磯野家の王子様・タラちゃんスレ

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磯野の姉さんは外面の良い人だ。
俺や橋本はもちろん、以前近所に住んでいた老夫婦や作家先生なんかも「すばらしい女性だ。あんなすばらしい人の弟で、カツオくんは幸せものだ」とか思っていた。
だから、磯野が家でどんなことをされているかなんて、俺はまったく気づいていなかった。
気づいたのは、磯野が学校で倒れた時のことだった。
友達なのに。親友なのに。俺は磯野の異変に気づかなかった。

「気にするなよ中島。俺はおまえに感謝しているんだ。おまえが手伝ってくれなかったら、俺は今頃野垂れ死にさ」

磯野はこう言ってくれているが、俺の罪悪感はまだ消えていない。
磯野の姉さんからの執拗な電話は、もしかしたら罰なのかもしれないと俺は思っている。
罰を受けるべく、俺は留守番電話の録音テープの再生ボタンを押した。

「中島くん?」

磯野の姉さんではなかった。

「あたしよ、あたし」

花沢だった。

>>82
ありがとうございます。駄文ですが、よろしくおねがいします。