単線区間は一方通行のように見えるが、厳密には一方通行ではない。
上り列車、下り列車がともに同じ線路を使用しているためである。
線路が1本しか無いので正しく運行を制御しないと、列車同士の正面衝突の危険がある。
今は自動閉塞に進んでいるが、古い方法では、タブレット/スタフ閉塞というのがあった。
タブレット閉塞とは、わかりやすく言えば、その線区に入る際、決められたタブレット(通票)を持って、
隣の閉塞区間へ行く。決められたタブレットを持たない列車はその閉塞区間に入ることができないので、
閉塞を確保できるというわけだ。
通過列車は万が一、タブレットを取り損ねると、タブレットを持たぬまま、次の閉塞区間に進入することになるので、
その際には、当然ながら、列車を停車させて、落ちたタブレットを取りに出なければならない。
米国や英国の鉄道の貨物列車は、100両以上の貨車を連結して走るため、時速40キロで走っていても、すぐには止まれない。
自動空気ブレーキは応答性が悪い上に、後ろの貨車のブレーキに到達するのには大変時間がかかるからだ。
ブレーキを操作して、しっかりブレーキが掛かるまでには、当然、貨車や客車の重みで押されているのだ。
たくさんの貨車を連結して走っている状態では、貨車に押されているので、なかなか止まれないわけだ。
このため、完全に止まるまでには、2km以上は軽く走ってしまうわけだ…。