【IF系】もしゼロの使い魔の○○が××だったら26
港町スカボロー。かつては王政の下で統治されていたこの場所も、今は貴族派の占拠下にある。
この場所は王党派の最後の拠点ニューカッスル城から馬で約一日の距離にあるため、今は貴族派達の補給拠点として使われている。
貴族派達が使っているフネの一部はここに停泊し、補給を受けている。そしてまたニューカッスル城に攻め込んでいく。それの繰り返しだ。
そんな絶対的に不利な状況の中、王党派もまたよく抗っているが、陥落は時間の問題であると考えられていた。
そんなスカボローの一角で、一人の貴族派の将校が護衛を連れ娼婦を侍らせ、酔っぱらいながら歩いていた。
この男、先の王党派との戦いにおいて功績をあげ、まさに昇格を言い渡らせられたばかりだった。
もともとは王党派の一員だったが、ただの若造と軽んじられ、なかなか功績をあげられず、下級貴族に甘んじていた。
それが情報を持って貴族派に寝返り、旗艦『レキシントン号』の護衛艦の副船長を任されたと思えば流れ弾の犠牲となった船長に代わって指揮をして、そして昇格してしまった。
今後は今配属されているフネの船長を任されることになっている。おこぼれをもらったとはいえ、それほど彼も実力があるのだ。
人生はわからないものだ。男はその喜びを酒と娼婦と共に満喫していた。浮かれてしまうのもまた仕方のない事なのだろう。
ほとんど空になった酒瓶を掲げながら、彼は上機嫌に叫んだ。
「貴族派万歳! レコンキスタ万歳!」
うわっはっは、と彼は上機嫌になりながら酒を呷り、そして娼婦の胸をまさぐる。明後日からまた出陣だ。だが、今日一日ぐらいは浮かれていたい。この喜びを最上に楽しみたい。
しかし、その油断が彼の命を奪うことになるとは露とも思っていなかった。
突然目の前に白装束を身に纏った男が飛び降りて、貴族の男の目の前に立ちふさがった。突如の事に娼婦は悲鳴を上げ、護衛たちは剣を抜いて貴族の前に躍り出た。
白装束の男の格好を見ると聖職者にも見えるが、どうやら武装しているようだ。明らかに聖職者のそれではない。
「な、何者ぞ!」
貴族は白装束の男に叫び散らした。しかし、白装束の男はまるで答えず、ただ大きく被っているフードから何とか見えている口元に笑みを浮かべているだけだ。
しかし、その男の姿には見覚えがあった。そう、かつて王党派にいた時に聞いたことのあった存在。
「船長殿、配属が変わりました。貴方が乗るのは護衛艦ではありません」
「な、何だと……?」
白装束の男はそれだけを言って、ずんずんと躊躇もせずに貴族に近づいて行った。貴族は慌てた表情を浮かべながらも護衛に始末を命令する。
護衛たちは剣を抜き、雄たけびをあげながら白装束の男に向かっていった。だが、男は素早く剣を抜くと、護衛たちを瞬く間に切り裂いてしまった。
貴族は思い出した。目の前の男はアルビオン王国が抱えている暗殺者だ。
すでに失われていたと言われていたが、今となってなぜ自分の目の前に現れたのか。貴族は今の状況に困惑するしかない。
貴族は暗殺者へ娼婦を突き飛ばすと、そのまま杖を取り出そうとした。炎のメイジとして、娼婦ごと暗殺者を焼き払おうとする。でなければ、彼の命はない。
「きゃああ……っ!?」
と、突き飛ばされた娼婦を暗殺者は抱きとめると、左腕で彼女の腰を支えたまま、まるで舞踏のフィナーレのように回ってぴたりと止まる。
そして何かを呟きながら右腕を貴族のほうへ突き出すと、空気が破裂する音があたりに響き渡った。そして、杖を突きだした貴族の眉間が何かに貫かれ、血を吹き出しながら倒れた。
「地獄行きの小舟への配属替え、確かにお伝えいたしました。……大丈夫かい、御嬢さん?」
「は……はい」
突然中性的な甘い声で話しかけられ、娼婦はいつものような男を誘う甘い声色からただの少女へと戻り、きょとんとした表情で彼を見つめていた。
男も、先ほどの獲物を見つけたような獣の笑みではなく、まるで貴婦人をダンスに誘うかのような優しく気障な笑みを浮かべている。
フードの隙間から見えるブロンドの髪は、額の部分で一定の長さに切り揃えられていた。そしてなにより、彼の顔はまるで女性なのではないかと思えるほど艶やかで可憐だった。
しかし、そんな彼も不衛生な生活をしていたのだろうか、無精髭が目立っている。そして、強い光を放っているかのように、瞳は輝いていた。
「すまない……君のような可憐な女性を、こんな血生臭い舞台に誘ってしまうとは……。ははっ、俺とした事が。許してもらえるかな?」
「は、はぁ……」
「もし俺がもっと別の立場に置かれていたのなら、君を王国一の音楽堂に連れてゆき、共にオーケストラが奏でる華麗な音楽を楽しみたかったのにな。
全く、こんな運命を俺に課した始祖ブリミルを恨みたくなる。だから、今宵の出会いはお互いに夢だった事にしよう」
「え?」
「だって、君のような女性と出会えたのにこのまま放っておかないといけないことなんて、夢に決まっているからね。君もすぐに忘れると良い」
「は、はい……」
遠まわしに、今夜起こった出来事のすべてを忘れろと脅されているのだろう。そうしなければ彼女の命などたやすく消え去ってしまうはずだ。
しかし、彼の甘い言葉づかいに娼婦はうっとりとまるで本当に夢を見ているかのような気分になっていた。このような言葉など、たくさん投げかけられてきたのに、とても心地の良い。
そんな彼女を暗殺者は優しく地面に降ろしてあげた。そして彼は小瓶を取り出し、殺した貴族から血を抜き取ると、まるで風のように、軽やかに屋根へ飛んで行った。
それを娼婦が呼び止めようと叫ぶ。さすがに騒ぎが大きくなってきたが、彼女にはそんなことはお構いなしである。
「あの、ミスタ!」
「なんだい、レディ。おっと、夜の誘いならお断りだ」
「い、いえ。お名前をお伺いしたいのですが……」
「俺の名前かい? おいおい、俺は暗殺者だぜ?」
「でも、これは夢なのでしょう? ならば、目が覚めた時にはすべて忘れているはずですわ」
「……ふ、ふふ、はははッ! これは一本取られたな。レディにそんな風に口説かれちゃな。よし、じゃあこのたった一度きりの出会いに祝福して。俺の名は……」
暗殺者は月夜に照らされながら、マントを翻し華麗に娼婦へ名乗り上げた。
「イージング。イージング・オブ・ロンディニウムだ」
第三十四話
「さて、諸君。これよりラ・ロシェールへと向かうが……」
翌日。アニエス達は宿屋の前でパスカル達と別れの挨拶を交わし、地竜の村の入り口で集まっていた。そしてその場をワルドが仕切っていた。
別れは辛いが、彼女らには彼女らの役割があり、そしてアニエス達にもやらなければいけない事があるのだ。彼女らと再会を約束し、ラ・ロシェールへ向かう準備を行っていた。
「ふむ、ミス・タバサの風竜と僕のグリフォンがあれば全員乗せることができそうだな」
ワルドはタバサの使い魔、風竜のシルフィードを見つめながら納得したように頷いた。シルフィードは幼竜ではあるが、それでも十分な大きさを持っている。
これならば6人は軽々と乗せられるだろう。そしてワルドのグリフォンは3人乗りぐらいならば乗せることができるはずだ。ちょうど人数分、問題はないはずである。
「では、誰がどれに乗るかだが。そうだな、ルイズと姫殿下は僕のグリフォンに……」
「さあアンナ殿、こちらへ」
「え、あ、はい」
「ちょ、エレオノール殿!?」
と、ワルドがルイズを誘おうとした時、先んじてエレオノールがアンリエッタを連れて彼のグリフォンに乗り込んだ。
ワルドは慌てて彼女たちに近寄り、エレオノールに耳打ちを始めた。
「エレオノール殿……これはどういうことですか?」
「どういうことってどういうことよ?」
「いやいや、私とルイズとの再会を堪能する機会をいただけてもよろしいではありませんか」
「あん?」
「あ、いや……しかし」
ワルドは、首をかしげながら睨みつけてくるエレオノールに思わずたじろいでしまった。サングラスの奥の目がまるであの厳しい母親のようだ。
流石は彼女の娘と感心したいところだが、今はそんな余裕などない。
「いいじゃない、ラ・ロシェールに戻ってから楽しみなさいよ。それに昨日だって楽しんでたんでしょう?」
「いや昨日はずっと姫殿下の護衛をしておりましたよ」
「あ、あのぅ、私があちらに行きましょうか?」
「いえいえ、ジャン君、いやワルド子爵の仕事は貴女様の護衛ですので、いいのですよ。ほら、早くしなさいよ。聞きたいこともあるんだから」
「……わかりました、わかりましたよ、全く。ほら、君たちもさっさと準備するんだ!」
ワルドはエレオノールの頑固とした態度にあきれ返り、諦めた様子で苛立ちながらアニエス達に指示を送った。そして自分もさっさとグリフォンに乗り込む。
先頭はアンリエッタが座り、その後ろにエレオノール。そしてワルドが手綱を握ってさらに後ろを固めていた。
「何をイライラしているんだ、あのおっさん」
「ルイズに構えなくて苛立っているんだろう? さあ、私たちも乗らせてもらおうか」
「あのさ、姉さん」
「なんだ?」
「……なんで私を抱えてるの?」
と、アニエスはいつの間にかルイズを抱きかかえていた。アニエスの表情はどこか幸せそうだが、当のルイズはしかめっ面を浮かべながらぶら下がっている。
「そうじゃないと乗れないだろう?」
「乗れるわよ! 身軽な私を馬鹿にしないでよ! もう、いつまでも子ども扱いするんだから!」
「あ、いやそういうわけじゃ……」
「もう、サイト、早く乗りましょ!」
「お、おう……」
ルイズに咎められ、アニエスは思わず彼女を放した。難しい年ごろなのだろう。しかし、アニエスにとってはそんなことを理解できるはずもない。
ルイズはぷりぷりとかわいらしく怒りながら、サイトを連れてさっさとシルフィードに乗り込んでしまった。ギーシュとキュルケは呆れた様子でそれを見つめていた。
アニエスはそんな彼女を見つめながら呆然としてしまう。そしてサイトも続けざまに乗ろうとしたが、彼女がその肩を乱暴に掴みかかると、瞳に涙を浮かべながら、怒りに顔をゆがませて彼に忠告した。
「しょおおねぇぇん!」
「う、うわっ!? ななな、なんすか!?」
「貴様、ルイズに気に入られているからって、調子に乗ってるんじゃないぞぉぉ! 手を出したら……貴様を斬るからなッ! 真っ二つだッ!」
「え、えええ!?」
「わかったかぁあ!?」
「す、すんません、すんません! 俺何も悪くないけどすんません!」
「何やってるのよ、姉さん! それ以上サイトいじめたら許さないからね!」
「う、うぐぐ……。悔しい、悔しい! お姉ちゃんすごく悔しい……ッ!」
「いいからさっさと乗りなさいよ」
アニエスのあまりの剣幕にサイトは何度も彼女に謝ってしまう。だが、ルイズに咎められ、彼女はそのまま地面に膝をつき何度も拳をぶつけて悔しがった。
そんな彼女を見かねたキュルケに頭を引っ叩かれてしまった。アニエスは情けなく鼻水を垂らしながら、顔をぬぐい、そしてサイトに続いてシルフィードに跨る。
ため息をつきながらキュルケも乗り込み、ギーシュとタバサも共に乗り込んだ。
「アニエスさん!」
と、どこからかアニエスを呼ぶ声が聞こえてきた。何事かと村のほうを見るとパスカルが駆け寄ってきた。
出発に間に合わせようとしたのだろう、慌てた様子で彼女はやってきた。
「パスカル殿、どうかなさいましたか?」
アニエスはいったんシルフィードから降りて、先ほどまでの情けない様子を一転させてパスカルの許に行った。パスカルは息を整えながら言う。
「すみません、昨日のことそういえばお伝えするのを忘れていました」
「昨日の……ああ、あの事ですか。結果が出たのですね。わかりました。すまない、少し待っててもらっていいか?」
アニエスは何のことかをすぐに思い出し、いったんその場を離れるためにシルフィードの主であるタバサに伝えた。彼女は了承したと小さくうなづく。
「何かあったの、アニエス?」
「あ、いえ姉上。少しパスカル殿に頼んだことがありまして。すぐに済みますので」
と、そんな彼女の様子に気が付いたエレオノールが訝しげに尋ねると、彼女は誤魔化すように苦笑しながら、少し離れ場所へと歩いていく。
そんな様子を皆は不審に思いながらもただ見送っていた。
さて、先ほどの場所から少し離れた二人だったが、パスカルは少し心配そうにアニエスへ言った。
「えっと……。よろしかったのですか? これは、ご家族にも聞いてもらったほうが」
「……いや、まだ決心がつかないので。それに、これは自分自身で話すべきことだと思うので」
アニエスは神妙な表情を浮かべて答える。昨夜、彼女は別れを惜しむ酒の会でこっそりと、パスカルにある事を調べてもらうよう依頼していた。
「……わかりました。では結論からですが、やはり貴女にはメイジの血が流れています」
そう、それは自身に流れている血の事についてだった。この旅を経て、アニエスにメイジの力がある事を示すような出来事が多々おこった。
彼女自身、それは信じられることではない。自分の父親はしがない漁師だったし、母も機織りだったはず。
二人のどちらかがもともと貴族だったという話も、血を受け継いでいるということも聞いたことはなかった。
無論それは当時の幼き故の彼女の記憶違いかもしれないし、伝えられなかったことなのかもしれない。
しかし、どちらにしろ知りたかった、そして今、その事実が明らかになった。
「……間違いない、のですね」
「はい」
「そう、ですか。あの、どのぐらいまでわかりましたか?」
「ごめんなさい……メイジの力がある、ということぐらいしかわかりませんでした。系統を知るのも魔法を覚えて『ブレイド』を使うのが一番だと思います。
しかし、ここからは私の勝手な推測なのですが、たぶん、ご両親のどちらかは純粋なメイジだと思います」
「純粋……ということは元は貴族だったと?」
「はい……」
「そう、か」
アニエスは複雑そうな表情を浮かべながら、乾いた笑みを浮かべて俯いた。ある程度予想をしていたことだったが、ショックを隠し切れなかった。
彼女は拳を握りしめる。そんな彼女をパスカルは申し訳なさそうにしながら謝罪をした。
「すみません、やはり、お伝えしないほうがよろしかったかもしれませんね」
「いえ……お気遣いありがとうございます。やはり、自分の事ですから。それに……」
心配そうに見つめるパスカルに、アニエスは無理やり笑みを作って答えた。
「少しでも過去を背負うこと、できましたから。……自分の生まれの事、もう少し調べてみるつもりです」
「そうですか。あの、私に手伝えることがあれば何でも言ってください。助けてもらったお礼、まだ返せていませんから」
「……ありがとう、パスカル殿」
「タバサさんとエレオノールさんにもよろしくお伝えください」
「ん? 姉上はいいとして、タバサ?」
「おおい!」
と、首をかしげたところに背後からワルドの呼ぶ声が聞こえてきた。アニエスははっと気を取り直して、最後に別れを告げてその場を離れた。
パスカルはその背中を黙って見送ろうと思っていたが、ふと伝えたい言葉が心の中にこみ上げ、彼女を呼び止めようと名を呼んだ。
「アニエスさん!」
「……?」
「こんなこと、言う必要もないと思います。でも、言わせてください! ご両親は、きっとアニエスさんの事を大事に思っていたと思います!
決して、そのご両親を責めるようなことはしないでください! たとえ、どんな過去があっても! 絶対に信じてあげてください!」
パスカルの言葉にアニエスは静かに頷いた。そう、それはアニエスにとっても変わらぬ過去だった。優しい母の思い出も、逞しい父の思い出も、どちらも変わりようのない彼女の過去だ。
それを彼女自身が誇りに思わずに、誰が思うのだろうか。そんな強い思いを読み取ったのか、パスカルは先ほどまでの憂いの表情を晴らし、笑顔で彼女に言った。
「ご達者で!」
「ありがとう! パスカル殿もご達者で!」
アニエスもまた、笑顔でそれに応えて別れの挨拶とし、そして再びシルフィードに乗り込んで、彼女たちは飛び去って行った。
あっという間に小さくなっていく姿をパスカルは手を振ってずっと見送り、そして彼女たちの旅の無事を祈った。
「……アニエス、何だか様子がおかしいわね」
「そうだったのですか? どうなさったのでしょうか?」
空を飛ぶグリフォンの上でエレオノールはつぶやき、それを聞いたアンリエッタが尋ねかけた。耳の良いエレオノールは二人の会話を何となくだが聞こえてしまっていたのだ。
自分の生まれの事、自分の過去の事。突然分からないことが沢山自分の中に思い浮かんできた。それに彼女は戸惑っているのだろう。
もしも自分が同じ立場だとすれば、いいや、それは無意味だ。彼女は彼女であり、自分は自分であるのだから。そうやって勝手な想像を浮かべるのは失礼だと思う。
姉として、何かできることはないのだろうか。アニエスがどんな人間であれ、今はルイズのかけがえのない姉、そして自分たちの大切な妹には変わりのないのだから。
そんな彼女に、後ろで手綱を引いているワルドが語りかけた。
「アニエスは不思議な人ですね、エレオノール殿」
「何がよ、ジャン君」
「メイジの子孫だという話を聞きましたが……。それは確か、彼女を養子に迎えるための方便だと認識していますが?」
「ええ、そうよ」
「しかし、彼女の血には本当にメイジのものが流れている。嘘が真になるとは……」
「……誰しもが全ての事を曝け出せるわけでもないし、そして真実を知っているわけではないわ。人は、そうやって仮面を被って自分を守るのよ。
いいのよ、それで。仮面を外して生きていけるような強い人なんていないわよ。ジャン君だって、話せないこと、あるのでしょう?」
「まあ、そうですね」
と、ワルドはエレオノールの言葉に複雑そうな表情を浮かべながら頷く。背後にいるワルドのその表情をエレオノールはちらっと見ながら、少しばかりため息をついた。
どうやら、彼も、らしい。そして私自身もなのだと。
「……それで? 私に何か尋ねたいことがあったと思うのですが」
「ああ、そうね。と言っても大したことじゃないわよ。昔の私とカトレアの事、覚えているんでしょう?」
「はい、それはもう」
「昔のエレオノール殿とカトレア殿ですか?」
アンリエッタも興味を持ったのか、エレオノールを見上げながら尋ねた。
「そうですわ、殿下。少し、昔の事が思い出せなくて、少しばかり気持ち悪くなっているだけですの」
「気持ち悪く……。確かにそのようなことがあると、むずむずとしますよね。それで、どういうことなのでしょうか?
確か、依然お会いした時はカトレア殿は聖母のようにお優しい方だとお見受けしましたが……」
アンリエッタはまるで子供のように話を促した。ワルドは苦笑しながら語り始める。
「確かに、今はまるでおとぎ話に出てきても納得してしまうほどの美しさ、そして優しさを兼ね揃えた女性です。
しかし、彼女は生まれつき体が酷く弱かった。それは、殿下もご存じですね?」
「はい、確か今も完全には治られてはいないそうな。ああ、そういえばその治療に使われた『ウンディーネの水芙蓉』は、アニエスさんが見つけられたのでしたね」
「……そういえばそうでしたね」
エレオノールは、まるで自分の事のように笑みを浮かべているアンリエッタに対し、複雑そうな気持ちを表情に浮かべながら笑みを返した。
「そのカトレア殿も、幼少の頃はその面影すらもありませんでした。気難しく、人に優しくされるのが嫌いで、本来であれば動かしてはいけない体を無理にでも動かして、
まるで弱い自分を隠すかのように。しかし、決して活発というわけではなく、むしろ自分の生まれを呪うかのような……そんな陰湿さがありましたね。
そういえば、私も挨拶をしようとして部屋に入った時に物を投げつけられたこと、ありましたね」
「それはレディの部屋に勝手に入ろうとしたからじゃないの?」
「まさか! ちゃんとノックしましたよ」
ははは、とワルドは小さく笑った。その笑みにはそのことに対する憎しみだとか、そういう感情はないようだ。ただ単に懐かしんでいるだけなのだろう。
しかし、エレオノールはそんな思い出話を聞いて、少しだけ後悔した。彼女自身もまた徐々に思い出しつつある。
「それに対し、エレオノール殿は確かとても臆病で大人しい方で、そんなカトレア殿を想いつつも上手く接することができていなかった。遠巻きに見つめることしかできなかったとか。
そんなお二人が変わられたのは、ルイズが生まれた頃ですか」
「……ええ、そうだったわね」
「まあ、突然お人が変わられたというわけではありませぬが、少しずつお二人の性格が入れ替わったような、そんな気がしましたよ。
カトレア殿はお優しくなられ、エレオノール殿は厳しくなられました。しかし、どちらも愛ゆえのものを感じましたから、不思議と違和感はありませんでしたが」
「約束だから」
「約束?」
ワルドは何の事だとエレオノールに尋ねかけた。彼女はすべてを思い出したように語りかける。
「ええ……。カトレアと私との、約束。……なんで今まで忘れてきたのかしら。ううん、約束自体は忘れていなかったけれど」
「エレオノール殿?」
「それに……あんなに体が弱く生まれて、他人と同じように魔法を使うことも、ましてや走り回ることすらできないのよ……。
歪んで当然よ。今のあの子の状態は、あの子自身が自分の歪みと向き合っているから……。ルイズが生まれたら、愛情を持って、貴女は命一杯優しく、
私は命一杯厳しく接しようって。優しくすることは、心が強くなければできないことだから……」
と、アンリエッタはふと頭の上に暖かい感触を覚え、不意にエレオノールを見上げた。すると彼女は少しだけ涙を流し、眼鏡を外して目をぬぐっていた。
「あ、殿下、そのごめんなさい。ちょっと思い出して、思わず……」
「いいえ、色々と思うところもあるのでしょう。あの、このハンカチをどうぞ」
「お、恐れ入ります」
エレオノールはアンリエッタから手渡されたハンカチで眼を拭いた。王族が使うようなものではないが、それでもアンリエッタの優しい匂いが感じられる。
「……そうよね、今までずっと忘れてたわ。何でだろう? いつの間にか、当たり前のことみたいになってしまって、意識しなくなったから……?」
エレオノールはそうつぶやき、遠くのフォンティーヌの領の方角を見つめた。
そのころのフォンティーヌ領の領主屋敷。自然に囲まれ、様々な花や植物で彩られたこの場所でカトレアは動物たちと暮らしていた。
領主の仕事の殆どは公爵やその手の者によって行われていたが、カトレアの希望もあり、この小さな屋敷のやり取りは彼女が担当していた。
と言っても、それでもあまりやることは多くはないのだが、せっかく動けるようになったので、彼女なりにラ・ヴァリエール家に貢献したいと考えた上でのことだ。
公爵もその心意気を認めて、無理をしない程度にという条件をつけて、ここを彼女に任せていた。
しかし、体のほうはまだまだ弱いほうだ。少しずつ運動をして、体力をつけることも始めているが、少しだけ無理をしたせいで倒れ、今彼女は自分のベッドの中で横になっていた。
「……う……」
「あ……お目覚めになられましたか?」
と、カトレアは目をゆっくりと開きながら天井を見つめる。何時もと変わらぬ天井。そして、自分の側にはよく見かけるメイドの姿がある。
メイドは失礼します、と一言断りを入れてカトレアの額のタオルを取り上げ、代わりに別の濡れたタオルをそっと置いた。ひんやりとした感触が何とも心地がいい。
昔はこんなこともあまり感じることができないぐらいに余裕もなかった。それほど自分の体がよくなっているのだと、とりあえずカトレアは感じつつメイドに笑みを向けた。
「ありがとう。ごめんなさい、心配をかけてしまったわね」
「目の前で倒れられた時はこちらの心臓が止まるかと思いましたわ。お医者の話では、特に異常は見られなかったようです。ただの疲れだろうと」
「そう、よかったわ……。せっかく治った体だもの、壊してしまっては元もこうもないですし、今後は気を付けるわね」
「是非そうなさいませ。ところで、何かお持ちしましょうか?」
「ううん……あ、お水いただけるかしら?」
「かしこ参りました」
メイドは常に用意してあるビッチャーを手に取り、コップに水を注ぐとそれをカトレアに優しく手渡した。カトレアはそのコップを受け取ると、ぐいっと一気に飲み干した。
乾いていた喉が一気に潤される。程よく冷やされ、喉越しがとても心地がいい。何時もと変わらぬ水のはずなのにとてもおいしく感じた。砂漠で迷った時にオアシスを見つけた人々の気持ちとは、こういうことなのだろうか。
カトレアはそんな水の味に少しだけうきうきとした気分となり、少し頬を赤らめながらコップをメイドに差し出して御代わりを頼んだ。
メイドは普段の彼女とは様子が違うのに少しだけ困ったが、すぐに苦笑しながらコップに水を注いだ。
そしてカトレアはまた一気に飲み干すが、案の定先ほどのような快感は得られず、おかしくなって少しだけ笑ってしまった。そう、当たり前なのだ。
「……あの、恐れながら本当に大丈夫なのですか?」
そんな様子のカトレアに、流石のメイドも訝しげに尋ねざるえなかった。カトレアはくっくと悪戯っぽく笑いながらも、大丈夫と短く答えた。
メイドは不思議そうに首をかしげながらも、立ち上がって一礼したのち、その場を後にしていった。しかし、それでもカトレアはまだ笑っていた。
ふと、鏡を見つめてみる。そこに映っているこの意地悪な笑い方が何となく姉エレオノールにそっくりだ。
人に比べれば病弱とはいえ、こうして元気になった自分は、最近昔に比べて感情をよくあらわすようになったと思う。不思議と、そちらのほうが自然にも感じられた。
「……体が元気なのって、こんなに楽しい事だったのね」
カトレアはふと体を起こして、ルイズがよくするように体を伸ばしてみた。ポキポキと体が音を鳴らしているのを聞いて、思わずその動きを止めたが、案外気持ちがいいので続けてみる。
「ルイズは元気にしているかしら? ふふ、そういえば使い魔の召喚の儀式、というものがあるのよね。上手くできたかしら?
あの子の事だから、きっと他とは一味違う子を呼び出しているわね、きっと」
独り言をつぶやきながら、学院にいるルイズを想ってみる。以前は勉強が嫌だなんだと我儘を言っては自分のところに逃げ込んできて、よくかくまったものだ。
4姉妹の中ではルイズとカトレアはそっくりだ。もちろん、ルイズは活発であるし、カトレアにそんな活発さはないのだが。母譲りの容姿はそっくりだ。
割と素直な性格なルイズではあるが、たまに素直になりきれないところもある。それも母に似たのだろうとカトレアは苦笑した。
でも、そんなルイズが羨ましく思える。彼女は魔法が使えないというコンプレックスを全く感じさせず、前向きに考えていた。
もしもアニエスと出会わず、貴族としか育っていなかったら、そうはならなかっただろう。彼女には公爵家の娘という重責が圧し掛かってきていたはずだ。
そんなルイズに、カトレアは少しだけ自分を見出していた。
自分もそうだ。こんな体に生まれ、何一つ家族へ貢献するどころか迷惑ばかりをかけていた。自分の体を維持するのにも沢山の財産を使った事だろう。
そんな自分を後ろめたく思ったことも何度もあった。でも、どうしようもないのだと死を待つ覚悟もしていた。しかし、ある程度元気になった今恩返しをする時だと彼女は考えている。
カトレアはベッドから抜け出してベランダへと出てみた。すると、彼女の匂いを察してか、フクロウと風竜が飛んできて、彼女の傍に飛んできた。
カトレアは彼らの体を優しくなでながら、遠くで旅を続けているのであろうアニエスとエレオノールを想い、外の光景を見つめた。
何処までも広がる森。その先にはどんなものが待っているのだろう。きっと、二人とも楽しいのだろうな。
実際に、つい数か月前に家に帰ってきたアニエスからは、エレオノールの世話が大変だとか、いろんな愚痴を聞かせられながら楽しい冒険の話をしてくれた。
「姉様ばかり、ずるいわ」
カトレアは小さくつぶやいた。何だか、自分の中によくわからないものが湧き上がってくる。本音を言えば、自分もこっそり連れて行ってくれればいいのにと思っている。
わかっている、そんな歳でもないし、そんな丈夫な体でもない。それでも。
「本当、ずるい」
カトレアはもう一度だけつぶやいた。そこで、やっとその正体がわかった。これは、嫉妬だ。何だか久々に感じた、負の感情。
人の事を羨むことはあっても、妬むことなんてなかったのに。いや、何となく懐かしさも感じるが。
きっと疲れているんだわ、とカトレアは思い直し、苦笑しながらフクロウと風竜に別れを告げると、そのままベッドに入り込み再び眠りについた。
しかし、彼女の中の不安はまだ隠しきれない。この心に渦巻く闇が恐ろしく、またどこか馴染んでいく。
彼女は知らない。この小さく、誰もが持つ負の感情がのちに大きな波乱を生むことを。彼女はまだ知る由もなかったのだ。
おまけ
「エレオノール姉様、私、実は好きな人ができましたの」
「へっ?」
ラ・ヴァリエェル家の一室で、カトレアの突然の告白に困るエレオノール。何をどう反応すればいいかわからなかった。
しかし、カトレアは幸せそうな表情で自分の頬を抑えながらきゃっきゃうふふと言っている。本当に。
「というか、あんたこの領地から出たことないんじゃ……」
「実はこっそり学院に逝ったことがあるのですが、その時に出合った殿型がとてもとても素敵な型で……」
「ふ、ふぅん。というか、何か言葉のニュアンス、おかしくない?」
「気のせいですよ。その戸野型を今日はお呼びしているのです! 姉様にご照会しようと思いまして」
「な、何ですって!? あ、あんた何を勝手な真似を……」
「お入りください〜」
ガチャ……
「どうも、三度の飯より風が大好き、ギトーです。久しぶりだな、阿呆のエレオノール! いや、姉上か!?」
「な、なななな……」
「「駄目に決まってるでしょうがぁぁぁ!」」
「はっ!? 夢……? って、あんたも同じような夢を……? ツェルスプトー」
「貴女もなの? エレ姉……」
「……」
「……」
「何だか知らないけど、お互い頑張りましょう」
「ええ、同感だわ」
ここに、妙な友情関係が生まれた。ちなみにこの二人、ジャンケン(サイトが教えた遊び)で敗れ、部屋割りからあぶれた二人だった。
100%汚い人も100%綺麗な人もそうそういないよね、というお話。おまけのカトレアと本篇のカトレアは80%別人です、ご了承ください。
暗殺者のモチーフはそのまんまアサシン・クリードです。
そして、虚無キュルケの人はまだかなぁ…。他の人のSSも読みたいぜ!
乙です。
確かに完全無欠で綺麗な人、てのはいないよねぇ。
カトレアさんみたいな境遇では特に。
なんとなく、第二のシャルルになっててもおかしくない気がする。
乙、最後にワロス
もしも国家間の主導権を決める方法が使い魔を戦わせて決める使い魔ファイトだったら
もしも魅惑の妖精亭が、世を忍ぶための銃士隊の秘密基地だったら
魅惑の妖精亭が娼館だったら
しぼりとられるな、ありとあらゆる意味で
スカロンさんも働いてるのか…おそろしす
魅惑の妖精亭の淫夢
第一章:スカロン脅迫!衛視隊員たちの逆襲
第二章:徴税官反撃犯されるスカロン
第三章:召喚!そして馬鹿犬妄想へ
第四章:ツンデレプレイ!野獣と化したルイズ
もしもカトレアさんが領地から出れないのは病弱ではなくヤンキーだったら。
でも面倒見がいいので、ルイズになつかれているのは原作通りとか。
フランドール・スカーレットか
べるぜバブの女性版だな
もしもタバサがアホの子だったら
>>21 タバサ「きゅいきゅい」
イルククゥ「違うのね、きゅいきゅいなのね」
タバサ「きゅいきゅい」
>>18 名前も漢字で名乗ると華闘麗亜。
格好いい………。
現代日本にいるカトレアさんで思いついたネタ。
ハルケギニアのカトレアさんはルイズが魔法学院に入学する前にこの世を去る。
がルイズには「旅に出るだけだから……、必ずルイズの前に帰ってくる」と約束する。
がルイズ以外の家族やお付きの者にはお別れの言葉を送った。
ルイズ、使い魔召還時に現代日本に現れる。
目の前にはカトレアさんにうり二つの才人の姉と才人がいた。
嫌な思い出しかないハルケギニア、そして大好きな姉の生まれ変わりの人と暮らしたいと思い、
ハルケギニアへの未練はまったくなく、現代日本で暮らすことを決意するが………。
ルイズと平賀姉弟を中心にした現代日本でのコメディ企画。
ルイズが現代日本での騒動を描いていく。
>>24 「いい加減にして、私は貴方のお姉ちゃんじゃないのよ!」
という欝展開が浮かんできて困る。
>>24 でも、結局はハルケギニアにお帰り、とカトレアさんには言ってもらいたいなぁ
現代日本は楽しくて魅力的だけど、やっぱり自分のいるべき場所はあそこなんだ、みたいな。
頑張って書いてください。小ネタでもいいので!
華闘麗亜吹いたww
しかし艶やかな黒髪のカトレアさんは見てみたい
もしルイズが魔法を使えない代わりにトラップ使いだったら
ルイズ「トラップカード発動!聖なるバリア・ミラーフォース」
総長 :華麟
親衛隊長:衛怜生乃於瑠
参謀長 :華闘麗亜
次期総長:流威珠
ハルケギニア最強、馳璃獲瑠一家、夜露死苦ぅっ!!ってな感じ?
カトレアが日本人に生まれ変わると聖白蓮っぽくなりそうだ
なぜ、ここで東方?
>>31 何それ怖いwwていうか、当て字よく考えたなww
いちいち「民名書房刊」の説明文がつく
脳内でヴァリエール公爵が王大人になったじゃねーかwww
普通に生き返ってるウェールズ
ウェールズ「私の戦闘力は53万です」
アン様「私がトリステイン王女アンリエッタ・ド・トリステインである!」
勿論構図は顔のアップ&煽り&背景は稲妻か波濤的何かで
むしろ出版元が民名書房
言っとくが民明書房だぞ
亜弐江守「この世に斬れぬものはなし! 一文字流斬岩剣!」
「魁!! トリステイン魔法学院」か……
魔法学院とは名ばかりで漢(おとこ)と漢女(おとめ)しか在学していない
肉体言語で語る武闘派の貴族を養成する場所しか思い浮かばない
300年の歴史があるはずだったのに、いつの間にか院長が創始者になってる魔法学院なんですね。
…と書いてから、オスマンが創始者で300歳だったら、別にそこら矛盾しないか。
いや、この場合は雄凄萬か…。
こんばんわ。第三十五話が完成したので30分ごろに投稿したいと思います。
あと、今回はいつも銃士だけでは飽きると思い、
>>18さんのネタを一発ネタで書いてみました。
さて、夕方も近づいた頃。アニエス達はラ・ロシェールにたどり着いた。あまり騒ぎにならないように町の手前側で全員降り立ち、徒歩でその中へと入った。
途中、うっかりアンリエッタを姫様扱いしそうになったワルドをエレオノールが蹴り飛ばしつつ、町の入り口の付近にある広場に荷物を運びこんでいた。
町には仕事帰りの行商人に船乗りや傭兵、そして家に帰ろうとしている住民達であふれかえっている。ただでさえ目立っているのに、これ以上騒ぎを起こせば何が起こるかわからない。
彼らは広場の中でも目立たない場所で大人しく休憩をしていた。そんな中、くたびれた体を伸ばしていると、港に向かっていたワルドが一行の許に戻ってきた。
「やはり、明後日にならないと出ないそうだ。エレオノール殿の言う通りでしたね」
「そりゃあそうでしょう。スヴェルの月夜が明けるまではそういうもんよ」
エレオノールが当然だと言わんばかりに言い放った。ワルドは申し訳ないと苦笑している。
「へぇ、あたし、アルビオンへは旅行したことないけれど、何でスヴェルの月夜までは出ないのかしら? エレ姉」
「ちょっと、小娘。あんたにまでエレ姉呼ばわりされる謂れはないんだけれど?」
「いいじゃない、別に」
エレオノールはなれなれしいキュルケに対し、睨みつけて威嚇しようとした。しかし、あっけらかんとした態度で返されてしまったため、ため息をつきながら説明を加えた。
「答えは簡単よ。スヴェルの月夜の明けた日が一番アルビオンの近づく日だから。それであんたは察せるでしょう?」
「なるほど、運航費が安いのね」
キュルケは納得したかのように頷いた。
「しかし……急ぎたいところではありますね。何とかなりませぬか?」
「……まあその点も考慮して、私の当てに聞いてみましょうか。それと」
ワルドの言葉にアニエスは静かに答えた後、キュルケ達の格好を見渡す。キュルケとタバサは学生服だ。
このままアルビオンに行くような恰好じゃない。ルイズとサイトとアンリエッタも、そして自分達もだ。準備もしなければいけないだろう。
それよりも、彼女たちは本当についてくるつもりなのか、そこも疑問だ。
「……お前たちは本当に行くのか?」
「当たり前よ。私の宿敵が危地に行こうとしているのを、黙って見ているわけにはいかないわ。黙って死なれちゃ困るからね。私たちが守ってあげるわよ」
アニエスが静かにキュルケへ尋ねかけると、彼女はいつもの妖艶な笑みではなく、少女らしい表情で笑みを浮かべていた。
キュルケもわかっている。しかし、宿敵、いや親友をそのまま放っておくことなどできないのだろう。
「止めないんだな」
「……私はあまり賛成できないけれど。ルイズが止めて止まるような人じゃないのを知ってるから」
そしてタバサも、ルイズの性格を知った上で付き合うと言った。本当にいい友人に恵まれたのだな、とアニエスは少し微笑んだ。
「ま、タバサの言う通りってこと。無理に止めようとすれば、あの子また一人で突っ込んでいきそうだからね」
「同感だ」
「しかし、君たちは留学生だろう? 無理に行けば……」
「そこはご心配なく、ミスタ。私たち二人はお忍びの旅行中ということで。『偶々』行き先が同じなだけですわ」
「しかし……。これはただの非公式な任務だ。それに危険だぞ?」
「あら、それはそこのお姫様方に言うべきじゃないかしら?」
「知ってた、あいやさっきのやり取りだな。全く、自分の愚かさ加減の気が知れないな」
ワルドはははっ、と苦笑した。キュルケも笑みを浮かべてそれに応える。
「そうそう。それにしても、何でアルビオンなんかに行くのよ? お忍び、ていうのは聞いたけど」
「うん? それは誰からだ?」
「シエスタよ。まったく、すっごく心配してたわよ? あの子がおどおどしてたから問い詰めたんだけど、そしたら貴方達がお忍びで旅に出たって言ってね。それですっ飛んできたの」
「だとさ。シエスタ、ルイズのところに居たのか?」
アニエスは少し意地悪にルイズへ尋ねかける。すると、そんな彼女の心情を汲み取ってか、少しいじけたように口をとがらせながら、視線を逸らして言い訳をした。
「……うっ……そりゃあ、その悪かったと思っているわよ。最後まで反対してたし……」
『そりゃあな。戦場に行く幼馴染を止めないやつぁいないだろ』
「わかってるわよ、デルフ」
「じゃあ、ちゃんと謝らなきゃな」
「……うん」
そんな彼女に対し、アニエスは優しく微笑みながら彼女の頭をぐりぐりと撫でた。そんな手にルイズは恥ずかしそうにしながら、小さく笑っていた。
そんな二人にキュルケは呆れたように笑みを浮かべながら言った。
「全く仲の良いことで。相変わらずなのね、二人とも」
「まあな」
「姉さんはいつまでも妹離れできないダメダメ姉さんだけどね」
難しい年ごろだなぁと、アニエスはルイズの厳しい言葉に項垂れてしまった。
「厳しいなぁ……。傷ついちゃうなぁ」
「だったらもっと妹離れしなさいよ、アホ」
「アホってなんですか!」
情けない様子のアニエスにエレオノールがすかさず冷たい突っ込みを入れた。アニエスは散々な扱いにがっくりとうなだれる。
そんな彼女にキュルケが話を催促した。
「ところで、何か言いかけていたんじゃないの?」
「ああ、そうだ。もしついてくるとしたら、格好に問題があるからな、まだ明日もある事だし、準備をしようという話だ」
「何だ、そんなこと?」
「そんなことって、結構重要なことだと思うけどなぁ」
「まあそうなんだけど、何となく。まあいいわ、今日は……ううん……さっさと宿に行きましょう」
と、背伸びをしながら提案するキュルケにアニエスが同意する。
「ああ、そうだな。おじ、ワルドさんは何処に泊まるのか決めたのか?」
「おい、今おじさんと言いかけたな? ……覚えていろよ」
「知らんね」
ワルドが眉をぴくぴくと動かし、ひきつった笑みを浮かべながら、挑発的なアニエスを睨みつける。そんなワルドに対し、アニエスはしてやったりという表情だ。
彼はそんな彼女への怒りをおさめながら話し出した。
「……ルイズ達も居るんだ、最高の状態にしたいからね。『女神の杵』に取ろうかと……」
「ええぇ!? あんな高いところに!?」
と、そんな彼の言葉に、真っ先に反応したのはエレオノールだった。彼女は仰け反りながら、全身を使って驚きを表している。
そんな彼女に、キュルケが高笑いをしながら馬鹿にするように言い放った。
「あらあら、ラ・ヴァリエール家のご長女ともあろう方が、宿代も出せないのですか? 随分と貧乏なこと、で……?」
と、そんなキュルケに対し、エレオノールは黙ったまま眼鏡をはずして彼女に近づいて行った。
眼鏡を外した彼女の目つきは、目が悪いせいもあるのか、かなり鋭く、そしてなにより威圧的だ。キュルケはこんな目つきの女性を見たことがない。
いや、正確に言えばあるかもしれない。あれだ、彼女たちの母親、カリーヌだ。いや、彼女はこんな瞳が小さく、恐ろしかっただろうか。
目つきが悪いとか、もはやそんなの問題じゃない。まるで私を殺すかのような、そんな感覚にキュルケは陥った。
エレオノールはキュルケの両側頭部をがっしりとつかむと、瞳孔を開きっぱなしにしながら顔を近づけて言い放った。
「いい? ラ・ヴァリエール家は決して貧乏じゃないの。私が、貧乏なの。わかる? 私が、貧乏、なの」
「わ、わかったわ、わかったから放してちょうだい! なによその目つき、こわっ! 怖いって!」
「うわぁ……眼鏡を外したら美人になるっていうの、ありゃあ嘘だったんだなぁ……」
「サイトの世界ではそんなのがあるの?」
「僕も興味あるね」
「ああ、ええっとどう説明すればいいかな」
「ちょっと、あんた達、助け、ひぇ……ご、ごご」
――ごめんなさぁぁい!
第三十五話
さて、結局宿代はワルドがある程度肩代わりするということで落ち着き、アニエスとエレオノールはラ・ロシェールの町の中を歩いていた。
もう住民たちの帰宅も済んでいるのか、通りは静かなものだった。ただ、所々に顕在する酒場からは、船乗りや傭兵、そして旅人達の威勢のいい声が聞こえてくる。
時々入口や窓から人が飛び出してきて、そして彼女たちの目の前で喧嘩が起こしていたりしている。しかし、これでもまだまだ治安はいいほうなのだ。
今も目の前で喧嘩が起こり、岩の壁に一人の男が叩きつけられていた。それを野次馬たちが盛り上げている。そんな彼らをしかめっ面でエレオノールは見つめ、アニエスは懐かしそうに笑っていた。
彼らはこのような喧嘩には武器を持ち込まない。それはご法度なのだ。たまにその法を破る者もいるが、それらは衛士やら他の傭兵達に〆られるのが現状である。
拳同士であったり、酒の飲み比べだったり、腕相撲だったり。本気の命のやり取りまでは決してやらないのだ。もしやるとしたら、“決闘”という名でちゃんと形を作る。
この一つの岩を削り取られて作られた小さな町には、それに見合わないぐらいのたくさんの人々が行きかう。そんな彼らが心地よい暮らしができるためにいつの間にか出来上がった、彼らなりの法なのだ。
とはいえ、それは表向きの話。繁華街の中には治安の悪い場所も存在する。それは安宿であったり、路地裏の奥に存在する安酒場であったり。
とにかく、治安を維持する者たちの目に届かない闇の部分にはそういうのもはびこっている。彼女たちが目指しているのは、ちょうどその境目ぐらいの場所だ。
「ようお姉ちゃん。こんな裏道まで女性二人きりで歩いてるたぁ、危ないね」
「そうそう。ここらへんは無法者が多いからよ。だけど安心しな、俺たちが守ってあげるからさ」
と、噂をすれば、というか。二人の目の前に、明らかにガラの悪い傭兵が立ちふさがった。喋る口からは出来の悪い酒の臭いが彼女たちの鼻を刺激する.
エレオノールは鼻をつまみながら、何よ、この下郎と一言呟いて彼らから顔を逸らした。下卑た臭いなど、彼女だってかぎたくないのだ。
だがアニエスは腰に手を添えて、彼らに臆することなく言い放った。
「お生憎様、私よりも弱い男に守ってもらうような義理はないのでね」
「へへっ強がらなくてもいいんだぜ、お嬢ちゃん。おうおう、一丁前にそんな剣を背負っちゃって、可愛いねぇ」
「おほ、そっちの姉ちゃんも、よく見りゃ上玉じゃねぇか、どれどれこの俺が……」
傭兵の一人がアニエスの横を通り抜け、エレオノールに手を伸ばそうとした、その時だった。アニエスが素早くその腕を力強く掴むと、そのまま捻りあげて背中に回す。
傭兵は悲鳴を上げながら、必死にもがこうとするが、その前に彼女が背中を蹴って、酒樽のほうへと飛ばした。酒樽の一つが大きな音を立てながら崩れ落ちる。
「野郎!」
「野郎じゃない!」
『お嬢ちゃんだよなッ!』
それを見た片割れが慌てて剣を抜き、アニエスに斬りかかろうとしたが、その剣は彼女が抜いたデルフに捌かれ、逆にアニエスの手の甲による叩きで逆襲されてしまう。
鼻血を吹き出しながら、傭兵は無様に地面に倒れた。それを見た、先に蹴り飛ばされた傭兵は悪態をつきながら懐に手を入れた。
そして素早く抜いて銃を取り出すと、アニエスに銃口を向ける。しまった、銃持ちだったのか、とエレオノールが舌打ちしながら杖を取り出そうとした。
だがしかし、アニエスの反応は瞬時だった。素早く振り向き、デルフを薙ぐ。
その表情を、傭兵は目の当たりにしていた。瞳が光り、口元が大きくひきつっている。化け物だ。まるで化け物が笑っているかのような、恐ろしい笑顔だった。
デルフは銃をとらえ、そして真っ二つに斬り分けてしまった。鉄でできた銃をいとも簡単に破壊してしまったアニエスに、傭兵は恐怖を隠し切れない。
ガチガチと震えながら傭兵は、眼を細め、彼をまるで獲物を見つけたような眼光で見つめてくるアニエスに戦き、悲鳴を上げながら逃げ出していった。
そのあとを片割れが慌てて追いかけてゆき、その場は静寂を取り戻したかに思えた。
アニエスがふぅっと、先ほどまでの表情を一転させて息をつく。そしてエレオノールのほうをむこうとした時、どこからともなく拍手が聞こえてきた。
「お見事な剣捌き」
アニエスがぎょっと驚いて振り向いてみる。そこには歳相応に熟れた妖艶な女性が彼女たちに拍手を送っていた。
人の好さそうな笑みだが、どこかまとわりついてくるような粘着を感じる。格好は貴族が着るような高価なドレスだが、動きやすいように色々と改造が施されているようだ。
くすんだ青髪をなびかせながら、彼女は二人に対し、賛辞を送った。
「ブラヴォー、素敵な戦い方だったわ、アニーちゃん」
「ぐあ!? ま、まさかあんたは……アンダルシアか!」
アニエスはその呼び方、そして妖艶な声に思わずのけぞってしまった。女は二人の知り合い、王立アカデミーの上司であるアンダルシアだった。
「アンダルシアさん、でしょう? エレちゃんも久しぶりぃ」
アニエスの言葉に指摘を加えつつ、親しげにエレオノールにも声をかけた。エレオノールは少しひきつった笑みを浮かべながら、彼女に返事した。
上司と部下、そして一応友人同士ではあるが、彼女にとっては苦手な相手である。出来ればあまり付き合いたいとは思えない相手だ。
「ど、どうも、奇遇ね。なんで貴女がここに?」
「そりゃあ診療所と研究のための薬集めに決まってるじゃない。アルビオンからの貿易品を買いに来ようと思ってねぇ。
色々と足りなくなったのよ。媚薬とか」
「媚薬って……」
「冗談よぉ、もぅきゃわい」
アンダルシアの甘くそして撫でまわすような言葉づかいに、エレオノールは思わず鳥肌が立ってしまった。
だがそれを感づかれてしまうと、余計に弄りまわされるのも知っているので、何とか平静を保ったふりをする。
アニエスに至っては近くの樽の影に隠れてアンダルシアを睨みつけていた。彼女もまた散々アンダルシアに弄られ、軽くトラウマになっている一人だ。
「もぉ、アニーちゃん、そんなところに隠れていないで出てきなさいな」
「う、うるさい。お前ほど信用ならん人間はいない」
『なさけねぇなぁ、相棒は……』
「うるさいよっ!」
「なによぉ、少し可愛がってあげただけじゃない。貴女のそのかわいらしい部分を……」
「何もされていない!!」
アニエスは近くにあった酒瓶を投げつけるが、その瓶をひょいとアンダルシアは避けてしまった。
と、その時、酒瓶の軌跡を追っていたエレオノールは、アンダルシアの後ろに誰かが突っ立っているのを見つけた。買い物籠を両手に抱えた少女のようだ。歳は12ぐらいだろうか。
マントにつけられたフードを深くかぶり、人の視線を拒むかのように俯いているせいでよく表情が見えない。が、あまり活発な子には見えなかった。
「ちょっと、その子どうしたのよ?」
「あん? ああ、私の臨時の従者よ。この町で雇ったんだけどね。ご両親を戦争で亡くしたんですって。まあ生きるにはお金が必要ってね。私が少しの間雇って養ってるのよ」
「ふうん」
「そうなのか。なあ、この女に変なことされていないか? 大丈夫か?」
アニエスは優しく少女に話しかけるが、当の彼女はアニエスを一瞥した後、すぐに顔を逸らしてしまった。こう見ると、あどけない少女にも見える。
しかし、その一瞥した時の表情を見た瞬間、アニエスは何故か背筋が凍るような感覚に陥った。何か、自分を見透かしているかのような、そんな瞳を見た気がする。
だが、すぐにその感覚も消えたため、気のせいだと首を振って気を取り直した。
「どうかした? あぁ、なんか調子悪いんだったら私が見てあげるわよ? 特別に無・料・で」
「いや……結構だ」
半分心配そうに、半分からかうようにアンダルシアはアニエスに近づいた。独特な香水の匂いが漂い、アニエスは思わず咳き込みそうになるが、
なんとか我慢しながら彼女を突き放そうとした。その時、彼女から何か不思議な臭いが漂うのを感じた。
「そう? まあ私たちはまだここにいるから、用があったらいつでもどうぞぉ。ぐふふ」
「気持ち悪い奴……」
アニエスはしっしっと手首を振ってアンダルシアを追い払うと、彼女は不敵な笑みを浮かべながらその場を去って行った。そのあとを少女も慌てて追いかけていく。
「まったく、こんなところであんな奴に遭うとは思わなかったわね」
「本当です……ね?」
「ちょっと、アニエス!?」
立ち去って行った彼女たちを見送っていると、突然アニエスは立ち眩みを覚え、その場にしゃがみ込んでしまった。そんな彼女の体をエレオノールが慌てて支えた。
自分でもよくわからない。アニエスは突然の事に戸惑いながら目を抑えて立ち上がる。眩みはもうなくなっていた。
「大丈夫?」
「ええ、少し疲れているのかもしれません」
『最近戦いっぱなし、歩きっぱなしだったからなぁ……。傷も治ったばかりだし、相棒も疲れてきたんだろ』
「だったら、行くの明日にして今日は休みましょうか?」
心配そうに呟くエレオノールに、彼女は苦笑しながら答えた。
「いえ、大丈夫です。すみません」
「……あなただけの体じゃないんだからね? 無理しないでよ」
「……はい」
エレオノールの優しい言葉にアニエスはうなづいた。自分だけの体ではない、その言葉に彼女はありがたみを感じつつ、少しばかりの申し訳なさも感じているのだった。
そして、先ほどのアンダルシアから感じた臭いを、改めて思い出してみる。あれは。
――血の臭い?
路地を歩き続け、しばらくしてアニエス達は一つの酒場にたどり着いた。中からは綺麗なチェンバロの音が聞こえてくる。
チェンバロを置いている酒場など、相当珍しいと思うのだが、なるほど『妖精達の音楽亭』という洒落た名前になかなかあっている。
チェンバロが弾き出し、奏でる音は小気味のよいアップテンポなリズム。まるで踊りたくもなるような楽しげな曲だ。
アニエスはこっそり店の中を覗き込んでみる。他の店と違い、酒場の中の客たちは静まり返っている。普段は音楽に縁がない者たちも、みな演奏を楽しんでいるようだ。
と、チェンバロのほうを見ると、アニエスは「あっ」と思わずつぶやきながら、笑いをこらえて外に出た。そんな彼女に、怪訝そうにエレオノールが尋ねてきた。
「どうしたの?」
「い、いえ。意外だなぁと」
「何がよ?」
「ちょっと覗き込んでみてください。あ、声は上げないで下さいよ?」
明らかに可笑しいアニエスの様子に、エレオノールは「何よ」と不審に思いながら店の中を覗き込んだ。だがすぐに出てくると、口元を抑えながら、驚きを隠せない様子でいた。
「な、何よあれ? ぶっ、ふふ……に、似合わな……ぷぅくすくす!」
「吃驚でしょう? いやぁ、ありゃあ意外だったなぁ」
「さ、さあ中に入りましょう。ひぃお腹痛い」
『お前ら……さり気無く酷いな』
エレオノールは思わず吹いて、笑いすぎて痛くなってきたお腹を押さえながら、店の中へと入っていく。アニエスも軽く笑いながらそれに続いて行った。
店の中の雰囲気はトリステインによくある飾り気のあるものではなく、どこか少し捻ったかのような変わった趣向だ。そんな中を二人は、他の客の邪魔にならぬようにカウンターへと向かった。
カウンター席にはほかの客はいないようだ。いや、一人いるようだが、酔い潰れて夢見心地のようで、起きる様子はない。
席に座った二人に酒場のマスターが注文を取りにやってきた。アニエスは自分の隣にデルフを立て掛けながらそのマスターの顔を見つめた。
なるほど、音楽が好きそうな顔だと勝手に予測をしてみる。音楽かぁ、とアニエスは思い浮かべてみた。嗜みでやりなさいと言われてやってみたが、自分には対して才能がなかった。
「いらっしゃい。何する?」
「私、この安いワイン」
「私は……このウィスキーかな。水割りで」
「はいよ」
二人の注文を取り終えると、食器棚からグラスを取り出し、それを彼女たちの前に置いた。そして酒を注いでいく。
そんな彼をよそに、二人もまたほかの客と同様に酒場のウェイトレスが奏でるチェンバロの音を楽しんでいた。先ほどまで小ばかにしていた二人も、ほぅ、と夢見心地の気分になっている。
確かに上手いのだ。指捌きも、音楽を奏でる時の表情も、二人が知っている『彼女』ではない。そう、それが本来の『彼女』の顔なのかもしれない。幸せに暮らしていた、貴族の頃の顔かもしれない。
と、曲が転調し、クライマックスを迎えたようだ。そしてゆっくりと奏者は鍵盤を叩く指を止めると、しばらく余韻を楽しんで、そして演奏を終えた。
それを機に店中から拍手や指笛で彼女に歓声が送られた。ウェイトレスは小恥ずかしそうに頭を押さえながらも、辺りにお辞儀してそれに応えた。
アニエスとエレオノールも、純粋な気持ちで彼女に拍手を送った。そして歓声が止み、また再びウェイトレスが業務に戻ろうとしたのを見て、二人は少し顔を伏せる。
満面の笑みで振り返ったジェーンだったが、二人を見つけた瞬間、酷い顔になり狼狽して仰け反った。一瞬だけ見えたその表情に、二人の笑いの堤防が崩れ、机に突っ伏しながら大笑いしてしまった。
「どうかしたかい? ジェーンちゃん」
「あ、いやその……」
「じぇ、ジェーン、ジェーン・ドゥ? ぶ、ぶわはは……」
「だ、ダメですよ、姉う……はっはっは……ひぃ、お腹痛い」
「こ、こらぁ! わ、笑うんじゃないよ! こ、この、馬鹿共!」
「あいたっ!」
「あいでっ!」
マスターから怪訝そうに尋ねられ、狼狽しているうちに二人が更にからかうものだから、ジェーンも耐え切れなくなったのだろう。
二人の頭をトレイでぶん殴った。威勢のいい音が辺りに響き渡る。流石の二人も悲鳴を上げながら頭を押さえた。周りの客もなんだなんだと彼女たちに注目していたが、
大きな騒ぎじゃないと気が付くと、また再び宴に戻っていった。
「いったぁ……」
「な、何もトレイで殴らなくても……」
「ふんっ! 当然の報いさね。で、なんであんたたちがこんなところにいるのよ?」
「そりゃあこっちのセリフよ。あんなに給料が良いって言ってた学院の秘書辞めて、こんなところでチェンバロなんて弾いて。何してるのよ、ロングビル?」
「ぐむ……」
質問を質問で返され、ジェーン、いやロングビルは口を閉ざしてしまう。そんな彼女を見ながら、アニエスは苦笑した。
「まあまあいいじゃないですか。マスター、彼女に……エール酒をおごってください。私のツケで」
「ちょ、あんた」
「ウェイトレスはお客と一緒に飲むのも仕事だよ。私もよくやった」
「おら、さっさとしなさいよ」
「はいはい、ほらジェーンちゃん」
「……仕方ないね」
ロングビルがマスターからジョッキを受け取ると、3人はお互いのグラスをぶつけて乾杯とした。そして、3人は一気に酒を呷ると、美味そうにうなった。
空き腹の体に酒がいきわたり、少しだけ何時もよりも酔ってきた気がする。しかし、その酔いが心地のよいことだ。
2人はロングビルにお代わりを頼むと、彼女ははいはい、と面倒くさそうに眉間のしわを寄せながら酒を注いだ。そして抓みにチーズを出してやる。
それをアニエスが一口加えながら話を始めた。少し癖のある味だが、その味が逆に酒に良く合った。
「しかし、ロングビルがチェンバロを弾けるとは意外だなぁ」
「何よ、似合わないって言いたいわけ?」
「いいや? 素敵だったよ。姉上なんて、ほぅっという感じで見ていたからなぁ」
「ちょ、アニエス」
アニエスの言葉にエレオノールは恥ずかしそうに顔を赤らめた。さっきまでからかっていたのに、見惚れていたなど台無しである。
しかし、それを見たロングビルは仕返しといわんばかりに意地悪な笑みを浮かべていた。
「へぇ、そうかいそうかい。そりゃあよかった」
「……何よ」
「いいや? ただ、あんたみたいな本の虫にも、こういう芸術がわかるんだねぇ」
「馬鹿にしないでよ! わかるわよ、そのぐらい」
「う、うわっ、何よその声。……ルイズ?」
と、突然エレオノールの口からルイズの声で反論の言葉が出てきたため、ロングビルは驚いた。
エレオノールはにこっと笑いながら首をかしげた。その笑顔はどこかルイズを思わせるような、素直な笑みだ。酔っているのだろうか。
「そう。似てる?」
「声帯模写だと」
「へ、へぇ」
アニエスが説明を加えるとロングビルは引きつった笑みを浮かべてしまった。
「こんなのもできるわよ。あ、あ゛、あ゛ー……ごほん。『わぁ、ねぇねぇエレオノール、このペンダントかわ』」
「こ、こらぁ!」
「うわぁ、はしゃいでたんだなぁ」
「う、うるさいよ!」
「んで、何でチェンバロなんて弾けるのよ」
「あれ、そっち? まあいいか……」
仄かに顔を赤く染めているエレオノールに対し、ロングビルはため息をつきながら、ゆっくりとエール酒を飲んだ。
こういう思い出話は苦手だ。特に貴族だったときのことを思い出すのはしばらく振りだし、あまり思い出したくもないことだったが、今日はなんとなく話したくなっていた。
どうしてだろうか。酒のせいか、それとも以前ルイズに助けられたことをまだ気に思っているのか。それとも、貴族に戻りたいなどと、淡い願望に浸っているのだろうか。
どれでもいいか、とロングビル、いやマチルダは天井を仰ぎながらつぶやいた。
「まあ、チェンバロ自体は趣味さね。始めたのは……没落した後でね。妹が、事情で外に出れないもんで、一人でさびしくハーブを奏でている日々っていうのが続いていたんだよ」
ロングビルが語り始めると、アニエスとエレオノールは黙ってそれに聞き入った。カラン、とアニエスのグラスの氷が解けて小気味のよい音を鳴らした。
「そんなあの子の気を紛らわせるために、私も何かできないかなぁと思ってさ。ちょうどチェンバロを手に入れたんだよ。んで、知り合いの音楽家に頼んで教えてもらって、
妹と二人でハーブとチェンバロのセッションをしたり……。まあ結局、私自身も気を紛らわしたくなったのさ」
「へぇ……やっぱ、やさしいのね、あんた」
「そうかね?」
「そうよ。普通そこまで気遣える人なんていないわ。チェンバロなんて、維持費だって馬鹿にならないでしょ?」
「まあ、うん」
まさかその維持費のためにも泥棒をしているとはいえず、とりあえずマチルダはごまかすことにした。アニエスもエレオノールも、気がついている様子はなさそうだ。
「まあそうこうしているうちに、色々と上手くなってね。故郷に帰るたびに、孤児院の子供たちとかに聞かせたりしているのさ」
「湿気に弱いからさ、調律が難しいんだよ。うちも『これからの時代は、ピアノだよ!』とか言って貰ったものを置いているんだけど。
基礎部分には固定化をかけてもらって、湿気除けを置いたりとか色々とやってあれを保持しているんだけど、それでも調律はこっちがやらなきゃいけないからさ。それも演奏前毎に。
いやぁ、前の演奏者がいなくなってどうしようかと思ったけど、ジェーンちゃんが弾けて、あれもうれしく思っているよ、うん」
とマスターが話に割り込んできて、そして自己満足しながら去っていった。マチルダはため息をつきながら、また語り始めた。
「チェンバロを持って帰ってきて、一緒に演奏をしようって誘ったときのあの子の顔が忘れられないよ」
「うんうん」
「びっくりした表情の中に嬉しさが滲み出ててね……これどうして手に入れたの? とか色々と心配されてしまったけど……最後は泣き出しちゃってさぁ。
……抱き寄せた時に聞いた、ありがとう、ありがとう、って言葉が嬉しかったよ」
「今でもその子は素直なのか?」
アニエスの問いに、マチルダは間髪いれず、腰に手を添えながら自信満々に答えた。
「ああ、いい子に育ってくれたよ。孤児院の子供たちを文句も言わず一人で養ってるし、いつでも私を優しく迎えてくれる、強い子さ」
「うらやましいなぁ……私なんか、最近ルイズが冷たくてさぁ、聞いてくれるか?」
「あんたの愚痴なんかはどうでもいいわよ」
「あいでっ!」
と、姉想いで素直な妹を持っているのを羨ましく思い、最近なんとなくルイズが冷たくなった気がしてきたアニエスは愚痴を始めようとした。
そんな彼女をエレオノールが、いつの間にかつかんでいたトレイで叩いた。また威勢のいい音が響き渡った。
「あいったぁ……」
「それにしても、確かにそういうの、羨ましいかも」
エレオノールが少し甘えるような口調でマチルダに言った。マチルダは苦笑しながらつぶやく。
「何か、年甲斐もなく語っちまった。酔ってるのかもしれないね」
「そうねぇ……。……妹、か」
「……どうした?」
と、突然おとなしくなり、机に突っ伏しながらつぶやくエレオノールをマチルダは少し心配そうにつぶやいた。
彼女は少し体をあげて、ワインの入ったグラスでくるくると遊びながら、小さな声で言った。
「いや、昔のこと、思い出してさ」
「ああ、妖精の魅惑亭で思い出せなかったっていう過去のこと?」
「そ。……ちょうどいいわ、私のも聞いてくれる? 二人にも知ってもらいたいわ」
そう言って、エレオノールはカウンターで頬杖を突きながら、静かに語り始めた。
いいじゃない、おマチさんがチェンバロ弾けたって。次はヴァリエールの過去編を挟みたいと思います。
そして、おまけ 「カトレアがヤンキーだったら」(外見はいつものカトレアさんを思い浮かべながらどうぞ)
「ふぅえ……ここがルイズの実家かぁ……まるでお城みたいだな」
黒髪の少年、平賀才人は目の前の屋敷を見上げながらそうつぶやいた。ここ、トリステイン王国の首都トリスタニアにある王城ぐらい大きいのではないかと錯覚してしまうほどだ。
その隣で彼のご主人様である桃色ブロンドの髪の小柄な少女、ルイズは自慢げに、儚い胸を張りながら彼に語った。
「当たり前じゃない。ラ・ヴァリエール家の威信を示すには、それに見合った屋敷が必要なのよ。その上で王国への忠心を現すために
首都の王城よりも小さく作られているのよ」
「はぁ」
「こら、おチビ。こんなところで平民と駄弁っていないで、入りますよ」
「う、うにゃあ!」
と、そんな彼女を姉エレオノールがほっぺを引っ張りながら屋敷の中へと入っていく。ルイズは先ほどまでの強い姿勢を崩し、悲鳴を上げながら屋敷の中へと消えて行ってしまった。
ここトリステイン王国では、アルビオンとの戦争が始まり、彼女たちが通う学院でも軍事教練が始まった。
そんな環境下には置いていられないとルイズの父がエレオノールを使いに出し、言い訳も聞かないまま、二人をここまで連れてきたのだ。
ちなみに才人の隣には、ルイズの従者という体で学院のメイドのシエスタも一緒である。
先ほどなど、シエスタが抱きついてきたものだから、後ろの馬車に乗っていたルイズの虚無魔法で自分たちの馬車の屋根を吹き飛ばされてしまったというのは別の話。
「ほら、平民! さっさとなさい!」
「は、はい!」「ただいま!」
と中からエレオノールがイラつきながら催促してきたため、二人は荷物を抱えて急いで中に入って行った。
屋敷の中には非常に多くの従者たちが彼らを、いや正確に言えば彼女たちを出迎えていた。そして従者たちが中央のカーペットを挟んで二列に並んでいる先で、
一人の女性が立っていた。
「お帰りなさい、私の小さなルイズ」
その女性は優しげな声を発しながら、4人に近づいていった。心なしか、ルイズの口元がひきつっているようにも見えるが、なぜだろうか。
腰の括れたドレスを優雅に着こなし、一見して年上の女性にしか見えないが、可愛らしいという雰囲気を感じる。そして何より胸が大きい。
そして瞳の色はルイズと同じく鷲色であるが、彼女のような厳しさはない。むしろすべてを包み込んでくれるかのような、そんな色気を感じてしまう。
今は素直じゃないルイズも、もしこんな風に成長してくれたならば、と才人は思わず願ってしまった。
「どうやらおとなしくしていたようね、カトレア」
とエレオノールは彼女の前に出て、満足そうにつぶやいた。カトレアは悪戯な笑みを浮かべてエレオノールに答えた。
こうして二人が並ぶと、その相対がよぉくわかる。来る途中にエレオノールの破談の話を聞いたが、これは仕方ないよなぁ、と才人は考えてしまった。
「まあ、私はいつでも大人しくしていますわ、姉様。お母様の言いつけですもの」
「どうかしら……まあいいわ。母様は食堂かしら?」
疑うかのような表情でカトレアを見つめるエレオノールだったが、カトレアは涼しい顔で答えた。
「まだ自室ですわ。もう少ししたらお食事もできると思うのですけれど」
「そう。じゃあ少しゆっくりさせてもらうわ。ルイズ、あんたも自分の部屋に荷物を置いておきなさい」
「は、はぁい」
「貴方達も持ち場に戻りなさい!」
と、エレオノールは手をたたき、従者たちに指示を送った。それに素早く反応し、瞬く間に従者たちは持ち場へと去って行った。その動きは学院のメイドとは一味違った、
一糸乱れぬ統率された動きだった。それがこの屋敷の教育の厳しさというのを感じられる。
そしてエレオノールもまた階段を上って自分の部屋へと消えて行った。カトレアは手をぶらぶらと振ってそれを見送っている。
ルイズはそんな彼女に近づき、くいくい、と服の裾を引っ張ると、カトレアは先ほどまでのおっとりとした雰囲気から一変して、がばっ! と思い切りルイズに抱き着いてきた。
そして頬釣りをしながらルイズを愛おしそうにして言った。
「チビぃ! 久しぶりだなぁ! オレはさびしかったぞぉ!」
「もぉ、ちぃ姉様ったら、言葉づかいを直さないとまた怒られるわ! でもちぃ姉様に会えて私もうれしい!」
「いいんだよ、あの御袋の言ってることなんざ! ああもう可愛いなぁ!」
「あ、あのぉ」
「ああ? んだ、てめぇ」
先ほどまでとは打って変わって、まるでヤンキーの女子高生のような声で才人を威嚇してきた。才人は思わずひぃっと悲鳴を上げながら後ずさりしてしまう。
シエスタもぽかんと呆然としていた。だがルイズは全く動じることなく、彼女に言った。
「ちぃ姉さま、あいつは私の使い魔よ」
「使い魔……? ということは、チビ、お前……」
「魔法、成功したのよ!」
「そうかぁ……よかったなぁ……流石はオレの妹だな!」
二人の様子を見て、才人はアッと驚いた。カトレアはルイズをやさしく抱きしめながら、頭をなでてやっているが、その雰囲気が先ほどの様子そのままなのだ。
なるほど、猫をかぶっていたとはいえ、先ほどのカトレアもある意味素だったようだ。
「まぁ積もる話はあるけどよ、さっさと飯を食おう。そうそう、この前よ、つぐみを拾ったんだよ。ルイズみたいに可愛いやつだよ。見るか?」
「まあ、見たい見たい!」
「へへへ、じゃあ……」
「カ・ト・レ・ア?」
と、つまじい様子の二人の背後から恐ろしい殺気が感じ取られ、カトレア以外の全員が震えあがってしまった。
だがカトレアは恐れることなく、ゆらりと立ち上がると、不敵な笑みを浮かべながら背後を向いた。
そこにはルイズとカトレアが受け継いだのであろう同じ髪を持つ女性が、その髪を逆立てて怒りをあらわに仁王立ちをしていた。
彼女は階段をゆっくりと降りながら、カトレアのほうへと歩いていく。その途中、手すりを握り締める力が強すぎたのか、バキッ!と大きな音を立てて砕け散った。
「その喋り方は母様許さないと言いましたが?」
「けっ、この24年間、この喋り方をやめたことがあるかよ」
「いいでしょう、今日がその命日にしてあげます」
カトレアは拳を握りしめ、身構えていない母も不敵な笑みの奥に恐ろしい殺気があたりを包みだす。そんな状況に、流石に才人はルイズに詰め寄るしかない。
「い、いいのか!? いいのか、この状況!?」
「駄目よ……この状況になったら、止められるのは始祖ブリミルしかおられないわ……」
「そんなになの!?」
「はあああ……!」
「あ、あのカトレア様の構えは……まさか、伝説の武裏魅瑠流暗殺拳法!?」
「し、知ってるのか、雷、シエスタ!?」
「うおりゃああ!」
「ふんっ!」
「ぺぺぶ!?」
「あ、アッパー一発で沈めたぁあ!? 淑女が、淑女が宙を浮いておる!?」
「あ、あのアッパーは」
「あ、いやシエスタもういいよ、もういいから……」
「ちぃ姉様!」
ルイズが地面に倒れたカトレアの下に駆け寄る。カトレアは口から血を垂らしながら、ルイズの頬に手を添えて、安心させるように言った。
「ルイズ……強く生きろよ……」
「ちぃ姉様……? ちぃ姉様ぁ!!」
「カトレア様は、犠牲になったのだ……」
「って、何なんだよ、このネタはっ!」
ということで、
>>18さんのネタを軽く書いてみました。続きは……だれか書いて下さい。
しかし、俺カトレアを書いていて、誰かに似ているなぁと思ったら、『使い魔を買いに』のエレオノールだったでござる。
ちょっと調子乗りすぎたかも…。
銃士さん乙!本編もトリオ復活オメ!でよかったけど、
なによりもオマケの破壊力が……俺カトレア様?チー姉様?
思わず声をあげて笑ってしまったw
ネタがあればまた書いてほしい
もしカトレア様がチーママだったら
銃士さん、乙です!
アニルイもいいけど
このトリオもいいなぁ
烈風の姫騎士的に考えて……
ルイズ、ギーシュ、マリコルヌの3人が幼なじみで、それなりに仲が良かったら?
原作1巻での授業風景や決闘シーンがかなり変わりそうだが
>>58 普通に考えると仲良くてもいいのに面識もほとんど無いって不思議だよね
社交とかしてないのかな
>>58 ちょいシスコン気味なダメ兄ふたりとお転婆な妹って感じかな
モンモンにギーシュとの関係を勘繰られて決闘する羽目になったり、
マリコルヌが召喚された才人に(契約のキス云々に対して)敵意を燃やしたり、とか?
それはそれで面白そうだな
>>55>>57 ありがとうございます。とはいえ、流石にもう一個連載というのは辛いので、
こうした単発になっちゃいますけど。次は何書きましょうかね?
>>58 若干ルイズの性格が変わりそうな気がする。もうちょっと男勝りというか、カリンちゃんというか。
アルビオン編ではマリコルヌも一緒に行くって言いそうだ。
どういう遺伝の突然変異にどういう外部の影響を混ぜ合わせれば生まれるんだ、ヤンキーカトレア様www
ルイズの使い魔がシャルルだったら
毒矢を受けて瀕死のシャルルがルイズの前に現れる。
シャルルはコルベールに毒に侵された部分を焼かれる事で何とか一命を取り留める。
ジョゼフ派から身を隠すため、身分を偽り、ルイズの使い魔になるシャルル。
シャルルはルイズの失敗魔法を見て、ジョゼフを思い出しルイズへの憎悪を募らせる(コイツを殺して良いのは自分だけと病んだ方向にルーンが影響)。
とお家騒動、ガリア動乱とかなりアクセルを吹かした内容になりそう。
同級生と同衾している父を見たタバサは心が折れて自殺
もしもルイズの同級生たちの召喚した動物や幻獣がみんなカトレアが飼ってるやつだったら。
ルイズ(なんか、みんなの使い魔どこかで見た気がするわね……)
突然逃げ出す使い魔たち
クラスメイトA「あっ!ぼくのラッキー、どこにいくんだ!?」
慌てて追い掛けていった先で
カトレア「あらあらまあまあ、みんなどこにいってたの?あらあ、ルイズがこんなにお友達を連れてくるなんてはじめてねえ」
もしも異世界から召喚なんてできませんよファンタジーやメルヘンじゃあないんだから的なノリだったら
やはりマリコルヌが召喚されるのかな。ルイズとマリコは相性抜群だよねいろいろと
殴るルイズと喜ぶマリコル
有効なのは放置プレイか?
ルイズとキュルケがシルフィードのご両親を召喚
もしマリコルヌが戦争行かずに学院で軍事教練受けてたら
マリコルヌ「ハアハア、もっと……」
ミシェル「隊長!あいつ気持ち悪いです!」
アニエス「……」
一か月後、そこにはキャッキャウフフと踏みつけるミシェルとハァハァしているマリコルヌの姿が!
後の歴史書には7万の女性に踏まれた英雄マリコルヌの名が記されるのであった
ヤンデルさん来てたー!
読んでくる
誤爆orz
意味のない更新報告を誤爆するとか池沼だろもう
ジョゼフ王とジェームズ王、オルレアン公とモード大公の立場が入れ替わっていたら
つまり遺伝子も交換するからちっぱいエルフのティファーニアとバストレボリューションなシャルロットが生まれるかもしれないということか。でも乳の大きいタバサなんて認めないよ
乳のでかいタバサなんてタバサと違う、眼鏡かけたモグ波や。
もしゼロ魔がジャンプで連載されたら
・10週目、ルイズ「あたしたちの戦いはこれからよ!」ヤマグチノボル先生の次回作にご期待ください
・展開に困ったらトーナメント戦
・「ワルドがやられたか・・・」
「ククク、ワルドなど我ら四天王の中では最下位の実力・・・」
サイト「ギーシュのことかああああ!」
才人とルイズの演奏会、楽器はカスタネットとシンバルで
チャンピオンで連載したらどうなる?
才人が7万の軍勢を前にして「覚悟完了!」するんだろうな
「平民という名の人間はいない!」
コロコロで連載されてた場合はどうかな
ルイズさんが大戦略家の力を手に入れた様です
※10両1ユニット、資金が底をつくまでMAX64部隊生産可能
アンアンがゾンビウェールズの件で人間不信になって目線そらしたら粛清しちゃう女王だったら
>>71 女子専用ストレス解消用サンドバッグ・マリコルヌ
ルイズ「サイトのバカーッ!」
モンモランシー「ギーシュのアホー!」
タバサ「……(無言でゲシゲシ)」
イルククゥ「おねえさま、もっとおしゃれするのねーっ!」
アンリエッタ「ウェールズさまーっ!」
アニエス・ミシェル「死ねーっ!!」
ベアトリス「胸なんかなによーっ!」
エルザ「血を吸わせろぉ!」
イザベラ「魔法がなによぉーっ!」
ジェシカ「税金下げろー!」
マリコルヌ「ああっ! 幸せっ」
才人とジュリオを召喚する人が逆だったら
その場合ヴェストリ広場の決闘でギーシュまさかの大勝利だな
他人の使い魔操ってギーシュに勝った場合はおそらく周りの生徒達がジュリオを受け入れないだろう
なにせ勝手に使い魔操られたんじゃたまったものじゃないですから
ジュリオなら女の子が自分から私の使い魔を貸してあげる!ってなるよ
ギーシュは無様に敗れ去りもちろんモンモランシーは寝取られる
そしてジュリオはロリコンだからタバサもルイズも寸止めなんかせずに食いまくられて18禁レーベルに移行
もしギーシュのミドルネームがアントワーヌでバイだったら
戦って友情が芽生えた才人より憧れを抱かれたワルドの尻の方が危ういと見た
もしもアンドバリの指輪の効果がゾンビ化ではなくマジな死者蘇生だったら
虚無よりよっぽどすごいな
回数制限付きだったら奪い合いが激しくなりそうだ
ルイズの使い魔がタバサ母、ジョゼフの使い魔がシャルル、ヴィットーリオの使い魔がジョゼットだったら
シャルル=元々あった兄への歪んだ愛情が、ルーンの影響でウホッな方向に変化。
オルレアン夫人=夫の歪んだ愛情が歪みねぇ方向に行った事のショックから毒杯を呷る。
その後ルイズに召喚され、毒で狂った思考が正常化したように見えたがルイズを娘と誤認。
ジョゼット=普通に教皇の駒にされる
タバサ=両親と自分の知らぬ姉妹を虚無に取られた事に絶望、ブリミルへの復讐を決意する。
ルイ・フランソワ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
平賀才子
アンリ・ド・トリステイン
こんな感じで乙女ゲー風味のを
ルイズがオスカルでアンアンがアントワネット、ギーシュがアンドレ、
その他登場人物が全員ベルバラの話自体はまんまゼロ魔。
ただしサイトとマルコは原作通りの絵柄。
コルベールのヅラが違和感無くなるな。
虚無でなく虚数だったら
ゼロの使い魔ではなくiの使い魔になっていたのか
電気電子関係だとjを使うけどな
q=w+xi+yj+zk
>>101 虚無の担い手は衛星の軌道計算でも担ってるのかw
おまいら前スレ使いきろうぜ。
銃士の人の投下には耐えられなくても通常レスには充分過ぎる。
お久しぶりでございます。第三十六話が完成いたしました。
ただ長いので、2分割し、22時10分から前編を、23時30分ごろから後編を投稿したいと思います。
妹は、生まれた時から体が酷く弱かった。その原因は、まだよくわかっていない。
ただわかっているのは、どんな水の魔法や薬を使ったとしても、また別の場所が悲鳴を上げて、また苦しんでしまうだけだということ。
そして、このままでは子供を産むどころか、長くは生きられないだろうということ。簡単な魔法を使うだけでも、彼女は苦しんでしまう。
貴族として生まれてきたのにも関わらず、その使命を全うすることすら、いや、人として生きることすら難しい事を、彼女は生まれながら運命づけられてしまった。
他人から見れば、それは彼女は哀れで儚い存在に見えたことだろう。心のない貴族からすれば、価値の低い役立たずと蔑んでいることだろう。
彼女は、ずっと孤独だ。ずっと孤独のままだから、だんだんと孤立していった。真っ直ぐな心も、だんだんと歪んでいった。
彼女は敏感だ。他人の心に敏感すぎて、他人が彼女に抱いている心を読み取ってしまう。
だから彼女は反抗した。自分の運命を呪って、自分を必要とされるために、彼女は振る舞った。
自分だけで生きられるのだ。お前たちの慈悲などいらないと、お前たちの薄汚れた心を私に見せるなと。
まるで自分の心の弱さを隠すかのように。避けられない死から、逃れるようとするために。
第三十六話 前編 カトレアの闇
17年前。ルイズが生まれる、ちょうど一年前――エレオノールが10歳の頃だった。
――ガシャン!
突然陶器が盛大に割れる音が響き渡り、エレオノールは体を強がらせた。昔からこういう大きな音とかが苦手で、驚くたびに父親から苦笑されていた。
そしてしばらくしてメイドの慌てふためいた声が聞こえてきて、彼女ははぁ、とため息をつく。
また、カトレアが癇癪を起したのだ。それはいつもの事だ。エレオノールがそっと通路を歩き、角から二人の声が聞こえてくるほうを覗き込む。
メイドが心配そうにカトレアに声を掛けようとしているが、当の本人は割れた花瓶を冷たい表情で満足そうに見つめている。
ああやって、やり場のない怒りの矛先を何かを壊すことなどたくさんの悪い事で満たし、自分が生きていることを感じているのだ。
「いいじゃない、つくりなおせば」
カトレアは冷笑しながら言い放った。その言葉の中には、作り直せない自分への恨みや皮肉が込められているようにも感じられる。
しかし、そんな複雑な貴族の子女の気持ちなど、一平民のメイドが感じ取れるような余裕があるわけがなく、カトレアが割れた花瓶を必死に片づけていた。
これはこれで、カトレアが怪我を負わないようにしようという彼女なりの気遣いであったのだが。そうして、彼女は震えながら、意を決したように言った。
「お、恐れながら、物は大事にしなければなりませぬ。そう、始祖ブリミルもお教えになられているではございませぬか」
「始祖?」
だが、その言葉がいけなかった。カトレアの逆鱗に触れてしまった。始祖ブリミル、このハルケギニアで祀られている神の名を、彼女は大嫌いだった。
「始祖ブリミルがなによ! 私にはなにもしてくれなかったじゃない! こんな体にして、苦しませて、生きる楽しさすらも見つけられない体にしたのは、あいつじゃないの!」
7つという幼い心では抑えられないような感情が生まれて渦巻き、カトレアは奇声を上げながらメイドを突き飛ばした。
そしてその場から走り去っていく。だがその途中ですぐに息切れを起こし、咳き込みながら、ふらついて部屋へと戻っていた。その後ろ姿からは、何かぶつぶつとつぶやく彼女の声が聞こえてきた。
何を言っているかはわからない。だけど、その背中に声を掛ければ、どれだけの恐ろしい言葉で返されるか、エレオノールにはそれだけが怖かった。
つくづく私は卑怯な女だ、とエレオノールは思う。あんなに苦しんでいる妹を目の前にして、自分の感情を最優先にして、前に出ることができない。
結局彼女が居なくなるまでエレオノールは動くことができなかった。これも、何時もの事だ。
「あ、お嬢様、こ、これは……」
「わかってる……気にしなくていいです。ごめんなさい」
「い、いえ……」
エレオノールがメイドに対して謝罪すると、先ほどまで呆けていた彼女は、慌てた表情で首を横に振った。あまり見ない顔だ。新人のメイドだろうか。ならば余計仕方のないだろう。
メイドもひとまず落ち着き、申し訳ございませんときっちりとした動きでお辞儀をしてエレオノールに謝罪した。
エレオノールがメイドに対して謝罪すると、先ほどまで呆けていた彼女は、慌てた表情で首を横に振った。あまり見ない顔だ。新人のメイドだろうか。ならば余計仕方のないだろう。
メイドもひとまず落ち着き、申し訳ございませんときっちりとした動きでお辞儀をしてエレオノールに謝罪した。
と、そこでエレオノールはそのメイドに違和感を覚えた。左手の薬指の中ほどから上がないのだ。
メイドはそんな彼女の視線に気が付き、慌てた様子でその左手を隠しながら説明をした。どうやら気味悪がられたと勘違いしたのだろう。
「あ、えっと、この指は子供のころに切ってしまいまして。お医者様にも頼るお金もなく、そのままなのです」
「そ、そう……ごめんなさい、まじまじと見てしまって。大変でしょう?」
「と、とんでもございません」
「あの……妹は始祖ブリミルをあまり好ましく思っていないの。それはたぶん、いけないことだけれど……内緒にしてあげて」
「なるほど……わかりました。ご忠告と御寛大なお言葉有難き幸せに存じます」
そう言い残し、メイドはそそくさと花瓶の破片を片づけてその場から立ち去って行った。
彼女の背中を見送り、そしてエレオノールはカトレアが走り去っていた通路を悲しそうに見つめていた。
普段のカトレアは部屋に引きこもっている。体の調子が悪い時はいつもそうだ。食事も、家族とは絶対に取ろうとはしない。
本人が嫌がっているのだ。自分を蔑む目を見るのが嫌だ、自分を憐れんでいる目を見るのが嫌だと、一度だけ話してくれたことがあるが、それっきりだ。
彼女の部屋は暗い。明かりなど何もつけられず、ただ暗闇が立ち込めているだけだ。そう、それは彼女の心の様だった。
そんな彼女が引きこもっているときにしていることと言えば、ただ窓から外を眺めているだけだった。ずっと、いつまでも外を眺めている。
その時の彼女はとても寂しそうだった。そこには先ほどのような振る舞いをするときの冷たい表情も、怒りもない。ただ、彼女は外に出られなく、淋しそうにしている少女だった。
しかし、それを確かめることも、感じることもエレオノールにはできなかった。昔は色々と話をしたりとかしていたのに、いつのまにか部屋の中へと入る事すら許されなくなった。
歳を重なるにつれて、彼女の歪が大きくなるにつれて、彼女の死が近づくにつれて。二人の距離は段々と遠くなっていった。
しかし、そんなカトレアを本当に疎ましくなんか思っていない。エレオノールだって、母だって父だって、本当はカトレアの事を大事に思っているのだ。
だからこそ、彼女を救うことができない自分が嫌だった。両親はお医者様に任せればよいと諭してくれたが、それでも嫌で嫌で仕方なかった。
「ご次女様もおいたわしや……」
「ええ、あのように振る舞われているのも、きっと病気のせいなのでしょうねぇ」
「ああして一人で淋しく部屋で引き籠っているしかいられないのであれば、心のほうも病んでしまうのでしょうねぇ」
「貴族様も大変ですねぇ」
と、使用人たちは勝手に噂をしているが、それだけだ。彼女たちが何かをしてカトレアを救おうという気持ちはない。
平民と貴族、その世界の境は果てしなく大きい。結局、彼女たちには大変なもの、ぐらいの認識にしか理解してもらえないのだ。
そして、それは仕方のない事だとエレオノールはさびしく思う。
「あ、エレオノール殿」
「あ……ジャン君。今日も来ていたのね」
と、あどけない少年、ド・ワルド男爵の子息ジャン・ジャックがエレオノールに声をかけてきた。そういえば、彼の父親と一緒にこの屋敷に遊びに来ていたのを彼女は思い出す。
ワルドとヴァリエールは領地が隣同士であり、二人の両親同士は若いころからの長い付き合いだった。ジャン・ジャックはそんな間柄から、幼いころからの仲であり、数少ない信頼し合える友達なのだ。
彼の額が少しだけ赤くなっているのは、たぶんカトレアの癇癪を受けてしまったのだろう。エレオノールはおどおどと心苦しさを感じながら、彼に尋ねかける。
「その額……」
「ああ、これですか、お恥ずかしい限りです。カトレア殿に叱られてしまいました」
「まあ……」
「しかし、あの方の受けている苦しみに比べれば、これぐらい何ともありません。僕も、せめて彼女の寂しさを紛らわせるようなことができればよいのですが……」
「う、ううん、いいのよ、ありがとう。それよりも」
ワルドの言葉には邪な所など何もない、純粋にカトレアを心配してくれている少年の言葉だった。
エレオノールはそんな彼の言葉に心を打たれつつも、恥ずかしそうに顔を赤らめながら、懐から杖を取り出した。
そして、額に優しく当ててやると、覚えたばかりの治癒の魔法を使った。父譲りの自慢の魔法だ。みるみるうちに、ジャン・ジャックの額の赤みが引いて行った。
ジャン・ジャックも照れながら、ありがとうと言って視線をそらしてしまった。エレオノールも恥ずかしそうにして、彼に背を向けていた。
「あ、あの、その……え、エレオノール殿!」
「は、はい!」
と、しばらくそんなやり取りが続いた後、息を呑んだジャン・ジャックは意を決したようにエレオノールの両肩を掴み、自分のほうへ体を向けさせた。
突然の事で戸惑うエレオノールに対し、彼はもう一度息を呑んだ後、口を開こうとした。
「僕……ぼ、僕、貴女の事が!」
「ジャン! そろそろ帰るぞ!」
「え?」
「あ……いえ」
と一世一代の告白をしようとしたジャン・ジャックだったが、彼の父親の声でかき消され、結局エレオノールに伝わることがなかった。
きょとんとしているエレオノールの肩を放すと、少し涙目になりながら、彼女の手を握って言った。
「カトレア殿の事、よろしくお願いいたします」
「……うん、任せておいてね」
「結局、あの時のジャン君が言おうとしたこと、何かわからず仕舞いなのよねぇ」
「こいつ……本気で言ってるのかい、この朴念仁……」
「まあ、姉上の鈍感さは今に始まったことじゃないですから。……ちっ、そのまま告白すれば、ルイズも姉上も幸せだっただろうに」
「もしかしたら……」
「お?」
「おぉ?」
「カトレアの事が好きだったのかしら? ……って、あんた達何こけてるのよ。続き行くわよ」
ある日の事だった。珍しく、妙に機嫌が良いカトレアにエレオノールは呼び出された。
機嫌が良い、と言ってもエレオノールから見た限りなので本当のところはわからないが、食事の後に部屋に来てほしいと言った彼女の表情は、以前エレオノールと親しかったころの笑顔だった。
何が原因かわからないけれど、彼女にとってはそれだけで嬉しいのである。
エレオノールは使用人に無理を言って、自分でティーポットとカップを運び、教えてもらったばかりのお茶の入れ方を実践して、彼女の部屋にやってきた。
「か、カトレア。入るわよぉ」
エレオノールは少しおどおどとしながらも、勇気を出して、大きな声で部屋の中にいるカトレアに声をかける。
すると中からカトレアの声が聞こえてきた。幾分、声には明るさが混じっているのを感じた気がして、エレオノールは嬉しさを抑えきれず、笑みを浮かべながら慌てて中に入っていった。
しかし、部屋の中は相変わらず暗い。何時もの通り、窓から差し込んでくる光だけが明かりになっているだけだ。
そしてカトレアも外の光景をぼぉっと眺めているだけだ。その背中はいつも以上になぜかさびしく思えた。窓際には小鳥たちが囀りながら羽を休めていたが、エレオノールの気配を感じ取って飛び去ってしまった。
その鳥の動きを、カトレアは力ない動きで追っている。そんな彼女の様子を見て、カトレアは愕然としていたが、慌てて取り繕うように笑った。
「カトレア? め、珍しいね、貴女から私を呼んでくれるなんて、嬉しいわ。きょ、今日もいい天気ね」
すっかり嫌われてしまったのではないかと不安に思ってしまったエレオノールは、何とかカトレアの機嫌を損ねないよう、どもりながらも何とか声をかけた。
そしてカップとポットを乗せたトレイをラウンドテーブルに置くと、紅茶をそれぞれに注いでいった。
そのカップの一つをカトレアに手渡そうとするが、彼女は一瞥もせず、外を見つめているだけだった。
「カトレア……?」
「……」
「あ、あの、私何かしたかしら。もし、そうだったとしたら、ごめんなさい……」
エレオノールは悲しそうにうつむきながら、手渡そうとしたカップを自分のほうへ戻した。折角良い匂いを漂わせている紅茶も、その雰囲気のせいで台無しとなってしまった。
だが、そんなのお構いなしに、カトレアはただ外を眺めているだけだった。
戻ろう。そう思い、悲しそうな表情をそのままにエレオノールはカップをトレイに戻し、立ち上がろうとする。
きっと、私が気に入らないことをしてしまったんだ。部屋に入る前に感じた明るさも、私の思い込みだったんだ、と。
その時、カトレアがこちらのほうを向いてきた。涙の痕が、顔に残っていた。エレオノールは慌てて座り、彼女の言葉を待った。彼女は、自嘲気味に笑いながら語り始めた。
「今日はね、面白い事があったの、姉様」
「お、面白いこと?」
「そう、とっても面白いこと。何だと思う?」
カトレアに尋ねかけられ、エレオノールは少しだけわざとらしく悩んだ後、少しぎこちない笑みを浮かべながら言った。
「何だろう……。あ、素敵な鳥や蝶でも見つけたの? 昔は好きだったよね、つぐみとか……。さっきもそこにいたわ」
「そんなものじゃないわ」
「そ、そう……ごめんなさい。私にはちょっとわからないな」
「相変わらず、本ばっかりなのね」
カトレアはあざ笑うかのように口元をゆがませた。ぞくっとエレオノールは体をこわばらせながら、目線を逸らした。
確かに、エレオノールはよく本を読んでいる。それは何時かアカデミーに入って、カトレアの体を治したいと思っているからだ。
まだ11歳でしかも公爵家の長女という身で、それがどれだけの高望みかもわかっていたつもりだ。だから、まだ誰にも打ち明けたことはない。
そんな彼女の心うちなど構わず、カトレアは続けた。
「もっとすてきなことなの」
「どんなこと?」
「今日、たまたま聞いたの。私のお医者さまから、『カトレア殿はもう長くありません。これ以上治療を続けるよりも、苦しまないよう余生を過ごされるようにしたほうが』って、
そしたらお父さま、なんていったと思う? 『馬鹿なことを申すな! わが娘の命を何だと思っている!』ですって。お母さまもそのような口を吐くような事は許しませぬって」
エレオノールは呆然とした。何を言っているのだろうか、この子は。突然の事に頭が付いていけなかった。
だがカトレアは腹を抱えながら笑い続けた。少し無理に笑いすぎたのか、咳き込み、苦しそうに胸を抑えるが、それでも笑みは消さなかった。
エレオノールは、いやだった。これ以上彼女の言葉を聞きたくなかった。
「笑っちゃうわ。あの二人、私にまだ苦しめって。私の苦しむすがたを見たいんだって! どうせどんなに治りょうしたって治りはしないのに、本当ムダなことばっかり」
「そ、そんなことないわよ! お父様やお母様だって……」
「どうせ私なんて価値のない人間なんだから、殺すなりなんなりすればいいのよ。ああ、そうだわ、姉様のほうから言えばいいじゃない。
役に立たないカトレアなんて捨てちゃおうって。貴女の言うことならあの二人だって……」
半狂乱で語り続けられていたカトレアの言葉はさえぎられた。エレオノールの平手が彼女の頬に打ち付けられたことによって、遮られた。
エレオノールは息を荒げ、瞳に涙を浮かべながら、振り払った手をそのままに、カトレアを睨みつけていた。
今までカトレアにも、誰にも手を挙げたことのない彼女だったが、今回ばかりはカトレアの言葉を許すことができなかった。
カトレアも今まで体罰を受けたことなど一回もなく、しばらく呆然としていたが、赤くなった頬を抑えながら、ゆっくりとエレオノールのほうを向き、そして乾いた笑い声を挙げながら見つめた。
エレオノールは自分がどんな顔をしているのか、わからなかった。だけど、カトレアが目を見開いて、ひどく驚いてしまったものだから、彼女は思わず目をそらしてしまった。だけど、心は彼女に向けたままだ。
「だ、だ、誰が貴女を大事に思ってないって……? 誰がいらないって? 誰もそんなこと考えていないわよ! 皆、皆カトレアの事を思って、今日まで貴女を見守ってきたの!
お父様も、お母様も、いつか貴女が元気になってほしいって願ってるのよ。それを、それを貴女は!」
「誰がそんなことを頼んだのよ! 誰が好き好んでこんな体に生まれたいと言ったのよ! 私だって、普通に生まれたかったわよ!
何で、なんでふつうに生んでくれなかったのよ! もういやよ、他人から蔑まれるのも、同情されるのも! あんただって、あんただってそうでしょうが! そんなことを言って、本当は私を見下しているんだ!」
エレオノールはもう一度カトレアを叩いた。本当は体の弱い彼女にこんな仕打ちをするのは許されなかったが、それ以上に、彼女の言葉がもう許せなかった。
皆頑張っているのに。皆カトレアの事を想っているのに。なんでわかってくれないんだと、エレオノールは今までうち明かすことのなかった想いをぶちまけた。
しかし、カトレアにとって、そんなのは彼女の勝手な考え込みに過ぎない。そう、どちらも想いが強すぎて、すれ違いしてしまっているのだ。
「ど、どんな気持ちでお母様が貴女を生んだのか、どんな思いで、お父様が、貴女の治療を続けてきたのかわからないくせに……。
自分からいなくなる勇気もないくせに、何もかもわかったようなこと言わないでよ!」
――しまった。
とエレオノールは余りに無責任な言葉を口に出してから後悔してしまう。私は何を言ったのだろうか。怒りが先行しすぎて、本心でもない、迂闊なことを口走ってしまった。
カトレアも唖然とした表情でエレオノールを見つめていたが、悔しそうに涙を浮かべながら布団を強く握りしめる。エレオノールは戸惑ったように顔を横に振った。
「あ……その……」
「出て行って……」
「ご、ごめんなさ……」
「出て行ってよ! あんたなんて大嫌い! もう、顔も見たくない! 出て行って! 出て行……ごほ……ごほ、ごほっ! はぁ、はぁ……」
「か、カトレア……」
それは強い拒絶だった。今まで以上の拒絶をカトレアから受けてしまった。カトレアは咳き込みながらエレオノールを必死に追い出そうとその体を押した。
そして、何度も、何度も「出て行って」とつぶやきながら、嗚咽を吐いていた。涙が、布団をにじませている。
こんなはずじゃなかったのに、エレオノールは小さく「ごめんなさい」と呟くと、トレイを持ってその場から立ち上がり、淋しげなまま去って行った。
前半は以上です。後半は少しだけ時間をおいてから行きたいと思います。
乙よー
これは…胸が痛い展開。
IF展開ならではのひずみとはいえ、確かにこういう考えも出てきそうで怖いですな。
早速のご感想ありがとうございました。
そろそろ後編を投稿したいと思います。ちょっと長めです。
「全然性格が違うと思いきや、そういう突拍子もなく言っちゃあいけないことを言っちゃうあたり、今のあんたと変わってないね」
「……そうね、とんでもなく酷いこと言ったわ、私」
「いなくなる勇気もないくせに、っていうのは本当に言っちゃだめだね。まあそれを抜きにしても私はカトレアの気持ちが何となくわかっちゃうわ……。
カトレアにとってはあんたの言うことはただの綺麗事に過ぎないわけだし」
「そりゃあそうよ。でも、あの時はこう……私もカトレアも荒れてたのよ」
「まあ、子供心ってやつかねぇ……」
「子供は時に残酷、ともいいますし」
「あの後、私はお母様とお父様のところに飛び込んで……散々泣いたわ。その時の事も話してね……。ぶったことはあまりよろしくはないけれど、
きっとエレオノールの気持ちをカトレアが気づいてくれるよって、励ましてもらったわ。でも、たぶんその時の私は、私に都合のいいように話してたんでしょうね。
そういう言葉を投げつけた、なんて言ったらもっと叱られているもの。……その罪悪感とか、色々とあって、その時からカトレアと顔を合わせられなくなったのよ」
第三十六話 後編 カトレアの希望
あの後、二人は顔を合わせることもなくなった。ばったりと出会っても、一瞥することもなく、二人はすれ違っていくだけだった。
治療は進められることになった。カトレアも何時もの通り、無気力にその治療を受けている。いつもとは違う医者が来たということは、前の医者はあの進言を咎められて辞めさせられたのだろう、と思い込んでいた。
しかし、最近それ以上に慌ただしい出来事が起きた。その時はまさか、この出来事が自分たち姉妹の運命を大きく変えるとは、エレオノールには思いもしていなかったのだろう。
母が、第三子を身籠ったという話だった。以前カトレアを担当していた医師も、どうやら母の妊娠の検査のほうに回されたらしい。色々と準備が進められて、屋敷は大騒ぎになった。
「どうやら、奥様が第三子を身籠ったとのことよ!」
「まあ……それはそれは。次は男の子かしら? どちらにしても、本当よかったわねぇ」
「ええ、これでカトレアお嬢様も、もう少し御淑やかになられればいいのだけれど……」
と、やはりメイド達は世間話をしながら、カトレアの事をとやかく言っている。いつもの光景だが、どこか違った雰囲気だ。
エレオノールも、少しだけメイド達と同じ気持ちだ。これでカトレアが大人しくなってくれて、妹のために生きてくれたら、それだけで嬉しい。
今まで生きる意味などないと言っていた彼女だったから。しかし、それとは反面、複雑な心境でもあった。これで、世間におけるカトレアの価値はまた低くなってしまう。
と、通路の角で、カトレアがメイド達の話を盗み聞きしているようだ。その表情は、何時もの怒りの表情ではなく、どこか驚きを隠しきれていないようなそんな表情だった。
彼女はエレオノールが自分を見ているのに気が付くと、舌打ちをしながらその場から逃げ去って行った。
何時もとは調子が違う彼女に、どうしたのだろうとエレオノールは追いかけようかと迷ったが、どうせ部屋に入れてもらえないのだろうとあきらめて、その場から立ち去り、今日の勉強に向かっていった。
あんな一言を言ってしまった自分に、それを聞く資格なんてないんだ。
そして段々と月日は重ねてゆき、順調に母のお腹の中の胎児はすくすくと育っていく。エレオノールは、男の子が良いな、でも女の子もいいな、とのんびりと母と話していたり、
何時もは威厳を見せている父のおどおどとして落ち着かない様子で、執事に宥められている姿を見てくすくすと笑いながら呆れてみたり。
しかし、カトレアはいつも通りだった。何時もの通り癇癪を起こし、周りに迷惑をかけている。だけど、それは段々と必死になっているようにも見えてきた。
まるで自分の存在を誇張するかのように、彼女は必死になっていた。だが、日に日に、カトレアという名前は人々の口から出される事がなくなっていった。
もちろん彼女が忘れ去られているわけではない。しかし、まるで彼女にはそう思えてきたのだろう。
そして、ある日のこと、それは突然起こったのだ。
エレオノールはカトレアの部屋の前に立っていた。あれから大分時間が経ち,母の出産も近くなり、妹が誕生するというのに、今の姉妹が仲が悪かったら台無しになってしまう。
夜まで思案した結果、少し強引ではあるが謝りに行くことにした。あれは全部私が悪いとずっと思っていたし、彼女自身、何よりこうやって険悪なムードで過ごすのはもう嫌だった。
「どうやって謝ろう……」
しまった、肝心なことを考えるのを忘れていて、エレオノールは扉をノックする手を止めた。しかし、いくら考えても上手く謝れる気がしない。
仕方がない、今回は何も考えず、流れに任せてみようと決意を改め、今度こそノックをしようとした。しかし、その時彼女は扉がほんの少しだけ開いているのに気が付いた。
もし、ここで躊躇していなければ彼女の運命は大きく変わっていただろう、いや最初からそう運命づけられていたというか。
中から声が聞こえてきた。どこかで聞いたことのある声だ。しかし、内容まではよく聞こえない。
エレオノールは言葉では言い表すことのできない悪い胸騒ぎがして、音を立てないように少しだけ扉を開き、中の会話を盗み聞きしようとする。
「……ですか。カトレア様、貴女のお気持ち、ご察しいたします」
「……」
どうやら一人の女性がカトレアと話し込んでいるようだ。女性の声は淡々としていても、どこか心を包み込んでしまうような、そんな風に聞こえてくる。
そんな女性の言葉にカトレアは困惑を隠せないようだ。今までこのような女性に出会ったことはないのだから。
「いいえ、失礼いたしました。貴女様のお気持ちなど誰にもご察しできないこと……。そんな生易しい事ではない事なのでしょう。
しかし、初めてお会いした時から、私は貴女様の事をずっと見守り続けてまいりました」
「……何が見守ってきた、よ。何もしなかったくせに」
「申し訳ございません。しかし、ご理解いただきたいのです。何とか貴女様をお守りしたいと、貴女様のお力になりたいと……。非力ながら、色々と調べてまいりました。
そして、ある一つの恐ろしい事が判明したのです」
「恐ろしい事って……いったい何?」
「……それは……」
女性は突然声色を変え、何か言いづらそうに言葉を濁した。そうやってじらすつもりなのだろうか、カトレアも少し苛立った様子で言った。
「貴女の演技に付き合っている暇はないの。早くして」
「……ではお話しいたします。奥様が身籠っている子供……。あれは、貴女様の妹でもなんでもなく、悪魔が宿っているのです」
エレオノールは叫びそうになる口を必死に抑えながらも、声に耳を傾けた。何を言っているのだ、この女は。
しかし、その言葉にまるで嘘など含まれていないかのように、彼女は語り続けた。
「貴女様がどうしてそのようなお体に生まれたか、疑問に思われたことはありませぬか? 確かに、生まれつき体が弱い方などたくさんおりましょう。
しかし、貴女様の場合はその悪魔が力をつけるために犠牲になられたのです。現にそのような悪魔はこの本に……ほら、伝説として残されているのですよ」
「……そ、そんな作り話を信じると思っているの? 馬鹿にしないで、不愉快だわ!」
「こんな突然で信じられないのも無理もございません。しかし、事実なのです。恐らくは王家の血を狙ったのに違いはありません。公爵家というものは、王家に近いお方ですから。
このままでは、悪魔が誕生し、このヴァリエール家は滅び去ってしまうことでしょう」
「いいわよ、べつに。私もどうせ死ぬんでしょう? そうしたら、生まれ変われるもの」
「そんな生易しいもので済まされるはずがございませぬ。恐らく、カトレア様には他の呪いも掛けられているはず。次なる悪魔の隠れ蓑にされてしまうかもしれません。
そうすれば貴女様は、悪魔を生み出した女として歴史に名を残してしまうのですよ? それでも良いとお思いですか?」
「……じゃ、じゃあどうすればいいのよ。そんな話、私にしたって、仕方ないじゃない。私は体が弱いのよ? お父様やお母様に……」
「いいえ、貴女様しかいないのです」
それこそが悪魔のささやきだったのだろう。もっとカトレアに心の余裕があれば、彼女はこんなバカげた話など信じるはずもなかっただろうに。
幼い心で、しかも誰も信じられず、誰にも頼られずに生きてきたカトレアにとって、初めて自分を頼る人間が出てきたのは、それだけで十分だったのかもしれない。
エレオノールは今すぐにでも飛び出していきたかった。しかし、足が震えてしまって身動きができない。飛び出せば、逆に私が殺されてしまうのではないかという恐怖に縛られてしまった。
そして、その傾きかけているカトレアの心に対し、女はさらに畳みかけた。
「御父君は子供が生まれるということで浮かれてしまっておられます。そのような状態で進言したところで耳を傾けられるとは思いません。
御母君も同じでしょう。そして姉君は折角力を持っているのにもかかわらず、臆病で何もできない……。始祖ブリミルとて、何ができましょうか。
しかし、私は信じております。貴女様はその悪魔を打ち勝てるだけの力と、そして勇気があると」
「……」
「……このナイフをお持ちください。これが、その悪魔を唯一討ち破ることのできる聖具。それを、貴女様自身が御母君に巣食う悪魔に突き刺すのです」
「……」
「できませぬか? ……そうですか……。そうですね、幼い貴女に任せるのは荷が重い事。それでは……」
「やるわ」
と、口を開かなかったカトレアはまるで吸い付かされるように女の誘いに乗ってしまった。エレオノールははっとして、すぐさま扉から離れ、近くの物陰に身をひそめた。
そしてしばらくすると、まるで亡霊に取りつかれたかのように、正気を失って真っ青な顔のカトレアと、その後ろでほくそ笑むメイドの姿が現れた。
あのメイドには見覚えがあった。あの特徴的な左手、間違いない。あの時カトレアが割った瓶を片づけていた女だ。彼女はカトレアを騙して、母を暗殺しようとしているのだ。しかしどうする、どうすればいい。
思い切って止めに入るか。しかし、カトレアはすでにあのメイドの言うことを信じ切ってしまっている。それに残念ながら杖は部屋の中だ。取りに行く時間だってない。幼い自分が対抗できるような状況じゃない。
それにこの時間は母は眠ってしまっている。使用人もほとんどが眠りについているし、衛兵だってそんな多くが見回りをしているわけじゃない。頼りの父は今ここには仕事でいない。
妊娠している母では彼女たちを止めることなんてできないかもしれない。どうしようか、すでに二人は角を曲がり、姿を消してしまっていた。
と、その時だった。逆方向の通路から、気怠そうな声を出しながらとぼとぼと歩く一人の女性の姿を見つけた。それでエレオノールは希望を見つけたかのように目を輝かせながら、その女性にすがりついた。
「あ、アミ、アミアス!」
「雨の日は本当だるいわ……わっ! ちょ、ちょっと、エレちゃん!? ど、どうしたの?」
「た、たす、助けて! か、カトレアが!」
「カトレアちゃんがどうかしたの……?」
そう、吸血鬼のアミアスだった。エレオノールは彼女が吸血鬼だと知っていた。大人しい性格で戦闘に向かないとは言っても、彼女は並みではない力を持っている。
少なくとも今の状況ではだれよりも頼りになる存在だ。エレオノールは急いで先ほどまでの状況をかいつまんで説明した。
すがりついてきたときの様子が尋常じゃないのを見て、真剣なまなざしでエレオノールを見ていたアミアスにも戦慄が走った。
「急いで追いかけないと、とんでもないことになるわ!」
そして二人は急いでカトレアたちを追いかける。その途中でエレオノールは何度も、何度もカトレアの名を呟いた。自分のせいだ。
自分があんなひどいことを言わなければ、あんな馬鹿げた話を信じずに済んだかもしれないのに。後悔ばかりが彼女の中に集う。
そして、二人は母の部屋の前へとたどり着いた。すでに扉は開いている。鍵はかかっていただろうに、どこで手に入れたのだろうか。
エレオノールは部屋の中へと飛び込んだ。すやすやと警戒心もなく眠っている母に、カトレアはナイフを振り下ろそうとしていた。その表情には、もはや迷いなどない。
「だめぇぇぇ!!」
エレオノールは叫んだ。そしてカトレアの下へと飛び込んでいく。だが彼女の言葉が聞こえていないのか、カトレアはナイフを振り下げた。
彼女に気が付いたメイドが舌打ちをしながら、懐に手を入れる。しかしその腕を、遅れて入ったアミアスが先住魔法を使って絡めとり、体ごと地面に叩きつけた。
だがその間にもカトレアのナイフが振り下ろされ、母に近づいていく。母は騒ぎに感づいて飛び起きようとするが、その体が許してはくれない。
血がしたたり落ちていく。
「う、うぐぅぅ……か、カトレア、駄目、駄目よ……」
「あ……あぁ……」
だが、その血は母のものではなかった。カトレアは急に正気へ戻ったのか、目をはっと開きながら顔を更に青に染め、震えながら後ずさりし、その場にしゃがみ込んでしまった。
ナイフはエレオノールによって掴まれていた。だが、刃の部分を思い切り握りしめているため、彼女の掌に傷が入り、そこから血が止めどなく出てきていた。
しかし、その痛みをこらえながら、必死にカトレアを見つめていた。アミアスがエレオノールの下へと歩み寄り、そのナイフを受け取る。
突然の出来事に状況を把握できない母はアミアスに説明を促した。
「これは……いったい何の騒ぎですか!? 何故、カトレアが……」
「カリーヌさん。カトレアちゃんはそこのメイドに誑かされ、カリーヌさんのお腹の子を殺すように仕向けられたの。悪魔の子が宿っているって。
その悪魔の子を殺すには、貴女の力が必要だと言われてね。でも、確かに銀製だけど、ただのナイフじゃないの。大方、どっかの貴族からの刺客じゃないの?」
「……くっ!」
「あっ……! くっそぉ、自殺しちゃった……。眠らせればよかった……」
アミアスに指摘されると、証拠隠滅のためかメイドはすぐに舌を噛み切ってしまった。母はそのメイドを冷たい眼光で一瞥した後、カトレアを心配そうな表情で見つめた。
ぼさぼさの髪で表情が隠れているが、それでも彼女は隠しきれていなかった。泣いていた。そんな彼女に、優しくカリーヌは声をかけた。
「……カトレア」
「はぁ……はぁ……」
「何故、こんなことを?」
「私は……そんなの、いらない……」
「そんな、の……?」
「私は妹なんていらない! そんな子供いらない!」
「あ、待ちな……うぐっ……うぅ!」
カトレアは悲しそうに母のお腹を指差しながら叫び散らすと、その場から逃げ出していった。母は呼び止めようとしたが、突然陣痛に襲われ、それ以上何も言うことができなかった。
三度目の経験だ、すでに今の状況がどんなことを指しているのか、すぐにわかった。彼女は玉粒の汗を掻きながら、心配そうに駆け寄るアミアスとエレオノールへ必死に伝えた。
「う、産まれる……は、早く……」
「う、産まれる!? で、でもちょっと早いよ!? あ、えっとあの、その……い、医者、医者呼んでこないと! ああ、でも、カトレアちゃん……」
「私が探してくる! アミアスは早くお医者さん連れてきて!」
「わ、わかった!」
アミアスは大慌てで、辺りに叫び散らしながら医者を呼びに行った。それに続いてエレオノールも飛び出していったカトレアを探しに行こうとする。
その彼女を、母がかすれた声で呼び止めた。
「え、エレオノール……」
「え……?」
エレオノールは足を止めて、苦しそうにしている母の下へ歩み寄る。すると、彼女は近くにあった医療箱から包帯を手に取り、傷ついたエレオノールの手に巻きつけてやりながら言った。
痛みを必死に我慢して、エレオノールの事を、いや娘たちの事を気遣ってくれているのだ。
「……あの子を、お願い」
「う、うん……。でも、いざっていうとき、どうすればいいか……」
「……大丈夫よ。抱きしめてあげればいいわ。それだけでいいのよ」
「……うん」
そんな自分を安心させてくれるかのような母の言葉に、エレオノールは力強くうなづいて、カトレアを探しに部屋を飛び出していった。
外は、雨が降っていた。サァサァと細かな雨が断続的に降り注いでいて、さわり心地はまるでカーテンの様だった。
しかし、そのせいで外はいつもに増して肌寒い。そんな中をエレオノールは息を上げながら走っていた。そして、庭の池がある場所まで向かっていった。
屋敷中を探し回ったが、カトレアは見つからなかった。部屋にも戻っていないのを確認し、もしやと思って外を覗き込んだら、そこにはふらりふらりと辛そうに胸を抑えながら、雨の中を歩いているカトレアの姿を見つけたのだ。
エレオノールは上から声を掛けようと思ったが、そうするよりも追いかけたほうが早いと思い、すぐさま外に飛び出してきたのだ。
従者が持ってくれる傘を差し、池を目指す。彼女はその方向に歩いて行ったはず。そして案の定、カトレアは畔で膝を抱きながら座り込んでいた。
そのいつも以上に淋しげな背中にエレオノールは言葉を失いながらも、彼女の許へと歩み寄った。すすり泣く声が聞こえてくる。
「そんな格好で外にいたら、風邪ひいちゃうわよ?」
エレオノールは傘をカトレアの上に当てながら、優しく声をかけた。不思議と、今回は彼女へ自然と接することができる。
カトレアは突然雨が止んだのにびっくりして見上げたが、すぐに俯いてしまった。エレオノールはカトレアに傘を当てながら、その隣にしゃがみ込んだ。
「戻ろう?」
「……今更戻れないわよ」
「大丈夫よ、きっと……うん、お母様も、心配していたし……」
「何が心配よ……ころされそうになったのに……下手糞な嘘をつかないでよ」
「私、嘘をつけないし……。そんな器用な女じゃないもの」
「……」
カトレアはじろっと腕の隙間からエレオノールを見つめてきた。何時もの冷たい目だったが、今日はそれが一段と悲しさを帯びているような気がした。
何時もは自分から目を逸らしてしまうが、エレオノールは我慢して、真っ直ぐずっと見つめていることにした。それに根負けしてしまったか、カトレアのほうからすぐに目をそらしてしまった。
腕の中に顔をうずめ、彼女はぽつりと零した。
「……どうせ私なんていらないじゃない。もうすぐ死ぬんだし、居なくなるんだもの。このまま放っておいてよ。……このまま、いなくなるんだから」
「放っておけるわけ、ないじゃない……」
「なんでよ」
カトレアに問われ、エレオノールは色々と思い返してみる。しかし、どれもしっくりくるものない。いや、どれもしっくりとくるのだ。
家族だから、大切だから、妹だから、哀れだと思っていたから。確かに黒い部分もあるけれど、どれも自分の心だった。
それをうまく言葉にすることができない。彼女は不器用だったから。だから、言った。
「……えっと、よくわからないわよ」
「……なによそれ」
「家族だからかもしれないし、大事だからかもしれないし。色々なのかもしれないし……。でも、理由なんてどれでもいいわ。
私はカトレアのこと、放っておけない。居なくなったら、私が淋しいもの」
「……ほんとう勝手な人。居なくなる勇気もないくせに、とか言ったのに」
「……ごめんなさい」
それは素直に謝った。確かにあれは許されないことだと思ったから、ずっと、謝りたいと思っていたから。エレオノールはカトレアに対し、深々と頭を下げた。
それで許されるとは思えないけれど、せめてもの償いだと考えて、ずっと頭を下げている。そんな姉に対し、カトレアはため息をついて、少しだけ笑っていた。
「本当、どっちが悪い事をしたか、わからないじゃないの」
「……本当、そうね」
カトレアの言葉に、エレオノールも顔を上げながら、苦笑して呟いた。そんな彼女に、カトレアは語りかけた。
「わたし、ほんとうはわかってた。あのメイドが嘘をついていたなんて……。あんな都合の良い話なんてあるわけないもの。
でも……怖かった。お母様が妊娠したって聞いて、だんだんと私が相手されなくなって……みんなみんな、私の事を忘れてしまって、
居なかったことにされるんじゃないかって……」
それは、彼女の本心だった。エレオノールはただ彼女の言葉に耳を傾けた。肯定するわけでも、否定するわけでもなく、ただじっと、聞き続けていた。
「うん……」
「怖くて、怖くて……怖くて仕方なくて……。産まれてくる子供を殺せば、またみんな私を忘れないでくれるんじゃないかって、
そんな気までしてきて……。そんなことしたって、何にもならないのにね」
「……」
「そう、こわいのよ。みじめに生きるのも、死ぬのも。弱い私を忘れられるのも、憶えられるのも怖い、ぜんぶ、こ、こわいの……。
あね、姉様、わ、わたし、普通に生まれたかった……。みんなといっしょに、ふつうにいられるだけでよかったのに……そうしたら、産まれてくるあの子にだって……
姉様とだって、いつまでも、いつまでも一緒にいられるのに」
段々とカトレアの言葉がとぎれとぎれとなり、代わりに嗚咽交じりになった。大粒の涙を流し、今までのような無理をして背伸びをしていた姿ではなく、
年相応の少女の姿で、彼女は心中をエレオノールにうち明かしていた。エレオノールは、その時、先ほどの母の言葉を思い出していた。
抱きしめてあげるだけでいい。彼女はその言葉を信じて、そっとカトレアの体を自分に寄せて、そして優しく抱きしめてあげた。
―――そして、風に流されてきたかのように、小さな赤ん坊の声が彼女たちに届いた。
「あ……」
エレオノールとカトレアは同時に見上げた。と、それに気が付いたエレオノールは、ぱぁっと明るい表情になりながらカトレアの顔をみつめた。
「き、聞こえた? 聞こえたでしょう!?」
「……うん」
「ははっ! 無事に産まれたのよ! 私たちに、赤ちゃんが声をかけてくれたんだわ! 私たちと一緒にいたいって!」
エレオノールは嬉しそうにカトレアへ叫んだ。だが、それとは対照的にカトレアの表情は暗いままだった。そんな彼女に呼びかけた。
「……会いに行きましょう、赤ちゃんに」
「でも……どんな顔をして会いに行けばいいの? 私は、その子を……」
「いいのよ。カトレアが赤ちゃんに会いたいという気持ちがあれば、それだけでいいじゃない」
「……」
彼女の言葉にも、カトレアはまだ心苦しそうにしたままだった。そんな彼女に、エレオノールは一つ提案を持ちかけた。
「じゃあ、こういうことにしましょう。これからずっと、カトレアは産まれてきた妹に厳しくしてはいけないの。ずっと優しくしてあげるのよ。
その子が辛いとき、悲しいときは一緒に悲しんであげて、優しく慰めてあげて、励ましてあげる。その子が嬉しいとき、楽しいときはそれを一緒に共有するの。
絶対に怒ってはいけない。叱るときも、優しく諭してあげるの。その代りに、私がその子を厳しくする役をするわ」
「……」
「カトレア。優しくするってことは、強くなければできないことよ。私は、貴女に優しくできなかった。でも、貴女は強い子だと私は信じてる。今まで辛い事や嫌なこと、いっぱい経験したのだもの。
自分の痛みが分かっているから、人の痛みだってわかってあげられるはず」
「……でも、私は長く生きられないだろうし……」
「じゃあ私が治してあげるわ! 私、まだ誰にも言ってないのだけれど、私アカデミーに入る夢があるの。お父様やお母様にはまだ話していないことだけれど……。
私、頑張ってアカデミーに入って、カトレアの体を治してあげるわ」
「……本当に?」
「ええ、約束だわ! だから……行きましょう、カトレア!」
エレオノールが立ち上がり、カトレアに手を差し伸べた。今までとは違う強い意志を持ったエレオノールの言葉に対し、カトレアは苦笑しつつ、ゆっくりと立ち上がって、その手をぎゅっと握った。
まるでその感触を、温かさを感じるように。その強い意志を感じるかのように。カトレアが手を握るのを、エレオノールは感じていた。
エレオノールも応えるように笑みを浮かべる。そして、二人はあるべき心の距離に戻って、母の下へと向かっていった。
「お母様……中に入ります」
エレオノールは母の部屋のドアをゆっくりとノックをして、行儀よく返事を待っていた。その近くでは、カトレアが不安そうな表情で俯いている。
ああ言ったとはいえ、やはりカトレアは罪悪感でいっぱいなのだろう。でも、その手をぎゅっとエレオノールが握って、安心させるかのように笑みを浮かべた。
するとカトレアも少し安心したのか、笑みを返してくれた。
「お入りなさい」
と、中から何時もよりも柔らかな母の声が聞こえてきた。エレオノールはカトレアに合図するように頷いてみせる。カトレアも意を決したように頷き返した。
そして、お互いの手を握り合ったまま、母の部屋へと入って行った。中には母以外に、アミアスやその姉のダルシニ、そして医者達が彼女たちを見つめていた。
そして、母の胸の中ではすやすやと一人の赤ん坊が抱きかかえられていた。何も知らずに、まるで幸せそうに眠っている。
その表情を見た瞬間、カトレアは泣きそうになったが、それを必死にこらえて、エレオノールの前へと躍り出た。そして、ゆっくりと頭を下げながら、自分がしたことに対し、謝罪しようとした。
「……お、お母様……あの……」
「カトレア」
「は、はい……」
「こちらに来なさい」
そんなカトレアを、母は寄るように催促した。無表情な母の顔に脅えながらも、カトレアはゆっくりと近づいていく。エレオノールもその後ろをついて行った。
ベッドの傍までついたカトレアに対し、母は急に表情を緩ませると、赤ん坊を差し出した。
「貴女の妹よ」
「……私の、私の妹……」
「そうよ。見て、幸せそうでしょう?」
「う、うん……し、幸せそう。ほ、本当に……」
カトレアは嗚咽を吐き始めた。そして震える手を、赤ん坊の顔に近づけてみる。ゆっくりと頬に手を当てると、温かった。
それを感じた瞬間、カトレアはぽつりと一筋の涙を流し、そして母にねだった。
「だ、抱いてもいい……?」
「ええ、もちろん」
その願いに母は応え、ゆっくりとカトレアに赤ん坊を渡した。カトレアはその赤ん坊を必死に抱きしめる。
すると、赤ん坊は目を覚ましてしまった。しまった、泣いてしまうかと思った瞬間、赤ん坊はきゃっきゃっと笑いながら、手をカトレアの頬に触れさせようと動かした。
カトレアは赤ん坊を顔に近づける。その子の手が触れた。その瞬間、カトレアは大粒の涙を流し、泣きじゃくりながらその場にしゃがみ込んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめん、なさい……」
何度も何度もその子へ謝った。こんな儚くも強く、大切な子の命を自分勝手な思いで奪おうとしてしまった。
そのことを激しく後悔し、そして何より無事に生まれてきてくれたこの子供への思いが強くなって、彼女は愛おしそうに抱きしめた。
それでも赤ん坊は笑っている。まるでカトレアを慰めるかのように、いやカトレアに産まれてきたよと、告げるかのように。
その光景を見て、エレオノール、いや彼女だけではない、その場にいた全員が涙を流さずにはいられなかった。
「……カトレア。貴女を強く産むことができなくてごめんなさい。そして、貴女の気持ちを考えられなかった母を許してください。
貴女があんなに思いつめていたというのに、私は貴女のために何もできていなかったわ……」
「うん……いいよ」
母の謝罪に、カトレアは涙ながらの笑顔で答えた。そして、強くうなづきながら、赤ん坊を見つめて言った。
「もし、私に生まれてきた意味があるのだとしたら、この子のためなんだね。私、この子のために生きる。生きて、この子の成長を見守ろうと、思う、の」
「そう……。カトレアは、強い子ですね」
「うん、私、強いよ。私、この子に優しくしてあげるんだから」
「そうしてあげて」
「う、うう……ひぃん……よかった、よかったねぇ……ぐひん」
アミアスはその親子の和解を見て、涙を抑えきれず、顔を手で覆いながら祝福していた。ダルシニも涙をぬぐいながら頷いている。
「ね、ねぇ、わたしにも抱かせて!」
と、エレオノールも涙をぬぐって、カトレアに赤ん坊をねだった。カトレアは頷いて、エレオノールへと赤ん坊を大事に渡した。
が、その瞬間突然赤ん坊が大きな声で泣き始めてしまった。まるでエレオノールに抱きしめられるのが嫌だと言わんばかりに元気な泣き声だ。
「え、ええぇ!? な、なんでぇ!?」
「きっと、抱き方が下手糞なのよ、姉様は」
「そ、そんなことないもん! か、カトレアを抱いたときはちゃんと泣き止ましたことあるもん! ほ、ほら、泣き止んでぇっていひゃひゃ!」
カトレアが馬鹿にするように言うと、エレオノールは焦った様子で赤ん坊をあやそうとした。だが一向に泣き止むことがなく、逆につねられてしまった。エレオノールは困り切った表情になってしまう。
そんな彼女を見かねて、カトレアは赤ん坊を取り上げた。するとどうだろう、あんなに泣いていた赤ん坊がみるみるうちに、安心しきって泣き止んでしまったのだ。
「な、なんでよぉ!」
まるでそれは未来の彼女たちを見ているかのように。
「という感じで、私たち姉妹は無事仲直りして、カトレアは段々と優しくなっていったの。動物を連れだしたのもちょうどその時だったか知らねぇ……。
あの子は周りにも段々と優しく接することができるようになって、どんなに病に苦しまされても、頑張って生きてきた。そして、今のあの子になったの。
ルイズが居なくなって、お母様が暴走した時は本当に危なかったけれど……。彼女のルイズのために生きる意志がそれに勝ったのねってちょ、ちょっとあんた達なんでそんなに泣いてるのよ!?」
と、時は16年後に戻って。自分とカトレアの話を終えたエレオノールは、アニエスとマチルダが大泣きしているのに気が付いてぎょっとしてしまった。
「な、なんでってぇ……ああ、もう! 私としたことが泣かされっちまうなんてさぁ……うぇぇ……駄目だ、酒も入ってるから余計だわ……」
「いい話だなぁ。私知らなかったですよぉ……うおお……駄目だ、涙が止まらん」
どうやら、酒が入っているせいで情に脆くなっているようだ。いつも以上に壊れた様子で、二人は天井を見上げて必死に涙をこらえていたり、机に突っ伏して涙を流したりしていた。
何時もと様子が違う二人に、流石のエレオノールもドン引き気味であったが、何とか平静に戻って、語り続けた。
「まあ結局そのカトレアとの約束は半分破っちゃったのよね。……体を治すっていう約束、結局アニエスがいなきゃ叶わなかったのだもの。
私は結局アカデミーという機関に入って満足しちゃったのね……」
「なぁに言ってるんだい! よかったじゃないのさ! 命あっての物種っていうやつよ」
「そ、そうかしら。まあそう考えてみることにするわ」
「しっかし、その純情娘が今やこんな可愛げのないおばさんになっちゃうっていうのはどういうことだろうねぇ……。時の流れって、残酷ねぇ……」
「わ、悪かったわね! 私だって好きでこんなになったんじゃないの! 学院の奴らが変な目で見てくるから、それを追い返してたりとかしてたら、何時の間に……」
「はぁ、もったいないねぇ……」
「いや全く、あいだぁ!」
と、同意したアニエスだけトレイで殴られた。アニエスは机に突っ伏し、三度目の打撃に悶絶している。
「それ以上やると馬鹿になるよ」
「大丈夫、もともと馬鹿だから。……でも、そうね。そろそろ私も、家やカトレアに迷惑をかけるのを止めることにするわ」
「そりゃあどういうこと?」
「そりゃあ……家の跡継ぎを貰って、安心させることよ……。私が落ち着けば、カトレアはもう少し自由になれるはずだし、アニエスももっとのんびりできるはずだし……。
研究も家でやればいいことよ……。私、フィリップに……謝って……みる。今ならまだ……」
「お、おいそりゃあ……って」
「すぅ……すぅ」
と、突然のエレオノールの言葉に驚いたマチルダは問いただそうとしたが、その前に眠りに落ちてしまった。
どうやら語り疲れてしまったのに、さらに酒が追い打ちをかけてしまったようだ。幸せそうに、無防備に寝息を立てて彼女は机に突っ伏して眠っていた。
あどけない表情だ。たぶん、色々と捻くれてしまう前の彼女は、こんな感じだったのだろう。
「ありゃ、散々語るだけ寝やがったよ、この女。全く気楽な子だねぇ」
「全くだ。あいったぁ……三度も殴られたら、私も記憶が飛んでしまいそうだ。しかし、家族の思い出か……」
アニエスは、不意に故郷の事を思い出してみる。しかし、今や思い出せることと言えば、あの水芙蓉の時の母の声と、焼き尽くされたとき、そして荒れ果てた故郷の姿だけ。
僅か2つ3つだった彼女が覚えている故郷の事など、どれほどあるのだろうか。そう思うと、突然アニエスの体に寒気が走る。
貴族の血が混ざっているという自分。もしかしたら、故郷を焼かれた理由が自分の抹消だとすれば? もしくは……。
そこまで行きつこうとして、アニエスは首を横に振って考えるのをやめた。今そんなことを考えたところでなんになるというのだ。酒を呷り、必死に追い出そうとする。
と、様子の可笑しい彼女に気が付いて、マチルダが覗き込んできた。
「大丈夫かい? ちょっと顔色が悪いみたいだけど」
「いや、すまない。ちょっと酒を飲みすぎたみたいだ。水を頼むよ」
アニエスは苦笑しをしながらマチルダに水を頼んだ。マチルダはため息をつきつつ、コップを取り出して水を注いだ。
辺りの客はもうすでに殆どがいなくなっていた。長い時間語り合っていたうちに、他の客は興を楽しみつくしたようである。
「はいはい。ほら」
「すまない……」
マチルダから水を受け取ると、アニエスは一気に飲み干した。酒で酔っぱらっている体に、冷たい水はありがたい。頭が冴えわたってくるようだ。
と、そんな時にアニエスは本題を思い出した。ああ、そういえばアルビオンの事を聞くはずだった。
「なぁロングビル。ちょっと相談があるんだが……」
「何よ改まって。悩みがあるんなら、お姉さんに任せな」
「……一つ確認するけど」
「何?」
「同い年だよな?」
「馬鹿だねぇ。あんたよりも精神年齢は上だって言ってんのよ、がきんちょ」
「……ルイズ、お姉ちゃん、もう最近は慣れてきたよ、うん、この扱い」
以上でした。本当はこの後、おまけでひきこもり妄想少女カトレアのifでも書こうと思ったんですが、
色々とぶち壊しなので今回は控えることにします。
乙です。ジャン君のフラグが〜!!
しかしいい話だ。それだけに、ルイズ誘拐事件は悲劇だったんだろうなぁ
良い話だなぁ、と思いたいけど、
現代のカトレア、少しやさぐれてるときに戻りかけるんだよな…
どうなるんだろ
もしもカトレアさんが超健康だったら
引きこもって脂肪貯めこむこともなくなっておっぱいがちっぱいになります
毎日ヴァリエール家の庭で熊と相撲を取るカトレアさんか
それ金太郎w
まさかりの代わりに担がれるデルフ
そんなカトレアをルイズが召喚
この場合、ヴィンダになるのかガンダになるのか……
なんか脳内に桃色髪の前田慶次しか浮かんでこないんですけど
虎が何故強いか知ってるか、もともと強いからよ…だっけ?
一気にそのカトレアさんが肉食系女子なイメージに
年下の学院の男子食っちゃいそうだ
エレ姉が利家化するな…
前田慶次か。
召喚された書物に花の慶次があって、ルイズがそれを丹念に熟読していたIF…
ちんちくりんだけど剛胆な貴族の三女か。
カトレアが実はとっくに死んでいるのだが幽霊として当たり前のようにルイズと生活していたら
ルイズが心配で背後霊となってどこまでもついてくるカトレア
カトレアがいるのでいつもしおらしいルイズ
ルイズがいつも何もないところに向かって話しかけるのでビビる学院の皆さん
うしろの百太郎的なカトレアさんならまだ良いけど
恐怖新聞なカトレアさんだと嫌すぎる
銃士の人乙
カトレアの過去でここまで共感できるなら、ミシェルの過去聞いたら戦えなくなるのではあるまいか
ガリアにも同じように死後、兄の背後霊となったシャルルがいたりして
おたがいに本音を告げあい、ジョゼフが心から謝罪&遺された妻子の保護を約束したことで和解するものの、
タバサとなることなく、幽霊嫌いを克服できなかった愛娘シャルロットには徹頭徹尾避けられて涙目、みたいな
召喚されたサイト以外皆幽霊だったら的なホラー小説
みんな千の風になって見守っているのさ
どこのイスカンダルだよ
そういえばイスカンダル人は死んだ後も幻影になって出現できるんだっけか
夢枕に立つようなもん?
もしも銃士隊が全員子持ちだったら
死んでいるため再召喚出来るので実質使い魔が二人
子持ちのルイズとかどう?
自分の子じゃなく拾うとかして。
親として何かが変わるかも。
親兄弟全てエルフに殺された復讐鬼ルイズ
親兄弟全てが全裸教徒である常識人ルイズ
なるほど、魔法に失敗して爆発を起こし、自分と周囲の人間から服だけを吹き飛ばすルイズとな。
裸のルイズ、いや、生まれたままのルイズなんて二つ名もありかもしれん…。
昔「0086笑いの番号」という映画があったのを思い出した。
悪の組織が開発したヌード爆弾を世界中に発射を阻止するお話。
全裸ネタでもう一つ。
教皇は法衣の下が全裸で笑うとき「クワーッハハハ」と笑う教皇だったら。
いっそブリミル教徒は皆裸だったら
なぜかスカロンだけ全裸だったら
全裸は下品すぎるからみんなノーパン主義だったら
もし銃士隊の制服が魅惑の妖精のビスチェだったら
きっと男には攻撃できない
もし学院の制服が褌だったら
オラオラソイヤソイヤルイズルイズ
もしも民明書房がハルケギニアで発売されてたら。
もしカトレアが昔は病弱だったが今は健康で夫と子供がいたら。
長文失礼
もし虚無の力が消費するのが負の感情や命ではなく、術者の記憶だったら?というIFを考えてみたんだが……
タルブ帰還後、なぜか急に穏やかで素直になったルイズに、才人は驚きつつも喜ぶ。
きっと虚無覚醒でコンプレックスがなくなり、余裕ができたのだろうと推測するのだが……
実際は『過去に失敗魔法を叱られたり、からかわれたりした記憶全て』を無くしたためだった
ひとつ虚無を使うたびに、強い感情を伴う記憶や思い出から順に失っていくルイズ。
次第に同級生の名や顔、はては家族のことまで忘れていく
しかしルーンの効果により、使い魔才人のことだけは忘れることはなかった
それに気づいた才人は記憶のストックを増やすために、ルイズにたくさんの『楽しい思い出』を与えようとするが――
とここまで考えてみたんだが、
この設定だとそもそも無能王が真っ先に弟との確執を忘れそうだなぁ、と思い至り、そうすると虚無を使い続けなきゃいけない状況にならないという結論に……
まあ何かしら覚醒の機会だけ設定して、あとは嫌な記憶を無くして素直になるルイズというIF話にするのも面白いと思うんだけど、
どうだろう?
ゼロノスの使い魔
作中の出番と引き換えに威力が上がる虚無の魔法
【IF系】もしゼロの使い魔のリッシュモン卿が史実のように清廉で有能だったら
>>159 >>24の構想で
>>27の艶やかな黒髪のカトレアを考えているが。
そうとうバイアリティあふれる女性になってしまった。
現代日本のカトレアさんの名前は才人の名前を少しいただいて付けている。
>>163 アニエスはタングルテールで平民の娘として育つ
アンリエッタは忠臣を得て原作より有能に育つ
ミシェルは貴族としてそのまま育つ
コルベールとメンヌヴィルは実験小隊所属のまま
加藤 玲亜さん
小ネタ程度だけどもしも才人が
古代遺跡マニアだったら
アニメに出てきたような学院地下の書物庫への道に罠があるのを
察して自分から先に通りそうだな 魔法の使用が禁じられている
と知れば才人が全員分の杖を預かっているもののルイズが本だと思って
触れたものが宝物庫を崩壊させる仕掛けのスイッチで
結局宝物庫を崩壊させるとかそんなオチになりそう
>>160 遅レスでもうしわけないけど、発想的には面白いと思うな。
ただ、鬱っぽい感じで、読みたい半分きつそうだなぁと思ってしまうのが半分だなぁ。
でも、読んでみたい。
電王のゼロノスまんまやん
そうなん?電王知らんからわからんかったよ。でもまあいいんじゃない?
まあ、そのまんまだったら駄目だけどさ、そんな堅苦しくしなくても。
>>169 いや、ゼロノスは変身するたびに本人が周りの人間から忘れられていくんだから違うよ。
パワーアップ版のゼロフォームはどうだったか忘れたが。
160です。レスありがとう
電王は知らなかったよ。発想元は頭の中の消しゴムとか50回目のファーストキスとかそんな感じ
短編にまとめるにも中途半端なネタなんで、50回目みたいな明るい結末かメメントみたいな強烈なオチを思いついたら、形にしてみます
では、お邪魔しました
礼儀正しい子だ。そんな君には27歳の行き遅れ学者と23歳の行き遅れ泥棒を贈呈し、うわなにをするやめ
17歳だよ間違えないでほしいね君
力を使うたびに記憶を失うってブラスターブレード?
>>173 27歳の方は地球人換算だと三十路…おや、こんな時間に誰だろう
力を使うたびに年齢が増える虚無魔法
力を使う度に胸が虚無に近づいていく魔法
男性の場合はシンボルが虚無になってTSします
外見そのままにエレ姉の精神年齢が5歳ぐらいだったらとか。
カトレアを救うために無茶な魔法を使ったら、精神力を使い果たしすぎて…。
なまじ背が高いのに、ルイズお姉ちゃまとか言っちゃう
しかし、体は三十路か。誰と…く、み、三十路とは、うごごご…
虚無魔法じゃなく虚言魔法
意外とありそうで無いIF
もしもサイトとシエスタの立場が逆だったら
カップリング自体はシエスタ×サイトになりそうだけど
現代日本でお金持ちのお屋敷でメイドのバイトをしている女子高生シエスタ
サイトは魔法学院のコック見習いや馬の世話番とかかな?
>>175 最後はブリミルへの憎しみだけで戦うのか。ジョゼフが
もし才人が熱心な仏教徒だったら……。
何もないときは禅を組み、目を瞑ったまま。
戦闘時には
「俺の顔は引導代わりだ、迷わずあの世へ行け!」
「俺に跪け! そして大地に頭をすりつけ俺を拝め!」
とか言う仏教徒。
そのうちアンアンが「貴様がどのような企みをしているかなど、お釈迦様がまるっとお見通しよ!」とか
リッシュモンにぶちかましそうなだ
>184-185
普通にふくしま政美絵で脳内再生されるんだがどうしてくれる。
福本伸行がゼロ魔を描いたらどうなる?
つまらなくなる
仏教で思い出した
初代スレでも仏教談義やってたな
過去スレ見てて吹いた
>184
引導代わりって、それ長七郎江戸日記。
長七郎が出るなら桃太郎侍なアン様ってのも……ないな
>>184 それ仏教徒ちゃう、おシャカ様じゃねえか(w`
仏さまを大切にしないやつは死ぬべきなんだ!!
えい、控えぃ! これにおわすは畏れ多くもアテナの黄金聖闘士、乙女座のシャカなるぞ!
もし魔法学院が70年代風なヤンキー学校だったら
もし教皇が大隆起を打ち明けても誰も取り合わなかったら
「直ぐじゃないんだろ?なら、明日の事考えよう。」
もしルイズがちびっこでなく
人間山脈と称される巨体の持ち主だったら………。
「ゼロのルイズ」の他に「山脈のルイズ」とも呼ばれ
歩いただけで「一人民族大移動」と呼ばれるルイズ
進撃のルイズ
その少女は、誰よりも背が高く、ピンク髪のツンデレだった。
(人間)山脈のルイズは才人を召還して初めての夜
特製のベットで一緒に寝ないかと誘ったが才人猛烈拒否。
「冗談じゃない!! 寝返りをされたら間違いなく押しつぶされる」
そしてわらを引いた床で寝る才人。
202 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/10/20(水) 01:04:40 ID:A2DZ8QvV
それなんて三号生筆頭殿?
身長2mぐらいで筋肉質のルイズ…
ありだな(性癖的な意味で)
立ったまま寝る様に躾られ、それをサイトにも強要する二宮金次郎の妻みたいなルイズ。
失敗魔法が爆発ではなく、周囲の人間が無作為で池上遼一風になる
失敗魔法が爆発ではなく、周囲の人間が無作為でしりあがり寿風になる
もしも、ルイズとキュルケの立場が逆だったら
もしルイズの片足が短かったら
>>208 ルイズが名前の元ネタ通り足が不自由ってことか?
それで魔法がゼロだと、両親が哀れがって屋敷に閉じ込めて育てそうだ
腕を使ってすさまじい速さで走り回るメイジ。
別名逆立ちのルイズが誕生する。
あー…なんだ、その…てけてけってお化けいたよね
そのルイズに召喚されたサイトは17かそこらで介護業界に永久就職とかお先真っ暗だな
献身的な介護から愛が芽生えて的なハートフルラブストーリーはいい話になるっぽいが
変形版春琴抄だな、それ
>>208 名前:コンバットルイズ
好物:焼きビーフン
ですね、わかります。
>>212 介護たって、名門公爵家での私的介護だぞ。
ワーキングプアとは天地の差だ。
3姉妹とも病弱だったら
たぶん一人目はしょうがないですんでも二人目も病弱だった時点でカリンちゃん離縁されちゃうよ
どんな病気かにもよるな。
丈夫に育つようにと娘達を男として育てる公爵家
もしも曾祖母カリーヌ、祖母エレオノール、母カトレア、娘ルイズだったら
>>219 一方平賀家では、息子を女の子のように育てていた。
もしトリステインの魔法学園が虚無と虚無の予備を管理するための機関だったら
マルドゥック機関ですか
冲方さーん!
そっちのマルドゥックじゃねーよw
もしタバサの愛読書が召喚されし書物だったら
もしハルケギニアの野生動物が本編より脅威になるなら。
タバサ「むふー(イーバルディの勇者のフィギュアで遊びながら)」
ゼロの使い魔外伝〜タバサと同人作家〜
でもタバサってあの三つ子みたいに
良くも悪くも「むっちり」しているイメージじゃないんだが。
ジョゼフとシャルルの仲が良好で心労はないが食欲は据え置きなためむっちりしているシャルロット
偽名を使ってトリステイン魔法学院に来ているのは伯父曰く修行の一環
もしガンダの原動力が性欲だったら
>>236 19巻でテファの生乳と羞恥の表情でパワーアップした事から、強ち間違いでは無い気がする
童貞やめたら歯止めが効かなくなってパワーアップするのか
それとも悶々としなくなって弱体化するのか、それが問題だな
なんとなく童貞魔法と似てるな
サーシャちゃんはどうなるのっと
彼女もまた変態と言う名の淑女だった説
嫉妬パワーが溜まる事で威力が増すメイジの魔法(例:マリコルヌ)
ガンダールヴは煩悩パワーが溜まる事で能力を増すのか
って、どこの文珠使いだよwww
感情の激しい起伏が燃料じゃなかったっけ?
魔法のエネルギー源であり、飲めば飲むほどそのパワーも増すアルコール至上主義のハルケのメイジたち
魔法学院はさぞ酒臭いに違いない
食べ物飲み物が魔力の元。
ただし人によりそれが何か異なる。
さらに魔法を使うとカロリーの消費も半端ないので
メイジは基本的に大食いである。
とか。
サイヤ人か
風系は野菜や鳥肉を、水系は魚や果物、
土系はキノコや動物肉、火系は酒や穀物
を好む傾向があるって感じで。
タバサ「と言う訳でハシバミサラダと焼き鳥定食大盛り」
モンモン「サーモンのムニエル追加〜〜〜」
ギーシュ「マッシュルームの肉詰めもう一つ!」
キュルケ「こんどは白(ワイン)もってきてー、
ってルイズまたサラダだけ?」
ルイズ「・・・・うるさい・・・・」
って感じの食事風景に。
そしてハーフエルフのテファはカレーをかっ込むのであった
ブリミルが日本贔屓だった為にハルケのモデルが中世ヨーロッパから
江戸時代に変更if
サイトが飛ばされたのが鳥須手隠忍術学校
登場人物は江戸弁+語尾に「ござる」がデフォ
和服やくのいち姿のゼロ魔キャラか、悪くないな。
で、当然ながら鳥須手隠城の大奥は、今話題の某映画のようになってんだな。
小姓とのアーッや淑女の嗜みとしてアンアン×アニエスだと…
伝説の十手、名は出琉符凛牙
オプションで御用提灯も付いてくる
モットに帯を解かれ、くるくる回りながら「あ〜れ〜」と叫ぶ女中のシエスタ
毎回入浴シーンを披露するかげろうアニエス
アンリエッタ漫遊記かいな。いや、ありかもしれないwww
うっかり八のポジションはマリコルヌでお願いします
そう言えば今日は水戸黄門。だけど由美かおるさん卒業で入浴シーンは無しよ
ルイズ、キュルケ、タバサで三匹が斬る!と申したか。
両親と二人の姉を殺したメイジを追うべく
ハルケギニア全国津々浦々を旅する渡り鳥ルイズと申したか
>>256 タバサ、殿さま
キュルケ、千石
ルイズ、タコ
殿様・・・正体不明、さる大名の次男?
千石・・・公儀隠密
タコ・・・元京都町奉行、甲賀忍者の末裔
若殿・・・元幕臣、吉良上野介の子孫
と言うことで考えてみよう
>殿様・・・正体不明、さる大名の次男?
ジョゼット・・・さる王族の次女
>千石・・・公儀隠密
キュルケ・・・wiki見たら恋愛が多いってあったからキュルケ
>タコ・・・元京都町奉行、甲賀忍者の末裔
シエスタ・・・曽祖父が日本人なので50%の確率で忍者か侍
>若殿・・・元幕臣、吉良上野介の子孫
ルイズ・・・デスノート拾ったらライトみたいになりそう
>>257 ルイズ「X月X日。ヴァリエール侯爵一家を殺害したのはあんたね!?」
ギーシュ「ち、違う!僕はその時、魅惑の妖精亭でケティと飲んでいた、本当だ!」
ルイズ「・・・こいつでもなかったわね、けど恋人をとっかえひっかえする奴は女の敵、許すまじ!」
ギーシュ「ぎょええええ!!」
ドカーン
アニエス「何か爆発が起きたから来てみれば・・・黒焦げの男と、こ、このカードは!」
この者、極悪不貞犯!
なにこのスレ加齢臭ぷんぷんするんですけど
人外ルイズ案。
幼ルイズ、ラドグリアン湖で溺死。
水精霊の気まぐれで蘇生によって半水精霊になったルイズ。
体を水精霊のようにする事ができる。それなんてバイオライダー。
コミックボンボンであった銭湯漫画みたいなこともできそう。
タバサとイザベラで姫さま風来坊隠れ旅
タバサ「あなたが女王になればいい」
イザベラ「なにいってんのよ! あなたが女王になるのよ」
それで追っかけてきたカステルモールが
「姫さまーっ! ああ、また逃げられた……」
貴族だが料理に誇りを持ち学院で働いているメイジコックマルトー
>>262 あさま山荘の年に生まれた俺でもついていけないw
三匹の割り当て、皆バラバラだなあ。
俺は、
千石>タバサ(公儀隠密≒北花壇騎士、後食い物ネタが一番合いそう)
殿様>ルイズ(家柄云々が一番しっくりくる、それに主人公だし)
たこ>キュルケ(陽気な性格、たまにゲルマニア産の銃を使う)
じゃあ三匹でも、マザリーニ、オスマン、コルベールの三人で
痛快!!三匹のご隠居
三匹と言えば……
「タバサでーーす」
「キュルケでーーす」
「虚無のルイズでございます」(ダブルツッコミ)
タコは結婚して子供も出て来るんだぞ
ルイズだけじゃなくキュルケとタバサも学院内で落ちこぼれだったら
初期から周囲から馬鹿にされながらも仲の良い三馬鹿って感じの
それだとタバサは入学前に死んでるんじゃ・・・
そこは得意のフェイクで
本人に自覚は無いが超ド級の強運の持ち主だった説を
落ちこぼれのタバサはジョゼフが相手にしないんじゃないの
うつけのジョゼフと傾奇のシャルル
もしもタバサが男だったら正統派ファンタジー冒険活劇になりそうだね
昔からよくあるけど王道の話になりそうだ
そんで憎むべき叔父王の娘と禁断の恋に落ちるわけだな
いや、伯父王そのものと恋に堕ちるのだ
BLはいらねー
実は男として育てられた少女だったとか
タバサが男の娘だったらミリオンセラーは約束されてたのにノボルもゼロ魔書き始めた頃はまだまだ未熟だったということか
ぶっちゃけ男の娘男の娘言ってる奴の声が大きいだけで
需要なんてたいしてないから今のタバサが正解
もし魔法学院内の寮が相部屋しかなかったら
ルイズがキュルケと相部屋だったらサイトもそこまで酷い待遇はされまい、多分
>>285 喧嘩のとばっちりで怪我はしそうだけどね
貴族は覆面をしないといけない世界だったら
ルイズは虎の覆面をして、黄色い悪魔とも呼ばれる。
もし魔法学院の校風がバリバリの体育会系だったら
貴族たるもの自分の事は自分ですべし、が校訓で食事も各自で準備
掃除、洗濯も当番制
シエスタとマルトーさんはカット
魔法の強さが全身の筋肉量に比例するとしたら
カリンさまムッキムキ
ミノタウロスに脳移植したメイジが強くなったって言ってたな
つまり原作でもそういうことなのか!?
ジョゼフが系統でシャルルが虚無だったら…
万能王と呼ばれるが、シャルルの属性に気付いているので心穏やかではないジョゼフとか。
ジョゼフの万能さを間近で見せ付けられ心が折れ隠居するシャルル。
になりそう。
もしメイジが使い魔と同化する事で魔力をパワーアップできたら
分離後メイジは服が破れて全裸になる
ルイズはサイトと棒一本で結合するんですね
憑依装着かよ
もし才人が召喚のときのなんかのショックで外見がほんとうにただの犬になってしまったら
……幸せになれそう
>>296 TSさせて外見もアマテラスに…ifスレ向きネタだな
ifじゃねえよ!クロスだよ…吊ってくるorz
>>296 お父さん犬みたいになればいい。
声は北大路欣哉で。
アマテラスにifってメガテンネタかと…結局クロスだな。
シヴァのリンガバージョンならご立派様と戦えるな
ルイズがくぱぁ様とご立派様を召喚し、二つ名がゼロから性交に変わる夢を見た翌日に才人を召喚していたら
微妙にクロス向きだな。
もしトリステインのメイジにキメラ化して身体能力を強化する習慣があったら
猫耳ルイズ、犬耳アンアン、そしてモグラ爪ギーシュ、鼠顔オスマン、蛇目コルベール……
>>303 タバサはジルのことを思い出すからやらんだろうな
大分時間が開いてしまいました。申し訳ないです。
第三十七話を50分から行きたいと思います。
来た!事前支援
「夜空がきれいですねぇ」
「そうーねー」
「そうーですねー」
夜の魔法学院の人気のない広場で、噴水の縁に腰を下ろしているケティが夜空を見上げながらつぶやく。
それに対し、隣に座っている無気力なモンモランシーとシエスタが、やはり無気力な声で答えていた。ケティは「ああ、重症だなぁ」と思いながらも、その二人を呆れた表情で見つめていた。
一平民に過ぎないシエスタがこういう風に貴族と肩を並べることなど許されるわけがないのだが、当の注意すべき本人がこの様子だから、面白がってケティも放置を決め込むことにしていた。
「……ミスタ・グラモンとミス・ヴァリエールがご心配ですか?」
「そうーねー」
「そうーですねー」
だが、いくら呼び込んでもこの反応ではこの先大丈夫なのかと、後輩の身ながら心配になってしまう。
恋愛のためにいい香水を作ってもらえないかと部屋を訪ねてみたら、彼女たちがベッドの上で膝を抱えて、自分の相手について、
つまりモンモランシーであればギーシュ、シエスタであればルイズなのだが、その二人について愚痴りあったり。
そう思ったら突然その二人の事をお互いが褒めあったりと、とにかく正常ではなく、これはいかんとケティが外へと無理やり連れてきたのだ。
しかし、このざまではいつになっても立ち直れないだろう。ここでケティは少しばかり強引な策をとることにした。
「あ、ミス・ヴァリエールとミスタ・グラモンが抱き合ってる」
「そう、な、なんですってぇ!?」
「そう、ど、どこですかぁ!? って、あれ?」
「何処にもいないじゃない……」
慌てて立ち上がり、辺りを見渡す二人だが、ギーシュとルイズがどこにも見当たらず困惑してしまう。そんな二人に対し、ケティはすかさずにっこりと笑いながら話しかけた。
「お二人とも、元に戻られたようで何よりです」
そこで誑かされたと気づき、二人は力なく項垂れながら噴水の縁に座り込み、そして夜空を見上げた。二人はため息を吐きながら自嘲気味につぶやく。
「そぉよねぇー……ギーシュの馬鹿がここにいるわけないものねぇ」
「そぅですよねぇ……ルイズ様がここにいるわけないですものねぇ……」
「……本当に重症ですねぇ。まあそれだけお二人のことを想っているのですねぇ」
「ば、馬鹿言わないでよ!」
と、そんな様子の二人をケティが軽くからかってみると、顔を真っ赤にしてモンモランシーが反論した。しかし、その様子からは言葉とは裏腹に、ギーシュの事が心配なのだというのが明らかである。
モンモランシーはそのままの顔でケティの頬を乱暴につねり回す。ケティは突然の先輩の暴挙に悲鳴を上げて何とか宥めようと謝り続けた。
そんな二人に対し、シエスタは依然暗い表情のままため息をついている。モンモランシーはケティから手を放すと、心配そうに話しかけた。
「大丈夫?」
「はい……。す、すみません、貴族様からそのようにご心配していただけるとは、恐縮すぎて、その、あの……」
「べ、別にかまいやしないわよ」
おどおどとするシエスタに、モンモランシーはそっぽを向きながらも、不器用ではあるが優しい言葉をかけてやった。そんな彼女に対し、シエスタは苦笑を浮かべながらも言った。
「……それに、今回は『行ってきます』って、言ってくれましたから」
「それはどういうこと?」
「『行ってきます』という言葉は『ただいま』と言うためにありますから」
「なるほどねぇ」
モンモランシーは納得したかのように頷いた。ケティもシエスタの考えがとても前向きだと思って、感心するかのように頷いていた。
「きっと無事に帰ってきてくれる、そう信じて、いつ帰ってきていいように部屋を掃除しているんです」
「……健気ねぇ。でも、そういう考えは嫌いじゃないかな。私もあいつが死ぬなんて想像もできないし……。黙って待ちましょうかね」
「それがよろしいかと存じます」
「でも……」
「そうですねぇ……」
と、元気が戻りかけていた二人であったが、再び消沈して同時に俯いてしまった。そして各々想いの人の名を呟きながら、地面に文字を書いたり、ため息をついてしまっている。
ケティは、ダメだこれはと呆れた表情になりながらも、どこかでギーシュ達が見ているであろう夜空を見上げながらつぶやいた。
「……お兄様は元気にしているんですかねぇ」
何だか、少しだけ二人の気持ちがわかる気がした。
第三十七話
アルビオンのニューカッスル城へ行くことをロングビルに告げたアニエスは怪訝な顔を向けられてしまった。当たり前だ。こんな戦争中に足を運ぶような場所ではないのだ。
しかもそこは、もはや死しか残されていない最終決戦場である。しかし、どうしても行きたいと頼み込むと、半ば呆れているロングビルは事情があるのならば、と断りつつ説明をした。
まずはアルビオンへの道だが、どうやら彼女が普段使っている貨物船に乗り込むことさえできれば港町スカボローへの足掛かりになるという。
どういうわけかはわからないが、その貨物船の船長とその取引の先が彼女の『知り合い』らしい。ロングビルのほうから交渉すれば、乗せてもらえるようだ。
貨物船の船員および客としてスカボローへ入ることができれば、入国もスムーズにできるだろうとの事だった。
やはりアニエスの予想通り、ロングビルはただの一般人ではないようだ。しかし、それをとやかく問い詰める気はない。人にはそれぞれ、過去があるから、それを掘り下げられるのは迷惑に思われるだろう。
ごく一部を除いて、争う気がない者達に敵意を向けるような気は持ち合わせてはいない。一部を除いて。
「スカボローへ入ったあとはどうすればいい?」
「……気が向かないけど、正面突破かねぇ。ああ、そういや一つ気になる情報をあっちから来た商人から貰ったんだ」
「気になる情報?」
「ああ。……スカボローで暗殺事件が起こったんだ。被害者は貴族派の軍人、それも護衛艦の艦長らしい。この事件、王党派の暗殺者による犯行だろうって、
やっきになって貴族派の兵士たちが調査しているって話さ。でも結局今も犯人は見つからず仕舞い……」
「ふむ……」
ロングビルの話を聞きつつ、興味深そうにアニエスは頷いた。
「暗殺者が居るということは、その者を援助するため、現地の情報収集を担当する諜報員もいるだろう。……彼らとうまく接触することができれば、道が開けるかもしれないな」
「まあ何はともあれ、現地に付いた後は情報を集めることよ。……総攻撃の日も近いだろうし、急いだほうがいいね」
「そうだな……。総攻撃が始まれば、侵入など不可能だ。その前にどうにかしなければ……」
「しっかし、どうしてニューカッスル城へ行きたいんだい?」
ロングビルは少しばかり意地悪な笑みを浮かべながら、首をかしげてアニエスに問い詰めた。アニエスは言葉を詰まらせながら、誤魔化すように水を口に含んだ。
さて、どう説明したものか。少しばかり悩んだ後、苦笑しながら言った。
「……まあ、さしずめ、最期の恋を実らせるための天使、と言ったところかな」
「なんだいそりゃ。ガラじゃなさ過ぎて気持ち悪いよ、ダメ人間。冗談はあんたの歌唱力だけにして、本当の事言いな」
「……う、うるさい馬鹿! なんでそのことを知ってるんだ。……本当の事、なぁ」
「危険な場所に行くんだ。それなりの理由があるんだろう? ん?」
と、観念したアニエスは黙ったままロングビルを指で招いた。ロングビルは彼女の顔に近づく。するとアニエスは彼女に耳打ちした。
最初は静かに聞いていたロングビルも表情を顰めていった。
「そりゃあ……正気かい?」
「誰が?」
「あんたたち全員」
「……まあ、正気じゃないかもしれないな。私としては、妹の願いをかなえたいと思っているだけだよ」
「その気持ちはわからなかなくもないよ? ……いやでも駄目だ。そりゃあ命どころか責任を捨てに行くようなものじゃないか」
「それはお互い様だろ?」
アニエスは苦笑しながらロングビルの瞳を見つめた。彼女はどこか戸惑いを一瞬だけ見せた後、すぐに視線を逸らした。
「……何を言っているんだい、あんたは」
「わかるさ。あの下水道での立ち回りとか見れば、お前が普通の人間じゃないってことぐらい」
「……で、どうするつもりさ。私を脅そうっていうのかい?」
ロングビルは振り返ると、先ほどまでの表情を一変させて、アニエスを冷たい表情で睨みつけてきた。彼女もそれに応じるかのように、無表情のまま見つめ続ける。
しばらくの間、そんな緊迫した空気が流れた。そしてカラン、とグラスの氷が鳴らした音が響き渡ると同時に、アニエスは表情を柔らかくして目をつぶった。
「どうもしないよ。あくまで友人として、フネの手続きをお願いしたいだけだ。そこから先は私たちの責任でどうにかするさ。
まあ、責任って言ったって、それに報えるかどうかはわからないけれど。悪いようにはしないよう努力はする」
「駄目だよ。そんな言い方をしてもね、私は無用な責任を負いたくないの」
「そうか……じゃあ仕方ないな。スカボローでの情報を聞けただけでも大きな収穫だ。感謝するよ、ロングビル」
「な……ったく、話さなきゃよかったよ」
「全ては酒のせいさ。長居してすまなかったな。今日は楽しかったよ。いろんな話も聞けたし。姉上、ほら……」
「待ちな」
と、御代を少し多めに財布から出してカウンターに置くと、アニエスはエレオノールを起こそうとした。しかしその手をロングビルによって制止される。
訝しげに見つめるアニエスに対し、ロングビルはそっと手を放すと、何か言いづらそうに頭を掻いた後、口を開いた。
「そいつにゃ、ちょっと用があるんだ。私が送っていくから、場所だけ教えてくれる?」
「……? 女神の杵だが」
「げっ、そんな高いところに泊まってるのか。……流石は公爵家だね」
「ふふん、実は私たちは一銭も出してないんだな、これが。ちょっと小父さんにせがんでね」
満足げに胸を張るアニエスに対し、不思議そうに首をかしげるロングビルはひとまず答えた。
「……何だかわからないけど、まあいいさ」
「ん、じゃあ……すまないけど、姉上の事はよろしく頼む」
「ああ……これでも飲んで酔いをさましな。できれば、あんたの馬鹿の考えもね」
「ああ、お気遣い感謝する」
ロングビルはアニエスに水の入った瓶を渡す。それを掴んだ彼女はエレオノールを寝かしたまま、デルフを背負って立ち上がると、ロングビルに微笑みながらお辞儀をしてその場を後にした。
ロングビルはまるで追い出すかのように手首をしっしと動かしながら、その背中を見守っていた。そして、アニエスが外に出て、完全に見えなくなった後にため息をついた。
「ったく……どいつもこいつも、お人よしの甘ちゃんばかりだね」
ロングビル、いやマチルダは残っていた酒を一気に呷ると、そう零した。そして故郷で一人、子供たちの世話をしているティファニアの事を思い出す。
自分だって同じではないか。今でこそただのウェイトレスに落ち着いてはいるものの、泥棒稼業などという堅気ではない仕事をやって、命を危険にさらし続けてきた。
自分が大事な家族たちを養うんだ、そして貴族たちへ復讐をしてやる。その心の中には自分の実力への過信であったり、ティファニアであれば私が居なくても大丈夫、などという独りよがりな期待を抱いていた部分もあったのだろう。
しかし、エレオノールの過去を知って改めて思う。ティファニアには自分が必要だ。そして、自分にもティファニアが必要なのだ、と。
そして自分がやってきたことは、彼女を籠の中へとおしこめていただけなのではないのかと。だけど、事情が違う。カトレアとティファニアでは事情が違うのだ。
産まれた時から外に出ることを禁止されたティファニアと、体調さえ戻ってしまえば自由になれるカトレアとは、違うのだ。
「……ねぇ、エレオノール。私にも……テファを救うことができるかい?」
それでもエレオノールがカトレアを救った時のように、私にもティファニアを救うことができるのであれば。自由に世界を見せることができるのであれば。
ああ、すぐにでもテファの許へと帰らなければ。そのためには、エレオノールへ頼み込む必要があるのだ。マチルダは意志を固め、頷いた。
「マスター、私もう上がりますね」
「え? ああ、うん構わないよ。って、その人送っていくんじゃないの?」
「ちょっとお話がありますし、このままだと二日酔いになりかねないですから。ちょっと私の部屋のお薬でも飲ませてあげます」
「そうかい、じゃあお疲れさん」
「お疲れ様です」
店長に許しをもらい、マチルダはエレオノールを背負って、店の中にある自分の部屋の中へと連れて行った。
酒場で買った水を浴びる様に飲むと、アニエスは、ぷはっと息を吐きながら、酒で酔っぱらった体が冴えてくる感覚に気を楽にしていた。
アニエスは近くにある樽に座り込み夜空を見上げてみる。綺麗な夜空だ。いつか、ルイズと一緒にいつまでもこの夜空を見上げられれば、と誓い合ったことがあった事を思い出す。
しばらくぼぅっと見つめていた彼女はゆっくり立ち上がりと宿へと戻って行った。その途中で、らしくもなくロングビルが弾いていたチェンバロの曲を鼻歌で再現していた。
しかし、どうやらアニエスは音の才能だけはないらしく、何処か音が外れてしまっているようにも聞こえてきて、虚しくなった彼女はため息をつきながら俯いた。
『なんだ、妙にご機嫌じゃねぇか、相棒』
「そうか?」
と、背中のデルフから声がかかる。彼はアニエスの歌の下手さを指摘するわけではなく、ただ単に彼女のご機嫌な訳を聞いてきた。
アニエス自身もなぜ鼻歌をつづったのか、それはわからなかったが、何となくそうしたかったのだ。別に機嫌が良いわけではない。
『しかしまあ、何だ。俺っちは相棒に振ってもらえりゃ嬉しいからよ、戦場に行くのは止めねぇが。やっぱりあのロングビルの姉ちゃんの言う通り、
危険だぜ。ルイズ達はやっぱり置いていくべきじゃね? 手紙でも書いてもらえばいいじゃねぇか』
「それじゃああの子たちが納得しないだろう。彼女たちの我儘を叶える為の旅だからな、そうもいかない。だからこそ、あの子たちは絶対私が守る」
『まあ、そこまで言うなら止めやしないがね。ちょっと甘やかし過ぎな気もするぜ。それにお前さん……』
「ん?」
『……ちょっとなんか、生き急いでやしないか?』
デルフの言葉に思わずアニエスは足を止め、ちらりと後ろを振り向いた。生き急いでいる、というのは意外な言葉だったが、何となくわかってしまうのは何故だろうか。
生き急ぐ必要などないのに、なぜかそう感じていると思ってしまう。だがそういう素振りを見せないようにしながら、アニエスはデルフに尋ねかけた。
「私が生き急いでいる? なんでだ?」
『いやぁ、俺っちにもよくわからねぇが……。そう思っちゃうんだよ、何となく』
「何となく、か」
デルフの言葉に、ただアニエスは戸惑いを隠せなかった。自分が貴族の血をひいていたことや、いつの間にかルイズにたくさんの友達ができていたこと、
そして何よりルイズ自身が自分の手から離れようとしていることが、焦りを生んでしまっているのだろうか。
彼女が自分の足で歩み始める、それは良いことのはずなのに、それが堪らなく悲しい。淋しい。そして、辛い。
自分とはどういう存在なのだろうか。と、そんなことが頭によぎりそうになった瞬間だった。何処からともなく殺気を感じ、アニエスは表情を引き締めた。
「……5人程か?」
『なんでぇ、大人気じゃねぇか、相棒』
「こんな殺気を平然と出してくる奴らに、好まれたくはないな」
と、零しながらもアニエスは素早く方向転換し、前方より感じる殺気から離れるように走った。殺気もそれを追うように近づいてくる。
しかし一定の距離を保ったまま、彼らはアニエスに近づこうとはしない。どうやらアニエスを包囲しようとしているような気もする。
走り続ければ、また前方から殺気を感じ、横にそれようとすればそちらからも感じたり。アニエスはそれを理解しつつも、あえてその誘いに乗ることにした。
敵の正体がわからない以上、こちらから罠に入り込まなければ、もしかしたらルイズ達にも被害が及ぶかもしれない。先の地竜の村の事もある。
迂闊には触れないが、中に入らなければいけないのが辛い。そう思い、苦笑しながらアニエスは近くにあった木箱に飛び乗った。
そして軽やかに、積み重なった木箱へ飛び移ると、素早く屋上に出た。ちょうどその家は、屋上が平たい形をしている。暴れるにはちょうどよかった。
廃屋にもなっているようだから、騒ぎになることもないだろう。
と、先ほどまでの気配が一気に消えた。だがアニエスはデルフを抜き、臨戦態勢を取ったまま辺りを見渡している。まだ何かがいる、そう思えて仕方がなかった。
すると、自分の目の前にいつの間にか一人の少女が立っていた。マントによって姿は隠されているが、見覚えがあった。
確かあれは、昼にアンダルシアと一緒にいた少女ではないだろうか。
「君は……」
「やっと見つけた……」
戸惑いを隠せないアニエスに対し、少女は腰に差していた剣を抜くと、それを低く構えた。その動作は最近から剣を握ったようなものではない。
戸惑いを隠せないアニエスに対し、少女は腰に差していた剣を抜くと、それを低く構えた。その動作は最近から剣を握ったようなものではない。
明らかに熟練されたものだ。それに自分へ対し、敵意をむき出しにしている。頭を覆い隠しているフードから覗いている瞳は、昼に会ったときの大人しさというものを感じさせてはくれなかった。
と、少女を見つめていたアニエスに対し、少女は一気に距離を詰めて斬りかかった。アニエスはうっ、と唸りながらも何とか体を逸らして避け、距離をとる。
冷や汗が全身から浮かび上がり、悪寒が這いまわる。震えが止まらない。まるで、歴戦の戦士を前にしているような感覚だ。
「どういうつもりだ!」
「うるさいっ!」
少女が叫ぶ。その声を聴くたび、何か自分の心がえぐられるような気分になった。アニエスは少女の剣を受け止めるが、腹に蹴りを受けて吹き飛ばされる。
『おい相棒、どうした。動きが悪いぞ』
「……」
デルフの激にもアニエスは反応を示さない。蹴られた部分を抑えながら、ただ汗を掻き、少女を見据えているだけだ。少女は瞳を憎しみで満たし、アニエスを見つめている。
その瞳で見つめられるだけで、背筋が凍り、そしてそのまま引き裂かれてしまうような気分になりそうだ。しかし、アニエスはそんな気分に耐えながら、再度問いかけた。
「どうして、私を襲う?」
「忘れたとは言わせない……」
その少女は剣を高く構え、切っ先をアニエスに向けると、怒りを露わにした声色で叫んだ。
「十三年前! お前に私の父は殺されたんだ!」
「じゅ、十三年前だと……?」
「そうだ! 父はお前のその手によって殺され、その上何度も何度も突き刺された! その時、お前は笑っていたそうじゃないか!お前は、お前は私の敵だ!」
アニエスには反論できなかった。十三年前、そうその時はちょうど初めて戦場に出た頃だったはずである。そして、多くの人を戦場で殺めた。
その時の記憶は、必死だったせいかあやふやになっているが、初めて殺した人間は鮮明に覚えている。そして、その時の殺し方は確かに少女の言う通りだった。
少女がどこでそれを知ったのか、それはわからないもののそれが少女の言う父親だったのだろうか。こういう時が来るとわかっていたが、自分に憎しみを向けられるとこんなにも辛いのだろうか。
だが、それ以上に何かがアニエスには引っかかった。まるで、自分の言葉でその憎しみを向けられているような、そんな不気味な感覚だ。
彼女を斬ることはできない。しかし、ここで死ぬわけにはいかない。どうにかして彼女を無力化するしかないだろう。
そう考えている最中にも少女の攻撃は収まることを知らない。アニエスは何とか避け続けるが、動きに精彩を欠き、耳に柄頭による一撃を受けた。
平衡感覚を失い、アニエスはふらりとよろけながらも、次の一撃をなんとか受け止めた。そして捌き、少女から距離を離す。少女は怒りに身を任せ、叫び散らす。
「消えてしまえ! 沢山の人間を不幸にさせながら、自分だけはのうのうと呑気に生きやがって! この卑怯者!」
心臓の鼓動が早まる。その音がはっきりとアニエスに聞こえてきて、全身もまるで灼熱の下にいるかのように熱くなってきた。
アニエスそっくりのその少女の声は怒りに満たされているようで、どこか悪意を感じられる。少女は剣を振り上げ、それをアニエスがデルフで受ける。
しかし、まるで手の内や力の入れ方、癖をすべてわかっているかのように、簡単にデルフをはじかれた。何とか吹き飛ばされずに済んだが、アニエスは無防備になってしまう。
その体めがけて少女は剣を突いてきた。それを何とかアニエスは腕を盾にして防いだ。
「この快楽を得るためだけに人を殺す鬼め!」
ぐちゃぐちゃと心が混濁し始める。それと連動するように意識も混濁してきた。はっきりと声が聞こえなくなる。
少女の顔は、怒りで歪みきっている。まるでその顔は自分の顔にそっくりだった。アニエスは少女の攻撃を避けながらそう感じる。
「もらった!」
アニエスはぞくっと体をこわばらせた。無我夢中で剣を振り払おうとする。だがその前に彼女の頬を少女の剣の切っ先が引っかかり、そのまま切り裂いた。
それにも構わず、アニエスは強引に剣を振りぬいた。少女の小さな体をデルフの樋がぶつかり、そして吹き飛ばされた。
しまった、とアニエスは我に返って少女に近づこうとした。だがその前に、三度も地面にたたきつけられたのにもかかわらず、少女は震える体を素早く起こし、そして逃げ去って行った。
アニエスはその体に手を伸ばそうとしたが、もう遅かった。少女は屋根から飛び降り、姿をくらましてしまっている。それを確認してアニエスは地面に座り込んだ。
酒が入っているせいか、豪く頭がくらくらして朦朧としていた。だが、そんな意識の中でも、はっきりとわかることがあった。
笑っていた。少女は悍ましい笑顔でアニエスを見つめていた。だが、その顔がまるで夢の中の自分のような気がして、彼女は震えた。
まるで自分の体を温めるかのように、自分の両肩を抱くと、ぶるぶると震えだした。そして荒い息遣いでつぶやく。
「何だったんだ……」
『さあな……。だけど、あの感触は一体なんだったんだ? ううん』
「どうした、デルフ?」
『明らかに魔法を纏ってた……? いやしかしなぁ、あんなの俺っちもなぁ……』
「……やれやれ」
アニエスは頬の傷に手を当てながら呟いた。そして、手に付いた自分の血を眺めてみると、思いのほか傷は深いようだった。
彼女は先ほどの少女の不可解な行動に疑問を感じていた。なぜ彼女は自分にあれほどの憎しみを抱きつつも、あんなにあっさりと去っていたのだろうか。
もし、自分であれば仕留めるまで戦い続けるだろう。劣勢と見て逃げ去ったのか、ともかくアンダルシアに話を聞く必要があるかもしれない。
とは言ったものの、酔いのせいで頭が上手く働かない上に居場所がわからない。とりあえず明日に回したほうがよさそうだと思い直し、宿へと戻って行った。
「卑怯者、か」
そう呼ばれることはわかっている。だが、彼女の心の中には少女の言葉がいつまでも、いつまでも残ることになった。
自室にエレオノールを運び入れ、ひとまずベッドに寝かしていたマチルダだったが、ベッドで幸せそうに眠りこけているエレオノールは一向に起きそうもない。
全く、世話の焼けるやつだと呆れつつマチルダは彼女の頬をぺちぺちと叩き始めた。不健康な生活をしているという割には肌はすべすべしていた。
何度か叩いていると、エレオノールはううんと唸りつつ、ゆらりと体を起こした。しかし寝ぼけているのか、いつも以上に呆けた目つきで辺りを見渡している。
「……ここどこ?」
「あたしの今の住まい」
「……あんた誰よ! っていったぁ!」
全く何の冗談だか、とマチルダはエレオノールの頭を思い切り引っ叩いた。エレオノールは頭を押さえながら悶えている。
そして、きっと睨みつけてきたが、先ほどの一撃で意識がはっきりしたのだろう。目の前にいるのがロングビル、つまりマチルダだと分かった瞬間ひきつった笑みを浮かべていた。
「あ、あはは、ごめんあそばせロングビル」
「ったく。あんたの呑気っぷりには賛辞を送りたいね」
「って、アニエスは?!」
と、エレオノールは今更ながらアニエスがいないことに気が付き、慌てた様子で辺りを見渡した。マチルダは更に呆れたようにため息をつきながら彼女に説明した。
「先に帰ってもらったよ。あんたに話があるから、残してもらったのさ」
「話……?」
訝しげにマチルダを見つめるエレオノールだったが、普段の飄々とした彼女とは違ったので、眼鏡の位置を直しながら気を改めて聞き耳を立てていた。
マチルダは箪笥の中をごそごそと探ると、そこから一つのペンダントを取り出した。妖しく赤い光を放つそれは、まぎれもなくエレオノールが無くしたと思っていたペンダントだった。
何故それを彼女が持っているんだろう、とエレオノールが戸惑い気味に差し出されたそれを受け取っていると、マチルダはこうべを垂れて、深々と謝罪した。
「申し訳ございませんでした」
「……どういうことか、説明してくれるんでしょうね?」
そのマチルダの態度に少しは察したのか、流石のエレオノールも怒りを隠せない様子で、少し低い声でマチルダに問いかけた。マチルダは頭を下げたまま、自分の正体について説明した。
ルイズを攫ったことも、全て真実を話した。エレオノールはショックを隠し切れない表情を浮かべていたが、ふぅっと立ち上がると、マチルダの顔を包み込むように触った。
マチルダはビクッと体を震わせた。だがエレオノールはにこっと笑みを浮かべている。その意図がわからず、マチルダは呆然としたままだったが、突然破裂音が聞こえきた。
何が起こったかわからなかったが、頬がジンジンと熱くなり痛み出している。目の前のエレオノールが腕を振りぬいているところを見ると、どうやら引っ叩かれたようだ。
エレオノールはどかっとベッドに座りなおすと、ごほんと咳き込んで気を取り直した。彼女はペンダントを見つめながら言う。
「……まさかあんたが土くれのフーケとはねぇ。本当に意外だわ」
「すまない」
「まあ今のは私のペンダントとルイズの分よ。ルイズも無事だったから、そこはもうとやかく言わないことにするわ。それで? なんで泥棒稼業なんてやってるのよ」
「……そりゃあ」
「悪いけど、ここまで来て隠し事なんてしないでくれるかしら? 私には貴女から聞く権利があるはず。妹が痛い目にあってるんだからね。
まあ半分ぐらいは、自業自得みたいなもんだろうけど。もし話してくれないのであれば……私はトリステインの貴族としての役目を果たすわ」
「衛士にでも引き渡すっていうのかい?」
「国へ引き渡すわ。それだけの事は、あんたはしたんだもの。その覚悟はあるんでしょう?」
エレオノールの感情を押し殺した冷たい一言にマチルダは下唇をかみしめる。そして、静かに頷きながらも、口を開こうとした。
と、そんな彼女をエレオノールが制止して、予備のタクト型の杖を腰から取り出した。普段使っているあの槍型は持ち運びが不便だ。何時も、こうして予備を持ち歩いているのである。
その杖で彼女は部屋にサイレントの魔法をかけた。これも彼女なりの気遣いなのだろう。マチルダはそれに感謝してふっと小さな笑みを浮かべつつ、口を開いた。
「……私の本当の名は、マチルダ・オブ・サウスゴータ」
「サウスゴータ……。確か、アルビオンの貴族で、4年前だったか、郎党一族が逆賊として処刑されたと聞いたけど、その生き残りがいたなんて……」
「まあ、色々とあってね……。貴族としての地位をはく奪された私たちは、ウェストウッドの村に隠れ住むようになった」
「私たち、っていうのは貴女と貴女が言う『妹』さん?」
エレオノールの問いに、マチルダは静かに頷いた。
「ああ、そうさね。……とある事情で、その妹は外に出られないんだ。それでも、誰かが食い扶持は稼がなきゃいけない。
それに、私は自分の保身のために裏切った貴族たちを恨んだ! だから、盗賊として稼ぐことにしたんだ。あいつらに復讐してやるってね。
土くれ……。それなりに、魔法の才能はあったからね。惰性を貪っている愚かな貴族たちをこの手で駆けまわしてやりたかったんだ。ふふっ一石二鳥ってやつさね。
でも……あんたの話を聞いて思ったよ。それでいいのかって」
「……」
「ルイズを攫っちまった時も、すごく後悔したよ。なんでこんなことをしてしまってるんだってね。ただの貴族の娘だってのに、なんで気持ちになるんだろうってその時は思ったさ。
……ようやくわかったんだ。あんたとルイズに、私とテファを見出していたんだよ。平和に暮らせている二人をね。
全然違うのに、なんでか不思議と被っちまう。そう思ったとき、無性にテファに会いたくなった。もう、離れたくないと思ったのさ。
あの子と一緒に、普通の生活がしたかったんだよ。あんたになら、わかってくれるだろう? 私の気持ちが」
「……」
「私の人生は、私だけのもんじゃない。テファに見守られながら、私は生きてこられたんだ。今日まで、あの子が帰る場所を守ってくれたから……」
「そりゃそうよ。自分ひとりだけで生きていられると思える人がいるなら、それはとんだ思い違いってもんよ」
「ああ、そのとおりさね。そんな当たり前のこと、私はわかってなかったんだ。私は……故郷に帰りたい。テファの許に居たいんだ!」
「ねぇ……」
ふと、エレオノールは一つの疑問に行きついた。そして、それをマチルダにぶつけようと口を開く。マチルダも語り続けていた口を閉ざし、彼女の言葉を待った。
「何で、そんなことを私に教えてくれるわけ? 私たち、付き合ってまだ一年ぐらいなのよ? ……そのこと、ルイズにも話してないんでしょう?」
「……まあ、本名ぐらいは話したかしらね。なんでって言われると……そうだね、さっきも言った通り、あんたは私なんだよ。
意地っ張りで素直じゃなくて、不器用で可愛げがなくて……」
「ぐむっ……」
「そうしかめっ面しないでよ。あんたのそういうところ、気に入ってるんだから。……それに、大人は子供に弱気なところを見せちゃいけないのよ」
「私にだったら、それが許される?」
「一応年上だからねっ!」
と、軽口を吐いていると、エレオノールの拳骨がマチルダの頭を襲いかかってきて、彼女は頭を押さえながら悶えた。それでもちゃんと硬い部分を狙っているのは、
エレオノールなりの優しさなのかもしれない。エレオノールは拳をぶらぶらとしながら涙目になっているが、それとは対照的に笑みを浮かべていた。
「年上にはね、もっと素直に頼るべきよ。もっとこう、むしろ私を頼りなさい」
「……ったく、子供っぽいのは姉妹そろって変わらないね」
「何か言った?」
「いいや、何も」
「……それで? あんたのことだから、これだけじゃないんでしょう? 私に頼みたいことがあるんじゃないの?」
「頼みたいこと、か……。まずは提案なんだけどさ。アルビオンに行くこと、アニエスから聞いたよ。その旅にあんたもついていくんだろ?」
「ええ、そのつもりだけど……」
「その役目、私に任せてくれない?」
マチルダの言葉にエレオノールは驚きながらも、疑問を浮かべたように首をかしげた。
「どういうこと?」
「さっきも言ったよね、私の人生は私だけのものじゃない。あんたの人生もそうだ。……バーガンディ伯のところへ、さっさと帰るべきだよ、あんたは」
更に紡がれたマチルダの言葉は意外なものだったが、エレオノールにとってもそうするべきだと思っている。しかし、妹たちの事も心配で、彼女について行かなければとも思っている。
その葛藤の中で彼女は悩んでいた。しかしそれをマチルダは後押ししようとする。
「あの子たちのことなら、私に任してほしい。単なるコソ泥の私に任せるのは正直信用できないことだって言うのは重々わかっている。
でも友人として言わせてほしい。あんたは帰りなさい。帰ったほうが、あんたの幸せになる」
「……それで? あんたは幸せになれるの?」
「少なくとも、私はアルビオンに戻ることができる。無事にあの子たちをトリステインへ送り返せたら、私は故郷に戻ることにするさ。むしろ、私の要求はそこなんだよ。
アルビオンへ帰れる当てが欲しい。このままじゃ、いつまでたってもあの子の許へ帰れないからね」
「……そう。貴女がそれでいいというのならば」
「ありがとう、エレオノール……」
「……あのさ」
「何よ」
感謝の言葉を投げかけるマチルダに対し、エレオノールは小恥ずかしそうにつぶやいた。いつか、アニエスに言われたことだったが、それは自分の言葉として言った。
「……アルビオンに居づらいんだったら、いつでも私の家へ来なさいよ。どういう事情で出れないかはわからないけれど……。あんたと妹さん、それに孤児院の子供たちも連れてこれるなら。
皆私が養ってあげるわよ。今はお金がないけれど、まあ今後は少しずつためていくつもりだし。うちの領地の孤児院で世話だってできるわよ、きっと」
「……ははっ、そりゃあ楽でいいね。……そうさね、あんたが結婚するときは……『家族』総出で祝ってやるさ」
「ふふっ期待してるわ。……あんたが泥棒であっても、どんな過去を背負っていたとしても」
「ん?」
「……ずっと、友達よ」
「……ああ、私たちはずっと友達さ」
以上となります。前話ではご感想ありがとうございました。
もっと読者に伝わりやすい、わかりやすい作品を作りたいです。らしさっていうのも、今更かもしれないのですが。
何だかんだで辛くても楽しいアニエス達の人生を描ければいいかな、と思います。
銃士は大体中盤を過ぎました。しかし、まだまだ終わりまでの道のりは長い…。
乙でした
しっかし剣士、趣味わりい……
もしハルケギニアが未来の地球だったら!?
東へ向かった才人が見た物は………。
破壊されたヘルシンキ大聖堂、
廃墟と化したモスクワのクレムリンだった。
才人「この星は未来の地球だったんだ……」
号泣し泣き叫ぶ才人。
尚、月は天変地異で二つに分裂して地球にさらに接近していた。
世界扉の影響でハルケで起こった事象が現代地球とリンクしてたら
ある建物が破損されたら地球の高層ビルが突如崩壊するとか
>>317 じゃあお母さんに缶詰買い占めてもらったり、ホテルの部屋にナイフ隠してもらったりできそうだな。
もしハルケギニアが過去の地球だったら
地球に帰った才人が見たある日のニュース
それはとある遺跡の発掘現場、その形を見て才人は愕然とする
「魔法学院だ……」
そして、冥王星探査機報告で、冥王星はかつては太陽系のもっと内側にあった可能性が示唆される。
もしエルフが単体では何もできないので
他のメイジに寄生して支配下に置き、進化する微生物だったら
でっていう
病原菌扱いされそうだな
もしオーク鬼が見た目はそのままだけどそんなエルフを食べる愛玩動物だったら
魔法学園がガリアの北花壇のような暗部組織だったら
先王が没してからマザリーニの直属のような形になっている。
ルイズ=落ちこぼれの皮を被った爆破工作員
機転は利かないが爆発物の知識は豊富で爆発物の製作は得意
マリコルヌ=匂いによる情報霍乱を得意とする
フーケ=潜入技術の指導員として就職
ギーシュ=ヘタレで魔法も弱い事から相手が警戒感を抱かないと潜入調査を専門に行う
だと、アルビオン潜入は事前に受けたマザリーニの指示による物になりそう
ルイズに友情を感じているアンアンに「そうではないのです」と葛藤を抱くルイズになったかもしれない
暗部組織w
その言い方がまた程よい厨二心をくすぐるな
>>323 普通に魔法が使えず失敗魔法で爆破事件を繰り返す糞落ちこぼれから、
その糞忌々しい失敗魔法なんかに国内屈指の名門貴族生まれの自分の可能性を見出された上、
実際にそっちの才能があって今や立派な爆破工作の糞スペシャリストに糞クラスアップ!
とくれば、これはもう擦れまくりでアンアンの公私混同しまくりの糞みたいなお願いに対しても、
事前にマザリーニに指示されてたり、そもそも暗部組織だから周りにバレないよう以前のような調子で
合わるだけ合わせて内心は冷めまくりの馬鹿にしまくりだったりとかもあるかも
なんかもう書く人次第でどんな風にも出来そうな気がしてきた
「失敗魔法でも貴族として国の役に立てるんだ!」ってことでそのままとか、
それが精神的な安定に繋がってむしろ以前よりも丸くなったりとか、
しかし人を殺すことや無関係の人を巻き込むかもしれないことへの葛藤とか、
あと爆破工作で変な性癖に目覚めて、それを鎮める為に適当な男を喰っちまうなんてのもイケるよね!
もちろん食後は爆破処理、そして鎮まるまでループという板違いルート!
もし才人がクールでドライなキャラだったら
基本他人がどんなにピンチになっても知らん顔
主人を舐め腐った態度に怒ったルイズが暴力を使ったら
常備していた痴漢スプレーで撃退して才人逃亡
ルイズは才人への憎しみで虚無の才能を開花
それはクールではなく人で無しというんだ
普通なら突然訳解らん所に呼ばた上いきなり奴隷になれって言われたら
そいつの事情がどうだろうと知った事じゃないでしょ
確かにそいつの事情なんざ知ったこっちゃないけどさ、自分の状況は考えるざるを得ないんすよ・・・
1.呼ばれたのは、右も左も分からない異世界か、シャマランのヴィレッジみたいな所らしい
2.不本意ながら頼れるのは自分を召喚したパンクなヘアカラーのご主人さまだけ、よく見るとチラホラそんな頭の人が居る
3.つーかよく見るとドラゴンとかいるしwwww革命軍はどうしたwwwwトイレに籠ってろwwww
4.そのご主人さまと言えば、ヒステリックな上、どうやら自分が召喚された事にご不満の様子
5.帰る方法は無い、選択肢は契約するのみ、いいえの無限ループすら無し!
とくれば、クールでドライな奴なら少なくとも当分の間は当たり障りのないよう適当にやると思うけどな。
そして更に下記が加わるとなれば、それこそ慎重を期する、期さざるを得ないんじゃないかな。
6.自分も含まれる平民の命は、現代とは比べものにならないくらい軽いらしい。プロ市民ー!はやくきてくれー!
7.貴族は平民が相手なら全裸でも恥ずかしくないらしい、パンツじゃないどころじゃねえ! けど生殺しだろ!と思ったけどロリコンじゃなかったからセーフ!
8.しかし、パイオツカイデーでフェロモンむんむんなチャンネーのお誘いに乗るとスゲー怒る!! ふしぎ!!
それにクールでドライな奴なら、少なくともわざわざ怒らせるような態度を取ったり
痴漢スプレーなる変態御用達なネーミングのアイテムを持っていたり
唯一頼れるかもしれない相手を怒らせた上に被害を与えて逃亡するだなんて最悪手は打たないんじゃね?
ルイズとイザベラを入れ替えてみる
ルイズ(ガリア王女・青髪)←→イザベラ(ヴァリエール家三女・ピンクブロンド)
ルイズ 努力だけどタバサにはどうしても及ばず無能王の娘ってことで周囲から嫌われる
恋心を抱いていた忠君カステラが実はシャルル派で自分を軽蔑してたことにショックを受ける
イザベラ 根性曲がりで家柄を傘に来て威張る 平民をいじめる 気に入らない連中を復讐リストに載せている
まんまとワルドに騙されてレコンキスタ行き 結果ジョゼフにとっつかまる
イザベラって外伝だとあれだけど頭がいいからどうだろうな
イザベラは政治家としては優秀だからね
ラグドリアン湖の園遊会で偶然頭をぶつけて、イザベラとルイズの中身だけが入れ代わるifはどう?
偽イザベラ(中身ルイズ)
まがりなりにも魔法が使えることを喜ぶ。シャルロットに対するコンプレックスはないのでイジメはせず、
代わりに国外に逃がそうとするが政治的センスもないのであっさり失敗。共に軟禁されてしまう。
ジョゼフの不幸も理解できる分強く出れず、唯一できることとして、従妹達を守れる力を身につけようと魔法を努力。
偽ルイズ(中身イザベラ)
他人にバレたらアカデミーに解剖されるとかなんとかうまくルイズを言いくるめ、自身の地位を押し付け、まんまと陰欝な王宮から逃れる。
代わりに魔法がゼロになるが、いっそせいせいしたと言い放ち、また爆発の威力を冷静に評価。
しかし公爵家の人々のあたたかさに触れ、次第に良心チクチク。最後はちい姉様にあっさり見抜かれ、優しく説得されて事情を告白する。
それから公爵家の力やなんやを駆使して、なんとか再会する偽ルイズと偽イザベラ。
そこで偽ルイズはラインメイジにまでなった偽イザベラに衝撃を受け、偽イザベラは大人達と対等に渡り合う偽ルイズの姿に驚くのだった……みたいな
パーティーなどでジョゼフとルイズが自分たちの魔法について話し合う。
年の差カップル誕生。
ここで分岐して「きれいなジョゼフとルイズ」、「邪悪なジョゼフとルイズ」
ルイズってジョゼフと結婚出来るのかな?伝統的な意味で。
ここ最近日本で頻繁に起きている失踪事件
その被害者は消えた場所もバラバラで
プロフィールのどの項目をとっても共通点は見い出せず
だが彼らが消えた日は
ゼロの使い魔というPCゲームソフトを買ったその日と符合していた
最期が分からない偉人とか召喚されてたりね
アルビオン軍兵士の中に長らく消息を絶ってたサイトの友人がいたりね
ルイズは実は生き別れた才人の双子の兄妹
お兄ぃちゅわぁ〜〜〜ん
>337
怪しい缶詰の中身がラブクラフトの脳味噌なのか。
性格に変更が無くカトレアが貧乳で、エレオノールが巨乳だったら
エレオノールは結婚できない理由を仕事に持って行くのかもしれない。
巨乳のエレ姉なんてただの残念なおばはんじゃないか
いいえ、ご褒美です。
【全裸で正座して】
ゼロ魔キャラの年齢を一律10歳+した状態からスタートし直したら
合わせて魔法学院も魔法訓練校に変えて魔法が使えない
或いは使えながらも阿漕な手段に手を染めた貴族の吹き溜まりにしたら
ルイズもゼロと呼ばれても他と比べたらまだマシとDQN具合はひどくはなるまい、大人だし
魔法学院の教育方針がその魔法で何が出来るか考えさせる物だったら
ルイズ=マリコルヌに狙いの付かない爆発魔法なんて無差別テロぐらいしか使い道がないと言われ、錬金でマリコルヌ爆破後に凹む。
爆破魔、無差別爆撃、敵味方の生存者の意味でゼロ等の二つ名で呼ばれる。
ルイズ「錬金で手の届く範囲なら、ちゃんと狙いは付くのよ・・・」
タバサ「それ以外は?」
ルイズ「うっ」
TSもので考えてみたんだがタバサって名前の男性形ってどういうのが適当なのかね?
ルイズとかキュルケは思いつくんだが……
・・・レックスとか?
人形の名前でタバサ。
ということは、人形の男の名前にすれば良いんだ。
チャッキー。
>>349 タバサはそのままでも問題ないんじゃないの?
>>351 本人が大食いだし、くいだおれ太郎ってのも有りだよね!
でもタバサって女性名なんだよね
そもそも男の子だったらお人形なんか持ってないということも・・・
綾波ルリか星野レイでいいだろ
奥様は魔女からアダムでいいんじゃない?
競走馬の「牡」にタバルナってのが実在してるな。
男の子の人形って言ったらマイキーが最初に思い浮かぶよね俺らって
ドン・ガバチョとか、そういうの?
【確かに男の子が好きだが】
>>354 ということはロボットとかはたらくくるまや電車かな?
別に名前を付けたりしないしなあ……
そういうのにはもともと名前がついてるだろ
コンボイとかトーマスとか
ショタでコンボイは泣ける
もし、元素の兄弟がリアル元素の数だけいたら…
こいつらだけで大長編ができる
もしヴァリエール三姉妹+カリンちゃんが四つ子で
ガリア王室三人娘が三つ子で、シエスタが双子だったら
もしも、水精霊騎士隊が覗いた女子風呂に入ってたのが銃士隊だったら
メイジは必ずフタナリだったら。
って考えたが、平民から見れば別種族による支配だな
股間の杖がメイジの証な訳か
>>368 誰が上手い事言えと
メイジが魔法一辺倒にならずに自身の超感覚も活かし戦士としても優れていたら
平民は更に涙目だな。
黄色と黒はメイジの徴(しるし)。
24時間戦えますか?
>>368 「杖にかけて!」
いったいナニをかけるんだ。
>>371 ナニと言えばナニに決まってるじゃないか
いいよ!来いよ!杖にかけて杖に!
「杖にかけて!」というよりは「杖“が”かける」
おう!涅槃メイジやめろや!
決闘でのルールで杖を「落としたら」負けとか。
杖を「磨く」とか。
杖を「隠し持つ」とか。
比喩っておもしろい。
隠し持つ→男の娘
ということか
いい加減男の娘になんて需要ないんだってことに気づけよウゼえな
突然ファビョるなよきもちわるい
虚無と銃士のアニエスは強いし優しいし、良妻賢母になれる気がする
いやもう半分母親か、親バカな点も合わせてかわいいな
と、小学生のころ女先生に間違えてお母さんと言ってしまったことのあるおれが言ってみたりする
もしもルイズに召喚されたときにサイトが脱走し、行き倒れているところをアニエスに拾われたら
ルイズと違って平民で年上ならサイトも素直に従うと思うんだ
アニエス「お前、なかなか剣が立つようだな。見習いとしてうちに置いてもいいぞ」
サイト「ほ、ほんとうですか!?助かったあ」
ミシェル「隊長、男なんかを入れるつもりですか!?私は反対です」
アニエス「一人くらいならよかろう。それに、男といっても尻の青いガキだ」
ミシェル「隊長がそこまで言われるなら……だが、足手まといはごめんだ。これからビシビシ鍛えてやるぞ」
サイト「はい!よろしくお願いします。アニエスさん、ミシェルさん」
これは、後年トリステイン最強の騎士団とうたわれた銃士隊。
そのなかでただ一人の男性隊員として 戦った少年の血と汗と涙と友情と、そしてひとつの愛の物語である。
サイト、ルイズから逃亡→○○に拾われる。
このパターンでいろいろ考えてみようかな。
定番はスカロンに拾われて魅惑の妖精亭で働きながら色んな事件を解決
長七郎江戸日記とかそんな感じの時代劇風味
某黄金伝説の如く完全自給自足で動物と生きる野性児と化す
もしくは貴族への怒りを野望に変えてキュルケをパトロンに社交界デビュー
ルイズから逃亡→教皇が気付く→ジュリオに拾われる(つーか消される)
仮に逃亡した場合、どうなるんだろう?
捜索隊でも作るのか、ルイズが一人で探すのか、実家から捜索を手伝いに誰かくるのか
>>385 自給自足サバイバルは興味あるけど、知識的にも話のネタ的にも書くのが大変そうだな
ジュリオに消されかけるが命の執着で心が最大限に振るえ返り討ちにする。
ジュリオを殺っちまった事で茫然自失、茫然自失の間もなくロマリアの刺客との戦い、逃れる日々を送る。
ついに限界が来た所で、活性化しているロマリア暗殺部署の中心に興味を持って観察していたジョゼフに拾われ北花壇に入団とか。
ジュリオが油断していたり、最大限の震えを発揮したことで返り討ちに出来たとしても、
その後のジュリオを殺したレベルの奴に送られてくる刺客を相手に逃亡生活とか無理じゃね?
逃亡したサイトには何の後ろ盾も無いんだから、ろくに休めないで消耗するばかりだろうしさ。
つーかさ、教皇的には消すよりも保護して味方にしちゃった方が良くね?
モット「路頭に迷ったのか。ふむ、なら私の屋敷でメイドとして働かんかね」
サイト「え?」
待て、逃げても何とかなるような戦闘力があるって事は、契約した後か。
まあ、そうでもなきゃコルベール他から逃げ出せないとも言う。
なんかサイトさんから凄く邪鬼眼臭が漂ってきそうな展開になりそう。>契約直後逃亡ルート
ルイズにガチで憎まれるサイトは見てみたいかも
ルイズ「あんたさえ、あんたさえ逃げなきゃ私の人生に光が来ると思ったのに!」
サイト「こっちはいきなり変な所に呼ばれてこんなタトゥーもどき入れられたんだ
お前の人生なんか知るか!」
つ理想郷のトリ革。
カリンちゃん外伝見てたらヴァリエール、グラモン、グランドプレの3家が
家族ぐるみのお付き合いをしていたら?という今なら有りそうなネタを振ってみる。
とりあえずルイズ、ギーシュ、マルコリヌは学院の落ちこぼれトリオとか呼ばれてそう‥‥
魔法の成功確率0、ファッションセンス0、自己管理能力0(しょっちゅう風邪を引いている)のゼロトリオとかw
>>392 さすがにそんな余裕は無いと思う
武器はどうする?安価な部類のデルフでさえ平民の生活費一年分に近いからなあ。
ルイズに何かあるとすぐにすっ飛んでくる兄バカなギーシュとマリコルヌってなかったっけ
過去スレですこし話に出たやつかな?
ゼロの歌でバカにした才人にキレて決闘をふっかけるものの、
後に使い魔をいじめたとルイズに嫌い言われて涙目のギーシュとか
気安く部屋に押しかけてはわざと生着替えを目撃して、
失敗魔法に空高く吹き飛ばされたがるマリコルヌとか……
恋愛感情はなくてそれぞれちゃんと好きな女の子はいるんだけど、
妹は別枠な感じでつい構ってしまうバカ兄ふたりだとなおいい感じ
カリンさまによる一妻多夫制か
虚無の使い手がみな厨二病を患っていたら
サイト逃亡→タルブ村へ流れ着く→『日本語』か何かの縁で シエスタ父あたりに保護される
って展開なら 何とか生きていけるかも?
ランジェリー職人のおやっさんに拾われてその天才的な才能を開花させる
その珠玉の作品の一部はヴァリエール家のお嬢様にも愛用されているとかなんとか
>>400 だれも実の兄妹とは言ってな(
でも、ふと思った
その烈風の子供達にちゃんと実力が遺伝すればトリステインのこの上ない国力強化になるなw
「チートを!我が国にチートを!!」と叫ぶマリアンヌさんに
『女』をあてがわれて赤面+涙目になるカリンちゃん、なんてね
もしゼロの使い魔の使い魔がロボットだったら
ルイズの乗機は白兵戦無双なガンダールヴ。遠距離の敵にも爆発をお見舞いするよ。
タバサのは避けて当てる高速飛行可能なシルフィード。
キュルケは火力命で移動砲台な漢機体サラマンダー。
ギーシュは地中を移動可能なヴェルダンテ。敵の攻撃がたまにワルキューレに当たったりする分身もち。
って言うスーパーハルケギニア大戦を幻視した
>>405 ギーシュだけモゲラで脳内再生されたwww
ゲッター2をイメージして書いたのにorz
>>405 ルイズ、メカキングギドラ
タバサ、ガルーダ
キュルケ、メカゴジラ
モンモランシー、スターファルコン
ギーシュ、ランドモゲラー
名付けてゼロのGフォース
>>405 敵の攻撃を無効化するディスペルフィールド
かく乱用のダミーイリュージョン
文字通りテレポート
マジエクスプロージョンがMAP兵器
ルイズの機体にゃ後々こんな兵装がついて、これなんてガンダーム?
ディスペル→一定のダメージを軽減するバリア
イリュージョン→分身
テレポート→移動方法がテレポート
これって冥王様じゃねと思ったけどアレは更にEN回復もついてるんだよな恐ろしい
ディスペルってダメージ軽減に加えてバリア無効も出来る?
EN回復は平賀才人こと嫉妬誘発システムを使えばいいw
魔法学院の生徒は進級前に一ヶ月間猶予を与えられて
その間にハルケ中を旅し自分の使い魔をゲットして来るのがルールだったら
尚、その途上で行方不明の生徒が出ても学院側に責任は問えないものとす
慣れないサバイバルに苦労するルイズ
しかしフラフラの所を魅惑の妖精亭に拾われながら生き延び、最終的には伝説の使い魔を捕まえて学院に傷塗れで戻って来る
>>412 それならサモンゲートが「使い魔を召喚する」のではなくて
「メイジを使い魔(候補)のいる土地に送る」ものだったら、というのはどう?
使い魔との契約を済ませないと帰還魔法が使えないルールで
火竜山脈でサバイバルしつつ実力でフレイムを従えるキュルケ
どっかの秘境で風韻竜達に事情を説明、深く同情され協力を取りつけるタバサ
そして秋葉原でヲタ達に追いかけられているところを才人に拾われるルイズ
ジョゼフ即位の理由がロバ・アル・カリイエまで旅をして使い魔をゲットした事になる。
これだとシャルルは劣等感で発狂しそうだが、ジョゼフ即位に誰も文句が言えない。
そこをクリアするなら、他人にはゲートで送られた場所が分からないようにすれば良いんじゃないかな。
ジョゼフが「サモンゲートでロバ・アル・カリイエに送られて使い魔(きれいなオネーチャン)をゲットしてきました!」
なんて言っても周りの反応はネガティブなものしか無いだろうし、即位して文句を言う奴も大勢いるはず。
でも、そうなるとジョゼフに限らず証拠を持ちかえる習慣が出来るからダメか。
ナンパで磨いたギーシュの話術が冴えるな
おそらく最初に捕まえてくる生徒は奴かも知れん
使い魔は基本人間で契約は体の良い恋人探しの口実という認識だったら
そんな設定のエロゲー、どっかにありそうだけど?
キュルケの場合使い魔になりたがる連中がたくさん押しかけてくるな
既に使い魔を持ってる上級生がキュルケの使い魔になりたがったりとか
もし使い魔を持てば維持するのに個々にノルマが課せられたら
少ないほど魔法のパワーにムラが出てくる
きゅるきゅるの場合だと牛肉1000枚/月 とか
魔法のパワーってどういうこと?
精力のこと
///
424 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/13(土) 20:13:23 ID:JrF+envC
もし今まで魔力だと思っていたものが気だったら?
ルイズが沢田研二を歌いながら登場する
使い魔との契約に魔法を使わずに単独で力尽くで従わせる経過が必要だったら
強力な幻獣、魔獣の類を使い魔にしているのは、魔術師としてだけではなく戦士としても優れている証明になるとか。
その場合ギーシュがヴェルダンテを殴れるわけがない
殴り合いで育まれる絆だな
そしてメガフレアくらって死亡するんですね
>>427 がっぷり四つに組んでる一人と一匹を想像した
やっぱ土属性は相撲(相撲は土属性)だよね
アフガンの相撲戦士達は風属性だぜ
アフガン航空相撲か。8年経つんだな、懐かしい
もしルイズが自分の顔をとんでもなく醜いと思い込んでいて常時仮面で顔を隠していたら
装着時は通常の3倍でツンだが、仮面を奪われるととたんに弱々になる二重人格ルイズ
そんなやつ女子に猛烈にいじめられるよ
??? 「へー、ルイズって、そんな顔してたの、鬼みたいな顔だと思っていた」
ルイズ 「殺す!!!」
または
ルイズ 「馬鹿犬、よくぞここまで突破してきた」
仮面を脱ぐルイズ
とか
ルイズ・キュルケ・タバサ・ギーシュ・マリコルヌの五人が一列に揃うと出せる必殺技が奇面フラッシュか、懐かしい。
マリコルヌ以外は全員美形やんか、マリ公すら痩せりゃ見れそうな顔してるし……
もしもトリステイン貴族はいつ如何なる状況でも冷静沈着であるべしがモットーだったら
う、うろたえない!トリステイン貴族はうろたえない!
俺がガンダールヴだ
じゃあ僕はヴィンダールヴになる!
わたしはミョズニトニルン!
海賊王に、俺はなる!
おーはらおーはら
445 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/17(水) 10:20:21 ID:ENZnuSoK
で、ではお二人の代わりに私がギーシュ様のものに
ギーシュまさかのシエスタルート
シエスタの積極性から考えて、シエスタまさかのギーシュルートてな気もする。
シエスタ「まさかのギーシュ様ラブです」
モンモン「なんだかんだ言ってギーシュがすきよ」
ケティ「わ、私だってまだ諦めてません」
キュルケ「やっぱ禿やおもろ顔より美形よね」
ルイズ「お父様がギーシュのお父様と仲が良くて許嫁なの」
姫様「わたくしも同じくお母様の縁を通じてとても仲良しなのですわ」
タバサ「はじめて口説かれた人」
テファ「森で倒れたところを助けたらお友達になってくれたの胸も変じゃないって褒めてくれたわ」
サイト「こんなIFはいやだぁ…」
マリコルヌ「なに、僕はいつだって君の友人だぜ」
そういえば先にテファに助けられたのはギーシュだっけか
もしギーシュがそのまま帰らずにテファのところに居残ってたら?
才人のギーシュルート
才人「お前といる時が一番落ち着くんだ」
ギーシュ「僕もさ、サイト・・・」
マルコメ「さすがにこんなifはないか」
キュルケ「そんなifを考える貴方の方がキモイわ」
シエスタ「いえ、これも有りです(b")」
ルイズ(案外良いかも…ハッ何を考えているの私)
ケティ「(検閲)・・・ぽっ」
モンモン(男に浮気されたら、ギーシュ貴方を生かしておく自信が無いの)
腐ってる妄想に飽き足らずキャラまで腐らせるのは本当に気持ち悪い
>>448 アニメ版な
ていうか、あれはおかしいんだ
原作だとギーシュが戦ってたのは緒戦からサウスゴータ攻略戦までだと思うが
テファの住んでたのはその外れの森で戦線から遠いんだよね
アニメ版では住んでる場所があいまいに、というか言及があまりないが
戦線に近いようなところに住んでたんだろうか
原作の竜騎士はサウスゴータに近いダータルネス上空から落ちて見つかったみたいだけど
アニメはもう黒歴史でいいよ
と言うかあれもIFと言えばIFかwww
マリコルヌがめっちゃ素早かったら
あっと言う間に持久力を使い切るので、“息切れの or 汗かきの”マリコルヌと呼ばれる。
超速スカートめくりのマリコルヌになる
>>454 早過ぎてカロリー消費が命に関わるレベルなので、四六時中食事している
食ったものが30分でうんこになって出る。
ハルケギニアに2ちゃんがあったら
貴族はそんなもの見ない(キリッ
【公爵家の】ゼロのルイズ総合 Part243【恥さらし】
1 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
公爵家令嬢にして魔法の才能ゼロなルイズタンを愛でるスレ
2 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
ゼロのルイズが平民を召喚してたんだけど
3 名前: 高貴な名無しさん@トリスタニアの王城 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
あの才能ゼロの貧乳女に使い魔とか召喚できるのwww?
そこらへんの平民連れてきたんじゃねwwwワロスwww
4 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
>>3 王女殿下なにやってんすか
5 名前: 高貴な名無しさん@トリスタニアの王城 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
おwwwうwwwwじょwwww俺王女さまじゃねーしwwww
でもアンリエッタさまって美人で清楚で素敵だよね
あのピンク頭とか比較になんねーし
6 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
うわぁ…
7 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
俺、姫さまには憧れてたんだけど…こりゃねーわ
8 名前: 高貴な名無しさん@ウィンドボナ [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
アンリエッタは俺の嫁
9 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
アルブレヒト三世閣下乙
10 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
ルイズの魔法の指導してあげたいお
後ろから抱き着いてクンカクンカしたいお
脱ぎたてニーソを首に巻いて寝たいお
11 名前: 高貴な名無しさん@魔法学院 [sage] 投稿日: 6243/4/8(エオー) ??? ID:???
>>10 マリコルヌ…
ルイズの使い魔がテファだったら
テファがルイズの使い魔になった翌日、その事がマチルダに伝わる。
テファがルイズの使い魔になって
ルイズがジョゼフの使い魔になって
ジョゼフが教皇の使い魔になって
教皇がテファの使い魔になれば完璧だな
なにその乱交パーティー
もしもテファがイザベラを召喚したら
イザベラに教育されてテファが黒く
テファに癒されて白くなりそうだが…
白黒が逆転したゼロ魔IF
白ジョゼフ&白教皇無双で終了?w
世界平和のために働くジョゼフとそれを邪魔する天才メイジシャルルか
シャルルがジョゼフに勝ってるのって魔法だけだったんじゃないの?
チェスは互角だったようだ
最近更新ないね
虚無と銃士の人が最近ご無沙汰だしなあ。
もしアニエスとミシェルが姉妹だったら?
アニエス「わたしは平民出身だと言ったな。あれは嘘だ」
アンリエッタ「じゃあ解雇」
アニエス「鼻抓み者の新教徒の出だから平民ですらない」
アンリエッタ「それならおk」
アニエス「覚悟しろ!」
リッシュモン「ま、待て! 実はお前は私の娘なのだ」
アニエス「…!?」
リッシュモン「それだけではない。実はお前の部下のミシェルも私が産ませた子なのだ」
アニエス「……嘘だっ!!」
リッシュモン「アッー!」
もしも、アニエスとミシェルが双子(二卵性双生児)で、アニエスだけ生まれてすぐ捨てられ、タングルテールで拾われたらとしたら?
そして、リッシュモンのことを調べていたアニエスが偶然自分の出生を突き止めたとしたら……
ミシェルってアニメのオリキャラだっけ?
そうだよ
小説を元にSS書いてる人でもモット伯とミシェルだけはアニメから持ってくること多いんだよなあ
あー、なんとなく思い出してきたかも・・・
復讐の為にリッシュモンの犬になってたけど、実はリッシュモンが黒幕だったんだよな。
きれいなリッシュモンときたないアニエスが見てみたい
トリステインで勃発した革命を成功させるために奔走するリッシュモン
バストレボリューションを成功させるために奔走するリシュモンだって?
モット伯もリッシュモンに協力し、バランス派のマザリーニと対立するわけか。
ルーンの影響で貧乳派に転向した才人と元から貧乳派のギーシュを交えた三つ巴の戦いがトリステインで始まると。
マリコルヌ「甘い! 甘いぞぉぉぉおぉ!! 大きさだけに囚われた貴様らに、このぼくは倒せないっ!!!」
なおミシェルもかなりの巨乳
しかも劇中生乳を見せてくれるシーンがあり、それで私は彼女に惚れた
巨乳はいいからもっと貧乳をくれ。
>>490 ぱっと思いつくヒロイン格で無いのが5人もいるんだからガマンしなさい。
メインヒロインの家なんて3/4が俎板というイチローもびっくりな数字なんだぞ。
銃士隊は厳選された程よいサイズのC〜Dカップと
厳しい訓練で垂れとは無縁の張りを維持した女性のみがなれる
タニアっ娘のあこがれNo1の役職です
>>493 二重の意味であこがれの役職になりそうですね。
訓練場には黄色い声援だ絶えなさそうなw
もしジルが存命で、弓の実力を見込まれて銃士隊にスカウトされてたら?
メンヌヴィル「こんな矢で俺を倒せると思ったか?」
ジル「悪いがその矢には爆薬が仕込んである」
炎の魔法で迎撃しようとしたところをドカーン
496 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/22(月) 21:55:26 ID:u1wyxgtk
もし召喚された才人が文武両道な奴だったらどうなるかな。
文武両道以外はそのまま?
ヴァリエール三姉妹が海の家を経営していたら
もしも、アンリエッタが男だったら
物語が根本から大きく変わりそうだな
>アンリエッタが男だったら
ルイズが婚約者になりそうな気が…
それよりも、レコスタ関係にたいする対応が思いっきり原作とは変わるだろうね
もしもジョゼフが教育パパだったら
何故か教育パパじゃなくてクッキングパパに見えてしまった…
マルトーと料理対決をするジョゼフとか誰得
悪行をやってるつもりが尽く裏目に出て結果的に善行になるジョゼフif
>>503 シャルルは半分はジョゼフが育てたようなものになるのか
ウェールズが男装美少女、アンアンが女装美少年か。
これって誰得?
アンアンが男の子だったら嫁入りないから2〜3巻の展開どうするんだろう?
男好きで有名なゲルマニア女帝アーデルハイド3世に婿入りするとかしないとかいう話になる
アーデルハイドって子供いったけ?
いるのならそこから女貰うって手もあるけど
>>505 ジョゼフが主役の勘違い物とか俺得だな。
ジョゼフとシャルルが殴り合いの喧嘩をするぐらい本音をぶつけ合っていたら
スクウェアスペルと未覚醒のデタラメ虚無魔法をぶつけ合って五分五分の勝負をしてそうだ
>>512 そういうSSもあったなぁ
問題はジョゼフが黒化しないとゼロ魔の話が崩壊するってところだね
>>508 男アンアンがルイズを亡国直前のアルビオンに行かせる理由を考えていたら
アルビオン王家の血を残すためにと元許婚のルイズをウェールズに嫁がせようとする
KYで鬼畜な王子様像が浮かんだんだがどうだろう?
アンリエッタが男だったらまさにルイ十四世だろう
ルイズは足が不自由な大人しい少女で、そのうちマザリーニの姪に毒殺されそうになる
フーケの正体が姫様だったら
テファのママンもレボリューションで国民に受け入れられた未来があってもいいはずだ
すいません、流れを止めてしまいますが、一応生存報告です。
構想自体は出来上がっているので、文章にしていくだけですが、お気長にお待ちください。
>518
テケリリマンに見えた。
>>519 生存確認!
あせってもいいものはできないので気長に待ってます。もし投下時に遭遇したら支援させていただきます。
>>515 巨貧(乳)論で争った親友を助ける為、最良と思われるルイズを大使にするアン王子か。
ウェールズは姪(テファ)が躍進できる下地を作るため散る覚悟を固めていた。
ワルド女子爵がレコン=キスタに降るのはクロムウェルがおかしな属性を持たなかった為。
姪になるのはウェールズではなく、ジェームズだ。ウェールズだとテファは従妹になる
>>518 レボリューションを望む(巨乳派の)平民と、望まない(貧乳派の)貴族とな
とりあえずシエスタは雇われないだろうし、キュルケも肩身が狭いな
アンアンが男だからウェールズとの恋愛スキャンダルが不味いため
恋文を回収させられるルイズ
国王が男色家なんて知られたら・・・・・
メンヌヴィルが美女だったら
フライフェイス・メンヌヴィルさんか
アカデミー所属の実験小隊「遊撃隊(ヴィソトニキ)」を率いる姐御だね
あれか、ハゲとの関係はヤンデレか
>526
女色に耽る女王よりはましだと思う。
男色な権力者なんて沢山居るしな
ちょっとガンダールヴのルーンに持ち主を補助する機能
なんてのがあったら考えてみた
ガンダールヴには魔法を吸収し、その魔法をルーンの刻まれた
手から撃つことが出来る しかも魔法を組み合わせる事も可能で
火と風の魔法を吸収したら火と風の組み合わせた魔法を使える事が出来る
これくらいの補助機能くらいはあってもいいと思う
これくらいなんてレベルじゃないと思うんです・・・
あと何か喋る剣が騒いでるんです・・・
>>529 原作のままでもぞっこん惚れたとか言ってるしなー
もしアンリエッタが負け戦に華を見出すいくさ人だったら
>>535つまりこういう人ですか
アンアン「これだ!!これが見たかった!!ああ、すごくいい」
ルイズ「ウェールズ死んじゃいましたよ王女、犬みたいに」
アンアン「ははは、やっぱりな馬鹿な小僧だ。
敗北(ほろび)が始まったのだ心が踊るな」
ルイズ「非道い人だ。あなたは…
何奴(どいつ)も此奴(こいつ)も連れて回して、一人残らず地獄に向かって進撃させる気だ」
アンアン「戦争とはそれだ!地獄はここだ!
私は無限に奪い、無限に奪われるのだ。無限に亡ぼし、無限に亡ぼされるのだ。
そのために私は野心の昼と諦観の夜を越え今ここに立っている。
見ろ!敗北が来るぞ、勝利と共に」
アン様「戦争に敗北…あぁ、私は敵国に囚われてあんなことやこんなことをされてしまうんだわ…ふぅ」
HELLSINGのスレってレコンキスタ(熱狂的スレ復活)してなかった?
>>532 武器持ったら身体能力増強+ド素人でも武器の使い方がわかる
ってだけで十分な補助だと思うが
あとなんか剣が騒いでるねたしかに
特殊な能力のないただの平凡な娼年であることが主人公として重要なのに………
天才とかだったら感情移入できない
男娼が主人公って結構珍しい設定じゃねと思ってしまうのは普段本読んでないせいか。
と悪乗りしてみた。
BL系ならいっぱいあるよ!
とさらに乗ってみる。腐ったゼロ魔とか誰得だな
あ、でも、原作ラノベワールドから逆行した才人が似て非なる801ワールドなハルケで
四苦八苦するギャグなら……
やっぱヤダ
ガチホモ系ならギャグとして見れるんだが、BL系はきついな…
しょうねんを変換すると娼年
おとこのこを変換すると男の娘になる俺のパソコンが悪いのか?
お前のPCが悪いんじゃない
IMEにそう変換する様に学習させた誰かが悪い
つまり犯人はお前だ
シエスタ「じっちゃんの名にかけて!」
才人をそのままさいとで変換できないのでさいひとで覚えさせた。
今では銃士隊も一発変換できるぜ。
才人がモンモン、ケティとフラグを立てていたら
ギーシュよりつよーい
今日も教会にライトニングクラウドを落とす作業が始まるお……
使い魔との契約が術者が何かを捧げる事で成立する物だったら
タバサ=表情
ルイズ=胸(才人の嗜好に合った大きさのまま)
ギーシュ=恋愛倫理(獣もストライクゾーン)
使い魔と契約する代わりに一生泳げなくなるんだとしたら
たぶん使役するんじゃなくて食って能力を得る形になるんだろうね
サイト逃げてぇえええっ!!
性的な意味で食うのかと思た俺は汚れてるな
汚れなんてね、落とせば良いんだよ
ジャガイモに味噌付けて食うと死ぬ(中島らも談)
もしもアンアンが一騎当千の荒武者だったら
「わしがトリステイン女王アンリエッタ・ド・トリステインである!! 以上!!」
虚無で魔法が使えないから剣を極めて銃士隊の隊長を勤めあげる豪傑アンさまだと…
虚無だったらジョゼフルートもありだよね!
豪傑なジョゼフか
一夢庵風流記みたいな感じで
華慶なら色々酷い目にあう叔父も
一夢庵だとそれほど酷い目に遭ってないんだよな・・・・
虚無の使い手の性別が逆だったら
ルイズ=華奢なツンデレ少年、その仕種、反応が男女を問わず萌えさせる
テファ=凄く大きいです・・・
ヴィットーリオ=外面が良いヤンデレ美少女
ジョゼフ=姉をハルケの女王にすると野心に燃え陰謀を巡らせる弟に代わり国政をみている
こういうテンプレIFだと決まってシャルルがシスコンなのは何でだろう?
>>565 あっ、そうじゃなくてアンアンに妹が居てジョゼフとシャルルみたいな感じ
ってつもりだったけど、豪傑ジョゼフも面白そうだw
他人任せにせず、今書いてる奴の合間に豪傑なジョゼフを書いてみようかなと思い
本棚から一夢庵を取り出したら思わず読み耽ってしまったwww
>>568 元が歪んだブラコンだからじゃないかな。
継承権って男 → 女だから、まずはシャルルからだよな・・・
>>570 あれ? 歪んだブラコンって言っても、実は劣等感を持ってたとかそんな話じゃないの?
もしカリーヌが親バカだったら?
・・・そ、想像出来んw
真っ先に遍在で常時娘達を見守っているカリンちゃんを想像した
どう考えてもモンペ(
後は、ある日突然教育方針を「褒めて伸ばす」に変更し
周囲の人間を恐慌状態に陥らせるお茶目なカリンちゃんとか
虚無の使い手と虚無の使い手は・・・惹かれ合う!
ジョゼフとルイズの年の差カップルか。
身分的には無問題だが、
相手がバツイチ、年上で、
カリン様の怒りを買わないといいが。
実娘より年下になるんだっけ?
とりあえず烈風VS加速のガチバトルは必至だな胸熱
となるとだ、もう一方のペアはもう一方のペアで凄い事になりそうだな・・・
圧倒的なビジュアルで信者を増やしまくりそうだw
戦力的には烈風虚無虚無組の方が上かな?
エルフを怨敵とする宗派のトップとハーフエルフの禁じられたうんたんうんたん・・・
それどこの昼ドラって話だな。
なんかピンクな盛り上がりを見せる主達について行かざるを得ない使い魔達が
色恋とは別の繋がりで仲良くなっている図が浮かんだ。
その設定だと
教皇「ジョゼフ消してジョゼットが覚醒すればハーレム来たこれwww」
ジョゼフ「教皇消したら合法ロリ、近親、エルフの三大背徳プレイ来たこれwwww
・・・いや待てよ、むしろ教皇(女)もアリか・・・アリだよなwwwwうはwwww夢が広ガリアwwww」
ルイズ「浮気男なんて、消し去っていいよね」
ティファ「そんな。記憶の消去だけで許してあげて」
もしも教皇がヴィットーリアだったら?
ジュリオがジュリアになり、ジョゼフの夢が更に広ガリア
ハーレム王ジョゼフ伝説か
それはそれでとても見たいです
もし教皇がベレディクト十六世でゲルマニア皇帝がプーチン閣下だったら
アンアンはティモシェンコですね、分かります
つまりジョセフはジュンイチローでシャルルがタイゾー。
ジェームズ「スーパーアルビオン人だ!」
少しでもメイジの素質のある平民の子供を
貴族が養子として引き取り、育成する政策が実施されたら?
じゃあついでに魔法の才能のない貴族の子息は教会に引き取られることになって
虚無(候補)達が全員ロマリアの孤児院で育っていたら?
自分の家から魔法が使えない人間が出たと公表するような真似するかな。
トリステイントップの家柄のルイズですらあんな扱いなぐらいだから、そこらの奴じゃどうなるか。
家の人が「ここで死ぬか、自分がどこの家の者かを明かさず教会に行くか選べ」なんて酷い事が言えたとしても、
言われた側が守るとも限らないし、こんなことが言える奴なら尚更そう思うんじゃないかな。
>>591 杖がいくらするのかとか、そいつが使い物になるまでに掛かる費用次第で変わりそう。
後はそういう平民がどれだけいるかにもよるかな。
下手に実子より使えちゃったりすると面倒臭そうだ。
ゼロ魔版DIOが生まれる
吸血鬼って意味じゃないよ1部だよ
>>593 ロマリアが虚無を効率的に手元に集めるために作った『習慣』だったらどうよ?
魔法の使えない子供が出た場合はある教会に託すべし、
という決まりが各王家(と王家の血筋の家)に密かに伝わっている
その教会はジョゼットのいた孤児院と同じような場所で
引き取られた子供の出生はもちろん極秘
子供自身も『忘却』か似た効果のマジックアイテムによって
個人を特定できるような記憶は消されてしまうとか
……ぶっちゃけ、虚無連中が家族みたいにわいわい育ったら面白そうだなー
という発想があってのIFなんで都合の良いように適当に条件作ってるけどね
そのネタだといいように洗脳されて聖戦とかに駆り出されそうだし、
シンプルに「もし虚無の連中が家族だったら」じゃダメなのかい?
平民でも魔法を使えるそこの貴方、トリステイン軍に入ろうキャンペーン
応募者にはもれなくカリンちゃん抱き枕をプレゼント
「平民でも魔法が使える」……にじファンならロマリアに狩られる前提の二次設定だな
まあ野良のメイジが存在する以上、十分あり得るわけだが
虚無と銃士ではアニエスにメイジの才能の片鱗があったっけ
続きが楽しみだ
銃士は頼むからミシェルを救ってやってくれ。あの娘は見てて不憫すぎる。悪い娘じゃないんだよ。
やっとできました。遅くなってごめんなさい。
第三十八話、45分ごろから投稿したいと思います。
んえっ!? 噂をすれば影というやつなのか!
喜んで支援します。
支援、ありがとうございます。ではどうぞ
宿屋の一室で暇を持て余していたアンダルシアは、自分の杖と適当に集めたボールでジャグリングをしている。
別にそれが得意というわけはない。趣味というわけでもない。すでにできる限りの暇つぶしをやり尽くして、これぐらいしか思いつかなかったのだ。
彼女の部屋の周りにはたくさんの本が散らかっている。どれもトリスタニアの自宅から持ち出したものだ。
そして机には、先っちょにインクが付いたままの羽ペンと、診療所での患者のカルテが散らばっている。平民から貴族、若者から老人。
アンダルシアは差別することなく、平等に彼らを診ていった。しかし、それはただ単なる慈悲からでもなんでもない。
体の詳細な記録が欲しい。実験するための素体が欲しい。診療所を開いているのも、ただそれだけの理由なのである。
専門的な知識など彼らにはないから、新種の薬だと言って、実験用の薬を飲ませることも容易だ。本物と巧みに混ぜるなど、慎重に事を運べば彼らは気が付かず、自分をただの愚直に頼る。
そんな連中に感謝しながらも、彼女は心と肉体、その両方についての研究を進めていた。好都合な事に自分は優れた水のメイジであるらしい。
目的の達成まではまだまだ道のりは遠い。だが、それでも着実に一歩ずつ足を進めるしかないのだ。
ぎぃっ、と立てつけの悪い扉の開く音が聞こえてきた。それに気を取られ、ボールの一つを落としてしまった。
ボールはごろりごろりとゆっくり扉のほうへ転がっていく。そのボールをアンダルシアが目で追っていくと、それを踏んで止める一つの足が見えた。
アンダルシアはゆっくりと頭をあげる。するとそこには。
「アニエス・ミランじゃない」
なんとアニエスが立っていた。しかし、一瞬はあの律義で真面目な性格の彼女に見間違えたが、その中身は別物だ。
得体のしれない笑みを浮かべる。それは本物とはまた真逆のものだ。しかし、いつかは彼女自身が本物になる日が来るかもしれない。
皮肉なものだ、とアンダルシアは思う。どちらも"彼女"にとっては同じ娘なのだ。
「ただいま戻りました、アンダルシア殿」
「やめてくれる? ただ気持ち悪いだけよ、その笑みだと」
皮肉じみた言葉づかいで、アンダルシアはアニエス、いや『剣士』の顔を指した。剣士は慌てた様子で顔を撫でるが、その表情は全くその様子を見せてはいない。
むしろその場の状況を常に楽しんでいる、そんな様子だった。
「あら……バレちゃった。まあいいわ」
「やっと手に入れたのね、その体」
「まあ簡単だったわ。あの子、すっごく弱くなってるんだもの。思わず殺っちゃいそうになったから、一撃だけ食らってあげて、適当に逃げてきたわ」
「ふぅん……。まあまあ、服まで一緒にしちゃって。流石『擬態の羽衣』ね。サイズまでぴったし」
「ふふ、例えばこういうのもどうかしら? あの子、騎士にあこがれていたみたいだしね」
と、剣士が心を集中させてルーンを唱えると、それに反応して彼女の服が分解され、部屋の中で風が吹き荒れた。一度部屋中に広がった突風が一気に裸となった剣士の許へと集まると服が構成された。
服、ではなく正確に言えば板金が所々に施されている鎖帷子とその上にサーコートを纏った姿だが。サーコートにはトリスタニアの紋章が縫いつけられている。
なるほど、王軍の近衛兵や騎士のような格好といえば、普通の人ならば納得がいくだろう。アンダルシアは口元に指をつけながら感心するように頷いた。
そんな時、部屋の外の通路の奥から足音が聞こえてくる。よく性格が表れている規則正しいそれは段々と部屋に近づいてきた。
「おい、何を……」
部屋に飛び込んできたのはミシェルだった。先ほど起こした突風を嗅ぎ付けてやってきたのだろう。しかし、彼女は目の前に立っている剣士の顔を見て愕然としていた。
それもそうだろう。目の前に、敵であるアニエスが立っているのだ。しかし、すぐにその正体がわかると、まるで汚物を見るかのような鋭く凍りつくような目つきを放った。
そんな目つきにも、剣士はひるむことも怒ることもなく、ただ笑みを浮かべていた。そして自分の手を確かめるよう握りしめながら言う。
「……でももう一つ面白い記憶見つけちゃった」
「へぇ、何?」
剣士は笑みをひきつらせながら、アンダルシアに言った。
「カトレア」
第三十八話
「こ、これはどういう状況なのでしょうか」
ラ・ロシェールの高級宿、女神の杵は朝を迎えていた。その一室で、愛する人の許へと向かうための忍びの旅を続けている王女アンリエッタは、
目を覚ますと奇妙な状況に陥っていることに気が付き、掛け布団の裾を握りながらその体を硬直させていた。しかし、別に命の危険を感じているわけではない。
どちらかといえば別の、それもとても大事な部分の危険を彼女は感じざるえなかった。自分のベッドの中に、いつの間にか親友ルイズの姉エレオノールと見知らぬ女性が自分を挟むように入り込んでいたのだ。
エレオノールは昨晩、アニエスとともに町へ散策に出ていたまま帰っていなかった気がするが、それがなぜ自分のベッドの中に眠りこけているのだろうか。
状況は理解できないが、ひとまずこの二人を起こしてはまずいと思ったアンリエッタは、もぞもぞと慎重に体を動かしてベッドから出ようと試みた。
本来ならば起こして問い詰めればよいのだろうが、今のアンリエッタに正常な判断ができるほど余裕はなく、また彼女自身友人の姉の安眠を妨げたくないという優しい思いがあったのだ。
しかし、それがいけなかった。こつっと彼女の肘がエレオノールの体に当たってしまった。彼女はううんと唸ると、寝返りを打ってアンリエッタのほうへと向いてきた。
まだ夢の中なのだろうか、彼女が目を覚ます様子はない。アンリエッタはほっと息をつくと、再び外に出ようとしたが、その前に彼女の手がエレオノールによって掴まれた。
「ううん、フィリップ……」
しっかりと掴まれた手は彼女に引き寄せられて、胸に抱かれてしまった。もはや脱出することなど不可能だろう。
アンリエッタはふぁあ、と顔を真っ赤にしながら体を硬直させるが、不意に見たエレオノールの顔があまりにも幸せそうだったため抵抗はしなかった。
フィリップ、というのはきっと婚約者の名前か何かだろうか。そういえば、ヴァリエールの長女はバーガンディ伯と結ばれるという話を聞いたことがあるが、きっとその人なのだろう。
そんなことを考えていると、今度は後ろから首に腕が巻かれてきて、更には背中に胸のような柔らかいさわり心地を感じた。
「テファ……あれ、胸が小さくなったかい?」
背後の女性はアンリエッタの胸をまさぐり始めてきた。思わずアンリエッタは甘い声で悲鳴を上げてしまった。
胸の大きさではそれなりと思っていたが、そのテファという人の胸の大きさはいったいどのぐらいなのだろうか。いやいや、そんなことはどうでもよい。
アンリエッタは何か温かなものを感じていた。それは、久しく感じていなかった母の温もりのような、そんな感じだと思う。
「いやいやいや、そんなことを気にする前にですね、あ、ちょ」
アンリエッタは何とか正気を保とうとするが、まさぐられる手が何とも厭らしく、また甘い声を吐き出してしまった。
もうさすがになりふり構っていられないとアンリエッタはもがき脱出しようとするが、二人は彼女を逃がそうとしないどころかさらに思い切り抱きしめ始めてきた。
「た、助けてくださぁい!」
「な、何々!?」
アンリエッタは思い切って悲鳴を上げて助けを呼んだ。もはや形振り構っていられず、自分の大事なものを守るのが優先事項だ。
それを聞いて飛び起きたルイズがベッドに駆け寄った。
「どうしたの、アン……って、何してるのよ!」
ルイズは思い切りエレオノールを引っぺがしてベッドから落とした。彼女はぎゃん、とまるで犬の悲鳴のような声を上げながら地面に落ちて背中をぶつけた.
「なに、何よ! 何事よ!」
「何事、じゃないわよ! 何でアンのベッドにもぐりこんでいるのよ!」
「はぁ? 何を言ってるのよ、ここは私とアニエスの部屋……」
「お、おはようございます」
と、エレオノールはぶつけた背中を押さえながら、目じりに涙を浮かべてルイズに食って掛かろうとしたが、ベッドの上にいるアンリエッタに気が付くと、呆然と目を見開いた。
そのアンリエッタの背後で呑気に体を起こして、気怠そうにあくびをしているマチルダを素早く捕まえると、床に引きずり落として平伏させ、そして自らも頭を地面に付かせながら必死に謝った。
「申し訳ございませんでした! このような無礼を働き、真に申し訳ございません! なにとぞお許しを! ほらあんたも謝りなさい!」
「え、あ? 何よ?」
「あ、そのエレオノール殿、私は気にしてはいない故、そう慌てなさらずとも……あはは。そちらの方は?」
「って、ああ! ま、マチルダさん?」
「ああ、ルイズ。久しぶり」
と、ルイズもマチルダに気が付き、大声を上げて指した。マチルダはけろりとした表情で顔を上げると、にこっと笑みを浮かべた。
ルイズはわなわなとふるえながら、突然の再会に驚きを隠せていない様子だったが、とうのマチルダは平然としていた。まるで開き直っているかのようだ。
そんな大騒ぎに気が付いたのか、バタバタと足音が外から聞こえてくる。そして、勢いよく扉が開かれた。
「ルイズ! 大丈夫か!? おお……?」
サイトが我先にと中へと飛び込んできたが、寝巻姿のアンリエッタが目に入ってきて、思わず見とれてしまう。アンリエッタは顔を真っ赤にして悲鳴を上げながらベッドにもぐりこんだ。
ルイズはそんな彼の顔面を素早く蹴飛ばし、扉を素早く閉めた。いきなり蹴り飛ばされたサイトは何が何だかわけもわからず、扉越しにルイズへ叫び散らした。
「お前なぁ! 顔面を蹴飛ばすことはないだろうがっ!」
「うるさい馬鹿! アンは今着替え中!」
「それはそれで残……いやいやいや駄目だ駄目だ」
「……君は、本当に幸せな奴だなぁ、羨ましい」
「やれやれ……ルイズ、僕だ。何にもなかったかい?」
必死に誤魔化そうと首を横に動かすサイトに、近くにいたギーシュは呆れ半分羨ましさ半分の表情で見つめていた。
そんな彼らを差し置いて、ワルドは中にいるルイズに尋ねかけた。
「何でもないんです。エレ姉が部屋に入り込んでて……それでびっくりしたんです。酒臭いし」
「ちょっと、乙女の息をなんだと思ってるのよ」
「乙女って歳じゃ……いひゃい! こにょお!」
「あいだっ! もう許さないわよ、このおチビ!」
「け、喧嘩はいけません!」
「アンは黙ってて!」
「はう、ひ、ひどいぃ……」
と、ルイズの説明が始まろうとしたその瞬間、彼女の余計なひと言から中で喧嘩が起こってしまったようだ。その相手の声を聴く限りでは闖入者はエレオノールその人であるようで、
大事ではないようだから、ひとまずワルドも息をついて安心した。しかし、アンリエッタが止めに入ろうとしたが、二人が唱和してそれを威嚇したようだ。
ワルドは呆れたようにため息をつくと、大げさに両腕を上げて、周りにいた仲間たちに苦笑を向けた。
流石は一流の宿というだけはあって、朝食も豪華なものだ。パンは生地が柔らかく食べやすいが、暫くの間スープにを入れると味がしみ込んでなお一層味わい深くなる。
と言っても、スープにパンを浸けるなど、やっているのは才人ぐらいだ。それを見てギーシュは行儀が悪いと注意をして、タバサも少し真似をしようとしていたが、何処か躊躇してしまい、結局やらず仕舞いだった。
朝から肉、というと少し重い気もするが、そこは男の子である。才人はけろりと平らげてしまった。魔法学院での食事も十分おいしいが、この宿の食事も非常に美味だ。
しかし、やはり故郷の味が一番であると彼は思い返した。元の世界であれば、朝食には納豆に暖かい味噌汁に生卵、そして何よりふっくらと炊けた純白の米にありつけているはずなのだ。
それだけが少し名残惜しい。せめて味噌汁でもこの世界にあればなぁと才人はぜいたくな悩みを浮かべていた。
「おはよう」
「おはようございます」
と、そんなところにルイズ達が現れた。才人たちへ挨拶をしたのはマチルダとアンリエッタであり、ルイズとエレオノールはほっぺたを真っ赤に染めて、ふてくされた表情で階段を下りてきていた。
才人はそんな二人を見てぎょっと目を見開いたが、この場にいるはずのないマチルダの姿を見て、さらに驚いてしまった。
「あ、あんた……」
才人は指差し、驚いたように口元を震わせていたが、彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべて唇に人差し指をあてて制止した。
それに気が付き、才人はそれ以上のことは言わなかった。しかし、先ほどまで化粧をしていて気が付かなかったキュルケが彼女を指差して叫ぼうとしていた。
「あぁ、あんたは」
急いでタバサが口を塞ごうと椅子を倒しながら飛び込んだが、その前にキュルケの言葉が途切れた。というよりも、口は動いているのにもかかわらず声が出ていない。
突然の出来事に思わずタバサは体をこわばらせて動きを止めた。キュルケも尋常ではない己の状態に驚き慌てふためいていた。
そんな彼女に対し、唇の片端を上げながらエレオノールは杖を片手に持ち、もう片方の掌をたたいていた。
「おっと失礼、手が滑ってサイレントの魔法をかけてしまったわ。やぁねぇ、手が滑るってホント恐ろっしいわー」
「ふふっあんた昨日ガボガボ酒飲んでいたからねぇ、まだ酒が残ってるんじゃないの?」
「そうかもしれないわねぇ」
あっはっは、とマチルダとエレオノールは、先ほどまでの雰囲気を吹き飛ばして笑いこけていた。キュルケはというと、必死に抗議をしようと口を動かすが声は出ず、その場で地団駄を踏んで悔しがっていた。
それに対し、周りの貴族の客は怪訝な目つきでこちらを睨みつけている。それに気が付いたワルドはひとまず着席を催促した。ルイズ達はそれぞれ気を取り直し、席に着く。
「女って、恐ろしいなぁ……」
「たぶんあそこまで外道なのは二人だけよ、きっと」
才人は恐ろしや、とひきつった顔で、団欒しているエレオノールとマチルダを見つめていた。そんな彼に対し、まだふてくされている顔のルイズが付け足した。
どうやら先ほどの喧嘩をまだ引きずっているらしい。顔面を蹴飛ばされたばかりのサイトは少しだけ意地悪な言葉をぶつけた。
「……お転婆だなぁ、ルイズは。あぁ顔が痛いぜ」
「……悪かったわよ」
「ところでエレオノール殿。そちらは、ミス・ロングビルによく似ておられるようですが? ああ、ミス・ロングビルは僕らの学院の長、オールド・オスマンの秘書でして」
「あら、ギーシュ君。流石は女性の顔を覚えるのが得意だ事」
「いえいえ、とんでもございません」
「ふむ、そこの女性は私以外」
「私もですわ、ミスタ・ワルド」
「……アン様と私以外は知り合いの様ですが、どなたなのですかな?」
ワルドはマチルダを見据えるような鋭い目つきで見つめる。それに対し、マチルダは涼しい顔をしていた。そんな彼女の肩をたたきながら、エレオノールは紹介した。
「彼女は、まあみんな知っているかもね。ロングビル、マチルダ・ロングビルよ。一部の人間は知っての通り、フーケとの戦いで行方不明になったのだけれど、幸運にも生き残ってね」
「おお、そういえば城でも騒がれていましたな。確か、土くれのフーケを身を挺して撃退した勇気ある女性メイジがいたとか。なるほど、その方がそうなのですか。いやはや」
「まあそういうわけです。生徒を任せておいてくれ、って言った矢先じじ、いやオールド・オスマンのところへ戻るのもちょっと後ろめたかったですからね……。
故郷のアルビオンの情勢が悪くなって来たので、里帰りをしようと思っていた矢先だったのです」
「彼女とは以前から友人同士でね。酒場で偶然見つけたのよ。いやぁ人生ってなにがあるかわからないもんね」
と、適当なことをでっちあげているエレオノールに猫かぶりのマチルダを見て、魔法を解かれたキュルケは呆れた表情でタバサに耳打ちをした。
(全く、呆れた二人よね。妹があんな目にあったのよ? 普通もっといざこざがあっていいんじゃない?)
(きっと二人の中では解決してるんだと思う。一応油断はしないほうがいいけれど、命を狙うようなことまではないと思う。
リスクが大きいうえに、そんな値打ちのあるものを今の私たちは持っていない)
(あら、珍しく口数が多い事。でもその通りね。面白そうだし、様子を見ておきましょうか)
初めはマチルダに対し警戒をしていた二人も、ひとまずは害意がないことを確認して、様子を決め込むことにした。その傍でルイズは朝食を口にしたところで、その場にいない人物に気が付き、ワルドに尋ねかけた。
「あれ……? ワルド様、姉さん、いえ姉様は?」
「ああ、彼女ならば朝から鍛錬に出かけていると主人から聞いたよ。まだ戻ってきていないみたいだね」
「そうですか……ふぅん」
ルイズは不安そうな表情を浮かべながら、辺りをせわしなく見回していた。どうやらアニエスの事で何か感じるものがあるのだろう。
エレオノールはそんな彼女の不安を吹き飛ばすために、ごほん、と咳き込んだ後に言った。
「先ほども言った通り、彼女はアルビオンの生まれ故、土地勘があるわ。今回の案内人としては最適ね。そこでこれからは私の代わりに行って貰うことにしたの」
「よろしくお願いいたします」
「えっ、ということは? エレ姉は来ないの?」
「何だかうれしそうね、ルイズ」
「滅相もございません」
言葉とは裏腹に、ルイズはぱぁっと顔を明るくしてエレオノールを見た。そんな薄情な妹の表情を見てエレオノールは一瞬手をわきわきと動かそうとしたが、
眼鏡の位置を直しながら、話がそれてしまうと気を取り直して続けた。正直者なところはやはり姉妹であると思いたい。
「ふん……まあいいわ。まあ、少し王都のほうでしなきゃいけない用事を思い出してね。すごく大事な事よ」
「へぇ、妹のことよりも?」
「……この子はね、始祖ブリミルの加護を受けているのよ。そうじゃなきゃ、こんなじゃじゃ馬が健やかに成長なんてしてくれないわよ」
キュルケの皮肉にエレオノールは複雑な表情を浮かべながら言った。それは、数々の危機を乗り越えてきたという幸運の持ち主だという意味もあり、
そして、何より――。
「まあ私よりも、何時も世話になっているロングビルのほうがルイズも言うことを聞きそうだし、任せることにしたのよ。
彼女も故郷に戻りたがっているから、ちょうどいいと思ったしね。というわけでルイズ、ちゃんと言うこと聞くのよ。また無茶して、フーケみたいなのに捕まったら、
今度こそ命はないわよ。そこのところわかってるの?」
「わかっているわよ、もう。子ども扱いして……」
「あんたなんていつまでたっても子供よ、子供」
エレオノールは食いついてくるルイズの顔を押しのけてパンを口にふくみ、豪快に食いちぎった。そんなエレオノールを見て少しため息をつきつつ、ワルドが割って入るように口を開いた。
「ところで、サイト君、だったかな。僕のルイズの相棒をしているようだけれど、どれほどの腕なのかな?」
「え? あ、いや……どうなんっすかね?」
「ふむ、なにやら自信のないようだな。そんなことでこの先大丈夫なのかね?」
「……どういう意味っすか?」
挑発するような口調で、髭をなでながら話すワルドに対し、才人は食って掛かるように答えた。その反応に、わずかに唇の端を吊り上げながらも、ワルドは続ける。
その様子はまるで才人を釣ろうと餌をまいているかのようだった。
「いや、何。これから先戦場へ向かうというのに、そのような心持では死にゆく者だぞ。平民である君は特に危険だ」
「ワルド様、何もそこまで……」
「いや、ルイズ。恐らく君の姉アニエス殿も同じことを言うと思うよ。我々にはアン殿を守らなければいけないという崇高な任務がある。
そんな中で一平民である彼を守る余裕などないのだから」
「……そうかもしれないけれど」
「まあジャン君の言う通りかしらね。なんなら、稽古でもつけてもらったら?」
困惑するルイズに対し、呆れた表情のエレオノールが提案をした。それに対し、才人は力強くうなづく。
「稽古じゃなくて、決闘でいいですよ。ワルドさんの強さってやつ、見せてくださいよ。その代り、俺だって負けないところ、見せつけてやりますよ」
「ふふ、意気込みはいいな。では、近くに闘技場の跡がある。今は倉庫として使われているが、模擬戦をするには十分だろう。それでは先に行っているよ。
ああ、そうだ。ルイズ、よければ君も見ていてくれよ。もちろん命のやり取りまではしないから、安心してくれ。では」
ワルドは微笑みかけると、マントを翻してその場から立ち去っていた。才人はその背中を睨みつけながらも、自分の拳を強く握りしめた。
そんな彼にルイズが頭を引っ叩いた。すぱん、と小気味の良い音があたり響き渡った後、ルイズの甲高い声が才人の耳を襲い掛かった。
「この馬鹿! なんであんな無茶言うのよ、もう! ワルド様、すっごく強いんだからね!」
「いってぇ……。大丈夫だって! 俺だってどんだけ強くなれたか確かめたいしさ!」
あくまで笑みを浮かべて安心させようとする才人に対し、ルイズはうーうーと唸るしかなかった。才人にとっては、ルイズを、そしてなによりもいまだ少年としか呼んでくれないアニエスを見返すチャンスなのだ。
自分がいまいち信頼されていないのは頼りないからだ、と彼は思いこんでいるのだ。と、そこにギーシュが割り込んできた。
「しかし、魔法衛士が相手では、君じゃ勝ち目がないんじゃないかな? 模擬戦とは言っても、無様な姿を晒すだけじゃないか?」
その言葉に、化粧を終えて手鏡を閉じていたキュルケが軽く反論をした。
「あら、そうかしら? 確かに素敵な方とは思うけれど、サイトだって捨てたもんじゃないわよ。そうねぇ……勝ったら、キスしてあげようか?」
「お願いしま」
「このドスケベ!」
「ぐへぇ」
「きゃあ、サイトさん!?」
キュルケの誘惑に思わず顔を真っ赤に染めながら頷こうとした才人に対し、ルイズが顎へ拳を振り上げ、そして彼の体を宙に浮かせた。
その様子にアンリエッタが思わず口元を抑えながら悲鳴を上げた。その様子をキュルケとタバサ、そしてギーシュとマチルダは呆れた表情を浮かべて笑っていた。
その中でただ一人、エレオノールだけは、複雑な表情を浮かべながらその二人のやり取りを見つめていた。そして彼女の視線は才人の左手に向けられる。
そして誰にも聞こえないぐらい、小さな声で呟いた。
「……ガンダールヴ、か」
サイトたちが目指している闘技場の跡では、すでに先客がいた。身の丈ほどある剣を軽々と振るい、飛び散る汗が日を反射してキラキラと光る。
剣をふるっているのはアニエスだった。ワルドの言葉通り、彼女は朝早くからここへやってきて鍛錬をしていたのだった。
己の弱さを認め、迷いを払うために。やみくもに剣をふるうのではなく、ゆっくりとした動きで一つ一つ確認しながら、デルフをふるっていた。
しかし彼女の心の迷いというものはなかなかくっついて離れようとはしなかった。昨晩も地竜の村で見たような夢を見てしまっていた。
自らが戦う理由、いやここにいるという理由はなんだったのだろうか。最近、よくわからなくなることがある。
自分は復讐のために生きる。そうだ、その通りだ。しかし、自らが復讐される立場になるとは思わなかったのだろうか?
自分はルイズともに生きる。そうだ、そう決めていたはずだ。しかし、自分はルイズの側にいるのにふさわしいのだろうか?
生きるとはなんなんだろうか。戦うとはなんなんだろうか。守るとはなんなんだろうか。アニエスの心の中には疑問が尽きず、そしてそれが彼女の迷いを生んでいた。
大きくため息をつく。そして空を見上げる。答えは降ってくるものではないが、それでもそうしたくなる気分だ。
『悩んでいるねぇ、相棒』
と、デルフがアニエスに声をかけてきた。彼女は手首の捻りだけでデルフを振った後、彼を肩に置くように担ぎ、誤魔化すかのように答えた。
「……悩んでなんかいないさ」
『おいおい、俺っちは何千年も生きてるんだ。お前さんの表情、いや振り方を見りゃ一目瞭然だぜ』
「……やれやれ、ついにデルフにまで心配されるようになったか。だけど大丈夫だ。迷っていたとしても、ルイズは守るさ」
『……意地っ張り』
「おせっかい焼き」
お互いの言葉に、アニエスとデルフは笑い声をあげた。しかし、アニエスはその中に静かなため息を含め、複雑な表情を浮かべていた。
そして気を改めてデルフを構え、ゆっくりとまた振り始めた。だが、集中すればするほど昨日の娘の声が頭の中によぎってくる。それを振り払うかのように、アニエスは剣を振り続けた。
まるで幻を相手にしているかのように、だんだんと彼女の瞳が揺らぎ始め、冷や汗が混じり始める。そして、それは突然聞こえてきた。
『いつか、わたしを殺してくれるかしら』
その声を聴いた瞬間、目を見開いたアニエスの剣の振りが突然早くなり、近くにあった樽を真っ二つに割った。そして、はっと正気に戻った。荒い息遣いをしながら、アニエスは心を落ち着かせようとする。
なぜ今になって思い出したのだろうか。自分の剣を教えてくれたからだろうか。それとも、何か別の事を思い出せていないのだろうか。
「……そういえば、私があいつに拾われたのは何処だったんだ?」
当たり前のことですら記憶がおぼつかない。村が焼かれ、彼女に助けられた、という事実は確かなはずだ。しかし、どうやって助けられたのか。それが思い出せなかった。
それだけ復讐に固執していた、ということなのだろうか。どれだけ醜いのだろうか、自分は。
「やはりここにいたか」
と、そんなアニエスの背中に、透き通った男の声がかけられた。アニエスはデルフを収めながら、背後を振り向いてみると、そこにはワルドとサイトが立っていた。
サイトは何やら張り切っている様子だが、いったい何が始まるというのだろうか。
「ミスタ・ワルド。何を始める気ですか?」
「何、彼の実力を少し計ろうと思ってね。この先戦場へ向かうのに、弱いのでは話にならないからな」
「……それは結構ですが……」
アニエスは少し怪訝そうな表情を浮かべながら、辺りを見渡した。すると観客席のほうにはいつの間にかルイズ達が姿を現していた。
決闘、いや恐らく稽古のつもりなんだろうが、それにしてもこの物々しさはいったいなんだろうか。まるで見せしめのようだ。
ワルドは魔法衛士の中でもグリフォン隊の隊長である。それに対し、よくわからない力を持っているとはいえ、一少年のサイトが勝てるはずがない。
それを相棒のルイズだけではなく、姫であるアンリエッタにさえ見物させるというのは、いささかやり過ぎなのではないだろうか。
当のルイズに至っては見る気も感じられないが、きっと反対していたのだろう。
「稽古であるなら、あのような観客はいらないのでは?」
「いやぁ、はじめはルイズだけを呼んだのだが、いつの間にか皆ついてきてしまってね……」
ワルドの言葉にアニエスは思わずため息をついた。結局のところ、皆お祭り好きなだけなのだ。暇を持て余し、それを補ってくれる何かを欲している。
それがなんだってかまわないのだ。人間だから仕方ないのかもしれないが、それでも呆れてしまう。
「止めるなら今のうちだぞ、少年」
「いや、いいっすよ。俺だってやれるところ、見せてやらなきゃ。俺が勝ったら、俺の事、認めてくださいよアニエスさん」
「そうか、勝手にしろ」
アニエスは一応サイトに忠告をするが、彼は聞き耳も持たずに、拳を掌にぶつけながら気合十分に答えるだけだった。アニエスもそれ以上は何も言わない。
血気盛んになっている者に対し、何を言っても無駄なのはわかっている。彼自身の実力を見られるのであれば、自分たちにとっても、そして何より本人にとっても良い事だろう。
そう思った彼女は壁を登り、観客席のほうへと入っていった。そしてルイズの隣へ座る。ルイズはふてくされたように頬を膨らませていた。
「……姉さんだったらもっと止めてくれると思った」
聞いてもいないのに、その理由すら話すあたり、かなり重症かもしれない。アニエスは苦笑しながら言った。
「まあいい機会だ。ミスタ・ワルドの動きをよく見ておくといい。見た目とかともかく、一応は実力者だからな」
「あんた目の敵にし過ぎ」
「姉上にはわかりませんよ。妹の許婚と付き合うってことの大変さを」
「あんた、一回母様のカッター・トルネードで切り刻まれたほうが良い気がしてきたわ」
「それで? どっちが勝つってんだい?」
あくまで妹馬鹿なアニエスにあきれるエレオノールの横からマチルダが飛び出してきて、アニエスは驚いたように目を見開いた。
しかし、それにも構わないような表情を浮かべる彼女に対し、アニエスはため息をついて苦笑を深めると、胸ポケットから何時も身に着けている伊達眼鏡を取り出しながら迷いなく答えた。
「まあ、ミスタ・ワルドだな」
この決闘、アニエスの言う通り、ワルドの圧勝で終わることになる。
遅くなりました。その上短いので申し訳ないです。色んなことが多すぎて、ちょっと心が落ち着かないこともありましたが、何とか書き上げることができました。
これから就職活動も始まるので、更新頻度は下がると思います。ですが、それをなるべく言い訳にせずに頑張っていきたいと思います。
乙でした
マチルダさん、あんた実家でテファになにやってんの!?
今回も才人のアホっぽいところとかがよく表現できていたと思います。就職活動、焦らず確実に頑張ってください。
次回も楽しみにしてます。
乙でした。剣士一行の気色悪さが増していってますね。
擬態の羽衣、どこぞの変身ヒロインの衣装のようですね。サイトだったら絶対シエスタにセーラー服着さすな。
乙
剣士がなにか悪いことたくらんでそう vsヴァリエール家になるのかな
速さよりも質を求めて書いてください。いつでも投下まってますよ
ギーシュ「け、け、け、結婚だ!」
シエスタを見たサイトの反応が
「嘘だ!こんな綺麗で可愛いメイドさんがいるわけがない!
本物のメイドさんは40過ぎのおばちゃんなんだ!家のがそうだったらわかる!!」
という微妙におぼっちゃまだったら?
トリステインに日刊ゲンダイが存在してたら
アンアンは叩かれまくりだろうな
ルイズが虚無だったとか、ワルドが裏切り者だったとか、モットがアニメオリジナルキャラだとか、
そういう超スクープには強いけど、普段は日付以外は嘘と言われるのとかあるのか
>>616 「ショック! 伝説の使い魔ガンダールヴの槍は異世界製
・・・・・・か!?」
これじゃ東、もとへトリスポだな
イマイチ
もしもゼロ魔をディズニーがアニメ化したら
どの年代のディズニーかによって大分作風が異なるだろうが、めっちゃ見てみたい
作風というか、作画かな
>>618 そんなことになったらゼロ魔のSSが金輪際書けなくなるじゃないか
じゃあジブリにしようぜ
たぶんマリコルヌが原作より活躍する
マリコルヌがゼロ戦に乗って
「飛ばねえ豚はただの豚だ」
ですか?
もし決闘が素手の殴り合いだと決まっていたら?
生徒たちがマルトーさんの支配下に!
>>622 クヴァーシルがんばれ!超がんばれ!
>>622 ギーシュがカーチスになって、モンモランシーをめぐってドッグファイトですね
クロススレの続きですが、チェーンソーアーティストのジェイソンさんが作った自分の像が召喚される。
ひょっとしてゴーレムかも、とキスしたら命が吹き込まれ、
様々な冒険の果てに木像は人間となり、そして結婚して息子を授かったのでゴレイヌと名付ける。
>625
ドッグファイトと言う事は、馬鹿犬サイトにまたがって戦うんですね。
ケティ「ギーシュ様……わん!」
えーと、実は世界でも五指に入るハンターとかだったっけか
ええ、薪ストーブで鳥を捕まえる人ですね。
多分、世界一のハンターはケワタガモ狩りの白い悪魔ですが。
或いは“ソ連人民最大の敵”と呼ばれた、ハンターを狩るハンターの魔王とか。
怪鳥ケワタガモvs烈風
なるほど、カリンの使い魔が実はケワタガモなのか!
白い悪魔の終生のライバルであったケワタガモが
俺の中でとんでもない幻獣として認識されてしまったじゃねーかよ
問題ない。その認識で間違いない
一番いいケワタガモを(使い魔に)頼む
・・・ヴィンダールヴ無双?
そんなルーンで大丈夫か?
もしも佐々木少尉が長生きして科学者モードのコルベールと会っていたら?
もしウェールズが本物の現プリンス・オブ・ウェールズことチャールズ皇太子だったら
>636
アンアンが逃げ出した後、死ぬ。
もしトリステイン魔法学院の校風がリリアン女学院(マリアさまがみてる)と同じだったら
もしも魔法学院が男子校だったら
漫画版ではギーシュってルイズにサイト宛のバラの花束を渡すんだよな…
新規層開拓でも狙ったのだろうか
キュルケとギーシュのキャラがかぶるから
男子校も女子高も駄目だろ
ギーシュが下位互換になってしまうのか・・・
つーか女子高でサイトは男のままだったらギーシュもサイト争奪戦に参戦?
もしもアンリエッタがラグドリアン湖で会ったのがジョゼフだったら
まあ原作でも園遊会でジョゼフと会ってるんだよね<アンリエッタ
アンさまがオヤジフェチだったら
フェチがフェラに見えた俺は吊ってきます
以前このスレで「男の娘でイザベラのおもちゃにされてるタバサ」のネタがあったが、
それを下敷きにネタを一丁捏ねてみた。
虚無のおかげで臣下からは期待されず、倒錯趣味な従姉には着せ替え人形扱いされるシャルロット(本名シャルル二世)。
イザベラのイジリに耐えかねた彼女(彼)は名を変えて、トリステインへ家出同然に留学するも、
実は男だということをキュルケに知られてしまい、「このことをばらされたくなければグエッヘッヘ……w」
と美味しくいただかれてしまう。
互いに、タバサの小さな身体に似合わぬサイズの杖wと、キュルケの百戦錬磨の肉体の虜となる二人。
そんなこんなで時は流れ、使い魔召喚の儀式で現れたのはなんとイザベラ!
キュルケとイザベラの二人に挟まれ、再び彼女(彼)の地獄の日々が始まる!!
「乙女は王女に恋してる」始まりません!
始めたまえ
ギーシュ「いいかね君たち?顔だけで女の子にもてると思ったら女の子を舐めすぎだ」
女装美少年タバサと才人が良い仲になる君だけを…エンドが頭を過ぎった。
ルイズ=目のハイライトが消え、レコン=キスタの艦隊を消し去った以上の威力のエクスプロードを連発しても尽きないほどの精神が溜まる
シエスタ=男に想い人を取られたと嘆くのか、美味しい展開に萌えるべきか悶絶
キュルケ=愛の形は人それぞれだからと変わらずに接する
ジョゼフ=才人と良い仲になったタバサを見てかつてのシャルルを思い出し、何故殺したか納得の行く理由を得て真面目に王様をする
腐らせるの好きですね
腐女子は平安時代から生息します
こういうのって普通は巣から出て来ないんだけどな
あるべきき所に還れよ
にちゃんは腐女子とキモオタの巣窟です
聖別が逆なだけで本質は同じです
銃士の話題なんだけど。剣士って、何が目的でアニエスに嫌がらせしてるんだろ?
>>655 歪んだ愛情というやつでは?
自分で敵を育てて狩る。手塩にかけたものを自分の手で破壊することに絶頂を感じるアブノーマル。
アンダルシアも大概変態だけど、ミシェルはよくもまあこんな連中と我慢して律儀につきあってるよ。
真面目で根は善良な人間ほど悪人に利用されやすいものだからなあ…
>>656 ミシェル不憫すぎるなぁ。というか、下手を打てばアニエスがその立場になりかねなかったのか。
銃士でも行き先は不穏だし、ミシェルが幸せになれるIFとかあればいいのにな。
実はミシェルは剣士に弄られてるアニエスを見て興奮してるのかもしれない
ミシェルは気丈な裏で、「誰か助けて」って心の中で泣いてるような人だと思う。
だからこそリッシュモンの甘言を盲信したんだろう。
「ようこそ女たちの王国へ」って小説読んでおもいついた。
ハルケギニアの男女の比率が1:20だったら。
ギーシュとかの男キャラも何人か女体化させて。
異世界の聖機師物語ですか?
バッドエンド直行らしいルリルラってのも
男女比がおかしいんだっけ?
663 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/27(月) 01:17:53 ID:B4tcCMti
>>662 ルリルラはそもそも舞台の世界には女性しか存在しなくて男は全員、召喚された奴
ミシェルのほかにもゼロ魔にはタバサにマチルダにリュシーと身分を剥奪された復讐者は多いな
タバサには仲間や母がいて、マチルダにはテファがいたけどミシェルはどうなるんだろうか
せめてリュシーのような最悪の結末にだけはならないでほしい
>663
ルリルラか。
あれがまだ読参だった頃は、ガンダムファイター崩れだの等身大ロボットだのといったひどい連中がいたっけ。
昔ルリルラクロスがどこぞの投稿サイトにあってな
ミシェルまで変態化したら戦わされるアニエスたちが気の毒だ
>>663 子孫やばそうだな…
それでまた女しか生まれないの?
ルリルラは基本的に適齢期の女性は神殿で人工受精、生まれるのは女だけ。
数百年前にも男を呼び込んでロボに乗せ、怪物退治をさせたんだが、そいつ等の子孫も時々出てくる。
読参キャラの中にはその異世界から帰還した男の孫と現地妻に生ませた子の子孫という組み合わせもあったな。
あと、その世界から何故か我々の世界に来ちゃった女性の子孫も。
TRPG版やマンガ版は結局どうなったんだ?
もしもエルザがボインのお姉ちゃんだったら
>>670 そろそろスレ違いだぞ。専用スレにいくなりしてくれ。
がっかりするな
タバサが執拗に攻撃を加えます
「巨乳は……敵」
となると実はキュルケも『敵』として認識されてる事に…
あれ実は風船詰めてんのよ
>>671 原作の吸血鬼設定が違ってて、村人全員グールになった村での死闘だったかも
村人全員グーグル社員に見えた
もしハルケギニア全土どこの家庭にもネットが行き渡っていたら
エレ姉あたりが巨乳ハンターとして頑張るしかないな
パイ拓第一号はカトレアかw
おマチさんのパイ拓を取ろうとしたら中から肉まんが出てきた
そんなシーンを誰か書くべき
血涙を流し両手を血が出るほど握りしめて「がっでむ!」と叫ぶエレ姉さまか…
ああっ!ネタ的にカトレアさんは「黄金バスト」にピッタリじゃないかw
そんな、劇症肝炎を相手に感染させて倒すちぃ姉様は嫌だ。
もしも巨乳キャラにはもれなくおっぱいミサイルが内蔵なれていたら
なんかおっさんがいっぱい釣れちゃってるじゃないかw
おっさんはスレで一人見かけたら30人は居ると思ってないとな
クロコダインがそんなにこのスレにいるとは…
なに、子供ができたら胸なんていやでも大きくなるさ
おっさんがいっぱい
略して「おっぱい」か
>>689 おっさん=クロコダイン とか懐かしすぎるな
滑り込みですが、第三十九話が完成しました。
2010年の締めくくりということで、16時50分ごろから行きたいと思います。
ちょっと遅れてしまった…
「大丈夫か?」
決闘の騒がしさから解放され、静寂を取り戻した闘技場跡の地面で寝そべりながら呆然としているサイトに対し、アニエスが声をかけた。
その横ではルイズが心配そうな表情で彼を見ていたが、その顔からサイトは視線を逸らしていた。でかい口を叩いたにも関わらず、一方的に負けてしまったのだから、合わせる顔もないのだろう。
それを知ってかルイズも何も声を掛けられなかった。他の者たちもすでにその場から黙って立ち去っていた。彼女たちもサイトを気遣っているのだろう。
しかし、それすらも、今の彼には惨めさにつながっていることだろう。アニエスはそれを承知の上で、あえて冷たい言葉を投げかけた。
「……あんなに愚直な突撃ばかりしていれば、どんなに早く動けても、誰にだって負けるさ」
「姉さん!」
「お前は、何か不思議な力で強くなった気でいるようだが、そんな付け焼刃で本当に強くなった気でいたのか? そんなもの、実際にうまく使えなければ意味がない。
持っていて振りかざすだけなんて、誰にだってできるんだぞ」
アニエスの、一見すると心のない言葉にルイズは思わず咎めようとするが、それでも構わずアニエスは言葉を続けた。
サイトは、何も言えなかった。ワルドに対し、一撃も、いやかすりもしなかった。彼は本気の半分も出してはいないだろう。
魔法で一撃、たったそれだけで終わってしまったのだ。そしてついには君は役立たずだ、やはりついてこないほうがいいなどと言われてしまう始末である。
サイトにとって、それはあまりにも圧倒的であり、そしてなにより心に突き刺さる思いだろう。だが、彼の瞳の光は失われていなかった。まだ、諦めてはいない。
負けず嫌いなんだろうな、とアニエスは少しだけ思いながらも彼に問いかけた。
「悔しいか?」
アニエスの問いに、サイトは黙って頷いた。そして、涙をこらえるように腕を目に当てて、下唇をぐっとかみしめた。
本当に真っ直ぐだ。アニエスは訝しげにサイトを見つめていた。地竜の村で聞いた限りでは、二人が出会ってまだ数週間しかたっていないはずなのに、なぜこうもお互いが信頼し合えているのだろう。
彼女は何か心の中で苛立ちを覚えていた。何となく彼に対し嫉妬しているのかもしれない。何故だろうか。ルイズを取られてしまう、ということだろうか。
「……俺は、色んな奴に勝てて、すげぇ強くなれた気分になってた。でも、これじゃ駄目だ」
「……」
「ああ、畜生。俺、本当はただのバカなはずなのに、ただの凡人なのにさ。どうしてこんなに悔しいんだろうなぁ……」
「……次はもっと強くなれるよ。ううん、一緒に強くなろう?」
悔し涙を流しながら呟くサイトに、ルイズは励ましの言葉を投げかけた。少し無理な笑みを浮かべていていたが、それでも心からの温かい言葉だった。
サイトはその温かみに触れながら、何度も頷いた。ただ愚直に、彼は強くなろうとしている。サイトは徐に立ち上がりながらアニエスに尋ねかけた。
「なあ、アニエスさん、俺、もっと強くなりたいんだ。どうすれば強くなれるんだろう?」
『そんなもん。自分で考えな、坊主。おめぇはまだまだひよっ子だぜ』
「な、お前に聞いてねぇよ!」
と、それに応えたのはアニエスの背中にいるデルフだった。彼の憎まれ口にサイトは思わず大声で反論した。しかし、デルフはへっへっへと軽い雰囲気で笑うだけで、全く動じていない。
それにつられてかルイズも軽く笑っていた。サイトは自分が馬鹿にされているのかと落ち込み、項垂れてしまった。それを見て、ルイズは慌てて彼を慰めた。
「ちょ、落ち込まないでよ。そう、デルフはちょっと素直じゃないから」
「……いや、こいつは俺を馬鹿にしようとしているんだ! そうだろう、こんにゃろ!」
『あ、この野郎、気安く俺様に触るんじゃぁ……』
サイトはやけくそになってデルフの柄を掴もうとした。それをアニエスは黙って避けて、デルフの柄に彼の指が少しだけ触れるだけにとどまった。
しかしその時、デルフの軽口が一瞬収まった。その様子に気が付いたのは、相棒であるアニエスだけだった。
「ほら、さっさと買い物に行きましょう!」
「あ、待てよ!」
そしてルイズはその場の雰囲気を誤魔化すかのようにサイトの腕を引っ張り、そのまま闘技場の外へと連れだしてしまった。
呆れた様子で笑っているアニエスはその背中を見送りながら、様子のおかしいデルフに声をかけた。
「どうしたんだ? いきなり黙り込んで」
『……あっいやなんでもねぇよ。ただあの調子じゃあ尻にしかれるだろうなぁと思っただけだぜ』
「……まあそうかもしれないが? それにしても、強くなれる方法、か」
様子がおかしいデルフをひとまずそっとしておいて、アニエスは先ほどのサイトの言葉を思い出していた。
強くなる方法。自分は本当に強くなれたのだろうか。いや、肉体的な意味では相当鍛え抜かれただろう。吹雪が荒れ狂い、目の前すら視界が閉ざされてしまっている雪山を一人で制覇させられたり、
龍退治を手伝わされたり、あるときは魔法を何度もぶつけられたり。様々な方法で体は鍛え抜かれて行った。技も、その時に学んだ。
しかし心は。それに見合うだけの心を、自分は得ることができたのだろうか。むしろ、私は弱くなっているのではないかと思ってしまう。だからこそ、彼女は天を仰ぎながらつぶやいた。
「強くなれる方法……? そんなもの、私だって知りたいさ」
第三十九話
「しかしさあ、こんな厚手で地味な服じゃ私の美貌が隠れちゃうじゃない? ま、私はこの格好でも十分溢れる美貌がありますけれど」
「そうだそうだ。僕の活躍も、こんな目立たない服じゃ霞んでしまうよ」
「我慢しろ。機能重視だ」
さて,決闘騒ぎののちに,彼らはラ・ロシェールの武器防具屋にやってきていた。ここでアルビオンへ行く準備をするためである。
学生服で来ていたキュルケとタバサ、気障な格好をしているギーシュ,そして服があまりなかったマチルダの4名はとてもじゃないがアルビオンに行くような恰好ではない。
そこで傭兵メイジが着るような厚手ながら動きやすい服を選び、彼らに試着させていた。前線で戦う事になるだろうサイトに関しては,何時もの格好の下に鎖帷子を着込んでいる。
魔法を相手にするには頼りないものだが、普通の兵士相手ならば十分身を守るための防具になるはずだ。
しかし、アニエスの言う通り機能重視ということもあり、その服は地味な作りだ。一見すれば,身なりの良いだけの平民にも見える。そのため、身分を隠すにはちょうどいいのだが。
それに不満を見せているキュルケとギーシュは口を開けば文句を言っている。しかし、アニエスはそれをしれっと淡々とした態度で流していた。
マチルダとタバサに至っては文句の一つも言わず、逆に自分の動きに合うかどうか確かめるように体を動かしていた。少し気に入らなかったのか、タバサは別の服を店主に要求していた。
目立たない店構えではあるが、品ぞろえはなかなか優れている。アニエスもまた動きを制限しない程度の防具を着こなしていた。
ここまでそろえるのは、傭兵以来である。その時の事を思い出し、アニエスはふっと複雑な表情で笑みを浮かべていた。
「しかし、それでもなぁ……」
「な、なんですか?」
アニエスは気を取り直すように、近くで帽子を選んでいたアンリエッタに顔を向ける。アンリエッタは少し戸惑い気味に答えた。心なしか警戒もしているようだ。
アンリエッタとルイズは合流した時から旅装束だった。恐らく事前に用意しておいたのだろう。今の格好はそこからフードをなくして、頭にかぶるものを探しているところなのだが。しかし、それにしても今のアンリエッタの雰囲気は地味だ。
普段王女に相応しい煌びやかな服装をしている、その反動だろうか。以前出会った時、メイド服姿の彼女を見たことがあるが、その時はそんな印象を受けなかった。それなのに、今は不思議と地味な印象を受ける。
「うん、地味だな」
「ええ!? な、なぜ私には名指しで?」
「いや、何となく……。ほら、隣にいるキュルケやタバサに比べてもな。不思議という感じも清楚という感じもないし……かといって色気もないし。そうか、普通なんだな」
「ふ、普通と言わないでください!」
ずけずけと無礼な事をいうアニエスに対し、アンリエッタも流石にぷんすかと怒りながら組みかかろうとしたが、簡単に彼女につかまって身動きをとれていなかった。
逆にほっぺたをつねられ、アンリエッタは悲鳴を上げてしまう。そんな二人のやり取りにルイズは呆れながら言った。
「何か姉さんってアンのこと、いじめたがるよね?」
「そうか? ううん、何というか……何だろうな。特に理由はないんだが、こうしてみたいんだよな」
「う、うう……弱みまで握られて、こんな扱いをされるとは……。一国の王女なのに、一国の王女なのに……」
「別に弱みは握ってないが……。ああ、そうか、あれの事か。ふむ、じゃあ参考にしておこうか」
「あ!」
自ら墓穴を掘ったことに気が付き、アンリエッタは恥ずかしさのあまり思わずルイズの胸元に顔をうずめた。ルイズはもはや呆れた表情を浮かべながら彼女の頭を撫でて慰めた。
そんな彼女をアニエスは意地悪そうな表情で、どうしてやろうかと考えているような様子だった。それに対し、エレオノールが槍型杖を取り出し、アニエスの背中に当てて電流を放った。
調子に乗りすぎた妹への制裁である。アニエスはぴぎゃ、と短い悲鳴を上げた後、地面に倒れた。エレオノールはそんな彼女を踏みつけながら、アンリエッタに向けて頭を下げた。
「馬鹿な妹が本当に申し訳ございません」
「い、いえ……。……ルイズ、貴女のご家族は、本当に個性的ですね」
「最近自重できないだけよ、きっと」
普段はほんわかとしたアンリエッタも、もはやついていけないと疲れた表情でいた。ルイズもさらに呆れをましたように肩をすくめていた。
「あんまり店の中で暴れないでくださいな」
と流石に彼女らへ店主から注意された。いささか騒がしくし過ぎてしまったのだろう。店の中には他に誰もいないが、それでも迷惑なのに変わりはない。アニエスは踏まれた背中を抑えながら、店主の許へと歩み寄った。
「あれ全部もらえるか?」
「支払いはこれで足りるだろう?」
「はい、毎度……ってあれ? あんた……」
「ん?」
店主はワルドから受け取った代金を確認する手を休めて、アニエスの顔をその丸い目でじっと見つめた。アニエスは突然の事に顔を顰めて、店主を睨み返した。
訳も分からないままじっと顔をなめられるように見つめられるのはあまり気を許せることではない。しかし、店主は納得したように手を叩いて言った。
「そうか、貴女、朝に来てた客にそっくりなんだ」
「朝に来ていた客?」
「ああ、フードを大きく被った怪しい客でさ、よく覚えているですよ。雰囲気とかは全然違ったけれど、貴女の顔にそっくりでしたよ。背丈や声とかもそっくりだ」
「へぇ……世の中には3人ぐらい同じ顔の人物がいるっていうけれど。まあ、他人の空似でしょう?」
「それがですねぇ、本当にそっくりなんですよ。失礼ながら、ご三人はご姉妹であられますよね? 正直に言えば、貴女方よりもそっくりですよ」
「……」
奇妙な偶然に、アニエスは真剣な顔をして、手を顎に当てながら考え込んだ。そしてアニエスはさらに店主に尋ねかける。
「……特に悪さをしている、というわけではないのか?」
「まあ気味は悪かったけれど、普通にお客様でしたよ。ほら、ちょうどあそこに長剣があるでしょう? あれと同型の剣を買って行きましたよ」
店主が指差したのは、ちょうどアニエスが昔使いならしていたのに似た長剣だった。
「自分とそっくりの人間、か」
必要な旅道具をそろえて、宿屋に戻ってきたアニエス達は各々昼食をとっていた。その途中で、武器防具屋での買い物の後に別れたマチルダが戻ってきて、フネの手配が完了したという報告をしてくれた。
彼女によれば明朝早くから出立できるそうだ。代金のほうも彼女の交渉のお蔭で多少は安くなっている。このことからどうやらやっと仲間と信頼されたらしく、今はエレオノールも挟んでギーシュやキュルケ、タバサと話し込んでいた。
ルイズとサイトはアンリエッタとワルドと話しているようだ。といっても、サイトは先ほどの事を気にして遠慮がちにしているようだが。
アニエスは考え事をするために一人一行とは離れたカウンターで、何も食べないままじっとしていた。先ほどの店に現れたのだというアニエスそっくりの人物とはいったい何者だろうか。
そして、昨晩に出会った幼い娘もまた、ただの復讐者ではないような気がする。なにか、私は恐ろしい事を見落としてはいないだろうか。アニエスは不安で仕方がなく、眉間に手を当てながら考え込んでしまっていた。
またあの仮面の暗殺者たちが私たちを狙っているのだろうか。
「何やっているのよ、一人で」
と、そんな彼女の許にエレオノールがやってきた。エレオノールはアニエスの肩をたたきながら隣の椅子に座ると、真剣な目つきで見つめてきた。
何だかあの日、自分の過去を話し時から、少しその輝きを増していて、アニエスには何だか眩しく感じていた。アニエスは苦笑しながら、返答に困っているように視線を逸らした。
エレオノールはルイズのほうを指差しながら、さらに問い詰める。
「……せっかくルイズと会えたんだから、もっと遠慮せず話し込めばいいじゃない」
「はぁ。しかし、情けない事に……久しぶりに会うと何から話せばいいのかわからないのですよ」
「情けないわね」
「わかってます」
「……それで? 本当のところはどうしたのよ?」
エレオノールはさり気無いふりをして、視線はアニエスの悩みのほうへと向けたままだった。全くかなわないものだ、とエレオノールの事を羨ましく思いながらも、
アニエスは観念したように苦笑しながらため息を吐くと、水の入ったグラスをぐるぐると動かしながら口を開いた。
「……最近、自分というものが何だか分からなくなります」
「自分?」
「ええ……。私は今まで、自分の中の復讐心を信じて生きてきました。もちろん、ルイズを守る気持ちだとか、ラ・ヴァリエール家への忠心。今ではいろいろなものが私の中にありますが、
それでも……私は復讐心を捨てられずにいます。それが今まで生きてきた意味ですから。……しかし」
アニエスはグラスを持ち上げ、水の中を覗き込む。そこにはわずかに光を反射し彼女の姿が映し出されていた。だが、アニエスにはその自分の姿がまるで別人のようにも思えてきた。
「……その復讐心を信じてきた私に復讐をする者もいることを、今更ながら気が付いた。……殺しを楽しんでいるとさえ言われた。私の中には揺るぎ無い精神を持ってきたと、自分を鍛え上げることで、それを手に入れたと思っていました。
……だけどそれは、ただの傲慢だったんだ。むしろ、私はどんどん弱くなっている気がします。そしてなにより……私は、思っているほど私自身を知らないことを思い知らされました」
「……何だか重症ねぇ……。無理におチビについていくよりも、家で養生したほうがいいんじゃない?」
「いや、そういうわけには」
「だったらしゃんとしなさいな。年長のあんたがそんな調子じゃ頼りないだけよ。不安を仰ぐだけだし、ついて行かないほうがましだわ。
……それに、そんなことじゃジャン君にルイズを取られちゃうわよ? お姉ちゃん?」
エレオノールはにやけた顔でアニエスを茶化すが、アニエスは一瞬痛いところを突かれ、苦悶に満ちた表情を浮かべた後、また元に戻ってしまった。
エレオノールはあえて調子を戻さず、そのままアニエスの肩をつついた。真剣に受け止めることはできるが、とりあえずは元気にするのが先決だ。アニエスもその意図に気が付いてか、はたまたあまりにしつこいエレオノールに根負けしたのか、苦笑しながら言った。
「しっかりします」
「うん、それでいいわ。じゃないと、おチビを任せられないわよ」
「……はい」
「よし、元気が出たわね。それで? なにがあったの? 様子がおかしいのは昨日の夜から、よね?」
「はい。……昨晩、私は私へ復讐する者に出会いました」
「……まあ貴女傭兵だったものね」
アニエスはゆっくりと首を縦に振った。確かに、恨まれても仕方がない稼業だったとは思う。
「その子は、私に対し復讐をすると襲い掛かってきました。13年前、私が初めて殺した人間の、娘だと」
そこでアニエスははっと一つの事を思い出した。自分が斬りつけられる際、一瞬だけ見えた彼女の顔。それはまるで幼い時の自分だったような。
「……そういえば、私が対峙したその子は私の幼少のころにそっくりでした。まるで、私の体を借りて、恨みをぶつけているかのようで……」
「……偶然、にしてはちょっと気持ち悪いわね。まるでドッペルゲンガーみたいだわ」
「ゲルマニアの怪談ですね。そっくりの自分に出会うと、魂を奪われてしまうとかなんとか……。しかし、まさか」
「でも気持ち悪いことには変わりないわね。フェイスチェンジでもアニエスの顔を仕立て上げることはできるでしょうけど、そんなレベルじゃ……」
そこでエレオノールはあることを思い出した。ここに来る前にアカデミーで見つけた研究の中で、フェイスチェンジを体全体に適応させるという実験があったはずだ。
詳細はわからず仕舞いだったが、恐ろしい実験だった。その実験で生み出された怪物は、血を与えることでその人物と同じになれるらしい。まるでスキルニルのようだ。
しかし、その実験は生成こそ成功したものの、怪物が長生きできず、そのまま研究自体が中断となってしまったはずだ。その時のメンバーもすでに死亡が確認されている。
もちろん、その情報が偽装されている可能性もあるだろうが。もし、そんな怪物が生きているという可能性は、0に近いだろう。
ひとまず得体のしれないものに狙われている。それだけが今確実な事だ。しかし、ここまで気になるのは何故だろう。
「……なんか私まで嫌な予感がしてきたわ」
「警戒は、しておいたほうがいいでしょうね。……姉上、お帰りなられる時はどのように?」
「使い魔に連絡を入れて、龍籠をよこすようには手配したからたぶん大丈夫だと思うけれど」
「左様ですか……。姉上も念のため用心してください。たぶん、狙いは私でしょうけれど……」
「ふん、妹に心配されるほど落ちちゃいないわよ……って何よその顔」
「いいえ、なんでもありません」
「何しゃべってるの?」
と、ちっとも信用していない顔のアニエスにつねりかかろうとしたところにルイズが二人の間に割って入ってきた。
突然の事にエレオノールは驚いて思わず身を引くが、すぐに咳き込んで気を取り直すと、にこっと微笑んで適当にあしらった。
「何でもないわ。大人の事情よ」
背後の仲間たちの席では、どうやら食事も終わって休憩をしているようだ。どこから持ち込んだのか、キュルケがトランプを取り出し、アンリエッタにルールを教えている。
アンリエッタは興味深そうに笑顔を見せながら、キュルケの説明に一つ一つ頷いていた。
「大人の事情って、エレ姉って大人だっけ?」
「どういう意味よ、それはっ!」
「うぐぐ、ぐぐ、ごべんばざい!」
妹の不敬な言葉にエレオノールはすぐさま彼女の首を腕で締め始めた。あまりの力にルイズは彼女の腕を叩いてすぐさま降参し、苦しそうにもがいた。最近、ルイズへの制裁が一段とエスカレートしているような気もするが、アニエスは気にしないことにした。
そんな二人の様子をアニエスは苦笑しながら眺めて、水を口に含んだ。味気ない水だ。それがいつも以上に味気なく感じる。
ルイズは様子のおかしいアニエスを心配そうに見つめていた。血はつながっていなくても、もう十年の付き合いのある姉妹同士だ。それぐらい、彼女にはすぐわかってしまう。
「……姉さん、何か心配事? 何だか疲れている顔よ? あの村からずっと」
「うん? まあ、ちょっとな。だけど心配ないよ、大丈夫さ」
「……そうやって蚊帳の外に私を出そうとする。隠し事したって無駄なんだからね」
ルイズはぐいっとアニエスに顔を近づけて、ジト目で睨みつけてきた。どうやら、近頃の子ども扱いが気に食わないようで、意地でもアニエスの本心を知りたいようだ。
そういうところがまた子供っぽさが残っているのだが、それはさておき、アニエスはふぅっと笑みをこぼしながらため息をつくと、彼女の頭を優しくなでてやった。
まるでそれが自分の心を落ち着かせるような、そんな想いも含まれているような気がして、アニエスは自嘲気味な笑みを押しとどめながら言った。
「まだ私にもな、まとまりがついていないんだ。だから話そうにも話せない。ごめんな」
「……そう。でも姉さん、わたしだって姉さんの力になりたいの。だから」
「うん、その時はちゃんとルイズを頼るよ」
頼っていいのだろうか。アニエスにそんな疑問が浮かび上がる。私は、許されざる者だ。汚い手をした、本当はルイズの側にすらいてはいけないような。
それに、危険な連中に私は狙われている。これ以上ルイズのそばにいれば、彼女が狙われる可能性だって出てくるのだ。
ルイズの下を離れるべきではないのか? そんな想いすら浮かんでくる。アニエスはそれを振り払うかのように、無理やり話題を変えて気持ちを切り替えた。
「ところで、本当にあの少年とはどういう関係なんだ?」
「え? ああ、サイトのこと?」
話がサイトのことになりエレオノールは水を口に運ぶ動作を一瞬だけ止めた。しかし二人はそれに気が付かず、お構いなしに話を続けた。
「そうだ。……まさか、不純な関係にはなっていないだろうな?」
「なってないわよ! もう、本当見境ないんだから……。ただの友達よ。ちょっとわけありで出会った、ね」
「わけありって?」
「秘密。姉さんが教えてくれないからね」
「何だそれは……。あのなぁ、ルイズ。私は変な輩にお前が」
「過保護すぎるのよ、あんたは。ルイズが変なことされるほどの女に見える? 誰もこんなじゃじゃ馬ちょっかい出さないわよ」
「あ、ひどぉい! 私だってね、ちゃんとするときはちゃんとしてますっ! エレ姉こそどうなのよ。最近、バーガンディ伯とうまく行ってないんでしょう?」
と、突っ込みを入れていたエレオノールは突然自分の話題になったのに思わずひるんでしまい、口が開けなくなってしまった。決意はしてみたが、まだまだ決着はついていないのだ。
いや、恐らく自分が思うほど幸せな道には行けないだろう。とりあえず、ケリだけはつけなければ。背後のテーブルでは何やら盛り上がっているようだが、三人は気にしないでいた。
「……まあ、あとは行き当たりばったりかしらねぇ……。精一杯誤ってみるつもりではあるけれど。結構月日流れてしまったし」
「しっかりしてよ、エレ姉。私たちエレ姉のウェディングドレス、楽しみにしているんだから。ちぃ姉さんも、アニエス姉さんも。ね?」
「うん。それは確かにそうだね」
「……結婚は人生の墓場なんて思っていたけれど。こう期待されると悪い気分じゃないわねぇ」
「結局、お相手がいることが余裕につながっているのではないのでしょうかね」
「かもしれないわね。あんた達もいい男と結婚して、お父様たちを安心させなさいよ? 特に、アニエスはね」
「それエレ姉に言われたくないわ」
げんなりとした表情のルイズにアニエスは苦笑しながら頷いて同意した。
「本当ですよ。……それに」
「言っておくけれど、貴族だとか平民だとか、もうそんなの関係ないわよ? お父様だって、実は貴女の縁談とか探しているんだからね。
まあそれを差し置いても、自由に生きればいいのよ、自由に。あ、といっても自由すぎるのも考え物だけれど。……とにかく、自分の意志で生きればいいのよ」
「……ははっ、全く手厳しいなぁ。というか、私の縁談とか初耳ですが?」
アニエスは言葉とは裏腹に純粋な笑みを浮かべていた。こうやって、純粋に心配してくれている家族がいることがうれしく思う。
しかし、それだけ自分の醜さもはっきりとわかってしまう。光が当たれば当たるほど、自分の本当の姿が映し出されてしまう。そして、進む道は眩しい。
「なんだい、三人で辛気臭く」
「あっちでポーカーやってるのよ、あなたたちもどう? アンナがすごいことになってるわよ!」
と、3人の下にキュルケとマチルダがやってきた。背後を見てみると、ギーシュとワルドとサイトがアンリエッタに巻き上げられているようだ。アドバイザーにタバサがついているようだが、
彼女のおかげだろうか。男三人衆はおのおの信じられないといった表情で顔を抑えて、アンリエッタは楽しそうな表情だ。
「あのお姫さま、ギャンブルの才能あるっていうか、運が良すぎるわよ」
「あんたたちもちょっと楽しんでみないかい?」
「まったく、何をやっているんだか……。ま、私にかかればちょろいわね」
「そう言ってこの前ギャンブルですったじゃないですか……」
「よぉし、私もやってやるわよ!」
「ルイズはエレオノールに似ているから無理だね」
「あ、それわかるわ」
ルイズとエレオノールがそれぞれ気合十分にテーブルに向かうのに対し、マチルダたちは皮肉を返した。そんな中、アニエスは一人苦笑しながら思う。
しばらくはこの温かみの中に居よう。ただ、それだけを考えていよう。
しかし、その想いはだんだんと彼女を傷つけていくのだと、今の彼女にはわかっていなかった。いや、わかっていながら目を背けていたのかもしれない。
そして、時間が過ぎて、夜も近づいてきた。才人は一人マチルダに呼び出されて、朝に決闘を行った闘技場に足を運んでいた。
あのポーカー大会では痛い目を見た。トランプ勝負はあまり得意ではないのだが、あのお姫様にコテンパンに打ちのめされるのはさすがに堪えてしまった。
アニエスから不遜な扱いばかりしていたせいか、ここぞとばかりにしてやったりの顔で次々と勝利を重ねて行ったわけだが。
最後の最後でタバサに負け、机に突っ伏している姿は何となく可愛いと思ったのは内緒だ。
「用事って、なんだろうなぁ」
ルイズは一緒ではない。彼女はワルドと二人きりで何やら食事をとっているようだ。いつもよりもしおらしくなるのはいいのだが、あの髭親父と一緒にいるのは何か面白くない。
キュルケやギーシュにもからかわれ、何となくムカついている彼は早くルイズの下に戻りたいなぁと思っていた。
何故だろうか。あの怪物鳥と戦ったときに助けてもらったとき、マチルダに攫われたのを助けた時。ルイズがこの上もなく大事だと思った。ワルドが許婚だと聞いたとき、なんだか腹が立つとも思えた。
それは、なぜなんだろうか。ルイズが好きだから? ルイズの使い魔だから? 初めて出会った時に優しくしてもらったから?
女性との付き合いがほとんどない才人にとって、よくわからなかった。自分が元の世界に戻ったら、ルイズはどんな顔をするんだろう。
そういえば、ルイズの姉エレオノールといえば、ルイズの魔法について何か言っている人だったような。そんなことを思い出しながら、サイトは闘技場の中へと足を踏み入れた。
「あ、いたいた」
視線の先にはマチルダの後ろ姿があった。腕を組んで、才人にはまだ気が付いていない様子だ。才人はおおい、とすこし大き目な声で彼女に呼びかけた。
するとマチルダは才人に気が付いたようで、振り向きざまににこっと、まるで秘書の時のような笑みを浮かべていた。
ドキッと才人は一瞬だけ驚いて、顔を赤らめた次の瞬間。
「ごめんなさいね」
そのマチルダの言葉と同時に、才人の体が地面にたたきつけられたのだった。
よかった、間に合った。一年の最後に更新できて一安心です。色々と問題は山済みですが、何とか頑張りたいと思います。
アンアンの扱いは、愛です。アニエスとサイトの存在意義、二人にとってのルイズ。というお話。
ご感想ありがとうございました。今回もちょっと短めですが確実に進んでいく方針で。
それではよいお年を
銃士の人、お疲れ様でした
来年も楽しみにしてますね。それでは、よいお年を
銃士の方、乙でした
偶然ながら剣士に一歩近づきましたね。
でも剣士って、なんにでも変身できるわ性格は最悪だわと、まるでババルウ星人のようですね
前話の流れからすると、レオレオ詐欺をやらかす可能性もあるし目が離せません
才人の受難に同情しつつ、来年も楽しみにしています
おかげで2010年をいいSSで締めくくれました。ではよいお年を
才人とルイズが逆だったら
ルイズ=大人達の評価は勤勉だが抜けている。
秋葉のメイド喫茶(親友に嵌められた)でバイトをしている。
バイト先で同級生♂に見付かり、罵ってくれれば黙っておいてやると脅迫され、思わず後ずさり召喚門に触れる。
そして見知らぬ土地で自称魔法使いの♂にキスされそうになり
思わず金蹴り、か
ジョセフが若い頃に世界扉を使えるようになってたら、なんか魔法や始祖を見下しそうだな
むしろハルケギニアを捨ててこっちの世界で生活するか
706 :
通りすがりのミサイル:2011/01/03(月) 20:14:17 ID:y7GipARS
サイトになりたくなるなぁ(´・ω・`)
魔法使いと聞いて貴方達って(30過ぎの)童貞なのと思わず言ってしまい、ギーシュ、マルコメ等に大ダメージを与える平賀ルイズを想像してしまった。
ハルケギニア、魔法使い、使い魔ではなくて江戸、陰陽師、式神の組み合わせだったら
別に着物瑠伊豆がみたいだけなんじゃないからね勘違いしないでよ
ブリミルは安倍晴明か?
安倍清明はいろんな作品に登場してるから
ガンダールヴ・・・夢枕獏の「陰陽師」版安倍清明
ヴィンダールヴ・・・渡瀬草一郎の「陰陽の京」版安倍清明
ミョズニルトン・・・永井豪の「新ゲッターロボ」版安倍清明
リーヴスラシル・・・椎橋寛の「ぬらりひょんの孫」版安倍清明
と言うトリッキーなこともできるな
江戸、陰陽師、式神だったら・・・
ガンダ・・・薩人マッシーン
ヴィン・・・徳川
ミョズ・・・平賀
リーヴ・・・松崎
こんな感じか
メイジの使い魔召喚の儀式がどんな形であれ、使い魔候補を従わせる経過が必要な物だったら
場合によっては命がけの戦いにもなるので腕の立つメイジが必要になる。
儀式がルイズの起こす爆音に混ざり生徒の怒号と使い魔候補の唸り声、魔法の爆音などが入る殺伐とした物になったかもしれない。
上のレス見て忍者やら某国の妖術師やらと戦うタバサを妄想したが
どう見ても裏柳生ポジなので生還する姿が思いつかないから困る。
>>710 すまん、突っ込ませてくれ。細かいようだがゲッターの作者は石川賢だ。
>>710 そしてもちろんトリステイン一の繁華街はアベノ橋商店街ですね
コルベールはまんま平賀源内になるな
ティファニアは天狗の子ってとこか、長いところが違うって点で
美醜的に天女希望
もしルイズがアンアンの実妹だったら
お花畑王女と無能王女……ゲルマニアに嫁ぐのはどっちだろ?
ルイズだけ男だったら
ルイ「俺は男です」
タバサ(男装少女)「貴方なら同性とキスをしても違和感は無い」
他一同(タバサはルイの心を殺す気か)
マルコメ(タバサ、僕の心も抉ってくれ)
キュルケ「相変わらず容赦無いわね。あの子」
解説頼む
意味わかんねえ
ガチホモ
銃士の才人は原作より苦労人だな
>>720 ルイズが男な以外は原作そのまんま、かと思いきや途中で出て来たタバサは男装しているらしい。
だからあやふやで分かりにくいんだけど、たぶんサイトも男だろうから契約時のあれを男同士ですることになる。
それに対してタバサが「女みたいな顔したお前なら野郎とキスしても違和感ねえだろ」と
異性と間違われることを不快に思う人間からすると空手技を叩きこみたくなるような発言をお見舞いした。
そして我らがマルコメさんはさすがの通常運転。
もしもルイズに召喚されたのがジュリオだったら?
ヘタレおもろ顔のサイトと違って遅くても2巻終る頃にはもうバコバコだろうな
一方そのころ、本来ご主人様になるはずだったツンデレバイオレンス美少女ルイズちゃんを糞忌々しい気障イケメンのジュリオに奪われたサイトくんは
美形の教皇さまに召喚され、相手が男と知らずに契約のキスなんかされちゃったりしたもんだから有頂天、そして扱いやすそうなのでそのまま女ということで通す教皇さま
と思いきや、そこにはビジュアル系っぽい化粧でお馴染みのヤンデレ巨乳神官シェフィールドさんの姿が・・・!!
そう、サイトくんは髭面躁鬱ブラコンちょい悪オヤジことジョゼフさんに召喚されてしまったのです・・・
もしもギーシュが顔だけジュリオだったら?
そして体はスカロンだったら
更に心は錦!
片手にピストル
もしサイトが棗慎や屈木頑之助よろしくルイズに激烈偏執変質粘着な愛情を持って、
彼女と結ばれる為にその障害となる人物をガンダルーンフル活用で殺しまくったら。
気付いたら自分の周りにはサイトしかおらず戦慄するルイズとか……
ルイズ「サ、サイト…ワルドさまは? エレオノール姉さまは…母さま…父さまは……?」
サイト「ルイズ…これからは俺を、俺だけを見ていてくれ……いや、俺だけを“見ていろ”、ご主人様」
唇に火の酒
そこは「心に花束」だろ
>>731 ついでに瞬発的すぎて同種の奴以外は見抜けない気の使い手で手足も長くしようぜ!
>>733 だって、そこに731さんの怪談が入っちゃったんだもの・・・
そしたらその次にするしかないじゃないですかアア アア アア アアア!
右手に釜を左手に花束を。
片手に〜「ビームライフル!」
心に〜「メガ粒子砲!」
唇に〜「爆弾!?」
背中に「ソーラレイ!!」
昔聞いたMADを思い出してしまった。
やあ、ファティマ・ゼータのいかがわしいテープですね。
もしも魅惑の妖精亭がオカマバーだったら(見た目はそのままで)
もしギーシュが自分で薔薇を育てていたら?
そしてその薔薇をパクって悶々が香水を作っていたら?
ギーシュが香水事件でモンモン、ケティとの関係を清算しヴェルダンディと一緒になったら
才人「何と言うか・・・強く生きろよ」
モンモン「安い同情はいらないわ」
シエスタ「私が香水を見つけたばかりに」
ケティ「遅かれ、早かれの問題で貴方の所為ではありません」
北欧神話の女神さま召喚しちゃったの?
ヴェルダンテが韻モグで美少女に変身したら
いくら見た目が美女でももぐらはもぐらだぜ?
>>741 二次で勘違いしてるようだけど、香水を見つけたのは才人だ。
ヴェルダンテが鼻行類だったら。
鼻の形次第でルイズが宝石のシーンで触手プレイされちまうじゃないかw
その触手プレイにワルドを始め誰も助けようとしないアルビオン旅立ちですか。
前屈みワルド「僕の婚約者を辱める事はやめてくれないか」
前屈み才人「ただルイズにじゃれ付いているだけだろ」
ギーシュ「そろそろ出発した方が・・・」
ワルド・才人「帰れるかどうか解らないのだぞ、もう少し名残を惜しんでも良いじゃないか(だろ)!」
ギーシュ「ヴェルダンテもあんなにはしゃいでるしこのままでも良いかな」
ルイズ「い・ぁ・・いい加減にしなさ・・ぁ」
ルイズが才人に犬として生きるように言った最初の言葉が
「犬よ、犬よ、あんたは犬になるのよ!!」
そして犬の覆面を用意するルイズ
うるせェ調教して雌犬にすんぞ糞アマが、って言うようなサイトだったら
やれるもんならやってみなさいよ! と言い返し、数々の道具を出して四つん這いになるルイズ
決闘の身代金を孤児院に匿名で寄付するタイガーサイト
ライバルは足でピアノを弾くのか…
いやそれ作品違う
あんたは犬よ宣言でサイトぶちキレ、ルイズと殴り合いの末「いい拳してるじゃねえか」「あんたも、強いわね」で、友情を芽生えさせる二人だったら?
サイトェ・・・
年下な上に年相応に見えない女の子と殴り合いでいい勝負て・・・
『剛拳』のルイズ
では、誰が『柔拳』なの?
タバサじゃね?
ふにゃちんのギーシュ
もしもコッパゲが完璧なツルッパゲだったら
太陽拳じゅうべぇだぁああああ
もしもワルドがハゲていたら
太陽拳じゅうべぇだぁああああ
もしもキュルケが貧乳だったら
初期のキュルケに誘惑されるイベントでサイトの内なるロリコンが暴走しバッドエンド
貧乳=ロリじゃないんだぜ?
スレンダーなお姉さまだって存在するんだぜ?
大人貧乳は愛好者こそ少ないが確固としたジャンルだね
よつばとのとらことかがそう
いや僕自身はそういうのじゃないんでちょっと分からないです
和服が似合うのは貧乳だし
高貴な女性は貧乳のがいいってされてた時代もあるんだぜ
ケツがデカければデカいほどイイ!って国もあるらしいな
>>767-768 お前等、他所のキャラ挙げなくてもそのジャンルには既にエレオノールという不動の女帝がおわすではないか。
貧乳は至高だ。
いっそ女性キャラ一人残らず貧乳だったら?
これで平等、争いもおきないか
夜な夜な巨乳派による人体実験が行われるよ
もしもバストサイズ自由自在な魔法があったら
それってもしかして《生命》じゃね?
ブリミルが使った疑いがあるとか言うアレ
貧乳で有名なエルフ族に使ってみたとかそういう感じかもしれん
でもって貧乳派から悪魔呼ばわりされていると
原作は
>>773-774とは逆パターンだったと
銃士のサイトはどーやってルイズをもらう許可とるんだろ?
もしも脚本が虚淵玄だったら
>>778 公爵(父親)に加えて妹馬鹿姉がいるしなぁ…。気が付いたら真っ二つになるとか。
それかルイズがお父さん姉さんなんか嫌い!発言で撃沈させるとか。
もしも、ルイズとキュルケの立場が逆だったら
またはルイズとアン様の立場が逆だったら
サイトは3巻くらいの段階でアン様と毎晩合体しまくりになるな
>>782 そしてウェールズが釘宮病感染者で
我々の業界ではご褒美な
自己犠牲をもいとわない愛の紳士になる
キュルケやアンアンが虚無だった場合も、周りに蔑まれゼロ呼ばわりされるのかな?
キャラが違うから変わってきそうな気もするけど、人格形成にも大きく関わってきそうだしなあ
ポジションだけ違ったら、ルイズが無能故に国外留学させられた娘や無能王女になるのか
原作以上にキツくなってそうだし、サイトは死ぬなw
>>781-783 > ルイズとアン様の立場が逆
な上
「もしウェールズの性格がマリコルヌだったら」
>>785 途中で切れたけど
普段は原作ウェールズな好青年なのに
アンアンな立場のルイズに踏まれたりして
何かのスイッチが入ると
いきなりマリコルヌみたくなるのを想像した
……話が一気に台無しになるか
生暖かい眼で作中ベストカップル扱いされそうだ
なんて残念な……
引き換えにコルベールが30歳くらい若返ったうえ銀髪オッドアイに……
あれはハゲで残念なおっさんだからいいんじゃないか?
アニエスが「復讐やーめた」になりかねんな
・・・なんで?
イケメンは正義、と思いきやアニエスは男に興味ないんだっけ
コルベールが美女だったら復讐やーめたになるんですね
>>793 「貴官には、わたくしを殺す権利がありますわ」
「殺しはせん。その代わりに」
「なんですの? わたくしにできる償いなら、なんでもいたしますわ」
「……お姉さまと呼ばせてください」
コルベールやオスマンがアニエスを育てていたら
養父のオスマンに性的虐待を受けて育ったアニエスか……
オスマンはペドなのか?
いや、光源氏計画か
>>796 養父のオスマンを虐待して逆調教しつつすくすく育ったアニS……ゴクリ
アニエスちゃん6さいに正座で説教されるオスマンしか見えない
>800
そうすると、フーケイベントが無くなるな。
最悪、ロングビルが出てこない。
原作開始時点でオスマン引退でアニエスが学院長に就任してそうだ。
メイジでない?少なくとも女生徒と女性教師は全員賛成すると思うし、男性もジジイと若い女性のどっちを選ぶかな。
フーケちゃん六さいは居ないのか
>>803 魔法の怪盗 まじかる ☆ミ メイジフーケちゃん
と申したか
>>804書いて思ったけど
「もしおマチさんが魔法学院の生徒会長だったら」
みたいな、ティファを姉さんと呼ぶ感じの年齢逆転物ってスレに出てたっけ?
書き方によってはワルド爆発しろってifになりそうだけどw
テファは妹のままってのもあるでよ
いっそのことワルドもおマチさんと同学年にして、風紀委員長か副会長にしちゃったりとか
穏便にモード大公家とサウスゴーダ家がトリステインに亡命できていたら、
シュヴルーズの代わりにマチルダ先生が錬金の授業受け持ってたかもしれん
当然テファも学院生徒で(耳はジョゼットの使ってたマジックアイテムで隠しました)
エルフとの間に子供作っちゃってる以上穏便には難しくね?
>>807 マチルダ先生とクレー授業
ルイズの錬金爆発で教室が吹き飛ぶ阿鼻叫喚の環境下
落第生向け居残り特例で泣いたり笑ったり出来なくなる
修羅の授業とわかっています
>>808 いや、亡命したというかトリステインに入れさえしたら国王側も大公側も必死で隠すと思う。
国王側はエルフとのスキャンダルを他国に流すわけにはいかないし、大公側もエルフだとバレたら受け入れられなくなる。
あとは大公の政治力と刺客をかわす実力がいるかな。
それじゃあ、まずはトリステイン入りの妨害を突破できるのかって話か
エルフに惚れた時に(王家にバレる前に)
地位も身分も投げすてて駆け落ちしました〜
って設定なら問題ないんじゃない?
サウスゴーダがモード大公を乱心の理由で幽閉、自害した事にして秘密裏にトリステインかジョゼフの下に流すでなんとかなりそうな気がする。
ジェームズも公表できる内容でないので、どんなに胡散臭くてもモード家の断絶、当主の死亡を認可するしかない。
モードは当主としての責任の認識が無かったのか、家臣、領民の苦難を承知した上でテファの母を囲ったのか。後者ならモードのイカレっぷりにジョゼフ大興奮だな。
ジョゼフ「そんなにこのエルフを愛してるんならモード大公自身の手で殺させたらどうなるかな?かな?」
なんでジョゼフなんかに送ってしまうん?
20巻でテファの母の事情も多少はわかりますかねえ?
もしもテファのママが超武闘派で刺客を全滅させた上でウェストウッドで隠遁生活に入ってたら
>>817 モード大公も助かってた場合、才人がテファフラグ立てたら
二人揃って「娘はやらん!!」と強硬姿勢をとりそうだな。
大公には死んでもらって親子丼だろうそこは
いや、大公にはご存命してテファの妹や弟をバシバシ作っていただかないと
テファ母がテファとモードの下を去り北花壇に所属していたら。
テファ母とテファが早々に蒸発した事でモード大公の疑惑は疑惑のまま立ち消えとなる。
アルビオン内戦がテファ母娘が蒸発した事を恨みに思っていたモードとジェームズの戦いになりそう。
ウェールズ転生のIF物だと、ジェームズに(愛していた)マチルダを殺されて魔王モードになって
ジェームズ殺害、アルビオン落としを強行してたな。
原作を読んで思ったのは、テファって将来アルビオンにおけるクイーンエリザベスみたいな
存在になるんではなかろうかとか。
ロマリア(ローマ正教)に対して始祖の血を引くアルビオン女王こそ神聖なるものとする
英国国教ならぬアルビオン国教ってのが成立しそうな気がする。
……と、とある魔術のホニャララを読んでて夢想した。
>>822 >アルビオン国教
公会議で教義改革
「乳と息子と精霊」の三位一体を持ち込むとな?
貧乳派による抗議運動=プロテスタントとか
おっぱいならどれでも素晴らしい、巨乳、普乳、貧乳で三位一体を構成すべきだと言う新宗派とか
>>824 ならこうだ
教皇の権威を尊重しながらもその至上権については異議を唱え
ロマリアからの宗教的からの独立、教皇権の制限を求める
ガリア主義 (Gallicanisme)に基くガリア教会は
「つ る ぺ た こ そ 至 高」、と(ry
・・・真面目な話、ルイズのモデルのルイズ・ヴェリエール愛人にした
仏ルイ14世がやらかしているので、ゼロの使い魔でも
ガリアとアルビオンの教会分離はやるんじゃないかと思ってたけど
まだ出てないよなー
>>825 >真面目な話
「つるぺたこそ至高」じゃなくてガリア主義による教皇権制限の方ね
ガリアブラザーズ、特にジョゼフが手をつけなかったのは不思議に思う
(本編の展開的に言うと、そんなレベルで済まなかったんだけどw)
自レス、カコワルイ
久々に正統派? で
もしゼロの使い魔の才人が
--------------------
827 名前:才人@魔法学院。[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 07:45:14 ID:Sai-Hira
おっす、オラ平賀才人!
昨日マジにルイズに召喚されちまった!
ここのルイズ失敗世界扉でザ・ハンドしやがる!
だれかいいアイディアないか?
828 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 07:50:15 ID:earth/jp
証拠をZIPでくれ>ハルケギニアの風景
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ここのIFスレ住人で、↑から始まるストーリーだったら
>>827 理想郷に「
>>1がハルケギニアに召還されるようです」ってのがあってだな
> ここのルイズ失敗世界扉でザ・ハンドしやがる!
この「ザ・ハンドしやがる」ってのは『ガオン』するってこと?
>>826 さすがにつるぺた主義の方をやらかしたと思う人はいないと思うの
>829
便所をご不浄と呼ぶ感覚を西洋で独自に発明したマルティン・ルターならやりかねない。
おっぱいには煩悩が詰まってるので聖職者はつるぺたを愛さねばならないと言うことか
サイトさん「おっぱいには煩悩が詰まってるとか言う奴の頭の中にこそ煩悩が詰まってるんだぜ!」
>>829 > つるぺた主義の方をやらかした
ルイズを愛人にしてるだけありえる(違うだろ
教皇権や亡命話を見てて思ったんだけど
「もしゼロ魔のキャラが全員作中の社会的立場に応じた判断力を備えていたら」
・・・書いてて何だけど、全然違う話になりそうだな
少なくともラノベじゃなくなりそうだ
ルイズの失敗魔法が世界扉系なら、その場合召喚された才人はヴィンっぽい気が
まあ、ルイズ以外の虚無の失敗魔法の描写がないから、なんとも言えんが
世界扉が一瞬でもつながってたら、サイトのノーパソでこちらと交信可能かもしれんから、
>>827みたいなやり取りもありうるのか
>>834 想像したら
>>827が出来る条件って凶悪だよな・・・
JoJoのスタンドのザ・ハンドみたいな失敗世界扉で
ネット繋がる場合、
爆発する代わりにハルケギニアの空間ごとなにか
削り取って地球に飛ばしてるわけで、
これでネット繋がるなら飛ばした一瞬だけ
空間が繋がって無線接続してることになる
空間ごとなにえぐって飛ばしてるのか
わからないって時点で怖過ぎる
自宅と直径80pくらいの穴で常時接続してるんだよ
そのネタ、まとめにあるよね
段ボールで補強した世界扉
お久しぶりでございます。毎度ご感想をいただき、こちらとしても何とか続けていこうという気持ちであります。
四十話が出来上がりましたので、45分より投稿をしたいと思います。
一人、女が立っている。屋上に吹き荒れる夜風にマントをなびかせ、じっとある方向を見つめていた。その表情は仮面のせいで見
ることはできないが、薄気味悪い雰囲気が彼女を取り巻いていた。格好だけを見れば、清廉な女騎士のように見えるだろうに、彼女
にはそんな雰囲気などまったく感じさせなかった。
女、アニエスの姿を手に入れた剣士は、その体の元がいる方向をじっと見つめ、そして口の端を吊り上げながらつぶやいた。
「ああ、待っていた、この時を!」 アニエスを壊し、自分が成り代わり、そしてアニエスの全てを壊す。そこに目的などない。彼
女の苦悶の表情をみたいだとか、彼女の怒りを買いたいのだとか、そういう欲求など剣士にはなかった。
ただ、ただ壊したい。自分が作り上げたものを壊したい。あの子が築きあげたものを壊しつくしたい! 別にそれが嬉しいわけでも
なんでもない。それが自分の存在する理由だと思っているからだ。自分は本来、軍で暗殺者もしくは諜報部員として使われるはずだ
った。しかし、アカデミーの方針の変更により極秘に作られていた怪物たちはすべて廃棄となった。
自分もその怪物と同等に扱われるはずだったが、何の因果か、生き延びることができた。姿を変え、いろんな形でアンダルシアの
僕の振りをしながら生きてきた。
敵を破壊するために作られた自分が存在する理由はただ破壊するためだけ。だからこそアニエスを破壊する。そして、その破壊は
段々と連鎖してゆき、最期はこの国の全ても破壊するのだ。まあどこまでできるかなどはわからないが。自分が存在する限りはその
存在意義に従って行動する。それだけだ。そして、実は熟したのだ。後は落とすのみ。
「……そろそろ時間だ」
彼女の下に、やはり顔を仮面で覆った女剣士がやってきた。くすんだ色をした青髪は、まるで彼女の闇を表しているかのように、
より一層暗く見えた。女剣士、ミシェルは腕を組みながら剣士に近づこうともしないまま用件を伝えた。彼女にとっては目の前にい
る人物とあまり関わり合いになりたくない。それが本音だった。それに、もし味方同士でなければ成敗してしまいたい、そのぐらい
の嫌悪感さえ感じている。
「作戦は予定通り行う。王女を確保,生死は問わずだ。その後はレコン・キスタに身柄を引き渡す。それ以外の者は……皆殺しにせ
よとのことだ」
「そう」
「斥候によると、敵は二手に分かれている。我々は闘技場跡のほうへと向かう。アンダルシア達は宿のほうにいるやつらを叩く予定
だ」
「そう」
「アニエスも殺すことになる。……何か思うことはないのか?」
ミシェルは剣士に尋ねかけた。だが、剣士にはその答えはわかりきっているだろう。なにを聞いているのか、自分は。ミシェルは
そんなことを想いつつ剣士の回答を待った。剣士は仮面を外した。そこからアニエスの顔があらわになる。だがその表情は本人とは
思えないほど、悍ましい笑みが浮かべられていた。そして、まるで当然だと言わんばかりに即答をした。
「ない」
「お前が育てたのだろう?」
「ええ」
「母親代わりだったのではないのか?」
「母親……? まあ、そうだったかもしれないわね。母親か、ははおや、うふ、うふふふ」
剣士は突然笑い出した。何がおかしいのか、ミシェルには理解できないが、もともと自分の理解が及ぶような人間ではないことは
もう知っていたため、気にすることはない。
狂ったように笑い続けた剣士は、突然冷静になって、首をかくりと横に倒しながらミシェルに言った。
「面白い冗談、ありがとう」
「……どういたしまして」
慣れてきている。そんな自分にミシェルは嫌悪感を感じながらも、剣士の事を無視してその場から颯爽と立ち去ろうとした。その
後ろ姿を見つめながら、剣士は不意に意地悪そうな表情を浮かべて声をかけた。
「お前は、わたしを殺せるのか?」
ミシェルに聞こえてくるのは何か物悲しげなアニエスの声だった。あの反吐が出るほどの気障りな剣士の声など一片も感じられな
い。正真正銘、アニエスの声だった。だからこそミシェルは動揺した。アニエスがこの場にいるはずもない。あいつが私をからかお
うとしているのだ、しかし、なぜこんなにも。震える体を抑えながら、動揺しながらも彼女は振り向いた。
アニエスの姿をした剣士は、マントをなびかせながら、今にも涙を流しそうに儚く、そして悲しげな表情を浮かべている。どうし
て、そんな顔をしているのだ。ミシェルはただ顔を逸らすしかない。まるで、当の本人にそんな顔を向けられているようで、見てい
られなかった。
「私を殺してしまうのか? 親友だと思っているのに、なぜ殺すんだ?」
「う、うるさい……うるさい黙れ! その姿で、あの女の振りをするな! あいつは、あいつは裏切り者だ……っ!」
「何故裏切り者なんだ?」
「それは……牙を忘れ、ただの貴族の犬に、成り下がったからだ! あいつは……あいつと私は、同じだと思っていたのに……! 許
せない、許せないんだ!」
「ふふ、ならば、しっかり仕留めないとね、甘ちゃんミシェル? じゃないと貴女のお父様やお母様が報われないわよ?」
必死に剣士を拒絶し、視線を逸らして叫び散らすミシェルの許へ素早くすり寄った剣士は最後にミシェルの声で甘ったるい言葉を
彼女の耳もとで囁いた。
ミシェルは怒りのままに拳を振り払ったが、次の瞬間には彼女の姿が風のように消えていた。また誑かされた。ミシェルは悔しさ
のあまり唇をかみしめながら、近くにあった木箱を力任せに殴りかかる。彼女の怒りの一撃を受けた木箱が激しい音を立てながら崩
れ去れた。そして、ミシェルは瞳を真っ赤に染めながら、にやりと笑った。
「ああ、いいだろう……私の復讐が生半可ではないことを証明してやる……!」
一歩ずつ、一歩ずつ確実に、ミシェルは修羅の道を歩んでいった。まるでアニエスとは逆の道を歩むかのように。
第四十話
「しかし、君も大人らしくなったね」
「そうですか?」
女神の杵の一室で、ルイズとワルドは二人きりで食事をしていた。久しぶりの再会であったが、なかなか二人きりになれなかった
ため、いい機会にとワルドが彼女を誘ったのだ。アンリエッタはキュルケ達に任せている。それに念のためワルドの遍在が影から護
衛しているようだから心配はないようだ。それにアンリエッタ自身の勧めもあれば断ることもできない。
それよりも、ルイズにとってこの会食は何となく気まずいものだった。朝のサイトとの決闘の事もあるが、何よりも自分がワルド
の事を覚えていないのだ。それなのにもかかわらず、この部屋のインテリアとい
い、食事の豪華さといい。まるでデートのような気分だ。
初めて会ったとき、すでに事情を知っていた彼は気にしなくていいよと言ってはくれたが、婚約者の事を覚えていないのはさすが
に気が引けていた。
こんな時、記憶を失っていなければと後悔することもあるが、それはどうしようもないことだった。そんな彼女を気遣ってか、ワ
ルドは安心させるように優しく微笑んだ。そして二つのグラスにワインを注ぐ。その動作の一つ一つがまるで輝いているようで、ル
イズは思わずぽぅっと見とれてしまった。
「子供の頃の君は、僕の背中を一生懸命ついてきてね。あの時はあどけないと思っていたけれど、こうして無事に大きくなってくれ
た。もう、君は一人前の大人の女性だな」
「もう、からかっても何も出ませんよ。……その、ごめんなさい。何も覚えていなくて」
ルイズは申し訳なさそうに俯いた。ワルドは彼女の肩をやさしく叩き、にこりと笑ってグラスを片手に言った。
「何、思い出は作り直せばいいさ。……これからの二人に」
ワルドの笑みにつられて、ルイズも少しだけ微笑んだ。そして、チン、と乾杯の穏やかな音が部屋に響いた。
「ゼロからのスタート、ですね。私の二つ名とおんなじ」
「学院ではそんな二つ名で呼ばれているのかい?」
「はい……。魔法が全然使えないから、『ゼロのルイズ』。自分では『細剣のルイズ』なんて名乗っていますけれど、やっぱりそっ
ちのほうが広まっているんです。まあ、魔法も使えないんだし、当たり前ですから気にしてないですけど」
「きっと学院の連中は君の本当の魅力に気が付いていないだけさ」
「まあ、お世辞を言っても何も出ませんよ」
と、ワルドの言葉に苦笑しつつも、まんざらでもないような表情を浮かべて、ワインを一口含むルイズ。どうやら記憶がないとは
言っても、『あこがれのお兄様』としてのワルドは何処かで覚えているようだ。
彼女はいつも以上にしおらしい雰囲気で、ワルドに接している。ワルドもそんな彼女に対し、不敵な笑みを浮かべながら言った。
「お世辞ではないよ。本当の事さ」
「ワルド様……。あの、その……本当にそう思ってます?」
「ああ、始祖に誓ってもいいくらいさ」
「はあ……。よくわからないですけれど、ありがとうございます」
流石のルイズも、あまりに真剣なまなざしでワルドが自分の事をほめたたえるものだから、少しばかり彼の事を訝しげな眼で見つ
めながらワインをもう一口含んだ。少し大人っぽい味で、ほろ苦さを感じる。そんなルイズにワルドは苦笑して言った。
「ああ、すまない。少し突然すぎたかな?」
「い、いえ。普段そんな褒められることもないので、つい」
「いや、僕が悪いんだ。すまない。久しぶりに会ったものだからね。つい君の事を引き寄せたいと思ってしまうのさ。でも、君の事
をすごいと思う気持ちは嘘じゃない」
「……ありがとう、ワルド様」
ルイズは頬を赤く染めながら、恥ずかしそうに俯いた。そんな彼女に、ワルドは優しく微笑みかけた。彼の瞳を見ても、嘘はまる
で含まれていない。純粋な気持ちで自分を励ましてくれているんだ。ルイズはそんな風に考えながらも、彼の持つ何か大きな思いに
も何となく気が付いていた。ただ、それがなんなのか、今の彼女にはわからなかったが。
暫くの間、二人は静かに食事を続けた。たまにルイズが「おいしいですね」 とワルドにつぶやくと、彼は「そうだね」 とつぶや
き返した。魔法衛士の隊長としての威厳はなく、どちらかといえば今はただの好
青年だ。しかし、そんな会話も続くわけもなく、気まずいと思ってきたルイズは誤魔化すように笑いながら、話題を変えることにし
た。
「この任務、上手く行くかしら?」
「姫殿下をウェールズ皇太子殿下に引き合わせる、という任務をかい? 君にしては弱気な言葉だね?」
「あ、いえ、その……」
「はは、すまない。少しからかってみたかったんだ」
「もうっ!」
ワルドの悪戯っぽい笑みに、ルイズはぷいっとそっぽを向いてしまった。そんな彼女に、ワルドはまるで少年のような明るい顔で
笑った後、ごめんごめんと、まるで取り繕わない姿で謝り始めた。
「やはり、君は昔のルイズのままだな。昔も、こうしてからかうと今みたいに頬を膨らまして、そっぽをむいてしまうんだ。ははは、
懐かしいなぁ……」
「……そんなこと覚えていません」
「すまない。気を落とすようなことを言ってしまったね。……任務なら大丈夫さ。君のお姉様もいるし、それに僕もいる。姫様も、
君も守ってあげるよ」
「あら、私だって、レイピアだったら負けませんよ!」
「ははっ、頼もしい限りだ。しかし、君が傷ついたら、ご家族が悲しんでしまうからね。僕が全力で守るさ」
「ありがとうございます、ワルド様。心強いですね」
ルイズは嬉しそうに微笑んだ。すっかり安心しきっているようだった。
「ところで、あのサイト君とはどういう関係なんだい?」
「え?」
「いや何。少し気になったものだからね。それに、こうして話していても、何となく彼の事が気になっているんじゃないかい?」
「あ、いやそんなことは!」
と、慌てて誤魔化そうとするルイズだったが、実はワルドの言うことは図星だった。むしろ、ワルドに言われて、余計に気になっ
てしまった。だけど、それが何で気になっているのかはよくわからない。今の彼女にとってはサイトは大事な相棒だし、今回ワルド
に打ちのめされた事を悔やんでいたのを知っているから、心配ではあった。だけれど、本当にそれだけなのだろうか?
もしかして、本当に私はあの人の事が好きなのか? と、少しだけ考えてしまう。あの学院の夜会での出来事。二人きりで夜空を見
上げていたころの事を思い出す。そして、頭を撫でられたことを思い出し、ル
イズはまるでボンッ! と音を立てたかのように顔を真っ赤に染めた。そして首をとてつもない勢いで首を横に振り、雑念を振り払お
うとする。
「か、彼はその! ただのとも、友達というか、なんというか!」
「そ、そうなのかい?」
「そうですよ! うん、そうです!」
ルイズはそうよ、絶対そうよ、とつぶやきつつも、なぜこうも必死に誤魔化しているのか、よくわからない。そんな彼女の心うち
を知ってか知らずか、ワルドは楽しそうに笑った。
「そうか……。しかし、不思議な少年だな。普段はとりえのない、ただの平民の少年かと思ったら、武器を持つと急に強くなる。彼
は磨きがいがあるよ。今は突っ込むことしかできていないけれどね」
「そう、ですか……」
「あれでもし、君の恋人だったらどうしようかと思ったところだ。何せ、婚約者を他の男に取られるなんてことがあれば、一貴族と
して、いや男として情けないからね」
「ええっ! あ、いやそのワルド様、その、婚約者とは……」
「いやかい?」
「い、いえ、そういうわけじゃなくて、その……。やっぱり、私たちまだそういう関係には……。それに私魔法も使えないし……」
突然のことにルイズは困惑したかのように手をワルドに突き出しながら、ぶるぶると首を横に振った。だがワルドは、まるで動じ
ることなく、力強い口調で言った。
「何故だい? こんなにも君は魅力的じゃないか。もし僕が親の約束で許婚になっていなかったとしても、君を自分のものにしたくな
る。それだけの力を、君は持っているのさ」
「あの、ワルド様?」
「君はその力に気が付いていないだけさ。僕はただの魔法衛士の身で終わるつもりはない。トリステインを、いやハルケギニアを動
かせるような大貴族になってみせる。だけど、きっと君だって世界を動かせるよ
うな……」
「ワルド様!」
熱の入ったワルドの口調が段々と狂気じみたところまで行きかけたところで、ルイズが制止しようと大声で叫んだ。それにはっと
気が付き、ワルドが目を見開いて動きを止めた。そして、申し訳なさそうに頭を抱きながら、「すまない」 と一言つぶやく。
ルイズは突然の豹変に驚いたが、ひとまずこの場を誤魔化そうと、「いえ」 と笑みを浮かべて一言だけつぶやいた。そして二人は
沈黙し、気まずい時間が流れ始めた。その空気に耐えられなくなったのか、ルイズは食事をそそくさと終えると、口元をナプキンで
拭き、ワインを一気に飲み干した。そして徐に立ち上がり、ワルドに言った。
「今日はありがとうございます。私、アンのところへ行きますね?」
「あ、ああ」
「では、おやすみなさい」
ルイズは丁寧にお辞儀をすると、部屋から出て行った。それを手を振って見送ったワルドは、姿が見えなくなったのを見計らって、
ふぅ、と大きなため息をついた。
「……やれやれ、少し強引だったかな?」
彼の眼光は先ほどまでの優しい好青年のものではなく、まるで獣のような野心溢れる鋭い目つきになっていた。そして、自分のひ
げを少し撫でながら窓のほうへと歩み寄る。視線の先には、あのサイトと戦った闘技場跡があった。
「まあ、いい。いずれはあの力、虚無の力は俺のものになるんだ。……そして、聖地に俺は行く。俺は、行かなくてはならないの
だ」
窓の外を見つめる彼の眼光は鋭くなり、そして歪んだような笑みを浮かべた。しかし、その表情とは対照的に、声は何処か悲しげ
だった。
サイトはぐぐぐと歯を食いしばりながら顔を上げる。視線の先でマチルダが憐れむような目でサイトを見つめていた。サイトはそ
れを睨み返す。そして自分の背中に乗りかかり、全身を抑えつけている何かを探ろうと頭を上げようと試みる。だがあまりに強いそ
の力はサイトの顔をまた地面に押し付けた。
コツ、コツと、足音が聞こえてきた。自分の近くをだれかもう一人歩いている。足音は規則正しく、一寸のリズムのズレもない。
そして軽い音だ。
その足音の主がサイトの顔の近くにたどり着いた。サイトは何とかその正体を探ろうと目を横に向ける。見覚えのある山靴。これ
は、確か。しかし、彼が正体を突き止める前に、彼の左手の手袋が乱暴にはがされた。そして、細い手でそのサイトの左手が持ち上
げられる。艶やかで繊細な指ざわりだが、そんなこと、今のサイトにとってはどうでもいい。彼は全身の力を入れ、暴れながら叫ん
だ。
「何しやがるんだ、ちくしょう! 放しやがれ、この野郎!」
「威勢だけはいいわね、サイト・ヒラガ。いいえ、ガンダールヴ?」
サイトははっと何かに気が付き、言葉を失った。この声はエレオノールのものだ。やはり先ほどの見覚えのある山靴は、彼女のも
のだったのだ。しかし、何故味方である、ルイズの姉である彼女がこんなことをされているのか。彼にはさっぱり理解ができなかっ
た。それよりも、なぜガンダールヴだということがばれているのか?
「その声は、エレオノールさん……? じゃあ、上にいるのはアニエスさんか!?」
「ええ、そうよ。伝説の使い魔が相手だもの、万全を期さないとね……」
サイトの問いに答えたのはエレオノールだった。そしてサイトの上のアニエスは黙ったまま、抵抗する彼を完全に封じ込めていた。
いくら伝説の使い魔、ガンダールヴの力を得ていたとしても、武器を持たねばただの少年だ。それをわかっているのはサイト自身で
ある。それでもこの拘束から抜け出そうと何とか抵抗を続けるが無駄な労力に終わった。
「まあ、意外と大したことはないのかしら?」
「んだと……?」
目の前で挑発され、サイトは歯を食いしばりながら、土まみれになった顔を必死に上げようとする。しかし、アニエスの力は女性
とは思えないほど強く、何とかエレオノールの足を見るのが限界だった。そんな彼にあえて顔を見せるようにしゃがむエレオノール
は、彼の左手を見つめ、それを指差しながら言った。
「間違いないわ、この刻印、本で見つけたガンダールヴのルーンよ。……間違いないわ」
「言ったとおりだったろ?」
「ええ……ええ、そうね、マチルダの言う通りだったわね」
マチルダの言葉にエレオノールは声を低くして、サイトの手を握り締める。決して強い力ではないが、彼女の何か憔悴のようなも
のをその手を通じてサイトは感じていた。そう、彼女はマチルダを通してサイトが伝説の使い魔、神の左手であるガンダールヴだと
いうことを知ったのだ。
ルイズが虚無である可能性をオスマンに告げていたのも彼女なのだ。ガンダールヴの紋章を知るぐらい、わけがない。しかし、そ
れを知らないアニエスは信じられないという表情でサイトを見つめた。
「しかし、ガンダールヴなどはっきり言ってお伽噺ではないのですか? 確かに彼は不思議な力を使えますが」
「……そうね。でも、これならどう?」
エレオノールは不意に、懐から出したナイフをサイトの手に掴ませた。するとほのかに彼のルーンが光り、その瞬間アニエスをは
ねのけようとする力が一気に強まった。アニエスは取り押さえようと力を強める。だがその前にサイトが、アニエスの一瞬のすきを
ついて、まるで風のようにしなやかに抜け出してしまったのだ。
そして警戒するように距離を取り、そしてナイフを構える。アニエスはデルフを抜き、サイトと対峙した。だがエレオノールがそ
の間に入り込み、二人を睨みながら制止した。
「止めなさい、二人とも。別に同士討ちをするためにこんなことをしたわけではないわ」
「仕掛けてきたのは、あんたたちだろうが! 何だよ、ガンダールヴってのがそんなに悪いのかよ?」
サイトの言い分は正しい。いきなり襲いかかられ、その上同士討ちをするためになどと滅茶苦茶な事を言われて黙っていられるほ
ど彼は温厚でも臆病でもない。しかし、エレオノールはそんな彼をキッと睨みながら,構わずにつづけた。まるで端から彼の言い分
など聞いてはいない、そんな印象さえサイトは受けていた。
「デルフ、見ているわね? 貴方はどう思うの?」
エレオノールはアニエスが構えているデルフに言葉をかけた。デルフは、わずかに沈黙を見せた後,柄をカタカタと震わせながら
話し始めた。
『っていってもな。俺がわかるのは、その小僧がガンダールヴかどうかなんてことじゃなくて、俺の『使い手』だってことだ』
「使い手……?」
『ああ。確かに、ガンダールヴっていう言葉には引っかかるがね。俺っち記憶がないからさ。だが、使い手っていうのはわかるぜ』
「……ということは、少年が、ルイズを守るべきもの……?」
『……それはわかんねぇ』
「どういうことなんだ、本当に」
デルフのどちら付かずの返答に、アニエスは苛立ちを見せ、不満をこぼしながら剣をおさめた。それを見たサイトも、警戒しなが
らゆっくりと剣をしまった。
だが、やはり自分が全く信頼されていないことに不満があるのか、サイトはアニエスに向かって、反抗するように言った。
「何だよ、俺じゃ駄目なのかよ!」
「……ああっ?」
「ひぃ!」
だが、あまりのアニエスの剣幕にサイトは逆に怯まされてしまった。あまりに鋭い眼光。その目尻からは涙が浮かんでいる。よほ
ど嫌なのだろう。サイトにしてみればそれこそ心外なのだが、そんなことを文句として言えるような剣幕ではない。余計な事を言え
ば、それこそ真っ二つ、いや8つに切り裂かれても収まらないような、そんな様子だ。
「わかるか……? 妹に男ができるということの悔しさが! しかも、こんな情けない男だぞ! 最近は私に対して冷たいというのに、
そこに男なんてできたら、男なんて、男なんて嫌いだ!」
「やっかみ」
「妹依存」
「ていうかうざい」
「一度ルイズに嫌われなさいよ、あんた」
「うああ! 私はただ、ルイズが……うぐぐ……」
だが、マチルダとエレオノールによる情け容赦ない言葉に、アニエスは撃沈してしまった。エレオノールはため息をつきながら、
サイトへとぐんぐんと近づいていく。その表情には冷や汗が見えていた。彼女もまた、サイトに対する恐怖心をぬぐい切れていない
ようだ。しかし、ヴァリエール家の長女の役目を果たさなければいけない。
「……こんなことをしたのはね、私、いえヴァリエール家として忠告に来たのよ」
「……なんだって?」
「今すぐルイズのもとから去りなさい、ガンダールヴ。貴方の居場所は、あの子の隣ではないわ」
それはあまりにも突然で、そして無慈悲だった。サイトは言葉を失い、ただ茫然と立ち尽くすしかない。気を取り直したアニエス
やマチルダはただ黙って事の成り行きを見守っているだけだ。だが、アニエスだけは。アニエスだけは、居場所という言葉に反応を
見せていた。まるで自分に問いかけられるような、そんな言葉だった。そんな彼女の心情など構わず、サイトは思わずうつむき、錯
乱したように顔を横に振った。
「どう、どういうことだよ……それ。俺、何にもしてねぇよ! 何でルイズの隣に」
「貴方という存在自体がっ! あの子を不幸にするのよ!」
「俺が……? 俺がルイズを不幸にする……?」
「……そうよ。確定的ではないにしろ、貴方という存在はね、ルイズが虚無であるという証拠になってしまうのよ。人間を召喚する
という、今まで聞いたことも見たこともない事例。剣を持つと強くなれる力。破壊の杖を使いこなした事。それはあらゆる武器を扱
うことができたガンダールヴの力だと考えられるわ。そして、偶然か必然か、それはわからないけれど。伝説の使い魔『ガンダール
ヴ』と一致するルーン。ここまで揃えれば、貴方がガンダールヴであることは確定的なのよ。いいえ、そんなことは気にしなくても
いいわね。貴方がガンダールヴでなくても、そうであると謳ってしまえば関係ないもの。
確かに、気が付かなければ、ルイズはただの落ちこぼれだと思うものもいるでしょう。だけど、気が付く者は気が付いてしまうのよ。
そして、その強大な力を利用しようとする。わかる?
それにルイズはね、あの子は困っている人がいればすぐに助けたがる性格よ。自分の力になれることがあれば何でもするわ。……そ
れが身近な人であれ、国であってもね」
エレオノールの言葉にサイトははっと顔を上げた。そこまで言われれば彼にだって想像はつく。だが、それを認めたくないサイト
は絞り出すように言った。
「そ、そんなこと、俺がさせない!」
「うぬぼれるんじゃないわよっ! あなたに何ができるっていうの? 平民であるあんたに何ができるっていうのよ! ……余計にあの
子を困らせるだけよ」
「そ、そんな。あんた達、いや貴方達の力でどうにかならないのか?」
サイトの嘆願にもエレオノールはゆっくりと首を横に振って否定した。一貴族が相手ならば、ラ・ヴァリエール公爵家に敵う者な
どそう多くはいないだろう。だが、それが国だとしたら? もしも教皇であったら? 幼馴染の王女であったら? 敵うことなどできな
いだろう。それどころか、ルイズは良いように扱われるだけだ。
もうすでにルイズの存在を感知されているかもしれない。だが、ガンダールヴという証拠さえいなければ彼女を守る事はできるか
もしれない。妹には酷かもしれないが、それでもエレオノールは、この方法しかないのだと考えていたのだ。
普段厳しく接していて、ルイズからは疎ましく思われているエレオノールだったが、妹の事は誰よりも大事に思っていた。彼女は、
カトレアとアニエスと、そして両親の、大事な家族なのだから。アニエスも同じ思いだ。だけれど、そんな自信すら最近は失われつ
つある。
本当に、私は―――。
「ん?」
と、そんなとき、アニエスは不意に何かの気配に気が付く。何者かがこの場所に近づいている。そんな勘が働いていた。外に話が
漏れないように辺りにはサイレンスの魔法がかけられている。この会話が外に漏れていないようになっているが、その代わりにこち
らも外の音が聞こえなくなっている。
だが、殺気は別だ。隠そうとしても隠し切れないほど、ピリピリとした殺気がアニエスの肌に伝わってきていた。そして何より、
気分が悪くなるほど粘着質な気も、彼女に浴びせられている。マチルダのほうを向くと、どうやら彼女も気が付いているようで、静
かに頷いていた。
「今だったらまだお互いに穏便に済ませられる。でもね――」
「姉上! ここは危険だ!」
「え?」
「っ!」
アニエスは一旦問答をやめさせようとエレオノールに叫んだが、その前に外からの攻撃の方が早かったようだ。暗闇の中に一瞬光
が映り込み、そして4人めがけて矢が襲い掛かってきた。アニエスは身を低くして、エレオノールを抱きかかえながら素早く地面に転
がってよけた。マチルダもその場から素早く離れる。サイトは驚きながらも、その超人的な肉体能力で矢を打ち落とした。
暗闇から2人、いやその陰に隠れるように進む者も含めて4人。獲物を構えて突撃してくる。仮面を被っている。またやつらなのだ
ろうか。アニエスはエレオノールをマチルダに任せると、素早く迎え撃つ。
前の2人はおとり、本命は後ろだろう。少しでも襲撃を匿わせて、一撃で仕留めるつもりだ。だがそんな小細工などアニエスには通
じない。アニエスはデルフをしまい、両手にナイフを持つ。そして時を定め、一気に飛んだ。すると、アニエスが飛んだと同時に背
後に隠れていた者達も飛び出してきた。
アニエスはその間を飛びつつ、その二人の肩にナイフを突き刺した。そしてナイフごとその二人を吹き飛ばす。着地すると同時に、
低い体勢からの回し蹴りでもう一人吹き飛ばした。
確かな感触だ。綺麗に首筋に入ったため、死にはしないだろうが、それでもかなりの打撃を与えられたはずだ。アニエスは素早く
デルフに切り替え、残りの一名を斬りつけようとした。その男はすばやく足を踏み込み、アニエスに切りかかろうとするが、一瞬彼
女のほうが早く抜いた。
「ぐああっ!」
「なっ!?」
だがその前に、肩を刺された男が立ち上がり、アニエスにつかみかかってきた。アニエスは振り下ろそうとした腕を拘束され、そ
の間に目の前の男が彼女の胸目掛けて刃を突き出そうとしていた。アニエスは強引に腕を振り払い、自分を拘束している男を身代わ
りにした。今度は男の胸に突き刺さり、アニエスを拘束する力が緩んだ。すばやく抜け出すと、今度こそ最後の一人をしとめる。
デルフリンガーを振りぬくと、その勢いをそのままに背中を打った。男は地面にたたきつけられ、嗚咽をはきながら倒れた。その
とき、アニエスは最後の一人の仮面が外れ、素顔がさらけ出されるのを見た。そして、彼女は愕然とする。
「こいつは……昨日の……!」
そう、アニエスが見たのは、先日彼女とエレオノールに絡んできた傭兵、その片割れの顔だった。まじまじと見たわけではないの
だが、それでも確かに見覚えのある顔だった。
男は苦しそうに唸りながら、地面にひじをつかせて、何とか上半身を立ち上がらせた。そしてアニエスの顔を見て、ひっ、と短い
悲鳴を上げて、しりもちをつきながら後ずさりした。
「お、おめえは……、あ、あんときの!」
「落ち着け! 何で貴様が」
「ひ、ひぃ! た、助けてくれ!」
アニエスはなぜ自分たちを襲ってきたのか、それを問いただそうとするも、男は取り乱したかのように腕を振り払い、必死に彼女
から逃げようとする。確かにあの時彼を打ちのめしたのは彼だ。だが、これほどまでに狂ったようにおびえているのは、流石に正常
ではない。
端から見ていたエレオノールたちもその様子を呆然と見ていた。アニエスは強引に男の胸倉をつかみ、声を荒げながらさらに問い
詰める。
「ひぅ……」
「なぜ私たちを襲った!」
「し、しらねぇ……! き、気がついたら、こんな、ことになっていてぇ……!」
「しらばくれるな!」
「く、苦しい……待って、待てって……! お、おれは本当になにも、何もしらねぇよ……! ただ、あんたに似た奴と、変な女に、
会ってから、記憶が、ぐあ!」
「私に、似た?」
「また……?」
再び浮かんだ、『アニエスに似た女』という事実。アニエスは思わず手を離してしまう。自分の知らないところで、何が起こって
いるというのだ。エレオノールも首をかしげた。さらに問い詰めなければ、そう
思った瞬間だった。突然、頭上が明るくなった。異変を感じ、アニエスはすばやく見上げる。すると、火球が何個も、アニエス達目
掛けて飛来してくるではないか!
アニエスは思わずその場から飛んで避けようとした。だがその前に、エレオノールは杖を取り出して全力で風の壁を作り、アニエ
スやマチルダ、そしてサイトの頭上に張った。その壁に阻まれ、火球は消え去っていく。
「くぅぅ!」
だが、相手の魔法も強力だ。何度も何度も風の壁にぶつかり、破壊しようとする。そしてついにそれが破れ、まさに襲い掛かろう
とした。
「任せな!」
それに対し、マチルダが対抗する。彼女は契約したての杖を取り出し、土の壁を作り出した。杖の契約は通常数日を要するが、そ
れは完全な契約を結ぶためである。まだ自分の精神力になじんでいない杖でも、魔法を使うことはできた。流石に風と土の壁に阻ま
れれば、火球も防ぎきることができる。
「う、うわ、ぎゃあああ!!」
しかし、救えたのは彼女たちだけだ。先ほどの傭兵は悲痛の叫びを上げながら火球に焼かれ、瞬く間に真っ黒の灰になってしまっ
た。初めから、彼らはおとりだったのだ。そして、火球によって辺りが火の海と化している。一度は助かった襲撃者も、火だるまに
なりながら辺りに助けを呼ぶように叫び散らしている。だが、もはや助かるような状態ではなく、地面に倒れて瞬く間に灰となった。
アニエスは歯を食いしばり、怒りをふつふつと噴き出しながら、その光景を見ていた。思い出される故郷の姿。あの時も、あんな
ふうに苦しむ人々を見たことがある。抑えきれない怒りが彼女の中に渦巻き、そしてついに爆発した。
「出て来い! いるんだろ? じきじきに殺してやる!」
「お、おいアニエス。落ち着きなよ」
『そうだ、相棒!』
慌ててマチルダとデルフが止めようとするが、アニエスがそれで収まるはずがない。
「うるさい! これが落ち着いていられるか! 来いよ! 望み通り相手をしてやる!」
「では、そのさせてもらおうか」
狂乱しながら辺りに叫び散らすアニエスに対し、どこからともなく同じような声が返ってきた。アニエスは体をこわばらせ、一瞬
だけ動きを止めてしまう。そしてその瞬間、いつの間にか目の前に何者かが着地してきた。そして、アニエスが考える間もなく、腰
に差している剣を抜いた。
まるで水の流れのように自然で、迷いもなく、そしてなによりも早い。アニエスは必死に足を引き、その刃から逃れようとする。
だが、すでに刃は腹のあたりにまで近づこうとしていた。
――――殺られる
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
この直球らしさがエレ姉だと思っております。
申し訳ございませんが、この更新をもちまして、2か月ぐらいの更新停止をしたいと思います。
理由はやはり就職活動に専念したいと思い、しばらくはそちらに集中しようと思います。続きもちょくちょく書こうとは思いますけれど。
内定が出るなり、なんらかの決着がついて落ち着き次第、また帰ってこようと思います。
ではその時まで。
いってきます
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>>847 乙
実生活の方ガンガレ
就活上手く行くよう祈ってるお
ゲン担ぎに、感想はおまいに内定が出て帰ってきてからにするおwww
速く帰ってこいよー
もし、才人が召喚されたハルケの時代が平和だったら・・・
アルビオン=モード公が自重、もしくはテファ母が問題になる前に離れ火種が無い
ガリア=ジョゼフが国を掌握、内政に集中し戦争に興味を持たない
ロマリア=大隆起が無く、言っている本人達にとっても聖地奪還が空ろに聞こえる状態
だったら
ルイズが落ち零れのままで終わってしまう。
もし虚無が他の属性のように広く知られたものだったら・・・
シャルルがすんごいリーゼントになる
もしハルケギニアの住人が全体的にガンハザード調だったら
もしコルベールが才人たちがピンチになるたびに「こんなこともあろうかと」と秘密兵器を出してくる便利キャラだったら
青野さーん!
「コルベール先生、テストは!?」
「そんな暇あるか!」
>854
学校なのにテストがないのは良いなぁ。
>>854 テストの代わりに場違いな工芸品か、実験に必要な原料を揃えるのが課題になるわけですね。わかります。
ある程度優秀な生徒ならコルベールの助手をやる。ルイズは豊富な知識と熱意から入学以来コルベールの助手を勤めていると。
エロパロ板に大人才人召喚というのがあるけど、更にCV.若本規夫さんだったら……
「良いかルイズ、“虚無”の魔術師として最も大切なもの、それは、“努力”と“根性”だ!」
「はい、コーチ!」
……むしろオリキャラ召喚だ……
>>854 そんな義手義足に爆弾仕込んでいるようなコルベールはイヤだ
>>852 . ,.ヘf⌒ヽ、
rノハ ノヘ、 \_
\ヽW| Y⌒}}ハヘ 「
. ニ二三二 ハ/r≧从≦'Y7′ こんな事もあろうかと
. 二7 ヽ! ー'介ーイレ′ みそだけはずっと持ち歩いてたんだ
//ハ 八 r三ュ 八_
/三ヲ二二7ヾ二彡″厂 ̄ ヽ
. / { 「 ○ 米 ノ八 J ,ィヘ/ /ヽ
∧ )厂 ̄ ̄ ^} Y' ノ / |
. / ヽ√}ヽ. fr≠====く |
/\___厶ィ! 八`w´)`w´)`w´} !
. / | ノ| l  ̄ ̄ ̄了⌒/ |
/ l/ ! rfハ____!._ノ _ー ,′
ノ | { / ヾヽ /
/ ! ヽL_ \ ∧
. / | | l ¨ ー- __/ │
もしもワルドの声優が伊武雅刀だったら
コルベールがそんなにフサフサしないぞ
>861
. ,.ヘf⌒ヽ、
rノハ ノヘ、 \_
\ヽW| Y⌒}}ハヘ 「
. ニ二三二 ハ/r≧从≦'Y7′ こんな事もあろうかと
. 二7 ヽ! ー'介ーイレ′ カツラだけはずっと持ち歩いてたんだ
//ハ 八 r三ュ 八_
/三ヲ二二7ヾ二彡″厂 ̄ ヽ
. / { 「 ○ 米 ノ八 J ,ィヘ/ /ヽ
∧ )厂 ̄ ̄ ^} Y' ノ / |
. / ヽ√}ヽ. fr≠====く |
/\___厶ィ! 八`w´)`w´)`w´} !
. / | ノ| l  ̄ ̄ ̄了⌒/ |
/ l/ ! rfハ____!._ノ _ー ,′
ノ | { / ヾヽ /
/ ! ヽL_ \ ∧
. / | | l ¨ ー- __/
もしもタバサの中の人が釘宮理恵だったら
それではサイトがたやすく陥落してしまう
クギミーが過労死する
もしもティファニアの母がエルフじゃなかったら
868 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/15(火) 01:08:15 ID:PLxgZ3WI
orz
sageが消えてやがった
もし土くれのフーケが恋泥棒だったら
あなたのハート、確かに領収いたしました。 土くれのフーケ
貴方の心です
才人がキュルケの誘惑で即行落ちていたら
キュルケを押し倒す才人、脅えて動けなくなるキュルケ
才人「ひょっとして、処女?」
キュルケ「しょ、処女ちゃうわ」
何故か浮んだ。
そんな展開のSSどこかで読んだ気がする
もし、ルーンによる主人と使い魔の繋がりが強すぎたら。
原作の使い魔契約に、主人・使い魔間で『互いに』テレパシーできる、以心伝心機能を追加。
本来は言葉の通じない動物類と意志疎通する機能……のはずが、高等生物だと効きすぎて、思考・感情がダダ漏れ。
才人→ルイズで「可愛い」だの「綺麗」だの(ルーン補正付きながら)どストレートな好意が直撃したり、
ルイズ→才人で「バカ犬」「使い魔のくせに」と言いつつ内心の喜びや照れがしっかりバレてツンとデレが両立したり。
ここまで書いて、ふと思った。
これって、仲良く喧嘩するのは序盤だけで、そのうち明け透けになり、終いには熟年夫婦の呼吸になるな……
浮気はもちろん、ちょっとエロいこと考えただけでアウトか
サトラレってドラマが昔あったな
顔から下は完璧
>>875 最終的に才人とルイズの人格の境界が曖昧になって体は二つ、心は一つの状態になりそう。
人格を持ったものを召喚、使い魔にしないのは人格崩壊の危険が付き纏うからと、もっともな理由になる。
召喚の段階で才人は召喚事故の名目でコルベールに焼き殺される。
人格というかは分からないが、シルフィードとかにもあるだろ
っていうか、そもそも普通は人間が召喚されないから、するしないの話じゃないよな・・・
前例が無いってだけで終わりじゃねえの
もしもサイトがブリミル教にどっぷりはまってしまったら
魔法とか見せられたら信じちゃうよね
>>882 ガンダールヴが剣をふるって良いのはご主人様の敵とエルフをはじめとする異教徒だけです
\ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : //::::::::::::: ∧
\ _ .イー―::-::ミ: : : : : : : : : : : : : : ://::::::::::::::::::: ハ
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、 ∠ト-ゝミミミ、トv'!/レイノ'イ.ィ: : : :i:|: : :./:::::::::::::::::::::::::::::::: : /
:、 ヽ / ゞー=ニミミ`ヾl// /z≦彡: : l:|: ::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::f
丶 ヽ /_: : :ミミミー:≠ミミミjl/'∠ィ<-ミゞ: : リ::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
丶 ヽ/: : : `: 、ミミシ"´ `^"´ `ヾシミ、::::!/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
丶 ヽ: : : : : :、ミ彳 '、::l:!/ . -‐ ヘi :}::: リ ィ´ ̄`丶:::::::::::::::::::::: |
_ 丶 ヽ: : : : :\l x--ミヘヾlif:/ィ'´::::::::!ソ::://≠ー-=ニ-ヽ:::::::::::::::::: |
x≦:ヽ 丶 、: : : : :.\::: ̄:`ヾ i :l:::x==ミ:::l∨i::{厶-‐≠ー-ミ ヽ::::::::::::::|
/.: : : : :ヽ 丶 、: : : : : :ヽ:7⌒ヽ;l :l::{ }} |:ハ∠ ヽ`ー-ミ\\_:::: |
: : : : : : : : ヽ \ 、: : : : : :ゝ.__ノr≠tゝ≠' l:/ .:`ヾ ヘ ハ ヾ、≧j
: : : : : : : : :.:.ヽ \ 、: : : : : : \/.l :'ソ ,.ィォ 八 : : . ハヽ ', :`ヽ. ヽ、
: : : : : : : : : : : ヽ \ 、: : : :. :.ヽ\ニ壬ヌ ∧:::ヽ __ ノ::ヘ :、 ! iく´
: : : : : : : : : : : : :ヽ \ 、: : : :.:.∧/二 .ィ.イ:.:f ̄ ゞ :::ヽ ヽ | l: i
: : : : : : : : : : : : : :.ヽ \ 、: : : : : ヽニア: : : :| `¨¨丶 _,ノ:l l ! ,/
:ー-ミ: : : : : : : : : :. :.ヽ \ :、: : : : :.\: : :/ 八 l、__l‐' /′
__\: : : : : : : : : : :.ヽ \ :、: : : : : : .ヽ:{、 ,/_ノ / /
: : : :. ̄:\: : : : : : : : :. :.ヽ .ィー:.\ :、 : : : : :. :.ヾー-.ミ /:′ / / /′
: : : : : : :. :.\: : : : : : : : :.:.ヽ /: : : : : :.:丶 :、: : :/!: : : : : : : :> 、/ / / / / /
‐''"´ ̄ ̄ `ヾ、: : : : : : : : : ヽ、__,.イ: : : : : : : : : ヽ :,: :/ .l: : :/| : : : : イ /./ / ´ /
: : : : : : : : : : : :\: : : : : : : : : :ト、: : :. :.ト、: : : : : : : '. ∨ !/ |: : // :' ´
: : : : : : : : : : : : : :\: : :、\ ヾ| \: : l 丶ト、jヽ._ノ l/
: : : : : : : : : : : : : : : :\: :ヽ ヾ.| \|
俺がブリミルだ
つまり、だ。
四年に一度、各国を代表する個性的なブリミル達が群れ集まって、
ブリミルの中のブリミル、即ちブリミル・ザ・ブリミルを決めるブリミルファイトがレディー・ゴー!
>>885 ブリミル・ザ・ブリミルにはもれなく
聖地奪還の為単身サハラに突入する権利が与えられます
「聖地へと行きたいか〜!」
「おー」
「罰ゲームは怖くないかー!?」
・・・書いてて思ったがハルケでサハラ突入して
エルフと戦い続けて聖地まで行けって罰ゲームそのものじゃね?
しかも無理ゲ気味な
ゼロの使い魔も22巻で終わりか・・・
え、完結なの?
誘拐事件などが起きる→ルイズ行方不明
○○がルイズを拾い、育てる。
佐々木爺さんが拾ってシエスタと姉妹になる。
スカロンが拾って魅惑の妖精亭で働く。
水の精霊に拾われる、どうなる?
オークに拾われる、倫理観ゼロのルイズ。
エルザに噛まれる、グールイズ誕生。
マチルダに拾われる、虚無が二人もいる孤児院。
> 佐々木爺さんが拾ってシエスタと姉妹になる。
実はタルブにはもう一人の日本人、宮本爺さんがいて(ry
> マチルダに拾われる、虚無が二人もいる孤児院。
ジョゼフも拾われる、教皇も拾われる、ジョZも拾われる
5人揃って、虚無戦隊! 孤児院ジャー!
if必殺技
剣を使えるルイズ+虚無覚醒前ルイズ
相手に剣を突き刺す、詠唱、振り向いてポーズ、相手は爆死。
ヒーロー系のルイズとかどう?
ルイズRX
ウルトラマンになるルイズならクロススレにあるけど
>>892 姓が宮本名がレベッカだな
声は斉藤ちわわ
>ルイズRX
怒り、悲しみ+虚無関連→「その時、不思議なことが起こった」
実際、怒りや悲しみの様な感情って虚無には欠かせないよね。
ライダー→メカ→機械弄り大好きルイズという妄想が出てきた。
油や煤の汚れを気にせず工具を扱うルイズ。
コルベールと協力して作っていたロボットが召還される。
使い魔の契約をすると未完成だった部分が補完される。
戦いで壊れる度にルイズが修理する。
ガンダールブが発動する→ロボットに心が芽生える。
ルイズが使い魔を制作するというのは珍しいかな。
>>897 それ見てなぜか
「ルイズ・・・サイト分欠乏症にかかって・・・」
と、ファーストガンダムの1シーンっぽいのが脳裏に
>>898 「ええい、姫様はいい! サイトを映しなさいサイトを!」(マジックアイテムをガクガクしながら
五人揃って虚無ンジャーだと
ジョゼフがジョゼット、イザベラを連れ出奔、新教徒の村でヴィットーリオを託される。
更に流れてアルビオンでモードからテファを託され、マチルダが付いてくる。
トリステインでヴァリエールの元で暮らし、カリンの口利きで魔法学園に就職。
司令官兼レッド=ジョゼフ
ブルー=ジョゼット
イエロー=テファ
ブラック=ヴィットーリオ
ピンク=ルイズ
オペレーター=マチルダ、シェフィールド
巨大ロボット=学園で退屈しのぎに生徒達に課題で作らせたヨルムンガント(コルベールの改造ver)
マスコット=才人、イザベラ
と妄想してみた。敵はジョゼフがいなくなって狂ったシャルル。
>>900 テファママは、テファママはどうなったんだ!?
・・・まさか、悪の大王シャルルに捉われて夫もろとも洗脳されちゃってるのか!?
タバサは前線の指揮官的なポジションで、途中で寝返る感じ?
あと教皇じゃない人はホワイトもいいと思う
スゲー美形で母ちゃんそっくりらしいから、男も女もなったことのあるホワイトってのは面白い
そしてブラックはジョゼットに、忌むべきものとされ早々に孤児院送りになるところだったジョゼットに
孤児院送りよりはマシだろうと連れて行ってくれた伯父さんが死なないと自分が役立たずのままで悶々とするってのも
あとジョゼフをブルーにしてサイトをレッドってのも、後者は虚無の使い魔ということでひとつ
イザベラは物語後半から司令を務める?
>>848 デルフ「テレビを観る時は部屋を明るくして、離れて観ろよな!」
(伴奏)
「ようちびっ子達、元気か? 俺だよ。マルトーだよ! 大変だよ!
あのタバサって娘を追いかけて、ついにシャルルが両用艦隊を率いて学院上空に現れたんだ!
シエスタは気を失うし、他の使用人も青い顔してやがる…ここが正念場だぜ、我らの剣!
皆も応援してくれよな!! 今週からOPに効果音が付いたぞ!」
(歌)
コルベール「こんなこともあろうかと! ガクインガー、起動ォォッ!!」
ジョゼフ「ポチッとな」
ナレーション「説明しよう! 大隆起の超風石パワーで単独航行可能性なトリステイン魔法学院は虚無ンジャー全員の素敵パワーで巨大ゴーレム、ガクインガーに変形するのだ!」
オスマン「おお、さすが提督」
才人「中の人つながり !? 今の子にはわかんねーよ! って痛ぁ!」
タバ「今は変形中、ツッコミは野暮なシーン」
イザベラ&キュルケ「……」
オスマン「ところでまる子や、CMまで何分位かのう」
おマチ「誰がまる子ですか。都合が悪くなるとボケたフリして誤魔化さないでください。というか、それこそ今の子にはわかりませんよ」
ルイズ「あ、CM」
CM「魔法学院が、ガクインガーにチェーンジ! ブリミルが送る、完全DX超合金ロボ ガクインガー! トミーより発売!」
(ダーマのCM風に)
ここまで考えた。思いつきって怖いね。
あれ、安価は誤爆
それだと
虚無ブルー(前半リーダー)=ジョゼフ(狂王シャルルとの戦いで、後を託し散る。最終回、苦戦するルイズ達を助けるべく新兵器で登場)
虚無ホワイト=ヴィットーリオ
虚無イエロー=テファ
虚無ピンク=ルイズ
虚無ブラック(後半でブルーを継ぐ)=ジョゼット
ジュリオ=ガクインガーの整備員
才人=虚無グリーン(ジョゼフが抜けた穴埋めにマスコットから昇格)
イザベラ=ジョゼフ脱落後、司令官になる
シェフィールド=ジョゼフ脱落までは戦隊のサポート、脱落後は前線から引き新指令の補佐
テファママ=シャルルが倒れた後に明らかになった敵、虚無を滅ぼす為のエルフの刺客として登場
番組終盤でテファに倒される。
テファママ「強くなったわね。テファ・・・」
無能王女、あるいはゼロ姫アンリエッタは血筋から言っても十分あり得たシチュ
SSで全く見たことない、テンプレが使えないとは言え誰か書いても良いと思うのだが…
>>906 ゼロ姫アンアンなら、ルイズは二代目烈風かな?
お花畑度が上がって毎日自堕落に過ごすゼロ姫アンアン
母にならって騎士見習として衛士隊にもぐりこんでいるルイ(ズ)は
いつも彼女のわがままに振り回されていて……みたいな
そこにアンアンが召喚しちゃった平民サイトと、
ルイズが尊敬するエリート貴族のワルド隊長が加わると
……なんつーか、ベルばら?
>>907 無能姫ならお花畑は有り得んかと
劣等感からルイズとは徐々に迂遠になっていそう
悪堕ちさせようとするジョゼフ側と姫ラブ才人との攻防がメインになりそう
それでもアンアンなら、アンアンならきっとお花畑思考で癒してくれる・・・!
>>905 やっぱ後を継ぐってのは熱くて良いよな〜
悪堕ちさせる為には
・ジョゼフ、ジョゼットを還俗させる
・アルビオン内戦でウェールズの婿入りを条件に軍事支援を取り付ける
・無能王女ジョゼットとアンアンの憧れウェールズを結婚させ格差を見せ付ける
・アンアンは引き篭もり政務に関わらない母と下り坂のトリステイン王国の現状を受け入れ諦め、更に無気力になる
・アルビオン内戦がジョゼフの演出である事も見抜いている
・トリステインの枯渇した人材、無気力王妃、無力な自分に嘆く
・ワルドとかやる気のある若手に権限と助言を与え、気力のある人間は何が出来るか見るのが最近のマイブーム
・アニエスも復讐心を見抜いての登用
・ジョゼフがシャルル派の根絶をやらなかった事からシャルロットのジョゼフ父親説が強くなる
・シャルル暗殺がタバママとジョゼフの共謀疑惑が強まる
・否定しようにもジョゼットの特性がジョゼフと被り、シャルロットとジョゼットがそっくり
・夫への愛を疑われ、密通疑惑に耐えられなくなったタバママが自殺未遂を起し壊れる
・父を奪ったであろう伯父だけではなく、不義、暗殺を噂し母を追い詰めたシャルル派も含めたガリア全体への復讐を誓うタバサ
これだと一番の悪堕ちはタバサ?
悪堕ちといえば以前あったガンダムXのフロスト兄弟みたいになるネタがあった。
「自分たちを認めない世界など滅んでしまえ」みたいな思想をもったルイズ。
ルイズの場合はカトレアの存在がキーになりそう。
カトレアと仲違いとか、ルイズが生まれる前に亡くなっているとか。
さらにジョゼフに会って意気投合。
結果、虚無の担い手以外は何とも思わないような性格に。
そのタバサを救いたいと思うがルーンの影響でアンアンを捨てる事もできず苦しむ才人。
好意を寄せた才人の苦悩を知り、全ての虚無、ハルケ全ての滅びを願うタバサ。
ジョゼット還俗の為にシャルル派を生かした影響がこんな形で現れるとは思わず、予想外の展開にwktkなジョゼフ。
才人の苦悩を知り、主従解約を真面目に考えるようになるが解約に踏ん切りがつかないアンアン。
タバサが系統だけどハルケ全てを呪う事で虚無を越える魔王に成長しそう。
ルイズの場合、根が才人に近いから悪堕ちしても大した事にならないと思う。
ルイズの精神の溜めは原作がベストじゃないのかな。
「雪風のタバサ」以上のすごい名で呼ばれそうだ。
この話の主人公、メインヒロイン、サブヒロイン、ライバル、ラスボスってどんな風になるかな。
平民だけど庶民じゃないブルジョアサイト
>>915 >平民だけど庶民じゃない
マルトーさん気さくだからイメージ湧かんけど
まさにソレだった気が…
マルトーがへたな貴族より金持ってるのって原作設定だっけ?
なんか最近の年のせいか記憶力が…
キュルケが悪墜ちを考えても、どうしても戦隊ものかメタルヒーローの女ボスしか思い浮かばない
メンヌヴィルみたいな性格にしてみる悪堕ち
ルイズ→人を爆発させるのが好き。「素晴らしい!ホラ、見て御覧なさい!
サイト、シエスタ、こんなに綺麗な花火ですよ・・・」
モンモン→作った薬で人を狂わせるのが好き。
ギーシュ→倒したメイジの銅像コレクション。
>ギーシュ→倒したメイジの銅像コレクション
エリダヌス座宇宙を荒らし回る大悪党ですか
学園の生徒だと悪堕ちさせても
ギーシュ=気に入らない生徒、平民の靴に画鋲を仕込む
ルイズ=マルコメを始め何人かを爆破調教して下僕にする
モンモン=ギーシュに虫除けと自分以外の女性が嫌悪感を感じる臭いを付ける
キュルケ=複数の男を引っ掛け、バトルロイヤルさせる事で悦に入る
ケティ=恋敵(モンモン)の実験室(自室)を放火
の程度で済みそう。
なんという悪意に満ちた学院生活。
ルイズの嫌いなもの+失敗魔法→カエル爆弾というのを思いついた。
相手の顔めがけてカエルを投げ、目前でカエルを内側から爆破。
ガスマスクして恋敵の部屋に突入、強烈な悪臭の液体をばらまくモンモン。
使用人達を悪堕ちさせたらどうなるかな?
不良かせいぜいチンピラのレベルだな
オスマンが悪堕ちしてもやることは100%想像がつく
悪オスマンはむしろギーシュを愛でる。
使用人たちの悪堕ちか
給仕=雑巾の絞り汁を貴族用料理の隠し味にする
調理=材料をごまかし、差額を懐に入れる(ばれないように教師も抱きこむ)
ジョゼフ=不正金事件でシャルルを黒幕にしようとして、シャルルが多数派工作の一環で本当に手を染めていた事を知り凹む。
ジョゼフの場合は逆に悪堕ちする事で狂気が抜けそうだ。
ジョゼフがもしシャルル暗殺を思いとどまってたら
人智勇+虚無と言うスーパーチート誕生だったのだが
その場合シャルルが悪堕ちの危険有るのだよね
でも妻子いるし思いとどまる可能性高いか
一番不憫なのはイザベラ様
父親は虚無の後継で叔父もチート、従姉妹はスクウェアと虚無の予備
何で一人だけ真性無能…
余りに不憫すぎてトリスティン留学フラグ立ちそうだ
>>927 > 何で一人だけ真性無能…
父親が違うフラグ
>>928 王太子妃に近づける貴族ならそれなりの家柄だろしヘボメイジが生まれる可能性は低い
仮に父親違うとしたら平民の使用人ベットに引っ張りっこんだのだろな…
>>928 父親違うと髪の色が青じゃ無くなる気がするが?
青髪ってガリア王家の特徴じゃないっけ?
イザベラの隠された才能IFとか
クロスだと鬼畜の才能があったなぁ。
まあイザベラは何だかんだで親父並みに頭回る政治家向きの才能の持ち主だし
わがまま王女モードの時期だって実は仕事には意欲的だったし
>>932をみてふと、アン様とイザベラ様の立場が逆だったらなSS
アン様の場合はタバサを庇いそうだな
イザベラの場合はルイズと同属嫌悪になるかもしれん
もしもバッカスがマリアンアン様を口説き落として結婚したら
見た目はアン様、中身はマリコルヌの姫様爆誕
>>934 外見マリコルヌで中身アンアンだったらどうする…
でも肥満体になるほどの不摂生は許されないだろし普通の王子様か
英雄譚とかに憧れる夢見がちな王子だろな
無理やりサイト達に同行してマザリーニの寿命縮めそう
>>930 ほかにもいるらしく、ガリア王家の特徴であるが唯一無二というわけではない
まあ六千年も続けば分家や隠し子など世にばらまかれて行きもするでしょ
>910,913の設定の悪堕ちタバサ
氷王、氷魔、命、六芒星の二つ名を持つ最強の系統使いに成長
ラスボス、主人公=タバサ
ライバル=虚無アンアン
ヒーロー=使い魔才人
サブ(ダーク)ヒーロー=ジョゼフ
悪堕ちタバサの最期は
・記憶を失い、才人を父、アンアンを母と慕う幼児化
・才人に殺され、安らかに逝く
・才人も手に掛け、時間すら凍りついた氷宮を作り才人の死体の傍らで何時までもじっとしている
・ハルケ全てを壊し、自分が欲しかった物が何だったのかと自問を続ける
ハッピーエンドが似合わない気がするが強引につけると、
・アンアンが才人との使い魔契約を解除、才人と現代日本に。才人が気付くのを拒否する何かを使い社会に溶け込む。
そのときタバサはこの世界は魔法に対する備えがなっていないと呟いたと言う。
才人「俺はタバサが何をしたかなんて何も気付いていませんし、シラナイデスヨ」
平賀家で気合で世界扉を覚えたアンアンと良く喧嘩をする
>>937 何でラスト一行で突然ほのぼのになってるんだよw
「説明しよう!ここがトリステイン魔法学院なのであーる」
ジョゼフがジョゼットを養女に迎えていたら
シャルルはジョゼフにその気が無くても弱みを握られたと思うだろうな。
トリステイン魔法学院の学長がオスマンではなく江田島平八
それはクロスじゃないか?
物語に絡む立ち位置でもないしな、役不足って感じがする
アルビオンの王太子がウェールズではなく江田島平八
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レ|.:.レ!.:.:.:|V匕_`ヽ.:.:.:// j/_∨<:|.:レ‐- 、
ヘ.:.ハ.: ハ / j/  ̄ ̄~`ー' .::;;;`ヾ^ヘ \
>>945ちゃん! いい加減しなさい!
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クロスだから別板だな。
・大隆起が無い
・ジョゼフとシャルルが生前に本音をぶつけ合い破局が起きない
・モードがジェームズにばれる前にテファ母娘を連れ出奔するか、サウスゴータ辺りに自分を討たせるかして郎党を道連れにしなかった
・新教徒の村の焼討ちを内政干渉と突っぱねる
など、ルイズの時代に火種が無かったら
>>948 知力・体力・時の運の聖地奪還運動が起きるんじゃね?
霊感ヤマ勘第六感がモノをいうハルケ横断ウルトラクイズだな
ジョゼフ「今回もバスが登場します」
スーパーカブでガリア横断
ギーシュが香水を落とさず決闘イベントが起こらなかった場合
サイトとルイズは一度は破局したと思う
>>954を真面目に考えてみて・・・
ギーシュイベントが起きないとデルフもでない
↓
サイトの剣プレゼントイベントも起きないのでフーケのイベントも起きない
↓
初の実戦がデルフ無しで雇われの傭兵かワルドになって詰む可能性大
>>956 いや、フーケイベントがなければ、アンリエッタがルイズにアルビオン逝きを頼まんかもしれんぞ。
フーケをスルーしたら、ルイズに「実績」が全くないことになるんだから。
>>957 アンが普通に嫁入りしたらトリスティンも安泰だろうが
レコンキスタはゾンビ王子使って破局させようとするだろな
ゾンビ以前に嫁入りはなくなるでしょ
ルイサイが行かない場合は普通に手紙がレンコンに渡るってことだし
どっちにしろレンコンは攻めてくるだろうし
……ルイズの虚無ないからトリステイン滅びるな
ゾンビウェールズが亡命、という戦略もとれるな。直接死亡を確認される事がないから。
で、「自分が先頭になって派兵を!」とかいって兵力を見当違いの場所に誘き出すんだ。
或いはその上でアンアンをもっとさらいやすい場所に連れ出す。
実はギーシュが居なければトリステインは滅んでいた可能性が高い。
トリステインの影の救世主はギーシュだったのか。
ギーシュイベントが無ければ
付き人に何か持たせていないと格好が付かないとルイズに才人に何か渡す様に仕向ける。
才人もこのままただ飯食いで良いのかとか痛い所を突きやる気を出させる。
色仕掛けでギーシュに才人の訓練を依頼。
タバサに素直じゃないと言われ慌てる。
とキュルケが奔走すればカバーできそうだ。
ワルドの裏切りにより無理がなくなるが、フーケイベントはアンアンのバカ姫度を上げればクリアー出来そう。
イベントも事件も何にもおきないIF。
ガリアはジョゼフが普通に王様してる。
教皇は普通に宗教活動している。
モードさんは王にばれずに三人目をつくっている。
アニエスは故郷で結婚し子供もいる。
カトレアは少し体が弱い、両親が過保護なだけ。
でもエレオノールは独身。
エレ姉には別の意味でイベントが無いのか…
それだと、サイトは普通にシエスタかカトレアルートに直行だろうね
またはキュルケにサイトを奪われるかかな?
インなんとかさんのいない『とある科学の超電磁砲』か。
ところで、オリキャラ召喚はこのスレでよかった?
サイトが武術の先生と一緒に来ちゃって、先生が色々指南してくれるプロットなんだが。
そういうのはにじふぁんでやってください
イベントが無ければ
キュルケ=才人によって新しいルイズの弄り方を覚えた
シエスタ=キュルケ、才人とルイズを弄り萌える
才人=ルイズは気に食わない奴だったが、キュルケと弄って見ると凄く可愛い
タバサ=伯父との企みに夢中で構ってくれない父に反抗して偽名で留学
アルビオン=モードがジェームズを病死に見せかけ暗殺、テファは母と孤児院に幽閉
モードと王太子のウェールズに確執がある
ガリアブラザーズが和解した場合、戴冠式でジョゼフ虚無と判明、伝説のチート王へ
ただ一人の無能となったイザベラ、衆目から逃げるようにトリスティンへ留学
イザベラはガンダムでいうとオールドタイプみたいなもの。
ニュータイプじゃなくても活躍したシロー・アマダみたいになれば…。
ジョゼフ&シャルル=勝負が魔法抜きでの殴り合い(ルーザ・ルーズ)orチェスから第三国を舞台にしたリアル戦争ゲームに移行しつつある。
お互い本音を隠さず罵りあい、殴り合いと仲良く喧嘩をする。政策で対立した時は大概は拳かチェスで決める。
イザベラ=良く殴りあう叔父と父親の薬箱と化す。その結果、ランクがラインに打撲、骨折、止血の治療が上手くなる。
ジョゼット=還俗しジョゼフの養女として暮らす。
シャルロットはグレてても死地に居たわけじゃないからランクはライン程度?
原作の才能を考えると特に何もしなくてもキュルケ並には上がりそう。
経験が無いからキュルケと互角ぐらいじゃないのかな。
イベントが無い場合のシャルロットの状態は
実家では父親は伯父との殴り合いに感け中々相手にしてくれず、従姉は二人に治療&暴行に忙しく構ってくれない。
母親は殴り合う父と伯父の話題を振るとシャルロット人形に何かをブツブツ呟く。
養女に出た双子は何故か自分を目の敵にして話せる状態でない。
学院では親友はそれなりに構ってくれるが、ルイズを弄るのに夢中…
優先的に相手にしてくれるのはルイズの使い魔だが、優先順位はルイズの方が高い。
もし、才人が洗脳されて
ルイズの敵になると言う展開があったら
アルビオン軍との戦いで
不意を突かれて捕らわれた才人
シェフィールドに尋問されるも
「仲間を売るくらいなら悪魔に魂を売った方がマシだ!」
と言ってしまい
シェフィールドが持つアンドバリの指輪で洗脳される才人
仮面と黒いマントを身に着けていそう
虚無にほんとにタイムスリップの能力があったら
「ルイズ・フランソワーズ、私はエルフとの戦争で滅亡した未来からやってきた虚無の末裔だ。
絶望の未来を変えるため、私はすべての魔法の源であるブリミルを歴史から抹消することに決めた。
その手駒として、君のガンダールヴはいただいていく。さらばだ、この時代とともに滅びるがいい」
ブリミル抹殺を防ぐため、過去の虚無の担い手とともに時空を越えるルイズ。
しかし、その前にサイトをはじめ操られた歴代の虚無の使い魔たちが立ち塞がる。
そんで最後に正気に戻ったサイトが黒ルイズと相打ちになって死ぬ間際の黒ルイズが
もう一度サイトに会いたかっただけだとか言いながら生き絶えるんだな
で、サイトを失ったルイズが黒化して最初に戻ると
ルイズと才人の性別が逆だったら
とりあえずサイトはギーシュに口説かれる
そしてキュルケがルイズを狙いだす
キュルケ、才子がショタ属性のお姉さんに
ルイズは女だからうざいと思いつつもまだ許されてるんであって
あの性格で男だったら駄目だろ
キュルケだって相手にしないよ
ルイの場合はヴァリエールの次期当主なのだからカリン様のしごきが凄い事になりそう。
もしも才人がルイズのもうひとつの人格だったら
普段はルイズだけど、ピンチに陥るとガンダールヴのルーンが光って才人の人格が表に出てくる
「ヴァリエールの恋人ではなくヴァリエール本人を奪っちゃえ」という結論に達したキュルケIF
ところがルイズに(性的な意味で)逆襲され、ルイズがいないとダメになったキュルケIF
無理でしたすまぬ他の人お願いします
>>983 エロパロスレに似たようなのがあった。
ルイズにTNTN付いてるけど。
新スレ乙
んじゃさっさと埋めちまおうか
乙梅
新スレ乙
書き手さん達が戻ってくるといいなー梅
梅
鵜
宇目
績め
生め
埋め
うめえええええええええええええええええええええええ
熟め
がいあああああああああああああああああああああああ
倦め
1001 :
1001:
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。