ブラックジャック
奇跡も手術もあるんだよ の巻
BJ「私はモグリなんでね、保険は効かない。この少年の腕を治すには、5000万は必要だ」
恭父「ご、5000万…」
恭母「な、何かの間違いでは…」
恭介「いいんだ、どうせ僕の腕は治らない。僕はもう一生ヴァイオリンを弾けないんだ」
BJ「…………」
さやか「待ってよ!」
BJ 「何だ? 私はこれでも忙しいんでね」
さやか「立ち聞きしちゃったけど、5000万円あれば、恭介の腕を治せるんだよね?」
BJ 「幾ら積まれても無理だ。あの少年には、治ろうという意思が無い」
さやか「あいつはふてくされるだけだよ! あいつの意思はあたしが何とかするから!」
じゃらっ
さやか「2640円…5000万には全然足りないけど、今のあたしの全財産だよ。
残りは何とかするから、何年かけてでも払うから!」
BJ 「お嬢ちゃん、お金の世界を馬鹿にしちゃいけない。具体的にどう工面するつもりだ?」
さやか「それは……」
BJ 「失礼する」
さやか「……ううっ」
キリコ「奇遇だな」
BJ 「何で貴様がここに…」
キリコ「フフフ、治る見込みの無いヴァイオリン少年に安楽死を勧めようと思ってな…」
BJ 「!!」
さやか「恭介…」
恭介 「さやか、どうして泣いてるんだい?」
さやか「何もできなくてごめん…あたし、無力だ」
BJ 「邪魔をする」
さやか「え?」
BJ 「気が変わった。その手付金で手術を引き受けよう」
恭介 「ありがとう、僕が復帰できたのも、さやかのおかげだよ」
さやか「えへへ…///」
領収書『手付金 2,640円 ヴァイオリンの生演奏 49,997,360円 確かに受け取りました』