あの作品のキャラがルイズに召喚されました part298
──バキバキッ
渾身の力を込めた少女の腕が、腕を拘束していたベッドの枠をへし折った。
──ドス
「うげっ!?」
男の呻き声のような悲鳴が聞こえ、彼を見上げている少女の顔に血の雨が降り注ぐ。
少女の手首に固定されているベッドの枠だった木片が、男の喉笛に深々と突き刺さっていたのだ。
「お……、お前……、ぢょっど待で……。何やっでんだ、お前ば……」
そして……、
「がびばびいいい〜っ!!」
木片を引き抜かれ、男は喉に開いた穴から盛大に鮮血を噴出させて絶命した。
『女戦士の名は「ビダーシャル」じゃ!! たいへん戦好きの女神として語り継がれておる。人間の戦場において、誰が死ぬかを決定する能力を持って折ったそうじゃよ』
「遠見の鏡」には、全身を鎧兜で固め両手剣を手にした女神の姿が映し出されていた。
男の返り血にまみれた状態で、少女は呆然と東方の女神・ビダーシャルの姿を眺めていた。
そして覚醒……。
少女は恐怖の感情を克服した。自らが恐怖を与える存在と化す事で……。