容量の余裕を見積もるのに失敗しました。
前スレの続き投下させていただきます。
突く。
すぱり、という擬音が聞こえそうだった。
ごつごつだった岩の表面の一部が削れ、粉々になった石の破片が散らばった。
「さあ、やって見せて」
「………あの、」
なのはは、今日初めて、訓練の内容に対して疑問を口にした。
「さっきまでの訓練と違って、これは明らかに戦闘スキルとしての魔力集中法の鍛錬ですよね?」
「? ――なにか、疑問があるの?」
「私の資質は放出系ですから、こういうベルカ式に近い魔力収斂スキルは、あまり伸びしろはないと思うんです」
将来の夢は教導官である高町なのはは、戦闘魔導師としてどのような訓練をすればいいのかについての理論をこの若さで独学ながらも学んでいる。
基本的に、地球における武術と同じだ。欠けたところを補い、伸ばすべきところを伸ばす。
ただ、魔導における資質というのは、武術の向き不向き以上にピーキーというか、偏りが生じやすい。
高町なのはのようなミッド式の放出・収束系戦闘スタイルの魔導師がベルカ式の近接戦闘の鍛錬をしてその系統の戦闘スキルを習得するのはリソースの無駄となる可能性が高い。
これが同じミッド式でも、フェイトのような放出・移動系の戦闘スタイルを持っているのならば、体内魔力の循環と集中というのは戦闘にも活かせることが可能なのだが。
そこらあたりの事情を、この人はもしかしたら知らないのだろうか――そういう懸念をなのはは抱いたのだった。
凛が聡明であるとはいえ、専門分野は地球の魔術である。
まったく見当違いの指導法をしてしまっても不思議ではない。
しかし、凛の言葉は予想外だった。
「こんなの、戦闘スキルとして役立つはずがないでしょ」
凛は右手を眼前にかざし、魔力を集中させた。ほのかに青い光が彼女の手に宿る。
「集中に時間がかかりすぎてる。私で一秒きるかどうかで、あなたが三秒。慣れたら私と同じくらいにできるかもしれないけど、高速の戦闘で一秒ってのは致命的よ。
それに、概念的な【強化】がされてない、ただ魔力を通しただけの魔術とも呼べない程度のものよ。これでは、とてもBJは突破できないわよ。あれ、ちょっと強すぎ」
ミッド式魔導におけるバリアジャケットは、ベルカ式でいうところの騎士甲冑を意味する。
長き戦乱を経てベルカ式より受け継がれ、完成されたこの術式は、騎士や魔導師の身体を冗談のような強固さの防御力で守る。
ちょっとやそっと魔力を指に集中した程度のことでは、とても貫くのは無理だった。
「だったら、」
「これは、あくまでも訓練の一貫」
凛はその貫手で突く。
岩の表面がまた削れた。
「集中力をどれだけ維持できるか、よ」
魔力集中した手なら、力を込めて撫でるだけでも岩の角を削っていくなどということは可能だ。むしろ、その方が効率がいいとも言える。少なくともこんな思い切り突きこんでいて、万が一に集中が切れたのならば指を怪我する。下手したら突き指だけではすまない。
だが、それが故に集中は強まるのだ。
「思い切り突いてみなさい。怪我するかもしれないという恐怖感は集中を乱すかもしれないけど、これはそれを克服するためのものでもあるわ。そしてその緊張感の中でどれだけ集中を維持できるか――が、この訓練の課題よ」
威力を磨くのではなく、あくまでも集中力を養うための基礎訓練なのだということだった。
「とりあえず、休みの内にこの岩をつるっつるにしときなさい。それができたら、【強化】の魔術を改めて教えてあげるから。概念的に存在を強化する魔術はミッド式の魔導とは方向性が違うけど、応用の広さでは劣らないわ。
そして【強化】で自分意外のモノに魔力を通す方法を学んだ後に【転換】の術式を習得してもらうわよ。
宝石ははやてがどっかの次元世界から回収したものがたんまりとあるから、あなたの魔力を少しづつためこみなさい」
「はい」
なのはは事情を飲み込めたこともあって、素直に応える。
そして改めて指を伸ばし、魔力を集中した。
桜色の光が手に宿る。
「ああ、それから、まがりなりにも魔術を習うってことは、あんたも魔術使いになるってことだから、それらとは別に必須の魔術を習ってもらうことになるからね」
「え?」
なのはが少しだけ驚いたような顔をしたのは、凛がそういいつつもカードを取り出したからだった。
簡易用のストレージデバイスだ。
基本的な魔法が数種プログラミングされていて、ある程度の魔力資質を持つのならばそれに魔力を通すだけでその魔法を使うことができるというモノである。
管理世界では、主に護身グッズとして販売されている。
それを、今ここで凛が使うという理由がよくわからない。
「まあ、先に準備だけしときましょうか」
「?……その、必須魔術の?」
「そうね。とりあえず、」
遠坂凛は、くるりと踵を返し、自分らを見ている者たちへと目を向けた。
「覗きなんてことをしているお行儀の悪い子たちを、捕まえないとね」
☆ ☆ ☆
「――――ッ!」
気づかれていた、ということを彼女らが悟ったのは、悪魔のように美しく笑う遠坂凛の目がこちらに向けられた時である。
冬木随一の武道家である美綴綾子にも。
冬木の黒豹と自称する蒔寺楓にも。
後に恋愛探偵と呼ばれることになる氷室鐘にも。
霊感の鋭さを持つ三枝由紀香にすらも。
理解できた。
自分らは捕食される立場の弱い人間であると。
言葉もなく全員が散開したのは、非捕食者であるがゆえの本能がなせるものであったのだろうか。
だが、何処かの誰かが言っていた。
人は本能が壊れた生き物であると。
もしも彼女らに本当の意味で本能が残っていて、まともに機能していたというのならば、遠坂凛の訓練をつけて覗こうなどとかんが得なかったはずだ。
「バインド」
遠くで発せられたはずのその言葉は、やけに鮮やかに彼女らの耳に届いた。
楓の足と腕に青白い光の紐が絡みつき。
鐘の胴体と腕が縛られ。
由紀香の両手首に光の輪が嵌めこまれ、空間に固定される。
綾子は。
ふわり、と白いジャージでいつの間にか彼女らの傍にまで接近していた遠坂凛を見た。
「おおおおおッ」
叫ぶ。
林の中で繰り出したのは彼女の持つ技で最高の技――右の逆突き。
伝統派空手と言われる競技空手の中でも最速の部類に入る技だ。
しかも彼女のそれは膝の抜きを利用しての重心の落下を拳に載せた、相手に知覚されにくい上に威力もあるという――
いわゆる高速上段突きだ。
それが。
遠坂凛の動きは、独楽に似ていた。
綾子の突きを身を屈めて捌きつつ、追い突きに前進する彼女の身体を反転して肩と背中を叩きつけて弾き飛ばす。
八極門の技、鉄山靠の応用だ。
そこからさらに手を伸ばし、振り回す。
劈卦掌。
綾子の精神は千々に乱れていたが、彼女の身体は冷静だった。
両手をあげてのガードと、ローキック。
古武術の多くはローに対する防御がほとんどない。
それは日本、中国問わずの弱点である。
綾子は知識としてそれを知っていたし、彼女の肉体もそれを覚えていたようだった。
右のローと凛の左掌がヒットしたのは同時であった。
「〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」
声にならない声をあげ、綾子の身体が崩れ落ちる。
「さすがは冬木の女武道、美綴綾子ってところかしらね……」
凛は蹴られた足に手を当てながら、苦笑した。
そして震えている三人へと目を向ける。
「我々……どうするつもりだ……?」
この異常事態の渦中において、気丈にも強い眼差しを彼女へと向け、問いただす声をあげたのは氷室鐘だ。
凛は少し首を傾げてから。
「大丈夫よ。ちょっと記憶を操作する魔術の練習台になってもらうだけだから」
「ま、まじゅつ!?」
「だから、今のこの怖い思いも忘れてしまうのよ。私がちゃんと指導して、精神にも身体にも負担はかからないようにするから、安心していいわよ」
「そ、そんなことで――――」
ぴたり、と凛の指先が鐘の額に触れた。
「本当に、ごめんなさい」
崩れ落ちる。
凛は、残りの二人を見た。
「……………ッッ!?」
「……………ッッ!?」
ほどなくして、楓と由紀香の意識は闇に落ちた。
後日談その一。
「………どうやら、このコースではなかったらしいな」
鐘がいうと、「葛木が間違えたのかよ」と聞いた。
「じゃないか? もしかしたら私らの知らない違う道が何処かにあるのかもしれないけど、さすがにこんな小さな山でも、うかつに知らない道に入り込むとか危険だ。引き返そう」
綾子の提案に、「そうしようよ」と由紀香は言って、しゃがみ込む。山道を随分と登って疲れてしまっていた。彼女は体力はないのだ。この筋肉痛でしばらく動けなくなるかもしれなかった。
「仕方ないな……」
楓も同意した。
彼女ら四人は、遠坂凛と高町なのはがどういう稽古をしているのかに興味を持って探索にきたのだが、どうやら目撃証言が間違っていたのか、あるいは凛がこのコースから別の枝道を使っていったのか、すでにかなり歩いているにも関わらず二人の姿は確認できなかった。
中腹の採石場跡にもいなかったし。
もしかしたら、何処かに迷い込んだりしていないだろうか……という心配はどうしてかしなかった。
あれは遠坂凛だ。
ミス・パーフェクトと言われる彼女が、万が一にもそういうことになったりするとは思えなかった。
「もしかしたら、あらかじめ我らがおってくるのを警戒して、誤情報を葛木教諭に吹き込んでいたのかも知れぬ」
と推測しているのは鐘。
どうしてそういう意味のないことをするのか、ということは、楓の方を見て、
「汝がいらん好奇心をだして追跡してくる可能性は、普通に考えてかなり高そうだからな」
「あー、あるかも……」
「まあ、あるよなあ」
「お前らわたしをバカにしてるのか!?」
……まあそんなやりとりをしつつも山道を下るのだが、途中でぽつりと綾子が言った。
「けどなあ、どんな稽古をしていたのかってのは気になるんだよなあ」
「これがムエタイなら、象を飛び越えたりするって解るんだけどな」
「ムエタイなめんなっ」
「ちょっと格闘系に偏りすぎだよぉ」
由紀香は口を挟む。
「あの子、なのはちゃんだっけ? あんな子が格闘技の訓練をするってのはやはり無理があるよ……なんかあの子は、フェレットとか子狐みたいな可愛い動物をつれて遊ぶのが似合うと思うヨ」
「やけに具体的だな……」
フェレットに子狐――という言葉が何処からでてきたのか、鐘は問いただすのだが由紀香にもよく解らなかった。
なんだかそういうイメージが頭の中に浮かんだのだという。
「フェレットか……」
楓がそういうと、全員の脳裏にどうしてか高町なのはが何処かの怪物製造工場的なシンプルな地下室で構えている姿が浮かんだ。
これはこれは師匠……。
お久しぶりです……。
「え? えー!?」
「なんなんだこのイメージは!?」
訳がわからないことになっていた!
それは彼女らが学園で二年生の冬休みの頃、第五次聖杯戦争を二ヶ月後に控えた時期の話である。
後日談その二。
新暦0075年 管理局機動六課
「みんなには見てもらいたいのよ。
なのはさんがどういうことがあって、どういう思いでみんなにトレーニングをさせていたのか」
シャーリーは言いながら、ライトニング、スターズの両小隊の新人たちに魅せるために映像ソフトを立ち上げる。
全員の前で、何処かの木造の宗教施設のようなところが表示された。
『最強の魔導使いとは何かでございますか』
リンディ提督が画面の中で、そう言った。
「――――――?」
「――――――?」
「――――――?」
「――――――?」
何が起きているか解らない、という顔で新人たちは目をぱちくりさせる。
全員が黙りこんでしまった中で、提督は説明を続けていく。
『……やはり、魔法少女でございましょう』
画面が変わっていく。
解説は続いていく。
スパッツにスポーツブラとタンクトップ姿の少女たちが、見たこともない武術の鍛錬をする姿が出てきたり。
岩石を殴り、血まみれの手で荒い息を吐く少女がいたり。
『……そして薄紙を重ねるかのように魔力を練り上げ続け、集中させ、その功が成った時、その時こそ彼女の拳足は人ならぬ硬度を得てバターのように岩石を削ることができるのです』
「あ、これ教導隊の宣伝用の教材映像……」
シャーリーの呟きが聞こえたが、全員声もない。
『ご覧下さい。
これが魔法少女カレイドルビーが叩き上げた、それは見事な玄武岩の打岩にございます』
白い、全長170センチほどの岩の塊だ。
『しかし、時に管理局の歴史はとんでもないものを生み出してしまうことがあるのです』
次にでてきたのは、直径2メートルにも及ぼうかという、巨大な黒光りする球体だ。
『エース・オブ・エース高町なのはが鍛え上げた、それはそれは見事な黒曜石の打岩にございます』
「――間違えちゃった」
テヘペロと舌を出して可愛いポーズをとるシャーリーであったが。
「――少し、頭冷やそうか」
「あ、いや、わざとじゃないんですー!?」
ガクガクブルブルと四人は部屋の隅でかたまりつつ震える他はないのだった。
と、まだ書いてもいない長編の番外編というのもアレだけど、一応投下終了。
なんか投下してからミスに気づいたりとかもうアレだ…色々とアレだ…。
しかしこのエピソードが本編にそのまま採用されるかも未定なのでした。
というわけで、一種のギャグだと思って気軽に流してください。
けど感想はできたら、ちょっとください。
ちょっとでいいデスけど。
では、お粗末。
書き終わってから「救命阿ッ!」と最後いれとけばよかったと思った。
いずれ磨伸映一郎風は難しい…。
規制が酷いのかな
まほよに熱中しているのではないかとも思う。
まとめの現行スレを更新しといた。
こまめにやっとかないと、人もこないよな。
乙。助かる
まほよはDDDの二の舞になる気ががが
ヴィヴィオはどうしてああなった
主人公不在のトーナメントって嘗てないな
>>13 まほよはやってないが、評判は悪くないなあ…確保別にいいという話も聞かないが。
ヴィヴィオはどうせ敗者復活戦で本線いくんじゃね?
という気がしないでもない。
ぶっちゃけヴィヴィオ弱いし……本人の素質とやりたいことがかみ合ってない
後衛の射撃型向きのくせに戦闘スタイルが格闘偏重なんだもん
・主人公だが周囲からの戦力評価が低い
・名有りキャラとの初戦
・切り札初披露
・友人の敗退
・対戦相手のミウラは過去回想掘り下げ済み&切り札披露済み&前回上位入賞者に勝利
とまぁ勝利フラグ立ちまくりだっただけに
都合よく覚醒して勝利〜みたいなお約束の流れよりは良かったが
まほよは完結する前に手を出すと泣きを見そうで
ヴィヴィオというかVividの周辺の設定は、色々と話作りやすそうでもそうでもなく、まだ静観中…。
「魔女」が気になってるんだよなー。
クロスさせるのに都合がいいのか悪いのか。
cccにギル様参入は、予算が降りた時に他スタッフからの要望があったかららしい。
どんなシナリオになるのか、楽しみで仕方がないぜ…!
赤王様絡みのSSはまだほとんどなかったよな。
でてこないかな
EXTRAのクロスが読みたい
エタっちゃったのが凄く残念だ
そろそろリリナイ氏の復帰を求めてもいい頃合いなのではあるまいか?
リリブラ氏は…ご無事であればいいんだがねー…。
リリブラ氏は本当にな
生存報告があるだけでも大いに活気付きそうなんだが
理想郷も相変わらずだし
表紙でコラボしただけだった先月のコンプエースには肩透かし食らったなぁ
あれだけの勢いがあった人が、あそこでエタらせるとか…何かあったのかと思っちまうよ。
3月にアレがあったから、最悪の想像もしてしまうしな。
生存報告があるだけでも、というのは本当にだよ。ご無事でいてくれているというだけでむちゃくちゃ嬉しいよ。
プリズマイリヤとなのはのクロスの、あの続きとか誰か書かないものかねえ。
今度はA's時間軸で再会するとかさ。ヴォルケンリッター含めて。
次はひろやま或いはきのこシナリオで読んでみたいと思ってる
言峰とスカさんは仲良くなれそうだ
博士はどれだけ詰っても馬耳東風だから悪くはならんだろうけど
スカの興味で言うなら間違いなくアハト爺、ちょっと下がってゾーケン
方向性は似てても自分の方針は変えない連中ばっかで永遠に平行線な気がする
最近自分の中の赤王様熱が上がりすぎているのだが、なのはとのクロスではどう組み合わせていいのか今ひとつイメージがわかない…
「リリカルでマジカルな女子が魔法少女であるからには、余が魔法少女なのも道理であろう」
そんなことよりマスターアルトリアのSSをですね
…動かんな
まほよが話題に上がるかと思ったんだけどな
俺を含めて買ってない人ばかりなのか、単純に人がいないのか
2nd公開までもう少し
GODにも登場予定だったリンディの戦闘とか楽しみ
ヴィヴィオは作中屈指のチートキャラだったんだけどな
映像等を見るだけでどんな技も高速で学習する。聖王の鎧によりSランク砲撃にも耐えると
なのはとお話しした結果全部吹き飛んでしまったけどね
聖王以外にも雷帝だの覇王だのと…ベルカ世界もいい加減色んなのがいるなあ。
戦乱の時代ってそんなもんだろ
名乗ったもん勝ちだし
戦乱の時代だっただけに、名前を売ったり誇ったりする事で仲間を鼓舞したり敵を牽制できたりしたんでしょうね。
まあセイバーにも青とか白とか黒とか赤とかいるものな。
やっと規制が外れたけど、長らく書き込めなくてストレスがたまってたぜ…。
やはり小ネタとか定期的にないと寂れる一方だよな。
また何か気が向けば投下しよう。
wktk
現行の四期とプリヤ、2ndとかEXTRAとかネタはまだまだ控えてるんだけどなぁ
ところで避難所の方に投下されたFate/EXTRA白い魔導師だが、もうすでにまとめに入ってるし、今更ここに代理投下するのも変だよな。
プリヤは型月世界と大分かけ離れてきた気はするんだが、よい意味で言えば世界観を広げてくれるかもと期待してる。
アニメ化したら、また色々と盛り上がるかもしれんね。
…ところで確か、ルヴィアってアンリミだと伊藤さんだけど、元は田村ゆかりさんだったよね…。
凛は植田さんで…ここら声ネタでなんとか弄れないかとも思うんだが、なあ。
凛の孫も田村ゆかりだったような
でも声ネタは、通じない人もいるからねー
って避難所投下気づかんかった
しかもEXTRAきた!白い魔導師きた!これで勝つる!
遅筆だっただけで、書き溜めなさってたんですね。勝手にエター認定して申し訳ない
早速感想
「未来にありえた悲劇的な結末」を迎えたなのはさんか?
満足して最期を迎えたような感じはしないが、しかし擦れた雰囲気があるわけでもなく、一応納得はしてるのかな
ミッドが戦火に焼かれ、20で死亡? 四期なんてなかった
ワカメはブレないなー、親友ってなんだろう
戦闘はアイテムの仕様なんかも描写に入れていくのかな
次回も楽しみ
ところで、ここ日本における「夏」の定義は6〜8月とされていますが、えーっと?
近いうちに四話投下があると信じて――!
>>38 一応代理投下しとくか
wiki見てない人も居るだろうし。それに代理投下であろうと久しぶりに投下が欲しいじゃないか...
41 :
代理:2012/06/18(月) 22:48:29.39 ID:yG9JkT2z
どうもー……一年以上、エタっておきながら、恥ずかしげもなく帰ってきました。
うん、下手に言い訳するより作品を投下した方が罪償いになりますよね。
そんなわけで「Fate/EXTRA 白い魔導師 第三話:First contact」です。
(どんなわけだ……)
PS:本スレがアクセス規制されてました。泣けるねチクショウ
――夢を見た。
周りは全ては焼け野原。
空も、家も、人も。
全てが等しく燃えていた。
これは原初の景色。あたしはここで―――。
「起きて。マスター、そろそろ起きて」
「んん……」
ゆさゆさと体を揺すられて目をぼんやり開けると、
白いスカートとジャケット、ツインテールにした栗色の髪をした女の人。名前は確か……。
「ええと、アーチャー、さんだっけ?」
「それ、昨日と同じ流れだよね?」
傍らに正座していたアーチャーのツッコミをスルーして体を起こした。
壁にかかった時計を見ると、時刻は七時半ちょうど。
「まだ七時半じゃん。起きるには早いって……」
「もう七時半だよ。これでも、昨日は遅かったから寝坊させた方だよ」
「寝る」
そう言い残して再び横になるあたし。せめてあと一時間は寝ていたい……。
「だから起きなって、ほら、今日は対戦相手が発表される日だよ」
カーテンを開けられて日光が顔にかかり、渋々と寝床にしていた体育マットから起き上がる。
大きく伸びをして体をほぐし、窓ガラスを鏡代わりに簡単に身支度を整える。
ふと窓の外を見ると、数列の並んだ空は相変わらずだったけど、ちゃんと朝日が差していた。
電脳世界のはずなのにリアルだな〜、と感心しながらマイルームを出た。
――――今朝見た夢の事は、忘れていた。
食堂で朝食を摂っていると、携帯端末にメールが届いた。
内容は、一回戦の組み合わせを二階の掲示板に表示するとのことだった。
「いよいよだね」
霊体化して姿は見えないけど、後ろに控えていたアーチャーが神妙な声で呟いた。
「心の準備は出来た? マスター」
「準備って言われても……」
我ながら情けないと思っても、曖昧にしか答えれない。
なにせ遠坂さんに指摘された通り、未だに聖杯戦争に参加しているという実感が湧かない。
それこそ本当は授業中に夢を見ていて、今にも藤村先生の怒りの咆哮が聞こえてくるんじゃないか。
「時間は待ってはくれないよ。対戦相手が決まったなら、今日からアリーナに入ってもらうよ」
アリーナ、というのはマスターとサーヴァントの為に用意された鍛練の場らしい。
この聖杯戦争にはいくつかルールがあって、その一つに6日後までに対戦相手と戦う為には、
トリガーと呼ばれる鍵を手に入れるというものがある。
そのトリガーが落ちているのもアリーナの中の為、6日間の間に鍛練しつつ手に入れないといけないそうだ。
「トリガーを手に入れないと、相手マスター達と戦うことなく敗北になるからね」
「敗北か……」
この聖杯戦争の敗北者に待つ運命は死あるのみ、らしい。
そう言われても、やはり実感は湧かない。気が付いたら、これから君達に殺し合ってもらいますとか何処の漫画だか。
あの神父はそういうイベントが好きそうだけど。とりあえず、食べ終わったら見に行きますか。
掲示板の前に行くと、案の定と言うべきか人だかりが出来ていた。
見たところ、表示されている名前はあたしの対戦相手だけだけど、他の人には別の名前が見えてるみたい。
公平を規す為に、他の組み合わせは見せないってことか。
で、あたしの対戦相手はというと……。
マスター:間桐 慎二
決戦場:一の月想海
「へえ。君が一回戦の相手とはね。本戦に出てるだけでも驚きなんだけどねぇ」
軽薄そうな声に振り向くと、いつもの様に人を小馬鹿にした顔をした慎二がいた。
「まあ、役割だったとはいえ親友だったわけだし? 一応、おめでとうと言っておくよ」
「あ、ありがとう……」
全く祝福していない笑顔だけど、反射的に礼を言ってしまった。
そんなあたしの弱気な態度を感じてか、慎二はニヤニヤと笑みを強くした。
「そういえば、君、予選をギリギリで通過したんだって? 凡俗は色々ハンデをつけってもらっていいねぇ。
でも本戦からは実力勝負だから勘違いしたままは良くないぜ?
しかしこのゲームの主催者もなかなか見所があるねえ。
まさか一回戦の相手はかつての親友。嗚呼、主人公の宿命とはいえなんて悲劇だ!」
そう言いながら自慢のワカメ……もといウェーブヘアーをかき上げる慎二。
うん、いつもながらいっそ感心したくなる様なウザさだ。
「ま、君も予選に勝ち残れんたんだし? 案外いい勝負になるかもしれないな。
じゃあな、鳴海。ボク達の友情に恥じない勝負をしようじゃないか!」
最後に、片目でウィンクして言い放つとサッサと階段を降りて行ってしまった。
恐らくアリーナへ向かったのだろう。まあ、なんというか……。
「清々しいまでにいつも通りの慎二だね」
「いつもあんな感じだったの? と言うか、よくあそこまで言われて我慢できたね」
隣からアーチャーのどこか呆れた声が聞こえたけど、予選の学校生活の時から慎二はああいう自尊心に満ちた態度だった。
よく自分の自慢話をしていたけど、ほとんど聞き流していたから別段気にはしてなかった。
今思えば、一方的に話しかける慎二と話を適当に聞き流しているあたしという組み合わせは、さぞかし奇妙な友人関係だったかもしれない。
しかし、そんな慎二とあたしはこれから殺し合わなければいけない。
言峰神父は敗者には退場してもらうと言った。それは恐らくただ失格になるだけでは済まないだろう。
何せ予選で人形に胸を貫かれた痛みは本物だ。もしアーチャーを呼べなければ、あたしはあのまま……。
――周囲は火の海。崩れ落ちる建物。
そして瓦礫の下敷きになり、
■■■の意識は徐々に薄れて――
「マスター? どうしたの?」
「……え?」
ふと、白昼夢を見た気がした。記憶にない、しかし現実感のある夢だった。
「どうしても気分が優れないなら、今日はやめておく? まだ一日目だし……」
「ううん、大丈夫。ちょっと呆けてただけ。ホラ、あたしたちもアリーナに行こ」
気づけば掲示板の前の人だかりは無くなっていた。みんな各々の場所に散って行ったのだろう。
唯でさえ、記憶がないというハンデをあたしを負っているんだ。時間を無駄には出来ない。
アリーナの入り口は、予選でレオを追って入った一階の壁にあった。
予選では唯の壁だったその場所は、今は観音開きの扉が付けられていた。
「――行くよ」
隣のアーチャーと自分に言い聞かせて、今、ゆっくりと扉を開き――
瞬間、景色が一変した。
「わあ……」
目の前に広がった光景に思わず声が出た。
周りの景色は完全に海の中。あちこちに沈没船が漂い、それらを透明な通路で繋いでいた。
まるで、サルガッソを水族館にしたみたい――。
「マスター、どうやら対戦相手は近くにいるようだよ」
アーチャーの声で呆けていた意識を戻した。ゆっくり見て回りたい気もするけど、
今は探索の方を優先させないと。
「どうする? 一回仕掛けてみる?」
「仕掛けるって……猶予期間中だけどいいの?」
「うん、アリーナ内でなら猶予期間中でも3分間の接触が許されるの。
でも注意して。負ければそこで退場と見なされるからね」
慎二はああ見えても、予選を勝ち抜いた魔術師だ。魔術師としての実力は記憶のないあたしより上だろう。
しかしトコトン不利な状況にあるあたしには、今は少しでも対戦相手の情報が欲しい。
「アーチャー、慎二がいま何処にいるか分かる?」
「任せて。レイジングハート」
『All light』
アーチャーが何かを命じると、レイジングハートが光り、何かの立体を空中に映し出した。
これは……もしかしてアリーナの地図?
「彼等がいる場所は……ここだね」
その予想は当たっていた様で、慎二を示すマーカーが立体地図の一点を指していた。
「ここからすぐ近くの広場にいる。それも動いてないということは、向こうは待ち伏せしてるね」
「向こうは準備万端ってことか。行こう、慎二のサーヴァントがどんな相手か、ってことぐらいは見てみないと」
「了解。ついて来て」
先行するアーチャーの後を追い、あたし達は慎二が待つアリーナの一角へと向かって行った。
目的の場所は二分と経たない内に着いた。慎二達が待ち伏せしていた広場は、丁度アリーナの奥へと続く一本道の前にあり、
奥へと進もうとするなら必ずこの広場を通らないとならない場所にあった。
広場に来たあたし達を慎二は何をするというわけでもなくニヤニヤと嗤い、隣にいた女性は品定めをする様な目であたし達を見ていた。
女性は真っ赤なフロックコートを身に纏い、赤毛の長髪が風に靡いていた。
一見すると軍人の様な格好だけど、大きく開いた胸元と額から頬に架かった大きな刀傷のお陰で軍人という硬質なイメージは無い。
むしろ、暗黒街の侠客がしっくりくるかもしれない。こう、姐さんと呼びたくなるような。
「へえ、あれほど忠告して上げたのに律儀にやられに来たんだ。
それともボクの邪魔をしてトリガーを入手できない様にすれば勝てると思ったかい?
でも残念、鈍くさい鳴海と違ってもう取得しちゃったんだよねぇ」
開口一番、慎二がそう自慢する手には光るカードが握られていた。恐らくあれが決闘場のキーとなるトリガーだろう。
しかし慎二達がアリーナに入ってからそう時間も経っていない筈なのに、もうトリガーを取っていたのは驚いた。
「そんな真似しないよ。慎二のサーヴァントがどんなものか見に来ただけだよ」
「ハッ、なんだボクの引き当てた最高のサーヴァントを見に来たってわけか。
そうだよねえ、どうせ負けるにしてもどれ程の差があるか見ておきたいだろうからね。
ライダー、挨拶してやりな」
正直に答えると、如何にも芝居がかった仕草でひとしきり笑い、慎二は自分のサーヴァントを指差した。
呼ばれた女性――ライダーは一歩前に進み出ると、優雅に一礼した。
初めまして、嬢ちゃん。アンタがシンジの親友かい? アタシは……まあ、ライダーと名乗っておこうか」
豪放そうな雰囲気から予想できない、それでいて様になっていた一礼を見せられ、あたしも慌てて頭を下げた。
「は、初めまして、鳴海 月です。こっちはあたしのパートナーのアーチャーです」
「……ええと、マスター? 何も律儀にクラス名を名乗る必要は無かったからね?」
隣でアーチャーが驚き半分呆れ半分にツッコまれて、ハッと顔を上げる。ひょっとして今凄いポカをしたんじゃないでしょうか!?
ああ、ホラ慎二も目が点になってるし、ライダーはなんか爆笑してるし!
「アッハッハッハッハッ、まさか馬鹿正直に挨拶してくるとはね! こいつはご丁寧にどーも!
いやはや、ウチのマスターの親友と聞いたもんだから、どんな奴か楽しみにしてたけど予想以上に面白い奴さね!」
尚もケラケラと笑うライダー。なんかもう、穴があったら入りたい……。
「あのさ、鳴海。君って、ひょっとして凄い馬鹿?」
「うがっ!? し、慎二に言われるなんて……」
「はあ!? どういう意味だよソレ! ボクが鳴海より馬鹿なわけないだろ!」
「え〜? でもこの前、クラスの子に教えてた問題、思いっきり間違えてたじゃん。挙句の果てに逆ギレして」
「バ、あれはちょっとしたケアレスミスで……馬鹿って言う方が馬鹿なんだからな!!」
「さっきからバカバカ言ってるのは慎二の方でしょ!」
ピーチクパーチクギャーギャーと言い合っていると、隣から大きな咳払いが聞こえた。
「二人供、そろそろ本題に入ろうか?」
アーチャーは呆れ果て、ライダーさんはニヤニヤした顔であたし達を見ていた。
うぐぅ、さっきからずっと見られていたと思うと恥ずかしくなってきた……。
それは慎二も同じ様で、舌打ちを一つすると仕切り直す様に喋り出した。
「ふん、何にせよお前はここでお終いさ。どうせトリガーを手に入れられないなら、
ここでゲームオーバーになっても同じ事だろ。ライダー、遠慮なく蜂の巣にしてやれよ!」
「はいはい、話し合いで平和的に解決もありだと思ったけどねえ。こっちの方がアタシらしいか」
そう言って、ライダーが両手に武器を構えた。あれは……フリントロック式の拳銃?
「来るよ。マスター、後ろに下がって」
「は、そちらさんも準備はOKかい。なら……派手に景気良く撃ち合おうじゃないか!!」
瞬間、周りの景色が赤く染まると同時にサイレンの様な音が鳴り響き、辺りに文字が浮き上がった。
その文字はこう書かれていた。
『Warning!! セラフより警告!
アリーナでの私闘は禁止されています!』
「くそ、もう気付きやがったか!」
49 :
代理:2012/06/18(月) 22:57:09.18 ID:yG9JkT2z
慎二が毒づいている所を見ると、これはアリーナからの警告なのだろう。
でもすぐに戦闘を中断されるわけでは無いらしい。
確か3分。3分だけなら戦闘できる――!
「行って、アーチャー!」
あたしの叫びと共に、アーチャーがライダーへ疾走する。
いや、これは疾走じゃない。よく見ると、地面スレスレを浮かんで飛んでいる。
『Accel shooter』
レイジングハートの機械的な声と共に、光弾が五つ、ライダーへと奔る。
まともに受ければ、あの人形の様にただでは済まないはずだ。
「そらよ、と!」
しかし、光弾がライダーの身体を貫くことは無かった。
ライダーが続けざまに素早く撃った弾丸が光弾を打ち消したからだ。
アーチャーは気にした様子もなく、ライダーに向かった速度のまま、レイジングハートで殴りかかった。
甲高い音がレイジングハートから鳴り響いた。
いや、正確にはレイジングハートとライダーの拳銃がぶつかり合った音だ。
ライダーはアーチャーが打ち合ってくるのを見るやいなや、両手の拳銃を交差させて受け止めていた。
「っ、弓兵を名乗る割には重い一撃じゃないかい」
「それはどうも。近接戦闘も必須科目だったからね」
杖と銃の鍔迫り合いの中、ライダーは肉食獣を彷彿させる笑みを浮かべ、アーチャーは冷徹に言葉を交わした。
「はん、妙なナリのくせに元軍人かい? どうりでお堅い雰囲気がするワケ、だ!」
気勢と共に、ライダーの蹴りがアーチャーの鳩尾に叩き込まれ、アーチャーは後退する。
しかしアーチャーは悶絶する様子もなく、後ろに飛びながら弾幕をライダーに浴びせた。
撃ち出された光弾の数は十発。散弾銃さながらの勢いで迫る光弾は、ライダーを足止めするには十分なはずだった。
―――そう、はずだったのだ。
ライダーが全ての弾丸をすり抜けて突っ込んで来なければ。
「なっ!?」
予想外の行動にアーチャーが驚愕した。その隙をライダーは見逃さず、一気に距離を詰めて行った。
「そら、倍返しさ!」
乾いた発砲音が二発、同時に響く。至近距離で放たれた弾丸がアーチャーの胸で破裂した。
「アーチャーッ!!」
「くぅ、っ」
思わず声を上げてしまう。苦悶の声を上げながら、アーチャーはレイジングハートを横薙ぎに振る。
それをライダーはバックステップで避け、また両者の距離が開く。
50 :
代理:2012/06/18(月) 22:59:01.62 ID:yG9JkT2z
「アーチャー、大丈夫!?」
心配そうなあたしに対して、アーチャーは振り向きざまに笑ってみせた。
「心配無いよ。この程度ならバリアジャケットで防げるから」
見ると、先ほど撃たれた箇所は血が流れてない処か、傷も見当たらない。
アーチャーの服は、ああ見えて防弾チョッキになっているのだろうか?
「やれやれ、雰囲気以上に相当防御が固いときた。今の一発が効かないのはショックだねえ」
「そうでもないよ。流石に至近距離で撃たれたら、弾は防げても衝撃そのものは響くからね」
「はん、ちゃっかり反撃してきて何言ってんだか。ま、シンジが言うよりは楽しめそうだけどね」
お互いを認め合う様に、アーチャー達は笑い合った。まるでスポーツを楽しんでいるかの様な雰囲気に、
これが命のやり取りだという事を忘れそうになる。事実、さっきまでの動きだって辛うじて目で追えたくらいだ。
あたしがあの二人の間に立ったら成すすべ無く死ぬだろう。巻き込まれただけで人が死ぬ様なものを、
断じてスポーツ(運動)と呼んではいけない。
(これが、英霊の戦い……)
アーチャーもライダーも、名前は分からないけど有名な英雄だったのだろう。
二人は、きっと戦場を駆けて、常人では出来ない数々の栄光や名声を手にしてきたに違いない。
そんな光景が目に浮かんでくるぐらい、二人の動きは現実離れしていて―――何よりもそれが自然体であるかの様に見せている。
そんな二人が、きっと生前会うことすら無かった二人が今、あたしの目の前で戦っている。
その事実に―――実際に行われているのは命のやり取りだと分かっていてのに―――説明できない昂揚感を感じてまう。
「おい、ライダー! 鳴海のサーヴァント相手になにモタモタやってるんだよ!!」
でも慎二には、目の前の出来事に対してそんな感情は無いらしい。
むしろ思い通りにいかなくてイライラしているかの様に声を張り上げた。
「お前はこの僕のサーヴァントなんだぞ! そんな奴、さっさと片付けろよ!!」
「やれやれ……男だったら、もうちょっとどっしりと構えて欲しいものだねえ」
まるで遊びで不愉快な事があった子供の様な慎二に対して、ライダーは苦笑してかぶりを振った。
51 :
代理:2012/06/18(月) 22:59:52.52 ID:yG9JkT2z
「でもまあ……派手にぶちかましたいのは同感だ」
ライダーがそう言った瞬間―――雰囲気が一変した。
ライダーの表情は相変わらず不敵な笑みを浮かべたままだ。
それなのに、その笑みはまるで肉食獣が牙を剥いてる様に見えた。
傍から見てるあたしでも分かる。今までライダーは本気じゃなかったんだと。
と、ライダーはおもむろに右手を挙げた。すると―――
「……え?」
ライダーの背後の空間が水面の様に揺らぎ、何かが出てきた。
唐突に起きた不思議な現象に声を上げてしまったが、あれは―――
「大砲……?」
そんなあたしの呟きが聞こえたのか、ライダーは一層笑みを深めて、
「砲撃用意……」
アーチャーに向けて、手を振り下し―――
「藻屑と消えなっ!!」
轟音と共に、砲弾が発射された。
いや、発射されたのだろう。
というのも、あたしの目には砲口が光ったと同時に、
アーチャーがいた場所が発破をかけられたかの様に地面が吹き飛ばされた様にしか見えなかったからだ。
どう見たって直撃だ。普通の人間なら跡形もなく吹き飛んでいるだろう。
「……ホントに固いもんだ。食い甲斐のあるロブスターって処かね」
ライダーが呆れた様に呟いた。
爆煙が晴れると、アーチャーは桜色のシールドを出していた。
人形の一撃すら防いだシールドは、今回もアーチャーを砲撃から守ったのだろう。
「……ッ」
でもアーチャーは全くの無傷では済まなかったみたいだ。
その証拠にシールドに罅が入り、ガードした筈のアーチャーの顔が苦痛に歪んでいた。
「何やってんだ、真剣にやれよお前!!」
「慌てんな慎二、押して駄目なら……」
52 :
代理:2012/06/18(月) 23:00:18.22 ID:yG9JkT2z
そう言ってライダーはさっきの様に背後の空間を歪ませ――
「もっと押してみろ、ってな!!」
直後、無数の砲身が出てきた!
「っ、レイジングハート!」
『Accel Fin』
アーチャーの両足に桜色の羽が出て、視界から消えたと思ったと同時に、
さっきまでアーチャーがいた場所が轟音と共に爆煙に包まれた。
見れば、アーチャーは足に生えた羽を使って宙に浮かんでいた。
大砲を確認したと同時に、空中へと回避したのだろう。
「ハン、本気で面白い奴だね! ホラホラ、どんどんいくよっ!!」
ライダーの宣言に呼応する様に、砲弾の数が増していく。
その度に落雷の様な衝撃と轟音がこちらにも伝わってくる。
アーチャーはさっきの高速移動を使って砲撃をかわしているものの、
数が多すぎてライダーに近寄れないでいた。
甘かった――あたしは今更ながら思い知らされた。
さっきまで様なスポーツ然とした戦いで、お互いの勝敗を決めるものだと、そう思っていた。
だがあんなもの、サーヴァントからすればじゃれ合い程度のものだろう。
絶え間ない砲撃は火力が、速度が、なによりも相手を殲滅するという気迫が違うと雄弁に物語っていた。
聖杯戦争――それは、英霊達が一騎打ちするという意味では無い。英霊達が全力をもって戦争することなのだと、
嫌でも理解させられた。
マスターの特性なのか、アーチャーの様子は手に取る様に分かる。
今のアーチャーは回避する事で精一杯だ。それも体力と魔力を削りながら、どうにか回避している。
このままでは、砲撃が命中するのも時間の問題だ。一発でさえ、防ぐのに手一杯だった砲撃が今度は無数に襲いかかる。
そうなれば――今度こそ、アーチャーは跡形なく吹き飛ばされるだろう。
そして、その恐れた事態が起きた。
「くあ、っ……!」
「アーチャーッ!?」
それは正に一瞬の出来事だった。さっきまで戦闘機のドッグファイトさながらの動きで回避していたアーチャーが、
電流に触れたかの様に体を痙攣させた。それで動きが止まったのは一瞬、だがその一瞬はこの状況で致命的だった。
そして―――!
「これで、終いだっ!!」
無数の砲撃が、アーチャーを容赦なく撃ち抜いた―――。
53 :
代理:2012/06/18(月) 23:00:51.19 ID:yG9JkT2z
「アーチャー……そんな………」
目の前の出来事に、あたしは馬鹿みたいに呟くことしか出来なかった。
「驚いたかい? このゲーム、僕たちマスターもバトルの参加者なのさ」
気障たらしい慎二の声に目を向けると、慎二の手元にコンピューターのキーボードみたいなホログラムが浮かんでいた。
恐らく、さっきアーチャーが止まったのは慎二が何かしたからだろう。
「ま、気を落とす事は無いさ。僕が相手じゃ鳴海が勝てないのは無理ないって」
慎二が何か言っているが、あたしの耳には入ってこなかった。あたしは茫然とアーチャーがいた場所を見ていた。
アーチャーがいた場所は依然として、硝煙で見えない。それがこの砲撃の凄まじさを物語っていた。
あんな物が直撃したんだ。アーチャーは、もう………。
「地上に帰ったら自慢してもいいぜ。アジアのゲームチャンプの僕と戦ったと言えば少しはステータスに――」
「いや、シンジ。まだ勝ち名乗りを上げるには早い様だよ」
慎二の弁舌を遮ったライダーは、硝煙に覆われた場所を指差した。そこには――
「アーチャーッ!」
アーチャーがいた。バリアジャケットは至る所から血が滲み、レイジングハートも大破しそうな程、
亀裂だらけだったが、どうにか両足で立っていた。
「咄嗟にシールドでガードしたか。そのお陰で即死とはならなかった、というわけだ」
「くそ、馬鹿みたいに耐久が高いサーヴァントだな」
ライダーの解説に苛立った声を上げる慎二。
良かった……生きていたんだ。思わず安堵の溜息が出る。しかし――
「っ、あ………」
よろよろと、体を揺らしながらアーチャーはレイジングハートを構える。
まるでそうしなければ、次はあたしが殺されると言うかの様に。
どうする? どうにか立ったけど、戦える状態じゃないのは明らかだ。
ここを切りぬけるには一体、一体どうすればいい!?
――その時だった。
『Warning!! セラフより警告。
アリーナでの私闘は禁止されています。
直ちに両マスターは戦闘を中断して下さい。
指示に従わない場合は、セラフよりペナルティが与えられます。
繰り返します。直ちに両マスターは戦闘を中断して下さい――』
アナウンスと共に、目の前に警告表示を示したメッセージウィンドウが浮かんだ。
「チッ、あとちょっとだったのにもうタイムオーバーかよ」
慎二が忌々しく呟いたのを聞いて思い出した。
そうか――もう3分経過したのか。
「まあいいさ、鳴海程度ならいつでも倒せるからね。
じゃあな、精々決闘日までにレベルを上げておきな。
そうすれば、いい勝負ぐらいにがなるかもな」
54 :
代理:2012/06/18(月) 23:01:49.36 ID:yG9JkT2z
そう言って、慎二は高笑いしながら、ライダーとアリーナの奥へ去って行った。
あたしはその背中を黙って見送るしか出来なかった。
悔しいけど、いま慎二を追い掛けても返り討ちにあうだけだ。それに今は先にやる事がある。
「アーチャー、大丈夫!?」
「にゃははは……ここまで……ボロボロにされたのは………結構久し振りかも」
あたしが駆け寄ると、アーチャーは力なく笑った。
間近で見ると改めて受けた傷の深さが分かる。常人なら絶命しても可笑しくないのに、
しっかりと両足で立って―――あたしを安心させる様に笑顔を見せた。
「………っ!」
思わず唇を咬む。あたしは何を甘えていたんだろう。
戦う実感が湧かない。それはそうだ、何せ記憶が無いのだから。
でも時間は待ってくれない。あたし以外のマスターはこっちの事情なんて知った事では無いだろう。
それでもアーチャーはあたしの為に戦う。今みたいに殺されかけても。
「、と……」
フラリと傾きかけたアーチャーの身体を慌てて支える。
思っていたよりずっと軽い身体に驚きながらも、肩を貸す様な体勢になる。
「今日はもう引き上げよう。帰って治療しないと」
「賛成だね……ごめんね、幸先悪い初日になって」
「そんなのいいよ、生きているのが奇跡みたいなものだし」
肩を貸しながら、二人三脚みたいに来た道を引き返していく。
幸い、アリーナの入り口はそう遠くない場所にある。
そこまで行くぐらいなら、どうにかなるだろう。
「アーチャー」
肩を貸しながら、あたしは声をかける。
この戦争を勝ち抜く理由なんて、まだハッキリとしてないし、
負けたら死ぬというのも、理解はしたけど納得が出来ない。
それでも―――
「次は勝つよ。絶対に」
それでもこのサーヴァントの期待に応えられるくらいのマスターになろう。
その為には、まず慎二に勝たないといけない。そうでなければ、
あたしはアーチャーが救ってくれた命をまた無残に落とすことになるだろう。
「……ふふ、何を学んでくれたか知らないけど……朝より良い顔になったね」
微笑むアーチャーと一緒に、あたし達はアリーナの入り口へと歩いて行った。
気付けば三話は一、二話より6kb増し。
スゴイね俺!そしてスゲー馬鹿。どんだけ時間かけてるんだ。
そんなわけでとんでもない遅筆ですが、最後まで呆れながら付き合っていただくと幸いです。
一年もあればCCCも出てA'sも映画化しますよね。アハハ……。
さて、今回が初めてのバトルとなったわけですが……戦闘描写ムズっ! 一人称って想像以上にムズっ!
つうかこれを面白く書けるきのこや虚淵は化け物か!? と、四苦八苦しながら書いてました(笑)
パワーバランスについて、慎二強すぎね? と思うでしょうが、
アーチャーはへっぽこマスターのお陰で全ランクE、
そして慎二もあれで凛が名前を覚えるくらいには腕の良いウィザード、
ついでにライダー姐さんに免じて許して下さい(マテ
次回の更新はなるだけ早く、夏までには上げます。
……あげたいなー。
以上、代理投下終了です
作者さん、ホントに乙です!
投下乙。
規制食らってたってのはあるけど、避難所も細かく見ておかないとだめだよな。本当。
正直、もうエタったと思ってた。待ってみるもんだ。
ここで連載している作品は、数が少ないけどもレベルはそれなりに高いからな。
数が少ないから粒よりになったのかはわからんが。
Lyrical Nightの続きはまだか。
投下きてたーー!!!
EXTRAだと強さ議論に発展しにくくて良いね
白い魔導師は今後戦闘面をどう描いていくのかなー
一般的なSS、アニメ的な戦闘か
それともゲーム解釈でオリ要素を足していくのか
ディバインバスター・耐久低下 とかねw
EXTRA関係のSSはもっと増えてしかるべきだよなー。
キャス狐かわいいよキャス狐。
意外に難しいというか、下手に淡々とやるとシナリオ追うだけになるからなぁ、
コミック版がいい感じなのである程度はあっちを参照した方が
クロスSSなんだし、そこらはキャス狐なり赤王様なりがなのは側で召喚とかでいいんじゃないかな。
コミック版が参考になるといえばそうだが。
にじファン閉鎖か
特撮系は権利厳しいのね
にじファンか…まあスレチな話題ではあるが、二次創作小説業界全体に波及しそうな事件だよな。
白い魔導師はあそこに投下していたはずだが、どうするんだろ?
理想郷に移転かな?
カレイドスコープの外伝2ってどこまで上げたっけ、
一話は過去スレで上げた気がするけど誰も編集してないし、自分で編集するにもタイトル忘れてしもた
外伝もあるだけまとめた気はするんだけど、どうだったかな?
ログ遡って確認しないといかんか…。
まぁ取りあえず2話載せておこう
では始めます
#1
冬木市郊外、国道を走っていた一台の車がそろそろと路肩に停車し、
運転席に座っていた少女は、大きく息を吐くと後部座席を振り返った
「振り切ったようですね」
厳しい顔で後方を警戒していた後部座席の女性はそう言うと、
自分の隣で気を失っている少女を見下ろした
いささか不穏な状況だが別段彼女達は警察から逃げている誘拐犯というわけではない、
かと言って社会的に真っ当な立場でもないのであるが
「ミス・マルミアドワーズ、
彼女が襲われる動機に心当たりはありますか?
あの“魔術師喰らい”に襲われるような謂れが有るとはとても思えませんが」
女性の問いに、運転席に座る少女―――間留美理緒は、
眼鏡の奥にある眼を丸くして問い返した
「バゼット女史、ひょっとして彼女が誰か知らずに庇ってたんですか?」
「えぇ、全く、
義を見てせざるは勇無きなりと言う所です」
女性―――バゼットはそう答えると、新都で時折見かける顔ではありますがと付け加えた
理緒はそうですか、と答えると
ジュエル・シードという名前に聞き覚えがあるかと、バゼットへ問い返した
「心当たりは―――いえ、そう言えば以前遠坂さんが口にしていたような……」
アーティファクトの類でしたかと続けると、バゼットは先を促した
「手のひら大の魔力結晶で、それ自体が一つの願望器として機能するモノだそうです、
一月ほど前、魔術協会からある『団体』に返還されたそうですが」
単独で一つの願望器として成立するほどのアーティファクト
それを返還したということは、余程その『団体』と係わり合いに成りたくなかったらしい、
魔術協会は極めて貪欲だが同時に極めて保守的な組織でもある、
この少女の容姿から考えて恐らく新大陸あたりの組織なのだろうとバゼットは当たりを付けた
実際には新大陸(アメリカ)どころではないのだがそこは知らぬが仏である
「返還された、ということは彼女はそちらの魔術師なのですか?」
「いえ、彼女自身はその『団体』のメンバーではないそうです、
詳しい話は分かりませんが、
もともとそのアーティファクトは彼女の母親が不特定多数を違法に入手した物だそうで」
なるほど、とバゼットは凡その状況を理解した
その不特定多数のアーティファクトを彼女がまだ所有しているかもしれない
ただそれだけの事情で彼女は命さえ狙われたのだ
別段、魔術の世界においてはおかしな話ではない、
特に野に降り外法を是とした魔術師ならば穏当な交渉など望むべくもあるまい
「状況から察するに、彼女はまるで事態を把握していないようですが」
自分が通りがからなければおそらく死んでいただろう、
不幸な話だが、“こちら”では良くあることだ
その是非を認めるかは別にして、バゼットは冷静にそう考えていた
「ミス・マルミアドワーズ、あなたの目的は―――」
恐らく似たようなものだろう、と当りをつけるバゼットに対して
理緒は心外なと眉を寄せた
「私のところは本家が『団体』側にこコネがあるんでそこまでする必要はありません、
いずれにせよ、持ってないのは確かですし」
今回はあくまでも個人的な事情だという彼女に対し、
そう言いながら調べたのは否定しないらしいと思いながらバゼットは納得した
その家自体がよその組織などにコネを持つこと自体は決して不思議なことではない
閉鎖的思想が主流な魔術師社会といえどそれは同じである
「それで、これからどうするつもりです?」
彼女の身柄をいつまでも保護しておくわけにも行かない
さし当たっては暗示をかけて帰宅させるのが常道だが―――
うかつに引き返してももう一度襲われるだけだろう、
標的にされている以上、眼を離すのも寝覚めが悪い
「『団体』側に引き取ってもらうというのは?」
「難しいですね、向こうはこちら側には基本不干渉ですから」
なにやらややこしい取り決めが有るのかもしれないが
身内以外の者をフォローするようなボランティア精神を組織に期待するほうがおかしい
「参りましたね……」
そもそも人命の保護など心得がないのである
せめて彼女が意識を取り戻せばまだ考えようもあるかもしれないが
「仕方がありません、
先にトマス・ホルバインのことを遠坂さんに報告することにしましょう」
そう言ったバゼットのそばで聞き覚えの無い電子音が声を上げた
調べてみると、どうやら気を失っている少女のポケットからであるらしい
「携帯電話でしょうか?」
「そうですね、これは―――」
まずい事態だなと思いながらバゼットは少女のポケットからそれを取り出した
#2
「やっと出た、大丈夫かアリシア?
フェイトがいつまでたっても連絡してこないってこっちまで泣きついてきたぞ?」
夜半の衛宮邸、受話器を片手に安堵のため息を漏らした衛宮士郎は
返ってきた声に眼を丸くした
『その声は士郎君ですか?
よかった、彼女は貴方の知り合いでしたか』
「バゼット?!
―――なんか、あったのか?」
士郎の問いに電話の向こうから緊張したトーンの返事が返る
「アリシアが魔術師に狙われた?
分かった、遠坂と話を聞くから一度うちに来てくれ」
『分かりました、
アインツベルンにはどうします、伝えますか?』
「いや、もう遅いし、
遠坂にはともかくイリヤには今度でいいんじゃないか?」
『あまり悠長な状況でもないのですが……
分かりました、それでは衛宮邸で』
バゼットの言葉に不安を覚えつつ電話を切る
眉を寄せて考えていると、後ろから声をかけられた
「外来の魔術師が冬木の街に入り込んでるの?」
「あぁ、バゼットの話だとそうらしい」
士郎の返事に声の主―――遠坂凛は眉を寄せて面白くなさそうに鼻を鳴らした
冬木市は遠坂家の管轄である、
協会に属する真っ当な魔術師であるのなら彼女に挨拶に来るのが筋というものだろう
「アリシアを襲ったのが偶然なのか意図的なのか、そこが問題ね」
後者であればアリシアさえ護っていればいいが、
前者であればどこに被害が出るか分からない
凛としてはアリシア個人の問題を別にすれば後者であるほうが楽なのだ
バゼットが来てからでなければ判断がつかないが、
とりあえず希望的観測はやめておこうと彼女は考えた
#3
「知り合い、ですか?」
「えぇ、時計塔にはあまり知られていないでしょうが聖杯戦争のマスターです、
今は管理者(セカンドオーナー)である遠坂さんの弟子ですが」
名を衛宮士郎といいます、というバゼットの説明に、あぁなるほど、と理緒は頷いた
学園では魔力をうまく誤魔化している為彼らは彼女が魔術師だと気づかなかったが、
先日の夕暮れ時、学園内で理緒はなにやら密談をしている士郎達に遭遇していたのである
アリシアがいた事と先の事件で遠坂凛が彼女と接触していたことから考えて、
おそらくアリシアの処遇についてだと思われるが
「あ、どうしよう……」
事態が事態ゆえに管理者の指示を仰ごうというバゼットに納得したは良いが、
これは困ったことになったと理緒は考え込んだ
正規に魔術協会に所属する魔術師でありながら、
管理者(セカンドオーナー)である遠坂家に何の断りもなく冬木の町で行動していた
という意味では彼女も同じなのであった
近隣の町からの通い、純粋に学生身分としてとはいえあまり良い顔はされまい
「慌てずとも遠坂さんは話の分かる相手です、
その程度問題はありません」
「バゼット女史は“ノーリッジの惨劇”を知らないから楽観できるんです」
フォローするバゼットだが理緒からすれば時計塔において早くも“話題”となった
入寮希望者同士の口論からノーリッジ学生寮のフロントを破壊したという
遠坂凛に対し警戒心丸出しという訳である
学園で見せる優等生然とした態度からは想像できない、
悪鬼の如き様は想像するだけでも恐ろしい
「本人が聞いたら火に油でしょうが―――
トマス・ホルバインの方がよほど問題です、ここは仕方がありません」
さらりと処刑宣告に似た言葉で理緒を切り捨てるバゼット
理緒はあきらめた顔でため息をついた
かくして―――
「いい度胸じゃない、貴女」
「そ、其処の所は、その……」
平身低頭する少女に残酷な笑みを浮かべるあかいあくまを横目で見ながら
士郎はバゼットに話を聞いていた
その傍らには空間モニターが浮かび、
不安げな顔でモニター越しに気を失った自分と瓜二つの少女を見下ろす女性が映っている
「それで、そのトマス・ホルバインってどんな奴なんだ?」
「“魔術師喰らい(メイガス・イーター)”もしくは“刻印収集家(ブランド・コレクター)”と呼ばれる魔術師です
130年以上前に封印指定され、時計塔から姿を消した男なのですが」
封印指定、それは時計塔―――魔術協会から、
魔術でありながら唯一無二となる“『魔法』一歩手前の奇跡”や、
希少な才能を持つものなどに送られる
魔術師にとって最高の栄誉であり同時に厄介ごととされる称号である
それが誉れよりも厄介ごとであるとされる所以はその処置にある
指定されたものに対し協会が「希少な才能を『保護』する」という名目の下に
拘束、解剖するということが往々にして有り得るからだ
それ故に指定されたものは大抵において魔術協会を辞し、行方をくらませる
多くの魔術師は研究者であり、拘束されてしまえば研究が続けられないからだ
そうした封印指定の魔術師を追うのが執行者と呼ばれる魔術協会の武闘派部門であり、
バゼット・フラガ・マクレミッツのかつての職場である
もっとも、魔術協会が積極的に封印指定を追うかと言うとそうではない、
その魔術師が野に下った後、より高みに至ろうとするか、
ひっそりと次代に引き継いでいくかはそれぞれだが
協会が動くのは概ねそれら―――正しくはその研究成果が危機に陥った時などである
故に、実際に封印指定を追っているのは
もっぱら金銭で動くフリーランスの魔術師が殆どなのだった
「“刻印収集家(ブランド・コレクター)”?」
耳ざとく話を聞いていたらしい凛が口を挟む、
後ろでいろいろ情けないことになっている少女にお茶を出しながら、
士郎はバゼットに先を促した
77 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/17(火) 20:56:14.98 ID:PRm4b11k
「魔術刻印を収集し、運用できるファイル―――
それを造り得たが故にトマス・ホルバインは封印指定されたと聞き及んでいます」
「嘘?! 魔術刻印は血族にしか使えないはずよ?!
―――って、だから封印指定されたのよね」
「はい、そしてその内容ゆえに彼は優先的に狩出されるよう指定されました」
本物の封印指定と言う物は実のところ余程の天才か異端のなせる業であり、
現在封印指定されている者の多くは魔術協会に不利益を与えかねないもの―――
魔術、神秘の秘匿を忘れ、聖堂教会などの異端審問に目をつけられたものや、
協会の管理地を勝手に侵害したものなどである
加えて利己的な思想である魔術師にとって
自家の魔術成果である魔術刻印を簒奪しようなどという輩を見逃す道理はない
だが、実際に協会の執行者が動いたかといえば―――
自家の安泰を優先した協会の魔術師は「自分達に関わらない限り問題は無い」と放置し、
あまつさえその存在を隠蔽、無かったことにしてしまったのである
「私が執行者になった頃、偶然資料が発見されたのですが、
既に協会が“居ない者”として扱ってから年月が立ち過ぎていましたから」
その存在は兼ねてから疑問視されていたのだという
『でも、100年以上昔の人なら―――』
「恐らく“刻印収集家(ブランド・コレクター)”としての遺産を受け継いでいる跡継ぎか、
何らかの処置で延命しているかのどちらかでしょう」
モニターに浮かぶ女性―――フェイト・T・ハラオウンにそう返す
魔術師の研究とは一生涯どころか末代までをかけたその家の至上命題である
それを果たすためであれば100年程度の延命ならば往々にして有りうる話なのだ
そして、その何らかの処置に他人の命が関わるのもまた、よくある話なのだった
「とにかく放って置く訳には行かないな」
「えぇ、冬木の管理者として見過ごす訳には行かないわ」
持ち前の正義感や義務感で各々が頷く中、フェイトは一人申し訳なさそうな顔をした
『御免、私も手伝えたらよかったんだけど』
「それには及びません、これは我々魔術師の問題ですから」
フェイトの所属する組織である時空管理局は
地球内部で完結する事態に対しては干渉する立場には無い
出来る事と言えば身内としての権限を駆使してアリシアの安全を計ることぐらいだろう
「どうする遠坂、今から新都に行くか?」
フェイトとの通信を片付けながら士郎がたずねる、
時計を見ていた凛は「ちょっと厳しいわね」と答えて腕を組んだ
バゼット達がホルバインと接触してから結構な時間がたっている、
いまから新都に行ってもそこにいる保証は無いし、
夜が明けて人の流れが活発化してしまえば魔術師としては動き辛い
「それに、今の内に武器を用意しておいたほうがいいわ、
バゼットはともかく私は聖杯戦争の時ほどの宝石は持ち合わせてないし」
封印指定が相手となるとどのくらい厄介かは予想できない、
最悪、サーヴァントを相手にするぐらいの覚悟はいるだろう
「でも武器ってどうするんだ、
今から宝石に魔力をこめるのか?」
「まさか、使い物になるほどの魔力が一朝一夕でたまるなら苦労しないわよ」
それもそうだ、と納得し、
では如何するのかと言う士郎に凛はバゼットがつれてきた少女を指さした
「士郎、マルミアドワーズって知ってる?」
「いいや?」
要領を得ない質問に首をかしげる、
衛宮士郎はもともとモグリの魔術師ゆえに、魔術師の社会事情にはとんと疎いのである
彼女の家など知る由も無い
「アーサー王がアイルランドの巨人、リオン王を討ち取った際に手に入れた
ヘラクレスが所持していたとされる銘剣の事です」
バゼットが解説を入れる、
アーサー王伝説は多岐に渡り、その中には様々な銘剣が登場する
アーサー王の選定の剣(カリバーン)や約束された勝利の剣(エクスカリバー)にはじまり、
円卓に集う多くの騎士もまた、その手に至高の銘剣を携える英雄なのである
マルミアドワーズはその中でも起源をローマ、ギリシャ神話とするものなのだという
「セイバーの宝具は約束された勝利の剣(エクスカリバー)だろ、
それに人の名前とどう関係が有るんだ?」
「剣を作ったのはローマでは鍛冶の神ヴァルカンと言われています
マルミアドワーズ家はその神の業を現代に引き継ぐ伝承保菌者(ゴッズホルダー)の家系です」
伝承保菌者(ゴッズホルダー)とは、神代の神秘をその血筋に保有する特殊な魔術師の家系のことを指す、
それ故にその歴史は古く、協会上層部を取り仕切る貴族よりも長いとされる
だがその多くは魔術協会には属さず片田舎に引きこもって細々とその神秘を伝えるだけで
協会の魔術師よりも世捨て人然とした者達である
マルミアドワーズ家は例外的に魔術協会に所属はしてはいるものの
やはり派閥争いには縁も感心も無い変り種であった
とは言え歴史を重んじる魔術師社会にとって、それ故に扱いづらい家系であるのは確かで、
バゼットとはそうした協会内での立場ゆえに親交があったのだという
「日本の間留美家は分家の末席ですが、それでも相応の礼装があるはずです」
「で、それを借りるのか?」
えぇ、と頷く凛だったが、その眼は到底穏便な色をしていない
借りるというより冬木に出入りする代金代わりに徴収するつもりだろう
「遠坂、お手柔らかに、な?」
そう思うとちょっとだけ同情してしまう士郎なのだった
今回は以上です
お。投稿に今気づいた。乙でした。
これは続きがきになる展開ですな。
次回も待ってます。
ぬう…書き込みが足りない…。
こんな調子だと書き手さんも萎えるだろうと思うのだが、ただ読んでるだけの人間では大きな声はいえないなあ。
EXTRAの新情報とかはコンプみても特に無いってゆーか、ギル様とどう付き合うかとか想像するだに楽しいてので、発売されたらこのスレ的にかなりの起爆剤になるのではないかと期待している。
遅ればせながらカレイド外伝乙
本編の続きも気になるんだぜ
※カレイドルビーZEROの本編はまだ1つも書かれていません。
枯れ井戸スコープの方だべ
2nd公開になったんだからもうちょっと盛り上がって欲しいな。
型月×なのはのクロス物の更新をここのところ全く見かけないのは寂しい。
自分も更新停止しちゃってるから人のこと言えないけど。
周りが盛り上がってないと自然とモチベーション下がっちゃうんだよなー。
ネタバレ嫌がられるかと思って黙ってたんだが
そろそろ2ndま交えて語ってもいいのだろうか
カレイド外伝乙!
なのはの映画見てないけど、どのあたりがテレビと違ってた?
グレアム提督が出てこない、ヴィータ襲撃よりフェイトとの再会の方が先、
闇の書の意思(リィンフォース)と闇の書の闇が別人格らしい
俺も見てないからよくは知らん
暴走リインがシリーズ最強と言われるだけの事はあった
ナハトなんかは別格だけど
ラケーテンの変態軌道っぷりは必見
なのはさんはリインに足捕まれて叩きつけられたりとフルボッコ
驚異のリリカル☆チャンバラ
戦闘スピードも迫力も1stの比じゃなかった
ザフィーラが盾の守護獣から鉄拳の守護獣にクラスチェンジしてたな
マルミアドワーズはエクスカリバーより強いからガウェインにエクスカリバーを貸したアーサー王
そして、マルミアドワーズなぞものともしなかったネメアの獅子を殺したヘラクレス裸締め
触れてはならぬものを……
アーサー王「実は手に入れたのは剣ではなく、それを造る職人だったんだ!!」
円卓の騎士「721!!」
がやりたかったのさ
マルミアドワーズしらんかったのでぐぐってみたが…なるほど。
ぼくのかんがえたサーヴァント wikiには『業火成す巨雄の宝剣(マルミアドワーズ)』としてのってた。
…知ってる人は知ってて、色々と考えてるんだな。
昔僕鯖スレにリオン王出したことがあるんだけどあまりに内容がアレすぎていまだにwikiに登録されてないみたいなのよね
チートっぷりでいうなら蚩尤とかいたぞ
アーサーはツッコミ入れると切りがない
クーフーリンの子孫だとか名乗ったり、Fate的な意味で黒歴史が山盛りすぎるぞ
話が海渡って出戻りしてきたら余計な厨二設定山盛りになっちまったからな
フランス貴族まじパネェw
ランスロット「マジスイマセン」
よっぽどサクソンをボコボコにしたかったんだろうな
いや、政略結婚につかれたご婦人方がドリーム小説書きのスポンサーやってたってのがほとんど
Arcadiaさんに繋がらんが、むこうに投下する予定だったものをこちらに投下するわけにもいかず…どうしたものか。
夏休みがおわればなんとかなるとは思うのだが。
あ、なんか復帰宣言してたり最停止してた。
今晩には投稿できそう…。
最近撃墜されたなのはさんの側にEXTRA鯖が…という妄想をしているのだが、キャス狐さんと赤セイバーさまのどちらがいいかで…悩む。
>>105 特定した
錯乱したヴィータに襲われそうなので赤セイバーで
敵という意味でならキャス狐
2ndラストのなのは達は中三から小5に変更されていたが、
エンディング後暫くして死にかけることを考えると複雑だな
>>106 登場したらすぐに回復させてしまうというのができるからキャス狐さんかなーというも考えてたんだよね
しかし確かにヴィータが錯乱してそうではある。
もしかしたら、次の映画はStS時間軸ではないという可能性も…
>>107 回復させたとして、その後どういった話になるんだろ
魔導師生命終了寸前→再起、の経験談が軽くなっちゃいそうだけども
いつのまにか理想郷復活してるぜ
>>108 いや、召喚するタイミングとして考えただけでその後の展開とかは考えてないなあ。
まだ子供のなのはさんとEXTRA鯖のだらっとした日常とかどうだろうとか思ったんだ。
合間合間でじわりじわりとスカさんの陰謀とか進んで行ったりとかの。
まあ今は考えているだけ。
110 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 09:49:54.15 ID:OO7ODhjQ
なんかwikiの掲示板、おかしなことになってない?
>>111 携帯だけかと思ってたがPCでもレス表示されないな
マテリアルたち主役のドラマCDがあるんだが、シュテルんが遺跡の底から見つけてくる変な装置で鯖が召喚、というのはありな気がする。
ただ、アルトリアの様子がゲームとドラマCDでしか解からんので、そんな大長編にはできそうにないけど。
未来過去平行世界問わず呼べるな。指定はできそうにないけど
エグザミアは外部からの完全破壊がほぼ不可能な上、完全な状態になれば星の生命活動に影響を及ぼす
ラジオ2ndでリインが最強と答えていたが、GOD込みなら間違いなくユーリ
最深部とは言ってなかったから、エルトリアのダンジョンにはまだまだえらいモンが埋まってそうだ
エルトリアには不思議のダンジョンがあるのか?
ワイルドアームズ風な世界だしワイルドアームズぽいダンジョンがあるんでね?
>>115 地下125階の機械神殿っぽいところにあった…とか。
エルトリアを舞台にしていろんなクロスはできそうではある。
ドラマCDでは、ゲーム版とつながってない劇場版とつなげおったw
闇の書がなのはのリンカーコアを蒐集して稼いだページ数は20ページ以上
闇の書は666ページだからなのは33人分の魔力を保有する
これの大半はナハトが持っていてユーリはそれに匹敵する魔力を誇り無限機構もありそうだから作中最強だろうね
なのははなんかパワーバランスが本気でおかしくなってきたな
ところで
「とびたて!超時空とらぶる花札大作戦」が告知されたがどうよこれ?
飛び抜けて意味不明にハイスペックな奴が一人いるだけだから、ジャンプ漫画的インフレではないが
ゼロ距離からトリフルブレイカー食らっても平気な多重結界もあるしな
つか味方になったから弱体化したのかと思ったらそんなこともなかったのが一番驚き
外伝だからできることなのかもな
>>118 闇の書が666ページ分のリンカーコアで完成するけども、それが純粋に闇の書の魔力量とイコールなのかは解からんな。
なんら確証はないが、666ページ分で闇の書が完成して機能が全部使えるようになるというだけで、保有魔力とかはエグザミアなどから無尽に汲み出せるというシステムかもしれん。
ちゅうか5%ではやてがびびる魔力量のユーリとか桁違いにもほどがあるわw
>>121 5%は出力の話
魔力はエグザミアが無限に生み出したり周辺からかき集めたり
>>122 なるほど。
いずれエグザミアは普通にちょう厄介だな…。
ところでドラマCD「ミッドチルダの夜空の下で」を聞くと、マテリアル娘たちも成長するんだとわかった。
なんか色々と可能性でてきたなw
次回は大人verマテ娘との再会かもな
なのはさんとシュテルがまたフラグ立ててたし
しかしこのタイミング・・・
ニコニコで聞いたって人が多いのか?
ニコニコで…というのはあまり大きな声ではいえんがな。
そういえばブロッサム先生もニコニコにあったな。
エルトリアに鯖召喚つか湖落下とかで話作れるような気はするよ。本当に。
ただ、エルトリアの設定もっと欲しいな。
他の住人とかモンスターについてとか。
遺跡の底に変な聖遺物があったり魔法陣があったりしてもいいとは思うが。
ドラゴンが出るってくらいしか情報無いしな
ローグライクSSなんて書ける人はいるのだろうか
>>126 いるかもしれんが…自分には無理だな。つかめんどうそうだ。
セイバーさんがエルトリアにきてディアーチェに反発しつつ餌付けされていくのとか想像したら書けそうな気はする…
害獣討伐と環境回復の両方に貢献できそうな人って誰だろうな
キャス子?
便利なアイテムもちのギル様ならばそれこそなんでもありだが、子ギルはともかく大人はなあ…。
やはりキャス子かキャス狐かが無難ではあるまいか。
意外とランサーとかいけそうな気もするが。あ、五次の方の。
まあもともとテラフォーミングできなくて滅ぶ人類の守護者に
他惑星の環境回復なんてあまり期待できないことだしな
月型世界って魔力が枯渇して滅びゆく運命?
魔力の枯渇は魔術師やらにとっては深刻だが、それと世界の崩壊とイコールでもないだろう。
EXTRA世界では70年代にマナが枯渇したのにも関わらず人類は普通に存続しているし。
語られてないけど、死蝕を停止させて緑を回復させたグランツ博士の研究とは一体
動植物が死に絶える環境でも活動して人を襲う怪物、っていうとどこぞのホラーゲームを彷彿とさせるな
荒野で口笛吹いてる余裕なんてあるのか
エグザミアがあればなんとかなるかも、というからには魔力を使ってのものなんだろう。
死蝕は無限の魔力があればどうにかなる、という代物でもないにしてもな。
まぁ莫大な魔力を使うんだろうけど、星の病、というか生命活動(?)にまで干渉できるってなんかもう神の領域のような気がするというか
エルトリアから全ての命が生まれいでてたり地下の遺跡からはわけわかんない遺物があったり…
エグザミアとかのことも観測できたりという超技術…
超未来にあるとか別世界にあるとかいう以上に別次元っつーか、エルトリアはかつてアルハザードだったといわれても納得ができるレベル。
星間文明であり、防護以外の制限がない平行世界運用までできちゃう
イカした滅亡寸前の世界だな
ここまで来ると下手に滅ばれた方が厄介
>>137 >エルトリアから全ての命が生まれいでてたり
初耳なんだけど、何で言ってた?
にじファン閉鎖から音沙汰のない、白い魔導師氏はどうしてるんだろ
理想郷に移転もしてないし
>>139 なんか誤解を招く書き方してすまんかった。
より正しくは
「同一星系内では 唯一水と生命が誕生した星で、私たちが知る範囲では生きとし生けるもの全の故郷である大地」
なんだそうだ。
サウンドステージM ドラマCD エルトリアの空の下からの冒頭でエルトリアについてそう解説している。
エルトリア世界ではあそこが生命の誕生した場所なんだろう、程度の意味だとは思うが。
白い魔導師氏の復帰も待ち遠しいね。
というかこのスレの書き手はみんな帰還が待ち遠しいんだが。
>>140 誤解を招くってレベルじゃねーぞw
どこの約束の地かと
なのはは現行新シリーズ、型月はCCCにプロトタイプに月姫2(?)にと弾はまだまだ尽きんな
間違いなく、10周年記念の都築×武内のリボン交換来るで
来年は同じ魔法少女モノのプリヤが来る
俺、CCCがでたらギル様SSを書くんだ…。
ギル様が普段どういう態度で女主人公と会話していたかとか、今からwktkしまくってるんだぜ。
やはりツンデレだろうか。進め方次第でKILLされたりとかはゲーム的に無いだろうし
日常描写が増えれば、なのはさん達と絡ませた時の妄想幅が広がりそうで楽しみだぜ
紅茶のようなオサレ服着なさそうなのが残念だが
ギル様はキャラとして強いのと、能力的にも強いというのと、さらに子ギルという変化の幅の広さ、あとどんな間抜けな死に方をしても公式的にも許されそう…といろんな意味でオイシイからなw
146 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/24(金) 21:02:37.14 ID:A0lC68Yk
>>145 ラスボスこなせる最強キャラなのに、演技じゃなくて素でギャグキャラまでこなせるのはすげえとおれも思う。
このへんのキャラの幅が広すぎるのもTMの特徴かも。セイバーの食いしん王とかアーチャーのアングラーとかすら許容されるからなあ。
型月はキャラがどいつもこいつも立っているからなー。
たっているという意味ではなのはキャラもかなりのもんだが。
きのこのキャラ作りの能力は相当なもんだ。
正直赤セイバーとかほとんど期待してなかったのに、なんだあのえらそうけなげかわいい生き物は…。
近年自分があれほどに萌えたキャラはほとんど記憶にないわー。
丹下ボイスにあてられたって側面はあるが、ブロッサム先生とか見たらますます萌えたわ。
いや、本当にマジでかわえー。
発売前は「奏者はねーわw」だったが、今は本家より好きだわ
赤セイバーもいいがキャス狐もいい…
リリカルなのは四期はもちっとあくの強いのがでてきてほしいものだがな。
いや、マテリアル娘たちだけでもかなりいいんだが。
赤セイバー+マテリアル娘なSSというのを想像してみたが、なんかかなり騒がしいやりとりになりそうだw
明らかにブレーキ役がいない気が
マテリアル娘だと王様がブレーキ役だけど多分張り合ってるうちに暴走する
上司の扱いから浄水施設の設計まで心得ているシュテルがいるだろ
シュテルはあれで熱いキャラでもある…。
マテリアル三人娘はキャラのバランスがいいな。
ユーリは微妙に解からんが、王様の膝の上が常時のポジションなので、自ずと定まるかw
シュテル:熱血クール。何かと詳しい。三人の中では戦闘力低めっぽい
レヴィ:アホの子。中二病。パワーは一番
ディアーチェ:ツンデレ。オカン。王様
ユーリ:ディアーチェ大好き。ぽわぽわ。盟主
全員天然だろ結局
シュテルは戦闘に関しては技巧派ってイメージだな。
Vivid時くらいのなのはさんでも「動きが凄い」みたいなこと言ってるからな。
レヴィはモンスターハントは超スピードでやってるんだろう。
王様は今ひとつ解からんが、大魔力持ちで闇の書に貯められた知識とはやての料理スキルを使うこなした上に近接対応するとか、多分鬼強い。
特にはやてのレシピは侮れない。
料理スキルは二次創作ではクロスキャラの餌付けというのが可能な、ある意味で最も強力なスキルの一つだからなw
ユーリの力は論外。
どうも字面だけで見ると「動きが凄い」ってうすた漫画のように
「なんだか分からんが動きはすごい」って思い浮かべてしまって笑えてしまうw
『動きが凄い』で最初に浮かんだのが、新條まゆ先生の例のカンフーだったんですが。
……あの動きをする王様か。
貴様らw
とりあえずディアーチェはツンデレ偉そう可愛いぞw
4コマの方だと空気も読めて気配りもできる人だし。
デフォルトで仲間思いでもある。
マテリアル娘たちとEXTRAの連中は、可能性の塊だな。
まだ手が空かないが、いずれ余裕ができたら掌編の一つでも書きたいね
ネタはそれなりにあっても使いにくいのかね
投稿がないのがさびしい
理想郷になら月光来てるよ
では、カレイドスコープ二十六話『落雷』始まりますということで
#1
ミッドチルダ北部・聖王協会本部
N2Rとエリオ達がセイバーと交戦中、
聖王協会に飛び込んできた報告に色めき立った一同に対し
「やめとけ、今から行っても無駄だ」
我関せずと言った顔でランサーが釘を刺した
シャッハの移動魔法を駆使しても到着した時点で戦闘は終わっている、
仮にたどり着いても水上という場所では戦えるものは限られるだろう
事実を冷静に突きつけられて全員が口をつぐまざるを得なかった
「今近くに居る魔導師は?」
「えぇっと―――、
フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官が現在現場に急行中です」
「坊主の師匠だか親代わりだかって言ってたあの嬢ちゃんか……」
死体が増えなきゃいいがね、と呟いてランサーは踵を返して部屋を出て行った
吐き捨てるような態度に憤る者達の中に、彼の表情を見たものは居なかった
#2
「一閃……必中」
膝が沈む
「メッサぁぁぁ・アングリフ!」
咆哮するストラーダの噴射口、乾坤一擲の気魄を持ってエリオは地を蹴り、
あわせるように黒騎士も足元で魔力を炸裂させる
正面からぶつかり合う魔力と魔力、黒騎士の剣とストラーダの穂先が正面からかち合い、
すれ違って一拍おいたところで穂先にこめられた桃色の魔力刃が砕け散った
「まだ!」
着地の勢いをそのままキープして身を捻る、
主の気迫そのままにその各部から魔力をほとばしらせストラーダが唸りを上げる
正面からの魔力のぶつかり合いでは勝ち目がない、
エリオの勝機はすれ違った直後、相手より早く振り返ってスタートを切ることだけだ
―――それにしたところで万に一つの勝機だが
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
互いに身を捻り、再スタートを切る
切っ先の微妙なコントロールで相手の一撃を受け流し、二度三度と交錯を繰り返す
「不味いな、そろそろストラーダが持たん」
様子を窺っていたチンクが唇を噛む、
武器の強度、魔力、技量、全てにおいて相手が上なのだ、
一見もっているように見えるのは戦い方の都合に過ぎない
―――それもあと一撃というところか
それも分かっているのだろう、再反転するエリオの顔に苦さを抱えた決意の色が浮かぶ
迸る雷光が一際大きくなり切っ先に収束する
「紫電……一閃!!」
咆哮と共にはじき出されるカートリッジ、
渾身の一撃に対し黒騎士も両手で剣を握りなおし撃ち帰す
「風よ、吼えあがれ!!」
激突する刃と刃、衝突した魔力が爆発し、全員が一瞬目を覆った
「どうなったんスか?」
爆風を避けてチンクを抱えて上空に舞い上がったウェンディが下を見下ろすのと
それはほぼ同時だった
「ウェンディ!!」
ノーヴェの叫びと同時にライディングボードに衝撃を受け、
彼女はチンクを取り落としながら慌ててボードにしがみ付く
「つ―――!?」
ボードからはみ出した何かがしがみ付いた脇腹を掠め、
それが血に濡れた黒い刀身だと気が付いて彼女はギョッとして下を覗き込んだ
「かはっ!」
覗き込んだ下で風に揺れる赤毛とガラス玉のような金色の瞳が目に入る
それがエリオと黒騎士であると脳が認識する前に、猛る魔力に彼女は硬直した
「いっ!?」
落下するチンクのフォローにフリードを旋回させるキャロの頭上で
飛び散る鮮血と炸裂する魔力
「エリオ君、ウェンディさん!!」
反射的に頭上を振り仰いだキャロに対し、ケリュケイオンが警告と共に自立防御を起動、
ノーヴェが残っていた右腕のガンナックル、チンクがスティンガーを発射する
そこへ―――
「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
魔力にまかせて軌道を変え、一直線に黒騎士が切り込む
「爆散!!」
キャロの防御に刃が食い込み、轟音を立てて黒騎士の魔力が炸裂する
一拍おいて、張り巡らされたエアライナーが消失し、
白銀の飛竜は黒煙を上げながら水面に堕ちていった
#3
金色の輝きが夜を切り裂く
焦りをありありと顔に浮かべてフェイト・テスタロッサ・ハラオウンは夜空を駆けていた
ティアナからキャスターの捜査を引き継ぎ地上本部で指揮を執っていたところで、
その拠点を調査していたギンガ達との通信が途絶えた
辛うじて確認された逃走するキャスターを追う為出動準備を整えていたフェイトの元に
黒騎士によるキャスター殲滅が届いた時、彼女は周囲の制止を無視して飛び出していた
「バルディッシュ!」
主の叫びに戦斧を模した魔杖が大剣へと姿を変える
あともう少し―――
心の内で間に合えと叫ぶ彼女の眼前で黄色の光が薄れていく
唇をかみ締める暇もなく、水面に降り立つ黒い影に向けて金色の大剣を振りかぶる
衝突する魔力の余波で水面が波打つ、
完全な真後ろからの奇襲にもかかわらず、計ったようなタイミングで黒騎士に切り返され、
フェイトは舌打ちしながら距離をとった
無機質な金色の眼が彼女を射抜く
口元には新たな獲物を見定めた野獣の笑みが浮かんでいた
―――とてもじゃないけど似ても似つかない
その表情だけでアルトリアとこの黒騎士が別物だとフェイトは断じることが出来た
―――かと言ってどうするか……
暴力的な魔力放出はそれだけでSランク魔導師級の脅威だ、
最低でもユニゾン状態のシグナムとやる位の気構えがいるとなっては
フェイトならずとも気後れは当然だろう、だが
「行くよ、バルディッシュ!」
当たってから考える、迷うのは後だ!
射撃魔法用のスフィアを展開し、ばら撒くようにプラズマバレットを発射
黒騎士の視界を水柱で覆う、それを―――
「静まれぇ!」
ダンッと水面を踏みつけると波紋状に広がった魔力の波動が荒れる波間を叩き潰す、
塞がった視界を囮に踏み込もうとしていたフェイトはその出鱈目さに舌を巻いた
「はぁっ!」
迷う暇も無く、正面からぶつかり合う格好となり、鍔迫り合いの姿勢で押し合う
ギリギリと黒い刀身がザンバーに喰い込むが、退けばたちどころに斬られると察し
フェイトは奥歯をかみ締めながらザンバーに魔力を送り込んだ
―――相手の得意なフィールドで戦えば確実に負ける、
なんとか空中に放り出すんだ、それしかない
オールラウンダーな魔導師の代名詞とされ、
シグナムやシャッハらベルカ騎士としのぎを削っている事から誤解されがちだが
ヒット&アウェイ得意とするフェイトにとって足を止めるのは不利以前に論外である
ザンバーフォームのリーチも鍔迫り合いになれば動きを阻害してしまうし、
射砲撃という手札を存分に生かすには一定の距離が必要になる
加えて剣腕もけっしてシグナムのような生粋の剣士ほどではない
「はあぁぁぁぁ!!」
こちらが魔力を追加したのに気づいたのか
押し合いをしていた黒騎士が一歩踏み込むと共に魔力を開放し
金色の刀身に食い込んでいた刃先が赤黒い輝きを帯びる
―――マズイ!
フェイトは慌てて刀身を犠牲にバインドを展開し、黒騎士を拘束すると距離をとった
ひび割れた刀身の破片がガラス片のような魔力に分解しながら大気に拡散していく
―――最初からあんな魔力を叩きつけられてたら一合も持たなかった……
背中を冷や汗が伝う、想定していた威力の範囲内ではない訳ではなかったが
いくらなんでも早すぎる
大魔力と高速・並列処理は衝突するというのは魔導師の常識である
故に大きな威力を持つ術には必ず『溜め』となる瞬間が存在する
抜き打ちレベルで砲撃クラスの魔力を放出するのは宝具だけだと思ってたけど……
今のザンバーを砕いた魔力は自分の全力の砲撃と同等以上、
しかも制御された術などではなく野放図に放った魔力だ
―――あれが制御……ううん、指向性を持って放たれた時点で自分じゃ防げない
装甲の薄い自分では当たれば堕ちる、
解っていたことではあるが、背中につめたい汗が流れて彼女は改めて
その意味に唇をかんだ
「バルディッシュ、ライオットザンバーセット」
「Yes sir」
無造作にバインドを引き千切る黒騎士を見下ろしながら命じるフェイトの声に
愛機が答えると同時に砕けた刀身が放棄され、新たな刃が両手に現れた
次いでマントと衣装がはじけ飛び、その中から肢体を覆うタイトな衣装が姿を現した
「思い切ったものだな、乾坤一擲ときたか」
フェイトの姿が変った事の意味を察し、獰猛な亀裂が黒騎士の貌を裂く
―――当たる訳にいかないのなら、その前に打倒する
女性らしい躯のラインを浮かび上がらせる両手に掲げる輝きは
彼女の渾身の魔力で編み上げられた高密度の魔力刃(ライオットスティンガー)に他ならない
一面における長所である汎用性の高さを切り捨て、
もう一面の長所―――高速機動による一撃離脱―――にかけたオーバードライブ
“ソニックフォーム”
「よかろう、
その雷光、正面から斬り伏せてくれる!」
両足を広げて剣を両手で構えなおすその姿勢は
言葉通り正面から迎え撃つという意思表示に他ならない
睨み合いの状態から、ゆっくりと海面スレスレに降り立つ
事この状況となれば小細工は何一つ通じない
「―――っ、はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
咆哮と共に金色の雷光が奔る
迎え撃つ黒騎士の両手で剣からあふれ出した魔力が唸りを上げて振りぬかれた
「くっ―――!」
真正面、完璧なタイミングで迎え撃たれ、
フェイトは辛うじて右のスティンガーで受け止めながらソニックムーブで軌道を変えて
黒騎士の凶刃から逃れた
雷速と称されるフェイト・T・ハラオウンであるが、
実のところ彼女にそこまでの速度がある訳ではない
魔導師の最大有効射程距離は概ね200メートル前後である
そのような距離において音速以上の超高速などまったく持って必要ない
恐らく彼女自身が全身全霊をかけて飛べばそれだけの速度ははじき出せるだろうが
ギネスブックに名を連ねる事に意義を感じる身ではない彼女からすれば、
実用性の無い超高速直線移動など興味の対象ですらないだろう
実際、直線における最高速度の限界値は親友である高町なのはもそう変わらない
彼女に雷速の名を冠する由来はその瞬間加速性能によるものだ
最初の踏み込みが既に最高速度に達するものであるが故に
相手に反応を許さない超高速、それが雷速と呼ばれる所以である
とはいえ―――それはあくまで人の領分に過ぎない
確かに今のフェイトは英霊ですら目視で測るのは難しい速度に達している
だが、それは高位の英霊同士の戦いにおいて問題ではない
前提として、反応できないほど早い、貫けぬほど硬いなどという格上の存在の打破こそが
英雄を“英雄”足らしめるひとつの奇跡だからである
もっとも彼女にとっても防がれた程度であれば動揺には値しない
JS事件当時、同等の高速型戦闘機人だけでなく
ジェイル・スカリエッティにも攻撃を防がれているし、
なのはやシグナムのようなある意味での彼女の好敵手達も各々に彼女の『速度』を破る
手札を持ち合わせている、とは言え
「―――そう長くは持たないね、バルディッシュ」
“yes sir”
受け止めた右のスティンガーは半ばまで刃に亀裂が走っていた
ソニックフォームとライオットザンバーは長期戦を想定しての組み合わせではないが
それを差し引いても剣がこれでは勝負にならない
フェイト自身は与り知らぬ処であるが、このまま行けばエリオの二の舞は明白だった
だが、ほかに活路はない、立ち止まるなどもっての外だ
「っあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
互いの発する魔力が海を割る、
ジグザグに飛んでフェイントを仕掛けながらフェイトが二度三度と肉薄するのを、
黒騎士は巧みに身をかわし、最小の動きで剣を裁いて迎え撃った
―――まだ行けるか?
速度を調節しながら、フェイトはマルチタスクの片隅でそう自問した
結論は―――否
原因は地上本部からここまでの距離である
ここまで来るのにいささか魔力を消費しすぎた、
インパルスフォームで通常戦闘をするのならともかく、
ソニックフォームとライオットザンバーをこのペースで続けるとなると
もって数分が限度だろう
カラミティを使えるのは一撃といったところだ
―――その前に、何とか一撃入れないと
大剣であるカラミティによる攻撃はどうしても大振りになる
後方からの強襲が通じなかった以上、相手がかわせない状況を作るには
一撃入れて体勢を崩すしかない
―――そんな思考は、わずか数合で打ち崩された
刀身に走るダメージに舌打ちしながら隙を窺うが
予知能力があるとしか思えない動きでフェイトの攻撃の気配に反応する黒騎士の前に
彼女は自ら切り込みながら受けに回ることしかできなかった
半物質化した魔力刃の破損修復にかかる魔力は純粋な魔力放出の比ではない
このまま戦いつづけてスティンガーが砕ければ、カラミティを使うどころではなくなる
勝負をかけるしかない
高速移動(ソニックムーブ)と高速動作(ブリッツアクション)を上乗せしながら両手の双剣を重ね合わせて一つに束ね、
出来上がった長大な剣を肩に担ぎながらターンをきる
残った魔力の全てを、この一撃にかける!!
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
直上からの高速垂直落下、大上段の唐竹割
地上での戦いに慣れているが故の真上という“意識の死角”にかけた決死の一撃
「おおおぉぉぉぉぉぉ!!」
刃を振り下ろそうとした刹那、
ドン、と黒騎士の咆哮とともにフェイトの視界が真っ黒に塗りつぶされた
意識が一瞬消し飛ばされ、物理的に跳ね飛ばされている感覚に叩き起されて
フェイトは事態を飲み込め無いまま姿勢を正した
―――何が、起きたの?
残った魔力でかろうじて飛行魔法を維持しながら、必死に思考を纏め上げ、
恐らく魔力放出だろうと結論付ける
その放出量に驚かされたがゆえに決着を急いだというのに
間抜けな話だと自嘲しながら
逃げるどころか、カラミティを一振りする魔力も残っていない、
それでも、せめて一矢報いなくてはという思いに突き動かされ
フェイトは震える手でへし折れたライオットザンバーを構えなおした
―――どこから、来る?
飛行魔法を調整し、
下降しながら―――魔力切れで何もしないまま水面に叩き付けられるのは御免である
フェイトは周辺に眼を凝らし―――聞こえてきた風切り音に頭上を振り仰いだ
「―――っ?!」
見上げた頭上に見えた
真っ逆様に落ちてくる長大な魔力刃を構えた黒騎士の姿は
先ほど自分が選んだ選択肢とまったく同じものだった
辛うじて残っていた力でバルディッシュを振り上げ迎え撃つが焼け石に水ですらない
―――悪い冗談だ、まったくもって笑えない
その光景を眼に焼き付けながら、意識が消し飛ぶ瞬間、彼女はそう思った
今回は以上です
GJ!
遅れたけどGJ!
相変わらず続きがきになるんだぜ。
フェイトさんまさかの瞬殺ですか
カレイドスコープ二十六話『落雷』wikiにまとめといた。
…だが、ちょっとミスった。
削除しようと思ったが管理者でないとムリか…うーん。
どうしよう。
実に一月の間動きなしか……
プリヤアニメとCCC発売までこんな感じかもしれんな
180 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/30(火) 21:45:36.20 ID:gtK+ICte
vividでクラウスがヘタレすぎるって言われてる件
プリヤ新刊買ったが妙なことになってるね
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/22(木) 21:07:31.88 ID:luWkAuyy
アニメでもぽしゃったか?
久々にきたが、やはり過疎っているね。
最近は赤セイバーさんやマテリアル娘たちにはまって関連アイテムをヘヴィローテーションしていたが
やはり思い返すに基本としてステイナイトやらなのポ以外のキャラでの組み合に立ち返ってみてもいいかもしれない。
ss自体が過疎ってる気がする
なのはがTVアニメやればSS書きはまた大勢戻ってきそうだけど
ところで花のみやこは、あれ型月作品としてカウントしていいんかね?
まだ連載始まったばかりで、到底ネタにはできんが。
型月にもリリカルなのはにも並行世界の設定があるからな。
ただ、第二魔法なしであの作品のキャラを出せば、他の型月キャラは出せなくなるな。
アスフォルトとかまで出すと収集つかなくなるな
公式展開で言峰士郎が出てきて吹いたw
士郎シリーズは今までアーチャーは未来の可能性でアンリは衛宮士郎の一面だったが今回は完全に別物っぽいな
そもそも衛宮じゃないし
191 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/01(火) 10:06:28.40 ID:VXCGaPWm
他の五人は暗殺(というか電池化?)済みでセイバー以外支配下ですとか言い出しそうな雰囲気だったがな
192 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/02(水) 02:10:51.45 ID:5oC6Xtxp
>>161〜172
これが! クロス先のキャラを公式無視のウリジナル設定で改変して型月キャラ優勢にして型月キャラ必勝設定のssを作り上げる型月信者の最大宝具
名付けて ウリナラファンタジー(韓国式妄想)か!
型月信者の宝具の前ではスーパーサイヤ人のカメハメ波もエクスカリバーで余裕で負ける設定付けられそうだ!
ウリナラファンタジーそうさ夢だけは〜誰も奪えない心の翼だ〜か〜ら〜♪
魔導師の基本有効射程が200m前後とか映像の派手さの印象からうける魔導師>サーヴァントな印象とは裏腹に意外と設定的なパワーバランスはサーヴァント>魔導師だよ?
一部の魔導師がとんがってるだけで
まぁ指摘してるエピソードの黒セイバーはボスキャラなうえライトニングが噛ませ担当なのは否定しないけど
荒らしにマジレスしなさんな
しかものっけから誤情報の200mだし
昔は魔導師は身体強化できるかどうかも不明で
できないこと前提で鯖のギリ勝ちって評価だったな
できること分かったら諦めろって感じで
200m前後はメガマガの読み切りではやてが発言してた公式情報だと記憶してるのだが?
サーヴァントの方も身体能力はzero以降割とインフレ気味だし
あれ? 200m境にミッドとベルカの優位性が切り替わるだっけ?
戦闘能力的には魔導師もサーヴァントも戦闘機ぐらいのイメージ
魔導師の身体強化できる出来ない論争いつまでやってたんだっけ?
STSのナックルダスターやブリッツアクションはカウントされてなくてvivid以降なイメージがあるが
フォースだと慣性制御とかやってるしなぁ
魔導師と騎士が空戦でお互いを一撃必殺でき難くなる線引きが200mだったと思う
騎士の場合は射程ではなく間合いな気もする
慣性制御まで考慮すると戦える作品がガクンと減るよなあ
要するにある程度は皆ベクトル操作ができて、それを前提に今まで戦って来ましたとほざいてるわけだし
これ一つで戦闘機からUFOになっちまう技能をシレッと出さないでほしいわ、マジで
>>199 そうだったそうだった、
射程距離って言うより駆け引き上イーブンな距離だからこっからスタートなって話だった
慣性制御と言ってもそこまでトンデモじゃないだろ
車の運転と変身魔法は両立できないらしいし慣性制御も得手不得手がある、
単に今まで身体強化や防御魔法だと思ってたものの一部に慣性制御が使われてるってことだろ
>>196 その発想も『魔導師最強他はゴミ』って言いたいだけじゃないの?
『平均的な空戦魔導師』と『平均的なサーヴァント』が戦ったら戦闘機対戦車で積んでる兵装次第じゃないか
ドラゴンボールみたいなマジで星ポンポン破壊するのと比較してんじゃあるまいし
zero以降はサーヴァントの攻防は局地的に更地になるのがデフォになりつつあるが
A'sではエクセリオンモードという強化魔法が登場しましてね・・・
論争というより、ただ単に知識のない人がいただけの話だったような
本格的に描写が増えたのがStSからで、四期では当たり前すぎて有り難みががが。病化の方がつえーし
戦闘開始位置の200mはなのはとシグナムにとっての必殺の間合いの範疇ですってだけだな
いや、その発想出した某型月キャラと異種対決するスレだと
当時の魔導師は強力な武装のレシプロ戦闘機くらいの評価だった
本編をどうして生き残ってるか不思議とまで言われてた
というかレシプロ機並の速度でもあんなふうに方向転換とか
手足動かしてたら慣性でマトモに動けないかヘタすれば首とかもげるからね
それを防ぐためのものと思えば納得はできる
>>200 質量を身の丈から数十倍に巨大化させた鉄槌を振り下ろす
ギガントシュラークというトンデモなのが一つあるな
鉄は身の丈から十倍でも1万トン近くいくから
ロードローラーを持ち上げられたら上等な部類の鯖だと下手すると
4桁トンくらい瞬間的なパワーに差がでてしまう
これは鯖は敏捷に対して筋力が非力な設定なだけで
魔導師が凄いってわけじゃない
なのははSFでもそこまで強くないけどこんなだからな
一発当たるとアヴァロンでもないとアウトで
強化一切なし身体能力は人並みって条件で先手必勝を言い張らないとつけ込めなかった
ちなみに単純な身体強化なら魔力を体内で循環させるだけと
2ndのパンフに書いてあった
というかこんな基本的なことを何年も出さないのはどうなんだろう?
これだけ縦にシリーズが続けば後付けも増えるもんだ
無印ではバリアジャケットが手榴弾は防げない程度の防御力とされていたわけだが、
二期でも防御力がそうなら、作中でなのフェイは一体何回死んでるんだよって話だし、そもそも機動力を殺してまで防御を固める意味がなくなるから誰も彼もソニックフォームだわ
それと、なのはメインキャラを基準にして魔導師のスペックを語っているのだとしたらそれはどうだろう
魔導師のエリートとされる管理局員でも、モブの地上部隊(Cランク相当)はガジェット一機落とすの苦労するくらいだしピンキリ
逆に鯖は平均スペックが高い分、そこまで実力幅は広くないが
手榴弾は出所不明の情報だな
結局言われてたログにはなかったそうだし
>>204 そもそもギガントシュラークの重さが鉄どうこうって下り自体が本編設定って言うより空想科学読本の世界じゃねーか
サンプルになってねーよ
フォースネクストでウォーハンマーのサイズについて
「これヴィータにはデカくね?」
「アタシにはこれがベストなんだよ」
ってやり取りがあるぐらいだぞ
モノとしては「演出です」だろアレは
サンプルとして妥当なのはリオの武舞台投げの方だろ
材質コンクリとして重さいくらだアレ?
>>205 普通はAMFとまともにやりあうだけで一つ以上AAランクスキル習得してなきゃ無理
コンクリは1m3で2300キロ
正直、材質分からないし鉄の槌だから鉄と言うほうがまだ説得力を感じられるな
ハンマーはただサイズが成人仕様なことへの指摘だし
ギガシュラがサイズ的な取り回しが悪いのは解説にもある
質量はきっちり増加するとされてるから見かけ倒しじゃないよ
カートリッジ二本であんなことやれるなら、カートリッジ六本+集束のSLBexって一体ナンナンデスカネ
アイゼンの材質は質量のある物質てくらいにしかわからんが、温泉回模擬戦のゴライアスは大半が土石かな
少なくともあれくらい(レイヤー建造物とほぼ同じ高さ)は投げられるのか
誰か計算できる人やってみてー
一日考えてみたんだけど、ヴィータのギガントシュラークってそれこそ慣性制御と無機物操作の類であって腕力頼みじゃないんじゃないのかなーと思った
本編中ギガント以外で特に力自慢っぽい描写もないし(アルケミックチェーンの時になのはのセリフで「無機物操作」の魔法に触れてるのであるのは確か、シュワルベフリーゲンとか見るに無機物錬成とか操作とか得意っぽい?)
あれこれ言ってるけど、このスレのSSだと型月側の方が悪役ないし敵役のケースが多いから必然的にサーヴァント>魔導師になりやすいだけだよね、ぶっちゃけ
たしか巨石持ち上げは直径10m級の丸い岩塊で120トン程だと
昔、力自慢キャラの考察スレで言われてたような気が……
う〜ん、もっと小さいのが120でこっちは数百だったかな?
ここらは幅が1m変わるだけで凄い上下するんであまり確かなこと言えない
加工物は更に圧縮してるから、コンクリなんて3立方メートルで60トン超すからカオス
ギガシュラは、どんな理屈でも相対する側の負担が変わりそうにないのが酷い
慣性制御や無機物操作なんて加味すると逆に見た目より威力増しそうじゃん
巨物を運用する力を全て使って相手をぶん殴るもvでコロナがやったしな
そのケースは、もっとぶっちゃけると
「最後に負けるんだからこっちのほうが不遇なんだぜ、あぁ悪役は辛いなぁ〜(ニヤニヤ」
ということだよ
悪い作家は、まず言い訳をするってやつで
そこは開き直ったほうが良いと思うけどね
最強議論スレ行けよw
瀕死の筋肉モンガーさんは筋力判定どんくらいなんだろ
いきなり相手をウリナラ扱いして発狂するなのは厨相手にお前ら優しいね
つまらん自演にも寛容なくらいだからな
まだここを見てる人はそこそこいるのか
アポクリファ読んだ奴いる?
赤のセイバーとマスターが結構楽しいというかいいコンビなんだが
月光来てるな
218 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/08(火) 22:32:11.54 ID:o7OWIlWj
ちょっと教えて欲しいんだけどなのは側の攻撃は鯖に対してどの程度有効なの?
純粋魔力が対魔力を持つ鯖にも有効ってのはプリヤでの話で。なのは魔法も鯖には有効なんだろうけど。
でも近接戦、剣型のデバイスとかで宝具と打ち合えるの?あるいは鯖に効果はあるの?
さらにギルのGOBに対して防御しようとしたイリヤにクロが宝具には宝具ではないと防げない的な趣旨の発言をしていたけど。
じゃあ宝具での攻撃は魔法で防げないのか?宝具での防御を魔法では突破できないのか?
防げる、ないし突破できるとしたらどのくらいから?
更に言うなら鯖の一番の強みである霊体化は魔導師に対してどれくらい有効なの?
霊体化してれば魔法は完全に素通りできるの?魔力で強化されたデバイスは?
霊体化を戦術に入れるとしたら魔導師は鯖をどうやって攻略すればいい?
答えを教えてくれ、じゃ何も解決しないよ
そんなもん原作者同士で話し合いでもせん限り永遠にわからんのだから
「俺はこう思う」っていうのを堂々と書けばいい
不安なのはわかるけど、余程酷い蹂躙でない限り一々叩かれないと思う。少なくとも俺はそう
あとsageてくれ
ゴメン、下げるのミスった。
自分なりの考えはあるけどやっぱり他の人の意見も聴きたいんだ。
JSの怪物は思念体の時もあったし……霊体も、まあ攻撃できるんじゃないかなぁ
思念体つっても実態のあるものに干渉しまくりだがどうなんかな
そもそも思念体の明確な定義ってあるのか
もう暫くViVidの展開を待ってりゃいいんでね
それらの疑問はリアル魔女っ子がある程度解決しそうな気がする
霊体化されたら鯖の攻撃も大概効かないから無料じゃないかな
霊体化による不意打ちは厳しいかもね
実体化してないだけで魔力反応はごまかし出来ないから索敵に引っかかる
気になるのはさ、宝具を魔法で防ぐ場合どの程度のランクが必要なのか。
そもそも純粋魔力に対して概念や神秘の影響力はどうなるんだろう。
それは絶対に誰にも分からないと自信を持って言える
それに鯖たちは常人の数十倍の敏捷のくせに、筋力も数十倍という
普通は二乗にするとこを等倍率の上げ幅にしてて敏捷に対して凄く非力だから
設定的に他作との打ち合いにすこぶる向かない
いつから筋肉で動いてると錯覚していた?
実際のとこ魔力ロケットで加速する人とかいるから筋力と敏捷がつながらなくても不思議じゃない
他作品だって魔力で早送りしてるとかいるので運動工学だかで言ってもフィクション全般が辻褄あわねーのです
魔術師は対戦車砲打ち込まれたら余程の一流が本気ださなきゃ防げないんだよな
ステータス欄にあるからじゃないかな
ラプターが常人の数十倍で近いのかなと思ってた時期もあったが
あれも通常稼動で40時間、全力稼動で25分と出力96倍まで上げることができるしな
ぶっちゃけコラボした時みたいに鯖枠に押し込めとかないと
本当のところリリカル勢とは打ち合えないだろ
ラプターとか4期メンバーの攻撃って魔力に依存しない物とかあるけど、あれって英霊に対して無効でいいのか?
そうすると完全に無双になるんだが描写次第か……?
異世界製のものをたまたま当人たちが魔力と呼んでて、呼んでなければどうにかなる?
そんなこと本気で信じてたの?
>>229 魔力に依存しない攻撃は無効じゃない?
AECとかはエクリプスとかAMFとかの対魔力に対する代替え品でしかない訳だし
>>230 どういう意味で言ってるか知らんが
それ言うと「神秘が無いから鯖には無効」って話になって堂々巡りになる可能性があるぞ
>>229 対エクリプス用だからな
魔力を完全な物理エネルギーとして変換してるらしいから
攻撃受けて吹っ飛ばされても鯖の霊核は傷つけられないから倒せないだろうね
ラプターは筋力は通常の人間の数十倍で大量生産可能だから数で来られると厄介だな。特にマスター連中には脅威
地球外というだけで型月的には神秘の塊なんだが……
異世界人が自分たちの技術を魔法と言い張るか
科学と言い張るかで形勢を左右するなら苦労はないだろ
どっちもそう言ってるだけの謎技術には変わりないんだからさ
感染者がいるせいでスペックの高さも霞んじゃってるけどな
グレンデル連中にさえいいようにやられてパクられかけるくらいだし
専務はバイオハザードでいうタイラントなのか、強すぎわろた
>>224 上位の神秘の前だと下位の神秘は問答無用で打ち消される設定だから魔術で防ぐの事態が基本的に無理
千年生きてるだけで魔術レベルなら完全無効になるぐらい絶望的な差
超一流の魔術師が張った結界が五百年物の刀を鞘から抜くだけで切り裂かれるぐらい神秘の差は絶対なのは型月だからな
けど青子はアルクに勝率3割だったり、どこまで絶対なんだ
魔法使いと魔術師は根本的に違う
青子は気分が乗らないからしないだけでその気になれば相手が誕生する前に時間旅行して存在を抹消とか普通に出来るし
アルクは青子を苦手にしてるのもある
青子の魔法はまほよやるとよくわからなくなる
時間旅行は第2魔法と否定されたし
ただ破壊特化の青子でも都市レベル(産業革命時のロンドンクラス)を破壊する火力はないらしい
第二魔法は並行世界の運営で普通に時間旅行が青子の魔法
まほよ一話時点で言われたのは時間旅行で出来る事は並行世界の運営でも出来るってだけ
並行世界の運営は魔法の中でも応用が1番効くからねー
大抵のことは並行世界の運営で出来るし
青橙のあの有名な口論の中に確定した過去は変えられないとあるし
その殺傷法だと並行世界が一つできるだけじゃないかな?
なんにしても第五の本質が普通の時間旅行じゃ無い事は確実だろ?
第二に含まれない要素があるからこそ第五として確立したわけなんだから。
いや、まほよで見せたあれこそが真っ当な時間旅行だそうだよ
まあ時間軸だけって意味なら確かにとも思うけど
いずれにしろ続編の解説に期待するしかないべよ
青子が本当に時間旅行できるなら月姫で志貴が再会したときに全然歳食ってなかったのも納得いくが
あいつの場合そんなもんなくても外見変わらんような気もするな
人間やめてるし
なのは世界は剣術鍛え上げれば魔力無しでも銃火器持った特殊部隊くらいは制圧出来るんだよね
型月だと剣術鍛え上げると第2魔法にほんの少し触れるレベルで…
型月のが常人の限界が高い気がする
とらハはスレチだぞっと
アレを常人の範疇に入れるな
退魔師を常人の枠に入れるのか?
>>248 いや、OVAで恭ちゃんと美由希が二人で実弾装備のイギリス特殊部隊相手に模擬戦で勝ってるから
才能が無いとか言われてる人の代表がコトミーとか士郎の時点でオリンピックのメダリストが首をかしげるレベルなのが型月だが
おかげで努力家と天才との差があんまないけどな
というか、型月はもう負けフラグかってくらい天才が油断しすぎ
士郎もコトミーも“才能無い”は一面的なものだしな。多面的に評価できる人がいなかっただけで
大抵例外が勝つ世界のせいってのもあるかもしれんが
なのはは凛みたいな、キャラの差別化としての「天才キャラ」っていないんだよな
メインキャラは皆魔法の才能あるし
ヴィヴィオは格闘の才能無し、なんて明言があったのは以外だったが
>>247 無印サウンドステージで噛ませにされた御神流師範代をハブにするのはやめなよ!
>>249 才能の無い言峰が全盛期からすると信じられないぐらい劣化した五次の段階でも
イリヤをお姫様抱っこした状態で足場悪い森の中かつ魔術未使用で百メートル七秒台で息を切らさず長距離走出来る世界だからな
それと士郎に対して才能が無い扱いしてるのって自身と藤ねえぐらいだぞ
サーヴァント連中からは才能は有る評価されてる
しかしアーチャーが特別才能があるとも言われてないし言ってない
まぁ基準がおかしすぎだから考えても仕方ないが
型月世界では「才能がない」は「それが向いてない」程度の意味なのか、
あるいは「才能がある」は「それが凄くむいている」程度の意味なのか。
いずれ「才能がない」というのは無能と=ではないんだよな。
才能がない「だからこそ」せんでもいいほどの苦行を己に課して、とんでもないところにたどり着く、みたいな。
夢枕獏作品でも「才能がある人間はすぐに技がみにつくから感動がない」というのがあった。
「才能がない人間はそれをするのに何千回と稽古を繰り返すから、それができたら感動する」とかなんとか。
才能がない人の限界値→限度を超えた達人
才能がある人の限界値→限界なし、万能もしくは一芸のバケモノ、人外
結果的にとんでもないところに辿り着いたというのなら、やはりそいつには才能があったという証明になるんじゃないか
容易く成功を掴むような天才ではなかったってだけで
士郎の場合、実力は努力以上にコピーだけど
どうなんだろうな。
ここらは所詮言葉遊びの範疇を超えないと思う。
ただ、執念だとか必要以上の積み重ねとか、そういうのは才能とは別のパラメーターになってる気はする。
まあ、「才能だ」とかでくくるとなんかやすっぽく感じたりはあるんだよな。
左之助じゃないけどさ。
心眼(偽)は才能
心眼(真)は努力のたまもの
まあ偽のほうは心眼っつーより直感に近いわけで
戦闘面に関しては普通に天才レベルだと思うが
剣技はセイバーに褒められヘラクレスにバーサーカーでさえ無ければ剣技を競い合いたかったと言われるレベル
公式設定でも剣技最高の小次郎相手に剣技主体で勝負してもやや不利程度だし
戦闘に関してはクーフーリンから戦上手と言われてる
これで才能が無い扱いなら殆どの英霊は戦闘関連の才能が無いになる気が
個人的なイメージでは、
月型の才能=ロバの群れにいるサラブレットやペガサス
カタチは似ているが、何か間違っているレベル。
シロウの剣技に関しては、経験憑依による英霊技量の劣化コピーができるのが大きいのでは?
月型の相性問題からすれば、高度な戦術眼に基づき最適な技量を振り分ける>劣化コピーでも有利に事を進められる。
とか妄想、異論は認める。
普段使ってる剣技でも普通に褒められてるぞ
無骨で才能を感じない剣筋とか勘違いしてる人も多いが作中で舞と称されるぐらい綺麗な剣だし
初期のネガキャンの影響で士郎に関して間違った認識してる人が凄く多い
264 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/03(日) 00:24:55.10 ID:jW42t6Q0
>>263 無骨で才能を感じさせない剣筋なのに積み重ねた研鑽が舞を思わせるって話。
なにしろ士郎が小次郎の剣は何やってんのかわからないのに、
アーチャーの剣は何やっているか理解できるって言ってるくらいだし。
ただ262は違うと思うぜ。劣化コピーの剣筋じゃあセイバーがアーチャーの剣を褒めないだろ。
士郎がアチャの剣だけ理解できるのはアチャの正体の前フリだと思うが
ふらっと、旧いスレを見ていて疑問
型月側の竜種となのは側の竜種が別物なのは当たり前なんだが
クロスしておいて、その一点だけは、すり合わせもせず、何故かスルーしてみたり
型月の竜種>(絶対に越えられない壁)>なのはの竜種なのは何故なんだろう
神秘の結晶が生物の形とってるかかナマの希少動物かの差じゃねえの?
型月側の竜種は神秘の塊だから、ベオみたいに下位の神秘を無効化するからじゃね?
なのはの竜種はただ長生きで強大な力持ってるってだけだし
ま、いつものようにスペックだけは期待できないがなw
竜種だけじゃないが本当に強いのは世界の裏側にシフトして居ない
こっち側に居る弱いのでも4キロ程度なら敵の攻撃を回避しながらでも2秒未満でエクスカリバーも実質的に撃ち放題だった生前のセイバーでも運が良ければギリギリ勝てる
型月の竜種で判明してる強さ関連の情報ってこれぐらいだっけ
生前と令呪の効果がゴチャゴチャだぞ
生前ってのはあくまで魔力が十全にある状態だから言われたんだ
実際、凛がマスターになった時も生前並と言われてる
竜種だと、キャスターがコルキス竜呼んでも鯖中堅の強さなのと
四次でカリバーされるのが海魔でなくドラゴンライダーだったことくらいかな
4キロは生前なら出来たのがホロウで言われてるし
瞬間的な能力では近くなっても生前のセイバーは呼吸するだけで魔力生成できるのでサーヴァント時とは完全な別物
あれは届くかどうかで行けると言ってるだけ
タイムまで述べてるけど
令呪の指向性もたせた効果は度外視にしてるだろ
令呪で魔術回路を満たして伝説の騎士王がって令呪ブースト使って生前スペックなのは作中で言われてるんだが……
つうか何で出来ない事にしたがるのか理解できないけど?
時間が掛かって行けても士郎が狙われて終わりだって前提も理解できてないし
士郎を殺すだけなら魔力を溜めて撃つ必要はない
セイバー曰く、魔力があれば4キロを超スピードで跳ぶことは可能
ただし、士郎セイバーの魔力+士郎の魔力では不可能でここに令呪の魔力をプラスすれば可能になる
令呪によってセイバーの魔術回路が生前のように満たされるという記述はあるが
生前セイバーの魔力=士郎セイバー+士郎の魔力+令呪の魔力になるかは、まあ分からん
276 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/05(火) 22:46:14.78 ID:YR6SL0XL
究極的な何でもありな戦いならリリなの側の勝ちになってしまうんだよね
型月世界の隣で確保してるジュエルシードを暴走させてすぐに転移で逃げればリリなの側には被害なしで世界ごと消滅させられるし
型月世界の最強がフリーザ様のデスボールならリリなのの本当の意味での切り札はパーフェクトセルの全力かめはめ波だもんね
その手の行動は抑止力に普通に潰されると思うが
作中で抑止力は関係ないだろうと推察されてたものでも実際は抑止力ってぐらい働き者だし
仮に滅ぼせてもアレって次元世界一つで済まないレベルだし
何気に危機の大きさは無印が一番大きかったんだよな
279 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/06(水) 01:19:20.07 ID:BS6tgpkP
結局はジュエルシードの暴走に型月世界は対応できないってこと
それを複数所持してなお封印維持してるんだし
それと同レベルかそれ以上の神秘クラスのロストロギアを複数封印維持してるリリなの世界か
超音速で飛び 対戦車砲も普通もノーダメージなリリなのキャラと 音速未満な飛行速度の型月キャラ
普通の比較で結果出てるし
IDは違うが、連続ageてるし
>>276と
>>279は同一人物かな?
こういう荒らしギリギリな人間がきてもほっとするくらい過疎ってるのは、残念な話だな…。
とりあえず抑止力が働くから、ジュエルシードで滅ぶかどうかは「解らない」が妥当だろう。
音速がどーこーって、因果逆転の槍だのがあるのはどう防ぐんだ?ってな話になるとまた泥沼だな。
いやあ…なんかこー、寂れたもんだねえ…。
だってもうどっちも現役の作品じゃないし
現役当時なら、型月がさいきょうー、なのは雑魚ってわめき散らすのでスレが埋まったんだろうなと思うと良いのか、悪いのか
一応今もコンテンツとしては現役で稼働しているんだけどな。
なのはも、型月も。
まあ、投稿が増えれば、また状況も変わるかね
というか
音沙汰ない職人さんたちまじでどうなったんだ
>>282 いや、初代スレから見ているけど、実はそういうのはあんまいなかったよ。
月厨があれこれ喚いているというイメージが強いが、クロススレが流行った時分は何処からも隔離されまくってね。
それが理由かしらんが、あるいは2007年〜2008年、2009年頃は型月の活動があんまなかったからか(ZEROは会ったけど)
月厨は少なくともこのスレではそんななのは雑魚と喚くのはそんな目立たなかった。
むしろ魔術師は人間のクズだの魔導師なら英霊に勝てるだの言ってるレスの方が印象に残ってる。
>>284 ごめん。
えーと、近いうちに何か投下するから勘弁。
予告して自分追い詰めたほうがいいんかな…それじゃあ、十二時間以内に。
別に無理しなくていいよ
まあ確かに267や268みたいなのは月厨の中でも異常者扱いなのが普通だしな
後少しでプリヤのアニメが始まるな
型月となのはのクロスはヤるかヤられるかの殺伐とした物が多かったが
これからは魔法少女同士リリカルでカレイドなクロスが・・・無理だな
>>286 ああいや、せかしてるわけじゃないんよ
ただ、地震以来生死すらわからん人までいるんで心配でな
>>290 ごめん。寝てた。
そして実は、八割かけていの作品があるんだ。
というわけで、すこいし遅れたけど、50分から投下。
「ブリテンの危機なのです、士郎」
「は――――?」
293 :
Sword&Stuff:2013/02/06(水) 17:57:24.68 ID:fb8imCcQ
アーサー王。
かつてのブリテンにあったというログレス王国。
その国の王であったという伝説的な人物だ。
鉄床に刺さった聖剣を抜いて王位に選ばれ、円卓の騎士と言われた配下と共に戰い、大ブリテンを統一したという。
伝説は幾つもあって、どれが正確な真実を伝えているものと判ずるべきかは難しいが、その悲劇ともいうべき最期は共通している。
不義の子であるモードレットの胸を自らの手で名槍ロンにて貫き、しかしその時に負った深手によって彼もまた命を失う。
彼の持っていた聖剣エクスカリバーは、忠実なる騎士ベディヴィエールの手によって湖の貴婦人たちに返された。
そしてまた、彼の遺体も湖の貴婦人たちの手によって遥かなるアヴァロンに運ばれていったとも伝えられる。
伝説は最後にこう締めくくられている。
「過去の王にして未来の王 アーサー
彼はいつかブリテンに危機が訪れし時
遥かなるアヴァロンでの眠りより醒め、
我らの前に帰還するであろう」
☆ ☆ ☆
「……士郎は心配性すぎます」
セイバーは、言った。
拗ねたような、というか拗ねた口ぶりだ。彼女は普段はもっと抑制のきいた口調で話しているのだが、今回はよほど腹に据えかねたらしい。
「まあまあ、結局許してくれたんですから」
彼女の隣りに立ち、ギルガメッシュはそう宥める。その表情は苦笑している風である。
「あなたとアーチャーと一緒にという条件付きですけどね」
「はは……」
普段の大人の姿ならまた違うのだろうが、今の少年バージョンの彼としては「触らぬ神に祟りなし」という他はない状態だ。
軽く息を吐きつつ、教会の前に用意したパジェロミニへと眼をやる。
今回の遠征に際して用意した車だ。本来はもっといいものが用意できたのだが、外車だの高級車は華美に過ぎるというアーチャーとセイバーの意見もあって、なんとなく会社で余っていたこの車にしたとのことである。
セイバーは「こじんまりとしてなかなかよいですね」と言ったが、その実、車のことなどどうでもいいようだった。
肝心なのは彼女が望む場所にいけるかどうかであって、そのために騎乗する車の種類を問うつもりはなかった。
これが例えば彼女が生前にいた時代であるというのなら、戦場へと駆けつけるのに豪奢に騎馬を飾ることをしただろう。王たる者はそれなりの格を以て挑むのが戦さの習いであるからだ。
しかし今、ここではそのようなことにこだわる必要はない。
それは、このたびの戦いが彼女にとってさほど重要ではない――ということを意味していない。
むしろある意味で彼女、アルトリア・ペンドラゴンにとって、それは生前の戦場以上に熱く血を滾らせる状態なのだった。
ことは三日前に遡る。
「イングランド代表とフランス代表の試合か……」
彼女のマスターで冬木市在住の魔術師である衛宮士郎は、自らのサーヴァントから事情を聞きだし、眉をひそめた。
「そうです。これまでの戦いでイングランドは満身創痍。そして対するフランスは未だ十全たる陣容を保っています」
「うーん………」
「GKも前回のレッドカードによって、今は第四キーパーに」
「あれは、仕方なかったよなあ」
「ええ。しかし彼の果敢なプレイによってチームはあの時に失点を免れた」
「勝ち点はとれなかったけどな」
「ですから、このたびの試合は重要になるのです」
……だいたい、ここまでのやりとりを聞けば解るだろが、この二人の言っている試合というのはサッカーのことである。
サッカー、あるいはフットボール――それは世界的な人気を誇る競技である。
聖杯戦争のために古代より現代の日本に顕現したセイバーであるが、ご多分に漏れずというべきなのか、世界中の多くの人間のようにこのスポーツに夢中になった。はまったというべきか。
女子でありながらもその身体能力とカリスマにまかせて少年サッカーの草試合に出場し、遊び、ついには彼らを率いるチームまで作ってしまったほどだ。
当然のように、やる方だけではなくて観戦する方にも熱心なものである。近隣でサッカーの試合があると聞けばできるだけ脚を伸ばし、テレビ放映されるとなると画面の前に張り付き、試合の動画をみるためにwebのやり方まで覚えた。
特に、国際試合……彼女の祖国であるイングランドの試合については、傍で見ていても怖くなるほどに集中していた。
士郎はこれらのセイバーの行動に関して、師匠である凛に相談したことがある。いくらなんでも、これは異常なのではあるまいか。
「確かに、少し常軌を逸した風に見えなくもないけど」
凛は弟子の相談に少し考えながらもそう答え。
「多分、聖杯戦争の影響が残っているのね」
「なんだそれ」
「聖杯戦争中はサーヴァントたちはそれぞれ敵愾心を抱くようになっているのよ。システム的に。だけどこんな形で聖杯戦争が終わって……敵がいるのに、戦ってはいけない状態は、彼女たちにとってかなり不自然なのね」
「ああ、わきあがってくる闘争心みたいなのを発散させているわけか。あれは」
「多分ね。そういう風に考えといた方が幸せだわ」
「……ただ単純にサッカーが大好きなだけって可能性もあるのか」
その方がありそうだなあ、と士郎は思った。他の英霊たちの行動も思い返してみるが。
読書三昧のライダー、宗一郎ラブで耳をぴこぴこ動かすキャスター、バイトをめまぐるしくやっているランサー、風流なアサシン。アングラーでキャッホーなアーチャー……。
「いや、やはりみんなそれでおかしくなっているんだ。きっと。多分。絶対」
「私がいっといてあれだけど、そんな確信に至るようなはっきりとした話じゃないのよ」
「いや、間違いない。遠坂の言うとおりのはずだ。そうでなければ」
「そうでなければ?」
「…………いや、とにかく、そんな感じでみんな気を紛らわせるために何かいろいろとやっていて、セイバーの場合はそれがサッカーだったというわけだな」
「まあ、そういうことなんじゃない?」
なんだかなげやりに、凛はそう言った。
いずれ慣れるだろうとも付け加えたが。
そんなやりとりをしたのが一ヶ月ほど前で、今に至ってもセイバーの熱意は冷める予兆をまるで感じさせなかった。むしろ最大限にまで高まりつつある。
「祖国の危機なのです。士郎」
セイバーは静かに、しかし力強く断言した。
より正しくは祖国を同じくするチームの危機であるのだが、そこらをつっこむ気力は士郎にはなかった。
「……セイバーが、この試合に並々ならぬ入れ込みようなのはわかった」
「はい。さすがはマスター」
笑顔が眩しかった。
そもそもからして、応援に駆けつけたところでどうにもなる訳でもないだろうに……という言葉を士郎は飲み込んだ。
彼女だって、自分が試合にでられるわけでもなく、試合会場に駆けつけたところで何かの役に立つなどということはない――くらいのことは解っているだろう。
「しかしな、その試合を直接観戦するために遠征するとなると……」
ぶっちゃけると、予算がない。
いや、衛宮家が貧乏というわけではなかった。むしろ養父である切嗣の残した遺産やら、彼自身がバイトでため込んできた金が結構な額で通帳には入っている。
とはいえ、それらに気軽に手を着けるつもりは彼にはなかったし、そうすべきものでもないとも思っていた。
近頃急激に増えた家族のために諸経費がかさんでいるところでもある。セイバーが熱中しているのならばなるべく手助けしてあげたいとは思っているのだが……。
「国際試合が日本国内ってのはありがたいけど、それでも遠すぎる。どう考えても日帰りで戻るには相当な強行軍にならざるを得ないしなあ……」
となると、宿泊するしかないように思えた。
「士郎。私はサーヴァントです。少々無茶な日程だろうと、そう簡単にばてたりはしません」
「そうなんだろうけど……セイバーを一人で、市内ならまだしも、これだけ離れた場所に行かせるというのはなあ」
もとより、最優のサーヴァントであるセイバーをどうにかできる存在がそこらにごろごろと転がっているとも思っていない。
ただ、ほっておいたらどんなことが起きるのか。
セイバーは基本的に常識人であるし、他の英霊たちに比べてもそんな問題を起こしそうにないように思える。しかし、英雄だ。英雄とは治にいて乱を求める。いや、もっといえば乱に呼ばれる存在だ。
当人にその気がなかろうと、ほっといたらどんなやっかいごとに巻き込まれているか、しれたものではない。
できうるのならば、自分も側にいて彼女を助けてあげたい……と、どちらがマスターなのかも解らないようなことを士郎は考えていたのだが、検討すればするごとに状況は芳しくないということが判明していくのだった。
予算もそうだが。
「だめだ……やっぱり、この日程だと柳洞寺でのバイトとかちあってしまう」
「やはり――」
セイバーもあらかじめ聞いてはいた。
柳洞寺で週末に泊まり込みにとあるスポーツチームがくるというので、その宿泊の食事の手伝いを士郎が一部請け負うということがかなり以前から決まっていたのだ。
セイバーが一人でいける、と主張していたことにはそのことも事情として大きい。勿論、試合のために遠征、帰還などは一人でもできるのだという自負もあるのだが。
「あらかじめ決まっていたことを反故にするわけにもいかないでしょう。私一人ならば試合に観戦したその脚で当日に帰ることもできます。ですから士郎もそう心配せず、」
「こうなったら、仕方ない……」
セイバーが小さく胸を張りつつ主張しているのを横目に流し、士郎はなにやら覚悟を決めたようだった。
「――士郎?」
「ここはやはり、保護者を頼もう」
それが、三日前のことである。
「私も、あなたたちが信用できないというわけではないのです」
セイバーは助手席でお菓子の袋に手を入れながら、いう。
「むしろ、今の冬木において、あなたたち以上に頼りになる存在というのも皆無でしょう。士郎は私にとって最高のマスターですし、凛はすばらしい魔術師だ。それでもやはり、能力においてあなたたちは彼らに優る」
「そういっていただけるのは、うれしいですね」
後部座席で、ギルが答えた。
「凛はともかく、あの未熟者に優るのは当然のことだがね」
運転席でアーチャーがいう。
待ち合わせ時間ぎりぎりにやってきた彼は、わびにと自ら運転手を勝手でたのだが、そのハンドル操作は手慣れたものであった。騎乗スキルはないはずだったが、さすがにこの時代出身の英霊だけはある。
「しかし、それと信頼とは別の話だ」
「まあ、セイバーさんのいわんとすることも解りますよ」
あ、お茶もどうぞとセイバーに紙コップを渡すギル。ありがとうございます、と受け取るセイバー。
「僕達なんかじゃなくて、マスターのお兄さんと一緒にきたかったってことですよね」
「…………やはり、貴方は苦手だ。英雄王」
にぱっと笑いつつ、少年英雄王はセイバーの視線を受け止めた。といってもさほど鋭いものでもない。お見通しですよね、と言わんばかりの何処か諦観と親愛を滲ませたものだった。決して大きくなった彼に向けるようなことはない。
「そして、そのお兄さんに信用されてないというのが嫌なんですね」
「有り体に言えば、そうです」
「この件に関しては、私もあの衛宮士郎のとった手段は最良と認めるべきだと思うがね」
運転席のアーチャーが口を挟む。
「アーチャー、貴方は……」
セイバーは何かいいかけたが、やがて口を一度閉ざしてから。
「どういう風な生き方をすれば、あの士郎が貴方のようになってしまうというのか……」
嘆くように、言った。
やれやれと運転しながらも器用に肩をすくめて見せたアーチャー。
そして。
「本当、わかりませんよねー」
と、にこにこ笑いながら答える少年英雄王。
(貴方がいうと……)
(お前がいうな……)
剣士と弓兵のサーヴァントは、期せずして同様のことを思った。
……そんなやりとりをしているうちに、いつの間にか車内の空気は和んでいた。
彼らとて聖杯戦争では敵対することを義務づけられているとはいえ、元々仲が悪いわけではない。
弓の英霊二人は属性的に真贋と相反するといえばするのだが、いちいち車内で対立するような大人げないことはしない。赤い方は苦労人であり、金髪の方は子供の時には他人を大切にするよい子ちゃんなのだ。
剣の英霊ともそうである。
なんだかんだと彼らはお菓子を食べつつ、お茶を飲みつつ、景色を眺めつつ、楽しんでいた。
「……ですから、元々サッカーという競技は遡れば遠く古代中国で兵士を育成するための競技であったともいい、それがローマを通じて私の時代にはブリテンに伝えられていたのです」
「………そんな話は聞いたことがないぞ」
「しかし事実です。事実ですから仕方がありません。私の頃の伝説では、ブリテンに伝えたのはかのネロ・クラウディウスの命によるのだとか」
「…………………ほう」
「私とよく似た容姿だったようですよ。肖像画が残っていましたが、確かによく似ていた。おかげで私は彼の生まれ変わりという伝承ができたほどです」
「…………………どこまでその話は大きくなるのだ!?」
「原型は僕の時代にはありましたよ」
「ほう」
「というか僕が作りました」
「――――なんですって!?」
「元々、フンババの首を切り落とし、暇つぶしにエルキドゥと蹴りながらレバノンからウルクまで歩いたのが最初なんですよ」
「森の神の首になんてことするんだ!?」
……とまあ、そんな感じに世界のスポーツ、知られざる伝播史と発祥をはなしたりしつつ、車は会場へと向かうのだった。
ほとんど休憩なし、ぶっ続けての強行軍だが、なんら問題はない。
何せ彼らはサーヴァントである。
子供に見えて英雄王も、だ。
途中でトイレの休憩によったのが四カ所くらい、という程度で彼らは向かう。
そして、あと半時間というでアーチャーが聞いた。
「ところでセイバー、君は向こうで待ち合わせしているといってたな」
「はい。それがどうしましたか?」
「詳細は聞いてなかったが、その相手はもちろん魔術師のような裏の世界の人間ではあるまいな」
「ええ。過去のことはわかりかねますが、今のあの方たちからは、そのような匂いを感じません」
彼女らしからぬ、何処か含んだ言い方だった。
アーチャーは「ふむ」と微かに眉をひそめたが、特にそのことについてはなにもいわず。
「まあ、楽しむがいい。君のマスターもあれだけ女たちを侍らせているのだからな。サーヴァントの浮気にも寛容だろう」
「な――!? あなたはなんてことをいうのですアーチャー!それは士郎のみならずあの方たちにとっても侮辱だ!」
即刻訂正なさい、という前に、少年英雄王が「嫉妬は見苦しいですよ」と口を挟んだ。
「なにをいうか英雄王!?」
「アーチャーさんは、自分の知らない相手にセイバーさんが親愛を向けられているのがいやなんですよ」
「戯れ言を………」
その後に何か言い継ごうとした彼は、しかしバックミラーごしにニヨニヨとしてしる騎士王と英雄王の顔を見て、唇の端をひきつらせた。
「ふっ。士郎はああ見えてもなにげに独占欲が強い人でしたね」
「普段の正義の味方行動で誤魔化されますけど、なにげに独占欲強いですよね」
「君たち……だから、私はあの未熟者と違ってだなあ……」
「そう心配せずとも。今日会う方々は、私がコーチをしているサッカーチームが遠征した時にお世話になった人たちです。やはりチームを率いておられましたが、なかなかの采配で私のチームを苦しめました」
その試合の後に色々と話をし、意気投合したのだという。
「それから週末の一時間は、よく彼らとのSkypeを楽しませていただいてます」
「……………そうか」
アーチャーはそう答えたが、内心でどういうことを考えたのかは誰にもわからない。
ちなみに、彼らにとって大切な友人であり、マスターである遠坂凛は、ネットの類はほとんど使えない。ツイッターを日記か何かと想ってたくらいの情弱だ。彼女がセイバーがSkypeを楽しんでいるという話を聞いたら、果たしてどういうことを言い出すものか……。
そして、そんなことを言っている内に競技場についたのだった。
☆ ☆ ☆
「さて、私は車をおいてこよう」
アーチャーはセイバーと英雄王を競技場の入り口近くに降ろすと、何処かもよりの駐車場を求めて離れていく。
「僕はお菓子とか買ってきますよ」
「あ、それなら私も」
「セイバーさんは、待ち合わせの人がいるんでしょう?」
「そうですが」
「入れ違いになっては大変ですからね。僕たち同士ならすぐに居場所は解りますし。解らなかったら、宝具を使ってでも探せばいいでしょう」
「……では、そうさせていただきます。あなたに感謝を」
そういうと、英雄王はニパッと笑って返し、すたすたと立ち去ってしまった。
その後ろ姿をしばらく追っていたセイバーであったが、やがて思い出したように踵を返すと、周囲を見渡す。
サッカーの国際試合であるだけに、多くの人たちがいる。
いわゆるフーリガンといわれるような外国人の応援団たちから、日本のサッカーファンも当然のことながらかなりの数がいた。
(心地良い空気ですね)
何処かぴりぴりとしていつつも、何かが始まろうとすることに対する期待……このまま負けてしまうのではないかという心配、焦燥……かつて彼女がフットボールを楽しんでいた時とあまり変わらない。懐かしい空気でもあった。
「ところで、彼らと待ち合わせている場所は――」
呟き、しかし足を止めた。
「!………ッ」
そして無言で駆け出し、人の波の中、ぽつんと五メートルほどの空白地のような円にたどり着くと、迷いなく鎧を呼び出して武装し、空から落ちてきた白い塊を受け止めた。
「――大丈夫ですか?」
「!? え? あれ……あなた、は……?」
白いコートを羽織った、黒いインナースーツ、金髪で赤い瞳の少女は、セイバーの腕の中で朦朧とした意識のままに目を瞬かせ、呻くように呟いた。
「一体――」
セイバーは言葉を途中で切った。
気づいた時には、周囲から人の姿が全くなくなっている。
空間の色調も変わっていた。
まるで色の違う夜に紛れ込んだかのような――
「……結界?」
腕の中の少女がそう漏らすと、セイバーは目を細め、しかし次の瞬間には顔をある一点に向けていた。
こつり、と足音がした。
ついさっきまで、誰もいなかった場所に、その少女はいた。
まるで、ふうわりと空から降り立ったかのような。
黒い――
「強力なイレギュラーの介入ですね」
落ち着いた――というよりも、冷たいというべきような、声。
どうしたものでしょう、との言葉が微かに空気を震わせて伝わってくる。
だが、セイバーは少女の言っていることを吟味しているような心の余裕はなかった。
十二、三歳ほどのその少女は――
「なの、は……?」
彼女の知己である高町士郎の娘、なのはによく似た顔をしていたのだ。
つづく。
投下終了。
実は八割書けてたので余裕と思ってたのだけど、寝過ごして投下予告時間を過ぎてたので…
焦って推敲してません…orz
Stuffのスペルこれで合ってるのかとか、ネロ・クラウディウスって言い方であってたかなーとか。
そういうのいちいち調べてたら勢いなくなるから、書き終えてからチェックしようと思ってて、しかし…。
うーん…言い訳は、あまりよろしくないか。
とりあえず新シリーズです。
全七回、くらいで終わればいいけども。
ではー。
投下乙です。
これはフェイトとマテリアルSってことは、なのポ時代ですかね?
ともあれ詳しい感想はもう少し話が進んでからにしようと思います。
期待していますので頑張ってください。
投下乙。
このSSをきっかけにこのスレが活性化すればいいんだがなー。
303 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/12(火) 01:43:31.44 ID:YF4zZ9cS
型月×リリカルなのはクロスまとめwiki更新しました。
Sword&StuffをSword&Swordに改題した上で登録させていただきました。
そして宣伝と更新告知のためにage
テスト
避難所も確認した方がいいかもね。規制で書き込めないこともありそうだし
書き込めないといやあ理想郷どうなってんだ?
理想郷は先週あたりからアクセスできない。まあ広告メールとか掲示板に貼ってる
奴がいたからサイトがパンクしたんだろうな
いまさっき主の帰還を確認
出張中にいかれちまったみたいね
不適切記事の山のせいでID停止食らってたそうな
復旧はまだ先だと
通報ってのはなんかキナ臭いけど、とりあえず舞さんがサイト放置してたとかでなくてよかったわ。
マテリアル娘を読んでいると、なんか妄想が滾るな。
というかあの世界、リインフォースはいつまで生きているんだろうなw
さい
書き込みテスト
御神流を扱うなのはさんが実現しててわろた
イノセントのリインはおっぱい強調しすぎ
手すりに乗ってるしw
>>314 イノセの「なのは」は「なのちゃん」よりだと思ってたのに……
むしろ武闘派
318 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/04/02(火) 20:22:22.39 ID:9gTnB++u
なのはと青子のサーヴァントクラスはランチャーということで
319 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/04/02(火) 21:08:28.71 ID:jYLO6Ap2
真の英雄は目で殺す(物理)
確かにあの二人なら「武器など不要!」でいけるな。
なのははデバイス無なら弱いから
ネタだろ
なのセント始めてるんだが……
アインスさん「長物は苦手」は分かるんだが、何故にパイルバンカーをチョイス?
これはシエルとリーズで、パイルバンカートリオを結成して貰わんとwww
パイルバンカーは映画2ndネタかな
シュテル「……」
レヴィ「手応え無かった」
ディアーチェ「じゃあな初心者」
ヴィータ「ちくしょう!」
なのは「(何も出来なかった…)」
3日後
シュテルレヴィディアーチェ「なん…だと……」
アリシア「皆でなのはちゃんに教わろう(提案)」
これが才能か…
アインスとリーズで、どっちもパイルバンカー持ちだし、
ナハトヴァールの呪いをガマリエルの加護で相殺で、
なんやかんやでアインス生存ルート
……という電波を受信。
リーズからすれば、アインスも頑張っている女の子枠で、誰か書いてくれないかなー(チラッ
気が付くともう今年も半年か……
カレイドスコープ外伝2、03話始まるよ
#1
ミッドチルダ・高町家
「“刻印収集家(ブランド・コレクター)”ってことは、凛ちゃん達も危ないってことだよね」
「うん、士郎君は兎も角、ほかの人たちは歴史のある魔術師だから」
通信を終えたフェイトになのはは難しい顔で聞いていた
魔術師の家系が代々その秘跡をその身に直に刻み込むという魔術刻印
「凛ちゃんは左腕、だよね?」
「ティアナの話だと左の手首から肘のあたりまでだって」
他には肩や背中などが一般的であるらしい
魔術的なものであるため平時は見えないが、
大きく魔力が使われる時など複雑な幾何学模様となって躰に浮かび上がる
それを奪うというのはもちろんその魔術師をただ襲うというだけでは済まない
最悪、躰の一部が欠けた死体が発見されれば御の字ということもありうる
「心配だね」
「うん……」
個人としては助けに行きたいがそうもいかない、
公私混同できる立場ではないのがつらいところだ
バゼットという人物はプロだと言っていたが心配である
「でも、それより驚いたのは理緒かな、
まさかマルミアドワーズ社のデバイスマイスターが魔術協会の魔術師だなんて」
名前だけは知ってたんだけどね、となのはは同社のカタログを空間モニターに表示した
「この前のコンペ?」
「うん、カレドヴルフ社のプランが採用されたからマルミアドワーズ社の人とは
私は会ってないんだけど」
アームド・デバイス型の魔力不使用の刃物が提出されたプランだったが、
会社が魔術協会がらみとなるとなんらかの礼装かもしれない
となのはは資料を見返しながら、正面でそわそわとする相方を見た
「フェイトちゃん、とりあえず落ち着こうか」
「うん……」
眉根を寄せて落ち着かないフェイトを諌める
内心で焦っているのはなのはも同じだが管理局員の立場としては動けない以上、
なのは達にできることは信じて待つことだけであった
#2
日本・衛宮邸
一夜明けて、士郎が朝食の支度をしていると桜がやってきた
「おはようございます、
―――って、いつもより多いですね?」
「あぁ、遠坂とバゼットとあと二人ほど来てるからな」
そうですか、と納得しつつ手早くエプロンをつけると調理に加わる桜、
ほどなくすさまじい顔の凛に続いてバゼットが二人の少女を伴って現れた
そこへ
「おっはよう!!
お腹すいた〜士郎ごは〜ん」
「藤村先生?」
騒々しく駆け込んできた藤村大河に事態を飲み込めず間留美理緒が目を丸くする
穂群原学園の迷物教師が何故さも当然と朝食の席につくのか
狼狽する様子も含めて
その後ろからひょっこり顔を出した銀髪の少女に士郎は苦笑いを返した
そして、
「分かったわ、朝の職員会議で他の先生達に話しとく」
「頼んだ藤ねぇ」
暴漢に襲われたという話に真面目な顔で大河が請け負う
騒動の絶えない愉快な人物ではあるが、こと教師としての本分には忠実なのである
学生一同に「遅刻しないようにね」とお決まりの文句を言い残して出て行った大河と
部活の朝練があるという桜がいなくなった後
「―――ふぅん、そんなことがあったんだ」
話を聞いた銀髪の少女―――イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが眉を寄せた
「そういう訳だからイリヤも注意しといてくれ、
藤村組には魔術的な防御はなにもないから、
できればバゼットとウチにいてくれると助かる」
「そうね、仲間外れにしないっていうなら」
「仲間外れって……」
アリシアが異を唱えるがイリヤの方は素知らぬ顔を決め込む
ある意味アリシアの方がよそ者なのでイリヤからすれば文句を言われる筋合いはない
ということらしい
「放課後はそのまま間留美の家に行って礼装を借りることになる、
バゼットはそれまでに―――」
「えぇ、車で彼女の家の方にまわっておきます」
その前にラックを用意しておきますと請け負うバゼット
この場はそれでいいかと思う士郎だったが
「あと問題は桜か……」
出来れば桜には状況を知らせたくない
実際はどうあれ彼女には魔術には関わらせたくないというのが士郎の本音である
「桜については藤村先生ともどもそこに被害が及ぶ前に片づけるしかないわ」
今日中に片づけるのがベストだと凛が結論付ける
いずれにせよ長引かせる意義は何もない
「あ、そうそう理緒、
今朝フェイトからメールが来てたんだけど」
携帯電話を開きながらアリシアが思い出したように言う
何故? と士郎達が首を傾げていると
「なのはから伝言、
『アリシアの保護はこっちの仕事とは分けて考えてね』だって」
「うわぁ、手厳しいことで」
好感度の加点はしてくれないんだあの人、とひきつった苦笑を浮かべる理緒
「なのはは厳しいよ、最近は教導隊でも班長になるかもって話だから
公私混同は尚更ね」
「顔はかわいい系なのになぁ」
渋い顔をする理緒に、凛達魔術協会魔術師は名門が何やってんのよと眉をひそめるが
アリシアの方はむしろ安心したらしい
マルミアドワーズ家が協会の上層部とあまり関わり合いになりたがらない理由も
この辺りにあるのかもしれない
「ところで士郎君、そろそろいかないと本当に遅刻するのでは?」
何気なく時計を見たバゼットに指摘され慌てて士郎たちは衛宮邸を飛び出した
#3
そして、夜
「明らかに空気が変わったな」
日が落ちた後、不自然なほど人気のないオフィス街に踏み込んで士郎はつぶやいた
「こうもあからさまに人払いをしてるってことは、
ここでやる気ってことでいいみたいね」
いい度胸じゃない、と礼装の確認をしながら凛が相槌を打つ
凛が身に着けているのは左右の手に違う形のガントレット
それぞれ、右は打撃用、左は魔力放出、魔術詠唱補助用だというそれには、
ミッドチルダのデバイス技術が流用されているという
ちなみに、かつて同型の商品を売り込まれたとある名門の当主が
「掴み難い」という理由で買わなかったというのは大きな余談である
「言ってるそばから現れたようですね」
運転席から降りながらバゼットが警戒を促すように低く言う
後部座席から彼女を追って立ち上がりながら士郎は改めてその空気に眉を顰めた
「誰か戦ってるんじゃないか、あれ?」
「嘘、そんなはず?!」
眉を顰める凛の視線の先、交差点の角から現れたゴーレムを「誰か」が両断した
「―――人、か?」
「みたいね」
車にイリヤ達を残し、士郎、凛、バゼットの三人で警戒しつつ近づいていくと
ゴーレムを両断した人物がこちらに気づいたらしく、剣呑な目でこちらを振り返った
つややかな長い髪をした女性である、寄せられた眉間の皺ときつい目線が
その美貌と相まってその手に携えた抜身の刀に似た印象を抱かせる
「……こんな瘴気の濃いところに出歩くなんて、あまり真っ当じゃなさそうやね」
こちらを咎めかけようと開きかけた口からは、
一拍遅れて視線に見合った色をした敵意の声が出ていた
「む……」
相手の態度に言い返そうとした士郎だったが、口を開く前にバゼットが前に出る
士郎と凛を遮るように横に広げられた手からも露骨に警戒しているのが見て取れた
「魔術協会封印指定執行者バゼット・フラガ・マクレミッツというものです
その格好、この国の代行者―――タイマシのモノとお見受けしますが」
「真道破魔神咲一灯流、神咲薫
―――やはり、この町の術者か」
射抜くような視線でバゼットの肩越しに士郎達を見やる
一方、相手の名前を聞いた凛は渋い顔で「まずいのが来たわね……」とつぶやいた
「なにがだ遠坂、
味方って言い難いのは分かるけど」
「だからよ、まぁ“治安維持”って意味じゃ味方ではあるんだけど……」
「君ら魔術師の“治安維持”が本来の意味であるなら、だけどね」
口をはさんだ相手の物言いで士郎もそれとなく理解した
魔術師が治安維持に乗り出す場合というのは往々にして
証拠隠滅、魔術の隠蔽が目的であり、本来の治安は二の次であるためだ
「他の魔術師は兎も角、そこに関しては俺達は信用してほしいんだけど」
「残念だけど、この街に懸けられた術式やそれのもたらした事柄を踏まえたうえで、
まだ安易に君の言葉を信じられるほどウチは甘くない」
暗に聖杯戦争を非難する物言いである、
実際、10年前の事件だけでも非難されて余りある状況だけに士郎達は押し黙った
「しかし、あの術式はもう―――」
「ことは等の昔に式の問題ではなく地脈の問題に発展してる、
術式を止めた所で龍脈の乱れが正される訳やなか」
バゼットの物言いに冷ややかに返す
百年先か、二百年先か、このまま地脈が歪んだままであれば
それは確実に冬木だけでなく日本全体の歪みへと広がっていくという
「そもそもあの中央公園、
術式のもたらした歪みをそのまま儀式に使えると判断する時点で
ウチには正気を疑う行為にしか思えん」
手厳しい物言いである、そうとう印象が悪いのだろう
とは言え、士郎としては向こうに理があるとも感じてしまう訳で
バゼットともども非難交じりの視線が自然凛へと注がれることになる
この場において、聖杯戦争を始めた人物の関係者は彼女(と後ろの車にいる一人)
である訳なので
『薫、今は良いのではないですか?』
「確かに、今この話をしてもはじまらん、
この件は日を改めて追及させてもらおう」
何処からか聞こえた声に応じ、相手は押し問答を切り上げる気になったようだ
ただ、声はすれども姿は見えず、見渡して士郎はふとそれに思い至った
「今の、その刀からなのか?」
声の出どころらしき相手の刀に思わず注目する
今まで気づかなかったが、単に業物の打ち刀という訳ではないらしい
「材質は―――普通の玉鋼じゃないな、なんだこれ、
それに、単に刀っていうには―――って、うわっ!?」
「こら、十六夜!」
知らず知らず、見入った刀に没頭していた士郎は突然目の前に現れた女性に面食らった
バゼットの脇をすり抜けて彼の前に降り立ったのは、
スラリとした長身にモデル顔負けのスタイル、
金髪に和装というなんとも不可思議な人物であった
「ウソっ!? 本物の『物憑き』?」
凛が驚いた声を上げる、女性の出どころは刀から、
実体とも虚像ともつかぬその姿は、
彼女が真っ当な人間とは言い難いものであることを示していた
「真道破魔神咲一灯霊剣“十六夜”、
神咲が聖堂教会の聖典に匹敵する礼装を代々受け継いでいるというのは本当でしたか」
現当主が幻想種を死闘の末打倒したというのも強ちただの噂ではなさそうですね
と感心するバゼットに、随分尾ひれがついたものだね、と女性は苦笑いを返した
「お顔を、よろしいですか?」
「え? あ、あぁ
あんた、目が見えてないのか?」
距離感を違えた様な女性の立ち振る舞いと質問に虚を突かれ、
視線を追ってようやく士郎はそれに思い至った
「はい、ですがこうすれば見るよりもはっきりとその人となりが分かります」
柔らかく微笑みながら士郎の顔に触れる、
その仕草は優しく、包み込むような母性さえあった
「十六夜、そろそろ戻らんね、
今はそんな状況やなか」
「それは同意するわ、ほら、衛宮君も」
「あぁ……って、痛て!
遠坂引っ張るなって」
そもそもそう言ったのは自分だろう、という言葉に女性が刀に戻る
ぼうっとしていた士郎も凛にひねりあげるように腕を引かれて我に返った
「さて、改めて……仕事に戻るとしようか」
「そうね、政治的なゴタゴタは後まわしにして先にこっちを片付けましょうか」
女性の視線にひかれるように目をやると交差点の向こうを見やる
そこにはゆっくりとした足取りで陰鬱とした男が歩いてくるところだった
今回は以上です
>>335 久々の投下おつー
この調子で他の方達も再開しないかなぁ
投下乙
月光も更新来てるな
338 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:72lFGrk5
なんとかまとめにいれたいのだが
0
340 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:Y5ucM/V1
Fate/EXTRA material買った?
今回ので型月は一気に宇宙レベルまで上がったな。
主に宇宙を管理するセイヴァーとか、全能の神とか、
戦闘力4億(Aランクサーヴァントの戦闘力を100とした場合)である
九尾キャスター、
それより強い時間軸を超越した存在である金色白面とか。
あと因果率書き換えたり敵を次元ごと消滅させるBB。
IFルートだしなぁ
342 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/01(日) 16:04:09.52 ID:zggjPp7w
の
そんなにインフレしてたんか
上位で光年単位を一瞬で最上位はガチ全能クラスにまでなってる
アホほどインフレされて勝ち目無くなっちゃったからって禁書厨が発狂して強引に落としたのは笑えたw
346 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/07(土) 20:24:35.45 ID:7XbZmv1Z
もともとホントの上位は禁書じゃ相手にならんじゃろうに
つーか禁書の話題はスレ違いだろ
しかしサーヴァント自体のステは宝具含めて割と低いのであった
筋力耐久Dってなんだよ赤セイバー
本家サーヴァントさん達は息してないな
伝家の宝刀「本気じゃねーから」で勝てないことはないんだろうけど
光年単位を一瞬で行っちゃったのはもともと本家の人だし
ガチ全能の最上位はもう『サーヴァントじゃない』のまじってるからなんとも
散々突っ込まれているが、光速超えは移動速度で反応・戦闘速度じゃない
ゲイボルクが権能一歩手前の神秘とかいろいろ本家あげな話もあるしなぁ
>>349 移動つーか金ぴかの財とか赤セイバーの理不尽とかの類だよね
型月の躍進を直視せずに詐欺行為に勤しむ禁書信者
実に救いがたい
>>351 だからスレ違いだっつーの、そんな話題しとらんわ
今更超合金ギルガメッシュ買ったんだけどエアしか武器がつかないのはもったいないなこれ
353 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/25(水) 01:09:08.44 ID:EILabraC
士郎と相性の良い女性キャラて誰だろ?
精神性が士郎に近いの多いし誰ともそれなりに相性は良いんじゃね
士郎をエミヤにしないってのら
はやてかティアナか?
なのは・フェイトは一緒にエミヤに向かってしまいそう
一緒にドツボにはまりそうなのが多いな
士郎みたいに全てを救おうとか思ってないからエミヤ化はないだろ
組織と支え会える仲間がいるのもなのは達の強みだし、一緒にいれば士郎のエミヤ化こそなくなるのでは
しかし、一歩間違うとそもそも「一緒にいる」という選択肢を捨てるのが士郎でもある
フェイトの豆腐メンタルじゃ、途中で崩れるだろ
はやてはヴォルケンズもいるからやばそうだと引きとどまる
魂のぶつけ合いでタメ晴れる可能性があるのは、なのはくらいだろ
>>358 もう勝手にしろよとしかw
なのはなら士郎が悩み抱えてるとわかったら、無印よろしく全力で追いかけてフラグ叩き折りに行くだろうけど
forceの話でなのはさんがスラム育ちの子供ギャングに対して
「ガキの話なんか聞く価値なし、叩きのめして言うこと聞かせりゃいい」
という趣旨の発言をしたと小耳に挟んだんだけど、嘘ですよね?
なんでここで聞こうと思ったの?馬鹿だから?
禁書厨ガーの人じゃね
触っちゃいかん
HFルートばりに士郎の正義を曲げれそうなのって9歳時のはやてぐらいか?
ここって原作に関しての質問ってしちゃいけないの?
>>361の質問って
>>1に引っかかるか?
アラシじゃなく真面目な疑問に見えるが
ちなみに答えは100%ガセ、司法取引を切り出したのは確かだが
悪意ある煽りに見えても仕方ないと思うが…
想像の材料とするために原作情報を求めることは許容範囲だと思い込んでた
以後気をつけます、申し訳ありませんでした
>>367 答えてくれてありがとう
>>367 ここは型月なのはクロススレだろ?交流関係無い質問なんだしスレ違いだろ
普通に本スレとかで聞いた方が確か
なのはが聖杯戦争にさんかするSS書きたいけど
EXとかCCCとか触れてないので
設定を追いきれてないから
書いてミスあったら突っ込まれまくりそうで書けない
EXとCCCに触れなければいいんじゃない?パラレル作品だし
型月Wiki見れば大抵の事はわかるけど
EXは気にせんでいいと思うよ
個人的にも、未プレイなんでその方がいいw
地味にアポで飛行魔術は難しくないって明言されたな
Fateの最初で凛も無意味だから出来るけどしないと言ってたけど
その辺はなのはの「飛行魔法は初級」と同じでは?
飛べる=原付、飛びながら戦える=F1とか?
空中戦闘する鯖も一人くらいいてもいいと思ったり
ヴィマーナは別として
なのはは地上とは異なる3次元的な立ち回りの、ベルカ式の航空剣技とか
ティアナが泣いてる
>>375 プリヤの方では訓練無しでいきなし飛べたイリヤに驚いてたような気がするが
プリヤはスピンオフだし、原作と分けて考えたほうがいいかと
神秘設定も異なるみたいだし
>>378 そりゃ驚くだろ、初級って言ってもイリヤはせいぜい補助輪付き自転車レベルってとこな訳だし
あとプリヤの飛行はルビーたち曰く「高度」
余談だけど小説プリヤだと魔術基盤的に黒魔術師は箒にまたがると「魔女は箒で飛ぶ」という魔術基盤の影響で飛んでしまうらしい
INNOCENTのなのはさんは原作より基礎スペック高そうだなコレ
不安定な場所においた紙コップを動かさずに風穴開けたり、落ちる木の葉を木の枝で切断したり
普通に不破のヒトですね
お姉ちゃんも昔二枚重ねしたせんべいを上から別のせんべいで叩いて下だけ砕くとかやってましたし
>>376 空中戦闘って実は無駄だから型月では行われなそう
ZEROのは虚淵がやりたいからって理由だけだし
オタは好きだけど片方しか飛べないって状況じゃないとメリット少ないからね
INNOCENTでも一般的な運動は苦手って言われてるからまぁ
>>384 きのこは需要より自分の書きたいもの優先だからな
元から自分の作風が合わない人は読まなくて良いってスタンスだし
なのは劇場版がすごい
サーヴァントより普通に強い感じになった
ビルいくつも突き抜ける攻撃を受けたりしてほぼノーダメだし
カードリッジ搭載後の防御力はローアイアス相当ありそう
砲撃はディバインバスターでカラドボルグに相当しそうな描写
今更劇場版の話かいな
なのは勢が鯖召還したらかなり凶悪だよな。宝具撃ちまくって魔力が尽きても離脱して一晩寝れば魔力回復する
プリヤ勢は更に凶悪。カレイドが無限に魔力供給してくれるから宝具を撃っては離脱を繰り返せば相手にならない
コミック版だと「張りぼてだよ」ってエイミィが言ってたな
あのレイヤー建造物は非殺傷でも壊せるけど、ぶつかればちゃんと怪我する謎物質
なのは劇場版が劇中劇ってのは、CDドラマでの話だろ。
同じくCDドラマの「エルトリアの空の下で」では、今度は劇場版なのはとフェイトが
ゲーム世界の延長線上の世界に登場するという話だし。
劇中劇というのはあのCDドラマの中だけのお遊びと思った方がいいんじゃないかね
劇中劇かどうかは想像に任せるって言ってるから自由に解釈汁
基本「劇中劇扱いだけど実在してないとは言ってない」って感じかと
メタ発言上等なドラマCDとかりりかる歳時記とか映画のパンフとかだと劇中劇扱いだけど
>>394な時もあるし
初期は劇中劇で一貫してたけど批判が多かったので好きに解釈してになっただけ
cccギルルート後のザビ子たちが、エルトリアに…という話を妄想したが、あれは他の文明の霊子仮想世界を巡っているのであって、宇宙を自由に旅しているのではないんだっけ?
二人とも霊子仮想世界の住人で実体ないっぽいしそうじゃないかなぁ
まぁエルトリアの遺跡にそういうのを実体化させられるアイテムがあったってことにすりゃばいいんじゃね?
あの世界どんなのかいまいちわからんうえにマテリアルズみたく情報から実体化した連中もいるわけだし
エルトリアは変な遺物とか不思議なダンジョンもあるしで、まあクロスさせやすいっていえばさせやすい。
エルトリアの不思議マシンが作動して誰か呼んじゃった、でいい気がする
リリカル世界でお困りの際は、「だいたいロストロギアのせい」「だいたいアルハザード(または古代ベルカ)のせい」で全て解決します
今回のvividでゆりかごの聖王についてしれっと「数年で燃え尽きる」と書かれてたね
EXTRAはデータの実体化や生命化が可能になったからSS増えるかと思ったが増えなくて残念
主人公の強さが電子世界限定で素だと才能に乏しい雑魚ってのが大きいんだろうか
主人公の強さとか電子生命+誕生間近で色々欠けてるからだから本編後だと劣化して行くだけだし
自己投影するにはスペック低い上に現実の実戦じゃ役立たずだからな
一昔前の無個性顔無し主人公に近くて、自己投影しやすくなってはいると思う
夢の中ではヒーローになりたいんや
魔術師としての才能は並で特別な特性も無い
容姿もそこそこ良い程度
作中で使用できるコードキャスト全部使えるとかでさえ微妙なスペックなんだよな
二期のSSでなのはから戦いに向いてないと戦力外通告されたユーノよりも役に立たない
アトラスとか全回復にブースト有るからサポート役としては優秀じゃ
自分がメインで活躍したい厨二層は嫌がりそうだけど
自分を投影する主人公は最強でモテモテじゃなきゃ嫌だってのが大半だからな
>自分を投影する主人公は最強でモテモテじゃなきゃ嫌だってのが大半だからな
そんなヤツに自己投影できるか、と思う自分は少数派なのか。
SSって主人公マンセー物が大半だからな
気持ちはわかるが書き手を萎えさせる読者様もどうなのよ
>>415 現実問題として最低系SSで読めるのなんて1%未満のしっかりと凝った物だけですし
>>416 ネガティブな意見を聞いて筆が乗る書き手なんて一人もいないってそろそろ気づこうぜ
何が好きかを語る方が建設的
とりあえず最近仕事で忙しいのでなかなか書けない…続き書きたいんだがねー。
EXTRAネタも考えなくもないが、女主人公のスキル百合化でなのはさんをニコポ…とか考えてしまって色々とダメだ…。
年末は忙しいよねー
待ってるよ
保守
どうしてこんなに過疎るんだろ
都築&武内の十周年記念対談待ってようぜ
>>421 両方とも古い作品だからSS書く層は社会人で忙しいか他に移ってるか卒業してるだけだろ
10年も前の作品だからな
Fateは再アニメ化とかスピンオフ関連も順調だがなのはの方は戦記が実質的な打ち切り状態だったり色々あるし
リリカルの方でも十年前になるのか
年を取る訳だわ
ここ一週間ほどはSAO読んでた
比村さんのSAOPが面白かったんでつい
Fateやなのはが十年前だしSS書いてる人とか本当に少なくなったわ
今年のうちにシリーズ完結する予定だったんだが、うっかり商業デビューしてしまったので時間がとれん…。
どうしたものか。
内田武とマンツーマン
無理
「共に生き、共に語らい、共に戦う。それは人でも道具でもない。友と言うのだ、」
てセリフ、なんかなのはさんがフェイトちゃんにいいそうだよなと思った。
最後に「だ」はいらんけど。
久々にSS読み返したがやっぱり面白いな
433 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2014/11/02(日) 21:35:49.32 ID:wxIEo9Ak
放送始まってしばらくたつのでage
>>427 普通に考えると書いてた人とか既に三十路前後になるのか
最近だとFateはともかくリリカルなのは見たこと無いってオタも増えだしてるしな
435 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2015/01/25(日) 23:56:06.79 ID:NUOWsGJv
>>394 劇中劇だけど、それと同じ世界も存在するって事だと思う
VIVIDがアニメ化するわけだが、型月作品とVIVIDをクロスさせる豪の者はいないものか
聖杯戦争にオリヴィエが召喚されるとか?