゃ〜〜。また何かついたですぅ〜〜〜!蒼星石取ってえ〜〜!」
蒼星石「うわぁ〜。。。耳元で大きな声出さないで・・。びっくりするじゃないか。」
蒼星石「まったく大げさだなぁ〜。はぁ〜。。これ、蝶々だね。」
翠星石「どうして翠星石ばかりに付くですか!どっかいきやがれです!」
蒼星石「だめだよ。虫だって生きてる。僕たちだってそう。だから命がある同士大切にしなきゃ」
翠星石「そうでしたか。。ごめんなさいです。。」
つづく
478 :
コロネ:2005/12/04(日) 12:52:11 ID:2BTvcDaF
真紅「えっと?何かしら。味噌汁?あ〜、のりが作っていたものだわ。」
雛苺「いっぱいお絵かきするの〜。みんなみんなを書き書きなの〜♪フンフン♪」
雛苺「真紅う?何やってるの?」
真紅「え、いや、何でもないわ。ただ、料理本を読んでいただけよ。」
雛苺「ふ〜ん。」
真紅の心の中・・
(そういえば・・私、料理なんてつくったことがないわ。のりがつくっているところは
見たことがあるのだけれど。でも、翠星石や雛苺だってやっていること。私に
だって出来るはずだわ。そうよ、私にだって・・・)
真紅「味噌汁・・作ってみるのだわ。。誇り高き第五ドールの真紅。できるわ・・!」
真紅「雛苺、今から私は味噌汁を作るから、あとで試食してちょうだい。いいわね?
だけど、邪魔だけはしないで。これは私だけの挑戦よ。」
雛苺「分かったわなの。(今日の真紅、何だか変なの〜。)」
真紅「えっと。ホンダシを入れた水が沸いたわ。。どうすればいいのかしら・・。えっと。」
真紅「油揚げ、大根、豆腐を適当な大きさに切って入れる。中々難しいのだわ(汗:
真紅「きゃっ!もう!何なのよ、この刃物!上手く切れないじゃない!・・のりはこれ(包丁)で切れていたのだけれど」
雛苺「真紅、なにつくってるの?」
真紅「味噌汁よ。のりが朝ご飯に出してくれているでしょう?あれをつくろうとしているのよ」
雛苺「はぁ〜。あれは中々難しいの〜。雛も挑戦したけど、あま〜くなって食べられなかったの〜」
真紅「大福を入れすぎたのね。だいたいそれはオヤツでしょ。区別もつかないなんて信じられないわ。」
真紅「くっ・・。何て硬いのこれ(大根)!切れないじゃないの!もう!」
雛苺「う〜・・真紅、恐いの。もう少し落ち着こうなの〜。。」
真紅「分かっているわ。でもこれ(包丁)が言うことを利かないのだわ。」
ぶくぶくぶく〜〜〜(鍋の水が溢れ出す)ぼぼぼ〜〜〜!(火力が増し、
辺りにちりばめる)
雛苺「し・・真紅う!危ないの。もう止めるなの!」
真紅「うるさいわね、ビクビクしすぎよ。あ〜、もういいわ、このまま入れましょう。」
乱雑に切られた大根、豆腐、油揚げが入れて、20分後・・
雛苺「いい匂いがしてきたの〜。。おいしそうなの〜。」
真紅「ふう〜。私だってやればできるのだわ。雛苺、食べてみてちょうだい。」
雛苺「はいなの〜♪はふはふ〜、あ、あついの=(汗」
真紅「ゆっくりでいいわ。で、味はどうかしら?」
雛苺「う、まずいの・・・」
真紅「なっ!。。まずいですって!?」
雛苺「おっきいのばっかり口に入らないの〜。それに味がないの〜。」
真紅「仕方ないわね。あれ(包丁)が言うことを利かなかったんだから」
真紅「はじめてたもの。そりゃ失敗するわよ。そうよ、いいのよ。これで。」
雛苺「何度もやればできるようになるなの〜!がんばるなの!」
真紅「家来に元気付けられるのはどうかと思うけれど、まぁ、そうするわ。
見てなさい!いつかノリも驚くくらいの味噌汁を作ってみせるわ。」
つづく
479 :
コロネ:2005/12/04(日) 13:03:44 ID:2BTvcDaF
蒼星石「ふう〜、何だか疲れたね。」
翠星石「背中が重たいですぅ〜・・」
おじいちゃん「ははは。もうこんな時間になってしまったのかな、そろそろ」
おばあちゃん「そうね、帰るとしましょうか。」
翠星石「zzz・・・う〜ん、疲れたデスぅ・・虫はきらいですぅ」
おじいちゃん「あはは。寝言を言ってるの。」
蒼星石「おじいちゃん、おばあちゃん、今日はありがとうございました。」
おじいちゃん「なになに、双子のためなら、何でもしてあげるぞ〜。」
おばあちゃん「私たちの大切な宝物だものね。」
おじいちゃん「わしらは嬉しいのだよ。こうしていられるのがね。」
おばあちゃん「私も目が覚めてから、随分楽しいわ。」
蒼星石「僕もおじいちゃん、おばあちゃんが居て嬉しいです。 それではそろそろ寝ます。おやすみなさい」
おばあちゃん、おじいちゃん「おやすみ。蒼星石、翠星石。翠ちゃん、蒼ちゃん」
END
トロイメントの脚本の酷さにそろそろキレそう
SS書きの方がよっぽどマシ 真紅の演技の糞っぷりもその原因として多分にあるんだけど
>>S&M
JUM達まだ生存してたのか・・・ だから真紅達も戦闘中力を行使できたのね
しかしBAD(小説オチじゃなく現実)の割にゃ雰囲気がギャグっぽいから妙にマッタリしてるなw
巴の性格が凄い事になってて吹いた。JUMは人形恐怖症になっちまったか
最終的に銀ちゃんがどういう扱いを受けていくのか心配だが、巴もまさに外道って訳でもなさそうだし、大丈夫かな?
>>コロネ
しばらくぶりの投稿ですな
前のSSよか段違いに「自然な雰囲気度」が進化しててプチびっくらこいたよ
まだ不自然な部分もあるにはあるけど、どんどん書いてきゃ自然になくなってくと思うぜ。
ちと気になったのは、文の前のキャラ名は「翠星石」→「翠(他、蒼紅雛爺婆ジの)」のように
一文字に略してしまった方が読みやすくなる上に全体的にすっきりするんじゃないかな?
>>480 真紅の演技はむしろ一期より幅があって全然良いと思うけど
つかスレ違いだから余所行ってやれよ
>>480 そういうのはアニメスレでやれよ。
ここは蒼星石虐待スレなんだから。
やっと絵が描けたよ……
ヘタレ絵だけど、ここの盛況を祝してうpしてもいいかな?
>>484 うpしろ
てか、してくれ!
実に興味深い
>>コロネ
何と言うか、何が書きたいのかな?
双子はピクニックに行った、赤は味噌汁を作った。
確かに、之だけでも話は成立つかもしれない。
しかし、そこに+αを付け加えてこそ、真のSS書きと言えるのでは無いのかな?
極端に言うと、赤の持った包丁が雛苺に刺さった とか
蟲が翠の体内に侵入し、体を乗っ取られたとか
そんな感じの、在り得ないような展開を付け加えると、より良くなると思う。
…偉そうな事を言ってすまない。
ただ、どうせなら、何かを感じさせてくれるSSの方が読みたいかな?
っと思っただけです。
感想:悪くないと思う。
てか、アニメや原作が終っていれば かなり受け入れられる作品だと思われ。
まあ全部が全部ドタバタとかつまらんし、色々な方向性があっても俺はおk
早くうpりたいのに、今うpロダに入れないよ……
クソッ!なんて時代だ!
絵つっても、短い漫画なんですがね(;・ω・)
>極端に言うと、赤の持った包丁が雛苺に刺さった とか
>蟲が翠の体内に侵入し、体を乗っ取られたとか
確かにありえNeeeeee!! どこのホラーだwww 読んではみたいけd
んでも、話しのオチや起承転結感は確かに薄いとは思ったかな。真紅側と双子側は完全に分けて、
今回は真紅側のみで展開し、内容をもちっと濃い目にまとめたら良かったかも?
>>487 >まあ全部が全部ドタバタとかつまらんし、色々な方向性があっても俺はおk
うむ。
>>488 ローゼンうpローダはよくゼンマイが切れるもんな・・・ まぁ気長に。
490 :
修業僧:2005/12/04(日) 20:02:56 ID:14k6yeM9
>>コロネ
内容が薄く何が書きたいかよく分からんかった。
自分なりに伝えたいことや、目的をはっきりしてそれに向けて書いてみてはどうだろう?ただ雰囲気はよかったと思う。また書いてほしい。。
俺は人の事言えるほど文章力ないけど
491 :
最終話:2005/12/04(日) 20:04:49 ID:sbc7S1r1
薔薇「ふふふ、真紅、素直にローザミスティカを渡しなさい。 それで私はアリスになれるわ。」
真紅「みんなの仇を・・・。」
翠星『パワーが違いすぎるんですぅ、ねぇ真紅。 そんな時あなたならどうしてたです?』
真紅「! 翠星石、みんな・・・わかったわ、私の体みんなに貸してあげるわ。」
蒼星『そう、それでいいんだよ真紅。』
水銀『だめよ!神聖なアリスゲームを汚すのはお父様の意思に反するゎ!』
真紅「まだそんな事言うのね、水銀燈。」
翠星『さっさとそこをどくです、水銀燈』
金糸『あんたみたいな人には分からないのかしら』
雛苺『今わ真紅に任せようよ』
水銀『嫌よ! お父様の意思は!!』
真紅「薔薇水晶は今日という時には生きていてはいけないドールなの、分かって頂戴、水銀燈。」
水銀『いやよ、アリスゲームは!』
蒼星『なんでそうやって頭だけで考えて、そんなんじゃ疲れるばかりだよ。 水銀燈』
水銀『だって、そうしないとあたし』
蒼星『真紅が見ているものを見てごらん』
薔薇「真紅が・・・どうしたのかしら。 私の知らない装備でも内蔵されているの?」
真紅「あなたには分からないでしょうね、アリスゲームを遊びにしている薔薇水晶には。この私を通して出る力が。」
薔薇「体を通して出る力? そんなもので、お父様の意思は倒せないわ。」
真紅「何ですって!」
金糸『真紅にはそれが出来るものを持ってるのかしら』
翠星『チビ人間とやらの愛ってやつですぅ』
薔薇「ツンデレの声・・・」
真紅「まだ、抵抗するのなら!! はあああ!!!」
薔薇「! 腕が・・・動け、球体関節・・・どうして動かない・・・。 ああぁぁぁぁ!!!」
真紅「ここからいなくなりなさい!」
薔薇「私だけが、死ぬ訳がない・・・あなたの心も連れて行くゎ・・・真紅。」
真紅「薔薇水晶、た、倒せたのね。 ?光が、広がっていく・・・。」
JUM「真紅? 生きているんだろ、返事をしてくれ真紅。」
真紅「え? ・・・大きな光がついたり消えたりしてる・・・ふふふ大きいわ、蝋燭かしら? いえ、違うわ、蝋燭はもっと、ポウっと灯ってるものね・・・。」
JUM「・・・真紅。 お姉ちゃん!真紅が・・・。」
Rozen Maiden -FIN-
ガンダム?カミーユ・ビダン?
ある日、ある家の前に鞄が置いてあった。
その中には生きた人形が入っていた。
人形は自分のことを蒼星石と名乗る。
拾った主は人とは思えないほど醜く、そして残虐だった。
「飲み物を持ってきました」
声は震えている。
「・・・ふんっ」
ばしゃっ
持ってきた飲み物を人形にかける。
「お前は使えないな」
人形をにらみつける
「ひっ」
思わずその人形は声をだす
「で、ですけど片手じゃお茶を入れるのも大変で・・・」
バスッ
人形の足にナイフが刺さる
「え、・・・あぁぁあああぁあぁああああああ!!!!!」
人形にも痛覚はあるらしく、その人形は床を転げまわった
片腕の無い人形、来たときはもっと整っていた体も今は無残な姿に
なっている
人とは他人を害して生きるのである
その人形は自分を蒼星石と名乗った
「これから、よろしくお願いしますマスター」
元気のいい声だった
新しいマスターとの出会いの日
その日、その人形はとても楽しく凄した
最初で最後の楽しい生活だった
次の朝
「起きろっ」
その男は鞄を開けて人形の頭を思いっきり踏みつけた
「あ、マスターおは・・・痛っ、痛いよマスター。やめて、いきなりどうして」
起きたのを確認するとその男は人形について来るように言った
着いた先は台所であった
「お前は俺の奴隷なんだろう?だったら何か作れ」
「マスター、いきなりどうしたの?昨日はあんなに優しく―
言葉が終わらないうちに人形の腕にはクギが刺さっていた
「う、ああああぁあぁぁああl!!!!!!!痛いっ、痛いよー!!」
泣き出す人形、しかし男は表情一つ変えない
ただ一言
「黙れ」
人形は泣き止む
痛みを必死にこらえて
「俺はさっき言った。何か作れと。お前は口答えせずに黙って作ればいい」
恐ろしい目だった
この世の者とは思えないような目で人形は見られていた
「わ、わかりました」
そんな男の目に感化されたのか、人形は無意識のうちに敬語となっていた
「まずい」
「えっ」
「まずいと言ったんだ」
男が中身の入った食器を人形に投げつける
「痛っ」
人形に勢いよく当たる
「ろくに飯も作れないのか」
「ご、ごめんなさいマスター」
「まぁいい、こっちへ来い」
許してくれると思ったのか、その人形は少し笑顔になって
その男へと近づいていく。そして
「役に立たない腕なんていらないよな」
人形をつかんで耳元で言った
「えっ」
ばきっ
何かが折れた音
人形は自身に何が起こったか分かる前に
「ぎ、ぎゃあああぁあぁぁぁあああぁぁぁ!!!!!!!!」
痛みは襲ってきた
「痛いぃぃぃ、痛いよぉ、うわぁあぁっぁぁあ!!!」
人形の右肩から下は無くなっていた
「腕が・・・僕の腕がぁ・・・な、無くなっちゃったぁ」
人形は叫ぶ、力の限り
だが、男はその様子をやはり顔色一つ変えずに見下ろしていた
「ま、マスター・・・どうして」
人形は尋ねる
「理由は無い。俺がそうしたかっただけだ」
「そんな・・・うぅ」
痛みは引かない
「今度、使えないことがあったら・・・そのときは残りの四肢を一つずつ
もぎ取っていってやる」
その言葉に人形は絶望した
この人は違うと。このマスターは人間じゃないと
その人形は、蒼星石は、新しいマスターと会って
2日目にしてそのマスターによって片腕をもぎ取られたのだった
「お前は本当に使えないな」
左足に刺さったナイフを見ながら男は言う
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。マスター許してください
もう失敗しません。許してください」
足を刺された痛みに耐え、必死に許しを懇願している
しかし男は無言のまま、人形を持ち上げる
そして
ぶちぶちぶちぶちっ
左足は引きちぎられる
「ぎゃあああああああああぁああっぁぁ!!!!げほっ、げほっ!!」
人形は叫ぶ、引きちぎられてもはや無くなった左足を見ながら
「ごめんなさい!!ごめんなさいぃぃ!!もうしないから許してください!!」
それでも人形は許しを請う
「痛いっ!!うわぁぁぁぁぁん」
泣き続けながら
男はその様子を見て人形を思いっきり床に叩き付けた
「ぐえっ!」
鈍い音と共に泣き声が止まる
人形は動かなくなった
かすかにぴくぴくと痙攣しているのがわかる
男は、無言のまま寝室へと入っていった
さらに3日後・・・
右腕、左足を無くした蒼星石は男の体を拭いている
その表情は絶望的な、一寸の光も届いてない顔だった
人形は双子の姉妹を思い出していた
翠星石
素直ではないが、本当はとても優しい
振る舞い言動のせいで嫌なやつと思われがちだが
双子である蒼星石には、彼女の気持ちは分かっていた
今は自由に立つ事さえも出来ない体になった蒼星石
翠星石がこれを見たらどう思うだろうと考えてみる
だがそれは逃避だ
いくら翠星石のことを思っても、今の状況にかわりは無い
久々に蒼虐待モノキタ━━(゚∀゚)━━!!
激しく期待
「つっ」「あっ」
考え事をしていたせいか、力が入りすぎてしまう
「てめぇ、やりやがったな」
男は睨み付ける
「ひっ。ご、ごめんなさい。考え事をしていてつい。」
だが言い訳も空しく、男は人形の右足を掴んだ
「いやだぁぁぁぁぁ!!!痛いのはいやだぁ!!!!」
必死に抵抗する蒼星石。だが
ぶぢぶぢぶぢっ
現実は残酷だった
「う、あ、ぎゃぁあああああああああああ!!!!!」
右足は付け根から抜き取られるような状態で折れていった
「すいせいせきっ!!助けてよっ!!!痛いのやだよー!!!!!」
自分の半身の名を呼ぶ。助けを求めて。
「助けてよっ!!誰でもいいからここから助けてよ!!!」
彼女は助けを求め続ける。無駄なのに。
今や体と左腕1本しか残っていない彼女が誰かに自分の危機を
知らせることは到底不可能だった
次の日からは蒼星石はほったらかしにされた
男は人形に興味が無くなったのか、命令はおろか見ようともしない
蒼星石は考えていた
何故、自分がこんな目にあっているのか
何故、誰も助けに来てくれないのか
他のドールは蒼星石がこんな目にあっていることなど知る由も無いのだろう
だが、蒼星石はそのことを考え続けた。
「何で、誰も助けに来てくれないんだよ」
その時、蒼星石の前方で物音がした
「誰っ」
突然のことに驚いき、声をかける
「もしや、僕を助けに来てくれたの?」
蒼星石は久しぶりに笑顔を取り戻す
「ここだよっ!僕はここにいるよ!!」
自分の場所が分かるように。
助けに来てくれた仲間に分かるように呼びかける
足音が段々近くなる
「こっちだよ!早く!」
出られる!出られるっ!
蒼星石の頭にはここから出られるという期待と、仲間が自分を助けに
来てくれたという喜びでいっぱいだった。
「もうここにはいたくないよ。こんな姿になっちゃったけど信じてた。
僕は、君たちが助けに来てくれると信じてた。」
だからなのかもしれない。
蒼星石は目の前に現れた姿を見て。
自分を助けに来た者の姿を見て。
絶望した。
「そ、そんな・・・」
蒼星石の目の前にいるのは1匹の鼠だった。
そもそもこれだけ部屋が散らかっているというのだ。鼠がいないとは限らない。
鼠は蒼星石に付いた食べ物のに臭いを嗅ぎ取って現れたのだ。
「こ、来ないで・・・」
蒼星石は怯える。普通ならどうってことない鼠に。
「来ないでよぉ・・・」
恐怖が体を支配する
「嫌だ・・・嫌だ・・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」
鼠が口を開ける
「嫌だぁぁあっぁああ!!!!」
そして鼠はその人形の頭に噛み付いた
ここまでで一旦止め
プロットも何も練らずに直書きしてるのでだいぶ変なところが
あると思いますけど大目に見てください。
あと蒼星石好きは先に謝っときます。御免なさい。
カタルシス感じたかったんです。
残りは明日にでも、やっぱり直書きで書きますので。
読み返すと不自然なとこ有りまくりだ・・・
誤字も酷いし・・・
やっぱり直書きでも読み返したほうが良かったorz
こちらこそ割り込んでしまって申し訳ない…_| ̄|○
直球の暴力描写に萌えまくりました…蒼虐待SSは
原点復帰って感じで良いですね。残りも楽しみにしてます。
そういやここ虐待スレだったんだよな
GJ!!続き待ってるよ
良作だったから寝れなくなっちゃったよ
おぉ、久しぶりの正統派虐待もの、しかも蒼星石w
激しく期待してます
516 :
509から:2005/12/05(月) 19:04:56 ID:LF/w0zcO
「蒼星石、お茶を入れて頂戴」
赤い服を着た人形が前方に話しかける
「わかったよ、真紅」
話を聞いたショートカットの人形はいそいそとポットを戸棚から取り出した。
「銘柄は何にする?」
「そうね、オレンジペコあるかしら」
「ちょっと待って・・・・うーん、無いみたいだよ」
蒼星石は戸棚の中を調べながら言った
「じゃあ、あなたが選んでくれて良いわ」
真紅のその言葉を聴き、蒼星石は近くにあったダージリンの箱を手に取った
「出来たよ真紅」
蒼星石はポットを手にし、テーブルへ近づいた。
そして、真紅専用カップに丁寧に注ぐ
カップに透き通った綺麗な色の液体を真紅はコクンと飲む
「ん、美味しいわ」
素直な感想だった
「最近は雛苺が入れる紅茶ばかりだったから、なおさら美味しく感じるわね」
ふっ、と軽く笑いながら話す。
「あはは、ありがと真紅」
自分の入れた紅茶を評価されて蒼星石は少し照れている。
「雛の淹れた紅茶もおいしいはずなのー、きっとそうなのー!」
そのやり取りを見ていた可愛らしい人形が叫びながら真紅たちの方へ
駆け寄ってきた。
「こらー、ちび苺!待ちやがるですぅー!!」
可愛らしい人形に次いで、それを追っかけるように長髪の人形がやって来る。
その手には落書きをされたジョウロが握られている。
「雛が淹れた紅茶は一番なのー!」
その人形は飛び跳ねながら真紅に訴える
「そんなことよりこれどうしてくれるですかー!!」
翠星石はさらに大きな声で雛苺に対して訴えている
「全く・・・・騒々しいわね」
真紅はその様子を見て呆れているようだ。
「全くだね」
蒼星石も同じく呆れている。
しかしその心は楽しさとうれしさと、そして温かさでいっぱいだった。
「いつまでもこんな日が続きますように」
蒼星石は誰にも聞こえない程度の小さい声でそう言った。
ガリガリガリ
ガリガリガリ
ガリガリガリ
ガリッ
「うわぁあああ!!!!」
一際大きな音がして正気が戻る。
「止めて!!止めてよぅ!!いい子だから、止めてよー!」
蒼星石の目の前には一匹の鼠がいる。
その鼠は人形の頭、顔を中心にあらゆる所を噛み付き、齧っていた。
その被害者である蒼星石は、最初に齧られたときの痛みと
絶望によって意識を失った。
「齧らないで、噛み付かないで!!おいしくないから!!
僕なんて食べてもおなか壊すだけだから!!!!」
どうにか鼠を放そうと必死にあがく蒼星石
しかし、左手一本ではろくに引き離しも出来ない。
それどころか鼠に(敵)という認識を与えてしまっていた
「あ、ぁ・・・」
意識を失ったときに見た何かを思い出そうとする。
幸せな自分がそこにいた
もしもの話、IFの世界
もしかすると、こんな地獄じゃなくさっき見ていたような
幸せな世界があったのかもしれない。
だが、現実は無残にもそれを考えている頭を壊していく
「ぎゃぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
物凄い叫び声を挙げて蒼星石は叫んだ。
それは今までの、どれよりも大きく長い叫び声
鼠は人形の目を齧りだしたのだ
「あああぁぁぁぁぁああぁぁぁあ!!!!!!!」
未だ続く叫び声は終わりそうも無い。
男は無言で飯を食べている。
傍らには常に木刀を置いていた。
いつでも、誰が来ても自分の身を守れるように。
それが自身のアイデンティティでもあったからだ。
男は喋らない、決して喋らない。
ただ、無言で飯を食べているだけだった
ごめんなさいホントごめんなさい。
>「齧らないで、噛み付かないで!!おいしくないから!!僕なんて食べてもおなか壊すだけだから!!!!」
なんか一人漫才みたいで不覚にも笑ってしまった。ごめんなさい。
男は一人で生きてきた。
自分でやらなければいけない事、他人に任せてもいい事。
皆で協力してする事。
全部全部一人でやってきた。
その理由の一つは、その男は他人を信じられないからだった。
言い換えれば、男は他人へ、自分以外の全てに絶対の恐怖を持っていた。
何故、男がそのような者を持っているかは分からない。
男自身にも分からなかった。
ある時、男は親からハムスターを与えられた。
自分の子供が閉じこもり、全く他人を見ようとしないのを親が心配しての事だった。
ペットと接する事で少しでも子供を明るくさせたいと思った。
それから、男はハムスターと遊ぶようになった。
親もその様子を見て安心した。
しかし、日に日に弱っていくハムスターはたった1週間で死んでしまった。
いや、殺されてしまった。
無残だった。
体中の毛は毟り取られ、指は無かった。
生き物だったそれを手のひらに乗せて、男は親にこう言った。
「こいつ、壊れちゃった」
「ああああああああああああああああ!!!!!」
蒼星石は叫ぶのを止めない。
ようやく鼠が目から口を離した。
「うぅ・・・ぅ・・・ぁ」
それによって叫びも少し止む。
だが、鼠は今度は左腕を齧りだした。
男は2つ隣の部屋にいた。
先ほどから聞こえてくる悲鳴のせいで我慢の限界に来ていた。
男はそばにある木刀を持って、蒼星石のいる部屋へと向かった。
「うわぁあぁぁぁぁぁ!!!!」
左腕を齧られている蒼星石は再び叫びだしていた。
部屋のドアが開いた。
今までどれだけ叫んでもやめようとしなかった鼠がその音を聞いた途端
凄い勢いで部屋の奥へと消えてしまった。
「おい」
男は声を掛けると同時に蒼星石の左腕を掴み持ち上げる。
しかし蒼星石は答えない。
そして気づく、その人形の姿がさらに変わっていることを。
「ぼろぼろだな」
男はすこし笑っていた。
「喋る人形だから、と思っておいてはいたがここまで壊れちゃな」
そう言って、男は蒼星石の左腕をもぎ取った。
ばきっ
折れる音がする。
「ぅ・・・ぁ・・・」
最後の腕を折られたにもかかわらず蒼星石は無反応だった。
人形の、蒼星石の心は完全に壊れていた。
「さて、どうするか」
何も反応しなくなり、ただ時々声が漏れるだけの人形を見て男は考えている。
「このまま捨てても良いが、気持ち悪いな」
四肢をもぎ取られ、顔は滅茶苦茶なその人形を捨てるということは決まったようだ
「おい、聞こえないのか」
蒼星石は反応しない。
反応を無いのを見ると、男は壁に思い切り投げつける。
「ぐぇ」
息が急に漏れた声がした。
「今からお前を捨てに行く。最後に何かしてほしいことはあるか」
男は笑いながら言った。
壊れた体
壊れた心
そこに、わずかだが理性は存在していた。
「・・ぁ・・・ぅ・・・ぁ・」
蒼星石は、彼女は信じていた。
かつて、一緒にいた仲間たちを。
しかし、その期待は全て崩され彼女は無残な姿になっていた。
「んん、はっきり言わないと分かんないぞぉ」
必死に何かを言おうとしているような彼女を見て、男は笑っている。
「ぁぁぁ・・・ぅぁ・・・」
「そうか、何も無いのか」
彼女が何も言わない、言えないので男は勝手に頼みは無いことにした。
「それじゃ」
男は言う
「さよならだ」
ザー ザー
雨が降っている
ザー ザー
町外れの森、その中に彼女は居た。
男はもう居ない。自分の家へ帰ったからだ。
「ぅぁ・・ぁ・・・」
彼女には何も分からない。
どこに居るかも、もはや自分が誰なのかも分からないのかもしれない。
そのまま数時間が過ぎて夜が来た。
彼女は光を伴っていない右目で空を見ている。
正確には見ていないのだが。
「・・・・ぁ・・・・・・」
彼女にはもう何も分からない。
段々弱っていく体のことも全く分からない。
彼女の命、ローザミスティカはその輝きを失いかけていた。
徐々に弱々しくなっていく輝き
その中で彼女は目にした。
キタコレですね。
「・・・ぁ・・・ぁぁぁぁ・・・ぁぁぁぁぁぁぁ」
目の前には翠星石が居た。
何も分からないはずなのに、蒼星石は涙を流している。
翠星石はゆっくりと近づき、蒼星石に言った
「よく・・・良く頑張ったです、蒼星石」
翠星石の足が地から離れる。
「頑張ったです、蒼星石は。だから、みんなで迎えに来たです」
翠星石の後ろには他のドール達がいた。
真紅、雛苺、金糸雀。水銀燈までもが。
「頑張ったわね、蒼星石」
「蒼星石は凄いのー」
「本当、凄い頑張ったかしら」
ドール達は口々に彼女に話しかける。
「良く、耐えて、頑張ったわね。
体、壊れちゃってるけど、アナタはジャンクなんかじゃないわ」
水銀燈が近づきながら言った。
「さぁ、そろそろ行くです」
そう言って、翠星石は彼女の体を抱いた。
「さあ、行くわよ」
真紅が先頭となって空に向かい飛ぶ
それに続き他のドール、彼女も一緒に飛んだ。
「アナタにはまた紅茶を淹れてほしいわ」
真紅が言う
「雛ともたくさん遊んでほしいのー」
雛苺が言う
「一緒に楽器でもやらないかしら」
金糸雀が言う
「アナタとは話したい事が沢山あるわ」
水銀燈が言う
「これからは、ずっと一緒にいるです」
翠星石が言った
それを聞いた彼女は頷いて
「うんっ!」
返事をした
先が読める・・・
町外れの森の中に彼女は居た。
だが彼女はもう動かない、喋らない。
彼女のローザミスティカは既に輝きを止めている。
誰にも知られず、ひっそり彼女はここで眠っている。
ぼろぼろの体。ぼろぼろの顔。
しかし、彼女の寝顔はとても穏やかだった。
時が過ぎれば、やがて彼女は土に還るだろう。
その時が来るまで私は彼女を見守るつもりだ。
このひっそりとした森の中で彼女を見続けるつもりだ。
誰にも邪魔されないように、この場所を犯されないように・・・
ここからが私の本当の仕事なのだ
それでは皆様
ごきげんよう
以上、これで終わりです。
ここで一つ
やっぱり直書きはいけないと思います><
と、言いながらも結局直書きな訳ですが。
直書きの理由は、話自体を短く済ませようと思っていたからですけど
思いのほか長めになっちゃったようですね。
お陰で誤字やら矛盾やらが出まくりですが、気にしないでもらえれば幸いです。
>>537 全米が泣いた。激しく乙!
蒼星石にはどうしてこうも虐待話が似合うんだろうか…
また気が向いたら是非描いてやって下さい
ところで最後の語り手はラプラスの魔?特に設定無し?
539 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/05(月) 21:45:54 ID:9B6dryqq
温い虐待ですね
540 :
S&M:2005/12/05(月) 22:40:09 ID:7joJKeCT
その人形ならすでに腹いせに火にくべていた。
もはや灰しか残っていないだろう。
挽回計画、初っ端から頓挫!
私は頭を抱えてうずくまった。
上文が
>>471と
>>472の間に入ります
以下前の続き
翌日、結局昼まで待ってメールを打つことにした。
とりあえず仇は私と水銀燈の二人が命懸けで討ち、もう心配は
いらないこと、そして他の人形達は戦いに敗れて壊されたことを伝えた。
返信はすぐに来た。
お礼と先日のお詫び、そして私達ににケガはないかとの心配が記されていた。
私は山篭りで負ったいくつかの傷を瑞樹との戦闘のせいにすることにした。
また今後の付き合いを考え、水銀燈の下半身を損なうほどの健闘と、私が
それを継ぎ足したことを添えて送ると、重ねてお礼と心配のメールが届く。
これで少なくともお姉さんの好感度UPは間違いない。
後はお姉さんからジュン君にそれとなく伝えてもらえれば機嫌もどうにかなる。
いずれにせよ夏休みはまだ20日を残しているのだ。
早速勉強机に向かうと夏休みの間の計画を練り始める。
すると、わら人形やてるてる坊主を抱きかかえた
水銀燈が窓辺に腰掛け歌いだした。
「しね♪ しね♪ しねしねしねしねしんじまえ〜♪」
「・・・」
「黄色いブタめをやっつけろ〜♪」
「・・・・」
「金で心をよごしてしまえ♪」
「・・・・・」
「日本人は邪魔っけだ♪ 黄色い日本ぶっつぶせ♪」
ゴギンッ!!
「がああああっっ・・・!?」
ドサッ
大上段の一撃が水銀燈を庭に転落させる。
よりにもよって日本の伝統を守る我が柏葉家で死ね死ね団の
テーマとは、そのクソふざけた度胸だけは賞賛に値する。
541 :
S&M:2005/12/05(月) 22:52:50 ID:7joJKeCT
窓から庭を見ると散らばった人形達を泣きながら掻き集めていた。
室内の方に散らばったいくつかのてるてる坊主を投げ捨てる。
「いやああああああああああああっ!?」
途端に響く絶叫。 御近所に悪い噂が立ったらどうする!?
やがて人形を抱きかかえた水銀燈が部屋に戻ってきた。
「・・・なにあの歌は?」
綾辻の背でトントンと肩を叩きながら冷たい目で尋ねる。
「あ、あの・・・子守唄です・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・他にレパートリーは?」
「ありません・・・」
「あっそ・・・」
コイツは一体どんな人生を送ってきたのだろう?
仕方なく歌を教えてやることにした。
窓辺から御近所一帯に死ね死ね団のテーマなど流されてはたまらない。
下手な街宣右翼より性質が悪い。
声は美しいし、音感も見事なものだ。
後は歌さえ選べば良い歌い手になるだろう。
しかし困ったことに我が家にはろくな歌がない。
家柄から我が家には古いラジカセが一台あるばかりだ。
だいたいCD、MD全盛の時代にラジカセではどうしようもない。
旧家だからと言って流行にまで鈍感では化石のそしりを免れない。
年頃の女の子としてそれだけは避けたかった。
なによりジュン君になんと思われるか考えただけで恐ろしい。
「じゃあチューリップの歌を教えるわね?」
いまだに幼稚園や保育園ではよく使われる歌だ。
下手に流行物に手を出すより無難だろう。
なによりこれなら何もいらない、身一つで事足りる。
「チューリップの歌、ですか?」
「そうよ? 私に続いて歌うのよ?」
「はい。」
「オホン! 咲いた〜♪ 咲いた〜♪ チューリップの花が〜♪」
「・・・咲いた〜♪ 咲いた〜♪ チューリップの花が〜♪」
驚いた すでにして私より上手い。
なにより私のズレた音程を即座に修正し、より精度の高い歌声を流麗に紡ぎだしている。
「な〜らんだ〜♪ な〜らんだ〜♪ 赤♪ 白♪ 黄色♪」
「・・・な〜らんだ〜♪ な〜らんだ〜♪ 赤、白、き・・・」
「・・・?」
「・・・」
「どうしたのよ?」
「真紅ぅ〜! 金糸雀ぁ〜!」
「やかましいっ!?」
ゴギンッ! 「いぎゃっ!?」
どうやらすでにくたばった姉妹人形を思い出したらしい。
しょうがないので「ハトポッポ」を仕込むことにした。
これもあっさりとマスターし早速歌い始める。
「ポッポッポ♪ 鳩ポッポ♪・・・」
美しい音色
歌い手次第で歌がここまで映えるとは思いもしなかった。
ありふれた安っぽい歌も彼女にかかれば至高の旋律と化す
計画もそのままにしばし私はその歌声に聞き惚れていた。
ん? 鳩? ハト 雀・・・そうだ!
「水銀燈? こっちいらっしゃい。」
「はい? ただいま。」
「アンタ、雀は獲ったことある?」
「いえ?」
「獲れる?」
「多分・・・」
「じゃあ今からこの辺の野生の雀、片っ端から獲ってきなさい。
生死は問わないから。 ただし残さず持って帰ること、いいわね?」
「どうしてですか?」
「どうしてもよ。 早く行きなさい。」
そう言うと私はゴミ袋を手渡す。
彼女は黙って受け取ると黒い翼を広げ、窓から飛び出して行った。
すぐに見付けたらしく後を取り、確実に捕らえていく。
その見事な空戦機動に思わず感嘆の声を漏らす。
かつての零戦もこのように華麗に空を舞ったのだろうか?
「これで明日の朝から安らかに眠れるわね。」
私は安眠を破る毎朝のけたたましい雀の鳴き声を
思い出しながら水銀燈の飛んで行った空を眺め続けた。
「御馳走様でした。」
「ごちそうさまでした。」
食事を終えると揃って部屋に戻る。
前回の失敗を反省し、親に事情を話して飼う許可をもらったのだ。
尿意を催しトイレに向かうと、忘れていた疑問が頭をもたげる。
「そういえばアンタ達のお腹の中はどうなってるの?」
「? どういうことですか?」
「食べた物全然出さないじゃない? 雛もそうだったけどさ。」
「それは・・・ディラックの海に通じているとかなんとか・・・」
「なに、それ?」
「私もよくはわかりませんけれど・・・」
「入ってばかりで出てこないなんて、まるでブラックホールね。」
「ブラックホール? なんですか?」
「説明は面倒だからナシ。 それってなんでも入るの?」
「理論上はそうだと・・・あの、何を? あぐっ!?」
私は水銀燈の髪を引っ掴むと仰け反らせ、口の中に綾辻を突っ込む。
すんなりとはいかず何度か引っ掛かるたびに先端を掻き回した。
「あが・・・おぐっ!?、ぉごご! ぉがっ!?ぁががあっ!!」
「・・・大人しくしなさいよ?」
容赦なく木刀を突き入れる、水銀燈が涙目と手振りで訴えているが気にしない。
やがて、柄までが入るとそこから先に手応えは全くない。
「ぁが〜・・・」
しょうがないので木刀を引き抜く、先端は嫌に冷え切っているがそれだけだ。
「次はコレね?」
水銀燈が捕獲した雀達を取り出すと片っ端から口の中に詰め込んでいく。
チュンチュンチュン! 「あぐっ、がぐっ、うぐっ・・・」
調子よくどんどんと嚥下していく。
やがて十数羽の雀はすべて腹の中に消えた。
「・・・出て来ないわね?」
「はぁ・・・」
「何処行ったのかしら?」
「さぁ・・・?」
消化されてしまったのか? それとも異次元に飛ばされたか?
謎は深まるばかりだ
「逃がさないわよぉ」とか「つかまえたぁ♪」とか言って鳩や雀を捕食ない銀ちゃんなんて嘘だ。
「じゃあ、最後はコレね?」
「なんですか?」
「爆竹。」
「・・・」
私は火をつけると水銀燈を引き寄せる。
「そ、それだけはお許しを・・・」
泣き顔で哀願するが容赦はしない。 抵抗する水銀燈を
押し倒し、無理やり開かせた口の中に爆竹を押し込んだ。
バババババンッ!
「ぅぎゃああああああああああああ!?」
「うるさいっ!」
ゴギンッ!
絶叫する水銀燈を思わず殴りつける。
どうやら手間取ってる間に火が本体に達したらしい。
嚥下する前に爆発してしまった。
喉の辺りで材質ごしに明滅する閃光が見えた。
「夜中に騒いだら怒られるでしょ!?」
「・・・」
どうやら殴られた衝撃で気を失ったらしく、白目を向いて痙攣するばかりだ。
私はほっといて寝ることにした。
そして今朝目覚めると薄気味悪いママゴトを始めていた。
いまだ押入れの中で続行中らしく、くぐもった声が聞こえる。
停電時にしか出番の無い蝋燭に使い道が出来たのはいいのだが・・・
「ふぅっ・・・」
私はもう一度ため息をつくと今後の計画を練り始める。
そして計画に没頭するあまり、押入れの中の奇妙な
やりとりに気付くことはなかった。
暗い押入れの中に蝋燭のかすかな光が瞬く。
今にも消え入りそうな明かりを頼りに水銀燈は
わら人形や、てるてる坊主に話しかけていた。
その声は爆竹による損傷のためかしわがれ、
度重なる殴打のために全身はひび割れ、首はかしいでいた。
動く度にきしむ体は油の切れたカラクリのようだ。
そしてなにより
その目にはもはや正気はまったく見当たらなかった
彼女は今度こそ完全に壊れたのだ
体以上に 心が
「本当に怖いお姉ちゃんですねぇ〜真紅ちゃん?」
「・・・」
「あらあら、雛ちゃんもそう思うのぉ?」
「・・・」
「まぁ! 翠ちゃんそれはいい考えだわぁ!」
「・・・」
「うんうん、蒼ちゃんにもさせてあげますからねぇ♪」
「・・・」
「そう、今夜にでも・・・
・・・お仕置きしてあげなくちゃあねぇ?」
「 行 き 着 く 先 は ・ ・ ・ 」
完?
ここからは
>>422からの分岐です
今日もいい天気だ お父様を散歩にお誘いしよう
そう思いながらハーブを一枚むしりとる。
父に淹れる紅茶のために、一人ハーブ園を訪れていた。
本来ならばミーディアムにでもやらせるのだが今はいない。
そして今後、再びミーディアムを持つことがあるかどうかもわからない。
「ねぇ? 今日もいい天気よ。」
真っ赤なドレスに身を包んだ少女が
服に結いつけられた黒い羽に語りかける。
やがて彼女は家を目指し、ゆっくりと歩き始めた。
「 行 き 着 く 先 」 ノーマルルート
再び意識を取り戻したときは心底驚いた。
あれほどまでに思い焦がれた父が目前に居る。
最初は疲れた心が見せる幻だと、冷ややかとも言える
冷静さをもって懐かしい父の顔を見つめていた。
やがて語られる父の言葉からこれが現実で
あることを理解すると、途端に父に飛びついて泣いた。
人前で涙を流すなど、アリスを目指す己にあってはならぬこと
その決意、そして覚悟をこのときはじめて裏切った。
「水銀燈が?」
「そうだよ真紅。 水銀燈はお前こそアリスにふさわしいと言った。
いずれアリスとなる器だと。 一番に作り直し、早く見てやってくれとね。」
これにはさしも真紅も困ってしまう
つい最前に父の胸で赤子のように泣きじゃくったばかりだ。
自身の決意はおろか、水銀燈の期待をも裏切ってしまったことに
どうしようもない情けなさと慙愧の念を覚え、再び涙を流した。
「たくさんお泣き。 そして泣き足りたらまた笑っておくれ。
オマエの笑顔は薔薇の微笑み、この世で一番美しい。」
我が子をあやすようになだめる父の顔にかつての渇望や狂気が
もはやほとんど見て取れぬことに少なからず驚いた。
そして彼女は水銀燈を糧に、再び姉妹が甦ろうとしていることを知った。
「ゴメンなさいね。 ジュン、のり。 こんなにも遅れてしまって。」
時刻は深夜
世界が月光に染められる中、真紅は桜田家の墓前を訪れていた。
あれからすでに数ヶ月が経っていた。
鏡を抜けて日本に渡り、桜田邸を訪れたものの
もはや家は跡形もなく処理されたあと。
途方にくれた真紅はその場に居合わせた少女、
柏葉巴の協力でここに辿りついたのだった。
(貴方たちを守れなかった。 私が不甲斐無いばかりに。)
深い悔恨の念
それは己が生きるためにミーディアムを欲した結果でもある。
戦うことを是とする己の身勝手が、
戦いを厭うかよわい彼らを巻き添えにした。
‘ノブレス オブ リージュ’
高貴なる者の義務として彼らを守らなければならなかったのに
(水銀燈、貴女は間違ってたのかもしれなくてよ? 私にはアリスなんて・・・)
しかしその気弱な考えをすぐに打ち消す。
彼らはすでに逝ってしまった。 己の挫折は彼らへの冒涜でもある。
やがて真紅の胸を去来する暖かい思い出は彼女の胸を熱くする。
そして流した三度目の涙に誓う。
(私はアリスになる、必ず)
「そしたらまた来るわね? ジュン、のり・・・」
二輪の薔薇を添えると真紅は墓地を後にした。
真紅はnのフィールドを訪れ、姉妹達の亡骸を探した。
水銀燈が最後の力でかろうじて己一人は転送してくれたものの、
その他のドールはいまだこの地に眠っている。
早く待っている父の元に送ってやらなくてはならない。
荒野を駆ける真紅は姉妹の亡骸と共に一枚の黒羽を見つけた。
手に取って眺めていると、水銀燈のいつもの皮肉っぽい笑みが思い出される。
自分に向けられる激しい嫉妬の目、そしてどこか寂しげな後姿・・・
(貴女はもう、どこにもいないのね・・・)
心にぽっかり穴が開いたような奇妙な感覚
それを埋めるように黒羽を胸に抱きしめる。
ふと我に返ると、いまだに水銀燈の影を追っている自分に苦笑してしまう。
(こんなことだとまた貴女に笑われてしまうわね?)
でもいい
自分はまだ弱い
しかし決して挫けるワケにはいかない
もし自分に負けそうになってもこの羽が見ていてくれるなら――
「今はまだ甘えさせてね? お姉様・・・」
彼女は羽をそっと懐に収め、父の待つ家へと歩き始めた。
「なに?」
「私はアリスになります。 お父様。」
「・・・」
眼前の父の顔は心底複雑、そうとしか表現しようのないものだ。
「・・・もう、よいのだよ?」
たっぷり時間を掛けてようやく絞り出された言葉はそんなお粗末なものだった。
おそらく内心の整理がまったくついていないのだろう。
深い懊悩が手に取るようにわかる。
父の決断を促すため、言葉を続けた。
「水銀燈はアリスを望んでいましたわ。
自身のために、なによりお父様のために。」
「・・・」
「私も同じです。 今度こそ、アリスになりますわ。 必ず。」
「しかしそれは・・・」
「アリスゲームだけがその道だとは思いません。
完璧なる乙女・・・少しだけ、考える時間をくださいましね? お父様。」
「・・・ああ! それがいい。 私も自分が一体なにを追い求めていたのか、
もう一度ゆっくり考えてみよう。」
そういって二人して笑いあった。
思えば、父の理想と己の理想とは本当に同じものだったのだろうか?
そしてそれは容易く言葉にできるようなものだったのだろうか?
まずは「完璧」という言葉、その概念について少し考察してみようと
父の作業を眺めながら静かに思索にふけった。
551 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/06(火) 01:39:51 ID:vWJjhXis
ぬるま湯ですね
ハーブ園からの帰り道、色とりどりの花を見つける。
赤、白、黄色・・・
思わずのりが歌ってくれたチューリップの歌を口ずさむ
「・・・どの花見ても綺麗だな♪ そうね、本当に綺麗。」
(赤は私、白は水銀燈、黄色は金糸雀ね。
残念ね翠星石? 貴女の色はないみたい。 フフッ♪)
花弁の感触を楽しみながら、一つ一つの色と香りを確かめてゆく。
「本当に、どの花も綺麗だわ。
貴方達、とっても素敵よ?・・・・!?」
自らの独白にハッとする
どの花も・・・
そう、どの花も美しい 醜いものなどない
強いて言えば優劣をつけられるくらいだ
それとて己の主観にすぎない 真逆の評価をする者も居よう
もっとも美しい花とて欠点はある
逆に欠点が例えようもなく愛らしいものもある
まるで我々姉妹のように・・・
では 「完璧」とはなんなのか?
はたして「完璧」とは実現しうるものなのか?
そも「アリス」とは如何なる者だったのか?
なにか根本的な間違いをしていたような奇妙な感覚
少女は自分の思いつきを父に話そうと再び家を目指す
そして風になびく黒羽を見るや、その顔をほころばせる
(それでも一番美しいのは・・・きっと貴女よ? 水銀燈。)
やがて少女はゆっくりと駆け出して行った
「 行 き 着 く 先 」 正史・完
>>548 noblesse oblige
nobles obligation
オブで切ってはいけない。
>>553 ありがとう! オブってOFかと思ってましたモンで
とりあえずこれで二作目の『行き着く先』は「一応」終わりです
書いてみたい後日談(巴編)があるので続くかも
グッド・ノーマル・バッド、お好きな方で完結しちゃってください
御感想お待ちしております
>>S&M
とりあえずED三種完結乙カレ-。
で、とりあえずぶっちゃけた感想を書かしてもらおうと思うます。
今回のSSを読んでの総括した感想を一言に凝縮するならば、「とにかく長っ!」の一言に尽きるかも。
といっても本編の方が長い分には別に問題無いのだけど、その後の「グッド&バッド」の両EDが、
エピローグというには余りに想像以上の長さを誇っていたので、正直びびった&読んでて少々疲れました。
自分はいっぺんに読めなくチマチマと読んでたので、段々と以前の話の展開や台詞やら忘れてしまったりも・・・
正直なとこ、ちょっと冗長気味かな?と感じました。両ED中のココ!というオチ所も今一見えてこなかったです
あと、それぞれ「グッド」、「バッド」という割には、
グッドも余りGOOD!っぽい印象がなく、バッドもBAD!というには要素(濃度?)ちとが薄く感じました。。
確かに片方は小説オチで全員健在であり、片方は悲惨な状態ではあるのですが、
共に同調子のギャグテンポで進行したせいなのか、結果的に似たような印象に落ち着いてしまった気がします。
あえて「ノーマルED」までも用意してあるのだから、両ED共にもっと極端にはっちゃけたGOODっぷりだったり、
超悲壮感漂うオチにしたりしても良かったんじゃないかな?・・・と思いました。
で、ラストの「ノーマルED」ですが、さすがに『正史』と言うだけあって、本編からの繋がりがもっとも自然かつ、
EDとしても最も相応しいオチになってるなー・・・と素直に感じました。
長さも丁度良く、内容も読みとりやすかったし、自分はかなりイイ終わり方だと思いましたさ。
今回の『行き着く先』については、グッドバッドをあえて無くし、
真面目一直線になってしまうけど『正史』のみのEDだけでまとめてしまっても良かったんじゃないかな?
・・・というのが、自分の今回このSS全てを読んでの感想になる、のかな。
何か偉そうな事を長々言ってスンマソン。あくまで個人的な感想だからって事でどうか許し手屁ッ
文句ばっか言ってるように見えますが、自分も全体通して楽しく読ませてもらった事に変わりなく、
次の投稿ももちろん期待して待ってますんで、そこんとこコンゴトモヨロシク
しかし、メチャメチャ長い上に読みにくい感想になってるな・・・
しかし追加感想書k
〜こりずに追加感想〜
異端っぷりを発揮する為に極端に独自の個性を強調した(と予想)っぽい敵人形ですが、
強調しすぎてちょい・・・というか、かなり過剰に存在(主に言動が)浮いてしまってるような気がします。
最初は「鎧武者のジジィ人形?」辺りが脳裏に浮かんでましたので、
脳内イメージと、作中デザインとのイメージのギャップに悪戦苦闘しました。何とか乗り越えましたg
「瑞樹」という名前も普通に現代名っぽい感じで気になったのですが、何か由来でもあるのでしょうか?
>>557 題名のところのJUMで吹いたw
超GJ!
>>557 天 才
俺の糞SSの800倍はおもすれーよwwwww
―――以下ネタバレにつき未読の方は読まないで下さいいやマジで―――
しかしよくうすた氏の作品を研究していらっしゃる。
>>558氏に同じくJUMバロスwww
真紅の「なんでー!?」の顔、人工精霊、かしらーが凄いよちょっとwww
絵もヤバイ巧いし、ラストのかしらーはシュール過ぎwwwwww
うすたのパロとしては十分過ぎる出来だし、正直モノホンの漫画家さんにしか思えない。
いやぁしかしホント素晴らしい感性を持ってらっしゃる。見習いたい物です。
突込みがちょっと強引
>>557 GJ!
JUM会話する気全く無いなww
>>538 最後の語り手は特に決まってないかな
世界そのものと思っていただければそれで。
>>S&M氏
お疲れ様です
ED3種類それぞれ全然違うというか、それだけでED前の印象も
だいぶ変わってきますな。
あと、バッドEDの最後がちょっと好きな終わり方でした。
\ / | || ト \ ',
Y | / /l ヽ | \ \ |
′ ,′ / / ! |\ 、 \ ,. -‐ i\―-| | |
| / /_/__', 、 \\ へ、 | ヽ | | |
| _, / イ/ /― \ヽ \\ ィ>=ミ=ハ | / |
| / //イ ̄卞ミ \ 〃i _ィ:::y } ∧| / |
! //rセ {_ イ:::}」} \ ヾ ノ,. / / |
i / \ ` 丈_ノ ヽ  ̄` / / ′
/ \ \" ̄ i〉 / | ,′
'. \ \ / / /
'. ` ー一 _ イ / /
ヽ \ ´ / // / もっと虐めてみせてよ
\ \ \ / /' / /′
\ \ > ,._ ,. ' |ノ ヽ / /
\ ┌:/lヽ/ `ヽー / Уく
_\/ノ'" / } / / \
∧_/\ { / \__f⌒ヽ
/ r‐' ( >' ,二.rく ―‐、 <⌒ヽ丿 └┐
| / Y´ イ /トく ̄\\ ___) /n_厂
>>555 御感想ありがとうございます。
言い訳さしてもらうと、それぞれが長いのは単純に量が多いのに加え、
見易さを優先して改行を多用し、行も全て使い切らずに終わるのもあります。
BADのギャグテンポの御意見はビンゴで耳に痛いですねw
実は自分も当初はそのつもりだったのですが
「自分は実は虐待モノが書けない」ことに書き始めてから気付き、
巴を暴力女にすることでなんとかバランスを取ろうとした結果です。
最終的に水銀燈による陰惨な復讐を匂わせるENDで雰囲気を
出そうとしたのですが・・・・大失敗でしたw
その後、反省からスレの趣旨にも合った蒼星石虐待モノに挑戦したのですが
あっさりと敗北し、蒼星石エロSSになってしまいました・・・
GOODは個人的には気にいっており、好きな作品です。
ノーマル構想は最初からあったものの煮詰まらず、最後の最後になりました。
結果として正史にふさわしい出来栄えだと自分でも満足しています。
ヒマがあったらまた読み返してやってください。
瑞樹は最強人形、水銀燈を苦しめるために生み出した美しい日本人形です。
口調から誤解させたようですね。
トロイメントも見られない環境がら噂の薔薇水晶をライバルとして使えず
初っ端で使い捨てることになりました。 その代役です。 名前は適当w
>>562 長々とお付き合いありがとうございました。
ヒマなときにでもまた読んでやってください。
ここであえて空気を読まずに、蒼い子のほのぼの話が読みたいと言ってみる
567 :
憂鬱な人:2005/12/07(水) 20:18:50 ID:TOR1/RWu
百合はこのスレOK?
うはwwwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwww
銀ちゃんテラモエス
個人的には貝合わせは不満なのでふたなりでヨロ
今更だが、
>>虐待蒼
ナイスだ!
特に、左手が残っているのにも関らず
鼠を払いのけられなかった点が素晴らしかった
どれだけでかい鼠だよ…
スーパーラットテラワロルw
/::::::::::::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::;;;_/:::::::,/::::::::::::::::::::::::::l|::::::::|_;;:::::::::::::::
/::::::::::::::::::/´/:‐:/L::_:::::::::::_;;:::-::|‐!:':´|ヽ:::::::::::::::
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{:::::::::::::::::::l !::::::::::::l 丶 l:::::::::::::::l l::::::::::::
>>573 ヽ、::::::::::::::l |:::::::::::::l l::::::::::::::| l:::::::::: 黒くて手袋をしたネズミを出します
丶、::::::ヽ. l:::::::::::::l l::::::::::::::l /:::::::::
/:::::::>-ゝ ヽ:::::::::ノ ヽ::::::::ノ /::::::::::::
/::::::::/  ̄  ̄ /:::::::::::::::::::
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/ --- 、:::::::ヽ、 /::::::::::::::::::::::::::::::::
l´ \::::::::丶、 レ ⌒ 丶、:::::::::::::::
\/  ̄´ ¬―,---------t‐::'\:::::::::::
, ' ´ | | ̄l::::\:::::
, '´ / ̄ ´丶 , -‐'´ 丶、::ヽ:
ヽ、:::::::::::::_/::::::::::::/ / ⌒ ヽ¬−'´
 ̄ /:::::::::::::::::l /⌒ヽ l:|
l::::::::::::::::::l .l l /⌒'l l:l
l::::::::::::::::::l l _ l l l l:l
l::;, -ー 、::l |l´::::l l レヽ l .l:l
/ ヽ l::::::ノ_/__ |:::::l,/ l::l
l _ /`フ::::: ̄`ヽ< ∠く
l  ̄| 〈:::::::::::......:::/ _ l
ヽ ヽ `ー-─ ´ ,/) ./
>>574 AA貼るならもっと上手く貼ってくれ。つーかローゼンのAAじゃねぇし!
そいや、総合SSスレなのに「ウォォ〜アンマァ〜キャッキャッウフフ」的なノーマルSSてほとんど投稿されてないのな
エロでアンマァ〜なのは(エロパロスレで)たまに見る位で。
アンマァ〜分はふたばのスクリプトネタで十分補充できてるから別段飢えてはいないんだが、
やっぱお前らの書いたSSでのアンマァ〜なネタも読んで見たいぜ。
まぁ元は蒼星石虐待スレだったしな
ふたばの蒼好きの高さは異常
ども。先日自作絵をうpった者です。
どんな批判が待っているかとガクブルして覗いてみたら意外と好評だったのでホッとしたww
俺は誉められると調子に乗る単細胞タイプだから、調子に乗って続きを描いてみるおww
ヘタレ絵しか描けない俺にはSSは描けないが、クオリティの高いこのスレの職人や住人の軽い息抜きになれたら幸い(´・ω・`)
ワクテカして待ってるお( ^ω^)
はい、いつまで経っても友人に貸した一期が返ってこないので山本君が書けませんor2
じゃあおいらもこの流れに乗っ取って漫画でも載せてみるかな
581 :
修業僧:2005/12/09(金) 17:05:38 ID:TpgKPXGD
じゃあ俺は断念したSSを途中から書き直そうかな
保守
>>583 たぶん、某巨大掲示板関連だったと思う。
どこで拾ったか忘れた。 ごめん・・・
○某巨大掲示板関連
×某巨大画像掲示板関連
保守
| ̄~@ヽ
|iliハiliハ
|)-゚ノ从 ダレモイナイ・・・
|,,ξ,,,iハ ジコショウカイスルナライマノウチ
|
r@" ̄~@ヽ
/ノリliliハiliハ
ノ从リ@-゚ノ从 ワタシハドーゼンメイデン
ノ从とi,,ξ,,,iつハ ダイナナドードゥバダスイショウ
ノリ从く,,,,ξ,,,,>リ从
UU
|
|
|
|
|
|ミ サッ
|
急に過疎スレになったね。
アニメで何かあった?
589 :
熊の蒼星石:2005/12/12(月) 19:21:23 ID:nwFAQRg2
作品投下されてないからね
590 :
修業僧:2005/12/12(月) 20:05:08 ID:cabSFlPd
忙しくて書く暇がない(-.-;)
冬休みになったら、勉強しなきゃだめだし…
誰か時間をくれ
591 :
S&M:2005/12/12(月) 20:49:52 ID:TV5CG5S6
規制されてて書き込みたくても書けなかっただけっすわ
二作も書いちゃったよ・・・・
そろそろ三作目逝くか
蒼い子に死にフラグが立っちゃったから…
アニメ視聴はちょっと気力無くなって来たかなぁ・・と愚痴りながら夢の中で蒼い子のティムポちゅばちゅばしてます(*´Д`*)
594 :
修業僧:2005/12/12(月) 23:23:04 ID:cabSFlPd
俺は原作派だからアニメなんてどうでもいいや
むしろただの萌アニメになってがっかり
蒼い奴も漫画では結構色っぽいし、攻撃的と言われているが結構優しいと思う。
って、スレ違いか
原作の回想場面で、翠星石がりんごを取ろうとして転んだ次のコマの蒼の顔が怖かったのはここだけの秘密。
>>588 このSSスレ特有の流れだから気にしない
>>594 スレ違いだとわかってるなら最初から書かないでくれ
原作厨のアニメ叩きもその逆パターンももう聞き飽きた
アニメ・原作共に好きな奴の気持ちも少しは考えてほしい
何のためにアンチスレが別にあると思う?
熱くなってごめん、以下いつものSSスレで。
これくらいならアンチって程でもないでそ
感想の個人差で済む範疇
ここってエロSSもOK?
過剰反応は止めたまえ
アンチ、叩き、信者、称賛
そのどれもが、見習うべき点であり
新しい見解を知るチャンスでもあると思う
それをどうとるかは、まさに
>>597 なんだが
割り切れよ…
でないと…
>>598 ローゼンのアンチスレは他作品の所謂アンチスレとは少し違う仕様なんだわ
てか俺も他スレで似たようなの見すぎてイライラして過敏になってた
マジでスレ汚しすまん
>>599 過去の流れから言えばエロも虐待モノもオールOK
一応エロパロにもスレあるのでそちらも良ければ
603 :
修業僧:2005/12/13(火) 06:51:52 ID:UFPHs/Gk
そんなに深い意味はなかったんだけど、不快にさせて悪かった。
今後気をつけるよ
ローゼンは同じファンの間でも裏ではかなり空気がピリピリしてるふしもあるからな。
「同じくローゼンを楽しんでいる」といっても、場所によって全然「空気」自体も「楽しみ方」も別モンだし。
その場所々でその空気と同化して楽しむ分にはいいが、その空気を別の場所に持ち込むのは混ぜるな危険
・・・という事だな。トラブルは起こさないにこした事はねぇですよ、と。
受け取り方は人それぞれということか?
ところでローゼンのSSがあるところはどれぐらいしってる?
こことふたば除いて見つけたのが24サイトだ
探せばけっこうあるなっと思った。
しかし検索してて思ったけどクロスの作品が少ないのは
どうしてなんだ?
クロスって何だ?
クロス⇒交⇒ウボァ?
この際だから別の見解を…
アニメの蒼は色気ないと言うけどそうかなぁ…あの表に出さない中から垣間見える魅力が蒼の持ち味だと思う。帽子取った時はかなり可愛いと思ったのは自分だけですかねぇ…?
まあ蒼の存在自体が表に出ない→最期に一瞬だけの晴舞台になりかけているわけですが…
>>604 確かにな。特に原作主義者と
>>597のようなアニメ・原作両方好き、
もしくはアニメオンリーの人間の間の空気が悪いように見える
原作スレだとちょっとアニメの話題が出ただけでキレる輩がいるし
それぞれ別のものと割り切ってみんな仲良くできたらいいんだけどねぇ
>>607 原作は髪が乱れ気味だから色気に拍車がかかってるように見える
アニメ蒼も色気が無いという訳ではないよな。暗い表情がそそる
原作の蒼は、マスターの命令だったら髪が乱れるのも気にせず情熱的にチュバチュバしてくれそうでエロス
それにしても登場時のジジイは翠星石の事ボロクソに言ってたなw
タイトル:名無しの灯火
ある公園に、一匹の実装石が居ました
その実装石は、他の実装と比べると非常に頭がよく
今まで、人間に捕まった事が一度もありません
彼は、仲間達が人間に虐めらてるのを見て、学んでいたのです
人間は、恐い生き物だと
そんな実装にも、ある転機が訪れました
彼は、いつものように御腹を空かせ公園を彷徨っています
ゴミをあさり、仔実装を探し、蟲を食らおうと…
そして見つけたのですーーーー美味しそうな飴玉を
しかし、実装はそれに飛びつこうとはしません
まず、周囲を確認して人間が居ないか確かめ……っとやはり実装
仲間を見つけたとたん、素早く飴玉に飛びつきました。
「でっですん♪」
美味しそうに、飴玉を頬張っています。
「デデッ!?」
何か言葉を発した瞬間、実装は口の中から緑色の体液を嘔吐しました
「デベェッ… デベェッ…」
その目は血走り、口からは大量に吐瀉物を撒き散らし、排泄肛からも大量の糞尿を撒き散らしています
数秒間、体液を周りに吐き散らして、彼は前のめりになって地面に倒れこみました
その一部始終を、草むらに隠れていた二人の人間が監視していた。
「おし! 俺の勝ちだ!」
「マジカよ〜、やっぱ糞蟲だはあれ… んとに使えねぇ」
「へへっ、悪いね♪」
彼らは、目星の付けていた実装が、
実装コロリを食べるのかどうかという賭けをしていたのです
「やっぱ、之が決めてだな」
男は、実装人形を取り出し、ゆらゆらと左右に振った。
「クソッ… マジに気分わりぃ」(ドゴッ)
男は、地面に横たわった実装を蹴り、天高く舞わせ
実装に微かに残った生命という灯火を散らしてしまった。
〜fin〜
>仔実装を探し、蟲を食らおうと…
上手くまとまってGJでつが、↑ここだけ説明ぷりーず
仔実装を見つけたら食べる
蟲… 実装の変化形態を見つけたら食べる
要は、彷徨う理由ですね
(言葉が思い付かなかったとです… すんません)
ってか、この文にレスが来るとは思わんかったw
どうみても駄作です。
本当にありがとうございました。
〜しました。と〜した。みたいに、文体が変わるのもちょっと引っかかったかも。
実装石かわいいよ実装石。
デスゥデスゥ!(ジタバタ)
ムチュッチュパッ・・ゴキュッ・・・デフゥ・・
615 :
修業僧:2005/12/13(火) 23:06:12 ID:UFPHs/Gk
ちょっと聞きたいけど実蒼石とかいうのは存在してる?
いるっちゃいる…と思う。ほとんど見ないけど。
ていうか元ネタなに?
たしかどこかの画板にあったドールズ(薔スィ除く)が投げキッスしている絵(銀の尻が悩ましげでハァハァ)の下段の雛と金の右にドールの腰位までの大きさの翠の格好したのが載ってたけど、多分あれだよね?実装石って…
蒼と混ぜたようなキャラなら別に良かったんだけど、純粋に翠を不細工にしたようなあれは個人的にはちょっとどうかと思う…特にあの翠並みの髪が妙に引っ掛かる…
実装石は翠星石のイラストを集めて作ったネタで、
実装された運用ってところにあの絵があって、
いつの間にか独立したキャラになったんだよ。
なるほど、そういう経緯があったんですね。なんかよく知らずに感想ばっかり並べてスミマセンm(__)m。
「大嫌いだった……。」
胸の奥底に響く悲しい台詞。
あの日から繰り返し見る夢。思い起こされる惨劇。
むせ返るような薔薇の香りの中で、起こった忌まわしい出来事。
蒼星石はもういない。
ローザミスティカを失った彼女は、もう二度と動くことはない。
覆すことのできない事実は残酷に翠星石を襲う。
「蒼星石……。」
瞳から涙がこぼれる。
蒼星石と対になっている、紅と緑のオッドアイ。
一筋では収まらず、幾筋も幾筋も、涙の川は頬の上を流れていく。
「大嫌い……だけ…ど……誰より……大……」
このときの蒼星石の台詞を、翠星石はよく覚えていない。
『誰より大好きだよ』と、彼女は言おうとしていたのだが、
この直後、水銀燈によって蒼星石のローザミスティカを奪われてしまったことの方が
翠星石にはより衝撃的だったからだ。
悔やんでも悔やみ切れない想いを抱え、翠星石は今日もまたあの日の夢を見ていた。
暗く、冷たい闇の底。
翠星石は膝を抱えて泣いていた。
自分に対する怒りと蒼星石への切ない想いに身を焦がしながら。
あのときのことに関しては、水銀燈に対するよりも、自分に対して翠星石は怒っていた。
勿論、水銀燈が憎くないわけではないが、油断していた自分が悪いのだと、
一番近くにいたのに油断していた自分が悪いのだと、今でも自分自身を責め続けているのだ。
そんな翠星石の元に、一筋、光の糸が下りて来ていた。
気付いた翠星石が顔を上げると、ふわふわとした雲のようなものの上に、
蒼星石の姿があった。
「駄目だよ。この暗闇でそんな顔をしていては、悲しみに呑まれてしまう。」
凛と響く声は間違いなく蒼星石のものだった。
光の糸は彼女の右手の指先から下りていた。
思わずその糸を掴みながら、翠星石は叫んだ。
「蒼星石……!」
少年のように凛々しい姿。涼しい目元。
そして、誰より大好きな笑顔がそこにあった。
「そう。蒼星石……。僕の名前だね。名前なんて便宜上の些細なもの。だけど、大切なもの。」
どこともなく遠くを見つめて自分の中の古い記憶を呼び覚まそうとする蒼星石。
そんな彼女に若干戸惑いを覚えながらも、翠星石はもう二度と会えないと思っていた
蒼星石の姿を、瞳に焼き付けるかのようにじっと見つめた。
すると、蒼星石は光の糸を手繰り寄せ、翠星石を引き上げた。
翠星石は軽い人形なのだし、ここは夢の中。
いともたやすく翠星石は、蒼星石の乗っている雲の上に引っ張り上げられていた。
「君が呼んでくれたおかげで、僕は大切な自分の名前を思い出せた。ありがとう。」
首を少し傾げると、サラサラとした髪が揺れる。
蒼星石の無邪気な微笑みに、翠星石は少し顔を赤らめた。
両手をしっかりと繋いで、蒼星石が翠星石を見つめている。帽子はかぶっていない。
蒼星石の思いつめたような瞳に、翠星石が何故だか空恐ろしいものを感じた瞬間、
異常なほどに顔が近付いていた。
翠星石は思わず声をあげる。
「だ、だめですぅ! 蒼星石……! 姉妹同士で、こんな……こんなの……!」
「姉妹……? ああ……そうだったね……。僕たちは薔薇の絆で結ばれた姉妹……。
永遠の薔薇乙女たち……。そして、僕と君は特に仲良しの双子……。」
蒼星石は翠星石の頬を愛しそうに撫でながら、更に唇を寄せる。
「だから……こうするのが自然だろう……?」
翠星石は目を閉じた。
これからされようとしていることに抵抗感はあるが、翠星石にとって、蒼星石は大事な妹。
それも、姉妹の中でも特に大好きな妹なのだ。
蒼星石を傷つけるのが怖い翠星石は、抗い切ることができず、蒼星石の唇を受け入れてしまう。
一線を越えてしまった。翠星石にはもう残された砦などなかった。
執拗に繰り返される口付けに、体をまさぐる両手。
もう何をされても拒まなかった。
むしろ、自分からも蒼星石を求めてしまっていることに、翠星石は気付いていた。
「大好きだよ、翠星石……。本当に……愛してる……。」
蒼星石が甘く囁く声がはっきりと聞こえている。
翠星石は言葉でなく態度で表そうと、蒼星石の首に手を回した。
「翠星石! 翠星石っ!」
翠星石の開かれた目の前にあったのは真紅の顔だった。
真紅は湯気が出そうなほど真っ赤になって、少し怒ったような表情を見せている。
これほどまでに近くで彼女の顔を見たのは初めてだった。
それは、唇が触れる寸前の出来事だった。
「真紅……?」
未だ寝ぼけたままの翠星石は、真紅の首に自分が手を回しているのに気付いた。
慌ててその手をほどき、真紅を解放してやる。
すぐさま、真紅は高圧電流にでも触れてしまったかのようにさっと飛びのいた。
「の、のりがご飯ができたからって……。は、早く目を覚ましなさい。もう……。」
真紅の顔はまだ赤いままだ。
彼女は昼寝をし過ぎていた翠星石をただ呼びに来ただけなのだった。
なのに突然翠星石に抱きつかれ、唇を奪われそうになり、焦っていた。
ジュンも一部始終をはたから見ていて、いつになく冷静さを欠いている真紅の姿を笑っていた。
真紅はそんなジュンのすねに一撃与えると、部屋を飛び出していった。
残された翠星石は、まだ夢うつつの区別のつかない頭のまま、
先ほどまでの蒼星石とのことを思い出していた。
(夢って、自分の願望が表れるもの……ですよね。)
だとすれば、翠星石は深層心理ではあれを望んでいたということだろうか?
そのことを思いついたとき、翠星石も真紅に負けないほど顔を真っ赤にしていた。
「何変な顔してんだよ、性悪人形。」
嫌味ったらしいジュンの声に、はっきりと目が覚めた翠星石は、
真紅が蹴ったのと違う方のすねに蹴りを入れ、そそくさと部屋を出て行った。
(終わり)
625 :
憂鬱な人:2005/12/14(水) 05:32:42 ID:SBJVj1JA
>>571 どうもです。
遅くなりましたが書いてみました。
アニメ板なのに原作準拠になっちゃいましたが。
一応全年齢板なので過激な描写は慎みました。
ローゼンメイデントロイメントTV最終回
物議をかもしたテレビ版最終話。テキストと自己問答。
時に西暦2006年 ドールズの失われたモノ すなわち、心の補完は続いていた
だが、その全てを記すにはあまりにも時間が足りない
よって今は、蒼星石と言う名の少女 彼女の心の補完について語ることにする
CASE 3 恐怖 水銀燈「自分がいなくなる事」蒼星石「でもこんな自分なら
居なくても良いと思う」薔薇水晶「どうして」水銀燈「だって私はジャンクだもの」
蒼星石「やっぱり僕はいらない子供なんだ!僕の事なんかどうでも良いんだ!」
真紅「どうでも良いと思う事で逃げてるでしょ。失敗するのが怖いんでしょ。
人から嫌われるのが怖いんでしょ。弱い自分を見るのが怖いんでしょ」
蒼星石「そんなの、真紅も同じじゃ無いか!」
真紅「そうよ私達は皆同じなのよ」雛苺「心がどこか欠けているの」
水銀燈「それが怖いの」薔薇水晶「不安なの」真紅「だから今一つになろうとしている」
水銀燈「お互いに埋め合おうとしている」薔薇水晶「それが、アリスゲーム。」
白崎「人は群れていなければ生きられない」槐「人は一人では生きていけない」
雛苺「自分は一人しかいないのに」ジュン「だからつらいんだな」水銀燈「だから
寂しいのよ」真紅「だから心を、体を重ねたいの」薔薇水晶「一つになりたいのね」
白崎「人形はもろく弱いもので出来ている」雛苺「心も体ももろくて弱いもので
出来ている」 槐「だから、お互いに補完し合わなければならない。」
何故? 槐「そうしなければ生きていけないからだ」
本当に? 薔薇水晶「何故生きてるの?」 わからない 水銀燈「それを知りたくて
生きてるのかな」薔薇水晶「誰の為に生きてるの」水銀燈「もちろん私の為よ」
蒼星石「多分、自分の為に」 本当に? 薔薇水晶「生きていて嬉しい?」
蒼星石「分からない」薔薇水晶「生きていて嬉しい?」水銀燈「嬉しいに決まってるわよ!」
薔薇水晶「生きていて嬉しい?」真紅「楽しい事しかしたくないの」
ジュン「寂しいのは嫌いかい」蒼星石「好きじゃないです」ジュン「ツライのは嫌いかい」
真紅「好きじゃ無いわ」ジュン「だから逃げるのか?」真紅「そうよ嫌な事から逃げて
何が悪いってのよ!」蒼星石「逃げちゃダメだ」薔薇水晶「どうして逃げてはいけないの」
蒼星石「逃げたらツライんだ」薔薇水晶「ツラい事から逃げ出したのに?」
蒼星石「ツラかったんだよ」水銀燈「ツラい事が分かってるならそれでいいじゃん」
真紅「そうツラかったら逃げても良いのよ」薔薇水晶「本当に嫌だったら逃げ出しても良いのよ」
蒼星石「でも嫌だ!逃げるのはもう嫌なんだよ!そう逃げちゃダメなんだ」
真紅「それはただ逃げ出した方がもっとツラいと感じているからよ」
水銀燈「逃げ出したツラさを知ったから」薔薇水晶「だから逃げるのが嫌なのね」
蒼星石「だって逃げ出したら誰も相手にしてくれないんだ僕を捨てないでお願いだから
僕を捨てないで」雛苺「人の言う事にはおとなしく従うそれがあの子の処世術じゃ無いの」
蒼星石「そうだよそうしないとまた捨てられちゃうんだ」水銀燈「自分が傷付くのが
怖いんでしょ」真紅「そう思い込んでるだけでしょ」翠星石「傷ついてるのは蒼星石一人
だけじゃ無いのに」元治「難儀なんはお前一人や無いで」巴「そう考えると楽だから
そう思ってるだけね」蒼星石「うるさい!そんなの関係無いよ僕の事なんかどうでも良いんだ」
真紅「そうやってすぐ自分の価値を放り出す」薔薇水晶「私には何も無いもの」
水銀燈「まーた価値が無いんだと思い込む!」真紅「そう思って何もしなければ傷付く事も
無いのね」水銀燈「人に誉められる事で自分を維持しているのよ!」
蒼星石「誰も僕を受け入れてくれないんだ」真紅「そう思い込んでいるだけでしょう?」
蒼星石「だから僕は戦わなきゃいけない」真紅「自分には最初から価値が無いと
思い込んでるだけなのに」蒼星石「そうしなきゃいけないんだ!」翠星石「そんな事無いさ」
元治「そう思い込んどるだけやで、きっと」蒼星石「違う僕に価値は無い誇れる物が無い」
水銀燈「だから戦う!」蒼星石「戦う事で僕は僕でいられる」
水銀燈「戦う事で私は私でいられる」蒼星石「戦う前の僕には何も無かった
僕は戦っているからここにいられる」水銀燈「他には何も無いもの」薔薇水晶「他には
何も無いもの」蒼星石「僕には何も無い、何も無いんだ」
生きる価値が 蒼星石「僕には無い」 ...だから 「僕は僕が嫌いなんだ」
水銀燈「あんたなんか嫌い嫌い大っ嫌い」元治「お前なんか大っ嫌いや」
翠星石「僕は嫌いだな、君の事が」巴「ごめんなさいあなたの事嫌いなの」
雛苺「嫌いね」のり「嫌いですね」金糸雀「嫌いだよ」くんくん「嫌いですあなたの事」
ジュン「嫌いだな君の事が」真紅「大っ嫌い」蒼星石「ほら、皆そう思ってる。
きっとそう思ってるんだ」薔薇水晶「そう思い込んでるだけでしょ」蒼星石「違う!だって
僕は僕が嫌いだもの」薔薇水晶「だから皆もそうだと思い込んでる」水銀燈「きらい!嫌イ!
大っきらい!」蒼星石「でも誉めてくれるんだ、戦うと誉めてくれるんだ」
だからうれしい 蒼星石「人に誉められたんだ」 でもうれしくない
薔薇水晶「どちらが本当の気持ちなの?」蒼星石「分からないいやどっちも本当の気持ちだ」
真紅「だから戦うのね」蒼星石「今の僕にはアリスゲームしかないから」薔薇水晶「そう
しないと自分が保て無いのね」真紅「確かにアリスはあなたの心の一部だわ」
雛苺「けどアリスにすがっているとアリスそのものがあなた自身になってしまう」
ジュン「アリスそのものが君の全てになってしまう」真紅「本当のあなた自身がどこにも
居なくなってしまうのよ」蒼星石「いいんだ!もともと僕には何も無かったんだ習っていた
チャロだって何にもならなかったんだ」水銀燈「自分から何もしなかっただけじゃないの」
蒼星石「でも今は戦えるんだ」水銀燈「でその内アリスゲームが無ければ何も出来なくなるのよ
私みたいに。」 何故、戦うのか? 蒼星石「それが僕の全てだから」
〜最終話 世界の中心でアイを叫んだけもの〜
ROZEN MAIDEN FINALE:Take care of yourself
蒼星石「雨、憂鬱な雨、僕の気分みたいだ、好きじゃ無い」
薔薇水晶「夕日、消えて行く命、私の願い、好きじゃ無い」
水銀燈「朝、今日の始まり、嫌な1日の始まり、好きじゃ無い」
蒼星石「青い空、暖かい物、慣れない物、怖い物、いらない物、好きじゃ無い」
水銀燈「皆皆大っ嫌い!」真紅「何を願うの?」 不安が恐い?
水銀燈「何が欲しいの?」 安らぎが欲しい? 薔薇水晶「何を求めているの?」
嫌わないで! 水銀燈「私を嫌わないで!」 蒼星石「怖いものは」 拒絶
薔薇水晶「欲しい物は」 接触と承認 蒼星石「側に居ても良いの?」薔薇水晶「ここに
居ても良いの?」水銀燈「私の事、好き?」 おかあさんのこと、好き?
子供水銀燈「ママの所に行きたいの?」水銀燈「行きたくない」
子供蒼星石「父さんの所へ行かないの?」蒼星石「行きたくない」子供薔薇水晶「どうして」
怖いから 子供蒼星石「嫌われてしまうかも知れないから」子供水銀燈「私が消えてしまう
かも知れないから」 だから? 真紅「何を願うの」 不安の解消 薔薇水晶「何を求めるの?」
寂しさの解消 のり「幸せでは無いのね」蒼星石「その前に欲しいんだ僕に価値が欲しいんだ
誰も僕を捨てない、大事にしてくれるだけの」 価値が欲しい のり「それはあなた自身で
認めるしかないわね。自分の価値を」 だから戦っている 蒼星石「僕には価値が無い」
水銀燈「生きていく価値が無い」薔薇水晶達「ではあなたは何?」蒼星石「僕って何僕って何なんだ」
(マーカー風の絵になる)蒼星石「これは..僕だ、僕を他人に見せている形。僕という記号
これ(子供)も、これ(落書き)も、これ(蒼星石)も!皆僕を表す物にすぎない僕を
他人に認識させている物にすぎないじゃあ僕って何だ?」 どこにいるんだ?
蒼星石「これはホントの僕?偽りの僕?」薔薇水晶「あなたはあなた、ただあなた自身の境目が
有るの」蒼星石「そうだ僕の服、僕の靴、僕の部屋、それらは僕の一部」
薔薇水晶「あなたの意識でつながっている物」蒼星石「僕と感じているものが僕僕は僕自身でしか
無いのか。でも僕は分からない僕はどこにいるんだ僕って何なんだ僕って何なんだ!」
だから心の閉塞を、願う 蒼星石「誰も僕の事なんて分かってくれないんだ」
水銀燈「あんたバカ?誰もあんたの事なんて分かんないわよ」真紅「あなたの事をいたわり
理解出来るのはあなた自身しかいないのよ」薔薇水晶「だから自分自身を大事にしなさい」
蒼星石「そんな事言ったって自分が無いんだ!分からないんだ!大事に出来る訳無いよ」
不安なのよ 薔薇水晶「やはり不安なのよ」真紅「今のあなた」水銀燈「今のあなたの
周りの人々」薔薇水晶「今のあなたを取り巻く環境」真紅「どれもずっと永遠に続く物では無いわ」
水銀燈「あなたの時間は常に流れ」薔薇水晶「あなたの世界は変化の連続で出来ている。何よりも
あなたの心次第でいつでも変わる物なのよ」 蒼星石「これは?何も無い世界誰もいない世界」
子供蒼星石「自由の世界」蒼星石「自由?」子供蒼星石「何者にも束縛されない自由の世界だよ」
蒼星石「これが自由?」子供蒼星石「そう自由の世界」薔薇水晶「その代わりに何も無い」
蒼星石「僕が考えない限り」真紅「そうあなたが考えない限り」蒼星石「そんなどうしたら
良いのか分かんないよ」薔薇水晶「不安なのね」水銀燈「自分のイメージが無いのね」
子供蒼星石「漠然としすぎてる」真紅「何もつかめない世界」 それが自由
ジュン「君の好きにして良い世界」真紅「でもあなたは不安なのね」白崎「どうしたら良いか
分からないのかね」蒼星石「どうしたらいいんですか?」槐「不自由をやろう」(線をひく)
水銀燈「ほらこれで天地が出来たわ」薔薇水晶「これで自由が1つ消えた」真紅「あなたは
地に立たなければならない」ジュン「だが君は安心する」のり「自分の心が少し楽になったから」
金糸雀「そして歩いている」くんくん「それはあなたの意志」蒼星石「これは僕の意志?」
雛苺「世界に地が存在するのはあなたと周りの世界」元治「せやけどお前は自由に
動けるんや」翠星石「その気になれば世界の位置も変える事も出来るさ」巴「そして
世界の位置も常に同じ所に無いのよ」ジュン「時の流れと共に変わっていくものさ」
白崎「君自身も変わる事が出来る」槐「お前を形どっているのはお前自身の心とその周りの
世界だからな」雛苺「だってこれはあなたの世界ですもの」真紅「あなたがとらえている
現実の形なのよ」 それが現実 蒼星石「これは何も無い空間何も無い世界僕の他には何も
無い世界僕は良くわからなくなっていく自分が無くなっていく感じ僕という存在が無くなっていく」
何故? のり「ここにはあなたしかいないからよ」蒼星石「僕しかいないから?」
のり「自分以外の存在が無いとあなたは自分の形がわからなくなる」蒼星石「自分の形」
自分のイメージ? 真紅「そう他の形を見る事で自分の形を知っている」水銀燈「他の人との
壁を見る事で自分の形をイメージしている」薔薇水晶「あなたは他の人がいないと自分が見えないの」
蒼星石「他の人が居るから自分が居られるんじゃないか。一人はどこまでいっても
一人じゃないか世界は皆僕だけだ」真紅「他人との違いを認識する事で自分を形どっているの」
薔薇水晶「1番最初の他人は母親」水銀燈「母親はあなたとは違う人間なのよ」蒼星石「そう
僕は僕だ。ただ他の人達が僕の心の形を作っているのも確かなんだ」真紅「そうよ、
蒼星石」水銀燈「やっと分かったの」
〜もう1つの可能性、アニメパート〜
水銀燈「バカ蒼星石!」蒼星石「!?」水銀燈「よおやくお目覚めね、馬鹿蒼星石」
蒼星石「なんだ水銀燈か」水銀燈「何だとは何よ!こうして毎朝遅刻しないように
起こしに来てやってるのに!それが幼馴染みに捧げる感謝の言葉?」
蒼星石「うん有難う、だからもう少し寝かせて」水銀燈「何甘えてんの!もー!
さっさと起きなさいよ!!」(布団はがす) 明日香「キャー!エッチ!バカ!ヘンタイ!
信じらんない!」 蒼星石「仕方無いだろ、朝なんだから!」
のり「蒼星石ったらせっかく水銀燈ちゃんが迎えに来てくれてるのに
しょうがない子ね。」槐「ああ」のり「あなたも新聞ばかり読んでないで
さっさと支度して下さい」槐「ああ」のり「もう..いい年して蒼星石と変わんないんだから」
槐「君の支度は良いのか」のり「はいいつでも。もう会議に遅れて白崎先生にお小言
言われるの私なんですよ」槐「君はモテルからな」のり「バカ言って無いで
さっさと着替えて下さい」槐「ああ、分かってるよのり」
水銀燈「ほらさっさとしなさいよ!」蒼星石「うん分かってるよ、ホントうるさいんだから
水銀燈は」水銀燈「何ですって!」(たたく音) 水銀燈「じゃおばさま、行って来ます!」
蒼星石「行ってきます..」のり「はーい行ってらっしゃい!ほらもうあなた!いつまで読んで
るんですか!」槐「ああ分かってるよのり」
(通学)蒼星石「今日も転校生が来るんだってね」水銀燈「まあねここも来年は遷都されて
新しい首都になるんですもの、どんどん人は増えていくわよ」蒼星石「そうだねどんな娘かな
可愛い娘だったら良いなあ」水銀燈「むー」
薔薇水晶「あ〜んチコクチコク!初日から遅刻じゃかなりヤバイってカンジだよねー!ああ!」
(蒼星石とぶつかる)薔薇水晶「あっ!(スカートをかくす)ごめんね、マジで急いでたんだ、
ホントゴメンネ!」蒼星石「はあ」水銀燈「むう〜」
(学校)元治「何い!で見たんかその女のパンツ!」蒼星石「別に見たって訳じゃ..
チラっとだけ」元治「くう〜朝っぱらから運のええやっちゃなあ!いてててて」
(委員長、元治の耳を引っ張る)元治「いきなり何すんのや委員長!」
巴「柴崎こそ朝っぱらから何バカな事言ってんのよ!ホラさっさと花瓶の
お水変えて来て!週番でしょ」元治「ホンマうるさいやっちゃな」巴「何ですって!」
蒼星石「尻にしかれるタイプだな、元治って」水銀燈「あんたもでしょ」
蒼星石「何で僕が尻にしかれるタイプなんだよ!」水銀燈「何よ本当の事言ったまでじゃないの」
蒼星石「どーしてだよ」水銀燈「見たまんまじゃなーい」蒼星石「水銀燈がいつもそうやって
ポンポンポンポン」水銀燈「何ようるさいわねバカ蒼星石」 翠星石「いや〜平和だねえ」
(真紅の車が来る)元治「おお!真紅センセや!おおお!やっぱええなあ真紅センセは」
(真紅、ピースをしピースする男子3人)水銀燈と巴「何よ3バカトリオが!馬鹿みたい」
巴「起立!礼!着席!」真紅「よろこべ男子!今日は噂の転校生を紹介するーっ」
薔薇水晶「綾波薔薇水晶です、よろしく」(以降マーカー塗りになる)
蒼星石「ああー!」薔薇水晶「ああ!あんた今朝のパンツのぞき魔!」
水銀燈「ちょっと言い掛かりは辞めてよ!あんたが蒼星石に勝手に見せたんじゃない」
薔薇水晶「あんたこそ何?すぐにこの子かばっちゃってさ、何デキてるわけふたりー!」
水銀燈「た、ただの幼馴染みよ、うっさいわねえ」巴「ちょっと授業中よ!静かにして下さい」
真紅「あら、楽しそうじゃない、私も興味有るわー、続けてちょうだい!」(台本になる)
〜心に戻る〜
蒼星石「そうだ、これも一つの世界、僕の中の可能性。今の僕が僕そのものではない、
色々な僕自身が有りえるんだ。そうだローゼンメイデンでない僕も有りえるんだ」
真紅「そう思えばこの現実世界も決して悪いもんでは無いわ」
蒼星石「現実世界は悪く無いかもしれないでも自分は嫌いだ」
のり「現実を悪く嫌だと捕らえているのは君の心だ」金糸雀「現実を真実に置き換えて
いる君の心さ」くんくん「現実を見る角度、置き換える場所、これらが少し違うだけで
心の中は大きく変わるわ」ジュン「真実は人の数だけ存在する」翠星石「だが君の真実は1つだ
狭量な世界観で作られ、自分を守る為に変更された情報、歪められた真実さ」元治「ま
人一人が持てる世界観なんてちっぽけなもんや」巴「だけど人はその小さな物差でないと
物事を計れないわ」水銀燈「与えられた他人の真実でしか物事を見ようとしない」
真紅「晴れの日は気分良く」薔薇水晶「雨の日は憂鬱」水銀燈「と教えられたらそう思い込んで
しまう」雛苺「雨の日だって楽しい事は有るのに」白崎「受け取り方一つで別の物になって
しまう脆弱な物だ、人の中の真実とはな」ジュン「人間の真実なんてその程度の物さ。だからこそ
より深い真実を知りたくなるがね」槐「ただお前は人に好かれる事に慣れて無いだけだ」
真紅「だからそうやって人の顔色ばかりうかがう必要なんて無いのよ」
蒼星石「でも皆僕が嫌いじゃ無いのかなあ」水銀燈「あんた馬鹿?あんたが一人で
そう思い込んでるだけじゃないの!」蒼星石「でも僕は僕が嫌いなんだ。」
薔薇水晶「自分が嫌いな人は他人を好きに、信頼するようになれないわ」蒼星石「僕は卑怯で
臆病でずるくて弱虫で」真紅「自分が分かれば優しく出来るでしょう?」蒼星石「僕は
僕が嫌いだ。でも好きになれるかもしれない。僕はここにいてもいいのかも知れない。そうだ
僕は僕でしかない僕は僕だ僕でいたい、僕はここにいたい、僕はここにいてもいいんだ!」
(ひらけた場所)
真紅「おめでとう」水銀燈「おめでとう」薔薇水晶「おめでとう」雛苺「おめでとう」
ジュン「おめでとう」巴「おめでとう」翠星石「めでたいな」元治「おめでとさん」
ラプラスの魔「クエッ」のり「おめでとう」金糸雀「おめでとう」くんくん「おめでとう」
白崎「おめでとう」のりと槐「おめでとう」 蒼星石「ありがとう」
父に、ありがとう 母に、さようなら そして、全ての子供達に おめでとう
(終わり)
633 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/14(水) 11:47:15 ID:wWObOhJf
一体何がしたいの?
エヴァの最終話まんまパクリじゃん、つまんね。
( ゚д゚ )
637 :
修業僧:2005/12/14(水) 15:44:04 ID:3afoG0MW
こういうのは止めた方がよくないか?
ここではあまり好かれないと思うし
カオスのエヴァのパロとは違って、腹が立つほどクソつまらないな……
>>633 の言う通り、これはSSじゃねぇ。ただのコピペだ。
639 :
S&M:2005/12/14(水) 17:59:33 ID:5/dwhP/u
クリスマスシリーズ第一弾
「困ったなぁ・・・・どうしよう・・・・」
一人の少女がとぼとぼと歩いている。
その顔は沈み、何度も立ち止まっては溜息を突く。
「・・・・ケーキ、どうしよう?」
少女は家族の待つ家路、ただ途方にくれていた。
空は白く、わずかばかり舞う小鳥達。
そして・・・・
―――天使?
「 捧 げ ら れ る モ ノ 」
「ウフフッ♪ いただきぃ!」
バッ!
今日は久しぶりに日課であった小鳥狩りに精を出す。
最近屋内にこもることが多く、なまったかとも
思ったがまだまだ勘は鈍っていない。
桜田家に厄介になる前は、これで食べていたのだ。
いわばこの道のプロである。 やはり私は空の覇者だ!
あとでバラす楽しみのために死なない程度にくびった小鳥を袋に詰め込む。
趣味であるボーン・アクセの材料は、これだけあれば十分だろう。
640 :
S&M:2005/12/14(水) 18:02:49 ID:5/dwhP/u
「あら?」
視線を感じ、目をやると一人の少女がこちらを伺っていた。
「・・・何か御用かしら?」
身体的なコンプレックスから人の視線にはとみに
敏感な水銀燈はすぐに舞い降りるとそう尋ねる。
「あ、あの、天使様?」
「は?」
「天使様だよね? 綺麗だし・・・・」
「え? そうかしら?」
「うん。 とっても綺麗。」
「まぁ、当然よね。」
褒められる機会の少ない水銀燈は途端に気をよくする。
「えへへ! みんなに自慢できるや。」
「ウフフ♪ それは良かったわね?」
「うん、でもどうしようかなぁ・・・・」
「? なにかしら?」
「えっと・・・・」
少女はこの苦境を誰かに打ち明けたかったのだろう。
おつかいでケーキを買いに来たこと、
そしてお金を落として買えなくなったことを語った。
「それは困ったわねぇ。」
「うん・・・・」
少女は先ほどの笑顔が嘘のようにしぼんでしまった。
(ケーキくらいどうってことないわよね?)
賛辞に気を良くしたこともあり水銀燈は一肌脱ぐことにした。
「じゃあここで待ってなさい? 私が持ってきてあげるわ。」
「えっ? 本当?」
「ええ。 だからいい子にして待ってるのよ?」
「うん! ありがとう!」
途端にパッと輝く少女の顔。
その姿にいよいよ意気を高めた水銀燈は
空に舞い上がるや一直線に飛んでいく。
641 :
S&M:2005/12/14(水) 18:04:23 ID:5/dwhP/u
「じゃあ、ちょっと行ってくるわね?」
「いってらっしゃい。」
足りない材料の買出しに出かけるのり。
留守番を任された人形達は思い思いの時間を過ごしていた。
ガラッ
「ごきげんよう。」
「水銀燈? 早かったのね?」
「おかえりなのぉ〜!」
「また小鳥を虐待してやがったですか?」
「寒くなかった?」
「ここにクリスマスケーキはないかしら?」
「ケーキ? 冷蔵庫に入ってるわよ?」
「すっごくおいしそうなのぉ♪」
「食後が待ち遠しいです。」
「楽しみだね。」
「・・・・そう。 好都合ね♪」
すぐにキッチンに向かう水銀燈を皆は怪訝な表情で見送る。
「これね?」
真っ白な箱を取り出した水銀燈は再び飛び出して行った。
「お待たせ。 いい子にしてた?」
「天使様!」
「ハイ、ケーキよ?」
「うわぁ、ありがとう!」
受け取った箱の中を確認するや、満面の笑顔を浮かべる少女。
「さぁ、早く家にお帰りなさい?」
「う、うん、あのね・・・・」
「?」
「これ・・・・」
少女は付けていたペンダントを差し出す。
赤色の宝石を模したプラスチックのおもちゃだ。
「私の宝物なの。 でも、天使様にあげるね?」
「え?」
「綺麗でしょ? きっと天使様に似合うと思うの。」
「そ、そうかしら?」
「付けてあげるね。」
少女は安全ピンを外すと慎重に服に差し込んで止める。
「やっぱり綺麗。 とっても似合ってるよ!」
「あ、ありがとう・・・・」
「それじゃあ天使様! ありがとう!」
そう言うと少女は駆けていった。
その姿を見送ると胸元の宝石に目を落とす。
その色がある人形を連想させ、少し複雑だったが
水銀燈はどこか誇らしげな気持ちで家路に着いた。
642 :
S&M:2005/12/14(水) 18:06:43 ID:5/dwhP/u
「みんな〜! 用意はい〜い?」
「ああ。」
「いいわよ。」
「万端なのぉ〜♪」
「バッチリです!」
「ボクも。」
桜田家はこれからのパーティーのために思い思いの得物を手にしていた。
後は主賓の水銀燈が帰ってくるのを待つばかりである。
居間に揃った一同の目は輝き、
これからはじまる宴への期待に満ちていた。
「ただいま。」
一同「お帰り〜〜〜〜!!」
「あら? みなさんごきげんよう。 どうしたのかしら?」
「みんな水銀燈ちゃんを待ってたのよ?」
「オマエがいないと始まらないからな。」
「あまりレディを待たせるものではなくてよ?」
「おっそいのぉ〜!」
「まったく! 時間にルーズなヤツです。」
「でも来てくれて良かったよ。」
「・・・・みんな。」
思わず胸が熱くなる。
まさかここまで自分が愛されているとは思わなかった。
「ありがとう、みんな、今日は最高の日だわ・・・・」
自分にペンダントを捧げてくれた少女の顔を思い出す。
それなら自分も何かを捧げよう
この愛すべき家族のために
「みんな、本当にありがとう。
私にできることがあったら何でも言ってね?」
「ううん、何もしてくれなくていいのよ?」
「そうそう、するのはこっちだからさ。」
「でもそれじゃ私の気持ちが・・・・」
「大丈夫よ水銀燈? 万事任せておいて。」
「じっとしてればそれでいいのぉ〜!」
「そんな・・・・なんだか悪いわ?」
「チビ苺! じっとしてられても困るですよ?」
「そうそう、泣き叫んでのたうちまわってくれないと・・・・」
643 :
S&M:2005/12/14(水) 18:08:31 ID:5/dwhP/u
「・・・・え?」
改めて一同を見回す。
そう言えば皆、手のモノがなんだかぶっそうな・・・・?
「ケ〜キの恨み? たぁっぷり晴らさせてもらうわねぇ?」
「あ、あの、あれは・・・・」
「聞く耳もたぁぁん!」
「覚悟はいいわね?」
「泣いても謝っても許さないのぉ〜!」
「ていうか、泣き叫ばせてやるです!」
「壊れて動かなくなるまで、ね?」
得物を手ににじり寄る一同、そして―――
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!??」
断末魔の悲鳴がこだまする
「・・・・あら? 素敵な声! 誰かしら?」
桜田家を目指していた私は魂消るような絶叫を耳にした。
耳を済ませていると再び悲鳴が響き渡る。
「・・・・きっとジュン君の家ね?」
そう判断した私はプレゼントと木刀を握りなおし、駆け出す。
きっと私の大好きな拷問だ♪
一刻も早く参加しなければ!
「こんばんわ!」
「あら? 巴ちゃん、いらっしゃい!」
「柏葉? 早くこいよ! もう始まってるぞ?」
「うん! 今行く!」
私は綾辻の留め金を外し、刃をスラリと抜き放つと居間に向かった。
今宵捧げられる贄は如何なるものか?
私は自分の顔が狂喜に引き歪むのを止めることが出来なかった。
「 捧 げ ら れ る モ ノ 」
完
644 :
S&M:2005/12/14(水) 18:11:39 ID:5/dwhP/u
クリスマスにちなんだ作品です
そのうちまたいくつか投稿します
反省をいかし、コンパクトにまとめてみました
>>きっと私の大好きな拷問だ♪
ワロス
>>621-625 _ ∩
( ゚∀゚)彡 蒼×翠! 翠×蒼!
⊂彡
ウハー! ローゼン一好きなネタなんだー! ウハー!
双子がイチャついてくれてさえいれば自分は幸せなんだ。
いやもう、なんと言うか、有難うございました。
僕の名前は桜田ジュン。どこにでもいる公立中学校の生徒。ホントは某学校付属校を目指していたんだけど見事に不合格。
不本意ながら通っていた公立学校だけど悪くは無い。小学生のときにちゃんと勉強していただけあって何もしなくてもそこそこの成績を収めている。
親はよく思っていないけど、別に公立だからっていい大学にいけないとは限らないんだから別に中学なんてどこでもいいでしょ。
そう適当に納得してダラダラ生活してます。
姉は普通の進学校に通っているだけなのに、なぜ僕だけこう無理な期待をさせるんだろう。
中学受験に失敗してから口うるさいし、しまいには二人してどこかに行ってしまった。
最初は「夫婦で心中か!?」なんて驚いていたけど、姉が言うには仕事で海外出張らしく、確かに家族の口座には毎月まとまった額が振り込まれていた。
金には困らないなら別にいいや。気にしないことにしよう。
ある日、学校から帰るとポストの中に水道料金の明細書と一緒に何も書いていない封筒がひとつ。何かのダイレクトメールだろう。
僕はそれをポケットに入れて、クソ重いスクールバッグを二階の僕の部屋に運んで手洗いうがいを済ませ、制服のままリビングのソファーに横たわってテレビをつける。
しかしこの時間帯にやっているテレビ番組はどこも中途半端なもので、チャンネルを何回か変えてみて電源を切った。
「あ〜、暇」 意味もなく言った所でどうにもならない。
宿題は学校で終わらせてきた。テレビもつまらない。
ひとまず飴でも食べようとポケットに手を突っ込む。
(あ、さっきの封筒)
中の便箋には下手糞な文字であなたは運がいいという趣旨のことが書いてある。
人口精霊ホーリエがどうのこうの。記入欄があるけどあいにく筆記用具はここにはない。
僕は飴を噛み砕き、紙飛行機を折ってゴミ箱に向けて飛ばした。
(寝ようか。起きたら八時ぐらいにはなってるかな)
終わり
648 :
修業僧:2005/12/15(木) 01:17:19 ID:0F5Cujw/
そいつは家の前にいた。
小動物みたいだがどうやら人形のようだ
「これも何かの縁だ」俺はそいつを飼う?ことにした
「…スゥ…スゥ」よちよち歩きでまるでペンギンだ。しかしこれが以外とかわいい
食事するかわからないがとりあえずミルクとパンの耳をやることにした
「デ…スゥ」とりあえず食事はするようだ。
「スゥデスゥ」お腹がふくれたようで俺の布団で寝てしまった。猫みたいでかわいい
前の飼い主が何故こいつを捨てたか分からないが、まぁ気にしないでおこう。
その日は早めに寝ることにした
↑誤爆
651 :
修業僧:2005/12/15(木) 01:32:14 ID:0F5Cujw/
「ふぁ〜よく寝た。…!!!びしょびしょじゃないか!おきろ葬逝寂」葬逝寂とはこいつの名前だ。う〜ん俺ってネーミングセンス良すぎか!?
「ってそんなこと考えてる場合じゃない。人形のくせにおもらししやがって。このやろう」
「ダ!?!!ダスゥ」
俺はまだ起きていない葬逝寂を壁に投げつけてやった。
普段の俺なら決してこんなことしない。むしろ笑って許してやっただろう
しかぁ〜し、こいつの場合いよ〜にお〇っこの量が多い。おまけに下手をしたら死ぬかもしれないほどの異臭。おそらく怒らない奴はいないだろう
652 :
修業僧:2005/12/15(木) 01:50:18 ID:0F5Cujw/
「ダ!ダ!…スゥスゥ」
なんて野郎だ!
反省するどころか怒りやがった。おまけに速攻で寝やがった
「糞ったれが!死んでわびろ」
「ダ、ダスゥ!ダスゥ!」
「思いしったか。このやろう」
少しやりすぎたか葬逝寂はぴくぴくしているが、まぁいい薬だ
「もうこの布団使えねえよ。ったくよぉ」
俺は布団を捨て飯にしようとしたが時計の針はすでに8時を指していた
「しまったー。このままじゃ遅刻だ。出席日数ぎりぎりなのに。ちくしょー!朝飯抜きかよ」
髪もしっかりととのえぬまま俺は家を飛び出した
(あっ!葬逝寂ほったらかしだ。まあいい。ほっとけ
微妙に既視感が
ちょっと書いてみたので投下してみるテスト
【月夜の茶会】
「お茶のご用意が出来ました。お嬢様のお好きな紅茶とスコーンで御座います」
真「そう、分かったわ。いつも、ありがとうね」
「いえ、執事たる者当然のことで御座います」
真「あら、いつもと違う気がするのだわ」
「ええ、今宵は冷えておりますので、ブランデーを数滴お入れ致しました。
お気に召さぬのならば、すぐに入れ替えて来ますが如何致しましょう?」
真「…このままで良いわ、偶にはこういうのもね」
「それは宜しゅう御座いました。今宵は綺麗な月で御座いますね」
真「そうね、本当に綺麗だわ」
暗闇の中に浮かぶ月、雲の合間から光が漏れうっすらと二人を映し出す
とても不安定で危う気な、しかしだからこそ美しいのかもしれない
その月に暫し見とれ、ふと思い出す
真「…あの子、どうしてるかしら…」
「あの子とは?お嬢様」
真「私の姉妹よ、名は水銀燈。あの子も月みたいに、不安定で危う気なところがあったから。
思い出してしまったのよ」
「そうで御座いましたか。私も思い出します、夢か幻か…とても幻想的に包まれた世界を」
真「その話しは聞いた事が無いわ。是非聞かせて頂けないかしら?」
「お嬢様がそうおっしゃるのであれば…そうあれは5年前のことでした…」
<5年前>
5年前、私は原因不明の病にかかり生死を彷徨っておりました。
生還出来た事が、今でも不思議に思います。
その時に長い、とても長い夢を見ておりました。
私は暗闇に包まれていた世界で目を覚ましました。
「ここは何処なのでしょう。この様な場所に見覚えは御座いませんが」
周りを見渡せば、瓦礫とバラバラになった人形。
私はその中の一つの人形を自然と手に取っておりました。
「御可哀想に…誰がこの様な酷いことをしたのでしょう」
その時遠くから声が聞こえてきたのです。
か細いながらも透き通るような、とてもとても、お美しゅう声で御座いました。
声がする方に歩み寄り、ここが何処だと聞こうと思い、暗闇の中歩いたのです。
暫し歩くこと、お歌いになっているお方の後ろ姿が見えたので気が逸ったのでしょう。
何かに躓いてしまったので御座います。
カタンッ…それは静かな空間の中では、とても大きく響き渡りました。
謎「誰!?誰か居るの!?」
そのお方は、こちらを振り向いた様で御座います。
暗くて、姿までは分かりませんでした。
「驚かせてしまい、申し訳御座いません」
私は咎める声がした方に身体を向けたまま、謝罪致しました。
その時に、雲が覆っていた月が姿を現し、そのお方を照らし映し出しました。
それはとてもお綺麗なお嬢さんで御座いました。いえ、お嬢さんでは無いのかもしれません。
何故ならば、羽が生えておりましたので。
真「それで続きは?」
「今日は此処までと致しましょう、紅茶も切れたようで御座いますし。
このお続きはまた、月の綺麗な宵にでも」
真「…そうね、分かったのだわ。おやすみなさい、「」」
そう言うと真紅は立ち上がり、屋敷の中へと入ってゆく。
「おやすみなさいませ、お嬢様」
雲が月を覆い、また暗闇に包まれる。
>647
ノーマルジュンの話か
続きがあるなら激しく期待
657 :
修業僧:2005/12/15(木) 15:44:52 ID:0F5Cujw/
>>653 自分で書いててそう感じたけど、努力するから見守っててくれ。で、駄目だったらいらいら言ってくれ
SS書きの方にお尋ねしたいのですが。どう書いているのか。
電子箱を有しているならワードだとか、メモ帳だとか、テキストエディタとか
色々お持ちだと思うのですが、どれをお使いになっているんでしょうか?
SS書きたいんだけど、暇も方法も見つかんないのよ…。
ワードパッド
661 :
憂鬱な人:2005/12/16(金) 00:49:41 ID:vU12abXs
紙2001っていうフリーソフト。
自動保存してくれるから突然のフリーズも安心。
662 :
S&M:2005/12/16(金) 01:47:49 ID:NXocsNWk
クリスマス第二弾
「はぁ・・・・」
もう何度ため息をついただろう?
8回までは覚えているのだが・・・・
「ダメよこんなことじゃ!」
逸れていく思考を修正し、再度当面の問題に向き合う。
目の前に置かれた一枚の紙、サンタクロースへの手紙である。
四枚まではなんとか片付けたのだがその後が難題だった。
「笑顔って言われてもねぇ・・・・」
「 明 日 へ の 誓 い 」
「それじゃあその手紙に欲しいものを書いて、後で私に返してね?」
居間に集めた5体の人形達は紙を手に目を輝かせている。
「なんでもいいの?」
「うん。 でも非現実的なコトや非常識なコトはダメよ?」
「翠星石は花の種が欲しいです。」
「雛、苺がいいのぉ〜!」
「私は本がいいわ。」
「それじゃあ名前をきちんと書いてね?」
「私はお腹が欲しいのだけど、どうかしら?」
「う〜ん、とりあえず書いて送ってみましょうか?」
早速それぞれに字を走らせる。
この分だと雛苺や翠星石は簡単かつ安価で済みそうだ。
真紅は正直見るのが怖い。 一体いくらになるのか見当がつかない。
一番の問題はやはり水銀燈か? 彼女のお腹・・・・どうやって用意しよう?
663 :
S&M:2005/12/16(金) 01:49:09 ID:NXocsNWk
そして・・・・
「はい! みんな書けたわねぇ?」
皆から手紙を集める。 大方は予想通り。
しかし一枚引っ掛かるものがあった。
「みんなに笑顔をください」
そのほかは、花の種・苺・本・お腹と来ているのでおそらく蒼星石だろう。
(笑顔ってなにかしら?)
笑顔とは読んで字の如く笑った顔だ。
つまりみんなを笑わせて欲しいと言うことだろうか?
それとももっと深い意味が込められているのだろうか?
流石に迷った私は出て行こうとする蒼星石を呼び止める。
「蒼星石ちゃん? ちょっとい〜い?」
「なに?」
「このお手紙のことなんだけど・・・・」
「?」
「笑顔って、どういう意味なのかなぁ?」
「笑顔は笑顔だよ?」
「え〜と・・・・」
「みんなにいつまでも笑ってて欲しいんだ。」
「う〜ん、それはちょっと難しいと思うなぁ。」
「どうして?」
「人生山あり谷ありって言ってね? 生きてると楽しいときもあれば
辛いときもあるものなの。 ずっとずっと笑顔のままではいられないものよ?」
「そっか・・・・」
「だからね? 他のお願いにしましょう?」
「うん。 じゃあみんなに笑顔を!」
「え・・・・?」
「ずっとずっとじゃなくていいんだ。
ほんの一時だけでもみんなが笑顔になれたら。」
「・・・・そうね。」
つい顔をほころばせる。
やっぱりこの子はいい子だ
いつだってみんなのことを思ってる
664 :
S&M:2005/12/16(金) 01:50:01 ID:NXocsNWk
「じゃあ、そうお願いしてみましょうね?」
「うん!」
しかし請合ったはいいもののやはり困ってしまう。
みんなして笑う機会は結構多い。
だからこそ逆に見慣れた普通の笑顔ではプレゼントの意味がない。
いつもとは違う、輝くような笑顔を引き出してやらなければ。
とりあえず先に簡単なものから片付けることにする。
翠星石は花の種、雛苺は苺、これは買い物ついでに片が付く。
真紅の求めた本はクンクン本だったので思ったより安くついた。
水銀燈の腹部はサイズを測り、町の工芸職人の内田さんに依頼した。
かなりの出費を覚悟していたのの、事情を話すと
感じるところがあったのか材料費だけにまけてくれた。
そして最後は蒼星石である。
「笑顔って言われてもねぇ・・・・」
私は笑顔について考えていた。
(嬉しいときとか楽しいとき、よねぇ・・・・)
しかし単純に皆の笑顔だけならよく目にしている。
特別に嬉しいときとはどういうときだろう?
自分が今まで特別に嬉しかったこと、楽しかったことを思い返す。
――あ、そうだ!
やや姑息だがこれしかない。
というか8ビットの私の頭脳ではこれが限界!
665 :
S&M:2005/12/16(金) 01:51:13 ID:NXocsNWk
パンパンパンッ!
「メリークリスマース!」
桜田家のクリスマスパーティーが始まる。
この時のために用意した飾り付けや料理の数々に皆が感嘆の声を上げる。
一旦皆を追い出し、半日かけて仕上げたものだ。
「綺麗だね!」
「おいしそうですぅ♪」
「すごいのぉ〜!」
「なかなかね。」
「もっと頽廃的ならいいのに・・・・」
思い思いの歓声をあげている。
そしてお待ちかねのプレゼントだ。
「これでたくさん花ができるです♪」
「うわぁ〜い! 苺ぉ〜♪」
「あぁ! クンクンの本だわ!」
「ついに私が完全体になるときが・・・・!」
蒼星石はみんなの様子を嬉しそうに見守っている。
私もみんなの様子を確かめた。
約一名、顔がかなりイってるが気にしない。
「それからねぇ? もう一つ来てたわよ?」
「「「「「???」」」」」
特別に奮発した二つ目のプレゼントを差し出す。
翠星石にはお洒落な鉢セット、雛苺には浜屋の苺セット
真紅にはクンクングッズ、水銀燈には服に合わせたアクセサリー
思わぬプレゼントにこれ以上ないくらい顔を輝かせる一同。
「みんなに笑顔を」これに応えるために出した苦肉の策がこれである。
もらうことがわかっているプレゼントでは効果が薄い。
そこで意表をついて他にもう一品用意したのだった。
666 :
S&M:2005/12/16(金) 01:53:37 ID:NXocsNWk
「どう? 蒼星石ちゃん、みんなとっても嬉しそうでしょう?」
「うん、みんなすごく嬉しそう。」
「これで良かったのかな?」
「うん! 最高のプレゼントだよ。」
「それじゃあ、はいコレ。」
「?」
「サンタさんからのプレゼントよ?」
「なに?」
「開けてみたら?」
蒼星石は包みを丁寧に開いてゆく。
中には――
「うわぁ・・・・!」
彼女に合わせて作ったドレス
「綺麗・・・・」
「良く似合うと思うわよ?」
「ありがとう! のり。」
「え? それはサンタさんがくれたのよ? だから・・・・」
「のり? 私達を子供扱いされては困るわ。」
「そうです。 サンタなんて信じてるのはチビ苺だけです。」
「お生憎、それほど私達は純粋じゃないの。」
「それは水銀燈だけなのぉ〜。」
「・・・・なんですって?」
「まぁまぁ、チビチビもうっかりホントのコトを言っただけですから。」
「どういう意味かしら?」
「そこまでよ? それよりもみんな?」
「うん! せ〜の・・・・
のり! いつもありがとう!」
そういって一斉に差し出される贈り物。
それは感謝の手紙であったり、押し花であったり、
折り紙であったり、鳥の骨でできたウインドベルであったり・・・・?
思わず涙が溢れ出る。
「みんな・・・・ありがとうね・・・・」
ポロポロと零れ落ちる涙が止まらない。
やれやれ、まさかまったく同じ手を使われるとは・・・・
667 :
S&M:2005/12/16(金) 01:54:37 ID:NXocsNWk
「のり? ボクの欲しいのは笑顔だよ?
だから笑ってよ?」
「そうね? うん、そうよね・・・・」
ともすれば途端に崩れそうになる顔に必死に笑みを浮かべる。
今日は最高のクリスマスだ。
「それじゃあみんな? クリスマスケーキよ!」
少し早いが先に見せておくことにした。
冷蔵庫を開けると――
「あら? おかしいわねぇ?」
作っておいたケーキがない。
一体どこにいったのだろう?
「変ねぇ?」
「どうしたの?」
「入れておいたケーキの箱がなくなってるの。」
「それって綺麗な包装がしてあるものかしら?」
「水銀燈ちゃん、知ってるの?」
「雀を狩ってたら、綺麗な箱を持った
ジュン君が出ていくのを見たのだけれど・・・・」
まさか・・・・
「ただいまぁ! おっ! これ旨そうだなぁ。」
「・・・・ジュン君? 冷蔵庫にあったケーキ知らない?」
「ああ? もらったよ。 また作ってよ。」
「・・・・ぅ」
「う?」
「ぅおらあああああああああぁぁ!!??」
「うわなにをせdrftgyふじこlp;!?」
668 :
S&M:2005/12/16(金) 01:55:24 ID:NXocsNWk
「はぁはぁはぁはぁ・・・・」
私は雪道を駆けていた。
(もうすぐだからね? もうすぐだから!)
足を滑らせ、何度も転ぶ。
だが痛がっているヒマも休んでいるヒマもない。
早く、一秒でも早く行かなければ!
数分前の悪夢が頭をよぎる――
「じゃあ部屋に上がって待っててよ?」
「でも、お姉さんに御挨拶したいし、雛の顔も久しぶりに見たいから。」
「後で会えるよ。 絶対一緒にってうるさいからさ?」
「うん・・・・」
不承不承受け入れる。
キッチンに向かう彼を見送ったあと、脱いだ靴を揃えていると・・・・
「ぅおらあああああああああぁぁ!!??」
「うわなにをせdrftgyふじこlp;!?」
突如響く雄叫びと悲鳴!
ジュン君!?
「よぉくぅもぉ、ケ〜キを〜〜〜!?」
「ま、待て!? 話せばわか・・・・」
「ぅがああああああああああああ!!」
「ぎゃああああああああああああ!?」
―――ケーキ?
「やっば・・・・」
ジュン君が持ってきてくれたケーキを美味しく頂いたことを思い出す。
私は慌てて浜屋を目指す。 最短時間で戻ってくるにはあそこしかない!
(あと少し・・・・あと少しだけ持ち堪えて? すぐに戻るからね!)
浜屋のケーキが完全予約制であることを知らない
私は必死に走り続けた・・・・
669 :
S&M:2005/12/16(金) 01:56:34 ID:NXocsNWk
皆の笑顔が恐怖にひきつる――
五体の人形達はすべて・・・・いや約一名、こちらをウットリと眺めながら
胸と股間をまさぐり、自慰にふけっている。 どういう趣味だ?
ともあれ大半の顔は恐怖にひきつり、泣き出すものもいる。
そして私の顔は怒りと悲しみに、最愛の弟の顔は苦痛に歪む。
一年で最高の日は一年で最悪の日となった。
――蒼星石ちゃん、ゴメンね?
でも今日だけは許して? 明日からはきっと笑顔に戻るから――
心中で誓いを立てた私は改めて血まみれの弟の体を貪る。
とりあえず命だけは許してやる!
「・・・・ジングルベ〜ル♪ ジングルベ〜ル♪ 鈴が鳴る〜♪」
私は雪道を歌いながらのんびりと歩いていた。
結局浜屋にケーキはなかった。
道行く人からの強奪も考えたもののこのタイミングで
買いに行くバカはそうそういるものではない。
救出作戦を諦めた私は関係各所に匿名で連絡を入れた後、
誘われていた友人達のパーティーに出ることにしたのだった。
「ホワイトクリスマスねぇ・・・・」
嫌なコトを頭から綺麗サッパリ追い払い、
明るい気持ちでクリスマスを祝う。
「メリークリスマース♪」
ひときわ大きな私の声が通りに響き渡った。
「 明 日 へ の 誓 い 」
完
670 :
S&M:2005/12/16(金) 01:57:46 ID:NXocsNWk
第二弾です
どうせ規制にひっかかるので第三弾は週明けにでも
御不満、御感想よろしく
JUNカワイソスw
製作協力 メモリーテック
('A`)ウボァ…
久々に、己が国語力の無さを実感させられたよ…
どう見ても、理解できません
本当にありがとうございました。
674 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/16(金) 07:44:36 ID:nf6TnRzR
ごめん、俺もまるで意味が分からなかった。
俺も意味が分からなかったから、
>>666で完ということにした。
いい話だった、ありがとう
>>670 正直な感想ですが、
まず、展開が強引すぎ。
前後が繋がらない箇所がちらほら。
むりやり暴力オチに持っていった感が漂ってる。
あと、説明不足も展開の強引さに拍車を掛けている。
助長にならないように地の文を削っているのだろうけど、今回はそれが致命的になっている。
壊れキャラ多数のオリジナル世界なんだから、説明がないと読者がついていけない。
「会話文が少ないとつまらない」とか
「長いのは読むのめんどくさい」なんて言ってる人もいるけど、
俺はそんなの気にしないし、S&M氏はもっと好きに書いたほうがいいよ。
長々と偉そうに言ってごめんなさい。
677 :
梅岡先生:2005/12/16(金) 20:02:22 ID:nffITSAq
>>676 助長じゃなくて、冗長かな?
他は全面的に同意。
ラストの
>>669は、申し訳ないのですが最初から全く意味が分かりませんでした。
全体的に描写不足な感は否めませんしね。
SSなんて結局は作者の自慰行為だし、好き勝手やって貰って大いに結構なんだけど、できればもう少し分かり易さを追求して欲しいかな、と思いマスター。
次回作も期待してます。
赤ペン先生みたいなスレになってきたなぁ
評価ばっかしてっと誰も書かなくなると思うのだが…
679 :
修業僧:2005/12/17(土) 00:18:15 ID:VGdpqdKk
SSには感想。ただし、ただ文句だけ書くのでなくどこが駄目でどこがよかった。また、どこを変えれば良くなるかも。
文句しか言わない奴!言うなら自分で書いてから言え!
次スレからこんなのテンプレに加えてくれないか?
680 :
S&M:2005/12/17(土) 01:09:38 ID:YbkimNVl
>>676 御感想どうもです、確かに自覚ありです
しかしこれ以上伸ばすのもどうかなぁと思ったので
次からは説明文に留意、ですね
>>677 御感想どうもです
>>669のどこでしょう? 水銀燈がってとこですか?
681 :
S&M:2005/12/17(土) 01:21:07 ID:YbkimNVl
懲りずに第三弾
「うんしょ・・・・うんしょ・・・・」
小さな女の子が一生懸命に紙を折っている。
そして折りあがった様々な形の紙を張り合わせ、何かを作っていた。
「・・・・できたのぉ〜!」
やがて出来上がったそれは色とりどりの花を模していた。
少女は紙で花を作っていたのだった。
「これで元気が出るといいのぉ!」
少女は花を高らかに掲げ、その出来ばえに見入っていた。
「 冬 に 咲 く 花 」
「冬なんてつまんねーです・・・・」
翠星石は今日も窓の外をじっと見つめていた。
冬もいよいよ本番となり、外は一面の銀世界と化す。
そしてそれは「庭師」たる彼女ら姉妹にとっては耐え難い苦痛である。
妹である蒼星石は家事の手伝いで気を
紛らわしているがやはりどこか寂しそうだ。
そして手持ち無沙汰の翠星石はいよいよ憂鬱な気分に囚われていた。
「翠星石ぃ、こんなところにいたのぉ?」
「チビ苺ですか? なんの用です?」
「御飯ができたのぉ〜!」
「食う気がしねーです。 ほっときやがれです。」
「どうしたのぉ?」
「チビチビには関係ないです。 さっさと行やがれです。」
「むぅ〜・・・・」
雛苺は抗議の唸りを上げるも諦めて行ってしまった。
「・・・・冬なんて大っ嫌いです。」
誰にともない独白。
そして蒼星石が迎えに来るまで物置でじっと蹲っていた。
682 :
S&M:2005/12/17(土) 01:21:44 ID:YbkimNVl
「翠星石が元気ないのぉ〜・・・・」
「それはそうでしょうね。 冬だもの。」
真紅が一瞥もくれず答える。
「どうしてぇ?」
「花の咲かない冬に庭師なんて不要だものねぇ?」
水銀燈は皮肉な笑みを浮かべ、露骨に蒼星石を伺った。
黙って俯く蒼星石に雛苺は無邪気に問う。
「お花がなくて悲しいのぉ?」
「うん・・・・ボク達はお花の世話が生きがいだからね。」
「温室でもあればいいのでしょうけどね。」
「まぁ! そんな贅沢なものがこんな貧乏屋敷に・・・・」
ピュンッ!
「・・・・水銀燈ちゃん? 何か言った?」
「い、いえ、一言も発していませんわ!」
「そう? いい子ね♪」
のりは水銀燈の首筋にあてがった出刃包丁を収めると料理を配り始める。
「あら? 翠星石ちゃんは?」
「物置から出てこないのぉ・・・・」
「ボク、呼んできます。」
「そう? じゃあお願いね。」
「出来た妹よね? ホント誰に似たんだか・・・・」
「翠星石のひねくれ具合はきっと貴女似ね?」
「どういう意味かしら?」
「言葉どおりの意味だけど?」
「はいはい! そこまでよ?」
包丁を突きつけられ、慌てて食事に入る二人。
「お花・・・・」
大好物の花丸ハンバーグも目に入らぬのか
雛苺はじっと思案に暮れていた。
683 :
S&M:2005/12/17(土) 01:22:39 ID:YbkimNVl
「ジュン。 お花はどうやったら咲くの?」
雛苺はPCのモニターに見入っている少年に尋ねる。
「花? 種植えて水と肥料をやれば咲くんじゃないか?」
「本当ぉ? じゃあ、植えてこようっと♪」
「おい! 植えるってどこに植える気だ?」
「お庭!」
「こんな寒い時期に咲くわけないだろ?」
「えぇ〜!? じゃあどうやったら咲くのぉ?」
「冬には咲かないよ。 春まで待てよ。」
「それじゃダメなのぉ〜! 今いるのぉ〜!」
「無茶言うなよ・・・・」
少年はまたモニターに集中し、もはや一顧だにしない。
その様子を面白そうに見つめていた水銀燈は
しょんぼりしている雛苺にそっと近付いた。
「雛苺。 翠星石に花を見せて上げたいのね?」
「えぅ? うん・・・・」
「でも冬に花は咲かないものよ? 花屋で買うこともできるけど結構
高いし、とても翠星石や蒼星石を満足させる量は手に入らないわ。」
「ぅ〜〜〜・・・・」
「そんな顔しないの。 可愛いお顔が台無しよ?
それならお花を作ればいいのよ!」
「作る?」
「そう! 雛苺は折り紙が上手でしょう? 二人のために
お花を一杯作って部屋をお花畑にしてあげなさいな。」
「それで喜ぶかなぁ・・・・」
「確かに本物の花ではないし、世話をする喜びもないわね。
でも気持ちは和むと思うし、貴女のその気持ちもきっと二人に伝わるわ?」
「・・・・うん! 雛、お花作る!」
「いい子ね! じゃあ紙を持ってきてあげるわね?」
そう言うと水銀燈はあちこちから紙やノートを集めてくる。
「私はこれから用事があって手伝ってあげられないけれど頑張ってね?
あと、ビックリさせるために物置でこっそり作るといいわ。」
「うん、ありがとうなの。 雛頑張るのぉ!」
水銀燈はニンマリと微笑むと冬の空に飛び出して行った。
そして少女は花を作る
大切な人のために
紙を切り、折り、貼り付けて
次々と花を生みだしていった――
684 :
S&M:2005/12/17(土) 01:23:26 ID:YbkimNVl
「はぁ・・・・」
蒼星石に付き添われ、遅い夕餉を済ませた翠星石は部屋に戻った。
蒼星石も同じ気持ちなのか何も言わず、黙って後につき従う。
ガチャッ
「えっ・・・・?」
ドアを開けると、そこは色とりどりの花で溢れていた。
足の踏み場もないほどに散らばっている。
「な、なんですかこれは?」
「紙の花?」
「あっ!? 翠星石ぃ! 蒼星石ぃ! お花なのぉ!」
「何言ってやがるですか? こんなもん紙でできた偽者です!」
「うん・・・・でも雛、他にできることないから・・・・」
少女は寂しそうに俯く。
「雛ね? 翠星石にも蒼星石にも早く元気になってほしかったの。
でも、ホントのお花は雛には高くて買えないの。
だから・・・・偽者でゴメンね?」
雛苺は目に涙を浮かべながら必死に笑顔を作ろうとする。
「チビチビ・・・・」
思わず自分の軽挙を悔やむ。
「ふ、ふん! こんな下手糞な花なんて、花じゃないです!」
「ふぇ・・・・」
「翠星石! なんてこと・・・・」
「だから・・・・翠星石がお手本を見せてやるですよ?」
「・・・・翠星石?」
「さぁ、紙を寄越すです。 一緒にお花を作るです。
まだまだこんなもんじゃ足りないですよ?」
「うん!」
ことの成り行きを心配して見守っていた蒼星石も
笑顔を浮かべその中に加わった。
685 :
S&M:2005/12/17(土) 01:25:41 ID:YbkimNVl
「・・・・貴方達、なにをしているのかしら?」
真紅は変わり果てた部屋を見るなりそう尋ねる。
「今花を作ってるです。」
「いっぱいつくるのぉ〜♪」
「真紅も一緒にどう?」
「はぁ・・・・遠慮しておくわ。」
真紅は呆れたという風に溜息をつくとお気に入りのベッドサイドに向かう。
「あら?」
使われている紙に既視感を覚え、思わず手に取る。
その紙は彼女の『クンクンレターセット』の一つだった。
「・・・・一体誰の紙を使っているのかしら?」
ただならぬ気配に振り返る一同。
「し、真紅、どうしたの?」
「この紙は私のクンクンレターよ?
雛苺? 一体誰に断って使っているの?」
「あ、あぅ・・・・」
「まぁ待つです真紅。 チビチビも悪気があってしたワケじゃ・・・・」
「あら? これは貴女達の『押し花ダイアリ』じゃないの?」
「・・・・あぁ?」
その言葉に途端に引き歪む翠星石の顔。
蒼星石もよほどショックだったのかその目は魂が抜けたように虚ろだ。
「ああ!? オマエらボクの部屋で何やってんだ!」
「どうもこうもないわ。 雛苺が私のクンクンレターで折り紙をしてるの。」
「お・・・・お・・・・『押し花ダイアリ』がぁ・・・・!?」
「・・・・」
「あ、あぅ〜〜・・・・」
雛苺は突然の苦境にパニックを起こし、ろれつがまわっていない。
「なんだってぇ? ってボクの教科書とノートがあぁぁぁ!?」
「どうしたのみんな?」
騒ぎを聞きつけてのりが上がってきた。
「雛苺がボクの教科書とノートを折り紙にしやがったんだ!」
「あらあら・・・・」
「あら? これは家計簿かしら?」
また一枚摘み上げていた真紅はその花をのりに指し示す。
「なっ!?・・・・雛ちゃあ〜〜〜ん?」
「えぅ!? あぅあぅあぅ・・・・」
雛苺は必死に何かを訴えているが勿論通じない。
そして―――
「いやああああああああああなのぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!??」
少女の悲鳴がこだまする。
686 :
S&M:2005/12/17(土) 01:26:32 ID:YbkimNVl
「うんっ・・・・あっ、あん・・・・いいわ、もっと・・・・」
その様子を眺めながら水銀燈は自身の胸と股間を弄っていた。
「きゃああああああああああああああああああああああ!?」
「あふっ・・・・素敵・・・・もっと、もっと聞かせて・・・・」
悲鳴が響く度にそれにあわせて全身が大きく揺れる。
「いたぁい!? 痛いのっ! いやなのぉ! いやああああああああ!?」
「あっ! いいっ! いいわ!? もっと! いいっ! イクっ!」
「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・!?」
「イっちゃう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
その身がひときわ大きく跳ね上がると、ゆっくり崩れ落ちた。
「はぁはぁはぁ・・・・雛苺? とっても良かったわよ♪」
満足したのか、水銀燈は寝床でもある鞄の中に入って行った。
すべては水銀燈の企みだった。
例え主犯が自分であっても雛苺にそれを上手く伝えることはできない。
そこまで見こして自慰の『オカズ』に仕立て上げたのだった。
後にそれは発覚し、水銀燈はゲチョゲチョに
嬲られた上、上半身生き埋めの刑に処される。
その様はまるで一輪の白い花のようであり、
人々に『マンドラゴラ』と仇名されるようになったという。
「 冬 に 咲 く 花 」
完
687 :
S&M:2005/12/17(土) 01:28:01 ID:YbkimNVl
1,2とほぼ同じノリですがこれでクリスマスは終わりです
週明けにでも蒼星石凌辱&虐待モノをあげます
クンクンレターからの流れが面白かったです!
感動系かと思わせ、一気に転落する様子が職人芸ですね。
最後はやっぱりあいつかよ、みたいなパターンが多いですね。
自分は好きですよ。
>>678 神が降臨でもしないとこの流れは変わらないだろうな
690 :
蒼の子ブーさん:2005/12/17(土) 04:22:49 ID:p+YHD56q
最初に書いたSSなのに未だに出来てない奴があったなぁ
長い上に時間無くて全然書けないよ・・・
久々でageてしまった。
ゴメソ
692 :
梅岡先生:2005/12/17(土) 13:42:23 ID:mf3ZIWiL
>>678 悪い悪い。新参者なのについ常連ぶって似非批評家気取っちまったわ。
以後自粛。
>>678 今回の場合は作者が不満点と感想が欲しいとお願いしてるんだから何も問題ないのでは?
率直な感想が欲しい作者もいるだろうし、甘口レスばかりでもスレが衰退するんじゃね?
694 :
修業僧:2005/12/17(土) 19:56:33 ID:VGdpqdKk
甘口すぎても、辛口すぎても、それ見て新しく投稿しようとする人のやる気を削ぐかもしれないからその辺も考慮してみるべきだと思う
「水銀燈?」
足音が聞こえたので思わず声を出す。
夢の世界に乱入してくるなんて彼女くらいなものだ。
「あら、バレバレじゃない」
彼女は軽く笑みを含み、私のことを見ている。
「ねぇ、真紅。ちょっといい?」
「あら、何かしら」
いきなりの問いに聞き返すほかに手は無い
「アタシねぇ。今日一つ決めたことがあるのよぉ」
「だからそれは何?」
彼女は間を少し置いて、答えた
「アリスになるのを諦めるわ」
もうアニメ視聴に耐えんレベルになったな
ただでさえ脚本演出が糞だったのに、原作の味であった崩し絵も、只の手抜きの方便になってしまってるし
わかったからそういう愚痴は本スレに書いてくれ
真「私はもう戦わない。」
雛「じゃ、じゃぁ雛も戦わないの〜」
蒼「ボクも・・・戦わない」
翠「蒼星石が戦わないのなら、翠星石も戦わないです。」
金「みっちゃんが寂しがるから戦わないかしらー」
JUM「仕方ない、じゃぁ僕がアリスになってやる!!」
JUM VS 水・薔薇
JUM「うわwせdrfなにをするrftgyふじこlp;@」
699 :
S&M:2005/12/18(日) 01:23:20 ID:7BA+KT/P
書き込めそうなので上げます
エロ駄目な人はスルーしちゃってください
「早くおいで?」
「はい・・・・」
蒼星石はうつむいたままボクの体を跨ぐと
そそり立ったモノを自分の秘所にあてがった。
「んっ・・・・」
ゆっくり腰を落として自身の中に迎え入れる。
すでに自分で濡らしていたのかすんなりと入ってゆく。
意地悪心を出したボクは慎重に進める蒼星石を
下から突き上げてやった。
グイッ
「んはぁっ!?」
甘い声と共に仰け反る蒼星石。
足はガクガクと震え、その身はいまにも崩れ落ちそうだ。
「トロトロやってないで早くしろよ?」
「は、い・・・・」
促され、再び腰を落としてゆく。
「ふっ・・・んくっ・・・んっ・・・」
切なげな吐息が漏らしながら、とうとう根元まで咥えこんだ。
「さ、動いて?」
「・・・・」
ボクの下腹に手を添えて体を支え、腰をぎこちなく上下に揺すりはじめる。
「うっ・・・うんっ・・・うくっ・・・」
声を出すのが恥ずかしいのか片手で必死に口を抑える。
700 :
S&M:2005/12/18(日) 01:24:06 ID:7BA+KT/P
その羞恥心を捨てきれないところがまた愛らしい
再び意地悪心を出したボクは唾液で湿らせた指を彼女のお尻の穴に這わせた。
「あぁっ!?」
思わぬ刺激に上がる驚きの声。
「どうした?」 ゆっくりと穴のふちをなぞる。
「やぁっ、そこは・・・・ダメだよぉ・・・・」
「ホラ? 腰がお留守になってるぞ?」
彼女の非難も構わず、再び下から突き上げる。
今度は一度では終わらずリズミカルに動かし続ける。
「やんっ!? あぅっ! はんっ! あぁんっ!」
蒼星石はもはや喘ぎを堪えようともせず甘い声を奏ではじめる。
やがて蒼星石も自ら腰を振りはじめた。
ボクも両手で乳房をこねまわしながら腰の動きを早めていく。
「蒼星石っ、いいぞっ・・・」
「あぁんっ! ジュンっ! あんっ! 好きぃ! あぁっ!」
高ぶると同時に彼女をきつく抱きしめ、その唇を吸い上げる。
そして欲望のたぎりを深奥に解き放つ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
声なき絶叫が口内で弾け、蒼星石の小さな体はボクの胸で大きく跳ねた。
「っ!? っ!! 〜〜〜っ!!」
注ぎ込まれる度にその体はビクッ、ビクッと跳ね上がり
爪先はボクの体を掻き毟る。
701 :
S&M:2005/12/18(日) 01:25:32 ID:7BA+KT/P
やがて射精を終えると張り詰めていた彼女の体は力なく崩れ落ちる。
ボクはその体をそっとベッドに横たえ、頬にキスする。
「愛してるよ、蒼星石。」
「はぁはぁはぁ・・・」
荒い息をつきながら、その目はボンヤリと霞んでいる。
しかし声は聞こえたのか、必死に声を絞り出した。
「はぁ、ジュン、はぁ、好きぃ、はぁ、はぁ、ジュン、ジュンぅ・・・・」
甘い声でボクを求め、震える手でボクを探し空を掻く。
そのしぐさがたまらなく愛おしく、胸に抱きしめ唇を吸い上げた。
チュゥッ
「んむっ・・・・」
安心したのか、 ボクに体を預けてぐったりしている。
その顔は満ち足りて安からだ。
もう一度頬にキスすると、布団を引っ張り上げた。
ココに来たときとは大違いだな・・・・
ボンヤリと一週間前を思い返していた。
「 被 虐 の 罠 」
「こんにちは! 今日からお世話になるけどよろしく。」
「久しぶり。 元気だったか?」
「うん、ジュン君も元気そうだね。」
「まぁな。 翠星石は?」
「元気だよ。 元気すぎて困るくらい。」
「ははっ、そうだろうなぁ。」
蒼星石は勉強のために都会に出てくることになった。
そこで頼った先が旧知でもあり、
都会で一人暮らしをしているボクの元だった。
巴と付き合ってはいるものの、『お堅い』向こうの都合で
同棲はせず、同じ大学に通いながらも住処は離れている。
姉から連絡を受けたボクは二つ返事でOKした。
そして陰惨な宴はその夜の内にはじめられた・・・・
702 :
S&M:2005/12/18(日) 01:26:25 ID:7BA+KT/P
「お風呂上がったよ?」
タオルを体に巻きつけた蒼星石が部屋に戻ってくる。
「ああ・・・・」
返事をしながら手元の縄を掴みビデオカメラの位置を確かめる。
「パジャマは、と・・・・」
出した荷物の中から寝巻きを探す蒼星石。
ボクは気付かれぬよう蒼星石の背後に忍び寄る。
「あった。」
ガバッ
「っ!?」
蒼星石を押し倒し、素早く後ろ手に縛り上げる。
「なっ、なに?」
突然のことに事態が飲み込めないのか暴れもせずじっとしている。
「ジュン君? ねぇ? なにこれ?」
身をよじってこちらを伺うその顔にはいまだ疑いのカケラもない。
本当にお目出度いヤツだ
「ジュン君、早くほどいてよ。 イタズラは無しだよ?」
「・・・・」
前に回りこむと蒼星石の顎に手を添えて持ち上げる。
その顔は『よくわからない』と言う風にキョトンとしている。
「オマエは本当に可愛いなぁ? 蒼星石。」
「・・・・ジュン君?」
薄く開いたその唇に吸い付く。
チュウッ!
「んっ!?」
驚いたのか反射的に顔をそむけ、床に転がる。
703 :
修業僧:2005/12/18(日) 01:27:15 ID:cyCxBHDr
エロはエロパラ板に書くことになったんじゃなかったっけ?
704 :
S&M:2005/12/18(日) 01:27:37 ID:7BA+KT/P
「なっ! なにするのっ!?」
怯えたような目で問いかける。
「わからないか?」
「な、なにが?」
近づくと蒼星石はキュッと身を縮こまらせる。
構わず巻きつけられたタオルを剥ぎ取った。
バッ!
「あっ!?」
ボクは股間をさらけだすと、彼女を後ろから抱きかかえて立ち上がる。
子供にオシッコをさせるような格好になった。
何がはじまるのか理解できないのか
蒼星石の顔は恐怖のため、泣きだしそうに歪んでいる。
「ねぇ? どうしたのジュン君? なんだか怖いよ・・・・」」
「怖いことないさ? とっても気持ちいいコトだからな。」
「気持ちいい・・・・?」
ゆっくりとその小さな体を下ろし、秘所に自分のモノをあてがう。
「っ!?・・・・な、なにコレ?」
ヌルッ
「あうっ!?」
あらかじめ潤滑油を塗っておいただけに先端はすんなりと潜り込む。
だがすぐに抵抗を感じ動きを止めた。
「それじゃあ・・・・行くぞ?」
「ジュン、君・・・・?」
彼女の体を一気に落とす。
ズルリッ
「・・・・ぁああああああああああ!?」
一瞬遅れて響く絶叫。
その叫びには驚き、恐怖、苦痛のすべてが詰まっていた。
705 :
S&M:2005/12/18(日) 01:28:30 ID:7BA+KT/P
「痛いっ!? 痛いよぉっ! ジュン君!? やめてぇっ!!」
蒼星石はその苦痛から逃れようと必死に身をよじる。
しかしそれがかえって仇となった。
身をよじるたびに自然と自身の体重で喰いこんでゆく。
のたうつ度により深く貫かれ、その悪循環にパニックを起こした。
「あがっ!? やぁっ! ぃぎっ!? あぐっ! あはぁっ! いやあぁっ!!」
もはや言葉にもならず、ただ悲鳴を上げることしかできない。
やがてボクのモノを根元まで咥えこんで止まる。
穴は思ったよりはるかに深い。
「痛い・・・痛いよぉ・・・やめてよぉ・・・もうやだよぉ・・・」
蒼星石は泣きながら訴える。
だが本番はこれからだ
支え持った彼女の両足をしっかりと掴みなおし、持ち上げる。
「あぐぅっ・・・!?」
引き抜かれる苦痛に呻きながらもその顔には安堵が広がる。
そして深いため息が漏れた。
「ふぅっ・・・・」
その瞬間一気に落とす。
「きゃああああああああああっ!?」
今度は落とした位置で支え、下から乱暴に突き上げた。
「痛ぁっ!? 痛ぁぃ! 痛いぃ!! いやだぁっ!!」
必死に苦痛を訴える蒼星石。
それに応えるようにさらに激しく突き上げる。
「やぁっ!? やだぁっ! やめてぇっ!! やめてよぉっ!?」
頭を左右に振りまわし、泣き叫んで哀願する。
その姿と零れ落ちる涙がボクの嗜虐欲をさらに刺激する。
706 :
S&M:2005/12/18(日) 01:29:39 ID:7BA+KT/P
「許してぇっ! お願いっ! もうやめてぇっ!?」
「蒼星石! いいぞっ!? もっとだっ!」
「やだぁっ!? やだよぉっ! もういやだぁっ!!」
「いいぞっ! 行くぞっ!? 蒼星石、蒼星石、蒼星石っ!」
いよいよ高ぶりを感じたボクは彼女の体をきつく抱きしめ、
彼女の顔に自分の顔を擦り付けながらその名を呼び続ける。
そしてついに彼女の中にほどばしらせた
「ぐっ・・・・」
「うぁあああああああああああああ!?」
膣内で起こった爆発に絶叫する蒼星石。
これ以上ないほどその身を仰け反らせ、痙攣する。
「ああぁぁぁ・・・・」
叫び終わるとカクンっと力なく首を垂れる。
荒い息を吐くその顔は彼女自身の涙と唾液にまみれていた。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・」
「蒼星石、すごく良かったよ?」
ボクは彼女の顔を丹念に嘗め回す。
蒼星石は抵抗する気力もないのかされるがままだ。
ボクは彼女をベッドにそっと座らせるが彼女は力なく
崩れ落ち、膝立ちのまま布団に突っ伏してしまう。
「はんっ・・・・ふっ、うくっ・・・・んっ、んんっ・・・・」
呻きと同時にその小さなお尻がピクッピクッと震え、
そのたびに彼女の秘所から愛液と精液が溢れ出る。
やがてすべてを吐き出すと放心したようにぐったりしている。
その扇情的とも言えるさまに駆り立てられ、彼女の尻を鷲掴みにしていた。
蒼星石はまだ正気に戻らないのか、みじろぎもしない。
ボクはすでに怒張しきったものを尻穴にあてがうと一気に刺し貫いた。
707 :
S&M:2005/12/18(日) 01:30:35 ID:7BA+KT/P
ミチミチミチィッ・・・・ズブブゥッ!
「ぃぎゃあああああああああああああああああああ!!??」
体を串刺しにされたかのような絶叫!
断末魔の叫びとはこういうものだろうか?
思わず『殺してしまったか?』と心配するほどだ。
さきほどまでぐったりしていたのが嘘のように
その身は反り上がり、目は限界まで見開かれている。
そのさまにゾクゾクするような嗜虐の快感と
興奮を覚え、すぐさま腰を動かし始めた。
「あぎゃぁっ!? あがぁっ!! ひぎぃっ!? いぎゃあっ!!」
激痛にのたうつ、そうとしか言えないような痛がりよう
両手は縛られ、尻肉をがっしりと掴まれながらも
上半身だけで半狂乱になって暴れまわる。
釣り上げたばかりのいきのいい魚のようだ。
「いだぁっ!! いだぁぁい!! やだぁっ!! やあぁぁっ!!」
多少はなじんだのか、悲鳴のなかに哀訴が混じりはじめる。
むしろそれこそ嗜虐をそそる絶好のスパイスなのだが。
ボクはさらにその甘美な旋律を引き出そうと腰の勢いを弱める。
その分リズムを付け、呼吸の余裕を与えてやる。
「痛いよぉっ! やめてぇっ!? 許してぇっ!! お願いだよぉっ!!」
股間への刺激と蒼星石の哀願、二つの奏でる極上の快楽に酔いながら囁きかける。
「まだまだこれからだよ?」
「いやぁっ!? やめてぇっ! お願いっ! もうダメぇっ!! 」
「朝まで可愛がってやるからな?」
「やだぁっ!? 壊れるっ! 死んじゃうっ! 死んじゃうよぉっ!?」
「なら壊れちゃいな?」
「いやだぁっ! 助けてぇ! 翠星石ぃっ! おじいちゃんっ! おばあちゃんっ!」
「うるさいっ!」
ひときわ深く突き入れる。
「げふぁっ!?」
思わず仰け反り、息を吐き出す。
その頭をベッドに押し付け、さらに腰を進める。
708 :
S&M:2005/12/18(日) 01:32:04 ID:7BA+KT/P
「あぎゃあっ!? 助けてっ! 誰かぁっ!? 助けてぇっ!!」
やがて再び股間にこみ上げる感覚を覚え、
蒼星石の背中に覆いかぶさり体を密着させる。
突くたびに跳ね上がる彼女の反応を
全身で味わいながら最後のスパートをかける。
「あぐっ!? 痛ぁいっ! やあっ!? うあぁっ!!」
「いいぞ、行くぞ・・・・蒼星石、蒼星石・・・・」
「やだぁっ! 許してっ! 助けてぇっ!! いやあぁぁっ!?」
「うぐっ・・・・」
奥まで突き入れた瞬間、彼女の中にぶちまける。
膣内同様、まるで風船を膨らますときのような抵抗を先端に感じる。
「ひぁああああああああああああああ!?」
再度の絶叫、しかしその叫びは苦痛とともに快楽をも感じさせた。
全身がプルプルと痙攣し、それは6秒ほども続いた。
やがて緊張しきっていた体から力が抜けるとベッドの上に崩れ落ちる。
彼女のお尻からも秘所同様、精液が溢れ出る。
そのさまに再び欲望が込み上げるが流石に自分も疲労が濃い。
横に座るとその可愛らしいお尻を撫でまわしてやる。
「ひっ!?」
また何かされるのかと怯えて身じろぐ蒼星石。
ボクは彼女の頬に口付け、囁いた。
チュッ
「もうおしまい。」
「・・・・うぅっ、ヒック・・・・ふぐっ、うぇっ、ヒック・・・・」
安心したのか蒼星石は泣き始める。
709 :
S&M:2005/12/18(日) 01:33:04 ID:7BA+KT/P
「どうして、ヒック・・・・こんな酷いこと、うぅ・・・・」
「ん?」
「ボクが、嫌いなの?・・・・ボクは、来ちゃ、いけなかったの?」
「・・・・」
「だから、うっく・・・・こんな、グスッ、こと・・・・」
「愛してるからさ。」
「嘘だ・・・」
「本当。」
「だって、あんなに、酷いこと・・・・」
「愛してるからしたんじゃないか? ホントに初心だなぁ。」
「・・・・」
「これから毎日可愛がってやるからな?」
「やだよぉ・・・・もうやだぁ・・・・」
「ダメだ! オマエはもうボクのモノだ。」
「いやだ・・・・ボク、家に帰る・・・・」
「アレ、な〜んだ?」
「・・・・?」
ボクは蒼星石に棚上のビデオカメラを指し示した。
彼女は怪訝そうにボクとカメラを交互に伺っている。
「この一部始終収めてあるんだ。 アレ見たらおじいちゃんも
おばあちゃんもショックでポックリ逝っちまうなぁ?」
「っ!?」
「それともネットに流して全国のみんなに見てもらおうか?」
「そんな・・・・」
「オマエの可愛い痴態にみんな大喜びだぞ?」
「や、やめてぇ!」
「じゃあ・・・・わかってるな?」
「ひどい、ひどいよ・・・・」
「・・・・返事は?」
「うぅ・・・・はい・・・・」
「いい子だ。」
言うなりその唇を吸い上げる。
チュウ
「んんっ・・・・」
もう彼女は抵抗しない。
征服欲を満たされたボクは彼女を胸に顔を埋め、心地よい眠りについた。
710 :
S&M:2005/12/18(日) 01:38:18 ID:7BA+KT/P
「あんっ! ジュンっ! ああっ!? いいっ!!」
「・・・・」
巴がボクに跨って腰を振っている。
ボクはその痴態を冷ややかな目で見つめていた。
(やっぱりもうダメだな・・・・)
心底そう思う
彼女と付き合いはじめたのは復学してからすぐだ。
なんとなく蒼星石の面影が見える容姿に魅かれ、告白した。
それ以来、数年の付き合いである。
もともと気心の知れた仲だけあってたいして喧嘩もせず
文字通り『順調』に関係を深めていった。
最初こそ「結婚するまでは」とSEXを拒んでいた彼女も
キスやハグで感情が高ぶると自分の方から求めてきた。
彼女に不満があるワケではない。 むしろ満足していると言える。
しかし蒼星石を抱いて以来、巴をはじめ他の女性に
まったく魅力を感じなくなってしまっていた。
ボンヤリとその悦ぶ顔に蒼星石のそれを重ねる。
するとボクのモノはこれ以上ないほど膨らみ、気分は高揚してくる。
「あぅんっ!? いいっ! スゴイっ! ジュンっ! ジュンっ!」
早く済ませようと目をつむり、ひたすら蒼星石を思う。
彼女の顔、声、体、しぐさ、反応・・・・
(蒼、蒼、蒼っ・・・・!)
「いくっ! もういくっ! いっちゃうぅぅ!?」
「うっ・・・・」
なんとか彼女の絶頂に間に合ったボクは遠慮なく彼女の中に吐き出した。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・」
「・・・・」
711 :
S&M:2005/12/18(日) 01:40:30 ID:7BA+KT/P
荒い息をつきながらボクの胸に突っ伏す。
その髪をいつもどおり優しく撫でてやった。
(もう、巴とは別れよう)
そう思う
彼女が嫌なワケではない。 愛していないワケでもない。
むしろこうしている抱き合っている一時は自分にとってもっとも大切な時間だ。
だが、もはや彼女を一番に愛することはできそうもなかった。
わずかでも時間があれば蒼星石を思う自分がいる。
このままでは巴も自分も傷つくだけだ。
「・・・・ジュン?」
「なに?」
「最近、どうしたの?」
「なにが?」
「なんだか、変だから。」
「そっか?」
「うん。」
「そうかもね・・・・」
「何かあったの?」
「いろいろ・・・・」
「いろいろ?」
「いろいろ。 一つじゃないから。」
「ふぅん・・・・」
心配そうに見つめる彼女のおでこにキスをする。
いまや完全にクセとなった行為だ。
それをくすぐったそうにしながらボクにしがみつく。
「明日、行ってもいい?」
「ダメだって。」
「最近、ずっと行ってない。」
「散らかってるからさ。」
「片付けてあげる。」
「いいよ。 それに片付けられても困るし。」
「もぅ・・・・」
712 :
S&M:2005/12/18(日) 01:43:10 ID:7BA+KT/P
チュゥゥ・・・・
そう言うと彼女はボクの首筋に吸い付く。
キスマークでも付ける気か?
最近はしなくなっていたのに・・・・
「・・・・浮気、してないよね?」
「してないよ。」
自分でも驚くほど平静に答える。
正直、もう少しうろたえるかと思っていた。
いやうろたえたかったのだろう。
下手に答えれば追求され、バレることになる。
そうすれば自分から別れ話を切り出す手間が省ける。
なによりうろたえると言うことは彼女への未練がある証拠だ。
一時は本気で愛した女性にここまで無感動になった自分が悲しかった。
これで最後だ
そう思うとやはり胸に込み上げてくるものがある。
ボクは巴をきつく抱きしめ、その髪に顔を埋めた。
ずっと嗅いできた巴の匂い・・・・
「・・・・ジュン?」
されるがままの彼女が再び心配そうに問いかける。
無論いらえはない。
やがて諦めたのか彼女もボクの体に腕をまわす。
そして寝付くまで二人でずっと抱き合っていた
713 :
S&M:2005/12/18(日) 01:46:02 ID:7BA+KT/P
「お帰りなさい、ジュン。」
「ただいま。」
チュッ
「んっ・・・・」
帰宅するとすぐに蒼星石を抱きしめてキスをする。
かつては巴にしてきた行為を今は蒼星石にしている。
その度に巴の顔が頭をちらつくのが
うっとうしく感じられ、嫌な罪悪感を覚える。
「もう御飯できてるから。 すぐ食べる?」
「ああ。」
最初こそ苦痛を恐れ、怯えて泣いていた蒼星石も
性の快楽を覚えると嫌がりはしなくなった。
そしてそのたび愛を囁き続けるとすっかりほだされたらしく、
今ではまるで恋人か女房のように振舞っている。
蒼星石も『ジュン君』ではなく『ジュン』と呼ぶようになった。
ボクも彼女を『蒼』と呼ぶ。
嫌な気持ちを振り払い、蒼星石との一時に没頭する。
そして風呂から上がるといつもの時間が始まる。
「蒼、今日は騎上位をしてみようか?」
「えっ?」
「覚えてるだろ? 騎上位。」
「で、でも・・・・」
「イヤ?」
「イヤじゃないけど、ボク恥ずかしいよ・・・・」
「どうして?」
「だって、女の方からあんなに、あの、するなんて・・・・」
「ほら・・・・早くおいで?」
「はい・・・・」
714 :
S&M:2005/12/18(日) 01:49:11 ID:7BA+KT/P
蒼星石はうつむいたままボクの体を跨ぐと
そそり立ったモノを自分の秘所にあてがった。
「んっ・・・・」
ボクはその甘い一時に溺れ、外で聞き耳を立てている
者の存在にまったく気付いていなかった。
「・・・・嘘よ。」
彼女はその場にへたり込む。
その拍子に作ってきた弁当を取り落とし、中身を床にぶちまけてしまう。
しかしそれももはや彼女にはなんの意味も持たなかった。
「嘘・・・・嘘・・・・嘘・・・・」
うわ言のようにひたすら繰り返す。
その分だけこの現実を否定できるかのように。
その目はボンヤリと霞み、何も見てはいなかった。
やがて彼女は立ち上がると合鍵を使って扉を静かに開いた。
足音を立てぬようベッドまで辿りつくと、そっと愛する男の耳に囁く・・・・
「――ジュン?」
715 :
S&M:2005/12/18(日) 01:53:21 ID:7BA+KT/P
とりあえず一章終わりです
二章は後日上げます
18禁作品はエロパロにあるローゼンスレに書くべきだと思うんだ
>S&M氏
まずは一言、GJ!
蒼い子スキーなんで正直激しく萌えた…続き期待してますよ。
ただ凌辱主体ならエロパロの方に投下した方が良いと思います。
そんな訳で良ければあちらにも来てやって下さい!
GJ!!です。
読ませて頂きました。
自分もエロパロがいいかと思いましたが…、
展開的にこれからSSにいくのではないのかと、期待。
>>715 GJ、朝から蒼い子を読めて嬉しいよ
エロパロでもいいから続きを期待。
このスレって蒼星石スレと合一したわけで、エロも何でもOKだと思うんだけど。
そういえば初代スレからエロ描写はあったし
虐待要素も含むならエロパロで書くのは不適切な気も…
ここに全部投下しちゃうのもアリかもですね
>>715 いやぁ、おもしろいです。つづきを楽しみに待つ。
エロの賛否は微妙だな。
板のルールでエロは禁止だけど、
エロパロに新しい虐待スレを立てても閑古鳥だろうし。
直接的な激しいエロ描写は控えるってのが現実的な答えだと思う。
虐待はエロだけじゃないさ。
I!G!P!
_ _
.ィ/~~~' 、
_/ /  ̄`ヽ}
,》@)(从_从)))
◯||ヽ|| ゚-゚ノ|||◯ エーックス!
\||〈iミ'介'ミi ||/
≦ ノ,ノハヽ、≧_
テ<、ソ-〜'ヾフテ
lll
投下するかどうか分からないのですが、今ちょっと書いてみようと思っているものがあるんです。
それは恐らく微エロになると思うのですが、いかんせん自分がエロを書いたことが無いので、
エロパロに投下すると激しく萎えさせてしまいそうになるのですが…
もし投下するのなら、ここに投下しても構わないでしょうか…?
微エロ程度ならどっちに投下しても問題ないかと
でもまぁ、最終的には自己判断で
今あのスレは飢えてるから
君が書いたのがどんなのかわかんないけど
非難されるってことはないと思うな
そうか…ありがとう…
さっき書き始めたが、今の所全くそういう描写が出てこん…
新天地を目指してがんばります。
内容にもよりますが、今の所エロパロに投下してみようと思います。
ただ蒼なんで、蒼ならこちらの方が需要があるかな…と思ったのです…
うはー、蒼い子モノなら尚更楽しみだ
期待してるからのんびり頑張れ
730 :
S&M:2005/12/19(月) 01:50:30 ID:nNltWEjI
第二章
「・・・・ぎゃああああああああああああああああ!?」
突然の悲鳴に覚醒する。
身じろぎすると思わぬ抵抗に眉を顰める。
「うぐっ!?」
――縛られている?
椅子に座っている格好で両手足が拘束されている。
そばには誰かの気配、今の声は・・・・蒼?
「やっと起きた? 今の悲鳴がいい気付けになったかな?」
「巴・・・・?」
「ジュ、ジュンぅ・・・・」
「蒼、おい・・・」
ガキッ!
「あがぁっ!?」
突如響く打撃音と悲鳴
「蒼っ!? どうしたっ!」
「・・・・悪い口ね? ジュンを呼び捨てにしていいのは私だけなの。 わかる?」
「ご、ごめんなさ・・・・」
バキッ!
「ぎゃあっ!?」
「お口だけは綺麗よね? それでジュンもたぶらかしたの?」
「巴っ! オマエ何やってるんだっ!?」
眼鏡無しではほとんど見えないが輪郭からでもそこに
居るのが蒼星石と巴であることだけはわかった。
どうやら壁に貼り付いたような蒼星石が巴にぶたれたようだ。
731 :
S&M:2005/12/19(月) 01:51:56 ID:nNltWEjI
「おいっ!? 巴っ!」
「なぁに? ジュン、今いいとこなんだから・・・・
そっか! そういえば今眼鏡掛けてないモンね?」
ボクが必死に目を凝らしているのを見たのか、
巴はおもむろにボクに近づくと持っていた眼鏡を掛けさせる。
そして鮮明になった目前の光景に愕然とする
「蒼〜〜〜っ!?」
バシッ
「ぐっ!?」
叫んだ瞬間平手打ちを喰らい、視界が歪む。
眼鏡がズレていた。
「巴っ!? オマエ何してるんだっ!!」
「泥棒猫に、オ・シ・オ・キ、かな?」
蒼星石は両手足を杭で壁に打ち付けられていた。
泣きじゃくった後なのかその顔は涙と唾液でベッタリしている。
「蒼が悪いんじゃないっ!? 悪いのはボクだっ!」
「・・・・そう、悪いのはジュンなんだ?」
「そうだっ! 蒼は悪くないっ! やるならボクをやれ!」
「ふ〜ん? そんなにこの子が大事なの?」
「あ、預かり物だからな!」
「ねぇジュン? どうして私を裏切ったの?」
「裏切ったワケじゃない。」
「嘘! 浮気してたくせに。 でも遊びなら私も
大目に見ないこともないのよ? ジュンも男だもんね。」
そう言ってボクの頬を撫でまわす。
「・・・・この子に、本気じゃないんでしょ?」
「違うよ。 ただの遊びだ。」
その言葉に巴はその顔に笑みを浮かべ、蒼星石の顔は引きつる。
(ゴメンよ、蒼。 今こう言わないと二人とも何されるか・・・・)
732 :
S&M:2005/12/19(月) 01:53:32 ID:nNltWEjI
「本当に?」
「ホントだよ。 人間の彼女がいるのに人形相手に本気なんて・・・・」
「・・・・嘘ね♪」
バンッ!
「ぎゃああああああ!?」
打音と共に響く悲鳴、振り向きざまの巴の一閃が蒼星石の体を打っていた。
衝撃で打ち抜かれた両手足が突っ張り傷口を広げたらしい。
蒼星石は激痛のためかピクピクと痙攣している。
「・・・・いだぁぃ・・・・ぁぅ・・・・」
「やめろぉっ!? 蒼っ! 蒼ぉう!?」
「うるさいわね!?」
ゴンッ!
「がっ!?」
殴りつけられ、首が飛ぶ
女性ながらその力は凄まじく、すでに口内は切れていた。
「蒼、蒼って! そんなにこの子がいいの!?」
「違うっ! 話を聞いてくれっ!」
「黙れっ!」
ズンッ!
「うごっ!? がはっ、はぁっ・・・・」
鳩尾に撃ちおろされた拳に呼吸が止まる。
「許さない・・・・ジュンも、この子も・・・・」
「はがっ・・・・はぁっ・・・・」
「そんなにこの子がいいならこの子の声、たっぷり聞かせてあげるね?」
「ま・・・・」
言葉にならない。
しかしもはやボクにはかまわず、蒼星石に向き合うと大きく振りかぶる。
「や、やだ、やめてよぉ・・・・」
「うるさいっ!? このっ! このっ! このぉっ!?」
バンッ! バンッ! バンッ!
「あぎゃぁっ!? ぃぎぃっ!? いぎゃあっ!!」
鞭の痛みは想像を絶する。 まして巴の力で振るう鞭を喰らったら
どうなるか、ボクならば20発と保たずに悶死しているはずだ。
733 :
S&M:2005/12/19(月) 01:55:03 ID:nNltWEjI
蒼星石も打たれるたび激痛に跳ね上がり、
その度に両手足の傷は広がり泣き叫んでいる。
やがて壁に繋ぎとめられた一方の足首が壊れ落ち、一際大きな悲鳴が響く。
「ああああああああああああっ!?」
「ふぅ・・・・」
とりあえず気が済んだのか、息をつくとこちらを伺う。
「どう? いい声だったでしょ?」
「やめ・・・・」
ズンッ!
「〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
再度鳩尾に打ち込まれ悶絶する。 あまりの苦痛に一瞬気が遠くなる。
蒼星石を強く思っていなければそのまま気絶していた。
「・・・・いい声だったでしょ?」
巴は再度問うとボクの頭を掴み上げ頷くように上下させる。
「よかったわね〜! 蒼星石? ジュンが褒めてくれたわよぉ?」
「蒼星石? お返事は?」
「・・・・ぃだぃ・・・・だ、すけ・・・・」
グッ、ビキィッ!
「ぎゃあああああああああああっ!?」
いまだ壁に繋がれている片方の手を力任せに引き千切る。
手首から先が乾いた音をたてて転がった。
734 :
S&M:2005/12/19(月) 01:56:20 ID:nNltWEjI
「あが・・・・あ、いたいぃ・・・・い・・・・」
「悪い子ねぇ? ありがとうも言えないの?」
そう言うと力なく垂れている蒼星石の顔を壁に叩きつける。
ダンッ!
「ひぎっ!?」
「お返事は?」
「・・・・あ、りが、ど・・・・」
激痛に身をよじりながら言葉を吐き出す。
言い終えるや蒼星石の腹に拳が打ち込まれた。
ドンッ!
「ぐへぁっ!?」
「ありがとうございます、でしょ? ったく最近の若い子は・・・・」
「ひゅぅ・・・・ひゅぅ・・・・」
もはや声もなくその口からは空気が漏れているような音がするだけだ。
「言えないの?」
そう言うと手を残された腕に掛ける。
蒼星石は恐怖に顔を引きつらせ必死に言葉を絞り出した。
「ぁ、あぃ、がお、う・・・・ごぁ、ぃまぅ・・・・」
「いい子ねぇ! いい子には御褒美をあげましょうねぇ〜♪」
そう言うと彼女は床に転がっていた、棒を拾い上げる。
そしてそれを蒼星石の秘所へとあてがうと徐々に潜り込ませる。
蒼星石は顔を顰めてこらえる。
735 :
S&M:2005/12/19(月) 01:57:23 ID:nNltWEjI
「あぅ、やぁ、うぅ・・・・」
「いい具合ねぇ? ジュンはこれが良かったんだ?」
「ま、て・・・・とも、へ・・・・」
「確かにいい締り具合よね? だってこんなに小さいんだもの。
一体何回ジュンに注ぎ込まれたのかしら?」
「うぅ・・・うぐっ・・・・」
「・・・・お返事は?」
グリイッ
「あがぁあっ!?」
棒を中で掻きまわされ、苦痛に仰け反る蒼星石。
「い、いっ、ぱい、ですぅ・・・・」
「・・・・そう、数え切れないくらいしたんだ?」
「は、はぃ・・・・」
これには内心焦る。 巴の激昂を買うに十分な言葉だ。
その結末を思い、胸が張り裂けそうになる。
「ふ〜ん・・・・」
やがて巴は差し込んだ棒をリズムよく揺さぶる。
同時に残った手で自分の秘所を弄っている。
「んんっ、ん、あん・・・・」
「あぅ、んくっ、ふぅっ・・・・」
快楽には貪欲なのか、蒼星石はこの惨状ながらも秘所から
愛液を垂らしその表情には苦悶の他に悦楽の影が見える。
「んっ、いやらしい子ねぇ? こんなに、壊されて、んっ、まだ感じちゃってるの?」
「あぅん、うぅ、あくっ・・・・」
「んふっ! じゃあ一緒に行きましょ?」
その手はさらに掻きまわされ秘部への刺激を強めていく。
そして蒼星石や巴の喘ぎはだんだん大きくなってきていた。
736 :
S&M:2005/12/19(月) 01:59:20 ID:nNltWEjI
「んっ!、早く、あんっ!、いっちゃいなさい?」
「はんっ! はぅっ! あぁん! あんっ! あぁっ!」
二人とも腰をくねらせ快楽を貪っている。
蒼星石ももはや痛みを忘れたかのようだ。
そして――
「うぁあああっ!?」
「はぁああんっ!?」
同時に果てる。 弛緩し、腰砕けになる二人。
「・・・・逝っちゃいなさい? 天国にっ!」
ズブゥッ!!
「ぁぎゃあああああああああああああああああああああ!!??」
巴は差し込んだ棒を力一杯突き上げていた。
蒼星石は深奥を突き破られ、文字通り串刺しにされて絶叫する。
限界まで仰け反りその目はこれ以上なく見開かれる。
いまだ打ち付けられていた手足も引き千切られ、
縛から解き放たれるも両手足を失い、床に落ちた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!??」
肺の空気をすべて絞り出しながら、なお何かを
吐き出そうとその口は大きく開かれ、震えている。
見開かれた目には驚愕と苦痛、そして絶望しかなかった。
やがてその目から輝きが失われるとその場に崩れ落ちる。
「うわああああああああああああああああああ!?」
ボクは絶叫した
視界が白く霞んでゆく
やがて自分の声すら聞こえなくなり―――
737 :
S&M:2005/12/19(月) 02:01:41 ID:nNltWEjI
―――一年後
「ジュン? 起きて! 朝だよ?」
ガバッ
「やっ!?」
気が付くとベッドに引き倒されていた。
そしてジュンが覆いかぶさってくる。
「コラっ! ダメだよ? 早くしないと遅れるから・・・・」
チュッ
「んむっ・・・・」
唇を塞がれ舌が入り込む、そして口内を味わうように這いまわる。
「んむぅ〜!?」
すぐに体が熱くなり頭がボーッとしてくる。
「今日は休んでさ、一日中ゴロゴロしてよ? ね?」
「単位落としちゃうよぉ?」
「大丈夫だって、ちゃんと計算してるから。」
「もぅ・・・・」
結局流されてしまう。
「蒼、いい?」
「・・・・うん。」
「蒼、綺麗だよ・・・・」
「本当?」
「ああ、愛してる。」
「ボクも・・・・」
こうしてまた愛し合う。
こんな日々をもう一年も続けている。
いつまでもこんな穏やかな日々が続けばいいのに
そう思いながらジュンの安らかな寝顔を撫でる。
揃って就職も決まっており、後は卒業するだけだ。
738 :
S&M:2005/12/19(月) 02:03:43 ID:nNltWEjI
そろそろ「アレ」を始末しておくべきだろう。
ジュンを寝かさぬようベッドを抜け出ると、手早く着替え外に出る。
目的地は近所の神社を囲む林の一角。
「元気〜?」
「・・・・」
「せっかく来てあげたのに無愛想ね?
でもいいわ。 アンタとも今日でお別れ。」
「・・・・」
「私達、もうここを離れるからアンタにかまってあげられないの。
だからね? 自由にしてあげるわ。」
「・・・・」
「嬉しい? じゃあ最後のプレゼント♪」
そう言ってペットボトルに入れられていたガソリンを振りかける。
すべて出し切ると、マッチを取り出し火を付けた。
「さよなら。 ジュンのことは心配しないで?
私が『蒼星石』として一生面倒見てあげるから。 じゃあねぇ〜♪」
そしてその火をそっと落とし―――
ガッ!
「・・・・っ!?」
ドサッ
「あっ・・・・?」
突然の衝撃と共に視界に火花が飛び散る。
気が付くと私は地面に倒れていた。
なにやら側頭部がヒンヤリする。
――なにコレ?
早く火を付けないと・・・・
「蒼っ!? 蒼っ!!」
ジュンが壊れた人形を抱えて叫んでいる。
ジュン? なんでここにいるの?
『蒼』は私よ? それはただのガラクタ
もう動かないじゃない
そんなのより私を見て? ジュン・・・・
739 :
S&M:2005/12/19(月) 02:04:56 ID:nNltWEjI
再び意識を取り戻したジュンは「壊れて」いた。
私を蒼星石と思い込み、『蒼』と呼びかける。
どう説明しても真実を聞き入れはしなかった。
やがて彼との関係を保つため、私は『蒼星石』になる。
自分を『ボク』と呼び、蒼星石として振舞った。
林に隠した『本物』からこれまでの二人の生活も聞き出した。
すべてうまく行っていた。
蒼星石として愛されることに憤りはあったが、
暇を見つけては『本物』をいたぶって憂さを晴らした。
就職も決まり、新しい住居もいくつか目星をつけていた。
結婚も考え、最近はその話でよく盛り上がった。
――日取りは?
――どこでする?
――新婚旅行は?
――子供、何人欲しい?
「・・・・ジュン」
740 :
S&M:2005/12/19(月) 02:06:29 ID:nNltWEjI
一年ぶりに見る蒼星石の体は見るも無惨なモノだった。
両手足は付け根まで壊され除かれていた。
美しかった二色の瞳は抉り出され暗い眼窩が覗くばかり。
口にはポールギャグが噛まされ、その奥に舌はなかった。
そして体中に無数の釘が打ち込まれている。
「蒼っ!?」
「・・・・ぁ・・・・ぅ・・・・」
ポールギャグを外しても満足に声を出せない。
果たして彼女がボクに気付いているかも怪しかった。
「蒼、もう大丈夫だからな? 必ずボクが直してやる。 必ず・・・・」
ちらと双子の姉の翠星石の顔が浮かぶ。
彼女の力はきっと助けになるだろう。
(蒼のこの姿を見せたら・・・・最低でも半殺しだな。)
それも仕方のないことだ。
現実から目を背け、ここまで蒼を苦しめたのはボクだ。
半殺しくらいではとても足りないだろう。
早く蒼を連れ帰ろう、そう思ったボクは林を出ようと振り向いた。
―――巴
彼女は倒れたままの姿勢でボンヤリこちらを見つめている。
心底彼女が憎い
だが彼女をここまで追い詰めたのもボクだ
ボクは・・・・
741 :
S&M:2005/12/19(月) 02:08:20 ID:nNltWEjI
バッドルート
いずれゆっくり話し合おう
ボクに彼女を責める資格はない
なにより一刻も早く蒼星石を手当てしてやりたかった
「巴? 後できちんと話そう。 救急車を呼んでおいたからね?」
上着を倒れている彼女にかけると蒼星石をそっと抱き上げ外を目指す。
彼女を殴った「綾辻」を置いていくことが気懸かりだったが放っておいた。
どのみち犯人はすぐに割り出されるだろう。
「蒼? もう少し我慢してくれよ?」
「・・・・ジュン?」
「っ!?」
真後ろで囁きかけられる声に反射的に振り向く。
ガバッ
かかえた蒼星石ごと彼女に抱きしめられていた。
「巴? 傷は・・・・」
「平気。 どうせもう関係ないし。」
「ダメだろ!? じっとしてないと・・・・」
「ジュン?」
「な、なに?」
「大好きよ。」
「・・・・ボクだって。」
「嬉しい・・・・」
ズブッ
「がっ!?」
「くふっ・・・・」
かかえた蒼星石もろとも貫かれる。
見ると刃は巴の腹をも貫通していた。
「巴・・・・」
「もう他に思いつかなくて・・・・ゴメンね?」
「バカだな・・・・」
死を悟ったボクは彼女をそっと抱きしめ、唇を重ねる。
そして三人はゆっくりと地面に倒れ落ちた―――
742 :
S&M:2005/12/19(月) 02:10:03 ID:nNltWEjI
とりあえずバッドED完結です
後日グッドEDも上げたいと思います
昨日、おじいちゃんがボケ防止の本を買ってきた。
今日も買ってきた。
↑いつかこれくらい鋭い文章を書けるようになりたいです(・ω・)
S&Mさんお疲れさま。明日ゆっくり読みます。
S&MさんGJ!!なぜか巴に萌えてしまった俺
レプさんワロスww
何て言うか、トロイメントを
1の惰性で見てるのは 漏れだけ?
ローゼンって、こんなんだったっけかな…
ってか、トロイメントのテーマってなんなの?
激しく気になる、今日この頃
SSを書く気力が溜まりませぬ orz
>S&M氏
うはwww狂った巴テラコワスwww
個人的にこういうの大好きなんで別EDにも期待
>>745 いや…だからアニメの愚痴はアニメ板でどうぞ
てか惰性で見るくらいなら切るか原作でも読めば?
とにかくこんな所でボヤかれても困るよ、空気悪くなるし
>>745 気持ちは痛いほど良くわかる…
本スレとアンチスレでも同じことを言っているからそこへ言って一緒に愚痴をこぼそう…
ここで出す話題じゃないが、まぁね
750 :
748:2005/12/19(月) 13:36:19 ID:q1uRTD6f
むしろトロイメントの方がストーリーしっかりしてただの萌えアニメじゃなくなっているので好きだとかほざく俺は本スレへ帰るよ。
752 :
S&M:2005/12/19(月) 19:43:30 ID:AD76RPPh
>>740より分岐 ノーマルルート
彼女にトドメを刺す
この一年、蒼と思い続けて
そしてそれまでずっと、心底愛した人
「さよなら・・・・」
「ジュン・・・・」
うわ言のようにボクの名を呟く。
いまだその目は現実ではなく、どこか遠くを見つめている。
「さよなら、巴・・・・」
蒼星石をそっと横たえると彼女の首に手をかける。
ゆっくりと、しかし渾身の力を込めて締めていく。
「えぐっ・・・・」
彼女の目が焦点を合わせる、ボクの顔に
その目は悲しみに歪み、そして涙がこぼれ落ちた
気が付くとボクの目からも涙が溢れ、頬を伝い落ちていた
「巴っ・・・・巴ぇっ・・・・」
「・・・・」
嗚咽で全身が震える、ボクは泣いていた
巴は手を伸ばしボクの頬を撫でる、涙を拭うように
悲しそうな、寂しそうな笑顔
やがてその手は力なく落ち
彼女の目から光が失われた―――
753 :
S&M:2005/12/19(月) 19:44:17 ID:AD76RPPh
「ジュン? そろそろ一息入れるです。」
「・・・・ああ? ああ、ありがとう。」
翠星石がコーヒーを持ってきていた。
声をかけられるまで気付かないとはよほど集中していたのだろう。
「根を詰めすぎると体に毒です。 焦らなくても時間はあるですよ?」
「うん。」
そう言いながらもコーヒーに一口つけると、すぐに作業を再開する。
「ジュン!」
「ゴメン、大丈夫だから。」
「もぅ・・・・」
翠星石が頬を膨らませる。
しかしすぐに隣に座ると、作業の出来ばえを確認していく。
「もうすぐですねぇ・・・・」
「ああ。 もうすぐだよ。」
目の前には蒼星石の新しい体が出来始めていた。
蒼星石の体は損傷が激しく、もはや修理どころではなかった。
そこで一から作り直し、彼女の心を『移す』ことにになったのだった。
幸いにして彼女の体は隅々まで覚えている。
そして心の移植に関しても必要な資料は思った以上に早く揃っていた。
ローゼンの資料が、そのままそのための技術と知識を併せ持っていた。
「蒼、もうすぐだからね?」
「・・・・」
彼女はひっそりと眠りについている
しかし、じきに目覚め、また笑顔を見せてくれるだろう
ボクはかつての彼女に思いを馳せた
754 :
S&M:2005/12/19(月) 19:45:14 ID:AD76RPPh
ノーマルEDです
後で残りを上げます
755 :
S&M:2005/12/19(月) 22:56:40 ID:v+MRwxid
>>740より 分岐 グッド
やはりこのまま彼女を置いてはいけない。
彼女の体以上に、心に大きな傷をつけてしまうことになる。
それは取り返しのつかない禍根を残すような気がした。
倒れたままの彼女を抱き起こして背中に担ぎ上げ、
なんとか残った片手で蒼星石を抱き上げる。
「ふっ、ふっ、ふっ・・・・」
巴は軽かったが体力に自信があるほうではない。
無理な体勢にすぐに息が上がる。
「・・・・ジュン?」
「なに?」
「ゴメンね・・・・」
「それは蒼に、だろ?」
「・・・・」
「やりなおせるさ・・・・やりなおしてみせる、必ず!」
「ジュン・・・・」
「信じてもらえないかもしれないけど・・・・」
「・・・・?」
「ボクは君を、巴を愛してる! それだけは、信じて欲しい。」
「・・・・うん。」
タクシーを拾うと彼女を病院に送り届けた。
付き添っていたい気もしたが、今はそれ以上に蒼星石が心配だった。
翠星石や真紅、雛苺、水銀燈と言った他のドールに連絡を取り、
すぐに彼女らの元へ向かう。
「蒼・・・・あと少し、あと少しの辛抱だからね?」
「・・・・」
「大丈夫、必ず元に戻すから・・・・」
「・・・・」
帰路への機内の中、彼女をそっと抱きしめ
その耳にいつまでも囁き続けた。
756 :
S&M:2005/12/19(月) 22:57:30 ID:v+MRwxid
「ジュン? 支度できた?」
「ああ! 今行く。」
ボクは上着を羽織るとすぐさま階下に向かった。
「お待たせ。」
「早くしないと遅れるよ?」
「ゴメンゴメン。」
チュッ
「うんっ・・・・」
誤魔化すように彼女に口付ける、いつものクセだ。
「もぅ・・・・」
「ホラ、早く行こう?」
「うん!」
そして二人、手を繋いで歩き出す。
「こんにちは!」
「元気?」
「あっ・・・・ジュン、蒼、いらっしゃい。」
ベッドに座っていた巴が顔をほころばせる。
まだ体の動きがぎこちないようだが、最初の頃よりずっといい。
「リハビリは?」
「もう終わったよ。」
「そっか。 調子どう?」
「まだまだだけど、大丈夫。」
「うん・・・・」
やはり会話もどこかぎこちない。 これはボク自身もそうだ。
あれだけのことがあった後では仕方もないが。
757 :
S&M:2005/12/19(月) 22:58:24 ID:v+MRwxid
「ねぇねぇ? 今日はジュンがね・・・・」
すると蒼星石が気後れもせず巴に話しかける。
今までの地獄がまるで悪い夢でしかなかったかのように
蒼星石はいまだわだかまりを捨てきれない
ボク達二人の架け橋になってくれていた。
その屈託のない笑顔にどこか固い巴の顔も和らいでいる。
あのあと、蒼星石は皆の協力もあってか驚くほど早く修復を終えた。
しかし真紅が言うには、ボクの存在が一番大きかったという。
「もしかしたら貴女は・・・・お父様の血を引いているのかもしれないわね?」
勿論そんなワケはない。 純日本人のボクが彼の血を引いているはずはない。
しかし一度は真紅の断たれた腕を繋げたのも事実。 ボクは一体・・・・?
一方巴は、ボクが殴りつけたせいで体の機能に障害をきたしていた。
入院先の医師の言うには、リハビリで十分に正常な機能を取り戻せるという。
落ち着いた彼女と三人で話し合った結果、巴が退院したら三人で暮らすことに決めた。
「三人で仲良く暮らせればいいんじゃないかな?」
蒼星石が押し黙ったままのボク達二人にそう提案したからである。
巴はボクと離れることをひどく恐れており、その話にすがりついた。
正直、かなり抵抗もあったが他ならぬ蒼星石自身の希望である。
そして今日も蒼星石とともにいつものようにお見舞いに来ている。
「外に散歩に行こうよ? ね?」
「うん・・・・」
「それじゃあ、ジュン?」
「ああ。」
ボクは彼女を抱え上げると車イスに乗せる。
そして連れ立って外に向かった。
(やりなおせるさ。 そして今度こそ必ず二人を幸せに・・・)
密かな決意を胸に一歩を踏み出す。
三人の夏はまだ始まったばかりだった。
758 :
S&M:2005/12/19(月) 23:00:17 ID:v+MRwxid
これでグッド完結 以下は番外
>>753からの続きになります
「・・・・ふぅ。 ついにできたです!」
「はぁ・・・・」
「蒼星石? 嬉しくないですか?」
「だってボク、ボロボロにされてるもの・・・・」
「なぁに、話の中だけですよ!」
「なにもボクでなくても・・・・」
「まぁまぁ、細かいことは気にするなです。
チビ苺じゃアダルトなムードがブチ壊しですし、
真紅や水銀燈だと後で何をされるかわからないですからね。」
「じゃあ翠星石は?」
「あんなチビ人間の相手なんて死んでもゴメンです。
でも蒼星石はチビ人間のことが好きですよね?」
「えっ? うん、まぁ、その・・・・」
「照れなくてもいいです! せめてもの姉心です。
ラストではちゃんと元に戻るですよ!」
「うん・・・・」
「うっしっし♪ ようやく我が復讐が成就するときです!」
翠星石は三日前、雛苺の苺をくすねて階段を挟んだ大騒ぎをしていた。
その後、雛苺の元飼主、柏葉巴にお説教とお仕置きを喰らったのだった。
雛苺へのイジメは翠星石のライフワーク。
それにケチを付けられ、挙句にお尻をひっぱたかれては黙っていられない。
しかし正面きってリベンジするにはこれ以上なく恐ろしい相手。
そこで自筆のSSをネットに流し、評判を落としてやろうと考えたのだった。
759 :
S&M:2005/12/19(月) 23:04:08 ID:v+MRwxid
「それじゃあ早速、投稿するです。」
「・・・・それは困るなぁ。」
「大丈夫です! 地に堕ちるはあの男女だけですよ♪」
「へぇ〜、それって誰のこと?」
「何言ってるですか? あの柏葉・・・・?」
奇妙な違和感にゆっくりと後ろを振り向く翠星石。
するとそこには―――
「わ・た・し?」
「・・・・」
―――鬼
一言で言うならそうとしか言えないモノがそこにいた。
少なくとももはや人間ですらない。
ふんじばられた蒼星石がこっちを見て泣いている。
「・・・・オ〜ホッホッホ♪ こんなもんちょっとした軽いジョークです!」
「ウフッ♪ なかなか面白い遺言ね? 笑いのセンスあるわ貴女。
続きは閻魔様にでも聞かせてあげてね?」
パチッ
巴は木刀「綾辻」の柄にある止め具を親指で外す。
仕込みの刃を使うのだろう。
――この女、マジ殺る気だ
「・・・・あっ、ジュン! どうしたんです?」
「っ!? ジュ、ジュン君!? これはあの・・・・」
バッ!
翠星石は窓から飛び出し、一目散に駆けていく。
「まぁてぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
人形を抱えた鬼女がその後を追って行く。
果たして翠星石は三枚のお札を持っていたろうか?
760 :
S&M:2005/12/19(月) 23:08:48 ID:v+MRwxid
「被虐の罠」はこれで一応完結です
結論から言えば「蒼虐待」作品は結局失敗でした・・・・
しかし嫉妬・狂喜・嗜虐という好きなネタが書けたので個人的には満足
反省を活かし、コンパクトにまとめられたと思います
御感想、御指摘よろしく
761 :
陳:2005/12/20(火) 00:10:57 ID:BjiyA9HV
まぁええんでねえの
762 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/20(火) 04:59:03 ID:ZFRKSSwC
カオスメイデンは?
>>760 キャラが無茶苦茶で原形をとどめていない
オチがいつも似たり寄ったりでつまらない。あとは↑と同じ
>>743 今更だが、吹いたw
…私も、見習いたいものです
>>760 キャラ崩し自体は二次創作だしアリだと思うけど
巴があまりにキャラが違いすぎるように思う
あと責め側のキャラの語尾に?マーク多用しすぎなのが気になった
前半のエロ寄りの辺りは割と上手く書けてると思ったよ
次はエロならエロ、グロならグロでどちらかに特化させてみては?
>>765 レプ氏殿へ、これでもクラエーーー
天下の大実装、デスゥーンを祖父に持つ三代目、デスゥーン3世。
力強いが涙もろい、辛いものはちょっと苦手。
でも、3日前にゴミ捨て場から拾ってきた相棒、
石川ごわんくと、次元大ギン燈をお供に、
今日もじっちゃんみたいな超一流の大実装になるぜ!と右手を振り上げます。
OPテーマ『デスゥン・ザ・サードー!デスゥーー!』
〜CM〜
年末ジャンボ実装くじ、まもなく販売終了!
賞金総額2円
〜CM終わり〜
ある時、実装石御用達の本「デスゥスタイル」を読んでいた、
デスゥーン3世。その二つのきらきら輝く眼はある一点を見つめていました。
「雪に閉ざされた絶壁の牢獄、幽閉されたうるわしの姫君」
望遠レンズでかすかに捉えられた姫の美しい横顔は、
デスゥーン3世の心をズキュンと捉えて離しません。
「デ、デスゥ、デデスゥ、スゥ」
興奮交じりで、実装語通訳者でもなにを言っているか分かりません。
でも、どうやらこの姫をたすけに行こうと言うのです。
ごわんくと大ギン燈もしぶしぶ付き合います。
飼い主についていかないとおまんまくいっぱぐれちゃいますからね。
〜CM〜
ナツョナルです。古い年式の初期型実装を探しています。
万が一の場合、死亡事故につながる可能性がありますデスゥ。
〜CM終わり〜
困難に次ぐ困難!謎に次ぐ謎!
寒さに強い大ギン燈はともかく、ごわんくは
「さむいのだわ!さむいのだわ!」を連発にして役に立ちません。
もちろん犬だから、斬鉄剣なんてものは使えませんよ。
仕方ないので、途中からクール宅急便で目的地に送っておくことにしました。
これで鮮度が落ちる心配もありません。
何人もの悪魔の死者をばったばったとなぎ倒し、
ついに3人(約一名郵送)は、目的地に到着したのです。
いよいよ、うるわしの姫君との対面です。
ギィィ、重々しい牢獄の扉が開きます。
「ああ、ついにこの日が来たのかしら、夢にまでみた外の明るい世界、なんとお礼をいったらいいのかしら!」
緑色の髪にそれと対象的な美しい黄色と橙色のドレス。彼女はあの写真でみた何倍も、
そりゃーきれいなお姫様でした。
姫は軽く会釈すると3人の下にやってきます。その瞳はこれから向かう未来へのきぼうに満ち溢れています。
もちろん、デスゥーン3世の瞳もね。
ガキン!地面にナイフがつき立てられます。
どっから取り出したのか、ナイフとフォークをもって姫に飛び掛るデスゥーン3世!
間一髪のところでよける姫君をよそに、デスゥーン3世はどこまでもどこまでも彼女のことを追いかけます。
「いったい、これはどういうことかしらーー!!」
何週か部屋をぐるぐる回っているときに、デスゥーン3世のふところから、あの「デスゥスタイル」が落ちました。
その表紙にはこうかかれています。
「☆グルメ特集☆!あなたの舌を満足させる珍味、絶味をご紹介!」
CMワロス
もっと性に貪欲な実装を!
股間にポッカリ空いた一つ穴からだらしなく粘液が垂れる様を!
どう見ても個人嗜好です。本当にありがとうございました。
虐待分が足りないが
まぁ、由としましょう。
小さくgj
本編よりCMで吹いたw
実装石「デ・スゥーー!!」
777 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/23(金) 01:37:14 ID:f5Mr1LdR
保守
注意事項が微妙…
780 :
修業僧:2005/12/23(金) 16:19:52 ID:Emen0YCd
〈注意事項〉
単発乙、GJは次回に期待
作品にはどこがよかった、どこを変えればよくなるかなどアドバイスを。感想頼まれていない限り極力ただの批判は避けるように
リクや批判するだけでなく、自分でも書こう
食糞 18禁の表現はNG
15禁程度は許されると思われ
当然パクリはNG
他漫画、アニメ等のドッキングは止めた方がいい(俺は止めませんが)
つーか、そんな注意事項いらないと思う。
荒れるだけかと。今の
>>1程度のでいいよ。
ローカルルールを作ることが荒れる原因になるとは考えられないがな。
このスレも次で4スレ目なんだし、そろそろある程度のルールは決めた方がいいと思うがねぇ。
>>778 読んでみた感じ、ルールは必要ないかも。なんていうか、あまり意味がないルールだな。
ルールって言うよりマナーって感じだな。こういうことは書かない方が綺麗だ。
あとさ、一応このスレは何でもありってことになっているんだし。(元は蒼虐スレだったが)
エロが受け入れられないってのもあるが、それはエロパロスレを関連リンクで貼っておけばOKかと。
スレタイは「Rozen Maiden ローゼンメイデン SSスレ 4 」でいいんでないか?
蒼虐といった表現を入れるとしたら「ローゼンメイデンの蒼星石を虐めるスレ」が元祖だし良いと思う。
ただ、SS総合っていうイメージ定着のために今のようにしたんだからねえ。。。今のままが良いと思う。
>>780 食糞は蒋介石氏も愛用していたではないかwwww
猛反対に遭っていたがね。
>>778 スレタイはともかく、早めに立てて誘導してくれないと
>>778 表現は自由でいいと思う。
食糞も別にいいんじゃないか?
エロ表現、グロ表現、汚濁表現がある場合は、SSの前にそんな表現が
ありますよ的な、注意事項でも書いておけばいいかと・・・
スレタイは今のままに一票
季節は冬に変わり、日はイヴを指している。
肌寒い空の下、男女ペアをなし頬に笑みを浮べて
楽しそうに歩き回る、人間達。
その輪に紛れて、一匹の実装はそこにいた。
「寒…いデスゥ…」
飢えと寒さが彼を襲い、辛さと寂しさが周りを包む。
普通ならば、すでに力尽きているその状況下で、彼は命の火を灯し続けていた。
そこに、あるカップルが彼の傍を通りかかった。
「デスデス…デス…」(御腹が減ったデス。寒いです…)
人間達の道を塞ぐように出て、何かを訴え掛ける実装。
「え…?」
今まで楽しそうに話していた女の人が、実装を視界に入れ 急に言葉を濁した。
連れの雰囲気が変わったのを、すぐさま男が察し
煮えたぎる目を実装に向け、怒鳴り声をあげた。
「なんだてめぇ!? 邪魔なんだよ糞蟲!」
たじろぐ実装、だが実装には引けない理由がある。
これ以上、何の補給も無しに寒空の下で過ごす事は、
死刑宣告を受けるのと、同義だったからだ。
「デスデ…… デベッ!!」
食べ物を懇願し様とした矢先、巨大なものが彼を押し上げた。
遅れて届く、気合の入った耳障りな言葉。
「うざいんだよ!」
そう言いながら、男は実装を蹴り上げたのだ。
だが、実装には巨大な物 としか認識できず、
目の前に迫った男の足に、為す術も無く蹴り上げられていた。
そして、缶を子供が強く蹴り飛ばしたかのように
きれいな放物線を描いて、実装は空を舞った。
爽やかな空を尻目に、高度を徐々に落としていく実装。
ゴミ袋を地面に投げ捨てた時のような音をたて、地面へと着地した。
実装は地面と一体化しても、一切呻き声をあていない。
空を舞う途中で、彼が絶命していたからであろう。
命なき肉槐となった、彼の周りは 体液が飛び散っている。
何の因果か、新に流れる実装の体液によって、書き出された一つの言葉。
「メリクリ」
と、読めない事もない。
〜fin〜
>>779、780
お前ら議論もなしに何勝手にルール決めてんの?
790 :
修業僧:2005/12/24(土) 12:00:46 ID:McRryAPt
こんな感じで、最低限のルールなりマナーなり必要になると思って、思いつくことをあげたんだけど、言葉足らずと気にくわない所は謝るよ
けれど、俺は最低限のルールなりマナーなり必要になるという考えは変えない。みんないらないと思うならそれはそれで納得するが。
>>789 スレ立て早過ぎないか?
長文、駄文すまん
791 :
建て逃げ:2005/12/24(土) 12:59:30 ID:/Yi1uiTn
>>790 そいつは、スマンかった
いや、そろそろ大量投棄が来る頃かな?
と思い、つい…ね
前スレのように、タイトルも変わってしまうと
検索に掛け難くなるし、移住もままならないかと
本音を言えば、建てたかった だが
前スレの出来事を考慮すると、これは妥当ではないか?
とも思ってしまう。
>790
思いつく事をあげた、って、思いっきり決定項みたいに書いてるし。
>けれど、俺は最低限のルールなりマナーなり必要になるという考えは変えない。
はぁ?お前が勝手に適当なルールを決めた事に反発があるのであって、ルールが多少なり必要なのは当然のことだろ。
何自分だけがルールを尊重するみたいな事言ってんの?馬鹿ですか?
糞みたいなSSしか書かない空気コテに限って自分ルールとか作りたがるんだよな。
本来の蒼虐時代を知らない新参が虐待やエロ禁止とか勝手に騒いでるのもアホらし。
>>793 昔のことばかり語って、現在についていけない君が可愛そうだ
ちょっwwwおまえらwww
そんな煽り合いより、新スレのお約束やら注意事項を手伝ってくれよw
てか、恐くてカキコできんw
何て言うか、
>>792-793 の言ってる事はもっともだが
そこまで、目くじら立てて書き込む事もないかと…
あと、職人潰しだけは無しの方向で願いたい
>修行僧
コテは嫌いですが、SSは味があっていいと思います
こんな事を言うのもなんですが、今度こそ完結を見させてください。
796 :
779:2005/12/24(土) 15:39:05 ID:qCmZBL8d
>>788 ルールなんて決めてないが?
ただ、そんなルールは書かない方が良いと言っただけ。
上手くいえなかったが、大体
>>783の言ってることに同意。
>>789はキレイにまとめたね。かなりGJ!
>778と間違えた
次スレ立ったことだし、こっちはルール議論の場にしよっか。
投下もあっちにまとめてもらった方が見やすいし。
799 :
修業僧:2005/12/24(土) 19:33:04 ID:McRryAPt
>>792>>793 人が勝手にルール作ったら気分悪いのは分かるが、ルールはいらない等自分の意見ぐらい言え
お前等がどうしたいのかが分からん
文句しか言わず自分から意見を言わない奴に批判する資格はない
>799
批判する資格なんてお前に決められるいわれは無い。
お前が1人で突っ走った事してるんだから叩かれるのは当然。
どうせ糞SSしか書かないんだからさっさと消えろスレ汚し。
まぁ、どっちもどっちだな
802 :
梅岡の人:2005/12/24(土) 20:13:27 ID:lEFCgeJA
おいおい、ココってこんな厨スレだったのか?
>>778も
>>780もあくまで一つの案として出してんだろ?
議論しようとして、こんなルールはどうですかと、一つの例を出したに過ぎないんだから。
ファビョってないでちょっと落ち着こーやwww
エロ、虐待をこれからもこのスレでは有りにしていきたいんだったら、そう言えばいいだけの話で。
そういう横暴かつ暴力的なレスじゃ賛同する人も賛同したくなくなるでしょーが。
とりあえず、L5bjbXLsとF4nuGGq8は深呼吸w
修行僧氏も気にくわないなら謝るっつってんだからさ。
まぁ氏もそんな煽りに乗って熱くなるのもどーかと思うよ?
……と、新参者が申しております。
ルールは特になし。
ただしエロ・グロ描写を含む場合は、SSの前に一言注意書き推奨。
でいいと思うけどなあ。
804 :
梅岡の人:2005/12/24(土) 20:27:34 ID:lEFCgeJA
>>803 賛成に一票。
でも
「エロ・グロ描写」を「エロ・グロ・虐待描写」を追加希望。
糞コテほど自治ルールに口を出したがる法則
>>803くらいの案で十分。
上の方でエロSSを咎めたアホ辺りからおかしくなってきた。
「エロ・グロ・うそ・おおげさ・まぎらわしい・デスゥー・大丈夫跳ね返した」を追加きぼう
>>806 多いなwww
あずまんがとのクロスは無いだろwww
虐待スレで虐待注意とかおかしいだろ。
810 :
梅岡の人:2005/12/24(土) 21:26:20 ID:lEFCgeJA
>>805 どうせもう書く気ないし、コテやめろっつーんならやめるけどw
せめて「エロ・グロ」に「虐待」は追加して欲しいな。
元々ここは虐待スレだったんだろうけど、今じゃオールジャンルのSSを投稿する場になったんだから、必然的に幅広い読み手、書き手を考慮しなきゃならなくなると思うんだが。
そうするとやっぱりエロ・グロ・虐待が苦手な人だっているんだし、そこら辺は配慮してもいいんじゃないかなって思う。
ま、そこら辺の判断は他の住民に任せるけど、あくまで一案として。
修業僧と梅岡の発言を検索すると自治厨&SS批評厨っぷりにムカムカするな。
その癖他コテのパクリくさい作品しか書いてないし(修業僧の実装?話なんて
レプ氏の以前書いたやつのまんまじゃん)。こういう糞コテが一番要らない。
今までどうりでいいのでは?
・透明シェルターあぼーん推奨
もうこれでいいよ
814 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/24(土) 21:37:50 ID:v3eBEVOI
イブなのになんでこんなに書き込み多いのかと思ったら・・・
>>810の言うことももっともだし、俺はテンプレに虐待追加していいと思う。
815 :
梅岡の人:2005/12/24(土) 21:45:47 ID:lEFCgeJA
>>811 パクリと言われるとは思ってもみなかったなw
後学のためにどこら辺がパクリなのかご教授願いたいのだが。
批評厨であったのは認めるが、ローカルルール決めで意見出すことのどこが自治厨なのか三行で纏めてくれ。
っつーか今はテンプラについて話してんだから、俺個人の叩きは後にしろよw
俺も
>>810にはおおいに賛成なんだけどな。
>>811 SS批評は必要な気がするぞ。
そのほうがバランス良くなったり、文体もいい感じになる事が多いからな。
まぁ、各々が折角書いたものを頭ごなしに貶すような批評はどうかと思うが。
>815
煽り返すから荒れるという事も分からない典型的駄コテ。ホント死んでいいよ。
818 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/24(土) 22:04:39 ID:v3eBEVOI
>>817 一番煽りまくってるお前が言うのかよwwwww
荒れてる原因は主にお前にあると思うんだが。
>>817-818 おーいもうやめよーぜ。
俺はもう自治批評執筆何もしないから、今はとりあえずテンプラについて語ってよwww
叩きなら後でじっくりやればいいじゃない。
ここで俺が流れを変えるSS投下
ごめん、やっぱ無理
やっと見つけた・・・「蒼」の文字がスレタイにないから誰も立てないまま消えたのかと
思った・・・
みんな仲良くしようよ……(´・ω・`)
流れが止まったので、ちょっちカキコ
////
※このスレに当っての留意点
・文頭に注意文の添付
・作品を見やすくするため、なるべくトリップを付けましょう
・気に入らない作品は、アボン推奨
■今までの職人達
・蒋介石 ;最高の蒼虐待氏。 初代スレを作った偉大な御方
・レ プ :エロ重視な作品を数多く投稿している。 古参の一人
・カオス :長い文を大量投棄する、困る人。 でも、面白い
・..S&M :アホです。(いい意味で) 兎に角、之しか言い様が無いです。
・梅岡の :突然現れた異端児。 クライアントの要求に応え、作品を素早く書上げる人。
・タイトル無し;たまに現れる職人、サダコ≒水銀燈 は必見です。
・ハロ氏 ;完結を迎えた書き手。 読んでないので分かりません;
・修行僧 :何が書きたいのか、路線変更数知れず、たまに味のある文を投稿してくれます
・その他 ;………ウボァ
/////////
↑のを作ってみたんだけど、張っちゃっていい?
てか、意見と修正キボン
説明文を、書き換えても構いませんので、どうぞよしなに
>>825 これテンプレにするのは面白そうだけど、いろいろと荒れそう。
職人評価はテンプレにせず、825が個人的な意見として貼ればいいんじゃない。
>・カオス:長い文を大量投棄する、困る人。 でも、面白い ※イケメン
うんこ
くちゃい
だからなぁに?
これは水銀燈のある日の記憶である
夜が明ける
「ちょっとぉ、なんでもっと早く起こさないのよぉ」
学校の制服を急いで着ながら水銀燈は食パンを口にくわえている
「うっさい、起こしても起きないお前が悪いんだよ」
JUMが水銀燈に罵声を浴びせる
「あぁ、もっと罵声を」
「意味わかんねーよ!」
夜。
「タモリ倶楽部始まったわ」
テレビをつけた水銀燈は画面を見ながら物々と独り言
それを見ていたJUMは「うはwwwキモスwwww」
「うるさいっ!人間の癖に!」
「いやお前もだろ・・・」
拾ってから3年未だにこんな日々が続いてた。
「ふぅ」
水銀燈が起き上がる。
「変な夢見た」
ッハッハッハ! …ちくしょう
ならば、ここに自主的な改訂脚本を、提示するのである
■今までの職人達
・蒋介石 :最高の蒼虐待氏。 初代スレを作った偉大な御方。
唯一、食糞を物語に取り入れた勇気ある人物。
・レ プ :エロ重視な作品を数多く投稿している。
かつては、蒋介石を陥れるために活動していたと思われていたが
結局、一番最後まで残った 初代スレを知る書き手となった。
・カオス :長い文を大量投棄する、困った人。 でも、面白い ※池
数多くの人が絶賛し、笑いを拾うコミカルな文を気質として持ち続けている。
彼のSSを読んで、作品を書き始めた人は多い。
・..S&M :アホです。(いい意味で) 兎に角、之しか言い様が無いです。
・梅岡の :突然現れた異端児。 クライアントの要求に応え、作品を素早く書上げる人。
自らが書き手でありながら、他のSSを辛く批判し 的確な修正点を提示する
飴とムチとは、まさに このことだろう。 (深い意味で
・タイトル無し:たまに現れる職人、サダコ≒水銀燈 は必見です。
何度も挫折をちらつかせながらも、その都度 見事に復帰を遂げて、
周りを魅了する少し風変わりな人。 チラリズムの教祖と言っても、差し支えないでしょう。
・ハロ氏 :完結を迎えた書き手。 読んでないので分かりません;
・修行僧 :何が書きたいのか、路線変更数知れず、たまに味のある文を投稿してくれます。
批判も多いが、批評も多い(?)。 兎に角、頑張って欲しい人の一人だ。
・もっさり氏:昔話風の語り手で、住人に長く愛されている書き手の一人。
虐待やエロとは縁遠い世界に住まう、純粋な人
・僕犯 :虐待大好き、バイヴ大好き
彼の人間離れした思想は、他者に何か訴え掛けるものがある。
・その他 :………ウボァ
…個人の意見として、新スレに投稿しても問題無いですかね?
意見求む。
>>831 蒋介石→勇気っていうかあれはただの趣味でしょ?結局挫折して姿を消し伝説になる。以外と若いらしい。
レプ→陥れようとしてた?まさかww実装ネタへの挑戦、雛好きなのも特筆すべき。昔さくら板で見かけた。
カオス→彼も結構古参だよ。
S&M→ごめん、意味わからん。テンプレにするならもちっと分かりやすい方が良い。
ハロ氏→わからんって・・・そういうことをいちいち書くなってwww
修行僧→彼もまたなかなかな古参なのです。
その他→その他は書く必要がないだろ。っていうかウボァって・・・。
833 :
埋め&訂正:2005/12/25(日) 10:06:24 ID:iUPiYJhZ
■今までの職人達 (紹介
・蒋介石 :最高の蒼虐待氏。 初代スレを作った偉大な御方。
食糞を趣味でSSに取り入れ、批判を食らって挫折し
結局は、姿を消し伝説となった。 案外と若いらしい。
・レ プ :エロ重視な作品を数多く投稿している。
飽くなき実装ネタへの追求心と、妄想を越えSSとして昇華させた
雛苺への好意を持ち合わせる、初代スレからの住人。
昔、さくら板に出没していたらしい。
・カオス :長い文を大量投棄する、困った人。 でも、面白い ※池(イケ)
数多くの人が絶賛し、笑いを拾うコミカルな文を気質として持ち続けている。
彼のSSを読んで、作品を書き始めた人は多い。
実は、結構古くから居るらしい。
・..S&M :SSに膨大な説明文を要し、圧縮と言う言葉は彼の頭に辞書登録されておらず、
あるのは削除の二文字のみ。
自粛と証して場景描写の一切を排し、意味不明な文を立ち上げたのが印象的。
グッド、ノーマル、バッド エンディングを用いてなる、SMワールドは必見です。
・梅岡の :突然現れた異端児。 クライアントの要求に応え、作品を素早く書上げる人。
自らが書き手でありながら、他のSSを辛く批判し 的確な修正点を提示する
飴とムチとは、まさに このことだろう。 (深い意味で
・タイトル無し:たまに現れる職人、サダコ≒水銀燈 は見る価値ありです。
何度も挫折をちらつかせながらも、その都度 見事に復帰を遂げて、
周りを魅了していく少し風変わりな人。 チラリズムの教祖と言っても、差し支えないでしょう。
・ハロ氏 :完結を迎えた書き手。
・修行僧 :何が書きたいのか、路線変更数知れず、たまに味のある文を投稿してくれます。
批判も多いが、批評も多い(?)。 兎に角、頑張って欲しい人の一人だ。
古くから、SSスレに関っていたらしい。
・もっさり氏:昔話風の語り手で、住人に長く愛されている書き手の一人。
虐待やエロとは縁遠い世界に住まう、純粋な人
・僕犯 :虐待大好き、バイヴ大好き
彼の人間離れした思想は、他者に訴え掛けるものがある。
一応、新スレに載せたいので
はろ氏の情報をお願いします。
このままでも、構いませんが…
SSがあったの知らなかったorz
なのでこっちに書くです
その1
銀灰色のもやの中、真紅は歩いていた
ぼんやりと少女の姿が浮かび上がる
真紅「ねえ、ここはどこなの、あなたは・・」
少女は泣いていた、何かを呟きながら
真紅「何?聞こえないわ」
少女が呟く度に、時の流れは緩やかさを増す
真紅「どういう・・こと・・時間・・が・・・・」
時が凍りつく刹那、真紅は気づく
少女の顔が自分に似ていることを。
真紅−夜明け前の夢−
つづけてその2
松明に照らされた教会、男はその時を待っていた
男の前のトランクがゆっくりと開く
男「お目覚めかな、水銀燈」
水銀燈「私を知っているとは・・何者だ」
男「この世界に秩序をもたらす者だよ、君とともに」
水銀燈「人間の世界がどうなろうと知ったことではない
それに、私にはミーディアムなど不要だ」
翼をひろげ立ち去ろうとする水銀燈に、男は問いかける
男「君の・・お父様についても・・興味はないかね?
アリスゲームの真実についても・・」
水銀燈「何!」
男「悪い取引ではないはずだ
私の鉄の意志により、君の力もより強くなろう」
水銀燈「・・いいだろう
誓いなさい この指輪に
水銀燈−58万時間の亡霊−
------
12日まで放送がないってのがつらいorz
水銀燈の口調が違う
>>833 >蒋介石
いや、食糞批判で挫折したわけではないが・・・・。
新作の出来が気に入らずに姿を消したのですよ。
どうみても過疎です。本当にありがとうございました。
とりあえず、ここの住人(俺も含め)はもうちょっと優しくなったほうがいいお
オールジャンルに対応できないと過疎化する一方だお
キャラがちょっと違うからとか、口調がちょっと違うからとか言ってそのSSを批判してると
いつか職人がいなくなっちゃうお。新人も易々と投稿出来ないお。批判怖いお。
それより■今までの職人達リストの方が新人排除っぽく感じる。
なんかここで書きたくなくなる空気を発してる。
>>842 そうか?
「カオス氏の新作まだか」とか「レプ氏最近来ないね」みたいな会話が普通にあるんだから、そういう固有名詞分からない新人さんにはむしろいいんじゃない?
まぁあんまりコテハンが馴れ合うと新人が入りづらい雰囲気が作られるっていうのは分かるけどね。
雛「わーいwはなまるハンバーグなの〜」
真「本当に何時食べても美味しいわ、のり」
翠「人間の作ったわりにはなかなかですぅ」
の「ほ、本当?よかったわ・・・」
の「今更はなまるハンバーグは冷凍食品だなんて言えない・・・」
845 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/26(月) 00:41:14 ID:XBxMjF88
の「今更ハンバーグがマクドのパンズだなんて言えない・・・・」
>>834-845です
ここで七誌の俺ごときが言うのもなんですが
俺としては書いたものを読んでくれるだけで十分なので、どんな批評でもおkです
プライドなんぞ持ち合わせておりません(゚Д゚)y─┛~~
皆さんもスタンスの議論より、楽しい妄想をどうぞ
>>847 続き、は あるのかな?
今はまだ、批評しがたいですね
>wGG4pruW
読み手は順応に対応可能だが、書き手はそうはいかないもんだろう。
ドノーマルや甘々なジャンル(あくまで一例)のSS書き手がローゼン総合っぽいスレに突入したら、
中は虐待やグロエロの流れが主流で住人同士で大層ギスギスしてましたとさ
・・・とかだったら普通に引くしなw俺でも。この空気に順応出来る適正持ってりゃ問題は無いだろうが
だからといって、じゃあどうすりゃええのよ? って事になると、ほんとどうすりゃええのよ?
やっぱ蒼虐スレ爆誕〜ローゼン総合SSスレに変わるまでの流れが特異すぎるんだよなぁ、きっと。
まぁこの常時混沌っぷりと人気絶頂期とは思えぬ過疎っぷりも、ある種このスレらしいといえばらしいのかもな
>>842 俺も職人リストは別に必要もない気がする。職人つーくくりにすると、何か硬くないか?色々と。
もっと気軽に「一SS書き」程度の認識でいいと思うけどなー。書き手を軽く見てるって意味じゃなくてね
>>848 このスタイルで書くですよ
ネタは考えてないので、というかその場の勢いなので、いつ書くか不明です
つぅか実装石ってナニ?
姿形すら想像できない
あとこのスレ的にありなシロモノなの?
知ってる方詳細よろ
853 :
埋め:2005/12/26(月) 07:55:52 ID:EbZ1/p9Z
句読点って難しい!!
もう一度、勉強のしなおしだ!
読みやすくするつもりが、読みにくくなる…
ヤマアラシのじれんまか…orz
>>852 実装ネタ含む虹裏発祥ネタは、そもそも「虹裏って何よ?」
という根本的な部分から疑問符浮かんでる人もそこそこいるだろうから難しいところだよな。
>中にある、ローザミスティカならず、偽ローザミスティカ(偽石)を核として持っていて
それを壊されると、死んでしまう。
ここらへん書かれればローゼン派生としてわかりやすいんだけど、
ほとんど超キモィ虐待専用キャラとしてしか書かれない事がほとんどだし。
他キャラと絡みもほとんどないから、ローゼンものとしては確かに理解しにくいだろうね。
いっそ、
>>852のレスをもちっと簡略化したものを虹裏キャラ辞典のアドレスの下に貼り付けといたらどうだろ?
実装石てかわいいと思う
虐げられてる画像なんかいとおしさ感じるんだけど
>>852 サンクス!
・・・・ナニこのキモイの?
まったく嗜虐欲をそそられんぞ!
オレもSS同様虐待前に即蹴り殺してるね
虐待する価値が無い
修行僧殿が再び実装虐待SSを執筆しますように…
自分で書いてみますた。
「…う…あぁ…暇だ…」
12月27日。
特にやる事も無い昼下がり。
大きな欠伸が一つ、二つと増えていく。
6畳一間の汚れた部屋に虚しく響く溜息。
「…コンビニ…あぁ、…動くのだりぃ…」
…正直休日なんていらねーよな。
暇だし、無駄に疲れるだけだし。
なんかなぁ、こう…刺激的な休日をだな…
ガッシャァアアアアーン!!!!!!
四散する破片。
幾つか俺の頬を掠っていった。
野球の球が玄関まで転がっていった。
…糞ガキが。
「おいガキ供ォッ!!!あん」
「デスゥ」
「………」
な、なんだこれ…
子供…?
否、猫…?
否、………人形……?
「デスゥスゥ!!」
…あ?
なんだこいつ…
ボール返せってか?
人ん家の硝子割っといて…
いや、それよりもこいつは一体…
「…お前、こっち来な」
「スゥ??」
「…ボール返してやるからよ…な?」
…こいつが何か知りてぇ!!!
マジ興味そそられる…
早く来いよUMAァアアアア!!!!
「…デスゥ…」
「…よしよし、良い子だ」
…刺激的な休日…になるかもな…
「デスゥ…スゥスゥ!」
…俺の読みは当たった。
こいつは人形だ。
喋る人形なんて信じられるか?
初めは電池かなんかが入ってるのかと。
…だが違った。
こいつは間違いなく生きてやがる。
…生きた人形…
「スゥ…デスゥデスゥ!!」
「おぉ、すげぇすげぇ」
…俺の事が気に入ったらしい。
小さな身体を目一杯動かして踊る人形。
…本当に面白い。
「すげぇなお前、いや、大したもんだよ」
…この言葉に気持ちは無い。
ただこいつを煽ててるだけ。
…煽てに煽てて…
…あぁ、壊したい。
「…デスゥ!」
「…お前…今日からここに住むか?」
「…スゥ…?」
…あぁ、
こいつが発する言葉の一つ一つ。
本当に壊したくなる…
虐げて、
これ以上ないってくらい虐げて壊したい。
「俺はお前の事が気に入ったんだよ」
「…スゥ」
「硝子の事なら許してやるよ」
「…デスゥ!」
「…おぉ、住むか!…良い子だな」
…本当、良い子だ…
修行僧殿のSSを参考に書いてみますた。
インスパイアですがw
逆ギレする実装が好きなので
そこら辺もインスパイアさせてもら(ry)
なに?デビッド・デヘスス?
「デ、デスゥ…スゥ♪」
…あれから三日経った。
未だ手は出してない。
機を待ってる。
「ただいまチビ」
…名前なんてどうでもいいよな?
どうせ壊すんだからよ。
まぁある程度の愛嬌がある名前だ。
「デスゥ!…デススススゥ♪」
…何笑ってんだこいつ?
俺が帰って来たのがそんなに嬉しいか?
…そういう所が壊したく…
「痛ッッ!!?」
…はぁ!!?
なんだこれ…画鋲か!!
…このガキ…
部屋中に画鋲ばらまいてやがる!!!
「デススススゥ♪デスゥデスゥ♪♪」
…自分が何をしたか分かってねぇのか。
…頭悪いな。
ズザァアアッ!!!
辺り一面の画鋲を蹴り払う。
チビの表情が強張った。
…良いね。
「デ、デスゥ…??」
「…悪戯は駄目だろ?なァ?」
ゴドンッ!!!!!!
チビの頭を力の限り踏み付けた。
ギシギシ軋む音が心地良い。
…このまま壊したい。
「デ、ギッ、グギ、デ、デスゥ!!!」
…そう、
それが良い…
許しを乞わず、
怒りを露にして…
…最高だ…
ガドッ、ガドッ、ドギャッ!!!!
「デッ、ギスゥッ、デスッヴッ──」
チビの頭を勢いをつけて踏み、
最後に顔面から蹴り上げた。
>>862 終り?
続きがあるのなら、読みたい気分。
それと、このスレだと実装関連はスルーされがちだから
レスは諦めたほうがいいよ。
実装関連だからというか、「実装の虐待」自体がある種パターン化して似通っているイメージがあるというか。
もっと書き手さんによって独創性を追及してくれるとレスもしやすいんだけどね
虐待+特徴的なα要素・・・か何かがもっと欲しい所。あ、別に否定レスとかじゃないからその点はヨロ。
実装が虐待するのはどうか。
その3
窓辺の雛苺
すっと陽射しが翳り、あの世界を思い出す
・・・
好きなものだけで創られた、自分だけの世界
雛苺「もう・・こんなもの!いらないのー!」
世界はそれに応え、揺らぎはじめる
ふと、声が聞こえ、揺らぎは止まる
声「わたしの可愛い雛苺、だめよ、そんなことをしては」
雛苺「ふぅ?」
声「悲しい記憶も、楽しい思い出も
大切にしまっておいて、わたしが雛苺を大切に思うように・・
・・・
ふっと陽射しは甦り、雛苺の濡れた頬に陰影をつくる
のり「雛ちゃ〜ん、ご飯よ〜」
ふりむいて答える、いつもの笑顔
雛苺「は〜いなの〜!」
雛苺−雲の影−
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明日が待ち遠しい、でもちょっとガクブル