【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 第27章【クロスSS】

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1名無しさん@お腹いっぱい。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/29(火) 22:23:04.09 ID:FEDywEbc
今の速度なら全スレが埋まるまで今週いっぱいはかかるかな
3名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/30(水) 18:22:49.73 ID:KSxW0dby
いちおつ。

下手をすると、前スレが埋まる前にこっちが落ちないとも限らない。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/30(水) 20:08:27.77 ID:bMSke/NS

即死回避
5名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 02:15:40.12 ID:wGuA+PaQ
上げないが保持
6名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 20:26:58.91 ID:NZ2RMHLT
短いですけど、投下します。
7力への意思6話-1:2013/11/01(金) 20:29:26.12 ID:NZ2RMHLT
検証の為の時間までの待機ということで、竜馬達は再びデュランダルの一室に入れられた。エルザに一番近い部屋だ。
今の出来事を整理する為にも丁度良かった。嫌なら力づくで出ていけばいい。
”竜馬の声”がした。

(おお……良かった! やっと繋がったぜ! どうなってるのかと焦ったんだからな! 
俺とお前の接続が切れるなんてよっぽどのことだぞ? 何があった?)
(やっぱりな。俺もお前の反応がないからおかしいと思ってたんだ)
「隼人、エンセフェロンダイブって、どういう理屈なんだ?」

隼人は1:1の水割りを作ると、竜馬と弁慶に突き出した。

「そうだな。
そもそも、エンセフェロンダイブっていうのは、普通に電脳空間に入るイメージのものとは全然違うっていうのが正しい。
ここの電脳空間は、全てU.M.Nに構築されている。つまり、エンセフェロンダイブっていうのは、U.M.N上に構築された仮想空間に入り込むことを指す。だからアレン君が、『足りない部分はU.M.Nで補う』と言ったわけだ」
「なあ、待てよ。それじゃ、U.M.Nにアップロードするってことは、いくらAAAのプロテクトをかけていたって、情報がダダ漏れになるってことじゃないのか? 
それに、ただの情報の集積場所にしちゃ、人間の記憶までアップロードするとは考えられん」
こっちに来てから毎日接してはいたものの、イマイチU.M.Nについてわかっていない弁慶はグラスを傾けながら首を捻る。竜馬は隼人の言葉を流し聞きながら、さっき見た光景を反芻する。

(隼人は何を話してるんだ?)

”竜馬の声”は、突然始まった講義に不思議そうな声を出した。

(いいから黙って聞いてろ)
「U.M.Nっていうのはな、ウーヌス・ムンドゥス・ネットワーク――ユングが唱えた集合無意識のことだ。
つまり、あそこは本来は人間の共通した意識なんだよ。そこに情報がアップロードされ、船がワープの為に出入りしているんだ」
「なん、だと……?」
「虫の知らせとか言うだろう。離れた場所にいる人間同士、何かを感じ合う。それが集合無意識だ。それを意図的にできる場所がU.M.Nだ。
だから共時性やEPRパラドックスといった物理学上の矛盾点を説明出来る。心と心、心と物質といった相互に補完、連結しあうモノ同士の関係も説明出来る」
「おい、なんだそりゃ……それじゃ、ここの連中は、他人とか自分の記憶の中に、更にデータを打ちこんでるってことか?」
「そういうことになる」
「いや、違うな」
8名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 20:29:33.72 ID:wGuA+PaQ
支援
9力への意思6話-2:2013/11/01(金) 20:30:44.05 ID:NZ2RMHLT
竜馬は二人を見、”竜馬の声”に記憶の一部を解放する。

「さっき見ただろ? ミルチアから出てきたウドゥって奴を」
(おまえっ……これ……こいつは……!)
「そいつは時天空のカケラだ。千切れた尻尾のその先っぽの毛一本みてーなもんだ。そいつが毛細血管みたいな細いもんを張り巡らせてこっちを探ってる。U.M.Nって場所でな」
(まさかこんなに早くこいつに遭遇するなんてよ……。
正直、今の俺で勝てるかどうかなんて言われたら……間違いなく負けるぞ)

”竜馬の声”は落ち着いているようであり、武者震いを感じているようでもある。勝敗が分かっていようとも、だ。

「それじゃ、U.M.Nにデータをアップロードってのは……」
「みすみすこっちの情報を奴にくれてやってるようなもんだ。
ただ、あいつは図体が相当でかいんじゃなかったか?」
「らしいな。俺も詳しくは知らん」
(実は俺も知らん。ただ、ゲッターがそうだって伝えてくるのはわかる)
「だとしたら、本体にまでその情報が伝達されるのは相当後になるだろう。何しろ伝達距離が遠すぎる」
「だったら今のうちにU.M.Nを壊しておいた方がいいんじゃないか?」
「それもそうだ。だが、相手は虚数領域の存在だぞ。ヒルベルトエフェクトだってまだグノーシスぐらいしか実体化できん」
(だ、そうだ。なんとかしろ)
(俺かよ! きょすー領域なんて聞いたことねえ!)
(なんか頭のいい奴揃ってるんだろ? なんとかなるだろ)
「あいつがこっちにくるそうだ」
(おい、待て! なんでそうなるんだよ!)
「そうか、それは助かるな。だったらこっちはそれまでなんとか侵攻を食い止めるようにしたいが……」
「こっちでできることと言えば……オリジナルゾハルを探し出して破壊するぐらいしかできないだろう。
グノーシスはおそらく時天空の攻撃用端末だ。それを呼び寄せる性質がある以上、無視はできん」
(勝手に話を進めるなあぁ!!)
10力への意思6話-1:2013/11/01(金) 20:35:47.48 ID:NZ2RMHLT
部屋のインターフォンが鳴った。

「入ってもいいですか?」

ケイオスの声だった。

「おう、いいぞ」

弁慶の返事に従って入ってきたケイオスは、何時もの曖昧な笑みを浮かべていた。

「今、ザルヴァートル派の議員が連邦議会に根回しをしたとJr.達の方に連絡があったそうです。すぐに嫌疑は晴れそうですよ」
「そうか」
「これからどうします?」
「そいつはさっきのことを言ってるのか?」
「ええ。もう少し、お付き合いしていただけたらと思うのですが」
「まだなんかあるのか?」
「Jr.から聞いた内緒話なんですが、モモちゃんのプロテクト領域に、旧ミルチアへの転移コードが隠されているそうなんです。
そこには、オリジナルゾハルが眠っている。第二ミルチアでその解析を行うそうですよ」
「……!」
「そんな重要な話を、仮にも企業のトップが漏らすとは思えんが」
「これは僕が漏らしたんです。船長達にもナイショに」

ここでケイオスははっきりと笑って見せた。

「おまえ……」
「ヒトが進化をするには不要なモノがある。僕はそれを排除したい。それは、”竜馬さん”が思っているものと同じものです」
(こいつ、俺に気づいているのか?)
(そうらしいな)
(タイールみたいな奴だ)
「まだ何か話していないことがあるんじゃないか?」
「僕、本当は機械って苦手なんですよ」

デュランダルの金属の壁をぐるりと見渡し、また曖昧に微笑む。

「もっと落ち着いた場所が見つかったら、またお話しましょう」
11力への意思6話-4:2013/11/01(金) 20:38:50.12 ID:NZ2RMHLT
それから二時間後だった。Jr.から連邦艦体に撤退命令令が出たとの連絡がきた直後だった。
隼人のコネクションギアに通信が入る。

「誰だ?」
『間もなくグノーシスが出現します』

いきなりKOS−MOSの声がした。

「なんだと?」
『D.S.S.Sセンサーに反応がありました。後6分43秒後に大質量体がゲートアウトします。数、およそ12万』
「12万だと!? そんな大量のグノーシスがファウンデーションの中に入られたら、逃げ場が無いじゃないか!」

ガタッと立ち上がった弁慶の肩を隼人が座ったまま抑える。

「グノーシスならおまえの攻撃でなんとかなるだろう。デュランダルにもA.W.M.Sはある。
ましてや外にはまだ連邦の艦体がいるんだ。そっちにも応援を頼め。こっちは3機しかないんだ」
『艦体は現在、戦闘用の編隊から移動用に移行中です。再編成に時間がかかると思われます。
私は最も効率的な方法を選択したまでです』
「3機のA.M.W.Sが最も効率的かよ?」
『いいえ。A.M.W.Sは必要ありません』
「じゃあどうしろってんだ?」

KOS−MOSは黙って竜馬を見ると、通信を切った。

「ちっ!」

竜馬は舌打ちをすると勢い良く立ち上がった。
KOS−MOSは、さっきのエンセフェロンダイブで、自分の脳内で起こった出来事を記憶している。

「行くぞ、隼人、弁慶!」

三人はロケットスタートでエルザに向けて走り出した。あまりの勢いと気迫に驚くスタッフを尻目に、走りながら左腕の通信機を口元に寄せる。

「由美子! 転送準備しろ!」
『待ってたわん!』
12力への意思6話-5:2013/11/01(金) 20:44:19.43 ID:NZ2RMHLT
少し遅れたタイミングで、デュランダルのブリッジもグノーシスを感知した。ブリッジでモモの量産型になる百式観測レアリエン達が、忙しなく状況を報告する。

「大質量体、ゲートアウト!
繰り返します! 大質量体、ゲートアウト!」
「U.M.Nジオデシック構造体、強制置換!」
「グノーシスか!!」

半透明に揺らめくグノーシスが、密集した陣を組む連邦の艦体に向けて突進していく。

「……!」
「グノーシス、接近してきます! ファウンデーションとの接触まで後、240秒!」

シェリィはぐるりと全てのモニターを見渡した。

「住民は!? 住民の避難を優先させて! いざとなったらファウンデーションを捨てます。
チビ様」
「任せる。全住民をデュランダルに避難させろ!」
「了解しました。退避勧告発令します」

モモはJr.の方を見た。

「Jr.さん、アンプリフィアーをお願いします。モモもヒルベルトエフェクトは使えます。ここの百式レアリエン<みんな>と一緒に使えば、グノーシスの直接転移は防げるはずです」
「ああ……あ、いや。
シオン! KOS−MOSは!?」
「待ってて、すぐに起動させるから」

シオンが踵を返そうとした瞬間、ヒルベルトエフェクトの光が広がった。
ミルチア太陽系圏全てのグノーシスが実数空間に固着させられる。

「ま、またKOS−MOSが勝手に起動を……!?
KOS−MOS! KOS−MOS! あなた一体何処にいるの!?」
13力への意思6話-5:2013/11/01(金) 20:48:55.38 ID:NZ2RMHLT
エルザに着くと、開きっぱなしのハッチからネオゲッターに乗り込む。
ヒルベルトエフェクトの光が届いた。

「ふん、命令以外じゃヒルベルトを使わなかったアンドイドが、どういう風の吹きまわしだ?」

隼人はさっき見たヴォークリンデでのKOS−MOSを思い出して一人で笑った。

「いいから行くぞ!」

竜馬はヘルメットをフルフェイスガードへと切り替えると、ネオゲッター1を起動させた。
すぐさまエルザから飛び出すと、

「どけどけ〜〜〜〜!!」

A.W.M.Sを放出する為に開いているデュランダルの後部ハッチから宇宙に飛び出した。
そのまま最大速度でファウンデーションを取り囲む艦体の外側に回る。
既に多数のA.W.M.Sの攻撃と艦砲が宙域を飛び交っていた。
竜馬はネオゲッター1のハッチを蹴って外に流れ出た。

「イーグル号転送! 
ネオゲッター1、リターンバック!」
「ジャガー号転送!
ネオゲッター2、リターンバック!」
「ベアー号転送!
ネオゲッター3、リターンバック!」


竜馬達の目の前に、懐かしいイーグル、ジャガー、ベアーの機体が出現する。同時にネオゲッターが転送され、母艦に帰っていく。
僅かな距離の無重力を泳いでゲットマシンに乗り込むと、すぐにハッチを閉めて内部を空気で満たし、ヘルメットを使い慣れた何時もの形状に戻した。

「こいつに乗るのも久しぶりだな」

インベーダーとの戦いで大破した真ゲッターだが、艦体との合流後に改修された。武装こそ変わらないものの、炉心の交換がなされ、出力は真ドラゴンと直結した時と同等ぐらいは出せる。
最近はもっと大型のゲッターに乗っていたのでしばらく動かしていなかったが、操縦桿を握った感覚は、機体の方にもブランクがあるとは思えないほど馴染んだ。

「行くぞ!
チェェェェェェンジ!! ゲッタアァァァァァワンッッ!!!」

近くでたまたま合体を見たA.M.W.Sのパイロット達が、しばし驚いて動きを止める。そこへグノーシスが殺到した。

「ゲッタァァーーービィィーーーム!!!!」


       ドワオ!!


真ゲッターの頭部から放たれたゲッタービームが、宙域に密集するグノーシスの群れを薙ぎ払う。それは至近距離にまでA.M.W.Sに接近していたグノーシスも例外なかった。
軽く首を巡らせるだけで連鎖的にグノーシスが爆発していき、ファウンデーション付近の宙域は、一気に視界が広がった。

「グノーシス、6万体消滅!」
「なんだと!? 誰がやった!? そんな高エネルギー反応なんてなかったぞ!?」

Jr.はデュランダルのブリッジで、いきなり虚空が見えたスクリーンを凝視した。
スクリーンではなく、強化ガラス越しに外を見ていたケイオスは、外の残光を感じ取っていた。

(出てくれたんだ、竜馬さん……)
14名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 20:49:45.81 ID:NZ2RMHLT
以上です。
まだスパロボ終わってないので、短くてすみません。
やっと真ゲッター出せた。
15名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 21:13:36.47 ID:dDH6jRsp
SSのネタ探しに虚無戦記読んでたんだけどさ
美勒が細胞に宇宙確立云々言ってたけど
この時点で美勒は自分の宇宙確立してる力もってたんだよな?
さいぞう食った竜の口の中に星とかいっぱいあったし。
てことは人の可能性を細胞に見せる為に、手加減してったてことになるよな?
16名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 21:33:24.32 ID:wGuA+PaQ
17名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/01(金) 22:03:45.90 ID:wGuA+PaQ
>>15
全力は出してはいないだろうけど
まあ、解釈によると所とは思う
18名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 00:02:00.22 ID:wGuA+PaQ
由来違いなのは分かっているけど
最近流行りの艦これに戦艦武蔵が参戦してイラストみたけど。
褐色、メガネ、巨乳で…………でも、ゲッターの武蔵がよぎる

これに限ったことじゃないけど、名前が被るとこんなかんじに何かが頭をよぎる
19名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 00:19:07.79 ID:RTCkXUC9
竜馬もそこそこ居るというか
漢字違えど読みが同じ?坂本龍馬がいるからなあ
20名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 18:07:28.76 ID:lxPFm1Mr
ゲッター艦隊コレクション
やかんと丼ぶりがすごく気になる
21名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 21:27:41.12 ID:HujCbzHZ
あのやかん、真ドラゴンより戦闘力あると思うとシュールすぎるなw
22名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 21:39:04.92 ID:7egYr0XF
やなせたかし先生の世界から艦隊に参戦したのでは無いかと思うのさ。

ところで、ゲッターが本気出さないとヤバイレベルの敵が出てくるロボットアニメってどのぐらいあるかな?
トップを狙え!とグレンラガンは確定として、物量でマクロス、イデオン、ボトムズあたりだろうか。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 22:04:16.38 ID:lxPFm1Mr
ゲッターエンペラーがどれほどの攻撃力があるかも関わるんじゃね?

エネルギーがビックバンクラスを超えているから、宇宙全部を質量とかも含めたエネルギーにした量以上は持っていることになる
っで、銀河は宇宙に数千億はあるというから…………
まあ、ゲッターエンペラーがどのように攻撃に活かせるかも問題になると思う。
エネルギー持っていても使える量が星系破壊程度ならば、銀河規模から来る奴にはじり貧になりかねないし。

防御力に関しては何しても吸収しそうで怖い。


あたまいたくなるから置いといて
強いことやスケールで有名なバケモノや敵は俺が知っている限りは
バイド、クトゥルフ神話、ウルトラマンの敵とかかな
24名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 22:21:23.07 ID:MW3YWGrI
蟲共はゲッターエンペラーを100年間くらい攻撃してたよな、どんだけスケールでかいんだよ
25名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/02(土) 22:39:15.68 ID:lxPFm1Mr
合体に1世代ぐらいの時間かかるとのことだけど
多分、アークぐらいの巨大な感じになっている時だろうな。

真の時のエンペラーは大体惑星3つ分の時ぐらいだったけど
この時にはビックバン超えていたけど
作中の描写を見ると長く見ても数分程度かな合体にかかるのは…………

まあ、アークの時は太陽系レベルの大きさで数千倍は大きくなっているだろうし
エネルギーなんてビックバンがちゃっちくなるレベルなんだろうな。
ここまで来るとラ=グースのいびきみたいに何気ないことでも必殺技になるレベルだろうな
26名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 01:45:05.02 ID:94j1vQ7T
つかゲッター世界でエンペラーを本気にさせるような敵がいないのがなあ。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 10:44:42.41 ID:dllr5To+
空想科学読本にエンペラーVSグレンラガンガとりあつかれれていたな
結果は引力でひかれあってエンぺラーが衝突でこわれる
まあ、ややこしくしないためか
げった一線の特性やグレンラガンの宇宙の性質についてはふれてなくて
実質は惑星VS銀河の大きさのものが戦ったらどうなるかだった
28名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 13:43:15.11 ID:hf2mNQch
その類のネタにいちいちケチつけても仕方ない感じだな
29名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 15:37:07.29 ID:G0SbFJGo
エンペラーについて
・エネルギー数値的には「ビックバン起こすほど」と言われたが、実際には起こしてないし越えてもない
・大きさは太陽系がすっぽり収まる程度(まだ進化すると言われてるが、それ以降は描写も作者の言葉も無いため空想の域)
・本気出したらどうなるか? →未知数(描写不足)
・ゲッター線の特性は? →実際の描写が全て。他の考察は全て空想の域(実際にエンペラーが同化吸収能力を持ってるかどうかも定かではない)
・アンソロジーの奴は? →アンソロジーはアンソロジー サーガはサーガ
・仮想的はラ=グース?時天空? → 『真説 魔獣戦線』で仄めかしているだけで、実際にどうかは不明(エンペラー以外でも候補になりそうな機械の化け物はいくらか居る)

まー最強云々な話は浪漫はあるが不毛な話でもあるのさ
30名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 15:46:40.33 ID:DoqzwVsi
まあ、強いものを作りたいんじゃなくて話を作り続けたらああなったって言ったもんだからなあ。
そういった意味ではドラゴンボールと一緒だね。
31名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 16:04:23.90 ID:DoqzwVsi
連投になるけど
ゲッターエンペラーもラ=グスースもはある種の理不尽の権化みたいに書かれたようなものだから
それに真正面から勝てるようなものとかとの戦いをやったら収集がつかないからなあ
というか収集がつかなかった
32名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 18:24:00.93 ID:94j1vQ7T
エンペラー、ラ・グース、時天空の明らかにヤバい存在作っといて放置したまま結局誰も分からずじまいにしてしまった賢ちゃんは罪だよなw
33名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 18:35:38.25 ID:dllr5To+
真剣にやったら脳が沸騰するわww
34名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 20:02:24.83 ID:Al5o6tLW
>>23
クトゥルフ神話と言えばタイタス・クロウは石川賢宇宙に存在してもおかしくないと思った
35名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/03(日) 20:33:32.25 ID:DoqzwVsi
今放送している特撮の衝撃ゴウライガンは虚無戦記にあいそう
光人達を龍の一族と似たような種族と考えると守る理由もなんとなく
36名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/04(月) 17:21:17.54 ID:qqJCU+DG
>>35
デザイン的にも合いそうだよな
37名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/04(月) 17:46:40.51 ID:GhJFnlQi
ゲッターエンペラー、ラ=グース、時天空って詳細が不明なのが恐ろしいよな…
38名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/05(火) 20:22:06.54 ID:C2dT0oBL
逆に考えるんだ
「だからこそ好きなように肉付けできる」と
39名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/05(火) 21:03:15.44 ID:+SgfknP5
何度も言われているけど
ファンタジー世界のエルフとかの亜人種はゲッター線からしたどうなるんだろう?
子供作れたら外国人に毛が生えた程度かも知れないが
爬虫人類もハーフ作れたからなあ。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 00:48:38.72 ID:n8vHmXbR
>>39
爬虫人類はゲッター線に耐えられなかったじゃないか。
たぶん人類と混血可能+素で耐えられればOKなんじゃないの?
41名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 00:56:25.42 ID:ysJVa4nw
作品によっては全くの別種族というより土地や習慣にあった形になった人間というのもいるからな
洞窟ぐらしだから身長が低めになるようになったドワーフやホビット
バケモノがいる森のなかに住んでいるから五感が鋭くなって耳が長くなったエルフとか
そういうものも作品によってはあるみたいだし

現実でも人種で筋肉のつき方とか全く違うし
主食で腸の長さも変わるから、その延長線上と思えばいいのかな?


まあ、ゲッターとファンタジーの相性はジャンル的にきつい気もするし
どちらかと言うと虚無戦記のほうが楽なのかもしれないけど
42名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 01:16:42.75 ID:vFJIW5X4
まあゲッター線自身がその種族のほうが適正いいと判断すれば人類をゴミのように見捨てるかもね
43名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 02:57:17.86 ID:Pk+Amg8c
まどマギ最終回で魔獣出て来たじゃん?つまり魔獣戦線じゃね?ってバカな話を友達としていたせいで、13体のQBに実験され化け物覚醒して体中に魔女を取り込んだ暁美ほむら、という変な妄想が止まらん

ダイナミック作品ってオーガス並みに何でもくっつくな、接着剤かよ
44名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 10:36:58.52 ID:ysJVa4nw
魔女を詰め込んだ魔法少女なら外伝漫画に居るらしいけど
読んだわけじゃないから分からん
45名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 14:20:58.83 ID:pKRoMcQS
ゲッターネタをネットで追うと必ずまどかマギカネタが出るので何事かと思い視聴して見たが……なるほど納得したわ
QBとゲッター線の間には何か深い関係があるに違いない
46名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 15:12:43.44 ID:Oxu3Xwlp
ゲッターエンペラーとインキュベーターの宇宙の存亡を賭けた戦いが始まるのか…
47名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 15:46:04.05 ID:ysJVa4nw
まあ、太古の昔から人間と関わっているという共通点があるからな。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/06(水) 21:43:36.33 ID:pKRoMcQS
むしろ旬な話をするとデビルマンなのではないか
やっぱり万能接着剤じゃないか!!
49名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/07(木) 01:21:19.49 ID:zLn6ToNq
今はグレートマジンガーとやってるなあ
ただ、ゲッターともやっていたんだよな…………
50名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/07(木) 03:01:36.90 ID:igPyg3S8
凄く有りがちだがチェンゲ竜馬のコスチュームってなんか凄くいいな。慎一のパクリと言われることがあるけどしっくりくるね
51名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/07(木) 17:46:15.57 ID:2xbCPU3X
ボロコートボロマフラーってロマンだよな

>>48
随分とスタイリッシュになってるね
それにしても今年は明やマジンガーゲッターが女の子になったりと
ダイナミックキャラは忙しいなw
52名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/07(木) 19:48:33.07 ID:J8uVDIT9
劇場版まどかマギカ的な意味でデビルマンと言ったのだ。すまぬ……すまぬ……
53名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/07(木) 20:21:28.71 ID:zLn6ToNq
>>50
チェンゲの世界はなぜだか寒いイメージがあるからなあ
54名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 03:13:23.94 ID:P7oYrwrE
ISって二次SS多いけど
ゲッターとは相性はよくないだろうな
55名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 14:28:15.83 ID:Gn6mib1g
>>54
・物語になってない
・設定の辻褄があわない
・主人公の思考に整合性がない

そりゃあ作品自体頭がおかしいんだから、どんな作品とクロスしても相性良くないに決まってるな。
そもそもISって戦い方次第では現代兵器で勝てるしなあ。4連ガトリング(笑)だっけ。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 15:28:32.48 ID:nU4DMC/K
たしかにISは話は…………なものだけど
アンチスレじゃないんだからオブラートに包もうよ。
まあ、弄れる余地や変えたいと思う展開があるものは二次SSはおおいな

ISは等身大パワードスーツだから巨大ロボとはなあ
ガンダムとかがIS化するSSとかはおおいけど(ほとんどオリぬしものだけどね)
変形合体は鎧的な部分がどうにかなるでまだしも対処できるが
チームワークというコンセプトのゲッターではそれはきついものがあるしな
いっそのことIS側の人間を巨人ということにするか(暴論)
まあ、このスレでは短編含めてもIS関連は二作あるけどね
57名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 16:12:59.91 ID:KgTxWo+C
昔読んだISとゲッターの二次クロスでオリ主がIS化したゲッター使ってたけど
普通にオープンゲットしてて理解不能だったんで読むの止めたw
58名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 19:20:54.04 ID:O42JD9js
>>57
なろうの一次創作だけど主人公が等身大の生物兵器でオープンゲット的な回避をしてた作品あったなw
59名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 22:25:31.44 ID:H0aX1FN9
>>56
ゲッターロボをISの大型換装装備ってことにして、合体は「チェンジロボットゲッター3」方式の
合体変身風にすればオープンゲットも変形もいけると思う。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 22:59:30.29 ID:nU4DMC/K
パワードスーツものの装甲悪鬼村正にも分離と合体をこなす大型の敵がいたなあ
数人が各パーツに人が乗っているという感じだけどね。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/08(金) 23:56:24.87 ID:mbGwFVfi
集団でメカザウルスに挑むとかなら面白そうだがね
62名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 00:01:48.81 ID:s7U5Ja++
パワードスーツとスーパーロボットとかならば
戦車と随伴兵みたいになりそう。
相手も随伴兵みたいなものを創りだしたり
63名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 00:38:05.94 ID:IQkY6Fgl
サイズがMAP上でわかるスパロボOEだとそんな感じだよね。
スコープドックで真ゲッターに勝てる気がしない。サイズ的に。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 02:39:33.11 ID:4WX3C8ql
>>63
マジレスすると、アストラギウスのヤツらは真ゲッタークラスの兵器にATぶつけるような真似はしないんじゃないかな。
もし真ゲッターを相手にするハメになったら、
ATより火力も装甲もある戦車をぶつけるだろうけど、そんなもんじゃ焼け石に水どころか溶岩に霧吹きくらいだから、
最終的には地球を無視するか、パルス・マクガフィ・ハイパードライブ・ミサイル(PMHM)を撃ち込みまくるかもしれん。
銀河の遠く遥か彼方から。
65名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 07:12:40.53 ID:IQkY6Fgl
それでも、ベルゼルガなら ベルゼルガなら勝負になりそうな気がする
66名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 08:57:50.73 ID:ljcyTveT
三号機にキリコを乗せよう。これで三号機乗りのジンクスは解消できるよ、やったね!
67名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 10:30:59.98 ID:s7U5Ja++
ワイズマンが居るならば裏から操作して突っ込まさせそう
ペールゼンも時期が時期ならば同様なことをしそう
68名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 17:22:40.78 ID:ca7+W7BI
キリコさんは合体or分離時に叫んでくれるんだろうか
69名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 18:32:09.13 ID:zlyzLfUM
キリコさんだって「バルカンセレクター!!」って叫んだことあるから大丈夫だよ
キリコ「……っ!デライダ高地おろしぃぃぃぃ!!」
70名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 18:38:38.17 ID:L7HPXRQp
ゲッター線を浴びてむせる日々…
71名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 21:08:37.70 ID:IQkY6Fgl
バニラ「どうだい? レッドショルダー様って聞いたからよ、 
     
     ゲッター1の右肩を赤く塗っておいたぜ」
72名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/09(土) 22:16:48.47 ID:s7U5Ja++
元から赤いやん
73名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/10(日) 00:23:31.54 ID:+p9k4VJn
怪奇大作戦のリメイクがあって
今回の話がクローンがテーマだったんだが
とにかくおぞましかった。

チェンゲのゴウはちゃんと生まれたけど
ゴールとブライは…………
案外チェンゲのゴウとクローンを取り扱ったものは相性が良さそう。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/11(月) 08:02:42.74 ID:OcvlQOBp
新ゲッターで黒平安から戻ってきた際のミサイル攻撃で、ミチルさん絶対にゲッターって分かって攻撃してるんじゃないかと思えるww
75名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/11(月) 17:23:12.25 ID:m0rpBFfb
憂さ晴らしか、解らんでもないなw
76名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/11(月) 17:32:29.85 ID:zfGmxtpe
実際途中で気づいているのに撃ちこむようにしていたこと考えると
終盤の弁慶と同じようにゲッターは疫病神だから破壊すべきと考えているかもね
77名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/11(月) 17:48:20.40 ID:6tfqmk0z
>>74
絶対わかってると思うぞ、あれはwwww
78名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/11(月) 23:43:02.56 ID:zfGmxtpe
あの時のゲッターって
出撃で戦闘した後に、タイムスリップで数百年レベルで野ざらし、更に大群と安倍晴明と激闘
そして、ミサイルを大量に喰らう…………それでも、大破しているようには見えない。
どんだけ頑丈なんだよ
79名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/12(火) 14:00:24.94 ID:HpSCpsT0
ゲッターだから仕方ないで納得できるのがゲッターの恐ろしいところだな…
80名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/12(火) 19:46:32.73 ID:KkoGLpwD
しかも、まだ強化前という
81名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/13(水) 22:00:16.34 ID:LJ2fu12s
そもそもゲッターの装甲って硬いのか
なんか柔そうだぞ
82名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/13(水) 22:09:17.12 ID:F8Vd91o0
>>81
小説版見てないけど
なんか力場的なものが発生しているらしいからそれで何とかなってるんじゃね?
後、敵が基本的にゲッター線技術以外は数十年先を行っているようなやつだから
相対的に柔らかく見えるんじゃね?
でも、真ゲッターは剴に壊されているし…………やっぱ起動している時は力場云々なのかな?

個人的にゲッターって身体能力がないと死ぬとか言われているけど
普通になんどかパイロット以外の人を載せて戦闘しているんだよな…………
やっぱ、常人が乗ったら死ぬというのは
失神するから事故死するとの意味かな
83名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/14(木) 01:42:06.16 ID:CFyajlUM
>>82
ゲッターロボは戦闘以前に合体変形っていう至難な段階があるからな。
竜馬達や號見ても分かる通り、あいつら空中でしかも高速かつ、不安定な中でも合体する技量とどんな状況でも打開する機転の良さがない人間じゃないと務まらないと思うわ
84名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/14(木) 03:18:33.43 ID:wKXmucjv
ゲッターロボ號と新ゲッターロボってクロスすれば面白い事になりそう
宇宙開発の為に作られた非ゲッター線ゲッターロボと
端から戦闘用に作られたゲッター線仕様ゲッターロボで対比になるし
ゲッター線に立ち向かう竜馬にとって號達は頼もしい仲間になりそうだし
キャラクターも被らないからスパロボ辺りで再現してくれないものか
85名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/14(木) 21:50:36.51 ID:SBVhqMyu
號はロボットとしてのクロスならいかにもスーパー系の新ゲッターより
ダイガードみたいな方が相性よさげな気がする

人間同士のクロスなら戦闘用にするのを躊躇する橘博士を早乙女博士が説得、みたいなのはありかもしれん
86名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/15(金) 22:36:56.52 ID:LmQ8SN1K
命日だな
ここにこう書くのはこれで何年目だろうか
87名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/15(金) 22:39:22.87 ID:YyDEyVt0
そうだな
本当にお悔やみ申し上げます
88名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/15(金) 22:42:21.74 ID:turXgBHW
黙祷
89名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/16(土) 18:28:47.76 ID:fG2/28hM
神様チート系って最近SSではやっているけど
ゲッター線が転生させる神の場合ろくな事にならなさそう。
基本的に本当にやばい時にしか力を貸してくれないから強いことには強いレベルで
相手や状況によっては簡単に死ぬレベルとかで与えてもらう力ではあんまり楽にならなかったり。
進化のために苦行とかドMレベルに課しそうだし。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/17(日) 17:14:33.15 ID:2oH7UknG
新ゲの竜馬みたいに逆に食らいついてくるぐらいでないと、力を貸してくれなさそうだな。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/17(日) 17:28:53.62 ID:wjqZOvzR
あまりにもゲッター線の意思にそぐわないと起動すらしなさそう
漫画版の前日談見る限り初代ですら敵が動き出したから動いたって感じだし
92名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/17(日) 21:13:05.13 ID:D3tUct77
チーレムなんて今に始まった事では無い
ただ、ゲッターでチートはやり辛いし、ハーレムも女っ気が絶望的に無いから流行りには乗れんな
93名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/17(日) 21:35:47.07 ID:wjqZOvzR
ゲッターの力を借りたチートオリ主とかはいなくはないけど
「その作品である必要あるの?」 っていうよくある指摘をうけるような内容なものも多いしね。
ただ、そのなかでも光るものがあったらしいからなあ。


虚無戦記や真説魔獣戦線などで石川漫画における進化って
よくあるSF的な精神生命体になるとは逆の方向性だよね。
時天空に滅ぼされた前の宇宙の神やラ=グース一派は精神生命体で
時天空に勝てないとか進化の袋小路とか言われているからなあ。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/17(日) 22:47:01.54 ID:jLbfegMF
石川賢作品は物理的な宇宙的恐怖
95名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/17(日) 23:26:23.64 ID:wjqZOvzR
時天空が超圧倒的な物理量で襲いかかるってもんだしな。

あんまり関係ないが神咒神威神楽ってゲームは
いろいろ厨ニ的な能力が出てくるがラスボスは圧倒的な特殊能力じゃなくて
それをゴリ押しで潰せる超パワーとからしいね。
主人公に相性で負けるらしいけど
96名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/17(日) 23:59:48.03 ID:TJqjsand
厳密には相性だけじゃ勝てないわけだったが
97名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/18(月) 02:26:21.31 ID:XIcY/3Rm
前のレスにあったよな?死んだ主人公が神様にチート能力授けられて生き返ったら虚無戦記の世界だったネタwww
98名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/18(月) 02:43:32.28 ID:fElQn6Ud
理想郷の短編SSで
オリ主がチートで全力出そうと気になったら、石川作品の超次元クラスの存在から敵視され
一応は互角以上に戦えるレベルのチートは持っていたが、メンタル面が常人のオリ主が心が折れ
時天空の存在まで感知して発狂する話があったな。

ちなみに力を与えた存在は大いなる意思で…………
99名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/18(月) 23:20:51.81 ID:g0eW7+Tv
もっと身近な所からメンタルを鍛えよう。芸夢E2とか
100名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 01:20:56.73 ID:/+WmxK1p
最近ドラクエモンスターズ(GB版テリー)にハマってる俺だが、もしゲッターチームがモンスターマスターになったら最終メンバー何にするか考えると面白そうだな

竜馬は攻撃特化、隼人は攻防両立、武蔵、弁慶は意外と初っぱなからマダンテ放つようなメンバーにしてきそうだよな
101名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 01:22:34.35 ID:1gavxdTv
モンスターだけに任せずに自分も殴りに行きそう
102名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 01:59:18.83 ID:wmwRsyM2
>>99
「死んでもいいゲームなんてヌルすぎるぜ」
とか言ってたキリトさんが芸夢E2的に完全に鴨なんですが
103名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 08:23:31.23 ID:qMKnrDBf
あれって結局政府側の工作じゃなくて
ゲームその物が殺しを楽しんでるって解釈でいいの?
104名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 16:15:53.50 ID:TzbaiAEG
良いんでない?
政府が殺す目的でゲーム作ったけど、途中からゲームそのものが殺す楽しさに目覚めたんだと俺は思ってる
105名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 17:03:42.60 ID:ZM1aZTq1
>>89
あるいは以前投下されたみたいに、相対的にはたいした優位を持てない場所に送られたり。
(空間支配能力をもらったけど、虚無戦記ワールドの最前線に送られた。)
106名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 17:05:14.44 ID:ZM1aZTq1
…って、もう言われてたか。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/20(水) 23:28:47.80 ID:dgJdKe/9
東京レイブンズってアニメしか知らないけど
新ゲッターの敵勢力や虚無戦記とかと相性は…………
安倍晴明で混乱が起きるだろうなあ。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/21(木) 08:09:09.95 ID:40miGrrk
新ゲの四天王ってさ
モデルが虎の機械パーツにされた奴、猿羅神、覚醒ラオウと一緒にいた軍団の一人なのは分かるが、最後の一人だけ良くわからん
あの巨大な金ピカは羅将門がモデルなんだろうか?
109名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/21(木) 10:32:02.35 ID:uwH34vuO
多聞天もラオウのモブ部下の一人
110名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/21(木) 19:19:18.33 ID:ivFz2Je4
>>108
最後は竜馬と共に聖ドラゴンに特攻するんだろうな
111名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/22(金) 18:59:55.85 ID:C7ih/zZm
多聞天は仏の軍団の進軍シーンの所に居たはず
兜卒天羅王のところででてた
112名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/23(土) 00:37:43.48 ID:7kf/Vxp5
Gガン見て思ったんだが
アーク見るかぎり竜馬の空手は武器使うのも考慮してんのかな
113名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/23(土) 02:26:47.26 ID:CbFdswhO
竜馬の空手(サッカーや剣道も)はその時代のキャラクター装飾みたいなもんだけど
號の時代を見る限りは一応は徒手空拳メインっぽい感じがする
無印・G・真の時代の火器使用はまた別だったんじゃないかと
114名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/25(月) 16:56:47.42 ID:tp1m14Dd
鳥竜館でのオーバーヘッド叩きつけにはサッカーの片鱗を見た
漫画の竜馬って学校行ってたっけ?
115名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/25(月) 17:04:09.01 ID:mxN/QViR
>>114行ってたと思うがあの生活ぶりを見てるとロクに行ってないと思う。
漫画版竜馬に学校の友達が全く出てこない様子を見ると「こんな子いたの?」とかクラスでも凄く浮いた存在だったかもしれんな
116名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/25(月) 17:44:52.80 ID:1kDBRxaP
漫画版は学校に行かせてもらえなかった感じがする
新ゲは行ってなかった感じがする
真ゲは高校っていう制度がそもそもなさそう
117名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/25(月) 17:52:28.41 ID:ZRRCXCp0
まあ、一話で学ラン来ていたから少なくても中学は行っていたんじゃね?
まともに通っていたかは分からんけど
118名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/25(月) 20:30:19.36 ID:bZmykj1v
竜馬は親父に空手だけ教えられて育てられた感じがするな…
119名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/25(月) 21:42:43.32 ID:ZRRCXCp0
フルメタル・パニックの主人公とは別方向になっちまったってかんじだよね。
まあ、日常コメディー編に出てくる格闘近眼男とかいるけどね
120名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/25(月) 23:10:22.35 ID:PJKUZtgh
空手少年流竜馬が部活でサッカーやる世界もあるかも知れんね
あれ、そんなキャラがどっかにいたような
121名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/26(火) 01:23:49.53 ID:YtKlSu3d
漫画版は最初は空手しかしらない世間知らずな感じかと思ったがテレビとかロボットを知ってたあたり、一般常識はあったのかもな。
それより問題なのはバリアどころかエネルギーって単語すら知らなさそうだった新ゲ竜馬だろwww
122名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/26(火) 01:34:57.49 ID:B5dxx3Nf
あれは非日常な事言われて戸惑ってるって描写だと思ってたんだが
アホの子描写だったの?
123名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/26(火) 10:10:43.17 ID:FVHacFIq
まあ、そうとれはなくはないが
黒平安編で最後まで現代日本でないことに気づいていない節があったからな
124名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/26(火) 13:13:28.95 ID:YtKlSu3d
確か黒平安ラストでどうやって帰るかって話で、浅間山まで飛んでいけば大丈夫って答えたんだっけw
けど中国製のトカレフ見抜いたりとか偽契約書だと見抜いたりとか知識が偏りすぎるよな
125名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/26(火) 14:10:27.66 ID:FVHacFIq
ああいう生活していたら小説は愚かテレビや漫画も見ていないだろうから
SF知識は小学生以下だろうな。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/26(火) 17:17:21.49 ID:YtKlSu3d
けど新ゲ竜馬はフィリピン出身の風俗場からかわいいって言われたり、某画像投稿サイトや色んなとこの場所でも同じこと言われたりするのを見ると意外と母性本能をくすぐるタイプなのかも?
127名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 00:17:36.46 ID:9Chdwsgk
ヒットしたガルパン見て思いついた
ゲッター艦隊の世界のゲッター道…………ただの模擬戦にしかならないような。
競技中に死んでも武蔵みたいにすぐに再生されそう
128名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 15:32:44.13 ID:j6UPinjG
>>126
フィリピーナ嬢の可愛いと後述の可愛いは、なんていうか別物だから・・・
129名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 16:46:29.75 ID:nQYbAiRr
腐った方々はどんなキャラでも対象にするからな
魔空八犬伝の道節と信乃のカップリングには我が目を疑ったよ
130名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 19:26:27.45 ID:3uK4DrwE
竜馬のかわいいは腐るかどうか以前の話じゃねw

あんまり竜馬に対してかわいいとか考えたことないけど
歴代竜馬の中ではキャラデザも丸っこいし、かわいく見える…のかな?
131名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 19:48:46.69 ID:9Chdwsgk
腐った方々は萌え狙いのものよりもそっち向けにあざとくても食いつくからな
時々謎の食いつき方をしたりするのも萌え狙いの場合と一緒だけど。

でも、ゲッターの場合なんかゲイっぽい方向に受けているようだけど
132名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 21:51:12.06 ID:hcDS48kF
腐女子とかいうキツイ話題はダーク・デス砲で終止符を打つのが俺の中での習わし
133名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 22:07:22.30 ID:3uK4DrwE
東映ゲッターロボ號ざぁっとみて見てて
ゲッター線って言葉が出てきた記憶が無いんだけど
もしかしてこのスレ的にはメイン張れないタイプのゲッターロボになるのか?
134名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 22:21:14.60 ID:9Chdwsgk
>>133
まあ、SSとして投稿するには問題ないと思うよ。
ただ、ゲッターロボ號のアニメ版はレンタルとかが困難だし
配信で見れるけど値段や契約で手を出しづらいのもあるだろうね。
後のダイガードみたいで王道もいってるんだけどね。

ゲッター線云々は作中には出ていないと思う。
最初は昭和のと同じ世界観だったらしいけど、隼人の声優のスケジュールがとれなくなって、
そこからいろいろあってお流れらしい。
竜馬を出すにしてもその声優が剴役をやっているからわけわからんことになりそうだし。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 22:52:22.19 ID:RpwVpfJA
アニメ版號のSSなんて滅多に見られるモンじゃねえからばっちこいでげすよ
……漫画版號もあんま無いけどな
136名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/27(水) 23:34:16.77 ID:9Chdwsgk
どっかのブログで新ゲッターとのクロスを見た気がしたなあ。
アニメ版號のみに登場する敵がゲッター線についてなにか知っている感じで
137名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 00:52:21.56 ID:sqHpPyY/
號はアニメにしても漫画版にしてもスーパー寄りかリアル系寄りか、分かりにくいのがあるな。
どっちか一点よりだったら扱いやすいんだけどね立ち位置が中途半端過ぎる。
138名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 01:32:57.54 ID:VuMijERP
いや、スーパーとかリアルとかスパロボで出来たようなどうでもいい区分に拘らんでもいいと思うけど
ただ、敢えて区分するならどう見てもスーパー系だよ
139名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 01:35:25.57 ID:ZwpkTcAp
まあ、マジンガーとかの○○やられたら△△で対応する感じのいろいろ考えている感じのスーパー系だね
140名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 11:03:30.56 ID:dals4JZS
アニメ版號は無印〜Gとは独立した世界で、ゲッター合金製の機体だからゲッターなんだな。
(当初の企画がマジンガーだった名残かと)
一方、ストーリーが地続きな漫画版では、ゲッター線が廃れた理由について説明がなされ、
ゲッター炉心を搭載した「真の意味での」ゲッターロボが登場するに至ったと。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 11:05:04.22 ID:ZwpkTcAp
キートンが出れていたらつながった世界って明言されていたかもしれんあ
142名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 21:04:51.43 ID:Ja/CAIO+
続編扱いされてたら今頃スパロボ出てたかな…
143名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 21:48:27.53 ID:7+1zrril
版権だのなんだの言われてるけど、結局「ゲッター線と竜馬が出ない」のが原因なのかもしれない
144名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 21:54:48.52 ID:ZwpkTcAp
αやZみたいな長編シリーズとかだと引っ張れるものとかのほうがやりやすそうだしね。
それ抜いても旧作だとマジンガーとの絡みとかをやれるから楽できそうな気もするし。
今となったら號アニメ版出すのは多分NEOみたいなコンセプトがあるものしかできんだろうな。

UXは参戦作品とラスボスの存在考えたら新ゲッター出して欲しかったけどなあ
145名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/28(木) 22:34:35.55 ID:+XuQdg/b
真ゲ初出となった第四次では、マンネリ化を覆すべく、
Ex-Sガンダムやサーバインと言った、参戦枠スレスレでのサプライズ機体に気合を入れてたからな。
別で枠を取っても微妙にダイナミック勢と絡ませにくい號よりも、
ケンイシカワ一人がOKなら機体新デザインまでやってくれる真の方が
コンテンツとして魅力的で、その成功がその後の明暗を分けてしまった感じかと。
146名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 02:56:56.31 ID:qIpcCxb4
>>143
あと隼人もな…
147名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 06:13:41.93 ID:MKSanZYI
號チームは味があるのに竜馬達の二番煎じって印象強いんだろうな。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 20:28:04.78 ID:21ixrs8G
モヒカンヘッドのゲッター凱がスパロボで使いたい
まどマギの映画公開から一ヶ月経つけど、マミさんの知識に敷島博士ライクなものがなくて本当によかった
149名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 21:11:44.65 ID:R0sh1ZLp
まるで孔雀のようだとか言って弾幕張られてもなぁ…
150名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 21:12:35.74 ID:4yHrvngK
基地がいくつからになるレベルで盗むんだろう
151名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 21:46:28.20 ID:21ixrs8G
マミさん「まるで孔雀が羽根を広げたようでしょう?」
さやか「マミさんかっこいい!」
まどか「派手すぎない?」
QB「これが孔雀の羽根に見えるなんて、どうかしてるよ」
152名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:37:55.88 ID:21ixrs8G
2年半ぶりになったけど、続き投下します
覚えてる方がいれば幸いです
153名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:39:24.18 ID:4yHrvngK
よし、支援
154名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:39:49.23 ID:21ixrs8G
ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話


どのぐらい眼を閉じていたのかは、彼には分からなかった。
分かったのは、まるで爆撃でもされたかのように破片と陥没を曝している
床面に注ぐ光量から、かなり時間が経っているということぐらいだった。
少なくとも、もう昼ではない。
こうしていられたのは、奇跡のようだ。
行動を再開すべく、下半身に力を込め頭一個分ほど身を乗り上げた。
廻りを見渡したが、周囲には人の姿はない。
自分の身体が床面ではなく、壇上との境目の壁面だったことを考えると、
苦労をかけたようではあったが。
それに、姿は見えなくても、それとなく気配は分かる。
彼の遥か前方の半ば開いた扉の左右からは幾つかの細い影が見え、
床面から吹き上がる風に揺れる破片の音に雑じって、足音らしきものも聴こえてくる。

「(当然だな)」

嫌な感じはしなかった。
距離も十二分に離れている。
異形をぶちのめした男が、健全な精神を持っているかどうかを判断するには、
助けられたという理由だけでは心許ない。
角を生やした醜悪な者達に侵略行為をされた後なら尚更のことであり、
相手は一人、しかも手負いということを考えれば、彼は包囲されたということになる。
戦力的な判断で言えば、学生たちのとった行動は正しいと思え、
いい根性だと、感心すらしていた。

行動に移ろうとしたとき、

「眼は覚めた?」

と聞かれた。
相手は、眼鏡をかけた女生徒だった。
彼は彼女に見覚えがあった。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:41:24.87 ID:21ixrs8G
しばらく口を開けなかったのは、周りを囲まれたとか思いつつ、壇上の上の彼女の存在に
全く気付いていなかったことへの、恥の感情だった。

暦の方も、この沈黙にもやついたものを感じていた。
周りを見渡したりしているんだし、そもそも立ち上がろうとしているんだから
眼は覚めているに決まっているんだろうと。
コミュニケーションの大切さを、こんなことで痛感するとは。
これだから、日常は恐ろしい。
置かれている状況は、非日常的だが。
壇上から飛び降り、少年の前に立った。
少年は、彼女の体重で軋んだ体育館の音を聴いた。

とりあえず、暦は目の前の少年について分析した。

顔、寝ぼけたような顔つきになっていたが、主人公になれそうな顔をしていると思った。
少なくとも、イケメンの部類に入れた。好みとしては別としてと。
とりあえず、悪くは無い。
体格、壇上のカーテンに忍ばせている男共と大差が無いように感じた。
脱いだら凄いのかもしれないがと思って赤面しかけたので、疲れる奴だと責任を転嫁した。
服装、こんな時代なんで仕方がないが、改めてみると血塗れなことに気付いた。
匂いがあまり気にならないのは、匂い消しの類を使っているものと思われた。
何故か、靴下を洗濯し忘れたことを思い出した。
ついでに、いくつか匂い消しを譲ってくれないかなとも。

前例もあることなので、いきなり殴られるような脅威はないとした。
何より、彼は自分を「コヨミさん」と呼んだのだ。
そこから生じた優越感のせいもあり、若干気が緩んでいた節もある。
更に少年は、自分の友人である大馬鹿者の問題児について、
ある程度の危険認識が出来ている様だった。
あの馬鹿とコミュニケーションが取れる以上、大丈夫だろうと思った。
寧ろ危険なのではないかと、これは後になって気が付いた。
また少年のほうは、彼女をOLのような美人さんということで捉えた。
妙な詮索をする趣味は無いし、バグだらけに違い無いが、情報なら既に得ている。
少なくとも、音痴には見えないし彼氏がいないとは思えなかった。
尚、その馬鹿であり問題児でもある少女は女子5人がかりで抑え付けられている。
この少年以上に、何をしでかすか分からないからだ。
拘束されている理由は、「ちょっとあいつと、あのトカゲどもぶちのめしてくる」
などとほざき、眠る少年の髪を引っ張った挙句激しく揺さぶったことにあった。
地獄の底に放り込まれたかのような、苦しそうな声を、暦は覚えている。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:42:14.91 ID:21ixrs8G
「あいつから聞いてると思うけど、私は水原暦。あの馬鹿の…」

口を塞がれているにも関わらず、解読困難な叫びが撒き散らされる方向に視線をやった。
彼も既に気付いていることだろう。

「幼馴染。いや、本当にね」

話で聞いていたこととは大分違うようだった。
あまり当てにしていなかったので、以外でも何でもなかった。

「俺は、流竜馬といいます」
「(敬語!?)」
「よろしくお願いします」

会話をする事についてだろう。
妙に律儀な奴だと思った。
発音もはっきりしている。しすぎている。
あの馬鹿が、何か吹き込んだのは明らかだった。
敬語なのは、そのためか、ちくしょう。と彼女は思った。

「…うん。ええと、その……ありがとう」

言った後で、後悔した。
今更になってきた緊張感で、頭を下げるのを忘れてしまった。
2秒ほどの間を置いて、竜馬は軽く会釈した。

「凄いな」

暦の視線は、床面であった場所に向けられていた。
157名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:42:41.10 ID:4yHrvngK
支援
久しぶりなあ
158名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:43:02.64 ID:21ixrs8G
「すみません…」
「(…謝られたよ)」

どうやら、彼が踏み込んだときに割れた場所のようだ。
律儀なのか、変なところで生真面目なのか。
それに、ここまで下手に出ているということは、
あの馬鹿は余程の事を話したらしい。
無事に事が済んだ後の報復は、無慈悲なものとなるだろう。

しかし、少ない会話ながら、暦は彼への脅威を薄くしつつあった。

そして何となく、彼の立場や正体について分かりかけてきた。
都市伝説や、下手をすると怪談の類のような、恐ろしげなものもあったが、
恐らくそれらは外れていない。

この女性の脅威についていくつか聞いていた竜馬は、警戒心を緩めつつあったが、
タメ口を利くには気が引けたので、またタイミングを
逃したこともあって、敬語のままでいくことにした。
万が一ということもある。
戦闘不能には陥りたくない。

「生徒さん方は大丈夫ですか?」

空気がざわつくのを、竜馬は感じた。
この調子なら、大丈夫だろうと思った。
来る前に、一通り校舎を見た事もある。

「…うん。皆大丈夫だよ。掠り傷を負った奴はいたけど、それ以外は皆無事」
「それは良かった」
「それより、ええと、ナガレ君でいいかな。あんたは大丈夫なの?あんな…」

化け物とやりあった、という言葉は、使いたくはなかった。
暗に、あることを認めることになると思ったためだった。

「…あんな馬鹿背負って……その、戦ってさ」
「…背負ったのは自分ですから。あと」

は・な・せ! と、兇悪な声がした。
ヒラガナはアルファベットに、点は星マークにしたような、印象的な声だった。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:44:33.75 ID:21ixrs8G
「女…の…子……ですし」

大いなる疑問を感じつつ、竜馬は言った。
子の部分は、半ば以上疑問符が付属していた。
オンナノコという言葉に、恐怖すら感じた。
無論、戦いとは別のベクトルの。

「やっぱり、悪い奴じゃないみたいだな」

ふっと、無意識に笑っていた。
面白そうなやつだと思った。


「何言ってんの?あんたバカ?」

塞ごうとする手の防御を破ったのか、でかい声がした。

こいつは無視しよう。
暦のアイコンタクトに竜馬は頷いた。
ノリがいいなこいつ、と思った。

下へ向いた時に映った横顔の唇は、満更でもなさそうな形に歪んでいた。
背中で生じていた寒気が消えていくのを感じた。
ごろつきを撃退(殲滅という言葉が正しい)し、異形の群れを追い払った少年の
メンタリティは、少なくとも、まともな血の通った人間のそれであると認めた。

「そろそろ、俺は行きます」

行って何をするのか、聞く必要も無かった。
ドクン、と少年の心臓が鳴った。
包帯塗れの腕に、血と酸素が満ちていく。
少なくとも、受けたダメージは回復していた。

「…そっか。気を付けてな」

立ち上がった、と思ったら、既に傍らを抜けていた。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:45:57.51 ID:21ixrs8G
「そっちも、お気をつけて」

声色は変わらない。

表情も伺えない。

皮肉のような口調でもない。

しかし、何かが妙だった。

何故か、冷えるものを感じた。

外からざわつく声が聞こえた。
手負いの少年は、瞬く間に館内を走破し、分厚い扉を開き外に出た。
何人かの生徒が彼の方を振り返ったが、
大部分は、まだ朝の面影が残る青空へと視線を上げていた。
例外なく、脂汗をかき、口は呼吸を忘れたように半開きとなっている。

竜馬も大空を仰ぎ見た。
その顔に、巨大な黒影が注いだ。

翼長約10mの、烏も似たシルエットの主は、
鈍い銀色をした、金属光沢を放つ翼を持った竜であった。

それが、体育館の正面に、地上10mの位置に滞空し、
巨大な顎を開いていた。

「…プテラノドン……?」

月並みだが、そうとしか見えなかった。
あの侵略以来、連中の知識は、否が応にも日常生活に侵食してきていた。

体育館の内部に、男子生徒達が雪崩れ込んだ。
積み重なっているのは、逃げ出す前に、自分以外の何かによって、
やや乱雑に投げ飛ばされたせいだった。
誰がやったかは、言うまでも無い。

「逃げろ!!」

叫びが、体育館を震わせた。
恐怖を打ち消された男子達は、よろめきながらも迅速に退避に移った。
暦は、遠く離れた場所から―竜馬と対峙していた場所から一歩も動いていなかった―
その様子を見ていた。
何人かの男子に呼びかけられたが、足を動かすことができなかった。
161名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:46:45.08 ID:21ixrs8G
「(逃げろだって?)」

視線の先に、体育館の入り口よりも大きな嘴を持った翼竜と対峙している少年がいた。
先程まで、自分が会話していた相手が。
自分達と、さほど年齢の変わらない『子供(ガキ)』が。

「自分は…どうすんだよ」

それは、頭では分かっていた。
しかし、せめてこの不条理に抗うように、言わずに入られなかった。

彼の腕は、ほぼ全域が包帯に巻かれていた。
ただ垂らしているだけでも、激痛が生じているに違いない。

その腕が、左に大きく振られた。
野球のフルスイング、または、剣術で言う居合いのように。
途端、翼竜の顔が大きく横にぶれた。
その傍らを、鉄と肉の破片が飛んだ。
竜馬の手には、何時の間にか、鉄パイプが握られていた。
外にいた生徒から拝借したものだった。

翼竜の細い嘴の先端に見舞った一撃は、翼竜の不意を突いたのか
その巨体を空中で大きく揺らめかせることに成功した。

しかし、それまでだった。
彼の手に握られたパイプは、威力の代償として半ばの位置から先を
破片に転じさせられていた。
翼竜から抉れたのは、僅かな肉と針のような歯だけだった。

根源的な憎悪によるものか、翼竜の無機質な眼尻が一層鋭さを増した。
電脳化された翼竜の脳は、眼前の怨敵をむごたらしく殺戮する手管を、
探っているに違いない。
そして、彼の奥にいる人間達の処遇も。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:48:42.90 ID:21ixrs8G
【――――――――――――――――ッ】

高周波、としかいいようの無いものが、開かれた嘴の奥の黒洞から吐き散らされた。
足元に転がる破片が、大小の差異無く小刻みに揺れ始める。
体育館どころか、世界が揺れているようだった。
翼竜の鼻先から5mと離れていない少年は、全身でそれを受けた。
訝しげな表情で翼竜を睨みながら、不要となったパイプを投げ棄てる。
左に逸れたそれを、鉄と肉の柱が捉えた。
垂直に叩き潰され、コンクリートに深々と埋没する。
本来、舵を取るために使用される翼竜の手は、強力な武器となっていた。
生えた爪も、ケラチンである筈が無い。
戦車の装甲だろうが易々と切り裂く金属にすげ変わっているはずである。
人間の骨など、防御の役に立ちなどしない。
反射のスピードも、凄まじいものだった。
翼竜の巨大な手は、振られた刃の速度を持つらしかった。

竜馬は、その場から動かなかった。
退く気も、避ける気も無かった。
翼竜の叫びは、生徒たちに向けられたことに気付いていた。
同様のタイプの敵を、彼は覚えていた。
それと同じであるならば、後ろは地獄に変わってしまう。
自分の今立っている場所ならば、直撃を受けたとしても大したことは無い。
振動で傷口が開き、血が溢れるなど、彼にとっては日常でしかない。

コートの中は、赤と白で包まれていた。
真新しい純白の包帯の所々を、薄っすらとした紅が染めている。
心臓の真上と、腹筋の辺り、脇腹からは、
尚もごくごく僅かに、内側から紅が広がっている。
閉じかけた部分が、翼竜の叫びで開いたのか。
包帯の許容量を越え、滴り始めるのも時間の問題だ。

既に、彼の脳内には、眼前の敵を抹殺する手管が構築されていた。
この怪物は、いい気になっている。
知能の発達は、畜生にも戦闘力の自負による優越感を産むらしい。
警戒とも油断とも言えるが、まだ攻撃には移らないようだ。
一匹でいるというのも、非情に怪しい。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 22:54:38.31 ID:4yHrvngK
何かひかかった?
164名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 23:00:56.18 ID:CQK3wUyy
古強者の御帰還か、支援せざるはならんだろ
165名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 23:01:33.73 ID:LheKhzdd
かかってしまったので、避難所に続けます
166名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 23:08:52.84 ID:4yHrvngK
代理します
167名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 23:09:32.11 ID:4yHrvngK
時間があるのなら、精々利用させてもらおう。
彼は、両の手首から垂れ下がる包帯の端を、器用に口に咥えると、一気に腕を下ろした。
緩んでいた包帯が締り、逞しい両手が現われる。
感覚が痛みとして骨にまで届くほど、彼は包帯を引き絞った。
完全武装でない以上ぶち殺す方法はある。
眼球を拳で突き破り、内部のメカニズムを破壊すればいい。
脳天を叩き潰すことが出来るかもしれない。
リスクがあるが、装甲を引き剥がしてやるのもいい。

左の指が、僅かに痺れた感覚を宿している。
痛みは麻痺しかけているが、こればかりはどうしようも無い。
確実に、凄惨無比な光景となる。
元より、自分に選択肢などないことは、遥か昔に気付いている。
異形と戦う前から、人間では自分の相手にならないと分かった時から。

心を決めた途端に、別種の生き物になっているとは思うが、感慨に耽る趣味も余裕も無い。
相手を仕留められない武術など、踊りと大して変わりはしない。

両手が彼の満足の行く形に搾られるまで、1秒とかからなかった。

「待たせたな、トカゲ野朗」

敬語ではない彼の言葉に、暦は背筋を震わせた。
ああ、先程の違和感は、これだったのか、と思った。
恐怖ではない何かが、彼女の心に去来していた。

対峙してからほんの数秒しか経っていないが、彼には莫大な時間が過ぎたように感じた。
コンマ数秒を争う戦いを続けていたことによる、一種の職業病だと思った。
選択肢などは無い。
この命のある限り、この侵略者どもを殺し続けてやる。
168代理:2013/11/30(土) 23:10:07.62 ID:4yHrvngK
臨戦態勢に入ったと、翼竜は悟った。
生物の本能と、電脳が、眼前の矮小な敵の危険性を全身に知らしめる。
それが優越感を上回ったのか、先に仕掛けたのは翼竜だった。
巨大な嘴が、大きく開かれ、右の手が刃の速度で竜馬に迫る。

ぎりぎりでかわし、懐に飛び込む。
シンプルかつ、確実に一撃が加えられそうなプランであった。
竜馬はカウンターを構えた。

既に、だとは思うが、他人から見れば、自分はやはり化け物なのだろう。
英雄を気取っている訳でもないし、嫌われることが好きであるわけが無いが、
自分と会話をしたあの女性に、苦労をかけるかもしれないと思った。
こんな時に何を考えているのか、竜馬自身でも苦笑したくなった。
そもそも、なんでこんなことを考えているのか、自分でも分からなかった。

「(あいつは…)」

とだけ、ほんの少しだけ思い、すぐに消した。
左の指の震えは、その途端に止まった。
無意識というもののおぞましさについて、忘れていなければ、後で考えることにした。

自分まであと数メートル。
彼の視界に異物が映った。

それは、白い輝きを放っていた。
数は、1個、そして数えた時にはもう1つ増えていた。
翼竜の巨体が、大きくよろめいた。

彼は、漲らせていた力の全てを、両足に込めて飛んだ。
弾丸と化して、背後へと。
ちらと振り向くと、生徒たちはもう十分後ろにいることがわかった。
心配するのは、己の身だけであることに、安堵を覚えた。
装甲を喰い破って減り込んだ箇所を基点に、一瞬、
翼竜の細身が鞠の様に膨らむと、その輪郭は完全に崩壊し、内側から熱と光が溢れ出した。
生じた衝撃は思いの他小さかったが、体育館の入り口を
完膚なきまでに破壊することと、退避中の「浮遊物」を爆風で
吹き飛ばすには十分すぎるパワーがあった。
169代理:2013/11/30(土) 23:10:40.87 ID:4yHrvngK
暦の傍らを、何かが通り過ぎていった。
ゴムが焼ける臭いを立て、摩擦音を起こしつつ、それは停止した。
振り返ろうとした時、体育館内に白塵が充満した。
翼竜の叫びで緩んでいたことと、先程の爆発がとどめになったに違いない。
破砕された物体の粉っぽい臭いと、霧のような塵によって、視界はほぼゼロとなった。
割れた窓から注ぐ光によって、かろうじて人のシルエットが映っている。
突然の暴虐に、相次ぐ異常時に疲れを見せていた生徒たちも、
再び動揺せざるをえなくなった。
約1年半の異常な敵対種族との戦争に曝された経験が、彼らの精神を多少タフにしていたようだ。
しかし、それでも

「おいこらこの鬼娘!!!」

と、爆発音や翼竜の叫びをも上回るとさえ思わせる怒号を聞いたときは、
もう感情を捨て去りたくなった。

「そんなのがあったらさっさとよこせ!無駄な手間食ったろうが!」
「貴女には危険すぎるわ。巻き添えを出したらどうなるの」

更に、新しい声が加わった。
何人かは、決して少ない数の者たちが、その存在に恐怖した。
冷徹、と呼ぶに相応しい声色と、彼らの担任に匹敵する声の大きさを、
その主は持っていたからだ。

「んなもん知るか!あたしが何度食い殺されかけたか分かってんの!?」
「7回ね。面白かったわ」
「やかましいわ!さっさと手伝え!私はそいつを知らん!」

誰もが、嫌な予感しかしなかった。
最も近くにいた暦は、声をかけようと思ったが、
白塵の奥から迫りつつある半月の4つの眼に、何も言うことは出来なかった。
170代理:2013/11/30(土) 23:11:33.43 ID:4yHrvngK
ごそごそと何かを漁る音。
そして、何かが引きずられる音が、体育館の中に不気味に木霊していた。
誰も、その場を動けなかった。
少なくとも、まともな奴は。

塵が収まる頃、聞きなれた女教師の冒涜的な怒号と、
聞きなれぬ女傑な声の主、そして流竜馬と名乗った少年の姿が消えていた。

「何だったんだ…今のは」

分かりきってはいた。
言わずにはいられなかった。
ある意味、自分の習性なんだと思った。
振り返った暦は眼を剥いた。
衝撃と爆音の影響か、馬鹿者を拘束していた女子生徒が全員床に伏せていた。
ぴくぴくと、涎を垂らして痙攣している。
どことなく、破廉恥な様子だった。
その姿を見ている男どもに、暦はキツい視線を飛ばした。
ぞっとするものを背に覚え、思春期な男子たちは沈黙した。

緊張と疲労で、混乱も大いにしている精神であっても、
あの少年への少なくない感謝と、嘆きに近い感情を抱かずにはいられなかった。
せめて、眼を閉じている間は、安らかにと。

とりあえず、周りの連中をまとめることに努めた。
どうやら自分は、男口調のせいか、そういうことに向いているらしい。
その過程で、2人ほど女子がいないことに気付いて、激しい頭痛がするのを覚えた。

「…なんで、あいつまで」

外を見ると、かつて翼竜であったものの残骸から白煙が昇っていた。
鉄の部分だけを残して、溶けているかのようだった。















つづく
171名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/30(土) 23:12:10.88 ID:4yHrvngK
以上代理終了

久しぶり乙
ちょっと過去のを見返してみようかな
172名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/01(日) 01:32:20.88 ID:47eYh3g0
乙、あずまんがの人ついに復活したか
173名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/01(日) 03:09:38.11 ID:xpYW/h3u
174名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/01(日) 12:07:13.51 ID:eao7tB+R
乙。

新ミチルさん、再びキター!
175名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 00:50:00.41 ID:qg5c8ovc
時天空対兵器という前提だけど
人間と言うかすべての生物が兵器だと知ったらクトゥルフとは別の方向でSAN値がやばいだろうな
最も、ゲッター線ですべてを知ったら竜馬みたいに「そうだったのか」ということになるだろうけど。
176名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 01:13:37.75 ID:rDMyhq1e
SS乙

>>175
進化する兵器っつっても虚無戦史MIROKUでは未来への希望を持った存在として描かれてるけどな
あそこで自分らの存在意義に絶望したり苦悩したりしない辺りが賢ちゃんらしい作品だと思うわ
177ライフの作者です:2013/12/02(月) 02:59:35.04 ID:ogYlIukQ
あずまんがの人に続いて久々に貼ります。
178ライフ 第43話@:2013/12/02(月) 03:00:39.80 ID:ogYlIukQ
「別れよう、カツミくん」

佐古宅に押し寄せていた愛海がちょうど帰り際の彼に突然、そう告げる。

固まる彼に彼女は追撃をかける。

「好きなんでしょ?戸田先生のこと」

「!?」

知られたくない事実を摘発され、挙動不審に陥った。

「ご、誤解だよマナミ……。そりゃあ最近話すことはよくあったけど……い、色々相談に乗ってただけで……」

「いいの先生なら……」

「えっ……」

「……戸田先生はね、ずっとマナの味方でいてくれたの。悪者みたいになったときもかばってくれた……」

彼女は予想外な反応を見せるが……。

「……カツミくんの想い、先生に届くといいね。けど、きっとマナより大変だよ?相手は先生だもん!」

涙ぐんだ笑みの彼女であるが多分、演技だろう……しかし克己にはそれは知らない。

「パパにはなにも言わないからね」

「なっ、なんだって……っ」

「これはマナ達の問題だから最後くらいパパにはなにも言ってほしくない……、もしなにか聞かれたら、マナに好き人ができたって言う……」

「マナミ……っ!」

愛海は突然、つけていたネックレスを外し出した。

「これ、カツミくんがはじめてマナにくれたプレゼントだったね……ありがとう大好きだったよ」

ネックレスを克己の手にのせ、立ち上がり入り口のドアを開けた。

「バイバイ……」

愛海が去っていったこの室内には克己だけが取り残された。

「夢か……夢かあ……クククッ」

彼は顔を床に伏せ、身震いしていた。

「だいたいオレは……椎葉のことでオレにまでイジメの疑いがかかっちゃマズイと思っただけなのに……そしたら戸田を利用して上手く切り抜けてやろうと思ってただけな
179ライフ 第43話A:2013/12/02(月) 03:04:26.38 ID:ogYlIukQ
のに……」

カバンから学校や、塾の教科書を床にばらまくと足で踏みにじったのだ。

「もうムリヤリ勉強することもない、オヤジに殴られることももうない!
なんせマナミからフラレたんだぜえ!!」

彼は高笑いし、フォトボードに貼られた彼と彼女の写真をベリベリ剥がし始めた。

「これでもう……あいつの父親に怯えることはないんだ……」

嬉しさのあまりに涙を流し、外まで聞こえるほど騒いでいた。が、

「いーザマね、これから地獄に落ちるってのに、分かってますよね戸田先生?」

家の外で自分の携帯に写る『あの画像』を見ながら、愛海はこれから起こるであろう、惨劇を待ち遠しく薄ら笑いしていたのだった。

――次の日、クラスでは暗雲に包まれていた。

「信じらんない……平岡先生がなんで異動なの……?」

エイコ含めた、平岡を慕っていた生徒達が悲しみに包まれていた。

「廣瀬、マジで謹慎になっちゃったんだよなあ……」

彼女を心配する声も上がる。そんな中、竜馬だけがあいかわらずのんきに机に寝そべっていた。
そして愛海は平然とし、そのトリマキのエミとチカはこの事態にビクビクしてうた。

そんな中、中年の禿げた男性教諭が入り、教卓についた。

「戸田先生は教育委員会の関係の仕事で午後からね〜〜ェ」

その鼻抜け声から、いかにもやる気のなさそうな印象である。

「一応出席だけとるかァ……そこは?」

中央の空いてる席を指すと、隣の生徒がオドオドとした態度で、こう言った。

「ひ、廣瀬さんです……」


「ああ、なら欠席は羽鳥だけな――?二日連続だぞ――」
180ライフ 第43話B:2013/12/02(月) 03:07:33.94 ID:ogYlIukQ
未来はバイトが忙しいのか最近欠席ばかりである。

(ミキ……)

歩はあの一件以来、暗い表情であった。

「あとね、わたし新しい副担任なんでよろしく。じゃあ授業始めるかァ――」

歩は顔を机に伏せた。目をつぶると平岡が悔し泣きする姿ばかり脳裏に浮かぶ。

(もういないんだ)
彼女に悲しみが再び込み上がったがどうすることも出来なかった。

――午後の掃除時間、教室に戸田が入ってきた。しかし彼女は前のような盛った髪型ではなくオールバックに近い、そして何とも近寄りがたい雰囲気を出していた。クラス内はざわめいた

「今日は遅れてすみませんでした」


――そして終礼時。担任である戸田から昨日の出来事について話された。

「平岡先生のことは突然で……みんなもびっくりしていると思います」

すると彼女からこんな発言が……。

「実は平岡先生は、以前からずっと異動を希望していました」

瞬間、俯いていた歩の眼の色は変わった。

「新しい学校では担任ももてるみたいです。だから彼女が抱いていた夢や理想はこれからもっともっと、花開いていくことと思うの。私も平岡先生の頑張りが認められて本当によかったと思います」

明らかにデマカセだ、嘘だ。平岡の本心を知っていた歩にこれ以上ない怒りが込み上がった。

「いろいろあったけど、先生も今きっと頑張ってると思うからみんなも負けないようにね」

終礼が終わり、去っていた戸田をもはや押さえきれなくなった歩は立ち上がり、教室から去っていった。

「先生は異動なんか望んでなかった!」

戸田に追いつき、彼女の無念を後ろからぶちまけた。

「あんたなんか先生じゃない……平岡先生だけがこの学校で唯一の先生だった!!」

すると戸田は振り向き、彼女へ向かっていく――。

「つらかったわよねぇ椎葉さん……廣瀬さんに酷いイジメを受けて……大丈夫、これからは私たち教師がイジメのない学校にしていくから」

その笑みはその場限りの言い逃れ、免罪符のようにしか歩は感じられなかった。
その陰から愛海は拍子抜かれたような表情していた。

「なにアイツ。さっさと消してやろうとしたのに……イガイとイイ仕事しそうじゃない♪」

彼女はこう思った。利用価値はあると――。
181ライフ 第43話C:2013/12/02(月) 03:10:44.80 ID:ogYlIukQ
歩はカバンを乱暴に取ると身振り構わず出ていく。

「椎葉さん!」

心配した薗田が彼女の肩を掴んだが振りほどかれる。

「ごめん、ミキに会いたい……」


涙目になりながら、そのまま走り去っていった。彼はそのまま放心したが、

「どうした?」

竜馬が後ろから声をかける。

「あ、流……」

二人は去っていく歩を見ていた。

「そんな心配することねえよ。あいつはあいつの思うようにやらしときゃあいい」

「……」

彼からの言葉は根拠もないのに、ナゼか安心感が持てるのであった。

「薗田、頼みあんだけど、いいか?」

「頼み?」

「悪いが500円貸してくんね?金欠なんだ」

「…………」

――歩は無我夢中で未来のバイト先へ向かった。だが閉店の札が貼られていたので、彼女は別のバイト先に向かうべく、街中へ入って行く。

(ミキ……ミキ……なんでいないの……ミキに会いたい)

歩は優しい彼女にすがりたかった。それは廣瀬、平岡、自分に心を開いてくれた人間が次々にいなくなる悲しさのあまり――。
182ライフ 第43話D:2013/12/02(月) 03:11:51.63 ID:ogYlIukQ
彼女はこけて倒れる。周りの人は注目するも何も見なかったかのように目をそらす。

(みんな、いなくなっちゃう……みんな……)

「アユム」

顔を上げると、笑顔の本人が見えた。

「ミキ……!」

手を差し出すが、彼女の身体を通り抜けたのだ。これは歩が会いたいあまりに生み出した虚像であった。

(ごめんね……)

悲しそうな顔で消えていく彼女に、廣瀬達の姿と重なるのを見た歩はついに……。

「み……ミキーーっっ!!」

この場で悲痛な叫び声を上げたのであった。
183ライフの作者です。:2013/12/02(月) 03:14:54.89 ID:ogYlIukQ
以上です。また続きをお楽しみに。
184名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 10:24:39.79 ID:xNDxyBgL

活気がついてまいりました
色々なクロスがあるけど、やっぱり女子は強いな
185名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 11:41:52.39 ID:qg5c8ovc
186名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 17:31:23.87 ID:IiOUlknW


そういえばもう12月か
何故か昨日、冬コミらしきものに参加する隼人らしき奴の夢を見た
憑かれてるのかな…
187名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 19:39:03.34 ID:LbcWRbW4
>>186えっとそれは買う方なのか売る方なのか
188名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 19:47:05.49 ID:qg5c8ovc
コミケはある意味体力使うからなあ…………

今期アニメでのおっぱいならば
ガンプラアニメのお母さんに反応しそう。
隼人は母親とみちるを重ねてみていたし
あと、俺の脳内〜(略)でシリコン巨乳がいたな
189名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 20:00:54.26 ID:TEPSnlGm
隼人は万能だから絵も上手そう
クロスで隼人の近くにボインちゃんがいると、どうしても不安になる
190名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 20:13:00.31 ID:GAgKfaII
隼人の事だから文芸系の同人誌かもしれないだろ……
全国ボインガイドとかでも驚かないが
191名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 20:13:25.40 ID:qg5c8ovc
まあ、隼人は照れ隠しのつもりで言ったんだろうけど
今に至るまでの大やけど、というか燃え続けているなあ。
192名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 20:25:00.31 ID:c1AWG439
α外伝は罪だなぁ

そういえば小説だと調教が得意なんだよな、隼人
後々はともかく、初期の隼人はエログロで鬼畜な話が好きそう(そういう趣味に目覚めたとすれば)
アレな話題で申し訳ない
193名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 21:09:38.95 ID:LbcWRbW4
隼人と小説で思い出したが
たかしげゲッター読んでて天才を天才として描写するって難しいなぁと思った

「すごい」ってことを読者が感じる前に文中で言われまくると興ざめしちゃうし
だからと言って極端な話「すごさ」だけを描いて読者に感じてもらう、っていう投げっぱなしも駄目だし
194名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 21:52:54.60 ID:kk5W9MkU
何もかもが努力なしにできてつまらなかったとかね
狂ってるんじゃなくて興味で凶行重ねてるのが怖い
離反しようとした奴の親族まで手にかけたりとか
195名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 22:13:18.72 ID:qg5c8ovc
天才の描写はたしかにね
○○の問題が解ける、○○を発明したなどの結果を羅列しても
その過程の描写がなければ名前だけととられかねないからね。
だからと言っても過程の描写も場合によっては嘲笑物になったりするからな
196名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 22:30:03.92 ID:SPu3BeoI
隼人は本流し読みで完全に理解
小中のあたりで学問は制覇
暇で始めた株で財産作って飽きたとかね
好きな異性でもいれば変わってたんだろうか
197名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 23:34:52.87 ID:qg5c8ovc
まあ、早乙女博士とか敷島博士は天才というか大物感はあったな。
前者と隼人は目的のために息子を焼いた手を選ばないとか(内心思うところがある描写はあるけど)
後者は完全キチガイ
198名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/02(月) 23:41:27.12 ID:vtI9Cpm1
あらゆる作品で死と破壊を振り撒く敷島博士はキ印の鏡
立場上、偽書だと若干まともに見える
199名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/03(火) 01:32:52.60 ID:1LDTx+RD
敷島博士があんまり叩かれない、むしろもっとやれなのはあんな性格の中にまともな面も垣間見れる上に、何より味方ポジションだからなあ
200名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/03(火) 08:46:51.19 ID:8gveN3mR
敷島博士はエンペラーの時代にもいそう
艦隊verになったクジャクとかね

まどマギのスピンオフで30代になったマミさんの漫画始まったけど、
隼人も暇なときはグダグダしてるんだろうか
マミさんの隣に住む隼人を観察するマミさんの話書くかな
ドリルもあるし
201名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/03(火) 19:36:49.75 ID:ciFWz6nP
>>200
あれ、元は同人なんだっけ
じゃあ、ふたなりゲッターが…………せめて
アンソロのラ=グースと戦うやつで…………
202名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/03(火) 19:49:26.46 ID:WmUcUu9h
そうだよ
同人だとマミさんが大人の玩具買ってたりする
新作が出る度に買ってるらしいから性的に飢えてる模様
武蔵坊なんてどうだろうか
203名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/03(火) 20:10:50.41 ID:8Yb0PHkV
あのアンソロジーのエンペラーはいい味出してると思う
あと、あの獣人ゲッターとか
204名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 22:52:05.72 ID:xT2g9JKt
大御所お二人の後で恥ずかしいですが、投下します。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 22:52:56.64 ID:DIoBTcky
よっしゃこい
206力への意思7話-1:2013/12/04(水) 22:53:53.05 ID:xT2g9JKt
「竜馬、グノーシスが出現し過ぎていて、ゲッター線の濃度が10%低下している! あまり連発するとエネルギー切れを起こすぞ!」
「なんだと? エネルギー残量なんて月面でだって気にしたことねーんだぞ!?」
『はいはーい! それなら由美子にお任せ〜〜〜!』

真ゲッターの手元に、頼んでもいないのにガトリングガンの様なものが転送されてきた。

「よおし、行くぜ!」

残った半数のグノーシスがゲッターロボに注意を向けた。艦体やファウンデーションに向かっていたものが分かれ、ゲッターに方向転換する。

「喰らいやがれえぇぇぇぇ!!」

向かってきたグノーシスに向けて全弾を景気良くぶっ放す。爆発が花火の様に広がり、火の粉がまた飛び散って新たな爆発を起こす。その小さな爆発に、幾つかの戦艦とA.M.W.Sが巻き込まれた。

「おい、随分爆発の規模がでかくないか?」
『や〜ん、さっすが核ミサイルぅ〜ん! ス・テ・キ』
「か、核だと!?」

弁慶が由美子に怒鳴った。

『せっかく宇宙空間にいるのに核を使わなくてどうするのぉん?
次は真空中でも燃え燃えできる火炎放射器よぉん♪』

人為的に造られたデブリを乗り越え、グノーシスが殺到する。

「ぼやっとしてる暇なんてねーぜ!
ゲッタートマホーク!!」

竜馬は転送された火炎放射器をゲッターの左手に握らせると、右手でトマホークを持ち、次々とグノーシスを掻っ捌き、焼いて行った。
207名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 22:56:50.63 ID:xT2g9JKt
「あ、あの宙域で何が起きてるんだ!?」
「わかりません! 大質量は検出されていません!」
「戦艦の主砲だって一度にあんなにグノーシスを倒せないんだぞ!?」
「っ…… KOS−MOS!!」

シオンが叫んだ。ファウンデーションの真上、ホオズキの先端に立ったKOS−MOSが背中のショックアブゾーバーユニットを開いている。
瞬きもしない間に腹部から発せられた光線が次々とグノーシスを砕き、その腹に収めた。

「またあの兵装を……」
「今の攻撃でグノーシスが3万体消滅!」
「残りはもう1/4かよ……嬉しいが、一体どういうことなんだ?」

Jr.は背筋に冷たい汗が流れるのを感じながらモニターに見入っている。

「……? ねえ、誰か音楽でもかけているの?」
「音楽? いいえ」
周囲を見渡すシオンに、シェリィは冷静な表情のままで返事をした。しかし、Jr.とガイナンは視線を合わせる。
明確なメロディを持たない、ただ発声されただけの高低する音波。

(ネピリムの歌声が聞こえる。やっぱり彼女はマリアの因子を受け継いで……)

「大質量体、更にゲートアウト!」
「なんだと?」

オペーレーターの百式レアリエンの声に、ジギーがあまり表情の変わらないまま驚いた。
それは竜馬達も同じだった。
208名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 22:56:54.54 ID:DIoBTcky
支援
209力への意思7話-3:2013/12/04(水) 22:58:31.29 ID:xT2g9JKt
「ざっと10万体の増援か」
「くそっ、減った以上に増えやがった!」

今度はニードルガンでグノーシスを穴だらけにしながら竜馬が悪態をつく。

「由美子! こいつらどっから出てきやがる!?」
『ん〜、グノーシスが出てくるってことはぁ、どこかにゾハルがあるんじゃないのぉん?』
「……!
そうか、デュランダルのエミュレーター!」
「今からファウンデーションごと壊すか?」

隼人の提案に、弁慶と竜馬は渋面を作った。

『あらん? 妙な波形が来てるわねぇん。
隼人ちゃん、戦局はグノーシスが増えた以外には変わってなぁい?』
「妙な波形だと?」

隼人は計器を素早くチェックしつつ、外の景色も見た。
艦砲とA.M.W.Sの攻撃、そしてめまぐるしく動くゲッターの手によって、グノーシスが次々と爆発している。

「……いや、A.M.W.Sが戦艦を攻撃している!」
「なんだと!?」

竜馬と弁慶もグノーシス以外に目を向ける。
艦体の一部分、一部分が確かに同志討ちを始めている。そしてまた更にグノーシスが追加で転移してきた。

「どうなってんだこりゃ!?」
『竜馬ちゃん、ちょっと止まって観測させてぇん。代わりに機雷転送するからぁん』

竜馬がゲッターを一旦静止させると、すぐにゲッターの周囲に大量の機雷が転送されてきた。グノーシスが迫ってくると、勝手に飛び出していって自爆する。
由美子は流石に真剣な眼つきになって、真ゲッター1から送られてくる情報に目を通す。
その間にも、同志討ちの規模は徐々に大きくなっていくのがわかった。

『わかったわぁん!
これは14年前に使用された”ネピリムの歌声”と同じ波形よぉん! 同志討ちを始めたのは、多分レアリレン部隊からじゃないかしらぁん?』
「”ネピリム”だと!?」
『ミズラヒ博士が造った、人間の脳を攻撃できるステキウエポンよぉん。竜馬ちゃん達も気を付けてねぇん。今は影響が出ているのがレアリエンだけだけどぉん、そのうち人間の脳にも影響が出てくるわぁん』
「発生源を一気に叩くしかないな」
「由美子、特定を急げ!」

竜馬はそういうと、機雷をつったぎってグノーシスの群れに突撃していった。タイミングが遅れて、機雷が連鎖的に爆発し、周囲のグノーシスを巻き込んだ。
210名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 22:59:41.39 ID:guoQKq7J
音速の支援を見せてやる!
211力への意思7話-4:2013/12/04(水) 23:01:30.10 ID:xT2g9JKt
「もう5発なら撃っても影響はねぇな」

ゲッタービームのスイッチに指先が触れる、その直前。
太い波形が飛んできて、真ゲッターの前の巨大グノーシスが粉砕された。

「!?」

衛星クラスの大きさの超振動波を直接叩きつけられたグノーシス群は、扇状に殲滅された。

「何かがゲートアウトしてくる……!
竜馬、空間歪曲の間はゲッタービームを撃つな!」

宇宙空間に眩く輝く境界面が出現し、そこから鋭角的な船首がゆっくりと姿を現す。その最も細い部分が通常の戦艦の胴体ほどもあった。

「おいおい、随分とでかいじゃねーか」

超巨大な質量を持った物体は、まだその全貌を現さない。だが、周囲に一緒に転移してきた、豆粒みたいに小さな戦艦の艦影は見憶えがあった。

「あれは、ヴォークリンデじゃないか!」
「しかも他に同型艦が2艦もある!」
「3艦のヴォークリンデ……なるほど、ラインの乙女というわけか」

超大型艦はまだその全容を現さないまま、艦体各所の艦砲で、次々とグノーシスを攻撃する。
212力への意思7話-5:2013/12/04(水) 23:04:07.70 ID:xT2g9JKt
デュランダルのブリッジからその姿を見たアレンは一気に表情を明るくした。

「主任! 助かりましたよ! 本社が来てくれました!!」
「し、曙光が……?」
「曙光?」
「うちの本社です!
ヴェクター・インダストリー本社兼自由軌道型コロニー『曙光』!」

アレンがJr.に説明しているうちに、ようやく曙光はゲートアウトを終えた。
全長約1,000キロメートル。ゲッター艦体に連ねてもおかしくない規模の大きさだった。
ケイオスはその巨体を見上げ、臍を噛んだ。

(アニマの器が起動している……。しかも同調率があんなに高い……!)


「ヴォークリンデU、ヴェルグンデ、フロースヒルデ、共に異常なし。『ラインの乙女』、良好です。
第二射まで後30秒」
「ヴェルグンデ、座標修正完了」
「フロースヒルデ完了」

曙光のブリッジでは、オペレーター達が次々と報告をあげていく。彼らは全員、人間だった。本社のブリッジにレアリエンはいない。
ラインの乙女と呼ばれる3艦は、曙光を守るように三角形の陣形を組み、横向きの艦体を垂直に動かし、十字架のような形に展開する。
ヴィルヘルムが社長室で報告を聞く。室内にはワーグナーが流れていた。

「第二射、斉射準備良し。各艦配置につきました」

ヴィルヘルムは指揮者の様に手を振った。
先程同様、ラインの乙女を頂点として、曙光から衛星並みの大きさの超振動波が発射され、転移完了したばかりのグノーシスの群れをまた5万体程粉砕した。

「やるじゃねえか」

曙光の反対側からその光景を眺めた竜馬は、軽く口笛でも吹きたい気分だった。透明度の高い水の波高の様に、グノーシスの破片がキラキラと宇宙空間に散っていく。それは思いのほか美しい光景だった。
それと同時に、頭の内側からツキンと針で刺されるような痛みが走る。

(これがネピリムの歌声か……!)
213力への意思7話-6:2013/12/04(水) 23:06:57.82 ID:xT2g9JKt
頼もしいはずの援軍を、シオンは不安げに見上げていた。
そこへ能天気な少女っぽい声が飛び込んでくる。

『せんぱーい!』
「ミユキ!? あなた何処から……」
『へっへ〜。どう? スゴイでしょ?見ました!? 『ラインの乙女』!
二局に転属願出してた甲斐がありましたよ! でなきゃ、目の当たりになんてできないですからね!』
「二局って、あなた……!」
『話はあとあと!
KOS−MOS、そこにいます?』
「今、ファウンデーションのてっぺんよ。あの子、勝手に動いてるんだから」
『わっかりました! 今、転送しますね』
「転送!? 一体何を送ったっていうの!?」

KOS−MOSの足元に、小さなアタッシュケースが転送された。中身を開けると、拳銃の様なものが一丁と、そのシリンダーが一つ。リボルバーのようなものではなく、単一乾電池ぐらいの物だった。

『シオン、TPカートリッジが転送されてきました』
「TPカートリッジって……。
ミユキ! あなた、それが何なのか解っているの?」
『もっちろん! と言いたいところですけど、転属したてなもので、良く解んないです』
「もう……。
これはね、Phase Transitions cartridgeと言って、空間に局所相転移を起こして、周辺の全てを破壊する兵器なのよ。
局所と言っても、使い方次第では、恒星を丸ごと消し去るだけの破壊力を持っているの。
それをこんな密集した場所で使えだなんて無茶だわ! 一体どういうつもり!?」
『ま、待ってくださいよ、先輩〜。
うちの観測室からの報告だと、この宙域の何処かを中心として、力場のようなものが形成されているんです。それがグノーシスを呼び寄せている公算が大きいんですよ』
「力場ですって?」
『そう。明らかに人為的なものだって、言ってました。
で、KOS−MOSのD.S.S.Sセンサーと曙光のメインフレームをリンクさせて、その力場の発生源を見つけるんです。
相手は潜宙艦のシステムに酷似した方法で潜伏しているものと思われます。
空間に歪みがあるはずですから、それを広げられれば、そこに潜んでいるものがなんであるか判るんじゃないかって』
「だからってこんな……・」

戸惑うシオンに向け、KOS−MOSから通信が入る。

『シオン』
「何? KOS−MOS」
『相転移させる質量を限定すれば、連邦艦体にもクーカイ・ファウンデーションにも影響を及ぼすことなく実行することが可能です』
「出来るの?」
『お任せください。私は、その為に造られています』

KOS−MOSからのフォローに、ミユキはホッと胸なで下ろした。

『ラインの乙女と言っても斉射限界があります。出現しているグノーシスに対処している内に、早く大元を』
「わかったわ。
いいこと? KOS−MOS。相転移質量は可能な限り押さえてね。力場の発生源がわかれば、それでいいんだから」
『了解しました』
214力への意思7話-7:2013/12/04(水) 23:10:20.74 ID:xT2g9JKt
KOS−MOSは足元のファウンデーションを蹴って真空中に泳ぎ出た。

『これよりTPカートリッジを使用します。
対電磁波ショック防御を』

隼人のコネクションギアに、一方的にKOS−MOSから通信が入る。

「TPカートリッジだと?」
『はい。グノーシスを呼び寄せている物体を表出させます』
「わかった。そいつが出現次第、攻撃する」
「どうやらグノーシスを呼んでいる大元がわかりそうだ。
由美子、検索は終わらせていいぞ」

時間がかからないに越したことはない。微かに頭痛を感じながら、隼人がそっけなく由美子に伝える。自分が頭痛を感じるのならば相当なことだ。星団連邦の艦体は、人間の方も狂い始めているに違いなかった。



先程KOS−MOSが腹部のバスターでグノーシスを一掃した空間は静かだった。その真空を漂い、KOS−MOSは体を捻って全方位に持っているセンサーの全てを解放した。グノーシスを検索する為ではない。最も効率的な質量を選択するためだった。

『相転移質量調整。0.11MPT、転移時間4.8、10のマイナス38乗にセット。
カートリッジ装填します』

拳銃型のPTカートリッジに弾丸を詰めると、拳銃は6連装リボルバーを同時にセットしたような形になる。
それはKOS−MOSの手の内でたちまち本来の姿を現し、7、8メートル程の巨大な機銃の様になった。

『D.S.S.Sメインフレームバイパス確保。全方位で走査開始します』

KOS−MOSのD.S.S.Sセンサーがフル稼働する。曙光のメインフレームはU.M.Nを介してリアルタイムで送られてくる情報を蓄積し、KOS−MOSに返した。

『方位8018のU.M.N構造体に歪み発見。微弱ですが、歪みからコラムパルスが発せられています』
「それよ! 射線軸は?」
『軸線クリア。射撃命令を』
「シェリィさん、全艦の対電磁波防御は?」
「準備完了です。いつでもどうぞ」
「了解。
KOS−MOS、相転移砲発射!」

KOS−MOSはトリガーを引いた。
弾道は天頂へ向けたカーブを描き、空間の一点を刺激する。空間が切り裂かれ、中から四角柱の構造体が出現した。
垂直部分の全長80キロメートルの『天の車』である。
215力への意思7話-7:2013/12/04(水) 23:13:30.37 ID:xT2g9JKt
「っ……なんだありゃ?」
『あらん? あれは14年前にアビスに落とした『天の車』じゃないのぉん?』
「『天の車』?」
『ネピリムの歌声の動力プラントよぉん。大きすぎて壊すのが面倒だからぁ、ブラックホールに投げ捨てちゃったのぉん。
でもここにあるってことはぁ、両方とも誰かが途中で拾い上げたのねぇん』
「確かにA.M.W.Sで壊すには面倒だろうよ」

竜馬は鼻で笑って、そして叫んだ。

「ゲッタァーーーービィーーーーム!!!!」

    ドワオ!

真ゲッター1の腹部から放たれた太い光線が、天の車を直撃した。稼働していた動力プラントは、一つの大きな風穴から連鎖的に爆発を起こし、次々と外壁、内部資材を熱と圧力によって細かなデブリへと姿を変えていく。

「よし、これで後はグノーシスを片付ければおしまいだな」
「ついでにこのまま第二ミルチアに降りるか」
「いや、待て!」

天の車のあった場所からの電光石火。
真ゲッターの真正面から、白いA.M.W.Sが体当たりしてきた。

「何っ!?」

吹っ飛ばされた真ゲッターは咄嗟にゲッターウイングを広げ、慣性を殺す。
追って接近してくる白いA.M.W.Sは、真ゲッターとほぼ同じ大きさで、背中のノズルが羽のように伸びていた。

「何モンだ、てめえ!?」

トマホークを構えて竜馬が怒鳴った。

「せっかくの見世物を簡単に壊してくれたんだ。楽しませてもらおうじゃないか!」
「見世物だぁ?」
「そうだ。どいつもこいつも脆すぎるのさ。儚く壊れて同情を引くぐらいしかできない。
花火のようにな!」

白いA.M.W.Sは脚部の後ろから小さなデバイス――エアッド――を射出すると、四方八方に向けてビームを放った。

「!?」

それはゲッターに向けてではなく、近寄ってきたグノーシスと、こちらに気づいたA.M.W.Sに向けてだった。

「さあ、おまえはどうだ? この俺に、終わりのない充足感をもたらしてくれるのか?」
「ふざけんなあああああ!!」
216名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:17:07.17 ID:82GE/QsJ
支援!
217力への意思7話-9:2013/12/04(水) 23:17:30.57 ID:xT2g9JKt
曙光を見つめ続けていたケイオスは、今度は真ゲッターが戦闘をしている宙域へと視線を向けた。

(こっちでもアニマの器が起動している……! しかも戦闘状態で……。
これは、E.Sシメオン! 誰がシメオンを動かしているの!?)



竜馬はトマホークを振りかぶり、シメオンに斬りかかった。
だが、避けられる。

「何っ!?」

戻ってきたエアッドが、真ゲッターに四方からビームを浴びせた。ゲッター線シールドに覆われている真ゲッターはこの程度ではびくともしない。
竜馬はビームに当たるのも気にせず、真っ直ぐシメオンに突っ込む。
シメオンは手首から取り出したビームサーベルで、振りおろされたトマホークの刃を受け止めた。

「ビームで止めた!?」
「ただのビームじゃなさそうだ」
「くるぞ!」

シメオンの背中のスラスターが一層強く輝く。竜馬はトマホークを引かせると、左腕のゲッターレザーでシメオンの胴体を薙ぎ払う。

「っく、思った以上に硬い!」
「いや、硬いんじゃない。通じてないんだ!」
『どうやらU.M.Nに干渉している見たいねぇん』
「U.M.Nに干渉だと?」
『つまりぃ、U.M.Nはこの星団の空間そのものであると共にデータベースでもあるからぁん、データベースにアクセスして、今の打撃を改竄しちゃって、なかったことにしてるのよぉん』
「なんてやっかいな奴だ……」

舌打ちする弁慶に竜馬が怒鳴る。

「ンなカンニングみてーな手ぇ使うやつに、ゲッターが負けるわけねーだろ!!」

振りかぶられたビームサーベルに、真正面からトマホークをぶち当てる。緑と黄色の光が飛び散る。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:24:48.29 ID:82GE/QsJ
支援2
強いな真ゲッター
219力への意思7話-10:2013/12/04(水) 23:31:29.13 ID:xT2g9JKt
「うう……おりゃあああああ!!!」

真ゲッターが押し切った。ビームサーベルの中をトマホークの刃が突き進み、シメオンの胴体にぶち当たる。裂けた装甲のエネルギーシールドの中、水色の髪のモモと白髪のガイナンの姿が見えた。

「モモ!?」
「いや、量産型の百式だ」

思わず目を見張る竜馬の目の前で、恐怖で固まった表情の百式観測レアリエンが、きゅぽんと、A.M.W.Sのモニターに吸い込まれた。

「!?」

驚く竜馬達の目の前で、裂けた装甲の内側から、モニターの光だけで浮かび上がるガイナンが嗤う。

「ふ、ふはははは……うひゃははははは……! 
知っているのか、ペシェを! あの花一輪に、最後の養分が捧げられた! あひゃははははは……!」
「この笑い方、エンセフェロンで見たあの子供か!?」
「おまえ、モモちゃんに何をする気だ!?」
「罪<ペシェ>は償うためにあるのさ。何、大して罪じゃない。
何しろ、女の胎すら経ていない身軽な魂なんだからな! 
あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ……!!!」

背中のスラスターを全開にし、蝶のようにエネルギーの残像を広げながら、シメオンは第二ミルチアへと方向転換する。

「逃がすか!
オープンゲット!」
「チェンジ! ゲッター2!!」

周囲で戦うA.M.W.Sも戦艦もグノーシスも関係なく体当たりで破壊していくシメオンを、ゲッター2が追う。
シメオンの肩をゲッター2の左手のアームが掴んでひしゃげさせるのに、5秒もかからなかった。

「E.Sに追いつくだと? アニマの器もないくせにか!」
「何の容器だか知らんが、こっちの邪魔をするなら叩き潰すまでだ!」

ゲッター2がシメオンの腹にドリルを突き立てる。

「くくっ、掴んでからの攻撃に時間がかかりすぎているぞ?」

白いガイナンが嗤う。確かにドリルの先端は一向に金属を突き破らない。

「また物理事象面に干渉したか!」
「いくらエネルギーがあろうとも、法則を手に入れられなければ意味がない!
上の次元に行くのは俺だ! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ……!!」
「ンな法則なんざ知ったことか!」

シメオンがエアッドを射出する。

「オープンゲット!」

四方八方から放たれたレーザーを分離して避け、竜馬は再び合体レバーを押し込んだ。
「チェーーーンジ!! ゲッターーーーーァゥワン!!」
220名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:35:00.74 ID:xT2g9JKt
以上です。
天の車は、本来は乗り込んで内側からパージして攻略するようなダンジョンなのですが、面倒なので外側から壊しました。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:38:33.18 ID:DIoBTcky
222名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:39:01.36 ID:P3XiWH9U
乙でした
外側から壊すまでも無くゲッター2を使えばラスボスまで一直線だし(間にあるイベントやフラグを無視すればw)
223名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:39:18.41 ID:4LN/uijV

書き手さん達が集まってきていいね!
224名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:43:29.17 ID:82GE/QsJ
-「ンなカンニングみてーな手ぇ使うやつに、ゲッターが負けるわけねーだろ!!」
実に竜馬らしい言い方だw
225名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:46:15.15 ID:DIoBTcky
偶然たかしげ版ゲッターが手に入った…………SS書けってことかな
ちょっと前に作者自ら掲載した続き見とけばよかった
226名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/04(水) 23:55:32.57 ID:82GE/QsJ
1 好きな作品を見つけます
2 妄想します
3 その世界で竜馬が暴れ、隼人が犯罪行為ないしキチったりクールに行動する様、3号機乗りの活躍に期待
  する様子を思い浮かべます
4 メモ帳に妄想をぶちこみ文章化させます
5 投稿します

別な作品のキャラと竜馬達が別の作品のキャラと会話をしてるの見ると、
どの作品でも楽しくなってくるから不思議だ
227名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/05(木) 04:07:54.14 ID:VnR0dpyd
ライフクロス繋がりだが、同漫画家の新作が連載されているな。
内容が少女漫画版バクマンだけど、イジメネタ、描写に定評のある原作者にしては一転して凄く王道なストーリーになっててなかなか面白い。

ただ主人公が超サイヤ人化して漫画描く描写とか見ると、色々面影あるw
228名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/05(木) 10:42:06.79 ID:LnmkYWJG
ゲッター線を見てから、緑色の髪の毛のキャラはどうしてもゲッターっぽく見えるようになってしまった
まどかの仁美とかよつばとか、ほんわかしたキャラは
実はゲッター線の影響を受けてるんじゃないかとか
229名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/05(木) 11:33:57.87 ID:gHVR/p7L
じゃあ超人ロックもゲッター線の……
雑誌クラッシュ……人類の進歩……そうか、そうだったのか
230名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/05(木) 12:06:45.25 ID:IzlHyesH
雑誌クラッシャー…あっ(察し)
実はよつばは新のフィリピーナと竜馬の子供だったりしてな
新宿壊滅やらのどさくさで何だかよくわからないうちに拾われたとか
とーちゃんも雰囲気が歳食った後の隼人に見えなくもない(こじつけ)
231名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/05(木) 16:43:41.22 ID:PXqbG5Sy
確かによつばは若干ゲッター線に汚染されてる気がしないでもない
232名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/05(木) 16:55:24.77 ID:Is1Gm6h5
りろんはしっている

↑ゲッター知ってからだと恐ろしく物騒に感じる
233名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/05(木) 20:06:04.19 ID:Bzx8ACUs
そういえばあずまんがの智ちゃんの髪型って、何かに似てると思ったら
ゲッター1の羽っぽいな
マジンガーZちゃんみたいな性格してるし
234ライフの作者です:2013/12/06(金) 00:57:31.97 ID:PECpKgzA
スピード続き貼り。
235ライフ 第44話@:2013/12/06(金) 00:59:09.15 ID:PECpKgzA
(みんな、みんな、いなくなっちゃう!)
歩が嘆いていた時、背中に誰かの手が置かれた。その人物とは、

「……なにやってんのよ」

未来であった。しかし彼女はバイトの衣装なのか、なんとバニーガールの姿であり、その美貌を持て余すことのないセクシーさを誇っていた。

「ミキ……ミキ、ほんとに……?」

歩は彼女の顔に、まるで本物かどうか確かめるように優しく触れた。

「アユム、どうしたの?」

「いなくなっちゃう、廣瀬も先生も……平岡先生が他の学校に飛ばされちゃったの……」

「うそ……?」

未来は耳を疑った。しかし歩が嘘をついているとも信じられず、証拠に泣きながら取り乱していた。
その時、豪快な笑い声が彼女達の近くより聞こえる。
見るとあの男、そう……平岡を権力で飛ばした張本人、そして愛海の父親である有力者、安西富美男と二人の部下達であった。

「今夜はワシのおごりだ、思う存分楽しんでいいぞ!!」

彼らは『CLUB J』と呼ばれる、キャバクラ形式のクラブバーに入っていった。そしてここは未来の今のバイト先であった。

「チッ……ヤな客が来やがった……」

蔭からこっそり見る彼女の顔は、実に嫌悪感丸出しであった。

「とにかく入んな、大丈夫だから!」

未来は彼女を連れて見せに戻っていく――。

《カンパーイ!!》

彼らは盃を上げて、一斉に盛り上がる。席には数人の、未来と同じバニーガール姿の女性店員が彼らの接待をしている。

「いや〜君達は運がいいなぁ、このテーブルにつけるなんて幸せだぞォ?
何を隠そうこちらの安西社長は県会議員としても大活躍!!
今度の市長選も当選マチガイナシって方なんだからね〜〜っ!」

「すごーい♪」

部下がおだてにおだてる、が当人はしれっと酒を呑んでいる。

「……まあ、そんな話はいいだろう、今日はお祝いなんだ。さ、君たちも飲みなさい」

――その光景を店員の控え室内のドアから様子見をしている未来。すると――。

「いやあ、全く呆れるわい……、担任も持てんような新米の女教師がだよ?あつかましくしゃしゃり出てきおってな」

この話にしょぼんとしていた歩の耳にも届き、すぐに彼女の元へいった。
236ライフ 第44話A:2013/12/06(金) 01:01:56.14 ID:PECpKgzA
「こともあろうにウチの娘をイジメの主犯に仕立てあげようとしおったんだ!」

彼女達はそれが何の話なのか一瞬で分かった。

(平岡先生のことだ……)

様子見をする彼女らの存在など知らない彼はさらに続けた。

「かわいそうに……娘は深く傷ついてなぁ……でも親の前では笑うんだよ、“ヘーキだよ”ってなぁ……。
ワシを悲しませまいと強がりおって……もうワシは見ておれんで……なんとかしてやらんと思ってなぁ……!!」

涙ぐむ富美男に全員が注目していた。

「それでどうしたんですか……」

彼は酒のつまみであるスナック菓子一粒を持つと指で前に弾き飛ばしたのだった。

「とばしてやったわ」

歩達は耳を疑った。そして怒涛の如く憤怒した。

「ほんと、そーゆーね、無能でバカな教師がひとりいると汚れてしまうモンですよね、学校てのは!!」

そして何事もなかったように再び騒ぎまくる彼らに彼女はついに堪えきれなくなり、拳をこれでもかという程に握りしめ、飛び出そうとした。が、未来はそんな彼女を取り押さえた。

「なんでミキ、放してよ!!あいつが先生をっ!!」

沈黙する彼女は歩を離し、ロッカーからあるものを取り出した。

「だったらやることがある」

歩に渡されたのは、なんと自分が今、着ているのと同じバニーガールの衣装であった。

「……え?」

「着替えなっていってんの!」

歩の顔は一気に真っ赤になった。こんな露出度の高い衣装なんか今まで着たことがないのにムチャクチャだ。

「む、ムリムリっ!!あたしこんなの着たことないよお!!」

しかし未来は無理矢理、歩を試着室に押し込んだ。

「平岡の仇、討ちたくないの!?」

カーテンを閉められる。彼女は羞恥心でいっぱいだ、しかしこんな状況で逃げられるハズもなく、そして仇討ちという言葉が彼女の心を揺らした。

……そして数分後、

「お、いいね。カワイイじゃん」

ついにバニーガールの姿になった歩。ウサミミのついたカチューシャをつけ、蝶ネクタイのついた首飾り、白く丸いシッポのついた露出度の高い、黒ハイレグに網目のストッキング……童顔で背の小さい彼女の場合、バニーというより、ラビットな意味で凄く似合っていた。
237ライフ 第44話B:2013/12/06(金) 01:11:40.19 ID:PECpKgzA
これなら誰から見てもバニーガールと思われてるだろう。
ほぼ露出した胸を恥ずかしそうに隠す歩。そんな彼女の緊張を解そうと未来は優しく触れた。

「わたしは消えたりしないよ」

歩のつけていたリストバンドを外し、店専用のリストバンドを着け直す。

「あんたが言ってくれたよね、あの時……うれしかった」

二人が夏休みの時、未来の田舎からの帰り、蛍達で輝く駅で歩が彼女にいった言葉、

『あたしはミキのそばにいるよ』。

「すごくうれしかった」

歩にハイヒールを履き替えしながらこう言った。

「わたしもアユムのそばにいるよ」

彼女の見せた優しい笑みに歩は嬉しくて大粒の涙を流した。
「ちゃんといるからね」

「うん……」

そして二人は立ち上がり、今からの自分達の行動に気を引き締めた。

「さあ行くよ!!」

――一方、酔った富美男は調子づいて、女性店員にセクハラ行為を働き、受けた本人は悲鳴を上げた。直ぐ様ウェイターが仲介に入る。

「困りますお客様!!うちはそういう店ではないんで……」

「ああぁ?いいだろうちょっとくらい!!このワシがわざわざこんなさびれた店に来てやっとるんだぞ〜〜っ!!」

騒ぎ騒いでいると、未来が色気満々な雰囲気を纏い、彼の前に現れた。

「お時間ですのであたし、『レナ』が変わります、よろしくね♪」

その豊潤な胸を強調し、セクシーポーズをしかける彼女に、男性陣は釘付けだ。
「……ふん、いいか」

これには彼も落ち着き、再び座席に座り込む。

「じゃあまずは、レナと社長さんの……おちかづきのし・る・し♪」

――未来は両手を後ろへ回し、背中と衣装に挟み込んだ強力接着剤を器用にウサミミカチューシャに塗り込み、それを富美男の頭を被せた。

「ヤダ、かーわいい♪」

かわいいと呼ばれた彼は恥ずかしくなり、

「バカにするなっ!」

すぐさまカチューシャを取ろうとするも。
「やっはりいい男はなにやってもサマになるなあ!」

「いよっ、仕事もできるカワイイ男!!」

「モテますぞぉ♪」
部下におだてられて気をよくした富美男は取るのやめた。
238ライフ 第44話C:2013/12/06(金) 01:14:27.58 ID:PECpKgzA
「そうかそうか?」

すると一人のバニーガールが酒をのせたトレーを持ちながらやってくるが、ずっこけて全てを富美男にぶちまけた。その場にいる全員が唖然とした。

「キャーーッ、すみませんっっ!」

――歩であった。ずぶ濡れになった彼は、当然のごとく激昂した。

「キサマ!!」

未来は慌てて立ち上がり、なだめようとする。が、彼女は別方向に向き、すぐ手を振って合図を送ると、視線の先に待機していた店長がそばのブレーカーを切った。
店内は一瞬で真っ暗闇になり、富美男と部下は慌てる。

「オイ、なんだ、停電か!?」

「ここからサービスタイム♪」

未来はおしぼりを濡れた彼の顔を優しく拭く。

「今夜は社長さんのためだけに……トクベツに店長にお願いしておいたの。ごめんなさいね、こんなに濡らしちゃって……」

「い、いやあ……」

流石は未来。持ち前の美貌と色気、そして甘く、巧みなトークで容易く落とすテクニック。すでに富美男は彼女にゾッコンであった。

「今からなんでもオーケーよ……?」

身体を密着させて甘い吐息を溢す彼女に彼は完全に堕ちた。

「な、な、なんでも……?」

「そっ♪社長さんの好きなコト、ぜ〜〜んぶ、してイイんだよ♪」

その気になった彼はついに獣になった――。

「レナちゃ〜〜んっ!!」

その時、非常用ベルが店内に鳴り響いたのだった。

「火事です!!ロッカールームから火災が!!」

歩の叫び声に当然、辺りは大パニック。しかしこれはウソであるが、客である彼らはそれは知るよしもなく、

「大変、逃げて!!」

「そ、そんなあ……イヤだ、ワシはこれからレナちゃんと……」

「社長!!」

暗闇の中、 彼らは店から飛び出した。

「おい、おまえら無事か!?」

部下達は富美男の声に反応に目を向けると、ナゼか笑いが吹き出した。
ウサミミもあるが、ネクタイがズボンのベルトに巻き付けられて、いわゆる『社会の窓』が全開どころかズボンがメチャクチャになり、下着を露出、靴も片方しか履いてなく、もはや有力者とは見るかげもないブサマな姿に成り果てていた。
周りの人間も注目、 指差して笑う中、

「なにやってるんですか安西さん……」

一人の中年女性が呆れた顔をしている。
239ライフ 第44話D:2013/12/06(金) 01:16:55.21 ID:PECpKgzA
「だ、だれ……?」

「バカ、後援会長の奥さんだ!!社長の最大の支援者の!!」

一番見られてはいけない人物に目撃された瞬間であった。

「信じられませんわっ!市長になろうお方が!!」

「いやっ、これは……」

急いで服を直そうと焦るが、カチューシャだけはナゼか頭に引っ付いて取れない。

「と、とれん!!」

当然である、そのカチューシャには未来が細工した、強力接着剤付きなのだから。

その光景にもはや見かねた彼女はその場から去ろうとした。しかし、富美男は誤解を解こうと追いかけようとするが、哀れクチャクチャになったズボンが足に引っかかり、ついにはそれさえも脱げてしまう倒れこんだ。
彼がとっさにすがった手の先は何と彼女のスカート。
ずり下げて、彼女の下着までも露出させてしまった。

「不潔!!」

持っていたハンドバッグで殴られて、彼女は激怒して去っていった。そしてその場で愕然と崩れ落ちる彼と慌てる部下。
これで信用も、がた落ちしたことだろう。
その様子を陰からこっそり見届けた歩と未来は喜び、互いにタッチした。

一連の出来事は全て、店員や店長までもがグルで行った行為であり、見事平岡の代わって復讐の完遂である。
240ライフの作者です:2013/12/06(金) 01:30:18.73 ID:PECpKgzA
以上です。今回サービスシーンで歩と未来のバニーガール姿の画像を貼ります。隼人さんとか絶対に悩殺されそうな気がしますわ

http://l2.upup.be/ktTxevjQfB

http://n2.upup.be/1YxmhCc70i

一枚目は未来、二枚目は歩。みなさんどちらが好みですか?
241名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/06(金) 01:38:44.47 ID:aZCxmZPB
242名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/06(金) 01:40:05.54 ID:nXnC0cfi
243名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/06(金) 18:27:33.28 ID:GvL6ZPLp
そういえばそろそろクリスマスか
またクリスマスネタが見られるのかな
244名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/07(土) 07:46:33.65 ID:9cAvzORx
音声入力システムを開発する過程でVOCALOIDを作製する隼人を妄想した
動力源にゲッター線を使ったら搭載したAI以上の性能を発揮しはじめて、
最初はただのシステムだったのに自分で体を組み立てはじめて実体化とか
声や外見的な意味で、隼人はルカが好きそう
245ライフの作者です:2013/12/07(土) 20:22:29.79 ID:HFvdzaX2
もう二話分できたので貼ります。
246ライフ 第45話@:2013/12/07(土) 20:24:02.63 ID:HFvdzaX2
気が済んだ二人は、先にあがらせてもらい、未来の自転車で二人乗りしながら帰っていた。しかし、着替え忘れたのかバニーガール姿のままである。気づいていないのかもしれないが、周りの視線は絶対に避けられない。

「ねえ、あんなことしてよかったの?」

「何が?」

「だってお店……停電させたし非常ベルも鳴らしたんだよ?他のお客さんいたのに……」

「だーいジョブ!店長や他の店員もグルだしね。
わたしが明日から、倍稼いでやるってのよ!!」

彼女は全く気にしておらず、満面の笑みで答えた。流石は未来である。
歩はつられて笑いそうになるも、どこか悲しげな表情へ変わった。

(ごめんね、いつも頼ってばかりで……)

……目の前の右側にある曲がり角、そこから人が出てきた。もう薄暗いため、街頭がついているも誰かはよく分からないが凄くガタイの大きい男性のような姿に見えるも近づくとそれが誰なのかがよく分かった……。

「おわああああああっっ!!」

「「な、流(君)っっっ!!?」」

竜馬だった。こんなタイミングに出会うこの男は羨ましいのかどうなのか……。未来はびっくりしてブレーキハンドルを握り、竜馬はその場で固まった。

「なんであんたがここに……」

「それよりお前ら……そのカッコウ……恥ずかしくないのか……っ」

「「えっっ」」

二人は自分の格好を見ると、やっとおかしいことに気づいたのだった。未来はともかく歩は完全に羞恥が跳ね上がり、あたふたしていた。

「こ、こ、これはそのね、流君――!!」

「……」

すると未来は開き直ったのか、竜馬にこうふっかけた。

「流、あたし達のセクシーな姿、今だけよ♪どお?ほらアユムも中々負けてないよ、なかなかいい胸してんでしょ〜っ」

「み、ミキ〜〜っ!!」

「俺をおちょくってんかてめえは!!」

「なあんてね♪」

竜馬さえも冷やかす未来は本当に肝の座った女性だ。
竜馬は顔を反らし、こう言った。

「見なかったことにしといてやるから早く行け……他の奴らに見られるのもアレだろ」

「流君……」

「……色っぽいじゃねえか……二人とも……」

二人は彼の言葉に互いに顔を合わせて笑った。
247名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/07(土) 20:28:02.63 ID:0hDbUeUO
支援
248ライフ 第45話A:2013/12/07(土) 20:28:26.30 ID:HFvdzaX2
「ありがと、じゃあね流♪」

「流君、また……」

二人は自転車で去っていった。竜馬は少し沈黙した後、頭をポリポリ掻いていた。

「俺も、経験不足ってヤツか……にしてもなんであんな格好してたんだアイツラ?」

……そして二人も、

「着替えなきゃね……」

「あ、あのまま帰って来ちゃったもんね……まさか流君に見られるなんて……」

――すると未来は突然、

「家来る?」

「えっ」

「近いんだ、泊まっていきなよ」

そう言われ、二人は向かった先は二階建ての古いアパート。築ウン十年は経っていると思えるほどだ。
入ると、古き良き時代を思わせる雰囲気をかもしだしていた。
木製の階段を上がろうとするとギシッときしむ。歩は一瞬、ビクッとした。

「ミキ……お父さんと二人暮らしなんだよね……今、お父さんって家に……」

「いないよ、入院してる」

「えっ……」

思わず大きな声を上げてしまい、未来は慌てて静かにするよう促す。
二階の共同の郵便棚から自分の郵便物を取り出し、鍵を開けて自分の部屋に入っていく。

「普段はね、家で休んでることが多いんだけどさ、 短期間入院したりするんだ、体調崩したりとかね、けど今は検査入院だから心配しなくていいよ」

不安感に襲われた歩だったが、一安心しため息をつく。

「お、おじゃまします……」

二人は私服に着替えて、未来は調理場に移動する。

「夕ご飯まってな、今作るから!」

歩は居間のテーブルに一人座っていた。辺りを見渡すと室内自体は古くさいが、物はちゃんと整頓されていた清潔である。

(ここで……お父さんと二人……)

すると彼女は一角の片隅のある不思議な物を目にした。
近づくと医療用酸素ボンベ、救急用人工呼吸器、心臓病系統の医学書が置かれている。どうやら彼女の父親は心臓疾患を患っているらしい。

(心臓が悪いんだ……)

すると足元に何かが当たる。振り向くと未来の開いたバッグが倒れて中身がこぼれていた。
すぐにいれようとした時、一枚の写真が落ちた。それを見た歩は固まった。
249ライフ 第45話B:2013/12/07(土) 20:36:21.28 ID:HFvdzaX2
「ミキ…………?」

写っていたのはどうやら海水浴での母子の写真。母親はまさに彼女そっくりの美人であり、子はあどけない表情の幼く可憐なまだ幼稚園か、小学校に入りたてぐらいの女の子だった。

「お母さんだよ」

彼女がお盆に出来立ての料理を持ってきてそう言った。

「すごいキレイ……ミキにそっくり!じゃあ隣の女の子がミキかぁ……」

「昔はあんま似てないって言われてたんだけどね、さあ出来たし、食べな!」

料理を置かれ、二人仲良くいただきますと揃えて言った。
歩がほおばるとおいしいのが顔から分かる。
そして未来を彼女の横に置かれた先ほどの写真に手を伸ばす。

「わたしが6歳のときに離婚したからあんまり覚えてないんだ」

歩の箸の動きが止まった。

「覚えているのは……海。海を見たのはその時だけ。
両親は共働きだったし、お母さんが休日が平日だったから三人で出かけることがほとんどなくてね、一度だけ三人で一泊二日の旅行に行ったの」

彼女はその時の思い出に浸っていた。海で遊ぶより食い気にさかんだったこと、母親と砂浜で走り競争したこと、父親と一瞬に砂遊びしたこと……。

歩は数ヶ月前に林間学校にて、まだ出会って間もない彼女から聞いた夢についてを思い出していた。
『お母さんともう一度暮らすこと』。


「離婚してから一度もあってないの……?」

「……うん、どこにいるかもわかんないんだ」

彼女はコップのお茶を飲み干すと、食べ終わった食器を運んだ。

「なんかしんみりしちゃったね」

……実際に彼女より酷い境遇の人間を身近で知っている。あの竜馬だ。
両親は病気で先立たれ、そして彼自身も小さい頃からまるで人間とは思えない過酷な生活をしてきたのを知っていた。
しかし彼の場合は全く気にしておらず、寧ろ感謝していたのだから、あの強靭な性格、身体になったのも頷ける。
しかし未来はただの女性であるし、普通の生活から一気にドン底に叩き落とされたような感じで、竜馬とは別だ。
250ライフ 第45話C:2013/12/07(土) 20:38:52.34 ID:HFvdzaX2
(……ミキはお母さんがいなくなって……お父さんにも、田舎にあずけられたんだ。
たった6歳で知ってしまったんだ、一人の寂しさを、怖さを……)

彼女が実家の祭りで酔った際に歩に言った言葉。

『いなくならないで……』

これは未来の本音だとすれば……。

すると歩の目の前に何かが置かれた。

「お待たせ♪本日のメインディッシュ!!」

歩は目の前のドンブリの中身を見て戦慄した。真っ黒いドーム状の固まりに卵の黄身の模様とマヨネーズと思わしき白い塊に豆が眼のようにつけられている、グロテスクな料理だ。

「な、なにこれ……」

「テントウムシ」

平然と答える未来。確かに見えなくもないがはっきり言って食欲が失せる代物だった。
顔が真っ青な歩をいきなり力ずくで拘束し、スプーンですくって無理矢理口に押し込んだのだ。しかし、

「う、ウマーーい!!なにこれ!!?」

見た目に反して美味であった。

「特製イカスミビビンバ丼、どう?まぜるとさらにいけるよ!」

「ギャハハハ、グロいグロい!!」

二人はまた笑顔で食事を再開し、団欒を楽しんだのだ。

(もしミキがくじけそうになったら、こんどはあたしが助けてあげるからね、ずっとそばで!!)

歩はそう心に決めたのだった――。
251ライフの作者です:2013/12/07(土) 20:40:20.79 ID:HFvdzaX2
今話は以上です。
次話は夜中あたりに投稿するのでお楽しみに。
252名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/07(土) 21:02:22.64 ID:RBO+vtjb
253名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/07(土) 22:28:47.04 ID:RCt0x6my

投稿早すぎw
254ライフの作者です:2013/12/08(日) 00:30:42.45 ID:451lr+MX
お待たせしました、残りの一話を投稿します。
255ライフ 第46話@:2013/12/08(日) 00:31:46.97 ID:451lr+MX
ここは川沿いの未来のバイト先である飲食店。主にイタリア料理を振る舞う個人店である。
夕方になり、段々客が入り込むようになり、店内はほぼ満員である。

「お待ちどうさま!!」

未来はいつも通りにフル稼働で働いている。そして彼女の人気は非常に高かった。美人であり、尚且つ気配り上手、そしてトークにも長けていたら当たり前だ。証拠に彼女目的でこの店にくる人もいるくらいだ。

いつものように出来た料理を運ぶ未来。満面の笑みで料理を運んでいると。

「うわっ!」

近くの座席からコップが割れる音が聞こえ、直ぐ様彼女は向かった。
どうやら手を滑らせたのか通路側にコップが落ちて、見事にバラバラになっていた。

「すいません!」

「いえいえ、おケガありませんか?」

落とした本人だと思われる客と彼女は顔を合わせた。すると、

「あれ?」

「えっ?」

どこかで見たことのある男性の顔。それは夏休み、歩と実家に行こうとして電車に駆け込もうとして、階段で荷物を落とした時に拾ってくれた男性……。

「君は電車の時の……」

「お客さんは……っ」

本当に偶然であった。達人(たつひと)、彼の名である。
驚く二人、そして同じ席に座っていた友人達はポカンと見ていた。

「達人、しってんのか?」

「ああ、前にちょっとな」

「こんな美人店員さんと知り合いだなんてお前、流石は天才博士の息子だな」

「違うよ飛鳥、彼女とは前に落とし物を拾っただけだ」

達人をおちょくる友人達。

「こいつの父親はマジで天才なんだぜ、なんつったってエネルギー分野の権威で世界的に認められてる早乙女賢博士のご子息ナンだからな!こいつも親父の後を継ぐために医学の勉強してんだから」

「それは凄いですね」

「あ、ちなみに俺、飛鳥了(あすかりょう)。こいつ、早乙女達人とは中学からの腐れ縁、よろしく、んで横のこいつは不動明(ふどうあきら)」

「よろしく」

各人の自己紹介する飛鳥という彼の友人はなかなか口達者な、金髪の碧眼をしたハーフのような青年である。

「お客さん達は高校生?」

「うん、南高の」

それを聞いた未来はびっくり仰天した。

「み、南高っていったら県内でもトップクラスの名門校じゃないですか!?」
256ライフ 第46話A:2013/12/08(日) 00:35:27.92 ID:451lr+MX
「俺と不動はスポーツ特待生で達人は実力入学だから、達人のほうがずっと頭いいよ」

「その代わり俺は飛鳥達と違ってスポーツ得意じゃないからな」

「だから俺らで弱点を補う仲ってヤツ、なーー?」

未来はおもわず笑う。彼らの話は面白く、付き合う彼女。

「あ、まだ仕事中だし、そろそろ」

「悪いね、頑張って!」

互いに笑顔で手を振り、彼女はウェイター、達人達は食事しながら楽しんだ――。
数十分後、達人の携帯から着信音が入り、見るとどうやら父親からのようだ――。

「ちょっと電話してくる」
「おっ、女かあ?」
「ちげーよ、父さんからだよ!」

彼は外に出て、電話をする。

「なに、父さん……え、俺も研究所に…………うん、確かにそうだけど……」

何やら重要な話をしているようだ。それが数分間続く。

「分かったよ。今友達とメシ食ってるから――」
電話を切ると、フウとため息をつく。すると――。

「どうしたの、友達が待ってるよ」

振り向くと未来の姿が。

「ああ、ありがとう」
「この前はありがとね」

彼女からお礼を言われて照れる達人。

「いやぁ、当たり前のことをしたまでだよ。にしてもアノ時、スゴイ量だったね。今離れてもいいの?」
「交代で休憩中♪」
――二人は星空の下、話を始める。

「へえ、羽鳥さんて言うんだ。高校生?」
「うん、西舘高。たしか早乙女君だったよね、すごい名前!」
「はは、けど羽鳥って名前、何か大金持ちそうな感じ」
「あたしは貧乏人だよ。そういえば早乙女君のお父さん、スゴイ人なんだって?」
「まあね、けど父さんは父さん、俺は俺だよ――まあ、目指す先なんだけど」

二人の会話がどんどん進む。
「父さんさ、何年後か先に長野県の浅間山に建設される研究所で働けっていうんだよ、お前のためだってね」
「いいお父さんなんだね……」
「ちょっと頑固で親バカな所があるけどね――」
……彼の父親である早乙女博士は、先の未来で地球全土を救い、そして揺るがす、恐るべき大事件を引き起こす張本人になろうとは、二人は知るよしもなかった。
257ライフ 第46話B:2013/12/08(日) 00:39:35.96 ID:451lr+MX
「羽鳥さんとこのご両親は何してるの?」
「…………」

彼女は黙り込んだ。達人は何か聞いてはいけないことなのか、心配してしまった。

「ゴメン、聞いたらいけなかった?」

「ううん、あたしお父さんと二人で暮らしてるんだけど、少し心臓が悪くてね――」
「心臓……どんな病気?俺、医学勉強中だから多少なら分かるかも」

未来は話すと、達人は驚き口を押さえた。

「これは……日本で治せるのは何人いるかだぞ……」
「……」
「いつ悪化するか分からないよ、早く専門医を紹介してもらったほうが――」

「その為にお金が必要なんだ、生活費も稼がなきゃいけないし……父は仕事も休みがちだし――いっぱいバイトしないとね」

「えっ、もしかして結構掛け持ちしてるの?」
「うん、いろいろと」

達人は黙り込む。しかし、すぐに頷いた。

「羽鳥さん、今ケータイある?」

「えっ……」

「番号を教えてほしい。父さんに頼めば手術してもらえるかもしれない!」

「え……ええっっ!!?」

彼女は仰天した。まだ出会ってばかりの男性がなぜここまでして……。

「な、なにいってんのよアンタ!!出来るわけないじゃない、第一手術費が……」
「心配しないで、父さんはエネルギー光学専門だけど医者の資格も持ってる一流だからきっと――!」
「け、けど――ケータイ持ってないし……つかなんで知り合ったばかりなのに!!」
「う……ん、なんか感じるんだ……キミを放っておけないってね……お人好しにも程があるよな俺。けど別に何も企んでない、単なる善意だよ」
「……だけど」
「じゃあ……悪いけどペンと紙あるかな?」

未来は言われるままに店内から注文で書くボールペンと紙切れを持ってきて達人に渡した。
すると達人は何やら書き、それを未来に渡した。

「これは……」

「俺の電話番号と住所。もし必要になったら躊躇わず電話してほしい、その時は父さんに話して手術してもらうよう頼んでみる、入院先をちゃんと手配するし費用は最悪でも激安にすることもできる」
「…………」

そんなことを言われても、いくら自分の父親だろうが絶対に認めてもらえないだろうし、色々と問題が出てくる。何よりそこまでやってもらうのは感謝を通り越して、迷惑だ。自分の父親も確実に反対するだろう。

「羽鳥さん、余計なことだけどキミ、もう少し自分のことを考えたほうがいいと思う。
258ライフ 第46話C:2013/12/08(日) 00:45:34.61 ID:451lr+MX
バイトを掛け持ちして体壊したら返って悪循環だよ、羽鳥さんだってホントはもっと自分らしく、楽しく生きたくないの?」

「…………」

彼の言うことは独善的な面もあるが、確かにその通りだ。彼女の心に重くのしかかった。

「……ごめん俺、凄くあつかましくコトした。けど、もし行き詰まったら、遠慮することなく電話して――」

達人は店内に戻っていった。未来は紙切れを見つめる。
場所は……なんと県外でかなり遠い、そうなれば引っ越す以外ない。転校も考えないといけなくなる。

昔の自分なら別に引っ越し、転校でも気にしない。
しかし……今は歩というかけがえのない友達がいる、彼女と離れなければいけないとなると……。

(アユム……っ)

彼女の心を大きく抉りこんだのだ……。
259ライフの作者です。:2013/12/08(日) 00:46:37.81 ID:451lr+MX
以上です。達人さんは大決戦版の印象ですね。
続きをお楽しみに。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 01:08:15.76 ID:px0TZZov

はえーよw
261名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 01:08:48.85 ID:ZbpM23rc

書きためていたのかなあ。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 10:52:09.27 ID:ulfGFukp
手術、上に改造がつきそうだな
263名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 11:06:36.85 ID:pFMA7qzw
姐さんのようにならないことを祈ろう
264ライフの作者です:2013/12/08(日) 11:08:18.48 ID:451lr+MX
ずっと俺のターンということで、なんかできたので貼ります。
265ライフ 第47話@:2013/12/08(日) 11:10:59.73 ID:451lr+MX
中間テストが近づく中、夜中、歩は自室で勉強していると。

(あ〜あっ、ずっと勉強もあきてくるなあ……っ、ちょっと気分転換してこようかな……)

こっそり家から抜け出して外に散歩に出かける。
外は真っ暗闇だ。月が出ておらず、頼りは街灯のみである。

「あまり夜中の外、出歩かないから新鮮だな」

歩は惹かれるような街中へ近づいていく。
そしてもう日が変わった時間帯なのにイルミネーションで溢れて、さらに活気になっている街並み。飲み屋やクラブのキャッチ達が出回っている。
ただここで警察や学校の教師に見つかれば面倒なことになる。彼女は見つからないことを祈りながら街に近づいていった。
彼女は、その景色、雰囲気をまるで未知の世界に入ったかのような気分だった。
「よおネエチャン、ワシと今から付き合わない〜♪」

酔っ払いに声をかけられて、彼女は血の気が引いた。

「け、結構です!!」

とっさに逃げ出す彼女。先を見ると道路の片隅に酔っ払いが座り込んでいた。しかしよく見ると、服装が西舘高校の制服である。

(あれ……西舘高の……誰……?)

足を止めて近づくとそれはなんと……竜馬だった。

「な、流君!!」

彼女は仰天し、すぐさま彼を揺さぶった。

「……お、椎葉じゃねえか〜〜っ!」

顔が真っ赤で意識が朦朧している様子は泥酔している証拠だ。

「うわ、酒くさ……大丈夫!!?」

「大丈夫大丈夫、いつもより飲みすぎたらけやから〜〜っヒックっ」

竜馬とは思えないくらいにぐでんぐでんであった。歩は放っておけなくなり、彼の肩に腕を通した。
「流君、こんな所にいないで家に帰ろう、警察や学校の先生に見つかったら大変だよ!」

「ハイハイ、椎葉は優しいな〜〜、流石は俺の認めたヤツだ」

何とか彼を立ち上げるが、すごく重い。筋肉隆々の大男を身の細い彼女が支えている。いつ倒れてもおかしくなかった。

「いやあ〜〜っ、ホント椎葉に感謝感謝っっ!ワハハハハっ!」

凄くご機嫌だ。彼女は呆れ果てて何も言えない。

人の目が凄く気になる、実際周囲はこっちを見ている、まるでだらしない父親を迎えにきた娘のように見える。
彼女は恥ずかしくて顔を俯いていた。しかし、それでも竜馬を放っておけなかったのは何故だろうか……。
266ライフ 第47話A:2013/12/08(日) 11:13:47.07 ID:451lr+MX
……やっとの思いで、街外れの公園にたどり着き、これ以上はキツイと悟った歩は中に入り、近くのベンチへ向かった。竜馬を降ろすと、彼女はその場で酷く息を荒らした。

「はあ!はあ……!」

「わりぃな椎葉!!こんな情けねえ俺を笑ってくれや!!」

「…………」

……どうやら運よく誰もいない。ホッと一安心する歩であったが……これでは祭りの時の未来のようだ。

「流君、もう少し考えて飲まないと!!」

「うるせえな!!俺に指図してんじゃねえよ!!」

らちがあかないと感じた歩は受け流した。ともかくここまで来ておいて公園に放置というワケにもいかない。再び彼に肩入れすると、彼は独り言を喋っていた。

「全く情けねえやな、仲間に裏切られて刑務所にぶちこまれた俺は……」

「えっ……?流君……?」

歩はその場で止まった。

「お前が羨ましいわ、羽鳥っていいダチいてな。俺なんか隼人ってクソヤロウに殺人の濡れ衣着せられて、永久刑務所で地獄を見せられたんだぜ……ヒック!」

それを聞いた歩は戦慄したのだった。そう言えば、夏休みに彼を誘った時に、友達を聞いたらワケありとも、牢獄とか何とか言っていたのを思い出した。

「そしてあの早乙女のクソジジイ……俺ら仲間を裏切ってズタズタにしやがって……俺は絶対に生きて帰って、てめえらをぶち殺してやらぁ……」

物騒な言葉を吐く竜馬に歩は感じた。
並々ならぬ復讐心に燃えていることに……何があったか知るよしもないが、彼の先ほどの発言から本人は多分、自分とは比べ物にならないほどの仕打ちを受けたのだと……。
はっきり言って非現実的すぎて信じられない話だが、彼の素性を知っている自分は、ウソとは思えなかった。


(流君……そんなことがあったなんて……)


――彼女は悲しくなった。しかし彼から……。

「そういえばなあ、羽鳥って凄くミチルさんに凄く似てんだよなぁ……初めてあった時にそう感じた、なんでかな……っ」

「ミチルさんって確か流君の言っていた……っ」

「そのミチルさんも事故で死んじまってから、ホントろくなことねえやな……はは」

「じ、事故……しかも死んだって……」
267ライフ 第47話B:2013/12/08(日) 11:15:52.58 ID:451lr+MX
彼が前にファミレスで彼女について言い渋っていた理由が分かった。
そのミチルは、事故死したのだと……彼女はもはや返す言葉すらなくなった。

――二人はやっとの思いで竜馬のアパートにたどり着く。彼の部屋は鍵が開きっぱなしだったのは幸いなのか、どうなのか……。

彼を居間に上げるとそのまま寝転んだ。

「ありがとな椎葉、もう帰っていいぞ〜〜っ」

大の字になり、イビキをかきながら爆睡してしまった。
疲れはてた彼女は彼の近くに座り込み、休憩した。
防犯的に心配だが、盗まれる物は見る限り何もないし、竜馬なら特に大丈夫だろうという一種の安心感があった。

しかし、彼女は竜馬を見つめる。モノ悲しい目で……。

(流君もキツかったんだね……。いつもは大胆不敵だからスゴく強くていい人だと思ってたけど)

彼の人間的弱さを知った時であった。

(あたし……これから流君に頼らず、いや、逆に流君に役立つコトしたいな……ミキのように……)

すると彼女は竜馬の身体をそっと触れた。

(わたし……きっと薗田君やミキ、そして流君に負けないような人間になってみせるからね……見てて)
268ライフ 第47話C:2013/12/08(日) 11:18:53.31 ID:451lr+MX
歩はコクッと頷いた。

……そして朝になり、竜馬は朝日に浴びてゆっくり目を開けた。

「……もう朝か……けっ、昨日は飲みすぎちまった……ん?」

彼は横を見るとなんと歩が横たわって寝ていたのだった――。

「し……いば……っっ、て、な、なんだあああっっ!!!?」

竜馬は驚いて大声を上げてしまった。それに反応して彼女も目を開けた。

「ん、あれ……流君…………って、ああああああっっ!!」

脳が起きた歩も、とっさに身体を起こしてすぐに固まった。

「オマエ……なんでここにいんだよ……?」

「流君……夜中街で酔いつぶれてたからここまで送ったんだよ……覚えてないんだね……」

「そうだったか……けどなんでお前、寝てたんだ」

「つ、疲れはてて多分そのままバタンキューだったと思う……」

「…………」

すると竜馬は立ち上がると、身体を伸ばしてあくびをした。

「なら俺も礼をしないとな、お前を家まで送っていくわ、行くぞ」

「え……あ、うん」

二人は歩の家までの道中、話をしていた。

「俺、そんなに酷かったか?」

「酷いも何も、流君とは思えないくらい醜態晒してたよ……」

「マジかよ……」

「独り言も多かったしね……フフっ」

なぜか彼女は笑っていた。

「おい、何を喋ってたか教えやがれ!!」

「ヒミツだよヒミツ♪」

二人は朝から元気に騒いでいたのだった――。
269ライフの作者です:2013/12/08(日) 11:22:25.95 ID:451lr+MX
以上です。なんか竜馬のイメージ崩したかも知れないですが、こんな竜馬もあっていいかなと思いました。
次話からついに終盤に突入します。さすがに今日みたいにスピード投稿できませんが早く出来次第貼りたいと思いますのでお楽しみに。
ちなみにとあるフラグ立てました。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 11:28:56.84 ID:ZbpM23rc

はやいなあ

イメージについてはまあ石川先生とか作り手以外には本物は無理だからな。
どんなに頑張っても悪く言えばモドキだしなあ。
それゆえに作り手の腕と愛が試されるっていうね
271名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 12:08:48.21 ID:9dmbYrg5

本気のマガイモノを見せつければいいんじゃね?
モチーフになる竜馬でもだいぶ違うしね
漫画版だと、目上の人にはかなり丁寧な口調で喋ったりするし
272名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 16:23:00.75 ID:UbwFjx5i
本物を超えたら、しめたもの。
273名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 16:27:01.80 ID:sZ5D926w
たまにはひたすら残虐な隼人も見てみたい
あのままだと話作るの難しそうだけどね
274名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 21:18:55.39 ID:ID4+SoQq
隼人が他のキャラと絡んでるのを見るのもSSの楽しみだな
275名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 21:26:48.65 ID:ZbpM23rc
隼人はキャラとしては動かしづらいけど物語を動かすという意味では動かしやすそう。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 21:29:59.22 ID:451lr+MX
隼人は司令塔、戦闘、開発、何でもこなせる万能だからな。
277名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 21:39:31.63 ID:2rKAso1q
クールな分、たまにボケたりすると妙に印象に残ったりな
278名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/08(日) 22:10:32.31 ID:ID4+SoQq
隼人の喋り方とか、他のキャラとかの関わり方は描写するの難しそうだな
どういう風に他のキャラに接するのかが中々想像しづらい
279名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 02:44:59.18 ID:Y59YmwTi
ボインちゃんとかネタ度抜きにしたら、漫画で號本人にとっての隼人は『基本自分しか信用してないクール人間』て思われてたな。
普段は能面で対応して、周囲から疑われそう。
けど何かしらきっかけで実はものすごく熱い思いを秘めてるって知られるって展開になりそう。
280名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 08:04:57.48 ID:cuaYpz2K
自分の命も差し出す覚悟で誰かを守ったりするしね
隼人をそこまで追い詰める相手がいると胸が熱くなるな
少し違うけど、隼人を窮地に追いやった奴と言えば、まどかクロスのほむらかな?
281名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 11:11:18.46 ID:eMVLHy+m
何でも出来る万能人間だからこそゲッターに置き去り食らったのかもな
逆に竜馬や號が残ったとしても隼人ほど組織の運用は出来ないだろうし
282名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 11:20:29.39 ID:Lxqt4unB
>>280
>まどかクロス
そんなの何処にあったんだ?
283名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 12:26:12.96 ID:BGA6SJr8
>>282
触れるな
284名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 12:51:35.97 ID:NSTKP0bK
ゲッター線の選ばれ方の違いなのかな
アンソロだと、ゲッターの地獄に選ばれた人間を送り込むのが俺の役目だって言ってたね
285名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 14:28:58.37 ID:B2Pm9Xoh
>>282
まとめにある短編とは別に
むかし一話だけ投稿されていたのがあったと思う。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 21:28:04.40 ID:4S2EniU2
ワルプルギスの夜を見て思ったんだが、アイツの頭ゲッター1に似てるよな…
287名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/09(月) 22:18:38.59 ID:7XkeyuJR
正体不明らしいけど、魔女の集合体とも言われてるな
漫画版だと残留思念も混じってるらしい
魔女版真ドラゴンみたいなものか
288ライフの作者です:2013/12/10(火) 02:54:24.89 ID:01MzPyhm
SSの投稿はまだですが、隼人さん人気ということでライフ版のチェンゲ隼人(早乙女の反乱時)を描いてみました。アナグロで上手くないですけどすいません。

http://l2.upup.be/NtUKD1SXtl

次は弁慶か武蔵辺りを描いてみたいと思いますのでお楽しみに。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/10(火) 09:31:48.94 ID:PtN07nxc

仕事がはやすぎる

SSの参考に小説版ゲッター読み返したけど、
文章にされてる分、暴力描写が生々しいな
軽くかちあげただけで不良の歯を殆どへし折る竜馬とか
290名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/10(火) 19:18:49.83 ID:d1Yj+Zg1
漫画版じゃ素手で犬の首刎ねるから、それぐらいならまだマシなのでは?
291名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/10(火) 21:06:04.27 ID:xZliOKef
犬関連で、犬のロボってやっぱり取り込まれたのかな
火星の岩の一つにロボそっくりの岩があったりして
292名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 00:05:24.06 ID:8hxV+g87
真ゲッターの1巻4章冒頭の変態ぽい科学者の上のコマが最後か
ドラゴンに取り込まれただろうなぁ
293名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 00:50:42.74 ID:3YIpYuhs
パシフィック・リム見たけど
味方が號、敵がアークが頭をよぎったな
294名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 09:13:49.80 ID:+xzUMXVn
無骨な鉄の手で殴ってる様子が良かったな
295名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 19:51:30.52 ID:xYs4+6lY
まどかの映画のEDが、穏やかな歌い口なのにかなり病んでる曲だった
ゲッター線から見た竜馬ってこんな感じでもあるのかなと
296名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 21:17:16.66 ID:3YIpYuhs
本人は良かれと思ってやっているけど相手にはものすごく余計なお世話どころか怖いってレベルだしね
297名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 21:26:27.36 ID:641mhyND
円環の理とゲッター線関連者の死後(?) もなんとなく似てる気がしてきた
円環の理もインキュベーターが魔法少女作り続ける限り永遠だし、
ゲッター線も死後は取り込まれて永遠に戦わされる羽目になるし
298名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 22:11:04.26 ID:F5Ny9bFm
円環の理がゲッター線に思えて仕方がない。
299名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 22:21:59.79 ID:3YIpYuhs
というより、ゲッター線も宇宙の法則そのものみたいな感じだしね
300名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 22:22:11.15 ID:T1ubaae3
つまり
ゲッター線=まどか線
まどかロボ、まどかドラゴン、真まどか
夢が広がるな
301名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 22:24:00.63 ID:487XfuLe
隼人「行ってしまったな…ゲッター線に導かれて」
302名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 22:28:35.21 ID:5+zdIpLs
違うのは
円環の理に導かれた場合はまどかの元で割とキャッキャウフフ出来るが、ゲッター線と旅立ったら修羅の道しかない事だ
303名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/11(水) 22:30:27.70 ID:gmtpFBPN
昔、中二病の妄想力で最強と化したマミさんのSSあったけど、
魔法少女達が子供時代に魔法少女ものじゃなくて石川賢作品を読んでたら魔法少女の性質も変わるんだろうか


・ソウルジェムが魔力の消費であまり濁らない、というか戦わないと濁る
・メンタルがやたら強い
・ジェムの濁りを攻撃に使用してくる、ビームやドグラ発生とか
・ジェムを握り潰すと大爆発が発生する
304名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/12(木) 01:39:40.86 ID:Wgbn6E5g
学生系作品を集めたスーパースクール大戦なんて作られないかな
ゲッターは隼人の校しゃorテレビ版が参戦で
305名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/12(木) 19:51:02.35 ID:vlKp8PFx
個人的には隼人の校しゃが良いと思う。
306名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/12(木) 21:03:35.02 ID:dD2qXHF7
舞台が学校の作品の多さもあって、
学生とは最強の生物群なんじゃないかと思い始めた
307名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/12(木) 22:13:45.93 ID:m25/rcF/
今期アニメでアルペジオってあるけど
ゲッター線は竜馬に対してはアルペジオのタカオみたいな感じなのかな。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/12(木) 22:28:32.02 ID:w6Ce5R3l
固形化したゲッター線とかいるかもね
それがロボットガールズのゲッちゃんだったりして
309名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/12(木) 23:07:30.19 ID:GdvQhWMW
たしかおだてないと力出してくれないんだっけ>ゲッちゃん
310名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/12(木) 23:15:41.55 ID:Wgbn6E5g
戦闘力は高いが打たれ弱いとか、きまぐれなお嬢様育ちで典型的なツンデレ娘らしい
褒めちぎらないとなかなか力になってくれないらしい
執事たちを従えているらしいけど、その中に竜馬とかいたりして
いや、取り込まれたハチュウ人類かな?(東映版だからないと思うけど
311ライフの作者です:2013/12/13(金) 09:12:14.37 ID:QucQbH9W
クリスマス近いということで、とあるネタを特別企画しています。
その予告をどうぞ。
312ライフ(クリスマス企画)ネタ予告:2013/12/13(金) 09:14:38.21 ID:QucQbH9W
愛海「ねえ、マナ達クリスマス企画であることをするんだよ!」

歩「え、何の?」

愛海「ゲッターロボのとある話をマナ達でリメイクすんの」

未来「まさか、あたし達ゲッターに乗るの!?」

愛海「違うよ、乗るのはマナだけだよ。フフ、さすが作者は分かってるわ、マナが主役にふさわしいってこと♪」

未来「…………」

歩「あたしは……もう本編で慣れてるからいいや。で、題名は?」

愛海「聞きたい?」

未来「もう、じらさないで教えてよ」

愛海「題名は……」

『ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !』


歩「なんか昔の熱血漫画のタイトルみたい……」

未来「配役は?」

愛海「えっとね、『流竜馬ポジション(以下ポジ)=歩、神隼人ポジ=未来、巴武蔵ポジ=愛海、ジャンボマシンダーポジ=克己、
友情出演=ロボ(犬)、早乙女研究所のみなさん、薗田』だって」

歩「あたし……流君か……」

未来「え?ちょっと待って、何であたしらゲッターチームなのに安西しか乗らないワケ?」

愛海「知りたい?」

歩「知ってるの?」

愛海「うん。特別に元ネタ見せてあげる。どうせ知るはめになるんだし、これみて自分の役作ってね♪」


……十分後


歩「いやあああああああっっ!!!(錯乱)」

未来「…………(絶句)」

愛海「頑張ってね、ちなみに作者は忠実に再現するつもりらしいし、逃げられないわよ、じゃあマナは今から役作りするし、バイバイ」


……二人が絶望したのは一体なぜか?
それはクリスマス辺りまで、待たれり……。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/13(金) 09:24:03.19 ID:VZYPjHP7
よりにもよってwwwwww
期待。
314名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/13(金) 10:36:34.54 ID:UW9SCkOj
これは期待ww
315名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/13(金) 15:06:15.37 ID:/5yCV/WV
どういうことなの…
316名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/13(金) 20:17:10.14 ID:/6IAurl0
漫画版やチェンゲの連中も時間があったらクリスマスを楽しみそうな気がする
ミチルさん争奪戦になるような気がしないでもないけど
317名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 01:09:00.31 ID:YdaULlq8
ライフの人えげつねえwwwアレを女の子でやるのか……
318名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 01:09:33.00 ID:chyBYtzq
くそみそ
あるいみ
319名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 08:59:33.16 ID:41sM95Ww
他の作品でも何かあったりするんですか(冗談)
320名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 12:59:22.01 ID:jnmjN3SU
エヴァのリツコも通った道だ、問題ない
いやでも女には….…
321名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 13:30:03.31 ID:OHBwHonX
あのシリーズは面白かったな
322名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 13:33:15.71 ID:SDcyOJnQ
ゲッター線としても食中毒で基地壊滅したらやばかったはずなのに…
食中毒がゲッター線の加護を上回ってたのか?

久々に大決戦やってみたけど、
大決戦版のブラックゲッターってどことなくほむらに似てるな
一人乗り(ぼっち)だし、火力高いし、あと色的にも
323名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 20:54:56.94 ID:xI0Mt/3h
またひっかかりそうなので、避難所に投下します
ゲッター+あずまんがです
324名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 20:57:02.87 ID:chyBYtzq
シンフォギア3期決定らしいけど流れ的に真とか付くのかな
325名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 21:08:17.05 ID:xI0Mt/3h
投下終わりました
智ちゃん書くのも久しぶりだな…
326名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/14(土) 22:57:35.35 ID:chyBYtzq
327名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/15(日) 19:43:19.74 ID:hJUEu4IJ
>>324
流れ的にはシンフォギア響じゃないか?

そして空白の時間を補完するために4期が真(真顔)
328名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/15(日) 21:34:34.67 ID:lCmG5Usy
よく将造が賢ちゃん世界内で最狂って言われてるけど一番は特別非道捜査隊のあいつらだよなwww
329名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/15(日) 23:47:23.86 ID:4uE39Emj
アニヲタwiki読む限りだと相当外道だなw
輪○とかひどすぎるわ
330名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/15(日) 23:53:15.89 ID:4uE39Emj
あずまんがクロスだけど、投稿出来そうだったらこっちにも写しといた方がいいのかな?
331名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/15(日) 23:54:17.55 ID:uSYIvDPq
>>330
じゃあ、途中で規制かかったらあとを継ごうか?
332名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/15(日) 23:58:36.58 ID:4uE39Emj
>>331
すみません、是非お願いします
333名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/15(日) 23:59:40.76 ID:uSYIvDPq
今からやるの?
334ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:03:00.87 ID:4uE39Emj
ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-



「………………」

決して小さくない揺れに身体を預けながら、彼はぼんやりと眼を開いた。
職業柄、よく気絶してはいたが、最近は特に酷い。
元々、気を失う原因としては、巨大クラゲに突撃して無茶をやったとか、
超高度から愛機もろとも落下しただとか、そういうものであったが、
ここ最近のものは体力が限界を迎えてのそれとなっている。
思考がまともに動き始めるまで、しばし待つことにした。

「あ、起きた」

耳元で、正確には肩の辺りで声がした。
眠気は、一気に消滅した。
声量ではなく、その声の主が誰であるかが、覚醒の鍵となった。

「よぉ。久しぶりだな」

時間的には数時間、恐らく4、5時間ぶりだろうが、異常に長く感じていた。
何となくだが、年単位で会っていなかった様な気さえする。
確かな感慨を覚えていると、細い指が彼の頬に触れた。
それは肉を掴むと、主の下へと肘を引っ張った。

「何しやがる」

少し左に傾いた耐性のまま、頬を伸ばされながら、
やや兇悪な眼つきを携えて竜馬が言う。
尚、ややというのは竜馬の基準でである。
敬語など使う必要は、細胞一つ分も無い。
使うときは、からかう時ぐらいだろう。

「怪我の治り具合の確認に」
「嫌がらせの間違いだろ」

左の頬を引っ張られたまま、竜馬は器用に返答した。
音速を越えた戦闘の中で叫び続けていた成果だろうか。
335ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:05:34.56 ID:UBXjA02w
「うんうん、傷も大分治ってるね」
「お前が掴んでるところは、ちょうど裂けてた場所なんだが」
「確かにちょっと赤いね。ここは?」

左手の指は、竜馬の右眼辺りを指していた。

「古傷だよ。たまに疼くんだよ……例えばイラついた時なんかな」
「そういうのはよくないよ。ストレスは発散しなきゃ」
「悪ぃが補充されてるんでね」
「これのせい?」

掴んでる部分を、ミリ単位で上下に動かしながら智が言う。
意味深そうな表情で。

「そもそも、何で掴んでんだ」
「リハビリのために」
「………」
「必要悪ってやつだよ」

善意でやってるのか、よく分からなかった。
それに、肌のリハビリなぞ聞いたことも無い。
とりあえず、智の指で生じた汗の塩分のせいで、治りかけた傷口がむず痒かった。
何かを握ってでもいたのだろうか。
やたら汗の量が多い。そして油の匂いもする。
自分のナリも相当なものだが、衛生的に大丈夫だろうか。

「ふむ…」
「…何だよ」

考えるような顔付きになった。
考えているのではない。
つまり、危険ということである。
訝しげな表情を(彼女と出会ってから、よくこの顔をするようになっていた)、
まじまじと眼に映しながら
336ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:10:46.23 ID:UBXjA02w
「あんた、彼女とかいないの?」

と、言った。
彼女の眼は、竜馬の唇を縦に走る古傷に向けられていた。
唾液が枯渇しかけていることを感謝する時が来るとは、竜馬ですら思っていなかった。
何時の間にか、友の手が頬から離れていた。
飽きたのだろう。
竜馬の頬に、よく分からない感覚が残った。
修行と治療と暴力以外で頬に触れられた思い出は、少なくとも彼が覚えている限りではなかった。
強いていれば、これは暴力に近い。

「何言っとるんだお前は。こんな状況で」

少なくとも、怪物の襲撃を受けた後の会話ではない。
しかしこの場合、発信源も受け手もどうかしているとしか言いようが無い。
重要な話題が、こんな事である筈が無い。

「今はいねぇよ」

数ヶ月前は、女性を映画に誘っていたのでそう応えた。
なんでああなってしまったんだろう、という考えは、消そうとしても
どうやっても心に去来してくる。

「んな余裕も無えしよ」
「どっかに囲ってない?」
「いたら世話してもらってると思うんだが」
「ああ、あんた頭良いね」
「おう、ありがとよ」
「いや、礼には及ばないよ」

皮肉で言ってんだよと言いたかったが、更なる火種を撒くだけなのでやめた。
防御でもそうだが、直接受けきるよりは流した方がダメージは少ないのだ。
そろそろ、口の中の渇きが気になってきた。

「まぁ、こういうのは巡るものだから、そんなに気を落さないでさ」
「流行のことか?70年代の服や車じゃあるまいし」
「そう!それだよそれ!分かってるじゃん!」

どうせなら、20年は生まれる時期がずれてくれればと思い始めた。
こういう考えをするのは、こいつと会ってからなので、それは恐らく
影響を受け始めていることなのだろうと竜馬は判断した。
汚染とまではいかないにしても、侵食という言葉は当てはまるようであった。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/16(月) 00:11:05.91 ID:oYlOVw9m
支援
338ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:13:26.76 ID:UBXjA02w
「こういうのはぐるぐる回るんだよ!宇宙みたいに」
「ほう、俺は宇宙規模だったのか。知らなかった」
「いや、私が宇宙で、あんたは瀬戸内海の渦潮レベルだよ」
「話の主旨もあったもんじゃねぇな」

主旨もなにもへったくれもない会話であった。

「ところで、ここはどこだよ」

話の本筋への、遅すぎる流転であった。

「車の中」

じっと、竜馬は智を睨んだ。
そんなことは分かっている。
ついでに、割と良い車であることも。少なくとも、
シートはあの機械の化け物よりは上等であると感じられた。
難点を言えば狭いことだが、これは許容範囲を越えて乗り込んでいるので仕方が無い。

「街の中」

更に眼を細ませた。
街のチンピラなら彼方へ逃げ出しているような眼だった。
智は、相変わらず太陽のような笑顔をしている。
どうやら、耐性がついているようだ。
或いは、脅威と受け取っていないのか。

「次は地球か?」
「いや、日本。惜しかったね。あと少しだったのに」
「何が?」

掠れているせいで、普段よりも恐ろしげな声になっていたが、
智は気にする様子が無い。
むしろ、「ふふん」と、少なくとも向けられた方としては不愉快な笑みを零した。
竜馬はもう慣れたので別段嫌な思いもしなかったが、
少なくとも、あの時の奴なら顔面を毟(むし)り取るかもしれないな、と竜馬は思った。
339ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:16:55.95 ID:UBXjA02w
いや、アホらしくて関わらない、いや、毟るな、と追加で思った。
身体的な特徴も、恐らく好みからは外れまくっているであろうし。
奴と呼ばれた者の思考の、少なくとも人間にあるまじき部分は彼でも分かりえないものだった。
尤も、人間とはそういうものだと、彼も理解してはいるのだが。
今思っても、あの時の様子は異常だったと思わずを得なかった。
同時に、それは自分も似たようなものではなかったかということも。
そして、こんな胸くそ悪いことを考えてしまう時点で、やはりどうかしているのだろうと。

「ほれ」

たぷん、と竜馬の前に、黒いボトルが差し出された。
簡素なもので、「コーラ」とだけ書かれていた。
ギャグマンガ、しかも枠の少ない4コマ漫画の小道具のような手抜き振りだった。

「少し飲んだ。大丈夫、口付けてないから」

黒い液体の奥にある、少し歪んだ竜馬の顔を眺めながら、楽しそうに智は言う。

「どこに入れてたんだよ」

液体の揺れる音は聞いた覚えが無い。

「付けた方が良かったかな?こういうのって売れるんだよね?」
「お前は何を言っているんだ」

疑問符は付かない。
呆れきっているのだ。

「あんたネットできる?ああ、やり方知らないんなら教えるよ?あ、顔写真撮らないと」
「そのぐらいは分かるが自分でやれ。というか恥を知りやがれ」
「あ、その言い回しいいね。恥を知りやがれって。覚えとこう」
「あの…」
「忘れろ。いや、忘れてくれ、頼むから」

自分の口調を口に出して記憶すると言われるのは、何か無性に腹立たしい。
いよいよ咽喉が辛くなってきた。
コーラで回復できるかは知らないが、このままよりはマシなはずだ。
炭酸さえ抜けば。
危機を感じ始めた竜馬には、智の奥から聞こえた声など耳に入っていなかった。
340ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:20:52.12 ID:UBXjA02w
「つうか、それ一口でいいからくれよ。俺を生殺しにするのに持ってきたんじゃないんだろうが」

口をつけずに一口で一気に飲み干してやるつもりだった。
そして、後半に彼が口走ったことこそ、こいつの目的なんじゃないかと思い始めていた。

「あぁ、それいいね!」

確定してしまった。
ひらめいた!と、誰でもわかるようなリアクションをしていたので、
言わなければ、素直にくれたのかもしれない。

「お前…いい加減にしろよ…怒るぞ」

声がもうおぞましささえ感じさせるものへとなってきている。
紅の閃光で、無数の百鬼を焼き払った時も似たような声だった。
強烈な咽喉の渇きと咆哮による疲弊は、よく似ている。

「な、なんだよ!そんなに飲みたいのかよ!」

流石に怒気が通じたのか、ややビビっているようだった。
大事そうに胸元で抱えられたコーラがたぷんと揺れた。
先程よりも揺れ幅が大きい。
何時の間にか、また少し飲まれたようだった。

「ああそうだよ。昨日から、何も飲んでねぇ」

これは嘘だった。
起きた時に500mlボトルに入った麦茶を1本飲んでいた。
状況が状況だったので、忘れてしまっていたのだった。

「質問に答えてから」
「その質問とやらの話を逸らしたのはテメェだろうが!!」

残りの水分を振り絞り、竜馬が叫ぶ。
被害者のようにも見えるが、状況を鑑みるに、どう見ても加害者の立場であった。
更に、話をこじらせた原因にも見て取れる。
そして普通なら、この叫びを前にすれば人間なら大悪党でも怯む。
底知れぬ恐ろしさを感じるからだ。
341ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:25:45.80 ID:UBXjA02w
「なんだとぅ!?」

しかし残念ながら、相手は普通ではなかった。
どこかで、何かが擦れ、砕けるような音がした。
彼らにとって不幸だったのは、それが歯軋りであると気付けなかったことだ。
そして、ここが車内だということを、竜馬は途中から、智はほぼ最初から
脳内から消し去ってしまっていたことだった。

「これ高いんだぞ!!国からも認められてるんだ!」
「ああ、ありがとよ。でももう三分の一しかねぇじゃねえか!何時飲んだんだ!」
「細かいこと言うな!デリカシーの無い奴め!下郎!」
「下郎だと!?」
「えと…あの…」
「あ、ゴメン。意味は知らないから削除で」

咽喉が渇いたのか、キャップを緩めて口に運ぶ。
遅れたが、コーラは2L入りである。
そして、ヒートアップした両者の間に、普通の声は最早届かない。

「お前!どれだけ飲めば気が済むんだ!」
「ふーんだ。口付けちゃったからもうやらねーっと。値段下がるし」
「お前な…つうか、元はといえばそれ俺の金で買ったんだろ!」
「ぎくり」

口に出して言う奴を始めて見た。
それこそ70年代のキャラクターかと思った。

「か、金のことを出す男は嫌われるんだぞ!」
「現実的でいいと思うがね」
「夢がないと駄目なんだよ!現実に縛られるな!」
「咽喉の痛みって現実にやられそうなんですけどね!」
「おい」
「急に敬語を使うな!怖いだろうが!」
「敬語じゃなくて丁寧語ですよ滝野さん。
 学生なんですからしっかりしてくださいよ滝野さん」
「うわあああ!!やめろ!夢が壊れる!」
「夢って何だ!?気色悪いことをぬかすな!」
「おいったら」
「ええいうるさい!気色悪いとか言うな!傷付く!泣くぞ!」
「ああ、泣けよ。笑ってやる」
「言ったな!泣くからな!泣いてやる!泣いてやるぞ!!」

半月の形になった眼の隅に、瑞々しいものが溜っていく。
笑ってやると豪語した竜馬も、気まずさを感じ始めていた。
一応、一応は智は女の子なのである。
胸は普通のやや下ぐらいだし、竜馬の持つ女性像とはかけ離れているどころか
別次元の存在であったが、世話になっている。
それに、こういうときにどうすればいいのかも分からなかった。
342ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:29:36.60 ID:UBXjA02w
「(…野朗だったら、気絶させればいいんだが)」

と、恐ろしげな考えをした時、智の動きが止まった。
大きな眼が、ぱちっと開いている。
2、3度、ぱちくりと眼を瞬かせた顔が、左向きに動き始めた。
彼女の頭には、健康的に日に焼けた手が置かれていた。

「お前、ちょっとうるせぇ」

向けられた先にある、快活そうな少女の顔が、きつめの口調と表情で静かに告げた。
竜馬は、その声に聞き覚えがあった。
相手も、竜馬の視線に気が付いたようだった。

「…それ以上は、やばいよ」

竜馬は気付いた。
真の脅威は彼女ではない。
それは、彼の前にいた。

バックミラー越しに、眼が、こちらを向いている。
その眼光に、智は笑うのをやめた。
竜馬は、その様子を見て、不気味な感覚を覚えた。
「大丈夫。バレてな『いい加減にしろお前等!!』

怒号。
そう呼ぶに相応しかった。
少なくとも、彼が起きてから聴いた音では、最も大きな音だった。

「直立トカゲぶちのめした奴がいるって言われたからどんな奴かと思ったら、
人の車で延々とワケの分からんこと言いやがって!お前だ!お前が原因だバカ智!!
聞いてた話と違うじゃないか!私はこいつが目を覚ました瞬間、
首を引き千切られるんじゃないかと思ってたんだぞ!
お前アレだろ!今やってるアニメでそうやって死んだ奴がいたんだろ!」
「いや、あれは食い千切『うるせぇ!馬鹿!』

馬鹿の一言には、質量があるように感じられた。
それも、莫大な。
343ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(2)-:2013/12/16(月) 00:32:49.79 ID:UBXjA02w
「お前はさっさとそいつに栄養やれ!そのために持ってきたんだろ!
 それに死なれたら寝覚めが悪い!!あと、誰がこの車を掃除する!?
 お前らの靴、結構汚れていたからな!!靴ぐらいちゃんと洗え!
 あと神楽!お前はさっさとこいつらを止めろ!先手必勝って言葉を知らんのか!
 頭潰せば後は楽なんだよ!トカゲみたいに!」

なんということだ、と竜馬は思った。
あの滝野が押されている。
破壊不能なものが壊されていくような気がした。
御するならともかく、勢いで負けているというのは信じられなかった。
気が付けば、智は傍らで静かになっている。
黙っている、のではなくだ。

「それと、少年」

竜馬は思わず、はいと答えた。
思い出して、自己嫌悪に陥れるぐらいの情けない声だった。
咽喉の渇きのせいにすることにした。
あと、トカゲは頭を通してからが厄介なんだよな、心の中でと突っ込んでおいた。

「生きて戻ったら、あの女の弱みを教えなさい。それが運賃」

とてもじゃないが聞き捨てならない台詞をかけられ、非現実的な光景も目の当たりにしたことで、
竜馬は思考が正常に戻っていくような感覚がした。
狂気というものと、さほど変わり無いような気がした。
いいや、それに違いないと、竜馬は心の中で勝手に肯定した。













つづく
344名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/16(月) 00:33:47.61 ID:oYlOVw9m

今回は持ったみたい
345名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/16(月) 00:36:50.16 ID:UBXjA02w
なんとか落せました。
代理を申し出ていただいた方、どうもありがとうございます
346名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 00:36:20.97 ID:OnFBNaFD
ゲッターの戦闘を参考にできるようなSSや小説とかってねえかな
347名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 00:57:40.46 ID:5cKuZ8Ot
高機動戦闘だとSガンダムとか?
348名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 01:33:15.56 ID:77MMrdbd
血みどろでボロボロになりながら戦ったりとかするしね
マジンガーZ対暗黒大将軍とかもいいんじゃないかな
349名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 01:41:23.43 ID:77MMrdbd
ゲッターは生身バトルもあるから、そのあたりは菊地秀行作品とか、
重火器や超人やおぞましい能力がひしめき合う作品とかは参考になるのかな?
初代だとメカザウルスの生身部分を引き裂いたりとか、隼人の残虐行為とか、
生々しい描写あるから、ホラー系も参考の役に立ったりして
戦闘じゃないけど、ゲッター線の怖さの参考にもなりそう(クトゥルフとか)
350名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 01:54:30.31 ID:OnFBNaFD
いろいろ目を通してみるわ
351名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 08:47:25.85 ID:77MMrdbd
SSの妄想してたらふと思ったんだけど、メカザウルスのゲッター線に対する完全武装ってどういう意味だろう
最終決戦を見る限り外見はあまり変わらないから肉の部分を減らして
機械を詰め込んでゲッター線にへの耐性を増加させるってことなのかな?
352名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 11:32:10.68 ID:KrAgrq9a
ゲッターロボアークの拓馬の境遇考えるとなんかカムイよりすごいな。

未来であんな光景見せられても、それでもゲッターの宿命を背負って人類の為にカムイと対峙するのがスゴいな。
353名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 12:39:49.82 ID:77MMrdbd
よく言われるけど獏はどうなったんだろ
タイールの弟だからそう簡単には死なないと思うけど
エンペラーに拾われたときに、竜馬にお袋の魂と
夢の中ででも会わせてもらったんじゃないかと勝手に妄想してる
それで、人類を護るという意志をより強固にしたとか

久々にアーク読み返したら、竜馬の嫁可愛すぎて萌えた
出番少ないけど行動が一々可愛い
354名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 12:41:45.37 ID:OnFBNaFD
>>352
でも、タイムパラドックスの説明から考えると
あの時代で人類絶滅をやると銀河いくつか吹き飛びそうな気がする
355名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 12:50:20.84 ID:77MMrdbd
飛焔だとバグは過去に遡ってゲッターや人類を少なくとも何回かは抹殺してるらしいし、
バグは因果とかパラドックスを無視出来る性質を持つ兵器だったりして
356名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 12:52:05.29 ID:OnFBNaFD
あのカムイは帝国も母親も全て投げ捨てて
ゲッター殺すマン担っている可能性もあるな
357名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/17(火) 17:08:39.49 ID:77MMrdbd
カムイの母親は粛清されたのかね
そう考えると切ない

そういえばクリスマス迫ってきたな
358名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/18(水) 00:12:58.16 ID:PlueF2Pe
クリスマスオペレーション…ロボットアニメや特撮作品ではクリスマス商戦に向けて、メカが大集合する回が描かれ、最終決戦に向けて前振りが始まる。
そしてお正月の息抜き回を挟んで、終わりが始まるのだ。

「ふははは。大きなお友達向けの商品しか販売されていないゲッターにはクリスマスなど関係ないのだ」
359名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/18(水) 07:51:17.86 ID:G6Au5fVl
サンタは赤い
そして空を飛ぶ
サンタは太古から存在し、未来永劫子供たちにプレゼントを配る
そうか、そうだったのか
トナカイとは…プレゼントとは…

叛逆の物語と石川作品の小ネタ考えたけど上げるとしたら
公開終わってからの方がいいのかな?
360名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/18(水) 10:49:16.94 ID:y8Vxd+VY
>>359
うちの近所では金曜日で終わりだけど他はいつまでやってるんだろう?
一ヶ月は経っているし…………やるとしてもネタバレ注意を強調してた方がいいのかな
361名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/18(水) 11:05:04.85 ID:G6Au5fVl
>>360
こっちでもまだやってるね
また付録増えたからしばらくやるのかも
少なくとも、年明けまで待とうかな
どうもです

SSネタなんだけど、漫画版竜馬の性格が中々掴めない
抽象的だけど、漫画版は若干マイルドになった新の竜馬って感じかな?
362名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/18(水) 11:33:04.71 ID:EF8oa7a9
>>361
漫画版竜馬と新ゲ竜馬は似てるようで全然違うと思うわ。
漫画版はおちゃらけた面あるけど、新ゲは終始硬派な感じ。
つか竜馬は隼人とかと違って各媒体によって性格がぶれすぎ。

一番近いのはネオゲ版かもしれんわ。
363名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/18(水) 11:51:13.86 ID:G6Au5fVl
ああ!言われてみればネオゲが一番近いかも
確かに新は、好戦的って言葉がぴったりな性格だったしね
ありがとう
とても参考になりました
364名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/19(木) 00:23:31.39 ID:9/aOo9zv
クリスマスまであと6日か
竜馬の嫁もクリスマスには竜馬をどっかに連れ出したんだろうか
嫁と竜馬のSSとかどこかに無いかな
365ライフの作者です:2013/12/19(木) 02:05:08.45 ID:WUzbpvg6
さあて、ついに出来たのでかなり早いですが例のクリスマス企画投稿します。
一週間早いクリスマスプレゼントです。

※警告、キャラ崩壊、ダイナミックプロ特有のお下劣表現があるので不快を催す人は直ちにブラウザバッグしてください。
366ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !@:2013/12/19(木) 02:06:57.23 ID:WUzbpvg6
――この日、早乙女研究所は全滅の危機に襲われた。
そう、研究所のほぼ全員が食中毒に見回れたのだった。昨夜のパーティーに出された料理が腐っていたのか、何か仕組まれていたかどうか知らないが。
さらに運悪く、そんな最中に恐竜帝国の兵器、「メカザウルス」がこちらへ向かってきていたのであった……。

早乙女研究所壊滅の危機に陥る中、一人の女子高生と一匹の犬、一つの人形だけが最後の希望であった。

「フフ、チームの椎葉と羽鳥、いやマナ以外は全員食中毒でゲロゲロ、お腹ピーゴロゴロでトイレに直球状態……。
ならマナがやらねば誰がやる!!
色んなとこで散々「少女マンガ界最強の悪女」だの「マナハゲ」だの言われ、今日こそ汚名返上の時!」

この研究所の命運は西舘高校一年、安西愛海、研究所で飼っている犬、ロボ、そして彼女が愛してやまない彼氏、佐古克己を模したカツミ君人形に託されたのであった。

彼女達は世界の平和を守るスーパーロボット、ゲッターロボの格納庫へ向かっていた。
すると前には食中毒で倒れたハズの同じチームメイトである一号機乗り椎葉歩、二号機乗り羽鳥未来がパイロットスーツに着替えて待っていた。
367ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !A:2013/12/19(木) 02:08:57.55 ID:WUzbpvg6
「安西、あんただけにいーカッコはさせないよ……」

「アラ、あんた達大丈夫?」

彼女達の腹部からゴロゴロと鳴り響く不吉な音。

「フフ、二人とも足が内股になってるわよ。いつまで持つかしらね♪」

しかし、

「も、もうだめええええええっっ!!」

歩は一目散に走り出して近くの女子トイレへ入っていった……。

「なんであんたは無事なの……昨日のパーティーに参加していたハズでしょ……?」

「マナはダイエット中、だからジュースしか手を出さなかったの、口にしたのは市販のカ〇リーメイトだけ。
アンタ達は運が悪かったね……あれ?」

すでに未来の姿がなく、女子トイレでは……。

「アユム……お願いだから早く出てよ……あたしもホントヤバい……」

情けない声と腹を抉るカミナリのような音、そして全てをぶちまける破壊音で交響曲のようになっていた。

「二人はしばらくトイレと仲良くしてなさいね……ふふ、ウ〇チまみれの臭い仲ってヤツ、キャハハハハハっっ!!」

……一方、マグマ層。恐竜帝国では帝王ゴールが勝どきを上げていたのであった。
368ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !B:2013/12/19(木) 02:11:20.93 ID:WUzbpvg6
「ゲッターロボ!!今日こそキサマの最期だ!!」

「研究所まで一キロ!!」

「今回のメカザウルスは貴様と闘ってきた全てのデータを合わせて開発した、恐竜帝国最高にして最強の『メカザウルス・ソノダ』じゃあ!!早く出てこいゲッターロボ!!」

自信満々の帝王ゴール。万事休す早乙女研究所。
そして愛海達は各ゲットマシン(ゲッターロボを構成する三機の戦闘機)に乗り込んだ。

「イーグル号はカツミ君人形、ジャガー号はロボ。準備はいいわね」

彼女の乗る三号機、ベアー号のモニターには早乙女研究所の所長、早乙女博士が 切羽詰まった顔で映りこんだ。

“……マナちゃん、そんなもんで大丈夫なのか”

「だってマナだけじゃ寂しいンだもん。椎葉や羽鳥がいても同じだけど、二人にこう言っておいてね、『今回、二 人 の 席 ね え か ら』」

“マナちゃん、君一人で三機を誘導操縦しないといかんのだぞ!!”

「ウフフ、早乙女のおじ様、心配しないで。マナの本気を見せてあげる……?」

しかし、いつの間にか博士の姿がいなくなっていた。
369ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !C:2013/12/19(木) 02:13:55.46 ID:WUzbpvg6
おそらく、トイレに直行したのだろう。

「もうしょうがないわね!!ゲットマシンいくわよ♪」

――そして研究所から各ゲットマシンが発進、上空へ飛翔していった。その真下には例のメカザウルスの姿が。

「出たなゲッター!!貴様の戦闘データは全て入ってる、まずはゲッター1で様子見だろう、いくぞゲッター1用戦闘モード」

メカザウルス・ソノダはなんと両肩の上の出っぱりから両刃の斧を取り出した。それに加えて顔が人間のメガネが似合う、草食系男子のイケメンに変形したのであった。それを見た帝王ゴールは口を開けて唖然となった。

「ガレリイ、あれに意味があるのか……?」

側近である技術長官、ガレリイは自信満々であった。

「はい、ゲッターに乗るのは人類の女の子ですぞ。これも我々の人間研究によって産み出した結果です。きっと奴らはソノダにメロメロになるはず!!」

「…………」

……果たして効果はいかに……。
370ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !D:2013/12/19(木) 02:15:29.32 ID:WUzbpvg6
「うわ、キモッッ!!爬虫類の身体でなんで顔が人間なのよ、しかもマナの知ってるヤツに似てる、ムカつくヤツに!!」

――逆効果であった。

「いくわよ、チェンジゲッタースリ〜〜♪」

三機が一直線に並ぶ合体の時。が、一号機内ではベルトで固定されたロボが暴れに暴れ、機内のボタンやレバーをやたらめったら押しまくっていた。

「コラ、大人しくしなさい!!」

三機の合体軌道がめちゃくちゃになり、そのままぶつかった。

「キャア!」

……現れたのは赤鬼のような顔のゲッター1……だったが、胴体が物凄く不自然で、余分なパーツが飛び出た異形の姿となってしまった。

「や〜〜ん、なにこのヘンテコ合体!?」

メカザウルス・ソノダもその目にしたことのない姿に呆気をとられた。

「な、なんだこれは!!」

ソノダは斧を振り下ろすも、ゲッターは瞬時に分離。後ろで再合体した。

「ゲッター2で来るな!」

ソノダの両腕が変形、それはゲッター2を模した巨大なドリルとU字アームであった。
このメカザウルス・ソノダはどうやらゲッターの各形態を模した変形ができるようだ。
371ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !E:2013/12/19(木) 02:17:35.54 ID:WUzbpvg6
振り向き、いざ対決……ところが。

「な、なんで……」

またもや異形合体。腕が四本になり、言葉では説明しにくいほどの形態と化していた。

「と、とりあえずこれで戦ってみよ……」

想定外の形態を見せつけられたメカザウルス・ソノダは泣きながらゲッターに突撃した。

「俺の知ってるゲッターじゃな〜〜いっ!!」

……乱戦になり、もはや戦法など微塵もない泥仕合。
恐竜帝国では呆然、早乙女研究所では……。

「博士……安西は……?」

「もうヤダ……お尻イタい……っ」

二人はヨロヨロ駆けつけるも、博士と助手はその場で……醜態を晒していた。

「うわっ……漏らしてる……クサっ……」

「いっ一体何が……」

「わしのゲッターが……」

歩と未来はモニター越しに映るゲッターの戦いぶりについに……。

「あたし……もう……おヨメにいけない……」

「あ、アユム!!」

身も心も全て緩んだ彼女がへたり込んだ瞬間、凄まじく汚い音が彼女から聞こえたのだった。

「ああ……なんであたしらがこんな目に……まじ作者死ね……っ!!」

――この場はブリブリと耳が腐るほどの排泄音と茶色の汚物にまみれた狂乱の宴と化したのであった――。
372ガ ン バ レ マ ナ ミ ! !F:2013/12/19(木) 02:23:44.60 ID:WUzbpvg6
次々に異形変形するゲッターに翻弄されるメカザウルス・ソノダ。

「ガレリイ、これはなんだ一体……」

「さすがはゲッターだ。ヤツの攻撃パターンを全て読んだメカザウルスをここまで翻弄するとは……恐るや、恐るべしゲッターロボ!!」

「そうかなあ……」

ガレリイは頷き、感心しているもゴールは呆れた様子だ。

「ロボ、お座り!!さもないと……殺すわよ」

愛海の命令にロボはその場でピタッと大人しくなり、分離した。

「今度こそ……!」

今度は正常の合体軌道に乗り、メカザウルス・ソノダの後ろでついに愛海の愛機、ゲッター3に合体変形した。

「もう許さないわよ、キュンキュンにカワイイ女子高生の怒りを思いしれ!!大雪山おろし〜〜っ!」

力任せに真上にぶん投げて落ちてきた所を捉えた。

「くらえ、アゲ↑アゲ↑大雪山おろしパーンチっ!!」

連続攻撃にボコボコに破壊されたメカザウルス・ソノダ。
彼女達はこの研究所を救ったのだ。

「ゴール様、ゲッターの新しい形態の対策を考えねばなりませんな」

「そっ、そうだな……」

彼らは無気力となり、トボトボモニターから去っていった。そして愛海はその夕日に向けて高笑いしていたのであった。

「アハハハハハッ、どお、マナの実力は!!スゴいでしょ――っっ!!」

――こうしてまたもや世界は彼女の手に救われたのであった。
しかし研究所の司令室では、

「……もう止まんないよぉ……(ピー音)」

「ああ……アハハハハハ………(ピー音)」


う〇こまみれとうめき声で誰も愛海に注目しておらず、もはや色んな意味で地獄と化していた――。


『おしまい』




※ちなみに彼女らの液体チョコレートみたいのは、あとで作者がおいしくいただきました(ゲス顔)。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/19(木) 08:16:17.35 ID:9/aOo9zv
これが、地獄か
374名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/19(木) 08:38:06.30 ID:Y2ZbLwPG
うーん
ひどい(誉め言葉)
375名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/19(木) 09:19:17.03 ID:9/aOo9zv
無慈悲なスレだなぁ
女の子は大変だ
376名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/19(木) 22:01:26.47 ID:9/aOo9zv
連レスになるけど、こっちも(あずまんがクロス)も何か小ネタやろうかな
久々に文章書いたから、リハビリも兼ねて
今回投下した分は、誤字とか多かったんで保管庫の時に修正しときました
会話の内容もいじったけど、智ちゃんのウザさが増した気がする。
はやいとこ続き書こう
チラシの裏で失礼しました
377名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/20(金) 12:57:55.37 ID:ZQ92OvMm
>>365
これはひどいwwww
378名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/20(金) 13:52:48.78 ID:rgI+71mm
>>365
自重しろwww
379名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/20(金) 16:32:14.78 ID:f5j/kK7U
原作でもキツかったのに女の子でこれはなw
380名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/20(金) 20:52:57.69 ID:f5j/kK7U
原作で登場したメカザウルス・ギガって、
百鬼ならメカ鉄甲鬼を髣髴とさせる格好よさなのに、
あれだけしか出番が無いのがなぁ…
もしかしたら、後のゲッターザウルスの原型だったりして
多分、恐竜帝国に返されたと思うけど、ゲッターザウルスが
どこかに流れ着いて活躍するSSとかは…難しいかなぁ
381名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/20(金) 21:31:35.14 ID:ZWSix1xa
>>380
まあ、どっかの世界に飛ばされたから技術流出が起きてしまったとかは出来なくもなさそうだけど
ゲッターザウルスだけで話作るにはちょっと足りないきもするね。
382名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/20(金) 21:57:40.93 ID:f5j/kK7U
>>381
アーク以上に謎の存在だしね
でも、技術流出っていうのは面白いかも
アレもメカザウルスの一種だし、クロス先が
生体兵器使ってるような作品なら恐ろしいインスピレーションを与えそう
383名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/21(土) 09:04:17.77 ID:0Yv7BjRq
久々にSaga聴いてて思ったけど、歌詞の「ゲッター」 の部分を「まどか」に
脳内変換してみたらほむらのテーマっぽくて笑った
歌詞自体も荒んだ雰囲気だからその部分も合ってるような
384名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/21(土) 18:07:23.27 ID:N21sthe0
ゲッターザウルスってゲッター炉心積んでんのかな?
一応無印の時点で恐竜帝国もゲッタービーム砲作れてた訳だし、
耐ゲッター線処理施してればメカザウルスでもある程度のゲッター線には耐えられるらしいから
技術があれば炉心もいけそう
385名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/21(土) 19:04:14.95 ID:0Yv7BjRq
ネオゲの地リュウ一族はゲッター線に耐性がある一族だったみたいだし、
ゲッターザウルスもその系統の恐竜が素体に使われてたりして
386名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/21(土) 19:06:10.99 ID:VhPpK4gX
まあ、ネオの描写判断すると
さすがにゲッター操縦したら死んじゃうらしいから気休め程度家かも
387名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/21(土) 20:14:07.59 ID:7XDlYTh7
人間でも放射線への耐性は個人差があると言われてる。
けど、致死量の放射線に長時間耐えられる人間がいるわけじゃない。

やろうと思えば、遺伝子レベルでいじくって、恐竜帝国版コッペリアみたいなのが必要だと思う。
388名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/21(土) 20:27:56.16 ID:VhPpK4gX
でも、作った結果が人間に限りなく近い何かとかは洒落にならんよな。
389名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/22(日) 01:38:35.89 ID:q0u3/kHc
ノベライズ版のメカゴジラみたいだね
あれも確か、戦闘力の特化を目指してたら皮肉にもゴジラに酷似した姿になったとか
そういえばゲッターガイアを喰った化け物もゲッター軍艦またはエンペラーみたいな外見してたな
390名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/22(日) 10:24:39.14 ID:TuquR5oa
烈風獣機隊見てたら、敷島博士って田村の孫かなんかじゃないかなと思えてくる
391名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/22(日) 10:30:04.98 ID:q0u3/kHc
規制回避するために時間掛かるかもしれませんが、ゲッター+あずまんが、投下します
392ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 10:32:25.27 ID:q0u3/kHc
ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-




危機的な状況なのは十二分に理解しているし、時間が無いことも分かっている。
ただ、

「いやぁ、あの時は参った。本当に死ぬかと思ったわ。おい神楽、ナビしろナビ」
「ここは右だよ。先生」
「ゆかりちゃん、今までどこいたんだよ。こっちは大変だったんだよ」
「うるせぇサボリ魔。こっちは、連中を掃除してたの」
「掃除って…何やってたんですか」
「銃持って鬼娘と共同戦線。あいつ、人をなんだと思ってるんだっつーの
 何度もオトリにしやがって」
「あの白衣の人?確かに眼つきはちょっと怖かったけど」
「嫌な奴だよ。嫌な奴」
「ところで、これにゃもちゃんの車だよね。どうしたの?」
「あ?ああ。私のが壊れたから徴収した」
「先生、許可もらったんですか?」
「非常事態だぞ?んな時間あるか。あぁ、にゃもなら無事だから安心しろ。あの女に貸しといた」
「貸したって…」
「手が足りないってらしいから仕方なくね。断腸の思いってやつよ」
「そういうのをさ、厄介払いとか口封じっていうんじゃないの?」
「うるさいおバカ。少しは言葉を選べ。ったく、思出しても腹立つわ。まだガキっぽいくせに」
「いやいや、私が見た限りかなりの美人さんだよ。藤子ちゃんとはちょっと違ったベクトルのさ」
「なんでそんなに肩持…あぁ、そういえば髪型は1年の時のあんたに似てるわ。微妙にだけど」

部外者、更に異性がここに一人というものは、どの場合でも気まずいものがある。
女子特有の、空間支配とでもいうべきか。
但し、そのままではいけないと思い、実践する強さが彼にはあった。
最後の一文で、心にヒビを入れられかけたが。

「お話中、申し訳ないんですが」

こんな言葉を今までの一生で何回使ったのだろうかと、竜馬は思わずにはいられなかった。
393ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 10:35:25.70 ID:q0u3/kHc
「何だ少年?自己紹介ならいらんよ。聞いてたから」
「鬼娘って人からですか」

言葉に出してみると、文体以上に恐ろしい。
おにむすめ。
オニムスメ。

「すげぇ仇名だよね。鬼娘って」
「うるせぇ話の邪魔だ。そうだよ、あいつから教えてきたの。
 ええと………いや、勝手に他人の名前を言うのは悪いから、自分で名乗ってくれたまえ」
「ゆかりちゃん、ひょっとして忘れたの?」
「うるせえ馬鹿!」

図星を突かれたのか、智へのリアクションの返答が異常に早かった。
ずいと身を乗り出した智が額を抑えて戻ってきたのは、
恐らくデコの辺りに裏拳を叩き込まれたからだろう。
自分の不備をそれで掻き消そうとしたのかもしれないが、
互いの声が大きいのでそれも無駄だったようだ。
自分の名前はそんなに覚えにくい名前だったのかと思いながら、

「俺は流竜馬です。助けていただき、感謝しています」

と、暦に返したものよりも、丁寧な口調で応じた。
危険を回避するためには、現状ではこれしかないと思ったためだ。
聞くことは他にあったが、彼は先に礼を述べることを優先した。
見れば、包帯は新しくなっているし、傷口に湿った感覚がある。
薬か何かを塗ってもらったのだろう。
少なくとも、痛みは多少和らいでいる。
こんな口調になるのは、古代人相手以来だと、竜馬は思っていた。

「うむ、礼儀正しくてよろしい。口答えしたら、掃除を一人でやってもらうところだったよ」

マジでそうするだろうな、と竜馬の隣の二人は思った。
中々にシュールな場面であると思ったのか、智は竜馬の肩をぽんぽん叩きながら
「よかったね」と言っている。
竜馬の古傷が、薄っすらと赤みを増した。
神楽は、気の毒そうな顔でその様子を見ているが、この二人が相手なら仕方ないと思っているようだ。
394ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 10:38:11.84 ID:q0u3/kHc
「じゃ、今度は私の番かな。私は」
「あ、ゆかりちゃん。それなら大丈夫だよ」
「…あ?」

血管が浮き出る音が、竜馬には聴こえた気がした。

「私がもう、余すことなく伝えといたから」
「お前、覚悟しておけよ」

後で自分もこの女教師から何か言われるに違いないが、
智に対してはざまぁみろと竜馬は心の中でごちた。

「ところで、その…翼竜をやっつけてくれたのは谷崎先生ですか?」

殺した、倒した、吹き飛ばしたと言う選択肢もあったが、竜馬は言葉を選んだ。

「うん、そうだよ。あれをぶっ殺したのは私」
「(容赦ねえな、この人)」

あの女とやりあえるだけはあると、竜馬は認識した。
同時に、彼の中での危険度も引き上げられた。
あれは断じて、通常の兵器では無かった。

「掃除ってのは…直立トカゲのことですか?」
「そ。顔面を蜂の巣にしたら逃げていった」
「逃げたんですか」
「当たり前でしょう。食い殺されたくないし」
「あ、ゆかりちゃんのことだったのね」

容量が軽いせいでダメージは少ないのか、何時の間にか智が復活していた。
何時の間にか主語が変わっていたが、竜馬は気にしなかった。
恐らく、もう完治しているだろうと彼は判断した。
相手は、顔面を半分以上抉られても再生する化け物だ。
逃げたというのが気になるが、どちらにせよまた向って来るに違いない。
395ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 10:41:22.84 ID:q0u3/kHc
「ゆかりちゃん、本当に一人であいつらやったの?」
「ん?試されたいの?」

共同戦線張ったと言ったのを忘れているのだろうか。
それとも戦っている間は各個撃破していたから一人でという意味なのだろうか。
微妙に会話がかみ合っていない。
会話自体にも、独特の雰囲気がある。

物騒な会話に、僅かに和むものを感じるのは何故だろうと竜馬は考えていた。
危険な単語に馴染みがあるのか、それとも、こんな状況だが、一応は女に囲まれているからかと。
今までの人生は殺伐としきっていったし、それ以降の、ここしばらくの間は
人間らしいやり取りも増えたとはいえ殺伐自体には更に磨きが掛かった上に、
周りは野朗ばかりだったのでその反動なのではないか、と。

両者の会話が熱を上げているようなので、竜馬はもう一人の少女を相手にすることにした。
今を逃せば、この二人に妨害されてまた時間が引き延ばされかねない。
相手もそう思っていたのか、互いに眼が合った。

「ええっと、神楽さん、でいいのか?」

ややトゲトゲとしたボーイッシュ然の髪型と肌の色、さばけた口調から竜馬は判断した。
さん付けされたことに、一瞬、眼を丸くし、戸惑ったような表情を見せた神楽だったが、
すぐに白い歯を見せて、

「神楽でいいよ」

と応えた。
こういう体育会系なノリは、しっくりくるものがある。
そういえば、それ以上の名前を竜馬は聞いていなかったことを思い出した。
智からも、神楽としか言われていないし、ゆかりも神楽としか言っていない。
姓なのか本名なのか分からなかったが、本人から言われるまでは聞かないと、彼は決めた。

「俺も呼び捨てでいい。そっちの方が気が楽だ」
「ああ。そう言われると助かるよ。私って、敬語とか苦手だからさ」

間では、智とゆかりが取り留めの無い話をしている。
火薬の量だとか、歯が飛び散ったとかの会話の合間に、弁当だとか、コンビニのオニギリや
限定品だとか、新作のゲームがなどといった言語が聴こえてくることを、
二人はやや不気味に感じた。

「ところで、さ。あの時……」

やや低く、そして眼を細ませた表情で出した声だった。
396ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 10:44:01.25 ID:q0u3/kHc
「カバン、汚れなかったかい?」

神楽の顔が、その一言に引きつった。
悪意からの皮肉だと、思ったためだ。

「返ってきたのが着いてたからな。暗かったから避けきれなかった。
 まだ使ってるなら、汚れの落し方なら知ってるぜ」

一瞬安堵し、ぞっとする意味に気が付いた。
しかし、返り血の持ち主たちを思い浮かべ、その考えは消すことにした。
あの状況でこの少年が来なかったのなら、今、どうしているかも分からない。

「…でも…私はあんたを鞄で殴ったんだよ?」
「ノコノコ出てきた俺が悪ぃんだ。いいんだよ、気にしなくて」

あまりにさばけた口調に、なるべく簡潔にしようとしているのか、と神楽は思った。
間にいる当事者に忌まわしいことを思い出させないためなのかと。
智は、両者の間でゆかりと話を続けている。
神楽としても、思い出させるのは嫌だった。
それに本当なら、この場で言いたくは無かった。
しかし、どうしても言わなければいけない気がしていた。
そうでもしないと、押し潰されてしまうような圧迫感を感じていた。

「まぁ、今はやることやろうぜ。案内役なんだろ、あんた」

竜馬自身はなるべく軽く返したつもりだったが、
それでも気にしているのか、神楽から返されたのは、やや掠れた笑顔だった。
自分の口下手さを、竜馬は自身の欠点として感じた。
彼は思う。
あの二人なら、もっと上手く返せたはずだ、と。
397ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 10:47:04.64 ID:q0u3/kHc
そして、話に聞いていた通り、神楽という少女は外見に似合わず
繊細であると智が言っていたのは本当のようだった。
思い返せば、殴られたときの痛みは後々になってやってきたが、彼はそれを気にしなかった。
むしろ、ごろつきにいたぶられる女の姿を見て、
走ることができず、間に合うことができなかった自分の体力に苛立っていた。
これは、連中を肉の泥に変えたところで、消える事は無かった。
包帯塗れの手を何度か握っては開き、自分の体力を確認する。
少なくとも、銃ぐらいは使えるようだった。

「(トカゲごとき即死させられないなんて、俺もヤキが廻ったのかね)」

本来ならば仕留められていたはずの獲物を逃がしたことに、
彼の戦士としての部分は穏やかではいられなかった。

神楽は、ゆかりに左に行くように促した。
周りを見ると、家の数が随分減っている。
曲がった角に、見覚えのある通りが見えた。
ここから街中へ行けば、馴染みのコーヒー屋に繋がる道だった。
機械化された学生の鼻孔に煮え滾るコーヒーを
流し込んだのを、もう随分昔のように感じていた。

「ここをしばらく真っ直ぐ行けば着くよ」
「ゆかりちゃん道間違ったからね。人も轢きかけたし」
「うるせぇ!余計なこと言うな!」

時間は余計にかかったようだが、その分だけ
自分は休めたことに、竜馬はなんとなく複雑な思いをした。

その時、空気を震わせる破壊音が鳴った。
それは、前方から生じていた。
窓を閉めた車内であっても、それは衝撃として届いた。

そう簡単に行く訳でもないとは思っていたが、遂に来たらしい。
急ブレーキをかけ、車は停止した。
破壊音に雑じって、巨大なものの咆哮が聴こえた。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/22(日) 10:48:47.16 ID:TuquR5oa
支援させちくり〜(挑発)
399ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 10:50:35.43 ID:q0u3/kHc
「来たな」

ぞっとするほど冷たい声だったが、傍らの二人は黙って前を見た。
車の前方、約100mの地点で、大規模な破壊が生じていた。
どこかの会社のビルと思しきものが、崩れていく。

前方の建物の下部が、粉塵となって砕け散った。
落下する大小の破片を平然と受けて現われたのは、全高約4m、体長は恐らく12m以上。
大木のような頭角を盾の様にエラばった頭部に生やした
四足の大型爬虫類、俗に言う「トリケラトプス」であった。

「出やがったな」

非現実を通り越して滑稽にさえ見えるが、脅威以外の何物でもない。
あの巨体の力を受ければ、この車は原型も残らず粉砕され、
肉体は血肉の袋でさえなくなるだろう。

対抗手段を求め、車内を見渡した時、彼の眼は一点に留まった。
そして、その視界を

「はい」

の声とともに差し出されたものが覆った。

「何してんの。重いんだから持ちなさい」

智が受け取り、傾いたそれを神楽が支えて竜馬にぐいと近付ける。
突きつけられた洞の奥から、機械油と火薬の匂いがした。
どうやら、砲口のようだ。
竜馬に渡ると同時に、車は再び動き出した。

彼に選択肢は無かった。
手早く掴み、ドアを蹴飛ばし、身を乗り出す。
吹き込んだ風の冷たさが、車の速度を物語る。
やりとりをしている間にも、車は速度を上げていたようだ。
トリケラトプスに突撃する勢いだ。
400ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 14:45:43.30 ID:q0u3/kHc
「(これが、あれか、ゆかり車ってやつか)」

飾り気も品番もない、鉄の巨筒とでも呼ぶべき兵器、
恐ろしく古典的な形状をしたロケットランチャーを構えつつ、竜馬は智の話を思い出した。
聞いてた話と、よく似ている。
この教師は、条理を覆す存在のようだ。
この滅茶苦茶さに、竜馬は素直な好感を持った。
竜馬の心に渦巻いていた思惑が、それを合図としたかのように、ある感情へと昇華する。

背後の二人にぶつけないように注意を払われて器用に回された重火器を、
竜馬は自身の右肩に備え付けた。
凶悪な重さが、その感情に磨きを掛けた。

戦いに必要な、敵意と、殺意に。

「くたばりやがれ!!」

敵対者に対する破壊衝動で彩られた声と共に彼は引き金を引いた。
白煙が車の背後に広がり、車体を大きく揺らす。
クロガネの巨筒が吐き出した弾頭は、命中と同時に白光を放ち、爆風と爆音で巨体を包む。
傍らにまで迫った車が、白煙を吹き飛ばすと、奥からグロテスクな形状となった角竜の姿が現われた。

二本の角は神経の断片を根元にちらつかせて消失し、
嘴は口腔内へと減り込んでいる。
更に、体表面からは泡を吹き、肉は骨から剥がれ落ちつつある。
そして、身体のあちこちに開いた肉の穴からは、
液体の代わりに火が唾液のように垂れている。
彼らにとって幸いだったのは、動体視力の極端な差があったため、
その様子を認識できたのが竜馬だけであったことだ。

「…やっぱ普通の兵器じゃねぇな」

火花を吹きつつもまだ動いている頭部の、爆砕された部分に、
用済みとなった砲を槍のように投擲した。
401ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(3)-:2013/12/22(日) 14:52:50.72 ID:q0u3/kHc
あふれ出したものは蒸発したのか、爆風で皮も抉られた
その破壊口の奥で、潰れて弾ける音が鳴った。
それが脳髄、または電脳を破壊したのか、角竜は四足を折り曲げて地に伏した。
ゆかりが「やったぜざまあみろ!」と叫ぶ声が聞こえた。
これが一時的なハイテンションの成せるもので、
且つ演技であってほしいと、竜馬は願った。

「うぉ!?」

角竜の最期の抵抗か、破砕した角と思しき部分を踏み上げ、車体が大きく揺れた。
乱暴さを増した運転でふらついた身体が、内側に倒れ込んだ。
何時の間にか、車内の二人が竜馬のボロボロになったコートの、
中央から破れ、いびつな翼のように左右に分かれた端の部分を握っていた。

「悪い、助かった」

二人の上に倒れ込めかけた身体をシートに無理矢理ぶつけつつ、竜馬は智に言う。
引かれなければ、転落していたかもしれない。

「いいのいいの。今度やるときは私にも撃たせてね」
「お前はベルト付けて前見て座ってろ」

渡したらどんな状況になるのか、竜馬でさえ想像できなかった。
最終手段ということにしておこうとだけ、頭の隅に置いておいた。

「大丈夫だよ。説明書なら読んだから」
「そんなもんねぇよ」

ちらと神楽の様子を見ると、煙を吸い込んだのかむせている。
どうやら、貧乏くじを引きやすい体質のようだ。
少なくともこの車内で最も真っ当な人間なのは神楽であった。

「次、どれにする?」

と、ゆかりに聞かれたが、しばしその光景を見つめるしかなかった。
普通の武器の山なら、彼もそんなには驚かなかった。
せいぜい、どこで手に入れて来たんだと疑うぐらいだ。
しかし、それらは違った。
とてつもなく嫌な気配を、それらは放っていた。
危機は迫っている、そしてこれらを使えるのは現状では自分しかいない。
それを少しの間とはいえ留まらせるものが、山と詰まれたものからは感じられた。
しかし、事態は切迫している。
この中から、選ぶ必要があった。
いっそ降りて素手で戦おうかとさえ彼は思い始めた。
ゆかりの隣、助手席に積まれていたのは、そんな武器ばかりだった。



つづく
402名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/22(日) 18:08:13.78 ID:q0u3/kHc
時間掛かったけど、ようやく上げられました
今年は、これで最後かあと一つは本編を上げられる予定です
403名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/22(日) 23:23:56.52 ID:16ClNQBs
乙でした。
だいぶ、時間が空いていた為か現在状況を把握しきれないので
最初から読み直すかな。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/24(火) 00:55:05.98 ID:cyk/776R
>>403
書いてる奴ですが、長い間空けてしまって申し訳ないです
構築力とか、もうちょっとちゃんとしないとなぁ…
405名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/24(火) 02:33:38.10 ID:Zuoo4nOo
新ゲ竜馬の生きざま見てたらなんか切なくなった。
最終決戦後の隼人と弁慶を見る限り、ちゃんと生活しているようだったが、竜馬だけは最後まで一般社会に馴染めなかったのがなあ。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/24(火) 09:19:07.60 ID:cyk/776R
THE BACK HORNっていうグループのレクイエムっていう曲の
歌詞中に「戦いの 中でしか 救われぬ魂よ」って部分があるけど、
親しい人とかは多少周囲にいても本質はこれなんだろうか
あと、この曲はブラックゲッターのMAD動画に使われてたりする
407名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/24(火) 23:35:18.83 ID:wiHsaTyF
新作ゲッターが一番手だったけどグレンラガン(というかアンチスパイラル)との絡み以外は特にないだろうな
話も終わっているし。
まあ、後編あるらしいからTV版との共演あるかも
408名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 00:06:58.86 ID:D4Ed95tA
トップも参戦か
ゲッター系と特殊セリフありそう
409名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 06:17:36.07 ID:srO5Yfbv
フルメタがついに声つきか。もし新ゲが参戦だったらガウルンと隼人の凶テロリスト対決でけたのになw
410名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 07:49:54.58 ID:D4Ed95tA
もしいたとしたら、あの隼人は最初は自軍に攻撃してきそう
武器の宝庫だし

そういえば、もうクリスマスか
サーガの未来世界にもクリスマスが文化として残ってたとしたら、
軍艦内にいたゲッターっぽい一般兵みたくサンタの外見もゲッター化しているんだろうか
411名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 13:02:37.79 ID:52DT2YIO
インベーダーはいつでも出れそう
前篇の最後に冥王星が喰われるとかあるかなあ
412名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 19:28:57.20 ID:G3ngUDGh
艦これにブラックゲッターみたいなキャラが居るな
413名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 23:25:28.84 ID:D4Ed95tA
木曾改二だっけ?
見てみたらマントとか確かにブラックゲッターみたいだな
414名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 23:26:08.31 ID:G3ngUDGh
>>413
それ。
艦これやったことないけどなんかそれっぽく見える
415名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/25(水) 23:43:26.90 ID:D4Ed95tA
眼帯や肩の重火器がいいね
詳しくないけど、ブラックゲッターみたいにボロボロの状態から復帰したみたいで格好良い

がっこうぐらしっていうゾンビ漫画読んで気付いたんだけど、
ゲッターチームってゾンビの上位互換みたいな連中相手に
何年も立ち回ったり無双してるんだな
冷静に考えると凄いを越えて怖いわ
416名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/26(木) 12:21:09.98 ID:JyxeN2D1
クリスマスも終わって、年末が迫ってきたな

絶対に虚無ってはいけないラ=グース戦線…いや、なんでもない
疲れてるな
417名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/26(木) 15:11:55.91 ID:hBTWUM6/
虚無るしかないのに、無茶振りするなwwwwww
418名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/26(木) 16:43:32.79 ID:JyxeN2D1
ラ=グース「80億の仏、アウトー!」
罰はデストサイキック
引き出し調べたら爬虫人類に怯えてた頃の隼人の写真出てきたり、
ロッカー開けたら禍のタカシさんが入ってたり

久々に学年誌版のゲッター読んだらスキーや海水浴行ってた回があって和んだ
本編でも隼人は元気ちゃんと日光浴してるし、元気ちゃんの
遊びに付き合ってやることもよくあったんだろうなぁ…
419名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/26(木) 17:47:24.24 ID:Lw16JTrI
なんだろう、
「超人ロック、ベルセルク、アウトー!」
って言われないかビクビクしてる
420名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/26(木) 19:01:38.33 ID:JyxeN2D1
ああ…そっちの虚無るって意味か…
421名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/27(金) 00:14:54.95 ID:HOBZEyp0
真マジンガーの新刊出たけど擬音で「ドワォ」 が使われてるな

この作品(vs暗黒大将軍)って、形式がクロスオーバーというよりも二次創作のクロスに似てる気がする
完結した物語の中に別の世界から別のものがやって来たりするところとか
422名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/27(金) 02:37:19.36 ID:m3Mr82zm
ヴァルヴレイヴは…………うん、ゲッターとクロスしたら。
すくなくてもマギウス達大量に…………そして、他の異星生命体も…………
423名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/27(金) 09:03:27.97 ID:HOBZEyp0
ゲッター線の影響でクロス先の世界の生態系が凄いことになったり
424名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/27(金) 12:46:13.39 ID:f0h+BFDR
取り込まれるか駆逐されるかでって事か…
425名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/27(金) 18:14:05.30 ID:HOBZEyp0
死後の進路みたいなものか
ゲッター線はほぼオートだけど

そういえばこの間友人と、もしゲッター線と円環の理が同じ世界にあったら、
死んだ魂を巡って権利の争いをするんだろうかという冗談話をしたな
426名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 04:58:49.63 ID:CZwlIm9s
ゲッターロボの新作アニメやんねーかな…
新ゲッターからもう既に8年余りが経過しようとしてるんだし
このスレ的にもそろそろ新しいネタぶっ込めるような作品にしてほしい
427名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 08:33:09.76 ID:VWf0VaDM
スパロボにチェンゲが出まくってるし、やってほしいもんだよね
ニトロプラス系統の容赦ない脚本でのゲッター斬とか、個人的に見てみたい
428名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 11:34:30.52 ID:VWf0VaDM
保管庫の替え歌が面白かったので触発されて替え歌を書いてみた
原曲は「プリキュア〜永遠のともだち〜」

永遠の破壊神 ゲッター!

人々を狂わす 狂気の傀儡(くぐつ)たち
破壊的な衝動で ただ、まっすぐ進む

屠りたい敵の前に 振り翳す戦斧には
永劫へと羽ばたける 見えないさだめがある

竜馬隼人 居残って
武蔵弁慶 戦い果てて 導かれる

今からはじまる 永劫の世界へ
時を越えて 次元越えて つながる光
みんなで戦う しあわせを感じて
ドワォとかたく 結びあった 熱い衝動

砕けても立ち上がり 紡がれる伝説
未来まで駆けぬける 永遠の破壊神 ゲッター!


吹き荒れる 嵐さえ 巻き起こす野朗たち
血と殺戮の日々で 増幅する力

何度でも挑んでゆく 渦を巻く瞳で
2000年先も変わらない 狂気は増してる

断末魔が 響く空
渡り合える 蟲どもが来て 強くなれる

隼人は伝える また次の世代へ
神のように 邪神のように 伝え続ける
それぞれの胸に 渦巻いた闘志で
三つの機体 重なり合って 破壊神になる

バグの前 立ち上がり 蘇るドラゴン
未来まで取り込んでく 永遠の破壊神
何もかも消し去って 迫り来る 時天空
永劫に挑みゆく 奴らはゲッターチーム! ゲッター!
チェンジ!エンペラー!

ところで、エンペラー2にいるのはタイールなんだろうか
429名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 11:39:46.21 ID:rK83FUEU
じゃあ、ニトロの奈良原一鉄にやらせようぜ。
…………敵も味方も刀使いそう
430名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 11:48:24.42 ID:VWf0VaDM
アンソロでいた異星のゲッター軍団は刀持ってたな
ゲッターが刀を使うとすると、グレートマジンガーみたいな西洋風じゃなくて
日本風のものが合うのかも
431名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 11:57:03.79 ID:rK83FUEU
ゲッターの体格からしたら野太刀とかでかいのが合いそう
432名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 12:11:36.15 ID:VWf0VaDM
いかにも「生き物を殺す・破壊する」って感じの武器が似合いそう
ゲッターレザーの1本1本が日本刀みたいになってるゲッターとかどうだろうか
アークみたいにレザーが異様に長いゲッターロボとか
433名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 13:50:43.30 ID:V2fFXfnI
そういやガレージキットの神ゲッターは七支刀持ってたな。
434名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 17:57:55.71 ID:CZwlIm9s
一応剣持ってるゲッターといえば號がいたな
漫画だと後半殆ど使われなくなって
格闘戦ではパンチばかり使うようになるが
435名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 18:02:46.09 ID:VWf0VaDM
アラスカ戦線がリアルな戦争やってたから
先生としても使いづらかったのかな
436名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/28(土) 22:02:24.34 ID:rK83FUEU
漫画版の場合敵の戦力はゲッターと互角ってのはあんまりいないけど数が多かったりだからなあ。
強い格闘武器よりも扱いやすい射撃武器のほうが攻撃が通るならいいだろうしな。

ロボでもヴァルヴレイヴやマジェスティックプリンスのブルー1みたいに細身系なら
日本刀は合いそうだけどゲッター太いからサムライというより鎧武者とかの方向だから
長物とかの方が合うだろうな
437名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/29(日) 01:08:06.94 ID:P75bxrp3
以前、まどかの杏子の槍を装備したゲッター1のリボルテックの画像を見たけど、
色合いが似ているのもあってそれは結構似合ってたな
そういえばロボットガールズのゲッちゃんの外見はまんま魔法少女だな
438名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/29(日) 19:28:09.54 ID:Hpy1WfXV
スレを見返したら復帰組の人らのおかげでSSでのキャラクターの美少女率が上がってるな
ゲッターのクロスとはいえ、女の子がいると和むわ
439名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/30(月) 14:11:56.84 ID:mD6ycGGL
石川作品に女性キャラが少ないからなぁ…
440名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/30(月) 16:36:01.42 ID:MRcko8bg
竜馬や石川作品のキャラが女の子と会話したり学生生活やってたりすると、
ああ、こういう世界もあるんだなって感じがするな
歩と竜馬、智と竜馬が絡んでるのを見るとつくづくそう思う
441名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/31(火) 17:49:08.60 ID:ujC9G4ig
若いうちから生きる望みを失ってたからな、漫画版の竜馬は
442名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/31(火) 23:12:21.20 ID:htV4BgCV
そういやあ、紅白に出た水樹奈々って魔獣戦線に…………
えっ? 魔獣戦線のアニメはOVAだけだって?
いやあ、TV版も…………すみません
443名無しさん@お腹いっぱい。:2013/12/31(火) 23:18:42.47 ID:ujC9G4ig
少し古い作品の声優さんを見ると面白い発見することもあるね
デビルマン黙示録のミーコは田中理恵さんだったりするし
444名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 00:02:16.85 ID:HZ8zr0NY
あけましておめでとうございます

新年早々ロボットガールズが放送されるけど、ゲッちゃんが楽しみだな
445名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 00:23:23.99 ID:A5b2QIWf
チェンジイアー2014
446名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 02:22:07.69 ID:HZ8zr0NY
2044まであと30年か…
893が宇宙戦争してる世界まであと2987年
447名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 12:27:47.40 ID:7S8abjW9
>>438
どうしよう。
これ以上美少女者の濃度上げていいのかって感じの俺ガイル
448名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 13:30:38.68 ID:Xx3Qt1so
美少女いてもいいじゃない
クロスなんだもの
449名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 15:32:48.71 ID:9AEHyzWA
ドキッ!美少女だらけのラ・グース戦線!
450名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 16:39:47.96 ID:sRlBrDWC
女子特有の空間支配能力か…
451名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 16:47:37.65 ID:EcFz5G4I
あるわークラスの女子に注意したら嘘泣きで教室の雰囲気を支配する女子とかいたわー
452名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 18:41:52.23 ID:6k2uQL+K
竜馬も嫁にはタジタジだったみたいだしね
女の子は強い
453名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 21:46:43.47 ID:7S8abjW9
まあ、殺しに来ているならともかくなあ
腕力ではやりづらい相手だろうね
454名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/01(水) 23:38:55.82 ID:BTPMEqFb
竜馬の嫁は包容力高そうだったな
死後は竜馬と再会できたんだろうか
455名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 01:19:58.99 ID:Zxar2ffJ
時折ヤンデレとも言われるし、公開からしばらく経って年も明けたので書いてみた

私の竜の贄(叛逆の物語ED:君の銀の庭)

そっと開いた宇宙(そら)の中に 滅びそうな世界がある
虚無がくるのか 虚無になるのか 光りながら、命が綻びて

時が来るまではもう少し見守ろう 渦のように廻る命、繰り返し

光はこの星の中で 素晴らしい時をずっと 君と歩んでいた
何処に行き着くものなの 一番強く信じられる世界を追い求め
私の竜の贄へ

未来(みち)を開いたあの子が今も 一番、早く還りついた
自分よりも大事なものを 守りながら 還って逝くんだね

幼き眠りを 守りゆく番人 皇帝への門は 今、開かれて

君は、気付いているかな  命のことなんて 誰も、分かってやしない

天国も地獄も全て  生者が描く、遠い、夢の 
我が侭な物語 まだ君もしらない

ひたむきな最期の時に 見たものは 
何を屠り 何を壊し 蕩ける身体
広がりゆく 命の光

「みんないるよ」

永劫に争って 互いに喰い合って 宇宙(そら)を消し去って 歩みを止めないで

全ては 光の中に
異形も人も狂気も嘆きも 閉じ込めている
三つの足りた心で 光を纏い飛んでいこう 戦士の形をして
終わらない始まりへ ほんとうの旅路へ

永劫に争って 互いに喰い合って 運命(さだめ)に抗って 誰にも負けないで
456名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 01:36:02.90 ID:Vg6mR3gP
歌関連はいろいろやばいからカスラックが
457名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 01:40:27.72 ID:Zxar2ffJ
>>456
ごめん、無知だった
今そんなに厳しいのか
458名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 09:05:38.12 ID:Vg6mR3gP
にじファンでも
歌詞の引用は問題になったし
あきらかに何の曲からか分かり、こんだけ長いとあやしい
ニコニコは宣伝になるからか放置されているけど
消されるのは消されるらしいし
459名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 09:25:03.67 ID:D5CJsNy0
了解です
配慮が足りませんでした。すみません
460名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 09:36:17.04 ID:pvtwqVS8
↑は455です
やるにしても、名前ぼかしたり短くした方がよかったですね
重ねてしまうけど、申し訳ありませんでした
461名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 13:41:40.28 ID:BuIxq0ZL
いや2chで歌詞が原因でレスが消されるなんて見たことないぞ
ちょっと過敏じゃないか
462名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/02(木) 14:04:29.67 ID:B7RrQZ4c
やる夫スレではいろいろあったらしいよ。
どこまでがセーフかはわからないけど
二次創作はただでさえグレーゾンで
なかでも歌詞関連は危ないと思ったほうがいいかも
463名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 00:31:33.99 ID:/j8paWNn
なんか、空気を変えようか

バディコンプレックスって未来世界とか絡むらしいから
ゲッターとかだとやばいことになりそう。
未来世界がシュタインズゲートみたいに
なにかやるたびに変動していく感じなら、すごいことになりそう。

まあ、ゲッターの世界の時空観だと
パラドックス起きたらヤバイッて感じだけど
464名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 04:22:54.15 ID:U74FMFAO
ローソンのコミック棚見たら新年企画で魔界転生(賢ちゃん版)出てた.ナンカプチハッピーだw
465名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 09:00:51.32 ID:m7jORbyk
正に魔界元年である

久々に読み返したけどベアトリスさん可愛すぎ
466名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 17:23:29.43 ID:/j8paWNn
コンビニ本の漫画は時々絶版とか入手困難なものとかが発刊されていたりするからな。
まあ、知識関連はググれば分かるものだらけだから買わないほうがいいらしいけど
467名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 18:28:01.50 ID:03KkC/ca
コンビニ版の魔界転生読んだときは、丁度窪塚の映画やってた頃だけど
天草四郎が忍法使うシーンで思わず吹きかけたな
思えばあれが石川作品にはまるきっかけだったなぁ
468名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 23:11:50.11 ID:m7jORbyk
あけましておめでとうございます
ゲッター+あずまんがの者ですが、今年もよろしくお願いします

恐らくまた規制がかかりそうだったので、
避難所のほうに本編の続きを上げておきました。
よろしければ、どなたか転載していただけたら幸いです

>>447
智ちゃんは美少女?いや、少女だな(原作では可愛い子という設定らしい)
469名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 23:15:11.86 ID:/j8paWNn
美少女化なんかは分からんが
残念な娘ってことは分かる
470名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/03(金) 23:32:57.57 ID:m7jORbyk
努力すればできるけど努力しないから低スペックとか、確かに色々残念な娘
あと、人気投票でもメインキャラ中最下位だったとか

この前中の人の経歴調べてたらあるアニメで
僧兵スタイルで似たような性格の元気娘の声もやってて驚いた
アニメも見てみたら大雪山おろしのパロ技っぽいの使ってて思わず笑ってしまった
471名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/06(月) 10:16:28.73 ID:WbZ2GovN
自分は見れなかったけど、ロボットガールズ始まったな
放送前の特番での豪先生若々しすぎ
472名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/06(月) 18:17:15.47 ID:qW9Vy9k4
恐竜の戦士たちが意志を持った機械と機械に近づいた戦士たちと戦う
こう書くとなんかゲッターチックな次のスーパー戦隊映画
473名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/06(月) 18:31:40.74 ID:WbZ2GovN
にしても敵対者が恐竜っていうのも珍しいな
474名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/06(月) 22:06:38.73 ID:qW9Vy9k4
恐竜だけでやるにしても被ったるするのが多いしね。
どマイナーなものまで持ってこないと数確保出来んだろうし。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/07(火) 01:58:33.31 ID:TTEC97Ld
新年早々、久々に新ゲッターと漫画版真ゲッター読み返したら軽く鬱になったな
クロスの妄想して緩和するか
476名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/07(火) 10:42:12.66 ID:vQ+Jc4Y1
>>470
残念な娘にはゲッター線を浴びせよう
いや、世界観的にもう浴びてるのか
477名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/07(火) 21:29:20.95 ID:6cV+wMhb
>>476
アークや飛焔的にやばいことになるな。
拓馬って身体能力は天然の可能性があるから恩恵を受けているのか受けていないのかわからん
まあ、もともと竜馬の身体能力もゲッター線の影響によるものとかという可能性もあるけどね。
小説版でも、パイロット(候補)が同世代なのに作為的なものを感じるような描写あるし。

だとしたら、クロス先でゲッターが去ったとしても、関わった人間やその子供が…………
478名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/07(火) 21:42:50.29 ID:TTEC97Ld
ゲッター線ってそこが怖いよな
何かに目覚めるキャラもいそうだし
479名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/07(火) 22:15:01.92 ID:6cV+wMhb
いま、アクエリオンEVOLの生放送してんな
第三次Zでどんなからみをするんだろう。

アマタ「はじめまして。」
竜馬「俺らが知っているアクエリオンと違う」
無印からの参戦者「お前が言うな」
ッて感じかな
480名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/07(火) 22:26:40.66 ID:TTEC97Ld
そういう絡みって面白いよね
TV版ゲッターとチェンゲ版ゲッターのコラボはいつか見てみたい

公開から随分経ったから大丈夫だと思うけど、
劇場版のまどかでほむらがやったことはクロスネタに使えそうな気がする
481名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/08(水) 10:25:34.67 ID:zFSDK3tH
>>477
竜馬「お前の母親はとても忙しい女だったので、
   ハラの中にお前がいるコトはおろか式すら挙げずに行っちまったんだ」
拓馬「凄い人だったんですね。お母さんは…」
482名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/08(水) 10:39:32.93 ID:zFSDK3tH
追記
こんな感じで竜馬が残る世界もあるのかもしれない
チェンゲみたいに主役よりも目立ちそうだけど
483名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/09(木) 22:17:33.81 ID:EzFwz1S2
文字通りゲッター線をもろに喰って産まれてるな
484名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/10(金) 04:41:24.37 ID:ydiCgpTd
TV版とOVA版のクロスなら
α外伝の対真ゲッター戦での「俺たちの力はゲッター線じゃない〜云々」を織り交ぜてほしいな
本編以外の扱いで未だにアレを超える演出は無いと思ってる
ゲッター線がただの便利エネルギー的な扱いのTV版キャラでこそ言える言葉だろうし
485名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/10(金) 05:24:00.45 ID:NHtp4Bpv
サルファでのケイサルとの特殊台詞や
真シャインスパークのカットインも良かったな
アニメのゲッターチームと真ゲッターの各形態と背景にエンペラーが映るやつ
486名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/10(金) 18:11:42.71 ID:NHtp4Bpv
保管庫のアクセスが遂に120000行ったか…
487名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/11(土) 09:06:49.62 ID:I5SH9Snc
>>405
隼人でもラストは、ネオゲ隼人みたいに大分穏やかな顔付きになってたしな

地獄の釜が開いてる以上、敵が来る可能性もあるし、
あの後はミチルさんと一緒にネイサーでも設立するのかな
488名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/12(日) 19:18:31.31 ID:8mizl/cu
規制多いのか書き込むのも一苦労だな
ロボットガールズのゲッちゃんが待ち遠しい
489名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/13(月) 17:32:27.01 ID:l/rkvLCo
前々より「ゲッターとシンフォギアは親戚」説が流れていたが、シンフォギアのムックで裏付けが取れたらしい
モチーフは、ズバババン→隼人 響→武蔵 クリス→竜馬との事
490名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/13(月) 18:38:43.24 ID:qeqTwhOC
>>489
ギアのカラーリングもそんな感じだしな
491名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/13(月) 19:04:58.90 ID:d30+dAb6
まだ見たこと無かったけど、これを機に見てみようかな

叛逆のラストでQBに芽生えたらしきものがインベーダーに見えて仕方がない
嘘予告みたいなの書いてみようかな
492名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/13(月) 23:06:27.91 ID:l/rkvLCo
巷にはまどか教なる物があるらしいが、あれゲッターでやったら面白えだろーなー
493名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/13(月) 23:08:15.66 ID:4ywqcu3F
スパゲッティ・モンスター教とかも
494名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/13(月) 23:35:53.23 ID:d30+dAb6
そこはグリーンアース教でどうかな(提案)

まどかとゲッター線が回収する魂の利権について語り合う妄想したな
脳内イメージでアルテマとゲッちゃんが会話してる感じで
495名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 00:12:19.17 ID:fps0lNCL
QBがエネルギー回収して具体的に何をやってるのかとか不明だけど、
実は宇宙の熱的死は迫り来るラ=グースか時天空みたいな
宇宙的な存在が宇宙を食い漁ってるからで、
インキュベーターは魔法少女から回収したエネルギーを使って攻撃を行い、
僅かでも破壊することで宇宙を延命させてたりして
496名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 00:23:01.52 ID:fc3+8mRw
その女神様も叛逆の物語で……
497名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 00:30:49.25 ID:fps0lNCL
まさかあんなことするなんてなぁ…
ゲッター線も概念みたいなもんだし、
同じく概念を追い求めるほむらと隼人は上手くやれるのかもしれない
上手くやるといっても物騒な方面にだけど
498名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 01:02:00.69 ID:CELtDD1T
最近まどかの話題多いな。
同じ脚本のライダーは…………
ドグラ突っ込もうか。
空間のあなとかそういう意味で。
インベスゲームを極道兵器に見せたらどう反応するんだろうな。
ぬるいとかは絶対思いそう。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 02:45:01.47 ID:8aa2F0NQ
ぶっちゃけ竜馬が主人公ばっかなのもお腹いっぱいだ。
SKLや飛焔みたいに新規主人公なやつを見たいな。
500名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 04:02:40.46 ID:Vcx1YC01
>>489
1期の頃このスレで名前知って見始めたから不思議な縁を感じてる
2期のタイトルにGが付いた時は笑いが止まらなかった
3期は號ですよね?とか既に言われてるみたいだし
戦姫絶唱シンフォギアGo なら割とありかも?
501名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 07:24:23.61 ID:fps0lNCL
時系列的に真の方だったりして>>シンフォギア
502名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 10:55:48.54 ID:CELtDD1T
鶏頭牛尾そういやあ、ゲッターに限った話ではないけど
ガンダムとかのロボをなのはやISのクロス、オリ主SSでその世界に合わせた形になる、ロボみたいなものを作るとかあるけど。
聖闘士星矢とかサムライトルーパーとかみたいな感じとか、いっそ露出ゼロのHALOのミョルニルアーマーみたいな感じなのかな
って思うなあ。

まあ、ゲッターの場合は直できるとかすごくやばそうだけど
503名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 11:00:09.51 ID:CELtDD1T
鶏頭牛尾ってなんだよ…………
予測変換、暴発しちゃったよ
504名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/14(火) 12:49:30.49 ID:fps0lNCL
新しい生命の誕生ということで
ギアスクロスの機体はどっちも秀逸だったな
リボルテックの改造の完成度もやたら高いし

新ゲッターロボ見直したら、地獄変で竜馬が突っ込んだ車の中に
可愛らしい(?)縫いぐるみがあるのをはじめて知った
殺伐しきった世界観だから、一瞬何だか分からなかったわ
505名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/15(水) 01:23:21.43 ID:HuhlvJ0i
>>504
あの世界って結局何だったんだろうな
ゲッター線が見せた幻想だったのか、
あるいは世界がゲッター線に侵食されたパラレルワールドなのか…
506名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/15(水) 01:25:49.21 ID:Lm3WqF1+
最終決戦の舞台の世界だろう。
多分、地獄変の時から時間が経っていると思う
507名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/15(水) 05:38:46.45 ID:Y1HcxsKM
聖ドラゴンがパラレルの存在ではなく同一世界の未来の存在だとしたら
アーク時までのドラゴンが聖ドラゴンになり、なんやかんやで火星の真ゲッターとなんやかんやあってエンペラー出現だろう
だとしたら、人類が本格的に宇宙へ飛び出したのはいつの事になるんだろうか、聖君臨後の荒廃して殺し合ってる地球で宇宙へ大隊が飛び立てるとは思えないんだが

別のゲッター(D2とか)が聖ドラゴンに進化したってんなら、外宇宙への援軍を地球で育成中とかそういう考え方も出来なくもないが…
誰か教えてくれ、俺は導かれてないから見えん
508名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/15(水) 06:27:48.01 ID:CAkfT51W
未来世界の巨大ゲッター=聖ドラゴン世界で殺しあってたゲッター達と妄想してる
サーガ媒体のクロスが少ないのって、明確に破滅(少なくとも地球の)が
約束されてるから描きにくいのかね
509名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/16(木) 01:16:40.41 ID:XxaOA+8g
真ゲッターで竜馬が倒したポセイドンもどきの中の人曰く、
「そのためにその体になったんだろうが」
と言っているので普通の外見の人間もいるんだろうか

別の世界があるとか、ゲッター聖ドラゴンという名前を知ってることから、
聖ドラゴンは號のラストで真ゲッターが火星に行ったように
ゲッター指数の高いゲッターを取り込んで別の世界や宇宙に飛ばしたりしてるのかな?

…駄目だ、俺の妄想じゃここらが限界だ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/16(木) 11:24:39.45 ID:F6NioW94
個人的な考えとしては

カムイの駆るバグが地上を侵攻、人類は壊滅的な被害を被る

戦いの末バグは倒されるが、地球は人間が住めなくなる程に荒廃する

その後、宇宙移民の為の技術を確立した人類は新天地を求めて外宇宙に飛び立つ

って流れだと思ってる。
ただ外宇宙に旅立った人類はエンペラーと遭遇するまで
ゲッターのことは知らなかった(忘れてた?)っぽいし、
その描写から察するに聖ドラゴンが地球上に現れるとしたら
人類が宇宙に出てった後だろうな
511名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/16(木) 12:19:30.26 ID:FM+fmwGo
>>508
サーガは映像作品の源流となっただけあって色々複雑だからな
やるとしたらif物に近くなると思う

>>510
ドラゴンと対峙した時のカムイの様子から、
バグは対真ゲッタードラゴンも想定して作られてるみたいだし、
元ネタからのスペックからして地球を荒廃させるには十分だろうしね
百鬼残党の言っていた「ゲッターとも十分に戦える」っていうのは
未来世界のゲッターのことなのか、それとも過去のゲッターを十分に殲滅可能ってことなのか
アンソロのバグは飛焔相手に結構やられてたな
512名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/16(木) 13:06:36.58 ID:swvgFrVI
多分、過去や別世界の発展し切る前のゲッターを倒せるという意味だと思う。
フリーダ読んでもエンペラーに勝てるとは思えないし(若干感覚麻痺したけど)

フリーダバグのやってることって最終決戦のアクエリオンレベルだな。
あっちのよみも「そうせい」で「創星」にもできるし
513名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/16(木) 13:12:39.50 ID:swvgFrVI
って、OVAが創星だった
514名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/16(木) 15:31:18.30 ID:XxaOA+8g
地球創造を担うことで、バグは生命の進化という役割をゲッターから奪おうとしてるのかね
ああ、続きが気になって仕方がない

何度か言われてるけど飛焔でガイアを喰ったアレがバグの進化形にしか見えない
でもあのシーンはあの化け物がゲッターチームに話しかけてるようにも見えるし、
進化して飛焔になったゲッターが生物を貪り喰ってるから
有機体風に進化したゲッターにも見える
515名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 00:53:41.39 ID:D7BpkqPz
OVAブラックゲッターは色以外は竜馬のデザインなんだよな…………
竜馬のセンスってあんななのか、ありあわせで作ったらああなったか…………
アカシックレコードみたいなものを見た以上頭はさらにいいはずなんだろうけど
516名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 01:13:34.67 ID:ojJSYsu7
>>515
合体機能オミットして出力増加させて、装甲分厚くしてみたとか
本編で無数のプロトゲッター作っても数が揃わないゲッターが
MS並みに量産されてるチェンゲ世界ってやっぱりすげぇ

こんな時間になったけど、避難所にゲッター+あずまんが投下します
本当はここに落したいけど、規制で止まりそうなもので
517名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 01:48:37.27 ID:ojJSYsu7
うpりました
やっと、タイトル名に沿えるところまでいけたのかな?
518名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 01:48:45.80 ID:D7BpkqPz

規制ってまだなんだろうか
519名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 01:53:22.98 ID:ojJSYsu7
>>518
この前やったときは10時間くらい空かないと解除されませんでした
途中で止まるのが一番きつい…
520名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 15:12:51.57 ID:jCr3xfq7


ライフクロス読み返してたが竜馬と歩がデートするとこ想像したらなんかシュールだよなw
521名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 15:51:14.21 ID:ojJSYsu7
>>520
美少女と(元ネタ的にも)魔獣だしねw
522名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 20:34:04.89 ID:jCr3xfq7
ライフ読んだことあるから分かるけど、歩って作中ではそこまで美人でもないらしいね。作中での美人は羽鳥一択だと思う。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 20:38:49.30 ID:D7BpkqPz
劇画漫画とかでもない限りはブサイク設定とかない限りは美人と何が違うのとかわからないのが少なくないからな。
貧乳設定なのに原作側と絵師の連携や趣味、画風のせいでまったくそう見えないキャラとかもいたりするな。
524名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/17(金) 23:08:50.75 ID:D7BpkqPz
連投になるかもだけど
石川漫画知ってるならシスマゲドン見るといいよと言われて
中古本屋で見つけて読んだけど…………

うん、最後の最後に虚無戦記とゲッターが少々のパロネタでしめやがった
525名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/18(土) 03:25:13.79 ID:X5fVKqCv
>>523
原作で貧乳なのにアニメ版だとそれなりに盛られたりするキャラもいるね

ゲッターはまだしも、虚無戦記のパロディとは珍しい
526名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/18(土) 04:58:56.94 ID:vXF4PN7N
>>522
歩は作中ではどこにでもいそうな標準レベルの顔だな。ドラマでは北乃きいがやってたからカワイかったけどね。
しかしライフ一巻の歩は女子高生とは思えないくらいガタイいいよww
527名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/18(土) 10:50:35.24 ID:X5fVKqCv
>>526
ほうほう、今度見てみるわ
キャラクターのデザインといえば、加筆されたりすると大幅に変わってたりするね

新装版あずまんがで猫を抱こうとする時の榊さんが、
新ゲッターで2を乗っ取った時の隼人みたいな顔してたのには吹いた
目の焦点が微妙に合ってないし、その目も軽く渦を巻いてるしで
友達に見せたら隼人の親戚か何かとまで言われたよ
528名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/18(土) 13:06:58.44 ID:vY6PiwK8
智は暴走度が微妙に減って電波キャラ感が上がってる
529名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/18(土) 14:09:26.78 ID:YhLKIeeV
>>528
大阪に近いよな。

あずまんがクロスより一部抜粋
「あんた、彼女とかいないの?」
「何言っとるんだお前は。こんな状況で」
「どっかに囲ってない?」
「いたら世話してもらってると思うんだが」
「ああ、あんた頭良いね」

ああもう、この子らは…。
530名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 00:18:19.22 ID:9V5wh7m+
>>527
今しっかり読み直してみたら…こりゃ逃げられるわ
顔のせいか手の構えまでどっか抉りそうに見えてきた
531名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 00:48:29.35 ID:QjgC2Jae
>>530
あのシーンの榊さんは、何か全部怖い
口元とか顔の薄暗さとかキチってる時の隼人にそっくり
むしろ、猫であの表情ができる榊さんの方が個人的には怖い

隼人はゲッター線を追い求めてるけど、中々思うように近づけない
榊さんは猫が大好きだけど一方的に(原因は多分怖いから)
嫌われていてコミュニケーションがほぼ無理
そういえば二人とも高身長だし、名前に神の文字が入ってるな
あとはあまり運動しなくても素でスポーツ万能で学業も優秀だったか
中の人はネオゲの翔だしね
ネオゲを見返したら中々いい叫び声でドリル使ってたな

こじつけなのは分かるけど、意外と共通点多いなこの二人
532ライフの作者です:2014/01/19(日) 01:32:54.49 ID:mwsxgOqf
久しぶりに続き貼ります。
533ライフ 第48話:2014/01/19(日) 01:35:26.27 ID:mwsxgOqf
ある夜、克己と戸田はまた内密に出会っていた。

「じゃあね佐古くん、おやすみなさい」

二人はもはやカップルのそれであった。彼女は別れて、うかれながら夜道を歩いていた。

「いいのよいいのよコレで……順調じゃない♪」

戸田は手持ちのメモ帳になにやら書きこんでいる。そこには歩や未来、そして薗田や竜馬の名前までが書かれており、『要注意人物』の枠内に入っていた。

そしてすみに書かれた平岡の名前に×をつけだした。

「ジャマ者は消えたし、あとは佐古くんとうまくやるだけ……♪」

「戸田先生」

背後から声がし、固まる彼女。目の前の店頭のガラスに反射して映る、自分の後ろの人影。

「あ、安西さん……?」

「わたし別れたんです、カツミ君と。先生はカツミ君と付き合ってますよね?」

彼女の質問に戸田の心臓の鼓動がバクバクに高ぶっていた。

「な……何言って……」

シラをきろうとするも、愛海の発したこの言葉は彼女の心を深く抉った。

「あんな場所でアツアツのキスなんて、さぞかしキモチよかったんじゃないですか?」

戸田は絶望した。

『バレた』、『淫行教師』、『懲戒免職』、『クビ』……。

それらの単語が脳内を駆けめぐり、混乱させたのだ。しかし戸田は振り返るとすぐに、

「ゴメンなさいっ!」

とっさに土下座をする戸田の姿に、さすがの愛海も動揺した。

「……ごごごめんなさい……ほんとはそんなつもりじゃなかったの……!!」

愛海の足にすがりつき、必死に言い訳する戸田からは担任として、いや教師としての存在感が全く消え失せていた。

「でっ、でもね佐古くんが……佐古くんがねっ……ホラ、男の子だし……いろいろとやりたいこともあるでしょうし……」

すると、

「先生、カンチガイしてる?もういいんですよ」

「へ……?」

「恋愛は自由ですもの。止められなかったんでしょ、カツミくんへのキモチ?」

彼女の『安心して』と思わせるような満面な笑みが、戸田の心を満たしていた。 すぐに立ち上がり、拳を自身の胸に叩いた。

「なんでもするわ!!力になるわよ、安西さんのためならなんでも!!」
534名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 01:35:37.65 ID:QjgC2Jae
支援
535ライフ 第48話A:2014/01/19(日) 01:37:37.19 ID:mwsxgOqf
「先生が……?」

「こういうのはどうかしら……?」

自信満々に取り出すは、出席簿。その開いたページに指差すは未来の写真……。 いったい何をしようというのか……。
戸田と別れた愛海は夜道をご機嫌に駆けていた。

「ちょっとおどそうとしただけなのに、あのビビりっぷりは笑えるわね♪」

彼女は何故か持っていた、『すっぽんの生き血』と書かれた滋養ドリンクをイッキ飲みし出したのだ。

「バカはバカなりに面白いこと考えるじゃない、お手並み拝見といこうかしら♪」

またもや悪魔の顔と化した彼女は空ビンを乱暴に道路に投げ捨てていった。

――次の日、歩は校門前で奇妙な光景を目にした。それは戸田含む、数人の教師達が声高らかに生徒に挨拶をしていた。
「ナニあれ……」

「あいさつ運動だってよ」

「とかいってマスコミ追っ払いたいだけじゃないの?」

周りからそういう会話が聞こえる。歩は無表情で校門へ向かっていった。
戸田は満面な笑みで向かってきた彼女に挨拶するも虚しく、無視されて通り過ぎていった。歩の後ろ姿を睨み、鼻で笑う戸田。

「今に見てなさい……」

一方、歩は階段を上がっていると、

「おはよ」

上から柔らかい男の声が聞こえ、見上げると薗田が笑顔で迎えていた。

「あ、おは……薗田くんっ」

彼を突然引き止め、

「ごめんね、あの時……」

それは数日前、未来に会いたい一心から心配してくれた薗田を振り切ってしまったことについてだった。彼女は後悔してしまった、また自分のことしか考えてなかったという思いから。しかし、

「いいよ、気にしなくて。それより会えた、羽鳥さんに?」

「……うん。今はバイトがんばっててテストには来るって……」

「よかった」

優しい笑みを返す薗田に歩は安心に酔いしれた。そして二人は教室に入る、歩は何よりも目に通したモノがある。
いつも通りに机に伏せて、イビキをかきながら寝ている竜馬の姿であった。彼を見るとさらに安心と勇気が沸きだしてくるのであった。

(あたし、ガンバってみせる。ここで……)

……その夜、誰もいなくなった職員室では戸田は何やら熱心に仕事していた。
536ライフ 第48話B:2014/01/19(日) 01:39:25.30 ID:mwsxgOqf
ガリガリとペンの音を立てて、紙が破れるとため息をついた。

「だめよこんなのじゃ……」

紙を破り捨てて、肩を叩く。顔を伏せて目の前にある克己の写った写真を見つめた。

「佐古くん、あたしはね、 今までずっと敷かれたレールの上を走っていたの。
教師なんてなる気なんてなかったけど、親がなれって言われてなっちゃったのよね」

誰もいない室内で本音を話す戸田。彼女はいわゆるサラリーマン教師で、純粋に教師になりたかった平岡とは正反対であった。

「だから生徒のキモチなんてよくわからないし知りたくもない、疲れちゃったよ。
けどそんなときに佐古くんがやさしく声をかけてくれたよね、あたしホントに嬉しかった」

写真立てを手に取り、べったりと頬にくっつけた。

「……わたし、あなたに会うために教師になったのよ、きっと……」

再びペンを取ると、今度は凄まじい気合いを入れて再び紙に何かを書き出したのだ。

「平岡(あのオンナ)みたいな愚かなマネはしないわ。この幸せは誰にも邪魔させないわよ、絶対にっっ!!」
537ライフ 第48話C:2014/01/19(日) 01:42:01.36 ID:mwsxgOqf
……そして中間テスト当日。歩は教科書とにらめっこしながら学校へ入ろうとすると、

「オッス、アユム!!」

振り返ると元気な姿の未来の姿が。歩はすぐに彼女へむかった。

「ミキ、バイト生活どーだった?」

「たくさん稼がせてもらったでござる☆ところであんた、今日のテスト大丈夫?」

すると歩は半泣き状態に。羽鳥はクスッと笑い、背中を軽く叩いた。

「がんばんなよっ!」

玄関に行くと、そこには竜馬と薗田が内履き靴を履こうとしていた。

「あ、流君、薗田くん」

「お、よお」

「おはよう」

今日は偶然にも四人は合流し、教室へ向かっていった。

「今日のテストいけそう?」

「……」

「あたしはバッチリ。流は?」

「俺はテストなんぞに興味ねえ。まあお前らは精々がんばれや」

まるで本当の仲良しのように会話する四人。教室へ入るとテストに向けて、また寝始めた竜馬以外の各人は最後の最後までテキストを見つめていた。

そしてついに一限目のテスト時間へ。科目は世界史だ。
538ライフ 第48話D:2014/01/19(日) 01:44:15.29 ID:mwsxgOqf
髪型がオールバックのまたキツイ姿になった戸田がテスト前の指示を出す。

「荷物は廊下に出して、出席番号順に着席――始め!」

テスト用紙が配られて、ついに始まる。瞬間、ガヤガヤしていた学校全体が静寂と化した。それは全員テストに集中している証拠だ。

戸田は教室内を見回る。それは誰か不正をしていないか監視をするためだ。しかし、未来の座る席の横に移動すると足を止めた……。

「羽鳥さん、立ちなさい」

歩、薗田、そして竜馬含めた生徒全員が彼女達に注目した。

「……はい?」

彼女は立ち上がり、席を外すと戸田はおもむろに空になった机の引き出しに手を入れるとそこには……。

「これはなに?」

信じられないものが出てきた。薄く小さい紙に何か文字がびっしり書かれている。それは世界史で習った単語などが書かれた、テスト時での使用は言語道断である『カンペ』であった。クラスの全員が激震した。

「自分の口で説明して」

未来は焦ることなく落ち着いた口調でこういった。

「あたしには見覚えありません」

「そう、でも……」

するとそのカンペを彼女のテスト用紙と照らし合わせた。

「どうみてもあなた本人の字だけど?」

なんとカンペの字が用紙に先ほど書いていた彼女の字と見事一致していたのであった。
さすがの未来も動揺を隠せずにいた。これはやはり彼女が書いたモノなのか?

「ガッカリだわ、まさか成績最優秀のあなたはこんなマネをしていたとはね……」

戸田は一緒、勝ち誇ったような表情を取ると、後ろの席の愛海にアイコンタクトを取る。そして未来の耳元でこう呟いた。

「羽鳥さん……そういえばあなた、2学期になって出席日数も足りてないようだけど、まさか……いかがわしいバイトしてないわよねえ……?」

「…………」

そう呟く戸田に反論もせずに沈黙する未来。

(な、なにこれ……?)

歩は動揺していた――。
539ライフの作者です:2014/01/19(日) 01:45:38.26 ID:mwsxgOqf
今回はここまでです。原作でも戸田はホントにクズすぎるわ。
540名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 01:51:03.49 ID:QjgC2Jae
541名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 08:04:04.31 ID:mwsxgOqf
>>527
ライフの場合、連載中にスゴくキャラの画風が変わりすぎて誰てめ状態になるんだ。
ちょっと歩を例にリストアップしてみたわ。

http://n2.upup.be/fAZOJUlJD5

ライフ第一話歩

http://n2.upup.be/cG13GN4edn

ライフ初期歩

http://n2.upup.be/mmHO0lWMXi

ライフ中期歩

http://m2.upup.be/U9wxS0mH4C

ライフ終盤歩


連載してるとこんなに変わるもんなのか、たまげたなあ。
542名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 08:54:30.42 ID:QjgC2Jae
>>529
若いな…

読み返してみたけど、漫画版竜馬は物凄く表情豊かだな
武蔵が食い倒れる回で赤面したりとか、
ウザーラの回でミチルさんと映画館でイチャつく妄想してる時とか
…女性がミチルさんしかいないとはいえ、ミチルさん好きだな、竜馬

>>541
中期歩かわいい
後期はちょっと広がりすぎな気がする
543名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 09:15:32.39 ID:mwsxgOqf
>>541
貼り残しあったから貼るわ。

http://l2.upup.be/8bARpHi0TH

http://l2.upup.be/i7F7zZSL80

ライフ全巻中、神作画とよばれている12巻の歩

http://m2.upup.be/q6PWzurolb

おまけ。ライフの原作者の今連載中の漫画の主人公。
544名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 10:14:28.11 ID:QjgC2Jae
なにこれ、可愛い
画力の向上って、スバラしいな
545名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 10:47:09.47 ID:mwsxgOqf
ごめん何回も。けどこれ貼らずにいられなかったわ、本当のラストね。

http://l2.upup.be/JzB270S3Ul

例の12巻における羽鳥未来

http://n2.upup.be/RbZPhwKfPF

みんな大好きマナちゃん
546名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 12:03:26.01 ID:IIFI8/U/
なんか美女とシーサーが並んでるんですが
547名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 13:58:14.50 ID:QjgC2Jae
神の軍の尖兵か何か?
いじめを勉強するのにやって来たラ=グースの欠片とか?
548名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 15:58:20.72 ID:QjgC2Jae
ttp://www.nicovideo.jp/watch/nm13999167
触発されたので比較動画
まるで魔獣戦線と真説魔獣戦線並みに絵柄が変わってるな(違う)
549名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 19:31:54.18 ID:mwsxgOqf
よし、男性分足りないということで各作品のイケメンで対決してみるか(暴論)

http://n2.upup.be/yXy208jlfd

ライフ一のイケメン、薗田くん(初登場)

http://n2.upup.be/MQRO4DEWnc

12巻薗田くん

http://m2.upup.be/DR0WahBl82

後期薗田くん

http://m2.upup.be/WnuCsmS8Sx

対するは「ブルーベリードール」から、賢ちゃん一のイケメン、エルパソさん
550名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 20:18:32.53 ID:IIFI8/U/
薗田君別人やん!!
551名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 22:42:01.94 ID:5zXYRVTx
艦これとゲッターのネタで思いついた。

海棲艦の攻撃で撃沈寸前の武蔵と信濃。
そこに空中から砲撃が。空中戦艦・大和の到着だ。
大和「いきますよ、武蔵、信濃。チェーンジ播磨」
そこには大和級を三倍に拡大した超戦艦の姿が。

参考文献:空中戦艦大和、龍神の艦隊、レッドサンブラッククロス
552名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/19(日) 23:00:45.79 ID:9AERuJ+D
>>551
それ、ゲッターの初期案みたいになりそう。
まあ、敵の見た目的にクロスならばストライクウィッチーズとかの方が相性良さそうだけど
艦これ以上に青少年には刺激が強すぎる格好してるな
553名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 00:18:56.82 ID:a4c8eGyk
シューティングゲームのR-TYPEみたいなド外道なゲッターの機体も未来には作ってたりするのかなー。
四肢切断して放り込むとか、パイロットが乾電池みたいな消耗品扱いとか、脳だけとか、幼体固定された女性パイロットとか。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 00:31:13.08 ID:sMWF8YS6
未来の武蔵の存在を見るとなあ…………
555名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 00:44:02.80 ID:PEVxLx5V
色々と文章や誤字を修正するところもあったので、
規制回避のために途中までになりますが、
避難所に落としたゲッター+あずまんが、投下します
556ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 00:50:47.30 ID:PEVxLx5V
ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-


「何でお前らまで来るんだよ」
「なんでというか…」
「降ろされちゃったし」
「一種の置いてけぼりかな」
「お前ら、降りろって言われて疑問は持たなかったのか?」
「いや、持ってても相手はゆかりちゃんだし」
「多分、怒鳴られて降ろされたハズだよな」
「……(博士とか教師って、今時はこんな連中ばかりなのかね?)」

互いの声がそれなりに大きいことと、この場の環境が会話を可能にさせていた。
彼らは今、細い通路を走っていた。
炭鉱然、とでも言うような山の斜面に設けられた簡素な入り口から、
四方を簡単な支柱で支えられた岩や土の洞へ、そしてしばらくした後の、
四面が金属光沢と確かな足取りを伝える滑らかな通路へ。
高さは、身長約174cmの竜馬よりも頭二つ分程度高く、およそ2m少々といったところ。
幅は約3m程度。その大きさを、竜馬は「丁度こいつ等が縦に並んで寝転がったぐらいだな」
と見て判断していた。尚、神楽の身長は156cm、智の身長は154cmである。

「今戻っても危なそうだしな」

走りつつ、神楽は竜馬に言った。
確かにその通りである。
彼女らを降ろした女教師の性格上、もう既に車は無いと思った方がいい。
それならば、町に上がるよりもこのまま行った方が無難だと神楽は思っていた。

「…まぁ、そうだな」

竜馬は、全く安全である気がしなかった。
彼自身、こんな場所を全く知らなかったということもある。
それに、事実上の拉致をされた後に待つものは(いいことがある拉致ということ事態異常だが)
ろくでもないことであると、彼は経験上知っている。

「おい滝野、生きてるか?」

ペースは落さず、竜馬は首だけを後ろに回した。
自分(竜馬)→→神楽→→→→智となっていることが分かった。
矢印一つで、1mと思ってもらえればいい。

「ああ!!なんとかな!!!」

死ぬほど元気そうな声だった。
言っている間に、また二人から離れつつあったが。
557ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 00:56:40.69 ID:PEVxLx5V
「ところでお前、何持ってんだ?」

今までどこに隠してたんだ、という意味もある言葉だった。
ぜぇぜぇ言いながら走る智の左手が、何かを掴んでいる。
薄暗い中で見えたのは、灰色に近い白色の布の切れ端のような物だった。
それが智の手を介して肩に回され、背中から時折ちらちらと膨らみの
断片を覗かせるところから、何か袋を背負っていることが分かった。

「気にするな!あとのお楽しみだ!!」

嫌な予感と、期待が竜馬の中で渦巻いた。
この際、使えるものはなんでも使おうと思い始めていた。
当然、嫌な予感の方が強かった。

「重いんなら持ってやろうか?」

返ってきた声が叫び声に近いものであったためか、
敬語を使い続けていたことの反動か、
竜馬の口調にからかいの要素が加わっていた。

「私とセットならいいぞ!運び方は勿論私のリクエスト通りでな!」
「分かった、頑張れ」
「車で見てたけど、お前ら似てるな。何かは分からないけど、似てる気がする」
「褒めても何もでないぞ!」
「うるせぇ馬鹿!!」

経験が無かった訳ではないが、突っ込み役に回ることに
神楽は新鮮な何かを感じていた。
また、咳き込みつつも様子は伺っていたらしい。

「もう背負えねぇぞ」
「いいよ。いざとなったら泣き付いてでも乗ってやる」
「ワケの分からんこと言ってねぇで走れ!ちとヤベぇんだよ」

ヤベぇのはお前だと(智も大概だが)神楽は思っていた。
包帯を剥かれた彼の怪我の具合は、走るどころか歩くことすら出来そうに無いものだった。
そして、彼の肉体―筋肉の付き方にも並々ならないものを感じていた。
水泳部の連中と比べても、至る所を朱に染めていたとしても、
実に作り込まれたカタチをしていたのを、彼女は覚えている。
身体能力に純粋な興味を持ち始めていた。
一体、何をどうすればここまで強くなれるのかと。
そして、男の半裸をまじまじと見ていたことを思い出した
初心な少女の心は、頬の紅潮と体温の上昇という形で肉体に作用していた。
558ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 01:00:09.37 ID:PEVxLx5V
「(トレーニング法とか、終わったら聞いてみようかな…)」

尚、彼がやばいと感じた怪我の具合ではなく、足の下から伝わってくる振動にあった。
時間は、刻一刻と迫ってきていた。
学校の連中が気になっていたこともある。

しかし、これ以上速くは走れなかった。
既に同年代の連中の中でも上位のレベルのスピードで走っていたが、
この程度は彼の中では余所見をしながら怠惰に行う散歩と大して変わりない。

それが現状では体力の消耗を感じさせるものになり、
動かす度に、痛みと筋の引きつりいう形で彼を苛んでいた。
また、この二人も置いていくわけにもいかなかった。

既に、視線は前へと移っている。
通路の切れ目が、間近に迫っていた。

この状況下で、何があるのか。
彼はなんとなく分かっていた。
何故か、不安と嫌悪感は無かった。

「(やっぱ、逃げられねぇってことか)」

皮肉めいた、たちの悪い冗談を悪友から言われたような、そんな気分だった。

その視界に、何かが映りこんだ。

通路の先より這入り込む光を、その影は遮っていた。

「伏せろ神楽ぁ!!!」
「っ!」

反射的に頭を抑え、倒れ込むようにして神楽は床に伏せた。
彼女の運動神経と、異形たちの侵略の中で生き残ったために身に付いてしまった
迅速な退避行動だったが、それを成し得させたのは竜馬の叫びであった。
559ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 01:02:32.44 ID:PEVxLx5V
伏せつつ、彼女は見た。
光を遮る者の姿を。

それは、壁面に手を伸ばしていた。
神楽の顔があった場所を通過したそれは、壁の鉄板を貫きその一角を歪ませた。
音も無く引き抜かれた先端は、黄ばんだ歯のような色をしていた。

シルエットは、ヒトガタをしていた。
薄暗い中で、何かがのたうつ。
それは、ヒトガタの背後で蠢いている。
しゅうしゅうという、蛇のそれに近い呼吸音が彼らの鼓膜に届いた。

「クワァッ!!!」
「うるせぇ!!!!」

忌々しい叫びと雄雄しい怒号が、爪と拳が交差する。
爪は彼の頭髪を僅かに落としたが、彼の拳は、襲撃者の頭部を捉えた。

「っ!?」

驚愕の色を含んだ息が零れる。
それは、竜馬の口から生じていた。
捻じ込んだ拳から、異様な感覚が脳へと伝わっていた。
そこに、一条の肉の鞭が迫った。

「ちっ…」

彼は、右腕でそれを受けた。
残る左手も、右腕を支えている。
先ほど殴打のために振るわれたのも左手だった。
その甲の包帯が、抉れていた。
内側にある肉が、僅かに鮮やかな紅の断面を覗かせている。
560ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 01:04:19.12 ID:PEVxLx5V
「智!急げ!!」

神楽が叫んだ。
私達は邪魔になる、とその声は告げていた。

右腕を基点に全身に広がる激痛の中、彼は見た。
受け止めた尾の先端の、金属の光沢を。

「トカゲがっ!!」

ぎりぎりと、異形の力が込められる尾を、竜馬は現状で出せる限りの渾身の力で振り払った。
襲撃者の身体が薙ぎ払われ、壁面へと叩きつけられる。
その反対側を、智は駆けていった。

壁面に埋まっていない方の眼がぎょろりと動き、
自分の姿を中に写していたことに、彼女は生理的な嫌悪感を覚えたが、構わずに走った。
彼の邪魔には、なりたくなかった。

彼女が走り抜けた刹那、智を怯えさせたその場所に、再び竜馬の左拳が飛んだ。
竜馬の拳によって、壁面には洗面器大のクレーターが生じた。

しかし、僅かな鱗だけを許し、異形は壁から滑り抜けていた。
その動きの中で、尾が独立した生物のように異常な動きを示した。

頭部に向けて去来する切っ先を前に、彼は下半身の力を緩ませた。
怯えたのではない。
戦うために、である。

「ぅるぁあ!!!」

獣の声帯を通る空気は、こういう音を孕むのかもしれない。
恐ろしい唸りとともに、弛緩した右足に力が籠もり、
襲撃者の腹に蹴りとなって叩き込まれた。
足の先が、肉と鱗以外の感覚を捉え、爪の損壊を告げたが
竜馬は気にせず、更に力を籠めた。
上向きにかち上げられた襲撃者の身体は、電球のいくつかを巻き込んで天井を奔った。
561ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 01:07:08.27 ID:PEVxLx5V
がりがりと鉄と鱗を削りながら壁面にぶつかり、床面をそのカタチに経込ませたが、
一瞬の停滞のみを残して異形は再び竜馬に迫った。

鋭角を備えた指が、竜馬へと迫っていく。

竜馬は、右足の硬直を感じた。
視線を落すと、黒いジーンズの一角に隙間が生じていた。
眼で認識した時に、新しい肉の裂け目と、そこから溢れ出すものに気付いた。

「グゥゥアアアア!!!」
「うぐぁっ…!!」

束ねられた指が開き、竜馬の頭部へと巻き付いた。
竜馬を拘束しつつ、異形はそのまま回廊を走破し、光の先へと抜けた。

「っがぁあ!!」

光を浴びると同時に、竜馬は両拳を自らを縛める腕へと放った。
二つの拳が、異形の肉越しに組み合い、挟まれた肉と骨を歪ませた。
拳の接触面が陥没し、押しやられた筋が皮膚を食い破って露出し、骨がそれに続いた。

「ガァ!」

悲鳴にも似た叫びに次いで大きく振りかぶり、異形は竜馬を投げ飛ばした。
ほぼ同時に、鋭い金属音が鳴り、仰け反る異形の胸部が異常な形状を光に晒した。
その中心には、竜馬の左足があった。

ほぼ真上からの踏みつけに近い、強烈な前蹴りで陥没した場所を基点に、竜馬の身体が宙を舞う。
蹴りによって、投擲による力を相殺させていたためか、その軌道は緩やかだった。
もしまともに投げられていたら、壁面や地面への激突による大ダメージは必至だった。
普通の人間なら、一撃で全身の骨と肉を砕かれ、内臓をぐしゃぐしゃに潰されてしまうだろう。

ふらつき、右足を引き摺りつつも着地した竜馬と異形の間には、約10m程の距離が開いていた。
「竜馬!」

智の声が、竜馬から見て右側で生じた。
かろうじて、りょうま、と聞き取れる、掠れた声だった。
そして智は、傍らの神楽に何かを手渡した。

「ガァァァアアアア!!!!!!」

口と胸から赤紫の液体を滴らせながら、血塗れの咆哮を上げる異形。

それに雑じって、風を切る音を感じた。
それは、彼へと向いつつあった。
飛来しつつあるそれを、右目で一瞥しただけで、彼はその正体を理解した。

「(成る程な)」

それは、智から神楽へ、

「(お楽しみか)」

そして竜馬へと伝わった。
ブーメランのように回転しつつ飛来したそれを、
鎌のように鋭く振られた右手が受け止める。
がしっという、獣に噛み砕かれる骨のような音を立てて、
それは竜馬の下へ『帰り』着いた。

大きく開いた異形の両腕の、鎌のような爪を従える手。
貫き、引き裂くことに特化した錐のような歯が密集した口蓋。

一瞬の停滞も無く、それらの中心たる異形の体幹にその切っ先は向けられた。
無骨な鉄の身をもった狂気の塊は、天井から注ぐ光を受け、
どす黒い輝きを放っていた。

異形曰く、ちゃちな武器。
狂人染みた科学者曰く、傑作の一つ。

「喰らいな」

粘着いた唾液と渇きによるためか、黒く、
えぐい発音とでも言うような声を、竜馬は異形へ与えた。
そして、引き金が引かれた。
563名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 08:12:47.48 ID:CexsSJpw
終わりかな?乙です。

ライフの作者だけどあずまんがの比較動画みて腹筋がオープンゲットしました。
因みにいま挿絵を書いている途中です。内容は秘密ですが。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 18:39:45.81 ID:sMWF8YS6
そういやあ、最近グレートマジンカイザーってのが出たってらしい。
ゲッターの場合、真ゲッターGか…………素直に真ドラゴンでいいね。
565名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 18:50:23.96 ID:03O9Ir0+
グレートマジンカイザーkwsk
ググっても「〜みたいなのもそのうち出るんだろうかw」みたいな記事しか引っかからんのだ……
566名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 18:54:24.22 ID:sMWF8YS6
マジンガーZEROに出たということらしいけど
俺の近場に掲載誌売ってないからコミックス発売を待たないといけない
567名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 19:17:23.14 ID:PEVxLx5V
よし、明日買いに行こう
チャンピオンRED買うの初めてだな…
ゲッター+あずまんがの続き投下します
568ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 19:20:58.38 ID:PEVxLx5V
ドワッ! ドワッ!! ドワッ!!

兇悪な、この世界には存在してはいけないような音が鳴った。
空気が弾け、虚が砕けるような音だった。

引かれたのは一度きりにも関わらず、それは自らに
内蔵した殺意の塊を、断ち続けに3発も吐き出した。

放たれた弾丸は空中でばらけ、鋭利な無数の刃と化して異形の全身に突き刺さっていった。
一発目で、表面の皮膚がずたずたになり、二発目は筋肉と骨をもぎ取った。
三発目の弾丸で遂に強靭な肉体は狂気の奔流に耐え切れなくなり、腕はもげ、
口蓋が引き裂かれ、頭部が内容物と外見の原型も残らず砕け散った。

また、内包された散弾を出し尽くして尚、威力は衰えないのか。
胸部に当った三発の弾丸によって、竜馬に穿たれた大穴はこじ開けられ、
背骨さえも砕かれ、ずたずたになった傷口越しに反対側の景色を露出させていた。

文字通りの肉塊となった異形から生じた、液体を舐め啜るような水音に雑じって、
からからという金属音が床面で鳴っていた。
やがてそれらは、異形から溢れた赤紫に呑まれていった。

「…凄いな。なんだよ、それ」

自らが投げたものが成した破壊行為は、グロテスク極まる遺骸の状態を眼にして尚、
武器としての性能に着目せざるを得ない興味を神楽に与えた。
或いは、異形以上の脅威と受け取ったためか。

「普通のマグナムだよ」

そんな訳はあるはずが無いが、
妙に興味を持たれても困るので、彼は普通という言葉を使用した。

竜馬の知る限りでも最上級の狂気が作り出した傑作品。

三連発小型散弾銃であった。
569ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 19:22:20.06 ID:PEVxLx5V
よく見ると、真新しい油が差してある事に気が付いた。
量が多く、ややどろっとするほど塗りたくられたそれは、
一目で素人の仕事だと分かった。
先ほど引っ張られた頬が、まだそれと同じ匂いを宿している。
そうか、そうだったのか、と竜馬は理解した。

「(礼は、素直に言っておくかね)」

ここで、竜馬は自身の身体に宿る力が霧散していくのを感じた。
グリップを握る指は辛うじてその形を保ったが、左の膝は折り曲がり、
呼吸は乱れ、両手はだらりと垂れ下がった。
一呼吸するごとに熱の変わりに、冷気が気道と
包帯の裏側に這入り込み、彼の全身の熱を下げていく。

「(筋もやられてやがるのか。情けねぇ)」

ただでさえ強烈な反動は、現状の彼に多大な負荷を与えていた。
反動によって生じる手の角度は、今では通常時の倍近くにまで上がっていた。

「おい…竜馬…」

駆け寄りつつ、その傍らに神楽は立った。
神楽が彼の名前を呼ぶのは、これが初めてだった。
運動部だからこそ、彼女は分かっていた。
竜馬を苦しめるものは、単なる疲労や怪我ではない。
生命に直結するものが、脅かされ始めているのだと感じていた。
手を差し伸べることも躊躇うほど、彼の呼吸は乱れていた。
羽織われていたコートは、異形の投擲を受けた際に、
遂に背中が引き裂けて崩れ、彼から離れていった。
絞り込まれ、一見細くさえ見える逞しい肉体の表面を、
赤と白と、凝固した赤黒が覆っている。
手や肩を貸すにしても、何処に触れてよいのかさえ分からなかった。

ふと、智が来ていない事に気付いた。
様子を見ている限りだと、自分を押し退けてでも、
真っ先に来てもおかしくは無いはずなのに。

智のもとへと視線を送ると、
彼女は、別の場所を見ていることを知った。

その方向に、神楽も視線を這わす。

アーモンド状の、彼女の快活な性格を体現したかのような眼に、
それは這入り込んだ。

高さも幅も、彼女らの体育館を真横に切り裂いたようなこの空間の奥に、それはいた。
570ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 19:23:41.66 ID:PEVxLx5V
智は、魅入られたようにそこを見ていた。
神楽は、自分の動悸が激しくなっていくのを感じた。
竜馬も、その存在に気が付いた。

破裂しそうなほど蠢いていた彼の心臓が、どぐりと一際大きく鳴った。
それを最後に、心臓の唸りは鳴りを潜め、呼吸も元に戻っていく。
がたがたと蠢くように震える足も、まるで抑え付けられたかのように
その震えが止まっていった。

そして、坂道に垂らした水が自然に流れ出すように、
僅かなふらつきと共に立ち上がった彼はそこへと歩を進めていった。

カツリ、カツリと、鈍い銀色をしたタイル状の金属床を
損壊寸前の運動靴で踏む音が、無機質に鳴り響く。

歩み進めていく先に、巨大な穿ちが生じていた。
それは、彼らが今いる場所よりも更に広く、
そして深いことは一目で分かった。
闇に染まった天井からは、細く長いケーブル垂れ、、
昆虫の節足のような形状をした銀色の機械の束が群れを成してぶら下がっている。

その中心に、それはいた。

誰がいつ、この場所を構築したのか、何故異形がいたのか。
その全てに彼は答えを持っていなかった。

薄暗く、その全身の大半を暗闇に喰わせつつも、その輪郭は彼には分かった。

「竜馬!」

彼がふらりと横を見ると、そこに智が立っていた。
彼女の手には、例の袋が握られていた。

「ん…あ、ああ!ごめん、ちょっと待っててね」

これを取り出すのに、そんなにがさごそやる必要があったのか、竜馬には疑問だった。
というよりも、どうやればこれが中に入るのか。

彼女が突き出したのは、あのコーラだった。
相変わらず(変わるはずがないのだが)、間抜けな筆記体でその名称が書かれていた。

「面白ぇ特技持ってるじゃねぇか」

渇き、古傷の浮かび上がった唇を歪めて、竜馬が言う。
彼は笑っていた。
571ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 19:24:51.89 ID:PEVxLx5V
「ありがとよ」

真っ直ぐ天井を向き、がばっと口を開け、口を付けずに食道へ一気に流し込む。
程よく抜けた炭酸の甘みと水分は、文字通り彼の身体に染みこんで行った。
ヘタに量が多いよりも、このぐらいで丁度いい、と竜馬は思った。
飲み終わったそれに丁寧にキャップをし、智へと突き出した。

「いや、もういらないよ」
「売るんじゃねぇのか?」
「もうそんな場合じゃないし。よく考えたら買い手も中々いないだろうし」
「そういや、そうだな」
「お前ら、何言ってんだよ。こんな状況で」

そこに、神楽も歩み寄る。

「「確かに(な)」」

二人の反応は同じだった。
言い始めも、言い終わりも。
パクるな!うるせえ!というやり取りをしつつ、

「まぁ少なくとも。こんな時にこんなコト言ってる連中なんて世界のドコ探してもいねぇよ」

と、悪意の無い皮肉っぽい笑いを浮かべて竜馬は言った。

「おおー。そう言われると、誇らしいね。私達がその先駆者ってコトか!」

無い胸を張り、智も笑う。

「連中とか達って、私もかよ」

疲れたように目頭を押さえたが、その口はにいっと広がり、白い歯を見せている。
572ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 19:26:50.77 ID:PEVxLx5V
「ああ。運が無かったんだよ」
「まぁ、確かに」
「く…ふ…フフ」
「滝野、お前何、笑ってやがる」
「お前も、似たようなもんだぞ。竜馬」
「へ、そうかい」
「認めねぇったってそうはいかないぞ!そのツラは私がずっと覚えておいてやる!」
「あぁ、そうしてくれ。出来るもんならな」
「竜馬、こいつバカだけど、そういうコトはよく覚えてるんだよ」
「…そうかい」
「…同情するよ。まぁ、もう仕方ねぇから開き直った方がいいぜ?」
「ふふふ!逃げようたってそうはいかねぇからな!」
「誰が逃げるか!!」
「あんた、やっぱ面白いわ。もしかして、ギャグマンガのキャラだったりする?」
「お前にゃ言われたかねぇ!!…くく…!」
「フフ…くふふ…!」
「は…ははは!」

それから、直ぐの事。
三人は、ほぼ同時に声を上げていた。
はしゃいでいたと、言ってもいい。
竜馬は、全身の痛みと痺れも気にせず、二人は、疲労と危機感すら忘れて。
それらは、この場に広がり、絶えることが無いように続いた。
時間としては分を少し超えた程度だったが、咽喉元に溜ったような、
心に留まっていたわだかまりを還元していたかのごとく、感情の濃度の高い笑い声だった。

底無しのエネルギーを宿した、暴走馬鹿の笑い声。
快活な、運動に青春を捧げている少女の声。
そして、元来彼が持った明るさと人間味が合わさった声。

それらは不思議で、不可解で。

そして、ある意味普通の光景でもあった。
彼らは、同年代の若者達なのだから。

「はっ…何やってんだろうな、俺らは」

彼は、思い出していた。
あの時も、こんな気分だったと。
正確には、近かったというべきか。
絶体絶命の中で、飛び立ったあの時に。
573名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 19:29:11.45 ID:sMWF8YS6
支援
574ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 19:29:35.11 ID:PEVxLx5V
「じゃあ、俺は行くぜ」

毅然とした口調で、竜馬は二人に告げた。
二人にはまだ、笑顔の残滓が残っていた。

「…ああ」
「おう!頑張れ!」

神楽に次いで、智が言う。
そこに。

「あ、そうそう」

再び、あの袋をごそごそと漁り始める。
今度は、すぐに見つかったようだ。

「はい、これ」
「おい、これは…」
「いいからいいから。そのまんまじゃ風邪引くよ」
「……おう」

渡されたのは、男子用の学生服の上着だった。
体育館で、彼が見た連中のものと同じ黒色の、どこにでもありそうな上着だった。

「(最近のはボタンが随分小せぇな)」

と、どうでもいい感想を抱きながら、ああ、そうだ。と竜馬は加えた。

「神楽、こいつは頼んだ。俺らと違ってもうロクに動けやしねぇはずだからよ」
「なんだと!智ちゃんを甘く見る…ん?」

言い終えるが早いか、膝ががくっと折れ、ぺたりと膝を、そして尻が床に着いた。

「ほれ見ろ。燃料切れなんだよ」
「う、うるさい!あんたに言われたくないよ!この怪我人!」
「まぁ、この調子なら大丈夫だろ。
 危ねぇから、俺が行ったらすぐに奥まで下がってろよ」

神楽に目を向けると、神楽はそれに頷きで応えた。

「おう。んじゃあな」

まるで、下校途中で分かれる時のような言い方であった。
そして、満足げな表情を浮かべたまま、竜馬は二人に背を向けた。
575ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 19:33:46.20 ID:PEVxLx5V
竜馬は制服の襟首を見た。
そういえば、投げて退かした連中の中に一人だけYシャツ姿の奴がいたような気がしていた。
『長谷川』と書いてあった。
不幸な奴もいるもんだと、竜馬は思っていた。
この服は恐らく、返せそうに無い。


そして再び、彼は動き出した。
彼女が渡した学生服を羽織い、二人に背を向けて歩き出す。
その輪郭は、ひどく歪んで見えた。
包帯が引き剥げた親指も、本来は爪がある箇所が肉の色を晒している。
恐らく、他の部分も似たようなものになっているだろう。

彼が一歩進むたびに、存在が遠くなっていく。
二人は、竜馬がついさっき、ほんの一分足らず前に笑い合っていたものとは、
別の何かに変わっていくような気がしていた。

世界が違うような、別の場所から来た、
異なるものであるというような感覚さえある。
彼の存在を否定するような感情が、
何故沸きあがってくるのかは分からなかったが、それを認めるのは嫌だった。
出会ったのがほんの少し前であっても、
共に笑いあった者を、異物のように、化け物のように感じるのは。

遂に穿ちの縁まで、彼は辿り着いた。
手摺の無い縁の先に、天井から下がる管と鉄の中心に、
穿ちの中で、それは彼を待っていた。
彼はその様子を、『檻』だと思った。
つまり、中にいるものは―――。


足をがくがくと震わせながら、智は彼に寄ろうとした。
もしかしたら、止めようとしたのかもしれない。
それを、神楽が抱きすくめる様にして抑えた。

もうここから先は、彼の住む世界の領域だった。

その先にあるものへと向き合っている彼の左腕が、ゆっくりと水平に伸びていく。
末端の手は、拳の形を取っていた。
彼は更に、剥げていた包帯を器用に親指に巻きつけ、
可能な限り力強く、その切っ先を突き上げた。
そして彼は、二人にこう告げた。

「また、遊ぼうぜ」
576名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 19:51:33.04 ID:rzzsBhq6
支援
577名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 19:53:28.02 ID:rzzsBhq6
支援2!
578ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(5)-:2014/01/20(月) 20:03:27.92 ID:PEVxLx5V
そのまま振り向かず、彼は「それ」に向って飛び降りた。
彼の背を覆った黒色が、まるで翼のように翻る。
それは、落下というよりも、天高くへの飛翔のようだった。

背後で鳴った少女の叫びが、竜馬の耳にこびりつく。

ケーブルと機械の檻を抜け、中心部へと近付いていく中、
竜馬はそれに目を向けた。

そいつを見つめる竜馬のぎらついた眼光は、
光を宿さぬ、機械のそれに向けられていた。



「よう、兄弟」




まるで、悪友に語りかけるかのような声だった。

そして竜馬は、『兄弟』と呼んだ者の胸元に消えていった。


それからほんの少しの時間差を置き、
煌煌とした二つの光が、闇の中で輝いた。
二人の少女の、その前で。







つづく
579名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 20:06:27.22 ID:PEVxLx5V
支援、どうもです
やっとここまでいけました
竜馬曰く普通のマグナムの描写が難しい…
580名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 21:18:04.25 ID:sMWF8YS6
581名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 21:23:31.36 ID:03O9Ir0+
乙ー。いろいろ気になるけどやっとゲッターロボ出てきた!
582名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 21:28:04.61 ID:x0ZcD31H
乙!
先客が居るのかな?
583名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 22:30:42.04 ID:PEVxLx5V
どうもです
しばらくは更新できなそうなので、勝手な脳内設定を

あずまんがのキャラの外見のイメージは、自分ではアニメ版基準にしています
智ちゃんの胸はアニメだと大きいので原作基準にしていますが
竜馬は時間的にもゲッターGの時みたいなちょっとふぁさっとした髪型をしています
振り回されたり殺戮したり敬語使ったり気絶をよくしたりと忙しい人です
隼人は新と小説版をイメージしてキャラクターを作っています
技術の都合で、漫画版の性格は把握しきれなかったのと、
尖った性格にした方が他のキャラクターと差別化が出来ると思ったので
榊さんとは中学が一緒です
クラスの雰囲気は、小説版の教室と同じくとても静かだった模様です
長文、失礼しました

>>ライフの作者さんへ
そちらも乙です
挿し絵は毎回楽しみにさせていただいておりますw
584ライフの作者です:2014/01/21(火) 02:37:54.42 ID:yTfhFoTY
あずまんがの人に続けて貼ります。
585ライフ 第49話@:2014/01/21(火) 02:39:13.97 ID:yTfhFoTY
まるで弱みを握って優位に立っているような薄笑いを浮かべた戸田はさらに未来を問い詰めた。

「あなた……水商売してるわよね、バニーガールの」

その事実に目の色を変えるクラス生徒達。しかし未来は平然とこう返した。

「それが今、何の関係があるんです?」

「……あるわね、残念ながら……」

戸田はため息をつくと彼女の周りを歩き出した。

「あなたがそういうバイトをしていること、出席日数が足りないこと……それらを我々が今まで黙ってあげたのは他でもない、成績が優秀だから。けどこれでは話は別ね」

「わたしは何も知りません」

手を机に叩きつけて威圧し尋問するも、未来は全く焦ることなどなかった。
今日、テスト初日の、しかも一限目から未曾有の事態に陥った。

(どういうこと……?ミキはカンニングなんてしない、するはずがない。
まさか安西……いやわからない、誰がこんなことを……)

歩は辺りを見回す。誰の仕業なのか予想もできない。愛海、いや他に羽鳥を嫌っている人間も少なからずいるのは確かだった。歩の頭は混乱した。

「……」

竜馬だけは無言で戸田を見つめていた。どこか殺気をもったような恐ろしい目で。

「……他の先生方とも協議が必要ね」

未来の答案用紙を取り上げ、こう告げた。

「退場しなさい、あなたにテストを受ける資格はないわ」

そう言われ、未来は席を後にする。しかし歩は耐えきれなくなり、立ち上がった。

「待ってください!」

そう叫んだが、本人はあっさり無視をした。すると未来は振り向き、歩へ優しい笑みを浮かべた。

「アユム、いいよ。ありがとう」
「でも……」

……ミキは教室から去っていった。

「さあ続けて。ロスした時間は延長します!」

騒然するも再びテストを再開する教室内、歩は歯ぎしりを立てて、戸田のいる教卓へ向かった。その様子を両手で顔を隠しながら笑う愛海の姿があった。

「アイツやるじゃない、何をし出すかと思いきや……けっこう色々調べてたのねえ……フフッ」

何事もなかったかのように再びペンを取る彼女とは逆に、歩は戸田に訴えていた。

「羽鳥さんはカンニングなんかしません」
「席に着きなさい椎葉さん」
586ライフ 第49話A:2014/01/21(火) 02:41:13.80 ID:yTfhFoTY
全く取り合ってもらえずもその場から離れない歩に、平然としていた戸田はついに、持参していたテキストを教卓に叩きつけて、彼女を睨み付けた。

「ルールを守れない者は学校には必要なあのよ、あなたもそうなのね?」

それを聞いた歩の心に溜まりに溜まった怒り、悲しみなどの負の感情が、まるで地獄の釜のように今にもあふれそうになった。
脳内には平岡の無念、ミキのバイト先で富美男が言い放った発言、それらが集約されて戸田の先ほどの言葉と完全に重なった。

『ルールを守れない人間は、必要ない』

彼女は今すぐにでも目の前にいる教師という化けの皮を被った人間をこの拳で一発殴りたい……その憤怒が頂点に達した時――。

《ドワオ!》

何かを蹴り飛ばしたような凄まじい騒音が教室の中央から鳴り響いた。

「キャア!」

前にいた女子生徒は悲鳴を上げて、全員がそこに注目した。無論、歩も。

(え、な……流君……)

竜馬だった。彼が先ほどの異様な空気を破壊したのであった。
全員に注目される竜馬は立ち上がり、直ぐ様、教室の出入口へ移動をした。

「流君!?」
「……」

しかし竜馬は何も言わない。しかし、戸田は竜馬へ駆けつける。

「あなた、何のつもり!?」

竜馬は平然とこう答えた。

「俺はこんなくだらんテスト受けててもムダと感じてな、だから羽鳥と同じく自ら退場するぜ」

「なっ…………なんですって?あなた自分の立場分かってるの?」

すると竜馬は、

「羽鳥はカンニングしてないって胸張って言ってんだろ。もしかしたら俺含めた他の誰かやったってのも考えられるじゃねえのか。なに一方的に決めつけてんだよ。あんた、羽鳥になにか恨みでもあんのか?」

「…………」

「俺にしてみれば知ったこっちゃねえがな、教師にしては心外なことするんだな」

そう言い捨てると竜馬は教室から出ていく。
一方、未来は一人廊下を歩いていた。

「よお」

声をかけられてハッと後ろを見るとそこには竜馬がいたのだ。

「え、流?」
「テストがつまらんかったから退場してきたわ」

彼女は呆れかえる。

「なっ、あんたバカじゃないの!?」

「いいじゃねえか、一人より二人のほうが気が楽だろ?」
587↑修正:2014/01/21(火) 02:42:36.54 ID:yTfhFoTY
×必要なあのよ

○必要ないのよ
588ライフ 第49話B:2014/01/21(火) 02:47:13.26 ID:yTfhFoTY
竜馬は不敵な笑みを浮かべ、こう言った。

「あとは椎葉がどう決めてくれるか楽しみだな」
「アユムが……?」
「あいつ、今必死にお前を弁護してたよ。よかったな」

「え……っ」

「さあてと、今からどうすっかな?」

「……」
――二人は並んで廊下を歩いていった。
そして教室内。時間が止まったかのように誰もが固まっていた。戸田はふと拳をぎゅっと握りしめて、教卓へ戻った。

「……彼も処分対象と見なします。さあ、再開してください!」
すると歩はついに、

「羽鳥さんはおろか、流君まで消すつもりですか、平岡先生みたいに」
その言葉はこの中の生徒の耳に入り込んだ。

「あなたたち学校は、平岡先生をとばした。安西の父親と手を組んで……そうですよね?」
今度は歩に視線が集中した。

「……ハァ!?」
先程まで何喰わぬ顔の愛海は声を漏らした。

「何を言ってるの?前にも言ったでしょ、平岡先生は希望してここを出て――」
「嘘はもういいです。ミキは……流君は消させません。全てをなげうってでもあたしが!!」
ついに真っ向から反抗する歩に戸田は憤怒、彼女をグッと睨み付ける。

「出ていきなさい、他の生徒に迷惑よ!」
歩は拳を握りしめて、出入口へ向かっていった。その様子を愛海はほくそ笑んでいた。

(平岡先生も廣瀬も、消されていった。 こんな汚いやり方に……冷たいルールに……)
目の前に席にいた薗田も彼女をひき止めようと立ち上がった。

――その時である。

「羽鳥がカンニングなんてするか?」
生徒の誰が突然呟いた。それに釣られて色々と話がこの教室内に駆け巡る。

「誰かが仕組んだんじゃねえのか?」
「羽鳥がそんなことするヤツに見えるか?」
次第にクラス全員の視線が一点に集中する。

「…………えっ」
愛海である。それも凍りつきそうな冷たい視線で。

「よくやるよなあ」
「次は羽鳥に流か……」

彼女は顔を歪めた。
「なに……いってんの?みんな……イミがわかんないんだけど……マナがカンニングを……?」

「平岡もかよ」
「飛ばしたんだとよ、パパの力で……」
その呟きが彼女への視線は一気にキツくなった。
589ライフ 第49話C:2014/01/21(火) 02:49:45.33 ID:yTfhFoTY
「ちがう知らない、あたし関係ない!!」
クラスはテストそっちのけで話を始めたのだ。

「なあ、安西のオヤジってそんな権力あんの?あのデパートの社長なだけだろ?」

「県会議員もやってるよ。だから先生たちみんな、腰低かったじゃん」

「学校来たときもヤバかったよな」

「うわあ……それじゃあありえるじゃん」

黙ってきいていたエイコも震えながら声を上げた。

「平岡先生……異動したがるわけない……先生はウチらの家、ひとりひとり回って……女子から回って……話聞いてたんだよ。それもまだ途中だったのに……少しずつでも、いつか絶対にイジメ解決したいって言ってたのに……っ」

「うん……あたし達も先生からそう聞いたよ……それなのになんで」

エイコ達の事実は、深く閉ざされていた真実への突破口となった。

「マジかよ!ならやっぱりとばされたんじゃん!!」

「それホントなら、なにこの学校、考えられねえよ」

不安、疑惑か飛び交うこの中を、戸田は動揺していた。

「静かに!!テストを続けなさい!!」

しかしもはや戸田一人では止められるものではなかった。

「なんだよそれ……つかイジメはもう終わったんじゃなかったの?」

「廣瀬がボスだったんじゃなくてウソ?」

「けどウソなら、俺らの前であんなこと言えるかよ」

……イジメ疑惑が再燃し、今まで関わった者達、特にエミやチカの顔は蒼白と化していた。

「主犯は廣瀬さんじゃあ……」

「あれウソなの?」
「何がなんだかわかんねえ、どーなってんだよ!」

「安西たちが廣瀬に濡れ衣着せたんじゃねえかよ!」

ついに愛海は顔を伏せた。そしてその怒りの矛先を戸田へと向けた。

「あのババア……なんてことしてくれんのよ……」

瞬間、戸田は出席簿を教卓に力一杯叩きつけた。

「いいかげんしなさい!!」

やっと静かになった彼らに一呼吸置き、こう告げた。

「イジメについては、廣瀬さんが全てを打ち明けて解決しました。関係ないことで安西さんを責めるのはやめなさい。くだらない雑談も大概にして!!
これ以上騒ぐなら、全員テストを没収します!!」
590ライフ 第49話D:2014/01/21(火) 02:51:27.23 ID:yTfhFoTY
クラス全員、特に歩は頑なに愛海に庇護する戸田を心から失望した。なぜ真実を一番知る自分の目の前で、そして既に知っているであろう本人も本当をねじ曲げてでもシラを切ろうとするその態度に。

(……こいつ、どこまで腐ってんの……なんでそこまで認めようとしないつもりなの……)

その時である。エイコが突然立ち上がり、自分の答案用紙を持ち、教卓へ向かっていった。
自ら答案用紙を叩きつけると涙混じりの震え声で言いはなった。

「わたしもカンニングしました……」

「……えっ」

「先生が……ちゃんとしてくんないから……クラスが……こんな……めちゃくちゃに……」

彼女は涙を浮かべて、戸田をグッと睨んだ。

《先生もイジメの加害者です!!》

彼女の悲痛の訴えが響き渡った――。
591ライフの作者です:2014/01/21(火) 02:53:04.14 ID:yTfhFoTY
今話は以上です。次話はもうできていますが連続投稿できないので時間を空けてからまた投稿します。
592ライフ 第50話@:2014/01/21(火) 06:09:13.47 ID:yTfhFoTY
『先生もイジメの加害者です!!』

悲痛の訴えをぶちまけたエイコ。今にも流しそうな大粒の涙を浮かべて、教室から出ていった。

「まちなさい!!」
戸田も彼女の後を追い、教室から出ていった。このテストの責任者すらいなくなったこの教室はひどくざわめいていた。

「ちょっとなに!?」
「おい、どーすんだよこのテスト……」
「羽鳥はおろか、流やアイツも出ていったし」
もはやテストなど誰もしていなかった。ただ一人以外は……。

「んだよ、あいつがへんなことすっからこんなことになるじゃんよ、安西が!!」
すると、今までどちらかといえば愛海側の立場にいた者達までもが……。

「おいマナミ、どやってカンペなんか作ったん?」
「羽鳥の字にそっくりだったんだろ」
周りからちゃかされて、ついに彼女の堪忍袋の緒が切れた。
「いいかげんにしてよっっ!!!」
彼女は自分の仲間であるチカの方へ目を向けすがった。

「チカ、なんとか言ってよ!ホントはマナじゃないって!!」
「えっ……」
「チカっ!!」
しかし、彼女の反応は……。

「なんで……っ」
なんということだろう。今までつるんでいたはずのチカは愛海をたった今、目を反らして無視をしたのだった。歩、特に仲間のエミはその光景に唖然とした。

「もうわかってんだよみんな」
薗田の友達の男子が固まる愛海に追いうちをかけた。

「わかってねえのは安西、お前だよ。羽鳥さんがカンニングくらいでどうにかなるとでも思ったのかよ?」
瞬間、彼女は持っていたシャーペンをへし折り、乱暴に拳を机を叩きつけた。

「っざけんじゃねえよ……マナが……マナがそんなバカなことするわけないじゃない……あいつが勝手に……戸田が……っ!!」
生徒達は耳を疑った。

「戸田……が?」
「えっ、戸田って言った?」
「はあ?先生のせいにしようとしてんのかよ」
「ありえねーじゃん、戸田て!!」
真実を知らない彼らからすればとんだ苦し紛れのウソ以外の何事でもないが、歩と薗田はその発言に腑に落ちなかった。

「先生のせいにするとかホントないわーっ」
「ムリあんべ。頭大丈夫かマナミ」
今の発言が返って自分の立場を悪くした瞬間であった。
593ライフ 第50話A:2014/01/21(火) 06:13:32.46 ID:yTfhFoTY
「羽鳥のプリント借りて仕込んだんじゃねーの?」
「暇人にもほどがあんだろ、ギャハハハハっ!!」
「けど、安西ならできるっしょ?オヤジの権力使えるんだから」
「平岡とばせるぐらいだもんな……」
戸田の謀った策略が、傍観していた自分が逆に墓穴を掘るはめになってしまうことに。

「サイテーだなあいつ。人間としてどうなのよ」
「ウソばっかいいやがって。最初は自分がいじめられてるってブリっ子してたのにな」
「そういえば安西、羽鳥や流にも嫌がらせしてたよな」
「そういやあそうだな。羽鳥はともかくあの流相手にまでした時は度胸あるなと思ったけど考えてみれば、やることがガキかよ」
「廣瀬は絶対にあいつに脅されてるに違いない」
「じゃあ全部安西の仕業?うわあドン引きだわーーっ」
彼女の耳に入るはノイズまみれの不協和音のような自分への悪口ばかり。耐えれなくなった愛海はその場で耳を押さえてうずくまった。

「ちが……マナじゃない……やってない……っ」
しかし全員が彼女に向かってこう吐いた。

《全部お前のせいじゃん》
「いやあああっ!!」
彼女はドサッと座り込み、机に顔を伏せて怯えているように身震いした。

「……終わったな、安西」
一人の男子生徒が突然、全員の答案用紙を回収しはじめ、周りの仲間ものりだした。

「もうやめだやめだ!!ハイハイハイ」
「こんなテストもはやイミがねえんだよ!!」
「このクラス全員はカンニングによる不正行為で即終了!!」
答案用紙を教室全体にばら蒔き、全員が教室から出ていくのであった。
歩は立ちすくし、固まっていた。信じられない奇跡が今起こったのであった。

(夢じゃないよね……こんなこと……)
自分に着せられていたヘドロのような冤罪が流れ落ちていくような爽快さ、解放感に満ちていた。

(……夢ならこのまま醒めなければいいのに……)
そしてその場にいた薗田も同じであった。

「薗田っ!」
仲間が笑顔で手を振るのを見届けると彼にも爽やかな笑みが。彼はこれが現実に起きたことなんだと実感したのだ。

「よかったね椎葉さん」
彼女の肩に優しく手を置くと彼もまた去っていった。彼の触れた位置に手をやると、自分もこれが現実に起こったことだと実感した。

(夢じゃない)
594ライフ 第50話B:2014/01/21(火) 06:22:22.76 ID:yTfhFoTY
彼女はやっと掴んだ喜びを噛みしめ、教室を後にした。
一方、愛海も立ち上がりユラユラとおぼろげな足取りで教室から後にする。
そして戸田も教室へ向かっていたが生徒の軍団がテストを放棄し廊下を凱旋する光景に驚愕していた。

「な、なにやってんのよあなた達!!今すぐ教室へ戻りなさい!!」
しかし彼女の後ろには……。

「あ……安西さん……これはその……なんとかするから……ちょっと……」
愛海がまるで幽霊のように立っていた。しかし彼女の眼は普通ではない、無言のまま戸田を通りすぎていった。

『覚悟しておくことね』。

――そう物語っていた。
歩は一目散に屋上へ向かっていた。その理由は――。

「――未来(ミキ)!!」
屋上でくつろいでいた彼女の元へ駆けつけた。

「アユム……?」
息を切らしている歩の様子を見ると、未来をずいぶん探していたことが分かる。

「て、テストはどうしたのよ?」
未来を急いで校舎の廊下を見下ろした。すると自分のクラスメート達がテストをやめて歩いている様子が見えた。彼女は狼狽した。

「な、なんで……」
「あのねっっ」
歩はゆっくり息を整えこう告げた。

「みんなが……ミキがカンニングなんかしないって立ち上がってくれてね……そしたら全て安西の仕業じゃないのかって……廣瀬も、平岡先生もみんな、みんな、安西の仕業じゃないのかって、言ってくれて……」
未来すらその事実に驚愕した。

「ウソみたいだよね……こんな、いきなり変わるなんて……」
するとミキは優しく歩にこう言い述べた。

「アユムの強い思い、意志がみんなを変えたんだよ。
届いたんだよ、前から少しずつね。それが今、みんながあんたの代わりに爆発してくれたんだよ、きっと――」
そして未来は――。

「流に会いに行こう。あいつにもそれを知らせるべきだと思う」
二人が向かった先は、裏にある庭園のベンチ。竜馬はのんきにごろ寝していた。

「流君!!」
「ん、椎葉?」
竜馬は起き上がり、眠たそうな顔で二人をみた。歩は先程あったことを竜馬に全て伝えた。

「……そうか」
「流君が出ていったのは……もしかして――」
「ちげーよ。テストがイヤになったから出ていっただけよ」
595ライフ 第50話C:2014/01/21(火) 06:23:26.74 ID:yTfhFoTY
相変わらず、素直じゃない竜馬だが。立ち上がると、その包帯でグルグル巻かれた、いしつぶてのような硬い拳を歩のおでこにつけた。

「椎葉、お前は勝ったんだよ。安西という卑劣で強大な敵にな。俺はお前のような強い女は見たことねえ、俺も見習わせてもらうぜ」

そう言われた歩の眼から涙が滝のように流れたのだ。不敵で安心感のある笑みで歩を激励した。

「これでお前に恐れるものなど何もない、これからは胸張って堂々と生きてけっ!」

その言葉が彼女を感際立たせ、涙腺が壊れたかのように涙が一気に溢れた。
悲しみではなく、もう苦しまなくてもいいという喜びと安心感からであった。

「羽鳥、コイツを頼む。どうも俺はこんなのは苦手だ」

「流……」

竜馬は二人から去っていった。未来は彼に感謝の念を込めた視線で見送り、彼女を優しく抱擁した。
今まで冷たく閉ざされていた世界。永遠に続くかと思っていた無慈悲な牢獄。
しかし今、壁が崩れ落ちて、闇に光が差した――。

そう、今日のこの時、長く走り続けてきた彼女の闇の道のゴールは確実に見えたのであった――。
596ライフの作者です:2014/01/21(火) 06:26:47.54 ID:yTfhFoTY
ここまでです。やっと50話に達しました。嬉しい限りです。あと残り話数は20話くらいだと思います。
ついに歩に形勢が傾いて光が見えてきました。しかしあの愛海は黙っているわけじゃありません。
次の展開にご期待下さい。
597名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/21(火) 09:25:14.38 ID:2EtAo3fg
はよはよ
598名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/21(火) 09:55:32.24 ID:vnJn+Xc9

あと1/3ってことか…
599名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/21(火) 12:46:12.37 ID:cBgouEED
乙!
-「嘘はもういいです。ミキは……流君は消させません。全てをなげうってでもあたしが!!」
なにこの娘イケメンすぎて惚れる。
600名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/21(火) 20:40:01.09 ID:vnJn+Xc9
全てを投げうつ(ドワォ的な意味で)
601名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 00:19:01.17 ID:59QLDvTN
この前、(変態的な)熱血漢を書く小野寺浩二作の
「外道ハンターX」という漫画を読んだんだけど、
主人公のモチーフがどう見ても隼人だった
前髪も鼻の高さも隼人にそっくり(若い頃のチェンゲ隼人が比較的近い)
名前は「十文字光(じゅうもんじ こう)」
職業はエロマンガ家。性犯罪を犯そうとする連中をコスプレ姿で粉砕したりする
素の性格は穏やかだけどエロマンガを書いてるときは熱血漢になる
作中だと「だめだ乳輪がでかすぎる!」とか「ひと乳首ひと乳首愛をこめてトーンをはるのだ!」
とかをアシスタントに熱く語ってたな
 
602名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 00:25:05.05 ID:qz04yRPI
例のマジンガーZEROを読んだけど
その次のページに覚悟のススメやっていて
更にその次の漫画で余韻がぶっ飛んだ…………
赤い実験場は伊達じゃねえな
603名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 00:52:29.21 ID:59QLDvTN
>>602
あれほどごった煮な雑誌も珍しいよね
熱血と萌えとグロとほのぼのと臓物が散乱してるというか、
カオスって言葉が生ぬるく感じる

マジンガーといえば、デビルマンvs闇の帝王も
いい感じのクロスオーバーしてるな。こっちのグレートも強すぎ
ゲッターも新作やらないかな、ゲッター斬とかどうだろうか
604名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 02:19:41.97 ID:bJEZb5u3
ライフクロスの竜馬って今まで見てきたクロスSS中、新鮮な竜馬だと思うわ。
まあゲッターの登場する作品は大体バトル系だから竜馬は輝くんだが、
今作の竜馬は、なんか他の事に興味ないっつうかクールなんだよね、まあ要所要所では本人らしいことしてるんだが。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 10:37:01.62 ID:qz04yRPI
そりゃあ、チェンゲ設定だから
年齢考えてとしかいえんし。

二十代後半で高校生とかはマイボスマイヒーローってドラマでやっていたなような気がするな
606名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 12:39:31.87 ID:59QLDvTN
>>604
ライフ竜馬は生活の一部に溶け込んでる感じが凄い
607名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 20:26:39.53 ID:59QLDvTN
ライフは竜馬を見てクロス先のキャラが動いたりするのが珍しいな
クロスの書き方の一つとして色々と参考になりそう
608名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 20:56:37.26 ID:bJEZb5u3
>>607
歩の活躍の裏方に徹しているポジションてのは今までにない感じだよな。
それとも元の世界に戻った時の為に充電してるのかもw
609名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/22(水) 21:23:41.14 ID:59QLDvTN
そういえば、チェンゲの過去世界だったか
確かに直接動かない裏方の竜馬って珍しいな
610ライフの作者です:2014/01/23(木) 08:07:38.75 ID:D+YA5HX2
真ゲッター・ビジョンを駆使してできたので貼ります。
611ライフ 第51話@:2014/01/23(木) 08:10:19.62 ID:D+YA5HX2
ガランとした静けさの教室。エミとチカ、そして数人の女子だけが取り残されていた。

「チカ、これからどーすんのよ……マナ」
「なにが?」
「なにがって!?」
愛海への裏切りについて、深刻な表情のエミに対し、チカは開き直ったかのような、とぼけた表情で携帯をいじっていた。実に日和見主義者らしい彼女である。

そんな光景を近くにいた、よく一緒にいる地味な三人の女子がひそひそ話していた。

「……行こうよ」
「ほ、ほんとにきくの?」
「ウチラに言うわけないじゃん……あんま話したことないのに……」
「大丈夫だって今なら、ねっ、ねっ」
「やだよ怖い、やめよーよ!」
その三人の一人であるメガネをかけた女子がノリノリでチカ達に話しかけた。

「ねーえチカちゃんっ」
猫なで声で話しかける女子に、エミとチカは気付いた。

「あ、あのさー、さっきのってやっぱり、本当なんだよね?」
「「は?」」
案の定、威圧をかますエミ達に怖れをなす三人。考えてみれば二人は地味で控え目な彼女らと違って、派手でアグレッシブであり、正反対の人間である。

「い……いやそのマナちゃんが……やっぱヒロちゃんに罪……着せたの……かなーーって……」
オドオドして聞く彼女にチカは突然、威圧顔から一変した。
「そおだよぉ〜〜?」
気持ち悪いくらいにニタ笑いし、三人にガツガツ迫ったのだ。

「マナミがぜーんぶ言わせたんだよ、ヒロを脅してさーーあ!!」
彼女らはチカが自分達を受け入れてくれたとでも思ったのか、先程のビクビクしていた態度を豹変し、目を輝かせた。

「ほ、ほらやっぱりぃ!!」
「ねっ♪」
「うちらゼッタイそーだって言ってたのーーっ」
「チカちゃんたちも口止めされてたんじゃないかなって――」

調子に乗り出したこの愚かな三人は、チカの口車に乗せられたのであった。

「よくわかってんじゃん!もーー大変だったんだよおーーっ、アノときはさあ」

愛海を裏切り、人が変わったかのようなチカの態度にエミは呆れていた。

……そしてチカは教室に残っている女子を全て集めて、その巧みな話術で一気に丸め込んだ。
612ライフ 第51話A:2014/01/23(木) 08:12:20.47 ID:D+YA5HX2
「ウチらはヒロが飛びおりて……ホントへこんでさ――言ったんだよマナミに?
『ヒロに謝りに行こう』って、仲直りしようって……そしたらなんて言ったか分かる?」

全員に注目されるなか、一呼吸置いて、低くドスを聞かせた声で言った。

「『マナへのあてつけであんなことして絶対に許さない、ヒロに責任とってもらうから』。」

全員は狼狽し、悲鳴を上げた。

「なにそれ、マジありえない!?」
「そんであんなこと言わせたの!?」
「サイッテーーっ!」

騒ぐ中、ただ一人蚊帳の外にいたエミはチカの言動に耳を疑っていた。

「……チカ……なにいってんのよ、ウソじゃんそんなの……っ、ウチらだってなんにも知らなかったじゃん……」

――そんな中、愛海が教室へ戻ってきた時、廊下からこんな言葉を耳にしてしまった。

「ムカつくんだよ、マナミ」

彼女の足は止まった。チカの声だ。
猿山のように囲み、今まで溜まりに溜まった愛海への鬱憤をぶちまける光景が。

「ウチらなんかもーとっくにドン引きしてたし」
「学校にパパまで連れてきちゃうしさーー!!」
613ライフ 第51話B:2014/01/23(木) 08:14:08.72 ID:D+YA5HX2
「ファザコンかよってねーー!」

すると、

「ねえねえパパァ〜〜ン、マナねえ……いじめられてるのぉーー」
彼女のモノマネを演じるチカに周りは大爆笑だ。

「やめてよ!!」
一人が涙混じりの声を上げて立ち上がった。

「……マナの、マナのモノマネするなんて……っ」
一人だけが彼女を庇おうとした。と、思いきや、

「ゼッタイ、パパに言いつけてやるんだからぁ〜〜っ!」
涙ぐんでまでの手の込んだモノマネだった。これを境に、全員が次々に愛海のマネを披露していく。

「カツミくんだって……カツミくんだってマナのこと守ってくれるんだからぁ〜〜っ」
「マナは悪くないもん、戸田先生がやったんだもんっっ」
「マナはいつだって悪くないんだもぉ〜〜ん!!」
本人が廊下で聞いているにも関わらず、大爆笑をかます彼女達。それは悪意に満ちた、今まで苦しませてもらった愛海への報復行為である。

「何人マナミがいんだよ!!ひとりだけでもうぜーのに!!」
今のチカの発言が愛海の怒りを爆発させた。教室のドアを叩き上けた。
614ライフ 第51話C:2014/01/23(木) 08:16:38.34 ID:D+YA5HX2
全員の視線がそこに集中した。先程まで真似ていた本人である彼女が、悪魔のような形相しながら立っていた。

「エミ、行くよ」
「えっ……」
もはや最後の味方だと思っているエミを呼ぶ愛海。

「行くって……まだテスト残ってんのに……どこに」
「いいから」
教室からバッグを持ち出し、全員に背を向けて去っていく愛海だが、エミはどうすればいいか分からない。
しかし、そこにチカの手が彼女を止めた。

「チカっ!」
「もういいんだよ♪仲良くしようよ、エミちゃん?」
甘い誘惑に彼女は戸惑う。振り切って愛海についていくか、開き直ってチカと共に離反するか……。その果てに選んだ道は……。

「よろしくね♪」
ついにチカと同じ道を選んでしまった、女子全員に歓迎されてちやほやされるエミを尻目に、愛海の後ろには誰も来るものなどいなかった。二人は愛海から完全に離反した瞬間である。

――これが現代の学校での女の子達の人間関係である。昨日の友達は今日の敵、友達はグループと同じもの。入れなければのけ者扱いされてしまう、冷徹な掟なのである。中心人物だった愛海は完全に枠から外されてしまったのであった。

その時、一限目の終わりのチャイムがなり響き、テストが終わった他のクラスの生徒が次々と廊下へ飛び出した。しかし彼らは非常に不機嫌であった。

「ああ、もううるせえな!!またかよ2組の奴ら!!」
「ふざけんなよ、テスト集中できなかったじゃん!」
「もーいいかげんにしてよーーっ!!」
あれだけの事をやればそうなるのは当たり前であった。
それは他のクラスを受け持った教師達も同じであった。

「テストを放棄したとは何事ですか!!」
「戸田先生は!!」
「いないんですそれが……」
愛海は廊下の中心で立ち止まっていた。しかし誰も自分を無視している。彼女は次第にこう思うようになった。

『いけない一線に踏み込んだ気がする、これから待っている、孤独という名の地獄が――』

――と。
615ライフ 第51話D:2014/01/23(木) 08:25:37.07 ID:D+YA5HX2
その時、愛海の携帯に着信バイブが。びっくりした彼女は、すぐに確かめると画面には『戸田』と。

彼女はその文字を見た瞬間、顔が激変した――。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/23(木) 08:52:05.32 ID:b9Ugin01
支援
ドワォ
617名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/23(木) 09:11:05.47 ID:EFR4Fi4R
こええ……
「だから現実の女は嫌いなんだ!!」
という金言を思い出さずにはいられない
618名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/23(木) 09:51:55.88 ID:b9Ugin01

-顔が激変した
ドワオドワオw
619ライフ 第52話@:2014/01/23(木) 12:45:06.78 ID:D+YA5HX2
一方、人気のない学校の片隅。そこには戸田が切羽つまった顔で、あの『計画』などが書かれたメモ帳に書きこんでいた。

「大丈夫……だいじょうぶ……まだこうして……こうすればまだ……」

『要注意人物欄』にはクラス全員……解決方法、とにかく愛海をなだめること……あれだけ批判されても全く何も分かっていないようなことばかり書かれている。
「とにかく……とにかく安西さんに謝らないと……」

その時、ザッと足音が聞こえ、振り向くとそこにはまるで邪悪な竜巻のようなオーラを身に纏った愛海の姿が。怯えに怯える戸田。

「ああ……っ」

「マナ、これからどうすればいいの……?」

今にも泣きそうな表情で戸田に少しずつ駆け寄る。

「もぉヤダ……マナ、カンペなんか作ってないのに……みんなマナの仕業だって……誰も信じてくんないよぉ……」

すがりつく愛海に彼女は、

「だっ、大丈夫よ安西さん!!わたしがゼッタイなんとかせるから!!ねっ……」

すると愛海はスカートのポケットから携帯を取り出して、とある画像を戸田へ見せつけた。それは……。

「!!!」

以前、エミ達に送ってもらった戸田からすれば絶対に知られてはいけない画像、そう、夕日の海辺での克己と自分のキスシーンであった。

「なんとかしてもらわないとね……マナに隠れてこんなことしてるんだからね……」

悲しそうな表情から百八十度変わり、鬼へ変貌を遂げた。

「さあどうやって償ってもらおうかしら……その節穴な目と馬の耳に念仏の耳……と、調子にいい口の変わりに鼻いっとくかしら……ねえっっっ!!」

なんと戸田の眼球に指を押し込んだのだ!!

《目だ。耳だ。鼻!》

「ぎゃあああああっっっ!!!目、つっあ……」

――しかし寸でのところでやめ、頭を掴まれて地面に顔から叩きつけたのであった。

「あつっ……うう……」

激痛の走る目を押さえてうずくまる戸田に、愛海はまるで自分が彼女のご主人のような傲慢な態度をとった。

「あんたとカツミくんはね、いつでも地獄に叩き落とせるのよ、マナの手ひとつでね?
カツミくんと別れたのだってその為の前戯、落ちるまえには天国にいたほうが楽しいでしょ?マナの優しさに感謝してほしいわねぇ」
620ライフ 第52話A:2014/01/23(木) 12:47:50.22 ID:D+YA5HX2
地面に置かれたカバンを持ち、戸田を見下す。

「よろしくね」
そう言い捨て、去っていく。恐怖に震えながら、目を押さえながらゆっくり立ち上がり、ふと建物の窓ガラスに目を向けた戸田は……。

《いやああああああああっっ!!》

絶叫した。両眼球が潰されて、ブラックホールの真っ黒な空間がそこにあった。

「眼、眼っ……が」
急いで確認するとちゃんと両眼はついている。人間の眼だ。しかし、窓から写る自分の眼は、黒く潰されたままだ。

「……見たくなかっただけよ……見ないようにしていたら……いつのまにか……正しいことすら見えなくなってた……」
彼女はその場で仰向けに倒れこんだ。その瞳からは涙が途切れることなく流れていた。

「節穴……か……」

そう、彼女は今までの追憶が流れていた。
……新人時代、別の学校でイジメがあった時、平岡と同じく積極的に止めようとしたがそれが返ってイジメを助長させてしまい、最悪の結末へなってしまった。それがトラウマになり、それから目をそらすようになってしまった……。
そんな時に今のイジメが起こった。しかし見知らぬフリをした結果、もはや手に負えない事態になった。
彼女は今やっと、自分の過ちに気づき後悔したのだった。

「わかってたわ……けどどうしてあたしは……」

彼女は涙ぐんだ。

「あたし……いつの間にか、本当に加害者になってたんだわ……」

――一方、やっと泣き止んだ歩と未来は廊下を歩いていた。ふと窓際から校庭を見ると、

「あれ……ウチのクラスの男子……」

なんとテストそっちのけでバレーボールで遊んでいる光景が。

「あ、あそんでる……」

その中には薗田もいたが、運動が得意ではないのかあまり活躍できてない。相手からのスマッシュが彼の頭に直撃、同じチームにからかわれていた。

そんな光景を、おかしく思えたのか二人はニコッと笑った。
――すると、

“1年2組羽鳥さん、いましたら会議室まで来てください”

二人の笑顔が止まった。

「テストのことか、バイトのヤツかな。けど心配しないで」
621ライフ 第52話B:2014/01/23(木) 12:50:52.48 ID:D+YA5HX2
未来は一人、会議室に向かっていった。そんな彼女を心配する歩。

「ミキ……」

心配するなと言わんばかりに力一杯手を振り、去っていった。

(大丈夫だよね……?)

歩はただ無事を祈るほかなかった……。

――会議室。未来は主任である岩城達数人の教師から尋問を受けていた。

「……で、知らない間にこれが……机に入っていた……と」
椅子に座る未来の目の前に置かれている例のカンペ。

「どうみてもキミの字じゃないこれ、どう説明するの?」
「わたしは知りません」
一貫して否定する彼女の態度に、今度は体育教師且つ、生徒指導を受け持つ黒田が口を開く。

「だが事実、年を偽りバニーガールの店でバイトをしていた。平気で規則を破る生徒の言うことを誰が信用するか?」

脅し口調で問い詰めるも、余裕綽々な未来は平然と言った。

「知らないものは知りませんから」

「ふざけるな!!」
彼女の態度に頭にきた黒田は、机を叩いた。

「まあまあ……」
すると今度は岩城が周りをうろつきながら、教師としては信じられないことを口にした。

「羽鳥、君のところはたしか……お父さんと二人家族だったよね?」
ついに内面的事情に足を踏み込まれ彼女の顔色は変わった。

「もしお父さんがこのことを知ったら……さぞ悲しむだろうねぇ……」
「……っ、父については関係ないはずです」
「……君は優秀だ、魔が差したんだろう。認めるんであれば、本来なら重い処分を軽くできるんだがね」
彼らは一気に未来を袋小路にしようと迫った。

「『いつもどんなに忙しくても試験勉強はきちんとできていた。でも今回は無理だ、どうしよう……、こんなハズじゃないのに……』。

そうなんだね?言ったほうが楽だぞ、羽鳥?」

「――っ」

本人が全く考えてないことをでっち上げられて無理矢理にでも肯定させようとする彼らにもはや我慢の限界が来ていた。だがその時、ドアが開いた。全員がそこに視線を集中させると、息を切らした戸田の姿が。

「……羽鳥さんはカンニングなどしてません……」
622ライフ 第52話C:2014/01/23(木) 12:55:58.11 ID:D+YA5HX2
彼女の突然の報告に彼らの目は点になった。

「戸田先生……?」
彼女は中へ入り、乱れた息を整えると、全員に告げた。

「……今から全てをお話しします。本当の真実を……」
彼女はカンペに手を差しのべ、こう言った。

「……このカンニングペーパーを作成したのは、わたしなんです」
彼らに雷のような衝撃が突き抜けたのだ――。
623ライフの作者です:2014/01/23(木) 12:57:11.73 ID:D+YA5HX2
以上です。次話から今まで以上に凄まじい展開になります。お楽しみに。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/23(木) 16:44:52.38 ID:EY3/C+fp

ナチュラルに隼人のアレがw

にしてもアレだな、ライフ竜馬とあずまんが竜馬はいい相方に恵まれてるな
625名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/24(金) 01:04:25.69 ID:aj/7VpI1
626ライフの作者です:2014/01/24(金) 07:46:25.06 ID:cVso0KO8
続きできました。気が変わらない内に貼ります。
627ライフ 第53話@:2014/01/24(金) 07:48:30.90 ID:cVso0KO8
「これはわたしが作ったのです」
「は……?」
当然、岩城達は唖然となったが、そのままその経緯を話し始めた。

「わたしはまず、羽鳥さんの世界史のノートと今までの提出物をかき集めました……。
コピーし、それからトレーシングペーパーを使って、一文字一文字写りとり、さらにそれを下から光を透かしてカンペ用の紙に写し、筆跡が全く同じになるように作りあげました。
そして今日、朝一番に学校に来て、羽鳥さんの机のロッカーの裏方にこれを貼り付けたんです……彼女にカンニングの罪を着せるために……」
全員がその事実に凍ったように硬直した。しかし、もう一人の教師が突然、大声で笑いだしたのだ。

「戸田先生、冗談でしょ!そりゃあないよ、だいたいあなたがそんなことして何の得があるんですかァ!?」
「冗談ではありません!」
笑いかけてた岩城達もすぐに笑みを止めた。

「……わたしは自分のクラスの安西さんの存在におびえていました……」
「なっ!」
「全ては安西にとりいるために……気に入られるために自分から羽鳥さんをおとしいれる計画を練ったのです……」
彼女の暴露する内面の事実に耳を疑う。

「……安西さんは椎葉さんと羽鳥さんを嫌っている……あと流君もかしら。そしてわたしにとっても流君、特に羽鳥さんは疎ましい存在でした……」

彼女はなんと未来だけでなく竜馬まで嫌っていたことを告げたのであった。

「流君は……恐ろしい存在でした。ここの学生とは思えないその身体、その凶暴な性格……彼のみせるその瞳はまるでいろいろな修羅場をくくってきたような、向かって来るものは、誰であろうと容赦しなさそうな眼。
それ以上に本当の理由は彼の姿勢でした。
安西さんのお父さんだろうが誰であろうが……権力やルールなどに左右されない、誰にも構わない、臆しないあの剛胆さと鋼のような神経……彼にはわたしは持ってないものばかり持っていた。羽鳥さんをどうにかしたあと、彼をおとしいれるつもりでした」
628ライフ 第52話A:2014/01/24(金) 07:52:22.35 ID:cVso0KO8
彼女は今度は未来の方へ目を通す。

「羽鳥さんも流君と少し似ていて……何を言ってもいつも毅然としていて、完璧で、話すたびにまるで自分の全てを見透かされているようなざらついた気持ちになりました。
でもある時偶然、夜の繁華街で羽鳥さんがバニーガールの店で働いていることを目撃してしまったんです。
……わたしはうれしかった、『自分があの羽鳥未来の弱みを握っている……でもただ注意するだけではつまらない、もっと、もっと、安西さんに協力すれば自分だって!』という気持ちがあった。

わたしは、その気持ちに負けてしまって……教師である立場を利用して実の生徒をおとしいれようとしたんですっっ!!」
「ちょっ、ちょっと待ってください戸田先生!!」
ヒステリックになったかのように叫びながら真実を次々にその場でぶちまける戸田。
岩城達ももはや冷静でいられず、挙動不審と化していた。
そして未来へこう叫ぶ。

「羽鳥!!テスト、バイトについての処分はなしだ、バイトも多目に見る、だから……今の話は絶対に誰にも……!!」
ここまで来て、保身を考える岩城の姿に未来はいても立ってもいられず、会議室から飛び出した。
彼女は駆ける。無我夢中で、それはある人物を探していた。それは……。

「ミキ!!」
偶然、歩と出くわした。すると間を入れずに彼女の手を掴み、駆け出した。

「ミキ!?どうしたの!!」
「流はどこに!?」
「しらないよ!」
「……まあいい、カンペの犯人は……戸田だったんだ!!」
「え、えっ!?
歩の頭はこんがらがった。しかし未来は急いで再び駆け出し、会議室へ戻ってきたのだ。

「……」
「…………っ」
不倶戴天である歩と戸田は対面する。未来は歩を引き連れて、中へ入っていった。

「流にもこの事実、知ってほしかったけど一番重要なのは……戸田、あんたが言わなきゃいけない相手は、ここの奴らやわたしじゃないだろ?」
未来は歩を前に出した。

「ホントの真実を伝えなきゃいけないのはこの子、アユムじゃないのか!」
彼女の主張に戸惑う戸田。すると黒田が歩を入り口へ押し出そうとした。

「椎葉は関係ない!!羽鳥も終わったんだ!!出ていけ!!」
しかし力ずくにそれを拒む二人。歩の見る先には再び目をそらす戸田がいた。
629名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/24(金) 07:54:37.07 ID:VCFxkUFt
支援
速すぎる…
630ライフ 第53話B:2014/01/24(金) 07:56:11.66 ID:cVso0KO8
「戸田、あんたまた逃げるのかよ!!あたし達には告げられて、当の本人には言えないほどに臆病なのかよ!!」
――未来は彼女の名を高らかに叫ぶ。

《戸田ァ!!!》

そしてついに戸田は動き、揉めあう黒田と歩の中に入った。

「彼女に……話をさせてください」
――二人は向き合う。戸田は初めて歩と正面から向き合った。

「わたしは……今までずっとこうやってあなたと向き合うのを避けてきたきたわね……」
「……」
「あなたは……安西さんに机を窓から投げられた、クラスのみんなに誤解されてると相談されたとき……あたし……イヤなトラウマが蘇った。
あたし、昔椎葉さんほどじゃないけど受け持った学級にイジメがあってね。
もういなくなった平岡先生みたいにそれを必死に止めようとして頑張った、訴えた。
けど、それが元になってそのイジメがさらに酷くなったの。
『お前が告げ口したんじゃないか』って。そのせいでそのいじめられてた生徒が……自殺しちゃったの……」
その事実は歩を含めた全員が激震した。

「あたしはその時から心が死んだようになった、教師を続けているのが不思議なくらい……実は今でも、夢に出るから悩まされて……だからわたしはもう気づかないフリをすることを決めた。
次第に何がなんだかわからなくてなって、次第にどんどん膨らんで……あなたの言っていることが真実なんだと分かった時には、もはやわたしではどうしようもできない領域になってた……」
631ライフ 第53話C:2014/01/24(金) 08:00:39.04 ID:cVso0KO8
歩はどうしようもないくらいに複雑な気持ちになった。彼女にそんな過去があったという心を抉られるような同情、悲しみ。
だからと言ってこのままだったら自分が第二のイジメによる『犠牲者』となっていたことに対する怒り、歩の心はそれらとぶつかりあって、その負の感情が今にも外に拡散しそうだった。

「椎葉さん、あなたは似てる。わたしが嫌う流君に。わたしが疎ましくも憧れた性質を、あなたはもっている。
それを嫉妬した、それであなたを嫌った時……もう歯車が元に戻れぬ方向へ回り始めた」
歩は今にも泣きたくなった。何とも言えない、どうしようもないまるで水と油をいれたような中和どころか溶けることのない気持ち。
そんな彼女に未来は手を握り、勇気を与えたのだった。

「皆さんだってもうわかっているはずです。本当のイジメの主犯は誰なのか」
「…………」
「廣瀬さんでもなければ、椎葉でも有りません……」
真に目覚めた彼女は胸を張って答えた。

「安西……安西愛海です」

はっきり告げる戸田。ついに完全に開いた真実の扉。
戸田は紛れもない本物の大粒の涙を流して、歩に対して深く頭を下げた。

「椎葉さん……もはや謝っても許してくれないでしょう……けど言わせてください……今まで本当にすいませんでした……」
彼女から、凄まじいほどの後悔と自負の念を感じた歩。その謝罪は真の謝罪である。

「……っ」
歩は一目散に会議室から飛び出していった。そして未来も彼女の後を追っていった――。

歩は心に溜まったモノを今すぐにでも吐き出したかった、ぶちまけたかった……校舎と校舎を繋ぐ、外の通路に飛び出して、ちかくの柱に寄りかかると拳をこれでもかというくらいに何度も、何度も叩いた。
そして追いついた未来もその光景を目にした。

「なんなの……なんなの一体……いきなりあんなこと話して……同情でもしてほしかったの……?」
歩に近寄るいなや、振り向き自分にすがりついた。

「ミキや薗田君、流君がいなかったらあたし、絶対に自殺してた!!第二の犠牲者になってた!!」
632ライフ 第53話D:2014/01/24(金) 08:04:33.21 ID:cVso0KO8
歩は悲痛の叫びを上げて訴えた――。

「今さら謝れても遅いんだよ!!これでもし……その前にあたしが自殺してたらどう責任とるつもりだったんだよ!!」
すると未来は彼女の頭を優しく撫でた。

「許さなくていい」
彼女はそう答えた。

「けど戸田は謝った。あんたにちゃんと正面から向き合って、罪を認めて謝った。それだけだよ……」
歩は未来の胸の中で泣いた。気が済むまで泣いた。声にならないほどに……。
――学校の終わりのチャイムが鳴り、会議室では戸田と岩城だけが残っていた。

「戸田先生、わかってますね、とるべき行動は……」
「……はい」
「あなたには、学校を辞めていただく他には……」
「……承知してます」
彼女は立ち上がり、ため息をつくと再び口を開いた。

「まだひとつだけ伝えてないことがあります、わたしと佐古君についてです」
彼女からのもうひとつのしこり、それは――。

やっと落ち着いた二人は校舎外を歩いていると、傍の花壇付近で泣いているエイコとなだめている数人の女子友達がいた。互いに気づくと、エイコ達から歩に寄ってきた。そしてうつ向き、歩にこう言った。

「椎葉さん……あたしわかってた……安西さんにいじめられてること……見てた、わかってた……けど、怖くて何もできなかった……ずっと」
彼女は再び涙を流して頭を下げた。

「ごめんなさい……」
歩も彼女に向けてこう言った。

「あたしも……きってあなたみたいに、助けたりなんてできなかった。
だれかがいじめられてても……立ち上がることなんてできなかったと思う」
エイコに対して優しい笑みを放った。

「……本当にありがとう」
彼女からのお礼はエイコを心から温かいものに満たせた。嬉し泣きする彼女に彼女らは実感した。
正しい道が開いたのだと――。
するとエイコが持っていた赤いハンカチに何か気づく歩。近寄り眺めた。

「これ……同じの持ってる……みどりのやつ」
エイコは涙を拭き、顔を上げた。

「これもしかして、駅前の……」
「うん……」
「「100均だよね」」
タイミングよく、互いに口揃えたのがおかしくなり笑い声が広がった。
633ライフ 第53話E:2014/01/24(金) 08:08:07.35 ID:cVso0KO8
彼女らの距離が一気に縮まったのだ。
するとエイコは歩に。

「ねえ……椎葉さん」
「えっ」
「聞きたいことあるんだけど……」
エイコはそのハンカチに顔を押さえて、こう質問した。

「……流君のことなんだけど……」
「な、流君……?」
「流君って……好きな人とか、その……付き合っている人……いるのかなぁ……ほら、椎葉さんはよく一緒にいるような気がして、何か知ってるんじゃないかなって」
「……い、いないと思う……けど」
それを耳にした歩と未来、友達は硬直した。これはまさか……。

「エイコ……あんたまさか……」
彼女は顔を赤面させた。瞬間、その場は騒然と化した。

「エイコ、ウソでしょ!?流君のことが――」
「やめときなよ!!あんな凶暴な人と一緒になったら、どんな酷い目に合わされるかわかんないよ!!」

「…………」

まさかの竜馬を想っていた事実。エイコはああいう男がタイプなのか……しかし歩までもが顔を真っ赤にして慌てふためいた。

「ちょ、ちょっと!!流君は見かけによらず、スゴくいい人だよおーーっっ!!それにだ、だ、ダメだよ!!」
エイコは今度はまるで恋路を邪魔する敵のように歩を睨んだ。

「まさか……椎葉さんも流君が……」
「ええっ……あ」
歩はその時、何かを感じ、胸の鼓動が一気に高鳴った。

(あたし、流君のこと……)

今まで一緒にいたり、デート(?)をしたり、助けてもらったりと、確かに惹かれるものがありながら頼りになる人しか思ってなかった竜馬について、とある意識を変えた時、少しずつだが彼女にあるモノが芽生えた。
それは、中学にも経験した、ホットココアのような甘く、そして温かいモノ――。

未来は、これはある意味でいい修羅場になりそうな感じがして、そそくさとその場から逃げ出した。

「これはアユムもいい経験になるんじゃないかしら……」
するとそこに、なんと今そこで話題の人物、竜馬がやっと現れたのであった。

「お、羽鳥。大丈夫だったか?」
すると羽鳥はニヤニヤしながら彼の胸に人差し指を軽く突いた。

「あんた、ホントに罪深き男だね♪」
「……なに?」
理解できてない彼を置いてそのまま校舎へ入っていった――。
634ライフの作者です:2014/01/24(金) 08:11:58.81 ID:cVso0KO8
以上です。今回はかなりの新展開になりました。
ちなみに次回ではさらなる展開が……お楽しみに(挿絵付きでお送りします)。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/24(金) 09:28:43.68 ID:VCFxkUFt

投稿速度と量がおかしいw
挿し絵に期待
636名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/24(金) 18:23:31.80 ID:VCFxkUFt
ttp://imepic.jp/20140124/647200
ttp://imepic.jp/20140124/647970
TVアニメ版竜馬の服装はどこかで見たと思ってたんだけど…
このタイプの服を着てるキャラは個人的にはあまり見たこと無いけど、
70年代の服がまた出てくるっていうのはこんな感じなのか?
色まで似てたので思わず笑ってしまった
637名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/24(金) 18:43:34.18 ID:pWnYMi4Y
ほんとだ似てるww
638名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/25(土) 08:16:32.79 ID:gplL8UKD
新装版ではよつばと同じ服着てたな>>智
竜馬も(作画の都合だと思うけど)服装はこれで固定だし、
服のセンスが似てるんだろうか
639ライフの作者です:2014/01/25(土) 10:40:29.17 ID:VJNLCbGd
>>638
ラグランTシャツってヤツだねそれ。
今でもユニクロとかしまむらでも普通に売ってるよ。


それはそうと出来たので貼ります。
ちなみは今回はまさかの竜馬と歩のロ マ ン ス 回w
640ライフ 第54話@:2014/01/25(土) 10:43:53.48 ID:VJNLCbGd
――下校時間。歩は玄関で外履き靴に変えていた。
しかし彼女はどこか腑におちないような表情だった。それは会議室での一件なのか、それとも――。

「椎葉」

振り向くとそこには竜馬が立っていた。ドクンと心臓の鼓動が強く打つ。

『椎葉さんも……流君のことが……』

エイコから言われたことが再び頭の中に浮かび、再びその『意識』に変換される。
そして魅いるようにこちらを見つめる歩に竜馬は、

「おい!」
「あ……っ」
我に返り、首をブンブン横に振った。

「大丈夫か?」
「うん……」
珍しく一緒に歩いて帰る二人。空は淀んでいて積乱雲が彼らへ向かってきているように動いていた。これは一雨降りそうである。

「お前ら、会議室で色々とあったんだな。犯人はまさかの戸田とはな、恐れ入ったぜ」
「…………」
――歩は黙り込んだ。その表情からはあまり心地よくなさそうな心境であろう。

「羽鳥から聞いたが、戸田は俺まで嫌ってたんだとな」
「……らしいね。流君はどう思う……?」
普通の人間なら、胸ぐそ悪くなるような事実だが竜馬は無表情だ。

「別に。嫌われるというか恨まれるのはもう慣れてっから。けどムカつくのがある」
竜馬の口調に怒がこもる。

「キレエならはっきり言えってんだ。こんな回りくどいことされたら心底不愉快だ。現に今日のテストので羽鳥じゃなく俺だったら、あの場で間違いなく戸田を八つ裂きにしてた」
あまりに物騒なことを言うが、本気でやりかねない男、竜馬である。

「あいつ、ついにお前に謝ったんだってな。お前、ホントにやるじゃねえか」

しかし、歩は。

「あたし……なんかすっきりしないんだ。確かに戸田は心から謝った、普通ならそれで済むはずなのに……なんか……自分の過去を盾にしたような気がして、そしたらあたしや廣瀬が『犠牲』になった、そう思うと……」
すると竜馬は、

「椎葉、聞くがお前、アイツをまだ恨んでるか?」
「……分からない……」
「昔、アイツに何があったか知らねえけどよ、してきたことはいきなり謝れても当然許せんことばかりだな。
だがな、これだけは言える、『もう前の戸田ではない』とな」
641ライフ 第54話A:2014/01/25(土) 10:48:43.23 ID:VJNLCbGd
竜馬は話を続ける。

「逆に考えろ、戸田は前みたいに能面のような人間じゃねえ。これからお前に、イジメに対してちゃんと向き合っていけると思うぜ。
お前は心強い味方を手に入れたということに刮目しろ」

「心強い……味方」
言われるまで考えたことのなかった彼の見解に、彼女は先程までうつ向いていた顔を上げて、竜馬を見た。

「戸田はあれでも教師、担任だ。許すか許さんかはお前の勝手だが、アイツにこれからどうしてほしいのか、そこは素直に伝えるべきだ。
今のお前ならできないはずはないだろ?」

「……」

彼女に残っていたしこりが剥がれ始め、一つの希望が生まれた、生まれ変わった担任、戸田という心強い味方――。

「前を見ろ、瞳をそらさず生きてることを確かめろ。そしてお前自身が世界を変える風になれ!!」

「流君……うんっ!!」

やっと彼女に笑顔が戻った。
そうだ、昔みたいに弱い自分ではない。
彼女は断固たる自信を手に入れたのであった――。
その時、空の向こうから稲光が。数秒後に爆発のような音が。

「そういやあ雨降るつったな。お前傘は?」
「あーーっ!!学校に忘れたーーっ!!」
ポツポツと降り始め、次第に勢いが強くなっていく。学校に戻ってもずぶ濡れになるのは目に見えていた。

「こっからだと俺のアパートの方が近いな。よし椎葉、寄ってけよ、雨やむまで」
「え、ええーーっ!!?」
「早く行くぞ!!」
そして二人は急いで竜馬のアパートへ向かった。結局ずぶ濡れになった二人はすぐに部屋に入ると、彼はすぐにバスタオルを持ち出して投げ渡した。

「とりあえず頭でもふけ。あと服も乾かさねえとな、俺の服と体育用の短パンあるが使えよ」
当然の如く、彼女は赤面し、顔を横に振った。

「えっ、い、いいよいいよそんな!!!」
「風邪引くぞコラア!古いがまだ使える石油ストーブで、真上にかければすぐに乾く」
「……」
為すままに言われた通りにする歩。バスタオルと服を借り、もう一つの空き部屋を借りて、濡れた髪をくしゃくしゃに拭き、濡れた制服を脱いで竜馬のシャツと短パンを着替える。
サイズが違いすぎて、ブカブカだ。幸い短パンはヒモがあるので落ちることはなさそうだ。
642ライフ 第54話B:2014/01/25(土) 10:53:58.60 ID:VJNLCbGd
(わーすごくブカブカ……足がスースーする)

歩は何を思ったのか、竜馬のシャツのニオイを嗅いで、恍惚した。

(流君のニオイ……って!!)
さすがに変態すぎると気づき、すぐにやめた。着替えると空き部屋の戸を開けた。

「流君、ありがと……」
彼女の頭に血が沸騰した。
上半身裸の竜馬が頭を拭いている光景に。
プール授業時などで一度は見ているハズなのだが、この時の歩から見た竜馬は並みならぬ男らしい魅力を出していた。
その鍛えぬかれた筋肉隆々の体格、現代の高校生、いや日本人にはなかなか成せない筋肉。割れた腹筋、モリっとした胸筋、両腕……男なら欲しくなる要素が彼は持っていた。雨に濡れて、男臭さを発散したその姿に、歩の未熟なハートを一撃で貫通された。

「な、な、流く……服着て服!!」

「ん?服か。そんなもんプールの時間とかで見慣れてんだろ。つかお前の髪型変になってんぞ」

「い、いいから早くしてっっ!!」

歩の心の高鳴りはピーク直前に達していた。

――二人は石油ストーブの熱気がこもる、この室内に対面で座っていた。彼女の制服はちょうど石油ストーブの真天井のハンガーに掛けて干していた。

「暑いが少しガマンしろよ」
「う……うん……」
今は9月の中間、暑さが残るこの季節にストーブはキツイ。額から汗が吹き出してきて、バスタオルで拭いた意味がない。

「雨やまねえな」
「……」
自分の部屋で普通にくつろぐ歩は今何を考えているのか……それは。

(男の子の家に来るのって……流君以外で……小学校の時以来かな……っ)
彼女は竜馬という、端から見れば信じられないと思われる、見た目硬派な男の家にいると事実にひたっていた。
中学時代はもはやもう会うことさえ叶まぬ元親友の女子、しーちゃんこと、篠塚夕子ばかり依存して遊んでいた自分とは一変していることに。

――その時、雷が近くに落ちた。古い建物が爆音と共に振動した。

「ひゃあ!」
雷が苦手である歩は、前めりになったときなんと竜馬の胸元にたどり着いていた。

「あ、ごめ……」
しかし再び雷が落ち、歩はビクッと身震いしたが――。
643ライフ 第54話C:2014/01/25(土) 11:00:46.22 ID:VJNLCbGd
「こわいか、椎葉」
なんと彼は包帯の巻かれたごつごつの左手で彼女の背中に優しく触れて、安心させようとした。
今、竜馬と密着している歩の顔はまさに熟したリンゴのように真っ赤になっていた。

(あたし……流君の胸元にいる……固いけど……あったかいや……)

歩の細く綺麗な両手は竜馬の体に触れていた。凄い男性特有の筋肉質を、全身で感じとる。そして竜馬の身体のにおい……それは歩に秘められたある『意識』を覚醒させた。

竜馬は男、自分は女。痛烈に感じていた。性別が違う二人が密接する、自分で掴んだ触感、嗅覚、視覚が認知して脳に送りこまれ、実感させる。

――『意識』、それは『異性』を意味している。

(流君……っ)

歩はこう思った。このまま時間が止まっていればいいのに、と。歩は顔を上げた。竜馬の顔がはっきり見えた。
悪人顔と言われ、人から敬遠されやすいほどに濃いが、普通の男性とはまた違う、特徴的な男臭さを持つ、そして意外にも近くで見ると整った顔立ち。濡れて乾かないボリュームのある髪が彼女をさらに魅了した。
そして彼女は『異性』から、彼に対して前から溜まっていたとある心情と融合してワンステップ上の『意識』へ到達する。

「……流君」
「椎葉?」
「わ……わたし……その……ねっ」
歩と竜馬の顔は密接した。互いの熱い息が当たり合うほどに。

「あたし……な、流君のこと……」

ストーブで室内温度が上がっているのもあり、興奮している歩の感情は一気にピークに達し抑えきれない、この時、彼女はまさしく『恋乙女』だった。そして、

「……すきぃ」


……と。



http://l2.upup.be/BBWoQGMaha
http://m2.upup.be/yS5L76GwOT

今未来でインベーダーを掃討している部隊の仲間達が見たら、確実にぶちギレる光景の挿絵。
644ライフの作者です。:2014/01/25(土) 11:01:58.74 ID:VJNLCbGd
以上です。今回ので燃え尽きたのでまた力を蓄えてからまた投稿したいのでお楽しみに。
645名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/25(土) 11:19:48.00 ID:gplL8UKD

なにこの真マッハな投下速度は…(驚愕)
あー、遂に言っちゃったよ
ああ、ニヤけるニヤけるw
646ライフの作者です:2014/01/25(土) 11:40:28.60 ID:VJNLCbGd
修正部分ありました。
54話B
自分の部屋で普通にくつろぐ歩……×

自分の部屋で普通にくつろぐ竜馬に対して、歩……○
647名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/25(土) 12:32:32.24 ID:gplL8UKD
誤字・脱字はインベーダーの目玉を潰すように、
地道にチェックするしかないんだよなぁ…
648名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/26(日) 07:39:06.73 ID:4OhxGNmH
この投稿ペースやばいな
他の作者さん達も頑張れ!(急かしじゃなくて応援的な意味で)
649名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/26(日) 07:48:50.01 ID:Pi4A1d6p
乙。竜馬に告白しただと……w
650名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/26(日) 09:48:10.95 ID:4OhxGNmH
一体…何が起こっているんだ…
チェンゲってインベーダー来るまでは割りと現実世界と変わらないみたいだに、
人間関係はアレだけどしばらくは平和ってことかな

寝る前にひだまりスケッチみたせいか、やまぶき地蔵の外見が
火星の真ゲッター岩になる妄想をした
その派生でチェンゲ世界の高校には、ゲッターパイロット育成用の
ゲッター科なるものがあって…
いや、疲れてるな…
651名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/26(日) 22:38:48.02 ID:QJuFsrBq
少なくてもステルバーとかいるんだし
ビィートとか色々あるから重機免許感覚で取れそう。
652名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/26(日) 23:55:36.94 ID:4OhxGNmH
確かにビィートの免許はあの世界の軍人だと必須に近い気がする
チェンゲ世界のゲッターって、量産もされてるし、
漫画とかに比べると操作しやすくなってるのかな?
653ライフの作者です。:2014/01/27(月) 02:21:46.29 ID:mO1U+Ikb
http://n2.upup.be/L0tDRvaq4C

むしゃくしゃして殴り描きしたらこうなったわ、訴訟。
654名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 02:40:36.86 ID:6XfChcNJ
家庭裁判所でも探すか
655名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 07:45:30.55 ID:7RJDr1vW
何が…何が起こっているんだ…
656名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 20:38:14.61 ID:7RJDr1vW
連続してしまうけど、虚無戦記のデストサイキックって、
グレンラガンの螺旋力みたいだな
そのせいで、熱血漢なラ=グースを妄想してしまった
今日は悪夢を見そうだ…
657名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 20:39:45.77 ID:6XfChcNJ
>>653
めちゃくちゃラクロスした
658名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 20:51:43.97 ID:7RJDr1vW
えっそれは…俺に分かるように説明してください
イチャつく(愛情表現をする)竜馬とは珍しい
まあ、チェンゲ竜馬はミチルさんが好きだったみたいだけど
659名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 20:56:57.01 ID:6XfChcNJ
いや、まあ、極一部の流行りに乗っただけで……
そのまま書くのはさすがにやばいから……
健全にラクロスで………
660名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 21:11:18.51 ID:7RJDr1vW
そうか、そうだったのか…

悪魔ほむら、アルティメットまどか、ゲッちゃん(の外見をしたゲッター線)
の概念娘達を絡めたネタを妄想したんだけど、やるなら保管庫に落とすかな
直接的に下ネタが入るわけじゃないけど元が元なんで
悪魔化したほむらがまどかをチラチラ見てたら…という短編ネタ
661名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 21:15:56.69 ID:mO1U+Ikb
>>653の者ですが、書いてみて思いました。
竜馬ってこんな端正な顔立ちだっけと。あと歩もあんな胸デカイと……確かに作中みても結構あったけど。
662名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 21:28:07.22 ID:6XfChcNJ
竜馬はOVA版よ漫画版號はいろいろあったから凶相のイメージが有るな
663名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/27(月) 21:46:37.94 ID:7RJDr1vW
號の起き上がったときの顔は虎に近いな
しばらくしたら大分マシな顔付きになってたけど

多分、クロスすると世界の影響受けるんだよ
その世界っぽい顔になるというか
クロス作品読むと、自分の中だとそういう風な情景がどうしても浮かぶわ
664名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/28(火) 00:00:53.96 ID:6XfChcNJ

真イーグル号、ベクター(アクエリオン)、ラガン(グレンラガン)の合体を妄想したことあるけど
多分、アポロじゃなくてアマタだったら逃げる
665名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/28(火) 01:30:21.32 ID:06vWalNg
>>653
乙。とりあえず賢ちゃんとすえのぶけいこ先生(ライフの原作者)に謝ろうかw
666名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/28(火) 08:02:07.73 ID:a20T/MXP
スレのパワーが上がってるな
これが投下ラッシュの力か…
667名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/28(火) 21:34:17.02 ID:TPcrB96V
これもゲッター線のなせる業か…
668名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/28(火) 23:05:22.83 ID:a20T/MXP
いざ行かん、ゲッターの導くままに

友人にゲッターを見せたら、何気ない日常作品における日常生活の背後に
ゲッター線の影響を受けた何かがいる妄想をするようになったらしい
…なんか、クトゥルフのコズミックホラーっぽいな
669名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 04:37:26.92 ID:KUAr++dU
ハンバーグ食いてぃ
670名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 06:53:03.78 ID:dYS27iH3
何度読み返しても、シャカシャカ動いて
2ショット写真持ってくる嫁が可愛い
671名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 13:06:35.29 ID:KUAr++dU
今なら絶対にアニメ號みたいな展開は売れるだろうから、それで新作作ってくんないかな。
最初は主人公三人が各空、陸、海に分けた一人用ゲッター3機で(武装強化しながら)、終盤辺りで従来型の合体変形型のゲッターに乗り込むみたいな展開。

前者は一人乗りで扱いやすいが一機一機は弱くて各機の連携で真価を発揮して、後者は扱いづらいが、オープンゲットなど全ての性能面において前者と比じゃなく、柔軟性に優れてた感じにすれば差別化しやすいと思うんだが。

妄想スマソ
672名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 13:23:21.82 ID:dYS27iH3
各形態が独立してるっていいね
ロボットガールズでゲッター人気出たらやってほしいな
結構力入れてるみたいだし>>ロボットガールズ
673名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 13:25:27.78 ID:0MoAN1kA
まあ、最近はひねくれたものよりも王道が受けている感じがするからな。
ただ、今風にやったら1人は女の子だろうな。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 13:38:31.48 ID:dYS27iH3
熱血思考な元気娘の1号機乗りは見てみたいな
ゲーム含めても今のところいないしね
斬の茜はリーダーシップがあるけど、ちょっと違う気がする
675名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 13:47:29.82 ID:KUAr++dU
あえて二人は女、一人は男って変則チームて見てみたいな。けどそれじゃあ叩かれやすいハーレムか
676名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 14:10:42.48 ID:+fnvZRAN
>>675
女同士は同性愛者とか…
今のアニメ見てるとそういうキャラはいそう
ゲッター線も超絶ヤンデレ娘として擬人化されたりして
677名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 14:33:01.09 ID:0MoAN1kA
>>671
去年のマジェスティックプリンスはロボアニメとして好きだったな。
機体が特化型が多くて個性があって。
敵が終始強くてチームワークでどうにかしていたし。

>>676
桜Trickとか…………
毎期、女の子が仲良くやっているのはあるらしいけどここまで直球でやるのは…………
ああいうのは時々のほうがいいよね。
石川絵でやられるとちょっとドン引きする自身があるわ
678名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 15:07:50.97 ID:KUAr++dU
そういえばここのクロス作品のライフ原作版でも百合展開みたいのあったな。
林間学校中、夜中に全裸で湖を泳いだりとか口伝えで水を飲ますシーンとか。

あと、ずれるけど普通にHシーンあったりとか、緊縛おもらしとか美人のゲロ吐きとか一部の人が大喜びしそうな過激なシーンを普通に掲載できる少女漫画ってパネエわ。
679名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 17:34:20.49 ID:dYS27iH3
女は強いな
このスレの作品に女キャラが多いのは…
そうか、そういうことだったのか
680名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/29(水) 23:41:08.99 ID:0MoAN1kA
クロスって、原作の共通点以外にも
ないものとあるものをくらべてやるとかもあるらしいからな。
ゲッターって女っ気があんまりないからってこともあるだろうな。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/30(木) 04:23:57.09 ID:XlfMta4k
忘れちゃいけない、リンダというゲッター内唯一のレズビアンがいることを
682名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/30(木) 07:24:36.24 ID:GABB/P3f
部屋に連れ込まれてたら永井豪的な展開になってたんだろうか
今考えると翔ってかなりモテモテだったな

ネオゲで中の人をやった浅川さん、
またゲッター2乗りの声やってくれないかなぁ
683名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/30(木) 18:18:22.11 ID:GABB/P3f
>>680
ゲッターロボ対グレートマジンガーでの「対」って意味になるのかな
対になるってことで
戦い方との違いっていう比較もあるけど、
ゲッター世界に足りないのは普通の人間らしさとか?
無印なら日常描写は割りとされてるような気もする
684ライフの作者です:2014/01/31(金) 00:52:22.33 ID:zrXj1ZOw
続きできました。
685ライフ 第55話@:2014/01/31(金) 00:56:23.59 ID:zrXj1ZOw
直後に雷が落ちた。発した閃光が部屋を駆け巡る。

「椎葉……?」
「……」
二人は無言になった……。ついに彼女は吐き出した。彼に対する想いを、しかし……。

「……何か言ったか?」
雷のせいか、それとも小声だったのか彼にはよく聞こえてなかったようだ。
彼女はもう一度『好き』と……言えなかった。
それは何故か。冷めてしまったからだ。先ほどまでの高ぶった気持ちがピークを越えてしまい、冷静になる。
自分が何を言ったのか、覚えていなかったのだ。

「んん、何でも……ないよ」
「…………」
二人はそのままじっとしていると、雨は次第に弱くなり、今なら走って帰れば酷く濡れずに済みそうだ。

「小雨になったが、どうする?」
「……」
……彼女は帰ることにした。このままいても、変わることがないと思ったのだろう。
彼女は再び、半乾きの制服を着替えて玄関へ。

「流君、本当にありがとう……」
「おう、また明日な」
彼女は急いで家に走り去っていった。竜馬は見送る彼女を見て、首を傾げていた。

(あいつ、俺に好きっていったような……なわけねえよな)

……一方、歩は自宅に着き、シャワーを浴びて自分の部屋に入ると布団に籠った。

「あたし……流君になんてこと言っちゃったんだろ……」
勢いに任せていきなりあんなこと言って、彼が困惑するんじゃないかと。後悔のような何というか、複雑な気持ちになった。聞こえてなかったようであったのが幸いか。

「けどもしあれで流君が……」
もしも、自分の想いを受け入れてくれたのなら……と思うと彼女の顔はカアッと赤くなった。

「なあっ、あたしなに考えてんの!!もう、明日のテスト勉強でもして忘れよ」

ベッドから立ち上がる、机について勉強に取りかかり始めた。
しかし、彼女はこう思っていた。自分は彼が好きなんだと改めて実感した。
次はちゃんと言えると思う。あれは予行練習だったと思えば……とポジティブに考える歩だった――がやはり途中で顔がポッと赤くなり、
回転イスでぐるぐる回る、思春期の女の子のような感情を沸く歩なのであった。
686ライフ 第55話A:2014/01/31(金) 01:00:25.74 ID:zrXj1ZOw
――次の日、愛海は一人で登校した。何も変わらない日常、彼女はそう思い込んでいた。
しかし、なにかが違った。目に入る生徒達全員が彼女を見てくる。それも冷たく卑下した目で。

「カンニング」「平岡」「イジメ」「自殺」「椎葉」「追いつめた」「アイツが」などとひそひそ話ばかりが彼女の耳ばかり入ってくる。
彼女は突然、誰もいない女子トイレに入る否や、 洗面所付近のゴミ箱を力任せに蹴り飛ばした。

「うっ……ザアアアアアアっっ!!言うならハッキリ言えってつうの!!」
彼女はふと、鏡を見た。そこには怒りで強張った自分の顔が写る。

「……みんなが見てるんだからかわいくしなきゃねっ♪」
さすがの彼女もこれではと、髪を纏めてハートのついたヘヤピンを付けて笑顔を作り、精一杯の自分の「可愛さ」を作り出した。

「つまんないなァ……ケンカ売ってくんなら買ってやるのにさ。笑ってないとかわいい顔が台無しだぞファイト、マナミ♪」
自分を奮い立たせ、自分のクラスの入口付近に立つ。
意を決して、ドアを開けた。彼女はすぐに自分の席へ向かい、座り込む。
本来ならここからたくさんの友達が来て、オシャベリなど、いつもと変わらぬ学校生活の始まりになる……はずだったが。

「……えっ、なにこれ……」
誰も自分を見てくれない。絡んでくれない。自分とクラスの距離が凄く離れているような錯覚に陥った。

「なんで……誰も見ないの……マナ、ここにいるよ……?」
目が潤む彼女。そんな中、歩が教室へ入ってきた。するとエイコを始めとするクラス全員が彼女に注目、笑顔で仲良く絡む。今までとうって変わり、自分と憎むべき女、椎葉歩と立場が逆転してしまった。

「うそ……こんなのがずっとなの……いやあ、いやああああああああっ!!」
愛海は絶望した。平岡が自宅に来たときに軽くあしらった際に言われた言葉が今ここで思い出された。

『あなたは絶対に孤独になる』

見事に的中してしまった……。

「こんなのはイヤア……」
彼女は纏めた髪をくしゃくしゃにして嘆いた。涙を浮かべて誰にも聞こえることのない小さな声で。
「おねがいだよ……だれでもいいからマナをかまってよ……いじめてもいいから……」
687ライフ 第55話B:2014/01/31(金) 01:02:26.95 ID:zrXj1ZOw
自業自得であるが皮肉である。自分のしてきた悪行の報いが全て、しっぺ返しをくらい、歩にしてきたことが今度は自分がその苦しみを受けることになった。
そして今の言葉は、彼女の本性を顕している。狡猾且つ、傲慢な、可憐な仮面に隠されたその本性は『孤独が苦手で、常に愛に飢えている』というもの――。
クラスではテスト前のオシャベリをしているが、その異様な光景に目を疑う人間も少なからずいた。
「おい、あいつら友達だったんじゃねえのかよ……っ」
「きのうまで一緒にいたよなあ……」
「うわあ……オンナってこえー……まさか昨日のヤツで安西切り捨てたのかよ……」
エミやチカはもはや愛海から離れて別の女子と楽しく絡んでいる。
そして愛海一人が机に顔を埋めて『一人ぼっち』という現実に失望している光景……歩もそれを見て唖然となった。
そんな時、未来が歩の元に駆け寄ってきた。

「購買いこっ、朝何も食べてないんだ」
「あっ……うん」
彼女はそんな愛海を見て、なぜか胸が引き絞まる思いになるが、これは自業自得であると無理にでも思わせるのであった。
廊下では、出ていけ歩と未来を黙って見ていたチカが口を開く。

「ウチらやばくね?」
「……へ?」
エミを始めとする取りまき達がチカに注目した。

「椎葉が正しかったと判断されて、マナミがイジメの主犯だって確定したんだ。これからそれらに関わったウチらの名前がゼッタイに上がる……」
「えっ!?」
チカの先見性には感心する。その可能性は非常に高い。
その事実に彼女達は激しく動揺した。

「でっ、でもウチら何もしてないよね??ねっ、ねっ……?」
「当たり前じゃん!!そんなひどいこと……」
しかし、彼女らに思い当たる節がある。
それは歩が女子トイレで愛海達にカーテンを巻かれて水責めにされた時、彼女らは見えない所からクスクス笑っていた。
そして下剤を盛られてトイレの個室にこもっていた歩にトイレットペーパーの雨を降らせた犯人も実は、彼女らであった。
それを思いだした三人の顔は一気にひきつった。
688ライフ 第55話C:2014/01/31(金) 01:05:24.54 ID:zrXj1ZOw
「ヤバイじゃん!!どーすんのよっ」
「でもあれは……ウチらだって分からないかもしんないしっ……」
「見たかもしんないじゃん!!」
揉める三人と深刻な表情のままのエミ。そんな中、

「謝りに行こ、椎葉に」
チカはなめていた棒付きキャンディーを噛み砕くと、その何か企みのあるような卑しい笑みをした。

「先手先手♪こーゆーのは早いほうがいいって♪」
本気でない、ただ自分がもう疑われないようにするための偽りの謝罪を企んでいた。

「ちょっ、待ってよ!まだ心の準備が……」
早速歩の元へ向かう彼女達だが、エミだけは行くのを拒んだ。

「あたしはヤダ!」
彼女の顔からは後戻りはできなくなった後悔と、チカに対するその行動の疑問に満ちていた。

「自分のやったことだし……今さらそんなふうに謝るのは……」
「は?なにひとりで盛り上がってんの?」
エミはもうチカのやり方に失望していた。
「勝手にしなよ、後悔してもしんないから」
微笑して、仲間と去っていく彼女の後ろ姿をエミは涙を込み上げた。

「……ヒロに謝るのが先じゃねーのかよ……」
今ここでエミは、改めて罪悪感を感じていた。後戻りはもはやできない、過ちを犯しているのに、それなのに……止めることができない自分の無力さに嘆いていた。

「ミィーーっけ♪」
そしてチカ達も歩達を発見すると、仲間の一人に手を差し出した。

「目薬。あんたコンタクトだよね」
借りるとすぐに目に差して、投げ渡した。

「あんたたちも仕込んどきな!」
……そして彼女達は校舎外に二人を呼び出すとすぐさま頭を下げた。

「……あのときはさ……なにも見えてなかったんだ……マナのこと、信じてたし。
けど……あんなヤツだなんて思ってもなかった……」
チカの目から嘘の涙が流れ出た。

「ホントにあんたにはヒドイことをしたと思ってるっ……」
彼女につられて後ろの仲間も次々に「ごめんなさい」と頭を深々と下げた。
そしてチカは膝をつき、土下座をしたのだった。
689ライフ 第55話D:2014/01/31(金) 01:07:38.46 ID:zrXj1ZOw
「どんなに謝ってもっ、許されないことはもうわかってる……でもあたしは……」
「謝らなくていいよ」
歩がそういうのを待ち望んでいたのか、土下座で隠れたその顔は卑しかった。

「もういいよ……」
さわやかな笑みで返す歩にチカは立ち上がり、涙を流しながら彼女へ向かっていった。

「アユムっち〜〜〜〜っっ、あんたなら、わかってくれると思ってた!」
抱きつこうとしたチカだったが、その手は本人によって軽くあしらわれた。

「心がこもってないこと言ってもお見通しだから」
歩にはわかっていた。罪を着たくないための単なる言い逃れだったことを。歩はそう言い捨て、未来と共に去っていった。

「〜〜〜〜っ!」
チカ達は唖然とした。昔の彼女ではないと。

「行こ!」
策が失敗し、苦虫を噛み潰したような顔で彼女達も去っていった。

「……前のあたしなら、すぐに許してた」
そう呟く歩。

「たぶんヘラヘラ笑って……いいよって言ってた。
嫌われたくなくて、浮きたくなくて、はみ出ないようにそればっか考えてた……自分の意見言えないんじゃなくて……はじめから意見なんかなかった。
あたしも反省するとこがいっぱいあった」
立ち止まり、拳を強く握りしめる歩。

「でも、だからいじめられてもしょーがなかったなんて、絶対に思わない!」
今、酷い目にあっている愛海を思い浮かべていた。

「あたしは一生許さないと思う、安西を……」
そんな歩を、ただ物悲しく見つめる未来だった。

「あれっ?」
彼女を近くの体育館の入口が開いていることに気付き、中に入っていく。
隅のボールカゴからバスケットボールを取り出すと、器用バウンドさせる。

「わたしバニーのバイトやめるわ!」
未来からの突然の決意。

「まえはさあ、学校なんかどうでもいいと思ってたけど、もうゴタゴタはいやなんだよね」
振り向くと歩にボールを投げ渡す。

「あんたと一緒に、ここを卒業したいんだ」
690ライフ 第55話E:2014/01/31(金) 01:12:08.79 ID:zrXj1ZOw
歩を受け入れるような包容力のある笑みを放ち、高らかにこういった。

「アユム、あんたとこれから一緒に学校生活楽しみたいんだーーっ!!」
……歩は泣いた。今まで苦痛しかなかった学校に対して。しかし彼女は思った、やっと普通に、楽しい学校生活を送れることに対する嬉しさが込み上がった。

「楽しいことあるかな……?」

「まずは文化祭でしょ?それから体育祭、冬は音楽祭もあるし……あっ、2年になったら修学旅行あるねっ、それからえーっと……」

「まってミキ……そんなの想像つかない……もっとフツウのこと……」
歩は照れ隠ししながらこう言った。

「授業中に……手紙書いてこっそり回したりとか、休み時間にテレビの話したり……」
「やろやろーーっ!」
「雑誌読んだり、帰りに寄り道……」
「いいねいいね、どこよる?」
「ま、マックとか行きたい!!」
「ぜーんぶやってやんよっ!!ぜんぶ!!」
――これからの学校生活を夢見て、二人は笑顔で体育館から抜け出していった――。

「それからあれも忘れたらいけないよ?」
「あれって?」
「恋話にきまってんよーーっ!」
「…………」
691ライフの作者です:2014/01/31(金) 01:13:31.84 ID:zrXj1ZOw
以上です。次回もお楽しみに
692名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/31(金) 02:38:16.07 ID:3KjDSJA2

キルラキルもゲッター的な感じになるのかな
693名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/31(金) 06:41:47.72 ID:uynVPKe2

なんて、なんて投下速度なんだ
まるで週刊ゲッターライフだな
694名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/31(金) 22:05:12.67 ID:X6yyq9Ge
ちょっ、まとめが追いつかないんですが!

乙です。
695名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/01(土) 02:00:17.85 ID:QSmzkJRT
まとめの人が悲鳴を上げるスピードってw
696名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/01(土) 08:38:22.47 ID:QSmzkJRT
漫画版の叛逆の物語見てて思ったんだが、ほむらが
女神まどかのまどかの人格を切り取ったってことは、感情の無いシステムにしたようなもんだから、
残った円環はゲッター線やラ=グースみたいに星や生命を
取り込む化け物みたいになる気がしてきた
円環が改変後にどうなってるのかは描かれてないけど、
宇宙的な存在を増やした以上、また化け物が生まれそうで怖い
697名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 00:14:27.73 ID:hxxz4YxO
同じ脚本の仮面ライダーと魔獣戦線を混ぜよう
…………聖書と北欧神話って違いはあるが
698名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 00:57:37.99 ID:/33/hbjA
インベスになった初瀬ちゃんが魔獣に改造されるのか
699ライフの作者です:2014/02/02(日) 01:23:10.89 ID:SLA8feJy
保管庫にまとめてくれた人、本当にありがとうございました。
あとすいませんが、確認したら、32、33話の内容が被っていたので修正してもらえないでしょうか。

ちなみに前々から欲しかったライフに関する書籍二冊を見つけたので購入しました。
まだ届いてないですが一つは小説版ライフ。内容はドラマ版のノベライズということで、二つ目はライフと照らし合わせた今の日本におけるイジメについて考察する内容らしい。
二つともドラマ化した当時の物なので古いですが届くのが楽しみです。
700ライフ 第56話@:2014/02/02(日) 08:00:01.35 ID:SLA8feJy
――二日目のテストが終わり、各人が嘆いたり、喜んでいた。そんな中、誰にも相手にされない愛海は一人、答案を返しにいく。

「……」
歩は彼女を黙って見つめていた矢先、一人の男子が深刻な表情で入ってきた。その顔はただ事ではないことを物語っていた。

「おい大変だよ、戸田ちゃんが依願退職したんだとよっ!!」
それを聞いたクラス全員がざわめいた。

「えっ……」
歩、未来、愛海の三人も例外ではなかった。

「はあっ!!?なんで戸田ちゃんがっ……」
「ウソだろぉ……」
「なんでだよ、俺たちが昨日ボイコットしたからか!?」
激震のクラス内。愛海は信じられなかった。なんとかしてくれると信じていたあいつが……手中におさめたはずの戸田が逃げたと。
歩はその知らせにいてもたってもいられず、教室から飛び出していった。

「アユム!」
未来も急いで彼女を追いかけていく。

(せっかく心強い味方ができたと思ってたのに……また全部うやむやにするつもりだ!!)

――学校の総合掲示板前には生徒達で埋めつくされていた。
そこには戸田の退職を記された辞令書が張り出されている。やはりその場の生徒は動揺しざわめいていた。
その隅でこのような事態になることを予想していた岩城と田崎が何やらひそひそと話していた。

「……いいか、生徒に説明するまえにもう一度確認するぞ。戸田は学級運営に疲れて依願退職した、それだけだ。
カンペなぞ作ってもなければ、佐古と付き合ったりしていない」
「…………」
一組担任である田崎は困惑していた。
彼らはこの期に及んで隠滅しようとしていたのである。

「――とにかく、戸田のやったことは絶対に――」
「どういうことですか!」
「!!」
驚き振り向くと、そこには眉間のシワを寄せて、怒りに満ちた歩と未来の姿が。

「……説明してください」
「い、いや、その……」
問い詰められる岩城達の前に、突然愛海が息を切らして割り込んできた。

「どこよ戸田は……どこにいんのよ!!」
あの『画像』の映った携帯を握りしめて、ゆっくり詰め寄る。

「あいつのせいで……マナがヒドイ目みてるのにっ……」
701ライフ 第56話A:2014/02/02(日) 08:03:46.16 ID:SLA8feJy
しかし横に歩がいることに気づくと、その怒りの矛先を彼女に向けた。

「おまえか……」
胸ぐらを掴み、怒号を響かせた。

「あんたが戸田になんかしたんでしょ……!!」
壁に叩きつけ、問い詰めるも歩は冷静にこう告げた。

「戸田はぜんぶ暴露した。あんたにおびえて、カンペを作ったって……」
愛海の腕を掴み、振りほどくとハッキリこう言う。

「イジメの主犯は廣瀬じゃなく安西愛海だと言った」
「……ウソだ……ウソだっ!!」
当然の如く、激しく動揺する彼女であった。

「ウソだウソだウソだウソだ!!!!嘘だっ!!そんなハズないっ!!アイツがマナを裏切るなんてこと……」

頑なに認めようとしない彼女に歩は平然と、

「ほんとうだ」

いきなり愛海は歩を本気で殴り飛ばし、壁に叩きつけた。

「うそだアアアアアアアアアアっっ!!」

再び襲いかかる愛海。その時だった。彼女の頭にへ一足の内履き靴が直撃した。

「うるせえんだよ、ごちゃごちゃごちゃごちゃと……」
「平岡の次は戸田かよ」
彼女達が振り返ると、そこにはなんと廊下を埋めつくすほどに集まった生徒達が愛海に憎悪を剥き出していた。

「おまえが戸田先生を飛ばしたんだろ?」

その数は男女合わせて100人を遥かに超える。一年生全てを合わせた数か、上級生も含んでいるのか分からない程だ。
中には泣いている女子達も。彼女らは平岡や戸田を慕っていた生徒であった。

窮鼠の如く異様な状況にいる愛海は、目を疑っていた。

「ちが……ちがう……」
「椎葉(そいつ)いじめはじめたのもおまえなんだってな!」
「マジかよ!!」
集まった野次馬が一気にどよめき始め、

「やっぱりアイツだって思ってた。いじめてたの」
「あの車椅子のコが指図してたとか全部ウソだよ!」
「信じらんない……じゃああのコ自殺に追いつめたのもアイツじゃん!」
「ちげーよ、自殺じゃねえって。あの女が4階から突き落としたらしいぜ、ホントは」
あらぬ事まででっちあげられるも、この状況からでは信じこまれるのは必然だった。

「じゃあそれ殺人じゃん……」
「人殺し……人間じゃないよ……」
702ライフ 第56話B:2014/02/02(日) 08:06:43.73 ID:SLA8feJy
大混乱に陥る学校内。しかしすぐにそれが静かになった。

「やっとわかったよ。ぜんぶお前のせいだったってことをな」
怒り、憎悪が全て愛海に向けられた時、彼女は悟った。
今から予想もしてなかった恐ろしいことが起こると。

『あいつだ。あいつのせいで学校がおかしくなった。戸田先生を、平岡先生を返せ。殺人者。消えろ、消えろ!!』


――そして!!

《学校から消えろ!!》

ついに勃発。生徒達が一斉に愛海に襲いかかるのを。まるで街を飲み込む大津波の如く、全員を敵にまわした愛海へ雪崩れ込んだのであった。
岩城達が押さえようとしたが暴れだした人海を止めるすべなどなく、飲み込まれた。

「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアっっっ!!!」

愛海は一目散に逃げ出した。このままでは自分が殺されると。側にいた歩は慌てて愛海を助けようと手を差しのべるも、近くにいた未来の決死の行動によって通路横へ避難。人海に潰される難を逃れた。
愛海は曲がり角辺りで追い付かれて飲み込まれてしまった。

「安西出てきやがれぇ!!」
「逃げんじゃねえよコラァ!」
「オレらにどんだけ迷惑かけたと思ってんだァ!」
怒号を張り上げる暴徒達の群れ。中には将棋倒しのように倒れる生徒がいるその垂下に愛海はいた。
命からがら隙間から這い出て、誰もいない所へ脱出。走り出すも後ろの生徒にしっかり見られていた。

「いたぞ、あっちだ!!」
必死で逃げる愛海の直線上にはあの、エミとチカの姿が。

「まっ、マナミ!!」
構っているヒマなどなく、エミは彼女に勢いよく吹き飛ばされ、持っていたバッグの中身が散乱した。

――玄関まで押し寄せてきた生徒の中、愛海は人を踏み台にして下駄箱に乗り上げ、入口へ向かうも、誰かが下駄箱を叩きつけ、グラッと揺れた。

「見いつけた」
――そして歩達も駆けつけると、野次馬に注目される下駄箱上の袋小路になった愛海の姿が。

「いーじゃん!そこで謝れよ、オレらに向かってよお」
「土下座しろよ土下座ーーっっ!!」
それに賛同し、煽り始める生徒達。
703ライフ 第56話C:2014/02/02(日) 08:10:12.59 ID:SLA8feJy
――一方、まだこの事を知らない克己は教室にいたが。

「ちょっと、すごいことになってるよ一階!!」
「安西がっ!!」
駆けつけてきた女子生徒の知らせに彼は表情を変えた。

「ま、マナミがどうした?」
彼はその生徒に引っ張られて教室から出ていった。

「カツミくん、安西と別れてよかったね!!アイツかなりの悪人だよ、戸田先生を飛ばしたんだって!」
「えっ!?なんだよそれっ?」

……すると一階から、生徒全員が声を張り上げて煽っている。その言葉は……。

《土・下・座!!土・下・座!!土・下・座!!土・下・座!!土・下・座!!土・下・座!!土・下・座!!土・下・座!!土・下・座――!!》


まさに地獄。一階、二階の大多数の全員からの愛海に向かって土下座コール、中にはその光景の携帯写真を撮る者も。
動くことのできない彼女は恥辱、屈辱をこれでもかというくらいに味わっていた。

「な……なんで……」
その光景に青ざめていく歩と未来。すると、

「いい見物だな、安西」
横では竜馬が皮肉混じりの笑みでこの光景を見ていた。

「流君……?」
「あいつは今までの悪行の報いが今になって全部返ってきたんだよ。『因果応報』、『天に唾を吐けば自分に返る』とはまさにこの事だな」
「…………」

……確かにその通りだった。彼女は今まさに天誅を受けている最中である。が、歩はというと……。
「ちがう……あたしはこんなことになるのは……望んでない!!」
歩ただ一人が愛海を助けようと向かっていく。確かに自分は愛海から酷い目を遭わされた。だからといって、こんな屈辱な見せ物にされることは心外だった。

一方愛海は恐怖と動揺から震えていた膝が地面に付き、まさに土下座の一歩手前の状況にきていた。
しかし、横に目を通し入口が開いていることに着目すると、すかさずそこから飛び降りた。しかし、一人の男子が散乱したエミのバッグの中身の一つ、プリクラノートを拾い上げ、愛海に向けて全力で投げつけた。

「逃げてんじゃねーよーーーーっっ!」
704名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 08:11:02.89 ID:nwVh+yZV
支援
ウオオ、このスピードはまとめの人に疲れを引き起こすほどの…
705ライフ 第56話D:2014/02/02(日) 08:13:00.56 ID:SLA8feJy
ノートは見事彼女の眉間に命中し、激痛からその場でうずくまった。

「い、痛っ……」

真下にはエミがこれまで集めたプリクラが貼られているページが開いていた。
エミ、チカ、廣瀬達と仲良く写ったモノ、克己とのツーショット。ペンで沢山落書きされたモノ……。それはエミが愛海から離れても、心中ではまだ彼女を慕ってたことが分かる1ページだった。しかしその中でも一番注目するプリクラがあった。

それは入学してまもない頃に撮った、自分と歩のツーショットである。それを目にした彼女はその場で凍ったように固まってしまった。

「ちゃんと謝れよお前。今までどんだけひどいことしてきたんだよ、それで逃げるのかよ……謝れ」

静まりかえる中一人の男子生徒に諭されて、黙り込む愛海。果たしてこの結末は……。
706ライフの作者です:2014/02/02(日) 08:18:05.63 ID:SLA8feJy
以上です。土下座コールはドラマでもありましたね。

http://n2.upup.be/Em7314jOMg

こんな状況だったらあなたは耐えられますか?
707名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 08:32:42.20 ID:nCSmoevf
乙。
無理ですガチ泣きします
708名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 12:02:23.68 ID:nwVh+yZV

デビルマンでもあったけど、数の暴力と叫び声って怖いな
恐怖心を煽るのに戦場でも大昔から使われていたそうだし


ttp://imepic.jp/20140125/257380
便乗してちょっと怖い画像を
下はゲッター線を浴びた後、または革命の針を使用後かな?(大嘘)
709名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 14:59:11.30 ID:DzIRzL7T
僕らの生まれて来るずっとずっと前にはもう、真ゲッターロボは火星に行ったっていうのに


ごめんなさいなんでもないです
710名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 18:06:08.23 ID:nwVh+yZV
ゲッター世界で街がジャングルになったら危険だね
猿人とか、稀に鬼が出現しそう
711名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 20:36:49.44 ID:bNPKZ50T
今日人類が初めて木星に着いたよ ゲッターエンペラーになる日も近づいたんだよ
712まとめだよ:2014/02/02(日) 21:36:40.34 ID:nvlUXWUS
あずまんがのは、もうちょっとお待ちください。
ライフの方はなおしておきました。もう投下されてるよ!

713名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 22:27:59.78 ID:nwVh+yZV
>>712
どうもです
ありがたいのですが、自分の分は、少しまとめるところがあるので
後で(結構時間かかりそうですが)自分で更新しておきます
色々と直すところが合ったので、前回の投稿の1つ前の話の修正分を
規制が掛からない程度に上げます


ゲッターロボ+あずまんが大王 第8話-(4)-


その車は、多くの者から注視されていた。
人間から、そして異形から。
眼の良い者、或いは不幸にもその近くにいたものは裸眼で。
遠くの者は、望遠鏡や双眼鏡を用いて。

当初、異形を注視していた視線は、次第にそちらに移り始めていた。
というのも、

「正に、悪魔ね」

という言葉を漏らした白衣の女性の言葉通り、
悪魔に相応しき光景が広がっていたためだ。
そして、それは『火炎地獄』という意味に等しい。
突如、建物を崩して出現する角竜。
本来備わっていないはずのはばたきと牙を用いて大空より急襲する翼竜。
そのどれもが、疾走する車から吐き出される火力によって砕かれていった。

無数の火花と共に撃ち出される弾丸群は翼竜の鼻面をごっそりと抉り取り、
炸裂した鉄塊は角竜を肉と機械が雑じった奇怪なオブジェに変えていく。

何人かは、この車の右側面に何やら風に揺れている物体を
目撃したが、それは犠牲者たちの残骸が怨念のように張り憑いているのだと判断した。
そして大量の火力は、この車に備え付けられた兵器であると。
この場所が何の麓町であるのかを熟知している者達は、そう認識した。
勿論、例外も多かった。
この車を、誰が操縦しているのか知っている連中である。
そして彼らは、砕かれていくものよりも恐ろしげな思いを車に抱き、
無慈悲な破壊活動を屋上からみつめていた。
時折、車は観測者たちから見て遮蔽物となる建築物に隠れるが、それもほぼ一瞬のことだった。
何故なら、見えなくなったと思ったら、その遮蔽物はすぐに煙を上げて破壊されていったためだ。

「…あいつ」

天文部の友人から借りた、中々に精度の高い望遠鏡を用いながら、

「やっぱり、あの一員か」

水原暦は、呻くように呟いた。

目撃者の多くから残骸扱いされていたその者は、
火花の残滓と煙を浴びつつ、殺戮の使徒となっていた。

「またきやがった」

悪態と共に空へと向けられた砲が火を吹く。
数秒の後に炸裂した弾頭が犠牲者の残骸をぱらぱらと地に落す。
鉄の飛翔体に宿った恐るべき威力は、太古に君臨した大空の覇者さえも木っ端微塵の群体に変えていく。
車の周囲に、殺戮と破壊の乱舞が構築されていた。

「何でロケランがこんなにあるんですか」

まだ息があるものの、ひしゃげた鼻面に鉄の筒をぶち当て、
車の振動で物騒な音を立てつつ揺れる銃火器の山を見ながら、呟くように竜馬は訊いた。
ロケランという言葉を使ったのは、傍らの少女が「はい、新しいロケラン」、
「ロケラン一丁上がり!」などと言いつつ、
物騒極まりないことに鼻先にその弾頭を押し付けてくるので、
何時の間にか脳に刻まれてしまったからだった。
また、先の質問の解答に関しては、あまり期待していないようだった。

「ロケット花火とか好きだから」
「誘爆したら車が消し飛びますよ」

その程度で済むわけが無いが、危機を伝えるためにピンポイントで説明した。
回りに被害が及ぶと言っても、この人は自分は生き残るだろうと思う人種な気がしたからだ。
取り返しのつかないことをやることも大好きなように感じた。
715名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 22:31:51.98 ID:hxxz4YxO
はや!
支援
それにしても異常な量だと、竜馬は思った。
既に5本の砲を使い果たしたが、まだ2〜3本ほどが助手席に刺さっており、
その周りには、最早、群体生物にさえ思えるほどに絡まり、重なり合った銃火器が山を成している。

「(このまま放って置けば、何か生まれんのかね)」

その様子が、生物の臓物か筋組織と骨格のように見えたらしく、竜馬はそう思った。

現在、竜馬はほぼ車体に張り付いての迎撃を行っており、武装の運搬役は主に智が行っている。
神楽はというと、

「ごほっ、うぐっ、ごぁああ……」

と、本来は快活かつ可憐さを備えた声を悲鳴に近い嗚咽に変えてむせ続けていた。
というのも、周囲で巻き起こる破壊の副産物たる煙が
窓から侵入し、彼女を直撃し続けているせいであった。
竜馬は慣れているので耐性があり、ゆかりは窓を開け、
更に冷房を最大にして無理矢理煙を己から引き剥がしている。
そして智に至っては竜馬を盾にすることで煙を交わしている。
結果、竜馬で遮蔽しきれなかったものと前列から追いやられた煙が神楽を直撃することになっていた。
どうにかしてやりたいとは竜馬も思ったが、位置的にもどうしようもなかった。
実際は、神楽側の窓を開ければある程度は解決したのだが、そこまで気は廻らなかった。

そこに、再び高周波を伴う叫びが鳴った。

「はい」

タイムラグは殆ど無く、竜馬に武器が手渡される。
先ほど竜馬が生物に見立てた部分で言う、心臓に当たる部分の担っていた物だった。
受け取ると同時に、鋭い犬歯でピンを抜き、遥か上空へと放り投げる。
汗による仄かな塩味を口に感じた頃、投擲された手榴弾はその身を炎に変えていた。
胴と嘴を分断された翼竜は、最期の抵抗か車へと頭部を落下させたが、
それを少年は許さず、激突の寸前に左の裏拳でその肉塊を薙ぎ払った。
目玉が潰れ、左右に20センチ以上も嘴をずらした頭部は、
弾き飛ばされた先の外路壁に激突した。
「おー、凄いな。一撃必殺ってやつ?」

肉と皮と、骨を潰しながら壁面に減り込み、ずるりと落ちた骸を見て、智が言った。
楽しげ、且つ誇らしげな口調だった。

「殴ったのは屍骸だけどな」
「なんだ。じゃあちょっと凄みが減ったね」
「なんだよそれ」
「アレ、大体私と同じくらいの大きさだね」
「寝覚めの悪いことを言うんじゃねぇ」

殺戮の手を止めると、竜馬は全身に痺れが回るのを感じた。
どうやら、あの銃火器の出所は、これではっきりしたようだ。
彼の身を蝕みつつ守っていたのは、製作者が、
螺子の一本から弾丸の一発に至るまで込めた狂気に違いない。

「あんたら…修学旅行じゃねぇんだぞ」
「ごめんごめん。つい花咲いちゃった」
「咲いてねえだろ」

少なくとも、破壊と殺戮の花は咲き乱れていた。
竜馬は、今時の修学旅行はこういう雰囲気なのかと思っていた。
挙句の果てに、まともな神経なら絶対に楽しくないに違いないと、
勝手な誤解をするにまで至ってしまっていた。

この武器群は、使用者を高揚させる何かがあった。
狂気による酩酊感とでもいうべき感情が、
敵対者の破壊を使用者に見届けさせる度に、手元から脳髄へと駆け上がっていく。
竜馬としては、慣れかけたようなもので、感情の制御はできているようだが、
もしも慣れない者が使えば、それは麻薬よりも危険なもので、脊髄と脳を蝕むだろう。

「ったく、トカゲどもめ。あたしの車返せっつうの」

この状況でこの女性が己を貫いているのも、
恐らくこのおぞましい武器を使用したことによる影響だと、竜馬は断定した。
でなければ、こんなに順応できるものか、と。

再び身を乗り出し、竜馬が周囲を見渡す。
周囲は残骸が散乱し、大気は黒煙にまみれている。
「戦後みたいだね」
「戦後だけどな」

ゆかりから返されたその言葉に、智はデジャヴを感じた。
いつだったか、聴いた言葉だった。
確か、購買部で上級下級・教師の区別無く他人を蹴散らし、
パンを買っていたときに、背後で友人たちがそんな言葉を交わしていた。
竜馬はというと、空を見渡しながら学校のほうを見据えている。
遥か遠くに、先ほど会話した女性を見つけ、
その視線が(少なくとも竜馬の方は)合うと、彼は軽く会釈した。
相手方の表情に困惑の色が走ったのは、言うまでも無い。

「やっと一息つけるな。おい神楽、今どこらへん?」

なにかおかしい気がしたが、竜馬は気にするのをやめた。
隣の智は、「んん〜〜」っと猫のように背伸びをしている。
本当に一息ついていた。
そして問いの内容は、どこに行けばいい、ではなく、今どこに自分たちはいるときた。
振られた方としては、最上級に困る問いかけだった。

「…こ」
「何言ってんだお前。お姉さんに話してみ」

ぜぇぜぇ言いながら頭を抱える神楽の手が、這い寄るように近付いた智の左耳を引っつかんだ。
彼女が「痛ぇ!!」と叫ぶ前に、神楽は大きく息を吸った。

「ここだよ!!ここ!!」

エネルギーが蓄積していたのか、凄まじい声量だった。
先ほどまで銃火器を振り回していた竜馬すら、一瞬だがぎょっとしていた。

「って、ああもう少し過ぎちまった!先生、ちょっと戻って!」
「あいよ」
「真っ直ぐって言っただろ!先生!人の話聞いてくれよ!!」
「え?むせてたじゃん」
「お前の肩叩いただろ、智!!何度も!何度も!」
「あー、重いの持ってたから麻痺してた。私ってこう見えて神経は繊細だからさ」
「お前がそんな上等な神経の持ち主か!!」
「仕方ないじゃん、感じなかったんだから」
「かっ…変なこと言うな!!」

何やら、勝手に話が始まった。
恐らく、到着するまで続くだろう。
「疲れるでしょ、こいつら」

竜馬もやや呆れていたところに、ゆかりが声をかけた。

「まぁ、こんな連中をまとめられるのも私の手腕があるからよ」

性格に問題ありだというのは智の談だが、
多分それは彼女の隣にある物どものせいだろう。
独り身だというのは、なんとなく分かったが。
ブロンドヘアーの中々の美人さんだが、並の男では御せられないのだろうと。

そんなことを竜馬が考えているうちに、車は停車した。
山の斜面の一角に、白いシートで覆われた箇所があった。
町外れ、そんな言葉が正しい場所に、それはあった。
建築中の、建物か何かのようだった。

「おし、これだな。じゃお前ら降りろ」
「え?」

「え?」と返したのは竜馬である。
『ら』とはどういうことなのか。
聞き間違えだろうと竜馬は思った。
先ほどから、鼓膜が酷使されているせいだと。

「おい智。まだ話は終わってないからな」
「はいはい分かった分かった。ん?竜馬は降りないの?」
「降りるよ。俺は」
「あんたも、よ」

聞き間違えでは無かったらしい。
なし崩し的に、三人は車から降ろされた。

「あの、なんで二人も」
「え、いや。こういうのって、そういう展開じゃないの?」
「何がですか」
「大人は大人でやることあんのよ。ガキは邪魔にならないように隠れてな」
「危ないと思うんですが」
「大丈夫よ。あんたがいるし」
「んなムチャクチャな」

少なくとも、会ってから僅かな時間しか経っていない人間に託すことではない。
しかし、その時間も少ないようだ。
竜馬は、再び地面に足を降ろしたその時から、
足の裏で生じる『振動』に気付いていた。
「…分かりました。あの連…学生さんらを」

そこで、竜馬の言葉が詰まる。
何と繋げれば良いのか、疑問に思っているようだった。
『学生さん』どもは早速先程の続きをしていた。
ヒートアップしているのか、互いに互いの頬を抓りあっている。
ぐにぐにと、柔らかく張りのある肌が漫画のように伸ばされていた。

「『預かる』なんてどう?見て分かったと思うけど、あいつらガキもいいとこだし」
「俺もまだガキなんですが」
「そんなに畏まんなくていいよ。グロい怪我とか死ななければ御の字」

畏まってねぇよ、と竜馬は内心で呟く。
恐らく、普段あまり丁寧に接されていないのだろう。
少なくとも、この状況ではしゃぎに近い精神状態にあるこの連中からは。

「…まぁ、それが俺ならいいんですがね」

戦う者にとって当然、考えられうることを、竜馬は呟いた。
彼にとっては、軽口に近いものだった。

「…ナガレくん、ちょっと耳貸しなさい」

妙な気配がしたが、逆らっても逃げられなさそうなので、
竜馬は大人しく従った。
首肯に近い形で顔を近づけると、頭部で『ポカン』と間抜けな音が鳴った。
緩く握られた拳が、彼の頭を叩いていた。
痛みは薄い。
しかし、妙に重さを覚える一撃だった。

「ガキのくせに、死ぬの生きるの簡単に言うんじゃないわ」

気に入らない、その声はそう告げていた。。

「少年。あんた、もしも心臓をエグられたらどうなる?ここをぐいーって掻っ捌かれて」

オーバーなジェスチャーと、やや恐ろしげな表情を交えて、ゆかりが竜馬に問うた。

少しだけ時間を置いて、やや真剣な表情で思惑を浮かべ、二度三度と頷いた後、
「多分、死にます」

と、竜馬は応えた。
多分、という言葉と即答ではなかったことにゆかりは少しの疑問を感じたが、
それは無視することにした。

「なら、あんま無茶するんじゃないわよ。強いみたいだけど、あんたは普通の人間なんだから」

普通という言葉に、思わず竜馬は苦笑したくなった。
場所と相手が違えば、壮大に笑っていたかもしれない。
そんな言い方をされるのは、一体何時以来だろう。
もしかしたら、生まれて初めてかもしれなかった。

「努力しますよ」
「努力じゃ駄目だ。結果出せ」

強引だが、尤もな言葉だった。
存外に優秀な教師ではないかと、竜馬は思った。
少なくとも、彼が昔に通っていた学校の教師とは大きく異なっている。色々と。

「つまり死ぬなってことよ。あんたが死んだら、少なくともあの連中も死ぬわよ」
「…分かりました」

すぅっと、竜馬は息を吸った。
咽喉の痛みを、今になって思い出していた。

「あいつらは、絶対に死なせやしません」

それは、確かな決意の顕われだった。

「うん、ならそれで良しとしておこう。そんじゃ、行ってらっしゃい」

少し深めにこうべを垂らし、竜馬は白いシートの中へと消えていった。
僅かに開いたその先から、

「うわぁ!すげぇ!!」

と空気の読まない声が聞こえてきた。
どうやら、既に進入しているようだった。

「凄いというか何というか、面白い連中ね」
竜馬の姿が消えてすぐ、かつて彼がいた場所に、白衣の女性が座っていた。
どのような偶然か、周囲は熱が渦巻いているのに、
開いているドアから入ってくる煙も空気も、何故か冷気を纏っていた。
その女性の、声色のように。
722名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 22:56:01.91 ID:QlpUO3n9
支援
723名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 22:57:09.88 ID:QlpUO3n9
支援2!
「近くにいたなら言いなさいよ。鬼娘。っていうか、どっから湧いた」
「あらかた片付けたわ。というよりも、一番大きくても、さっきの角竜だけだったみたいね」
「なにそれ。拍子抜けするわね」
「多分、収容したか様子見だったんでしょう」
「ふうん。まぁ、こっちとしては命拾いしたからいいわ」
「そうね」

隠そうともせず、どことなく残念そうな口調で女性は言った。
ゆかりの方は、軽く「けっ」と呟いた。無論、相手によく聴こえるように。

「でも、何かあったら監督責任を取られるのはあなたじゃないの?」
「証拠物は、私のじゃないし」
「ある意味、誘拐に近いと思うのだけれど?」
「いや、勝手に着いて来たから乗せただけ」
「だったら、こっちの方に回して欲しかったわ。
 あぁ、お友達なら元気よ。少なくとも今は」
「じゃあ大丈夫だわ。あいつ、体育会系だし」
「貴女って、悪い人ね」
「言われたくないわ、この小娘が」

バックミラー越しに、女性の笑みがゆかりの眼に映り、
ゆかりの笑顔はサイドミラーによく映っていた。
女傑という存在の手本に出来そうな表情が、彼女らの顔に宿っていた。




つづく
725名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 23:01:08.77 ID:hxxz4YxO
726名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/02(日) 23:03:10.69 ID:nwVh+yZV
手直しですが、上げられました
支援感謝します

久々に、隼人さんと榊さん書きたい…
727名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/03(月) 00:47:13.53 ID:OHe55akX
ライフの作者です。あずまんが乙でした。榊さんの画像見ましたが確かにあの顔はテラ隼人でしたw

まとめの人、どうもありがとうございました。
728ライフ 第57話@:2014/02/03(月) 10:16:29.45 ID:OHe55akX
「土下座しろよ。ちゃんと誠意見せろよ」
その場で固まる愛海は何を考えてるか。それは歩をいじめ始めて間もない頃、エミ達とゲーセンでプリクラを取った時のことである。

「ねえアユムさあ……やっぱりカツミくんのこと好きなのかなぁ……」
「えーーっ、だからそんなの気にすんなっていってんじゃん!!」
「心配することないって」
「何があってもウチらが守るから大丈夫だよ!
つーか、椎葉なんかにマナの幸せが壊されるわけねーじゃん!!」
「……そぉだよね。そぉだよね!」

……自分が中心となって、誰からも愛されていたあの頃、何をしても庇ってくれた友達は今はもう……。

その時だった。プリクラに赤い液体が落ちた。次々と垂れ落ちてプリクラノートを汚く染める。
それは彼女の血液だった。男子生徒が投げたプリクラノートが眉間に直撃し、深く切れていたのだった。彼女の目にも垂れて視界が紅く染まった。

「あ……ああっっ!!?」
切れた眉間を触るとぬるっとした感触が。見るとベットリと掌に血が付着していた。
……彼女には頭の何が切れた音がした。すると近くにかけてあった水切り用具を手に取ると、全力で後ろのガラスを叩き割ったのだ。
歩と未来含む、その場にいた生徒全員がその唐突さに尻餅をついて怯えた。

「おまえらに何が分かる……おまえらにマナのなにがっ……」
彼女は群衆に向かって水切り用具を振り上げた。

《だれが土下座なんかするかボケェェーーーッッッ!!!!》

ぶちギレて啖呵を切った愛海。だが、どこからか笑い声が……。

「くくっ……なにあれ……アハハ……」
「ボケェェェっ!!だってよ!!」
「マネすんなよ、ぷぷ……」
次第に感染し、周囲に先ほどの行動に対してあざけ笑う生徒達の姿が。

「あんなデカイガラス割っちゃったよ!!まじウケるんだけど!!」
「さっすが安西、お前の本性ハッキリ見たぜ。超こえーーっっ!!」
キレたのがかえって全員から愚笑を買うハメに……。

「笑うな……笑うな……っっ」
もはや彼女にとっては恥と屈辱の極致。大粒の涙を流しながら再び振り上げて襲いかかった。

《わらうなあああああああっっ!!》
729ライフ 第57話A:2014/02/03(月) 10:20:30.55 ID:OHe55akX
瞬間、写真をとる音が聞こえて彼女は止まった。周りはなんと今の姿を携帯のカメラで撮影していた。

「ほらほら安西、動けよ!!」
「なんならその場で股開いてもいいぞ。見たくないけどお前ならできんだろ?」
「犬みたいに一周回ってワンって言えや!」
セクハラ、パワハラまがいな要求を言いながら、次々と今の彼女の姿を撮影する彼ら。四方八方からカメラや動画を撮られてしまう愛海は……。

(生き……地獄だ……ハハハ……)

その目からはもう生気が感じられなかった……。
そんな中、歩はもはやこのような惨劇に耐えられなかった。

「や、やめてえーーーっっ!!!」
彼女は愛海を助けようと向かうも、なんと自身も写真を撮られてしまう。

「イェーイ、椎葉と安西のツーショットゲットっ♪」
本人が周りに見せびらかしている時、歩がその携帯を強引に奪い上げた。

(あたしは……こんなのは望んでなかった……)
画面に写る愛海は泣いたまま立ち尽くしている。それにも関わらず、空気を読まない周囲の人間はあざけ笑いながら写真や動画撮りに夢中だ。

「もう……やめてこんな、惨いこと……」
そして急いで駆けつけた教師達も治安させるために生徒達の中へ介入した。

「やめんかキサマらァ!!!」
「撮るな、下がれ!!」
田崎と数人の教師が彼女の元へ向かい、すぐに保護した。

「安西、大丈夫か!!」
しかし彼女の眼は死んでいた。放心して呼応すらしていなかった。
遠くから見ていた園田、そして克己はその場の異常な空気に吐き気すら催していた。

「……か、関係ないぞオレは……」
克己が見る遠くからの愛海はこちらを見ながらゆっくり向かっているように見えた。

「く、来るな!!来るなァァ!!」
取り乱し、一目散に逃げ出した彼は誰かの足に引っかかり、倒れ込むが運よく壁に寄りかかる。
しかしそこにあったのは非常用ベル。指が発動ボタンを勢いで強く押してしまう。
瞬間、学校内で騒音のようなベルが鳴り響き、その場はまさに大混乱に陥った。将棋倒しで倒れる者、携帯が吹き飛ばされて潰される者……。

「あっ!!」
押したのが自分だと今気付いた克己はやっと我に返る。

「あの人がベルを押したっぽいよ!」
全員の視線が今度は克己に向けられた。
730ライフ 第57話B:2014/02/03(月) 10:24:11.59 ID:OHe55akX
「ち、ちが……」
自分が変な目で見られていることに彼は顔の筋肉が強張る。

「カツミくんじゃん!!」
「なんで?」
次は彼が注目されてしまい、

「誰だよ佐古って!?」
「あいつの元カレだって?」
「安西が鳴らしたの!?」
「違うよ、 佐古くんが安西を助けるためにやったんだって!!」
クラスメートからの真意ではない発言が愛海の耳に届いた。

「カツミ……くん……?」
放心していた彼女は自我を取り戻した。そう、元カレの名によって。

「マナのために……カツミが……」
愛海にとって陥れようとしていたが、逆に自分を助けようとしてくれようとした(実際は全く違うが)克己へ彼女は求めた。

「どこ……カツミくん……」
「安西!」
さ迷う彼女に田崎が手を差しのべた。

「こっちだ!!」
しかしせっかく救おうとした彼の手を『あたしにさわるな』と言わんばかりに振りほどき、自分が叩き割ったガラス戸から抜け出して脱走したのだ。

「安西!!」
歩も彼女を追いかけていく。そして学校外へ逃げ出した愛海。校門前へ来た時、突然誰かとぶつかった。

「よお安西」
彼女は顔を上げるそこにいたのは……。

「あ……あんたは……」
まるで熊のような大男。そう、彼女が嫌う人間の一人である竜馬だった。なんと彼は待ち構えていたのだった。

「ワリィが俺もてめえの悪行に心底腹が煮えくりまわってるんでな。逃げれるもんなら逃げてみやがれコラァ」
手をバキバキ鳴らして不敵な笑みを繰り出す竜馬。本気だ、彼は本気で彼女に手を掛けようとしていた。

「殺しはしねえ。だが二度と外に出れなくしてやんぜ。前に俺に怒りを買った女みてーになあ!!」
「…………?」
覚えているだろうか。数ヶ月前に突然、何者かによって再起不能にまで重症を負わされた彼女の友達がいたことを……名前は大原真由(マユ)という名である。

「さあて覚悟しな!」
彼はマユと同じ目に遭わそうとしている。さすがの彼女も彼の恐ろしさを知っているので恐怖に染まって後退ったその時。

「流君、やめてえ!!」
731名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/03(月) 10:25:44.34 ID:Vi9lDNuI
支援
相変わらずやばいペースだ
732名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/03(月) 10:28:44.21 ID:OHe55akX
「椎葉?」
歩の叫びに動きが止まった。すると愛海はその隙をついて彼の横を全速力で通過した。

「てめえ!!」
だが彼は突然、とある幻覚に襲われる。逃げていく彼女にとある人物の姿が被ったのだ。
それは……自分に牙を向けた挙げ句に殺人の冤罪を着せて永久刑務所に叩き込んだあの裏切り者。
仲間だと思っていたが今は復讐の対象になっている、あの男だった。

「てめえ……なんでここにいるっ……!!!」
駆けつけた歩は竜馬の様子がおかしいことに気づく。

「流……君……?」
いきなり竜馬は急変した。その復讐に燃える阿修羅のような顔になり、学生シャツの中からとんでもないモノを取り出したのだ。黒光りの角ばった重量感のある物体、それは日本の一般人は確実に持てない代物、拳銃であった。


《キサマかああああああああーーーっっ、ハヤトオオオォォォォォォォォォォォォォっっ!!》


咆哮する竜馬はなんと逃げる愛海へ躊躇いなく銃口を向けたのであった。それを見た歩は仰天した。

「流君っ!!?」
素早く安全装置を外し、ついに――発砲。硝煙と共に弾丸が勢いよく飛び出した。
その一発が勢いに任せて撃ったせいか、彼女には直撃しなかったが左肩を擦り、血が吹き出した。

「痛っ!!」
彼女は後ろを振り返ると憤怒の彼がこちらに黒い物を向けているのが見えた。

「うそ……テッポウ!!?」
察知した愛海は悟った。本気で殺しにかかっている。彼女の防衛本能のタガが外れ、なりふり構わず彼から離れようと決死で走っていく。
幸いなことに今はその射線上や周辺には誰もいなかったことである。

「また逃げる気かハヤトォっっ!!」
竜馬が二発目を撃とうとした時、歩はとっさに彼の腕を掴んで愛海への狙いを妨げた。

「流君!!安西を殺しちゃダメ!!」
彼女の触感と叫びがやっと、竜馬の自我を取り戻し、顔を和らげた。

「し……椎葉……?」
「流君……?」
その口調はいつもの彼だ。歩は一瞬の安心を得た。

「俺は一体……」
あの竜馬も今とった自分の行動に動揺を隠せなかった。

(なぜだ……なぜ安西と隼人の姿が被った……?)
733ライフ 第57話D:2014/02/03(月) 10:32:22.42 ID:OHe55akX
彼にもその理由が分からない。
しかし、そういえば愛海はあの男、神隼人と似てる性質をいくつか持っていることにふと気づいた。

隠れた残虐性、異様に頭の回転が早い点、そして誰にも手の内を見せないその黒い性格……まさか。竜馬にとある考察へ辿り着いた時、未来がここにやって来た。

「二人とも!!」

彼女に気付いた二人は振り向く。竜馬はすぐに拳銃を再び懐に隠し入れた。

「安西は!?」
「…………」
すると歩は三人に向かってこう言った。

「わたし……これから安西を追う」

それを聞いたミキは仰天した。

「ダメ!!」
「なんで!!」
未来は行こうとする歩を引き止めようとしていた。

「アイツは……あんたに何をしでかすかわからない!!」
その通りである。もしかしたら歩に命の危険がないわけではない、愛海は本気で襲いかかる可能性だってあるのだ。

「お願い、行かないで……」
「ミキ……」
今にも泣きそうな声で嘆願する彼女に歩の心を揺さぶった。しかし、

「よし椎葉、行きたいのなら行ってこい!!」
「流!!」
なんと竜馬は歩に後押しするのであった。

「流君!?」
「お前がそれで納得するんなら今すぐ行動しろ!!心配すんな、お前を邪魔するヤツなんかいねえよ、いたらそいつをぶっ飛ばしてやる!」
再び不敵な笑みの竜馬は拳を握りしめて歩にそれを見せつけた。

「立ち上がれ椎葉!!勇気はあるか!!希望はあるか!!
行け!!」


《今 が そ の 時 だ 』!!》


彼の熱き激励に血潮が奮い立つ歩。

「……うん!!」
歩は彼女から貰ったリストカットを隠すためにつけていたリストバンドを外し、未来にそれを渡した。

「ミキ……ごめん。けど、このまま終わらせたくない」
そう言い残し、歩は全速力で愛海の後を追いかけていった。

「あ、アユムーーーっっっ!!!」
未来の悲痛の叫びを省みず、歩は駆けていく。
彼女はもはや一つの考えしかなかった。

(安西を追って意味があるのかわからない。けど前に進むんだ流君に言われた通り、今こそ立ち上がる時なんだ、あたしが――)


《世界を変える風になるんだっっ!!!》
734ライフの作者です:2014/02/03(月) 10:35:14.98 ID:OHe55akX
以上です。原作以上に熱血回になりました。やっぱ竜馬は鬱クラッシャーですわ。
次回から歩と愛海の最終決戦に突入します、どうなるかお楽しみに。
735名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/03(月) 10:38:55.39 ID:OHe55akX
修正。第57話Dの文中に『三人に向かって』とありますが竜馬と未来の二人しかいないです。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/03(月) 18:21:14.57 ID:Vi9lDNuI

何が起こっているんだ…
相変わらず投下ラッシュがやべぇな
737名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/03(月) 23:57:39.06 ID:Vi9lDNuI
>>697
最近、鬱展開に入ったんだっけか>鎧武
確か、敵が元人間だって判明して、倒した中に友達の知り合いがいたとか

ニトロのスタッフで新作ゲッターやったら…どうなるんだろうか
738ライフの作者です。:2014/02/04(火) 06:40:48.52 ID:xlKfzud6
なんでこんなにスピード投稿できるのか自分でもよくわからない……。
もうできたので貼ります、こうなったら気力続くまでだ。
739ライフ 第58話@:2014/02/04(火) 06:43:57.62 ID:xlKfzud6
(あたしは安西を許せない。これから先、なにがあっても。けど、このままうやむやにしたくない!)

消えていく歩の後ろ姿を黙って見つめる竜馬と途方に暮れる未来。
そんな彼らの元に園田が駆けつけた。

「流、羽鳥さん、椎葉さんは!」
すると未来は立ち上がり、園田にすがった。

「アユムが……アユムが安西を追うって……!」
「えっ……」
「止めたんだけど……」
彼女は歩から返されたリストバンドをぎゅっと握りしめて不安そうな表情をしていた――。

「お前らも、そんなに心配なら後を追いかけたらどうだ?」
さすがの未来も竜馬の軽はずみの発言についに。

「あんた……自分からアユムをけしかけたくせに……」
彼をぐっと睨み付ける未来。しかし竜馬は顔の筋肉を少しも動かしてない。

「別に俺はどうこう言われようが何とも思わねえ。文句あるヤツはたとえ羽鳥、お前でも立ち向かってやる」
竜馬は愛海と歩が走っていった方向を目を向けた。

「俺は、椎葉みたいに強い心を持つヤツが好きだな。そんなアイツが迷ってたから俺が背中を少し押してやった、ただそれだけよ」
「「…………」」
「行け、二人とも。俺に何か言いたいのなら後で好きなだけ聞いてやる。今はそんなヒマないんじゃねえのか?」
……園田は羽鳥の手をグッと引く。

「行こう羽鳥さん。椎葉さん達を追おう!」
「園田……」
彼女も納得したのか立ち上がり、コクッと頷いた。

「流は?」
「俺のことはいいから早く行きな」
……二人も急いで、二人も後を追うべく駆けていった。

竜馬は何を思っているのか、彼らの後ろ姿をじっと見つめているが……。
すると竜馬のつけていた腕時計が急に反応し、ビービーと甲高い音が。彼はすぐに確認する。

「……ゲッター線量が急速に増加……だと?」
ゲッター線。今の時代では採取はおろか、発見すらされていない産物。そんなエネルギー体がとある一定方向に集中している。それはなんと四人の走っていった方向であることを竜馬は腕時計の機能によって突き止めた。

「この過剰な数値は、真ドラゴン級ほどじゃねえが……ただ事じゃねえな」
竜馬までもが彼女らと同じ方向へ駆け出していった。
740ライフ 第58話A:2014/02/04(火) 06:47:17.99 ID:xlKfzud6
「いいかげんにしろ!!さっさと教室へ戻らんか!!」
一方、学校の玄関では教師達から厳しい指導を受けている生徒達の姿が。

「おまえら……こんな騒ぎ起こしてタダではすまさんからな……」
しかし、近くの生徒は反抗的な態度で切り返した。

「は?なにいってんの?先公達が学校を野放しにしてっからこうなったんじゃねーか」
「つかさあ、安西だけが悪いの?他にも仲間いるんじゃねえのか?」
「ちょっとなにこの空気……みんなおかしいよ」
「あんな写真撮ってなにが楽しいわけ……?考えられない……」
反発、恐怖、疑心、様々な思いが揺れ動いていた……。

一方、愛海は街中を無我夢中で走っていた。
周りの目が集中する中、ひたすらに……。

「いた……」
痛みの走る右肩を押さえた。竜馬が発砲した銃弾がかすった所だ。

「……えっ」
たまたま横にある店のショーウインドを見ると、そこにはボロボロの自分が。
傷と血だらけで学生服も全て汚れ土まみれになっている。肩も出血で紅く染まっている、いつもの自分とは思えない姿が。

「や、やだ……なにこれ……どうしよ……これじゃあ……バスに乗れない……帰れない……サイフもない……」
何もかも全て学校に置いてきたので、今の彼女は丸腰であった。

「ど、どうしよう……」
悩む愛海だったが、すぐに名案が閃く。

「そうだ……あそこなら」
フラフラしながら歩いていく彼女。

……その様子をとある観光外国人のような男性二人が不思議そうに見ていた。一人が黒人、一人が白人の若い男性……。

「変わった女の子が歩いているけど、日本のコって結構クレイジーなのかな。ねえ、スティンガー君?」
「うん、そうだね。それより早くドクターサオトメの元へいこうよコーウェン君」

……コーウェンとスティンガーと呼ばれる彼らは早乙女博士と同じ若き天才科学者。そして、竜馬の時代にて地球最大の惨劇を引き起こす暗躍者になろうとは自身すらまだ気づいていなかった……。
741ライフ 第58話B:2014/02/04(火) 06:52:02.47 ID:xlKfzud6
そして歩も息を切らして彼女を追っていたが、完全に見失っていた。

(あたしは安西に復讐をしたかったわけじゃない……心ない謝罪がほしいわけじゃない、今さら謝られても許せない……。
けど戸田はハッキリ言った。自分の罪を認めてあたしに全てを話してくれた。

あたしはきっと、安西の真意を知りたいんだ!)

無我夢中で探すも手がかりすら見えない。

(どこなの安西……まだそこまで離れてないはず……学校から……)

そんな時、先ほどの学校での記憶がよみがえる。

『佐古くんが安西助けるために非常ベル押したんだよ』

その言葉が浮かんだ時、歩の足は止まった。

(ま、まさか……)

彼女の胸が締め付けられる。一つだけの手がかりを見つけた。しかしそこは歩にとって思い出しくない、行きたくない場所。トラウマになりかけたあの忌々しい場所である――。

――克己の自宅。愛海は玄関ドアに立っていた。インターホンを押しても反応しなかった。

「なんでだれもいないのォ……」

すると愛海は何かに気付いたのか、家の裏側にまわり、勝手口付近にある植木鉢を持ち上げるとなんと鍵が。勝手口の鍵を開けて、誰からの許可なく入った。

「えへっ、前にこうやって入ってたもんね、カツミ君と♪」
誰もいない克己宅内で一人、感傷に浸りながら辺りをうろいき、階段を上り、克己の部屋へ侵入した。

「なにも変わってないな……カツミ君の部屋……」

……彼女は彼と付き合い始めた思い出を振り返った。同じ中学校同士で彼と付き合いたい女子が多数いる激戦区に勝ち抜き手に入れ、その頃は友達も大勢おり、ほぼ全員から祝福されてもはやこれ以上のない幸せ。
そして、彼と同じ今通う高校に受かるために一緒に、そして愛し合いながら受験勉強したこの部屋でのあの頃……。

「幸せだった……あのときのマナは……ほんとに幸せだった……」
しかし彼女の足がそばのごみ箱に辺り、散らかる。しかしその中身は二人のツーショットなどの写真が無惨にも破り捨てられた残骸、そして彼女がプレゼントした人形であった。

今となっては幸せだった過去も虚像。彼女に今あるのは……『無』である。

「もうマナにはなにもない……」
へたり込み、自分にこう問いかけた。

「……なんで、なんでマナがこんな目に……」
742ライフ 第58話C:2014/02/04(火) 06:55:26.99 ID:xlKfzud6
彼女の目から一筋の涙が……。

「またやり直したい。あの頃に戻りたい……さいしょから……」

その時、この家のインターホンが鳴る。彼女はとっさに顔を上げた。

「カツミくん……」

彼女は立ち上がり、急いで一階へ向かった。来たのは唯一寄りすがれる人物、佐古克己だと信じて……。

しかし、外の玄関にいたのは……歩だった。
一階の玄関モニターから、ドア前に立つ彼女を目撃した時、愛海に蓄積された憎悪が再燃したのであった。

「こいつだ……こいつのせいでマナの全てがぶち壊されたんだ……そうだ、全部……」

《お前が全てをブチぶち壊したんだっっ!!》
743ライフの作者です:2014/02/04(火) 06:57:49.20 ID:xlKfzud6
以上です。
http://n2.upup.be/lHifV0Q5mw

↑文最後のシーンの愛海ですがこれ……どうみてもラ=グースにしか見えないです。
744名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 08:20:00.71 ID:ZvljjZZT

これアレだろ
巨大護神器の上に出現したラ=グースだろ
人間がこんな表情をするなんて、わけがわからないよ
745名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 17:58:38.75 ID:lWZWPMTZ
80億の仏倒しそうな顔してるな
746名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 18:14:53.12 ID:ZvljjZZT
女の顔芸って素敵だな
747名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 18:30:27.31 ID:CKRyeaHQ
たぶん、作者も楽しくなってやってんのかも。
遊戯王とか楽しそうに顔芸やってるし
748名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 19:26:58.38 ID:ZvljjZZT
遊戯王の顔芸は、マリクがやってから色々酷くなっていったな
今や主な登場人物の三分の一は顔芸晒してるみたいだし

自分は友人に
隼人、榊さんのアレ、もこっち、悪魔ほむら
呉キリカ(まどかのスピンオフのヤンデレ魔法少女)
の顔芸画像を並べて見せたら「この連中は家族か?w」
って言われたな
長文失礼
749名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 20:59:25.54 ID:Bt6uvkbT
>>737
知り合いどころかガチで友達。
でも主人公は友人をその手にかけた事実を知らない。
750名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 21:06:47.26 ID:CKRyeaHQ
っで、別の友人(弟分)がそれを知ってしまったが黙っている。
その黙っている友人も敵?組織の事情をそこに勤めている兄から知って
来週敵に回わるみたいな展開。

まあ、つなげ方は荒いけど大筋は面白いし。
本題に入った感じかな
751名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 21:12:10.30 ID:7IBn7ufQ
まあライダーのモチーフはフルーツだけどな!

何か隠してる大企業側のライダーが
『ソーダー!』
ってシステム音声で変身するの見てると笑えてくるw
752名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 21:12:33.93 ID:ZvljjZZT
昔の、人間が改造されてた頃みたいだね
虚淵はブレないなぁ
753名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 21:27:09.19 ID:CKRyeaHQ
>>752
ここしばらくは王道路線で行っていたらしいからな。
だから、ディケイド以前路線をもう一回やろうってコンセプトらしいし
754名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 21:34:54.58 ID:ZvljjZZT
原点回帰ってことかな
前のレスでもあったけど、ひねったのもいいけど、王道もいいね
755名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 21:39:04.08 ID:CKRyeaHQ
まあ、ひねったことを続きすぎてマンネリや破綻を作ることも多くないからな。
王道はまあ、なんだかんだで面白いパターンとして認められているわけだし。

ただし、そのままテンプレだけ取り出しても既視感バリバリのもので
ちゃんと肉付けしないといけないってのが話作りの肝らしいけどね。

落語だって同じ話を別の人がするときもあるけど
その噺家なりに言い方やアレンジとかすることも多いらしいし。
756名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 21:49:18.95 ID:ZvljjZZT
話作りって難しいな
本棚の石川先生の作品を見て思ったんだが、魔界転生とかゲッターロボとか、
描き込みも構成もぶっとんだ作品が生涯をかけて描いたものでもなく、
(不真面目とか手抜きとかそういう意味じゃなくて)
多くの代表作の一つっていうのが凄い
賢先生だけじゃなく、物語を作って生活してる人らの頭のなかには
ガチで宇宙が存在するんじゃないかと思うわ
757名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 22:35:50.47 ID:CKRyeaHQ
最近はキルラキルの流子が
竜馬に娘がいたら、女だったら
ってイメージが付いてるなあ。

ただ、ナニも知らない人から見ると半裸ながら戦う人だけど
758名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/04(火) 23:02:51.31 ID:ZvljjZZT
調べてみたら、キルラキルが最近、ゲッターに一気に近付いたらしいなww
確かに、服で進化したっていうのは理に叶ってるような
759ライフの作者です。:2014/02/05(水) 01:51:59.12 ID:w926EyeB
今回短いですができました。
760ライフ 第59話@:2014/02/05(水) 01:53:37.72 ID:w926EyeB
歩は玄関で何か気づいていた。中に誰かいることに……。

「すいません、誰かいますか?」

彼女がそう叫んだ瞬間、『ガチャっ!』と鍵を外す音が聞こえ一瞬、ビクッと縮こまった。
つかぬ間、堅く閉ざされたドアがゆっくり開いた。その時、その隙間から見えたのは人間の眼。歩はその眼力に捕らえられてしまった。

だが突然、頭を掴まれて強引に引き込まれてしまい、倒れ込んでしまった。

「……っ?」
一体何が起こったか、ワケが分からずゆっくりと体を起こす。

「……あ、安西……っ」
横にはドアに密接し、立ち尽くす愛海……。

「おまえのせいだ」
ゆっくりと振り向く彼女の顔は鬼。その眼からは殺気以外に何も感じられない。
危険を察知した歩は飛び上がるように立ち、彼女から少しずつ後退る。

「ま、まって安西」
「なにが?」
ダイニングキッチンへ移動し、まるで幽霊のようにゆらゆらと追い詰めてくる愛海に、彼女は。

「あたしはあんたとこんなふうになりたくなかった!!」
愛海に本当の気持ちを問い詰める歩。
761ライフ 第59話A:2014/02/05(水) 01:55:13.06 ID:w926EyeB
「どうして……佐古を、佐古を盗ろうとしたことがそんなに許せない!?」
愛海は無表情で全く答えない。歩は彼女の手の内が全く見えず困惑する。

一方で学校では。

「いい人すぎるよ佐古くんは……!」

教室でクラスメートの女子達から同情を受けていた。

「佐古くんだって振り回されてたんだよ。安西さんのせいで……なのに助けるなんてお人好しだよ!」
「別れたんならほっときゃいいのにな、お前だって被害者じゃん」
どうやら彼は全く何も疑われてないようだ。思えばこの男が全ての元凶であるのに……。

「なんだ……何も心配ないじゃないか……これで完全に悪いのはオレじゃない、愛海だ……クックック、ざまあみろ」
カバンを肩に下げて、一人ルンルンで帰宅しようと学校からでていった。

「さあて、久々に家であの『コレクション』でも眺めてやるかァ♪」
今、家であの二人がいることも知らずに――。


「言ったじゃない、あたしは……。アイツはあんたが思ってるようなヤツじゃないって、あたしは佐古を盗ろうとなんか少しも考えてなかったって、何度も言った」
762ライフ 第59話B:2014/02/05(水) 01:56:47.05 ID:w926EyeB
歩は今ここで愛海に自分の本意を話していた。

「あたしはあんたが最初話しかけてくれたのが正直嬉しかった!!」
無表情だった愛海の顔がピクッと動いた。

「最初、友達がいなかった自分と一緒にお弁当を食べた時の安西は優しかった。
だからこそあたしは、あんたを信じたかった、あたしの言葉を少しでも信じてほしかった!!
なのに……なんでそんなにあたしをここまで……」

歩は熱のこもった声で彼女に訴える。しかし、聞こえてきたのはなんと、歩に対してあざけ高笑う声だった。

「だからおまえはいじめられるんだよ」
歩は耳を疑った。

「甘い思い出ねぇ……マナはただ声をかけてやっただけなのにさ」
カーテンを開き、空を眺める愛海。

「マナの引き立て役にはいいかなと思っただけ、あんたそんなにブサイクじゃないしね。
ただブサイクすぎるのはイヤよ?一緒にいると不快だから、それだけよ。あんたはマナに反抗しなさそうだし」
平然とそう告げる彼女に歩は、

「ホントにそれだけなの?」
歩は思い切って彼女にこう聞いた。
763ライフ 第59話C:2014/02/05(水) 01:58:15.83 ID:w926EyeB
「あんただって、いじめられてたんじゃなかったの?」
愛海は振り向き、目の色を変えた。

「……前に言ったよね。中学のとき、嫌がらせをされたって。佐古のことが好きな女子達から……本当は痛みを知ってるんじゃないの?どうしてそんなふうに……」
次の瞬間、愛海はカーテンを閉めて、卑屈の笑みを彼女に見せた。

「あんたと一緒にしないでくれる?マナが簡単にヤられてるわけないじゃん。
ちょっと脅しただけで……なにあの怖がりよう、面白いったらありゃしない」
そう言い、彼女は歩へ寄り始めた――。

「おまえも泣いて謝ればよかったんだ。
いじめたあんたの苦しそうな顔を見るのが好きだった、すごく気持ち良かった。あそこだけがお前の居場所だった。

なのにお前はあそこから抜け出した……。まるであたしが嫌う人間、流のようにその強情且つビクともしない精神で、どれだけくたばらせようと何度でも立ち上がってくる。
764ライフ 第59話D:2014/02/05(水) 02:01:14.76 ID:w926EyeB
意思をもって、反抗的な目で……。そしたらあんたは壊した。マナの全てを……幸せを……消し飛ばしたんだ」


《マナはお前が生きていること自体が許せないんだよっっっ!!!》

鬼の形相で歩の首根っこを掴むと、全力で床に押し倒す。のしかかり本気で首を締めたのだった。

「あんただけは……マナの手で殺してやる……幸せになんかさせない」

両手に力を入れてトドメをさそうとする愛海。悶絶し、もがき苦しむ歩の心は悲しかった。
本気だ。本気で歩を憎み、殺そうとしている。

(わからない……あたしは安西愛海という人間がわからない……)

歩は泣いた。彼女がどうしてそこまで歪んだのか……知ることが出来なかった。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/05(水) 02:02:26.23 ID:w926EyeB
《次回予告》

憎悪が再燃し、本気で殺そうと襲いかかる愛海。

「あんたを……もがきくるしませて殺してやる」

そんな彼女が放った包丁の凶刃が歩を切り裂いた。

絶体絶命の中、歩は絶対に生き抜くと強く決めた時、彼女へ緑色の粒子『ゲッター線』が大量に降り注いだ。

「あたしをォォ……なめんじゃねェェェェェェっっ!!!」

今ここに歩は覚醒、咆哮す。

――歩よ、これがゲッター線に選ばれた者の力なのか――


(『DEEP RED』推奨)
766名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/05(水) 06:12:56.54 ID:0rcNCxDJ


どうなっているんだ…
767名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/05(水) 13:18:43.14 ID:0rcNCxDJ
>>292
遅すぎるけど、確認してみたら本当に
変態っぽいて言葉が似合う顔してるなw
768名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/06(木) 02:30:37.20 ID:BcRuCVND
ライフの人の尋常じゃない投稿ペース見ると、終わらせにかかってるのかな?
769名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/06(木) 02:31:30.05 ID:2fwxySHK
まあ、書き溜めもあったのかもね
770名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/06(木) 02:50:13.67 ID:BcRuCVND
ちょっと気になってライフの過去本スレを見てみたが、あんなフリーダムっぷりな数々のレスは見たことないわw

けどファンから賛否両論みたいだった。
771名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/06(木) 08:46:51.14 ID:Od7pJuGe
某ヲタwikiのタグには「ドワォ」の文字があったな>>ライフ
772名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/06(木) 21:23:02.20 ID:BcRuCVND
>>771
あながち間違ってもないらしい。レイプ未遂とか殺人まがいなこととか明らかにイジメの過度が越えてたり、特に愛海の存在がそれを端にした超展開が売りだったからね。
読者でも後半からやり過ぎて失速したって言ってるし。
773名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/06(木) 21:43:27.34 ID:Od7pJuGe
少女漫画は怖いな
774名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/06(木) 23:59:40.34 ID:BcRuCVND
少女漫画は少年漫画では絶対に掲載できないような描写(性的な意味で)を普通に載るからな。もはやお色気とかそんなレベルじゃない。

いきなりク〇ニとかフ〇ラとかやらかすしな。
775名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 00:04:38.38 ID:61IwwQIa
マガジンで
「何がクニだよ ク○ニしろオラァァァ」
ってあったな。
…………スゴイぶん投げENDだったけど。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 02:11:42.14 ID:7vq6ibyY
久々にネオゲ見直してて思った
アレ?ネオゲってこいつ地味だけど普通に強くね?
なんだかんだでやる気ない時の真ゲッターに迫るくらいのパワー無いかこいつ
777名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 02:19:12.83 ID:61IwwQIa
というか、武蔵一人のゲッター1でもあれだけ大暴れするからなあ
設定上は知らないけどその初代ゲッターよりは強いだろうからな(ゲッター線の特性以外)
初代や真に使われた技術もスピンオフとして結構は入ってそうだし。
778名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 07:18:24.92 ID:Y3eYPriV
ネオゲッター1が飛べたり、柄の長い獲物があったら真に匹敵できたと思う
活躍が少なかったせいで、真ゲッター2のネオゲッター2はネオの方が強く見えるわ
にしても、ネオイーグルは頑丈だな

エヴァクロスだと弐号機がプラズマサンダー使ってたけど、
ネオゲッター主体のクロスとか無いかなぁ
779ライフの作者です。:2014/02/07(金) 12:19:01.28 ID:LC2wHiSD
プラズマ駆動とゲッター線のハイブリッドで動く飛焔が一番好きだわ。攻撃バリエーション豊富だしね。飛焔を主役にしたクロス見てみたいな。

ちなみに続きできましたので貼りますよ。
780ライフ 第60話@:2014/02/07(金) 12:21:23.02 ID:LC2wHiSD
(あたしは安西愛海という人間がわからない)

窒息し泡を吹き始めた歩。しかし彼女も黙ってやられるはずもなく、持てる力を振り絞ってのしかかった愛海を吹き飛ばした。

「まだ逆らう気か」
のたうち苦しむ歩に愛海は、台所の引き出しから長包丁を取り出して歩に向けて振りかざした。

「死ね」

包丁が歩へ振り下ろされた――。

園田と羽鳥は歩を探していたが一行に見つからない。

「どこなのアユム……」
息を切らして汗まみれな彼女達はずいぶんと探し回った様子である。しかし園田には一つだけの思い当たる場所があった。

「羽鳥さん、佐古の、佐古克己の家はどこかわかる……?」「え……?」
「さっきから考えてたんだ、安西の行きそうな場所。たしか安西の家はバスがないとキツイ距離だったと思う、そこしか思いつかなくて」

彼の考えは見事的中していた。

「わからない……でも学校なら」
「よし、誰かにきこう!!」
彼は携帯を取り出して、学校の友達に電話した。一方、竜馬も例の『ゲッター線』が過剰集中している場所を追っていた。彼の足は止まる。彼の直線上から腕時計が異常な反応を示している。

「この先は確か……安西の男の家じゃなかったか?」
なんと克己宅にそのゲッター線がナゼか集中している。彼はそこへ走っていった。

そして歩はというと、間一髪、包丁刃から逃れて二階まで逃れていた――。
急いで克己の部屋へ入ろうとドアを開けた――が。

「があ……っ」
追い付かれた愛海によって凶刃が背中を縦一閃に斬られてしまった……。
おびただしい血が吹き出し部屋に転がり倒れる。克己の部屋の床を彼女の血で染めた。

「ああ……あっ」
背中から激痛が伴い、動くことさえままならない、床に爪を立てて少しでも逃げようとするも、

「あーあ、かわいそう……カツミくんの部屋がこんなになっちゃって……ま、いっか♪」
ついに獲物を追いつめたような狩人のごとく、狂った表情で歩を見下ろす愛海。
今ここで殺される、歩の意識にそれが駆けめぐっていた。

「すぐに殺さない、今からゆっくりと……もがき苦しませて殺してやる……」
「…………っ」
絶体絶命の歩。
781ライフ 第60話A:2014/02/07(金) 12:26:12.92 ID:LC2wHiSD
今は誰も彼女を救える者はいない。この場は二人だけ、今思いを遂げようとしている人間と瀕死し、憎しみの刃にかけられるのを待つだけの自分。

「お前はあそこで死ぬべきだったんだ……あの廃虚でっ……!!」
再び包丁が歩へ向けられた。

廃虚……あの狩野アキラとその仲間に、未来と共に拉致されて、そして性的暴行されかけたあの事件。
やはりこいつの仕業だったか……混濁する意識の中、歩に聞こえたのはあの事件の真実。ついにわかった時、歩の心は一気に怒りの炎に燃えたのであった。

(立ち上がれ椎葉、今がその時だ!!)

追う前の竜馬の放った言葉が彼女の身体に活力を与える起爆剤になった。

「……ふざけんじゃねえよ……こんなとこで死んでたまるか……っ」
瀕死だった歩は無理矢理痛みの走る体を立ち上がらせた時、愛海は一瞬怯んだ。

「おまえ……この後に及んでマナにたてつく気か……」
「……あたしは絶対に生きる……何があっても……ッッッ!!」

そして……。


《あたしをォォ……なめんじゃねェェェェェェェェっっ!!》


歩は咆哮したその時だった、歩の真天井から何か輝く緑色の粒子が彼女へ降り落ち、纏い取り込まれていく――。

「な……なにこれ……?」
その超常現象に愛海はただ呆然と見るしかできない。
そして外では、克己宅前にいる竜馬も目を疑った。空から無数の緑粒子が家へ降り注いでいるのが……。

「これは……!?」
ゲッター線に反応する腕時計が突然、火花を発生し爆発、大破してしまう。

「ちいっ、中で何が起きているんだ!?」
歩に取り巻いた粒子が全て彼女に吸収された。

「し……椎葉っ?」
畏れる彼女の見る先の歩には身体中に緑色の筋がほどばしり、顔にも浮かび上がった時――。


《グアアアアアアァァァァーーーッッッ!!!》


「ひいっ!!?」
そこにいたのは歩ではない、牙を剥き出しに、もはや人間の顔ではない悪鬼。歩の姿をした魔獣であった。

歩は瞬時に人間とは思えないくらいに天井近くまで飛び上がり、愛海の顔へ向けて右拳をかざし、降り下ろした。

「ぎゃあっ!!」
見事に頬へ直撃し、その熊に殴られたような凄まじい打撃力で地面に叩きつけられた。
782ライフ 第60話B:2014/02/07(金) 12:31:54.24 ID:LC2wHiSD
ピクピクと悶絶し倒れ尽くす愛海。しかし歩は容赦なく彼女へのしかかる。


《ケア〜〜〜〜ハハハハハハハハハハハハっッッッ!!ギャアアアアアアアアアアアっっっ!!!》

野獣のような咆哮と共になんと逆に愛海の首を締めはじめたのだ。その握力は男。こんな華奢な体躯からどうやって出せるのだろうか。

「ぐ……えっ」
愛海は必死で、顔を殴るなど抵抗するも今の歩の前には少しも動じない。もはや先ほどまでの普通の女子高生の歩ではない、悪鬼羅刹、魔人そのものだ。
立ち上がり、首根っこを片手で持ち上げて全力で壁へ投げ飛ばした。激突しベッド上に落下、激痛で踞る愛海。しかし歩の猛攻が止まらない。

(なにあいつ……今までの椎葉じゃない……本当の悪魔だ!!!)
今度は愛海が恐怖に屈する番に……。
そんな様子を屋外の遥か空から見つめる一人の男が。彼は未来の実家でも空から見ていた着物を来た若い男『乱王』という人間である。

「椎葉歩……ここで同化か……ん?」
彼は外から家に侵入しようとしている人間を見つける。竜馬だ。

「あの男は……まさか?」
乱王は彼の姿をじっと見つめている。

「不思議なものだ。まさか彼がこの時代に来てるとは……彼が椎葉と出会うのは本来は先の話、それも――なにかの縁かか」
乱王は軽い笑みし、その場からスゥと消えていく。

(椎葉よ、心配するな。お前を命がけで守ってくれる人間は……すぐそばにいることをな)

……家の中、とりわけ二階の方から暴れるような破壊音、な甲高い雄叫びが聞こえる。
竜馬はただ事ではないと気づき、意を決してその卓越した身体能力で一気に二階までよじ上る。

克己の部屋前のベランダにたどり着き、中を見ると……。

「椎葉!?」
悪魔のように豹変した歩がこの部屋にいる愛海を襲っている。
タンスなどの家具を全てぶち壊して、猛獣のように理性なく暴れるその様に彼は異常を感じた。

すぐにベランダ戸を開けようとするが鍵が閉まっていた。
竜馬は躊躇いなく、右拳を引き上げた。

「おぅるあああっっ!!」
その拳で戸を無理矢理破壊して中へ。

「椎葉、おい!!」
歩は竜馬を見る否や、今度は彼を獲物と勘違いして、襲いかかる。
783ライフ 第60話C:2014/02/07(金) 12:35:48.10 ID:LC2wHiSD
《メェアアアアアアアアアアァァーーーーっっ!!》

「椎葉っ!?」
普段の彼女じゃない、仰天する竜馬。武道家である熟練した身構え、彼女と対峙。さすがはゲッターチーム最強の戦闘力を持つ男であるが……。

(まじかよ……っ)
その攻撃性、身のこなし、身体能力……全てが竜馬の想像を凌駕していた。

「おい、やめろ!!やめやがれえ!!」
竜馬の声が全く届いておらず、無情にも彼を慕っていたはずの歩ではなく、今は凶暴性を剥き出しにした、女子高生という皮を被った鬼そのものだった。

「くそおっ!!」
竜馬も黙らせようと腹部に強烈な拳を突き入れた。一瞬、怯んだかに見えた彼女だったが効いていないのか、再び狂った笑顔で竜馬に向かって右回し蹴りを放った。
左腕を盾にして受け止める竜馬、しかし歩も休まずに身構えて、その小さい拳を彼へ大振る、まるでアクション映画さながらの近接近戦の応酬だ。

(まさか……さっき家に入っていった変な粒子のせい……あれはゲッター線か!?)

ゲッター線……自分でさえもワケのわからないエネルギー体。
彼の知るかぎりでは、地球に降り注ぐ少しでも膨大なエネルギー量に膨れ上がる夢の宇宙線……あのジジイこと、早乙女博士曰く、人類の進化に深く関係しているエネルギーとも。
しかし自分のいた時代での浅間山一帯の周辺環境を退化させたり、そして今の彼女の異常……ゲッター線とは一体なんなのか、ますます理解できなくなる――。
そして、この凄惨な室内の一室でただ黙って見続けている愛海。今の状況、そしてなぜ自分の嫌う人間が二人も目の前にいるのか。

「な、なんなのよコイツらは……」
情緒不安定に陥っていた彼女に今の光景でさらに悪化させる。再び側に落ちていた包丁を持ち、振り上げながら突進した。

「おまえらめざわりなんだよ、今すぐマナの視界から消えろォォ!!!」
向かう先は……歩。再び切り裂こうとして彼女へ全力で降り下ろした時、竜馬は、今気付いた。
とっさに歩を前へ押し飛ばした時、愛海の包丁刃が前に立った竜馬を深く切り裂いた。

「ぐあ……っ」
なんてことだろう、あの不敵であった男がついにうめき声を上げた。腕からおぞましい程の亀裂と共に血液が……。
784ライフ第60話D:2014/02/07(金) 12:41:34.77 ID:LC2wHiSD
だがその時、彼の苦しみのこもった声が耳に入り、吹き飛ばされた歩の顔がまともになるのを。

「あ、あれ……あたし……」
背中を切られたのに痛くない……あれから何が起こったのか覚えてない。すぐに体を起こしたその視線には……。

「ああ……流君……っ」
包丁を持った愛海の目の前には、腕全体から大出血して踞る痛々しい姿の竜馬が。歩の顔は真っ青になり、すぐに彼へ駆けつける。

「流君、大丈夫っ!?」
「椎葉……おまえ……っ」
今の彼女は普段の優しい彼女へ戻っていた。

「おまえ……さっきの、なにもおぼえてないのか……っ」
「…………?」
やはり何も知らなさそうな様子の歩。先ほどの彼女はなんだったのか……と思うが、元に戻ったと一安心する。しかし竜馬のその傷を見るとかなりの重傷だ、現に彼の顔は苦痛に浸っている。歩は何か止血できるものはないか、周りを見渡すが……。

「……えっ……」

愛海から声が漏れ、その血にまみれた包丁を落とす。彼女の見下ろす視線の先には……。

「なにこれ……」
歩もそこに視線を向けると彼女の心は抉られるような痛みを受ける。
かつて、克己によって撮られた、歩の裸を縄で束縛し脅された、彼女にとって屈辱と恥辱の異常な写真が載ったアルバムのページ。写真の下には『奴隷10号』と書かれていた。

(まだ……こんな写真……あったんだ……っ)

歩は思い出してしまう。あの吐き気を催すくらいの忌々しい記憶を……。
愛海はそれを手に取り、次のページを開いた時、目を疑う。自分の友達だった女子の、歩と同じく全裸、下着姿で縛られた恥ずかしい写真が。それらも奴隷と書かれ、番号が振られていた。

「これは……カツミくんの……」
愛海の表情が青くなっていく――自分の愛した彼氏がこんなものを撮っていたのかと……。
785ライフの作者です。:2014/02/07(金) 12:44:01.80 ID:LC2wHiSD
以上です。ただこれをやりたかっただけですはい。また次もお楽しみに。
786名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 15:57:30.44 ID:Y3eYPriV

どういうことなの…(愕然)
787名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 20:15:05.74 ID:Y3eYPriV
-ゲッター線に反応する腕時計

えっ、なにこれは…(チェンゲ世界ならあるだろうけど)
788名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 23:09:14.62 ID:61IwwQIa
チェンゲ世界設定だし…………
789名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/07(金) 23:56:15.38 ID:LC2wHiSD
>>787
ライフの作者です。チェンゲ三話で弁慶と通信するために竜馬が使っていた腕時計?です。あれにオリジナル設定でゲッター線ソナーを取っつけたようなものです。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 02:00:36.18 ID:SVbVwFQZ
そいえばチェンゲで浅間山の退化現象って一体なんだったんだろ……?
791名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 05:08:55.80 ID:Ef1Ra0we
インベーダーと地球生命は起源が同じらしく、個人的に
インベーダーは生物としては恐竜以前の原始的なものなので、
高濃度のゲッター線を浴びて恐竜に進化したんだと思ってる
792名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 06:32:01.45 ID:n2Nje3f2
今更言うまでもないと思うけど、チェンゲの1〜3話は謎が多いからな〜…
川越監督もまるで訳が分からんぞ!ってなって回収しきれなかったし
793名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 06:53:06.34 ID:Ef1Ra0we
竜馬「ジジイ!あれは何だ!?(太古の光景に関して)」
博士「これが最後のゲッター、真ゲッターロボよぉ!!」
おい、会話しろよ
なんとなく、遊戯王みたいなノリを感じる

ライフクロス読んでて思ったが、ゲッター線に汚染されてる
女の子ってなんかいいな
794名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 10:23:34.76 ID:SVbVwFQZ
そいえばライフ世界にもコーウェン君とスティンガー君いたよな。少女漫画タッチのあいつら考えると凄まじくシュールだww
795名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 11:07:09.30 ID:Ef1Ra0we
クロス先のキャラクターデザインとのギャップを想像するのも面白いよなw
796名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 17:51:53.49 ID:VbQnT6A6
>>791
>インベーダーが恐竜に進化
目元で例の目玉と触手がピチピチしてたしね。
797名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 17:54:30.99 ID:z0fEvne/
インベーダーはバクテリアに近い感じだからな。
798名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 18:18:44.95 ID:Ef1Ra0we
冷静に考えると、インベーダーってたちの悪さが増した
ゾンビ(感染型)みたいなもんなんだよな
本当、チェンゲ世界の人類は強いわ
799名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 18:20:16.15 ID:z0fEvne/
バイオハザードのプラーガよりたちが悪いなあ
遊星からの物体Xが近いか
800名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 18:55:45.53 ID:Ef1Ra0we
終盤だと返り血を浴びても寄生されてたしね

エヴァクロスでもインベーダーはとんでもないことやってたな
極道兵器は更にヤバかったが
801名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:22:10.22 ID:BOLDW6ui
ホビーサーチ見てたらダイノゲッター漫画化するって書いてあるのな
フィギュアで終わると思ってたから嬉しい
802名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:25:48.39 ID:z0fEvne/
>>801
気になって調べたらマジだった。
しかも、マジンカイザーSKLの漫画版書いていた人だからある程度は実績ある人みたいだね
803名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:33:17.75 ID:qqeWs5Cf
インベンーダーってバイドの親戚だろ。

というわけで、R−TYPEっぽく書いてみたら、いつもの早乙女研究所でござった。
804名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:38:44.52 ID:Ef1Ra0we
SKLヴァーサスも結構面白かったから期待だな

SKLって正体不明だけど、ドクターヘルが造ったカイザーがアレなんだろうか
だとしたら胸熱なんだが
正体が謎っていうのは、クロスで使えそうだな
805名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:44:13.79 ID:qqeWs5Cf
ゲッターがまた墜落した。

「パイロットは二人が死亡、一人は腰椎の骨折により全身不随です」
「なーに、心配せんでも、儂がスペシャルウエポン付の新型ボディを作ってやるわい」
「丁度いい。ゲッター溶液に直接放り込んで、脳波だけで制御できるか試せるな」
「おまえさんのアイディアは後にせい。ウエポン付きが先じゃ」
「あと、整備班から、パイロットスーツの改良をして欲しいと要望が出てきています」
「パイロットからじゃなくてか」
「コックピットの清掃が大変だそうです」
「ゲットマシンのコックピットを試験管みたいにして取り外しを簡単にしたらどうじゃ」
「宇宙服タイプの軽量化にでも着手するか」

研究課題はいくらでも湧いて出てくる。
隼人はタバコに火を点け、敷島博士は工業用アルコールを試験管から飲んだ。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:50:58.18 ID:Ef1Ra0we
支援
イカれてやがるw(誉め言葉)
807名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:51:01.16 ID:z0fEvne/
>>804
OP見る限りは光子力研究所に封印されるように遺されていた感じだから
多分、オリジナルの改造か後継機かのどちらかだと思う。
まあ、研究所の廃墟具合や世界の変わり様を考えたら
孫世代ぐらいの時間は経ってるんじゃないかなとただ、明言されることはないとは思うな。
シリーズが続いていればやっていたかもしれんが。

>>805
脳みそだけ載せたり
手足切断して直結させたり
普通なら大人の女性をローティーンの状態で固定させてパイロットにしたり…………
普通普通…………か?
808名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 21:58:19.88 ID:Ef1Ra0we
>>807
某動画サイトだと、カイザーとSKLの動画を組み合わせて、
カイザーにSKLを封印させてる動画があったな
SKLは小説あたりでシリーズ化しないかなぁ

未来の巨大ゲッターロボの中身はR-TYPEみたいになってたりして
或いはゲッター線の同化能力を利用して完全に一体化したり、
或いは地獄変みたいにしてたりとか
809名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/08(土) 22:01:37.98 ID:LOELY7s+
西暦5001年になってもなくならないヤクザだしなぁ…
810名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 00:07:06.17 ID:sdl1Ip6T
ブラックホールの政というセンスはヤバい
自分の笑いのツボなのか、この名前は見てるだけでしばらくは笑える
811名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 01:19:19.99 ID:CvArwPdm
007ゴールデンアイ(映画版)でのジェームズとQのやり取りを石川賢風に思いついた。

Q「こりゃあ、ペンシル型小型『核』爆弾でな。三回押すと4秒ヒューズが作動。もう三回押すと解除になる」
ジェームズ「(好奇心から三回押す)……何秒ヒューズでしたっけ?」
Q「(急いでもう三回押す)まーたガキ臭いことしおって……」
ジェームズ「『ペンは剣より強し』ですか?」
Q「名言は正しいよ007。横のマネキンのフレッド君に実験体になってもらおう。
フレッド、悪く思うなよ、1、2、3、と……(そこから素早く退避。陰に隠れる)」
ジェームズ「Q、それ確か核爆弾じゃなかったか?」
Q「あ」
812名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 01:50:14.55 ID:CVXd0HQK
よし、冷蔵庫の中に隠れてコーラを飲むんだ!
813名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 07:21:56.11 ID:sdl1Ip6T
???「なぁに、ワシがもっと強力な二人に改造したるわ。ワハハハハ!!!」
814名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 09:52:58.43 ID:sdl1Ip6T
全国的に雪が凄いね
そういえば、初代ゲッターで天候を操るメカザウルス相手に敗北寸前まで追い詰められてたな
日本もほぼ全土が洒落にならない大雪にされて壊滅しかけてたし
815ライフの作者です。:2014/02/09(日) 20:20:43.48 ID:CvArwPdm
できたので貼ります。今回は話はシリアスなのにまさかの

さ こ 君 無 双

です(画像的に)。ではいきますか
816ライフ 第61話@:2014/02/09(日) 20:23:12.27 ID:CvArwPdm
――ちょうどその時、克己も帰宅。

「あれ、オレの部屋開いてる?」
彼は不思議に思い、中へ入ると。

「……なに……?」
無惨な血まみれの部屋。こちらを見るボロボロの歩と愛海。そして深傷で負った竜馬……。あり得ない光景に彼は混乱した。

「ちょ……なんで……なにやって……」
彼は愛海の持ってる例の写真が貼られたアルバムを見ると、一気に顔が蒼白と化した。

「み、見たのか……?」
「なんなのよこれ……どういうことっ!!?」
鬼気迫るような愛海に克己は慌てて、彼女を抑え込む。

「きいてくれ……オレはこんなことしたくなかったんだ。でも、椎葉が誘ったんだ!!」
なんと歩に濡れ衣を着せようとし出した卑劣な男、克己。

「勉強を教えてくれっていって……部屋に上がり込んだらいきなり服を脱ぎ出して……ロープで縛ってって……オレはイヤだと言ってもこいつが……」
その言葉に完全にぶちギレた歩は克己の顔面に強烈な鉄拳をお見舞いした。

http://m2.upup.be/KL5W5Fqnqg

ハリウッド映画の役者ばりに吹き飛ぶ克己は壁に激突、悶絶した。
「〜〜〜〜っ」
歩の顔を見ると、殴るという行為すら生ぬるく感じさせるほどに憤怒していた。
今度は、愛海はページを開いて、自分の友達の写真を克己へ差し出した。

「椎葉だけじゃない……マナたちラブラブだったのに……なんでマナの友達にこんなことしてんのよお!!?」
問い詰められるも突然、狂ったかのように高笑う彼がいた。

「ギャハハハハハ、何が友達だよ!!」
「……え?」
「こいつら、こんなことしてもオレのこと好きだったよ?あ、けどアユムちゃんにはスゴく嫌われてるけどね♪」
吹っ切れた克己は次々と自分の真実を、本性をさらけ出している。

「おまえのトモダチってこんな淫らなことするんだァ?
たとえばこいつ、マナミと同じクラスだったよな。嫌がるどころか楽しそーだったよ?」
彼女の友達(と思っていた)女子の写真を剥がし、それを見せびらかす。
全裸で、いわゆる亀甲縛りをされているのにも関わらず笑顔でピースポーズを決めている友達の写真が……。

「つかオレは端っからおまえのこと好きじゃねーよ、ナニ勘違いしてんの?」
817ライフ 第61話A:2014/02/09(日) 20:26:25.93 ID:CvArwPdm
「……うそ」
「うそじゃねえって。誰がお前なんか好きになるかよ、この性悪女が」
笑顔で言いきると、ツンと指で彼女の額を突いたその時だった。彼女の、心の中の全てが、まるでガラスのように粉々に粉砕されたかのような……。

「椎葉じゃなかった……椎葉に壊されたんじゃなかった……マナにははじめからなにもなかった……」
彼女は本当の絶望の底に叩き落とされた。全てが偽り、嘘。彼女がここまでして築き上げてきたものが全て幻だった……。
瞬間、彼女は無意識に包丁を手にすると、今度はなんと克己へ――危険を察知した彼は逃げるも追いつかれて階段前で歩と同じく背中をバッサリ切り裂かれた。

「安西!!」
階段を転げ落ちていく克己。歩は向かおうとするが後ろには同じく腕を切り裂かれた竜馬が……。
歩は慌てふためいていると……。

「椎葉……いけ……俺はいいから……」
「で、でも……」
「いけっつってんだろうがァ!!!」
「……っ」
痛みのせいか息を切らしている竜馬の叱咤に歩は急いで、愛海へ向かい、体を取り押さえた。

「あ、安西ダメ!!おねがいだからやめて!!」
しかし愛海は強引に振りほどき、歩はその勢いで後ろの壁に頭を打ち、意識を失った。

「いっ……」
背中を切られて、一階まで落ちた克己。は意識を取り戻し、体を起こすも背中から激痛が走り、のたうち回る。

「お、オレ……切られた……の?背中……愛海に……」
ゆっくりと降りてくる彼女についに克己は……。

「おまえ……ふざけんじゃねえよ!!ふ、フツーそこまでやるかよ!!?だからお前は誰にも相手にされなくなるんだよ!!ひとりなんだよお前は!!」
わめく彼に全く無表情のまま、近づく愛海。

「いーのこんなことをして?オレ今から警察にいくから。そしてお前の悪行全部ばらしてやるから!!そしたらお前はホントにおしまいだ、ざまあみろだ!!」
彼は玄関を突っ走ろうとした瞬間、床についた自分の血で滑りこけた。

「い、いって……」
818名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 20:28:34.20 ID:sdl1Ip6T
支援
はやい(確信)
819ライフ 第61話B:2014/02/09(日) 20:31:29.83 ID:CvArwPdm
彼は立ち上がろうとするも、今度は自分の手に血がずるッと滑る。

「あ、あっれ〜〜!!?なんでこんなに血が……」
彼にとてつもない恐怖が襲う。後ろを向くと血まみれの包丁を持った愛海が自分の手前にまで接近していた。

「ま、マナミ……うそだよね……まさかオレを……ウソだよね!!?」
彼女はまるで人形のように立ち尽くしたままだ。

「オレは動けるから……大丈夫だから!!!犯罪じゃないから!!!だからオレは警察に言わないから!!ねえ、ねえ聞いてる!!?」
命乞いなのか、支離滅裂な言葉で愛海をなだめようとする克己。
しかし彼女の眼から一粒の涙が……。

「え、え、なんでなくの!!?愛海!!!いわないから、ホントに、だから泣かないで、どうすればいいの!!!」
彼女はポロポロと泣きはじめ、ついに包丁を振り上げだした。

「マナミ、愛してる!!!」
突然、そんなことを言い出した克己。しかし彼女の動きは止まらない。

「オレが悪かった、だからお願いだよ!!!愛してる、ホントは愛してるから、ねえ!!!」

「カツミくん、バイバイ……」
ついに包丁が真上にたどり着き、彼に向かって刃先を向けた。

「バイバイ……」
泣きながら呟く彼女。彼はついに顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながらも嘆願した。

「いやいやいや、バイバイってなに!!?なに、バイバイって、やだよ、やめてよ、いわないでよバイバイなんて!!!う、うう……」

http://n2.upup.be/MzHGkMk6wk

《うわああああああああああああっっ!!》

克己の泣きわめく声に失っていた歩の意識が元に戻った。

「あ、安西……?」
ズキズキする頭を押さえて、一階に降りるとそこには今にも愛海の包丁にかけられた克己の姿が……。
このままでは彼女は本当に殺人者になっしまう。歩は一目散で二人の元に駆け出した。

《安西っ!!!》
ついに包丁は降り下ろされて、皮膚に刃を突き立ててしまった――だが。

「バイバイ……」
克己にも歩にも刺さっていなかった。刺さったのは……なんと自分の腹部だった。血がまるで噴水のように吹き出して崩れ落ちる愛海。

「やだよ、ひとりになるくらいなら……死んだほうがまし……」
820ライフ 第61話C:2014/02/09(日) 20:34:59.81 ID:CvArwPdm
「あ、安西っ!!」
歩は彼女の元へ駆けつけるが、克己はまさかの自殺を図った愛海をその目で見てしまい、

「う、う、うあああああああああ――っっ!!」
恐怖のタガは外れて錯乱し、なりふり構わず一人玄関から出ていってしまった。

「ま、満足……?あんた、これで、満足、でしょ……?」

「やめて……しゃべらないで……安西……」
「……ほっと、いてよ」
苦痛に歪む顔、乱れる息づかい、冷や汗……途切れ途切れで話す彼女は本当に死にかけていた。

「いらない、から……あんたの……同情なんか……っ、もうあたしは何にも残って、ない……だからもういやだ……ひとりで生きていくのは……」

《イヤだあっっ!!》

深く刺していた刃を無理矢理抜き、再び自分へ刺そうと振り上げたその時、歩が彼女に抱きつき、ふり下ろした刃が歩の肩へ深く突き刺さってしまった。

「な、なんで……死なせてくれないの……もうマナにはなにもないんだよ……」
すると血で染まった歩はゆっくりと顔を上げた。

「逃げるの……?今までたくさんの人々を傷つけたくせに……自分がキツくなったらおわりなの……あんたは、そこまで卑怯なの!?」
歩は持てる力で彼女の包丁を握りしめて、取り上げようとしていた。

「あたしはあんたに死んでほしくない……!!
ワガママにもほどがあるよ、同情と思うならいくらだけでも思えばいい、どうなろうとかまわない!!
けどあんたがそうやって好き勝手にやっておいて死んで逃げようとするのが一番許せないんだァ!!」
包丁を強引に奪い取ると、二人はそのまま力尽き、倒れてしった。
血に染まったこの玄関で歩は這いずりながら、同じく倒れ込む愛海の元へ向かう。

「今まで……なんにもなかったんなら……つくっていけばいい……。
これから、大切なモノを……一個ずつでも手に入れるんだ……それくらい、あんたならできないわけないでしょ……?」

《未来を……つくっていくんだっ!!》

歩が一喝する。それは彼女も少しずつ行なったこと、未来、園田、そして竜馬から学んだこと、それは自らの手で未来を切り開くこと――。

「ムリだよ……もう生きるのめんどくさい……」
まだそう言う愛海に歩は……。
821ライフ 第61話D:2014/02/09(日) 20:38:05.87 ID:CvArwPdm
「安西……あんたが嫌いな流君が教えてくれた言葉を教えてあげる……『運命に従うのも運命なら、運命に逆らうのもまた運命』ってね……」
「…………」
歩は彼女の元へたどり着き、優しく手を握った。それは生きる活力を与えるために。

「お願い、生きて……生きてっっ!!」

愛海はその言葉についに涙がこもった。それは生きてきた中で最も暖かい何がこもった……彼女は思い出した、歩がここに来たときに言った『自分に声をかけてくれて嬉しかった』と。
それは、歩ただ一人が最後の最後まで自分に何の屈折もない感情をさらけ出してくれたことを、この自分に本心でぶつかってきてくれたこと……。

そんな感情に満たされた時、愛海は泣き出した、まるで子供のように……それは彼女の心に溜まった汚れを全て吐き出していくかのごとく――。

その時、玄関が開くとやっと駆けつけた未来と園田が。

「アユム!!」
血まみれの凄惨な内部で歩は今にも泣き出しそうな顔で彼女を見た。

「ミキ……」
園田も家の庭で朽ち果てている克己を発見し、すぐに救急車を呼ぶ。

「アユム…………」
その惨劇を物語る傷痕を目撃した未来は彼女を優しく抱え込む……。

「ミキ……お願い。二階にいる流君も酷いケガで……っ」
「えっ……」
未来は慌てて二階の克己の部屋に行くと目を疑った。見るも無惨な部屋の中であの竜馬が腕をバッサリ切られてうずくまっているのを……。

「な、流っっ!!!?あんた……!!?」
「羽鳥か……俺としたことが……情けねえや……っ」
「しゃべらないで!!」
「し、椎葉は……っ」
「大丈夫、だから安心して!!」
「そうか……よかった……ぜ」

――この日は、彼女らに、色々な意味で最も記憶に残る一日になった――。
822ライフの作者です。:2014/02/09(日) 20:41:59.92 ID:CvArwPdm
以上です。やはりライフの男性キャラも顔芸では負けてなかった。
ちなみに早く投稿しまくったせいで、この数年間続けたライフクロスも残り数話となりました。最後までお付き合いお願いします。
823名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 20:45:57.62 ID:sdl1Ip6T

2009年からだから5年目かな?
時間が経つのは早いなぁ
824名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/09(日) 21:08:26.22 ID:X51wWeE/
>>804
個人的にはSKLはカイザーをベースに辛うじて制御可能に再設計された
デビルマジンガーなんじゃないかと思ってる。
825名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/10(月) 00:57:00.02 ID:O8gD8JUl
つまりアークみたいな立ち位置なワケね>SKL

歩って初期の頃と比べたらなんか悟りきった人間になってるよな。
初めはイジメや友達関係にビクビクしていたのが、今は教師相手や愛海に啖呵切るような強靭な性格になってるし。
826名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/10(月) 07:50:40.66 ID:PER/6PmU
歩「ふふふ、最近、ずいぶんと体調がいい。頭も冴えていて、いろんなことがわかるようになった。
  ゲッター線の影響かな? このスレのゲッター線濃度はライフ本スレの300倍はある」
827名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/10(月) 08:21:28.85 ID:O8gD8JUl
マナ「椎葉に地獄を見せられるのはあたしだけよ!!」

未来、園田「なにっ!」

ベリッ



ライフ完
828名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/10(月) 08:45:21.11 ID:ky2qkLQr
このスレの濃度は色々と高すぎると思うんですがそれは

ゲッター線の何が怖いって、人間がいる以上どこにでもありそうって
妄想できるところだな
SSの種類が多いのもそのお陰かね
829名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/11(火) 02:28:19.16 ID:vOnt9P+G
>>807
俺の中ではちゃんとしたゲッターのパイロットは弥勒とか十兵衛みたいな連中がコクピットの中で座禅組んでる。
なんだかわからないグチャグチャしたゲッターの中では人間と機械がごちゃごちゃに混ざってる。
830名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/11(火) 02:55:45.85 ID:u0F14UOI
そう言えばタイールも座禅組んで乗り込んでたな
未来の巨大ゲッターロボのパイロットは…確かに得体のしれないブツになってそうだな
831ライフの作者です。:2014/02/11(火) 10:59:07.57 ID:yoeKXO/C
続き貼ります。
832ライフ 第62話@:2014/02/11(火) 11:03:25.38 ID:yoeKXO/C
――夕方の学校。今日の大波乱で、パニック状態の職員室に一本の電話が。
すぐに田崎が出る。だがその彼は一気に深刻な顔へと変貌する。

「どうした!!」
「あ、安西が……佐古の家で……包丁で佐古と椎葉、そして流を刺したそうです……」
この場で全員が一気に凍りついた。

「安西自身も……お腹を刺して自殺を図り……全員病院に運ばれました……」

――市立総合病院。歩は個室のベッドで眠っていた。付き添いで未来が隣のイスに座っていた。

「……アユム……?」
彼女がついに目をゆっくりと開けて、未来の姿を見ると身体を起こした。

「……ミキ……っ」
すっきりとした顔を見る限り、もう大丈夫のようだ。

「ここ……病院だよね……あたしは……」
「眠ってたんだよずっと。佐古の家から救急車で運ばれてね――」
「あ、安西は!!?」
突然、思い立ったように叫ぶ歩に未来は、

「安西と佐古はそれぞれ別の病院に運ばれた。二人とも重傷だけど……意識はあるって園田が言ってた。今、園田も向かってるよ」
……彼女はもう一人の人間が一番心配だった。

「な、流君は……?」
「アイツなら心配ないよ、ピンピンしてた。
腕があんなにパックリ裂かれたのに。まったく信じられないね、流は。けど、治療したらどこか行ったらしくて、今は病院にいない」
それを聞いた歩はホッと安心し、息を吐いた。
するとバタバタと駆けてくる音がして、入り口ドアが勢いよく開かれた。そこには母親の文子が深刻な表情で入ってきた。

「お母さん!?」
「あ、歩……どうして……うそでしょ……同級生に刺されたなんて……」
「ちがうよお母さん!!ちがうの……」
気が動転している文子を優しい声で宥める歩。

「刺されたんじゃなくて、肩にちょっと当たっちゃっただけ……そのコを止めようとしたときに……だから平気だよ」

「ほんとに、ほんとに肩だけなの……?」
「うん……?」
「歩……?」
「いや……っ、なにもないよ」
そういえば背中を切られたのは覚えているのに全く痛くも痒くもない……。
文子は彼女の左腕を握る。しかしそこには……。

「歩……この腕のキズは……?」

「………」
ついに親に見られてしまった。彼女が苦しみが抜け出すために、安心させるために行なった行為『リストカット』の傷痕を……。
833ライフ 第62話A:2014/02/11(火) 11:09:53.82 ID:yoeKXO/C
――そして学校の職員室では。

「これはもう学校内だけの事件ではありません……今から全員で、冷静に今後の対応策を協議していきましょう……」
室内が大混乱に陥った。保護者や生徒の対応、なにより愛海の父親にどう説明すればいいのか……。佐古の担任である田崎は、自分のクラスの教え子がこんなことになって、これ以上にない絶望に浸っていた。

しかし主任の岩城は……。

「我々の言っていることに矛盾があればマスコミはすぐに食いつきます。
まずは絶対に外部に漏れないよう、より徹底した情報の管理をすることが最優先です!!」
「まだそんなふざけたことを言うんですか!!」
頑なに認めようとしない彼の態度に、ついに一人の若い男性教員が机に拳を打ち付けて、立ち上がった。

「なんでそこまでして認めようとしないんですか……我々はイジメを放置した……無理矢理なかったことにしようとしたらこんな悲劇が起こってしまったんじゃないですか!!?」
彼は立ち上がり、荷物と羽織り用の上着持ち、出入口へ向かう。

「今から警察に事実を確かめに行きます!」
「ま、まて!!会議は途中……」
「わたしも行きます!」
「おい、ちょっとまてっ!」
田崎も上着を持ち、彼の後を追っていく。触発されたのか一人、また一人と彼らの後を追っていく……。

「これは自分で切った……」
「……」
負い目を感じる歩は文子の顔が見れなかった。実の娘がこんなことしているなんて、どう思うのだろうか――。

だが、彼女の腕のキズに一粒、また一粒としずくが落ちてきた。
顔を上げると、文子はなんと泣いていた。

「アユム……つらかったんだね……こんなことするまでつらかったんだね……っ」
彼女は膝をつき、うつ向いた。

「……気づかなかった……歩が学校で戦ってるって言ってたのに……なのに……それ以上なにもしてやれなかった……っ」
歩にあまり目を向けなかった母、文子も今でやっと事の重大さ、そして解るのが遅すぎたと気付いたのである。

「……母親失格だね……あたしが一番早く気づかなきゃならないのに……ちゃんとあんたと向き合わないといけなかったのに……ごめんね歩……ごめんね……」
ついに泣き崩れる文子の姿に歩の眼にも涙が……。
834ライフ 第62話B:2014/02/11(火) 11:13:46.41 ID:yoeKXO/C
未来は持っていた、歩のつけていたリストバンドを横に置き、今は二人のほうがいいと、そっと部屋を後にした。

「あたしね……こうやってリストバンドをつけて隠してつけてたんだけど……。
いつかお母さんが気づいてくれるのかもって、心の中であったと思う――」
歩も反省すべき所があったと分かる。自分も甘えていたということを。
直接話せばそれが一番納得する解決方法なのに、傷つくのを恐れて結局話せなかった自分が。臆病で踏み出せなかった事実を。

「つらかった時にね……そばにいてくれて励ましてくれた人達がいるの。
一人は生きる勇気を、一人は誰にでも労ることを……もう一人は……強くなれといってくれた人……」
歩は文子に涙ぐむも、優しい笑みでこう言った。

「……もっと話さないといけないね……あたしたち……これから……」
「歩……そうだね。何気ない話でもしていかないとね、いっぱい……」
ついに互いに目をそらし続けた二人はやっとここで、親子の絆を掴んだのだ――。

――一方、竜馬は山中で、再びゲッターロボのコックピット内でコンピュータをいじっていた。
左腕はケガで三角巾で固定されているも、片手でなんなく扱っていた。さすがである。

「ゲッター線数値が平均値に下がっている。あれは一体なんだったんだ……?」
ゲッター線が克己宅に降り注ぎ、歩に起きたあの暴走……竜馬でさえ全く理解できない。
彼はため息をつくと着座シートに深くもたれかかる。

(俺が安西ごときにこんな失態か……腕があの時の武蔵みたいになっちまって……俺もまだまだか)
目を瞑り、何か考えているのか沈黙した。

(なぜだ、椎葉があいつに切られそうになった時、俺は守らないといけねえ気持ちが一気に高ぶったり、
前々にも椎葉に対して、俺らしくねえこと考えるし……それに安西が隼人のヤロウと被るし、なんだこの時代は……俺に何か関係あんのか?)
竜馬はコックピットを閉めて、下山していった――。
835ライフ 第62話C:2014/02/11(火) 11:21:39.68 ID:yoeKXO/C
そして、愛海の病院では父親の富美男と母親が彼女を治療した医師から説明を受けていた。

「……傷口の深さは、腹腔にまで達していました。幸い腸は無事でしたので、腸菅結合などの大きな手術は必要ありませんでした。
このまま回復が順調ならば……退院まであまり時間はかからないと思います」
二人はそれを聞き、涙ぐむもホッとした。

「……そうですか。ありがとうございます……」
しかし、彼は内心深く怒りに満ちていた。

(なんで……ウチの愛海がこんなことに……)
彼は全ての原因は学校にあるとしか思っていなかった。

――そして克己の所に、あの自己中心な彼の父親が怒鳴りこんできたのだ。

「と、父さん……っ」
彼にとっては恐怖の対象である。なぜなら事あるごとに彼に虐待をしていたからだ。

「お前、なんてことしてくれたんだ。 お前のせいでオレの会社が終わりだよ」
案の定、怪我をした克己の見舞いに来たのではなく、彼によって全てを台無しにされたことによる罵倒に来たのだった。

「オレはさっきなぁ、床に頭すり付けて安西さんに謝ったんだよ……お前みたいなクズのためになあ!!」
なんとこの男は大怪我を負った実の息子をベッドから張り飛ばしたのだった。
治療してまもない背中を強く打ちつけ、激痛でのたうち回る克己。しかし直ぐ様胸ぐらを掴むと今度は……。

「それになんだあのふざけた写真は……お前が撮ったんだろ?警察の手に渡るまえに俺が処分しておいたが……まだ隠しているんじゃないだろうな!!全部出せ!!」
「あれだけだよ!!ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい!!」
怯える克己に父親は禁煙であるはずのこの室内で、タバコを吸い始めた。

「まったく……なんでお前がケガしてんだよ、情けない。
なんで愛海さんを守れなかったんだよ……お前が!!」
しかし、その言葉が克己に溜まっていた不満が全て爆発し彼は立ち上がると、歩と同じように父親へ向かって顔面にその拳を叩き込んだ。

《このクソオヤジがぁっ!!》

吹き飛ばされ、壁に叩きつけられて顔を押さえて悶絶した。
「アンタ頭おかしいんじゃないのか……なんで実の息子が大ケガしたのに……そんなにオレより会社のことが大事なのかよォ!!!」
836ライフ 第62話D:2014/02/11(火) 11:29:00.39 ID:yoeKXO/C
克己は部屋にある花瓶や額などを父親へ向かって辺りかまわず投げつけだしたのだった。

「てめえなんか父親でもなんでもねえ、今すぐオレの前から消えろォォ!!」
「た、助けてくれえっっ!!」
直ぐ様駆けつけた看護婦達に取り押さえられる克己は大泣きながら暴れていた。
思えばこの父親のせいで彼はこんな性格になったのかもしれない……。

……次の日、富美男は学校へ赴いていた。もちろん、なぜ自分の娘にあんな悲劇が起こったのか問い詰めるためである。
それを偶然玄関で見ていたエミは急いで教室へ向かった。
チカ達の方へいくと彼女らもかなり顔色が良くなかった。

「マナミに……なにかあったの……?」
「マナミが……カツミくんの家で自殺未遂だって……」
エミの心は深く抉られたような気分になった。

「……そこにいた椎葉と流も……血まみれになってたってはなしだよ……っ」
さすがのチカ達も凄く落ち込んでいた。

「ウチらのせいだ……ウチらがマナミを追いつめたんだ!!」
エミに溜まっていた罪悪感が一気に溢れだした。

「椎葉をいじめたことを全てマナミに押し付けといて、自分達は逃げたんだ!!
共犯なのに、全てをマナミに濡れ衣を着せたウチらが一番最悪じゃないか!!」
彼女の言葉にクラスにいる、歩のいじめに関わった人間全ての心を貫く。

「マナミだけが悪いんじゃない、椎葉を楽しくていじめていたウチらもだ。
誰かがマナミを止めるべきだったんだ……ウチらがマナミのトモダチだったんなら……取り返しがつかなくなるまえに止めるべきだったんだ!!」
エミは泣きながら教室を飛び出していった。静まりかえったこの教室内で、チカ達は今になって、初めて後悔したのだった。

「だから学校でなにがあったのかをきいとるんだ!!」
職員室では案の定、富美男は大声を張り上げていた。

「ウチの娘が理由なく自殺するはずがないだろう、学校でイヤなことがあったに違いないんだ!」

岩城と教頭はペコペコ頭を下げているだけである。

「あとでゆっくりとご説明しますので今は……」
「だいたいイジメ問題は解決したはずじゃなかったのか!?まったく、この学校はどうなっとるんだ!!」
837ライフ 第62話E:2014/02/11(火) 11:34:08.57 ID:yoeKXO/C
その時だった。入り口ドアが勢いよく開くと、そこには息を切らした涙を浮かべたエミの姿が。

「あたし……あたし……椎葉のことをいじめてました……安西さん……マナミと一緒に……」
富美男の前に全ての真実を話し出す彼女に、職員全員がその場で唖然とした。

「……椎葉の机やイスに接着剤を塗ったりしました。
教科書をゴミ捨て場に捨てたり……水筒に下剤をいれて授業中に無理矢理トイレに行かせたり……カーテンで巻いてホースで水責めにしたり……化学室で針を飲ませようとした……」
今まで行なった歩への悪行の内容に恐怖を感じる教員が多数いた。

「他にも数えきれないほどしました……悪口も……」
彼女はついに崩れて膝をついた。

「あたしたちのせいだ……マナミをとめなかった、ヒロを踏みにじった……友達を裏切ったんだあたしっ……ウチらは上っ面だけの友達なだけだったんだ……っ」
彼女は顔を伏せて、体を震わせた。

「……もう処罰を受ける覚悟はできてます。謹慎でも退学でもなんでもしてください……っ」
エミは大声を上げて号泣したのだった……。
その姿に、田崎は続けて富美男にこう告げた。

「安西さん。愛海さんは……椎葉さんをいじめてたんです」
彼の目の色が変わった。

「……愛海さんだけではない。おそらく友達とグルになって椎葉さんを……。
それを我々が隠蔽し続けた結果、生徒達の怒りが爆発して……愛海さんに、集団で土下座を強要する騒ぎになったんです。
そのせいで彼女は追いつめられて自殺を……」
「なっ……」
「全ては我々の責任です。本当に申し訳ありませんでした……っ」
そう言い彼は深く頭を下げた。だが、

「……ふざけるな……なんだ今さら……認めんぞ、ワシはそんなの認めんぞ!!
ウチの愛海は悪くない!!問題が起こったら指導して教育するのがお前らの仕事だろう、全部お前らが悪いんじゃないか!!」
ここまできて自分の娘の否を認めようとしない頑固な彼に教員達はただ黙っているだけだ。

「……やめてやる!!こんな不届きな学校に大事な娘をあずけられるか!!今すぐにでもやめてやる!!」
怒号の末、彼は難癖をつけて職員室から去っていった。
838ライフ 第62話F:2014/02/11(火) 11:38:25.25 ID:yoeKXO/C
「なんてことをしてくれたんだ!!安西さんをあんなに激怒させてただ済むと思ってるのか!?」
岩城も田崎に突っ掛かり壁に突き付けた。が田崎は……。

「主任……自分達が生徒を守るべき立場なのに……守れなかったのは……明らかな我々の罪じゃないですか……」
そう訴える田崎に昨日、自分から警察に事情を聞きにいった男性教員が割り入った。

「昨日警察に確認した所、自殺しようとした安西を助けたのは……椎葉だそうです」
その事実はこの場にいる全員を注目させた。

「生徒を救ったのは生徒であり……教師ではない」
その現実の事実には、先ほどまで頑なに隠蔽しようと考えていた岩城の心を貫いたのだった――。

「我々は真剣に考え直すべきだと思います。椎葉も……安西も……我々学校の『被害者』なんじゃないんですか……?」

彼は学校そのものにこう訴えた――。
839ライフの作者です:2014/02/11(火) 11:45:16.72 ID:yoeKXO/C
以上です。あと4話くらいですがよろしくお願いします。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/11(火) 16:03:10.10 ID:0jp5uf0s
841名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/11(火) 19:02:45.33 ID:u0F14UOI

このまま突っ走るんだ!
842名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 05:32:40.77 ID:klW9caAS
ライフもそろそろ終わりかあ……最初は組み合わせ自体がカオスとか言ってたのになw
843名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 12:49:07.50 ID:HfUdwZ8N
クロスに不可能は無いな
844名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 21:02:09.65 ID:HfUdwZ8N
ロボットガールズのゲッちゃんはまだ登場してないみたいだけど、
ツンデレで打たれ弱いって、これは原作再現なんだろうかw
見た目が魔法少女っぽいっていうのもまた

そういえば、まどかの矢ってゲッタービームと同じ色だな
845名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 22:43:58.79 ID:jbfPjx3B
ツンデレ→ゲッター線が(でもどちらかというとデレデレかヤンデレなような?)
打たれ弱い→(ロボの)装甲がor意外と繊細な竜馬
なるほど…でも他のガールズ見ると別にそうでもないのかもしれない

ところで話題のダイノゲッターの漫画、どんな話になるんだろう
飛焔みたいにサーガの外伝的なのになるのか
偽書みたいに完全別物(if?)の話になるのか…
846名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 22:49:12.43 ID:xf/v96Bc
SKLのコミカライズもした人だから
実はOVAもやって、その前日談とかやるのかも。
847名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:20:31.22 ID:HfUdwZ8N
新ゲッターロボのゲッター線はヤンデレ、というかモチーフがラ=グースっぽいから
不気味なことこの上ない存在だったな
世界観も殺伐としてたせいで、不気味さに拍車がかかってたような

恐竜型ゲッターロボってことだし、パラレルになるような気がする
そもそも、乗ってるのは人間なんだろうか
実は恐竜帝国の人だったりして
848名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:28:05.33 ID:kTXYRbwj
OVAやる金あったらダイナミックHPじゃなくて雑誌連載するんじゃないかなぁ

>>845
恐竜モチーフでやるってからには爬虫人類との絡みほしいなと思ってるので
個人的にはサーガとつながっててほしい
849名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:29:44.20 ID:xf/v96Bc
>>848
考えられるのは
・SKL同様ほぼパラレル(精々SKLみたいに旧作とのつながりが匂わせる程度)
・サーガのつながりで恐竜帝国のゲッターザウルスの発展形
・恐竜帝国への嫌がらせで恐竜。
・恐竜がゲッター線で進化した感じ?(戦隊の恐竜的な)
・ただのデザイナーの設定把握ミス
850名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:38:19.18 ID:HfUdwZ8N
長谷川裕一の書いた竜が滅ぶ日っていうスパロボαの前日譚だと、
ハチュウ人類もゲッター線で爬虫類が進化したって設定だったな
で、途中からゲッター線の要求する進化に耐えられなくなったから滅んだとか
個人的に、これは当たってると思う

ハチュウ人類って、何気にサーガでのゲッターロボとの交戦回数が一番多い敵だしね
851名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:45:22.54 ID:xf/v96Bc
むかしやったSRCにも
>ハチュウ人類もゲッター線で爬虫類が進化したって設定
が拾われていたな
あのSRCは武蔵がポセイドン乗っていたり、アンソロネタで弁慶に大雪山を教えたりしたな。
ただ、途中でやめたからなあ…………
852名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:45:48.31 ID:90pq11MR
そもそもゲッター線が生物の進化を司るエネルギーなら
地球上のどの生物にもすべからく影響していたとしても可笑しくないしな
853名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:47:16.49 ID:xf/v96Bc
進化「も」司るエネルギーなのが恐ろしいんだよな。
本質は全てを司るようなもんだし。
854名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:51:52.64 ID:HfUdwZ8N
ゲッターに取り込まれるというか、クロスでもそうなんだけど
ゲッター線の性質が恐ろしすぎてラストの構築が難儀しそう
万能接着剤ってたまに言われるけど、確かに作品同士はくっつけやすいと思うんだが、
ラスト=剥がす(とでもいうのか)ときには溶接どころか融合してるというか
まあ、ここらへんは独自解釈でやるしか無い気もするしなぁ
855名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:55:00.76 ID:xf/v96Bc
ゼロ魔が流行った理由はクロスさせることが簡単だからな
いきなり鏡が現れて でOKッて感じだったし。

ゲッターの場合は
原作は真ゲッター、號、アークでも作れそうだし
OVAもチェンゲのラストや新の黒平安や最終決戦とか時空を超えているからやりやすそう
856名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:55:14.38 ID:HfUdwZ8N
少し前に歌詞があったけど、まどかの「君の銀の庭」が、ゲッターロボ知ってると
ゲッター線のヤンデレ吸収ソングに聴こえてくる
號のラストシーンと合わせて聴いてたら、個人的にはぞっとするほど似合ってたわ
ゲッター線的にはどこまでも行って欲しそうだけど
857名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/12(水) 23:58:33.21 ID:HfUdwZ8N
ゲッターロボ世界もスパロボとか映像作品でされたように、
ifや平行世界を認めてるからSSが作りやすいんだろうなぁ
次元の壁もぶち破ったりしてるしね

エルドランみたいに、小学生が乗るゲッターロボもあるんだろうか
乗り手にかかる負荷はゲッター世界よりも進んだ科学力で解決済みで、
乗るにはゲッター線に選ばれてることが重要とかで
858名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 00:05:17.65 ID:jbfPjx3B
間違った進化と言えば新の聖ドラゴンも
あれ実は間違った進化の結果だったのかな、って妄想した事があるなあ
そこから先(エンペラーかそれに近い存在)になれなかったから宇宙ごと滅びたのかな、って
で、そんな未来を回避するために、比較的滅んだ世界と近かった新の世界の竜馬に滅んだ未来を見せて
ゲッター線が新の世界が滅びないよう正しい進化に導こうとした…みたいな
859名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 00:07:39.71 ID:V6n+XLdq
多様性のためにあえてやるというのもあるかもね
860名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 00:12:07.57 ID:q6NEaDqL
>>858
だとすると、神様達が死んだのも無駄ではなかったのかな
でもあの後、また神様の仲間が新の地球にやって来たら
サーガと同じように隼人率いる新早乙女研究所に迎撃されるんだろうか

にしても、新の隼人は竜馬が旅だった後は何やってるんだろう
大分優しげな顔付きになってたのが気になる
861名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 00:32:36.74 ID:mZ0NfdWL
>>855
ゲッターはカレーなんだよ。
ゼロ魔の場合、ハルケギニアと言うバンズの上に、才人の代わりの具を挟むような物なのに対し、
ゲッターのクロスは元の料理の上にカレーをぶっかける行為に等しいのさ。
確かに調理としてはお手軽たが、レシピはよくよく考えんと、
カレー味が勝ちすぎて、何作ってもただのカレーになっちまうから注意が必要だぜ。
862名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 01:02:16.42 ID:q6NEaDqL
元の作品を、というか互いにキャラクターや設定を活かせる描き方って大事だよね
勿論、作者なりの描き方っていうのもありだと思うけど、
クロスさせる意義を感じさせる作品に仕上げるのが大事ってことかな
863名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 01:26:57.90 ID:V6n+XLdq
バディコンプレックスはパイロット同士の相性がなんたららしいから
ゲッターにもそのシステムを搭載しようぜ!
多分、あれな匂いが更にやばいことになる
864名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 07:51:53.52 ID:q6NEaDqL
???「隠しパラメーターの私が一号機乗りをサポートします」
865ライフの作者です。:2014/02/13(木) 08:45:39.47 ID:s3Ugnz/U
もう二話分できたので貼ります。貼りすぎてしつこいようですがすいません。
866ライフ 第63話@:2014/02/13(木) 08:47:54.72 ID:s3Ugnz/U
――病室で文子と話をしていた歩。するとドアをノックする音が。文子は入り口を開けると……。

「ひい……っ」
彼女は一瞬、ヒュンと縮こまった。見たことのないヤクザのような人相の悪い大男が立っていたのだ……。しかし彼は歩が最もよく知る人物である。

「流君!」
――竜馬だった。左腕はアレだが彼は相変わらず不敵そうな表情だった。

「歩……誰?」
「わたしのクラスメートだよ……お母さん、怖がることないよ。流君は見かけによらずスゴくいい人なんだよ?」
「おい、見かけによらずは余計だ。椎葉、大丈夫か?」
「うん。流君は大丈夫?」
「まあこんな無様な結果だが、平気よお。ツバつけときゃ治る」
「フフ、流君らしいや」
彼らのやり取りに、文子はポカーンとしていた。

(歩ったらいつのまにこの人と仲良くなったのかしら……)

……二人は病院内の庭園を歩く。色んな患者やお見舞いにきた人達で賑わっている活気のある場所だ。

「流君……あたし、 さっき警察の人が来て、事情聴取されたんだ……」
「……事情聴取か」
「色々質問されて、最後に……今、安西に対してどう思ってるのか聞かれてあたし……答えられなかった……」

――竜馬は黙ったままだ。

「あの時は……ただ安西を止めるのに必死だった……」

すると。
「それがお前の答えだったんだろ?」
「え……っ」
「安西を許せんと思ったんなら、アイツを追いかける理由なんてなかったハズだ。
もし俺がお前の立場だったら間違いなくアイツをぶっ殺してたし、自殺するんなら勝手にしやがれとな。
だがお前はアイツを助けた。それは分からないながらもお前の内にある良心の行動なんだろうな」
「…………」
歩は妙に納得した気分だった。彼女の本心を知りたかったのもあるが、やはり相手がどんな人間だろうと命は大事だ――と。
867ライフ 第63話A:2014/02/13(木) 08:51:10.38 ID:s3Ugnz/U
「流君……」
「椎葉?」
「見てもらいたいのがあるの……」
歩はリストバンドを外して竜馬に例の腕の傷を見せたのだ。

「……どうしたこの傷は?」
「……高校に入る前からリストカットしてたんだあたし、もうしてないけど。
キツいときに自分の血を見ると救われるような気になった。
痛みでイヤな事を忘れられるような気がした……しちゃいけないことだって、わかってた……」

竜馬はその傷を黙って見続けた。

「けどねあたし……ミキや園田君、流君に出会ってからやる気がなくなったんだ。
なぜかわからないけど……流君達を見ると自分はガンバれるって……そういう気分になった。
特に流君の過去とか腕のキズとか、それにミキの話を聞いたら自分の悩みがいかにちっぽけだったか思い知ったの……ありがとね」

竜馬はそれを聞き、照れたのか頭をボリボリ掻いた。

「……少なくとも俺はなにもしてねえよ。リストカットってのは続ける人間はなかなかやめれないと聞く。やめれたのはお前の強靭な意志だ」
「……」
「……しかしまあ、なんだ。自分の身体を労れよ。お前はオンナなんだからな」
「……うん」
彼は彼女の肩にポンと手を置く。彼女の頬は赤くなった――。

「マナ……生きてる……?」

――愛海は病室のベッドの深い眠りから覚めて、実感する。死んでない――と。
ちょうどその時ドアが開き、入ってきたのは父親の富美男であった。

「マナちゃん……!」
「パパ……」

「やっと起きたのか。気分はどうだ?パパがフルーツを買ってきたんだよ」
レジ袋から取り出すは熟れた柿。しかし愛海はぼーっとしているように瞳が虚ろだった。

「マナ……カツミくんを刺しちゃった……」
「そっ……そのことなら心配いらんぞ」
彼は隣のチェアに腰かけて深くため息をつく。

「佐古とは示談で話がついとる。もちろんマスコミなどには一切出んように手はうってある。
しかし許せんのはあの学校だ……!」
「学校……?」
虚ろであった彼女の眼の焦点がよくなり、彼へ顔を向けた。

「い、いや……ワシが職員室に事情をききに行ったらお前のクラスの女子生徒がいきなり飛び込んできてな。
愛海と一瞬に椎葉をいじめていたなどと、あることないこと言い出したんだ。しかも教師もそれに同調しおってな」
「…………」
868ライフ 第63話B:2014/02/13(木) 08:54:35.28 ID:s3Ugnz/U
「まったく嫌になるわい……どいつもこいつもデタラメばかり……」
愛海の顔をうつ向いた。富美男は異常を感じたのか、立ち上がり彼女へ寄り添った。

「どうした愛海……具合が悪いのか……?」
しかし彼が見たのは、なんとニヤリと不気味な笑みをした自分の愛娘の顔であった。

「へえ……そうなんだ。そうよ、マナは椎葉をいじめてたの、ずっとね」
ついに実の娘の本性を目の当たりにした富美男は、顔色が一気に悪くなった。

「マナミ……本当なのか……!?」
彼女は柿一つを掴み、次々と本音を話し出した。

「佐古克己。ただのド変態ヤロウのヘタレだったから、ムカついてブッ刺しちゃった……いい気味……」

柿を弧を描くように投げて、床に墜落。べちゃっと潰れてしまった。

「愛海……何かあったのか!!まさか悪い友達の影響か?それともストレス!?ヤケになって――」
必死にその理由について問い出す彼に、愛海は平然と、

「理由なんかない。いじめるのが楽しいからいじめたんだ」

そう言い切った。富美男はついに知ってしまった。真実、そして娘の本性を。さすがに愛娘から言われたら信じざる得なかった。
彼はその場で放心して膝をついたが、すぐにゆっくり立ち上がり、何も言わずに部屋から出ていってしまった。よほどショックだったのだろう――。

彼女は何かすっきりしたような気分になった。再びベッドへ寝転がると克己の家での出来事を思い出す。

「へんなヤツ……椎葉だけじゃん……マナに本気でぶつかってきたのは……」

――そう呟いた。

一方、未来は……。
「じつはね……あまりよくない話なんだ……」
庭園でとある医師と話をしていた。彼は自分の父親の担当医師であった。
彼女は歩に会いにいく時に、偶然彼と出会い話をした。

「え……っ」

「お父さんの病気……心臓の弁の病気なのは知っているよね……」
「はい……」
「これまでは……通院と投薬でなんとか治療してきたんだけど……前の検査でハッキリしたんだ」
869ライフ 第63話C:2014/02/13(木) 08:57:23.65 ID:s3Ugnz/U
医師は一呼吸置き、彼女にこう宣告した。

「今のお父さんは心臓に正常に血液が行かなくなって……直ちに手術をしないと危ない……」
「そんなに悪いんですか……わかりました、ぜひ手術をお願いします!費用なら何年かけてでも支払いますから――」
「いやちがうんだ」
彼の口から出た言葉、それは彼女にとっては耐え難い現実だった……。

「実を言うと、無理に近い……」
「え……っ?」
彼女は耳を疑う。

「その心臓手術はね、日本で出来る医師は数人しかいない。
しかもだ、その医師の元へ受けようとも予約がいっぱいやら、海外研修などで……受けるには待ち時間がすごくかかる、下手をすれば一年後かそれ以上だ……ハッキリ言って、今の状態では三ヶ月持つかどうかだ」
「まってください……つまりそれは……父を救えないってことですか……!?」

あまりにも悲しすぎるその現実に未来は信じられなかった。

「薬を使えばとりあえず延命も可能だけど手術まで繋げれるかどうか……薬が手術に耐えれる体力をなくする危険性も十分に考えられる……」
「ど、どうしても無理なんですか!?お願いします、どうか父を……助けてください……」
「……羽鳥さん、こちらも最善の努力をする。だが、最悪のことも覚悟しておいたほうがいいと思う……」
そう告げられた彼女は心から絶望した。今の自分のたった一人の肉親である父親が……彼女はショックで歩に会わず、そのまま帰っていった。
帰宅すると茶の間のテーブルには、料理がラップで包まれた皿と鍋がおかれていた。そこには『おかえり』と置き紙が……奥の部屋には彼女の父親が布団で横になっている、その姿を見た未来の心はギュッと締め付けられる思いに。

「どうすればいいの……?」

彼女はその場でへたり込んで途方にくれた。その時、彼女は思い出した。

『もし行き詰まったら電話して……』

そう、イタリア料理でバイトしていた時に知り合った、早乙女達人のことを……。彼女はすぐに近くの棚の引き出しから彼が書いた、住所と電話番号の書かれた紙きれを取り出した――。

――早乙女宅。生活水準の高そうな立派な家である。その一室で彼、達人は相変わらず熱心に勉強をしていると、携帯から着信が。

「もしもし――早乙女達人ですが……」
870ライフ 第63話D:2014/02/13(木) 09:01:30.13 ID:s3Ugnz/U
……瞬間、彼の目の色が変わった。

「羽鳥さん!?どうしたの?」
彼女だ。彼は真剣な顔つきになった。

「……分かった。本当にいいんだね……うん、そっか……分かった、ならまた後でかけ直すよ。それじゃあ」

彼女の住所などを教えてもらい、電話を切る。彼は直ぐ様立ち上がると、部屋を飛び出して父のいる書斎へ。

「父さん……入るよ」
ノックし、入ると膨大な書物と研究資料が隙間なく置かれた部屋の中央のソファーに座り、本を読む、40代いくかいかないかの歳相応の容姿をした男性の姿が。
彼こそ、後にゲッター線の発見及び、ゲッターロボを開発する、そして『早乙女の反乱』の首謀者……若き日の早乙女博士である。

「どうしたんだ達人?」
「父さん……頼みがあるんだ――」

彼の瞳は最前線にいる兵士のような、重くそして真剣そのものであった。

――数日後。歩の退院日。私服に着替えて退出しようとする歩と文子のいる病室にノックが、開けると園田が立っていた。

「園田君!」
「いきなりでごめん。今日退院って言ってたから」
「うん」
「あら、お友達?」
歩にも友達がいたという事実に、彼女の顔は和やかになっていた。

「わたし、あとやっておくから彼といっしょに帰ってなさい、ねえアユム?」

「え、えっ、お母さん……」

文子は出ていき、二人は取り残された。

「あれ……羽鳥さんは来てないの?」

「……うん、朝家に電話して見たんだけど誰もいなくて……バイトかな?」
「学校にも来てないんだ、羽鳥さん」
「そう……」

歩は心配になった。彼女の父親に何かあったのだろうか、と。

「オレが荷物持つよ。貸して」
「あ、ありがとう!」

――二人は、夕日にくぐれた街並みを歩いている。

「深沢が……深沢エミが先生に告白したみたいなんだ。 椎葉さんをいじめてたこと」
「……え……?」

「オレは直接見たわけじゃないけど、 友達なら安西を……取り返しのつかなくなる前にイジメを止めるべきだったと言って、教室を飛び出していったんだって……」

彼は一瞬、目が虚ろになった。

「だれかが気づかなきゃいけないのに……みんなが一緒になれば罪悪感なんてなくなる」
「……」
871ライフ 第63話E:2014/02/13(木) 09:06:03.39 ID:s3Ugnz/U
「オレは、たとえ友達でも間違っていると思うなら、ちゃんと言える人間になりたい。
その人を本当の友達と思うんなら――」
その言葉が彼女の胸に響いた。そして園田と別れて帰宅。
しかし今、無性に未来と会いたくなった歩は置き手紙を作り、また家を出ていった。
そして未来は――アパートの自分の郵便棚の前にいた。そこには歩のいた病院とは違う、県外の大病院の手紙が……。

「…………」
それを手に取る彼女はあまり表情が良くなかった。

「ミキ……!」
「アユム……」
ちょうどその時、彼女がやってきた。二人は近くの川沿いを歩いていた。

「……ごめんね。今日退院日なのに行けなくて……」
「ううん」
歩は何か気付いた。未来の表情が浮かないのを。

「ここさ、前にも通ったよね。バニーガールの格好で」
「そういえばそうだね……」
「流君にバッタリ会ったときのあの顔といったら……フフ」
「アイツ、内心何が起こったか分からなかったと思うね」
二人は笑う。しかしやはり未来の様子がおかしい。それについに歩は。

「ミキ……なにかあったの?」
未来は歩くのを止めた。

「……ううん。べつになにも……」
やはりなにか隠している未来に歩は。
「あたしね、中学の時に友達を傷つけたんだ。嘘をついて……あたしはそのコが悩んでたこと、全然気づかなかった……」
あの時嘘をついた。それがやさしさだと思っていた、本音で話したことがなかったあの時、それで友情が崩壊し、リストカットにはしったこと。

「でもミキが教室でいってくれた『アユムは嘘をつかない』って……あたし、すごくうれしかった!!」
彼女は知りたかった。未来の本音を、全てを、なんでもいいから話してほしいと思った。

「あたしはミキのそばにずっといる!!何があっても、あたしがミキの支えになってあげるから!!絶対に!!」
「ちがうのアユム!!」
ついに沈黙していた未来が叫んだ。

「あたし……転校しなきゃいけなくなったの……」

転校。未来から出たその言葉は歩の心を凍りつかせたのだった。

「あたしは……ホントはアンタと別れたくない!!けど……ああするしかなかったの……っ!」
「ミキ……何言って……」
「あたしは……あんたと別れなきゃいけない……」
その場の二人は時間が停まったように固まっていた――。
872ライフの作者です:2014/02/13(木) 09:08:59.97 ID:s3Ugnz/U
今話は以上です。竜馬がリストカットの話に関わるのは多分このクロスくらいだろうな……。

もう一話は時間をおいて投稿します。

*ちなみに修正ありました。

63話Cのイタリア料理

イタリア料理店

です
873名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 09:39:33.89 ID:q6NEaDqL

リストカットじゃなくて手首が飛ぶとこはよく見てそう
874ライフ 第64話@:2014/02/13(木) 10:44:56.30 ID:s3Ugnz/U
歩は帰宅し、文子、妹の茜の三人仲良く夕飯を食べて、部屋へ戻る。しかし部屋へ入った時の彼女の顔は暗かった。そのワケは……。

(……明日、学校にいってもミキはいない……これからずっと……)

それはさっきの二人の会話で……。

「……なんで、なんでミキが転校しなきゃいけないの……?」
「……実はね、お父さんの担当の医師(せんせい)に言われたんだ。
お父さんはすぐに手術しなきゃいけない状態なのに……とても難しい手術で、受けるには最低でも一年は待たされることになるの。
けどそれじゃあ受ける前にお父さんが死んじゃうって。
どうしようかって悩んだ時ね、バイト先で知り合ったお客さんのお父さんがすごい科学者で、一流の医師免許も持つ人なんだって。
それで頼んだら、そのお客さんがなんとかお父さんを説得して手術してもらえるようになったの……。
しかもリハビリ療養も兼ねた入院先も、あたしの住居、転校先も手配してくれるみたいで……すごく気の毒だよ……こんなことまでしてくれるなんて……」

「…………」

「場所は県外でここからだとスゴく遠い……あたし、今月中にはもういくから……」
「なんで……なんで……っ」

――学校生活を楽しもうと、一緒に卒業しようって言ったのに……。彼女はこの一晩泣き明かした……。

朝が明けても彼女の悲しさがなくなることはなかった。
リビングにいき、朝ごはんを作る文子にこう言った。

「お母さん……今日休んでいいかな……」
「なにいってんの……すぐに学校なんて。ゆっくりしていいのよ、ゴハン作ろうか?」
「ううん、あとでいい……」
彼女は居間に行き、ソファーに腰かけてテレビをつけたとき……リモコンをその場で落とした。

“14歳の少女が殺人の疑いで逮捕されました”

そのニュースには、文子も慌てて駆けつけた。

“調べによると、少女は路上で同級生の女子中学生の胸を刃物で刺し、刺された少女は死亡しました”

歩は一瞬動揺したが、すぐに冷静さを取り戻す。

(安西じゃない、びっくりした……っ)
“刺された少女は逮捕された少女にいじめられていたという証言があり、
被害者の少女がいじめについて警察に通報したことによる逆恨みの犯行と見て、警察は――”
875ライフ 第64話A:2014/02/13(木) 10:48:48.31 ID:s3Ugnz/U
「ふん、くだらん!」

ちょうど愛海と富美男も病室でそのニュースを見ていたが、彼は一蹴し、すぐにテレビを切る。

「……もしイジメのことで西館がなにか言ってきたとしても、もう愛海は関係ない。また新しい学校でやり直せばいいんだ!」

……愛海は口を閉ざした無表情のままだ。そんな彼女を彼はやるせない表情で病室から出ていった。

去ったのを見届けると、彼女は再びテレビを入れてそのニュースを見始めた。

“どうなんでしょう。いじめを警察に訴えた場合、警察は動いてくれるんでしょうか?”

“金銭の要求や暴力などが認められれば、明らかな犯罪行為ですので立件できます。
いじめに耐えたりせずに、教育委員会や警察へ積極的に訴えたほうがいいのですが、この事件が起きてしまいますと……”

愛海はすぐに携帯を開き、とある単語を検索した。それは『少年犯罪 いじめ』と……。

「歩、どこ行くの?」
「ミキの家に行ってきます」

家を出た彼女は、社宅付近を歩いていると、近所の人とすれ違う。

「こんにちは」
「……んにちは」

どこかしこりのあるような言い渋った挨拶をされた歩。彼女が通り過ぎた辺りからその人達が、

「あの子かしら……ホラ西館の……」
「生徒に刺されたって……例の事件の」
「怖いわよね、今じゃあ女の子でも何をしでかすかわからないからね――」

歩の耳に入った時、彼女はすぐに服のフードを被る。
彼女は気付いた。あんな事件があったのに、ニュースになったっておかしくないと。

未来のアパートへ行くも、誰もでない。留守であった。

(今月中なんてもう……十日くらいしかない)

彼女はここで待つことにした。いなくなるなら少しでも未来のそばにいたい……話したい。その思いでいっぱいだった。

――その夜まで待ち続けた歩。しかし未来はまったく帰ってこない。時間は夜の十時を越えていた。

(帰ろう、お母さんが心配しちゃう)

今日はもう諦めて、帰ることに。彼女は人気のない公園を歩いていた。
しかし――後ろの草場から何が飛び出す物音がした。振り向く、そこにはなんと……。
876ライフ 第64話B:2014/02/13(木) 10:52:17.18 ID:s3Ugnz/U
「あ、安西……?」
なんとパジャマ姿の愛海が立っていた。なんでこんな夜更けに、しかも病院は……キズは……。歩は少し混乱したが、彼女へ寄り添う。しかし――。

「……っ!?」

愛海は右手に持っていた『長い何か』を歩の胸へ突き刺したそれは刃物か、それとも――しかしそれは縦に丸めた新聞だった。

「今日のニュースみたでしょ?」
「……えっ」
「あんたに頼みがあるの……マナの行なった悪行全てを……マナを警察に告訴して」
突然、とんでもないことを言い出した愛海。
そう、彼女はそれを言うためにわざわざ病院から脱け出してきたのだった。

「安西……なんで……どうしていきなり……」
歩は当然、困惑する。だが愛海は……。

「あんたが言ったじゃない、これから欲しいものを自分で掴めって……」
歩の胸ぐらを掴み、睨み付けるようにこう叫んだ。

「マナを生かしたんなら最後まで責任とりなさいよね!!」
愛海は手を離し、その場でへたり込んでしまった。

「……このままじゃ、マナはまた過ちを犯す。そうならないためにも……ケリをつけたいの。もうパパに全てを決められるのはうんざり……」
新聞を投げ渡して、彼女は去っていく――。

「あんただからこそ頼めることよ。お願いね」
「待って、安西!!」
振り向くことなく去っていく愛海。
家に帰り、新聞を見るとそこには今日のニュースであった殺人事件の記事が……。彼女なりに一生懸命考えたに違いない。しかし歩は望んでいなかった。
愛海を裁くために戦ってきたんじゃなく、普通に学校生活を送りたかっただけ――。
それに警察にいけば自分の思い出したくもない、知られたくない事実を全て吐き出すことになる。
それだけではない、周りに知られて家族に迷惑がかかる、自分だけの問題じゃなくなる。

(どうすれば……)
その時、こんな夜にインターホンがなる。歩は外を見ると……。

(流君……?)
なぜか竜馬がドアに立っていた。すぐに開けると、

「よお椎葉。退院おめでとさん」
「…………」
まさかそれを言いにきただけなのか……彼も彼女の表情を見て何か引っかかる。

「……どうやらなんかあったみたいだな」

……二人は近くの公園に行く、そして歩は先ほどの事を竜馬に話す。
877ライフ 第64話C:2014/02/13(木) 10:55:29.50 ID:s3Ugnz/U
「ほお、あの安西がな」
「…………」
すると、

「俺にはそれを答えられねえわ」
「流君…………?」
「それを人に聞くこと自体が間違いってこった。決めるのは痛みのわかる人間、つまりお前だ」
「…………」
「俺が前に言わなかったか。一人で決めなければならない時って。それが今だ」

――彼女は竜馬と別れた後、風呂に入る。洗面器にためた湯を頭にぶっかけてる。

(流君の言う通りだ、これは自分で決めることだ。
ミキだって、安西だって……いっぱい悩んで決めたことなんだ。
自分の過去のこと、未来のこと、全てはあたしが決めるんだ!!)

鏡にうつる自分を見据え、彼女は決心した――。
風呂から上がり、自分の部屋でノートにひたすら今まで受けたいじめの内容、苦痛、そして廃墟での事件を書き続けた。途中で気分が悪くなったが彼女はそれをかみ殺して、書き続けた――。

夜が明けて、全てを書き終えた歩は……。

「お母さん、あたし警察にいく」

台所でリンゴを切っていた文子の手がとまる。向くと、歩がノートを携えて立っていた。

「その前に、お母さんに知らせなきゃいけないこどがあるの。今までのあたしの全てを……」


――そして午前中、歩と文子は市内の警察署を訪れた。

「ここからはあたし一人でいい」
「アユム、やっぱりわたしも……」
「ううん、大丈夫だよひとりで……それよりごめんねお母さん。これから……周りからいろいろ言われるかもしれない、ウワサになるかもしれない」
これから起こりゆく不安について謝る彼女に文子は泣きながら抱き締めた。

「そんなことない!!歩は……歩はあたしが絶対に守っていくんだから!!」

彼女の強い思いが、歩をもう迷わすことはなかった。

「……行ってきます」

そして一人、中へ入っていく歩。
文子はそんな彼女の後ろ姿を涙なしに見れなかった。

――歩の全てが書かれたノートを見たとき、文子はそのおぞましい内容に鳥肌が立つほどの恐怖、そして悲しみが沸き上がった。実の娘がこんな悲惨なことに遭っていたなんて……。
878ライフ 第64話D:2014/02/13(木) 10:58:32.20 ID:s3Ugnz/U
しかしそれを恐れずに見せてくれた彼女の今の強き姿に対する嬉しさもあったのだろう――文子はその場で泣き伏せた……。

そして歩は男性の警察職員と対面する。

「あなたがお電話を頂いた、椎葉歩さんですね?」
「はい……」
一度沈黙し顔を下げるも、すぐに上げてキリっとした態度になる。

「……わたしが安西愛海から受けたいじめと暴力……そして、レイプ未遂について……告訴しに来ました」

……一方、学校の職員室。これからの行動を岩城を中心に数人の教師で会議していた。

「……まずやることは、謹慎中の廣瀬和華を解くべきだと思います。
彼女は集団イジメの冤罪を被り、自宅謹慎処分のままです。本人からもう一度事実を確認しましょう」
「……そうだな」

その時、電話が一本入る。田崎が電話に出ると、

「椎葉か!」

彼女からの電話に彼らの視線が集中する。

「お前大丈夫なのか?退院したのか……いまどこに……えっ……警察だと……?」

田崎の驚きの声が響いた――。

そして車を走らせている富美男の携帯にも警察から電話が。

「警察が何の用だ。 佐古との示談は成立したと何べん言わせる気か……?」

しかし彼は突然車を停めて、警察からの指示に唖然となった。

「なに……愛海が……椎葉に……自ら警察に行けと……」

後部座席に座っていた彼女は何かを思うような目で窓の外を眺めていた――。

告訴を終えた歩は、帰りに携帯ショップへ立ち寄った。

「お母さん、一緒に買おうよ。新しいの」
「歩……うん」
自分で選び、自分で決める。彼女は自分の気持ちを尊重するということを改めて認識するのであった――。
879ライフの作者です。:2014/02/13(木) 11:01:27.53 ID:s3Ugnz/U
以上です。ついに……ついに残すところあと二話のみとなりました。いやあ長かった。
次スレ行くまでには全て完結するでしょう、次話お楽しみに。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/13(木) 13:37:42.95 ID:q6NEaDqL

終わりが近付くっていうのは、どうしても寂しくなるもんだな
881名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 00:32:07.90 ID:8KEGBbV8
このペースでいけば来週中には完結かな?
急かしてるわけじゃないけど、ゼノサーガクロスの作者さんは元気だろうか
882名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 09:01:23.22 ID:8KEGBbV8
クロスの妄想してて思ったんだが、百鬼の原型がサーガに来たってことは、
サーガ以前(以外)にもゲッターの起源があるってことになるのかな?
そうだとしたら、これを軸に話が作れる気がしてきた
883名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 13:02:23.55 ID:BaJh6yUp
ゲッター線が真説魔獣の神の一柱かその使いなんかみたいな感じだしな。
ロボの場合も小説版でミチルを操ってなんか設計図にダメ出し、していたりするしな
884名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 19:22:11.20 ID:8KEGBbV8
見込みがあって、ゲッター線の眼鏡に敵ったら助けてくれる感じかな
ネオゲで武蔵が炉心を抉り出したときに真が起動したのも
そういう思惑があったからかな
885名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 21:33:48.75 ID:8KEGBbV8
連続になってしまうけど、今日はバレンタインデーか
小説版によると隼人はかなりの美形らしいけど、
危険さを醸し出す前(小学生辺りか)にはチョコとかもらってたんだろうか
886名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 21:37:24.90 ID:TPQm5oWc
新の隼人の発言とか小説版スーパーロボット大戦、あとサルファの話とかからゲッター線って
ゲッターロボを初めとするゲッター線テクノロジーが存在しない限り
自分からは何もしないし、出来ないんじゃ?って考えたことがあるなぁ
だから自分の事を知って、声を聞いてくれて、一緒に歩んでくれるものを求めてる、みたいな
……なんかこうして書くとヒロインみたいに見えなくもないなぁ
887名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 22:08:16.02 ID:8KEGBbV8
ハチュウ人類はゲッター線に滅ぼされたというよりは
進化についてこれなくて滅んだってことになるのかね
ある一定量から害を成す存在になってしまったけど、
ハチュウ人類も一応はゲッター線に選ばれた存在ってことになるのかな
888名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 22:43:27.07 ID:BaJh6yUp
>>886
でも、恐竜滅ぼしているし。
人間を進化させたからなあ。

ただ、虚無戦記の弥勒も積極的に人間に関わろうとしていなかったことを考えると
出来る限り自然に任せたほうがいいという方針なのかも
889名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 22:47:56.37 ID:8KEGBbV8
今さらだけど、ゲッター線て本当に永遠の謎だな
ただ、不明だから面白いっていうのもあるんだけどね
クロスが発達したのも、そのお陰かと
890名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 23:20:30.81 ID:2+E5u07t
クロスもそうなんだけどオリジナルゲッターとかやけに二次創作多いのもそのせいなのかな
同時期で人気がずっと上なマジンガーは2次になると全然数が少ないし

>>885
TV版は姉ちゃんからもらってそう
漫画版だと体操で有名だった頃にはもらってたんじゃないか

他は…想像つかねえw
891名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 23:25:14.85 ID:BaJh6yUp
設定をある程度どうにか出来る自由度があったほうがSS増えるというからな
892名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/14(金) 23:37:01.84 ID:8KEGBbV8
>>890
確かに、明日香さんから貰ってそう
竜馬は嫁から貰うのかな

>>891
パラレルワールドが多数存在するってでかいよね
この作品と同じ世界って妄想できたりとか
科学技術もゲッター除けば現実世界のレベルだしね
893名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/15(土) 01:18:17.34 ID:9s+u7STk
誰かクロス先の女の子がゲッターチームにチョコを渡すネタを考えるんだ
894名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/15(土) 01:24:38.91 ID:MUrCgRWe
竜馬「どうしよう…………一部の世界の俺達が死んでる…………」
隼人「メシマズで死ぬなんて本当なのか…………トラップに使えるな」
武蔵「俺は死んでないぞ。鍛え方が違うからな」
弁慶「そもそも、あんたが最初から死んでるのが多いでしょう」


って感じのが頭をよぎった
全部の作品とその原作を把握しているわけではないからメシマズ云々は知らん
895名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/15(土) 01:52:01.01 ID:9s+u7STk
一部の世界って桜田版かwww

>>890
號というテレビ、漫画版の作品がゲッターを広げたんじゃないかな。
賢ちゃんの秘話を見るとゲッターは過去の作品だからもう描かないと言ってたけど、マジンガーリメイクがなくなって、ゲッターリメイクになったのが全ての始まりかもね。
そこからギミック要素をたくさん含んだ號、みんな大好き真ゲッター、チェンゲ……と、次々生まれたからな。
逆に言えば、もしマジンガーリメイクで言ってたら、知名度の劣るゲッターは完全に埋もれてたと思う。
896名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/15(土) 08:41:07.18 ID:aa7EDNmE
>>893
目が覚めた竜馬の前に「買えるだけ」と言って山のように積まれた(または道場埋め尽くすくらい)
チョコ持ってくる智ちゃんを妄想した
尚、チョコは時々深緑色の光を発する模様
897名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/15(土) 16:43:44.95 ID:fiuuqg2q
歩「流君、はいチョコ!」
チェンゲ竜馬「お、おう。ありがとな」
未来「神、はいっ」
チェンゲ28歳隼人「羽鳥……すまないと思っている」

愛海「うげえ、あんなデブくて男臭そうな奴二人にはあげたくないな……」

武蔵・弁慶「…………」

愛海「あ、イケメン発見。はい、マナがあんたにチョコあげる♪」

號「…………」

愛海(なに、このコミュ症……なんかキモイ……)

こうなるな(確信)
898名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/15(土) 20:35:01.50 ID:aa7EDNmE
竜馬「これは何だ」
智「チョコだよ。あんた馬鹿?」
竜馬「それは分かる。匂いとかでな」
智「(匂いなのか)」
竜馬「なんでこんな数があるんだ」
智「何?あんた素直に喜べないの?ダークヒーローアピール?」
竜馬「俺に分かるように説明しろ」
智「コンビニで買ってきた」
竜馬「ふむ」
智「で、届けてもらった」
竜馬「今はそんなことしてもらえるのか」
智「そうだよ。あんたそんなことも知らないの?70年代の人じゃあるまいし、今時の常識だよ」
竜馬「へぇ、世の中便利になったもんだな」
智「ん?それで終わり?」
竜馬「あぁ、疑問は解けた」
智「ふうん、ならいいや。溶けると言えば、こっちも溶けちゃうからさっさと食おうぜー」
竜馬「そういえばガムと一緒にチョコ食うとガムが溶けるらしいな。お前、知ってたか」
智「ふふん、残念だったな。その知識は大阪で予習済みだ!確か、それ再現したチョコあったから探して食おうよ。先に見つけた方が勝ちな!」

そのあだ名はどうなのかと、竜馬は思わずにはいられなかった。
この時、道場の奥に堆積した山から生じている不可思議な光を竜馬は認めたが、
恐らく最近流行りの派手なパッケージの一種と考え、彼はそれ以上の詮索をしなかった。


こんな感じかね
899ゼノサーガ:2014/02/15(土) 21:49:14.07 ID:IsSnVuUN
>>881 すみません、ちょっと残業続きで書ける時間がないです。というか、DS版準拠にしようと思ったら、資料(プレイ時間)がねええ! な感じ。
ジンさんの五右衛門ばりの剣技は、ゲッターでも通じると思うので、書きたい所存。
あと惑星割って生まれる悪魔とか。
もうちょっとお待ちください。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/16(日) 00:17:39.91 ID:aNzF+8gt
この時期は受験就活卒業、それらの引き継ぎとかで忙しいからな
901ライフの作者です:2014/02/16(日) 01:41:35.03 ID:f7yvVke4
まあゼノサーガの人、焦らずにゆっくり書けばいいよ。自分みたいに早くすると誤字、脱字がいろいろとあるからね。

と、言っときながら続き貼ります。
902ライフ 第65話@:2014/02/16(日) 01:45:12.95 ID:f7yvVke4
歩は購入した新しい携帯ですぐに園田に電話をかける。
彼とは近くのファーストフード店で待ち合わせし、中で話をする。

「羽鳥さんが!?」
未来の転校を初めて聞かされた彼は大声を上げて、席から立ち上がった。

「もうすぐいなくなっちゃうんだ。場所は県外でここからだとスゴく遠いんだって……」
「そんな……なんとかならないの?時期をずらすとか、羽鳥さんだけ残るとか、高校だけでも……」
「いいの。ミキが決めたんだもん、尊重しなきゃ」
彼女は受け入れたのだ、現実を。さみしいけど、彼女の気持ちを大切にするべきだと。

「それでね、園田君にお願いがあるの。あと、ここにいないけど流君にも……」

……そして未来が引っ越す前日。彼女の部屋前には歩、園田の姿が、ノックすると中から未来が。

「ミキ!」
「アユム……園田も。どうしたの?」
「なにか手伝うことないかなーと思って!」
「荷造りとか一人じゃ大変かなって」
二人は玄関を入る。しかし目の前の光景は、モノがほとんどなくガランとしていた。

「もうわりと……おわっちゃってるかも……」
二人、特に歩はここに来て実感してしまった、本当に今日でさよならだと。

「お父さんは?」
「もう新しい病院へ移ってて……?」
すると歩は彼女の腕を握りしめてグイっと引っ張りはじめた。

「ミキ、遊びにいこう、ぱあーっと♪」「えっ!?えっ!?アユムーーっ」
そして三人は街へ出掛けていった――。その途中、

「流君!!」
「お、おう……」
「待たせた?」
「いや……そうでもねえけど……」
歩は竜馬にも未来との最後の思い出作りにこの日を誘っていた。はじめは彼は、しょうに合わないからイヤだと言い張ったが歩と園田の必死の説得により、承諾に成功したのだった。

「まさか流も来るとは……こりゃあ一雨降りそうだね」
「おい、どういう意味だコラ」
最後の最後まで彼を茶化す未来であった。
四人が最初に向かったのはカラオケボックス。

「だめだだめだそんなんじゃ!カタイんだよ、もっとかわいく!!」
「ええっ」
女性曲の歌い方が堅い園田にダメ出しを出す未来は、自ら進んで歌い出し、歩はタンバリンを持ってリズムよく叩いている。その傍ら竜馬は……。

「なに歌えばいいかわからねえ……」
思いっきり悩んでいた……。
903ライフ 第65話A:2014/02/16(日) 01:49:53.18 ID:f7yvVke4
――四人は次にゲーセンへ。

「アユム!」
未来は歩とプリクラを撮りたいという。二人は撮っている間、園田と竜馬は外で待っていた。

「園田」
「流?」
「なかなかいいもんだな……こういうのはよお……」
……顔をそっぽ向いて呟く彼に園田の顔は和やかな笑みをはなった。

「二人とも、一緒に撮ろうよ!!」
「園田君と流君も来て!」
誘う彼女達に野郎組は、

「流、行こう!」
「俺……もか……?」
恥ずかくて照れている竜馬を園田に引っ張られて、四人仲良く撮影した。
プリクラというのは全く初めてである竜馬は最初は戸惑い写り方がぎこちなかったのは当たり前だが、徐々にコツを掴んだのか、ごく自然体になっていた――。

「おい羽鳥!なんで俺ばかり落書きするんだよ!!」
「だってあんた、こんなかで一番おもしろい写りかたしてるもん♪」
「つか椎葉と園田もどさくさに紛れて笑ってんじゃねえよオラァ!」
お絵かきタイムではペンで、竜馬へ落書きを集中攻撃されるのであった――。

その後クレーンゲームをしたり、街のファミレスで食事したりと時間の隙間も惜しむくらいに遊びまくったのであった――。

(ミキはつらい時、いつもそばにいてくれて元気をくれた。
ミキのおかげで嫌いだった自分を、今では名前まで好きになった。生きる勇気を、あたしにくれた。
……だから、今度はあたしが恩返しする番だよ、あたしが……ミキの光になるから!)

……そして四人はやっと未来のアパートへ帰宅。しかし竜馬以外の三人は部屋を開けるなり、疲労がどっと出てその場で倒れ込んだ。

「あ、暑い……」
「み、水……」
「アユムまって!」
未来は冷蔵庫から麦茶を取り出し、氷の入れたコップに注ぐとそれぞれ歩と竜馬に差し出した。

「おーい、園田もお茶……」
彼女が見たのは窓を開けて、そのまま力尽きて爆睡している彼の姿が……。

「そのだ……寝てる……しょうがないな。流、お願い」
未来が布団をひき、竜馬が彼を軽々と持ち上げて寝かし、今日クレーンゲームで獲得したぬいぐるみを添えてタオルケットを被せた。
ぬいぐるみに抱きつくように眠る園田は男性なのに、スゴくカワイイ……三人は温かく見守ると静かにその部屋から出ていった。
904ライフ 第65話B:2014/02/16(日) 01:55:49.65 ID:f7yvVke4
すると竜馬は、

「俺、行くわ」
「流も泊まってけば?」
「そうだよ。流君も一緒にいようよ」
「バーカ。俺みたいなこんなむさ苦しい男といるよりもいいだろ。園田もいるし」
やはり帰る気満々な竜馬である。

「流……今までありがとね。いろいろとお世話になったよ」
未来に笑顔でお礼を言われる竜馬は、彼女にニィと不敵な笑みを放った。

「羽鳥、お前も大切なダチが出来てよかったな、椎葉っていう女をな。大事にしろよ」
「流君……」
「それじゃあ羽鳥、今度次は会えるかどうか分からんが、会える日を楽しみにしてんぞ――っ」
「な、流……?」
彼は去っていく。また会えるか分からないという理由が分からない未来に対し、歩はその意味に気付き、急に胸が苦しくなった。

――彼は未来からきた人間である。本来この時代にはまだ存在もしていない。何かあって元の時代に帰ってしまったら本当に二度と会えなくなる。
それは未来だけではない、園田も、そして自分もだ――。
二人は仲良く、同じ布団に潜り込む。

「アユム……ありがとね。今日のこと絶対に忘れないよ」
未来は仰向けになりながら、横向きに寝ている歩にこう話した。

「あたしね、お父さんが迎えにきて田舎から出てから中学校 ……三回転校したんだ。だから友達なんかいなかった」
「……」
「……つくらなかったのかな。どこかでひとりでいることに慣れてた、楽だった……そう思ってたんだ、あんたと会うまでは――」
「…………」
「けどはじめて転校したくないと思った。あんたのおかげだよ、ありがとうアユム」
歩を見ると、目を瞑って寝ていた。彼女は、軽いため息をついた。

「……なんだ。こういうときに限ってねてやんの」
歩の頭に優しく撫でて、かけていたタオルケットを引き上げた。

「アユム、大好きだよ。おやすみ」
彼女も寝静まった時、歩は涙が溢れ出したのだった。

(ミキ……ミキっ!)

――翌朝。未来はひとり起きて、横ですやすや寝ている歩に優しく呟いた。

「またね、アユム」
その数十分後、窓の朝日によって歩はふと起きる。しかし横を見ると未来の姿がどこにもなかった……。

(うそ……ミキ!!いやだ、このまま別れるなんてイヤだ!!)
905ライフ 第65話C:2014/02/16(日) 02:00:51.22 ID:f7yvVke4
すぐに飛び出して、彼女が向かったと思われる駅へ全力で走っていった。

(ミキを笑って見送りたい。最後までそう決めたのに!!)

改札口を通り抜け、プラットホームに行くと……。

「アユム、来ちゃったか」
彼女は売店で飲み物を買っていた。すぐに二人は駆け寄ると、未来から先に言葉が出た。

「ごめん……なんか、ホントに行きたくなくなっちゃいそうだったから……あんたの寝顔見てたら」
すると歩はつけていたリストバンドを外して、未来に差し出したのだった。

「これ返すね。あたしはもう必要ないから、頑張っていけるから――ありがとう」
彼女はこれから先、どんな苦難があっても、何があっても自分で自分を傷つけないと決めた、返すのはその決意表明である。

「……よかった。いつ返してくれんのかと思ってた」
冗談を言う彼女に歩の表情はやわらいだ。
その時、彼女の乗る特急電車が到着した――。

「これに乗るの?」
「……うん」
入り口が開き、次々に人々が乗り込んでいく……そして未来もこれに乗っていくのだ。
歩はまだ話したいことがあるのに……言葉に詰まって何も言えない……出ない。

「住居は……落ち着いてから連絡する」
未来はついに電車へ。歩はせめてこの瞬間でも笑って見送りたい、しかし別れの悲しさからかなかなか笑えない……。

「み……」
その時だった。彼女は振り向き、歩をギュッと抱きしめていた――。

「アユム……あんたとは一生のトモダチだよ――」

……歩はついに笑顔へ変わり、乗り込む彼女を見送った――。
動き出す電車に彼女は走って最後まで見届けようとした。
そして未来は席に腰かけた時、駅員が切符の拝見に回るのを見て、ポケットに手をしのばせる。
すると切符の他に何か紙くずのような物が……。
取り出すと切符と……昨日四人で撮ったプリクラの片切れだった。
特に歩との、仲の良さが引き立ったツーショットを見た時……今まで見せなかった未来の眼から、一筋の涙が……。

「あの……」
駅員が切符を見せるよう言われ、彼女はさっと見せるとすぐに立ち上がり、入ってきたドアの場所まで駆け出した。
906ライフ 第65話D:2014/02/16(日) 02:04:57.08 ID:f7yvVke4
ドアの窓からすぐに後ろを見ると、端で最後まで手を振る歩の姿が……。

「アユムっ、アユム!!!」
最後まで笑顔で見送る彼女の姿が見えなくなった時だった。
未来はついに嗚咽を上げて泣き崩れていた――。

「アユム…………っ 」
――電車が見えなくなった後、歩も泣いていた。しかし、その顔はまさに希望に溢れているようであった。

「また会えるよね、ミキ。あたしは思うよ、離れていても……心のどこかで絶対に繋がっているんだって――」

――快晴の空に向かってそう呟く歩であった。
そして彼女は未来のアパートへ戻ると園田は目覚めていた。

「びっくりしたよ。起きたら誰もいないんだもん」
「えっ、園田君だっていきなり寝てたからびっくりしたよ!」
「そっかあ。流は?」
「あの後帰っちゃった。俺みたいなむさ苦しい男がいるより園田がいるだろって――」
「あいつらしいや、ハハ」
歩は使ったコップを洗い、園田は使った布団を畳んでいる。

「……行っちゃったんだね、羽鳥さん」
「うん……」
すると歩は……。

「あたし……光になりたいな」
「え……光?」
「……将来ね、まだはっきりとはしてないけど。誰が辛い目にあったり、苦しんでる人を導いてあげる仕事をしてみたい」
そう告げる彼女に園田は。

「……椎葉さんはもうなってると思うよ、光に。俺にもそうだし――」
「え?」
――園田はこれ以上何も言わなかった――。

あれから一週間。愛海はというと――。
「今日はここまでとします!」
ここは女子少年院の農業実習場。そこで汗だくになりながら農具を使い、励む彼女の姿が。

「あーぁ、もうヤダ!!なによ農業実習って……マナもうヘトヘト……こんなトコで暮らすなんて……やだ……」
壁に寄りかかり、へたり込んでしまう。しかし、自分の土で汚れた手を見るたびにあの人間を思い出す。
そう、自分が最も憎み、そしてただ一人自分と本気で真っ向からぶつかった歩の姿が。
そして彼女は立ち上がり、空を眺めて手をぎゅっと握りしめた。

「やってやるわよ」
ケリをつけるべく更正に向かって励む決意する愛海がいた。

「椎葉……多分もうあんたと会えそうにないけど……なんでかな、まためぐり会う気がする……」
907ライフ 第65話E:2014/02/16(日) 02:10:12.91 ID:f7yvVke4
――そして学校を辞めた戸田というと、

「すいません、戸田と言いますが、外の募集を見たんですけど……」
塾講師の募集ポスターを見て、応募している、前と違い、活気に溢れた彼女の姿が……。

そして――平岡は……。

「こーーら、今は授業中!!」
飛ばされた先の湧厳高校で元気、且つ積極的に授業に取り組む姿が。ヤンチャ揃いの男子高で、今は授業中に生徒がサボって読んでいた漫画を取り上げている所だった。

「やるときはやる!!」
「平岡、そんな堅い性格だからカレシできねんだよ」
茶化す生徒に彼女は竜馬のように不敵な笑みを放った。

「ならあたしと付き合ってみる?その根性たたき直してあげるわよ」
「や、やめときます……」
しかし彼らと仲良く、楽しく授業するその様子は、だいぶ慕われているようだ――。

一方、女子少年院に送致された愛海の父親の富美男はなんと、自ら市長選の立候補を取り止めていたのだ――。
彼の部下が、室内に飾っていた選挙用ポスターを外す。

「先生……これは……」
「かまわん、処分してくれ」
部下と共に事務所から撤退するために自ら周りを掃除する彼は、あの一件から全ての過ちと娘の過保護過ぎたことに目覚め、これからは家族と自分について真剣に考えていきたいと――。

――背中を切られた克己はあの後、情緒不安定になっていたが、綺麗に片付いた自分の部屋でクラス生徒全員による、励ましの手紙を見て泣いていた。

「みんな……っ」
彼はやっと精神が安定しているように思えた……。

――そして今日この日の午前中、歩の久々の登校が。衣替えし、冬用制服に着替えて玄関へ向かった。

「制服久しぶり……行ってきます」
見送りにきた文子も、彼女へ優しくこう告げた。

「歩、もう……ガマンしなくてもいいんだからね」
言葉を受け止めた歩は笑顔で手を振って、家から出ていった。
908ライフ 第65話F:2014/02/16(日) 02:14:53.66 ID:f7yvVke4
……学校の歩のクラスでは――岩城を中心とした教師たちと生徒達による、『いじめについて』の真剣な討議が行われていた。

「今日はみんなと真剣に話し合いたい。我々教師はいじめというのを甘く見ていた。
しかし、それを隠そうと、なかったことにしようとした原因でこのような悲劇が起こった。
ハッキリ言おう。椎葉歩が受けていたたいじめは、もはや犯罪行為だ。
安西愛海は女子少年院に送致されて、関わった者もこれから厳しい処分が下されると思う。
だがその前に、ひとりひとりがいじめについて考えてほしい。誰か意見のあるものは……」
一人の女子が手を上げて立ち上がった。
彼女は冤罪を背負って謹慎処分を受けていたはずの廣瀬だった。

「わたしは……謹慎している間、後悔の気持ちでいっぱいでした。
みんなの前で嘘をついたこと……忘れようとしても頭から離れなくて、その気持ちをパソコンにひたすら書いてました」

彼女の机には三枚ほどの、自分の本心が全て書かれた書類が置かれていた。

「……わたしはマナミが廃墟の事件に関わっているのを知っていたのに……怖くてだれにも言えませんでした。
マナミにいじめられるのが怖かった……」
彼女の言葉はその場にいたエミとチカの心に響いていた。

「……でもマナミだけが悪いんじゃない、自分に負けてしまったわたしも同じです。
椎葉みたいに……立ち向かうような勇敢なこと……できなかった。
椎葉がどんな辛い思いをしてたか、それがどんなに勇気がいることか……わからなかった。
もっと早く、わたしが勇気を出していれば、どこかで変えられたハズなんです」

――廣瀬の主張についにエミも口を開いたのだった。

「ヒロだけじゃない。あたし、いやみんなだってそうだよ。
ちゃかしたヤツも、見てただけのヤツも、先生も……間違いだと気づいていたなら、そこで誰でもいいから止めるべきだったんだ。この中で関係ないヤツなんて一人もいないんだよ」
全員かエミの言葉は噛みしめる中、廣瀬がふと窓を覗くと……。

「椎葉……」
歩が登校してきたのを見る否や、廣瀬は無我夢中で教室から飛び出していった。
909ライフ 第65話G:2014/02/16(日) 02:59:49.54 ID:f7yvVke4
そして歩が玄関へ向かうとそこに涙を浮かべている廣瀬の姿が。

「廣瀬……」
「椎葉……」
しかし今度はエミと引っ張られてきたチカの姿が。
いや、次々にクラスの生徒が歩の元へ集っていく、園田も、エイコも、そして竜馬も――。

「椎葉……おかえり……おかえり!!」

廣瀬の温かい迎えに歩は……。

「ただいま!!」

歩は笑顔で迎えられたクラス生徒達の中へ入っていく――。

(あたしは生きてく。ここで、全力で生きてく!!)
910ライフの作者です:2014/02/16(日) 03:06:38.15 ID:f7yvVke4
以上です。プリクラでキメ顔、変顔するチェンゲ竜馬って実際シュールですな。
ちなみに原作では今回でこのような締めで幕を閉じます。
次はついに最終回です、竜馬は無事元の世界に戻れるのかな?お楽しみに。
911名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/16(日) 03:08:50.95 ID:f7yvVke4
《ライフ最終話予告》

全ての決着をつけた歩。しかしこの西館高校に新たな男子転校生が……そいつは。

「俺の名は神、神隼人。これから先、この学校に地獄を見せる男だ」

ドリルを使った陰湿ないじめと爆発テロによる犯行で学校を大混乱に陥れる。
しかし、その時まさかのインベーダー襲来により地球は瞬く間に占拠され、人類は絶滅の危機に瀕した。

その時だった。命を賭けて戦う歩の元に、少年院にいたハズの愛海が現れる。

「安西、あんたどれだけの憎悪と魔物を引き連れてきたの!!」
「椎葉、おまえにマナは止められない」

重陽子ミサイル投下による日本荒廃後の西館高校校庭で最終決戦の幕が開けた。

《椎葉、またあんたを精神的に地獄へ叩き込んでやろうかあ!!それともまた包丁で八つ裂きにしてやろうかあ!》

《やってみろよ、安西愛海!!》


ピキ――。



公開日は儒生暦15493で!!お楽しみに!!
912名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/16(日) 13:26:21.15 ID:Be8X2oOK

このままラストに向けてまっしぐらだ!
913名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/16(日) 23:12:50.45 ID:Be8X2oOK
今さらだけど、公開日といい内容といい、嘘予告に見えるんだがw
914名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 01:09:24.45 ID:uUk5cKiW

次で最終回か……。どんな終わり方するんだろうか
915名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 01:15:52.96 ID:iyniFu9t
916名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 12:40:41.82 ID:uUk5cKiW
ライフ過去スレで見たが、各キャラの身長って

歩=157cm
羽鳥=170cm
愛海=160cm

て書いてあった。ホントかどうかわからんが羽鳥でかすぎワロタ
917名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 12:44:39.23 ID:iyniFu9t
竜馬も小説版とかだと170(成長中)だっけ?
918名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 12:57:23.53 ID:uUk5cKiW
竜馬ってそんなに低いんだ。ova系列はみんな180越えてるんだよね確か
919名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 13:48:21.44 ID:W7m6w/Ef
小説版は贔屓目に見ても175そこそこらしい
そういえば、漫画版竜馬って何気に年齢不詳だな
隼人と武蔵はある程度分かるけど、もしかしたらゲッターチーム最年少なのかも
920名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 19:57:44.43 ID:8GTY41CB
たかしゲッター竜馬の身長描写は続刊で伸ばしていくんだろうなぁって感じだったな


まぁその続刊出ないんですけどね…
921名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/17(月) 21:12:54.76 ID:uUk5cKiW
渓や翔とかの石川賢の女性キャラと相性のいいor悪いクロス先のキャラってだれだろうか?
922名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 00:19:32.34 ID:OfLrgF1G
渓は元気な娘とつるみそう
けいおんの律とか
923名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 00:38:29.95 ID:RNOWMTvZ
ニコニコでクトゥルフ系TRPG動画を見ているけど
神話生物も一部の石川キャラ見たらSAN値チェックが入りそう。
極道兵器は何見てもSAN値が減らないというかSAN値じゃなくてワクワク値とかになりそう。
924名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 04:08:31.82 ID:wLKrgmwP
敷島博士とかもワクワク値になりそう
一定値になると新兵器のアイデアを思いつく、みたいな

最近、Fateの原典というか元ネタが石川版魔界転生って聞いてびっくり
まるで正反対、ぜんぜん違うじゃねーかw
925名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 06:42:45.91 ID:20NkkRYT
だって敷島とか将造とか、最初から発狂してるs
926名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 10:01:14.85 ID:OfLrgF1G
武蔵「クトゥルフの触手、大いなる種族、古のものに盲目のもの。修行時代は何でも喰った」
927名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 12:08:08.69 ID:lGFFL7dw
悪食ってレベルじゃねぇwww

>>898
よりにもよって汚染されてる部分に限って智に食われるんですね分かります
928ライフの作者です。:2014/02/18(火) 16:21:50.90 ID:p9PBC2S2
……武蔵よ、だからお前は死んでも、量産されて安らかに眠らせてくれんのだよ。

そして最終話がついに……なんですがいつもよりスゴく長くなるので前後半部で分けます。
後半はまだ途中なので前半部だけ貼ります。
929ライフ 最終話前半部@:2014/02/18(火) 16:24:29.84 ID:p9PBC2S2
あれから一ヶ月が過ぎた――。
いじめという壮絶かつ残酷な現実に立ち向かい、そして腐敗しきっていた西館高校を光へと導いた歩は今、本当の意味で学校生活を楽しんでいた。

愛海、未来の二人が学校から去り、クラスは多少静かになったのがある意味寂しいと言う生徒も。

彼女のいじめに関与したエミ、チカ達の女子生徒は退学までとはいかなかったものの、停学や謹慎なとの懲戒処分を受けてしばらくは学校には来ていない――。

無事、学校へ復学した克己に関しては……あの異常性愛の写真は父親に処分され、歩もそのことに告訴こそはしていないが、彼はそれで後ろめたさを感じているのか学校生活を窮屈そうに過ごしているようである。

園田、エイコ、廣瀬達との仲は良好で、特に廣瀬とは互いに完全に和解し、今は本当の親友のように接している――。
そしてエイコとも仲がいいが、あの男、竜馬に片思いする女同士で少しライバル意識を持っているようにも見える。
そして竜馬はというと……相変わらず大胆不敵な、態度であるが、竜馬自身も垢抜けたのか、前よりは明るくクラス生徒と接している。

――11月上旬。冬に近づき少し寒くなるこの時期。
学校が終わり、歩と竜馬は二人で帰路についていた。愛海に切られた竜馬の腕は完治し、普通に動かしていた。

「流君、昨日ミキから電話きたんだよ。お父さんの手術は無事に成功したって」
「ほう、あいつもこれで一安心だな」
「住所も教えてもらったし、今度園田君や廣瀬も誘って一緒に遊びにいかない?」
「別にいいぜ。ゲッターで行くか?」
「……流君、あたし達全員殺す気?」
「冗談だ。それにあれで行ったらこの時代の人間全員は腰抜かすに決まってんだろ」
……あれから仲の良さが一層際立つ二人であった。
二人は町外れの河川沿いを歩く。近くには未来の住んでいたアパートがある。

「数ヶ月間いろいろあったね、ホントに。入学した時は夢も希望もなかったのに――信じられないくらいに今は充実してる」
「それはお前が自ら勝ち取ったことだ」
本当に自分がここまで成長したことに驚愕すると共に、喜びさえあった。

「安西……今ちゃんと頑張ってるかな」
「さあな。しかしお前、あいつに散々やられといて心配か。やっぱりお人好しだな」

――しかしそこが歩のいい所かもしれない。
930ライフ 最終話前半部A:2014/02/18(火) 16:29:26.35 ID:p9PBC2S2
「あ〜あっ。で、俺はいつになったら元の時代に帰れるんだろうな」
「流君……」
歩の顔は少し暗くなった。やはり彼は自分の時代に帰りたいのか。

「あたしは……流君にいつまででも、ここにいてほしいな……」
「なに?」
「思えば入学して間もない時、あたしが夜学校から帰ろうとした時に空からあのゲッターと降ってきて、その時からの出会いだよね。
あたし、最初流君がものスゴく怖かった。なにされるかわからないって。
けど、実際の流君はスゴく男らしくて、スゴく優しくてあたしを強くしてくれた。廃墟の事件の時も助けてくれたし、うれしかった――」
顔を少し赤めらせてさせてそう彼に伝える。

「だからあたしね……その……っ」
ここで彼女は再び言うのか。彼のアパートにいた時のあの言葉を――。

「ワリィがそういうワケにはいかねえんだよ」
割り込むようにそう言った。

「お前は解決したからいいが、俺の事情はまだ解決してねえ。俺は何があっても元の時代に戻る、そしてあいつらを……」
「…………」
彼が酔っ払っていた時に呟いていたこと……誰かに復讐すると言っていたのを思い出す、彼女は一瞬ゾッとした。が、

「だがよ……、お前のせいでなんか俺まで復讐する気がなくなるじゃねえか、椎葉」

彼女へ軽い笑みをみせる竜馬に、歩の顔も和らいだ。

「……今、平岡先生とかも頑張っているかなあ?」
「平岡なら心配ねえよ。さあて今から何しようかな」

すると歩が笑顔で、彼の前に移動し対面。

「なら流君、今からどこかで遊ぼっか」
「お前、なんか積極的になったよな」
「エヘヘ……」
「ただし、俺金あんまねえからそこはお前持ちな」
「えっ!!?」
――二人はそのまま街へ向かおうとしたその時だった。

「椎葉さん、流!!」
園田が大声を張り上げて走ってきた。しかし、その表情はあまり思わしくない。
「園田君、どうしたの!?」
彼はものスゴく息を切らしているが、休まず口を開いた。

「ふっ、二人共……今すぐここから、逃げたほうがいい……っ!」
「ど、どういう意味だ?」
いきなり不可思議なことを言い出す彼に二人は混乱した。

「さ、さっきニュースでやってたんだ。アメリカの……軍事兵器の管理システム……てのが原因不明の誤作動がおこしたらしくて……」
931ライフ 最終話前半部B:2014/02/18(火) 16:34:29.89 ID:p9PBC2S2
「園田君、なんの話してるの!?」
「お前、もうすこし落ち着いて話せ。何いってるかわからん!」
「だから、その……誤作動で実験段階とかなんたらいってた『重陽子ミサイル』ってのが日本に向かって発射されるんだって――!!」

「な……なんだとおォォ!!!?」
それを聞いた二人、特に竜馬は愕然とした。

「アメリカはそのミサイル発射を必死で止めようとしているんだけど、止まらないらしくて……。
今街じゅうが、いや多分日本中も大パニックだってニュースで言ってた」
「流君、知ってるの、そのミサイルっていうの……?」
「当たり前だ!!あれは核以上の戦略兵器、ようは一撃で戦争を終わらす目的で作られたやつだ。そんなもんここに落ちてみろ、日本の三分の一が消し飛ぶぞ!!」
それを聞いた歩と園田はゾッとし、顔が青ざめたのだった。
「いつ発射されるかわかるか!?」
「そこまでは……っ」
「こうしちゃいられねえ!!お前らは今すぐ避難しろ」
「流はどうすんだよ!!」
「いいから早くいけ!!」
そういうと竜馬は一目散に駆け出していく。しかし歩は気づいた……まさか。

「流君っ!!」
「椎葉さん!!」
歩は竜馬を追いかけようとするが園田に手を掴まれて引き止められた。

「園田君……」
「椎葉さん逃げよう。流が何考えてるかわからないけど……今は少しでもここから逃げるんだ!!」
しかし彼女は首を横に振った……。

「流君が心配なの……もしかしたら――」
「流が……っ、どういうこと……っ」
「……園田君、ホントにごめんっ!!」
「し、椎葉さんっっ!!!」
彼女は強引に振りほどき、竜馬の後を全速力で追いかけていく。その後ろ姿を見て園田はその場で膝をつき、途方にくれた――。

(……もう何がなんだかわかんないけど、流君が危ないって感じる……今度は流君を……あたしが助ける番だ!!)

一体今、この日本に何が起きるか分からない。だが彼女はその強いだけを胸に駆けていった――。

(くそっ、重陽子ミサイルがこの時代から、試作段階で造られてたのは知ってた。だが誤作動で発射なんて歴史になかったハズだぞ……!!
だが今はそんなことより、発射されたらなんとしてでも止めねえと、日本どころか世界中がヤバイことになるぞ!!)

――竜馬でさえ予想つかなかった緊急自体に動揺していたが、気を保つように何とか持っていた。竜馬はゲッターのある山へ行く経由で街へ行くが……。
932名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 16:37:53.88 ID:p9PBC2S2
↑修正。

緊急自体×
緊急事態○
933ライフ 最終話前半部C:2014/02/18(火) 16:40:14.10 ID:p9PBC2S2
「皆さん落ち着いてください!!」
案の定、逃げ惑う人々でたくさんだ。道路は大渋滞、歩道は走って逃げる人々ですし詰め状態だ。警察が出動しているも全く意味を為さない。

(重陽子ミサイルの到達時間は……大きく見積もって約10分か……真ゲッターじゃねえからあのゲッターで食い止められるどうか……ちい、なんでこんなことに!!)
またあの惨劇が引き起こされてしまうのか……竜馬は苦虫を噛み潰したような表情をとった。
竜馬は出来るだけ人の出入りが少ない通路を選んで、あのゲッターロボのある山へ向かっていく――。
そして数分後、竜馬はついにゲッターがある山の麓へ着く。直ぐ様竜馬は登ろうとした時、

「流君!!」
「椎葉っ!?」
歩もなんとか竜馬に追いついた。その息の荒れようをみれば無我夢中で駆けてきたようだ。

「てめえ、何しにきやがった!!」
「な……流君のやることわかったんだ。もしかしてあのゲッターで……」
「今はそれしか防げる方法はねえ。いつ発射するかわからねえ今の内に発進しといたほうが時間に余裕ができる。お前は何しにここに?」

「あたしも……ゲッターに乗せて。流君の役に立ちたいのっ……」
そう洩らす歩に竜馬は突然、阿修羅のような顔で彼女の胸ぐらを掴んで引き付けた。

「おい椎葉、なにふざけたこといってんだよ、自ら死ににいきてえのか!?」
「…………」
「ゲッターのパイロットはな、本来俺みたいに頑丈な奴じゃねえと扱えられねえんだ。
多少の出力で根を上げてた奴をなんで乗せる必要があるんだ?」
竜馬の言う通り、ゲッターロボとは常人には到底扱えきれない出力を持った超兵器である。
それを彼女が乗ろうものなら……確実に身体が潰れるだろう。

「大陸弾道ミサイルの数倍の速度で向かってくるんだ、ゲッターでも止めれるかどうか分からん。悪いことは言わねえ、今のうちに避難しやがれっ!!でねえと――」
なんてことだろう。竜馬は拳銃を取り出して彼女の頭に押しつける……これは警告だが、彼女はこれでも引き下がらなかった。

「流君……あたし……」
「なんだ?」
「……流君がいなかったら今の自分がなかったと思う。
もしかしたらいじめられてた時に自殺してたかもしんない。
けど流君はあたしを助けてくれたり励ましてくれた、どんな苦しい時にでも強くなれと教えてくれた……っ!」
934ライフ 最終話前半部D:2014/02/18(火) 16:43:34.83 ID:p9PBC2S2
「…………」

「流君、言ってたよね。自分で決めなくちゃならない時があるって。今のあたしが決断した結果がこれなんだ。
……お願い、あたしもゲッターに乗せて、流君が死ぬかもしれないのに、あたしは何もできないなんて、そんなのイヤ!」

竜馬は知った。知らない間にここまで強い意志を持つようになった彼女のスゴさを……彼は感じた、自分とどこか似てると。

「流君に救われた命だもん。なら、ここで使わなきゃ……今度はあたしが流君の光になる」
「……バカヤロウ。お前、二度と生きて帰れる保証はねえぞ。
家族はおろか、園田や他のクラスの奴ら、そしてお前の好きな羽鳥にも会えなくなるんだぞ、それでもいいのかよ!?」

彼女は迷うことなく首を縦に振った。

「あたしの命で日本を救えるんなら……それでいい。みんなの死ぬ姿なんか見たくないから……」

竜馬はゆっくりと拳銃を下ろし、胸ぐらを離す――。
拳銃を懐にしまうとため息をついた。

「お前がここまで本気だなんて知らなかったぜ……ホントに覚悟はできてんだな?」
「流君……うん!!」
ついに彼女をゲッターロボに乗せることにした竜馬。二人は直ぐ様、ゲッターロボの元へ向かう――。
歩は竜馬の指示で、腹部にある既存の二つ目のコックピットへ乗り込む。着座シートに座り込むと同時に周りの機械が起動し、ライトアップ、前方モニターに同じく一番上のコックピットに座る竜馬の姿が映る。

“椎葉、もう泣きわめいてもあと戻りはできねえぞ”
「うん……!」
“操縦は俺が全てやる。お前は左右のレバーを全力で握って身体中に力を入れてろ、それだけでいい!!”
歩は頷く。しかし彼女は不思議と何かを感じていた。はっきり言って今にも心臓が止まるくらいに怖い、失禁するかも……それ以上に凄まじいほどの気合いが湧水の如く沸き上がるのだった――。

《ゲッタァァーーーっっ、ウィィィングっ!!》

竜馬の咆哮と共に、ゲッターの背中からマントと思わせる漆黒のボロボロの布が飛び出した。
瞬間、一気に飛び上がり高度百メートル程の高さに到達した時、漆黒のマントを身体全体をくるませ、進路を太平洋の方向へ向けた。

“椎葉、最大出力で行くぞ!!”
「いいよ、流君!!」
“上等っ!”

そして――。

《ゲッターロボ、発進っっ!!!》

急加速で発進したゲッターロボは音速(マッハ)をゆうに越える超スピードで遥か上空へ飛翔していった――。
935ライフの作者です:2014/02/18(火) 16:47:23.98 ID:p9PBC2S2
前半部以上です。超展開と久々のゲッター登場で書くの楽しい、後半部はまだ出来てないのでお楽しみに。
936名無しさん@お腹いっぱい。
おつおつ

そういえば、真以前のゲッターでも一応単独で宇宙までいけるんだよな
って事は、やろうと思えば第二宇宙速度(マッハ33くらい)で飛行できるのかしら…?