あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part312
>>540 まぁ、ブツ自体はアルビオンにあったわけだから、アルビオンも結局沈むんだけどな
水没の前に大隆起が待ってるけどな。ふるさとハルケを去る
そういえば今日はウルトラマンAの北斗と南の誕生日だった
もし精霊が止まらなかったら、ハルケ世界何時か全部沈没か。
ラピュタは本当にあったんだ
全球水没に何年掛かるんだろうね。
それともある程度増水したら風石暴走よろしく水の精霊力暴走で陸地が沈んだりするのかな?
あと、アルビオンまで視野に入れてたら惑星直径変わるほど増水すんのか。
本当にそこまで可能かどうかはわからんがパねぇ。
クロムウェルに指輪取られてから増水初めて、一か月でようやく周囲の家がいくつか水没する程度に増えただけだろ
数年やそこらじゃ全然だめだね
水の惑星ラティスみたいになるまで数十年かけるつもりだったし
何年も増水し続けたら間違いなく途中でメイジの討伐隊とか来るし
そうなったら確実に身の破滅で結局指輪も取り戻せない
時間感覚が人間と違うとか関係なく愚かな行為だな
それが精霊ってものか?
湖にいる水の精霊を討伐しても第二、第三の水の精霊が現れるんじゃ……
普遍的に存在する精霊を殺せるならエルフの先住魔法に苦戦しないし。
>>549 そうであるなら、討伐任務など出しても全く無意味だろう
不変的に存在する精霊を殺すことはできる、しかしそれにはトライアングルクラスが2人でかかるほどの労力が要る
しかそエルフは水の精霊だけじゃなくその辺にいる複数の精霊と同時契約もできる
それで苦戦するのがどうしておかしい?
水の精霊がタバサとキュルケをどうにかしろって言ってきたのも
「殺虫剤でも蚊取り線香でも落とせない蚊が居るからどうにかしてくれ」的なニュアンスだったのかもね
水の精霊に詳しいモンモランシーが、精霊と戦う方法について説明してるだろ
風の球で身を護りながら、火であぶって体積を減らしていくと
精霊の体積は人間より若干大きいくらいで固定みたいだし
原作中のキャラが対抗方法まで説明してんのになんで殺せないと思うの?
>>552 それ原作読んでないんで良くわかんないんだけど、水の精霊が水中にいたらどうやって火であぶるの?
そりゃ、永遠不変とか存在の根底が違うとか言われたら早々殺せないと思うよ
桁はずれに蒸発しにくいのか、モンモンのやり方でもじわじわと削るだけっぽいし
ヤバくなったら増水に向ける力削って迎撃に回すんだろう。もっとも、ガリアの目的はそれだろうけど
>>553 精霊の体は魔力を帯びているのでメイジはただの水と見分けられる
水に接触していると水の精霊に力を及ぼされてしまいかねないので、
風の球で身を護って水への接触を避けつつ潜って接近し、高熱で炙って分解していくと説明されている
水中にいても風で周囲の水を剥ぐか、構わず熱して高熱で分解させるのだと思われる
実際にタバサとキュルケは水の精霊の体を削りつつあったことが明言されている
>>554 より正確に言えばおそらく殺すのとは違う
モンモランシーの言によると、熱して分解すると結びつけなくなる
つまり精霊は死ぬのではなく蒸気になって分子レベルまで分解されると無力化するという意味だと思われる
ある程度の年月を経ると再結集して復活することもあるのかもしれないが、
短期的には打倒可能であることは間違いあるまい
で、個人的によくわからんのは、水の精霊の体は魔力帯びてるから分かるって部分かな
精霊の帯びてる魔力は明らかに先住の魔力だと思うんだけど
タバサはカードゲームで化けていたエコーの魔力を感知出来てない
吸血鬼やグールも見分けられないみたいだし
センスマジックは平民とメイジを見分けられるのに
だから先住の魔力はメイジには感知できないと思っていたんだが…何故精霊は分かるのだろう
558 :
553:2012/07/07(土) 23:25:02.27 ID:mgZEFXaH
おおざっぱに言うと風船に入って水の精霊のところに突撃、逃げようとしても構わず周りの水ごと加熱してやればいいってことかな?
解説トン
水の精霊からは格が違うオーラが出ているんだきっと
今日はよーやっと休みだー…一週間疲れました;;
これから作成はいります。レジェンドBB武者も家に来たことだし頑張ろう。
余談なんですが、騎士、武者、コマンドが来るOVAってありましたよね。
余裕があったらやってみようかな。
楽しみにしていますがあまり投下以外で報告が続くと怒られますよ
雑談や馴れ合いしたいなら他所でやれってなるね
>>557 エコーも吸血鬼もグールも肉体がある
対して水の精霊は不定形。その存在を形作るのに魔力で一定量の水を結びつけていると考えてみてはどうだろうか
そのため普通の水とは毛色が違って判別可能とか
もっと言えば、加熱されることで分子運動が活発になり魔力のくびきを離れて飛び出してしまう為、離散した身体を集め再び元の大きさに戻るには時間がかかる、とか
無い知識を絞って考えてみた
内容に則さない雑談はご法度だがな
避難所のほうでやればいい
元々雑談スレだったのが、SSが投下されるようになって現在の形になったわけで……
それを知らないにわかが雑談を追い出そうとするようになったのは、一体いつごろからの話なのかね
投下があっても延々雑談するからだろ
召喚云々の話ならさくっと流れるしスレにも沿ってるが、原作語り、設定語り、クロス先作品語り、作者語り、いずれも度を越せば邪魔なだけ
避難所があるんだからそっちでやればいい、当たり前の話だろう
過疎るよりましだよ
雑談で迷惑するほどSS投下ないし
設定厨や特撮厨の害悪は異常
どのへんが異常に思うほど害悪なの?
>>570 え?知的障害者かなんかですか?過去ログを見ればわかりますよ
そろそろ空気悪くなってきたよ
これ以上は毒吐きスレに行ってくれ
まぁ出る杭は打たれると言うし、多かれ少なかれ苦い顔する人もいる。
フィルタなり色眼鏡なりかけて見られたくなければ大人しくするのが吉。
書き手が出しゃばって酷いことになった歴史もあるしねw
>>571 ログみろじゃなくてあなたがなぜそう思うに至ったかの経緯を聞きたいのですが?
雑談がSS投下の邪魔にならないようにするための投下予告なんだと思うが。
何にせよこのスレはもう500kbまで埋めるだけで、新規の作品投下はないんだ
雑談してて何の問題も無いっていうかそれ以外することないだろ
>>563 液体金属のターミネーターみたいなもんか
んだ、もうあとちょっとで埋まるんだし
9kbで何か書けるだろうかと考えたら『使い魔30』になるんだろうか、と。
それは30レスでゼロ魔全エピを完結させろ、とかそういうゲームか?
ネタ的には30文字のほうがいいかも?
しかしまぁ10kbって微妙な量だな
つかいまさんじゅうろくさい
か
梅
30こすりで絶頂を迎えるサイトさん
AAでも張って埋めるか
敵の先手――案の定とてつもない。単純明快な大炎。ただただ突き詰め続けただけの火力。
『火』系統の最強にして原点。大地を飴のように溶かし、空気を絶する。
あらゆるものを破壊する原初の炎。無駄という無駄を削ぎ落とした結果、完成を見る極み。
シンプルで強大なものほど隙がなく対応策がない。ただ単純に相手を上回らねばならない。
もし自分だったら、一体どれほどの魔力を注ぎ込めばこのような炎になるのだろうか。
似たようなことは出来るかも・・・・・・知れない。しかし練度が圧倒的に違い過ぎる。
温度も、速度も、こうはいかない。範囲だけならこれ以上のものを展開出来たとしても、威力はてんで及ばない。
戦場でモノを言うのはつまりこれなのだ。メイジとしての本領。その最大効率的な運用方法。
微塵の躊躇も無く、一片の後悔も無く、鏖殺する大魔法。人を人と思わぬ殺害方法。
後悔も未練も、思考の暇さえ与えずに、苦痛をも感じさせず、一瞬で焼くどころか蒸発させる『火』。
小手先の戦術など全て消し飛ばす、圧倒的な制圧・殲滅力。たった一人で戦局を左右する単なる"力"。
要所で使えば、それだけで決着がついてしまいかねないほどの。存在そのものが敵軍にとって畏怖の象徴となるメイジの力量。
空間を一色に染め上げ支配する、絶対的な死への誘いを魅せてくれる陶酔感。
思わず「焼かれてしまってもいい」、などと思ってしまいそうなほどの魅力。
まるで炎そのものが、全てを余すところなく優しく包み込んでくれるようで――。
俗世の苦難から解放してくれる。一瞬の内に永遠の安息をくれる。甘美な光景。
戦場で磨き続けたゆえの・・・・・・この炎なのだろう。
だが例えどんな魔法だろうと、やるべきことは何一つ変わらない。
シャルロットの持つ切り札の短剣。その中に数ある奥の手の一つ。
(大変だけどお願いね、"デルフリンガー")
(あいよ、任せとけ相棒)
突き出した左手のナイフが赤色を切り裂く中で、念話によって言葉を交わし通じ合う。
"地下水"とはまた別の、短剣に宿る思考――。
インテリジェンス・アイテムに宿る思考は総じて長寿である。なにせ寿命がない。
老いることがないから、破壊されることなく存在していればそれは即ち長寿なのだ。
大概は本人達も忘れているが、千年単位で生きているのは珍しくない。
地下水とデルフリンガーも例に漏れず長生きで、多くを忘れて刹那的に生きてる。
たまに思い出しては知恵袋的なことを教えてくれたりもする。
元々短剣に二つの思考が混在していたわけではなく、デルフリンガーの『特性』の一つ。
『武器から武器へと存在を移し替える』ことで、地下水が宿るナイフに渡ってきた――らしい。
本人達も記憶は曖昧だったが地下水曰く、いきなりデルフリンガーが住処にあがりこんできたとか。
短い付き合いというほどでもなく、人間の時間感覚で言えばきっと長年の友になろう。
いずれにせよ、私が短剣を初めて手にした時から既に"二人"はいた。
困ったり悩んだりすれば相談に乗ってくれる――"家族"なのだ。
そんなデルフリンガーの『特性』の二つ、『魔法吸収』。
系統魔法を吸収し無効化する。シャルロットに迫る炎熱は全てナイフが吸い込んでいく。
それでも余熱で全身が焼けていくような感覚。そんなことは初めてだった。
銃帯にストックしてある弾薬が暴発したらなどとも考えてしまうが、幸いそこまでには至らなかった。
互いに詠唱した一手目と二手目。炎が放たれた三手目、あらかた吸い込んだ四手目。
そしてシャルロットが詠唱していた魔法を開放する五手目――。
単なる『土壁』を出現させる魔法。しかしその大きさはシャルロットの特性のおかげで規格外を誇る。
厚みにして3メイル、高さは10メイルほど、横幅は20メイルにも至る土壁。
それが三枚。メンヌヴィルの眼前に一枚、その斜め後ろに一枚ずつ。
三方をトライアングル状に、隙間なく構成された巨大な土壁包囲。
まずはこれが大前提にして、布石の役割をも成す。
『白炎』のメンヌヴィルはメイジとしての実力もさることながら、感情を読み取ってくる化物だ。
感情を読まれるということは、攻撃のタイミングも読まれてしまうということ。
それでは決定打を逸し、泥仕合に発展する可能性がある。そうなれば経験差も含めて負ける公算が高い。
だから何よりもまずは、敵が"温度によってこちらを把握してくる"ことを封じる。
一瞬にして囲うように形成された土壁は、メンヌヴィルの眼を一時的な暗闇へと変えた。
デルフリンガーの"吸収"。突如"奪われた視界"。巨大土壁を生成した"私の魔力"。
敵が炎を放ち、こちらが炎を吸い、さらに壁を作って、ようやく攻勢準備が整った。
そして同時に王手詰み――チェックメイト――だ。
メンヌヴィルの土壁を溶かす炎と、シャルロットの魔法。六手目が重なる。
『飛行』で開けている上空へ逃げれば鴨撃ち。地上は壁で逃げ場がない。
強力な土メイジであれば、地中に逃げるような選択肢もあったかも知れない。
しかし『火』系統のメンヌヴィルには、壁もろとも敵を破壊するか、後方の壁を破壊して逃げるのが限度だろう。
そして何よりもメンヌヴィルはこちらの位置が捕捉出来ていない。
シャルロットの周囲は極炎の余波で燃え上がっていたが、それでも逃げ道を作れないこともない。
僅かな一瞬ではあったが、メンヌヴィルは唐突な暗闇の所為で判断が遅れた。
さらに少女の居所がわからないゆえに全方位に大炎を展開したこと、こちらの攻撃速度をも含めて時間差が生じる結果となった。
両腕を真っ直ぐ――ナイフと共に――メンヌヴィルに向けて突き出し、『ライトニング』が放たれる。
駆け抜ける稲妻が、空間を何筋も放射線状に、人の眼には認識出来ないほどに幾重にも迸った。
雷鳴がほぼ同時に聞こえるほどに轟き、それがシャルロットの魔力量に応えるように何度も走り続ける。
雷の性質上、本来それはシャルロット自身にも降り掛かりかねない諸刃の剣であった。
通常は『ライトニング・クラウド』で、雲を基点に指向性を持たせるものである。
されどデルフリンガーの魔法吸収能力を働かせ続けることで、安全かつ全力で放出することを可能とする。
障害物ごと貫く轟雷が標的と周囲一切を撃滅する。敵が展開途中の炎も広がることなく尽きる。
耳を劈く雷音を置き去りに、メンヌヴィルは自覚する間もなく打ち倒された。
シャルロットの膨大な精神力を使った『放射雷撃』。
視覚を埋め尽くす閃光の残像と、聴覚を満たす破壊の残響が、霧が晴れるように薄くなっていく・・・・・・。
初めて殺した実感を噛みしめようとしたその時――倒れた伏したメンヌヴィルは動いていた。
ゾワッと皮膚の下で蟲がのたくるような怖気が走り、その悪寒に全身が総毛立った。
最後の悪あがきかも知れない、それでも手負いの獣が叩き付けてきた殺意と重圧。
それは実戦経験が乏しく、戦闘が終わったと思ったシャルロットの思考と動きを止めるには充分過ぎた。
鉄杖の所為で十二分に電撃が伝わらなかったのか。
幾度も死と共にあったメンヌヴィルだからこそ、致死の最中にあっても動けたのか。
精神が肉体を凌駕する途方もない一念。考えるだけ無駄な執念の底力。
本来であれば一撃必殺の魔法だ。シャルロットが考え得る対人最強の技。
己が身も危険というデメリットは、魔法吸収によって無効化される。
魔力を込めた雷撃の威力は申し分なし。雷の速度は風すらも比べるべくもない。
雷撃の数と範囲も隙なくカバーしている。躱したり耐えることなど、まるで想定していなかった。
メンヌヴィルは上体だけを僅かに起こして電熱で歪んだ杖を振る。と、"白い『炎の蛇』"が噴き出した。
色は違うものの・・・・・・それは奇しくも、20年前にメンヌヴィルを焼いた――憧れた隊長の技であった。
(詠唱を――!!)
――間に合わない。今度はこちらがどうしようもなく遅れてしまった。
そもそも防御しようと考える頃には、メンヌヴィルの白炎が心を焦がすほどに目に映り込んで離せない。
そして――もう"魔法は吸収しきれない"。
既にメンヌヴィルの極炎と、シャルロットの雷撃。二つもの圧倒的な魔法の魔力を吸っている。
その上で死の淵にいながらにして死力で放つあの禍々しい炎を受ければ、キャパシティは間違いなく超える。
吸収途中で地下水とデルフリンガーが宿る短剣は砕かれ、己も業火に身をやつす。
――読み違えた。後悔するよりもまず反射的に頭が回る。
走馬灯のように時間感覚が引き伸ばされて、その中で必死に模索する。
例え詠唱が間に合わなくても、考えることだけはやめるわけにはいかないのだ。
一つ、"文武に優れるシャルロットは突如反撃のアイデアが閃く"。
二つ、"父様やキッドさんが来て助けてくれる"。
三つ、"躱せない。現実は非情である"。
理想的なのは二つ目だが期待など出来ない。この一瞬の間に、都合よく現れるなんて。
"イーヴァルディの勇者"のように登場して、間一髪助けてくれるなんてわけにはいかない。
三つ目だけはありえない、諦めるわけにはいかない。結局は一つ目だ。
多少なりと吸収しながら、炎が届く前に逃げ切れるか――?詠唱が間に合うと言うのか――?
――兎にも角にも試さないとどうしようもない。しかし体は意思に反して動いてはくれなかった。
所詮は精神だけが切り離されて思考している状態。肉体がそれについていけるわけがなかった。
(死ぬ・・・・・・?)
三つ目の選択が頭によぎる。同時にこんなにも現実感がないものなのかと思う。
メンヌヴィルの浮かべる歓喜に打ち震えた決死の笑みが、脳裏に焼き付けられる。
死が迫るその時、ようやく体が――シャルロットの頭とは裏腹に――動いていた。
ガンダールヴで強化されたブッチもかくやというほどの速度で、地面を蹴って飛び退っていた。
止まっていた風景が、味わったことのないほどに一瞬にして流れる。
意識的ではないし、無意識の動きですらなかった。
それは"吸収した魔法の分だけ使い手を動かす"というデルフリンガーの『特性』のその三。
しかも乗っ取りに慣れている地下水も加わっていると感覚的に理解する。
シャルロットとは無関係に、デルフリンガーが身体の限界状態まで引き上げて、地下水が実際的に動かす。
役割を分担することで、最高のパフォーマンスを発揮していたのだった。
されど、吸った魔力量に比べればちょっと動いて消費したところで焼け石に水。再度吸収しきるには到底及ばない。
それにリミッターを取り除いて一時的に強化された速度になったものの、逃げきるのは無理だろう。
あれは十中八九、術者の意による追尾性能を持っているタイプの『火』系統魔法。
その場からちょっと離れようとも意味を為さず、詠唱を完了する前にこちらに届く方が早い。
そもそも使い手を動かす特性というのは、根本的に肉体に多大な負荷を掛ける行為でもある。
通常の状態であれば問題ないが、現状のように極限ともなれば体は容易に壊れてしまう。
次の瞬間には足が粉砕していてもおかしくはない。否、既に折れているかも知れない。
仮にガンダールヴであったなら、この肉体操作も何の問題はなかったことだろうものの・・・・・・。
シャルロットは所詮、"鍛えただけの人間の域"を超えることはない。
魔法を吸収する必要もあって、地下水があるのなら白兵戦よりもまず魔法で敵を粉砕する。
シャルロットの体捌きや射撃・白兵技術も、あくまで地下水がない前提で積み上げられたもの。
またデルフリンガー曰く「疲れるから嫌」と、肉体を動かそうとすることそのものを渋るくらいだ。
ゆえにまず使わない特性であり、使うこともないであろう特性であった。
デルフリンガーと地下水は阿吽の呼吸によって言葉もなく。
弾けるように跳ねたシャルロットの体躯はそのままに、短剣を握ったままの左手が振りかぶられた――。
逃げきることも吸収しきることも不可能なことだとは、二人も判断していた。
既に敵より遅れている上に、先の炎によって周囲の地表は火の海と化し、地面もマグマのように融けている。
最初に吸収した分だけ、シャルロットの周辺は問題なかった。が、逆にその所為で炎は背後に向かわなかった。
つまるところ炎海の街道沿いにあって、崩れている馬車は真後ろに健在。つまり最短の逃げ道は塞がれている形。
メンヌヴィルの放つ――恐らくホーミングする――炎から逃げ切るには、肉体が壊れない前提でも無理である。
――ナイフが手元から投擲された。それ自体は慣れ親しんだ動きだ。
武器の一つに飛ヒョウがある。その練習の為に何度も繰り返した動きである。
ただし速度の桁が違う。飛ヒョウよりも大振りの短剣は、一直線にメンヌヴィルの方に向かって飛んでいく。
炎の蛇も霞む速度。メンヌヴィルが感じていても、避けられる距離ではない。躱せる状態でもなく、防御も間に合わない。