あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part306

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。



(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part305
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1325576362/



まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/




     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!




     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。





.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。


2名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 17:49:55.07 ID:VAJW4sLJ
>>1
スレ立て乙っす。
3ウルトラ5番目の使い魔  ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:40:42.79 ID:srR04eK7
皆さんこんばんわ。ウルトラ5番目の使い魔、76話投稿開始します。
ほかの方と予約がかぶっていませんでしたら10分後、18:50にはじめますので、よろしくお願いいたします。
4ウルトラ5番目の使い魔 76話 (1/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:50:25.29 ID:srR04eK7
 第七十六話
 アシタにサヨナラ
 
 くの一超獣 ユニタング 登場!
 
 
 この世には数万数億の人間が存在し、それらの人々は様々な形で支えあって生きている。
 ただし、人が人の信頼を得るのは難しく、多くの努力と時間がいる。だがそれゆえに、一度結ばれた絆は強く互いを結びつける。
 けれども……もしもその絆が最初から偽りであったとしたらどうだろう?
 両方が互いに欺いていたというなら、これはいい。ただハイエナ同士が互いの腐肉を食らいあっていたというだけだ。
 が、一方からのみが偽りを持って絆を作り、それが明らかになったときに傷つけられるもう一方の心の痛みは計り知れない。
 
 超獣騒ぎでいまだ混乱の治まらない街。人間たちは慌てて行きかい、事後処理に駆け回って静まるところを知らない。
 そんな中で、たったひとりの少女がいなくなっていることに気がつく余裕のある者などいなかった。
 野良犬すら寄り付かない閉鎖された倉庫街。そこに佇む、古びた倉庫に閉じ込められたベアトリス。
 突き飛ばされて、尻もちをついたまま見あげる彼女を取り囲む十姉妹が正体を現したとき、ベアトリスにその人生の最期に
なるかもしれない瞬間が訪れようとしていた。
 
「え……エーコ、あ、あなた、なにを言ってるの? 父の仇? なんのことよ!」
「わかりませんか? それはそうでしょう、わからないように努めてわたしたちはあなたに仕えてきたのですし、あなたには
とっくに滅んだ、たいして大きくもない家のことなど知識にすらないでしょう。ですが、教えてあげますよ……あなたの誇りとする、
クルデンホルフが成り上がる過程で、どれだけ汚いことをして、どれほどの怨念を振りまいてきたのかを」
 エーコは沈痛な面持ちで、ほんの半年ほどのあいだに自分たちの身の上に起きたことを話していった。
 父の受けた仕事に起きた理不尽なまでの障害の数々、それらが仕事の横取りを狙うクルデンホルフの策謀であり、父は
心を病んだあげくに自ら命を絶ったことを。
 ベアトリスは、呆然とした様子でそれを聞いていたが、エーコが語り終わったとたんに怒鳴りあげた。
「うそよ! わたしのお父さまが、そんな卑劣なことをするはずないわ! お父さまは人には厳しい方だけど、人の道を外れた
行為に手を染めるような方ではないわ」
「信じられないならそれでいいです。わたしたちはあなたと議論をするために来たわけではありませんから、ですが代償は
いただきます。お父上のもとに送り届けてあげますよ、あなたの血と肉を」
 その瞬間、ベアトリスの顔から血の気が引いた。
「ひ……い、今なんて」
「聞こえませんでしたか? 姫さまの体の血と肉をいただきたいと、そう申したんです」
「血と、そ、そんなことしたら……し、死んじゃうじゃないの」
「ええ、死んでください。わたしたちは、あなたを殺しにきたんですから……」
 
 暗い倉庫の中に、ベアトリスと十姉妹の視線が交錯する。
「殺す」
 そう言われた意味を、ベアトリスは理解できなかった。いや、理解できようはずがなかった。
 エーコたちが、わたしを”殺す”……いったい、この子たちはなにを言っているの?
 しかし、理性では理解できなくとも、本能は激しく警鐘を鳴らしていた。逃げろ、今すぐに逃げ出せと。
 小さい頃、庭の片隅で見たアリの群れの中に落ちたセミをなぜか思い出した。あっというまに大群に群がられたセミは、
わずかにもがくものの、すぐに身動きすら封じられて、最後には……
5ウルトラ5番目の使い魔 76話 (2/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:51:25.79 ID:srR04eK7
 いやだ! あんなふうになりたくない! 
 だが、ベアトリスの困惑を無視して、エーコたちの姉たちは口々に名乗りをあげていった。
 
「はじめましてお姫さま、妹たちが大変お世話になりましたようで。私、次女のエフィと申します。お見知りおきを」
「へぇー、これがあのクルデンホルフのお姫様ねえ。ひひ、あたしは七女のティーナだよ。よろしくね」
「思ってた以上にガキだな。あたしはユウリだ、一応覚えておきな。まあすぐに忘れさせてやるが」
「ユウリ姉さん、勝手に解体を始めないでね。わたしはイーリヤ、あなたに会えるのを楽しみにしていたわ」
「こいつが……こんなガキの家のせいで、私たちは」
「落ち着きなさい、我慢してるのはあなただけじゃないのよ。どうも失礼、わたしは三女のキュメイラ、そちらは四女のディアンナ」
 
 次女から七女までの六人の名乗りを、ベアトリスは身じろぎもできずに聞いていた。
 上品な声、粗雑な声、幼く聞こえる声やそのままの怒りを込めた声。しかし、全員に共通する、頭の上から押さえつけられる
ような圧迫感がベアトリスに立ち上がることすら許してくれない。
 そして、姉妹の最後に長身で金髪のまぶしい女性が、ベアトリスに杖を突きつけた。
「我が名は十姉妹の長女セトラ、父の仇、クルデンホルフの娘ベアトリス、この場でお命貰い受ける」
 それは貴族の礼式に沿った、完璧な宣戦布告の合図であった。地球の方式で言えば手袋を投げたに相当するこれは、
冗談でやれば貴族の地位を剥奪されても文句は言えず、受けなければ貴族にあるまじき卑怯者との烙印を押される。
つまり、彼女たちはまぎれもなく本気、本気で自分を殺そうとしてきている。
 ベアトリスは愕然と歯を震わせて、動くことさえできない。しかしセトラは彼女に杖先を向けたままで、冷ややかに言い放った。
「立たれよ、貴族としてせめてもの礼、杖をとることを認める」
 戦えという意味の言葉に、ベアトリスは懐に忍ばせてある杖を衣の上から握り締めた。
 しかし、ベアトリスも貴族である以上は戦いの作法くらいは知っていた。杖を抜いたが最後、それは決闘を受諾したと見なされて、
彼女たちは容赦なく自分を殺しに来るだろう。
 いや、それ以前にエーコたちに杖を向けるなんてできるわけがない。ベアトリスは、エーコに殺すと言われても、なお彼女たちの
裏切りを信じることができないでいた。エーコはじっとこちらを睨んだままで、ビーコとシーコはうつむいて目を伏せている。彼女たちが、
こんなことをするはずがないと思いたかった。
「悪い冗談はやめなさいよ! あなたたち、今なら許してあげるから」
「姫さま、まだ理解できないのですか? わたしたちは」
「待てよエーコ、あたしがこのガキにわかりやすく教えてやるからさ」
 そう言って前に出たのは、赤い髪をざんばらに伸ばした少女だった。
 彼女は、ベアトリスの前までゆくと、口元を大きくゆがめた。ベアトリスはなにをされるのかわからずに、唖然とした表情を
浮かべたままで見上げている。彼女はおもむろに足を上げると、そのままベアトリスの腹に向かって蹴り下ろした。
「おらぁっ!」
「が、ふっ!?」
 薄いドレスごしに、泥で汚れた靴が深々とベアトリスの腹に食い込んだ。瞬間、ベアトリスの口から悲鳴にもならない声が漏れ、
唾液に続いて肺と胃から熱いものが逆流してくる感じがする。
6ウルトラ5番目の使い魔 76話 (3/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:52:17.41 ID:srR04eK7
「がはっ! ごほっ!」
「あーん、ちっとは加減したつもりだったんだがなあ。おら、いい加減てめえの立場がわかったかよ!」
 赤毛の少女、ユウリははげしく咳き込んでいるベアトリスを見下して怒鳴りつけた。
 怖い……ベアトリスが、姉妹から受けた印象はその一言に凝縮できた。今までこんなに怖い目を見たことがない。
侮蔑や中傷を込めた見下し方などではなく、殺意というものを込められた眼差し……しかも、以前酒場で平民たちから
向けられたものよりも、もっとずっと冷たい、腐り果てた沼地の泥のような底知れないおどろおどろしさ。
「なぜ、なぜなの……エーコ、なぜ、あなたたちは」
 涙声になりつつありながら、ベアトリスはやっと声を絞り出した。だが、それへの返答はあまりにも冷たいものだった。
「簡単なことですよ。わたしたちにとっての最大の仇はあなたの父、しかし直接なぶり殺しにしたとしても、わたしたちの父の
受けた恥辱と苦しみの万分の一にも満たない。一番苦しめてやる方法は、一人娘であるあなたの死。だけど、実力行使は
クルデンホルフ本家をつぶすときまで温存したかった。だから、わたしたち三人は部下という形であなたに近づいたんです」
「わたしを、だましてたの……?」
「ええ」
 聞き間違えようのない返答が、ベアトリスの胸を貫いた。
「く、くぅぅっ!」
「悔しいんですか? でも、それは仕方ないことです。あなたが、わたしたちの背信を気づくこともできないほど未熟だから、
こんな目に会うんです。部下の裏切りを察知することは、人の上に立つ者として当然の資質であるべきなのに」
「違うわ……悲しいのよ」
「は?」
 うめくようなベアトリスの言葉に、エーコは思わず聞き返した。すると、ベアトリスは大粒の涙を浮かべた顔をあげて、
叫ぶように言ったのだ。
「あなたたちの様子がおかしいなら前から気づいてた! でも信じたくはなかった! 信じたら、今まであなたたちがわたしに
見せてくれた笑顔も優しさもみんなニセモノだって認めることになるもの! 従者しかいなかったわたしにとって、あなたたちと
いる時間はなぜかとても楽しかった。それが友達なんだって知ったときはうれしかった。わたしは、あなたたちのことが本当に
好きだったのよ! それなのに!」
「くぅっ! な、なんと言ってもあなたがわたしたちの両親の仇の娘だということに変わりはありません!」
「ほんとうに? ほんとうにそうなの! 答えてよ、ビーコにシーコも」
「うるさいっ! もう話すことはありません。わたしたちのことを少しでも思ってるなら、さっさと死んでわたしたちの復讐の肥やしになって!」
「エーコぉっ!」
「だまれっ!」
 返答は魔法の一撃だった。エア・ハンマーの直撃がベアトリスの華奢な体を吹き飛ばし、柱に思い切り叩きつける。
「あぅっ!」
 鉄の柱にぶつけられたベアトリスは、一瞬呼吸もできなくなって転がりもだえた。それでも彼女はエーコたちを問いただそうと
ひざを突いて立ち上がろうとする。
 だが、彼女の前には怒りを抑えきれなくなってきていた姉妹が立ちふさがった。
7ウルトラ5番目の使い魔 76話 (4/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:53:51.49 ID:srR04eK7
「待ちなさい。これ以上、わたしの妹たちを惑わせるようなことを言うのは許しませんよ」
「エフィ姉さん、もうわたし我慢できないよ。お父さまの仇を討つために、わたしたちは今日まで生きてきたんでしょう」
「っ! どいて!」
「ええ、わたしも詭弁をろうしてエーコたちをたらしこもうとするクルデンホルフには腹が据えかねてたところよ。ディアンナ、
まずは死なない程度にね」
 温和な雰囲気を持つ妙齢の女性と、片眼鏡をかけた女の凄惨な笑みがこぼれた瞬間、ベアトリスは氷雪の嵐に呑まれた。
「きゃあああああっ!」
 ウェンディアイシクルを撃たれたのだということは、土系統のベアトリスにもすぐにわかった。風と水系統を合わせた強力な
攻撃魔法、身にまとっていたドレスが無残に切り刻まれて、ぼろきれ同然になる。
 さらに、今度は吹き飛ばされるだけでなく、全身を氷の刃物で切りさぎまれて激しく痛んだ。
 が、もだえようと体をよじった瞬間、ひとりの少女がベアトリスの背中に飛び乗ってきた。
「どーん! 死んじゃえーっ!」
「あっ! がぁっ!」
 肋骨がきしみ、内臓がつぶされる。背中を硬い靴底を踏みつけてきた、銀髪をした小柄な少女は子供がソファーの上で
するように、何度も跳ねてくる。
「それそれっ! 思い知れっ! クルデンホルフのバカヤロー! いひひゃー!」
 肺から空気が全部押し出され、それだけではなく胃から酸味のある液体が逆流してくる。ベアトリスはなんとか身をよじって
銀髪の少女、おぼろげにティーナという名だと記憶している彼女を振り払うと、少しでも逃げようとよろめきながら立とうとした。
 だが、起き上がったベアトリスを待っていたのは後ろから頭をわしづかみにしてくるユウリの手だった。
「あたしはな、傭兵としてレコン・キスタにいたこともあったんだ。握力には自信があるんだぜ」
「あっ、あああああああ!」
「貴族が魔法しかないと思ったら大間違いだぜ。このまま頭を握りつぶしてやろうか?」
 それは誇張でも脅しでもなかった。本当に、ユウリが力を込めればベアトリスの頭蓋骨は握りつぶされてしまうだろう。しかし、
それでは姉妹の復讐は遂げられないと、朱色の髪を背中で編んだ次女エフィが止めた。
「まちなさいユウリ、一思いに息の根を止めてやるなんて幸せな死なせ方をしてはいけないわ」
「わかってるって。エフィ姉さん、ほら、やったげなよ」
 ユウリは喉を軽く鳴らすと、ベアトリスの頭を掴んだままでエフィの前に突き出した。
「な、なにを……」
「フフッ……」
 握力が弱まったことで、かろうじてしゃべれるようになったベアトリスは弱弱しくつぶやいた。
 もう、体中が痛くて、少し体に力を込めるだけでも激痛が走る。動きたくても体が言うことを聞いてくれない。
 エフィが魔法の呪文を唱える声が聞こえる。今度は何をされるんだと、怖さのあまり目をつぶって震えた。
 けれど、おびえながら待っても痛みも熱さも冷たさもやってこなかった。
 どうしたんだろう? 抵抗をあきらめたために、妙に明晰になった頭でベアトリスは思った。
 しかしそのとき、バチバチとなにかがはじけるような異音が耳に飛び込んできた。続いて、激しく鼻をつく異臭もベアトリスの
鼻口に飛び込んできて、思わず目を開いた。
「なにっ!? ひぃっ! いやぁ! わたしの、わたしの髪がぁ!」
 なんと、腰まで伸ばしていたベアトリスの髪が先端から燃やされていっていた。金糸のようなきめの細かい髪が、エフィの
杖の先からの炎にあぶられて、溶けるように燃え落ちていく。
「うふふ、クルデンホルフの娘の髪はよく燃えるわね。ほぉら、もう半分になっちゃった」
「いゃぁ! やめてやめてやめてやめて! 燃やさないでぇ!」
「あら、命の危険なときに髪の心配なんて、さすが大貴族のお嬢様は違いますね。私たち下賎の民にはわかりませんわ」
 女の命ともいうべき髪への、あまりにも残酷な仕打ちだった。エフィは、おっとりと温厚そうな素顔にどうしたらそうできるのか、
ネズミをいたぶる猫のような非情な笑みを浮かべて、ベアトリスの髪を半分以上焼き払ってしまった。
「や、やらぁ……わたしの、髪が」
「あっはっはっは! これでもう社交界に顔を出すなんて無理ね。なんて無様な姿、あなた鏡を見てみなさいよ」
「ひぅ、ひ、ひどい……」
 非情な哄笑にさらされて、ベアトリスは顔を覆って泣いた。
8ウルトラ5番目の使い魔 76話 (5/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:55:12.55 ID:srR04eK7
 しかし、このとき鏡を見るべきだったのはエフィのほうであったろう。人の苦しんでいる姿を見て笑っている人間の顔ほど
醜いものはない。確かに彼女には、それをする正当な理由があったかもしれないが、理由によって正当化された暴力ほど
人を狂気に駆り立てるものはないのだ。
 すすり泣くベアトリスをユウリは無造作に投げ捨てた。硬くて冷たい床に体をぶつけて、もう痛くない場所を探すほうが難しい。
「痛い、痛い……誰か、助けて」
 心も体も傷だらけにされて、自由になったのに逃げることもできずにベアトリスは泣くしかできなかった。虚空に向かって
伸ばした手を掴んでくれるものはなく、究極の孤独の中にいた。
 と、唐突に体の痛みが和らいだ。うっすらと目を開けてみると、自分の体を治癒の魔法の光が包んでいるのが見えた。
 杖を振っていたのは、姉妹の三女キュメイラだった。水色の髪をした知的そうな美女で、微笑みながら水の魔法を使っている。
 だが、淡い期待を持ちかけたベアトリスの考えは即座に裏切られた。
「せっかく復讐の機会なのに、そうすぐに壊れられたらつまらないでしょう?」
 わき腹にキュメイラの靴先が突き刺さり、急所を強打されたベアトリスは悲鳴すらあげられずに吐しゃした。
 同時に、恐怖と絶望が最悪の形で心を占めてくる。なんということだ、彼女たちはよりによってもっとも残忍な形での拷問を
おこなおうとしている。
 すなわち、傷つくごとに治し、気絶すら許してくれない無限ループ。これをされたら、死にこそしないが、どんな屈強な人間でも
最後には発狂してしまうという、身の毛もよだつような生き地獄。
「あ、あ、あ……」
「さて、時間はたっぷりとあります。パーティを続けましょうか、お姫さま」
「や、やめて、こないで! 助けて、助けて! エーコ! ビーコ! シーコぉ!」
「うるさいわねぇ!」
 硬いものが肉を打つ音がして、悲鳴が倉庫に響き渡る。
 それに答えるものはなく、むしろ彼女に恨みを持つ者たちの嗜虐心を刺激しただけだった。
「あーあ、キュメ姉ったらひとりだけ楽しそう。ティーナももう一度遊びたいよ」
「ティーナ、あなたがやったらすぐに治せなくなるほど壊すから注意しなさい。では、そろそろ私も参加させてもらおうかしら。
いいわよね? セトラ姉さん」
「ええイーリヤ、存分にやってきなさい。でも、喉をつぶしちゃだめよ。殺してくれと哀願させないと意味がないからね」
 悪夢はまだプロローグに差し掛かったばかりだという、絶望そのものの宣告。
「いやあ、許してぇ!」
 七人の復讐鬼に囲まれて、ベアトリスの悲鳴がいつ終るとも知れずにこだまする。
 そんな中で、エーコたち三人は扉を背にしたままで、じっとうつむいていた。三人とも、こぶしを強く握り締めて、目を固く閉じている。
しかし、耳からはベアトリスの悲鳴と助けを求める声が絶え間なく聞こえ続けていた。
9ウルトラ5番目の使い魔 76話 (6/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:56:25.82 ID:srR04eK7
「やめて! なんでもするから許して、もう痛いのはいやなの! 助けて! 助けてぇ!」
「……姫殿下」
「も、もうこれ以上は」
 ビーコとシーコは、耐え切れなくなったというふうに顔を上げかけた。だが、ふたりのその手をエーコが掴んで止めた。
「だめよ、みんなこの時のために今まで耐えてきたのよ。あなたたちだって、このためにやってきたじゃない」
「でも、わたしは」
「だめ! わからないの? みんなはもうこれで、この世のすべてを終らせるつもりでいるのよ。だから、その障害になるんなら
たとえあなたたちでもきっと……だからお願い」
「エーコ……」
 ビーコとシーコは、エーコも悲壮な決意を決めていたことを知った。憎しみは人を狂わせる。それがある一線を越えたら、
もはや理性では歯止めが利かなくなり、本来守るべき者さえ牙にかけてしまうこともあることをエーコは知って、そのために
自分が憎まれ役を買って出たのだということを。
 だが、ビーコとシーコの胸中には昨日の晩にサリュアに言われた言葉が渦巻いていた。姉たちとベアトリス、どちらも大事で
どちらも失いたくない。そのために決断すべきは今ではないのか?
 
 そのとき、嵐のように続いていた暴虐の渦がやんだ。ベアトリスはすでに泣き叫ぶことにも疲れたように、横たわっている。
ユウリやティーナが蹴飛ばしても悲鳴をあげなくなった。
「ありゃりゃ? もう壊れちゃったの」
「違うな、抵抗しても無駄だと悟って死んだふりをしてやりすごそうって腹さ。さすが小ざかしい手を思いつくぜ。ま、暴れる
気力もそろそろ尽きかけてるだろうが」
 ユウリの推測は半分当たっていた。確かにベアトリスはもう抵抗することをあきらめていたが、それは体力と気力の磨耗が
大きな原因だった。姉妹による復讐劇がはじまって、まだ数十分しか経っていないだろうが、元々身分以外は普通の少女と
なんら変わるところのない彼女が長時間の暴力に耐えることなど無理だったのだ。
「やれやれ、お姫様はしょせんお姫様だったというわけね。でも、一時間も持たずに力尽きられたんじゃあ、到底気は晴れないね。
どうしましょうか」
 キュメイラが困ったように言った。彼女たちの復讐心を満たすには、相手が抵抗してくれないとおもしろくない。悲鳴もあげない
人形をなぶったところで、かえって不満が増すばかりだ。
 どのみち最後は殺すつもりだが、それは盛大な断末魔を聞けてこそ意味がある。でないと、父の墓前に供える首としてふさわしくない。
 どうするか? 姉妹の視線は自然と長女セトラに注がれた。
「イーリヤ、ディアンナ、ベアトリスを起こして手足を押さえつけておきなさい」
「はい」
 言われた二人は、怪訝な表情を浮かべながらも姉に従った。二人が杖をふるって『レビテーション』と『念力』を唱えると、
見えない十字架に磔にされたようにベアトリスの体が宙に浮き上がる。
「あ……?」
 ベアトリスは目をうっすらと開けて、短くうめき声をもらした。すでに全身は泥とほこりにまみれて、髪もボロボロで顔には
まったく生気がない。
 そんな彼女を見て、七姉妹は薄ら笑いを浮かべていた。
10ウルトラ5番目の使い魔 76話 (7/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:57:46.08 ID:srR04eK7
「うふふ、いい眺めね。これまで多くの貴族をこびへつらいさせて、浅ましく富を稼ぎ続けてきたクルデンホルフの最期の
姿にはお似合い」
「痛いでしょう? 苦しいでしょう? でもね、私たちはもっと苦しくてみじめな思いをしてきたのよ」
「あなたに道端の草をはんで飢えを満たす気持ちがわかる? 野良犬と寝床を争って、人に見下されながら眠る気持ちがわかる?」
「簡単に死に逃げさせてなんかあげない。狂って壊れて生きた屍になるまで、体だけは生かし続けてあげる」
「さて、それじゃあどうするセトラ姉さん。そろそろ腕の一本でももぐかい?」
「ひひ、それとも目玉でもえぐりだす?」
 狂気が、姉妹のすべてを支配していた。もしここに、彼女たちについて一切の予備知識を持たない人間が一部始終を見ていたとしたら、
常軌を逸した悪鬼の集団と見たに違いない。恨みと憎しみが、本来の彼女たちを見る影もなく変えてしまっていた。
 屠殺を待つ牛や豚のように、絶望に染まった虚ろな目をわずかに開けるだけのベアトリスに、セトラは歩み寄った。両親が
生きていた頃であれば、妹たちを聖母像のように見守っていた優しい顔も、今では亡国の拷問係も同然に歪んでしまっている。
彼女はベアトリスの襟首を掴むと、かろうじて残っていたドレスの残骸を足元まで一気に引き裂いた。
「ひ……」
 絹が裂ける音とともに、わずかな悲鳴がベアトリスの口からもれる。破られた布切れが飛散すると、下着を除いては生まれたままの
姿になった肢体がさらされ、セトラは笑った。
「貧相な体ね、ちゃんと栄養をとってるの? でもこのきめ細やかな肌……いったいどれだけの人間からしぼりとった金でできてるの? 
うらやましい……ねえ、教えてくれない?」
 セトラの指先がベアトリスの体をゆっくりとなぞっていった。それがまるで、水蛇が這っているようで冷たく気持ち悪い。
 手足を魔法で拘束されて暴れることもできず、ベアトリスはこれからどうされてしまうのだろうと考えた。
 ユウリやティーナの言ったとおり、手足をもがれ、目をえぐられるのだろうか。
 それとも生きたまま焼かれるのか、氷付けにされるのか。
 指先から徐々に切り刻まれていくのか……恐ろしい拷問の光景が次々に目に浮かぶ。
 しかし、セトラが用意していたのは、ベアトリスの考えた子供じみた単純な拷問などではなかった。
 セトラの指先がベアトリスの胸元からへそを過ぎて下腹部で止まる。
 そして彼女は、ベアトリスの耳元に口を寄せて、甘い声色でささやいた。
 
「決めたわ、まずはあなたを……子供の産めない体にしてあげる」
 
 その瞬間、わずかに残っていた血の気が全身から引いた。と、同時に消えかけていた理性が圧倒的な恐怖に呼び起こされてくる。
「ひ、い、今なんて?」
「あら? 聞きそこなった? あなたを一生、自分の赤ちゃんを見れない体にしてあげようというの。こうしてね」
 見開いた目に、セトラのかざした杖が魔法の光に包まれているのが映る。杖を剣とする『ブレイド』の魔法だ。彼女はその切っ先を、
迷うことなくベアトリスの子宮の上に突きつけた。
「いやあ! それだけは、それだけはだめえ! お願いだからやめてぇ!」
11ウルトラ5番目の使い魔 76話 (8/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 18:58:29.44 ID:srR04eK7
 女として一番大切なものを奪われる、それは理屈ではなく純然たる恐怖であった。いつの日か会うかもしれない大切な人、
彼の愛を受けて腹を痛めて産み出すふたりの愛の結晶、その成長を見届ける日々。そうした誰にでもある幸せな夢が、未来が
すべて壊されてしまう。
 殺される恐怖にも勝る絶望。死に掛けていた魂に火がついて、幼児のようにベアトリスは泣き喚いた。
「お願い! なんでもするから! わたしの持ってるものならなんでもあげるから、それだけは許して!」
「ふふ、いい声で鳴くわね。そうでなくちゃいけないわ。馬鹿な子、せめて杖をとって戦っていれば、貴族として葬ってあげていたのに。
でももうだめよ、あなたは私たちに償わなくちゃいけないの。まずはあなたの未来を奪ってから、ゆっくりとあなたをバラバラにしていってあげる」
 腕を引き、セトラは刃物と化した杖を振りかぶった。彼女の妹たちは拍手し、哄笑しながら鮮血のときを待っている。
 狂気の宴は最高潮を迎えようとしていた。
「やめて、こないで、助けて、許して!」
「そうよ、もっともっと泣き叫びなさい。天国にいる私たちのお父さまに届くくらいに! さあ、約束どおりにあなたの血肉をいただくわ。
真っ赤な花火を盛大な悲鳴で彩りなさい!」
「やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて! いやぁーっ!」
 大きく振りかぶられた杖がまっすぐに突き立てられ、次の瞬間血しぶきが吹き上がった。
 しかし……えぐられるべきだったベアトリスの肌に刃は届いていなかった。代わりにベアトリスを包んでいたのは、暖かくて
優しい小さな体。目の前にたなびく緑色の見慣れた髪と、懐かしい匂いが鼻腔をくすぐって恐怖を拭い去っていく。
「姫さま、よかった、間に合って」
「シ、シーコ……」
 ベアトリスが見たのは、自分を抱きしめて優しく微笑むシーコの顔だった。刃は、シーコの背中から腹までを貫通して止まっている。
 あの瞬間、ふたりのあいだに割り込んだシーコの身を盾にして、ベアトリスは守られたのだった。
 だが、シーコの口から赤い筋がつうと伸びる。
「シーコ? シーコぉぉっ!」
 ベアトリスと、姉妹たち全員の絶叫がこだました。ベアトリスを拘束していた魔法が解かれ、自由になったベアトリスにシーコが
のしかかるようにしてふたりは床に崩れ落ちた。
「シーコ! シーコぉ! ああ、わ、私はなんてことを……」
「いいの……ねえさん、気にしないで」
 血に染まった杖と自分の手を見て、愕然として叫んだセトラに、シーコは消えそうな声で言った。すぐさま姉妹の中で治癒の魔法が
使える全員が集まって、傷口を癒し始めているが、傷は運悪く急所を貫いていて魔法の効果がうまく表れない。シーコの口から
漏れる吐血は、漏れるから溢れるような流れに変わって、下にいるベアトリスの顔に赤いまだらを作った。
「姫さ、ま、ごめんなさい。ごめんなさい」
「シーコ、ああ……血が、こんなに」
「姫さま、ごめんなさい……うまく逃げてもらえたらと思って、逆に逃げろなんて言ったばかりに、かえってこんなことになってしまって」
「そんな、そんな……ああ、ああ、早く、早く誰かシーコを助けてよ!」
 ベアトリスはシーコの真意を知って、自分が殺されかけていたことも忘れて、必死でシーコを助けてくれるように頼んだ。むろん、
姉妹の誰もそのつもりであるし、ベアトリスに頼まれるまでもない。けれど、ユウリやディアンナがシーコをベアトリスから引き剥がそうと
しても、シーコはけっしてベアトリスを離そうとしなかった。
12ウルトラ5番目の使い魔 76話 (9/12) ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 19:00:13.23 ID:srR04eK7
「みんな、やめて……この人を、もう傷つけないで」
「シーコ、お前、なんで、なんでだよ!」
「ごめんなさい……でも、わたしはもう耐えられないよ。大切な人が傷つくのも、変わっていくのを見るのも……」
 苦しげな息に涙声を混ざらせたシーコのうったえに、いきりたっていたユウリやディアンナもぐっと歯軋りして言葉を詰まらせた。
 しかし、一度ついた狂気のはずみは、血を持ってしても容易に治まるものではなかった。エフィは目を血走らせてベアトリスに杖を向ける。
「おのれ汚らわしいクルデンホルフめ! 私の妹になにをした、薬か? ギアスか? その首叩き斬ってやる!」
 シーコが洗脳されたものと決め付けて、エフィはブレイドをまとわせた杖を振りかぶった。だが、その手は振り下ろされることなく取り押さえられた。
「姉さん、もうやめて、わたしたちは洗脳なんかされてないよ」
「ビーコ、あなた!」
「ごめんなさい。でも、わたしもシーコと同じ気持ち。ベアトリスさまといっしょに過ごしてきてわかったの、この人は悪い人じゃない。
だからお願い、杖をおさめて! 一生のお願いだよ」
 ビーコの必死の呼びかけは、エフィの動きをわずかながら止めた。しかし、蓄積された怨念は姉妹の情愛をも黒く塗りつぶした。
「この、裏切り者ぉ! 邪魔するなら、あなたもともどもに!」
 切っ先がビーコの頭上から振り下ろされた。無防備なビーコはそれを避ける術はなく、ただ呆然と実の姉からの殺意を見上げていたが、
エフィの杖は同じくブレイドをまとった杖で受け止められた。
「エ、エーコ!」
「ばか、だから言ったでしょうに……」
「エーコ、あなたも裏切るというの!」
「違うよ、エフィ姉さん。わたしはいつでも、みんなとともにいる。変わったのは姉さんたちのほうよ」
「なんですって」
「わたしたちは確かに、悪魔と取引をした。けど、今は姉さんたちのほうが悪魔のよう……わたしも、もう我慢できない! わたしは、
わたしは姉さんたちが心まで化け物になっていくのを見てられない!」
 渾身の力でエフィを跳ね飛ばしたエーコは、ビーコとともにシーコとベアトリスを守るように立ちふさがった。
 エーコ、ビーコ、シーコの離反に、姉妹たちは驚きうろたえる。だが、それでもなおクルデンホルフへの憎しみが治まらない
姉妹は、治癒の魔法にかかりきりのイーリヤとキュメイラを除いて杖を向ける。
「エーコ、ビーコ、どいて。あなたたちはクルデンホルフにだまされてるんだよ」
「それは違うわ、わたしたちはわたしたち自身の意志でこうしてる。確かにお父さまとお母さまを死に追いやったクルデンホルフは
憎いよ。でも、だからってこれはもう許されることじゃない」
「わたしもエーコと同じです。わたしは、姉さんたちをとるか、姫さまをとるか迷ってた。けど、ある人が教えてくれたんです。
大切な人が不幸になることがわかってる道を選ぶことは、どんな理由があっても間違ってるって。この一線を越えたら、もう
本当に人間ではいられなくなる。そうなったら、幸せな未来なんか絶対に来ないから」
 エーコもビーコも、まともに姉たちと戦えばかなわないことは承知している。それでなお選んだ道であるからには決意は固かった。
 そしてシーコも、苦しみながら声をしぼりだした。
「みんな、お願い……そんな、怖い顔をするのはやめて……昔の、優しかったころの姉さんたちに戻ってよ」
 文字通り血を吐くような末娘の言葉は、ひたすら復讐の生け贄を求める姉たちの心にも少しずつ響いていった。
 エフィ、ティーナは言葉を失い、目をつぶって力なく杖をおろした。ユウリは杖を床に叩きつけて「くそっ!」と叫んだ。
 しかし、誰よりも復讐を誓い、そのために生きてきたセトラとディアンナは聞き入れなかった。
「そこをどきなさい、エーコ、ビーコ。さもないと、あなたたちも容赦しないわよ」
「クルデンホルフの首をとり、父さまの霊を安んじるのが私たちの目的だったはず。さあ、そいつをよこしなさい」
 狂っている、とはさすがに姉に向かって言うことはできなかった。姉たちが、今日の日のためにどれほどの苦労をしてきたのかは
よく知っている。復讐をあきらめるのは、そのすべてを無にすることに同じ、目的が鎖となり、ふたりの意思を封じ込めていた。
 もう言葉も涙もふたりの姉には届かない。もう、実の姉妹同士で相打つしか方法は残っていないのか。
 杖を向け合ったまま、じりじりとにらみ合いが続く。セトラはトライアングル、ディアンナはラインクラスのメイジで、ラインのエーコと
ドットのビーコでは勝負にならないが、相打ちに持ち込むことならできる。ほかの姉妹はどちらに味方することもできず、ベアトリスも
どうすればいいのかわからずに見守るしかできない。
 だが、緊張は両者の激突ではなく、外から破られた。
 
「殿下ーっ! クルデンホルフ姫殿下ーっ! こちらにいるのですか! いたら返事をしてください!」
 
 建物の外から、鉄製の扉を強く叩く音が響き渡る。呼ぶ声は、ベアトリスにもよく聞きなれた若い女性の声で、彼女は自然と
その名前をつぶやいていた。
「ミシェル……さん?」
 間違いはなかった。その証拠に、次々に呼びかけられる声のどれも聞き覚えのある銃士隊員のものである。
 助けが……来た。もうあきらめきっていた希望に、ベアトリスの顔がほころび、反対に姉妹の表情は驚愕に染められる。
「なんで! どうしてここがわかったの!?」
 ティーナの叫びは全員を代弁していた。ここは立ち入り禁止区域、しかも銃士隊が出動してくるとはベアトリスがここに
いることを最初から知っていたからとしか思えない。
 なぜ……? その答えは微笑を漏らしたビーコが握っていた。
「どうやら、ギリギリのところで間に合ったようね」
「ビーコ!? そうか、あなたが!」
「ええ、あらかじめ銃士隊に入れ知恵しておいたの。シーコの進言だけでは不十分だと思って、一か八かの他力本願だったけど、
なんとか役に立ったみたいね」
「このっ! 裏切り者ぉ!」
 ティーナの罵倒を、ビーコは甘んじて受け入れた。裏切り者でいい、誰よりも好きな姉たちが、これ以上罪に手を染めないで
くれるのならば。
 ビーコのわずかな希望にかけた布石は、悔しがる姉たちを尻目に復讐劇に打ち切りを告げようとしていた。
「開けろ! 開けないなら、この扉を破壊する!」
 次の瞬間、扉の鍵が吹き飛び、続いて扉そのものが轟音をあげて崩れ落ちた。『アンロック』と『錬金』を使ったのは明らかで、
相変わらず荒っぽい人たちだと思った後に、見慣れた軽鎧とマント姿の銃士隊員たちが駆け込んでくる。
「全員動くな! 少しでも動いたら射殺する!」
 姉妹が杖を構えるよりも早い速度でマスケット銃を構えた銃士隊員の数は二十名。ミシェルに与えられている兵力が一個小隊な
ところからすると、これは可能な限りの全力と考えるべきだろう。
 メイジ殺しの訓練を積んでいるプロの兵隊二十人に正面から当たられては、戦いにおいては素人同然の姉妹に打つ手はなかった。
 憮然としたまま手を上げる姉妹の前に、ミシェルが油断なく歩み寄ってゆく。
「貴様ら、姫殿下によくも手を上げてくれたな。いや、それでなくともたった一人によってたかって嬲るとは、それでも人間か!」
 容赦のない一喝は、しかし姉妹を揺るがせはしなかった。銃口を向けられているために動きこそしないが、目だけは鋭く
銃士隊を見返している。
「姫殿下とお連れの方々をお助けしろ!」
 ミシェルの命で、数人の隊員が倒れているベアトリスに駆け寄ると、イーリヤとキュメイラは無言で後ろに引いた。
 ベアトリスは、地獄から救い出してくれようとする手に安心し、微笑しながらそれを待った。
 だが、最悪の展開は回避できたと見るのは早計であった。エーコたちはベアトリスは救えたが、どのみち姉妹には戻るべき場所はもうないのだ。
 シーコはベアトリスの耳元で彼女にだけ聞こえるように言った。
「姫さま、お別れです」
「えっ」
「やっぱりわたしたちは、姉さんたちを見捨てることはできません。わたしたちは、姉さんたちとともに行きます」
「まっ、待って! あなたたちの家族のことならわたしはいいから! クルデンホルフに非があるなら、わたしが必ず正してみせるから」
「ありがとうございます。あなたとは、別な形で出会いたかった……でも、もう遅いんです。わたしたちは、もう人間の世界では
生きられないんです。復讐のために、わたしたちは自分の体を悪魔に売ったから……」
 そう言うと、シーコは腕をまくって昨日の火傷の痕を見せた。そこには、あれだけひどかった火傷がほとんど痕跡もなく治癒
している様があって、ベアトリスを驚愕させた。
「そ、そんな……あれだけの傷が一晩で? ま、まさかあなたたち!」
「さようなら、姫さま」
 エーコはビーコにシーコをまかせると、まだ立つ力のないベアトリスを抱きかかえて銃士隊に引き渡した。相手は、くしくも
彼女のふたりの妹に決意をうながしたサリュアだった。
「殿下を、よろしくお願いします」
「う、うんわかったけど、シーコちゃんは大丈夫なの? すぐに病院に運んだほうが」
「大丈夫です。あとは、わたしたちがやりますから……」
 サリュアの背中から、ベアトリスが自分たちの名前を呼びかけてくるが、エーコは黙って背を向けた。
「姉さんたち、ごめんなさい」
 エーコたち三人を、姉たちは無言で受け入れた。ミシェルたち銃士隊は事態がどうなっているのか飲み込むことができず、
ただ立ち尽くしているしかできない。
 そして十人の姉妹は互いに顔を見合わせると、輪を組んで手を取った。
 すると、十姉妹の体が光に包まれだした。
「なんだっ!?」
 ミシェルが、突然の出来事に思わず叫んだ。姉妹を包んだ光は、明るくもなければ熱もなく、人魂のように不気味な輝きをもって
姉妹の姿をやがて完全に包み隠してしまった。数人の隊員はとっさに銃の引き金を引いたが、弾丸は光に吸い込まれるようにして
消えていってしまう。
「ミシェルさん……今すぐ、ここから逃げてください」
「この声は……まさか! 全員退避、急げ!」
 かすかに聞こえたシーコの声に、ミシェルはすぐさま退避命令を出した。
 反射的に命令に従って全員が倉庫から飛び出す。それだけではなく、ミシェルはできるだけ遠くへと逃げろと叫び、自らも走る。
「くそっ! まさかこんなことが!」
「隊長、どういうことなんですか!?」
「最悪の事態だ。ヤプールめ、悪辣だと思っていたが、ここまで卑劣な手段を使ってくるとは!」
 ミシェルは叫びながら走り、やがて安全だと思うくらいに離れると振り返った。隣を走っていたサリュアの背中ではベアトリスが
顔をマントにうずめて泣いており、涙で溢れた顔を上げたとき、倉庫の屋根を貫いて絶望と悲しみの化身が現れた。
 
「超獣だーっ!」
 
 四度、凶悪な姿を現す超獣ユニタング。
 荒々しく叫び声をあげ、全身をふるって近場にあるものを手当たり次第に破壊しだす。まるで、怒りを世界そのものにぶつけようと
しているかのように……
 
 そして、暴れまわる超獣を食い止めようと、ヤプールの宿敵もまた姿を現す。
「ウルトラ・ターッチ!」
 空を切り、マッハの速度で天から舞い降りた銀の巨人が超獣の前に立ちふさがった。
「ウルトラマンA!」
 土煙をあげて大地に降り立ったエースの勇姿に、銃士隊から歓声があがった。
 必ずユニタングはまた現れると、じっと待ち続けていた才人とルイズは、ユニタングの叫び声ひとつで迷わず変身を選んだのだ。
〔とうとう追い詰めたぞユニタング、今度こそは逃がさねえ!〕
〔東方号は必ず飛び立たせる。そのためにも、あんたはここで仕留めさせてもらうわ!〕
 闘志を燃やす才人とルイズの魂を胸に、ウルトラマンAは暴れ狂うユニタングに戦いを挑んでいく。
 ユニタングもまた、エースの姿を見るや、そう定められていたかのようにエースへと襲い掛かっていった。
 
”ありがとう姫さま……あなたのおかげで、わたしたちはせめて人間の心だけは持ってお父さまやお母さまのもとに行けます。
短いあいだだったけど、とても幸せでした。もしも、どこかで生まれ変わったら、また……友達になってくださいね”
「エーコ、ビーコ、シーコぉっ! うぁぁっ! こんな、こんなのってない、あんまりじゃないのよぉーっ! ああーっ!」
 それはテレパシーだったのか、それとも幻覚だったのかはわからない。けれど、シーコの最後の声が頭の中に響いたとき、
ベアトリスは幼子に戻ったように泣きつくした。
 
 
 続く
16ウルトラ5番目の使い魔 あとがき ◆213pT8BiCc :2012/01/29(日) 19:11:31.45 ID:srR04eK7
今週はここまです。
悪魔と人間の戦い、ウルトラマンAの登場でそれも終わりに近づいてまいりました。
一度の判断ミスで人生を誤ることがある。具体的にいえば飲酒運転するドライバーに「一杯だけなら大丈夫だろう」といういわゆる悪魔のささやきです。
そのコンセプトではじめたこのシリーズですが、いつもは始めた頃から明白に定まっているプロットが今回に限っては書きながら二転三転しました。
最終的にどうなるかはこれから書き上げますが、自分で自分の書く先がわからないというのは書き手として新鮮な驚きです。

追記、今年も一週投稿でやっていこうと思っていましたが、一月中は公私に渡って想像以上に忙しく、日曜も投稿が深夜にずれ込むことが多いなど
ペースが乱れて執筆できる量が減ってまいりました。
そのため、無理にストックを使い切るのを防ぐために来週の投稿は見合わせます。申し訳ありません。
17名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 19:28:03.04 ID:3Ssrxpp6
ウルトラ乙

この展開だと次回はアレの能力の出番かな?
某ゲームで見でえっ? マジ? と思った記憶がある

ちょい指摘を一つ
子宮はちょい露骨なので、腹にしておくべきだったかな? 子供番組的に
18名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 20:55:11.69 ID:ojJmoNFF

ネクサスや平成セブンも真っ青なトラウマ回の予感
マイペースで頑張ってください
19名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 20:55:39.80 ID:wZHnimjz
>1並びにウルトラの人、乙。


大惨事とは!
 風来坊を演じているのが実は寺田農だったとなる事である!
20名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/29(日) 23:13:28.65 ID:luMRAtYR
だから風来坊か
21名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 00:30:23.21 ID:LRrlFgrw
 スカイネットが自らの意思を持つ以前にハルケギニアの至る所にコンピューターネットワークが張り巡らされていた。
 オフィスには当たり前のように端末が並び、各家庭にはパソコンが、スカイネットはそこに生まれた。
 システムの中枢部などなかった。シャットダウンできるわけがない。
 攻撃はターミネーターの言ったとおり、午後6時18分に始まった。審判の日だ。
 その日、人類は自らを守るために作った武器でほぼ壊滅状態となった。
 私たちの定めは審判の日を止めることではなく、その日を生き延びることにあったのだ。才人と二人で。
 ターミネーターは知っていた。
 そう告げようとしたが私は聞こうとはしなかった。
 未来は確定しているのかもしれない。私には分からない。
 ただターミネーターの言葉だけはわかる。
 戦い続けろ。私はあきらめない。戦いは、始まったばかりだ。
22名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 21:03:14.30 ID:cGbmyArC
>19
……顔に縫い目のある使い魔……

ブラックジャックとアル・シモンズと後……
23名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 21:16:18.12 ID:t/MwwY++
俺の名を言ってみろ!
24名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 21:51:33.11 ID:1e/HQXbi
ヅァギ
25名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 22:05:45.42 ID:UtJtWyxo
フンガーフンガーフランケン
26名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 22:16:50.42 ID:hc4yeLGH
あしゅら男爵は繋ぎ目なかったっけかな
27名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/30(月) 23:12:43.76 ID:qehDa8Fr
左右合体シンメトリカルドッキング
28名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 00:14:31.25 ID:N1DF4y68
がががーーっ!
29名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 02:16:31.29 ID:r4fS/v7b
>>22
クイーン・エメラルダス
30名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 02:16:45.70 ID:4A92wwam
元祖左右合体と言えばウルトラレイカーだろうJK
31ゼロニスター ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 08:40:15.46 ID:N+LRlP0z
8:45からVol.8を投下します。
32ゼロニスター@ ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 08:43:19.72 ID:N+LRlP0z
「ゼロニスター Vol.8」

「アドレナリン」。これは人間が恐怖やストレスに襲われた際に、副腎より分泌されるホルモンである。
 このホルモンは身体にある影響をもたらす。別名「闘争のホルモン」。
 ストレッサー(敵)を回避・打破するための物質である。
 分泌量は各人によって異なる。
 そして……、敵の打破に成功すればそれは「勝利」である。ある者がもしその勝利に快感を覚える事があるならば、「その快感を再び味わいたい」と考えたとしても不思議ではない。
 新たなストレッサーを求める事になる。続けていく事になる。生殺与奪のゲームを……。
33ゼロニスターA ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 08:46:19.64 ID:N+LRlP0z
すいません、フライングしました。このまま続けさせていただきます。

 10年前、とあるエルフの集落。
「ひったくりだーっ!!」
 雪の降る集落に男の声が響いた。
「誰かあのガキを捕まえてくれーっ!! 鞄と買い物袋を盗まれたあーっ!!」
 拳を振り上げて走るエルフの男の前方には、鞄と袋を両手に持って全力疾走するエルフの少女の姿があった。

 それからしばらくして、男を撒いた少女は石段に腰掛けて戦利品である袋を物色していた。
「………」
 中から出てきた1つの箱を見て少女の手が止まる。
 その箱に入っていたのは、父親・母親を模った男女1組の人形だった。
 しばらくその箱を眺めていた少女に、
「お前だろう……、ここら一帯で盗みを働いてるのは。何を手に入れたんだい」
 ぼろぼろの服を着たエルフの老婆がそう声をかけてきた。
「!!」
「ここらはあたしの縄張りなんだ! 浮浪者には浮浪者の仁義ってもんがあるさあね。あるんだろう、酒や財布が? よこしな!」
 少女は立ち上がると鞄・袋を手に老婆を睨みつける。
「……あたしは浮浪者じゃない。あんたと一緒にしないでくれる」
「はっ、あんたに家があるってのかい!! 心安らぐ家が!!」
「あ……、あるっ!!」
「じゃあなぜ盗むんだい。親に買ってもらえばいいだろう」
「………!! うるさいっ!!」
 ――ゴン
 苛立ちに任せて少女は老婆に投石、怯んだ隙を突いてその場から逃走する。
「!! このガキ……。お待ちーっ!!」
 走り去る少女の背中に対し、老婆は嘲笑混じりに大声を張り上げる。
「その年で他人の物を盗むようなガキは、先が知れてるよお〜っ!! あたしにゃわかるんだ!! 明るい未来なんてありゃしない!! まともな将来なんてありゃしない!! あたしと同様、ゴミ溜めがお似合いの人生さーっ!! あっはっはっは!!」
 老婆の嘲笑から逃げるように、少女は必死になって家路を急いだのだった。
34ゼロニスターB ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 08:49:41.08 ID:N+LRlP0z
 住宅街の中に建つ一軒家。
 少女はそっと扉を開けてその中に入る。
(あの男が……、呑みすぎでくたばってますように……)
 そう考えていた少女だったが、ゴミの散乱した室内にはまったく人の気配が無い。
(いない……)
 ひとつ溜め息を吐いて少女は自室に向かった。
 袋に入っていた果物を食べつつ、少女は「遠見の鏡」に映し出されている画像に見入っていた。
『東方では数多くの神話が言い伝えられておるのじゃ。今日はそのいくつかを探ってみるというのはどうかな、オセーテ君』
『うん、博士! おせーて! おせーて!』
『まずは東方神話の最高神・テュリュークじゃ!! 戦争と死の神といわれておる! 愛馬の脚は8本あるそうじゃよ! まるでタコじゃのう』
 ──ミシッ……
「!!」
 突然の足音に気付いて、少女はそれが聞こえてきた方向に振り返る。
「えうっ、お前……、何持って帰ってきたあ……。そのベッドに置いてある玩具は何だ?」
 部屋に頭髪の薄くなった男が酒瓶片手に入り込んできて、少女に因縁をつけてきた。
「酒はどうしたあ、酒は……。てめー、あれほど酒屋から出てきた奴から盗めって教えたのに、俺の話を聞いてなかったのか」
「今日は酒屋が閉まってて……」
「じゃあ隣町にでも行ってこい!! 子供なら捕まっても平気だろうが!!」
 少女の言葉に耳を傾けようともせず、男は少女に平手打ちをくらわせる。
「あうっ!」
「くそっ……、俺はついてねー男だぜ。あー、喧嘩で工房を辞めてさえなけりゃあなー。10年もあそこで頑張ってたのによー」
 酒瓶の中身を口に流し込みつつ身勝手なぼやきを漏らす男。
 そんな男の様子を見ていた少女が、かすかな声で何事か呟いた。
「ああ? でかい声で喋れ」
「母さんが家を捨てる前にこぼしてたよ。父さんが勤めてたあの工房は馬鹿しか雇わない所なんだ。下手に賢いやつを入れたら、組合を作られたり訴えられたりするから……」
「……!!」
 娘の初めての反抗の言葉だった。本来なら子が親に向かって口にしていい言葉ではない。
 しかしそれは親が懸命に働いて子を養っているのが前提である。この娘の場合、その役目は出ていった母親が担っていた。
 この男は自分が得た金は全て自分のためだけに使っていた。
「きゃああああ!!」
 突然男に襲いかかられ、少女は悲鳴を上げる以外不可能だった。
35ゼロニスターC ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 08:52:17.00 ID:N+LRlP0z
「ん〜!! んん〜っ!!」
 少女は下着だけを残して服を剥ぎ取られ、腕はベッドの枠に拘束されさるぐつわをかけられていた。
「馬鹿にしやがって……!! 俺を怒らせるとどうなるか、体で教え込んでやらあ……!!」
『テュリュークは他の神と敵対したりもしておったんじゃがの。でもテュリュークには強力な女戦士がおったんじゃよ』
 少女は必死になって抵抗しながらも、「遠見の鏡」から流れてくる音声をやけに冷静に聞いている自分に気付いた。
 男は少女にのしかかり、彼女の首筋を無造作に舐め始めた。
「ん゙ 〜っ!!」
 アドレナリンは身体能力にある影響をもたらす。
 心拍数アップ・心筋収縮力アップ・痛覚ダウン……。
「!!」
 乱暴に下着を引きちぎられて、かすかに膨らんだ少女の胸は男の前に露出した。
「こ……、今度よお〜っ!! 写真機盗んでこい、写真機!! お前は綺麗だあ〜っ!! 写真を売れば儲かるぜ〜っ!! 子供のエロ写真は大人のやつより高く売れるんだあ〜っ!!」
 ──バキバキッ
 渾身の力を込めた少女の腕が、腕を拘束していたベッドの枠をへし折った。
 ──ドス
「うげっ!?」
 男の呻き声のような悲鳴が聞こえ、彼を見上げている少女の顔に血の雨が降り注ぐ。
 少女の手首に固定されているベッドの枠だった木片が、男の喉笛に深々と突き刺さっていたのだ。
「お……、お前……、ぢょっど待で……。何やっでんだ、お前ば……」
 そして……、
「がびばびいいい〜っ!!」
 木片を引き抜かれ、男は喉に開いた穴から盛大に鮮血を噴出させて絶命した。
『女戦士の名は「ビダーシャル」じゃ!! たいへん戦好きの女神として語り継がれておる。人間の戦場において、誰が死ぬかを決定する能力を持って折ったそうじゃよ』
「遠見の鏡」には、全身を鎧兜で固め両手剣を手にした女神の姿が映し出されていた。
 男の返り血にまみれた状態で、少女は呆然と東方の女神・ビダーシャルの姿を眺めていた。
 そして覚醒……。
 少女は恐怖の感情を克服した。自らが恐怖を与える存在と化す事で……。
36ゼロニスターD ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 08:55:50.55 ID:N+LRlP0z
 スタート地点付近には多数のテーブルが設置され、予選通過者達が用意された酒や料理を楽しんでいた。
 テーブルに手を突きグラスを傾けているビダーシャルは、女性スタッフ達に促されて馬車に乗り込む。
「『ビダーシャル』様……、予選通過おめでとうございます。選手のために用意したホテルまで案内致します」
「ハルケギニア最強殺人鬼決定戦の本選は明後日……。明日はそれに備えて静養していただく予定となっております」
 山道を走る馬車の中、ビダーシャルは女性スタッフから本選に関する説明を受けていた。
「それと優秀な成績で予選通過したビダーシャル様には、ぜひとも開会式での選手宣誓のスピーチをお願いし……」
「明日は近くの町に行きたいわ。1日だけのアルバイトがしたい」
 女性スタッフの言葉を遮り、ビダーシャルは両親を模った人形を眺めつつ言った。
「……は!?」
「なるべくきついのがいい。私はね……、イライラが欲しいのよ」
「戦いに備えてモチベーションを蓄えたい……という事でしょうか?」
「そうそう。よくわかってるじゃない」
 後部座席のビダーシャルを振り返った女性スタッフがビダーシャルの持つ人形に気付き、
「あら人形。どうしてそんな物持ってきて……」
 そう尋ねた女性スタッフをビダーシャルは睨みつける。
「余計なお世話よ。あとこれは人形じゃない、家族よ」
 ビダーシャルの迫力に、馬車を駆る女性スタッフは威圧されて横目で彼女を見るのみだった。
37ゼロニスターE ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 08:58:20.39 ID:N+LRlP0z
「!! ほう……、これはこれは。よくお戻りになられましたな、お三方……。生還おめでとうございます」
 森の中から戻ってきた3人組を、クロムウェルは皮肉げな笑みで迎え入れた。
「さて、メダルは何枚集められましたかな? 4枚? それとも5枚?」
 そう声をかけてきたクロムウェルの鼻の穴に、ナックルスターは容赦無く指を突っ込んだ。
「なめんじゃないわよ、ちっこいの」
「メダルは30枚以上集めてやったわ」
「うぐぐ〜っ!!」
「!!」
 クロムウェルの呻き声を無視していたシエスタは、予選参加者達の中に見知った顔を発見した。
「ミス・ヴァリエール、ミス・ナックルスター……、『彼』がいます……!!」
 全身金属鎧で固めた少年……才人が、シエスタの前に立っていた。
(サイトさん……)
「聞きたい事がある。俺の仲間を見なかったか? 『飴姫』と『メンヌヴィル』、『石牙のマリコルヌ』……の3人だ」
「……!!」
 シエスタが表情を引きつらせているのにもかまわず、才人は言葉を続ける。
「損得勘定でくっついた者同士とはいえ、一応は俺の仲間だ。だがまだ1人も帰ってきてない」
「全員死んだわよ。3人とも死んだのを私は確認してる」
「そして『石牙のマリコルヌ』は……、ここにいるシエスタが倒したわ。こいつもやる時はやるのさ!!」
 そう言ってナックルスターは親指でシエスタを指し示した。
(なっ……、ミス・ナックルスター!!)
「こんな小娘が倒しただと〜? 嘘もたいがいにしろよ……」
(うわっ……、来ます……!! ミス・ナックルスターの馬鹿……!!)
 シエスタに接近していく才人の進路に、ルイズ・ナックルスターが立ちはだかった。
「どけ……。殺されたいか、サタニスター」
「トライしてみな、この野郎。またあたしに馬乗り状態でタコ殴りにされて、頭に『バカ』って書かれたければね」
「それと言っておくけど、先に仕掛けたのは3人の方だからね! 『シエスタはその時1人だったわ』。3対1で奇襲したにもかかわらず、遅れを取ったのよ。あんたの頼もしい仲間は!!」
「……!!」
 睨み合いを続ける3人の元に、
「あの……、ここで喧嘩は困るのですけども……」
 と女性スタッフの1人が仲裁に入ろうとする。
「やかましい!! すっこんでいろ!!」
 才人が女性スタッフにそう怒鳴りつけた次の瞬間、
「!!」
 一瞬のうちに3人の女性スタッフが才人を包囲し、1人は電撃を帯びた杖を、もう1人は刀身が唸りを上げて振動する両手剣を、最後の1人は複数の銃身を束ねた長銃を彼に突きつけた。
 その早技に、才人は身動きが取れなくなる。
「サイト様、『虚無壺の会』をお舐めになってはいけません。私ども『虚無壺ガールズ』は、殺人鬼達を束ねるにあたり特別な訓練を積んだ者もおりますゆえ」
「『虚無壺の会』は殺人鬼達を集めて試合をさせる以上、管理能力に抜かりはございません。多少の摩擦には目をつぶる事もございますが、度を過ぎれば……」
「『こう』なっていただきます」
 と、両手剣を持った虚無壺ガールズが親指で首を掻っ切る仕草をしてみせる。
「できれば上位入賞していただいて、『生涯の安全』という商品を手に入れていただきたいのですが」
「ちっ……。まあ、主催者側の顔は立てねーとな」
 そう言って肩をすくめつつ矛を収めた才人にナックルスター・ルイズが、
「『顔は立てねーとな』じゃないよ、弱虫野郎ーっ!! ドハハハハ!!」
「納得したふりして、本当はびびってんでしょーっ!?」
「ミス・ナックルスター、ミス・ヴァリエール、やめてくださいーっ!!」
 指さして嘲笑するナックルスター・やはり嘲笑しつつ**ルイズを、シエスタはしがみついて止めようとする。
 そんな2人の様子に、才人は憤怒のオーラを立ち上らせつつも必死で自制するのだった。
(挑発に乗るな、挑発に乗るな……)
38ゼロニスターE ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 09:01:30.37 ID:N+LRlP0z
すいません、描写を入れ忘れていた部分がありました。

「!! ほう……、これはこれは。よくお戻りになられましたな、お三方……。生還おめでとうございます」
 森の中から戻ってきた3人組を、クロムウェルは皮肉げな笑みで迎え入れた。
「さて、メダルは何枚集められましたかな? 4枚? それとも5枚?」
 そう声をかけてきたクロムウェルの鼻の穴に、ナックルスターは容赦無く指を突っ込んだ。
「なめんじゃないわよ、ちっこいの」
「メダルは30枚以上集めてやったわ」
「うぐぐ〜っ!!」
「!!」
 クロムウェルの呻き声を無視していたシエスタは、予選参加者達の中に見知った顔を発見した。
「ミス・ヴァリエール、ミス・ナックルスター……、『彼』がいます……!!」
 全身金属鎧で固めた少年……才人が、シエスタの前に立っていた。
(サイトさん……)
「聞きたい事がある。俺の仲間を見なかったか? 『飴姫』と『メンヌヴィル』、『石牙のマリコルヌ』……の3人だ」
「……!!」
 シエスタが表情を引きつらせているのにもかまわず、才人は言葉を続ける。
「損得勘定でくっついた者同士とはいえ、一応は俺の仲間だ。だがまだ1人も帰ってきてない」
「全員死んだわよ。3人とも死んだのを私は確認してる」
「そして『石牙のマリコルヌ』は……、ここにいるシエスタが倒したわ。こいつもやる時はやるのさ!!」
 そう言ってナックルスターは親指でシエスタを指し示した。
(なっ……、ミス・ナックルスター!!)
「こんな小娘が倒しただと〜? 嘘もたいがいにしろよ……」
(うわっ……、来ます……!! ミス・ナックルスターの馬鹿……!!)
 シエスタに接近していく才人の進路に、ルイズ・ナックルスターが立ちはだかった。
「どけ……。殺されたいか、サタニスター」
「トライしてみな、この野郎。またあたしに馬乗り状態でタコ殴りにされて、頭に『バカ』って書かれたければね」
「それと言っておくけど、先に仕掛けたのは3人の方だからね! 『シエスタはその時1人だったわ』。3対1で奇襲したにもかかわらず、遅れを取ったのよ。あんたの頼もしい仲間は!!」
「……!!」
 睨み合いを続ける3人の元に、
「あの……、ここで喧嘩は困るのですけども……」
 と女性スタッフの1人が仲裁に入ろうとする。
「やかましい!! すっこんでいろ!!」
 才人が女性スタッフにそう怒鳴りつけた次の瞬間、
「!!」
 一瞬のうちに3人の女性スタッフが才人を包囲し、1人は電撃を帯びた杖を、もう1人は刀身が唸りを上げて振動する両手剣を、最後の1人は複数の銃身を束ねた長銃を彼に突きつけた。
 その早技に、才人は身動きが取れなくなる。
「サイト様、『虚無壺の会』をお舐めになってはいけません。私ども『虚無壺ガールズ』は、殺人鬼達を束ねるにあたり特別な訓練を積んだ者もおりますゆえ」
「『虚無壺の会』は殺人鬼達を集めて試合をさせる以上、管理能力に抜かりはございません。多少の摩擦には目をつぶる事もございますが、度を過ぎれば……」
「『こう』なっていただきます」
 と、両手剣を持った虚無壺ガールズが親指で首を掻っ切る仕草をしてみせる。
「できれば上位入賞していただいて、『生涯の安全』という商品を手に入れていただきたいのですが」
「ちっ……。まあ、主催者側の顔は立てねーとな」
 そう言って肩をすくめつつ矛を収めた才人にナックルスター・ルイズが、
「『顔は立てねーとな』じゃないよ、弱虫野郎ーっ!! ドハハハハ!!」
「納得したふりして、本当はびびってんでしょーっ!?」
「ミス・ナックルスター、ミス・ヴァリエール、やめてくださいーっ!!」
 指さして嘲笑するナックルスター・やはり嘲笑しつつ親指を下に向けるルイズを、シエスタはしがみついて止めようとする。
 そんな2人の様子に、才人は憤怒のオーラを立ち上らせつつも必死で自制するのだった。
(挑発に乗るな、挑発に乗るな……)
39ゼロニスターF ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 09:04:25.39 ID:N+LRlP0z
 翌日、とある町の大規模商業施設にビダーシャルの姿があった。
「若い人が来てくれて本当に助かるわあ〜。1日限りのアルバイトさんとはいえ」
 バケツ・モップ片手に中年女性と廊下を歩いている。
「あたしゃ腰痛と肩こりが酷くてねえ……。トイレ掃除は特にこたえるのよ」
「カイロプラクティックに通われてはいかがでしょうか」
「でもあれはお金がかかるしねえ……。ところであなた独身?」
「ええまあ」
「あれ〜、あんたみたいな綺麗な人がどうしてまた」
「ははは……」
 そうこうしているうちに、2人はとある男性用トイレの前に到着した。
「じゃあ教えた手順でお願いね。アタシは別棟のトイレを担当するから、ここが終わったら来てちょうだい」
「ええ、わかりました」
 と言い残して中年女性はその場を離れ、ビダーシャルはトイレ掃除を開始する。
「……たぶんあのババアは私が行くまでサボっている……(だが私がここに来たのはストレスを溜めるため!! 礼を言いたいぐらいよ、ババア……!!)」
 暗い笑みを浮かべつつトイレ掃除に邁進するビダーシャルの元に、
「漏れる漏れるー!! ねえ!! 掃除中でもいいでしょ!?」
 そう言いつつ幼い少年が駆け込んできて、便器の1つの前に立つ。
(!! そこは掃除したばっかり……)
 ビダーシャルの視線を知ってか知らずか少年は用を足し始める。その足元では飛び散った尿の雫が床を汚していた。
「………!! ふふ……」
 その様子を見てビダーシャルはひきつった笑みを浮かべ、
「ふふふふ……、そうよ……、それでいいのよ……!!」
「?」
 ブラシで自分を指し示しながらそう呟くビダーシャルに、少年は首を傾げていた。
40ゼロニスターG ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 09:07:25.37 ID:N+LRlP0z
 それからしばらく経って、輝かんばかりに清掃されたトイレでビダーシャルは満足げに息を吐いた。
「ようやく9割方は終わったわ……。予想外だったのは……、ストレスを溜めたくて辛い仕事を選んだにもかかわらず、やり始めるとだんだんと『のって』くる事……。しかしこれをまた汚されるのかと思うと……、なおいっそうイライラするわ……。誰も来なければいいのに……」
 感慨深げなビダーシャルの言葉を嘲笑うかのように、
「ち……、ちょっとすまん!! 腹が痛くてかなわん!! 入るぞ、姉ちゃん!!」
 と中年男性が腹部を押さえつつ入り込んできた。
「(清掃中の札が見えねえのか、ジジイ〜っ!!)ま……、まだ清掃中で……」
 ――バタアン!
 ビダーシャルの静止に耳を傾けず、男性は手近な個室に入った。
 ややあって、個室内部から男性が用を足す音が聞こえてくる。
(じじい……、今日はお前の人生で最も幸福な日だと思え……!! このビダーシャルにクソの音を聞かせて生きて帰れるのだからな……!!)
 ――ジャアアー……
「いやー、すまんすまん」
 個室から出てきた男に心中で舌打ちしつつ、掃除をやり直そうとするビダーシャル。
「!!」
 しかし個室に入ろうとして硬直した。
 男性が使用した便器からは、はずれた便が床に全体の半分ほど落ちていたのだった。

「ヴオ〜ッ!!」
 ――ドガドガッ!
 ビダーシャルは般若の形相で男性の後頭部をわしづかみにして、何度も激しく壁に叩きつける。
 男性が完全に絶命し片方の眼球が頭部から飛び出しても、攻撃の手は止まるどころか緩みもしない。
 壁に貼られたタイルが割れて血液が飛び散っていく様子に、ビダーシャルは哄笑とも悲鳴ともつかない声を上げる。
「あはははは! また掃除しなくちゃならなくなったわあ〜っ!!」
 掃除用具入れから男性の死体が発見され大騒ぎになった時には、既にビダーシャルは姿を消していた。
41ゼロニスター ◆AS3lWBPbwBc6 :2012/01/31(火) 09:10:44.48 ID:N+LRlP0z
以上投下終了です。
42名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 20:39:29.55 ID:uzoOQqOz
乙です
43無重力巫女の人:2012/01/31(火) 21:51:52.64 ID:1SdjCQuB
どうも皆さん、今晩は。
2012年になってからもう一月が経ちますね。

さてと、ではこれから51話目の投稿を始めますね。
特に何もなければ、21時55分から投稿の方を開始します。
44無重力巫女の人:2012/01/31(火) 21:55:05.77 ID:1SdjCQuB

ルイズ、霊夢、魔理沙の三人がトリステインの森で手痛い体験をしてから暫く後の虚無の曜日――――
その日は朝から用事があると言ってルイズがひとり街へ赴き、魔理沙もキノコ探しにと森へ出かけた。
今ルイズの部屋にいるのは彼女に召喚された霊夢と、やけにお喋りなデルフだけであった。



―――最近、日差しが強くなったような気がする。
霊夢はそんな事を思いながら、開きっぱなしの窓から外の景色を見る。
魔法学院の一室から見える開放的な蒼い空に覆い被さるかのように、巨大な雲が浮かんでいた。
それは俗に「入道雲」とも呼ばれる存在で、夏の訪れを知らせてくれる入道だ。

「そういえば、もうすぐ夏の季節なのよね…」
霊夢は誰に言うとでも無く呟くと、テーブルに置かれた緑茶入りのコップを手に持った。

開けっ放しにされた窓から入ってくる光に目を細めながら、霊夢はコップに入った緑茶を一口啜る。
緑茶に混ざって入っている幾つもの小さな氷がコップにぶつかるガラス細工のような音が、熱気が微かに漂うルイズの部屋に響く。
キンキンに冷えた緑茶と一緒に氷も二、三個ほど口の中に入れ、バリボリとくぐもった音を立ててかみ砕いてゆく。
そして口からコップを離すとハァと溜め息をつき、ふと天井を見上げる。
つい一週間ほど前までは窓を開けなくても良かったのだが、この頃から窓を閉めてると自然に体から汗が出てくる。
トリステインは比較的寒い土地であるが、いざ夏の訪れると急に暑くなるという厄介な場所であった。
それが原因か、最近になってからハンカチで汗を拭う者達を見かけるようになっていた。

「…やっぱり突然連れてこられただけあって、夏の訪れも突然なのね」
「へへ、それでうまい事言ったつもりかよ?」
ひとりでに口から出た霊夢の呟きに、ベッドの上に置かれたデルフが勝手に応えた。
まるでダメ出しするかのようなインテリジェンスソードの言葉に霊夢は目を細めつつ、ベッドの方へ目を向ける。
以前はやかましいからとルイズと霊夢に縄で縛られていたこの剣も、今はなるべく静かにすると言う約束で縛られなくなっていた。
おかげで喋りたいときはベラベラと喋ってくるが、以前のようなやかましさは無くなっていた。
いつものように魔理沙と話していたり、時には今のように霊夢の言葉に一々突っ込んでくることもある。
ルイズはそんな剣にいつも厳つい視線を送っているが、霊夢はこんなもんでいいかと考えていた。

自分の言葉に霊夢が反応したのが嬉しいのか、デルフは鞘から露出した刀身を震わせながら言葉を続ける。
「いつも思うんだけどよ、お前さんは狂言回しや役者にでもなりたいのかね?」
デルフのからかい言葉に霊夢はアゴに手を添え、自分の将来について真剣に考えるかのようなポーズをとった。
「そうねぇ〜、もし巫女としての務めが終わるのなら…………とりあえずアンタの考えてること以外の事をしてみたいわね」
霊夢の口から出た「将来の夢」を聞いて、デルフはひでぇと呟いた後に言葉を続ける。
「なんでぃそりゃ?このオレっちが真剣に考えてやったっていうのに」
「アンタの場合は体の方が真剣だから、頭の方が真剣じゃなくなったのよ」
おせっかいなデルフにそう言いながら霊夢は手に持っていたコップをテーブルに置き、次いでその隣に置かれた湯飲みを手に取る。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 21:57:47.85 ID:47d5jo5R
支援
46無重力巫女の人:2012/01/31(火) 21:58:24.35 ID:1SdjCQuB
コップを持った時と違い何処か慎重そうに湯飲みを両手で持つと口に近づけ、中に入った熱い緑茶をゆっくりと啜る。
静かにズズズと音を立てながらお茶を飲む彼女の姿は、西洋の雰囲気漂うこの世界とはあまりにもミスマッチし過ぎていた。
「ふぅ…やっぱり冷たいのもいいけど、熱いお茶もまた格別ね」
湯飲みから口を離した霊夢はそう言いながらなんとも嬉しそうな表情をその顔に浮かべた。

例えればそれは、しばらく働かなくても不自由なく好きに暮らせる財産を手に入れた人間が浮かべるすのような幸せな表情。
そんな例えとはまるで無縁な過疎神社の巫女である彼女が、それよりももっと幸せそうな表情を浮かべている。
もしもその顔をルイズが見たら驚くであろうが、きっと彼女のことをある程度知ってる魔理沙や幻想郷の住人達ならこう思うだろう。

「よくもまぁ、お茶を飲むだけでそんな幸せになれるなんて。相変わらず暢気だなぁ…」と。

湯飲みをテーブルに置いたとき、デルフが話し掛けてきた。
『なぁ霊夢、少し聞いて良いか?』
「ん?何よ」
デルフの質問に首を少しだけ傾げつつ、霊夢は暇つぶしにと耳を傾ける事にした。
しかしその質問の内容は、デルフでなくとも先程彼女がとった行動を見たら誰だって投げかけるだろう。
何せ今霊夢がコップと湯飲みを置いたテーブルの上には、熱い緑茶が入った急須とアイスティーの入ったポットが置かれているのだから。
ハルケギニアはもうすぐ夏の季節を迎えるが、この部屋だけは未だに春と初夏の間を行き来していた。

『どうして熱いお茶と冷たいお茶を、交互に呑む必要があるんだよ』
恐らく十人中八人が彼女に聞きそうなその質問に、霊夢は当たり前と言わんばかりにこういった。
「交互に飲むからこそ、美味しくかつ二つの味を楽しめるのよ?」
得意気な顔で冷静かつ明確にそう答えた時…部屋に二つある出入り口の内の一つであるドアが開く音が耳に入ってきた。

ドアを開けて入ってきた人間は、霊夢がそちらへ顔を向ける前に、自分が何者なのかを知らせた。
「よう霊夢とデルフ。今帰ったぜ!」
部屋の主であるルイズとは違う快活な声を上げて、魔理沙が部屋に入ってくる。
その顔や首筋には汗が滲み出ており、外が結構な気温になっている事を物語っていた。
『おぉ魔理沙か…って何だ、随分と汗だくじゃねぇか?』
「あぁこれか。いやぁ珍しいキノコとか薬草を捜して森の中とかを飛び回ってたらこうなってな…」
デルフの言葉に応えながら、魔理沙は左腕で額の汗を拭った。


相変わらず白と黒を基調にした服であったが、霊夢と違い所々デザインが変わっていた。
夏の季節に合わせて生地の薄い半袖ブラウスの上に、黒色のサマーベストを着ている。
短くなったスカートに合わせて白いエプロンも小さな物になっており、以前より少しだけ可愛らしくなった。
唯一変わらないのは頭に被っている帽子であるが、それ以外の箇所は正に「夏服」となっていた。
47無重力巫女の人:2012/01/31(火) 22:01:25.51 ID:1SdjCQuB
「おかえり…と言った方が良いのかしらね?」
一足早い夏の熱気で汗をかいて帰ってきた魔理沙に、霊夢は自分の言葉に疑問を覚えながらも言った。
「だろうな。ここは神社じゃないし」
魔理沙はそう言いながらドアを閉め、右手に持っていた箒をクローゼットの傍に立てかけた。
彼女の相棒ともいえる箒は幾つか傷ができているものの、常に手入れをしているお陰か古びた印象を見せていない。
箒を手から放した彼女はふう、と一息ついてからポケットからハンカチを取り出して首筋を流れる汗をササッと拭き取った。
その姿を見た霊夢は、思った以上に気温が上がっているのかと思った。
「それにしっても急に暑くなったよなホント…幻想郷の夏も暑いがこっちと比べりゃまだ良い方だぜ」
「そうかしら?私はあんまり動いてないから良く分からないわ」
「そう言うと思ったぜ。お前は一年の半分くらいは、神社の縁側でお茶を飲みながら過ごしてるもんな」
霊夢と話しながらも左手に持っていた小さな革袋をベッドの傍に置くと、霊夢の向かい側に置かれたもう一つの椅子に腰掛けた。
そして頭に被っていた帽子を脱いで膝に置くと、テーブルに置かれた急須とティーポットに気が付く。

「ん?…なぁ霊夢」
「何よ」
「これってどっちがアイスティーなんだ…それとも、両方が熱いのか?」
『イヤ、普通に見ればわかるだろ』
魔理沙の言葉に、霊夢よりも素早くデルフが突っ込みを入れた。

★☆★

「んっ、んぐっ…ん……ッハァ!」
ルイズの部屋に、気持ちの良さそうな魔理沙の声が上がる。
コップに注いだ冷たいアイスティーを飲み干した彼女の顔は、喜びで若干にやけている。
まぁ汗だくになりながら森の中を飛び回ったのだから無理もないであろう。
「やっぱり思いっきり汗をかいた後の冷たい飲み物ってのは美味しいぜ〜…」
僅か数秒で空っぽになったコップをテーブルに置いた魔理沙は、体の重心を前に傾けてグテッとテーブルに突っ伏す。
その様子を見ながら湯飲みに入った緑茶を啜っていた霊夢は、ふと窓の外の景色へと視線を移した。
幻想郷のそれと負けないくらいに澄み切った青い空を背景にして、巨大な入道雲が浮かんでいる。
その空の下には自分たちの塒である魔法学院の外壁と、そこを囲むようにして何処までも続くかのような森が見える。

(そういえば、以前あの森で変な怪物に襲われたけど…もうあれから結構経つのよね)
学院の外にある森が目に入った霊夢はふとあの時の事を思い出し、左肩を一瞥する。
あの怪物に襲われ不覚にも一撃を喰らってから、既に数日もの時間が経過していた。

つけられた傷はあの毒を含めて、ルイズが持っていた水の秘薬のおかげで綺麗サッパリに消えていた。
まるで最初から無かったかのように…という言葉がピッタリと似合うほどに傷は無くなっていた。
以前も背中を青銅のゴーレムに強く殴られたときも、あのクスリのおかげで後遺症もない。

(なんというか…流石魔法の世界ね。あんな切り傷と毒まで治してくれるんだから)
霊夢はそんな事を思いながら、頭の中で数日前の事を思い出し始めた。
48無重力巫女の人:2012/01/31(火) 22:04:10.62 ID:1SdjCQuB


怪物が倒された後、私が再び目を覚ましたのは翌日の未明であった。
その時はまだ毒が僅かに残っていたのか体は少し気怠かったが、それ程苦しくもなかったの覚えてる。
無機質で一定のリズムを奏でる時計の音に耳を傾けながら、私はゆっくりと目を開ける。
もう見慣れてしまった天井が目に入ったと同時に、ふと視界の左端に明るい何かが映った。
何かと思い、いつもより重たく感じる目を動かすと、すぐ近くに魔理沙の背中があった。
私に背を向けて椅子に座っている彼女は、鬼火や幽霊のようにゆらゆらと動くそれの光を頼りに本を読んでいるようだった。
時折ページを捲る音も聞こえているので起きているのは起きているのだろう。

私は魔理沙の背中に声を掛けようと口を開いたが、うまく言葉が出ない。
「…っう…く」
ちょっと頑張って喉から出した声は、まるで墓場から蘇った亡者の如き呻き声であった。
それでも気づいてくれたのか、魔理沙はふと顔を上げると私の方へと顔を向けてくれた。
最初はキョトンとしていた彼女も、私の顔を見てすぐに笑みを浮かべた。
「おぉ、何だ霊夢か。てっきり学院を根城にする悪霊が出たのかと思ったぜ」
「そんなヤツがいるなら、とっくに私が退治してるわ」
先程上げた声をネタにして冗談を言った彼女に対し、私は苦笑いの表情と言葉で返してやった。
その言葉を聞いた魔理沙は満足そうにうんうんと頷いた。
「は!そんな表情とセリフが出るんならルイズの言ったとおり、もう大丈夫だな」
魔理沙の口から出たこの部屋の主の名前を聞き、ふと私は足の方に何かが乗っかっているのに気が付く。
ふとそちらの方へ視線を向けると驚くことに、ルイズが私の足に頭を乗せてグッスリと眠っていた。
いつもの服を着ている魔理沙と違いネグリジェを纏い、その上にタオルケットを羽織っている。
更に私の体に掛かっているのが分厚い毛布という事もあり、その寝顔は安らかであった。

「なんていうか…どうしてこうなったのかしら」
私は見ていて妙にムカついてくる程安らかな寝顔を浮かべるルイズを見ながら、ひとりでに呟く。
その言葉に応えるかのように、イスに座った魔理沙が得意気にこれまでの経緯を話してくれた。

魔理沙の話が正しければ、どうやらつきっきりで看病したかったとのことらしい。
部屋に置いてあった水の秘薬を使い傷の手当てをした後、そのまま私の事を見守っていたのだという。
食事は魔理沙に持ってきて貰い、風呂に入るときは魔理沙に看病を頼んだりと…

「…で、私が風呂から帰ってくると今の恰好で寝てたから毛布を掛けたんだよ」
魔理沙は最後にそう言って、説明を終えた。
話を聞くだけではどうにも信じられないが、まぁこうしているのだから事実だと思って良いのだろう。
私はすーすーと寝息を立てているルイズを見て、そう思った。

人間というのは、どんなヤツでも必ず何らかの成長を見せるのだから。

「というか、毛布かけるならベッドに運んであげなさいよ」
「いや〜もしかしたら途中で起きるかなーって思ってはいるんだがな」
その後、冷たい床の上で寝ていたルイズは魔理沙と一緒に柔らかいベッドでグッスリと眠った。



(あれからもう暫く経つのね)
霊夢は傷が出来ていた所を優しく撫でつつ、回想を終えた。
あれから数日が経ってはいるが、魔理沙はいつもの如く平常運転ではある。
偶に箒と革袋を持って外に出かけては得体のしれない薬草やキノコを取ってきたり本を読んだり、霊夢やルイズ達とお茶を飲んでいる。
一方のルイズはというと、ほんの僅かだけ優しくなったように思えた。ほんの僅かだけ
全体から漂う雰囲気自体はまだツンツンとしているが、それでも他人と接するときには優しさが垣間見えるようになった。ほんの僅かだけ。
デルフの方もあれから縛られる事もなくなり、機嫌も良くなっている。
偶に口を滑らせて霊夢やルイズに投げられたり脅されたりしているが、まぁそこは以前と変わりないだろう。

(本当、時間って暇なときほど早くなねような気がするわ)
霊夢はそんな事を思いつつ、窓からみえる外の景色をジーッと見つめていた。
49無重力巫女の人:2012/01/31(火) 22:08:06.40 ID:1SdjCQuB

魔理沙が森でキメラを倒した日から随分と時間は経っていたが、あれ以来怪しい事は何も起こっていない。
ただ霊夢が倒した虫キメラの事に関しては、学院の中で起こった゛怪事件゛ということでちょっとした話題になっていた。

なんでもあの日の夜…
学院の警備をする衛士達がいつの間にか全員気を失っていたり、
女子寮塔の事務室が何者かによって滅茶苦茶に荒らされていたというのである。

教師達は衛士や事務室にいた同僚達から話を聞いたのだが、証拠となる証言は一つも得られなかったのだという。
それがきっかけとなり、生徒達の間で数十種類の的はずれなうわさ話が飛び交った。
ある者は学院に貴族くずれの賊が侵入したと言う話しに対し、ある者は夢魔がやってきて学院を飛び回ったと反論する。

それはあまりにも的はずれで、誰も真実に辿りつくことはない。
学院で゛ゼロ゛と揶揄される少女の使い魔が、人を襲う怪物を退治したという真実に―――
そして、いつの間にか少女の部屋に居着いた白黒の少女が使い魔と同じ世界から着たという異邦人だという事にも…



「…やっぱり、平和にお茶を飲めることが一番大切なことね」
霊夢はひとりそう呟き、再び湯飲みを口もとに近づけようとした時…ふとある疑問が浮かび上がってきた。
それは、怪物を倒した日の夜…ボンヤリとした頭の中に思い浮かび、今の今まで記憶の底に沈んでいた。
しかしあの時のことを思い出したおかげでその疑問は勢いよく浮上、そのまま天高く飛び上がったのである。

霊夢は口もとに近づけていた湯飲みをテーブルに置き、口を開いた。

「ねぇ、魔理沙。少し聞きたいことがあるんだけど?」
突然自分の名前を呼ばれた魔理沙は目を丸くしつつも、霊夢の方へ顔を向ける。
そして目の前にいる巫女が、さっきとは打って変わってちょっと真剣そうな表情を浮かべているのに気が付いた。
「なんだよ霊夢?そんな顔して私に聞きたいことがあるだなんて…」
「まぁ聞きたいことが一つだけあるわ」
最初に一言だけそう言うと霊夢は一呼吸置いた後、脳内の疑問をそのまま質問に変えてこう言った。

「この前の森で怪物を退治した後、誰が私たちを学院まで連れてきたのよ?」

霊夢の口から出た言葉に、魔理沙は数秒ほど黙った後キョトンとした表情を浮かべた。
「あれ?お前に話してなかったっけ?」
「話って何よ?それ自体初耳だわ」
まるで自分一人だけ置いてけぼりされたような感じがした霊夢は、魔理沙の言葉に突っ込んだ
何処か冷たさが見える彼女の言葉に、魔理沙は苦笑いで返しつつポン、と手を叩いた。
「…あぁそうだ、お前が目を覚ました後に話そうとかな〜って思ってたんだよ」
「だったら何で話してくれなかったのよ」
まるで噛みついてくるかのように突っかかってくる霊夢に、魔理沙はいやいやと手を振りつつ話を続ける。
「いや〜だってあの後のお前もなんかボーッとしてたし、また後にしようか…って思ってそのまま眠って…」

「忘れたってワケ?」
魔理沙が言おうとした最後の一言を霊夢が代弁した。
50名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 22:12:05.40 ID:uAMkj+br
支援
51無重力巫女の人:2012/01/31(火) 22:13:42.39 ID:1SdjCQuB
彼女の顔には、怒りよりも若干の呆れたと言いたげな雰囲気が漂っている。
「まぁそうなるな」
霊夢の冷たい視線に、魔理沙はポリポリと頭を掻きつつそう言った。
その顔には霊夢とは違い薄い笑みを浮かべている。どうやら反省の意思は無いらしい。
まぁいつもの事だと思いつつ、溜め息をついてから霊夢は再度口を開く。
「…まぁ、アンタの事だからそんなので起こりはしないけd「トントン!」……?」

彼女が言い終える前に、ふとドアの方からノックの音が聞こえてきた。
一瞬ルイズが帰ってきたのかと思ったが、それはないとすぐに思った。
この部屋の主である彼女が普通自分の部屋のドアをのっくするという事はないだろう。
じゃあ一体誰なのかと首を傾げていると、腰を上げた魔理沙がそのままドアの方へと歩いていく。
そしてドアノブを捻り、躊躇いもなく開けるとその向こうにいた相手と顔を合わせた。

「はいはーい!どちらさま…って、あぁお前か。丁度良い所で来てくれたぜ」
丁度いいところで来てくれた?この言葉に霊夢は更に首を傾げそうになった。
魔理沙とドアの向こうにいる誰かが一言二言ほど言葉を交えた後、魔理沙が霊夢の方へと顔を向けた。

「まぁお前も顔くらい知ってると思うが、コイツが森の中にいたあたし達を助けてくれたんだよ」
そう言って魔理沙は右手でドアを開き、その先にいた少女の姿をさらけ出した。
印象的な雰囲気漂う眼鏡にボーッとしたような表情は何処か冷たさを感じる。
左の手で分厚い本を抱え、右の手で自身の身長より高い杖を持っている。
身長はかなり低い方で、魔理沙と比べてもかなりの差があった。
そして何より目にはいるのが、青空のように爽やかな水色のショートヘアーだ。
まるで雲一つ無い空の色をそのまま髪の毛に移植したかのような輝きは、もう芸術といっても良い。



霊夢は知っていた、この特徴が全て当て嵌まる少女の名前を。
「あんた…確か…タバサ、だったかしら?」
確認するかのような霊夢の言葉に、タバサはコクリと頷き――部屋の中へと足を踏み入れた。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 22:15:14.21 ID:uAMkj+br
しぇん
53無重力巫女の人:2012/01/31(火) 22:15:48.99 ID:1SdjCQuB
はい、今回の投稿はここいらで終了です。
冬真っ最中ですが、この作品の中ではもうすぐ夏が始まろうとしています。


今年は寄り道的な話をなるべく控えつつも、ルイズ・霊夢・魔理沙の三人が織り成す生活と戦いの日々を書いていきたいです。
勿論シエスタやタバサ、キュルケ、ギーシュを初めとしたゼロ魔のキャラ達も出番を増やしていく予定ですよ。

それでは長くなりましたが、今年もよろしく御願い致します。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/31(火) 22:16:48.56 ID:uAMkj+br
乙でしたー
55名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 00:24:58.18 ID:BUyXFeQa
ゼロニスター、無重力巫女の人 乙です
56名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 01:35:12.68 ID:vzsycPrd
まとめ読んでると、タイラントを召喚した小ネタも有るんだな

タイラントならまだしも、ネメシスだったら色んな意味でひどい事になりそうだ
57名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 02:12:29.79 ID:k858VGZ9
何故か動くビデオデッキ+テレビと例のビデオ・・・
あのウイルスが蔓延するようです
58名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 09:04:48.68 ID:tWUlgxJj
>56
タイラントか。
契約出来たら全部吹っ飛ばして世界はむしろ平和になるが、出来なかったら学院踏みつぶした後ウルトラマンを倒すべく宇宙の彼方に飛び去って別の意味で平和に。

……ネメシス……サイレントメビウスのは星の名だから、セント☆プリンセスの闇皇姫か、メタルマックス2のビイハブ船長がU-シャークを追って……
59名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 11:12:49.83 ID:1LcpRGq1
メフィラス星人を召喚したらゲートから出てくるのは自動販売機
60名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 11:29:52.90 ID:vzsycPrd
>>58
すまんバイオハザードのつもりだったんだ(´・ω・`)
61名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 12:52:39.88 ID:jc3faUsz
>>60
多分分かったうえで書いてると思うぞw
62名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 15:55:14.65 ID:J0FCukzp
>>60
同名・似た設定のキャラ出してボケるのなんざこのスレじゃにちじょうちゃはんじだぜ
63名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 15:58:01.32 ID:tlnzXiJA
>>60
ふと思ったんだがタイラントは量産型以降だと入力された命令を忠実に実行するようだから
それ以前の状態を召喚すれば、契約→ルイズに従う命令が入力されるになりそうな感じがする

ただまともに喋ることが出来ない上に難しい命令は理解できないから
常にルイズが見張っていないと大惨事になるのは間違いないw
64名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 19:41:13.22 ID:NvB8rQsk
一機だけアニメに量産型が搭乗しなかったOF・・・

GBA版はヒロイン専用機として同型出たけど
65名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 19:44:08.04 ID:F2CqqRcy
そろそろサイヤの人が召喚されてもいい頃...
66名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 20:22:45.45 ID:qwEoJJ6h
サイヤ人ならVIPのでベジータが呼び出されてただろう
67名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 20:46:58.22 ID:ehn9vYT3
>>66
サイヤ人、じゃなくて「サイヤの人」じゃないかな?一般論でね
68名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 20:47:38.95 ID:XbCkhasz
えぇい!ゼンラーマン召喚はまだか!?
69名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 21:26:48.60 ID:tWlhCFjW
そろそろヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノートからマックスウェルが召喚されてくとぅるふ呼び出したり家畜小屋にたかねまなかさんを家畜小屋に押し込んだり
ビックバイパー呼び出したりその辺においといたししゃもとまなかが戦ってまなかが死んだりするのが・・・
70名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 21:52:43.98 ID:vfOUXJiH
小ネタでノートだけ召喚とかならありそうな感じ
そしてハルケの文字が認識できなくて乙る
71名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 22:01:14.11 ID:pSwxJCez
>>53
無重力巫女の人、乙です!
霊夢の台詞回しが実に原作っぽいです。
ゼロ魔キャラとの絡みも増えそうで楽しみです。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/01(水) 23:55:42.50 ID:XrbiBgz4
ロックマンXからエックス召喚されたら…
うん!裏切りとか戦争とか悩んだ挙句イレギュラー化しそうだ!
73名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:24:43.39 ID:/tNW59Pj
あの時も・・・お前のようなものがいた・・。 
イレギュラーか・・・。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:34:23.18 ID:6v82UA/Y
電脳世界からバヴったゼットンでも呼ぶか
75名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:44:20.50 ID:siBkSgYO
洋ゲー枠からF.E.A.R隊員召喚

あっちこっちで出てくるアルマを見たタバサがしょっちゅう硬直しそうだな
76名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:45:03.49 ID:jzoCVsBb
マシンセルの最後の暴走によって無限のフロンティアのPTの様にウォーダンの意識を取り込んでほぼ大破状態ながらもダウンサイジングされた状態で召喚されたスレードゲルミル!
物語の進行に会わせて徐々に回復する身体、突進とドリルいんふぇるのだけでワルキューレを蹴散らし、フーケには片腕DBナックルで粉砕し、最終的にはワルドもろともレキシントン号を斬艦刀で一刀両断!

メイガスの剣、なんてガンダールブに相応しいのか。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 01:48:35.83 ID:0vsC1Bef
>>76
巨大ロボの小型化だけは許せねえ自分が通りますよっと・・・・・・
78名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 02:04:09.93 ID:zEE6C3+l
SDガンダムなら問題ないな
というわけで誰か孔明リ・ガズィをと言ってみる
79名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 02:12:23.11 ID:WKYmTMh3
召喚されし書物が全部民明書房刊で異様な文化が発展したハルケギニア
80名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 03:44:40.72 ID:FMWMumwm
青髭の願いが意外な形でw
81名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 07:56:28.31 ID:PaaLIFVn
ペドでショタでリョナで鬼畜の性癖4重苦歩く青少年条例違反なデカブツを召喚か・・・・

学校がやべぇ!!
82名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 08:34:08.42 ID:0vsC1Bef
>>81
捏造疑惑もあるから、そういうことにしとけば・・・・・・
83名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 09:10:37.78 ID:tA3jY5ch
もしここに投下する場合>>1以外に気をつけることってありますか?
84名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 09:19:32.53 ID:ASP7iIEv
ここに限らず掲示板に作品投下する時は共通だけど
直に書き込むんじゃなくてメモ帳でもなんでもいいから手元で完成させてから書き込むこと。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 10:10:43.06 ID:Wg8ITa1w
>>75
ジョセフがフェッテル呼び出せば釣り合い取れそうだな
もちろんレプリカ大隊付きで
86名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 15:45:13.08 ID:AdU8+eZr
BOSSの宇宙人ジョーンズの使い魔生活とか見たい
87名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 16:56:23.02 ID:UbDNUDN9
>>86
何かっつーとこの惑星はと言ってオチを付けるのかw
88名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 17:04:44.41 ID:fUSdaiID
第一話はまずアレだな

この惑星は・・・・・・・何処だ?
でオチだな
89名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 17:50:10.54 ID:LsC7dkFp
宇宙人ジョーンズ
「この惑星の貴族は、生き物を召喚して使い魔とするらしい。
だか、なぜ私なのだろうと思う時がある」

90名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 17:54:49.48 ID:/rc5UmIf
「まったくろくでもない惑星だった」とか言いつつ
ハシバミ草が忘れられなくて戻って来ちまうのか
91名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 18:26:41.32 ID:LsC7dkFp
宇宙人ジョーンズ(…この惑星の貴族は、プライドをかけて決闘をするらしい…)

ギーシュ「いけ、ワルキューレ!!」

チュイン…ドォン!!

宇宙人ジョーンズ「マイリマシタカ?」

ギーシュ「降参だ……」



ルイズ「ねぇジョーンズ、あなたメイジだったの!?なんなのよあの目から出た光は?」

(…だが、二股かけけていたのがバレてもプライドは傷つくらしい…)

ルイズ「ちょっと、浸ってないで答えないよ」


(…まったくろくでもない世界だ…)

92名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 18:30:54.99 ID:fUSdaiID
何だろうすげぇ面白そうwww
93名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 18:32:38.05 ID:4uecXHou
キングジョー召喚
94名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 19:54:38.11 ID:io6zBYoI
>>93
コルベールの作ったロボットが巨大化してルイズが乗り込んで暴れるわけか
95名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 22:09:36.81 ID:+mkfwG/m
もしハルケギニアの平民の夕飯が半額弁当だったら…

…やばい、シエスタが狼になるビジョンしか見えねえ
96名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 22:10:50.15 ID:deik7mJf
CMからだとお父さんとかもか
97名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/02(木) 22:23:14.88 ID:+mkfwG/m
>>93
金山丈「呼んだ?」
98名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 13:21:06.10 ID:ZxIfhVm2
ラッキーマン召喚しても幸運の星の光が届かないな
あえてスーパースターマンを召喚
弱いけど不死身
99名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 15:38:27.40 ID:4SLsVdbV
とある顔の長いカウボーイ人形と宇宙飛行士の玩具を召喚したら
学院から逃げて各地を転々とした挙句テファの村に行き着きそうだな
100名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 16:15:49.11 ID:zq4WyZEx
ダルシムやブランカを召喚したらどういう扱いになるんだろ
101名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 17:48:00.88 ID:5eVO77KX
ブランカは獣人扱いになるんじゃね?
102名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 17:57:58.90 ID:g/Hdxasu
>>100
タバサ「あの戦い方に興味が…」
キュルケ「お止めなさい」
103名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 18:05:56.24 ID:BxUv7MYB
>>76
>>77
スレードの小型化じゃなくて
普通にウォーダンがスレード化すりゃええねん
兄(旧式)に出来たことが弟(新型)に出来んわけが無い
ましてや空っぽに別人が入ったギムノスがああなったのだ
模倣といえどオリジナルの人格を宿したウォーダンがあの姿にならないわけがない

だからオウカ姉さんはラピe(ry
104名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 18:20:03.00 ID:UDEp8LR/
無理して人間サイズのスレード出すぐらいなら、最初から人間サイズのスヴァイサーを出した方がいいんじゃ?
多少デザインが違ってても、元になってるのはスレードなわけだし
105名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 18:27:42.73 ID:3GZ/+6D3
そいやウォーダン小ネタであったな、長編で読んでみたいわ
106名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 18:28:53.64 ID:NNwcQ7OF
>>102
チャムチャムならエエのんか?
107名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 18:37:49.85 ID:yRVS6yf7
風魔法とブーメランを組み合わせた全く新しい(ry
108名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 18:44:52.30 ID:2sd9/sCk
>>100
ダルシムは子供を食わすために僧侶のくせにストリートファイトしてるからな(自分と嫁はヨーガで飢餓を克服しているからほとんど食べなくてもよい)
召喚に応じないか、よばれてもテレポで帰りそうな勢いだ

109名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:19:08.01 ID:JY9tLLp7
機動兵器なら声優繋がりでスローネドライとHAROを 見てみたい。
まぁ確実に無双系になるだろうけども…
110名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:28:29.49 ID:elEzteUU
ダルシムならチャクラの乱れを整えてカトレアさん治せるかもしれん
ついでに手が伸びたり口から火吹いたりテレポート出来るようにしてくれるかもしれん
111名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:29:06.07 ID:qht90TIi
ロボ召喚系のボトルネックは燃料系
錬金頼みにするには厄介な燃料とかも多いからな
装甲はまあそう傷つかないから良いとしても、関節とかの磨耗も気になるな

で、いざそういうのがオールクリアなやつ呼べば無双というか蹂躙にしかならないというジレンマ
112名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:31:46.33 ID:XSbHBzuH
マスターガンダムやガンダムシュピーゲルはメンテフリーだったはず
113名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:42:19.82 ID:uIBkclna
ミニ四駆召喚されたらコルベールめっちゃ喜びそう
114名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:46:30.09 ID:7VgP71m4
「フフフフフ…フハハハハハハ…ハァーハハハハハハァー!!月・光・蝶でぇあぁぁぁるぅ!!」
と背中から蝶の羽根を出して空を飛ぶ御大将とかは無しですか
115名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:58:06.53 ID:Kb/Qzcx6
>>109
GN粒子が切れたらそこで完全終了だけどな
物が物だけにどう考えても錬金とかでどうにかなる代物じゃないし
116名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 19:58:59.84 ID:2sd9/sCk
>>114
御大将のガンダールブなら戦闘になるたびに心が震えがすごいだろ(笑)

御大将なら七万イベントでテンションでヤバい

「我が世の春がきたぁあああ!!」
「ガンダールブである!!」
117名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 20:02:24.25 ID:C8uSwVGO
>>78
個人的には龍騎士ゼロガンダムとか…
ゼロ繋がりだしサンダーソードで龍機ドラグーン喚べるし良いと思うんだわ

あとは三国伝の曹操閣下とか
姫様とかウェールズ相手に王の在り方とか示し始めそうだけど
118名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 20:16:21.18 ID:4EZZ6Kk3
覇王体系リューナイトのリューならエネルギー必要ないな
大気中の魔力、ミストルーンさえ有れば大丈夫だ
119名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 20:17:55.46 ID:ssG93E2s
>>111
成恵の世界の機族達なら燃料は人間の食事そのまま
損傷しても自己修復するしハルケギニアにもぴったり
120名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 20:32:16.47 ID:g/Hdxasu
ターンX御大将が有りなら、最期辺りで侵食されてたし、ELSと融合したメタリック・グラハムなんてのも有りじゃね?
グラハムフィンガーとかやらかし始めそうだけどw
121名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 20:37:32.13 ID:NNwcQ7OF
>>117
ゼロ “ガンダム”?
122名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 20:56:11.90 ID:qht90TIi
>>119
そいつらは大体オーバースペック甚だしいがな
だが三原則の縛りで野良猫にすら勝てんw

フーケまでは対戦相手がゴーレムってことで何とかなるかもしれんがワルド以降は無理ゲー
123名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 20:58:48.79 ID:3GZ/+6D3
ゼロはシャッコーモチーフだもんなw
124名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 21:19:02.96 ID:elEzteUU
クロス主人公が無双に成り過ぎないよう気をつけても、ゼロ魔魔法は他の魔法物作品と
比べて弱すぎ感あるから、ちょっと無理くりバランス調整してるように見えちゃうんだよな
日常での使い勝手は凄いと思うけども
125名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 21:34:45.55 ID:NNwcQ7OF
他の魔法物といってスレイヤーズとオーフェンくらいしか思いつかない老頭児。
……極端な使い手を除いて比較するとキエサルヒマ大陸の人間の黒魔術士よりは上、なのかなぁゼロ魔の魔法は。
126名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 21:43:34.79 ID:qht90TIi
ゼロ魔ほど「魔法が使えなきゃ無能」キャラがほとんどな魔法ものも珍しいからなぁ
そこで魔法を強く書きすぎるとアニエスみたいな魔法使えないキャラがまったく出られんことになるから
バランス的に魔法も抑えなきゃいけない感じかねぇ
127名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 22:14:51.24 ID:cmsr8p6I
声繋がり・・・・
そうだ、メッチー召喚しよう普通に可愛いし戦闘能力あるし

育てたら懐き☆5のクドラクになったりするけど
128名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 22:33:34.84 ID:XSbHBzuH
じゃあ魔法も剣も使える魔法剣士に該当するのは、ワルドやミシェル……敵側ばかりだな
129名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 22:40:30.39 ID:z7EvQyP/
タバサだとかコッパゲだとかオンディーヌだとかも普通に切った張ったしてるよ
というか軍人関係なら基本的にどっちもできるからゼロ魔って専業魔法使いみたいなのは実はあんまいない
それこそ女か虚無の使い手くらいだなあ
130名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 22:50:13.50 ID:2sd9/sCk
>>129
戦闘術にしたって魔法ありきで組み立ててるからだろ
131名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:01:12.29 ID:qht90TIi
剣が使えるったって、それで本職の剣士とかとやりあえるようなのは一部だろう
せいぜい精神力が尽きたとき用くらいのもの
にわか仕込みのオンディーヌが格闘一本で食ってけるくらいにはメイジの格闘能力は低いよ
132名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:02:40.97 ID:5eVO77KX
オンディーヌはサイトの影響でタバサとハゲは特殊部隊だし
基本的なバトルメイジは魔法専業じゃないか?
133名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:10:58.32 ID:z7EvQyP/
>>131
>わか仕込みのオンディーヌが格闘一本で食ってける
そんなんあったっけ?基本負け負けじゃねオンディーヌ
ベアトリスの竜騎士隊は重い鎧着てたからなんとかなってたけど聖堂騎士にはおされっぱだし

>>132
杖を剣のように扱いつつ詠唱を完成させるのは軍人の基本中の基本とワルド先生もおっしゃってたし
ぶっちゃけ出てく戦えるメイジはだいたい近接戦闘できてないか?
134名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:20:27.72 ID:slGaKSk4
魔法使えなきゃ生きるのも難しいって言えばサガフロ2を思い出すなー
135名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:31:27.63 ID:elEzteUU
しかし一般的に平民がメイジに挑むのは無謀と言われるほど
メイジの攻略が難しいものとはどうしても思えんのだよなぁ
弓矢がシャルル暗殺以降出てこないのは何故だ
136名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:32:19.69 ID:gUCJwC5W
なんとなくゼロ魔の世界というより作中時代のメイジが弱いだけな気がする
137名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:37:02.15 ID:qht90TIi
>>133
出てくる中でそこまで押されたのはギーシュだけだ
他は対等以上にやってる(描写のないモブ連中はともかく)
つーか本職エリート相手に押されるレベルで済んでるって時点で押して知るべしって感じじゃね?
138名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/03(金) 23:58:00.69 ID:z7EvQyP/
対等以上ってレイナールくらいじゃね
マリコルヌとギムリはなんか暴れてるみたいだが優勢か劣勢かは書かれてないし
モブは押され気味ながらもなんとか持ちこたえてるってあるな
聖堂騎士は事前に大技二発放ってるしまあそれくらいなら別におかしくないんじゃね

つーかなんの話してんのかよくわかんなくなってきたなw
とりあえずメイジが特別格闘能力低いって描かれたことはないし
魔法剣士っていうなら戦うタイプのメイジは基本的に魔法剣士だよっていいたいだけだ
もちろん強い弱いはそれぞれ個々人であるだろうけどね

ごめんねなんか長々と
139名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 00:05:51.56 ID:HKMkWHIX
>>121
シャッコーモチーフだけどガンダム
むしろガンダム系以外の味方が殆ど居ないって言う…


そういや先祖は飛ばされて来たドラグナー・ジークと名言されてたな
140名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 01:02:28.05 ID:rXJ/zrgI
101のあいつとか運び屋のあいつとか
召喚されていそうでされてないんだな

基本的に無口だから使い辛いんだろうか
141名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 01:17:36.28 ID:6moErNN0
大体の場合オリ主化や無双化しやすいから別の場所が推奨されてるな
142名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 01:34:22.59 ID:nv7Da5L7
避難所ならおk?
143名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 02:43:37.12 ID:JkpXqZ0P
会話をセレン・ヘイズが担当する首輪付きけものなんてのは、オリキャラに入るんだろうか?
ワルドの魔法をQBで回避しまくったりとか、タルブ村までVOBでカッ飛んで行くとか…
144名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 02:59:03.05 ID:XrmOE3B6
オリキャラだしそもそもキャラ崩壊だろ
糞みたいに叩かれるだろうし俺だって糞ほどに叩くわ
そこまで酷い設定はなかなか見ないレベル

本気で誰得 ACファン度合い強いほどガッツリ貶すと思うぞ
145名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 03:29:49.86 ID:dpOv+FlL
無個性主人公ってプレイヤー100人いたら100人の主人公像になるんだから
どうやったってオリキャラになるだろ

別の所でやるなら読むわ
146名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 03:37:47.61 ID:zKDU7jT9
ドラクエ5のリュカみたくノベライズで性格設定されてるなら別だが、そうでなかったら作者以外には感情移入難しいわな
147名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 05:14:38.06 ID:JkpXqZ0P
フロムのロボゲーからなら素直に大統領を喚んどけって事ですなw(既に小ネタで喚ばれてるけど)
148名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 06:35:29.64 ID:t3Uo1eqJ
,媒体ごとに性格が違っているのはいろいろと大変だよね
149名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 08:04:10.24 ID:AQ7UmIvY
原作ゲームじゃただのゲス野郎がコミカライズされて父性愛を秘めていたとか
アニメじゃサイコ野郎のマザコンがパラレルコミックだと美少女だったとか
ゲームだと兄妹なのが小説だと父娘で父最期に死んでたり
GBA版だと母性に目覚めて涙流したのがPS2だと子供二人喰ったり
150名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 08:11:31.92 ID:LSXZ+j5H
>>149
最後の過ちさんしかわからないw
151名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 09:15:16.69 ID:r9Hf2Z1K
一つのエピソード内で魔王を取り込んだ外道勇者が宇宙戦艦に転生して非道な過去を抹殺し善良になったら極悪人になった挙げ句、邪悪な魂に取り付かれて真面目に話を進めるケースもあるしな。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 10:04:23.37 ID:cKHTvFl+
逆に取捨選択の幅が広がるからやりやすいとも言えるけどな
選択の余地がないとほんとどうしようもなかったりする
153名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 11:31:19.89 ID:HsRrJJdQ
ポケモンのレッドが召喚されたときは特にオリキャラ論争は起きなかったと思うけど
あれはなにか原典があったのかな?
154名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 11:34:20.00 ID:2vsrB2MM
>>153
ポケモンスペシャルって漫画だと思う

赤青緑〜ブラックホワイトまでやってるから
今40巻くらい出てたはず
155名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 11:58:26.58 ID:HsRrJJdQ
>>154
なるほどね。
そういうコミカライズがあれば神撃のバハムートとかもおもしろいSSが作れそうだけど、元が元だけに無理か。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 12:50:08.49 ID:nv7Da5L7
バンピートロットの主人公みたいにキャラ付けはプレイヤー任せのはどうなんだろうか
157名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 12:52:53.80 ID:OLX6IV1T
よっぽど上手い調理できないかぎりオリ主にしか見えなくて評価が下がると思う。
よっぽど自信があって技量もある人じゃないと無理じゃないかな
158名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 13:57:11.11 ID:GoMpzRBQ
セリフ出さずに、「はい」か「いいえ」の選択肢で話を進めればいいと思うよ
159名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 14:01:04.45 ID:OLX6IV1T
「がんがんいこうぜ!」「いのちをだいじに」 とかだけで進めて行く感じかw
160名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 15:12:20.09 ID:9UP+biNr
つまりセガチューからミョムト召喚か
161名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 15:31:38.58 ID:T9oERtWB
境ホラから葵・トーリ召喚・・・これなら話の構成によってはどっちもおざなりにならない
でも、問題はトーリの能力だが・・・

これなら、宇宙の中心の方がいいか・・・
162名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 16:46:22.18 ID:nEEqPETs
>>161
時期によっては点蔵がティファニアに召喚されて帰りたがらないとかありそうだな。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 17:36:00.48 ID:lbVAqpQJ
主人公無双を避けたいなら力は普通で性格が変なキャラじゃないと
原作になるからな、俺はいーちゃん召喚が見てみたい

ていうかナルトの召喚が無いのはなんでだろ?
生い立ちとか性格とかあいすぎるくらいあってるとおもうんだけど
164名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 17:47:31.15 ID:qpaqgL0f
165名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 20:38:01.11 ID:Xs0pbiwF
>>163 いーちゃん召喚したら相当な数死ぬんじゃないか?
166名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 22:31:58.25 ID:me3uWzQB
>>163
ロックリーなら同じコンプレックス持ちということでやさしくなぐさめるはず
その後体術を使うルイズが・・・
167名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 22:34:11.60 ID:LrZROeCc
体術と爆破を組み合わせた全く新しい格闘技を

南斗爆殺拳って言うの禁止
168名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 22:36:20.84 ID:4n01+x+G
>>167
そのネタはもう使われたぞ。
169名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 22:52:23.45 ID:lbVAqpQJ
>>165

いつもいつも皆がハッピーエンドってのもそろそろ飽きて来たし
たまにはいいんじゃないか?
170名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 23:10:11.22 ID:7D6h8bMu
超亀だけど無重力の人乙です
洋風な世界なのにバッチリ霊夢が馴染んでて和みますねえ
今年も楽しみにしてます
171名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 23:20:26.08 ID:r9Hf2Z1K
くぎゅの話で前スレが終わったようだが、980円の使い魔が……
172名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 23:21:52.59 ID:aH9rmOMq
写輪眼で魔法もコピーできるの?
173名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/04(土) 23:38:13.96 ID:zTk8j1Xz
ブラックノワール「ちょうどハッピーエンドにも飽きてきたところだ…」
174名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 01:10:54.67 ID:G4H9wt/M
もうギルクラの集さん呼び出して、ハルケでも暴走してもらおうぜ。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 01:26:21.69 ID:S2124cfN
南斗爆殺拳のルイズ
ご立派なルイズ

どちらがより素晴らしいか、いまだに決めかねている
176名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 08:18:43.76 ID:atMIzuP1
>「ちょうどハッピーエンドにも飽きてきたところだ…」
スレ違い気味だけども
FF零式の召喚を見たいが難しい
ならいっそルイズをオリエンスに逆召喚とか・・・
アレシアの実験ループの一環でリーン=ジョーカーの代わりに「苦しみ」を司るように
魔法を主とする国家、国家(クリスタル)への忠誠心に共通を見出しつつ
本物の戦争と失われる死者の記憶の前に、外から来たルイズは妄信するように目指した自分の理想像に迷いを抱く・・・
オリエンスの外から召喚されたルイズは死者の記憶を失くさない
みたいな
勿論6億回の途中だから最期はルルサスの審判をパスすることも不可視世界に至ることも無く・・・

このスレ的には開放された12人の魂が肉体を伴ってハルケに復活とかだろうな
0組の戦闘力だと無双モノだけど、そこはうまく分断とか・・・人数多いからタバ冒やらサイドストーリーの同時進行もやり易そうではある
個人的にナインとルイズの絡みが見たいだけなんだけどさ!!
177名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 08:40:23.25 ID:JwcgimLU
原作ですら人数多すぎで扱いきれず空気になるようなこともあったのに

クロスでさらにまとめきれるかい
178名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 09:15:26.35 ID:atMIzuP1
まぁエイトとか扱いに困るような奴もいるが
そうなったらいっそif混じらせれば
179名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 09:30:26.19 ID:Jk6yClFE
殺伐としたハルケギニアに太陽の騎士ソラールが!!
180名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 10:06:00.02 ID:UcWnkH76
ちょっと間違えてオディオ(オルステッド)がルイズを召喚しちゃったりすれば
他の主人公が濃すぎて埋もれる気しかしない
181名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 10:14:49.31 ID:h3chWZqs
敗者を省みることを勝者である英雄に求めるのがオディオの召喚だから原作終盤に使い魔とセットで呼ばれる
と考えればわりと目立てる気もする
182名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 10:32:57.88 ID:7nahDxzb
シャルルにストレイボウを組み合わせたらどんな感じになるんだろうかとふと思ったw
183名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 10:55:00.48 ID:OPTsDG7g
ISのセシリアを召喚すれば
コテコテの貴族体質っ子って却って新鮮じゃないか?
ただしワンサマーさんいないとモチベダダ下がりだろうが
184名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 12:37:24.50 ID:T4EaJ17/
FFならザックスの召喚が見たいよ、1つだけあるのに
1話以降更新なしだもんな...
185名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 13:36:43.87 ID:otaTilbM
FFならオルトロスとテュポーンとか
186名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 14:32:23.90 ID:lF8u8PsA
最強さんを呼ぼう
187名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 15:24:05.61 ID:ZtowZzLK
>>185
オルトロスとテュポーンと聞いてクロスバイザー思い出した
フーケゴーレムVSクロスバイザーとか見てみたい…
188名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 15:27:33.90 ID:a1t3jo1a
スレの流れに全く関係ないんだけど
気の迷いでスタトレコラボ短編SSを書いてみたんだけど需要ってあるのかな?
189名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 15:30:23.13 ID:a1t3jo1a
あああsage忘れた!ごめん!
190名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 15:35:17.79 ID:nZwHGCbK
ローダンがあるんだしいいんじゃね
191名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 15:35:30.96 ID:Wk1LRH1K
>>182
シャルル「あの世で俺にわび続けろジョゼフーーーーッ!!!」
192名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 16:31:24.35 ID:7nahDxzb
シャルル「フフフ…
      ハハハハハ!
      ヒャァーッヒャアア!!
      おもしれえほど簡単に引っかかったぜ。
      親父もブザマにおっちんだあとだったしな!
      後はてめえを絶望のドン底に突き落とすため弟殺しの罪を負わせた!
      だが…てめえはここに来やがった!!
      てめえはいつもそうやって俺のしてえことをブチ壊しやがるッ!!
      昔ッからそうだ!
      俺がどんなに努力しても、てめえはいつもその1つ上を行っちまうッ!!
      魔法の一つもロクに使えない無能のくせにッ!!
      あの王位継承の時もなあッ!
      俺があの夜どんなに苦しんだか…
      てめえにッ!
      てめえなんかにッ!!
      わかられてたまるかよッ!!
      だが…俺は今までの俺じゃねえ…
      今こそッ!
      てめえをブッ倒しッ!!
      てめえの引き立て役だった過去に決別してやるッ!!
      あの世で俺にわび続けろぉ!ジョゼフーーーーー!!!」
193名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 17:00:41.18 ID:Wk1LRH1K
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
194名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 17:14:02.91 ID:a6pCeIUK
>>192
シャルル「俺のせい・・・なのか、ジョゼフがあんなになってしまったのは・・・」
195 忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2012/02/05(日) 20:13:44.45 ID:dgGKNaQQ
某所の同人erg丸呑みから、肉塊(真エンド後)を召喚

まあ、とりあえず確実なのは、おマチさん逃げて超逃げて、ってところだがwww
196名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 20:39:27.08 ID:qpwAwnwj
ハルケを狩り場にするのか
197名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 20:50:44.76 ID:yb0+YRAr
ぷよぷよ、魔導物語シリーズからシェゾ・ウィグィィが来たら
ルイズに向かって

シェゾ「お前が欲しい!」

ルイズつ「錬金爆発」
キュルケつ「フレイム・ボール」
タバサつ「ウィンディ・アイシクル」
コルベールつ「爆炎」

シェゾ「無念」
198名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 20:52:41.05 ID:TjQR3w5A
>>192
元コマンドー「面白い奴だな、気に入った。殺すのは最後にしてやる」
199名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 22:04:00.25 ID:XF4i3thG
>>198

やはり来たか・・・!さすがだ、メイトリックス
200名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 22:05:27.56 ID:f5+1JPgk
ゲッターチームの三人が召喚されましたとかだったら隼人の相手だけはしたくねぇな。
敵対したら最後【見せられないよ!!】な顔にされそうだし…
201名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/05(日) 22:29:32.22 ID:WLUueA3E
ラ・ローシェルに行く途中の襲撃イベントだろ。

ギーシュ「おい、誰に頼まれて僕達を襲った!?」
隼人「あー駄目だ駄目だそんなんじゃ…こういう奴らからのモノの聞き方ってのを教えてやるよ」

【目だ!!鼻だ!!耳!!】
<ギャアアアァァァァ…
202 忍法帖【Lv=10,xxxPT】 :2012/02/05(日) 23:00:52.27 ID:dgGKNaQQ
>>196
コントラクト・サーヴァントの結果、肉塊に刻まれるルーン(記すことも憚れる使い魔のルーン)
夢に出てくる肉塊の過去
時を同じくして発生する失踪事件と謎の少女たち(彩文など)の目撃証言
そんなある日、授業終了後に部屋に戻ると、夢に出てきた少女たちが部屋に居て……!?


という展開は思い付くんだww
それ以上の事が出来ないがwwwww
203名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 00:02:11.33 ID:68XEb7FE
ダンテさんが召喚されたんだから
そろそろ、ベヨ姉さんが召喚されてもいいと思うんだ
204名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 00:35:09.24 ID:Zvly3iEt
襲ってくるワルキューレに修道服を斬らせて、ダイナミック脱衣するんすか?>ベヨ姐さん
オスマンがガッツポーズして喜びそうだなw
205名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 00:38:34.51 ID:Sig2TcAD
キューティーハニー召喚したときのオスマンやギーシュは鼻血で失血死しなければいいがな
206名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 00:57:23.22 ID:qPCRTH+0
>>154
性格ポケスペと全然違ったけどな
207名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 01:38:52.04 ID:mj2jiS+H
>>183
どうせならタバサにシャルルを召喚させればいい
完全に名前ネタの一発屋だがw
208名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 09:15:29.73 ID:7sBIY5Po
タバサがすげぇ巻き毛の貴族召喚したz(ブルルァァァァァ
209ネコミミの使い魔  ◆CGX8dB2XVA :2012/02/06(月) 09:23:51.27 ID:2GCFPxmq
投稿する方はいないみたいなので、早速ですが投稿を開始したいと思います。
210ネコミミの使い魔  ◆CGX8dB2XVA :2012/02/06(月) 09:24:54.12 ID:2GCFPxmq
 わたしが目を覚ますと、辺りは暗くなっていて、ルイズお姉ちゃんが本を読みながらベッドに腰掛けているのが目についた。
 わたしが身体を起こしたのに気がついて、こちらを見たお姉ちゃんの表情は笑顔だった。召喚された当初は厳しい顔つきのほうが多かった気がするけど、最近は険がとれたというか、優しい表情が増えたのは思い過ごしでもなんでもないと思う。
「ふあ……」
 わたしがアクビをすると、
「もうすぐ夕飯よ、食べられる?」
 しっかりと頷く。
 食事はキョーコの教えで食べられるときにきちんと食べないとダメだということを教えられている。と、一度食べ物を残して怒られたのを思い出す、アレもいい思い出だった。 
 ルイズお姉ちゃんはしばらく私を見つめていたが、ふと気がついたように、鼻を鳴らした。
「ところで、ツェルプストーの香水の香りがするのだけれど」
 名前を出すのも嫌と言わんばかりに表情が歪んだ。
 そんなに強烈な匂いだったかなと先ほどまでの行動を思い出す。特に抱きしめられたり肉体的接触はなかったような気がするけど。
 撫でられたことはなかったし交わした言葉も一言二言だ、匂いがつくようなことは何一つなかったはずだった。
「さっきね、呼ばれたの」
「授業中に?」
「うん、タバサお姉ちゃんを紹介されたよ」
 ふむ、と手を顎において考えこむようにするお姉ちゃん。
 ルイズお姉ちゃんが考えこむときは黙って集中するようにする、こういう時は誰も話しかけられないんじゃないかって思う。
 けれど現実ではそんなことはなく、ちゃんと話しかければ答えてくれるし、難しい顔をしていてもきちんと人の話を聞いている。
「まあ、夕食を採りに行きましょうか」
 こうしてベッドに座っても埒があかないと思ったのか、わたしを引き連れて食堂へと向かう。夜中はさすがに給仕のお手伝いはしない、食べたらすぐに眠くなってしまうからだ。
 今日はお昼寝をしたからそれほどでもないけれど。 
 キュルケお姉ちゃんとルイズお姉ちゃんは中が悪いのは今まで生活をしている中でちゃんとわかっていた。ただ、わたしが接触するのはそこまで問題に鳴るとは思わなかった。別に喧嘩をふっかけてくるわけでもないし。
 出された料理はとても美味しかった。
 思わず食べ過ぎて動けなくなってしまいそうなくらいに食べてしまった。
 食堂からの帰り道、わたしとお姉ちゃんは手をつないで帰る。それだけじゃなく自分の所有物であることを主張をしているかのように身体を寄せながらである。
 大丈夫だよと言いたかったけれど、誘いに乗ってしまったのはわたしの方だから説得力がないような気がして、口を閉ざした。 
 私は黙ったまましばらくルイズお姉ちゃんを見つめていて、握られたてはとても暖かかった。ただ、長い髪が時々鼻をついてくしゃみが出そうに鳴るのはちょっと困った。
 部屋に入ってそうそう私は椅子に座り、ルイズお姉ちゃんと相対した。
「ねえ、タバサに変なことをされたり、聞かれたりしなかった?」
 顔をこちらに寄せて聞いてくる。
 そういえばとわたしは思い出す、不可思議なことというか、強さの秘密について聞かれたような気がした。
「強さの秘密ねえ……」
 ルイズお姉ちゃんが考えこむ。
 強さも何も、コレは魔法少女になってから得た能力と、マミお姉ちゃんとキョーコに教えてもらったことをしっかり実行したにすぎない。
211ネコミミの使い魔  ◆CGX8dB2XVA :2012/02/06(月) 09:26:48.40 ID:2GCFPxmq
 それがこのハルケギニアで強いというのなら、わたしは強いんだろう。
 ルイズお姉ちゃんとかのメイジよりもである。 
 すべての平民がすべての貴族よりも劣っているというのなら、たしかに不思議なことではあるだろうけれど、私はその平民とはちょっと違う。コントラクト・サーヴァントで
 ルーンを刻まれてから魔力を使ってもソウルジェムが曇らなくなって魔法を連発できるようになった利点はあるけれど、それだって複数のメイジに攻撃されれば、キョーコの結界だってどうなるかはわからない。
 ただそれを説明するモチベーションというか、語彙は私にはないと思う。
「使い魔になることによって、特殊能力を得ることがあるっていうのを聞いたことがあるけれど、それなのかしら」
「特殊能力?」
「そうよ、例えば黒猫を使い魔にしたとするでしょう?」
 ルイズお姉ちゃんは指を立てて説明を開始する。
「うん」
「人の言葉を喋られるようになったりするのよ」
「へー、便利だね、でもゆまは人間だし」
「ええ、古今東西人を使いにした例なんて無いし、どんな特殊能力を身につけるかなんて書物を見てもわからないわ、もちろん、
ゆまの特殊能力が身についたから強いと断定することはできないし、わたしもしない。ただ、使い魔の特殊能力によって、何らかの利点があるとしたらそれが原因なんじゃないかしら」
 っていうことは、魔力を使ってもソウルジェムが曇らなくなっているのは、それが原因ってことなんだろうか。
 ルーンっていうのは不思議だな、とわたしは思った。
 グリーフシードを探さなくてもいいし、魔女を倒さなくてもいいから楽だけども。
「不思議なら、トリステインのアカデミーにでも問い合わせてみる?」
「アカデミー?」
「そう、王室直属の、魔法ばっかり研究している機関よ」
「そこで研究されたらどうなっちゃうの?」
「とりあえずその不思議な宝石を中心に研究されるでしょうね」
「ダメだよ! コレが砕けたらゆまは死んじゃうもの!」
「へ?」
 ルイズお姉ちゃんが信じられないという顔をする。
 一度ソウルジェムを背負ったものは黒く染まって魔女になるか、それとも砕かれてその命を失うかの二択しか無い。
 それまでして叶えたい願いがあるからこそ魔法少女になった、とは、一体誰の話だったろうか。
「そ、そう……じゃあ、とりあえずアカデミーはなしね」
「うん!」
 ちょっと微妙な空気になったせいか、ルイズお姉ちゃんが咳払いをひとつする。
「そういえば明日は虚無の曜日なのよ」
「お休みの日だね」
「そのとおり、よく覚えていたわね」
 曜日や月のことはルイズお姉ちゃんに教えて貰ってあった。
「というわけで、街に出かける準備をしましょう」
「準備?」
 下着や私服のたぐいは衣装棚に入っているし、私の服はタバサお姉ちゃんが毎朝用意をしてくれている……そういえば、明日はお休みだけどきちんと用意してくれるんだろうか。
 何もなければ見回収の他の曜日に着た分があるからいいんだけれど。
「ええ、と言っても今日のうちに準備することは何も無いんだけどね」
「ないの?」
「明日に備えて早く寝ちゃいましょうってこと」
 そういって二人でベッドの中に入る。
 昼間寝ていたけれど、疲れていたのかすぐに睡魔がやってきて眠ってしまった。
 わたしが目を覚ますと、もうルイズお姉ちゃんは私服に着替えて待っているところだった。
 窓の外を見るとまだ暗い時間で、自分もずいぶんと早く起きたと思ったのに、準備が完了をしているということは、それよりもずっと早い時間に目を覚ましたということだ。
 私は飛び起きて、今日もやっぱりおいてあったタバサお姉ちゃんが用意した服を着て、そんなに慌てないのと苦笑いしているルイズお姉ちゃんの手を引いて顔を洗いに行ってから、ようやく一息をつく。
 そうして食堂へ行きいつも早いご飯を食べたら、馬小屋に向かうという。
 馬。マミお姉ちゃんがいつか、白馬の王子様が私の前に現れたらいいのに、とつぶやいたらキョーコがゲラゲラ笑ってガチの大喧嘩になったのを思い出す。
「馬に乗るの?」
「ええ、ゆまは馬は初めて?」
「大抵の人は初めてなんじゃないかな……」
 テレビで見たことがある第八代将軍が活躍する時代劇で、白馬に乗ってる人なら見たことがあるけれど。
「まあ、ゆっくりと行きましょうか」
 そういって手を引いて馬小屋へと向かおうとした所に突然空が暗くなった。
 上を見ると大きな龍が私たちを覆っていた。
212ネコミミの使い魔  ◆CGX8dB2XVA :2012/02/06(月) 09:27:22.63 ID:2GCFPxmq
「ウィンドドラゴン!?」
 ルイズお姉ちゃんがびっくりしている。
 そのドラゴンは私たちの前にすたっと着地をすると、載っていた小柄なタバサお姉ちゃんが地面に到着した。
「街に行くならこれに乗ればいい」
「何であんたが待ちに行くのを知ってんのよ」
「私はゆまのことなら何でも知っている」
 ルイズお姉ちゃんが苦虫を潰したような表情で、タバサお姉ちゃんを見ているけれど、私の興味はドラゴンへと向いていた。小さなファンタジーみたいな生き物はいくつか見た記憶があるけどココまで大きいのは生まれて初めてである。
「これ……乗れるの?」
「……勿論」
「はあ……分かったわよ、連れてってくれるっていうんなら」
 大空の旅は快適だった。
 空から見える景色は新鮮で、森も、学園も小さく見えた。
 なんでもこのドラゴンでも小さい方で、ハルケギニアではもっと大きくて巨大なドラゴンがいるという話だった。

 トリステインの城下町はとても大きなところだった。
 白い石造りの街はまるでテーマパークのようで、ココが平民の暮らす街だと聞くと、確かに身なりが質素な人が多い気がした。
 道端で商品を売る人がいたり、のんびりと歩いている人がいたり、どこかへ急いで走っていく人も見かけた。
 ただちょっと道は渋谷とかの大通りに比べるといくらか狭いような気もした。
「露店とかもあるんだね」
「ええ、この道はトリステインの宮殿へと続いていくのよ」
「この先にお城があるの!?」
「……お城にいる住人にろくな奴がいない、私がこの街のことを調べてある、そこに行く」
 そう言ってタバサお姉ちゃんがわたしの手を引く。
「ちょっと、姫殿下ことまでバカにしたら許さないわよ」
「姫なんてろくな奴がいない、さ、ゆま、おいしいお菓子がある所を調べてある」
「食べ物で釣ろうっていうのね、やなやつ! やなやつ! やなやつ!」
 わたしの興味は姫殿下よりもお菓子だった。

 外にテーブルや椅子が並べてある喫茶店のような場所で席に着くと、給仕の人が注文を取りに来て、そこでも一悶着あったけれどとりあえず品物は届いた。
「ココで一番いいものを頼むなんて、そうかそうかやっぱりあなたはそういうやつだったのね!」
「あなたのネタはちょっと古い、昔の綺麗な昆虫を盗もうとした話のことなんて誰も分からない」
「食べ物が来てるんだから喧嘩はやめようよ」
 というわけで頂きます。
 甘い味が口に広がり、フルーツの酸味も効いて、いくらでも食べられそうなくらいにおいしい。
 ルイズお姉ちゃんも味にはご満悦なのか、さっきまで憤怒の表情をしていたのに今ではすっかり笑顔になっている。
 そして食べ終わると、
「今度はゆまにプレゼントがある」
「ちょっと待ちなさい、今度はわたしがゆまにプレゼントを用意する番よ」
「そんなのは決まっていない」
「ま、まあまあ、プレゼントは嬉しい……な?」
 二人はひとしきり睨み合った後わたしを置いてどこかへと走りさってしまった。ココで待っていったほうがいいのか、どちらかを探しに行ったほうがいいのか。
 わたしが悩んでいると後ろから声をかけられた。
「あなたがゆまちゃんなのね?」
 振り返ると全裸のお姉ちゃんが立っていた。
 ……幻覚?
 唐突の事で頭がよく働かない。
「全く人使いが荒いのね、ゆまちゃんの相手をしろなんて」
 裸のお姉ちゃんはそんなことを言っていた。
 一糸まとわぬ姿の人の知り合いだって思われるのはなんとなく嫌だった。
「わたしのなまえはイルルクゥ、あなたのお名前は?」
 さっきからずっと名前を呼ばれていたようなきがするけどきっと気のせいだ。
「ゆまの名前は、千歳ゆまだよ」
「なるほど、ゆまちゃんなのね」
 ……お姉ちゃんたち早く帰ってきてくれないかなあ。
213ネコミミの使い魔  ◆CGX8dB2XVA :2012/02/06(月) 09:27:43.91 ID:2GCFPxmq
「あーっと! 用事を思い出したのね、それじゃあサヨナラなのね!」
 と、イルルクゥさんがいなくなったと同時に二人が帰ってきた。
 何か会話をしたような気がするけれど、全裸ということで記憶が吹っ飛んでしまっているのでよく覚えてはいない。
「はあはあ……ゆま、わたしが買ってきたのは……これよ!」
 それは古ぼけた剣だった。
「なんとこの剣、しゃべるのよ!」
「おう! 姉さん! このちっちゃい子がふむふむ、使い手ってわけか!」
「わっ! 本当だ! すごいすごい! ……でも、剣だね」
「ええ、まあ、部屋において置く分にはいいでしょう?」
 ルイズお姉ちゃんのセンスが良く分からない……。
「……ルイズはゆまのことを何もわかっていない、ゆまの使用武器はコレ」
 といって見せてくれたのは……大きな木槌だった。
 あれー、おかしいなあ、わたしハンマーで攻撃したことってあったかなあ。
 というか、ふたりとも武器って、わたしそんなに武闘派に見える?
 いくぶんかショックを受けたということで、この二人の勝負は引き分けということにしてもらった。喋る剣は道中うるさかったので鞘に入れておいた。
 学園に帰る頃にはもう夜になっていて、夕食を食べた後もルイズお姉ちゃんたちの勝負は続いていた。
 殴り合いを続けてどちら立っていられるかの勝負は全力で止めた。さっきのウィンドドラゴンに魔法をぶつけてどちらが痛いか勝負するというのも可哀想なので止めた。知的な勝負はルイズお姉ちゃんが嫌がったのでなかったことになった。
 全くふたりとももっと仲良くでき……
「な、な、何アレ!」
「んー? ゴゴゴゴ、ゴーレム! 巨大じゃない!」
「……ふたりとも、シルフィードに乗る、逃げるのが吉!」
 三人でウインドドラゴンの背に乗って、巨大ゴーレムの上空に回る。
「あれは、宝物庫?」
「そう」
「……ってことは泥棒なの、ルイズお姉ちゃん!」
「あのクラスのゴーレムを操るってことは、トライアングル以上のメイジね! ゆま、危険だから近づかないほうがいいわ!」
 わたしもあんなのには近づきたくもなかった。
 ティロ・フィナーレなら多少はダメージを与えることが出来るかもしれないけど、どれほど放てば良いのか分からない。
 巨大なゴーレムの上空を旋回したまま、こちらは指を咥えていることしか出来なかった。
214ネコミミの使い魔  ◆CGX8dB2XVA :2012/02/06(月) 09:27:59.20 ID:2GCFPxmq
以上で投稿終了です。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 13:16:50.50 ID:68XEb7FE
>>204 光景が目に浮かぶようだwww
216名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 19:40:56.19 ID:PGrqkB3y
>>205
けっこう仮面を(ry

余談だが
真マジンガーZEROの31話の見開き突撃でもおっぴろげしてて脱力した
217名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 20:13:55.33 ID:s2xKcFG+
ゼロ魔における精神力の定義がようわからん
ルイズとかアンアンとか超豆腐メンタルじゃん
感情の揺らぎにしてもルイズが非メイジやドットより
数万倍も激しい感情の振れ幅の持ち主とも思えんし
218名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 20:35:58.16 ID:GBIHPRH8
MPだろ。もしくはINT。
「現実世界では実在が証明されていない未知にして不可思議な精神エネルギー」とか言った方がいい?
219名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 21:46:06.98 ID:bOgxEWMx
もう感情の昂ぶりが精神力でいいんじゃね?
220名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 21:47:58.28 ID:2z+Q/XhX
ルイズはかなり情緒不安定な感じだと思うけどな、アニメ見て再確認したわ
221名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 21:50:43.43 ID:ssd2NWx5
アニメは服装とか町の景観とか確認できてけっこう重宝する
222名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 21:56:32.75 ID:vdnd46ia
>>213
投下乙、ガンガレ
223名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 22:10:36.34 ID:BVQMnBYA
感情の起伏が激しいほど、力が強くなる説
と書いて、プラーナを思い出した
224名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 22:13:53.90 ID:NvEresAg
>>213
ネコミミの方,乙です
「ガチの大喧嘩」って言葉遣いから杏子の影響が感じられるww
225名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 22:24:56.58 ID:vVWcVAC0
>>219>>220
でもそれだと同じくらい情緒不安定なイザベラにメイジの才能がないことの説明がつかなくね?
226名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 22:32:21.95 ID:2z+Q/XhX
>>225
イザベラは別にそうでもないと思うが
まぁ仮にそうだとしても素質と精神力は別だろう、素質ないと始まらない
227名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 22:32:39.34 ID:hdQii3Dk
感情の高ぶり×魔法容量的な何かでいいんじゃね
228名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/06(月) 22:40:15.73 ID:UdFNeoIB
@感情の高ぶり×A魔法許容量×B愛の力×Cレモンちゃんパワー

ルイズ
@S
AS
BS
CS
総合S+

カリンちゃん
@S
AA
BA
CS
総合S-

タバサ
@B
AA
BB
CB
総合B

イザベラ
@A
AD
BD
CD
総合D

シエスタ
@B
ANIL
BA
CA
総合NIL
229名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 00:16:12.05 ID:TsmdGNYj
感情ねぇ、暑苦しいことこのうえないダイゴウジ・ガイでも召喚する?
もっとも元祖三話退場の人だからフーケ捕まえた後で不審人物と間違えた衛兵に撃たれてジ・エンドかもしれんが
230名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 01:04:15.46 ID:mu6qOACc
笑わないタバサがからくりサーカスから鳴海とか勝とか召喚すれば
「土のルビーはいい笑顔の者に」とか
対七万で「誰かが俺の背中を守っている?」とか燃えるぜ
231名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 03:08:05.25 ID:LrwIKD0t
フランシーヌ「私は・・・人形ですが、笑うことが出来ました・・・きっと貴女も・・・」

・・・・見てぇ!
232名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 08:03:14.86 ID:euN1PQ0j
現実は非情である。

富士鷹ジュピロが召喚されました。
233名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 08:11:43.46 ID:94wGubpU
>>232
漫画版の日本沈没で、本棚の下敷きになった富士鷹先生じゃないか。
234名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 19:47:57.67 ID:HmPQ7OwY
ヘイローの人のしんさくまーだー
235名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 19:55:55.81 ID:JfIVEcpC
アムロを召喚……やめとこう
236名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 20:04:31.61 ID:zoOnfH16
「くそっ、しょうがねぇな」と言いながら大気圏突入したりビームサーベル一撃でアッザム破壊したりするアムロ?
237名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 20:07:24.34 ID:B6E0OXZ+
チェーンジ!


ギニュー隊長がルイズになったようです
238名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 20:08:32.03 ID:6sY/Q/xL
騎士アムロを召喚?
239名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 20:15:19.15 ID:bcKCELh8
オ、オレの将来メチャメチャでんがなーっ!
240名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 20:16:30.13 ID:1G0c9DCN
歌手のアムロかもしれん
241名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 20:28:03.90 ID:50Eo+yQM
安室怜次を召喚・・・してもギリアムが連れ戻すだろう、なんとかして
242名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 21:49:21.65 ID:Fb6q4qGM
召喚したいキャラはいてもそこから展開が思い浮かばない
召喚した、それからどうする
そいつとルイズでハルケギニアをどうしたいか
243一尉:2012/02/07(火) 21:56:19.62 ID:5+oFcxYS
召喚にした場合ローマンが逃げた。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 21:56:24.32 ID:50Eo+yQM
大事なのはどうすればいいかじゃない
作者が・・・どうしたいかだ

・・・それだと小ネタや箇条書きの乱発にしかならんから
そこからまとめていかなきゃねぇ
ラインバレルはアニメなら料理のしようがあるだろうか
245ゼロのドリフターズ ◆IxJB3NtNzY :2012/02/07(火) 23:11:32.00 ID:N4Q6Laby
こんばんは、10分後くらいから投下します。
246ゼロのドリフターズ-02:2012/02/07(火) 23:20:33.88 ID:N4Q6Laby
 ――逃。――追。――駆。――詰。――躱。――落。――流。

 ――撒。――隠。――欺。――過。――見。――撃。――殺。

 ――疲。――囲。――迎。――破。――奪。――給。――遁。

 もうどれほど経ったのか、幾度繰り返しただろうか。
一度は落ち着いた筈だったが、またも遁走の日々を送る。
考えたくもなかった。考える暇さえ惜しく、悠長に考える暇を許してくれなかった。
そしてそんな闘争と逃走の日々は――突然終わりを告げた。

 二人して言葉を失った。
相棒が隣にいるという事実が、互いにこれが白昼夢ではないのだろうことを意識させていた。
寝惚けていたわけじゃない。気付けば自分達は"そこ"にいたのだ。
石造りで囲まれた――異様なほどに扉のようなものが並ぶ――細長い通路。
終わりがないと錯覚するほどに整然と続き、異様な圧迫感すら感じる。
心なしか……空気も重い。対面にはワークデスクに向かう一人の眼鏡を掛けた男。
事務仕事さながらに淡々と、何か紙束のようなものを眺めている。

 二人の内の片一方が、眼前の男に問い詰めようと銃を構えた。
「おい」
机に向かう眼鏡の男は一瞥だけくれると、すぐに書類へと視線を戻す。
その様子を見て二人の男は互いに視線を合わせた。言葉にせずとも伝わる次の行動。
「なんとか言えよこの――」

両側から挟み込もうとする為に、分かれてそれぞれ一歩踏み出した瞬間であった。視界が一色に染まった。
二人の前には"輝く鏡のようなもの"が出現し、タイミング良く揃って突っ込む形になってしまったのだ。
"光の扉"ごと包まれた二人が掻き消える。一人残された事務員風の眼鏡を掛けた男は、目を細めて何か考えている様子を見せる。
しばらくすると――何事もなかったかのように――作業へと戻るのだった。



「ッ……」
「え……っと」
「こ……これは……」
シャルロット、ルイズ、コルベールは三者三様に言葉に詰まる。眼前には幻獣などではなく、二人の人間。
"人間が召喚"されたことなど今までに聞いた事がない。さらに言えばその二人は――。

「漂流者……」
シャルロットの知識の中からそれが該当した。出で立ちから見ても間違い無いだろう。
あのオルテ国父のように、しばしば人間がどこからともなく流れてくることがある。
"漂流者"と呼ばれる彼らは、異世界から現れハルケギニアとは一線を画す多種多様な文化や知識を持っている。
それゆえに大抵見つかっては国や、場合によっては特定貴族などがその知識を得るべく、お抱えとして保護される立場にあるのだ。
特異な衣装を身に纏い、何やら武器のようなものも持っている漂流者。

 本来であれば珍しいだけで問題ない事柄。
しかして今ばかりはタイミングがタイミングである。
明らかに召喚されたタイミング、それも二人同時に。

「……?!おいっ!キッド!!大丈夫かオイ!!」
周囲に注意を払い敵意を含んだ送りつつ、フードを被った男が――知り合いらしいのか名前を呼んで――もう一人の男へと駆け寄る。
もう一人の帽子を被ったキッドと呼ばれた男は意識が朦朧としているのか、寝ぼけ眼でフードの男を見やる。
「あ〜……ブッチ……?」
「ッたく……いい加減に起きろボケ!!またおかしなことになってやがる」
ブッチと呼ばれたフードの男の真剣味を帯びた態度に、ようやくキッドと呼ばれる帽子の男は覚醒する。
「ん〜……参ったね、夢じゃなかったんだ"アレ"」
247名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/07(火) 23:20:44.31 ID:94wGubpU
>>245
SS置いてけ
なぁ
作家だ!!
作家だろう!?
作家だろうおまえ
248ゼロのドリフターズ-02:2012/02/07(火) 23:21:10.43 ID:N4Q6Laby
 
 コルベールよりも先に事態を把握したシャルロットは男達へと近付こうとする。
「おいこら、動くな」
いち早く反応したブッチが武器――よく見ればほぼ間違いなく銃――をシャルロットへと向ける。
警告を無視すれば容赦なく危害を加えるだろうことは、その眼光から見てもありありと理解できた。
「失礼、私の名前はシャルロット。……ブッチさんとキッドさんでよろしいですか?」
シャルロットは抜き身の剣に気付いて鞘へと納め、両手を広げて無害であることをアピールする。

 その間……まだルイズは呆然とし、コルベールは諸々測りかねて様子を見ていた。
「はっ、さっきの野郎とは違って話は通じるようだな」
そう言うとブッチはシャルロットへと照準を定めていた銃口をはずす。
「確かに俺はブッチ、ブッチ・キャシディ。こっちは――」
「キッド、サンダンス・キッドだ」
あっさりと名前を聞けた、しっかりと意思疎通は出来ている。まずは緊迫した状況から脱したことにシャルロットは安堵する。
(……さっきの野郎って……?)
と、疑問に思うもののとりあえずは後にする。

「不躾で悪いのですが、『ハルケギニア』という単語に心当たりはありますか?」
ブッチとキッドは見合わせて肩を竦めた。
「いや知らねェな」
「ああ、知らない」
シャルロットは目を瞑る。確定だろう、彼らは"漂流"してきた人間だ。
そして漂流者は皆流れてきてすぐ、自分が置かれてきた状況がわからないらしい。であれば――。

「申し上げにくいのですが、貴方がたはこの世界の人間ではありません」
「はあ?」
「……?」
「ここはハルケギニア大陸のトリステインという国です。お二方は漂流者と呼ばれる異世界人なのです。
 いきなり言われて訳がわからないと思いますが、他にも同じような方々がいますので確かです。
 とりあえずお二人はお知り合いのようですので、まずはそのことを念頭に現状を把握をお願いします」

 眉を顰めた二人は、声を小さく話し始める。
「ふゥ〜……」
シャルロットは一息つく。書物や伝聞で聞きかじった程度から来る対応であったが、多分これで大丈夫だ。
まずは相手を落ち着かせ、こちらも落ち着く。いきなりドンパチでも始まればタダじゃ済まなくなってしまうのだから。
「ミス・シャルロット……咄嗟のことに……美事です」
教師として生徒に先んじられ恥ずかしいよりも、優秀過ぎるシャルロットにコルベールは感心する。
「"漂流物"は人間も含めて……さしあたって王家に判断を仰ぐのが常ですが――」
「そうですが、しかしこの場合……」
「私達の召喚……にはならないのですか?」
いつの間にか我を取り戻したルイズがシャルロットに続くように口にする。

 そうなのだ――たとえ"人間"でも"漂流者"でも――召喚されたのであればまた別の問題が絡む。
タイミング的に見れば明らか。立ち位置から察すればキッドをシャルロットが、ブッチをルイズが召喚したことになる。
それに通常"漂流者"は異世界言語を話すと言うが、目の前の二人には言葉が通じ合っている。
これもサモン・サーヴァントの影響の可能性は非常に高い。

「判断を仰いでからでも遅くはない……と思いますが」
コルベールは苦言のように漏らす。一教師が裁定下せることではない、オスマン学院長でも同じことだろう。
「そう……ですか」
ルイズの表情が目に見えて曇る。なにせ初めての魔法成功なのだ。
「……」
ルイズの抱いている張り裂けそうな想いはシャルロットも相違ない。
もしかしたらこれをキッカケに魔法が使えるようになるかもと言う淡い期待、大いなる一歩になるかも知れないのだ。
249ゼロのドリフターズ-02:2012/02/07(火) 23:22:05.20 ID:N4Q6Laby
 
「なあお嬢ちゃん、ちょっといいかな」
キッドとブッチが話を終えてこちらを呼ぶ。
「ミスタ・コルベール」
「……えぇ」
コルベール教師に承諾をとってから、シャルロットはキッドとブッチの元へと歩いて行く。
「もう一度確認、ココは本当に異世界?」
キッドもブッチも歳相応に様々な経験を積んでいる。瞳や態度を見ればある程度、嘘か真かくらいは判断できる。
そもそも突拍子も無さ過ぎる嘘を吐く理由も、意味も無い。
「はい、異世界です」

(信じさせるのに手っ取り早いのは確か……――)
シャルロットは空を見上げると、上空で旋回し様子を遠目に窺っていた妹へと手を上げて合図を送る。
ジョゼットはすぐに気付くと風竜ごと地上へと降り立った。漂流者達がいた世界にはいないとされる幻獣の代表格。
「うおっ!?なんじゃこりゃっ!!」
「うわぁ〜……」
当然ブッチとキッドはそれぞれ驚きを隠せない様子であった。

「これが証となるのではないですか?」
シャルロットはジョゼットと目だけで会話し頷く。ジョゼットはまた風竜と共に空へと飛んだ。
「あ……あぁ……確かに、なんじゃありゃあ」
「突拍子がないね」
「ですが夢ではありません、現実です。これが現実」
「……俺達以外の連中ってのは?」
「"漂流者"と呼ばれてこちら側の世界に稀にやって来るのです。そちら側の世界からすれば神隠しのようなものですか。
 こっちに来た漂流者は基本的に各国に召し抱えられて技術や知識の提供をしつつ、生活一般の面倒を見てもらうことになるか。
 若しくは『十月機関』と呼ばれる組織が……確か漂流者保護を名目に、各所で集めて回ってると噂では聞いています。
 場合によっては野垂れ死ぬことも決して珍しくないらしいです。敵対的な種族や獣に襲われて殺されることもあるでしょう」

「ふ〜ん……そういう意味じゃ、"俺達"は運が良いってことか」
「そうかもしれませんね」
「……受け入れるしかないのか」
思ったよりはブッチもキッドも、割かしアッサリと納得してくれたようだった。
未だに驚きは隠せてないが、同時に諦観――達観した感じが見て取れる。

「ははっ面白ェ、クソ騎兵隊どもザマァねぇな」
「流石にこんな所までは追って来れないだろうしねぇ」
二人にとってはフロンティアスピリット上等だった。開拓どころか別世界なんてある意味心が躍る。
それにあのままボリビアで逃げ続けてもジリ貧だったろうことは、身をもって体感していた。
新天地で"ゼロ"からやり直すというのも、存外に悪くないのではないか。何故だか言語まで通じてるという特典付きだ。

 シャルロットは談笑する二人の漂流者を見つめる。
"それ"はルイズの為だけではない、自分の為でもある。もし――今ここで――"契約"してしまえば――。
使い魔召喚の儀は神聖なものとされている。使い魔は基本的に代えが効かない。
正式に契約を果たせば、例えトリステイン王家といえども好き勝手には出来ないだろう。
そも漂流者本人達の意思は極力尊重される。それに最悪必要なのは……使い魔そのものではなく、魔法の成功という結果と自信だ。
召喚して契約する、その一連の流れをもって真の成功と言える。

 正直人間だとは思わなかったが……背に腹は代えられない。
乙女の"それ"を引き換えにしてでも欲しい可能性が――価値――がある。
すぐさま決心するとシャルロットは左手でさりげなく剣の柄を握った。

「我が名はシャルロット――」
自分は王族でもなく貴族でもない……ただのシャルロット。
「五つの力を司るペンダゴン――」
すぐ傍のキッドとブッチにも聞こえない静かな詠唱。コルベールに気付かれれば止められかねないゆえの措置。
「この者に祝福を与え、我が使い魔と為せ――」
250ゼロのドリフターズ-02:2012/02/07(火) 23:22:39.23 ID:N4Q6Laby
 
「んっ?」
ブツブツと何かを呟いた後、しゃがんで顔を近付けてくる少女。
「キッドさん、失礼します」
返事をする間もなくキッドに口唇が押し付けられた。
数瞬呆然としつつも、突然のことに判然としないままキッドは上半身だけでたじろいだ。
唇が離れ顔をはっきりと見える距離まで遠のく。
「ん……くっ……、一体何のつもりだい?」
状況が飲み込めぬままも、キッドは紳士的に応ずる。
大人として、男として、狼狽えるのが恥ずかしいという思いが平静を装わせた。
少しだけ恋人であったエッタの顔が頭をよぎる。横ではブッチが「ヒュ〜♪」と口笛を鳴らして煽っているも気にしない。

「ごめんなさい、その――」
シャルロットが弁明をしようとしたその瞬間、キッドに異変が起きた。
「うぐ……」
額になにやら熱いものを感じて、キッドは反射的に空いた手で抑えて背を丸める。
「ミス・シャルロット!!」
何をしたのか察したコルベールがルイズと共に駆け寄ってくる。

 そして熱さが引いたのかキッドは手をどける――。
――と、よく見なければわからないレベルだが、キッドの額におかしな紋様が浮かび上がっていた。
「んあ〜?なんだそりゃ?」
「あ……」
やや高い嬉色を帯びた吐息が漏れる。
すぐにシャルロットは、何事かと覗き込んでいたブッチと同じくキッドの額を凝視した。
「うっ……なんなんだ」
またも近づいた少女の端正な顔に驚き、やや弱気な声色でキッドは問う。
しかしシャルロットはそんなことよりも、額に確かに顕れた"結果"にフッと笑った。
常に冷静な……というよりは冷ややかな印象だった少女の歳相応の笑み。
見惚れるのとは少し違うが、キッドも思わず何か和らぐような感触を得る。

「せ……成功したの!?」
「なんと……」
ルイズは興奮をそのまま口に出し、コルベールは疑問半分と確信半分と言った声音。
「キッドさん、本当に申し訳ありません。実は――」
シャルロットは逸る気持ちを抑えてなるべくわかりやすいように説明する。
今は召喚の儀式中で二人は召喚され、そしてたった今契約を交わしてしまったということを。
世界の違う人間に理解してもらうのにやや難航するもどうにか説明を終える。

「つまり君が……その……主人だと?」
「はい、ごめんなさい」
シャルロットは申し訳なさそうに謝る。
「オイオイ、随分と勝手な真似だな」
ブッチが横から毒づく。当然の批判にシャルロットはさらに罪悪感が積み重なるが、それでもしっかりと気を保つ。
「契約に関しては私のエゴです。申し開きは出来ません」
「う〜ん……」
キッドは少しだけ考える。相手は少女だ、大人げなく怒ったり叱るのもまた違う。
「何か不自由は生じるのかい?」
ある種の暴挙に出た事情を聞くよりもまず、実害の有無をキッドは質問する。
「いえ、例えば私の命令を効かざるを得ないとか……そういったことはありません。
 そうでなくても当然私は貴方を束縛するようなことはしませんし、私に出来る範囲で何でも協力させていただきます」

 そう言うとシャルロットは深々と頭を下げる。そしてはたと気付いて顔を上げた。
「あっ、額の文字についてはその……消えないかも知れません。本当にすみません」
使い魔は契約した際にその証が体の各所にルーンとして刻まれる。
当然それが額となれば外見的に、多少なりと不自由が生じてしまうかも知れない。
「ん……鏡とかある?」
「えっと……はい」
キッドはシャルロットから小さな手鏡を受け取るとすぐに確認する。
251ゼロのドリフターズ-02:2012/02/07(火) 23:23:13.74 ID:N4Q6Laby
 
「目立つか?」
自分で見てもわかるものの、一応隣にいるブッチに聞いてみる。
「……まー、正直に言えば目を凝らさないとわからないな」
「だよねぇ」
ぶっちゃけてしまえばパッと見では全くわからない。であるならば、さほど気にすることでもない。
それに少女シャルロットは反省し償おうとしてくれている。謝罪の気持ちは伝わるし、誠意も感じられる。

 責められるだろうとわかっていただろうに、なお敢行した理由があったことも容易に想像出来る。
それに今時分に聞いたところによれば異世界のどこかに放り出されるところを、結果的に比較的平和そうなココに喚んでくれた。
その上で経緯を払いわかりやすく丁寧に説明してくれた少女に対して好意こそあれ、こんな程度で邪見にする程でもない。
そんな思いは悪態をついてるブッチも同様の筈だ。

「これ以上問題ないならいいよ別に」
手鏡を返しながら、温和な笑顔で言ってあげる。
「……ありがとうございます」
そして最後にもう一度だけ頭を下げた。うん、やっぱり良い子だ。

「ちょっと失礼」
コルベールは先刻から、どう判断し対応しようか考えているようだった。抑えていた探究心からキッドの額を覗き込む。
額にルーンという特徴。実際に薄っすらと読める文字。コルベールの記憶の中で何かが引っ掛かった。
教育者であると同時に研究者の性分を持ち合わせるコルベールは、その明瞭としない気持ち悪さが拭い切れない。
このままここで待つよう、その場にいる全員に告げると『飛行』の魔法も使わずに走り去った。

「……」
諸々が落ち着いたシャルロットは、太股に巻いた専用のベルトに挿してある飛ヒョウの内一本を引き抜いた。
指を引っ掛ける丸い輪から細めに伸びる菱形の刃。
手の平にスッポリと収まって隠せる大きさの、黒が強い鈍色の刃。
それを天秤のように指先でバランスをとるように置く。
何故だかコルベールがいなくなった今は"好機"。けれど"その"前に試しておかなければならない。
火水風土に属する系統魔法よりもさらに初歩。コモン・マジック『念力』を使う。
主に窓などの開閉に使用される物体を動かす基本魔法である。

 万感の思いを込めて口語の呪文を唱える。才ある者であれば物心ついて僅かな子供でも出来る魔法。
シャルロットの瞳が輝く。微動だにしない右手人差し指から、飛ヒョウが跳ねるように地面へと落ちたのだ。
つまり――魔法は……成功した。特殊な召喚や契約とは違う。普段から使う実践的な魔法。

「ふっ……ふふっ……」
遂にやったという実感が今なお体の中を駆け巡っている。メガネ越しの双眸がこれ以上なく煌めく。
高揚する心身がまるで武者震いでもするかのように、言い知れぬ興奮と緊張をもたらす。
「やった!遂に出来た!!"アナタ達"も感じたでしょ、私の成功を……――」
"この場に見えない誰か"に訴えかけるようなシャルロット。
普段の顔を忘れた少女はガッツポーズをとって、全身で抑え切れない感情を表現する。
その様子を見るまでもなくルイズの脳内では延々と思考が回っていた。

「――ッッ、んんっ……コホン」
シャルロットはキッドとブッチの視線に気付いてハッとすると、すぐに元の態度を装い飛ヒョウをしまいつつ咳払いを一つした。
そして立ち尽くすルイズへと顔を向ける。
「ルイズ……やれるチャンスは今しかないわ、ミスタ・コルベールがいなくなった内に――」
言わんとしていることは当然理解した。シャルロットは魔法が使えるようになったのだ。

「キャシディさん」
言うが早いか、ルイズが決心するよりも先にシャルロットがブッチへと聞く。
「ブッチでいい……で、完全に蚊帳の外なんだが?」
「失礼、今から説明します。それじゃあブッチさん――」
「待って……そこから先は私自身で……」
ルイズはシャルロットを遮ると、ブッチへと目を交わす。
意はないがどこか鋭い眼光に気圧されるものの、ここで退くわけにもいかない。
長年の悲願――思い描き続けていた輝かしい未来――が超えた先に待っているのだ。
252ゼロのドリフターズ-02:2012/02/07(火) 23:24:09.81 ID:N4Q6Laby
 
「……私と契約して従僕になってよ」
「ぁア?」
ブッチは思わず睨みつける。
「うっ……言葉が悪かったわ。私の為に私の欲で契約をしてほしいの。従僕とか下僕とかはそういうのは関係ナシに」
「……」

「いいんじゃないか」
ともすると、キッドからまさかの援護射撃がはいった。
「彼女……シャルロットの一連の様子を見てればわかるだろ?彼女達には何かどうしても欲しい大きなメリットがあるんだよ」
「はい、お察しの通りです」
キッドの思わぬ優しさにシャルロットが言を足す。
「ここは魔法学院で、私達は本来魔法を使う為に修練する生徒です。ですが他の生徒達と違って、私達は一切魔法が使えませんでした。
 何故だかは誰にもわからなくて……それでも今、キッドさんと契約することで私は魔法を使えることが出来るようになりました。
 これは召喚したことだけではどこか足りません。契約を経てピースが埋まり完成するような感覚がありました。だから――」

「――だから、契約くらいしてやれよ。別に減るもんじゃなし」
「……うっせ。そもそもだ、よくもまぁホイホイと信じられるな。嘘を言ってるかも知れねーだろうが」
「その時はその時だろ、見る目がなかっただけさ」
「チッ」とブッチは舌打つ。騙されているとは毛程にも思ってない。が、かと言ってこちらに得もない。
それにだ――。

「――大体わけわからん模様がデコに書かれるなんてゴメンだ」
「一応言いますと、"ルーン"は体の場所に刻まれるので必ずしも額というわけではないです」
「……じゃあ、"コレ"って?」
オデコに指差すキッドに、シャルロットはバツが悪そうにツイっと目を背ける。
あぁ、己は運が悪かったんだ。

「……もし……もし契約してくれたなら、私は貴族。相応の見返りは用意出来るつもりよ」
ルイズがメリットを提示する。被召喚者側にメリットがないなら別に足してやればいいのだ。
「ほぉー、例えば?」
「どこかへ行くのなら金貨を用意するわ。安住したいなら土地と家も用意する。食べ物でもお酒でもとりあえず暮らしに不自由はさせないわ!」

 ブッチは頭の中でスマートに考えを整理する。
少女の必死さにほだされては負けだ。キッドのようにお人好しでもない。
もはや二人だけの"ワイルドバンチ強盗団"。それでも自由であるべきだ。
この世界では既に"漂流者"とかなんとか、異邦人という不自由を既に背負っている。
どこに行ったって、どこにいようと、"俺達に明日はない"。"俺達には今日しかない"。"明日に向って撃て"。
――とはいえ、保険はあっても越したことはない。
説明されたとは言っても大まかにだけ。それに理解し切るには……完全に受け入れるには時間も掛かる。
言わば霧の中でランタン一つという光源がある程度。立ち位置は見えているが、周囲がまるで見えていない。

 正直如何ともし難い。
(さっきのハゲがいないうちに事を運ばなければ面倒になるようだし……)
言葉と態度を観察していればそれくらいは察しがつく。
現状シャルロットから聞いた説明から考えると、自分達にある選択肢は概ね四つ。

 お国に管理され技術提供をする。
"なんちゃら機関"ってのの保護下に入る。
全て知らん顔をしてどこかへと逃げ続ける。
眼前の少女達に貸しを作ってやって世話になってやる。
253ゼロのドリフターズ-02:2012/02/07(火) 23:24:58.39 ID:N4Q6Laby
 
(……どこぞの誰かの下で管理されるなんて真っ平御免だ)
まして国家の下なんて御免被りたいところ。
(……怪しげな機関に保護?笑えない)
単純に胡散臭い。実際にこの目で見て会って話してから判断しても良いが、今は時間が差し迫っている。
(……逃げ続けるか?)
それはそれで自分達らしい。が、アテがなさすぎる。またどこかで強盗でもしてまた追跡され続けるのは勘弁だった。
(少なくとも――自由に――不自由はしないか)
少女達はそう言っている。契約というものに拘束力もないようだし、逃げるにしても路銀には当分困らないだろう。
貸しを作れる時間も後少ししかないかも知れない。それに正直疲労困憊で……今すぐ休みたいのも本音である。

「……いいだろう」
体も心も自由あってのワイルドバンチ。その意思と行動は自分達だけが決める。
ルーンってのが少々困りモノだが、幸いキッドのもそこまで目立ってはいない。
これからどう行動を移すにせよ、今は契約しておくのが最良と判断する。
「ほ……ホント?」
「あぁ、さっさと済ませな。その代わり絶対に忘れんなよ、大きな貸しを」
ルイズは目尻に溜まった涙をさりげなく拭う。
「当然よ、我がラ・ヴァリエールの家名と私自身のプライドに誓うわ」

 契約の呪文を唱え、キスが交わされる――。
滞り無く終わり……ルイズは気恥ずかしさが溢れそうになるが、それは頑固なプライドでおくびにも出さなかった。
「ッたく、俺は少女趣味じゃねえってのに」
「な……ッッ!くっ……私だってアンタみたいの趣味じゃないわよ!!」
「オイッお前が文句言える立場かよ!」
「それはそれ、これはこれよ!取引とは別問題だわ!!」
売り言葉に買い言葉でギャーギャー喚くルイズとブッチ。そしてそれを微笑ましく見守るシャルロットとキッド。

「大体なあ……熱ッ!!」
ブッチが手袋をはずして左手の甲を見ると、うっすらと紋様が浮かんでいた。すぐに熱さも引いていく。
「あっいいなあ」
キッドがつい口に出す。
「確かにデコよりゃよっぽどいいな」
「……」
辛辣なブッチを半眼でキッドが見つめ、シャルロットはルイズへ目配せする。
いつまでもくだらない口喧嘩をしてないで、することがあるだろうと。

 ブッチはあぐらをかいたまま、ドカッと草の上に上半身を投げ出した。寝転んで天を仰ぎ見る。
キッドもそれにつられて手を地につけてふんぞり返ると、同じように果てしなく続きそうな青空を眺めた。
まだ実感が満たされたわけではないが、あっちでもこっちでも変わらぬ空の色にどこか懐かしさを感じ入る。

「……まっなんとかなるか」
「……あぁ」
視線を戻せばどこかへ行った筈のハゲが、『飛行』して戻って来るのが遠目に見えた。
「生身の人間が空を飛ぶなんてねぇ……」
「あんなのばっかいるのか、"コッチの世界"ってのは」

 横目で見れば、桃色ブロンドの少女が手から光の球のようなものを出して喜んでいた。きっとあれも『魔法』。
思い知らされる異世界の光景に、感動・恐怖・好奇・不安など、様々な感情が去来する。

 キッドとブッチは示し合わせたかのように目を合わせたかと思うと、互いに肩を竦めて笑った。
前途は見えない。それでも死ぬまで楽しく生きる。
好きな時に……好きなだけ。必要な時に……必要なだけ。

 躊躇わず自由に――それこそが、もうたった二人だけの……"ワイルドバンチ強盗団"。
254ゼロのドリフターズ ◆IxJB3NtNzY :2012/02/07(火) 23:27:10.23 ID:N4Q6Laby
以上で2話はこれで終了です。ではまた。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 01:07:44.74 ID:hOuyefRr
投下乙!
まさかワイルドバンチの二人を持ってくるとは……
256名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 14:53:12.76 ID:gMrCCsEC
乙です。
明日に向かって撃てすきだっなぁ。
257名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 17:38:44.38 ID:IEji1ZUC
黒ひげティーチを召喚
258名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 20:47:40.02 ID:uRXIQ5cl
>>257
・・・で?
259名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 20:49:06.32 ID:Tmvd6Dez
>>254
乙。
続き置いてけ。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 21:29:56.47 ID:b++6D8lZ
ゼロ魔世界で最も役立つドラクエ魔法はザラキーマだな
261一尉:2012/02/08(水) 21:44:05.18 ID:NxIIocec
もしニコとジェイコブが召喚にしたら大変な事になる
262名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 22:37:15.66 ID:PMeIH2KJ
マザリーニ「見よ!!あれがトリスティン王家の伝承に伝わるフェニックスである!!」

―タルブ村上空

もこたん「もっこもこにしてやんよぉぉぉ」

アンリエッタ「確かに不死鳥ですねぇ」
マザリーニ「でしょ?」

東方Projectより藤原妹紅を召喚。
263名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 22:53:36.30 ID:Tmvd6Dez
フェニックスか。
許すことなんてなにもないさ。
264名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:12:01.37 ID:E22dSOMm
飛翔中のカイザーフェニックスが召喚されました
265名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:18:04.57 ID:uhjEwTQr
ゆーうきーはー不死ー身のー
フェーニーックスー
266名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:19:53.68 ID:09x80hcF
マーカス「呼んだか?」
267名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:20:32.82 ID:5nRSR5yD
つきひフェニックス

ということで阿良々木月火の出番か
268名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:22:52.10 ID:FobQtIkh
フェーニクス…
鳳榊一郎か!
269名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:24:39.00 ID:uRXIQ5cl
>>263
平気で人間に手を上げれる超人って少ないんだよなぁ・・・
270名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:27:29.63 ID:Tmvd6Dez
>>269
じゃあ初期テリーマンを。
271名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:36:46.67 ID:xf9kXexX
フェニックス・・・
ティファニアに召喚された使い魔がルーンの失われたサイトに代わって
新たなガンダールヴとなり、さらにルイズと再契約してリーヴスラシルに

「お前は・・・一体・・・?」
「オレの名は零戦キョウジ、お前に代わって召喚されたゼロの使い魔だ
 ・・・ふん、まぁ、こんなもんか
 お前の役目はもう終わりだ!

 フェニックス・ダッシュ!!」

オスマン「真の戦いが、始まる・・・!!」

272名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:51:26.54 ID:wAEyyhH5
そこはつづくであってもらいたかった
273名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/08(水) 23:55:39.87 ID:vc6tdStw
フェニックス一輝。星をも砕くというギャラクシアンエクスプロージョンに
耐えてみせた彼ならばルイズの使い魔もやってける。ルイズ達がピンチの時だけ
インテリジェンスクロスデルフリンガーと共に駆けつけるのだ
274名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 00:01:13.24 ID:QgpHVWck
>>270
キン肉マンネタなら、モンモランシーがカエルの代わりにロビンマスク召喚とか
275名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 00:06:31.29 ID:tW1ct/y/
まさかのブラックホールとステカセキングの参戦だな。
276名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 00:15:16.42 ID:H8fiFa0B
お前に相応しいソイルは決まった!

全ての源 マザーブラック!
全てを焼き尽くす ファイアーレッド!
そして全てなる臨界点 バーニングゴールド!

燃えよ・・・召喚獣 フェニックス!!
277名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 03:06:12.94 ID:3cCdrlL4
>>270
ルイズ「助けてテリーマン!」
テリー「ガール。マネーは持ってきたのかい?」
ルイズ「これで・・・」
テリー「HAHAHAHA」





テリー「よしきた」
278名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 05:05:14.07 ID:te3NXmVQ
秘薬買い漁らなきゃ金あるだろうしなルイズ
279Maximusな使い魔:2012/02/09(木) 06:30:20.11 ID:3cCdrlL4
おはようございます。
そしてお久しぶりでございます。
35分ほどから投下させていただきますね。
280Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:35:49.56 ID:3cCdrlL4



「…何で全部片付けちゃうのよ」

顔を洗って帰ってきたルイズは、マキシマと教室を見渡して呟いた。
ルイズが居ない間に、マキシマが教室を片付けていたのだ。
その事にルイズは、何故か頬を脹れさせている。
「どうしたんだ?掃除なら終わったぜ?」
「そうじゃないのよ…」

ルイズは『私が教室を滅茶苦茶にしてしまったのだから、私が掃除をするんだ』と、意気込んでいた。
自分のしたことに責任を持ち、行動に移そうとしていたのだ。
しかし、マキシマが全て終わらせていた。完璧に。
ルイズのやる気が、口の開いた風船のように萎んでいく。
「なんだ。そんなに掃除が好きなのか?」
マキシマは気にした様子も無くルイズに聞く。

まさか自分のせいでルイズが落ち込んでいるとは思ってもいない。
そんなマキシマに、ルイズは「…はぁ」っと短くため息を吐く。
事が事だけに、怒るに怒れない。
むしろ、自分が居ない間に掃除を終わらせていた使い魔を褒めるべきではないか。
そう考えて、気分をリセットする。

「ま、まぁ…。よくやったわ」
「ん?ああ」
そう短く言葉を交わすと、マキシマが手に付いた埃をはらう。
「そろそろランチの時間じゃないか?またあの食堂でいいのか?」
高く昇った日を窓越しに眺めながらマキシマがルイズに問いかける。
朝食の時間を考えれば、昼食は今ぐらいの時間だろう。
281Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:36:14.37 ID:3cCdrlL4

「そうね。基本的に食事は食堂で。自室で食べる人もたまにいるけどね。毎日ってわけでもないでしょうけど」
答えながら教室を出るルイズと、それに続くマキシマ。
ルイズはマキシマに昼食を厨房でとるように伝えると、食堂の中へ入っていった。
それを見送り、厨房に向うマキシマ。

厨房の中を覗くと、マルトーが怒鳴るように指示を出している。朝以上に忙しそうだ。
中へ入っていくと、シエスタがマキシマを見つけ、小走りで近づいてくる。
「忙しそうだな。こりゃあ呑気に食事って訳にもいかなそうだ」
「大丈夫ですよ!一人分位ならすぐに用意できますから」
シエスタが昼食を用意しようとしたが、引き止める。
「いや。まだいい。それより何か手伝える事はあるか?いつまでもタダ飯を食わせてもらう訳にもいかないからな」
「おう!助かる!裏から小麦粉を4袋持ってきてくれ!!茶色い袋だ!」

シエスタの返事よりも早く、マルトーが指示を出す。
「もう…。ごめんなさい。お願いできますか?」
困ったように頼むシエスタに「まかせときな」と言うと、マキシマは厨房から出て行く。
シエスタがその背中を見送り、自分の仕事に戻る。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
282Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:36:40.72 ID:3cCdrlL4

「まさか4袋一気に持ってくるとはなぁ…」
生徒達の昼食が終わり、ようやく落ち着いた厨房でマルトーが呟く。
大の大人が肩に担いで持つようなものを四つ一気に軽々と持ってきたマキシマに脱帽していた。
固そうな黒パンをスープに浸しながら、マキシマは厨房の人達と談笑中だ。
昼食を終えた生徒は、さっさと部屋に戻るわけでもなく食堂でダラダラと過している。

「シエスタ!デザートを配ってくれ!終わったら部屋に戻ってもいいぞ!」
マルトーの放った言葉に、マキシマの耳がピクリと反応する。
「大丈夫ですよ!洗物もちゃんとやりますから」
「気にするな。あいつの熱、まだ下がってないんだろ?部屋に戻って看病してやりな」
「でも私の仕事だし・・・」

恐らく、今朝話してたもう一人の使用人の子の話だろう。
「・・・俺が配ろうか?」
「お!頼めるか」

押し問答を続ける二人にマキシマが提案すると、マルトーが賛成する。
「少し時間もあるしな。構わないぜ。」
「いいんですか?マキシマさん・・・」

シエスタが申し訳なさそうに聞いてくるが、「まかせときな」と頼もしい返事をするマキシマ。
「そのかわりと言ってはなんだが、そのデザートを一つくれないか?」
283Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:37:09.77 ID:3cCdrlL4



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「…おい。ルイズの使い魔がデザート配ってるぞ」
「…本当だ。ルイズの使い魔がデザート配ってる」

マキシマがデザートを配り始めると、またヒソヒソ話しが始まる。
エプロンを着けたマキシマがデザートを配る姿はなかなかに異様だ。
その様子に気が付かずにお喋りに夢中な者も数人。
フリルの付いた派手な服を着た、金髪の少年が薔薇を片手に談笑中だ。
時折薔薇を鼻に持っていく姿は、まさしくナルシストである。

「おいギーシュ。お前今誰と付き合ってるんだ?」
「いい加減に教えろよ!」

取り巻きの生徒の言葉に「フ…」と微笑んで見せると、少年はまるで舞台の上に居るように熱弁を始めた。
「付き合う?僕にはそのような特定の女性はいない…。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだから!」
言い終えると同時に奇妙なポーズをとる。
「主演男優賞貰えるな…」
「バカのな…」

周りの生徒から散々に言われるが勝手に悦に入ってる少年の耳には届かない。
マキシマは気にせずに少年達のテーブルにデザートを並べる。
すると奇妙なポーズをとったのが災いしてか、ポケットから小瓶が地面に落ちた。
足元に転がってきたそれを拾い上げ、なんとなく中身をみてから、少年の目の前のテーブルに置く。
「落ちたぞ」

一声掛けて、その場を去ろうとするマキシマの耳に、予想外な言葉が聞こえた。
「あ、あれれ〜?ナンダこの瓶は〜。僕知らないなー!!」
不自然である。
「へぇー。人がせっかくあげた物を知らないとか言うんだ…」
少年の後ろから少し怒気を孕んだ声が掛かる。
少年が反射的に振り向くと、金色の髪を綺麗にロールさせた少女が腕を組み佇んでいる。
284Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:37:36.26 ID:3cCdrlL4

「せっかくあなたのために調合したのに、知らないって言うんだ…」
「まってくれモンモランシー!君が僕のためにわざわざ調合してくれたのは判る!だけど今は!今だけは!!」

モンモランシーの不機嫌そうな顔が、一転して赤く染まる。
「べ、別にギーシュのために調合したとか…。ギーシュが喜んでくれるのが嬉しいとか…。そんなんじゃないんだから…。
今だって、一緒にデザートを食べたいなとか…そんな事思ってないんだからね!!」

さっき自分で調合したとか言ったよな…。
周りの皆が同じ事を考えていると、一人の少女が少年に近づくと、手をワナワナと震えさせた。
「ギーシュ様…。やはりミス・モンモランシーと…」
「ケ、ケティ!?違うんだよ!違うんだ!僕の心の中に住んでいるのはいつだって君一人―――」
パン!と少年の頬が小気味良い音を立てる。

ケティと呼ばれた少女は顔を両手で隠し、泣きながら走り去った。
「ふぅ…。困ったチャンだな」
「本当にね…」
何気なく放った言葉に、まさか返事が返ってくると思ってなかった少年は、ビクリと体を震わせた。
振り向けば、笑顔のモンモランシー。

「ハハハ…」
「フフフ…」
お互いに少し笑い合うと、モンモランシーが小瓶に手を掛ける。
小瓶の蓋を取ると、小瓶の横に置いてあったケーキに中身を掛ける。
苺の鮮やかな赤と、小瓶の中に入っていた、これまた鮮やかな紫色が美しくケーキを彩る。
その様子を、固まった笑顔で見ることしか出来ない少年の額に、一筋の汗が落ちる。

小瓶の中身が全てケーキにかかり、瓶がテーブルに再び置かれる。
美しく彩られたケーキは、その色とは裏腹に毒々しい匂いを放っている。
少量ならばその香りは人々の鼻腔を楽しませるであろうその液体は、今や見る影も無い。
マキシマ確認したその小瓶の中身は、間違いなく香水だった。
285Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:38:06.16 ID:3cCdrlL4

「アハハ…」
「ウフフ…」
もう一度笑い合うと、モンモランシーはケーキを少年の前に置く。
そして死刑台に掛けられた首に、斧を振り下ろすように言った。

「食え」

一瞬にして周りの空気が凍る。
そこで、乾いた笑い声を出しながら少年は言う。
「お、可笑しなことを言うんだね。冗談きついなぁ。これは明らかに食べることの出来ないそれじゃないか」
「そうね。確かに食べたら確実に体に悪いそれね」

モンモランシーはワインの瓶を掴むと、テーブルに叩きつける。
すでに空になっていた瓶は簡単に割れると、すぐに凶器と化した。
その切っ先を少年の喉に突き立てると、笑顔で言った。

「黙って食え」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「モウ一杯…。モウ一杯水ヲクレ…」
グラスをテーブルに叩きつけるように置くと、ぜえぜえと息を整えるギーシュ。
その頬には紅い紅葉が二つ綺麗に描かれている。
「お花畑が見えたよ…。赤と紫の鮮やかなお花畑が…」

マキシマはデザートの乗っていたトレイを脇に抱えてその場を去ろうとする。
しかし、ギーシュはそれを見逃さなかった。
「待ちたまえ。そこの君」
声を掛けられたマキシマは、その場で振り返り眉をひそめる。
286Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:38:28.09 ID:3cCdrlL4

「君のおかげで、二人のレディと僕の喉が傷ついた。どう責任を取るつもりだね?」
「自業自得っていうんだぜ。僕ちゃん」

マキシマの返答に、ギーシュの額に青筋が浮かび上がる。
「僕ちゃんだと!?誰に言っているのか判っているのか?」
「自分の失態を人のせいにしようとしてる貴族の僕ちゃんにだ」

そう言うと、周りの生徒達がどっと笑った。

「そうだギーシュ!お前が悪い!」

「何を言っているんだい給仕君。君があれを拾わなければこんな事にならなかったんだぞ」
「あれはお前のじゃないんだろ?じゃあ別に僕ちゃんには関係ないじゃないか」
その言葉に顔を赤くしたギーシュは、白い手袋を取り出すとマキシマに投げつけた。

「決闘だ!!」

ギーシュの言葉に、周りがざわつく。
マキシマは手袋を拾い上げると、承諾した。
「受けて立つぜ。僕ちゃん」
「この…!どこまでも憎々しい!」

そこで騒ぎに気が付いたルイズが、野次馬を掻き分けてマキシマに近寄る。
「なにしてんのよマキシマ!何の騒ぎ?」
まだいまいち状況が掴めていないルイズに、ギーシュが説明する。

「僕が彼に決闘を申し込んだ。それに彼が応じた。これは僕と彼の問題だ」
「何を言ってるのギーシュ!決闘は禁止されてるはずよ!」
「それは貴族同士の話だろう?そういえば彼は君の使い魔だったね、どうも頭に血が上りすぎて気が付かなかったよ」
そこでギーシュは、マキシマとルイズを見て、笑いながら言った。
287Maximusな使い魔 第6話:2012/02/09(木) 06:38:56.79 ID:3cCdrlL4

「使い魔!ここは不出来な主人に免じて頭を下げれば特別に許してやらない事もない!」
「マキシマ!やっちゃいなさい!私が許すわ」
ギーシュの言葉にルイズが反応する。
大人げ無かったかと思っていたマキシマも、ギーシュの言葉にはカチンときた。
「これはお前と俺の問題なんだろ?嬢ちゃんは関係ないはずだ。それとも今更怖くなったのか?」

「…後悔するなよ。十分後にヴェストリの広場で待つ」
そう言うと、ギーシュは身を翻し食堂から姿を消した。

「ああ言ったのは良いけど。どうしよう…」
「心配するな。適当に相手してやるさ」
頭を抱えているルイズの肩に手を置くと、余裕の篭った声を掛けるマキシマ。

そんな二人の元に、シエスタが駆けつけてきた。
「こ、殺されちゃう…。マキシマさん!!謝りに行きましょう!!」
マキシマの手を取り、必死に引き止めようとするシエスタを、マキシマがなだめる。

「心配するなって。それより部屋に戻ってな。病人が待ってるんだろ?」
軽口をたたくマキシマの様子に、落ち着きを取り戻すシエスタだが、まだ不安がある様子だ。
「大きく出たけど、何か勝てる見込みはあるの?あんな奴だけど、結構強いわよ」
「言っただろ?俺の周りにも魔法みたいなもんがあったって。あの僕ちゃんの捻じ曲がった根性を叩き直してやるよ」

食堂を出るマキシマとルイズを、シエスタは不安げに見送った。


288Maximusな使い魔:2012/02/09(木) 06:43:11.71 ID:3cCdrlL4
投下終了です。
KOFXIIIにストーリーモードがあると聞き、何かあるのかと思ったらマキシマあんまり関係なかったり
ずっとXIIIやってたりバイクの免許とったりで忙しくて・・・。
スイマセン言い訳です。これからはちょくちょく投下すると思いますので。
では。
289名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 06:43:21.40 ID:PyVyJApS
お久しぶり支援
290名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 06:44:03.17 ID:PyVyJApS
おおう間に合わなかった
投下乙です
291名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 07:49:18.89 ID:8KIeOJaC
デュープリズムから『可愛くてカッコいいミント様』を召喚。
ちょっと書いて見ようかとも思うけど悲しいかな俺にはその力が無さそうだorz
292名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 08:27:13.00 ID:hMqdNZJQ
拳法家召喚てある?
「ドォモォォォォン!」な人達は無しの方向で
293名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 10:06:46.80 ID:KUVMpMx2
田中プニエ召喚か…
294名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 13:04:30.71 ID:5i6rjg/g
それはブーメランと実戦空手にガンダールヴを組み合わせた全く新しいry
295名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 15:22:32.43 ID:vMPGmne+
刀語の鑢七花を召喚とか読んでみたいな
西尾維新っぽい書き方は難しいだろうけど
296名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 15:41:50.82 ID:eyeJfN04
>>295
見たいな、七花は淡白なキャラだし、比較的西尾成分
薄めな感じだし、書きやすそうだ
297名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 16:31:27.20 ID:6kJ5Ed5Z
テニスの王子様のキャラ召喚したらどうなるだろうか
デルフは剣からラケットにされるだろうけどあの作品もうまともにテニスしてないし何人か人間やめてる気がするしな
298名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 16:56:14.65 ID:oETSrspQ
サムライリーガーズの連中を
299名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 17:05:15.54 ID:abJmhHG0
阿部さんが召喚されました。
「やらないか・・・・・」
300名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 18:20:36.07 ID:eyeJfN04
どうせ召喚キャラ無双するならいっそ赤屍さんとか召喚しようぜ
301名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 19:04:47.87 ID:+Ymgn113
そんなマイナーキャラ出されても
302名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 19:17:53.59 ID:W9ohYyaU
無双ならニードレスはどうだ?
あれなら誰が召喚されても大抵は無双できるぞ
能力とかの戦闘力を抜きにしても体の頑丈さや回復力が軽く人間を超えてるw
303名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 19:32:18.90 ID:PZTdtr0z
無双といったら元祖はやっぱり呂布だろう。
どの作品から呼ぶかで大分性格は違ってきそうだけど。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 19:35:49.67 ID:GyDIWOGA
>>297
石田師範のことか(笑
305名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 20:05:30.38 ID:oETSrspQ
>>303
ぶっ飛び具合いが素晴らしい天地を喰らう
or
制限付いてる一騎当千
306名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 20:24:08.72 ID:DcycSk1P
無双の元祖ならむしろ項羽を推す
……ガンダールヴ補正ついたら下手すりゃ七万追い散らしそうだな
307名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 20:37:59.76 ID:oTT8xPET
Diesか神咒から誰かを……
てかゼロ魔キャラに渇望はあるんだろうか
308名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 21:34:16.65 ID:IOmdEsGG
>>291
デュープリズムならルウは能力的にガンダールヴもヴィンダールヴも両方できるな
ミントにはダメな王族に喝を入れてもらってギーシュもワルドもボコボコにしてもらおう
跳び蹴りで
309名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 21:50:39.39 ID:oETSrspQ
>>307
ジョセフ「全力を出したい」
310名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 22:44:37.59 ID:BnhEi0iv
赤兎馬に跨って右手に方天画戟、左手にデルフリンガーを構えて突撃してくる飛将・呂布奉先…さすがに泣くわw
311名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 22:50:26.93 ID:mW0wFFmo
>>309 どこの獣殿だよwww
312名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 23:37:02.88 ID:htm1Y00E
「僕自身トリステインを出ていく喜びもあった」
「ここにいたら自分がダメになると思った」
「レコン・キスタからの連絡でスタートラインに立てた」
「レコン・キスタに来て良かったと心から思った」
「トリステインでは誰を信用して良いか分からなかった」
「グリフォン隊では味わえなかったドーンときてガシャーンとやられる感覚」
「いなくなって初めてその存在の大切さみたいなものに気付くんじゃないですか」
313名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/09(木) 23:49:37.37 ID:KTsT7l7L
>>310
赤兎バイクに跨って「たぁまぁしぃいいいいいいーっ!!!」な呂布なら……

テファが曹操召喚しそうだな、そりゃ記す事も憚られるわ(強さ的な意味で
314名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 02:48:03.71 ID:R/79gUus
一騎当千…

その昔、タルブ村を襲撃しようとしたオーク鬼の集団が一人の男を前に全滅したお話。
腕組みしたまま行く手に立ちはだかった男を前に、獰猛なオーク鬼達は一斉に戦意を喪失し、許しを乞う為に同士討ちを始めたという…

シエスタ「そのオーク鬼達の前に立ちはだかった男の人っていうのが、私のお爺さんなんです」

ちなみに彼女も脱ぐと凄いらしい(背筋的な意味で)
315名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 09:34:17.90 ID:jh0jfYuS
>309
明日から頑張る使い魔、即ちコスプレの上からキスされて脱げなくなったギデドランか。
316名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 14:10:33.57 ID:iFzQqzY7
>>312
ウチカ・ワルドさんか
317名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 17:11:57.80 ID:js7SxXHQ
>>292
Gジェネじゃくぎゅがシャイニングフィンガーやゴッドフィンガーやってるんだよな
318名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 18:12:41.49 ID:kAaV/pbn
>>315
エルフを狩るモノたちのセルシア・マリクレールを思い出したw
変身魔法の上からルーンを刻まれて本来のエルフの姿に戻れなくなり、
本当はエルフなんだと主張しても「見栄を張るな」とか「エルフだ逃げろーwwwww」と笑われる日々w
319名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 19:40:09.08 ID:6tAHfLMP
>>307
アンリエッタ「あの方への思いに永劫焼かれていたい」
アニエス「この復讐の念を燃やし続けていたい」
ウェールズ「王族としての誇りある死を」
ルイズ「自分の知るかぎり最高の女性であるちぃ姉様みたいになりたい」
ティファニア「過ぎ去って行くこの刹那を留めたい」
320名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 20:11:24.18 ID:fyXngBtG
>>319
それだとルイズが海坊主になる
321名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 20:24:04.20 ID:jh0jfYuS
>320
盲目だが、サイトの心臓を移植された少女を自らの使い魔と認識するのか。
で、毎日彼女の寿司屋で寿司を食い、そんな二人を見守るモグリの医者……いかん、混ざった。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 20:40:11.27 ID:TVmINr1u
鉄拳チンミよりチンミ召喚なルイズとか、明日のよいちな使い魔とかとか

想像つかないけど思い描いてみる
323名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 20:45:10.30 ID:VsbVdPOY
播磨のめっかいをラルカスが召喚してミノタウロス退治をハッピーエンドにしたい
324名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 20:54:51.03 ID:/1YA20/e
料理マンガのキャラ召喚して学園の厨房に送り込んだら面白そうだ
秋山醤とか
325名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 20:55:54.56 ID:bPpr9ZtJ
>>308
ミント様は最終的には黄ハイパーぶっぱでどうとでもなるからなあw
326名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 21:16:16.32 ID:r8KQp4hL
>>324
ジャン三人目かよw他にジャンっつったらジョジョのジャン=ピエール・ポルナレフ
ハガレンのジャン・ハボック、進撃の巨人のジャン・キルシュタインとかか
他にどんなのがいるっけ
327名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 21:22:42.29 ID:VsbVdPOY
>>326
ふしぎの海のナディアのジャン・ロック・ラルティーグ
スプリガンのジャン・ジャックモンド
Gガンダムのジャン・ピエール・ミラボー

ほかにもいるかな
328名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 21:24:42.98 ID:lrFf2nxP
>>324
味皇を召喚した小ネタなら有ったぞ
329名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 21:25:27.63 ID:WSS2dnRh
ロマサガのジャァン
330名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 21:34:54.90 ID:HER6S0lX
パプワくんの赤の番人のジャンとか
ジャン=クロード・ヴァン・ダムとか
331名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 22:02:28.58 ID:TSn+e0dP
>>319 ルイズ以外Diesキャラの渇望とほとんど一緒な件wwww
つーかルイズ渇望ショボイなwww
332名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 22:12:06.32 ID:TSn+e0dP
あ、ルイズはクリストフか、こりゃ失敗
333名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 22:43:02.01 ID:TSn+e0dP
つーか、Diesを召喚したら確実にルイズ達が空気になるから無理だろうなwww
主人公ですらとあるルートじゃあ空気だしwww
334名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 22:48:30.83 ID:kKQKq9KO
    _, ._
  ( ・ω・)
  ○={=}〇,
   |:::::::::\, ', ´
、、、、し 、、、(((.@)wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
335名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/10(金) 23:27:28.13 ID:lkVjehs+
>>324
そしてジョゼフが五行を召喚するとか
336名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 01:29:23.63 ID:M4WcAncG
ゼロ魔世界に近代兵器投入するだけで弾切れまで圧倒出来るのに
Diesとか神哭から近代兵器()程度じゃ足止めにもならない神々が来たら大惨事になるぞw
337名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 04:28:06.76 ID:DA2qLOz4
宿儺呼び出したら終わるなwwwwwwww
338名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 08:05:45.15 ID:1heKWbWm
ナディアの眼鏡もジャン
339名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 09:01:30.50 ID:HLt2GQUq
大仏次郎の『鞍馬天狗』から杉作少年を呼び出して、と言うのを考えたんだが、
『ゼロの角兵衛獅子』か『角兵衛獅子の使い魔』か……

……後、妄想中微妙に『天下繚乱RPG』が混ざって、空飛ぶカラクリがどうとか言い出した。
340名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 09:17:24.74 ID:fqKsZV9I
トリステインにふと立ち寄ったちりめん問屋のご隠居さま一同が悪領主を懲らしめていくとか……
341名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 09:28:14.32 ID:TLWmcg2K
しかし、悪人共をひれ伏せさせる要素が無いという罠。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 10:07:29.75 ID:HLt2GQUq
そんな中、血筋故に一人だけひれ伏すシエスタ。

葛葉「のう、ルイズや。胸なんか、胸なんかなくてもの……お代わり」
鈴葉「いい加減にしないと、太るわよ?」
金銀「ほっほっほ、年寄りにはちと脂が強いでのぅ」
大家「さて、ルイズや、セッションを始めようか」

天下人が多すぎる。
343名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 11:49:50.79 ID:7AtQrTUT
あんまり強い人を召喚しても無双しだしすし弱い奴出してもねたになるだけだし
ちょうどいいばらんすとしてヴァンガードの鈴ヶ森レン君当たりが丁度いいな
344名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 11:56:18.08 ID:PjIW90rM
>>341
王や皇帝を差し置いて世襲の将軍が内政を統括してる体制とかトリスティンでは訳分からんだろうな

「なんでリタイアしたショーグンがピルケース見せるだけでみんなおとなしくなって事件は解決するのに、現役のショーグン本人が来ると殺そうとするんだ?」
345名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 12:39:21.83 ID:1heKWbWm
ナポレオンー覇道進撃ーのランヌさんなら丁度良いバランスになるんじゃなイカ

あとヴィンランド・サガのトルケルやトールギルとか
346名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 13:04:54.48 ID:79Yu42pE
>>344
ちりめん問屋一行の場合、先に武力で制圧してから身分を明かすので平伏すしかない
将軍さま本人の場合、お忍びだから切り伏せれば知らぬ存ぜぬでなんとかなる可能性がある
347名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 15:32:07.29 ID:9Tfsiv7M
ここは昔懐かしの旗本退屈男の出番
348名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 16:36:15.69 ID:HLt2GQUq
>347
懐かしい方のか……俺、息子のしか知らん。
349名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 17:31:36.35 ID:8I95Il+W
松平長七郎という手もある。
350名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 17:52:37.88 ID:TJQen6uc
源為朝はどうだろう。弓って普通にメイジ殺しだと思うんだが
原作でも2回くらい?しか使ってないよな
生産や所持が制限されてるとかあるんだろうか
351名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 19:31:28.86 ID:VEdgv38s
翼人に対して狩人たちが一斉に矢を射掛けて風で防がれたり、
アルビオン編で魔法の射程外から攻撃できるということは示されてるし傭兵たちは集団で使ってるようだったが
352名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 19:32:20.05 ID:VEdgv38s
そこらの狩人や傭兵が大勢で使ってる代物の所持や生産が制限されてるとは思えないがね
353一尉:2012/02/11(土) 19:59:39.40 ID:N2orJgcs
ゴリラコンボイが召喚にたらしい。なぜ総司令官だけ召喚にしたらしい。
354名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 20:10:16.91 ID:HLt2GQUq
>350
でも、為朝って事は中身天だよな。

【リプレイの読み過ぎ】

あ、>342に天狗姫を忘れてた。

ただまあ、矢を持てる数の制限とかあるから装填に手間のかかる黒色火薬銃とトントン?
355名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 20:18:39.47 ID:o8GKywDF
難易度弓>クロスボウ>銃だしみんな銃に流れたんじゃね
356名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 20:29:53.75 ID:PjIW90rM
>>354
体格的に弓も矢も鎧も既製品使えなくて困った人だからな
鎮西八郎、ロケットランチャーを使うの図はかなり笑えそうだが
357名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 20:36:53.54 ID:WBrznusM
セキレイキャラっていないよな
男も女もいるし強いけど一部を除いてそこまで無双キャラでもないのに
いい感じであの亜人先住魔法を使うのか!!ってなりそうなのに
358名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 21:02:38.75 ID:Pc9dyxM7
原作で弓矢使いといえばジルか、
原作開始まで生きてたら22歳だけど、彼女もかわいそうな人生だったな……
359名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 21:14:02.96 ID:UrXaBAfh
ハルケギニアはメイジに力が集中しすぎて戦技の発展は極めてお粗末なんじゃとか思う
360名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 21:17:00.35 ID:DMANhDYk
>>357
キュルケが?を召喚してダーリンって呼んだり
ジョゼフと御中が色々とやらかしたりとかか
361名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 21:18:30.59 ID:DMANhDYk
?じゃなくて焔だ
362名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 00:09:17.48 ID:yV9cFKCM
>>359
軍師キャラで民兵を統率して敵メイジ達を翻弄や撃退したら熱いかもな

ドリフからのぶのぶ召喚とかでやれそうだけど凄い難しそうだ
363名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 04:42:25.46 ID:u9z6lhLn
>>362
即国獲りに動き出すのが目に見えてるな
364名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 09:32:30.09 ID:FygwP0ra
三国無双の諸葛孔明を考えたけど、結局最後は軍師ビームで力技のごり押しになってしまった。
365名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 10:09:33.38 ID:FJCj9Aa8
>>362
あれ? この前クロスで学園長が召喚してなかった?
366名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 10:37:37.26 ID:nrxCUYg+
>>362
軍師か……天地志狼君こと、『竜の軍師』召喚とか思い浮かんだが
知力だけじゃなくて、武力もすごいことになってるんだよな……最近
367名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 10:49:59.79 ID:SMbouc1A
ジャーンジャーンジャーン
368名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 13:32:42.22 ID:y/F6ONiO
こういう話の展開になったときは
ああ、原作まったく読んでないんだな
と判る
369名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 13:37:17.87 ID:BIAc+HVt
>>366
最近は皇帝の方が主役っぽかったが。
370名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 13:45:11.33 ID:z2n9quTX
ヤン・ウェンリーが既に呼ばれている
371名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 13:46:19.91 ID:6Ii8dWpy
努力じゃ天才には勝てないって少年漫画らしからぬ流れになってるな今
372名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 13:54:34.72 ID:3bLSsaFj
ゼロの使い魔はライトノベルだから元から少年漫画じゃないさ
373名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 14:10:06.91 ID:6Ii8dWpy
龍狼伝の事な
374名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 14:12:40.28 ID:3bLSsaFj
そうだったかすまない
375一尉:2012/02/12(日) 15:32:13.11 ID:bPMmuNUO
戦国自衛隊を召喚にするなぜエセックスのみ搭乗員にも召喚にされたよ。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 16:08:24.06 ID:CcguBtoQ
軍師召喚か。

裏目軍師と弱腰軍師と死神軍師とメタメタ軍師とでもしか軍師のどれが良い?
377名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 16:24:48.54 ID:bTaNyQaM
軍師、ミサトさんにトリステイン軍の指揮をとらせてみます?
378名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 17:48:51.79 ID:gzXkAyeE
某戦国バカゲーのヤクザは軍師ポジションだろうか?
呼んでみたいが初っ端でギーシュが酷い目に合いそうだ;
379名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 18:57:21.32 ID:hp/n2eyk
軍師といえばはわわとかあわわとか
七万の兵馬妖とか魅惑の妖精亭に出没する謎の漢女とか出てきそうだなぁ
380名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 19:52:20.47 ID:rQe0y87j
リハク「…」
381名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 21:41:27.92 ID:TMbswcTO
シタン先生を召喚して
 _, ,_  しょおー
( ◎д◎)
  ⊂彡☆))Д´) >>ギーシュ
して欲しい
382名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 22:22:13.08 ID:B/50fv4Y
軍師と言えば、?から孫?召喚とか?
383名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 22:45:13.91 ID:YRPLMFgT
ホウ統「ガタッ」
郭嘉「ガタッ」
周瑜「ガタッ」
司馬懿「ガタッ」

三国時代の軍師の皆さんがアップを始めたようです
384名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 22:51:07.67 ID:nJJjoV7m
死霊界から軍師レイダーを召喚だな
385名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 23:22:26.26 ID:B/50fv4Y
あれ?びんって言葉無理なのか
386名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 23:25:06.17 ID:BIAc+HVt
>>384
死神さ お前を地獄へ送るためにやってきた
懐かしい名前見たな。ギャバンだけでなく、シャリバンも復活してくれないかな。
387名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/12(日) 23:54:45.47 ID:LH9x/Jj/
肩書から入って剛魔軍師ガルヴァスを…
わかる人いないわな
388名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 01:15:44.45 ID:JbUaDUi/
俺は地獄の底から舞い戻って来た死神だ・・・死神は死なねぇ
389名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 01:54:36.35 ID:COVnp6+8
新生六大将軍ね
あんなぽっと出の雑魚を呼んでも仕方なかろうよ、続くほどのネタが無いし
390名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 02:20:34.58 ID:FSA+PMnR
正直両手でフィンガーフレアボムズの人くらいしか覚えてないわ
それよか再アニメ化を…… いや、そのまえにビィトの再開を……
391名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 02:34:20.29 ID:OZUpQ6Fd
戦闘力もかなり高い姜子昌と骸延
392名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 02:44:15.71 ID:w7D3T0tU
>>390
ダイ含めて人気番組打ち切って、社運をかけてバラエティやったんだよな。
そして見事に滑って、落ち目になった。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 04:25:17.05 ID:qeh2kOw+
軍師…大戦略の主人公とk(ry

ろくな描写のない主人公はいっぱいいるが、アーマード・コアやなんかのキャラみたいのになると、
機体の中に人がいるのかすらわからない、シュレディンガーの猫みたいな連中ばっかだな
実際、AIだったりとか、ネット上に存在するだけだったりとか、脳髄だけだったりとかみたいなのも多いし
394名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 04:37:44.80 ID:yvaSKL8T
>>390
確か、ビィトの作者も病気だっけ


ムダヅモ無き改革から小泉ジュンイチローを召喚
何故かゼロ魔世界に浸透している麻雀でギーシュを七孔噴血させたり
ワルドを相手に点貴族の麻雀を打ったり
395名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 08:42:03.30 ID:w7D3T0tU
今大盛り上がりのキン肉マンだと誰が相性いいのかな?
ウォーズマンの人、続き待ってます。
396名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 08:55:26.76 ID:T1+B8bci
>>392
ムーブか
一応フレンドパークだけはやたらヒットしてあれだけ生き残ったんだよな
397(代理)ウルトラ5番目の使い魔  ◇213pT8BiCc:2012/02/13(月) 11:04:11.00 ID:1QLv81tD
635 :ウルトラ5番目の使い魔  ◆213pT8BiCc:2012/02/12(日) 20:00:57 ID:uGNQ1ZQ6
こんばんわ、ウルトラ5番目の使い魔、77話を投稿しようと思ったのですが、運悪いことに規制の網に入ってしまったようです
こちらで投下しますので、どちらかよろしければ代理投下お願いいたします
 第七十七話
 ウルトラマンの背負うもの
 
 くの一超獣 ユニタング 登場!
 
 
「ねえ、神さまっているのかな?」
「なあに、シーコったら突然?」
「えへへ、ちょっと昔を思い出しちゃったの。お父さまたちが生きてたころは、降臨祭のときにみんなそろってお祈りしてたじゃない……」
「ええ、あのころはみんな幸せだったね……」
「うん、戻れるものなら戻りたいね。そういえばさ、シーコは去年はなんてお祈りしたの?」
「みんなとずーっと、いつまでもいっしょにいられるようにって。だってさ、神さまって正しい人の味方なんでしょ? 姉さんたちは
みんなすごく優しいから、不幸になることなんて絶対ないって。だからみんないっしょにいれたら、それが一番幸せなんだと思って……
へへ……お願い、かなっちゃったね」
「そうね……でも、かなえてくれたのは神さまじゃないわよね。わたしたちみんな、悪い子になっちゃったんだもの……」
「なにがいけなかったんだろうね。神さまは、わたしたちのことが嫌いなのかな……」
「ほんと、シーコみたいにいい子のこと忘れちゃうなんて、ひどいやつだよ。けどもういいじゃない……いろいろあったけど、こうして
もう一度セトラ姉さんもエフィ姉さんも、キュメイラ姉さんもディアンナ姉さんもイーリヤ姉さんともいっしょにいれるようになったんだし」
「こらビーコ、ユウリにティーナのこともちゃんと数に入れてあげなさいよ」
「エーコこそ、そのふたりに限って姉さんとつけないんだからいっしょだよ……ふわぁ……どうしたんだろ、急に眠くなってきちゃった」
「わたしも、なんか眠いよ」
「しょうがない子たちね。わかったわ、あとで起こしてあげるからしばらくお眠りなさい」
「もう、エーコは相変わらずシーコには甘いんだから。けど、目が覚めたらお父さまとお母さまにまた会えるような気がするよ……」
「ええ、わたしも……」
「おやすみ、みんな……」

「いつまでも、いっしょだよ……」
 
 闇に食われた魂たちが眠りに落ちるとき、悲劇の凶獣はその本性を表す。
 鋭い牙の生えそろった口で空高く吼え、人間の作り出した建物を踏み壊して暴れまわる様はまさしく悪魔の使いにふさわしい。
 悪魔の誘惑に乗って、魂を売り渡した人間の末路……それは自らもまた悪魔となること。
 そして、身も心も闇に染まった魂が救われることは、もはやない。
 
 東方号の完成まで、あと数時間と迫った造船所。この世界を覆う暗雲を晴らすべく、人間たちが心血を注ぎ込んで作り上げた
希望の飛翔を妨害せんものと、ヤプールはくの一超獣ユニタングを送り込んできた。
 倉庫街に四度出現し、再び暴れ始める超獣を迎え撃たんと、ウルトラマンAも姿を現した。
 しかしこの戦いが、光の戦士とともに戦う才人とルイズにとって大きな試練になろうとは、このときの彼らはしるよしもない。
「ヘヤァ!」
 戦闘態勢をとり、油断なく敵を見据えるエースに一寸の隙もない。鋭い眼差しは戦闘開始の咆哮をあげるユニタングの
一挙一投足を余さず睨み、燃える闘志は三人分が全開でたぎる。
〔サイト、東方号が飛び立てるようになるまで、あとどれくらい必要?〕
〔あと少なくとも二時間はいるってさ。できたばっかりの水蒸気機関をあっためるにも時間はいるし、実際はさらに時間かかるだろって
コルベール先生は言ってたぜ〕
〔はぁん、機械ってのはいろいろめんどうなのね。てことは、時間稼ぎじゃ生ぬるいわね。散々引っ張りまわされた分、利子つけて
お返ししてあげましょうか!〕
〔ああ、十倍返しでいこうぜ!〕
〔ふたりとも燃えているな。ようし、ならば私も負けてはいられないな。いくぞ! 勝負だ!〕
 ユニタングが倉庫の残骸を蹴り倒したのを合図として、戦いの火蓋は切って落とされた。
 ウルトラ兄弟の中でも、常に前に進むタイプの戦い方を得意とするエースの戦法は先手必勝あるのみだ。両者の間合いが
一気に詰まると、すれ違いざまにエースの手刀がユニタングの胸に火花を散らせる。
「トァッ!」
 第一撃の手ごたえ、あり。手刀が肉に食い込んで、エネルギーがほとばしる感触は確かに得た。
 だが、この程度で倒せるような相手ではないことはわかっている。実際、ユニタングはたいしたダメージを受けたようには見えず、
今度は向こうからユニコーンのような一本角を振りかざして襲ってくる。だが、真っ向きって受け止めるのは馬鹿のやることだ。
〔なんのっ!〕
 寸前まで引きつけてかわしたエースは、ユニタングの背中を思い切り蹴っ飛ばした。たまらず、勢い余ったのも含めて別の
廃倉庫に頭から突っ込んでいく。たちまち三件ほどの廃倉庫が崩れ落ち、近場に合った給水塔跡や見張り小屋などもあおりを
食って、ガラガラと音を立てて崩れていった。
〔しまった、少しやりすぎたか〕
 エース・北斗が、百メートル四方が一気に壊滅してしまった様にまずそうに言った。怪獣との戦いで、街にある程度の被害が
出てしまうのはやむを得ないが、町への被害は最低限に抑えるのが基本である。メビウスは最初、ディノゾールとの戦いで
これを知らなかったために街の一角を壊滅状態にしてしまい、当時隊員だったアイハラ・リュウに怒鳴られてしまったことがある。
 けれども、ここでの戦いなら問題ないとルイズは言った。
〔気にしなくていいわ。どうせこのあたりはいずれ取り壊す予定だって聞いたから、むしろ手間がはぶけるってものよ。だから
遠慮なく、あいつをぶっ飛ばしちゃってちょうだい!〕
〔そうか、そういうことなら本気を出していいな!〕
 エースは、血気盛んなTAC隊員北斗星司だったころに戻ったように言った。好戦的、といえば少し違うだろうが、ウルトラ兄弟の
中で誰が一番血の気が多いかと問われれば、まずエースが選ばれるのは間違いない。
 ゾフィー・マン・セブンは生真面目な理性派だし、若い頃は無謀さが目立ったタロウやレオも現在では教官を務めるほどに
落ち着いており、教職にあった80は言うに及ばず、ジャックも自らの心の隙を突かれた経験を多く持つせいか猪突はしなくなっている。
 が、中で例外的に若い頃とたいして変わっていないのがエースである。考えるよりも先に手が動き、感情が隠れず表に出る。
タロウが地球で戦っていたころも、メビウスのころも弟がピンチになると真っ先に飛び出したがったのはエースだった。恐らくは、
エースと同化した北斗の元々の性格が強く影響したのだろうが、それであるがゆえに才人やルイズとの相性はよく、シンクロの
度合いは人間とウルトラマンが同化した中ではトップクラスだろう。
 
「トォーッ!」
 
 ユニタングの角からの緑色破壊閃光をかわしてエースが跳んだ。跳躍五百メートル、太陽を背にして空中できりもみ回転
しながら落ちてきたエースは、ほとんど直角からユニタングの後頭部に急降下キックをお見舞いする。
〔どうだっ!〕
 重量物が超高速で激突したときに起こる爆発音にも似た衝撃波が空気を揺るがし、超獣にそのぶんの打撃を与えた。
 前のめりにのけぞって苦しむユニタング。が、超獣の強靭な生命力は人間であれば頚椎粉砕するほどの衝撃にも耐えて、
なおも十分以上の余力を持って反撃に出てくる。
 刃物になった腕に鋭い牙に角、肉体そのものが武器である超獣をエースは素手で迎え撃つ。
「テヤァァッ!」
 パワーにまかせたユニタングの攻撃をさばき技で威力を殺して受け流し、中段キック、頭部へのチョップ打ち下ろし、すばやく
腰を落としての下段キックの三連コンボが炸裂する。だがユニタングはそれにも耐えて、エースへと執念じみた執拗な攻撃を
仕掛けてくる。
〔ヤプールの怨念のなせるわざということか、しかし私も負けるわけにはいかない!〕
 生き物という枠に入る『怪獣』ならば、まだ生きるために暴れていると認められる点もあるが、悪意によって動いている『超獣」は
なにがあっても絶対に認めるわけにはいかない。エースとユニタングの、息もつかせぬ攻防は続く。
 しかし、戦いの流れは目に見えてエースに傾いていった。ユニタングも弱い超獣ではなく、この個体も対エース用に先代の
個体よりも攻撃力が引き上げられているのに、なぜかというと。
〔お前の攻撃方法はみんな予習済みなんだよ!〕
 才人が得意げに言ったのには訳がある。昨日、それにおとといと続いたユニタングの出現に、才人は戦うことになったらなにが
なんでも逃がすまいと、GUYSメモリーディスプレイを使ってユニタングのデータを徹底的に暗記してきた。さっきの破壊閃光を
エースが簡単に避けられたのも、実は直前に才人がアドバイスしたからなのだ。
 今では以前に直接戦ったエース本人よりもユニタングに詳しいだろう。まったく、地球にいたころにその勉強熱心さの半分でも
あれば優等生になれたに違いないが、そのおかげで得た才人の自信と情報アドバンテージは確かだ。ウルトラマンを倒そうと
狙う宇宙人も、強豪と呼ばれる一団の大半は事前にウルトラマンの戦法や能力を徹底的にリサーチしたものばかり、ならば、
その理屈がウルトラマンにも適用されないはずはない。
 攻撃を一方的に受け続けて、かつ自分の攻撃はことごとく外されたユニタングは怒って、めちゃめちゃに手足を振り回しながら
向かってくるが、そうなればかえってエースの思う壺なのはいうまでもない。エースも足場が壊れることを気にする必要が
ないので、好きなように身をかわすことができ、むろんユニタングの得意技に対しても構えはできている。
 業を煮やしたユニタングの、鋭いハサミになった手からの白い糸攻撃。忍者漫画で言うのならば、忍法蜘蛛の巣とでも
名づけられるべきかもしれないそれがエースをからめとろうとしてくる。
「セヤアッ!」
 掛け声とともにエースは側転して糸攻撃をかわした。しかし、外れた糸が当たった廃倉庫は、糸の強烈な粘着質とユニタングの
怪力によって持ち上げられ、分銅のようにエースに襲い掛かってくる。
〔エース、危ない〕
〔大丈夫だ!〕
 才人の叫びに応えて、エースは飛んでくる倉庫をパンチで破壊すると、ユニタングの糸を逆に掴み取った。そしてそのまま
深く足をふんばり、漁師が地引網を引くときのように力を込めた。
〔いくぞ、力比べだ!〕
 ユニタングもエースの意図を悟って、雄たけびをあげて糸を引っ張り返す。ここに、超獣とウルトラマンの巨大な綱引きが
スタートし、両者は相手を力の限りを尽くして引っ張り合った。
「ヌオォォッ!」
 マンモスタンカーを軽々持ち上げるエースの筋肉が猛り、ユニタングもパワーを全開にして張り合う。
 ギリギリと、糸の張力を限界まで使った綱引きは、互いに譲らず互角の様相を見せている。そんな力と力の純粋な勝負に、
両者の足元の石畳の道は砕け散り、空からは駆けつけてきた竜騎士たちが歓声を送った。
「がんばれウルトラマン」
「腰を入れろ! 引き倒せぇ!」
 その応援が、拮抗していた両者のバランスを突き崩した。
「トァァッ!」
 一瞬、大きくパワーを増したエースの引き倒しが見事に炸裂した。ユニタングは正面から倒されて廃倉庫を押しつぶし、
連鎖して崩れてきた瓦礫を全身に受けてもだえている。
 やった! すごいぞと歓声があがった。ウルトラマンは光の使者、その力の源は太陽の光のみならず、人々の心の光に
よるところが極めて大なのである。
 そう、闇は常に孤独だけれども、光あるところには人は自分以外の誰かを見出すことができる。応援してくれる人々の声の
ひとつひとつは小さなものであっても、重なり共鳴すればそれは大きなパワーとなって大歓声へと進化するのだ。
 攻めるのはいまだ! エースは起き上がろうとしているユニタングに駆け寄って蹴り飛ばすと、うつぶせに倒れたユニタングの
背中に馬乗りになり、頭をつかむと地面に何度もぶっつけてやった。
「テヤァッ! トアッ!」
 組み合った状態からの連続攻撃もエースの得意技のうちだ。特に頭への攻撃はどんな相手にも有効な打撃となりえる。
 ユニタングは額から何度も石畳にぶつけられてふらふらだ。やっとエースを振り払って起き上がったかと思ったが、自慢の
一本角はふらふらと揺らめいていてたよりない。
 そこへエースは間髪いれずに追撃の光線を叩き込んだ!
『パンチレーザー・断続光線タイプ!』
 額のウルトラスターから放たれる青色光線パンチレーザー、そのエネルギーを機関砲のような弾丸に変えた光線が
ユニタングに命中して爆発、巨体を弾き飛ばす。
〔ようし、効いてるぞ!〕
 通常はけん制程度の威力しか持たない光線でも、相手の弱点をついたり状態を見極めて使えば威力以上の効果を
発揮することもできる。かつて初代ベロクロンの口を狙って放ったパンチレーザーが、口内のミサイル発射機を爆発させて、
さらに体内の高圧電気袋にも大ダメージを与えて戦闘の決定打になったときがそれに当たる。
 今回も、ユニタングは万全ならば平気で耐えられただろうが、すでにダメージを負って防御力が弱っていたのが痛手になった。
人間も気力が充実しているときと意気消沈しているときとでは、同じように殴られても痛さが違うのと理屈はいっしょだ。
〔今がチャンスだ、たたみかけるぞ!〕
〔おう!〕
〔ええ!〕
 エースの合図に従って、才人とルイズも気合を入れる。三人分の闘志が最大限に共鳴したウルトラマンAはまさに、
天下無敵の力を発揮した。
「トァァッ!」
 走り寄ってのジャンプキックがよろめかせ、ミドルキックが超獣の胴を打ち、無理やり引き起こしたところで投げ飛ばす!
 至近距離での格闘戦では、ひじうち、膝蹴り、正拳突き!
 ダメージは一方的にユニタングに蓄積し、対してエースのカラータイマーはまだ青のまま。
 これまでのハルケギニアの戦いで、ここまで圧倒的な戦いに持ち込めたことはなかった。事前の情報とそれに対する
備えの万全さが最高のコンディションを生み、本来互角であるべき戦いのてんびんを大きく傾けている。
 この好機を逃してはならない! エースは一気に決着をつけるべく、体を大きくひねって必殺光線の態勢に入った。
 
〔くらえ! メタリウム!〕
 
 だが、まさにそのときだった。
 
「待って! その超獣はエーコたちなの! 殺さないで!」
 
 突然響いた悲痛な声に、メタリウム光線をまさに発射しようとしていたエースは感電したかのように動きを止めた。
〔な、なんだって!?〕
〔今の声は……あの子〕
 声のした方向をエースの視線を借りて見たルイズは、ボロボロのなりをしたベアトリスが祈るようにエースを見上げているのを見た。
 彼女の顔は泥で汚れ、ルイズから見ても美しかった髪は黒く焼け焦げている。それにミシェルのマントを外套のように体に
巻いており、一見してただごとではないことはわかった。
 エースはユニタングへの攻撃をやめて、じっとベアトリスを見下ろした。ベアトリスはエースの視線が自分を向いていることに
びくりとしたが、おびえる彼女をミシェルがはげました。
「大丈夫、思い切って全部話して。ウルトラマンは、きっと聞き届けてくれるでしょう」
「うん……お願い、聞いてウルトラマン! その、その超獣はエーコにビーコにシーコ、わたしの友達たちなの! みんな、
元々はただの人間なのに、あんな、あんな姿に……わたし、もうどうしていいのかわからなくて、お願い、彼女たちを殺さないで! 
助けて、あげて……」
 それ以上はもう言葉にならなかった。ただでさえ折れそうな心を必死に奮い立たせて叫んだのだろう。大粒の涙を流して
ミシェルの胸に顔をうずめてしまい、後は糸が切れたように泣き続けた。
 しかし、勇気と気力を振り絞ったベアトリスの叫びは、確かにエースの心に響いていた。詳しい事情は今の話だけでは
わからないが、あの涙を信じられないようではウルトラマンとして失格だ。才人とルイズも、さして関わりが深いというわけではなくとも、
ベアトリスが涙をだしにした嘘をつくような下劣な人間ではないと信じている。
 心を落ち着けて立ったウルトラマンAの目が光る。彼女の言葉を信じ、とどめを刺す機会を自然と棒に振って透視能力を使い、
ユニタングの体内を見通した。
 すると、どうか!
〔くっ、なんてことだ! あの超獣の体内には、大勢の人間の魂が閉じ込められている〕
 エースは、目に映った光景のあまりの凄惨さに抑えきれない憤りを交えた声で言った。ユニタングの体内には、まるで幽閉か
人質のような形で魂が封じ込められている。もしも、さっきあのままメタリウム光線を放っていたら、あの魂たちも巻き込んで
粉々にしていたところだった。
 もちろん、驚いたのは才人とルイズも同じである。
〔な、ふざけんなよ! おれたちは危うく人間を殺しちまうとこだったのか!〕
〔エーコたちって、確かベアトリスの側近の三人のことよね。でもまさか、人間が超獣になるなんて、そんなことがありえるの?」
〔少数だが、ある。くそっ、ひでえことをしやがるっ!〕
 人間が超獣化した例は、牛の怨霊に取り付かれた男が変貌した牛神超獣カウラや、地球人ではないが乙女座の精が
異次元エネルギーで変異させられた天女超獣アプラサール、なりかけらされた例としてはマザロン人の差し金で妖女に
変貌していた妊婦のことがあげられる。
 今回のことはそれらの例の中ではカウラに近いが、変貌させられたのが複数で合体変身していることと、超獣化の後は
魂が気球船超獣バッドバアロンに捕食された魂のように体内に閉じ込められている点で違う。しかも、魂の様子を観察すると、
単に体内に閉じ込められているどころではないことが才人とルイズにもわかってきた。
〔これは、魂がマイナスエネルギーの鎖でがんじがらめにされてやがる〕
〔ヤプールがいかに人間を信用してないかって、いい証明ね。この子たち……エレオノール姉さまやちぃ姉さまくらいの人もいる。
みんな無理矢理眠らされて、ひどい〕
〔どんな理由があってヤプールと取引したかは知らないが、これじゃあんまりだ〕
 くもの巣にかかった羽虫も同然に拘束されている魂の姿に、才人とルイズは心の底から憤った。が、今の才人たちは
悪の所業を他人事として見て傍観してすますような無責任な子供ではない。
〔なるほどな。ユニタングは、十人の人間に分離変身できる超獣だったはず。けど、今回は十人の人間が融合合体してるってことか〕
 ある意味では才人とルイズが合体変身するエースと同じということかと才人は思った。つまり、かつてのユニタングとは性質を
正反対にしてきたということになる。
 しかし、大事なのはそんなことではない。ユニタングが体内に人間の魂を宿しているということはすなわち、エースが絶対不利に
陥ってしまったことを意味していた。
 態勢を立て直し、逆襲に転じてきたユニタングの攻撃がエースを襲う。なぎなたのようにふるわれるユニタングの腕、だがエースは
避ける事は出来ても反撃することはできない。そして追い込まれたエースに、ついにユニタングの攻撃がヒットしてしまった。
「グッヌォォッ!」
 顔面を強打され、よろめいたエースをユニタングは押し倒して乱打する。マウントポジションをとられ、防御もままならない
エースに、容赦ないユニタングの攻撃は続く。そのあまりに野蛮で暴力的な攻撃ぶりに、ミシェルやサリュアは〔ほんとうにこいつは、
元は人間なの!?〕と思い、苦悶の声を漏らすエースにベアトリスも思わず叫んだ。
「やめて! やめてエーコ、ビーコ! あなたたちはそんなことをする人間じゃないでしょ。止まって! わたしの話を聞いて!」
 いくら超獣に変えられてしまったとはいえ、元がエーコたちならとベアトリスは呼びかけた。
 だが、必死の叫びにも関わらず、ユニタングはぴくりとも反応しなかった。
「どうして! なんで答えてくれないの。わたしを憎んでたんでしょう! どうして」
「恐らく、ウルトラマンの姿を見たら人間の魂は封印されるように仕掛けられてたんだろう。卑劣なヤプールのことだ、人間を
信用せずにそれくらいの仕掛けをしていてもおかしくはない!」
 悲嘆にくれるベアトリスの肩を抱きながらミシェルは吐き捨てた。かつて二度に渡ってヤプールと直接対峙したときの、
あの人間を見下しきった気配は忘れようとしても忘れられるものではない。エーコたちにも、利用する目的で近づいたのだろうが、
やはりただで人間に力を貸すわけがなかったか。
「それじゃあ、もうどんなに呼んでもエーコたちにはとどかないってことなの?」
「ええ、それに奴は侵略よりもウルトラマンAへの復讐を主眼にして行動しているふしがある。十人もの人間を改造したのも、
侵略作戦よりもいざというときにエースへの人質として使えると思ったからだろうな」
 ミシェルの推測はほぼ当たっていた。ヤプールは、姉妹の復讐のためと銘打って彼女たちに超獣の力を与えて、その代わりに
侵略の尖兵として動くことを強いていたが、ウルトラマンAが現れたときだけは人間の意識を消し去って凶暴な戦闘獣に
なるようにとセットしていたのだ。
 理由は、むろんヤプールのエースへの恨みの深さが第一である。ヤプールは人類以上の高等知的生命体であるが、
マイナスエネルギーの集合体であるがゆえに感情の激するところは人間の何倍も大きい。知性と野心では侵略を望んでも、
それ以上に深いのが復讐心だ。
 だがむろん、悪辣なヤプールの考えはそれだけではない。知性を奪ったのは、元が人間であるがゆえにウルトラマンAと
対峙することになったらおじけずくかもしれないことと、万一にも寝返ることを避けるためだ。むろん、最大の利点は人間であれば
人質として使えるからに他ならない。
〔うかつに攻撃したら、中の魂までもが巻き添えになる。しかも、肉体ごと変わっているから魂だけ取り出すこともできないっ!〕
 エースはユニタングの攻撃を耐えながら苦悶していた。かつて、超獣バッドバアロンやギーゴンに閉じ込められた魂を
解放したときには、元の肉体が存在していたから魂は帰ることができた。しかし今回は人間そのものが超獣に変えられて
しまっているために倒すわけにはいかない。
「ヘヤアッ!」
 なんとかユニタングを押しのけてエースは立ち上がった。しかし、受けたダメージは思いのほか大きく肩で息をしている。
 しかも、カラータイマーも点滅をはじめて、悩んでいる時間もないことを示している。
 どうすればいい? どうすれば!
 雄たけびをあげるユニタングと泣きじゃくるベアトリス。勝とうと思えばすぐにでも勝てるが、両者がエースに必殺技を
撃たせることをためらわせている。
 そのとき、悩むエースと才人にルイズが毅然とした声で言った。
〔迷うことはないわ、とどめを刺しましょう〕
〔ルイズくん?〕
〔ルイズ! お前、何を言い出すんだよ!〕
 思いもかけないことを言い出したルイズに、エースはもとより才人は大きく反発した。相手は元々人間だぞ、言うまでもない
ことが口に出掛かるが、それは冷静を超えて冷酷とさえ言えるルイズの言葉にさえぎられた。
〔落ち着いて考えなさい。今この状況で超獣にされてしまった人間を元に戻す手段があるっていうの? ヤプールがそんなに
甘い相手じゃないってことはよくわかってるじゃない。ここでわたしたちが敗れたら、東方号は確実に破壊されるわ。そうしたら、
サハラに行くことも不可能になって、ハルケギニアの滅亡につながるのがわからないの〕
〔うっ、でも相手は人間だぞ!〕
〔今はもう悪魔の手先よ。わたしだって、エーコたちのことは少しは知ってる。ベアトリスの様子を見れば、あの子がどれだけ
彼女たちを大切に思っていたかもわかる。だからこそ、これ以上苦しまないようにしてあげるべきじゃないの〕
〔うっ、けどな……〕
 ルイズの言うことが正論だということは才人にもわかった。しかし、それでも納得できずにいる才人にルイズは怒鳴った。
〔いいかげんにしなさい! わたしたちがどれだけ重いものを背負ってるか忘れたの? わたしだって、できるものなら
助けてあげたいわ。けど、あの子たちのために世界を滅ぼすわけにはいかない。誰かがやらなきゃいけないなら、その苦しみを
受けるのはわたしたちであるべき。悪魔と戦うっていうのは、そういうものじゃないの!〕
 ルイズの気迫に才人は圧倒された。同時にルイズが大きな苦渋に耐えていることも伝わってきた。
 なにかを守るためには、ほかのなにかを犠牲にしなければいけないこともある。ベアトリスをこれ以上苦しめないためにも、
エーコたちがこれ以上罪を重ねないためにも、死なせて解放させてやろう。そのための苦しみを受ける覚悟、才人はルイズに
強い正義の信念を見た。
 だが。
〔だめだ、おれには殺せねえ〕
〔サイト! あなたまだ強情をはるの! それでも〕
〔ふざけんじゃねえ!〕
〔なっ!?〕
 それまで耐えてきた才人の放った突然の怒号は、決意を固めていたルイズをも圧倒した。
〔ああ、お前の言ってることは正論だろうよ。だがな、『悲しいけど覚悟して死なせて、仕方がなかったんだごめんなさい』なんて、
そんなのきれいにまとまってるだけでただの尻尾切りじゃねえか! 切られたほうは何も救われねえだろうが〕
〔っく! 理想論を語ってるんじゃないわよ。それができればどれほどいいか! でも、可能性は限りなくゼロ、現実を見なさいよ〕
〔現実か、そんなもの言われなくても誰にだって見えるさ。ウルトラマンは神じゃない、届かない願いもあれば救えない命もある。
確かにそのとおりだと思うし、ましてやおれみたいなバカにゃ方法は思いつかねえ……だけどな〕
 才人はそこで一度言葉を切り、そして魂の全力を込めたような叫びを放った。
 
〔たとえ可能性がゼロでも! 百人が百人とも見放しても! それでも助けを求める人がいるなら手を差し伸べるのがヒーローだ! 
ヒーローってのは悪人を倒すやつのことじゃねえ、悪人から弱い人を守るやつのことを言うんだ! ヤプールに騙されてたってなら、
張り倒してでも目を覚まさせて連れ帰す。それができなきゃ、ただの殺し屋となにが違うってんだよ!〕
 
 才人の気迫はルイズに震えすら感じさせるものだった。才人にも、ルイズの正義の信念と真っ向からぶつかっても譲れない
思いがある。
 ルイズは、なにを夢みたいなことをと怒鳴ろうとしたが、それをエースに止められた。
〔そうだな、才人くんの言うとおりだ。人を救うことを、あきらめちゃいけない〕
〔エース! あなたまでなにを〕
〔ルイズくん、君の言うことは正しい。しかし、人の命はそれ以上にかけがえのないものだ。思い出させられたよ、力は誰かを
助けるために使ってこそ意味がある。ウルトラマンの本分は、助けを求める人を決して見捨てないことにあるんだ!〕
 エース・北斗の胸中には、故郷M78星雲光の国のウルトラ兄弟の姿が浮かんでいた。
 何千、何百年の時を超えて宇宙の平和のために戦い続けてきた宇宙警備隊、彼らを支えていたのは守るべき人々の幸福な笑顔。
背中に子供が花を摘んで遊んでいられる世界があったからこそ、ウルトラマンたちはどんな苦しい戦いにも望んでいけたのだ。
 それをあきらめて妥協したりしたら、ウルトラの父に雷を落とされてしまうだろう。
〔でも! 実際に元に戻す手段はないのよ。どうするのよ?〕
〔いや、才人くんの言葉で気がついた。ひとつだけ可能性がある〕
〔えっ!〕
 エースは暴れるユニタングの、その体内に幽閉されている魂を指して言った。
〔あの超獣が、人間が変身してしまったというなら、肉体は変わってしまっても彼女たちのもののはずだ。だったら、彼女たちの
意識を目覚めさせたら、肉体の主導権が戻るかもしれない〕
〔なるほど! テレパシーで呼びかけるってわけですね〕
〔そうだ、外側から助けることはできなくとも、内側からならあるいは。だが、この方法は大きな危険もともなう。くっ!〕
 身をかわしたエースのそばをユニタングの放った糸の束が通り過ぎていく。それだけではなく、接近打撃戦を挑んできた
ユニタングを受け止めて、防戦をはじめながらエースは告げた。
〔超獣め、心はなくとも本能で向かってくる。これの相手をしながらテレパシーを使うのは骨だぞ〕
〔ええっ! じゃ、どうすれば〕
〔なにを驚いてるんだ、人を助けるっていうのは簡単じゃあないってことは君もよくわかっているだろう? 悪いが、テレパシーに
意識を向ける余裕は私にはない。代わりに、君たちが使うんだ〕
〔おれたちが、ですか?〕
〔そうだ、使い方は私の記憶を通じてすぐにでも知ることが出来る。ただし、集中を欠いたら通じない上に精神力を一気に
削られてしまうから気をつけろ。超獣は俺がなんとしてでも抑え込んでおく! 頼んだぞ!〕
 エースはそう告げると、本能のままに襲い掛かってくるユニタングを迎え撃ちに意識を集中させていった。一人称が
俺に変わっているのは北斗星司の意識が強くなっているからか、下手に傷つけるわけにはいかないので、力を加減して
かつ自分のエネルギーを少しでも節約しながら戦うのは相当に集中力をようする。これからエースに才人とルイズを支援する
余裕はないといっていい。
 しかし、意気はあっても考えは追いつかない才人がとまどっていると、ルイズが一喝した。
〔しっかりしなさいサイト! あの子たちを助けるって言ったのはあんたでしょう。もたついている時間なんて一秒だってないはずよ! 
わたしもやるから、ぼやっとしてないでしゃんとしなさい!〕
〔ルイズ、お前反対してたんじゃ……?〕
〔あんた、わたしを血も涙もない鬼みたいに思ってるんじゃないでしょうね。わたしだって、誰かの泣き顔を見るのはだいっ嫌いなのよ! 
人の命にかえられるものはないんでしょう。なら、ぐずぐずしない!〕
〔ルイズ……ああ!〕
 才人はルイズの迷いのない言葉に目が覚めたように思えた。さっきは怒鳴ったのが恥ずかしい、ルイズにも人を助けられるなら
迷わず危地に飛び込む熱い魂が宿っていた。
 ウルトラマンAは突進を繰り返してくるユニタングを抑え、牽制しながら時間を稼いでいる。しかし、カラータイマーが鳴り出した
以上は長くは持たないのは明白であった。
 エースが必死につなげてくれているチャンスを無駄にするわけにはいかない。テレパシーを使ってエーコたちの意識を呼び戻し、
ユニタングを自分自身の意思で人間体に戻らせる。だが、ヤプールによって人間の盾となるべくユニタングの中に幽閉されている魂は、
簡単に目覚めさせられるものではないだろう。
〔ルイズ、やるか?〕
〔待って、このまま呼びかけても、あの闇の力の封印力は強すぎるわ。赤の他人のわたしたちの声じゃあ、心の底までは届かないかも〕
〔……だったら〕
〔ええ、方法はひとつしかないわ〕
 才人とルイズは自分たちの力でできる唯一の道に、すべてを懸ける決意をした。それは、ふたりの精神エネルギーを一気に
すり減らしかねない危険なものであったが、迷いはなかった。
 ふたりが思いついた、いちかばちかの唯一の可能性。それを明かしたとき、ふたりを激励したエースでさえ一瞬動揺を
見せたが、それしかとるべき道はないことはすぐに理解した。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 13:22:49.55 ID:0glUBtXC
支援ついでに

ラングリッサーWに天才『魔』軍師アイヴァーという男がおったのだが……
大マヌケさんの軍師だ
408名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 14:09:37.27 ID:OZUpQ6Fd
ラングの軍師なら3のルナ・トーランドだろうに
〔わかった。しかし、テレパシー能力をそんな使い方をした前例はほとんどない。ましてや、君たちは私の代役で能力を
制御するのだから結果はどうなるか完全に未知数だ。下手をすれば、三人とも致命的なダメージを受けることにもなるぞ〕
〔かまわないわ、後でああしておけばよかったって一生後悔し続けるよりは万倍もましよ。決めたからには、なにがなんでも
あの子たちを助ける。ラ・ヴァリエールに二言はないわ!〕
 自らが傷つくことなどはまったく念頭にないルイズの叫びに、エースは感心し、才人は頼もしさを覚えた。
 突進してくるユニタングを弾き飛ばし、エースは両腕を素早く回転させてから体の前でクロスし、腕全体から強烈な発光を放った。
『ストップフラッシュ!』
 閃光状の活動停止光線を受けて、ユニタングの動きが凍りついたように止まる。これで、わずかな時間ではあるがユニタングの
動きは封じられた。そしてそれを維持するため、エースは気合を振り絞って念を飛ばした。
『ウルトラ念力!』
 敵の体を念力で縛って行動を封じるこの力、これならば力の続く限りユニタングの動きを封じ続けることができる。ただし、
膨大な集中力をようするウルトラ念力を使い続けるためには、ウルトラマンAはその間まったく身動きすることさえできなくなる。
残り少ないエネルギーを使っての足止め、チャンスは今しかない。
 意識を集中し、才人とルイズは脳波のベクトルを自分たちを中心にしたものから、自分たちを中継地点にしてテレパシーを別の
場所へと飛ばす。その流れに乗って、エースは自らの思念をルイズたちの示した相手へと送った……
〔ベアトリス……ベアトリスくん……〕
「えっ! だ、誰? 今わたしを呼んだのは」
「姫殿下? 誰と話しているのです」
〔すまないが、説明している時間がない。君の友達を助けるのに君の力が必要だ、目をつぶって気持ちを落ち着けてくれ〕
「エーコたちを!……わかったわ」
 半信半疑ながら、わらにもすがりたい思いのベアトリスは言うとおりにした。手を組んで目をつぶり、ちょうどお祈りをするときと
同じ姿勢で、意識を静まり返らせる。すると、ベアトリスの脳裏に直接イメージが転送されてきたではないか。
 光に満ちた世界に佇む、銀色の巨人。ベアトリスはその手のひらの上にいた。
 
〔よく来てくれた。私の声が、聞こえているか?〕
〔ウルトラマンA!? あ、あなたがわたしを呼んだの?〕
〔そうだ、よく聞いてくれ。今、君の友達はあの超獣の体内に魂を封印された状態になっている。助けたいが、私だけの力では
ヤプールの呪縛を打ち破ることは出来ない。彼女たちを目覚めさせ、人間に戻すためには君の呼びかけが不可欠なんだ。
協力してほしい〕
〔わたしの、呼びかけが……〕
〔そうだ、魂に呼びかけるには魂を持ってするほかはない。そして、それができるのは世界でたったひとり、君だけなんだ。
彼女たちへの愛がこもった君の声以外に、闇の底に沈んだ彼女たちの心に届くものはないだろう。私は彼女たちを死なせたくはない。
頼む、時間がないんだ〕
 ウルトラマンAの要請に、ベアトリスがたじろがなかったとしたらうそになる。普通の人間にとって、ウルトラマンが自分に
語りかけてくるというそれだけでさえ、大いなる驚きであろうに、ベアトリスの精神力はすでに磨耗の極にあった。
 だが、それでも彼女は自己喪失には陥らなかった。全身を覆う疲労感も痛みも、のた打ち回りたいほどの吐き気もなにもかも
忘れて、ただ大きな叫びをあげた。
〔やるっ、やるわ! あの子たちを助けられるならなんでもする。まだ言ってあげたいことも、してあげたいこともいっぱいあるんだもの。
死に逃げなんて絶対に許さない! クルデンホルフの姫に手を上げたことだって忘れない! 誰一人だって、天国になんて
行かせてあげない。それがわたしの復讐なの! お願い、力を貸してウルトラマン!」
 言っていることは滅茶苦茶だが、言葉の奥に込められた熱い思いは嫌というほど伝わってきた。
 人は憎しみで道を誤ることはある。しかし、誤った道から誰かが手を差し伸べれば戻ってくることもできる。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 15:09:01.15 ID:GTOsCWdx
しえん
 ウルトラマンAはベアトリスの思いを受け取り、才人とルイズは意識を集中してベアトリスの心をユニタングの中へと続く道を作った。
 暗い暗い闇の沼の中へと、ベアトリスの魂は落ちていく。やがて、その闇の底へと沈んだ魂に、小さな声が届き始めていった。
 
〔エーコ……ビーコ……シーコ……起きて……〕
 
 暗い闇の中で、誰かの声がする。
〔起きて……わたしの声を聞いて、お願い〕
 女の子? 誰だろう……?
〔起きなさい! この、わたしの命令が聞けないの?〕
 うるさいな、人がせっかく静かに眠っているというのに、この蓮っ葉で、無遠慮さはどうだろう。
〔エーコ、起きなさいよ。あなたはいつでもわたしより先に起きて待ってたでしょ。寝坊なんて許さないわよ、エーコ、エーコ〕
 今度は、誰かの名前を呼び始めたようだ。エーコ、どこかで聞いたことがあるような……ああ、そうだ。
 『エーコ』……そういえば、それがわたしの名前だった。
 少しずつ、思い出してきた。
 そう、わたしの名前はエーコ。元トリステイン貴族の十四歳、ビーコとシーコはわたしの妹の名前。上には姉が七人いる。
 栗色の髪の丸顔、中途半端に髪を束ねるのは子供っぽいと言われるけど、気に入ってるんだからしかたがない。
 これが私、エーコという人間。
 そして、この憎たらしくも愛おしい声が誰なのかも、少々不本意ながらも思い出した。
「まったく、やっと楽になれると思ったのに。どうして邪魔をしにくるんですか?」
「あなたたちに、死んでほしくないからよ!」
 目を開けると、寝起きだというのに大声でがなりたててくる女の子がいた。
 やれやれ……どうしたんですか、その顔は? まるで以前にハチに刺されたときみたい、あんまりうるさいものだからビーコとシーコも起きちゃったみたい。
 
 まったく、あなたはいつでもわたしたちを困らせますね。今度は『死ぬな』と、きましたか。
 
 『死ぬ』……『死ぬ』ということがどういうことなのか……ふと考えて、夜眠れなくなった思い出があった気がします。
 人は死んだらどこに行くのか、神さまの使いという人が書いた本には天国というのがあると記してあったけど、尋ねて教えてくれる人はいなかった。
 当然だよね。死んだ先を見て、帰ってきた人なんていないんだもの。
 なのに……神さまって不公平だよね。まだ死んでもいないのに、なにも悪いことはしていないのに、地獄だけは見せてくれるんだもの。
 だからわたしたちは悪い子になっちゃって……そしたら、天罰だけはしっかりくれるんだもの、嫌になる……
 
 でも、犯した罪の取り返しのつかなさはわかる。わたしたちは、なんの罪もない人にひどいことをしてしまった。
 償いは、しないといけない。
 
 銃士隊に追い詰められて、周到に用意してきた復讐劇のシナリオが破れさったと思い知らされたとき、姉さんたちは実力行使に出ようとした。
 超獣ユニタング……それが、わたしたち姉妹が自らの肉体の代償として手に入れた力。
 けど、悪魔からもらった体には、わたしたちも知らされていなかった毒が含まれていたらしい。
 目の前に現れたウルトラマンAを見たとたんに、体の自由が利かなくなった。それだけではなく、全員の意思を統率していたセトラ姉さんが
突然なにも答えてくれなくなって、ほかのみんなも次々に意識を失っていった。
 どうやら、ヤプールはわたしたちの体を、ウルトラマンを見たら超獣の本能が目覚めるように仕組んでいたらしい。
 気づいてみたら、馬鹿な話だ。人間を滅ぼそうとするヤプールが、ほんとうに人間に手を貸すと信じていたわたしたちが……
 けれど、これでよかったのかもしれない。どのみちわたしたちには、明るい未来なんてありえるはずはないってわかっていたし。
 みんなが堕ちていき、最後に残ったのはわたしとビーコとシーコだけ。
 でも、あの子たちは少しも取り乱すこともなく、ただ疲れただけのように眠っていった。
 そして、わたしも……
 まるで、ぬるま湯の浴槽に浸かっているような、けだるくて心地よい感覚……それが激しい眠気を誘って、意識が黒く染められていく。
 もう動きたくない、なにも考えたくない。暗くて気持ちのいい世界……そう、ここでこうしていたら、そのうちお父さまとお母さまのいる
世界にも行けるだろうから、もう何もいらない、やっと安らかに眠ることができる。
 
 それなのに、あなたはどうしてもわたしたちを楽にはしてくださらないのですね……
 
 
 悪を倒すことは誰にでもできる。なぜならそれは暴力だから。
 しかし、正義を貫くことは難しい。なぜなら、人を救うためには優しさが必要であり、人を救わない正義はすなわち悪なのだから。
 戦えば楽に勝てる。しかし、かけがえのない命を闇から救うために、ウルトラマンAの力に頼らない困難な闘いが始まった。
 
 
 続く
今週は以上です。
充電期間をいただきまして、完全とはいきませんが補充できました。
ウルトラマンサーガは、はたして名作となりえるのでしょうか。アスカの動向には特に注目です。
では、来週にまた。
414代理投下初心者:2012/02/13(月) 15:14:43.40 ID:1QLv81tD
代理投下終了しました。
初めてのことで、時間ばっかりかかって申し訳ありませんでした。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 15:26:49.38 ID:NIKElER2
ウルトラの人、代理投下の人乙でした
416名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 18:06:27.46 ID:OZUpQ6Fd
乙です
417名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 18:55:29.13 ID:Ime/rQeK
>>396
まあ、プロデューサーなんて、
50本作って一本当てればいいわけだし(偏見)
418名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 18:57:57.98 ID:T1+B8bci
>>417
既に当たってる人気番組複数潰して一つだけ当たり状態では……
419名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 19:41:21.79 ID:sqqEyGgi
俺も規制中だわ。串使えば書き込めるけど200バイトまでなんだよな
正味2〜3行だぜ。過去に半年くらい規制続いた事あったが今回はどうなる事やら
他にも規制中の書き手の人いるんだろうな
420 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/02/13(月) 19:52:43.54 ID:COVnp6+8
テストしてみる
421一尉:2012/02/13(月) 21:34:53.57 ID:yfFtDsyh
米軍のアダムス大尉に召喚にする。
422!ninya:2012/02/13(月) 22:49:58.14 ID:qeh2kOw+
423 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2012/02/13(月) 22:51:29.35 ID:qeh2kOw+
すまぬ・・・すまぬ・・・
424名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/13(月) 23:39:23.97 ID:I/VyeO95
ウルトラの人、代理投下の人乙です。
ヒーロー物は熱くて最高です。
425名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 12:06:31.84 ID:3DHTAg6p
今日ってバレンタインみたいだぞ・・・・・・
426名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 12:22:33.16 ID:FhmF3Baa
昭和21年の今日、子供達にチョコレートを配り、日本のバレンタインデーの由来となった、進駐軍のバレンタイン少佐を召喚しよう。
テファさんところかタルブ村かどちらでチョコレートを配るかはお好みで。
427名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 15:19:17.01 ID:qx0zaZz1
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
5. ファーランド サーガ1、2
6. MinDeaD BlooD
7. WAR OF GENESIS シヴァンシミター、クリムゾンクルセイド
SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
428名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 17:23:50.94 ID:QhAb2MIJ
ジル・バレンタイン召喚の続きが見たい
429名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 17:36:32.17 ID:mmQxBNbc
バレンタイン兄弟

スレ落ちてたし
430名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 17:41:52.18 ID:5hhGrlRs
魔乳一族を召喚したら
431名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 18:14:30.45 ID:8N1DowKo
乳流れで乳が平等に…なるかもしれない
432一尉:2012/02/14(火) 21:29:16.50 ID:XciT4/Sx
サイトは一方には怪しい者に間違えられて斬首刑になった。召喚にしたのは恐竜でした。
433名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 22:19:13.43 ID:p80okP07
オーラロードが開いてダンバイン召喚
434名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 22:21:43.71 ID:9FsEVQQu
ハルケギニアの物語を覚えている者は幸せである
心、豊かであろうから
435名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 22:54:32.02 ID:xYK67Km0
てす
436名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 22:54:35.79 ID:IueAsQY4
私の胸にただ黙って抱かれればいい
終わることのない安らぎが此処にあるから
437デュープリズムゼロ:2012/02/14(火) 22:58:37.59 ID:aHpJXOPT
テスト兼書き込み

タイトル「デュープリズムゼロ」で一話書いたのですがいかんせん2チャンネル書き込みが殆ど初めてなんです
投稿の際の注意は一応読みましたがめちゃめちゃ不安です。
明日の夜にまた書き込みに来ます。
438名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 23:00:43.29 ID:QXEWNlD6
不安なら避難所お薦めする
439名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 23:26:09.18 ID:/52SK1qn
人修羅の人と氷竜の人と日替わりの人はマダカナー
440名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/14(火) 23:46:56.32 ID:JrCMfZ42
>>437
何話かストックを作った後投稿し始める事をオススメする
441名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 00:37:33.98 ID:0Y0DClLl
プロローグだけ書いて失踪というのが一番いやだから、流れは考えてから投稿してくれ
442名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 01:02:48.45 ID:lviOEiJq
完結まで書いてジックリ推敲するのが完成理想形
443名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 02:31:21.19 ID:ro275cxl
プロ以上を求めるとかさすがにねーよ
444名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 11:43:23.01 ID:DZPGpPET
>>439
おまえとは美味いルイズ汁が飲めそうだ
445名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 13:10:15.38 ID:L0HnfJJ9
それって分泌液か?、それとも煮出した汁か?

>>393
そう考えると霧亥とかは姿形と大まかな行動が劇中で書かれてるだけまだましだな




話が進むと、行動パターンどころか、姿形まで大幅に変化するのは触れないであげて
446名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 14:16:54.03 ID:DZPGpPET
分泌液:煮汁:レモン果汁
1:8:1だ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 14:41:02.03 ID:TTpdHA/W
殺しちまうのか、もったいない


霧亥は再生時にああなっちまうんだよ
霧亥の意志とか二瓶の罪じゃないんだ
448名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 19:10:51.88 ID:DZPGpPET
殺さねえよw

煮汁=風呂の残り湯な
449デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 20:44:50.44 ID:/Lb9BQ/f
こんばんは。
PSソフト「デュープリズム」より女主人公ミントを召喚!!
  とりあえず一話目20時50分から投下します。
450デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 20:50:01.89 ID:/Lb9BQ/f
「あ〜・・・もうっ!!折角ここまで来たのに何なのよ、結局ここには遺産の遺の字も無いじゃ無い!!あの情報屋街に戻ったらボコボコよ!」

憤りを隠す事も無く吠える様に叫んだミントが遺跡の古びた祭壇の上で地団駄を踏む。

「ハハハッ、残念だが仕方ないよミント君宝探しなんてそんなものさ。さて、みんなも心配してるだろうからそろそろ外に戻るとしよう。」
「そうだよミント、それにもしかしたらベルやデューク達の方で何か新しい情報を掴んでるかも知れないよ?」
お人好しな考古学者クラウスと最大最強のエイオンヴァレンに作られた人形の少年ルウが苦笑いを浮かべつつも馴れた様子で不機嫌きわまりないミントを嗜める。

「ハァ・・・あんたは良いわよねルウ・・・デュープリズムの力でクレアさんは生き返ったわけだしさ。・・・・・結局あたしの夢は・・・願いは・・・」
今回の旅が徒労に終わったショックかその場にへたり込んだミントは溜息をこぼして恨めしげにルウを見た。

「・・・ミント」
「まぁまぁ、ミント君そういう事は言わないで、それにこんな事で諦める君じゃあ無いだろう?さぁ戻ろう。」
言って微笑んだクラウスが一足先に祭壇から離れ、それにルウが追従していく。




今は滅び去ったかつて古き時代に栄えた太古の魔法使いエイオン、その力は空を割り、大地を動かしたと言われる程である。そのエイオン達が残した万能の魔宝は『遺産』と呼ばれ手に入れた者のどんな願いさえも叶えると言われる。

その遺産を求め以前ルウとミントはそれぞれの目的を果たす為にカローナの街を共に冒険した。
その旅の結果、最大最強のエイオンであるヴァレンの遺産『デュープリズム』はヴァレンの聖域と共に世界から消失し、結果ルウは最愛の人クレアを救う事に成功したがミントだけは結局後一歩という所で遺産の力を手にする事が出来なっかった。



ルウが未だにミントに付き合って遺産を探すのもその辺りの負い目があったからだ。



「とにかく!いつまでもこんな所でグダグダしてらんないわ。早いとこ何としてでも遺産をゲットして!!そんでもって!!「ミントッ!!後ろ!!」・・・へっ?」

立ち上がり、気を取り直してガッツポーズをとっていたミントにルウが突然叫ぶ様によびかけた。
振り返ったミントの足下の祭壇からの突然の発光。
「なぬっ!?」
そこから発せられた光はあっという間に大きな銀色に輝く鏡の様な物になると突然の事に驚き体を強張らせたミントの背後で一際強く輝いた。

「えっ・・・えっ・・・なにっ?なに?」
「くそっ、ミント!!」

走り出すルウ、ミントの腕が鏡に飲み込まれる・・・

ミントもルウへと必死に手を伸ばすがその手が触れるそれよりも僅かに早く鏡の光がミントを完全に包み込んだ・・・
「ルウッ!!」
「ミントッ!!。」
451名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 20:51:57.05 ID:8MmNu8fe
支援。
いや、元ネタ知らないんだが。
452デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 20:53:03.94 ID:/Lb9BQ/f
「・・・一体何が?」
光が収まった後、祭壇の上からミントの姿は影も形も無く消え去ってしまっていた。
「うーむ・・・ルウ君、ミント君がどうなったのかは分からないがとにかく今はすぐにこの状況を他の人たちに伝えよう。マヤ殿下や東天王国の人たち、それにメル達の力も借りなければ!!必ずミント君を助けよう。」

「待っててくれミント。今度は僕が君を助けるよ・・・必ず。」
ルウはミントが消えた祭壇を見つめながら堅く決意を抱いて拳を強く握りしめた。







―ハルキゲニア大陸の小国、トリステイン王国。
その中のトリステイン魔法学院からほんのすこし離れた場所では、使い魔の召喚、及び契約の儀が行われていた。
この行事は毎年、一年の生徒が二年への進級するために行うもので、これができなければ進級することができないのだという。
とはいっても普通ならばまず失敗はしないので、今では殆ど通過儀礼のようなものと化していた。
しかしそんな中でも例外が存在する、この召喚の儀式の会場の殆どの生徒、引率教師コルベールの注目はその例外へと現在注がれていた。



「何度失敗すれば気が済むんだよー、ゼロのルイズ!」
「やっぱ、ゼロはゼロでしかないな。」
「るっさいわね!黙ってみてなさいよっ!」
嘲りの言葉を、少女――ルイズは、怒気をはらんだ台詞で返す。
しかしその実、内心は焦りで満たされていた。いつもいつも、自分が魔法を唱えれば爆発ばかり。
誰もが簡単に成功させる筈のサモンサーヴァントの魔法の失敗も既に20の大台にのりそうだ。
「ミス・ヴァリエール、心を落ち着けてもう一度挑戦しなさい。自分の使い魔を心から望み、描くのです。」
生徒達が遠巻きにルイズを見つめる中コルベールが穏やかな口調でルイズを諭す様に励ますとルイズも無言ながらまたそれにうなずく形で答えた。

453デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 20:55:40.71 ID:/Lb9BQ/f
(お願い・・・)
ルイズは再び周囲からのプレッシャーを払う様に堂々たる態度で再び杖を翳して詠唱を始める。
「宇宙の果てにいるわたしのシモベよ。
 神聖で美しく、そして、強力な使い魔よ!
 わたしは心より求め、訴えるわ……
 我が導きに、答えなさい!」

瞬間、勢いよく振ったルイズの杖の先で今までの爆発を大きく凌駕する爆発が起きた
濛々と立ちこめる土煙その中で微かに動く影をルイズは見逃さなかった。
(成功したっ!!)

「おぉ、ゼロのルイズが成功したみたいだぞ。」
「でもあの爆発じゃ肝心の使い魔が爆死してたりな。」
「おい、煙が晴れるぞ!!」



そうして砂埃と共に風が吹き抜けた中庭の中央には一人の少女がうつぶせに倒れていた。

スミレ色のハルケギニアでは見られない動きやすさを重視した独特のドレス。
目を引くのはまるで夕日の様に鮮やかな緋色のツインテールの髪。
背中には何か大きな金色のリングが二つ、しっかりと背負ったリュックに固定されている。
「女の・・・子?」
ルイズは地面に倒れたままの現れた自分の使い魔に思わず言葉を失った。
ルイズは魔法が使えない分座学の知識は誰よりも優れている、だからこそ断言できた、古今人間が召喚されるなど聞いた事は無い。

「あいたたた・・・何なのよ一体?何かに引きずり込まれたと思ったら・・・ん?」
ようやくのそのそと体を起こしたミントはそこがさっきまで自分のいた遺跡では無い事に気が付いた。
(何ここ?ていうかこいつら誰?)



「平・・民・・・だと?」
「わははは!傑作だゼロのルイズめ随分手の込んだ事しやがる!!」

状況を理解したらしい周囲の生徒達から途端にルイズに対する嘲りと嘲笑が始まった。
454デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 21:01:15.16 ID:/Lb9BQ/f
「ミスタ・コルベール、もう一回やらせてください」
 ルイズも周囲の人間と同じくミントを平民と思い召喚のやり直しをコルベールへ申請する。

「それはできません、ミス・ヴァリエール、春の使い魔召喚は神聖な儀式だ。
 そう簡単にやり直しは認められない、いずれにせよ呼び出されたのは彼女だ、それならば彼女を使い魔にするしかない」
「でも平民ですよ」

(それにしてもまぁいっぱい人がいるわね〜、何かみんなこっち見てるし・・・多分転送系の魔法のトラップか何かがあの祭壇に仕込まれてたのね。・・・・ハァ、めんどくさ。)
ルイズとコルベールのやり取りを視界の端に捉えつつミントは早くも今の自分の状況を確認し始めていた。
実家である東天王国から飛び出して2年以上、各地を冒険してきたミントにとっって見知らぬ土地等むしろ馴れた物である。

「それでもだ、例外は認められない、さあさっさと契約したまえ、君のおかげで次の授業の時間がおしているのだよ」
「そんな・・」
 ルイズはがっくり肩を落とすとミントに向き直り契約の為ゆっくりと歩み寄っていった。

(とりあえずここがどこか聞かないとね〜。うん?あのこっちに歩いてくる子に聞くとしましょう!)



「ハァ〜イ、ねぇあんた悪いんだけどここって一体どこ?教えてくんない?あたしいきなりこんな所にとばされてさー・・・」
ルイズの目の前でミントはいつもの調子で手をフリフリしながら軽い調子で訪ねる。
「(何なのよ・・・こいつ)ここはトリステイン王国魔法学園よ。あんた名前は?」
「なぬっ!?」
ルイズは腕を組んだまま胡散臭そうな者でも見る様な目でミントに答え訪ねた。
「(この高圧的で生意気な態度・・・この子マヤと何となく似てるわね。)トリステイン?聞いた事無い国ね?・・・となると結構遠くまで飛ばされてる可能性が高いか・・・」
「は?あんたトリステインを知らないって一体どんな田舎から来たのよ?」
「ん?まぁ、その辺は良いでしょ。とりあえずは街に行かないとか・・・それじゃああたしは待ってる奴らも居るし帰らないと。んじゃ〜ね。」
言うが早いか手を振って走りだすミントの手をルイズは慌てて引き留めた。
「ちょっと待ちなさいよ!このばかぁ!!」
455デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 21:05:29.24 ID:/Lb9BQ/f
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
「え・・・何?」
そのままの勢いでルイズはここ数日何度も何度も練習していたコントラクトサーヴァントの呪文を素早く唱えるとミントの腕を思い切り引っ張り、自分の唇を半ばぶつける様な勢いでミントの唇へ触れさせた。
「い、いきなり何すんのよ!?・・・この!!」
「キャンッ!!」
慌ててミントはルイズを引きはがして突き飛ばすととそのまま凄まじい勢いで後ずさって唇を袖で拭う。
長い冒険の旅の中でもこんな事をされたのは初めてだ。動揺もする・・・
「あんたそういう趣味の人間?このミント様の唇奪うとは良い度胸じゃない!!」
「勘違いしないでよ、今のは使い魔の契約よ。」
倒れた拍子に打ち付けたおしりをさすりつつルイズは立ち上がるとミントに杖をつきつけた。
「使い魔の契約?・・・・・・・何よそれ。何かすっごい嫌な予感がするわ。」
ミントは明らかにげんなりとした表情でルイズを見る。

「あんたは私が使い魔としてここに召喚したの。今のがその契約の儀式よ、あんたはこれから一生涯私の使い魔になるの・・・平民でしかも女の子ってのは気にはなるけど仕方ないから我慢する事にするわ。」


「ふ・・」

「ふ・・・」


「ふざけた事言ってんじゃないわよっ〜!!」


ミント切れる。


「使い魔として呼び出した?おたまとか適当にその辺のモンスターを呼べ〜!!
大体誰が使い魔になるって言った!!人のファーストキス無理矢理奪っといて・・・・・あんたボコボコにされる覚悟が・・・って痛たたた!!あっつい!!」


猛烈な勢いで地団駄を踏んでいたミントが突然左手に激痛を感じてたまらず地面を転げ回
456デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 21:09:27.29 ID:/Lb9BQ/f
る。
「何じゃこりゃぁ〜!!」
「使い魔のルーンが刻まれてるのよ。使い魔とメイジは一心同体、これからは望む望まずに限らずあなたには私の手足になってもらうわ。」
「ふざけん・・じゃ・・・」

ルイズの足下でミントは痛みに耐えきれず気を失った。


「ふぅ・・・どうやらコントラクトサーヴァントにも成功したみたいですね。おめでとう。ミス・ヴァリエール。さぁこれで儀式は完了です。皆さん戻りましょう!!」
「ありがとうございます。ミスタ・コルベール。」
先程までのやり取りを見守っていたコルベールが号令を出しその場は解散となった。






こうして別世界ハルケギニアにてミントは使い魔生活を強いられる事になるのだが薄れる意識の中ミントはかつてデュープリズムが消え去った際にマヤの言っていた言葉をぼんやりと思い出していた・・・













「デュープリズムは『異なる次元』へと消失したようですわね。」
457デュープリズムゼロ:2012/02/15(水) 21:13:46.05 ID:/Lb9BQ/f
以上で第一話投下完了です。
なんかもう少し改行とか工夫した方が良さそうですね。

なんにせよぼちぼち書いていきますんで皆さんよろしくお願いいたします。


デュープリズムはPSストアのアーカイブで手に入ります。名作ですので皆さん是非やってみて下さい。
458名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 21:26:30.93 ID:PSewfuZN

当時は興味あったけど
結局財布と相談付かなくて買えず現在に至るよ・・・
データは不安があるから出来れば実機でプレイしたいものだが・・・
459名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 21:40:19.52 ID:T+bPZgs3
おつん

>>445
読みきりの頃のキリイが一番普通の人間ぽかった。口はより悪いけど
ここで書かれてるのは画集基準というか、読み切り版のも同一人物として扱ってる感じだな
続き落ちてこないけど
460一尉:2012/02/15(水) 22:22:39.63 ID:QTSEywZz
シャイアンに召喚にさせる。
461名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 22:42:24.96 ID:sjPMeWXv
>>457

俺得なネタ来たなwww
462名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 23:07:58.65 ID:J83RSYVg
重力子放射線射出装置持ってるやつ召喚とか危なすぎる
「平民プギャー」→キュィィィィィン_ドン
キリィはいきなり撃たないだろうが、サナカンならやりかねん
463名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 23:35:10.77 ID:TB7DzIqj
調べてみたが良さそうなゲームだな。プレイ動画少し見てから読むよ

>>462
フーケゴーレム見た瞬間宝物庫ごと吹っ飛ばし
「珪素生物は倒した。安心しろ(キリッ」なんつってルイズに爆破される霧亥を幻視した
464名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 23:47:25.52 ID:K8Kxta9J
安心しろ、ゼットンは……
やめとこ
465名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 23:53:29.17 ID:eleeVxWf
ケイ素生物っていうとBETAとか思い出すね
ハルケギニアなら1週間ぐらいで侵略されてしまうかな
466名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/15(水) 23:59:06.09 ID:yVwHItK3
まあその珪素生命体が生み出したBETA自体は炭素生命体なわけだがな
もっとも、奴らは自分たち自身も含めて炭素生命体を『生命体』とは認めていないが

……つーか、あいつら来たら対抗できるのかよ。エルフですら撃退できる図が想像できねぇ
467名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 00:01:15.51 ID:FfAsXeSC
BETAって人類は災害としか思ってなくて、自分達も生命体じゃなくて作業機械みたいな認識じゃなかったっけ
468名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 00:03:48.16 ID:9l07HRcP
オ〜ゥ被った
まあエクスプロージョンであ号標的ぶっぱできれば……どうにかなりませんね、巨大で物量作戦だし減らせないか

ただ空爆とかしないならレーザー級なんて作られないだろうから
風石で持ち上がった大地がいい感じに避難場所になって共存できるかも知れない
469名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 01:22:21.87 ID:TQonqoT/
普通に降りてきた直後に虚無の力で焼く以外では、物量に潰されるな
まあ珪素生物嫌いの霧亥さんにかかれば、生物だろうが機械だろうがそんな基準は関係なく、生まれる前の胎児から無抵抗の観測者まで圧倒的性能差で即殺害ですが

>>462
しばらく前に「召喚されたことに怒ったキチガイ老人が重力s(ryぶっ放して全部終了するからお話が書けない」なんて掛け合いが
470名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 06:59:51.30 ID:0b+lE7iZ
デュープリズム懐かしすぎワロタw
キューブは結局なんだったんだろうな
471名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 12:22:10.93 ID:xq4YvtOT
デュープリズム続編はよ;
スタッフ超少ない上に■には今はほとんどいないんだったか・・・
スカタン号期待age
472名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 14:35:34.68 ID:kPFtf42+
第2次スーパーロボット大戦Zのガイオウを召喚。

我らの拳とか言われながら、マルトーさんにホットドッグを山ほど作って貰って、もっきゅもっきゅ食いながら学園内を歩いてる姿が似合いそう。
召喚時に余波でうっかりトリスティンを吹き飛ばしちゃって、NGシーンでTake2なんてイベントとか…
473名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 16:06:07.33 ID:i6DisL21
ホットドックと聞くと自動的にバリアーシールドが思い浮かぶ
474名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 18:43:20.11 ID:G0FjsRbO
>>470
コギトエルゴスム号の作業ロボだろは置いといて
中身のプリマはヴァレンの人形のレプリカだったはず
475名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 18:47:43.29 ID:3Dl0uZ3J
>>472
そいつは召喚したら不味いスーパーチートじゃないかw
476名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 19:20:50.04 ID:v9d37wBE
あそこらはそんなんばっかだろ
477名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 19:55:08.67 ID:k1jO9tv3
そもそもガイオウはいまだ正体不明過ぎて
再世篇でも正体が明かされるか分からんからなぁ
出来てNG的一発ネタ

出すならせいぜいシュバルかシオニーちゃんだな
あ・・・シュバルもう次元獣化してんだった
478名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 20:18:13.54 ID:29ESNrjF
>>474
苦いコーヒーが飲みたくなる。
479名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 20:18:51.43 ID:sEhZDRq7
アスアスシンクリードのお話よんだ影響でアスアスシンクリード2かってきちまった
昔買ったアサシンクリード一作目はの戦闘になえて速売り払ったというのに
480名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 20:24:46.21 ID:cTLRkljK
いつも思うけどお前らっていろんなネタ知ってるよな
ときどき何の話してるのか分からなくなるんだが・・・
主にロボットやヒーローもの
世代のせいなのか?
481名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 20:36:58.96 ID:k1jO9tv3
>>480
ネタの幅が広くないとありきたりなネタしか浮かばないから
頑張って探すんだよ、と言っても
遡ってもリアル視聴はゲッターロボ號まで(しかも記憶薄い)の俺は
たいして奇抜なネタなんぞ思い浮かばぬ

そんな俺はわりと最近のゲームから召喚をふと考えた
北斗無双の幻闘編からデカいババァ姉妹(?)
愛しのケンシロウ(ジャギ様)を追い求めてハルケギニアで無双するデカいババァたち

普通にジャギ&アミバを召喚したらデカいババァたちがいつの間にか現れても面白いかもしれんけど
482名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 20:48:32.25 ID:Q6GBh5wj
私の一日は一枚のクックベリーパイから始まる。


私の一日は一枚のクックベリーパイで終わる。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 21:12:59.00 ID:k1jO9tv3
>>482
うめ謎か、活字じゃ表現が難しいのが問題だな・・・
484一尉:2012/02/16(木) 21:41:45.33 ID:154ijqZy
原爆を召喚にする。
485名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 21:43:00.62 ID:hdP2Ye05
ダマばあちゃんが呼ばれると聞いて
486デュープリズムゼロ:2012/02/16(木) 21:47:13.09 ID:0xPO9PT2
第二話少々やっつけですが書き終わりました。
問題ない様ならこれから投下します。
487名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 21:49:02.82 ID:h7rhbjTp
>>463
保管庫行ってこい
重力子射出装置をフルパワーでぶっぱなしてえらいことになってるぞw
488デュープリズムゼロ:2012/02/16(木) 21:51:05.15 ID:0xPO9PT2
第二話『ルイズとミント』



「うぅ・・・カボチャが・・・はっ!!」
いつも何か嫌な目に遭うとミントは決まって大嫌いなカボチャに囲まれる夢を見る。
そうして思い出すのはあの陰険で陰湿なクソ生意気な妹マヤの姿。

「ここは・・・?」
最悪な目覚めの中意識を覚醒させたミントは自分がベッドで寝ていた事に気が付いた。
それは家出をしてからは久しく味わっていなかった天蓋付きの随分と上等なベッドである。

「気が付いたみたいね、ここはあたしの部屋よ。あんたが広場で倒れてから大変だったんだから、あの憎いツェルプストーにも借りを作っちゃうし・・・」
意識が戻ったミントの直ぐ横、ベッドに腰掛ける形でルイズは不機嫌そうに言う。

「・・・あんたがあたしを介抱してくれたわけ?」
「フンッ、使い魔の管理は主の役目だからね、当然よ。」

ルイズの口から出てきた『使い魔』という言葉に自分が気を失う直前のやり取りとルイズの唇の感触をを思い出したミントは眉をひそめて自分の左手を見た。
既に痛みも違和感も無い、あの痛みと熱さは一体何だったのか?

(あれはノーカン。ノーカン。早く忘れましょっと。)
「で、その使い魔ってのは何な訳?いきなり呼び出されて訳も分からない内にこんな事になって。こっちは良い迷惑よ。きっちり説明して貰えるんでしょうね?」

ミントのその貴族への敬いなど一切感じられぬ言葉使いにルイズも一瞬眉をひそませるもそこは公爵家の娘として寛大な心で流すことにする。

「分かってるわよ、まずはあなた、名前は?」
「・・・人に名前尋ねる時は自分から名乗るもんよ。常識よ?」
「なっ!?」

思わぬ、だがもっともなミントの切り返しにルイズの言葉が詰まる。
まぁミントの事をよく知る人物がこの場に居ればミントの語る常識という言葉に耳を疑っただろう。


489デュープリズムゼロ:2012/02/16(木) 21:55:15.52 ID:0xPO9PT2
「分かったわよ、名乗ってあげるわ心して聞きなさい。
私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール
トリステイン王国ヴァリエール公爵家の娘よ。」

腰に手を当て胸を張り、高らかに名乗ったルイズ。

(ふふふ・・・この使い魔私の名前聞いてさぞ驚くわよ。)

しかしミントの反応はルイズの考えた物とは全く違った。
「ふーん、何かわかんないけどあんたそこそこ良い所のお嬢様なのね?
私はミント。『可愛くて格好いいミント様』でも『薔薇の様に美しいミント様』でも
何なら気軽に『ミント様』だけでも良いわよ。」

あろう事かヴァリエール公爵家の名前におののくどころか自分の事を様付けで呼べと言ってきた。
(え?何この平民?・・・え?)
ルイズが僅かな時間思考を停止させている間にミントが言葉を繋げる。

「で、早速だけどルイズ、あたしにはやる事があるからあたしを元の場所に戻してくれる?
今回はそれで昼間の事も許してあげないでも無いわ。呼び出したのがあんたならそれ位
出来るんでしょ?」
「あぁ・・・それ無理。呼び出す魔法はあっても送り返す魔法は存在しないの。」

事も無げに言うミントに合わせてルイズも又さも当然のごとく軽く答える。



「なっ」



「なっ・・・」





「なぬ〜っっっ!!」
490名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 21:56:33.69 ID:k1jO9tv3
支援
491デュープリズムゼロ:2012/02/16(木) 21:58:27.76 ID:0xPO9PT2
二つの月に照らされた魔法学園の女子寮に一人の可憐な乙女の絶叫が響いた。

「無理ってどういうことよ!!ふざけた事言ってるとマジで跳び蹴りかまして泣かすわよ!!」

「無理な物は無理なのよ!!それよりあんたはもう私の使い魔なの!!諦めてさっさと
ご主人様であるこの私に相応の態度をとりなさい!!これから誰があんたの食事や寝床を与えると思ってんのよ!!」


『『ワーワーギャーギャー!』』


ミントとルイズ、二人は言い争いを続けながら顔を寄せ合いうなる様に怒りの形相で互いを睨み付ける・・・

二人の美少女が月明かりの中ベッドの上で触れ合いそうな程に紅潮した顔を寄せ合う。
だが不思議な事に何とも色気や情緒の無い光景である。



「もういいわ!!女の子なんだから特別にベッドで寝かせてあげようと思ったけど
あんたは床よ!!床で寝なさい!!」
「嫌よっ!!何で王女のあたしが床で寝なきゃいけないのよ!!このベッドはあたしが貰った〜!!」
「させるか!!この馬鹿使い魔!!」
熱い口論を繰り広げつつミントがベッドに勢いよくダイブし、ルイズも自分の寝床を奪われぬ様慌ててミントを布団から引きはがそうとする。

ミントの蹴りがルイズをベッドから叩き出せば、ルイズは毛布を力いっぱい引いてミントをベッドの上から引きずり落とす。

『このヤロー!!』

まさにくんずほぐれつ、二人の美少女が一つのベッドの上で夢中で息を荒げ、互いの身体に触れ合いその欲望をぶつけ合う・・・



なんと色気の無い事か・・・
492デュープリズムゼロ:2012/02/16(木) 22:02:26.90 ID:0xPO9PT2
そんなこんなでお互い途中で疲れて眠ってしまったのか気が付けば二人は仲良く
乱れたベッドの上で朝を迎えていた。





「完全に寝坊じゃないっ!あんたのせいよミント!!」
ベッドから飛び起きたネグリジェ姿のルイズは慌てた様子で怒鳴りながら鏡台の前で
クシャクシャになった自慢のピンクブロンドの髪を櫛でとき身だしなみを整える。
「て言うかあんたがいつ頃起きるか何てそもそもあたしは知らないわよ。」
対してミントは慌てたそぶりも無く肩を窄めた。
着の身着のままハルケギニアに飛ばされたのだから仕方ない。

「服。」
「着てるじゃ無い?」
「そこの机の上に出してる奴!!取りなさいって事よ!!」
「分かってるわよ、冗談の通じない奴ね。」

ミントはまぁこれくらいの我が儘位は聞いてやるかとテーブルの上のブラウスとスカートをルイズに手渡す。
そして服を受け取ったルイズはミントを少々苛立たしげにじっと見つめて少し考えた後受け取った衣服をミントに押し返す。
「ミント、着替えるの手伝いなさい。」

これにはミントの細くてヨレヨレの頼りない堪忍袋の緒が切れる。

「あんた何寝ぼけた事言ってんの?嫌に決まってるでしょ?・・・あたしがそんな事するとでも思ったわけ?」
「使用人や使い魔が居る場合貴族は着替えはそいつ等にやらせる物なの。いいから早く。」

「ハァ・・・付き合ってらんない。あたし部屋の外で待ってるわ。」


ルイズとのやりとりに呆れた様に溜息一つ吐いてミントはすたすたとルイズの部屋から出て行こうとする。
「ちょっと!!待ちなさいよ!!」
「・・・一つ言っとくわよルイズ。時間が押してるんなら無駄な努力の前に
早く一人で着替えれる様になった方が良いわ。なぜならあたしは絶対にあん
たの着替えなんか手伝わないから。」
493デュープリズムゼロ:2012/02/16(木) 22:07:08.32 ID:0xPO9PT2
嫌味たっぷりにそう言い残してバタンと音を立てて扉が閉まりミントの姿が廊下へ消える。
「・・・・・・あの馬鹿使い魔泣いて謝るまでご飯抜きだわ。・・・・・・絶対よ。」




〜廊下〜

「な・ん・な・の・よ!!あの子は!!」
一方ルイズの部屋の外、怒り心頭のミントが思い切り怒りをぶつける様に地面を足蹴にする。
「生意気で、我が儘で、捻くれてて、おまけに何なのよあのプライドの高さ!!
ある意味マヤよりタチ悪いじゃ無いの!!同じピンクの髪ならエレナがどれだけ良い子
か・・・ほんとに爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ。」



これまた自分の事を棚に上げた事をこの美少女は口走る・・・


「エレナ心配してんだろうな〜・・・」
ふと頭をよぎるのはクラウスの娘エレナの事、常に全力で走り続けるミントを尊敬し常に裏表無く屈託の無い笑顔を絶やす事の無いごく普通の平凡な女の子
そんな事をぼんやりと考えているとミントの視界の先、ルイズの部屋の隣の扉が開いた。

「あら、あなたはルイズの使い魔の・・・」
開いた扉から出てきたのはルイズの部屋のお隣さんの女である。
真っ赤な髪に健康的な小麦色の肌、ルイズやミントと比べて随分と妖艶な色香を放つワガママボディー、が特徴の女・・・
当然のごとくミントと女は互いの姿を見留め、ごく自然に好奇心に駆られた女の方から興味深げにミントへと接触を図った。
「(でっかい乳ね〜・・・)悪いけどあたしは使い魔なんて名前かじゃないわ。
ミント様って名前があるもの。」
ミントとて誰彼構わず喧嘩を売るわけでは無い、少々使い魔呼ばわりは不服であったが軽い挨拶程度には女に答える。

「それもそうね、失礼したわ。私はキュルケ。キュルケ・フォン・ツェルプストー、微熱のキュルケよ。よろしくミント。」
494名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 22:08:05.67 ID:cTLRkljK
支援
495デュープリズムゼロ:2012/02/16(木) 22:10:15.15 ID:0xPO9PT2
とりあえず第二話終了です。
一回の投下量としては少ない気がしますがどんなでしょうか?
それじゃあまた。ノシ
496名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 22:18:45.18 ID:G0FjsRbO
>>495

一応、同年代の女の子には地獄めぐりはしないのねw
497名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 22:31:42.72 ID:k1jO9tv3

中古屋でバハムートのサントラと一緒に探してくる
498名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 22:41:22.67 ID:i6DisL21
確かブレスオブファイアWと同期のゲームだな、やったことはないが記憶にはあった
499名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/16(木) 23:11:57.59 ID:fJGYawKp
今ならアーカイブズもあるよ
500名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 00:32:59.42 ID:OauXHwfW
>>495
さらっと王女と言ってるが、聞き逃してるなルイズ
501名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 06:53:42.23 ID:GdA6/Faz
>>495
デュープリズム懐かしいなww
考えてみればゼロ魔の世界バランス崩れる位ミント強い訳でも無さそうだし
ベルとフーケ、ドールマスターとワルドみたいに似た属性の人間がいて面白いかも。
502名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 07:23:46.52 ID:wChcn/Ns
ミントの言葉の槍がマチルダの胸を三度貫くんだなww
503名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 08:15:04.11 ID:/kk/t1Ds
どうやってギーシュを精神的物理的にボコボコにするのかすごく楽しみだぜ
504名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 08:54:32.03 ID:27s0vORm
シオニーちゃんはアレだグレートアクシオン撃墜時にジョゼフに召喚されて、精神的に死んでる所に契約を持ちかけられて使い魔になるんだよ。
そしてミョズとしての仕事をこなしつつ、ある時レコンキスタのクロムウェルの所に出向いた所で王党派に見慣れぬ兵が…って報告を受けるのさ。

そこで望遠鏡か何かでニューカッスル城を覗くと、そこには城壁の上でホットドックを片手にレコンキスタ軍を見てるガイオウ様の姿が…
505The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 15:40:59.21 ID:BP5AWk1L
ようやっと、卒論が終った……。
前より間が空いてしまいましたが15:45頃に続きを投下したいと思いますがよろしいですか?
506The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 15:45:20.37 ID:BP5AWk1L
Mission 18 <天空を制する者達>


既に夜は明け、眩しい日の光が降り注ぎ、頭上を見上げればすぐそこには蒼穹の青空が広がっている。
ルイズ達が乗るフネは海上より遥か上空の白い雲の上を進んでおり、予定ならばもうすぐアルビオン大陸が見えてくるはずである。
一行は船内から甲板に出ており、ギーシュとキュルケは空の上から眺められる絶景に息を呑んでいる。

ワルドは後甲板の方で風の魔法を帆に向けてゆっくりと少しずつ放ち続けていた。
燃料の風石がアルビオンまで持たないために、数時間も前からこうしてその足りない分を補っているのだ。
スクウェアのメイジだからこそ、それだけの芸当が可能なのである。

そんな中、ルイズだけは甲板の上をうろうろしたり、時には何かを確かめるかのように船尾から
遥か後方の空を眺めたりと落ち着きのない行動を取り続けていた。
(何でよ……何で、まだ来ないのよ……)
鬱積した思いで、ルイズはスパーダ達が追いついてくるのを今か今かとずっと待ち続けていた。
五分に一回はこうした行動を繰り返し、その回数はとうに百を超えている。
なのに、未だにスパーダは姿を現さないことにやきもきしていた。
スパーダだったら、あんな岩のゴーレムなど一撃でバラバラにしてしまってもおかしくない……はずだ。
だったら、このフネが出航してからそれほど間を置かずにタバサのシルフィードに乗って追いかけてきてもおかしくない。
なのに、何故未だに追いついてこないのだ。
スパーダほどの実力なら、ゴーレムにやられるなどまずないというのに……。

「アルビオンが見えたぞー!」
いつまで経ってもスパーダが現れないことに苛立つ中、鐘楼の上に立った見張りの船員が大声を上げるのが響き渡った。
その声に反応し、顔を顰めていたルイズは面を上げた。

雲の切れ間から、黒々と大陸が覗いていた。大陸ははるか視界の続く限り延びている。
地表には山がそびえ、川が流れていた。大河から溢れた水が空へと落ち込み、そこで白い霧となって大陸の下半分を包んでいた。
霧は雲となり、大雨を広範囲にもたらすのである。
それがこのアルビオン大陸が、白の国≠ニ呼ばれる所以なのである。

この大陸はトリステインの国土ほどもある大きさで、大洋とハルケギニアの上空を定期的にさ迷っているのだ。
初めて目にする者であれば、誰もがこの雄大な景色に息を飲むことになるだろう。
「へぇー、あれがアルビオン大陸ね! 初めて見るけど、すごいじゃない!」
実際、甲板の上でキュルケは感嘆の声を上げて、その絶景を眺めていた。
「いやぁ、全くだよ……」
ギーシュも同じように目を丸くして驚嘆している。

(やっぱり、何度見てもすごいわね……)
ルイズもかつて姉達と共に何度か訪れたことがあるものの、やはりこの絶景には目を奪われる。
……それにしても何て雄大で穏やかな景色なのだろうか。
とても今、このアルビオンで内乱が起きているようには見えない。
507The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 15:49:11.95 ID:BP5AWk1L
「右舷上方、雲中より船が接近してきます!」
突如、見張りの船員が緊迫した声を上げていた。
船員含め、ルイズ達の視線がそちらへと向けられる。
「いやだわ……反乱勢……貴族派の軍艦かしら」
そこにはこのフネよりも一回り大きな黒塗りの船体が、二十数門にも及ぶ砲門をこちらの船に向けているのが見える。
「でも、この船ってその貴族派に荷物を運んでいるんでしょう? だったら、攻撃されることはないわ」
キュルケが腕を組みつつ、楽観的に呟いた。
確か、積荷として硫黄を運んでいると船長が言っていた気がする。
火の秘薬であり、火薬の原料にもなる硫黄は、戦争が起きている場所ではゴールドにも等しい高値で売買される。
そして、この硫黄を買い取っているのが、あの忌まわしいアルビオンの貴族派なのだ。


だが、見張りの船員は次にとんでもないことを叫びだした。
「……あ、あのフネは旗を揚げておりません! あれは、空賊です!」
船員達の顔がみるみるうちに青ざめる。
「う、嘘だろう!?」
「空賊って……」
「こんな時に何よ……!」
ルイズ達の表情にも緊張が走った。
内乱の混乱に乗じて活動を行っているのだとしたら、このフネは格好の標的だ。


それを空賊達は横取りしようというのか。
だがどちらにしろ、せっかくアルビオンが目前だというのにこんな連中に襲われては任務の障害となってしまう。
「逃げろ!取り舵いっぱい!」
「だ、ダメです! 既に砲台の射程内です!」
その言葉を肯定するかのように、黒船は脅しの一発をこのフネの針路目掛けて放ってきた。
放たれた砲弾はフネの進路上の雲の中へと吸い込まれていく。
おまけに、黒船は停船命令の旗まで登らせてきていた。

「き、貴族様……!!」
苦渋の決断を強いられた船長は唇を噛み締めると、頼みの綱であるワルドへと助けを求めるように見つめる。
だが、当の本人は実に涼しく落ち着き払った顔でこう言った。
「魔法はこの船を浮かべるために打ち止めだよ。残念だがあの船に従うしかない」
ここでワルドが魔法を止めるのを止めれば、海へと真っ逆さまだ。
「ちきしょう……これで破産か……」
船長はがくりとうな垂れ、他の船員達に停船を指示し始めた。
508The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 15:53:06.86 ID:BP5AWk1L
やがて、停船を余儀なくされたルイズ達の乗るフネの舷側に黒船が隣接してくると、向こう側の甲板には
短銃やら弓などで武装した男達がズラリと並んでこちらに狙いを定めていた。
少しでも変なことをしようものなら、確実に攻撃が飛んでくるだろう。
「ええい、応戦だ! こうなったらワルキューレで……!!」
「やめなさい。下手に暴れたりしたら、この船ごと海の藻屑になっちゃうわよ。あたしは嫌だからね、そんなの」
切羽詰った表情のギーシュが薔薇の造花の杖を構えようとするのを、キュルケが制した。
そうこうしている間に、黒船から放たれた鉤縄がこのフネへと引っ掛けられ、次々と空賊達が縄を伝って乗り込んできた。
悔しそうな渋い顔をするギーシュは、ヴェルダンデに抱きつくなり、
「ああ! ヴェルダンデ! こんな所で空賊に捕まってしまうだなんて!」などと酔ったような言葉を叫んでいた。
乗り込んできた空賊達はおよそ数十人。全員が斧やら曲刀などを手にしている。

甲板に繋ぎ止められていたワルドのグリフォンが空賊達を威嚇するように吠えていたが、その頭を突如白い雲で覆われ、
ドスン、と力なく倒れて横たわると寝息を立て始めていた。
「眠りの雲か……確実にメイジがいるようだな」
ワルドはこのような状況でありながら、何故か面白おかしそうに不敵な笑みを浮かべている。
ルイズもギーシュと同様に自分の魔法でこいつらを吹き飛ばしてやろうかと考えたが、メイジがいるのでは少々分が悪い。
諦めて、杖を手にしていた腕をゆっくりと下ろす。
やがて、甲板には無精ひげに左目に眼帯をした、ぼさぼさの長い髪の男が乗り込んできていた。
ずいぶんと若いが、服は他の空賊達より立派である。どうやら、空賊の頭領らしい。
「船長はどこだ?」
「私だ……」
震えながらも、船長が精一杯の威厳を保ちつつ手を上げていた。
頭領は船の名前と積荷を確認すると、その積荷を自分の支配下におくことを宣言する。
「よおし、船ごと全部買い取ってやる! 代金はてめぇらの命だ!」
その後、頭領は甲板にいるワルドやルイズ達に気がつき、振り向いてきた。
「おやおや、貴族の客まで乗せていたのか」
そう言いながらルイズに近づき、顎を手で持ち上げる。
「こりゃあ、別嬪だ。お前、俺の船で皿洗いをやらねえか?」
男達が一斉に笑い声をあげる。しかし、ルイズはその手をぴしゃりとはねつけるなり怒りを込めて男達を睨みつけて叫んだ。
「下がりなさい! 下郎!」
「こりゃ驚いた! 下郎ときたもんだ!」
頭領は大声で笑う中、ルイズは拳を握り締めながら唇も噛み締めていた。
(あんた達なんか、その気になったらあたしの魔法で……)
だが、状況が状況だ。今、それをやることはできないことがどうにも悔しかった。
(こんな時なのに……何でまだ来ないのよ!)
そして、未だ追いついてこないスパーダに対する心配と不安は、徐々に不満へと変わっていった。
本来なら彼は使い魔であり、自分の傍にいてくれる頼もしいパートナーであるはずでなのに……何故、こうも離れ離れになるのだろう。
と、いうより彼にはパートナーとしての自覚があるのだろうか……。
「てめえら。こいつらも運びな! 身代金がたんまり貰えるだろうぜ!」
頭領の指示により、ルイズ達は連行されることとなってしまった。
……状況は、あまりに最悪だった。
509The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 15:57:38.84 ID:BP5AWk1L
空という場所は、山や森といった地形は一切、存在しない広大な空間だ。
よって、空で鳴り響く音は障害がない限り、地上に比べて広範囲に渡ってとどろくのである。
ラ・ロシェールを発ち、スパーダ達を乗せて飛翔し続けるシルフィードは雲の中を抜けるようにさらに浮上している最中だった。
小回りの利かない大きなフネに対し、こちらは風竜。出発そのものは遅れはしたものの、そろそろ追い付いても良い頃だろう。

そんなことを考えていた時、その重い砲撃のような音がスパーダ達の元へ届いていた。
「アルビオンは紛争の最中だったな」
話によれば、浮遊大陸であるアルビオンにおける軍艦は空を飛ぶフネであり、この大空の中で戦闘を行っているのだという。
となれば、この砲撃音も納得ができるだろう。つまり、もうアルビオン大陸は目と鼻の先なのだ。
……ルイズ達が乗っていたのは単なる輸送船。純粋な軍艦などと比べれば戦力差は火を見るより明らかだ。
もしも戦闘に巻き込まれでもすれば、ひとたまりもない。
「もう少し速く飛べるか」
「お願い」
スパーダがタバサに尋ねると、無言のままこくりと頷き、シルフィードに飛行速度の上昇を命じる。
飛行速度を上げて上昇を続けていると、ついに雲を抜け出て陽光が照り散る蒼穹の大空へと出てきていた。

目の前に広がるその雄大な光景に、スパーダは息を飲む。
地形が空に浮かぶというのは、魔界ではそう珍しくもない光景ではあるが、これほど巨大な大陸が堂々と
空に浮かぶ姿には、嘆息がもれてしまう。
だが、そんな光景を目にして楽しむ余裕などありはしなかった。
「案の定、だな」
呟きながら、スパーダは背中のリベリオンに手をかける。
前方のやや中空に、二隻のフネが隣接しているのが目に入ったからだ。
片方は、ルイズ達が乗っていた輸送船に間違いない。そして、もう一方はそれより一回り大きい軍艦らしきフネだ。
やや遠目ではあるものの、軍艦から縄を伝って輸送船に乗り移っているのは……一見、軍人ではないように見えるが。
「このまま下に付けるんだ。気づかれんようにな」
スパーダの指示にタバサはシルフィードの高度を維持するように飛ばさせ、二隻のフネの間へと近付いていった。
510The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 16:01:19.91 ID:BP5AWk1L
「頭の前だ。挨拶しな」
空賊の船にしては立派な部屋にルイズ達は連れて来られていた。
元々、先ほどまでは船倉に押し込められていたのだが、そこで様子を見にきた空賊がルイズ達の目的を尋ねてきた際、
ルイズが「誰が薄汚いアルビオンの反乱軍なものですか! あたしは王党派への使いよ!」と、堂々と喋ってしまったのだ。
彼らは貴族派に協力しているようで、ここで「自分達は貴族派です」と誤魔化しておけば港まで送ってくれたというのに、
馬鹿正直に目的を語ってしまったルイズは「こんな連中に嘘をつくくらいなら死んだ方がマシよ!」とか、
「大使としての扱いを要求するわ!」などと状況が理解できていないのか、プライドを振り回した行動を取り続けていた。
ギーシュやキュルケはルイズの行為にほとほと呆れ果てていたのだが、それでもルイズは「最後まで諦めないわよ!」などと強気であった。

そして、しばらく経った後、空賊の頭領が会いたいということでここへ連れてこられたのである。
当然、全員杖は取り上げられており、抵抗することはできない。
「大使としての扱いを要求するわ! すぐにあたし達を解放しなさい!
そうじゃなかったら、あんた達なんかとまともに口を聞いてやるもんですか!」
机の上に足を投げ出している空賊の頭領と相対した途端、ルイズは腰に両手をやりながら、居丈高な態度を取っていた。
こんな状況でよくもまあ、これだけ強気に出られるものだと二人の同級生は呆れていた。
「気の強い女は子供でも好きだぜ?
と言っても、トリステインの貴族は気だけは下手に強いみたいだけみたいだな。肩が震えてるぜ?」
「な! そんなこと……ないわよ!」
とは言いつつも、本当はルイズも怖いのだ。
スパーダのおかげで魔法の自信が付いたのは良いものの、こうして杖を取り上げられれば自分は前と同じく無力な存在。
こんな時にスパーダがいてくれれば、こんな恐怖など吹き飛ぶに違いないのだ。
魔法は使えないとはいえ、スパーダほど頼りになる存在はいない。
スパーダさえいてくれれば、きっとこんな奴らなど蹴散らしてくれる。
「まあ、いいさ。王党派への使いと言ったな? 今更、あんな奴らの所に何の用だ。
明日にでもなればすぐに消えちまうよ」
「あんた達に話すことなんてないわ」
「ふぅん。それじゃあ、貴族派につく気は……」
「死んでも嫌よ!」
内心は恐怖でいっぱいであったが、精一杯の虚勢を張り続けるルイズ。
そんな中、ギーシュはハラハラしながら事の顛末を見届けており、キュルケは頭を抱えている。
ワルドは何故か、このような態度を取り続けるルイズを感心したように見つめていた。
姿勢を正した頭領は、じっとルイズの目を睨むように見つめだす。
「もう一度言う。貴族派につく気はないか?」
頭領が再度そう言った、その時だった。
511The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 16:05:06.02 ID:BP5AWk1L
突然、ルイズ達の背後の扉が乱雑に開け放たれ、数名の空賊達が入りこんできたのだ。
あまりに唐突であったため、ルイズ達は思わず倒れてしまった男達を避けてしまう。
何が起きたのだろう。船中が慌ただしくなっている。
「何事だ!」
「て、敵襲です!」
空賊の一人が起き上がりつつ、そう叫ぶ。頭領は机を叩きながら椅子から立上がった。
「どういうことだ!」
「とにかく、甲板に来てください!」
無言で頷く頭領はルイズに顔を向けると、真剣な面持ちで言う。
「話の続きはまた後にしよう、大使殿。それまでここにいてもらう」
(な、何よ。いきなり態度を変えて)
突然、先ほどまでの荒くれ者のような態度が一変したことを不審に思ったが、頭領達は他の空賊達と共に部屋を出ていく。
鍵がかけられたこの部屋に取り残された一行は、あまりに唐突すぎる展開に呆然としていた。
「敵襲って……こんな空賊船を誰が襲うっていうの?」
「ま、まさかとは思うけど……」
キュルケが首を傾げる中、ギーシュは何か予感したのか乾いた苦笑を浮かべている。
だが、港までの進路も変えられてしまった以上、自分達がいる場所をスパーダが知ることなど不可能なはずだ。
今頃、アルビオンのスカボロー港へ向かっているか、到着している頃だろう。
しかし、もしも彼が来たのであれば……それはルイズ達にとっては唯一の好機であると言えた。



シルフィードは軍艦のすぐ真下を飛び続けながら、追跡を行っていた。
輸送船は軍艦のすぐ後ろに付けられているようであり、シルフィードはその下へ潜りこんで今ここにいるのである。
どうやらこの軍艦は空賊の船であるらしい。話に聞けば、アルビオンの内乱に乗じて活動を活発化させているらしいが。
だが、何にせよルイズ達はこの艦に移されたのを先ほど目にしていた。
とりあえず、追い付けはしたというわけだが。
「どうするの」
「シルフィードをこいつの横へ付けろ」
スパーダの指示通りに、タバサはシルフィードを軍艦の右舷へと移動させてさらに間近へと近付ける。
「どれ、乗り込むとするか」
言うなり、身構えていたスパーダはシルフィードから軍艦の船体へと飛び移りだした。
リベリオンを突き刺してそれを足場にするのかとタバサは思っていたのだが、その考えとは異なる行動を彼は取っていた。
スパーダは船体に足を付けるなり、そのまま足場にして垂直に駆け上がりだしたのだ。
トライアングルクラスの土メイジならばあれぐらいのことは朝飯前であるらしいが、彼は魔法など使わずに素で壁を足場にしている。
船体の2/3ほどまで一気に駆け上がったスパーダは、そこから突然船体を蹴って宙へと身を躍らせる。
空中で体を捻った彼の足元に、突然赤く光る円盤が現れたかと思うと、スパーダはそれを足場にして蹴りつけ、高く跳躍しだした。
「きゅい! きゅい! やっぱり、あの悪魔はすごい力を持ってるのね!」
スパーダの姿が甲板の向こう側へと消えていったのを見届けると、シルフィードが驚いたように叫んでいた。
512The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 16:09:14.94 ID:BP5AWk1L
スパーダが甲板へと飛び上がった時、そこで待機していた十数名の空賊達の姿を一瞥していた。
(これが空賊か。……そうとは思えんな)
「き、貴様! 何者だ!」
突然姿を現したスパーダに男達は全員虚をつかれたように驚いていたが、すぐに我に返ると
甲板に着地したスパーダを取り囲んで次々と銃やら弓やらを向けてきていた。
中にはメイジなのか、杖まで手にする者までいる。
「貴族派かの襲撃か!」
(……そういうことか)
男達が銃弾と矢を放とうとするその刹那、スパーダは閃光のごとき速さで自らの短銃を指で回転させつつ
抜き放つと、それぞれ違う方向へ向けて射撃を行った。
一発撃つ度に男達の手から武器を撃ち落とし、目まぐるしく体や腕の向きを変え、次々と魔力を銃弾として放っていく。
三秒と経たぬ内に、男達は武器を弾かれて無力化されてしまった。
あまりの出来事に、男達は唖然としている。
スパーダは短銃を収めると、自分を取り囲む男達をぐるりと見回し、その顔を一人一人一瞥していく。

「この船の責任者に会いたい」
「ふざけるな! 貴様、一体何者だ! 貴族派の手の者か!」
今度は斧やら剣やらを手にしだすが、鋭い剣戟の音が響き閃光が瞬いた途端、男達が手にする武器が次々と真っ二つに斬り落とされていた。
いつの間にか、スパーダは閻魔刀を納刀する動きをしている。
圧倒的な力の前に男達は愕然とし、中には恐怖で尻餅までつく者までいる。
「もう一度言う。この船の責任者に会いたい」
スパーダは先ほどから何の感情も窺えない、氷のように冷たい表情を浮かべつつ再度命じてくる。

「この俺に、何かご用かい?」
すると、他の空賊達とはやや異なる雰囲気をかもしだす派手な服装をした金髪の青年が姿を現した。
この艦……空賊達の頭領か。
スパーダはその頭領から感じられる強い魔力に、僅かに顔を顰める。
他の男達をかき分け、スパーダと対峙した頭領は不敵な笑みを浮かべながらスパーダを足元から頭まで、
舐めるように視線を這わせていた。
「一人でこうも大胆に乗り込んでくるなんて、ずいぶんと派手なことするじゃねえか。で? 用件を聞こうじゃねえか」
「つい先ほど、この艦に貴族の子女達が乗り込んできていたはずだが。返してもらいたい」
腕を組みながら、スパーダは頭領の前まで歩み寄る。
「ああ、あいつらのことかい。何でも、トリステインからアルビオン王党派への使い、だとぬかしてるがな」
こいつら、ルイズ達の目的を知っているようだ。誰かが喋ってのだろうか。
「今さら明日にでも消えちまうあいつらに何の用があるのかねえ。
……まあいいさ。で、あんたもあいつらの仲間かい。別に貴族派の連中でもなさそうだが」
「そのようなものだ」
静かに答えつつも、スパーダの視線は頭領へと向けられてはおらず、この艦そのものへちらちらと向けていた。
頭領は値踏みをするかのようにスパーダを観察している。
「それじゃあ、あんたにも提案がある。貴族派につく気はないかい?
あいつらはメイジや、あんたみたいに強い奴を欲しがってる。礼金もたんまり弾んでくれるだろうさ」
513The Legendary Dark Zero:2012/02/17(金) 16:14:44.32 ID:BP5AWk1L
スパーダは黙りこくったまま、頭領の顔をじっと見つめていた。
頭領も同じく、スパーダを見返している。
他の男達は緊張した様子で、事の顛末を見守っていた。
「……空賊にしては、立派な船だな」
唐突に話題を切り替えたスパーダに、頭領も含めて他の男達も訝しむ。
「それにお前の部下達も、ずいぶんと統率が取れている。まるで軍隊だ」
男達を見回し、スパーダは静かに語った。
「先ほど誰かが口走ったが、何の変哲もない空賊がアルビオンの貴族派を敵対と警戒をしているのも不自然だ」
「……何が言いてえ?」
頭領の問いに、スパーダは彼と目を合わせて言う。
「茶番はここまでだ」
細く溜め息を吐いたスパーダの言葉に、頭領は顔を顰めていた。
「大方、空賊を装い、貴族派への補給を断とうとしていた、そんな所か。戦術としてはまあ悪くはない」
スパーダの指摘に、男達がざわめきだす。頭領までも呆気に取られたような顔をしている。
「お前達が王党派ならば、話は早い。ウェールズ・テューダーとやらの元までこのまま案内してもらいたい」
「その必要はない」
頭領はそれまでの賊らしい態度を一変させ、若さに似合わぬ威厳を漂わせていた。
「トリステインの貴族は、下手に強気な者ばかりだと思っていたが、あなたのような貴族もいたのだな」
頭領はバンダナとアイパッチ、そして髭を外し、着崩していた上着をしっかりと着直すとそこには精悍な顔立ちをした青年の姿があった。
「名乗らせてもらおう。アルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官……もっとも本艦イーグル号しか存在しない無力な艦隊だが」
青い軍服を纏ったその青年は、先ほどまでの荒くれ者から一転し、高貴な雰囲気を身に纏っていた。
「アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ。あなたの名も伺おう」
「スパーダだ」
差し出された手をスパーダが握り返し、二人は握手を交わした。
他の男達も軍人らしく直立し、二人を見守っていた。

「ミス・タバサ、もう良いぞ。ここは大丈夫だ」
スパーダがそう告げた途端、甲板の下から突然一頭の風竜が浮上してきた。
タバサを乗せたシルフィードに男達が驚く中、堂々と甲板の上へと着地していた。

※今回はこれでおしまいです。
前回にも書きましたが、技名はあってもなくても良いということなので書かないことにしました。
今回はトゥーサムタイム、ウォールハイクなどを使わせてみましたが。
514名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 17:14:59.02 ID:3NQwS7/Z
>>501
ドールマスター一行でてくるかなぁ
515名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 17:28:23.02 ID:qPd28ROq
パパーダ乙
516名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 18:12:57.76 ID:AMUSsYmK
>>504
そのキャラは石村か静岡の方がお似合いだよ
517名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 18:43:05.10 ID:tSG9OakY
>>516
それスパロボの関係者?
518名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 18:53:39.12 ID:KiEephd4
ペルフェクティオ「ガイオウねえ……」
519一尉:2012/02/17(金) 21:07:18.43 ID:jqRq4yrw
ローマン「・・・・・」
520名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 21:27:42.13 ID:rY1+SEjF
>>513
おつおつ
521名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 21:56:10.17 ID:8uMp+kLn
ここ最近、クロス先の作品があまり知らないようなのばかりでイマイチ面白くない
わざわざ調べようとも思わないしなあ
522名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 22:05:59.53 ID:4Iedxl3G
知ってるので書いてごらん
523名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 22:28:01.91 ID:5TPxe0bx
「武か数寄か、それが問題にて候」で
数寄に重点を置くのならへうげものから古田織部を召喚。

例えば、「!まさか宝物庫に平蜘蛛が!?」
「調略はそれがしに!」というフレーズが登場する。
524名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 22:35:03.58 ID:5Wh2o/NM
多分学園の宝物返さない
おい、それぇ、ノン!
525名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:06:53.98 ID:msPHcgTN
ちょっと何言ってるか分かんないです
526名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:18:40.96 ID:5Est2Hbv
ふむ、CR戦国乙女からノブナガ様とミツヒデ呼んで
7万の大群を壊滅させるというビジョンが今日打ちながらふと思いついた
527名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:35:01.16 ID:bZcdzS2b
一応キャラに入ると思うけど、軍艦越後を召喚。
エルフの鯨竜艦の大艦隊を相手にたった一隻での決戦を望む。
528名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:41:24.19 ID:wCI9pRA0
ベルセルククロス読みてぇな
アニメゼロ魔設定ならちょうどいい感じに日食もあるし
529名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:47:51.92 ID:y5zgYWRQ
あるにはあるけど良い所で止まっちゃってるんよね
530名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/17(金) 23:58:14.90 ID:JEqX0M1V
俺は煉獄弐とのクロス読みたいなぁ
マイナーすぎて知ってる人がいそうにないが
531名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 00:03:24.51 ID:IbNIDh0p
PSPででたRPGか?
532名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 00:04:35.25 ID:jkv5WfM5
そういやガッツ召喚アルビオンまでだったか
533名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 01:20:44.58 ID:H7G1ECEl
>>531
そうそう、SFアクションRPG
売れてはないけど、隠れた良ゲーという評価
アンドロイドってゴーレム扱いか
534名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 07:56:31.48 ID:1AqCGnUc
浮世絵師が作った炸裂弾3つで崩壊するレキシントンか
535名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 08:50:26.30 ID:Ogrr4PIs
>534
あれも吃驚だったな。
お前絵師じゃなくて蘭学者だろ、あるいは『アルシャードガイア』で言う“OVL:ネクサス”か“リターナー”(どちらも凄いアイテムを他人に渡せる)だろ、と。
536名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 11:32:21.17 ID:yCr4/UR6
>>529
何ヶ月前だったか忘れたけど、原作が完結して公式の設定が出揃ったら辻褄合わせて再開する的なこと言ってなかったっけ?
うろ覚えだから別の作品の別作者だったらすまん。
537名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 12:57:30.26 ID:rQtFfn2L
ベルセルクからならジュドーを蝕で死んだ後に復活召喚が見たいな。
俺って気の強い女に縁があるのかね〜、と言いながらルイズと冒険を重ねる。
538名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 13:57:04.13 ID:CX/np5+E
>>536
原作完結にベルセルクが含まれていたら永遠に再開しないなwww
539名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 17:36:45.47 ID:LLaLTW5m
パパーダの人、乙でした
540名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 18:15:52.58 ID:Aujj8PJV
シールケや師匠のフローラの魔法って精霊を呼び出したりするしゼロ魔的には先住魔法の類だな
フローラを召喚しても狭間に屋敷構えて隠遁生活しそうだ
541一尉:2012/02/18(土) 18:22:19.34 ID:tEFrTXa4
召喚にしたのは金正恩らしい。
542名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 19:12:29.18 ID:vt204S0g
>>536
確かにジュドーやピピンだと強さも超人的ではなくて人当たりもいいからな。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 19:24:18.89 ID:DzbcyvMx
コルカスも忘れないであげてくださいw
544名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 19:42:49.54 ID:mnSRrRoe
> コルカス
人当たり……は別に悪くないなガッツに突っ掛かってただけで
一応腕も並以上には立つし
545名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 20:22:17.32 ID:aqdftvpg
ふと思ったが忍空の忍空技ってハルケギニアだと先住魔法に認定されるよな。
546名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 20:27:57.52 ID:PntcA2pX
超人バトルアニメでなくても
基本ベースでは才人の身体能力を上回る場合が多いだろうか。
ただその人物とルーンの相性にもよるのなら
基本能力が高い=強い使い魔とも限らないのかもしれないが。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 20:29:41.05 ID:NjLSS0LN
とりあえずsage進行だっていうことだけは書き込みする人間に知ってもらいたい
548名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 21:03:04.37 ID:vt204S0g
>>546
厳密にはのび太ですら射撃技能で達人レベルだし、
バカボンあたりを呼ぶしかなくなりそうだ。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 21:05:33.06 ID:/LuEjNFx
>>544
盗賊の頭やってたんだからそれなりに能力はあるんだろ。
グリフィスがわざわざ鷹の団入れるぐらいなんだし。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 22:17:31.00 ID:MsXP1Ybr
グリフィスが召喚されたら
自分の国への道はミッドランドより近そうだな
551名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 22:19:30.95 ID:ZVnAMwiN
初日に対するルイズレイプ未遂で爆殺されるコルカス
>>540
ルイズはフローラみたいなカトレアチックな女性に弱いからモロに影響受けて「お師匠様!私も一緒に!」とかって隠遁生活に着いてきそう
552名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 22:21:34.48 ID:ZVnAMwiN
初日に対するってなんだ俺w

初日にルイズに対するレイプ未遂での間違い
553名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 22:23:06.85 ID:xheAYoSL
グリフィスだったらアン様はあっという間に膜無しにされてしまうだろう
554デュープリズムゼロ:2012/02/18(土) 22:31:44.16 ID:sJBHqxMM
第三話完成しました。明日の夜に最終調整して投下します。

それとまとめのwikiの編集しようとしたんですが何故か必ずエラ−になるんですTT
厚かましい話ですがどなたかやっってもらえませんか?






555名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/18(土) 23:59:06.05 ID:Aujj8PJV
>>553
当初の目標は国を手にすることだしな。

というかグリフィスの容姿と野望、能力からして策謀渦巻くスケコマシ伝になりそうな(笑)
556名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 00:02:05.21 ID:Aujj8PJV
>>545
忍空の技も自然の力というか精霊っぽいものの力かりてるよな…
557名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 00:22:58.00 ID:C6Mn9HJz

ハルケギニアは死滅した
タルブに863人の人間を残して

一体 なぜ こんなことに―?
558名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 01:16:20.92 ID:TA2WvLHz
キャスカ召喚でアニエスと百合な関係と思われルイズやアンリエッタやシエスタから百合プレイを……
559名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 01:16:28.29 ID:FGp2iF1a
エグゾスカル零より葉隠覚悟召喚

ルイズは契約のキス時、ノーモーションの突きを食らわなければいいんだけど
560名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 07:23:59.21 ID:gZKLyDX7
>>559
ギーシュ「な 何だいきなり変態か平民───!?」
キュルケ「ムム 全裸!」

ルイズ「何だか知らんが とにかくよし!」
561名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 08:56:36.38 ID://JPUIlo
ts
562名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 11:50:46.26 ID:RSFKO4dg
>560
良くねェよ。

何故だか炎尾燃みたいなヘッドギア被ったルイズが見えた気がした。
呼ばれるのはヒロだな。
563名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 12:00:02.57 ID:6LExShzn
>>560
人間に種類などない。すべて同じ赤い血だ。
564名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 12:09:33.83 ID:4bUzf+Pv
ルイズ「散さまの燃える口づけを受けてゼロではいられなくなったのよ!」

むしろこっちじゃね
565名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 12:38:12.72 ID:nVBA7TQ7
ゼロ式防衛術


ゼロは最強の称号でなくてはいけないのよ!

こうだろ
566名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 14:13:21.97 ID:+slo98IX
零の使い魔 タイトルが良いな
567名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 14:38:12.26 ID:MLSAZt4S
ぬら孫から鏡斎を召喚
女性キャラはもれなく背中に絵を描かれて妖怪に変身
特に猫目で小柄な娘が好み
568名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 14:39:11.60 ID:PK5W3pd8
>>564
wikiであったぞ似たようなのwww
569名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 14:53:47.30 ID:lJF3lEbK
トライアングルが真鍮をつくれて金を作れないのがわからぬ
実際の錬金術じゃなくて魔法使った連金なんだから合金より単一金属のほうが簡単なんじゃないのか
570名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 15:09:16.95 ID:OQQKEXse
魔法使った錬金なんだから貴重品の方が難しいに決まってんだろ何言ってんだ
571名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 15:11:17.00 ID:Xque/wjq
>>569
「合金より単一金属のほうが簡単」
その発想が既に魔法ではなく科学になってるだろ
572名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 15:18:34.53 ID:CJRtZnH1
科学の通用しない不思議パゥワァーが魔法なんだから、理屈で考えてはダメだ
573名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 15:37:11.73 ID:5iv9wOWh
>>570
むしろ純粋な単一金属だから難しいんでないの?
574名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 15:41:41.44 ID:XIZWDCUa
設定・考察スレ使おうぜ
575名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 16:31:05.53 ID:bPI25tQP
どこかで「ブラックジャック先生を召喚」というネタがあった。
短編であったが、モンモランシーが弟子入りという異色の展開だった。
576名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 16:52:51.45 ID:RSFKO4dg
>569
金を化学変化させるのは難しいじゃないか。
青銅は天然にあるけど純粋な銅は滅多にないし。
577名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 18:22:42.68 ID://JPUIlo
>>575
数十年後、そこにはトリステイン一の名医となった彼女の姿が!
578デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:34:57.73 ID:Blx547tf
デュープリズムゼロ第三話。

これより投下を開始します。


はっじまっるよ〜〜
579名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 19:35:08.84 ID:DZTojv4t
C
580デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:36:54.99 ID:Blx547tf
第三話『朝食を求めて』


「そう、よろしくキュルケ。ところで何?その微熱って。風邪引いてるんなら部屋でおとなしく寝てる事をお勧めするわよ。」
「え?・・・アハハ、違う違う微熱ってのはメイジの二つ名よ。私は炎のトライアングルだからね、どう驚いた?すごいでしょ?」

ミントの的外れな言葉にケラケラとキュルケが笑っているとキュルケの部屋から大型の赤い体表をしたモンスターがのそのそと表れ、キュルケの足下に寄り添う様に伏せる。

「何それ?モンスターみたいだけどあんたのペット?」
現れたヒトカゲに対してミントは敵意を感じる事も無い為腰を落として軽く頭を撫でてやるとヒトカゲも気持ちよさそうに目を細めた。

「あら?ペット呼ばわりはひどいんじゃ無い?一応あなたの同類なんだから。」

ミントの疑問にクスクスと笑ってキュルケは少々意地悪く切り返す
「同類?」
「そうよ、紹介するわね。私の使い魔のフレイムよ。」
キュルケに紹介されたフレイムは軽く上体を起こして口から炎をこぼし出した。
「メイジの実力を見たければ使い魔を見ろって言われるのよ。
でも驚いたわ〜ゼロのルイズが呼び出したのがあなたみたいな平民だったんだから。」

(・・・って事はあのルイズって子相当な実力のメイジって事かしら?そうは見えないけど。)

キュルケとミントがとりとめの無い会話を交わし親交をを深めているとようやく着替えが終わったルイズが苛立たしげな表情で廊下へと出てきてミントとキュルケを睨み付ける。

「あら、おはようヴァリエール。」
「おはようツェルプストー。」
お互い努めて冷ややかに朝の挨拶を交わす。


(ふーん・・・この二人馬が合わなさそうね。)

直感でそう感じたミントだったがまぁそんな事は自分には関係ないので知らんぷりである。
「じゃあねミント。私先に行ってるわ。」
「ん、じゃあね〜。」
581デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:39:29.96 ID:Blx547tf
微笑みを浮かべながらミントに手を軽く振ってキュルケはフレイムと共に長い廊下の向こうへと歩いて消えていった。

「どういう事よっ!!」
キュルケが視界から消えた瞬間、ルイズはミントに怒鳴ると同時にその胸ぐらへと掴み掛かる。

「あの女はね、ツェルプストーはヴァリエール家にとって御先祖代々からの仇敵なの!!
怨敵なの!!それが少し目を離したら私の使い魔がへらへらと・・・どういう事よ!?」

ルイズのただならぬ剣幕にミントは少し呆れながらさして苦も無くその手をふりほどく。
流石にここまで一方的に来られると逆に冷静にもなる。

「はいはい、あんたの家庭の事情なんてそんなのあたしが知るわけ無いでしょう?
それにお互い軽く挨拶してただけじゃん。あんたどんだけ余裕が無いのよ?
朝ご飯でも食べれば少しは冷静になるんじゃない?」

「くっ・・・食堂に行くわ。付いて来なさい。」
ルイズは俯きながらミントへの怒りにプルプルと肩を震わせながらマントを翻し食堂までの道を先導して歩く。
(何よ・・・何なのよこいつ!!)

対してミントは軽い足取りに何食わぬ顔で平然とルイズの後を付いて来ていた。


(ご飯♪ご飯♪そういえばカローナの街で食べたグドンの肝おいしかったのよねー・・・
でも流石にフレイムを捌いて食べるのはまずいか。)







『__!!??!』

「??・・・どうしたのフレイムいきなり震えて。」


唐突に襲いかかった何か得たいの知れぬ不安にフレイムがまさに肝を冷やしていたのは本蜥蜴以外誰も知らない。

582デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:42:58.90 ID:Blx547tf
〜アルヴィーズの食堂〜


「おー中々豪華な食堂ね。それに並んでる料理の質も量も良いじゃ無い!
うん、あたしが食事をとるのには相応しいわ。」

大きなホール場の食堂に入った途端ミントは上機嫌に口元に両手を寄せて軽やかにステップで喜びを表現する。
「本来は貴族しか入れないんだけどあんたは私の使い魔だからね・・・
こっちよ、付いて来て。」
ルイズはミントとは対照的に無表情、抑制無く言ってずらりと並んだテーブルの間をずんずんと歩いて行く。
ルイズとミントは寝坊したため既に他の生徒の食事は始まっている。
ある程度進んだ所でおもむろにルイズは一つのテーブルへと馴れた様子で腰を落とした。
ミントもルイズに習って付近のテーブルに着こうとした、だがその周囲にはどう見ても空いている席は他には無い。

そうして空いている席が無いかミントが周囲を見回しているとルイズは一人でさっさと二言三言始祖への感謝とお祈りを捧げてミントを放置したまま食事を始める。


そのルイズの様子にミントはもしや・・・と思いルイズへと自分の中の疑問を一つずつ確認する事にした。


「ねぇルイズ、あたしはどこに座れば良いのかしら?」


「床にでも座ってれば?」



「ねぇルイズ、あたしの分のご飯はどこにあるの?」


「そんな物は無いわ。」



「ねぇルイズ、あんた昨日あたしの食事は面倒見るって言ってなかったっけ?」
583デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:47:37.84 ID:Blx547tf
「朝御主人様より遅く起きて、着替えの手伝いもせず、よりにもよって朝からツェルプストーなんかと仲良くへらへらお話してる様な使い魔に、私は食事を与える気は無いわ。
どうしてもというのなら今ここで今までの非礼をしっかり詫びてこれからの・・・「話にならないわね。」」

ルイズの言葉を遮り、ミントは大げさに肩を窄める。

「こんなに胸くその悪い経験させてくれたのマヤ以外にはあんたが初めてだわ。
いいわ、食事は自分で何とかする。それじゃあまた後でねご・主・人・様。」

つまらない物でも見るかの様なジト目でしばらくミントはスープを口に運ぶルイズの背中を見つめて食堂の裏口へと歩いて行く。

途中可愛らしく腹の虫は鳴ったが今はそんな事は関係ない。

力ずくでルイズを地獄巡りのボッコボコにするのははっきり言って簡単だしむしろ普段なら恐らく既にそうしている。
口より先に手が出る筈のミントさまが辛辣な言葉は口から出てくるがどうにも拳が前に出ていかない。




「ハァ〜・・・」
食堂の外壁に背中を預けてミントは自分の中のモヤモヤとした違和感と空腹に盛大な溜息一つを溢した。





「ハァ〜・・・」
ルイズは溜息と共にスプーンを手放して食事を早々に終了させる。
(私は悪くない。悪いのはあの身の程知らずな使い魔なのよ。)


自分に言い聞かせるも先程のミントの冷たい言葉に胸が苦しくなって何とも言えず、正直憂鬱になる自分が居る。
(折角使い魔の召喚に成功したのに・・・何なのよ。)
584デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:50:09.05 ID:Blx547tf
ミントに対してキュルケに勝るとも劣らず腹が立つ事は間違いなかった。
だが正直認めたくは無かったが昨日の夜のベッドの取り合いや歯に衣着せない口論はアンリエッタとかつて過ごした御転婆な子供の頃を思い出す様で楽しかった。



それがまた悔しくてルイズは掴んだパンに一口、モヤモヤを吹っ切る様に行儀悪く噛みついた。




〜厨房〜

「いや〜、おいしかったわありがとうシエスタ。マルトーさん。」
「良い食いっぷりだったよミント。そんだけ旨そうに食って貰えるんならこっちだって嬉しいぜ。まぁお前さんも貴族様の使い魔なんてこれから大変だろう、頑張れよ。」
「またいつでも来て下さい。困った時はお互い様ですから。」


厨房の中の一角にあるテーブル、その上に積まれた空の皿を前にミントは満足げにお腹をさすっていた。
事の経緯はこうである。

食堂裏口の辺りで項垂れていたミントにメイドのシエスタが声をかけ、空腹である事を伝えたミントをシエスタが厨房連れ込み、
ミントの口から語られる掻い摘んだ聞くも涙語るも涙の冒険の話からのルイズの極悪な扱い(盛りまくり)にコック長のマルトーが同情して今に至るわけだ。

「ま、多分食事関係じゃしばらく世話になると思うわ。あ、そうそうあたしの食事にはカボチャだけは絶対入れないでね。」
ミントがこの世で最も嫌いな食べ物がカボチャである。
元々食事の味付けにはうるさく、好き嫌いも多い方だがカボチャだけは別格で筋金入りだ、
何せ以前実家のシェフがカボチャ料理を食卓に出した際、ミントはそのシェフを本気で首にしようとしていた程である。
585デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:53:48.94 ID:Blx547tf
「ミントさんカボチャ苦手なんですか?私の故郷のタルブ村じゃワインと並ぶ名産なんですけど・・・」
「げっ、シエスタあたしあんたの故郷にだけは絶対行かないわ。」


「ハハハ、好き嫌いいってっとシエスタみたいに大きく成れねぇぞ?色々とよ。」
 
 
マルトーのセクハラ発言にシエスタは慌てて両手で胸を隠して顔を赤らめた。

「良いのよ、その辺も含めてエイオンの遺産を手に入れちゃえば万事解決ってね。
それよりセクハラは感心しないわよおっさん。んじゃ、あたし行くわ。
何かルイズはこの後は授業があってあたしも一緒に来る様に言ってたからね。
乗り気じゃ無いけどしばらくはここで情報集めたりしないと戻る事も難しそうだしね。
ごちそうさま。」


そう言い残しミントは椅子から立ち上がるとおいしい食事で元気を取り戻したのか走り出した。

「何だか変わった人ですね、ミントさんって。」
「だな。」






未だ気分の晴れぬままルイズは一人教室への廊下を歩いていた。
朝食の後は授業が有ってミントにも自分に付き添う様事前に言ってあったがミントが食堂から出て行った後はルイズはその辺で待っている物だと考えていたがそうでは無かったらしい。
勝手にどこかに消えてミントがどこに行って今何をしているかなど知らないし知りたくも無い!!

廊下ですれ違う他の殆どの生徒・・・その傍らにはそれぞれの使い魔が寄り添っている。
何だか魔法が使えないという事以上に今は自分の隣に使い魔が居ない事が惨めに感じてしまう。

「・・・まぁ居たら居たで腹立つんだろうけど・・・」
一人呟いて既に始業まで時間の無い廊下をルイズは歩いた。




586デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 19:57:45.07 ID:Blx547tf
「ったく、やっと来たわね、遅いわよルイズ。」
「・・・何でここに居るの?」
ルイズが自分の教室の前にたどり着くと意外にもそこには何故か既にミントが仁王立ちで待っていた。

「偶然出会ったキュルケに案内して貰ったわ。」
「どっか行ったんじゃ無かったの?」
うつむき加減に拗ねた様にルイズが言うとコツンッと何かが自分の額を叩いた。
それはいつもミントのリュックに引っかかっている二対の金のリング『デュアルハーロゥ』だった。

「何言ってんのよ、ちゃんと後でねって言ったじゃ無い?」

どうやらルイズは自分とのさっきの険悪なやり取りで少し落ち込んでいたらしい・・・
だからあえてミントはわざとらしい位にまるで一緒に居るのが当たり前だと言う様に振る舞ってやる。



「ふんっ!とにかくもう授業が始まるわ、とりあえず付いて来なさい。」
「へいへい・・・このミント様も丸くなったものだわ・・・」

「ミント、早く来なさいよ。」

少しだけ気持ちが軽くなったルイズが胸を張り教室へと入っていくのを見留てその後をミントは露骨にめんどくさそうに追いかけて行く。


この生意気な自称ご主人様は本当に憎たらしくて腹が立つ。


本当に。


(そういえばプリマの奴も最初はすっごい生意気だったっけ・・・)

ふと、思い出すのは魔道師に作られた人形の少年の生意気な笑顔だった。
587デュープリズムゼロ:2012/02/19(日) 20:01:04.22 ID:Blx547tf
今日の分終わり終わりっ!!!


ルイズが少し扱い悪い気がするけどそれは気のせいだ!

C感謝します。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 20:23:03.60 ID:Hr1C8Rsv
>>587
おつおつ
589名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 21:12:31.29 ID:TPeRJXab
>>587
乙、そーいやスカタン号のカノンオーブの配置って
オカルトで有名な例のアレ?いや、ちょっと違ったかな……
590一尉:2012/02/19(日) 22:44:38.87 ID:PlHm8XV/
召喚にしたのは山田葵だったよ
591名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 23:01:11.36 ID:HbpDkV8y
豆腐メンタルのルイズにはオリハルコンメンタルのミントを見習って強くなってほしい
592名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/19(日) 23:04:51.61 ID:DXUVTe6y
ブラックジャック先生ネタに対して
Jinから南方仁先生を召喚する。

人物的には、コルベール先生=緒方先生と言ったところか?
体格的にはマルコリヌ=山田先生かな。
593名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 14:03:05.33 ID:KgN7Y2cX
>592
じゃあ、手塚先生(BJ)とか呼ぶとちぃ姉さまに優しくていいよ。
594名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 19:39:21.11 ID:BFdsFDge
SS感想スレみたらやたら長文が載ってるなあ…
595名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 19:40:51.59 ID:ITCDdyTI
グラビティデイズからキトゥンを召喚

猫っぽいのを連れてるから、召喚されたらメイジと勘違いされるか?
596名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 20:29:12.86 ID:1nYgmJer
>>594
見てきたwww
何かすごかったwww
597名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 20:46:06.55 ID:x6vndbQx
1d100を振りたくなるな
598ウルトラ5番目の使い魔 78話 (1/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:51:07.20 ID:Tsvah0tR
避難所に投下来てたので代理行きます。

 第七十八話
 涙は愛の言葉
 
 くの一超獣 ユニタング
 一角超獣 バキシム 登場!
 
 
「エーコ、ビーコ、シーコ……」
 
 まるで濁った水の中のような世界、超獣ユニタングの体内にあるマイナスエネルギー空間の中で、ベアトリスはエーコたちの魂と会っていた。
 魂の形は、持ち主が己自身だと認識する形で固定されるらしく、ベアトリスもエーコたちも実体と変わらない姿で、服も身にまとって浮いている。
 見詰め合う、かつての主人と家来……しかし、明らかに歓迎していない様子のエーコたちは、怪訝な様子でベアトリスに尋ねかけた。
 
「姫殿下、どうしてここに?」
「あ、ウルトラマンAに助けてもらって、わたしの心を超獣の中に送ってもらったの」
「そう、ですか……」
 特に感嘆を受けた様子もなくエーコはつぶやいた。ビーコとシーコも、無言のままで視線だけを向けてきている。
 ベアトリスは、さすがに「よく来てくれた」と歓迎されることは期待していなかったものの、想像以上に冷たい対応に戸惑った。
だがそれでも、勇気を振り絞って彼女はエーコたちに来訪の目的を告げようと試みた。
「あ、あのわたし、たすけに」
「帰ってください」
「えっ……」
 開口するまでもなくエーコから放たれた拒絶の言葉はベアトリスをたじろがせた。エーコはゆっくりと首を振ると、自分たちを
拘束している闇の鎖を視線で指し示した。
「これが見えるでしょう。わたしたちが勝手なことができないようにと、ヤプールが用意していたこの鎖が、ここは魂の牢獄です。
これがある限りわたしたちは、身動きすることさえ許されません」
「なっ、こんなものがなによ! こんな細いものわたしの力でも!? うぁぁぁっ!」
「で、殿下!」
 闇の鎖に触れたベアトリスは、雷に打たれたようなショックを受けて手を放した。シーコが悲鳴をあげるが、彼女は身動きできずに
ベアトリスはひとりではじきとばされてしまった。
「くぅぅ……」
「だから言ったんです。肉体から切り離された魂といっても、擬似的に具現化している以上痛みはあるんですよ」
 エーコの言葉が、苦しんでいるベアトリスの意識をかろうじて保たせた。エーコも、かなうことならば駆け寄って抱き起こして
あげたいが、それはできない。邪悪な思念が具現化した鎖は、良い心を持った魂にとっては真っ赤に灼熱した鎖と同等である。
とても触れられるものではなく、無理に断ち切ろうとしたときの苦痛は想像を絶する。
 ビーコもシーコも、不安げなまなざしを向けるしかできない。けれど、昔とは違って嘘偽りのない思いやりのある彼女たちの
瞳が、ベアトリスにほんの少しの勇気を与えた。
「うっ、うう……なにか、あなたたちを助ける方法はないの?」
「無理ですよ。わたしたちの体は、もう完全にわたしたちのものではなくなってしまっています。体のない魂がどうなると思います?」
「っ! でも、ウルトラマンAは助けられるって! あなたたちが自分の体を取り返せれば、元の姿にも戻れるって言ってたもの!」
「だめよ。この鎖は、ただの闇の力の結晶じゃないの。わたしたち姉妹の、クルデンホルフや世界への憎しみが凝り固まって
作られているのです……皮肉なものよね、自分の心で縛られてるなんて」
599ウルトラ5番目の使い魔 78話 (2/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:52:06.21 ID:Tsvah0tR
「エーコたちの、憎しみ」
「そう、もしこの鎖が切れるとしたら、わたしたち姉妹がこれまでに抱えてきた恨みを捨て去らなければいけない。でも、そんなことは
できっこないのよ」
「そんな、そんな……」
 エーコは、もうどうしようもないのだというふうに首を振った。いくらベアトリスを憎めなくても、クルデンホルフや父を見殺しにした
世界への憎しみは消しようもない。ましてや、姉たちとなればなおさらだ。
 愕然とするベアトリスに、エーコたちはすでに覚悟を決めた笑顔を向けた。そして精一杯の優しさをこめて、帰るように告げようとした。
 しかし……
「さあ、もう帰ってください。あなたが来てくれただけで、とてもうれしかったです。ここにいたら、あなたの魂も危ないですから、さあ……」
「やだ……」
「殿下! わがままをお言いにならないでください」
 うつむいたまま拒否の言葉を言おうとしたベアトリスに、エーコは業を煮やして叱り付けようとした。
 ところが、顔をあげたベアトリスは眼に大粒の涙を浮かべると、そのまま糸が切れたように、あるいは幼児のように……
「やだやだやだやだぁ! エーコたちを置いていくなんてやだぁ! 死んじゃうなんてやだぁーっ! うわぁーっ! うぇーん!」
「で、殿下……」
 もはやエーコたちを説得しようとする言葉でも、自分を奮い立たせる決意の台詞でもなんでもなかった。自分の非力にどうしようもなく、
それでもエーコたちをあきらめられないという気持ちが、ただただ涙と叫びとなって吐き出されるのみの声。
「エーコ、ビーコ、シーコ、お願いだから帰ってきてよぉ! あなたたちがいないと寂しいよぉ、もうわがまま言わないし、なんでも
言うこと聞くからさぁ! 行っちゃだめぇ! ひかないでひょぉ! あぁーっ! あ〜ん!」
 もう最後は声にさえなっていなかった。本当に、幼い子供のように泣きじゃくるだけ、それしかできることがないかのように。
「わーっ! うわ〜っ! あ〜〜っ!」
「ひ、姫さま」
「ど、どうしようビーコ?」
「え、ええと……」
 涙と鼻水で顔をいっぱいにして泣くベアトリスに、エーコもビーコもシーコもどう対処したらいいのかわからなくなってしまった。
なにか理屈をつけて「あきらめるな」などと言ってくるのであったら、はっきりと拒否して帰るよう説得することもできるのだが、
だだっこのように泣き喚く相手にはなにを言えばいいのか、さっぱり見当がつかなかった。
「エーコぉ! ビーコぉ、帰ってきてよお! シーコぉ! ほかになんにもいらないからさぁ! うぇ〜〜ん! ぁぁーっ!」
 エーコたちを呼びながら、大声で泣き続けるベアトリス。泣くしかない、大好きな人がいなくなるのに、それを止められないのなら、
もう残った道は悲しみのままに泣くしかなかった。
 そして、悲痛な悲しみの叫びは、押し殺してきたエーコたちの感情も呼び起こしていった。
「姫、殿下……わたしたちだって、死にたくなんてない。まだ、やりたいことはいっぱいあるのよ!」
「帰りたい……みんなでいっしょに、天国なんてほんとは嫌なのよ」
「うわーん! わたしも、わたしだって姫さまと別れたくなんてない。くぅぅ! 離してよ、もう超獣の力なんていらないのにぃ!」
 叫び声と泣き声の大合唱が魂の世界の中にこだました。
 そうだ、いくら包み隠して自分をごまかしていても、ほんとうの気持ちを捻じ曲げることはできない。悲しいものは悲しい、
嫌なものは嫌なのだ。運命という大きな流れに人は抵抗しようとするが、その波濤があまりに大きすぎたときに、打ちのめされた
人間にできることは思いっきり泣くしかないではないか。
600ウルトラ5番目の使い魔 78話 (3/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:52:47.86 ID:Tsvah0tR
 ベアトリスも、エーコもビーコもシーコも、ただ感情のおもむくままに泣き、叫んだ。そこに修飾された美や、理屈付けられた
体裁などは一切なく、お互いに別れたくないという悲しさと寂しさ、愛する者への素直な心の吐露のみがあった。
 そして、いくばくかの時間が流れただろうか。心の涙も枯れ果てた彼女たちは、絶望と虚無の入り混じった眼で互いを
見つめていた。もっとも、この魂の世界に時間という概念はあるようでないようなもので、一瞬か永劫かの区別など無意味に等しい。
 いっそこのまま、無限の虚無の中で消えてしまいたい。疲れ果て、がんばることもあきらめることもできなくなってしまった
彼女たちは、せめて救いがあるならとそう思った。
 しかし、四人しかいなかったはずの魂の空間の中に、彼女たちのものではない穏やかな優しい声が響いた。
「もういい……あなたたち、もう充分よ」
「っ! エフィ姉さん」
 それは、十姉妹の次女エフィの言葉だった。
 驚いて振り向くと、エフィだけでなく、セトラやイーリヤたち姉妹全員が目を覚ましていた。皆、悲しそうな瞳でエーコたちを、そして
ベアトリスを見つめていた。
「姉さんたち、気がついていたの!」
「ええ、途中からだけどね。たぶん、エーコたちの感情が強くなったから、私たちを縛る力が弱くなったんだと思う。あなたたちの話は
聞いていたわ……ミス・クルデンホルフ」
「は、はい……」
 エフィに話しかけられ、ベアトリスはびくりとこわばりながらこたえた。十姉妹の中でも、特に自分をひどく恨んで痛めつけられた次女エフィ。
しかし、覚悟して待った彼女の言葉は静かだった。
「帰りなさい……」
「えっ」
「あなたを見ていて、あなたがどれだけエーコたちを大切に思ってくれていたかがわかったわ。この世界では心がむき出しに
なるから嘘はつけない……さっきはひどいことをしてしまって、ごめんなさい」
「そんな、元はといえばわたしの家のせいなのに」
 すまなそうに言ったベアトリスに、エフィは首を振り、セトラが代わって答えた。
「いいえ、きっかけはなんであっても、それに負けてしまって闇に心を売ってしまったのは私たち……どうしたって、生き延びる努力を
するべきだったのに、甘い言葉にだまされて、こうして生きながら死んでいるような体にされて、ようやく間違いに気づいたわ」
 自分自身をも失いかけて己を見返し、ようやく誤りに気がつけた。続いてキュメイラ、イーリヤ、ティーナも言う。
「バカだったわ、本当に。あげく、唯一正気だったエーコたちの言葉に耳を貸さずに、この有様。エーコたちがいなかったら、人間の
心まで完全に失った獣に落ちるところだった。ふっ、こんなになって気づいても手遅れなのにね」
「敵討ちなんて、私たちに合うはずはなかったのに、恥ずかしいまねをしちゃったわ。ごめんなさいね、許してくれとは言えないけれど
あなたを殺さなくてよかった」
「ひひ、あんなにぎゃんぎゃん泣いてるのを見て怒る気もうせたよ。もういいって、やめやめにして、あたしたちも失せるから
あんたもとっとと帰りなよ。巻き添えなんかにしたら、あの世で面倒見るのが面倒だよ。ひひ」
 彼女たちの顔から、ベアトリスを痛めつけていたときの狂気の色は消えていた。
601ウルトラ5番目の使い魔 78話 (4/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:53:43.36 ID:Tsvah0tR
誰もが、ベアトリスに帰れと言っていた。しかし、ベアトリスはそれでよいことはない。姉妹が復讐をあきらめてくれても、それで
彼女たちが生きることまでもあきらめてしまったとしては救いに来た意味がないのだ。
 
”君は彼女たちを助けることはできなかったけど、少なくとも心は救えていたはずだよ”
 
 そんな使い古された慰めの言葉などがかけられる結末なんて、所詮自己満足しかない最悪のエンドでしかない!
 なすべき道は、エーコたちだけでなく、誰一人欠けることなく救い出すこと。ほかになにがあるというのだ。
「待って! あなたたちを置いていくことはできないわ。あなたたち全員が力を合わせれば、肉体を取り返すこともできるはず、
だったら人間の姿に戻すこともできるはずよ」
「無理よ、闇の拘束はまだ十分すぎるほど力を残している。エーコが言ったでしょう、これは私たちの憎しみの結晶……
あなたひとりを許すことはできても、それですべてが消えてしまったわけじゃない」
「そ、そんな……でも!」
 なおもあきらめまいとベアトリスは食い下がった。けれど、そんな彼女をユウリとディアンナが一喝した。
「うるせぇ! 帰れったら帰れ、てめえはまだいいとして、てめえの親父はまだ許したわけじゃねえんだからな!」
「そうよ! 元はといえば、クルデンホルフがお父さまの仕事の邪魔さえしなければこんなことにはならなかったわ! そんなの、
許そうったってできるわけないじゃない!」
「そ、そんな……」
 ベアトリスは愕然とした。そればかりは、今自分がどうこうできる問題ではない。しかし、それが彼女たちの憎しみの原点に
なっているのならば、無理でもどうにかしなくては解決することは出来ない。
「お、お父さまのことは心からお詫びするわ。だから、どうか」
「やかましい! もうごたくは聞きたくねえ」
「そ、それでもどうか! あと少し、あと少しでみんな助かるのよ。だから、なんとか怒りをおさめて」
「ご好意はうれしく思いますわ。でも、私たちはすでに覚悟を決めているのです。生き恥をさらさぬため、我らに貴族としての
死に場所をくださいませ」
 セトラの、切腹を前にした武士のような生を拒絶する言葉はベアトリスを絶句させた。
 確かに、敵に利用されたあげくにおめおめと生きながらえるなど、誇りを重んじるトリステイン貴族からしたらできるはずがない。
 けれど、けれどそれでも……
 迷うベアトリスを前に、姉妹はそれぞれ帰れと言ってくる。エーコたちでさえ、姉さんたちが正気に戻ったからもう十分だと、
死を受け入れたようになってきた。
 でも、それではだめだ、だめなのだ! なにか方法はないのか、なにか!
 苦しむベアトリスと、姉妹たち。
 
 そのときだった。この場所に、絶対にありえるはずのない人間がベアトリスの眼前に現れて、その桃色の髪を振り乱して
雷のような猛声を放ったのだ。

「黙って聞いてればあなたたち、寝とぼけたことをガタガタとふざけんじゃないわよ! それで栄光と伝統あるトリステインの
貴族だなんて笑わせるわ! 十人もいるくせにいつまでもうじうじぐだぐだと、傷の舐めあいを続けるのも大概にしなさいよね!」
「なっ!?」
 
 突如、空気を読まないどころかぶち壊して響いたルイズの怒声は姉妹たち全員の度肝を抜いた。いきり立っていた
セトラやユウリだけでなく、エーコたちやベアトリスもとんでもない乱入者に仰天している。
602ウルトラ5番目の使い魔 78話 (5/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:54:25.85 ID:Tsvah0tR
 が、驚愕の波がある程度引いていくと、彼女たちの中で一番ルイズと面識があったベアトリスが恐る恐る声をかけた。
「あ、あのヴァリエール先輩」
「なによ」
「なんで先輩が、こんなところにいるんですか?」
「……あ」
 ルイズは固まり空気が死んだ。自分のやったことを後悔してももう遅い。
 せっかくの悲壮な雰囲気もなにもかも台無しにして、一同に平等に注目されたままで、ルイズは凍り付いて動けない。
 そんな様子を離れて見ていた才人は、呆れ返ってつぶやいていた。
「あんの、バカ……」
 人一倍頭は回るくせに、頭に血が上ったときにはその万分の一も思慮が働かない。人間は右脳で感情を、左脳で
理性をつかさどっているというが、ルイズの場合頭蓋骨の中の八割くらいは右脳でできているのではないかと、
才人は自分のことは棚にあげてけっこうひどいことを考えた。
 とはいえ、フォローしてやらなければルイズがウルトラマンAだということがベアトリスに知られてしまう。どうやらヤプールは
才人とルイズがウルトラマンAに変身することは伝えていなかったらしいが、秘密を守る努力は最大限にしなくてはいけない。
才人はテレパシーでルイズにひそひそ声を送った。
〔ルイズ、いいか……〕
〔サイト? わ、わかったわ〕
 才人からアドバイスされたルイズは、精一杯ごまかそうとふんぞり返って言った。
「じ、実は近くを通りかかったらたまたまあなたたちを見かけてね。それでウルトラマンに君はベアトリスくんの友達だろうから、
手助けしてやってくれって頼まれたのよ」
「そ、そうなんですか」
「そ、そうなのよ! あはは、あはははは」
 じっくり考えたらすぐに不自然なことに気づきそうなものだが、ルイズは勢いで笑ってごまかした。
 むろん、影で見ていた才人も同じくらいほっとしたことはいうまでもない。
〔ルイズの暴走を止めるのは相変わらず寿命が縮むぜ。だが……こいつは意外と災い転じて福と成すかもな〕
 ルイズの先走りを見て、才人はひとつ妙案と呼べるかはわからないが、彼女たちの心の堤防を打ち崩す手を思いついていた。
が、それは才人にも相当な危険がともなう手だった。下手をすれば命に関わるほどの。
「だが、おれの命の危険で、確実に消える十人もの命が救われるならば安いものだぜ!」
 才人はウルトラマンAにそのことを頼むと、残りの全精神力をテレパシーに変換して解き放った。
 複数個所へと送られた、そのテレパシーの相手とは……
 
 一方、なし崩し的に説得に加わったルイズは、甘えを許さない厳しい言葉で姉妹を責めていたが、やはり難航していた。
「あなたたち、そろいもそろっていくじなしの集まりなの? 自分が不幸だからって、それで人間としての誇りまで失っていいと
思ってるの。ましてやその憂さ晴らしが弱い者いじめなんて、情けなくて涙が出てくるわ」
「聞いたふうな口を利くな! お前なんかになにがわかる。お前が、貴族からこじきに落ちたことがあるとでもいうのか!」
「不幸自慢なんて聞く気はないわ! 人より不幸なら偉いとでも思ってるの、はっきり言うけどね。そんなものただのひがみよ、
ましてや更生しかけてる妹の足をそろって引っ張る姉なんて馬鹿者以外のなんでもないわ、恥を知りなさい!」
「ふざけるな! 貴様にお父さまを殺された我らの、クルデンホルフへの恨みの深さが理解できるかぁ!」
 ルイズと、主にセトラ、ユウリ、ディアンナとの口論はののしりあいにも近くなっていた。
603ウルトラ5番目の使い魔 78話 (5/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:55:22.96 ID:Tsvah0tR
 ルイズの長所であり欠点は、誰を相手にしても物怖じせずにずけずけと言いたいことをぶっつけられることだが、今回は
それが悪いほうへ傾いていた。相手を論破するならよいが、心を閉じている相手に言葉を届けるには力づくではいけない。
犯罪者の説得にあたるネゴシエーターが決して犯人を威圧することは言わないように、むしろ論理より感情に訴えかける
言葉が必要とされるのである。
 しかし、彼女たちの抑圧された感情をすべて表に引きずり出すことにだけは成功していた。
 会話に入っていけないベアトリスは、おろおろとした様子でエーコたちとともに経過を見守っている。
 そこへ、ベアトリスの肩に手のひらを乗せ、ルイズと姉妹たちを仲裁するように穏やかな声色を流した人がいた。
「ミス・ヴァリエール、もうそのくらいでいいだろう。人間、理屈では納得できないことのひとつやふたつはあるものだよ」
「っ! ミシェル、あなたも来たの」
「まあな。あなたと同様、助けてやってくれと頼まれた。事情はおおかた飲み込めた。わたしたちにも話させてくれ」
 わたしたちと複数形で言ったのは、やってきたのはミシェルだけではなく、サリュアや彼女たちとそばにいた数人の
銃士隊員もいたからだった。才人が考えた手とは、現在ではベアトリスと浅からぬ関係のあるミシェルや銃士隊にも
説得に協力してもらおうというものであった。
 ただし、この手は大きなリスクをともなう。ベアトリスひとりでさえ、才人とルイズが協力して意識を送り込んだのに、
これだけの人数を才人ひとりのテレパシーで送るのは過度の負担がかかる。最悪、精神力を擦り切れさせて廃人に
なってしまう可能性もあるが、それすら覚悟で送った希望は確かに姉妹の前に立ち、そして驚くべきことを告げた。
「ミス・クルデンホルフ、あなたたちにこんな因縁があったとはな。しかし、単刀直入に言おう。お前たちがクルデンホルフ公爵を
恨むのは大きな誤りだ。公爵はお前たちの思っているような人物ではない。お前たちの父を陥れたのは別の誰かだ」
「なっ! なにを言い出す! わたしたちの父は、クルデンホルフに陥れられて」
 ミシェルの言葉に、エフィは思わず反論した。しかしミシェルは構わずに続ける。
「そういう噂がまことしやかに流れていたのも知っている。だが、その事件が起きた当時、わたしは今は亡きリッシュモン
高等法院長の近くで密偵をしていた。あの事件はよく覚えている。リッシュモンは金に貪欲な男で、常に国営行事の
金の流れは目を光らせていたからな。そのリッシュモンが漏らしていたよ、あの金食い虫の事業の後を継ごうとするなど、
クルデンホルフも酔狂だと。わかるか? クルデンホルフはお前たちの父から受け継いだ事業で一銭ももうけを出してはいないのだ」
「で、でたらめだ! なんの証拠があると」
「そうか? ならお前たちのほうこそ、なんの証拠があってクルデンホルフ公爵が仇だと決め付けていた?」
「そ、それは……」
 ミシェルが告げた事実に、姉妹たちは急激に青ざめていった。
 証拠? そういえば、そんなものはなかった。ただ、どんぞこであえいでいたときに聞いた噂で、かっと熱くなってそのまま……
 ということは……だが、向こうも証拠があるわけではと姉妹は思ったが、ミシェルの声色は一部の嘘も感じさせないほど明朗で
でたらめなどではないことは直感的に誰でもわかった。もっとも、言葉の中にわずかなトリックとして、当時はリッシュモン”の”
密偵をしていたことを、リッシュモン”を”密偵していたように錯覚させているが、それは今は関係はない。
 さらにミシェルは愕然としている姉妹に向かって続ける。
「それに、お前たちの父の生前にクルデンホルフ公爵はゲルマニアの銀鉱山のひとつを売り払っている。その額は、
そっくりそのままお前たちの父の銀行口座に振り込まれるはずだったのは調査済みだ」
604ウルトラ5番目の使い魔 78話 (7/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:56:05.11 ID:Tsvah0tR
「そ、そういえばお父さまは、クルデンホルフから融資の約束があると」
「それじゃあ、まさか……」
「そうだ、クルデンホルフ公爵は陥れようとしていたんじゃない。逆に、救おうと尽力してくれていたんだ!」
 何の前触れもなく始まった当事者の証言は、研ぎ澄ませたナイフのように姉妹の心に深く突き刺さってえぐっていった。
それまで信じてきた事実が音を立てて崩れていく……そして、それが決壊したときに姉妹たちの心は砕け散った。
 
「い、いやぁぁーっ!」
 
 その悲鳴は、姉妹たちの魂からの絶叫であると同時に、姉妹たちの心に巣食っていた復讐という悪魔の断末魔の叫びでもあった。
 しかし、復讐という悪魔が去った後の姉妹の心を、今度は代わって虚無感という悪魔が支配していった。
「そ、それじゃあわたしたちはいったいなんのために今まで……」
 たとえ復讐という暗い目的でも、それはどん底に沈んでいた姉妹の心をかろうじて支えていた柱には違いなかった。それが
へしおれてしまった今、彼女たちの心にはぽっかりと大きな穴が空いたように虚ろになっている。
 エーコたちはおろか、年長者のセトラやエフィまで魂が抜けたようになっており、ベアトリスは彼女たちのあまりの惨状に
慰めの言葉をかけようとした。が、ミシェルに制された。
「お前たちが復讐に狂ったのは、環境が生み出した自己催眠のようなものだ。体験したこともない貧困の中で、なんとか自らを
保とうという本能が信憑性のない噂を真実だと自分に思い込ませたんだ。そこをヤプールにつけこまれて、さらに復讐心を
増大させられるようにされてしまったんだろう」
 感傷にふけるように言ったミシェルの言葉は、そのままかつての自分をなぞっていた。どん底であえいでいる人間に
甘い言葉で近づいて、都合のいい嘘を吹き込んで思うがままに操る。リッシュモンも使った、詐欺師の常套手段だ。
「しかし、それはもうすんだことだ。これからは生きることを考えろ」
「生きる? 今さらわたしたちに、どんな人生があるというのです。もう、最後の誇りを守るために、いさぎよくこのまま死なせてください」
 抜け殻のようになってしまった姉妹を代表してセトラが言った。ほかの姉妹たちも、あれだけ覇気のあったユウリやティーナでさえ
別人のように死んだ眼をしている。
 これでは、助けに来たのに逆効果ではないかとベアトリスはミシェルに怒鳴ろうとした。しかし、ミシェルは慌てた様子もなく
ベアトリスを抑えると、姉妹に向かって呆れた様子で言ったのだ。
「やれやれ、世話のかかる子どもたちだ。おいお前たち、死ぬ覚悟をしてるのは結構なことだが、はっきり言って犬死にもいいところだぞ」
「なっ!」
 侮蔑を隠す気もなく言ってのけたミシェルの言葉に、姉妹たち……特にセトラやエフィは愕然とした。
 当然、口々に我らにはまだ貴族としての誇りがあると反論するが、ミシェルは微動だにしない。短く刈りそろえた青い髪を
指先で適当にいじると、つまらなさそうに言った。
「たわけ、そういうかっこうつけた台詞を吐くのは十年早い。お前らが誇るにふさわしい何かをこの世に残したか? むしろ害悪を
残しているだろうが、そういうのは無駄死に以下の死に逃げというんだ。くたばるならせめて、子供のひとりくらい作ってからにしろ」
「こっ、子供って!」
 怒声ではなく、むしろのんびりとした口調で言ったことで姉妹には響いていた。薄っぺらな誇りなど、世間の苦難を何十倍も
多く体験してきたミシェルや銃士隊の面々には糸くずほどの重みも感じさせていない。
605ウルトラ5番目の使い魔 78話 (8/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:56:52.84 ID:Tsvah0tR
 だがそれでも、ディアンナは沈痛な面持ちでエーコたちが感じていたのと同じ苦悩を口にした。
「でも、たとえ人間の姿に戻れたとしても、わたしたちの体は人間以外のものへと改造されてしまったんです。そんな体で、
どうして普通の生活に戻れって言うんです? ましてや恋なんて、子供なんてそんな……」
「余計な心配だ。じゃあ聞くが、もしお前たち姉妹の中の誰か一人だけ超獣に改造されてしまったとして、お前たちはそいつを
お前はもう人間じゃないから出て行けと言うのか?」
「うっ!? う……」
 反論はなかった。エーコたちがずっと抱えていた悩みも、人生の先輩からしてみればたった一言で一刀両断できてしまう
程度のものでしかなかったのだ。
「人間じゃないとかガタガタ抜かす奴など最初から相手にするな。千人のクズに嫌われたところでなんの痛痒がある? それどころか、
お前たちにはそうであると知って、なお受け入れようとしている人がいるじゃないか。贅沢な悩みだぞ、お前たち」
 そう言うと、ミシェルはベアトリスの背中を押して前に出した。
「エーコ、ビーコ、シーコ、それにお姉さま方、どうか戻ってきてくださいお願いします! あなたたちの身柄は、わたしが全力で
お守りいたします。人間に戻る方法も、きっと探し出してみせますから! だからどうか」
 ベアトリスの心からの叫びが、姉妹たちをつないでいた闇の鎖をほころびさせていく。
 さらに、サリュアたち銃士隊の仲間たちも口々に姉妹に力強い言葉をかけていった。
「気にすることなんかないよ! 銃士隊にはあなたたちと同じような境遇の仲間もいるし、悩みを相談したかったらいつでも
受けてあげる。このサリュアさんの胸にどーんと飛び込んできなさいって!」
「このバカの言うことは気にしないでいいけど、銃士隊の懐の深さは甘く見ないでね」
「そうですわよ。あなたたちをいじめるような不埒な方がいたら、わたくしたちが始末いたしますから心配しないで!」
 数多くの暖かいはげましが、姉妹の心を溶かしていく。
 ああ、わたしたちはなんて愚かだったんだろう……なんの罪もないどころか、むしろ恩人を逆恨みした上に、世界中に迷惑をかけて。
 でも、でもそれでもこの人たちは生きていいと言ってくれるのか?
 もう涙を流していない子はひとりもいなかった。
 そして、エーコは涙にぐずる声で、搾り出すようにミシェルに尋ねた。
「ほんとうに、わたしたちを、許してくださるというのですか?」
「ふっ、許すも許さないも、子供のヘマにいちいち目くじらを立てていては大人は務まらないんだよ。さあ、悪魔のお膳立てした
茶番劇も、もうそろそろ終わりにしてもいいだろう。決断しろ!」
「……はい!」
 この瞬間、姉妹を縛っていた闇の鎖は粉々に砕け散った。
 迷いは消えた、復讐の糸は断ち切られた。暗闇の中をさまよっていた姉妹は、友や同じ苦しみを知る人の導きで、ようやく正しい
道に帰る方角を知ることができた。
 今こそ、しがらみを断ち切る時! 才人はテレパシーを解除して、ベアトリスやミシェルたちの魂は元の肉体へ戻っていく。
 
 
 舞台を現実の世界に戻して、ウルトラマンAとユニタングはその内なる戦いを終えて最後の仕上げにかかろうとしていた。
〔ウルトラマンA、あとはまかせたわ〕
 ルイズの言葉を受けて、エースはウルトラ念力を解除してユニタングを解放した。
 しかし、ユニタングは暴れることはなく、じっと立ち尽くしたままでエースを見つめている。そして、両手を広げるとなにかを
求めるようにゆっくりとうなり声をあげた。
606ウルトラ5番目の使い魔 78話 (9/12) ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 20:57:45.74 ID:Tsvah0tR
〔わかった〕
 エースはユニタングに人の心が戻ったことを確信した。だが、超獣の姿から人間の姿に分離するには、いまだマイナスエネルギーの
呪縛が邪魔しているに違いない。ならば、それを浄化するまでだ。
 カラータイマーが激しく点滅する中で、エースは体を大きくひねると、破壊エネルギーではなく光の浄化光線として必殺技を放った。
 
『メタリウム光線!』
 
 L字に組んだ腕から放たれる三色の光線がユニタングに突き刺さって強烈な閃光を放った。
 ユニタングはひざを突くと、ゆっくりと前のめりに倒れた。戦いを見守っていた竜騎士たちは、エースがユニタングを倒したものと
思ったがそうではない。かつて、獅子超獣シシゴランに取り込まれた子供を助けたときのように、外側を覆う邪悪なエネルギーの
部分だけを破壊したのである。
 むろん、そのままでは不可能だが、心が正しい者に取り戻されたことで明確に邪悪のみを撃つことができるようになった。
 倒れこんだユニタングは発光して消滅し、ウルトラマンAはがくりとひざをついた。
〔やったのか……〕
 エースは地面に手を突いてかろうじて体を支え、ユニタングの消滅地点を見た。
 すでにその場所にはミシェルやベアトリスたちが駆けつけており、彼女たちはそこで倒れているエーコたちを見つけて駆け寄った。
「エーコ! ビーコ! シーコ!」
 倒れている彼女たちを抱え起こして、ベアトリスは何度も呼びかけた。ほかの姉妹たちにも銃士隊が駆けつけて助け起こしており、
どうやら全員気絶しているだけだということがわかった。
 そして、うっすらとシーコが目を開ける。
「あ……ひめ、さま?」
「シーコ、シーコなの? ほんとうにシーコなの!?」
「はい……ただいまです、姫さま」
「シーコ……よがっ、よがっだぁー! わあぁぁーっ!」
 ベアトリスはシーコを思いっきり抱きしめて泣き出した。シーコも強くベアトリスを抱きしめ返す。
 やがて、エーコとビーコも目を覚ますと、ベアトリスは感極まったというふうに、まだどこにそんなに涙が残っていたくらいに泣きに泣いた。
「エーコ、ビーコ、よかった、ほんとうによかった……ひぐっ、もう、勝手にどこかに行ったりしないよね」
「はい、まったくあなたみたいな泣き虫で甘えん坊な主君に仕えられるなんて、わたしたちくらいのものですよ」
「これからも、末永くよろしくお願いします」
 エーコたち三人の服は、ベアトリスの涙でまだらに濡れている。でも三人とも、ベアトリスに自分はここにいると教えるように手を取って、
決して離れようとはしなかった。
 その様子をミシェルや銃士隊は、やや苦笑しながら見つめ、目を覚ましたセトラたち姉妹はうらやましそうに……しかし暖かく見守っていた。
 ウルトラマンA、才人とルイズもほっとした様子で再会を果たしたベアトリスたちを見ていた。
〔よかった。どうやら、うまくいったらしいな〕
〔ああ、仇討ちからはじまる友情ってのも、けっこういいものだなって……うぅっ〕
〔ちょっ! サイト大丈夫?〕
〔いや、今回はさすがにしんどかった。とんでもなくだりぃ……クラクラする〕
 無理もなかった。才人は超人でも人外でもなく、普通の人間に他ならない。むしろこの程度で済んだことが奇跡的といってよいだろう。
 
 暖かい眼差しの数々に囲まれて、再会を喜び合うベアトリスたち。
 だが、乾いた拍手の音とともに、咲きかけた奇跡と希望の花を摘み取ろうとする悪魔が現れた。
「ふっふふふ……いやいや、なかなかおもしろい見世物を拝見させてもらった。まさか、完全に支配したと思っていた超獣を人間に
戻してしまうとは、正直君たちには感服したよ」
「誰だっ!」
 あざ笑うような口調のしわがれた男の声に、一同ははじかれたようにその方向を見た。
 そこには、銀髪の老人が軽く手のひらを叩き合せながら愉快そうに笑っており、銃士隊は即座に銃口をその男に向ける。
しかし老人は物怖じする様子もなく笑い続け、一人ずつ順に一同を見回していく。
 そしてベアトリスに視線が向けられたとき、彼女はその老人が誰だったのかを明確に思い出した。
「ゴンドラン卿……?」
「ふふ、ご記憶いただけて光栄だね。しかし、それは世を忍ぶ仮の名……ふふ」
「姫さま、お下がりください。こいつは、この男はっ!」
 笑いかける老人からかばうように、エーコたちはベアトリスを背にして杖を抜き出していく。
 また、セトラたち姉妹も例外なく杖を抜き、こわばった表情で老人を睨みつけている。
 これは、もしや……直感的に悟ったミシェルは、老人を取り押さえようと近づきかけた部下を下がらせた。
 老人は、「賢明な選択だね」と、あざけるように言うと、不気味な笑いをセトラたちに向けた。
「さて、お前たちはよくも我々を裏切ってくれたな。その力を授けてやった恩を忘れおってからに」
「ふざけるな! 利用していただけのくせに!」
「フフ、まあ確かにそのとおりだよ。しかし、アカデミーの評議会議長に化けて紛れ込み、お前たちが起こしたパニックに
紛れて東方号に潜入する手はずだったのに、その小娘に気をとられてくれたおかげで失敗してしまったときは焦ったよ……
が、それと引き換えにウルトラマンAをそこまで消耗させてくれるとはうれしい誤算だった。ファハハハ」
 やはり、こいつは! 銃士隊、ベアトリス、そしてウルトラマンAの中で最悪のシナリオが組み立てられる。
「さあて、ウルトラマンAよ、アルビオンでの借りを今こそ返させてもらおうか!」
「そうか、貴様は!」
「そうさ! 私のことを忘れたわけではあるまい! ファハハ、フハハハハハ!」
 笑い声とともにゴンドラン卿の姿が赤い光に包まれて、みるみるうちに巨大化していく。
 そして、その光の中から姿を現した、青い巨体とオレンジ色の頭部を持つ超獣。青い眼をらんらんと光らせ、鋭いスパイクが
生えた腕を振りかざして甲高い鳴き声をあげた凶悪な姿は、ウルトラマンAにとって忘れようもない。
「バキシム! やはり貴様だったのか!」
 そう、あのアルビオンの内乱をクロムウェルに化けて陰から操っていたヤプールの使者。ブロッケンと組んでエースを
あと一歩で倒すところまで追い詰めたが、ウルトラマンメビウスとCREW GUYSの救援によって異次元に逃げ帰って、
そのまま行方をくらませていたこいつが、とうとう戻ってきたのだ。
「ヌハハハ! ウルトラマンAよ、我々の計画をまたもや破ってくれたことをほめてやろう! しかしもうエネルギーは
残っているまい。ここで死ねぇ!」
 バキシムの腕からミサイルが放たれてエースを襲った。いつものエースなら避けられただろうが、爆発が連続し
エースの体が力なく崩れ落ちた。
「グッオォォ……」
「ハッハハハ! 作戦は失敗しても、貴様を倒せるのならば安い取引だ。なぶり殺しにしてくれるわ!」
 勝ち誇るバキシムの怨念の笑い。エースは立ち上がろうとするが、すでにエース本人はおろか才人が半死状態なので
しぼりだす余力はほとんど残されてはいなかった。
〔く、くそ……バキシムめ〕
〔サイト! なんとかできないの。根性見せなさいよ!〕
〔だ、だめだ。力が、はいらねぇ……〕
 カラータイマーはすでに限界で、消える寸前なのは誰が見ても一目瞭然であった。
 起き上がることすらできないでいるエースに、バキシムは嬉々としてミサイルを浴びせかける。
「ファハハ! 苦しめ、苦しむがいい。我らヤプールの恨みを知れ!」
「おのれ、卑怯な……」
「フフフ、この程度で我々の怨念は晴れはしないぞ。お前は最大限に苦しめた上で倒してくれる! そのために、まずは……」
 せせら笑いを流し、バキシムは攻撃の手をやめると、くるりと振り返った。その見下ろした先には。
「ひっ!」
「フッフッフ、エースの前にいろいろと働いてくれたお前たちに、まず礼をしなくてはな」
「貴様! やめろ!」
 バキシムのレーダーアイが冷たい眼差しでエーコたち姉妹を見下ろす。ミシェルたち銃士隊は逃げずに、彼女たちを守ろうと
壁を組もうとしたが、バキシムはそんなものは蟷螂の斧だというふうにミサイルの照準をあわせた。
「クク、どんな理由があろうと我らを裏切った罪は許されんぞ。さあて、どいつから殺してくれようか? おっと、逃げようとしたら
そいつから吹き飛ばすからな」
「おのれ、悪魔め!」
 ミシェルがベアトリスとエーコたちを背にしてかばいながら吐き捨てた。バキシムは一説にはヤプール人の一人が自ら
超獣化したと言われ、その性質の狡猾さと卑劣さでは超獣の中でも比類ない。
 バキシムの放った鼻ミサイルが彼女たちの至近で爆発し、数人が爆発で吹き飛ばされた。
「きゃぁぁーっ!」
「イーリヤ! ティーナ!」
 セトラが妹たちの惨状に悲鳴をあげた。二人とも、爆風をもろに受けて、死にはしなかったものの立ち上がれないほどの
痛みを受けていた。
「ふふ、すぐには殺さん。全員じわじわと痛めつけてくれる」
「貴様! よくも妹たちを!」
「安心しろ、すぐに貴様も同じ目に合わせてやる。まったく馬鹿なやつらよ、黙って騙され続けていれば長生きできたものを。
だが、お前たちの復讐の念は同じ人間数百人分のマイナスエネルギーとなってくれた。わざわざ手間をかけて怨念を
育て上げたかいがあったものよ」
「ど、どういうことよ!」
 とまどいの声をあげたセトラを、バキシムは頭部を小刻みに上下させて愉快そうに見下ろしていた。
しかし、洞察力に優れたミシェルはそのわずかな一言で十分に真実を知りうることができていた。
「そうか、これですべて合点がいったぞ。彼女たちの父の仕事を妨害して心を病ませた上に、自殺に見せかけて殺したのは、
貴様らの仕業だったんだなヤプール!」
「なっ!」
 姉妹たち全員から驚愕の声が漏れた。バキシムは、「違うか!」と指差してくるミシェルの視線に、愉快そうに笑い声を発した。
「ふははは、特に訂正してやるところは見当たらないな。強いて言えば、クルデンホルフが犯人だという噂を流したのも私だよ。
よくぞ見抜いた、ほめてやる」
「貴様……なんのためにそんなことを!」
「ふっ、よかろう教えてやる。当時、まだこの世界に完全に地歩を築いてなかった我々は、人間のスパイがほしかった。しかし、
使い物になるような人間はそうそういなくてな、ならば考えたのさ。いないのなら、そうなるように作ってしまえばいいとな」
「なんだと……」
 バキシムの口から語られた事実に、ミシェルは歯軋りした。
 だが、それ以上に許せないのはむろんエーコたちである。
「あなたが、お父さまとお母さまを殺したの。どうして、どうしてわたしたちでなくちゃいけなかったのよ!」
「たまたまさ、たまたま我らの目に入った中で、お前たちが人数も多く、容易に絶望に染まりそうだったから選んだまでのこと。
手間と時間はかかったが、お前たちはよく計画通りに働いてくれた。マイナスエネルギーも得られたし、実に効率的だろう?」
「そんな、そんなことのためにわたしたちはぁ!」
「さあ、話はこれまでだ。最後は絶望して死んでいけ! その断末魔もまた、マイナスエネルギーとなって我らの糧となる!」
 バキシムの攻撃が再開された。ミサイルの爆風が、銃士隊を、姉妹たちを死なない程度に吹き飛ばしていく。
 ウルトラマンAはその惨状をずっと見ていたが、助ける力は残っていなかった。
 そしてついに、バキシムは自らの足元に倒れこんだベアトリスに向けて、巨大な足を振り上げた。
「まずはお前からだ。踏み潰してくれる!」
「姫さまーっ!」
 エーコ、ビーコ、シーコの絶叫がこだまする。エースは手を伸ばすが、その手は虚空を切るだけだった。
 
「くそぉっ! ここまできて救えないのかぁぁぁっ!」
 
 だが、そのときであった。
 
「エースよ、弟よ。あきらめてはいけない」
 
 戦場にひづめの音が高らかに鳴り響き、一人の男を乗せた馬が駆け込んでくる。
 希望は、決して潰えてはいない。
 
 続く
610ウルトラ5番目の使い魔 あとがき ◇213pT8BiCc:2012/02/20(月) 21:03:22.63 ID:Tsvah0tR
今週はここまでです。
泣く子と地頭には勝てぬ、そんな感じでお送りいたしました今回ですがいかがでしたでしょうか。
昨今、いろんなアニメや漫画などでダークフィールドに転落した友人への説得がおこなわれてますが、ベアトリスになんかかっこいい口上を
述べさせるのは不自然に思えたので泣き落としにしたら思ったよりも似合って思えたのでそのまま書きました。
ある意味、最強の交渉術ですよね。そのぶん不足する理屈は他の人たちにまかせました。特にルイズの性格は、こういうときに便利です。

そして、満を持して真打登場です。このシリーズを書き始めたとき、もう少し早く終われるかもと思ってたのですが、なんとかここまでたどりつくことができました。
一角超獣バキシム、エースのときからやることなすこと極悪非道なのにやっぱりかっこいい。ヒールの魅力というのでしょうか、とにかくこいつの
再登場はいいところで持ってこようと自分でも楽しみにしてました。

さらに、もう勘の鋭い方ならばうっすら気づいていると思いますが、我らの希望は今ここに!
次週、東方号再建編正真正銘のラストです。

「さあ、来週はみんなで見よう!」


代理完了。一度うっかりsage忘れてしまいました。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 21:45:43.48 ID:ITCDdyTI

代理者も乙
612名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/20(月) 23:12:29.12 ID:/KZ4EKXZ

ついにあの風来坊がゼロ魔の世界にそのもうひとつの姿を見せるときがきたのか
613Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:38:20.92 ID:BEDITOqo
忙しいので忘れていたわけじゃない
しっかり暇な時に書いて、こうして落としにやってきたので、忙しので忘れていたというわけじゃない

不都合がなければ40分頃に投下
614Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:41:52.90 ID:BEDITOqo
EX-LOG

霧亥の来訪からはすでに300時間が経過した。
これは、霧亥の存在が学院全体に広く認知され、同時に近しいものにとって日常に溶け込み始めるに十分な時間である。
当の本人は、馴れ合いの一つも見せなかったが、明らかな攻撃性を示すこともまた、なかった。

「せっかくの虚無の曜日に、一日中ぼうっとしているだけだったけれどね」

惑星の自転8回分、約192時間の周期の最後、24時間ほどの業務定休期間。
詳しい経緯は不明だが、あまり効率的とは言えない“習わし”の一つらしい休みの日が終わり、また一週間が始まった。
この間、霧亥は書籍を読み漁り、適当なところに座り込んでは思索にふけることを繰り返している。
何とかして連れ出そうとしたルイズだったが、帰り道を探索するという餌にも食いつかず、諦めて自分の必要品を買いあさり、結局そのまま夜が明けた。
これは難なく受け流せたが、問題はその週が明けての最初の日だ。

「でもまあ、今日のは一大イベントだし、オールド・オスマンの太鼓判ももらったし、顔くらいは見せてよね」

ルイズだけでなく、誰もが大量の物品を買い込んではあわただしく走り回る光景。
知識としては何が始まるのかを知り得ている霧亥だが、やはり奇怪だった。
一晩は続いた準備と喧騒だったが、翌日にもなると、メイドが走り回る以外は、大量の食品を加工する作業が続くばかりで別段変わった様子もない。
が、一部生徒たちはやはり忙しない。
「霧亥、これどうかしら」
ただ暇を持て余すのでなく、珍しくルイズの要請に応えた霧亥は、次から次へ取り出される装備品の数々を観察させられた。
複雑な縫い合わせの布の衣服や、様々な鉱物を埋め込まれた金属。
どれもこれも、はっきりと言って、興味をそそられるものではない。
「ねえ、何か言いなさいよ。今夜披露する前に意見を聞けるのは、使用人を除けばあなたくらいなのよ」
「商人はお世辞しか言わないしね」と続けて、宝石箱の中身をあさる。
治療費で財政を圧迫されたと不平を漏らしていた割には、昨日いとも簡単に貨幣を調達したルイズは、その大半を湯水のように使った。
彼女の生みの親が、今日という日のために、追加で仕送りしたらしい。
「やっぱりこれかしら」
相変わらず経済的な知識と、それを活用する思考能力は低いと見える。
少なくとも、大半の生徒とは比べ物にならぬ価値の支給を受けた割には、購入した物品の価値はそこまで圧倒的とは、霧亥には感じられなかった。
彼女が今、その手にしている炭素結晶は、表面の切断角度によって光の反射を調節し、銀で隠された部分の、ささやかな上げ底を誤魔化している。
615Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:43:37.45 ID:BEDITOqo
「どう? ねえ、これとか!―――」
社会的地位と実力を示す意味でも、こういった装飾は適切な観察力と情報を持たぬ者たちにはわかりやすいのだろう。
使い魔その他の動物たちに見る、奇妙に変質した皮膚や骨格と同じだ。
それならそれで、もっと適切に自分を飾り、周囲に訴える方法を、少ない労力と対価で得ることができるのではないか。
「………」
ドレスを広げて見せるルイズの前に、黒尽くめの服と頭髪で一層際立つ切っ先のような眼が、微動だにせずある。
「―――な、何か言ってよ」
霧亥の無感情で変化のない表情。
つい勢いで気にならなくなっていたが、改めてたじろぐ。
審美眼のほどは知らないがとにかく一足先に誰かに見せびらかそうと、彼の国の美的意識や服飾文化がこちらと通ずるかも知らずに引っ張り込んできて、そもそも彼にとっていかにも興味がなさそうな話題を振ったのは間違いだったかもしれない。
そんなことを今更ながら考えた。
「その装備の工作精度はあまり高くない」
おもむろに口を開いた霧亥に、どう謝ろうかとまで考え始めていたルイズが戸惑う。
要するに何を言われたのか分からなかった。
「他にしろ」
霧亥は美的意識も服飾文化も意に介さず、機能面と出来の映え具合を見て助言をした。
それがはたしてどう他人の目に映るかはわからないが、合理的にかつ風俗的バイアスを排除すれば、霧亥の判断は正確だった。
「え? あ、そういうことね……でもこれ一番高かったんだけど…………」
呻きながら元の箱にしまうと、最初に取り出したドレスをみつめて、また宝石箱に手を伸ばす。
「銀細工の方が駄目なら、金細工にこっちのドレスね! で、あとは石をどうするか………こっちは良いものが手に入らなかったから、昔買った翡翠を蝋処理し直してもらったものとかがあるんだけれど、キリイもいいと思う?」
ここまで来ると、最早そこに機能などありはしないので、もう個人の主観による良し悪しで決めて欲しいものだった。
あえてやろうと思えば、原材料の調達難度とその需要や、加工技術の高さを比較することもできるが、それは適正な貨幣価値を求めるばかりで、ルイズの求めるような価値は出てこない。
「ああ」
イノ珪酸塩鉱物に価値など感じもしなかったし、適当なことを言うのはあまりいい気がしなかった。
とはいえ、相手の都合に付き合うのもいい気はしないので、適当に肯定するようなそぶりを見せておくことにした。
「じゃ、これね」
次の意見を求められる前に、さっさと退出してしまおう。
その許可を求めることも、確認を取ることもせず、霧亥はあっという間に部屋から姿を消した。
616Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:45:34.53 ID:BEDITOqo
「………あいつ、ホントになんなのよ………そもそも―――」
愚痴をこぼそうとして、ふと大事なことを思い出す。
「―――そうだ、キリイの分の正装、ないじゃない」
詳しい事情は知られていまいが、霧亥もまた、今回の注目の的の一人だった。
学院を救った英雄とは言わないが、虚構も含めてひどく言いふらされたおかげで話題性は十分にあったので、使い魔モドキの身分さえなければ十分役者には足りる。
とはいうものの、本人に自覚はないし、あったとしてもそれがどうした、といった雰囲気をまとっているもので、いまのところ誰も本人にそのことは切り出せていない。
「ま、無駄ね」

…華やかな光景も、霧亥に何かを訴えることはなかった。
例えば、都市における、神話の時代より以前。
霧亥もかつて、自身と都市がまともだった頃に、このような場面で暇を持て余していた過去があった可能性もある。
すべてが正常であったなら、もしかすると彼がそれを思い出し、何かの奇跡が起こったかもしれない…が、そうはなっていない。
霧亥はパーティーホールを飾る観葉植物の辺りで幾人かの視線を浴びながら、少しだけ視線を動かしてあたりの様子を見ていた。
その白い顔に感情はない。
「君も出ておかねば」とオスマンは口にして、ここまで誘導してきたが、その後のことは何か要望したわけでもなく、そこにいるだけの彼は特に自発的に何をする気配もなかった。
話題の人といったところで、同級生の腕を―――さして気にする友人がいないとはいえ―――焼き落とした上に、トリステイン貴族への不敬な態度の数々、得体の知れなさ等々、良い意味でのみで目立っているわけではない。
オスマン等が、これを承知の上で公の場に出そうとするのは、ご機嫌取りを試みようという俗な理由と、あくまで学院側公認の存在であることを、これ以上面倒が発生する前に示しておくためであった。
少なくとも使用人やただの使い魔と同一に扱うつもりはないのだと、この場にいることで暗に示せる。
そうそう来賓が訪れることもないので、厄介な相手に露見することもなく、ちょうど良い。
このように、オスマン等にとっては機会ではあったが、本人は酷くやる気がないので、ほとんど活かせていない。
ただ青白い顔と、鋭い黒目を虚空に向けるばかり。
存在に気づいていない者が相当数いるようでは、まるで示せていない。
彼が注目の的になるには、もう一人の主役を待つ必要がある。
生徒たちが葡萄酒の一杯でも飲み干すころあいになって、見事に着飾ったルイズが登場した。
年の割に未熟ではあるが、極めて整った体つきと、ハルケギニアの基準でいって美しいというほかない容姿。
加えて、今まで座学を考慮しなければまったくの“ゼロ”とされた魔法の才が、霧亥の関係で見直されたので、彼女が集めた視線の中に批判的なものはほぼなかった。
こうして女子生徒最後の一人が参加したタイミングに合わせ、ホールに響く楽曲が変化する。
表情を変えた生徒たちは手ごろな相手に声をかけ、手を取り合って踊りだす。
ルイズもまた声を掛けられたが、そのすべてを断って歩む先には、彼女が呼び出した使い魔がいる。
617Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:47:01.61 ID:BEDITOqo
「退屈?」
緊張か、ぎこちなく微笑んでいる目の前の少女に、霧亥は無言で答える。
「そういう時はね、こっそり離れて時間を潰すって相場は決まってるのよ」
控えめな手招きに、特にここにいる意味を感じていなかった霧亥は従うことにした。
「そしてね、星を見るのよ」
少しくさいセリフだが、別にキリイはそんなことは気にしないのだろうなぁ―――と漠然と思いながら、テラスに出る。
あいにく快晴とは言えないが、薄い雲には多くの切れ間がある。
「どうせ踊る気も、食事を楽しむ気もないんでしょ? あなたの故郷とは、まるで勝手が違う?」
「それとも―――」ルイズは少し震えそうになる。
馬鹿げた発言だという怖気かもしれないが、きっとこれは霧亥への畏れだ。
「―――踊りなんてなかった? 飲んだり、食べたりするなんてことも……ないの?」
即ち「何者なのか」という問いだった。
霧亥は難しい質問だと感じた。
優れた言語と思考、せめて相応の知識を持ったものでなければ、少ない言葉で理解させられるものではないだろう。
では、無理にわからせる必要もない。
ありのままの事実を押し付けておこう。

「俺は人間だ」

そう、まさしく、霧亥こそは真の人間の姿の一つだった。
すべてが崩壊し、人が“正規の”人とすら認められなくなった世界において、彼は多くを失いつつも、辛うじて古い“登録”を保持し続けていた人間だった。
基底現実に縛られた、時代遅れのサイバネティクスと有機生命体の融合物という、醜い姿になっても、彼は人間だった。

「呆れた…嘘に思えないんだもん」
なら、そういう人間なのだ。
彼を呼び出してから長くはないが、質問に対していつもと変わらない、驚くほど鋭いがそれでいて気力を感じさせない眼で見つめられて、これは嘘ではないだろうと自然に納得してしまった。
「……そうだ、聞こうと思ってたことがもう一つ」
人差し指を立てると、そのままぐいっと腕を掲げる。
「あなたの元いた場所でも、ここと同じ星が見えたの?」
「………………お前たちと同じ星がある場所にはいなかった」
都市を覆った太古の星空と、ここから見える星空は、もしかすると同じだったのではと推測できるほど、共通点が多い。
しかし、彼が最後の超構造体の向こう側で見た星空は、ここハルケギニアから見え、都市拡大以前にも見えたであろう星のうち、相当数が解体され、姿を消していた。
正確な比較は無理だが、かなり位置―――星の位置も、観測する側の位置も―――も変化していたように思う。
ということは、ここは都市が現在の大きさに達する以前に、世界線を越えて見出されたどこかであるはずだ。
そこまで壮大な思いをはせたわけではないが、この回答はルイズにため息をつかせるに十分だった。
618Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:48:47.65 ID:BEDITOqo
「もしやとは思った、けど……」
残った手を額に当て、ルイズは絶望しかけた。
もしも、学者たちの言うように、世界が一定の大きさの球形であるという意見が正しいなら、その周りを回る空は、夜か昼かの違いだけでどこでも同じはずだ。
逆に平らであったり、球の大きさが想像よりはるかに大きいとすれば、きっと頭上の星が移動してしまうほど、遠くへ行けるだろうし、星が消えたりあらわれたりする現象のあるところにも行けるだろう。
でもそれは、どれほどの距離か?
ハルケギニアの端から端へ行っても、星は動かないらしい。
きっとキリイの故郷は出鱈目な遠くだ!―――めまいがするような事実だ。
天体観測の本が大間違いであってくれればいいとさえ思った。
大宇宙の真理と比較してみて、確かにその本は大間違いだらけではあったが、導き出した結果はおおよそ中っている。
むしろ予測が甘いくらいなのである。
なんにしても、霧亥ほどの“人間”がいる場所となると「人は皆同じ空の下にいる」というような美しい文句も通じない。
「ルイズ、いくら人目がないからって、いくなり脇を見せつけるのはどうなのよ」
「はっ!?」
美しい文句が通じないと言えば、この尻軽女も勝るとも劣らない―――ルイズは二重に顔を赤くした。
「二人で逢引したって、目立ってるんだからすぐ分かるわよ」
ダンスのパートナー志願者のほうへ戻ろうとする赤毛の悪友を追って、ルイズは姿を消す。
残ったのは霧亥と、その半分ほどしか身長がないタバサだけだ。
「食べる?」
青毛という赤毛の一段上を行く珍しさを持ったほうの少女は、食べかけが載った皿を差し出している。
葉緑体たっぷりの植物を体内に取り込む趣味はなかったので、申し出を無視する。
「そう………でも美味しい」
見せつけるように次々に口の中に運び込む。
「あれだけあるのにもったいない、と思う」
「………」
「…そう」
何がしたいのか分からない相手だったが、結局去って行った。
最後に残った男もテラスを後にし、その後ろ姿を見たルイズは普段通りに踊り、振る舞った。
霧亥という人物が、少しではあるが、ハルケギニアという世界に溶けた気がして、ルイズは妙な気分だった。

まだ、非日常が日常へ潜り込みはじめたという、想像を絶する脅威について、誰も本当には気づけていない・・・

EX.LOG@END
619Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:51:42.40 ID:BEDITOqo
LOG-11 脱出

道のりは、狭く、短いものであったが、そこに蠢く亜原人の密度は、極めて高いと言える。
この点に限って言えば、異例の行動であった。
殲滅を目的として不法居住者の集落へ接近、さらには潜伏を行った経験も、未だに強く記憶されているが、純粋に通過しようとしたのはこれが初めてかもしれない。
事態をさらに異例なものへと変えるのは、付近を動き回る有機体が明確な害意を持ってこちらへの接近を試みていることだ。
相手が珪素基系であるというのなら、過去に似たようなことがあったわけでもなかったが、貧弱な有機体が、よもや自分のような存在を積極排除しようとするとは、想定すらしなかったことである。
女は、コートをゆっくりはためかせて、古い建造物の間を闊歩していた。
まるで周囲の敵意を意に介していない。
辺りにあるのは、ネットスフィアの知識を借りるなら、古代ギリシャ、あるいはゴート風(ゴシック)といった、一部の建設者や古い集団が好む様式の、原始的構造である。
いくらか技術が進歩したとしても、ほんの幾らか昔に、このようなものを大真面目に作っていたのだとしたら、やはりお里が知れる。
もともとはそれなりの技術と知識を持った植民者だったとしても、時が経つうちに様式美以外にとりえのない原始構造物を作ることしかできないほど落ちたのだろう。
こうしてつまらぬ分析をしながら歩くうちに、この風化の激しいかつての集落の一角に到着した。
損壊はつい最近のもので、先ほど襲撃してきた連中と同じ技術に加え、また別の技術で行われた痕跡がある。
そして、そこに転がる亡骸も、今までの連中とは大きく違っている。
彼らは、劣化と退化こそしているが、列記とした人類の姿をしていた。
「101110010010010―――」
彼女はその亡骸の中に、まだ機能を自発的に落としているだけのものが混じっていることに気づき、情報を発信した。
「驚いた、その言葉をまだ覚えている奴なんて、何千年紀ぶりだ」
無数の取るに足らぬ原住民の亡骸に交じり、古い強化プラスチックと金属繊維でできた旧型のスーツをまとった、それなりの技術で作られ、後に自力で半ば機械化されたらしい体が片手で数えるほど転がっている。
うちの一つは、脚が砕け、循環器系の中心部を貫かれているが、脳とそれを維持する機能は無事であるらしい。
彼は、こちらの通信を正しく聞き取り、翻訳したが、それでもまるで理解できていなかった。
「でも俺たちは全部忘れちまってる。悪いが別な方法にしてくれ」
声は、肉体的衰弱ではなく、精神的なショックで弱っているらしい。
「あなた達の知っていることを話してほしい」
「………失われた古代のテクノロジーを復活させたって噂だ、あの“統治局”は、な」

―――統治局

彼は今しがた耳にした雑音に近い信号を聞いて、まさかと思いつつも、今となっては懐かしき、神の如き力の片鱗を感じ取ったのだ。
620Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:54:45.44 ID:BEDITOqo
「何が言いたいの?」
ようやく振り向いた男は、皮肉めいた感じで笑いながら続けた。
「もし、帰る方法を知っているなら、俺を生かして元の階層に帰してくれ…危害を加える気なら、俺の脳は自壊させる。情報は―――」
「あなた達、ネットスフィアの規約に反するだけの不法居住者を駆除する気はない。統治局は端末遺伝子を持たない者でも、規則が許す限りは保護する」
「―――……俺の持っている、完全な情報のすべてだ」
首から旧世代の接続端子を引き出すと、“統治局”の女は、指を溶かして同世代の接続端子に変成すると、そこに繋げた。
刹那、すべてが引き出され、彼女は目の前の男と同じかそれ以上に理解した。

知識と機能、都市とネットの恩恵が失われた世界で、すべてに恐怖し、膨大な時を震えながら過ごす日々
臨時に治安維持を開始した安全装置との不毛な戦い
そして敗北と、逃走
不可解な転移
数世紀にわたる原始世界の放浪と、襲いくる脅威との闘争
消耗
二度目の敗北

ボロボロの情報であり、特に古いものはほとんど廃棄されてしまっていた。
残りの部分は、いわゆる人間の記憶のような不確かなものが、微かにこびりついているだけだ。
「残りは言語基体をフォーマットできてない」
接続端子をしまうのを見て、質問を続ける。
「なぜ、超構造体を越えたの?」
不安定な廃棄階層を行き来することが、彼らがこのような場所で無意味な死を迎える結果を生んだのだろう。
とすれば、当然の疑問だった。
「ずっと前に、端末遺伝子を探している男が、機能の生きている居住区を片っ端から回ってた」
遠い目の男は、あいまいな記憶を探る。
「恐らく3000階層か5000階層以上は下から来たはずだ、詳しくはわからないが…俺たちの集落にそれがないと知ると、また別の場所へ向かっていった。
奴は失われた知識と技術を持ってた。建設機械の行動に干渉できたし、決して壊すことのできない統治局の駆除系を、奴は殺せたんだ。誰もが奴が言ったことを信じた。
階層都市は、俺たちが知っていたほど小さいものじゃなくなってる。退化した連中の神話にあったように、無限に連続しているなんてことはないだろうがな。
下に何千階層も下ることはできないが、増築された上の階層には“新天地”があるんじゃないかと思った。あの男が目指す、正常な遺伝子か何かのある場所も、もしかしたらあるかもしれない。
幸い、俺たちには統治局の代理構成体や、擬装個体を殺せる武器と、超構造体を超える技術があった。だから生き残りを集めて旅に出た。
古い記憶媒体や通信じゃ、遊牧民なんて呼ばれて、シェルターを渡り歩いている連中も、実在したらしいからな。
でも駄目だったんだ………廃棄階層、壊滅したり人以外に汚染された区画。俺たちはいつの間にかここに飛ばされた………
後のことは、見てのとおりさ。どこのどいつともしれない、人間や都市の機械に似た原始的な有機体が、ある日から断続的に襲撃してきた。
何が原因かは知らんが、こうなった以上はどうしようもない。俺たちは一度死んだら死にっぱなしの体になっちまってる…連中の数で押しつぶされた。ついこの間のことさ」
話しながら、傷だらけの腕で、近くに落ちていた自動小銃を手繰り寄せると、弾倉と蓄電池を交換し、いつでも射撃可能な状態にする。
「さあ、約束だ。俺を連れてってくれ………俺の知覚システムじゃ捕捉できないが、奴らの生き残りが辺りをうろついてるはずだ」
621Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:58:24.62 ID:BEDITOqo
「敵については何か知っている?」
「ただの蛮族じゃない。忘れたんじゃなくて、あいつら本当に何も知らないんだ………見つけたら話し合いなんてせずに、迷わず“駆除”しちまってくれ」
その点について、自分ひとりであれば何の問題もない。
だが、彼の持つ、原始的な化学反応とひ弱な電磁作用に頼った火器は、いささか頼りない。
何より、歩行すら不可能な損傷を負った彼を連れて行くのは、少し骨が折れそうだ。
「脚の機能を復元する」
帰還させるか否かは措くとしても、背負っていくわけにもいかない。
かといって、すでに見返りを受け取っていながら放置するような行為はあってはならなかった。
また、いわゆる対処療法として、可能な限りの生存者の保護は統治局内でも推奨されている行為であり、優先レベルは高い。
「早くしてくれ」
どろどろとした腕から無数の紐が伸び、千切れた脚と、もともとそれがぶらさがっていた場所を繋いでいく。

…見るからに隙だらけの行為だった。
突如、男は傷ついた上体を起こし、小銃を構える。
治療者が無数の触手で抑え込まれ、金属片が頭部を貫いたのだ。
しゅっ、という滑るような音とともに、一発の榴弾が打ち出され、次に自分へ突き刺さろうとした触手の塊を爆砕した。
しかし、敵の追撃は続く。
全力で姿を隠していた敵は、想像より近い位置から急速に接近する。
金属音を発して小銃が震え、一発の銃弾が回転しながら、先ほどの金属片を飛ばした狙撃者の頭部を粉砕したが、残りは障害物を盾に接近している。
銃を向けると接近をあきらめ、すぐに隠れようとするが、ほかの敵は構わず寄ってくるため、全員の頭は抑えきれない。
フルオートで射撃し、二体に壁ごと大穴を開け、上半身を丸ごともぎ取るが、背後から接近した二体が自分の間合いまで滑り込んだ。
大気中の水分を凝縮して氷の拘束具として抑え込み、そのまま止めを刺すべきく刃を引き抜く。
だが、その刃は弱く、思い切り斬りつけても、小銃を叩き落とすだけで腕を切断するには至らなかった。
それどころか固いものをたたいた反動で相手がよろめいたので、そこを不完全ながら修復された片足で蹴りつけると、折れた骨が呼吸器に突き刺さり、貧弱な有機体は血潮を吹き出しながら折れた柱に倒れこむ。
続く一体は、同じく刃を引き抜いたが、そこには何らかの力場が発生している。
彼らの技術だろうが、とにかくこれで斬り付けられれば、先ほどの数十倍の圧力がかけられ、致命傷を負うことになってしまう。
あわてて銃を持っていた腕で抑えると、渾身の一撃は頭上で静止した。
この、数えれば5秒とない時間は、振り下ろす側の体力が限界になると同時に、次なる攻撃手段を行使することを可能とした。
不可視の刃が腕を切り裂き、襲撃者の刃は自由になる。
双方が勝負の結果を覚悟したが、勝負がつくことはなかった。

「………………」

先ほど殺害したはずの女が、仲間の死体を二つほど生産したうえで、こちらの銃口を向けているのを見て、襲撃者は絶句する。
この隙があったからどうということはないが、少なくともその下で腕を引き裂かれた男から僅かばかり離れた状態で撃ち殺せた。
眼のフィルターが切り替わり、無数の情報と警告が、第三者の目にもわかるよう、空中に表示される。
もちろん、理解させる必要もないので、引き金は即座にひかれた。
襲撃者の肉体は瞬時に原子すら残さず破壊され、膨大なエネルギーが解放。
その余波は、付近の建造物をなぎ倒し、銃から発せられた力場に沿って円錐状の熱と光の海を作った。
射角のおかげで、それはほとんど空へ向かって伸びていったが、それでも驚くべき光景といっていい。
残りの敵は、これを見て撤退したか、そのまま死んでしまった。
舞い上げられた塵は、震えた大空と雲から降り注ぐ雨粒によって、地面に打ち付けられる。
このショックで、男は意識を取り戻した。
622Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/20(月) 23:59:31.71 ID:BEDITOqo
「やっぱり統治局だったんだな」
血液を失いすぎた体は、脳に思考を続けさせる能力を失っている。
パウチから、一つの記憶装置を取り出すと、それを地面において、ゆっくりと続けた。
「遠征隊の人格と経験がバックアップされてる。集落に戻れば、ここ数世代の遺伝情報もある………だが、もうヒーゼンは…最後の脳髄技師は、技術を保存する前に死んじまった。遺伝子技師はここで死んだ―――」
ここで少し考える。
いつもなら瞬時であったはずの判断は、ひどく時間がかかるのだ。

「―――まあ、もう、どうでもいいことだ………」

保存してくれ―――そう訴える前に、疲労と衰弱で、気怠そうに締めくくった。
間もなく彼は機能を維持できなくなり停止したが、かつての一時的な肉体の死と違って、もう復旧することはないだろう。
ここで道草を食う意味を失った女は、記憶装置の中身を走査し、より高性能な自身の記憶装置へと転写すると、また無気力そうに歩き出した。
変化があるとすれば、歩いていく方向のみ。
ここ数時間で、周辺で活動していたうちのほとんどを殺害したが、生きて情報を持ち、逃げ出した襲撃者の“逃げ込む先”。
足取りを辿るのは容易い。
一先ず寄り道すべき場所はそこだった・・・

LOG.11@END
623Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/21(火) 00:03:50.86 ID:Rz2LRN0k
LOG-12 駆除

部隊の宿営地が築かれた街へと逃げ帰ったのは、たった二人の若い騎士のみだった。
いずれも熟練し、国境も近く、悪魔の噂が絶えない呪われた地にも隣接するこの場所での重要な任務に従事する、優秀な兵ばかりであったはずだ。
それがたった二人。
しかも、伝令でも逃亡でもなく「生き残ったのは二人だけ」であるという。
おまけに、先ほど遺跡で発生した爆発と発光も、その戦闘の際に起こったことであるともいう。
事実であるならば「不明な勢力との絶望的な交戦」「救援の要請」という、数時間前の伝令とも相まって、相当な異常事態である。
百近い部隊は、高い戦闘技術もさることながら、その中には、最高水準の才能を持った、先住魔法の行使手がいたのだ。
精霊との契約に手間取ることも、一応は我々の領土であるこの遺跡周辺で、致命的要素とはなりえない。
生存者は、いくつかの回収物を携えていたが、この驚異の品々が、果たしてあの破壊を行い、戦士たちの精神を恐慌状態に叩き込めるほどなのか…

その回答は空にあった。

「あれは鳥か?」という誰かの問いに、生存者の一人が悲鳴を上げた。
町中の精霊たちが震え、どのような技術や魔法を使っても正体を明らかにできない鳥は、急激に高度を上げ始める。
生存者の必死の訴えもあって、その鳥のように見える何かを、落とすなり取り押さえるなり、近づいて分析してみるなりをしようと試みたが、不可能だった。
鳥は、スーツと肉の混じり合った羽でこの世の理を作り替え、急激に上っていく。
造作のないことだ。
彼女は本来、自分の持つ火器と同等の攻撃―――基本的に、それは光速で迫ってくる―――にさらされた場合を想定した、圧倒的な探知能力と機動性を備えている。
戦闘体を用いるわけにもいかず、大部分がセーブさえているといっても、飛翔器官を精製してしまえば、有象無象にとっては驚異的な速度をたたき出せる。
破壊を局限するために到達した超空。
そこは、大気すらも重力に囚われ、昇ることの叶わぬ高度であり、いかに大気や大地に一体化したシステムを味方につけようとも、“その程度”でしかない。

…そして、全てを捕える“重力”という、もっとも基本的な相互作用こそが、彼女の攻撃手段である。

轟音を感じるのには、最初の破壊の急激さに比べれば、多大な時間を要求された。
光の柱が大気の限界地点から地上まで振り下ろされる。
大地では、より恐ろしいことが起こった。
数mほどの空間に存在した質量がくり貫かれ、そこにあった全ての質量がエネルギーを開放していく。
いわば、空から大地の奥底に至るまで、一本の柱上の強力な爆薬が突如として現れ、認識困難な速度でほぼ一斉に反応して爆発したのだ。
全ての意志は間に合わず、ありとあらゆる形での破壊が、ほぼ街を飲み込んだ時点で、まだ生体機能に重大な損傷をこうむっていない者が、大混乱の中、圧倒的破壊という現実のみを突き付けられた。
不幸なことに、破壊が本領を発揮する前に、神速に近い数発の連続射撃が行われ、特に被害が少ないと予想される街の外縁部や、離れた位置にある建造物、農村などにも光の柱が立った。
大地はプラズマとなって電流と光をまき散らし終わると、溶岩流と岩石蒸気となって、すでに爆風で撫でられた周囲を焼き尽くす。
大気は爆圧で外側へ吹き飛ぶが、続く高熱によって上空へ塵とともに舞い上がる過程で、押しつぶすように戻ってきた。
624Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/21(火) 00:08:01.93 ID:Rz2LRN0k
果たしてどれ程が生存しているか、被害者は見当もつかない。
だが、破壊の元凶は、正確かつ無感動に生存者の総数や状態を算出する。
そして、自由落下を上回る速度で降下し、また何事もないかのように歩き出した。

「あれだ! 間違いない、あれだ!!」

誰かが喚き散らす。
そこには組織だった活動をどうにか見せる、武器を帯びたものの一団があり、その背後では何とか統制された避難を試みる小規模な群衆があった。
武装調査隊の本隊―――といったところで、もう大半が燃え尽きている。
加えて、街に駐留する小規模な部隊と、普段から居住している戦士たちもそこに紛れているが、これも大半が失われている。
残ったありとあらゆる兵器と防衛機構を総動員しようという意思が垣間見え、女は手で顔を保護した。

周囲の熱が一転に集まる
気圧が急激に変化する
大気運動による膨大な電流が解放される
地面が口を開けて岩石を叩きつける
金属片を打ち付ける

いずれも、いまの彼女が気にするほどの威力もなければ、先ほどの攻撃の二次破壊に花を添えるほどの派手さもなかった。
むき出しの皮膚である頭部には、いくつかの傷がついたが、血液は流れず、すぐに周囲のものと溶け合って痕跡すら残さず完治した。
髪とコートをなびかせ、銃を構えると、たった一射。
正確に目標を射ぬき、その後ろの逃げ惑う女子供もついでに貫いた。

光と熱と轟音
そして出来上がるもはや無差別な虐殺とすら思える光景

だが、これは、彼女らにとってみれば、ごく当然の行為だった。
守る必要がない、まるで赤の他人であるうえに、敵であり、これから情報の伝搬によって、より増大しかねないのなら、迷わずこういう手段をとるのが、早く確実である。
統治局という名の絶対的な理性は、捻じ曲げられることのない理論によって判断しているのだ。
その駒たる彼女は、いくらか長く自立させすぎたために、こういった部分での不都合が生じたり、不可解で愚かな敵の行動を理解するための感情も備えていたが、無駄な慈悲や迷いは設計的にありえない。
だからこそ、また悠然と歩き出し、次なる一手を打つのだ。
左手が沸騰して、特殊な装置が姿を見せる。
続いて品定めを行う。
目の前には、程よく周囲のシステムへの干渉権限を持ち、また肉体への損壊が随分と抑えられた有機生体があり、これが良いとばかりに接近し、一本の針を左手から放つ。

微小構成体

極めて小さな彼女の一部であり、また統治局の管理する駒の一つ。
それは突き刺さると瞬時に機能した。
625Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/21(火) 00:09:47.47 ID:Rz2LRN0k
肉体は腐敗した屍のように急激に膨れ上がって、周囲の大気や地面を貪り、電流と暴風を吹き荒れさせる。
一度崩れた形質が、再び人型に戻るときには、もうそれは、元の肉体とはまるで異なる存在だった。
皮膚は白い陶器のような外殻になり、間接は球体間接になり、内側はタールの固まったような黒い肉になった。
特に重要なのは、この個体の能面のような顔は、変成前の青年の面影を残し、頭髪は風に靡き、衣服は肉体と一体化した膜や管の塊として、何らかの機能を負っている点だ。
つまり、かつての能力は保持したうえで、あらたな“ネットスフィアの力”を付与されている。
すでにその生みの親は、銃をホルスターに戻して、戦闘の構えを解いていた。

辺りの亜原人は、恐怖でも驚きでもない表情で、唖然と眺めていたが、それがこちらに敵意を持っていると、最初の一撃で悟り、悲鳴を上げて駆け出した。
ここの連中が“先住魔法”、“精霊”といった名称で認識しているシステムをフルに活用可能なうえに、その肉体は同水準の技術を除けば、対抗しがたい強靭なものだ。
突風を巻き起こしながら追いすがり、気付く間もない速さで犠牲者を引き裂く。
あるいは、相手よりも一段上の効率と権限を持って、精霊を使役し、自然現象を模した破壊を進める。
攻撃は、問題が解決するまで続く。

懸念される情報の漏えいは未然に防ぎ、自身を追撃する可能性のある戦力を殲滅する

これが解決したのなら、もう長居の必要はない。
無為な破壊を行う必要もないし、時間を食いつぶす必要もない。
逃げるか、あるいは集まってくる何者かに追尾される可能性を考慮し、一気に低空から離脱した後、また目立つ翼を畳んで歩行を再開する。
幾らか消耗したが、何事もないといった風に髪を直すと、眼を普段通りに戻し、意志も目的もなさそうな感じで歩き出した。

この世界線に紛れ込んだ非日常とは、こういうものであった・・・

LOG.12@END
626Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/21(火) 00:15:42.57 ID:Rz2LRN0k
以上

話が分かれたのはBLAME!的な都合
出来ればもう少しセリフを減らそうと考えては見たものの、みんな喋る喋る

エクストラは本筋とはあまり関係のないおまけとして、これからも詰った時に入るかもしれない
ただ、大人気の生産中の胎児を焼き殺すような話には、おそらくならない
627名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 00:16:39.68 ID:+L4Fvxig
首を長くして待っていた甲斐があった…ところで、ほったらかしにされた駆除系、どうなるんでしょう?
628Adventure-seeker Killy in the magian world quest:2012/02/21(火) 00:25:31.84 ID:Rz2LRN0k
>>627
BLAME!2のような具合に、仕事を終え、膨大な年月にわたる棒立ちの後、化石化

運が悪いと、破壊されるか電池切れまで駆除し続けることに
629名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 00:31:51.33 ID:+L4Fvxig
>>628
あー、やっぱり使い捨てですか。
まあ、ほかにどうしようもない感じではありますが。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 00:38:46.07 ID:rT+qFfVK
>>626
631名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 00:43:02.16 ID:s+ZxHf5H
その人は最後の脳髄技師だった…
哀れ、結局あの連中は世界線越えても全滅か



AKじゃなくて駆除系なんかが発掘されるのかな
632名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 00:58:28.44 ID:+L4Fvxig
東亜重工の周りにいた連中か…何だってこんなところに来たんだか。
案外、超構造体と縁の深い場所なのかなぁ…。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 01:24:04.92 ID:s+ZxHf5H
1巻のじゃないのか?
634名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 01:39:24.71 ID:+L4Fvxig
>>633
P162あたりの?
読み直してみたが、東亜重工周辺の連中ってのは、確かにこっちの間違いだった。
635名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 03:16:07.58 ID:uR1DAg6D
ぬーべー召喚で取り憑いてタバサを守っていたシャルルとの会話!
そして守護霊へ
636名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 08:27:21.37 ID:ID/x8+Ie
父の幽霊だと自分に言い聞かせて失神しないように保つだけでも三日はかかる
637名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 10:56:05.94 ID:PU6K/gq6
四六時中親父に監視されてるって年頃の娘からしたら地獄じゃね?
638名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 10:58:19.56 ID:095kM3ku
ファザコンだから大丈夫だよ
639名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 13:18:34.64 ID:8ofNLS2n
ボイル・シャルルの法則
640名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 15:02:30.26 ID:jUFw2MsU
ゼロ魔世界でそういうスピリチュアルな思想はどの程度あるんだろうな
ヴァルハラに〜云々って言ってたりするあたり、北欧神話的な体系かね
641名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 15:08:42.26 ID:uSlmxa7f
642名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 17:27:16.76 ID:SO2u2pWm
>>612
風来坊、いったいその正体は誰なのだろうか
643名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 17:29:09.08 ID:Gck662W7
シレンさんですか
644名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 18:38:23.28 ID:0V4se1E3
誰か仮面ライダーバース(伊達さん)が召喚されたの書いてくれないかなー
自分文才なさすぎて挫折
645名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 18:48:03.62 ID:pAP+1HLD
>>549
鷹の爪団って聞くと別のを思い出します
ですよねルイズ総統
646名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 18:59:47.89 ID:FGItXCie
>>626 
投下乙。
647名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 19:58:16.54 ID:s+ZxHf5H
鷹の爪も昔は相当強いけどな
相手が悪い
648名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 20:33:28.81 ID:j0DNYSt7
似たような悪の秘密結社でフロシャイムの方々とか…
アニマルソルジャーの面々を前にしたら、貴族のお嬢様達も萌えちゃうのかしら?
649一尉:2012/02/21(火) 21:35:38.90 ID:IecxfPec
動物元帥を召喚にする。
650デュープリズムゼロの人:2012/02/21(火) 22:18:31.26 ID:yc9WJvRT
明日の夜第四話を最終添削して投稿しようと思います。

世に平穏の有らん事を・・・
651名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 22:26:45.09 ID:RzoBohnp
愛してるんだァ! あのゼロをォ!!
652名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 23:28:41.80 ID:kmTQ6mhM
気がついたら根を張っているダイナストカバル・・・

ゼロ魔の世界で神殿批判は少々危険か
653名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/21(火) 23:52:20.75 ID:Rz2LRN0k
>>647
つまりデラックスボンバーがすべてを解決する物語をご所望か
654名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 12:26:00.82 ID:ZKmIrqNa
消したり引導を渡したり廃品にしたり殺したりすれば世は平穏になる byビーハイブ

>>631
あいつら何気に居住してた階層から50階層も下まで来て統治局狩りしてたよな。不意打ちとはいえ当時の霧亥ぼこってたし
ぶっちゃけ数があってもエルフ程度じゃどうにもならないレベルじゃねぇのか
655名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 13:23:21.58 ID:UpN1hS3h
銃弾で死ぬんだから殺せるはず たぶん
656名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 14:30:11.67 ID:QmprKkWU
弾も無限じゃないしな
材料がなくて整備もできないとくればさすがに・・・
657名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 15:57:17.99 ID:OQrGPgK/
・統治局の駆除系や建設者についての知識
・よく見ると機械化された身体
・網膜に表示される古い文字
・遺伝子の保存ができ、脳が無事で技師がいるなら再生可能
・人に擬態した統治局員(?)を射殺
・ボケ老人の霧亥さんに殴る蹴るの暴行

うん、たしかに化け物だ
でも 駆除系の外殻素材を貫通可能じゃない=ネットの力とは無縁な一般ピーポー だから、無敵の化け物ってわけでもないし
砂漠に転がってるカラシノコフとか拳銃ポジションだな
658名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 17:50:13.09 ID:0B2B2//z
6号戦車ポジションはいったい…
セーフガードが発動するのか

基本的に兵器の類が自律してるのがたち悪いな
人間は流されても自然死しないし
659名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 18:57:28.80 ID:k16l9UHk
ヴァルキリープロファイルよりルイズがプラチナを召喚

一生懸命懸命ルイズの身の回りの世話をしながら付き人としてほのぼの学園生活を送るプラチナ
ルイズがピンチの時には何処からかレナスが現れルイズを助け白の国ではウェールズの魂を選定
ジョセフが召喚したのはやっぱりレザードヴァレス


誰か書いてくれ
660名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 19:10:50.10 ID:htJijv9z
こちらトリステイン魔法学園前派出所
というのがふと頭を過ぎったがヴィンダール部本田と何故かタルブにある月光以外のネタが思いつかない
661名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 19:35:32.18 ID:JCAkgvHI
ヴァルキリープロファイルのレナス召喚ものは昔あったな
662名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 19:48:21.71 ID:Zw4Y7ViL
今更まとめあさってるけど、気に入ったやつが軒並み放置されてて泣ける
FFT、エリー、へっぽこ、創世etc
663名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 19:52:02.41 ID:L5WrzMBu

DEMENTO(カプコン/PS2)より、ダニエラを召喚。

ルイズにいくら文句を言われようが、叩かれようがダニエラは全く意に返さず人形のように淡々と仕事を続ける。
(それが逆にルイズの気に障る。ついでにダニエラの完璧とも言える体型にも嫉妬やコンプレックスを感じる)

同じメイドということで、シエスタとはそれなりに接触はあるがあまりにも人形みたいに機械的に働くので少し恐がられる。
でも、同じ平民ということでシエスタは仲良くなろうとがんばる。ダニエラも挨拶程度は行う。

疼痛概念や感情が欠如しているため、ガンダールヴは意味なし。

ルイズの世話をしていく内、次第に人間らしく生きているルイズを羨むようになり、やがてガラス片などの凶器を持って襲ってくる……。


あまり向かないかね。召喚されるには
664デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 20:35:06.02 ID:2Aj7fl/O
ハーイ、ミナサンコンバンワ。
デュープリズムゼロダイヨンワ。

コレカラハジマルヨ。


665デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 20:39:05.23 ID:2Aj7fl/O
第四話『爆発!黒色の魔法?』

ルイズとミントが揃って教室へと足を踏み入れるとほぼ同時に教室の一部からざわめきと明らかな嘲笑や侮蔑と言った感じの悪い笑い声が二人の耳に聞こえてきた。

(何かやな感じね・・・)
その不愉快な笑い声が自分達に向けられた物だとミントは直ぐに気が付くとつまらなさ気に肩を窄めてルイズの様子を伺った・・・
自分にはこの状況の意味が分からない以上ルイズに何かしらの要因があるのだろうと・・・

しかしミントの目に映ったルイズはその嘲笑を気にした風も無く堂々と自分の席へと歩いて行く。
いや…気にしていないのでは無く必死に堪えているのだ

「ミント、あんたは私の隣におとなしく座ってなさい。」
「へぇ、今回はあたしの席あるんだ?」

ミントはルイズに進められた通り椅子に座る。
するとルイズと自分の周り数席だけ他の生徒が寄りつかず離れて座っている事に気が付いた。
その事を再びミントが疑問に思っていると教室の入り口から中年の女性教師が教室へと入ってくる。

「皆さんおはようございます。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。この赤土のシュヴルーズ、
こうやって春の新学期に、召喚された様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ。」
と満足そうに生徒と使い魔を眺めるシュヴルーズ
「あらあら、中々変わった使い魔を召喚したようですね、ミス・ヴァリエール。」
と、ルイズとその隣に座っているミントへと注目する。

途端、教室のそこかしこから再びクスクスという笑い声が響く

「おいゼロのルイズ、召喚にまで失敗したからってその辺を歩いていた平民を連れてくるなよ。」
小太りの少年マルコリヌの発言に再び教室に笑い声が響く。
「違うわ!召喚は成功したわよ、こいつが現れただけよ!!」
マルコリヌを睨み付けルイズが抗議する

666名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 20:40:52.50 ID:ZxvJVpQx
支援
そういえばバイサル復活してるんだっけ?
667デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 20:43:47.40 ID:2Aj7fl/O
その二人のやり取りと周囲の様子にミントはさっきまでの状況を理解し、確信した。

(あぁ成る程、ルイズ苛められてるんだ・・・まぁこの性格じゃしょうがないか?)


「ミスタ・マルコリヌお友達をゼロ等と言って馬鹿にする者ではありません。
それに彼女が正式な使い魔である事はミスタ・コルベールが確認しています。
さぁさぁ、それでは授業を始めますよ。」


それからの授業は問題なく進められた。
『火』『水』『土』『風』の魔法の四大系統。失われた系統である『虚無』。
それら魔法と生活との密接な繋がり、そして始祖ブリミルの存在。
およそハルケギニアの系統魔法の基礎と呼べるカリキュラムにミントもとりあえずは耳を傾ける。
およそ勉学と呼べる物には拒否反応が出るが既存の物とは全く異なる新しい魔法が手に入るならそれに越した事は無い、特に興味を持ったのがブリミルの存在そのものだ。

(6000年前か…このブリミルって奴案外エイオンなんじゃ無いかしら?)
そんな予想にミントは大嫌いな勉強に何とか食らいついていく。そうして授業の内容は錬金の魔法の実演へと進んでいた。


「では誰かにやってもらいましょうか・・・・・・そうですねミス・ヴァリエール、お願いできますか?」
シュヴルーズの発言に一瞬で教室中が騒然となる、そして指名された本人であるルイズにも明らかに緊張の色が見て取れた
「待って下さいミセス・シュヴルーズ!ルイズにやらせるのは危険です!!!」
声を上げたのはキュルケだった。そうして他の何人かの生徒達からもそれに追従する声が上がる。
「ミス・ツェルプストー、何事もやってみないとわかりませんよ。それに私は彼女が非常に優秀な座学の成績を収めている事は知っています。」

そんな中、問答を無視してルイズは勢いよく立ち上がる。
「ミセス・シュヴルーズ、私やります。やらせてくださいっ!!」
その言葉にシュヴルーズはうんうんと頷き、感心してキュルケ含む大半の生徒は頭を抱えた。

「ではミス・ヴァリエールは前へ。」
668デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 20:49:37.57 ID:2Aj7fl/O
ルイズが教壇の前にたどり着くと生徒達はそれぞれ当然の様に姿勢を低くして机を盾にして警戒態勢へと移る。
中にはそそくさと教室の中から出ていく生徒まで居た
(周りの奴らの反応からして何か嫌な予感しかしないけどとりあえずは様子見ね。)
ミントも周りに合わせて同じように姿勢を低くし顔の上半分だけをのぞかせて教壇の前で杖を振りかぶるルイズを静かに観察する。

『練金っ!!』

瞬間、閃光と共に巻き起こる轟音と爆発!!

(これ・・・黒色の魔法!?)

想像を絶する爆発の衝撃に教室中は一瞬で阿鼻叫喚の絵図へと変わっていた
そんな中爆心地の埃と煤にまみれたルイズが一言呟く。

「ちょっと失敗したみたいね・・・」


「何がちょっとだゼロのルイズ!!」
「だから止めたのよ!!ゼロのルイズに魔法を使わせるなって!!」
「成功率ゼロ!!失敗魔法もいい加減にしろよ!!」
わき上がる同級生達からの批難の声にルイズは平静を装いながらもただ強く悔しさに拳を握り唇を噛む。それは誰にも気付かれない様に・・・

(成る程、ゼロってそういう意味か・・・ったく難儀な子ね〜。)

教室の惨状に呆れ返り、自分の髪の毛についた埃を祓いながらミントは今朝キュルケから聞いたルイズの二つ名の意味をようやく理解した。





結局ルイズの失敗魔法によってシュヴルーズが気を失い、授業の再開は不可能となり
それによってルイズには罰として魔法を使わずに滅茶苦茶になった教室の片付けが命じられた。
尤もまともに魔法が使えないルイズには魔法を使わずという条件など有ってない様な物であったが…

669デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 20:54:13.01 ID:2Aj7fl/O
「………」
ルイズは俯き無言のまま床に散らばる細かい瓦礫や木くずをひたすら箒で集めている。

そしてミントも又無言で手伝いとして吹き飛んだ机や椅子を元の位置に戻した後はルイズに習い箒を手にしてそれを手の平の上に立てて器用にバランスを取るという遊びに 興じていた。

「…何で何も言わないのよ?」
長い沈黙を先に破ったのは俯いたまま表情を隠したルイズだ。
「それってあの爆発の話?」
よっと。と言うかけ声と共にミントは箒を自分の頭の上に移動させ起用にバランスを取り続ける
「そうよ。私が魔法を使えば結果は必ず爆発。…私は貴族の癖に今まで一度もまともに魔法を使えた事が無いの。」
箒を強く握りしめながらルイズは唇を噛み本当に悔しそうに言葉を紡ぐ。
「ふ〜ん…だから周りの奴らもあんたの事馬鹿にしたりからかったりしてくるのね。」
「そうよ、その通りよ。あんたに散々偉そうに振る舞ったってこのざまよっ!!魔法が使えない貴族!
あんただって口に出さないだけで心の中じゃ私の事笑ってるんでしょ!?」

ルイズの中の魔法が使えないというコンプレックス、薄暗い心の闇がついさらけ出されてしまう…同時に潤んだ瞳から零れる滴が一つ

「なんで私の使い魔は風龍じゃないの?なんでサラマンダーじゃないの?何でよりによってあんたみたいな平民なのよっ!!」
ついつい思ってもいない…否確かに心の奥にある醜い想いがぶちまけられる…
この生意気な平民の使い魔はきっとこれ見よがしに魔法が使えない事をネタに私を馬鹿にするだろう、混乱気味の思考でそうルイズは考えていた。
しかしミントが発した言葉はルイズの予想とは全く異なる物だった…


「使えてるじゃ無い…魔法。」
「…え?」
ミントの発言の意味が分からずルイズは一瞬思考が停止する。

「あれだけの爆発よ?あの生意気な事言ってたデブだってあんたが目の敵にしてるキュルケだって、
というかあんたの魔法を失敗だなんて言ってくる気に入らない奴なんてその爆発魔法でぶっ飛ばしてやれば良いじゃ無い?あたしならそうするけど。」
ミントはさも当然の様にそんな物騒な事を言う。
670デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 20:58:28.86 ID:2Aj7fl/O
あまりの発言のぶっ飛び具合にルイズはまたしても惚けたままだ。

「そ・も・そ・も・あたしがこんな所に居るのはあんたの魔法のせいでしょうが!!言っとくけど
あたしが元居た場所に帰るのにかかる船や道中の費用、全部あんたに請求回すからね!!」
地団駄を踏んでミントはルイズをビシリと指さした。本来なら不敬である。


「………」
言葉を無くしたままルイズはミントの言葉を自分の中で反芻する。
「爆発魔法でぶっ飛ばせ」ミントは確かにそう言った。
いかんせん発想は物騒極まりないがあれを失敗では無く『爆発魔法』の成功として捉えればそれは正直認めたくは無いが確かに魔法だ。
何せ練金しただけでこの有様だ…仮に完璧にコントロール出来たとすればこと戦闘用の魔法としては最大級の驚異だ。

「馬鹿にされたままじゃ悔しいんでしょ?あんたの力認めさせたいんでしょ?だったら自信持ちなさい。
あたしもあんたのとばっちりで後ろ指指されるのはごめんよ。」
既に教室の片付けもルイズの足下の集まった細かい物をゴミ箱に押し込めば完了だ、思考に耽るルイズにミントが背を向けながら語りかけるとミントは「柄にも無い…」と一人ごちてそのまま教室の出入り口をくぐった。



そしてルイズが再び顔を起こした時その表情は先程とは打って変わって何か吹っ切れた様にすっきりとした表情へと変わっていた。
(認めさせてやるわよ!私の魔法を…)




__アルヴィーズの食堂

罰の教室掃除を終えたミントは朝と同じように再び厨房を訪ねてシエスタとマルトーの世話になっていた。
本来まともな人間ならば世話になった礼の一つとしてでもシエスタのこの後の仕事
つまりは生徒達への食後のおやつであるケーキの配膳でも手伝おうと申し出るところでは有るが…

671デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 21:02:36.35 ID:2Aj7fl/O
しかしミントは勿論そんな事はしない。むしろその時間が生徒と使い魔の交流も兼ねているとどこかから耳にするとじゃあ自分にもしっかりケーキを食べる権利がある筈だ!
とドタドタとルイズを探しに食堂へと走っていってしまった。都合が良い時だけはきっちり使い魔に早変わりである。

「おーいルイズ〜。」
「げっ、ミント…」
「あれ?ケーキは?」
「まだよ…ていうかあんた…いや何でも無いわ。」
ルイズは察した…ミントは例え他人から奪ってでもケーキを食べる気だと。

そんなこんなでミントが再びルイズと合流したのだがそれとほぼ同時に食堂の一角でワインボトルが人の頭でかち割られる様な音と共に何かしらの騒動が起きていた。
「何かしら?ちょっと見てこよっと。」
「ちょっと、待ちなさいよミント。」

ルンルンと軽い足取りで野次馬根性丸出しのミントを追いかけ、ルイズも騒ぎの中心を囲う人だかりに足を運ぶ。

「全く、君たち平民は配慮という言葉を知らないのか?」
「申し訳ございませんっ!!」
その中央では何やらフリルの付いたシャツを着たワインでその金髪を濡らした少年ギーシュが薔薇の造花を振りかざし地面に這いつくばり必死に謝罪を行うシエスタをネチネチと責め立てて居る真っ最中であった。
「君のせいで二人の少女の名誉は傷ついた…さてどのような罰を君に与えるべきか?」

ルイズは何事かと直ぐ側に居たクラスメイトに問いかける
曰く、 デザートを配膳していたシエスタは金髪の少年・ギーシュが香水のビンを落としたことに気がついた。
 元々奉仕精神の強い彼女である。当然それを見過ごすことは出来ず、良かれと思いビンを拾い上げるとギーシュに差し出した。
 しかしギーシュはそのビンを受け取ろうとはしなかった。それを受け取れば周囲に自分とモンモランシーとの関係がばれてしまう。
そしてそれはギーシュ個人の都合でよろしくない。その真意を彼女に汲み取れというのは酷な話だ。
 結局その香水がきっかけで彼の二股が明るみになり、彼は二股をかけていた少女二人から見事な制裁を受けた。
 ギーシュはその責任をこともあろうかシエスタに押し付け、今に至る。

「何それ?完全にギーシュの自業自得じゃ無い…」
672デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 21:07:22.43 ID:2Aj7fl/O
呆れて呟くルイズ。このままではシエスタが余りに可哀想なので助けに行くかと思い立ったルイズであったがその前にいつの間にかミントが自分の視界から消えた事に気が付いていた。



「…まったくこれだから平民は…」
「ん?・・・うわぁギーシュッ!!」
未だ続くギーシュの言葉責め、そんな中一番最初にそれに気が付いたのはギーシュの側に居た彼の友人マルコリヌだった。
「ん?…どうしっぼぁっ!!」
マルコリヌの声に反応して振り向いたギーシュ、その視界には何故か猛烈な勢いで飛来してくる靴の底。
顔面を襲う強烈な衝撃にギーシュの身体は吹き飛ばされ二度の地面との衝突の後、派手にガーデンテーブルを巻き添えにして無残に崩れ落ちる。


突然の事態に周囲の野次馬がざわめく。
そしてギーシュを蹴り飛ばした反動で中空で体勢を整えて華麗な着地を決めて見せた新たな騒ぎの中心は沢山の生徒が見守る中、
威風堂々憮然とした態度で尊大に言い放った。



「黙って聞いてれば全部あんたの自業自得じゃ無い!!あんたのつまらん言い掛かりのせいであたしのケーキがいつまでたっても届かないんでしょーがっ!!!!」

ケーキを配っていたシエスタがギーシュのせいで足止めされている以上ミントにとって最早ギーシュはぶちのめすべき障害でしかなかった。



「あぁ…頭痛が…」
その光景にルイズは襲い来る目眩に力なく天を仰ぐ。




(パンツ白だった…)
マルコリヌだけは今回どうやら幸運だった様である。
673デュープリズムゼロの人:2012/02/22(水) 21:13:21.30 ID:2Aj7fl/O
第四話以上で投稿完了です。
以前から決めてましたがギーシュ君はミント様の跳び蹴り犠牲者第一号に成って頂きます。

それではまた書き終わったら第五話投下しますね。

所で私はデモンズのオストラヴァさんの召喚を見てみたいです。

674名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 21:23:33.77 ID:nhTJU4jG
投下中リアルタイムで読んだのは初めてかもしれん
それにしても白だったな
675名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 22:33:52.23 ID:glosMlqQ
>>673
676名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 22:37:47.87 ID:EDHg0e8Y
ギーシュがテンプレなのがちと残念だが
ミント様の最大最強の攻撃である飛び蹴りがついに炸裂しましたな
677名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 23:03:01.05 ID:rrd6mZqf
乙〜
食堂で有無を言わさず蹴り飛ばすのはテンプレ展開なのか?w
678名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 23:42:22.61 ID:0B2B2//z



そういやアニメはどう決着するんだろう
679名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/22(水) 23:44:54.58 ID:Zw4Y7ViL
異界の扉みたいな脳筋ルイズ設定が個人的ツボだわ
使い魔の契約を無効反射されてルイズが強化されるのが必須条件なのかな
従属しえない=神的存在階級の召喚に限定されてバランス崩れそうだな
680名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 00:10:47.65 ID:V50n2znr
>>676
いや、シエスタじゃなくてケーキが届かないことに怒って蹴飛ばすのはテンプレじゃないんじゃ
681名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 00:15:15.71 ID:QH/vVtQJ
ベイダー卿から連綿と続く「シエスタが香水拾って、ギーシュがねちねちと絡む」までがテンプレだから
ギーシュをテンプレって言っても別にいいじゃない
ミント様がギーシュに飛び蹴りのことをテンプレとは言ってないぜ
682名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 00:32:31.47 ID:jvE9K0sh
>>678
アニメ開始前は、ガリア戦役に元素やらエルフやらが絡んできて、最後にジョゼフ倒して〆ってのがちょうどいい落とし所かと思ったものだが
正直ガリア編があそこまであっさり終わるのは予想外だったなぁ… 巫女衣装のルイズがプッシュされまくってたのに

で、結局まだ最終目標すら見えてないからなんとも
ロマリアが虚無集めてるっぽいからジョゼット出てきそうな感じはあるけど、フラグいろいろへし折られてるしなぁ
原作での風石云々とか四つの四とかも関わってくるかどうか
話の流れ自体は原作に近いから余計にわからん
683名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 00:54:20.41 ID:V50n2znr
>>682
最終的にサイトは日本に帰るのかとか、ルイズとはどうなるのかって部分だけ描かれるじゃない?
大隆起とかそれ以外の要素は原作に任せるんだろ
684名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 01:22:35.85 ID:IxA/RdDX
ここで感想にテンプレとか言い出す人は馬鹿なの死ぬの
685名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 02:41:09.33 ID:pQntPjMs
デュープリズムの人乙です

>>681 私見だが、ギーシュとシエスタの件は地の分で最小限のタッチだったよな
これは少しだけどテンプレ表現に変化をつけたとは言えないか?

少なくとも俺はギーシュの件がテンプレだなと気になることはなかった。あくまで私見だが
686名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 03:09:39.35 ID:j91a9xQM
ミント様はやはり良いものだな

もしもドラえもんの先生が召喚されたら
ギーシュ「君のせいで二人の乙女が〜という訳で決闘だ!」
先生「バッカモンッ!勉強もやらずに何をやっとるんだね
君は?廊下に立っとれ?!」
こんな風に身も蓋もないんだろうな
687名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 03:53:41.69 ID:LZEWLelw
>>673

それにしてもやっぱり白かwwゲームでもチンピラに飛びげり喰らわせるシーンでパンチラあったよね。
688名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 10:49:58.27 ID:b1kfhxrk
乙トラヴァ召喚
ソウルの秘密に近づいた化け物が不死身の放たれるな
あの世界の基準だと戦闘力の割にヘタレだけど
689名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 12:59:19.72 ID:U3+lHqu/
ミントの行動が予想通りすぎるwww
690名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 13:52:41.36 ID:jAN7wa+Z
>>678
アニメの戦闘シーンの安っぽさはひどいよな
やっぱりただのギャグアニメみたいに終わるだろ
ルイズとキスしようとしたらハーレムメンバー集まっての爆破落ちとか
691名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 14:39:52.33 ID:4+7qRC0X
最終回
「この続きは映画館で!!」
692名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 14:45:46.87 ID:U3t7Tmxr
黒ファンオストラヴァをデモンブランドでスタブしてやるのがマイジャスティス
693名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 15:07:46.23 ID:xG6K5Dqv
デモンズソウルから青ニート召喚か。
694名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 15:22:20.16 ID:+1OPBbG/
ムーンライトソードとダークスレイヤー、そしてエクセレクターも呼んでやれよ
695名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 19:26:11.74 ID:Tr1bRbsb
>>686
愛と勇気と正義の戦士、ミント様だからな
どこぞのクラゲ頭みたいにヘブンズホルンって何?
とか言いそうだぜ!
696名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 19:45:37.47 ID:akzU1fFH
>愛と勇気と正義

小早川奈津子様ですねわかります
697名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 19:52:34.81 ID:eGduF3Aj
柏餅だいすき
698名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 20:58:50.65 ID:efogyoGY
逆転裁判から成歩堂龍一を召喚

証拠を集めて、ギーシュの二股を証明させたり
証拠を集めてフーケを見抜いたり

バトルは格ゲーにも出てるからおそらく大丈夫だろう
699名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 21:12:57.15 ID:DnHe7j+E
あれはお祭りゲーだから許されてるだけだろ
原作見てて戦闘能力ありそうだとか思ったのか?
700名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 21:15:26.07 ID:+xz+3Xwg
なにマジレスしてんだよ
701一尉:2012/02/23(木) 21:20:22.99 ID:YwFKrW/a
なぜ宮本武蔵が召喚にした。
宮本武蔵「なんだココばどこだ?。」
702名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 21:51:52.64 ID:KRVwfHMq
歴史上の人物から召喚。
時代劇スペシャル五稜郭から榎本武揚を召喚。
トリステインの貴族社会とは相容れない思想だろうか?

バトル作品ではないのでギーシュとの決闘イベントは地味になるか
発生せず(ヤン提督もそうだったか?)になるかもしれない。

亡くなってから召喚されて若返っていた(山本勘助のパターン?)と
した場合、記憶の共有で榎本の生前について知ったときの
ルイズの驚きの方がインパクトがあると思う。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 22:05:02.06 ID:y95jSz0v
クトゥルフ神話からイス様召喚・・・発狂するな・・・
704名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 22:18:34.78 ID:eeGRfhvw
坂本竜馬召喚

「とりすていんの夜明けは近いぜよ」
705名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 22:30:25.08 ID:pV3G3MnL
ユダヤの金貸しを召喚
706名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 22:48:09.60 ID:4aoD5e5y
アニメ化がいつの間にか決定してた『貧乏神が!』から
エロス原動力の黒人僧侶ボビー召喚
でも基本的にガキじゃ勃たないのでどうなるか・・・
ルイズの鬱屈した虚無力で蘇民招来使ったらどうなるかとか面白いかもしれんけど
707名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 23:30:59.68 ID:frl3N59s
クトゥルー系はどうあがいても絶望しかない
708名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/23(木) 23:32:47.27 ID:GHRUCKGX
そこでタイタス・クロウかニャル子さんですよ
709名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 01:06:28.07 ID:TAV2QTUB
名前だけ借りたストパン以下の代物は入りません
710名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 01:45:29.70 ID:XsPkcPO5
沙耶・・・・終了のお知らせに変わりはないな
711名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 02:11:31.91 ID:UpOREM/O
一度呼ばれてなかったか>沙耶
712名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 03:04:44.98 ID:lpBA/8bV
呼ばれたも何も完結済みの作品じゃあないか

>>709
ラヴクラフト御大以外の作品は認めないというお方か
713名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 04:59:25.28 ID:m+ybj17z
>>712
お前はあれがクトゥルフだと思うのか?
714名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 05:10:52.10 ID:qaVpZ0D/
触手と書いてラブクラフトと読ませるよりはマシだと思います。
715名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 05:16:35.78 ID:YmOj1J5D
まさか後罪の触媒を讃来歌なしで!?
716名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 05:28:09.49 ID:qaVpZ0D/
次の単語にルビを振りなさい

触手(ク・リトル・リトル)
触手姫(ラブクラフト)
設定だけ見て、SAN値が削れるのは初めての経験だった。
717名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 07:47:23.86 ID:UpOREM/O
いいからウ○コ食ってなさい
718名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 09:09:39.88 ID:TAV2QTUB
さすがにニャル子とか最低限三国志してた恋姫以下だ
あれじゃ名前使っても客引きにしかならん

四大属性とかなんて霞むレベル



というわけでゼロ魔の皆さんを魚顔にしようか
719名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 09:11:20.35 ID:qaVpZ0D/
角からわんわんが召喚されるよ。
720名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 11:27:27.28 ID:ogK6llCd
バスタードのダーク・シュナイダーが、ルイズかテファに召喚される爆炎の使い魔はねえかにゃー
片っ端から女をやりまくって欲しい


あとロマサガ2の最終皇帝(女)がルイズに召喚される話を仕事中に妄想するのが最近の楽しみになっている
本当は一番大好きな帝国軽装歩兵皇帝陛下ジュディちゃんをコマンド待ちポーズの状態で召喚したいんだが、
七英雄倒す前にバレンヌ帝国の歴史が終わっちゃうから最終皇帝で
721名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 11:37:47.39 ID:ULGsHr04
ふーんで
722名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 11:41:57.07 ID:YQtUCTvj
ニャルが呼びたいならペルソナ2に性格良いのがいるじゃん。
723名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 14:14:11.30 ID:063xh4oS
DS召喚じゃあ好感度あげるイベントこなす前に学院が全滅するレベルだろ性的な意味で

>>718
ルイズが宇宙からの色を召喚して沙耶もビックリなBADENDを引き起こそうぜ
異形に変異した挙句に精神崩壊して生命吸い取られて逃げられなくって灰になって怪しげな光や毒発して無数に増殖した未知の色が宇宙に旅立ったりする話
724名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 14:33:40.68 ID:lz9a8uYj
ルイズ<ここでオーディンを召喚します
725名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 14:34:36.85 ID:ElZQiobH
>>724
戦え…戦え…
726名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 14:45:30.21 ID:nlJcBn4w
斬鉄剣座って避ける方の呼んだらオーディンから契約迫ってくるなw
727名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 15:28:10.42 ID:kWlDCWmT
そして手にした貴石からは、「アスガルドに向かえ」という声が日々強くなり、
ある日星の彼方より錆びる女が向かえに来て……
728名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 15:29:19.05 ID:qaVpZ0D/
召喚されたのは真っ白い鼬だった。
人間の自分が勝てそうにない威圧感を感じるルイズ。
やたらと鼠を敵視する白鼬は周辺の鼬を手下にし、オスマンの使い魔と仲間の鼠達との壮絶な死闘を繰り広げる。
729名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 15:44:25.47 ID:/3RTaGAi
クトゥルフ原典なら、邪神ガタノゾーアを召喚すればいい。世界が暗黒に染められる中で、テファと子供たちの心の光が奇跡を呼ぶ
730名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 16:22:38.44 ID:TAV2QTUB
異形の神々「だがそんなものは打ち砕く」
731名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 16:40:16.66 ID:WzPk+TjH
邪神ならガメラ3のイリスでもいける
ルイズかタバサと野外触手プレイを敢行
732名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 17:30:39.50 ID:RjLIKcYH
至郎田シェフとマルトーさんの情熱が完成させたDCS
それを飲んだシエスタがタルブ村を救うとかなんとか
733名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 17:38:09.89 ID:Z3FA7Jw/
>>729
光の巨乳という言葉が思い浮かんだ
734名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 18:02:09.08 ID:sZY3LzLZ
闇の巨乳とか狂気の巨乳もいるんだろ

>>731
で、学院の全員を食い尽くして成長か
いじめられてるってところからして、ルイズが適任だな
735名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 18:03:52.05 ID:vvU94EVP
光の巨乳伝説
736 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2012/02/24(金) 19:15:23.29 ID:xU+4oAEB
剣心召喚が読みたい、読みたい!
737名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:03:09.76 ID:pWQM/L9I
>クトゥルフ原典なら、邪神ガタノゾーアを召喚すればいい。
それって姿を見ただけで生きた脳髄だけ残したミイラになるんじゃ・・・
738名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:12:38.29 ID:kWlDCWmT
クトゥルフネタなら佐野史郎を呼ぶと良いよ。
博覧強記で魔術にも詳しそうだから、きっとルイズの役にたつ。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:24:15.28 ID:kkVronG6
荒俣宏じゃいかんか?
740名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:25:57.15 ID:tb2+UPV2
>>737
正確には体表と筋繊維がミイラ化して、
脳と循環器系は生きている状態。
741名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:27:11.30 ID:+nqOtrrv
>>728
果たして、モートソグニル一行は白い悪魔ノロイを倒すことはできるのか…!?
って人間必要ねーじゃんw

どうせなら使い魔同士で徒党を組んで《使い魔大戦》てのをだな
742名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 20:49:43.24 ID:U74fiq+i
ノロイ様の兵糧攻めマジ鬼畜。

洋物だとよくラブクラフトが挙がるけど、キング作品から召喚てないのかな。
ダークタワーからエディ召喚とか、ファイアスターターからチャーリー召喚とか、
クリスティーンからクリスティーン召喚とかetc
743名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 21:30:36.40 ID:hLoPewcF
>>737
ウルトラマンティガのガタノゾーアじゃね?
744名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 21:40:19.51 ID:TAV2QTUB
それはそれで不味いな
745一尉:2012/02/24(金) 21:48:16.34 ID:BilMVPdy
織田信長を召喚にする。
746名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 22:06:57.10 ID:Z3FA7Jw/
ヘルレイザーからパズルボックス召喚、なんてネタふりは前に見た気がする
747名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 22:47:41.83 ID:zWsSEb+Q
>>742
ミザリーのおばちゃん召喚しようぜ。

監禁されるルイズ……
748名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 23:15:05.18 ID:NkSoaCt4
>>740
なにせ、ダイブハンガーが一瞬で闇に飲まれたからな

ギーシュ「僕がティガだ」
ルイズ「私がティガよ」

TRPGでクトゥルフだと、ニャルラトホテプの化身な医学部志望の高校生も退魔聖徒会リプにいるぞ。
医学系スキルと回復魔法が得意で、魔物に変身できるし、政治的な腹芸もできる…
あれ、結構理想的な使い魔じゃね? 特にちい姉様を助けてくれそうな点で。
問題は嫁と養女がいることか。
749デュープリズムゼロの人:2012/02/24(金) 23:20:04.26 ID:+oh7Vsx+
第五話完成したので最終添削したらまた明日の夜に
投下しますね〜。


書いてみて初めて分かりましたが長編完結させてる人本当すげーわ。


750名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 23:30:59.87 ID:XUfnqvA1
実際に書き込む時だけ言えよ
751名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 23:45:38.81 ID:T+TKAk2R
>>750
いちいち突っかかってんなよ
バカじゃねーの お前
752名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/24(金) 23:48:41.95 ID:xDOUZ1Tt
いいから投下する時だけにしろ
753名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 00:16:03.16 ID:GHnCCpTA
投下する時だけが無難
何の関係ないのに作者が自己主張するのはウザいだけだし
754名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 00:20:23.01 ID:W9pujyI7
とりみきの『御題頂戴』をネタにしたとする。

絶えず某かを書き込んで御題をかき集めないといけない。


……世の中には明らかな荒らしを拾ってまとめてネタとして昇華しちゃう偉人がいるしなぁ。
755名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 02:25:22.19 ID:iffDHbT3
ジャイアントロボから、衝撃のアルベルト召喚・・・
ダメだ、どの十傑集召喚しても
無双しやがるし、ルイズのいう事を聞かせられる気がしねぇ・・・
756名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 04:52:48.52 ID:i6+WInqX
クトゥルーか
退魔針からザグナス・グド召喚……ギーシュが顔剥がされるな
藤原紅虫を呼ぼう
757名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 06:52:03.40 ID:/xOOxsES
>>742
キングも結構クト物書いてるけどな。
758名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 09:43:19.46 ID:3U6aQyuJ
スレによっては夜の○時頃投下するとか言う事あるがここは違うのか
多分いつでもPC使えるわけじゃない作者とかと被らんようにする為の措置だと思うが
つーかここ何ヶ月かゼロ魔スレピリピリし過ぎだろ。皆すぐ怒る
759名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 09:48:56.83 ID:FXCa+vc+
ちゃんと見通しもって細かく指定してやるならいいだろうけどねぇ

今のところただの痛い奴にしかなってない
760名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 09:54:00.27 ID:iffDHbT3
まあ、波風立てないように10分前ぐらか
完成して上げれるようになってから予告が一番だろうな
761名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 10:03:48.31 ID:ZxjIJMEr
出る杭は打たれる、だな
馴れ合いも自分語りもせず、淡々と投下して作品のクオリティだけで勝負するのが理想的
762デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 10:09:03.67 ID:PaA5IYwv
ごめんねこれからは気を付けるよ。(´;ω;`)


763名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 10:13:09.97 ID:dpmsZfNo
>>762を最後に、ということだろうと脳内補完
764名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 10:51:16.37 ID:jNJqk6QT
なんか、お前ら読んでやってるから感謝しろとか思ってない?
上から目線で何様だよ お前ら
765名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 11:01:44.95 ID:BqfWUi8V
前日ぐらいから告知とかここでも最初期の昔からあるんだが
にわかなのに仕切りたがりって感じの痛い奴が沸いてるんじゃね
766名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 11:15:20.16 ID:b374Z0mt
>>762
気にしなくていい、そっちは何一つ間違ったことなんてしていない
俺はそっちには敬意を払ってよまさせてもらっている身だ

そもそも、俺たちがそっちに作品を見せてもらった上に
散々いいたいこと言ってるのに、そっちが言うなじゃ釣合わん

そのくせ、もっと投下が増えて欲しいなんていんじゃスジが通らんからな
767名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 12:23:59.99 ID:7Yr3XvNs
>>755
だったらBFを呼べばええんや!
・・・完全にバベル二世の人と被るな
768名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 12:28:13.74 ID:aGCP0ECf
バトルフィールド
769名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 12:50:26.35 ID:Z1b93LaL
インチキ効果もいい加減にしろ!
770名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 12:51:16.62 ID:/xOOxsES
>>764
一部の馬鹿が騒いでるだけだ。
馬鹿は常軌を逸したことするから目立つんだよ。
771名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 13:27:40.54 ID:ZyCbmsaM
まー必要以上に書き込まないのが一番かな。
是非はどうあれ少なからず叩く人間もいるのは事実。
それが火種で既に変な流れだけど、もっと酷くなるかも知れないしぶっちゃけ損しかない。

より多くの人に気分よく楽しんでもらいたいと思うのなら黙ってるのが一番。
「別に間違ったことはしてない」で、荒れるのは本意ではなかろうて。
772名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 15:04:46.33 ID:c2qxZIAM
>>742
ダークタワーならスザンナがいいな
ほかキャリー、魔性の猫、ペニーワイズの相性が良さそうだ
773名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 15:49:37.73 ID:pHOcxypT
>>767
BFと聞いて、脳裏によぎったのは
悠久幻想曲3のブルーフェザーだったw


ルシードとか、メチャクチャ性格あわなそうだよなぁ……
774名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 15:52:54.87 ID:Iqvqjtjq
BFBCの面々を召還だな
775名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 16:25:31.72 ID:LJjFfDjH
BFだとブレスオブファイアを思い出した
あの作品はほとんど亜人ばかりだよな
776名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 18:03:36.36 ID:eKjvUASI
海をゆく 空を飛ぶ バートルーフィーバー 5つの命が一つに踊る
777名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 18:54:42.98 ID:vGgYRVgx
アニメいろんな意味ですごい展開だな・・・
778デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 19:50:06.50 ID:eCJ00lJm
こんばんは。
先ずは昨日今日と皆さんをやきもきさせてごめんなさい。
明日何時っていう確約が難しいのでああいう書き方で投下予約みたいなつもりでした。

とりあえず第五話これより投下させて貰います。
779デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 19:53:22.51 ID:eCJ00lJm
第五話『ギーシュからの挑戦』

「ぶへぇ……この僕を足蹴にするとは…」

観衆の中、ミントの跳び蹴りによって無残にも食堂の端にまで吹っ飛ばされたギーシュがヨロヨロと起き上がり鼻血を拭ってミントを睨む…
「…君は確か…げふっ…ゼロのルイズが召喚した平民の使い魔だったね。フフフ…成る程…流石は平民、
子女でありながら気品の欠片も無いまさに平民の蛮行と呼ぶに相応しい振る舞いだ。」
だいぶミントの蹴りが答えているのだろう。ギーシュは足をガクガクと震わせながら精一杯の強がりと共に再び他の生徒達に囲まれた騒動の中心まで何とか歩いて来ると胸元から取り出した造花の薔薇の杖をミントに突きつける。

「このギーシュ・ド・グラモンいかに君が女性とて君の無礼な振るまい許すつもりは無い!!覚悟したまえ!!」




「シエスタ、大丈夫?あんた全然悪くないんだからあんなバカほっとけば良いじゃん?」
「そうはいきません、我々平民が貴族様に逆らうなど…」
だがミントはポーズを決めて声高らかに宣言するギーシュを完全に無視して未だ怯え伏せたままのシエスタの身体を引っ張り起こしてスカートに付いた汚れを軽く祓ってやる。
その様子にギーシュの顔は朱を帯び、こめかみにピクピクと青筋を浮かべていた。
「無視するなよっ!!ぐ…最早我慢成らん唯ですむと思うな平民!!」
ギーシュの怒りに染まった声色にシエスタがビクリと震え、顔を青ざめさせる中ようやくミントはギーシュの方へと向き直り、片手を腰に当ててゆっくりとわざとらしく溜息を吐く。
そうして軽くその場で飛び跳ねると背中から愛武器デュアルハーロウをしっかりその手に握り込んだ後ビシリとその手をギーシュへと向ける。
「唯じゃ済まないって、どうするつもり?こちとらルイズのせいでストレス溜まりまくってんのよ。喧嘩なら受けて立つわよ。」
ふと、ミントの左手に熱が走る…契約の時の様な痛烈な物では無く柔らかで力強い熱…

「良いだろう!このギーシュ・ド・グラモン君に決闘を申し込む!!だがここは貴族の食事の場、平民の血で汚すわけにも行くまい。ヴェストリの広場で待つ、そこで決着をつけるとしよう。」
金髪を掻き上げながらそう言うとギーシュはミントが逃げ出さないようにと友人の一人に監視を依頼すると別の友人を連れだってすたすたと食堂の外へと歩いて行った。

780名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 19:55:46.86 ID:E7qXWHeT
支援
デュアルハーロウってフラフープだっけ
781デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 19:57:13.19 ID:eCJ00lJm
それを追いまたぞろ我先にと周囲のギャラリーも面白い見物だとヴェストリの広場へと移動していく。
「決闘ね〜上等じゃ無い…ボコボコにして地獄巡りをさせてあげるわ。」
ジト目でギーシュの背中を見送り自信ありげに笑うミント…


「コラーッ!!このバカ、あんた一体何考えてるのよ!!」
そんなミントに怒鳴り散らしながら猛スピードで掴み掛かるルイズ。
「うっさいわね〜。何をそんなに怒ってる訳?」
「うっさいわね〜じゃないわよ!!何でギーシュと決闘なんて事になってんのよ!?」
「知らないわよあのバカがシエスタに絡んでたからちょっとぶっ飛ばしてやっただけじゃ無い。」
「何であんたはそう…もう、とにかく直ぐにギーシュに謝ってきなさい!!」
「…ねぇルイズあたしがそんな事すると思う?」
「ぬっ…だから…もう!!……だぁーーーーーーーーっ!!」
駄目だこいつ早く何とかしないと…最早言葉も出ないルイズは頭を掻き毟りながら絶叫し自分の使い魔に心底呆れ返る…

「ミントさんっ!!貴族様との決闘なんて無茶です。殺されてしまいますよ!」
そしてやっとルイズから解放されたと思えば今度はシエスタがミントに涙ながらに縋り付く。

そんな二人の様子に対して今度はミントが溜息を漏らす。
何だかだここに来てまだ一日しか経過していないと言うのに溜息の量がやばい。
「あんた達さぁ…あたしの事舐めてない?」

こう見えてミントは相当に強い。特にルール無用の戦いなれば時には非道な手段さえ躊躇いなく行使する、そういう強さも秘めている。
かつて敵対した魔道の申し子たる男もミントを見てこう言った。
『欲望は人を強くすると言いますが殿下はさぞ欲が強いと見える…』
そう、まさにミントという少女はそう表する通りなのだ…

勿論魔法学園の人間はルイズ含めそんな事は知るよしも無い。

「ねぇ、あんたヴェストリの広場って所まで案内して頂戴。」
見張りに残っていた男子生徒に声をかけミントは堂々と広場へと歩いて行く。

「ど、ど、どどうしましょうミス・ヴァリエール。私のせいでミントさんが。」
顔を青くしてシエスタが震えながらルイズに訪ねる。

782名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 19:57:31.52 ID:EU3Qb+49
sien
783デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 20:01:07.22 ID:eCJ00lJm
「…私だって知らないわよ。もうこうなった以上はどうしようも無いわ。少なくとも私には見届ける義務があるからシエスタあんたは先に医務室の手配をしておいて。」
言ってルイズは自信満々に歩いて行くミントを慌てて追いかけた。







_____学院長室

ここでは二人の男性がとある重大な案件について談義を交わしていた。
一人は召喚の儀式の引率をしていた教師コルベール
もう一人は齢300歳とまで噂されるトリステイン魔法学園学院長オールド・オスマン

「成る程のぅ…この件わしが預かる、王宮にも報告は控えろ。誰にも他言無用じゃ。」
「分かりました…しかし本人達にもですか?」
「うむ、何にせよ情報が少なすぎるでの。大きな力を持つならばその自覚と責任が必要になる。
わし等は知らなすぎるあの使い魔の人となりは勿論ガンダールブのルーンについてもじゃ…」
髭を擦りながらオスマンはを細め思慮深くコルベールに語る。

あの日、ミントが召喚されルイズとの契約を結んだ後
ミントの手に浮かんだ見慣れぬ使い魔のルーンを書き写していたコルベールが昨夜から図書館で様々な文献を読みあさり調べたところミントの左手のルーンの正体が発覚した。
しかしその正体が何とも問題だった。
それはかつて始祖ブリミルが使役したと伝わる伝説の使い魔『ガンダールブ』のルーン

そしてコルベールはこの明らかに自分の手に余る案件を偉大なるメイジオールド・オスマンに報告していたわけだ。

二人が揃ってこの降って湧いた突然の難題に頭をひねっていると学院長室の扉に二度三度静かなノックの音が響き渡った
「学院長、ロングビルです。ご報告があります失礼してよろしいでしょうか?」
「おぉ…おぉ、構わんよミス・ロングビル。」
「失礼します。」
扉を開けて部屋に入ってきたのは学院長の秘書ロングビル(25)因みにコルベールが年甲斐も無く恋をしている女性でもある。
784デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 20:05:26.25 ID:eCJ00lJm
「いやー、さっきまでコルベール君と二人きりじゃったからの、潤いが足りず毛根が死んでしまうところじゃったよ。して、報告とは?」
先程までとは打って変わってオスマンは喜色の顔でロングビルに訪ねながら使い魔のネズミモートソグニルをロングビルの足下に走らせる。
「現在ヴェストリの広場にて生徒達が決闘騒ぎを起こしております。
また、教師が止めようにも騒ぎが大きすぎ恐らく終息がやっかいである為宝物庫の秘宝『眠りの鐘』の使用を許可して頂きたいのです。」
冷静に一息で報告を済ませるとロングビルは足下に寄ってきたモートソグニルを軽く足で蹴り祓う。
「それとセクハラは止めて頂けますか?」
「うぅ〜む…残念じゃのう。まぁ決闘の方は所詮子供の喧嘩じゃて眠りの鐘は必要ない。
事が落ち着いた後で当事者に罰を与えてやれば良かろう、放っておけば良い。因みに決闘なんぞしておるバカはどこの誰じゃ?」
オスマンの言にロングビルは一瞬眉をひそめるも再び淡々と報告を始める。
「土のライン二年のギーシュ・ド・グラモンです。」
「グラモンの倅か。あそこの一族は色恋が好きな連中じゃからのぅ。そういえば二人の兄もグラモンの奴も学園に居った頃は女の取り合いで決闘騒動を起こしておったわ。それで…相手は誰かね?」
オスマンは懐かしむのと同時にグラモンの家系に呆れるているとここで初めてロングビルが言葉を言い淀む。
「そ、それが……ミス・ヴァリエールの召喚した使い魔、平民の少女だそうです。」

ロングビルのその言葉にコルベールとオスマンは顔を見合わせ、互いの考えを即座に理解した。
「あい分かった。それならばギーシュ・ド・グラモンが分別のある貴族であれば大事には成るまい。ミス・ロングビル、君は一応医務室の手配を。」
「畏まりました。」


ロングビルの退室を確認してからコルベールは即座にオスマンに詰め寄る。
「学院長!!」
「分かっておる。ミント君と言ったか…早速彼女がガンダールブなのか見極めるチャンスが来たようじゃの…」
オスマンは自分の机から水煙草を取り出し咥えた後、部屋の隅に立て掛けてある大きな鏡に被せられた布を魔法で取り払い、短く呪文を唱える。


そこにはヴェストリの広場で大勢のギャラリーに囲まれた状態で睨み合うギーシュとミントの姿が見下ろす様な俯瞰視点で映し出されていた。

785デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 20:09:15.44 ID:eCJ00lJm
___ヴェストリの広場

「フッ、逃げずに良く来たね褒めてあげよう。」
「逃げる?冗談っ。あんたごときに逃げ出すようじゃ遺産のゲットなんて夢の又夢よ。」
ミントとギーシュのお互いが睨み合う。
ルイズはそれを心配そうに観衆の最前列から見ていた。




「ルイズの使い魔大丈夫かしら?御陰で食堂じゃ笑わせて貰ったけどアレギーシュの奴、
相当切れてるわよ。私あの子気に入ってるの…やばくなりそうだったら助けてあげないと。ね、タバサ。」
ミントの心配をしている人物はここにも居る。キュルケは広場の外壁の上から二人を見下ろしながら隣に座り本を読みふける親友のタバサに声をかけた。
「…多分不要。」
タバサの返答にキュルケは二つの驚きに目を丸くする。
基本的に本を読んでいる最中はタバサは自分が話しかけても殆ど返事をしてくれない。
そしてタバサはミントへの助けは必要無いと断じた。それはつまりそういう事なのだ。
「珍しいわねタバサ、まぁあなたがそう言うならそうなんでしょ?」



「先ずはルールだ。決着の付け方だがこれはどちらかが参ったと言いそれを勝者が認める事。」
「オッケーよ。」
「そしてもう一つ、僕に限って言えばこの薔薇、僕の杖なのだがこれを僕が手放しても君の勝ちとしよう。」
(尤も最初のルール…これは君によりきつく仕置きをする為のルールなのだがね…)
ギーシュはミントに見せつける様に薔薇を高く翳した後その薔薇で歪めた口元を隠しミントを睨む。


「僕の二つ名は『青銅』。故に魔法を使って君のお相手をさせて頂く。卑怯とは言うまい?」
今度こそギーシュも魔法を唱える為に杖を翳す。
「全然問題ないわ。」
平然と言ってミントもデュアルハーロウを握る、それが決闘の開始の合図。
(やっぱりだわ…武器を握ると力が漲る…ブックの魔力を取り込んだ時程じゃ無いけど
ルイズの使い魔にされた影響?この左手のルーン何かあるわね?)

786デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 20:13:36.27 ID:eCJ00lJm
一瞬の思考…そしてミントとギーシュの間にはいつの間にか一体の青銅で出来た女性のゴーレムが立っていた。
「行けっワルキューレ!!」
ギーシュの合図に合わせて青銅のゴーレム、ワルキューレがミントへと拳を振りかざし猛然と突進する。
空洞とは言えその身体は紛う事なき金属製、唯の人間では抗え無い驚異である。

だがミントはギーシュのワルキューレの拳を見切った様に軽やかなバックステップで躱してみせると強く地面を踏み締め、今度はミントからワルキューレへと一気に飛びかかる!
「遅いっ!!」


『ドゴンッッ!!』

鈍い衝突音と共にワルキューレの身体が僅かに浮き上がりその背が勢いよく広場の芝生を押しつぶす…
「大した事無いわね…」
つまりミントは蹴り飛ばしたのだ。純粋な蹴り上げだけで…

どよめく観衆、しかしギーシュは余裕の顔を崩さない。
「やるね…そんな蹴りをさっき僕は喰らったわけだが正直ぞっとするよ。だが甘い、その程度じゃ僕のワルキューレは倒せない…そして…」
ギーシュの薔薇の造花から六枚の花びらが散り、それはそれぞれ剣と盾を携えた六体のワルキューレへと変化した。
「ワルキューレはその一体だけでは無い。さぁ、跪いて泣いて謝れば僅かに君の罪酌量してあげようじゃないか何せ僕は優しいから!!アハハハハ!!」
同時にミントに蹴り飛ばされ顎がいびつに変形したワルキューレも立ち上がり一歩ミントににじり寄る。

「(ドールマスター達が作ってたパペットみたいな物か…)仕方ない…」


ミントは呟いて一度深呼吸して集中する。
ギーシュはそのつぶやきを聞き諦めたか?とも考えたがその考えは直ぐに否定される。


二つのデュアルハーロウがミントの左手に握られ、空いた右腕は肩の高さから自分の後方へと僅かに下げられる…そう、デュアルハーロウを弓に見立てればそれはまさに矢を番えて引き絞る様もに見える。

787名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 20:18:37.93 ID:aMdRmN6v
支援
788デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 20:19:58.52 ID:eCJ00lJm
「ギーシュって言ったっけ?確かあんた魔法は卑怯じゃ無いって言ったわよね??」
ミントの笑いながらの問いかけにギーシュは言いようのない不安の様な物を振り払う様に答える。

「あぁそういった!!そうそれがメイジだ、君の様な魔法も使えぬ平民等と対等に戦いなどする訳が無いだろう。
さぁ何をする気か知らないがこれで止めだ!ワルキューレ!!」

再び一体目のワルキューレがミントに肉薄する。
そして残りのワルキューレも動き出した。これでは一体目を退けても残りのワルキューレの餌食である。

これで決着だと誰もが思った瞬間、ミントはその口元をいやらしく歪めて歌う様に言い放った。




「だったらあたしも魔法を使うわ。」





瞬間、ワルキューレは幾つもの光の弾丸に貫かれて美しかった姿を一瞬で不細工なガラクタへと変える…




ミントは目を丸くしたギーシュと周囲の野次馬を見やり満面の笑みを浮かべる。


そうマヤ曰くの『小悪魔的』では無く『悪魔的』な笑みを…
789デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 20:23:43.54 ID:eCJ00lJm
第五話これにて終了です。
今回でギーシュとの決闘を終わらせたかったんですがなんやかんやで長く成ってしまいました。
誤字についてはwikiの方で修正しておきます。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 20:27:13.78 ID:RPJBITUn
乙。ギーシュさんラインか。この時点でのギーシュ強化は珍しいな
「ドットだけど戦闘技術はキュルケに次ぐ」ってのは以前見たが
このギーシュはどのくらい踏ん張るかな
791デュープリズムゼロの人:2012/02/25(土) 20:43:18.64 ID:eCJ00lJm
すいませんギーシュのラインってのは普通に間違えですww
792名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 20:49:34.08 ID:Zvmqfzoh
ちょっとワロタw
793名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 20:51:48.73 ID:Sd6ihJEx
乙、これはスプレッドかな?
サテライト(自動攻撃するビット)とかトライン(三方向に誘導弾)
とかが地味にエグいミント様、まあ、一般的には蹴りゲーになるがw
794名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 20:57:04.17 ID:8dK3HUEk
>>789 乙ですー
795名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 21:14:47.26 ID:D/Y+o4s2
ん〜ゲームやってみたくなった
796名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 21:26:33.90 ID:UG29kuf9
黒と緑愛用してたな
特に黒は燃費悪いけどビジュアルが好きだわ
797一尉:2012/02/25(土) 21:49:09.04 ID:/L+M5Zob
盗難車を召喚にする。
798名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 21:58:29.09 ID:UjAw4T4R
黄色乱射して遊んでた記憶しかないわ
799名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 22:26:43.40 ID:05xtJj11
おつおつ

ミント様はほんまブレんお方やで
800名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 22:45:26.56 ID:DPtsw6xi
クリア後ってことは遺産依存の最強魔法以外はすべて使えるのかね
遺産のも使えるんだっけ
801名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/25(土) 23:23:26.80 ID:Z1b93LaL
ブレスオブファイアなら、モモに弟子入りするコルベールの図が見える
802名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 00:07:54.76 ID:L48VFw8c
カタカナで書くと逆に情けないな
803名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 00:23:25.50 ID:JqLuAP32
ワルド<僕は何度殺されればゆるされるのか
804名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 00:26:26.83 ID:XUxtK4oo
幼女の心を騙し利用しあげく道具を捨てるかのように命まで奪おうとするのは大罪だろ。

幼女だが何か?
805名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 00:31:30.53 ID:9LyQ469a
>791
いや、それくらいの改変は有りでしょ。
土と風にしてワルキューレをより早く動かせるけどあんまり意味が無かったとか。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 00:59:19.67 ID:nz17e6Vu
もちろん改変はありだけど、今の場合作者さんの側に改変するつもりは無くて単にミスだったってことでしょ?
807名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 04:15:21.31 ID:FqYfOLrv
「無い」の用法が気になって仕方がないのは俺の勉強不足なんだろうか
808名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 05:39:42.84 ID:baFreQnC
勉強のしすぎだよ
809名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 06:58:58.86 ID:tglKKNdJ
仮面ライダーの続編が作られているのは藤岡さんが骨折したというミスから
製作陣が2号ライダーに佐々木さんを採用したからだ!

つまりこのまま失敗を活かしてもいいんじゃなイカ?
810名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 10:04:25.67 ID:iJ1JQ0Sg
「つ、強いな…あの娘(ルイズ)の何が…貴様に…そのような力を…与えるのだ」
「パンを一つ貰っただけだ」

侍道2の無個性主人公は喚びにくいか(一応、関連書籍のオマケに人格描写がされてる短編があるが)
811名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 11:41:13.33 ID:nz17e6Vu
お、ウルトラの人の代理投稿来てるね
今日は早いな
812名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 11:46:02.28 ID:r7iSDT+3
>>810
主人公としては無個性というには個性がありすぎる
813名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 12:05:05.84 ID:aqjSQHDL
それだと修羅の刻の陸奥雷でもいいんでね?
もっとも雷の話しはアレで完成してるからなあ
814名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 12:12:33.65 ID:wS0sXbBs
「干肉一つのために命を捨てた」って何も知らないで聞くと酷い話だよな
815名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 13:09:39.44 ID:8avfUckB
>>800
金とコスモも使える
故に二周目はミントさま無双
816名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 14:36:16.15 ID:WdfsiS8i
>>813
雷はエタったのがなかったっけ?
陸奥圓明流喚ぶとデルフの出番がなくなっちゃうな。
817名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 14:42:49.40 ID:pqWHKt3Q
なのはA'sの映画7月公開みたいだから
そろそろなのは召喚の人も書いて欲しいなぁ
818名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 14:57:15.44 ID:L48VFw8c
一方、アニメ化の話も映画化の話も音沙汰なしのblameは書かれていた
819名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 15:05:59.24 ID:XvTA1UQh
blameもう一つあるよな。あっちも待ってるぜ
バイオメガの五宇召喚のやつも
820名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 15:28:56.94 ID:r7iSDT+3
BIOMEGAのは、空飛んだり地下に逃げたりするACやACの登場人物ほどじゃないが、顔以外決まってないようなキャラいじってるからなぁ…

>>818
アニメ化って
ttp://www.youtube.com/watch?v=KHoXnfpz-rk
のあたりのことなら、これも確か予定は映画のはずだぞ。CGのとは別で
821名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 15:35:31.67 ID:GBOJSUnm
BLAME!は難しいよなぁ
いっそのこと魔法学院を舞台にしてブラム学園やっちまった方が
822名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 15:44:31.16 ID:r7iSDT+3
そのネタで短編書くだけなら結局変わらんような
てか五宇とかBLAME!の雑魚珪素ポジだし、例えるならバイオのオープニング中に死ぬ隊員召喚並みの難度だな
823名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 15:48:24.15 ID:L48VFw8c
それは逆に優しいレベル
824名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 17:35:22.20 ID:ao2F3TH6
>>810
様々な感情がこもった笑い声だったなぁ
825名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 18:21:42.99 ID:5Dzh7DSN
あしたのジョーの丹下段平ネタではボクシング対決があり
原作設定が変わっていたと思う。

坂本龍馬の名前が出ていたので、幕末から人物を召喚とすれば
トリステインは攘夷派・開国派のように2分されているとなるだろうか?
ヴァリエール公爵は王の庶子であるから幕末で言えば
徳川御三家の一つのようなものだろうか。
826名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 18:29:43.46 ID:Im8rS0Sr
歴史上の人物の召喚を言い出す慮外者がいたら即座に、そして全力で叩いたのが昔のこのスレ。
今はそれが何故いけないのか、どのような場合なら許されるのかという実質論に立ち入るまでもなく、誰も注意すらしないという寂れ具合。
ゼロ魔Fが放映中とは思えない過疎っぷりに泣ける。
827デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 18:59:35.49 ID:FmjRaHl8
今日は仕事が休みだったので一気に第六話書き終えました。
これから投下していきまーす。
828名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:02:22.47 ID:HzMcm32v
ma-ttemasita
829デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 19:02:49.24 ID:FmjRaHl8
第六話『東天王国第一王女』

「だったらあたしも魔法を使うわ。」

決闘を見守っていたルイズは我が耳を疑った…

ミントがそう言った瞬間、握られていた二つのリングはその手を離れ
その場でそのまま宙に浮くとミントの左手の掌を軸に不思議な事に高速で回転を始めた。


そしてその中心はあらゆる色の光が複雑に、又絶妙に混合された様な輝きが螺旋を描く様に蠢きながらミントの手に収束していく。
それを見てギーシュが、ルイズが、キュルケが、オスマンが…ミントの姿を見ていた誰もが共通した認識を抱く。


『あれは決して始祖の授けた系統魔法では無く全く異なる魔法だ。』…と



そうして高速回転するデュアルハーロウを媒介にミントの手元の魔力の螺旋から光り輝く
『白い』魔力の弾丸がまるで弓矢を射る様にして連続して打ち出された。



白色の魔法タイプノーマル『バルカン』


ミントの魔法は元と成る各色の魔力に撃ち出す型を組み合わせて形作られる。
例えるならば弓とその番える矢をそれぞれ状況や目的によって切り替えるのだ。
今まさにミントがワルキューレに放った物はミントの扱う魔法の基礎の基礎、純粋な魔力の塊を弾丸にして射出しただけでである。

弾丸はゴーレムに衝突するとそのままその身をえぐり弾ける様に消滅した。

(貫通はしてないって事はほぼ青銅と相殺か…軽く撃ってこれってのはやっぱり異常ね…)
ミントは崩れ落ちたワルキューレの残骸が動かなくなった事を確認し、やはり身体が軽いだけで無く魔法の威力まで上昇している事を確信していた。


どうやら今のでギーシュも混乱したらしく向かって来ていた6体のワルキューレも動きを止めている

「な…何だ…今の魔法は!?いや、それは魔法なのか?!」
ギーシュが我に帰ってワルキューレを散開させると、再びミントが魔法を放つ為魔力を集中させ始める。
魔力の螺旋の中心の輝きは今度は美しい『緑』

「さっき魔法って言ったじゃん。」

「おのれ、だがワルキューレはまだまだ健在だ。四方からの攻撃、今の魔法では対処出来まい!!」
ギーシュは冷静にさっきの魔法バルカンを思い起こし2体のワルキューレを自らの防御に回すと残りの4体のワルキューレを散開状態から一気に攻めへと転じさせた。


緑色の魔法タイプスーパー『インパルス』

四方から迫るワルキューレを十分に引き寄せ、引いた右手で魔法のトリガーを引く。
瞬間、魔力を帯びた風の刃がミントを中心に放射状に三度放たれた。
830デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 19:05:27.31 ID:FmjRaHl8
吹き抜けた風は圧倒的な切れ味を持って、迫り来るワルキューレ達の胴と足とを幾つにも切断し、その余波を持ってワルキューレを弾き飛ばすと周囲の野次馬の直前で霧散する。

「あんたさーわざわざ攻め手を宣言してどうすんのよ?」

その様に周囲の観客は信じられない物を見る様に一斉に沸き立つ。



「嘘!今あの子エアカッターを使ったわよ。」
キュルケもまた驚きながら隣に座ったままのタバサの肩を揺らして声をかけていた。
「似ているけどあれは違う…。」
風の優秀なメイジであるタバサは僅かに感じたミントの撃ち出した風の刃の違和感に戸惑いながらも分析を行う為ここでようやく視線を本から決闘の場へと移す事にした。

「ば、馬鹿な僕のワルキューレが…」
ミントの周りに転がる五体のワルキューレの残骸を見てギーシュは無意識に一歩後ずさる、最早ギーシュに余力は無い。
(あれだけの魔法、詠唱を行っていない様だったがどんなメイジも次の魔法を放つには僅かにでも時間が必要な筈。ならば…)
ギーシュは残された2体の内1体に操作を集中させるとミントへと一気に接近させる。
それなりに冷静な分析を行っての咄嗟の判断。

悪くは無い、だが甘かった…


剣を振りかぶったワルキューレはいとも容易くミントのデュアルハーロウの殴打でその剣を何処かに弾き飛ばされると次いで繰り出された必殺の飛び蹴りで再び地面を転がされる事になる。
デュアルハーロウの中心で光が『赤く』煌めく…

赤色の魔法タイプワイド『バレット』

倒れたワルキューレはミントの追撃に放った地面で燃え上がる火柱に焼き尽くされ土へと還る…
「これでラスト!!」
そして間を置かずだめ押しとばかりにミントは叫ぶともう一発魔法を撃ち出す。

黄色の魔法タイプパワー『ボルト』

831デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 19:08:58.77 ID:FmjRaHl8
魔力の解放と耳をつんざく轟音と共にギーシュの直衛に付いていた最後のワルキューレの頭上に降り注いだ一発の強烈な落雷。
ミントの扱う魔法の中でも最大級の威力を持つ雷を一切の容赦なく放たれたのだ。
当然の如く最後のワルキューレも一瞬の内に焼き尽くされ崩れ落ちる。


(嘘…)
ルイズはその光景を未だ信じられなかった。
自分の召喚した生意気な平民の少女が今目の前で魔法を行使しあの青銅のギーシュを圧倒しているのだ。
そしてミントの扱った魔法は正体不明な物と風、火、雷の三つの四種。

少なくとも雷の魔法は風のメイジの中でもスクウェアクラスで無くては扱えない筈、使用した魔法がインパルスとボルト、その二つだけであったならミントは実は風のスクウェアメイジだったと言う事で話は纏まるというのにますますルイズの頭は混乱していた。



「まだやる?」
「……あ…」
デュアルハーロウを構え魔力を集中させたままミントは絶句して目の前のワルキューレの残骸を見つめるギーシュに問いかける。
最早その場に居る誰が見てもギーシュの敗北は明らかだった。

「ま…参った。僕の負けだ…」
力なく膝を折ってそう宣言したギーシュに決着を認めた周囲の生徒達から歓声が起きる。
そうしてやっとデュアルハーロウを手放してミントはゆっくりとギーシュに歩み寄り、
その肩を優しく叩いた。
「さ、立ちなさい。あたしに魔法使わせたんだからあんた大したもんよ。ほら、立ってしゃんとしなさい!」

その健闘を讃える様なミントの優しい言葉にギーシュは顔を上げて促されるままに立ち上がった。
「あぁ、ありがとうミス・ミントこの決闘僕の完敗だよ。
そして先程までの君への暴言を全て撤回させて頂く。みんなこの決闘僕の負けだ!!」

いっそ清々しいまでの敗北にギーシュは吹っ切れた様に高らかに薔薇を掲げて自らの敗北を観衆の中で宣言した。
敗北を受け入れるのもまた決闘に敗れた貴族の誇り、そんなギーシュを表だって貶す人間はそこには居なかった。
832デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 19:12:49.80 ID:FmjRaHl8
そうしてここにヴェストリの広場の決闘は決着を迎えたのだが…


ミントはそんなに甘くはなかった。


今の間にいつの間にか歩いてギーシュから10メイル程距離を取っていたミントが惜しみない拍手に包まれているギーシュに向かって突然大きな声で呼びかける。

「ギーシュ・ド・グラモン!歯を食いしばりなさいっ!!」
「えっ?」

何事かと静まり返る広場、振り返りミントを見ようとしたギーシュ、全速力の勢いを乗せて跳躍したミント…

次の瞬間ギーシュの視界に映ったのはやはりミントの靴の裏だった。


「ぶへぇぇぇっっ!!!!!」

鈍い音と共にワルキューレもかくやと言う程にボコボコになったギーシュがヴェストリの広場に転がる
「…な…何で…」
辛うじて訪ねた後静かに事切れたギーシュに再び歩み寄るミント
「決着は勝者が降参を認めた場合って決まりでしょ?あたしまだあんたの降参認めて無いじゃん。」

肩を窄めてそう平然と言ってのけるミントに周囲の生徒達の顔から血の気が引く…
それは周りのルイズも同じだった。それはいくら何でもひどすぎる。

「ちょっと待ちなさーい!!」
ここで決闘が始まってから沈黙を守っていたルイズが必死の形相でミントに駆け寄りその胸ぐらを掴み上げる。
「いくら何でもやり過ぎよ!!この馬鹿!!」
「別に良いじゃない?こいつだって唯じゃ済まさないって言ってたんだからこれ位覚悟の上よ。」
「とっくに降参してたでしょうが〜!!」
「ルールとしては問題なかったわ。」


833名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:14:34.55 ID:WZ/qwf2F
支援
834名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:14:51.92 ID:HzMcm32v
sienはいるかい?
835名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:16:19.95 ID:hF6PrJzv
私怨
836デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 19:16:23.64 ID:FmjRaHl8
ギャンギャン吠えるルイズに開き直りのミント二人の口論が続く中、ギーシュは友人達とモンモランシーに引きずられる様にして医務室へと運ばれていった。




___学院長室

「勝ちおったのう。それもあっさりと…どう見る?ミスタ・コルベール。」
オールド・オスマンは再び遠見の鏡に布を被せて椅子に深く腰掛けるとコルベールに意見を求めた。
「あの見た事も無い魔法、彼女がかなりの実力をもったメイジであると言う事は覗えました…」
コルベールは頭を捻りながらミントの魔法を思い返す。
「うむ。しかしガンダールブはかつて武具を操ったと伝え聞く…
確かにあのリングの様な武器でゴーレムを打ち据えはしたが殆ど魔法で仕留めよった。
分からん事が多すぎるのぅ…これは近い内直接訪ねる事になるかのぅ?それにしても…」
「えぇ全く…」

『とんでもない少女じゃわい(ですな)。』





___ルイズの部屋

決闘騒ぎの直ぐ後、ミントは強引にルイズの手によって部屋へと引きずり込まれると
周囲の反応などから覚悟はしていたがやはり質問攻めの憂き目に遭っていた。

ルイズとしては問いただしたい事は山の様にある。だが、先ずは確認しなければならないのはミントが何処かの貴族の娘であった場合の処遇だ。
これが他所の国の有力者の娘なら最悪の場合国際問題になってしまう。それはまずい。
「ミント、先ずは確認するけどあんた魔法が使えるって事はまさか貴族なの?」
なるべく平静を装いながらルイズはテーブルの向かいに座るミントに問いただす。

「あぁ魔法が使える=貴族のトリステインの感覚で言えばあたしは少し違うわね。」

ミントの返事にルイズは露骨に慎ましい胸をほっと撫で下ろす。

837デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 19:19:11.77 ID:FmjRaHl8
「なんだ…メイジだけど貴族じゃ無いなら私の使い魔で居て貰う「あたし王女だからね。」」

ルイズの言葉を遮りここに来て初めてミントははっきりとルイズに自分の身分を明かした。
「はぇっ?」
「あたしは魔法国家東天王国の第一王女だからそうね…やっぱり王族になるかしらね。ここもトリステイン王国って名前なら王族が統治してたりするんでしょ?」

「えっ?…えっ?王族?王女って…えっ?」

ミントの発言のありえなさに混乱しルイズは呆然となる。
「まぁあたしもトリステインなんて名前聞いた事も無かった事だし多分相当にここと東天王国は離れてるんだと思うのよね。
あ、それと一応あたし家出中の身で面倒な事になったら困るからあんまり王女だって言い触らさないでね。
ってルイズ、聞いてんの?」



「ええぇぇぇぇっっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」


驚愕によるルイズの絶叫は唯々女子寮塔に響き渡った。
838デュープリズムゼロの人:2012/02/26(日) 19:26:51.51 ID:FmjRaHl8
第六話終了です。
一応ミントの魔法の名前とか組み合わせとか今回は
初披露なので紹介の意味を込めて書き出しましたが以降は多分わざわざ表記しないかもです。
するかもですが。

支援ありがとうございます。ではまた七話書き終わったら投下させて貰います。
839名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:31:44.59 ID:sFc33Z61
>>826
8分で嘆きすぎw
まあ確かに寂れてきてはいるけど
840名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 19:49:16.68 ID:ao2F3TH6
投下乙。
841名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 20:16:52.41 ID:AtHOz2d5
規制かな支援
842名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 20:23:18.17 ID:jkKSRyPU
今年アニメも原作も終わりその後は相当過疎るだろうな
それか原作が終わり完結したことでそれも含めて設定を練る作者が現れるか・・・
843名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 20:38:49.67 ID:RdCx0ky/
乙、まあ、壁を蹴破る姫とかもいますしねえ
844名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 20:55:45.46 ID:S4i1v01A
>>843
お転婆姫の暴拳…懐かしい響きだ

アレンジの方向性も定まるだろうから
原作が完結すればその後は描き方も増えるだろうし
暫くは大丈夫じゃないかな
個人的にはスパロボWとディスガイア4、FF零式と]辺りでちょっと考えたい
845名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 21:05:53.69 ID:fGZus54s
>>843
ミントとアリーナがフュージョンしたミリーナというものを想像した
最強www
846名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 21:12:11.45 ID:nz17e6Vu
投下乙ですー

ギーシュ戦でやたらいっぱい手の内を披露するとネタ切れにならないか心配だな
原作よく知らないのでなんとも言えないけれども

それはそうと、雷の魔法(ライトニングクラウドおよびライトニング)ってスクウェアスペルだっけ?
トライアングルぐらいだと思ってたけど
847名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 21:12:56.45 ID:J4s81hsr
投稿ペース早いなww
次は火曜日辺りですかね?応援してますww
848一尉:2012/02/26(日) 21:27:06.86 ID:xEdUJkSt
脱獄囚人を召喚にする。
849名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 21:39:16.19 ID:uB7gbJhO
ブレス2のニーナはこの上なく完璧な姫の素質がありながら王位を継げないってので悲劇的だったなあ
850名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 21:51:59.78 ID:F8poBlDS
>>848
脱獄囚と聞いて逆転検事2の盲目の暗殺者、鳳院坊 了賢(と犬のクロ)を召喚、とか
851名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:00:29.39 ID:HzMcm32v
囚人惑星からクーさん呼ぼうぜ。
852名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:08:36.87 ID:uB7gbJhO
>>826
人気再燃にはなにかしらの爆弾が必要だ
某監督も三話目当たりで視聴者をあっと驚かすサプライズがいると言っている
853名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:09:00.85 ID:FqYfOLrv
>>843
平和主義者クラッシュとか人畜無害キックとか使う平和主義者の王子の娘であるな^^
854名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:11:00.75 ID:E1uJouPi
ファイナルファイト及びストリートファイターZERO3のコーディーとか?
何故か時々エディ・Eが次元を超えて追いかけてくる。
855名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:15:32.24 ID:FqYfOLrv
ハイパー系の魔法との干渉が気になるな
燃え上がる心とか大好きでいつも脳筋ミント様プレイしてたもんだが
856名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:26:34.25 ID:3/Pcqbis
ダークソウルのキャラ召喚はまだかね
857名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:45:34.76 ID:kvXheTTx
歴史上の人物はNGというルールでしょうか。
まとめサイトでは徳田新之助・一休さん・張飛や
秋山真之・山本勘助のネタがあるが、あくまでフィクションであり
実在の人物と必ずしも一致するわけではないということでOKということでしょうか?
858名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/26(日) 23:48:47.94 ID:GBOJSUnm
>>857
このスレで召喚するときにはベースにする物語が必要ってこと
859名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 00:00:22.57 ID:B1sg5oBX
デュープリズムぐぐったら跳び蹴り無双のゲームみたいねw
デュープ リズム だと思ってたらデュー プリズム なんだ
リップスライムの時と同じ勘違いしたわ
860The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:28:45.57 ID:AvDcW0E5
夜分遅くに失礼します。バイト数ギリギリかもしれませんが、1:33より投下したいと思いますがよろしいですか?
861名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 01:32:39.79 ID:7dL1mHVH
>>857
あの作品のキャラがってスレだから、何かしらのベース作品が必要。
862The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:33:11.32 ID:AvDcW0E5
Mission 19 <虚空の栄誉>


頭領が部屋を出て行って、数分が経っていた。
船内は慌ただしさが収まりかけているようであり、先ほどまでバタバタと聞こえてきた数々の足音も今ではほとんど途絶えていた。
部屋に取り残されていた一行の中、ルイズは扉に耳を張り付けたまま緊張な面持ちで何かを確認し続けている。
ギーシュやキュルケは扉の左右に張り付いたまま、部屋に置いてあった調度品を適当に手にして身構えていた。
そんな三人を尻目に、ワルドは部屋に置かれている物を観察し続けている。
「来たわっ」
扉の向こう側から、複数の足音が重なって聞こえてくる。こちらに向かって徐々に近付いて来るのが分かる。
ルイズは扉から離れると、ギーシュの隣でこれまた適当に手にした調度品を構えだす。
杖がない以上、メイジは平民と何も変わらないただの人に過ぎない。
だが、決して無力という訳ではない。
人である以上、魔法以外の行動を取ることもできるのだから。
逆に言えば、残されたのはそれだけしかないということにもなるのだが。
扉の取手が動いた、と思ったらまた元に戻る。少しの間を置いてまた動きだし、扉がゆっくりと開けられる――。

チャンスは一度。三人は己が手にする物を振りかぶろうとし――。
「ふぎゃっ!」
「ぐえっ!」
突如、乱雑に勢いよく開けられた扉がルイズとギーシュの顔面に衝突した挙げ句
そのまま完全に開け放たれた扉と部屋の壁の間に挟まれてしまったのだ。
思いもしなかった展開に、反動で返っていく扉の裏で二人は顔を押えて蹲る。
「だ、ダーリン!?」
痛みに門絶する中、キュルケが驚いた声を上げているのが聞こえてきた。
その叫びに悶えていた二人がハッと我に返り、同様に驚いた顔をする。
跳ね返った扉は九十度の角度で止まっており、向こう側を見ることはできない。
二人が扉の蔭から顔を出すと、そこには今となっては懐かしいとさえ思える姿があった。
「スパーダ!」
「スパーダ君!」
扉の向こうに堂々と立っていたのは紛れもない、ルイズの使い魔にしてパートナーであるスパーダであった。
二人の表情は驚きと喜びの色で染まっていた。
「やはり君だったのか。よくここに僕達がいるのが分かったものだね」
「おかげで苦労したがな」
ワルドの言葉に平然とした態度で答えながら入ってくると、その後ろからも二人の人間が部屋の中へと入って来る。
一人はこの空賊の頭領……だが、それまでとは恰好がまるで異なり、バンダナなどは外し軍服を着こなしている。
おまけに態度や雰囲気も先ほどまでとは大違いで威厳に満ちている。
「あら、タバサ! あなたも無事だったのね!」
さらにもう一人はスパーダと一緒に残ったタバサであった。キュルケは友人との再会に嬉しそうに抱きつきだす。
「もう! バカ、バカ! 遅いのよ! パートナーをほったからしにして!」
癇癪を上げながらスパーダの胸をポカポカと両手で叩くルイズ。
そんな子供のような姿のルイズを、スパーダは無表情のまま目を丸くしつつ見下ろしていた。
「すまんな。少し手間取ってしまった」
何の抵抗もせずにそう述べたスパーダはルイズの頭に手を置き、机の方に向かう青年の方へ顔を向けだす。
スパーダとタバサを除く四人は椅子にかける青年を訝しい視線で見つめていた。
「失礼したね、大使殿。話が中断してしまったが、改めて続けるとしよう」
「あ、あなたは一体……?」
机の前に立つルイズが、呆気に取られた様子で尋ねる。
無理もない。先ほどまの荒々しさはまるで無い、威厳と毅然さに満ちた態度を取っているのだから。
「貴族が相手ならば、こちらから名乗るのが筋だったな」
それから青年は、先ほどスパーダに対して名乗った時と同じように自らの名を告げた。

アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダー、と。
863The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:37:28.22 ID:AvDcW0E5
空賊の頭領の予想打にしなかった正体に、何も知らない三人の子女達は完全に肝を潰してしまっていた。
事情を知っているスパーダとタバサだけは、平然とした態度をとり続けていたが。
「まだ信じられないみたいだね。……無理もない。任務だったとはいえ、あのように身をやつしていたからね。
敵の補給線を断つのは戦いの基本だ。奪った物資も、こちらの補給物資となる。空賊を装った遊撃戦といったところだな」
ふと、ウェールズの視線がルイズの右手の指にはめられている指輪へと注がれる。
席を立ったウェールズは、未だ呆けているルイズの前まで歩み寄ってくると自らの人差し指にはめている指輪をかざしてきた。
「我が王家に伝わる、風のルビーだ」
ルイズの指輪と自分の指輪を近づけて添えると二つの指輪のルビーが反応し、仄かな光を放ちだす。
すると、二つの指輪の間で小さな虹が出来上がっていた。
「君の水のルビーも本物のようだ。これが王家の間にかかる虹の橋であり、証というわけだな」
紛れも無く、彼は本物のウェールズ皇太子だ。
その証明がはっきりとなされた途端、ルイズは慌てて深々と頭を下げだす。
「も、申し訳ありませんでした! 皇太子殿! あのような無礼を……」
「良いのだよ、大使殿。こちらも君を疑ってしまったのだからね。さて、改めて用件を聞かせてもらうよ」
ウェールズが促す中、ルイズは未だに頭を下げたままであったが、即座に動いたのがワルドだ。
元々、今回の任務を直接承ったのは彼なのだから、彼が応えるのは当然である。
「トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド子爵です」
先ほどからワルドだけはあまり驚いた様子もなく、淡々とした様子で彼の前へと移動し、帽子を取って一礼する。
さらに、ざらりと後ろに控えているルイズやキュルケ、ギーシュの三人のことも紹介してくれていた。
「この度、アンリエッタ姫殿下より皇太子殿へ、密書を言づかって参りました。……ルイズ」
「――あっ! こっ、こちらが、姫殿下からの密書にございます!」
ワルドが促すと、ようやくハッとしたように顔を上げたルイズが慌てふためきながら
肌身離さず持っていた手紙を取り出し、ウェールズに手渡す。
椅子に腰を下ろし、それを読み始めたウェールズであるが、少しすると衝撃を受けたような驚きの表情がはっきりと浮かび上がっていた。
「何と……アンリエッタが……? 私の可愛い従妹姫が、結婚するというのか?」
愕然と、陰りに染まった表情のまま手紙に目を通していくウェールズ。
その様子を見ていたルイズは何かを感じとったのか、僅かに眉を顰めていた。
「……事情は分かった。そういうことなら、あの手紙をお返しせねばならないな」
溜め息を吐いたウェールズが、手紙を大事そうに懐へとしまいこむ。
「それで、件の手紙とはこの船に?」
ワルドが尋ねるが、ウェールズは首を横に振った。
彼曰く、ニューカッスルという場所にあるそうで、これからそこへ向かうのだそうだ。
864名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 01:38:12.03 ID:YjprG9UY
>>856
これを召喚すればルイズも大喜びだな。
http://www.youtube.com/watch?v=ijOnOIi4Rog
865The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:41:42.64 ID:AvDcW0E5
一行が甲板に出ると、目の前には濃い白い雲で覆われたアルビオン大陸の底部が広がっていた。
濃い霧のように視界が悪いが、イーグル号はその中を迷うことなくまっすぐと進んで潜り込んでいく。
「ここに、我らしか知らない秘密の港があるのだ。そこからニューカッスルへと向かう」
「どうして普通の港を使わないのですか?」
ルイズがウェールズに尋ねるが、そこにスパーダが口を挟んできた。
「アルビオンの制空権を握っているのは反乱軍だ。私が乗り込んだ時も、港近辺の空には反乱軍の戦艦が何隻も飛び交っているのを見た。この艦ではあれだけの数を相手にはできん」
腕を組みつつ、スパーダはイーグル号を包む雲をじっと睨んでいた。
「そういうことだよ。おまけに戦艦だけじゃない。敵はありとあらゆる、空を制することのできる幻獣まで操っているのだ。とてもじゃないが、我々では対抗することはできない」
スパーダの言葉を引き継ぐようにウェールズが答える。
その顔は僅かに悔しさが滲んでいるように見えるが、彼は自嘲したように苦笑を浮かべていた。

やがて、イーグル号およびその後ろに付けられた輸送船マリー・ガラント号は大陸の底に開けられている、
直径300メイルはあろうかという巨大な穴までたどり着いていた。
戦艦はその穴をゆっくりと垂直に浮上していくと、淡い白い光が放たれる苔が所々に密集した広大な鍾乳洞が広がっていた。
大陸の底から城へ戻る。それはあまりにも珍妙で型破りな手段とも言えるだろう。
「ここが秘密の港ですか。まるで空賊ですな、殿下」
この光景をワルドは感心した様子で笑いながら、ウェールズの隣に立つ。
「その通り。我々は空賊なのだよ。子爵殿」
ウェールズはさらに悪戯っぽく笑っていた。


一行がイーグル号より降りていくと、先頭のウェールズの元には幾人のメイジ達が駆け寄ってきた。
「ほほ、これはまた大した戦果ですな! 殿下!」
初めに出迎え、彼らの労をねぎらってきたのはパリーという老メイジだ。彼はイーグル号の後ろに見える輸送船を見て、顔を綻ばせている。
「喜べ! パリー、硫黄だ!」
積荷が硫黄であることをウェールズより伝えられ、パリーは喜びに涙を流し始める。
他のメイジ達も、これで王家の名誉と誇りを反乱軍に示すことができる、と喜びを露にしていた。
おまけに彼らは自分達が敗北することを完全に理解しているようだった。
866The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:45:37.10 ID:AvDcW0E5
だが、そんな光景をワルドを除いてルイズ達は眉を顰めざるを得なかった。
彼らは、敗北することが分かっていてまだ戦い続けるらしい。
今にも全滅してしまいかねないほどに戦況は悪いと聞いているのに、どうしてここまで明るくしていられるのか、
こんな異様な光景が彼女達には理解できなかった。
「あの人達、負けることが分かっているのに戦うの?」
「らしいね……」
ルイズの言葉に、ギーシュも曇った表情で呟く。
彼の家訓には「命を惜しむな、名を惜しめ」というものがあり、いつ如何なる時でも貴族らしく振舞うように
元帥である父から教えられてきた。
名誉は命よりも価値がある――これはグラモン家だけでなく、ハルケギニアの大半の貴族における理念であり、規範でもある。
実際にギーシュもこれまでその理念に基づいて行動し、いつかはグラモン家の誇り示しながら戦場で活躍し、そして最後には命を惜しまずに進んでいき、戦死することさえ考えていた。

……しかし、何故だろう。
こんな光景を目にした途端、今まで正しいと思っていたその規範が異常なものであると思ってしまう。

(誇り、か……)
スパーダもルイズ達と同様に彼らを見つめながら、肩をすくめていた。
弱肉強食の世界である魔界においては、力こそが全てを制する。
力ある悪魔は覇者として君臨し、力なき者達を支配する。それこそが悪魔の名誉であり、誇りだ。
だが、時にさらなる力を手にした悪魔にその座を奪われた時、かつては誇りを示していた悪魔は滅ぼされる運命にある。
如何にそれまで功績があろうと、結果が全て。滅びれば全ては無に帰す。

つまり、悪魔としての誇りは……「生きる」ことにある。
力ある覇者として支配する……その誇りを捨ててまで魔界を裏切ったスパーダにとっては、これだけが唯一残された誇りであった。



一行は秘密の港からニューカッスルへと招かれ、ルイズとスパーダ、そしてワルドの三名はウェールズの居室へと通されていた。
そこは皇太子の部屋とは思えぬほど、あまりに質素な部屋であった。家具もほとんどなく、ベッドと机があるだけだ。
ちなみにキュルケとタバサは元々、正式な大使ではないために別の客室で待機している。
ギーシュは一応、ルイズ達と共にいる権利があったが先ほどの光景で気が滅入ったのかあてがわれた客室で大人しくしていた。
ウェールズは机の引き出しから宝石が散りばめられた小箱を取り出した。首からネックレスを外し、その先についていた鍵で小箱を開ける。
蓋の内側には、アンリエッタの肖像が描かれており、小箱の中には一通の手紙が入っていた。
ウェールズはその肖像に口づけをし、中からボロボロになった手紙を取り出す。
幾度も読まれてきたのであろう手紙を丁寧にたたみ、封筒に入れてルイズに手渡した。
「これが姫からいただいた手紙だ。確かに返却したぞ」
「ありがとうございます……」
意気消沈した様子でルイズはウェールズより手紙を受け取ると、面を上げて尋ねだす。
「あの、殿下……。先ほど「栄光ある敗北」とおっしゃっていましたが、王軍に勝ち目はないのですか?」
「我らは三百、敵は五万……どう足掻いても勝ち目は無い。万に一つの可能性すらね。
我々にできる事は勇敢な死に様を連中に見せつけるだけのことだ」
「殿下の討ち死にされる様も、その中には含まれるのですか?」
「当然だ。私は真っ先に死ぬつもりだよ」
あまりにもはっきりと断言するウェールズに、ルイズはさらに沈み込む。
スパーダはそんなウェールズを見て、思わず溜め息を吐きたくなるのを堪えていた。
ワルドは腕を組みながらも、無表情のままである。
867The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:50:19.89 ID:AvDcW0E5
「殿下……失礼をお許し下さい。 恐れながら、申し上げたい事がございます」
「なんなりと、申してみよ」
「……姫様からの手紙を読んでおられた時の素振り、先ほどの小箱の内蓋の姫様の肖像、手紙に接吻なさった際の殿下の物憂げなお顔といい……もしや、姫様とウェールズ皇太子殿下は……」
「恋仲であったと言いたいのかね?」
「そう想像いたしました。とんだご無礼を、お許しください。してみるとこの手紙の内容とやらは……」
「恋文だよ。君が想像している通りにね。彼女が始祖ブリミルの名において永久の愛を私に誓っているものだ。
この手紙が白日の下に晒されればゲルマニアの皇帝は重婚の罪を犯した姫との結婚を破棄し、
同盟は成り立たなくなり一国で貴族派に立ち向かわなくてはなくなる」

やはり、そうだったのか。アンリエッタとウェールズは互いに愛し合っていたのだ。
だとすれば、あの時読んでいた手紙には――。
ルイズは思わず顔を上げ、叫ぶ。
「殿下! 亡命なされませ! トリステインに亡命なされませ!」
「ルイズ……やめるんだ」
ワルドが肩に触れてくるが、ルイズは構わず言葉を続ける。
「殿下、これはわたくしだけの願いではございませぬ! 姫様の願いでございます!
どうか、わたし達と一緒に――」
「それは出来んよ」
ウェールズは首を横に振り、拒否する。だが、ルイズは諦めずに食ってかかる。

「……姫様の願いだとしてでもですか?姫様がご自分の愛した人を見捨てるとは思えませぬ!
姫様の手紙には、あなたに亡命をお勧めになっているはずですわ!」
「そのような事は一行たりとも書かれていない」
「殿下!」
「私は王族だ。嘘はつかぬ。姫と私の名誉に誓って言うが……本当にそのような文句はない」
だが、ウェールズの苦しそうな表情は彼女の言葉を肯定していることを表していた。

それを見て、ルイズはとうとう肩を落として俯く。
ウェールズは絶対に決意を曲げないことがわかった。
自分が亡命すれば、反乱軍にトリステインを攻撃する絶好の口実を与える、そう考えてのことだろう。
そして、アンリエッタが国事よりも私情を優先させる女と見られるのを避けようとしている。
「ラ・ヴァリエール嬢、君は正直ないい子だ。だが忠告しよう。そのように正直では大使は務まらぬよ。しっかりなさい」
寂しそうに俯くルイズに、ウェールズは微笑んだ。他人に安心を与えるような魅力的な笑みだった。
「しかしながら、亡国への大使としては適任かもしれぬ。明日に滅ぶ政府は、誰よりも正直だからね。
なぜなら、名誉以外に守るものが他には無いのだから」
ウェールズは自分の手から風のルビーを外すと、ルイズの手に握らせた。
「これをアンリエッタに渡してくれたまえ。何があっても、決して私のことを忘れないで欲しい、と」
ウェールズはルイズの優しく叩いたが、ルイズの悲痛な表情は元には戻らない。
「そろそろ、パーティーの時間だ。君達は我らの王国が迎える最後の客だ。是非とも出席してほしい」
ルイズは納得がいかない様子ではあったが、スパーダに連れられて部屋を後にする。
スパーダは部屋を出る直前、肩越しにちらりとウェールズの方を振り返った。
ワルドだけは残って、ウェールズと何か話をするようだ。
「まだ何か御用がおありかな、ワルド子爵?」
「おそれながら、殿下にお願いしたい議がございます」
「何かな? 私に出来ることであれば、なんなりとうかがおう」
そんな会話が閉じられた扉の向こうから聞こえていた。
868The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:54:32.81 ID:AvDcW0E5
その後、パーティは城のホールで行われた。玉座には年老いたアルビオン王、ジェームズ一世が腰掛け、皇太子ウェールズがその脇に控えている。
そのジェームズが初めに演説をしていたが、スパーダは僅かに顔を顰めながら睨み続けていた。
(彼女にとっては、身内の仇か)
あのアルビオン王は、四年前に自分の弟とその妻を殺したという。
妾がいたくらいで何故、身内の命を奪ったのかは知らない。だが、その胸中はどうだったのだろう。
そして、この事実をあのウェールズは知っているのだろうか。

それほど長くはない演説の後、「アルビオン万歳!」という貴族達の叫びと共にパーティは始まった。
ルイズ達、学院の子女達はこのパーティをあまり楽しんでいる様子ではなかった。
ルイズは下手に威勢良い会場の貴族達に料理や酒を勧められていたが困惑するばかりであり、キュルケも男達を相手に
酌をして回っているがいつもの元気はない。ギーシュは憂鬱な気分を吹き飛ばそうと酒をガブ飲みするが、その飲みっぷりを周囲の貴族達に騒ぎ立てるので逆に自分が滅入ってしまうだけであった。
タバサは黙々と大量の料理を食しており、それを見た周囲の貴族達はギーシュと同様にはしゃぎだすのだが、無視していた。
そんな一同とは異なり、ワルドは普通に貴族達と談笑したりしてパーティを満喫しているらしい。
スパーダはワイングラスを手にして軽く啜りながら会場の隅で寄りかかっていたが、その鋭い視線は未だジェームズ一世へと向けられたままだ。
彼は玉座に座したまま優雅にワインを飲んでおり、他の貴族達がパーティを満喫している様子に満足しているようだった。
(無責任な男め)
自分の弟を殺しておきながら、ああも悠々としていられるのが腹立たしくなる。
あの男のために犠牲になった者は数多い。もしもその件について何も思っていることがなければ首を斬り落としてやりたい所だ。
民を犠牲にするような人間に、王の資格はない。

「ウェールズ・テューダー。少し、時間はあるか?」
「ああ、良いとも。いくらでも付き合うよ」
ワインを飲み干したスパーダはウェールズを見つけると、バルコニーへと連れていく。
「どうかな。最後の晩餐会は楽しんでいるかい?」
「さてな。他の者達と同じ思いかもしれんし、そうでないかもしれん。
私はどちらでもないが、楽しんではいない」
曖昧な答えを示すと、ウェールズは苦笑しながら溜め息を吐く。
「そうか、残念だな。……で、話とは何かな」
ウェールズと向き合うスパーダは、無表情ながらもいつになく真剣な態度であった。
「先ほどの手紙、ミス・ヴァリエールにはああ言っていたが……実の所どうなのだ」
もはやスパーダには分かりきっていることだが、あえて尋ねる。
「はっきりと言おう。手紙の回収など、単なる口実に過ぎん。秘密裏に処分してしまえば済むことだ。
全ては、あの手紙を渡すことが目的。王女が君を愛していたのであれば、手を拱くことはない。
ミス・ヴァリエールの指摘は当たっているだろう」
ウェールズは苦しそうな表情で一度顔を背けるが、少しの間を置いて溜め息を吐いて向き直った。
「その通りだよ。……確かに、アンリエッタは私に亡命を勧めた。
……だが、決して口外はしないでもらいたい」
ウェールズからの頼みにスパーダは頷く。
「では何故、それを拒む。君は彼女を愛していないのか」
スパーダからの問いにウェールズは小さく首を振る。
「……愛しているさ。できることなら今すぐにでも彼女の顔をこの目で見たい。
だが、私には王族として生まれた者としてやらねばならぬことがある。決して、私情を優先させるわけにはいかんのだ」
ウェールズは毅然とした態度と表情で言葉を続ける。
869The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 01:58:52.72 ID:AvDcW0E5
「我々の敵である反乱軍、レコン・キスタはハルケギニア統一をしようとしている。聖地を取り戻すという理想を掲げて。
理想を掲げるのはいい。だが奴等はその過程で流されるであろう民草の血を考えず、荒廃するであろう国土の事を考えていない、
だからこそ勝てずとも勇気と名誉の片鱗を見せつけハルケギニアの王家は弱腰ではないと示さねばならぬ」
「誇り、か。……連中にとってはそんなものを示した所で何とも思わぬだろうな。
いくら勇気と名誉を示した所で、結果は結果だ。すぐに歴史の隅に埋もれる」
悪魔として生きてきて見届けてきた、魔界における摂理。敗者は消えるのみ。
「厳しいことを言うね。……だが、それでも我々の義務を果たさなければならない」
もはや何を言っても同じだろう。スパーダは諦めたように嘆息した。

「それと、もう一つ聞きたいことがある」
「何かな?」
腕を組んだスパーダはやや厳しい表情になって、ウェールズと向き合った。
「……君は四年前のことを知っているか」
その話題がスパーダの口から出た途端、ウェールズはすぐにその意味を悟ったように目を見開いていた。
「私の友人が、四年前にこの国で起きたことについて話してくれたのだがな。君はどう思っている?」
ウェールズはスパーダの横を通り過ぎると、バルコニーの縁に寄りかかり、月を見上げていた。
その背中に向かって、スパーダは声をかける。
「君の父は、何故自分の身内を手にかけた」
「詳しいことを、父は話してはくれなかったのだが……」
どこか哀しそうにウェールズは語り始める。
「我が叔父、モード大公はある女性を妾にしていた。話によれば、その方との間に子供もいたらしい。
……だが、その妾は噂によれば亜人であったそうなのだ」
亜人――ハルケギニアにおいてそう呼ばれる存在は、エルフと同様に先住の民族で人間達には偏見の目で見られているらしい。
そして、エルフまでとはいかぬものの精霊の力を借りることができるようだ。
そんなことは、ロングビルは話してはくれなかったのでスパーダも驚く。
「ハルケギニアの王族が、まさか亜人を愛していたなどということが公に知れれば名誉に関わる。
父はそのことを深刻に思い、何度となくその方を追放するよう命じていた。だが……」
ウェールズはさらに寂しそうな表情を浮かべる。その後に何があったのかは、スパーダも知っている。
「私は、たとえ身内が亜人でも構わない。だが、父はそれを良しとはしてくれなかった。
父は確かに誇りある古き王族の考えを持つ方だ。だが、やはり……」
身内が死ぬことは辛いようだ。そこは父と子の考えの違いだ。
「もしも、どこかで生きていればどうする?」
スパーダからの言葉に、ウェールズは振り返った。
その表情は哀しさに満ちてはいたが、それでも彼は微かに笑みを浮かべていた。
「そうだね、会ってみたいな。だが、それは叶わぬよ。もう、この世にはいないのだから」
それは思い違いだ。そう、スパーダは言いたかった。
だが、どうせならば言葉ではなく実際にその目で確かめさせてやった方が良い。
これからアルビオンを去るまでの間に、少しでも機会があるならば。
870The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 02:02:13.71 ID:AvDcW0E5
ウェールズとの話を終えた後、スパーダはあてがわれた部屋を目指して廊下を歩いていた。
(父と違って、子はまともだな)
考え方が古い王とは異なり、その息子は一目でも良いから会ってみたいという。
恐らく、ロングビルは今日の朝にラ・ロシェールから出るはずだったフネに乗ってここへ来て待っているだろう。
だとすれば、彼女の依頼を為すのは他の者が寝静まってからになる。
ここから待ち合わせ場所まではシルフィードに乗ればすぐだ。
「もう戻るのかい、ミスタ・スパーダ」
すると、いきなり背後から声をかけられた。立ち止まり振り向くと、そこにはワルドが立っていた。
「ああ。他にすることもない。先に休ませてもらう。で、お前は何の用だ」
ワルドはスパーダの目の前まで歩み寄って来ると、何故かしたり顔のまま言う。
「君に言っておかねばならない事がある。明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる」
「ほう」
普通にしてみれば、驚くべき発言だがスパーダは対した反応もなく生返事だけだ。
「再会してからそれほど経ってもいないのに、性急だな」
「是非とも僕たちの婚姻の媒酌を、あの勇敢なウェールズ皇太子にお願いしたくなってね。
皇太子も快く引き受けてくれた。明日の朝、決戦の前に僕たちは式を挙げるよ」
ずいぶんと余裕があることができるものだ。会ってから三日程度しか経ってもいないのに唐突に結婚とは
あまりにも性急すぎる。
そうした行動は、何かに焦りがあるもののやることだ。
「ぜひ、君にも出席してもらいたいのだが……」
スパーダは顎に手をやり、考え込む。
明日の朝に式を挙げる、というのであればこれから一仕事をする自分が間に合うかどうかは微妙な所だ。
せいぜい、始まる前には来られずとも途中出席になるだろう。
「私は先ほど、ここの貴族に頼まれ事をされてしまってな。明日の朝までここを留守にしなければならん」
「頼まれ事?」
「知人に届け物をしたいそうだ。対したことではないが、出席できるかどうかは分からん」
プライベートな仕事を明かすわけにはいかないので、そう誤魔化す。
ワルドはそれで納得したのか、軽く頷くだけだった。
「そうか。……では、ぜひとも間に合わせて出席してもらいたいな」
「努力はする。……とりあえず、おめでとう」
二人はどこかぎこちない握手を交わしていた。
871The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 02:05:16.76 ID:AvDcW0E5
スパーダが部屋に戻ると、そこには既に先客がおり、ソファーの上で蹲って泣いていた。
「あの人たち……どうして、どうして死を選ぶの? 姫様が逃げてって言っているのに……。
恋人が逃げてって言っているのに、どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶの?」
その少女、ルイズはスパーダがいることに気づいているのかどうかは分からないが、顔を伏せたまま悲しそうに呟いている。
スパーダはただ黙ってルイズの言葉を聞いていた。
「愛する人より大事なものが、この世にあるって言うの? 負けて、死んで、後に何が残るのよ……?
残される人たちのことなんて、全然考えてないじゃない……みんな、自分のことだけしか考えてなくって……。
あれじゃ姫さまが……」
スパーダは愛剣を外し、壁に立てかけると椅子に腰かける。
ルイズは顔を上げると、スパーダの方を振り向いた。
目から涙がとめどなく溢れており、目の周りを真っ赤に腫らしている。
「スパーダ、あなたの故郷は……フォルトゥナではどうだったの?」
唐突な質問に、スパーダは首をかしげる。
「どう、とは?」
「命よりも、名誉や誇りを大事にしていたの? 教えてよ! どうなのよ!?
異国の貴族は、こういう時にどうしていたというの!?」
スパーダの傍まで来るなり、その膝に顔を埋めて先ほどみたいにして泣き出した。

本来ならば、彼女も誇りや名誉を命よりも大事にしていた存在だ。
だが、それまで正しいと思っていた理念がウェールズ達の姿を見て崩壊してしまい、
結果的に自分ではどうすれば分からなくなったのだろう。
だから、スパーダに縋ってきたのだ。

スパーダは自分に縋りついたまま号泣しているルイズを見つめながら、静かに語る。
彼の故郷における理念を。
「単刀直入に言おう。如何に功績が過去にあろうと、結果が全てだ。死ねば全ては無に帰す。
だから、私の故郷では生きることが何よりもの名誉であり、誇りだ。
たとえ今は敗北が決まろうとも、いつか力をつけて挽回すればそれが誇りとなる」
そう語った途端、面を上げて立ち上がったルイズはスパーダの顔を間近で睨みつける。
「あたし、もう一度、ウェールズさまを説得してみる!
スパーダも力を貸してちょうだい! あなたの故郷の考えを、ウェールズ殿下に――」
「もうやった」
にべもなく告げられたスパーダの言葉に、ルイズは愕然とする。
「だが、やはり決意は変わらんようだ。
しかし、彼はアンリエッタ王女のことを愛しているという。
愛しているからこそ、自分は見向くことなく己の義務を果たさねばならんそうだ。悲しいものだな」
「そんな……そんな……」
俯いていたルイズは膝をつき、再びスパーダの膝に顔を埋めて、悲鳴に等しい叫びを上げる。
「どうしてよっ! そんなの分からないわよ! 何でなのよおっ!」
籠った声で部屋中に慟哭が響き渡っていた。
いつまでも続く彼女の慟哭を聞きながら、スパーダは静かにその頭に手を置いている。
まるで泣き縋る娘を慰める、父親のような姿であった。
872名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 02:17:17.29 ID:/24mwd80
支援?
873名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 02:44:19.22 ID:IT6qcWIu
現在474KB 480KB超えたら次スレよろ
874The Legendary Dark ZerO:2012/02/27(月) 03:47:43.04 ID:1Vxp8+Op
さるさんにひっかかりましたので、終了宣言の直前で終わります
875名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 08:07:35.05 ID:XwALdUTW
>>874
残念、乙です。
876The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 08:32:30.17 ID:AvDcW0E5
さるさんが解除されたと思うので、1レスだけですが残りも書きたいと思います。
877The Legendary Dark Zero:2012/02/27(月) 08:36:41.41 ID:AvDcW0E5
あれから30分近くもの間、泣き続けていたルイズはやがて泣き疲れて眠ってしまった。
スパーダはソファーの上に彼女を寝かせ、彼女のマントを毛布代わりでかけてしばらく寛いだ後、愛剣を手にして部屋を後にする。
既に夜は更ける直前だ。ニューカッスルのほとんどの人間は極一部の衛兵などを除いて寝静まっている。
あれだけ晩餐会で騒がしかったのが嘘みたいだ。
スパーダはタバサにあてがわれている部屋の前まで来ると、扉を叩く。
「私だ」
確認の言葉をかけた途端、扉が開けられ中からタバサが姿を現す。
まるでスパーダが来るのが分かっていたようで、手には杖が握られている。
あまりにも用意周到なタバサに感心し、頭を撫でてやった。

二人はニューカッスルの裏まで来ると、タバサが指笛を吹き、シルフィードを呼び寄せていた。
暗闇の中、ニューカッスルを取り囲んでいるのであろう反乱軍の陣屋の篝火が目に付く。
シルフィードで飛んでいき、追跡されないようにしなければならない。
「ああ、待て」
シルフィードに乗り込もうとするタバサを呼び止めるスパーダ。
何事かと、タバサはスパーダを振り返っていた。
「君はここに残ってもらう」
「どうして?」
予想外のスパーダの言葉に、タバサは何故なのか理解できないようで不満そうにする。
もちろん、これには理由がある。
「もしも彼女達に何かあった時のために、彼女達を守ってもらいたい。
この任務の裏を知っているのは私達だけだからな。何も知らぬ彼女達では対応もできんだろう。
私もなるべく速く仕事を終らせて戻る」
「……分かった」
そうスパーダに告げられ、僅かに逡巡するタバサであったが納得してくれたのか頷いていた。

(きゅいーっ! きゅいーっ! 嫌なのね! 悪魔と二人きりなんて嫌なのね!
お姉様と一緒じゃないと嫌なのねーっ!)
シルフィードがぎゃあぎゃあ喚きだし、抗議しだすがタバサは「うるさい」と言わんばかりに杖でその頭を叩く。
そんな滑稽な光景を無視するスパーダは懐から色とりどり星形の石を取り出した。

緑色の光を放つのは、毎度おなじみのバイタルスター。これが今回持ってきた最後の一つであり、魔力の純度は並だ。

紫色の光を放つのは、消耗した魔力や精神力を回復させるデビルスター。
精神力を回復させるのでメイジに使っても有効なはずである。魔力の純度はこれも並だ。

黄金の光を放つのは、魔力による防御障壁を一定時間持続的に発生させるアンタッチャブル。
効果がある間は精神力も供給されるので役立つだろう。

そして最後に、赤い光を放つのは外部からの攻撃に反応して瞬間的にアンタッチャブルよりも強力な結界を発生させるスメルオブフィアーを結晶化させたものだ。

スパーダはそれぞれ使い方を簡潔に教え、タバサに手渡す。
「とりあえず、君に渡しておこう。よく考えて使え」
数々の道具を受け取り、頷くタバサ。
スパーダは未だ嫌がりつつも渋々と従うシルフィードに乗り込み、空へと舞い上がった。



※今回はこれでおしまいです。サルさんに引っかかってました。
スメルオブフィアーはゲーム中とは形が違いますが、統一させた方が扱いやすいと思ったので変えてます。
御了承ください。
878名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 14:17:27.28 ID:BU+zj2cw
好きな作品の二次創作を探しててここにたどり着いて
ゼロの使い魔に興味をもったんだけど、これって漫画版から入っても大丈夫?
小説が原作らしいけど読むの時間かかりそうだし、アニメも時間がかかる
てっとり早く漫画から入ろうと思うだけど、ストーリーが若干違ったりするのかな
879名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 14:35:39.41 ID:GNhej/F4
漫画版はかなり省いてるところがあるし、アニメは小説版とは違ってかなり違ってる部分がある。
小説版では最初から言葉の隔たりがなく意思疎通が出来てる。 だけどアニメ版の場合言葉の壁があって、口封じの魔法をかけたらなぜか喋れるようになったりとか。
またアニメと小説によって魔法学院に入学するキャラも違う。 クルデンホルフの娘とか、ハーフエルフの転入生とか。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 15:18:35.16 ID:YWhw4pAN
>>877
さるさんは毎正時にリセットされる
2時台に規制されても3時になればまた書き込める
881名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 15:55:43.98 ID:tku6Kdio
>>878
小説っても相当軽いラノベだし原作から入った方が良いんじゃないかねえ
ここのも作品によっちゃ原作基準だったりアニメ基準だったりするけども
882名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 18:15:39.69 ID:Ht7FQ1Vv
ジョゼフ関連は間違いなく小説読むべきだ
アニメはいくらなんでも大事なとこ端折り過ぎ
あとアニメじゃ虚無の系統というかタイプも固定みたいな描写にされてるんだよな
ルイズ:爆発
ジョゼフ:加速
テファ:忘却
教皇:?
原作だと方向性がある程度定まってはいても頑張り次第で覚えられるようになるみたいなんだが
アニメじゃ仕様違いの円鏡でないと覚えられない…
883名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 18:27:02.21 ID:X/ES1ZN6
アニメのみのイベントとして、モット伯と使い魔品評会が原作にあるとかんちがいしやすい
884名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 19:49:38.30 ID:h73gfbfb
>>856
ダークソウルとかデモンズソウルのキャラって世界観的に絶対合うと思うんだけどな・・・
誰か書いてくれないものかね
885名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 20:03:58.11 ID:uRzDYOMm
>>878
萌えゼロさんみたいに漫画版ベースで小説版をエッセンスとして長編書いてる人もいるから大丈夫。
886名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 20:05:12.11 ID:5YQCkD17
つ 言いだしっぺの法則
887名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 21:27:55.73 ID:MvV/Lrg4
>>878
アニメも漫画版もお勧めできない
とりあえずルイズが覚醒する原作三巻まで読んでみたら?
888一尉:2012/02/27(月) 21:53:26.61 ID:s1+lAHHd
ドイツ軍人を召喚にする。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 22:21:15.01 ID:TovzeV3m
なんでやねん
890名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 22:32:23.47 ID:VIEDCC2Y
別に何かいてもいいんだけどsage進行スレだからまずsageてくんない?
891名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 22:46:01.93 ID:IT6qcWIu
現在482KB次スレ立ててくる
892名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/27(月) 22:47:02.66 ID:IT6qcWIu
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part307
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1330350403/
893名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 08:36:18.39 ID:4HTayG5L
894名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 17:50:01.25 ID:OFM2T5oy
パパーダ乙
895名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 20:08:52.83 ID:8Syet1zl
>>892ゼロの使い魔乙

ところで平民はパンツを穿かないらしいけどおマチさんパンツを穿いていたような…
896名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 20:27:07.32 ID:QOUmFxAO
>>895
金銭的におしゃれなショーツ履けないだけで、
ドロワーズ(カボチャパンツ)は平民でも履いてるよ。

それにおマチさんは元貴族でメイジでそこらの平民より稼いでる大泥棒じゃねーか。
897名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 20:42:31.75 ID:arkF31a7
前から思ってたんだが、昭和天(不敬により検閲)が召喚されたら、SSの展開上、
異国の国家元首にして、王室と学院の賓客て設定になるんかね。
ルーンの固有能力「大詔渙発」:異世界日本の軍隊に動員令をかけることができるw
898名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 20:51:14.85 ID:niBFHKtr
どの作品から先帝陛下を呼ぶのか、まずそれが問題だ。
899名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:01:52.90 ID:bqV/zPDp
まぁ、ハルケギニアで初めてウミウシ(いやアメフラシだっけ?)を食った男になるのは間違いないだろう
900名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:10:32.32 ID:DTvWNlxT
学院で未発達な海洋生物学を切り開いたり
マルトーに謎の新生物の調理法を考案してもらったり
タルブでヨシェナベに舌鼓を打ったりするのか

先帝陛下が背景でなく人物として登場してるフィクションて何があったっけ?
901名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:32:54.45 ID:hmMGT1jz
>>898
深沢七郎の『風流夢譚』から
902名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:34:01.01 ID:AOJF9zLf
聖徳太子を召喚
初日に部屋を追い出されるが喜んで厩舎で寝る
7体のゴーレムの悩みを同時に聞きそれぞれに的確な助言を与える
ただの馬で空を飛びアルビオン上陸、安らかに眠れの一言で死兵解放
序盤割と捗るな
903名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:40:31.71 ID:DeHSWfd0
日出処の天子からか?
904名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:48:17.17 ID:eKJ9O1tR
>>900
映画『太陽』
905名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 21:48:48.77 ID:ZgsoiB1H
>>902
まさか幻想郷からなんて言わないよね?
906一尉:2012/02/28(火) 21:57:46.51 ID:z946fhFU
マダオを召喚にする
なぜサボるそれにギャク系にされる。
907名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 22:06:41.13 ID:EBgjjbku
あ、太陽で思い出した

アマテラス早く帰って来いよ!ずっと待ってんだから!
908名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 22:07:03.73 ID:AOJF9zLf
>>903>>905
スマン小六の時の社会科歴史資料集のミニ漫画思い出して
卑弥呼が凄い宝塚顔だったのを思い出す
清少納言は可愛いは正義の人らしいからルイズの事気に入るかも
「暴れん坊少納言」の少納言は結構強い
909名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 22:37:23.55 ID:8Syet1zl
聖☆おにいさんのブッダとキリストを召喚とか
910名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 22:43:49.26 ID:vF5B5yMq
>>898
刃鳴散らす
911名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 22:44:52.46 ID:lqR4C2aP
萌えるもの。濡れたスイカに映った幼女。呼んだら来るスズメの雛。2,3歳の幼女が
走って来る途中に地面のゴミを見つけて、ちっちゃいおててで「はいっ」と見せるのモエス。
おかっぱの前髪をかき上げないで、首を斜めにして向こうを見ようとしてるのもアホカワイイ。
ちっちゃいお坊ちゃんがスーツ着せられて歩いたり、幼女が遊んでいる打ちに腕の中で
くーくー寝るのもスゲェ萌える。しがみついてんだぜコンチクショー。

まぁ、ままごとの道具や水草の葉っぱとか、小さいものはみんなかわいいといえるな。
二歳くらいの子供が服の裾を引きずって部屋から出てくるのはタマラン。袖が長すぎて
指先だけちょっと出ているってのもピンポイント萌え。10歳前後の男の子が、
学校の授業で教科書読んでるのもけっこう萌えるシチュエーションだな。

人間以外で言えば、ヒヨコがぴよぴよと人の前や後ろに立ってついてきたり、親ニワトリに
くっついて歩くのは実にホホエマシス。
あと、カルガモの卵とか、ガラスの小瓶とか。

清少納言(枕草子 第百四十四段)


これ貼れって言われた気がした
912名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 22:56:13.03 ID:cL+NH9c5
>>909
ブッダはもう召喚されている
913名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 23:16:56.63 ID:ZgsoiB1H
>>911
現代語訳すると腐女子にしか思えないのが平安クオリティ
紫式部もしかり
914名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 23:32:10.26 ID:pZNwK3M+
まっ先にギャグ漫画日和を思い出してしまった>聖徳太子
915名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/28(火) 23:50:41.81 ID:ChcIFzpW
スパロボ参戦を祈って鉄人28号FXを召喚!
916名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 11:03:08.91 ID:ZaPagzPp
>>901
右翼が乱入してくるからお断りします。
917名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 12:44:30.23 ID:TeG0DxCI
清少納言を腐女子扱いはよく聞くが普通の女の感性だろう
918名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 14:53:22.96 ID:6VEDmxRB
水銀燈が召喚された奴、なんとモヤモヤするところで途切れてるのだ
続きはないのかのぉ
919名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 16:45:42.78 ID:w91tC/r8
>>917
一々こんなもんポエムにしてるのが腐女子っぽいって事なんじゃないかな
普通は思っててもわざわざ自己主張しないだろうし
920名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 17:13:48.95 ID:Vu8UGrGQ
秘境のクマさんをしょうかんしたらどうなるか
一人で生きていけるからかってにどっかいっちゃうな
921名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/29(水) 20:48:01.77 ID:hROhqIS7
>>882
今週はルイズがあの虚無魔法を新たに覚えて使ってたから固定じゃないっぽいよ

原作もアニメも基本は必要に迫られて読めるようになって覚える、みたいな感じかな
922名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 02:03:22.40 ID:9l74k5dy
そういえばデュープリズムゼロの第七話って代理投稿された?
923名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/01(木) 02:23:50.25 ID:kyMt+es9
まだ
924一尉:2012/03/01(木) 21:40:56.45 ID:4LtHX7f0
ジエイコブを召喚にする。
925名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 20:07:27.72 ID:01vEg8Lu
>924
“召喚”に“ジェイコブ”とルビを振って、だからどうした。
926名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/02(金) 21:04:25.77 ID:ZN5MYGph
>>925
そいつは方々のスレに出没するage荒らしの常習犯だから
一切相手にしない方がいい
927名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 00:24:47.39 ID:kjN2ssUt
おい埋めちゃっていいのか
928名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 00:35:03.53 ID:+MLV2Rem
投下には厳しいしいいんじゃね?
929名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 01:13:40.66 ID:uOBKD4bL
次スレもあるしね
930名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 04:53:19.78 ID:CNPWohJS
夢の島
931名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 14:00:24.42 ID:ksmwnOlm
久方ぶりに1000まで行けそうだな
932名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 17:41:52.51 ID:hweo5Xcm
のんびりゼロ魔関連の雑談でもしてればそのうち1,000いくだろう
933名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 18:58:34.34 ID:QO6QB554
墓王ニト様を召喚。
奇跡と剣をルイズにあげると
速攻で暗くて静かな宝物庫に引きこもるニト様。
934一尉:2012/03/03(土) 19:14:41.16 ID:T9bv/9a+
草加拓海少佐を召喚にするルイズ
935名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 19:52:45.28 ID:r8Z/sJec
ゼロ魔関連の雑談といえば、アニメ観たんだけど、リーヴスラシルの能力って予備電池?
936名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/03(土) 23:59:50.18 ID:XNxhqeT9
GN電池召喚とな?
937名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 00:09:42.82 ID:oIYd5XE5
>>935
ルイズが死にそうになって
サイトの生命力を移して助ける
サイトは死ぬ
938名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 01:52:16.29 ID:rso+WKUt
>>910
大帝陛下もご照覧あれ!
939名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 02:26:17.54 ID:jtSO8kXh
さんざん語られたかもしれないが
朝の通勤ラッシュの電車内にゲートを作っちまったら?

零戦乗った武雄さんだってやって来たんだから、線路上じゃ電車が来るまで
誰も現れないから、その間にルイズが気合入れてるうちにゲートが広くなって
電車が丸ごとやって来るかもしれんな。
940名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 02:31:20.04 ID:oIYd5XE5
使い魔は電車の速度でルイズに衝突
隣にいた乗客は体半分ぐらい飲み込まれたところでゲートが閉じてグロ死体に
941名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 02:31:24.52 ID:inoSjm9Y
>>939
そして脱線事故か、恐ろしいな
942名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 02:34:00.53 ID:rso+WKUt
なんでトーマスとかヒカリアンとか平和的な方で考えられんのだ信じられん
943名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 02:37:49.00 ID:rso+WKUt
>>939
てかそもそもageてんじゃねえか
944名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 05:58:57.10 ID:rGz8fQpA
普通にデンライナー召喚しちまおう。
945名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 06:39:29.59 ID:R4eXyWhw
>>939
そして、人身事故か……
946名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 09:01:23.33 ID:E6NwVahA
銀河鉄道の夜のラストでカムパネルラが消えたのはルイズに召喚されたからなのか
947名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 09:15:10.59 ID:21LMvKU1
>>946
ますむら版のネコパネルラならルイズも満足するかなw
948名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 10:09:58.47 ID:hrCMsOh7
>>939
承太郎は電車内でゲートが出現したせいで回避できなかったが
ピンポイントで呑み込まれたおかげで被害は出なかったな
949名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 10:17:02.05 ID:amOU6/xp
>走行中の電車から召喚

ファイナル・デッド・トレインの死亡パターンの1つに出来そうだなあw
あるいは召喚により死亡は免れたが、死神の手はハルケギニアまで迫ってきたとかw
950名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 12:42:32.68 ID:+KsOtxlj
>949
興味深いな!ぜひ書いてくれ
951名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 15:51:23.78 ID:inoSjm9Y
ガインとロコモライザーが呼ばれて聖地から三次元人がやってくる、と


イノセントウェーブ発生装置は誰になるんだこの場合
952一尉:2012/03/04(日) 21:01:09.03 ID:E95xdtyy
イージス艦「みらい」を召喚にする梅津艦長ら召喚にした。
953名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 21:24:19.78 ID:LrQVHbze
しかしこの、「オイラは日本語を正しく使えないバカチンでっすよオヨヨノプー?」な荒らしはなんとかならんのか。
954名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 22:56:35.16 ID:x/9EIXQE
久々に来たが容量オーバー無しで完走か
随分寂れたもんだな
955名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 23:36:15.86 ID:xxBa711x
ルイズが召喚をするとゲートが出現する
ゲートに石を投げ込むがどこに通じているか分からない
ロープを巻いて入って行った者は帰ってこない
とりあえずそのゲートはゴミ捨て場として使われることとなる
要らなくなったゴーレム、ガーゴイル、エクスプロージョンの入った火石……

そんなある日中空から石が落ちてくる。次に中空からロープを巻きつけた者が落ちてき……
956名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 23:43:45.24 ID:rso+WKUt
>>953
荒らしは華麗にスルーが常識
957名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/04(日) 23:59:51.60 ID:LrQVHbze
>955
小松左京だっけ?
958名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 00:04:35.05 ID:1P5JJfH/
>>957
星新一じゃなかったかい
959名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 00:08:22.74 ID:IufMkRdq
そしてハルケギニア文明は無限のエネルギーを手に要れ永遠に栄えましたとさ
960名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 00:33:31.08 ID:HW2AVMda
>>955
人が入っていったら、ゲート消えね?
961名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 14:03:06.19 ID:/W/omwI1
「おーいでてこーい」ってやつか
962名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 20:29:37.27 ID:+fmyLFrb
>>960 ハルケ側から人が入ったんだよ
963一尉:2012/03/05(月) 21:53:09.67 ID:lNHvzrKv
なぜオバマ大統領が召喚にした。
964名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 22:51:55.53 ID:zU+bmqK3
>>955
道徳の教科書であったな
965名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 22:59:52.01 ID:BmkxUp4N
>>955
世にも奇妙な物語で映像化されてたな
966名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/05(月) 23:07:47.31 ID:StzeARt4
NHKでもやってたな確か
967名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 02:19:23.50 ID:w7RcjafS
>>949-950
夜神月を召還したら、リュークが使い魔扱いされて月はあんた誰?
と言われるな。

そしてL
「月くんには逃げられました。
 離れた所から人を殺せるのですから、それぐらいのことは簡単に出来るのでしょう。
 認めたくはないがおそらくキラの捜査は行き詰まるでしょう。
 これが現実です」
968名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/06(火) 12:25:06.94 ID:Td5bfjBE
969一尉:2012/03/06(火) 22:26:15.76 ID:BMcgjRhG
なぜ石田三成を召喚にした。
970名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 00:18:19.41 ID:cCWedfir
やけに肌の白い石田三成を召喚とな
971名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 00:21:01.14 ID:GgQAJnmM
魔女宅からキキ召喚
意外と気が強いしルイズと衝突するかな
972名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 00:33:03.70 ID:L6FmBWU7
キキの魔法ったら、飛ぶのと猫と話せるのくらいだっけ
ゼロ魔のメイジより弱い魔法使いってのは何気に希少価値だな
しかし飛行速度はメイジのフライより速いか?
973名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 00:35:02.62 ID:29TYh2T1
飛行距離と時間もかなり長いな
974名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 00:40:15.84 ID:Jvynocyp
でも、シルフィードより遅いんでしょう?
975名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 00:41:02.85 ID:09Xn+iu4
キキは風邪薬、つまり秘薬も作れるだろ
原作版ならだけど
976名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 01:09:02.00 ID:Jvynocyp
その設定はアニメ版ではそっくりオミットされててカワイソスってなったw
むしろキキの無能さをディスるために母親が引き合いに出していたぐらいだしw
977名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 02:06:58.49 ID:GgQAJnmM
宮崎作品か
ルパン
ナウシカ
シータ・パズー
トトロ
キキ
ポルコ
アシタカ・サン
千尋
ソフィー・ハウル


ストーリー作れそうなのはルパンにキキ、ポルコにハウル位か
978名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 02:08:20.97 ID:OZxWlBvk
ルパンを宮崎作品と呼んでいいのだろうか?
979名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 02:12:29.18 ID:29TYh2T1
パヤオといったらパンダだろ
ルイズのパンチラ5割り増しで
980名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 12:12:11.80 ID:P2BB2jo5
ラジアータストーリーズの人間大好き銀龍フォティーノを召喚

ハルケギニアで今度こそは人間の為にと頑張るとこが見てみたいな
981名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 13:35:50.13 ID:OZxWlBvk
洋風ナルトな主人公がハルケギニアのほとんどの人間を仲間にするんですね
982名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 19:52:34.91 ID:gu8twN8E
>>978
じゃあクラリスか伯爵だな。
伯爵は魔法使いではなくても貴族になるのか?
983名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 20:21:24.32 ID:cCWedfir
金があればゲルマニアでなれるよ
984名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 22:12:46.98 ID:GxO71AKm
魔法使いといえば、コルベールは別な意味でも魔法使いというかゴッドハンドなのかもしれんな
985名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 23:40:30.39 ID:wDBA8MM1
あと2kb1000まで行くか?
986名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/07(水) 23:58:14.37 ID:0n/0YW5V
微妙
987名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:05:43.92 ID:sTD9dkoF
もう少しで埋まるしネタ支援
ルイズがアイマス2の世界に飛ばされて
何だかんだあって病で倒れた伊織の代わりに一週間後のステージに立つことになる
ウェーブも一日だけなら矯正できるだろうし一週間あれば基礎の基礎なら何とかなるよね!
988名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:09:06.00 ID:UKD2YtqH
owarika
989名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:24:06.14 ID:PvoBf9TY
>>984
ゴッドリールで金的食らわせたりタライを頭に落とされるコルベール先生と聞いて
990名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:28:24.75 ID:UKD2YtqH
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991名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:28:42.77 ID:UKD2YtqH
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992名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:28:59.54 ID:UKD2YtqH
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993名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:29:27.12 ID:UKD2YtqH
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994名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:29:56.94 ID:UKD2YtqH
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995名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:30:25.51 ID:UKD2YtqH
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996名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:30:45.53 ID:UKD2YtqH
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997名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/08(木) 00:31:16.40 ID:UKD2YtqH
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998名無しさん@お腹いっぱい。
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