リリカルなのはクロスSSその114

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1名無しさん@お腹いっぱい。

ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
型月作品関連のクロスは同じ板の、ガンダムSEEDシリーズ関係のクロスは新シャア板の専用スレにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
本スレが雑談OKになりました。ただし投稿中などはNG。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその113
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1293873732/

規制されていたり、投下途中でさるさんを食らってしまった場合はこちらに
本スレに書き込めない職人のための代理投稿依頼スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6053/1231340513/


まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/

NanohaWiki
ttp://nanoha.julynet.jp/

R&Rの【リリカルなのはデータwiki】
ttp://www31.atwiki.jp/nanoha_data/
2名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/24(木) 20:07:09.42 ID:WweTqALp
【書き手の方々ヘ】
(投下前の注意)
・作品投下時はコテトリ推奨。トリップは「名前#任意の文字列」で付きます。
・レスは60行、1行につき全角128文字まで。
・一度に書き込めるのは4096Byts、全角だと2048文字分。
・先頭行が改行だけで22行を超えると、投下した文章がエラー無しに削除されます。空白だけでも入れて下さい。
・専用ブラウザなら文字数、行数表示機能付きです。推奨。
・専用ブラウザはこちらのリンクからどうぞ
・ギコナビ(フリーソフト)
  ttp://gikonavi.sourceforge.jp/top.html
・Jane Style(フリーソフト)
  ttp://janestyle.s11.xrea.com/
・投下時以外のコテトリでの発言は自己責任で、当局は一切の関与を致しません 。
・投下の際には予約を確認して二重予約などの問題が無いかどうかを前もって確認する事。
・鬱展開、グロテスク、政治ネタ等と言った要素が含まれる場合、一声だけでも良いので
 軽く注意を呼びかけをすると望ましいです(強制ではありません)
・長編で一部のみに上記の要素が含まれる場合、その話の時にネタバレにならない程度に
 注意書きをすると良いでしょう。(上記と同様に推奨ではありません)
・作品の投下は前の投下作品の感想レスが一通り終わった後にしてください。
 前の作品投下終了から30分以上が目安です。

(投下後の注意)
・次の人のために、投下終了は明言を。
・元ネタについては極力明言するように。わからないと登録されないこともあります。
・投下した作品がまとめに登録されなくても泣かない。どうしてもすぐまとめで見て欲しいときは自力でどうぞ。
 →参考URL>ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/pages/3168.html

【読み手の方々ヘ】
・リアルタイム投下に遭遇したら、さるさん回避のため支援レスで援護しよう。
・投下直後以外の感想は、まとめWikiのコメント欄(作者による任意の実装のため、ついていない人もいます)でどうぞ。
・度を過ぎた展開予測・要望レスは控えましょう。
・過度の本編叩きはご法度なの。口で言って分からない人は悪魔らしいやり方で分かってもらうの。
・気に入らない作品・職人はスルーしよう。そのためのNG機能です。
 不満があっても本スレで叩かない事。スレが荒れる上に他の人の迷惑になります。
・不満を言いたい場合は、「本音で語るスレ」でお願いします(まとめWikiから行けます)
・まとめに登録されていない作品を発見したら、ご協力お願いします。

【注意】
・運営に関する案が出た場合皆積極的に議論に参加しましょう。雑談で流すのはもってのほか。
 議論が起こった際には必ず誘導があり、意見がまとまったらその旨の告知があるので、
 皆さま是非ご参加ください。
・書き込みの際、とくにコテハンを付けての発言の際には、この場が衆目の前に在ることを自覚しましょう。
・youtubeやニコ動に代表される動画投稿サイトに嫌悪感を持つ方は多数いらっしゃいます。
 著作権を侵害する動画もあり、スレが荒れる元になるのでリンクは止めましょう。
・盗作は卑劣な犯罪行為であり。物書きとして当然超えてはならぬ一線です。一切を固く禁じます。
 いかなるソースからであっても、文章を無断でそのままコピーすることは盗作に当たります。
・盗作者は言わずもがな、盗作を助長・許容する類の発言もまた、断固としてこれを禁じます。
・盗作ではないかと証拠もなく無責任に疑う発言は、盗作と同じく罪深い行為です。
 追及する際は必ず該当部分を併記して、誰もが納得する発言を心掛けてください。
・携帯からではまとめの編集は不可能ですのでご注意ください。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/24(木) 22:14:39.95 ID:kkahzHN6
>>1乙!
4名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/24(木) 23:08:18.16 ID:XB2hwyoX
>>1乙っす!!
5名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/24(木) 23:45:00.42 ID:A7a5oZAt
>>1乙!!
6LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/24(木) 23:48:30.56 ID:O/Dp3J8Z
予想より早かったLBです。何より自分が驚いた。前回の投下から半月もかからないとか何があった。
スレ立て早々でなんですが、30分後に投下開始します。

注意事項
 容量:30KB
 二次設定+オリ設定
7LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:21:04.70 ID:jh1bfqh3
「残り七つ。見当たらないわねえ……」
 オペレーター室で、リンディの声が響く。
 なのは達との共同戦線が始まってから、十日が経過した。
 ジュエルシードは、良くも悪くも集まりつつある。こちらで三つ、あちらで二つ。
 しかしそれ以降は、さっぱり見つからない。もう地上には存在しない可能性が高い。
「捜索範囲を、地上以外まで広げています。海が近いので、内六つはその中かと」
 モニターへ向いたまま、執務官が述べる。
「例の黒い服の子と“ディー”もあわせて、エイミィが捜索してくれています」
 正体不明の魔導師も、行方不明の捜索対象も同じく。
「しかし、消えた一つの発見はやはり……」
 戦闘の影響を受けて暴走した挙句、無関係の異世界人二名を巻き込んだ遺失物については、手掛かりの欠片も無い。
 転移の痕跡すら残っておらず、発見は絶望的であった。
「……そう」
「何か、気になる事でも?」
 数日前にも返した反応から、クロノは疑問を投げかけた。
「そろそろ、進展があればいいのだけれど……色々な意味で」
 所謂膠着状態が続いているのだ。焦れるのも無理はない。
 クロノ達とて、気持ちは同じであった。
 ロストロギアの全回収はともかくとして、フェイトなる魔導師、捜索対象の少年、セラという迷い子。
 何より問題なのは後者二つ。無事かどうかの確認も取れていない少年と、ある意味でジュエルシード以上に危険な不発弾と化している少女。
 時間がかかれば掛かる程、少年の生存確率は低く、少女の暴走確率は高まっていく。
「セラちゃんの件なんて、あと一押しって感じがするのにねー」
「そうだな……脳のアレについても、宝石についても……本当の家庭環境についても」
 会話に参加したエイミィへ、クロノは相槌をうつ。
 前者二つとは関係なく、セレスティ・E・クラインは自身の家族についてもあまり話してくれなかった。
 何故関係ないと断言できるか。質問における少女の態度で大体は察しが付く。

  本心で語った部分:自分の年齢、父親について、一人っ子である事、半年前までの行動etc。
  半分以上嘘の部分:転移直前の位置や環境、所属・宝石・ディーについてetc。
  黙秘した部分:母親について。

 特に黙秘。最後は眼尻に涙を浮かべたのだ。
8LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:24:06.51 ID:jh1bfqh3
 他の証言と違い、立場でなく感情で“聞いて欲しくない”のが良く分かった。
 一日だけ居候した高町家への“嘘”からして、少なくとも最近まで母親がいた事は間違いない。
 とすると、“おかあさんから貰った大事なもの”は――
「やっぱり形見なのかな? あの宝石」
 死んだとは言っていないものの、あの様子だと真っ先にそんな推測が立つ。
「そうだったとしても、彼女の正体には繋がりにくいでしょうね」
 だからこそ探ろうとしない。議題にも余りのぼらない。恐らくその辺りが判明するのは、彼女が自白した時だ。
 状況次第ではそれすら嘘が混じっている可能性もある。プライバシーの侵害も考慮すれば、やはり証拠入手後に聞くべきだろう。
「確かに、何か切欠があればいいのですが……」
 ヒントは十分貰っている。しかしいずれも繋がりがない。
 少女の能力が不明である以上、何を突き出して問い詰めようと決定打にならない。
 正体を掴むには、多数の手掛かりを繋ぐ“糸”が必要なのだ。
「……お?」
 忙しなく指を動かし続けるエイミィへ、電文受信の電子音。
 中身を開き、通読し、即座に報告。
「艦長。例の調査、裏が取れました」
「……そう」
 早速の進展、と呼ぶには程遠いものの、有益な情報が見つかった。
「ますます、厄介なことになりそうね」
 事件関係の、それも悪い意味で。

              第七章 軋む心
            〜Children's Heart〜

 朝食・昼食・夕食以外の時間において、食堂とは基本的に閑散としている。
 精々、機械や厨房からの音しか聞こえないだろう。
 そんな場所でビスケットを咀嚼する、少年少女三人の姿があった。
 一人は茶髪黒眼の高町なのは、一人は薄茶髪に緑眼のユーノ・スクライア、そして最後は金髪碧眼のセレスティ・E・クライン。
 丸テーブルを囲むように座し、すっかり次元航行艦内の生活に馴染んでいた。
「今日も空振りでしたね」
 ジュース片手にセラが切り出し、
「うん……」
 菓子を片手になのはが俯き、
「もしかしたら、結構長くかかるかもね」
 菓子を飲み込んだユーノが合の手を入れる。
 もう十日が経つものの、一向に会話の種が尽きない。
「セラちゃん」
「何ですか?」
 しかし、今日は違った。なのはとユーノが揃ってこちらに顔を向けている。
 視線に篭る感情は、どちらも憂慮。
「その……ディーくんの事……」
9LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:27:39.09 ID:jh1bfqh3
「ディーくんですか?」
「そうだよ」
 ユーノが続き、なのはと同様に考えている事を問う。
「もう十日も経ってる。本当に心配じゃないの?」
 パチリパチリと瞬き、溜息を一つ。
 瞼を閉じたまま、出せる答えは一つだけ。
「確かにディーくんは危なっかしい人です。お腹が空いているかもしれないし、咽喉が渇いているかもしれないし、怪我してるかもしれなせん」
 無茶ばかりして、大丈夫だよと笑い掛ける少年。下手をすれば、自分より身動きの取れない状況かもしれない。
「わたしとしては、それだけが心配です」
 自分の状況を把握したあの時から、全く変わっていない懸念事項。
 少し前は本当に心配ばかりしていた。人を傷付ける事を恐れ、セラを守る為に無茶をしては笑っていた。
 今は違う。自分もディーも、前へ進んでいる。
 持って生まれたこの力。ディーに人を殺させない為に使うと、強くなると決めた。
 強くなったが為に、失ってしまうものがある。しかして同時に、得るものも確かにある。
 戦場へ向かうディーの事に変わらず胸を痛めはするものの、帰ってくると信じられるようになったのだ。
「そ、そうなの?」
 執務官へ向けた言葉も嘘ではない。
 賢人会議の皆は、今でも必死になって探しているかもしれない。いや、寧ろ生きていると信じている。
 それなのに、肝心の自分がディーを信じないなど、情けないではないか。
「はいです」
 元より、ディーは強い。転移先と食糧問題さえ安全ならば、他はなんとでもなる。
 既に対魔導師の心配は半分以上なかったものの、クロノとの会話が気になって、念を入れてはみた。
 しかし周辺の異世界について調べれば調べる程、ディーがどこかで生きてるんじゃないかと尚更思うようになってしまったのだ。
 巨大生物を始めとした“倒せない敵”が出てきたら逃げればいいし、賊に襲われても問題無く撃退できる。
 そもそも、この位で死んでいたらメルボルンで生きていない。生死の心配など野暮である。
 どう考えても、一番心配すべきは“敵陣真っ只中”に近い自分の身だろう。
「何か、違うような……」
「違くないよユーノくん、わたしも心配だよ」
 三人の中で一番鈍いなのは。やっぱりというか気付いていない。唸るユーノも気付きそうで気付かない。
 リンディ辺りなら言外の意味を理解できるだろう。“ディーの生存は確定事項”と。
10LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:31:23.81 ID:jh1bfqh3
「そういえば」
 ビスケットを一枚摘んで、別の話題を振ってみる。
「なのはさんはともかくとして、ユーノさんの事はよく知りません」
「あ、わたしも」
 これは意外だ。なのはにも知られていないとは。
「あはは、別に隠してたわけじゃないんだけど……僕は元々、部族のみんなに育ててもらったんだ」
 若干じと目になった二人に苦笑しつつ、身内について説明するスクライアの少年。
「両親はいないけれど、スクライアの部族みんなが、僕の家族」
「そっか……」
 俯くなのはとは対照的に、セラは冷静だ。
「ユーノさん、部族の皆さんに連絡とってますか?」
「リンディ提督に聞いてみたら、もう連絡してあるって。会えるのは、事件の後処理が全部終わってからだけど」
「そうですか」
 首肯と同時の相槌に、大した感情はない。
 アースラに保護された時点で、会えないと踏んでいた二人に再会できただけ儲けもの。
 どの道別れが訪れると、とっくの昔に覚悟している。
「なのはこそ、こんなに長く家族といないのは初めてでしょ? さみしくない?」
「別に、ちっともさみしくないよ。ユーノくんとセラちゃんと一緒だし」
 何でもなさげに笑うなのは。
 セラは、その表情に違和感を覚えた。
「一人ぼっちでも結構平気。ちっちゃい頃は、よく一人だったから」
 口に銜えていたビスケットを手放し、目を瞑ったたなのはの顔に、影がさした。
 数年前、父がとある仕事で大怪我し、長い間入院していた時期があったらしい。
 当時は喫茶店を始めたばかりだった為、母と兄はてんてこ舞い。姉は父の看病に付きっきりで、自分は家で留守を預かっていたそうだ。
「だからわたし、割と最近まで、家で一人でいることが多かったの……だから、結構慣れてるの」
「そっか……」
 暗い笑い面が、ユーノとなのはの二人に被せられる。
 要するに、“一人じゃないようでいて一人”なのだ。周囲に微妙な距離ができて、その一線をどうしても越えられない。
 だから、心の底では寂しいと叫び続けている。
 ……わたしと同じ……じゃ、ないですね。
 自分を重ねようとして、否定した。つい最近の出来事を、思い出したから。
11LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:35:14.77 ID:jh1bfqh3
 セラの場合は真逆、“一人に見えて一人じゃない”環境だったのだ。
 母親から嫌われている。ずっとそう思って生きていた。本当はわざと突き放されていただけ。
 不治の病に侵されていたから、死んだ時のショックが和らぐようにと振る舞っていただけ。
 最後は、“偽りの親子”として“本当の親子”のように過ごす事ができたのだ。
 ――別れがどれだけ辛かろうと、あの時だけは心から幸せに過ごす事ができた。
 この子達は違う。肝心な所で自分と真逆なのだから。
 放っておけば、取り返しのつかない失敗を起こすような気がする。
 だから、セラは一肌脱ぐことにした。
「……なのはさん、その時さみしかったって桃子さん達に言いました?」
 二人とも、“まだ”家族がいる。
「ううん。言ったら、迷惑がかかるから――」
「ダメです。こういう時はちゃんと伝えるべきです」
 大事な家族が、生きている。
「桃子さん達は、なのはさんの家族です。思っている事をちゃんと伝えないと、後で絶対後悔します」
「で、でも――」
「なのはさんは、家族の事を信頼してないんですか?」
「そ、そんな事ないよ!」
 何も失っていない。
「じゃあ、自分に何ができて、何ができないか、分かってますか?」
「え……」
「それを間違えたら、きっと取り返しのつかない事になると思います。難しいのは分かってますけど、それでもです」
 生きているなら、まだ大丈夫。
「ユーノさんも、部族の皆さんにちゃんと謝るべきです。自分達の事も頼って欲しいって、きっと思ってるはずです」
「う、うん……分かった」
 時間さえあれば必ずやり直せる事を、セラは知っているから。
「セ、セラちゃん?」
「二人とも、よく覚えておいてください」
 立ち上がって身を乗り出し、それぞれの頭頂に手を置き、言い聞かせる。
「一人でなんでもやろうなんて、ただの自惚れです。人が作った魔法なんて、万能なわけありません」
 協力し、助け合う事こそ、人間が持つ利点の一つである。その位、セラにだってなんとなく分かるのだ。
 そんな大事なものを最初から捨てるなんて、きっと間違っている。
「わたしたちはまだまだ子供なんですから、その辺りはもう少し気楽にいけばいいと思います」
 言い切って、漸く身勝手に発言してしまったと気付いた。
12LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:40:07.88 ID:jh1bfqh3
「あ……えぇっと、その……」
 慌てて手を離し、今のは聞かなかったことにと言いかけて、
「セラちゃん」
「な、なんですか?」
「ありがとう」
 返答は、感謝だった。
「わたしたちの事、ちゃんと心配してるんだよね?」
「ちょっと不器用だけど、言いたいことは伝わったよ」
 微笑ましげに見上げる二人の眼に、偽りなどあろう筈も無く。
「わたしはまだよく分かんないけど、今度考えてみるから」
「僕も、今度部族の皆と連絡が取れたら、謝ってみるよ」
「ホントですか?」
「「うん」」
「約束できますか?」
「「もちろん」」
「そう、ですか……」
 やがて力が抜けたように座り込む。くすりと笑った二人は、そのまま食事を続行した。
 暫くそれを眺めて、ふと思う。
 事件が片付いて、ディーに再会して、それでも元の世界に戻る方法が見つからなかったら。
 ……ダメです。
 瞳を閉じ、心の中で頭を振るう。
 どの道管理局は障害と成り得る。自分はこの世界にいてはいけない。安息の地では決してないのだ。
 こんな事を考える辺り、愛着が湧いてきたのだろうか。
「ところで、セラちゃんはどうなの? おかあさんの事」
「え」
 おかあさん。
 その単語が入った途端、セラは悪い意味で硬直した。
 一方のユーノは、なのはに何かを訴える視線を投げかけている。念話を受けているのか、なのはもユーノを訝しげに見返している。
 母親についてだけは、管理局にも誰にも正確に伝えていない。
 マリア・E・クライン。セラを守る為、たった一人でシティに対する犯罪行為を続けていた肉親。
 不治の病により、最後はセラを娘と認識できなくなった。
 それでも親子として一ヶ月を過ごし、誕生日の翌日に亡くなった。
 セラを庇って軍の銃弾に撃たれ。
 最後の最後に、セラのなまえをよんで。
 たった、三ヶ月前の出来事である。
 だからこそ話せない。今のセラには思い出すだけでも辛過ぎる。
 そんな何もかもを、サイレンが全て遮った。
『エマージェンシー! 捜査区域の海上にて、大型の魔力反応を感知!』
 直後に響く、エイミィの艦内放送。
 転換の時は、すぐそこまで迫っていた。
13LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:45:52.97 ID:jh1bfqh3
                   *

 かちゃりかちゃり。金属と陶器、陶器と陶器の触れ合う音が大きく響き渡る。
 時の庭園・食堂。高い天井から差す人口の光が、正方形の白いテーブルを照らしている。
 フロア全体には整列された灰色円柱の数々。離れた暗がりには大勢で食事を取る為だろう、長方形で同色のテーブルが置かれている。
 明かり自体が一ヶ所分しか点いておらず、目を凝らさなければ周囲のオブジェクトをまともに把握できない。
 そんな環境下、若き騎士と余命僅かな女王はテーブルを挟んで座す。
 デュアルNo.33、プレシア・テスタロッサ。双方お茶の最中である。
「新しい肉体に、別の人間の記憶を移し替える事は可能なのね?」
 糖分を多めに入れ、液体の中にスプーンを差し込むはプレシア。
 頭を回す人間は、総じて甘党なのだろうか。対するディーは、そんなどうでもいい疑問を思考の隅に追いやった。
「可能です。しかし蘇生とは……って、具体的にどうなのかちょっと詳しい事はわかりませんけど」
 遺伝子や人格が同じであろうと、新しい肉体に記憶だけ移す芸当を死者蘇生とは言わない。
 死んだ自分は“前の”存在であり、死んだ自分にとって自分は“次の”存在。同一人物というよりクローンだろう。
 寿命のあるクローンに記憶を移し続けた所で、それは不老不死でも死者蘇生でもない。生死のサイクルをぐるぐると回っているだけだ。
 例え人格ごと移しても、それを蘇生と呼ぶかどうかは人それぞれだろう。
 ……マザーコアの問題に似てる、かな?
 自らそこまで説明して、漸く浮かぶ新たな疑問。
 一人と一千万人、天秤にかけるならどちらを取るか。ディーには、両方とも正しくて同じ位間違っていると思う。答えが出せないとも言える。
 何を以て蘇生とし、何を以て蘇生でないとするか。
 難しい問題だ。少なくとも関わった事も無い今の自分には、到底決められそうにない。
 そんな事を考えていると、相手も同じく思考の海へ没頭していた。
 何を考えているのか、見当もつかない。
「……どうかしましたか?」
「いえ、貴方の言う通りでしょうね」
 どの辺りが言う通りなのか、それすらも。

 ここへ居候する事になってから、既に十日。
 一度限りの模擬戦以外は、プレシアとの会話や情報収集が一日の大半を占めていた。
14LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:49:09.19 ID:jh1bfqh3
 互いの世界は勿論の事、魔導と情報制御に関するより具体的な情報交換(マザーシステム関連は秘匿、西暦はヒントになりそうなので提供)。
 特に魔法士の“製造”を始めとした技術について、突っ込んだ質問が多かったのは否定しない。
 また、模擬戦後に偶然“ジュエルシードが情報制御に反応する”という現象が判明。事実上フェイトに協力できない事が明らかとなった。
 物理法則への干渉力は、明らかにこちらが上。元より使用用途も定かでない古代遺産だ、有り得ない話ではない。
 限定空戦可能な陸戦オーバーS級の戦力だというのに、などとぼやかれては苦笑する他なかった。

「それはそうと」
 仕切り直しのつもりか、カップを一度口に付けてから通知。
「例のアレ、終わったわよ」
「本当ですか――?」
 思わず勢いよく立ち上がる。
 アレとは、聞くまでもなく強制転移時のデータ。模擬戦以降音沙汰がなかったので少し心配していた。
「できれば全部解析し尽くしたかったから、数日かかったのよ。その分限定的ながら、戻る方法も分かったわ。……方法、と呼べるかどうか怪しいけれど」
 予想以上の成果。しかし最後の言葉で落ち着きを取り戻し、神妙な顔で座り直す。
「どういう、事でしょうか?」
「貴方達の転移は、制限時間が付いているの」
 説明を箇条書きすると、こうだ。

  一、転移の一種と推測されるものの、原因も“魔法士の世界”の座標も不明(よって具体的な仕組みも不明)
  二、行きと帰りの時間・転移先が予め指定されている(細かい時間と転移先の名称も判明済み)
  三、少なくとも転移している間は、双方の世界における時間の流れが一致している(転移していない時に合致しているかは不明)
  四、転移対象に直接干渉する為、どんな場所からでも転移可能(つまり転移対象の都合も無視する)
  五、帰還まで、既に残り一週間を切っている事

 一言一句傾聴したディーは、呆然とした表情のまま問うた。
「……じゃあ、このまま待っていれば戻れるって事ですか?」
「ええ。例え死んでも、身体さえ残ってたら問題無いみたい」
 ぽかーん、という擬音はきっとこの為にあるのだとディーは思った。
「良かったわね。思ったより深刻でなくて」
「は、はい……」
 拍子抜けして背凭れに体を預けつつ、辛うじて返す。
 喜ぶべきなのだろうが、正直複雑である。こんな簡単に帰れていいのだろうか。
15LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:52:52.15 ID:jh1bfqh3
「さて、この情報を手に入れたあなたはこれからどうするのかしら?」
「どうって……」
 そんな怖い顔で探るような眼を向けられても困る。
「基本的にあまり変わらないと思います。ここで過ごして、できればセラと合流して帰るって事で」
「あなたが帰るまでにこっちが終わった場合は?」
「その後で管理局のお世話になります」
 即答。
 時の庭園やプレシアについての情報を漏らすのは、事件が終わった後でなければならない。
「管理局については話した筈よ。疑っているのは私? それとも管理局?」
「後者です。表向きどれだけ良く動こうと、結局は組織ですから。後ろ暗い事の一つや二つ、無い方がおかしいですよ」
 魔法士の世界なんてみんなそんな感じ。お人好しの集まりであっても、隠し事は必ず存在するものだ。
 現場はともかく、上の人間がどう動くか予測できない。
「……さっき間抜け面をしていたあなたの気持ち、少し分かった気がするわ……」
「え?」
「気にしないで頂戴。ところで」
 額に手を当てて何か呟いたようだが、誤魔化された。
「こちらの技術については、順調に集めているのかしら?」
「はい。一応ですけど」
 魔導は勿論、使えそうな知識は片っ端からI-ブレインの記憶領域に叩き込んでいる。
 予備の記憶媒体も貰ったのでありがたく使用中。しかしプレシアが聞きたいのは魔導関係だろう。
 それを察したディーは、「でも」と続ける。
「こっちの世界で魔導を実用化させるのは難しいと思いますよ? 魔力ありきの技術ですから」
「I-ブレインの方が圧倒的に演算能力で優れている以上、こちらのデバイス技術もさしたる成果は期待できない……か」
 魔法士同士の戦闘では、インテリジェントデバイスも辛うじてついていくのがやっと。
 戦闘速度における人間や魔導師のコンマ単位と、魔法士のナノセカンド単位では、文字通り桁が違うのだ。
 更に魔導も次元転移も、魔力あっての技術。エネルギー問題に追い回されている魔法士の世界に、魔力の代替物など存在する筈がない。
 一応できるかどうか賢人会議のリーダーと参謀に相談するつもりだが、望み薄だろう。
「魔導炉を持ち帰るのはどうなの? それ程の技術なら、解析すれば複製ぐらいできるでしょう?」
「それ、下手したらシティ間で戦争になりかねませんよ」
16LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 00:56:19.18 ID:jh1bfqh3
 賢人会議はともかくとして、シティは現在六つ。シティ側が一枚岩でない事は自明である。
 こっちがもらう、いやこっちだと取り合いになったら収拾がつけられない。そもそも持ち帰り先が賢人会議という時点で問題だ。
 参謀の交渉術なら何とかなるかもしれないものの、やはりディー一人で下していい決断ではない。
 持ち帰った物次第で世界すら動く。一時的に異世界へ迷い込んだ人間は、こんな事まで考えなければならないのか。
 そんな苦労を初めて理解したディーである。
「ままならないわね」
 少しだけ同情が混じった溜息を漏らすプレシア。
「ええ、本当に」
 会話を聞く限り丸くなっているように見えなくもないが、これが極めて微妙な均衡で成り立っている事をディーは知っている。
 プレシアの顔は今でも血色が悪く、瞳の中には未だ狂気が見え隠れしている。
 正直胃が痛い。理解したくもない苦労人の気持ちが分かるようになってきて、ディーは少し落ち込んだ。
 更にフェイトや家族関係になると一気に機嫌を損ね、最初会った時と同様の冷徹な状態に戻ってしまうのだ。
 おかげでフェイトを嫌う理由も教えてくれない。関係ない事と突っ撥ねられてしまう。
 一重に“魔法士の世界”に対する興味がプレシアの狂気を押し留めている、もとい思考を別方向へ誘導している。
 反抗の意思がどう見ても皆無の為、質問すれば知っている限りの事を“大抵”話してくれる。
 緊急時の戦力としても極めて強大。プレシアが動かずとも、対策されない限りエース級の魔導師すら瞬殺できる。
 犯罪レベルの約束事も見かけによらず律儀に応じる為、手放すメリットが存在しない。寧ろ手放すとデメリットが発生する。
 色々と背負っていたものを、一時的であれ降ろせたのは決して悪い事ではない。相変わらず笑わないものの、これはこれでいい事だ。
 光使い事件時の経験あってこそできる、ディーならではの対応。
 薄氷の上で成立しているようなその平穏も、プレシアの横に突如現れた空間モニターが台無しにしてしまった。
 モニターの内容を理解したプレシアの顔がみるみる情を失くし、ぞっとする声音で告げる。
「……フェイトが動き出したわ」
 全くもって、ままならない話であった。
17LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 01:03:03.90 ID:jh1bfqh3
                   *

『な、なんてことしてんの、あの子達!』
 オペレーター室にいるであろう、エイミィの叫びが暗い廊下へ響く。
 三人揃ってブリッジへ走る中、詳細な状況説明を受けたセラもその気持ちは分かる。
 今までだって一個ずつ封印してきたものを、六個分。しかも海へ向けて大規模に魔力を流したらしく、相当な魔力消費が伺える。
 幾らなんでも無謀過ぎる。暴走次第では、一個でも多少骨が折れるというのに。
 ブリッジまで辿り着いたセラの視界に飛び込んできたのは、巨大モニターの中で竜巻六本を相手に海上戦を繰り広げる、金の魔導師と橙の狼の姿。
 雷もまた暴走体の一部らしく、回避運動をとる魔導師の近くを不自然な落雷が薙ぐ。
 同時発動なだけあり、暴走度合いも割増しのようだ。
「フェイトちゃん!」
 遅れてやってきたなのはが、明らかに不利へ立たされている魔導師の名を呼ぶ。因みにユーノは一着。
「何とも呆れた無茶をする子だわ」
「どう考えても、個人が出せる魔力の限界を超えています。このままでは、遠からず魔力切れを起こすでしょう」
「あの、わたし急いで現場に……!」
 冷静に話し合う提督と執務官。対照的にブリッジ上方への階段を駆け上がるなのは。
 艦長席の反対側には転移装置がある。そちらへ向かうのだろう。
「なのはさん、もう少し待ってもらえるかしら?」
「え……?」
 リンディの指示に、なのはは足を止めて瞬く。
 真っ先に訝しむのはクロノだ。
「自滅まで放置するつもりですか?」
「状況整理よ。それから判断しても、彼女の力量なら遅くはない筈」
 魔力枯渇が近くとも、なのはと同等の才能を持つ空戦AAA。こちらが作戦会議してる間に落ちる程やわではないだろう。
 しかし時間がない事は相違無い。「さて」と前置きした直後、早口でクルー達へ問い始めた。
「今まで、ジュエルシードが暴走してから封印するまでにかかった時間は最長でどの位でしたか?」
「全て十分以内に」
「複数が同時に暴走したケースは?」
「一度もありません」
「暴走開始からの経過時間は?」
「約三分です」
 クルー達が、最後はクロノがそれぞれ答える。前者二人は確かランディとアレックスといったか。
「あの、それってどういう……」
「まさか……!」
 真っ先にユーノが気付き、セラも口に出す。
18LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 01:05:27.38 ID:jh1bfqh3
「フェイトさんが自滅する前に、暴走が拡大して手がつけられなくなるかもしれない、ですか?」
 敏腕提督の首肯が、全て肯定した。
 ジュエルシードの暴走がどこまで拡大するか。人間たる魔導師がどこまで成長するか。そしてそれぞれの成長速度は。
 これらを踏まえれば、放置するリスクの大きさが理解できるだろう。
 暴走拡大に繋がる要因は二つ。撒き散らす魔力に反応するか、ジュエルシード同士で共鳴するか。
 どっちを取ってもバッドエンド一直線。
「できれば、封印後にあの子と戦いたくはないのだけれど……この状況では止むを得ないわ」
 少なくとも、今なら確実に封印できる。故に指示を下す。
「なのはさん、ユーノさん、出撃を許可します。クロノ執務官は出撃待機で」
「了解しました」
「「はい!」」
 直後、これ幸いと走り出す魔導師二名。目指すはアースラブリッジの転送機だ。
「いってらっしゃいです」
(情報制御・空間曲率の変化を感知)
「「いってきます!」」
 手を振って見送るセラ。転移しつつ、元気よく返す二人。十日前から続く微笑ましいワンシーンは今日も健在であった。
「しかし、宜しいのですか? 黒幕が出てこないかもしれませんよ?」
 九歳組が見えなくなったところで、黒衣の少年は上司へ問う。
「その黒幕を待った挙句次元世界が一つ滅んでしまったら、さぞかし良い笑い種になるでしょうね」
 皮肉たっぷりな返答に、思わず執務官が苦り切った表情になる。
「あの……黒幕ってどういうことですか?」
 首を傾げたのはセラ一人。なのはとユーノもそんな話は聞かされていない筈。
「ジュエルシードが、輸送中の事故で散乱した事は聞いていましたね?」
 こくこくと頷く。
 一方モニターでは、介入行動を開始したなのは達が金の魔導師達と共闘を持ち掛けている。
 直接魔力を譲渡してもらっている辺り、フェイトの心配は暫く不要らしい。クロノとリンディがこっちの話に集中しているのだから間違いない。
「先日、その輸送船事故の詳しい調査報告が届いたんだ」
 内容を理解するのに、十秒かかった。
「……その事故って、もう半月位前の話ですよね?」
「輸送船の不時着現場が別の管理外世界で、調査に余計な手続きが掛かるわ距離は遠いわで大変だったんだぞ? 見逃してくれ」
「は、はあ……」
 うんざりな表情で答えるクロノ。賢人会議に入ってから思う事だが、つくづく組織って大変だ。
19LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 01:11:30.61 ID:jh1bfqh3
「さて……話を戻すと事故の内容なんだが、どうやら次元跳躍魔法による魔導師からの攻撃という結果が返ってきた」
 気を取り直して明言された事故原因に、目を見開く。
 次元跳躍魔法と言えば、オーバーSランクでも魔力と体力を多大に消耗するという超高難度技術。
 単一の攻撃としては、魔法士が最も警戒すべき魔導である。
 まず術者が同じ世界に存在しない時点で反撃の術がない。一方こちらは撃たれる事をまず許容しなければならない。
 事前知識や攻撃内容次第では、あのディーですら対処できるかどうかという代物なのだから。
 それでもセラがあまり少年を心配していないのは、余程の理由がない限りそこまで危ない話に首を突っ込む事はないと理解している為である。
「術者は不明、ですか?」
「ああ。魔力光を始めとした痕跡はなく、船員の証言では“雷が落ちたような衝撃だった”そうだ」
 気になる一つの単語から連想し、視界の端にちらちら入っていた巨大モニターへ顔を向ける。
 共闘状態に入ったらしく、ユーノとアルフがチェーンバインドで竜巻数本を縛り上げている。ウイルスを組み込める魔導ならではの応用法だ。
 なのはは離れたポジションに移動している最中、デバイスを見つめる金髪赤眼の少女は戸惑っていた。
「可能性の話ではあるが、彼女の仕業という線は薄い」
 こちらの思考を読んだ執務官が先に返答する。
「少な過ぎる痕跡、それを実現させた鮮やかな手口。ここまでの隠蔽行為、あの使い魔でも難しいでしょう」
 続けるのは提督。フェイトの行方を晦ましてきたあの狼も優秀のようだが、それと比べてあまりに周到過ぎる。
「つまり、誰かが裏でフェイトさん達を動かしている、と?」
「それも情報を一切漏らさないという徹底ぶりだ」
 理解はできるが納得はできず、セラは内心で首を傾げた。情報に……ではなく、情報を与えられた為である。
 親子で念話を使っていれば許可申請も問題無いとは思えるものの、本来は機密情報の筈。
 巻き込まれただけで他に何の関係もない自分に、こんな事を話してもいいのだろうか。
 それとも、次元跳躍魔法への反応を伺っていたのだろうか?
 真意を読めずに戸惑う中、金と桜の二色光が視界の端を強く照らした。
『『せーの!』』
 掛け声に反応して巨大モニターへ顔を戻すと、幼き魔導師二名の姿。
『サンダー……』
『ディバイーン……』
20LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 01:14:14.87 ID:jh1bfqh3
 今までセラの見た中で、最も強烈な同時攻撃の瞬間である。
『レイジ――!』
『バスター――!』
 瞬間、閃光がブリッジを覆い尽くした。
 数秒後にそれが収まれば、モニターに映るのは竜巻も嵐もない海上。
 雨の降る中、衣服を濡らす事なく浮遊する四名の姿がそこにあった。
『ジュエルシード、六個全ての封印を確認しました!』
 僅かに驚嘆が混じったエイミィの声は、沈黙したアースラブリッジで真っ先に響く。
「力づくですか……」
「なんて出鱈目な……」
「……でも凄いわ……」
 呆れるセラ、驚愕に引き攣るクロノ、しばしの自失から遅れてリンディ。
 セラでもこれは分かる。ジュエルシード封印の難易度上各個撃破する所を、彼女達は膨大な魔力に任せて一網打尽としたのだ。
 魔力を受け取ったフェイトも同等に消費したからいいものの、ここまでの流れからフェイト相手に連戦だろう。
 結果的に五分の状況、そこまでの経緯は明らかに後先を考えない所業。
 マサチューセッツの事件当時ならまだしも、メルボルンで戦っていた頃の自分はここまで酷くなかった気がする。
 やはり、魔法士と魔導師の意識的差分だろうか。それとも経験や環境の問題か。
 なんだかんだで経験不足な今のセラには、まだ分からない。ただただ将来を危ぶむのみ。
 そんな思考を知る由もなく、映る少女二人は浮上してきた宝石越しに互いを見つめている。
『友達に、なりたいんだ』
 投げかけられた言葉に、眼を見開くは金髪赤眼の少女。
 雨は止み、雲間から陽光が差し込み始めた。
 ……ともだち、ですか……
 セラの中で、複雑な感情が渦巻く。
 なのはらしいといえば、なのはらしい。
 好ましくもあり、同時に何とも言えない感情が膨らむ。
 友達に対し、自分はここまで隠し事をしていいのかとか。
 友達でも、正体がばれたらなのはと戦わなければならないのかとか。
 どこかで彼女より上回っている自分。どこかで彼女より下回っている自分。
 まっすぐななのはの行動。難し過ぎる己の立場。残酷なる元いた世界。
 現在持ち得る言葉ではとても表現できず、頭の中がパンクしそうになって――
(大規模情報制御感知)
 I-ブレインの警告と、ブリッジに警報が鳴り響くのは同時。すぐさまエイミィが叫んだ。
『次元干渉――? 別次元から、本艦及び戦闘区域に向けて、魔力攻撃来ます! あ、あと六秒!』
21LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 01:17:38.28 ID:jh1bfqh3
 魔導師と魔法士、計三名が天井を見上げて息を呑む。前者は魔力、後者は情報制御から脅威を感じ取った。
 しかして前者二名は冷静さを失わない。
「総員、衝撃に備えて! クロノ!」
「了解!」
 以心伝心(Direct communication from mind to mind)、執務官は駆け足で転移装置へ。
 セラは近くの手すりに捕まり、黒衣の少年がブリッジから姿を消す。
 ここまでで、六秒。
 文字通り、“雷が落ちたような衝撃”がやってきた。
 巨大な振動がブリッジ……否、艦全体を襲い、あちこちからクルーの悲鳴があがる。
「……このタイミングで、何故……?」
 喋れば舌を噛みかねない状況下、それでも呟いたのはリンディだ。
 その疑問すら吹き飛ばす光景が、モニターに映った。
 黒幕からの支援たる次元跳躍魔法が、黒衣金髪の少女に直撃したのだ。 
『フェイトちゃん――!』
 想定外の新たな悲鳴。
 海上へ、再び雨が降りかかろうとしていた。
22LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 01:19:11.65 ID:jh1bfqh3
                   *

 何故、フェイトに撃ったのか。
 艦船はまだしも、あそこで撃つべきなら管理局側の魔導師ではないのか。
 どう考えても故意に狙ったもの。あの攻撃に何の意味があるのか。
 そんな意見が、次の瞬間身体ごと空中へ飛んでいた。
 頬と口内から脳へ奔る痛覚。一瞬の浮遊感から、床に背を打ちつけた感覚。
 一秒と掛からず上半身を起こせば、吐血する大魔導師の姿。
「プレシアさん!」
 一挙動で駆け寄ろうとして、振り払われる。
 殴り飛ばす直前に瞳から垣間見えていた狂気は、ある程度までその怒りを収めていた。
「あなたの言っている事は、何も間違っていないわ」
 口に出てくるのは、こちらへの肯定。
「それでも……それでも、許す訳にはいかなかったのよ」
 しかして、己の信念に基づいた行動だったのだろう。謝罪も訂正もしなかった。
 ……どうして……
 最初は、本当にフェイトを嫌っているのかと思っていた。
 病気を知った時、全てあの人のように演技なのかと思った。
 この十日間話して、未だにプレシア・テスタロッサを理解できずにいる。
 それ程までに、娘の事が嫌いだと言うのか。
 一体何が、気に入らないと言うのか。
「ここから先は、こちらの問題。絶対に手を出さないで頂戴」
 知りたいけれども、自分は所詮部外者だ。
 後一週間と経たずに戻る異端者。消息不明の少女を気に掛ける、ただの迷い子。
 本当に、これでいいのだろうか。
「……わかりました」
 悔恨と焦燥に、痛い程拳を握り締めた。


23LB ◆ErlyzB/5oA :2011/02/25(金) 01:22:20.48 ID:jh1bfqh3
投下終了。

“一人じゃないようでいて一人”。嫌いなシチュエーションの一つです。
一人じゃないって頭で分かってても、距離の取り方云々で問題が多々起きる。
孤独感を感じたり、関係がぎくしゃくしたり、互いの事が分からなくなったり。
歯痒いね、歯軋りしちゃうね、堪らなく悔しいね。だから嫌い。
もっと親と話そうよ。喧嘩してもいいから、拳で語る事になってもいいから。
最終的にどんな結果へ落ち付いてもいいように覚悟はしておいて。そうすれば、曖昧じゃなくなる。どんな形であれ矯正はできるのだ。
荒療治だけど、それでも変わらないままgdgdやっててもしょうがないじゃない。
“なにもせんよりはマシだ”……そうでしょう?
こういう類の“病気”って、時間経過でどこまでも重くなっていって、最終的に修復不可能となる。
結論、早い内にケリをつける方が損も少なくて済むと思う。人生は長寿アニメじゃないんだから。

あと、前回長いとか言われたけど、あれで約三分の二だったり。
戦闘シーンを20KBぐらい切って、gdgdな会話シーンもダイジェストに纏めて、ようやっと45KB。あれ以上どう削れと。
そして今回も書き足りない方だったり。友達になりたいんだ云々の心情描写云々。

先に言っておきますと、やるのは無印だけです。A's以降の構想こそあれ実現は“現時点において不可能”と判断しています。
設定上キャラを持って来れないというか。アトユウイチサンシナナイデウボァー
書き始めた時から既に終わり方も考えてあるので、展開やキャラ追加の要望は一切受け付けません。特に後者。
寧ろ設定関係で質問や要望を(コラ

では長くなっても困りますしこの辺で。
……何故か次章のシーン予定数が七つあったり残り話数がまだ半分以上あったり。
減量しないと……orz

以上。





……そして歯車は狂い始める……
24名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/25(金) 23:12:47.83 ID:iAWFqM6l
>>23
乙っす!!
25マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/02/26(土) 14:39:39.29 ID:RZ7YE2h8
>>23
投下乙!
さて、4時頃よりマクロスなのはの第17話を投下するのでお願いします。
26マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/02/26(土) 16:14:35.68 ID:RZ7YE2h8
では時間になりましたので投下を開始します

マクロスなのは第17話「大宴会 後編」

パンを土産に戻ってから5分ぐらいの時が流れた時だった。
アルトが何気なく舞台を見ると、なんとフラフラのなのはが舞台に立っているではないか。そして彼女は更に恐るべきことを宣言した。

『54ばん、高町なのはぁ!暑いので、脱ぎまぁ〜す!』

「「うぉぉぉぉ!」」

会場に木霊する男(野獣)どもの歓声。対照的に会場の半数は女性のため一斉に引いた。
そんなことお構いなしにまず茶色を基調とした地上部隊の制服の上着に手を掛けたなのはは、それを脱いでスルリと床に落とす。
酒の力で色気の加わったなのははもうすでにR指定レベルだ。

(あのバカ野郎・・・・・・!)

呆然として動けないリンディなどを尻目に大急ぎでメサイアに換装する。

「メサイア!モード2リリース、EXスーパーパック装備!」

「Yes sir.」

EXギアのエンジンと主翼の付いた機関ブロックが、VF−25のファイター時の胴体そのままの形へと変形。それは1.5メートルほどに拡大される。
そして新たにVF−25のFASTパックに酷似したブースターが主翼に生成された。
なのははすでにカッターとタイツのスカートのみだ。首筋のリボンが外され、カッターのボタンが外されていく。
アルトはブースターによって初期加速なしで緊急離陸すると、下界を睥睨(へいげい)する。
すると人混みの中にフェイトとはやてを発見した。2人は乱心した親友を救おうと男達の群れを掻き分け急行していた。
しかしなのはの最終防衛ラインであるボタンは残り少なかった。

(間に合わねぇか!)

決断したアルトはリニアライフルを生成。魔力を集束する。

「許せよなのは!ディバイン・・・・・・バスター!」

なのは直伝の魔力砲撃はあやまたず師匠に殺到した。
非殺傷設定の魔力の奔流は直撃すれば気絶するに足る出力だ。3秒に渡って照射された魔力素粒子ビームは彼女を完全に覆い隠し

「少しは容赦すべきだっただろうか?」

と一瞬頭をよぎるが、それは完全に無駄になった。
眩いばかりの青白い魔力砲撃が過ぎ去った後には、手のひらをこちらに向けたなのはの姿があった。
日頃の修練の賜物だろう。彼女は反射的に魔力障壁を展開。こちらの砲撃を受け流したようだった。

「なんちゅう奴だ!」

しかしそれで時間が稼げたようだ。フェイトとはやてが壇上に乱入して彼女を舞台袖に引きずり降ろしたのだ。
しかし男どもの理不尽な怒りの矛先は邪魔したアルトに向けられた。

「「「このバカ野郎!!」」」

集中するオーバーA〜Bランククラスの対空砲撃。
その火線の数は100を超えていたとも言われている。
27マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/02/26(土) 16:17:26.07 ID:RZ7YE2h8

「おい!待て・・・・・・!」

呼びかけつつ必死に回避する。しかし脱出しようにも天井は不可視のシールドで閉まっているため脱出できない!
逃げあぐねていると、遂に砲撃の1発が左翼のEXスーパーパックのブースターに命中。それを貫いた。
アルトは迷わずブースターを緊急パージし、それに向かってミッドチルダ式の魔力障壁を展開する。
するとそれは時をおかず爆発。直後衝撃が襲うが、なんとか受けきった。
シールドを展開していなければ危なかっただろう。

(貫いたってことはこの砲撃は殺傷設定!?間違いない・・・・・・・アイツらこっちを殺す気だ!)

アルトにバジュラ本星突入作戦でも感じなかった死の恐怖が襲う。
ランカの歌も助かるための手の1つだが、今歌えば魔力で飛ぶ自分はまっ逆さまだ。
なぜなら周囲が味方のつもりだったので全員IFF(敵味方識別信号)が味方であり、キャンセル対象なのだ。
そのためSAMFC(スーパー・アンチ・マギリンク・フィールド・キャンセラー)をアルトのみに作用させるのは現行不可能だった。できたとしても設定
変更に1分以上はかかるだろう。
アルトが

(もはやこれまで・・・・・・)

と観念しかけた時、舞台に誰かが上がった。同時に聞こえる金髪の長髪が映える彼女の声。

『55番、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!歌います!』

深呼吸、そして─────

遥か空響いてる 祈りは 奇跡に─────!

その歌声に弾幕は、止みはしないが1割ほどに弱まる。
アルトはその隙に地上に降下し、着地と同時にランカへとAMFの発生を要請した。
ピタリとやむ砲撃。会場は歌声に包まれた。
舞台に視線を移すと、フェイトがメインボーカルを。ランカが引き立てのコーラスをと、一緒に歌っていた。

(・・・・・・どうやら後で礼を言わなきゃいけなそうだな)

苦笑しながらメサイアを携帯形態であるイヤリングに戻し、手近の椅子に座った。
澄んだ2人の歌声が会場を駆け抜けていく。
フェイトから紡ぎ出されるどこまでも素直な言葉。
そんな力強い歌声にアルトの奥底で眠る衝動が、不屈の羽(つばさ)≠持った彼を動かさんとしていた。

(舞台が・・・・・・俺を呼んでいる・・・・・・!)

しかしアルトは必死にその衝動を抑えつける。

(俺は舞台は捨てた!いまさら・・・・・・)

だが早乙女有人≠ニいう人物に灯っていた永遠の炎は、アルトの深い闇に閉じられた自由の扉を解き放たんと暴れ始めた。
28マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/02/26(土) 16:20:09.34 ID:RZ7YE2h8

(*)

2人の歌姫の歌によって暴動(?)は終わりを告げ、平和が戻った。しかし、それでアルトの試練が終わったわけではなかった。

(*)

「予定通りだな?」

ミシェルの確認に問われた天城は

「会は順調ッスよ」

と応じる。

「しかし本当にやってくれますかね?」

「大丈夫。あのお姫様≠ェ舞台を前にして黙ってられるもんか。いざとなれば無理やり引きずり出してやる」

ミシェルは眼鏡を外すと、彼の言うお姫様をスナイパーの目で狙った。

(*)

昼頃始まった宴会は佳境に突入している。
舞台上の隠し芸大会も100番を超え、参加者は管理局局員だけでなく、報道関係者やさっきの『古河パン』の店主も出ているほどだった。
特に店主を中心とした商店街プレゼンツの演劇はなかなかうまく、こういうことに関しては辛口なアルトでさえ拍手を送っていた。

「演劇最高ぉぉー!」

司会に

「一言お願いします」

と言われて店主が叫んだセリフがアルトの頭をぐるぐる回る。
最近、自分が有名な歌舞伎の家の跡取りであるということを周囲が知らないため、意識してこなかった命題が再び浮上した。

(やはり俺は、演じることをやめられないのか・・・・・・)

アルトの脳裏に1年以上前の記憶が呼び覚まされる。

『あなたは演じることをやめられない。あなたは舞台(イタ)から逃げられない。あなたは生まれながらの役者だ』

『今もあなたは演じ続けている。親に反発して、パイロットを目指す青年という役を!』

これは兄弟子であった早乙女矢三郎が、自分に家に戻るよう言ったときの言葉だ。
そのとき家に戻らなかったことを後悔はしていない。しかしその言葉はアルトの脳裏に焼きついて離れなかった。
目の前の舞台が呼んでいる気がする。それはこの言葉の証明ではないか?
また、演じていることを忘れて演技することにその極みがある。だから、自分という観客を自分という役者が騙しているのではないか?と指摘するこ
の言葉も的を射ているかもしれない。

(俺は本当は、舞台に立ちたいんじゃないか)

パイロットという役職に舞台など不要。だから俺はそう演じているのだろうか?
29マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/02/26(土) 16:22:12.09 ID:RZ7YE2h8

その時、先ほど出場を断った時のフェイトの表情が彼の脳裏を過った。

(そうかあの表情、どこかで見たかと思ったら・・・・・・ありゃ俺だったんだ・・・・・・そうだ!俺は舞台が─────!!)

その瞬間、肩を叩かれた。

「ん? ・・・・・・天城か。司会はどうした?」

「はい、実はお願いがありまして」

「・・・・・・なんだ?」

「実は―――――」

その申し出は、願ってもないことだった。

――――――――――

(*)

ちょうど150番の人が終わった時だ。

『皆さん、隠し芸大会を楽しんでますか!?』

天城の呼び掛けに賛否両論の応答が飛ぶ。

『そんな隠し芸大会も時間の関係上、次がラストとなります。申し訳ありませんが、ラストを飾る人は実行委員会で決めさせて戴きました。では、よ
ろしくお願いします!』

天城が大きく頭を下げ舞台袖に退く。代わりに出てきたのはフライトジャケットを着たアルトだった。
大ブーイングの中、彼は舞台上で一礼すると舞台袖に合図した。
次の瞬間スポットライトが彼に当たり、その服と顔にホログラムの振り袖と化粧を施した。
彼の頭上にテロップが流れる。そこには『第97管理外世界・狂言 青邸稿花彩画 浜松屋の場』と書かれていた。


「言ってざぁ聞かせやしょう!」


アルトの第一声。
観客はその一言でアルトの世界に引き込まれ、身動き1つ出来なくなった。

「浜の真砂(まさご)と五右衛門(ごえもん)が歌に残せし盗人(ぬすっと)の種は尽きねえ七里ヶ浜(しちりがはま)─────」

アルトの演技、台詞の韻律の美しさ、そして何よりひとつひとつの動作から伝わってくる張り詰めた緊張感と様式美に、 観客は魅了された。
この浜松屋の場は、有名な歌舞伎の演目のひとつだ。
この幕はまず武家の娘が嫁入り支度と言って呉服屋に来るところから始まる。
しかしその娘は「店の物を万引きした!」と店員に誤認され、そろばんで額を叩かれてしまう。
事実確認の結果、誤認と認めた店は、「十両で手を打ってくれないか?」とお願いする。しかし娘の連れの男が納得せず、皆の首を切って自分も切
腹すると言い出す。
交渉の末百両で手を打つ事になり、その額を受け取った2人は引き上げようとする。
30マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/02/26(土) 16:24:14.80 ID:RZ7YE2h8
だがそこで店の奥から侍が出てきて

「その娘は男だ!」

とすっぱ抜いてしまう。
初めはしらをきっていた娘だが、二の腕の刺青が見つかり遂にシッポを出す。
冒頭の台詞は正体のバレた娘が弁天小僧菊之助に変身する際に言う名シーンだ。
しかし、観客にはそんな予備知識はない。それどころか古代日本語は半分も理解できないだろう。だがアルトの演技にはそれでも強く引き付ける力
があった。

「─────ここやかしこの寺島(てらしま)で、小耳(こみみ)に聞いた祖父(ジィ)さんの、似ぬ声色(こわいろ)で小強請(こゆすり)騙り(かたり)・・・・・・
名(な)せぇ所縁(ゆかり)の!」

振り袖の片袖を脱いで刺青の描かれた右半身を露出させ、高らかに宣言する。

「弁天小僧、菊之助たぁ、俺がぁことだ!!」

彼は全身を使って威圧するように大見得を切った。
鍛え抜かれた彼の肺活量は5000ccをゆうに上回る。そのすべてを吐き出した大声は轟音となってドーム内の観客たちの耳を、腹を直撃した。
次の瞬間、文字通り魔法のように衣服と化粧のホログラムが解除。彼はただの早乙女アルトに戻った。
だが誰一人身じろぎひとつしない。いや、できないのだ。服装などの要素がなくても、アルトはそれほどのオーラを放っていた。
アルトが頭を下げる。
それを合図にようやく魔法が解けたように観客を緊張の糸から解放。観客はランカやフェイトレベルの満場の拍手を彼に送った。

(*)

まだ隠し芸大会の余韻から覚めきっていない20分後。

壇上にはレジアス中将の姿があった。

「─────であるからして、これからも管理局のために粉骨砕身、頑張ってもらいたい」

今、ステージ前の机は残さず片付けられ、空戦魔導士部隊やフロンティア基地航空隊などの局員300人が部隊ごとに整列している。
レジアスは各部隊を見渡すと続ける。

「また、1週間後にホテル『アグスタ』にて、ロストロギアも扱う大規模なオークションが行われる。この時、このロストロギアの反応をガジェットどもが
探すロストロギアレリック≠ニ誤認して襲撃してくる可能性がある。そこで我が地上部隊は大規模な防衛網を敷く予定だ。その時が初めての魔導
士部隊、バルキリー隊の正式な合同作戦になると思うが、心してかかってくれ。以上だ」

レジアスは一斉に敬礼する局員達に返礼すると、舞台から退き、同時に会はお開きとなった。
ちなみにこの時なのははまだ休憩所で酔いつぶれていたという。

(*)

「お前の差し金だったのか?ミシェル?」

各員が散開していくなか、ミシェルに問う。
天城から隠し芸大会への出場要請があったとき、1,2もなく了解してしまっていた。
しかしこの世界で自分が歌舞伎役者であることを知っている者は、ミシェルとランカしかいない。そして自分自身ほとんど話したことはない。となると
ミシェル以外考えられなかった。
31マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/02/26(土) 16:26:22.75 ID:RZ7YE2h8

「さぁな。だとしたらどうする?」

「・・・・・・ありがとうな。おかげでよくわかったよ。俺は舞台が好きなんだって」

ミシェルはこちらの素直な感謝の言葉に面食らったようだ。一瞬彼の本当の笑顔が垣間見えたが、すぐに眼鏡を掛け直すようにして仮面≠か
ぶり直した。

「・・・・・・そうか。だがこれからも安心して背中を任せられる早乙女アルトであってくれよ。」

ミシェルはそう言うと離れていった。

(*)

「アルトく〜ん!」

ミシェル達と共に野外に駐機したバルキリーを取りに行こうとしたアルトに、特別待遇だったランカが手を振りながら近づいて来る。
そんな2人に、周囲の残っていた宴会関係者は

「そうゆう関係なんだ・・・・・・」

という顔をして散開していった。

(おいおい、また勘違いされたじゃないか・・・・・・)

アルトはため息をつき、茜色に染まっていく空を見上げた。
そこにはまだこうゆう*竭閧避けて空だけ≠見ていたいと思う青年がいた。
そんな青年に彼の金髪の友人は

「まったく、姫は・・・・・・」

と小さく呟き、深くため息をついたそうな。


以上で投下終了です。ありがとうございました
32名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/01(火) 22:14:59.22 ID:rDUbevbg
>>31
マクロスなのは氏乙!
今更だけどフェイトが歌うってのはマクロスならではで面白いな


何か新しいクロスを考えてるけどいいのが思いつかないな。
時代と世界設定がなんとかなればストパンとかやってみたいけど
今期終了すればまどか☆マギカとか来そうだが、個人的にはSTAR DRIVERとのクロスが見たい
33名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/01(火) 22:19:21.61 ID:Z4MgAXHs
>>31
乙乙
34名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/02(水) 01:55:14.85 ID:xV4K44Fy
>>31
乙!
映画見て思ったけど魔法少女ぱすてるランカの衣装とか
ミッドでも受けそうね
35名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/02(水) 11:18:55.36 ID:KVX3FsdU
>>32
まどかはそのうち来るだろうねぇ
タクトは設定に難ありか?
印持ちじゃないと介入できないし、舞台が島と学園限定の話だからな
36 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 20:45:31.84 ID:ksPpjuuP
前回の書き込みからかなり時間が経過しましたが9時になったら超百合大戦の続き書かせていただきます。

・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・このお話はディケイド理論に基く別世界のお話です。我々の住む『リアル世界』における人物及び『条例』とは一切関係ございません。
・何処かで見た様な誰かに似た人がいたとしても、あくまでも『それっぽい別人』です。そもそも住む世界自体が違うのですから。
・あんまり詮索する人はもしかしたらグロンギのゲゲルの標的にされちゃうかもしれませんよ。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
37なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 21:02:29.81 ID:ksPpjuuP
 なのはがスバル・ティアナに襲われ、そしてユーノ・BLACKがガジェットの襲撃を受けていた頃、
ディケイドはユリトルーパーとG3・G3−Xの乱戦の真っ只中にいた。

「ユリー! ユリー!」
「規制! 規制!」
「これは流石に皆を心配出来る余裕無いぞ!」

 百合ショッカーと都条例の世界の連中が敵対しているのは当然だが、ディケイドもまた百合ショッカーにマークされていたし
都条例の世界から見ても青少年の健全育成を阻害する有害物として見られていた。故に双方は争い合いながらも
ディケイドに対しての攻撃も行っていたのだが、ディケイドはライドブッカー・ソードモードを振り回し必死に応戦していた。

「幾ら個々の力が大した事無いと言ってもこんなに数が多いんじゃたまらんぞ!」

 ユリトルーパーの元となっているライオトルーパーはライダーとは言え中身であるオルフェノクの力に依存した部分が強く、
またG3・G3−Xはただの人間でもそれなりの力を発揮出来るがライダーとしての性能は低い。ディケイドと比較した場合
天と地程の差があると言っても過言では無かったが、それでも数が半端無く多いと言う点は辛い物があった。

「敵が多すぎて地面のアスファルトが見えん! 幾らなんでも多すぎだ! 555のアクセルフォーム使って
逃げると言う手もあるが、こう密集されてるんじゃ10秒で果たして逃げ切れるかどうか…。」

 辺り一面が敵ならば、地面に転がるのも敵。おかげで道路のアスファルトの色が見えない。とにかくここは何とかして
逃げる一手を考えていたのだが、そもそも密集しすぎて派手に動き回る事も難しかった。しかし…そんな時だった。

「諦めるな!」
「ん!?」

 突然ディケイドの耳に飛び込んで来た謎の声。そして声の聞こえて来た方向に目を向けると、辺り一面で乱戦を繰り広げる
ユリトルーパー及びG3・G3−Xの隙間を巧妙に縫うかの様にディケイドへ向けて駆け寄せて来る者の姿があった。それは…

「とぉ!」

 高々と飛び上がり、さらにユリトルーパー・G3・G3−Xの頭を足場代わりにして上手く駆けて行く凄まじい技…
それは『技の1号』と称される仮面ライダー1号であった。

 仮面ライダー1号。『仮面ライダーの世界』において、青年科学者にして世界的オートレーサーであった本郷猛が
ショッカーによって改造された姿であり、そこからさらに数多の戦いと特訓、そして強化改造により強力なパワーと
48の技を身に付けたのが今の彼であった。

「お前は仮面ライダー1号…。」
「大丈夫かディケイド! 詳しい事は後だ。とにかくここを脱出するぞ!」
「ああ!」

 何故ここで1号が助けに来たのかは分からない。しかし今のディケイドにとっては地獄に仏だった。
そして二人でこの乱戦を突破し、安全圏まで脱出するべく進み始めたのだった。
38なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 21:04:59.31 ID:ksPpjuuP
 その頃、なのははスバルとティアナの二人に苦戦を強いられていた。

「ほらほら、どうしましたか!? 強力な砲撃が出来なければその程度と言う事なんですか!?」

 相手が百合戦闘員ならいざ知らず、本調子では無い今のなのはの砲撃力ではスバルを迎撃するのは困難だった。

「ここはとにかく逃げなきゃ!」

 空へ飛び上がって逃げようとしても…

「おっと逃がしませんよ。」
「あっ!」

 ティアナの正確な射撃が足元に上手く撃ち込まれ、その為に怯み上昇を阻止されてしまった。
それどころか尻餅を付いてしまう始末。スバルもティアナも、味方に付けるとあんなに頼りないのに
敵に回すとこんなにも恐ろしいと言うのか。そしてスバルがなのはにゆっくり歩み寄り顔を近付けていた。

「もう観念して大人しく百合ショッカーに投降しましょうよ。百合ショッカーの総帥はフェイトさんなんですよ。
なのはさんに手荒な真似をするはずがないって分かってるでしょう? ね? ね?」
「嫌…絶対に嫌だから…。」

 あくまでも投降を拒否するなのはにスバルの表情が一瞬歪んだ。

「そうですか…。なら少し痛い目にあってもらうしか無いですよね…。歯ぁ食いしばれぇ!!」
「!!」

 スバルが拳を振り上げ、なのはの顔面目掛け撃ち込もうとしていた。それにはなのはも思わず目を瞑ってしまっていたが…
その拳がなのはの顔面に届く事は無かった。

「え? あっ!」
「こんな小さな子相手に乱暴は良くないな。」

 なのはが目を開けると、そこには突如現れた謎の男がスバルの拳を掌で受け止めている光景が移っていた。

「邪魔をするな!!」

 スバルは謎の男に対し殴り掛かった…が…次の瞬間、男は空手の回し受けでスバルの拳を弾き防いでいた。

「言っておくが俺は空手五段だ。そして…。」
「あっ!」

 さらに男はスバルの手を掴むと共に物凄い速度で投げ飛ばしていた。

「うあ!」
「柔道六段でもある。」
「な…何なの…この人…。」

 なのはは一体何が起こったのか良く分からなかった。突然なのはを助けに現れ、空手五段・柔道六段の腕前を持つ
謎の男…彼は一体何者だと言うのだろうか?
39なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 21:06:34.64 ID:ksPpjuuP
「ん…カラテ五段にジュードー六段…? スバル気を付けなさい! コイツがあの一文字隼人よ!」
「イチモンジハヤト? 誰それ?」
「馬鹿! 百合ショッカーから渡された資料読んで無いの!? 要注意人物の項目に載ってたでしょ!?」
「そうだっけ…?」

 ティアナはこの謎の男について知っている様だったが、ここで彼もティアナとスバルが百合ショッカーに
関わりのある人間と言う事に気付いていた。

「大人気なく二人して小さい子をいじめる不良少女かと思ったが…君達は百合ショッカー関係者か…。」
「だとしたらどうするの!? あんただってあの一文字隼人でしょ!?」

 ティアナは謎の男と相対しても怖気付く事無くクロスミラージュを向けていたが、男も全く動じていなかった。

「如何にも俺の名は一文字隼人。またの名を仮面ライダー2号。」
「え? 仮面ライダー…2号?」

 なのはが『仮面ライダー』と言う単語に一瞬反応した時、一文字隼人と名乗った男は服の上着のチャックを開き
その奥に隠されていた中心部に風車の内臓されたベルトを露出させていた。

「変…身! とぉ!」

 腕でポーズを取りつつ隼人は高々と跳び上がった。するとどうであろうか。ベルト中央の風車が高速で回転を始め
彼の姿が変わって行き、仮面ライダー2号へ変身していたのだった。

 仮面ライダー2号。『仮面ライダーの世界』においてフリーカメラマンであった一文字隼人がショッカーによって
改造されてしまうが、脳改造を受ける前に本郷猛に救出された事をきっかけとして仮面ライダー2号を名乗り
戦う様になり、さらに数多の戦いと特訓を重ねる事によってより強力な戦闘力を身に付けたのが今の彼の姿であった。

「君達の相手はこの仮面ライダー2号がしよう!」
「偉そうに! 姿が変わっただけじゃない! カラテだかジュードーだか知らないけど、こっちにもシューティングアーツがあるんだから!」

 スバルは今度は遅れは取らないと言わんばかりに2号へ殴りかかった。だが、そのスバルの拳に対し2号も空手の正拳で
返し、双方の拳がぶつかり合った結果、スバルが弾き飛ばされていた。

「うあああ!」
「馬鹿! 仮面ライダー2号は力の2号って言われてる位に凄い力があるのよ! 正面から行っちゃダメ!
百合ショッカーから渡された資料ちゃんと読んどきなさいよ!」

 ティアナの言った通りだった。元になっている一文字隼人自身が既に空手五段・柔道六段の腕前であるが故に
仮面ライダー2号はパワーを重視した仕様として改造された。それ故に『力の2号』と称される程の強力なパワーを有していたのである。

 その後もスバル・ティアナは仮面ライダー2号に阻まれ未だなのはを攻撃出来ずにいた。

「はぁぁぁ!」
「とぉ!」
「うあっ!」

 スバルが再度突っかかるも、逆に2号のパワーによって弾き飛ばされてしまう。
40なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 21:11:28.33 ID:ksPpjuuP
「君達が百合ショッカーに与しているのならば容赦はしないぞ。」
「くっ!」

 自身を盾にしてなのはを守る2号の強さにスバルも歯軋りしていたが、そこでティアナが後ろからスバルを引っ張っていた。

「仕方ない。一度撤退するわよ。」
「え!?」
「え!? じゃない! 私達はまだライダー対策が甘かったって事。」

 そう言ってティアナは強引にスバルを引っ張って去って行く。しかし、その間も二人はなのはを睨み付けていた。

「私達は諦めませんからね。絶対に貴女をフェイトさんの所に連れ戻してみせますから。」
「……………。」

 撤退して行く二人の姿をなのはと2号は呆然と見送っていた。今回はひとまずここまでで済んだが、
次は必ず決着を付けねばならないだろう。かつての教え子と敵対しなければならないと言う事実がなのはには心苦しかった。


 一方その頃、ユーノを肩に乗せたBLACKが単身ガジェット・百合ショッカー仕様部隊を相手に大立ち回りを演じていた。

「ライダーパーンチ!」

 BLACKの拳が重金属の塊であるガジェットを容易く打ち砕き次々に倒して行く。しかしガジェットも接近戦では敵わぬと
AIが学習してかBLACKから距離を置いたレーザー攻撃に切り替えていた。

「くっ!」
「AMFさえ無ければ僕がチェーンバインドで動きを止められるんだけど…。」

 ユーノが魔法で援護しようにもガジェットのAMFによって阻害されてしまう。とりあえずガジェットに接近さえしなければ
AMFの影響を受けないが故にユーノが防御魔法を展開してレーザー攻撃を防御していたが何時まで持つか分からない。
BLACK自身にも連戦による疲労の蓄積もあり、このままではガジェット部隊にやられてしまう可能性も否定出来なかったが…

「とぉ!」

 ここで何処から突然何者かが高々と跳び上がり、BLACKとユーノへ向けて激しいレーザー攻撃を続けていたガジェットの内の
一体へ向けて突き進むと共に……

「V3ィィィィキィィィック!!」

 その凄まじいキックでガジェットを蹴り込み一撃の内に粉砕していた。そして彼こそが…
41なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 21:13:07.54 ID:ksPpjuuP
「仮面ライダー! V3ァァァ!!」

 仮面ライダーV3。『仮面ライダーV3の世界』において本郷猛の後輩である風見志郎がデストロンによって
瀕死の重症を負わされた際に仮面ライダー1号・2号の手によって改造されたのが彼であった。

「大丈夫かBLACK!」
「ああ! しかし何故こんな所に!?」
「詳しい話は後だ! とにかく今はこいつ等を叩き潰すぞ!」

 V3の参戦によって流れが変わった。ガジェットもV3と言うイレギュラーの出現によってAIが浮き足立ち、
それが攻撃を鈍らせBLACK・V3の反撃のチャンスを作った。

「とぉ!」

 BLACKとV3が同時に高々と跳び上がり、空中からガジェットへ向けて襲い掛かり…

「ライダーキィィック!」
「V3ィィィ! 反転! キィィィック!」

 BLACKは自身の赤熱化させた脚で蹴り込むライダーキック、そしてV3は一度蹴り込んだ後に再度跳び上がり
再び蹴り込むと言うV3反転キックでガジェットを破壊していた。V3のベルトは1号の技と2号の力を受け継ぐ
ダブルタイフーンにより、強力な技と力を併せ持っていたのであった。

「よし! このまま行くぞ!」
「おお!」

 BLACKとV3は横に並び共にファイティングポーズを取り未だ残存するガジェットと相対していたのだったが…

「しかし…その肩に乗る小動物は何なんだ?」
「そんな事言ってる場合じゃないだろ。」
「あ…あの…僕はユーノ=スクライアと言います。」
「うわぁぁぁぁぁぁ! 喋ったぁぁぁぁぁぁ!!」

 未だBLACKの左肩に乗り続けるユーノの姿がV3にはシュールに映ったらしく、思わず突っ込んでいたのだが
ユーノが自己紹介した途端に『マクドナルドの世界』におけるスポンジボブのCMばりにV3は驚いてしまっていた。
42 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 21:15:23.38 ID:ksPpjuuP
今回はここまで。多分次回の書き込みで秋葉原編は終わって次章へ移行すると思います。
43名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/02(水) 21:17:29.41 ID:RYcjmZ3C
……あのぉ、注意書きなら、【注意書き】と一言ほしかったですね……

乙す。
44 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/02(水) 21:21:38.30 ID:ksPpjuuP
>>43
そうですか?
注意書きを態々【注意書き】と書かずとも分かるんじゃないかと思いましたが…
じゃあ次からそうさせていただきます。
45一尉:2011/03/02(水) 21:34:55.67 ID:3NKg6QT+
支援
46名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/02(水) 23:19:02.87 ID:/pY5vSTe
百合トランディと薔薇トラーディの争いを
フェイトさんが歌(ロストロギア音頭)で
手打ちにさせるお話はこのスレですか
47名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/03(木) 01:50:32.69 ID:gU4zXx0u
>>43
さすがにそれはゆとってないか?
48名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/03(木) 08:14:04.61 ID:X6Eh+brU
>>35
なのはとまどか、どっちの空気が勝るか気になるところ
49マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 22:03:04.38 ID:pdVqGcMh
>>42 乙です
11時頃よりマクロスなのは第18話を投下するのでよろしくお願いします。
50マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:05:55.26 ID:pdVqGcMh
では時間になったので投下を開始します。

マクロスなのは第18話「ホテルアグスタ攻防戦 前編」

「みんな、今日の任務はホテル『アグスタ』の防衛任務です。まず─────」

なのはがフォワード4人組を前に説明する。
今なのは、フォワード4人組、シャマル、リィン、ザフィーラにフェイト、そしてはやてを乗せたヴァイスの大型ヘリは、そのホテルに向かっている最中
だった。
1週間前にレジアスの公表したこの防衛任務は地上部隊初の陸士、空戦魔導士そしてバルキリー隊の正式な三位一体の合同作戦となるようセッ
ティングされていた。
編成表によれば陸上戦力は何かと因縁が深い第256陸士部隊1個中隊(150人)。航空戦力は首都防空隊に名を連ねる第16、第78空戦魔導士
部隊のAランク引き抜き(50人)部隊が展開する。
また特別戦力として機動六課(12人)、フロンティア基地からはスカル、サジタリウス両小隊(7人7機)が投入された。
ことに、陸上と航空戦力合わせて200人以上という、まさに壮観と言っていい防衛体制になっていた。

「─────このように私達は建物の警備の方に回るから、前線は昨日から守りについている副隊長達の指示に従ってね。あと地上には陸士部隊
が1個中隊展開しているけど、気を抜かないように」

「「はい」」

前線の4人は応えるが、キャロは何か質問があったようだ。

「あのぅ・・・」

と手を挙げている。

「どうしたの?」

「はい。あの、さっきから気になってたんですけど、シャマル先生の持ってきた箱って何ですか?」

突然話を振られたシャマルは、足元に置かれた3つの箱に視線を送り

「ああ、これ?」

と確認すると、笑顔で言う。

「隊長達のお仕事着♪」

その口調はどこか楽しげであった。

(*)

11人を乗せた汎用大型輸送ヘリ『JF−704式』はそれから60分後、普段はこの空域の民間機を担当するアグスタ側の管制エリアに入った。

『こちら管制塔。貴機の所属を述べてください』

その通信にヴァイスが応じる。

「こちら時空管理局本局所属、機動六課のスターズ、ライトニング分隊です。AWACSとの認識番号は3128T(さんいちにいはちチャーリー)」

『・・・・・・確認しました。駐機はホテル側の駐機場が満員なので、臨時に作られたE−5エリアの駐機場にお願いします』

「了解。管制に感謝する。オーバー」

ヴァイスは通信を終えると、手元のパネルを操作して周辺のマップを確認する。
ホテル周囲は利便性から今日だけ管理局が東西南北3、5キロメートルに渡って500×500メートルで区切っている。それは 北から南に向かって
アルファベット順に。西から東に向かって数字順になっていて、管制官の言っていたE−5エリアとは中央のDー4エリアにあるホテルから、南東に
100メートルほど離れた所にある空き地のことだった。
51マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:07:59.97 ID:pdVqGcMh
「どう?ヴァイスくん、あとどれくらいで着くかな?」

後ろからなのはの声がする。
やはりとび職(少し違うか?)。閉鎖空間に1時間というのは苦痛なのだろう。

「あと5分ぐらいで着陸しますよ。もうちょい待ってくださいね」

後ろから

「「は〜い!」」

という元気な声が聞こえる。なのはの声だけではない。乗客全員の声だ。
よほど自由を心待ちにしているらしい。

(まったく。まるで幼稚園の先生にでもなったみたいだぜ)

元気あふるる返事に肩が軽くなった思いのヴァイスは、レーダーに視線を落とした。
周囲には民間機、管理局の機体が入り乱れている。その内の1機がこちらに近づいてきた。このIFFは─────

『こちらフロンティア基地航空隊、サジタリウス小隊の早乙女アルト一尉だ。3128T、貴機の護衛に来た』

(*)

隣にヴァイスのヘリが見える。
ガウォーク形態なので、ヘリと同じ速度になることもお手のものだ。

(少し無理してヘリの護衛を志願した甲斐があるってもんだ)

アルトは久しぶりに六課の面々に会えそうだ。と思い、笑みを溢した。

『こちら3128T、護衛に感謝する。あ、それとアルト、今度バックヤードの連中と飲み会があるんだがお前もどうだ?』

ヴァイスの軽口も聞いて久しいアルトはコックピット内で破顔して答える。

「バカ言うな。何度も言ったろ?俺はまだ未成年だって」

『ハハハ、そうだったな。ん・・・・・・あー、ちょっと待ってくれ』

どうやら向こうで何か受け答えしているようだ。モニターで拡大されたヘリのコックピットに、人影が現れた。

『─────なんかなのはさんがおまえに話があるんだってよ。今切り替える。・・・・・・上手くやれよ』

ヴァイスが小さな声で言った最後の一言が気になるが、応答する余地もなく『ブッ』という耳障りな音と共に相手の無線端末が切り替わった。

『あー、アルトくん?』

「あぁ、俺だ。どうかしたのか?」

なのははこちらのいつもの調子に安心したようだ。ふぅ≠ニいう吐息が聞こえる。

『うん、ちょっとこの前のことでお礼を言いたくて・・・・・・』

「この前の?」
52マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:11:11.27 ID:pdVqGcMh
『その・・・・・・宴会の時の・・・・・・』

(ああ、それか)

宴会の騒動以降、まともな状態のなのはには会っていない。最後に見たのは基地に帰る際、休憩所に見舞いに行った時だ。
ちなみにその時のなのはは、気持ち良さそうにすやすや寝息をたてていた。

『あの、わたし、この前はとんでもない事を─────』

赤面するなのはの顔が浮かぶようだ。だが、残念ながら光の関係上、ヘリのコックピット内は見えなかった。

「確かにあれは凄かったな・・・・・・だが安心しろ、なのは」

『へ?』

「あの時メサイアに録画されてたガンカメラの映像は、一晩使った≠セけだから」

『え!?ちょっ、ちょっ、アルトくん!使った≠チて・・・・・・あの、その、えっと・・・・・・なに言ってるの!!』

声がうわずっている。よほど動揺しているらしい。ひとしきりその反応を楽しんだアルトは『このぐらいにしておいてやるか』と切り上げる。

「すまん、ウソだ。安心しろ。そんなことに使ってない。メサイアのガンカメラの記録はすぐに消したよ」

そのセリフに落ち着いたなのはは

『そ、そうだよね。はぁ、びっくりした・・・・・・』

とため息をついた。しかしそれはなぜかほんの少し落胆して聞こえた。

『・・・・・・でもアルトくん、以外と下世話なんだね』

「あら、妖精は下世話なものよ・・・・・・ってこのセリフは役者が違ったな。まぁ気にするな」

アルトは笑うと、なのはもつられて笑った。

『─────ふふ、まぁ、とりあえず1つ言っとかなきゃね。ありがとう』

「ああ。お前を助けるために、こっちは命を張ったんだ。身体は無理せず大事に使えよ。お前に何かあった時、悲しむのはお前1人じゃないんだ。は
やてやフェイト、もちろん俺だって。それをよく覚えておいてくれ」

『うん、りょうかい』

なのはの砕けた感じの声と共に無線は切られた。

(*)

「なんの話をしたの?」

キャビン(客室)に戻ってきたなのはにフェイトが問う。

「うん。ちょっと、宴会の時のお礼をね」

なのははそう言って微笑んだ。
53マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:16:00.64 ID:pdVqGcMh
(*)

「なのは〜準備できた〜?」

更衣室と化したJF−704式に向かってフェイトが呼びかける。
すでにフォワード陣や守護騎士陣はそれぞれ任務のために防衛部隊とホテルの警備員達への顔出しに散っている。
すでにここには護衛の一環と称してEXギアのままバルキリーから降りた自分。そしてヘリからの強制退去を命ぜられたヴァイスと、軽い化粧とドレ
スに身を包んで絶世の美女と化したはやてとフェイトだけだ。
しかし着替え始めて5分。早々に出てきた2人と違い、なのははまだヘリにひきこもったままだった。

『ほんとにこれを着なきゃダメなの〜!』

「どうしたんや?サイズ合わんかったんか?」

「だから昨日『試着しておいた方がいいんじゃないかな?』って聞いたのに」

『そういう問題じゃないんだよ〜!』

要領を得ない謎の応答に首をかしげる2人。

「様子見に行った方がいいんじゃないか?」

「そうだね。はやて、行ってみよっか」

「うん」

はやては頷くと、フェイトと共にヘリの中に消える。・・・・・・と内側から声が漏れてきた。

『あれ?準備できとるやんか』

『だってドレス着るなんて聞いてないもん〜!』

『昨日あまり目立たない服で警備するって話したやんか』

『そうだよね・・・・・・こんな場所で普段着なわけなかったよね・・・・・・でもこんな服着たことないし―――――』

『大丈夫だよ。なのは、よく似合ってるから』

『ホントに!?』

『うん、よう似合っとる。でも改めて見るとフェイトちゃんもなのはちゃんもけしからん胸しとるの〜』

『ちょ、ちょっとはやてちゃん!』

『ひひひ〜揉ませや〜!』

はやての奇声につづいて2人の悲鳴と、暴れたことによりヘリがガタガタ揺れる。

(ヤバい・・・・・・)

自分の中に潜むものが、意思とは関係なしに心臓を高ぶらせる。
もし自分を見るものがあれば顔を赤くしていることが丸見え―――――

「あ・・・・・・」

目の焦点が近くの木に背中を預ける人物に収束する。
54マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:18:11.74 ID:pdVqGcMh
「ふ、若いな・・・・・・」

「お前も顔赤くしてんじゃねぇか!」

そう年が離れていないヘリパイロットに言ってやると、いつの間にかヘリ中での騒動は終結したようで

「大丈夫、大丈夫。すごく似合ってるから」

などと説得されつつ2人に引きずられる形でなのはが出てきた。

「ア、アルトくん!?」

「俺がいるのがそんなに不思議か?さっきからいたぞ」

「ヴァイスくんの声だと思ったから・・・・・・」

「そうか。しかしお前、初舞台の時より色気があるんじゃないか?」

「初舞台?ってもう!その話題から離れてよ〜!アルトくんの意地悪!」

本当に怒ってしまったのか、なのははプイッ≠ニそっぽを向いてしまった。

「意地悪は俺の性分らしくてな。・・・・・・そろそろ上空警戒に戻らないとミシェルに嫌味を言われそうだ。またな」

「アルトくんもがんばってな〜」

「サンキューはやて。それとだな、なのは」

「うん?」

ヘルメットのバイザーを下して振り返ると、どうしても言っておきたかったセリフを具現化した。

「月並みだがよく似合ってるぞ。俺が保障してやる」

捨て台詞のように告げてバルキリーに搭乗すると、エンジンを起動する。
ちなみに顔が赤いのを隠すためにバイザーを下したというのは内緒だ。
多目的ディスプレイに「READY」の文字を確認すると、スラストレバーを押し出してガウォーク形態の機体を浮き上がらせる。
地上に吹き荒れる推進排気をものともせず手を振るはやて達にコックピットから敬礼して返事をすると、高度2000メートルの高みへと機体を飛翔
させた。

(*)

ホテル入り口では長蛇の列が出来ていた。
ガジェットにより治安の危機が叫ばれるこのご時世。便乗する次元海賊などのテロリストのテロ行為防止のため、ボディチェックや身元確認の作業
は空港のそれとほぼ同等のレベルにまで引き上げられていた。
そしてその最初の関門たる身分証明書を確認する係の前に身分証のICカードが示された。

「こんにちは、機動六課です」

担当者は証明写真と目前に佇む実在を見比べて一瞬驚いた表情を見せるが、自らの本分を思い出したらしく咳払い一つで向き直る。

「いらっしゃいませ、遠いところありがとうございます。検査は4番ゲートでお願いします」

「わかりました。ありがとうございます」
55マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:21:00.58 ID:pdVqGcMh
着いてみると4番ゲートは一般客のものとは仕様が違った。
変身魔法対策のDNA検査、透視型スキャナーなど同じものも多いが、デバイスの認識と魔力周波数などを検査する機械も置かれていた。
といってもこれは端末機で個人を特定するのに必要な個別データは記録されていない。
実はそれら軍事機密の漏えいを防ぐために時空管理局のデータバンクに直接リンクして必要な情報を出力するようになっていた。
ブラックボックス化された貸出端末機は瞬時に3人とデバイスを本物と認め、他の検査共々彼女たちがそれであることを証明した。

(*)

入ってすぐなのはとはやてはフェイトと別行動をとることになった。

「じゃあ、わたしたちはまず会場に行ってみるね」

「うん。わたしは昨日から張ってくれてるシグナムさん達に会ってくる」

フェイトと別れた2人は、未だ客を入れていない会場に入場した。会場は500人程の収容力のある映画館のような階段状の客席だった。

「入り口はああしてチェックが徹底してるみたいやし、テロは大丈夫やな」

「外には陸士部隊に空戦魔導士部隊、そしてバルキリー隊。それにホテル内には防火用シャッターがあるし、まずガジェット達が入って来るのは無
理そうだね」

2人の出した結論は、ホテル内はほぼ安全であるということだ。
もともと今回の投入戦力の量が異常なのだ。
今回の布陣はみんな仲良く一致団結≠ニいう管理局の姿勢をアピールするために行われたと思われるが、少し政治が絡み過ぎている。レジアス
中将も少し事を焦ったらしい。
だが少な過ぎるよりはましなので誰も批判はしないし

「安全を確保してくれるなら」

と、肯定的に捉える者が多かった。
ちなみに2人も肯定派だった。確かにあの演習レベルの数が奇襲してきた場合、これぐらいいたほうが安全だ。出現率の最も高いクラナガンも、残
存するフロンティア基地航空隊とロングアーチスタッフ、そしてAWACS『ホークアイ』が目を光らせてくれている。

「とりあえずは、安心だね」

「でも気は抜かんようにせなあかんな」

2人は油断なく周りに気を配った。

(*)

シグナムに会って彼女から地下駐車場に向かう旨を聞いたフェイトは、今度はヴィータの元へと歩を進めていた。

「バルディシュ、オークションまでの時間は?」

その問いにポーチに付けられたバルディシュが答える。

『1 hours and 7 minute.』

「ありがとう」

フェイトが礼を言った直後、彼女の後ろから何かが転がってきた。
それは拳大の丸い水晶だった。しかしただのガラス玉ではないようだ。不透明で紫っぽい。
どこかで見た気がしたが、その思考は後ろからの声にかき消される。
56マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:23:34.23 ID:pdVqGcMh
「誰かあの水晶を止めてくださぁぁい!」

その声に彼女はすぐに反応する。おかげでその水晶は間一髪、階段から落ちるすぐ手前でキャッチされた。

「あぁ、ごめんなさい。わざわざ拾っていただいて─────ってあれ? フェイト?」

フェイトが背後からの声に振り返ると、そこには懐かしい顔があった。

(*)

B−2エリア

そこはホテルから北西に1000メートルほど離れた場所にある。
今そこには第256陸士部隊のロバート・ジョセフ三等陸尉指揮する第5小隊が展開していた。
自然保護のため森林の保存されているホテル周囲では、植生が濃く、迷彩はよく馴染んでいた。
しかしそんな中、よく目立つ肌色がある。ヘルメットを外したロバートだ。彼は部下達を散開させて手頃な石に座り込み、しばしうなだれていたのだ。

(どうしてこう、俺らはなにか起こりそうな場所ばっかり行かされるんだろう?)

それは『実績のある部隊を重宝する』という上層部の当たり前な行動にすぎないが、彼らは特にあっちに行ったりこっちに行ったり。まるで特殊部隊
のような扱いを受けていた。
今もクラナガンから200キロ以上離れたこのホテルに展開させられている。
避暑地として有名なこの土地『軽井沢』だが、休暇でないのが悔やまれる。
また重要なことに彼らはこの1ヶ月間ほとんど休暇をもらっていなかった。

(うぅ・・・・・・第34陸士部隊に編入された連中はクラナガンの防衛に専念で、休暇が週休で取れると言うじゃないか・・・・・・)

そう、ロバートが不満なのは同じく元新・統合軍だった同僚達との境遇の違いだった。
ほとんどの者がBランクであった中で、ロバートはミシェル達と同じくAランクだった。
そのため彼はキャリア組として精強なこの部隊で最新装備も優先して配備してくれたし、階級も悪くないところまで登り詰めた。
だが、積み上がってゆく貯金を眺めるだけというのは独り者のさみしいところだった。

(くそ!休暇をとったら南国のフィリッピン(第97管理外世界のフィリピンとほぼ同じ場所にある。パラレルワールドのため、陸地は ほぼ地球の地図
に準拠する。ちなみにクラナガンは東京)あたりでバカンスしてやる!)

ロバートは平和なビーチに寝転び、健康な美女達を従える自分を強烈に自己暗示すると、目を見開きヘルメットをかぶり直した。
その精悍な顔にはもう弱気になっていた彼はなりをひそめ、勇敢な指揮官の顔があった。
そこに報告に来たのだろう。足音がやってくる。

「ジョセフ隊長、増援が到着しました」

自分のことをジョセフと呼ぶのは、友人であり部下でもある佐藤曹長だけだ。彼はこの世界出身だが、アニメの趣味に関して共通点があり、馬が
あった。

「増援?どこの部隊だ?」

「はい。機動六課所属、スターズ分隊です」

「ああ、あの子達か」と言うと佐藤が頷く。どうやらもう会ってきたようだ。

「じゃあ俺も、挨拶に行きますか・・・・・・」

ロバートは各種装備を背負って、文字通り重い腰を上げた。
57マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:25:42.54 ID:pdVqGcMh
(*)

ホテル上空500メートル

そこは今、フロンティア基地航空隊と空戦魔導士部隊が広域巡回していた。

「こちらサジタリウス1。D−6エリアの地上は異常なし。引き続きB−2エリアに移る」

『了解、サジタリウス1』

森林という障害物のため、成層圏という高みにいるAWACS『ホークアイ』のレーダー外である地上の監視は高性能機器を搭載したバルキリーと
陸士部隊の仕事だ。
しかし一面緑のためさすがに見飽きてくる。だがあくびをつきかけたアルトの目に何かが写った。
誰かわからないが人が2人、手を振っている。場所はホテル寄りのB−2エリア付近。確か第256陸士部隊が展開しているはずだった。
すわ緊急事態か!≠ニ思い、急いでモニターの倍率を上げる。すると徐々にその人影の姿がはっきりしてきた。
緑の中には目立つ白いバリアジャケット。スバルとティアナだ。笑顔なところをみると、偶然こちらの機体を見つけて手を振っているらしい。
現在管理局にはVF−25は自分の乗るこの1機しかないため、一目瞭然なのだ。

「ふぅ・・・・・・なんだよ、びっくりさせやがって。・・・・・・でもまぁ、こういうのも悪くないか」

ひとり呟くと、ガウォークの腕を展開して振り返す。そしてホークアイとの回線を開き

「B−2エリア、異常なし」

と送った。

(*)

その頃ホテルの地下駐車場には1台の中型トラックが入って来ていた。
トラックはバック駐車せず、そのまま駐車スペースに収まった。

(まったく楽なものだ。まだデジタル式コンピュータなど使うから、簡単にハッキングされる)

男はトラックから降りると鍵を締める。その男は青い短髪に黒づくめで、黒いサングラスをしている。
黒づくめとは普通ならすごく目立つ格好だが、熟練の技を持つ者がその格好をするとまったく目立たなくなる。そんなプロだった。
周囲に人がいない事を体に内蔵されたパッシブ・レーダーで確認すると、転送魔法を行使する。
この近くにはシグナムがいたが、彼女のデバイスはその魔力反応を見抜けなかった。無論更に遠くにいるバルキリーやホークアイにも探知できない。
フォールド波を応用し、魔力反応を隠ぺいするこの装置は男の─────いや、男の扮装をした彼女の秘密兵器だった。

(さて、どうやって取りに来るのかしら)

彼女は微笑むと、何処かへ転送されていった。

(*)

所変わって、ホテルから北西方向に3キロほど離れた小山に2人の人影があった。

「こんなところに来てどうする? お前の探し物は、ここにはないのだろう?」

2人のうち大柄な方が言う。その男の声はぶっきらぼうだが、どこか優しげだった。
小柄な方は、男のコートを摘まみながら答える。

「でもドクターのおもちゃが─────」

その声はまだ幼そうな少女の声。そして近くの林から彼女の言葉を証明するようにガジェットT型が数機現れた。
58マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:28:03.11 ID:pdVqGcMh
しかしどうした事だろう?民間人にすら躊躇わず発砲するガジェット達は2人を決して照準せず、そのまま通り過ぎてしまった。
時を置かずガジェット達が向かった先で爆音が響き、黒煙が上がる。どうやら防衛部隊と交戦状態に入ったらしい。
しかし2人はその様子に微動だにしなかった。そんな2人の前に映像回線が開かれる。
回線形式は時空管理局も全面依存している民間の株式会社「MTT(ミッドチルダ電信電話株式会社)」のものだ。しかし多少細工されているのか画
像が乱れていた。

『ご機嫌よう、騎士ゼスト、ルーテシア』

その画面に写っていたのは少女─────ルーテシアの言うドクター、スカリエッティだった。
そしてルーテシアが

「ご機嫌よう」

と彼に挨拶を返したのと対照的に、大柄なゼストと呼ばれた男が

「何の用だ」

と冷たくあたる。

『あのホテルにレリックはなさそうなんだが、実験材料として興味深いものがひとつあるんだ。少し協力してはくれないかね?君たちなら、実に造作も
ないことのはずなんだが─────』

「断る。レリックが絡まぬ限り、お互いに不可侵を守ると決めたはずだ」

スカリエッティの頼みごとはゼストによって一蹴された。
しかし彼は懲りずにもう片方の少女、ルーテシアに再度依頼する。すると

「いいよ」

と簡単に了承を得た。

『優しいなぁ、ありがとう。今度ぜひ、お茶とお菓子でもおごらせてくれ』

その間に何かのデータの送信が終わったようだ。彼女のグローブ型のデバイス『アスクレピオス』が数度瞬いた。

(*)

『じゃあ、ご機嫌よう。ドクター』

「ああ、ご機嫌よう。吉報を待っているよ」

スカリエッティはそう返すと通信を切る。
隣では、その通信を逆探知されぬよう、先の通信会社のシステムへのハッキング作業が進行中だ。
彼の秘書であるウーノが

「メインコンピューター、ブロック。ルートをダイレクトからバイパスに。対策システムへのデコイ展開。モーションマネージャーを─────」

など、ぶつぶつ呟きながら実行していく。
その手際を横目で見ていたスカリエッティは、突然背後に来た気配に振り返る。

「・・・・・・あぁ、君か」

そこにはお得意の男装をしたグレイスの姿があった。
ちなみにこの男性化する原理は、スカリエッティですら正確なところは不明だった。特に髪が一瞬にして伸びたり短くなるのが。しかし、センサー記
録から光子の残像が確認されているため、暫定的にホログラムの一種と結論づけている。
59マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/03(木) 23:30:22.21 ID:pdVqGcMh
「あの子達は誰だ?私がお前と初めて接触してから8ヶ月が経ったが、今までに見たことのない顔だ」

その目はサングラスに隠れて見えないが、少し驚いているようだった。
スカリエッティは彼女でも驚くのか。と心の隅に置きつつ答える。

「そんなに私に友達が少なくみえるのかな? まぁ、驚くことはない。彼らは私のスポンサーの実験台だった者逹だよ」

そう言うと、ガジェットから送られてくる映像に目を移した。

(*)

それは突然だった。
ロバート達はスターズ分隊の2人に会って、お互いの守備位置の確認などをして部隊に戻った。
しかしどうしたことか。気づいた時には目の前にガジェットT型がいるではないか。
その場はなんとか切り抜けたが、敵はこの方面に攻撃を集中しているらしい。
飛び交う弾丸、レーザー、そしてカートリッジ弾。それらが相手に当たる度に互いの体力を削っていく。
そこにやっと指揮体制が整ったのか通信が入った。

『前線各員へ。現在状況は北西より陸戦型ガジェットが多数。また多方向からガジェットU型及びゴーストの出現を確認しました。AWACS『ホーク
アイ』の総合管制と合わせて、私、シャマルが地上指揮を行います。では、陸士部隊の各小隊は戦力の半数ずつをB−2エリア付近に集結。連携
取りつつ応戦してください』

第256陸士部隊はホテルからそれぞれ1ブロック離れた位置に、円を描くように展開している。
そのためシャマルは襲撃の矢面にいない小隊(例えばホテルを隔てたF−6エリアに展開している第2小隊など)の戦力を半分回せ。という指令を
出したのだ。しかし─────

「・・・・・・なぁ、シャマルって誰だ?」

「さぁ。なんで部外者が命令を出すんだろ?」

この疑問に陸士達は当惑した。
階級もなく、ただ指令を出すシャマルに反発する者もいた。しかし送られてくるデータは陸士達を驚愕させるに十分だった。
レーダーの効かない森の中であっても敵の正確な位置と数、そして機種がわかる。
それは彼女のデバイス『クラールヴィント』の支援魔法だが、そんな物なしで戦ってきた陸士達にはありがたいものだった。
また、シャマルが機動六課≠ナあるという事実がホークアイからもたらされると、誰1人彼女を疑う者はいなくなった。
それは機動六課が特殊で実績ある部隊だと世間一般が認識している証左であった。

(*)

『(フェイトちゃん、主催者さんはなんだって?)』

会場内の警備を続けるなのはが、念話でフェイトに問う。

『(外の状況は伝えたんだけど、お客さんの避難やオークション中止は困るから、開始予定時間まで様子を見るだって)』

ホテルの出入口を警備するフェイトが、外の状況を窺いながら答える。
向こうの方では待機しているティアナとスバルが

「陸士の皆さん頑張って!」

とホロディスプレイで応援(観戦)していた。

(もう! 野球じゃないのに!)
60マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/04(金) 00:11:19.43 ID:oUwx7GqY
フェイトは今一つ緊張感に欠ける2人に、小さくため息をついた。

(*)

「11時の方向にV型が4機、一気にやるぞ!」

「「了解!」」

ここは陸士達が昨日から土嚢を積んで臨時に作った塹壕だ。そこにはロバート以下4人が隠れている。
しかしシャマルの支援によって相手の位置が割れているため、最後まで頭を出す必要はない。
ロバートを含めた4人はランチャーにカートリッジ弾を装填すると、残りの1人がMINIMIで敵を掃射。怯んだところに4人がカートリッジ弾を一斉に
撃ち込む。
着弾、そして爆発。
こうしてあっという間にその4機を擱座せしめた。
陸士達が一息つく間に新たに出現したミサイル搭載型が接近してきた。
彼らが前のままの装備なら、ここは最優先でそれを撃破しなければならない。また、ミサイルを発射されてしまったら塹壕を棄てて応戦しつつ後退
をするのがセオリーだ。
しかし撃破する優先順位はともかく、ミサイルに関しては違った。

「ミサイル、来ます!」

部下の警告を証明するように白煙を吹き出しつつそれが向かってくる。

「迎撃!」

「了解!」

部下はMINIMIのセレクタレバーを1段変えると、ミサイルに向かって引き金を絞った。
連続して吐き出される青白い光の玉。
今回発砲された弾丸は魔力球だ。それはミサイル近くを通った瞬間自爆して、ミサイルを見事誘爆させた。
今回アップデートされたMINIMIは、この近接信管付き魔力球を自動生成。速射する能力を与えられていた。
元々対AMF戦用に偏っている陸士達の現行装備は質量物を射出することを是としていて、開発者、陸士達、共に魔法の存在を忘れていた。
しかしミサイルには強いAMFが存在しない。

『ならば応用の効く魔法で迎撃したらどうか?』

前回の旧市街地戦で空戦魔導士部隊の隊員から出たこのアイデアは開発者の耳に届き、このような方式にアップデートされていた。
試験では、マッハ5を記録するバルキリー隊のハイマニューバミサイルにも有効であるという結果が出ている。それより性能の低いガジェットのミサ
イルを撃墜するのはわけないことだった。

「次、T型とV型が2機ずつ」

「いょっしゃあ!どんどん来い!」

ロバートは溢るるアドレナリンに浮かされながら、敵を迎撃していく。
撃破されたV型から漂ってくるゴムや潤滑油の燃える匂いも、彼の燃える闘志の石炭にしかならなかった。
こうして地上の敵は順調に駆逐されつつあった。

(*)

上空でも防空部隊と襲撃側の空戦が行われていた。
バルキリー登場後の空戦はまず、視認外からの長距離ミサイル(現在バルキリーとゴーストのみ運用している)戦に始まり、次に魔導士、バルキ
リー狙撃仕様部隊の有視界による長距離砲撃戦。最後に近接戦闘、つまりドッグファイトへと突入する。
しかし今回彼らにはミサイル及び砲撃戦が省略された。これは近すぎて狙えないという理由ではない。もし地上に展開する陸士達やホテルに撃墜
したガジェットが墜落したら大惨事になるからだ。
61マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/04(金) 00:15:59.32 ID:oUwx7GqY
それにもしミサイルで撃墜するなら爆発力をあげて一瞬で敵を粉微塵にするしかないが、それでは友軍も巻き込む可能性が高いため近接戦闘に
は向かない。
砲撃も入射角度が浅いと敵のシールドに弾かれ、跳弾が危険だ。
そうなるとバルキリー、魔導士も魔力刃で直接切るか、魔力球を撃ち込んで内部爆発を目指すしかないのだ。
相対的に動きの鈍いガジェットU型ならそれもいいだろう。だがゴーストではそうは問屋が卸さなかった。
元々高機動を売りにしたゴーストを狙撃するのは至難。しかし飛来数は少なく、東側からしか来なかった。そこで防空部隊は数に物を言わせる戦術
を取る事にした。

『そっちに行ったぞ!』

ガウォーク形態の生み出す三次元機動によってゴースト数機を追い詰めた天城とアルトが、後方のE−5エリアに展開する臨時の狙撃部隊(ミシェ
ルやさくらのバルキリー狙撃仕様部隊及び、魔導士部隊の砲撃特化部隊)に通信を放つ。
撃ち上げられた数発の魔力砲撃はあやまたず追い詰められたゴーストに命中。バラバラに串刺しにする。そして更に細かくするためミシェルとさくら
の放った76mm榴散弾が飛び込み、破片すら地上から消した。

『一丁あがり!』

ミシェルのVF−11SG(狙撃型指揮官機仕様。しかし指揮官機仕様のS型に、さくらと同じライフルを持たせただけ。本当なら火器管制システムが
違うため遠距離への正確な狙撃など出来ないはずだが、ミシェルの卓越した技量がそれを埋めた)が操縦者の動きをトレースしてガッツポーズした。

『こちらスカル2。南方のガジェットはほぼ掃討。被害なし』

南方より侵攻してきたガジェットU型を迎撃していたスカル小隊・魔導士連合部隊も大丈夫なようだ。そこにホテル上空を守っていたヴィータが通信
を開く。

『こちら機動六課スターズ2。敵が来ないぞぉ〜前線に行っていいか?』

どうやら痺れを切らしたらしい。周囲の頑張りでホテルから半径1キロ以内、つまり六課の守備範囲に敵が侵入したことはない。フォワード4人組も
手持ち無沙汰で見守ることしかできなかった。
隊長陣も出撃待機がかかっているが、シャマルはこの程度の敵戦力なら出す気はないようだった。
シグナムもこの機を狙って地下駐車場で密売が行われることを阻止するため、地上に出ず、駐車場の見回りを続行している。
だがそれは警備員でもできること。つまり地上部隊は─────

「─────地上部隊は、もうすぐ六課を・・・・・・いや、我々を必要としなくなるのだろうか?」

シグナムは誰もいない駐車場を歩きながら呟く。それは誰に向けたものでもない。自らに向けたものだ。
六課の存在理由。確かに預言の事もある。だが今の戦いを見ると、負ける理由が思い当たらなかった。
このままバルキリーが量産されて陸士部隊も強化された暁には、自分達高ランク魔導士の居場所はペイロードの限られる機動課の次元航行船に
限定されるだろう。

(・・・・・・まぁ、ミッドチルダの平和が守られるなら、それも悪いことではないか)

そう思考を締めくくったシグナムは前を見据える。その時、通信が入った。
相手は同じくここを警備している警備員からだ。確かそう離れていない場所を巡回警備していたはずだ。

「どうした?」

シグナムが応じると、画面の中の彼が言う。

『それが、変な音がすると思って確認しにきたんですが・・・・・・こんな有り様で・・・・・・』

画面にコンテナのドアが大破したトラックが写し出される。

『来た時にはもう・・・・・・』
62マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/04(金) 00:18:17.78 ID:oUwx7GqY
聞くとこのトラックのナンバーはコンピュータ記録にはあるのだが、審査の際に提出が義務付けされている書類がないらしい。
どうやったのかわからないがトラックの持ち主はホテル側のコンピュータ記録を改ざんしたらしかった。

「そうか。とりあえずトラックの持ち主を探して逮捕するよう手配してくれ。私はその車上あらしを─────」

その時彼女の幾多の戦場で鍛えられた鋭敏な五感が何か≠感じた。

『どうしました?』

「・・・・・・いや、指示通り頼む」

『了解しました』

通信は切られ、周囲が静まりかえる。
耳をすますと何か羽音のような音が聞こえた。少なくとも人ではない何かが近くにいる。
そう感じたシグナムはすぐにバリアジャケットに換装した。出撃待機で起動承認はすでに出ているため支障はない。
音は目の前のコンクリートの壁から出ているようだ。
しかしレヴァンティン搭載の各種センサー(電波式アクティブ・レーダー、赤外線式パッシブ・レーダー、魔力感知センサーなど)にはすべて反応なし。
こうなると小さな虫でもなさそうだった。

「・・・・・・」

科学を使ったセンサーが全て異常なしを告げている。しかしただひとつ、音感知センサー─────耳だけはその場所に何かがいると小さく警告
していた。

「紫電、一閃!」

いままで自らの身を守って来た五感を信じたシグナムは、その場所に非破壊設定の炎を纏った魔力砲撃を放つ。
すると砲撃が壁に当たる寸前に壁が不自然に歪み、何かが飛び退いた。

「やはり光学迷彩か」

どうやらさっきの攻撃で迷彩が解けたらしい。姿を視認した。
その姿は人型だが、どこか甲殻類の昆虫を思わせるフォルムをしていた。そしてそのスマートな四肢は、ある種の優美さと力強さを兼ね備えていた。
しかしもっとも特徴的なのは何かの箱を重要そうに抱えていることだった。

「お前がトラックを破壊した犯人か?」

その人型甲虫は答えない。というより喋れないのだが─────

「そうか、わかった。こちらは時空管理局本局所属、機動六課のシグナムだ。おまえを逮捕する」

元々こういうつもりだったらしい。シグナムは管理局のお決まりの口上を述べると、レヴァンティンを構える。
相手もこちらに敵意があるようで、腕から何か鋭い爪のような刃物が伸びてきて固定武装となった。
シグナムは不覚にもこれから未知なる敵と戦えることに心躍らせてしまっていた。

(*)

時系列はほんの少し戻る。
スカリエッティからルーテシアと呼ばれていた少女はその足元に薄暗い紫色の魔法陣を展開、詠唱していた。

『―――――我は、請う。小さきもの羽ばたくもの、言の葉に応え我が命を果たせ。・・・・・・召還、インゼクトズーク』

直後魔法陣が発光。眩い光があたりを包み、視界を遮る。それが晴れたとき、彼女の周囲を100匹近い小さな虫が滞空していた。否、それは虫ではない。
有り体にいうと画鋲に羽をつけたような機械生物は手を差し出すルーテシアの指先に乗り、その指令を受ける。
63マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/04(金) 00:24:17.59 ID:oUwx7GqY
体電位から指令を読み取ったその一匹が周囲の仲間に相互データリンクを通して伝え、瞬く間に全体に伝達された。

「いってらしゃい。気をつけて行ってきてね」

ルーテシアの言葉に機械生物たちは発光して応え、己が目標、能無しの機械たちの元に向かった。
そして数瞬の後、陸士たちの悲鳴が辺りに響き渡った。

To be continue ・・・・・・

以上。投下終わりです。ありがとうございました。
64 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 19:43:40.85 ID:qVj0akKs
8時になったら「超百合大戦」の続き書きます。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・このお話はディケイド理論に基く別世界のお話です。我々の住む『リアル世界』における人物及び『条例』とは一切関係ございません。
・何処かで見た様な誰かに似た人がいたとしても、あくまでも『それっぽい別人』です。そもそも住む世界自体が違うのですから。
・あんまり詮索する人はもしかしたらグロンギのゲゲルの標的にされちゃうかもしれませんよ。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
65なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:00:36.91 ID:qVj0akKs
 なのはが仮面ライダー2号に、またユーノ・BLACKが仮面ライダーV3に助けられていた頃、
ディケイドは同じく救援に来ていた1号と共にユリトルーパー及びG3・G3−Xの軍団と戦っていたのだが、
余りにも数が多すぎて未だ埒が明かないでいた。

「ユリー! ユリー!」
「規制! 規制!」
「こいつ等同じ事しか言わないから鬱陶しいな…。」

 だがここでディケイドがライドブッカーから一枚のカードを取り出していた。

「俺に考えがある。これから俺があるカードを使い、奴等を一箇所に密集させる。その隙に一網打尽にするんだ。」
「分かった。他に手らしい手が無い以上君の提案を呑もう。」
「だが…変な突っ込みは入れるなよ。」
「突っ込みを入れるな…? どういう事だ…。」

 ディケイドの最後の一言の意味が1号には理解出来なかったが、ディケイドは構わずカードをディケイドライバーに差し込んでいた。

『プリキュアラーイド! ルージュー!』
「はぁぁぁぁ!?」
「だから突っ込むなっつっただろ!!」

 ディケイドはプリキュアライドでキュアルージュの姿になっていたのだったが、そこを即効で1号に突っ込まれていた。
そりゃ1号とてディケイドが他のライダーに変身出来る事は知っていたが、流石にプリキュアにまで変身するのは初耳だった。
しかも例によってディケイドルージュの声はやはり門矢士のままなのだから相変わらず凄い違和感だ。

「有害情報発見! 規制します!」
「規制規制!」

 ディケイドがルージュに変身した途端、G3・及びG3−X軍団が目の色を変えてディケイドルージュへ向けて駆け寄せて来た。
彼等が青少年を有害情報から守ると言う名目で美少女キャラクターを規制しようとしているのならば、真っ先にディケイドルージュに
反応すると考えていたのだった。それ故にG3・G3−Xの軍団はディケイドルージュへ攻め寄る余り、一箇所に密集する形となっていた。

「よし今だ!」
『アタックライド! ファイヤーストライク!』

 ディケイドルージュは再度カードをディケイドライバーに差し込む。それはキュアルージュの必殺技・ファイヤーストライクのカード。
炎を操る力を持つキュアルージュの力によって炎の球を作り出し、それをサッカーボールの様に敵へ向け蹴り飛ばす技である。
ディケイドルージュはファイヤーストライクによって炎の球をG3・G3−X軍団へ向けて蹴り飛ばし、そこへさらに…

「電光ライダーキィィィック!!」

 1号の電光ライダーキックが打ち込まれ、その勢いの分速度を数倍にまで上げた火球がG3・G3−X軍団へ向けて突き進み、
さらに数倍にも増した速度は着弾時の爆発力さえも数倍に高め、一気に吹き飛ばしていた。しかしまだ百合ショッカーのユリトルーパー隊が残っている。
ディケイドルージュと1号は迫り来るユリトルーパー隊の迎撃に移っていたのだった。
66なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:02:19.09 ID:qVj0akKs
「ユリー! ユリー!」
「とぉ! とぉ!」
「何かさっきより辛くなって来た気がするぞ。」

 ディケイドルージュと1号は次々迫り来るユリトルーパー隊を倒していたのだったが、ユリトルーパー隊にとっても敵であった
G3・G3−X軍団がいなくなってしまった分、二人にユリトルーパー隊が集中して逆に先程より辛くなると言う皮肉な事になっていたのだが…

「ライダーキィィィック!!」
「ディバインバスター!!」
「ユリィィィィィ!!」

 ここでBLACK・2号・V3のライダーキック、そしてなのはのディバインバスターがユリトルーパーを次々に蹴散らして行った。

「助けに来たよ!」
「おお、恩に着る。」

 こうして1号・2号・V3の協力を得たなのは・ユーノ・ディケイド・BLACKは何とかユリトルーパー隊の撃破に
成功し、ここで双方が向かい合う形で立っていた。

「お前達が助けに来てくれなければ危なかった。恩に着る。」
「礼を言う事は無い。我々にとっても百合ショッカー及び都条例の世界の連中は世界の平和の為に倒すべき敵だ。」
「でも百合ショッカーに立ち向かっていたのは私達だけじゃなかったんですね? そう考えると心強く感じて来ました。」

 なのはは例によってフェレットの姿のままであったユーノを優しく抱っこしながら微笑んでいた。
百合ショッカーの各世界侵攻に対し抗っていたのは自分達だけでは無かった。この三人の様に他にも立ち向かう人々が
いる事を知り、精神的に楽になって来ていたのだった。

「うむ。その通りだ。我々だけでは無い。今も各世界のライダーやその他様々な勇士達が百合ショッカーに立ち向かっている。
我々は君達を助けるのは勿論だが、百合ショッカーと戦っているのは君達だけでは無い事を伝えに来たのだ。」
「そうか……皆も戦っているんだな…。」

 1号達三人の言っている事が本当ならば、なのは達が想像している以上に百合ショッカーに立ち向かっている人々は
いると言う事になる。これ程頼もしいと思える事は無かった。

「しかし百合ショッカーの勢力が圧倒的なのもまた事実だ。」
「奴等は世界各地の百合厨や801好きの腐女子を味方に付け、どんどん勢力を拡大している。」
「だからその予備軍になるヲタと、そいつ等が好みそうな物を規制せねばならないのだぁぁぁぁぁ!!」
「誰だ!!」

 突然響いた謎の声。敵の新手が来たのかと思った皆がとっさにその声の方向を向くが、そこに立っていたのはスーツ姿の老人だった。

「誰……?」
「あれは鉄原都知事!」
「鉄原都知事!?」

 突如現れた謎のスーツ姿の老人に対し1号は『鉄原都知事』と呼んだ。なのは達四人は思わず1号に注目していたが、
今度は2号が説明を始めるのだった。

「鉄原都知事…奴は都条例の世界の支配者で、腐敗した警察官僚と手を組み百合ショッカーの為に世界が混乱した隙に乗じて
G3・G3−Xの軍団を各世界に送り込み、青少年の健全育成と有害情報の規制の名の下に罪無き人々を虐げる張本人だ。」
「あれが………。」

 なのはとユーノは呆然とした面持ちで再度鉄原都知事の方に目を向けていたが、彼の表情は凄まじく険悪な物だった。
67なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:03:54.61 ID:qVj0akKs
「規制して当然だ! こんな物を子供に見せられるか!」

 鉄原都知事の手には如何にもなエロ漫画雑誌が握られており、それを見せ付ける事によって自身を正当化させようとしていた。
確かにそういうのから子供を守ると言う大義名分なら人々からの共感も得られやすいわな。だが、ここでなのはやライダーの皆さんを指差し…

「だがそれだけでは足りん! お前達の様な子供が変な影響を受けかねない物は何だって規制せねば子供は守れない!」
「何だと!?」
「それは幾らなんでも子供をなめ過ぎ…と言うかアレは良いの!?」

 なのはは未だ彼方此方に転がっているG3・G3−Xを指差しながら反論する。確かになのはには相当数のヲタが付いてるから
規制したい人間が目を付けたがるのも分かるし、ライダー等のヒーローものが昔から乱暴だと非難されていたのも事実。
しかし、鉄原都知事もG3・G3−Xを使っていたのは良いのかと…そう言いたかったのだが…

「我々は良いのだ!」
「おい!」

 即答する鉄原都知事の態度に皆はますます彼を信じられなくなっていた。

「これは青少年の健全育成なんてやるつもり無いな…。」
「所詮人々からの共感得る為の方便で、実際やりたいのは思想統制なんじゃないの?」
「百合ショッカーの方がまだマシだよね〜。」

 口々に言う彼等の態度に、鉄原都知事の方も苛立ちを露としていた。

「おのれ…有害情報どもが勝手な事を言いおって…。こうなったらこの私自らがお前達を規制してやる!」
「規制するって…爺さん一人で何が出来るってんだよ!」

 今この場にいるのはディケイド等及び鉄原都知事のみである。無論鉄原都知事に味方するG3・G3−X軍団は
もはや全滅に近い状態であり、戦力になるか分からない。しかしそれでも鉄原都知事は不敵な笑みを見せ付けていた。

「甘いな。私にはこれがあるのだよ。」
「あっ! あれはガイアメモリ!」

 鉄原都知事が何処からか取り出したUSBメモリ状の物体。それは『Wの世界』に存在するガイアメモリだった。
しかし、一体何のメモリだと言うのか? そして鉄原都知事はそのガイアメモリを自身に突き刺す様に当てていた。

『規制ー!』

 その様な電子音と共に鉄原都知事の姿が怪人然とした姿へと変わって行く。ガイアメモリを直接人体に差し込み
怪人化する存在の事を一般的に『ドーパント』と呼ぶのであるが、『規制』のガイアメモリを使用した鉄原都知事の
変化したドーパントは、言うなれば『規制・ドーパント』とでも呼ぶべき姿だった。

「規制だ規制! 私の気に入らない物は何だって規制してやるのだ!」
「それが本音か!」
「政治家の風上にも置けない野郎だな…。」

 規制のガイアメモリで規制・ドーパントになる事によって溢れる力に奢り高ぶったか、鉄原都知事はつい本音を
さらけ出してしまった。だが逆に言えばここでなのは達を規制の名の下に屠り葬る自信があると言う事にもなる。
68なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:05:56.19 ID:qVj0akKs
「これはもはや奴をここで倒しておかなければ大変な事になるぞ。」
「ただでさえ百合ショッカーだけでも忙しいのに…。」
「あんなのまで加わったら何が起こるか想像も出来ん…。」
「と言うか、気に入らないから規制なんて…あの人のやってる事の方がよっぽど子供じゃない!」

 皆は鉄原都知事の変身した規制・ドーパントを前に戦闘態勢を取っていた。大きな寄り道にもなり得る事だが
ここで奴を倒しておかなければ大変な事になる…誰もがそう確信していたのだから。

「行くぞ!」
「おお!」
「来るなら来い! お前達全員規制してやる!」

 皆は一斉に駆け出し、規制・ドーパントはそれを真正面から迎え撃った。

「まずは私達が! アクセルシューター!」
「チェーンバインド!」

 ディケイド等、ライダー達が規制・ドーパントへ仕掛ける前になのはとユーノの魔法が発動した。
ユーノのチェーンバインドが規制・ドーパントを縛り上げ動きを止め、さらになのはのアクセルシューターを
側面や背後等、規制・ドーパントにとって死角となりそうな部分へ撃ち込むと言う作戦だったが…

「ふん!」
「うあああ!」

 規制・ドーパントは元になっている人間が老人であるとはとても思えない物凄い怪力を発揮し、
逆にチェーンバインドを掴みユーノを引き飛ばしてしまうのみならず、そのチェーンバインドを振り回して
なのはのアクセルシューターを全て打ち落としてしまうのだった。

「ユーノ君大丈夫!?」
「あ…ありがとう…。」

 規制・ドーパントにチェーンバインドごと振り飛ばされたユーノをなのはが慌てて救出していたが
丁度その時には五人ライダーが規制・ドーパントの近接距離まで接近し、双方の格闘戦が始まっていた。

「とぉ! とぉ!」
「ふん!」
「うおぁ!」

 しかし規制・ドーパントは強かった。五人ライダーの猛攻をたった一人でいなし、逆に跳ね除けていたのである。

「強いぞコイツ!」
「まだまだぁ!」

 ここで1号と2号が同時に高々と跳び上がり、ライダーキックの体勢を取った。

「ライダー! ダブルキィィィック!」
「腰が入っとらん!」

 何と言う事か、規制・ドーパントは1号・2号のライダーダブルキックさえ腕の力で弾き飛ばしてしまった。
だがダブルライダーもすぐさま体勢を立て直し、その規制・ドーパントの両腕へ組み付いていた。
69なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:07:59.30 ID:qVj0akKs
「今の内に攻撃するんだ!」
「おお!」

 ダブルライダーが規制・ドーパントの両腕を掴み押さえ、動きを止めている隙にV3とBLACKがそれぞれに
右腕の手刀を振り上げ接近する。

「V3チョォォォップ!」
「BLACKチョップ!」

 V3&BLACKのチョップ攻撃が規制ドーパントへ向けて叩き込まれ様としたのだったが…

「させるかぁぁぁ!」
「うお!?」

 規制・ドーパントは再び物凄い怪力を発揮し、両腕を掴み押さえていたダブルライダーを
V3・BLACKへ向けて振り飛ばしていたのだった。

「うおあぁぁぁ!!」

 規制・ドーパントによって振り飛ばされたダブルライダーはそのままV3・BLACKに直撃して
その二人をも跳ね飛ばし、さらにはその後方にいたディケイドまでをも巻き込む形となっており、さらに…

「お前達全員規制じゃぁ!! 規制ビィィィィィム!!」
「うああああ!」

 規制・ドーパントは『規制ビーム』なる光線を口から発射し、忽ちの内に物凄い爆発が巻き起こっていた。

「くっ…なんて強さなんだ……。」

 皆は必死に起き上がろうとするが、ダメージが大きく上手く立ち上がれない。その間も規制・ドーパントは
ゆっくりと歩み寄ろうとしていたのだったが、そこで彼は足元に何かが落ちている事に気付いていた。

「ん? 何だこの人形は…。」

 規制・ドーパントが拾い上げたのは女の子の人形だった。そしてそこへ、一人の少女が恐る恐る近寄っていた。

「そ…それ…私の……返して………。」

 その少女が人形の持ち主と思われるが、余程大切な物なのだろう、規制・ドーパントのグロテスクな姿に
恐れをなしながらも勇気を振り絞り一生懸命に哀願していた。そしてその光景を見たディケイドも言う。

「お前が守りたいと言った子供の頼みだ。それを返してやれ。」

 例えなのはやライダー達を敵視していても、規制・ドーパント=鉄原都知事が力無き子供を守ると言う想いは
変わらないはず。本当に子供を守る気があるならば素直に返してやるべきだと考えていたのだったが…

「これも有害情報だ! 規制だ!」
「ああぁ!」

 何と言う事だろう。規制・ドーパントは少女の目の前で人形を踏み付けグシャグシャにしてしまうのだった。

「ああああー! 私のキュアマリンのお人形がー! やめてよー!」
「ええい近寄るなクソガキが!」
「ああ!」

 あろう事か人形を取り返そうと必死に駆け寄った少女をも蹴り飛ばし、なおも人形を踏み付ける。
70なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:10:01.49 ID:qVj0akKs
「何がキュアマリンだ! あんな如何にもヲタクが喜びそうな卑猥な格好の上にあんな暴力的な内容…
こんな物があったら子供が影響されて乱暴になるのは目に見えている! いずれはプリキュアの世界にも
攻め込んで規制しまくってやるわー!!」
「もうやめなさい!!」
「なのは!?」

 その時だった。なのはの全身が桃色の光を放ち始め、次第にその輝きが強くなっていく。

「確かに世の中には行き過ぎて過激な描写をしてる漫画とかもあると思う……けど……
例え手段は違っていても…子供を守りたいと言う想いは変わらないと思っていたのに……
結局子供を泣かし乱暴を振るう様な事をして……許せない…絶対に許せない!!」

 なのはの表情に怒りの炎が灯り、桃色の光を発しながらその姿が元の大人の姿へ変わって行く。

「おい! 何なんだ!? いきなり大人になったぞ!」

 これにはなのはの事を余り知らない1号・2号・V3・BLACKは戸惑うばかりだったが、
ディケイドがそこを説明していた。

「慌てるな。あくまでもあれが奴の本当の姿だ。今までは疲弊して低下したパワーを回復させる為に
消耗の少ない子供の姿を取っていただけに過ぎん。」
「だが子供ならいざしらず、大人であんな魔女っ子(死語)的な格好は余りにも…。」
「俺達のこの格好だって余り言える立場じゃないだろ。それよりも…アイツのパワーはまだ完全に
回復しきってはいなかったはずだ。だと言うのに何故あれだけのパワーを?」

 1号・2号・V3・BLACKそれぞれの世界ではまだ『魔法少女』と言う概念は広まっておらず
魔法を使う女の子と言えば『魔女っ子』と呼ぶ傾向にあったのだが、まあそういうのはどうでも良いよね。
問題はまだ回復が完全では無かったなのはが何故大人の姿に戻り、物凄い魔力を放出出来たかの事である。
それに関してあえて説明するならば、先程の少女が規制・ドーパントに虐げられる様を見たなのはが
怒り心頭になり、『高町なのは激情態』と呼べる形態となったと言うべきであろう。

「規制・ドーパント! いや…鉄原都知事!! 私は…私は絶対に許せ無い!!」

 激情なのはは物凄い表情で規制・ドーパントを睨み付け、レイジングハートの先端を向けていた。
そしてディケイドもまた立ち上がり、こう続ける。

「鉄原ぁ! そう言えばお前、昔はエロ小説書いてたそうじゃないか。しかもかなりヤバめな内容の。
そのくせあえてその事を棚に上げて俺達だけを規制しようだなんて都合が良すぎるんじゃないのか?」
「小説は良いんだよ! それにそっちこそ何を偉そうに…貴様一体何様のつもりだ!」
「俺は通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

 得意の捨て台詞を言い放ち、ディケイドは一枚のカードをライドブッカーから取り出していた。

「俺もここで流れに乗らせてもらう。」
『プリキュアラーイド! マリンー!』
「あっ! キュアマリン……。」

 ディケイドはプリキュアライドでキュアマリンの姿に変身していた。この姿で戦う事によって
先程規制・ドーパントによって大切なキュアマリン人形を壊されてしまった少女への
せめてもの慰めになると考えていたからであった。
71なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:12:21.34 ID:qVj0akKs
「海よりも広い俺の心もここらが我慢の限界と言う奴だ。」
「やっぱりキュアマリンじゃない〜…。」

 姿こそキュアマリンになっても声は門矢士のままなのだから、その凄まじい違和感により少女から思い切り引かれてしまっていた。

「おのれぇぇぇ! 私の前で堂々とコスプレとは…許せぬ! 規制だ! コスプレ規制条例作って提出するぞー!」
「その前にお前をここで叩き潰す!」

 激情なのはとディケイドマリンが同時に跳んだ。

「はぁぁぁぁぁ!!」
 
 まずは激情なのはがレイジングハート先端を規制・ドーパントへ向ける形で突撃して行く。
なのはに関して砲撃力ばかりに目が向けられがちであるが、小回りこそ利きにくいが
直線的なスピードは中々の物で、それを生かした突進力は目を見張る物があった。
しかも今のなのはは激情態。普段の様な相手を労わる甘さを排除したその攻撃は
従来のそれを遥かに上回る事は想像に難くなかった。

「そんなナマクラな槍がこの私の身体を通る物か! この筋肉で弾き返してやる!」

 規制・ドーパントは自身の胸筋・腹筋に力を込め、なのはの突撃を弾き返さんとする…が…その時だった。
あと数センチでレイジングハートの先端が規制・ドーパントの腹部に突き刺さる…と思われた所で
なのはが急停止していたのである。

「何!?」

 レイジングハートを槍の様に突き刺して来ると考えていた規制・ドーパントはなのはの
意表を突いた行動に思わず驚いてしまうのだが、その直後だった。

「全力全開! ディバイィィィンバスタァァァァァァ!!」
「何ぃぃぃぃ!?」

 これがなのはの作戦だった。あえて寸止めして意表を突いた所を至近距離からディバインバスターを撃ち込む。
その強力な魔力砲撃に押される形で規制・ドーパントは思い切り吹き飛ばされて行く。

 一方、ディケイドマリンはライドブッカーからカードを取り出し、ディケイドライバーに差し込んでいた。

『アタックライド! 心の種! レッドの光の聖なるパフューム! シュシュッと気分でスピードアップ!』

 『ハートキャッチの世界』におけるプリキュアは様々な効果を持つ心の種を使用する事によって、その能力を駆使する事が出来た。
そして今ディケイドマリンが使ったのはその内の一つ、使用者に超スピードを与える赤い心の種である。

「行くぞぉぉぉぉ!!」
『アタックライド! おでこパンチ!』

 全身に真っ赤なオーラを纏ったディケイドマリンが猛烈な速度で駆け、ディバインバスターに押し飛ばされていた
規制・ドーパントを追い越し、さらに背後から猛烈な頭突きを加えていた。

「うぉぉぉぉ!!」
「まだまだ! ディバインバスター!!」
『アタックライド! マリンインパクト!』

 ディケイドマリンに背中を頭突きされ前向きに吹っ飛び始めた規制・ドーパントに対し、再びなのはがディバインバスターを放つ。
正面からそれを受けた事によって今度は前向きに吹き飛び始めた所を再びディケイドマリンが追い越し、背中に拳を撃ち込む。
それを何度も繰り返していたのだった。
72なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:15:08.49 ID:qVj0akKs
「えげつない事するな〜。」

 激情なのはとディケイドマリンのコンビネーション攻撃は客観的に見ると結構えげつない物であり、
1号・2号・V3・BLACK・ユーノは半ば呆れドン引きしていた。

 しかし、この攻撃も何時までも続かなかった。

「おのれぇ! 調子に乗るなぁぁぁぁ!」

 怒り心頭に来た規制・ドーパントは力を振り絞ってなのはとディケイドマリンの攻撃の嵐から脱出していた。
そして大地を踏み締め、反撃の体勢を取ろうとする。

「この有害情報どもがぁ〜。これ以上好きにはさせ……うあああああ!!」

 彼の言葉を遮るかの様になのはのディバインバスターが再び規制・ドーパントへ撃ち込まれる。
普段のなのはならば話を最後まで聞いていたであろうが、激情態である今のなのはにそんな優しさは無かった。
さらにディケイドもマリンへの変身を解き、再び一枚のカードをライドブッカーへ差し込んでいた。

『ファイナルアタックライド! ディディディディケイド!』
「とぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 激情なのはのディバインバスターで押し飛ばされていく規制・ドーパントへ向けてディケイドが高々と跳んだ。
そしてディケイドと規制・ドーパントそれぞれを直線で結ぶ空間に十枚の光のカードが現れ、ディケイドがそれを
次々と潜っていく形で規制・ドーパントへ向けて突き進み、ディヴァインオレ鉱石製の足先から来る猛烈な蹴りを打ち込んでいた。
それこそディケイド版ライダーキックである『ディメンションキック』

「うあぁぁぁぁ!」

 ディケイドのディメンションキックをモロに受けた規制・ドーパントは手足をバタ付かせながら宙を舞うと共に
地面に思い切り叩き付けられていた。

「おのれぇぇぇ! 私はまだ死ねん! 世界を腐敗させる若者文化の全てを規制し終えるまでは死ねんと言うのに……うぉぉぉぉ!」

 その様な断末魔を残し、規制・ドーパントは木っ端微塵になって爆散するのだった。
73なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:16:09.35 ID:qVj0akKs
「終わったな…。大きな寄り道となってしまったが、これで都条例の世界の連中も少しは大人しくなるだろう。」
「それも時間の問題だろうがな。その内また新しい都知事が誕生し、青少年の健全育成と称し
奴等にとって気に入らない物の規制の為に他世界へ侵攻する事も考えられる。」
「だが、今まず倒すべきは百合ショッカーの方だ。」

 規制・ドーパントこと鉄原都知事を倒したが、都条例の世界の連中がこれで完全に潰えたわけでは無い。
しかし、現状においてはまず百合ショッカーの方を倒さねばならないのもまた事実であった。

 そして再度なのは・ユーノ・ディケイド・BLACKと、1号・2号・V3が向かい合い立っていた。

「さっきも言った通り、百合ショッカーと戦っているのは君達だけでは無い。今も様々な世界で様々な勇士達が
百合ショッカーと戦っている。」
「そして俺達もこれから俺達の戦いへと戻る。君達とは別ルートから百合ショッカーへ向かう。」
「いずれ百合ショッカーアジト近辺で合流し、再び力を合わせ戦おう。」
「ああ…。」
「ありがとうございます。」

 1号・2号・V3の三人はこうして去って行ったが、なのは達には彼等の言葉がこの上無く頼もしく、
そして何よりの励ましとなっていた。

「よし、俺達も行くぞ。」
「うん。」

 こうして、なのは・ユーノ・士・光太郎の四人も秋葉原の世界を後にし、再び次の世界へ向かうのだった。
ちなみに、なのはは激情態の時に思い切り力を使いまくった為に、再び子供の姿になって
省エネしなければならなかったのは言うまでも無い。
74 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/04(金) 20:18:00.92 ID:qVj0akKs
これで秋葉原の世界編終了。物語全体から見れば寄り道に当たる話ですが、
他所でも戦ってる人がいる事を描いたと言う意味では重要な回とも言えたり…
75 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/07(月) 19:42:05.31 ID:ZSeoyfQC
7時50分以降から超百合大戦の続き書きます
76なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/07(月) 19:51:55.08 ID:ZSeoyfQC
 5:各世界の勇士編

 秋葉原の世界を後にした後もなのは・ユーノ・士・光太郎の旅は続き、その都度百合ショッカーとの激突を余儀無くされていた。

「ユリー! ユリー!」

 次々と迫り来る百合戦闘員・百合怪人。しかし、例えどんな敵であろうとも彼等は退かない。

「ライダーチョーップ! ライダーパーンチ! ライダーキーック!」
「ユリー!」

 BLACKのチョップが、パンチが、キックが、次々に百合戦闘員や百合怪人に炸裂させ倒していく。
百合戦闘員や百合怪人達も負けじと数の暴力でディケイドを取り囲み四方八方から襲い掛かるが…

『プリキュアライド! マリン! アタックライド! マリンダイナマイト!』
「うわひょぉぉぉぉぉ!」

 ディケイドにまたキュアマリンにライドされ、キュアマリンの持つ広範囲破壊攻撃マリンダイナマイトで
範囲内にいる全方位の者は全て吹き飛ばされてしまう。

「距離を取って遠距離から撃ち落せー!」
「ユリー! ユリー!」

 元々は時空管理局の武装局員だったのが百合ショッカーに捕まって改造されてしまった、もしくは百合厨であったが故に
自ら志願した結果と思われるミッド式デバイスを装備した百合戦闘員が遠距離からの魔法攻撃を仕掛けようとするも…

『プリキュアライド! サンシャイン! アタックライド! サンフラワーイージス!』

 ディケイドはプリキュアライドでキュアサンシャインに変身し、キュアサンシャインの得意とする
ヒマワリの花状のバリアーを発生させ敵の攻撃を防御するサンフラワーイージスでそれを防いで行く。

「今度はこっちから行くよ! 全力全開! ディバイィィィィンバスタァァァァ!!」
「ユリィィィィィィ!!」

 砲撃が止んだ所でサンフラワーイージスの防御範囲の外に出たなのはのディバインバスター横薙ぎ放射によって
次々に百合戦闘員が飲み込まれ倒されて行く。辛うじて残存した敵も…

『ファイナルフォームライド! ユユユユーノォ!』
「ちょっとくすぐったいぞ。」

 ディケイドのファイナルフォームライドによって巨大フェレットに変形(変身じゃなく変形である所がポイント)した
ユーノの猛攻を受けて行くのである。

「キューキュー!」
「うあああああ! 巨大淫獣だー!」
「母ちゃん怖いよー!」

 大人のライオン以上の大きさはあると思われる巨大フェレットユーノの、仮面ライダーアマゾンも
びっくりの野生的なファイトに百合戦闘員・百合怪人は浮き足立ち…

「よし今だ! 一気に畳み込めー!」
「おお!」

 こうして百合戦闘員・百合怪人は各個撃破されていく。しかし、それでもなお次々と百合戦闘員・百合怪人を
送り込んで来る百合ショッカーになのは達も苦戦を強いられていた。
77 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/07(月) 19:53:35.76 ID:ZSeoyfQC
注意書きの存在すっかり忘れてましたorz

・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
78なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/07(月) 19:55:56.82 ID:ZSeoyfQC
 まず何よりも、既に洗脳を解いて救出済みのリンディ・リインフォースU・アギトの三人を除く
殆どのリリカルなのは世界の人達が百合ショッカーに掌握されていると言う点が大きい。

 フェイトが百合ショッカーの首領として祭り上げられているのは勿論の事、少なくともヴィータ・シグナム・
スバル・ティアナの四人が百合ショッカーに協力している事が確認されている。モブ武装局員や百合厨の方は
百合ショッカーに捕まってしまったとしても精々が百合戦闘員に改造されてしまう位なので高が知れるが
前述の四人は味方に付けるとあんなに頼りないのに、敵に回すと恐ろしいのだから注意せねばならない。

 また、リンディ・リインフォースU・アギトの三人がそうだった様に洗脳されているのであるならば、
BLACKのキングストーンフラッシュでその洗脳を解く事が出来る。しかし、ヴィータ・シグナムの二人は
本人いわく洗脳されておらず、百合ショッカーをあえて利用してリリカルなのはの世界の守りを固め不動の物と
しようとしているらしく、そういう彼女等に対してはどうか…と分かりかねる部分があった。

 しかし、悪い話ばかりでも無かった。

 行く先々で百合ショッカーの攻撃を受ける事も多かったが、その一方で、それぞれの世界で百合ショッカーの
侵略に立ち向かっている勇士達とも出会い、時には共闘していた。

 仮面ライダー1号・2号・V3の三人は勿論の事、その他にもXライダーやZX、カブトや555等、
挙げればキリが無い程に沢山の仮面ライダーが各地で百合ショッカーに対しレジスタンス活動を行っていた。

「本郷猛の言った通り…各地でライダー達が戦っていた様だな。だが…この状況でも一向に姿を現さない
夏みかんとユウスケと海東は一体何処へ行ってしまったんだ?」

 士は表面的にこそ素っ気無い態度を取りつつも、やはり旅の途中ではぐれてしまった本来の仲間の
行方を内心心配していた。既に数多くのライダー達が百合ショッカーと戦っている様を見ている現状であるから
不自然なまでに三人だけは姿を現さないのだからなおさらであった。

「それはそうと…お前等何で泣いてるんだ? 何処か痛いのか?」

 士がなのはとユーノの二人の方を向くと、その二人が涙をボロボロと流していた事に気付いた。
別に何処か怪我して痛いと言う感じはしなかったし、一体何が二人を泣かしているのかと不思議に思っていたのだが…

「違います。私達は感動してるんです…。」
「感動? 何に感動したんだよ?」

 二人が泣いているのは何かに感動したが故の物であると言う。一体何に感動したのかやはり不思議に思い、
二人が視線の向ける方向へ目をやっていたのだが…
79なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/07(月) 19:57:12.63 ID:ZSeoyfQC
「怪人の中にも百合ショッカーに立ち向かっている人がいるんですね。」
「ちょwwwwwwwwあいつ等怪人違うから!!」

 なのはとユーノの視線を向ける先にあったのは、仮面ライダーアマゾン・真・ギルス・アナザーアギトが
百合ショッカーの百合戦闘員や百合怪人を切り裂いたり首引っこ抜いたりしてる光景であった。
それを見た二人が怪人の中にも百合ショッカーを快く思わず立ち向かっていると認識し感動していたのだった。

「えぇ!? あの人達って怪人じゃないんですか!?」
「違う違う! アレも一応仮面ライダーだから!」
「確かに言われてみればそうとも思えるけど…でも…。」

 と、今度はユーノが真を力一杯指差して叫ぶ。

「あれはどう見ても怪人にしか見えないよ!!」
「俺もそう思うけど…一応ライダーなんだ…。」

 確かにアマゾンにせよ真にせよギルスにせよアナザーアギトにせよ結構怪人と言っても違和感無い
グロテスクな姿をしているが故になのはとユーノが怪人と認識するのも仕方の無い事だったが、ここで光太郎が口を開く。

「それに、最初の仮面ライダー1号の時点で元々はショッカーの一怪人として改造された存在だからな。
俺もゴルゴムの世紀王ブラックサンとして改造された身であるし。広い意味では仮面ライダーも怪人と言える。」

 そう。仮面ライダーは今や立派なヒーローとして認知されているが、元々はショッカーに改造されてしまうも
脳改造前に脱出しショッカーに立ち向かう様になったのが始まりである。本質的には仮面ライダーも怪人と同じ存在と言える。

「なるほど。じゃあ士さんはさしずめ怪人バーコード男って所ですね。」
「おい…。」
「じゃ…じゃああの人達も仮面ライダーなんですね?」

 と、今度なのはが指差した先にはやはり百合戦闘員や百合怪人と戦うモモタロスやらキンタロスやらウラタロスの姿が…

「いや…あれは…怪人だ…。」
「え? もう何がなんだか分からないよ…。」

 モモタロスやらはイマジンと呼ばれる怪人の一種である。先程のアマゾンやら真やらのグロテスクな姿から
怪人と認識したのを士がライダーだと訂正していたのだから、モモタロス等も同じ様にライダーなんだろうと思ったら
今度は普通に怪人扱い。おかげでなのはもユーノも頭が混乱して来てしまっていた。
80 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/07(月) 19:58:46.58 ID:ZSeoyfQC
短いですが今回はここまでです。
注意書きを忘れてしまい、途中から書き込む形になってしまいましたすみません。
やっぱり他の事しながら書き込むべきではないと反省…orz
次から気を付けます。
81名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/08(火) 09:27:26.33 ID:s7Vhqecx
投下乙

ですが一つ言わせて下さい
ここ数回>>78のように「味方に付けるとあんなに頼りないのに、敵に回すと恐ろしいのだから注意せねばならない」という言い回しがありますが、出来れば次からは止めてください。
正直百合大戦は100歩譲って許容できても、そこは不愉快極まりないです。
氏は他キャラをそんな風に見下しているのかもしれませんが、一なのはファンから見れば我慢なりません。
だいたいそんな風に他のなのはキャラを見下すような表現するなど、なにか恨みでもあるのかと邪推してしまうほどです。
さらに氏は実はなのはアンチなのではと思うこともしばしばです。
時にはアンチはアンチらしくアンチスレにでも移動してほしいと思うこともあります。
私見ですが、アンチスレに行けば氏の評価も変わるのではとたまに思ったりもします。
ぜひとも賢明なる判断の上御一考ください。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/08(火) 15:09:09.13 ID:6BL7nSmm
ここって本当になのは信者しかいねぇな
83名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/08(火) 15:43:08.04 ID:5bLcgWTs
いいことじゃないか
84名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/08(火) 15:47:09.61 ID:3fjEUBi0
そろそろ、オーフェンの人やとブラスレイターの人がくると嬉しいな
85名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/08(火) 15:57:04.99 ID:0QoYQBuj
>>81
「そういう二次設定」なんだろうから、気に入らなければ見なければいいのに。
トリップ付けてもらってるんだから透明あぼーんもできるのに、なんで一々噛み付く必要があるのかな。

むしろ貴方様は何様ですか? 全てのなのはファンの代表面でもしてるつもりですか?
と言いたい。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/08(火) 22:59:59.87 ID:/Sse12sV
本音で語るスレ開いたら板の中身に合わないレイアウトに変えたのかと思って一瞬マジびびった
87名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/08(火) 23:38:35.43 ID:s7Vhqecx
>>85
>むしろ貴方様は何様ですか? 全てのなのはファンの代表面でもしてるつもりですか?
そういう気はない。
ただ理由もなく不当になのはキャラが貶められる文がこのスレに投下されることに我慢ならないだけ。
何かしらの理由があれば納得するが、現状ただ単に根拠もないのになのはキャラが貶められているとしか思えない。
透明あぼーんとかではなく、このスレにそういう文が投下されること自体に意見している。
それになにも私は投下を止めろとは言っていない。
問題の文を今後は書かないで下さいと申し上げているだけ。
あのような文さえなければ私もここまで意見することもないです。
88名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/09(水) 00:59:45.24 ID:KlCCIqFc
もう皆寝ようぜ〜
89名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/09(水) 19:58:47.77 ID:qqdxphXV
>>84
俺はその二人に加えてR-TYPEの人とスクライドの人を待ってる
最近見ない人では、ね。ちょくちょく投下のある人は別だけど
だが今は敢えて全ての職人さんに頑張ってと言いたい。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/09(水) 20:13:29.99 ID:2hIhVP/2
トライガンと高天さんにもきてほしいなぁ
91 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:09:42.73 ID:RWf/bjqc
9時20分以降に超百合大戦の続き書きます。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・今回は別の場所ではこの様な事が起こっていた〜と言うお話なのでなのは要素少ないです。(NEW)



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・ウルトラシリーズ(NEW)
92なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:21:34.12 ID:RWf/bjqc
 6:メロンブックスの世界の一幕編

 様々な世界へ侵攻する百合ショッカーと、各世界でそれぞれ百合ショッカーに抗う勇士達の戦いは続く。
しかし、中には戦う力を持ちながら戦うに戦えない者もいた。

 百合ショッカーの侵攻の影響なのか、元々人気の高かったヒロインが、恋人が出来た途端にファンの多くが掌を返してアンチとなり、
ネットでビッチビッチと叩きまくったり、DVDやらフィギュアやら破壊しまくったりする光景が世界各地で見られた。

「今は男女が真っ当に愛し合う事も許されないのか…悲しい時代になった物だ…。」

 恋人が出来た途端にファンに非難され、没落して行くかつての人気ヒロインの姿を悲しげな表情で見つめる一人の男の姿があった。

「しかし…今の私に何が出来る…。人間同士の争いに介入してはならない…それが我等の掟…。」

 彼には助けたくても助けられない理由があった。故に助けを求める人の姿に表情を渋ませながら
その場を立ち去るしか無かった。

 男が向かった先はメロンブックスの世界だった。

「私が一人の人間として今出来る事と言えばこの位の事だ…。」

 男は買い物カゴを片手にメロンブックスの世界にある同人誌を選び、これはと思った物をカゴの中へ入れていく。

「最近はなのは×ユーノ同人誌もめっきり減ったな〜…。元々数が少なかったけど…。」

 またも男の表情は悲しげな物となる。メロンブックスの世界はまだ百合ショッカーの侵略が及んでいなかったにも
関わらず、なのは×フェイトの百合同人誌が大半を占め、彼の求めるなのは×ユーノ同人誌は殆ど見当たらなかった。

「仕方が無い。この位で良いだろう。」

 男は辛うじて手に入ったなのは×ユーノ同人誌をレジに通して購入。このままメロンブックスの世界を後にしようとした時だった。

「うわー! 何か沢山来るぞー!?」
「!?」

 群集の中から叫び声があがり、思わず男はその方向を向いた。

「まさか近頃評判の百合ショッカー!?
「ちっ違う! 宇宙人だー!」
「宇宙人の軍団が攻めて来たー!!」

 群集の中から再びその様な声が上がる。このタイミングで突如雪崩れ込んで来る大軍団と言えば百合ショッカー以外に
考えられない…はずだったのだが、彼らは百合戦闘員でも百合怪人でも無かった。

「宇宙人だと!?」

 突如メロンブックスの世界に雪崩れ込んで来た者達…彼等は宇宙人だった。
93なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:23:09.24 ID:RWf/bjqc
「しかもアレはマグマ星人だー!」
「一体どうなってるんだー!?」

 彼等は宇宙人の中でも『マグマ星人』と呼ばれる宇宙人だった。メロンブックスの世界に雪崩れ込んで来る
マグマ星人の軍団の前に人々は大パニックに陥り、散り散りになって逃げ出すしか無かった。

 だが、逃げる事無くむしろマグマ星人の前に立つ者の姿があった。『彼』である。 

「私は人間同士の争いに介入する事は出来ない。しかし、宇宙人の侵略であるならば話は別だ。」

 男はそう呟くと共に懐から赤い眼鏡状の物体を取り出し、目に掛けていた。

「デュワ!」

 その直後であった。男の全身が眩い光に包まれ、その姿が変化していく。

「うっウルトラセブンだー!!」
「ウルトラセブン!!」

 何と言う事だろうか。男の正体はウルトラセブンだったのである。元々M78星雲の恒点観測員340号として地球を訪れた際に
地球の素晴らしさに感激し、幾度と無く地球を宇宙人の侵略から守って来た宇宙の戦士。しかしそんな彼も百合ショッカーの
各世界侵略には手を出す事が出来なかった。M78星雲の戦士として、同じ人間同士の争いには介入出来ない掟なのだ。
しかし、マグマ星人と言う宇宙人の侵略に対しては話は別だった。

 そしてウルトラセブンは真っ向から堂々と単身マグマ星人の軍団の前に立ちはだかる。

「おっお前はウルトラセブン!」
「マグマ星人! お前達の狙いは何だ!」

 ウルトラセブンの登場に一瞬浮き足立つマグマ星人の軍団に対し、セブンは指差し力強く叫ぶ。
その様はつい先程までの無力感を漂わせていた男とは別人の様ですらあった。

「我々は百合ショッカーマグマ星人傭兵部隊だ!」
「百合ショッカーマグマ星人傭兵部隊だと!?」

 マグマ星人は決して百合ショッカーの各世界侵略によって起こった騒ぎに乗じて侵略行動を開始したわけでは無かった。
彼等もまた百合ショッカーに参加していたのである。しかし『傭兵』と言う肩書きから、完全に傘下に入っているわけでは無く
おそらく外部協力者と言う形を取っていると思われる。

「我々宇宙人の中でも百合を愛する者達が集い、傭兵として百合ショッカーに参加したのだ。」
「まあそんな事よりも、これは俺達が作った百合同人誌だ。」

 マグマ星人は自分達で作った百合同人誌を持ち寄っており、しかもそれをセブンに見せ始めたのだった。

「ローラン×シーモンスの百合同人誌だ。どうだエロいだろう?」
「………………。」

 ローランとは『宇宙で一番美しい怪獣』と言われ、マグマ星人の中にもそれに求婚した者もいる程の
鳥類型宇宙怪獣で、またシーモンスは南の島に住むと古くから伝説として伝えられていた四速歩行の雌怪獣であった。
マグマ星人はその両怪獣による百合同人誌を作っていたのだった。しかし………
94なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:25:22.02 ID:RWf/bjqc
「いや…幾ら百合がブームだからと言っても…流石にこれは需要無いだろ…。」

 これにはウルトラセブンもほとほと呆れてしまう。確かに今は百合がブームではあるが、流石にローラン×シーモンスの
需要は見込めないであろう。勿論ヲタ受けする様に美少女化して描いているわけでは無く、そのままローラン×シーモンスなのだから。
ギャグとかネタ的方向で楽しむならともかく、これで興奮するには相当な技量が必要となる。

「そんな…マグマ星のヲタの間では相当売れたのに…。」
「地球人はお前達とは美的感覚が違うんだ。諦めて星に帰れ…。」

 自分達の持ち込んだ同人誌をダメ出しされ落ち込むマグマ星人の肩にセブンが優しく手を乗せ、説得しようとする。
何事も戦わずに事が解決出来るならそれに越した事が無いのだが…しかしここで突然マグマ星人がセブンの手を払っていた。

「諦めるか!! 我等の同人誌を評価してくれる地球人はきっといるはずだ!!」
「って言うかお前! 何時の間にかにゼロとか言うガキをこさえていたそうじゃないか!」
「それがどうしたと言うのだ…。」

 確かにウルトラセブンにはゼロと言う名の息子がいるが、それを引き合いに出してマグマ星人は何を言いたいのだろうか。

「お前本当取り返しの付かない事をしてしまったな! お前が何時の間にかあんなもんこさえてしまったおかげで
宇宙中の801好きの腐女子星人を敵に回したんだぞ!」
「何だと!?」

 今マグマ星人がさりげなく凄い事を言った。セブンは本人が知らない内に宇宙中の801好き腐女子星人を敵に回していると言うのである。

「考えても見ろ! お前にゼロと言うガキがいると言う事はそれすなわち、やる事やってると言う事だ。
それは801好きな腐女子星人にとって凄いショックな事なんだぞ!」
「えぇ〜〜〜〜〜〜?」

 百合厨が女性同士の絡みを好むならば、801好きは男同士の絡みを好む。その為、セブンがやる事やってゼロと言う息子を
作っていた事は801好きな宇宙人にとって裏切られたも同然だったのだろう。

「それだけじゃないぞ! お前はダン×アンヌ派も裏切ったんだ!」
「ぐぬぬ…。」

 そう。セブンは地球で暮らす際はモロボシ=ダンを名乗り、地球人女性アンヌと恋愛やらかしたりした。
しかしゼロと言う息子の存在が地球に来る以前から既婚者だった事を証明し、大勢のダン×アンヌ派を涙させていたのだった。

「しかもお前、そのくせ何なのは×ユーノ同人誌買い漁ってんだよ! ますます許せん! やれー!!」
「うおおおおお!!」

 さらにはセブンが先程メロンブックスの世界でなのは×ユーノ同人誌を買っていた事も挙げ、マグマ星人は
一気にセブンへの攻撃を始めるのだった。次々にセブンへ跳びかかっていくマグマ星人。

「デュア!! デァー!!」

 しかしセブンのパンチが、キックが、次々とマグマ星人へ打ち込まれ倒されて行く。
95なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:26:51.98 ID:RWf/bjqc
「動機はともかく、お前達が侵略しようとしている事は変わらない。ならば私も全力で介入、阻止させてもらう。」

 セブンは両手を握り締め、構えていた。何しろセブンは昔マグマ星人に酷い目にあわされた事があった。
マグマ星人の侵略を阻止するのは勿論の事、その時の恨みを晴らしリベンジせんと言わんばかりの勢いが感じられていた。

「ええい怯むな! 相手はたった一人だ! やれやれー!」

 マグマ星人は腕に装着された剣を振り上げ次々にセブンへ襲い掛かるが、セブンもそれを次々と倒し投げ払っていく。

「デュァ! デァー!」

 セブンは頭部に装備するアイスラッガーを勢い良く投げ放ち、さらに自身の念力によってその軌道をコントロールして
マグマ星人を次々に切り裂いて行く。あっと言う間にマグマ星人の軍団もそれを率いていた隊長格一人になってしまった。

「後はお前一人だぞ!」
「おのれ〜…こんな事ならばギラスを連れて来るんだった…。」

 過去にセブンに大きな傷を負わせたのはマグマ星人が使役する怪獣ギラスである。しかし、いない者に頼っても仕方が無い。
マグマ星人部隊隊長はたった一人でもセブンに立ち向かう様子であった。

 腕に装着された剣を構えるマグマ星人に対し、セブンもアイスラッガーを右手に握り締め構える。
同じくメロンブックスの世界にいた沢山のヲタ達が見守る中、その決着は一瞬の内に決した。

「デュァ!」

 剣を振り上げ襲い掛かったマグマ星人を、セブンがアイスラッガーで剣ごと切り裂いていたのだった。
そしてセブンは右手に握るアイスラッガーを頭に装着し、ゆっくりを上を向いていた。

「宇宙人達が百合ショッカーと協力して世界を侵略しようとしている…。これで私が介入する大義名分が出来たと言う事だが…
それは果たして喜ぶべき事なのか…悲しむべき事なのか……。デュアァ!」

 こうしてセブンは天高く飛び立った。マグマ星人が傭兵として百合ショッカーに協力していたのならば、
他の百合厨な宇宙人も百合ショッカーに協力している事は想像に難くない。M78星雲の戦士として、人間同士の争いに
介入は出来ないが、宇宙人が関与しているのならば話は別である。少なくとも百合ショッカーに参加している
宇宙人だけでも倒すべくセブンは飛び立つ。こうしてウルトラセブンの参戦が決定した。
96なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:29:04.51 ID:RWf/bjqc
 7:百合ショッカーの陰謀編

 ミッドチルダ首都クラナガン、かつて時空管理局ミッド地上本部と呼ばれた場所は今や百合ショッカーのアジトと化していた。
その内部では、百合ショッカーの幹部が集まり会議が行われていたのである。

「現状を報告せよ。」

 百合ショッカー首領としての椅子に座るフェイトの傍らに立つ全身を銀色の鎧で覆われた男、彼はBLACKの世界の
ゴルゴムから百合ショッカーに参加し、現在は首領の補佐官として実権を握っていたシャドームーンであった。

 そして首領なんだけど、首領の椅子にどっしりと座るだけで微動だにしないフェイトに代わってシャドームーンが
各隊からの報告を耳にし、同じく報告書にも目を通して行く。

「なるほど。やはり短期間で勢力を拡大させすぎたのが仇となったか。面を広げすぎた為に各方面それぞれの戦力が
薄くなり、その為に点の戦力によって薄まった戦線に穴が明けられてしまっている。」

 確かに百合ショッカーは各世界に戦力を送り込んでいるが、戦線を拡大させすぎた故に個々の戦力低下を招き、
それが各世界で百合ショッカーに対しレジスタンス活動を行う者達に不覚を取る所以となっていた。

「現在頭数を増やす為に各世界の百合厨の確保と共に百合戦闘員・百合怪人化改造を急ピッチで行っております。」
「急がせろ。」
「はっ。」

 次にシャドームーンがある一方を向く。そこには互いに隣り合って座る死神博士改め百合神博士と
ジェイル=スカリエッティの姿があった。

「所でお前達が作っていると言う百合生命体とやらは何時出来上がるんだ?」
「心配せずとも間も無く完成する。」

 未だ百合生命体とは一体何者なのか謎に包まれているが、シャドームーンに睨まれても臆する事無く百合神博士は
質問に答え、それに合わせる様にスカリエッティもまた口を開いていた。

「それにしても百合ショッカーの技術は素晴らしい。私もまだまだ勉強させられる事ばかりだよ。
あと兵員不足の件だが、私がかつて使っていたガジェットの再生産である程度カバーが出来ると思う。」
「ガジェット…? あの無人兵器の事か…。当てになるんだろうな? 試験的に導入した機体が
秋葉原の世界でブラックサンに破壊されまくったと報告書に書いてあるぞ。」
「相手は仮面ライダー。それは致し方ない。しかし、そうでない者達にとっては十分脅威だろう?」
「だと良いがな…。」

 スカリエッティーは百合神博士の百合生命体作りに協力する傍ら、百合ショッカー全体の兵員不足を
カバーする為にガジェットの再生産も行っていた。その内の初期再生産型とも言える物が、秋葉原の世界で
BLACK及びV3に破壊されたガジェットなのだが、確かに仮面ライダーには敵わずとも
そうでは無い者にとっては脅威と言えるのかもしれない。
97なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:30:26.53 ID:RWf/bjqc
 続いてシャドームーンはまた別の方向を向く。そこにいたのは…

「お前達宇宙人傭兵部隊の戦果も思わしくないみたいだな。メロンブックスの世界でマグマ星人部隊が
全滅したと報告書には書いてあるぞ。そこはどうなのだ? ヒッポリト星人にテンペラー星人!」

 シャドームーンの視線の先にいたのはヒッポリト星人とテンペラー星人。彼等が宇宙人傭兵部隊の
代表としてこの会議に出席している様子であった。

「我々が貴様達に協力した事を理由に光の国の奴等が介入を始めた様だ。だが心配はいらん。奴等は我々が倒す。」
「それに、我々はあくまでも外部協力者。百合ショッカーの傘下に入ったわけでは無い事を忘れるな?」
「傭兵風情が…。」

 不敵な態度を取るヒッポリト星人とテンペラー星人にシャドームーンも小声で愚痴っていたが、彼が次に向いた方向、
そこにはヴィータ・シグナム・スバル・ティアナの四人の姿があった。

「お前達の方はどうなのだ? 高町なのはを生け捕りに出来る所まで接近しておきながら何もせず帰ったと言うじゃないか。」
「あの時は軽い挨拶をした様なもんだ。次は絶対捕まえてやるよ。」

 四人は不服そうな表情を取り、ヴィータが彼女等を代表して答える。それに対しシャドームーンは腕を組みながらこう続けていた。

「だと良いがな。高町なのはを生け捕りにして総帥と再び引き合わせ、さらにユーノ=スクライアを闇に葬れば
あらゆる世界の百合厨どもは大喜びして我等百合ショッカーを称えるだろう。そうすれば百合ショッカーの支配体制は万全となる。」

 そう言いながらシャドームーンは総帥の椅子に座ったまま微動だにしないフェイトへ視線を向ける。

「………………………。」

 ヴィータ達四人もまたフェイトの方をじっと見つめていた。
98 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/09(水) 21:32:44.30 ID:RWf/bjqc
某人気作品が復活すると話題になってる一方で、人気女性キャラに彼氏が出来ていたらどうしよう〜とか騒がれてるそうですが…
ウルトラセブンに隠し子の存在が明らかになっても、怒って騒いだりソフビ人形破壊したりなんてする人はいませんでしたね。
でも宇宙では叩かれていたんじゃないかと思ったりするわけです。ウルトラ戦士同士の801が好きな宇宙人とか…
ダン×アンヌに情熱を萌やしていた宇宙人とか…

ここで何故セブンなのかと言うと、丁度この部分を書いていた時期がウルトラアクト版セブンが発売されて即日購入した頃だったからです。
他の戦士と違って等身大で活躍する機会も多かった故に絡めやすいのではとか色々あります。
また、ライダーと違ってウルトラは本編外の所で公式自らがネタ的にはっちゃける事もしばしばですから、
(ダークザギがネット上では紳士とか、ゴモラのキラッとか)
こっそりなのは同人誌買ったりしてても良いんじゃないかなとか思うわけです。

中には何を考えたかゾフィーと初音ミクをカップリングさせる様な勇者もいたり…

ただ、ウルトラ戦士として人間同士の争い事には介入しないと言う要素を尊重して必要最小限の参戦にするつもりです。
と言うか、セブンが本気出したら「もう全部コイツ一人でいいんじゃないかな」って展開になっちゃう…


>>81
それは…ご容赦を。どっちにしても敵に回ったら恐ろしいと言う所を表現する為に必要な要素なのに
変更したら色々成立しなくなる部分なので。こちらもどうしても譲れない部分と言うのはあります。
自分個人としては、設定だけ持ち上げて本編でその凄さを見せない方がよっぽど冒涜だと思うタイプなので。
それにあまりそういうのに応えて前例を作ると、ちょっと脅せば簡単に路線変更する様な人と思われる上に
「△△の出番が少ないとか」とか「○○を活躍させろ」とかそういう個人的な
要望にも際限なく応えなくちゃいけなくなる危険性があると思うんです。
(例えば近年のテレビ番組等はそういうクレームを聞き過ぎた為に規制ガチガチになり
思い切った事が出来なくなって逆に問題になってたりしますし)
99名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 02:04:01.39 ID:1v+0YFEa
>>98 あれ隠し子なんですかね? 単に勘当してただけで周りは知ってたでしょ
視聴者もウルトラセブン自身が孫いるような中年おっさんと麻雀してるCM見てるから子の一人二人いても普通だし
100名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 11:40:56.95 ID:MAsNKjzC
>>98
あなたの言っていることは所詮は作家気取りのカッコつけに過ぎなくて、
思想等はそれを着飾るだけの見せ掛けに過ぎないんですよ。
あなたが大事にしている要素や、懸念している危険性はすべて考えすぎ。
だって、あなたという存在はあなた自身が思っているほど大したものじゃ
ないんだもの。

作品や作風に関する意見を、脅しと同等にしか考えられない人間は、既に
日曜作家にも劣る存在だとは思いませんか?
近年のテレビ番組の話なんて誰も聞いてないんですよ。私は>>81ではない
けれど、言い回しや表現にダメ出しをくらって、その変わりも考えられな
いような人は作家には向いてません。あなたのいう近年のテレビは、そう
いったことに、ちゃんと対応しているでしょう?
ご容赦をと言う前に、相手の不快感を払拭する方法を考えたほうがいいん
じゃないですかね。少なくとも、作品を読んだ「読者」としての意見で、
>>81のような指摘をされているわけだし。自分の作品を否定するものは読
者ではなく読者様の脅しだというのならば、話は別ですが。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 11:50:57.59 ID:iXFAyRoa
妄想垂れ流し

仕事中にあった些細な出来事が縁で遭遇するヒデオとはやて
最初はヒデオの目つきに脅えて逃げてしまうが、ヒデオの本質の優しい部分を知りなつく

そして、穏やかながらも楽しい日々を過ごすはやての誕生日に運命は激変する
突然現れた守護騎士達にはやてを心配し警戒するヒデオ
しかし、はやての言葉そして重ねた交流によって次第に打ち解けていく

そんな穏やかな日もはやてが倒れ、変わる
魔力を集める為にヒデオは魔殺商会やフォース等の知り合いに頼み込み蒐集を守護騎士達と共に行う

だが、ヒデオや守護騎士達の努力を嘲笑うように、はやての心を傷つけて闇を開く者が現れる
絶望し闇に囚われたはやてにヒデオは叫び、そして自分の信じるパートナー達を召喚
そして、覚悟を決めたヒデオはかつての俺を取り戻し闇の書のバグに対峙する

「その程度のもので闇を名乗るとはおめでたいヤツだな、笑いがこみ上げてくるぞ」
魔眼王と呼ばれた青年は嘲笑し
「そうねぇ、端末に過ぎない私よりも密度低いし、冗談なのかしらぁ」
青年の傍らに現れた漆黒の妖艶な少女は呆れたように呟き
「でも、この程度なら、マスターに負担をかけずに済むのでよかったです」
青年の背後に立つ黒いドレスを着た清楚な女性は小さく微笑み

「これが俺の視た未来だ! やれ! ウィル子・ノアレ!」

102名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 15:50:35.44 ID:VhNbmA7g
どんな人間にも受け入れられる創作物なんて存在しないのに、とんでもないアホがいるもんだな
103名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 16:14:45.81 ID:2exegFex
仕事中やノアレってこたぁ
戦闘城塞マスラヲじゃなく、レイセンか
104名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 18:24:40.50 ID:nRwDJGF4
>>100
別に◆e4ZoADcJ/6 氏の肩を持つわけじゃないんだけどさ
>>98は一応、意見を聞いた上で応えられないって言ってるんだろ?(脅すという表現はアレだが)
だったらそれでいいと思う。そもそも意見要望に応えなきゃいけない理由はないし、不快感を払拭しなきゃいけない義務もないんだから
まさか「味方にすると頼りない」の一文くらいでヘイト扱いはないだろうし、
スレと2chのルールに反してない限り、「嫌なら見るな」は通用する
105名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 18:34:30.91 ID:xRo1HC+I
ゼル伝とコラボさせてくれ
106名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 19:05:51.06 ID:+Sag26ku
ヴィヴィオが空手と柔術とムエタイと中国拳法を同時に習い
史上最強の弟子を目指す話を考えた。
107名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 19:29:21.07 ID:HupaYufx
あの達人たちは才能の有る子はいらないそうですよ?
108名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:02:20.62 ID:yppYg3/M
>>104
少なからず払拭する必要もあるんじゃないか?
一方的にも思えるが>>81は読んだ上で意見をしているわけだし読者の言葉に
耳を傾けないで、書きたいものだけ書きたいならなにもこのスレでやること
はないんじゃね? 新しいテンプレが加わった際にいなかったけど、職人を
持ち上げる意見以外は書いちゃいけない、そして作者は注意分を添えればな
にを書いてもいいよって、さすがにおかしいだろ
109名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:08:37.20 ID:b4gdD7/2
問題は非難してる方がこれで味をしめて、非難すれば自分の思い通りに出来ると勘違いして
他の作者にも同じ様に自分の考えた展開を押し付けて来る危険性がある事だな。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:15:10.30 ID:yppYg3/M
>>109
要するに>>100は脅しには屈しないとか言ってないで少しは叩かれないように
工夫をしろって言いたいんじゃね?
しばらくスレにいなかった俺が言うのもあれだけど、否定的な意見を封じ込め
てるだけじゃ、職人にも進歩がないと思うんだが。誰からの文句も言われずに
好きな文章だけを書いていたいなら、自分のブログとかそれこそノートにでも
書いてりゃいいわけじゃん? ネットで他人に公開する以上、職人にだってあ
る程度のリスクは背負うべきだろ。賞賛以外はいりませんなんてそりゃないぜ
111名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:17:05.07 ID:6Wqum/Y+
<そして作者は注意分を添えればなにを書いてもいいよって、さすがにおかしいだろ

その件は運営議論ですでに決着がついてるだろ
わざわざ蒸し返して、また同じ事を繰り返すのがお望み?
112名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:17:48.93 ID:b4gdD7/2
結局追い出す事が目的の叩きだったか。相手して悪かったな。
113名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:20:16.03 ID:ZK3gNnHf
>108,110
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6053/1259418532/l50
なんで運営議論スレで問題提起せずにここでやってるわけ?
まずそちらで話を付けるのが筋であり、このスレでグダグダ言うのは筋違いだと思うけど。
114名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:22:41.86 ID:dupVedzY
まあ、職人に対して過保護すぎるのもどうかと思うがな。
世の中にいるすべての人間が褒めて伸びる子じゃないんだから、職人を育てる
という意味では現状はあまりいい感じじゃない。

それはいいとして25時から投下予約。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:27:32.32 ID:+Sag26ku
>>107
才能のある弟子はいらない、なんて言ってたかな。
才能がなくても、死ななければ達人になれるってだけじゃ?俺が覚えてないだけかも。
ストライクアーツは打撃主体だから、懐に入られると不利だろうか。
DオブD終了後の兼ちゃんなら、ヴィヴィオ大人モードにも勝てるかもしれん
116名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:32:07.66 ID:SBXJi8lq
運営で読み手側がとにかくスルーしろ、書き手側の書く自由を絶対に侵害してはならん、という結論になったのだから仕方ない
専ブラ入れてNGにするか、まとめだけ見るという予防策を取るしかないだろう
117名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:35:03.78 ID:nRwDJGF4
>>115
しかし兼ちゃんには女性を殴れないという決定的な弱点が・・・
でもまあ正式な組手なら大丈夫だろう、どうせ戦うなら組んで柔術がベストだろうしな
118名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:36:10.57 ID:7BiqCbhN
>>116
それだけ見ると、すげぇ一方的な話だよなw
まあ、百合大戦みたいな糞な作品は見ない、読まない
それで対応していくしかないな
119名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:37:53.75 ID:HupaYufx
>>115
超要約すると「才能の有る弟子なんてつまらない」(勝手に伸びるから)とか言ってたよ
120名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 21:43:34.05 ID:b4gdD7/2
>>117
でも掴んで投げるのはOKだった気がする
121名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 22:05:04.66 ID:+Sag26ku
>>119
そういえば言ってた気がする。やっぱり弟子は兼一がいいか
>>120
だね。一回目二回目は勝てても、回を重ねるときついだろうなぁ>柔術オンリー

なんか書けそうな気がしてきた。短編か単発で書いてみるか。
いっそアインハルトが闇入りとか・・・
122名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 22:36:15.35 ID:Kpx/40qb
少しおかしい事に気付いた。
要するに>>81はどんな形であってもなのはキャラを馬鹿にする様な事を
書いてはいかんと言いたいのだろうけど、
それなのに「批判的意見も書かせろ」とは何か変なんじゃないかな?
123名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 22:55:35.89 ID:2xZs/y75
>>118
危ないものには近づかない。これぞ護身の究極なんだぜって渋川先生が言ってた。
124名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 23:00:09.37 ID:1v+0YFEa
>>121
兼一か美羽の弟子になればよくないか? 間接的に達人の弟子になる
新島が活躍するなら見たいな、あの人なら機動六課に匹敵する組織を武人を使ってつくりそうだし頭脳的にスカのライバルになるぞ
125名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 23:15:35.36 ID:l8NUEjT3
>>123
なのはキャラへと作者へとベクトルが違うだろ
どうでもいいけどさ
>>81も言いたい事は分からんでもないが、もう諦めて去った方がいいな
126名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/10(木) 23:38:17.32 ID:+Sag26ku
>>124
新島は上手く使えるようになりたいね。
でも兼一が弟子を取るとか、師匠達に爆笑されそうなんだぜ。せいぜい組み手の相手くらいじゃね?
後は、武田みたいにストライクアーツにこだわりそうな気がする。そういえば、ノーヴェは誰から技を習ったのか、独学なのか。
シューティングアーツとストライクアーツはどう違うんだろう。
スバルやノーヴェのレベルは妙手(弟子以上達人未満)なのか……疑問は尽きない。
vividはその辺も掘り下げてほしいな
127名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 00:16:14.43 ID:hJ2EjLPD
>>126
ノーヴェの場合スカさんの学習プログラムじゃないかな?
戦闘スタイルが格闘戦なわけだし
あと割りとvividでは攻撃を受けて防御が多いから
受け流したり捌いたりする感じで防御するのも面白いかも
128名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 00:53:55.97 ID:gdZHeWgR
>>127
サンクス。参考にさせてもらいます
129名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 01:02:40.59 ID:p4XCkbCg
ノーヴェはvividだとルールのある試合形式だと
達人ってレベルじゃない描かれ方してたな
130名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 01:06:15.64 ID:dRXSh4td
ケンイチ世界の達人は、戦車や軍隊を余裕で殲滅できるのがデフォだからな
スバルはまだ行って妙手だろう
師匠や一影九拳は、なのはやフェイトともやり合えそうだ
131名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 01:15:43.35 ID:kDdztLlw
スレがケンイチの話題になってて嬉しいな。
個人的にはヴィヴィオよりも夏がA'sのころに行きはやてに妹の面影を重ねるとかいう展開が見てみたい。
132名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 01:49:25.73 ID:dRXSh4td
ケンイチって結構読者多かったんだな
それはそれとして25時から予約の人はどうなった?
133名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 08:18:10.41 ID:q64JgIXz
>>130
なのはの有利な点は空を飛べることとバリアーを張れることかな あいつら連続で放っても避けるしバインドも切っちゃいそうだし 何より管理局の魔法は非殺傷だからな
134名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 09:14:06.81 ID:zSrLaAYY
>>132
自分のSSを読み返してる時に怒られそうな所がある事に気付いて書き直してるとかそんな所じゃないかな?
135名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 10:00:29.22 ID:p4XCkbCg
寝落ちしたんじゃね
それよりも管理局はQBさんの母星にアルカンシェル撃ちこむべき
136名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 11:12:01.57 ID:EK4Ig5kX
目的の規模考えるとアルカンでも足りるかどうか…
137名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 12:25:57.73 ID:bUnJZAkv
ていうか、「時間を戻す」ような願いを叶えられる相手にどうしろと……。
138名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 14:08:43.67 ID:Zbtn35F+
ネタは浮かぶが作文はヘタいので作れん…
インディー・ジョーンズ洋画(特に初作と最新作)でネタは足りているんだけどなあ

ところでジャパン系とUSA系の「創作キャラ(戦闘系)のステータス」て、
ジャパン系は「こーいう論理だからすごく強い」の形式が多く(特に禁書系)、
USA系(MARVELなど)は「多数の論理すらブッちぎる単純な超パワー」なのが多いよな
139名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/11(金) 23:34:20.91 ID:D3YZAQu1
「有澤重工より6課部隊長の狸さんへ。
 御宅のちっこいのが質量兵器はご法度だの何だの喚いてウチの社長のネクストをド付きまわしています。
 まぁ当然ながら効果ありませんが、これから出撃なんで消し飛ばされるとまずいんだったらとっとと引き取って下さい」

ウンNICOZONでAC動画見ててさ。
ただ、レイヴン派遣スレのを見たんだが、管理局アンチの依頼が堂々書き込まれてたなぁちと以外だった。
140名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/12(土) 18:58:51.31 ID:mRd3CC7p
>>114は結局書かずじまいか
この状況じゃ書いた方が不謹慎と思われるから
仕方ないけどな。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/12(土) 23:30:53.83 ID:CXSiLbtm
そうか?別に書いたっていいと思うが。
なんかこんなセリフを思い出した。

来月・・・もし俺の作品が載っていなくても・・・この世の中にゃ何の影響もありはしない!
同じように日は昇り日は沈む!
犯罪はあとをたたず、一歩一歩高齢化社会へと進んでいく・・・!
ちっぽけな作品ひとつ、何も変えることはできやしない・・・非力なんだよ・・・!
だから載っても載ってなくてもいいんだよっ!!

『吼えろペン』より

プロの作品でさえこうなんだから、ここの作品ひとつ載っても載ってもなくてもいいんだよ。
まだ投下できないけど、PC壊れたり死んだりして書いた分が無駄になったらもったいない。
142名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 01:56:00.78 ID:CXu1UEIQ
そこだけ取るとかっこよく聞こえるけど、実は〆切りに追われて吐いた弱音だったよな
143名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 03:42:13.67 ID:zYxeUMHG
でも些細な事で怒ってスレから追い出そうとする人がこのスレを見張ってる事がはっきりしたからな。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 04:35:52.80 ID:pLiNKXyj
>>101
戦力バランスのおかしい作品だからスゲェことにならんか?

つーか、
>魔力を集める為にヒデオは魔殺商会やフォース等の知り合いに頼み込み蒐集を守護騎士達と共に行う
この時に選んだ相手にアウターが混ざってたら……
145名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 11:58:07.77 ID:Ix4Mo75n
ネタだけ温めてたけど書けないんで垂れ流し。

なのは×最終兵器彼女

原作終了後、宇宙を漂っていたちせとシュウジが管理局に拘束される。
地球を遺失世界と判断し、ロストロギア兼質量兵器として認定されるちせ。
一般人てことで解放されたシュウジがちせを取り戻そうと頑張る話。

ゆりかごVSフルアーマーちせとかやばくね?
146一尉:2011/03/13(日) 21:57:54.33 ID:KfEWQ6mE
支援
147名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 22:06:15.39 ID:KclFASn7
>>145
サイカノはパワーバランス難しいからなぁ
ちせの最終形態とかアレどうなっちゃてるのかよくわからんし
148名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 23:43:45.09 ID:tarpmtnR
書くならちせのスペックをある程度独自に設定しないとキツイ気がする
敢えて描かなかったらしいけど、誰がどうやったら、あんな自己修復・自己進化とデビルガンダムみたいな魔改造が出来たんだろう
あと地球終わるってことは海鳴の家族や友達はどうなるんだろ。知り合いだけミッドに移住とかさせてるんだろうか、できるんだろうか
恭也とか士郎とか出兵してたりして
149名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/13(日) 23:47:11.41 ID:7Iom7a+7
リリカルの地球とは別の「地球」ってことにしといた方が無難ではなかろうかと。
150名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/14(月) 16:43:39.05 ID:0AO5Am+0
なのは「里帰りしたら地球がなくなってた」
151名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/14(月) 21:17:23.69 ID:d4/NpkBf
いろんな世界で主人公たちと戦い、そして散って行った悪役・敵役がその死後、ミッドチルダに
なぜか召喚されて、そこでなのはさんたちと交流しながらJS事件に立ち向かっていくという話を考えた。
152名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/14(月) 22:38:53.54 ID:SX0hV5H2
>>151
オディオですね分かります
153名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/14(月) 22:59:03.41 ID:d4/NpkBf
>151
ライブアライブのオディオでおk?いくらなんでも彼は可愛そう過ぎるとともに憎悪は
あそこまで人を強くするものだということを示してくれたキャラでもあり…
実は、考えたっていうか誰を召喚するかはもうすべて書きあがっててあとは落とすだけなんだけど、
>140の言うように不謹慎かなって思うから静観してた。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/14(月) 23:14:04.83 ID:tRZ9aITB
不謹慎厨なんて言葉もあってだな・・・・
2chのアニメのSSスレを見て不謹慎と文句吐く奴なんて荒らしか煽りだよ。
本当に不謹慎だと思ってる人は自分が真っ先に謹慎してるだろう。
155名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/14(月) 23:27:24.30 ID:mm6KB1//
スレをチェックするのはよくて、投下はNGなんて訳がわからんからね
内容が大地震で大津波が……とかならまだしも
156名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/15(火) 00:05:07.12 ID:7yPqpcPJ
>>155
>内容が大地震で大津波が……とかならまだしも
時事ネタも不謹慎かどうかは内容による。
同じ災害を題材にしたものでも、被災者が頑張って生き抜く感動路線のSSと、被災者を笑いものにするブラックジョークSSとじゃ、
同列に語ることすら失礼ってもんだ。
なんでもかんでも『不謹慎』と言って叩こうとするのは、荒らし煽りか思考停止してる馬鹿ぐらいなもんだろ。
157FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/15(火) 14:14:49.94 ID:Mc14jtlb
お久しぶりです、FEです。
受験が終了したのでこれからは週一で更新したいな、と思ってます。
では、第11章投下します。 
158FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/15(火) 14:15:34.89 ID:Mc14jtlb
すみません、間違えました。第10章投下します。
159FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/15(火) 14:16:35.29 ID:Mc14jtlb
第10章「安らぎの中で」
「………ふぅ。」
 アイクはラグネルの手入れをしていた。毎日欠かしてはいけないものである。
 なぜ、突然生活用品がほしいと言い出したかというと、砥石がほしいからである。
「砥石は一体どこで売っているんだ?」
 と、独り言をつぶやく。独り言、ということは、誰も聞いていない。
 これを第三者が聞いていたら、一体いつの時代の人間だ、と突っ込みを入れることだろう。
「そろそろラグネルばかりにも頼ってられんからなぁ……鋼の剣も買っておくか。」
 アイクはどうやら、ここがミッドチルダだということを半ば忘れているようだった。
 そんなものは売ってない、と誰かが言うべきなのだろうが、それを言う人がいない。
 そして、アイクはティアナと買い物に行くまで空回りしたままだった。



「ところで、アイクさんのいた世界はどんなふうだったんですか?」
 藪から棒にティアナが聞いてきた。
「そうだな…少し前までは騒がしかった世界だ。ラグズ、というやつらがいてな。何かしらの動物の特徴を持っているやつもいる。
 そいつらは、化身することによって戦闘能力を大幅に上げることができる。」
「へぇ〜。そんな人たちがいるんですね。ちょっと会ってみたいかも。」
「そうだな、いいやつらばかりだったから会ってみるのもいいかも知れん。」
 と、談笑しながら街を歩くアイクとティアナ。
 ティアナはTシャツにスカート、といった服装だが、アイクは赤いマントに甲冑、そして、ラグネル。
 あまりに怪しい。警備員から声を掛けられてもおかしくないくらいに。
「あの……アイクさん?」
 遠慮がちにティアナが話しかける。
「さすがに、その服装は目立つと思うんですけど…」
「?」
 当の本人は一体何事か分からない、といった顔をしている。実際、道行く人たちは怪訝そうにアイクのことを見ている。
 ここまでくれば、鈍感もいいところである。
「まあ、いいだろう。ところでティアナ、一つ聞きたいんだが。」
「あ、何でしょう?」
「武器屋はどこだ?」
「………」
 市街地のことは大体知っているティアナだったが、この質問に答えることはできなかった。
160FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/15(火) 14:17:15.02 ID:Mc14jtlb
「驚きましたよ。突然、武器屋はどこだ、だなんて」
「そうか。すまん。」
 ティアナが武器も砥石もここにはないと説明し、とりあえず服を買いに行こうということで喫茶店で一服していた。
 喫茶店でのマナーを一通り教えた後、コーヒーなどを注文し、ゆっくりしている。
「ティアナ、武器屋がないのは分かった。じゃあ、掘り出し物市はどこに?」
「……それも、少なくともこの町にはありません!」
「ん、そうだったか。」
………
(か、会話が続かない〜…)
 ティアナが何か言おうともたもたしている間、アイクは無言でラグネルを見つめる。
 アイクは漆黒の騎士のことを考えていた。
(なぜ、この世界に奴が?スカリエッティとも関わりがあるのか?)
 二人とも一緒にいるというのに、胸中では全く違うことを考えている。
 そこで突然、ティアナが口を開いた。
「アイクさんって、その……好きな人とかって、いる、んですか?」
「…?」
 考え事をしていたせいで何と言ったか分からなかったようである。
「だ、だからその…好きな人とか―――――――――――――」
「お待たせしました。エスプレッソと、アイスコーヒーです。」
 いいタイミングで来た店員をちょっと憎らしく思いながら、ティアナはアイスコーヒーを飲んだ。
「……?」
 アイクは終始、ティアナが何を聞きたかったのかも、なぜコーヒーが来たというのに気持が沈んでいるのかも分かっていなかった。



「ところで、エリオ達はいったいどうしてるんだ?」
「あの子たちもお休みなので、街を回っていると思いますけど…」
 と、言い終わったその瞬間、アイクが突然振り向く。
「…………」
「ど、どうしたんですか?」
「いや、視線を感じたんだが…」
 アイクは首をかしげ、そのまま前へ進む。
「あっ、待ってください!」


「ふぃ〜、危ない危ない。危うくアイクさんに見つかるところだった…」
 電柱の陰からにょっきり人影が出てきた。
 スバルだった。
(あの二人いい感じだし、気になる〜!あ、でも、アイクさんだからなぁ…)
 スバルはアイクとティアナのその後を想像する。が、あまりいいイメージは浮かんでこなかった。
(……やっぱり、恋に障害はつきものだし、いっちょ悪役やってみるかな。)
 そういった無駄な決意を胸に秘めて、スバルは二人の後を尾行した。
 その姿は、アイクと同じくらい奇妙だった。
161FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/15(火) 14:17:58.58 ID:Mc14jtlb
Another Side Episode:ERIO


「キャロ、何か聞こえなかった?」
「え?」
 ライトニング隊も街にお出かけに来ていたのだが、エリオは何かを引きずるような音を聞いたという。
 それも、地下から。
「一体なんだろう…?」
 音がする路地裏へ二人は入る。
 そこで見たものは――――――――――

Another Side Episode:END


 ピピピッと、ティアナのクロスミラージュから音がした。
「なんだろ、キャロから全体通信…?」
「どうした?」
「いえ、キャロから連絡が…」
『緊急通信です、レリックと思われる箱が一つと、それを引きずった小さい女の子が…
 女の子の方は意識不明、大至急来てください!』
「了解!!」
 と言って通信を切る。
「ティアナ、頼みがあるんだが。セネリオにもこっちに来るように伝えてくれないか?」
「え?わかりました。」
 そう言ってクロスミラージュを使ってシャーリーに通信をする。
 そうしている間、アイクは顎に手を当てて考えていた。
(何か、嫌な予感がする…とてつもなく、嫌な予感が…)
 アイクはどうしようもない不安に駆られていた。そして、ラグネルを腰から抜く。
 まだアスタテューヌがアイクの加護を封印していないというのに戦闘を行うのは危険だが、いや、そもそも戦闘に発展しなければいいのだが、
 と考えていたが、そんな甘い考えが通用するとも思えない。
 今のアイクには、どうかこの不安が思いすごしであるように、と祈ることだけしかできなかった。

to be continued....
162FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/15(火) 14:19:33.33 ID:Mc14jtlb
以上です。
やっぱり、一つ一つが少ないかなぁ…
次からはもう少し文の量を増やそうかな。
それでは、また週末に。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/15(火) 22:35:50.56 ID:8EWow6Mr
乙乙
短いのを短いスパンで投下するか、間が開いても一回を長くするかは難しいところだよね
幾度となく議論を繰り返した命題だ
164名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/19(土) 09:49:53.53 ID:XIRWdjSp
はじめまして。
リリカルネロスはメタルダーが好きだから面白い。
次は戦闘ロボット軍団が戦う話が理想です。
165名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/20(日) 14:45:54.37 ID:FUgl1N0I
こういうの読みたいなー
ttp://www.youtube.com/watch?v=-RepZN0Z4MU
166名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/20(日) 22:23:07.05 ID:LSxhdCPz
ヘルシングはもうあるじゃないか
ヘルシングってなんか絡ませにくいと感じるんだよな。キャラ濃いし、言い回しとか独特だし、
熱心なファンほど再現に苦労しそう。かと言ってカルト的人気があるから、適当にしたら凄い叩かれる
ジョジョもそんな印象だ
167名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/21(月) 12:42:31.56 ID:IFbcsMcQ
ギャグ展開にすれば問題ない大丈夫だ

>>162
おつおつうう!
168FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/21(月) 23:29:03.52 ID:A7s7gP/N
みなさん、どうも。FEです。
週末に、といったくせに投下が月曜になってしまいました。
待たせてしまってすみません。
それでは、第11章投下します…が。
連続投下かぁ。いいのかなぁ。
169FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/21(月) 23:29:53.16 ID:A7s7gP/N
第11章「戦場の駆け引き」




「みなさん、お待たせしました。」
 遅れてセネリオがやってくる。アイクが呼んだため、多少待たざるを得なかったのだ。
 しかし、ただ遅れたわけではない。
「?セネリオ、何でエタルドを。」
「いえ、ラグネルがなかったので。アイクがもし、武器を持っていなかったらいけないと思って。」


 つくづく優秀な参謀である。そこをアイクに見込まれたのだから。
「さ〜て、みんな。短い休暇は楽しんだ!?」
「「「はい!!」」」


 元気のよい返事が返ってくる。
 そしてそのまま、各々のデバイスを掲げ、バリアジャケットに着替え……ようとした。
 なぜ着替えないかというと…
「………」
「?」
 ティアナがアイクに視線を送っている。それも、顔をほんのり赤らめて。
 その意味をアイクより早く理解したセネリオは
「アイク、作戦の提案があります。少しいいですか…」
 とアイクを路地裏から連れ出してくれた。ティアナとしても、想い人にほぼ全裸を見られるのは恥ずかしいところだろう。
 もっとも、想い人、といっても向こうがそれに気づいていないのだが。


 そうして雑念を振り払い、全員がバリアジャケットを装備する。
「…終わりましたか。」
「ええ、ありがとうございます。」


「……あなたの思いがアイクに届く確率はかなり低いでしょう。」
「!?」
 唐突にそんなことを言われる。ティアナは勢いよく振り返ってセネリオを見る。
「向こうの世界でも、アイクに想いを伝えた人は居ます。ですが、結局彼はその意味を誤解したままでしたから。」
「そ、そうだったんですか……」
 戦いに行く前というのに、思い人がどーのこーのと、ティアナはひどく場違いに思えたが、好きなのだから仕方がない。
 それでは…と悩んでいると、不意にセネリオが微笑を浮かべる。
「あなたには少し、期待しています。がんばってみてください。」
「…ありがとうございます!!」
 セネリオによって元気づけられたティアナだった。
170FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/21(月) 23:30:15.75 ID:A7s7gP/N
ビルの屋上でなのはとフェイトが話をしている。
「フォワードのみんな、頼れる感じになってくれたかな?」
「ふふっ、もっと頼れるようになってもらわなきゃ。それに、他に優秀な人材もいるしね。」
「アイク達のこと?」
「そう。あの人たちは、あの子たちをうまく導いてくれそうな気がするの。」
「そうね、それじゃ…」
「行こうか。」
 二人はバルディッシュとレイジングハートを取り出し、バリアジャケットに着替える。
 理由はもちろん、空から襲ってくるガジェットの大群に対抗するためだ。
 この二人がほぼ敵をせん滅するだろう。
 そうすれば、残る不安分子は地下にいる彼女たちだけ。
「さっさと終わらせて、またあの子たちに休暇与えなきゃ。」
「そうだね。」
 そうして二人は親友同士の会話を楽しみながら、空から襲いかかる機械の群れ達の中に突っ込んでいった。



 アイク達は地下を走りながら移動する。ギンガと合流して情報の提供と戦力を補充をしてもらうためだ。
 だが、その途中で奇襲があるとも考えられる。
「いいですか、ティアナは先頭に。あなたが敵だと判断したものは迷わず撃ってください。
 次に、エリオ。君はティアナの援護役です。前方からの敵と交戦状態になった場合、第一にティアナの援護をお願いします。
 その次に君です、キャロ。君はこの隊列の中心に位置して、みんなの先頭をサポートし、攻撃をよけることに徹底してください。
 キャロの後ろは、スバル、あなたに任せます。あなたは横を見張ってください。何か現れたら容赦なく叩き潰してもかまいません。
 後ろから2番目は、アイク、あなたです。主に、全員への指示と僕のバックアップをお願いします。
 最後尾は僕です。魔法が使えるので中、遠距離のものは任せてください。
 ……さあ、行きましょう。」


 簡単に列の説明をして隊列を組む。実質、この並びには隙がなかった。
 前方に現れた敵はティアナ、エリオがつぶす。
 横から現れた場合はスバルとキャロがつぶす。
 後ろから現れたらアイクとセネリオが消し飛ばす。
 非の打ちどころがない、ともいえる隊列の組み方であった。
「ギンガさん、お久しぶりです。ひとまず、南西のF94区画を目指してください。そこで合流しましょう!」
「ええ、わかったわ。」
 そういうと、ギンガはバリアジャケットを装備し、目的地へと向かう。


 そのころ、空では大掛かりな陽動が行われていた。
171FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/21(月) 23:30:40.76 ID:A7s7gP/N
「はやてちゃん!?どうして騎士甲冑?!」
「今回は私の出番や。遠距離広域魔法はうちの分野やで。」
「でも、はやて…限定解除の承認が必要なんじゃ…」
「その点はオッケー。クロノ君とカリムさんからの承認を得たからな。というわけで、なのはちゃんはヘリへ。
 フェイトちゃんは地下にいるライトニングとスターズの応援に行って!」
「「了解!!」
 なのはとフェイトははやての広域魔法の着弾地点ギリギリの位置に待機する。
「ほな、いくでぇ〜」
 そして、はやての顔から笑みが消え去り、魔法の詠唱を始める。
「フレスベルグ!!!」





「!!何か来ます!」
 キャロがそう叫ぶ。その一言で隊列を組んでいたみんなは戦闘態勢に入った。
 刹那。


 とてつもない轟音が地下の壁を破壊する。
 そこから現れたのは、
「お待たせ。一緒にケースを探しましょう。」
「ギン姉!!」
「ギンガさん!!」
 ギンガこと、ギンガ・ナカジマ。
「はじめまして、アイクさん。それと、セネリオさん。ギンガ・ナカジマです。」
 ギンガは丁重に二人へ挨拶をする。
「はじめまして、と言いたいのは山々ですが、この状況を切りぬけてからにしましょう。」
「…それもそうですね。」


「くぅっ!!」
 エリオが押し寄せてくるガジェットの群れに苦戦しつつある。
「これじゃきりがありませんね…」
 ぽつりとセネリオがつぶやく。
「スバル、一撃で決めて!!」
「おうよ!!」
 ギンガが大型のガジェットの腕を粉砕する。そのすきに間髪いれず、スバルが大技を仕掛けた。
「ディバィィィン…バスタァァァァ!!」
 派手な音とともに大型のガジェットは跡形もなく吹き飛んだ。
172FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/21(月) 23:31:11.72 ID:A7s7gP/N
「ぬぅん!」
 大きな声が聞こえたと思うと、先ほどの大型のガジェットが3つまとめて吹っ飛んで行った。
「この程度か…」
「あの人…一体何者?」
 そのパワーに驚きと感嘆を示すギンガだった。 
「あの人はたぶん…ううん、この部隊で間違いなく最強の人、だよ!」
 高らかにスバルが説明をする。なにしろ、蒼炎の勇者なんだから、と。
 その異名の由来は分からずとも、凄さと派手さは少なくとも理解できたようである。


「あった!ありました!」
 キャロがレリックが入っていると思われる箱を拾う。その瞬間だった。
(…ん?)
 アイクが違和感を感じる。ここの下水は意味もなく跳ねるだろうか。
 それは、水だけではなかった。壁からも音がする。しかも、だんだんとキャロの方向へと向かっている。
(まずい!!)
 そう感じ、ダッシュでキャロのもとへ駆け寄った。
「?」
 走ってくるアイクを不思議そうにキャロが見つめる。
 その刹那、上から黒い魔弾が降り注ぐ。
「!!!」
 その様子を見て、キャロはようやく自分が狙われていることを理解した。
 タッチの差で、間に合わなかった。
「きゃああぁぁ!!」
 轟音とともにキャロが吹き飛ぶ。
 その様子を見て、アイクは身を毟る嫌悪感にさいなまれたが、同時に蒼炎の勇者としての実力を発揮した。
 瞬時に射線をとらえ、その方向に無理やり体をひねり、飛ぶ。
 そして、見えない「何か」にラグネルをぶつける。
 相手からは見えているのだが、こちらからは見えない。
 それはアイクを吹き飛ばすのに十分な理由になった。
「ぐおっ!」
 吹っ飛ばされたアイクだが、受け身をとって次の攻撃に備える。
 見えなかった相手の実態が少しづつ見えてくる。
 それは人間でもなく、機械でもなかった。
 どさくさにまぎれて、少女がレリックのは言っている箱を持ち出そうとした、がティアナにクロスミラージュを突きつけられる。
「それは本当に危険なものなの。悪いことは言わないわ。それを置いていって。」
 それを聞き、少女が顔をほんの少しゆがめた時だった。
173FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/21(月) 23:31:34.27 ID:A7s7gP/N
(ルール―、1,2,3で目ぇ瞑れ!)
 心話が少女に聞こえた。
(1,2…)
 そのタイミングで少女は目を瞑る。
 その違和感に今度はセネリオがいち早く気づいた
「危ない!!」
 が、一瞬遅かった。辺り一帯は火の海につつまれる。
「くっ!」
 とっさにブリザードを使い、辺り一帯の炎をかき消した。
 火が収まり、ティアナは再びレリックを持っていこうとする少女に狙いをつける。
 だが、クロスミラージュを構えた瞬間、先ほどの人間とも機械ともいえぬ何かがティアナめがけて突進してくる。
(やばい…!)
 やられる、と思った瞬間だった。
 アイクが駆けつけ、ティアナをお姫様だっこで救い出す。
 戦場とは言え、好きな人に突然だっこしてもらって赤面しない、という女性は居ないだろう。
 ティアナも例外ではなかった。
「あ、ありがとうございます…」 
 照れながら、礼を伝えたが、アイクは全く聞いていない。
 アイクの視線は上方に注がれていた。
 そこには、赤い紙と羽根を持つちっこい人間がいた。
「ここからは、烈火の剣聖、アギトさまの出番だ!!」
 剣聖、という言葉にアイクとセネリオが反応する。
 あの体で、奥義・流星を使いこなすのか…と考える。まぁ、アイクの世界とこちらの世界の剣聖は違うのだが。
「さあ、どんどんかかってこいやぁーーーー!!」
 少なくとも、先ほどより面倒に、そして厄介になったのであった。


to be continued....
174FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/21(月) 23:33:19.76 ID:A7s7gP/N
以上です。
やっぱり、皆さんのと比べると幾分か幼稚かなぁ。
文の量もあんま増えてないし…。どなたかご指導いただけると、ありがたいです。
それではみなさん、また週末に。
175名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/22(火) 12:08:40.82 ID:jMHNMKvR
乙です
読み易さも大事ですよ。地の文が多けりゃいいってものでもないですし
176名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/22(火) 22:47:37.54 ID:aHJ2meYw
のび太の魔界大冒険におけるのび太の魔導師ランクってリリカル的にはどの位なんだろうか
攻撃技がスカートめくりだが火事場の馬鹿力で130Kgの物体を抱えてただのホウキで飛行できるからA-ランクはいくか?
というかあの世界って管理局が知ったらどう動くんだろう 全員が魔法使いなんだぞ
177名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/22(火) 23:16:03.78 ID:MYgMf/HA
そもそもあの世界って科学が迷信ってことになってるけどだったらのび太たちが住んでるあの家や
通っている学校はどうやって建てたっていうのかね。
それに、テレビで水晶玉かなんかのCMやってるシーンがあったけど科学が迷信なのにテレビはないだろうと。
178名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/22(火) 23:23:24.86 ID:VWaw7ZZd
魔法使いが常識に囚われてはいけません!
179名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/23(水) 00:21:01.62 ID:h6IiCQBW
そういえばのび太が空を飛んだときは魔法の存在しないはずの科学世界の中だったよな、大魔境の時みたいにユーノを拾って訓練してもらえばのび太も魔導師になれる可能性があるな
あとタイムマシンを追撃したメジューサは管理局にとっても難敵だな
180名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/23(水) 09:16:33.59 ID:N7RTKa33
>>177
魔導テレビだろ。
セブンフォートレスにある。
181 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/23(水) 19:23:26.47 ID:pDklqDEJ
久しぶりの投下。7時30分以降の予定。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・クレーマーホイホイ
・思わず文句を言いたくなるSS


登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ(今回登場無し)
・ウルトラシリーズ(今回登場無し)
182なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/23(水) 19:31:59.85 ID:pDklqDEJ
 8:百合ショッカー本部殴り込み編

 なのは・ユーノ・士・光太郎の四人は数多の戦いの末ついにクラナガンにやって来ていた。

「ついにここまで来たぞ。後一息だ。」
「でも私達四人だけで百合ショッカー総本部を攻撃なんて無茶な気がするんだけど…。」

 最終決戦へ向けて静かにながら意気込んでいた士に対し、なのはは不安げだった。仕方が無い。
今のクラナガン、かつての時空管理局ミッド地上本部は百合ショッカーの総本部と化している。
それ故に敵の防衛網も今までとは比較にならない事は想像に難くなかった。

「いや、むしろ逆かもしれないよなのは。」
「え? ユーノ君それどういう事?」
「今まで見て来た通り、百合ショッカーは色々な世界に侵攻しているけど、それぞれの世界にも
百合ショッカーと戦う人達がいた。彼等と戦う為に百合ショッカーもさらに兵力を送り込まなければならない。
…と言う事は、逆に総本部のあるここは守りが手薄になっている可能性が高いと言う事だよ。
それに、下手に大人数で行くよりも少数で一気に奥まで忍び込んで頭を取ると言うのも立派な手。」

 ユーノの言葉になのはも思わず納得していた。例え姿はフェレットであろうとも、流石はなのはのブレーンとも言えるユーノだった。

「しかし安心ばかりもしていられない。絶対数こそ少なくとも、総本部ともなれば敵も精鋭が守りに付いているはず。」
「うん…いずれにせよ激戦は避けられないんだね…。」

 光太郎の言葉になのはは不安げだった表情を引き締めレイジングハートを握っていたのだが…

「その通りだ。良くぞここまで来たな。」
「ほらおいでなすったぞ!」

 早速現れた百合ショッカー総本部の防衛部隊。しかし、それは仮面ライダー1号&2号と瓜二つの者達…
それがのべ数十人も揃っていたのだった。

「仮面ライダー!? しかもあんなに…。」
「違う! あれはショッカーライダーだ!」
「ショッカーライダー!?」
「仮面ライダー1号及び2号は元々ショッカーが一怪人として改造した者だと言う事は以前にも話したが、
それに対抗する為にゲルショッカーが作った仮面ライダーの同型改造人間達だ!」

 ショッカーライダー。元々自分達が作り上げた仮面ライダー1号及び2号に苦渋を舐めさせられたゲルショッカーが
対仮面ライダー用に仮面ライダー改造時の設計を基に、戦闘員の中でも優秀な者を改造して作り上げた存在…
それがショッカーライダーであった。手袋及びブーツが黄色く、そして赤を除く色とりどりのマフラーを巻いているのが特徴である。

「その通り。確かにこの者達はショッカーライダーだ。しかし厳密には違う。百合厨の中でも特に優秀だと判断された者を
素体とし、百合ショッカーが改造した百合ショッカーライダーだ。」
「!!」

 ショッカーライダー…いや百合ショッカーライダーの軍団の中心に立つ一風変わった全身を甲冑に覆われた男がいた。

「地獄大使か…。」
「地獄大使? 違うな。今の私は地獄大使改めガチ百合大使だ。」

 地獄大使。『仮面ライダーの世界』においてショッカーの幹部の一人だった地獄大使。それが百合ショッカーに
参加する事によってガチ百合大使と名乗っていたのだった。そして、ショッカーライダー部隊もまた彼の言葉通りなら
百合厨の中でも特に重度の百合厨を元にした百合ショッカーライダーであると思われる。
183なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/23(水) 19:33:34.06 ID:pDklqDEJ
「シャドームーンの奴は高町なのはを首領と引き合わせる事によってなのフェイの百合を復活させ
それによって各世界の百合厨からの支持を得て百合ショッカーの支配体制を固める事を狙っている様だが…
我々はその様には考えていない。」
「そうだ。もう淫獣に股開いて中古になったなのはに価値は無いね。」
「まっまだそんな事してないよ////////」

 ガチ百合大使と百合ショッカーライダーの言葉になのはとユーノは赤くなってしまっていたが、
彼等のその態度、それはなのはをフェイトを引き合わせようとしていたヴィータ達とは明らかに違っていた。

「故に我等は高町なのはとユーノ=スクライアを殺す事に躊躇いは無い。覚悟しろ!」
「流石は特に重度の百合厨を改造しただけの事はある…か…。」

 重度の百合厨ともなればなのフェイの百合以外は考えられず、それ以外のカップリングは根絶の対象となる。
特になのは×ユーノともなれば、彼等にとってはゴミクズ以下だろう。ならば、今なのはとユーノが一緒にいる
と言う状況は彼等にとって忌むべき物であり、ユーノと一緒に入る事を当たり前に受け入れているなのはもまた
彼等にとって忌むべき対象なのだろう。

「我々の愛した高町なのははもう我々の心の中にしか生きていない。今目の前にいるあの女はただのビッチ…。
淫獣に股開いたただの中古女なんだ! あんな奴に価値などありはしない!」
「だからそんな事してないよ////////」
「凄い言われ様だな…。」

 百合ショッカーライダー軍団にビッチだの中古だの言われて凄いショックを受けるなのはだったが、
逆に士と光太郎は呆れるばかりだった。しかし、百合ショッカーライダー軍団が脅威である事は事実。
故にそれぞれ変身をして戦闘態勢を取る。

「変身!」
『カメンライド! ディケーイド!』
「変身!! 仮面ライダーBLACK!」
「セーットアーップ!」

 なのはとその肩に乗ったフェレットユーノ・ディケイド・BLACKの四人と、百合ショッカーライダー軍団が
相対し、今戦闘が始まった。

「やれい! 百合ショッカーライダーども!」
「ユリィィィィ!!」

 ガチ百合大使の号令に合わせ、百合ショッカーライダー軍団が一斉に駆け出していく。伊達に仮面ライダー1号・2号の
設計を流用して作られただけの事はあり、物凄い脚力と速度で接近して来ていた。

「来るぞ!」

 ディケイドはライドブッカー・ソードモードを握り振り上げ、BLACKはパンチで跳びかかって来た
百合ショッカーライダーを迎撃した。しかし、百合ショッカーライダーは軽やかにそれを回避し、
逆にキックを打ち込んでいた。それには思わず怯んでしまうディケイド・BLACK。

「ディケイドとBLACKは後回し。まずあのビッチと淫獣をゲゲルしろー!」
「わっくっ来る!」

 百合ショッカーライダーはディケイドとBLACKの相手を後回しにし、なのは・ユーノへ向けて猛烈な速度で
駆け寄せて来る。なのははレイジングハートの先端を向け、ディバインバスターで迎撃しようとしていたが間に合わない。
184なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/23(水) 19:35:35.97 ID:pDklqDEJ
「させるか!」
『カメンライド! 響鬼! アタックライド! 音撃棒・烈火!』

 ディケイドは響鬼のカードをディケイドライバーに差し込む事で仮面ライダー響鬼に変身し、
さらにアタックライド・音撃棒・烈火から放たれる火炎弾を連続で発射するが、それさえ百合ショッカーライダーは
回避しつつなのはとユーノへ接近して行く。

「くっ!!」

 ユーノはなのはの左肩の上に立ち、防御魔法を展開して百合ショッカーライダーを阻もうとする。
しかし…その行動はお見通しとばかりに百合ショッカーライダーは構わず突撃を続けていた。

「ライダーパーンチ!!」

 百合ショッカーライダー軍団のライダーパンチがほぼ同時にユーノの防御魔法へ打ち込まれ、
直後にそれが破られ砕けていた。こと防御に関しては実質Sランク級にも匹敵し得る物を持つユーノの防御魔法を
破った百合ショッカーライダーの集団ライダーパンチ。後は彼等の拳が直接なのはとユーノを襲う…と思われたが…

「危ない!」

 とっさにディケイド響鬼が跳び、なのはとユーノを突き飛ばす。そのおかげでなのはとユーノの二人は何とか助かったが、
代わりにディケイド響鬼が百合ショッカーライダーのライダーパンチを受けてしまった。忽ち響鬼への変身が解除されてしまうのは
勿論の事、超硬度・超耐衝撃性・超耐熱性を誇るディヴァインオレ鉱石製のディケイドのボディーの彼方此方から激しい火花が散り倒れ込んでしまう。
これは百合ショッカーライダーの攻撃力の凄まじさを物語っていた。

「ぐぁ!」
「士さん!」
「くっ…邪魔が入ったか。だがディケイドに大ダメージを与えられただけでも良しとしよう。」

 なのはとユーノは大急ぎでディケイドへ駆け寄り起き上がらせようとしていたが、ディヴァインオレ製の
スーツでも完全には耐え切れなかった程にディケイドのダメージは大きいらしく中々起き上がれなかった。

「くそ…量産型ライダーのくせに何て強さだ。」
「だから言ったでは無いか。百合ショッカーライダーは百合厨の中でも特に優秀な百合厨を改造してあると。」

 確かにその通りだった。百合ショッカーライダーは量産型とは言え、百合厨の中でも特に重度の百合厨を
基にして改造された存在。それ故に戦闘力は百合戦闘員やユリトルーパーとは比較にならなかった。

「ディケイドにBLACKよ、ここで高町なのはとユーノ=スクライアを大人しく渡すのであれば
お前達二人の命だけは助けても良いと思うが…どうかね?」
「断る!」
「何時までそんな強がりが言えるかな? 今このクラナガン近辺にいる反抗勢力はお前達四人だけだ。
今までの様に助けは来ないぞ。」

 ガチ百合大使及び百合ショッカーライダー部隊の目的はなのはとユーノを闇に葬る事。
それ故にこの二人を消せるならディケイドとBLACKはどうでも良いと考えていた。
無論そんな事はディケイド・BLACKが許容出来るはずが無いが、今この状況で
誰かが助けに来てくれるとは到底思えなかった。
185なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/23(水) 19:37:39.29 ID:pDklqDEJ
「私達が貴方達に素直に殺されれば…士さんと光太郎さんを助けてくれるんですね?」
「お…おい…。」

 ここでなのはとユーノがゆっくりと百合ショッカーライダー部隊へ向けて歩み寄っていく。

「おい! やめろ!」
「士さん…光太郎さん…。私達が時間を稼いでいる内に逃げて下さい。」
「そして今一度体勢を立て直し、何時の日か百合ショッカーから…世界を守ってください…。」

 なのはとユーノは自身の死を賭してでもディケイドとBLACKを助けるつもりだった。
元より誰かを守る為に時空管理局に入った身。その為に誰かを助けられるなら本望。そう考えていたのである。

「やめろ! 奴等がそんな約束を守る物か!」
「ハッハッハッハッ! 潔いとはまさにこの事だな。やはりこの世は百合こそが絶対的な正義。
なのは×ユーノを支持する奴など何処の世界にいると言うのだ。」
「ここにいるぞぉ!!」
「!?」

 突如として響き渡った謎の声。まるで三国志における馬岱の名台詞を連想させる言葉を叫び放ったのは
一体何者なのかと思わずその場にいた誰もが騒然としていたのだが…

「とぉ!」
「うあっ!」

 直後として何者かが乱入し、百合ショッカーライダーの手に掛かろうとしていたなのはとユーノの二人を
救出し、ディケイド・BLACKの所まで連れ帰していた。

「おっお前は…ユウスケ!」
「この二人の笑顔は…俺が守る!!」

 突如として乱入し、なのはとユーノの窮地を救った者、それはディケイドの旅の仲間であった
仮面ライダークウガこと小野寺ユウスケだった。しかし、現れたのはそれだけでは無かった。

「大丈夫ですか士君!」
「夏みかん…。」

 倒れていたディケイドを掴み支え上げていたのは、同じくディケイドの旅の仲間である仮面ライダーキバーラこと光夏海。
そしてクウガはなのはとユーノの二人を守る様に前に立ち、構えていた。

「俺も一緒に戦うぞ!」
「お前等今頃…来るのが遅いんだよ!!」

 思わずディケイドはクウガとキバーラにそう怒鳴り付けていたのだったが、表面的には怒りつつも
何処か喜びが感じられた。

「実は僕もいるんだ。」
「海東…。」

 次に現れた者…それは仮面ライダーディエンドこと海東大樹であった。士がディケイドになる以前から
数多の世界を旅し、その世界のお宝を手に入れるドロボ…ゲフンゲフン…怪盗をしており、時にはディケイドの
ライバルとなる事もあったが、色々あって彼もディケイドの旅の仲間となっていた。

「西も東も百合で塗れたこのご時勢だからこそ…なのは×ユーノは逆にとても貴重なお宝になってると思うんだよね。
まぁ…僕のポケットに入る様な物じゃないし、持ち帰る事も出来ないけどね。」
「とりあえず協力してくれると言う事で良いんだな?」

 クウガ・ディエンド・キバーラの増援で一気に勢い付くが、百合ショッカーライダー軍団が圧倒的なのも事実だった。
186なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/23(水) 19:39:40.47 ID:pDklqDEJ
今回はここまで。次の投下は明日になるか数日後になるか、その時の状況や気分次第かも…

>>99
隠し子ってのは…まあ…ノリと勢いと言う奴です。
近年になって(劇中設定ではメビウスが地球を去った数百年後)初めてその存在が明らかになったんですから、
事情を知らない者にとっては隠し子に見えても仕方が無いかと。
(仮にメビウスが地球から去った後で出来た子だとしたら、ゼロはボーイより年下と言う凄い事になりますし、
それ以前から既にいた子だとするなら、ダンとアンヌの物語は何だったんだ〜って思う人が出て来ても良いじゃないとかw)
まさかこういう方向性のマジレスが来るとは思いませんでした。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/23(水) 20:09:47.17 ID:aG1zG2LZ
>>186
子持ちは恋愛しちゃダメなんか?
188名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/25(金) 16:56:27.55 ID:56ZRzAEI
ショッカーライダーの説明に違和感が
確かにゲルショッカーはショッカーとゲルダム団の合流組織だから自分たちの作った〜のくだりは間違ってはないんだろうけど、一方でショッカーの構成員を次々始末している姿勢を見ると同じ組織と見れないし…
189 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 19:21:07.05 ID:bPncOGXX
7時30分以降に投下します。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・クレーマーホイホイ
・思わず文句を言いたくなるSS


登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ(今回登場無し)
・ウルトラシリーズ(今回登場無し)
・恋姫無双    ←NEW
190なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 19:30:54.20 ID:bPncOGXX
 クウガ・ディエンド・キバーラの救援を受けたなのは・ユーノ・ディケイド・BLACK。
しかし百合ショッカーライダー軍団の相手はそれでも辛そうであった。

「たった三人が増えただけで何が出来る! 数で押し潰してやる!」
「さて、それはどうかな?」

 ディエンドは銃として右手に持つディエンドライバーを百合ショッカーライダー部隊へ向け、何処からかカードを
取り出しディエンドライバーへ差し込んでいた。元々ディケイドと同系統の技術によって作られたディエンドもまた、
カメンライドによって様々なライダーを召喚したり、また実体のある幻影を作り出して戦わせる事が出来た。
それによって物量差を覆そうとしていたのだった。

「実はね、僕は士を探すついでに三国志の世界へ行っていたのさ。」
「三国志の世界?」
「残念ながらお宝らしいお宝は手に入らなかったけど、その代わりに三国志武将をライドする事が出来る様になったんだ。」
「わぁ! 何か戦力として頼りになりそうな予感!」

 ディケイドがプリキュアの世界へ行ってプリキュアをライド出来る様になったのと同じ様に、ディエンドもまた三国志の世界へ行き
名だたる三国志武将をライドして呼び出す事が出来る様になったと言う。それにはなのはとユーノの二人も思わず期待せざる得ない。

『三国ライド! 五虎大将!』
「おお! いきなり五虎大将か!」

 五虎大将とは、三国志の魏・呉・蜀の三国の内の蜀における関羽・張飛・趙雲・黄忠・馬超の五人の武将を指す。
いずれも今日においても語り継がれる程の有名武将である。あくまでもディエンドがライドして呼び出した
実体のある幻影であるとは言え、今と言う状況下においては頼りになる存在と思えたが………

「よりによって恋姫無双版かよ!!」

 何と言う事であろうか。ディエンドがライドして呼び出した五虎大将とは、恋姫無双版だったのである。

「海東! お前が行った三国志の世界って恋姫無双の世界の事かよ!」
「うん。それがどうかしたのかい?」
「てっきり横山三国志とか三国無双とか最強武将伝あたりから連れて来ると思ってたからな…。」

 恋姫無双の世界は三国志の世界と似て非なる世界。何しろ三国志の名だたる武将達が女性化してる世界だからね。
美髭公と呼ばれる位に立派な髭を蓄えていた事で有名な関羽も、恋姫無双の世界では美しく長い黒髪を持った女性になってる位だ。

「あの…僕達はあれが何なのかちょっと良く分からないんですけど…本当に大丈夫なんですか?」
「安心しろ。俺も良く分からん。」

 五虎大将と言うからには絶対に頼りがいのありそうな強そうな男達が現れると期待していた事もあり、
恋姫無双版の五虎大将を見て、それについて良く知らないユーノとなのはは凄い不安げな顔になっていた。勿論BLACKも。

「けどあいつ等強いぞ!」
「本当だ! ってか強っ!」
「何で!?」

 皆の不安とは対照的に彼女達は強かった。黄忠のさながらマシンガンの様に高速連射される矢によって
百合ショッカーライダーは次々に射貫かれ、関羽・張飛・趙雲・馬超の四人もまた女性の細腕からは想像も出来ない力で
手に持つ大きな得物をブンブンと振り回して百合ショッカーライダーを次々に薙ぎ倒していく。
彼女達はあくまでもただの人間のはずなのにどうしてあそこまで強いのか意味が分からない程であった。
191なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 19:32:43.56 ID:bPncOGXX
「もう全部あいつ等五人だけで良いんじゃないかな。」
「いやいや、実はもう一人必要なんだよ。」
「え?」

 ディエンドはもう一人必要だと言うが、一体誰を呼び出すと言うのだろう。

『三国ライド! 孔明!』
「はわわ〜、ご主人様、敵が来ちゃいました〜。」
「で?」

 ディエンドが三国ライドで呼び出した諸葛亮孔明…勿論恋姫無双版である事は言うまでも無い事だが
先の五人と違ってあたふたするばかりでとても戦力になるとは思えない。一体何の意味があるのだろうか?

「何か意味あんの?」
「当然あるさ。筆者が喜ぶ。」

 何を隠そう筆者は朱里ちゃん好きだからこれだけは絶対にやっておきたいのであった。
とまあこんな感じで百合ショッカーライダー部隊は五虎大将に任せとけば間も無く全滅する…と思われたが…

「ええい不甲斐無い奴等め! こうなったら私が直々に相手をしてやる。」

 ここでガチ百合大使が前に出て来た。無論五虎大将は一気にガチ百合大使へ向けて駆け寄せるが…

「百合ショッカー百合幹部ガチ百合大使。してその実態は…ユリユリユリユリ…ユリユリンダァ!!」
「ああ! あの人怪人に変身したよ!」

 地獄大使が怪人ガラガランダに変身する事は知られている。そしてガチ百合大使もまた、ユリユリンダなる怪人へ変身し、
しかもそのまま右手のムチで五人まとめて払い倒し、一気に消滅させてしまった。あくまでもディエンドのライドによって
呼び出された複製の悲しさ。この通りある程度のダメージを受けると消滅する仕組みになっていたのだった。

「あぁ! 強い!」
「邪魔者は消えた! 一気に畳み掛けろぉ!」
「ユリー!」

 ユリユリンダの号令により、百合ショッカーライダーが再び勢いを取り戻し突撃を開始した。

「くそ! こうなったら今度こそ本当にやるしか無いぞ!」

 迫り来る百合ショッカーライダー部隊に対し皆は戦闘態勢を取り、再び戦いが始まった。

 ディケイドはライドブッカーソードモードで百合ショッカーライダーを斬り倒し、BLACKはバトルホッパーで轢き飛ばし、
ユーノがチェーンバインドで縛り上げた隙になのはがディバインバスターで吹き飛ばすし、クウガはライダーキックから放たれる
爆発で吹き飛ばし、ディエンドはディエンドライバーから放たれるディメンションシュートを撃ち込み、キバーラは
光夏海本人が持つ人を笑わせるツボを突く事が出来る能力を利用して百合ショッカーライダーを笑わせる等、
各々の持てる能力を駆使して百合ショッカーライダー部隊と戦っていたが、やはり百合ショッカーライダーは
百合厨の中の百合厨が基になっているだけあってそれでもまだ足りない強さと勢いを持っていた。

「これはさらなる戦力の増強が必要だね。」
「また誰かを呼び出すのかい?」

 ディエンドはカードを取り出し、ディエンドライバーに差し込む。またカメンライドかはたまた三国ライドで
誰かを呼び出して戦うのかと思われていたのだったが……
192なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 19:34:26.40 ID:bPncOGXX
『カメンライド! ダブルドライバー!』
「え!?」

 ここで予想だにしない事が起こった。フェレット形態であったユーノが突如として人間の姿に戻り、
さらに彼の腰には『仮面ライダーW』の世界における仮面ライダーが巻くベルト・ダブルドライバーが巻かれていたのである。

「あの…これは一体どういう事なのかい?」
「ちょっと待って。これはもう一人いないとダメな事なんだ。」

 ユーノはさっぱり意味が分からず問い掛けていたが、ディエンドはキョロキョロを辺りを見渡していた。
だが、そんな時に…

「僕はダメかな?」
「クロノ!」
「リンディさんまで。」

 ここでクロノとリンディの二人が何処からか姿を現していた。

「でもどうして?」
「百合ショッカーに囚われていた所を私が救い出したんです。」

 どうやらクロノも百合ショッカーに囚われていたらしく、そこを既に百合ショッカーの呪縛から解き放たれていた
リンディが救い出した様子であった。

「今更出て来てこんな事を言うのも何だけど…僕にも協力させてくれ。フェレットもどきばかりに良い格好はさせられないからな。」
「よし。君なら丁度良い。ならば行くよ。」
『カメンライド! ダブルドライバー!』

 クロノの腰にもダブルドライバーが巻かれ、さらにユーノの右手には緑色の、クロノの左手には黒のUSBメモリ状の物体…
ガイアメモリが握られていた。

「さあ、それをダブルドライバーに差すんだ。」
「行くよ…。」
「ああ…。」

 ユーノ・クロノはそれぞれの手に握るガイアメモリをダブルドライバーへと差し込んだ。

「今この瞬間だけは僕達は二人で一人の仮面ライダーだ!」
『サイクロン!』
『ジョーカー!』

 次の瞬間、ユーノの姿が左半身が黒の、右半身が緑の姿へ変貌して行く。それこそ『Wの世界』におけるライダー、
仮面ライダーW・サイクロンジョーカーである。

 そして、ユーノがサイクロンジョーカーへ変身するのに伴い、クロノの精神はサイクロンジョーカーの内の
ジョーカーの部分へ移る形となり、魂を抜かれた様にグッタリと倒れそうになっていたクロノをリンディが受け抱き上げていた。
193なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 19:36:08.84 ID:bPncOGXX
「ユーノ君が緑と黒のライダーになっちゃった!」

 ユーノの変貌になのはは驚くばかりだったが、サイクロンジョーカーとなったユーノとクロノは
自分がライダーに変身した事によってテンションが上がったのか、百合ショッカーライダー部隊を指差しポーズを決めていた。

「さあ! お前達がヲカズにした百合カップルを数えろ!」

 ユーノとクロノの声が思い切りハモり、普段はいがみ合っていても何だかんだで仲良い事を暗示させていた。

「あの…私はその仮面ライダーWと言うのが良く分からないんだけど、とりあえずクロノ君の方もそっちに入ってるって事で良いのかな?」
「うん。そう考えてもらって結構。」

 ユーノがただライダーに変身するだけならまだしも、クロノの精神まで入り込むのはどういう理屈なのだろうと
なのはは不思議に思っていたのだが、とりあえずはそういう物だと理解するしか無かった。

「淫獣がライダーになったぞー!」
「うろたえるな! ただのコケ脅しだ!」
「何か変な事をされる前に出鼻を挫いてしまえ!」

 百合ショッカーライダー部隊の何人かがユノクロWへ向けて突撃を開始した。しかし、ライダーに変身した事でテンションを上げた
ユーノ・クロノはそれに戸惑いを感じていなかった。

「今の僕達は一味も二味も違うよ!」

 ユノクロWが右手を前に突き出す。するとどうだろうか。直後にその右手から猛烈な強風が吹き荒れ、それには思わず
百合ショッカーライダー数名も進撃速度を鈍らせてしまう。これがサイクロンジョーカーの中のサイクロンの持つ能力。
サイクロンであるが故に風を操る事が出来るのである。

「ただの風だ! 怯まず進め!」
「たかが風…されど風と言う事だよ。はっ!」

 ユノクロWの右半身であるサイクロンの力によって起こした強風で百合ショッカーライダーの進撃速度が鈍った隙を突き、
さらに風の力を利用して勢いを増したユノクロWの左拳が百合ショッカーライダーを殴り飛ばしていた。
これがサイクロンジョーカーの内のジョーカーの持つ能力。特にそれと言った特殊能力は無いが、純粋に身体能力を高める
能力を持ち、そのシンプルさがかえって使い勝手の良さに繋がっていた。

「うわ! 凄ーい! ユーノ君もう別人みたい!」

 クロノも半分混じってるけど、ユーノの別人みたいな活躍になのはもビックリだった。だが、少し残念な気持ちもあった。

「けど…個人的には士さんの力で大きなフェレットさんになる方が私個人としては嬉しかったかな…。」

 なのは個人としてはライダーとして活躍するユーノよりも、ディケイドのファイナルフォームライドで巨大フェレットの
姿になって活躍するユーノの方が好きだった。しかし今と言う状況では個人的な好き嫌いを言っている場合では無かった。

「まあ良いや。どうせなら私も何かライダーになりたいな〜。何か良いの無いの?」
「いや、君はそのままでも十分強いから必要無いでしょ?」
「ショボーン」

 ユノクロWに影響されて自分もライダーになって見たいと思い始めたなのはであったが、即効でディエンドに
拒否されてガックリと肩を落としていた。
194なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 19:38:12.68 ID:bPncOGXX
「とりあえず今は奴等を倒すのが先決だ。」
「敵の数はまだまだ多いからな。」

 その通り。今目の前にはまだまだ沢山の百合ショッカーライダーの大軍とガチ百合大使ことユリユリンダがいる。
これを倒して先に進まねばならぬ…と思われていたが…その直後だった。

「とぉ! ライダー! トリプル! キィィィィック!!」
「何!?」

 なのは達の背後から何者かが三人、高々とジャンプして跳び超えると共にキックで百合ショッカーライダー達を
蹴り飛ばしていた。一体誰なのか?

「ここは俺達に任せてお前達は先へ進むんだ!」
「1号! 2号! V3!」

 ここでさらに現れたのは仮面ライダー1号・2号・V3だった。秋葉原の世界で、後々合流すると言っていた彼等だが、
本当にその通りにやって来ていたのである。そして三人は百合ショッカーライダーを次々に殴り倒し蹴り倒し、
投げ飛ばしながらディケイド達に先へ進む様叫んでいたのだった。

「ここはあいつ等に任せて俺達は先に進むんだ。」
「で…でも士さん…大丈夫なんですか?」
「アイツ等だって仮面ライダーだ。心配はいらない。」
「本当に倒すべき敵はこの先にいるんだしね。」

 なのははたった三人に百合ショッカーライダー部隊の相手を任せる事に不安を感じていたが、
敵は目の前の百合ショッカーライダー部隊だけでは無いのである。故にここは三人に任せて先へ進むしか無かった。

「おっと夏みかん。お前はあの二人と一緒に何処か安全な所へ行くんだ。」
「え?」

 ディケイドはキバーラの肩に手を置きつつ、ユノクロWに精神が移った事によって魂が抜けた様にグッタリしていた
クロノを抱き支えていたリンディを指差していた。

「士君。私は戦力として当てにならないと言うんですか?」
「違う! あの二人を守ってやれと言うんだ。特にあっちの黒い服の男の方は精神がWの方に移ってるから
その状態でやられたら大変な事になる。それにあっちのオバサ―――」

                      少々お待ちください

「あ…あっちの綺麗で美人のお姉さん一人にあの男担がせるのも大変だろう。これも重要な事だ。」
「分かりました士君。そういう事ならば私はこの二人を守ります。」
「ありがとう助かります。」

 先程途中で台詞が途切れた様な気がしたが、とりあえずここでキバーラはクロノ・リンディを守ると言う名目で
二人と共に世界と世界を繋ぐ次元のオーロラを通って安全圏へと脱出した。

「よし。とにかく1号・2号・V3が奴等を引き付けている内に俺達も行くぞ。」

 今も1号・2号・V3の三人が百合ショッカーライダーの軍団と激しい激闘を繰り広げている。
故に今の内に皆は先へ進むのだった。
195 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 19:39:41.06 ID:bPncOGXX
仮面ライダーW放送当時は、フィリップのやってる事がユーノが無限書庫でやってる事を彷彿とせるとかで
ユーノとクロノで仮面ライダーWに…ってネタを良く目にしたんですが、フィギュアーツ購入した勢いでやってしまいました。
緑と黒の組み合わせと言うのもユーノ・クロノに通じる部分あると思いますし。
でも、「淫獣ならともかくクロノはこんな事しなくても十分強いんだよ〜」とかそんな感じで怒る人いたらどうしよう…とか思ってみたり。
あと「素直に翔太郎とフィリップ出せよ」とか「ディエンドにそんな力は無い!」とかも。
(ディエンドに関しては「細かい事は良いんだよ! そういう文句はディケイドがプリキュアライドした時点で(ry」で回避出来ますがw)

>>187
不倫とか浮気とか色々そういう問題に発展するでしょう。
これ以上は色々億劫なのでそういう事にしといてください。

>>188
昭和ライダー(少なくとも第一作目〜ストロンガーは)の悪の組織は共通して「首領」と呼ばれる謎の人が関わってる設定なので
大元は同じ扱いなんでしょう。これ以上詮索するのは色々億劫になるので(ry
196名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/25(金) 21:58:12.31 ID:rMunWk2o
普通なら自分の好きな作品が出てきたら嬉しいものだが、これに限れば全く嬉しくない
寧ろ悲しい
つうか、あんなポッと出なら恋姫出す必要皆無
もう本当勘弁してください
197 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/25(金) 22:13:14.99 ID:bPncOGXX
>>196
残念ながらこればかりは今更どうにもならない要素の一つだったりします。
ネタバレになりますけど次回投下分でその意味が明らかになるので…
というより、今回の分は軽い顔見世程度に過ぎません。
その辺は全部読み終えてから見定めて頂きたいです。何故百合をテーマにしたのかも含めて。
秘められた意味を見ずして、上辺だけで叩く人が多くて悲しい限りです。
それとも私の考え方は人類には早過ぎたのでしょうか?
198名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/25(金) 22:25:41.79 ID:2e4jyvLb
おそらくそうでしょうね>人類には早過ぎた
199名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/25(金) 23:44:38.81 ID:5AkGC7iD
つまらないとか、面白くないとか以前に内容が不愉快です。
じゃあ読まなきゃいいって?デスヨネー
200名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 01:18:21.82 ID:Q3V/oZka
>>195
>>187はたんに連れ子だから新しい恋してもいいんじゃねって意味じゃないの?
セブンが地球に来る前にゼロが生まれて、奥さんとは別れたか死別したかもしれないし
逆もあるかもだけど

その辺の公式設定あるなら別だけど浮気や不倫と考えるよりましじゃない?
201名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 02:39:36.79 ID:QHzmlcHt
>>200 理解してくれたありがたい  別に作品自体を叩きたい訳じゃないがセブンxの最終回とか見ると老婆になっても愛し合っていたのは事実だし別にウルころの時代背景が2000年代だと考えるのもおかしいから1ファンとして
作者さんなりにセブンを愛してるのはわかっていますから スレ違いな書き込みで申し訳ない
202名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 04:08:47.97 ID:w5e0AWQF
>>199
内容が不愉快に感じるのは自分が百合厨だからじゃない?
203名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 14:35:42.09 ID:VMerRMdM
うーん、クウガはライダーキックじゃなくてマイティキックなんだけどな…
204名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 16:11:16.71 ID:neuuu8fu
作者さん別にいちいち説明する必要ないんじゃないだろうかと思った
善し悪しは別として投下でそういう流れになってるとこに作者さんがレスしてそれにまたレスしてってなると
スレの無駄遣いになりかねないかと。
205名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 16:31:27.93 ID:a17uw/Mu
この作品って誰得なんだろう?
傍目から見たら疫病神以外の何者でもない
206名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 18:54:58.21 ID:pBnNPBDm
>>204
同意。いちいち反論や説明すると余計に荒れますから。
それと、どうでもいいんですが
>秘められた意味を見ずして、上辺だけで叩く人が多くて悲しい限りです。
秘めてるんなら分かってもらえなくても文句言わない。色々誤解されそうな物言いです。
207 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:24:01.85 ID:N19Gd3/L
7時30分以後に投下予定
208 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:29:01.44 ID:N19Gd3/L
おっと注意事項を忘れてました

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・クレーマーホイホイ
・思わず文句を言いたくなるSS


登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ(今回登場無し)
・ウルトラシリーズ
・恋姫無双
・デ・ジ・キャラット ←NEW(ただし一発ネタ)
209なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:33:14.86 ID:N19Gd3/L
 クラナガンの高速道路をディケイドの乗るマシンディケイダー、BLACKの乗るバトルホッパー、
クウガの乗るトライチェイサー2000、そしてユノクロWがディエンドのカメンライドで出してもらった
仮面ライダーW専用バイク・ハードボイルダーに乗り、その後になのはがしがみ付き乗る形で爆走していた。

「気を抜くなよ。また何が来るとも限らないからな。」
「ああ。」

 クラナガンを時速数百キロの速度で爆走しながらも皆は注意深く周囲を見渡す。百合ショッカーライダーが
今後も現れないとは限らないし、そうでなくても百合戦闘員及び百合怪人の出現は想像に難くなかったからである。

 ちなみに、元々からライダーだったディケイド達はともかくとして、今日始めてライダーになったユーノ&クロノは
当然今日始めてハードボイルダーに乗る事になったわけだが、当然ハードボイルダーは見て分かる通り運転するには
大型自動二輪免許が必要である。しかし、ユーノにせよクロノにせよ普通自動車免許は持っているだろうが
とても大型自動二輪までは持っているか微妙であった。しかし、その事は皆あえて考えない様にしていた。
今は非常事態であり、そういう事を考えていられる様な状況では無いからだ。むしろ本当に問題と言えるのは…

「所でさ士…あの子どうするんだよ。」
「はわわわわわわ〜。」

 クウガがディケイドにそう訪ねる。クウガの視線の先にはバトルホッパーに乗るBLACK…の背中に
必死にしがみ付き震えている諸葛亮孔明、つまり朱里ちゃんの姿があった。うらやましいな〜こん畜生。

 そう、ディエンドの三国ライドによって呼び出された朱里ちゃんは、既にユリユリンダにやられてしまった
五虎大将と違い、後方ではわわはわわしていた事もあってまだ消滅せずに残っていたのである。

「はわわわわわわ〜。」

 ディエンドの三国ライドによって呼び出された実体ある幻影とは言え、突然見ず知らずの世界に
呼び出された上に一人きりにされてしまって…何て可哀想な朱里ちゃん………

「とりあえずこのまま連れて行こう。」
「え? 大丈夫なのかよ…。」
「腐っても孔明だ。何かの役に立つだろう。筆者も喜ぶしな。」
「え? この子があの孔明なんですか!?」

 ディケイドはとりあえずこのまま連れて行く事を提案していたが、ここで始めてなのは達は朱里ちゃんの事が
かの有名軍師・諸葛亮孔明であると言う事実に今更気付いて驚いていたのであった。

「もしもこの子があの孔明だとしたら凄い歴史的大発見だよ! 無限書庫にもそんな記述の文献は無かったのに…
いや…もしかしたらただ見付かっていなかっただけなのかもしれないけど。」
「いや…あくまでも別の世界の話だから…あんまり気にするな。」
「はわわわわわ〜…。」

 なのはのみならずユノクロWの内のユーノの部分も驚き慌てていたが、そこをディケイドがあくまでも
別の世界の孔明であると説明しつつ落ち着かせていた。それでもあたふたする朱里ちゃん可愛い。

「あ、そう言えばあの青いライダーの人はどうなったんですか?」

 さりげなく何時の間にかにディエンドがいなくなっていた事になのはは気付いていた。

「ああ、アイツはバイク持ってないからな。」
「えぇ!? ライダーなのにバイク持ってないんですか!?」
「それってさりげなく凄い事だと思うんだけど!」

 仮面ライダーはバイクに乗ってナンボであるが、ディエンドはバイクを持っていなかった。
この事にはなのはのみならずユノクロWも慌てていたのだが、ディケイドは冷静に答える。
210なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:34:30.26 ID:N19Gd3/L
「気にするな。海東の奴ならまたひょっこり出て来る。」
「え…大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。」

 ディエンドはバイク持っていないが、それでも一体どういう手を使っているのか徒歩のままでも
ひょっこりと何処にでも現れる不思議な男であった。故にディケイドはあまり気にする事では無いとしていたのである。


 こうして、一時高速道路を爆走していた面々であったが、その騒がしくも平穏な走行は何時までも続かなかった。

「そこまでだ珍走野郎ども…。」
「むっ!」

 面々の中で先頭を走っていたマシンディケイダーに乗るディケイドが前方に何者かの姿がいる事に気付いた。
それはヴィータ・シグナム・スバル・ティアナの四人だった。

 横一列に並び立ち睨み付ける四人の姿に、ディケイド達はそれぞれのバイクを一時停めていた。

「ヴィータちゃん…シグナムさん…スバル…ティアナ…本当に戦わなきゃいけないの?」
「当然だ。」

 なのはの悲しげな問いかけも空しく彼女等は聞く耳を持たず戦闘態勢を取っており、
そしてヴィータが前に出つつこう訴え始めた。

「考えても見ろ。今はもう百合要素が無けりゃヲタどもは金を落としちゃくれねーんだよ。金が無けりゃメシだって食えん。
下手をすれば百合厨どもが欲求不満を起こしてどんな犯罪を起こすかも分からねぇ。しかし逆に百合要素一つあればヲタどもは
喜んで金を落としてくれるし、落ち着きもする。そうすれば美味いもんだって沢山食えるし、治安も守れる。
それに奴等の落とした金によってミッドチルダの経済は活性化してより強力な軍隊を組織して皆を守る事も出来る。」
「た…確かに…そうだけど…。」

 ヴィータ達は決して百合に魂を売って百合ショッカーに力を貸しているわけでは無かった。
百合がもたらす経済的な利益等、現実的な要素を見据えた上での行動だったのだ。
これにはなのはも気まずい顔になってしまう。

「我々とて好きで百合ショッカーに手を貸しているわけでは無い。しかし、それでも『この世界』を存続させる為には
百合厨を利用して外貨を稼ぐしか手は無いのだ。」
「早い話が必要悪と言う奴ですね。」
「その為になのはさんにはフェイトさんの所に帰って来て欲しいんですよ。分からないんですか?」

 彼女等は確かに百合ショッカーに協力しなのは達の敵となってしまっていたが、あくまでもその目的と理由は
前述の通り、現実的な面を見据えた故の行動。百合ショッカーの力を利用しつつ、なのはとフェイトを再び一緒にする事が
『リリカルなのはの世界』を守り維持する一番の方法だと考えていたのである。しかし…

「確かになのフェイの組み合わせに喜ぶ者は沢山いるだろうし、金儲けだって出来るだろうな。
だが、それは親友としての意味で言ってるのか? 違うだろう? コイツはレズビアンの真似事するのと、
なのフェイ人気の陰でユーノがアンチから叩かれて辛い思いしてるのが嫌だから逃げた。それを無理やり連れ戻して何になる。」
「もっと他に方法は無いのか? 両方が納得出来て皆で笑顔になれる方法があるはずじゃないのか?」

 ディケイド・クウガはその様になのはを庇うが、それもヴィータ達をより怒らせる結果にしかならなかった。
211なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:36:10.45 ID:N19Gd3/L
「部外者が偉そうな口叩いてんじゃねーよ! お前何様のつもりだ!」
「俺は通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ。」
「はわわわわわ……。」

 ヴィータに怒鳴られても平然と何時もの決まり文句で返すディケイド。相変わらずあたふたしてる朱里ちゃん可愛い。

「もう良いヴィータ。口で言っても分からないのならば実力で取り返すのみ。」
「あ…ああ…。」

 レヴァンティンを握るシグナムに諭され、ヴィータも心落ち着かせグラーフアイゼンを握り締めていた。

「この間は仮面ライダー2号に邪魔されて不覚を取りましたが、今度はそうは行きません。」
「ディケイドにBLACK…。既に百合ショッカーからの資料やその他の戦闘データは見せてもらいました。負ける要素はありません。」
「おい俺の事無視すんなよ。」
「僕達も今はライダーなんだけど…。」
「はわわわわ…。」

 スバル・ティアナもまた戦闘体勢を取っていたのだが、クウガとユノクロWは眼中に入れられてないのが
ちょっと二人(厳密には三人)にとって少し悔しかった。そんな状況下でも相変わらずな朱里ちゃん可愛い。

「やれやれ。やっぱりやるしかないのか。」

 ヴィータ達四人に睨まれながらもディケイドは渋々ライドブッカーから一枚のカードを取り出し、
ディケイドライバーに差し込んでいた。

「真田アサミには真田アサミだ。」
『ブロッコリーライド! でじこ!』

 ここでディケイドはデ・ジ・キャラットことでじこにライド変身した。今でこそ真田アサミと言えばヴィータだが
一昔前には真田アサミと言えばでじこと言う時代があったのだ。

「コイツが報告書に書いてたカメンライドって奴か。プリキュアにもなれると言う話は聞いていたが、まさかここまでとはな…。」
「さあ何処からでもかかって来い。」
「うぁ…声はそのままなのか…凄い違和感だ…。」

 でじこの姿になっても声はやっぱり門矢士のままなのだから、ヴィータ達もその違和感に退いてしまっていた。
しかし、ディケイドでじこは構わずライドブッカーから取り出したカードをディケイドライバーに差し込んでいた。

『アタックライド! 目からビーム!』

 直後、ディケイドでじこの両眼から光線が放たれた。でじこの得意技、目からビームである。
残念ながらヴィータ達四人は咄嗟に回避して直撃は無かったが、射線上に建っていたビルが一撃の内に吹き飛んでしまっていた。

「何て火力だ…。」
「さあ…どんどん行くぞ。」

 ディケイドでじこは二射、三射と目からビームを連発する構えを見せていたのだが……

「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!」
「!?」

 その時突如として何者かが乱入して来た。それは何とリインフォースUとアギトの二人だった。
212なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:37:38.66 ID:N19Gd3/L
「リインにアギト!」
「ここはリイン達が押さえます!」
「こんな所で道草喰ってないでお前等は今の内に先に進め!」

 リインとアギトの二人は何とヴィータ・シグナム・スバル・ティアナの四人に対し戦いを挑み、
その隙になのは達を先に進ませる様子であった。

「おいお前等…一体何のつもりだ?」
「何のつもりも無いです! ヴィータちゃん達は間違ってます! リインはもうAV女優みたいな真似事したくないんです!」
「百合ショッカーに協力したってこの世界は守れねぇ! 骨の髄まで百合厨に搾取されて女としての尊厳を失うだけだぞ!」

 例え一度は百合ショッカーに洗脳されディケイド等の敵に回っていた二人であったが、既にその呪縛から解かれていた二人は
ヴィータ達にも百合ショッカーから離れてもらいたかった。しかし…それも難しい事…

「リインにアギト…お前達が私達に敵うとでも思っているのか?」
「敵うと思うからやってるんじゃないです!」
「やらないとダメだからやってんだ! それはそうと…おいお前等何時までボサッとしてんだ! 早く行けぇ!」
「あ…ああ…。」

 リインとアギトは決して勝算があるからこの様な行動に出ていたわけでは無い。二人の実力からして無謀な行為と言えるが
無理だと分かっていてもやらなければならない事がある事を二人は伝えたかった。そして、未だその場にいたディケイド達を
怒鳴り付け、先へ進ませるのだった。

「行かせるか!」

 それぞれのバイクに乗り込み先へ進もうとするディケイド達へ向けて突撃しようとしていたスバルだったが、
そこをアギトの起こした炎の壁が遮り食い止めていた。

「行かせないのはこっちだ!」
「この先に行きたければリイン達を倒してからにしてください!」

 こうして、アギト・リインとヴィータ・シグナム・スバル・ティアナの戦いが幕を開けるのだった。


 リイン・アギトの協力によってヴィータ・シグナム・スバル・ティアナを回避したなのは達であったが、
間も無くしてさらなる敵の襲来を受けるのだった。

「士! また何か出て来るぞ!」
「どうせ何時もの百合戦闘員とかだろ? 構わず突っ切れ!」

 正面から現れた敵集団に対し、ディケイドは無視して強引に突っ切る事を提案していたのだったが、
その敵集団は百合戦闘員では無かった。

「違う! あれは戦闘員じゃないし、怪人でも無いぞ!」
「うっ宇宙人だ!」

 そう。彼等はヒッポリト&テンペラー星人を中心とした宇宙の各星の宇宙百合厨によって構成される
百合ショッカー宇宙人傭兵部隊であった。これはなのはやディケイドとしても初めて遭遇するタイプの敵であるが故に
何をして来るか分からず、警戒せずにはいられなかった。
213なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:39:14.55 ID:N19Gd3/L
「まさか宇宙人まで百合ショッカーに協力していたとはな…。」
「ネオショッカー首領やドグマの帝王テラーマクロ・ジンドグマ・クライシス・フォッグ・ワーム等…
お前達に関わりのある者達の中にも宇宙から来た者達は数多いと聞いているが?」

 確かに各世界において仮面ライダーの敵となった者達もさりげなく厳密に言えば宇宙人である者も少なくないと言える。
ならば彼等宇宙人部隊が百合ショッカーにいても何らおかしい事では無いと言え、ディケイド等も納得せざる得なかった。

 そして、ヒッポリト星人はなのはを指差し言った。

「あと…我々はそこの高町なのはと言う地球人の女を殺すなとシャドームーンから言われているのだが…
だからと言ってお持ち帰りにするなとは言われていない。」
「え!? あぁ!」

 直後だった。突如としてなのはの真上からカプセル状の物体が降りて来て、なのはがその中に納まる形になっていたのだ。

「何だこれは!」
「一体何が狙いなんだ!?」

 攻撃してくるのならまだしも、なのはをカプセルの中に入れ込む行動に思わずディケイド達も戸惑ってしまうが、
ヒッポリト星人はこう続けていた。

「高町なのはをヒッポリトタールでブロンズ像にして宇宙に持ち帰り、宇宙博物館に展示するのだ。」
「何だって!?」

 何と言う事だろう。ヒッポリト星人はヒッポリトタールなる技で対象をブロンズ像に変えてしまう力を持っており、
それによってなのはをブロンズ像に変えて宇宙に持ち帰ろうとしていたのである。

「ブロンズ像になれば彼女は歳を取る事も無くその美は永遠の物となる。彼女は宇宙の宝として我々が大切にしてやる。」
「そんな事させるか!」
「なのは! 今そのカプセルを叩き割って出してやるからね!」

 ユノクロWは大急ぎでなのはの閉じ込められているカプセルへ拳を打ち込むが、これが中々硬く割れない。

「うあ! 何だこれ! 全然割れない!」
「何て硬いんだ!」
「ハッハッハッハッ! 無駄無駄!」

 ディケイド・クウガ・BLACKも一緒になってカプセルに拳を打ち込んでいたが、全然割れない。
何と言う強固なカプセルであろうか。しかもこうしている内にカプセルの内部には怪しげなガスが噴出され、
なのはが苦しみ始めていた。これこそカプセルに入れられた者をブロンズ化させるガスであった。

「けほっ! けほっ!」
「なのは! なのはー!」
「くそっ! このままじゃあの子がブロンズ像に変えられてしまう!」
「割れろ! 割れろー!」

 このまま全然カプセルを割れる事無くなのはがブロンズ像に変えられてしまう…と思われたその時…それは起こった。

「デァー!!」
「!?」

 謎の声が響き渡ると同時に何かが物凄い速度でブロンズ像を掠めた。するとディケイド達があんなに殴っても
割れなかったカプセルが粉々に砕け、なのはが解放された。
214なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:40:25.31 ID:N19Gd3/L
「なのは!」
「でも一体誰が!?」

 突如としてカプセルを割った何かを目で追うと、それは空中を旋回するブーメラン状の物体であり
それがその先に存在した空中に静止する何者かの頭に装着されていた。

「ウルトラセブン!」

 そう、なのはの窮地を救ったのは百合ショッカーに宇宙人が参加している事を理由に介入を決めたウルトラセブンだった。
そしてヒッポリト・テンペラー等の宇宙百合厨連合の進撃を遮る様にディケイド等の前に降り立っていた。

「ここは私が何とかしよう。君達は先を急ぐんだ。」
「敵になる宇宙人あれば…味方になる宇宙人もいる…と言う事か…。」
「とにかくここは彼に任せて先に進もう。」

 光の国の戦士は人間を攻撃する事は出来ない。それ故に百合ショッカーそのものの打倒は同じ人間であるなのは達に任せ、
百合ショッカーに手を貸す宇宙人の相手をする事を決めていた。

「やはり来たなウルトラセブン。」
「しかし我々にたった一人でどうやって立ち向かうのかな?」

 宇宙百合厨の脅威からなのは達を逃がしたセブンであったが、そのセブン本人はヒッポリト・テンペラー星人を
中心とする様々な宇宙百合厨の大軍に取り囲まれると言う絶体絶命とも言える状況に立たされていた。
しかし、セブンは怖気付く事無くファイティングポーズを取っていた。

「デァー!」

 セブンと宇宙百合厨軍団の戦いが始まった。


 その後もディケイド達は各々のバイクを爆走させ、ひたすらにかつての時空管理局ミッド地上本部であった
百合ショッカーアジトへ向け突き進んでいた。今も各世界で多くの勇士達が戦っているが、大元である百合ショッカーの
本部を落とさない限りは勝利にはならない。そして時間をかければかける程百合ショッカーは多くの百合厨を吸収して
強大になっていくだろう。故に、短期間で戦線を広げたが故に本部の守りが手薄になっている今の内に素早く
本部を急襲して百合ショッカー本隊を落とす事。それが急務であった。

「ユリー! ユリー!」
「邪魔だ! 退けぇぇぇ!!」
「ユリィィィィィ!」

 行く手に立ち塞がる百合戦闘員・百合怪人をバイクで轢き飛ばし蹴散らしながらディケイド達は進んだ。
もはやザコの相手をしていられる場合では無いのだ。

「見えて来た! あそこだ!」

 元々ミッド地上本部であった場所が百合ショッカーの本部になってしまっている事は既に何度も説明した通り。
しかし、百合ショッカーはそのミッド地上本部を占拠して使うのみならず、建物自体を丸ごと百合ショッカー本部として
相応しい『悪の組織の基地』的な建造物へと建て替えてしまっていた。

「酷い…見る影も無いじゃない…。」
「あれが時空管理局ミッド地上本部…? 何かの冗談じゃないのか…?」
「これ…レジアス中将が見たら泣いてただろうな…。」

 ミッドチルダ地上の平和を守る砦であったが時空管理局ミッド地上本部が、今やあらゆる世界の支配を狙い
軍勢を送り込む悪の組織・百合ショッカーのアジトと化していた事実…その見て分かる程にまで変わり果てた
その建物に、なのは・ユノクロWは愕然としてしまっていた。
215なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:41:52.45 ID:N19Gd3/L
「感傷に浸っている暇は無い! 一気に突入するぞ!」
「うっうん!」

 変わり果ててしまった地上本部の姿に悲しんでいる暇は無い。そんな暇があるならば一刻も早く百合ショッカーを
倒して元に戻すべきなのだから。そしてマシンディケイダーに乗るディケイドを先頭としに、その後を
トライチェイサー2000に乗るクウガが、バトルホッパーに乗るBLACKと朱里ちゃんが、
そして最後をやや遅れる事ハードボイルダーに乗ったユノクロWとなのはがそれぞれ百合ショッカー本部へ突入しようとした。

「ん!?」

 だが、百合ショッカー本部前の広場に入った所でまた何かが集団で飛び出して来た。また何時もの百合戦闘員・百合怪人かと
一瞬誰もが思っていたのだが…少し様子が違っていた。

「キー!」
「キー!」
「え!?」

 ディケイド達の前に飛び出して来た集団。それは百合戦闘員や百合怪人の類では無かった。薄い灰色の全身タイツを
着込んでいる様にも見える身体、濃い灰色の手袋とブーツ、丸みを帯びた全身、腰に巻いたベルト等、
戦闘員に若干似ている様で全然違うと言う代物であった。

「何時もの戦闘員と違う…あれは何?」

 見た感じ余り強そうには見えない物の初めて見る異様になのはは緊張しており、ここでクウガがディケイドに顔を向けていた。

「おい士…あれって…。」
「ああ…あれはスナッキーだ。」
「スナッキー?」
「初めて聞く名だ。何処の組織の戦闘員だ?」

 これにはBLACKも首を傾げていたのだが、ディケイドは続けた。

「そもそもあれはライダーのいる世界の存在じゃない。」
「この間行ったハートキャッチプリキュアの世界にいた奴なんだよな。」

 ディケイドに続きクウガもその様に説明する。既にディケイドは何度かプリキュアライドしている事から分かる様に
ディケイドはプリキュアの世界も幾つか回っていた。その中の一つ『ハートキャッチの世界』において、世界を砂漠化しようと
暗躍していた組織・砂漠の使徒の雑兵として色んな雑用をしていたのが今目の前にいるスナッキー達であった。

「だが、俺達も少しは手伝ったとは言え砂漠の使徒はあの世界のプリキュアの活躍で壊滅したはずだ。
なのに何故スナッキーが百合ショッカーにいるんだ?」
「消滅も出来ずに路頭に迷った敗残兵を百合ショッカーが拾って使ってるのかな?」

 何故スナッキーが百合ショッカーにいるのかは分からない。だが、いずれにしても百合ショッカー本部へ
突入しようとするディケイド達の邪魔をしようとしているのは事実だった。
216なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 19:43:29.29 ID:N19Gd3/L
「キー!」
「キキキー!」
「しょうがない。蹴散らして進むか。お前等ちょっと待ってな。」
「はわわわわわ…。」

 とりあえず目前に立ち塞がるスナッキー達を何とかしないと先には進めない故、ディケイドはマシンディケイダーから
降りつつ一枚のカードをディケイドライバーに差し込んでいた。彼が一人で何とかするつもりらしい。

『カメンライド! 龍騎!』

 先頭に立つディケイド目掛け殺到するスナッキー軍団に対し、ディケイドは仮面ライダー龍騎にカメンライドする。
構わず跳びかかるスナッキー達であったが、直後にディケイド龍騎は駐車場に駐車されていた車の窓ガラスに飛び込み
その中へと消えた。

「え!?」
「士さんが窓ガラスの中に吸い込まれた!?」
「はわわわわ!」

 窓ガラスの中に吸い込まれる様に消えたディケイド龍騎になのは、ユノクロW、朱里ちゃんは慌てふためいていたが、
これは『龍騎の世界』のライダーが持つ能力である、鏡の中にあるとされる別次元の世界ミラーワールドへ突入能力を
使っただけに過ぎなかった。とは言え、何も知らない者からすれば窓ガラスの中に飛び込み消えた様にしか見えず
スナッキー達も右往左往するばかりだった。

「こっちだ!」
『アタックライド! ストライクベント!』

 何とここで百合ショッカーアジト外壁に付いている窓ガラスからディケイド龍騎が飛び出し、
さらにアタックライドで右腕に龍の頭部を模した爪であるドラグクローを装着、そこから放たれる高熱火炎で
一気に焼き払いつつ、さらに別のカードをディケイドライバーに差し込んでいた。

『アタックライド! ドラグセイバー!』

 ディケイド龍騎の左手に龍騎専用剣であるドラグセイバーが出現していた。剣ならライドブッカー・ソードモードで
間に合っていると言えるが、せっかく龍騎になったんだから剣もドラグセイバーを使おうと言う心配りであった。

「そらそらそら!」
「キー!」
「キキー!」

 ディケイド龍騎はドラグセイバーを振り回し、次々とスナッキーを斬り飛ばしていくが…袋状の皮膚が破れて
中から砂が漏れ出て来るだけで、スナッキーはダメージらしいダメージを受けていない様だった。

「え?」
「あれの中身って砂なの?」

 スナッキーの名が指す通り中身は砂だから斬っても砂が零れ落ちるだけであり、さらに救護班っぽい格好の
スナッキーが現れて、斬られた部分にテープを貼り塞ぎつつ砂を補給するだけで皆全快してしまった。

「キー! キー!」
「ちょっと士さん! 何が『ちょっと待ってな』ですか! 全然倒せてないじゃないですかー!」
「まずったな〜、ちょっと気分で龍騎選んだのがダメだったか?」
217なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 20:00:12.40 ID:N19Gd3/L
 なのはが思わず野次を飛ばすのも仕方の無い事だったが、これは決してディケイド龍騎の力が足りないわけでは無い。
スナッキーは別にそんなに強いわけでは無いが、中身が砂なだけあって斬れば殺せると言うわけでも無いし、
炎で焼け死ぬと言う事も無い。実際『ハートキャッチの世界』においてもプリキュアにポンポンと吹っ飛ばされこそすれど、
殆ど死者は出なかった…と思う多分。それだけ倒すのはある意味困難な相手と言えるのであった。

「も〜、しょうがないな〜。」

 ここは自分が何とかしてあげようとなのはがレイジングハートを構えると共にスナッキーへ向け
ディバインバスターを放とうとした…その時だった。

「ここは俺達に任せろー!!」
「え!? また誰か来たよ!」
「今度は誰だ!?」

 ここでまた何者かが現れた。台詞から察するに味方であると推測されるが、そこに現れたのは仮面ライダー1号…に
微妙に似てる気がしない事も無い何者かと、ライダーマンっぽい様に見えない事も無いけど身体も小さく弱々しい何者かの二名だった。

「仮面ノリダー! 参上!」
「未改造人間ライダーマン!」
「え〜?」

 仮面ライダーの様でいて微妙に違うかもしれない二人の登場にその場が思わず呆れ顔になった。
ってか仮面ノリダーの方は思い切り顔面が露出して『仮面』ですらないし。

「あれはとんねるずの世界の仮面ノリダーと、めちゃイケの世界のライダーマンだな。」
「え? ライダーマンってV3の世界にいるんじゃありませんでしたか?」

 とりあえずカメンライド龍騎を解除したディケイドは簡単に説明してくれていたが、ライダーマンと言えばV3の世界で仮面ライダーV3と
協力してデストロンと戦った事で知られている。しかし、今現れたライダーマンはめちゃイケなる世界のライダーマンと言った。

「同じ人間でも世界が変われば違う人間になる。そういう事だ。」
「八代の姐さんもクウガの世界のアギトの世界にそれぞれいたけど、全然違ってたしね。」

 世界が変われば人も変わる。例えばクウガの世界において仮面ライダークウガこと小野寺ユウスケが姐さんと呼び
慕っていた八代と言う女性刑事がいたのだが、そんな彼女はアギトの世界にも存在した。しかし、クウガの世界における
八代とはまた異なる人間…異なる人生を歩んでいた。そしてライダーマンも、V3の世界ではデストロンのヨロイ元帥なる
幹部によって右腕を失っていたのだが、ディケイドこと士が直接面識のあるライダーマンは、大ショッカー大首領だった頃の
士の手によって右腕を失う形となっていた。故に今目の前に現れたライダーマンも異なる世界の事なる歩みを辿ったライダーマンと言う事である。
218なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/26(土) 20:00:44.75 ID:N19Gd3/L
「ここは俺達に任せて先へ進むんだー!」
「あ…ああ…。」

 仮面ノリダーはスナッキー軍団に戦いを挑み、ディケイド達を先に進ませるつもりであった。
彼は『とんねるずの世界』において、ショッカーに似てる様な気がしない事もない悪の秘密結社ジョッカーによって
木梨猛が改造された姿である。その姿は仮面ライダー1号に似ている様な気もしない事も無いのだが
仮面ですらない露出した顔面と大きな耳が特徴であった。

「来るなら来い! 全部ぶっ飛ばすぞー!」
「キー! キー!」
「あ! 結構頑張ってるよあの人…。」

 イマイチ強そうに見えない外見に反し、仮面ノリダーはそこそこスナッキー相手に立ち回る強さを見せていた。
これにはなのはも感心していたのだったが……

「でもこっちのライダーマンは弱いよ! 袋叩きにされてるよ!」

 仮面ノリダーはともかくとして、めちゃイケの世界のライダーマンは弱かった。ただでさえそんなに強くない
スナッキー相手に何も出来ずにただ袋叩きにされているだけ。一体何の為に出て来たのか。

 確かにライダーマンは仮面ライダーの中でも強くない方だが、それでも戦闘員位なら普通に倒せていた。
しかし、めちゃイケの世界のライダーマンは背も低いし、何より戦闘員にすら敵わない程弱かった。
何しろキックの破壊力は小学五年生程度だと言うのだからどれだけ驚異的な弱さを誇っているか分かると思う。

「確かにあのライダーマンは弱いが、しかしスナッキーに袋叩きにされている今がチャンスだ。突っ切るぞ!」
「う…うん……。」
「はわわわわ…。」

 めちゃイケライダーマンがスナッキー達に袋叩きにされればされる程、ディケイド達への注意が手薄になる。
その隙に一気に百合ショッカー本部に突っ込むべきであった。これにはなのはもライダーマンに申し訳無い気持ちだったが、
かと言ってせっかく助っ人に来てくれた彼等の想いも察してここはあえて見捨てて百合ショッカー本部へ突入した。
仮面ノリダーはともかくめちゃイケライダーマンなんて覚えてる人いるのかな?
いや…もはや何も言うまい。
220マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 22:27:11.14 ID:aZS+GXyv
>>219さん乙。
こんにちは
まずこの場を借りて被災された地域の方々に心よりお見舞い申し上げます。
一刻も早く被災地の方々が日常を取り戻すことをお祈りしております。
さて、23時頃よりマクロスなのは第19話を投稿いたしますので、よろしくお願いします。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/26(土) 22:47:08.92 ID:pgMXb0g/
こちら、スカルリーダー進路の確保はスカル小隊に任せろ!
222マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:02:38.55 ID:aZS+GXyv
「なんてこった!まるで舗装でもされたような道が見えるぞ!スカル小隊、感謝する!」

―――――というわけで時間になったので投下を開始します!

マクロスなのは第19話「ホテルアグスタ攻防戦 後編」

シグナムが敵を発見した頃、地上の戦線に変化が起こっていた。
突然北西5キロの位置に巨大な魔力反応があったかと思えば魔法が行使され(この時の魔法はキャロの報告により召喚魔法と判明している)、同時
にガジェット達の動きが変わった。
いままで陸空でガジェットが展開していても共同で組織的に何かをすることはなかったのだが、彼らは突然連携を始めたのだ。
陸戦型の進攻を阻止している陸士にU型が上空からレーザーによって空襲。たまらず塹壕から飛び出した陸士に陸戦型がレーザーを集中射する。
結果、戦線は一気に総崩れになった。

「後退!六課のラインまで後退するんだ!!」

森の中に命令という名の怒声が響き渡る。しかしその声は敵の攻撃と友軍の砲火の前にすぐかき消される。もちろん各人を無線という通信回線で繋
いでおりその意図は全体にすぐに伝わるが、激しい空襲と陸戦型の追撃を前になかなかうまくいかなかった。
MINIMI(軽機関銃)が放つフルオートの発砲音を轟かせながら陸士部隊の1個分隊が後退していく。
後退の援護は2人1組で構成され、片方が後退する時はもう片方が敵へと援護射撃して頭を押さえる。MINIMIに代表される分隊支援火器の登場
で分隊でも容易になったこの戦術機動だが、今回の敵は手強すぎた。
後退を援護していた片方が、被弾を恐れず突入してきたV型のレーザー攻撃を足に受けて転んでしまったのだ。援護射撃が止み、後退中の相方
が無防備となる。

「この野郎!」

一部始終を目撃していたロバートは振り返りざまにそのガジェットV型を照準すると、装填されていたカートリッジ弾を撃ち込む。だがその1発はす
んでのところで回避≠ウれた。

「チッ!」

ロバートは銃のセレクタレバーをフルオートにすると、トリガーを引き絞った。
レールガン方式を採用したため、この銃に薬莢はない(廃莢口は適正によってベルカ式カートリッジシステムを着けることができるよう、残されてい
る)。そのためマガジンは純正89式小銃の約2倍の装弾数(66+1発)を誇り、まだ半分程残っているはずだ。
最初の5、6発が敵の滑るような機動で回避されたが、後退中だったあの相方が発砲して十字砲火を形成。その後は命中し、途中で完全に沈黙した。

「くそ!動きまで良くなりやがった!」

吐き捨てると足を撃たれた部下に肩を貸し、すぐに後退する。
だがあることに気づいた。
その部下は足に命中弾を浴びたはずなのに外傷がなかったのだ。

「負傷者の搬送はお任せください」

「頼む!」

駆け寄ってきた隊員の左腕に赤十字の腕章を認めると、彼を託して後退援護の射撃を後方に放つ。
相方の退避を確認。即座に銃撃を止めて遮蔽物から出て後退する。その間は阿吽の呼吸で相方の援護射撃が放たれた。
しかし小隊長である自分がいつまでもこうしてはいれない。後退しながらHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)を一瞥して増援として近くにいた1人を
呼び寄せた。
その間に頭に引っ掛かっていた事象を確認するためJTIDS(統合戦術情報分配システム)に届く負傷者情報を呼び寄せてみると、やはり誰1人出
血を伴った負傷者が出ていなかった。このやられ具合だと軽く10人以上の重傷者が出ても不思議ではないはずだ。
その時、後方監視していた自身の89式小銃『エイトナイン』が音声とHMDで警告を発する。

『Get down!(伏せろ!)』
223マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:04:46.42 ID:aZS+GXyv
愛機の情報を疑いなく信じると、考える間もなく伏せる。
数瞬後、立っていたら腰あたりを薙ぐはずだったレーザーは射軸上にいたすべてを焼いていく。
ランチャーにカートリッジ弾を装填し発砲。弾体はV型のシールドを対シールド機構とその物理的な推進力を盾に突き破ると、そこで内包されてい
た魔力を爆発的に炎熱変換して自爆した。
目標の沈黙を確認すると後方に振り返る。薙いだレーザーは射角的に先ほどの衛生兵と負傷者を巻き込んだはずだった。しかしそこには問題なく
搬送していく彼の姿があった。

「なに?」

だが攻撃が幻覚でなかった証拠に増援として来た1人の陸士が腰辺りを抱えてうずくまっていた。

「おい、大丈夫か!?」

「は、はい・・・・・・」

苦しそうに応える彼に駆け寄ってみるが、抱えていたその患部に外傷は見られなかった。これには彼も驚いたようだ。
これではっきりした。どうやら敵は非殺傷設定で攻撃しているらしかった。しかも非戦闘員を巻き込まないよう選択的に。
とにかく彼に訓練に使う魔力火傷用の簡易的な麻酔魔法をかけると、肩を貸しつつ戦線に復帰させた。

「どうやら今までの奴よりは、理性ある奴が操作してるらしいな・・・・・・」

その後ロバートの小隊は第2次防衛ラインまで後退すると、六課の4人を加えて迎撃を始めた。

(*)

上空でも突然動きの良くなった敵に翻弄されかけていた。

「まとめて、ぶち抜けぇー!」

ヴィータが鉄球を10発生成するとアイゼンで加速、向かってくるガジェットU型に当てようとした。しかし─────

「なに!10機中3機だけだと!?」

驚くのも無理はない。いままで奴等が自分の攻撃の回避に成功した記憶はない。それが突然、自らの攻撃が避けられるほど動きが良くなったのだ。
しかしヴィータにはあまり関係ない。

「めんどくせぇ!アイゼン!」

「Raketen form.(ラケーテンフォルム)!」

アイゼンは1発ロードするとクラスターエンジンを展開する。

「ラケーテン、ハンマー!!」

雄たけびも高らかにそのまま敵に突貫し直接叩き潰してしまった。

(*)

『どうやら有人操作に切り替わったようだ。各員、注意して敵に当たれ』

ホークアイの指示が飛ぶ。その指示に戦術が一新された。
224マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:08:05.11 ID:aZS+GXyv
いままでの数に物を言わせた戦いから、いつもの戦いに。
バルキリーは空を舞い、景気良くミサイルをお見舞いする。そして魔導士部隊も砲撃を惜し気もなく撃ち込む。
外したミサイルや砲撃、ガジェットの破片は六課のザフィーラとシャマルの展開した広域バリアによってすべてがホテルとの衝突を免れた。

(*)

そして六課のラインでは、すでに第256陸士部隊の全部隊が防御の正面であるホテル前のC−3エリア付近に集結。迎撃が行われていた。

『第3小隊損耗率30%!後退します』

「安心しろ、ラインは支える。後ろで休んでろ」

『了解。感謝します』

『こちらスターズ3。C−2エリアに孤立していた第4小隊第2分隊と合流。本隊と合流するため、支援願います』

「第5小隊了解。10秒後20秒間全力射撃する。その隙にこっちに走って来い!」

『スターズ3、了解』

『第2分隊、了解』

ロバートは無線から手を離すと、隊に呼びかける。

「俺の合図であっち≠ノ20秒間全力射撃。向かってくるスターズのお嬢ちゃんと第2分隊の連中に当てるな!・・・・・・3、2、1、今だ!」

その合図に第5小隊の保有する合計25の火器が一斉に弾幕を形成した。
頭のよくなったガジェットたちはそれに当たるまいと遮蔽物に隠れる。
その隙に遅滞行動(撃っては後退、撃っては後退という戦闘機動を交互に行い、敵の進攻を遅らせる戦術的後退術)をしていていつの間にか包囲され
てしまった第2分隊はスターズ3、スバル・ナカジマを先頭に走って来た。彼女は猛烈な突破力を武器に敵の群れを突貫していく。
既定の20秒が経ったときには隣にいた。
そしてさらに上空のあの赤く幼い魔導士からの空爆とオレンジ色の髪をツインテールにした二丁拳銃使いの誘導弾が、動きの止まったガジェット達
を撃破していった。

(やっぱり六課は心強い!)

ロバートは彼女達がいる限り、管理局は無敵だ。と実感した。

(*)

ホテル東部 高度4000メートル

元々動きの良かったゴーストはバルキリー隊が対応に当たったが、更に頭の良くなったゴーストは危険な存在になっていた。
高空より侵入してきたゴースト6機は連携とりつつ接近してくる。
ホテル東部を担当することになったサジタリウス小隊はさくらの狙撃に援護されながらそれに応じた。
しかし狙撃は当たらず、天城の放ったマイクロハイマニューバミサイルの弾幕も絶妙な連携プレーで突破してきた。
これまで4カ月という訓練期間の短さをハード(機体性能)によって補ってきた感のあるバルキリー隊は苦戦を強いられることになった。
225マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:10:41.08 ID:aZS+GXyv

(*)

ドッグファイトに持ち込まれたサジタリウス小隊の2機は徐々に分断。距離を離されていく。

『離されるな天城!』

アルト隊長の声が耳朶(じだ)をうつ。

「しかし・・・・・・くそ・・・・・・」

ゴースト3機に囲まれた自分は、さくらの支援狙撃もむなしく隊長のVF−25と完全に分断されていた。
最高速度で優越しているため、ファイターに可変して振り切ることも選択肢だろう。しかしそれでは防衛ラインに穴を開けることになり、隊長や下界
の陸士達、つまり友軍を見捨てる事となる。
隊長も3機のゴースト相手では分が悪い。それが増えたら尚更だ。
天城は持ちうる技術を結集して何とかさばこうと努力するが、ゴーストの機動性、バルキリーの火力、賢い頭脳を与えられたそれは徐々に彼を追い
詰めていった。

(転換装甲のキャパシティがやべぇ・・・・・・)

空戦では余剰エネルギーが最大限利用できるガウォークで戦闘しているにもかかわらず、構造維持エネルギーが限界に到達しようとしていた。そ
れは限界を超えたとき、自機の損壊を意味する。

(そろそろ潮時かな・・・・・・)

度重なる被弾の衝撃で精神の参っていた天城は自暴自棄になっていた。
彼は左手に握るスラストレバーを45度倒してファイターに可変する。そして目前で丁度旋回してきたゴーストに狙いを定めると突撃した。余剰エネ
ルギーの関係でPPBSは作動しない。
しかし彼は躊躇わなかった。
こちらの乱心に気づいたのか通信機ががなりたてているが、彼には聞こえない。そして目前のゴーストが視界いっぱいに広がり─────

(*)

「天城ィィィーッ!!」

『天城さん!!』

アルトとさくらの声が空にこだまする。
爆発したその場所からは大量の金属片が下に力無く落ちていき、これまた大量の黒煙がその場を包んでいた。
イジェクト(緊急脱出)は・・・・・・・確認できない。
ゴーストが撤退していく。いや、ガジェット達も同じく撤退するらしい。

『そんな・・・・・・天城さん・・・・・・!』

さくらの茫然とした声が聞こえる。

「畜生!」

自らの担当した3機のうち2機を叩き落としていたアルトは、あと少しだったのに!とコックピットの内壁を叩く。

(また俺は失ったのか!?マルヤマとジュンのように!!)

暴発しそうな激しい感情と共に、バジュラ本星突入作戦で散って行った部下2人の顔が脳裏を過る。
226マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:12:54.44 ID:aZS+GXyv
しかし視線を落としたアルトは、ディスプレイの表示に息を呑んだ。
天城のVF−1BとのJTIDS(相互データリンク)が接続されたままだ。

(これは、ひょっとして・・・・・・)

顔を上げたアルトの目に飛び込んできたのは、ガウォークでホバリングしたVF−1Bだった。

『・・・・・・あれ?』

モニターに拡大された天城のアホ面(づら)が印象的だった。

(*)

「逃がしたか・・・・・・」

こちらは地下駐車場。謎の人型甲虫と遭遇したシグナムだが、取り逃がしてしまっていた。しかしそれ≠ェ抱えていた箱は斬撃によって吹き飛ば
され、床に四散していた。
シグナムはそんなこと全く関しなかったが、敵は違ったようだ。身軽になった体で意外に小さな箱の中身≠拾い上げ、光学迷彩を再起動して闇
に消えていった。

「大丈夫ですか!?」

さっきの警備員だ。派手に戦闘をやらかしたので様子を見に来たのだろう。

「ああ。犯人はとり逃してしまったが」

「そう、ですか・・・・・・」

彼は周囲を見渡す。
めくれ上がったコンクリートの床。
深い切り傷の残る柱や壁。
最早廃車であろう高級車。etc、etc・・・
その場は破壊の限りを尽くしたような光景が広がっていた。

(*)

「ぶつかる前に相手が自爆しただとぉ?」

天城に生還の理由を聞いていたアルトが驚きの声を上げた。
彼によるとその時は気にしなかったが、特攻の瞬間なぜか相手は銃撃を止めて回避に専念したらしい。

『何か無人機のくせに端々の挙動が人間ぽかったんですよね・・・・・・まるで事故を回避しようと急ハンドルした感じでした』

天城は元々突っ込むつもりのため当然追う。VFは可変という特殊機構を持つため小回りでは負けない。
結局天城は衝突を免れないコースをとり、今まさにぶつかる!という時に自爆したらしい。

「う〜ん・・・・・・」

アルトは理解出来ずに頭を捻る。
227マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:15:35.87 ID:aZS+GXyv
無人機なのだから戦術・戦略上必要なら自爆や特攻することはよくある。しかし突っ込む天城を撃墜して止めようとせず、全力で回避し、なおかつ回
避不能とわかると自爆してくれるとは・・・・・・

「有人操作だから術者に良心が働いたのか・・・・・・?まぁいい、とりあえず天城、もう二度とあんなことするなよ!」

『すいません・・・・・・』

天城に釘を刺すと、被害報告を待つホークアイに回線を繋ごうとした。しかし、今度はさくらから通信が入った。

「どうした?」

『お願いがあります』

(おいおいなんだ、このデジャブは)

アルトは一瞬躊躇うが、先を促す。

『はい。実は─────』

その願いはまたしてもアルトを驚かせた。

(*)

「まぁ箱はしかたないよ。邪魔者が強すぎただけだから。・・・・・・うん、お疲れ様。あとは中身をそのままドクターに届けてあげて」

ルーテシアはデバイスを通した通信を終えると魔法陣を解除する。
すると自らが操作していたガジェットとゴースト達の縛りが解かれた。しかし完全にではない。彼女が最後に発した命令は速やかな撤退≠セった。
インゼクト・ズークによってプログラムを根こそぎ書き換えられた機械達はこれに従って撤退を始めた。

「・・・・・・結局、品物の中身は何だったんだ?」

ゼストがローブを片手に聞いてくる。

「よくわかんないけど記録媒体だって。オークションに出す品物じゃなくて密輸品みたいだけど・・・・・・」

「・・・・・・そうか」

彼はそう言ってローブを手渡し、自身は交戦地帯だった所に視線を投げた。
そこでは突然攻撃を止め、撤退していくガジェット達を見送る管理局員達の姿があった。

「管理局も強くなったものだ。以前のままなら突破されていただろうに・・・・・・」

彼は上空を警戒飛行する空戦魔導士部隊とバルキリー隊を一瞥する。その時少女の手が彼のローブを弱く摘まんだ。

「・・・・・・さて、お前の探し物に戻るとしよう」

ルーテシアは頷くと、転送魔法を行使。魔力反応を感知したバルキリー隊が駆けつけた時にはすでにもぬけの殻であった。

(*)

「甘いな」
228マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:18:45.14 ID:aZS+GXyv
変装したグレイスが呟く。

「やはり子供だ。それほどまでに人を傷つけたくないか」

「なァに、目的が遂行されるなら良心を通してもいいさ」

スカリエッティはそう言うと、先ほど転送されてきた『ガリュー』という人型甲虫から受け取った記録媒体を自らの端末に繋いだ。
立ち上がるウインドウ群。その一番上のタイトルにはユダ・システム≠ニあった。

「なるほど、有機ネットワーク構造による人工生命か・・・・・・」

彼の顔に徐々に笑みがこぼれてきた。
コンピューターに意識を持たせるという命題には誰一人として成功していない。
しかし例外を言えば製作元でも解析不能なデバイスの基本フレーム、特にインテリジェントデバイスだ。現在その製作技術は戦争で完全に失われ
ており、戦前から稼動していたオートメーション工場にその生産を100%依存している。
だがその意識を持たせる方法が目の前に転がっているのだ。学者として興奮しないはずがなかった。

「どうだ?品物は」

「あぁ、実に素晴らしい。・・・・・・だがこのシステムのプログラムは・・・・・・変だな?この矛盾したサブルーチンはなんだ?これではこのシステムの良
いところである自己保存本能が働かない」

実はそこはシャロン・アップルの事件をきっかけにこのシステムに追加されたところだ。
2040年に試作されたゴーストX−9のメインコンピュータはマージ・グルドアの手によって完成を見た。
彼は伝説のバーチャル・アイドル「シャロン・アップル」のシステムエンジニアであり、彼の構築したシステムは仮想空間の中で生物の自我、無意識
レベルの感情をもエミュレートする恐るべきものだった。
事実自我を持ったシャロンはマクロスシティにおいて暴走している。理由について統合軍は、機密事項としてそれ(暴走の事実すら)をひた隠しにし
ているが、彼らも詳しいことは知らないらしい。
ともかく、それでもブラックボックス化したマージの基礎システムはゴーストの中に生き続けていた。なぜなら誰も彼の基礎理論を理解できず、これ
を分離してしまうとシステムが完全に崩壊してしまうからであった。
そこで封印サブルーチンをL.A.I社が幾重にも掛け、自我を、自己保存本能を完全にオーバーライドしていた。
お陰で最新のゴーストは、ユダ・システムを解放してもまず安心になったのだ。
更によいことに、自らを守ろうとする考えがなければ戦術・戦略及び効果面でしか物を考えないので、彼ら無人機は必要ならば平気でその身を捧げ
る事ができる。
ユダ・システムを解放したゴーストが、優秀で重要な有人機を守るために、自ら敵弾に当たりに行った例が少なくないのはこのためだ。
ちなみにユダ・システムを自我レベルまで完全解放できるのは、オリジナルを押さえているフロンティアのL.A.I社だけだ。
しかしスカリエッティはプログラムを斜め読みしただけでその機能が封印されていることを言い当ててしまった。これはまさに生身の人間では最高峰
の天才と言えた。

「まあ、好きにしろ。こちらとしてはどんなものが完成するのか楽しみだ」

「ご期待に沿えるよう、頑張ってみよう」

彼はほの暗い不気味な笑みを浮かべると、改良のため前時代的なキーボードに手を伸ばした。
グレイスの扮装する男はそれを見届けると、手の内にあったトラックのキーを握り折った。

(*)

ホテル内部では予定通りオークションが開始されていた。
229マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:21:04.23 ID:aZS+GXyv
しかしその茶髪でドレスを着た美女は会場には入らず、身内からの報告に耳を傾けていた。

『─────という顛末(てんまつ)でガジェットは撃退できたんだけど、召還士は追えませんでした』

『でも近隣の部隊に要請はしましたから、転移座標ぐらいならわかるかも知れないです』

その身内─────シャマルと彼女を手伝うリィンフォースUの報告にはやては、六課には負傷者もいないし目立った被害もなく、自らの任務も順
調なため良しとした。

『それじゃ、任務を続行するわね』

「ああ、お願いな」

映像通信を切ったはやては、暫し思考の海に浸る。今回の襲撃は不可解な点が多かった。
ガジェット達の襲撃はわずか25分で終わりを告げ、即座に撤退してしまった。
最初の15分はいつも通りだが、後が違った。突然召還士が現れてガジェット達の動きが良くなったかと思えば、まるでこちらを気遣ってくれたかの
ように非殺傷の攻撃に終始した。
どうやらいままでガジェットを使っていた敵と、今回ガジェットを操った召喚士は別の考えを持っているらしい。
少なくとも召喚士の方は、目的のためなら人殺しもためらわない彼≠フような人物とは思えなかった。

(人間がやることには必ず意味がある。これほどの良心がありながら、その召還士がやろうとしたことはなんやろうか?)

まずガジェットが主でないのは確かだ。彼らは防衛部隊をかき回しただけで本質的にはなにもしていない。

(となると本命があるはずやけど、まだ何の報告も上がって来て─────)

「主、はやて」

振り返ると、バリアジャケット姿のシグナムがいた。しかし彼女の頬には一筋の切り傷があり、血がにじんでいる。

「なんや?階段でも転げ落ちたんか?」

はやてのジョークに彼女は

「いえ」

と、無愛想に応対する。

(職務に徹するのもいいけど、もうちょい愛想よくしても良いと思うんやけどなぁ・・・・・・)

はやては生真面目な身内に、胸の内で場違いな評価を下すと先を促した。

「はい。私は地下駐車場の警備に付いていたのですが、巡回中妙な車上あらしに遭遇しました」

「どんな風に妙なんや?」

「それが人間ではなくて、人型の甲虫のようなフォルムをしていました。残念ながら追いきれませんでしたが・・・・・・」

「そうか・・・・・・」
230マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/03/26(土) 23:23:23.62 ID:aZS+GXyv
使い魔や他の次元世界の多様な生態系があるためそのような生物がいること自体は不思議ではない。しかし管理局が遭遇してきた使い魔以外は、
生命体であってもほとんどが知性体ではなかった。つまり、牛や魚などと同じだ。
また、生態系の問題から次元世界間の移動はほとんど禁止されていた。
例外として召還魔法により古来から使役され、安全性の確認されている種については召還魔法による呼び出しなど一時的に連れ出すことは認めら
れている。
となると召還士という共通点から今回の事件との関わりがある可能性は高い。

「・・・・・・それで、何を荒らしてったん?」

「はい、密輸品を運んでいたトラックの荷台らしいのですが、何を盗んだのかなど、それ以外は不明です。目下のところトラックの持ち主を捜させて
います」

「了解や。その生物について管理局のデータベースで調べといて。他にも何か分かったら知らせてな」

「は!」

シグナムは敬礼すると一階に続く階段を降りていった。

(*)

その頃なのはとフェイトは会場内で警備に着いていた。
しかしフェイトが合流したのは1分程前からだ。
フェイトは出動しようとシャマル達と合流して準備していたが、敵が本気になってからたった10分で撤退したため出鼻を挫かれていた。
彼女は

「外のガジェットは撤退したから、出動待機は解除。私達は警戒任務に集中してだって」

と、シャマルからの要請をなのはに伝える。
ずっと会場内で警備に着いていたなのははフォワード4人組を含め防衛部隊に目立った被害がないことを聞いて肩をなでおろした。

「あともう1ついいニュース。懐かしい人に会ったよ」

「え?だれ?」

「それは・・・・・・あっ、来たみたい」

フェイトの視線はオークション開催寸前の舞台に向けられている。仕方ないのでなのはも彼女にならった。

『─────ではここで、品物の鑑定と解説を行って戴けます、若き考古学者をご紹介したいと思います』

拍手のなか現れた青年はなのはにとってとても馴染深い人物だった。
そう、彼女を普通の少女からこの世界に引き込んだのは他でもない彼であった。

『ミッドチルダ考古学士会の学士であり、かの無限書庫の司書長、ユーノ・スクライア先生です』

『あ・・・・・・どうも、こんにちは』

彼はマイクの前で少し緊張した様子で挨拶した。

――――――――――
投稿完了です。ありがとうございます。


231 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/27(日) 20:22:48.98 ID:eVk1+hB8
8時30分以降に投下します。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・クレーマーホイホイ
・思わず文句を言いたくなるSS


登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・ウルトラシリーズ
・恋姫無双


※今更になって申し訳ありませんが、前回の注意書きの登場作品の項目のプリキュアシリーズから
「今回登場なし」を外すの忘れていたのを今回の書き込み分の直前になって気付いたミスをここでお詫びしますorz
232なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/27(日) 20:31:47.34 ID:eVk1+hB8
 9:恐怖! 百合ショッカー四天王編

 各々のバイクへ乗ったまま百合ショッカー本部内へ突入したディケイド達。そして内部の通路を通り奥へ奥へと爆走する。

「外から見るより随分と広いんだなここ。」

 クウガはトライチェイサー2000を運転しながらも周囲を見渡しそう呟いていた。百合ショッカー本部の内部通路は
外から見える建物の大きさ以上に長かった。恐らく外から見える建物はただ魅せる為の演出で内部は地下に広大な基地が
建造されていると推測された。

 そして長い通路を通り、通路の先にあった大きな部屋に出た。その向かい側には次へ進む通路の入り口らしき物が
見えたのだったが、それを遮る様に何者かが立ち塞がっていた。

「僕はシャドームーン様直々のご指名によりゴルゴム本隊からやって来たフェレット怪人だキュー。」
「フェレット怪人!?」

 ゴルゴム怪人の名称は、一般的にベースとなった生物の名称の後に怪人と付く形を取る。(例:クモ怪人・ヒョウ怪人)
そして彼はフェレットをベースとしたフェレット怪人だったのである。その姿は元になったフェレット同様に
可愛らしい様にも思えたが、シャドームーン直々に指名されて来たと言うだけにかなりの戦闘力を持つ事が予想された。

「お前達の中にもフェレットがいるらしいじゃないかキュー! そいつを今すぐに出せキュー! 僕が相手になってやるキュー!」

 フェレット怪人が言うフェレットとはすなわちユーノの事。それもディケイドの力によって巨大フェレットに
ファイナルフォームライドした状態を指しているのだろう。しかし、今のユーノはクロノと共に仮面ライダーWになっていたのだった。

「こっちも色々あって君の要求には応えられないけど…。」
「代わりに僕達が相手に立ってやろう。」
「ユーノ君! クロノ君!」

 ここでユノクロWがハードボイルダーから降りて前に出た。これにはなのはも驚いていたのだが
それを追う様に同じく前に出ようとしていたなのはをユノクロWは止めていた。

「僕達が奴を食い止めている間に先に進むんだ。」
「で…でも…。」
「でもじゃない! こんな所でグズグズはしていられないのは分かってるでしょ!?」
「!」

 ユノクロWを心配して躊躇するなのはに対し、ユノクロWの内のユーノの部分が思わず怒鳴っていた。
彼の言う通り今はフェレット怪人だけに構っている暇は無い。故にユノクロWは自分がフェレット怪人を
食い止めている間になのは達に百合ショッカーの本隊を倒して欲しかったのである。

「行くんだ! 僕達がコイツを食い止めている間に行くんだー!!」
「う…うん…。」
「行くぞなのは! 今度はこっちに乗れ!」

 単身フェレット怪人に突撃し、正面から組み合っていたユノクロW。その隙になのははディケイドに手を引っ張られる形で
マシンディケイダーの後部座席に乗り込み、ディケイド達はさらに先へ進んで行った。

「お前なんかがこの僕に勝てるのかキュー!?」
「勝てると思うから挑むんじゃない! お前の相手には僕達じゃないとダメだからやるんだ! 行くぞぉ!」

 ユノクロWとフェレット怪人の戦いが今始まった。
233なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/27(日) 20:32:43.33 ID:eVk1+hB8
 マシンディケイダーに乗ったディケイドとなのは、トライチェイサー2000に乗るクウガ、バトルホッパーに乗る
BLACKと朱里ちゃんはさらに通路を突き進んでいたが、ここで再び広い部屋に出た。そして、やはりそこにも何者かの姿があった。

「な…何だコイツ…。」

 その部屋にいた何者か…それは巨大なウサギだった。しかし、ウサギを元にした怪人…と言うわけでも無く、
むしろウサギのぬいぐるみを巨大化させた様な代物だったのである。

「まさか…クリス!」

 なのはは思わず叫んでいた。クリス…正式名称・セイクリッドハート。なのはが義娘であるヴィヴィオの為に用意した
ウサギのぬいぐるみ型デバイスである。しかし、本来のクリスは子供の掌の上に乗る程度の大きさしかない。
だが今目の前にいたクリスはのべ三メートルの巨体であったのだ。

「でもどうしてこんな大きさに…。」
「恐らく百合ショッカーによって強化改造でもされたんだろうな。」

 まあ現状ではそう考える他は無いだろう。百合ショッカーの科学力ならばクリスを巨大化させつつ自らの尖兵として
扱う等造作な事では無い。

 ここは通さんと言わんばかりに一歩一歩歩み寄って来る巨大クリス。その可愛らしい外見からは想像も出来ないシュールさと迫力。
だが、ここでクウガが前に出ていたのだった。

「ユウスケ?」
「ここは俺の出番だ。後は俺に任せて士達は先へ進め。」

 クウガは単身巨大クリスに挑むつもりらしかった。流石のクウガも分が悪い戦いになると思われるが、だからと言って
巨大クリスだけに構っている事は出来なかった。

「分かった…後は頼んだぞ。」
「ああ! 俺も一刻も早くアイツを倒して後を追う。」

 巨大クリスに挑むクウガを残し、ディケイド達はさらに進んだ。しかし、巨大クリスの存在がなのはに新たな心配事を作っていた。

「まさかクリスまで…と言う事はヴィヴィオも何処かに…。」

 クリスが百合ショッカーによって改造され敵に回った。それはクリスの持ち主であるヴィヴィオも何処かに囚われている事を連想させた。
ヴィヴィオの事を思うとなのはは気が気では無かった。

 ディケイド達が先へ進んだ後、クウガは巨大クリスに対し構えていた。

「さあ行くぞ!!」

 クウガは巨大クリスへ挑みかかり、ここでも戦闘が始まった。
234なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/27(日) 20:34:44.39 ID:eVk1+hB8
 マシンディケイダーに乗ったディケイドとなのは、バトルホッパーに乗ったBLACKと朱里ちゃんはさらに通路を進む。
そして例によってまた広い部屋に出たのだった。

「また誰かいるよ。」
「今度は誰だ?」
「あれは…。」
「はわわわわ…。」

 部屋の中にはまたも行く手を遮る刺客と思しき者の姿があった。しかし、それはいわゆる『怪人』の類では無かった。
闇の様に漆黒のドレスを見に纏い、左側の背中に悪魔のごとき翼を生やした黒髪の美女。その瞳は刃の様に鋭く、
そのまま突き刺してしまわんばかりの勢いでディケイドを睨んでいた。

「久しぶりだな…破壊者…。」
「お前は…ダークプリキュアか…。」

 ダークプリキュア。かつてディケイドが旅したプリキュア世界の一つ、『ハートキャッチの世界』において、
世界を砂漠化させようとしていた砂漠の使徒によって作られた人造プリキュアとでも言うべき存在。
先にいたスナッキーもそうだが、何故彼女が百合ショッカーに所属していると言うのか…

「まさかお前まで百合ショッカーにいたとはな。」
「こっちもまたお前と出会う事になるとは思わなかった。」
「知り合いなの?」

 ディケイドとダークプリキュアの会話から察するに、双方は既に互いを知り合っている様だった。

「ああ…。俺がハートキャッチの世界に行った時、成り行き上とは言えそこでプリキュアと砂漠の使徒の戦いに介入しちまったからな。」
「そうだ! 貴様の邪魔が無ければ私はキュアムーンライトを倒す事が出来たと言うのに…。そして砂漠の使徒も崩壊し…
私は死にそびれた敗残兵として虚空を彷徨っていた所をシャドームーンに拾われ、後はこの百合ショッカーなる得体の知れない連中の
一員として戦わざる得なくなった。この屈辱……貴様に分かるかぁ!?」
「色々説明ありがとうな。」
「くっ…貴様…。」

 詳しい事は不明だが、彼女の言葉からするととにかくディケイドとダークプリキュアの間にはただならぬ因縁があった様だ。

「もうこうなってしまった以上私は今更キュアムーンライトに再び挑もうとは思わない。だが…貴様は許さん!! はぁ!!」

 ダークプリキュアは猛烈な勢いでディケイド目掛け跳びかかって来た。が、そのディケイドを狙っていた拳を掌で
受け止めていたのは何とBLACKだった。

「光太郎!?」
「ここは俺に任せて先に進むんだ!」

 BLACKはダークプリキュアの相手を引き受け、その内にディケイドとなのはを先に進ませるつもりだった。

「邪魔をするなぁ! 貴様には用は無い! 私の狙いはあの破壊者だけだぁ!」
「そうはいかん!」

 最初からディケイドしか眼中に無いと言わんばかりのダークプリキュアはBLACKを突破してディケイドへ
向かおうとしていたが、BLACKは身体を張って遮っていた。
235なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/27(日) 20:36:03.94 ID:eVk1+hB8
「何をしている!? 今の内に進むんだ!」
「ああ!」
「光太郎さん頑張ってください。」

 ディケイドとなのはは再びマシンディケイダーに乗り込み、先へ進んだ。BLACKはそれを見送った後、
さらにバトルホッパーに目を向けていた。

「バトルホッパー、その子を守ってやるんだ。」
「はわわわわわ…。」

 バトルホッパーには未だ朱里ちゃんが乗っている。ディエンドの三国ライドによって呼び出された存在とは言え
少女が戦いに巻き込まれて大怪我をしてしまう様を見るのは辛い。それ故にBLACKは自分がダークプリキュアの相手を
している間、バトルホッパーに朱里ちゃんの護衛を任せるのだった。

「こうなったら仕方が無い…。まず貴様を倒してから破壊者の後を追わせてもらう!!」
「来い!!」

 こうしてBLACKとダークプリキュアの戦いが始まった。


 沢山いた仲間もついにディケイドとなのはの二人きりになってしまった。こうなってしまうと流石に心細い物があった。

「これ以上何か出て来たらたまらんな。」
「あ、次が見えて来たよ。」

 なのはの言う通りだった。長い通路も終え、再び広い部屋に出た。

「ここが終点の様だな。」

 ディケイドの言う通りだった。その部屋で行き止まり。それを証明する様に、部屋の奥には首領の椅子に座る
フェイト=T=ハラオウンと、その側近として君臨していたシャドームーンの姿があったからだ。

「フェイトちゃん!」
「ついにここまで来たな…。」

 思わずフェイトの所へ駆け寄ろうとしたなのはだったが、シャドームーンに立ち塞がれ思わず止まっていた。
そしてなのはを下げつつディケイドが前に出る。

「月影ぇ〜! お前も百合厨だったとは堕ちる所まで堕ちたな〜!」
「如何にも。創世王として世界を…全てを支配する為ならば私は百合厨にでも何にでもなってやる……と言いたい所だがな…。」
「?」
「正直の所、私は百合厨どもの言うなのフェイに関してはどうでも良いのだ。しかし、なのフェイの百合に多くの人々が
支持している事実は見逃す事は出来ん。考えても見ろ。愚民どもが好むと言う民主主義とやらで考えても、数多くの賛成者、
支持者のいる百合こそが正義となり、逆にそれに反対しようとする者は悪とされる。現に筆者の奴はその為に一方的に悪とされ
正義の徒を気取った百合厨どもの総攻撃を受けてまさに満身創痍の状態にあるでは無いか。これが意味する事…
それは我々百合ショッカーこそが世界を支配するに相応しい正義であり、それを破壊しようとするディケイド…貴様が悪なのだ。
故にそこにいる高町なのはと私の後にいるフェイト=T=ハラオウンには精々私の世界支配の為の人形として利用させてもらおうか。」

 シャドームーンは百合ショッカーに与してはいても、百合そのものを好んでいるわけでは無かった。
あくまでも己が世界を、全てを支配する為に利用価値があるからそれを利用していると言う、手段でしか無かったのである。
力と恐怖で支配するのでは無く、人々から支持を得ている物を利用する事で人々からの支持と賞賛を得て
逆に反対意見を一方的に悪にして反対し難くする。なんと言う恐ろしい計画であろうか。
そして、シャドームーンは己の世界支配の為に高町なのはへと手を伸ばそうとしていた。

「そうはさせん! コイツはレズビアンの真似事なんて嫌だってよ。」
「そうか…ならば世の中には嫌でもしなくてはならない事があると言う事を教えねばならんな。」

 シャドームーンは己の持つ世紀王専用剣・サタンサーベルを抜いた。
236なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/27(日) 20:37:00.25 ID:eVk1+hB8
「ついに最後の戦い…と言う所だな。気を抜くなよ!」
「うん!」

 ディケイドはライドブッカー・ソードモードを、なのははレイジングハートを握り構えた。

「行くぞ!」
「来い!」

 こうしてディケイド&なのはVSシャドームーンの戦いが幕を開けた。


 時同じく、仮面ライダー1号・2号・V3は激闘の末に百合ショッカーライダー部隊を全滅させていた。

「ハァ…ハァ…後はお前だ…地獄大使…。」
「いや…今はガチ百合大使と名乗っているんだったかな…?」

 地獄大使改めガチ百合大使の変身体・ユリユリンダに向けて構えるが、ユリユリンダは余裕の笑みを浮かべていた。

「ハッハッハッ! 良くぞやったと褒めてやろう。だが、随分と息が上がっているな。」

 その通りだった。確かに百合ショッカーライダー部隊を全滅させた三人だったが、それ相応に疲弊し
体力も大きく消耗していたのだった。

「今の疲れきった貴様達等、倒すのは容易いわ!」
「そうは行くか!」
「この程度でヘバる程甘い鍛え方はしていない!」

 疲れきった身体にムチを打ち、三人はユリユリンダに跳びかかる。しかし…

「本当にムチ打ってやるわぁ!」
「ぬあ!」

 ユリユリンダはムチ状の腕を振り回し、トリプルライダーをまとめて弾き飛ばしてしまった。
三人も疲弊・消耗があるとは言え、物凄いパワーとスピードである。

「くそ…こうなったらこっちにも考えがある。」
「どうせ三人まとめてライダーキックと言うのだろう? そんな物弾き飛ばしてやる。」

 ユリユリンダは正面から迎え撃ってやらんばかりに大きく胸を張る…が、次の瞬間1号・2号・V3は三方向に散開した。

「何!?」
「ライダァァァァ! トリプル!! キィィィィィック!!」
「ぬあ!?」

 トリプルライダーの正面・左・右からの三方向同時ライダーキック。これではユリユリンダも
どう迎撃して良いか分からず、真っ向からそのライダートリプルキックを受けてしまうのだった。

「うああぁぁぁぁ!!」

 手足をバタ付かせながら大きく吹っ飛んで行くユリユリンダ。そして大地を砕かんばかりの勢いで地面に叩き付けられるのだった。

「偉大なる百合ショッカーに…百合バンザァァァァァァイ!!」

 ユリユリンダは最後の力を振り絞った百合万歳と共に…大爆発を起こした。

「やったな。」
「おお。」
「後はディケイド達の頑張りを祈るのみだ。」

 仮面ライダー1号・2号・V3は百合ショッカーアジトのある方向をじっと見つめていた。
237 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/27(日) 20:41:00.38 ID:eVk1+hB8
今日はここまで。と言うか前回分が長々やりすぎました。
色んな動物をモチーフにした怪人がいるならフェレット型がいてはいけない道理は無いと思いました。
本作におけるダークプリキュアはディケイドの介入受けたリイマジの存在と言う事で。
あとクリスが巨大化するのは以前初代ウルトラマンネタやった時同様のお約束です。
238名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/28(月) 16:38:36.74 ID:SHq9SVGs
>>237
出来なんてどうでもいいですからさっさと最終回投下してください
239FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/29(火) 12:35:38.79 ID:0kp/qkbm
 どうも、また週末に来れなかったFEです。
 ホント、すみません。ちょっと推敲し直していたら誤字が結構あったので修正してました。
 それでは、まだまだ未熟ですが、第12章投下します。
 あと>>237さん、乙です。
240FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/29(火) 12:36:34.40 ID:0kp/qkbm
第12章「鎧に隠された意思」




「ゼルギウス君。居るかね。」
 スカリエッティがその名を呼ぶ。
 すると、暗闇の中から一人の、黒い鎧を身にまとった男が姿を現した。
「……何の用だろうか。」
「どうやら、かわいいルーテシアとアギトが困っているらしくてね。助けに行ってくれるかい?」
 少しの間、男は思慮する。そして、
「断る。私は便利屋ではない。真に仕えるのはセフェラン様その人だけだ。」
「ふぅん…じゃ、これを見ても行かないっていうのかい?」
 そう言ってスカリエッティはモニターを映し出す。
 そこにはルーテシアとアギト。そして、アイクとセネリオらライトニングとスターズの隊員が映っていた。
「!!」
「彼らは君の求めている人たちなのではないかい?その人たちと接触するチャンスを、ここで捨ててしまうかね?」
「……了解した。そこに行ってやろう。ただし、彼女らを助けるかどうかは、私次第だ。」
「それでいいとも。さあ、行ってやってくれ。」
 その言葉を背中で聞き、漆黒の騎士はリワープを使う。
 数秒後、部屋にはスカリエッティ一人になった。
「……さて、これだけ手を打っておけば、『やつら』も動き出すに違いなかろう。
 私と同じ支配欲に溺れた者よ、どう出るか、期待させてもらうかな。」




「かかってこないのか?それならこっちから行くぜーーーー!!」
 大きく吠えて、アギトが周囲に炎を展開させる。
「くっ!」
 火をかき消すためにセネリオが風魔法の魔道書を取り出した、その時だった。


「こんなところで一体、何をしている。貴殿らの任務はレリックの回収であり、戦闘、破壊工作ではないのだぞ。」
 地面に突然魔法陣が現れる。魔法陣が光りだし、やがて一人の男を映し出す。
 その男は発射されたアギトの炎を剣でかき消し、ティアナ達を一瞥する。
「こんなところで時間を使っている余裕はない。早々に引きあげるぞ。」
 そう言って、漆黒の騎士は剣を向ける。
「貴殿らに恨みがあるわけでもない。恨みたいのなら恨めばいい。だが、私は恨みや憎しみだけで殺せるほど、甘くはない。」
 その言葉にライトニングとスターズの隊員はほぼ全員、戦慄した。
 そして同時に、直感で理解した。
 この人は潜り抜けた修羅場の数が違いすぎる、と。
「あ…う…」
 エリオが呻き声を漏らす。戦場でこの戦士に出会ったことに恐怖しているのだ。
241FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/29(火) 12:37:17.53 ID:0kp/qkbm
永遠に思える一瞬の静寂を破ったのは、同じく歴戦の勇者だった。
「その通りだ。お前は憎しみなどで殺せるようなら、あの時に決着は着いていたはずだからな。」
「久しぶりだな、アイク。この者たちは新たな仲間か?まだ実戦経験は少ないようだな。」
「そうだな。だが、有望な戦士たちだ。俺が保証する。」


「…何しに来た。」
 いったん切れた会話をつなげる。
 今度は本題のようだ。
「アイク。お前は気付いているはずだ。私は今、こちら側にいる。つまり……」
 ここでまた言葉を切る。当然、アイクはその間黙って漆黒の騎士を見据える。


 だが、アイク達が導きの塔でみた鎧の間から覗く、狂気にも似た信念と戦士としての眼光は
すでにそこには無かった。


「私は、お前の敵だ。」


 そう言って、アイクに剣を向ける。だが、アイクには漆黒の騎士と戦う前にやることがあった。
「セネリオ、エタルドを。」
 セネリオはその言葉に従い、アイクにエタルドを渡す。
 アイクはエタルドを受け取り、漆黒の騎士の手前の位置に放り投げる。
「この剣を使え。決着をつけてやる。」
「……いいだろう。その気はなかったが、今ここで雌雄を決するのも悪くはない。」
 そう言ってエタルドを引き抜く。漆黒の騎士は剣を二振りほどする。
 まるで、剣が戻ってきたことを喜ぶようだった。
242FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/29(火) 12:37:48.59 ID:0kp/qkbm
「…………」
「…………」



 まさに、一触即発。何かが動けば、それが合図になる。
 それ故に、ライトニングとスターズ、そしてギンガは一歩も動けないでいた。
 もし音を立てれば、その瞬間に二人はぶつかり合う。そのことがわかりきっていたからである。
 そんな静寂を切り裂いたのは、アギトだった。
「おい、オッサン!熱くなるのはいいけどなぁ、自分が言ったこと忘れてないか?」


 そんな愚痴ともとれる言葉をいさめたのは、意外な人物だった。
「…黙れ。」
 その声の主は、アイクだった。
「んだとぉ!お前誰に向かって―――――――」
「俺とアイツの決闘の邪魔をするな!!」


 その声は大きく響いた。それは、ここが地下だから、ということもあるだろう。
 だが、ギンガはともかく、スバル、ティアナ、エリオ、キャロはアイクが怒鳴っているのを初めて見たからだ。
 そして、アイクは自身からみなぎる殺気をアギトに向ける。
「っ!!」
 アギトが息をのむ。
 これほどの殺意を向けられたのは、初めてだったからだろうか、それともアイクをここで只者ではないと感じたからだろうか。
 それとも、その両方か。
 何であれ、状況が変わらなかったことに変わりはなかった。


(スバル、聞こえる?)
 ティアナがスバルたちに心話で呼び掛ける。
(聞こえるけど、どうしたの?)
(この膠着状態は結構マズイわ。今は動かずにヴィータ副隊長たちが来るのを待ちましょう。)
(わかった。ティア、ヴィータ副隊長が突っ込んだら、私も突っ込むから援護よろしく!)
 会話し合って、全員は落ち着きを取り戻しつつあった。
(その通りだ。お前ら、なかなか賢明な判断だな。)
 何者かが心話に入り込んできた。
(私たちももうすぐで到着するから、それまで持ちこたえててくださいです!)
 その声の主はヴィータとリィンフォースだった。
 もうすぐ、この状況が終わる。


 その時、ティアナは気付いた。
 天井から小石が落ちてきたのだ。
 なるほどここは廃棄居住区だ。それくらい不思議でもなんでもない。
 だが、問題は―――――――――――
243FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/29(火) 12:38:24.44 ID:0kp/qkbm
カツーン


 その音に呼応するように二つの影が動き出す。
 直後、刃物が織りなす独特の金属音が辺りに響く。
「おおおっ!」
「はあぁっ!」
 ついに始まった。
 二人の強者たちの決闘が。


 アイクは鍔迫り合いを無理やりはじいた後、衝撃波を2,3発放つ。
 漆黒の騎士はうまくひきつけて衝撃波をはじいた。そのまま接近し、アイクの首を撥ねようとする。
 それをうまくバク宙でかわし、天井に足ををつける。
 次の瞬間、衝撃波を放ちながら、急接近する。
 漆黒の騎士が衝撃波をはじき、次の攻撃に備える。
 その構えを見て、アイクは渾身の一撃を漆黒の騎士にぶつける。漆黒の騎士もそれを予想しており、それを本気の力で撥ね返す。


 それによる大きな衝撃で周囲の支柱が崩れ落ちる。


 その次の瞬間、アイク達とは何も関係ない場所の天井が崩れ落ちた。
「ふう、遅くなってすまん。」
「遅くなりましたです!」
 ヴィータとリィンの二人が到着した。
 その侵入者を見て、ガリューが反応する。
 だが、それに反応できても、力では負ける。
 ヴィータはガリューを吹き飛ばしてしまった。
 一方でリィンもルーテシア達を捕獲する。
「任務完了、です!」
244FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/29(火) 12:39:02.49 ID:0kp/qkbm
何かがおかしい。
 アイクはそう思い始めた。
(何を考えている…一体…?)
 ほんの少し。だが、決定的な違和感。何がどう、とは言えないが、アイクにとっては明らかな違和感があった。
 考えている内にまたつばぜり合いが始まる。
 火花を散らすラグネルとエタルドの向こうにあるゼルギウスの瞳を見つける。
 戦士としての誇りも、戦うことへの執着もなくしてしまった瞳を。
(やはりおかしい。こんな、カウンターの取りやすい攻撃ばかりを…)
 思って、気がついた。
(まさか…)
 そうとしか考えられない。だが、そうであってほしくない。
 かつて、自分が何もかも認めたこの人物がそんな考えに至っているということを。そう思いたくなかった。
 だが、そう考えれば、全てつじつまが合う。ホテル・アグスタの森で見たあの瞳。
 そして、先ほどからの攻撃。
 そう。漆黒の騎士、いや、ゼルギウスは『死にたがっている』。
 ラグネルを振りぬき、後退する。
 そして、静かにラグネルを降ろす。
「…どういうつもりだ。」
 漆黒の騎士が感情の無い声で尋ねる。
「ゼルギウス。なぜだ?なぜ死にたがる!」
 大きな声でゼルギウスに問いかける。その問いかけに答えるようにゼルギウスもゆっくりとエタルドを降ろす。
「やはり、隠し事はうまい方ではない、か。」
 独り言をつぶやき、自分の心の奥底にある感情を読み取ったアイクに笑いかける。
 もっとも、その微笑は鎧に隠れて、誰も見えなかった。
 そして笑いを引っ込め、冷たい声を出して言った。
「お前たちにはわかるまい。安息の死をはぎ取られ、仮初めの生を与えられる苦しみが。
 今の私は抜け殻だ。信念も、誇りも、あの時に捨ててきてしまった。戦士として生きることができない苦しみが
 貴様らには理解できまい。」
 その言葉を発した直後、地面に魔法陣が描かれる。
「やめだ。アイク、お前との決着はまた今度にしよう。やつが言ったことも果たしたわけだしな。」
 そう言って、漆黒の騎士はリワープしてしまった。
「待て!ゼルギウス!!」
 アイクが叫ぶが、もう、届かない。
「アイク、私に戦士としての死に場所を与えてくれ…」
 そう言い残し、光に包まれて消え去った。



 アイクは呆然としたまま漆黒の騎士が去って行った場所を見つめる。
 だが、それも数秒のこと。それは突然にやってきた。
「アイクさん!」
 ティアナが駆け寄ってくる。
「どうした?」
「あの小さな子達が……いません!!」




 to be continued......
245FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/03/29(火) 12:40:54.26 ID:0kp/qkbm
 以上です。
 少々文を増やしたけれども、あんまり変わって無いご様子。
 読みやすいのかどうかも分からないし、改善点はいくつもあります。
 精進するので、ご容赦を。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2011/03/29(火) 18:53:52.54 ID:jyya+PMX
投下乙です
別に読みにくいとは思いませんでした
続き待っています
247 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 20:55:58.31 ID:NECA/AvF
9時以降に投下します

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・ウルトラシリーズ
・恋姫無双
248なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 21:02:07.18 ID:NECA/AvF
 10:アギト、アギトへの覚醒編

 リインフォースU・アギトはたった二人でヴィータ・シグナム・スバル・ティアナの四人を食い止めるべく奮戦していたが、
それでも力及ばず、劣勢に立たされていた。

「ほら言わんこっちゃ無いじゃないか! お前達二人があたし達に敵うか!」
「最初から敵うなんて思ってないです!」
「あいつ等が百合ショッカーぶっ潰すまでお前等引き付けとく時間さえ稼げればそれで良いんだ!」

 リインとアギトはヴィータの振り回すグラーフアイゼンを何とかかわしながら、各々の得意とする氷・炎の壁で
四人の進撃を食い止めようとする。しかし、氷の壁は砕かれ、炎の壁は振り払われてしまう。
そしてレヴァンティンを抜いたシグナムがアギトへ接近する。

「アギト…私は失望したぞ…。」
「失望したのはこっちだよ! 百合ショッカーなんかに頼ってリリカルなのはシリーズ人気守ろうとするなんてよ…。
そんなに自分自身の力が信じられないのかよ! だから今ここであんたを焼き殺してやる!!」

 アギトは渾身の力を込めた炎をシグナムへ浴びせ、シグナムの全身が炎に包まれた。

「ハハ…やったか。」

 アギトは勝利を確信したが…炎が晴れた時、そこにあったのは焼け焦げたコタツだった。

「な! まさかこれが噂に聞く空蝉の術!?」
「アギト後ですぅぅぅぅ!!」
「!?」

 リインの叫びも空しく、次の瞬間背後に回り込んでいたシグナムの一撃がアギトに決まり、アギトは思い切り壁に打ち付けられていた。

「うっ!!」
「アギト!」

 壁に打ち付けられた後で倒れるアギトに駆け寄ろうとするリインだったが、それもティアナの射撃によって妨害されてしまった。

「アギト…残念だ…。」

 シグナムはレヴァンティン片手にアギトへ歩み寄る。そのままトドメを刺すつもりらしかった。
アギトは必死に起き上がろうとするが、ダメージの為に全身が痛くて息をする事さえ上手く出来なかった。

「(畜生……あたしは…また守れねぇのかよ…ゼストの旦那だけじゃねぇ…リインも…あいつ等も…何も守れねぇのかよ…。)」
『力が欲しいか?』
「(?)」

 突然何者かに話しかけられた様な感覚をアギトは感じていた。そして彼女はある事実に気付く。
それは何時の間にかにアギトの正面に白い服を着た光り輝く青年の姿があった事である。

『力が欲しいと言うのならば、一時的に私の力を与えても良いと思っている。』
「(欲しい! 力が…力が…。例え今この瞬間だけだったとしても…力が欲しいんだ!)」

 アギトは心の中で必死に叫んだ。そんな事をしても無駄かもしれない。そもそも今アギトの目の前にいる
白い服の青年自体が死に掛けのアギトが垣間見た幻かもしれない。頭ではそう分かっていても、叫ばずにはいられなかった。
249なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 21:03:17.67 ID:NECA/AvF
『そうか…ならば与えよう…アギトの力を…。』
「(え? アギト…?)」
『目覚めよその魂…。』

 白い服の青年はアギトに対し不思議な光を浴びせると共にその場からフッと消え去った。
そして彼の言い残した『アギトの力』と言う言葉の意味が理解出来ずにいたアギトだったが、
彼の発した光を浴びると共に不思議な力が沸き起こって来ていた事を感じていた。

 シグナムは未だ倒れたままであったアギトへレヴァンティンを向け、今まさに突き刺さんとしていたが、
その直後だった。突如としてアギトの全身が光り輝き、その眩い光のあまりシグナムは思わずたじろいでいた。

「何だこの光は!」

 余りの強烈な光に皆は目を開く事すら出来ない。しかし、その光を発しながらアギトは立ち上がり、
さらに彼女の腰にはベルト状の物体…オルタリングが巻かれていた。そしてアギトは右手を正面に突き出すポーズを取り…

「変身!」

 そう叫びつつオルタリング側面にそれぞれ左右の手を当てた。その直後だった。
オルタリングの内に秘められた賢者の石からオルタフォースが放射され、アギトの姿が変わって行き、
その姿を黒・金・銀の三色を基調とした戦士へと変えていた。

「アギト…?」
「なっ…そんな……アギトだと!? アギトがアギトになりやがった!」

 アギトの変貌ぶりにヴィータは思わず驚愕の声を上げていた。しかし、そんな彼女に対しスバルは首をかしげる。

「あの…一体どういう事ですか? あの子最初からアギトって名前でしょ?」
「馬鹿! そういう意味じゃないの! だから百合ショッカーから渡された資料ちゃんと読んどきなさいってもう!」

 スバルの間抜けな発言にまたもティアナが怒鳴ると言う一幕が見られたが、ヴィータとシグナムは真剣な表情でアギトを見つめていた。

「百合ショッカーから渡された資料の内容が本当なら…あれはアギトだ…。」
「『アギトの世界』において万物を作りたもうた神に反逆した上級天使の一人が人間に対し与えた力…アギト…。
まさかアギトがそのアギトの力を得てしまうとは…これも百合ショッカーによる多世界同時侵攻の影響か?」
「アギトがアギトになっちまうなんて…まるでダジャレと言うか…変な冗談みたいだ。」

 アギトは俗に言う所の『仮面ライダーアギト・グランドフォーム』と呼ばれる姿へと変貌していた。
それこそ『アギトの世界』における人類にとって神にも等しい超越的存在によって与えられ、人類よりも一歩先へ進化した存在。
そして、アギトにその力を与えた白い服の青年こそ『仮面ライダーアギト・津上翔一』にアギトの力を与えた『光の青年』であった。
勿論アギトは厳密には人間では無く人型のデバイスなのだが、それも超越的存在である『光の青年』にとっては関係の無い事なのだろう。

「そんなビビる事ありませんって! ただ姿が変わっただけでしょ!? 今度こそ引導渡してやりますって!」
「馬鹿! 不用意に飛び込むな!」

 スバルはヴィータの制止も聞かず、アギト・アギトへ向けて突っ込み、得意の拳を打ち込もうとした。しかし…

「はっ!」

 アギト・アギトはスバルの拳に合わせる様に拳で返した。確かに今までのアギトならばそんな事をしても
シューティングアーツの名手であるスバルに拳ごと砕かれ弾き飛ばされるだけだっただろう。
しかし、アギトの力を与えられたアギト・アギトは逆にスバルを弾き飛ばしていたのだった。
250なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 21:05:16.96 ID:NECA/AvF
「うあぁ! 何この力!」
「馬鹿! アギトは基本のグランドフォームの時点で平成ライダーの中でも高い部類の能力持ってるのよ!」

 ティアナの指摘した通りだった。神に限りなく近い超越的存在から与えられた超越肉体を持つアギトは
単純な基本スペック面だけで考えるならば平成仮面ライダーの中でも高めの部類である。なにしろ俗に言う最強形態を含めてすら
基本形態アギトにも敵わないライダーもいたりする位である。これはスバルが弾き飛ばされるのも仕方の無い事だった。

「くそ…グランドフォームの時点でアレだぞ…。もしこのままバーニングフォームやシャイニングフォームに
なられたら本当に手が付けられなくなる…。」

 アギト・アギトの力にヴィータは戦慄していたのだが、それとは違う反応を見せていたのがリインだった。

「あー! 良いな良いなー! リインもあんなのになってみたいですー!」
「そうかい? なら僕が力を貸してあげよう。」
「え!?」

 そこで突然リインの隣に行方不明になっていた仮面ライダーディエンドが何時の間にかに姿を現していた。

「貴方は誰ですか?」
「誰でも良い。僕は君に味方する者さ。」

 ディエンドは何かのカードをディエンドライバーに差し込み、それを放射した。

『カメンライド! G3…のガワだけ!』

 ディエンドはカメンライドでG3のガワだけを呼び出していた。普通ならカメンライドでライダー自身を
直接呼び出して戦わせる所なのだが、何故G3のガワだけを呼び出していたのか…

「さあこれを急いで着込むんだ!」
「ええー!?」

 ディエンドがG3のガワだけをライドした理由。要はリインにG3を着込んで戦ってもらう事にあった。
そもそもG3はアギトの世界の警察が対未確認生命体用に開発した特殊パワードスーツである。
つまりただの人間でも超人的な力が発揮出来る様な仕様になっていると言う事である。
これを着込めばリインもそれなりに戦える様になる言う事にもなるのだが…リインは思わず躊躇してしまっていた。

「で…でも…。」
「君だって公僕の端くれだろう!? 良いから着るんだ! 僕も手伝ってやるから!」
「はっハイ!」

 結局ディエンドに押されるままリインはG3を着込んで戦うハメになってしまった。

「じゃあ後は頑張って。」
『アタックライド! インビジブル!』
「ええー? 貴方は戦ってくれないんですかー!?」

 リインにG3を貸すだけ貸してディエンドはそそくさと帰ってしまったが、もうここまで来たら引き返せない。
リインも腹をくくってG3で戦うしか無かった。
251なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 21:06:39.72 ID:NECA/AvF
「おい…リインの奴がG3システムを装着しやがったぞ…。」
「アギトの世界の警察が未確認生命体4号…つまりクウガを研究して作り上げたパワードスーツか…。
古代ベルカ式ユニゾンデバイスとは言え、現代技術によって作られたリインにはお似合いと言えばお似合いか…。」

 シグナムはご丁寧に解説してくれていたが、しかしここでまたスバルが突撃を始めていた。

「不思議な事が起こって不思議な力に目覚めたみたいなアギトならともかく、あっちはただの人間が作った鎧なんですよね!?
ならここで一気に壊してみせますよ!」
「あっこら! 不用意に近付いたらダメだって!」

 ティアナが止めようとするのも聞かずにスバルはG3システムを装着したリインへ向けて突撃する。
それに対してリイン・G3は自身の纏うG3システムをまだ上手く動かす事が出来ないのか
真っ向からその拳の一撃を受けてしまった。

「きゃぁぁぁぁぁ!! って…あれ…全然平気です…。」
「え!?」

 スバルの拳をもろに受けているにも関わらず、リイン・G3は結構平気で衝撃で仰け反る事すらしなかった。
これには両者ともに間の抜けた顔になってしまった。

「何だか良く分かりませんけど…こうです!」
「あ!!」

 今度はリイン・G3がスバルの腕を掴むと共にあっさりと投げ飛ばしてしまった。
これは普段のリインの力からすれば考えられない事であった。

「何で!? あれただの鎧じゃないんですか!?」
「全然違うぞ! G3システムはライダーとしては控えめな性能だが、それでも元々対未確認生命体用として作られてるから
常人の十倍位のパワーを出せるし、特に防御力に関してはライダー全体から見てもかなりの物を持ってる。
幾ら中身がリインだと言っても侮れないぞ!」
「そのさらに倍の性能としてバージョンアップされたG3−Xでは無かった事をむしろ幸運に思うんだな。」

 G3システムは一見すると単なる全身を包み込むだけの鎧にしか見えないが、対未確認生命体との格闘戦も
視野に入れて作られており、装着者に常人の十倍近い力を与える機能も持つ。つまりただの人間であっても
怪人とそれなりに戦う力を与え得る物なのである。そしてその防御力は猛烈な速度で飛んで来た鉄球を真っ向から
受けても微動だにしない強固さと、装着者に衝撃を伝えない程の衝撃吸収力を兼ね備えている。
これがリインフォースUをしてスバルを力で圧倒出来た所以であった。

 即席かつ一時的な物とは言え、仮面ライダーとしての力を手に入れたリインとアギト。
これならばヴィータ達とも互角に戦う事が出来る。

 リイン・G3&アギト・アギト VS ヴィータ&シグナム&スバル&ティアナの第二ラウンドが今始まった。
252なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 21:10:00.05 ID:NECA/AvF
 11:宇宙人の百合大戦終結編

 一方、ヒッポリト・テンペラー星人率いる百合ショッカー宇宙人百合厨傭兵軍団に単身立ち向かうウルトラセブンは
迫り来る宇宙百合厨の軍団をアイスラッガーで斬って斬って斬りまくっていた。

「デュワ! デァー!」

 四方八方から迫り来る宇宙百合厨に対し、セブンはアイスラッガーを投げ放つ。宙に放たれたアイスラッガーは
セブンの念力によって軌道をコントロールされ、次々と宇宙百合厨を細切れにして行った。

「くそ…相手はたかがウルトラセブン一人だけだぞ…なのに何でこんな…。」

 次々に配下が倒されて行く事実にヒッポリト・テンペラー星人は気が気では無く浮き足立っていた。
しかし、そんな彼等を察してか、セブンは彼等を指差し訴えるのだった。

「ヒッポリト、テンペラー、人類への干渉を止め今すぐ星に帰れ!」
「うるさい! と言うかお前何でそんなに強いんだよ! 我々が持ってるデータを遥かに凌駕してるぞ!」

 宇宙人百合厨とて光の国の戦士の介入に備えてその戦力データを把握しているつもりだった。
しかし、今のウルトラセブンの戦力はそれを遥かに凌駕していたのである。それは何故か?

「どうせそのデータとやらは私がエース・タロウ・レオに客演した時を基にしているのだろう?
ならばそう思って当然だ。自分で言うのも何だが今の私はあの時よりずっと強い!」
「な……何だってぇぇぇ!?」

 確かにその通りかもしれない。ウルトラマンエース・タロウ・レオに登場した頃のセブンは
結構やられ役が多かった。その為か宇宙人百合厨達もセブンを甘く見ていたのだが、今のセブンは
ゼロと言う息子の存在も相まって人気が再燃している事もあり、再びその強さが見直されつつあったのだ。

「だが今の私を支えているのは小手先の実力だけでは無い。貴様等が百合に情念を燃やし百合ショッカーに
手を貸している様に、私もまたなのは×ユーノの純愛に情念を燃やしているのだ!!」
「お前それ妻子のある男の台詞とは思えんぞw」

 宇宙百合厨がその名の通り宇宙の百合厨であるのに対し、セブンはなのは×ユーノへの情念で対抗していた。
ヒッポリト・テンペラーが突っ込んだ通りお世辞にも妻子ある男の台詞とは思えんが、有無を言わせぬ迫力があるのも事実だった。

「故に私はお前達を全力で止める!」
「ええい! 何時までもそんな上手く行くとは思うな!」

 拳を振り上げ駆け寄るセブンに対し、テンペラーは己の両腕から光線を放つ。しかし、セブンは
その光撃も物ともせず進撃速度も鈍らない。

「それ! お前をブロンズ像にしてやる!」

 セブンの真上にカプセルが出現した。ヒッポリト星人はヒッポリトタールでセブンをブロンズ像にしようとしていたのだ。
しかし、セブンはそれを横に飛んで回避した。
253なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 21:10:40.20 ID:NECA/AvF
「同じ手は二度も食わん! デァー!」

 かつてエース客演時にヒッポリトタールでブロンズ像にされた事のあるセブンだが、いや、むしろされた事があるからこそ
その対策を練っていないはずが無かった。セブンはヒッポリトタール用カプセルを回避した後、額のビームランプから
放たれるエメリウム光線で爆破するのだった。

「そ…そんな!」
「ええいもうお前なんかの相手等やってられるか! 俺達は高町なのはさえ宇宙に持ち帰れればそれで良いんだ!」

 もうセブンには敵わないと知るや否や、ヒッポリト・テンペラーは逃げ出してしまった。
そもそも最初から彼等の目的はセブンを倒す事では無く、百合ショッカーに協力しつつ隙あらばなのはを
ブロンズ像にして宇宙に持ち帰る為だったのだから。しかし…

「逃がすものか!」

 セブンは再びアイスラッガーを頭部から外す。そして自身の正面の空中へ制止させ…

「デァー!!」

 念力一発! アイスラッガーは猛烈な速度でヒッポリト・テンペラーの両星人に迫り、一瞬の内に両断していた。
それこそアイスラッガーにエネルギーを直接当てる事にる反動と勢いで敵を切断するウルトラノック戦法!

「デュァー!」

 さらに腕をL字に組んだワイドショットで跡形も無く消滅させていた。 

 そうして宇宙百合厨軍団を壊滅させたセブンはその場に立ち、大空を眺めていた。

「私の仕事はここまでだ。後は君達の手にかかっている。後は…任せたぞ。デュア!!」

 セブンは未だ各地で百合ショッカーと戦う勇士達の武運を祈り、その場から飛び去った。
百合ショッカーに協力する宇宙人は倒したが、光の戦士である彼が本来人間同士の争いに介入するべきでは無いからだ。

 こうしてこの世界におけるセブンの戦いは終わった。そして宇宙へ、己の故郷たる光の国へ帰還するセブンの手には
彼がメロンブックスの世界で購入したなのは×ユーノ同人誌が入った袋が握られていたと言う。
254 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/03/30(水) 21:14:42.13 ID:NECA/AvF
ただの偶然なのか、実は都築先生も狙ってたのか、私個人の勝手なこじつけなのか
リインとアギトってライダーで例えるとG3とアギトの関係に近いんですね〜。
問題があるとするならギルスに相当する人がいないと言う事でしょうか。
いつか出て来ないかな〜そういう人…。
255一尉:2011/03/30(水) 21:49:45.47 ID:ghAcZvwl
支援
256名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 00:28:11.98 ID:EtkXpf6V
>>254
特に近くもないからただのこじつけだよ。気にすんな。
むしろどこが似てんの?
257名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 19:13:54.07 ID:bvEMXf5G
アギトの製作者はエトナ様のファンだったとしか思えない
258名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 20:40:53.29 ID:WtNWRL24
エイプリルフールだからウソ予告投下しても怒られない!

よね?

50分くらいから。
259 ◆9AuJCD5Ft6 :2011/04/01(金) 20:50:30.53 ID:WtNWRL24
ハイ今から嘘つきまーす!

ぎんがのはての そのまたはしっこ
きらきらひかるほしに ちいさなくにがありました
プププランドとよばれるそのくには あきれかえるほどへいわなくにで
みんな おいしいものをたべたり おひるねしたり あそんだりして くらしていました

でも そんなプププランドではめずらしく ぶきをもった けんしがいました
メタナイト というなまえのそのけんしは いつもけんのれんしゅうをしていました
カービィというわかものにまけてから メタナイトは れんしゅうをかかしたことがありませんでした

あるひ メタナイトはおもいました

(このままれんしゅうばかりしていても つよくなれない!
 しゅぎょうをして もっとつよくならなければ!)

メタナイトは ぶかのメタナイツや だいおうさまにたのんで
しゅぎょうのじゅんびを してもらいました
カービィのぼうけんをたどる しゅぎょうです

だいおうさまを かるくのし
おおきなとりを けりおとし
だいどうくつを つきぬけて
じぶんのふねを うちおとし

メタナイトは しゅぎょうをつぎつぎこなしていきました

でもメタナイトは まだまだものたりません
メタナイトは うちゅうへとびました
ねがいをかなえる だいすいせいをよびだすためです

ほしをつなぎ だいすいせいをよびだしたメタナイトはねがいました

「わたしは もっとつよくなりたい!
 ぎんがさいきょうのせんしと たたかわせてくれ!」

だいすいせいは ふういんされていた ぎんがさいきょうのせんしを
ふういんからときはなって たたかわせてくれました

せんしはとてもつよく メタナイトも しゅぎょうのなかでみについたちからを
すべてつかわなくてはならないほどでした
260 ◆9AuJCD5Ft6 :2011/04/01(金) 20:52:41.40 ID:WtNWRL24
しかし たたかいはいつかおわるものです
メタナイトが こんしんのちからで はなったたつまきが
せんしのからだをひきさき ついにせんしはちからつきました

ぎんがさいきょうのせんしをたおしたことで 
メタナイトはしゅぎょうのせいかをじっかんでき とてもまんぞくそうでした

しかしそのとき たいへんなことがおきました
ぎんがさいきょうのせんしをたおしたことで 
せんしのからだにたまっていたちからが だいぼうそうをはじめたのです!

ちからは うちゅうくうかんをひきさき おおきなさけめをつくりました
さけめはまわりのものを ぐんぐんすいこみます

メタナイトは あわててにげようとしましたが とうとうすいこまれてしまいました
メタナイトをすいこんださけめは しずかにとじ 
うちゅうは なにごともなかったように しずかになりました


「ぐっ……わたしはいったい……」
メタナイトが目を覚ますと、周りは見たことも無い森でした。
自分の体を見回しましたが、特に異常は無いようでした。

「ここはどこなのだろう……プププランドではなさそうだが」
そう思いながら歩いていくと森を出ました。
木々の生い茂る山が軒を連ねる山岳地帯です。

「あの建物は……やはりここはポップスター以外の星か……!」
山々の向こうに見たことも無い形のビルが立ち並んでいるのを見て、
メタナイトはここが自分の良く知る場所でないことを確信します。

ふと、山の間を見ると電車らしきものが走っているのが見えました。
しかし、なんだか様子が変です。メタナイトは目を凝らします。

「何かが……戦っている?」

そうです。遠くてよく見えませんが、電車の周りで誰かが戦っていたのです。
そうと分かると、メタナイトは自分がワクワクしているのに気づきました。
新たな戦いの予感が、彼の体を突き動かそうとしていたのです。

「どうやら……わたしの修業はまだ、終わっていないようだ!」
そう呟くと、メタナイトは腰から宝剣ギャラクシアを抜き、
翼を広げ、新たな戦場へと飛び立って行くのでした。

メタナイトでゴー!ストライカーズ
ぷろろーぐ『ねがいはせかいをこえて』 つづきません
261 ◆9AuJCD5Ft6 :2011/04/01(金) 21:00:32.13 ID:WtNWRL24
……あ、リリカルキャラ出てきてないorz
262 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:03:07.08 ID:R9JOGp0L
一時間経過したので書いても構いませんね?
テンプレの方でも30分以上が目安と書いてありますし。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・ウルトラシリーズ
・恋姫無双

後十分位したら投下します。
263なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:13:44.92 ID:R9JOGp0L
 12:百合ショッカー四天王の最期編

 百合ショッカーアジト前広場で百合ショッカーに吸収されていたスナッキー部隊と仮面ノリダー、めちゃイケライダーマンは
さながらコントまがいの戦いを繰り広げていたが、まあそれ以上他に言う事は無いのでここは割愛するとして、
百合ショッカーアジト内の第一フロアではユーノ・クロノの変身した仮面ライダーW・サイクロンジョーカーことユノクロWが
シャドームーンの命によってゴルゴム本隊からやって来たフェレット怪人と激闘を繰り広げていた。

「これでも食らえ!」

 ユノクロWはジョーカーメモリによって高められた身体能力を生かし、フェレット怪人に拳を打ち込んでいくが、
フェレット怪人に対して決定的なダメージを与えられずにいた。

「こんな温いパンチなんて効かないキュー!」
「うぁ!」

 逆にフェレット怪人の前足で叩き飛ばされてしまうユノクロW。どうにか壁を踏む形で壁への衝突を防いだが
フェレット怪人のタフネスとパワーは甘く見れぬ物があった。

「おい、フェレットってあんなに強い動物だったのか? これはもうお前をフェレットもどきと馬鹿に出来なくなるな。」
「それはどうも。フェレットって愛玩動物と言うイメージあるけど元々狩猟用として使われていた動物だからね。
それに見掛け以上に頑丈で、ラフに扱っても平気と言う点がペットとして飼い易いと言われる所以の一つになってる。」
「やっぱ甘く見れないな…フェレットって…。」

 ユーノの説明もさる事ながら、フェレット怪人の強さをその身で味わっているクロノはフェレットの
持つ恐ろしさを強く実感していた。

「まさかフェレットがあんなに恐ろしい動物だったなんて思っても見なかった。」
「それはそうと、どうする? 確か仮面ライダーWは色んなメモリを組み合わせて色んな形態になれると聞いてるけど…。」
「よし、それでとにかく強力なパワーを出せる形態になろう。」

 仮面ライダーWは複数のガイアメモリを持ち、その内の二つを組み合わせる事により
二種類の能力を兼ね備えたそれぞれの形態になる事が出来る。今ユノクロWが取っているサイクロンジョーカーも
風を操るサイクロンメモリと、身体能力を高めるジョーカーメモリの組み合わせによる物である。
しかしそれもフェレット怪人のタフネスには通用しにくいと悟り、もっとパワーのありそうな形態になろうと考えていた。

「よし、ならヒートメタル辺りになるか。」
「フェレットは寒さには強いけど暑さには弱いと言うし…それしか無いよね? って言いたい所だけど…
何でかな…他のガイアメモリが見当たらないんだけど…。」
「え?」

 ユーノに言われてクロノは嫌な予感を感じた。そう、今ユーノとクロノが仮面ライダーWになっているのは
そもそもディエンドにダブルドライバーをライドしてもらった結果に過ぎない。それ故、他の形態になるには
ディエンドにフォームライドしてもらう必要があったのだ。

「何ゴチャゴチャ言ってるキュー!」
「うああああああ!!」

 再びフェレット怪人に叩き飛ばされ、今度は思い切りユノクロWも壁に叩き付けられてしまった。
264なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:14:55.02 ID:R9JOGp0L
「くそ〜…サイクロンジョーカーの力しか出せ無いなんて仮面ライダーWの意味無いじゃないか…。」
「キュッキュッキュッ! 付け焼刃のライダーの力なんてその程度だキュー。」

 壁に寄りかかる形となるユノクロWの姿に笑うフェレット怪人。しかし、ここでユーノはある事に気付いていた。

「確かにそうだ。僕達はあの青いライダーの人の力で一時的にWの力を与えられただけで、本当に仮面ライダーWに
なったわけじゃないんだ。なのに僕達はそのライダーの力に頼りきった戦いをしてしまって…
それじゃあこんなざまになって当然だ。僕達はあくまでもユーノ=スクライアと…。」
「クロノ=ハラオウン…か…。僕とした事が大切な事を忘れてしまっていた様だ。」

 ユノクロWはゆっくりと立ち上がる。しかし、それを再び叩き飛ばさんとフェレット怪人が襲い掛かっていた。

「何を当然の事を言ってるキュー! さっさと死ねキュー!」

 フェレット怪人の前足の鋭い爪がユノクロWを切り裂く…と思われたその時、その前足が止まっていた。

「何キュー!?」
「これが僕達の本当の持ち味だ!」

 フェレット怪人の前足の爪がユノクロWを切り裂けなかった理由…それは爪が届く前に
ユーノ・クロノの両人の力によって発生したバインドがフェレット怪人の前足を止めていたからだった。

「続いてチェーンバインド!」
「キュ!?」

 さらにユノクロWの右半身側からチェーンバインドが放たれ、忽ちの内にフェレット怪人に巻き付くと共に
ユノクロW自身もそのチェーンバインドを両手で強く握り締めていた。

「それ! 行くぞ!」
「キュゥゥゥゥ!?」

 ユノクロWはフェレット怪人に巻き付くチェーンバインドを強く引っ張り、引き締めて行く。
そうなればチェーンバインドがフェレット怪人の身体に強く食い込み、ねじ切らんばかりの勢いとなっていた。

「キュッキュッキュゥゥゥ!」
「どうだ苦しいだろう!」

 このバインドを利用した攻撃こそユーノ・クロノの持ち味と言える。しかしこれだけではまだフェレット怪人を倒すに至らない。

「フェレットの弱点はお見通しだ!」

 ユノクロWはあえてチェーンバインドを解除しつつフェレット怪人目掛け跳びかかった。そして右拳が大きく振り上げられる。

「さっきみたいに縛り付けてれば良かった物を…お前馬鹿キュ!? そんな貧弱な拳なんて弾き返してやるキュー!」

 フェレット怪人は己のタフネスでユノクロWの拳を受け止め弾き返さんばかりに胸を張っていたのだったが、
ユノクロWの拳が打ち込まれたのは胸でも腹部でも無く…鼻だった。

「キュッキュゥゥゥゥゥゥ!!」

 するとどうだろうか。あのタフネスを誇っていたフェレット怪人が鼻を押さえてのた打ち回り始めた。これはどういう事か?
265なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:16:54.85 ID:R9JOGp0L
「フェレットは鼻を叩かれるのを嫌がる! 何しろフェレットを躾ける時にも鼻叩きが有効な位だからね!」

 ユノクロWの内のユーノの部分が力強くそう解説していた。そう、自分より大きな人間にもみくちゃにされても
平気な程にタフなフェレットも、鼻を叩かれるのは凄く嫌がるのである。それはフェレットに対する躾けとして使われる程。
故にその名の通りフェレットを基にしているフェレット怪人も同様の弱点であると察していたのであった。

「それそれ! もっと行くぞもっと行くぞ!」
「キュッキュゥゥゥ! やめるキュゥゥゥゥ!」

 ユノクロWはさらにフェレット怪人の鼻へ何度も拳を打ち込んだ。他の部位へ打ち込むには軽い攻撃であったが、
前述の通り鼻を叩かれる事を嫌うフェレット怪人にはどんな重い攻撃よりもダメージの大きな物だった。
これがペットのフェレットに対する躾けならば、やりすぎるのも良くないのだが、これは戦いである。
相手の嫌がる事をどんどんやらねば勝利はおぼつかない。

 しかし、問題が無いわけでも無かった。フェレット怪人と五分に戦う事が出来てもやはり決定打に欠けるのである。
ユーノにせよクロノにせよ仮面ライダーWサイクロンジョーカーにせよ、控えめのパワーをテクニックでカバーするタイプ。
凄まじいタフネスを誇るフェレット怪人を倒し切るにはやはりパワーが決定的に欠けていた。

「さて…どうするか…。このまま鼻を叩き続けたって倒す事は出来ないし…。」
「バインドで縛った所で…って事もあるからな。」

 ユノクロWは如何にすればフェレット怪人に決定打を与える事が出来るか内心悩んでいたのだったが、そんな時だった。

「ならばここは僕にお任せさ。」
「うわぁぁぁ! ビックリした!」

 ここで突如として何処からとも無くディエンドが現れたのでる。おかげでユノクロWもビックリだ。
しかし、彼は構わずに一枚のカードをディエンドライバーに差し込んでいた。

『カメンライド! ブレイド!』

 ディエンドのカメンライドによって仮面ライダーブレイドが出現、標準装備の醒剣ブレイラウザーを振りかざし
フェレット怪人目掛けて激しく斬りかかっていた。

「おお! アイツと一緒に攻撃すればいいんだな!?」
「残念。それはちょっと違うんだ。」
「え?」

 ディエンドはさらなるカードをディエンドライバーに差し込むと共にその照準をブレイドの背へ向けていた。

『ファイナルフォームライド! ブブブブレイド!』
「痛みは一瞬だ。」

 その直後だった。何とブレイドが大剣ブレイドブレードへと変形していたのだった。

「さあこれを使って奴を斬り倒すんだ。」
「え〜〜〜〜〜?」
「良いのか…と言うか大丈夫なのかこれ…。」
266なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:18:15.26 ID:R9JOGp0L
 ディエンドからブレイドブレードを手渡されるも、ユノクロWは躊躇してしまっていた。
確かに見た目は巨大で破壊力のありそうな剣ではあるが、あくまでも仮面ライダーブレイドが変形した物である。
人一人を振り回して相手を殴り付ける様な物で、人としてそれはやっていい事なのかと悩むのも仕方の無い部分があった。

「何ブツクサ言ってるキュー! 今度はこっちの反撃キュー!」
「うわ!」

 ユノクロWがブレイドブレードを使う事に躊躇する事は、すなわちフェレット怪人に反撃の機会を作る結果に繋がり
この通りフェレット怪人の体当たりでユノクロWもブレイドブレードも壁まで吹き飛ばされてしまった。

「ほら言わんこっちゃない。しっかりやらないと負けちゃうよ。頑張ってね。」

 ディエンドはまるで他人事の様にそう言いつつ何処へ立ち去ってしまったが、フェレット怪人の脅威は
依然としてユノクロWへ迫りつつある。これは腹をくくってブレイドブレードを使うしか無かった。

「仕方ない…これを使おう。」
「とは言え、こんな大きい剣じゃどうしても攻撃は大振りになる。果たして奴に当てられるか?」

 ブレイドブレードを使うにしても、並の剣より大きく重い故にどうしても攻撃は大振りになってしまう。
その為に動きの素早いフェレット怪人に回避されてしまう危険性も考えられた。だが、ここでユノクロWの内に
ユーノとしての部分がある事を思い付いていた。

「そうだ! これでどうだ!」

 ユノクロWはブレイドブレードを地面に置きつつ再びチェーンバインドを出した。
しかし、それはフェレット怪人を縛り上げる為では無い。あえてフェレット怪人の眼前に垂らし、
それを左右に振り動かし始めたのだった。

「キュキュキューッ!」

 するとフェレット怪人は何かに惹かれる様に左右に振られるチェーンバインドに掴みかかっていた。
フェレットは好奇心旺盛でいたずら好きな性格。故に動く物に対して興味深く跳びかかったりする。
故にユノクロWはそれを利用してフェレット怪人の目を釘付けにしていたのだった。さらに………

「行くぞ! これでトドメだぁぁぁぁ!」
「キュ!?」

 フェレット怪人が気付いた時には既に遅かった。チェーンバインドに気を取られている隙に
ユノクロwはブレイドブレードを高々と振りかざし、一気に振り下ろしていたのだった。

「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「キュゥゥゥゥゥゥ!?」

 ブレイドブレードは『不死生物』と言われるアンデッドさえも構わず爆殺する程の威力を持つ。
その切っ先が思い切りフェレット怪人の急所であった鼻に命中し、そのまま一刀両断。
忽ちの内に爆殺していたのであった。

「所詮…フェレットでしか無かったか。」
「クロノ…勝ったのを良い事にまたフェレットを馬鹿にし始めて…。」

 勝利を決めた後のクロノの台詞にユーノも眉を細めていたが、これでユノクロWの勝利が決まった。
そしてブレイドブレードもカメンライドの解除によって消滅し、ユノクロWは正面の通路を見つめていた。

「よし、他の皆が心配だ。僕達も後を追おう。」
「分かった。」

 何時までも勝利の余韻に浸れない。ユノクロWは大急ぎでハードボイルダーに乗り、先へ進んだ仲間の後を追うのだった。
267なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:19:40.08 ID:R9JOGp0L
 ユノクロWとフェレット怪人の戦いが繰り広げられていたフロアよりももっと奥のフロアでは、
クウガと百合ショッカーによって巨大に改造されたクリスの激闘が繰り広げられていた。

「はっ!」

 クウガのパンチが巨大クリスへ向けて勢い良くに打ち込まれるが、巨大クリスは動じていなかった。

「なっ! コイツ…効いてないのか!?」

 そのぬいぐるみ然とした外見からは想像も出来ない程のタフネスを巨大クリスは持っていた。
パンチ力三トンを誇るクウガマイティフォームの打撃を真っ向から受けても動じていないのだからなおさらである。

「くそっ! ならば効くまで殴ってやる!」

 クウガは巨大クリスへ向けてパンチの連撃を見舞った。矢継ぎ早に放たれる強力パンチの嵐が巨大クリスの身体へ打ち込まれ、
その身体へ食い込んで行くのだが…ぬいぐるみ然としたボディーに衝撃を吸収され、やはりダメージになっていなかった。

「この! この!」

 それでも必死に殴り続けるクウガだったが、何時までも続かなかった。巨大クリスの右手が振り上げられ、クウガを叩き飛ばしていたのだから。

「うあぁ! 可愛い顔して何てパワーだ…。」

 巨大クリスはその可愛らしい顔に反してクウガさえ軽々叩き飛ばしてしまうパワーを持っていた。
こんな物、生身の人間が食らったら即死は必死である。

 悠々と歩み迫ってくる巨大クリスにクウガも思わずたじろいでしまっていた。

「くそ…どう見てもウサギのぬいぐるみにしか見え無いと言うのに…。ってか一体どういう仕組みで動いてるんだ!?」

 巨大クリスはどう見ても巨大なウサギのぬいぐるみにしか見えない。しかし、それが歩いたり攻撃したりして来るのだから
その光景はシュールかつ恐ろしい物となる。故にクウガとしての攻めどころが掴めず困惑せざる得なかった。

「どうする? 超変身しようにも、ここには棒も銃も剣も落ちてないし…。」

 クウガはベルトであるアークルに内蔵された霊石アマダムの力で棒・銃・剣等を変化させる事によって射撃能力を持ったペガサスフォーム、
身軽さと棒術を得意とするドラゴンフォーム、剣と頑丈さを取り得とするタイタンフォームに超変身する事が出来る。
しかし、残念ながらこの部屋の何処にもそれに利用できそうな物は無かった。

「アルティメットになればアレにもダメージを与えられるかもしれないが…そんな事をすれば俺自身が究極の闇になってしまう…。」

 さらにクウガにはアルティメットフォームと呼ばれる最強の形態が存在する。それはパンチ力が80トンにまで跳ね上がる等、
平成仮面ライダーとして最強と呼び得るスペックを持つ。しかし、アルティメットの力は制御を誤ればそれ自身が究極の闇を
もたらす存在となってしまう。皆の笑顔を守る為に戦う彼にとってそれは避けねばならない物だった。
268なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:20:57.13 ID:R9JOGp0L
「考えるんだ! このままであのウサギのぬいぐるみ怪人を倒す方法を考えるんだ!」

 クウガは基本のマイティフォームのままで巨大クリスを倒す方法を必死に考えた。決して筆者が持ってるクウガ関連は
フィギュアーツのマイティフォームだけで他の形態にそんな愛着が無いからでは無いが、とにかく何とかして巨大クリスの
ぬいぐるみの身体を持つが故に打撃のダメージを吸収してしまう身体を突破せねばならなかった。

「よし! 打撃がダメならこうだ!」

 クウガは巨大クリスに殴りかかるのでは無く掴みかかると共に腕を強く捻った。当身では無く関節を攻める事によって
ダメージを与える、もしくは関節自体をダメにして動きを封じる作戦に出たのである。が…巨大クリスには効いていなかった。

「関節もダメなのか!? もしかして本当にタダのぬいぐるみなのか…? だとするとますます何故動いてるのか分からなく…。」

 中の骨組みの入っていないぬいぐるみをひん曲げたりしても何もならないのと同じ様に、巨大クリスには関節技も通じなかった。
であるにも関わらず自律行動可能な巨大クリスの構造にますます疑問を持っていたクウガだったが、その隙を許す程
巨大クリスは優しくは無かった。

「うっ!」

 巨大クリスはその巨体からは想像も出来ない跳躍力でクウガ目掛け跳び、体当たりを仕掛けていた。
そのぬいぐるみ状の身体からは想像も出来ない程重い一撃。まるで鋼鉄の塊がぶつかって来た様ですらあった。
忽ちクウガは壁に強く叩き付けられてしまう。

「うあぁ!」

 巨大クリスの強烈な力で壁に打ち付けられたクウガは壁に寄りかかる形でうな垂れてしまう。しかし、そんな時に彼はある事に気付いた。

「奴の体当たりを受けた時、一瞬奴の中心部に強いエネルギーを感じた。」

 霊石アマダムから与えられた人間を超えた感覚力があればこそ感じる事の出来た事だった。巨大クリスは元々ただのぬいぐるみでは無く
ぬいぐるみの中にデバイスを込めて動く様にした代物。その中心部に存在する元のデバイスの存在に気付いたのだ。

「そこをに直接攻撃出来ればあるいは…しかし…出来るのか?」

 確かに巨大クリスの弱点と思える場所は分かった。だが、先程の攻撃によるダメージは大きく、上手く動く事が出来ない。
そして巨大クリスは完全にトドメを刺してしまおうと再び跳躍し目前まで迫っている。まさに絶対絶命の危機。
だが、ここでクウガはある作戦を思い付いていた。

「死中に活あり! こうなったら奴自身の力を利用するまでだ!」

 クウガは巨大クリスへ脚を向けた。そして足先にエネルギーを集中させて行く。自分自身が高々跳び上がって蹴りを放つ
体力が無いのならば、逆に巨大クリスの突進力を利用するまで。だがこれは一種の賭けと言えた。巨大クリスの体当たりによって
今度こそ潰されてしまうかもしれないからだ。とは言えもはや悩んでいる暇は無かった。

 それは一瞬の出来事だった。巨大クリスの猛烈な速度と勢いよる体当たりはまずクウガの突き出された足を命中し、
それによって足先にエネルギーの集中されたクウガの足が巨大クリスの身体に強く食い込んで行くと共に内部の
本体たるデバイス部分を砕いていたのだった。忽ちの内に巨大クリスは機能を停止し、ただの大きなウサギのぬいぐるみと化した。

「ハァ…やった…キツイ戦いだった…。」

 辛くも勝利を決めたクウガは巨大クリスから足を引き抜くと共にヨロヨロと立ち上がり、トライチェイサー2000へ歩み寄って行く。

「早く士達の後を追わないと…。」

 勝利の余韻に浸っている暇は無い。一刻も早く先に進んだ皆の後を追わねばならなかった。
269 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/01(金) 22:25:12.05 ID:R9JOGp0L
今回はここまで。四天王の内の二人を消化。次回後半に続きます。


>>256-257
分かりませんか?
ならば私が分かりやすく説明しましょう。

仮面ライダーアギト→炎を司るエルロードが人間に与えた自身の力が純粋に反映された存在
アギト→古代ベルカ純正のユニゾンデバイス・炎に関連した魔法が得意

あ〜らそっくり〜!

仮面ライダーG3→未確認生命体4号研究に基いてる部分あるけど、あくまでも現代人が現代科学で作った特殊スーツ。
リインフォースU→リインフォースTが残したデータ等を基にしてるけどあくまでも現代人・現代技術によるユニゾンデバイス。

あら不思議! こんなにも似てるのは凄い偶然としか思えな〜い!

とまあこんな調子で、一見共通点の欠片も無い全然違う物の様でいて両者のバックボーンには結構通じる部分があるんですね〜ハイ。
270名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 22:31:08.90 ID:zdNZotev
その小馬鹿にしたような言い回し止めた方がいいですよ
正直ウザいだけでしかないから
271名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/01(金) 23:00:06.91 ID:uBtTO5vr
只のかまってちゃんだろ。とっとと終わらせて消えてくれるのを祈る
272名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/02(土) 12:48:56.13 ID:QmG5ecZV
餌やらずにスルーすれば良いじゃない
273名無しさん@お腹いっぱい:2011/04/02(土) 14:02:37.50 ID:N+Q8+m4p
>>259
久々にカービィクロスSS出たと思ったら、メタナイト卿、メタナイト卿じゃないか!!
続かないのが残念だ;
個人的には、かいけつゾロリ、がんばれゴエモン、ニャンダー仮面あたりもクロスしてほしい
274名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/02(土) 14:39:04.86 ID:AqatcK8i
>>261
カービィ投下乙です
まさかのメタナイトで来たか!
カービィの雰囲気踏襲したプロローグでなんか笑顔になったわw
気が向いたら続きも書いてくれると嬉しいです。是非読んでみたいw
275 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 09:50:12.50 ID:4ZsmiVZj
10時以降に投下します。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・ウルトラシリーズ
・恋姫無双
276なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:00:51.16 ID:4ZsmiVZj
 クウガと巨大クリスの戦いが繰り広げられていたフロアよりもさらに奥のフロアでは、仮面ライダーBLACKと
ダークプリキュアが激闘を繰り広げ、部屋の隅でバトルホッパーに守られた朱里ちゃんがはわわはわわしている光景が見られた。

「その漆黒の身体…貴様も闇の者であろう!? なのに何故邪魔をする!?」
「黒がが何でも闇を象徴する色だとするならそれはただの偏見だ!」

 ダークの拳を加えた主張に対し、BLACKは裁きながら反論する。そもそもBLACKが黒いのは
原作者の石ノ森章太郎先生いわく、確かに黒は闇・悪の象徴にされる色だけども、その一方で一番強い色でもあるから
力の象徴として黒を選んだとの事。と、仮面ライダーBLACK開始前の特番インタビューでそうおっしゃっておられた。

「何だと!? だがお前からはシャドームーンと同じ物を感じるぞ!!」
「同じで当然だ! 俺も奴同様にゴルゴムによって世紀王ブラックサンとして改造された者だからな!」
「世紀王…ブラック…サン…黒い…太陽…。」

 さらに加わるダークの主張を加えた拳をBLACKは裁き、やはり反論する。しかしダークの主張は終わらない。

「ならますますおかしいでは無いか! 何故邪魔をする!!」
「そうだ! 俺は確かに世紀王として改造された! だが俺はその運命を拒みゴルゴムから脱出し、
世紀王ブラックサンとしてでは無く仮面ライダーBLACKとして戦う事を決めたのだ!!」
「うっ!」

 BLACKの拳が思い切り突き込まれ、ダークプリキュアの掌で受け止めるガードも空しくそのガードしたまま
壁まで吹き飛ばされ強く打ち付けられていた。しかし、ダークはよろめき立ち上がりながらも笑っていた。

「そうか…お前とシャドームーン……私とキュアムーンライトの様な物……か………。ならば…とやかくは言わん! 敵としてお前を倒すのみ!!」

 直後、左半身にのみ生えた漆黒の翼を羽ばたかせ、ダークプリキュアは跳んだ。物凄い超速。それは一瞬にして
BLACKに肉薄すると共に速度を生かした体当たりでBLACKを弾き飛ばし、向こう側の壁にまで一撃離脱すると共に
再度BLACKへ突撃して弾き飛ばすと言う攻撃を行っていた。

「くっ! ぬぁ!」

 屈強なゴルゴム怪人の攻撃にも耐えてきた強化皮膚リプラスフォームを持つBLACKがゴム毬の様に
楽々と弾き飛ばされて行く。やはり恐るべきはダークプリキュアのスピードとパワー。

「はわわ! はわわ!」

 そして部屋の隅でバトルホッパーに守られながらもはわわはわわしていた朱里ちゃん。しかし、例えディエンドに
ライドされる形で呼び出された言わば複製とも言える存在であっても、この場を何とかしようと必死に考えていた。

「はわっ! そ…そうだ!」

 はわわはわわしながらも朱里ちゃんは何か考え付いた様でバトルホッパーに何か細工を始めていた。

「うあ! くっ! 防御が間に合わない!」
「どうだ! このまま切り刻まれてしまえ!」

 さながら闇の流星とも言うべき姿となったダークプリキュアの超速攻撃に翻弄されていくBLACK。
防御しようとしても、ダークプリキュアはその超速で死角に回り込んで攻撃をして来る為に意味は無かった。
277なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:01:53.63 ID:4ZsmiVZj
「遊びはここまでだ! これで貴様も終わりだ! ダークタクト!」

 ダークプリキュアの手にダークタクトが握られ、そこから闇が放たれる。

「ダークパワー! フォルテッシモ!!」

 ダークプリキュアの必殺技、ダークパワーフォルテッシモが発動した。闇を纏い敵に突っ込み貫くと言う荒技。
『ハートキャッチの世界』におけるプリキュアが必殺技にするフローラルパワーフォルテッシモのダーク流とも言うべき物で、
本来浄化を目的とするそれとは違い、ダークパワーフォルテッシモは破壊を目的とする恐怖の技だった。
それでBLACKを一気に倒してしまおうと言うのである。

「これで…終わりだ!!」

 ダークはBLACK目掛けて全力で加速していく。BLACKもここまでか…と思われたその時だった。

「ぬぐぁ!?」

 ダークの加速が止まった。突然ダークの眼前に縄が張られ、その縄に上手い具合にダークの首が引っかかり止められてしまったのだ。
荒縄がダークプリキュアの首に強く食い込み、床に倒れこむと共にのた打ち回り始めた。

「くぁ! けほっ! ぬぐぁ!!」
「何が起こったんだ…。」

 首を押さえてのた打ち回り続けるダークプリキュア。あれでは息をするのも苦しかろう。
BLACKは一体何が起こったのか…何故あんな所に縄が張られていたのか分からずポカーンとしていたのだが、
良く見ると壁の隅に置かれたバトルホッパーに縄が結び付けられており、それを向かい側の壁の前に立つ朱里ちゃんが
力一杯引っ張って縄を張ると言う形を取っていたのである。

「み…見ていられませんでした…邪魔でしたか?」
「孔明の罠ならぬ孔明の縄…と言う事か…。」

 士の言った通り。朱里ちゃん連れて来て良かったとここでやっと初めて思い始めていた。
やはりはわわはわわしてても彼女は諸葛亮孔明だった。だが、そうこうしている内にダークプリキュアは
再び立ち上がり始めていた。

「けほっ! けほっ! まだまだだぁ………今度こそは……。」

 ダークはまだ痛むであろう首を押さえながらも再びダークタクトを握ろうとしていた…が…BLACKはその隙を逃さなかった。

「させん! キングストーンフラッシュ!!」

 BLACKのベルト中央部からキングストーンの強烈な光がダーク目掛け放射された。

「うっまぶし!」

 キングストーンフラッシュの輝きはダークの漆黒のドレスさえ光り輝かせてしまう程の凄まじい発光だったのだが、
それだけでは無かった。ダークプリキュアの身体が霞んで行く様にすら見えた。
278なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:03:30.86 ID:4ZsmiVZj
「う…こ…これは…私の身体が…浄化されていく…?」

 キングストーンフラッシュが様々な効果を持つ事は知られている。そして今もまたダークプリキュアの闇を浄化していたのだった。

「今だ! ライダーパーンチ!」

 キングストーンフラッシュによって浄化されて行く事に気が向かれ、BLACKに対しての事が留守になった隙に
BLACKのキングストーンエネルギーを拳に集中させたライダーパンチがダークプリキュアに打ち込まれた。
しかしそれはダークプリキュアに物理的ダメージを与えるのでは無く、その闇を浄化させる意味を持っていた。そして…

「ライダーキィィィック!!」

 今度はキングストーンエネルギーが足先に集中され、高々と跳び上がったBLACKのライダーキックが
ダークプリキュアを大きく蹴り飛ばしていた。頭から向かい側の壁まで猛烈な速度で吹っ飛んで行くダークだったが…

「これで…今度こそ……死ねる…か……お父さん………。」

 壁に激突する前にその姿は光となって完全に消滅していた。

「……………。」

 ダークプリキュアの最期の姿にBLACKは勝利の喜びでは無く、複雑な気持ちで正面を見据えていた。
そんなBLACKに朱里ちゃんがゆっくり歩み寄る。

「あの人…あんなに痛そうな攻撃を受けたのに…最期は笑ってました…。」
「……………。」

 しかし何時までも感傷に浸っているわけにも行かない。先へ進んだディケイド・なのはの後を追わねばならい。
BLACKと朱里ちゃんは再びバトルホッパーに乗り込み先へ進むのだった。


 百合ショッカー本部の最深部、首領のいる部屋ではなのは・ディケイドの二人とシャドームーンの激闘が続けられていた。

 ライドブッカーソードモードを構えるディケイドはサタンサーベルを構えるシャドームーンと激しく鍔迫り合う。
しかしそれもシャドームーンに押し飛ばされてしまう。

「甘いわ!」
「くっ! ならば…。」
『カメンライド! 555! アタックライド! ファイズエッジ!』

 ディケイドは555のカードをディケイドライバーに刺し込み仮面ライダー555にカメンライドし、
さらに555専用剣であるファイズエッジを握り締めた。

「仕切りなおしだ!」
「姿が代わろうと同じ事だ。」

 ディケイド555はファイズエッジでシャドームーンに斬りかかるが、シャドームーンは
サタンサーベルで楽々に受け止めてしまう。だが、これはディケイド555も計算しての事だった。
シャドームーンがファイズエッジでの攻撃に気を取られている隙に、右脚に装備したファイズポインターで
シャドームーンに狙いを付け、555流ライダーキックであるクリムゾンスマッシュで一気に
倒そうと言う考えだったのだが…
279なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:05:00.00 ID:4ZsmiVZj
『ファイナルアタックラ…。』
「甘い!」
「何ぃ!?」

 何と言う事だろう。ディケイドライバーからの電子音はまだ途中だと言うのに、クリムゾンスマッシュを
放とうとしていたディケイド555の軸足を足で払い転がしていたのだった。

「その攻撃は既に見せてもらっている。私には効かんぞ。」
「士さん! アクセルシューター!」

 ディケイド555を援護すべくなのははアクセルシューターをシャドームーンへ放つ。無数の誘導魔力弾が様々な
方向からシャドームーンを襲うのだったが…

「シャドーフラッシュ!!」

 シャドームーンの腰に巻くベルト中央から強烈な光が放たれ、なのはのアクセルシューターが打ち消されてしまった。

「なっ! 光太郎さんと同じ技…。」
「当然だ。私もブラックサン同様にゴルゴムの世紀王として改造された者だからな。」

 仮面ライダーBLACKが元々は太陽の石キングストーンを与えられゴルゴムの世紀王ブラックサンとして改造された者である様に、
シャドームーンもまた月の石キングストーンを与えられ世紀王として改造された存在であった。故に彼もまた同様に
シャドームーン流キングストーンフラッシュとも言えるシャドーフラッシュを使う事が出来たのである。

「ならば…。」
『プリキュアライド! ムーンライト!』

 体勢を立て直したディケイドはキュアムーンライトにプリキュアライドし、直ちに再攻撃を開始した。
物凄い速度でシャドームーンへ接近し拳を打ち込もうとするディケイドムーンライトだが…

「キュアムーンライトはお前と同じ月影姓だ!」
「それがどうした。その攻撃も既に見せてもらっている!」
「うっ!」

 かつて百合ショッカーに操られていた頃のリンディにも打ち勝ったディケイドムーンライトだが、
シャドームーンには通じなかった。サタンサーベルによって斬り飛ばされ、斬られた箇所から火花を散らしながら
倒れてしまい、元の姿に戻ってしまうディケイド。
 
「士さん!」
「さて、そろそろ遊びはここまでだ!」
「あっ!?」

 直後だった。猛烈な速度でなのは目掛け肉薄したシャドームーンは、なのはを掌底で突き飛ばしていたのだった。
それには思わずなのはも尻餅を付いてしまうのだが、不自然だ。シャドームーンの力ならばなのはを拳の一撃で即死させる事も
造作も無いと言うのに、何故尻餅を付かせる程度の攻撃しかしなかったのか。

「殺しはしない。お前も後にいるフェイトと同じ様にしなければならないからな。」

 そう。シャドームーンの目的はなのはとフェイトの百合を復活させる事によって多くの百合厨からの支持を得ると言う形で
あらゆる世界を征服する事にある。その為にはなのはを五体満足で掌握せねばならないのだ。そしてシャドームーンは
なのはの顔面へ手を伸ばし、そのまま掴もうとしていた。
280なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:07:22.72 ID:4ZsmiVZj
「やめろ!」
「ええい離せ!」

 ディケイドは咄嗟にシャドームーンに掴みかかっていたが、直ぐにシャドームーンに振り払われてしまう。
未だ立ち上がれぬなのははこのままシャドームーンによって洗脳されてしまうと言うのか…と思われた時だった。

「待ちなさい!!」
「!?」

 シャドームーンの手が今まさになのはの顔面を鷲掴みせんとしていたその時、突然謎の声が響いた。
三人は声の聞こえた方向に思わず注目するのだが、そこには部屋の出入り口に立つ見覚えの無い二人組の姿があった。

「爪弾くはあらぶる調べ! キュアメロディ!」
「爪弾くはたおやかな調べ! キュアリズム!」
「スイートプリキュア!」
「誰だぁ――――――――――――――――――――!?」

 明らかに初めて見る様な不可解な乱入者にシャドームーンの驚愕の叫びが部屋中に響いた。
しかし驚いていたのはなのはとディケイドも一緒だった。

「あの二人も士さんが旅先で知り合ったお友達ですか?」
「知らん…俺も始めて見る奴だ…。」

 既にプリキュアの世界を旅して回っていたディケイドも彼女等の存在は知り得なかった様子。ならば彼女達は一体…

「いい年した大人がそんな恥ずかしげも無いコスプレして小さい子を襲おうとするなんて…絶対に許せない!」

 キュアメロディと名乗る謎の少女はシャドームーン指差してそう叫ぶ。忘れられがちであるが、今のなのはは
変身魔法で子供の姿を取って消耗を抑えねばならない位に疲弊していたりする。つまり姿は子供、中身は大人なのだが、
キュアメロディの目にはなのはを襲うシャドームーンの姿が、小さい子を襲う怪しいコスプレ男に見えたのだろう。

「ええい! 邪魔をするな! 誰であろうと邪魔者は消す!」

 シャドームーンも思わず取り乱し、まずはお前達を先に消してやると言わんばかりにキュアメロディとキュアリズム目掛け
襲い掛かるのだったが……

「ここで決めなきゃ女がすたる!!」
「ぬわ!」

 何と言う事だろう。なのはとディケイドが二人でかかっても敵わなかったシャドームーンがキュアメロディによって
軽々と蹴り飛ばされていたでは無いか。しかし、ここでさらにキュアリズムが追い討ちを掛ける。

「気合のレシピ見せてあげるわ!」
「うお!」

 今度はキュアリズムの拳がシャドームーンを弾き飛ばす。そして最後は二人が横に並び、手と手を繋ぎ正面へ突き出した。

「プリキュア! パッショナートハーモニー!!」
「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 キュアメロディとキュアリズムのそれぞれの手から放たれたエネルギー波がシャドームーンを命中し、そのままシャドームーンは
天井を突き破ってどっか飛んで行ってしまった。そして格好良く勝利のポーズを決めようとしていた二人であったがそこで何か
また変な猫みたいなのが出て来た。
281なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:08:51.05 ID:4ZsmiVZj
「もうこんな所にいたのかニャー!? 早く行くニャー!」
「ごめんごめんハミィ!」
「じゃ、二人とも…バイバイ。」
「……………………。」

 猫みたいなのに言われるままに出入り口を通ってそそくさと何処へ立ち去ってしまったスイートプリキュアの二人の不可解な行動に、
なのはも思わずあんぐりと口を空ける事しか出来なかった。

「スイートプリキュア…いずれ奴等の世界にも行く事になりそうだな…。」

 ディケイドは表面的には平静を装いつつも内心動揺しながらそう呟いていたのだが、その後で直ぐに首領の椅子に座ったフェイトへ顔を向けた。

「さあ、後はコイツを何とかするだけだな。」
「うん。」

 体勢を立て直し、なのはとディケイドはそれぞれフェイトへ向けて構える。それに対し、今まで微動だに
していなかったフェイトが始めて立ち上がり、バルディッシュを構えて一歩一歩歩み始めていた。

「なのは…愛してる…。」
「聞いたか今の台詞…。こりゃ思った通り完全に操られてるな。」
「うん。フェイトちゃんはあんな事言わない。」

 フェイトは本心から百合ショッカー首領をやっているわけでは無い。あくまでも百合厨の支持を得る為の傀儡として
首領に祭り上げられているだけの事だった。そういう意味では楽な相手と言えるが、それでも腐ってもフェイト。その実力は侮れない。

「洗脳を解けば良い…と口で言うのは簡単…とは言え気が抜けんな。」
「フェイトちゃんの強さは私が良く知ってるから…。」

 百合ショッカーによって洗脳され、瞳からハイライトの消えたフェイトはバルディッシュを握り飛んだ。

「なのはぁ! 私と愛し合おう!?」
「親友として友情を深めるのなら構わない! けど…レズビアンの真似事なんて御免だよ!」

 愛してるとか言いながら思い切り殺す気満々でバルディッシュを振り下ろして来るフェイトに
なのははレイジングハートでどうにか受け止めるが、パワー負けは否めなかった。何しろ今のなのはは
前述の通り、子供の姿を取って省エネしなければならない位に疲弊していたし、子供の姿を取った時点で
筋力的意味でも弱体化してしまっていたのである。それに対しフェイトは強力な魔力を持つ上、胸部に大きな
デッドウェイトを二つも抱えていながら超高速戦闘を可能にする程の筋力を兼ね備えていた。

「なのは! 距離を取れ! 接近戦じゃどう考えてもお前が不利だろ!」
「う…うん!」

 ディケイドはライドブッカーガンモードを連続で撃ち放ち牽制、フェイトを足止めしつつなのはを後方に
下がらせると共にライドブッカーをソードモードに変形させフェイトのバルディッシュによる斬撃を
受け止めようとしたが…その時、フェイトのバルディッシュを通して超高圧電流がライドブッカー・ソードモードへ
伝わり、ディケイドの全身を駆け巡った。

「うぉぉぉぉ!!」
「そんな鎧を着込むなんて私に対しては自殺行為だよ!」

 それはフェイトの得意とする電撃系魔法。バルディッシュから放たれる魔力の刃に高圧電流を帯びさせる事で
触れる物全てを感電させる代物だったのだ。ディケイドのディヴァインオレの装甲も、一応はただ単純に物理的防御力に
優れるのみならず電磁波や各種エネルギーを遮断する性能を持っているが、それでも完全に防ぎ切れない程の
高圧電流であったらしく、思わずディケイドの全身がスパークを起こしてしまう程であった。
282なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:10:41.49 ID:4ZsmiVZj
「それそれ! 感電死しちゃえ!」
「うぉぉぉぉ!」
「士さん! フェイトちゃんやめて!」

 フェイトの電撃系魔法が情け容赦なくディケイド目掛け撃ち込まれて行き、その度にディケイドの全身を
激しいスパークが流れ起こって行く。しかし、ディケイドはそれに苦しみながらもライドブッカーから
一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーに差し込んでいた。

「電撃には電撃だ。」
『カメンライド! ストロンガー!』

 直後、ディケイドの姿が仮面ライダーストロンガーに変わった。それと共にフェイトの放つ電撃系魔法を
吸収し自身のエネルギーへ変えて行く。

「え!?」
「コイツは電気を使うのが得意なライダーでな。この程度の電圧じゃむしろエネルギーにされるだけだぞ。」

 そう。仮面ライダーストロンガーは元々『ストロンガーの世界』における世界征服を企む悪の組織ブラックサタンが
城茂を基にして改造電気人間として改造した代物。故に電気の扱いは得意であり、電気の吸収・放出を利用した
様々な技を持ちえていた。

「それ! 今まで俺にくれた電気を返してやる!」
『アタックライド! 電パンチ!』

 ディケイドストロンガーの超高圧電流を帯びさせた拳、電パンチがフェイトへ襲い掛かる…が…

「遅いよ! そんな亀みたいな動きで私は捉えられない!」
「!?」

 直後、フェイトは自身の纏うバリアジャケットの一部を消し飛ばし、俗に言う新ソニックフォームへと
フォームチェンジした。防御力を犠牲にしてスピードを高めるフェイト本気の形態だ。
それによって瞬く間にディケイドストロンガーの背後に回り込み、その背中を斬り付けていた。
忽ち斬られた箇所から激しい火花が散ってしまう。

「いくら電撃が効かないと言っても、全身を甲冑で身を包んで…防御は固そうだけど動きは鈍くなるのは明白。そんなんじゃ私には勝てない。」
「別に動きが鈍いつもりは無いんだがな…結構そうでも無いぞ。」

 ディケイドは先程フェイトのバルディッシュで斬り付けられた背中を摩りながらも一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーに差し込んでいた。

「水樹奈々には水樹奈々だ。」
『プリキュアライド! ブロッサム!』

 ここでディケイドはキュアブロッサムにプリキュアライドしていた。さらにまた別のカードを取り出し
ディケイドライバーへ差し込む。

「十秒間だけ相手をしてやる。」
『アタックライド! 心の種! レッドの光の聖なるパフューム! シュシュッと気分でスピードアップ!』

 直後、ディケイドブロッサムの全身が真っ赤なオーラに包まれた。フェイトの新ソニックフォームから繰り出される
超スピードに対抗する為に、ディケイドブロッサムも心の種を使った超速状態になったのだ。

「行くぞ!」
「私となのはの恋路を邪魔する輩は馬に蹴られて地獄に堕ちなさい!!」

 直後、二人の姿がその場から消えた。いや、消えた様に錯覚させる程の超スピード戦闘を始めたのだ。
283なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:13:21.52 ID:4ZsmiVZj
「え!? え!? 何がどうなってるの!?」

 一体何がどうなっているのかなのはにも分からず困惑してしまった。ディケイドブロッサム及びフェイトの姿は
依然として見えない。しかし、立て続けに巻き起こる凄まじい轟音と風圧、フロア中の壁や床、天井等に次々に
空いていく拳や斬撃の跡がその激しい激闘攻防を思わせていた。

「これでどうだ!」

 赤の光と黄の光、超速戦闘を続けるディケイドブロッサムと新ソニックフォームフェイト。
その一進一退の攻防に活路を見出すべくディケイドブロッサムの拳がフェイトの顔面へ迫りつつあったが…
何とフェイトの顔面正面のみにピンポイントに展開された防御魔法がそれを防ぎ弾いていた。

「私となのはの恋路を邪魔する輩は馬に蹴られて地獄に堕ちなさい!!」
「うぁ!」

 なのはへの愛とディケイドブロッサムへの憎しみの溢れた表情となったフェイトのバルディッシュ斬撃が
ディケイドブロッサムへ斬り付けられ、その衝撃に伴いディケイドブロッサムの超速が解除され
なのはの前に姿を現していた。

「うあ! いきなり出て来た!」
「くそ! 幾ら史上最弱のプリキュアとか言われてたってコイツも中々の強さのはずなのに…。」

 突然目の前にふっと現れたディケイドブロッサムに驚くなのはだったが、ディケイドブロッサムは
素早く体勢を立て直すと共になのはの背後に回りこんでいた。

「いきなり何するの!? 打たれ強さは貴方のが上なのに私を盾にするなんて…。」
「違う。ちょっと見ていろ。」

 ディケイドブロッサムはライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーに差し込んでいた。

『ファイナルフォームライド! ななななのはぁ!!』
「ちょっとくすぐったいぞ。」
「え!? ああぁ!」

 何と言う事だろう。ディケイドブロッサムがなのはの背中に触れた時、なのはの身体が巨大なレイジングハートに
変形したでは無いか。「変身」では無く「変形」である。あえて命名するならば、『レイジングなのハート』とでも
言うべきだろう。そして空中に静止する形を取ったそれをディケイドが掴み抱えていた。

「奴を死なせない程度にぶっ飛ばすしか無いが…どうだ?」
「それは仕方ないかもね。フェイトちゃん御免…。」

 フェイトの洗脳を解くにしても、洗脳を解く為の試行錯誤をするにしても、まずフェイトの動きを
止めなければ話は始まらない。故にディケイドブロッサムはなのはをファイナルフォームライドして変形させた
レイジングなのハートで一気に倒してしまおうと考え、なのはもフェイトへの気遣いを忘れないながらも
それを承諾していたのだった。

「なのはぁ! なのはがどんな姿になっても私は愛してるぅぅ!!」

 フェイトはバルディッシュザンバーで一気に斬りかかってきた。巨大な魔力剣となったバルディッシュが
レイジングなのハートを抱えるディケイド目掛け振り下ろされるが、それをディケイドブロッサムはレイジングなのハートで受け止めていた。
284なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:15:17.05 ID:4ZsmiVZj
「なんの!」
「キャァァァァァ!! 痛い痛い!!」

 なのはは思わず悲鳴を上げた。確かにディケイドブロッサムのファイナルフォームライドでレイジングなのハートに
変形した状態の彼女は硬質かつ金属的で頑丈そうな雰囲気を感じるのだが、それでもあくまでもなのは自身である。
それ故にバルディッシュザンバーを受け止めたら痛がるのも仕方の無い事だった。

「弱音を吐くな!」
「そんな事言っても痛いのは痛いんだもん!」
「仕方ない。一気に決着付けるか。」

 ディケイドブロッサムはレイジングなのハートの先端をフェイトへ向けつつ、一枚のカードをディケイドライバーに差し込んだ。

「行くぞ!」
『ファイナルアタックライド! ななななのはぁ!』

 直後、レイジングなのハートの先端から桃色の強烈かつ極太な魔力光が放たれた。それは射線上のフェイトを
狙い撃ちし、フェイトの全身を飲み込んでいく。

「なのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 レイジングなのハートから発射された魔力砲に飲み込まれたフェイトは忽ちの内に向こう側の壁まで押し飛ばされ、
強く叩き付けられると共にやがて大爆発を起こしていた。その爆発の反動はディケイドとレイジングなのハートも
反対側の壁まで吹き飛ばしてしまう程だったのだが……

「おい…これ…大丈夫だろうな…。」
「一応非殺傷設定にはしてるけど………どうなんだろう…。」
「どうなんだろうって…。」

 レイジングなのハート自身もこんなに威力があるとは思わなかった様子でフェイトの安否を気遣っていたが、
壁はボロボロなのにフェイトは何故か五体満足と言う凄い事になっていた。

「良かった…凄い痛そうだけど無事だったみたい。」
「気を付けろ。ダメージを与えただけで洗脳が解けたとは限らんからな。」

 レイジングなのハートは元のなのはの姿に再変形して倒れ込んでいたフェイトへ向けて駆け寄り、
ディケイドもブロッサムへのライドを解除してその後を追っていたのだが、そこでフェイトが目を覚ました。

「ん……ここは……?」
「フェイトちゃん!」
「なのは…どうして子供の姿に…? それにそちらのヘンテコなコスプレイヤーさんは?」
「この反応…どうやら洗脳が解けた様だな。あとヘンテコとか言うな。」

 フェイトの瞳からはハイライトが戻り、反応もなのはの知る何時ものフェイトの物となっていた。
つまり、レイジングなのハートによる強烈な魔力ダメージによるショックなのかは分からないが、
とにかく百合ショッカーによって掛けられた洗脳も解けて元に戻ったと言う事である。

「士ー!」
「おお! そっちも何とか勝てたみたいだな。」

 ここで丁度クウガ・BLACK・ユノクロW・朱里ちゃんがやって来ており、合流を果たした。
285なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 10:16:41.91 ID:4ZsmiVZj
「百合ショッカーに掛けられた洗脳を解いてフェイトちゃんを助ける事が出来たよ。」
「良かった。母さんも心配してる。早くこんな所から離れて帰ろう。」
「え!? その声…まさかそこのあしゅら男爵みたいに左右で色が違うコスプレイヤーってクロノなの!?
うあ〜…幻滅……クロノそんな趣味があったなんて…。」
「趣味でやってんじゃない! それにもう半分はフェレットもどきも混じってるんだぞ!」
「ええぇ!? ユーノまで……つまりクロノとユーノが合体……何て卑猥……。」
「ってかフェレットもどきって言わないでよ!」

 仮面ライダーWサイクロンジョーカーの姿を取っているユーノ・クロノの姿はフェイトの目には
あしゅら男爵もどきの怪しいコスプレにしか見えなかった様で思い切り軽蔑の目をしており、
それにはディケイドも首を傾げる始末だった。

「洗脳されてない素の状態でも結構アレだなコイツは…。それはそうと、お前等ここに来る時に変な二人組をと猫を見なかったか?」
「いや、俺達以外には誰もいなかったけどそれがどうかしたのか士?」
「そうか…………。」

 なのはとディケイドがシャドームーンの猛攻に窮地に立たされていた時に突如としてその危機を救った
謎のヒロイン・スイートプリキュア。彼女等はシャドームーンをぶっ飛ばした後で遅れて来た猫と共に
この部屋の出入り口からそそくさと退散して行ったのだが、その出入り口の向こう側からやって来たクウガ達は
その二人と一匹は見ていないと言う。だとするとますます何だったのかわけが分からなかった。

「スイートプリキュア…あいつ等に関しては俺が奴等の世界へ行くまでお預け…と言う事か。」
「何言ってるんだ士?」
「いや、何でもない。」

 何はともあれ、百合ショッカーの首領に祭り上げられていたフェイトの洗脳を解き、さらには
実質百合ショッカーを仕切っていたと思われるシャドームーンもまた何か突然出て来たキュアメロディ・キュアリズムの
二人によってどっかにぶっ飛ばされた。これで実質百合ショッカーは壊滅したと考えるべきだろう。

「士さん。これで世界もまた平和になるんですね。」
「何か忘れてる気がしない事も無いが…そうなんだろうな。」

 と、ここでめでたしめでたし…と思われたその時だった。突如として地面が激しく揺れ始めていたのだった。

「わっ! 地震か!?」
「まさか俺達が奴等を倒したらこの建物自体が崩壊する仕掛けになってるんじゃないだろうな!?」
「とにかく外へ出るぞ!」

 先の戦闘による魔力ダメージにより自力で立ち上がれないフェイトを連れ、皆は大急ぎで
それぞれのバイクに乗り込み元来た道を逆に辿って百合ショッカー本部の外へ出た。すると…

「な…何だアレは!?」

 百合ショッカー本部の外へ出た途端、皆は驚愕した。何故ならば、クラナガンの街の地下から巨大な要塞の様な物が
現出し、周囲にあったクラナガンの街並を砕き破壊しながらゆっくりと浮上していたのだから。
286なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 11:00:14.28 ID:4ZsmiVZj
「おいおい…とんでもない隠し球が出て来たな…。」
「百合ショッカーとの戦いはまだ終わってないなんて…。」
「はわわわわわ…。あんな大きな物が浮いてるぅぅ…。」

 せっかく百合ショッカーとの長い戦いが終わったと思ったのにまた凄いのが出て来て、
皆も思わずガックリと肩を落としていたのだったが、その時だった。

「見ろぉぉぉぉ!! 聖王の百合かごが復活したぞぉぉぉぉぉ!!」
「鳴滝!?」

 突如として皆の正面の空間から発生した次元のオーロラから鳴滝が現れ、手を高々と上げながらそう叫んでいた。
彼の言う『聖王の百合かご』とは一体どういう事なのか?

「聖王のゆりかごだって!?」
「そんな馬鹿な! 聖王のゆりかごはJS事件の際に完全に撃沈させたはずだ!」
「違う! 聖王のゆりかごでは無く、『聖王の百合かご』だ。」
「聖王の百合かごだって!?」
「古代ベルカの時代において聖王オリヴィエが聖王のゆりかごとは別に、来るべき百合世紀の到来に向けて
密かに建造させ秘匿した同型艦とも言うべき存在。それが聖王の百合かごなのだ。」

 さりげなく凄い事を説明する鳴滝。だが、なのははここである事に気付いていた。

「聖王の…って…と言う事はまさかヴィヴィオが!?」

 なのはは徐々に浮上する聖王の百合かごを見上げながら叫ぶ。そう、聖王の百合かごが聖王のゆりかご同様に
聖王の為の艦だとするならば、JS事件の際にオリヴィエのクローンとして作られたヴィヴィオが
聖王のゆりかごの起動装置として使われた様に、聖王の百合かごの中にもヴィヴィオがいると考えたのだ。
287 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/04(月) 11:01:11.16 ID:4ZsmiVZj
まだ終わりじゃないぞい。もうちょびっとだけ続くんじゃ。

なお、今作におけるスイートプリキュアはオールライダー対大ショッカーにおける仮面ライダーWみたいなもので特に深い意味はありません。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 13:42:09.28 ID:o5VNgxgh
グヘヘ
289名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 16:41:37.10 ID:AoSt0+qz
カービィかぁ。最近単発ネタって減ったよな
1レスネタみたいのが昔は結構多かったイメージ
290名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 20:59:36.09 ID:u6Mz8fsb
雑談からの流れで投下ってのが多かったからね
ちょっと前のケンイチ関連の話題で盛り上がってたときも誰かが書きたがってたけどさ
やっぱああいう流れが正常なんだろうなぁってつくづく思ったわ
偶に投稿されるくらいで普段は閑古鳥鳴いてるようなスレじゃ誰も寄りつかんだろうし…

ぶっちゃけ俺はこの終末的な状況でもスレ住民が盛り上げていけば息を吹き返せるって思うんだけどねぇ
291名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 22:10:50.37 ID:jz6QcSPE
そのうちDOG DAYSとのクロスとか来たりするんだろうか
292名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 22:47:40.40 ID:qkxZoovl
>>269
そのパターンならキバでも引用可能だけどな 名前をアギトにしたのはライダーとは別のイメージだろ
じゃあ、なしてギルスポジションがいないの?ってなる
293名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 23:21:11.92 ID:unk7R7Im
最終回を見て STAR DRIVER も面白そうだと思ったけど
どうクロスすればいいのかわからん
ロボットものは総じて難しいね
294名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 23:21:26.30 ID:u6Mz8fsb
ギルスはホラ、関わった女キャラがみんな不幸な目に遭っちゃうから…
敏鬼によればあの捨て犬もメスだったから死んじゃったみたいだし
295名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/04(月) 23:43:09.29 ID:qkxZoovl
>>294、だとすんならギルス=初代リィンだよな、>>269の考えではクウガ=初代リィンだけど
まんまアギトの設定を受け入れたらリィンUの姉妹としてリィンVMや質量兵器を扱うリィン4が出るのか

もしユーノがゼロノスベルトを手に入れたら........だから三期では存在が忘れさられた状態だったとかは
296FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/04(月) 23:56:43.35 ID:BJlQd7fL
 どうも、毎度毎度週末に来ると言っておきながら週明けに来るFEです。
 ほんとにごめんなさい。
 それと、今回から少し改行を多くしました。猿さんに引っかからないかなぁ…
 では、第13章投下します。
297FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/04(月) 23:59:58.23 ID:BJlQd7fL
第13章「望まぬ英名」



「あの小さな子達が…いません!!」
「何っ!?」
 確かに、リィンがバインドをかけたはずだったが、それでも逃げだした。
 恐らく、捕まる寸前に逃げたのだろう。


 そんな報告を受けている最中であった。


 突如、地面が揺れ始めた。


「何!?」
「上で何が…」
「とりあえず、脱出しましょう!」


 パニック状態に陥ることなく冷静に判断を下すティアナ。
 彼女はスバルにアイコンタクトで指示を出す。


「「ウィングロード!」」


 スバルとギンガが、さっきヴィータ達が降りてきた穴に螺旋状のウィングロードを展開する。
「全員、後に続いて!」
 ギンガが指示を出す。


 その前に、ティアナとキャロはやることがあった。


「キャロ、このレリックの封印作業、頼める?」
「はい、もちろんです!」
 二人は二人で、新たなことを画策していた。


「急がなきゃ…アイクさんたちも早く!!」
 発破をかけるティアナだが、アイクとセネリオはそれに動じなかった。


「いえ、僕たちはここで上の敵を叩きます。心配しないでください。」
「そんな!すぐにここも崩れて…」


 しかし、そんな心配など無用、とも言うようにアイクが諭す。


「ティアナ、俺達は大丈夫だ。俺達にも考えがある。…行け!」
 ここまで言われてしまうと、もはや退くしかなかった。
「わかりました…気をつけて!」
 そう一言残すと、スバルの展開したウィングロードを駆け上がっていった。
298FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/05(火) 00:01:21.66 ID:/DuWa3dW
「さて、アイク。『アレ』は大体どの辺りでしょうか?」
「予測でしかないが、もう少しだ。」


 二人は地下道を歩いていく。


 すると、局地的に天井がへこんでいる部分が見受けられた。


「ここですね…」
「できるか?」
「できなかったら、初めからここに留まったりなどしません。」


 ほんの少しの皮肉をこめて返すセネリオ。


「フッ…そうだな。じゃ、頼む。」
「ええ。」


 その手には、トルネードの魔道書が握られていた。


 そして、魔法陣が展開される。その際に、セネリオはつぶやいた。

「陽光」


「なぁ、ルールー、いくらなんでもこれはまずいって〜。」
 そうルーテシアに話しかけるのは、赤い髪をした小さなもの。

 アギトであった。

「…あのくらいなら、死なない。」
「それでも、この瓦礫の山からケースをどうやって探すんだよ〜?」


 案の定、道路の上に大きな蟲――ジライオンと呼ばれている――がいる。


 アギトの忠告に耳を貸さず、ルーテシアはガリューに撤退を命じた。
 その時だった。


 ジライオンが桃色の鎖によって、動きを封じられた。


「!?」
 動揺するルーテシアとアギト。
 二人はビルの屋上に立っているキャロを見つけた。


 その瞬間、キャロの背後から二つのウィングロードが伸びてくる。
 スバルと、ギンガだ。
 さらに、ティアナが援護射撃をする。

 ルーテシアとアギトが廃棄された高速道路に降り立ったとき、だった。
299FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/05(火) 00:02:15.52 ID:/DuWa3dW
「陽光」

 どこからともなくその声が聞こえたかと思うと、ジライオンのいた場所から竜巻が発生する。

 ただの竜巻ならよかったものの、それはセネリオが起こした魔法だった。
 さらに、これは「奥義」である。

 ジライオンはなすすべもなく、地面ごと吹き飛んでいく。

 その姿に呆然とした二人をエリオとリィンがホールドアップをした。

 起動六課の、完全勝利だった。

「子供をいじめてるみたいでいい気はしねーが、市街地での危険魔法使用に公務執行妨害、その他もろもろで逮捕する。」

 アイクは、いや、恐らくその場にいた全員が、子供はお前だ、と思ったのだが、あえて口には出さない。
 その辺の気遣いはできる男だ。

 そのころ、とあるビルの屋上で二人の女性が話をしていた。



「ディエチちゃん、ちゃんと見えてるぅ〜?」
「ああ、問題無い。」

 眼鏡をかけた女性がディエチ、と呼ばれる女性に話しかける。

 彼女たちは一見して普通ではなかった。

 ボロボロのマントに、何よりも奇妙な色のボディスーツに、ネックに刻まれたローマ数字のナンバー。
 そう。彼女らはまた、『人間ではない』のだ。

 と、眼鏡の女性に通信が入る。
「クアットロ、ルーテシアお嬢様とアギトが捕まったわ。彼らのサポートをお願い。」
「了解しました〜。」

 終始、お茶らけながらクアットロは受け応えをする。
 そして、ルーテシアに心話を開始した。

(は〜い、ルーテシアお嬢様。クアットロがサポートいたしま〜す。)
(ん…お願い…)
(わかりました〜。では、私の言う言葉を、その赤い騎士とごつい筋肉さんに伝えてあげてくださ〜い。)
300FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/05(火) 00:03:08.92 ID:/DuWa3dW
 恐らく、紅い騎士はヴィータ、ごつい筋肉とは、アイクのことだろう。
 他の物で注意をそらし、その隙に救出、といった手口だ。

 ディエチが銃のチャージを始める。単発の威力なら、推定Sランクだ。

 狙いは、少女とレリックを積んだヘリ。


「逮捕は…いいけど…」

 ここにきて、ようやくルーテシアが口を開く。

「大事なヘリは、放っておいていいの…?」
「!!」
 ヴィータ達が一斉に動揺した。
 クアットロが言わせているのだ。

 そして、アイクを見る。


「あなたは勇者のくせに…また、見殺しにするの?」

 その一言に反応し、全員が一斉にアイクを見る。

 アイクは渋い顔をして、ルーテシアを見つめる。

 その次の瞬間、砲撃がヘリを狙ってしゃしゅつされ、轟音が鳴り響いた。六課は、全力でヘリを確認しようとする。

 そこに、通信が入ってきた。

「こちらスターズ1、ギリギリでヘリの防御成功!!」

 その言葉に、緊迫していた全員が安堵した。


「ふぅ……」
 と、ため息をつくヴィータ。しかし、まだ終わりではなかった。
301FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/05(火) 00:03:31.80 ID:/DuWa3dW
 ギンガが、あるものを発見する。それは、『指』だ。しかも、道路を移動する。


「エリオ君!!」


 その声に反応したエリオだが、反応できても、対応ができなければ意味がない。
 水色の髪をした女性に、レリックの箱を奪い取られた。


(ルーテシアお嬢様、ディープダイバーで救出しますから、フィールドとバリアをオフにして、じっとしててください!)


 その指示どおり、ルーテシアは静かに待つ。


 すると、先ほどの女性が出てきて、ルーテシアとレリックの箱を持ち去ってしまった。



 そのころ、なのはとフェイトの部隊も、ヘリの狙撃を行った犯人たちを取り逃がしていた。




 報告等が終わり、なのはは聖王医療院に来ていた。あの少女が心配になったのである。


 途中、ぬいぐるみを購入して、その子の枕元に置く。すると、寝言が聞こえた。


「ママ…」


 その様子を見て、なのはがほほ笑む。
「大丈夫だよ。ここにいるよ…」


 なのはの瞳には、この子を守りたい、という母親の様な光が宿っていた。

302FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/05(火) 00:04:06.38 ID:/DuWa3dW
一方その頃、アイクは河原に来ていた。

(また、見殺し…か。)
 結果的にヘリは無事だったが、それでもシャマルやヴァイスが危機に陥った事に変わりはない。

(…俺は…)
 アイクは自分の手を握り締める。

 父と母を見殺しにした。その事実は変わってはくれない。過去を受け入れるといっても、アイクにとってはトラウマでしかない。

 それに、アイクには戦う理由がなかった。ただ、眼前の敵を切っただけなのだ。

(俺は…ただの、殺人者…か)

 その様子をこっそり見守る影があった。それは、ティアナだった。
 帰還してからのアイクの様子がおかしかったのでついてきたのだが、その理由は明らかだった。

「アイクさん……」

 そう呟いては見るが、自分には何もできない。こればっかりはアイクが答えを見つけるしかないのだ。

 そう、戦う理由、という名の『今までの自分への言い訳』が。



to be continued......
303FE ◆GNWCFdnKG2zU :2011/04/05(火) 00:06:24.99 ID:/DuWa3dW
 以上です。
 なんか、読み返してみると淡々としすぎだなぁ、と思います。
 ご指導、ご意見、待ってます。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/05(火) 00:12:08.56 ID:gdVvtjIE
>>293
そこはほら、シルシがリンカーコアの亜種みたいな扱いにすれば、魔導師もゼロ時間に介入できる設定になるっしょ
なのはなんかは素でサイバディと戦えても不思議じゃない火力持ってるし、やってやれないこともない
305名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/05(火) 00:53:01.47 ID:felMGh6K
なのはでスタドラをやるなら、原作に忠実に考えるなら学園と恋愛は切れない気がする
タクトが来たのが「青春を謳歌する為」だし、青春と言うのはテーマの一つじゃないだろうか
リビドーの強さがサイバディの強さの鍵だし、サイバディに乗らなきゃ関係ないんだけど、物語的にも強いに越したことはない
となると19歳で社会に出てるStSなのはじゃイマイチしっくり来ない
本編で描かれてない思春期のなのは達にするか、スバル・ティアナ辺りがいいかな、とは思う
でも、どっちの作品も、恋愛対象になりそうな男キャラって女キャラに比べて少ないよなー

書いてみたいけど、他にも書いてるし時間がない……
306名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/05(火) 01:00:08.48 ID:Ukhb5Ct0
>>303
投下乙です
アイク辛いな……
307名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/05(火) 02:14:52.05 ID:0pDTigY2
>>303
乙でした。定期的に投下する人の方が珍しいんだから、気にしなくていいかと。

>>305
女が主人公じゃないといけないという固定観念が無いか?
タクト側は、タカシとヘッド、カタシロ、三馬鹿、ボクシングとバイク先輩くらいしか相手不在のキャラがいない。
しかも三馬鹿はキャラ薄いし、最後の二人も出番は少ない。ヘッドはヘッド(笑)だし。
けど、なのははユーノ、クロノ、vividやForceのエリオ、トーマ、キャラによっては理由付けが難しいけど、これだけいる。
ユーノが誰かとフラグ立てて、なのはやフェイトと三角関係とか、これは確かに盛り上がるって気がするよ。
まあ、百合なら百合でも大歓迎だけどな。

308名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/05(火) 03:47:20.09 ID:pu4af/1+
>>287
投下乙。やっぱフェイトには水樹繋がりでブロッサムで来るのか。
ゆりかごまで出て来るとか一体どうなるの?
309名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/05(火) 18:05:46.49 ID:nlaL/I9l
>>307>>308
中の人だとフェイトはムゲフロのド姫様とか、
ユーノは日本一ソフトウェアの魔王様とかだな。
最近の田村ゆかりは女にしか使えない最強兵器作ったウサ耳がいたな…。
尤もアレ確か現行兵器を超えてるから、実際にはフェイトが戦闘機以下のスペックしかないと言うから、
戦力比はどうするかだな…書く人にもよるのは当り前だけど…
310名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/05(火) 22:47:53.89 ID:yxspJlDE
何が魔法だ!馬鹿馬鹿しい!
311名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/06(水) 20:37:19.75 ID:AiqBjjz6
>>310
何が現実だ!馬鹿馬鹿しい!
312名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/06(水) 21:08:00.92 ID:KSUAUCIX
何が綺羅星だ!馬鹿馬鹿しい!
313一尉:2011/04/06(水) 22:25:02.53 ID:cURc/1AG
支援
314名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/06(水) 22:45:39.33 ID:Ja+9bfba
ヘッドの迷台詞やっぱり流行ってるなww
あれも何気にヘッドがオッサンである証拠=若者の価値観がわからない、わかろうとしない
って考察があったな。結構当たってると思った

なのはキャラで一番リビドーが強そうのは誰だろう。
若さ故の衝動的な勢い、欲求、パワーとかって意味ならスバルか。でも一番は、vividのヴィヴィオかも(青春を謳歌してる)
どこか自分を殺してる節のあるキャラが多いからなぁ
315 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:15:19.17 ID:IsuXDg3j
ほいじゃ6時30分以降にやりますえ。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・ディエンドの無駄遣い
・自分の好きなキャラがディエンドに勝手に呼び出されて使役される事に我慢出来ない人には不向き。


登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・ウルトラシリーズ(今回は一単語だけ)
・恋姫無双
316なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:31:15.49 ID:IsuXDg3j
 13:浮上! 聖王の百合かご編

 聖王の百合かごの中心部には死神博士改め百合神博士とジェイル=スカリエッティの姿があった。

「なのフェイ百合はもう古い。これからの時代は聖王ヴィヴィオと覇王アインハルトの百合なのだー!!」

 高々とそう叫ぶ百合神博士の後には、聖王の玉座に座る聖王ヴィヴィオと傍らに立ってヴィヴィオと手を繋ぐアインハルトの姿があった。
しかし、その二人の瞳からはハイライトが消えている。彼女達もまたフェイトがそうであった様に洗脳されていると思われる。

「この二人に加え、さらに百合生命体が完成すれば百合ショッカーは無敵。如何なる世界も支配出来る。」

 百合神博士とスカリエッティは既に研究施設を百合ショッカー本部から聖王の百合かごへと移し、
そこで未だ詳細が不明である百合生命体の研究開発を行っていたのだった。

「その百合生命体も間も無く完成…。では、私は片手間で作った『アレ』を起動させに行きます故、後は頼みますよ。」
「うむ。スカリエッティ君も頼んだぞ。」

 スカリエッティは百合神博士に軽くお辞儀をし、彼の前を後にする。

「ウーノ、クアットロ、行くぞ。」
「ハイ。」
「分かりました。」

 そしてスカリエッティはさりげなく一緒にいたウーノ・クアットロを連れ、部屋から立ち去った。
彼の言う『アレ』とは果たして……?


 なのは達は聖王の百合かごを呆然と見上げていたのだが、鳴滝はディケイドを強く指差し叫んでいた。

「ディケイド! 貴様の旅もこれで終わりだぁぁぁぁ!!」
「そうは行くか! アレも百合ショッカーの世界征服の為に使われると言うのなら…俺が破壊してやる!」
「で…でも士…あんなデカイのどうやって…。」

 元の聖王のゆりかごも管理局艦隊による総攻撃でやっと破壊出来た代物である。故に聖王の百合かごの破壊も
それ位の火力が無ければ無理だろう。そう考えると彼等だけの力では至極難しいと言えた。
だが、そんな時に朱里ちゃんが口を開いていた。

「あ…あの…どんなに守りの強い城でも内側に潜り込めば簡単に落とせると言いますから、何とかして
中に入り込めば良いのでは無いでしょうか……。」
「それしか無いみたいだな。」
「だとするとまだそんなに高度を上げてない今しか乗り込むチャンスは無いな。」

 皆は聖王の百合かごの内部に侵入し、内側から何とかする事に決めた。それ故に大急ぎでそれぞれの
バイクに乗り込んで向かう用意をしていたのだが、フェイトに限ってのみは百合ショッカー本部前広場で
スナッキー隊との戦闘を何とか終えていた仮面ノリダーとめちゃイケライダーマンの二人に預けられていた。

「フェイトちゃんを頼みます。」
「わかった。任せておけ。」
「でもHな事しないでね。」
「なのは!?」

 フェイトを仮面ノリダーとめちゃイケライダーマンに託すと言うなのはの行動は
フェイトにとって信じられない行為だった。しかし、なのはの表情は真剣だった。
317なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:34:19.10 ID:IsuXDg3j
「フェイトちゃんはここに残って。」
「そんな…私も行く! 今までなのは達に迷惑をかけた分私も力になりたい!」

 洗脳されていたとは言え、百合ショッカー首領として祭り上げられていた事に罪悪感を持っていたフェイトも
協力したいと考えていたのだが、それは出来なかった。何故ならば…

「やめておけ。さっき俺達と戦った時のダメージだってまだ回復してないんだ。何より自力じゃ立ち上がる事も出来ないだろ。」
「そ…そうだけど…。」
「士さんの言う通りだよ。ここは私達に任せて、フェイトちゃんはここで待ってて。」
「う…うん…。」

 今の自分がどの様な状態であるかは自分が一番良く分かっている。フェイトもどうにか妥協し、
フェイトに見送られる形で皆は出発した。

「皆…頑張って……。」

 聖王の百合かご目掛け猛烈な速度で駆けて行くディケイドを乗せたマシンディケイダー、
クウガを乗せたトライチェイサー2000、BLACKと朱里ちゃんを乗せたバトルホッパー、
そしてユノクロWとなのはを乗せたハードボイルダー。その武運を祈りながら、フェイトは
悲しげな表情でじっと見つめていた。


 一方その頃、光の青年によって一時的にアギトの力を与えられたアギトと、ディエンドのカメンライドで
出してもらったG3システムのガワだけを装着したリインフォースUの二人がヴィータ、シグナム、
スバル、ティアナの四人と壮絶な戦いを繰り広げていたのだった。

「やぁぁぁぁぁ!」
「くっ!」

 アギト・アギトは仮面ライダーアギトとしてはグランドフォームに過ぎないが、
自身が元々持つ火炎系魔法を上乗せした火炎拳でシグナム&ヴィータとも互角以上に立ち回り…

「えい! えい! 当たってくださいよー!」
「うわぁ! 見た目はただの拳銃なのになんて威力…!」
「見た目はただの拳銃でもあれを着込んだ状態での発砲が前提だから威力も何もかも桁違いよ!」

 リイン・G3はG3システム専用拳銃GM−01スコーピオンを発砲し、スバルとティアナを圧倒する。
ティアナがご丁寧に説明してくれた通り見た目は拳銃っぽく見えるが、元々は対未確認生命体用であり
かつG3システムを装着した状態での発砲を前提としている為に威力は普通の警察装備の拳銃を遥かに凌駕し、
むしろ非装着状態での発砲が非常に危険な程であり、現に着弾した壁等が貫かれる所か丸ごとえぐられてさえいた。

 だがそんな彼女達もまたクラナガンの街並みを砕き壊しながら浮上していく聖王の百合かごの存在に気付いていた。

「な…何だあれは…。」

 聖王の百合かごのその威容に困惑し、思わず攻撃の手が緩むヴィータ達であったが
そんな彼女に対してアギト・アギトが反論していた。
318なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:36:55.93 ID:IsuXDg3j
「そんなしらばっくれて! どうせアレも百合ショッカー関係なんだろ!?」
「知らん…私は知らんぞ…。あんな物があるなんて聞いてない…。」

 今のアギトは俗に言う仮面ライダーアギト・グランドフォームの姿を取っているから表情は分からないが、
その怒鳴り方は、聖王の百合かごと言う予想外の存在の登場も相まってシグナムも気圧させる物だった。
だが、怒鳴るのはアギト・アギトだけでは無かった。

「これで分かりましたか!? 百合ショッカーなんかの力を利用したってリリカルなのはの世界は
守れないんですよ! それ所か見てくださいよ! あんな大きな空中要塞でクラナガンの街が
壊されているじゃないですか! それでもまだ百合ショッカーに協力するって言うんですか!?」
「もう良いリイン! こんな奴等もう相手にすんな!」

 リインもまたG3システムを装着してるので表情は分からないが、その言葉から怒りが
にじみ出ている事が良く分かった。しかし、そんな彼女をアギト・アギトが手を引っ張り止めていた。

「あんな分からず屋共は放っとけ。あたし達も行くぞ。」
「行くって何処へ行くんですか?」
「決まってるだろ! あいつ等を援護しに行くんだよ!」

 聖王の百合かごの存在を悟ったアギトはヴィータ達の相手を止めてなのはやディケイドを直接
手伝う事の方が大切では無いかと考えていた。それ故にリイン・G3の手を強引に引っ張っていたのだった。

「でも、あんな所までどうやって行くんですか?」
「何とかなるだろ。あ、丁度良い具合にあんな所に自転車が落ちてるじゃないか。アレ使って行こうぜ。」
「ええぇー!? 自転車であそこまで行けるんですかー!?」

 本当に丁度良い具合である。何とたまたまアギト・アギトの目線の先に、百合ショッカーのクラナガン制圧の
ゴタゴタで誰かに乗り捨てられたと思われる自転車が落ちていたのである。アギト・アギトはその自転車で
聖王の百合かごへ乗り込もうと言うリイン・G3も呆れる無謀な事を考えていたのだったが、
アギト・アギトがその自転車のハンドルを握って持ち上げようとした時だった。

「ん!?」

 突如としてアギト・アギトの腰に巻かれたオルタリングの内部に存在する賢者の石からオルタフォースが
放射され、それを浴びた自転車が見る見る内に仮面ライダーアギト専用バイク・マシントルネイダーへ変化したでは無いか。
そう、本来の仮面ライダーアギトの使うマシントルネイダーも元々は津上翔一個人が所有する市販のバイクが
オルタフォースによって変化した様に、アギト・アギトが拾い掴んだ自転車もオルタフォースによって
マシントルネイダーへと変化を遂げていたのであった。

「うあ! 自転車がバイクになりやがったぞ!」
「どういう仕組みです!?」

 元々はママチャリだったのに、それを見るからに高出力そうなオートバイへ変えてしまったオルタフォースの力に
アギトもリインも真剣に驚いていたのだが、何時までもそうしているわけには行かない。細かい事は考えず
二人はそれに乗り込み走り出すのだった。
319なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:40:18.65 ID:IsuXDg3j
「とにかくコレで行くぞ。」
「でもこういうのを運転するのは大型自動二輪免許が必要な気がしますけどアギト持ってませんよね?」
「細かい事は気にすんな。どうせ自転車と大して変わらないだろ。」

 結局リインは免許の有無に関しての事を考えてしまっていたが、今はそんな事を気にしていられる場合じゃないし
何よも非常事態である。その為に今はそのハンドルを直接握るアギトに頼るしか無かった。

「行くぞ!」
「あっ! また何か変形してますよ!」

 アギト・アギトがマシントルネイダーのアクセルを吹かした直後、突如としてマシントルネイダーが変形を始め、
さらには飛行までしてしまう。それは俗に言うマシントルネイダー・スライダーモードと呼ばれる形態だった。

「うわっスゲェ! これ飛べるぞ!」
「元々が自転車なのが信じられない位です!」

 アギト・アギト、リイン・G3を乗せてマシントルネイダーは聖王の百合かごへ向けて空を切った。
しかし、ヴィータ、シグナム、スバル、ティアナの四人はそんな様を呆然と見送る事しか出来なかった。
百合ショッカーを利用し、百合厨を味方に付ける事によってリリカルなのはの世界を守る…
そんな自身の犯した過ちとその罪悪感に苛まれながら。


「行くぞ行くぞ! 飛ばせ飛ばせ! じゃないとあそこまで届かないぞ!」
「おお!」
「はわわわわわわ…。」

 ディケイドを乗せたマシンディケイダー、クウガを乗せたトライチェイサー2000、
BLACKと朱里ちゃんを乗せたバトルホッパー、ユノクロWとなのはを乗せたハードボイルダーは
聖王の百合かごへ向けて時速数百キロと言う猛烈な速度で爆走していた。そこまで高度は高く無いにしても
浮上し続けている聖王の百合かごへ乗り込むには、とにかく速度を上げた状態で適当な上り坂を使って
ジャンプするしか無いからである。

「あそこで一気に飛ぶぞ!」
「はわわわわわ…。」

 皆を乗せたそれぞれのバイクはとにかく出せるだけの速度で急な坂道を一気に駆け上がる。
そして坂道が終えた時、それぞれのバイクは聖王の百合かご目掛けて勢い良くジャンプしていた。

「ジャーンプ!!」
「はわぁぁぁぁぁ!!」

 猛烈な勢いで高々と跳び上がったそれぞれのバイクは聖王の百合かごの上部艦板へ向けて空中を突き進む。
朱里ちゃんは生まれて初めて感じる速度と高さの恐怖の余り物凄い表情になり、振り飛ばされない様に
BLACKに力一杯しがみ付いていた。しかしそんな朱里ちゃんが可愛い。

「っとぉ! 皆無事か!」
「ああ!」
「何とか!」
「はわわわわ!」

 聖王の百合かごへ飛び乗ったそれぞれのバイクは数度バウンドしながらも何とか着地出来ていた。
後はどうにかして百合かご内部へと潜り込むだけだと思われたが…
320なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:42:58.89 ID:IsuXDg3j
「うあああ!! 士! 何かいるぞ!」
「何…? ってうあぁぁ!」
「はわわわわわ!」

 何とか聖王の百合かごへ飛び乗ったのも束の間。その艦板上には何者かの姿…それは黒鉄色に輝く巨人だった。

「巨大ロボット!?」
「そんな…管理世界では人型機械兵器なんて何処もまだ実用化出来ていないと言うのに…
しかもあんな大きいのを…一体何処の世界の物なんだ!?」
「あれはキングダーク!!」

 キングダーク。それは『仮面ライダーXの世界』においてGOD秘密機関に所属していた巨大ロボット幹部である。
数十メートルの巨体と強靭な装甲、様々な超兵器を装備してXライダーにとって最大の敵であった存在。
それが今ディケイド達の眼前に立ち塞がっていたのである。それは未だ人型機械兵器が実用化されていない
管理世界においては異常な光景であり、クロノの表情……って今の彼はユーノの変身した仮面ライダーWに精神だけが
入り込んでいる状態なので分かり様が無いが口調からすれば相当なカルチャーショックがあった事は想像に難くなかった。

『そう! 如何にもコイツはキングダーク! だが厳密には違う! コイツはキングダークを基に
この私が改良を加えたキングダークJSだ!!』
「その声はジェイル=スカリエッティ!!」

 キングダークJSと呼んだその内部にはスカリエッティ・ウーノ・クアットロの三人が直接乗り込んで操縦していた。

「スカリエッティ! 大体想像は付くけど…何故百合ショッカーに協力する!?」
『知れた事を! あらゆる世界が百合ショッカーの下に治められ百合厨と801好き腐女子だらけとなれば
誰も結婚出来ず子も生まれなくなる。いずれは凄まじい少子高齢化が起ころう。その時に種の保存の手段として
クローン技術が見直される! つまり…私の時代が来るのだ!! ハッハッハッハッハッハッ!!』

 スカリエッティは大声を出して笑い、キングダークJSがそれに合わせた笑う動作を取る。
そう、スカリエッティが百合ショッカーに協力していたのは全てこの為。百合の支配は男女の愛と交わりの否定となり、
そうする事によって子供が生まれなくなり、結果少子高齢化が発生。しかしその時に種の保存の手段として
今まで時空管理局によって否定されて来た彼の持つクローン等の生命操作技術が見直され、彼は犯罪者から一転して
世界を救う英雄となり得る。その様な未来を見据えていたのだった。

『分かったか! お前達は聖王の百合かごの中へと潜り込もうとしている様だが、そうはさせん!』

 スカリエッティの操縦によってキングダークJSはなのは達を力強く指差す。これはもう戦いは避けられない事を意味していた。

「戦うしか無いのか…。」
「けど士、あんなデカイのどうやって戦うんだ?」
「大きさは関係無い…としても相手はキングダークだからな。」
「やっぱりガジェットとは比較にならない相手だよね…。」
「ってかあの時のウルトラセブンどうしたんだろう…。こういう時頑張って欲しいのに。」
「はわわわわ…。」

 ただでさえキングダークは強敵だと言うのに、さらにスカリエッティによる改造が加えられたキングダークJSの
力は未知数。それ故に皆戸惑いは隠せないでいたのだが、そんな時だった。

「ここは僕に任せたまえ。」

 ここで現れたのが仮面ライダーディエンド。何時も何処からともなくさりげなく現れる男である。

「海東! お前今まで何処に行ってたんだ!? それはそうと、また仮面ライダーJでも呼び出すのか?」

 ディエンドはかつて大ショッカーが擁していたキングダークとの戦いに巨大化能力を持つ仮面ライダーJを
ライドして戦わせた事があったのだが、ディエンドは首を左右に振っていた。
321なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:46:18.21 ID:IsuXDg3j
「まあ見ていなよ。」

 ディエンドは何かカードをディエンドライバーに差し込み、発射した。

『プリキュアライド! ブロッサム! マリン! サンシャイン! ムーンライト!』
「この人もプリキュア呼び出しちゃったよ。」

 ディエンドはキュアブロッサム、キュアマリン、キュアサンシャイン、キュアムーンライトをライドしていた。
その光景にはなのはも呆れて眉を細めてしまうのだったが、ディエンドはまた何かカードをディエンドライバーに差し込んでいた。

『フォームライド! スーパーシルエット!』

 と、今度は四人のプリキュアがスーパーシルエット形態へとチェンジ。そこからまたディエンドは(略)

『アタックライド! ハートキャッチオーケストラ!』
「うあああああ!! 何か馬鹿でかい女が出て来たぞぉぉぉ!!」
「はわわわわわわぁ!」

 スーパーシルエットになった『ハートキャッチ世界』のプリキュア四人の合体技ハートキャッチオーケストラによって
突如として巨大な女神っぽい何者かが出現、その異様ともいえる光景に皆は思わずビビっていた。
だが、そうこうしている内にプリキュア四人によってコントロールされた(?)巨大女神はキングダークJSへと
突き進み取っ組み合いの格闘戦を始めるのだった。

「女神っぽい見た目とは対照的に荒っぽい戦い方するんだね…。」
「さあ! 今の内に進むんだ!」
「あ…ああ!」

 ディエンドと彼がライドしたプリキュア四人、そしてハートキャッチオーケストラによって発生した
巨大女神がキングダークJSの相手をしている隙になのは達は先へ進んだ。

「あれだ! キングダークが出て来た時に使ったと思われる出入り口があるぞ!」
「よし突っ込め!」

 ディケイドを乗せるマシンディケイダー、クウガを乗せたトライチェイサー2000、
BLACKと朱里ちゃんを乗せたバトルホッパー、ユノクロWとなのはを乗せたハードボイルダーが
キングダークJSが出て来る時に使ったと思われる聖王の百合かごの上部出入り口へ向けて全速力で突っ込んで行く。

『そうはさせるか!』
「貴方の相手は私達です!」

 ディケイド達の後を追おうとしたキングダークJSであったが、ハートキャッチオーケストラの女神がそうはさせなかった。

「貴方達百合ショッカーの所業! 私…堪忍袋の尾が切れましたー!」
『複製が偉そうな口を叩くなー!!』

 キングダークJSを操縦するスカリエッティも、百合神博士から元々ディエンドライバーは大ショッカーによって
開発されたライダーシステムであると言う事やその能力も聞かされており、故にディエンドがライドした
プリキュア四人の存在を『複製』と評していた。だが、複製とは言えその能力は本物と同等。
ハートキャッチオーケストラの巨大女神も恐るべきパワーでキングダークJSへと迫り、結局ディケイド達を
聖王の百合かごへ侵入させてしまうのだった。
322名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/08(金) 18:47:16.63 ID:y6H4Bnd7
>>314
ヘッドも見事にマダオだよなぁw
323 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/08(金) 18:49:17.61 ID:IsuXDg3j
今回はここまでになります。
324名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/08(金) 20:00:09.75 ID:ZwNQJ/97
>>323
乙です

>>314
俺の中では

プレシア母さん=ヘッド
フェイト=タクト

なイメージ。単に親子ってだけじゃなく、過去を取り戻そうとしてるって点では近い。
無印時点では、フェイトが未来を望んで自分で乗り越えたとは言い難いけど。
325ゼロ ◆3edSxDUK0o :2011/04/08(金) 21:56:04.63 ID:v5KZJQRp
22時半に投下予約。
326名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/08(金) 23:04:00.94 ID:ZwNQJ/97
327ゼロ ◆3edSxDUK0o :2011/04/08(金) 23:07:59.88 ID:v5KZJQRp
すんません、原稿捜索中に付き投下時間遅らせます。少々お待ちを。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/09(土) 21:23:58.98 ID:XUNurfFS
あの、ゼロ氏
原稿が見つからないのなら、一旦予約を破棄した方が
よろしいのでは
329ゼロ ◆3edSxDUK0o :2011/04/09(土) 23:40:32.56 ID:dVIKWlwL
破棄しときます。正確に言うと原稿はあるんだけどテキストがないので。
グダグダで申し訳ない。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 09:00:19.28 ID:1rtlqjXE
まともな読み物としてのSSはここ最近投下されてないから気にする必要はないんじゃね
331名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 12:18:49.24 ID:E/dpDvru
高天氏はご無事だろうか・・・
332名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 15:22:07.32 ID:boHHPQf1
だれか「なのはさん(シンクの代わりに) in 【DOG DAYS】世界へ…」なSSを…
333名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 16:45:21.29 ID:cW5teshi
>>331
高天氏面白いよね
最近更新ないけど忙しいのだろうか…
334マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 20:42:58.34 ID:5BFN3k8J
こんにちは
本日23時よりマクロスなのはの第20話を投下します。
よろしくお願いします。
335名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 21:32:04.99 ID:a6t7GQD6
小説家になろうでこちらの作品盗作されてたと話題になっていますが
こちらの作品は盗作してもいいのですか?ありえないと思いますが
また話題になった作品が盗作に当たるか
作者としてどうなのかお聞かせください詳しくは次のスレをご覧ください

【盗作】小説家になろう【晒すスレ】 その8
アルカディアをヲチるスレパート106
アルカディアをヲチるスレパート107
【盗作】小説家になろう【晒すスレ】 その9

ご意見は
【投稿サイト】小説家になろう47【PC・携帯対応】←盗作擁護者が多い
【盗作】小説家になろう【晒すスレ】 その9 ←盗作を指摘する   
アルカディアをヲチるスレパート107 ←よく盗作に巻き込まれ話題になる
あたりにお願いいたします
336名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 22:11:10.87 ID:O/EYi0xX
>>335
何それ…初耳…状況が読めない…
337名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 22:21:59.17 ID:o15aT8qX
取りあえずやるなら運営でやろう。投下の邪魔になる
338名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 22:38:07.38 ID:1rtlqjXE
過疎ってる運営に持ち込むより最低限の情報をここで出してからの方がいい
投下も大事だが盗作問題はもっと重要
339名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 22:45:38.83 ID:6ToDLiZH
>>335
誰のなんていう作品が盗作されたぐらいは書いておいてくれよ
とりあえず情報収集をしないといけないから本スレは対応モードに移行だ
340名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 22:49:52.81 ID:LbEE5YuI
ちょくちょく運営に誘導すればいいだけだと思うが……何の為の運営だよ
どうせ避難所も本スレも過疎ってても、どこからともなく湧いてくるんだから
341名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 22:56:53.49 ID:o15aT8qX
じゃあ簡単に纏めると、

盗作されたっぽいというのは倉庫の
「リリカルなのは ストライカーズ 〜ミッドチルダに鴉は舞う〜」その他225の単発
作者は 真祖の人 氏

で、問題の作品は小説家になろうの

ttp://ncode.syosetu.com/n7774r/
(小説家になろうの、該当作品への直接リンク)

両方見比べれば酷似してる部分が分かる。
342名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 22:59:01.36 ID:o15aT8qX
その他255だった
343名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/12(火) 23:08:08.79 ID:+d8Qc+dI
同じ人ではないんだよな?
344マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:08:12.11 ID:5BFN3k8J
えっと・・・・・・議論は避難所に行くのかな?
よくわからないので待機します
345マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:45:12.33 ID:5BFN3k8J
避難所に行ったみたいなので落とします。
さるさんくらったらごめんなさい。

マクロスなのは第20話「過去」

オークションが終わって隊長陣の警備任務が解けた頃、地上部隊の技研の調査隊がすでにガジェットの破片の調査を開始していた。

「・・・・・・えっと、報告は以上かな?現場の調査は技研の調査隊がやってくれてるけど、みんなも協力してあげてね。あとしばらく待機して何もない
ようなら撤退だから」

普段の動きやすい青白の教導官の制服に戻ったなのはが、フォワードの4人を前に告げる。
ティアナ達は返事をすると、きびきびと陸士部隊の土嚢の撤去や調査隊の手伝いに散っていった。

(*)

ホテル内の喫茶店

そこには警備を終えて一息入れているフェイトとはやて、そしてオークションが終了して手持ち無沙汰になったユーノが仲良く談笑していた。しかし、
そこで少し寂しい話題が提供された。

「そう・・・・・・ジュエルシードが・・・・・・」

「うん。局の保管庫から地方の施設に貸し出されてて、そこで盗まれちゃったみたい」

「そっか・・・・・・」

寂しそうな顔をするユーノ。仕方ないだろう。彼がその災悪の根源であるジュエルシードを掘り出した張本人なのだから。

「まぁ、もちろん次元の海は本局が目を光らせているし、地上も私たち六課が追っていく。だから必ず見つかるよ」

「・・・・・・うん。ありがとう」

そこに、この話題には沈黙を決め込んでいたはやてが話に介入してきた。

「・・・・・・実はまだ非公開なんやけどな、この前ガジェットについての報告書が回ってきたんや」

元々物理メディアだったらしい。ホロディスプレイに表示される報告書の表紙。提供は地上部隊・技術開発研究所。しかし表紙には『SECRET(シ
ークレット)』の印が押されている。

「・・・・・・これって僕が見てもいいのかな?」

ユーノが戸惑いながらはやてに聞く。SECRET(機密)の印が押されている書類は規定では管理局の佐官以上でなければ閲覧すらできない。
フェイトですら一等海尉なのに、管理局員でもない民間人に見せていいものではないはずだった。

「大丈夫や、問題あらへん。どうせもうすぐ公開される。・・・・・・でや、まずこの動力機関なんやけど、どうやら簡易化されたジュエルシードみたいな
んや」

「「!!」」

「どうやら泥棒さんはジュエルシードの簡易量産に成功したみたいやな」

ホロディスプレイに映し出されているバッテリーに相当する部分の中枢は、ジュエルシードに間違いなかった。

「でも悲観することはあらへん。これと同時にガジェットの製作者も判明した。それが現在、違法研究で広域指名手配されているこの男─────」
346マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:47:14.42 ID:5BFN3k8J
ホロディスプレイの画像が切り替わる。瞬間、フェイトの顔色が変わった。

「スカリエッティ!?」

「ん?フェイトは知ってるの?」

ユーノが問う。

「うん。なのはが次元航行部隊、機動課(ロストロギア探索を主な任務にする部隊)に協力していた5年前に。その時、なのはとヴィータ、それと私で
彼の秘密基地を強襲したの─────

──────────

フェイトは何十体目になるだろう魔導兵器をバルディシュで一閃のもとに葬ると、周囲を見渡す。
周りには太古の遺跡があり、岩でできた建造物が朽ちている。
またすでに魔導兵器の大半は撃破されて、雪の積もる大地に遺跡同様構成部品をさらしていた。

「ヴィータちゃん!」

「おうよ!」

「「これでラストォォ!!」」

上空からのヴィータの魔力球が敵を囲むように着弾。追い詰められて集まった敵を、続くなのはの砲撃で全て葬った。

「ナイスショット。2人とも!」

フェイトの掛け声に、なのはとヴィータはハイタッチした。

(*)

「さて、ここが入り口だね」

フェイトの撫でたその扉は鋼鉄製で、なのはの砲撃でもなかなか破れそうにない程に頑丈だった。
しかし押しても引いてもダメ。無論スライドさせることもできず、開けられなかった。当然だが鍵がかかっているようだ。

「『鍵開け』するから、2人は周りの警戒をお願い」

「うん、お願いね。フェイトちゃん」

「周りは任せときな」

ヴィータとなのははそれぞれ別方向に飛んでいった。フェイトはそれを見送ると高ランク魔法である『鍵開け』を実行する。
この魔法は電子ロックから物理的な鍵までほぼすべての鍵に有効だが、時間がかかるのが難点だった。

フェイトが動けないそんな時、それは起こった。

「なのは!後ろ!」

「え・・・・・・!?」
347マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:49:50.51 ID:5BFN3k8J
ヴィータの警告に振り返るなのは。彼女はその半透明の何かを見切ると間一髪で回避。空に退避する。
そしてそれはヴィータの放った鉄球によって大破、沈黙した。
しかし姿を晒したそれが足の付いた地上型だったことや、それが撃破された安心感でなのはは1つの可能性を見逃していた。

『地上型がいるなら、理論上より簡単に姿を消せる航空型がいるかもしれない』と言うことを。

寸前で気づいたなのはは、優秀の一言に尽きる。そして普通の状態であれば問題なく回避できたはずの攻撃。しかし溜まった疲労は彼女の回避行
動を寸秒遅らせた。

「「なのはぁぁぁ!!」」

フェイトは確かに見た。空に浮かぶなのはの、小さな体を貫く刃を。
彼女の赤い鮮血によって目視出来るようになった鋭い刃はまるで悪意の塊が友人の体から生えた≠謔、に見えた。
それは人間ならば絶対傷ついてはならない器官の納まっている胸の真ん中から生えていた。
次の瞬間には彼女の体は5メートルほど落下。その衝撃は雪が受け止めるが、ドクドクと怖いほど流れ出る鮮血が雪を染めた。
力なく横たわる大親友の姿と半泣き顔になって彼女に駆け寄るヴィータの姿がぼやけていく。
目の前の光景に現実感が失せていき、いつの間にか視界はブラックアウトしていた。

──────────

「そんなことがあったんだ・・・・・・」

ユーノが呟く。
この案件は『TOP SECRET(最高機密)』とされていて、彼女の経歴を見てもその事実は確認できず、半年近い入院期間は『持病の悪化に伴う病養』
となっている。
そのため家族など極めて親しい者しかこの事実を知らなかった。
だがここで1つ疑問が浮かぶ。
『なぜたった1人の撃墜をそうまでして隠さねばならないか?』という疑問が。
実はすでに流星の如く突然現れ『エース・オブ・エース』という二つ名で呼ばれていたなのはは世間一般に知られ、ヒーローとして祭り上げられていた。
事実それだけの実績もあったし、実力もあった。クラスSのリンカーコアを有しているいわゆる超キャリア組でも、たった14歳で一等空尉に登り詰め
るのは容易ではない。
その頃のフェイトやはやてですら、両名とも地上部隊で三尉相当の階級であったことが比較としては適当だろう。(しかし断じて2人が無能な訳では
ない。フェイトの所属する本局は事件が少なく、1発が大きい。はやては上級士官を目指し、ミッドチルダ防衛アカデミーの学徒となっていたためだ)
そんな出世街道まっしぐらで国民的人気を誇る彼女が撃墜され、瀕死の重傷を負ったのだ。
それがどんな理由であれ公表されれば、管理局全体の士気と信用に関わる。こうなると管理局としては隠さざるをえなかった。

「そう。なのはは今でこそ元気に振る舞ってるけど、一時は「二度と歩けないんじゃないか」って言われて・・・・・・」

俯くフェイト。その背中からは、なのはを撃墜したスカリエッティに対する負のオーラが立ち昇っていた。

「それにあいつは母さんの─────プレシア母さんの研究を続けているらしくて、それがわたしには許せないんだ」

フェイトの母であるプレシア・テスタロッサは、かつては管理局の大魔導士として日夜研究を続けていた。
しかしある日、彼女の実の娘であるアリシアを事故で亡くしてしまった。そこで悲しみに暮れた彼女が手を出したのが禁忌の技術として知られる全身
のクローン技術と人造魔導士技術だった。
こうして誕生したアリシアのクローン、それが彼女『フェイト』だ。しかし結局プレシアには受け入れてもらえず、とても悲しい思いをしていた。

「・・・・・・まぁ、とりあえずガジェットの製作者はそのスカリエッティや。ゴーストは第25未確認世界の元の設計から反応エンジンを主機に据えた独自
のものらしい。「使われてるオーバーテクノロジーと設計が管理局から漏れたのか?」って揉めてるみたいやけど、当面六課はスカリエッティの線で追っていく。だからユーノくんは無限書庫で関連しそうな情報を調べて欲しいんや」
348マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:52:14.98 ID:5BFN3k8J

(そうか。わざわざ機密を聞かせたのはそういうことか)

ユーノは納得すると、その依頼を引き受けた。そこに1人の女性が喫茶店の入り口に現れた。

「あ、なのは・・・・・・」

「久しぶりぃ〜ユーノくん、元気だった?」

その笑顔に一点の曇りなく、さっきのフェイトの話が嘘だ。という錯覚をおぼえた。

「あ、なのは丁度よかった。これから交代しに行こうと思ってたところなんだけど、交代できる?」

「うん。フォワードの4人は調査隊と陸士さん達の手伝いに行ってるから見てきてあげて」

「わかった。はやても行こう」

「了解や。じゃあお2人さん、ごゆっくり≠。?」

はやてはそう意味ありげに言って外に出ていった。

(はやてここでそのセリフじゃ気まずいよ〜!)

こころの中で涙声になってしまう。
2人っきりの現状でそのセリフを吐かれては、どうしても彼女を意識してしまうではないか!
それについさっきまでその彼女の話をしていたのだ
そうでなくとも相手は意中の女性であるというのに・・・・・・
その想いを本人はともかく、周囲に隠し果せているつもりの青年は

「いってらっしゃ〜い」

と見送るなのはに視線を向ける。―――――と同時に彼女が振り返った。

「本当に久しぶりだね!ユーノくん!」

「う、うん・・・・・・」

(ダメだ!まともに顔見られない〜!)

しかしいつまでもこうしているわけにもいかない。相手がいつも通り接して来てくれている以上、こちらもそれに応えなくては嘘だ。
ユーノは何とか自分に言い聞かせながら顔を上げる。
するとどうだろう?なのはもこちらの事を直視しているなどということはなかった
彼女は少し視線を逸らしつつ、頬を赤らめて口を開く。

「えっと・・・・・・今日は偶然、なのかな?」

(か、可愛い・・・・・・)

ユーノはそんな幼なじみの仕草に無意識のうちに胸を高鳴らせていた。だがお互いに意識し合っていたらしいことがわかって反対に落ち着くことができた。
349マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:54:47.72 ID:5BFN3k8J

「うん。そうだと思う。聖王教会の騎士カリムからの直々の依頼でね」

カリムによれば、どうやらはやてが

「考古学者さんを探しているんだけど、いい人紹介してくれない?」

というカリムに自分を紹介したらしかった。

「それにオークションの鑑定も本命の1つなんだけど、騎士カリムはこの玉の調査を「どうしても」ってお願いされたんだ」

ユーノの手にはさっきフェイトが落下から救った紫色の水晶が乗せられていた。

(*)

所変わってはやてとフェイトの2人は出入り口の玄関で2人の人物と鉢合わせしていた。

「お、アルトくんにさくらちゃんやないか」

「よぉ。やっと見つけたぜ」

「なんや? 探しとったんか?」

はやての問いに、さくらが答える。

「はい。ちょっと今回の敵がどうも妙だったので、そちらはどうだったのかな?と思いまして」

「そっか・・・・・・実はこっちも妙な報告が上がって来ててな。立ち話もなんやし、もっかい喫茶店に行こうか。フェイトちゃんは外の方をよろしく」

ことの成り行きに戸惑うフェイト。なぜなら今あそこは─────

「・・・・・・それはいいんだけど、今喫茶店に行くのはちょっと・・・・・・」

「あ、そうや。なのはちゃんが─────」

「お、なのはもいるのか。丁度いい。頼みたいことがあったんだ」

スタスタ・・・・・・

喫茶店に向かって歩いていく2人。それを見たはやては人生でそうない大ポカをしたことを悟った。
5日前にカリムにユーノを紹介したのも実は伏線だった。
カリムにその日

「ある物品≠フ調査ができそうな人と、ホテル『アグスタ』のオークションで鑑定してくれる人を探しているのだけど、いい人知らない?」

と問われたはやては、迷わずユーノの名を出していた。
能力面になんの問題もなかったし、なにより都合がよかった。ユーノはなのはの撃墜事件以降お互い顔を合わせた事がない。
それはなのはが

「こんな姿を(彼に)見せて心配させたくない」
350マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:56:50.24 ID:5BFN3k8J

と言ったことにある。
またユーノも、以前地上本部ビルで偶然会った時、仕事の都合でなのはと全く会えないと嘆いていた。
そこではやてはお節介かもしれないがこんな方法をとったのだった。しかし─────

(どないしよう!?2人をくっ付けるなんて簡単やと思っとったのに!)

そう、このままアルト達が行けばせっかくの2人きりの雰囲気が台無しになる。
はやての頭はフルドライブ。脳内緊急国会を召集、急いで審議が始まった。

第1案、今すぐ呼び止める。

しかし野党の

「何か言い訳はあるのか?」

という反論と牛歩戦術によってタイムオーバー。廃案。

第2案、なのは達を通信で呼び出す。

衆議(直感)院は通過。しかし有識者(理性)会である参議院が

「それでは本末転倒ではないか!」

という理由で否決。衆議院での再可決は見送られ廃案。

第3案、本当のことを話す。

内閣は衆議院解散(思考停止)を盾にごり押し、参議院を通過させる。しかし肝心の衆議院の大多数が

「なんか嫌な予感がする・・・・・・」

と独特の理由で難色を示し、否決。廃案となった。
それによって脳内人格八神はやて内閣総理大臣は伝家の宝刀を行使。衆議院を解散した。
こうして思考停止に陥ったはやて≠ヘ、『これだから人間は何にも決まらんのや!』と自らの脳内人格(政治家)達を批判する。そして─────

(ええい!もう、なるようになれ!)

彼女はついに最終手段である神頼みに入った。

(どうかお願いします。神様、仏様、夜神月様─────あれ?)

しかし天はご都合主義(クリスマスも祝うし、正月には神社・お寺に参拝に行くため)で基本的に無信教の彼女を見捨てていなかったようだ。
なんとアルト達が乗ろうとしていたエレベーターになのはとユーノの2人が乗っていたのだ。

「あれ?どうしたんだ?喫茶店にいるんじゃなかったのか?」

「ああ、うん。そうなんだけど人がいっぱい来ちゃって、席が足りないみたいだったから出てきたの」

なのはのセリフを聞いた時、はやては神の存在を信じたという。
351マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/12(火) 23:58:59.60 ID:5BFN3k8J
自分達が席を離れた時、まだ客は自分達しかいなかった。でなければ、公衆の場で堂々と機密情報の漏洩などやれるはずがない。当に神のみわ
ざといえるピンポイントさだった。

「そうですか・・・・・・どうしましょうアルト隊長?機密もありますし、ここはまずいと思いますが・・・・・・」

「う〜ん・・・・・・」

頭をもたげるアルト。胸をなでおろしていたはやては彼らに他の場所を提案した。

「じゃあヴァイスくんのヘリに行こう。あそこなら機密も保てるし、この人数でも十分や」

この案は即採用され、新人たちの所へ行くフェイト以外はヘリに向かった。

(*)

「―――――で、お前は誰なんだ?」

ヘリに入るとアルトは単刀直入にユーノに問うた。

「彼はユーノくん。私達の幼なじみで、管理局の情報庫である無限書庫の司書長をしてるの」

「なるほど。俺はフロンティア基地航空隊の早乙女アルトだ。ついこの前まで六課で世話になってたんだが、異動になってな。よろしく」

「こちらこそよろしくお願いします。・・・・・・ところでそちらの方は?」

ユーノがフロンティア基地航空隊のフライトジャケットを着た黒髪の少女を示す。

「彼女は俺の小隊の2番機を務める工藤さくら三尉だ」

「はじめまして、真宮寺・・・・・・いえ!工藤さくらです」

なぜかは知らないが彼女がいつも使う偽名を名乗ろうとしたが、アルトが先に紹介してしまったことに気づいたのか軌道修正した。
一方ユーノはなぜか『なるほど』という顔になった。

「はじめまして。やはりあなたがあの工藤家≠フ当主になられたさくらさんですね。騎士カリムからお話は伺っております」

ユーノがおずおずと頭を下げる。

「そんな、頭をお上げになってください。あたしそんなたいそうな者ではありません。ただ工藤家に生まれてきただけの小娘ですよ」

(工藤家?あいつの家そんなに有名なのか?)

しかし周りを見ると六課のみんなも知っていたようだった。
そこでよく知っていそうなはやてに念話を送る。

『(すまん。水をさすようだが、工藤家ってなんだ?)』

『(・・・・・・なんや知らんかったんかいな。通りでさくらちゃんを普通に使ってると思った)』

すると彼女は懇切丁寧に説明してくれた。
352マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/13(水) 00:01:17.15 ID:5BFN3k8J
工藤家とは100年前のミッドチルダ、ベルカ間の全面戦争を終わらせた者の末裔らしい。
元々聖王教会とはその彼らが作ったもので、伝承によれば今では主神として祭られている聖王の力を借りて戦争を終わらせた。
聖王は当時の核兵器や衛星軌道兵器、ベルカ側陣営による隕石の落下すら無力化し、この地に平和を呼び込んだという。
映像や写真すら残っていないが、小学校の教科書にすら載っているこの実績ある神を崇める者も少なくない。そのため聖王を使役した工藤家は代
々神との対話役として大切にされていた。
そして工藤家は管理局の魔導士になることが伝統とされており、彼女をバルキリー隊へ推薦をしたのは聖王教会らしい。
さくらはこの工藤家の末裔で、両親が早くに事故で死んでしまっていた。
そのため聖王教会に所属する騎士カリムは工藤家最後の1人になってしまった彼女の身を案じているという寸法だったらしい。
また、あの偽名も工藤家という事を隠したかったのだろう。との事だった。

(育ちがいいとは思っていたが、まさか本物のお嬢様とはな・・・・・・)

アルトは彼女のトレードマークである大きな赤いリボンで結わえた麗しい黒髪を見た。するとそれが右に流れていき、さっきまであった場所が少し赤
く染まった肌色に変わった。彼女が振り返ったのだ。

「・・・・・・どうしました?」

「いや、なんでもない。それでな、はやて、こっちではゴーストの連中と交戦に入ったんだがいつもより動きが良かったんだ。ここまでは聞いてるか?」

「うん、シャマルから報告は受けとるよ。なんでも賢くなったとか」

「そうだ。それでうちの3番機が早まって特攻しやがった。そしたら奴らどう対応したと思う?」

アルトの問いかけになのはが

「普通に考えたら迎撃だと思うけど、違ったの?」

と問い返す。

「違うんだよ。アイツらギリギリまで逃げて、激突寸前に自爆しやがったんだ。お陰でバカなまねした3番機は無事だったんだが、どうも解せねぇ」

「なるほど・・・・・・」

はやては腕組みしながら自らの考えを更に補強した。
今回ガジェット達を操作した召喚士は、本気で人死(ひとじ)にが出ることを恐れているらしい。
でなければ無人機とはいえタダ≠ナはないはずだ。トチ狂った敵のために自爆など、そうそうできることではない。

「聞いた話によればそっちも何かあったみたいだが、何があったんだ?」

アルトの問いに、はやてはガジェットの非殺傷設定と戦闘員への選択的攻撃について話す。

「─────と、こういう訳で陸士部隊の被害が少ないのや」

はやてはヘリの窓から近くに設営されている野戦病院を指さす。
確かにそこにいる陸士達はいずれも軽傷で、陸士部隊の救急搬送用のドクターヘリも駐機したまま、飛び立つ様子はなかった。

「でもおかしいよ。目的がわからない。こっちの被害がないんじゃ『本気を出せばこんなんなんだ!』って言いたい訳じゃなさそうだし・・・・・・」

ユーノの言に、なのはも
353マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/13(水) 00:04:29.98 ID:gSoLJwGs
「そうだよね・・・・・・」

と同意する。

「やっぱり、シグナムが言っとった車上あらしが怪しいんかな・・・・・・」

はやての呟きに視線が集まる。

「どんな車上あらしだったの?」

「うん、実はな、人間じゃなくて召喚獣や使い魔らしいんや」

はやてはシグナムからの報告を全て話した。手法から撤退まで。ちなみにトラック自体は盗難車であることがわかっていた。

「この流れで行くとその召喚獣が本命っぽいね」

「でも、何を盗んだのかわからないのが困りますね」

「「う〜ん・・・・・・」」

一同頭を捻るが、そこまでだ。
ホテル側やシャマルとシグナム、そしてAWACSに聞いてもそれ以上の情報はなかった。
こうなると、今後は調査隊の報告を待つしかなさそうだった。

(*)

「ところでアルトくん、なんかなのはちゃんに頼みごとがあったんやなかったか?」

「え? アルトくんどうしたの?」

考え込んでいたなのはがアルトに向き直る。

「ああ。それなんだがな、さくらがお前のところで1週間でいいから戦技教導してくれって言うんだ」

えっ!?となるなのはにさくらが畳み掛ける。

「お願いします!今日アルト隊長や天城さん─────僚機を守りきれなくて・・・・・・あたし、もっと強くなりたいんです!やる気はありますから、ど
うかお願いします!」

深々と頭を下げるさくらになのはは困った顔をした。

「え〜、う〜ん・・・・・・アルトくんやミシェル君には教えてもらえないの?」

「いえ、アルト隊長にもミシェル隊長にもよくしてもらっています。・・・・・・ただミシェル隊長は長距離スナイピングしか教えてくれないし、アルト隊長も
主戦術が高速機動による撹乱と誘導弾との連携攻撃なので、あたしの特性に合わないんです。・・・・・・あっ、アルト隊長、全く役に立たないなんて
言ってませんからね!」

あたふたしながら否定するさくらに、アルトは

「仕方ないさ。人それぞれの特性があるんだから」
354マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/13(水) 00:06:36.50 ID:gSoLJwGs

と流した。

「そっか・・・・・・でも私はうちの新人達の面倒を見てあげなきゃいけないからなぁ・・・・・・さくらちゃんは何がやりたいの?」

「近・中距離での機動砲撃戦です。今日の戦いで、長距離からの援護狙撃という戦術に限界を感じたんです」

長距離からの狙撃にはどうしてもタイムラグが出てしまう。そこがスナイパーの腕の見せどころだったりするが、彼女には今が限界だった。
さくらの言った戦術はなのはの十八番とも言える戦術で、彼女が魔法を手にしてから10年間磨いてきた戦術機動だった。

「だったら1週間、なんて中途半端な期間はダメだね。さくらちゃん、3週間でも頑張れるかな?」

「はい!もちろんです!!」

さくらが嬉々として応える。なのはは頷くと、人指し指と中指を立てていわゆるピース≠フ動作をすると続ける。

「でも条件が2つ。まず1つ目に、アルトくんがさくらちゃんの面倒をみてあげること。わたし、魔導士としてのスキルしか教えられないから、それをバ
ルキリー用に転換してあげないと」

アルトは仕方ないな。と肩をすくめる。

「2つ目に、どうしてもうちの新人の教導がメインになっちゃうから、教導は早朝と夕方ぐらいしかできないんだけど、それでもいい?」

「はい、構いません!お願いします!」

「うん、いい返事。明日の早朝には始めたいから、部隊に帰ったら荷物をまとめて、アルトくんと一緒においで」

「はい!ありがとうございます!」

さくらは最敬礼して言った。

これが地獄への入り口であった。

To be continue・・・・・・

以上投下終了です。ありがとうございました。
355名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/13(水) 00:09:33.32 ID:nGqZpUPB
また微妙な人のがパクられたな……撤退はしてないはずだが
356名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/13(水) 00:25:30.90 ID:OiYROUbb
とりあえず議論でやれ

ソレはともかく投下乙
357名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/13(水) 21:40:02.04 ID:ysYoGT9i
藤村「じゃあじゃあじゃあ!ミスター!」
鈴井「おやおや〜」
大泉「毎度毎度、鬱陶しいんだよ!この小芝居!」
358名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/13(水) 21:57:00.93 ID:tGRbPb71
>>354
投下乙です
>これが地獄への入り口であった。
ガクガクブルブル
359 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:13:38.12 ID:s3VMfIvg
5時20分以降に投下します。

【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・ディエンドの無駄遣い
・ディエンドのライド召還祭り
・自分の好きなキャラがディエンドに勝手に呼び出されて使役される事に我慢出来ない人には不向き。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・恋姫無双
・ブラック★ロックシューター(ディエンドのライド召喚的意味での参戦)
・ハルヒ(ディエンドの以下略)
360なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:21:45.14 ID:s3VMfIvg
 14:聖王の百合かご艦内突入戦編

 スカリエッティ操るキングダークJSの相手はディエンドがライドしたプリキュア四人と
ハートキャッチオーケストラの女神に任せ、ディケイド達をそれぞれ乗せたバイク四台が
聖王の百合かごの内部への突入に成功した。

「よし! 何とか聖王の百合かごの中に侵入したぞ!」
「流石は聖王のゆりかごの同型艦。内部の作りがゆりかごとそっくり。」

 かつてJS事件の際にゆりかごの内部に突入して戦った事のあるなのはだからこそ分かる。
内部通路の作り等、聖王の百合かごは聖王のゆりかごにとても良く似ていたのだった。

「後はこのまま奥まで突き進む…と言いたい所だが…。」
「やはり内部にも相当数の守備隊がいたか…。」

 もはや百合ショッカーにとって最強の兵器である一方で最後の砦とも言える聖王の百合かご。
当然その内部にも侵入者に備えた守備隊が配備されている事は想像に難くなく、その通りだった。

「ユリー! ユリー!」
「ゲゲル! ゲゲル!」
「キー! キー!」

 それは百合戦闘員、様々な勢力から百合ショッカーに参加した怪人達、ライオトルーパー、百合ショッカーライダー、
ハートキャッチの世界のプリキュアに敗れて砂漠の使徒が解散してしまった為に路頭に迷った所を
百合ショッカーに拾われた敗残組のスナッキー達、兵力増強の為にスカリエッティ主導によって再生産がかかった
各種ガジェット等、多種多様な者達で構成された混成部隊であった。しかし、それだけでは無かった。

「なのフェイなんてババアもういらねぇよ!」
「これからはヴィヴィオとアインハルトの時代だウワヒョー!」
「リオ×コロナも忘れるなよ!」
「リリィ×アイシスの百合もキボンヌ! トーマはアンノウンに塵にされてしまえ!」

 百合戦闘員や百合怪人に混じって木刀や釘バットで武装した百合厨達の姿があった。百合ショッカーには
多くの百合厨が賛同している事は既に知られているが、その中でも彼等はVivid及びForce以降に沸いた新興勢力の百合厨であった。

「何てこった。今まで倒して来た戦闘員や怪人と同じ位いるんじゃないか?」
「あそこにいる百合厨の人達は最近になって入ったと考えても…ねぇ…。」

 余りの大軍に今までコツコツ敵を倒して百合ショッカーの戦力を削って来たのが馬鹿馬鹿しく思えて来る程に
皆は呆れ果ててしまっていた。


 百合ショッカー…と言うよりも聖王の百合かごの中には何故ここまでの兵力が蓄えられていたのか。
その秘密は聖王の百合かごの奥深くにあった。

「聖王の百合かごはそれ自体が各種大規模生産設備を備えている。故に単艦での長期運用が可能なのだ。」

 聖王の百合かごの奥深くに存在した各種の生産設備。それを前にして百合神博士が誇らしげに呟く。
聖王の百合かごはただの巨大戦艦では無い。食料から兵器に至るまで様々な物を製造する事の出来る設備を持ち、
それによって単艦でも続々と兵力を生み出し戦い続ける事が出来たのである。

 そして、聖王の百合かごの守備隊として配備されていた百合戦闘員や百合怪人・ガジェット等も
この内部製造設備で新たに生産された者達だった。

「聖王の百合かごさえあればあらゆる世界を支配する事が出来ると言う言葉は過言では無い。ハッハッハッハッ!」

 今も続々と作られて行く怪人やガジェットの姿を見つめ、百合神博士の笑い声が響き渡っていた。
361なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:23:07.41 ID:s3VMfIvg
 百合神博士が笑っている間も、聖王の百合かご守備隊は続々となのは達に迫りつつあった。

「ユリー! ユリー!」
「ババアと淫獣はグロンギにゲゲルされてしまえー!」
「あーもー一々腹が立つなぁ。」

 百合戦闘員や百合怪人はともかく、ヴィヴィオ×アインハルトを支持する百合厨達の言動は
戦力的意味では無く精神的な意味でなのは達にダメージを与えていた。

「くそ。こんな所で足止めを食らってる場合じゃないと言うのにな…。」
「はわわわわ。」

 ディケイドはライドブッカー・ソードモードを構え、クウガやBLACKもそれぞれ拳を構える。
朱里ちゃんはあたふたしながらバトルホッパーの後に隠れていたりしたが、そんな時に
後方からマシントルネイダーに乗ったアギト・アギト、リイン・G3がやって来ていたのだった。

「おい! あたし達も手伝うぞ! って敵多!!」
「来た事を少し後悔しちゃいそうです…。」
「その声は…アギトにリイン!」
「二人ともどうしたのその格好!?」

 なのは達が驚くのも無理は無かった。アギトが仮面ライダーアギト・グランドフォームになっており、
リインがG3システムを装着していたのだから。おまけにマシントルネイダーと言う大型バイクにまで乗って。

「詳しい話は後! とにかくあたし達も戦う!」
「でも…あの数はちょっ辛いですよアギト。」

 正面に展開する聖王の百合かご守備隊の異様な数にリイン・G3は怖気付いてしまっていたのだが、
G3システムを装着した状態で乙女チックに怖がるポーズを取るのはかなりシュールな光景だった。

「ここは僕に任せたまえ。」
「うあ! また出て来たな海東!」
「あっ! あの時の青い人!」

 ここでまたも何処からか現れたディエンド。彼はまたも何処からか取り出したカードをディエンドライバーに差し込む。

「今度は誰を出すんだ?」
「まあ見てなって。僕の取っておき。後悔はさせないよ。」

『カメンライド! ストロンガー BLACKRX! 電王!』
「天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ! 仮面ライダーストロンガー!」
「俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK! RX!」
「俺! 参上!」

 ディエンドは仮面ライダーストロンガー&RX&電王の三人をカメンライドで呼び出していた。
これにはなのはも思わず驚きと感激の混ざった様な表情になる。

「またプリキュアでも出すのかと思ったけど今度は普通にライダーの人出したんだね。」
「普通とか言うなよ。」

 ストロンガー&RX&電王と言う三人の仮面ライダーの参戦は戦力としてかなりの心強さと
活躍を期待させる物であったが、それでも現在正面から迫って来る敵の大軍団を迎え撃つには
まだ足りないと思える部分があった。

「こいつ等の戦力を疑うわけじゃないが、もっと数が欲しいな。前を見てみろよ。地面が見えない位に凄い数だろ?」
「そう言うと思って、まだまだ用意してあったのさ。」

 ディエンドはまだ手駒を用意してあると言う。そして彼は再び何かのカードをディエンドライバーに差し込んでいた。
362なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:25:44.13 ID:s3VMfIvg
『キャラクタライド! スーパーヒロインズ!!』
「お! また何か一杯出て来たぞ!」

 ディエンドのライドしたと言う『スーパーヒロインズ』 最後にズが付くだけあって一度に
沢山ライドされていたのだったが、それはまさにスーパーヒロインズの名に恥じない錚々たる面々であった。

「我が名は関羽雲長! 北郷一刀が一の家臣! 青龍偃月刀の錆となりたい者はかかって来い!」

 まず最初に現れたのは『恋姫夢想(無印・原作ゲーム…の全年齢版)の世界』から参戦、関羽雲長こと愛紗。
美しき黒髪をなびかせ、青龍偃月刀の刀身部分をを正面から迫り来る敵集団へ向けていた。

「私は…ブラックロックシューター…。」

 続いて『ブラック★ロックシューターの世界』からディエンドにライドされて来たブラックロックシューター。
左目から青い炎が灯り、左腕に装着する★Rock Cannonの砲口を敵集団へ向けていた。

「私は貴方達が『涼宮ハルヒの憂鬱の世界』と呼ぶ次元境界における宇宙の一つの中に存在する内の一つの
銀河系を統括する情報統合思念体が作り出した対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース…長門有希。」

 次は『涼宮ハルヒの憂鬱の世界』からライドされて来た長門有希。特にそれと言ったポーズを取らず
直立不動なままであったが、その瞳は正面敵集団に向けられていた。

「光の使者! キュアブラック!」
「光の使者! キュアホワイト!」
「百合の力の下僕達よ!」
「さっさとお家に帰りなさい!!」

 『ふたりはプリキュア(無印)の世界』から、キュアブラックとキュアホワイトが参戦。
ホワイトの方は既にディケイドが一度ライド変身していたが、ここではディエンドにライドされた存在とは言え本人が登場。
二人は各々の名乗り上げとポーズを取りつつ、その瞳は正面敵集団に向けられていた。

「ピンクのハートは愛ある印! もぎたてフレッシュ! キュアピーチ!」
「真っ赤なハートは幸せの証! うれたてフレッシュ! キュアパッション!」

 『フレッシュプリキュアの世界』からキュアピーチとキュアパッションが登場。
実はフレッシュ系はまだディケイドもライドしてなかったのだが、ここから初めての参戦となる。
二人は各々の名乗り上げと共にポーズを決め、その瞳を正面敵集団に向けていた。

「うわ〜…良く分からないけど凄いメンバーを揃えたものだよね。」
「やっぱりプリキュアいるんだ…。」

 この錚々たる面々にはなのはも呆れながらも感心していたのだが、ここでユノクロWの内のクロノの部分が
ある事に気付いていたのだった。

「ちょ…ちょっと待て! スーパーヒロインズとか言っておきながら一人だけオッサンが混じってるぞ!」
「うあ! 本当だ! しかも紐パン一丁!」

 その通りだった。ディエンドは確かにスーパーヒロインズをライドした。しかし、なのに一人だけ
紐パン一丁でムキムキマッチョなオッサンが混じっていたのである。
363なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:27:12.51 ID:s3VMfIvg
「あっら〜! 失礼しちゃうわぬぇ〜! この貂蝉ちゃんに向かって〜!」
「うあー! この人オカマか!?」
「しかもCV:若本さんかよ!」

 貂蝉と名乗るこのムキムキの紐パンオヤジは乙女チックなポーズを取るのだが、
それがますます不気味さをアピールする結果にしかならない。

「酷いわぬぇ〜! 私も立派な乙女よぉ〜! そっちこそ悪趣味な鎧着て偉そうな事言わないでぇ〜!」
「ちょっと待って! 貂蝉って三国志で一番の美女って言われる貂蝉!?」
「当然じゃない! この私の美しさが理解出来ないって言うのぉ〜!?」

 三国志に詳しい人なら貂蝉と言う人をご存知だと思う。傾国の美女と呼ばれ、三国志の中でも
一二を争う程の美女であったと語り継がれる。しかしそれがまさかこの様なムキムキ紐パンオヤジ……
これには同じくディエンドにライドされた他の人達も引いていたのだが、そこで関羽こと愛紗が前に出ていた。

「こやつは確かに見た目通りにアレだが、実力は確かだ。私が保障しよう。」
「ああ、なるほど。コイツも『恋姫の世界』の存在か…。なら納得。」
「あら愛紗ちゃんもさりげなく酷いわねぇ! アレって何よアレってぇ!」

 貂蝉と愛紗で面識があった事を知り、皆は何となく納得していた。『恋姫の世界』では関羽を初めとする
三国武将達が美少女化していたのだから、貂蝉がオッサンになっていても不思議な事では無かった。

「とにかく私も戦うわぁ〜! あんな奴等野放しにしてたらご主人様とイチャイチャ出来ないぇ〜!」
「そ…そう…がんばってね…。」

 どう見てもムキムキ紐パンオヤジなのに、乙女チックなポーズでアピールする貂蝉の姿には
流石のなのはも眉を細め呆れてしまうのだったが、一方ディケイドはディエンドに尋ねていた。

「しかし海東、この人選の基準は何だ?」
「恋姫系以外は筆者がフィグマ及びフィギュアーツとして持ってるからね。」
「そうか…ゴルゴムの仕業ならぬ筆者の仕業か…。」

 ディエンドがライドした三人の仮面ライダー及びスーパーヒロイン達。彼女達にはある共通点があった。
それは『リアルの世界』に存在する筆者がフィグマ及びフィギュアーツとして持っているキャラクター達であった。
(ただし電王・ストロンガーは装着変身)故に『フレッシュの世界』のプリキュアなんかピーチとパッションはいるのに
ベリーとパインはいないと言うおかしな事になっていた。例外的に恋姫の関羽こと愛紗はそもそも
可動フィギュア化されてすらいないのだが、彼女は何故…

「他の連中はまだ分かる。なら恋姫系まで呼び出した理由は何だ? 孔明なんか何時の間にかメンバー化してるし。」
「筆者が喜ぶからに決まってるじゃないか。」
「また筆者の自己満足か…。」
「恋姫とのクロスSSを別に作るより、こっちに一緒に出してしまった方が楽だしね。ただでさえ色んな世界の人が
出て来てもう雑多な感じになっているんだし。」
「そんな横着してるから皆に色々文句言われんだよ。」

 そう。もはや魔法少女リリカルなのはと仮面ライダーディケイドだけに話は留まっておらず、今や数多の世界を
巻き込んだ壮大な大戦となっている。ならば、別になのはと恋姫のクロスSSを作るよりも、ここに一緒に
恋姫も出してしまえと言うのが本音であった。

 とか何とかやっている間にも、正面からは敵集団が猛烈な勢いで攻め寄せていた。
364なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:28:45.85 ID:s3VMfIvg
「ユリー! ユリー!」
「ババァも淫獣も中古も皆ゲゲルされてしまえー!!」
「キー! キー!」
「あ! そう言えば奴等の存在すっかり忘れてた!」

 正面に展開する敵集団。それは既に説明されている通り百合戦闘員、各種百合怪人、ユリトルーパー、
百合ショッカーに拾われたスナッキー達、百合ショッカー仕様のガジェット、そしてVivid及びForce以降に
新しく発生した百合厨等、様々な者達で混成された統一感の欠片も無い大軍団であった。

「やはり多いな…。アレを突破するのは至難の技だぞ…。」
「あのザコの群れは僕達に任せて君達は先に進むんだ!」 
「え!?」
「それ行けー!!」

 ディエンドが正面敵集団にディエンドライバーを向けた。それと共に彼がライドした三人の仮面ライダー及び
スーパーヒロインズが一斉に敵集団へ向けて突撃を掛けて行く。

「電パァァンチ!」
「リボルケイン!」
「行くぞ行くぞ行くぞー!!」

 ストロンガーは数々の電撃技を持って百合怪人や百合戦闘員を感電させ、RXはリボルケインで突き倒し、
電王はデンガッシャーソードモードでばっさばっさと斬り倒して行く。

「この青龍偃月刀の錆になりたい輩はかかって来い! はぁ! たぁぁぁぁぁ!」

 関羽こと愛紗が青龍偃月刀を振り回し、群がるガジェットやユリトルーパーを次々に斬り飛ばしていく。
それは以前ディエンドに五虎大将としてライドされた時に地獄大使ことガラガランダ改め、
ガチ百合大使ことユリユリンダに敗れ消滅した時の汚名を返上する程の暴れぶりだった。
他の面々に比べて特殊な力を持たない彼女だが、武人として数多の戦場を駆け抜けた経験と技術は
それを補って余りある物であった。

「………………………。」

 ブラックロックシューターは無表情かつ無言ながら、左目に青い炎を灯し、左腕に装着した★Rock Cannonを
振り回して接近する敵を殴り飛ばし、さらに砲口から毎秒二十発もの岩石を高速連射して敵を次々に撃ち砕いて行った。

「ここで彼等を野放しにしていれば…何時か彼にもその火の子が降りかかる…。それだけは防がなくてはならない…。」

 長門有希は静かにそう呟く。ディエンドにライドされた存在であるとは言え、この戦いは直接的意味では
彼女には何の関係も無い事かもしれない。しかし、その影響は何時の日か必ず自分のいる世界に…そして
ヒューマノイドインターフェースとして作られた彼女に大きな影響を与えた一人の青年にも降りかかると…
そう考え、情報操作によって周囲の物理法則を書き換え、そこから発生したエネルギーによって
正面敵集団を次々に蹴散らして行った。

「だだだだだだだぁ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 キュアブラックは迫り来る敵を次々に殴り飛ばし、キュアホワイトは掴んだ敵を手当たり次第に投げ飛ばして行く。
365なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:30:04.98 ID:s3VMfIvg
「皆が幸せゲット出来る様にする為…。」
「私達は戦う!」

 キュアピーチとキュアパッションもまた、まるでダンスの様に軽やかに戦場を駆け抜け、その拳や蹴りは
ガジェットの重金属ボディーも楽々打ち砕いて行く破壊力を見せ付けた。

「ご主人様待っててぬぇ! この外史で一暴れした後でちゃんと帰って来るからぬぇ! ふんぬぁぁぁぁぁぁ!!」

 貂蝉の全身の鋼の様に鍛え抜かれた筋肉がうなりを上げ、物凄い怪力で百合厨どもを次々に吹き飛ばして行った。

 百合ショッカー聖王の百合かご守備隊は彼等の活躍でも全滅させる事は困難な程の物量を誇っていたが、
それでも通路を埋め尽くすかの様に展開されていた敵陣の内の一箇所に穴を開ける事は出来た。

「よし今だ! あそこを突っ切って先へ進むんだ!」
「ああ! 行くぞお前等!」
「うん!」
「はわわわわわ!」

 敵陣の内の穴の開いた一箇所を指差すディエンドに応える様にディケイドを乗せたマシンディケイダー、
クウガを乗せたトライチェイサー2000、BLACKと朱里ちゃんを乗せたバトルホッパー、
ユノクロWとなのはを乗せたハードボイルダー、アギト・アギトとリイン・G3を乗せたマシントルネイダーが
一斉に走り出し、穴の開いた敵陣を突っ切ろうと猛烈な速度で突っ込んで行く。

「奴等を通すな!」
「ユリー! ユリー!」
「淫獣をゲゲルしろー!」
「ヴィヴィオ×アインハルトに近付かせるなー!」

 ディケイド等を通すなと言わんばかりに百合厨が慌てて穴の開いた箇所に殺到し、木刀や釘バットを振り回して立ち塞がろうとする。

「ザコに構うな! ひき潰してでも前へ進め!」
「ごめんね皆…。」
「はわわわわわ!」

 しかし徒党を組んでも所詮は百合厨。彼等の乗るバイクはいずれも市販のバイクとは比較にならないモンスターマシン。
結局百合厨は次々に轢き飛ばされ、ディケイド達は包囲網を抜けて聖王の百合かごの奥へと駆けて行った。

「逃がすなー!」
「追えー! 追えー!」

 百合厨は木刀や釘バットを振り回しながら必死にディケイド達の後を追おうとしていたが、彼等に対し
ディエンドのディエンドライバーから発射されたディメンションシュートやブラックロックシューターの
★Rock Cannonから放たれる岩石によって撃ち砕かれていた。

「ウワヒョー!」
「おっと逃がしはしないよ。」

 ディエンドを中心としてその周囲にストロンガー、RX、電王、愛紗、ブラックロックシューター、長門、
キュアブラック、キュアホワイト、キュアピーチ、キュアパッション、貂蝉が立つ。ここに殺到している
百合ショッカー聖王の百合かご防衛部隊を釘付けにして、なのはやディケイド達の負担を軽くさせる。それが彼等の戦いであった。
366 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/14(木) 17:31:46.42 ID:s3VMfIvg
ここで次回に続きます。

今回のライド祭りは…あ〜…つい出来心で…と言う奴です。
やっぱり色々買っちゃうと、出したくなっちゃうんですね〜ハイ。
367名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/14(木) 19:07:54.89 ID:awwbphzc
投下乙

もうそろそろ次スレも近付いてきたな
368名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/14(木) 21:57:12.58 ID:FQ3tiJbE
>>367
こんな奴に「投下乙」なんて言う必要ないよ
369キロロ・ロキ ◆l6Qq.uYGyRdF :2011/04/14(木) 23:47:16.92 ID:Q0q7jfBt
午前0時ごろ新作投下予定です。よろしくお願いします。
370キロロ・ロキ ◆l6Qq.uYGyRdF :2011/04/15(金) 00:01:51.66 ID:Pixzptr5
戦場のStrikerS〜プロローグ〜

征暦1935年、ヨーロッパは第二次ヨーロッパ大戦の戦火の真っただ中にあった。皇帝が絶対王政を敷く東欧州帝国連合(通称「帝国」)と、
共和制連邦国家・大西洋連邦機構(通称「連邦」)との間で始まった第二次ヨーロッパ大戦は、両国に挟まれた武装中立国であるガリア公国へと
その戦火を広げることとなった。帝国は燃料や兵器、治療目的で使われる鉱物資源・ラグナイトを大量に手に入れ、
それによって連邦との戦争を優位に進めることを目的とし、ラグナイトを豊富に産出するガリア公国への侵攻を開始したのである。
ガリア軍は開戦当初帝国の圧倒的兵力の前に圧倒されるが、のちに戦線を建て直しそして1935年10月に帝国とガリアの戦争は
ガリアの勝利によって終結する。しかし、この戦争の影で歴史に一切残らないある部隊の活躍がガリアを勝利に導いたことを知る者は少ない。

ガリア公国軍第422部隊、通称―ネームレス(名無しの部隊)。軍規違反者や徴兵された犯罪者が配属される部隊で、正規軍からは捨て駒同然の
扱いを受ける部隊でありまたその任務は公式記録には一切残らず、存在しない部隊として扱われるため隊員は名前ではなくナンバーで呼ばれる。
それが彼らがネームレスと呼ばれる理由だった。彼らはどんなに過酷な任務でも決して拒否することはできない。
命令・任務拒否は即刻銃殺刑という厳しい規律が存在しているためだ。それでも現隊長、NO.7ことクルト・アーヴィング少尉の指揮のもと
ここまで一人の戦死者も出すことなく戦ってきた。しかし、ガリア東部・バリアス砂漠に取り残された友軍の救出という任務を受けた422部隊は
そのバリアス砂漠にてなぜか友軍、それも計4個中隊からなる大部隊に包囲されてしまうのだった。

「そろそろ砲弾の雨が降ってくるぞ、どうするんだ隊長!」
「どっちを向いても大部隊ですよ!」
「どこを攻撃すれば!?隊長、指示を!」
「逃げ場はないんですか?」
「味方に完全包囲されるとは、さすがに隊長も予測できなかったか…」
「ここから逆転したら間違いなく歴史に残るだろうけど…無理ね」

隊員たちが指示を求める。しかし、クルトにはもう打つ手がなかった。

「ここまでか…すまない、みんな。俺が隊長として打てるあらゆる手を考えたがこの状況を打開できる一手は存在しなかった」
「クルト?おい、まさか諦めるなんて言わないよな!?」

NO.21、フェリクス・カウリーがクルトに詰め寄った。それにクルトはいつもと変わらない冷静な口調で答えた。

「諦めはしない。だが、打つ手がないのもまた事実だ」
「どちらに転んでも…結果は同じだな…」
「全滅…なんですね…」
「全滅…」

隊員たちのどよめきの中、最後にそう呟いたのはNO.13、リエラ・マルセリスだった。悲しい表情を浮かべるリエラにクルトが語りかけた。

「リエラ…この結末は俺の責任だ。君のせいじゃない」
「クルト…」

そして、ついに砲弾の雨が422部隊に降り注いだ。着弾の際の閃光とともに起こる爆発と衝撃と轟音が容赦なく彼らを襲った。
371キロロ・ロキ ◆l6Qq.uYGyRdF :2011/04/15(金) 00:03:18.62 ID:Pixzptr5
その場に伏せてみても状況は何も変わらない。これまでか…ならばせめてリエラを守ろうとクルトはリエラの体に覆いかぶさった。
そんな彼らのすぐ真横に砲弾が着弾する。再び放たれる閃光。しかし、それと同時に襲ってくるはずの轟音、衝撃、爆風はなぜかやってこなかった。
不思議に思い目を開くとそこには信じられない光景が広がっていた。砂漠にいたはずの彼らはなぜかところどころひび割れ、打ち捨てられた廃墟で
あることが一目でわかる建造物の中にいた。そしてクルトのもとにはつい先刻その身を挺して守ったリエラの姿があった。

「リエラ!大丈夫か!しっかりしろ!リエラ!」
「う、う〜ん…あれ、クルト…それに、ここは…どこなの?」
「俺にもわからない。だが、ここはガリアではない。それだけは確かだろう」

クルトがそう言い切る根拠。あの時ガリア正規軍は明らかに422部隊を全滅させるつもりで攻撃を仕掛けてきていた。つまり、ガリア軍に捕えられ
ガリア国内のどこか監禁されているということは考えられない。生かしておく必要が皆無だからだ。
ガリアではないということは…帝国領内かとも考えたが現在の戦線はバリアス砂漠よりも北部に展開されていてバリアス砂漠に帝国軍が
いたとは考えにくく、故に帝国軍の捕虜となり帝国領内に連れ去られたということも考えにくい。
どちらでもないとするとここはどこなのだろうか。それを考えるよりも先にクルトはあることに気づき行動を開始した。
彼が大切に思う422部隊の隊員たちを探しに行くのだ。

「歩けるかリエラ?つらいようならここで休んでいるといい」
「ううん、私は大丈夫。さあ、みんなを探しに行こう」

だが、どこともわからない未知の場所。2人はそれぞれサブマシンガン・ヒルドと偵察用ライフル・ガリアンA‐3を構え、警戒しながら歩き始めた。

投下終了です。戦場のヴァルキュリア3とのクロスです。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/16(土) 10:00:42.45 ID:LZm+Mfwn
ありがちな「本物の軍隊の厳しさを教えてやるぜ!」みたいな話にならないことを祈る
373名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/16(土) 10:07:16.64 ID:Du7rAOMd
>>366

人大杉ワロタ
374一尉:2011/04/16(土) 21:45:22.69 ID:e370Fcvs
支援
375名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/17(日) 15:18:51.19 ID:XcTruqNE
>>366
ソードフォームの掛け声は行くぜ!行くぜ!いくぜぇぇーっ!!
だと思うんだが…平成はあんまし見ていない俺でもさすがに色々なミスに違和感ありまくりで若干困惑気味
376名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/17(日) 15:55:20.02 ID:ommnM1fD
>>375
全然違うんならまだしも、一文字違うだけならただの書き間違えかもしれない
377 ◆9AuJCD5Ft6 :2011/04/18(月) 10:39:24.30 ID:c8IBzp1W
僕らの夢は、全力全開!

11:00より、放送開始!

※ウソ新番組予告です
378 ◆9AuJCD5Ft6 :2011/04/18(月) 10:58:20.88 ID:c8IBzp1W
皆さん、こんにちは!私、高町なのは!
普通の小学三年生でs

「聞いたか、恭也!」
「ああ!霧隠さんとこの坊主が世界を救ったって話だろ!?」
「うむ!元は霧隠と同じ流派から分派した御神流、俺達も負けてはおれん!」
「応!うおりゃああああ!」
「甘いぞ、恭也!でやああああ!」
「こらー!私との稽古をほっぽりだすなー!」
「もうすぐ朝ごはんだから、稽古場が壊れない程度にするのよー?」

……訂正。少なくとも私は普通です。普通だよね?

そんなある日の学校の帰り道。
親友のアリサちゃんやすずかすずかちゃんと一緒に歩いていた私の前に、なんと巨大な怪物が!
絶体絶命かと思われたその時!私達を助けてくれたのは大きな光の球!?

光の球の正体は『エルドラン』

今まで地球を守り続けていた、光の戦士。正義の化身。
侵世艦隊『ジャカイレーツ』の大侵略を異界の少年『ユーノ』の知らせを受けて
水際で食い止めたは良い物の、侵攻を食い止め続けるために動けなくなったエルドラン。
そこで彼は私達にある物を託して、自分の代わりにジャカイレーツの刺客と戦ってくれるよう頼んだのです!

即ち、巨大なロボットを!

「レイジングバード、セットアップ!」
「バーニングコング、セットアップ!」
「ベーリングパンサー、セットアップ!」
「「「全開合体!」」」

私が乗るレイジングバードが翼、胸、顔に!
アリサちゃんのバーニングコングが両腕と腰に!
すずかちゃんのベーリングパンサーが両足に!

そして完成する、不屈の光!

新番組!

『全力全開!ゼンカイザー!』

来週から、始まります!(※今作は小ネタ故、始まりません)
379 ◆9AuJCD5Ft6 :2011/04/18(月) 11:20:48.19 ID:c8IBzp1W
以上。

このあと、

ジュエルシードをもとにした『破願の種』によってうまれた『破願獣』が暴れまわったり

敵幹部プレシアの娘で組織を裏切ったフェイトの操る
『疾風迅雷ジンライザー』が出てきて超全開合体したり

アリサ、すずかに新ロボ
『豪華絢爛ゴウカイザー』
『千変万化バンカイザー』
が授けられてやっぱり合体したり

敵幹部アイン・ナハトバッハがはやてと心を通い合わせたり

敵ボスの正体が『闇のエルドラン』と言うべきものだったり

しますが

今回はこれで終わりなのだ
380名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/18(月) 20:14:54.30 ID:IUl2ncmx
>>371
プロローグだけでも、もうちょっと投下してほしいかも
リリカルキャラが出るくらいまでは。
でも都築には期待してる
381名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/18(月) 20:17:37.98 ID:IUl2ncmx
ミス×都築→続き○
都築にはもう期待してない
DOG DAYSってStS以降の悪いところがモロに出てる印象
382名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/18(月) 22:49:13.89 ID:jnfV5c+j
『魔法少女リリカルなのは DEVIL HUNTERS』は現在読むことが出来ないのでしょうか?
過去スレにて>>1のまとめとは別の場所に移動したらしいと言う書き込みは見つけたのですが、
タイトルやら何やらでググっても辿り着くことが出来ませんでした。

DMCの中でも4を扱っているのはこのタイトルだけなので気になっているのですが、
これがもし自分が思っている以上に何度も繰り返されてて皆さんをうんざりさせてしまうような
質問だったとしたら申し訳ないです、無視して下さい、すいません……。
383 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/19(火) 09:28:10.54 ID:AKb3I71k
9時35分以降に投下します


【注意事項】
・悪の組織が百合人気を利用した世界征服を企み、その一環として他ジャンル否定を行ったりし、
なのは達がそれに抗うので作品全体を通してみると百合否定っぽく見えます。
・↑に伴い現状のアニメ界及びヲタを風刺する要素があります
・みんなふざけている様に見えますが、やってる当人達は至極真剣です。
・ディエンドの無駄遣い
・自分の好きなキャラがディエンドに勝手に呼び出されて使役される事に我慢出来ない人には不向き。



登場作品
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
・仮面ライダーディケイド&仮面ライダーBLACK&歴代仮面ライダーシリーズ
・プリキュアシリーズ
・恋姫無双
・東映スパイダーマン(ほぼ一発ネタ)
・イタリアンスパイダーマン(ほぼ一発ネタ)
384なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/19(火) 09:40:19.01 ID:AKb3I71k
 ディエンドと彼がライドしたライダー及びスーパーヒロインズが聖王の百合かご入り口前通路に殺到していた百合ショッカー側
各種混成防衛部隊を釘付けにし足止めをしている頃、ディケイド達とそれぞれを乗せたバイクが猛烈な速度で
聖王の百合かご内の通路を駆けていた。そんな時、一時バイクを止めてふとディケイドがなのはの方に顔を向けた。

「そう言えばなのは、お前達は以前コイツの同型艦とやりあった事があったとか言ってたな?
それならある程度はコイツの攻略法とか分かるんじゃないか?」
「同型艦と言っても全く同じとは言い切れないけど…試してみる価値はあるかもしれないね。」

 聖王の百合かごと聖王のゆりかごの間にはどの程度の差異があるのかは分からない。しかし、基本が同じとするならば
同じ攻略法でどうにかなる可能性は高いと言う事にもなり得る。

「以前JS事件で聖王のゆりかごの中に入った時、動力炉をヴィータちゃんが、そして私はゆりかごの起動キーとして
囚われていたヴィヴィオを助ける為に玉座の間に向かったけど…。」
「となると二手に分かれる必要が出て来るな。」

 ここで二手に分かれる必要が出て来た。一つは聖王の百合かごの動力炉を停止、もしくは出力低下を促すチーム。
そしてもう一つは聖王の百合かごの起動キーとして玉座の間に囚われているヴィヴィオを救出し、それを掌握している
百合ショッカー幹部を倒すチームの計二チームに分かれて行動しなければならない。

「チーム分けとなると…おいそこのチビ孔明。お前ならどう分ける?」
「はわっ!?」

 ここでディケイドに視線を向けられ慌てる朱里ちゃん。彼女も一応は恋姫の世界における諸葛亮孔明なのだから
こういう頭脳労働には適任と考えたのだ。決してディケイドはチーム分けを考えるのが面倒だったわけでは無い。

「はわわわわわわ………。」
「はわわわわじゃわかんないだろ。少しは考えろよ。」

 ディケイドに睨まれて朱里ちゃんはあたふた慌ててBLACKの後に隠れてしまった。

「士、あんまり小さい子を困らせるのはよせ。」
「そうだよ。いくら孔明だからって言っても、こんな小さい子なんだから。」
「そう言えばコイツも一応海東が出した物だったな。」

 そう。忘れられがちだが、朱里ちゃんもディエンドにライドされた存在。能力的にはともかく頭脳面では
オリジナルより劣ると言える。言い方は酷いが、存在自体が筆者個人を喜ばせるからと言うだけの理由で
ここにいると言うだけの存在。まあ、それでも彼女の策があればこそBLACKはダークプリキュアに勝てたのだが。
385なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/19(火) 09:41:26.98 ID:AKb3I71k
「しかたない。グーとパーのジャンケンで決めるか。」

 今は急いで聖王の百合かごを何とかしなければならない。その為にはあれこれと細かく考えている時間は無かった。
その為、ジャンケンでチーム分けをする事が決定したのだった。

「え〜ジャンケンをした結果、この様になったわけだが…。」

 まず玉座の間に行くチームはディケイド、なのは、BLACK(と朱里ちゃん)、ユノクロW。
そして動力炉へ行くチームはクウガとアギト・アギト、リイン・G3だった。

「う〜ん…ユウスケはともかくその他二人が不安だな。」
「何だと!? あたし達が頼りにならないってのかよこの怪人バーコード男!」
「アギト落ち着いてくださいよ〜。」

 ディケイドに馬鹿にされた感がして思わずアギト・アギトはディケイドを罵りつつ突っかかりそうに
なっていた所をリイン・G3に止められていたのだが、不安を感じていたのはディケイドだけでは無かった。

「確かに。アギトとリインも今の僕とフェレットもどき同様にライダーになっている様だが、
それでも戦力的に不安なのは否めない。僕がそっちに回っても良いが、それだとフェレットもどきも
一緒に行かなければならない。それではなのはへのフォローが疎かになってしまう…。」

 ユノクロWの内のクロノとしての部分はそう悩んでいた。クロノは精神だけがユーノの中に入り
同居する形で仮面ライダーWの姿となっているのだから、クロノが行くとなるとユーノも一緒に行かなければならない。
それはなのはとユーノを分かれさせる意味があって、このSS的には色々問題がある行動でもあった。

「それなら僕にお任せさ。」
「うわっまた出た!」

 ここでまた出た仮面ライダーディエンド。どうやら聖王の百合かご守備隊の相手はライドした
ライダー及びスーパーヒロインズに任せて一人だけこっちに来たと思われる。そしてディエンドは何かカードを
ディエンドライバーに差し込みつつユノクロWの背後に回り込んでいた。

『ファイナルフォームライド! ダダダダブル!』
「痛みは一瞬だ。」
「え?」
「あぁ!」

 ディエンドはディエンドライバーからユノクロWの背中へ何かを撃ち込んだ。するとどうであろうか。
ユノクロWの右半身サイクロンと左半身ジョーカーとが左右に分かれていくでは無いか。
そしてユーノが司る右半身サイクロンがフェレット形態のユーノへと変わり、クロノが担当する左半身ジョーカーが
俗に言う仮面ライダージョーカーの姿へ変わっていた。
386なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/19(火) 09:43:06.18 ID:AKb3I71k
『ジョーカー!』
「どうだい? これで二手に分かれて行動出来るだろ?」
「それはどうも…。」

 クロノ・ジョーカーはやや後頭部を掻きながらディエンドにおじぎをし、クウガ、アギト・アギト、リイン・G3の
チームの方へ回り、フェレット形態に戻ったユーノはなのはに抱き抱えられていた。

「やっぱりユーノ君はライダーじゃなくこっちが似合うね。」
「そうかな…。」

 フェレット扱いされる事は余り好まないユーノだが、これがなのはになると余り嫌な気持ちはしなかった。
しかし、ここでディエンドは元来た道を引き返していく。

「じゃ、後は頑張ってね。」
「おい…お前は帰っちゃうのかよ…。」
「当然じゃないか。置いて来た彼女達が心配でもあるしね。」

 とりあえずこうしてチームは二手に別れ、なのはとユーノはディケイドと共にマシンディケイダーに乗り、
バトルホッパーに乗ったBLACKと朱里ちゃんと共に玉座の間へ、トライチェイサー2000に乗ったクウガと
マシントルネイダーに乗ったアギト・アギトとリイン・G3、ハードボイルダーに乗ったクロノ・ジョーカーは
動力炉へ向かう事になった。この采配が果たして吉と出るか凶と出るか…。


 その頃、聖王の百合かごの上部艦板上ではスカリエッティ、ウーノ、クアットロの操縦するキングダークJSと
ディエンドのプリキュアライドで呼び出されたハートキャッチの世界のプリキュア四人によるハートキャッチオーケストラの
巨大女神が壮絶な格闘戦を繰り広げていたのだったが、次第にキングダークJSが押し始めていた。

『私の改造したキングダークJSを侮るな! 複製ごときには負けはしない!』

 キングダークJSの全身の装甲が開き、そこから放たれた各種ミサイルがハートキャッチオーケストラの
女神に次々に着弾し、思わず倒れ込み消滅してしまう。それのみならず、キュアブロッサム・キュアマリン・キュアサンシャイン・
キュアムーンライトの四人もその衝撃に巻き込まれて吹き飛び、スーパーシルエットが解除されてしまった。

『それ見た事か。やはり所詮は複製よ。最初から無限シルエットになっとおけば良かった物を…。』

 スカリエッティの言う通りだった。彼女達はあくまでもディエンドによってライドされた複製。
能力は本物と同等であっても、それでも複製であるが故主役補正が無いと言う決定的な差があった。

「待てー!!」
『ん!?』

 スカリエッティが勝利を確信する間も無く、突如として響き渡った謎の声。その声の方向を見ると
何と聖王の百合かごの艦板に張り付く変な男の姿があったでは無いか。
387なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/19(火) 09:45:10.23 ID:AKb3I71k
『誰だお前は!!』
「血は人間の絆…愛の証…愛の為に…プリキュアに助っ人する男! スパイダーマッ!!」
『なにぃぃぃぃぃぃ!?』

 何と言う事であろうか。ここでスパイダーマンが登場。しかも『東映スパイダーマンの世界』のスパイダーマンだ。

「マーベラー!!」

 スパイダーマンの叫びに応え、スパイダー星人の科学の粋を集めて作られた巨大メカ、マーベラーが登場。
それにスパイダーマンが乗り込むに伴い、マーベラーが人型へ変形して行く。

『チェンジレオパルドン!』
『うあー! 何か良く分からんけどとにかく撃て撃て!!』

 スカリエッティは慌てて操縦席の攻撃ボタンを押しまくる。それに合わせてキングダークJSも
全身のミサイルやレーザーを、マーベラーが変形した巨大ロボット・レオパルドンへ向けて次々に発射して行く。
しかしレオパルドンはそれを真っ向から受け、凄まじい爆発が立て続けに起こっているにも関わらず揺らぎもしないでは無いか。

『何ぃ!? 全然効いてない!?』

 キングダークJSの攻撃が全く通じないレオパルドンの恐るべき防御力に思わずキングダークJSも
たじろき退いてしまう。しかし、レオパルドンは装備していた剣を抜き、投げ放っていた。

『ソードビッカー!!』
『うああああああ!!』

 それこそレオパルドン必殺のソードビッカー。忽ちの内にキングダークJSの腹部に突き刺さってしまう。

『そんな馬鹿な! キングダークJSの装甲がこうもあっさり…。』
『ドクター! 前! 前ぇぇぇ!』
『前がどうした…ってうぉぉぉ!』

 キングダークJSの正面には起き上がり迫るキュアブロッサム達、ハートキャッチの世界における四人のプリキュアの姿があった。
ピンク、水色、黄色、紫の三色の光を身に纏い、猛烈な速度でキングダークJS目掛け突撃して行く。
388なのは&ディケイド 超百合大戦 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/19(火) 09:46:12.22 ID:AKb3I71k
「プリキュア! フローラルーパワー! フォルテッシモォォォォォ!!」
『うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 直後、レオパルドンによって穴の明けられた腹部装甲へ向け、四人同時フローラルパワーフォルテッシモの一撃が炸裂、
忽ちの内に撃ち貫くと共に四人同時にキングダークJSの背後へ着地していた。

「ハァァァァト! キャッチ!!」

 四人の声がハモりポーズを取ると同時にキングダークJSは爆散していた。
それに伴いキュアブロッサム等4人は役目を終えてプリキュアライドが解除され消滅していた。

「くそ…何て事だ!」
「そんな…ドクターが手塩にかけて改造したキングダークJSが…。」

 辛くも脱出していたスカリエッティ、ウーノ、クアットロの三人であったが、彼等はさらなる恐怖に晒される事となる。

「ん?」

 逃げようとした三人の前に一人の男が立っていた。それは赤い服を着て、目の周りだけを隠す黒マスクを付けた
小太りでヘンテコな髭男だった。

「だ…れ…?」
「アイアム、イタリアンスパイダーマン(イタリア語で言ってると思って下さい。)」
「イタリアンスパイダーマン!?」

 何と言う事であろうか。ここで知る人ぞ知る『イタリアンスパイダーマンの世界』のイタリアンスパイダーマンまで
来ていたのだった。女も平気で殴れたりと、結構鬼畜ヒーローなイタリアンスパイダーマンは忽ちの内に三人を殴り飛ばして
そのまま三人は気を失ってしまい、こうしてスカリエッティ、ウーノ、クアットロの戦いは終わった。
しかし、本家である『アメコミの世界』のスパイダーマンは結局来なかったのであった。
389 ◆e4ZoADcJ/6 :2011/04/19(火) 09:47:14.33 ID:AKb3I71k
次回に続きます。


>>375
確認してみました。(確認元はディケイド完結編でドラスに皆で突撃するシーン)
本当でしたorz
ま…まあ…アレですよ。一緒にいたRXが不思議な事を起こしたんですよ…。

あと、WがFFRで分裂したのはジョーカー・ジョーカーであって、ジョーカーとは別の物だよとか
そういう指摘も今回ので来そうですが、それも不思議な事が起こって何とかなったと言う事で。
390名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/19(火) 20:52:19.17 ID:SROFLml9
とある魔術の禁書目録クロスSSスレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1303165202/
391名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/19(火) 21:37:47.79 ID:ReKF2MRX
スレチ
392名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/20(水) 08:42:20.43 ID:eXt7GImT
レオパルドンって何?キン肉マン?
393名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/20(水) 13:26:08.42 ID:sWsQU93n
或いは蜘蛛男
394名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/20(水) 21:49:11.98 ID:hCn/mcVC
マーベラーが変形するなら日本特撮界の最凶ロボ候補だな
日本特撮版スパイダーマンだと変形する巨大ロボに乗って大暴れするぞ
俺は〜〜する男、スパイダーマ! ってのが微妙に有名な台詞
395名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/21(木) 17:42:45.76 ID:R1IPyf3k
ヴォルテールや白天王が存在するリリカル世界。質量兵器認定されるでしょうが、巨大ロボットはあまり違和感なく戦えそうな気がしますね。

そういえばヴォルケンリッターの持つアームドデバイスが許可されているだから、機械的な構造を含まない武器は質量兵器認定されないのかな?
そして魔力で動いていれば大抵のものが許可されそうですし、魔法の力で動くロボだったら……
396名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/21(木) 17:51:43.92 ID:G5sbPiOt
魔法で動く巨大ロボで中世風バトルを行う聖刻の出番ですね。

権力が聖刻を扱える人間に一極集中した構造だの
神様の気まぐれで過去の歴史が上書きされるだのメタ的にも相性がいい「かも」しれない。
397名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/21(木) 23:41:20.92 ID:hyVEfdHA
魔法で動くロボ物だったらリューナイト、ワタル、グランゾートなんかもいいかも。
398名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/22(金) 12:39:55.19 ID:Fz1Ahx+K
>>388
>『アメコミの世界』のスパイダーマン
オリジンなのかアルティメイトなのかワンモアデイなのか
シビルウォーあたりのスパイディならついでにアベンジャーズとかFFも参戦したり?
399名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/23(土) 02:02:43.16 ID:YlBttEwI
完全に魔力だけで動くロボならありそうだな
コロナのゴーレムクリエイトなんてまさに魔力で動く巨人って感じだし
あんな感じで完全魔法制御、ビームみたいな兵装も全部魔法で出来てるなら容認されそう
400名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/23(土) 06:48:04.28 ID:Dl7OO1pN
だったら魔装機神やオーラバトラーも質量兵器扱いされずに済むのかな?
いやあれは実弾も使ってるから微妙か。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/23(土) 08:15:35.22 ID:t5GxSsQu
生成したゴーレムが肉弾攻撃(殴打や蹴り)を行った場合、
それは質量兵器と見なされるか否か。

ヴォルテールやフリードのような巨大生物の攻撃が許容されてるから
否定はされないと思うけど。
402名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/23(土) 12:49:34.99 ID:9Fm0mQZW
巨大生物でウィツアルネミテアを思い出した
マジもんの神だけど

ハクオロ召喚したら現場指揮から始まって成りあがって行く話になりそうだな
403名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/23(土) 16:27:17.94 ID:V9mPRJ7J
召喚されたハクオロと里を追放されたキャロが新たな里を作る建国記とか


シルフェニアのネギまクロスが隔週更新止まった…
404タバ:2011/04/23(土) 21:18:11.51 ID:qi5j65/L
>>403
そしてキャロに手を出すと
405名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/23(土) 23:11:48.87 ID:9Fm0mQZW
白天王を喚ぶルーテシアが何か言いたそうにしてるぞとしあき・・・
406名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/24(日) 16:56:00.77 ID:AE27y63L
そういやSTSとか無印とのクロスばっかだけどヴィヴィットの方とのクロスって無いな
やはり少女格闘ものだとクロスは難しいのか
407名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/24(日) 17:01:55.85 ID:FMvG8oSc
一番の問題は、クロスさせて面白そうなイベントがない事だと思う。
408名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/24(日) 18:38:26.15 ID:z9F7EuEq
まだ完結してないからじゃね
409名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/25(月) 02:49:29.81 ID:Ekw7ns2c
Vividはバキとのクロスがちょうどよい。

基本的にスポーツの世界にルール無用の戦いを挑む死刑囚、
コント劇場と化すストライクアーツ大会、
砂龍を素手で倒せるかどうかが人間と超人の境である現実、
公園だとやたらと強いカルタス、
スカリエッティは獄中でわりと好き勝手やってetc。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/25(月) 05:27:10.59 ID:FbL4p6b6
Vividは好きだし、クロスも考えてはいるけどアレたまに新設定出て来たりするから、やっぱり完結するまでは手を着けずにいようと俺は思ってる
411名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/26(火) 12:31:43.09 ID:VafH9AB0
Vividの格闘ものなノリなら「ストリートファイター」系(CAPCOM)もクロスはしやすそうではある
でもベガ様が出てきたらStrikerSな展開になりそうよ(シャドルー的な意味で)
412名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/26(火) 15:25:10.49 ID:RKTQHA8g
関係ないんだけどさ…

自分の考えてたネタと他人の考えたネタが被るとすげぇ複雑な気分になるな…
413名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/26(火) 18:21:48.57 ID:mgXJkRbS
>>410
ぶっちゃっけDSAAのルールが不明すぎる。
414名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/26(火) 18:37:50.78 ID:99bzL5Zl
>411
サイキョーアーツの開祖がアップを始めましたって?
415名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/26(火) 18:43:49.56 ID:1QwD+9RR
>>412
ネタ被り位で盗作扱いする心無い人はいないと思う。
同じネタを元にしてても人による解釈の違いで
全然違う物になるわけだし。
416一尉:2011/04/26(火) 20:41:30.85 ID:2NNFfuEC
支援
417 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/04/26(火) 22:31:10.18 ID:xnyDghiq
>>411

(ナンバーズの中にしれっと混ざるキャミィとユーリ、ユーニ)

(ユーリとユーニと名前が似ているという理由だけでシャドルー親衛隊にされるユーノ)

(もちろんみんな全身タイツです)
418名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/27(水) 02:14:39.61 ID:FSEXvUUa
そしてミッドでシャドルーが新貨幣ベガドルを発行するわけか。
419名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/27(水) 07:18:22.83 ID:hqgNhkkr
よし!

MU●ENだッッ!!
420名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/27(水) 10:02:39.21 ID:VNAQYnxW
>>409
試合場に入場する直前の選手が何者かに襲われて
代わりに出て来たのが巨大フェレットで、
アインハルトが主催者から「やってみんか? フェレ退治」とか言われて
のぞむ所とばかりに挑戦するけど攻撃が全然通じなくて
ヴィヴィオに「そんな攻撃じゃユーノ君を昼寝から目覚めさせる事も出来ないよ」
とか言われちゃう光景を連想した
421 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 15:04:29.60 ID:m+qjjpHy
予約が無いようですので、投下させて頂きます
422 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 15:06:44.00 ID:m+qjjpHy
 魔法。
 それは、どんな夢でも叶えてくれる力。
 そこに物理法則など存在しない。固定概念に縛られる必要もない。
 ただ望めばいい。欲しいもの、叶えたい夢、何だっていい。
 望めば、魔法はどんな願い事であろうと叶えてくれる。
 誰だって一度くらいは、そんな力を夢見た事があると思う。
 例えば、果てし無く遠く、しかし叶えたい夢を持って居たり。
 例えば、どうしても救いたい人がいても、物理的にそれが不可能だったり。
 自分の為、人の為。何の為にだって、その力を使う事が出来る。
 ただし、魔法の力を使って願いを叶える事が出来るのはたった一度だけ。
 そして、望みを叶えた者は、ちょっとした代償を払わなければならない。

 その時は、代償の事なんて考えなかった。
 ただ、大切な人が傷つくのを、これ以上見ていたくなかったから。
 守られるだけの私じゃ駄目だ。守れる私にならなくちゃいけない。
 その為にも、こんな結果は認めない。こんな未来は認めない。
 例え全てを失ったとしても、大切な人が居てくれる未来を生きたいから。
 そうでなければ、私の願いの意味が無くなってしまうから。

 大丈夫。どんなに暗い夜だって、朝を迎えれば太陽が昇るから。
 何度繰り返されたか解らない、果てしない後悔の連鎖だけど。
 いつかはきっと、この血塗られた後悔の連鎖を断ち切ってみせる。
 これはその為に手に入れた力。それを成すまでは、何度だって。



「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

 腰まで伸びたストレートヘアの黒髪を靡かせて、ほむらは自己紹介をした。
 三十余名の生徒達の視線が、一点にほむらを見据えるが、そんな事は意にも介さない。
 紫色の双眸はまるで目の前の生徒達など見ていない様で、どこか冷たい印象だった。
 良く言えばクールでかっこいい少女。悪く言えば愛想の悪い、人間不信の少女。
 或いは、転校してきたばかりで、感情を上手く表現出来ない子だと思われているのかも知れない。
 まあ、何だっていい。どんな印象を持たれようが構う事はない。思いたいように思ってくれればいいのだ。
 それが皆の目に移る自分なのだろうし、別にそれを訂正する必要性も感じられない。
 
 嗚呼、これは何度目の世界だったかな。
 この教室の生徒達と一緒に過ごした時間を総計すると、一年以上になるだろうか。
 しかし残念な事に、この世界の、正確にはこの時代の生徒達は暁美ほむらの事など露程も知らない。
 それも当然だ。「この世界の暁美ほむら」はたった今、この教室で自己紹介をしたばかりなのだから。
 彼らがほむらの事を覚えていない様に、ほむら自身も数人を除いては名前くらいしか覚えていない。
 否、下手をしたら、名前を―もっと言えば顔すらも―きちんと覚えているか危うい生徒も居る。
 無理もない。ほむらにとって大切なのは、この教室に居る「たった一人の少女だけ」だからだ。
 そしてその少女は今、目の前に居る。取り留めのない事を考えるのは一旦止めだ。

「鹿目まどかさん。貴女がこのクラスの保健委員よね」
「えっ?」
「ごめんなさい。何だか緊張しすぎたみたいで、ちょっと、気分が。保健室に連れて行って貰えるかしら」
「あ、あの、えっと……」

 桃色の髪の毛を二つに結った少女―鹿目まどか―が、上ずった声で答えた。
 何度時間を繰り返してでも守りたいと誓った少女は、この時間―この世界―でも、変わらない。
 転校生から突然話しかけられたとあっては、驚くのも無理はない。慌てた様子で右往左往する姿も、何度も見慣れた光景だ。
 彼女が保健委員である事を知っている理由なんて、後から先生に聞いたとでも言えばいい。
 どの道本当の理由を説明した所で、この世界の住人は誰も信じはしないだろう。
 まずは彼女を連れ出して、最初の警告をする。ここまでは今までにも繰り返した事のある行動だった。
 今回も何処をどういう風に立ち回れば良いか、という目処も一応は立てている。
423 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 15:08:17.11 ID:m+qjjpHy
 
「あの、このクラスの保健委員は私だけど」
「え」

 綿密な計画の上に成り立ったほむらの行動を掣肘したのは、一人の少女の声だった。
 鹿目まどかの斜め後ろに座って居た少女が、おずおずといった感じで片手を上げている。
 まどかとよく似た、優しい雰囲気の瞳。まどかと同じくらいの長さの髪の毛を、二つに結った少女。
 髪の毛の色はまどかと違って栗色で、真面目で優しそうな雰囲気の女の子だった。
 だが、可笑しい。そんな訳はないのだ。こんな時間―世界―は、見た事が無い。

「そんな筈っ……何故っ!?」
「あ、あの……大丈夫? えっと、ほむらちゃん、でいいのかな?」
「え、ええ、それで構わないけど……それよりも、貴女は誰なの?」
「私の名前は高町なのは。えっと、確かに去年まではまどかちゃんが保健委員だったけど……」

 そんな筈はない。高町なのはなんて人間は居ない。というより居なかった筈だ。
 少なくとも今まで幾度となく繰り返して来た時間の中で、高町なのはなんて生徒を確認した覚えはない。
 否、もしかすると居たのかもしれないが、それにしたってまどかではなく、高町なのはが保健委員である時間など存在しなかった。
 ほむらが知る限り、ずっとまどかだけが保健委員だったし、時間を繰り返した所で自分が介入する前の時間は不動である筈だ。
 にも関わらず、この時間軸には最初から高町なのはなる人物が当然の様に存在して、当然の様にまどかの居場所に居る。
 瞬時に幾つかのパターンの仮説を立てるが、それこそ考えた所で埒など明くまい。

「……ごめんなさい、聞いていた話と違っていたから、少しだけ取り乱してしまったわ」
「そっか、じゃあ保健室に行こっか? 私が連れて行くよ」

 高町なのはは、満面の微笑みを浮かべてそう言った。
 珍しい転校生だからとか、そういう野次馬根性は感じられない。
 本当に優しい、慈愛すら込められた声で、ほむらに手を差し伸べる。
 目に見えて戸惑いを浮かべるほむらを救ったのは、もう一人の声だった。

「あ、あのっ!」

 傍らで静観していたまどかだった。
 ほむらにはそれが、緊張に強張った声である事が、すぐに様に解った。
 なのはとほむらの視線を一点に集めて、まどかはおずおずと片手を上げて告げる。

「えっと、暁美さんは元々私の知り合いで……その、だから保健室には私が連れて行きたいんだけど」
「そうだったんだ? それならほむらちゃんもまどかちゃんに連れて行って貰った方が良さそうだね」
「……ええ」

 嘘だ。この時点でのまどかとほむらには接点など無い。
 しかし、まどかは優しい。ほむらの只ならぬ雰囲気に、何かを感じたのだろう。
 微笑みそうになってしまう口元をきゅっと引き締めて、ほむらはまどかへと手を差し出した。

「お願いしていいかしら、まどか」


 暁美ほむらにとって、高町なのはの存在は完全なるイレギュラーであった。
 あの少女は一体何だ。何故この時間軸に存在する。何故他の生徒達は受け入れている。
 幾つもの疑問が浮かんでは消えてを繰り返し、無意識のうちにほむらも無口になる。
424 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 15:09:55.26 ID:m+qjjpHy
 保健室へ向かう廊下を歩きながら、まどかが一生懸命何事かを話しているが、今はそれもあまり頭には入って来ない。
 最低限の相槌を打つか、それにも値しない軽い言葉などはそのまま受け流すか、だ。

「あ、あの……ごめんね、暁美さん。あんな嘘ついちゃって」
「ほむらでいいわ」
「ほむら……ちゃん?」
「ええ、何かしら」
「えっと……もしかして、怒ってるのかなって……なのはちゃんと一緒の方が良かったかなって、思っちゃって……」
「いいえ、そんな事はないわ。私はまどかと一緒に保健室にいくつもりだった」
「つもりだった、って……あの、ほむらちゃんは、一年も前に私が保健委員をやってたって、どうして知ってたの?」

 かつりと音を立てて、歩を止める。
 その問いには、答えようがなかった。
 時間を巻き戻して来ただなんて言うだけ無意味だし、そもそもまどかは現在保健委員ではない。
 自分の情報が誤っていた時点で、これ以上下手な事を口走るのは得策ではないと判断したのだ。
 今はまず、情報を集める。この世界が今までの世界とどう違うのか。他に変化はないのか。
 また、高町なのはなる人物は一体どういった役割でこの世界に存在しているのか。
 存在しない筈の生徒が突然出て来た以上、警戒は必要だ。
 下手をすると、彼女もインキュベーターの手の者かもしれないのだから。

「鹿目まどか」
「えっ、な、何?」
「貴女は自分の人生が、貴いと思う? 家族や友達を、大切にしてる?」
「え、えっと……大切、だよ。家族も、友達の皆も。大好きで、とっても大事な人達だよ」
「本当に?」
「本当だよ。嘘なわけないよ」
「そう。もし、それが本当なら、今と違う自分になろうだなんて、絶対に思わない事ね」
「え……?」

 ほむらは、繰り返した時間の中で何度も見て来たのだ。
 まどかが、他の皆が、何もかもを失って、最後には誰も居なくなるのを。
 まどか自身も、まどかの友達も、先輩も、みんなみんな、死んでいくのを。
 人間、死んでしまえば全てがお終いだ。故に綺麗な生き方はあっても、綺麗な死に方などは存在しない。
 そう自分に言い聞かせようとしても。それにしたって彼女たちの死に方はどれも、常軌を逸していた。
 そして魔法少女が一人死ぬたびに、優しいまどかは悲しみ、涙を流す。
 もうこれ以上、そんな光景を見たくはない。まどかの悲しい涙を、見たくないのだ。
 だからほむらは戦う。まどかにだけは、笑顔で居て欲しいから。

「さもなければ、全てを失う事になるわ」

 冷たい印象すら与える双眸をきっ、と強める。
 今のまどかには、自分はどう映っているのだろう。
 最初の世界のまどかは、ほむらをかっこいいと言ってくれた。
 だけど、この時間軸のまどかは、どうだろう。自分は彼女に、不安しか与えていないのではないか。
 それは申し訳ないと思うし、心の中では何度だって謝罪はする。だけど、これがまどかにとっては必要な事なのだ。
 こうする事で、まどかが死への階段を上って行く事を止める事が出来るのなら、嫌われ者にもなろう。
 ほむら一人が嫌われ者になる事でまどかを救う事が出来るのなら、それで構わない。
 寧ろ、それがまどかを救う為の代償とすら思えるのだった。
425 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 15:10:38.43 ID:m+qjjpHy
 

 高町なのはは、普通の人とは少しだけ違う。
 数年前、ひょんな事から魔法の力を手に入れたなのはは、こことは異なる別の世界の存在を知った。
 生まれつき魔法の力に恵まれていたなのはは、様々な事件に関わって行くうちに、類稀なる才能を開花させて行った。
 その魔力量、魔法を用いた戦闘技術、魔法戦に於ける状況把握能力から空間認識能力まで、全てが異能。
 当然、そんな事実はこの世界の誰もが知らない出来事だし、なのは自身も必要以上に人に話すすもりはないのだが。
 少なくとも、友達の前では極々一般的な人間を装っている。普通な友達も居れば、普通な暮らしもあるのだ。
 傾き始めた太陽を背に、なのははそんな普通の友達達と共に帰路に着いていた。

「っていうかまどか、あの子ほんとに知り合いなの? 思いっきりガン飛ばされてたけど」

 後頭部で手を組んだ青髪の少女が、不満そうに問うた。
 彼女の名は美木さやかだ。今日転校して来た少女―暁美ほむら―には色々と思う所があるらしい。
 なのはの少し後ろを歩いていたまどかが、気まずそうに笑った。

「えっと、ごめんね? 本当は嘘なんだ、あれ」
「なんでそんな嘘を……はっ! さては美人な転校生といち早く仲良くなって恋愛事を有利に進めようと!?」
「なーに言ってんの、そんな事考えるのはアンタだけよ」

 一人で盛り上がるさやかを制したのは、ブロンドの髪の少女。
 小学生時代からなのはの親友であるアリサ・バニングスだった。
 アリサやすずかとは小学生時代からの友達で、まどかやさやか達は中学に入ってからの友達だ。
 最近では小学生以来の親友グループと、中学以降のまどかを中心とするグループは、一緒に過ごす事が多い。
 学校内でのみならず、休みの日には一緒に遊んだりと、年相応の友達関係であった。
 そんな二人のやり取りを見ていたなのはも、クスリと微笑んで続ける。

「もう、まどかちゃんはそんな不純な事考えないよ」
「不純って言われた! 年頃の女の子ならそれくらい普通だろー!?」
「だーかーら、アンタと一緒にしないでってば」
「ちくしょー! アリサがいじめるー!」
「ふふ、お二人は本当に仲がよろしいのですね」

 ウェーブ掛かった緑色の髪の少女がくすくすと笑う。
 彼女の名前は志筑仁美。まどかやさやかと同じく、中学で友達になった少女だ。
 アリサやすずかと同じお嬢様らしいが、彼女に至っては言動までも本物のお嬢様。
 品行方正、常に上品なオーラを纏った、筋金入りのお嬢様であった。

「それで、暁美さんはまどかさんに御用があったように見受けられましたけど」
「えっと、それなんだけど……」
「アンタ、もしかしてアイツになんか嫌な事でも言われたの?」
「えっ!? そ、そういう訳じゃないんだよ? ただ、ちょっと……」
「ちょっと……何よ?」

 アリサの問いは、まるで尋問の様だった。
 半眼でアリサに睨まれれば、まどかも応えざるを得ないのだろう。
 おずおずといった雰囲気で口を開いた。
426 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 15:11:15.23 ID:m+qjjpHy
 
「えっと、よく分かんないんだけど……今と違う自分になろうだなんて思っちゃいけない、って」
「はぁ? 何それ、意味わかんないんだけど」
「変わろうとするのが、いけない事だって?」
「うん、どうしてかまでは教えてくれなかったけど」

 複雑な心境だった。
 なのはは、魔法の力を手に入れて大きく変わることが出来た。
 その生き方も、在り方も、あらゆる面で今の自分があるのは魔法のお陰だと言える。
 本質の部分では何も変わってはいないが、それでも人は変わって行く生き物だと、なのはは思う。
 本当に曲げられない自分の芯さえ通って居るなら、いくらでも変わって行けばいい。
 自分のままで、人は変われる。それがなのはの信じる人間だ。

「それってどうなのかな。変わる事は悪い事ばかりじゃないと思うけど」
「なのはちゃん……」
「人は変わって行くよ。だって世界はこんなに広いんだから」
「そうそう! 女ってのは、成長と共にモテる女に変わって行くもんなんだよ!」

 なのはの言葉に、さやかが続ける。
 確かに間違いではないと思うが……やはり少し違う気がする。
 かといって突っ込む気にもなれなかったなのはは、僅かに微笑むだけに留めた。
 こうして日々は流れて行く。他愛もない友達と、他愛もない話を交わして、他愛もない時間を過ごす。
 いつかはこんな日常を懐かしいと思える日が来るのだ。だから、なのはは友達との日常を大切にしたいと思う。
 なのはが魔法を手にし、人生の転機を得たように、この日常にもいつかは変化が訪れるのだから。

 アリサと仁美とは途中で別れた。
 二人とも、習い事があるとの事で、このまま帰りにそちらに寄って行くとの事。
 品行方正なお嬢様らしく、やはり親に習い事には通う様にと教育されているらしい。
 そんな二人と別れ、なのははまどかとさやかの二人と共に帰り道を歩く。
 ビルが立ち並ぶこの街並みを抜ければ、そこで二人ともお別れだ。
 また明日。そんな言葉を告げて、なのはは自分の家へと帰って行く。
 本当なら、この日もそんないつも通りの日常を送る筈だった。

 変化が訪れるのは、いつだって突然だ。
 なのはがある日突然魔法の力を手に入れた様に。
 誰がいつ何時、人生の転機に遭遇するかは、誰にも解らない。
 だけど少なくともなのはは、この日常が終わりを告げるのはまだ先だと思っていた。
 今日も明日も、同じ様に他愛のない日常を送って、人生と言う名の階段を昇って行く。

 誰も気付かなかった。
 彼女達が昇り始めている階段は、或いは絶望への階段である事など。
 既になのはが、何度も何度も繰り返された時間の輪廻の中に放り込まれてしまっている事も。
 なのはの肌が、この空間の異質さを本能的に感じ取った時には既に、物語は加速を始めていた。
 もう抜け出せはしない。この物語が終わりを告げるまでは。
 或いは、仮にこの物語が終わりを告げたとしても。
427 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 15:12:53.76 ID:m+qjjpHy
以上です。
お目汚し失礼しました。
なのはの髪型はサイドポニーではなく幼女時代のツインテールとさせて頂きました。
次以降の構想はありますが今後投下を続けて行くかどうかは未定です
428名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/27(水) 15:27:20.65 ID:dzuntLYB
乙です
是非続きを
429 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/27(水) 16:30:51.26 ID:m+qjjpHy
>>428
ありがとうございます、前向きに頑張ろうとは思います

また、新スレを立てようと試みたのですが、Lvが足りないと表示され不可能でした。
何方か新スレの作成をお願いします。
430名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/27(水) 18:56:27.80 ID:CU+AmJGr
>>428
ここもついにまどかキターーーーー!
乙です!続編待ってます!!
431マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/27(水) 18:58:07.87 ID:CU+AmJGr

間違えました・・・・・・
訂正→>>427
432マクロスなのは ◆fN6DCMWJr. :2011/04/27(水) 19:10:32.56 ID:CU+AmJGr
コテ取り忘れた・・・・・・orz
>>427さんへ
まどかは大好きな作品なので続編待ってます!頑張ってください!
433名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/27(水) 21:58:13.99 ID:hqgNhkkr
>>427
き、奇跡は起きるのか!?
GJっす
434名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/28(木) 10:02:48.34 ID:XS0ZwfSz
>>427
乙です
ほむら主役っぽい!これは魔法少女ほむら☆マギカ来たかw
この世界にとってなのははイレギュラーか。ほむらにとっては予期せぬ事態で、先が気になります
二話も楽しみにしてます
435名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/29(金) 02:39:35.94 ID:32+eHxcC
>>427
投下乙
ほむらは原作よりループ回数多いっぽいな。今後の行動に期待。
あと俺も新スレ無理だた。誰かよろしく頼む。

そんでもってちょいと話題を投下
ここのクロス作品のキャラでバトロワをやるってパロロワ企画があって、それが最近ついに完結したんだ
で、なのはクロスロワ1stの成功による熱が冷めやらぬ内に、なのはクロスロワ2ndをやろうって声がちらほら上がってる
1st完結の実績がある訳だから、景気付けに2ndも書き手募って企画してみたらまた盛り上がると思うんだ
そこで、まずは皆の意見を聞いて2nd開始するならまずは参加書き手の受付期間、参加キャラの選出などから議論したいと思うんだが、どうだろう
436名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/29(金) 07:43:34.84 ID:JmqEunyg
2ndか
面白そうかもしれないけど、ある程度充電期間もあった方が良いと思う。
書き手の人も、まだ完結の余韻に浸りたいかもしれないし
何よりも下手に急いだら、企画そのものが頓挫する可能性だってあるし
437名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/29(金) 08:15:01.55 ID:h1mHFwIq
2ndね……自分は今の所は反対かな。

1st成功って簡単に言うけど1回リスタートしているし、その期間の間に本スレ撤退したSS書き手も数多くいてそのSSからの参戦キャラが割といたからなぁ。
それにクロスって言われてもそのキャラを生かしたキャラクターなんて殆ど生かされていない気もしたからなぁ、だったらクロスキャラでやる意味もない。
そもそも、あっちのSSで活躍したキャラってはやてやかがみだけど、はやての本スレでのSSって4話程度で止まっているし、なのすたに至っては2話で中断中(しかも書き手はクウガやマスカレード書いている関係上、再開の可能性は当面はない。)。
さらに、アンデッドも活躍していたけど、マスカレードも現在絶賛改訂されている事考えると本スレSSのキャラを使うべきじゃないと思う。

それ以前にやりたいやりたいなんて言われても、本スレではその話題基本的に出していなかっただろうから実際にはそこまでやる事を望む人はいないんじゃないのかなぁ。
読む側が単純に人殺しSS読んでヒャッハーしたいだけとしか思えない。その為だけの為にそういう企画をやるのはマズイんじゃないのかなぁ。

大体、主催のプレシアのキャラからしてなんか個人的におかしいもの(幾らアリシア生き返らせたいからって何の罪もない人を平然と殺すのは何処か違和感が)
438名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/29(金) 08:55:30.84 ID:pCSR7s4k
新スレ立ててきます
439名無しさん@お腹いっぱい。:2011/04/29(金) 09:02:44.28 ID:pCSR7s4k
スレ立て無理でした……


実際問題、書き手から話が持ち上がらない事には始まりようないからな>2nd
440 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/29(金) 11:56:53.22 ID:+JKi8Mff
今回も短いですが、投下させて頂きます。
恐らくこれが埋め投下になるかと思います。
441 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/29(金) 11:59:07.46 ID:+JKi8Mff
 暁美ほむらは魔法少女である。
 魔法少女になった者は、どんな願いであろうと一つだけ叶える事が出来る。
 例えどんな無理難題であっても、例え物理的に不可能な事象であったとしても、だ。
 そして魔法少女の願いの強さによって、弱くも強くも成り得る力……それが魔法の力。
 容易に叶うような祈りを願った者の魔力は、その願いに比例して矮小なものとなる。
 夢物語とも思える程の壮大な祈りを願った者の魔力は、それに応じる壮大なものとなる。

 暁美ほむらの願いは、大切な友達と共に過ごせる明日。
 守って貰うしか出来なかった無力な自分が嫌いだった。
 何も出来ずに、ただ目の前で友が死んでいくのを見るのが嫌だった。
 だから今度は、自分が守れる立場にありたいと願った。
 大切な者を、この手で、この力で守り抜くと誓った。

 だから、暁美ほむらは力を手に入れた。
 最愛の友との出会いから、全てをやり直す為の力を。
 この世の理を捻じ曲げて、自分一人が時の流れに逆らう力を。
 例え何度繰り返したとしても、たった一人の友達を救う為の力を。

 こうして手に入れた力で、幾度となく時間を繰り返した。
 気が遠くなる程の、全てを記憶に留めておくのも苦痛になる程の、長い長い時間を、何度も何度も繰り返した。
 そして何度目かのループでほむらは知った。他人に頼っていては、自分の願いを叶える事など不可能であると。
 叶えたい夢があるのならば、何としてでも自分の手でそれを掴み取らねばならないのだと。
 足手まといは不要だ。誰かに事実を話す事で不必要な血と涙が流れるのならば、尚更。
 例え運命に逆らってでも守ると誓った少女は、結局自分一人の手で守り抜くしかないのだ。

 それきり暁美ほむらは孤独になった。
 また時間を繰り返して一から始めても、ほむらは人と慣れ合わなくなった。
 例え優しさを向けられても、冷徹にそれを振り払い、自分一人で戦うと誓った。
 そうすれば繰り返す度、例え少しずつでも、目的に近付いている実感を得られる様になった。
 もしもあそこでああすれば、きっと上手く行った筈だ……なんて思える世界が、いくつもあった。
 その度にヒントを得て、例え新しい時間を繰り返しても、同じミスは繰り返さない様に努力した。

 そして、何度目かになるか。
 数えるのも馬鹿馬鹿しくなる程の時間と逆行を経て、再び戻ってきたこの世界。
 手にした武器は、膨大なまでの情報。魔法の力から人間関係に至るまで、それは絶対的なヒントとなる。
 これだけの情報を得て、もう一度繰り返すのだ。今回こそは、絶対にまどかを救う事が出来る。
 ……そう思っていたのに、辿りついたのは今までとは少しだけ「ズレた」世界。
 何かが違う。何処かが違う。今までの情報ではあり得なかった者が居る。
 詰まるところ、ほむらは完全なるイレギュラーを突き付けられたのだ。

「ここへ来て完全なイレギュラーを突き付けられてしまった訳だけど」
「僕にとっては君の方がよっぽどイレギュラーだよ、暁美ほむら」

 ほむらの瞳は、揺らぐ事なく目の前の生物を捉えていた。
 外見的特徴を述べるなら、白く長い耳と尻尾を持った、赤い瞳の可愛らしい小動物。
 既存の生物に例えるならば、うさぎ。それをもっとメルヘンチックに可愛くしたような、そんな印象だ。
 しかし、そんな生物は少なくともこの地球上には存在しない。故に動くぬいぐるみ、と言った方が的確かもしれない。
 ほむらに睨まれても表情一つ変える事無く、白いぬいぐるみ生物は言葉を発した。

「単刀直入に訊くよ、暁美ほむら。君は一体何処で魔法の力を手に入れたんだい?」
「私の魔法の出所がそんなに気になるかしら。世の中には貴方も知らない事があるという事ね」
「僕らだって悠久無辺という訳じゃないさ。でも、僕らとの契約無しで魔法を行使する人間なんて、過去に前例がないよ」
「そう。ならこれで、私という前例が一つ出来たわね」
「今は答える気は無いという事だね」

 風に吹かれて靡く黒髪を押さえながら、ほむらは遠い空を見遣る。
 現在位置は、この街の一際高い鉄塔。その頂上付近の、足場としては非常に心許ない鉄骨の上。
 本来ならば人が来る事はあり得ない場所だ。ここから見れば、この街も随分と小さく見える。
 視野の片隅に何処までも拡がるビルディングの街並みを映しながら、ほむらは淡々と告げる。
442 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/29(金) 11:59:53.17 ID:+JKi8Mff
 
「貴方が私の質問に答えるなら、話は別よ」
「何だい? 僕に答えられる範囲なら、答えるよ」
「あの高町なのはという女は何者なのかしら」
「ああ、どうやら彼女も魔法少女になる為の素質はあるようだね」

 ぴょこんと、白い生物がほむらの肩に飛び乗った。
 中学二年生の華奢な肩に小動物サイズの生き物を乗せても、あまり体重は感じない。
 この世界に質量として存在しているのかどうかすら怪しいそいつに、ほむらは不快感を覚える。
 どうせこいつは殺しても無意味。何度潰しても、何事も無かったように現れるのが解り切って居るのだから気味が悪い。

「その口ぶりだと、どうやら貴方もそれ以上の情報は知らないらしいわね」
「君にとっては高町なのはの情報を知っているという事が、そんなに特異な事なのかい?」
「そうね。私にとって彼女は紛れも無いイレギュラーだから」
「解らないな。何の変哲もない一人の少女が、どうしてイレギュラーに成り得るんだい?」
「貴方に話しても意味の無い事よ」

 それだけ告げると、ほむらはキッ、と視線を尖らせた。
 横目に白い生物を睨み付けると、白い生物は軽い足取りでほむらの肩から飛び降りた。
 可愛らしく尻尾を振りながら、小首を傾げてほむらを見上げるその愛らしい姿が、目障りだ。
 本来ならば可愛らしいと形容される筈のこいつの外見も、ほむらにとっては殺意を掻き立てるだけ。
 今の会話でこいつが高町なのはの情報を知らない事はほぼ確定した以上、これ以上付き合ってやる義理もない。
 ついでに高町なのはがこいつらの手先でない事も連鎖的に判明したのだから、今回は上出来だ。

「もういいわ。私の目の前から消えなさい。これ以上話す事もないわ」
「どうやら僕は相当嫌われているようだね……仕方ない、今日はこのまま退散するとするよ。僕にはやるべき事もあるしね」

 瞬間、ほむらの表情が歪んだ。
 こいつら―インキュベーター―の使命とは、人間の願いを叶え、魔法少女にする事。
 どんな奇跡だって起こしてみせる。そんな甘い言葉で、何も知らない人間を誘惑して。
 そして魔法少女になった人間は、過酷過ぎる運命を背負わされ、最後には人でなくなる。
 こいつにこれ以上魔法少女を増やされる―人の命を弄ばれる―のは、堪らなく不愉快だった。
 故に。

「やっぱり、気に入らないわ」

 白い生物が最後に振り返ると同時に、その頭が吹き飛んだ。
 懐から取り出した拳銃で、目の前のインキュベーターの頭を撃ち抜いたのだ。
 炸裂した弾丸によって、インキュベーターだったものは、ただの白と赤の肉塊に変わった。
443 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/29(金) 12:00:33.81 ID:+JKi8Mff
 


 空間は歪んで居た。
 ぐにゃりと歪曲したビルディングは、縦横無尽に聳え立つ。
 かつては通路だったものは、物理法則を無視して、真横だの真上だのに向かって伸びている。
 言うなれば、オブジェ。何処かの国の芸術家が、凡人には到底出来ない才能で以て生み出されたアート。
 所々にぽつりぽつりと花開いた数輪の薔薇が、余計にこの空間の異質さを物語る。
 そんな奇怪な風景が、目に見える限り何処までも続いているのだった。

「ねえ、あたしらやっぱり変なとこに迷い込んでない?」
「この辺りから来たと思ったんだけど……やっぱりここ、変だよ」

 後方で不安げに呟く二人を、高町なのははちらと見遣る。
 共に下校していた美木さやかと鹿目まどかは、二人とも全くの一般人だ。
 魔力の源―リンカーコア―を持たなければ、魔法や次元世界に関する知識も皆無。
 状況が見えない今、下手になのはが魔法を見せれば余計に二人を混乱させる事になりかねない。
 本当の危機が迫った時には全力で対処するつもりだが、なのは自身もその時までは手の内は明かさない算段だった。

(レイジングハート、この空間は一体どうなってるか、解る?)
『不明ですが、この空間に魔力干渉が行われた形跡はありません』
(だろうね。ミッド式でもベルカ式でも、こんな魔法は見た事無いよ)

 胸元に提げた赤の宝石―愛機レイジングハート―と、心の声で会話をする。
 高町なのはは、ミッドチルダにおける魔法の力を用いる人種、所謂「魔道師」だ。
 魔力を持った人間ならば、念話で人に悟られずに言葉を交わす事など、造作も無い。
 そこで、念話で愛機たるレイジングハートに、この明らかに異質な空間についての分析を命じたのだ。
 しかしながら、残念な事に得られた結果は「解らず終い」。余りにも情報が少なすぎるのだ。
 当のなのは自身も、ある種ホラーとも言えるこの光景に当たりなど付けられよう訳もない。
 だが、信頼のおける愛機がミッドでもベルカでも無いと判断した時点で、事実、そうなのだろう。
 今なのは達三人を取り巻くこの空間は、なのはの知る限りの魔法の力ではないという事だけは理解出来た。

(でも、拙いよ。多分、このまま歩いてもここからは抜け出せない)
『魔力ダメージで空間ごと破壊するのはどうでしょう。恐らく不可能では無いかと』
(うーん、それは最後の手段だね。本当にどうにも出来なくなった時はそうするかも)
『状況は四面楚歌と言っても過言ではありません。遅きに失する前に行動に移した方が良いかと思いますが』

 レイジングハートは至って冷静であった。
 気付いた時には謎の空間に閉じ込められていた以上、敵―居るとすればの話だが―の手の内は不明。
 だが、気配すら悟らせずに、なのはをこの空間に閉じ込める事が出来た以上、それ以上があると考えておいて間違いは無い。
 いつ何時、この空間の主が次の一手を打つかは解らないのだから、そうなる前に空間ごと破壊する、というのは合理的な判断だった。
444 ◆bv/kHkVDA2 :2011/04/29(金) 12:01:22.56 ID:+JKi8Mff
 しかしながら、躊躇いもある。第一に、敵が空間自体に何らかの罠を仕掛けているかもしれないという可能性。
 ここでなのはが強硬手段に転じれば、敵も「目には目を」の精神で対抗しようとする可能性もある。
 もしもその一手によってチェックメイト、なんて事になろうものなら、目も当てられない。
 出来る事なら、どうにか敵の出方を窺ってから、平和的に解決したいと思うのであった。

『平和的な解決を望む相手が、このような手段を講じるとは思えませんが』

 確かに愛機の言う通りだった。
 返す言葉を失ったなのはは、小さく唸ってみせる。
 どうあれ、現状では情報が少なすぎるのだ。手の打ちようが無い。
 一般人の二人はなのはよりも消耗が早いだろうし、出来る事なら迅速に解決したいとは思うのだが。

「ねえなのは、アンタさっきから何で黙りこくってんの? 不安になるからやめてよ」
「えっ、あっ……ご、ごめんさやかちゃん。どうすれば抜けられるのか、ちょっと考えてたんだ」
「おお、さっすがなのは! やっぱ成績優秀の美少女は既にあたしらとは違う何かに目を付けていたか!」

 瞳を輝かせてなのはの腕を取る。
 ごめんさやかちゃん、まだ何も対抗策は思い付いてないんだ……。
 そんな本音を言うのも何処か気まずく、にゃはは、と苦笑いで返すしか無かった。
 さやかの態度はいつも通りの軽妙さに見えるが、実際の所はそうではないのだろう。
 こうして元気ぶっていないと、自分を保てなくなる。だから空元気でも前を向こうとする。
 さやかはそういう人間だと言う事を、なのはは知って居た。
 
「助けてっ!!」

 そんな折だった。助けを求める悲鳴が、この空間に響き渡ったのは。
 力一杯叫ばれたのであろう悲鳴は、この異質な空間に反響して木霊する。
 悲鳴が幾重にもなって三人の耳朶を打った次の瞬間だった。
 なのはの目の前に、一匹の小動物が飛び出したのだ。
 うさぎにも似た動物は、全身に擦り傷を負っていた。
 苦しそうに悶えるそれに駆けより、抱き上げたなのはは、誰何する。

「あなたは誰? 誰にこんな目に合わされたの?」
「僕はキュゥべえ。追われてるんだ……お願い、助けてなのは!」
「どうして私の名前をっ……、ううん。今はそれよりも」
445 ◆bv/kHkVDA2
 
 キュゥべえと名乗った小動物は、今にも泣き出しそうな声色でなのはの胸元に縋り付いた。
 間近で見れば、良くわかる。全身がボロボロだ。恐らくは追い立てられて、怖い思いをしたのだろう。
 思い出すのは、あの日、初めて魔法と出会った日の出来事。傷ついたフェレットを救ったあの日から、急変した運命。
 あの時はただ、目の前で傷つくフェレットを救いたい、と思った。
 目の前で、誰にも泣いていて欲しくないから。
 誰にも悲しんでいて欲しくないから。

「なのはちゃん、その子は何!?」
「っていうか喋ったぞ、その生き物!?」

 まどかとさやかの二人が、慌てて駆け寄って来る。
 傷ついたキュゥべえを見るや、驚愕と同時に、憐れみの表情を浮かべていた。
 こんなに傷ついて……可哀相に、誰がこんな酷い事を。概ね、考えているのはそんな所だろう。
 なのはだって同じだ。なのはの魔法は、悲しみや憎しみを撃ち抜く為の魔法。皆に笑顔で居て貰う為に手にした力。
 こんな小さな命を弄んで、一方的に嬲ろうとする奴が居るのなら、自分が相手をしてやる、と。
 なのはの信じる自分自身の正義感が、理不尽な暴力への怒りが、ここに炎と燃え上る。
 そんななのはの前に現れたのは、黒髪の少女だった。

「まさかこんな所で会う事になるとはね、高町なのは」
「ほむらちゃんっ! まさか、ほむらちゃんがこんな酷い事をしたの!?」

 そこに居るのは、転校生―暁美ほむら―。
 黒の長髪に、黒のカチューシャ。学校の制服とは明らかに違う、不思議な雰囲気の黒装束。
 まるで何処か他校のセーラー服を少し弄った様な、可愛らしいイメージすら抱く衣装だった。
 しかし、なのはにはそれがただの衣装で無い事など一目の元に理解出来た。
 ほむらが纏っているのは、身を守る為の防護服―バリアジャケット―。
 状況から判断するに、暁美ほむらは……十中八九、魔道師だ。



ここまでです。短くてすみません。多分これで埋まるかと思います。
こんな短い尺でアレですが、今回から本格的に「魔法少女なのは☆マギカ」始動です。
ロワ2ndについては、詳しい話は解りませんが、やるのであれば自分も参加したいと思います。