あの作品のキャラがルイズに召喚されました part290
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part289
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1298388549/l50 まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ _ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
/ '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
_
〃 ^ヽ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
J{ ハ从{_, ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
ノルノー゚ノjし 内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
/く{ {丈} }つ ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。
. ,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
{ {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
⊂j{不}lつ ・次スレは
>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
途中で容量が限界に達しましたので新スレ立てました。
では、次レスより再開いたします。
ここに運んできてくれたのは、あなたなの? と言おうとしたときには、彼の姿はルイズの視界からは消えていた。
いまだ大粒の雨が降り注ぐ中へ、才人とルイズは飛び出していく。謎の答えよりも、今やらなければならないことを果たすために。
才人たちが夢から現実の世界に戻ってきたのと、ほぼ時を同じくしてトリスタニアでも戦いは続いている。
街を横断しようとするアボラスを、ドラゴンやグリフォンに乗った魔法騎士が迎え撃つ。
ただし、無理に食い止めようとして犠牲を増やしていた以前までと違って、今回からトリステイン軍は
戦術を大幅に変更していた。
「下手に近づいて撃ち落される危険を冒すな! 遠距離から注意をひいて、街路に誘い込むんだ!」
首都防衛の任についているド・ゼッサールの指揮の元、アボラスの溶解泡を浴びないように注意しつつ、魔法衛士隊は
アボラスに魔法を浴びせる。むろん、遠くからの及び腰な攻撃ではスーパーガンやマルス133のビームでも傷一つ負わない
アボラスに通用するはずはない。彼らの目的は、倒すことではなくて誘導することにあった。
攻撃にいきりたって、魔法衛士隊を追うアボラスの前に広い道路が現れる。幅はおおよそ四〇メイル、そこへアボラスを
誘い込んだ彼らは、そのまま道路の先へとアボラスを挑発して引っ張っていく。
「ようしいいぞ。このまま被害の出ないところまで連れて行け」
ニヤリと笑った衛士隊員の言うとおり、アボラスは道路を通って建物を壊さずに街中をすり抜けていく。
これは、頻発する怪獣出現からトリスタニアを守るために、都市の復興と並行して、ザラガスの出現あたりから
進められてきた都市改造計画の一つであった。なにせ、以前までのトリスタニアでは、敵の軍隊が攻め込んで
きたときのために、最大の通りであるブルドンネ街でも幅はたったの五メイルしかなかった。だが、人間相手ならともかく、
怪獣はそんな狭い道は通れない。一歩ごとに確実に建物を破壊してしまい、かえって被害を拡大させてしまっていた。
そのため、道幅を一気に八倍にすることで怪獣が通りやすくし、周辺の建物への被害を防ごうという逆転の発想がこれであった。
怪獣だって、わざわざ好き好んで建物を壊しながら歩きにくいところを進むより、平坦な道を好むのは当たり前のことである。
この広大な道路はトリスタニアを碁盤の目のように縫って広がっており、怪獣が街のどこに出現してもすぐに誘導できるように
計算されて作られている。
「おかげで、街の雰囲気はずいぶん変わってしまったが、広い道は市民が避難するにもちょうどいい。これは想定していたよりも
効果が大きいようだな」
ド・ゼッサールは市街地を素通りしていくアボラスを見て、満足げにうなずいた。はじめは道を広くしただけで被害を減らせるものかと
懐疑的だったが、これは予想以上の名手らしい。
実は、同じことは地球でも怪獣頻出期の中ごろから取り入れられて効果をあげていた。
怪獣頻出期の初期、市街地に出現したゴモラやテレスドンによって、多くのビルが破壊されて甚大な被害が発生してきた。
ところが、ウルトラ警備隊の時代のある事件が契機となって、都市計画は大きく見直されることになった。
発泡怪獣ダンカンがウルトラセブンと戦ったときのことである。戦闘能力の低いダンカンは、ウルトラセブンに対しては
終始逃げに徹し続けた。最終的にダンカンはセブンのエメリウム光線で倒されることになるのだが、ビル街で
おこなわれた両者の戦いは、道路を逃げるダンカンをセブンが追い回すという形になった。普通に考えたら
怪獣とセブンが街中で追いかけっこをしたら甚大な被害が出そうなものだが、その街は道路が広かったおかげで、
戦闘が終わってみた後で集計された被害はビルが二つ倒壊しただけという、極めて軽いものになったのである。
これを機に、大都市の道路は必要を超えてもかなり広く作られるようになり、MATの時代にはさらにそれが発展
されていった。それは、洪水を防ぐためにダムや遊水地を築くように、怪獣にも被害軽減のための遊水地を作ろうというのである。
簡単に説明するならば、街中に出現した怪獣を攻撃するためにミサイルを撃ち込めば、当然周りの建物にも被害が出る。
また、ウルトラマンが現れても狭い市街地では満足に戦えないこともあるだろう。そのため、市街地のど真ん中に、
百メートルから数キロ四方の広大な空間が配置されるようになった。
もうお分かりだろう。つまりは、ウルトラマンが怪獣と街中で戦っているときの、大きな空き地のことでなのある。
ここでなら、周りの被害を気にせずにウルトラマンも防衛隊も思う存分戦うことができる。
宇宙大怪獣ベムスターをはじめとして、囮怪獣プルーマ、ブーメラン怪獣レッドキラーと、この空き地を使って
ウルトラマンと激しい肉弾戦を繰り広げた怪獣は多い。むろん後のウルトラマンたちも、エースやタロウは
初戦のベロクロン戦、アストロモンス戦でさっそく活用し、レオや80もむろんここで数多くのバトルを繰り広げている。
相次ぐ怪獣出現による経験は、地球とハルケギニアで偶然にも……いや、必然と呼ぶべき同じ進化を街に与えていた。
むろん、古来より続いた街並みを変えることには大きな抵抗感があったし、軍からもトリスタニアが敵軍に攻められたときに
どうするのかという反発もあった。けれども、広い道は平和時には交通や交易に非常に便利であり、火事や地震の
際にも安全な避難路として使うことができる。また、軍に対しては「トリスタニアまで敵に攻め込まれて、そんな
状態からどうやって戦争に勝てるのかお教え願えますか」というアンリエッタの一言がすべてを決した。
少なからぬ時間と、アンリエッタやマザリーニの不断の努力を代償にした新しいトリスタニアの形。それは直接
目に見える形ではなく、恐らくはほとんどの人々の記憶には残らないだろうが、これまで破壊されるにまかされる
だけであった人々の暮らしを、怪獣から守ることに成功した。
「ゼッサール隊長、怪獣の進行方向の市民の避難はほぼ完了しました。信じられない速さです。おかげで、
これまで犠牲者は一人も出ていません!」
「ご苦労。それに火災や建物の倒壊も、以前と比べると格段に少ない。姫殿下の慧眼は、私のような老眼の
持ち主よりもはるかに遠くを見れているようだ」
満足げにうなづきながら、ゼッサールは市街地を進んでいくアボラスを見た。さすがに完全に素通りとはいかず、
置き去られた屋台や荷車が踏み潰され、運悪く尻尾をぶつけられた建物がひしゃげさせられたりしているものの、
これまでだったら大火災の発生と多数の死傷者を生んでいるはずだ。
英断をくだした主君に、あらためて忠誠を誓うゼッサール。けれど、これはあくまで被害軽減の策にすぎず、
怪獣を倒さなければ意味はない。部下の持って来た報告を聞き、彼はここからが正念場だと覚悟を入れなおした。
「隊長、東の森林地帯より赤い怪獣が接近中。このままいくと、トリスタニア東部の住宅街で青い怪獣と衝突するものと思われます」
「赤い怪獣、アカデミーから連絡があったバニラとかいうやつか。ウルトラマンAをも撃退してのけたそうだが、
もしも青い怪獣と同士討ちになってくれれば、我々にもまだ望みはある」
「しかし、もしも二匹が共闘して我々に向かってきた場合には……」
「そのときは、陛下から杖を預かったものとして恥ずかしくない行動をとるまでだ。我々が滅んでもトリスタニアが
残ればよい。トリスタニアが滅んでも、市民が残れば街は何度でも作り直せるからな」
どちらにせよ、覚悟だけは決めておけと部下に告げると、ゼッサールは目を閉じて瞑目した。
しかし、かつて地球でも悪魔と呼ばれた二大怪獣の本当の恐怖を、ゼッサールたちはまだ知らない。
そして、二大怪獣を封じ込めた人々が、未来の人々のためにと残した最後の望みも、同時に目覚めようとしている。
アボラスとバニラを封じていた悪魔の神殿。その付近一帯を激震が襲い、発掘現場は再びパニックに包まれる。
「じ、地震だ! でかいぞ!」
「遺跡が崩れる。みんな逃げろ!」
崩落する悪魔の神殿、そのさらに地底から高い声の遠吠えとともに、金色の巨体が浮上してくる。
「か、怪獣だぁーっ!」
天を見上げて、金色の巨躯を持つ怪獣は復活の雄叫びをあげる。
ミイラ怪獣ドドンゴ……ミイラ人間の忠実な僕である彼は、逃げ惑う人々には目もくれずに、無人と化した
発掘現場の片隅に姿を現したミイラ人間に向かって頭を垂れた。
ミイラ人間は、遠い過去からの友との再会に、わずかに目を細めると、ある方向へ向かって指を指した。
その指す先はトリスタニア。ドドンゴは、己のなすべき使命を知ると、翼をひるがえして高く吼えた。
続く
ルイズは一生無乳
今週はここまでです。
前スレ>745と>747の方、支援ありがとうございます。
過去と現在での二つの戦いを、やや進めさせていただきました。始祖ブリミルと仲間たちは、14巻にちょっと出た
だけですが、けっこう好きなキャラなのでやっと出せてうれしいです。彼らはこの後にも登場する機会を考えているので、
その中で始祖ブリミルと仲間たちが戦った六千年前になにがあったのか、その謎も順次明らかにしていこうと思います。
では、次回もよろしくお願いします。
なお、来週20日は行事が入りまして、投稿にとれる時間をとれるかは危ういので、翌21日に変更させていただきます。
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 12:51:26.47 ID:OLVIxd0A
ウルトラスレたて乙
>>5 イリュージョンをうまく使えば見かけはなんとかできるぞ
乙でした
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 13:32:44.12 ID:wiPjsUOL
大地震発生!!!
日本政府
「よし、自衛隊を投入だ」
現地
「何もかもやられた」
日本政府
「自衛隊の追加が必要だが、変な国多いし・・」
米国政府
「困ってるみたいだから空母送るよ、二隻。やるときはやるよ。」
日本政府
「やるって?」
米国政府
「オペレーション・トモダチ発動!太平洋方面は臨戦態勢な。日本に手を出したら空母打撃群二個を回すから」
中朝露
「・・・」
日本政府
「よし、最低限を残して全戦力を東北方面に投入しろ!」
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 13:36:27.93 ID:wiPjsUOL
ウルトラ5番目の使い魔作者さん、乙でした。
ウルトラギャラクシーの世界は、全ウルトラ作品の世界が融合したもの
らしいけれど、この作品読んでるとそれってハルケギニアが発端ではと
思えてくる。
しかし毎週毎週定期更新出来るって凄いな。
尊敬に値する。
ウルトラの人乙でした。
誰もが勇気を忘れちゃいけない 優しい心も忘れちゃいけない
傷ついた誰かがどこかにいれば 見ているだけじゃなく助けに行きたい
あのようなな事態が起きてしまった今、ウルトラの曲の一節が胸に響いています。
私も3年前まで大船渡で生活をしていたため、此度の震災に合われた皆様を思うといたたまれない気持ちに襲われます。
被災地の皆様へは今は何もできませんが、一人でも多くの方がご無事であることの祈り、募金活動、声援など
僕らができることを続けていきたいと思います。
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 17:51:50.22 ID:b0FyplSN
理想郷のトップより
>
更新・お知らせ
■ 2011/03/13(Sun) 15:58
まず始めに、今回亡くなった方々のご冥福をお祈りします。
このサイトの利用者の方々にも、亡くなった方、お怪我をされた方、避難所に避難している方等おられるかと思います。
言葉もないとしか言いようがないですが、お互い、復旧まで前を向いて、進みましょう。
舞は、現在茨城在住で、地震の時は会社におりました。机の下でなんとかやり過ごしましたが、揺れが収まったときには机ごとひっくり返っている状況で、かなりの揺れでした。
会社の建物も、ガラスが割れ、コンクリートが崩れ、天井が崩落、滅茶苦茶です。
しかし、なんとか怪我無く無事でおります。
つい、1時間ほど前に電気が復旧し、なんとかArcadiaも復活しました。
未だ、水道は復旧しておりませんが、近くの山でわき水をくみ、生活用水と飲み水だけはなんとか確保しました。
私と嫁候補の二人が復旧まで耐えるだけの食料も、なんとか備蓄がありました。
亡くなった方、怪我をされた方、避難されている方からすると、恵まれ過ぎた状況ではありますが、せめて、このArcadiaが一時の慰めになればと思います。
取り急ぎ、現状のお知らせです。
>
良かった。マジ良かった!!
ageながらスレと関係ないことコピペすんのやめてほしいな
とりあえずウルトラ乙
ハヌマーンはウルトラ兄弟の中ではやはり異端か
>>7 無乳が虚乳になるわけですね
何と言う虚無の力!
前スレで死がふたで書くって言ってた人、来なかったなあ
まあ需要ならここにあるので、気の向いたときにでもお願いします
D&Dで書くか…
>>16 あれは海外で共演しただけの別のヒーロー
ちなみに現在のウルトラ兄弟は
ゾフィー、マン、セブン、ジャック、エース、タロウ、レオ、アストラ、80、メビウス、ヒカリ
別世界限定でティガ、ダイナ、ガイア
新スレ立ってたのか
ウルトラの人乙です
>>17 唯一、満たされないのが本人の胸の内ってのが虚しいな
40分頃から投下を開始したいと思います。
「どこもおかしくないみたいね」
服を着終えたルイズが、鏡の前でクルッと回る。
マキシマが人の着替えを手伝うのは初めてだと言っていたが、特に問題ないようだ。
朝食をとりに向かうためにドアを開ける。
すると、褐色肌に赤髪のグラマラスな少女が、同じタイミングでドアから出てきた。
「……おはようツェルプストー」
「あら、おはようヴァリエール。あなたの方から挨拶してくるなんて珍しいじゃない。悪いものでも食べたの?」
鉢合せになった赤髪の少女に挨拶をするルイズと、からかうように返す少女。
「…たまにこっちから挨拶してみれば何で憎まれ口を叩くのよ!ハァ…。面倒だから挨拶だけしてさっさと通り過ぎようと
思ったのに…」
「サラリと酷いこというわねあなた…」
どうやらこの少女はルイズのケンカ友達のようなものみたいだ。
二人にそう言ったら全力で否定しそうだが…。
予想外に反応が薄いルイズに対して(次はどの角度で攻めようかしら)と少女が企んでいると、ルイズの後に
続けて出てきた大男に気が付く。
「あなた確かヴァリエールが召喚した…」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、マキシマをジロジロと見ながら「ふ〜ん」とか「へぇ〜」と呟きながら観察する。
そしてアハハハと笑い出した。
「ほんとに人間なのね。凄いじゃない!平民の使い魔なんて聞いたことないわ!」
「うるさいわね!関係ないでしょ!」
食いついた食いついた!と、内心ほくそ笑む少女。
「ごきげんよう。私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。二つ名は「微熱」
よ。気軽にキュルケって呼んで頂戴。あなたお名前は?」
「マキシマだ」
キュルケの自己紹介に短く返すマキシマ。
どうやらキュルケは、昨日の生徒たちとは違いルイズを馬鹿にしているのではなく、少しからかってその
反応を見て楽しんでいるようだ。
それにしても と、キュルケがマキシマにしなだれかかる。
「すごく大きいわね。私、たくましい男の人は嫌いじゃないわ」
「そいつはどうも。俺もアンタの事はきらいじゃあないぜ」
キュルケの艶やかな言葉に平然と返すマキシマ。
その様子を見ていたルイズが、ぷーっと頬を膨らませる。
「ちょっとツェルプストー!何私の使い魔に手を出してるのよ!」
マキシマとキュルケの間に入り二人を引き離すルイズ。
「あんたも!何鼻の下伸ばしてるのよ!」
「別にそんなつもりはないんだが…」
「言い訳しない!」
どうやらルイズには、マキシマがキュルケにデレデレしているように見えたらしい。
無論そんな事は無いのだが、今のルイズには何を言っても無駄だろう。
そんな二人を見て、クスクスと笑っていたキュルケが、今度はルイズに絡み始める。
「ウフフ…。確かに頼もしそうな平民だけど、使い魔ってのはやっぱりこうでなくちゃね」
おいで とキュルケが手招きすると、彼女の部屋からのそのそと大きなトカゲが出てきた。
体が赤く、尻尾に炎を灯したそれは、頭を彼女に撫でられると、気持ちよさそうに目を細めた。
「この子はフレイム。私の使い魔よ」
そう言いながら燃えるような赤い髪をかき上げる姿は、結構サマになっていた。
「それって…サラマンダー?」
「えぇ。それにみて?この尻尾の炎!。これだけ綺麗な色をした炎だと、きっと火竜山脈に棲むサラマンダーね」
自慢げに答えるキュルケに、悔しそうに唸るルイズ。
その様子を見て、満足そうな顔をしたキュルケが、誘うようにマキシマに話しかける。
「ヴァリエールの所が嫌になったら、私の所に来てもいいわよ?特別に使用人として雇ってあげる」
その言葉に ふむ と顎に手を当てたマキシマだったが
「せっかくだが、遠慮させてもらう。嬢ちゃんの世話をする奴が居なくなっちまうからな」
後ろ半分をルイズに聞こえないように小声で言うマキシマに、キュルケは一瞬だけ、とても優しそうな顔を
見せた。
「そ。残念ね。それじゃあ私はもう行くわ。あなたも急いだら?ヴァリエール。朝食に間に合わなくっちゃうわよ?
ただでさえない胸が、もっと痩せちゃったらどうするの?」
「あんたは一言も二言も余計なのよ!この牛!!」
ルイズをからかい、分かれ際に彼女が残した言葉を、マキシマはそっと胸にしまった。
『あの子はそんなに強くないから、守ってあげてね。頼もしい使い魔さん』
―――――――――――――――――――
「こいつは凄いな…」
マキシマが感嘆の声をあげる。
「どう?ここがトリステイン魔法学院の誇る大食堂『アルヴィーズの食堂』よ」
そう言いながら、なぜか偉そうに胸を張るルイズ。
二人はキュルケと分かれた後、当初の目的を果たす為、ここ『アルヴィーズの食堂』に
来ていた。
「『アルヴィーズ』てのは何のことなんだ?」
「まわりにある小人の像たちのことよ。魔法がかかっていて、夜中になると踊ったりするらし
いわよ?私は見た事ないけど…」
大体夜中に食堂になんていかないわよね と続けるルイズに、そりゃそうだ と言いながら椅子を引いてやるマキシマ。
「気が利くじゃない。まずは合格ね」
一体何に合格したというのだろうか。
「ところで俺は何処に座ったらいいんだ?この椅子じゃあ、少し小さすぎるんだが…」
しっかりとした作りの椅子だが、マキシマの大きな尻を乗せるのには若干不安がある。
体の大きなマキシマを、床に座らせるわけにもいかない。
そんな事をすれば誰もその道を通れなくなってしまう。
「そうね…。じゃあ厨房に行って何か食べさせてもらってきて?私が話を通しておくから。食事が
終わったら、入り口で落ち合いましょう」
ルイズに言われた通り、厨房へと向う。
「あ!マキシマさん!」
後ろから、今朝聞いた覚えのある声で話しかけられた。
「ミス・ヴァリエールから話を聞いてきました。賄いでよかったら、食べていってください!」
元気良く微笑みかけてくる少女の正体は、シエスタだった。
言われるままに厨房の中へ入っていくマキシマを驚いた顔で見る使用人達だったが、マキシマが笑顔で
挨拶をすると皆気のいい返事を返した。
そうしてテーブルに座ると、シチューのようなスープが運ばれてきた。
「悪いな。いきなり来て飯を食わせてもらっちまって」
「いいんですよ。今朝のお礼です!」
スープを口に運んだマキシマは、「ほう…」っと、感心する。
薄すぎず濃すぎない味に、適度な柔らかさの野菜。
結構手の込んだものだろう。
「こいつは美味い。特別な調味料を使ってるわけでもなさそうだが…。ここのコックはかなり
料理の腕がいいみたいだな」
それを聞いたここのコック長らしきおやじが、マキシマの元へとやってくる。
「ガッハッハッハ!!お前さんなかなか分かってるじゃねぇか!そんなにデカイ体なら食う量も多いだろう?たっぷり
あるからいくらでも食ってきな!!」
マキシマの広い背中をバンバンと叩き、豪快に笑いながらそういうと、もう一つ大きな皿を持ってくる。
見た目通りの、豪快な性格らしい。
「俺はここの料理長のマルトーってんだ。まぁ同じ平民のよしみだ!遠慮なんて堅苦しいもんは無しにして、どんどん食え!」
しばらく厨房は、歓迎ムード一色だった。
朝食を済ませ、シエスタたちと別れた後、ルイズに言われた通り食堂の入り口で待機するマキシマ。
なんとなく周りを見回すと、こちらの方を見てヒソヒソと何かを話す者や、睨み付けてくる生徒たちが
見受けられる。
恐らく食堂の前で堂々と腕を組んで、壁に寄りかかっている平民らしからぬ態度に苛立っているのだろう。
しかし、文句を言ってくるような者は一人もいなかった。
全員、マキシマのことが怖いのだ。
平民でありながら、何処か気品漂う風格。
歴戦の戦士のような体つきに厳つい髪型。
そんな彼に、大半の生徒達は萎縮していた。
「あら?先に来てたのね」
食事を済ませたらしいルイズが食堂を出てきた。
すると、それまでヒソヒソ話をしていた者や彼を睨み付けていた者は、散り散りになって去っていく。
「…何かあったの?」
「いや…特に何も無かったが…。それより次は何かすることがあるのか?」
「普通に授業ね。アンタも来るのよ?使い魔は常に主人について行かなきゃだめなの。肝心なときに
いないなんていったら、召喚した意味が無いもの」
「はいよ」
何も文句を言わないマキシマに、彼女は気を良くする。
少し機嫌がよくなったルイズと、その少し後ろを歩くマキシマは、授業がある教室へと
向うのであった。
今日はここまでです。
ギーシュイベントはどうしようかな…。
アレがないとあの先ギーシュの使い方が難しくなるしなぁ…。
マキシマの人乙!
ここはモンゴリアンチョップ一発で勘弁してやるべきか>ギーシュイベント
31 :
ゼロの賢王:2011/03/14(月) 04:59:30.26 ID:GjcJ86f1
お久し振りです。
気が付いたらOCN規制が解除されていたので、久々に投下します。
あまり書き溜めはしないので、すこし短めですがご了承下さい。
(チッ、あの時の奴かよ!?)
ポロンは宝物庫で見たゴーレムを思い出す。
あの時は、距離もあったし、何より自分は自由に動けなかった。
だが、今は違う。
ポロンはルイズをゆっくりと下ろすと、ゴーレムに向かって手を翳す。
「ギラ!」
手から放たれた熱の閃光がゴーレムの腕を捉える。
しかし、腕には傷1つついておらず、ゴーレムに効果的なダメージを与えるに至らなかった。
「やっぱりな・・・!実は見掛け倒しとか期待してたんだけどね!」
ポロンはそう言うと、ルイズの手を引いてその場から去ろうとする。
しかし、ルイズはその場から動こうとしなかった。
「・・・ルイズ?」
ルイズの視線はゴーレムを見つめ続けている。
恐怖で動けなくなったのだとポロンは思ったが、すぐにその方がまだマシだったと気付く。
ルイズは杖をゴーレムに向けた。
「ファイヤーボール!」
杖の先からは火の玉は出ず、ゴーレムの足元が爆発を起こす。
しかし、それもゴーレムには何の影響も与えてはおらず、寧ろ退却するチャンスを失うことになった。
ゴーレムがこちらへ向かって突進を始める。
その巨体からは想像出来ないスピードでこちらへ向かって来ると、あっという間にルイズの近くまでやって来た。
ルイズは目の前まで迫って来たゴーレムに向けて再び杖を向けた。
「ファ・・・」
「バギ!!」
ポロンはルイズが魔法を唱えるよりも先に地面へ向けて真空の刃を放った。
風圧により、一瞬だがゴーレムの動きが鈍る。
「ピオリム!!」
その隙にポロンはルイズを抱えると、自らに呪文を掛けた。
先程よりも身を軽くしたポロンは、少女1人を抱えたまま、常人以上の速度でその場を走り去る。
すぐにゴーレムもポロンたちの追跡を始めた。
その追いかけっこの最中、ルイズはポロンの腕の中で激しく暴れた。
「ちょっとポロン!今すぐに離しなさい!あいつなんか私の魔法で・・・」
「ぐっ、暴れるなって!」
「ポロン!!」
「うるせえ!!!!」
ポロンはルイズに向かって吠える様に言った。
ルイズは「ひっ」と悲鳴を漏らし、大人しくなる。
「状況を考えろ!!死にたいのかお前!?」
「だって私は貴族なんだもの!貴族は魔法が使えるから貴族なんじゃない!敵に背中を見せない者、それが貴族なの!!」
「そんな犬も食わないもん今は捨てろ!!」
「嫌よ!」
ルイズはここに来て意地を張り続ける。
「・・・逃げたなんて知れたら、一生の恥なのよ!?それならここで立ち向かって討ち死にした方がマシだわ!!」
「・・・・・・・・・・・」
ポロンはその場に立ち止まった。
ルイズは「えっ?」と不思議そうな顔でポロンの顔を伺う。
すぐ後ろにゴーレムが迫って来る。
「ちょっと、ポロン!!ゴーレムが・・・」
「敵に背を向けないのが貴族なんだろ?」
「え?」
「止まって欲しかったんだろ?」
ポロンは何の感情も込めずにただそう言ってのけた。
ルイズは顔を青褪めさせる。
ゴーレムはポロンをルイズ毎踏みつける様に足を高く上げた。
ポロンの周囲が影に覆われる。
しかし、ポロンは身動き1つ取ろうとしなかった。
ルイズは思わず叫んだ。
「イヤアアアアアアアア!!」
その時、影が2人をその場から連れ去った。
ゴーレムは何も無い地面を踏む。
「・・・間一髪」
そう呟いたのはタバサだった。
相変わらず落ち着いた様子であったが、よく見ると額に少しだけ汗をかいている。
2人を連れ去ったのは彼女が駆る風竜のシルフィードであった。
「キュイィィィィィ」
シルフィードはひと吠えすると、そのまま高く上昇した。
茫然とするルイズに、ポロンは言った。
「な?生きてて良かっただろ?」
「・・・・・・!!」
ルイズは拳を握り締め、ポロンをポカポカと叩く。
しかし、すぐにボロボロと涙を零し始めた。
「うえぇぇ、バカ、バカ!バカポロン!!ひっく、ひっく・・・」
「・・・すまねえな。だが、あの時のお前は梃子でもあの場を動こうとしなかったし、
無理矢理連れて来て辺に禍根が残っちまうのもどうかな?と思ってさ。
調度、上空にこいつが見えたから、ちょっと試してやったのさ」
そう言って、ポロンはシルフィードの背中をさすった。
シルフィードは再び「キュィィィ」と吠える。
「私が助けなかったらどうしたの?」
タバサがぽつりと呟くと、ポロンは笑顔で言った。
「助けないつもりだったのか?」
タバサは何も答えなかった。
ポロンはタバサに向けて親指を突き立てると、すぐに真剣な表情でルイズを見た。
「・・・いいか、ルイズ。何があっても死んだらそこで終わりだ。終わりなんだよ。どんな金持ちでもどんな貧乏にでも等しくな。死を恐れないのは勇気じゃない。ただの馬鹿だ。大馬鹿者だ。人が死ねば、誰かが必ず悲しむ。お前は誰かを悲しませたいのか?」
ルイズは首を横に振った。
「・・・なら、約束しろ。二度と死んだ方がマシとか言うな」
ルイズは無言で頷くと、数十秒前の出来事を思い出して身震いする。
ポロンは震えるルイズの肩を優しく叩いてあげた。
「・・・で、これからどうしますの?ミスタ?」
後ろを振り返ってキュルケが訊ねた。
ゴーレムに対し逃げることしか出来ない自分たちが不甲斐ないからか、先程から存在を無視されていたのが多少気に喰わないのか、
不機嫌丸出しの顔である。
「・・・お手上げ。少なくとも今の俺たちにあいつをどうこうは出来ないだろうな」
「ハッキリ言いますのね。まあ、確かにそうだけど」
キュルケは悔しそうに爪を噛んだ。
「・・・そう言えば破壊の杖はどうした?確か、それさえ持って帰れば良かったんじゃなかったっけか?」
「それもそうですわね。それならここにありますわ」
そう言って、キュルケは破壊の杖を取り出した。
「やっぱりな・・・」
「?これがどうかしまして?」
キュルケが聞くと、ポロンは破壊の杖を手に取った。
「・・・こいつは杖じゃねえ、『マジックアロー』っていう武器だ」
「『マジックアロー』?矢なの?」
「ああ、こいつに呪文を込めると・・・」
その時、ポロンに1つのアイディアが浮かぶ。
「・・・そうか、これならいけるかも知れねえ!」
「ミスタ?」
「あのゴーレムって、やっぱ何かしらの核みたいなのがあんのか?それを攻撃するとバラバラになっちまうような」
「え?・・・そうねえ」
キュルケは考え込むと、タバサが横から口を出す。
「大抵はある。・・・もっともそれは内側にあることが多いからそうそう攻撃は出来ない」
「だが、あるんだな?」
タバサはこくりと頷いた。
「なら、こいつでその内側の核を破壊する!」
ポロンは破壊の杖、改めマジックアローをしっかりと握り締めた。
35 :
ゼロの賢王:2011/03/14(月) 05:10:52.51 ID:GjcJ86f1
今回はこんな感じで。
破壊の杖はそのままロケットランチャー出して、
ポロン「使えねえ!」にしようか迷ったのですが、マジックアローにしました。
何気にこれって原典でも結構凶悪な武器でしたしね。
では、また。
鏃の部分に呪文を付与できるあれか。
使ってたのは怪鳥将軍だっけ?
賢王の方投下乙です。
マキシマの人、賢王の人、乙ですー
ギーシュとの決闘イベントかあ…
ワルキューレのパンチなんて超一級の格闘家であるテリーや京の小パン一発ほどにも効かんだろーから、
超合金ぼでーのマキシマとしてはすべて無視してギーシュに歩み寄り杖を奪えばスマートに片がつくか?
チョップの一発もかますとギーシュ死ねそーだし。いや手加減はできるだろうけども
いかん、ワルキューレにマキシマリベンジャーかましてる姿が浮かんだ
アノアロの杖とかいうチートアイテムに頼らねば破られなかったマリポーサリベンジャーこそが真の三大奥義!
スグルやフェニックスやゼブラのはフツーに破られてるから真っ赤な偽物に決まっておるわ!
共闘でもいいのよ?
ふと、魔法少女まどか☆マギカのキュゥべえなんぞというネタを考えたが……うん、無理だ。
どう足掻いてもバッドエンドしか思いつかねぇ;;
QBにディスペル使えば殺せるかな…
QB召喚は考えたけど、他に誰かが先にやると思って書いていないなあ
でも、誰も投下しないなら先にやっちゃおうかなあ?
別に先例があろうがかぶろうが一切問題はない
前スレになかったっけ?
>>43 そう言う生き物じゃないだろうな、あれは。
つーか、万が一殺せたとしても直後に物陰から「酷いじゃないか」と言いながら
次のQBが現れるのがオチだな。
ルイズどの、わしの弟子になってキタキタ踊りの後継者になりませぬかな?
倒すとしたらQBスカウト→魔法少女→魔女っていう一連のシステム自体を消さないといけない
このシステムを異星人がハルケギニアにかけた「魔法」ということにすればディスペルで消せるな
同じやつが何回も出てくる?
ジェノサイドの巻物や根絶やしの巻物を使えばあるいは
四匹揃えて消そうか
揃えて消す、でぷよぷよを思い出したぜ。
カーバンクルでも喚ぶか。
ガトリング砲は使うなよ、好物だから。
【それは中の人だ】
【だからカイザーじゃないというに】
>>52 あの戦闘を文章に出来る猛者がいるのだろうか……。
マキシマの人乙!
前スレのゴミカスの言葉気にしなくていいと思うよ。下手に改変されるよかまし。
56 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/14(月) 23:01:51.58 ID:tISg4PZO
さっきTVで計画時間自体に変更があったみたいだったよ
15日の予定(各時間帯の最大3時間程度)
▼午前6時20分〜午前10時:第3グループ
▼午前9時20分〜午後1時:第4グループ
▼午後12時20分〜午後4時:第5グループ
▼午後3時20分〜午後7時:第1グループ
▼午後6時20分〜午後10時:第2グループ
今後毎日変わるのかな
煩雑な計画だよ全く
>>53 カーバンクルと聞いて真っ先にリフレクが浮かんだオレ。
流影陣!
流影陣というと
エイジか不破刃かで分かれそうだな・・・
そもそも龍虎外伝を知ってる人がいるかどうかだが
主役カーマンコールの天獅子版龍虎外伝も含めて知らない訳があるまい
藤堂かすみは脱衣KOしないけどな!
サイト・ヒラガ
さらわれたシエスタを捜すため、危険な街
トリステイン城下に乗りこむ…
ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール
サイトの飼い主、そして恋人
サイトと供にトリステイン城下へ
トリステイン城下で彼らを待ち受ける者は…
「魔法を使う貴族が相手なら、ガンダールヴの力を使わざるを得ない」
63 :
呪いの使い魔:2011/03/15(火) 02:41:11.76 ID:0jB3U9dd
皆様、お久し振りです
規制も解けたので、投下したいと思います!
地震で大変ですが、少しでも心の栄養になることを祈って
翌朝、目を覚ましたルイズは目の前の光景に唖然としていた。
「……アンタ、そこで何してるの?」
昨晩、衣服の洗濯を頼んだ筈の使い魔は本人の目の前で堂々とその衣服の匂いを嗅いでいた。
「ああ、芳しいわあ……」
「な・に・し・て・る・の?」
ルイズが再度訊ねると、花鶏は今気が付いたかのようにルイズの方を見た。
「あら、おはよう。ルイズちゃん」
「おはよう……じゃないでしょ?何をしてるの?」
「何って、匂いを嗅いでるに決まってるじゃない?」
「そんなの見れば分かるでしょ!!」
ルイズは声を張り上げた。
「私は昨日言ったわよね?その衣類洗濯しておいてって!なのに洗濯もしないで、尚且つ匂いを嗅いでた!?どういうことよ!?」
「それってそんなにいけないことかしら?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
花鶏のさも当然といった顔で発せられた言葉に、ルイズは言いたいことが多過ぎて、逆に何も言えなくなっていた。
そんなルイズを尻目に花鶏はショーツを手に取ると、その匂いを嗅ごうと顔に近付ける。
すると、ルイズは花鶏の手からショーツを奪い取った。
「ほ、本人の目の前で止めなさい!!」
「じゃあ、後でこっそり隠れて使うわ」
「隠れてもダメ!!っていうか、使うって何?何に使うの!?」
「勿論、こうやって……」
そう言うと花鶏はペロっと舌を出してルイズの背後へ素早く回った。
あまりに一瞬の出来事にルイズも対処出来なかった。
「へっ?」
「うっふっふー、ルイズちゃーん、覚悟しなさーい」
「あ、あ、あひぃ〜〜〜!!」
その時、部屋の扉が開いた。
「ハーイ、ルイズ♪」
そこには褐色の肌と豊満なボディの少女が立っていた。
彼女の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。
ルイズのお隣さんである。
キュルケは部屋の中の光景を見て、一瞬固まる。
ルイズの股間を弄りながら恍惚の表情を浮かべているのは、昨日ルイズに召喚された使い魔であった。
(……え?これは何?何の光景?)
彼女は自分が召喚した使い魔をルイズに自慢しに来たのだが、それも何処かへ吹っ飛んでしまっていた。
キュルケの存在に気が付いたルイズは、半ばヤケグソ気味に叫んだ。
「何よ!?何か用なの!?ツェルプストー!!」
「え?えーと、その……え?」
「あら?誰なのこの子?」
花鶏キュルケの存在に気付くと、ルイズの股間を弄るのを止めた。
そして、彼女の方へと歩みを進める。
「……ふ〜ん」
「……な、何かしら?」
キュルケは何とか平静を取り戻し、花鶏を値踏みするように見つめる。
(フーン、ルイズったら、本当に平民なんか呼んだのね。でも、この子、平民にしてはちょっと気品があるわね。何処かの没落貴族ってとこかしら?)
花鶏とキュルケは目が合う。
次の瞬間、花鶏は彼女の背後へ回った。
(私が簡単に背後を取られた!?)
キュルケは思わず胸元から杖を取り出そうとした。
しかし、それよりも先に花鶏の手がその胸へと伸ばされる。
「なっ!?」
「ふーん、なかなかのサイズじゃない。これなら伊代といい勝負出来そうね」
そう言うと、花鶏はキュルケの胸を揉みしだき始めた。
あまりのテクニックに思わずキュルケも身を捩る。
「あ……ちょっと、そんな……あ、あ!!」
「揉み心地も悪くないわ」
花鶏は嫌らしい目つきでそう言うと、キュルケの耳に息を吹きかける。
キュルケの膝ががくんと落ちた。
「どうしたの?もしかして攻められるのに弱い?」
「そ、そんなわけ……ああ!!」
「うふふ、私の手で極上の世界へ連れてって、あ・げ・る」
「キュルルー!」
その時、花鶏に向かって大きな影が突進して来た。
キュルケの胸を揉むことに集中していたせいで、それに気付くことが出来ず、花鶏はそれをまともに受けてしまった。
ゴロゴロと廊下を転がり、壁にぶつかると、そのまま気絶してしまったようであった。
「ああ、フレイム。よくご主人様のピンチに助けてくれたわね……おお、本当にいい子いい子」
キュルケはフレイムと呼ばれる虎ほどの大きさもあるトカゲの頭を撫でてあげた。
すると、気持ち良さそうにフレイムはキュルケに顔を摺り寄せる。
そして、そのまま茫然としているルイズの方を見て言った。
「……お察しするわ」
「……ええ」
普段はあまり仲の良くない二人が初めて手を取り合った瞬間であった。
66 :
呪いの使い魔:2011/03/15(火) 02:45:22.33 ID:0jB3U9dd
今回も短くてすみません
では、皆様の無事と健康をお祈りしてさようなら!
67 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/15(火) 07:06:28.04 ID:JiXXp/3C
※鉄道運行情報 各鉄道会社HP情報参照版
☆JR東日本線
東海道線 東京〜小田原
横須賀線 東京〜逗子
総武快速線 東京〜千葉
中央快速線 東京〜高尾
中央・総武緩行線 三鷹〜千葉
中央本線 高尾〜甲府
山手線
京浜東北線 大宮〜大船間
埼京線 大崎〜大宮間
川越線 大宮〜川越(9時〜15時頃運転中止)
宇都宮線 上野〜宇都宮
高崎線 上野〜高崎
常磐快速線 上野〜取手
常磐線各駅停車 綾瀬〜松戸間
武蔵野線 府中本町〜西船橋
南武線 川崎〜立川
鶴見線 鶴見〜扇町間・浅野〜海芝浦・武蔵白石〜大川
青梅線 立川〜拝島間
京葉線(東京〜蘇我間)→時間帯により運休
☆東京メトロ
通常の5割程度の運転本数
☆東京都交通局
地下鉄 通常の7割
荒川線 通常の7割
日暮里舎人ライナー 通常の7割
☆京急電鉄
本線 品川駅〜浦賀駅
久里浜線 堀ノ内駅〜三崎口駅
空港線 京急蒲田駅〜羽田空港国内線ターミナル駅
大師線 京急川崎駅〜小島新田駅
逗子線 金沢八景駅〜新逗子駅
※金沢八景駅〜浦賀駅は6時00分頃〜10時00分頃運休
※品川折り返し、都営との乗り入れ中止
☆東急電鉄
東横線 通常の7割
田園都市線 通常の5割
他の路線は平常通り
☆相鉄
始発より10〜30分間隔にて運転
二俣川駅〜海老名駅、14〜23時頃運休
☆小田急
小田原線 新宿〜相模大野 12時頃まで
新宿〜経堂 12時頃〜16時半頃
新宿〜相模大野 16時半頃〜19時半頃
新宿〜小田原 19時半頃〜終電
江ノ島線 相模大野〜片瀬江ノ島 12時頃まで、19時半頃〜終電
多摩線 新百合ヶ丘〜唐木田 12時頃まで、22時半〜終電
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/15(火) 07:08:43.77 ID:JiXXp/3C
☆京王
17時半頃〜22時頃、京王線の調布〜京王八王子・高尾山口、調布〜橋本 運休
井の頭線は運転
☆西武鉄道
池袋線 池袋〜練馬高野台 以外は終日運休
豊島線 練馬〜豊島園 以外は終日運休
新宿線 西武新宿〜鷺ノ宮 以外は終日運休
☆東武鉄道(朝ラッシュ以降は未定)
伊勢崎線 浅草〜竹ノ塚 終日運転
竹ノ塚〜久喜 8時半頃まで
日光線 東武動物公園〜南栗橋 8時半頃まで
東上線 池袋〜成増 終日運転
成増〜小川町 6時20分まで
野田線 大宮〜春日部 終日運転
春日部〜柏〜船橋 8時半頃まで
亀戸線 亀戸〜曳舟 終日運転
※その他は運休の模様
☆京成
(1)始発〜12時頃【通常ダイヤの約3〜5割で運行】
京成上野〜京成高砂
押上〜北総線(印西牧の原・印旛日本医大)
京成高砂〜京成金町
(2)12時頃〜最終【通常ダイヤの約3〜5割で運行】
京成上野〜京成成田・成田空港
押上〜北総線(印西牧の原・印旛日本医大)
京成高砂〜京成金町
京成成田〜芝山鉄道(芝山千代田)
印旛日本医大〜成田空港 ※12時頃〜17時頃のみ
(3)その他
千葉線 : 京成津田沼 〜 千葉中央駅
千原線 : 千葉中央 〜 ちはら台駅
終日運休
69 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/15(火) 07:10:06.17 ID:JiXXp/3C
☆つくばEX
通常の5割程度で運転
☆埼玉高速鉄道
運転本数を減らして運転(詳細不明)
☆東葉高速鉄道
西船橋〜東葉勝田台 折り返し運転
メトロとの乗り入れは中止
☆横浜市営地下鉄
ブルーライン 土休日ダイヤで運転
グリーンライン 平日ダイヤで運転
☆東京モノレール
土休日ダイヤにて運転
☆埼玉新都市交通
12時頃から運転
☆江ノ電
全面運休
☆湘南モノレール
14時半〜19時40分 運休
☆千葉都市モノレール
千葉みなと〜千城台 14時25分頃〜19時15分頃運休
千葉〜県庁前 終日運休
★特記なくとも各鉄道会社全て運転本数は大幅減少
★個人で集めた情報ですので過信しないでください。
コピペする自分偉いですってか
呪いの人GJ。
ふぅ…
は、破廉恥であるっ!!
おお、エロいエロい・・・
誰だッ!
『ゼロの中国嫁日記』とか言う謎電波を飛ばしたのはッ!!
才人が見たらのたうちまわる光景だな
>>74 私は必死で走った…しかし不覚にも股間のものが怒張して思うように進めず差はつまる一方だった。
この時…私の心の中に彼につかまりたい思いがまったくなかったであろうか…
77 :
旧劣等種:2011/03/15(火) 19:03:39.04 ID:cpHNt8G2
今一話分しか無いけど投稿してもいいかな?
大筋のプロット未完成で、2話以降が全く書けてないのですが。
いきなりエタる予感
だが投稿は自由だ
時間予告の後投下されるがよかろう
80 :
旧劣等種:2011/03/15(火) 19:44:42.57 ID:cpHNt8G2
では投下予告時間20:00を予定して準備します、ありがとうございます。
○×スレで、『ギーシュのしょーもないところが鍛えられる』という話があったので、『封神演義』の土行孫召喚とか考えた。
>80
ではどうぞ。
82 :
旧劣等種:2011/03/15(火) 20:00:54.63 ID:cpHNt8G2
ルイズが狂戦士を召還したようです
装甲騎兵ボトムズ外伝
青の騎士ベルゼルガ物語より、ケイン・マクドガルとAT積載用ジープを召喚
第一話 狂戦士召還
ケイン・マクドガルは、メルキア騎士団計画を阻止しレグジオネータを追放した後、メルキアに残ったw−1(ウォリアー1)を狩っていた。
自分の体をレーダーとし、反応を探っては潰す、その繰り返しが幾年も続いていた。
今、最後と思われる防衛施設とw−1を破壊し、ケインは煙草の煙を吐き出しながらつぶやく。
(やっと…終わった…な…)
あれから何年過ぎただろうか、体には傷が増えた
友も恋人も失い、ただ戦い続けた彼は今、珍しく弛緩していた。
同族たるw−1ならば自分の体がセンサーになった、そうでなくとも旧劣等種(ベルゼルガ)である彼の感覚は鋭い。
だが、最後と思われる敵を討ち果たしたという満足感から緩んでいた彼は、ATジープの前方に展開された鏡のようなものを避けることが出来なかった。
「ッ…!」
その日、ケイン・マクドガルとその乗機はアストラギウス銀河より消滅した。
…丁度その頃、別の世界では、ルイズ(中略)ヴァリエールによって召喚の儀式が行われていた。
12回目のサモン・サーヴァントに失敗したルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール は、13回目の前に次のようにつぶやいたと伝えられる。
「宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない。」
「アンタ何変な電波受信してるのよ。」と、キュルケが突っ込む。
「ちょ、ちょっと間違えただけよ!」
システムメッセージ:特異点が生成されたようです。
「宇宙の果てのどこかにいる……わたしの僕よ。神聖で美しく!そして、強力な使い魔よ!
私は心より求め、訴えるわ!…我が導きに、応えよっ!」
特大の爆発が巻き起こり、その場にいた全員の視界が遮られた。
ルイズは確信していた、当たりを引き当てたのだと。
爆煙が風で吹き流されると、そこには巨大な箱があった。
箱には車輪がついていたので、馬車らしいが、馬が居ない。
だが、馬が何頭居ようと、これを曳けるとは思えなかった、その位重そうに見えた。
「コレが私の使い魔…!?」
見ると御者台らしき所に人がうずくまっていた。
動かない、気絶しているようだ。
「見ろよ!ゼロのルイズが馬車を召喚したぞ!」
「馬すらついていない馬車だ!」
クラスメイトが騒いでいるが、気にしてる余裕はなかった。
恐ろしくボロボロだが、一応マントをつけているし、傍らには2メイルを超える巨大な杖らしきものが置かれている。
「ひょっとしてメイジなの?」
息はしている、ゲートを通過した際に気を失ったようだ。
仕方ないので起こして問い質そうとしたが、その男の体を見て絶句した。
全身傷だらけというのも生易しい、左手首は鉄製の鉤爪になってるわ、右膝から下は棒だわ、包帯に隠れて見えないが、恐らくは左目も
どうにかなってるだろう。
「ミスタ・コルベール!ひ、人が乗っています!しかも怪我人みたいです!」
引率の教師に声をかける。
巨大な馬車(馬無し)を興味深く調べていたコルベールが御者?を観察して言った。
「ふむ、人ですか…前例の無いことではありますが、その人が、あなたの使い魔と言うことになります。」
「でも人ですよ?しかも手足が欠けている怪我人ですよ!?」
ここまで話して気がつく、杖はメイジだからではなく、欠けた手足の補助なのだろう。
メイジならば、ここまでボロボロの服など着まい。
コルベール師がレビテーションで男を下ろした。
芝生の上に寝かせると、そう大柄ではない体躯がわかる。
83 :
旧劣等種:2011/03/15(火) 20:03:09.01 ID:cpHNt8G2
年齢は20台後半〜30台に見えるが、顔の左半分を覆った包帯に露になっている右半面も傷だらけで判別がかなり困難ではあった。
「ゼロのルイズが片○を召喚したぞ!」
「しかもオッサンだ!」
周囲の生徒が囃し立てた。
「さぁ、時間も押しています、契約の儀式を。」
コルベールが急かすが、少々とまどっているようでもあった。
「…はい…我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ……」
言われるままに契約のスペルを唱え、かがみこんで唇を合わせる。
「終わりました。…えっ!?」
(なんでこんな平民が私の使い魔に…)
とか思っていたら、男が一挙動で飛び起き、顎の下に冷たく硬いものが押し付けられた。
青い瞳だった、凄まじい威圧感に失禁しそうになる。
目が合った瞬間、男はちょっとだけ驚いた顔でこちらを見つめていたが、すぐに険しい顔に戻ると…横合いから誰かの唱えたエアハンマーで吹き飛ばされていた。
次の攻撃を回避しようと身構えていたが、不意に体が熱くなり、失った左手に幻痛が走る。
初めて受ける攻撃にとまどう。
「ぐおっ…何!?」
(W−1どもの攻撃か!だが体は動く!?)
今まで彼がW−1からの身体の自由に制限を加える攻撃とは少々違ったが。
攻撃の方向を見ると、青い髪の少女がこちらに敵意と杖を向けていた。
目の前にいるピンクの髪の少女、少々遠くに離れたところに居る少年少女と動物?と中年男性の服装を見て、それらが同じグループを編成していると見られた。
ライフルは取り回しが悪い…それ以前にジープに積まれたままで手元になかったので、アーママグナムを引き抜き、弾を散弾に入れ替える。
先ほど攻撃をしたらしい青髪の少女に向けてトリガーを引く。
何かをつぶやいたようだが、避けるそぶりすらしない。
ドゥン!と派手な音を立て散弾が少女に向かう…だが、直撃しない!?
「!?…くっ!??」
少女がうめく、どうやら直撃は避けたようだが、幾つかはダメージを与えたようだ。
男…ケインは笑っていた、これが笑みというならば、だが。
「まだ潰し残しがあったとは!しかも、これだけ成長している!…だが、皆殺しだ!」
ケインが凄絶に笑う。
その場にいた者で、ケインの危険性を十分に理解できたのは、コルベールとタバサだけだったろう。
彼を止めなければ全員死ぬことになる…!
炎が大蛇のように巻き、ケインへ向かうが、たどり着いた先にケインは既にいない。
義足とは思えない素早さで駆け抜け、次弾を放つ。
炎を操る男、コルベールと後で知ったが、彼は炎を壁にして防ぎきったようだ。
次世代ATとも生身で渡り合えるケイン…は誇張でもなんでもない、事実、幾度と無く屠ってきた実績がある。
その戦闘経験を以ってすれば、彼の世界の銃火器にすら劣る魔法を避けるなど、造作も無い。
だが、ケインの体に、次なる異変が起こる…体の熱さと左手の幻痛がきれいさっぱりと消えてしまったのだ。
ケインはとまどっている!
目の前にW-1から生み出された人間モドキが居るのに、体の変調がなくなってしまった!
油断の無い目で彼らを観察するが、動きを止めたケインに攻撃しようとする者はいない。
先程、不可解な攻撃をしてきた青髪の少女もハゲた中年男性も、こちらを警戒するのみで、攻撃の気配はない。
その他の連中は相変わらず固まっている。
銃口を下げて問いかけてみる。
「お前らは何者だ?」
「何者だ!?じゃないわよー!」
と、固まっていた桃色の髪をした少女が喚く。
84 :
旧劣等種:2011/03/15(火) 20:04:31.02 ID:cpHNt8G2
額から血を流した青い髪の少女が、停戦らしきものを提案してきた。
「私たちに争う気は無い、武器を収めて…」
彼女の武器らしい杖を地面に突き立て、脇に下がる。
他の生徒から治療を受けているようだ…赤い髪をした女がこっちを睨んでいたが。
「ここはどこだ?お前らは何だ?俺に何をした?」
「ここはトリステイン魔法学院、私たちはトリステインのメイジです、あなたは春の召喚の儀式によって召喚されたのです」
戦闘態勢を解いた中年男性が汗を拭き拭き答える。
「私はジャン・コルベール、この学院の教師をしております、あなたは?」
「ケイン、ケイン・マクドガルだ、お前らはW-1の生み出した人間モドキじゃないんだな?」
「に、人間モド…我々はメイジです、とにかく、あなたは彼女、ルイズ・フランソワーズに召喚されたのですよ」
暫く情報交換をしてみると、信じがたいことに、メルキアはおろか、ギルガメスにもバララントにも、ましてマーティアルすら知らず、
それどころか、天動説がまかり通ってる程度の文化水準らしい。
痺れを切らしたルイズ「あんたは私が召喚したんだから、私がご主人様なのよ!」と乱入してきた。
その面影にロニーが重なって見えた。
「ロニー…」
そのつぶやきを捉えたか、怪訝そうな顔で見返すルイズ
「いや、なんでもない…」
まったく、こんなときにロニーを思い出すとは。
ケインは頭を抱えたが、ふと、周りを見渡すと、やけに空気が清浄だったり、緑が豊かだったりする事に気が付いた。
どうやら彼らは嘘を言っていない。
自分が最後までいたのは、メルキアのウドの街の近く…廃墟だが、今のウドでは酸の雨が降るほど環境は破壊されていた。
それがどうだ、日は明るく、周りには木々が生え、足元は草地である。
「ここは俺がいたところじゃないというのは判った、だが先程俺の体に起きた異変はなんだ?」
「おそらくコントラクト・サーヴァントの影響でしょう、体のどこかにルーンが刻まれているはずですが、いかがです?」
失ったはずの左手首に熱を感じたと伝えると、驚いていた。
義手、といっても、鉄材を削りだした鈎爪だが、特に異常は無い、手首から包帯を解いていくと、左手首から肘にかけて奇妙な模様が浮かんでいた。
「おお、これはルーンですな、珍しい形です、スケッチしておきましょう」
「ルーンが刻まれているんだから、あんたは私の使い魔よ」
メルキア文字ではない、全く未知の言語だった。
使い魔についてたずねると、コルベールはばつの悪そうな顔で
「普通はあちらに居るような動物達が召喚されるのですが…」と言葉を濁している。
「で、メルキアに戻る方法はないと?」
「はい、メイジと使い魔は一生を共にすることになっております」
スケッチが終わると、コルベールは集まっていた学生達を解散させた。
その他の学生は口々にルイズと呼ばれる少女を罵っていた。
「俺の意思は?」と尋ねると。
コルベールは目に見えて動揺し
「おおお、お願いします、彼女は召喚の儀が失敗という事になると落第してしまうのです!」
少々高圧的に譲歩をひきだして、傭兵という事で落ち着いた、衣食住と武器の供給を条件とした。
「あ、あんた!なんなのよー!」
ルイズの絶叫が響いた。
85 :
旧劣等種:2011/03/15(火) 20:05:23.08 ID:cpHNt8G2
以上で第一話終了です、お騒がせしました。
次出来るのがいつになるか不安ですが、よろしくお願いします。
(中略)とか入れるくらいなら(全略)で終わりにした方がまだ面白いと思うの
87 :
旧劣等種:2011/03/15(火) 20:09:20.31 ID:cpHNt8G2
第一部完!とかでしょうか?実際そうなりそうな気がしてきました…orz
乙。
ボトムズらしい文体で綴る異世界ファンタジー。
よくあるカルチャーショックでありながら、それは奇妙な出会いであった。
トリステインのコーヒーは……
……コーヒー、あったっけ。
>>87 『旧劣等種』で、まさかと思ったら ホントにベルセルガだったとは!
続き 楽しみに待ってますので、自分のペースでしっかりと書いてください。
真面目にヤマジュンキャラが召喚されたらどうなるだろ?
特殊技能がチ○コがえらく硬いのと、腸にダイナマイト仕込むくらいしかないけどw
こんなんケインちゃう
>76,90
中国嫁日記からヤマジュンが出て来る意味が分からん。
パラダイスフィンガー先生乙
あと三人は能力考えたら背中と脇腹と尻か?
フェアリーテイルから召喚ってありそうで無いな
ナツやグレイとかは杖無しで魔法使うからエルフとか誤認識されそう。
エルザだった場合は、学院全員の貴族の性根を叩き直そうだな。
つかいつも思うがよくコルベールはどんな相手が召喚されてもルイズに契約をせまるよなぁ。
どんな危なっかしい相手や不審な相手でも貴族のそれも公爵家の令嬢の使い魔にして、
かつ他にも貴族の子息が住まう学院に立ち入らせるとか剛の者すぎるだろう。
毛根と一緒に心の一部が死んでいるためであろうか
いくら何でもご立派様はコッパゲひでぇと思ったな。腹抱えて笑ったがww
それ以外のパターンだと
・危険な存在と認識して排除を迫る(ゆかりん)
・失踪・逃亡(スコール・ホルホース)
とかか
少し前の話題にあったが、召喚魔法は危険ってやつ。
あれ監督の教師が付くのって、危険なのを召喚した時に対処するって役割もあると思うんだが。
ルイズは劣等性だけど努力してるから最低でも進級させてあげたいジレンマとかでは?
作中で同名のキャラがいるのも混乱を招くな、日替わりのタバサとか髪の色まで同じだった
>>93 パキッ 「誰だっ!」
という感じかな…
>>100 つうかスレ的に色々とミもフタも無いがこの使い魔召還システムって
多分、制御不能な奴とか無機物とかは呼び出されないハズなんだぜ
>>104 うん。そもそも強制的に召喚されるわけじゃいないしな。
鏡をくぐるのは被召喚者の自由。
鏡の向こうでハスター様がアップを始めたようです。
ふと思ったんだが、次元を越えてルイズの詠唱を聞いた誰かが「俺を呼んでるのはおまえか?」とかいって自らゲート作ってやって来るってパターンはどうだ?
目の前に鏡が現れたのでとりあえずポージングしてみるアドンとサムソン
あともう一つ。ルイズの召喚は結局失敗するんだけど、失意のルイズと武器召喚の巻き添え食らったキャラが巡り会うってパターン。
>>107 そのパターンは何かで見たな
どことのクロスかは忘れたが
>>110 FE暁のミカヤだな。あれは召喚シーンの時点で学院の皆から尊敬されたり
ルイズが心を許したりとミカヤパネェなと思ったわ。
まあそういう状況になってもおかしくないキャラだし、
面白かったから問題ないんだけどね。
いわゆる巻き添え召還(サイトが召還されるとき、偶然近くにいてサイトを助けようとした誰か)が召還された場合、二人とも契約するケースが多いですけど、一人のメイジが複数の使い魔を持つことってゼロ魔世界だとどう見られるんでしょうね。
一応は使い魔は一生を共にする、らしいですし。そういう相手を複数持つのはあまり良い目で見られないと思うんですよ。
伝説、いわゆるレジェンドになります
駄目な理由を作中にも存在しない邪推で作って按じても仕方ないだろう
「複数の使い魔」という時点で原作軽視と罵られるのは必至
それなら別作品から召喚している時点で「原作軽視」だろw
そして原作通りの流れにしたらテンプレと叩かれる
「召喚されたのがサイトじゃなかったら」というIFは(二次創作的な意味で)ありだが、
原作にもない「複数召喚」は軽視だろと言いたかった
俺ルール過ぎる…
俺の感想だから俺ルールに見えるのは当然だろw
日記にでも書いてなさいな
個人的感想で「罵られるのは必至」って…
複数召喚も多重契約もすでに原作で実行済。
あとは、遊戯王やぬらりひょんの孫のようにひとつの体に複数の人格がいるって場合は、使い魔は結局誰になるのかね。
肉体にルーン刻まれるんなら結果的に表に出てる状態ならどっちもじゃね
じゃあアームズやスプリガンに出てくるサイボーグみたいに、腕が着脱可なやつだったらガンダのルーンはどうなるんだろ。
まあこれ以上は考察スレ向きか。
SSってやっぱ書くの難しいね!
ほんと、ここに投下する人らはなんであんなに面白いものが書けるのか不思議でならん
やっぱりクロス元と設定のすりあわせとか完璧にしてからやってるから面白いのかな
設定だけで面白くなるはずが無い
愛だよ、愛
ここでは面白くないと感じたら、スルーもしくは毒吐き行きが原則です
本スレ内でネチネチ不満を垂れる人は荒らしと認定されます
ところで目玉の親父召喚したらどこにキスすればいいんだろ? てかルーンが刻まれても小さすぎて見えんかも
>>107 『THE GUN OF ZERO』のクォヴレーが そんな感じでした。
あと ラスボスさんも、それに近かったような?
まぁ、二人とも遠縁の親戚みたいなモンだし。
>>127 >>クロス元と設定のすりあわせとか完璧にしてからやってる
他の書き手の方はともかく、自分は一話分書き上げるたびに
「こんなハズじゃ…」「どうしてこうなった!」状態です。
>>91 コルベールとメンヌヴィルがデカチンバトル繰り広げたりその後コルベールがアニエスに肛門に空砲を放たれたり
ヴィットーリオが隠れホモだったりジュリオが俺がいちばんセクシーだったり
そんな世界になる。
とりあえずワルドは使い魔に掘られる
132 :
91:2011/03/16(水) 19:47:57.68 ID:ZfWV/w47
>その後コルベールがアニエスに肛門に空砲を放たれたり
何故かこれだけは脳内ですぐに再現できたwww
>>127 設定のすり合わせよりも「そのキャラらしい言動」の方が重要だと完結して思ったよ。
設定語りとかしても良いけど、鬱陶しいだけだろうし、サジ加減がねぇ……
>124
デビルサターン6やビルドロンですね。
“無数のバルタン星人が合体した合体巨大バルタン”なんかは逆に簡単そうだけど。
ああ、パタポン召喚はみんなにルーンがついてたか。
>>130 とりあえず最初にオチさえ決めてしまえば、
最低限書かなきゃいけないイベントが決まるので余裕を持って書けるぜ。
もちろん、フニャコフニャオ先生のような臨場感溢れる作風も好きだけどな。
それは執筆現場の修羅場を肌で感じられるという意味での臨場感だなw
スタオーからほとんど召喚されたのがいないのが意外だなあ
不幸男のアシュトンとか性格、見た目、スキルともに面白いことになりそうだ
決闘は嫌がるだろうが、そこはギョロの出番
ギーシュ「決闘だ」
アシュトン(ギョロ)「面白い、遊んでやるぞ小僧」
面白そうと作りやすいのは違う
勘違いしたヤツからエタっていく
ポケモンBWから四天王のギーマさんを召喚
思いついただけだけど
使い魔が人間じゃない方がルイズにとって当たりなんだよな。
シャイニングフォースイクサからアヴァロンを召喚。
剣に魔法と強いけど骨。恋愛とか無理じゃね。
骨だから食事は無理、つまり食事関連のイベント消滅。
骨だから魅惑の妖精亭で働くのも無理。
人間以外だと無理そうなイベントってあるよね。
『トリニティ x ヴィーナスSRS』から“熊猫のVIP(つまり、知恵あるパンダ)”でも呼ぶかい。
『アルシャードガイアRPG』からラタトスク(モノスゴク強いネズミ)やチャンフー(生まれついてのタイガーマスク)呼ぶと、もっと強くて頼りになるけど。
まあなんにせよ、デルフの出番がなくなるな。
いっそ公共広告機構の楽しい仲間でも喚ぶか?
こんにちワンやありがとウサギと種類は豊富だぞ
そうかそうか
じゃあ頑張って書いてくれ
145 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/17(木) 17:12:29.88 ID:PMYXVLw/
女神の鬼で内海さん死んだのが悲しすぎて召喚したろかと思ったが自分には創作力がなかった
>>141 あのゲームだとガリューが一番の当たりか。
初めて会える辺りのレベルで突っ込んで来る主人公をあっさりワンパンKOするくらい強いし。
典型的なゴジラ体型でハルケ世界のドラゴンに比べてかなり違いがあるけど
だがそれがいい。
百体怪獣ベリュドラを召喚したらルーンはどこに行くんだろ?
>>145 女神も仲間もいない世界だからその場で殺されるまで暴れまわって終わりだな
真清も同様だしあの漫画の鬼連中は使い魔やれとか言われたらその場でルイズを後遺症が残るまでボコボコにするだろ
ぬ〜べ〜とかシャーマンキングとか、霊能力者系はまるで呼ばれないな。
やっぱり精霊に対して攻撃可能な奴はエルフとか相手に強すぎるからだろうか。
>>148 西側連中はそうかもしんないけど内海さんなら・・・
テファあたりに呼ばせてみれば飛鳥と同じもの感じて・・・無理だな
女神の鬼亭
田中漫画ならジョゼフが松尾召喚とか
唯一心を許せる存在を自分で殺して心が壊れたという共通点があるし
松尾の救いようのない邪悪さはジョゼフとしても気に入るかもしれない
松尾の性格考えると確実に避難所行きになりそうだが
今さらな質問かも知れんけど一晩にどれくらいの文字数投下できるの?
>>138 ストーリーの進め方次第では全く出ないから、双頭龍退治の後に召喚されたってなるかな。
たぶん二匹に名付けるのはルイズ。
156 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/17(木) 21:42:47.06 ID:G+tT6Z/J
福島原発を召喚
日本は救われる
萌え萌えの人、現実がこうなったら続き書きにくいだろうな…
D&D(3〜3.5版)からの召喚を考えている
ウィザードとかドラゴンとかを召喚したいのは山々だが、多分控えめなバードになるだろう
ゲイリー・ガイギャックス万歳
福島に住んでいる自分としては、単なるブラックジョークだとしても、本当にそうなってくれたならどれだけ良いかと思えてしまうのですが。
>>156 ネタとして面白い
核物質を錬金で無害化してもらおうじゃないか
ラジヲマンがどうしたって?
核なんてアレだぜ。
そんなのよりエコ電力大好きなメガトロンさま呼ぼうぜ
時代はコジマを求めている、今こそアクアビットマンを!
今こそチェルノブを召喚する時ではないのか
核融合炉実用化しないかなー
やっぱりここは、核融合(太陽)ですら太古の異物・ローテク扱いのBLAME!世界から、重力子放射線射出装置でどんな鬱フラグも吹っ飛ばす霧亥さん呼ぼうぜ
まあ全てに死亡フラグ立ててくけどな
人類の進化をもたらすモーメントエネルギーをハルケギニアに普及させよう
>>168 阿久津さんとコルベール先生が組むんですね分かります
170 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/18(金) 07:07:56.42 ID:z2HVkeJC
アレキサンダー戦記からアレキサンダー大王を召喚!
どういう展開になるんだろうか?
召喚したときの反応やいかに?
>>167 主要キャラでも死亡フラグ立つ前に容赦なく吹き飛ぶからやめれwww
アンアンや鳥の骨どころか、学園もどうにかなるwww
ルイズに接続、禁圧解除→そして伝説へ、
ジョセフんとこには珪素かセーフガード、テファにはメンサーブかドモか結が妥当かな
あとシエスタはダウンロードされる多分
>>162 延び延びで単行本がまだ来ないorz もう駄目かも。
何年か前に再販comでリクエストがあったとき、あさりは「現実が漫画を超えた」とか言って再販断ったらしいが、
現状もフィクション超えてるけど、当時のはなんだったかな。バケツで臨界たっだか……?
>>167 >>171 未完だったと思うけど、過去にBLAME!もBIOMEGAもあるぞ。
でも、ゼロ魔とクロスさせるならブラム学園!のノリでやったヤツが読みたい。
アルカナハートのミルドが召喚されてるのを見たので、いっそのこと姉のアンジェの方を召喚とかどうよ?
裸ワイシャツの幼女にボコられた挙げ句に「ねぇねぇ悔しい?」or「今日からお前は私の子分!!いじょ」とか言われるワルド。
ボンバーマンから爆弾を召還して「なにこれ」って近づいてよく見たら爆発してエンド
>>163 どのメガトロンでもルイズの死亡フラグびんびんだからやめれ
リメイク決定したし鬼哭街の人戻ってこないかなー
>>175 JOJOの方で似たような展開の短編あったのを思い出した
こんなときこそ欝ブレイカーのコブラを喚ぼうぜ
左手にサイコガンを持つ男
右手に重力子放射線射出装置を持つ男
やっぱり漢字だと重い感じになるな、そこまで計算していたとはさすがだぜヒューッ
>>173 それじゃだめだ、それじゃあゼロ魔そのものと変わらない
あえて重力子放射線射出装置付、機能完全回復後のシステムの密使、霧亥を召喚しなければ…
これは書きたくなってきたぞ
階層都市側が普通に世界線操作して介入、統治局代理構成体や駆除系や珪素生物が霧亥回収・破棄やハルケ人の駆除のために湧き出すBATENDが真っ先に思い浮かんだけれど
コブラは展開は爽快だけど、代わりに死人が敵味方問わずにボンボン出るぞ。
別スレだけど右手に覇者の剣を持つ男
あと、左手にフックを持つ七武海の帰還希望
「好きになった女性は死ぬ」という致命的なブレイク後の新たな欝フラグがあるから、まあルイズあたりは確実に永眠するな
いや、サイボーグ化するかそっくりさんが出てくるかもしれんw
というか未成年のヒロインっぽいキャラは死なないだろ、あの作品
(電撃使いとか目が見えない歌姫とか)
それいったら、そもそもあの世界は未成年が絡むような世界じゃいような気がするぜヒューッ
コブラのジャンプコミックスの方の最終巻に
ある街に大量の盗賊が襲い掛かるのを決死の覚悟で迎え撃とうとする保安官見習いの若者と、
それを止めようとする少女という、対七万戦に似た話があったんで
それにコブラが絡んできて…という話なら考えたことあるな
モリ「どこに行く、そっちには7万の兵隊がでるってさっき殺した奴がいってたろ」
霧亥「」
ドンドン(ry
モリ「…」
霧亥「」
モリ「なんだこの信号…何かを警告しているのか?」
霧亥「」
ドン!
モリ「どうした?」
霧亥「黙ってろ」
ドン!
モリ「」
霧亥「」
厨房に寄ったかと思ったらシャキッサクという謎の音を出す棒を食べている霧亥
>>169 シャルルがダークシグナーになって復活し、タバサが精霊世界に行く
そして7万の頭上に現れる機皇帝の大軍団…
俺、一つ書いててキャラの性格とか原作再現しようとしてるんだが
いざ、書いてみるとルイズの性格を再現するのが一番難しいな
>>179 初代メガ様ならあの手この手でルイズを説き伏せて水力(波力)発電に勤しむんだろうなw
でもガルバトロンだったら特に理由もなく撃ち殺そうとしたりしそう
愛情表現で一発、ムカついたら一発、機嫌がよくても一発って感じで
192 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/18(金) 23:56:07.34 ID:CxZ+ft55
ニーア召喚
黒槍で巨大ゴーレムを貫くニーア
誰か月華の剣士SS書いてくれ
霧亥とか、書くにしてもいつぞやのみたいに途中までにするか能力と装備制限しないと色々ブレイカー過ぎるだろ。
>>193 楓や響召喚とか読んでみたいな。骸なんかも一周回って面白そうだけどw
世間には言い出しっぺが実行しるって了解があってな
個人的な嗜好ですまないが、例えば恋愛に疎い系のキャラが召喚された場合によくある
キュルケとかが主人公の鈍さを語り合うガールズトーク的な流れが何か嫌だ
あの会話とか考えるのって書き手的には何か気恥ずかしくなどは無いのだろうか?
あと原作以上に恋愛方面に話を向けようとするキュルケやその他女キャラも何か嫌
時々、あまりにがっつき過ぎてキャラ崩壊引き起こしてる作品とかあるし
なら俺が書いてるの、呼び出したキャラとルイズ、キュルケ、タバサの絡みは多いのに、
ほぼ恋愛要素がないんだが、これは別に構わないってことだな?
>>198 それっぽい属性のキャラの読むのやめろよ。あと元ネタ知らないのも読むなよ?
まだ文句あるならここから消えれば?
>>194 霧亥の再生能力はネットスフィアその他がなくても有効なのかね?
網膜情報も極めて限定的になりそうだが。
アヴァロンの鍵のコッペリアの中の人つながりで、ロマサガ2から次代に皇帝伝承を終えた後、
こわれた人形として飾られているコッペリアにもう一度動いてもらうとか悪くないかも。
霧亥の再生能力でネットスフィア依存は造換塔使用によるダウンロードだけれど、これはすでに劇中で使用不可
霧亥の一番恐ろしい「質量を失っても再生」できる大電力が虚空から沸いてくるのが都市のネット以下の基幹システムを使用したもので、異世界で困るのはこれができない
でも、あいつは普通にしてても骨が折れようが手足がもげようが神経溶かされようが、すぐ直るし十分規格外な気がする
ならデジモータルからデジモータルをだな
あれも十分規格外だけど
何でおまえ等そんなに弐瓶話できんだ
あれマイナー漫画じゃないのか
>>198 結構原作も女性キャラはがっつき気味だと思うけどな
つかメインどころじゃキュルケが一番控えめなんじゃと最近思うようになった
>>193 響召喚だとルート分岐が面白そう。
ギーシュ決闘→ギーシュ生存or死亡
ワルド決闘→ワルド生存or死亡
死亡の方のルートだと「もう慣れたわ」響が…。
SNK作品とのクロスを考えるとシエスタを魔改造したくなる。
シエスタの先祖にあの人が…みたいな感じで。
>>206 女性キャラの大半が才人争奪戦に参加する中で、キュルケは逆に離脱した稀有な人物だしね。
サイトに好意をもつ女性が出るたびにその女性の評価をつい下げてしまうのは俺だけではあるまい。
サイトが好意に値する人物なのはわかるけど、いい加減ルイズとサイトの関係をこじらせないでくれ……
ところでサイトと同時召喚みたいな作品もあるが、そういうのって何を呼び出したら一番面白いんだろうな
それは凄くよく分かるな
原作でタバサがそうなった時が一番酷かったと思う
>>209 なにを呼び出したら一番面白いかは思いつかないが、サイトがいる意味がない作品はいただけないな。
ぶっちゃけそれならそのキャラだけ召喚しろよと思う。
>>207 先祖が草薙か八神→炎の出るシエスタ
先祖が極限流→覇王翔吼なシエスタ
先祖がカッファン→空中を華麗に駆けるシエスタ
先祖がルガール→ジェノサイッカッタッなシエスタ
夢が広がるシエスタ魔改造計画。
極限流は小ネタであったか?
ミス・カラテのシエスタがいたよね
>>210 クールで無口なよくあるキャラ、実力高し
↓
実はワケありなお姫様でエージェント的な子、でも立ち位置はあんま変わらず
↓
エルフ関連のあれこれで才人にフラグ立て&自分からベロチュー
↓
その後、裸を晒し、お化けの類が怖いと思わせるも、外伝でフェイクだったと明かされる
↓
一応復讐に燃えているはずだったのに、才人に化けたスキルニルで思考停止&一時的にロマリアの傀儡に
↓
「え、ジョゼットが女王やってくれるの? ラッキー! それじゃ私はサイトのところでメイドさんをやーろうっと(意訳)」
↓
シルフィードの入れ知恵により、「弱い方がサイトに守ってもらえて得なのでは?」と考えるように
以上、自己解釈したタバサの変遷。
異論は認める。
>>214 ↓
結論。イルククゥはかわいい。
が抜けてると思います
サイトと同時召喚は日本人キャラを呼んだときが良さげだったな
マスターキートン召喚とか
>>209 策士タイプというか余計な事を吹き込んで状況を悪化させたりする奴を同時に召喚したら面白いかも
別スレネタだが、2chでちょくちょくネタにされるジ○ースター卿とかw
ジ○ースター卿 「何、才人君?自分はルイズ一筋なのに他の女性が近寄って困っている?
死ねばい……もとい、無理に一人に決めようとするからだよ
逆に考えるんだ、つまりハーレ(ry」
ジャ○様「何を迷うことがある!何を諦めることがある!!
今はメイドが微笑む時代なんだ!!」
ジャ○様「何を迷うことがある!何を諦めることがある!!
今は女王様が微笑む時代なんだ!!」
ジャ○様「何を迷うことがある!何を諦めることがある!!
今はエルフが微笑む時代なんだ!!」
「「「そ、そうですよね!」」」
というわけですね、わかります。
>>209 そうは言うけどルイズ以外に明確に好意見せてるのってシエスタとタバサ、テファくらいだろ。
あとはせいぜいアンくらいで、そこまで欝陶しくは思えないな。
>212
先祖が炎邪→ンドゥォッゴグルァァァァァァァァァァァ!
先祖が外道→(シエスタが)い だ だ ぎ ま ぁ ず
先祖が斎祀→シエスタ(キモ)
先祖がギース→シエスタ「何故だ?暗黒の血が騒ぎやがる・・・」
訂正
(シエスタ「を」)
>>221 どう考えても、とっくの昔にタルブが滅ぶか魔窟になってそうなんだけど
戦争に行ってた弟が大活躍するな
>>220 流石に本物のジョー○ター卿はそんなにいい性格してないからマズイだろw
パタリロとかどうかな?
普段は、変な機械作っては才人を女たらしにしたり
機械が暴走して才人が複数人に増えてルイズ以外のヒロインが大喜びしたりと、
学院の面々をおちょくっては楽しんでたりするが
ここぞという時にはその推理力で敵の思惑を暴くとか
ギャグ補正がきかなくなったとたん人死にがでまくるな、パタリロは
>>225 姉妹スレまとめにある「逆に考える使い魔」はもっと凄い性格になってるから大丈夫
先祖がダルシムのシエスタ→私より伸びるやつに会いに行くと学院に
229 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/19(土) 17:11:38.14 ID:k4Et4qbX
大豪院シエスタ!!
久しぶりにクロマティ高校の映画を見たら面白かった。
誰か神山で書いてくれないかなぁ……と思ったので自分で書いてみた
前略オフクロさま見慣れない方たちに囲まれ少し戸惑っています。
神山の周りにはローブを着込んだ魔法使い風の中年、少年、少女、
空飛ぶ竜、火を吐くトカゲ……
「どこなんだ、ここは……」
神山はハルケギニアに来ていた。
「まあ、こうなった理由は読者さんも予想つくと思うんでカットの方向で」
「ちょっと神山」
「ル、ルイズさん……」
彼女は僕を召喚した張本人だ。気が強くてちょっと苦手だ。
「あなた、下着とか洗っておいてよね」
「言われずともパンツもシャツもよく洗っていますが」
「あんたのじゃないわよ、わたしのよ!」
「えっ!?僕がですか?」
神山は自分で自分を指差す。
「当たり前じゃない。わたしの使い魔なんだから」
さ、さすが魔法使い……!あったばかりの男に下着を表せるなんてとにかく普通じゃない……!
というかこれは魔法使いとか関係ない気がする……!
うん、これは無理がある。つか、俺漫画読んだことないし
キュルケ「ここトリステインよ?今王はいないわよ?」「えっ」
イザベラ「学校間違えたよ・・・・・・」
中略
「えーいお前達、よく聞きな!うちの父上は・・・・・・。
トリステインを裏で牛耳る影の帝王なんだよ!」
中略
「たとえ父上といえど正義のために戦わなきゃいけない時があるのさ。ツライけどね」
「手伝わせてください!正義のために!」「えっ」
「あら・・・・・・。私たちの事、忘れてないかしら?」
「キュルケさん・・・・・・」
「・・・・・・(コクッ)
「ガーゴイル、あんた・・・・・・」
「フッ・・・・・・よーしお前達!この私に付いてきな!」
「おお──っ!!」
「えらいコトになっちまった・・・・・・」
思いつくのこんなんばっかりだ
改造実験帝国メスのラボーを呼び寄せたばかりにエイリアンハンターに連れ去られたルイズ達
20年後、再びハルケギニアに戻ると
>>233 1.何故か居るデル公
2.何故か居るサイト
3.普通に居るメカ沢(本命)
この辺じゃね
ならばフレディは無口つながりでタバサ……か。
>>232 危険の意味を忘れて、何かを言う前にぶつかってクラッシュします。
さらに書いてみたが、神山の毒舌はもっとこう、言葉では言い表せない感じでヒドかった気がする
前略おふくろさま、
僕がハルケギニアに来てはや一ヶ月が過ぎました。
その間にわたくしめにも友達ができました。
今日はその友達と短気でちんちくりんなご主人の実家に来ております。
まず、年中男漁りに励んでいる彼女がキュルケさん。
そしていつも本を読んでて何を考えているかわからない子供がタバサ。
そして……
「みなさん、お茶が入りましたよ」
この温厚で、包容力のある彼女が僕のご主人です。
「それはカトレア姉さまよ!」
>>237 「大体不良に将来なんてあったもんじゃないんだから。」とか言うくらいだからなw
徹底的に男尊女卑な世界の男が召喚される話ってある?
ちょっと神山の流れは今後に期待せざるを得ない
僕の名はジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド──
誉れ高き魔法衛士隊グリフォン隊を仕切っている、トリステインの男子なら誰もが一目置く存在だ。
だがそんな僕はひとつ大きな悩みと戦っていた。それは──
僕は『非常に乗り物酔いしやすい』という事だ。
グリフォン隊の隊長たる僕が乗り物に弱いなどと知れれば僕の名誉はおろか、
実力だけで築き上げたこの地位も危うい。
何としてでもこの事実は隠し通さなければならない──
今僕は王女殿下の命を受け、我が婚約者ルイズの護衛に就いている。
長く疎遠になっているルイズに良い所を見せようと喜び勇んで馳せ参じたまではよかったが──
まさか行き先がアルビオンだとは・・・・・・予想外だった。
調子に乗ってもう2発
「わたしの胸って他の人と比べて変っていうか」
「変というか大きすぎるますね」
「だからわたし神山さんに触って欲しいんです」
「すいません、意味が分かりません」
「わたしの胸を触って調べて欲しいんです」
「はあ……。
まったくテファさんは局部だけ成長して、頭がまるで育ってませんね。
しょうがないですね、僕が一つ講義をしましょう」
ガヤガヤと騒いでいるルイズたち
「では、今から個人レッスンを始めます」
「は、はい」
「あのバカ……いったい何を……!」
勢い良くカーテンをめくると
そこには黒板の前に立って講釈を垂れている神山と机と折り目正しく椅子に座ったティファニアの姿が
「なっ!?」
「というわけで胸というものは刺激を与えると大きくなるものであり、
大きいのを心配して触るというのは却って悪い結果に……
ちょっと個人レッスン中なんですからカーテンは閉めて下さい。
仕方ないですね、授業を受けたいなら机と椅子を持ってきてください」
>>241 ACEドライバーが ヴィンダのルーン付きで出てきそうな…
「グリフォン、お前に命を吹き込んでやる!」
(グリ: いえ 私 フツーに生きてますけど?)
「聖地を奪還するためには四つの四が必要であり……」
「なあ、坊さんよ」
林田がモヒカン(カツラ)をバッサバッサとなびかせながら言う。
「なんですか?」
「俺、伝説の使い魔になりたい」
「あなたには無理です」
「そうか……やっぱり俺には無理なのかな……」
「大丈夫だ、林田くん。やりたいという気持ちが大切なんだ……!」
「神山、お前……」
「というか、あなたたち伝説の使い魔が何か知ってるんですか?」
「まず、イレズミを彫る」
「イレズミじゃありません。
だいたい四つの四は4人の虚無の使い手と4人の使い魔がいないとダメなんですよ」
「大丈夫だって俺が残りはやるから」
「あなたただの平民だし、虚無の担い手のほかに二人の使い魔が欠けてるんですよ?」
「だから大丈夫だって始祖だってガンダールヴに4人目やらせたし」
「あなた妙なところだけ詳しいですよね……。
とにかくダメなんですよ」
「確かに4人が必要なのは百歩譲って認めましょう。
でもそうやって過去に囚われるのって悲しくないかい?
過去を打ち破ってこそ人間って成長があるんだよ!
だからヴィットーリオくんには友達がいないんだよ!」
「えっ!?」
「確かに」
頷いたのはアンリエッタだ。
「あなたの虚無よりあなたの友達を探す方が先かもしれませんね」
ルイズが同調する。
「ありがとうございます……。わたしって陰湿だから友達ってジュリオしかいなくて……
じゃなくて! とにかく四人の使い手と使い魔がいるんですよ!」
「うっせーな、わかったよ」
「僕たちは友達が多いからすぐに見つかるよ」
それから
「スマン、頭数だけ揃えようと思ったけど魔法使いのほうは見つからなかった……」
「すいません、たとえあなたを入れても使い魔の人数もたりないんですけど。
1(神山・ガンダールヴ)、
2(ジュリオ・ヴィンダールヴでつれて来られた)、
3(モヒカン・未定)……」
「何言ってんだ、お前自分を数えるの忘れてるだろ?」
「4(自分)……」
私、虚無の魔法使いなのに……。
「観念するんだ、ヴィットーリオくん!こうやって友達づきあいは始まっていくんだ!」
斑鳩って騎乗って出来たっけ?
非生物と生物の操縦は別技能な気がするんだが。
まぁルーンのおかげとかしちゃえばいいかも。
それならいっそのこと御神苗、高槻、流崎あたりも喚んで
スーパー皆川大戦を。
KYOは短い、PEACEMAKERは時代が違いすぎるのでとりあえず除外。
>>207 響とは一言も書いてないのにまるで響召喚が確定かのように書いている貴様、響厨だなッ!?
響!響!響!響ぅぅうううわぁあああ(ry
ちなみに脳内では守矢を考えていた
どうやら死にたいらしいな・・・
神山乙
>>246 守矢兄さんが使い魔になる姿とか全然想像できねぇwww「己の器を知れ」の一言で完全拒否しそうww
個人的には楓が面白そうだ。普段は未覚醒状態で戦闘に入ると覚醒する二幕バージョンで。
>>217 > 策士タイプというか余計な事を吹き込んで状況を悪化させたりする奴を同時に召喚したら面白いかも
つジエー博士又はジ・エーデル
ガンダールヴ→天魁星メフィストフェレスの杳馬
ヴィンダールヴ→草加雅人
ミョズニトニルン→ジ・エーデル
リーヴズラシル→ねずみ男
こうか
銀河英雄伝説から
ラインハルト・フォン・ローエングラムを召喚
ルイズはまだ許容範囲内だと思うんだ
ギーシュは殺されかねんが
灼眼のシャナから
頂の座・ヘカテーを召喚
話し掛けた途端に殺されそうだ・・・・・中の人的に
「空飛ぶ大陸だって?この世界は面白いことだらけだ」
神山は背中にリュックを背負い、スキップでもしかねない勢いではしゃいでいる。
これからアンリエッタの願いで浮遊大陸アルビオンに向かうのだが、
はたして危険な任務だと理解しているか疑問である。
「おい神山、早くきみも乗馬しないか」
「あ、すいません、ギーシュくん。
……よいしょっと」
ワルドとルイズの乗っている間に割り込むようにグリフォンに乗る。
ワルドが睨んでくる。
「ハッ!なんということだ!すごい睨まれてる!」
なに許婚の間に割り込んでるんだ!早くどけ!
というワルドの心の声。
「すいません、やっぱりリュックは背中に背負ってたら邪魔になりますよね。
前で持ってます」
そうじゃないだろ!
思ったより神山ネタが思いつくのでタイトル入れてみた
神山散歩中
「いやー今日もいい天気だ。こういう日にはいいことがありそうな気がする。
あ、シルフィードだ」
シルフィードはタバサの使い魔の竜だ。
その外見に似合わずきゅいきゅいと鳴いてちょっとかわいかったりする。
「きゅいきゅい、お腹へったのね」
喋った…!
さすがファンタジーの世界、竜も喋るんだ……!
そのことをルイズに話してみたら
「はあ?竜が喋るはずがないじゃない」
そ、そんなはずは……。あれは幻聴だったのだろうか?
思えばハルケギニアに来てから周りの人に振り回されてばかりで疲れていたような……
みんな勝手な人たちばかりだから……
いや違う!
きっと使い魔である僕には使い魔の言葉がわかるに違いない。きっとそうだ。
ならこの力を僕は正しく使わねば……!
「よし、まずは使い魔たちの身辺調査だ」
それから僕は使い魔たちの話を聞き回った。
「なるほどヴェルダンデくんは労働条件に不満があって、ロビンくんは老後に不安があるのか……。
やっぱり人間も使い魔も考えることは一緒だな。
ただ、ロビンくんはゲコゲコ、ヴェルダンデくんはフゴフゴとしか言ってなかったような気もするけど……。
とにかく人の役に立つのはいい気分だね、シルフィードくん」
「きゅい、なんの話なのね?」
タバサがつかつかと歩いてきてシルフィードを杖で叩く。
「喋っちゃダメ」
喋れるのかよ!
>>252 シャナとは中の人がめちゃくちゃかぶるからなあ…
電柱に「シエスタ専用」
257 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/20(日) 12:58:03.12 ID:IBbDp9he
ヴァイ・ステアベ召喚
258 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/20(日) 13:14:44.52 ID:pfJpegNR
>>255 アンアンとルイズが才人を取り合うわけですね。
そこにティファニアも参戦か。
ジ・エーデル召喚ものは見てみたいが
あのキャラの魅力をどうやって表現するのか・・・
ZSDを見るにアレは強大な力を手にして舞い上がった両津やねずみ男そのものだから
パクリ技術や他人の褌で土俵を荒らしてる自分を棚に上げた
ゼロ魔キャラを上から目線でこき下ろす愉快犯にすればいいんじゃね
お久しぶりです、魔砲の人です。
忍者に怒られましたが、1900過ぎあたりから第33話投下します。
多少遅くなるかもしれませんが、投下はしますのでしばらくお待ちください。
進路クリアー、発進どうぞ!
第33話 懺悔
衝撃の破門宣告から6日が経った。
あれからレコン・キスタは首都ロンディニウムに籠もったまま、なんの動きもない。
一つ気になるのは、破門宣告を伝えに行ったはずの先行隊がいまだに戻っていないことである。
「やっぱり、戦いになっちゃうのかしら」
「……もう、言葉では収まらないところまで来てしまったのでしょうね」
ルイズとなのはは、宿泊場所である城館の一室から、闇に沈むロンディニウムのほうを見つめていた。
譲れないもののために死力を尽くして戦うのは、なのは自身のスタンスでもある。
だが、今のレコンキスタのそれは、何かが違うような気がしていた。
「ねえ、なのは」
そんななのはの迷いとも少し違う何かを感じ取ったのか、ルイズがなのはに声を掛ける。
「なんで彼らは戦うのかしら……聖下の破門宣告にすら逆らって」
「宗教に関してはよく判りませんけど」
その問いに対して、珍しくやや自信なげになのはは答える。
「自分が正しいと思ったことを貫くために力を振るうというのは、決して間違っていないと思います」
なのは自身がそういうタイプであるだけに、そのことは否定できない。
「でも、ただ自分の言葉を通すためだけに戦うというのは、違うと思います」
誤解されやすいが、なのはが力を持って意を通すのは、決して己の言い分を通すことではない。
彼女が力を持って意を通そうとする行為、それは『対話を拒絶するもの』に対してのみ向けられるのだ。
対話から逃げる相手を、強引にその席に座らせ、話し合うところからはじめさせる。
それが彼女のあり方だった。
だからこそ、彼女には、この戦いの先が少しだけ見えていた。
彼らはかたくななまでに対話を拒絶する。
自分の信じていることだけが絶対と思い、それ以外の全てを拒絶する。
そこには理解も妥協もない。対話とは『対話』、つまりお互いが話し、そして聞くことが絶対。話すこと、そして聞くこと。それのないところに理解は生じない。
同化か、殲滅か。対話の拒絶が生むのはそのどちらかだ。
本当はそんなことはない。話し合いさえすれば、出来ることなどいくらでもあるのに。
なのははそんな『出来ること』をいっぱい体験している。
「人と人との繋がりは、自らを理解してもらうことと、相手を理解しようとすること。その双方がなければ成り立たない、私はそう思います。でも、今の彼らは」
「自らの言のみを主張して、こちらの話は聞こうともしない、っていうわけね」
「はい。そしてその先にあるのは……」
ここで言葉が途切れる。なのははもちろん、ルイズにも判っていた。
戦いになったら、今回ばかりは止まらないと。
彼らは引こうとはしないだろう。命が惜しい、その段階を通り過ぎることになってしまう。
勝たねば死ぬ。降伏しても死ぬ。戦って勝つほかに生き延びる術はない。
彼らはそこまで思い込んでしまっている。
そこにもはや説得の目はない。
「戦争って、いやなものなのね」
「当然です」
だがこれから行われるのは、明日の出陣に向けた壮行会だ。
ルイズはため息を一つつくと、ぼそりと呟くように声を出した。
「……戦いの前に何でこういうパーティーなんかやるのか、昔は判らなかったけど、今なら判る気がするわ」
「どう思いました?」
そう聞いてくる使い魔に、主人は遠くを見たまま答えた。
「そうでもしないとやってられないのよ、きっと」
主人の言葉に、よくできた使い魔は沈黙を持って答えた。
しえん
その夜、元サウスコーダ太守の館には、盛大に明かりが灯されていた。
明日からの進軍を勇気づけるための壮行会が開かれるのだ。
この場には入れない兵士達にも大量の酒が振る舞われ、下士官達の「飲み過ぎて明日には残すなよ!」という注意の声が響く中、ジョッキを打ち合わせる音が響く。
そして館の中では、上級士官である貴族達が、明日の決着へ向けて、いろいろなことを思いつつも、表向きは和やかな時を過ごしていた。
宴は既に佳境に入っている。先ほど最後の入場者である国王ジェームズ一世と聖エイジス32世聖下が場内入りし、乾杯も終えてそれぞれ多数の貴族達と会話をしているところである。
そんな時間が過ぎていく中、ふと一瞬、あたりが静まりかえった。
国王がじっと聖下のほうを見つめ、聖下もそれに答えるかのように国王を見つめたからであった。
二人の視線のぶつかり合いに、まわりの貴族達も皆言葉を止めた。
「聖下」
ジェームズ一世は、老いた体を震わせつつも、凜とした響き渡る声で教皇に呼びかけた。
その瞳にはただならぬ決意が光っている。
何か大切なことが語られようとしている。
周辺にいた貴族達も、皆ぴたりと動きを止めた。
使用人達も、動いてはいるものの、極力音を立てぬように仕事を進め、当座の作業が終わった後は皆動きを止めた。
音楽を奏でていた楽団員も、ぴたりと音を止める。
ルイズも、なのはも、ウェールズも。
その場にいたものは皆息を潜め、老王の次の言葉を待った。
「見ての通り私は先の短い身。そして明日よりの戦いの中に果てることもあり得るでしょう。それゆえ、またとないこの機会に、私は王として懺悔をしたいと思うのです」
「懺悔、ですか」
ヴィットーリオほどの人物が少しとまどった。懺悔は罪の告白であり、聖職者はたとえ聖下その人に聞かれても他者の懺悔の中身を漏らすことは禁じられている。
もちろん、腐敗した現在の教会ではそんな戒律が守られるはずもなく、懺悔の内容を悪用するものも絶えない。
ただ、その性質上、懺悔は聖職者と一対一の場で、しかも互いの顔を見ずに行うのが本来である。
だが王は、公衆の面前で己が懺悔すると言い放った。
これは王が自らの過ちを公表するに等しい。そして普通これはあり得ないことであった。
王に過ちはない。
これは王が誤謬を犯さないということではない。王は自らの過ちをあっさりと認めてはいけないのである。
王は柱であり、柱が揺らげば国が揺らぐ。
そのため、王が過ちを犯した時の結果は二つ。
取り返しのつくものであれば側近が代わりに責めを負う。
取り返しのつかないものならば王自らが取り除かれる。
王自身が傷つく時は、王そのものが取り替えられるのである。
ヴィットーリオも考える。この場で王が懺悔する。この行為にはおそらくなにがしかの王にとって、国にとっての得がある。王自身は、おそらくこの戦いの後引退するのであろう。
年齢や気力のこともあるであろうし、引退するのなら懺悔によって罪を認めても、王権が揺らぐことはない。
ならばこの場でこの国の抱えたなにがしかの悪しきことを、「聖下」である自分に語ることによって、罪を洗い流し、次世代に禍根を残すことを避けるのであろう。
貴族達の前であえて王が宣言したのも、そう考えれば納得できる。
自分が『懺悔』することにより、次世代たるウェールズが清浄であることを知らしめるためであろう。
ヴィットーリオにとっても損ではない。王が教皇に頭を下げる形になるため、教会の『正統たる』権威は維持されることになる。
聖職者であるクロムウェルの反逆によって貶められた教会の権威を、当代及び次代の王が支持するということになるからだ。
それらのことを素早く計算したヴィットーリオは、それでも確認するように王に言葉を掛ける。
「よろしいのですね、王よ」
「はい。むしろこの場にいる、余に使えてくれた者達にこそ、この懺悔は聞かせたいのです」
王の様子に、ヴィットーリオは警戒を一段階上げる。
どうやら、これは只事ではない何かがある、そう彼は見抜いた。
そしてその警戒は無駄にはならなかった。
王の懺悔は、もし気を張り詰めていなければ、さすがのヴィットーリオも思わず我を忘れかねないほどの爆弾だったのだ。
「皆の者も聞いてほしい。そして思いだしてほしい。この反乱の発端が何であったのかを」
そう問われた貴族達は、この地で起こった不和を思い出す。
王弟・モード大公の処罰。
「そう。我が弟モードを、余が断罪したことがこの反乱の始まりとなった。だが余は、何故王弟を極刑を持って断罪したかを今まで語ろうとはしなかった。
もちろん諸兄らは王家が明かせない何かがあることくらいは予測したと思う。そしてそれはあった」
まわりの貴族達は、思わず唾を飲み込んだ。ルイズ達も例外ではない。
この事件の真相は、それほど厳重に秘匿されていたのである。
「そのことについて余はこれから懺悔をしたい。聖下」
「……謹んでお聞きしましょう、王よ」
聖下、の言葉と同時にヴィットーリオの前にひざまずくジェームズ一世。その前に立ち、祝福を授ける形を取るヴィットーリオ。
「……我が弟モード大公は、王族を、いや、始祖の子である我々人類全てに対する裏切りを行っていたのです」
その言葉の重さに、ざわりとした動揺があたりに広がる。人類全てに対する裏切り……それは彼らの予想を越えていた。
「彼は恥知らずなことに、我らの宿敵たるエルフと情を通じ、なんと子まで為していたのです」
息を呑む音が至るところから上がった。それは確かにとてつもない悪徳である。今初めて、ここにいる貴族達は、王の乱心とも取れた大公に対する断罪の真意を知った。
これはまずい。まずすぎる。よくそこで止めたといいたくないくらいの大問題である。
「私は始祖ブリミルの血を継ぐものとして、大公を断罪いたしました。ですが……ですが……」
高まった緊張が、奇妙な方向にねじれる。王は『悔いていた』。
身内がエルフと通じた、それが単なるスパイ行為的なものでも極刑ものなのに、『情を通じて子まで為した』というのである。もはや許されるはずもない、国家どころか始祖ブリミルに対する大逆である。
なのに何故王は『悔いている』のだ?
その答えは、続く言葉でさらなる疑問を生んだ。
「私は間違っていたのです! モードは……彼がエルフと情を交えることは……他ならぬ始祖によって許されていたのです!」
さしものヴィットーリオも一瞬意識が空白になった。今王は何といった? 人とエルフが交わることを、始祖がお許しになった……?
だがすぐに彼は己を取り戻す。ここに王の狙いがある。こんなことをいう以上、王にはこの事実を『教皇が認める』だけの何かを握っている。
危ないところだった。もし彼の言葉を『只の懺悔』と受け取っていたら、今の衝撃で理性的な判断力を失うところだった。ヴィットーリオは客観的にその事実を認め、そのことを持って理性を立て直した。
「王よ」
ヴィットーリオは衝撃さめやらぬまま沈黙した諸侯らの意識を取り戻させるかのように、王に語りかける。
「何故、そう思ったのですか? エルフと交わるという、ある意味大逆にも等しい行為を、あなたは何故それを始祖が許された、と知ったのですか?」
「はい。お聞きください」
言葉は厳粛で悲壮なものだったが、その裏にかすかに見える歓喜をヴィットーリオは感じ取った。そうと意識していなければ絶対に気づけなかったであろう歓喜を。
危ないところだったと彼は自問する。王はおそらく何かの肯定を、認証を求めているのだ。
そしてそれは決してこちらの損にはならない。そこまでヴィットーリオは読んだ。
今王が私に恥をかかせる真似をするはずがない。それはある意味身の破滅である。なので公衆の面前という場を利用したある種の『脅迫』である恐れはない。
その上でなにがしかの『肯定』を迫るということは、公開した場合双方に利益があり、秘匿した場合は教会により多くの利益があることなのだろう、と結論を出す。
差し引きこちらが少し損をするのであろうが、それはこちらが独自に相手の持つ秘密を知った場合のことだ。秘密そのものが知らなかったことである以上、相手が手札をさらしたからには受ける方が特であろう、そう彼は結論づける。
故に彼は続く言葉を冷静に受け止められた。同時に思った。
不意を打たれずに済んでよかったと。
もしこの札を相手に握られいていたら、それは教会を滅ぼすことが可能なほどの、恐るべき爆弾だったのだから。
そして王は告げた。教会すら滅ぼすことになり得た、王家の秘事を。
支援
「我が弟モードと、彼が隠していたエルフの愛人、シャジャル嬢。その間にはティファニアと名付けられた娘がおりました」
一部の貴族達−−ルイズを含む−−は、王がエルフのことを『嬢』と、敬称を付けたことに気がついた。普通ならあり得ないことである。
だかそんな些細な違和感は、次の言葉によって粉々に消し飛んだ。
「そしてその娘こそが、彼らの情が始祖に認められていた証でした。なぜなら彼女は、彼女こそが、我がアルビオンの」
そこで一旦切られる言葉。聞く者の間に響くのは、緊張の高まりのあまり、ゴクリと唾を飲み込む音だけ。
そして言葉は告げられた。
「“虚無の担い手”だったのです」
その場にいたものは、皆一様に自分の体重が何倍にもなったかのように感じていた。
この場に集う者は、“虚無の担い手”という言葉の重さを誰よりも知っている。
他ならぬトリステインの“虚無の担い手”ルイズによって、死すべき運命を覆されたものばかりなのであるから。
それと対等な存在である、“アルビオンの虚無”。それが王弟とエルフの間に生まれた子だというのである。
それはまさに完璧なまでの『始祖の祝福』であった。そして王がこの場で懺悔をした理由もわかろうというものである。
ヴィットーリオも思った。確かにこれは困るであろう。王自らが始祖の使いを殺害してしまったのだ。相手が相手とはいえ、これは始末に困る。教会としても秘密裏に相談されてももめたような問題だ。宿敵たるエルフの子に始祖の祝福が下る。教義における大いなる矛盾だ。
これに答えを出せるのはおそらく教皇只一人。というか教皇の言葉以外では解決不能だ。
と、そこまで考えた時、小さな矛盾をヴィットーリオは感じ取った。
何故彼は、この事実を公の面前で明かしたのだ?
王に何かの狙いがあることは判った。思わぬ事実の連続で衝撃を受けたが、冷静に考えると、これらの事実は何も公開する必要がない。それこそ墓の底まで王が抱えていけばいいことである。
相手の動きを見ても、この秘密は周辺に漏れ伝わっていないはずだ。それこそ『レコン・キスタ』の側にも。
こんな事実をあちらが知ったら、それこそこの事実を旗印にして王家を壊滅させることが出来たはずだ。
なのに、何故? 最悪、レコン・キスタに情報が行くことすらあり得るのに、何故?
ヴィットーリオは考える。ここで手を間違えると、大きな失点となる気がする。
彼は何かを『肯定』してほしがっている。なにをだ? 権力ではない。心の平穏でもない。
もっと具体性のある、しかも、『聖下』が認めるもの……!
その時出し抜けに彼の脳裏に答えが浮かび上がった。自分でなければダメなもの。王の権威でも守れないもの。
そんなものは一つしかない。無意識のうちにそれが失われたと思ってしまったが、もし失われていなければ?
大いなる矛盾、教皇たる自分でなければ肯定できないもの。
この時初めて、彼は王の真意を見抜いた。そうか、そういう事か。
ならば自分はどうすべきか。答えは『肯定』と『否定』の二つ。
そして彼は、自分によりふさわしい答えを返した。
「王よ、あなたの懺悔、確かに受け取りました」
ヴィットーリオは優しく王に語りかける。
「王が彼らを責めたことは間違いではありません。おそらくその時は知らなかったのでしょう。彼の者達が、我らの常識の例外である、『始祖に祝福されし者』だったということを」
「……はい。そうと知っていれば、決して騒ぎ立てたりはしなかったものを! あれの望むように、世間から隠し、ただ見守るだけだったものを!」
王の慟哭に、思わず涙するものも現れる。
「王よ」
そこにヴィットーリオが声を掛ける。彼は賭けた。王の真意を自分が見抜けたことに。
それでも慎重に言葉を選び、語りかける。
「そなたが始祖の祝福を受けた娘を殺そうとしたこと……それは本来許されるべき事ではないのかもしれません。もしその子供が平民であったとしても人間ならば、まがうこと無き大罪であったことでしょう。
ですが、彼の娘は始祖によって宿敵とされた、エルフの血を引いていた。人にも善人と悪人がいるように、シャジャルというエルフの女性は、エルフであっても、その心はむしろ我々に近いものだったのかもしれません。
それゆえモード大公はシャジャルと情を通じ、そして始祖はそれが間違いでないことを示すために、その娘に祝福を与えたのでしょう。
ならばその娘は、たとえエルフの血を引くものであったとしても、その子供自身がエルフと共に生きようとするものでないかぎり、我々にとっては始祖の子供です」
「おお……」
王はヴィットーリオの言葉に、思わず涙を流す。それを見たヴィットーリオは、己が賭に勝ったことを悟った。
彼が涙を流した時、そこには悲しみではなく、歓びの表情が浮かんでいた故に。
「王よ」
ヴィットーリオは荘厳な声を出す。今までの優しく問い掛ける声ではなく、権威者としての重さを持つ声で。
「本来ならそなたの過ちは、死を持ってしても償えぬ大罪となるはずであった」
それを聞いた人々の間にかすかな疑問が浮かぶ。
何故過去形なのだ? ただ許すだけの言葉とも思えない。
その答えは衝撃と共にやってきた。
「ですが……大いなる始祖が、その祝福を与えし愛娘の苦境を見逃すとも思えません……生きているのでしょう、始祖の祝福を受けし娘、ティファニア嬢は」
その瞬間、王が崩れ落ちた。
そして、心底肺腑から絞り出すように、答えを返す。
「……はい」
「王よ、今ここに私は宣言いたします」
再び声を柔らかなものに戻し、ヴィットーリオは告げた。
「王弟モード大公と愛妾シャジャルが一子、ティファニア・モードは、その身が真実“虚無の担い手”であるのならば、たとえその身がエルフの血を引くものであっても、それは始祖に認められしものであると。
これは私、教皇聖エイジス32世としての言葉です。そして、彼女の生存の事実を持って、王、そなたの過ちを、始祖ブリミルと教皇の名において−−」
ヴィットーリオは、崩れ落ちた王を改めて起こすと、その額に手をかざしながら、言った。
「−−許します」
その言葉と共に王は全てをやり遂げたかのように崩れ落ち、一時宴は中断となった。
だが、程なく戻ってきたウェールズによって、さらなる爆弾が宴に投入されることとなった。
「皆、安心してほしい。王は疲れただけで、健康にはなんの問題もない」
安堵の声が漏れる中、ウェールズは言葉を重ねる。
「先の聖下の言葉にもあったが、我が従妹に当たるティファニアは、先の断罪の折、“虚無”の加護により生き延びていた。従妹が授かった加護は『忘却』。数刻ほどの記憶をあやふやにしてしまうものだという。
これによって追っ手となった兵士達から、自分たちを見つけたと言うことを忘れさせて、今まで隠れおおせていたとのことだ。
その後彼女は、うち続く戦乱で生まれた孤児達をかばいながらつつしまやかに生きてきたが、こちらが真実を知り得たことにより誤解も解け、我らの庇護を受け入れてくれた」
一瞬なんのことだ? と空白が生じたが、その言葉の意味がしみ通るにつれ、会場は歓喜に包まれた。
「我らの元にも“虚無”の加護が!」
「レコン・キスタに正義無し!」
「して、そのティファニア嬢は!」
上がる声に対して、ウェールズは言った。
「我々王族の犯しがたい過ちに対して、一人の女性がその身を落としてまで我が従妹を守っていてくれた。彼女の名はマチルダ・オブ・サウスゴーダ。
そう、モード大公の腹心であった、ここ、サウスゴーダ家唯一の生き残りだ。
私は今ここで、王に代わり宣言する。
モード大公家、及びそれに連座して罰せられたものの罪業を解き、その名誉を回復することを。
我が従妹ティファニアは、虚無なれどその血筋のことも考慮して、私に続く第二位の継承者とし、いずれ私の血筋とティファニアの血筋は一つにされるとすることを。
そして諸君、朗報がある」
ここで言葉を切ったウェールズに、注目が集まる。
その彼は、会場の正面入り口を注目していた。
そちらに視線が向いた絶妙なタイミングで、入り口の扉が開く。
そこから、緑色の髪をした女性にエスコートされるように、金髪の少女が現れた。
緑髪の女性が杖を振り、あたりに明かりを撒く。
それに照らされたのは、美と豊穣の化身であった。
清楚な白のドレスに身を纏っている、すべらかな金の髪の乙女。
そのかんばせはあくまでも美しく、わずかに尖った耳ですら、その美貌の前には気にならなくなる。そしてやや下世話だが、会場の男達は清楚なドレスを持ってしても押さえ切れていない、顔のやや下に注目してしまった。
まさに豊穣の化身。
元々少女自身が細身なこともあって、その胸部は本来以上に強調されていた。
会場の女性、その全てを持ってしても太刀打ちできないほどの豊満さ。どちらかと言えば清楚であどけない容姿に似合わない、壮絶なまでの艶めかしさを持つ肢体。
虚無やハーフエルフ云々以前に、男どもはその美貌と色気のミスマッチに打ちのめされていた。
そんな中ウェールズが彼女を緑髪の女性に変わってエスコートし、上座に誘った。
そしてこの場ではある意味唯一上に当たるヴィットーリオに紹介する。
「ティファニア、この方が聖エイジス32世聖下だよ。挨拶を」
「はじめまして。虚無の担い手たる聖女よ。私は聖エイジス32世。俗名をヴィットーリオ・セレヴァレと申します」
聖下の挨拶に、参加者達の注目が一点に集中する。そんな雰囲気の中、ティファニアは挨拶を返した。
「あ、あの、その、私、ティ、ティファニアって言います。はじめまして!」
ある意味平民丸出しのたどたどしい挨拶。だが、その場にいた何割かの男には、それがとどめとなった。
彼らは今、ハルケギニアで初めて『萌え』という感情を取得したのかもしれない。
男どもには残念なことだが、ティファニアはまだ不慣れだということで早々に退場してしまった。ウェールズも一緒に一旦退出してしまったので、残りの宴はいまいち盛り上がらなかったものの、話題はティファニア一色となっていた。
そんな一方。
ウェールズとマチルダ、そしてティファニアは、別室で王、そしてルイズ及びなのはと共にいた。
「すまなかったのう、ティファニア。わしが愚かであった。おぬしが望むのなら、仇として私を打ち倒し、堂々とアルビオンの正統を名乗るがよい」
「あの、おじさま……私、そんなこと言われても困ります」
謝る王に、困惑するティファニア。彼女はいまだによく判っていないのである。
モード大公家にいた時も、大切にされてはいたが民を率いるものとしての教育は受けていなかった。物心ついた後は、すっかり平民の生活になじんでしまっていた。
今こうして引っ張り出されているのも、姉とも慕うマチルダの言葉に従ってのことである。
その姉は、
「ほんとは引っ張り出したくはなかったけどね……隠れ住むにも限界があるし、下手にバレたら何に利用されるか判ったもんじゃない。ましてやアルビオン王家が滅びた後にバレたら……」
「もっと悲惨なことになりますものね」
なのはに愚痴をこぼしていた。
実際これはマチルダにしても大博打だったのは事実だ。
彼女を表舞台に出すのがあまり彼女向きではないことは、マチルダが一番判っている。
だが、今が唯一のチャンスでもあった。
なのは達と別れた後、ウェールズに残した伝言。彼らはそれに応える策を伝えてきた。
マチルダはそれに乗る決意をした。勝算は十分あったし、今を逃したら後はまず無い。
幸い教皇はこちらの意図を見切り、それに乗ってくれた。
これでティファニアは表に出てこられる。ハーフエルフの身も、聖下に認められた「始祖の祝福」という事実があれば、表で非難することはできない。
「だけどミス・ロングビル……じゃなかった、ミス・サウスゴーダ」
「マチルダでいいわよ」
そこに話しかけようとして呼び方に困るルイズ。そんなルイズにマチルダは軽く言葉を返す。
「まさかあなたがこんなことを抱えていたなんて」
「今更よ。それに本当の平安は明日の決戦に勝ってから。私も腹をくくったからね。恨みしかないアルビオンだけど、テファを表に出しちゃった以上、私は彼女を守らないといけないし」
「そうね」
ルイズも頷く。そう、全ては明日なのだ。
だが、彼女たちは知らなかった。
明日、恐るべき地獄の釜のふたが開くことを。
以上、ここまでです。
むっちゃおまたせしてしまいました。
執筆時間はのべにして数時間なんですが、その数時間をひねり出す暇がとんとありませんでした。
今は……免停食らって休職中という情けない状態です。おかけで書く時間も出来たのですが。
ほぼクライマックスが目の前まで来ました。次は最終決戦です。
ぎりぎり滑り込んできたティファニアも書かないといけないし、ちょっと番外的な話を挟むかもしれませんが、
メインストーリーはおそらく後3話程度で決着がつくはずです。
それまでよろしくお願いします。
魔砲の人
魔砲の人 乙
色々あったようですが無事で何よりです
しかし地獄の釜のふたとは
次回が待ち遠しいです
乙ですー
ゼロと損種実験体の続きが読みたいな…
おお!魔砲さんが!
お忙しいようですが、ゆっくりお待ちしています。
SNK風シエスタ魔改造
壬無月斬紅郎→私には鬼の血が……。
天草四郎時貞→新教徒?シエスタ
獅子王→影シエスタ、真シエスタ
斬鉄→魔法を流影陣で反射するシエスタ
楓→シエスタ覚醒前、シエスタ覚醒後(金髪)
羅将神ミヅキが召喚されたSSってなかったっけ。
>>277 >魔法を流影陣で反射するシエスタ
それ凄い男の方だろw
アガートラームを召喚して引き抜きアクセスッ!してナイトブレイザーに変身するルイズとか妄想してみる
そう言えば昨日結局ウルトラの人来なかったな。
休載報告にも来れないとなると何やらよろしくない状況に陥ったか・・・。
ウルトラの人の事なら、
>>6に
>来週20日は行事が入りまして、投稿にとれる時間をとれるかは危ういので、翌21日に変更させていただきます。
とあるぞ。
あれ、アクマがこんにちわ の最新
まだwikiのってないかな?
アンリエッタってトリステインの第一王位継承者なのになんでゲルマニアに嫁に出そうとしてたんだろうな?
同盟だか連合だか言ってたけどまさか「トリステイン―ゲルマニア連合王国」でも作るきだったのか
姫様に子供ができたら第一子はゲルマニアの皇太子に、第二子をトリステインの王太子にするつもりだったのでは? まあ、第一王位継承権を持っているはずの姫様以外にゲルマニア皇帝に釣り合う血筋が居なかったのか、と言うのは疑問ですが。
作中に名前が出ている限りだとヴァリエール公爵家の長女あたりが丁度良さそうですが、婚約破棄のオンパレードを見る限り、問題ありとして論外だったんでしょうね……
第一王位継承者が駄目なら、二位や三位を王にすればいいだろ。
ご心配いただき、どうもありがとうございます。
昨日は一日中家を空けていましたが、どうにか行事を無事にすませることができました。
では、今週分の投下をそろそろはじめようと思います。
10分おいて12:50より開始いたしますのでよろしくお願いします。
第三十六話
星の守護者
ミイラ怪人 ミイラ人間
ミイラ怪獣 ドドンゴ
青色発泡怪獣 アボラス
赤色火焔怪獣 バニラ 登場!
驟雨にさらされ、無人と化したトリスタニアの一角で、六千年の時を超えた宿命の対決が再び始まろうとしていた。
東から現れる、赤色火焔怪獣バニラ。
西からやってくる青色発砲怪獣アボラス。
市街地の中に、怪獣出現を想定してもうけられた空白地帯が二大怪獣の戦いの舞台となる。
東西から、まるでコロシアムに入場する剣闘士のように同時に現れた二大怪獣。
しかし、彼らには戦いのゴングは必要なかった。互いの姿を見ただけで凶暴な叫び声をあげ、牙をむき出し、
大地を蹴って相手に迫る。
「始まるぞ。怪獣同士の戦いが……」
この戦いの観客である、魔法衛士隊のド・ゼッサールをはじめとする隊員たちは、息を呑んで戦いの始まりを見届けた。
アボラスとバニラは真正面から激突し、両怪獣合わせて四万トンもの大質量が生み出す運動エネルギーは、
その余波を衝撃波に変えて、ド・ゼッサールたちのほおをしびれさせる。
「うわっ!」
「落ち着け、まだ始まったばかりだぞ」
うろたえる若い隊員を叱咤しつつ、ゼッサールは自らも緊張からつばを飲み込んだ。
体当たりに始まった両者の激突は、当然それにとどまるものではなく、さらなる攻撃へと発展をはじめる。
アボラスの巨大な顎が開き、バニラの肩に食らいつく。鋭い牙に皮膚を貫かれ、バニラは悲鳴をあげてのけぞるが、
痛みでむしろ戦意をかきたてられて、アボラスの角を掴み、長い首を伸ばしてアボラスの頭を噛み付きかえす。
たまらずバニラを離すアボラス。同時にバニラもアボラスを離し、両者は再び数十メートルの距離を挟んでにらみ合う。
数秒の硬直。と、アボラスとバニラの口が同時に大きく開いた。
アボラスの口から放たれるビルをも溶かす白色溶解泡、バニラの口から放たれる二万度の超高熱火焔。
白と赤、対照的な力を持つ二匹の怪獣のブレスは空中で激突し、対消滅による爆発が引き起こる。その衝撃波は
空中を伝わり、中空で待機していた魔法衛士隊を幻獣ごと吹き飛ばし、周辺の建物の窓ガラスを一枚残さず粉砕した。
「す、すごい……」
「ううむ。これはいかん。全員、百メイル後退せよ! 近くにいると巻き添えを受けるぞ」
それは臆病から出た命令ではない。今の爆風だけでも、頑強なグリフォンやヒポグリフが木の葉のようにもまれて、
訓練されているはずの魔法衛士隊員たちでさえ振り落とされそうになったくらいだ。
ド・ゼッサールは古参の軍人として、『烈風』カリンの部下だった頃から数々の戦いをくぐってきた。人間同士の
戦争から、凶暴な亜人や猛獣退治、何度も命を落としそうになってきた。最近では、トリスタニアに現れた超獣や
怪獣とも幾度も渡り合い、ウルトラマンAと怪獣との戦いも間近で見てきた。それでも、怪獣同士の戦いという
未知の体験は、彼の心に戦慄を覚えさせる。
「野獣同士の喰らいあいか……とてもじゃないが人間の入る余地がない」
理性のない獣対獣の、純粋な敵意の激突は、理性持つ人間からすれば本能の奥に忘れてきた、根源的な
恐怖を呼び起こす。かつても、同族が地球で激突した際にも、二大怪獣は科学特捜隊からスーパーガンや
マルス133で攻撃を受けながら、まったく意にも介さずに戦いを続けた。
溶解泡と火焔が相殺に終わったことにより、アボラスとバニラは再度接近戦に打って出た。
バニラが雄叫びをあげて、掴みかかろうと突進する。対してアボラスはくるりと背を向けると、太い尻尾を
振り回してバニラをカウンターでなぎ払い、運の悪い家屋が押しつぶされて崩れ去る。
すかさず追撃をかけようと飛び掛っていくアボラス。しかしバニラもこんなものではまいらず、すぐさま起き上がると
隣の家を掴んで引っこ抜き、岩石のようにアボラスに投げつけた。
「ああっ! 街が」
アボラスに投げられた家は、アボラスが軽く腕を振るだけでバラバラのレンガのかけらになって崩れ去った。
しかし、バニラは体勢を立て直すために、二軒目、三軒目の家を引き抜いては投げつけ、そのたびに街が
無残に破壊されていく。
だが、二大怪獣にとって当然そんなことはおかまいなしだ。街を犠牲にして体勢を整えたバニラは、今度は頭から
アボラスに突進し、両者は組み合ったままで反対側の住宅地に倒れこむ。組み合ったままで、互いに相手を
押し倒そうと、二匹は自分が上になろうと転がり、次々に家が押しつぶされていく。しかも、砂埃と同時に、炊事用の
かまどの火が燃え移ったのか火災までもが起こり始めたではないか。
「なんてことだ。これでは、トリスタニアは戦いのとばっちりだけで壊滅してしまうぞ!」
いかに怪獣被害の緩衝地としてもうけられた空き地が広くても、怪獣同士が中で戦い合うことまでは想定に入っていない。
コロシアムの中だけでは狭すぎるとばかりに、アボラスとバニラは場外に躍り出てなおも戦う。
蹴倒された商店が、尻尾をぶつけられた家が粉々に砕け散る。
溶解泡を浴びせられた役所が溶けてなくなり、高熱火焔の流れ弾を受けた工場が灰に変えられる。
ド・ゼッサールたちの焦りをよそに、二大怪獣の激闘はエスカレートの一途をたどっていた。
一方、バニラがトリスタニアに到達する少し前まで時系列はさかのぼる。
まとわりつくような霧雨が降る森の道を、才人とルイズはトリスタニアに向かって急いでいた。
「急ぎましょう! あの怪獣は、最後に見たときトリスタニアの方角に向かってたわ。早く戻らないと、街が
大変なことになっちゃうわよ」
ルイズが走りながら才人をせかして言った。
「お、お前そうは言っても、トリスタニアまで何十キロあると思ってるんだよ」
ぜえぜえと、息を切らしながら才人は答えた。ハルケギニアに来てからだいぶ鍛えられているとはいえ、
半年ほどでは才人の体力は高校男子の平均から大きく逸脱することはない。
走れど走れど、変わり映えのしない景色が才人の気力を削ぐ。まったく、馬車で数時間かけた道のりというのは、
徒歩で駆ければ気の遠くなるほどの距離があった。単純に馬車が時速二十キロで二時間かけたとして、
四十キロトリスタニアから離れていることになる。フルマラソンの距離が四十二.一九五キロメートルであるから、
それだけで普通の人ならば気力がなくなるだろう。
「せ、せめて歩こうぜ。とても、体力もちゃしねえよ」
「あんた馬鹿! こうしてるうちにトリスタニアがどうなるかわかってるの」
声を張り上げ、ルイズは才人を叱咤する。けれど、強気を見せていても、ルイズも見た目とは裏腹に脇腹に
走る痛みをこらえている。プライドの高さから弱みを見せないようにしていても、華奢で小柄な彼女のスタミナの
限界値はそう高くはない。それでも、走り続けようとするのは彼女が才人と出会う前から持っている一本の芯のためであった。
「ヒカリがトリステインを離れて、軍の主力もウェールズ陛下の護衛に裂かれている今、わたしたちが戦わなくて
どうなるっていうの。姫さまや、魅惑の妖精亭のみんなが傷つけられるかもしれない。大勢の人が家を失うかも
しれない。だったら、ここでわたしたちの足が折れようとも、安い代償じゃない。最高の名誉の負傷じゃないの!」
これほど誇れる名誉が、ほかにある? と締めくくってルイズは笑って見せた。その気高くて、折れない強い
意志を秘めた凛々しい笑顔を見て、才人はがくがくと笑うひざにもう一度鞭を入れた。
「名誉か……ったく、お前は昔からそうだな」
情けないが、この笑顔にはいつも勝てない。まあ仕方ねえかと才人は自嘲した。なんたって、おれはルイズの
この誇り高さに惚れちまったんだから。
「なに人の顔見て笑ってるのよ?」
「いや、なんだ……貴族の誇りってのも、たまにはいいかと思ってよ」
「はぁ? いつも名誉なんてくだらねえって言うあんたが? 雨に打たれて熱でも出た」
「あいにくと、馬鹿は風ひかないって昔から言うだろ。さて、急ごうぜ」
今度は才人がルイズをせかして走り出した。ルイズの言うとおり、今でも誇りや名誉のために命をかけるのは
くだらないと思っている。しかし、今のルイズの誇りや名誉ならば悪くはない。昔と今で違うところといえば、
一人よがりの誇りと名誉か、誰かのために戦う誇りとおまけでついてくる名誉のためかの違いだけだ。
まとわりつく雨の降る寒い道を、二人は無言で走った。この街道も、いつもならばゆきかう人を普通に見かけるのだけど、
今はこの天気と、なによりトリスタニアやラ・ロシュールに人が集まっているために、たまに雨具を着た人とすれ違う
くらいで、馬車を捕まえることもできない。
ウルトラマンAに変身して飛んでいくという手もあるけれど、エースは先のバニラとの戦いで消耗したエネルギーが
まだ回復していない。トリスタニアについたところでエネルギー切れを起こしてしまったのでは本末転倒でしかなく、
二人の足に今はすべてが懸かっていた。
しかし、ぬかるんだ泥道は、走るうちに二人ともひざまではねた泥で染まらせ、式典のためにあつらえた服も
見るかげなくしおれさせる。そればかりか、濡れた服は体温を奪い、ぬかるみは二人の足をとって、体力を余計に消耗させた。
「も、もうだめだ」
「サ、サイト、弱音吐いてる暇があったら……あぅっ」
とうとう、気力でおぎなっていた体力も限界にきた。二人とも、泥道に倒れこみ、大の字になって荒く息をついている。
やっぱり、雨の中を子供の体力で数十キロも走るのは無理があったようだ。しばらく過呼吸を繰り返し、なんとか
呼吸だけは落ち着いたものの、体が痛くていうことを聞かない。
「くっ、くそぉ。まだ、あと何十キロもあるってのに」
「シルフィードが、いてくれたら、あっというまなのにね……ねえデルフリンガー、虚無に体力回復の魔法とかないの?」
「んなものいちいち覚えてりゃしねえよ。移動に便利な呪文はあったかもしれねえが、どのみちお前さんは昨日
あんだけぶっ放した後だからな。虚無魔法は精神力を多大に削るから使えやしねえよ」
「ああもう! 肝心なときに使い勝手が悪いわねえ!」
しえん
困ったときの虚無頼みは失敗に終わった。あの夢の中でブリミルが使っていたような、とてつもない力の一端でも
自分に使えたら、この窮地を脱することができるのに。おまけにデルフリンガーは、「お前さんが未熟なのが
いけねえんだ。虚無の力は使いこなせばできねえこたぁなんもねえ。今のお前さんには渡したって振り回される
だけだって、祈祷書も読めなくしてあるんだよ。いやあ、ブリミルのやつは子孫思いだねえ」などと、人事のように
言うのだからなお腹が立つ。
だが、運はまだ二人を見放してはいなかった。薄暗い街道の、学院に向かうほうから、霧雨の奥にぼんやりと
ランプの灯りが見えてくる。やがて馬のひづめの音や車輪が地面をはむ音も聞こえ始め、一頭の馬に引かれた
小さめの馬車がやってきた。
「馬車だ! おーい! おーい!」
「止まって! 乗せてほしいの!」
残った力で二人は馬車の前に出て必死で引きとめた。その馬車もガーゴイルが御者をしているらしく、
声には反応してくれなかったけれど、人をひいてはいけないといけないという判断をしたらしく、直前で停止させた。
けれど、ほっとする間もなく馬車から顔を出してきた人を見て才人とルイズは仰天した。
「ミス・ヴァリエールにサイトくんじゃないか。どうしたんだいこんなところで?」
「コルベール先生!?」
三者三様の驚いた顔が雨中に展示された。才人、ルイズともに、まさかこんなところでコルベールに会うとは
思っておらず、コルベールのほうもずぶ濡れの二人を見て目を丸くしている。
「君たち、ラ・ロシュールでの式典はどうしたんだい? いや、それよりも早く乗りたまえ、そんなところにいては
風邪をひいてしまうぞ!」
手招きするコルベールの言うとおり、二人はコルベールの馬車に乗り込んだ。この馬車は学院の公用品の、
四人乗りの小さなものであったが、二人くらいが同乗する分には問題ない。タオルをわたされて体を拭き、コルベールの
炎の魔法で体を温めると、二人はやっと人心地ついた。
「ふぅ、どうも助かりました。ミスタ・コルベール、こんなところで先生にお会いできるなんて。でも、どうしてこんなところに?」
「なに、トリスタニアの式典まで、私は特にするべきこともありませんのでね。ほかの先生方にちょっと失礼して、先に
帰っていたのです。それで、近頃はじめたアカデミーとの共同研究を進めておこうと、学院から資料を運ぶところだったのですよ」
そういうことだったのかと二人は納得した。オスマン学院長以下の教員方は、馬車でゆっくりとトリスタニアに向かっているから、
到着は明日以降になるはずだった。時期がずれていたらこの事件と鉢合わせすることになったかもしれないから、運がよいと
言うべきであろう。
「ま、普段から変わり者で通ってる私が抜けたところで誰も問題にはしないしね。あなたたちこそ、ウェールズ陛下の歓迎式典は
どうしたんだね? なにかあったのかい」
「あっ! そうだった! 先生、急いでトリスタニアに向かってください。理由は走りながら話しますから」
それから二人は、コルベールにこれまでのことを説明した。ラ・ロシュールが怪獣に襲われたことから、赤い怪獣が
トリスタニア方面へと向かっていることまで。むろん、虚無に関わることは隠して、自分たちが学院に報告しに戻る途中に
怪獣に襲われたとごまかした。
「なんと、我ら教師のいないときにそんなことになっていようとは。トリスタニアに知らせなければ大変なことになる。
わかった、怪獣より早くつけるように急がせよう。それでも一時間ほどかかってしまうが、君たちはともかく体を休めたまえ」
「ありがとうございます……はぁ」
コルベールの心遣いが、緊張し続け、疲労困憊の極だった才人とルイズから肩の力を抜かせてくれた。
たった一時間だけれども、ともかくもこれで休むことができる。座席に深く体を沈めて、全身の筋肉を脱力させた
二人は、ぼんやりとこれまでのことを振り返った。
たった二日足らずのことなのに、とてつもなく多くのことがあったように思える。伝説の大魔法『虚無』、それを
狙うシェフィールドと名乗る謎の女の一味。突如現れた怪獣バニラ、そして始祖の祈祷書が見せたという、
六千年前の始祖ブリミルの戦い。どれも、一つだけでもショックが大きいことなのに……
また、始祖の祈祷書に過去のビジョンを見せられているあいだに、かくまわれていた大木のうろの中。
そこまで運んできてくれたのは……最後にちらりと見えたあの顔は、人間のものではなかった。しかし、
それと同じ姿をした亜人を、始祖ブリミルとともに戦っていた者たちの中に見た気がする。
堂々巡りの思考の中、けっきょくわからないことだらけだと才人もルイズも結論づけるしかできなかった。
虚無のことは、なにかを結論づけるには材料が断片的過ぎる。バニラも、アカデミーの事情などを知るはずもない
二人には、現れた理由は皆目見当がつかなくて当然だった。
ただし、あの不思議な亜人……ミイラに関しては話が別だ。なぜ自分たちを助けてくれたかはわからないけれど、
もう一度会えば何かがわかるかもしれないと、ルイズはふと思った。危険で、しかも馬鹿げた考えかもしれない。
しかし、少なくとも無防備な自分たちに手出しをしなかったところから、敵意だけはなかったと思いたい。それに、
なぜ祈祷書はこのタイミングで自分たちにあのビジョンを見せたのだろうか? ビジョンに出てきた怪獣と亜人が、
今ここにいる。偶然にしては、あまりにもできすぎている。
「ねえサイト……」
「うん」
声を潜めて、才人とルイズは小声で話し合った。幸い、馬車の音と雨音でコルベールに話し声は聞こえない。
才人の意見も、ルイズとほぼ同じだった。もしも、過去のビジョンで見たバニラが自分たちが戦ったバニラと
同じものであるならば、祈祷書は自分たちになにかヒントを与えてくれようとしたのではないか?
だが、それより前に、バニラはなんとしてでも倒してしまわねばならないと、二人は決意を新たにした。
バニラは科学特捜隊のジェットビートルがロケット弾を撃ちつくすほど攻撃してもこたえず、航空自衛隊の
戦闘機も次々に撃ち落したほどの火力もかねそろえている。先日戦ったゾンバイユのような超能力こそ
備えないけれど、首都防衛のわずかな部隊では太刀打ちできないだろう。奴をそのままほっておけば、
ビジョンで見た世界の終末の光景が、この時代でも現実となってしまう。それだけは防がなくてはいけない。
でも、勝てるか……? ぬぐいきれない不安が二人の心をよぎる。
”ウルトラマンAの力でも、バニラを倒すことはできなかった。もう一度戦ったとして、はたして勝利できるのだろうか”
かつて、初代ウルトラマンはバニラと対を為すアボラスを苦闘の末に倒した。しかし、戦いの勝敗はやってみないと
わからない。怪獣だって必死なのだ。以前勝てた相手だから、今度も勝てるなどという保障などどこにもない。
バニラがかつて悪魔と呼ばれた理由となった能力も、だいたいのところは予測がついている。エネルギーが回復
しきっていない、不完全な状態のエースで立ち向かえるのか。
敗北の衝撃が、戦いを目前にして二人の心に影を落としていた。
そんな二人の暗い波動が届いたのか、北斗星治の声が心に響く。
(かつてのウルトラマンたちも、強敵に敗れることはあった。しかし、彼らは再び立ち上がり、侵略者を打ち倒してきた。
なぜ、負けるかもしれない相手とまた戦えたのか、わかるかい?)
(それが、使命だからですか)
(それもある。しかし、使命感だけでは戦いの恐怖には打ち勝てない。ウルトラマンには常に、共に戦ってくれる
仲間がいたからだ)
(仲間……でも、今のわたしたちには、いっしょに戦う仲間なんて)
(そんなことはない。君たちには、ここにはいなくても大勢の仲間がいる。思い出してみるんだ、今でも君たちを
心配している友達や家族のことを。地球で、再びこの世界とつなげるためにがんばっているメビウスたちを。
考えてみるんだ、我々が戦っているすぐそばで、応援してくれる人々を)
強くうったえかける北斗の言葉が、暗雲にとざされていた二人の心に記憶という名の光を呼び戻した。
キュルケ、タバサ、アンリエッタ、アニエス、ミシェル……まだまだ名前が浮かんでくる大勢の友。
父、母、姉……血の絆で結ばれて、さらに強い心の絆を確かめ合ったかけがえのない人たち。
才人は、中学生だったころにTVで見たウルトラマンメビウスと、エンペラ星人配下の暗黒四天王の一人、
凍結宇宙人グローザムとの戦いを思い出した。不死身のグローザムの異名を持ち、その気になれば地球すら
あっという間に氷付けにできるという圧倒的な力を持つグローザムの前に、メビウスは手も足も出ずに氷付けにされ、
ダムに張り付けにされてしまった。
しかし、CREW GUYSは先日の暗黒四天王デスレムとの戦いで戦力が半減した状態にも関わらず、果敢に
反撃に出てメビウスを救出することに成功する。さらに、メビウスとウルトラセブンとの共闘により、不死身を誇った
グローザムに見事にとどめを刺す快挙も達成したのである。
圧倒的な力の差がある相手でも、恐れず立ち向かえばどこかに光明は見える。それに、過去のビジョンで
見た始祖ブリミルも、仲間とともに圧倒的に強大な敵と戦っていた。一人でない限り、どんな敵とも戦うことができる。
(我々の戦いは、必ず勝たねばならない戦いだ。それも、仲間と別れて、一人で戦うのはつらいことだ。しかし、
一人でいることは孤独であるということではない。心でつながっている限り、誰もが君たちと共に戦っている。
それに、君たちはなによりも、二人じゃないか)
北斗はかつて、超獣ファイヤーモンスに敗れたときにウルトラセブンに励まされたことを。かつて、ヤプールの
精神攻撃に苦しめられるメビウスを励ましたことを語った。心に距離は関係ない。どこかで戦っている仲間とは、
心でいっしょに戦っている。だからこそ、ウルトラマンたちは二度と負けまいと立ち上がることができたのだ。
”そうだ、おれたちはまだ一回負けただけだ!”
”次は、必ず勝ってみせるわ”
闘志がふつふつと蘇ってくる。仲間たちががんばっているのに、自分たちだけ情けない顔は見せられない。
負けん気を呼び起こした二人が空を見上げたなら、そこには必ず暗雲をもものともせずに輝く星が見えたであろう。
馬車は街道をトリスタニアへと向けて急ぐ。
「君たち、トリスタニアまで、あとおよそ十分だ」
コルベールの声で、仮眠していた二人は目を覚まして外を見た。いつの間にか雨はやんで、街道の幅もだいぶんと
広くなっている。しかし、どこを見渡してもバニラのあの赤い姿は見つからない。
「まだ見えないってことは、バニラはもうトリスタニアについちまったってことか。くそっ」
「落ち着きなさい。あんなでかい奴が近づいたら、いくらなんでも気がつくはず。首都の防衛の部隊も残ってるから、
すぐには大事にならないわ。まだ間に合うかもしれない。急ぎましょう」
街を舞台に戦うことは避けたいと思っていた二人は、最悪の事態を予感して憂鬱になった。バニラの能力は
火焔であるから、雨上がりの街なら火災は広がりにくいだろうけど、それも時間の問題だ。馬車は速度をあげて
街へと急ぐ。
そのとき、突如馬車を激震が襲い。跳ね飛ばされた二人は、コルベールとぶつかったり、あちこちを痛めたりした。
それでも何事かと起き上がって外を覗くと、そこには想像もしていなかった光景が広がっていた。
「あたた……なんだ、穴にでもはまり込んだか? んぇぇっ!?」
「なによ、大きな声を出して……へぇぇっ!?」
才人もルイズも自分の目を疑った。彼らの馬車と並行して、金色の怪獣が五十メートルばかり離れた森の中を
走っている。今の激震はこいつの足音だったのだ。いや、そんなことよりも、才人はすぐ間近で見上げることが
できているこの怪獣がなんなのか、それに思い至っていた。
支援
「ミイラ怪獣ドドンゴ……やっぱり、あのミイラは」
頭のすみで気になっていた、ミイラへの仮説が完全なものになって頭の中で組みあがる。
やはり、あのミイラは地球で確認されたものと同じ。科学特捜隊の時代、日本のある洞窟で発見された七千年前のミイラ。
はじめそれはただのミイラと思われていたが、突如復活して暴れまわった。そして、ミイラの呼び声に応えるように
現れたのが、あのミイラ怪獣ドドンゴだ。
今、目の前にいる怪獣がドドンゴならば、あの亜人の正体はやはりミイラに違いあるまい。理由はわからないけれど、
なんらかの理由で、恐らく六千年前から眠っていたミイラが蘇ってドドンゴを呼び寄せたのだろう。もしかしたら、
バニラの出現にもなにかの原因が? 才人はそう考えたものの、やはり確証はない。
「んったく、おれたちの知らないところで勝手に話を進めるのはやめてほしいな」
才人は、神ならぬ自分の身を呪ったがどうにもならない。人間一人の知ることのできることなどはたかが知れているのだ。
問題は、自分の手の届く範囲でなにができるかである。
「あいつ、トリスタニアに向かってやがる……くそっ、バニラだけでも手にあまりかねないってのに!」
才人は歯噛みして、頼みもしないのに次々起こる異常事態を恨んだ。まったく昨日の今日で、どうしてここまで
連戦しなければならないのか。運命の神とやらが天界でサイコロを振っているなら、五・六発殴ってやりたい気分である。
それでも、怪獣を見てそのままにしているわけにはいかない。才人は、ドドンゴを見てあたふたしているコルベールを
おいておいて、ルイズに問いかけた。
「仕方がない。ここで戦うか?」
「だめよ。前回のダメージが残ってるのに、ここで変身したら赤い怪獣と戦う力は確実に無くなるわ」
「だけど、怪獣をそのままトリスタニアに行かせるわけには……」
「ううん、行かせるべきだとわたしは思う」
「ルイズ!?」
突拍子もないことを言い出したルイズの顔を、才人は思わず正面から見返した。怪獣をトリスタニアにそのまま
行かせるべきだとはどういうことか? しかし、ルイズのとび色の瞳は正気を失ってはおらず、真剣な様子で
才人に言った。
「あの怪獣、夢の中で始祖ブリミルといっしょに戦っていたやつと同じだわ。きっと、わたしたちを助けに
来てくれたんじゃないかと、そう思うの」
「それは……確かに、言われてみたらあいつは夢の中で見た。しかし、あいつが六千年前にいたやつと同じ
やつだとは限らないだろ」
「ううん、同じだと思う。でなければ、祈祷書があんなビジョンを見せる意味がないもの。それに、そうだとするなら、
あの亜人がブリミルの子孫であるわたしを助けてくれた理由にもなる」
自信ありげに断ずるルイズに、才人はうーんと考え込んだ。つじつまはそれで合う。でも、ルイズが虚無に
目覚めたその翌日に、こんなことが起きるなどとできすぎではあるまいか。
するとルイズは、窓の外を指差してもう一つ付け加えた。
「ほら見て、あの怪獣ずっと森の中だけを走ってるわ。走るなら道を走ったほうが速いのに。きっと、わたしたちの
ような人間を踏みつけないようにしてるのよ。邪悪な怪獣だったら、まずはわたしたちに襲い掛かってくるはず」
確かに、ドドンゴは馬車などは目に入らないように一心不乱にトリスタニアを目指している。それによく見ると、
あのミイラがドドンゴの背に乗っているのも確認できる。だが、才人は迷った。仮に、あのドドンゴが六千年前に
いたものと同じ個体であったとするなら、百歩譲って敵ではないかもしれない。けれど違っていたら、トリスタニアは
複数の怪獣による同時攻撃を受けることになる。そうなれば、いくらなんでも勝ち目はない。
悩む才人に、ルイズはいつもの命令口調ではなく、諭すように話す。
「あなたは運命なんか信じないかもしれない。でも、現実は時にはおとぎ話以上に荒唐無稽なことが起きる
こともあるわ。始祖のお導き……くらいしか、わたしには表現する方法がないけど、信じて欲しいの」
あっけにとられた。ルイズがここまで下手に出ることなど、これまでほとんどなかった。
「きっと、祈祷書には始祖ブリミルの意思が宿ってるんだと思う。だから、かつての仲間と敵の復活を夢の形で
わたしたちに教えて、彼と戦ってはいけないと警告してくれたんじゃないかしら。それに、ここまで舞台が
そろったのなら、もう最悪の事態を考えてもいいんじゃない?」
「最悪の事態って……まさか、バニラが復活してるってことは、アボラスも」
蘇っているのか? という疑問は、アボラスとバニラが対となっていることを知っていれば、当然にして
浮かんでくることであっただろう。むろん、才人もその可能性にはずっと前から気がついていた。ただし、
あまりにも最悪の事態であるので、考えることをすらずっと拒否していた。
しかし、無意識の現実逃避をすらあざ笑うかのような、二つの巨大な遠吠えがトリスタニアの方向から聞こえてきたとき、
才人はルイズの言うとおりに、最悪の事態が起きたことを悟らざるを得なかった。
「今の叫び声は、ひとつは赤い怪獣のものよね。もうひとつは……」
「青い怪獣……アボラスだ。間違いない」
甲高いバニラの声と、野太いアボラスの声はよく覚えている。かつて二匹が地球で戦ったときの舞台である、オリンピック
競技場に仕掛けられていたカメラの映像はTVでも一般公開され、その迫力に圧倒された才人はビデオに録画して
擦り切れるまで画面にかじりついて見たものだ。
けれども、今目の前にあるのは子供の頃に見た過去の記録ではない。現実の脅威として、アボラスとバニラは自分の
目の前に立ちふさがっている。泣きっ面に蜂か……ここまで完璧に揃えば、もう不運のお釣りを出したい気分だ。
そのとき、唐突に馬車が止まったのでコルベールを見ると、彼は自分の荷物を小さなかばんにまとめながら二人に言った。
「むうう、あの怪獣。アカデミーが最近発見したという古代遺跡のほうからやってきたぞ。エレオノール女史から見学
させてもらえるはずで期待しておったのに。いや、それよりも遺跡のスタッフたちが心配だ。君たち、悪いがわたしは
行くところができた。馬車は預けるから、君たちで先に行きたまえ」
「えっ? お、おれたちだけでですか」
「君は、銃士隊隊長と副長くんの弟なんだろう。だったらわたしより顔が利くはずだ。ミス・ヴァリエールは下級貴族の
わたしなどより宮廷に入りやすい。第一、君たちのほうがこういうことには慣れている。今、トリスタニアは猫の手も
借りたい状態のはずだ。助けにいってやりたまえ、わたしはわたしの友人たちを救いに行く」
「わかりました。お気をつけて」
コルベールと別れた二人は、馬に鞭を入れて急がせた。トリスタニアの街並みと、立ち上る煙を目にしながら、
やはり間に合わなかったかと心が痛む。しかし、コルベールの言い残した古代遺跡というキーワードで、漠然と
ではあるけれどアボラス・バニラの出現と、ミイラ人間・ドドンゴの出現の理由の見当はついた。昔から、遺跡だの
遺物だのを地中から掘り出すとろくなことが起きない。貝獣ゴーガが封じられていたゴーガの像しかり、地中に
埋められていたお地蔵様を掘り出したら復活したエンマーゴしかり、現代人の浅い知識で古代の神秘に不用意に
触れようとすると、大抵手痛いしっぺ返しを喰らうことになる。
「ったく、掘り出すにことかいてよりにもよって怪獣を穿り返すことはねえだろうが。せめて温泉でも掘り当てて
くれたらありがてえんだけどなあ」
「今更言ってもはじまらないわよ。サイト、二大怪獣を相手に勝てると思う?」
「万全ならともかく、回復に時間がなさすぎたからな。でも、ウルトラマンの本当の強さは力じゃない。そうだろう?」
覚悟はすでに決めている。後は、一歩前に踏み出すだけだ。
才人とルイズは顔を見合わせると、互いの心を確認してうなずきあった。彼らの視線の先では、ドドンゴが馬車を
はるかに追い抜いて、もう間もなくトリスタニアに入ろうとしている姿がある。二人も負けじと、最後の鞭を入れて急ぐ。
戦場と化したトリスタニアは、いまや象の群れに蹂躙されるジャングルのような光景となっていた。
アボラスに蹴り飛ばされた建物が積み木のように崩れ去り、バニラに踏みつけられた公園が子供たちの遊具ごと
無残なクレーターに変えられる。
昨日までは家族が揃って団欒していた家が溶解泡を浴びて崩れ去り、仕事に疲れた人々がわずかな癒やしを
一杯の茶に求めにやってきたカッフェが高熱火焔で灰に変えられる。
アボラスとバニラの戦いは延々と互角のまま続き、二匹が移動し、攻撃を重ねるごとに街が壊されていく。それでも被害は
現在のところ最初の戦場であった広場から、およそ数百メイル四方に抑えられて、かろうじて少ないといえるのは
被害軽減を考慮に入れた都市計画のおかげだろう。
だが、都市計画はあくまで被害を軽減して時間稼ぎをするためのものでしかない。二匹の怪獣のあまりに長続きする戦いに、
開始からずっと見守り続けていたド・ゼッサールたちは疲弊を隠しきれなくなってきていた。
「やつら、いったいいつまで戦い続けるつもりなんだっ!」
激突してから、すでに二時間近くが経過している。それなのに、決着がつくどころか戦いは同じ舞曲を何度も見ている
かのように延々と続き、街は自らが破壊される音で彼らをひきたたせる楽団となったごとく、崩壊の戦慄をかなで続けている。
「まさか、このまま永遠に戦い続けるのではあるまいな……」
そのつぶやきは、口にしたド・ゼッサールにとって冗談に含まれる部類のものであったろう。どんなものにも始まりが
あれば終わりはある。三日三晩の死闘などという言葉が、英雄譚などには頻繁に登場するものの、それは作者の
空想のうちから生まれた幻想の決闘にすぎない。
永遠はない。それは真実である。しかし”半”無限であるならば実在する。そして、ルイズが現実は時として
幻想よりも荒唐無稽なことが起きると語ったとおりに、残念なことに彼のつぶやきは正解に限りなく近い位置にあった。
地球でも、アボラスとバニラが宿敵同士だと知った科学者たちが一つの矛盾に行き当たったことがある。
”アボラスとバニラが敵対しあっているのなら、ほっておけばいずれどちらかが倒れるはず。なのになぜ、ミュー帝国の
人たちは二匹を同時に捕らえる必要があったのだろう?”
考えてみたらしごく当たり前の疑問である。二匹より一匹になるまで待ったほうが、手間隙あらゆる意味で有利に
なるのは子供でもわかる。それを、大変な労苦であっただろうに二匹同時に捕らえなくてはならなかったのは、
そこにこそアボラスとバニラが『悪魔』と形容された理由があったのだろう。
才人がたどりついた、バニラがウルトラマンAを圧倒できた理由も実はそこにある。科学者たちは研究の末に、
結論をこういう形でまとめた。
「アボラスとバニラは、人間を狙って暴れたわけじゃない。彼らにとって、人間などはそもそも眼中になく、目の前を
通り過ぎる目障りな小虫くらいにしか感じていないだろう。彼らの目的は、互いを打倒するというその一点に尽きる。
しかし、二匹の戦いは完全に互角であり、双方共倒れとなることもなく延々と戦い続けた。その無限と思われる死闘に
巻き込まれたものはことごとく破壊され、荒廃が広がっていった。それが人類を滅ぼすと恐れられた理由、彼らの持つ
無限のスタミナこそが悪魔と呼ばれたゆえんだったのだ」
ウルトラマンに爆破されたアボラスの残骸を調査した結果、この怪獣の筋組織はいくら激しく動いても、決して
疲労しないものであることが判明した。前回ウルトラマンAの攻撃をいくら受けても、こたえた様子がなかったのは
そのためだ。どれだけ戦っても疲れることがなく、いくらでも戦えるまったく互角の実力を持った怪獣同士の戦い。
終わらない悪夢を人々に見せ続け、破壊と死を撒き散らし続ける悪魔。
このまま戦いが続けば、トリスタニアも古代のハルケギニアやミュー帝国同様に滅びの道を歩む。
それを阻止するために、六千年前の人々は二匹の怪獣とともに、彼らに対抗できるわずかな可能性を残してくれた。
「隊長大変です! 東から、また新たな怪獣が!」
「なんだと!」
ド・ゼッサールやこの時代の人間たちは知らなかったが、それこそが彼らにとっての希望であった。
天上の雲の上を走る、神話の獣のようにドドンゴが駆けてくる。その眼の睨む先にあるのはアボラスとバニラの二頭しかいない。
金色に輝く体を弾丸のように加速させ、高らかな足音を響かせながらドドンゴはアボラスに体当たりを仕掛けた。
ドドンゴの地上失踪速度は最大でマッハ1.8の超高速を誇る。それに体重二万五千トンの重量が加われば、さしもの
アボラスの二万トンの巨体といえども木の葉のように吹き飛ばされる。
むろん、死闘に横槍を入れられたバニラは怒り、矛先をドドンゴに向けて火焔を吐いてくる。エースにも大ダメージを
与えたこれが直撃すればドドンゴもひとたまりもないだろう。しかし、ドドンゴは背に乗るミイラ人間が指示するように
方向をバニラに向け、目から怪光線を発射して火焔を空中で相殺した。
バニラはドドンゴを新たな敵として認識し、続いてアボラスも起き上がってくる。同時に、遠吠えをあげて威嚇する
三大怪獣。六千年前と同じように、暴れまわる凶悪怪獣から星を守るために、過去から遣わされてきた星の守護者は
その身を賭して立ち上がった。
”いくぞ”
ミイラの呼び声にしたがって、ドドンゴはその身をバニラにぶつけていく。重量差からバニラは押されるが、怪力を
発揮してドドンゴを押しとどめる。
このままバニラとのみ正面からぶつかれば、勝負は体格差からドドンゴが有利だったかもしれない。けれど、
先に体当たりを受けた恨みをアボラスは忘れてはおらずに、横っ腹から鋭い角を振りかざして頭突きをかけてきた。
たまらず五部の状況からバニラに逆転され、苦しみながらドドンゴは後退する。
敵・敵・敵の三つ巴の状況ながら、実質この戦いはドドンゴにとって不利だった。決闘を邪魔されたアボラスと
バニラは、その怒りの矛先を一時的ながらもドドンゴに向けて襲ってくる。一対二の圧倒的に不利な状況。それでも
彼らは戦わなくてはならなかった。
あの悪夢のような戦いのはてに、奇跡的に掴んだ平和を崩さぬために。もう二度と破滅を招かないために、
自分たちはあえて地の底で長い眠りについていたのだ。多分自分たちはここで死ぬだろう。それは恐ろしくはない。
死ねばかつての仲間たちがきっと迎えてくれるだろう。仲間との再会は喜ばしいものであるのだから。
ただしその前に、刺し違えてでも二匹のうちの一匹は道連れにしなくてはならない。迫り来るアボラスとバニラ。
ミイラは、ここで散ることは覚悟しながらも、ふと昔のことを思い出した。あの厳しい戦いをともにくぐってきた仲間たち。
叶わぬことながら、彼らがここにいてくれたらと思ってしまう。
だが、仲間たちの命は尽きていても、その志は彼らの子孫に消えずに受け継がれていた。
この世界を理不尽な破壊の手から守ろうとする強い意志。それがこの場に顕現する。
「ウルトラ・ターッチ!」
閃光輝き、ドドンゴに一度にかかろうとしていたアボラスとバニラがひるんで止まる。
光が収まったとき、そこにはドドンゴの傍らに戦友のように立っているウルトラマンAの勇姿があった。
「ヘヤァッ!」
これで二対二、歴史は蘇り、六千年前の戦いの続きがここに最後の決着のときを迎えようとしている。
激震とどろき、トリスタニア最大の決戦がここに幕をあげたのだった。
続く
今週はここまでです。支援してくださったお二方、どうもありがとうございました。
二大怪獣復活編も、いよいよ佳境に入ってきました。この二体は幼稚園のころから、画用紙に何度も落書きをした
思い出の怪獣なので、ずっと登場させられる機会が来るのを、作者ながらわくわくして待ってました。
ドドンゴが味方として登場するのは、ストーリー0でゾフィーを助けたのが要因になっています。
アボラスとバニラの解釈については、ややパワード版が入ってます。というか、パワード版の二匹ははっきり言って
ゼットンより強いですからね。跡形もなく消滅させられても再生可なんて冗談じゃありません。
なお、作中で才人がキロメートルの単位を使ってますが、怪獣の身長や飛行速度などとのかねあいがややこしくなりますので、
この作中では必要がない限り地球の単位を使用させていただきます。
ウルトラ乙
>>279 流影陣は如月流忍術よ。
作品順なら如月影二が最初。
時代順なら斬鉄が開祖と呼ばれてるっぽい。
斬鉄にも多くの仲間が居たとされるけど、詳細不明。
凄い漢の人は影二と同門。
お、ウルトラの人乙
>>285 次女も健康上問題がありそうってなるとルイズに白羽の矢が立ってもおかしくは無かったな。
まあ三女は三女で色々問題あるんだけどね。
ダメだこのハルケギニア…まともな国が無い…
なんだかんだいって一番健康そうな国がガリアってどういうこと
>>305 そう断じるにはゲルマニアがどんな国かわからな過ぎるだろ。
というかマジで影薄いなゲルマニア。
>>306 ソードワールドのファーランドの如く、(二次作者が)自由に設定できるよう白紙状態のままとどめてるんじゃなかろうか、とか思ってたりする。
>>304 アンアンの代わりにルイズがガリアに輿入れする、『篤姫』 的な話が頭に浮かんだけど、筆力不足で書けそうも無い。
輿入れしたアンアンが覚醒して暗躍する宮廷陰謀劇とか超読みてえな
とはいえゲルマニア描写なさ過ぎてオリジナルと変わらない
せめて肯定のキャラクターでも描写されてればな
ゲルマン皇帝はキャラ付けされてただろ
国の直接描写はなかったが
キュルケの母国だけど、キュルケ自体どんどん影が薄くなってるキャラだからなあ
ロマリアは光の国とかいってるみたいだが、M78星雲の本物の光の国を見せてやりたいよ
>>280 エッチなお姉さん召喚で一応抜いてたな。ナイトにはならんかったが。
凄い漢の人がシエスタの先祖。
シエスタの従姉妹のジェシカの父スカロンにも影響が出て……。
半裸頭巾スカロン……、すごい漢だ。
魔砲の人、待ってました!
時間ができた理由が皮肉な結果ですが、それでも続きが読めたのは嬉しいかぎりです。
いろいろとあるようですが、気を落とさずに。
キュルケが主役のスピンオフが出る可能性はどれほどか
アニメを一巻から原作通りにつくり直すくらい
魔砲キタ! これでかつる!
お疲れ様でした。
しかし、レコンキスタは(一見なんともないが)恐ろしい事になってそうですな。
そういやサイトを好きになるとその女性の評価が下がるとか話が出たけど
大半の読者はサイト以外に行ったキュルケの方が評価下がってるようにしか見えない
いや逆か……?
あんまり人気が出なかったからサイト以外に行くって展開にできたのかな
例えばタバサやティファニアがサイト以外を好きになる展開は編集が止めるだろうし
どっちにしろ結局人気が無くなr……
一番の人気キャラはコルベール先生でしょ……
何言ってんだか……
キュルケは初登場時の立ち位置が圧倒的に不利だったので……。
ただ、どこかしらネジのぶっ飛んでるゼロ魔ヒロインの中で、かなりまっとうな性格してるので、
ラストスパートで頑張ればクロコダインのおっさんくらい、愛されるかませになれるんじゃないだろうか?
設定上ビッチのはずのキュルケが一番淑女に見えるんだからな
325 :
つかよん!:2011/03/22(火) 11:55:12.95 ID:bSyIdXQw
問題無ければ正午辺りに
「使い魔は四代目」
第三話を投下したいがよろしいか?
326 :
使い魔は四代目:2011/03/22(火) 12:01:29.84 ID:bSyIdXQw
トリステイン魔法学院の学院長室で、渦と詰まれた書類と延々格闘していたこの部屋の主である学院長、オールド・オスマンが心底うんざりしたといった声を上げたのは、竜王のひ孫がここハルキゲニアに召喚された辺りの頃であった。
「のぅミス・ロングビル。人間は下らぬ書類にサインをするよりも、もっと有意義に時間を過ごすべきだとは思わんかね?」
「そのお言葉には一理あるとは思いますが、その様な時間を過ごしたければせめて御自分の成すべき事を成されてからにすべきだと思いますわ」
「正論じゃな。じゃが…正論がいつも正しいとは限らんじゃろ?」
溜息と共にそう呟くと、オスマンに冷淡な返答をした理知的な女性、秘書を務めるロングビルの背後に立つと、重々しく呟いた。そろそろと下の方に手を伸ばしながら。
「真実はどこにあるか、考えた事はあるかね。ミス・ロングビル。しばしば正論と真実とは一致せぬのじゃよ」
「…だから、仕事もせずに私のお尻を撫で回しても良い、…とそういう事ですか?」
ロングビルの更に冷え込んで氷点下以下となった冷淡な返事を気にも留めずに手の感触を楽しみつつ、オスマンは自説を披露した。
「それは違うぞミス・ロングビル。それではただのヒヒ爺ではないか。仕事の合間に、じゃ。やはり労働には見合った対価を与えるべきだと…
あたっ 君、年寄りにそんな、これっ!」
オスマンに最後まで言わせず、ロングビルは振り返りもせずに裏拳を叩き込んだ。そのまま素早く立ち上がり、振り返る動作の勢いを足先に全て乗せて蹴った。更に蹴る。蹴る。蹴る。踏む。世界を狙える見事な足捌きであった。
「ごめん。もうしない。やめて。いたい。…あ、もっと…嘘。今の無し、本当に…む?」
無様に蹴り倒されていたオスマンの表情が、何かを感じたか一瞬にして引き締まった。電光石火の早業で立ち上がり。
「ミス・ロングビル。ちと待ってくれ。緊急事態じゃ」
先程とはまるで別人のような威厳のある声で宣言すると、オスマンは素早く壁にかかった鏡に向かい、杖を振った。すると、鏡に映る像が学院長室内から一転した。遠見の鏡を使用したのだ。
そこに映し出された光景を見てその眼が驚愕に見開かれる。その様子を訝しく思い、ロングビルも同じく鏡を覗き込み…絶句した。
「な、何ですの、これは…」
「見た通りドラゴン、じゃな…それも凄まじく強力な…
ミス・ロングビル。わしはちょっと行って来る。もし戦闘が始まるようだったら…即座に全員を避難させるように」
「…わかりました」
ロングビルは青ざめた顔で頷いた。心中の「それで、逃げ切れますか?」と言う疑問は恐ろしくて聞けなかった。
顔面蒼白で遠見の鏡を注視していたロングビルが安堵の溜息をついたのは、それからしばしの時間がたっての事であった。
327 :
使い魔は四代目:2011/03/22(火) 12:04:24.03 ID:bSyIdXQw
契約を終えた竜王のひ孫は、自分の左手の甲に複雑な文様が刻まれるのを興味深く眺めていた。
「ふむ。なかなか強力な術じゃな。並みの魔法や剣などものともしないこの体にこうもあっさりと文様を刻むとはのぉ…
それはそれとして…ルイズよ」
「何かしら?」
「これ、割と痛いんじゃが?」
「す、すぐに終わるから!すぐ!」
僅かに非難の混じった竜王のひ孫の言葉に焦ったルイズが口走った通りに、それはすぐに収まった。文様が刻まれるときに感じていた熱も、今は感じない。
もっとも、普通の人間なら火傷したと思うようなその熱も、竜王のひ孫にとってはどうという事もなかったのだが。
「…ほぅ、これは珍しいルーンですな。失礼ですが写させて貰いますよ」
コルベールは興味津々といった様子で竜王のひ孫のひ孫に現れたルーンをスケッチし始めた。
「む…? コルベール、これは珍しいのかね?」
「はい、私も教鞭をとって20年になりますがこの様な模様は初めて見ます。もっとも、貴方の様な高位のドラゴンなら当然なのかもしれませんがね…と、終わりました。お手を煩わせました。もう結構です。それでは私はこれで」
「あ、ちょっと待ってくれい。この学院で一番の実力者といったら誰になるんじゃ?…ああ、地位ではなく純粋な力量という意味でな。お主か?」
「え?とんでもない。それはやはり学院長であるオールド・オスマンかと…」
「ふむ…、それはあの老人の事かな?」
竜王のひ孫の視線をコルベールが辿ると、そこにはいつの間に現れたか、オールド・オスマンが真剣な顔でこちらを注視していた。
「…はい、そうです。それでは、私は色々と報告することがありますので、これで失礼させていただきます。ああ、それとミス・ヴァリエール、後で学院長から竜王のひ孫殿のことで話があると思うのでそのつもりで」
そう言い残し、コルベールはオスマンの元に文字通り飛んでいった。それと入れ替わるようにして、タバサを乗せたシルフィードが猛烈な勢いで竜王のひ孫の正面にやってきて、そのままきゅいきゅい捲くし立てた。
竜王のひ孫はそれに動じもせずに、ルイズが今まで聞いた事もないような-それもそもそも人間に発音できるかも怪しい-言語で答えていた。
シルフィードの様子から竜王に会って興奮しているのは想像できるが、流石にルイズにはその内容まで分かるはずもない。困り顔でタバサを見上げ問いかけた。
「えっと…タバサ?」
「…ごめん。シルフィードが、王様に挨拶したいと言って聞かない」
「まぁそれは想像ついたけど…うーん、こういうのを見ると竜族の王ってのを改めて実感するわ …それで、なんて言ってるの?」
「…え?…いや、私も竜王のひ孫が何を言ってるか分からない。だから良く分からない」
「ああ、そうか。使い魔だからシルフィードとやり取りできるわけでドラゴンの言葉が分かるわけじゃなかったわね。分かる範囲で良いわよ」
「…そう言われても… 後で竜王に聞いた方が確実」
困り顔でタバサはそう言うと、手にしていた杖でメメタァ!とシルフィードの頭を叩いた。
「きゅいっ!?」
と流石にシルフィードが黙り、恐る恐る、といった様子でタバサの方を振り返る。
「しゃべり過ぎ」
怒ったような調子で言うボソリと言うタバサにきゅ?…きゅきゅきゅきゅい、とさっきとは違った見るからに焦った勢いで再び捲くし立てるシルフィード。
その様子を竜王のひ孫は苦笑しながら見守っていたが、やがて声を掛けた。
「ああ、安心してええぞ。シャ…いや、タバサよ。お主が言いたくないなら誰にも言わんわい」
「…。ご配慮いただき、感謝いたします。竜王のひ孫様」
「もっと砕けた感じで良いぞよ。タバサ、色々大変じゃろうがお主には見所がある。きっと報われる日が来るじゃろうて」
「…ありがとう…」
「そうそう、それでえぇ。」
深々と頭を下げるタバサと、どこと無く嬉しそうなシルフィードを見ながら、竜王のひ孫は満足そうに頷くのであった。こうして何やら二人と一匹の間で良い話が纏まりつつあったのとは裏腹に、ルイズは完全に蚊帳の外に置かれ、少々むくれていた。
328 :
使い魔は四代目:2011/03/22(火) 12:06:16.86 ID:bSyIdXQw
「…何よ…使い魔になって早々置いてきぼり?」
「いいじゃないの。タバサが話したくないみたいだし、そっとしておいてあげなさいな」
「別に私はタバサに怒ってるわけじゃな…って、なんでアンタも来たのよ、キュルケ」
いつの間にか隣に寄ってきていたキュルケに、ルイズの眉が僅かに上がった。
「あらぁ?ミスタ・コルベールの授業は終わったし次の授業まではまだ間があるわ。どこにいようと
私の自由じゃないの。
ああ、それと。言い忘れてたわ。おめでとうルイズ。誰にも負けない凄い使い魔じゃない」
ルイズは一瞬、何を言われたのか分からない、と言った風に眼を瞬かせていたが、
「…何?何の気紛れ?」
「ふふ。そう構えなくても良いわよ。ゲルマニアの女はね、良い物は良いと素直に認める度量があるの。体面ばかり気にして言いたい事も言えないお堅いトリステインのご婦人とは違うわ」
「ふ、ふん、よく言うわね。…ま、まぁ、その賞賛は素直に受け取っておくわ。…ありがとう」
「あらあら、無理しなくていいのよ?ルイズ」
「む、無理なんかしてないわよ!」
顔を真っ赤にして礼を言うルイズをキュルケは皮肉っぽい言葉とは裏腹に、優しい笑みを浮かべて眺めていたが、そこへオスマンと真剣に何事かを話していたコルベールが戻ってきて宣告した。
「ミス・ツェルプストー、並びにミス・タバサ。オールド・オスマンがミス・ヴァリエールと竜王のひ孫殿に今後の事について重要な話があるそうです。私事に関わる事ゆえ席を外して下さい」
「あらぁ残念、私も竜王様に挨拶したかったのに…ま、今度にするしかないわね。じゃぁルイズ、また後で会いましょ。竜王様によろしくね。タバサも聞こえてたでしょ。行きましょ」
「…失礼しました」
「きゅいっ!」
さばさばした様子で一礼するとあっさり引いたキュルケ、対照的に名残惜しそうなタバサとシルフィード、ついでに終始怯えていたフレイムの姿が見えなくなると、それまで遠くでこちらを注視していたオスマンがやっとやって来た。
「始めまして。竜王のひ孫殿。わしが当学院の学院長、オスマンです。お目にかかれて光栄ですぞ。まずは、召喚されたにも関わらず無理なお願いを聞いていただき、心より感謝しております。
コルベールが申したとおり、我々に協力できることがあれば出来る限りの事をいたしましょう。」
「お主がオスマンじゃな。コルベールから色々と聞いておったようだし、今更自己紹介はいらんじゃろう。まぁ前置きは良いから本題に入ろうかい。今後の事について、とコルベールは言っておったが?」
「はい、、実はですな、ここでは出来れば竜族の王、という事は伏せて表向きは遠方からいらした高位のメイジ、という事にしてほしいのですが」
「別に構わんが…理由の説明はあるんじゃろうな?」
329 :
使い魔は四代目:2011/03/22(火) 12:08:56.46 ID:bSyIdXQw
その質問に、コルベールがオスマンに代わり説明を始めた。
「理由の一つは、貴方の存在は絶滅したといわれる韻竜を連想させるからです。貴方のいたところではどうか知りませんが、この地では魔法を操るどころか人と会話できるような知性を持った竜は最早いません。
勿論、それにしたって他の動物よりは余程賢いのには違いが無いのですがね。そういうわけでそんな竜がいることがアカデミーにでも知られでもしたら大騒ぎになることは必至。
すぐにでも貴方の事を研究しようと大挙して連中は押し寄せてくるでしょう。連中ときたら研究のためなら何でもやりかねないですからな」
アカデミーの名が出てきたので、ルイズはその研究員である姉、エレオノールを思い出した。確かにあの学者肌の姉ならすぐにでも飛んできて、色々研究しようとしそうではある。
しかし、あの姉に詰め寄られて自分は竜王のひ孫の正体を隠し通せるだろうか?これは中々の難問になりそうだった。
ただ、近頃目出度くもバーガンディ伯爵と婚約が決まったと聞いたから、上手くいけばひょっとしたら今はそっちの方に夢中なのかも知れない。
多分夢中だと思う。夢中なんじゃないかな。…ま、ちょっと覚悟はしておこう。…ああ、偉大なる始祖ブリミルよ、この婚約に何卒祝福をお与えください、と姉の為、そして自分の為に小さく祈りの言葉を捧げたルイズであった。
一方、竜王のひ孫は聞き捨てなら無い言葉が出てきたのでコルベールに問い返していた。念頭には無論シルフィードのことがある。
「絶滅じゃと…?それは確かなのか?竜王としては何とも切ない話なのじゃが」
「はい、少なくともそう信じられていますし、それを裏付けるように近年存在が確認された例はありません」
その返事を聞き竜王のひ孫は、なるほどタバサがシルフィードが喋れる事を隠そうとするわけだわい、と一人納得した。
ルイズやコルベール、オスマンの表情や言動から察するにアカデミーとやらはあまり評判の良い組織でも無さそうだし、只でさえ込み入った事情の有る身、そういう事であれば尚更隠したくもなるだろう。
ならば、ここはオスマンの要望に乗った方が賢明そうだ。そう判断し、竜王のひ孫はそれを受け入れる事にした。
「確かにそうなると厄介な事になりそうじゃな…了解した。お主の言うとおり遠方から来たメイジという事にしようではないか。するとどう名乗るかじゃなぁ…
ルイズ、そういうわけで何か適当な名前が必要となったわけだが、良いのはないかな?」
「え?私が決めるの?」
「使い魔に名付けるのは主人の役目じゃろ。初仕事じゃ」
「まぁ確かにいちいち竜王のひ孫、ってのはちょっと言いにくいと思っていたしね。何か希望があるのかしら」
「特に無いぞ。ま、単に竜ちゃんでもいいぞい」
「そんなんでも良いの?…じゃぁ…竜王だから、リュオというのはどう?」
「ん、それでええわい。じゃぁ、これからわしはリュオじゃな」
二人の間で話が纏まったのを見届け、オスマンが話を続けた。
「それでよろしいですかな?それでは、我々も今後貴方の事はリュオ殿と呼ばせて貰いますぞ。
さて、そしてもう一つの、そして最大の理由が、貴方の手に浮かんだそのルーンです。リュオ殿、それにミス・ヴァリエール。そのルーンは、ガンダールヴの物です」
「ガンダールヴって…あのガンダールヴですか!?」
怪訝そうな表情のリュオと、驚愕で眼を見開くルイズにオスマンは頷くと言った。
「そうじゃ。かつて始祖ブリミルと共に戦い、ありとあらゆる武器を使いこなしたという伝説の使い魔、ガンダールヴ。
リュオ殿、貴方のそのルーンは、それと同じなのですよ」
330 :
つかよん!:2011/03/22(火) 12:10:46.65 ID:bSyIdXQw
というわけで第三話はここまでです。少々ヤバかったが無事でした。むしろその後の事でSAN値をガリガリ削られた気がしますが。
乙です
つか凄い早い段階でガンダールブと判明したんですね。
あとルイズの願いは儚く消えるんだろうな。
乙ですー
まあ原作では実際にはこの段階ではシルフィードはタバサになついていないし、
召喚直後で本名とかを教え合ってもいないはずですが、
二次創作だから多少の食い違いは構わんでしょうな
続きに期待しております
投下乙です。
フレイムで思い出したが、アレフガルドのサラマンダーって東洋の龍タイプのモンスターなんですよね(ドラクエ3に登場)。
果たしてリュオはその辺りどう思ったのやら。
投下乙でした。
しかし竜王だからリュオとは、日本語的な発想ですな
エリザベスのあだ名をリザとかにする欧米人のセンスは素敵だと思う
むしろその辺だとリズになりそうだ
いや知らんけど
定期的に更新してたけど最近ブッツりな何人かの安否がマジで心配になってくる今日この頃・・・・
こええよ・・・
338 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/22(火) 21:38:02.85 ID:Qbz4nM/o
関連がなさそうだが登場人物の境遇が似ている作品の
コラボはどうだろうか。
@キン肉マン A大運動会(あかり) Bドラゴン桜(矢島)
これらの3人はどのようにルイズに接するのかを考えるのが面白い。
確か北米版では竜王のひ孫はシャーロックって名前だった気がする
シャーロックか。
推理力が高くて、肉弾戦もこなせる薬中のような名前だな。
シャーロックか、兄弟がいたらデ・ラ・ムとつきそうな名前だ
シャーロックか。
中の人が鋼屋ジンになりそうな名前だ。
「探偵として断言する!
メイジなど存在しない!!」
対7万人で
『バリツがなければ危なかったですぅ〜』
>>344 優秀なゲーム版だったら
ハイパーセンシティブで偏在見破ったり
トライアセンドでフーケのゴーレムとタイマン張ったり
ダイレクトハックがミョズニトニルン化しそうだけど
ダメダメなアニメ版だったら…
>>342 キン肉マンか。
きっと正義メイジとか悪魔メイジとか完璧メイジとか隠れメイジとかが出てくるに違いない。
FF系は結構あるけど、意外とFF7からは無いんだな
クラウドとかセフィロスとか面白そうなのに
アルビオンを浮かせてるのは、実は金獅子のシキのフワフワの実の力
良い?10新金貨づつよ?
ふわふわと言えば野尻抱介
>>346 メイジの振りをしてた平民が復活後に試練を受けてメイジになるんですね、わかります
353 :
予約:2011/03/23(水) 18:17:55.49 ID:arWaKIBC
ほかに投稿の予定の方がいらっしゃらなければ、10分後より三重の異界の使い魔たちの代理投稿いきます。
おお、あの人も無事だったのか
〜第7話 現世の爆音、異界の旋律〜
タバサは、昨夜夢を見た。両親と一緒にいた夢を。父と母が、彼女の傍で微笑んでくれていた
夢を。
夢の中で、父は駆け寄る彼女を、優しく抱き上げてくれた。母は、抱きつく彼女の頭を、笑顔で
撫でてくれた。
優しい父、温かな母、誰よりも愛しく想っている、彼女の両親――
今では、記憶の中にしかない、2人の姿。大切で、誰にも汚されたくない、大事な思い出。
それが、彼女には哀しかった。夢の中でなら会えることが、夢の中でしか会えないことが、そして
何よりも、“それを夢だと知っていること”が、堪らなく辛かった。
しかし、今朝のタバサの機嫌は良かった。傍目にそれが判るのはキュルケくらいのもの
だろうが、心が軽かった。哀しい夢の中で、優しい温もりが自分を包んでくれていたから。
何故かは判らないが、その温かさが、自分をとても安心させてくれていたから。
だから、彼女は少し弾んだ気持ちで、授業時間前の読書を楽しんでいた。
魔法学院の普通の教室は、昨日タバサたちが使った空き教室とは違い、半円型をした階段状に
なっている。5段からなる、石造りの階段の一段一段には、3脚の長机が1.5メイルほどの
間隔をあけて設置されていた。最も広い再下段には、長机と面する形で教壇が置かれ、その
後ろの壁には黒板が掛けられている。
タバサは、2段目の右端の長机の、更に右端に座っていた。視力が弱く、かつ他人の干渉を
嫌うタバサとしては、黒板に近く、かつ人気の少ない位置が望ましいのである。
「おー、色々いるもんだなー、使い魔って」
昨夜の温もりの余韻を感じながら本を開いていると、隣に座る人物から楽し気な声が上がった。
タバサの使い魔たちの1名、サイトだ。横目で見てみれば、彼は周りの他の使い魔たちを、興味
深そうに見回している。その好奇心が剥き出しになった姿に、タバサは内心でやや呆れた。
確かに、一クラス分の様々な使い魔たちが揃った光景は壮観だ。それは理解できる。しかし、
つい昨日生まれた世界と離れ離れになってしまったばかりで、よくもここまで憂いなく振る舞える
ものだ。よほど大物なのか、それともムジュラの仮面の言う通りよほど能天気なのか。
――多分、後者
そこで、タバサは“使い魔観察ノート・サイト編”に「好奇心が強い」、「並はずれた能天気」と
記載しておいた。
「もう、サイト。あんまりキョキョロしてたら、恥ずかしいよ?」
そこへ、彼の頭上付近に浮かぶナビィのたしなめの言葉が入る。サイトはそれに気をつけるとは
言うものの、視線はしっかり周りをさまよわせており、ナビィに溜息を洩らさせた。
一方、タバサたちの後ろやや上方に1名だけ黙って浮いているムジュラの仮面は、何やら身体を
痙攣させたように震わせている。すると、その体がみるみるうちに大きくなっていき、昨日見せた
触手を生やした姿へと変わった。
「これで、周りの奴らに迫力負けはするまい」
バジリスクやスキュラ等の幻獣たちを見据えながら言うムジュラの仮面に、ナビィがまたも
溜息をつく。
「貴方も貴方で、張り合ってどうするの」
同僚2名の有様に肩――というか羽――をすくめるナビィを見て、タバサは少し安堵する。
少なくとも、このオレンジ大サイズの少女には常識を期待できそうだ。その一方で、ムジュラの
仮面の行動は少し意外だった。言動は落ち着いたものがあるらしく思えたが、根は案外子どもなの
かもしれない。
そこで、観察ノートの“ナビィ編”には「比較的常識派」と、 “ムジュラの仮面編”には
「意外と幼稚」と記載する。
書き終わったノートを閉じて再び本を開こうとすると、サイトが小さく笑いながら声を掛けて
きた。
「なあ、あの目玉、ちょっとムジュラに似てないか?」
言いながら彼が指差す方向には、1つ目の幻獣、バグベアーがいた。その言葉にムジュラの
仮面本人は抗議の声を上げるが、タバサは少しそれを考えてみる。言われてみれば、2つ目と
1つ目の違いこそものの、目が特徴的である点や羽もなく宙に浮いている点等、両者には共通点が
多いかもしれない。またムジュラの仮面編ノートを開き、「バグベアーと通じるもの有」と記す。
そうこうしている内に、紫のローブにとんがり帽子姿のふくよかな女性教師が入ってきた。
初めて見るので、恐らく2年生以降担当の教師なのだろう。
女性教師は教壇に着くと、優し気な笑みを浮かべて周囲を見回した。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功の様ですわね。このシュヴルーズ、この新学期に様々な
使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
女性教師、シュヴルーズの言葉に、隣のサイトがうんうんと頷いている。と、そこで彼に、
否、彼らに気が付いたシュヴルーズが、少し驚いた顔を見せた。
「おやおや。変わった召喚をした方がいらっしゃいますね」
そして、とぼけた声でそんなことを言われてしまう。捉えようによっては嫌みにも聞こえる
言葉だが、彼女の表情には一片の悪気も感じられない。
――いわゆる、天然
思わずノートを取りかけるが、別に教師の分まで作る必要はないと気付き、やめた。
そして、そんなことを言われる原因となった3者は、なにやら額を寄せ合っている。
「変わった召喚って、やっぱ俺たちだよな?」
「他にいるか?」
「とりあえず、挨拶した方がいいのかな?」
なにやら使い魔同士で話をまとめたらしく、サイトが立ち上がり、ナビィとムジュラの仮面が
シュヴルーズに向き直る。
「えっと、お初にお目にかかります、かな? 俺はタバサの使い魔が1人、平賀才人です」
「同じく、タバサ様の使い魔が1人、ナビィです」
「同じく、タバサの使い魔が1人……オレの場合単位1人でいいのか? ムジュラの仮面だ」
自己紹介を済ませたサイトたちに対して、シュヴルーズが微笑みを返してみせた。一方、周囲の
生徒たちの多くは戸惑った表情をしている。
サイトを、平民を召喚するという事態で嘲笑を受けるくらいは覚悟していたが、共に召喚した
ナビィとムジュラの仮面が使い魔としてそれらしいのでやじりにくいらしい。
「自己紹介ありがとう、皆さん。私もこの学院の教師になってしばらくですが、複数の使い魔が
召喚されるというのは初めて見ましたよ」
そこで、シュヴルーズがサイトたちへと言葉を返した。
「ただでさえ貴方たちのように言葉を話せる種族を呼び出すことは珍しいというのに、まして
内1人は人間だなんて」
教師というよりは、珍しい事態に直面した研究者の声と目が異界の使い魔たちに向けられる。
学問に携わる者である以上、知的好奇心は人並み以上にはあるようだ。
「そういえば、ミス・タバサは私と同じ“トライアングル”と聞いています。3つ足せるから
3体召喚したというわけではないでしょうが、それを為せるだけの力があるということなので
しょうね」
1人納得したようなシュヴルーズとは逆に、サイトたちの方は首を傾げていた。
「トライアングル?」
「3つ足す?」
疑問をサイトとナビィが表せば、シュヴルーズは何処か得たりといった顔になる。
「貴方たちはご存じないようですね。では、丁度いいですし……ミスタ・グランドプレ」
「え? は、はい!」
突然指名されたクラスメイトが、慌てながら立ち上がる。
「1年生のおさらいです。魔法の系統と、メイジのクラスについて答えてください」
「はい。系統には風・水・土・火の4系統があります。メイジのクラスは、この系統が幾つ
足せるかで決まります」
マリコルヌの答えに、シュヴルーズは頷いた。
「今の答えに付け加えますと、メイジの系統魔法は現在失われた虚無系統の、合わせて5つの
系統によりペンタゴンを形成します。また、メイジのクラスは1つの系統を単体で使える
“ドット”に始まり、2つの系統を足せる“ライン”、3つを足せる“トライアングル”、そして
4つを足せる最高位の“スクエア”の4クラスがあります」
言いながら、シュヴルーズは杖を取る。タバサの持つような長いものではなく、指揮棒タイプの
細長く小さなものだ。
「申し遅れましたが、私の二つ名は“赤土”。土系統メイジ、赤土のシュヴルーズです。これから
1年、皆さんに土系統の魔法を講義します」
言いながらも杖が振るわれ、教壇の上に幾つかの小石が現れた。
「私は土系統を最も重要な系統だと考えております。これは単なる身びいきではありませんよ?
万物の組成を司る土系統は、冶金、建築、農耕地の開拓等、生活に密接した技術に大きく関わった
ものであるからです」
力説するシュヴルーズではあるが、場に微妙な白々しさが漂う。土系統が生活に重要なことは、
その通りだ。しかし、強調するように言われては、本人が否定しても身びいきとしか思えない。
そんな生徒たちの空気を読んでいるのか、いないのか、シュヴルーズは授業を続ける。
「そして、土系統の呪文である“錬金”の呪文。これは土系統の基礎であるとともに、特異な
呪文の1つでもあります」
言葉とともに、シュヴルーズの杖の先端が小石に触れた。
「先程の話の続きになりますが、系統を幾つ足せるかによりメイジのクラスは決まり、また、
幾つ足されたかで呪文の効力が決まります。系統を足すことにより、より強力な呪文となる
わけです」
しかし、と紫ローブの教師は続けた。
「通常、系統を足した呪文は同種の異なる呪文になります。例えば、土系統ではありませんが
火を単体で使う“ファイヤー・ボール”にもう1つ火を加えると、“フレイム・ボール”に
なります。どちらも同じ火の球の呪文ではありますが、威力だけでなく性質が少々異なった
ものとなります」
それを聞き、タバサはちらりとキュルケの方を向く。案の定、火のメイジである親友は、
同意するように頷いていた。ファイヤー・ボールはただ火球を飛ばすだけの呪文であるのに
対し、フレイム・ボールは火球が敵を追いかけていく呪文であるためだ。
「それに対し、錬金の呪文は違います。勿論系統を足すことにより効力は上がりますが、呪文
自体が別種の性質を持つということはありません。これを変化がない単調な呪文と捉える者も
おりますが、これは1つの効力を安定して強化できるということなのです。私の知る限り、
これと同じ特徴を持つ呪文は、風系統の“ウィンディ・アイシクル”くらいでしょう」
その言葉に、今度はタバサが頷く。氷の矢を飛ばすウィンディ・アイシクルは、雪風の
二つ名を持つ自分の得意呪文だ。ドットの頃は単系統で使っていたが、トライアングルになった
現在では水を1つに風の二乗を足して使っている。
「さて、では実際にやってみせましょう。1年生の頃にできるようになった人もいるでしょうが、
基本は大事です」
そして、呪文の詠唱とともに、シュヴルーズの杖が振るわれた。次いで、教壇の小石の1つが
黄金色の、金属質の光を放ちだす。
「ご、ゴールドですか、ミセス・シュヴルーズ!?」
それに、驚いた様子でキュルケが尋ねた。それに対し、シュヴルーズが苦笑しながら首を横に
振る。
「いいえ、ミス・ツェルプストー。ただの真鍮ですよ。黄金の錬金はスクエアクラスでなければ
なりません。先にも言いました通り、私はトライアングルですから」
「なるほど」
そこまで授業を黙って聞いていたムジュラの仮面が、ぽつりと呟いた。それに、興味深そうに
講義を眺めていたサイトが反応する。
「どうした、ムジュラ? やっぱり、石が金属になったりしてお前も驚いたか?」
サイトの言葉に、ムジュラの仮面はまさかとばかりに笑う。
「別に物質を変化させる程度で驚きはしない。オレなら、生き物を別の生き物にすることだって
できる」
さらりと恐ろしいことを耳にするが、それをよそに異形の仮面は続けた。
「ただ、ここの人間たちの魔法と、オレの魔法の違いを考えてみてな」
「ああ、そういや種類が違うとか言ってたな」
サイトがそう言えば、ムジュラの仮面は頷いて見せる。
「魔法という呼び方が同じなだけで根本は別物かとも考えたが、案外そうでもなさそうだ」
「そうなのか?」
その発言に、サイトだけでなくタバサの興味も湧く。注意を受けても面倒なので表面上は
静かに授業を受けている態勢を取るが、注意は専らサイトとムジュラの仮面の会話に向いた。
「どうやら、ここの連中の魔法は、世界の法(のり)を個人の意思で変えて超常を為すらしいな。
そういう意味では、オレたち魔族の魔法と通じるものがありそうだ」
何処か面白がっているようなムジュラの仮面に、ナビィの声が掛かる。
「でも、モンスターの魔法って法どころか、世界そのものをむしばむ力でしょ? 土地を氷で
閉ざしたり、世界を闇で包んだり」
「まあな、それはそれで間違っちゃいない」
「って、間違ってないのかよ! お前被って力使ってんの俺なんだぞ!? そんな物騒っぽいもん
使ってんの、俺!?」
ムジュラの仮面の答えに、サイトが腰の引けたような声を出した。それはともかく、とりあえず
タバサは今の会話で判ったことをノートに記しておく。
「では、実際に誰かにやってみてもらいましょう」
ムジュラの仮面編に「私たちと似て非なる魔法(世界に対し有害らしい)」と書き終えるのと
丁度同時に、シュヴルーズの声が耳に届いた。視線を教壇へ戻せば、シュヴルーズが誰を指名した
ものかと視線をめぐらせている。
「そういえば、今年は風竜の幼生を召喚した生徒がおりましたね」
人の好い笑顔で放たれたその一言に、教室の空気が一瞬凍った。そして、凍らせた当の本人の
視線の先には、桃色の髪をした少女の姿がある。
「ミス・ヴァリエール、貴女にやってもらいましょうか」
そして、その言葉が放たれた瞬間、一気にクラス中が騒然となった。
「あ、あの! ミセス・シュヴルーズ!!」
生徒のほぼ全員がざわめく中で、キュルケが代表するように立ち上がる。
「どうしました、ミス・ツェルプストー?」
「危険ですから、ルイズは止めた方がいいと思います!」
ルイズを除く、恐らくその場の生徒全員の総意を口にしたキュルケに、賛同の頷きが幾つも
起こった。昨日はルイズの成功を喜んでいたように見えたが、現実主義的なキュルケはまだ
彼女の実力を信用しきっていないらしい。
「ちょっと! どういう意味よ、それ!!」
一方、当の本人であるルイズは、それに対して大いに抗議してくる。
「意味なんて決まってるじゃない、ルイズ!!」
「そうだそうだ!!」
「毎度毎度被害に遭うこっちの身にもなれよ!!」
ルイズに言い返すキュルケに、そこかしこで追随の声が上げられた。というより、上げていない
者を探す方が難しい勢いだ。タバサは無言だったが。
事情が判っていないだろうサイトたちはというと、唖然としながらルイズや他の生徒たちを
見比べている。
「無茶するなよ、“ゼロ”のくせに!!」
そして、とうとう批判の声に、その単語が入れられてしまった。途端、ルイズの瞳が鋭さを
増す。
「私はゼロなんかじゃないわ! 風竜を召喚したんですもの!!」
憤怒のこもったその叫びに、一瞬周囲は気圧されるが、すぐに反論の嵐が巻き起こった。
「それだって、どうせまぐれだろ!」
「しかも、風竜ったって幼生じゃないか!」
「火竜みたく火を吹けるわけでもないし、ただ飛べるだけだろ!」
風竜という大きな成果のために声音こそ弱まるが、それでも声の数は依然として多い。しかし、
プライドの高いルイズは負けじと言葉を続けた。
「シルフィードはただの風竜じゃないわ!! なんていったって、シルフィードはふういっ……
あ……」
そこまで言うと、何故かルイズの声が途切れる。喧々囂々(けんけんごうごう)としていた
生徒たちも、そのルイズの様子に怪訝とした。
「ただの風竜じゃないって、じゃあどう違うんだよ?」
「ええと、その……」
誰かが投げかけた疑問に、ルイズは視線をさまよわせるだけだ。その姿に、流石にタバサも
訝しむ。ただの買い言葉で言っただけなのだろうか。否、途中まではいやに自信あり気だったので、
何の根拠もなく言ったとは思い難い。どうでもいいといえばどうでもいいのだが、なんとなく
気になってルイズの次の言葉を待つ。
それから如何ばかり経ったか、やがてピーチブロンドの少女の口が開かれる。
「け、毛並みが違うのよ! 毛並みが!!」
次の瞬間、サイトの腰が椅子からずり下がり、ムジュラの仮面ががくりと高度を下げ、ナビィが
空中でつんのめり、タバサの眼鏡が少しずれる。
「い、今の、絶対なんかごまかす発言だったよな……」
「あ、ああ、だと思うが……」
「りゅ、竜に毛並みって……」
「意外と間抜け」
サイト、ムジュラの仮面、ナビィ、タバサの順にこっそりとつっこみを入れておく。何を
ごまかしたかったのか知らないが、幾らなんでも毛の生えていない生き物に毛並みはないだろう。
ルイズは座学の成績は良かったはずであるが、応用力はないのかもしれない。
そして、そんなごまかされ方をされた方はどうなったのか。
「毛並みなんか違ったてどうするんだよ!」
「そうだそうだ!」
「なんの役にも立たないだろ!」
次の瞬間、サイトが椅子から転げ落ち、ムジュラの仮面が床に墜落し、ナビィが空中で逆さまに
なり、タバサの眼鏡とマントの襟(えり)がずれる。
「あ、あれでごまかされるなよ、あんたら……」
椅子に這い上がりながら、サイトが言った。
「ど、どんな頭してんだ、こいつら……」
浮かび上がりながら、ムジュラの仮面が毒づく。
「そ、それだけ冷静な思考ができなくなってるってことだとは思うけど……」
身体を反転させながら、ナビィがフォローを入れた。
「渡る世間は莫迦ばかり」
眼鏡と襟元を直しながら、タバサがそのフォローを切って捨てる。
ナビィの言う通り、妙な熱狂で皆冷静とは程遠い。それでも、あんな言い訳をあっさり真に
受けるようでは莫迦としか言い様がない。そして、それが自分の学友たちであるという事実に、
タバサは頭痛を覚える。
「いい加減になさい!!」
そこで、とうとうというべきか、やっとというべきか、シュヴルーズからたしなめの声が
入った。人の好さ気な顔に厳しい表情が浮かべられ、教室の生徒たちが見回される。
「なんですか、貴方たちは。同じ教室のお友達同士で罵(ののし)り合うなんて、貴族として
恥ずべきことですよ」
シュヴルーズの小言に、騒いでいた生徒たちは揃ってばつが悪そうな顔になった。尚も何か
言いた気な生徒も少なからずいたが、それらの生徒はシュヴルーズが魔法で放った赤土の粘土で
口を覆われてしまう。
「では、気を取り直しまして、ミス・ヴァリエール。錬金の実践をお願いします」
そして、ついにルイズが実践してしまうこととなってしまった。
「何故錬金の呪文でここまで大騒ぎになったのかは理解に苦しみますが、失敗を恐れていては
何もできませんよ」
優しくルイズに言うシュヴルーズ。言葉だけなら正しく聞こえるが、もう少し「何故ここまで
大騒ぎになったのか」について熟考してほしかった。
――やはり、天然
そして、ルイズはルイズでやる気になっているらしく、教壇へと静かに向かっていく。その
姿を見るや否や、生徒たちは一斉に机の下へと避難を始めた。
「なあ、タバサ」
タバサもまた本を片付けて机に潜ろうとすると、サイトが声を掛けてくる。
「なんであの娘(こ)が魔法使うってだけで、こんな騒ぎになるんだ?」
「ワタシたち、今一つ事態が飲み込めないんですけど……」
疑問符を顔一杯に浮かべた使い魔たち。だが、詳しく説明している時間はなさそうだ。既に、
ルイズは教壇の前で杖を掲げている。
「説明は後。隠れて」
「わ、判った」
「はい」
釈然としない様子ながら、サイトとナビィは指示に従った。一方、ムジュラの仮面は隠れも
せずに教壇の方を向いたままだ。
「おーい、ムジュラー、隠れろってよー」
「オレは大丈夫だ、このまま見学してるさ」
「って、言ってるけど」
警告を拒んだムジュラの仮面を指差すサイトに、タバサは首を振って答えるしかなかった。
そして、教壇の方からルーンの詠唱が聞こえた、その次の瞬間――
――けたたましい爆音が巻き起こった。凄まじい衝撃が教室中を揺らし、黒煙が周囲に
広がっていく。どうやら、危惧していた通りの事態になったらしい。
「きゃっ!?」
「な、なんだあ!?」
何が起こるか判っていなかったナビィとサイト、そして他の使い魔たちは突然の爆発に驚き、
そしてほとんどの使い魔が異常事態に暴れ始めた。
「な、なにがあったんだ……?」
机の下から這い出たサイトが、呆然としたように呟く。タバサも机から出てみれば、視界に
広がるのは地獄絵図だった。多種多様な使い魔たちがパニックで暴れまわり、あちこちに机や壁、
黒板等の残骸が散乱し、熱気に焼け焦げた跡がそこかしこに点在する。教壇の方に目をやれば、
シュヴルーズが壁にもたれて失神しており、そしてルイズは、全身をぼろぼろにしながらも杖を
振り下ろした姿勢で固まっていた。
その光景に、すっかり絶句しているサイトとナビィに、タバサは説明した。
「彼女は、どういうわけか使う呪文が全て爆発を起こす。私たちが警戒したのは、そのため」
それを聞き、サイトたちは一瞬唖然としていたが、すぐにはっとした顔を見せる。
「って、ムジュラは!?」
「今の爆発、まともに受けたんじゃ!?」
その言葉に、タバサ、そしてサイトたちはムジュラの仮面の方へと視線を向ける。そして目に
したのは、仮面の使い魔が静かに浮かんでいる姿だった。
「む、ムジュラ、大丈夫か?」
「大丈夫でなく見えるか?」
サイトの質問に、逆に皮肉っぽい質問で返すムジュラの仮面。その余裕ある態度に、流石に
タバサも驚く。
「平気なの? あの爆発を受けて」
そう尋ねてみれば、ムジュラの仮面はにやりと瞳に笑みを浮かべた。
「オレは自分の魔法を跳ね返されたり、自分の作った武器で攻撃されたりと、自分の力が関わる
ものでなければ、前面からの攻撃でダメージは受けん」
「お前、ホントに反則だな……」
ムジュラの仮面の答えに、サイトが感心どころか呆れたように呟き、タバサはその言葉の意味を
考える。自分の力が関わらない限り、前面からの攻撃は通じない。それは逆に言えば――
――背面からの攻撃には、他者の力でもダメージを受けるということ
思わぬところから弱点が発覚し、早速タバサはノートに記した。
「にしても、ひどい有様だな」
改めて教室の惨状を見回したサイトが言うのに次ぎ、元凶というべきルイズの声が耳に届く。
「ちょっと失敗したみたいね」
一瞬の間もおかず、教室は非難囂々(ひなんごうごう)の場へと姿を変えた。まあ、当然である。
そして、その渦中にいるルイズは、やはりひどく落胆しているように見えた。
タバサたちは、それを黙って眺めていたが、やがて何故かムジュラの仮面が元の大きさに戻る。
「ヒラガ、被れ」
「え、なんで?」
「いいから被れ」
なんのつもりか、被れと同僚に急かされ、サイトはよく判らなそうに従った。
「被ったぞ」
「よし、じゃあ次だ」
ムジュラの仮面が言えば、サイトは片手で頭を押さえ出す。
「あれ? なんか、頭ん中に音楽が……?」
「その曲を、口笛で吹いてみろ」
「あ、ああ」
そこで、サイトは口笛を吹き始めた。
始めはぎこちなかったその音調は、段々と洗練され、確かな旋律へと変わっていく。不思議な
曲だった。聴いたことがないはずなのに、何故か懐かしさを感じる音色。何処か温もりを感じる、
優しい音の流れ。その音の1つ1つが、胸を震わせていくのが判った。ただ聴いているだけで、
心を癒されていくのを感じた。
それは周りの者たちも同じらしく、皆非難の声も忘れて聴き入り、使い魔たちも暴れるのをやめて
おとなしくなっていく。
しかし、驚くべきはそこからだった。教室中に散らばっていた机や壁等の破片が、急に動き
出したのだ。否、それだけではない。その動き出した破片が、次々と元の場所へと戻っていき、
そして直っていくのである。
まるで、壊れる前の時間へと巻き戻っていくかのような光景。それがどの程度続いたのか、やがて
その自動修復が収まると、サイトは口笛をとめてムジュラの仮面を外す。
「おいおい、なんだよ今の」
驚いた風に尋ねるサイトに、彼に持たれたムジュラの仮面が答えた。
「“いやしの歌”といってな。本来は邪悪な魔力や浮かばれない魂を癒して仮面に変える曲なんだが、
副次的な効果として壊れた看板を直すこともできるんだ。今のは、オレの魔力でそれを強化して
やったのさ」
それを聞き、ナビィが反応する。
「へー、副次的な効果だけなら、“時の歌”や“ゼルダの子守歌”と一緒なんだね」
「って、お前らのいたとこじゃ、一曲演奏しただけで看板壊れても直せんのかよ」
「それくらいで驚いてちゃ……、嵐を呼んだり、昼と夜をひっくり返したりできる曲だって
あったんだよ」
「どんなとこだよ、お前らの世界……」
ナビィの返答に、サイトが呆れ果てたような顔になった。タバサも、顔には出さないが同じ
気持ちだ。ただの音楽がそんな力を持つとは、一体どんな世界なのだろうか。
「だが、やはり力が弱まっているな……まだ、ちらほら傷跡が目に着く」
悔し気なムジュラの仮面の言葉に、タバサたちは周りへ目を向ける。言われてみれば、まだ
焦げていたり、傷が残っていたりするところが少なからず点在していた。
「ちっ、我ながら情けない」
「でも、元々主要な効果じゃなかったんでしょ? 仕方ないよ」
吐き捨てるムジュラの仮面に、ナビィがフォローを入れる。それに対し、サイトは教壇の方へと
目を向けていた。
「まあ、それはともかくさ」
言いながら、サイトは倒れているシュヴルーズの方を指差す。
「先生気絶してるけど、授業この後どうすんの?」
「わからない」
黒髪の使い魔の疑問に、主たるタバサは小さく答えるしかないのだった。
〜続く〜
以上、今回はここまでです。
と、いうわけでやっとこさ最初の授業でした。あえてタバサの視点から異世界の魔法を
初めて学ぶ使い魔たちを客観的に見るような形にしてみたのですが、楽しんでいただけたら
幸いです。
ウィンディ・アイシクルうんぬんのくだりは、自分の考察です。本編3巻と外伝3巻との
扱いの違いが気になったので、たぶんこういうことなんじゃないかと。
それから、ムジュラの仮面が幼稚だというのは、ゲームをプレイしての感想です。やった
ことはかなり悪どいんですが、鬼ごっこがどうとかいって敵であるリンクに強力な武器を
渡したり、戦闘中やたらハイテンションだったり、ムーンウォークやコサックダンスやったりと、
結構幼稚というか道化めいた感がありましたので。
本スレの方で、「多重召喚は原作軽視」という話が話題になっていましたね。この作品の場合、
タバサが才人を召喚してて、多重召喚で、キャラ弱体化系と、読む人にとっては三重苦な作品かも
しれませんが、なんとか続けていきたいと思っています。
次回はシルフィード視点からスタートです。でも、その前に幕間があるかもしれません。
これまでで代理投稿を終了します。
最後だけさるになりましたので携帯から書きました。
異界の人も代理の人も乙
>本来は邪悪な魔力や浮かばれない魂を癒して仮面に変える曲
わーい、すごい物騒な能力www
366 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/24(木) 00:46:49.45 ID:76vh/RxV
>本来は邪悪な魔力や浮かばれない魂を癒して仮面に変える曲
浮かばれない魂・・・
ああ、見える・・・アルビオンが仮面で埋め尽くされて墜落する様が見える・・・
とある〜 を読んでて思ったんだが
上条さんがアルビオンの大地触ったら落下するんじゃね?
>>367 アルビオンを浮かせる魔法物質(?)がアルビオンの奥深くにあるから表面の大地をぺたぺた触ったくらいじゃ効果ないんじゃないの
それに女王艦隊の船も消せなかったし
久々にナウシカ原作読んだらユパ様召喚してほしくなった
ルーン無しでもゼロ戦とか普通に乗りこなせそうな気がする
アルビオン絡みが大惨事になる未来が見えた
湖ェ…
上条さんは魔術の元を断たないと消せないはず
長い声のネコならどうだろうか?
避難所に書き込めなかったのでこっちに。
アクマの人いつも楽しみにしてます。
これからも更新待ってます!
いっそのこと衝撃のアルベルトに全エネルギー吸収という
某尖兵「学生の身で決闘とは感心しませんな…全く近頃の若者はやんちゃで困る」
タイトル:ゼロのパーフェクトソルジャーみたいな?
ムジュラの仮面は呪われた術具が自殺する話だと思ってたなあ
呪いだとか憎しみだとかしか知らない中身子供な仮面が、被ってしまったスタルキッドと巨人の掛け合いや、リンクが人々の困難を乗り越えた礼に貰った仮面(という人間の生きざま)を見て最終的に自分を殺せる仮面をリンクに渡すという感じで
デスマスクから発想がきているだろうし…
デスマスク……聖衣に見放される使い魔か。
いっそのことバジリスクの朧を召喚して、物語を根底から成り立たなくさせると言うのはどうだろうか。
召喚する時はあの目を開かなくさせるヤニを付けてりゃいいし。
前のキン肉マンの話で思いだしたがキン肉マンも王族なんだよな。
ハルケギニアでも王位争奪戦を……
アンリエッタスーパーフェニックス
アンリエッタマリポーサ
アンリエッタビッグボディ
にヴァリエール三姉妹がなるのか
ワルドがビックボディのポジションになりそうだwww
違うだろ
ワルドはレオパルドンポジションしかねえ
(>△<)ノ<ビッグボディ!!
だいたいビッグボディは(胸的に)カトレアさんかティファの二択だよ。
小説版 戦国自衛隊から補給所で警備をしていた小隊を召還
架空戦記色が強くなりそう
>>378 生身の青銅聖闘士でも人間から見たら神レベルの戦闘力だし聖衣の有無はまったく戦闘力に影響が出ないと思うな
389 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/24(木) 20:10:54.80 ID:m6T8pioO
>>387 異世界自衛隊というのがあったな。
キュルケがなんと結婚するというルートだった。
>388
いや、重要なのはそこじゃなかったんだ!
デスマスクを見放した聖衣が何処へ行くというのか!誰を選ぶのか!
……わるど?
>>386 どうでもいい話だけどヴァリエール姉妹ってカトレアが長女で、エレオノールが次女っぽいよね、キャラ的に。
そういえばエガちゃん召喚とか有ったよな…
改めて見てきたら本気で吹いた
イザベラは肉弾戦に強い気がする
食っちゃ寝してるのにプロポーション維持してるから実はかなり強靭な肉体の持ち主だったりして
>>391 まぁ3姉妹モノと言えば、おっとり天然長女、しっかり者の二女、お転婆な三女が定番な筈……異論は認めるが。
実はイザベラのプロポーションは日々の鍛錬でできている……大魔法峠でいう田中ぷにえポジション、だとか。
>>390 冥界編の最後でデスマスクのところに戻ってたな
>>392 そういえば使い魔品評会編って何スレ目だっけ?
他の読者の反応も見たいから探してるんだけど、見つからないんだよな
ジョゼフにバットマンのジョーカーを召喚してもらいたい
異世界に飛ばされたことでバットマンがいない事を嘆き廃人化。
だがふとしたことで、ルイズがバットマンを召喚したと知って狂気復活
ジョゼフがガチでドン引きする犯罪を起こしまくると妄想……
>>344でまたちょっとネタが脳裏に。
7万人戦で、アルビオンを浮かせている風石を前にして
滅びの言葉『バリツ!!!』
>>398 ルイズに召喚されたバットマンがルイズにどんな風に仕えるのだろうか…
それはともかく、そのジョーカーはどのジョーカー?ニコルソン?ヒース?
>>401 個人的にヒース・レジャー氏でw
あのキレまくった演技が頭からはなれんw
カートゥーンの青野武版がいいなぁ。
ロメロなら毎回いいとこまでいってポカして覚えてろ〜的なギャグ話になるな
それもいいかも知れん
ダークナイトのジョーカーはトラウマレベルの怖さ
あのマジキチっぷりは多分ジョゼフすら勘弁してくれって言うだろw
キチガイキャラなら森長可
キレてる人なら鉄のラインヴァレルの森次さん
痛覚無いから素でヴァーサーカーだしヴァーダント召喚したらもっと酷い事になる
>>344,399
何よりも恐ろしいのはギャグ補正だな
攻撃の方はともかくほぼ不死身
ギャグ補正といえば
キースロイヤル召喚が個人的に好きだったなぁ・・・
>>411 アイツは「でてきちょー」と呼ぶ側でしょう?
死なないキャラを召還か
ルーニートゥーンズからバックス・バニーを召還したら
なんてのを考えてしまった
お花畑アンリエッタの世界にパラレルワールドからチート腹黒アンリエッタ召喚。
姫様現れて学院パニックとか庶民視点で詰みっぷり痛感とかアルビオン行きでウェールズNTRとか
タルブのごたごた利用してすり替わり画策とか幼なじみと使い魔の間で引き裂かれるルイズとかどう?
>>382見て思いついたけど、召喚相手がSS系だとここじゃちょっとスレチか。
>413
真っ先に連想したのが
キュルケ「なんて事!ケニーが殺されちゃった!」
タバサ「・・・・・・この人でなし」
よく考えたら死なないキャラじゃなくてしょっちゅう死ぬキャラだ
死をキーにするならこんなのはどうかな?
ワルド「ふっふっふ。ルイズ、君の使い魔くんの息の根は止めた。もう観念して僕のものになりたまえ」
ルイズ「それはどうかしら?サイトは最初から囮だったのよ」
ワルド「なにっ!?」
ルイズ「わたしはこのときを待っていたわ。サイトが魔法効果で死んだことにより、
機皇帝スキエル∞を特殊召喚する!さあ踊りなさいワルド、ヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
ルイズ「だれか助けてーー!!」
Fコンボイ「わかったルイズ!」
っての誰か書いてくれないかな。
アメリカ設定じゃユニクロン倒せる最強のコンボイらしいし、次元くらい超えられるだろ。
そうじゃなくても熱い心に不可能はないだろ
ケロッグコンボのゴリラ?
>>417 カリーヌ「ルイズ……あなたは私の力を知っているはず。そんなカードで私に勝てると思っているのですか?」
>>414 そりゃスレチ臭いな。
【IF系】もしゼロの使い魔の○○が××だったらスレに書いてやれば良かったのに。
>>417 むしろ相手のライフを1にするアレと契約どうよ?7万居ても一瞬で一人に。
>>422 それ、OCG化のときに使い物にならない効果にされたぞ。むしろ自爆神…
>>423 基本呼ぶならアニメだから関係無いでしょ。
それにスレチだけどOCGのアレも代償ガジェならある程度使えるよ。
ま、そうだな。
というか召喚するだけで7万の魂が生贄になって終わりの気がする
>>409 作品自体は読んだけど、その後のレスとかも見たいから探してるんだ
火竜ってアルビオン騎兵が乗ってたのと、タバサが極楽鳥の卵とるために戦ったのって同じのかな?
タバサの冒険だとやけに強かったよな?
>>427 タバサが遭遇したのは
じつは、リウイの支配から開放されたクリシュだったとか
シューティングスター(死にかけ)だったとかで小ネタになりそうだな
と、ふと思った
特車二課第2小隊を召還したら
フーケのゴーレムと
格闘戦をする太田なんて事になりそう
>>416 しょっちゅう死ぬキャラと言ったらスペランカー先生を忘れちゃいけない。
問題はハルケギニアに1upがあるかどうかだ!
>>390 蟹座のクロスがまるで人を見る目がないようなこと言うなよ・・・
LCでは勝ち組ポジなんだし・・・
死がキーワード?
死者を片っ端からゾンビにするニバス先生とか
死者を片っ端から蘇生させるDr.ミンチ(&イゴールwith電撃ベッド)とか
屍姫からマキナ召還
それはゾンビですか?
いいえ、ガンダールヴです。
>433
デスマスクは弱くはない。
星矢のカードゲームを遊んだ時に、
デスマスクが放ったギャラクシアン・エクスプロージョンでルシファー陣営吹っ飛ばされた僕にはわかる。
市のギャラクシアン・エクスプロージョンでハーデス吹っ飛ばされかけた事もあったけど。
>>デスマスクが放ったギャラクシアン・エクスプロージョン
>>デスマスクが放ったギャラクシアン・エクスプロージョン
>>デスマスクが放ったギャラクシアン・エクスプロージョン
??????????????
よく読まない脊髄反射は見苦しい
カードゲームって書いてるじゃん
積シキ冥界波じゃないの?
ああ、ごめん、そういう事が出来るゲームがあるって事で流して流して。
最近スラムダンクを読んで感動したんだがスポーツ物は呼び出しても意味が無さ過ぎるな
三井「バスケがしたいです……」
ルイズ・キュルケ・タバサ(何だそれ……?)
魔法学院の生徒バスケやってるじゃん原作で
ギーシュ・マリコルヌ「エロ戦車出撃ーっ」
モンモランシー「キャーッ!」
>>437 これゾン世界って、魔装少女の世界『ヴィリエ』と冥界がそれぞれ
地球への異世界間移動を可能にしてるんだっけ。
と言うか魔装少女は元々異世界侵攻を繰り返して領土拡大してるんだよね。
ハルキゲニアが危い?!
>>445 懐かしすぎる
ゼロの社長の人はまだかしら?
>>443 テニスのあいつ等ならメイジなんて目じゃないぜ
遍在とか使うしな。
あいつらあのラケットが杖みたいなもんなんだろうな
トキィ「バスケがしたいです」
ワルド「こっち見んな」
戦国BASARAの方から黒田官兵衛を召喚。
スクウェアだろうが軍艦だろうが七万だろうがぶちのめし、自分の枷の鍵を探して異世界をひたすら練り歩く脳筋軍師。
>>426 良く分からんが本文でググったらスレがでるんじゃね?
>>429 パトレイバーちゃんと覚えてるか?
全弾撃ち尽くした後にってのが抜けてるぞ。
太田さんの射撃が外れるのはコックピットへの直撃を避けるからというのがコミック版で明かされています。フーケのゴーレムなら、まず真ん中から当てていくんじゃないかと。
あとミニパトで明かされたリボルバーカノンの「本来の威力」を考えれば、ロケットランチャー一発で壊れるゴーレムなのだし、そう難しくは無いかと。
萌え萌えの人、大丈夫だったのかな
458 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 14:40:47.30 ID:Ajd9MBjB
こういう展開はどうでしょうか?
「がたがた騒ぐんじゃねえよ!今俺はこのゴーレムと話しをしているんだ」
「お前も、残念だな。愚かな主に命令されては本来の力が出せまい。」
「嘘!?ゴーレムに人の意思があるって言うの?」
「今の一撃、申し分ない。しかし惜しかったな、ゴーレムよ!」
ひこ師匠?
460 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 17:08:52.15 ID:43wKG9tU
そらのおとしものからカオス召喚。
ギーシュやキュルケ、ワルドに「愛ってなあに?」と聞く展開が浮かんだ。
>>427 タバサが戦ったのは古株の火竜だから、軍で使われてるようなのとは年季が違う。
>>461 人間が使えるようにするには赤ん坊のころから育てないといけないから
未成熟の竜しか使えないとかそんな感じかな?
エルフの使ってる水竜も同じような事情で強そうに見えないとかだったり
ロードスの竜騎士みたいだね
チートクラスの英雄だと成熟した竜を手懐けてたりしたが
逢魔ヶ刻動物園の椎名園長に、ゼロ魔の動物たちを擬人化してもらったらどうなるかな?
風竜→温厚そうなお姉さん
オーク鬼→ハート様
ジャイアントモール→土方のお兄さん
なんて具合で
皆喋りまくりだからシルフィードが大喜びですねわかりますw
ワルドのグリフォンが渋格好よさそうだね。しかし園長はルイズの言うこと全く聞かなさそうだ
>>456 そういえば…バーニィのザクと相打ちになったゴーレムもコネタにあったな
ゴーレム対ロボットやるならエスカフローネが適任かと
絵的にはロボとゴーレムでサイズ合わせたいけど、
30m級のロボって少数派だよなあ
ゴーレムにはゴゥレムだ!
って事で劇場版完結したブレイクブレイドをですね……
デルフィングじゃ無ければそこそこ接戦になるんじゃなかろうか
エステバリス7m
ガンダム17m
キングジョー55メートル
マドカ・ツバサが変身したティガなら身長20mだし弱体化してるからちょうどいいかも
ジャイアントロボはジャスト30メートルよ
ルイズ「叩け!ジャイアントロボ!」
グレンダイザーとマジンカイザーとΖΖとTHE=Oが30mだね
>>456 太田の射撃の上手さを生かすなら
アニメオリジナルだが裏切ったアニエスの部下が
逃げ出そうとして杖を取り出した所で
リボルバー銃(普通のサイズ)で撃ち落すとかがいいな
ストーリー的には
野明よりも太田の方が目立ちそう
大きさが同じだったら超合金製ロボや宇宙人に単なる土の塊が勝てるわけねーっていうか
現代のロケットランチャー一発で壊れるようなゴーレムをSFな超合金ロボとかに小突かせたら一発で壊れてしまう
勝負にならんのでつまらない気がする
センチネルならゴーレムなんて目じゃないぜ
未来の機皇帝なら1機1機は大して強くないよ!
>>473 夜間、三十メートルは離れていてフリントロック式の拳銃でさい箸程度の杖だけを撃ち落とすアニエスの腕がすでにゴルゴ級だけどね
落ち着いたらまたあの二人で話作ろうかな
いくら狙いが正確でもフリントロック式拳銃の精度がそんなに高いとは思えないけど
地球と違って魔法なりを使って作られた精度のいい銃だったのかなあ
さもなきゃまぐれ?
ここはマスク・ザ・レッドの出番だな!
30m離れたらフリントロックの銃なぞたとえ当たってもまともな殺傷能力はない気がする
40ヤードの距離から火縄銃の短銃で、クレー射撃を行ったところそこそこの腕でも
飛来する円盤25枚中3枚を落とせたそうだ。
腕のいいひとが長銃で行った場合、25枚中17枚を落とせたという話がある。
>>478 昼間に現代の一般的な拳銃を両手で構えて撃って30メートル離れた人間に命中させることすら難しいんですぜ
実はコルベール先生の誘導式ヘビ君ミサイルと同じ原理で、
魔力を帯びた杖に誘導されて命中するような弾丸を使っていたのではあるまいか
それなら細い杖を原始的な銃で撃つという離れ業が成功したのも納得はいく
ただ、サイトがAK47で杖を撃った時その精度にメイジ達が驚いていたので、
そういう弾丸が広く知られる一般的なものであるとは考えられないが…
1)レアな特別製の銃(誘導弾?超精度?)+アニエスの腕
2)ただのまぐれ
3)ノボルがあんま細かい所を考えてなかった
どれでも好きなのを選ぶべし
普通にアニメ上の演出
なんだ、それはそれは暗い王家の間で、逃げる少女のおさげをペッパーボックスで的確に撃ち落としたムスカ大佐をそんなに讃えたいのかね?
今の話の論旨からはズレるけどのび太の射撃能力ヤバイよね。
空中で回転する缶にワンホールショットとか
しかもノビさんは目悪いから穴みえてないのにワンホールだからな
やばすぎる。ガンダールブになったらどうなってしまうんだ
のび太はあらゆる作品のキャラと比べても、トップクラスの才能があるからな。
訓練もしてないのにそのレベルだから。
一応おもちゃの銃では遊んでたけどね
まぁそれ差し引いても反動のある実物も怪我する事なく振り回せるんだからマジで天才
それ以外が詰んでるけど
実は銃じゃなくても射出能力は高いんだよな
BB弾を手のひらに乗せて指で弾いて並べた鉛筆を倒してたり、信号弾でガンシップみたいなのを撃ち落としたり
>>488 犬や猫みたいな目をしているのかもしれない。動いているもの相手には視力があがるとか
本当に生まれる時代を間違えてるなw
いや、これが正解なのか
ドラえもん〜のび太の魔法大陸〜
ってか?
実物は重くて持てないんじゃなかったっけか
>>494 それはアニメ版。コミック版だと普通に実銃で悪者ガンマンを撃ち倒してる。
流石に7時台のアニメで小学生が人を撃っちゃいけないってことだろう。
ケムラーの急所やゼットンに一発しかない弾丸を見事命中させたアラシ隊員なら
初代コンボイも射撃能力がすごい。
ただし司令官のクセに一人で戦う時が一番強いからガンダールヴには不適切だな
>>496 あんなバカでかい怪獣に命中させたのがそんなにすごいか?
急所はまだしもゼットンなんて別に素早く逃げ回ってたわけでもないし…
499 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/27(日) 10:30:34.34 ID:Ajkm6TiM
自分で銃弾を作れるみたいだしREDを召喚してヘイトソングでワルドを射殺してもらう。
接近戦も強いしガンダールヴの相性もぴったりだと思う。
もしくは伊衛郎
点ではなく面で制圧することを前提に置いた機銃掃射とか有効だと思いますけど、ハルケギニア製の銃弾の精度だと普通にジャムりそうで暴発が怖い。
やはり一発必中ができる腕前が欲しいところ。
そういやのび太は心技体低レベルな筈なのに拳銃(ひみつ道具、本物問わず)持つと途端に凄腕になることから
のび太は銃(ガン)ダールヴっていう説をどっかで見たなあ
火薬にイブンカズイの紛薬混ぜて弾丸に文字を刻めry
HXLの子持ちサラリーマンヒーロー、リヴォルバーなら……
>>502 イブンガズイの粉薬をガンパウダーにするって発想は凄いと思った。
重力子放射線射出装置ですべての問題を解決しようず
そげキングだったら当てられると思いますけど。
皆さんこんにちは、今週分の投下をそろそろはじめようと思います。
予約がありませんでしたら、さるさん回避で10分おいて14:50より開始いたしますのでよろしくお願いします。
支援
第三十七話
三大怪獣、トリスタニア最大の決戦
ミイラ怪人 ミイラ人間
ミイラ怪獣 ドドンゴ
青色発泡怪獣 アボラス
赤色火焔怪獣 バニラ 登場!
暗雲に閉ざされ、住人のいなくなったトリスタニアで天空を揺るがす激戦が始まろうとしていた。
銀色の巨人と金色の怪獣、ウルトラマンAと星の守護者の怪獣ドドンゴ。
それに対する青い怪獣と赤い怪獣、すべてを溶かす青い悪魔アボラス、すべてを焼き尽くす赤い悪魔バニラ。
六千年の時を超えて現代に蘇った三体の怪獣と、新たに星の守りについた光の戦士。
一度は敗れた相手ながら、才人とルイズの心にはおびえも躊躇もすでにない。
(あんなビジョンを見せられちまったんだ。もうお前たちの好きにはさせないぜ)
(始祖ブリミルのご意思、子孫のわたしたちが無駄にするわけにはいかない。はぁ、まったくとんでもないご先祖を
我ながら持ってしまったものね)
人間は、若者は敗北を乗り越えて前へ進む。命ある限り、停滞することなく彼らの進化は進む。
ウルトラマンAは、彼らを選んだことは間違いではなかったと確信していた。そして彼らなら、敵がどんなに強大で
あろうとも、そこには希望があるであろうとも。果て無き闘争を求める者から、平和と人々の安息を守るために。
その恐れなく、まっすぐに敵を見据える雄姿を、怪獣ドドンゴと彼の背に乗るミイラは、その目に六千年分の
驚愕をすべて詰め込んだ視線で見ていた。
”やはり来てくれたか……それにしても、よく似ている”
彼の姿は人とは違いこの時代の言葉も話せなかったが、その心の中身は人間と大きな差はなかった。
あのとき、バニラと戦うウルトラマンAの姿を見、敗れて変身が解除されたルイズと才人を見たとき、彼は六千年の
まどろみから完全に目覚めていた。
”そうか、この時代にも……”
記憶を蘇らせた彼は、最初自分の目を疑い、続いて懐かしさを感じた。
”味方なのか……それとも”
とまどいの中で、彼はどうするべきかを迷った。むろん、彼はウルトラマンAの正体などは知らない。彼の宿敵である
バニラと戦っていたからといって、敵の敵は味方だと短慮を起こすわけにはいかない。しかし、ルイズの懐から
零れ落ちていた始祖の祈祷書を見たとき、彼の選択は決まった。
さあ、もはや天運を望む時は過ぎた。あとは、現世に立つ者の意思と努力がすべてを決する。
六千年前の破滅の再来を防ぐためには、勝利以外に道はない。
わずかな観客となったド・ゼッサールと魔法衛士たちは息を呑み、その時が訪れたのを知った。
「始まるぞ……戦いが!」
アボラス、バニラの咆哮がゴングとなり、決戦の火蓋は切って落とされた。
「トオーッ!」
最初に打って出たのはウルトラマンAだった。空中高くジャンプして、空中できりもみしながら急降下、猛烈な勢いを
つけたキックをアボラスの頭部に炸裂させる。しかし、アボラスも巨体をいかしてこらえきり、巨大な顎を開いて
飲み込まんばかりにエースに噛み付いてくる。
(そうはいくか!)
噛まれる寸前に、エースはバックステップでアボラスの攻撃を回避した。才人の記憶から、アボラスの戦い方は
すでに心得ている。初代ウルトラマンが戦った怪獣の中でも屈指のパワーファイターであり、初代ウルトラマンも
頭を押さえつけて噛まれないように防戦につとめたという恐るべき相手だ。接近戦に持ち込まれたら分が悪い。
ヒットアンドウェーで、間合いを操って敵の体力を削っていこうと、エースは突進してきたアボラスの勢いを利用して、
巴投げでアボラスを投げとばした。
一方、ドドンゴはバニラと正対していた。
目から打ち出す光線と、口から吐き出す高熱火焔が武器である両者は、それぞれの武器の威力が互角で
あることを知っているために、にらみ合ったままで相手の出方と隙をうかがっている。しかし、そんな状況は
何秒も続きはしなかった。
ドドンゴが四本の足を蹴立てて頭から突進し、受け止めたバニラがドドンゴの首筋に噛み付いて出血させる。
だが負けじとドドンゴも龍のように鋭い牙が生えた口でバニラに噛み付き、バニラは悲鳴を上げながらドドンゴの
頭を殴りつける。
二匹の戦いは、まるで大熊の決闘のように肉弾相打つぶつかり合いとなり、小細工抜きの力と力のみがものをいう。
”負けるな! さあゆけ!”
ミイラの声がテレパシーとなってドドンゴの頭に響き、ドドンゴは雄叫びをあげてバニラの腹に頭をぶつけると、
そのまま首の力でかちあげた。
ミイラとドドンゴ、かつての地球でもこの二体が強い絆で結ばれていたことは知られている。主人と従者か、
あるいは友だったのか、それを伝える資料は残されてはいなくても、ミイラの呼ぶ声に応じてドドンゴが助けに
やってこようとしたことから、彼らがかつては並々ならぬ関係だったのは疑う余地はない。
接近戦では体格差を活かし、バニラに得意の火焔を吐く間合いを与えまいとミイラはドドンゴに指示を飛ばす。
さらに、アボラスの相手をしているウルトラマンAも、アボラスを相手に五分以上の攻防を繰り広げていた。
(アボラスは頭がでかくてバランスが悪い。角をつかんで振り回してやれ! よっし、そこだチョップ!)
才人の言うとおり、エースはパワーと巨体を誇るアボラスを素早さで翻弄していた。なにせ、バニラと違って
アボラスはウルトラマンと対戦した記録が残されている。初代ウルトラマンがアボラスを相手にどう戦ったのか?
弟が戦うことになっても、その戦訓は大いに役に立つはずだった。
「あっ! 口が開いた」
「エース避けろ! 溶解泡が来るぞ」
アボラスの口から放たれた白い霧状の溶解泡が、エースが飛びのいてかわしたところにあった建物を、
ドロドロに溶かして消し去ってしまった。ルイズが反応するのが一瞬遅れていたら、エースはまともに溶解泡を
喰らっていたかもしれない。あの溶解泡は、ウルトラマンの体を溶かすまではいかなくても、一気にエネルギーを
消耗させてしまう力を持っている。初代ウルトラマンも、ほぼ万全の状態から一度これを受けただけで、
カラータイマーの点滅がはじまってしまったほどだ。
切り札をかわされてしまったアボラスは、殴りかかり、尻尾を振り回し、さらには闘牛のように角を向けて一気に
突進を仕掛けてくるようになった。重い一撃の連打に、エースもはじきとばされてなるものかと目を凝らし、
敵の気配を全身で感じ取る。
力を力でねじ伏せようとするバニラとドドンゴ。アボラスの直線的な攻撃を受け流して、反撃の機会をじっと
待ち続けるウルトラマンA。両者の戦いは互角で、その戦いは高所からならば容易に見学することもできた。
トリスタニアでもっとも高いところにある、王宮のテラスからアンリエッタは激闘を見てつぶやく。
「また、この街が戦場となってしまった。いったい、いつになったら平和で活気に満ちていたあの頃が帰ってくるのでしょう……」
平和が戻ってきたと思っても再び怪獣が現れる。何度復興してもまた壊される。人々が戻ってきてもまた逃げ出さざるを得ない。
いくら怪獣を倒したところで、次々と新しい怪獣がやってくる。怪獣は倒しきれるものではなく、無限に沸いてくる天災の
ようなものかもしれないのではないか。
アンリエッタが感じたその不吉な予感は、実は怪獣頻出期に地球の人々が感じていたのと同じものであった。
連日連週、地球を襲う怪獣・超獣・宇宙人の果てしなき来襲。西暦一九六六年に始まり、同年の初代ウルトラマンの
地球来訪から西暦一九八一年のウルトラマン80の地球防衛期間までの実に十五年間。実際には一九七五年の
円盤生物ブラックエンドから、一九八〇年の月の輪怪獣クレッセントまで五年ほどの休止期間はあるが、それでも
怪獣頻出期は十年もの長きに渡ったのだ。
その間で失われた人命や、破壊された財産は数知れない。幽霊怪人ゴース星人の地底ミサイル攻撃では
世界の主要都市の多くが破壊され、広島県福山市を壊滅させたベロクロン、一夜ごとに一つの街の住民を皆殺しに
してまわった残酷怪獣ガモスなど、当時はいつ自分が怪獣災害の犠牲になってもおかしくない時代であった。
自分のやっていることは、実は雨粒をすべて受け止めようとしているにも似た不毛なものなのではと、アンリエッタは
薄青の瞳を曇らせた。幼い日、軽い気持ちでルイズを伴って幻獣を盗み出して遠出し、沼地の怪物にルイズの
命を取られかけたあの日から、自分のやることには責任をもとうと心に言い聞かせてきた。そして、実戦で戦っている
ルイズやアニエスたちに少しでも報いようと、トリスタニアの改造にも取り組んできたのだが……それは無意味だったのだろうか。
気落ちした表情を浮かべるアンリエッタに、いつの間にやってきたのか枢機卿のマザリーニが顔を覗きこんで告げた。
「殿下、お気持ちはわかります。確かに今、トリステインが直面している危機は歴史上類を見ないものです。しかしながら、
殿下のなさっていることは決して無意味ではありませぬ」
「枢機卿!? あなた、わたくしの心が読めるのですか?」
「いやいや、伊達にあなたさまの三倍近く歳をとってはいないというだけのことです。それよりも、殿下のなさっていることは、
間違いなくこの国の民の命と幸福を守っていると、それだけは言っておきたく存じましてな。一部心なきものもおりますが、
多くの民はあなたさまに感謝し、信頼しております。でなければ、少なくとも利にさとい商人などはとうにこの街を去って
いることでしょう。昨日まで、殿下がここから見下ろされていた街の活気がなによりの証拠です」
「……そうですわね。わたくしとしたことが、どうかしていたようです」
「わかられたなら結構。では、私も付き合いますゆえ、戦いの決着を見届けましょう」
「はい。彼は……ウルトラマンAはわたくしたちのために命を懸けて戦ってくれている。でしたら……」
せめて、彼の戦いを最後まで見届けるのが、わたしたちの義務でしょうからと、アンリエッタはテラスの手すりを
強く握り締めた。
銀と金、青と赤。遠目にもよく映えるウルトラマンと三大怪獣の死闘は、開始からいささかも勢いを衰えさせずに続いている。
アボラスの溶解泡をかわしたエースが、アボラスの顎を掴んで背負い投げを炸裂させる。
バニラの火焔で、背中の翼の一枚を焼かれたドドンゴが目からの怪光線をバニラの尻尾に当てて熱がらせる。
全力でのぶつかり合いは五分から、ややエース側が優勢に見えてきていた。このまま追い込めば、二大怪獣を
倒すことができる! ド・ゼッサールを含め、見守っていた人間たちは皆そうした明るい予感を持った。
だが、さらに攻撃を強化しようとしていたエースのカラータイマーが、突如激しい警告音を鳴らして点滅を始めたのである。
「そんな! まだ一分くらいしか経っていないぞ!」
彼らも何度もエースの戦いを見て、エースの活動限界がおよそ三分間であることは知っている。さらに、カラータイマーの
点滅はその危険を表し、約二分で点滅しはじめることにも見当をつけていた。しかし、今回はあまりにも点滅の開始が
早すぎる。しかも、エネルギーの消耗が大きくなってきている証拠に、エースの動きががくりと鈍くなってきた。
(やはり、バニラとの戦いのダメージが、まだ回復しきってなかったか……)
エースは、急に重くなった体に抵抗しながら、心の中でつぶやいた。バニラに敗退してから、まだ半日も時間は経過
していないのだから当然といえば当然だ。むしろ、序盤でここまで善戦できたことが奇跡とさえいえる。
動きが鈍ったエースに、アボラスが気づくのには数秒と必要はしなかった。肉食獣が弱った草食獣を群れの中から
正確に見つけ出すように、エースの弱体化を察したアボラスは体をひねり、強烈な尻尾の一撃を加えてきた。
「ウワァッ!」
頑強な皮膚と重量から生み出されるパワーは、弱ったエースを吹き飛ばすには充分すぎるくらい強烈だった。
建物の中へ吹っ飛び、レンガとしっくいの破片でできた煙にエースは埋もれた。間髪いれずにアボラスは溶解泡を
吹き付けてとどめを刺そうとしてくる。
「ヘアッ!」
飛びのき、すんでのところでエースは直撃されるのだけは防いだ。けれど、凶暴なアボラスは攻撃を緩めるどころか、
エースが起き上がる前に突進してきて、彼の体を蹴り上げた。
「ヴッ、ヌォォッ」
そこは偶然、先の戦いでバニラから受けた打撲のある場所だった。普通に攻撃されたよりひどいダメージに、
耐えられない苦悶の声が漏れる。緒戦で飛ばしすぎたために、エネルギー切れの反動がいつもよりも大きかった。
エース、それに才人とルイズは短期決戦でアボラスを倒すつもりであったあてが外れて焦った。
万全であったなら、倒し方を知っている分だけこちらが有利であったはずなのに、それを活かしきれなかった。
アボラスは安全を確信したのか、ひざをついたまま立ち上がれないでいるエースを太い腕で殴りつける。
「グッヌォッ!!」
顔面を殴りつけられたエースは、ひとたまりもなく吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた。脳を揺さぶられる強烈な
衝撃で、視界が暗くなって一瞬体の自由も利かなくなる。アボラスの体は、怪獣の中でもトップクラスの腕力を誇る
どくろ怪獣レッドキングと非常によく似た形をしており、軽くビルを叩き壊す恐るべき怪力を誇っているのだ。
(エース! 立ってくれ)
(だめだ、体の自由が利かない……っ)
バニラとの戦いでダメージを受けたところに、さらにダメージが加わったことが傷を致命的なまでに深めていた。
カラータイマーの点滅は加速度的に早まり、エネルギー以前に肉体のダメージがこれ以上耐えられないのは明白だ。
エースをこれで倒したと思ったアボラスは、次は当然のように本来の敵であるバニラと、バニラと戦うドドンゴに
矛先を向けた。組み合っている二匹に向けて突進し、ドドンゴを殴り倒すとバニラを押し倒そうと体当たりをかける。
むろん、負けじとバニラもアボラスを跳ね除けると、すかさず火焔で反撃を図る。この二匹には、敵の敵は味方などという
思考はない。目に映るものはすべてが敵でしかないのだ。
アボラスに殴られたドドンゴは、荒い息を吐きながらも起き上がった。ドドンゴの防御力はあまり高くはなく、科特隊の
携帯武器であるスパイダーショットでたやすくダメージを受け、スペシウム光線の一発で絶命してしまっている。
この戦いでも、バニラに与えたダメージの少なさに比して、ドドンゴの受けた傷は浅くはない。それでも、彼らは
立ち上がっていく。
”まだ、戦えるか?”
”……”
”そうか……ありがとう”
ミイラとドドンゴは、テレパシーを使い、彼らにしかわからない言葉で短く語り合った。彼らは、これが自分たちに
課せられた最後の使命だと知っていた。六千年という長きに渡って眠ることで生命を維持してきたが、この世に永遠の
ものなどはありえない。延命の限界は、もう遠くはない。
”すまない……私に付き合って、お前にまで過酷な運命を強いてしまって”
”……”
”そうだな。最後まで共に行こう……そして、あの人たちのところへゆこう”
この身に代えても二匹の悪魔は止める。過去のあやまちの清算を、未来に先送りにしてしまった自分たちの、
それがせめてものつぐないなのだ。ミイラ人間とドドンゴ、人間から見れば恐怖を抱く異形の存在であっても、
心は外見の形に左右されることはない。
命を力に変えて燃やし尽くそうとしているかのように、ドドンゴは空高く雄叫びをあげて二大怪獣に立ち向かっていく。
「あの金色の怪獣、まだ戦おうというのか!?」
戦いを見守っていたド・ゼッサールたちも、傷だらけになりながら立ち向かうドドンゴを見て顔をしかめさせた。炎、爪、
打撃でこれでもかというほどに痛めつけられ、あれが人間ならばとうに意識を失っていても不思議ではないだろう。
それに、二匹の怪獣はお互い戦うのに夢中でほかに意識が向いていない。今ならば逃げ去ることも容易であるのに、
なぜそこまでして戦うのか? 彼らは、ドドンゴとミイラがこの時代の人々を守るために、過去から遣わされた
使者であることを知らない。
再び街を破壊しながら終わりのない戦いをはじめたアボラスとバニラに、ドドンゴは勢いをつけて突進攻撃をかけた。
バニラに背中から激突し、吹っ飛ばされたバニラはアボラスを押し倒して転げまわる。
「やったか!」
経験の浅い魔法衛士隊員の何人かはそう叫んだが、そううまくいくはずはなかった。むしろ、またも戦いの邪魔を
されたことで怒りのボルテージが増し、二匹ともが同時にドドンゴへと敵意を向けてしまった。
目からの怪光線で先制するドドンゴ、しかし胴に直撃を受けたはずのアボラスはまったくダメージを負っていない。
それもそのはずで、アボラスの皮膚はスペシウム光線の直撃にも二度まで耐える頑強さを誇っている。
切り札もまるで通用せず、ドドンゴは一方的に痛めつけられていった。アボラスとバニラに噛み付かれ、殴られ、
火焔を受けて皮膚を焼け焦げさせて倒れる。溶解泡だけはなんとかかわしたものの、今度こそとどめを刺そうと
二大怪獣の魔の手が迫る。
「ヘヤァッ!」
間一髪、息の根を止められる寸前のドドンゴを救ったのはウルトラマンAの必死の体当たりであった。バニラの
横腹に打撃を加え、虚を突かれたアボラスの首根っこを掴んで上手に投げ飛ばす。
地響きの二重奏が鳴り響き、エースの戦線復帰にアンリエッタや魔法衛士隊の一部に喜色が浮かぶ。
しかし、これはエースにとってほんの一欠けらの余力を振り絞った、燃え尽きる前のろうそくの炎に過ぎなかった。
奇襲は成功させたものの、エースはそこまでが精一杯で立つのがやっとの有様だった。そこへ、余力たっぷりの
アボラスとバニラが逆襲を加え、エースを再び地に横たえさせるまでにかかった時間は、ものの五秒足らずでしかなかった。
ウルトラマンAは倒れ、ドドンゴも断末魔の荒い息を吐いている。ミイラもドドンゴが倒されたときに地面に投げ出され、
即死はまぬがれたものの、すでに動く力は残っていなかった。
対して、アボラスとバニラは戦闘開始前とほとんど変わらぬ様子で、トリスタニアの街に君臨している。
「もう、トリスタニアは終わりか……」
絶望の声が、魔法衛士隊の中に流れる。ウルトラマンをも一蹴し、ひたすら破壊と戦いにのみ明け暮れる
その姿は、まさに悪魔そのものだった。二大怪獣を止められるものはもうすでになく、トリスタニアが灰燼と帰すまで
一日もあれば充分だろう。
ウルトラマンAは変身が解除されるギリギリの体で、それでもなんとか戦おうとしていた。
(せめて……せめて、太陽があれば)
ウルトラマンは光の戦士、太陽の子。太陽エネルギーがあればと、エースは空を見上げる。
しかし、空は雨の名残で厚い雲に覆われていて、太陽の姿は見ることさえできなかった。かといって、宇宙まで
飛行してエネルギーを補給する余力すら、今のエースには残されていない。
万事休すか……もはやどうするべきことも思いつかず、才人とルイズも心の中で歯軋りした。
変身解除まで、あと十数秒。それを過ぎればまた戦えるまで数日はいる。しかし、その間にトリスタニアは
完全に破壊されてしまう。
だがそのとき、終わりのときを待つばかりのエースを見上げていたミイラが、最後のテレパシーをドドンゴに送っていた。
”頼む……ウルトラマンに、光をあげてくれ”
その声がドドンゴに最後の力を与えた。もはや死を待つばかりであった頭がゆっくりと動き、空を見上げて
見開かれた目から、怪光線が空に向かって放たれたのだ。その光は暗雲を貫き、太陽を覆い隠していた
分厚い水蒸気の塊を拡散させ、直径数百メートル規模の巨大な風穴を開いたのだ。
(これは……太陽の光)
開かれた風穴から、まばゆい陽光がウルトラマンAへと降り注いだ。全身にさんさんと浴びせられる、金色の輝きを受けて、
エースの閉じかけていた目に光が戻る。
「ヘヤッ!」
エースは腕を胸の前でクロスさせると、降り注ぐ太陽の光を頭部の穴、ウルトラホールへと集中させていった。
エネルギー収束の機能を持つウルトラホールに集められた太陽光線は、エネルギーへと変換されてエースの
全身へと送り込まれていく。
力は満ちた! 太陽からもらった力を最後の一撃に必要なまでチャージしたエースは起き上がり、二大怪獣の
前へと立ちふさがる。
「シュワッ!」
雄雄しく立ち上がったエースの勇姿に、見守っていた人々から歓声があがり、アボラスとバニラは一瞬気おされて後ずさる。
しかし、カラータイマーの点滅は限界を示したまま回復してはいない。頑強な体と無限に近い体力を誇る二大怪獣を
撃破するには、限界ギリギリまで力を注ぎ込んだ一撃を持った、捨て身の一撃しかないことにエースは気づいたのだ。
「ヌゥン!」
エースは全エネルギーを振り絞り、腕を下向きにクロスさせた。一瞬放たれたすさまじい気迫が、本能の奥に眠っていた
アボラスとバニラの恐怖心を呼び起こす。あの攻撃、あの攻撃を放たせてはだめだと声なき声がアボラスとバニラの
闘争心に訴えかける。
その瞬間、永劫の過去から現代に渡って殺し合いを続けてきた二匹の悪魔は、生涯初めて同じ行動に出た。
互いへの憎しみを忘れてエースへと飛び掛っていく。アボラスとバニラの共闘……誰もがありえないこととして、
考えられもしなかった幻の最強怪獣のタッグがここに誕生したのだ。
だが、完成すればまさに最強と呼ぶにふさわしかったかもしれないそのタッグも、すでに遅すぎた。
全力で襲い掛かってくる二大怪獣を恐れず見据えたエースは、両腕を斜めに高く掲げた。ウルトラホールに集中させた
全エネルギーが、両手の間で白い三日月形の光に変わる。
(これが最後だ!)
裂帛の気合が二大怪獣だけでなく、彼と同化している才人とルイズさえもおののかせる。
この技を使ったのは過去たった一度だけ。あまりの破壊力ゆえに、下手をすればエース自身の命をも削りかねない
最大最強の必殺技。両手を頭上で閉じ、全エネルギーが手のひらの間で一枚の光の手裏剣に変えられる。
見よ! ウルトラマンAの切り札を!
『ギロチンショット!』
超エネルギーをたった一枚にまで凝縮したギロチンが投げつけられ、アボラスの胴体を直撃した。不死身に近い
悪魔性を誇った分厚い皮膚も、なんの役にも立たない。腹から背中までをギロチンショットは薄紙のようにぶち抜く。
さらに、アボラスを貫通したギロチンショットはブーメランのように軌道を変え、愕然とするバニラの胸をも撃ち抜いた。
驚愕と憎悪、そして恐怖の光がアボラスとバニラの目に宿って、唐突に掻き消える。
敵の体を引き裂こうと、憎らしげに伸ばされていた腕が力を失って垂れ下がり、二大怪獣の体が前のめりに崩れ落ちた。
そして、命を絶たれたアボラスとバニラの体は魂の後を追うように、巨大な火柱をあげて砕け散ったのである。
(やっ……た!)
(悪魔の、最期だ)
ルイズと才人は、煙の柱と化した二大怪獣を力を失った目で見てつぶやいた。
本当に、本当に恐ろしい敵だった。蘇った時代が時代なら、本当にこの二匹によってハルケギニアの人類は
滅ぼされていたかもしれない。古代の人々がついに殺すことができず、封印するしかできなかったのもうなづける。
一説によれば、アボラスとバニラはともに宇宙から来た怪獣だと言われている。食物連鎖でも縄張り争いでもなく、
ただひたすら争うだけの関係など、地球の生態系では考えられないからそれも考えられる。
いまだ、人類の乏しい知識では氷山の一角すら解明できていない宇宙の生態系。もしかしたら、アボラスとバニラの
種族は今でも宇宙のどこかで、人間には知りようもない理由で戦い続けているのかもしれない。
魔法衛士隊の隊員たちが歓声をあげながら手を振ってくる。彼らも、必死の防戦がトリスタニアを守ったことを喜んでいる。
もしもここで敗れていたら、彼らの命も今日までだったかもしれない。アンリエッタもまた、彼女らしく優雅に手を振ってくる。
しかし、今日の戦いはエースひとりで勝てたわけではない。エースは、ゆっくりとした足取りで横たわっているドドンゴに
歩み寄ると、その傍らに片膝をついてかがみこんだ。
(すでに、事切れている……)
ドドンゴの両眼は閉じられ、息は絶えていた。けれど、その顔には苦痛のあとはなく、むしろ穏やかに眠っているように見える。
きっと、アボラスとバニラの最期を見届けたことで、自分の使命は終わったと安心したのであろう。彼のなきがらから
少し離れた場所では、あおむけに横たわるミイラがエースとドドンゴを見上げている。
(ありがとう。この戦い、君たちがいなければ勝てなかった)
言葉が通じたわけではないが、ミイラが小さくうなづくのがエースには見えた。彼も大きく傷つき、あといくらも持たないだろう。
ウルトラマンAは、すがるようなミイラの眼から彼の最期の願いを読み取ると、横たわるドドンゴの遺体を渾身の力を込めて
持ち上げた。
「ジュワァッ!」
遺体を頭上に掲げたエースを、ミイラは満足そうに見上げてうなづいた。周りでは、魔法衛士隊の隊員たちがエースは
なにをする気だと困惑しているが、ド・ゼッサールだけはエースの意思がわかった。
「全員静まれ! 敬礼しろ。戦友の、見送りだ」
どよめく部下を一喝して、ド・ゼッサールは見事な衛士隊式の敬礼を見せた。長年、多くの上司や部下や戦友の死を
間近で見てきた彼が、そのたびに戦場で感じていたこと。戦友のなきがらが、野ざらしにされて心無い者たちに
辱められるのは耐えられないという思い。
ド・ゼッサールたちはドドンゴがなぜ命を懸けて戦ったのかという理由は知らない。けれど、知らなくても命と引き換えにして
エースを助けた献身は、彼らの心に確かに響いていたのだ。勇者への称えを贈られて、今ドドンゴは誰の手にも渡らない
世界へと送られていく。
「シュワッチ!」
ウルトラマンAによって、ドドンゴは宇宙葬によって送られた。この世界に、ウルトラゾーン・怪獣墓場がないのは残念で
あるけれども、もはや二度と彼の眠りがさまたげられることはないに違いない。
戦いの役目を終えたウルトラマンAは星に帰り、もうひとりの勇者の最期を見とどける。
戦場跡、魔法衛士隊も引き上げて、完全に無人となったトリスタニアの一角で、才人とルイズはミイラを看取ろうとしていた。
「あなたが何者だったのか、わたしたちは知らない。けれど、あなたたちのおかげでトリスタニアが救われたのは紛れもない
事実……それなのに、わたしたちはあなたを救う手立てはない。こうして、見届けることしかできない。許して……」
頭を垂れて、ルイズはミイラに詫びた。彼は苦しそうに荒い息を吐いているが、それもしだいにか細くなっていき、
生命力が急速に失われていっているのがわかる。もう、どんな治療も手遅れだろう。なにより、彼がそれを望むまい。
才人は、今まさに消えようとしている命を目の当たりにして、決してそれから目を逸らすまいとしながら思った。
「六千年ものあいだ、アボラスとバニラを見張るために眠ってたなんて……すまねえ、おれたち未来の人間がアホだった
ばっかしに、こんなことになっちまって。言葉が通じるなら詫びてえよ……おれには、とてもできねえ」
ミイラとドドンゴがいなければ、自分たちも今こうして生きていたかどうかすら疑わしい。かつて地球で、彼らと同種族の
ミイラとドドンゴが現れたとき、彼らはあまりの力と意思の疎通ができないゆえに、危険なモンスターとして抹殺され、
記録にもそう残されている。だが、自らをミイラと化してまで延命するなど並の覚悟でできることではない。今となっては
知る術もないが、地球のミイラたちももしかしたらなんらかの使命を持って眠っていたのかもしれない。
結局、悪いのは昔も今も、不用意に彼らの眠りを妨げてしまった自分たち現代の人間である。
ミイラは、すまなそうにうなだれている二人をじっと見上げていた。青黒い皮膚からはさらに生気が消え、まもなく
本物のミイラとなるだろう。しかしその前に、彼はか細い息の中で片腕を上げると、ルイズの懐から覗いていた
始祖の祈祷書を指差した。
「えっ? こ、これ?」
ルイズは驚きながらも、恐る恐る祈祷書を差し出した。彼は、枯れ木のような手を祈祷書に伸ばし、指先を祈祷書に
触れさせた。指先と触れ合った部分が鈍く輝き、祈祷書を通じてルイズの心にミイラの記憶が流れ込んできた。
「あっ、うっ! こ、これは……!?」
例えるなら、グラスの中のワインを別のグラスに移し変えたように、流れ込んできた記憶がルイズの中を駆け回る。
それらは他人の記憶らしく漠然とぼけていたものの、彼の歩んできた道をルイズに伝えてくれた。
六千年前の最終戦争、彼はそこでドドンゴとともに戦っていた。そして、旅をしていた始祖ブリミルの一行と出会い、
紆余曲折の末に彼らとともに戦う道を選んだ。
行く先々で彼らを待っていた戦いの日々。当時、世界中を覆っていた戦乱の中を、ブリミルの一行は力を合わせて
生き抜いた。特に、リーダーであったブリミルの操った魔法の威力はすさまじく、彼らは何度もその威力で窮地を脱した。
仲間を増やし、時には逃げ、絶望的な戦乱の中を、彼らはある目的を果たすために戦い抜いた。
けれども、最終戦争の巨大さの中にあってはブリミルの力とて小さなものに過ぎなかった。
多くの仲間が傷つき倒れ、絶望的な旅路は永遠に続くかに思われた。だが、どんな絶望の中にあってもブリミルは明るく、
笑顔を絶やさずに仲間をはげまし続けた。もっとも、ときたま彼の使い魔の少女……祈祷書のビジョンで見た、ガンダールヴの
ルーンを持つエルフの少女を、新しい魔法の実験台にしようとするなどの暴挙に出ることもあった。ただし、その度に
彼女の怒りを買って、彼女の友達のリドリアスにおしおきとして空高くつまみ上げられたりしたが、そんな光景も笑いとともに
仲間の心を和ませた。
そんな彼らだったからこそ、仲間たちは希望をたくしてついていった。
しかし、突如空から現れた悪魔の虹によって、わずかな希望も打ち砕かれた。
世界はあらゆる生き物に憑り付いて狂わせる悪魔の虹によって混沌に変えられ、ブリミルの仲間たちも次々犠牲となった。
そして、追い詰められたブリミルは禁じ手とされていた、ある方法をとることを選択する。
彼の記憶は、ここでいったん途切れた。
”そうか、あなたも憑り付かれてしまって記憶が残ってないのね。でも、あなたは今こうしてここにいる。いったいどうやって、
あなたは悪魔の虹から解放されたの? 始祖ブリミルが選んだ禁じ手ってなんなの?”
ルイズは、肝心なところで途切れた記憶の答えを問いただした。しかし答えは返ってこずに、再開された記憶のビジョンが
代わってルイズに語りかける。
”この景色は、ラグドリアン……これは、わたしたちが祈祷書に見せられた戦いね”
見覚えのあるビジョンに、ルイズはすぐに合点した。空を舞うリドリアスと、三体のカオス怪獣にアボラスとバニラを
含めた怪獣軍団、それを迎え撃つブリミルたち。見たところ、彼らに以前と特に変わったところはない。それなのに、
彼らの表情は追い詰められて絶望に染まっていたときと一変し、悪魔の虹に憑り付かれていたはずのミイラやブリミルの
仲間たちも元に戻っている。
いったい、彼の記憶が途切れていたあいだになにが起こったのだろう? 今度こそ、この戦いの結末をとルイズは身構えた。
けれど、残りの記憶を渡す余裕はミイラには残っていなかった。指が祈祷書からこぼれ落ち、ルイズの見ていたビジョンも途切れる。
ルイズは、あと少しで謎が解けるのにと、歯がゆさからミイラに叫ぼうとして思いとどまった。彼の、なにかをやりとげた
満足げな目。そして、安心した表情から、ミイラが自分になにを伝えたかったのか、それを悟ったから。
「わかったわ。始祖ブリミルは、あなたの大切な仲間は、最後まであなたたちを守るために戦ったのね。虚無の力を
正義のためになるように……残りの謎は、わたしたちの手で解いていくわ。そして誓うわ、わたしもこの力を決して悪に
用いたりしない。だから、安心して」
ルイズはミイラの手をとり、次いで才人ももう片方の手をとった。
冷え切っていたミイラの手のひらに二人のぬくもりが伝わり、苦しげだったミイラの呼吸が一度、気持ちよさそうな
ため息に変わった。
そして最後に、ミイラは二人を見上げてわずかに口元を動かすと、まぶたを閉じて永遠の眠りについていった。
「逝ってしまったな」
「ええ、六千年もの時間守り続けてきた使命から、やっと解放されたのよ。きっと今ごろ、昔の仲間たちに迎えられてるわ」
「だといいな。ところでルイズ、さっき祈祷書から何かを見せられてたみたいだけど、なんだったんだ?」
「後で話すわ。それよりも、彼の最後の言葉、あなたも聞いた?」
ルイズの問いに、才人は一度目を閉じた。そうして、空を見上げると、霊魂に誓うように答えた。
「ああ、聞こえたよ……『この時代を、頼む』ってな」
戦いは終わり、またひと時の平和がこの世界に戻った。
しかし、根本たる脅威が残っている以上、次なる敵が遠からずやってくるのは間違いない。
その日に備えて、人々は足を進める。
エレオノールたちは、古代遺跡に残っていた碑文の残りを解読しようとやっきになっている。
アンリエッタは、破壊された街の再建をすぐに準備させ、被災した住人の仮の住居を定めるように命じた。
数日後にまで迫ったウェールズとの結婚式典を、彼女はなにがあってもやりとげるつもりでいた。
自分のためだけではなく、人々にトリステインは決して怪獣などに屈しないと示し、希望を与えるために。
かつて、宇宙科学警備隊ZATがウルトラ警備隊以来の伝統であった秘密基地をやめ、都心に巨大な基地を構えたのも、
ZATはいつでもここにありということを人々に示し、長く続く怪獣頻出期の中の希望であるためだったという。
人間は、そう簡単に絶望なんかに屈したりはしない。
才人はミイラの遺体を背負い、トリスタニア郊外の小さな丘に埋葬した。
そこは、以前ワイルド星人を埋葬した場所で、見晴らしはよく、街道から離れているので人はめったにこない。
「ここなら、もう誰もあなたの眠りをさまたげはしない。安心して眠ってください」
「そして、できることならわたしたちを見守っていてください。わたしたちが、六千年前と同じあやまちを犯さないために」
二人の祈りが、小さな丘に流れる。悠久のときを戦い抜いた勇者たちへの鎮魂歌、それは虚空を越えてやがて
空のかなたへと吸い込まれていく。夕暮れを迎えた空に、ひとつの星と、それに寄り添う小さな星がまたたいていた。
続く
以上です。
>>506の方、支援感謝します。
二大怪獣復活編、お楽しみいただけたでしょうか。
このシリーズを書いているときに、パワードも含めてアボラス・バニラ登場の話は何度も見返しました。
ゼロ魔も、TV放映時にDVDに撮ったものをよく見ていますけれど、やはりどれも何回見ても飽きません。
新刊の設定をプロットになじませるためのアイデアもだいたい決まりました。盛り込めるのは10話くらい後になると思いますが、
20巻もいろいろと面白い新設定ばかりなので、書くのが楽しみです。
では、次回からまた新しい冒険の始まりです。
投下乙でした。
前から思ってましたがミイラ人間ネタで感動させられるとは思わなかった。
ウルトラ乙
>>504 大穴空けられて崩壊するアルビオンが見えるぞ
あの装置は携行武器として反則過ぎる
そういえば重力子放射線射出装置だけじゃなくて、霧亥の狙撃能力も反則過ぎるな
それから、ウルトラの人いつも乙
結構ペースがあるウルトラ
重力子放射線射出装置は、精度の問題なんか気にならないレベルだけれど、霧亥の射撃の腕と目の良さは完全に規格外だな
光速の重力子に反応するとか、km単位の都市構造の向こうの人間を網膜スキャンとかアホか
BLAME!世界の人はみんな目に文字が写るくらい改造されてるからなあ。何億年も経って読み方や使い方忘れてるけど
霧亥なんか「不老不死だけど長生きしすぎて機能と記憶を失った」という設定が…文明(都市)の発展具合がというか、もう個人レベルで異常
ネット消滅後も生まれつき改造なしで千里眼のサキジマさんとかいたしな
ウルトラ乙
なんか、最近これを見ると日曜日も終わりだなという気分になる。
かつての、ひょうきん族や日曜洋画劇場的な何かになりつつあるな。
>長生きしすぎて機能と記憶を失った
デルフ「え、俺?」
>>526 フイタw
でも、BLAME!世界だったらデルフみたいな人物も珍しくないな
柄のあたりにメモリ挿入してありそうだ
すでに「大地って何だ?」になっている世界のNOiSEから30世紀たって増殖するネットに衛星が取り込まれる
そして霧亥は少なくとも、まだ地球が残っている(地表はない)時代から警視庁で件の銃片手にネット上の体を捨てた犯罪者たちを追っていた
で、本編では最低でも木星軌道の遥か外側まで拡大した都市を一階層百年単位で徘徊、デルフが天寿を全うするくらいだな
>>520 思うに、そういう展開があるから霧亥はバランスブレイクしても、致命的ではないんだよ
要するに、アルビオンを崩壊させてそのままどこかに落ちたり、ただ延々とサハラを歩き続けたりを霧亥がしている間に魔の手を逃れられる
ルイズ達が異端審問されて吊るされるZEROMORTALとかいいから、思い切ってBLAME!クロスでも書こうかな
まあ霧亥の場合は「本編以前に何度も破滅的状況に」なった結果のボケだからな
ただのボケだから一度死んだら直るし
ガンダールブ化した霧亥にデルフが遭遇→「使い手を何百年を待ってたぜー」とか喜んでいる内に敵の襲撃によりスクラップ
こんな不可視の死亡フラグが見える
めぐまれないデルフに愛の手を
23時10分から小ネタを少々投下させていただきます。
何度やっても結果は同じ。爆発、爆発、爆発。
嘲笑する生徒達は野次を飛ばすのにも疲れ果て、教師もいい加減にと痺れを切らしかけている。
これが最後だ。
そう自分に言い聞かせ、杖を振り上げるルイズ。
結果はやはり爆発。しかし今回は様子が違った。
「こんにちは!お会いできて嬉しいです!本日のご用件は?」
最後のチャンスに起こった爆発の後、軽快な挨拶と共に現れたのは一体のガーゴイル。
頭は無く胴体と思われる大きな箱に二本の腕。脚の代わりに大きな車輪が一つ。中でも一際目立つのは身体の中心にある小窓のようなガラスに映る、貼り付けたような愛想の良い笑顔。
神聖で、美しいかどうかは解らないが、何はともあれ召喚は成功。ルイズはガーゴイルと契約を行ったのであった。
召喚を行ったその日にルイズは使い魔の名前を聞いた。名前についてあれこれ言うのは貴族らしい行いとは言えなかったが、それでもルイズは声に出さずにはいられなかった。
「何それ?変な名前ね」
「なんでも引き受けて、どんな質問にも答えるようプログラムされてますから!」
「ぷろぐらむ……って何?」
「あぁ、そうですねぇ……つまり……」
使い魔を召喚してからルイズの人生は大きく変わった。
自身が言う通り、使い魔は何処までも肯定的だった。
気味が悪いほどに。そして、誰に対しても。
失敗魔法により教室を半壊してしまった際にルイズは片付けを命じた。
「いいですとも!文句は言いません!貴女はその間、ゆっくり休んで次の授業に備えて下さい!もし私の身体に埃が詰まって壊れたとしても、それが私の運命なのでしょうね……」
愛想の笑顔のまま、使い魔はそう言った。
香水を落としたギーシュの八つ当たりに対しても、
「そうですね、貴方の中途半端な口裏合わせに対応できなかった私が全て悪いんでしょう!申し訳ありません!」
やはり使い魔は愛想の良い笑顔のままでそう言った。
ここで肯定してしまうとストーリーが進まないため、使い魔の代わりにルイズがギーシュを責め、決闘をするハメになった。
決闘の際、ギーシュに爆発が直撃した時にルイズの視界、左上に「ギーシュは気絶しています」という謎の文章が現れたのは余談である。
ある日、使い魔に対してルイズは冗談半分に問うた。
「私がハルケギニアを支配したいと言ったらアンタはどうする?」
多少の皮肉は混じっているものの、全てに対して従順で肯定的な奴でもこんな大それた質問には絶対に発言に困る筈だ。
そう思った。思いたかった。
しかしガーゴイルは言い淀むことも、はぐらかすこともなくいつも通りの愛想の良い笑顔で答えた。
「お手伝いしますよ!普通の人なら必要以上の力を求める事は無いでしょうが、私はノーと言えないから仕方ありません!」
その瞬間、ルイズの中の何かが壊れた。
――あぁ、こいつには善悪なんてものは存在しないんだ。誰になんと言われようともこいつはその人に対しては絶対に逆らわないんだ。
その日からルイズは自分で物事を考えるのを止めた。
使い魔の助言に従っていれば自分は考える必要は無い。
使い魔に任せていれば自分はそれに従って行動するだけで良い。
使い魔に……使イ魔ニ……ツカイマニ……
その日からルイズは貴族としての誇りを、プライドを捨てた。
しえん
タルブの村に行ったのも使い魔の提案だった。
「ここ一帯の地理を調べてみたところ、タルブの村の地下に巨大なバンカーがあるようです!」
「バンカー」がどういう意味かは解らなかったがそんな事はどうでもいい。
使い魔の言う通りにしていれば問題無い。
タルブの村の地下施設に眠る、使い魔と同じ姿のガーゴイルを目覚めさせたのも使い魔の提案だった。
「バンカー内のセキュリトロン軍団をアップグレードすれば、貴女の思うままに何でもできるでしょう!」
ガーゴイルは「セキュリトロン」と言う名前なのか。名前なんてなんだって構わない。
使い魔の助言通り、ガーゴイル達を目覚めさせればハルケギニア支配なんて容易いのだろう。
そしてルイズは使い魔の力を借りて、目覚めさせた数万のガーゴイル軍団を使ってハルケギニア全土に進軍。
9oサブマシンガンとガトリングレーザー、グレネード弾とミサイルランチャーといった未知の兵器に、杖を持たねば魔法の使えないメイジはなす術なく敗北。
エルフも抗戦を試みたものの、圧倒的な火力とガーゴイル軍団の数の暴力に屈し敗走。
ルイズはアルビオン、エルフを追い出し、一つの国として「ハルケギニア」を独立に導いたのだった。
更にルイズは貴族と平民からなる階級制度を終わらせ、トリステインも、ガリアも、ゲルマニアも、ロマリアも「ハルケギニア」の統治を行うことがないようにした。
「やぁ、凄い事になりましたね!記念すべき瞬間です!自分でも何が凄いのか解りませんけど!」
果たしてこれが正しい事だったのか、ルイズには解らなかった。別に解らなくても構わなかった。
使い魔の言う通りにしていれば絶対に間違いは無い。何も考えなくて良い。
自分の名誉も、体裁も、誇りも、善悪も……
ハルケギニア進軍の日よりずっと前、ルイズがいない時にタバサはルイズの使い魔に会って話をした事があった。
「ヴァリエールについてどう思う?」と。
使い魔は愛想の良い笑顔のまま言った。
「ミス・ヴァリエールですか?ワガママで、すぐに当たり散らして、怒りっぽい人です!それに……凄く無能です。」
「…………」
「長い間散々こき使われてきましたが、最近はそういう事が無くなりました!きっと、自分の誇りだのプライドだのに押し潰されて廃人寸前になってるんでしょう!マヌケですよねぇ?」
「…………」
タバサは何も言わなかった。言えなかったというべきか。
全てに対して従い、自我を押し殺した空虚な存在。
タバサはこの使い魔が自分に似ている。そう思った。
「あぁ、自己紹介がまだでしたね!正式にはPDQ-88b セキュリトロンですが……」
「イエスマンと、呼んでください!」
「Fallout:New Vegas」よりイエスマンを召喚(運び屋からプラチナチップを受け取った直後)
以上です。ありがとうございました。
絶対に死なない、半永久的に生きられると言う事でイエスマンを召喚させてみました。
(すみません、ちょっと修正)
「やぁ、凄い事になりましたね!記念すべき瞬間です!自分でも何が凄いのか解りませんけど!」
果たしてこれが正しい事だったのか、ルイズには解らなかった。別に解らなくても構わなかった。
使い魔の言う通りにしていれば絶対に間違いは無い。何も考えなくて良い。
自分の名誉も、体裁も、誇りも、善悪も……
ハルケギニア進軍の日よりずっと前、ルイズがいない時にタバサはルイズの使い魔に会って話をした事があった。
「ヴァリエールについてどう思う?」と。
使い魔は愛想の良い笑顔のまま言った。
「ミス・ヴァリエールですか?ワガママで、すぐに当たり散らして、怒りっぽい人です!それに……凄く無能です!」
「…………」
「長い間散々こき使われてきましたが、最近はそういう事が無くなりました!きっと、自分の誇りだのプライドだのに押し潰されて廃人寸前になってるんでしょう!マヌケですよねぇ?」
「…………」
タバサは何も言わなかった。言えなかったというべきか。
全てに対して従い、自我を押し殺した空虚な存在。
タバサはこの使い魔が自分に似ている。そう思った。
「あぁ、自己紹介がまだでしたね!正式にはPDQ-88b セキュリトロンですが……」
「イエスマンと、呼んでください!」
「Fallout:New Vegas」よりイエスマンを召喚(運び屋からプラチナチップを受け取った直後)
修正完了。失礼しました。
今度こそ投下終了です。
542 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/28(月) 00:38:16.12 ID:MBTcOx0+
日本語だから全然元ネタがわからなかったぜ、乙
>>530 そこまで原作どおりの濃厚な死亡フラグが漂う欝にすらなれない世界だと、剣を買いにいくまでに学園がセーフガードに叩き潰されるな
あるいは寝起きの霧亥が禁圧解除射撃で素粒子に戻してしまうとか、何かに怒った霧亥がルイズの顔を引き剥がした上に頭を踏み潰すとか…
直に戦隊ヒーローもので書く人が現れると予想
イエスマン乙
あの小憎らしいツラと声が容易に脳内再生された
他にいないようならば40分ごろに小ネタを投下させていただきます。
私が召喚したのは、雲のような見た事も無い幻獣が2体。その時は大当たりを引いたと思ったわ。
だって、誰もこの幻獣の事を知らないんだもの。未知の幻獣を召喚した、なんて並のメイジには出来ることじゃないし。
けど、その喜びは段々微妙になっちゃった。こいつら、雲らしく飛べるのはいいんだけど…
なんか弱いし、言ってる事は的外れだし、片方はやたら食い意地張ってるし、もう片方はえらく尊大だし…本当、どっちが主人だか分からない位よ。
けど、それは私がこいつらの能力を正しく理解していなかったからなのね。アンリエッタ王女が学院にいらして、
私がアルビオンに行く事になって、やっとその事がわかったの。そして今は…
「姫様よりの新しい任務よ、クロムウェルが懲りずに良からぬ事を企んでるらしいわ。早速行くわよ」
「わ〜い!楽しみ〜」
「全く、雲使いが荒いのぉ…」
そして…作戦会議中のレコンキスタ中枢に私達はいた。なんでか知らないけど、コイツが名乗るとどこでもフリーパスで入れちゃうのよね。
おまけにどんな事も質問するだけであっさりしゃべっちゃうし、凶悪な先住魔法でも使っているのかしら?
…え?魔法学院を襲撃して私達を人質に取ろうとしているの?そりゃあ大変だわ。ところで後ろの場違いなその女の人は?シェフィールドさん。あ、始めまして〜って、え、偽名?
神の頭脳ミョズニトニルンで、虚無の使い手。はぁ、ガリアから。あらら、クロムウェルは只の傀儡で操っているのはあの無能王ですか。
よし、色々分かったし報告に戻るわよ!
「ありがとうルイズ。クロムウェルが傀儡と知れた今、レコンキスタの瓦解は時間の問題かもしれませんが…
ともあれ、魔法学院には充分な警備体制を敷くとしましょう…厄介なのはこのメンヌヴィルですね。
来ると分かっている奇襲ならば丁重に御持て成ししないと」
姫様。眼が怖いです。ともかくこれで安心ね。さ、学院に戻るわよ。
「くもじいじゃ!」
「くもみですけど〜」
いや、戻った時にまでいちいち名乗らなくていいから。
と、いうわけで「空から日本を見てみよう」よりくもじい&くもみ召喚でした。
ある意味最強の情報収集キャラかもしれません。
情報収集といえばタバサ奪還のとき、
マリコルヌが遠見の魔法だとか使ったけど便利過ぎだよね
11:35からVol.7を代理投下します。
ゼロニスター7話って登録されてたよな?
とりあえず事前支援
「ゼロニスター Vol.7」
「ふー……」
荒く息を吐きつつ包帯女はルイズ・ナックルスターを睨みつける。
「何睨んでんのよ、包帯女……。頭に石ぶつけられてむかついたのかしら?」
「その感情はじっくりと噛み締めな。私にボコにされる間際の人生で味わう最後の感情……」
包帯女を指差しつつ、ルイズ・ナックルスターはゆっくり包帯女達の方に歩み寄っていく。
「あたしとやり合うのが嫌なら『メダル』を地面においてとっとと消えな。シエスタの分も含めてもうちょっと枚数を稼ぐ必要があるんでね」
地面を指差したナックルスター、ルイズ、シエスタ、包帯女と順番に視線を向けて、飴姫はにやりと笑みを浮かべる。
(……今なら殺れるわ……、『4人』とも……!! 『サタニスター』……、『ルイズ』……、『シエスタ』……、そして『包帯女』……。そのまま睨み合ってろ……!! この位置なら4人とも殺れる……!! 私の殺人技『飴姫ブレード』でな……!!)
そう心中で呟きつつ飴姫は服に仕込まれた水飴を両腕に纏わせ……、
「クキェーッ!!」
「がはっ!」
次の瞬間、先程までルイズ・ナックルスターと退治していた禿頭の男が、背後から曲刀で飴姫の体を袈裟懸けに切り裂いた。
「!?」
「きゃあああ!」
「!!」
「あいつはっ……!!」
「ごぼ〜っ!」
――ドサアッ
一撃の元に致命傷を負わされた飴姫は、吐いた血と共に前のめりに倒れ伏した。
「クックッ……、私はなあ……、被害妄想がかなり強い方でなあー……。何人かが集まっていると……、『私を陥れるための相談をしている』と考えてしまうんだなあ。だが今回に関してはあながち妄想とは言えないはずだ」
地面に倒れた飴姫の体を曲刀の切っ先でつつきつつ語る、禿頭の男。
「なあそうだろ、サタニスター。お前は私の恥ずかしい過去を知ってる人間だものなあ……」
「………!!」
ルイズ・ナックルスター・シエスタの3人は目を見開いた。
その視線の先にあったのは禿頭の男ではない。
「どうした、サタニスター。逃げないのか? 逃げてもいいんだぞ、先刻のように。ただし私はどこまでも追いかける。秘密を知っている者を生かしては――」
「消えてください……」
そっと忍び寄ってきたカトレアが、禿頭の男を羽交い絞めにして口を塞ぐ。
「男の方に用はありません。私は女の子の肌に触れたいのです……。邪魔をしないでください」
「ぎっ……、ぎゃあっ!?」
ただそれだけで禿頭の男の顔と右肩から白煙が上がり始める。
「わからないでしょう……、私の望みは誰にもわからないでしょう……!!」
「!?」
「あれはっ!?」
「奴の技ですっ!! 私も見るのは初めてですけど……、おそらくは何かの毒素!!」
「お……、おおお〜っ!!」
ルイズ・ナックルスター・シエスタが会話している間にも、禿頭の男の風化は進んでいく。
「奴はそれを使って私と戦っていたメンヌヴィルを消しています!!」
――ドゴオ!
「!!」
倒れていた飴姫の腕が大きく振られ、液状の刃が白骨化した禿頭の男を両断し背後のカトレアまでも深々とえぐった。
「ちくしょう、忌々しい! ハゲ野郎も包帯女も……。いつもこうだ……、あたしの周りはあほな奴ばっかり……。メンヌヴィルは変身すると知能が下がるし……、サイトは機械でできた高校生……」
最後の力を振り絞っての一撃を加えた飴姫は、口から血を吐きつつもルイズ・ナックルスターを睨みつけた。
「……あほな奴に囲まれてた点は同情するわ。あんたが招いた事態とも言えるけど」
「……死んだ後に祈りが必要かい?」
ルイズ・ナックルスターが真顔で問いかけるも、
「サタニスター……!! てめーみたいなインチキシスターが……『祈る』だと……!! てめーを狙えばよかったよ、ど畜生があ〜っ!! ごぼおお〜っ!!」
口内から溢れる血にも構わずそう吼えた後、飴姫は力尽きた。
だが2人は地面に倒れた飴姫に視線を向ける事無くカトレアを一瞥し、
「……もっとも」
「今は祈ってやる余裕なんて無いようだけど……」
カトレアは感情が読み取れない視線を向けつつ、ゆっくり3人に向かっていく。
「貴女がサタニスターですか……。悪魔寄りのシスター……、殺人鬼を狩るのが貴女の専門らしいですね……。貴女達は私を……、このカトレアを『狩る』つもりなのですか……!? 『何もしていない』この私を……」
「ああ!? 『何もしていない』!?」
「あんた、寝言は寝てから……!!」
憤怒に満ちた2人の叫びを遮りカトレアは、
「私はただ触るだけです。病人が他人に触れば人殺し扱いですか」
「……!!」
そしてカトレアは語り始める。業病に冒された自身の孤独な半生を……。
カトレアは6歳の時から今の病気に侵されていた。
学校はすぐに追い出された。彼女の姿をからかった同級生に触って死なせたからだ。
その後アカデミーの研究材料となって、食事とベッドだけは確保できた。本や玩具も与えられた。
だが彼女にとって食事や娯楽は人生の一部に過ぎなかった……。
彼女の本当の望みは、少女と触れ合う事だった。
「性欲を前提に言っているわけではありません。私が望むものは人の肌の温もり。でも私が触った人は死んでしまう……。罪も無い人を自分のわがままで死なせるのはいけない事だと世間は言うでしょう。では私はどうすればいいのですか?」
飴姫によってえぐられた腹部を押さえつつ、カトレアは呟きつづける。
「私は1つの結論に達しました。『罪のある人を死なせるのならどうでしょう?』と……」
「……!!」
「あんた……」
「まさか……!!」
言葉の意味を察した3人の呟きを肯定するかのように、カトレアはにやりと目だけを笑わせる。
「ハルケギニア最強殺人鬼決定戦は、私にとってまたと無い機会なのです!! 集まる人は全て罪人、全員生きるに値しないクズ同然の人達です!! サタニスター!! あなた達も同様です!! 殺人鬼を自分の感情に任せて殺しているあなた達もね!!」
カトレアはそう叫ぶと猛然と3人に向かって突撃してきた。
「私を同列に見なそうというの、カトレアとやら!!」
殺人鬼と同類扱いされた怒りに任せ、ルイズは素早く回し蹴りをくり出した。
しかしカトレアはそれを上手くかいくぐり、ルイズめがけて手を伸ばす。
「ミス・ヴァリエール、下がって!! 肌に触れられたら一巻の終わり……!!」
シエスタの警告を後目に、ルイズは唾をカトレアの顔面めがけて吐きかける。
「!!」
唾が目に入り、一瞬カトレアは狼狽する。
その一瞬の隙を見逃さずルイズは、
「下がりな、カトレア〜っ!!」
――ドゴン! ドゴン!
杖をカトレアに突きつけて呪文を詠唱、容赦無く爆発を彼女に浴びせた。
――ドッシャア
右腕が肩からちぎれ、頭部も少なからず吹き飛んだ無残な姿でカトレアは地面に倒れ込んだ。
「ミス・ヴァリエール……、杖……、持ってたんですか!?」
先端から白煙を上げる杖を持ち直したルイズに、シエスタは驚愕の表情で尋ねた。
「ええ」
「持ってるなら何で初めから使わないんですか〜っ!!」
「いやあ、これ使ったら負けかなって思ってたんだけど、ほんとに負けるくらいなら使うわ。持ってて、シエスタ。安心したら葉巻吸いたくなった」
「同じに考えてくれてもいいのですよ……。なぜならあなたも『犠牲者』となるからです」
突然の声に振り向いたシエスタの目の前には、瀕死の状態になりながらもよろめきつつ接近してくるカトレアの姿があった。
「最後の犠牲者……、私が人生で最後に触れる女の子の肌……」
「カトレア!?」
「まだ生きて……!! 化け物か!?」
3人が行動を起こすより早く、カトレアは袖に覆われた腕でシエスタの首を押さえ込んでルイズ・サタニスターを制止させる。
「動かないでください、2人とも!!」
「ひっ!!」
「!!」
シエスタの手からルイズが持っていた杖が落下するが、拾う事を許さない気迫を込めてカトレアは2人を睨みつける。
「私は……じきに死ぬでしょう。このダメージでまだ意識があるのは投薬の副作用でしょうが……、長くはもちませんね。でも最後に……、あと1度だけ少女の肌を……!!」
「シエスタ!! 逃げ……」
声を上げるルイズ。
しかし予想に反して、カトレアはただ自分の掌を虚ろな視線で眺めているだけだった。
「………!?(ど……、どうして触らないんですか……? 触ってほしいわけじゃありませんけど……)」
「私は……、何て愚かな女だったのでしょう……。自分が本当に望んでいるものがわからなかったとは……!!」
「え?」
「行ってください」
そう言ってカトレアはシエスタをルイズ達の方に突き飛ばす。
「あいたっ」
「シエスタ!」
自分に突き飛ばされて転倒したシエスタがルイズに助け起こされたのを確認したかのように、カトレアは呟きつつくずおれる。
「女の子の肌の温もり……。しかしいくらそれを得たところで……そこに相手の心はありませんでした。私が本当に欲しかったのは……、たった1人……、たった1人の理解者……ごぼっ! 1度だけ出会えれば……それでよかったのです……」
切れ切れにそう言う途中で、カトレアの口から鮮血が吹き出る。
「………!!」
「私のコートのポケットに……メダルが入っています……。持っていってください……。枚数は十分にあります。私には……、もう……必要ありません……」
そう言い終えたのを最後に、カトレアはぴくりとも動かなくなった。
「……ミス・ナックルスター、ミス・カトレアのために祈ってくれませんか?」
「ええ。でも飴姫みたいに拒まれてないといいけどね」
「……素直じゃありませんね」
「ミス・カトレアは拒まないですよ。私が言うんだから間違い無いです」
以上投下終了です。
>>550 避難所の代理投下スレによると、wikiには作者さんが登録しておくとの事でした。
もうしわけありません、CとDの間が抜けていました。
以下に投下します。
「ぼっはあ〜っ、うめ〜っ」
「ああ、今度はウイスキーかアブサン呑みたくなってきたわ……」
倒れたカトレアを眺めつつ、ルイズ・サタニスターは口から葉巻の煙を吐き出していた。
「何でそんな体に悪いものばっかり……」
「有害なものほど魅力があるって事さ」
「肉だって脂っこい方が美味しいでしょ」
「……死にますよ、お二人とも……」
そこまで言ってシエスタはふと悲しげに顔を俯かせる。
「でも……、ミス・カトレアは何だか可哀想です……」
「何ですって?」
「だって健康な体に恵まれてさえいれば……、違う人生を歩んでいたはずですし……、ミス・ナックルスター達とも戦う事にはならなかったのでは……!?」
その言葉を遮り、ルイズはシエスタの胸倉をつかんだ。
「いい、シエスタ……、不幸は誰でも背負ってるわ。腐った奴は大概そういう自分の不幸を言い訳に使うものよ。不幸を負いながら真面目に生きてる奴がいるにもかかわらずね!! その差はどこにある?」
「取り返しのつかないワルになるまでには、確実に本人の意思決定があったのさ」
「でっ、でも……、ミス・カトレアの負ってた不幸の重さは他の人とは次元が違うのでは……!!」
「私だったらやっぱり耐えられなかったと思います!! 世の全てを憎んでいたと思います!!」
3人が言い争っている時、突然カトレアが目を見開いた。
「じゃああたしはどうすりゃよかったって言うんだい!!」
「あいつに同乗して、命を捧げればよかったのかしら!!」
ルイズ達が自分に目もくれていない事を確認して、ゆっくり起き上がるカトレア。
「そんな事言っていないではないですか!! 彼女は敵でしたし、戦わなければ私達がやられていました!! 倒すべきでした!! でも……!!」
「悲しい人でした……。彼女の事を……、今まで倒してきた殺人鬼達と同じに考えるのは何か違うと思います……!!」
くもじいの人乙
やたら尊大ですって、そりゃ中の人はガミラス帝国の総統閣下ですから
ゼロニスター代理乙です。
ガミラス、ガミラス、ルルルルル
ゼロニスター代理、くもじいの人乙です
ガミラス、ガミラスだって?
あの途中から肌が青くなったガミラスか。
ヤマトが捕まえたガミラス人を調べたとき、自分達とまったく同じだと言っておきながら、ラストでは放射能がないと我々は生きていけないとか言ってたあのガミラスか。
ええ、はやぶさスタッフに送った栄養ドリンクをダイオードでつなぐという遊び心を見せたデスラー総統が率いるガミラスです。
>>563 うむ、冥王星基地の連中とか、捕虜になって佐渡先生と酒飲んでた奴とかはガミラス星人じゃなくて
ガミラスに制圧されて、尖兵として使われてた他星の出身者であった、ということにファンの間では
結論が出ている。
BLAME!ネタで書いてみたら、どうやって登場人物を殺さないようにするのか分からなくなってきた
契約前後の死亡フラグ回避の為にプロローグ以降筆が止まるなんて、なんなんだこれは
機能回復前のボケ老人ならあるいは…
本物の大地と青空を目にした霧亥の反応も見たい
ネットスフィアとかにいくらでもあったろうしなぁ〉大地と青空
記憶が戻った後なら、もう気にしないんじゃないだろうか
デルフリンガーってドラゴンのブレスとか無効にできたっけ?
>>570 水竜の吐いた電撃なら受け止めて攻撃に転化してた。
>>571 なるほど、つまりこういうことですね。
海馬「遊戯、今日こそ宿命の戦いに決着をつけるときだ。いけブルーアイズホワイトドラゴン! 滅びのバーストストリーム」
遊戯「フッ、甘いぜ海馬。俺のフィールドの装備カード《デルフリンガー》はすべての魔法攻撃を吸収する。
ブルーアイズのブレスは魔法属性、よってその攻撃は無効となる!」
海馬「なにぃ!ブルーアイズの攻撃を、そんなカードで受けきったというのか」
遊戯「そして俺のフィールドの《ガンダールヴ・サイト》は自分フィールド上に《虚無のルイズ》がいるときに攻撃力を2000ポイントアップする。
さらにデルフリンガーを装備していることにより、500ポイントアップして攻撃力は2600となる。さらに手札から魔法カード《革命の光臨》を発動!
手札から《虚無のティファニア》を特殊召喚。これにより、本能を目覚めさせた《ガンダールヴ・サイト》の攻撃力は倍になる」
海馬「なにぃ!攻撃力5200だとぉ!」
遊戯「いくぜ海馬!虚無と革命があわさったときに生まれる力は、ブルーアイズでも受けきれない。ラス・オブ・サイト!」
海馬「お、おれのブルーアイズが、ぜ、ぜんめつつつ……」
>>572 《ガンダールヴ・サイト》 攻撃力100
ですね。
サイト自体はカイバーマン以下か……。
575 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/29(火) 18:01:01.76 ID:UVbcXVth
禁書からのクロスってまともにないんだな
人気あるのになんでかなと思ってたら
科学サイドは書き手にそれなりの科学知識がいるし
魔術サイドは魔術サイドでからませにくそうだ
なにげに相性よくないのかなゼロ魔と禁書
禁書に科学知識とかさすがに笑えないギャグだぞ
キン肉マンで書くならゆで理論に精通しておかないといけないんだから大変だろうな
禁書の科学知識……あれは未来とか近未来とかがつくSFじゃないかと思うのだが。
>>576 さげ忘れスマソ
だから、それなりの、なんだよ
科学サイドのレベル5とかだと魔法みて
「なにこれ、超不思議」
じゃすまないだろ
その辺描写するだけでもちょっとした科学知識いりそうだってことさ
その前に終了してない作品とのクロスはやっかいな事になり易いから避けられ易い
それだけだ
だってことさ(キリッ
そんなことより俺の話を聞いてくれ。
今日までツェルプストーをツェルプトーだと思ってた。
あやうくそのままss投下するところだったぜ……
そして未だにミョズニトニルンがちゃんと覚えられない
愛しのミューズでいいよ
そういえばバカテスからもまだないな
ラノベから……個人的には終わりのクロニクルが好きなんですが、誰が召還されてもゼロ魔世界を食いかねないキャラクターをしているからなあ。
いっそ4th-Gの草の獣を召喚してカトレアさんに張り付いていてもらうのが一番安全かもしれない。
サイバーダンジョンというが一度もそんな言葉は劇中で出てこないBLAME!
取りあえずサクッと書いたプロローグと一話だけでも落としてみる
MAYBE ON EARTH.
MAYBE IN THE FUTURE...
広大な重金属の迷宮―――階層都市を探索する男は、その最上層で力尽きた。
無数の超構造体を抜けた、探索の折り返し目前でのことである。
男の足は千切れ、腕は曲がらない方向へ向き、折れた骨は皮膚を破って突き出ている。
さらに頭部は大きく抉られ、大量の血液と脳髄が周囲に飛び散っていた。
いずれも普通の人間にとっては致命傷であるが、男は反撃の末、これらの手傷を負わせた敵を排除した。
男は通常の人間ではなかった。
不老不死の肉体と、苦痛も感情も捨てた精神を持ち、都市の基幹システムによって支援される“密使”
携えるのは、“最強の銃”
その男が力尽きるのは珍しいことではない。
男は都市のシステムの密使である。
都市はその正常な機能を失って久しいが、太陽系を埋め尽くす巨大なハードウェアと、そこに備わった無限の処理速度と記憶容量に宿るソフトフェア。
完璧ではないが、これらが男の機能と行動を支援している以上、殺しきるには都市そのものの機能を破壊しなくてはならない。
男にとっては、基底現実の一点に存在する肉体の損傷と、それによる一時的な行動不能状態など、時間のロス以外は問題にならない。
己を消耗品のように扱い、頻繁に肉体の死と再生を繰り返していたのだ。
敵の消滅を見届けると男は何の抵抗もなく、死んだように崩れ落ちた。
修復と再起動に向けて、体中の機能と動作を可能な限り落とすためだ。
“災厄”以降、男の復活が即座に行われるような環境は、この迷宮に存在しない。
動きが完全に消えてから、長い時間がたち、周囲の状況も変化していった。
乾いた血が、溶けて流れ出す。
男が死体のように横たわる場所を、外で止むことなく降り続ける雨が満たしていた。
都市の重力に惹かれて集まってきた様々な元素が交じり合ったこの海水は、溜まるのに合わせて定期的に都市の表面に向けて排出される。
男の体も、この流れに巻き込まれた。
排水口をこじ開け、よじ登る手間が省けたようなもので、続々と合流する排水に紛れ、巨大な管を高速で吸い上げられていく。
開けた空間。
男は意識を失いかけながら、最後の超構造体を抜けた先にある場所へと達した。
あまりに大量の海水が積もってできた海であるために、周囲は漆黒の闇に変わったが、比重の重い海水の中で、流れに乗った男の体は少しずつ浅瀬へ漂っていった。
男の古い記憶の中にある景色が、ゆっくりと広がり始める。
ぼんやりと光の差し込む海の中で、都市の設備が巨大な海藻類のように揺らめき、いまだに解体されていない星が見える場所。
“災厄”後に都市とネットを埋め尽くした“感染”の存在しない、都市とネットの最果て。
球体が起動した。
男はそれを見ながら、修復と再起動が開始される時間が来たことを感じ取る。
しかし、そこで眠るわけにはいかなかった。
しかし、そこで眠るわけにはいかなかった。
奇妙な現象を男は知覚したのだ。
ある種の空間歪曲とも思ったが、時空制御による虫食い穴にしては、平面状に形成されるのはおかしい。
見たことのない技術・現象。
いずれにせよ、世界線の改変を何者かが不正に行っていることは疑いようもない。
都市の外に出たことが、ネットに巣食う犯罪者たちのこのような干渉を可能にしてしまったのだろうと、男は推察した。
抵抗の余力はない。
都市が正常でないために、修復の開始が自由にならないだけでなく、その中止すら困難である。
男の体と意識は、海水の流れによって捩れた世界線にゆっくり運ばれていく。
手順に従い大電力が状況も気にせず肉体に転送され、生理的な機能にも、元素変成にもよらず、直に質量に変わり始めた。
全質量中19,04%消失 修復開始
離れた位置にある球体が無事であるのと確認できないほどに、男の意識が遠のいていく。
欠けた頭部から湧き出した繭に視界を遮られながら、男は考える。
何者が待ち構えているにせよ、回復後であれば対応できる。
モニターの電源を切るようにして、その意識が完全に喪失する。
男の銃は、微かに帯電していた・・・
Adventure-seeker Killy in the magian world quest… START.
LOG.1 召喚 サモン
―――夢を見た
懐かしい光景が広がる
ネットに接続しなければ、思い出すことなどできないような過去
銃とともに生まれ変わる前の記憶
正常な世界での記憶
崩壊の記憶―――
調整終了
覚醒は一瞬だった。
感覚が回復し、おぼろげな記憶の反芻ではない情報が収集される。
異常な状態であることを、すべての器官が警告している。
続いて、体を覆う保護用の繭が剥がれ落ちる。
素肌が露出し、目は直に大気越しの映像を提供した。
繭越しに、有機物の繊維を折りたたんだ布状の物や、それらと硫化塩鉱物を凝固させたものが体を拘束している。
男は、状況をできる限り悪い方向へ解釈した。
何者かによって転送され、行動不能状態なのをいいことに、拘束され収監されたという解釈である。
事実、奇妙な構造の小部屋の中で、台の上に固定されるように寝かされている
男の敵であったものたちの、懐古主義を連想させる、暴走した建設者でも創り出さないような簡易構造を見るに、この部屋は拘束のためだけに生成された領域だろう。
跳ね起きると、それが傷を保護するための包帯であるとも知らずに、折り畳まれた炭素ベースの繊維を引き千切り、
骨折部位を固定するためのギプスとも知らずに、石膏泥を流し込んだ木枠を粉砕する。
覆いかぶさっていたシートを放り投げ、床に勢いよく足をつけると、男の体重によって、薄っぺらで軟弱な床は激しくきしんだ。
金属でもセラミックでもない、恐ろしく簡易な構造に、思わず行動も慎重になる。
少しばかり勢いを落とし、扉の向こうと部屋中を走査し、監視や防御装置の類が存在しないことを確認すると、窓に歩み寄る。
拘束室と直結した構造物の一部と、数十万km先まで都市構造のない広大な大気のみの空間が見える。
あまりに逃亡には不利な区域に運び込まれたらしい。
上空を見ても同様で、地下にいたっては、不規則で一切の機能的構造が存在しない酸化珪素などの堆積層が広がっている。
慌ててスキンスーツのホルスターに収めた銃に手を伸ばそうとして、完全に起動しきっていない体の感覚が、今までで最も悪い知らせを告げる。
火器喪失警告
まったく表情も感情も示さなかった男に、僅かに焦りが生じた。
ここは最後の超構造体を抜けた先であることは、ネットからの一切のチャンネルが受信不可能であり、超構造体に内包されたシステムの恩恵を、欠片も受けられないことから明白。
となれば、究極のスタンド・アローンとして行動せざるを得ない。
この状況での、体の一部として設計された標準装備の喪失は重大だ。
施設の中をうごめく思考の臭いを持った有機物の陰が、漸くこちらに注意を向け始めたのも確認できる。
余裕の無くなった男は、スーツごと修復された右腕で窓枠の周囲の壁を叩く。
部屋全体が大きく震え、機材が転がり、建材が剥離する。
窓枠は粉砕され、壁は男が悠々通り抜けられるほどに崩れた。
だが、男は飛び出そうとして、出来なかった。
―――あの夢の続きだろうか
機能は回復しておらず、白昼夢を見始めたのかもしれない―――
広がるのは、堆積した有機物の山
それは、ひどく湾曲した地平線を形作り、重力場とともにこの区域が球状であることを主張する。
広がるのは、乱雑な大気と、星星の浮かぶ宇宙
そこには、巨大な核融合炉のような恒星が鎮座し、電磁波を降り注がせ、ここが恒星系であることを主張する。
男は驚愕した。
さらにいえば、吹き込んできた大気には、ナノマシンではなく、無数の微細な生物が紛れていた。
思わず息を止めてしまう。
先ほどから近づいてくる足音にも、興味を向ける余裕はなかった。
誰かが何かを叫んだが、それが何なのかを理解する気にもなれなかった。
いったい、どれほどの距離を跳ばされたのか。
逃走も帰還も容易ではないだろうと踏んだ男は、飛び出さずにそこで立ちすくんだ。
走りよってくる者たちは、どうやら人間である。
それも酷く原始的で、いくつかの特徴的変異が見られるが、身体改良の痕跡のない個体ばかり。
強力な武器の類は帯びておらず、無防備なこちらに先制攻撃を仕掛ける気配もない。
交渉を行うべきだ。
極限状況において、無用な戦闘は避けなければならない。
男は表情をかすかに歪める。
明らかな拉致監禁行動も、ここにいる者たちが、敵意を持って行った確証はないとはいえ、乗り気ではない。
扉が勢いよく開けられた。
「先生、患者が!」
未知の言語だったが、発声器官の構造と言語基体は自身とそう違いないため、理解できた。
まず三人が入り込み、男の姿と、部屋の惨状を見て動きを止める。
「なんだこれは……」
「と、とにかく診療を…こいつ、包帯も取ってるぞ……」
治療者であることを匂わせる発言と、体を無意味に拘束していたものが包帯であることから、少なくとも殺意を抱いてはいないことが分かる。
「君、ベッドに戻ったほうが……」
発言の節々と、部屋の設備、彼らの装備品から、その科学技術水準がその身体特徴に見合った酷く原始的なものであることが推察できた。
医療行為が、ただの拘束としか取れない悲惨なものであったのも頷けた。
「なんだこれは、回復しているのか?」
棒状のものを取り出して接近していた一人の治療者が、やっとそのことを把握した。
振り向かなければ分からないが、手に持っているのは、医療器具が外付けの感覚器官だろうと、男は考えた。
治療者たちは冷や汗を流しながら、目の前の患者と同じように、壊れた壁を向いて立ち尽くした。
呆然としている間に、部屋にはまた二人の人物が駆け込んできた。
「意識を回復したとか聞いたが? これはいったい何が―――」
「それどころではありません、これは異常です」
老化した声帯から聞こえてくる声に、治療者は低姿勢に応える。
調子はそのままに汗を垂らして、男が完全に回復していること、ありとあらゆる医療行為は意味を成さず、ほとんど個人の回復力によること、などを大急ぎで話した。
「信じられんわい……ああ、君、事情の説明もしたい、こちらを向いてはくれんかな」
ゆっくりと振り返る男の顔を見て、部屋の中の全員がたじろぎそうになる。
真っ当な人間の表情とは思えない、青白く無表情、それでいて鷹が睨むような鋭さがある顔だった。
「頭部にも傷跡ひとつない……これは異常なことですぞ」
「足など生えてきているのです。義足代わりに金属棒を刺し込んでいたほどなのに……」
男は目の前にいる五人の人間をじっくりと観察した結果、漸く声を上げる。
「感染していない……この植民地は“災厄”の影響を受けていないのか?」
網膜スキャンの結果、彼らの遺伝子構造を把握した男は、その遺伝的な異常性よりも、そこに“感染”の痕跡が存在しないことに驚いた。
ネット端末遺伝子も持ってはいなかったが・・・。
「どういうことじゃ? ここはトリステインの領地で、どこの植民地でも―――」
「ネット接続企業統合以前の植民地だな、端末インプラントを受けている正規の植民者はどこかに生き残っているのか?」
まくし立てるように、男は次の質問をした。
「いったい何を言っておる、君はこのハルケギニアに誇るトリステイン魔法学院に―――」
「ネットスフィアに接続できる人間はいないのか?」
「ネット球―――?」
まったく理解を示さず、質問を質問で返すことしか出来ない人間たちを見て、ここがどのような場所であるのかに男は気づいた。
“災厄”による直接的な影響こそ受けていないが、ここはすでに文明を失ってしまった辺境なのだろう。
あるいは極一部の都市から逃れた者たちが、一から文明を作り上げた結果かもしれない。
彼らは遥か太古に遺伝的に分岐し、変異した原人たちであることは間違いないのだから、このいずれかだ。
当然、技術文化水準など、階層都市で逃げ惑う小規模な集団とすら比べ物にならない。
口腔や消化器系には例外なく幾億の微生物が巣食い、もっと大きなものが寄生しているものもいる。
身にまとい衣類が有機物ばかりであるのを不審に思ってみれば、すべて“生き物の死骸”が、ほぼそのまま使用されている。
服だけでなく、この建造物にもそういったものが使用されていた・・・そのように原子単位で製造したとも考えられるが、まずありえない。
男は失望のあまり、倒れている頑丈そうな植物製の収納箱に腰掛けた。
治療者たちは顔を見合わせている。
騒ぎを聞きつけて、また幾つかの人影が接近してきているが、それを静止することも忘れて、目の前の人物が異常者か、そうでないか推し量っているらしい。
しいて言えば、後から来た、老化による身体の劣化が顕著な二人は、何か含むところがあるように冷や汗をかいていた。
足音が、開きっぱなしの扉の前で止まる。
「私の使い魔は!?」
「み、ミス・ヴァリエール……」
使い魔という語が何を意味しているのかはさて置き、自らの所有物であるかのような言動に、男は少しだけ反応した。
「無事じゃよ、信じられんことに、まったくもって無事じゃ」
老人が髭を撫でながら、力のない声を出す。
「あの重症が……ち、治療費を惜しまなかっただけのことは―――」
少女が他の五人と同じような表情で、目の前の信じがたい光景に説明をつけようとした。
「い、いえ、ミス・ヴァリエール。これは我々の魔法や秘薬によるものではありませんよ。多分、信じられないことですが、その、自力で…」
治療者たちは面子が潰れたことにも気づかず、ミス・ヴァリエールと呼ばれた少女に教えた。
ここではあの程度の傷が治ることすら有り得ないらしい。
修復の途中で行われた転送―――おそらく、文明の度合いを見るに、それを行ったのは、目の前の集団とは別組織だろう―――によって、身体再生は代謝機能によって行うことになった。
無菌状態でないという大きな問題こそあれ、都市の住人たちにとって珍しいことではない。
もっとも、補助脳すら持たない彼らにとって、脳に傷を負ったというだけで死を意味するだろうが。
「とにかく名乗らせてもらうわ、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。貴方を…き、聞いてるの?」
腰掛けたまま、服のポケットを弄っている男を見て、不振そうに声をかける。
「とにかく、そちらも名乗られては……」
男は、装備の一部である小さなアンプルを取り出し、そのキャップをはずす。
「そ、そうよ…貴方、名前は?」
アンプルの先は注射針になっており、少し前までは抉れていた場所に近い、左こめかみより上辺りに刺し、指でつぶして内容物を注入した。
「霧亥だ」
男は、目を合わせることもせずに無感動にそう名乗った。
奇妙な名前と、アンプルに意識を向け、質問しようとするも、すぐにそれは不可能になった。
霧亥は、そのまま脱力し、薄目のまま眠りに入った。
損傷の回復具合の確認と調整や、幾つかのソフトを状況へ最適化させるための措置だったが、ルイズたちは、まだ重症から完全に立ち直っていないのだと理解した。
また、あまりに無愛想なのは、こちらに警戒心と敵意を抱いているのではと疑った。
「とんだ拾い物ねぇ」
続々と進入してきた人々の中にいる、巨大な爬虫類を連れた女が、ルイズと霧亥をかわるがわる眺める。
その後しばらくは、誰も口を開かなかった・・・
LOG.1@END
乙ゥ
やっぱBLAME!の霧亥はイイのう
禁書の超能力って学園都市以外で使えるの?
乙
しかしあそこで霧亥が喚ばれちゃうとシボとサナカンの球体がどうなるのか心配だ。
スレで話題が出たからという理由で書き始めたものの、焦点だった重力子放射線射出装置が出ていない
というのも、一時的に重力子放射線射出装置を失えば、きっと霧亥も契約直後に発砲するようなことは出来ないはず、と考えた次第
まあすぐ手元に戻ることにするつもりなんだが、どうも人死にが避けられる気がしない
しかし霧亥が喋らないものだから、軽いのりで書けるのがSSの売りだというのに妙なところが面倒だ
>>599 球体を放置したものだから、霧亥も都市側の勢力も積極的にハルケ世界に干渉…あれ、やっぱり相当な人死にが出そうだな
霧亥キター
となるとシエスタがダウンロードされるか電基漁師か珪素基系の故郷を持ちそうだ。むしろデジモータルやアバラでも
軽めにと言われてましたので湖の精霊は沼の神で
無責任にそう言ってみる
文明の喪失といえば、なんだかんだゼロ魔世界の人(メイジ)達もルーンを刻むけど読めないんだよな。
「そうだ!あれは文字だ!」「学者さんだよ」
文明の喪失といえばハルケギニアはかつての優れた文明が崩壊した世界なのだろうか。
ローマ世界の文明が中世ヨーロッパで失われたように
ハルケは地球の遠未来とかいう話が…
ありそうで無かったような、無さそうで無かったような…
文明が失われたにしても、ハルケは退行しすぎだろ
と思ったけれど、ローマ時代から暗黒時代になったときの中東のように、東方は高い技術があるんだよな
でもあの世界は地球基準でいえば、6000年間暗黒時代が休まず続いているような
>>598 >>601>>602 超能力は使えるだろうけど
ハルケギニアでは魔術が使えない可能性の方がありうるとか思ってみた。
超能力者が生み出すAIM拡散力場を使うと
魔術と言う技術体系の前提条件を壊しちゃうんじゃなかったっけ?
それに宗教の色が濃い魔術は信者がまったく居ないと言う補正が働くし
星の配列使う魔術もかなりアウト臭い。
地球と繋がってるから、とか抜け道設定しないと駄目じゃないかな。
あの世界は世界線操作や時空転移・重力制御など東亜重工の現役時代から余裕で行われていたものだから、その辺りのいじりやすさは案外魅力だな
>>603 作品の乗りというか、書く作業の軽さのことを言ったつもりだったのだが
東亜重工って、都市がまともだった頃からみても太古の時代の植民船なんだよな
どんな超絶科学技術持ってんだよ
しかしAIは暴走するし、うっかり都市の中に突っ込んだりしたりもする
>>608 能力者のAIM拡散力場に関しては一人いた所で魔術に干渉できるレベルにはならない
そもそも魔術使うとダメージ受けるような状況は
230万人の4割強の約100万人(能力者の大体の数)いても本編世界で実現してない
今その状況を作るにはAIM拡散力場に特殊な加工をしないといけなかった筈だし
魔術勢は確かに弱くなるだろうけどハンディになっていいんじゃない?
総じてそっちの方が強力なヤツ多いし
単独で星利用級のデカイ魔術使えるのなんて天使しかいないじゃない
>>612 ゴメン。寝ぼけ頭で推敲しないで書きこんでしまった。
つまりAIM拡散力場で作った新しい『天界』を世界に突っ込むと
既存の魔術の基盤が乱れて魔術使用不能になるって設定だったよね確か。
ハルケにはそもそも地球の魔術の基盤があるのかな? みたいなつもりだった。
あれ? 元々魔術って異界(天界)の力を偶像崇拝で引っ張り込むって技術だったっけ?
元々異界の存在を認めてるなら、異世界ハルケギニアに来た所であんまり関係ないのかな?
偶像崇拝がキーになるのなら、星の話にしてもハルケの星空を調査して魔術に転用可能にするって手もあるか。
ディシディアデュオデシムファイナルファンタジーからシャントットとプリッシュ召喚
ってのを書いてたけど、規制で投下出来なかったorz
規制解けるまで待っててね
三国無双から武将を召還ってのはガンダールヴにピッタリだと思うがぴったり過ぎてひねりがないよね。
キュルケやタバサにも呼び出させて魏蜀呉の三武将そろえるとかどうよ
契約無しでサイト以上の活躍をしかねないな
元々このスレで召喚されてんのは契約なしでサイト以上の活躍をしかねない連中ばっかりだから何の問題もないな
むしろ各地に点在させてエンパイアーズの乱世状態に
ルイズは張翼か王平あたりでも呼ばせとけば問題なかろう
>618
後で姫様か母様に泣きながら斬られるんですね。
622 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/30(水) 14:59:54.38 ID:YhPZXzzt
>619、621
それなんて馬謖?
ここは敢えて三國無双の袁紹を呼んで名族対決を
ルイズも名族ロケットを使えるようになると思うと胸が熱くなるな
呂布「ヴェルダンデ、もふもふかわいい……」
>>617 素で最新刊サイトより強そうなのが大量にいるよな
ファンタジー要素があるバトル系作品から召喚されると
ほぼ確実に現在サイトより強いのがくるだろうし
恋姫無双なのか呂布子ちゃんなのかわからないな…
そもそもどっちもよく知らないや
多分恋姫の方じゃないかな。言動から察するに。
>>625 まあサイト自体はガンダ補正があるとはいえただのミリオタ(?)だからなあ。
初期値からして文字通りレベルが違う
サイトのパーカーって何でできてんの?
>>622 孔明呼んで団扇からビームでた瞬間から
メイジだったぁ−!
みたいなノリもありか
BF団の孔明じゃないよ
ナイロンよりインパクトのある素材でハゲの鼻の穴を開かさないとな
第二種複層プラスチックとか、せめてケブラー繊維とか
ガンダ:孔明(リ・ガズィ)
ヴィンダ:孔明(BF団)
ミョズ:孔明(アンドロメダ流国)
リーヴ:孔明(はわわ)
そういやようやっとチャンピオンREDでGロボのバベルの篭城編が5月から始まるな
結界術師メイコウを召喚!
俺達のライディングデュエルはこれからだ!
戦国自衛隊から陸自の小隊を召還させるなら
戦国自衛隊1549から第三特別実験中隊を召還させる
ってのはどうか? 貴族の理不尽なやり方に
的場一佐が疑問を持ちルイズに「世界を変えてみないか?」と
持ちかけアンリエッタの協力を得て
世界改変に踏み込む第三特別実験中隊とか
7万人のアルビオン軍との戦いではAH-1SやMLRSが
役に立ちそう
問題外だな
召喚と召還を使い分けられるかどうかでゼロの使い魔初心者かどうかわかる
ルイズが才人を地球から召喚する
アンリエッタがアニエスを王宮に召還する
ファンタジー入門である
というより、それは一般教養だと思うぞ。
(イラクに行ってた)陸自の小隊(長)が(日本の防衛省に)召還されたんだろ
何も間違っていない
モンスターを特殊召喚!
卓ゲ板で言う、齋藤幸一であった。
644 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/30(水) 22:03:30.01 ID:XhIuZeTz
柳生宗章召喚
必殺の18人斬り
>>639-640 でも召喚を間違えて召還と書いているのも結構あったりする。
ドラキュラX月下の夜想曲の使い魔の素の説明には思いっきり召還って書いてあったし。
つーことで月下の夜想曲から鼻悪魔を召喚。
ハルケギニアの女子高生ファンのみなさーん(CV八奈見乗児)
>>645 あーら、お嬢ちゃん可愛らしいわねぇ
まっアタシの方がもっと可愛いけど
>>617を見て思ったがサイト以下の戦闘能力のやつを呼び出すのにどんなのがあるだろうか
ちなみ俺が思いついたのはアイマスからアイドル召喚
スペランカーさん
キバヤシさんみたいな毒が強い人
>>649 既存のなら、ヤン・ウェンリーとユーゼス辺りかな。
他に弱いのは・・・・・・
タイタス・クロウとか、京極堂とかは?
キャシャリン。
タイタス。始祖帝であるか。
幼女とかメイドとか一般高校生とかならサイト以下かな
サイト以下だと途中で確実に死ぬから
かなり展開を変える必要が出るだろうな
ウル魔はやっぱ特殊な例に入るのかな
逆に考えるんだ。別人が呼ばれているor原作とは別の世界とハルケギニアが繋がっているのだから歴史改変が起きるのは仕方ないのだと
そういやどっかにシエスタ召喚があったな。
どのみちガンダールヴになるなら最初少しくらい弱くても大丈夫だろう。ギーシュ挑発しなきゃいいんだし。
実在人物系も弱いはずなんだが、イチロー無双しかないな。
規制チェーック
まだ書けてないんだけどね
早く書き上げて投下してえ
アルガス騎士団はもう続き来ないのか
SDガンダム熱も冷めたか・・・
自分はゼロガンダムのほうの続きが見たいねえ
>>659 杖なんか捨ててかかって来いよ!ギーシュ!
そういや武者の方にはラーメン屋の看板娘と相思相愛でラブロマンス繰り広げた二回大将軍になった方が居るんだよな
こんなの空を飛ぶわけがないわ、羽のついたカヌーよ!
666 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/31(木) 11:24:23.40 ID:CJ6YQWfO
実在の人物で強いとなるとやはり歴史上の英雄になってくるかな
若干マニアックなところだと例えば関ヶ原の戦いで十六の首を挙げた笹の才蔵こと可児才蔵とか
実在の人物の召喚?
平野耕太先生のドリフターズ……ゼロ魔とは相性が悪いだろうか。
七万戦後の才人がドリフってノブノブたちと行動を共にし、
才人が死んだと思い込んで廃棄物と化したルイズと再会するってネタは思いついてたんだが、
ドリフがまだ途中過ぎるんで保留してる。短編書くにしてもこれからの設定しだいだな。
ゼロ魔だよ、全員集合!
ドリフターズみたいに実在の人物を出してるフィクションからキャラ持ってくるなら良いけどね
個人的にドリフとは世界観自体をクロスしても面白いと思う
EASYと黒が歴史上の人物を送り込んでるのがハルキゲニアであると設定して
例えばルイズの召喚でお豊が召喚されたら周囲は馬鹿にするのでなく
「ゼロのルイズが人間を召喚したぞ!……ど、漂流者か?それとも廃棄物か!?」と怖れる
そういやドリフターズといいウルトラジャンプの新連載といい最近ハンニバル・バルカが日の目を浴びてきたな
672 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/31(木) 12:53:42.43 ID:CJ6YQWfO
新喜劇からだと茂造爺さんとかバタヤンとか和子おばさんとかが来ると面白いかも
>>671 某ローマに喧嘩売るようですスレを見てから俺はハンニバルのとりこさ。
ただルイズに召喚されやすいような漫画作品とかがないのが残念
ギーシュを美味しくいただいちゃうハンニバルなら小ネタで呼ばれてたな
675 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/31(木) 14:05:47.65 ID:VEVFwqVZ
レイヴからジークハルト召喚とかされないかな
sage忘れすまん
677 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/31(木) 16:06:17.31 ID:PO5Mqrdu
>>666 蒼天航路から曹操召喚してるんだし、その人物が登場する漫画や小説からなら構わんだろ。
可児才蔵ならセンゴクからとか。
LOG.2でのルイズ死亡ENDを回避することに成功したので、少ししたら投下を開始しようかと思ふ
LOG-2 奴隷 サーヴァント
深刻な面持ちの割には、興奮した様子で中年男性と老人が話しこんでいた。
霧亥は正しく理解しなかったが、トリステイン魔法学院の学院長と教師である。
「これは脅威です。オールド・オスマン」
毛髪の後退した頭皮に浮かぶ汗をぬぐいながら、声を潜めて喋る。
「分かりますか? 彼と、彼の所持品を見れば明らかです。これは我々の手に負えることではない…!」
「落ち着かんか、ミスタ・コルベール」
老人、オスマンは更に声を落とすように、手で指示する。
「状況を整理しよう、部屋に入ってくるなり、何の説明もなしにそれはなかろう」
「では説明しましょう」
コルベールは、ひとつの透明なビンのようなものを机に抛った。
「キリイと名乗ったときに、彼が自身に打った薬の容器です」
「これが?」
説明をせずとも、そのアンプルを手に取ったオスマンは驚愕の表情を浮かべている。
「ガラスではありません。こんな材質は例に漏れずハルケギニアには存在せず、こんな加工を可能にする技術も存在しません。」
「中心部分は柔らかいのう……この針の精巧さもどうじゃ、すぐには針があると分からん」
「そして、これです!」
とうとう声を張り上げたコルベールに、オスマンは辺りを反射的に見回す。
「声を下げんかい」
息を整えて、汗を再びぬぐってから、コルベールは右手で背中に隠すように持っていた棒切れを机に置く。
コルベールの目は好奇心と焦りで輝いていた。
「これは何だと思います?」
「彼が足に刺していたものじゃな、これが一体―――」
「硬度、靭性、どれをとっても、まったくありえないほどの強度を持つ、未知の金属です! いや、叩いて延ばすことも出来ませんでしたから、金属かどうかも……!」
「―――またしても、か…ただの鉄棒に見えるがのう」
強引に力を加えて千切ったような断面を持つ、膝から踵までほどの長さの金属棒に、オスマンはため息をついた。
「それが恐ろしいのです。こんなものが、ただの鉄棒か何かのように、その辺りに転がっている世界など想像できますかな!?」
「ありふれているとは限らん」
「いえ、これは明らかに即席の義足です。そして、特殊な加工を施さず、どこからか?ぎ取ってきた物そのままです。そのような余裕のない状況で、わざわざ特殊な材質を探すことなどしないでしょう」
金属棒を手に取ると、断面近くを指差して続ける。
「更に、ここに付いているのは“手形”です! 彼が、その手で?いだ様にしか思えませんな! 彼個人の力も、その装備品から伺える故郷の力も、まったくもって脅威です!」
「手で?いだと言うが、そんなもの、本当にただの鉄棒であっても出来ることではないじゃろう」
コルベールは机を叩かんばかりに、その言葉に食いつく。
「いいえ、貴方も見て聞いたはずですよ。彼が、軽度とはいえ固定化された分厚い学園の壁を、確かに一撃で粉砕したのを!」
「落ち着け……それは目下分析中の段階じゃ。それで、彼の鎧の方はどうじゃった?」
またコルベールは汗を拭き、金属棒に目を向けたままオスマンも釣られて汗をぬぐった。
ハンカチを畳まずに詰め込み、コルベールは足元の皮袋を拾い上げる。
「オールド・オスマン、この世でもっとも硬い物質は何です?」
「ダイアモンドじゃろう」
真意を読み取れないといったように、オスマンが答える。
コルベールは「そうです」と例によって大声で肯定し、オスマンはそれを抑えるように手を上下させた。
「失礼ながら、学院に資料用に保管してある宝石類から、これを拝借させていただきました!」
オスマンは目を見開いて、コルベールの差し出した石ころを引っ手繰る。
小指の先ほどもない小さなその欠片には、まだ少しばかり高貴な輝きが残っている。
「なんじゃこれは、何をしたらそうなる!」
「試料を採ろうと、それで削ろうとしたのです。その金属棒と、彼の着ていた鎧の部品の両方に対して行いました。結果がそれです。」
ずたずたになったダイアモンドを持って嘆くオスマンの前に、皮袋の中身がぶちまけられる。
中にはスキンスーツの一部である、きわめて密着性の高いサイハイ・ブーツの構成部品が入っていた。
もちろん、霧亥が重症を負った際に、その大部分は破損し、包帯と義足の固定剤代わりに傷口周辺に巻きつけていたものや、再構成時に剥がれ落ちた破損部品ばかりである。
いずれも先のダイアモンドより酷い有様だったが、それ以上に勝ちあるものだった。
「傷ひとつ付かず、逆にダイアモンドが削れました。さらに、切り口が尖っているので、その金属棒でも削ろうと試しましたが無駄でした」
「前者はともかく、後者は他の教員の手を借りたじゃろう、つい先ほど外に見えたゴーレムはそれか…無用心じゃな」
「分かっていますが、とにかく一連の簡単な実験だけでも確証が得られました、まったくもって脅威ですな! こんなものを生み出した彼の国は!!」
もうオスマンは静止することすらしない。
「これだけならまだ良いのです。貴方も確かにあの場で彼の言動を耳にしましたな」
「ああ、我々を見て、“正規の植民者はいないのか”とのたまいおった。このトリステインが、彼の国の植民地に見えたらしい」
忌々しさを感じる余裕もないといったように、オスマンはまたため息をついた。
「この品々がなければ、ただの異常者なのじゃが」
「これほどのものを生み出す技術力を持つ国家から見れば、我々の身なりを見ただけで遅れた“古い時代の植民地”に思えるでしょうな。エルフが我々を蛮族と称するように」
エルフの名に対しては、少しばかり表情を悪くしたオスマンだったが、霧亥のことを考えると、すぐに付かれきった表情に戻ってため息をつきなおした。
「彼から見れば、エルフが蛮族扱いじゃろうよ…精々、製鉄技術が優れているとか、奴らの技術はその程度じゃ」
「ええ、こちらの持つ技術の延長や、発展形などは、彼の所持品にひとつも見られません」
ダイアモンド以上の強度を持ちながら、優れた伸縮性も持つことをアピールするように、霧亥のスーツの破片を指で弄びながら肯定するコルベール。
額にはまた汗が伝っている。
「その名前や、彼の鎧に刻まれている文様、文字と思われるものも、我々のものと類似性が乏しいものばかりです。唯一似通っている特徴があったものがこれですが…」
スケッチのひとつをコルベールが差し出す。
「……読めんのう。リードランゲージが通用せんところを見ると、固有名詞の類か、あるいは人が書いたものではないのか…」
そこに書かれているのは、模様のようなものと、ハルケギニアでも使用される文字に似たものの二つがある。
「これと、これは文字でしょう。こちらは、彼の所属を表す紋章ではないでしょうか? 彼の鎧の発光部位にも、同じようなものが映されることがありました」
「大体、動く絵が表示される板がはめ込まれた服など、実物を見た今も想像できん」
「いや、まったくですな」
その紋章というのは、一本の縦棒の下部両脇に、短めの横棒が配されているものを、括弧で挟んだものだった。
文字は、どちらかといえばハルケギニア語に似た、シンプルな構造のものと、別のスケッチに写された妙に角張った複数の線で構成されたものの二種類。
いずれも、意味はもちろん、左から読むのか右から読むのかすら、判断できない。
「それで、彼はこの世のものとも思えぬ金属で出来た建造物が立ち並ぶ大都市を、その建材を上回る強度の鎧を纏い、オークも真っ青の身体能力で戦う兵士だと言うのかね」
「そうです。また、当然その武器も、同じように驚異的なものでしょう」
「物騒で引き金を引いてみる勇気もわかん……そもそも、これは銃器かね? マントを纏わんだけで、彼はメイジで、それが触媒ということもある」
「魔法を見て、眉ひとつ動かさなかった彼のことです。系統魔法を行使しないだけで、そういう可能性もあります。それこそ、先住魔法ですらない、下手をすれば超えるような力が…」
机の上で黒光りするスキンスーツの切れ端に埋まりながら、短銃のようなものが転がっている。
「火薬で鉛玉を打ち出す代物でないのは間違いないのう……あと、これをこんな部屋で保管するのは、いくらなんでも物騒じゃよ」
「人目につかせるほうが物騒でしょう。それより、これを取り上げたことのほうが問題です」
「ああ……彼は警戒しきっておるようだしのう。拉致した上に武器を取り上げ、監禁したとあっては、怒るじゃろうなぁ」
冷や汗がオスマンの額もぬらし始める。
「怒るのは彼個人で済みますまい。政治問題です」
「契約なんぞもっての他じゃが、ヴァリエール家の息女の使い魔契約を邪魔したとあっては、そちらの問題だけで、わしの身分が危ないわい……」
汗をぬぐう気力もなくなったオスマンが、椅子でへたる。
「自分で言っておいてなんですが、そんな国家が存在する世界など、あり得ないような気がしてきます」
二人には、事実を突きつけられてなお、認めることも想像することも出来ない世界。
それは確かに存在するのだ。
彼らが、まだその形状について確信すら持って語れない、球面上の世界を、陸海関係なく覆いつくした構造体。
その際限ない成長によって、中心すら失いながら天上の星星を解体し、太陽系内の惑星にいたっては、その軌道すら内部に取り込んだ都市。
己の重さによって崩壊するのを防ぐ重力制御を内包し、時空制御で次元的に折りたたまれた記憶媒体と、そこに組み込まれた仮想コンピューターによって構成される、幾千、幾万の超構造体。
これらによって無数の階層に区切られてはいるが、超構造体間には、巨大ガス惑星すら取り込める巨大な空間が広がっている。
そこに存在する建造物の山には、自重を支える驚異的な強度が要求される。
いうまでもなく、そこで戦う者達には、それを上回る性能の盾と、それを貫くための矛が与えられる。
都市のシステムの密使である霧亥は、都市によって保障される無限の不死性はもちろん、都市を破壊しうる最強の矛も備えていた。
都市に依存する不死性の発揮はその消失に大きく制約を受けるが、霧亥に宿るエネルギーがその限定的な発動を保障したように、その矛も、限りこそあれ、機能自体は保障される。
まさしく脅威と呼ぶほかなく、霧亥が敵意と警戒心を抱いているという観察も、間違ってはいない。
ただ、その脅威の度合いについて、二人はまったく読みが足りず、とにかく事態の悪化だけ防ごうと、対処療法をとることに決める。
「…うん、契約なんぞもってのほかじゃな、自国の兵士が奴隷扱いされて、黙っておる国家なぞ、存在すまい」
「はい、彼が目を覚ましたら、ミス・ヴァリエールにも伝えるつもりです」
簡単な礼をすると、コルベールは踵を返した。
オスマンは椅子に座りなおし、ため息をつきながら目を細める。
「ああ……仮眠でもとろうかのぉ」
ひとまず安心といわんばかりの行動だったが、オスマンはいったん下がらせた秘書にその旨を伝えるべく立ち上がる。
まったく安心できる状況にないことは、すぐ後で判明した・・・
霧亥が覚醒したのは、正確に36553秒後のことである。
機能不全とはいえ、理論的には完全な全知全能から切り離された霧亥は、口から垂れた唾液を無様にぬぐった。
口腔内に侵入した大量の塵と、都市の秩序から逸脱した無数の有機ナノマシン…バクテリアやウィルスの類に反応した結果だ。
体内環境の悪化を防ぐための幾つかの処置を講じるために、目の前に広がる生体情報を確認するが、すぐに中断された。
「起きたのね」
36557秒前に自分に話しかけてきた現地住民だった。
―――いまだに信じられないことだ
階層都市脱出と、世界再建の鍵の入手の矢先にこの状況など…―――
霧亥はその成長過程の女性体が“ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール”と名乗ったのと、単純に“ミス・ヴァリエール”と呼称されたのを、同時に思い出す。
あまりに不快な状況下で、18時間を要求された再調整から、人間で言えば“寝返り”程度のことをするために再起動されたと思えばこれだ。
霧亥はどう呼べばよいのかにすら頭が回らず、黙ってルイズの顔を見る。
「ルイズ…様でいいわ。あなたの主人よ」
理解に苦しむ言動である。
どちらにせよ、己が圧倒的に優位かつ上位の存在であると疑わない態度であることは、脳や体内の観察からも確かだ。
対等の交渉を行う意思は見えず、また可能であるとも霧亥は判断しなかった。
「どこの平民か知らないけれど、感謝しなさい」
ルイズが“植民者たちの技術”を行使するための発動媒体を取り出したのを見て、霧亥は無意識に、それを無力化するのに最も適した行動手順を計算する。
音声入力が開始された。
「―――五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
長々と自己紹介をしなおした後続く言葉に、霧亥は眉をひそめる。
霧亥は正確な意味を理解できなかったが、なんらかの指示を出していることは確かだ。
彼らが“魔法”と呼ぶ力を行使するためのシステムに対するものだろう。
「ほんとに、感謝しなさいよ」
ゆっくりとルイズが近づいてくること自体に、霧亥は特に不快感は示さなかった。
問題は、その口を自分に近づけてきたことである。
一切の勘定を抜きにして、あまり褒められた行動ではない。
そのまま唇が触れ合う。
雑菌や老廃物の混じった粘液が行き来しあうだけでないものを感じ取った霧亥に、今日始めての表情が現れた。
「げぼ……っ」
どれほど優れた人間であっても反応不可能な速度で、霧亥はルイズの首を締め上げた。
質問を行う上で支障をきたさないように、限界まで力を抜いていたが、それでもルイズは意識を失いかけ、咽ることすらできずにもがく。
霧亥の激昂の理由は単純明快。
目の前の“敵”が身体と精神への不正介入と改竄を試みたからである。
未知の技術形態であったため、それが実際行われるまで気づくことができなかった。
口唇部に集中したなんらかの力が体内に侵入し、浸食し始めたことで、漸く対処できたほどだ。
その中でも脅威といえるのが、脳への干渉で、その思考を都合よく組み替えるためのものであることは疑いようもない。
言語基体より高級な言語のフォーマットという、言うなれば言葉を教える程度の杜撰な意思疎通の補助機能埋め込みはまだいい。
まともな脳を持たない対象を想定した知能の底上げのために、何らかの思考補助用の神経ネットワーク構築も、危険だが許容できないこともない。
しかし、この行為はそれに止まらない。
最優先事項は「使い魔と成す」ことである。
絶対服従のために脳の電子情報すら改竄し、好意的な印象を植え付けるのみならず、全身の神経系にまで作用して、改竄者の意思にそぐわない一切の行動に制約を加える構造の構築。
知覚した情報を、全て改竄者の脳に送るための一方的な通信網の構築。
さらにそれらとリンクした、原始的な火器管制系や、まともに肉体を操れない原人に用いるような身体制御補助系の強制インストール。
霧亥は状況を理解した。
ルイズらが自身を強制的に拉致し、“使い魔”と呼ぶ端末へと改造しようとしている事実を、である。
「………」
霧亥にとっての幸いは、それらがとても古い時代のものらしく、強力な身体と精神を持つ生物や機械への使用を想定されていない技術で、また使用者の限界か、貧弱だったことだろう。
無数の抗体が電子的・物理的に構成されるまでの間に、様々な改竄への遅滞行動が開始される。
すでに侵略行為は停滞し、機能を発揮できずに自壊するプログラムも確認され始めた。
「ひ………ぅ……」
ルイズが涙をためた目を見開く。
視界いっぱいに、目の前に突きつけられた金属塊が広がる。
霧亥は、ルイズの首を持つ右手の甲に集約端末が文字状に構成されるのを苦々しく思いながら、喪失していない唯一の火器を抜き取ったのだ。
握れば、人差し指と引き金だけになってしまうほど、とても小さなものだったが、ルイズの頭部を蒸発させて余りある火力がある。
当然そのようなことは理解できなかったが、いきなり首をつかまれ、杖も失くした少女なら、それがただの刃物でも、あるいは素手でも、殺すのは簡単だとルイズは考えた。
擦れた悲鳴を上げるルイズを、もう抗体の生成が完了し、怒りの表情も消えた無表情な霧亥が見つめる。
ルイズにはもう、使い魔の平民相手に矜持を保つなど、どうでもいいことになりつつあった。
命乞い紛いの台詞を吐くまであとわずかと、ルイズの様子を見た霧亥は思い、それが出たら尋問を始めようかと考えていた為、この沈黙はもうしばらく続きそうだった。
無法者に対する好戦的なものだが、間違いのない交渉術は、締め上げるのに少し時間がかかる。
早速、部屋の外から足音が聞こえてきた。
「ミス・ヴァリエールを放しなさい!」
コルベールは、部屋に入ってきたらすでに銃口が自分に向けられていることに気づき、勇ましく叫んだだけで、杖を相手に向けられずに立ち尽くした。
「ミスタ・キリイ! その方に罪はありません、どうか開放してください!」
「………」
交渉しやすい人物が現れたことを受けて、霧亥は自分の身長分も離れていない右手の壁際にルイズを投げた。
「―――げほっ!」
大きく咽た後、ルイズは大粒の涙をこぼした。
コルベールは一先ずそのことを喜んだが、何時でも霧亥が自分を射殺可能で、ルイズを再び拾い上げるときにも大した隙はできないだろうと思うと、気が気でなかった。
「まず謝罪します。私達は貴方を召喚した上、従属させるための魔法を使用しました。ですが、これはまったく不測の事態なのです!」
大汗をかきながら、コルベールは続ける。
「言うなれば事故です! そもそも、サモン・サーヴァントは人を呼び出すことはありえないとされています。
おまけに、通常、この召喚は同意の上に行われるとされるので、強制的という形で従属が行われる事例はありません!」
杖をゆっくりしまいながら、必死に訴えかけるコルベールを、霧亥は無感動に眺めていた。
「あ、貴方を連れ去ろうという意思はなかったと、ここで誓います! 完全にこれは間違いなのです。
ミス・ヴァリエールも、貴族ですから、深くものを考えずに平民であろう貴方を使い魔にしようと考えましたが、我々は制止するつもりでした……!」
霧亥は失望と驚愕でいっぱいになりそうだった。
彼らは、自身が持つ唯一の高度な技術を体系化することはおろか、まともに制御することすら出来ないという事実。
貴族や平民という語も、理解しがたかったが、原始的な社会制度と推測できる。
これを突きつけられたことは、今後の行動に大きな支障をきたすだろう。
「出来る限りの協力はします! どうか、危害を加えるような行動は―――」
「……俺を元の場所に戻せ」
やっとのことで口を利いてくれた霧亥を見て、コルベールも少しは顔が晴れた。
「はい、もちろんです……が、我々は、ハルケギニアの外の国家についての知識は、非常に乏しいのです」
国家と聞いて、一瞬何のことを言っているのか理解しかねた霧亥に、いつの間にか立ち上がっていたルイズが慌てて話しかける。
「あ、あなた、東方(ロバ・アル・カリイエ)から来たの?」
のどに手を当てながらのこの発言は、あまり賢いものではなかった。
「それはどこにある!?」
ピンクがかった美しいブロンドの長髪に、霧亥が掴み掛かり、引き寄せようとする。
言うまでもなく、霧亥の想定した強度などあるはずもない毛髪と毛根は、その力に耐え切れない。
「痛い! 痛い!」
外観的な美しさに何の興味もない霧亥からすれば、その脆さと機能性のなさを併せ持った長いだけのピンクブロンドの頭髪は、むしろ見っとも無いものに感じた。
仮に機能的な美しさを持っていたとしても同じだっただろうが、表情一つ変えずに手についた毛髪を抛る。
そうでないルイズは、苦痛と屈辱から、また涙を零す。
「待ってください! 我々は、送り返す魔法など持っていないのです!!」
また頭髪を握ってルイズを引き寄せようとしていたが、力が抜けたように右手を下げる霧亥。
普通の人間で言えば、怒りを通り越して呆れたようなもので、今まで採った一連の行動にあまり意味がなかったと知った霧亥は、どうするべきかと思案する。
「どうか、落ち着いて下さい。お願いです」
コルベールは嫌な汗がやまない。
「お前を拉致したが実は間違いで、送り返すのは無理だ」と自分は彼にたったいま告げた。
立場が逆であったら、放心状態の後に激情から相手に襲い掛かるかもしれない。
この時、銃を取り上げたのは正解だったのではと思い始めた。
「………」
霧亥はとうとう銃をホルスターに戻し、抗体の影響で震えの出始めた右手を撫でる。
それを痛みによるものだと思ったのはコルベールだった。
「ルーンが刻まれたのですか?」
質問にも耳を貸さず、アンプルを取り出して右手首に刺す。
最早、へたり込んで泣きじゃくるルイズにも、多少は話せると思ったコルベールにも、興味は失せているようだった。
その目の焦点は、ただ虚空に向いている。
「出来ればスケッチを……あ、いや、他意はないのですぞ、好奇心です…せずとも構いませんが」
無言で承諾した霧亥が向き直る。
コルベールは何事かと身構えるが、すぐに驚きの表情を浮かべた。
「か、風のスクウェア・スペルですかな!?」
空中に絵と文字が表示されていることに、コルベールは素直に驚いた。
加えて、霧亥がこちらの要請に応じてくれたことにも驚いた。
一瞬この行為が何なのか分からなかったが、その絵の中には、ルーンの浮かんだ手の写真があったのである。
「素晴らしい……しかし、見たことのないルーンだ」
写真など知りはしないので、顔を偽装したりする際に使うスペルの搦め手的なものだろうと踏んだが、それにしても動きながら表示される無数の文字や図形には目を見張った。
だが、霧亥は「見たことがない」という話を聞いて、また視線をずらすと、ゆっくり崩れた壁のほうへ動き出した。
「ど、どちらへ?」
申し訳程度の補修を引き剥がすと、飛び降りようと様子を伺いだした。
「ちょっと、まって!!」
ルイズの声にも足を止める様子はなく、コルベールが慌てて制止しようとする。
「あなたが一人で行っても無駄よ! なにもハルケギニアのこと知らないんでしょ!?」
ここで霧亥も足を止めるが、その反応にコルベールは息を呑み、ルイズは緊張でまた涙ぐむ。
「私が協力してあげるから、わ、私と一緒にいなさい! 絶対そのほうがいい!!」
ルイズが力いっぱい叫んだので、そろそろ目を覚ました人間が注目し始めるのではと、コルベールが扉の鍵を閉める。
「このまま契約に失敗して、使い魔に逃げられたなんて、退学処分よ……戻る方法は全力で探す。見つかったら帰っていいから、お願いよ…」
嗚咽を漏らしてうずくまるルイズに視線も向けずに、霧亥は崩れた壁際から外を眺めている。
「ミスタ・キリイ?」
不審に思ったコルベールの声にも返事はない。
霧亥はルイズの提案にはおおむね同意せざる終えない状況にあることを、夜空を見上げることで確認してしまった。
最後の超構造体を抜けた先にある場所。
頭上に一切の都市構造の存在しない場所から見た光景を思い出す。
天井の星星の数と位置、そんな単純なものを忘れるはずがない。
いま上空に見える星は、数こそ多いが、その位置はほぼ変わらないものであることが、一目でわかった。
ありえないことである。
解体された星はあっても、新たに生み出された星も移動した星も、都市から見た宇宙空間には存在しなかった。
では時間を逆戻しし、都市が肥大する前の時代に戻ればこのような景色が広がるだろうか?
違う惑星に動けば、まったく星空は様相を変える。
都市に極めて近い施設や惑星にいる可能性もあるが、付近の全てが解体されたことは間違いない以上、それは考えられないことだ。
第一、銀河の中を高速で回る都市の重力炉から伸びた、重力子の巨大なタービンブレードを観測できない以上、ここは霧亥の知る銀河系でない可能性もある。
不測の事態である。
ただの時空転移ではなく、まったく別の世界線に来てしまったというのだろうか?
「キリイ…?」
霧亥は崩れた壁に腰掛け、屋外に足を投げ出すとうな垂れ、目を閉じてしまう。
「出て行くことは、考え直してくれたようですな……」
霧亥にとって、右も左も判らぬような領域での活動など、避ける必要のないものである。
仮に、そういった状況によって数百年、数千年の探索を要求されたとしても、霧亥にとっては些細なことでしかない。
まったく別の平行世界である世界線の混在に巻き込まれ、元素が崩壊し常時時空軸がねじれ続ける領域での探索すら、霧亥は切り抜けた。
「………」
眠りに落ちる霧亥にとって、今問題なのは、時間である。
球体を放置して転送されてしまった霧亥は、可能であれば早いうちに元の場所に戻り、球体から生成された胚を手に入れたかった。
時間さえかければ、独力で都市への帰還方法を探索することは可能だろうが、今回は早ければ早いほうがいい。
彼にとって、都市の復興以外に興味はない。
それを最終的に助けるのであれば、ついさっき行われた申し出も受ける気に霧亥はなった。
都市に巣食う種族化した犯罪者たちにとっての“災厄”と称された男が、ハルケギニアで探索を開始する前日のことである・・・
LOG.2@END
あまり時間がないものだから、誤字があるやもしれん
書いているうちに心なしか、いっそのこと霧亥をもっと喋らせない方がいい気がしてきた
そして「目的を果たしたらあたしを置いていっちゃうなんてこと」になった霧亥が一人で荒野を歩き続けるEND
乙
やべぇ…ルイズが頭つぶされて体を乗り換えるフラグだ
えっヘッドマスターズ?
アバラ乙
それにしてもageる輩の多いこと
せめて
>>1ぐらい読んでから書き込んでもらいたいな
ヘッドオン!
ABARAよりはましだろ
ガウナが1匹でも現れようものなら、問答無用で1分1万人くらいのペースで人が食われるぞ
BLAME!は主人公が人を殺すけれど
いっそ、ハルケギニアはシドニア世界の播種船のどれかがたどり着いた星ってことにしてしまおう。
『霧亥が必死に端末遺伝子を探している理由は数千年分の給料がネットスフィアに振り込まれているから』という考察を見たときは笑った
そりゃ必死にもなるし邪魔する硅素生物に容赦ないわけだろうな
まずゼロ魔で天文学的なことに関する設定が、二つの月以外まったくといっていいほどないのが問題
>>695-696 そして始まる恒差廟の建設と示現体連鎖→はらぺこゴウナ
ss書いてんだけどティファニアの存在が消えちまった
テファはおっぱい以外は存在感薄いから仕方ないね
テファの耳ペロペロ
ハーレム要素が無用だったりすると、あのあたりはほんとに価値がなくなるからな…
テファの頸動脈チュルチュル
バゴォッ
オッパイのないテファに価値がないなら俺のファティマちゃんはどうなるんだ…
>>702 ヘビーメタルの材料として「アマンダラ商会」が買ってくれるよ
話し飛びますが上のほうにある「ホームズ召喚」というネタをみて
「ホームズが学園生徒を蹴り殺しまくる話」などと考えてしまった
伯爵令嬢誘拐事件か。
実際問題オッパイのないテファってなんなのよ?
Maximusな使い魔はまだか
虚無でエルフでおっぱい
以前、ディシディアデュオデシムファイナルファンタジーで書いてると言った者です
相変わらずPCは規制中ですが、避難所と携帯を駆使して投稿します
どうぞ温かい目で見てやって下さい
ディシディアデュオデシムファイナルファンタジーより、シャントット&プリッシュ召喚です
戦いを運命づけられた二柱の神。
その調和と混沌の力は決して混ざり合うことなく、
世界は果てしなく続く闘争のための舞台となり、
安定と崩壊の狭間に囚われ続けていた…。
調和の神コスモスに呼ばれた最初の戦士たち。
シャントット。
プリッシュ。
二人はコスモスを守る為に混沌の神カオスの戦士たちとの戦いに明け暮れていた。
そんなある日のこと。
プリッシュは訪れたカオスの神殿で1人の戦士と出会う。
名前も記憶も失った戦士はただ光の如く輝きを放っていた。
コスモスの元へとプリッシュは彼を連れて行く。
そして仲間にすることを提案した。
彼はそれを承諾し、共にカオスの戦士たちと戦う仲間となることをコスモスへと誓った。
それから更にいくらかの時を経て。
世界に突如鏡が現れる。
プリッシュはシャントットと共にその鏡を調べようとして、
二人とも鏡の中へと吸い込まれてしまう。
コスモスは二人の存在がこの世界から消失したことを感じ取ると、
二人の無事を強く祈った。
ここはトリステイン魔法学院。
今は春の使い魔召喚の儀式の真っ最中であった。。
二年生になった生徒達が使い魔を召喚していく中、一人の少女が思い詰めたような表情をしていた。
彼女の出番になると、周囲の生徒たちが次々と口を開く。
その言葉の多くは誹謗中傷であった。
頭頂部の禿げ上がった中年の男が咳払いと射抜くような視線で生徒たちを黙らせる。
どうやら、この儀式を執り行う教師のようである。
彼に促されると、少女は杖を取り出し一歩前に出て詠唱を行う。
すると、目の前で爆発が起きた。
その光景に周囲の生徒たちは笑い出す。
少女は羞恥と悔しさで顔を真っ赤にしながら、もう一度詠唱を行って杖を振る。
しかし、結果は再びの爆発であった。
そんなやり取りが暫く続くと、周囲の生徒たちもこの状況に飽きだしていた。
少女を嘲笑していた者たちも殆どがそれを止め、友人と話を始めたり、居眠りをしたりしていた。
途中から爆発した回数を数えることも止め、一心不乱に詠唱を繰り返していた少女もそろそろ限界が来ているようであった。
精神的にも肉体的にも疲労困憊である。
少女はこれが最後と決め、今まで以上に念を込めて詠唱を行った。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール…五つの力を司るペンタゴン!我の運命に従いし使い魔を召喚せよ!」
ルイズが詠唱を終えると、地面に光の柱が現れ、膨大なエネルギーがそこへ収束する。
ルイズは期待の眼差しでそれを見つめていた。
次の瞬間、無情にも爆発が起きる。
しかし、先程までとはその規模が明らかに違っていた。
爆風で周囲の生徒たちが使い魔ごと吹き飛ばされる。
教師は地面にどしんと腰を落とし、飛ばされないように踏ん張っていた。
ルイズはしっかりと自分の足で立ちながら注視していると、もくもくと上がる土煙の中に二つの影が現れる。
それを見つけた瞬間、ルイズの顔がパァァと輝いた。
「私の…使い魔!」
やがて土煙が薄くなり、中の様子もはっきりとしていくにつれて周囲の様子がざわついて来る。
「おい…あれって」
「まさか…」
煙が完全に晴れると、中から二人の人物が確認出来た。
片方は小柄な体型に浅黒い肌の少女。
もう片方はその少女よりも更に小柄で、まるで子供のような少女。
しかし、皆が注目したのはある一点だけであった。
二人に共通した特徴。
長く尖った耳。
「うわあああああああ!エルフだああああああ!」
「大変だ!ゼロのルイズがエルフを召喚したぞ!!!!」
「た、助けてくれ〜〜〜〜!!!!」
騒ぐ周囲を余所に、ルイズは放心していた。
メイジにとっては命の次に大事な杖を右手からするりと落としてしまうくらいに。
ルイズは呟いた。
「あんたたち…誰?」
以上でプロログスは終了です
次回から本格的に始まりますのでよろしくお願いします
なお、避難所から投下するにあたり、一部加筆修正しました
ご了承下さい
しかし、手間がかかったなあ…
早くPCの規制が解けて欲しいです
713 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 04:37:54.93 ID:iPu/Y2Jd
プリッシュは心が読めるしモ/白のハイブリットだからウェントゥス死亡回避できるな
シャントットは最凶の黒魔だからシャントット先生人形を導入して
本体をゴルベール研究所かアカデミーに封印しないと
メテオとかブリザガ5とか詠唱されて世界が崩壊するぞw
超絶問d・・・おっと誰かきたようだ
sageてくんない?
715 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 07:10:22.35 ID:77Gs4Tcp
そうだそうだ
何のコントだよ
>>705 敵はレコンキスタと手を組んだパパイヤ団ですね分かります
DDFFルールだとブレイブじゃいくら頑張ってもダメージにならなくて周りから見たら「派手に見えるけどたいしたこと無いじゃーん」ってなるな
というかなぜDDDDなの?原作の11から召喚じゃ駄目なの?
わざわざ性格改悪されてるDDDDから召喚とか二次創作のゼロ魔キャラを召喚するようなもんだろうに。
11の設定無視なんて事でなければ別に一向に構わん
721 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 13:48:02.41 ID:vgMiPClF
虚無繋がりでBLEACHのウルキオラが召喚されたら完全に原作レイプになるだろうな
敵が十万だろうが百万だろうが帰刃すらせずに虚閃だけで片付けられそうだし
貴族社会だから「心」も分からないままだろうしなあ
最近活動停止してる夢の国から召喚しようぜあばばばばばばば
デップさんでも呼ぶのかぇ
信じてください、本物のワルド子爵はヤプールに殺された!そいつはワルド子爵に化けた偽物なんだ!
サイトくん、あんまりみんなを驚かすものじゃないな
それエースじゃなくてセブンのネタじゃないか?
ディシディアかじった程度の知識しかないのが書いたものは大抵2,3話で終わる。
別に2・3話でいいんじゃないの。長編推奨なわけじゃないんだから
まあ終わりまで書かずに書き逃げ、って意味なら駄目だけど
そういうことに強力を惜しまないのが我々ジュラル星人だ
今回のBLAME!ネタが登場人物が死にまくるSSのMVPになるのか
皆さん今晩は。無重力の人です。
昨日は色々とした都合で投稿できなかった、41話を投稿します。
何事もなければ18時55分から開始します。
もしよろしければ支援の方、よろしく御願いします
キュイイイイ ギン
水爆に耐えたバルタン星人並みに頑丈なのがデフォルトなのに装甲が無意味な世界からスペルゲン反射光支援
「誰も名乗り上げないのなら、私が動かしてみても良いんだろ?」
コルベールの失言(?)によって沈黙しようとしていた教室に、魔理沙の声が響いた。
物怖じせずハッキリとしたその言い方には、好奇心という名の香辛料が多目に入っている。
その香辛料は困ったことに一部の人間に対しては非常に厄介な代物で、一度嗅げば虜になってしまう。
魔理沙もまたその香辛料の魅惑に夢中な種の人間であり、コルベールもまたその種の人間であった。
一方の生徒達は、重く冷たい沈黙を薄い紙切れのように容易く千切った突然の干渉者に呆然としていた。
ある者は声の主に目を丸くし、またある者はその姿を見て頬を赤らめている。
◆
魔理沙が食堂で゛ルイズの命を助けた恩人゛として学院長に紹介されてから、四日が経つ。
それからというものの、魔理沙は給士や魔法学院の生徒達に話し掛けられた。
娯楽の塊とも言える街から遠く離れ、限られた娯楽しかない此所では彼女のような人間が非常に珍しいのだ。
魔理沙の方も満更でもなかったようで、色んな人間と話を交えてきた。
故郷の話やどうやってルイズと出会ったか、どんな所を旅してきたのかと色々と聞かれていた。
その様な質問に対して魔理沙は面白可笑しく、幻想郷での実体験を巧妙に混ぜた嘘九割と事実一割の体験談を話していた。
時折違和感を感じてしまう話もあったが、話を聞いている方はまぁ気のせいかと思いつつも聞いていた。
無論誰もが好意を持って接して来たわけではなく、一部の者たちからは嫌悪の目で見られている。
それでも何人かは魔理沙にちょっとした興味を持ち、この教室に来る前も女子生徒の何人かが彼女に挨拶をしていた。
紅白とは全く違い、人を好み人に好かれる白黒はルイズを中心にしていつの間にか、人の輪を広げていたのである。
◆
「……何だ?もしかして今は喋っちゃダメだったのか?」
「あっ…いえ、別にそういうワケでは…というより、先程の言葉は…」
自分が口を開いても沈黙を保っている事に魔理沙は気まずそうで、どこか笑っているような表情を浮かべながら言った。
その言葉にコルベールがハッとした表情を浮かべると魔理沙が言っていた言葉を思い出し、僅かながら微笑む。
魔理沙もそれに応えるかのように満面の笑みを浮かべると、今まで頭に被っていた黒い帽子をとった。
「あぁ、ちょいと先生の作ったソレが気になるからな。誰も動かす気が無いのなら私が動かしたいなーと思ってね」
まるで陽の光とも呼べる程に輝く麦畑の如き金髪がサラサラと揺れ、窓から漏れる光に反射して煌びやかに輝く。
それと魔理沙本人のニヒルな雰囲気が若干僅かに漂う笑顔が、とても似合っている。
頭を後ろに向けてそれを見ていた生徒達の一部が、ほぅ…と溜め息をついた。
その時、教室の一角からガタンッ!と激しい物音が教室にいる者達の耳に聞こえた。
一体何かと思い、魔理沙やコルベールを含めた何人かがそちらの方へ視線を移すと…
そこにいたのは、ムッとした表情を浮かべたルイズか席を立っていた。
鳶色の瞳はキッと、笑みを浮かべた魔理沙の方を睨み付けている。
「おぉルイズか。どうした、トイレにでも行きたいのか?」
相手がルイズだということもあってか、魔理沙はそんなルイズの態度に臆することなく手を軽く振って言った。
その言葉を聞いて何が面白かったのだろうか、生徒達の間からクスクスと小さな笑い声が聞こえてくる。
しかしその瞬間、魔理沙の方に向いていたルイズの視線が笑い声の聞こえた方へ素早く向くと、笑い声は聞こえた。
笑い声が聞こえなくなった事を確認し、席を立ったルイズはズカズカと魔理沙の方へ向かって歩き出した。
「おいおいなんだよ…私に何か話でもあるのか」
「えぇそうよ。アンタが忘れてる大事なことを思い出させるために一度教室を出ましょう」
はっきりと怒気を含ませながらも、それでいて穏やかな喋り方に魔理沙は嫌な気配を感じた。
それは教師でもあるコルベールも感じ取ったのか、「教室を出る」と言ったルイズを制止しようとする。
「ま、待ちなさいミス・ヴァリエール。今はまだ授業の途中ですし、それにミス・マリサが私の装置を…」
「そうだぜ?あんな面白そうなものが目の前にあるのに動かさないというのは……って、イタタタタタァッ!」
「いいからっ!…さっさとついて来なさい!」
何か言おうとした魔理沙の耳を引っ掴み、ルイズは彼女を連れてズカズカと教室を出て行った。
バタン!とかなり強い音を立ててドアが閉まった後、教室にいた者達は何も言えずにいた。
「…霧雨のち落雷」
今まで目を離さず教科書を読むのに没頭していたタバサがポツリ、と呟いた。
◆
ヴェストリの広場に、緩く冷たい風が吹いている。
その風は芝生を揺らして小さな大地の波打ちを作り、それに続いてサラサラと小さな音が聞こえてくる。
さながらそれは、緩やかな波打ち際で行われる小さなコンサートである。
楽器はないが姿無き奏者達は音を作り、その音に相応しい小さな波は生命の青ではなく大地の緑。
そして何よりも、このコンサートのメインは゛一人の少女゛であった。
少女といっても名のある家が出身の、貴族令嬢ではない。
その少女は周囲の風景とは相性の悪い白と黒を基調としたドレスを着ていた。
しかもそれは淑女が着るような華やかなモノではなく、それ等の人種を奉仕するための者達が着るドレスだ。
黒髪の頭につけた白いヘッドドレスも質素だが、通常の市場などでは割と高めのものである。
履いているロングブーツも踊りに適したそれではなく、作業用のものだ。
こうして一見すれば、踊り場で仕事をする踊り子ではなく、観客席でトレイを持って仕事をする給士だ。
しかし彼女は美少女として相応しい゛体゛を持っていた。
傷一つ無いとは言えないが、白い肌は珠のように輝きツヤを持っていた。
僅か笑みを浮かべている村娘特有の素朴な顔つきは、名家出身の貴族令嬢とはまた違う素晴らしさがある。
そして長めのボブカットにした黒髪と同じ色の瞳の奥に映るのは、自身の両手で掲げた大事な大事な゛思い出゛だ。
自分たちと一緒に暮らし―
喜怒哀楽を分かち合って食卓を共にし――――
横に並んで畑を耕し、井戸から湧く冷たい水をのんで――
自分たちの知らない不思議なことを沢山教えてくれて――死んでいった家族がくれた、大事なプレゼント。
「……お爺ちゃん」
少女――シエスタはポツリと呟いた後、その顔からフッと笑みが消えた。
代わりに浮かんできたのはにわか雨のような、悲しみの表情。
まるでもう存在しない故郷を思うかのような、抗いようがない不可視の感情。
そんな時、ここにいないと思っていた者の何気無い一声が、その悲しみを打ち消した。
「…初めて見るわね。アンタのそんな表情」
「えっ?」
まるで人の心境など全く理解していないような感情の篭もっていない声。
その声に酷く聞き覚えのあるシエスタは、声のした方へと振り向いた。
案の定そこにいたのは、少し離れたところで横になっていたルイズの使い魔、霊夢であった。
「……あ、レイムさん」
まさかまさかの予期せぬ人物の登場に、シエスタは呆気にとられた表情を浮かべてしまう。
霊夢はそれに左手を軽く振って応え、よっこらしょと立ち上がるとシエスタの方へと近寄った。
一方のシエスタは、何でここに彼女がいるのかイマイチわからず、その疑問を口に出す。
「なんでレイムさんがこんなところに?ミス・ヴァリエールと一緒に授業では…」
「あぁ、それなら黒白の居候さんがついていったわ。私もああいうのには興味はないしね」
シエスタの傍にやってきた霊夢はそう言うとふぁ〜と大きな欠伸をかまし、空を見上げた。
霊夢の動きにつられたのか、シエスタも空を見上げてしまう。
二人して青空を眺めて数秒、ふと霊夢が口を開いた。
「布…」
「え?布がどうしたんですか」
「あんたの手に持ってるその布…随分と素敵な思い出らしいわね」
そこまで言われたシエスタは先程の様子が見られた事に気づき、顔を赤くした。
未だ手に持っているその布をさっとポケットにしまうと、モゴモゴと何か言い始める。
「あ…あの、これは…」
「いいわよいいわよ。別に私はアンタの素性は知りたくもないし知ろうとすることもないから」
霊夢が軽い感じでそう言った時、ふと誰かが声を掛けてきた。
「シエスター!何してるのよそんなところで。戻らないと学院のお坊っちゃま達にイヤミを言われるわよー!」
若い、瑞々しい少女の声に霊夢が振り返ると、そこには洗濯籠を抱えた一人の給士がいた。
彼女の持っている籠にはズボンがこんもりと入っている。恐らく男子生徒達の服なのであろう。
「ご、ごめんメアリー!すぐ行くから待ってて!!」
ハッとした表情を浮かべたシエスタはメアリーと呼ばれた給士の言葉に返事をすると急いで足下の洗濯籠を抱えた。
流石給士とも言うべきか、その動きにはあまり無駄が無く、少し洗練された感じが伺える。
洗濯籠を抱えたシエスタは霊夢の方に向き直るとペコリと小さくお辞儀した後、仲間のいる方へと走っていった。
その様子を黙って眺めていた霊夢は小さく溜め息をついた。
「やれやれ…仕事の合間にするほど、大切な事だったのね…」
もはや霊夢の言葉を聞く者はおらず、それは一陣の風に乗って空へと消えていく。
初夏の訪れを感じさせる青空は、いつにも増して綺麗な青色であった。
◆
ガリア王国宮殿 グラン・トロワ 執務室
カーテンが音を立てて全て下ろされ、明かりの消えた執務室。
その部屋にある大きな回転椅子に一人の男が腰掛け、その横にお供の女が佇み、デスクの上に小さなモノクルを置いた。
一見すれば新品とも思えるモノクルは数秒おいた後、レンズの部分からパッと光が灯った。
光はビーム状から歪に動き始めて形を成して行き、やがて一人の少女と一匹の異形とで別れた。
異形の外見は人の体を基に、昆虫の各部位を繋げたかのようなおぞましい姿をしていた。
対する少女は紅白を基調とした異国情緒漂う服を着こなし、頭には大きな赤いリボンを着けている。
左手には杖と思われる長い棒を持っており、右手には何かの文字が書かれた紙を数枚握っていた。
「よし、再生しろ」
貫禄のある、男の声とをスタートにして小さな少女と異形の戦いが始まった。
異形が爪を振り回し、少女は華麗に避けながら右手に持って紙と針で巧みに攻撃している。
一人と一匹を写した立体映像はヌルヌルと動いてはいるものの音声などは一切無く、まるで音楽とセリフが無い演劇のようだ。
お供である女はジッと厳しい眼でその戦いを眺めてはいるが、男はそれとは真逆に喜びで満ちあふれた表情を浮かべている。
まるで楽しみにしていた週末の人形活劇を観に行くかのような、何処か子供らしさが含まれたものがあった。
数分後…
少女と異形の戦いは、体を粉砕されても尚抵抗しようとした異形が少女に残った頭を破壊されたことで終了した。
そこでこのモノクルに収められた映像は終わりなのか、小さな少女の体が不自然に止まった。
やがて一人の少女と粉々になった異形は再び歪に動き始め、やがて一つの光となってモノクルのレンズに戻っていった。
お供の女がモノクルを素早く回収するとパチン、と勢いよく指を鳴らし、カーテンを上げさせた。
「アレを難なく倒すとは…やはり余が目を付けただけのことはある!」
カーテンが上げられ陽の光が部屋に入ってくると、男――ジョゼフは゛戦いの記録゛を映した映像の感想を述べた。
お供の女性――シェフィールドは男の言葉を聞いてその顔にうっすらと笑みを浮かべた。
「お褒めのお言葉を頂き、誠に感謝致しますわ。ジョゼフ様」
「よいよい!余とて長い長いゲームの合間にこのようなミニゲームが欲しかったところだしな」
ジョゼフは手を振ってそう応えるとおもむろにデスクの引き出しを開けると、中から一体の人形を取り出した。
それは木から作られた精巧な人形で、人間の形をもしている。
間接も人間と同じような作りをしており、ある程度難しいポーズを取らせることも可能だ。
最近ではこのような人形をリュティスの市民達はモデルドールと呼び、時折絵のモデル代わりに使っているらしい。
だがこの人形はモデルドールの形をしているものの本物のモデルドールではなく、どの人形よりも厄介な人形であった。
ジョゼフが手に取った人形は古の時代に作られ、今も尚作り続けられている代物。
人の血を元にしてその人へと姿を変え、あまつさえ性格や能力さえも寸分違わず写す人形。
その人形は人々はこう呼ばれ続けている。「スキルニル」と―――
「一つ聞くぞ、余のミューズよ。サン・マロンで行われている゛複製実験゛――どの段階にまで達している?」
スキルニルを手に持ったジョゼフの笑顔は、先程とは打って変わって不敵なものとなった。
その言葉を聞いたシェフィールドの顔から瞬時に笑みが消え、真剣なものへと変貌する。
「はい。今現在は索敵能力を備えつけているとの事ですが…そこで問題が発生しているようです」
シェフィールドは喋りながらもデスクに置かれていた一枚の書類を手に取り、それをジョゼフに手渡した。
ジョゼフはそれを流し読みしつつ、シェフィールドの言葉にしっかりと耳を傾けている。
「学者達によれば元の人格による影響とも言われており。各個体の感情抑制に着手しているとのこと。
このまま研究が進んで次のステップである試験的な実戦投入は…恐らく来年の春頃になるかと」
シェフィールドの報告を聞いたジョゼフは髪と同じ色をした顎髭をさすりながら口を開く。
「下級貴族共に配る給付金を下げて…各地域の税を上げて予算と人員を今の二倍上げてやろう。「降臨祭」までに完成させる為にもな」
ジョゼフの口から出た言葉は、聞く者が聞いたら口空を泡を吹き出すものてあった。
幸いにも、シェフィールドはその手の人種ではなく、むしろそんな事など気にもしていないと言いたげな表情を浮かべている。
何も言ってこないシェフィールドを見て、ジョゼフの口元が緩んだ。
「そうですか。…では、私はこれからアルビオンの方へと戻って゛親善訪問゛の準備に入ります」
「頼んだぞ余のミューズよ。…これから先の展開でこのゲーム、余にとって最高の余興となるであろう」
ジョゼフの顔に浮かんだ笑みはとても子供らしく、大国の王とはとても思えぬほど無垢なものだ。
だがその笑顔は、彼の前にいるシェフィールドを含めた女達には人気があった。
「我が主の為ならこのシェフィールド。此度の余興を最高の物に仕上げましょう」
恭しく頭を下げたシェフィールドを見てニコニコとしながら、ジョゼフは再読地を開く。
「…それと、我が姪に伝えておけ。「これからも目標の監視を続行せよ」…とな」
「了解致しました。ではこれにて…」
シェフィールドは最後にもう一度頭を下げた後、執務室を後にした。
それを見届けたジョゼフは、片手に持っていた書類をパッと天井に放った。
彼の手から離れた書類は見えない空気の波に乗るかのようにヒラヒラと空中でゆれ、やがて接客用のソファの上に着地した。
だが書類にはもう目もくれていないのか、ジョゼフは「さてと」と呟いてドカッと音を立てて椅子に座った。
後に残ったのはジョゼフただ一人、今の執務室にはその他に誰もいない。
だが彼…ジョゼフにとっては゛他人゛という存在はあまり好ましい存在ではなかった。
幼い頃から途方もない疎外感に苛まれた彼は、孤独という物に慣れすぎていたのである。
゛孤独゛という概念に慣れすぎた人間は、取り返しの付かないくらいに他人という存在に過剰な反応を見せてしまう。
ある者は長年の孤独に耐えきれず、寄ってきた他人に依存し、またある者はすれ違っただけで睨まれた!…と錯覚する。
そしてある者は、他人という存在を゛自分が生きていくうえで必要な駒゛と見下す。正にこの男がそうであった。
「余にとって…他人とは暇つぶしの相手に過ぎん」
ジョゼフは手に持ったスキルニルの間接の節々を弄くりながら、呟く。
弄くられるたびに間接がカチャカチャと小刻みに音を立てる。
「子供の頃に遊んだ着せ替え人形や積み木、絵本と同じだ。何の感情も湧かん」
スキルニルを弄くっていた手がピタリと動きを止め、スキルニルがデスクの上に置かれる。
そして背後の大きな観音開きの窓から見える青空を見上げた。
「しかし…そんな存在である゛他人゛の貴様が、何故オレと同じ眼の色をしているんだ?――ガンダールヴよ」
そう呟いたジョゼフの瞳には、喜びの色が垣間見えた。
まるで見たこと聞いたこともない玩具を手に取ったかのような、そんな色をしていた。
以上で、今回の投稿は終わりです。
最近仕事が忙しくなってきて執筆に時間が回らなくなってきました…
今後も短いかもしれませんが、頑張って書き続けていきます。
では今夜はこれにて、では。ノシ
乙ー
トイレといえばハルケギニアのトイレってどんなレベルなんだろう
平民はサウナで貴族が風呂、ってレベルだしぽっとん便所とかそんなレベルじゃないとは思うが
>>721 ウルキオラってそんな強かったっけ
そりゃ戦闘のエフェクトとかを素直に信じればワルドくらいまでは勝てるだろうけど
人を殺さずに無力化するエクスプロージョンが初歩の初歩の(略)ってくらいなんだから
極めれば本物の虚無の魔法の方が強いんじゃなかろうかって思う
無重力の人乙
気長に待ちますわ〜
>>739 とりあえず“加速”は強すぎるよな。
あれはよっぽど強キャラ呼び出さんとまともな勝負だと勝てない
ジョワジョワジョワさんとヌワヌワヌワさんがアップをはじめました。
>>741 こうなっては駆動電次を呼び出すしかあるまい・・・侵入した二匹の白奇居子は駆動に撃破されるまでの間にハルケギニアの人口の99%を(ry
音が届かない速度の世界での殴り合いってのはどういう気分なんだろう
>>742 マンモスマンにボコボコにされてたがな!
まぁ超人は基本頑丈だから魔法の一つや二つじゃ死なんしナイフで刺されてもぜんぜん元気だ
召喚された黒奇居子の素体に侵蝕されたルイズが
「ガウナァァアアア!!」
「黒奇居子も人を食うことには変わりないのだぞ!」
>>745 あいつ等下手すると光速だろ? 示現した人間ベースの奇居子は脚力だけで大気をプラズマ化させながら飛び回るくらいだし
良くて音速の十倍とか二十倍ぐらいがせいぜいなんじゃないか、こいつら
星間航行するシドニアの奇居子とかBLAME!世界の住人に質問するようなもんだ
>>747 インフレ激し過ぎるけど、本来彼らの大部分はせいぜい超音速どまりじゃなかったか?
そういえば音速突破の感想があるのは孔濤羅くらいしか思い出せない。
あと誰が居たっけか。
横島は感想遺してたっけ?
音速突破とかハルケの人間はどんくらいの知識あるんかいね。
何気に本家サイトだって、一般的現代日本人レベルであったとしても
ハルケの人間が舌を巻く教養があるんじゃないかと思ってみる。
鷹の人のでもあったけど、数学とか普通に出来るだろうし
普通の平民とは比べ物にならないくらい基礎学力はあるよね。
そんな何百年も識字率世界トップを争う変態国家と比べるのは酷ってもんだろ。
>>739 ブリーチは割と戦闘インフレしているから
ウルキオラも強いんじゃね?
なにせかませ犬としてやられてばかりのわんこ隊長にあっさり負ける奴でも
わんこ隊長を一キロくらい家を押し倒しながら吹き飛ばす威力の腕力を持っているし
わんこ、で唐突に思いついたが宇宙ショーのあの犬型宇宙人てんどうだ?
科学知識は文字通り宇宙レベルだし、変身スーツ?で肉弾戦もチートだ
R・ドロシーちゃん召還まだか
金八先生も終わっちゃったなあ
魔法学院にはろくな教師いないから先生キャラ召喚も見たい
矢的先生ーっ!
>>755 オールド・オスマンの役立たずっぷりにワロタのは俺だけじゃないはず。
そしてどうでもいい話だけど「久々にワロタ」のAAって銀英伝のラングだったんね。
小説しか読んでないから気付かんかった
先生といえば
作風的にお色気もアリなぬーべー先生、存在そのものがチートな腹黒シタン先生、最強の粗製ローディー先生とかか?
わんこと先生でギーシュを説教してるポール・チネチッタ・ジュニア氏が思い浮かんだ。
先生キャラか……
近右衛門「生徒は多いな、オスマン……
いや……たいしたことはないか……
……今夜はお前とワシでダブル学院長じゃからな」
こうですかわかりません!
よしじゃあ阿鼻谷先生を・・・
魔法で先生というと、最近はどうもハリポタを思い出してしまう
>>748 胞衣が体を覆う(変身)前の駆動でも、歩くと音速突破して回りのガラスが割れるレベルだぞ、奇居子って・・・
鬼の手にガンダールブのルーンが浮かぶのか
ビッグマグナム黒岩先生を・・・
先生
エア とかす
>>606 遅いレスだが「猿の惑星」だ。
ルイズが飛ばされたスレでは一時期話題になっていた。
ルイズたちはまさしく猿だからな
魔法は進化し過ぎたかつての科学技術の名残か
ここまで書いてて、似たようなことが始まりつつあったBLAME!クロスがまとめに乗っていないのに気づいた。編集はしないけど
猿……
ゴールデンライオンタマリンを部屋で飼ってるコルベール
>>795 オスマン「ワシらがいる限り……もう、一人も死なせはせんよ!!」
まとめにある仮面ライダーは平成ばっかりで昭和好きの俺には寂しい
スピリッツとか最高なのに
猿と聞くと脳内のどこからともなく「オフィシャルではございませぬ〜」って聞こえてくる
アバラに聖闘士に仮面ライダーか
変身ヒーローものは個人の実力が高いから召喚物では定番なのか
先生…もやしもんの樹先生とか…
「鼻が曲がりそうな程に臭いな!!…だが味は気に入ったぞHAHAHA!!」とか言って発酵食品にハマるジョゼフ。
ジョゼフなら樹先生の語る長い薀蓄も興味津々で聞き入りそうな気がする。
316名無しさん@お腹いっぱい。sage2010/11/01(月) 20:59:00 ID:yD7KfNm1
もしハルケギニアが未来の地球だったら!?
東へ向かった才人が見た物は………。
破壊されたヘルシンキ大聖堂、
廃墟と化したモスクワのクレムリンだった。
才人「この星は未来の地球だったんだ……」
号泣し泣き叫ぶ才人。
尚、月は天変地異で二つに分裂して地球にさらに接近していた
先生召喚といえばアバン先生が呼ばれる話があったな。
俺は地球に戻ってたんだ!
誰が滅ぼしたんだ!この地球を。
あぁ、何ということをしたんだ!
ちきしょう、人間なんかみんな、地獄へ落ちてしまえ!
初投降です
色々と投降やら内容やら間違っているとこがあるかもしれませんので
そういったところを教えていただければ嬉しく思います
>>771 ほんとだ
これ投降したら早速読んでみよう
「宇宙の果てのどこかにいる私の下僕よ!神聖で美しくそして強力な使い魔よ!私は心より求め訴えるわ!
我が導きに 応えなさい!」
使い魔を召還するための呪文、それが終わり、いつものように爆発が起きる
またかよ。さすがゼロだな。まさか平民でも召喚したのか?
そんな囁きや嘲りの言葉が飛び交う中、その爆煙の向こうに会ったものは―――大穴だった
「……なによこれ。また失敗なの?」
底が見えない。いくら爆発ばかり起こすからと言ってもこんな大穴は見たことがない
それでも失敗は失敗だと、再び召喚に入ろうとする が、うまくいかない
上手くいかないのはいつものことだが、コレはそういった問題ではない
自分は既に[何か]を呼んでいる。ルイズはそれを確信していた
「しかし、この穴には生物はいません。あなたはまだ使い魔を召還していませんよ」
ゴルベール先生はそう言うが、彼女ははっきりと自覚している
この大穴の中に、自分の使い魔がいることを
その日の夜、自分の使い魔を見せ付けてくるキュルケを黙殺し(ルイズにしてはとても珍しいことだが)
逸る気持ちを抑えて昼に自分が作った大穴の淵へ急ぐ
手にはカンテラと長い長いロープ。こんな時フライの魔法が使えれば簡単なのに、と激昂しそうになるのを堪えた
短気なルイズにしては、これも珍しいことである
もっとも、大声を出して気づかれたくはないというのが大きな理由なのだが
そうして木にロープを結びつけ、ルイズはゆっくりと大穴の中に身を投じていった
―――よく考えてみればルイズも気が付いただろう。ロープがあるとは言え、自分はそれを登るだけの体力があるのかどうかを
しかしここで彼女を責めるのは酷というものだ。彼女は今、穴の奥底で自分を待つ使い魔のことしか頭になかったのだから
過剰が過ぎると過信していたロープは、ちょうど奥底に足がついたあたりでいっぱいに伸びていた
もしもあと数メイル短かったら、と思うとゾッとする
しかしそれ以前に、ルイズはこの穴の奥底に光景に心を奪われていた
「ふ、ふん。私の使い魔がいる場所なんだから、このくらいは当然よね!」
そんな強がりが虚しく穴の中に響く
確かに、ルイズは召喚に成功していた。しかしそこに現れたものを[使い魔]と呼ぶのかに関しては、甚だ疑問である
穴の底に広がっていたものは、[施設]だった。カンテラに照らされるものは、鉄で作られた広大な部屋
何のために作られた物なのかはまったく分からない。けれども、ルイズの心は躍っていた
自分はこれを召喚したのだ。誰の使い魔よりも大きく、誰の使い魔よりも不思議な召喚物
「ふ、ふふふ、ふふふふふ……もうゼロなんて言わせないわよ………!!」
さっきまでは無垢な少女の笑みだったのが、あっというまに邪悪そうな笑みに変わる
コレがなんなのかは分からないけれども、とりあえず今日のところは帰ろう。本格的な調査は明日になってからでも遅くない
なぜならコレは私の使い魔であり、私はこいつの[ご主人様]なんだから!
『………誰だ』
「!?」
人間とは、いや、生物とは思えない無機質な思えない声が穴の中に響く
ルイズは、漏れそうになる悲鳴を必死でかみ殺しながら、尊大に言い放った
「わ、私はあんたのご主人様よ! あんたこそ何なのよ!? 使い魔なんだからまずはそっちから名乗るものでしょ!」
『………ここはどこだ。説明を求める』
「話を聞きなさい!」
(それから辛抱強く話を聞くと、こいつはここじゃない世界から来たというじゃない
信じられるわけがないけれども………こんな地下を見せられたら信じるしかないわよね)
それから、今度は[声]がルイズに質問を続ける
そのたびに何度も怒声を放つ羽目に陥ったが、[声]は一行に苛立った様子を見せなかった
『なるほど、ここは魔法を使える貴族が無能力の平民を統治しているのか』
「そうよ。そして私は貴族。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!」
『興味はない』
「ムキーーーー!!」
そして[声]は一拍置いて、無機質な声ながら、本当に大切な事を問いかけるように言った
『………この世界の、[秩序]は保たれているのか?』
「秩序?」
ルイズにはその質問の意図は分からない
それでも、彼女なりに真剣に考えて応える
「ええ、秩序は貴族によって保たれているわ。もっとも、あんたの言う[秩序]がどんなものかは分からないけれど
で、何でそんなこと聞きたがるのよ」
『我々は秩序を守るためのもの。過ぎたる力を粛清するためのもの。異世界に来ようとも我々は我々の勤めを果たすのみ』
「我々? あんたは一人じゃないの!? いい加減姿ぐらい見せなさいよ!」
『君は既に我々を見ている』
そう言われても、ルイズには何のことなのかは分からない
もっとも、魔法にどっぷり浸った世界の者にそんなことを分かれと言うほうが無茶な話だが
『我々は、今君がいる場所そのものだ』
「??」
余計に混乱させてしまったらしい
『……ならば便宜上、[コレ]を私と思ってくれれば良い』
そう言って不意に現れたのは、全長20メイルにも及ぶ、深紅のゴーレムだった
「決めた。アンタ、私の使い魔になりなさい」
現金なものである。今のルイズはこんなことを考えていた
[このゴーレムなら留年免除、いや、今まで馬鹿にしてたやつらを見返すことができるわ!]
『ごめんだ。我々は秩序を守るためのもの。使い魔などに関わっている暇はない』
「な、ななななに言ってるのよ! 誰がアンタを召喚したと思ってるの!?」
『君だ。だがそれがどうした。我々は我々の勤めを果たすのみ』
「いい? 私は貴族よ。貴族に逆らってもいいと思ってるの!?」
『我々の世界には貴族などいなかった。価値観の違いだな』
暖簾に腕押し、糠に釘
いくら権威を見せたところで、この相手は聞きはしない
それでもルイズは諦めない。諦めるわけにはいかない
なんせ今は栄光か留年かの瀬戸際だ。石にかじりついてもこのゴーレムを逃す気はなかった
「でも、貴族に逆らってはいけないというのが、この世界の[秩序]なのよ! アンタの大好きな[秩序]!」
『…………』
苦し紛れの反撃。それは相手に予想外の効果を表したらしい
暫くの沈黙の後、[秩序を乱す者が現れた場合、それを我々の判断で排除する]という条件を提示して、使い魔に成ることを承諾した
「あーあ……ファーストキスがゴーレムなんて……」
『待て。使い魔になるのは我々だろう。相手はそいつではない』
「どういうことよ。このゴーレムは渡さないってこと?」
『そうではない。しかし説明する時間はないぞ。外では朝日が昇ろうとしている。学生の君には不味いのでは?』
「ああもう、さっさと契約するわよ!」
ルイズにとってはやはり何なのか分からなかったが、[声]はある端末が自分と伝え、契約を完了する
僅かに走るノイズ。そして施設の床に大きく浮かび上がるルーン
『完了した。では君は機体と共に地上に帰るがよい。その機体を通して我々は世界の秩序を見守るとしよう』
「じゃあ、このゴーレムはもらっていくからね! 返せと言われても返さないわよ!」
『言う気はない』
「じゃあ………そういえばアンタ、それにこのゴーレムは何て呼べばいいのよ?」
『特別な呼称はない。だが、あえて言うならば―――』
我々は[ハスラー・ワン]
その機体は[ナインボール]だ
今回はここで投降終了です
ゼロ使自体結構初心者なので、あまりキャラがつかめてないかもしれないですが
ご指摘いただければ善処していきたいと思います
Hか・・・
既に武器を持ってるキャラや武器のいらないキャラに無理矢理剣を持たせようと武器屋へ行くルイズはマジキチだと思う
何かプレゼントしたいなら別のものをあげればいいのに
「ナインボール、ゲットだ」
>>766 ルイズたち人間界のモデルが中世ヨーロッパ、エルフがイスラームらしいし
ならヴァリヤーグがローマで、進化し過ぎた科学技術の名残というよりは、
優れた科学技術を捨てた別系統の力なんじゃない?
ところでローマ漫画って何かあるか?テル・マエ・ロマエしかオレは思い浮かばん
エウレーカ
エじゃなくてヘだった、ヘウレーカ
ヴィルトゥスと続編のSINとか
キチ凱を呼んだら面白いかもしれないが
あれの行動を想定して書くのが不可能だな
キュンタマ召喚乙!
>>788 ザファル先生が喚ばれてギーシュやマルコリヌをシゴキ倒すのか……
あと水魔法で膝が完治して現役復帰しそう。
テルマエは現代の風呂技術をローマに持っていく話で、セスタスは現代のボクシング技術をローマ話と一応どっちもコンセプトが似てるんだよなw
ゼロ使も似ているといえば似ているけど
ナインボールwwww
これは期待ww期待ww
あのAIをどうやって召喚したらまともに機能するんだ
見えないところに大深度地下施設でも持ってきたのか?
排除排除排除
無重力のひと乙です
魔理沙はホント社交的だなあ
霊夢の無礼さがより引き立つw
続き気長に待ってますー
オオオオオツナインボー
ボイスはMoA終盤の混ざった奴かな
>>788 あの人未だに握力は衰えてなくて林檎を握り潰して水分を飛ばして皮と芯だけにできるんだよな
>>798 普通に考えると水分が飛ぶ前に砕けちゃいそうなもんだけどw
>>800 劇中でも力自慢の拳奴が握って割り砕くパフォーマンスは有るが先生のはその上を行く物らしい‥‥
イメージとしては発勁とかあんな感じで、終生のライバルのパンクラチオン闘士の片目を破裂させた
(代わりに自分は片足を潰されて引き分けた)
師匠タイプのキャラの全盛期って凄く気になる要素だよな…
ライブアライブの老師とか
師匠系キャラは往々にして今のほうが肉体面の全盛期よりも強いものだ
技術とか年季とかの問題で
804 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/02(土) 16:40:06.41 ID:5G9bxalj
戦国BASARAの武田信玄は師匠キャラと言えるんじゃないか?
一応幸村の師匠的ポジションだし(実際は主君だけど)
ゲームではいまいち使いにくいけど設定上は強キャラ
活動的なカトレアみたいな感じで、ルイズを温かく導くお母さんお姉さんタイプもどうかな
緑のおばさんことウルトラの母とか
少し前の方に才人より弱いの召喚が話題になってたけど、ラッキーマンなら弱くても結果的に
大活躍になるはず。
できればルーンはガンダよりも比較的他力本願系なヴィンダで。
めだかボックスの世界とクロスしたら……ルイズはアブノーマルとマイナスのどちらになるのだろう。
ジョゼフ王はどう考えても安心院さんのように大量のアブノーマルとマイナスを併せ持つでしょうけど。
めだか呼び出されたら、ゼロ魔の自立心が弱くて依存心が強い女性キャラたちが
成長を促されて自立心の強いおっとこ前な人たちになるのかな?
個人的には球磨川のほうが面白そうだと思う。もちろん、かっこつけてた時期ね
今度は妙に良く喋るハスラーワンがきたか
しかし、霧亥といいナインボーといい、片手でフーケのゴーレム粉砕しそうなのばっかだな
ここはいったん弱いやつを召喚しないとな
>>806 幸運の星も連れてこないと常時大凶になるんじゃないか?
ラッキーと言えばカメレオンの矢沢栄作を召喚とかどうだ
師匠的ポジションって事でARMSから通りすがりのサラリーマン召喚
「ルイズ君、君は既に魔法をつかえている。ただその事に誰も気がついていないだけさ」
「タバサ君、表面上は隠せているつもりかもしれないが君の心の底にある濁った炎は目的を遂げる前に君自身の身を焼いてしまうだろう。今は遠回りに見えても心の中に住んだ水を注ぐべきだ」
「アンリエッタ姫、人の上に立つ人間としてまずは遠くから自分の立ち位置を俯瞰しなければいけないよ」
とか余計なおせっかいを言って普段は常駐しない
使い魔の仕事じゃないな
主人公たちの年配キャラねえ
ドラクエ7からメルビン……このキャラ覚えてるというか、最後までパーティに入れてた人いる?
東方からやってきた師匠キャラとな
ガラフとか
アホっぽいけど仲間思いで王様の誇りも持ってるし実力も確かだ
イベント省略のためにゆうごうでサクッと殺してごめんなさい
>>813 ここにいるぞ!
マリベルを待機にしてた
特別会員証をメルビン一人旅の時にもう一回もらったのがいい思い出だ
ナヴァールとかクアドラとかの鈴吹キャラがいい師匠ムーブを見せてくれると思う。
皆川作品かぁ。ガンダ+リー→サラリーマン ヴィン→もずさん ミョズ→朧…
だめだ、ルーンがなくても七万人全滅だ
>>816 尊敬するよ、個人的にドラクエは6で終わったと思ってる
バーバラは俺の嫁が青春の思い出だ
もとから魔法が存在する作品とのクロスだと、大きく作品感が変わるんだよな
>>812 ARMS「俺たちは珪素生物だ、覚えているか?」
て、こっち方が召喚されるネタはもうあったか
>>812 あのサラリーマンにも涼を育ていた時期があったんだから
親的ポジションでルイズの側にいると言う方向性もあるんじゃね?
ファンタシースター3から呼べ
ダン・カ・シウムを
……マイナーすぎだったらミューとかライアでもいいや
師匠キャラか…
明日のゴーカイジャーでも出番がありそうなネコとか
「暮らしの中にも修行ありじゃ」チ〜ン♪
某ゲルマン忍者とそれに感化されて覆面を被ってルイズの前に現れたカリーヌママンとエレオノールとカトレア
杖ついたモロボシ・ダンを呼べばきゅるきゅるに追い回されたり滝を手刀で切れと命じられるルイズか
もしくは姫矢さん呼んだら毎度疲労困憊でシエスタが付きっ切りになりそうな
しかし忘れちゃいけない
ダンは女には甘い
>>817 アリアンロッドからなら、ティナ・アヴェルシア母さんを
ルイズ「お母様が二人になりました。もう死なせてください」
BASARAの信玄を喚んだら何人のゼロ魔キャラが杖無しで空を飛ぶんだろうな…
>828
二人が組んだら、エルフも殺れるのですね。何十人、いや、何百何千来ようとも。
>>827 ミョズ「ガンダールヴは可愛い子に弱いって事がわかったんですもの」
>830
カテナとゼパ様で瞬殺よ。
833 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/02(土) 22:55:35.96 ID:ICFqKOwj
かあさんと言ったらアルトネリコUのジャクリを……
駄目だ基本裸族だからクロアとか一緒に居ないと野郎連中が大変なことに
ジャクリロボにつっこんどくか?
>>830 エルフ「ば、馬鹿な何故『反射』が通用しない?」
ティナ「私の魔術は防ぐことも躱すことも打ち消すこともできず、回復することも許しません」
ルイズ「…あれ? 虚無の存在意義ってなんだろう?」
>832
ベルフトならセットアップで全滅させるな。
【ベルフトというキャラは、戦場で同じエリアにいるキャラを敵味方問わずHP0にする特殊能力を持っています】
まぁ、三歳児をガチで殺しにかかって殺しきれなかった人だし?
>>806 忘れているかも試練が、ラッキー星が無いと自動的に大凶だからな?
>836
ならばあえてベネットだ。
ルイズ「この、馬鹿犬〜!!」
こいよベネット!
武器なんか捨てて素手でやろうぜ!
ベネットはアレで本来はアム=リッツァに変わるヒロインの予定だったんだよな
5秒で転落したが
スラムダンクとクロス
テファ(わたしはもう存在感を増やすことはできない。
活躍することも…キャラ相関に割り込むことも…何もできない……
わたしからオッパイをとったらもう何も残らない…!!
もうわたしにはお色気展開しか見えない――)
そういや、ベネットの名前の由来は、スプリガンのファイアスターターだと
どこかで聞いたな。
だれかコマンドー召喚書いてくんないかな
短いですけど続き書けたので投下します
>>797 そうです。統括機能や声はあの時のをイメージしてます
しかしかなり無理があるので、パラレル形式と思っていただければありがたいです
結論から言おう
ルイズにとって、そのゴーレムは大いに期待はずれだった
ゴーレム―――ナインボールを連れて戻った当初はちやほやもされたし、ゼロの二つ名が撤回もされかけた
もともとルイズも20メイルを越えるゴーレムに家事や秘薬探しを任せようと思ったわけではない
しかし使い魔は主に絶対服従、反発などするはずもないと思っていたと言う点に関しては
大いに見通しが甘かったと言わざるを得ない
「アンタ、どこに行ってたのよ! 使い魔がご主人様の許し無く勝手に出かけていいわけないでしょ!」
『文字を覚えるために図書館に行っていた。それと、我々は[秩序]の監視者であって、君の奴隷ではない』
「なっ…………アンタねぇ!」
『それより時間はいいのか? そろそろ授業のはずだが』
「言われなくったって分かってるわ! アンタが起こしてくれればよかったのに!」
『君が寝坊して遅刻しようと、我々にはいささかの痛痒も無いのでな』
20メイルの使い魔に逃げられる情けない主として、再びルイズの二つ名はゼロに逆戻りしてしまったのだった
ちなみにナインボールは一日で一般書を読みこなすまでになり、タバサとは無口読書仲間になったとか
元々この世界の情報を収集するために始めた読書なのだが、まったく文字が分からない
それを最初に教えてくれたのがタバサだったため、ナインボールも彼女を邪険にはしないようだ
しかし巨体を折り曲げて実に器用に本をめくる姿のせいで、図書館からはタバサ以外がいなくなってしまったため
実に静かに本が読めると彼女からもありがたがられていたようだが
「もういいわよ。アンタには家事も身の回りの世話も薬集めの何も期待しないわ」
『我々はそんなものを期待されていたのか』
「でもね、私が危険に陥ったら助けなさい。そのくらいならできるでしょ?」
『それはその状況による。我々は[秩序]を守るためにのみ戦う。くだらない小競り合いに力を行使する必要を感じられない』
「…………」
決まった。私の使い魔は図体ばかりでかいただの役立たずだ
部屋に戻ってベッドに倒れこむ。なんだか妙に泣けてきた
まだ唯一の救いは、学校のみんなはこのゴーレムの役立たずぶりを知らないこと
せめてそれだけはバレないようにしよう
そう思いながら、ルイズは夢の世界に沈んでいった
ハスラー・ワンにとって、この世界はあまりに異様過ぎた
魔法があることは、生物ですらない彼らにとっては些事に過ぎない
アナイアレイターに敗北した彼らが、何故か無傷で施設ごとこの世界の地下に存在していることも同様である
元の世界には[彼らとは違う彼ら]がまだ存在し、特にレイヴンズ=ネストの彼らは決して負けないという自信があった
今ごろはここに来た彼らの代わりのモジュールが再構築されていることだろう
そのため、元の世界に帰るという必要性を彼らは可能性から排除していた
そんな中、彼らが最も困惑したことは(今のところ)この世界では戦争が起きていない、ということだった
元の世界では、主に企業間の戦争紛争小競り合いはほぼ毎日起きており、途絶えることは無かった
その世界において秩序を作り出す。そのための存在であるハスラー・ワンにとって、無戦争とは決してありえない事態だったのである
「……情勢を知るには、新聞が一番」
『すまない』
「…………」
『…………』
「あんたたち、少しは喋ろうとかないの!? 自己紹介とか、自分はどこから来た、とかさぁ!」
「キュルケ、図書館内は静かに」
『まったくだ』
「ムキーーーー!!」
少し前のルイズと同じような奇声を発して、タバサの親友である
キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーが走り去る
この静か過ぎる雰囲気と、一人と一機の無言の圧力に屈したのだろうか
「ルイズの使い魔なのに、いっしょにいなくてもいいの?」
「きゅいきゅい!」
「使い魔失格の役立たず……ってシルフィードが言ってる」
「きゅ!?」
『我々は使い魔では無いのでな。彼女は彼女。我々は我々だ』
「でも、その彼女ちょっとピンチみたい」
『と、言うと?』
「たった今決闘を申し込まれているのを見て来た、とシルフィードが言ってた」
『なるほど。しかしその龍が言ってたことはさっきと違うようだが?』
「………ちょっとした冗談」
『なるほど』
食堂に来たのは、機械にあるまじきことだがただの気まぐれだ。別に用事があるわけではない
しかしこの世界に戦争は無く、秩序が乱れてもいないのならもともと兵器である自分にはやることが無いのだ
機能停止していればいいのかもしれないが、地下の我々はまだこの世界のデータが足りないとせっついてくる
ならば文献を漁るか、さもなければ無為に歩き回り、見聞きしたことを全てデータとして送信するのが
地上に上がったナインボールのやるべきことだった
「ミス・ヴァリエール、もうしわけありません! わたしのために決闘をすることになってしまって!」
「あんたのためじゃないわ。貴族としての誇り、そして人の上に立つ者の良識の問題よ」
決闘がどうなのかは分からないが、どうやらあの女中に関係のあることらしい
もっと聞き出してみるかと近づくと、我々の足音に気が付いた二人が顔を向け――女中がひっくり返った
「……なによ、ご主人様を無視したと思ったらこんな時に帰ってきて。笑いに来たって言うの?」
『状況の説明を求める』
また怒鳴られて時間を浪費するか、とナインボールは思ったが、元気が無いようで案外素直に話し出した
どうやら決闘の相手もルイズと同じメイジ。しかも結構な使い手のようだ
そうなった経緯は、その貴族が女中を苛めたためらしい(長々と語っていたがナインボールにとってはどうでもよかったため割愛した)
しかし、彼らにはどうしても分からないことがあった
『状況はわかった。だが、それでどうして君が戦うことになったのかわからない』
「どうしてって……私がギーシュを止めようとしたからに決まってるじゃない」
『そこだ。君は我々に言ったはずだ。[貴族に逆らってはいけないというのが、この世界の[秩序]]だと
ならばその女中を助ける理由など無いだろう。いや、それどころか君は、[秩序]を破壊しようとしたのだ』
「!!」
そこにいた女中がビクッと体を震わせる。そして何も言わず、ルイズは呪文を詠唱し
「レビテーション」
『!?』
ナインボールの足に小爆発を起こす。ダメージはほぼ0だが、初めて受ける魔法にほんのわずか戸惑った
「あんたはそうやって、[秩序]ばかり追いかけてるわね。でもね、私たちには、それだけじゃ計れないことが多すぎるのよ!」
吐き捨てるように、食堂から出ようとするルイズ。行き先は恐らく決闘の場所
『女中。相手は彼女よりも強いのか?』
「……はい。ギーシュ様はドットクラスですけれども、とてもお強いと聞いています」
『なるほど』
その言葉を聞いて、ナインボールはルイズの後についていく
思考機関に何らかのバグのようなものを感じたが、修正の必要は無いとしてそのまま片付けることにした
>>844 別に召喚は難しくないな
星2/闇属性/機械族/攻 750/守 700
ロケットランチャーとバズーカ砲を装備した実戦部隊。
投降終了です
なんかもうハスラー・ワンのイメージとはだいぶかけ離れちゃってますけど
元ネタはいつも戦っているので、戦闘が無い時はこんな人(じゃないけど)というご都合主義と思っていただければ
………すみません
おつかれさまでしたー
キュンタマ乙!ところで‥‥
興<紅顔の美少年が居ると聞いたが 我々の出番は有るのかね?>干
AC物にこの必須だと思うんだ、この2人‥‥
乙
小説設定だと
アナイアレイター、すなわちフリッツが倒したのは端末の一つ
ネストコンピュータをぶっ壊したのはカヒライス、すなわちリャノン
だっけか
乙です
…しかし、いくらなんでも身長20メイルを超すような輩が図書館に入るなんて絶対不可能だと思うが…
そこら辺の下手なビルとかよりでかいぞ
図書館自体がそれより小さい可能性もあるし、よしんばそうでなくてもドアは絶対くぐれんだろ
師匠ポジ・・・ 比古清十郎、最強の弟子の方々とか勇二郎・・・は違うか
圧倒的な火力でワルド殲滅とかするとスカっとするんだよなぁ
小説のあれは別物だぞ
原作20巻のネタバレってもういいんだっけ
師匠ポジ、親父ポジなら空の軌跡のカシウス・ブライトがいるな
師匠親父なら星一徹で
容赦なくルイズひっぱたくだろうなw
スクエアメイジ養成ギブスだな
爺だが師匠なら亀仙人が面白そうだな。
キュルケが、シエスタが危ない!
ルイズ「かーめーはーめー波ーっ!」
数年後・・・ムキムキになったルイズの姿が
孫悟空もいちおう師匠です
サイヤの人マダー?
才人も鍛えれば天津飯くらいにはなれるかな
孫悟空といえば
本家本元の「西遊記」では三蔵法師が師匠と呼ばれていなかったかな?
870 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/03(日) 11:02:15.89 ID:vZpykmZQ
師と言えばカミュだろ。
魚座だったから水瓶座が羨ましい。
久しぶりに投下しようかと思う。
何も無ければ11:23からいきます。
カカロットの師匠としての才能には問題があるだろ
師匠孫悟空ならジェット・リーが演じた悟空が最高
「きゅいーーーーっ!」
森の中で起きた凄まじい爆発。その爆風に上空を飛んでいたシルフィードが吹き飛ばされ、悲鳴を上げる。
『きゃあああぁぁぁっ!!』
同時にルイズとキュルケも悲鳴を上げ、ルイズに至ってはシルフィードの上から落ちそうになっていた。
そこに振り落とされないようにしっかりと掴まっていたタバサがレビテーションの魔法をかけてくれたおかげで何とか地上に墜落せずに済んだ。
「あ、ありがとう」
体勢を立て直すシルフィードの上に戻ってきたルイズはタバサに礼を述べた。
桐山に言われるがまま、渡された袋に入っていた何かの粉末をゴーレムの上から撒き散らしたのだが、それで起きた結果にルイズは唖然としていた。
「すごいわねぇ……あのゴーレムを一撃で……」
キュルケが驚くのも無理は無い。
つい先程まで自分達が戦っていた巨大な土くれのゴーレムは、今の爆発によって跡形もなく粉砕されてしまったのだから。
桐山が持っていった破壊のマジックアイテムをゴーレムに撒き散らされた粉の中に投げ込んだようなのだが、まさかこれがあのような爆発をもたらすとは。
(あんなにすごい威力なら、何もあんな粉を撒き散らす事ないじゃない)
ルイズは知りはしない。あの爆発は確かに、破壊のマジックアイテムによりもたらされたものではあるが桐山はその威力をさらに高めようとしていた事に。
「――そういえば、キリヤマは?」
ゴーレムが立っていた周辺は今の爆発により木々は焼かれ、薙ぎ倒されている。未だ炎が治まってもいない。
さすがにあの爆発に巻き込まれてしまったなどという事はあり得ないだろうが、上空からでは木々に遮られて桐山の姿を見る事はできない。
「キリヤマ! どこにいる――」
ルイズが地上に向かって大声で叫んだ、その時だった。
――ぱららららららっ
森の中で小刻みに響く炸裂音。
質こそ違うが聞き覚えのあるその音を耳にしたルイズは、桐山が先日使っていた『銃』によるものだと即座に理解した。
「な、何やってるのよ。あいつ」
「もしかしたらダーリン、フーケを見つけたのかも」
銃声は感覚を置きつつ、完全に止む事はない。そこに桐山がいる。
響き渡る銃声を頼りに、シルフィードはその音がする方向へと飛んでいった。
凄まじい爆発が起きたのを森の中から眼にしていたロングビル――フーケは、自分が作り出したゴーレムが跡形もなく破壊されてしまった事に唖然としていた。
「……まさか、あんな手を使うなんてねぇ」
使い方が全く分からない破壊のマジックアイテムの使い方を知るために魔法学院の生徒達を利用しようとしたのだが、よもやあれがここまで凄まじい破壊をもたらすとは。
……いや、それだけではない。
あの爆発は、上空を飛んでいた生徒達が撒き散らしてきたものによって効果を増したのだ。
確か、霧のように濃く撒き散らされた粉に対して炎を注ぎ込むと爆発が起きるというのを聞いた事がある。
それを、あのメイジ・キラーの少年は知っていたのだろうか。
……やはり、危険だ。あの少年は。まともに相手をしたら、こちらの命が危ない。
とりあえず、当面の目的は果たしたのでまたロングビルとしての仮面を被るべくフードを脱ごうとした、その時だった。
「!!」
慌てて、木の幹の影に身を隠すフーケ。
『ぱららららららっ』という小刻みに響く炸裂音に、息を呑む。
先程まで自分がいた場所に、無数の鉛の玉が飛来してきた。
ちらりと、少しだけ顔を出してみる。
(あいつ……!)
木の陰から姿を現す、黒い影。
それは、フーケが恐れていたメイジ・キラーの少年に違いなかった。
そのメイジ・キラーが、自分を狙っている!!
(チィッ……こんな時に……!!)
ずきり、と右肩に痛みが走る。
先日、あの少年が撃ってきた銃とかいう代物。あれにより受けた傷はとっくに水の秘薬で塞いでしまったのだが、何故か痛みだけは昨日から続いたままだ。
それに、その傷があった部分は熱を持っている。
肩を撃たれた後、フーケはすぐに傷を治療していなかったため、そこに雑菌が入ってしまったのである。
それにより、彼女は敗血症になりかかっていた。気分が優れないのもそのせいである。
「!!」
再び、ぱららららららっという音と共に桐山が手にする少し大きめの銃――イングラムM11/9サブマシンガンの銃口から火線が噴く。
フーケは木の陰に顔を隠すと、その木の表面を削るようにいくつもの銃弾が飛来した。
(やばいね……!!)
このままここにいてもやられる。おまけに、先程のゴーレムを作る際に魔力のほとんどを注ぎ込んでしまったため、またゴーレムを作る事もできない。
頭がクラクラとするものの、フーケはその場から急いで森の奥へと駆け出していった。
背後からまた、ぱららららららっと銃音が響いている。
桐山は片手でイングラムを斜めに構えたまま引き金を絞り、9ミリ弾を放っていく。
しかし、ここは森の中。所々に立つ木に遮られてしまい、フーケに当たらない。
「おい、相棒。いきなりそんな物ぶっ放したりして……本当にあいつがフーケなのかい?」
背負っているデルフが声を上げる。しかし、桐山は相変わらず無言のままフーケを追い続ける。
sien
桐山はあの爆発を逃れた後、森の中にフード姿の人間を見つけていた。
先日、ゴーレムの腕を伝っていた人物と一致していたため、容赦なく攻撃を行っている訳である。
すぐには攻撃せず、少し準備をしてからだったが。
(ちきしょう……こんな、所で!)
頭がクラクラとする中であっても、フーケは足を止める事はない。
銃声はいつの間にか止んでおり、後ろを振り向くと桐山の姿はどこにもない。
振り切ったかと思ったその時、ぱらららららっというあの銃声と共に左脇に激痛が走る。
「あうっ!」
地面に倒れかけるも、何とか足を踏ん張って持ち応える。
しかし、熱さのこもった激痛が走る体の左脇から血が流れ出ているのが分かる。
(な……あんな所から……!)
木の上に視線をやると、そこでイングラムを構える桐山の姿があった。
相変わらず氷のように冷たく、一切の容赦を知らない爬虫類のような瞳でフーケを睨んでいる。
弾が切れたイングラムの弾倉を黙々と交換し、再装填すると再び銃口を向けてきた。
フーケは脇の傷を押さえつつ、足元の小石をいくつか拾って桐山に投げつけ、駆け出した。
桐山は逃げるフーケを木の上を、まるで猿のように身軽に飛び移りながら追跡し、そして狙い撃っていた。
肩、腕、脇腹、何発もの銃弾を受け、傷つきながらもフーケは走り続ける。
(ちきしょう! ……だったら!)
桐山が木の上から優雅に飛び降りてくるのを見計らい、足元目掛けて杖を振る。
ゴーレムこそもはや作れはしないが、ちょっとした錬金ならば問題なく行える。
杖の先に魔力の光が灯ると桐山が着地しようとしていた地面が一瞬にしてぬかるんだ泥へと変わり、着地のバランスを崩した桐山の足がズブズブと沈んでいく。
この隙を突いて、フーケは全力疾走で桐山から逃れていった。
「あちゃー、逃げられちまったなぁ」
泥から足を外に出すと、背にしているデルフが喋りだす。
「どうしたんだい、相棒。今からでも追えば追いつけるかもしれないぜ?」
しかし、桐山は全く答えようとせずにそれどころかイングラムのセフティをオフにしだしていた。
「ちょっとキリヤマ、何やってるのよ!」
そこへやってきたのは、シルフィードから降りて銃声を頼りに追ってきたルイズ達だった。
ルイズは桐山へと駆け寄り、詰め寄る。
sien
桐山はちらりとルイズを見たが、何も答えずすぐに視線を前に戻す。
「ああ、こいつがフーケらしき奴を見つけてね。それで追いかけていたんだが、ご覧の通りさ」
代わりにデルフが状況を伝えていた。
フーケを見つけ、追跡していたという事に、ルイズとキュルケは驚いたような顔をする。
「さすがダーリン! あのゴーレムを倒しただけでなく、フーケまで見つけてしまうなんて!」
「でも、逃げられちゃったんでしょう? 何で早く追わないのよ!」
ルイズが叫びつつ桐山に詰め寄った、その時――
「うああぁっ!」
突然、森の奥から女の悲鳴が聞こえてきた。
その叫びに、何事かとびくりと反応するルイズ。
すると、それを待っていたかのように桐山はスタスタと歩き出し、悲鳴が聞こえてきた方へ進んでいく。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
慌ててルイズが桐山の背を追っていき、キュルケとタバサも続いていく。
「ところでアンタ、それ何なの?」
ルイズは桐山が手にしているイングラムに気がつき、尋ねてみる。
「あら、ダーリンが昨日使ってたものより大きいわね。どうやって使うのかしら?」
キュルケも興味津々な様子だが、桐山は相変わらず無言だった。
「あ、ああ。こいつはな、化け物みたいに凄い武器だぜ? 昨日、相棒が使った奴なんかより一層派手なんだぜ」
またもや代わりにデルフが答えると、二人ともさらに興味が湧き出したように感嘆な声を漏らす。
「――あ!」
と、そこでルイズの目に留まったもの。
地面に倒れている黒いローブを纏った女の姿がそこにあった。
その両足には、長めの木の枝にさらに数本、並べて固定されたスパイク状の木の枝が突き刺さっている。
地を這い蹲るその女はルイズ達の存在に気付き、傍に転がっていた杖を拾おうとしているがつかつかと歩み寄っていった桐山が杖を拾い上げる。
「ち、ちきしょ――」
体を起こそうとしつつ呻く女の後頭部に桐山がデルフリンガーのみね打ちを浴びせ、昏倒させた。
再び倒れ、フードが外れて露となった女の素顔を目にし、ルイズ達は唖然としていた。
「ミ、ミス・ロングビル?」
ルイズが呟く。その緑の髪と素顔は紛れも無く、自分達に同行していたオールド・オスマンの秘書、ロングビルだったからだ。
「彼女が、フーケだった訳?」
キュルケも一層驚いた様子で、気を失っているロングビル=フーケに歩み寄る。
彼女の体の所々に無数の銃弾の痕があるのは、間違いなく桐山に撃たれたものだった。
未だ驚いているルイズとキュルケを尻目に、イングラムをしまった桐山はフーケの脚に突き刺さっている彼の仕掛けたトラップを引き抜き、体を腰に抱えると用が済んだとばかりにその場を後にしていた。
タバサも彼の後に続いていく。
「あ! ちょっと待ちなさいよ!」
自分達を残して馬車まで戻っていこうとする二人を、ルイズとキュルケは急いで追っていった。
フーケを捕まえ、学院へと戻ってきた一行は報告のために学院長室へとやってきていた。
「ふぅむ……ミス・ロングビルが土くれのフーケだったとはのぅ」
オスマンは低く呻いた。
sien
彼曰く、街の居酒屋で彼女を雇ったそうなのだがその採用が実に呆れたものだった。
彼女は給仕をしていたそうで、オスマンは彼女に対してちょっとしたセクハラをしたのだがそれでも怒らなかったので秘書にならないか、と持ちかけたのである。
『死んだ方がいい……』
その場にいた、コルベール、ルイズ、キュルケ、タバサの三人がぼそりと呟いた。
オスマンは軽く咳払いをし、話を続ける。
「今思えば、あれも学院に潜り込むための手段だったのじゃな。……しかも、盗んだ破壊のマジックアイテムの使い方を知るべくお主らを利用するとは……実に女狐じゃ。
しかし、君達はそんなフーケを捕らえ、破壊のマジックアイテムを取り戻してくれた」
誇らしげにルイズ達は礼をする。
「フーケは城の衛士へと引き渡し、盗まれたマジックアイテムも無事に宝物庫へと収まった。一件落着じゃな」
オスマンはうんうん、と数度頷く。
「君達のシュヴァリエの爵位申請を宮廷に出しておいた。追って、連絡があるじゃろう。ミス・タバサは既にシュヴァリエじゃから、精霊勲章の授与を申請しておいたぞ」
キュルケの顔が輝く。ルイズの表情にも一瞬、輝きかけたがすぐに消えてしまう。
「あの……オールド・オスマン。私の使い魔、キリヤマには何もないんですか?」
オスマンは申し訳なさそうに顔を曇らせ、言う。
「残念じゃが、彼は貴族ではないからのう」
「でも、納得できません」
ルイズはちらりと部屋の隅で静かに佇んでいる桐山を見ながら言う。
「フーケを捕まえられたのも、全てキリヤマのおかげなんです。彼がいなければ、わたし達ではフーケにやられていたかもしれません。それなのに、彼にだけ何の見返りもないなんて使い魔の主人であるわたしとしては見過ごす事はできません」
論するルイズに、オスマンも困ったように唸った。
そこにコルベールが一言、言葉を添える。
「確か、フーケには賞金がかかっていたはずですよね?」
「おお、そうじゃな。フーケを直接、捕まえたのは彼じゃ。その報酬を受け取る権利は十分にある。
報酬が届き次第、彼に与えるとしよう」
ルイズは安心したようにホッと息をつく。
「さて、今宵はフリッグの舞踏会じゃ。この通り破壊の杖も戻ってきたことだし、予定通りに行う」
「そうでしたわ! フーケの騒ぎですっかり忘れておりました!」
キュルケが声を上げて叫んだ。
「舞踏会の主役は君達じゃ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」
三人は礼をし、学院長室を後にしようとする。
「キリヤマ! 行くわよ?」
しかし、桐山は振り向く事もなく佇んだままだった。
「ああ、良いんじゃよ。ミス・ヴァリエール。ワシに用がありのようじゃ。君は先に行っていなさい」
「……いい! 学院長には失礼のないようにね! それと、舞踏会にはアンタも来るのよ!」
と、言い残して学院長室を去っていくルイズ。
桐山はオスマンの前へと移動すると、その顔をじっと見つめてくる。
オスマンも、同じく残るコルベールも、ごくりと息を呑んでいた。
sien
「さて、何が聞きたいのかの? できるだけ力になろう」
「あの武器は、どこで手に入れた」
桐山の問いに、オスマンは低く唸りながら語りだす。
曰く、破壊の杖と呼んでいる武器、M72ロケットランチャーは三十年も前に彼を襲ったワイバーンから命を救ってくれたという恩人が持っていたものだという。
その人物は二本持っていた破壊の杖の一本でワイバーンを吹き飛ばすと、重傷を負っていたのかそのまま倒れてしまったそうだ。その後の看護の甲斐も空しく、亡くなってしまった。
彼の使った一本を彼の墓に埋め、もう一本を形見として宝物庫へ保管したという。
「そんな話があったとは……」
コルベールが驚いたように呻いた。
「他の武器はどこで手に入れた。……あの武器は、この世界のものではない。俺がいた世界のものだ」
「君の世界、とは?」
コルベールが不思議そうに尋ねるとオスマンは突然、静かに席を立った。
「着いてきたまえ」
それから三人は学院長室からまだ修繕が済んでいない宝物庫へと移動していった。
オスマンは宝物庫の一角に置かれた二つの大きな木箱の前に立つ。
他の破壊のマジックアイテムはの、この中に入っていたものなんじゃ。
オスマンは木箱の片方を開ける、桐山とコルベールはその中を覗いてみた。
「こ、これは一体――」
コルベールが驚き、桐山はじっと箱の中に入っていた代物を見て小首を傾げた。
その中に入っていた無数の鉄の塊――。
UZI 9ミリサブマシンガン。
フランキ・スパス12ショットガン。
コルトパイソン 357マグナム。
デリンジャー 二連装小型拳銃。
レミントンM31 ソードオフショットガン。
コルトM1911A1 自動拳銃(消音器のオマケ付き)
モシン・ナガンM1891/30 ボルトアクション狙撃銃。
その他諸々――桐山の世界にあるはずの武器が収められていた。
オスマンはもう一つの箱を開けると、そこには弾薬の箱がいくつも入っている他、何故こんなものが入っているのかハリセンチョップやピコピコハンマーといった滑稽なものから催涙スプレーといったものまで入っていたのだ。
「先程話した恩人が亡くなった後からの、ちょうど君くらいの歳の子供達を毎年、一人ずつ見かけたのじゃ。みんな、傷だらけじゃった。おまけに酷く気が立っていたのかワシを見た途端に、持っていたこれらでワシを退けようとしてきた。
じゃがその子供達はみんな満身創痍で、次々と息を引き取っていったのじゃよ。……とても怖い思いをしたのじゃろうな。ワシのような人間を見ただけでも、あんな怯えた顔で武器を向けてきたのじゃから。
ワシはその子供達が持っていた物を、全てここに保管してきた。あのまま放置していたは、拾った誰かが悪用するかもしれなかったからの」
その子供というのがどんな人間だったのか、桐山には知る術もない。
だが、桐山と同じくこの世界へと何らかの原因でやってきてしまったのだろう。
「キリヤマ君。……君に、これらを預けておこうかと思う。どうやらこれらは君にしか扱えぬものらしい。ここに置いておいても意味はないじゃろう。……じゃが、約束してくれ。決して、この学院の者達にこれ以上の危害は加えぬ、と」
厳かに語るオスマンに、桐山はこくりと頷く。
海軍の方か? ブリッツ・ロワイヤルのヤツと映画版?
さるったか?
サルってはいないけど、昼食タイムでした。失礼しました。
「君に喧嘩を売ろうとする生徒が現れたら、ワシらに伝えてくれたまえ。こちらで十分に罰を与える」
桐山はオスマンから与えられた数多くの武器を、ルイズの部屋へと持ち帰っていた。
思わぬ所でこれ程の武器が手に入るのならば、これから何か騒動が起きた時に役立つだろう。
もっとも、この世界の技術では銃弾を製造したりする事はできないので使い切ってしまえばそれまでだ。
日が落ち、アルヴィーズの食堂の上の階のホールで舞踏会が行われていた。
中では着飾った生徒や教師達が歓談している。
パーティが始まると、綺麗なドレスにみを包んでいたキュルケは何人もの男達に囲まれて楽しそうに話をしている。
黒いパーティドレスに身を包むタバサはテーブルの上の料理と格闘している。
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜〜〜〜り〜〜〜〜!」
門に控えていた衛士がルイズの到着を告げる。
キュルケやタバサと同じように着飾っていたルイズは、傍から見ればとても高貴で美しい姿だった。
ルイズの到着と共に楽士達が流れるように音楽を奏で始める。
ルイズの周りに、その美貌に驚いた男達が群がって盛んにダンスを申し込んでくるが、その全てを断り、ホール内をを見回す。
「もう、せっかく一緒に踊ろうと思っていたのにどこへ行ったのよ……」
彼女が探しているのはただ一人、使い魔の桐山である。彼と踊ろうと思っていたのに、その姿がどこにもない。
まさか、本当に来ていないのでは? と思ったその時――。
「な……あいつ、何やってるのよ!」
音楽を奏でる楽士達の中に紛れている、他の楽士達とはあまりに異なる風貌の少年。
学ランを脱いでバイオリンを奏でているのは紛れもない、桐山だった。
「ちょっと……! 何であいつがあそこにいる訳!?」
テーブルで相変わらず料理を食しているタバサに尋ねる。
「おお、馬子にも衣装だねぇ」
何故か彼女の傍に立て掛けられていたデルフが喋りだす。
「うるさいわねぇ。……で、どうしてあいつがあそこにいるの?」
「楽士が一人、出られなくなった」
タバサが食器を握る手を休めずに言う。
そこからデルフも説明に入り、それによると楽士の一人が気分を悪くしてしまい、他の楽士達が困っていた所、
桐山がその楽士が使うはずだったバイオリンで勝手に音色を奏でだしたのだが、
そのプレイが実に優雅で(元々、使うはずだった楽士よりも上手かったそうだ)あったため、代理として彼に演奏を頼んだのである。
そして、デルフリンガーをタバサに預けたという訳だ。
確かに、演奏はとても上手い。しかし、せっかく踊ろうと思っていた相手がいなくなっては意味がない。
だからといって、今更中断させる訳にはいかない。
ルイズは肩を落としてがっくりしていた。
バイオリンを演奏する桐山は心底不思議に思っていた。
過去に桐山はバイオリンを手にして弾いた事がある。自分の家の広大な庭の一角で、弾いてみたのだがたった一度のその演奏で桐山はバイオリンというものに興味を失い、
以後音楽教師に指名されたりする以外自分から進んで演奏する事は無くなっていた。
だが、今回は何故か一度興味を失っていたはずのものに再び興味が湧いていたのが不思議だった。
むしろ、弾いている内に不思議な充実感が生じてくる。
優雅にバイオリンを奏でる少年、桐山和雄。
その左手のルーンは、静かな光を放っている事に彼は気づいていなかった。
以上、今回はここまでです。
乙
ファイターズヒストリーダイナマイトから牛を召喚とか…
平民ではないし標準の牛に比べても体格が立派だし、ルイズ的には当たりなんだろうか?
さあ牛だ!
まあデコだったらあとカルノフとチェルノブは外せないな
来られても困るってレベルじゃないけど
GJ
待ってたぜー
人間と会話できるAI積んでてて、サイズも人間大、メンテの心配も要らなそうなヤツを考えてみたらザ・サードのブルーブレイカーが真っ先に思い浮かんだんだけど、
ADポリスのブーマなんかも良さそうだな。
でも、トニーに走るなら科学的愛情から安川2号なんかも面白そうだ。
師匠役ならゲキレンジャーのジャン(本編終了後)が
ルイズとの相性もいいんじゃないかなと今日のゴーカイ見て思った
ゴーカイというと、ステカセキングの能力を持った戦隊・・・・・・
>>890 安川2号のイカレポンチ頭だとジョゼフと愛称抜群だね!
ルイズは岸和田博士を召喚しておマチさんはジェニファーポジションと見たw
バトロワの人乙でした。
バイオリンということで、『命を吸う音』のギーゴンを思い出しました。
さて、今週分の投下をそろそろはじめようと思います。
予約がありませんでしたら、いつもどおりにさるさん回避で14:50より開始いたしますのでよろしくお願いします。
第三十八話
シルフィだって怪獣は退治できるのね! (前編)
バリヤー怪獣 ガギ 登場!
アボラス・バニラの二大怪獣との激闘の翌日、ルイズたちはようやく魔法学院で朝を迎えていた。
「ふわぁーっ、なんだもう朝か」
「なんか、このベッドもずいぶん久しぶりな気がするわね」
カーテンを開けると、太陽はすっかり高く昇っていた。あくびをかみ殺して互いの姿を見ると、昨日の着の身着のままで、
顔や頭もぐちゃぐちゃで思わず笑ってしまった。そういえば、昨日、おとといと大変なことが続いて、昨日この部屋に
帰ってきてからの記憶がない。二人とも疲れ果てていたから十時間くらいは寝ただろう。普段はめったにしない早寝遅起きに、
かえって寝疲れたようにさえ思える。
ともかく、このままではみっともないことこの上ないので二人とも着替えると、髪をといて顔を拭いた。すると、それを
見計らったかのように部屋の扉がノックされ、開けると見慣れた赤い髪と青い髪がいっしょになってやってきていた。
「はぁいルイズにサイト、よく寝てたみたいね。おはよう、昨日は大変だったみたいね」
まずはキュルケが軽い様子で入ってきた。衣装も昨日までの式典用のものではなく、学院の制服に戻っていて
なんとなくほっとした気がする。でも、人の苦労を笑い飛ばすような言動にはルイズが少しカチンときた。
「ほんと、こっちは死にそうな目にあったってのにあんたはお気楽でいいことね。肝心なときに役に立たないんだから」
「ごめんごめん、緊張を解いてあげようかと思ったんだけど、どうもこういうのは苦手ね。男の子だったら簡単に落とせるんだけど」
「さりげにツェルプストーの自慢してるんじゃないわよ。ケンカ売りに来たの?」
「あら、またまた失言。悪気はなかったの、これは本心だから許して。でも、わたしたちも知らせを聞いて慌てて飛んできた
んだから、ほんとに心配してたのよ。ねっ」
両手を合わせて、キュルケは拝むようなポーズでウィンクしてみせた。その、色っぽくもどこか子供っぽい仕草に、ルイズも
毒気を抜かれて「わかったわよ」と、怒る気がうせてしまった。それに、キュルケの後ろで神妙そうにしているタバサを
見ると、それ以上怒るに怒れなくなってしまう。
「やっぱり、無理しても残ればよかった。ごめん」
「……いいわよ、もう。あんなことが起こるなんて予測、もしできてたら神様以外の何者でもないわ。むしろ、わたしのほうこそ
あなたにいっぱい借りがあるんだから」
こちらはこちらで闘争心をまるごと削ぐオーラを出していたので、ルイズのかんしゃくは完全に行き場を失って空中分解してしまった。
まあともかく、二人とも学院にいてくれているということは、式典を放り出しても自分たちのためにやってきてくれたのは間違いない。
いくら口であれこれ言おうとも、そのくらいのことを察せないほどルイズも馬鹿ではない。苦笑すると、今度はキュルケに向かって
先制攻撃をかけた。のだが。
「ったく、こっちは虚無の謎がこんがらがって猫の手も借りたいのよ。これから忙しくなるから。キュルケ、秘密を知っちゃった以上、
あんたは特に馬車馬のようにこき使ってあげるからね」
「あーら、ヴァリエールのおねんねさんに可愛がられるほど、このキュルケさまは落ちてはいないわよ。虚無に『胸を大きくする
魔法』とか、『ファッションセンスが身につく魔法』とかがあれば、ちょうど対等になれるから探すの手伝ってあげてもいいけどね」
「な……な、ん、で、すってぇ」
あっさりと、ルイズの攻撃はキュルケの見事な切り返しにあった。相手の弱点を的確に突く舌鋒に、ルイズの顔がみるみる赤くなる。
才人はあーあと思いながらも、とばっちりを受けるのが怖いので口を出さない。そして、ルイズが反撃の台詞を探しているうちに、
キュルケはとどめの一言をぶっつけてきた。
「うんうん、あと、『目じりに縦じわがよらなくなる魔法』なんてのも必要ね。いやあ伝説の虚無だもの、きっと見つかるからがんばりましょうね」
「あるわけないでしょうが! オスマン学院長じゃあるまいし、そんな魔法始祖ブリミルがなにに使うっていうの!」
ウルトラ支援ぬ
おほほほと、勝ち誇って笑うキュルケにルイズは怒鳴ったけれども、勝敗は誰の目から見ても明らかだった。
そもそも、キュルケ相手にルイズが口で勝とうとすること自体が無謀なのである。学院で出会ってからこのかた、ルイズが
キュルケに勝てたことは皆無。しかしまあ、才人もよく思うのだけども、『胸が小さい』とか毎度同じネタでよく怒れるものだ。
”小さい胸も悪くないんだけどなあ。レモンとメロンじゃおいしさが違うし、女の子はどうしてそれがわかんないんだろう”
と、ルイズに聞かれたら張り倒されそうなことを真面目に考える才人も、思考レベルは実際のところルイズと大差はなかった。
低次元な言い争いを続けるルイズとキュルケ、傍観する才人。それを見てタバサは「いつもどおり」と、小さくつぶやいた。
本人たちはまだ気づいていないけれど、虚無など関係なく、彼らの仲に変わったところは一つもなかった。所詮、伝説の
力などは口げんかのタネくらいにしかならないらしい。
延々と続くかと思われたルイズとキュルケの口論は、ルイズのおなかが前触れなくかわいい音を立てたことで、キュルケの
優勢勝ちで幕を閉じた。赤面したルイズに、タバサはタオルを投げるようにつぶやく。
「もうすぐお昼。食堂へ行こう」
タバサの助け舟に全員が乗ったのは、それから二秒後のことである。
食堂は、生徒たちがいなくなって閑散としていたが、コックたちは居残っていた。いやむしろ、式典に興味のないリュリュが、
授業がないこの時期に修行にはげんでいたおかげで、ルイズたちは思いもかけない豪華なメニューにありつくことができた。
「どうぞ! 今日は皆さんの貸し切りです。よく存じませんが、お勤め大変だったみたいですね。厨房のみなさんとアイデアを
出し合って作った新メニューです。腕によりをかけたので、いっぱい食べてください」
自信たっぷりに宣言したリュリュの前には、テーブルせましと見たこともない料理が積まれている。普通の昼食を想像していた
ルイズは、「晩餐会じゃあるまいし、こんなに食べられないわよ」と、下げさせようと思ったけれど、鼻腔を料理の芳醇な香りが
くすぐり、一瞬にして誘惑に堕ちた。
「ま、まあ食べ物を粗末にはできないから仕方ないわよね。じゃあ、偉大なる始祖ブリミルと……」
祈りの言葉もそこそこに、一同はすいた腹に料理を送り始めた。さすが、リュリュの自信作というだけあって、どれもうまくて
手が止まらない。特にタバサなどは、どこにそれだけ入るかと思うペースで食べる食べる。
ルイズは、食べながら虚無のことを話し合おうと思ってはいた。だけど、昨日からなにも食べてないのも重なって、ナイフとフォークを
動かすのに精一杯でしゃべる余裕がない。当然、才人も似たようなもの。
結局、食べるだけ食べたらあとは眠くなってしまって、虚無のことはまた後回しになってしまった。
部屋に帰るのも面倒なので、みんな食堂の椅子を並べた即席ベッドに横たわって寝息を立て始める。ルイズははしたない光景と
自分でも思うけれど、食堂の中はあったかいし、なにか自分が学院で一番偉くなったみたいで気持ちよく、そのまままぶたを閉じていった。
しかし、そんな和やかなムードも、昼過ぎて学院に駆け込んできた馬車によって粉々に打ち砕かれた。
「ルイズーっ! ちびルイズーっ! いるんでしょ、出てきなさーい!!」
「ひぃぃっ!」
ルイズが多分、一生かかっても勝てそうもない怒鳴り声の主は、顔を確認するまでもなく全員が一発で理解した。
いや、来るのはアンリエッタから話を聞いていたときからとっくにわかっていた。けれど、脳が考えるのを本能的に
回避しようと自己防衛機能を働かせていたのだ。
「ルイズ! この私がわざわざ来てあげたってのに、出てこないとはいい度胸ね。いいわ、かくれんぼしたいならお姉さんらしく
付き合ってあげようじゃない」
生徒がいなくなって、婿探しのための猫をかむる必要がなくなったエレオノールは存分に地声を張り上げてルイズを呼ぶ。
ルイズは、エレオノールの声が、なぜか普段にも増してすごく不機嫌そうな響きを帯びているので、怖くて出るに出られない。
才人はいうに及ばず、キュルケもヴァリエールに背を向けることになるというのに傍観モードに切り替えた。死は恐れない、けれど
死ぬより怖いものは人生意外といっぱいあるものである。
ともあれ、狭い学院のこと、逃げ切れるわけもなくルイズは捕まった。
「ちびルイズ、話は全部姫さまから聞きました。あなたって子は、困ったことが起きたらまず姉を頼るのが筋ってものでしょ!」
その後、ルイズは機嫌最悪のエレオノールの前で、正座させられてお説教を受けるはめになる。その中で、自分の境遇を顧みて、
「虚無なんかいらないわよ」と、ルイズが内心で始祖ブリミルを呪ったのは無理からぬところだろう。
もっとも、エレオノールの来訪はルイズにとってマイナスばかりではなかった。
「まあいいわ。私も不測の事態の連続で気が立ってたから少し落ち着いたし……しかし、怪我の功名というべきかしらね……
まさか、あのカプセルの碑文の続きにあんなものがあったとは……このタイミングで……これも始祖ブリミルのお導きかもね」
「エレオノール姉さま?」
「ま、いいわ。ともかくこれからルイズ、あなたは私が直接管理することにします。考えてみたら、伝説の魔法なんて、研究
材料としてはまたとない素材ですからね」
「ひぃぃぃ」
実験ネズミとまではいかなくても、充分に手のひらの中の小動物を見る目のエレオノールであった。
ルイズたちが、これから始まるエレオノールとの共同生活に、あらためてルイズに虚無を授けた始祖ブリミルを呪ったのはいうまでもない。
さて、そんな騒動を傍からのんきそうに見ていたのが一人、いや正確には一匹いたりした。
「人間は大変なのね。虚無だかなんだか知らないけど、生き物はみんな大いなる意思の中で生きてるんだから、逆らわずに
なるようにまかせたらいいのにね」
学院の尖塔の上にちょこんと座って、あくびまじりにつぶやいたのはシルフィードであった。彼女は見下ろしたところでおこなわれている
ルイズたちの騒動を、興味なさそうに一瞥すると学院の中庭のほうへと下りていく。そこには、シルフィードの友達が待っていた。
”よお、青いの”
一番に声をかけてきたのは、尻尾の先に炎を灯した火トカゲ。キュルケの使い魔のサラマンダーのフレイムであった。シルフィードは、
人間には低いうなり声にしか聞こえない発音で、行儀よくあいさつを返す。
”こんにちはなのね。やっぱりみんなここにいたのね。しばらくぶりなのね”
”ご丁寧にありがとう。君はご主人が忙しいからいつも大変だね。ま、ゆっくりしていきたまえ”
やや老成した口調で、シルフィードに柔らかい草の上をすすめたのはジャイアントモールのヴェルダンデ。ギーシュの使い魔の大モグラである。
すすめられるままに草の上に座ったシルフィードは、周りを見渡してほっとため息をついた。そこにはフレイムやヴェルダンデのほかにも、
いろんな種類の使い魔が日向ぼっこをしたり、談笑したりして楽しそうに過ごしている。ここ、ヴェストリの広場は日当たりがよく、学院の
城壁が北風をさえぎってくれるので、最近使い魔たちの溜まり場になっていた。
談笑の輪に加わったシルフィードは、使い魔たちにしかわからない言語でおしゃべりを楽しんだ。話題はもっぱら彼らの主人のことや、
最近の使い魔生活のことである。
”ふー、いまごろギーシュさまはラ・ロシュールとやらで大役を果たされてるんだろうなあ。この目で見届けたかったよ”
”モグラよ。あんたなんかけっこういいほうだぜ。土を掘る速さは馬並みだから、いざとなったらすぐにご主人のとこへ駆けつけられるだろ。
ぼくはこのとおり、動きが鈍くて体の大きさが中途半端だから、キュルケさまが出かけるときもほとんどが留守番さ。青いの、お前さんは
いいよな。立派な身なりで空も飛べるから、どこでもご主人とともに行ける。まさに君は、ぼくたち使い魔のホープだよ”
”えへへ、それほどでもあるのね”
褒められたシルフィードは前足で頭をかいて照れた。彼ら使い魔のほとんどは、シルフィードのような一部の例外を除いて学院に
居残りを強いられている。理由は、使い魔はサラマンダーやスキュラのような幻獣や、大グモや大ムカデなど昆虫型のものも
いるために、群集に恐怖心を与えてしまうからである。
しかし、見た目はどうあれ、ここにいる使い魔たちに人間への悪意はない。シルフィードは、両手を人間のようにひらひらと
広げて見せながら、久しぶりの仲間たちとの会話を楽しんでいた。
”わたしも、竜の巣にいたころは絶対外に出るなって言われてたから、召喚してもらったことは感謝してるわ。でも、うちのお姉さまは
竜つかいが荒いから大変なのね”
”それだけ、君を信頼してくれているということだろう。でもまあ、動きが鈍いのも考えようだね。どこにもいけないおかげで、ぼくは
この学院でずっとのんびりできる。ドラゴンたちがえばってる火竜山脈に比べたらここは天国さ。頼まれたってやめる気はないね”
フレイムの言葉は、ほとんどの使い魔たちの意見の代弁だった。それは多少の自由は制限されるけれど、食料には不自由しないし
なにより安全である。厳しい大自然の中で毎日を命がけで生きるのにくらべたら、貴族の使い魔というのは悪いものではなかった。
もっとも、どんな集団にも異端児はいるもので、自然に戻りたいと考えているものもいないではなかった。
”お前らはすっかり飼われた犬になっちまってるな。俺は使い魔なんて、退屈でしょうがねえぜ”
そう言ったのは、全長二メイルはありそうな巨大なカマキリであった。全身は毒々しいオレンジ色に染まっていて、森の中で
鉢合わせしたとしたら誰でも悲鳴をあげそうな恐ろしい容姿をしている。もちろん使い魔の契約をされているので、人間に危害を
加えるようなことはしないが、彼は刺激に飢えているというふうにぶつぶつとつぶやいた。
”まったく、ここは寒いし人間は多いしろくなものじゃねえ。召喚なんざされるんじゃなかったぜ。はぁ、帰りてえな”
”そうか、君は南の離れ小島からここに召喚されてしまったんだったね。体が合わなくて大変だろう”
”それもあるけど故郷が心配なのさ。俺は三匹の兄弟と暮らしてたんだけど、島にいきなり来た人間たちが島のあちこちに
変な塔を建てはじめてな。脅しにいったら銃で撃たれて、その帰り道に変な鏡に突っ込んだらこのありさまだよ”
帰れるものならすぐに帰りたいのに違いない。彼の故郷が今どうなっているのかわからないけど、シルフィードや
ヴェルダンデは彼の境遇に同情して、うんうんとうなづいた。いつもどこでも、人間は彼らのいるところに勝手にやってきては
荒らしていくのである。
”まあ、君たちはそんな立派な武器を持ってるんだし大丈夫だろ。いつか帰る方法も見つかるさ”
”ありがとよサラマンダーのだんな。ああ、でもあんたを見てたら島で楽しみにとっといたごちそうを思い出すよ”
”おいおい、ぼくはおいしくないよ”
”わかってるさ。あんたのご主人に黒焦げにされたくないしな。それにしても惜しかったな。もうすぐ掘り出してみんなで
食おうって約束してたのに。谷間のボスさえいなけりゃ、あの島は天国だったのになあ”
大カマキリは、学院に来たばかりの才人のように肩を落とした様子で去っていった。彼の自慢の右腕の鋭い槍も、左腕の
鋭利な鎌もここでは活かす機会がほとんどなく、まるでさびてしまったように思える。
彼を見送ると、シルフィードたちはまた元の雑談を再開した。特にシルフィードがタバサとくぐってきた北花壇騎士の任務の
話は盛況で、活躍譚はヴェルダンデとフレイムばかりでなく、娯楽に飢えていた他の使い魔たちも聞き入った。
”いやはや、君の話はいつ聞いてもおもしろいね。どんな危機でも、主従力を合わせて乗り越える。二心同体とはまさに
君たちのようなものたちをいうのだろうね”
”えへへ、そんなに褒められると照れるのね。でも、最近ちょっと不安なことがあるのね”
”ん? なんだいそれは”
はあと息を吐いてシルフィードは困った仕草を見せた。その見るからに悩みを聞いて欲しいという態度に、ヴェルダンデが
気を利かせて、さりげなく話すようにうながすと、シルフィードはよくぞ聞いてくれたと悩みを吐露した。
”実は、シルフィが本当に役に立ってるのかどうか確信が持てないのね。いつも、怪物をやっつけたり問題を解決するのは
お姉さまで、シルフィはお姉さまを背に乗せて飛ぶだけ。お姉さまはシルフィが来る前からそんなことはやってたのよ”
”なるほど、君のご主人様は特別に強いからなあ。韻竜の眷属でもかすんでしまうところもあろうなあ。でも、使い魔を
召喚する魔法とやらは、その人間にもっともふさわしいものを呼び出すのは知っているだろう? 君が君の主人の使い魔として
ふさわしいのは、君のご主人がちゃんと証明しているではないか”
ヴェルダンデの言うことはもっともだった。シルフィード自身も、タバサ以外の人間に自分を呼ぶ資格などあるはずないという
自負はある。だからこそ、ただの風竜にでもできるような運び屋ばかりしか役に立てないのは、彼女の自尊心を大きく
傷つけるものとなっていた。
”シルフィもそこまで子供じゃないから、シルフィに戦う力や知恵が足りないのはわかってるのね。でも、いつもギリギリまで
がんばってるお姉さまの、なんでもいいからほかに役に立ちたいと思うのはいけないのかね? お姉さまに、なにかやることは
ないかねって聞いても、「ない」のつぶてしか帰ってこないし。ねえ、モグラ”
”むずかしい問題だね。赤いの、なにかいい考えはないかい?”
”ふうむ、今日明日で強くなれれば誰も苦労はしないからねえ……そうだ! 食べ物を差し入れてみるってのはどうだい?
ちょっと失礼なことを言わせてもらえば、君のご主人様は大食だからね。食べ物は喜ばれると思うよ”
フレイムがぽっぽと炎を吐き出しながら言うと、ヴェルダンデも鼻をふごふごとさせて賛同した。
”それはいい考えだ。特に甘いものなんかは頭がさえて疲れがとれるというからね。いや、君のご主人は苦めのが好みだったかな?”
”そうなのね。ハシバミ草とかムラサキヨモギとか、みんなが嫌がるものばかり好物なのね。あ、でも好き嫌いはないのね”
”なら、試してみることをお勧めするよ。主人の健康に気を遣うのは、使い魔の立派な仕事だろう”
自身ありげに推薦するヴェルダンデに、シルフィードは彼らの提案を考えてみた。確かに言われてみたら、タバサの大食は
あの小さな体に似合わず相当なものだ。読書と並んでタバサの数少ない趣味と呼んでいい。始終無表情なので喜んだ
顔は想像できないが、差し入れたものを残さず食べてくれるのは違いあるまい。
”うーん……ようし、やってみるのね!”
一大決心したシルフィードは、ぽんとひざを叩くと勇ましく立ち上がった。善は急げ、ちょうど今ならタバサたちはエレオノールに
捕まっているので急ぐことはないだろう。それに、最近は北花壇騎士の任務もあまりないので、呼ばれる心配はまずあるまい。
しかし、いったいどんなものを差し入れればいいだろうか? タバサの好物のハシバミ草やムラサキヨモギは旬を過ぎて
しまっているし、野草や野生の果実類の知識などはシルフィードにはない。が、そこは仲間たちが大勢いるのだから、よい情報を
持っているやつは見つかった。フクロウの使い魔が、耳寄りなことを教えてくれたのである。
”この学院から少し離れた山の奥に、ちょっとした原っぱがあるんだけどね。一週間くらい前かな。その上を飛んだときに、
蛙苺っていう野いちごが群生してるのを見かけたんだよ。そのときはまだ青かったから、今ごろは食べごろに熟してるんじゃないかな”
”ありがとなのね! よーし、じゃあさっそくでかけてくるのねーっ!”
大空高く舞い上がり、あっという間にシルフィードは教えられた山の方角へと飛んでいった。
残った使い魔たちは、「気をつけなよ」と見送って、またひなたぼっこと雑談に興じ始める。
目的の原っぱは、フクロウに教えられたとおりの場所にすぐに見つかった。人里から少し離れた山中の、日当たりのいい
ゆるやかな斜面に、青々とした緑の草原が見えてきたのだ。
「おっ! きっとあそこに間違いないのね。よーし、着陸なのね」
翼を羽ばたかせてホバリングしながら、シルフィードは嬉々として草原に着陸した。
降り立つと、そこは聞いたとおりの一面の野いちご畑だった。緑色のつるに数え切れないほどの蛙苺が、熟した証拠に
あざやかに色づいて、見渡す限りに続いている。
「すごいのね! これだけあったらお姉さまが百人いたって食べきれないのね!」
タバサの喜ぶ顔……といっても、見たことはなかったのですぐ想像をあきらめて、シルフィードは野いちご摘みをさっそく始めた。
なにせヴェストリの広場のおおよそ三倍はありそうな草原であるから、ほぼ無尽蔵に採り放題といっていい。持ち帰るために、
途中の山小屋から拝借してきた籠は、スイカだったら十個くらい入りそうな大きさがあったので、使い魔仲間たちにおすそわけ
しても足りなくなることはないはずだ。
しかし、野いちご摘みを始めて数分後、シルフィードは思ってもみなかった困難にぶちあたってしまった。
「う、うーん……困ったのね。このままじゃ、うまく掴めないのね」
まいったことに、野いちごは数が多いけど粒が小さいので、ドラゴンであるシルフィードの前足では手づかみできなかった。
器用さには自信があったのだけれど、つるから実を外そうとするとほとんど力の加減を間違えてつぶしてしまう。それでなくとも
鍵爪はものを掴むようにはできていないので、シルフィードの手のひらは、いつの間にかつぶした実の果汁でおかしな色に
染まってしまっていた。
「まずいのね。意気込んで出てきた手前、手ぶらで帰ったら赤っ恥なのね……こ、こうなったら、奥の手なのね!」
進退窮まったシルフィードは、普段はタバサから禁じられている韻竜の秘術を使うことにした。きょろきょろとあたりを
見渡して、誰も近くにいないことを確認すると、こほんと咳払いして呪文を唱え始める。
「我をまとう風よ。我の姿を変えよ」
風がシルフィードにまとわりつき、青い渦となる。やがて渦は光り輝いたかと思うと、唐突に消滅した。
後にはシルフィードの姿はなく、その代わりに二十歳くらいの青い髪の女性がそこに立っていた。
「きゅい! よっし、成功なのね!」
青髪の女性は、自分の手足と体を確認するとうれしそうに飛び跳ねた。まあそれよりも、彼女がシルフィードの変身した姿で
あるということは、一連を見ていたら誰にでもすぐにわかるだろう。これが、風韻竜のような特別な種族にしか使えない高等な
先住魔法『変化』の威力であった。
「うーん、やっぱり人間の体っていまいち動きにくいのね。おっとっと、しばらく化けてなかったから、ちょっとふらつくのね」
生まれたての小鹿のようにふらふらしながら、シルフィードは竜の姿とはまったく違う人間の体にとまどっていた。いつもは
羽根や尻尾でバランスをとるものだけど、人間にはそんなものは当然ない。また、彼女自身は言ったとおりに、人間の姿に
なるのはあまり好きではないために、タバサにいわれたとき以外はめったに『変化』は使わないから勘が鈍っていた。
ただ、そうして行動は不自然なものの変身そのものは完璧だった。青い髪や顔つきはタバサをモデルにしたのか、
大人びているところを除けば形がよく似ている。体つきはどちらかといえばキュルケに似ているけど、タバサがあと五年も
すればこうなるのでは? という生きた見本がそこにあった。
「よしよし。だんだん慣れてきたのね。お姉さまはよくこんな扱いにくい体で飛んだり跳ねたりできるものね。でも、これなら
野いちご摘みもらっくらくなのね」
人間の体に変わったシルフィードは、手をわきわきさせながら蛙苺に突貫していった。大きな鍵爪と違って、人間の手なら
つるから野いちごを外すのもわけはない。楽しくなってきたシルフィードは、るんるんと鼻歌を唱えながら籠に野いちごを
放り込んでいった。
「ふんふんふーん。はっはー! 苺のつるなんか今のシルフィにはあってなきがごとしなのね」
籠の底が苺の色で染まったのを見たシルフィードは、仇の首をあげたように苺のつるを頭上高く掲げた。
ぶつくさ文句を言っていたわりには、人間の体になったのは大正解だったようで収穫は面白いように進んでいく。
妙齢の女性がはしゃぎながら苺摘みをしている風景は、少々異様であったものの本人は気にしていない。
しかし、苺摘みにすっかり夢中になっていたシルフィードは、いつの間にか自分のそばにやってきた人影に気づかなかった。
「おねえちゃん、苺摘みしてるの?」
「わひゃあっ!?」
突然声をかけられたシルフィードは、仰天して思わず飛び上がった。いつもならそのまま羽ばたいて空の上まで
逃げるのだけれど、変化してることをすっかり忘れていた彼女は当然おっこちてしりもちをついた。
「あいててて、なのね」
「だ、大丈夫! おねえちゃん」
「このくらい。シルフィは大人だからがまんできるのね」
やせがまんをしながらシルフィードが振り向くと、そこには五歳くらいの小さな女の子が立っていた。
身なりから、近所の村の子供らしく、手には小さな籠を持っている。彼女はきょとんとしてるシルフィードをじっと見て、
その手に握られていた苺のつるを指差した。
「イチゴ泥棒だー!」
「えーっ!? ち、ちちち違うのね! シ、シルフィはそんな、泥棒なんかじゃないのね!」
ズバッと指摘されたシルフィードは目を白黒させて、不正を教師に見つかった学生のように慌てた。もちろん、盗みなどを
働いているつもりは毛頭ないのだけど、泥棒という直球そのものの宣告の前に、誇り高き風韻竜のプライドもどこかに飛んでいた。
必死に弁明しようとするのだけれど、少女の「じゃあその籠はなーんだ。やっぱり泥棒だ」という指摘に、返す言葉がなくなってしまう。
”ああどうしよう。シルフィは罪人になっちゃったのね。こんな不名誉、お姉さまにあわせる顔がないのね。お父さま、お母さま、
シルフィはいったいどうしたらいいのね”
このときのシルフィードには、自分の半分の背丈もない少女が地獄の閻魔のように見えたに違いない。
ところが、小さな閻魔大王は地獄行きの判決の代わりに、半泣きになっているシルフィードに一転して笑顔を見せた。
「ばー、うっそだよ! あはは、山は誰のものでもないからなにを採っても自由なのよ」
「へ……?」
「むふふ、でもニナの秘密のイチゴ畑を荒らした罰なの。おねえちゃんよその人でしょ。ひっかかったひっかかった、わーい」
「は、はー、なのね」
小さな体を飛び上がらせて喜ぶ少女に、シルフィードは全身の力を抜かせてへたり込んでしまった。
なんとまあ、見事にだまされてしまったものである。いや、少し考えたらこんな山の中の、しかも野いちごなどにいちいち
所有者がいるはずもない。そこらの川原に生えているつくしを採って帰って食べても、誰も文句を言ったりしないだろう。
シルフィードはだまされたことに気づくと、この生意気な子供をとっちめてやろうと一瞬思った。でも、少女はシルフィードが
怒声をあげるより早く、自分の持っている籠を前に出して言ったのである。
「おねえちゃん、蛙苺好き?」
「えっ? す、好きなのね」
「そうなんだ。ニナも好きだよ。じゃ、特別にニナの秘密のイチゴ畑の仲間に入れてあげる。いい、おねえちゃんとわたしだけの秘密だよ」
「秘密?」
「そう、秘密」
怒る隙を与えずに、一気にまくしたてた少女に、シルフィードは面食らって毒気を抜かれてしまった。小指を出して、指きりげんまんよ
という少女に、なんとなく自分も小指を出してしまう。しかし、怒りをおさめてみると無邪気な少女と、ささやかな秘密を共有する
ということに、冒険じみたワクワクがわいてきた。
”ちょっと変わった子だけど、悪い子じゃないみたい”
それからシルフィードは少女からいろいろと話を聞いた。名前は自分で何度も言ったとおりニナといって、この近隣の村の子らしい。
といっても、その村からここまでは人間の足で一時間はゆうにかかる。一人でやってくるとは、健脚もさることながら奔放な子だと
シルフィードは感心した。
ニナはひととおり自分のことをしゃべると、今度はシルフィードにどこから来たのとかを尋ねた。もちろん、自分の正体やら
なんやらを正直に話すわけにはいかないので、そのへんはタバサと任務を果たしているときに、いざというときにごまかすための
文句として教えられている単語をならべた。
「へー、おねえちゃんって、ガリア王国の騎士の従者なんだ。かっこいい!」
五歳のニナには当然意味はわからないのだけれど、無邪気に喜ばれるとシルフィードも気分がよかった。それからもペラペラと、
元々おしゃべり好きのシルフィードは、話したらまずいことまでを調子に乗って語った。
しかし、それまで素直に話を聞いていたニナが、ちょっと待ってと手を上げた。そして、彼女からなぜか恐る恐るといった
様子である質問をぶつけられた。
「あの、最初から気になってたんだけど、おねえちゃん……どうして、裸なの?」
「きゅい?」
一瞬、質問の意味がわからなくてとぼけた声を出したシルフィードだったが、自分の体をあらためて見直してはっとした。
シルフィードは全裸であった。頭のてっぺんからつま先まで、それこそ乳房から秘部まで惜しげもなくさらして、一糸まとわぬと
いう表現がそのままのあられもない格好である。
「あっ、しまった! 服を着るの忘れてたのね!」
やっと気がついたシルフィードは慌てたけれど、とっくに後の祭りだった。
先住の大魔法『変化』は、唱えたものを完全に望んだものに変身させられるが服までは再現できない。その上で、シルフィードは
ドラゴンなので、普段から服を着る習慣などないためにうっかりとそのことを忘れていた。さらにいえば、羞恥心もないために
人に見られているというのに、体を隠すこともせずにあたふたとしている。
これにはさすがに五歳のニナも、「普通、服を着るのを忘れるかなあ? ちょっと変な人」と、奇異の目で見てしまった。
さて、やっと人間では裸はまずいと気づいたシルフィードだったが、着替えの持ち合わせなどあるはずもない。だが幸いなことに、
森の中に差し渡し三メイルほどの大きな葉っぱをつけた草があったので、それの真ん中に穴を開けて、ポンチョのようにして
かぶり、つたで腰をしばって服の代わりにできた。
「ようし、これで大丈夫なのね」
「わあ! おねえちゃん、森の妖精さんみたい」
普通、全然大丈夫でない格好だったが、ニナには気に入られたようであった。
大人にはとても見せられないような珍事も、子供にとっては些事である。それから二人、正確には一匹と一人は何事も
なかったように、仲良くイチゴ摘みを楽しんだ。
時間があっというまに過ぎ、シルフィードの籠の三分の一ほどが苺で埋まる。しかし、まだいっぱいにはほど遠い。
「弱ったのね。これっぽっちじゃ、みんなに分けたらお姉さまのぶんはたいして残らないのね」
野いちごは小さいので思ったように量が集まらない。甘く見積もっていたと、シルフィードは後悔したもののどうしようもなかった。
けれど、困った様子のシルフィードを見て、ニナは含み笑いをしながら驚くべきことを語った。
「ふふふ、お困りのようだねおねえちゃん。しょーがないなあ。じゃ、とっておきのとっておき、秘密の秘密の場所に案内してあげる」
そう言うとニナは、「こっちこっち」とシルフィードをうながして駆け出した。
「あっ! まっ、待ってなのね」
ぴょんぴょんと、ニナはウサギのように野いちごのつたの隙間を駆けていく。人間の姿で走りなれてないシルフィードは、三倍くらい
体格が違うというのに、置いていかれないようにするのでやっとだった。
そうして、二人は森の中の獣道に入って、森のさらに奥へと進んでいく。どこへ向かっているのかとシルフィードが尋ねると、
ニナは待ってましたとばかりに教えてくれた。
「んふふ、実はね。さっきのとこよりすごいイチゴ畑があるんだ。びっくりした?」
「あのイチゴ畑より!? そ、それはほんとにすごいのね」
飛び上がらんばかりに驚いたシルフィードに、ニナは胸をそらせて誇らしげに語った。
「すごいでしょ。前に探検してて見つけたんだ。ほんとは、おかあさんが行っちゃいけませんってところにある場所だから、
村の誰も知らない、ニナだけの秘密なんだよ」
「それはすごいことなのね。でも、行っちゃいけませんって、どういうことなのね?」
シルフィードが怪訝な表情を見せると、ニナは物知りなふうに人差し指を空に向けた。
「この山を越えた先はね。オーク鬼っていう怖い怪物のすみかなんだってさ」
「オ、オーク鬼!? そ、それはまずいのね! すぐ引き返すのね!」
仰天したシルフィードは、ずんずんと進んでいくニナの肩を慌てて掴んだ。彼女が恐れるのも無理はない。オーク鬼は、ハルケギニアに
生息する凶暴な亜人の一種で、二メイル以上の体格と強靭な力を持ち、猿以上の知能も併せ持つ豚の怪物である。人間の子供が
大好物というやっかいな嗜好もあり、鼻が利くために自分たちなんか絶好の獲物にされてしまうだろう。
なのにニナは臆した様子もなく、前に進もうとする。
「大丈夫だよ。おとうさんが言ってたんだ。「オーク鬼が繁殖の時期に入って、人里にエサを求めてやってくるかもしれないから
警戒してたのに、今年は一匹も現れない。やつら、どこか別の土地に移住しちまったのかな」って。だから心配ないよ」
「ふーん。確かにオーク鬼は子育ての時期にはなりふりかまわずエサを探し回るのに、変なものなのね。だったら、大丈夫かもね」
あまり深く考えるようにはできていないシルフィードは、なんとなくニナの説明に納得した。オーク鬼がいないのなら、ニナのいう
もっとすごいイチゴ畑はすごく魅力がある。万一のことがあっても、ニナをつれて飛んで逃げればいいやと軽く考えた。
だが、五歳のニナと人間でいえば十歳くらいしかないシルフィードは、問題の根幹の不自然さには気づいていなかった。繁殖期
という大事な時期を迎えたオークたちが、群れごと大移動するという暴挙に出るのだろうかということに。
「わぁ、これはほんとにすごいのね!」
山を越えて、たどりついた先にあったのはシルフィードの想像を超えた光景だった。日当たりのいい広い草原と、豊かな土壌に
はぐくまれた蛙苺の原っぱ。どの実も普通の倍近い大きさがあり、どれも宝石のように熟している。
「すっごいでしょ。これ全部採り放題なんだよ!」
「感謝するのね。これでお姉さまもみんなも大喜びなのね!」
宝の山を目にした二人は、おおはしゃぎで籠を蛙苺で埋めていった。我慢できずにいくつかついばんでみると、熟し方が最高で、
口の中にほどよいすっぱさと、後から来る甘みがじわっと広がってくる。
「おいしー!」
「でしょでしょ。このすっぱさが、ニナも大好きなの」
夢中になって、二人は蛙苺を集めた。
しかし、二人が時間を忘れているそのとき、地中から先の尖った柱のようなものが現れて、その先端から空に向かって光が放たれた。
光は上空数百メイルで拡散すると、シルフィードたちのいる草原を中心にドーム状に形をなし、空気に溶け込むように消えた。
やがて、シルフィードとニナは籠に蛙苺をいっぱいに入れて帰途につこうとした。
しえん
「すごいのね。あっというまに籠がいっぱいになっちゃったのね」
「よかったねおねえちゃん。でも、他の人に教えちゃだめだよ」
「わかってるのね。シルフィとニナのだけの秘密なのよね。騎士は、約束は必ず守るのね」
胸を張って誓ったシルフィードに、ニナは「騎士さまかっこいいー」と手を叩いて喜んだ。
「さ、じゃあ暗くならないうちに帰るのね。お父さんやお母さんが心配するといけないのね」
「うん!」
元気よく答えたニナの手を引きながら、おねえさんぶってシルフィードは意気揚々と歩き始めた。
しかし、山を越えるための獣道に差し掛かろうとしたときだった。ドンっと、二人は行く手をさえぎるようにして現れた、目に見えない
壁に当たってはじかれてしまったのだ。
「あいてて、なんなのね。鼻をうっちゃったのね」
「これ……壁? 透明な、ガラスみたいな壁が道を塞いじゃってるよ!」
「え!? ほ、ほんとなのね。なんで? 来るときはこんなのなかったのね!」
「これじゃ帰れないよ! おねえちゃん、どうしよう!?」
焦った二人は、パントマイムのようにしながら見えない壁に切れ目がないかどうかを探した。しかし、壁はまるではてがなく、
石を投げてみても簡単に跳ね返されるだけで割れる気配はない。
いったいどうして……? わけのわからない事態に、二人は本格的にあせり始めた。明らかにただごとではなく、いくらまだ子供の
シルフィードにしても、これが危険な兆候だということは今までの経験から推測することができた。
そして、シルフィードの予感は完全な的中を見せた。
森の一角から土煙が上がり、地響きとともに地底から現れる巨大怪獣。
「あ、あの怪獣は……あのときの!」
シルフィードは、その怪獣に見覚えがあった。鋭い鍵爪と鞭のような触手を持つ凶悪なシルエット。
以前、エギンハイム村でムザン星人の手先として現れ、後に魔法学院での決戦で、ヤプールが呼び出した怪獣軍団の中の一匹。
ウルトラマンヒカリにへし折られたはずの角の跡も記憶と合致する。間違いなく、バリヤー怪獣ガギがシルフィードの前に三度目となる姿を見せていた。
「あ、あいつ。まだ生きてたのね」
乱戦の最中に逃亡し、受けたダメージから恐らくはもう死んでいると思っていたシルフィードは愕然とした。
だが、驚いている暇はない。タバサがいない今、自分に戦う力はないのだ。シルフィードはニナの手を引いて駆け出した。
「ニナちゃん、逃げるのね!」
あいつは自分たちを狙っている。シルフィードはニナが痛がるのもかまわずに必死で走った。しかし、ガギの腕から伸びる触手が
ニナの体に絡み付いて、彼女をシルフィードの手から奪い取ってしまった。
「ニナちゃん!」
「おねえちゃん!」
ヒカリによって切断されていたはずの触手は完全に再生を果たしていた。ガギは、ニナを捕らえるとそのまま地底へと潜っていく。
触手に捕まったまま、ニナはガギの巣へと続く穴の中へと引きづりこまれていった。
「おねえちゃん! 助けて! 助けてーっ!」
「ニナちゃーん!」
必死に伸ばした手もむなしく、地底へと続く穴はニナを飲み込むと土が盛り上がって閉じた。
後に残されたシルフィードは、狂ったように土をかくものの、当然ながらなにも掘り当てることはできない。
そのとき、ニナの持っていた籠が空っぽになってシルフィードの前に転がってきた。
「ニナちゃん……きゅーい! きゅーいぃーーっ!」
シルフィードの悲痛な叫びが、空気を切り、バリヤーもすり抜けてはるかな空へと消えていった。
続く
今週はここまでです。支援、ありがとうございました。
シルフィードの休日をウル魔風にアレンジした今回のお話、いかがだったでしょうか。
アボラス・バニラ編が長く続いたので、ちょっとしたサイドストーリーのつもりで書いてみました。
ゼロ魔はキャラみんなにそれぞれ主役を張れるだけの印象深さがありますので、いくら話を考えても底がないので楽しいです。
中でもシルフィードはまっすぐで表裏がないので、書いていてノリがよかったです。
では、次回の後編に続きます。
それから、480KB超えたようなので立ててきます。
申し訳ありませんが、スレ立て拒否されましたので、どなたか代わりにお願いいたします
乙です
ちょっくら立ててきます
ダメだ… 自分も弾かれました…
行ってきます
>>890 メンテの要らないヤツだとブラザーチャペックとか
わりと強いし壊れてもかってに直るし
冗談言う機能に数億掛けてたりするアレなロボットですが
>>912 乙です。
声真似(厳密には異なるが)スキル持ちの彼か。
本編じゃ強化済みの鬼人型より強いと明言されてたな。
実は後輩の方で小ネタやろうとして頓挫した記憶がある。
ブラザーはツナミとセットなイメージが強い、が子守は得意だから意外といい関係作れそうでもありますな
何故か亀甲縛りな立ち絵があるアレなロボットですが
>912さんもウルトラさんも乙……
……カマキラスがいるように見えるんですが?
サイト「け、剣が喋った!!!?」
ルイズ「インテリジェンスソードなの?」
デルフ「おはようございます、独立型戦闘支援ユニット「DERFF」です。操作説明を行いますか?」
AIっていうからつい
>>885 ゼロ魔の世界で、桐山も少しずつ変わっていくのかな。
ウルトラの人も乙。
あの暗黒中世並みの世界だと普通、悪い方向に変わりそうな気がするが
シエスタのような一般庶民でさえ娯楽書を読めるような世界が暗黒中世並みは無いだろ
風呂にも入ってて、道端にうんこも投げ捨てないしな!
どんな中世ヨーロッパをイメージした作品でも、そんなの再現した作品ないから当たり前だけど
>>872 ピッコロさんがそう言っただけで、悟飯やウーブはしっかり強くなってました
消息不明な作者のうち、地震で亡くなった人も何人かいるんだろうな
居そうだなぁー
こういう時のために投稿サイトは作者の出身県登録できるようにしてほしいわ
下水道な話で、某配管工召喚とか思った
貴族の子息しか入れない国に一つの学校で働くシエスタは明らかにエリート平民だと思うぞ
一体中世暗黒時代をどういうものと見てるんだろう
ハルケだって、道端に汚物が転がってる描写あったろ確か
給料も良いだろうしな
>一体中世暗黒時代をどういうものと見てるんだろう
平民は極悪な貴族の監視下に置かれ、おむすび一個で過酷な労働を強いられています
貴族の子息子女ですら、魔法ばかりやってるとは言えあの教育水準の低さだったり
トイレ描写なんかが省かれているだけだったりするところを見ると、実際裏方や市街地のほうは相当酷いと思うが
ラノベの世界なんだからあんま気にするなよw
ダルタニャン物語だとこのあたりどうなってるんだ?
当然、当時のセーヌ川は汚物の廃棄場所でしかありませんでした。
中世以来、シラク大統領が登場するまでのパリの街中は汚臭が漂う悲惨な状況でした。
>>930 >あの教育水準の低さ
ええと…ゼロ魔の貴族の教育水準が極端に低い描写ってあったっけ…?
あんまり心当たりがないのだが…
現代世界から転移していった無知で能天気な高校生のサイトが、
「何だこのゴミ溜めひっくり返したような世界はーーっ!」
とか叫んでおらず、
貴族の食事は普通に旨くて豪勢だと感じているし、
不満を感じた個所が平民用の風呂がサウナ形式なことだとかいう程度なお気楽さからしてみると、
やはりゼロ魔の世界は現実の中世に比べれば相当衛生状態その他の水準は高いのではないかな?
仮に技術水準が現実の中世と同程度だとすれば、単純に魔法がある分だけ優れていることになる
水メイジによる浄水・治水、土メイジによる建築・道路整備
鋼鉄をも容易く溶解させる火メイジによる製鉄・加工に、
風を使った飛行船による空中輸送さえ可能という環境
錬金を使えばあらゆる物品の強度向上やいざという時には食料品含め様々な物を生み出せる
こりゃメイジの地位が不動なのは当たり前
現代世界ほどとはいわぬまでも、環境面で現実の中世より遥か上であろうことはむしろ明らかなような気が…
適当でいいだろ。どうせ作者は気にしてない
二次創作スレまで本スレみたいにならんでいい
ハイヒールって足に糞尿がつかないために発明されたんだろ
気持ち悪いのが何人か湧いたな
設定といえばフライとレビテーションの違いって何?
レビテーションとレイウィングの違いくらいに思っとけ
冷静に考えればハルケの生活水準がリアル中世より高いって容易に推測できるのになぁ
ハルケ=暗黒時代みたいな考えの人ってヘイターなんじゃないの?って疑いたくなる
また気持ち悪いのがちまらん話題を蒸し返し始めた…
設定スレではフルボッコにされるから逃げてきたんだろw
大気にいる精霊さんががんばって空気をきれいにしているよ
自分の部屋を掃除してるようなもん
>>942 かえって分かりにくいぞ、それww
>>941 空中で移動できるのがフライ
空中に浮かせられるのがレビテーション
設定なんて深く考えるだけ損だぞ
たとえば五歳の幼児くらいの体格しかない吸血鬼が、八十パーセントが水分でできてる人間の体液を
ミイラになるまで吸えるのか? ってことにもなるし
>>947 サンクス。
やっべ俺間違えてss書いてたかも
サイト「ハラ減ったよぉ、元の生活よりひもじい思いさせといて感謝しなさいとか言うんじゃねえよクソ女」
ルイズ「平民に食わせるパンなんてあるわけ無いでしょ。パンが無ければウンコでも食えばいいのよ」
・・・ないな
>>948 エルザは変化の魔法で幼女を装っていて、本当はボッキュッバンなワガママボデーなんだよ、きっとw
吸ったそばから排尿してるんだよ。言わせんな恥ずかしい
それなんてヤプー?
>>954 そっちじゃなくて、ゴミムシくんのつもりだった
>>948 確かになぁ。
例えば、の話だが。
烈風の騎士姫でレビテーションが風系統と明かされたらしいから
厳密に言うとルイズはレビテーション使えないってことになるんだろうけど・・・ねぇ?
ルイズがレビテーション使えてるみたいな書き方だがそんなことあったっけ?
申し訳ない。書き方がおかしかった。
原作の方は記憶に無いけど、古い二次だと稀に使ってるのよ。
だから適用する設定は原作何巻時点で判明したことのみとかでもいいんじゃないか、ということが言いたかったんだ。
レビテーションが使えるってことは、
ルイズは既に空を飛ぶことが出来る(自分で自分を浮かす程度は出来る)ってことになるしなぁ。
ところでスクエアレベルって本当に稀だよね。
作中で名有りだとワルドとあとタバサ大好きさんくらい?
コルベールだってトライアングルだし
961 :
使い魔は甦る:2011/04/05(火) 18:18:04.93 ID:QI2WKXg9
じゃ、埋めの小ネタでも
ルイズが呼び出したのは、カエルだった。
そう、それこそそのへんの池や川に行けばすぐ見つかるような黄色い普通のカエル。
ゲコゲコと鳴き、なんの変哲もないカエルを呼び出したルイズに、クラスメイトたちは拍子抜けした様子を見せる。
「ゼロのルイズが呼んだのはカエルか」
「なんだつまらない。このまま失敗続きかと思ったのに」
「でも、カエルということはルイズの系統は水なのかしらね」
「だがそれにしても貧相なカエルじゃないか。そう思わないかいモンモランシー」
「奇遇ね。わたしが呼んだのもカエルなんだけど、なにか言い残すことはないかしらギーシュ」
反応はそれぞれなれど、ともかくルイズが魔法を成功させたのは事実であった。
しかし、はじめて魔法が成功して、本来一番喜ぶべきであったはずのルイズの反応は違っていた。
「きゃーっ! カエルーっ!」
巨大な爆発が起こり、カエルの姿は一瞬でかききえる。ルイズはカエルが大の苦手だったのだ。
だが、使い魔を爆破してしまったのでは契約ができない。仕方がないので、翌日にまたチャレンジさせてもらうことになった。
ところが翌朝、目が覚めたルイズの目の前には、あのカエルがベッドの上に乗ってゲコゲコと自分を見つめている姿があったのだ。
「きゃーっ!」
また爆発が起こり、カエルは吹っ飛んで消える。
が、ルイズの悪夢はこれで終わらなかった。なんと、そのカエルは何度爆破されようが叩き潰されようが、必ず翌日の朝には復活してルイズの前に現れたのである。
そのため、現れるたびに悲鳴をあげて爆破していたルイズもしだいにあきらめてそのカエルとコントラクト・サーヴァントをかわした。
ルーンは使い魔のカエルの胸に現れた。
その後、カエルはギーシュやフーケやワルドその他とのいざこざでつぶされたり切られたりして死んだけれども、必ず甦った。
やがて、そのカエルが虚無の魔法の生贄として必要なリーヴスラシルだとわかり、ルイズは迷わず使い魔を生け贄にささげた。
「これで、やっとこのカエルとも別れられる……」
が……やはりというか、カエルは翌日もルイズの前に何事もなかったかのように姿を現した。
そしてルイズは悟った。
ああ、このカエルは何度死んでも無限に甦るのだ。破壊されても生け贄にされても。いや、破壊され生け贄にされることこそ、この使い魔の能力であり存在意義なのだろう。
無限に自らを生け贄にし、他者が生け贄にされるのを防ぐ究極の自己犠牲の使い魔。
その後もカエルはその命を散らせて、甦り続けた。
人々は、畏怖と感謝をこめてその使い魔をこう呼んだという。そう「黄泉ガエル」と。
遊戯王GXから黄泉ガエルを召喚。
ちなみにこんなモンスターです。
攻/守100
水属性 水族
自分のスタンバイフェイズにこのカードが墓地にあるとき、このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
スタンバイフェイズ=朝、ということでどうぞ。
弱く見えますが、この黄泉ガエルが組み込まれた【ガエル】デッキは世界大会で優勝するほど強力でした。
ファー様でも代用ききそうな気がしたw
>>960 ギトーもスクウェア、カリンさんもスクウェア
タバサ自身も途中からはスクウェア
>>963 遍在ってスクエアのスペルだっけ?
あとタバサはスクエア相当のトライアングルとかわけわかんない言い回しされてるけどスクエアなのかな?
オレは根性でトライアングルがパワーアップしてるんだと思ってたよ(説明になってないけど)
「数字は同じスクウェアクラスかもしれんが
現代のパワーインフレに合わせただけのメイジと違い・・・
わたしたちオリジナルマンティコア部隊は・・・
鍛え方が違う! 精根が違う! 理想が違う! 決意が違う!」
>>964 何個重ねても技名が変わらないウインディアイシクルで四乗まで重ねられる
でもほかの四乗魔法がまだ使えない→スクエア相当のトライアングル
適当にこじつけてみた
>>967 どっかでスクエアスペルのフェイスチェンジ使ってなかったっけ?
13巻でティファニアに使ってる
同じところで「スクウェアクラスの実力を身につけるにいたったタバサだった」って書いてあるしね
>>966 つーかクラスが明確になってるのでスクウェアは風だけだな
怪しいところでメンヌヴィルとかオスマンとかサンドリオンとかクラスは書かれてないかったと思うし
>>961 おっと、自分フィールド上に魔法・罠が無い場合 が抜けてるぜ
それはそうと黄泉ガエルって羽と光輪が付いている辺り、珍しい使い魔に入る気がしないでもない
偏在がスクウェアスペルであることはタバサ大好きさんが明言している
名前は明らかになっていないが、魔法学院の宝物庫を強化したのはスクウェアクラスの土メイジである
オールド・オスマンがそうなのかもしれない
ミノタウロスの肉体を得たラルカスは水のスクウェアメイジ級になっている
あとは…
ガリアでヨルムンガンドの性能テストに使われたゴーレムを作ったのは土のスクウェアメイジらしい
エレ姉の同僚が水のスクウェアだったはず
カステルモールは遍在が使えるのだろうか
使えても騎士道精神豊かな人だから卑怯と感じるかも
偏在もやっかいだけど、似たようなので先住の意思剣も凶悪だよな
飛び回って襲ってくる剣か…
色々な作品で比較的よくあるやつだが、自分としては超人ロックのグルンベルクを思いだすな
魔法戦士リウイでもありましたね……
空中で戦い続ける二本の剣を他所に、持ち主は肉体言語で語りましたが。
リウイが召喚されたら漏れなく女性キャラ全方位にフラグが立つのだろうか
クロス先でもリウイのリア充生活なんて見たくない・・・
サイトも変わらんやん
原作サイトはどう男の責任とるのやら
平賀家には代々伝わる戦闘法がある…
それは……逃げるんだよォーッ!!
俺は生きる、生きてルイズと添い遂げる!
なルイズ一筋サイトだったら良いな
とLOVEる方式だろう
主人公は一応一途だが他の娘も虎視眈々としており
その後の妄想でハーレムが続く余地を残す
ゼロ魔はノボルの実体験をラノベにしてたんじゃないの?
個人的に最高にリア充なのは天地無用の主人公
だいたいゼロ魔は
サイトとルイズは互いが好きなのに絶妙のタイミングで相手に熱中して時と「好きじゃないのでは…?」と疑心にかられてる時が入れ替わり
やっとお互いを好きだと認めるようになったと思ったらサイトがハニートラップにかかってルイズが逃走……
もういい!もうたくさんだ!サイトを破壊する!
>>986 銀河に名だたる王族の跡継ぎな上に、監督直筆の同人でヒロイン全員と一線越えるしな。
まあそのせいでヒロイン同士が姉妹であってもギクシャクしてしまうわけだがw
埋め