D.俺は風のようにルナのスカートをめくった。
「きゃあ!」
転校生は一瞬何が起こったのかわからないという風に呆然としていたが、厚手のデニム地のタイトスカートが、めくれ上がったまま降りないのに、熟したトマトのように真っ赤になった。
…見た。バッチリ見た。白地にピンクのチェック。多分ブラとお揃いのスポーティタイプだ。
「な、何するのよ!変態!」
どっかの古い少女漫画のように、転校生が殴りかかって来る。
のろい。のろすぎる。マトリックスか。
それを半身引いて軽く受け流しながら、蚊が止まるぜくらいの毒舌を吐きたくなった。
まあ、女だから当たり前か。
それにしても俺はどうしたっていうんだ。スカートめくり?小学生か!
それでも、この転校生を見た瞬間沸いたイタズラ心に自分でも高揚した。
まだ俺にも、こんな部分があったのか。
真っ赤な顔で掴みかかる転校生と押し問答を続けていると、校舎の方から始業のチャイムが鳴り始める。
「た、大変!遅刻!あ、あなたも早くっ!」
転校生に袖を引っ張られながら校門の前まで走り、既に閉まった門をジャンプして飛び越えると、門の向こうから情けない声が上がる。
「ま、待ってよ!置いてかないで!手を貸してぇっ!」
呆れ顔で門の壁をよじ登る転校生に手を貸すと、背後から高圧的な声がかかる。
「…見ない顔ね。転校生?」
これまた古い少女漫画のライバルっぽいご登場は、風紀委員のメノリだ。
仁王立ちで迫力ある姿は、とても同じ歳とは思えない。
俺は…
A.転校生をかばってやって、メノリの前に立った。
B.便乗し、「転校生?」と転校生に聞いてみた。
C.よじ登ってめくれ上がった転校生のスカートを見ていた。