1945年8月14日にエンジェル隊がタイムスリップ

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708636● ◆RURI/HT2TA :2005/08/24(水) 18:35:13 ID:Z8H2Pe7H
>>707
禿道。
俺も協力する。
709作者・名無し陸戦隊:2005/08/24(水) 19:38:30 ID:MRG1FGGi
上に同じく
710 ◆UQ9/cNgxIc :2005/08/24(水) 20:54:34 ID:VfgBcEjT
俺の目的は>>700で達成されてるからもう書き込むつもりはないよ
つーかこのスレ荒らす気は毛頭ないし
俺はAA書くなとは言ったけど小説書くなとは言ってないし
ここのスレには猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQを必要としている人達がいるんだから
好きなだけ書けばいいんじゃね

>>707
偽善者乙
どうやらあちこちで俺の悪口言ってるみたいだね
まあこのトリップはこのためにわざわざ作ったやつで
目的が達成されたら速攻で捨てるんだけどね(プ
このトリップの意味は猛虎☆全勝なら判るかも
あとどこら辺が脅迫なのか教えて
猛虎☆全勝もこれと同様なことを1飼いスレでやってたし
俺のやったことが荒らしなら猛虎☆全勝のやったことも荒らしって認めることになるね
俺はもうこのスレに来ないから回答は5ちゃんスレに書いてね
711 ◆UQ9/cNgxIc :2005/08/24(水) 21:54:58 ID:58wjzXJm
すまん、もう一レスだけ
>>707
つかお前は荒らされる側の気持ちが全然解ってないだろ
このスレ住民が俺の発言に怯えるように1飼いスレ住民も5ちゃん作者の光臨に怯えてんだよ
なぜ1飼いスレが立てられることがなかったかその理由を教えてやろうか?
立てたら確実に5ちゃんが猛虎☆全勝の手によって貼られるからだ
引退宣言→数週間後に復活宣言&現在執筆中とか書かれたら立てたら続きを貼られるって誰もが思うよな
このスレ住民が俺の発言を見たくないと思うように1飼いスレ住民も5ちゃんを見たくねぇんだよ

1飼いスレを復活させるために数年かけて1飼いの設定と5ちゃんの設定を切り離そうと
した俺の努力を無駄にしやがって

ちなみに1飼いスレに5ちゃんを貼ったのは5ちゃんは完全に1飼いと切れるってことを宣言
したかったためだ
ストーリーもモララーを虐殺するものに改造したしな
そもそも1さん虐殺、そしてしぃ虐殺を貼ったらストーリーが崩壊するって解んなかったのかな
このスレのストーリー読んだがなかなか面白いと思うよ
でもそのストーリーが悪気の有無に関わらずどっかの馬鹿に再起不能なまでに崩壊させられたら誰だって悲しいだろ

不快になった人スマソ
712名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/24(水) 23:39:45 ID:NC1sOVXM
試しに「問い合わせ消去」をしたら見事にアレは消えた・・・
清清しい気分なのであります。

>>706
毎度乙です。
烏丸家の美人母娘キター!! って気分ですね。
やはりお母様も「ち」の付くお名前ですか?
713名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/25(木) 07:10:09 ID:dvqlcMXQ
あぼーんばかりで読みにくい
714名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/25(木) 18:15:11 ID:hRAiLTgh
ギコナビ使ってて良かった。
あぼーん機能ですっきり快適。

猛虎☆全勝氏、乙であります。
715名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/25(木) 19:23:02 ID:jLorI7sS
◆UQ9/cNgxIcってなんかVIPっぽいよね
今あいつら韓国のサイト攻撃してるじゃん
あれと同じ
自分がやってることを正義だと勘違いしてるの
他人に迷惑かけてるのを全然わかってない
あんなどうでもいいことに熱くなれるなんておめでたい頭だよね

生きてるだけで迷惑かけてる糞◆UQ9/cNgxIcと負け犬vipperは
とっとと死んで迷惑かけた人達に詫びて欲しい
716名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/25(木) 23:01:07 ID:1Y6CDWvm
>>715
日本人も韓国の味方をしてくれた!
ありがとう
あなたみたいにどうでもいいと思って黙っててくれる人々がいる。
日本はやさしい国だ。
属国としてふさわしい。
独島も東海もあなた達のような日本人なら黙って認めてくれんますね。

717作者・名無し陸戦隊:2005/08/27(土) 23:26:57 ID:cyRH3CHU
昭和20年4月3日午後6時 東京市街
今の段階では紋章機は張子の虎といって良いかも知れない・・・
それが上田中佐の率直な感想だった。
確かに紋章機は強力だ。他の兵器と比較できないほどに・・・だが
どのような兵器でも無制限に動ける物ではない、
弾薬が無くなれば武器は使えないし、燃料が無くなれば動かなくなる。
それは当たり前の事だ。だが、紋章機の場合は、遠い未来の兵器と言うこともあり、
修理や武器弾薬の補給はしたくとも不可能に近い為、下手に戦闘に投入する訳にはいかない・・・
事前に聞いた話によれば、すでに一機は武器を使い果たし、大破しているらしい
ならば残りは4機・・・・・しかも陸海軍で戦力を分けると言う噂を耳にした。
もし陸軍の指揮下に入ったとして、紋章機はどの様に使われるのか?
エンジェル隊に軍の指揮官が付くのか、それとも独自に行動させるのか判断がつかない
もし陸軍が指揮するとすれば・・・上田中佐の脳裏にある陸軍参謀の顔が浮かんだ。
その参謀は関東軍で参謀をしていた時、ノモンハン事件の作戦を立案して大損害を出し
マレーでは作戦の神様と称され、南方戦線の作戦も指揮した。
上田中佐が3年前、武蔵艦内で連合艦隊司令部要員の一人として立ち会った、
陸軍との協議の時、その大本営参謀は、他の陸軍参謀よりも一際目立ち、
強引な物言いと駆け引きで自分の意見を推し進めようとした光景は、今も忘れられなかった。
あんな参謀どもが作戦を立てていたら、エンジェル隊もどうなるか分かったものじゃない
上田中佐は三城大尉に話しをふった。
「三城大尉、もし陸さんが紋章機を手に入れたとして、当面の予定通りに使うと思うかい?」
三城大尉は険しい表情をした。
「それは、難しいでしょうね・・・上のお偉いさんらはともかく、
 大本営参謀の面々が従うとは思えません、新たな駒が入れば、すぐ独断で戦線を拡大すると思いますよ。」
「だろうな・・・・・やっぱり」
「で中佐はどうするおつもりで?」
「とりあえず、陸軍にいる知り合いに情報をもらうよ、陸にもまともな奴はいる。
 言い方は悪いけどね。 紋章機を安易に使わない様に話をしてみる。連合国には情報でけん制する。」
「情報で?どうやって?」
三城大尉は、疑問を口にする。
「紋章機にはしばらくの間、無敵の兵器でいてもらう、戦わずにして・・・ね。」
「はぁ」
三城大尉は要領を得ない顔をしている。

上田中佐は、紋章機の情報と今日見た事を意図的に、
連合国側に知られるように流すつもりでいた。それも大げさに・・・。
頭の中で素早く、これからの計画を整理した。
情報を渡す相手もすでに決めていた。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/27(土) 23:28:16 ID:3qQ0ijV8
>>715
ゆめがひろがりんぐ
719名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/27(土) 23:28:58 ID:LQoSgmjL
VIPからきますた
720名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/30(火) 01:26:59 ID:6SUt+BeK BE:167681478-#
烏丸家風呂 昭和20年4月3日午後07:40
家に迎えられると既に風呂の用意がされていた。
正光が先に入れと言われたのですぐに風呂場へ向かうことにした。
レトロなタイルに浴槽は五右衛門風呂、烏丸家のちょっとした自慢でもある。
しかし、鉄の供出があるようになってからは少し後ろめたい気持ちもあるが。
「ちょっと待った!何であんたらと一緒なのよ」
脱衣所で服を脱ぎだすミルフィーユとちひろに蘭花がつっかかった。
「え?でも、お風呂の使いかたお分かりなりませんよね、私がお教えしますから」
ちひろはサラリと答え返す。
「2回も入ったらちひろさんがのぼせちゃいますよぉ〜それに燃料不足もあるんですよねー」
ミルフィーユがちひろの顔を見てニコニコと笑った。
「で、でも私は一人でゆっくり入りたいの!」
蘭花が首を左右に振って強烈にいやがる。
「お願いします蘭花さん、燃料不足で何とかもらってきた薪で焚いてるんです」
ちひろが深々と頭を下げる。
「ほら蘭花さん、ちひろさんがこんなにお願いしてるじゃないですか」
「・・・・・わ、分かったわよ」
「やったー流石蘭花さんですぅ!」
両手を広げミルフィーユが小さく跳ねる。
蘭花の準備が終わると早速浴室に入る。
3人では少々狭い浴室だが贅沢は言ってられない。
「先に身体を洗いましょう、父様が前にドイツ将校さんからもらった石鹸をおろしますね」
ちひろが包み紙を破って石鹸を取り出す、配給ではなかなか手に入らない物のようだった。
「じゃあ私が、ちひろさんの背中を流しますね」
「そんな、お客様のミルフィーユさんにそんな事を・・・・」
ちひろが断ろうとするがミルフィーユは既に背中を流し始めていた。
「それじゃあ私の背中流してよ」
蘭花が自分の背中を指差すと、ちひろはウンウンと頷くとすぐに石鹸をつけ背中を流し始める。
「ちひろさんの肌白くて綺麗ですね〜羨ましいですよぉ」
「ミ、ミルフィーユさんそんな、私なんか痩せぽっち出し髪も散切り頭だし・・・」
顔赤らめ必死の謙遜する姿にミルフィーユはニコニコと笑っている。
「散切り頭って、それショートカットじゃないの?」
背中を洗ってもらって気持ちよさそうな表情で蘭花が問う。
721猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/08/31(水) 01:34:55 ID:oBLqwqqZ BE:161692496-#
烏丸家客間 昭和20年4月3日午後07:40
ミルフィーユ達とは別に神は客間に通されていた。
「この時期に熱燗か・・・・奥さん無理してくださったなぁ・・・」
悪い酒ではあったが神はありがたくお猪口の分を飲み干した。
「待たせたな重徳・・・お〜酒があるのか!」
部屋着に着替えた正光がふすまを閉め神の正面に座る。
「奥さんにはすまん事をさせてしまったな」
「あ〜貴様が焼酎屋を開いたら旨い焼酎を飲ませてもらうよ」
神に酒を注ぎながら正光は笑った。
「そのときは一番効くやつを用意しておくよ」
そう言って神がキュッと酒を飲み干す。そして、今度は正光に酒を告ぐ。
「話は変わるが正光、今日の会議は本当によく集まったもんだな」
「ああ、このご時世に予備役の方々までお出ましするとはなぁ・・・」
正光はお猪口に口をつけながら頷いた。
「紋章機、うちも陸も喉から手が出るほどほしい兵器だからなぁ」
「ああ、零戦や隼を軽く凌ぐ戦闘能力に一式陸攻よりも優れた爆撃も可能・・・・正に万能機だ!」
神は少し興奮したように力強い口調になる。
「若い奴らも言ってたがあれは正にこの戦局を覆すにはもってこいの代物だ」
「正光!お前もそう思うか?なら話は早い、明日にでも豊田長官に掛け合って全て海軍に編入してみせるからな」
「重徳、確かに紋章機をワシントンに突入させりゃ壊滅的な被害を与えられるかもしれん、だがだ!
アメリカは広い、仮にその後ワシントンに部隊を展開させた所でどうなる?」
神は少し難しい表情をするが正光は続ける。
「向こうは最悪の場合アラスカにでも逃げ込んで常に反撃チャンスを伺われるだけだ」
「ではどうする?紋章機を持ってもこのまま宝の持ち腐れだぞ!?」
「まぁ待て、紋章機は酷使もしないが出し惜しみもしない。つまりだ、戦局を担う一手に投入しその存在を世界に広めるのだ」
正光の口元が緩む。
「アメリカという国は常に世論を気にする国だ、紋章機をしばらく防空に当てても効果は絶大だろうさ」
「ほう月光の時でも慌ててヤッコさんに護衛機をつけたんだからな」
「そうだ、B29の未帰還機を多く出す事によりアメリカの世論は騒ぐだろうし、こちら側としても体勢を立て直せる」
とっくりを持つ手に力が入る。
「防空目的でしばらくは陸軍を黙らせておければいいがな」
「重徳その辺はうまくやってくれよ、俺は米内閣下についてやらねばならん事がある」
「紋章機には車輪がない、水上機だからしばらくは海軍基地での係留が打倒とでもしておくさ!」
神がお猪口を正光に出すと、正光はお猪口を軽く合わせる。
「詳しい事はまた政権が変わった時にでも話す」
「もうそろそろお嬢様方がやってくるころだしな」
二人はにやりと笑うと同時に酒を飲み干した。

722猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/08/31(水) 02:40:23 ID:oBLqwqqZ BE:191635788-#
烏丸家風呂 昭和20年4月3日午後07:50
「ふ〜んそれで髪切っちゃったの?」
蘭花は頭から湯を被って石鹸を落とす。
「そうです、明日香もこのみ、麻奈もみんな髪をこんな風にしてくれたんです・・・」
ちひろは少し寂しそうに笑う。
「ホラ!又しけた顔する」
蘭花は完全にちひろの方を向くと桶に溜めてた湯を彼女の顔面にぶっ掛けた。
「ふひゃ!何するんですか、蘭花さん」
「髪くらい明日私がちゃんと整えてあげるわよ」
ちひろの頭をワシャワシャしながら蘭花が自信満々に答えた。
「蘭花さんはオシャレにうるさい人ですからね」
ミルフィーユがクスクス笑いながらちひろの頭に石鹸をのせあわ立たせる。
「さぁ〜痒い所は無いですか?」
「どうですかぁ〜?」
美容院の店員の口調で蘭花がちひろの頭を巧みに洗うと、ミルフィーユも参加して結構な泡が立った。
「くすぐったいですよ、もういいです、もう!」
ちひろはあまりのくすぐったさにケラケラと笑い出す。そこで蘭花が又思いっきりお湯をぶっ掛けた。
「よっしゃ!ようやく女の子らしい表情が見られたわね」
「ちひろさんの笑顔とっても可愛かったですよ!」
「へ・・・その、私・・・」
723名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/31(水) 02:42:52 ID:oBLqwqqZ BE:53898629-#
顔が見る見るうちに真っ赤になったと思ったら二人にソッポを向け逃げるように湯船に飛び込む。
「何てれてんのよ、ちひろちゃん」
「ほら、こっち向いてくださいよぉ」
すぐにズカズカと湯船に侵入する二人。ちひろは身体をよりギュと小さくするも五右衛門風呂に三人はきつかった。
「熱!何?」
蘭花がバランスを崩して今度はミルフィーユ肌が浴槽の壁に触れる。
「熱い!」
「あ、3人とも入っちゃったんですか?」
ようやくちひろがこちらを振り向いてくれた。
「そうよ!あんたがいそいそ入るんだもん」
蘭花は浴槽の中央に寄ろうとくっ付いてくる。
「蘭花さん、こっちが触れちゃいますよぉ!」
熱いのはごめんなミルフィーユもちひろにくっ付く。
数十分経過・・・・
「ちょっと!女の子同士真っ裸でいつま3人くっ付いてなきゃいけないの」
風呂の温度が高いので蘭花は既に顔が赤くなってきた。
「ちとせふぁん、私熱いお風呂は苦手なんれふ〜」
「困りました、3人このスペースでは出るのは難しいです」
ちひろは申し訳なさそうに顔をチャップっと湯船に沈めた。
「そんら〜ちひろふぁん何とかしてくらふぁ〜い」
ミルフィーユは目を回してロレツが回っていない。蘭花の方も危なかった。
五右衛門風呂は直接釜に火を炊いているため表面の温度が高いと説明しなかったのが痛手である。
ちひろは少し後悔しつつも脱出方法を考える。
「3人いっぺんに立ち上がりましょう!それで脱っせるはずです!」
ちひろは苦しいながらも何とか考えをまとめ二人も了承する。3人は抱き合ったままゆっくりと状態を起こした。
運悪い事に全員が後ろ向きであるため誰かが方向転換しなくてはならない。
「ミルフィーユ、あんた行きなさい!」
「え〜イヤれふよ〜」
「あんたこの中で一番運がいいでしょ!」
文句をたいして言わせないままミルフィーユがゆっくり回りだす。
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫よコイツの運の強さなら」
抱き合ったままおでこをつけて話しているすぐ横でミルフィーユが頑張っている。
「ま、まわれまふた〜」
「いいですよ!それじゃそのまま上がってください」
目を回して危なっかしい手つきでミルフィーユは手をかけた。石鹸に・・・・
「ふにゃ!」
「あっつううううううううう!」
言葉にならない3人の声が風呂場からこだまする。
「いいなぁ・・・・楽しそうで私も一緒に入ればよかった」
薪を運んできた千晶が恨めしそうに火を炊きながら窓を見つめていた。
724猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/05(月) 02:06:12 ID:lvYDstjm BE:35932234-#
帝国ホテル 昭和20年4月3日午後08:00
遅い食事を終え、シャワーを浴びた所で皆がミントの部屋に呼び出された。
「何なんですか!?ヴァニラさんはお疲れなんですよ」
「申し訳ありませんわ・・・・」
ヴァニラに気遣いながら片手でノーマッドを壁にグリグリ押し付ける。
「で、用件は何なんだい?」
ヴァニラの横に腰掛フォルテは足を組む。
「本日行なわれた御前会議で、わたくしの渡したロストテクノロジーそしてプランの事ですわ」
「ああ、あれを渡したのはどうかと思うぞ、しかもあたし達の軍事協力付だろ・・・」
「ミラクルミルクは帰還の検討がつけば完全回収いたしますわ、軍事協力も協力すべき所を間違わなければ」
「協力するところ?」
ミントの発言にフォルテは違和感を覚えた。
「ええ、徹底抗戦を訴える方々もいますが戦争を終わらせようと頑張っていらっしゃる方もおられますのよ」
ミントはコンパクトパソコンの画像ファイルを解答する。
「米内光政海軍大臣?」
「そうですわ、この方も終戦工作に粉骨されている方です、無論この他にも財界メンバーを調査しませんといけませんが」
ミントは米内光政について分かった事をフォルテ達に説明する。彼女にしかできない芸当であるが進むべき道は間違わずにいられるだろう。
「ですから安定した帰還方法の調査を行なう面でも停戦は必要不可欠なんですわ」
「ですがミントさん、このままでは無条件降伏に進むしか道はありませんよ?そうなればアメリカも政権交代や領土やらでやってきますよ」
ベッドの横でコテンと落ちているノーマッドが問題点を指摘する。
「その通り、これ以上問題をややこしくしない為にもこの国の基礎を残し停戦を行なうように仕向けなければなりませんわ」
「そりゃそうですよ、これ以上の国との接触は避けたいですからね」
ヴァニラに抱き起こされノーマッドはベッドに置かれる。
「そのためにもミラクルミルクを軍部に渡したんですわ」
「どういうことだい?」
フォルテの表情が少し曇る。ミントの策士家振りに少々押され気味であった。
「御前会議で私の申したプランを思い出してくださいまし」
「あん?ハルノートの条件とか言ってたやつだろ?」
「そうハルノートの要件を満たし交渉のテーブルに着く。しかし、それだけではいけませんの」
「それに加え新たな特典をつける・・・ですね」
「ビンゴですわノーマッドさん、そのためにもミラクルミルクは必要ですの」
ミントはノーマッドを正解者と指さす。
「だから、それをどうするんだって!」
少しイライラしながらフォルテはテーブルをバンバンと叩く。
「まだこの場では秘密ですわ」
軽くウインクして人差し指を口元にあてる。
「あーそうかい!んじゃ、あたしは寝かせてもらうよもうクタクタだし」
相変わらずのミントの性格にイライラも吹き飛び脱力感を持ってフォルテは部屋を後にした。

725猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/06(火) 01:21:57 ID:gZ6obe9Y BE:74858055-#
烏丸家客間 昭和20年4月3日午後08:15
「どうだ、さっぱりしたか?」
3人が風呂から戻ってくると食事の用意が整えられていた。
麦飯に南瓜の煮つけ、鯨の缶詰、野草の天ぷらとミルフィーユ、蘭花から見たら簡素なものかもしれないが、
ちひろの母が丹精込めて作ってくれたものである。
「はい、お洋服まで用意していただいてありがとうございます」
用意してもらった白いブラウスを着ている蘭花が丁寧に頭を下げた。後ろでちひろに頭を撫でられミルフィーユが泣いている。
『また何かあったのか?』
内心そう思いながらも正光はあえてその事には触れず3人を座らせた。
「さぁミルフィーユさん、蘭花さん、何もありませんが・・・」
ちひろが茶を出してくた。
「そういえば家族の紹介をしていなかったな、よし二人ともおいで」
正光がふすまの向こうを呼ぶと二人の返事が返ってきた。
しばらくするとふすまが開き少女と女性がきちんと正座している。
「私の妻の幸(さち)とちひろの妹、千晶(ちあき)だ」
「烏丸幸でございます」
「烏丸千晶でございます」
二人は丁寧に頭を下げると少し足を崩し目にしていたミルフィーユと蘭花も慌てて正座し頭を下げた。
「と、トランスバール皇国軍エンジェル隊隊員蘭花・フランボワーズです」
「同じくエンジェル隊のミルフィーユ・桜葉ですぅ!」
幸は二人の表情を見てニコリと笑っていた。
「蘭花さんでしたか?破れた制服は私が今夜のうちに縫ってしておきますから」
「は、はいありがとうございます」
蘭花は黒髪の綺麗な人だなと思い少し惚れ惚れとする。
「ミルフィーユさんもどうぞごゆっくりしていってください」
「はい、ありがとうございます!」
ミルフィーユも幸の黒髪に見とれてしまう。
「はっははは、どうだやっぱり女でも綺麗に思うだろ?」
神が後ろで笑っている。
「神さん、またそんな事」
幸も苦笑いを浮かべるが、ミルフィーユ達はコクリと頷く。
「そうだろう、そう思うだろう、いや本当に正光はうらやましい!」
神は烏丸家で酒が入るとこんな事を言っている。
「重徳の持病のようなもんだから気にせんでもいいぞ」
すぐに正光はミルフィーユたちを安心させ、酒を呑みなおす。
「烏丸大佐は神大佐の扱いに慣れてますね・・・」
「父様と神大佐は同期ですから・・・」
ちひろがこっそりミルフィーユに教えてくれたが神も聞き逃さなかった。
「そうだよ、ちひろちゃんのお父さんと俺は同期の桜だ」
「ああ訓練校からの腐れ縁でね」
神が正光の肩に豪快に手をかけると正光は苦笑いを浮かべる。
その日の烏丸家は笑い声がよく聞こえる夜となった。
726名無しさん@お腹いっぱい。:2005/09/08(木) 16:39:40 ID:1sjEbibW
今日もまた、虐殺厨を殺しました・・・・・・
けど・・・・マスターを殺した虐殺厨ではありませんでした・・・・
だから・・・私はまだ生きなければなりません。


                 @'´⌒`ヽ
                  ((( )))i||:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;:'
           ∧_∧  从・‐・*)つ||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''
           (:;)∀・;)  (つ ノ ||''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''
           ;;:;:;:;:;;ゲフォ! (_)/
          ,  ; ..      し'
     `    '"'"` ,,:・`*"+ ;
やっとここ見つけた
矛盾しまくりテラワロスwwwww
727猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/09(金) 01:24:00 ID:2frfxU9d
烏丸家客間 昭和20年4月3日午後11:00
食事が済むと、特にする事も無かったので疲れた身体を癒すべく、すぐに皆床に入った。
ちひろ、千晶、ミルフィーユ、蘭花は2階で寝ることとなり、正光と神は客間に枕を並べた。
幸は蘭花の制服を修理するためまだ起きているようだった。
「重徳、日吉に戻らなくて良かったのか?」
「紋章機の活躍はグアムにまで伝わってるようでなB29は恐れおののいて未だに出てきてないからな」
二人は天井を見ながら話を続ける。
「しかし、部下は心配しているぞ・・・・」
「連絡はしたかったがな、あの娘達の時代には、電話が持ち歩けるそうじゃないか」
「ああ、携帯電話とかいって学生まで持ってると言っていたなぁ、どんなものか拝んでみたいもんだ」
食事の時にミルフィーユ達がしてくれた遥か未来の話を正光は思い出す。
「おいおい正気か?そんなもん持たされてみろ、四六時中本部に詰めてるのと変わらんじゃないか」
「流石の連合艦隊きっての熱血漢、神大佐でもそれは御免か?」
正光は少し笑ったような声で聞き返してくる。
「御免だ、今でも今後の行く末を憂いているのに、そんな電話で問題をどんどん持ってこられたら胃に穴が開いちまうよ」
神はため息をついて答える。
2階では女の子4人、ちょっとしたパジャマパーティになっていた。

728あぼーん:あぼーん
あぼーん
729名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 12:00:01 ID:6oi0XT3f
age
730名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 12:00:43 ID:6oi0XT3f
age
731猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/12(月) 02:22:10 ID:mQrIP07Y
烏丸家2階 昭和20年4月3日午後11:00
「蘭花さんやミルフィーユさんの世界では女の子は皆、そんなのですか?」
千晶は隣に寝ている蘭花の話しに目をランランと輝かせる。
「そうよ、男なんて皆女の子に優しくしてくれるんだから」
男尊女卑の時代に生きる千尋にはまるでおとぎ話のように聞こえる話だった。
「じゃ、じゃあ・・・トランスバール皇国軍にも女の人の上官もおられるんですか?」
「そうよ、みんな男の部下を顎で使ってるわよ、特にあの人は凄いわね」
蘭花はある人物を思い浮かべるとクスクスと笑っている。
「コラ千晶、そろそろ蘭花さんを寝かしてあげなさい。あなたも明日は工場でしょ?」
蘭花の向こうから姉の声が聞こえる。
「明日は休電日だから私はお休みだもん」
蘭花の向かいから返事が返ってくる。
「いいわよ、私もまだ普段なら起きてる時間だから」
「そうですか・・・・すいません」
蘭花の気遣いにすこしちひろは恐縮する。
「そうそう、あんたのお姉ちゃんに沖縄でまともに一発喰らったのよ〜命の恩人なのに」
「蘭花さん!」
少し痛い所を突かれるちひろは、自分の布団をパタパタする。
「そうですねぇ〜あの時は大変でしたよ」
ちひろの後ろに寝ているミルフィーユもウンウンと頷く。
「ミルフィーユさんまで〜」
「でも、この時代に来てまだ数日ですけど何だか凄い昔のような気がします」
少し改まってミルフィーユがゆっくり話し始める。
「ミルフィーユ・・・・そうね」
「剛君や平山さん、いろいんな人に会いましたね」
「ええ、敵艦隊のど真ん中に放り込まれた時はどうなるかと思ったけど・・・」
「そして、多くの人も死にましたね・・・・」
ちひろが寂しそうに語る。
「やっぱり、私たちはこの時代にいてはいけないんでしょうか?」
「そうよ、私たちはこの後1ヶ月の長期任務に就かなきゃいけなんだから、でもね!」
蘭花がミルフィーユの方に寝返りをうつ。少し悲しい表情ではあるが。
「でも、私たちは負けられないのよミルフィーユ・・・」
「でも、私たちが勝つと負ける人達は死んじゃうんです・・・」
堅牢なる装甲で守られ戦う艦や戦闘機が戦う時代のミルフィーユにとってこの時代の兵器はあまりにも軟であった。
「人の死ぬ戦争はいやね・・・・」
蘭花は、フォルテが過去に口にした言葉をポロリとこぼす。
蘭花自身も自らトリガーを引き自らその光景を目撃した。


732名無しさん@お腹いっぱい。:2005/09/12(月) 12:43:54 ID:wxZteH+T
>>728
無関係な人にまで迷惑かけるんじゃねーよ
モナーだののまねこだのどうでもいいだろ
むしろ商標登録してなかったお前らが悪いわけで
お前ら同情されたいからこういうことやってるんだろ?
憐れんでやるからさっさと失せろ
これだから他人に迷惑かけることでしか生きられない屑は嫌なんだよ
733名無しさん@お腹いっぱい。:2005/09/12(月) 23:39:24 ID:5N9NwiV1
職人各氏乙です。
734猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/17(土) 18:46:49 ID:98BhofYq
烏丸家2階 昭和20年4月3日午後11:20
しばらくの無言が続いた。
壁掛け時計の時を刻む音が部屋を包んでいる。
「でも、ミルフィーユさん達が来てくれたおかげで私はお姉ちゃんに会う事ができました・・・」
千晶の声が沈黙を破った。
「千晶ちゃん・・・・」
「エンジェル隊が勝ってくれたから私はお姉ちゃんにまた会えたんです、負けちゃったらお姉ちゃんには会えなかったんです」
「じゃあ、撃墜した人達はもぅ・・・・」
「私がお姉ちゃんに会いたいという想いは、死んでいった人達の想いに負けますか?」
「それは・・・・」
ミルフィーユは何も答えられない。軍に入って初めて難しい問題だ。
「ですから終わらせるんですの」
聞きなれた声が枕元の通信機から聞こえる。
「ミ、ミント!?」
普段ボケボケのミルフィーユがどんな答えを出すか楽しみに耳を済ませていた蘭花が布団から飛び上がった。
「もぅ、明日の予定が決まりましたから寝る前にお伝えしようとしましたらお話が盛り上ってらっしゃるようでしたので」
ミントの悠長な口調がクリスタルから流れてくる。
「千晶さんでしたか?初めましてミント・ブラマンシュですわ」
「は、はい初めまして!」
「貴方の想いも、皆さんの想いも皆同じですわ、想い同士がぶつからのも戦争なんですから」
「は、はい」
「ですから終わらせなくてはなりませんの・・・」
ミントが悠長な口調で語る。
「でも、戦争は終わるのでしょうか?」
ちひろも跳ね起きると蘭花のクリスタルを握り締めた。
「終わりますわ、いえ私たちが終わらせるんですの」
735猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/20(火) 03:20:50 ID:/FCQHpyD
米内邸 昭和20年4月4日午前00:00
横須賀からイソイソと自宅に戻った米内はすぐにあの人物を呼び出す事にした。
その男は、多摩の病院より厳重に輸送されてきた。
「君達は下がっていい・・・」
米内は軽く手を差し出すと同行の士官達はすぐに退散する。
「かけたまえ・・・・角松さん」
「ありがとうございます」
角松は無表情で米内に対面して座る。
「君は以前、未来より来たと語りこの日本の土を踏んだ」
「はい、すぐに捕らえられ話を信じてくれる方はおられませんでした」
米内は表情を変えずに頷く。
「そうだ、当時君の話を信じるものは軍部にはおらなんだ・・・だがだ、今なら信じられる」
「どういうことです?あの当時は誰一人も相手にせず、私を多摩の山奥に幽閉した」
角松の表情は少し厳しくなる
「あなたの存在を恐れたのでしょう、しかし・・・今は違う、貴方の協力が必要だ」
「どういう事です?この大日本帝国を守りたいということならお断りします」
角松は米内の目を見つめる。そしてしばらくの沈黙が続いた。
「角松さん、4月1日の沖縄はどうなったでしょうか?」
角松は突然の奇天烈な質問に少し驚いた。しかし、すぐに自分の知識を探す。
「その日、アメリカ軍は沖縄本土を略包囲するような形で無差別に砲撃、爆撃を加えた後に上陸します」
「日本軍の反撃は無に等しく、これが地獄の沖縄戦の始まりだったと私は学びました」
米内は角松の目を見る、自身ある目をしていた。
「そうか、やはり歴史は動き出していたか・・・・・」
米内は静かに口を開く。
「どういう事です?」
「4月1日沖縄には米軍艦艇は確かに終結した。だが、1時間後には敗走している」
「それもたった5機の戦闘機の登場によってだ!」
角松は最初日本軍お得意の虚言だと思っていたが米内の表情は真剣そのものだった。
「そ、そんな事は事実として私は信頼できかねます」
「そういうと思っていたよ、だから会ってもらいたいエンジェル隊にだ」
「エンジェル隊!?」

736猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/23(金) 02:21:13 ID:9bnsNfWm
烏丸家2階 昭和20年4月3日午前00:00
「ミントさんすみません、千晶にこんな時間まで付き合っていただいて」
千晶が聞きつかれて寝てしまった事を知った3人であったがミントの熱弁を見かねてちひろが変わりに礼を言った。
「いえ、わたくし達も明日は遅いですから構いませんわ」
「明日は何処へ行くんですかぁ?」
「わたくし達は角松洋介という人物に会いに行きますわ、ミルフィーユさんと蘭花さんは夜まで待機しておいて下さいまし」
「それって私たちはOFFって事?」
蘭花が寝返りをうちながらクリスタルに話しかける。
「そういう事になりますわ、私たちの処遇もまだはっきりしていませんししばらくは待機ですわね」
ミントは日本軍の対応の遅さに少し不満ぶった声を出す。
「まぁ、お休みなら私はいいけど・・・・カンフーファイターの修理はできるんでしょうね?」
「外装破損箇所はヴァニラさんが何とかするとおっしゃってました、しかしアンカーアームはの復元は難しいですわ」
「ちょっと、アンカーアームはカンフーファイターの18番なんだから!」
蘭花は少しムッとする。
「分かってますわ、しかしこの国の軍事力ではアンカーアームの復元は無理なんですわよ。無論ヴァニラさんに無理をさせられませんし」
「それは、分かってるわよ・・・・でもミサイルもバルカンも切れているの、このままじゃ・・・」
足手まといになると蘭花は思ったが自分のプライドもあるし口にはできなかった。
「バルカン砲の弾丸は同規格の物生産可能だそうですが、素材、錬度、性能も大分落ちますわよ」
「ミサイルに関しては発射台から取り外し、こちらの規格の武装に交換してもらいますから・・しかし命中率は保障できませんわ」
ミントが大まかなカンフーファイター改装プランを淡々と話す。
「そんなぁ・・・・あたしが射撃苦手な事知ってるでしょ・・・」
「普段から射撃訓練をサボるからこういう時困るんですのよ」
ミントの声が心に痛い。

737猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/29(木) 01:48:57 ID:hfrTurs/
米内邸 昭和20年4月4日午前00:50
「そういうわけですか」
角松は静かに頷いた。
「隊員に会えば信憑性はより深まるであろう」
「しかし、何故私を会わせるのです?同じ未来人であるということだけですか」
角松は率直な疑問をぶつける。
米内は首を横に振った。
「いや、エンジェル隊は君よりも遥か先の未来より来た人間だ。だからこの先の日本を知らな過ぎるんだ、だから説明してやってほしい」
「これからの未来を、自分たちの来た世界までですか?」
「その通りだよ」
「一体何故です!?より鮮明な未来を教える事により作戦行動をとりやすくするためですか?」
角松の口調が少し荒くなるが米内はどっしりと構え一点を見ている。
「この戦争は既に決着がついている。もう幕引きの時期であることを誰もが知っているのだ」
米内はお膳の茶を少し飲むとまた話を続ける。
「意地を張っているのだ日本は、負けるという恥ばかりを考えてな」
「エンジェル隊や角松さんのような未来人が活躍されては日本はより意地を張りまた犠牲を増やすであろう」
「だから、この戦争が終わるまで君にもエンジェル隊にも動かないでもらいたい!」
米内は静かに頭を下げた。
「分かりました、そのエンジェル隊という部隊には会いましょう。ただ条件を付けさせて頂きたい」
少し考えると角松は返答する。
「ほう・・・・その要件とは?」
「今もなお南方のとある島に隠れている私の仲間を救出していただきたいのです!」


738猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/09/30(金) 02:54:40 ID:jMq9COE3
帝国ホテル 昭和20年4月4日午前09:00
何時も早めに目を覚ますヴァニラであったが、流石の激務にこの日は2時間も寝坊していた。
「お早うございますヴァニラさん」
ヴァニラが目を覚ました事に気がついたノーマッドが朝の挨拶をする。
「おはよう・・・・」
ノーマッドの身体を起こすと閉ざされていた窓を開ける。
空は今の自分の心のように曇っていた。
息を深く吐くと顔を燐と上げる。
ヴァニラ自身、精神的にも肉体的にも疲労は溜まっていた。
しかし、彼女は強い。表情には微塵にも見せずに制服への着替えを済ませる。
「ヴァニラさん・・・・」
ノーマッドを抱き上げると廊下に出る。
「おはようございますわ、ヴァニラさん」
同時に部屋を出てきたミントが声をかけてきた。
「やはりヴァニラさんもお寝坊してしまいましたか?」
「すみません・・・・」
「いえ、わたくしもお寝坊してしまいましたの、フォルテさんなんてまだ寝てますしね」
苦笑いを浮かべながらヴァニラの顔をじっと見る。
「疲れていますわね?」
「いえ・・・・問題ありません・・・」
「ご無理をなされてはいけませんわよ、待機の時は十分に休んでくださいまし」
13歳のヴァニラをいたわるミント。無理も無い本当の最前線へ彼女を出してしまったのだから。
「そうですよ、カンフーファイターの修理だって任されているんです。皆さんと違って繊細な身体にもしものことがあったら・・・」
「そうですわよ、朝食を食べ終わったらしばらく自室でお休み下さいまし出発の時間には知らせますわ」
ノーマッドを後ろに放りなげてミントは平然と微笑んだ。


739作者・名無し陸戦隊:2005/09/30(金) 20:29:10 ID:504/puh0
久々に書き込みます名無し陸戦隊です。
改めて読んでいたところ今更ながら気が付いたのですが、
>>694は自分の名を騙った偽者ですのであしからず。

何で書かれていた時点で気が付かなかったんだろう・・・|||||〇| ̄|_|||||
740名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/01(土) 10:30:44 ID:91wXtE5S
まず、最初に連載してる小説に水を指す気はないことを書いときますが、
これは勝負にならないでしょ。

とりあえず、紋章機の性能を羅列すると。
・単独で星間移動ができる=光速以上の速度で航行(MLの冒頭)
・惑星を破壊するキャノンの直撃にも耐えられる防御フィールド(無印GAの最終戦闘)
・巨大宇宙戦艦を一撃で消滅させる兵器(無印〜ELのラスト@ELはクロノブレイクなしで撃破)

少なくても、惑星を消滅させるくらいの破壊力をもった兵器を光速以上の速度で
発射できなければ紋章機を沈めることはできない。
エターナルラバーで(地球の)大気圏内で戦闘があったが、紋章機の性能は
劣化してない。ELでは、クロノブレイクキャノンなしで一つの惑星文明の
全戦力を相手にして勝った。
アメリカが紋章機相手に何時間もつかって話じゃないの?
741エンジェル風味 ◆qM7Yl4CItc :2005/10/01(土) 23:25:09 ID:ZjBMaWdI
>>739 名無し陸戦隊殿
お久しぶりです。
わたくしも今気がつきました

>>740殿
アメリカを屈服させていく事が今回のお話ではないんですよ。
最強を誇る紋章機にアメリカ軍もあらゆる策を使って望んでいきます。
そして、連合国を全滅させる事は彼女等にはもうとうありません。
742猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/10/02(日) 01:33:45 ID:6TIJodbo
車内 昭和20年4月4日午前11:00
「ふぁ〜ああ・・」
フォルテが大あくびをして身体を一杯に伸ばしている。
「全く、これからどのような人物に会うか知れないのによく呑気にできるもんですよ」
「うるさい、うるさいと・・・」
ノーマッドをヴァニラからとるとフォルテは膝の上で強力にこね始めた。
「ミルフィーユと蘭花はまだちひろの家かい?」
「ええ、今晩に戻ってくるらしいですわ」
角松洋介という人間がどのような人間か考えているミントは生返事に近い形で答える。
『米内さんは何を考えていらしてるのでしょうか?』
そうこうしているうちに車は米内の指定した料亭に着いた。
先に到着していた米内と角松はすでに奥の座敷で座っている。
「ご到着されましたよ」
女将が米内達の座敷にエンジェル隊の到着を知らせる。
「おお・・・そうか、そうか」
米内は立ち上がり、一緒に立とうとした角松を制した。
「君はここにいてくれ、なぁに心配はいらん君を見ていればそう感じる」
そう言い残すと米内は襖を閉めてエンジェル隊を迎えに行った。
『米内さんはエンジェル隊や俺たちを引き止め早期終戦派の動きをよりまそうと考えておられる』
米内が消えてから角松は流れる時間の遅さに気がつく。
『果たして俺に未来人が止められるであろうか・・・』
襲ってくる不安、昨日までの幽閉の身分が嘘のようである。
一方表では米内がエンジェル隊を出迎えていた。
743猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/10/03(月) 01:18:02 ID:VBwzGC0Y
料亭 昭和20年4月4日午前11:00
「疲れているところすまなかった」
車を降りていると米内が料亭の方から顔を出した。
「エンジェル隊3名ただいま到着しました」
フォルテを横一列にヴァニラ、ミントが整列し敬礼する。
「さぁ、入ってくれ」
人目につくのを避けるかのように米内は料亭の中へ3人を招いた。
奥の座敷へ続く少し長めの廊下、米内は殿を歩きながら未来人の対面を少々楽しみにしていた。
一体どんな反応を見せるのであろうか?やはり角松の時代にもここまでの部隊は存在していないのか?
そんな疑問も浮かびながら角松との対面で終戦工作にプラスになるかと不安も襲っていた。
そして角松のいる座敷の襖にたどり着く。
「角松さん待たせたな」
今度は米内が先頭になり襖を開けた。
「さぁ、入ってくれ」
角松は自然と視線を開いたふすまへと送る。
そして驚いた。
入って来たのは若い女性と残りの二人はどう考えても少女である。
「・・・・・!?」
「驚かれるのも無理はありません、トランスバール皇国軍エンジェル隊隊長フォルテ・シュトーレンです」
魅力的であるが少々気が強そうな女性が最初に敬礼し挨拶する。
「初めまして、同じくエンジェル隊ミント・ブラマンシュですわ」
その次はうさぎ?のような耳を生やした一番小さい少女が初々しく敬礼する。
「初めまして・・・・ヴァニラ・Hです・・・」
物静かそうな少女がお気に入りのぬいぐるみを置き無表情で敬礼する。
角松は少々頭が混乱し、状況把握に時間がかかった。
744名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/05(水) 17:25:12 ID:s0fAIhug
       ァ'⌒⌒ノ)
   ν⌒ \8イ从从〉
  ⊂_:#:レ!#:;)Д`#))
745猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/10/06(木) 01:05:02 ID:ryVZOaWZ
料亭 昭和20年4月4日午前11:05
角松は自分も立ち上がると自己紹介を始める。
「角松洋介だ、よろしく頼む」
ミントは彼が所属部隊を隠している事を悟ったがあえて何も言わない事にした。
「どうかね?未来人同士顔をあわせてみて」
米内は両者の真ん中に陣取り和やかに声をかけた。
「いえ、ここまでお若い方々だったとは思いませんでした」
角松は率直な感想を述べる。
「そうですわね、フォルテさんやわたくしでも角松さんなら妹位、ヴァニラさんでは親子の差ではないでしょうか」
ミントはニコニコと角松に微笑みながら話した。
「トランスバール皇国軍とは君たちのような若年層まで部隊編成されているのかい?」
「いや角松さん、皇国軍の主力艦隊には貴方の歳くらいの軍人も沢山いますよ」
「軍人・・・・私は軍事ではない」
フォルテの軍人という発言に角松が否定を入れる。そして、決意した。
「私は自衛官だ」
米内は無言であるが角松に視線を送った。
「自衛官?何ですかそれは」
フォルテも自衛官という言葉に違和感を覚えた。
「自衛官とは自衛隊の属する者を指す、そして自衛隊とは60年後の日本に存在するわが国をすなわち日本国を守るための機関なんだ」
「それは、エンジェル隊のように日本軍に所属していますの?」
「いや、60年後の日本に日本軍は存在しない。自国の防衛は全て我々自衛隊によって行なわれているんだ」
フォルテとミントは少々驚いた。自国の防衛はトランスバール皇国軍も最重要事項である。しかし、自衛隊は軍隊ではないと角松は言ったのである。



746名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/06(木) 07:20:35 ID:aDSVI1rU
>>740
> まず、最初に連載してる小説に水を指す気はないことを書いときますが、
> これは勝負にならないでしょ。

いや、とりあえず紋章機が海面近くで全力飛行すれば衝撃波でアメリカの機動部隊壊滅すると思うんだ。
747猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/10/07(金) 03:48:22 ID:ENtHDdzm
料亭 昭和20年4月4日午前11:15
「やはり、未来人の君たちでも自衛隊に違和感を覚えるか?」
2人の疑問の表情に角松は微笑した。そして、何時の時代でも人は白黒付けたがるものであると思った。
「そりゃあそうですよ、自国防衛を軍ではなく隊に任せている国があるなんて・・・」
角松はヴァニラが何か言ったと思ったが音源はぬいぐるみから発せられていた。
「すみません、驚かすのは悪いと思い黙っていようと思ったのですが・・・・あ〜私ノーマッドといいます」
「見た目はぬいぐるみですが、中には高性能CPUみたいなものが入っていますわ」
「ほう・・・・おっと済まない、自衛隊の詳しい論議はややこしい問題もある。ここで話すのはやめておこう」
一瞬、ノーマッドに注目した角松であったがすぐに話を本線にもどす。
「そうですわね、角松さんが何故この時代にやってきてしまったのかそれもお聞かせ願いたいですわ」
「そうだな、私たちは米海軍とのハワイ沖合同演習に参加するため横須賀を出航した。しかし、俺たちはある事故に巻き込まれた」
「タイムスリップですね」
「その通り、忘れもしないミッドウェイ付近で低気圧に巻き込まれた。そして我々は1942年6月4日にタイムスリップした」
「そんな・・・私達より3年も前に・・・・」
フォルテは唖然とする。
「そして見た、ミッドウェイ魔の7時23分を、そこで君たちと我々は大きく選択を変えている」
「つまり、戦闘を回避したということですわね」
「そういう事になるな・・・・」
「何故です?同じ日本人を助けなかったのは」
フォルテはエンジェル隊と別の判断をした角松に質問をぶつけてみた。
「俺たちに歴史を変える権利はないからだ」
角松は自身に満ちた口調で即答する。
「その後、俺たちは日本軍の水上機と遭遇し日本軍士官を発見し救助作業移ったが後一歩のところで士官を救えなかったんだ!」
角松はテーブルを強めに叩く。そして目頭が熱くなった。
もし、日本軍士官を救助し共に本土に入れば状況は良かったかもしれないと改めて後悔の念に取り付かれた。
「いえ・・・・もしかすると角松さんにとってもっと苦難が待っていたのかもしえません・・・・」
先ほどまで黙っていたヴァニラが口を開いた。角松には幼いながらにも燐とした答えだった。


748作者・名無し陸戦隊:2005/10/07(金) 13:15:19 ID:vsS4TGXG
昭和20年 4月某日 千代田総合技術・化学研究所
>>652の続きです。

門倉技術少佐に案内され二人は奥の部屋へと向かった、
歩くたびに薄暗い廊下に敷かれた床板がギシギシと音を立てた。
「いやぁすみませんね、つい実験に気を取られていまして、
 お二人が来る事を忘れていましたよ。」
門倉少佐は取り繕うように笑うが、
鷺崎大尉はげんなりして顔をしているが、彦野中佐は別に気に留めていなかった。
今日に始まったことではないからだ。
彦野中佐は前に何度かここに来ていたが、大抵忘れていたからである。
渡り廊下を進んでいくと、倉庫の様な建物の連なった区間に出る。
ここが実験場だった。今回二人が来た目的の物があるのだ。
「ここです」門倉技術少佐が扉をくぐると、
広い室内にゴチャゴチャと物が散らばり、何人かの研究員が配置についていた。
その空間の真ん中には、細長い筒状の物体が台の上に置かれていた。
墳進機関実験棟と呼ばれているこの建物の中にあるその物体は、発動機であった。
「今までのハー20、130・230はそれぞれドイツの物を参考にした、
 軸流式ターボジェットエンジンなのですが、このネー30は普通の軸流式に変化が加えてあります」
「例のハインケル社が提供した資料が元ですな」
ハインケルの事については中佐もよく知っていた。
去年8月、満州にドイツの長距離機が数回に渡り、ソ連領を横断して飛来して来る出来事があった。
むろん日本側には一部を除いて殆ど知らされていない、その為告知を受けていなかった政府等は混乱するが
軍はドイツ側が持ってきた色々な資料と人員の提供に魅力を感じ受け入れたのだった。
秋の終わり頃には、ドイツから到着した潜水艦が機材のサンプルを運んで来たが、
その中に、当時ハインケル社が開発を進めていたハインケル・ヒルトHeS011
の部品が含まれていた。
ハインケル社社長のエルンスト・ハインケルはナチス党の妨害で思うように完成が進まないこのエンジンの開発を
日本で行おうと考えたのだ。
早速日本の軍関係者や、技術関係の親交がある川崎等のメーカーを通じて話を進め、
日本側の了承も取り付けた。
後の問題は運送手段だったが、丁度ヒトラー暗殺未遂事件の影響を受けた反ヒトラー派が
日本へ連絡便と艦隊の派遣を建前に、日本へ亡命する計画を立てていたので、
その内、資料と技師を連絡便に、潜水艦に機材を積み込む事に成功した。
こうして遠路はるばる日本に運び込まれた機材は、陸海軍共同開発の下、研究所で開発を進める事となったのだった。
その時従事した中に彦野中佐もいたのである。
「このエンジンは軸流式と言っても他と少々違いまして、遠心式の機構も取り入れてあるのです。
 難しい話は置いときまして、簡潔に言えば燃費や耐久性の面で他の物より大きく向上しているのが特徴です。」
「このエンジンの完成度はどれ位ですか?」鷺崎大尉が質問した。
「もう耐久試験も終わって試作は完成したと言っても良いでしょう
 試作品は2・3と完成してます。 
 ただ量産の方はどうなるか分かりませんが・・・」
門倉技術少佐の表情が曇る
「その点なら心配ない、もう既に石川島や日立等を中心に
 熟練工を中心に2000人程の工員と特殊工作機械が確保されているし、
 大量生産の為の方法も考えられている。
 今後も余計な生産ラインを破棄してこちらに回す様に提案している所だ。」
「そうでしたか、実は搭載予定の機体もこちらの方に来ているのですよ。
 フォッケウルフ社のジェット戦闘機を元に作り始めたらしいのですが、
 概存の飛行機の部品を流用して作ってあるので生産が容易にできるらしいのです。
 もう試作機にエンジンの一つが取り付けられて運ばれているそうですから、明日にも横須賀の方で試験運用に伴されるのではないでしょうか」
彦野中佐も話は聞いていた。だが中佐には準備が急ぎすぎの感が否めない気がしてならなかった。
749名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/08(土) 08:48:19 ID:ZUanoYkc
二人とも応援してます
750名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/08(土) 11:58:49 ID:LEdepeOe
同じく応援してます
751作者・名無し陸戦隊:2005/10/08(土) 18:45:00 ID:7GGZTftV
>>749さん>>750さん
応援ありがとう御座います。
m(_ _)m
752猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ :2005/10/08(土) 23:32:34 ID:YF47jCQ6 BE:17966423-#
>>749さん、>>750さん
こちらも感謝しております!
753作者・名無し陸戦隊:2005/10/12(水) 23:13:28 ID:k8JWUGM8
昭和20年 4月4日 午前10時 横須賀追浜飛行場
今日も朝からのどかだ。
そう感じながら近藤中尉は、滑走路の外れに置いた座椅子に寄りかかった。
朝食を食べた後、予定のない近藤中尉は、しばらく昼寝を取ろうとここに来たのである。
休めるのなら今の内に休んでおいて損は無い、いつ又敵機が来るのかも知れないのだから・・・
「しかし本当に珍しく暇だな・・・」
一昨日の偵察機の進入以来、昨日、今日と首都圏を始め本土に敵機が来なかった。
最近連日空襲が続く状況に、こんな事はそうそうありはしない。
司令部でも初めは、何らかの作戦の前触れではないかと警戒していたが
敵の通信傍受等に変化は見られなかったと言う、
その為、今日の朝、万が一に備えつつも搭乗員は今の内に休息を取るようにと言われた訳なのだが・・・
もしかして例の新兵器のせいか?
一昨日飛来した5機のタービンロケット機の噂は、隊内でもまことしやかに囁かれていた。
「わが軍の新兵器らしい」「あれはドイツから提供された機体だ」、「米軍からの捕獲機じゃないか」色々言われているが
その間にも機体は格納庫に入れられ整備に入れられた、
他の搭乗員達は早速話しを聞こうとしたが、作業に従事した整備員に緘口令が敷かれていたのか
あまり多くを語らなかった。
秘蔵の日本酒一升飲ませて、酔っ払いようやく口を開いた整備士の一人は、
機体には見た事の無い鳥の形の識別マークが描かれていたとか、
米内大将が視察に来たと言った後、最後に、あんな機体はドイツやアメ公でも作れないんじゃないか、と話したのが印象的だった。
まあ害は無いだろうから気にはしていないのだが、偵察機の目標もそれだったらしいし、だとすると新兵器様々だ。
「中尉、ここにいましたか。お一つどうですか?」
そう言いながら列機の廣田飛曹長が蜜柑を持って来た。
「おっすまんな」
近藤は蜜柑を受け取ると一口頬張る、甘い果汁が口の中一杯に広がる。
「うん、うまいなーこの蜜柑」
「主計科からちょっと都合して来たんですよ、勤務が長いと融通が利くものです。」
流石に基地に長い間いるだけの事はある。近藤は時折飛曹長に感心する事があった。
蜜柑を食べながら座椅子に寝そべり、滑走路の方を眺める、
滑走路の真ん中には、何やら人だかりが出来ていた。
「何やってるんだろな?」
「空技廠審査部の連中らしいですよ、敵機の来ない内に飛行機の試験飛行をするとか・・・」
廣田飛曹長が近藤の疑問に答えた。
「ふーん、それは結構な事だ。」
まじまじと滑走路を眺めていると、集まりの中に見知った顔を見つけた。
あいつはまさか・・・近藤は座椅子から立ち上がり、滑走路へと近づく、
「おーい後藤!後藤少尉じゃないか!!」
後藤と呼ばれた搭乗員は、近藤の方へ顔を向けた。
754作者・名無し陸戦隊:2005/10/13(木) 21:35:00 ID:zbnH1QLZ
昭和20年 4月4日 午前10時30分 横須賀追浜飛行場
「やはり後藤だったか、お前サイパンにいたんじゃないのか?
 サイパンが陥落した時には、お前てっきり死んだものだと思っていたぞ」
「いや・・・実は米軍が来る直前にマラリアに罹って本土に送還されて来たのです。
 本当に運が良かったです。」
後藤少尉は少々気まずそうに頭に手をやった。
「そうだったか・・・まあお前が生きてて何よりだ、それで今は横空にいるのか?」
「はい、審査部で色々とやらしてもらっていますよ。今日の試験飛行も自分が担当するんですよ」
後藤少尉の傍らには見た事のない飛行機が駐機していた。
葉巻の様な機体に後ろに沿った主翼、注目すべきは左右に1つずつエンジンが付いているが
プロペラが付いて無い。
ペラが無い、TR(タービンロケットの略)機か?
別に専門の知識がある訳でもないが、近藤中尉にもジェット機だと言う事は、ある程度理解出来た。
しかし・・・何だ、あの武装は?
機首からは煙突のような長い砲身が飛び出ている。
「おい後藤、この機体の武装は何なんだ?戦車とでも戦うのか?」
近藤の疑問に後藤はあっさり答える。
「ああそれは、ラインメタル社製50ミリ機関砲ですよ。元は戦車砲だったらしいのですけどね、
 この機体メッサーシュミットMe262と言いましてね、特にこの形式は対重爆戦闘用でして、高い機動性を生かして優位な位置に移動して
 敵重爆の防御火器の射程外からこの50ミリ砲でアウトレンジ攻撃を行うんですよ。」
近藤は怪訝な顔つきで機体を見直した。
果たして、そううまくいくのだろうか?と思う。でも待てよ
「おい、いつの間にこんな機体作ってたんだ?わが国のTR機なんて
 今まで見た事も聞いたことも無いぞ」
「そりゃそうですよ、この機体はドイツ製ですから」そこまで言うと周りに聞こえないように近藤に耳打ちする。
「ドイツから船で運ばれてきたんですよ、それもごく最近に、中尉が知らないのは無理ありません」
それで近藤も納得した。だが一昨日見たあの機体と目の前のドイツの戦闘機を比べると大幅に見劣りする。
やっぱり整備員の言うとおり、あの機体は知らない所から来たのか・・・・・
一方で近藤中尉の中で、紋章機がこの世のものならざる物である気が、以前にも増してきたのだった。
755ブロスポ関西 ◆.YvHyJt2PM :2005/10/17(月) 20:31:09 ID:HJLXr106
料亭 昭和20年4月4日午前12:00
それぞれの紹介終わった所でミント達は昨日説明会や御前会議で使ったVTRを角松に見せた。
再編集により時間は短くなったものの角松にとっても見ごたえある内容であった。
「いかがでしたか?」
「ついこないだ起こった同時多発テロの映像がこんな後世にも残っているとは思わなかった。そしてその後を世界を見れたのも光栄だ、しかし・・・」
角松は知った。そして、それを伝えようとエンジェル隊のほうに顔を向ける。
「君達の持ってきたこのVTRの未来は俺の知る未来ではない」
「どういう事ですの?」
ミントは唖然とした表情で角松に聞きなおす。角松から近代の様子を聞こうと思っていただけに驚きは人一倍だった。
「俺たちのいた時代にはコレほどまでに高度な2足歩行兵器は実在していない。そして世界の軍でも開発は熱心ではないんだ」
「そうですか、では角松さんの未来とわたくし達の未来は違う事になりますわね」
「そういう事になる。俺たちがもっとも恐れ今まで表に出ることさえも抑えていた事は全て無駄になった!」
角松が後悔を口にする。みらい乗組員を置き去り、単身日本に乗り込んでやっとここまできた。その中でのエンジェル隊の加入だけにショックは大きい。
「気に入らないね角松さん、それじゃあたし達の守った命が歴史のためには良くなかったって言うのかい?」
「フォルテさん!」
ミントがフォルテを制するもフォルテは続けた。
「あたし達だって必死だったさ、でもねエンジェル隊は目の前で消えていく命をお題目を立てて見過ごす事もできないんでね」

756名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/17(月) 21:07:38 ID:sAsukDm8
えっHN違うけど猛虎☆全勝さん?゜Д゜;
757猛虎☆全勝 ◆Aur0rKhDNQ
>>755すみません私です。
料亭 昭和20年4月4日午前12:10
「だが、それで歴史を変えてしまえば更なる悲劇起こりえるかもしれないんだ!」
角松も激しく反論する。
「それじゃ、目の前の悲劇がよくて新たに起きる悲劇がダメだって言う理由が何処にあるんだい?」
「!」
角松は驚いた。自信あるフォルテの目が未来人には見えなかった。
「では、俺も聞くがそれほどの自信をもってなぜこの過去で戦えるんだ?未来が変われば君たちの帰る場所も消えてしまうのではないか」
角松の質問にフォルテはにやりと笑い、ポケットから写真を取り出した。
「誰だ?この少女は」
「チャイナ服の方がエンジェル隊蘭花・フランボワーズ、花つけた方がミルフィーユ・桜葉だ」
「この二人がどうだと言うんだ?」
「ミルフィーユの方があたしらの秘密兵器さ」
角松はもう一度写真を目にやったがエースと言う風格も軍事の目でもない普通の少女に見えた。
米内もこの前同じような事を言われて疑問が残っている。
「ミルフィーユはね〜幸運を武器にこのエンジェル隊に入ったんだ」
自信満々に角松に言い放ったフォルテであったが、角松は唖然としていた。
『俺の記憶が正しければ幸運だけで自衛隊、軍に入隊しかも特殊部隊に入った奴など聞いたこと無いぞ』
角松は本当にここが1945年なのか不安になってきた。