あの作品のキャラがルイズに召喚されました part267

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part266
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1264141978/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/


     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。



.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:28:57 ID:xjRpttRW
テンプレは>>1のみです。
3ダメナヒトナリ:2010/01/31(日) 20:33:43 ID:LIRyISO+
投下予告
真・女神転生 STRANGE JOURNEY から主人公(タダノヒトナリ)を召喚。

個性がないか
4名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:53:16 ID:j54oZXvG
立て乙です
5名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:58:03 ID:alGedhjd
>>1

>>3
そこは作者の料理次第。
個性が無い主人公を据えることで逆に、物語に色を添える作品もあるんだぜ?
6名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:01:46 ID:irj+mGfZ
>>5の言うことはもっともだが
十中八九>>3はダメだと思う。つーか「予告」なんだよな?
7名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:05:46 ID:85lE6vuY
自分で自信が持てない作品なんか投下しない方がマシだよ
8名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:06:30 ID:ZjTF3qvY
予告とかイラネ

>>1
9名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 23:22:40 ID:NeD8n/7f
初期の遊戯を召喚して
戦いはDM以外の闇のゲーム主体の話が見たい
ギーシュは負けたらバッド・トリップか廃人だな
10名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 00:09:22 ID:TxGelvpu
「時々復習しとけ」な「板の常識」ゆえテンプレに入らない基本事項

支援:連続投稿規制対策、連レスの待機時間・回数制限を回避するために投稿者以外が行うもの
   1レスでその場は効果が有るから先行者の存在を確認して無駄レス消費は慎む

さるさん:一個人の単位時間内の文章量基準の規制、規制も規制のためのカウントも正時(毎時00分)ごとにリセット、支援は無駄
     鯖単位で個別に規制値は設定されている(値は秘匿)ここは8kB“らしい”と以前他所スレの実験で推定されている
     (既に2年以上経過しているため今も同じかは不明)

これはテンプレじゃないぞ、不文律、もしくは言うまでもない常識の範疇だ。
ただ時々明示しないと知らない新参や、これまで知ろうとしてこなかった半端者がトンチンカンな事をやらかす。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 00:18:06 ID:dpDCpiwl
>>9
メンヌヴィル辺りとお互いに一本だけ指を使っていいゲーム
→メンヌヴィル火達磨
12使い魔はじめました ◆8KmVfUYwBs :2010/02/01(月) 01:04:05 ID:wyjMbuZz
代理スレに使い魔はじめましたの投下しました
どなたか代理お願いします
13名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 01:41:44 ID:YzB7d1wY
……?

なんで本スレに書き込めるのに自分で投下しない。
14名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 01:44:52 ID:wyjMbuZz
>>13
携帯からはレス出来るんですが、PCの方は規制されてるんです
携帯からだと全角512文字ずつしか投稿出来ないので代理を頼みました
15名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 02:00:32 ID:r3o69K/H
>>14
そういうことなら代理投稿しましょうか。
少々お待ちを。
16使い魔はじめました 代理:2010/02/01(月) 02:01:41 ID:r3o69K/H
お久しぶりです。トリップ変わってますがだんじょん商店会から召喚してる人です。
規制されてたので、どなたか代理お願いします。

使い魔はじめました――第19話――

参ったなあ、とサララは頭を抱えたくなった。
今、彼女の目の前に立つのは数十人程の傭兵の群れである。
「おうおう、ようやく出てきたようだな!」
頭に氷の入った袋を乗せた男は、確か昼間戦った傭兵だ。
彼を先頭にして、腕っぷしの強そうな奴らがそれぞれの得物を構えている。
「もー、あいつら何でここが分かったんだろー」
横で盛大なため息と愚痴をチョコがこぼす。
彼女が何故こんな目にあっているのか、それは時を少し遡る必要がある。
宿に帰ったサララ達は、ルイズと一緒に夕食を取った。
ワルドに結婚を申し込まれたと聞いた衝撃でワインを吹き出しで怒られたり、
恋愛対象は居ないのか? と聞かれてそんなのは居ないと答えたサララを見て、
数人の知人をチョコが心の中で慰めたり、
ゲルマニアの噂を聞いて、カエルが苦手なルイズが身震いをしたり、
彼女達なりに楽しいお喋りをしながらの夕餉だった。
それが中断したのは、にわかに階下が騒がしくなったからである。
ワルドが報告して曰く、『この店に居るピンク髪の小娘を出せ!』、と
傭兵達が口々に騒ぎ立てているという。
逃げるのも迷惑になるしなあ、と渋々ながら彼女は彼らの前に姿を見せた。
そして、今に至る。
17使い魔はじめました 代理:2010/02/01(月) 02:02:26 ID:r3o69K/H
「で、どうするのかね、サララくん?」
ワルドが呆れるような面白がっているような声を上げる。
サララは、少し悩む。何故ここがバレたのか、思いを巡らせていた。
恐らく、誰かが自分がこの宿に泊まっていることをバラしたのだろう。
でも一体誰が、何のために? 考えても答えは出ない。
「ははは! どうしてここが分かったのか、って言いたげな顔だな!
 親切な野郎が教えてくださったんだよ!
 何でもその方はテメエらをアルビオンへやりたくねえらしいなあ!」
「……ご親切にわざわざどーも」
チョコが呟く。それは、彼らに居場所を教えた相手への言葉か、
あるいは聞いても居ないことをべらべらと話す彼らへの言葉か。
隣でルイズも呆れているし、ワルドは呆れを通り越して頭を抱えている。
とにかく、貴族派の妨害みたいですね、と緩んだ空気を引き締めるように告げる。
「う、うむ。そのようだな。僕とルイズは一足先に桟橋へ向かおう。
 明日出る船なら、ある程度準備は終わっていて飛べるはずだ」
「え! でもワルド様、それじゃサララは!」
「大丈夫だよ、こんな奴らすぐにやっつけちゃうから」
何でもないことのように、ケロリとした顔でチョコが言った。
サララもそれに続いて笑顔で頷く。
「……分かったわよ」
ルイズは思い出す。その笑顔は、フーケのゴーレムに立ち向かった時と同じもの。
だから、その笑顔を信じよう、と思った。
「すぐよ、すぐ追いつきなさい! ご主人様の命令なんだからね!」
はい、と笑って、サララはルイズを見送った。
「ふふん、よくわからんが今生の別れは済んだようだな。
 すぐ追いつく、というのは創作の世界ではすぐ死ぬ奴の台詞だ!」
傭兵の先頭で、アーカイブが高らかに宣言する。
そして、傭兵達がいっせいに襲い掛かってきた。
だがサララは臆することはない。相手はただ魔法と武器に少々長けただけの人間。
魔王の目玉や魔王の腕、そして魔王そのものに比べれば
比べるのも失礼な程度の実力であろうと推測する。
……まだ、サララ本人は魔王と戦ったことはないけれど。
数の暴力を相手にするなら、こちらも手数を増やせばいいだけの話だ。
かちゃり、と手にした鉄の扇を開き、鳴らす。
さて、久しぶりのまともな戦闘だ。体が鈍ってなければいいが、と。
そう思いながら、それを迎え撃たんとするサララの顔には、笑みが浮かんでいる。
「でえりゃっ!」
上段から振り下ろされた剣を、鉄の扇で受け止める。
「なっ」
大男は、どこにそんな膂力があるのか驚いているようだ。
その隙を見逃すサララではない。
きぃん、と剣を弾き返し、間髪入れずその腹部を扇で殴る。
鉄で出来ているだけあって、そのダメージは割りと深く、男がうめき声をあげる。
それをきっかけとして、サララは他の敵の胸元へ一気に飛び込む。
襲いくる彼らの攻撃をひらりとかわしながら、手にした得物で流れるように殴る。
見様によっては一種の舞踏のようであった。
「ぐっ、ちきしょうが、ふざけやがって……!」
「女子供だと思って手加減してやりゃあ、調子に乗りやがって!」
男達が呻きながらもサララを睨みつける。
その視線を受けて、サララは笑った。その手には、一つの糸車が握られている。
からからと、それを鳴らす。鋭い男達の目元が、段々と和らぐ。
否。それは、眠りに落ちているのだ。糸を一つ紡ぎ終える頃には、
男達は地面に伸びて盛大ないびきをかいていた。
「珍しいね、サララがこういうアイテムきちんと使うなんて」
いつまでも力押しダメでしょう? ……手加減できるか分からなかったし、と
サララは、チョコの問いかけに笑みを見せた。
「……まあいいけど。今からなら、二人にもすぐ追いつけるよ」
18使い魔はじめました 代理:2010/02/01(月) 02:02:46 ID:r3o69K/H
「ルイズは大丈夫かしら……」
桟橋の階段を駆け上がりながら、ルイズが呟く。
ああは言ったものの、やはり心配なのだ。
「もし彼女達が追いつけなかった場合、置いていくことも考えなければいけないよ」
「そんな!」
ルイズが反論しかけた時、二人の後ろから足音が聞こえた。
サララ、と叫ぼうとしたルイズの体は、宙に舞い上がった。
「ルイズ!」
ワルドが杖を構えて叫ぶ。彼女を抱えたのは、白い仮面を被った男だった。
「ちょっと、何よあんた、離しなさいよ!」
ルイズがじたばたと暴れるが、男はその手を離さない。
「く! ルイズを離せ!」
ワルドが呪文を唱え、今まさに魔法を放たんとしたその瞬間。
ふっ、と何かが彼の頬を掠めて飛んでいく。
一振りの剣が、男の仮面に当たった。
予想外の攻撃に、男はうろたえ、壊れかけた仮面を片手で抑える。
「サララ!」
ルイズが、剣が飛んできた先を見て叫ぶ。
剣を投擲した体勢そのままに、サララは、遅れてすいませんでした、と嘯く。
「ラナ・デル・ウィンデ!」
ワルドの風の槌が困惑しきっている男を吹き飛ばす。
その衝撃で、男はルイズを手放し、よろめく。
階段から足を踏み外しながらも、男も呪文を唱えた。
「デル・ウィンデ」
男の杖から、幾つもの風の刃が飛んでくるのが分かる。
そしてその刃は、サララを狙っている。
サララは、素早く袋からデルフリンガーを取り出し、構えた。
「ナイスタイミングだぜ、相棒!」
しゅう、と音を立て、魔法はその刀身に吸い込まれていった。
「……まさかもう追いついてくるとは思わなかったよ。
 だが、助かった、ありがとう」
「ほ、本当よ! もう少しで大変なことになったかもしれないんだからね!」
恐怖をかき消すように口を尖らせるルイズに、はい、とだけ答えておく。
「それにしても……、これは投擲用の剣ではないと思うんだが」
ワルドが、水色の刀身をしたその剣を拾いまじまじと眺める。
ちょっと魔法の力が籠った剣なんです、とサララは答えた。
「ふむ。興味深いが今は詮索している場合ではないね。さ、フネへ急ごう。
 サララくんには、殿を頼んでいいかな」
ええ、とサララが答えてから、三人は駆け出した。
「……ね、サララ」
チョコがサララの耳元で囁く。
「あの剣での攻撃、随分、あいつに効いたみたいだったね」
前を行く二人に勘付かれない程度に、サララは頷く。
あの男の背格好、あの剣が効いた理由、そういったことを考える。
その視線の先に、ワルドの背中をしっかりと捉えながら。
19使い魔はじめました 代理:2010/02/01(月) 02:03:06 ID:r3o69K/H
以上で投下終了です。どなたか代理お願いします。
すいません更新遅くなりましたすいません。
おかしいなあ、年末には投下している予定だったのに。
何がいけなかったんだろう。(スパロボWとポケモンをやりながら)
なお本作品においては、ロマリアは出てきませんし、
世界の危機とかそういったこともあんまり関係ありません。
そんな感じにほのぼのぐだぐだに進むと思います。
よろしければ今しばらくお付き合いください。
20名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 02:03:49 ID:r3o69K/H
ここまで、代理終了です
21使い魔はじめました ◆8KmVfUYwBs :2010/02/01(月) 03:03:07 ID:wyjMbuZz
代理ありがとうございました
22名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 06:21:32 ID:s8cX541E
乙でした。
23名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 07:15:30 ID:YlqAcO61
お疲れ様です…が

>「ルイズは大丈夫かしら……」
>桟橋の階段を駆け上がりながら、ルイズが呟く。
なんとゆーかちょっと気になったので
24名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 07:55:23 ID:wqC6YsOH
ダンジョン商店会来たああああああああああああああああああああああああああ!
やっぱ人の噂はしとくもんだな
25名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 09:02:01 ID:v729030P
だんじょん商店会大好きです
これからも頑張ってください
26名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 09:04:27 ID:v729030P
それにしてもサララ、まだ魔王と戦ったことはないのに変化の鍋は持ってるのか…
27名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 09:07:12 ID:Zfv1kHGB
復ッ活ッ!!
ダンジョン商会の人復活ッッ!!!
ダンジョン商会の人復活ッッ!!!!
ダンジョン商会の人復活ッッ!!!!!
ダンジョン商会の人復活ッッ!!!!!!
28名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 09:49:06 ID:l4gtRLnS
だんじょん商店会キターーーーーー!!
29名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 13:33:54 ID:BGoZiN2r
まとめ確認したら18話が登録されてなかった…だと!?
30名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:08:45 ID:AtDbblnU
お前ら「キター」以外に言うことないのか?
31名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:14:44 ID:B79DVJz+
ミナミー
32名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:20:53 ID:yUGSld0q
ヒャッハー!水だぁ!
33名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:23:30 ID:eSld9YcA
ニシー
34名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:29:06 ID:DN2yDQDx
東MAX!
35名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:38:12 ID:6OFSz/4S
トォートォー! ヒガシー!
オッシャー! ニシー!
ナントォ! ミナミー!
キタキタキタキター!
36名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:44:08 ID:mC2TBDAP
あー、なるほどね。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 19:12:20 ID:uSXYzD8d
>>35
海老蔵召還か・・・いやシンケンゴールドでもいいか
38名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 19:18:48 ID:Wm5tBoJA
>>37
海老原海老蔵?
39名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 20:25:04 ID:obZKXbf5
>>37
テファの元に殿でジョゼフの元にアクマロ、教皇の元に千明とかか
40無重力巫女の人 代理:2010/02/01(月) 20:36:14 ID:o9AHBrNT
代理投下よろしいでしょうか?
41無重力巫女の人 代理:2010/02/01(月) 20:38:18 ID:o9AHBrNT

「やっぱり紫様の言う事は何でも当たるねぇ。すぐに紅白と【虚無】の少女を見つけちゃった」


ようやく捜していた二人を見つけ出した橙が嬉しそうに呟いた。
瞬間、霊夢は目の前にいる猫がいつぞやのマヨヒガで出会った八雲紫の式、八雲藍の式である橙だと気づいた。
それと同時に、ようやく迎えがやってきたのだと悟り、溜め息をついた。
「全く、いつかは来ると思ってたけど。まさか式の式をよこして来るなんてね」
聞き慣れない言葉を聞いたルイズは首を傾げた。
自分の横をかいくぐって部屋に入ってきた尻尾が二本もある黒猫に疑問の目を向ける。
「シキノシキ?…というよりその黒猫はなによ、知り合い?随分とアンタの事を知ってそうな感じだけど」
ルイズの声を聞いた橙はピクンと耳を動かすと彼女の方へと顔を向けた。
「どっちかというと、アタシの主人とその主人がこの紅白とはよく顔を合わせてるよ」
橙の説明を聞いたルイズは眉をしかめつつも霊夢に話し掛けた。
「ねぇレイム、私にはよくわからないから説明してよ。それも簡潔に」
ルイズにそう言われ、霊夢は面倒くさそうな顔をしつつもその質問に答えた。
「ん〜…何でコイツが来たのかは私にも良くわからないけど…要するに、迎えかしらね」
「まぁそう言うことさ。後、コイツ呼ばわりはやめろよこの紅白」
霊夢の口から出たその言葉に、橙は文句を言いつつコクリと頷いた。

「ふ〜ん、迎えねぇ…迎え…迎え…―――――って、えぇえぇえぇぇぇぇぇぇ!?」

数秒遅れて、ルイズは霊夢の口からあっさりと出たその言葉に、驚きの叫び声を上げた。
驚くのも無理は無い。何せいきなりの事である。
ロマリアの教皇聖下が突然「実践教義に鞍馬替えします」と全世界に発表する様なものだ。


突然の事に動揺を隠せないルイズは橙を指さしながら口を開いた。
「ちょっ…む、迎えって。まさかこんな黒猫が迎えだっていうの!?」
その時、今の今まで黙っていたデルフが突如話に割り込んできた。
『ただの黒猫だって?娘っ子、お前さんの目は節穴か?こいつは正真正銘の化け物だぜ』
橙が部屋に入ってきた所為でまだ途中だった話が中断されたことにより相当怒っていた。
勿論デルフをただの剣だと思っていた橙は苛立ちを露わにして喋る剣に驚いた。
しかし、すぐにデルフの言った事に反応し、ピンと両耳を尖らせた。
更に尻尾を大きく膨らませ、全身の毛を逆立てたら、剣を相手に威嚇している黒猫の完成である。
「私をただの化け物扱いするな!第一お前だってまともな剣じゃないだろう!」
その様子を見たデルフはまるで笑うかのようにぷるぷると刀身を奮わせながら言った。
『うっせぇ。第一、尻尾が二本あって、使い魔でもないのに人語を解す時点でまともな生物じゃねぇだろうが!
 それに俺様はお前のような得体の知れない存在とは……』

「… そこまでにしときなさいよ。全く、こっちだって聞きたいことがあるんだから」
お互い一歩も退かないその様子に、霊夢は呆れつつも口を開いた。
喧嘩になる前に霊夢が割り込んできたためか橙は何かを思い出したかの様に耳をピンと尖らせると霊夢に話しかけた。
「あ、そうそう。一つだけ言っておくことがあったのを忘れてたわ」
「…?何を言い忘れたのよ」
首を傾げた霊夢に、橙は尻尾を振りながら自慢気にこう言った。

「紫様からの伝言。『橙と一緒にその場でジッとしているだけで良いから』だって」
42無重力巫女の人 代理:2010/02/01(月) 20:39:42 ID:o9AHBrNT
橙の言葉を聞いたルイズはキョトンとした顔になったが、橙の言う『紫様』をある程度知っている霊夢は瞬時にその言葉の意味を理解した。
一方のデルフは自分の話を遮った霊夢と橙に怒りをぶつけようと再び喋り始めた。
『おいレイム!お前さんまでもがその化け物の味方をするの…か…よ……!』
喋ってる途中に何かを感じたのか、デルフの刀身がブルブルと震え始めた。
先程怒っている橙を笑うかのようなそれとは違い、まるで何かを警戒しているかのような震え方であった。
ルイズはそんなデルフを見て一体どうしたのかと思ったが、そんな彼女の身にも異変がおこった。
「ねぇ…ちょっと部屋の中寒くないかしら?」
ふと自分の手で身体をさすりながらもルイズはそう言った。
まるで冷たい水を全身に浴びたかのような冷気が彼女の身体を包み、体温を少しずつ奪っていくような気がした。
窓も閉まっており、暖炉にはちゃんと火がついているというのに。
そんなルイズの様子を見て、霊夢は溜め息をつくと天井を見上げ、呟いた。

「やれやれ…待たせた分演出に凝ってみました…って所かしらねぇ?」






「ミス・ヴァリエール。夜食の方をお持ちしに来ましたが…」
学院のメイド服を見事に着こなしている金髪碧眼のおっとりとした目つきの少女がルイズの部屋のドアをノックしていた。
左手にはワインの入ったミニボトルと食パンに野菜やハムをはさんだ軽食がのっている。
生徒達の中には夕食だけで腹を満たせる者が少なく、時折こうして夜食を頼む生徒が後を絶たないのだ。
かくいうルイズも例外ではなく、時折こうして頼むことが何回かあるのだ。
その為、こうして一人のメイドが夜食とワインを持ってルイズの部屋の前に突っ立ってドアをノックし続けているのだ。
なぜ部屋の前で立ち往生しているのかというと。こうやって何回もノックしても部屋の主人が出てこないのだ。
普通この時間帯の生徒達は部屋を出ることを禁止されており。真面目な者ならば部屋から出ようとはしない。
「あのーすいませんミス・ヴァリエール。せめてお返事だけでもぉ…」
給士は困ったようにそう言うが、ドアの向こうからは一切の声が聞こえない。
相手の返事が無いことに給士は溜め息をつくと、スッと目つきを変え、廊下に誰もいないのを確認した。
おっとりとしたようなソレではなく、まるで獲物を捜す鷹の目のソレである。
廊下には誰もいないのを確認した後、お盆をそっと地面に置くと懐から小さな杖を取り出した。
一見すればただの羽ペンに見えるソレを振るいながら『アンロック』の呪文を唱えた。

魔法学院の校則では『アンロック』の呪文は生徒達のプライベート上、禁止とされている。
しかし今目の前でその呪文を唱えたメイドはそんなの関係ないと言わんばかりに唱えていた。
メイドは杖を再び懐に戻すとゆっくりとドアノブを捻ってドアを開け、そして目を丸くした。

簡単に言えば『部屋の中には誰もいなかった』。そう、誰一人として。

この部屋の主人である少女、そして彼女が召喚した少女もこの部屋にやってきた黒猫もいなくなっていた。
壁に立てかけられていた御幣やインテリジェンスソードも無くなっていたがこのメイドにとってはそれはどうでも良いことである。
彼女にとって、『今この部屋に主人とその使い魔がいない』という事が一番の問題であった。
みるみると顔色が青ざめていくメイドは信じられないという風に首を横に振りつつドアを閉めた。
そして再びお盆を手にもつと早足で食堂に戻っていった。

食堂を戻りつつも彼女は下唇をキュッと噛み締めながら首から下げた聖具をギュッと握りしめた。
43無重力巫女の人 代理:2010/02/01(月) 20:41:04 ID:o9AHBrNT


「―――…ん、うぅ…。」
耳の中に入ってくる風の音で、ルイズはゆっくりと目を開けた。体の上には少しふんわりとした布団が掛けられている。
どうやらいつの間にか気を失っていたようだが、それよりも先にルイズはある事に気がついた。
もしも仰向けに倒れているのであればいつもの見知った天井が真っ先に視界に入る筈である。
しかし、今彼女の鳶色の瞳に映っているその天井は、彼女の見知らぬ天井であった。
見知らぬ天井を見てルイズは眉を顰めると、自分の身体の下に柔らかい布のような物が敷かれているのに気がついた。
いつも自分が愛用しているベッドじゃないということにすぐに気がつき、そして次に辺りを見回してアッと驚いた。
「ここ、どこよ…?」
掛け布団を蹴飛ばし、上半身を起こしたルイズはポツリと呟いた。
そう、そこは…少なくともルイズが今まで見たことのない感じの部屋であった。

床は見知った板作りではなく、全く見たことのない奇妙な物が敷かれている。
寝ているルイズの右側には木製の枠組みの両面に紙または布を張ったもの――つまりは襖があった。
ついで左側には足が短いテーブルがあり、その上には使い慣れた自分の杖が置かれていた。
ルイズはゆっくりと立ち上がると、ゆっくりと深呼吸し右手でギュ〜…っと頬を抓った。
「イタタタタ…!」
途端、激しい痛みが抓った頬に襲いかかり、すぐさま手を放した。
涙目になりながらもルイズはコレが夢ではないということを実感する事となった。
「一体どういう事なの…?私は霊夢と一緒に自分の部屋に居て…それからそれから黒猫が―――あれ?」
自ら口に出して自分が覚えていることを呟いていたとき、ふと言葉が途切れてしまった。
尻尾が二本もある黒猫が部屋に入ってきたまでの事は覚えているが、それから後の事は全く覚えていなかった。
まるでその時の記憶だけ抜き取られたかのように思い出せない。
(こんな事…前にもあったような…――イヤそんな事よりもここは一体何処なの?)
この部屋といい、記憶が無いといい…一体どういう事なの…?とルイズは不安になり、テーブルに置かれた杖を手に取ろうとした時…。
襖の開く音がし、その後聞き慣れた声がルイズの耳に入ってきた。

「何キョロキョロしてんのよ?そんなにこの部屋が珍しいのかしら」

その声にルイズはハッとした顔をしつつも振り返ると、急須と湯飲みを載せたお盆を持った霊夢がそこにいた。
「れ、霊夢…。ここは一体何処なのよ?私、ついさっきまで魔法学院の自室にいた筈だけど…」
「…まぁ気を失ってたアンタからしてみればついさっきの事かもね。」
いつもの気怠そうな巫女の顔を見て、ルイズは不安そうな表情でそう言った。
一方の霊夢はその言葉にふぅ…と溜め息をつきつつもそう言い、手に持っていたお盆をテーブルの置いた。
霊夢は既にお茶が入っている湯飲みを手にするとそれをルイズの前に差し出した。

「ほら、とりあえず飲みなさいな。詳しいことはその後に話すから」
「え?あ、あぁどうも…って、これ取っ手が無いんだけど?」
「何言ってんのよ?取っ手がないのは当たり前じゃない。ティーカップじゃないんだから」
「…アンタ、口の悪さだけはキュルケより上なんじゃないの?」

馬鹿にするかのような霊夢の言葉に愚痴をこぼししつつも、ルイズは湯飲みを手に取った。
44無重力巫女の人 代理:2010/02/01(月) 20:42:54 ID:o9AHBrNT
湯飲みは不思議と熱くはなく人肌に丁度良いくらいに暖かく、冷たくなっていたルイズの指を温めた。
そして若干湯気が立つ緑色のお茶をクイッと湯飲みを少し傾け、ゆっくりと口の中に入れた。
街で買ってあげたお茶とよく似た渋味と少し熱めの温度が舌を刺激し、喉を通っていく。
傾けていた湯飲みを再び傾ける前の角度にまで戻すとふぅっ…と息をついた。

「いつもコレを飲むたびに思うけど。渋味があってこれはこれで美味しいお茶ね。」
「よね〜。私も好きよ、霊夢の出すお茶は」
「まぁ確かに、一度レイムの煎れてくれた紅茶を飲んだ事があったけど…―――



                                             …――って、誰よアンタ!」

横から聞こえてきたその言葉に、ウンウンと頷きつつ一人呟きながらも声の聞こえた方向に顔を向けた瞬間、ルイズは驚いた。
驚くのは無理もない。何せ白い導師服を着た金髪の女性がいつの間にか自分の横にいたのであるから。
「まぁまぁ、年頃の美少女がそんな驚いた顔をしてたら婿が一人も来ないわよ。ウフフ ♪」
金髪の女性は手に持っている扇子で口元を隠しつつ、驚いたルイズを見てカラカラと笑った。
いつの間にか横にいた謎の女性に驚きつつも自分が笑われている事に気づき、カッとなってしまう。
「アンタ、道化師か何かなの?人を驚かしてその様を見て笑うなんて失礼よ!」
出来る限り目を鋭くしてそう言い放ったルイズを見て、女性は更にニヤニヤとする。
「道化師…ねぇ。まぁ確かに、今まで歴史の中で行ってきた一大行事には多くの人間が驚いていたわねぇ。特に月面戦争の時には―――あら?」
楽しそうに喋る女性の言葉を遮ったのは、ルイズが素早く手に持った杖であった。

「ふざけてるのかしら?だったら相手を選びなさい!恐れ多くも、私は侯爵家…ム」
静かな怒りを抱えた鳶色の瞳を女性に向けつつ、ルイズは自分が誰なのかを教えようとしたがそれは霊夢の右手によって止められた。
「ハイハイそこまでにしときなさい。コイツ相手にムキになっても意味ないわよ」
「あらあら霊夢、私の数少ない楽しみを取るなんて…育て方を間違えたのかしら?しくしく…」
「変な言い方しないでよ!下手に勘違いされたらどうするの!」
一方の女性は泣き真似泣きまねをしつつそう言うと、今度は霊夢が怒鳴った。
ルイズは憤りながらもそんな二人のやり取りを見つめつつも、霊夢に話しかけた。
「ねぇレイム、コイツは一体だれよ!?アンタよりタチが悪いじゃないの!」
「あら失礼な子ねぇ…まぁそれは置いておくとして、自己紹介がまだだったわね。」
そう言うと女性は立ち上がり、自らの名を名乗った。

「私の名前は八雲 紫。ここ、幻想郷を創りし者…ついでに趣味はその日その日で変わりますの。ついでに今日の趣味は―人攫いかしらね」
紫は名乗った後。手に持っていた扇子で何もない空間をスッと撫でた。
瞬間、何もないはずの空間に線が現れ、一瞬にして大きな裂け目が生まれた。
「そして…境界を操る程度の能力を持っていますの。どうか以後お見知りおきを」
付け加えるかのように紫がそう言うと、裂け目の中から見える巨大な目がギロリとルイズを睨んだ。
その目に睨まれたルイズは「ヒッ」と小さな悲鳴を上げると杖を取り落とし、その場で腰を抜かしてしまった。

ルイズの反応がお気に召したのか、元から笑顔だった紫は一層微笑んだ。
その笑顔は見た者を恐怖させる笑顔であった。
45無重力巫女の人 代理:2010/02/01(月) 20:45:20 ID:o9AHBrNT
はい、これで今回の投下は終了です。
これを執筆している間に、気づいたらゼロの使い魔18巻が発売してました。
とりあえずはすぐに購入して読みましたけど、良かったです。
今まで読んできて予知できなかった展開と素直じゃないロマリアには少し驚きました。

まぁこっちもちょくちょくと書いていきますので、今後ともよろしく御願いします。

代理終了。作者さん乙でした
さすが紫、胡散臭さがはんぱない
46名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 21:14:30 ID:c91HGFQw
オレは貴様ら悪党どもから優理亜を守るべくやってきた、喧死狼だ!!
47名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 22:06:09 ID:KNZyH5ql
無重力&代理の人乙でした。

霊夢幻想郷に無事帰還したかな?まだ異変解決してないから一時かな?

しかし、次回はルイズが紫にオシオキされそうだ・・・。

一ヵ月後を楽しみにしています。
48名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 22:28:08 ID:L3CpIsd+
霊夢の人、代理人さんも乙です。
ルイズIN幻想郷、これからどう展開していくのか楽しみです。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 23:29:33 ID:FHNmYOZJ
\ババァーン/って効果音を入れたらピチュられるんだろうな…やっぱ
50名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 01:51:37 ID:BP+K6fRK
DSDQ6発売つながりで勇者アモス召還
51名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 02:28:41 ID:dLCElAUA
サイトと一緒にラモス召喚されないかな〜……
52名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 02:34:06 ID:xZxwpmtF
>>50
コントロールできる後なら、ある意味、韻竜だよな。
……なんであの人ドットが一般兵士なんだろうな。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 02:48:35 ID:dLCElAUA
おっと、ポカなんとかさんの悪口はそこまでだ
54名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 04:47:46 ID:IaAM7oxB
まとめwiki死んでる?
55名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 05:54:15 ID:bTCV3VHJ
>>54
死んでません・・・・
56名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 06:24:36 ID:FZQ4S7Wy
俺のほうからだと見れないが、まぁよくあることだな
57名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 08:35:11 ID:iWNUHmLk
>>44
>侯爵家
公爵家だろ
58名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 08:55:26 ID:IaAM7oxB
まだ見れないんだが
本当にwiki消えてないのか?
俺の環境だけおかしいのか?
59名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 09:12:10 ID:BRRI7e/4
昨晩には読めるようになってたが、今朝はまた読めなくなってる模様。
ローカルに保存しておいた分を読んで復旧まで凌ぐしかなさそうだ。
60名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 14:41:05 ID:6ok3PKFx
復帰しとるようだけどまとめwiki
しかし、作られてから3年も経つというのにいまだに一日のアクセス数二万前後なのはすごいな。
これで携帯規制さえなければ万万歳なんだがなあ。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 15:50:08 ID:dLCElAUA
>>58
本当におかしかったら、wikiに関する知識のある人が運営に報告して管理人さんがチェックするんじゃね?
62名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 15:51:28 ID:dLCElAUA
>>60
そのうち何割かは、このスレの存在を知らずにwikiに行ってるのかな。
……wikiって携帯規制されてるの?
63名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 16:35:55 ID:6ok3PKFx
>>62
wikiじゃなくて2ちゃんがまたauとかを規制した。
64名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 16:49:04 ID:dLCElAUA
>>63
wikiじゃないか、スマン。
って、また携帯規制かよ!
65名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 23:26:28 ID:mVE+NY4b
まぁたあうー規制か、勘弁してくれ

霊夢さん乙。ゆかりんも最近は苦労続きだからなぁ。
約4人位の秩序外存在のせいで……
外界人いじくって遊ばないと精神が持たんのかもしれんねw
66名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:09:32 ID:2+r67LZ3
以前、前スレで「相棒の右京さんを召喚」という一言ネタを書いた者ですが、
規制解除の隙をついて、避難所の方に練習用として投下した小説を
投下させていただきたいと思います。
初めてなので至らぬ点など多々あるかとは思いますが、
感想も含めて遠慮なく書き込んでいただけると幸いと存じます。
それでは、投下開始します。
プロローグ
 
 その日、警視庁はちょっとした騒動になっていた。
 警視庁の窓際部署で雑用係、職員からは「陸の孤島」「人材の墓場」などと呼ばれている特命係の長である刑事・杉下右京が行方不明になったのである。
 誰も行き先に心当たりはなく、携帯電話も電波が届かない場所にいるのか電源を切っているのか、全く通じなかった。
 だが、それだけならば警視庁全体を巻き込んだ騒ぎになることはない。
 右京はしばしば独自で事件を捜査し、その過程で拉致監禁されるなど危険な目に遭うことも少なくなかったからである。
 そんな右京の消失が警視庁の話題に上ったのは、右京の唯一の部下として特命係に所属する神戸尊と、特命係に隣接する組織犯罪対策部5課長の角田六郎の証言のせいだった。
 一部始終を目撃したという彼らの証言によると、外出しようとした右京が扉を開けると、待ち構えていたようにすぐ目の前に、大きな鏡のようなものが現れたという。
その鏡は、どういう仕掛けになっていたのか、少し宙に浮いていたそうだ。
 慎重な右京もこの不意打ちに近い事態には対処しきれず、その鏡にとびこんでしまった。
そして、右京を取り込んだことで役目を果たしたらしい鏡は、尊や角田が驚きのあまり動けないでいるうちに消えてしまったというのである。
 もちろん、そのような常識的に考えられない事態が起こったなどということが信じてもらえるわけもなく、
尊は刑事部長の内村完爾に事情を詳しく説明するために、部長室に呼び出されることになった(角田はうまく尊にこの面倒事を押しつけて逃げてしまった)。
 怒り心頭で、自分の説明を頭ごなしに否定してくるであろう内村の態度を予測した尊は、深く嘆息した。
「まったく…振り回してくれるな、あの人は……」
 尊は、そんな独り言をつぶやきながら髪をかき上げると、廊下を部長室へと歩を進めた。
第一章
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 神聖で、美しく、強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! わが導きに応えなさい!」
 ハルケギニア大陸の国家・トリステイン王国の広々とした草原にそびえるトリステイン魔法学院の中庭に、ルイズの呼びかけが響いた。
 ルイズ――本名をルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールという、トリステイン屈指の名門貴族の三女である――は、万感の期待をこめて杖を振るった。
 直後、耳をつんざく轟音と土煙が中庭を覆った。ルイズの前方の空間が爆発したのだ。
 ルイズの召喚を見守っていた、年齢の割に頭髪が寂しい教師・コルベールとクラスメイト達は、それぞれ体を伏せて目を覆ったり、耳や口を塞いだ。
 やがて土煙が引いたころ、クラスメイトの一人が、爆発の中心に何かを発見した。他の生徒たちもコルベールもそこに注目する。
 そして爆発を起こした張本人であるルイズは、そこに現れたものに対する驚きに、爆発で乱れてしまった自慢の桜色の髪を直すのも忘れて呆然としていた。
 そこにいたのは、コルベールよりも年上であろうと思われる40〜50代の男性であった(ただし、男のきっちりセットされた頭髪は黒々として白髪一本見当たらず、質・量ともにコルベールを完全に上回っており、それが男に若々しい印象を与えていた)。
爆発の中心にいたにも関わらず、男にはなぜか火傷どころか怪我ひとつなく、見ただけで高価だとわかるコートやスーツにも皺や乱れすらなかった。やはり高価なメガネフレームに納まっているレンズにも埃ひとつついていなかった。
気絶しているというのに、男の姿からは正真正銘の貴族である生徒や教師以上に高貴な、紳士然とした気品が感じられた。もし着ている服が典型的なトリステイン貴族のものであったならば、間違いなく貴族だと信じてしまうであろう。
「何だ? ルイズのやつ、まさか平民を召喚したのか?」
「あははは! さっすがは“ゼロのルイズ”ね!」
「いやいや、“ゼロのルイズ”が『サモン・サーヴァント』に成功したことをまずは褒めてやらないとっ…! ふふふふ…」
 クラスメイト達の笑いと“ゼロのルイズ”という言葉を聞いて我を取り戻したルイズは、屈辱に耳まで真っ赤にして叫んだ。
「う、うるさい! これはちょっとした間違いよ! そうに決まってるわ!」
 ルイズのその叫びに意識を取り戻したのだろう、男は目を開いてゆっくりと体を起こした。現状を把握しようとしているのか、注意深く辺りを見回している。
しばらくすると懐から掌に収まるくらいの小さな機械を取り出して何やらいじっていたが、小さくため息をつくと、機械を懐に入れた。
 やがて男は、近くにいたルイズに声をかけた。
「Excuse me.Could you tell me where here is?(すみません。ここがどこなのか、私にお教えいただけますでしょうか?)」
「え? なに!? 今何て言ったの!?」
 ルイズは男の言葉が全くわからず、バカにされたこともあって苛立ちが募り、とげとげしい調子で返した。
 しかし男は、そんなルイズの失礼な返事など意に介さなかったらしく、
「おや! 日本語をお使いになるのですか? ここは、イギリスではないのでしょうか?」と、少し驚いた様子で質問を重ねた。
「ああもう、ちょっと黙ってて! ミスタ・コルベール! もう一回、召喚させて下さい!」
 ルイズは男をとりあえず黙らせると、コルベールの方を向き、懇願した。
 男は、言われたとおり黙ってルイズたちの様子を見つめていた。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:16:48 ID:yOKIm6OZ
支援
「それはなりません。ミス・ヴァリエール」
「どうしてですか!」
 コルベールの否定の言葉に、ルイズは納得いかない様子で抗議の声をあげた。
「決まりだからです。今行っている春の使い魔召喚は、生涯使役する使い魔を召喚するだけでなく、使い魔によって君たち一人ひとりのメイジとしての属性を特定し、
専門課程に進むための神聖な儀式です。一度召喚した使い魔候補は、やむを得ぬ場合を除いては、変えることは許されません」
「で、でも! 平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」
 ルイズの言葉に、再び周囲から笑いが起こった。
「これは伝統なのです。確かに人間を使い魔にするというのは前例がありませんが、春の召喚儀式は全てに優先します。
平民であろうと何であろうと、彼には君の使い魔になってもらわなければなりません。
ミス・ヴァリエール、君は直ちに『コントラクト・サーヴァント』を行い、彼と契約を結びなさい。よろしいですな?」
「そ、そんなぁ…」ルイズは肩を落とした。
「さっさと契約しちゃいなさいよ。失敗続きの中でようやく呼び出せた大切な使い魔なんだから。“ゼロのルイズ”に平民の使い魔…お似合いじゃない。ねぇ、タバサ」
「うるさい! キュルケ!」
 ルイズは、燃えるような赤い髪を持つ、どこか妖艶な雰囲気をまとった少女・キュルケを睨みつけた。
 一方、タバサと呼ばれた、背が低い青い短髪の無表情な少女はキュルケの言葉には答えず、男の様子を静観していた。
 男は、顔こそルイズとコルベールの方に向けてはいるが、中庭にいる全員の発言や動きを見逃さないように注意を払い、感覚を研ぎ澄ませているようにタバサには感じられた。
「はぁ…ちょっと、あんた」
ルイズはため息をつくと、男に声をかけた。
「はい?」男は語尾を上げた、少し変わった返事をした。
「勘違いしないでよね。これはあくまで使い魔としての契約だから。本来なら貴族にこんなことされるなんて、一生ないんだから」
「契約、とおっしゃいますと?」
「いいからじっとしてて! …我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 ルイズは、呪文を唱えると、杖を男の額に置いた。そして、男に顔を下げるように促す。
 男が立て膝になると、ルイズは男の顔に両手を添え、ゆっくりと唇を近づける。
先ほどとは違った感情で、顔が紅潮していく。心臓が高鳴っているのが嫌でもわかる。
 と、男は突然「すみません」とルイズに声をかけた。
「じっとしててって言ったでしょ!」
「一つだけ。急いでおられることは承知していますが、どうしても契約前に確認しておきたいことがあります」
 男は人差し指を立て、静かだが力強い声で、ルイズに質問させてくれるよう求めた。
「…何よ」
「この『使い魔の契約』は、今までの話から推察するに、僕にもあなたにも契約に対して拒否権はないようですが、成立した契約を解除することは可能なのでしょうか?」
「無理よ。使い魔の契約が解除されるのは、呼び出した使い魔が死んだときだけ。人間が使い魔として呼び出されるなんて今までなかったもの」
 この恥ずかしい時間を早く終わらせたいルイズは、少し早口気味で答えた。
「なるほど、それが『やむを得ぬ場合』というわけですね…仕方がありません。とりあえず、今後のことはこの場を終えてから考えましょう」
 そういうと、男は静かに目を閉じた。
 ルイズの唇が、男の唇に重ねられた。男は、身じろぎひとつしなかった。
 ルイズは唇を離すと、「終わりました」とコルベールに報告した。見知らぬ男とキスをしたことで照れているのか、彼女の顔は再び耳まで真っ赤になっていた。
 男女のキスシーンを目の前で見た生徒たちは、興奮をおさえきれずに黄色い声をあげたり口笛を吹いたりしてはやし立てた。コルベールが静かにするよう注意する。
「『使い魔の契約』…その方法がまさかキスとは…驚きました。大丈夫ですか……!?」
 男が立ち上がりルイズに声をかけようとしたとき、左手に違和感を覚えた。
 熱い。まるで熱した鉄の棒を手に押しつけられているようだった。
 だが、その熱さは一瞬のことであり、すぐに治まった。
 男が左手を見ると、手の甲に文字らしきものが焼印のように刻まれているのが見えた。
「これは…!」
「! 知ってるの?」
「ヨーロッパで、ラテン文字が普及する以前にゲルマン語の表記として用いられたルーン文字に極めてよく似ています」
「『使い魔のルーン』よ。私の使い魔ですっていう、印みたいなものよ」
 ルイズは、細かいところは自分が持っている知識と違うとはいえ、魔法どころか文字を習う機会すらないはずの平民の男がルーンを知っていることに内心驚いた。
しかし、由緒正しき旧い家柄を誇る貴族である自分が平民に動揺させられたなどと知られれば、また意地の悪い同級生たちの物笑いの種になってしまう。
 なるべく平静を装って男に説明した。
「ほう…これは珍しいルーンだな。失礼」
 男の左手を覗き見たコルベールが、刻まれたルーンを書き込んだ。
「すみません。『珍しい』とは、一体どういうことなのでしょうか?」
 男が、今度はコルベールに尋ねた。
「ん? …ああ、それは、見慣れないルーンだったというだけのことです。なぜそんなことを?」
「細かいことが気になってしまうのが、僕の悪い癖でして」
 男はまた人差し指を立てて、さわやかな微笑を浮かべた。
「そうですか……さて、これで春の使い魔召喚の儀式は全員終了しました。皆、教室へ帰りますぞ」
 コルベールはそう言ってきびすを返すと、宙に浮き上がった。
 生徒たちも、コルベールの呼びかけを受けて、同じように浮遊すると、石造りの校舎へと向かった。
 飛んでいないのは、ルイズと男の二人だけだった。自然、取り残される形になる。
 同級生たちは、口々に「お前は歩いて帰れよー」だの、「ルイズは『フライ』どころか、『レビテーション』もまともにできないからな」だのと、
からかいと嘲笑をルイズにかけて飛び去っていく。
 男は、人間が浮き上がったことに驚きを隠せない様子で、彼らの周囲や校舎の外を見回していた。
「ワイヤーやクレーン車等の類の仕掛けは見当たらない…タネも仕掛けもなく、人体をあれほどまでに安定させた状態で飛ばせるとは…
ここはさながら、中近世のヨーロッパを舞台にしたファンタジーを具現化したような世界ですねえ。いや、素晴らしい!」
 男は、手品を初めて見た子どものごとく、興奮していた。
「…あんた、一体何者なの?」
「はい?」
 ルイズの問いかけに、興奮から我を取り戻した男が振り向いた。
「コモン・マジックの初歩の『フライ』なんて、トリステインじゃ平民だって知ってるようなものにそんなに興奮するなんて…」
「いやはや、これはお恥ずかしい。なにぶん、幻想文学や映画でしか見たことがないような『魔法』を目の当たりにしたものですからねえ」
「それなのに、ルーンは知ってるなんて…おかしいじゃない! あんたは何者なの? どこから来たの? 
なんであんたみたいなのが、私の使い魔になったのよ!?」
「落ち着いて下さい、ミス・ヴァリエール。事態を把握できていないのは、僕も同じです」
 男は、ルイズを落ち着かせようと、優しく名前で呼びかけた。
「…え? 私、まだ名乗ってなんかないわよ? 何でわかったの!?」
「先ほど、僕との『使い魔の契約』の際に唱えていらっしゃった呪文の中で名乗っておられたではありませんか。
ミス・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール…ですよね?」
 何が「事態を把握できていない」よ。正式に自己紹介していない私の名前をあの状況で、しかも正確に憶えているなんてじゅうぶん冷静じゃない…
そんなルイズの気持ちをよそに、男は言葉を続けた。
「ああ、こちらから名乗るべきところを、大変失礼いたしました。申し遅れましたが……私、日本で公務員をしております、杉下右京と申します」
 男――杉下右京は、高い教養と知性をあわせ持った紳士というにふさわしい慇懃な言葉遣いと、上品な笑顔でルイズに自己紹介をした。
以上で、とりあえず第一話、投下終了です。
なお、第二話以降は全く未定です。
75名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:27:16 ID:hTCseonL
乙です。

長編とか短編じゃなくて小ネタですか?
>>75
脳内構想としては、長編でと思っているのですが、
現時点で続きを投下できるかはお約束できない状態です。
とりあえず今のところは、小ネタということになるでしょうか。
77名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:41:50 ID:EOmFiddb
>>76
投下時点で長編か小ネタか決まってない…これは新しい
78名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:43:10 ID:Sf2hanQY
相棒さん、初投稿乙です。

珍しくモロ頭脳系の人で来ましたね〜。
読んでる最中ミョズになるかと思ったら、普通にガンダさんでしたか。

この人だとルイズの子守よりも、コルベール先生との雑談ほ方が映えるような気がします。
79名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:45:29 ID:hTCseonL
>>76
あ〜そうなんですか、難しいですね……。
80名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 02:21:42 ID:30AW9CDi
特命さん乙!
水谷豊の演技が脳内で鮮明に再生されてしまったw
81名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 09:22:20 ID:YsUdCQSB
乙!右京さんキター!
そういや右京さん、剣道ガチで強かったっけ。徒手空拳でも亀山以上っぽかったし。
82名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 10:15:43 ID:b0CuzagU
いい原作を読むとSSが見たくなるな
武装錬金の人帰ってきてくれー
83名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 11:34:14 ID:D189kbba
瀟洒な人も帰って来て欲しいなー
84名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 12:23:39 ID:6r9eefvW
瀟洒の人ってやめちゃったの?
85名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 12:44:15 ID:OIJfA3in
まずはGJ!この組み合わせは是非読んで見たかった。
しかも文章力にも問題なく充分先が期待できる。これは続きが楽しみだ。

しかし右京さん、この時点で自分が「異世界にいる」と把握してるとか流石凄すぎる…。
超人的洞察力で気が付けばハルケギニア人より
ハルケギニアの常識に詳しくなってそうだ(w`
その上ガンダ補正で文武共に超人になってしまわれた…。

ルイズと紳士なオサーンの相性がいいのは過去の名作でも明らかなので
是非とも続きを期待しております。
86名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 14:20:49 ID:sNu2aXJo
常識人ほど不条理な事には弱そうなもんだが右京なら……
87名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:03:07 ID:vd4WZx8N
前スレ、埋め終わり
88名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:09:59 ID:dbQQ99KJ
最近ダイを読み直したけど、やっぱバーン様のラスボスとしての威厳は半端ねえ。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:13:24 ID:dbQQ99KJ
ダイスレに書き込むつもりが間違えた・・・orz
90名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:20:24 ID:L6BvPRkw
節分だし鬼関係のものがこないかねぇ〜
91名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:26:56 ID:YSOwAJ/u
>>90
桃太郎一行を召喚して
きびだんごより美味しいもので三つのしもべを奪い取るルイズが見えた
92名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:27:52 ID:VO+oMRol
>>88
おまえ「きゅう」が4つもあるぞ
93名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:27:52 ID:9Ql9M13S
鬼といえばぬーべーはまだ召喚されてなかったな。
本編後だったら自由に覇鬼が分離できるからチートどころじゃないんだが、魔法学院の問題児たちとけっこううまくやっていくかも。
もっとも、そうなったらやっぱりタバサのお化け怖いがほしいところなんだが……
94名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:33:04 ID:fC1yR9SI
いつも鍛えてる鬼がいるジャマイカ
弟子に志願したタバサとギーシュの熱意を無碍に出来ずタジタジのヒビキさん
トドロキポジションに生まれ変わるギーシュが浮かぶ
95名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:45:55 ID:EOmFiddb
>>93
そこはほら
トイレで思いっきり幽霊に遭遇しちゃって一人でトイレ行けなくなったりするんだよ
96名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:51:04 ID:mjRGJCWc
鬼・・・ラム、テン、ラムの父母祖父、テン母
ぬーべーの三兄妹、夜叉姫
リヒカイト、鈴鹿、守天、ガレント
武田、ラインバレル、姫宮家、死神三番

鬼というキーワードで思い浮かんだのは大体こんな感じ

とりあえず武田召喚で決闘イベント後にキュルケが凍りつくとか想像した
あとファクターになって例の発作的なアレで調子に乗ったルイズが「貴女、最低です」言われたり
97名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 18:27:33 ID:sp7kIJaY
>>74
特命の人乙です
しっかし、左京さんどうやって戦うんだろ
ギージュあたりならまだしも、ワルドとか無理じゃね?
98名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 18:36:15 ID:NkKPtmD5
逆に考えるんだ
戦わなくてもいい、相手がどうしょうもできない状況にしてから
種明かしをすれば(ry

例えば、結婚式の直前にウェールズの部下を数人程
周囲に潜ませてから真実を解き明かして、何かしようとしたら
その連中に不意打ちさせるとか
グリフォンもタバサ辺りに抑えてもらって逃げられない状況にしとくと
99名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 18:36:43 ID:vQ6T2Iq3
>>93
じゃあこれで

タバサ「お化け怖い……」ぴとっ
霊能系キャラ「し、仕方ないな、それじゃ俺から離れるなよ?」
タバサ「うん……( 思 い 通 り ! )」


……腹黒キャラにしか見えんな。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 19:11:20 ID:b0CuzagU
タバサ「おお、お化けなんて怖く・・・ない」
おばけ「やあ」
タバサ「(じょばぁあああ)」
101名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 19:12:11 ID:MhjGyirD
>>100
やばい、不覚にも萌えてしまった
102名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 19:14:11 ID:+OGt41rO
鬼といえば鬼切丸。
103名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 19:53:26 ID:NdyY0AZZ
新鬼が島から玉手箱を
104名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 19:58:44 ID:dLUN6Yl/
鬼……鬼神童子前鬼・後鬼、鬼がきたりての主人公、
我が家のお稲荷様の槐様とか…あとデモベの復讐鬼アズラッド
一見鬼っぽいマイティハートのヴォルケン様とか?
105ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/03(水) 20:00:21 ID:9MI3kvZK
プロローグ
 
 その日、警視庁はちょっとした騒動になっていた。
 警視庁の窓際部署で雑用係、職員からは「陸の孤島」「人材の墓場」などと呼ばれている特命係の長である刑事・杉下右京が行方不明になったのである。
 誰も行き先に心当たりはなく、携帯電話も電波が届かない場所にいるのか電源を切っているのか、全く通じなかった。
 だが、それだけならば警視庁全体を巻き込んだ騒ぎになることはない。
 右京はしばしば独自で事件を捜査し、その過程で拉致監禁されるなど危険な目に遭うことも少なくなかったからである。
 そんな右京の消失が警視庁の話題に上ったのは、右京の唯一の部下として特命係に所属する神戸尊と、特命係に隣接する組織犯罪対策部5課長の角田六郎の証言のせいだった。
 一部始終を目撃したという彼らの証言によると、外出しようとした右京が扉を開けると、待ち構えていたようにすぐ目の前に、大きな鏡のようなものが現れたという。
その鏡は、どういう仕掛けになっていたのか、少し宙に浮いていたそうだ。
 慎重な右京もこの不意打ちに近い事態には対処しきれず、その鏡にとびこんでしまった。
そして、右京を取り込んだことで役目を果たしたらしい鏡は、尊や角田が驚きのあまり動けないでいるうちに消えてしまったというのである。
 もちろん、そのような常識的に考えられない事態が起こったなどということが信じてもらえるわけもなく、
尊は刑事部長の内村完爾に事情を詳しく説明するために、部長室に呼び出されることになった(角田はうまく尊にこの面倒事を押しつけて逃げてしまった)。
 怒り心頭で、自分の説明を頭ごなしに否定してくるであろう内村の態度を予測した尊は、深く嘆息した。
「まったく…振り回してくれるな、あの人は……」
 尊は、そんな独り言をつぶやきながら髪をかき上げると、廊下を部長室へと歩を進めた。
106ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/03(水) 20:01:04 ID:9MI3kvZK
第一章
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 神聖で、美しく、強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! わが導きに応えなさい!」
 ハルケギニア大陸の国家・トリステイン王国の広々とした草原にそびえるトリステイン魔法学院の中庭に、ルイズの呼びかけが響いた。
 ルイズ――本名をルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールという、トリステイン屈指の名門貴族の三女である――は、万感の期待をこめて杖を振るった。
 直後、耳をつんざく轟音と土煙が中庭を覆った。ルイズの前方の空間が爆発したのだ。
 ルイズの召喚を見守っていた、年齢の割に頭髪が寂しい教師・コルベールとクラスメイト達は、それぞれ体を伏せて目を覆ったり、耳や口を塞いだ。
 やがて土煙が引いたころ、クラスメイトの一人が、爆発の中心に何かを発見した。他の生徒たちもコルベールもそこに注目する。
 そして爆発を起こした張本人であるルイズは、そこに現れたものに対する驚きに、爆発で乱れてしまった自慢の桜色の髪を直すのも忘れて呆然としていた。

 そこにいたのは、コルベールよりも年上であろうと思われる40〜50代の男性であった(ただし、男のきっちりセットされた頭髪は黒々として白髪一本見当たらず、質・量ともにコルベールを完全に上回っており、それが男に若々しい印象を与えていた)。
爆発の中心にいたにも関わらず、男にはなぜか火傷どころか怪我ひとつなく、見ただけで高価だとわかるコートやスーツにも皺や乱れすらなかった。やはり高価なメガネフレームに納まっているレンズにも埃ひとつついていなかった。
気絶しているというのに、男の姿からは正真正銘の貴族である生徒や教師以上に高貴な、紳士然とした気品が感じられた。もし着ている服が典型的なトリステイン貴族のものであったならば、間違いなく貴族だと信じてしまうであろう。
「何だ? ルイズのやつ、まさか平民を召喚したのか?」
「あははは! さっすがは“ゼロのルイズ”ね!」
「いやいや、“ゼロのルイズ”が『サモン・サーヴァント』に成功したことをまずは褒めてやらないとっ…! ふふふふ…」
 クラスメイト達の笑いと“ゼロのルイズ”という言葉を聞いて我を取り戻したルイズは、屈辱に耳まで真っ赤にして叫んだ。
「う、うるさい! これはちょっとした間違いよ! そうに決まってるわ!」
 ルイズのその叫びに意識を取り戻したのだろう、男は目を開いてゆっくりと体を起こした。現状を把握しようとしているのか、注意深く辺りを見回している。
しばらくすると懐から掌に収まるくらいの小さな機械を取り出して何やらいじっていたが、小さくため息をつくと、機械を懐に入れた。
 やがて男は、近くにいたルイズに声をかけた。
「Excuse me.Could you tell me where here is?(すみません。ここがどこなのか、私にお教えいただけますでしょうか?)」
「え? なに!? 今何て言ったの!?」
 ルイズは男の言葉が全くわからず、バカにされたこともあって苛立ちが募り、とげとげしい調子で返した。
 しかし男は、そんなルイズの失礼な返事など意に介さなかったらしく、
「おや! 日本語をお使いになるのですか? ここは、イギリスではないのでしょうか?」と、少し驚いた様子で質問を重ねた。
「ああもう、ちょっと黙ってて! ミスタ・コルベール! もう一回、召喚させて下さい!」
 ルイズは男をとりあえず黙らせると、コルベールの方を向き、懇願した。
 男は、言われたとおり黙ってルイズたちの様子を見つめていた。
107ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/03(水) 20:02:46 ID:9MI3kvZK
「それはなりません。ミス・ヴァリエール」
「どうしてですか!」
 コルベールの否定の言葉に、ルイズは納得いかない様子で抗議の声をあげた。
「決まりだからです。今行っている春の使い魔召喚は、生涯使役する使い魔を召喚するだけでなく、使い魔によって君たち一人ひとりのメイジとしての属性を特定し、
専門課程に進むための神聖な儀式です。一度召喚した使い魔候補は、やむを得ぬ場合を除いては、変えることは許されません」
「で、でも! 平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!」
 ルイズの言葉に、再び周囲から笑いが起こった。
「これは伝統なのです。確かに人間を使い魔にするというのは前例がありませんが、春の召喚儀式は全てに優先します。
平民であろうと何であろうと、彼には君の使い魔になってもらわなければなりません。
ミス・ヴァリエール、君は直ちに『コントラクト・サーヴァント』を行い、彼と契約を結びなさい。よろしいですな?」
「そ、そんなぁ…」ルイズは肩を落とした。
「さっさと契約しちゃいなさいよ。失敗続きの中でようやく呼び出せた大切な使い魔なんだから。“ゼロのルイズ”に平民の使い魔…お似合いじゃない。ねぇ、タバサ」
「うるさい! キュルケ!」
 ルイズは、燃えるような赤い髪を持つ、どこか妖艶な雰囲気をまとった少女・キュルケを睨みつけた。
 一方、タバサと呼ばれた、背が低い青い短髪の無表情な少女はキュルケの言葉には答えず、男の様子を静観していた。
 男は、顔こそルイズとコルベールの方に向けてはいるが、中庭にいる全員の発言や動きを見逃さないように注意を払い、感覚を研ぎ澄ませているようにタバサには感じられた。
「はぁ…ちょっと、あんた」
ルイズはため息をつくと、男に声をかけた。
「はい?」男は語尾を上げた、少し変わった返事をした。
「勘違いしないでよね。これはあくまで使い魔としての契約だから。本来なら貴族にこんなことされるなんて、一生ないんだから」
「契約、とおっしゃいますと?」
「いいからじっとしてて! …我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 ルイズは、呪文を唱えると、杖を男の額に置いた。そして、男に顔を下げるように促す。
 男が立て膝になると、ルイズは男の顔に両手を添え、ゆっくりと唇を近づける。
先ほどとは違った感情で、顔が紅潮していく。心臓が高鳴っているのが嫌でもわかる。
 と、男は突然「すみません」とルイズに声をかけた。
108ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/03(水) 20:03:41 ID:9MI3kvZK
「じっとしててって言ったでしょ!」
「一つだけ。急いでおられることは承知していますが、どうしても契約前に確認しておきたいことがあります」
 男は人差し指を立て、静かだが力強い声で、ルイズに質問させてくれるよう求めた。
「…何よ」
「この『使い魔の契約』は、今までの話から推察するに、僕にもあなたにも契約に対して拒否権はないようですが、成立した契約を解除することは可能なのでしょうか?」
「無理よ。使い魔の契約が解除されるのは、呼び出した使い魔が死んだときだけ。人間が使い魔として呼び出されるなんて今までなかったもの」
 この恥ずかしい時間を早く終わらせたいルイズは、少し早口気味で答えた。
「なるほど、それが『やむを得ぬ場合』というわけですね…仕方がありません。とりあえず、今後のことはこの場を終えてから考えましょう」
 そういうと、男は静かに目を閉じた。
 ルイズの唇が、男の唇に重ねられた。男は、身じろぎひとつしなかった。
 ルイズは唇を離すと、「終わりました」とコルベールに報告した。見知らぬ男とキスをしたことで照れているのか、彼女の顔は再び耳まで真っ赤になっていた。
 男女のキスシーンを目の前で見た生徒たちは、興奮をおさえきれずに黄色い声をあげたり口笛を吹いたりしてはやし立てた。コルベールが静かにするよう注意する。
「『使い魔の契約』…その方法がまさかキスとは…驚きました。大丈夫ですか……!?」
 男が立ち上がりルイズに声をかけようとしたとき、左手に違和感を覚えた。
 熱い。まるで熱した鉄の棒を手に押しつけられているようだった。
 だが、その熱さは一瞬のことであり、すぐに治まった。
 男が左手を見ると、手の甲に文字らしきものが焼印のように刻まれているのが見えた。
「これは…!」
「! 知ってるの?」
「ヨーロッパで、ラテン文字が普及する以前にゲルマン語の表記として用いられたルーン文字に極めてよく似ています」
「『使い魔のルーン』よ。私の使い魔ですっていう、印みたいなものよ」
 ルイズは、細かいところは自分が持っている知識と違うとはいえ、魔法どころか文字を習う機会すらないはずの平民の男がルーンを知っていることに内心驚いた。
しかし、由緒正しき旧い家柄を誇る貴族である自分が平民に動揺させられたなどと知られれば、また意地の悪い同級生たちの物笑いの種になってしまう。
 なるべく平静を装って男に説明した。
「ほう…これは珍しいルーンだな。失礼」
 男の左手を覗き見たコルベールが、刻まれたルーンを書き込んだ。
「すみません。『珍しい』とは、一体どういうことなのでしょうか?」
 男が、今度はコルベールに尋ねた。
「ん? …ああ、それは、見慣れないルーンだったというだけのことです。なぜそんなことを?」
「細かいことが気になってしまうのが、僕の悪い癖でして」
 男はまた人差し指を立てて、さわやかな微笑を浮かべた。
109ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/03(水) 20:04:25 ID:9MI3kvZK
「そうですか……さて、これで春の使い魔召喚の儀式は全員終了しました。皆、教室へ帰りますぞ」
 コルベールはそう言ってきびすを返すと、宙に浮き上がった。
 生徒たちも、コルベールの呼びかけを受けて、同じように浮遊すると、石造りの校舎へと向かった。
 飛んでいないのは、ルイズと男の二人だけだった。自然、取り残される形になる。
 同級生たちは、口々に「お前は歩いて帰れよー」だの、「ルイズは『フライ』どころか、『レビテーション』もまともにできないからな」だのと、
からかいと嘲笑をルイズにかけて飛び去っていく。
 男は、人間が浮き上がったことに驚きを隠せない様子で、彼らの周囲や校舎の外を見回していた。
「ワイヤーやクレーン車等の類の仕掛けは見当たらない…タネも仕掛けもなく、人体をあれほどまでに安定させた状態で飛ばせるとは…
ここはさながら、中近世のヨーロッパを舞台にしたファンタジーを具現化したような世界ですねえ。いや、素晴らしい!」
 男は、手品を初めて見た子どものごとく、興奮していた。
「…あんた、一体何者なの?」
「はい?」
 ルイズの問いかけに、興奮から我を取り戻した男が振り向いた。
「コモン・マジックの初歩の『フライ』なんて、トリステインじゃ平民だって知ってるようなものにそんなに興奮するなんて…」
「いやはや、これはお恥ずかしい。なにぶん、幻想文学や映画でしか見たことがないような『魔法』を目の当たりにしたものですからねえ」
「それなのに、ルーンは知ってるなんて…おかしいじゃない! あんたは何者なの? どこから来たの? 
なんであんたみたいなのが、私の使い魔になったのよ!?」
「落ち着いて下さい、ミス・ヴァリエール。事態を把握できていないのは、僕も同じです」
 男は、ルイズを落ち着かせようと、優しく名前で呼びかけた。
「…え? 私、まだ名乗ってなんかないわよ? 何でわかったの!?」
「先ほど、僕との『使い魔の契約』の際に唱えていらっしゃった呪文の中で名乗っておられたではありませんか。
ミス・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール…ですよね?」
 何が「事態を把握できていない」よ。正式に自己紹介していない私の名前をあの状況で、しかも正確に憶えているなんてじゅうぶん冷静じゃない…
そんなルイズの気持ちをよそに、男は言葉を続けた。
「ああ、こちらから名乗るべきところを、大変失礼いたしました。申し遅れましたが……私、日本で公務員をしております、杉下右京と申します」
 男――杉下右京は、高い教養と知性をあわせ持った紳士というにふさわしい慇懃な言葉遣いと、上品な笑顔でルイズに自己紹介をした。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 20:04:27 ID:HqS5Zw+r
なんぞ?
111ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/03(水) 20:05:48 ID:9MI3kvZK
以上でロストパラダイス第一話、投下終了です。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 20:06:38 ID:HqS5Zw+r
また荒らしか・・・・
113名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 20:21:55 ID:WsyeCDYE
今日は水曜だ

騙りが出たな
114名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 20:40:26 ID:MhjGyirD
今日は相棒の日だ
115名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 21:16:21 ID:fC1yR9SI
神様に恋をしてた頃は こんな別れが来るとは思ってなかったよ
116名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 21:58:22 ID:0hP0zkUr
そういやあの幸薄いマーロウなおっさんは、ほんとに「ロング・グッバイ」だったな。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 23:28:40 ID:/roZlfc3
>>115
フォールドアウト、αチェックイン!

マクロスから喚ぶと……タルブの村にあるVF-1は柿崎の機体かなぁ。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 23:30:13 ID:14bOpcQ+
フランク・ウェストが召喚されました
119名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 23:46:47 ID:LM8pkQ29
デトロイド・モンスターがあれば、たとえアルビオンを吸収したレコン・キスタであろうと物の数では無いかと。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 00:12:04 ID:6AKD13Zo
アルビオンを踏み抜いて落ちていくモンスターさんを幻視した
121名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 00:14:39 ID:jJIjUmt2
タルブ村名物料理パインサラダ
122名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 00:45:39 ID:qjGc0UFx
おっぱいんさらだ
123名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 02:01:29 ID:Oro/3Jad
ちょっと質問なんだけど、眠りの鐘ってどのくらいの大きさだったっけ?
124名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 03:12:35 ID:369hg2BX
>>123
元は大体120メートル
サンコンの魔法で縮めてある
125名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 10:05:51 ID:fTTlbGjc
>>124
サンコンって一瞬誰かと思ったが、オールド・雄マンのことだったのか
126名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 14:58:05 ID:3JEFPuoL
木下部長(板尾創路)を召喚。
「やる気ゼロの使い魔」
127名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 17:59:03 ID:QuRMmODD
稲中卓球部から田辺召喚
とか考えたけど
小ネタで既に同じようなシチュエーションかつ更に強烈なネタがあったので
今更感があるので自粛
128名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 18:22:18 ID:MUakisjB
魁!クロマティ高校から神山召喚

しかし浮かぶネタがどれもこれもゼロ魔キャラ魔改造ばかりだった
プロレスラーみたいなガタイのタバサとか
なんかデカくて毛深いおマチさんとか
人望厚く漢気溢れるデルフとか
強面で存在感抜群のルイズとか「それはウチの母様だ〜!」
129名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 19:19:37 ID:BGzTDCOB
ふと思った、ブラックマトリクスから、主人公と一緒に暮らしてるゼロを主人公つきで召喚

そうすると、主人公的に、ご主人様のゼロが二人なってしまうということに
130名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 19:32:16 ID:ASXcoA+j
おそ松君から六つ子を召喚

生徒「ゲゲェー!?6人に偏在!ゼロのルイズが風のスクェアメイジを召喚しちまっただぁー!」

でもあいつ等個性無いから話が膨らまない
ダメだな
131名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 19:34:57 ID:1SjUFBjS
ドラえもん召喚ってあったっけ?
ルイズが凄い勢いで駄目人間になりそうだが
132名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 19:38:39 ID:iAfJO16I
まんが版ドラえもんなら呼ばれてたよ。
ギャグとして良く出来てた。あれは良く藤子Fを研究しているw
133名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 19:40:26 ID:jJIjUmt2
龍騎のと蓮を召喚したら
作った餃子が食堂で大受けして知らん間にマルトーにライバル視されたり
元の世界に帰れずピリピリする蓮を宥めるのに真司が苦心したり
負けて腰を抜かしたギーシュにウイングランサーを突き付けるナイトを止めに
割り込む龍騎が浮かぶ
134名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:01:45 ID:3JEFPuoL
ソフトバンクのお父さん犬召喚。
最初はじゃべる犬→すごい幻獣か!?と喜ぶが、失望される。

つくねちゃん召喚。
オチでひどい目にあわされるルイズ。

シルバーブルーメ召喚。
魔法学院溶かされて終了。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:15:50 ID:EFYhnzdT
まあすごい幻獣でないとわかっても、しゃべる犬ってだけでも万々歳だと喜ぶんじゃね?
普通の動物よりはすごいと評価されるだろうし

それよりデスノ勢はまだか?やはりルイズ達と絡ませるのは難しいのか?
136名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:16:58 ID:9hoZSlOa
犬・・・

とびかげと轟天号だな
137名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:24:29 ID:1SjUFBjS
ソフトバンクのお父さんは犬じゃありませんよ?
犬じゃありませんよ?

まあマジレスすると妙な認識歪曲フィールドでも発生してて犬と認識できないんだろうアレは
138名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:30:01 ID:BsoNeOPM
狂四郎2030のバベンスキーがイザベラに召喚されたら
ラルカスの一件の内容が大幅に変わりそうだ
139名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:39:56 ID:GbH6jO3Z
犬といえばCV稲田徹
彼が演じている犬系キャラならだれがきてもルイズは喜ぶだろうな
140名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:43:24 ID:uKOmjbzy
てか見た目だけでも普通の犬が出てきたら
それはそれで喜ぶんじゃないかな。

一つだけでも最低限当たり前の魔法が使えたって事になるし。
141名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:44:32 ID:9q6vPbRs
喋る犬?
犬神のゼロとかどうだ
142名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:46:51 ID:QHmG5cHo
豪傑寺のポチ…
143名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:47:34 ID:FnmOja1y
一巻P25より

「もっとカッコいいのがよかったのに。ドラゴンとか。グリフォンとか。マンティコアとか。せめてワシとか。フクロウとか」

おそらく『空を飛べる高位の幻獣』がルイズ的には大当たりなんだろうな。
144名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:49:50 ID:fTTlbGjc
少年激覇ダンの雷皇龍ジークブルムとかそういうのが喜ばれそうだな
145名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 20:50:37 ID:GbH6jO3Z
母親の影響大っぽいな
146名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 21:07:23 ID:jJIjUmt2
ソニックワールドアドベンチャーからソニックとチップ召喚
ウェアホッグも合わせたら一度に動物三匹召喚でお得。
まずチップは召喚されたらルイズに板チョコを差し出すだろうな
147名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 21:08:47 ID:3JEFPuoL
>>135
デスノまだだったんだ。意外。
まぁ台詞回しとか相当考えないといけないから
難しいだろうね。
148名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 21:12:22 ID:ASm6LN25
月だったらルイズはいいように利用されそうだな
ジョゼフか教皇のとこなら案外合いそうな気もするが
149名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 21:47:26 ID:CcT5jzW/
犬ならロックマンのラッシュで十分
150名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 22:04:09 ID:6AKD13Zo
>>137
しばらく前の結婚式のスピーチしてるCMで「いつから犬に」とか言われてなかったっけ?
151名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 22:12:41 ID:HIWQxIOt
同窓会でも変わっちゃったねって言われてたな>ソフトバンクのお父さん
152名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 22:34:27 ID:ZhxhW6Tt
>>148
最後に松田ポジションのルイズに吹っ飛ばされそうだなw
153名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 22:49:06 ID:WlQAofEp
>>143
求める物の方向を察知する魔法の力を持つクロンビー・グリフィンならOKということだな

でもアイツ女嫌いだしなぁ
魔法の力も地下にいる魔王に依存してるみたいだからどうなるんだろ
154名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 22:49:35 ID:ElAj5ojQ
短編で魅上召喚したのがあったような
155名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 22:52:03 ID:V6GE07ko
>>134
つくねちゃんなんか喚んだら、いきなりブリミルを復活させちゃっりするぞw
でもってオチでクビチョンパだ。
156名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 22:54:39 ID:dWO+zpsu
召喚されたキャラのパターンは色々あるけど
ルイズを一目で気に入るとか一目目惚れしたりして
最初っから好き好きオーラ全開のキャラっていたっけ?
157名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:06:52 ID:jJIjUmt2
魔法学院音楽教師・紅音也
158名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:07:06 ID:gR3eIyGi
小ネタならチラホラありますよ。
長編だと・・・わかんないですね。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:15:04 ID:0edWXNQj
>>156
ぱっと思いつくのはカービィとかアークとか妖魔アセルスとか
……最後のはちょっと違うか?
160名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:31:39 ID:3JEFPuoL
オードリーを召喚。

春日の場合
ル:こンのバカ犬っ!!
春:お前それ本気で言ってんのかよ!
ル:本気だったらずっとあんたを使い魔にしておくわけないでしょ!
春&ル:へへへへへへへへ…

若林の場合
ル:私はルイズ。今日からあんたのご主人様よ。覚えておきなさい!
若:…まぁちょっとわけわかんないんですけれども。
ル:いい度胸じゃない、犬のくせに…(怒)
若:(頭を叩いてツッコミ)犬じゃねえよ!俺どう見ても人間でしょ?
161名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:31:50 ID:2uRE6Idn
>>156
小ネタの笑われる犬の冒険か
犬つながりで話題に出したのか?
162名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:32:08 ID:5a08mMfq
>>147
デスノはもろに書き手の頭の回転とキレが作品に反映されるからなぁ。
リュークを呼び出してルイズにノートをあげたりするのはともかく、月やLは出しづらいかも。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:34:08 ID:dYQs9nLO
人目でって訳じゃないけど最初から忠誠心全開なら
カルドセプトからイゴール召喚があるな。

イゴールは設定がかなりむごいことになってるから
救われる可能性が見出されたあの作品は結構印象深かった
164名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:37:55 ID:dYQs9nLO
人目>一目
イゴール>ミゴール

色々とスマソ
165名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:42:57 ID:k9IY73kl
>>156
避難所の女好きアサシンとか……
あいつはただからかって遊んでるだけか
166名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/04(木) 23:53:18 ID:QfDd6N4B
>>131
理想郷にはあったが……>ドラえもん召喚
ルイズじゃなくてアンアンが光速でダメ人間化してた
167名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 00:05:19 ID:0NwBUrbA
とっても大好きだからか
168名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 00:10:01 ID:3PjkIu3I
アルトネリコUからクロアとかあさ…ジャクリ召喚とか
……駄目だ、母さんが脱いじゃって色々問題になるところしか想像できない
169名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 00:21:10 ID:EK8qNwc7
>>168
すでにある
170159:2010/02/05(金) 00:24:40 ID:14LbC9Ow
あ、すまん
ルイズ「を」気に入るキャラじゃなくてルイズ「が」気に入るキャラを挙げてしまった
171名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 00:42:34 ID:d5DmkNZD
>>124
ってことは今は持ち運びできるくらいの大きさなの?
172名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 03:26:12 ID:NAlfUAgL
小ネタになりそうだけど00からリボンズ召喚とかどうでしょう・・・
まさか・・・・まさか・・!
173名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 03:29:47 ID:J055JWxh
「ハタキ」からハタキ召喚
謎生物な自分の使い魔に悶々とした日々を送るルイズ
174名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 08:32:21 ID:3GMevWKh
ボーボボの首領パッチor天の助召喚。
「お仕置き?ボーボボに比べたらぬるくてやってられないレベルだよ」
175名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 08:44:55 ID:b4VwaUPn
ガンバルガーのゴンを召喚できると……
喋る犬で、忍法的に空も飛べて問題点はクリアだな

中身オッサンだけど
176名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 09:44:44 ID:GB4wBpCq
ゴンと言ったらハンターハンター
ただしこれを書くとSSが永遠に完結しない呪いがかかる
177名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 10:13:48 ID:juwssD/B
大丈夫だ。元々このスレ、その呪いのかかってない方が少ない。かくいう俺も……
178名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 10:14:03 ID:sgKzUC29
>>173
クロマティのメカ沢は小ネタで召喚されてるな

……高橋さんのアレが宝物庫にあったら面白そうだ。
179名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 10:24:30 ID:56Si19ux
>>147
「人が死ぬノートだせばいい」ってモンじゃないですからね、デスノート

そこから派生する知恵比べと駆け引きこそがあの漫画の真髄
韓国人はそれを理解できない
なぜここで韓国人を出すかと申しますと、一時期「デスノートはわが国の漫画のパクリ」
主張する韓国人が「enjoykorea」という掲示板に現れたのです

「名前を書いたら死ぬノートを主人公が手に入れる」しか共通点がないのですが
「デスノートの作家がこのマンガを見て盗作を決心したようです 」とまで言い切り
わずか20分で論破されてしまいましたが




ところで喋る犬なら現在旬のリリエンタールがいるではないですか
性格よくて素直だし能力も素敵(ルイズも気に入りそうだし事件や騒ぎを起こし易い)だし
180名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 10:48:56 ID:RmdtuBM5
リリエンタールの大馬鹿野郎!!
181名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 10:58:16 ID:56Si19ux
ロイエンタールの大河馬野郎!!
182名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 11:09:28 ID:gESaLe/S
ララァの導きでメビウスの輪から引き寄せられてるうちに
ハルケにアムロとシャアがやって来たら
183名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 11:11:56 ID:56Si19ux
とりあえずエドワゥさんはタバサに近づけないようにしないと
184名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 13:33:06 ID:OdQ9i3Uj
浦安鉄筋家族はまだ扱われてないんだな
国会議員あたりなら…
185名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 14:01:22 ID:cbWDHzDP
クラッシュバンディクーのキャラなら気に入りそう、ほとんど動物だし
186名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 14:45:27 ID:SvooeYaE
>>179
あの濃密な描写は下手に手が出せないからなー。アニメも独特の演出あったし。

ちなみにパクられた! と主張してる漫画のタイトルを教えてもらえないだろうか? 興味がわいた。
……って、冷静に考えたら名前書いたら死ぬノートなんてテンプレっぽいのな。
187名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 14:59:35 ID:rw090D9F
ふと思ったんだがゾイドとゾイド乗りが召喚された場合
ガンダールヴの補正は受けられるんだろうか?
ゾイドは戦車や戦闘機よりもむしろ軍馬に近いから
ヴィンダールヴの領分になりそうだが。
188名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 15:08:50 ID:BspMFLW7
>>187
そういうことならヴィンダールヴの力で機龍は操れるのだろうか?
無理やり操ろうとしたら反発されて暴走する姿しか思い浮かばないのだが。
189名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 15:10:31 ID:N60acEOK
>>187
なら、ルイズが召喚した使い魔がガンダじゃなくヴィンダになる。それだけの話さ。

日替わりさんとかそういう前例結構居るし、変わり種だと憚られるとして喚ばれたのも出たりしてる。
190名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 15:15:47 ID:GB4wBpCq
エヴァは人だからガンダもヴィンダも無効だな
191名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 15:53:26 ID:8lvl83lW
ジェットアローンはガンダだろうかミョズだろうか
192名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 16:15:23 ID:56Si19ux
193名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 16:33:18 ID:gBo5qG/E
>>192
両方とも知能が低すぎるとしか。
194名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 16:39:30 ID:56Si19ux
>>193
まあもともと韓国の人はアレですからね

「コードギアス」みて「日本人は侵略者で侵略の犠牲になったことはない。日本人が支配されるアニメを作るとは許せん」とか
「火垂るの墓」みて「あの戦争時には日本人は全員一人残らず邪悪な侵略者だった。日本人が犠牲者みたいなアニメ作るとは軍国主義の現れだ」
とかホザく輩ですから
195名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:03:26 ID:BspMFLW7
ふしぎの海のナディアから、空中戦艦に吹き飛ばされたあとのグランディス一味をグラタンごと召喚
三人そろえばなんとやらでやれないことはないし、19世紀の技術で万能戦車グラタンを作り上げたり
なんもない無人島でグラタンを修理したやつらだから、ハルケでもなんとかなるだろうし、
キュルケの支援が得られればゲルマニアでスーパー東方号を作ったりするかも。
個人的にはフーケゴーレムを相手にグラタンで立ち回る三人とか見てみたい。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:05:49 ID:hUPeLyeO
フーケゴーレム相手に力比べで互角のサンソンとか面白そうだ。
197名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:07:13 ID:qAesk57l
そういえば発掘戦艦って本来は宇宙船で正式名はエクセリオンとかエルトリウムなんだよな。
198名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:11:17 ID:C0EPc8vc
>>197
ノーチラスがヱルトリウムの改造でνノーチラスがヱクセリヲンだっけ、なつかしい
199名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:14:49 ID:b4VwaUPn
>>197
拾った戦艦はヤバイってスカルリーダーが言ってた
って思ってたんだよなぁ。あの頃
200名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:28:48 ID:56Si19ux
早瀬未沙「拾ったものを使うからです!」
201名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:33:47 ID:gESaLe/S
一条輝「何なんです、このおばさん!?」
202名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:48:05 ID:0NwBUrbA
葛城ミサト「よくわからないものを無理して使うからよ」
203名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:51:33 ID:ZxpbylPO
>>198
ヱとかヲを使うのはトップの方でナディアのはエとかオ
204名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:57:37 ID:oIIbjD+B
>>195
グランディスととキュルケの性格がもろに被るような気がするぞ
あと、まるっこいのが踏まれて喜ぶ
205名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 17:59:21 ID:i+ISdiA6
タルブの外れにあるのはやはり空中戦艦なのだろうか……いや、案外グラタンの飛行ユニットだとか。
206名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:01:19 ID:A8KM3dNu
なぜかガンバスター
207名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:08:47 ID:oIIbjD+B
>>206
世界の繋がりからしたらエヴァだろ
208名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:11:20 ID:C0EPc8vc
>>207
その昔、トップの太田コーチがマリワナ海溝だったか日本海溝だったかから
レッドノアのエルトリウムをサルベージするってネタマンガがあってだなw
209名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:14:06 ID:0NwBUrbA
当初はナディア→エヴァ→トップという流れって話もあってだな
210名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:25:33 ID:qC4PSPN0
ゲームのエヴァ2で半公式化したかのような描写があるな
ナディアの後で歴史が分岐してエヴァとトップに別れるとか
S2機関の小難しい資料では『螺旋の力』がどーたら言われてたりもする
>>208
そのゲームで加持さんの出張先でやってた、サルベージ
トップ世界の日本による世界征服の裏にはゼーレの影が!!

それはさておき、何を召喚するか言わないとすれ違いの話題にシフトしてしまうので・・・
えー・・・イロウルでも呼んでみますか
211名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:54:01 ID:gESaLe/S
「GO」のクルパーこと杉原を召喚
貶しただけで広場で大暴れして怪我人出しまくり
その後多くの男子生徒が打倒杉原を目指すも
元々の喧嘩の強さ+ガンダ補正の前に屍の山と化す
212名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 18:57:00 ID:i/x7Ofvb
ワイルド7の飛葉大陸を召喚。
ガンダールヴの力がなくても武器を使えそうw
213名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 19:02:13 ID:i+ISdiA6
>210
螺旋の力……人工進化研究所……進む力……人類は螺旋族(グレンラガン)へ?!
214名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 19:05:40 ID:wvJ5TZ6l
ベジタリアンには尻尾が生えてきます。
215名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 20:11:07 ID:fqlinxBr
>>212
今ワイルド7と聞くとかのパンツEDアニメしか思い浮かばないwww
ルイズが初期イカロス拾ったら何を願うやら
216名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 21:00:06 ID:SvooeYaE
>>192
186です。わざわざありがとう。にしても実に綺麗なテンプレオチだなw

>GAINAX
設定というか世界観が微妙につながっているように見えるのがすごいよな。こじつければガフの部屋がアトランティスの遺産だったり、トップ世界の地球人がアトランティスになったのかもしれん。
個人的にはトップとトップ2のつながりには驚いた。最終回は泣いた。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 21:00:35 ID:jCAcHXOO
初期イカロスをルイズが召喚……原作の雰囲気に近づけるなら、イカロスを召喚するのはギーシュになるのだろうか。
218名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 21:04:40 ID:tVxBSu74
>>217
そこであえてマリコルヌですよ。
219名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 21:45:10 ID:SvooeYaE
マルコメ……もといマリコルヌのキャラがよくわかんないからなー。
ともちゃんみたいに濃くないと。ギーシュにモンモンがいなければ適役なんだがな。

アニメ自体は傑作だと思うから色々シーンを妄想するのが面白いなぁ。
学園生が喚ぶと原作よりにできるけど、俺ではガリア召喚しか浮かばない。ニンフでも可。
220名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 21:46:34 ID:jCAcHXOO
ジョジョがかつて叫んだ名言「君がッ 泣くまで 殴るのをやめないッ! 」をアレンジして、マリコルヌがイカロスに「ボクがッ 気持ちよくなるまで 殴るのをやめるなッ!」とか。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 21:54:43 ID:NkqOrmgw
各巻よりセリフ抜粋・マリコルヌ

1巻「かぜっぴきだと? 俺は風上のマリコルヌだ! 風邪なんか引いてないぞ!」
2巻:出番なし
3巻「ふざけるな! 平民の使い魔を座らせて、僕が椅子をとりに行く? そんな法はないぞ! おい使い魔、どけ! そこは僕の席だ。そして、ここは貴族の食卓だ!」
4巻「あ! ああ! あ! ルイズッ! あ! ルイズ! きみみたいな美少女に踏まれて、我を忘れそうさ! ぼくの罪を清めてくれッ! 懺悔させてくれッ! こんなとこで可憐な妖精さんを気取って、我を忘れたぼくの罪を踏み潰してくれッ! ぼくはどうかしてるッ!
 あ! あ! んんぁああああああああッ!」
5巻:出番なし
6巻「士官候補生のマリコルヌ・ド・グランドプレです! 本日着任いたしました!」
7巻「おお、ルイズが目を覚ましたぞ」
8巻:出番なし
9巻「ルイズとモンモランシーが隊長のほうが、いいんじゃないか?」
10巻「ああ。いざというときの勇気が欲しくってさ。戦争にも行ってみたけど……。ぼくは震えてただけだった。怖くて、泣いちゃったしね。どんなときにも逃げ出さない、勇気が欲しいのさ」
11巻「やあサイト。今のぼくは、モテモテのオーラがかかってるから、そのぐらいのキックはへいちゃらだよ。やっつけたいなら、竜騎士一個軍団引っ張ってきな」
12巻「行こうぜ。ぼくたちの戦場へ」
13巻「それに、きみだけを行かせたら、ぼくたちの名誉に傷がつく。なあ?」
14巻「吐けや。おじょうちゃん」
15巻「そう。我の名はマリコルヌ。全カルカソンヌ市民の声を代弁して恥知らずな"異教徒"どもに罰を与えんとする神の鉄槌なり」
16巻「ごめん。ごめんよ……。ぼくは今まで、自分の性癖を全肯定しすぎてたみたいだ。これからは普通になる。約束する。もう、君に罵られることを望んだりはしない。ぼくはもう、ぽっちゃりに甘んじない」
17巻「なに一人でわかったようなツラしてんだっての。お前なんかただの変態だっての」
222名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:05:17 ID:39bWwxwU
>>221
こうしてみると凄まじいキャラだw
223名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:07:43 ID:qC4PSPN0
4巻で既に覚醒して
最新刊でまたも恋人を裏切ったわけだw(二重の意味で)

よーし、そろそろジ・エーデル=ベルナルを召喚させよう
ジエー=ベイベルの姿で
マリコルヌに
224名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:15:42 ID:gESaLe/S
霞拳志郎を召喚して魔法学院教師にしようぜ
225名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:26:14 ID:jCAcHXOO
>221
彼の影がどうして薄いのか分からなくなるくらいに濃い台詞ばかりだな。
226名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:33:49 ID:0NwBUrbA
薄いか?あいつが?
227名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:41:04 ID:NkqOrmgw
きっと>>225にとってはドクターウェストとか名護さんくらいのキャラでようやく標準なんだよ。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:48:30 ID:SvooeYaE
そのメンツは濃いなぁ。あれか、若本さんとかも標準レベルか。
近頃原作読んでないからさっぱりだけど恋人いたんだなぁ……。裏切ったってどういうことだろ?
229名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 22:52:43 ID:GB4wBpCq
>>221
ただの変態と思いきや割とかっこいいセリフも言ってるところがいとわろし
230名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 23:28:39 ID:V8BS7F92
丸くて濃いキャラか
マリネラ国王…は散々既出だから、あのおっさんで

ルイズは サモン・サーヴァントを となえた

なんと びの しゅごしゃが あらわれた!
びの しゅごしゃは おどろき とまどっている!
びの しゅごしゃを つかいまに しますか ?
 ニア1)はい
  2)いいえ

しかし うつくしさが たりない!

ビーゼ相手でも、鴉「にしては」「なかなか」の評どまりだからなあ
オリヴァーは鷺か自分に似ているキャラでないと駄目なんだと思う
使い魔にしたとしてもオリヴァーは公爵だからルイズも扱いにくかろう
231名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 23:56:38 ID:/VA7BFaT
>>130
赤塚先生がゼロ魔を漫画化しました、みたいな感じで
赤塚テイストに侵食されていくハルケ世界を描くってのも面白そうだw
232名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/05(金) 23:59:55 ID:KHxJJP4k
トリステインの街中でスリがすれちがいざまルイズの肛門に腕を突っ込んでウンコを掏り取るとかそういのか
赤塚風って
233名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 00:10:59 ID:i1apO/P+
バカボンとか今見ると相当クレイジーな作品なんだよな。
よくあんなもんがお茶の間に堂々と放送されてたわってくらい
234名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 00:12:53 ID:U3cHeZzF
今も何も
当事からクレイジーで有名だったっての
235名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 00:14:46 ID:68KFEGjy
にし松くんなんかもあったな
236名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 00:18:12 ID:27HfWBG8
顔の左半分を名字から一文字取った仮面か髪の毛で隠してる松井?
237名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 00:30:18 ID:dI5mWP9G
>>201
ヒャァ我慢できねぇ、オモテニデロォ!
238名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 02:01:52 ID:ShJlzgqI
イヤデス
239名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 02:06:27 ID:znMZBa2J

      ,..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..   
    /::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)   
    |::::::::::/        ヽヽ  
    |::::::::::ヽ ........    ..... |:|  
    |::::::::/     )  (.   |
   i⌒ヽ;;|   -=・=‐  .‐=・-.|   
   (.      'ー-‐'  ヽ. ー' |    
   ヽ.      /(_,、_,)ヽ  | 
    |.    / トエェェェェエイ | 
   ∧ヽ      |ュココココュ| .| 
  /\\ヽ    ヽニニニニソ/ 
/::::::::::\ \ヽ. ─── /:::::\

「閃光のドワル」不起訴処分

 かねてからレコンキスタへの内通疑惑のあった
ドワル子爵だが、証拠不十分として不起訴処分と
なり、トリステイン王国子爵位に留まることがほぼ
確定となった。
 

 なお偏在に関しては起訴される模様。
240名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 02:11:10 ID:uWfIpR7D
AAはなんたら↓
241名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 03:59:43 ID:fOCFoJzH
>>232
想像したら思わず勃起しちまったじゃねえかコノヤロウ



すげえ見てみたい
242名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 15:09:34 ID:0coFiVGO
>>196
面白そうだが、ンソンは15歳のマリーに手を出して孕ませた男だから、サイトと違っていくとこまでいっちまうぞ。
243名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 15:26:12 ID:SY5PAvWz
美川べるの『まかまか』の主人公、速見敦志を召喚。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 16:30:26 ID:SY5PAvWz
>>215
>今ワイルド7と聞くとかのパンツEDアニメしか思い浮かばないwww
何のことかと思って調べてみてワロタww
今の視聴者絶対わからねーだろあれw
245名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 17:06:26 ID:N5gesC4v
仮面ライダー龍騎TV最終回後の城戸真司を召喚
宝物庫のカードデッキを手にして今までの記憶を取り戻し、
現れるモンスターと戦う王道物になる
246名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 17:48:41 ID:1cvOuyhi
仮面ライダーは好きだが、全く読みたいと思えない
247名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 17:54:30 ID:SGT0MOfo
真司はあれで頑固な面もあるから使い魔にはなるかね
248名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 17:55:19 ID:BnLrTSH/
>>244
そうそうw
しかもあのEDのためだけにわざわざ雨宮慶太引っぱってきたというwww
249名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 17:55:38 ID:68KFEGjy
いろいろ見回してみたが、長門とかは呼ばれてるけどハヒルがまだ呼ばれてないな
250名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 18:32:41 ID:+3IUqxDB
レスするから面白くないのが想像できるからな
251名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 18:39:16 ID:MeRNQkkT
R-TYPEシリーズからBYDOを呼んだら…

どうなるんだ?
252名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 18:39:17 ID:0coFiVGO
ハヒルは呼ばれないだろう。ハヒルは・・・
253名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 18:50:56 ID:Xs9dzb16
ハヒルだと年齢制限掛かるからここじゃ駄目
254名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 18:53:17 ID:8bQDoWJG
年齢制限に引っ掛かる描写がなければ……ハヒルにならないな。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 19:47:16 ID:vq34f05f
DQ3からFC版デザインのオルテガを召喚

強さ・性格ともに申し分の無い人だが
覆面マントにパンツ一丁のガチムチ親父という風体のオッサンに困惑するルイズ
256名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 19:58:38 ID:XxQYm0eG
>>255
マチルダさぁーーーーーん!
257名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 20:53:02 ID:vhigAau4
>>255
海外版なら! 海外版ならば!(海外版にはちゃんとした専用グラがあります)
258名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 21:24:45 ID:4tyXyLRd
>>255
実はSFC版にも、データだけだが覆面マントのオルテガがいたりする。
youtubeで、オルテガvsゾーマinモンスター闘技場の動画が見れたはず。
259名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:06:08 ID:1LTK747q
異世界の聖機師から征木剣士を召還したってのはどうだろうか?
才人より優秀な使い魔になれそうだな
260名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:18:54 ID:Tn7Bnjx6
大抵の物語の登場人物ならサイトより優秀な使い魔になるだろw
261名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:22:48 ID:/hHIrd2f
誰か知らんが、押す理由がそれしかないってどんだけ個性ないんだよw
262名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:23:21 ID:+3IUqxDB
さすがに推してる奴の問題だろw
263名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:25:40 ID:zST9Qmv0
>>260
ねずみ男の召喚とかどうだ?
裏切って敵につくだけならまだしも弱点教えたり人質取ったりするマイナスにしか働かない奴だぞ
264名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:29:33 ID:Xs9dzb16
ハルケギニアは鬼太郎世界ほど甘く無いので恨み買って捕まったりしたら大変な事になるぞ
なんせオバケは死なないけど痛みや空腹は有るからな
265名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:30:14 ID:vq34f05f
キスの時点でまず死ぬだろ
ねずみ男の体臭は比喩でもなんでもなく人が殺せるレベル
266名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:35:53 ID:51BP+lgZ
星をみるひとから いるか 召喚。
歴戦のサイキックすら一蹴する強さだが、問題はてれぱしでしか会話できないことだな。
普通に話しかけると「きゅるきゅる」だし。
267名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:37:13 ID:zST9Qmv0
一応半妖だし死ぬって言えば死ぬ。生命力は高いらしいが…というかwiki見てたら悪臭・不潔さが半端じゃなかった


屁 ロケット噴射に近い風圧で一時心臓麻痺を起こすほどの上、目にしみて涙が止まらなくなり、非常な悪臭。
   まともに喰らえば人間なら発狂や即死までする危険があり強豪妖怪ですら失神させることができる

口臭 がまやおけらを常食し、10年間歯も磨いた事が無い為にひどい悪臭で[10メートル離れた蝿でも落とす程の威力がある。
    原作『妖怪反物』ではチーに操られた人々を一吹きで全員失神させたことがある
268名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 22:40:26 ID:N5gesC4v
00のグラハム・エーカー召喚
シルフィードを勝手にフラッグと呼び、タバサをフラッグファイターと思い込む
アルビオンの七万解決後は何食わぬ顔でミスター・ブシド―と名乗る
269名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:00:55 ID:d490vDAC
仮面ライダー555の草加雅人を召還!


ワルドとキャラが被るか...
270名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:02:59 ID:0coFiVGO
>>264
鬼太郎世界ってハルケより甘かったっけ?
271名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:04:37 ID:DTL6ywmu
>ミスター・ブシドー
鉄のラインバレル(アニメ版)より
ジャック=スミス召喚
あっちのあの人ロリコンだし、ちょうどいい

まぁ、対象はルイズじゃなくてシエスタだろうけどな
多分ルイズにはジャックの頬を染める可憐さが足りない
272名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:05:39 ID:vq34f05f
>>270
鬼太郎は働いてないし妖怪退治をしてもお金がもらえないからゴミ漁りで暮らしてるような世界です
273名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:14:01 ID:xhTuFUEz
アニメ版プリンセスラバーの哲平さん召喚とかどうだろう?
戦闘力結構有るし学園の社交部で結構鍛えられてるし
6話の温泉で覗きに行く位アクティブだ

もしゲート固定で行き帰自由だったら有馬財閥の超科学で絶対にこけないバイク(ハイヒール穿いた足4本)とか、
ハチャメチャなアイテム出し放題か……ゴクリ
274名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:23:44 ID:1bQJd4XH
マザーよりフライングマン召喚

「ワタシハ ふらいんぐまん。
アナタノ ツカイマニナル。
ソノタメニ ウマレテキタ。」

7万後にもう一度召喚すると、フライングマン(弟)召喚
「アニハ ウツクシク タオレタト キキマス。
ハカヲ タテテ テアツク トムライマシタ。
ツギハ ワタシノ バンデス。」

そして学院の前には墓が
「ルイズの えいえんのしもべ。
ゆうかんなる フライングマンせんし ここにねむる。」

書いてて切なくなってきた…
275名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:25:05 ID:zsiBoKuZ
>>273
おや、白石声が羨ましそうに…
276名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:31:39 ID:N5gesC4v
白石と聞くとファフナーのあいつが浮かぶ
強気な女なら咲良で慣れてるし典型的なお人好し馬鹿だから使い魔にはなりそう。
宝物庫にはゴウバインヘルメットが
277名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/06(土) 23:39:00 ID:102Ek+Ou
もし「灼眼のシャナ」の敵、紅世の徒を呼んだら、
みんな喰われちまうんだろうなぁ。
難しい。
278名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 00:05:45 ID:ojq7PVPx
やむなく覚醒!! 邪神大沼から
『初心者らくらく邪神マニュアル+スターターキット』召喚とか凄く面白くなると思うんだ

初期四天王にはグール3匹+天狗の楓の代わりにグール3匹+エルザ
グールしか召喚できなくてスターターキットに怒られたり、エルザに憐れまれたり、
ギーシュ戦でグールが経験値とコインになったりグールしか
最終的にデュラはんやら鬼の代わりにサイトとかワルドとか

色々妄想
279名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 00:35:11 ID:NLapP2CO
>277
フレイムヘイズを呼んでも性質上
国家間の争いには関わろうとしないかな
悠二なら、声といい相性は良さそうだけど

そいや、wikiにシャナ召喚が1話だけあったね
280名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 01:45:41 ID:nXZHKLd/
>>277>>279

ジョゼフだったら紅世の王の誰かが興味示して協力するかも?
もしくは探々求々の博士なら魔法とメイジに興味を示す可能性あり。
281名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 02:17:49 ID:Uua+GGoJ
>>239
偏在に関してはてwwwwww

偏在ってカネとコネで買えるモンなのですね。
282名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 03:09:08 ID:cgyhZAEF
何処に質問すれば解らない質問なので本スレへ。
ゼロの女帝の作品なのですが、これはエタちゃってるのかなと。
可能なら引き継いでみたいなと考えたりしました。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 03:12:12 ID:eT1yvfPF
ほうほう。なるほど。火星に帰れ。
284名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 03:17:31 ID:9GdR1Nm8
毒吐きで待つ
285名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 03:29:17 ID:cgyhZAEF
あー、毒吐きでいいのかスマン誘導されます。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 05:40:19 ID:dp7s+UsE
>>263
テファに召喚させよう。

「ティファニアちゃん♪」
「ねずみ男さん♪」

邪気のないテファにほだされ友だちになるも、テファは敵の手にかかり(ry
きれいでカッコよく、何より悲しいねずみ男が見られます。
287名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 07:43:59 ID:o3UHisfz
熱血!大冒険大陸からデスピーちゃんこと邪神デスフォート召喚
ヴィットーリオ以外だったら、どの担い手が呼んでもその不幸エナジーを気に入っちゃいそうw
288名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 09:22:02 ID:XKf0eoTW
すばらしきこのせかいからネク(初期状態)召喚!

平民差別のせいで余計にネガティブに
「世界そのものが無くなればいい」
ヘッドフォン、充電切れてイライラ度が上がる
なんだかんだでハルケの魔法を四系統全て使えるようになりそう
289名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 10:39:24 ID:OSZ+3TCa
07月21日ってオナニーの日だよな

いや…2日でもいけるっちゃいけるか
290名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 10:40:45 ID:OSZ+3TCa
誤爆失礼
291名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 12:04:28 ID:ghEMgbqU
じゃあ最低なことしちゃうシンジくんでも召喚するか
もしくは参謀タイプと言い張って人を導く力は無いと言いつつ裏で好きに色々やってるヘイガー
またはアッシュフォード学園の天才少女ニーナ
292名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 13:08:34 ID:yWLFiauk
ヘイガーは知らないけど科学者系は一部の例外除けばインフラが充実してる世界でないと
役に立たんよ。

高精度の顕微鏡とか出来の良い機械部品とかが入手可能でないと
293名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 13:28:44 ID:D8Br2NAA
30年か60年くらい前に高精度機器が存在していて、尚且つそのキャラクターがそれを使いこなせるような作品?
文明が緩やかに後退中のSFとかでありそうだな
294名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 13:29:48 ID:A5uBexJ6
>>291
ヘイガーか……
じゃあ、ギーシュがルクスンポジションでマリコルヌがチャーリーのポジションだな
295名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 13:54:19 ID:CB5lc3Lt
>292
その辺りは、やり方次第で。
ハルケと同レベルのバイストンウェルで、一介の技術者がオーラバトラーを作ってしまったアニメだってあることだし。
296名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 13:57:46 ID:TAIS7Xjl
>>295
集積回路を手作業で作ってたよな
297名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 14:06:01 ID:D9YXnLJ+
よしエルドランをルイズに召還してもらおう。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 14:10:11 ID:A5uBexJ6
>>297
魔法学院をロボットにする気だな?
あと、基本的にエルドランは表舞台では戦わないから扱いに困るし



それに、夜中にピカピカ光ってて鬱陶しいと思うの
299名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 14:12:40 ID:p77UK4uv
>>294
最終回はスリムになったマリコルヌが!
間違ってその辺の底辺DQN教習生とか呼んじゃったらやだなぁ
あ、でも本人的には一応艦から脱出出来た事になるからいいのかもなw
300名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 14:30:30 ID:CB5lc3Lt
> 298
クラスメイト:「いつもいつも 授業中に爆発起こして…」
        「ルイズってば、ホントに迷惑よね〜」

謎の黒い球体: 『ルイズ』ハ、メ・イ・ワ・クゥ〜
301ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/07(日) 15:41:00 ID:skLh6Fil
皆さんこんにちは、予約なければ86話の投稿いきたいのですがよろしいでしょうか。
問題なければ、15:50よりアルビオン編のクライマックスの幕をあげようと思います。
302名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 15:43:37 ID:ior6aOUi
メイデイメイデイ SOS! メイデイメイデイ SOS!
303ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (1/12):2010/02/07(日) 15:52:19 ID:skLh6Fil
 第86話
 暗黒の意思
 
 変身超獣 ブロッケン 登場!
 
 
 どんなに長い夜であろうと、明けない夜はない。たとえ、その夜明けが望まれない
ものであったとしても。
 
 長いようで短くもあった内乱を続けたアルビオン王国にとって、王党派と反乱勢の
その正真正銘の最終決戦となった、ある夏の日の戦いは、ごくごく平凡な形で始まった。
王党派は夜明け前に全員起こしがかかり、内臓に負担がかからない糧食をとった後に、
北の空へと向かって待機し、太陽が昇ったその数時間後に目的のものは現れた。
 
「北北西、距離二万、敵艦隊を確認! 戦艦一、護衛艦三」
 
 王党派の拠点の城の最上階の見張り台の兵士の叫びとともに、王党派は全軍
戦闘配備をとり、全戦力を敵旗艦レキシントン号を撃沈するためだけに備える。
その様子を、ウェールズとアンリエッタは城のテラスから見下ろしていたが、
やがて肉眼でも敵艦隊が見えてくると、自然とそちらを見上げていた。
「やはり正面から来ましたわね」
「ああ、奴らにはもう小細工をする余裕もないし、風石や弾薬の余裕もないだろう。
戦略的に、今さら撤退しても戦力の回復は不可能だし、もうレコン・キスタが
逆転に望みをかけられる手段は一つしかない」
「わたくしたちを、殺すことですわね」
 もしここで王党派の旗手であるウェールズを失えば、王党派は再起不能の打撃を
受ける。けれども、敵の大将をとれば大逆転という軍事的な冒険に出て成功した
例は少なく、地球の例を取ってみても大阪冬の陣で徳川家康に肉薄した
真田幸村も、その壮絶な戦いぶりが伝説とはなったが、結局は力尽きて全滅している。
ただし、その逆もないとは言い切れず、だからこそ敵は死に物狂いになって攻撃を
仕掛けてくるだろうが、これを撃退してこそやっと平和がこの大陸にやってくる。
 また、無言でうなずいて、接近してくるレキシントンを見つめ、来るべき時を
待ち受けているウェールズとは別個に、アンリエッタはおそらくはやってくるであろう
悪魔の襲撃を見落とすことのないよう、神経を集中して空を見やっていた。
 
”ヤプール、今もこの空のどこかから見ているのでしょう。お前たちの企みは
わかっています。どこからでもかかってきなさい。このアルビオンを、トリスタニアの
惨劇の二の舞にはさせません”
 
 何の正統な理由もなく、破壊し、服従させることだけが目的の侵略者・ヤプール。
 あの燃え盛る街と、何の罪もないのに焼け出され、断末魔の悲鳴をあげて
死んでいく人々の姿は忘れることはできない。アンリエッタは、このアルビオンをも
同じ目に合わせようと企んでいるのなら、全力を持って阻止すると心に誓った。
 その後ろには、護衛としてカリーヌとアニエスが油断なく直立不動で構え、
レコン・キスタの事情に詳しいミシェルは準参謀で、ルイズたち一行は、護衛兼、
ヤプールの攻勢が始まった場合に対応するためにつばを飲んで待っていた。
304ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (2/12):2010/02/07(日) 15:54:23 ID:skLh6Fil
「敵、距離一万! 竜騎士等は見受けられません」
 レキシントンにはドラゴンをはじめとした、幻獣を搭載する母艦機能もあった
はずだが、戦闘空域に達しようとしている今でもそれらが飛び立つ気配はなく、
やはり昨日の戦いで消耗した分の補充が、もう不可能なのだということが
察せられた。
「これなら、案外早くけりがつくんじゃない?」
「甘いわね。制空権をなくしているとはいっても、レキシントンはアルビオン
最強の戦艦であることには変わりないわ。それに、敵も今回は窮鼠と化してる。
一隻だけだからこそ、逆にあなどれないわ」
 敵の残存戦力が少ないからと、楽観ムードを漂わせているルイズをキュルケが
たしなめている間にも、レキシントンは巨体ゆえに一見したら止まっているのでは
ないかと思えるが、しかし確実に接近してきて、その距離が二〇〇〇になった
ところで戦闘開始の号砲は鳴った。
「対空砲、撃ち方はじめ!」
 先日の戦いで、一門だけ生き残ったゲルマニア製の長射程砲が火を噴き、
レキシントンからやや離れた空間で砲弾を炸裂させると、レキシントンは
照準を外そうと右に転舵しながら、左舷の大砲を城の前で陣を張って待ち受ける
王党派軍に向けてくる。
 もはや、戦闘回避は不可能、ここにアルビオン内乱の最終決戦、第三次
サウスゴータ攻防戦の幕は切って落とされた。
「竜騎士隊、突撃せよ!」
「各部隊は散開し、それぞれの判断に従って対空攻撃をおこなえ!」
「敵弾、来ます!」
「東側陣営に着弾、バレーナ小隊、指揮官戦死!」
「衛生兵は、ただちに負傷者を後送せよ。全部隊、全兵器使用自由、集中攻撃をかけろ」
 矢継ぎ早に命令や報告が乱れ飛び、戦場はたちまち両軍の砲弾や魔法が交差し、
落とそうとする王党派と、落とされまいと必死で前進を続けるレキシントンが攻防を
繰り広げる姿は、遠くから見れば大変に勇壮に見えただろう。
 その戦闘の様子を、ルイズたちは遠見の魔法でその場所にいるように眺めていたが、
先日の戦いとは違って、間近で見る凄惨な人間の殺し合いは、ルイズたちの想像を
はるかに超えていた。
「母さん、母さん……」
「腕……俺の腕はどこへ行った」
「兄さん、首、あれ? 首から下は……」
 ほんのわずかな時間で、死への門をくぐるもの、体の一部を失って捜し求めるもの、
発狂して幽鬼のように戦場をうろつくものが続出し、それは戦場を武勲を立てる場だと
考えていたルイズに、耳を塞ぎ、目を閉じてもなお嘔吐をもたらすほどの凄惨さを
叩きつけていた。
「ルイズ……」
 アンリエッタも、目を逸らしたいのを我慢して必死に自分の命令で死地に赴いた
人々を見つめる。カリーヌやアニエスは何も言わずに、唯一変わらないタバサを
例外にして、才人やキュルケですら、目の前に見せ付けられる現実には顔を
青ざめさせていた。
「なんなんだよこれは、こんなもの、まともじゃねえ」
305ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (3/12):2010/02/07(日) 15:55:50 ID:skLh6Fil
 才人も、ウルトラマンAとともに数々の怪獣や宇宙人と戦い抜いてきたが、
それらには平和を守るための使命と誇りがあり、戦う先にある平和を望むことが
できたのだが、目の前のものは、そうした『戦闘』ではなく、人間と人間が
身勝手な理由で無関係な人々を代わりに戦わせる最悪の愚行、『戦争』であった。
 『戦闘』と『戦争』は、似ているようでまったく違う。ウルトラマンと怪獣、侵略者の
戦いには、平和を守る使命、破壊本能、支配欲、生存のためと両者ともに、
もしくは片方だけでもそれぞれちゃんと理由をもっているし、レッドキングと
チャンドラーの縄張り争いにさえ、きちんとした戦う理由があり、そのために自ら血を
流しているから、そこには戦う者の美しさがある。
 ただし、そこに『国』という枠が入ると戦いはその質を大きく変える。
 意思と意思のぶつかり合いであった『戦闘』は『戦争』へと変わり、この戦いでも
一部の忠誠心あふれた貴族を除いては、ほとんどの者が徴兵され、扇動されて
戦っているので、ひとたび心が折れれば、そこには醜悪な本能の露呈しか残らず、
筆舌しがたい苦悶と絶望の場となる。まさに、人間の生み出す中でこれほどの
愚行はほかにない。そんな中で、わずかな慰めがあるとすれば、ウェールズや
アンリエッタがそうしたことを理解しており、自らの身を敵の囮として、戦いを
ほんのわずかでも早く終わらせるように勤めていることだろう。
 そのわずかな一端にルイズたちは触れ、一刻もはやく終わってほしいと心から願った。
 
 しかし、ルイズたちが良心から人々の苦悶に必死に耐えている間にも、
絶望と悲嘆の声を望むものは、さらなる混沌の種をこの戦場にばらまいた。
それは、戦闘開始から一時間ほど後に、両軍の戦闘が硬直状態になったときであった。
「っ? 地震か!?」
 突然城の床が大きく揺れ動いたかと思うと、次いで慌てて駆け込んできた伝令の
兵士によってもたらされた報告が、戦場が最初の変化を遂げたことを告げた。
「ほ、報告します! 突然一階に所属不明のメイジが侵入してきて暴れております。
現在近衛師団が応戦していますが、どうやらスクウェアクラスらしく、こちらのメイジや
兵では太刀打ちできません。至急応援を願います」
「なに!? レコン・キスタにまだそんな戦力があったのか。まさか、レキシントンは囮で、
その隙に我らを襲うのが狙いか」
 ウェールズは想定外の事態に驚いたが、ルイズたちはすでにその相手について
想像がついていた。
「ワルドか……」
 遠見の魔法で確認して、間違いがないことがわかると、奴に手傷を負わされた
ミシェルや、形だけとはいえ婚約者であったルイズの顔に憎憎しげな色が浮かんだ。
アンリエッタや仮面の下のカリーヌも、表情は変えないが心境は同じようなものだ。
「また性懲りもなくやってきたのね。けど、あいつは昨日『烈風』に瀕死の重傷を
負わされたんじゃあ?」
「ヤプールなら、人間の体を一晩で治すなんて簡単だろうぜ。にしても、あの野郎、
ひどいことしてやがる!」
 超獣を次々と作り出し、かつては死者を蘇らせることまでやってのけたヤプール
にとって、人間の命などはとるに足りないものなのに違いない。
306ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (4/12):2010/02/07(日) 15:57:36 ID:skLh6Fil
 ワルドは、無差別にあらゆる魔法を撃って、食い止めようとしている兵士たちを
蹴散らすだけではなく、抵抗できない者には風を、逃げ出そうとする者には雷を与えて、
死と破壊を振りまいている。むろん、王党派のメイジも食い止めようとしているようだが、
スクウェアクラスの魔力をさらに増大させているワルドには歯が立たない。しかも
その力は、己の欲のために悪魔に魂を売った結果で、裏切り者、卑怯者、あらゆる
悪罵を投げつけてなお余りある。
「ほんの少しでも、あいつに気を許していた自分が腹立たしいわ」
「ああ、見れば見るほどムカつく顔してやがる。だが、よほどワルドの体が
気に入ったんだな。もしかしたら、今ならワルドの体のまま倒すことができる
かもしれない」
 ウルトラマンとて、同化した人間や、人間に変身した状態で殺されたら
ひとたまりもない以上、ワルドの体のままでなら人間の力でも倒せるかもしれない。
才人の言葉でそれを確信したルイズは、すぐに杖を上げていた。
「わたしが行きます!」
「ルイズ!?」
「今、動ける余裕のある戦力はわたしたちしかいません。それに、あいつだけは
わたしのこの手で引導を渡してやらねば気がすみません!」
 幼い頃から優しくしてくれたのは、いずれ利用するためだったと知ったときに、
ルイズのワルドに対する感情は、すべて黒く塗り替えられていた。怒りと悲しみが
渦巻いて、今にも爆発しそうなほどに膨れ上がっていく。しかしそれを聞いて、
アンリエッタは確かに予備戦力として残しておいたが、あの『烈風』でさえ
てこずった相手に本当にぶつけていいのかと、この場になって急に迷いが生じた。
「しかし、相手はただでさえスクウェアメイジ、あなたの力では」
 本来ならアンリエッタはカリーヌに出てもらおうと思ったのだが、残念ながら
昨日の戦いでカリーヌの精神力は空になってしまっていて、一晩の休養では
回復しきれず、並のトライアングルメイジ程度の力にまで落ち込んでしまっていた。
もっとも、使い魔とともに戦えばまた別だが、城の中でラルゲユウスを
暴れさせるわけにはいかない。
 いや、それ以前に、アンリエッタはルイズたちを予備兵力にしたのは冷静に
判断した結果だと自分では思っていたが、ひょっとしたらルイズに目の前で
死なれたくはないというわがままを、無意識にしてしまったのではないかと
湧き上がってきた焦燥感の中で、自己嫌悪に陥りかけていた。しかし、アンリエッタの
意思とは裏腹に、ルイズはまぎれもなくカリーヌの娘であった。
「戦いはメイジのクラスだけで決まるものではありません。わたしには、
わたしにしかない武器、たとえワルドとともに自爆してでも主人のためにつくす、
最強の使い魔がついていますわ!」
「ちょっと待て、それっておれのことか?」
 怒りのボルテージを上げて首根っこを掴んでくるルイズが、なにやら非常に
ぶっそうなことを言っているのに、才人はだめもとでツッコミを入れてみたが、
返ってきたのはやはりの答えだった。
「命をかけて主人を守るのが使い魔の仕事でしょ。あたしがあのバカに
一発入れるまで、何が何でもわたしを死守しなさい。なんのためにあんたを
食べさせてると思ってるの?」
「それを言われるとなーんも言えんなあ」
 自爆しても復活できるのはタロウとメビウスだけだぞと思いつつも、
才人はルイズの性格上、受けた恨みは必ず晴らすとわかっているので、
あきらめも早く、背中のデルフに合図をして、かくなる上はルイズを守って
あのいけすかない中年をぶっ飛ばすかと覚悟を決めた。
307ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (5/12):2010/02/07(日) 15:59:30 ID:skLh6Fil
「というわけで姫さま、ちょっと行ってぶっとばしてまいります」
「で、ですけれど!?」
「心配いりませんわよ姫さま。わたしたちも行きますから」
 そういつもどおりの口調で割って入ったキュルケとタバサに、ルイズは
今回は意外な顔はしなかったが、ワルドとの因縁は自分の問題だと首を振った。
「あんたたちには関係ないわ、ここで姫さまたちを守っていて」
 するとキュルケは軽くため息をつくと、呆れたように言った。
「はーあ。あんた、たった二人であいつに勝てるつもり? それに、関係に
ついて言うんだったら、あたしもあいつには、ダンケルク号でいらない苦労を
させられた恨みもあるしね。あ、それとも、デートの邪魔されるのはいやだった?」
「なっ、こ、こんなときに何言い出すのよ!」
 そう言われてしまっては、来るなと言えるわけもなかったが、ルイズはいつの間にか
キュルケもタバサも隣にいるのが当たり前にものを考えるようになっていた自分に
気づいて、別の意味で赤面した。けれど、キュルケはそんなルイズの気負いなどは
気づいていないと言わんばかりに、彼女の肩を叩いた。
「それにルイズ、ここでアルビオンやトリステインが万一レコン・キスタの手に
落ちるようなことがあれば、次はゲルマニアやガリアが戦場になることを
忘れたの? わたしたちの働きに、世界の命運がかかっているのなら、
こんな燃えることはないわ。それに、なんにせよ乗り込んだ船を途中で
見捨てるのは心苦しいしね」
 キュルケに合わせてタバサもうなずき、話は決まると、一行はアンリエッタと
ウェールズの護衛をアニエスたちに任せて、階下への階段を駆け下りて行った。
「ご武運を……いえ、始祖ブリミルよ。どうかあの人たちをお守りください」
 大勢の人々に、自分の命令で殺し合いをさせているのに、親友の無事を
祈るのは偽善かもしれないと思いつつも、アンリエッタは心から願った。
『烈風』やアニエスは何も言わずに、彼らと共に戦えないことをふがいなく
思っているミシェルとともに若者たちを見送り、窓外には、被害を受けながらも
まだ戦う六万強の兵と、その上にはレコン・キスタの怨念が宿ったように
砲撃を続けるレキシントンの姿があった。
 
 そのころ、すでにこの城に侵入したワルドは一階、二階の防衛線を突破して、
アンリエッタたちのいる四階へと続く、三階の大ホールに到達し、そこで必死の
防衛線を引く兵士たちを、まるで人体をむしばむウィルスのように圧倒しながら
進んでいたが、そこへやってきた桃色の髪の少女を先頭にした一団が、一錠の薬となった。
「そこまでよ! それ以上の暴虐はわたしたちが許さないわ」
「ほう、また来たな、愚かな人間どもよ!」
 ワルドの前に立ちふさがったルイズたちにワルドの発した第一声は、そこに
いるのがもはやワルドではなく、ワルドの形をした何者かであることを確信させた。
「久しぶりねワルドさま、わたしのことを覚えていらっしゃるかしら?」
「なに……いや、この男の記憶に反応があるな。ルイズ・フランソワーズ、この男の
婚約者か。ふふふ、また会ったね、僕のルイズ、とでも言っておこうか?」
 ルイズの眉に、あからさまに不快な震えが走った。
「あいにくと、婚約は正式に破棄しました。本日まいりましたのは、今日までの
負債を利子つきでお返しするためですわ」
「ほお、だがこの男の記憶では、お前の力はいまだ目覚めてはいないのだろう。
そんな不完全な力で、勝てると思っているのか?」
 そのとき、悠然と余裕を示すワルドの言葉が、怒りと不快感に満ちていた
ルイズの心に一筋の理性の光を差し込ませた。
308名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 15:59:48 ID:/ZDdHoB0
支援しますね
309ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (6/12):2010/02/07(日) 16:01:26 ID:skLh6Fil
「目覚めては……? どういうことよ」
「ふふふ、どうやらこの男は貴様を利用して、かなり大それたことを考えていた
らしいな。大方、ともに世界を手に入れようなどとでも言って、そそのかす
つもりだったのだろうが、愚かなことだ」
「わたしの力で、世界を……?」
 困惑が、ルイズの心臓に下手なダンスを躍らせた。目覚めていない力? 
世界を手に入れる? 初歩のコモンマジックすら使えずに『ゼロ』の忌み名
しかない自分に、ワルドはいったい何をさせるつもりだったのだ? ただの
妄想、あるいはワルドに乗り移ったものの口からでまかせか? しかし、
それほどまでしてほしいものがあったから、ワルドは十年以上に渡って
念入りにヴァリエール家に取り入ってきたのではないか? いったい、
自分にはなにがあるというのだ?
「落ち着けルイズ、あいつの口車に乗せられるんじゃねえよ」
「はっ!?」
 自分を見失いかけたルイズを現実に引き戻したのは、またしても才人の、
自分にとって唯一間違いなく存在する頼もしい使い魔の声であった。
「こんな奴の言うことなんか気にすんな。なんのためにここに来たのか
忘れたのかよ? お前はおれが守るから、あの中年に一発くれてやれ」
「そうね、わたしとしたことがうっかりしてたわ。わたしのやるべきことは……」
 すっと、まっすぐに杖の先をワルドに向けると、奴はさらに愉快そうに笑った。
「いいのか? この人間の体を壊せば、貴様の力の秘密はわからなく
なるかもしれんぞ?」
「わたしを見くびらないでほしいわね。自分のことは自分でなんとかするわ。
それに、お前はもう人間じゃない!」
 杖を振るい、ワルドの至近に『錬金』の失敗で爆発を起こさせたのをゴングに、
キュルケとタバサが左右に展開して、ルイズはワルドの正面から、才人に
守られながら戦いが始まった。
「いくわよタバサ!」
 左右からワルドを挟みこみ、息の合った二人のファイヤーボールと
ウェンディ・アイシクルが同時に襲い掛かる。
「こざかしい!」
 しかしワルドは『エア・シールド』でそれを無効にすると、高笑いしながら
ルイズと才人に向かって『ライトニング・クラウド』を放ってきた。
「死ねぃ!」
 雷撃は、至近の床を掘り返しながら一直線に二人に向かい、二人の
すぐそばの柱で爆発して二メイルばかり吹き飛ばした。
「って、おいそれ反則だろ!」
 才人は石や氷とかの類だったらはじきとばす自信はあったが、さすがに
雷を跳ね返すのは無理だった。しかし、さっきのかっこいい台詞はどこへやらで、
「や、やっぱりやめときゃよかったかな!?」
 と、うろたえた才人に手の中のデルフリンガーが叫ぶように語り掛けた。
「心配すんな相棒、おれをあいつの魔法に向けろ!」
「なにっ!?」
「説明してる時間はねえ! また来るぞ!」
「っ! ええい、ちくしょう!」
 また襲ってくるライトニング・クラウドの雷を前に、避ければルイズに直撃する
状態で、才人はせめて避雷針になればとデルフリンガーを前に突き出した。
すると、それまで赤錆が浮いていて一〇〇エキューで叩き売られていた
デルフリンガーの刀身が輝きだし、なんと雷撃を引き寄せるようにして全部
吸い込んでしまったではないか。
310ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (7/12):2010/02/07(日) 16:02:54 ID:skLh6Fil
「わっはっはっはぁ! どうだ、見たか相棒! これがおれっちの能力よ。
いやあ、ずいぶん長く使ってなかったから完璧に忘れてたわ。それに、
見てみろこの俺さまの美しい姿をよ」
「お前、こいつは!?」
 才人とルイズは、輝きが収まった後のデルフを見て二度びっくりした。
赤さびた二束三文の安物はそこにはなく、今にも油がしたたってきそうな
見事な波紋を浮かべた、白銀の長刀が輝いていたのだ。
「これがおれっちの本当の姿さ。もう何百年前になるか、あんまりおもしれえことも
ないし、ろくな使い手も現れねえんで飽き飽きして、自分で姿を変えてたんだった」
「てめえ! そういう重要なことをなんでさっさと言わねえんだよ」
「だぁーから、忘れてたって言ったろ。俺はお前らと違って寿命がねえからな。
何百年も思い出さなきゃ、そりゃ忘れるさ」
「だからって、そんなすごい機能あるって知ってたら、これまでにも別な作戦の
立てようもあったのによお」
「いや、それについてはほんと悪かったわ。だが、けちな魔法なら俺さまが
みーんな吸い込んでやるから安心して戦え」
「んったく! 後で覚えてろよお前!」
 自分の剣と口げんかしていたアホな時間のうちにも、才人はさらに撃ちかけ
られてきた『エア・ニードル』や『ウィンド・ブレイク』をデルフリンガーで吸収、
あるいははじき返した。とにかく、なんでそんな機能があるのかとか聞きたい
ことは山ほどあるが、今はバルンガみたいなその能力を役立たせてもらおう。
「どうだワルド、お前の攻撃は通用しないぞ」
「ちょこざいな、手加減してやっていれば調子に乗りおって」
 挑発に乗ったワルドは魔法の威力を上げて才人を攻め立てるが、デルフは
つばを激しく鳴らして大笑いしながら、それさえも飲み込んでいく。
「マジですげえなデルフ。よぉし、みんな、一気にいこうぜ!」
「わかったわ!」
 勝機が見えたなら一気にたたみかけるしかない。正面から才人と彼に
守られたルイズ、両側面からキュルケとタバサが同時攻撃をかける。
「こざかしいわ!」
 しかしワルドも自らの周りに空気の防壁を張って守りを固め、さらにその
内側から攻撃をかけてくる。これではデルフリンガーでもやすやすとは突破
することができない。
「さすが、スクウェアクラスは伊達じゃないわね」
「それだけの力、正義のために使ってくれればな」
 一旦引いて態勢を立て直したルイズたちは、あらためて容易ならざる相手
だということに気合を入れなおした。しかし、彼らは知らないことではあったが、
ワルドの魔法のなかでもっとも恐れるべきものである『偏在』だけは、先の
カリーヌ戦のときとは違ってワルドの精神を何者かが完全に乗っ取っているため、
分身体にまでは影響をおよぼすことができないためにコントロールすることができず、
パワーアップしているとはいえ一人だけを相手にすればいいのは非常な幸運といえたのだ。
311ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (8/12):2010/02/07(日) 16:05:04 ID:skLh6Fil
 トライアングルクラスの炎と雪風、伝説の使い魔の攻防かねそろった剣技、
そして失敗魔法と揶揄されながらも、逆に誰一人真似できない攻撃力を
持つ爆発が、邪悪な風に立ち向かう。
 
 だが、四人の攻撃によって劣勢に近い状態に追い込まれながらも、ワルドの
顔から人を馬鹿にした笑みが失われることがなかった意味を、誰も気づくことは
できなかった。そこに、恐るべき企みが秘められているとも知らずに。
 
 それから十数分、さらに数十分。
 戦闘はワルドとのもの以外にも遠慮なく進行し、王党派軍とレコン・キスタ
艦隊は激しく砲火を散らし、地上の迎撃部隊にも少なからぬ被害を出したが、
レキシントンの護衛についていた護衛艦は全て撃沈し、ただ一隻だけ残り、
他の戦艦とは段違いの耐久力を見せる旗艦レキシントンも、数百門あった
砲門の半数を破壊され、いまや軍隊蟻に取り付かれた猛虎のように、
巨体をもてあましながら、王党派の竜騎士や、対空砲火、遠距離攻撃の
魔法などを受け続けていた。
「敵旗艦はすでに中破、もうこちらにたどり着く余裕はないでしょう。撃沈は、
時間の問題と思われます」
 報告を持ってきた兵士の朗報にも、アンリエッタやウェールズは快哉を
あげたりはしなかった。戦術的に見れば、いかな大型戦艦とはいっても
七万の大軍には勝てないのは最初からわかっていたことだ。
 あの、威容を誇った巨大戦艦も、やはり一隻では圧倒的多数を覆すことは
不可能で、落城寸前の城郭のように全身から炎を吹き上げて、それでも
残った砲門で散発的に攻撃を仕掛けてきているが、それも最後の悪あがきに
近く、もうどんなことをしても逆転は不可能であろう。
 だが、すでに勝負の見えた戦いはともかく、アンリエッタはなおもワルドを
相手に戦いを続けるルイズたちの安否を思う心が、重く強くのしかかっていた。
「やっぱり、ワルドは強かったのね。わたしは、あなたたちを行かせるべきでは
なかったのかもしれない。けれど……」
 義務と私情のはざまで若いアンリエッタは揺れ、この城の中で、今でも足元に
伝わってくる振動に知らされて、遠見の鏡の中で激しく魔法の火花を散らせて、
若い命を危険にさらしている四対一の激闘を見守った。
「ルイズ、頑張って……」
 せめて、無事を祈るだけはと、その小さな声は、アンリエッタの口の中だけで
つぶやかれ、隣にいたウェールズにも聞こえることはなかった。
 だが、古ぼけた城に染み付いた苔のような薄暗い柱の陰から、まるで
地の底から響いてくるような、低く小さいのに、直接頭の中に共鳴する
暗く陰鬱な声が、その場にいた全員の耳に届いてきた。
 
「ふふふ……ずいぶんな偽善ですな、姫様?」
 
「!? 誰だ!」
 とっさに振り向き、剣を、杖を向けた護衛と王族の視線の先には、
誰もいない部屋の隅の暗がりがあった。しかし、その陽光を嫌うような
湿った影の中から、影よりも濃い黒い服とマントをまとい、同じく漆黒の
帽子で顔の半分を隠した老人が、染み出るように歩みだしてきたのだ。
312ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (9/12):2010/02/07(日) 16:06:59 ID:skLh6Fil
「ふっふっふふふ……」
「貴様、何者だ? どうやってここに入ってきた?」
 並の者ならそれだけで腰を抜かすほどのカリーヌの殺気を浴びせ
かれられながらも、平然として薄ら笑いを続ける老人が帽子のつばを
あげて顔を見せたとき、アンリエッタはおろかカリーヌさえ背筋に寒気を覚え、
アニエスとミシェルはその恐怖に震えた。
「き、貴様は……」
「ふふふ、そちらの二人とは二度目と……久しぶりですな、ウェールズ王子?」
「なにっ!? 馬鹿を言え、私は貴様など知らないぞ」
 突然話しかけられてとまどうウェールズに、老人は不気味な笑い顔を見せると
さらにせせら笑うように続けた。
「おやおや、記憶を失っているとはいえ薄情な……あなたに、この国を取り戻す
力を与えてあげたのは、私ではないですか」
「な、なんだと?」
「姫様、王子、おさがりください。こいつは、こいつは……」
 顔面を蒼白にして剣をかまえるアニエスと、傷をおして杖を向けるミシェルを
なめるように見渡しながら、薄ら笑いを消さない老人の視線が自分を向いたとき、
アンリエッタは魂が吸い取られるような錯覚を覚えながらも、必死に気力を
振り絞って、無礼な闖入者に宣告した。
「何者かは知りませんが、ここにいるのはトリステインの王女と、アルビオンの
皇太子と知っての狼藉ですか。名乗りなさい、あなたは、何者ですか!?」
 二つの国の誇りと名誉を背負い、強く言い放ったアンリエッタの言葉が
響いたとき、場は一瞬光が差したように思われたが、その言葉を受けた
老人が含み笑いをしながら、ああそういえば自己紹介がまだだったなと
つぶやき、両手を奇術師のように広げて口を開くと、そこは死の恐怖が
支配する暗黒の空間に変貌した。
 
「異次元人、ヤプール」
 
 最初の一瞬は、誰も動けなかった。
 次の一瞬は、その言葉を理解して、恐怖が全身を駆け巡った。
 だがその次の瞬間には、たった一人、誰よりも速く己の職責を思い出した
カリーヌの放った魔法がヤプールに襲い掛かっていた。
『ライトニング・クラウド!』
 威力が衰えているとはいえ、巨像をも一撃で炭にする雷撃が巨人の手のひらの
ように老人を包み込み、雷光の檻が包み込んで焼き尽くそうと迫った。しかし……
「だめだ! そいつに攻撃は」
 アニエスの脳裏に、かつて超獣ドラゴリーが現れたときの記憶が閃光のように
蘇ってきたが、叫んだときにはもう遅かった。雷撃は、ヤプールの手前で曲がって、
奴の後ろや天井、床の石畳を粉砕するだけで、その笑いを止めることはできなかったのだ。
「なにっ……」
「やはり……」
 あのときと同じだ。奴は何らかの方法で攻撃を無力化している。しかし、まさか
今のでもスクウェアに近い威力があったライトニング・クラウドでさえ、身じろぎも
せずに跳ね返してしまうとは。
「無駄なことはやめるといい。私の周りの空間は歪曲し、いかなる攻撃も通す
ことはない。猿の頭でも、多少は理解できるだろう」
「貴様……」
 異次元人であるヤプールにとって、この程度の空間操作はお手の物だった。
隠す気もない侮蔑の言葉とともに、ヤプールは打つ手が無くなって歯を
食いしばっているカリーヌやアニエスたちを楽しそうに眺めると、わざとらしく帽子を
かぶりなおして、アンリエッタとウェールズに向き直った。
313ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (10/12):2010/02/07(日) 16:08:17 ID:skLh6Fil
「ふふ、さて、うるさい者たちも静かになったところで、直接話をするのは
トリスタニアの時以来、およそ半年ぶりかな。王女様」
 その言葉に、アンリエッタのまぶたの裏に、ベロクロンによって焼き尽くされた
トリスタニアの街と、鼓膜には勝ち誇った声で降伏と奴隷化を勧告してきた
ヤプールの声がありありと蘇ってきた。
「あのときのトリスタニア……お前が、お前があの惨劇を作り出したというのですか!?」
「そのとおり、あのときはずいぶんと楽しませてもらったものだ。そうそう……それに、
ウェールズ殿、あなたにも長い間楽しませていただいた。本日は、せめてお礼を
一言ぐらいはと思って参上した次第」
「な、なにを言っているのだ?」
 とまどうウェールズに、ヤプールは口元を大きく歪めて笑いかけた。
「聞きたいのかね? よろしければ説明してあげようか」
「耳を傾けてはなりません、ウェールズさま!」
 ここで真実を暴かれたら、ウェールズの心は壊れてしまうかもしれないと
恐れたアンリエッタは、ヤプールの言葉をさえぎると、怒りと、義務感で
心の底から引き出してきた勇気を、そのままヤプールに叩き付けた。
「あなたの、あなたのせいで、トリステインもアルビオンも、国も街も、大勢の
人々の命が犠牲に。もうこれ以上の茶番はたくさんです。答えなさい! 
お前はいったい何者なのです。なぜこんなむごいことを続けるのですか!?」
「ふっ、それがお前たち人間の望んだことだからだよ」
「なっ!?」
「ふふ、我々ヤプールは、生物であって生物ではない。貴様たち人間の
心から生まれる、怒り、憎しみ、悲しみ、嫉妬、嫌悪、そういった邪悪な
思念、マイナスエネルギーが異次元の歪みにたまり、生まれたのが我々だ」
「わたしたち人間の、心から?」
 そのとき、さっきの一撃で壁が崩れ、部屋に差し込んできた陽光が老人の
体を照らすと、その影は人間ではなく、全身にとげのようなものを生やした
ヤプール本来のシルエットとなって、壁に映し出された。
「我らは暗黒より生まれ、全てを闇に返すもの。自分以外の全てのものの、
屈服と支配を望むのは、お前たちの持つ本能だろう? 見てみるがいい、
あの人間どもの醜態を、同族同士で意味のない殺し合いを延々と続ける。
なんとも楽しい見世物だ」
 誰も、反論の余地がなかった。目の前でおこなわれている戦争と、ヤプールの
侵略攻撃のどこが違うと問われて、はっきりと自分を擁護できるほどきれいな
戦いでは、これはない。
「それではお前が、この戦争を画策して、この国に内乱をおこさせたというのか?」
 怒気を交えて叫ぶウェールズに、ヤプールはつまらなさそうにかぶりを振った。
「それは違う。我らは人間同士のつまらぬ争いなどをいちいち作り出しはせん。
教えてやろう。この戦争を裏で操る者は我らの他にもいて、我らはそれを
多少利用したに過ぎない、我らの目的は、別にある」
「目的……?」
 見ると、これまで人を馬鹿にした笑いを浮かべていたヤプールの顔が、
目つきを鋭く尖らせて、刺す様なオーラを発していることで、奴が遊びを
やめて本気になったことがわかり、アンリエッタたちも、これまで天災のように
訳もわからず攻撃を仕掛けてくるヤプールの目的、それが明かされるとなって、
一様に息を呑んだ。そして。
「復讐……」
 一瞬、何を言われたのか、誰もが理解できなかった。
「今から数十年前、我らはこの世界と同じように、ある世界の侵略をもくろんだ。
見るがいい……」
 すると、部屋の風景が揺らぐように変わり、そこに初めてヤプールが地球への
攻撃をおこなった、ベロクロンの東京攻撃のシーンがホログラフのように
映し出された。
「これはっ!?」
 東京の街の風景は、それだけでそこがハルケギニアとはまったく違う世界の
ものであることを知らされたが、それよりも傍若無人に暴れまわるベロクロンの姿は、
まさに半年前のトリスタニアを髣髴とされて、蘇ってくる怒りが心に立ち込めた。
314ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (11/12):2010/02/07(日) 16:10:18 ID:skLh6Fil
 だが、トリスタニアと同じように好き放題に暴れるベロクロンの暴虐は、長くは
続かなかった。その前に立ちふさがった者こそ。
「ウルトラマン……エース」
 そう、それが今なお続くヤプールとウルトラマンAとの、長い戦いの幕開けで
あったのだ。
 ベロクロンが倒された後は、場面はめまぐるしく変わり、数々の超獣と
エースとの戦いが続き、やがて場面は両者が直接対決した異次元での
巨大ヤプール戦となったが、自ら挑んだ戦いでも最後はエースの勝利で終わった。
「地球の支配をもくろんだ我らの計画は、奴の手によって防がれてしまった。
だが、たとえ死しても我らの怨念は消えることはない」
 復活したベロクロン2世、ジャンボキングとの最終決戦などが映し出され、
さらに復活してウルトラマンタロウと戦ったとき、Uキラーザウルスとなって
メビウスをはじめとするウルトラ兄弟と戦ったときの光景が、彼女たちを圧倒した。
「我らは、我らを滅ぼしたウルトラ兄弟や人間どもが憎い。だから我らは、
この世界で力を蓄え、一挙に地球を滅ぼそうと考えたが、またしても
奴は我らの前に立ちふさがった。心底忌々しい、奴らウルトラ兄弟、
特にエースへの復讐に比べたら、こんな世界のことなど枝葉にすぎんわ!」
「あなたたちは……本物の悪魔ですね」
 これまでの、この世界で失われた命、撒き散らされた悲しみがすべて逆恨みの
生んだ代物だということを理解したとき、彼女たちの心には、怒りをも超えた
何かが生まれつつあった。
「これではっきりしました。今までわたしは、なんのために戦うのかわかりません
でしたけれど、あなたたちのような悪魔に、この世界を好きにはさせません!」
 それは、アンリエッタからヤプールへの宣戦布告であった。それを受けて、
ヤプールの邪気に圧倒されていたウェールズや、アニエスとミシェル、
そしてその言葉を待っていたカリーヌは、いっせいに武器を向けた。
「アルビオンの民に代わって、私が貴様を倒す」
「覚悟しろ、今度こそ生きて帰れると思うな!」
 トライアングル以上のメイジが四人、いかな強力な防御を持っているとはいえ、
これに耐えられるわけはないと思われた。しかし、ヤプールが不敵な笑みを
浮かべながら手を上げた瞬間、彼らの目の前の床が破裂するように下から
吹き飛んで、そこから竜巻に巻き上げられた木の葉のように、才人やルイズたちが
吹き上げられてきた。
「げほっ、うぅ、いったぁ……」
「ルイズ、大丈夫!?」
 床に打ち付けられて咳き込んでいるルイズたちに、アンリエッタは駆け寄ると
水魔法で傷を癒していった。幸い、誰も軽傷ですんでいるようだが、なにがあったのかと
問いかけられると、才人が起き上がって剣を構えなおした。
「あの野郎、あの狭い中で『カッター・トルネード』なんか使いやがったら、天井が
抜けるに決まってるだろ。むちゃくちゃしやがって」
 つまり、密閉された閉鎖空間で大規模な空気の対流を作り出してしまったために、
全員が飲み込まれて上層階にまで飛ばされたということらしい。しかし、床に
空いた大穴から、遅れてワルドが浮遊するように上がってきて、老人のそばに
着地すると、楽しそうなヤプールの声が響いた。
「ふっ、どうやら役者がそろったようだな」
「お、お前は!? ヤプール!」
「なっ、なんでこんなところに!」
 才人とルイズにとってはドラゴリー戦、キュルケとタバサにはホタルンガ戦以来と
なる悪魔との思いもよらぬ再会が、四人の背筋を凍らせた。
315ウルトラ5番目の使い魔 第86話 (12/12):2010/02/07(日) 16:11:40 ID:skLh6Fil
「お前たちとも、前に会ったな。事あるごとに、よくも我々の作戦の邪魔をしてくれたな。
だが、それもここまでだ。邪魔者がそろった今こそ、まとめて消えてもらおうか」
「そうか! だからこのタイミングで」
「ふははは、貴様らがこの世から消えればこの世界はさらなる混乱に陥るだろう。
そこから生まれるマイナスエネルギーを得て、我らはさらに強大となる。絶望して
死ぬがいい。さあ、巨大化せよ。変身超獣ブロッケン!!」
 とっさに、カリーヌやタバサが魔法を放ったが、それもすべてはじかれて、ヤプールの
死刑宣告同然の命令が下ると同時に、手袋を脱ぎ去ったワルドの手のひらの目が
緑色に輝いたかと思うと、体が白色の光に覆われて、見る見るうちに膨れ上がって
部屋の中に満ち始めたのだ。
「いけない! 押しつぶされるわよ」
 あっという間に部屋中に満ちていった光から、一同は窓から逃れようとしたが、
光が膨張する速度は予想よりずっと早く、窓のすきまもふさがれて、部屋の隅へと
追い込まれていった。
「お母様、ノワールは!?」
「だめだ、ここで大きくしたら私たちも押しつぶされる」
「いやぁぁっ!」
 ヤプールの哄笑が響き渡る中で、部屋の隅に追い詰められたアンリエッタたちは
死を覚悟して、思わず目を閉じた。
 だが、膨張する光が床と天井を押しのけて、彼女たちの寄りかかる壁に
のしかかろうとしたとき、才人とルイズは皆を守るようにして手をつなぎ、刹那、
古城は降りかかった重量に耐えられずに、轟音を立てて崩壊した。
 そして、その瓦礫の中から姿を現す異形の影……
「ち、超獣だぁーっ!!」
 王党派とレコン・キスタを問わずにあがった悲鳴、そこに現れた四本足の
ケンタウロスのような姿と鰐のような頭を持った超獣こそ、ワルドに乗り移っていた
者の正体、その名も変身超獣ブロッケンだった。
 だが、悪の手が無慈悲に命を奪おうとするとき、それを阻もうとする光の意思も現れる。
 あの瞬間、死を覚悟して意識を手放しかけたアンリエッタは、いつまで経っても
痛みも冷たさも襲ってこないことから、ゆっくりと目を開けてみると、自分が不思議な
温かさを持つ銀色の光に包まれているのに気づいた。
「ん……こ、ここは、天国?」
 けれども、ゆっくりと手を動かしてみると、自分はまだ死んではいないようで、しかも
周りを見渡せば、そこにはウェールズもカリーヌも、キュルケ、タバサ、アニエスも
ミシェルもいて、皆目を覚ますと、不思議と自然に上を見上げて、そこにある希望を見つけた。
「あっ……」
「ウルトラマン……」
「エース!」
 そこは、エースの手のひらの上で、彼女たちは城が崩壊する寸前に、エースによって
救い出されていたのだった。
(間に合ってよかった……)
 手のひらに乗る小鳥のように、全員が無事に微笑んでいるのを見届けると、ルイズと
才人はほっと胸をなでおろし、そして地面にひざを突いて皆を下ろしたエースは、
城の瓦礫を押しのけながら前進を始めた超獣に向かい合う。
「ヘヤァッ!」
 しかし、エースによって全員が助け出されたというのに、ヤプールは異次元空間から
狂喜した叫びをあげていた。
「ふっふっふっ、とうとう現れたなウルトラマンA! さあ、復讐の時だブロッケン!」
 崩れ行く城に、鰐と宇宙怪獣の合成超獣と、ヤプールの高笑いがこだました。
 
 続く
316ウルトラ5番目の使い魔 あとがき:2010/02/07(日) 16:15:06 ID:skLh6Fil
以上です。>>308 支援ありがとうございました。
長らくお待たせしましたが、これが正真正銘アルビオン編最終決戦です。
しかし忘れかけてましたけど、ようやくとデルフの本領発揮できました。
この作中では才人はそこそこ実戦積んでるけどメイジとはほとんど戦って
なかったから、特性を使う必要なくってうっかり忘れてました。
最近は怪獣大戦争のテーマでテンションあげながら、
「未来に向かって脱出する。まだ見ぬ、未来に向かってな」
にならないように書いてますので、来週にはまた投下できると思います。
317名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 16:21:34 ID:SBrfpbAD
乙!
318名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 16:31:52 ID:/ZDdHoB0
ワルド「僕は中年ではない!」
才人「うるせーよヒゲ」

乙でした!
319名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 16:34:15 ID:D9YXnLJ+
乙!

ヤプールは迷惑だー
320名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 16:35:00 ID:3WcQuMIY
間に合わなかったぁ!
321名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 17:05:35 ID:skJ8Z0Ow
ウルトラの人乙
322名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 17:39:12 ID:rnlVuYBc
ナルトのSSってもうありましたっけ
323名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 17:40:50 ID:rnlVuYBc
ナルトのSSってもうありましたっけ
324名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 17:48:32 ID:2GS+goiT
ちゃんとテンプレを読んだら調べ方も分かるよ。
325名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 17:49:18 ID:2GS+goiT
と言っている自分がsage忘れっていうね……申し訳ないです。
 第86話
 暗黒の意思
 
 変身超獣 ブロッケン 登場!
 
 
 どんなに長い夜であろうと、明けない夜はない。たとえ、その夜明けが望まれない
ものであったとしても。
 
 長いようで短くもあった内乱を続けたアルビオン王国にとって、王党派と反乱勢の
その正真正銘の最終決戦となった、ある夏の日の戦いは、ごくごく平凡な形で始まった。
王党派は夜明け前に全員起こしがかかり、内臓に負担がかからない糧食をとった後に、
北の空へと向かって待機し、太陽が昇ったその数時間後に目的のものは現れた。
 
「北北西、距離二万、敵艦隊を確認! 戦艦一、護衛艦三」
 
 王党派の拠点の城の最上階の見張り台の兵士の叫びとともに、王党派は全軍
戦闘配備をとり、全戦力を敵旗艦レキシントン号を撃沈するためだけに備える。
その様子を、ウェールズとアンリエッタは城のテラスから見下ろしていたが、
やがて肉眼でも敵艦隊が見えてくると、自然とそちらを見上げていた。
「やはり正面から来ましたわね」
「ああ、奴らにはもう小細工をする余裕もないし、風石や弾薬の余裕もないだろう。
戦略的に、今さら撤退しても戦力の回復は不可能だし、もうレコン・キスタが
逆転に望みをかけられる手段は一つしかない」
「わたくしたちを、殺すことですわね」
 もしここで王党派の旗手であるウェールズを失えば、王党派は再起不能の打撃を
受ける。けれども、敵の大将をとれば大逆転という軍事的な冒険に出て成功した
例は少なく、地球の例を取ってみても大阪冬の陣で徳川家康に肉薄した
真田幸村も、その壮絶な戦いぶりが伝説とはなったが、結局は力尽きて全滅している。
ただし、その逆もないとは言い切れず、だからこそ敵は死に物狂いになって攻撃を
仕掛けてくるだろうが、これを撃退してこそやっと平和がこの大陸にやってくる。
 また、無言でうなずいて、接近してくるレキシントンを見つめ、来るべき時を
待ち受けているウェールズとは別個に、アンリエッタはおそらくはやってくるであろう
悪魔の襲撃を見落とすことのないよう、神経を集中して空を見やっていた。
 
”ヤプール、今もこの空のどこかから見ているのでしょう。お前たちの企みは
わかっています。どこからでもかかってきなさい。このアルビオンを、トリスタニアの
惨劇の二の舞にはさせません”
 
 何の正統な理由もなく、破壊し、服従させることだけが目的の侵略者・ヤプール。
 あの燃え盛る街と、何の罪もないのに焼け出され、断末魔の悲鳴をあげて
死んでいく人々の姿は忘れることはできない。アンリエッタは、このアルビオンをも
同じ目に合わせようと企んでいるのなら、全力を持って阻止すると心に誓った。
 その後ろには、護衛としてカリーヌとアニエスが油断なく直立不動で構え、
レコン・キスタの事情に詳しいミシェルは準参謀で、ルイズたち一行は、護衛兼、
ヤプールの攻勢が始まった場合に対応するためにつばを飲んで待っていた。
「敵、距離一万! 竜騎士等は見受けられません」
 レキシントンにはドラゴンをはじめとした、幻獣を搭載する母艦機能もあった
はずだが、戦闘空域に達しようとしている今でもそれらが飛び立つ気配はなく、
やはり昨日の戦いで消耗した分の補充が、もう不可能なのだということが
察せられた。
「これなら、案外早くけりがつくんじゃない?」
「甘いわね。制空権をなくしているとはいっても、レキシントンはアルビオン
最強の戦艦であることには変わりないわ。それに、敵も今回は窮鼠と化してる。
一隻だけだからこそ、逆にあなどれないわ」
 敵の残存戦力が少ないからと、楽観ムードを漂わせているルイズをキュルケが
たしなめている間にも、レキシントンは巨体ゆえに一見したら止まっているのでは
ないかと思えるが、しかし確実に接近してきて、その距離が二〇〇〇になった
ところで戦闘開始の号砲は鳴った。
「対空砲、撃ち方はじめ!」
 先日の戦いで、一門だけ生き残ったゲルマニア製の長射程砲が火を噴き、
レキシントンからやや離れた空間で砲弾を炸裂させると、レキシントンは
照準を外そうと右に転舵しながら、左舷の大砲を城の前で陣を張って待ち受ける
王党派軍に向けてくる。
 もはや、戦闘回避は不可能、ここにアルビオン内乱の最終決戦、第三次
サウスゴータ攻防戦の幕は切って落とされた。
「竜騎士隊、突撃せよ!」
「各部隊は散開し、それぞれの判断に従って対空攻撃をおこなえ!」
「敵弾、来ます!」
「東側陣営に着弾、バレーナ小隊、指揮官戦死!」
「衛生兵は、ただちに負傷者を後送せよ。全部隊、全兵器使用自由、集中攻撃をかけろ」
 矢継ぎ早に命令や報告が乱れ飛び、戦場はたちまち両軍の砲弾や魔法が交差し、
落とそうとする王党派と、落とされまいと必死で前進を続けるレキシントンが攻防を
繰り広げる姿は、遠くから見れば大変に勇壮に見えただろう。
 その戦闘の様子を、ルイズたちは遠見の魔法でその場所にいるように眺めていたが、
先日の戦いとは違って、間近で見る凄惨な人間の殺し合いは、ルイズたちの想像を
はるかに超えていた。
「母さん、母さん……」
「腕……俺の腕はどこへ行った」
「兄さん、首、あれ? 首から下は……」
 ほんのわずかな時間で、死への門をくぐるもの、体の一部を失って捜し求めるもの、
発狂して幽鬼のように戦場をうろつくものが続出し、それは戦場を武勲を立てる場だと
考えていたルイズに、耳を塞ぎ、目を閉じてもなお嘔吐をもたらすほどの凄惨さを
叩きつけていた。
「ルイズ……」
 アンリエッタも、目を逸らしたいのを我慢して必死に自分の命令で死地に赴いた
人々を見つめる。カリーヌやアニエスは何も言わずに、唯一変わらないタバサを
例外にして、才人やキュルケですら、目の前に見せ付けられる現実には顔を
青ざめさせていた。
「なんなんだよこれは、こんなもの、まともじゃねえ」
以上です。>>308 支援ありがとうございました。
長らくお待たせしましたが、これが正真正銘アルビオン編最終決戦です。
しかし忘れかけてましたけど、ようやくとデルフの本領発揮できました。
この作中では才人はそこそこ実戦積んでるけどメイジとはほとんど戦って
なかったから、特性を使う必要なくってうっかり忘れてました。
最近は怪獣大戦争のテーマでテンションあげながら、
「未来に向かって脱出する。まだ見ぬ、未来に向かってな」
にならないように書いてますので、来週にはまた投下できると思います。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 20:06:16 ID:Tk3ViPBJ
レンズマンシリーズからパレイン人ナドレック召喚。

メンターに
「お前がその世界にいるのは必要かつ必然なのだ」
と言われたので、素直に使い魔に。

レコン・キスタを崩壊させ、アンドバリの指輪も奪回、ガリア現王体制も崩壊(タバサの母救助、並びに治療)させ、エルフとの仲も修復し、世界崩壊も防ぐ。

が、彼曰く、
「仕事としてはひどく不完全でぎこちないものでした」
「この件に関する報告は封印します」
「今回の作戦が洗練さを欠いたのはまことに残念で、ここに深くお詫びします」
と言い張るので、何をやったかはわからずじまい。
330名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 21:44:36 ID:W+nGdep1
はぁ。蒼い使い魔は、もう絶望なんかね?
331名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 21:57:36 ID:Sk+KqVvK
結局何割くらいがエターナるんだろうなぁ
一度数えようかと思ったことがあったが更新が遅いだけのと区別付かなくて諦めた
332名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:05:18 ID:PJFH6Tcq
痕の人とかジャンガの人も最近こないなぁ…
333名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:06:29 ID:2GS+goiT
そういうネガティブな話は荒れるかもしれないので毒吐きでお願いします……
334名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:06:40 ID:LzCNDatd
オレはユーゼスをただ待つ…
335名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:08:20 ID:cygnUZUU
いやユーゼスはペースが不安定だけど一応続いてるだろ……
336名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:12:15 ID:2GS+goiT
ごめん、>>333>>331宛ね。

>>330>>332は、ここで愚痴るより避難所の応援スレで応援したり、
感想スレで作品紹介や感想を書いたりして作者さんのモチベーションアップを狙ってみるのはどう?
ここと違って避難所ならすぐに流れないだろうから、目に入りやすいんじゃないかな。
337名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:14:01 ID:ghEMgbqU
魔を断つ剣は双子と息子がややスローペース
母上がかなり首を長くすることになりそうで
親父殿と獣が絶望的チック・・・

ここらで小ネタでもぶちこんでみようかしら
プレイした人間なら誰でも安易に考えてしまうであろう内容だが

ともあれ、各作者様方、今もみんな応援してますので頑張ってください
338名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:23:50 ID:ior6aOUi
絶望が、お前のゴールだ
339名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 22:57:43 ID:tPD3LXCC
ドラゴンボールの悟空が続いてくれてたので言う事はないな
いくらでも待てる
340名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 23:12:20 ID:loCQunZb
長いので再開するまでどれぐらい間隔が空いてたりするの?
341名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 23:13:15 ID:B/HWHOAH
1年越しで完結を迎えた作品があったような
342名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 23:31:14 ID:loCQunZb
年単位があるわけか
343名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 23:32:44 ID:K3DvNPAi
俺たちの支援はこれからだっ!
344名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 23:36:05 ID:dw4V5Iq0
一回時間空いちゃうと、余程のことがない限り書く気なくなるね
345名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 23:38:31 ID:cygnUZUU
確か何かのマンガで、

何かの拍子に時間が空く→何だか顔を出しづらくなる→出しづらくなってる内にもっと時間が経過→もっと出しづらくなる

ってネタがあったなぁ。
346名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/07(日) 23:53:09 ID:ojq7PVPx
勝手に改蔵の疎遠スパイラルか
347名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 00:06:31 ID:R5NVE+6E
348名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 00:35:36 ID:jY9PHsRC
○○の人待ってるという話題になった時一番つらいのは

名前が上がらなかったけどここを覗いてる作者
何か上で勝手に名前を使われていますが、本物でございます。
前回、予想以上に好評をいただいてモチベーションが上がり、
未定だった第2話を、予想以上に早く書き上げることができました。
応援していただき、まことにありがとうございます。

第1話よりかなり長くなりますが、他にいらっしゃらなければ
次から投下させていただきたいと思います。
プロローグ
「一体どうなっているんだ? 神戸」
 それが、部長室にやってきた尊の説明を聞いた中園照生参事官の第一声だった。
 中園はまったく要領を得なかったらしく、疑いというよりは否定的な目を尊に向けている。そして、それは中園の上司である内村も同様であった。
 ある程度は覚悟していたが、現実にこのような対応をされるのは鬱陶しいことこの上ない。尊はうんざりしていた。そんなこと、俺が聞きたいよ。
「まったく、どうなっているのか…私にも何がなんだかさっぱりわかりません」
尊の答えは、彼の今の正直な気持ちである。
「馬鹿者! そんなふざけた説明で納得できるとでも思っているのか!」
 とうとう堪忍袋の緒が切れた内村は手を机に叩きつけて立ち上がり、尊を怒鳴りつけた。
「刑事部長のおっしゃる通りだ! 何を隠しているんだ?」
中園がいつものように内村に同調した。
「どうせまた、我々に内緒で勝手に事件に首をつっこんでいるんだろうが。ええ?」
「いや、ですから本当のことなんです。何でしたら、角田課長にも聞いてみてください…」
「黙れ! 特命がっ!」
内村の怒鳴り声に弁明を遮られた尊は、首をすくめた。
「お前たち…俺をなめているな? よくわかった、いいだろう」
 内村は、鋭い光を帯びた目で尊を睨みつけ、高らかに宣言した。
「杉下が今日中に見つからない場合は、特命係は解散、お前たちはクビだ! 異論は一切認めん! わかったか!」
 尊は、右京の信じがたい消失、そしていきなりつきつけられた理不尽な制限時間つきの最後通告と急転していくこの現実が、
どうか悪い夢でありますようにと、今までにないほど真剣に神に願った。「苦しい時の神頼み」という諺の意味を、尊は骨身に染みて感じた。
 しかし、神は苦しい時にしか頼ってこない尊に救いを与えてやるほど慈悲深くはなかった。
 尊の選択肢は一つしかなかった。
「……わかりました」
 尊は、顔を上に向けて小さく息をつくと、内村の方を見すえて、命令を承諾した。
「以上だ! とっとと出て行け!」
「失礼します」
 尊は部長室の扉を閉めると、今度は大きなため息をついた。
「あの鏡、今の俺なら喜んで入るのにな…」
 鏡も、都合のいい尊の願いを叶えてやるほど甘くはなかった。
第二章
 春の使い魔召喚儀式を終えて教室に戻ってから、ルイズは憂鬱だった。
 教室でのクラスメイトたちの話題が、もっぱら自分の使い魔自慢だったからだ。
 クラスメイトたちの使い魔は、ネズミやカエルといった小動物からバシリスク、サラマンダーといった大きなモンスターまで様々いたが、自分の力で召喚しただけに愛着心は強いらしく、
ほとんどの生徒が教室に使い魔を連れてきていた。そして互いにこんな特技がある、ここがかわいいなどと言いあって、盛り上がっていた。
 話に加わっていないのは、使い魔を連れていないルイズとタバサだけであった。タバサは我関せずと言わんばかりに、分厚い本を読みふけっている。
 ルイズが使い魔を連れてこなかったのは、悪目立ちしたくないからであった。ただでさえ“ゼロのルイズ”などと呼ばれてうんざりしているというのに、
「あいつ」を連れてきたら何を言われるかわかったものではない。
 タバサのように自分の世界にのめりこめないルイズは、できるだけ周囲の話を耳に入れないように努めなければならなかった。
そのために、休憩時間ではいつも以上に念入りに授業の予習復習をやっていた。
 だが、そんなルイズを、彼女の不倶戴天の仇であるキュルケが見逃すはずはなかった。
 キュルケは、巨大な赤いトカゲのモンスター・サラマンダーを連れていた。その尻尾の
先端には、炎が赤々と燃えている。
「あ〜ら、ルイズゥ。年上の彼氏はどうしたのぉ? まさか、もう倦怠期?」
「あいつは彼氏じゃなくて、使い魔よ!」
「でも、ファーストキスだったんでしょ?」
「つ・か・い・ま・だって言ってるでしょ!」
 堪えきれずに、ルイズは叫んだ。キュルケはいやらしい笑みを浮かべながらルイズから離れていった。
 ルイズは、クラスの注目が自分に集まっていることに気づき、臍をかんだ。
 案の定、同級生たちが「そういえばルイズ、君は使い魔を連れていないのかい? 例の平民の」
「“ゼロのルイズ”が呼び出した、前代未聞の人間の使い魔、見せてくださいよー」などと、口々にからかってきた。
 キュルケとのやりとりで頭に血が上っていたルイズは、教室中に聞こえるような大声で言った。
「わたしはねぇ、あんたたちと違って、使い魔くらいでいちいち騒いだり自慢したりするほど子どもじゃないのよ!」
 教室が静まり返った。それを確認したルイズは、表向きは何事もなかったようにすまし顔で着席した。
 しかし、座ってから激しく後悔した。
 言うんじゃなかった…。あれじゃまるで負け惜しみじゃない。何でわたしが、ここまで悩まなくちゃならないのよ。
こうならないようにあいつを部屋においてきたのに、全然意味ないじゃない!
 ルイズは頬杖をついて、誰に言うでもなくぼやいた。
「何もかも全部、あいつのせいよ…」
 使い魔として召喚してしまった、妙に目聡く耳聡い、変な名前の紳士のことを、ルイズは思い浮かべた。
「ただいま……」
 夜になり、授業を終えたルイズは憂鬱な気分を抱えたまま、使い魔が待つ自室の扉を開けた。
 ルイズの部屋は、12畳ほどの広さで、窓を南向きとするなら、西側にベッドが置かれ、北側に扉があった。東側には大きなタンスが置いてある。部屋の中央にテーブルと、それを挟んで椅子が二つある。
「お帰りなさいませ、ミス・ヴァリエール」
 右京が、上品な笑顔で部屋の主を迎えた。部屋の中にいるのでコートとスーツの上着を脱いで、ネクタイとカッターシャツ、ボタン留のサスペンダーで吊ったズボンという格好になっていた。
ちなみにコートと上着は、皺ができないようにきっちりと壁にかけてあった。
 彼は窓のそばにいた。どうやら外を見ていたようだ。
「お疲れ様でした。どうぞ。紅茶をお淹れしましょう」
 右京は椅子を引いて、ルイズに座るよう勧める。
 テーブルの上には、ティーポットとカップが二つ、そしてビスケットの入った皿が置いてある。
 ルイズは、まったく予想していなかった出迎えに、扉を開けた姿勢のまま固まっていた。
「おや、どうされました? …ああ、僕としたことが!」
「へっ!? な、なに? どうしたの?」
「ミス・ヴァリエールは、コーヒーの方がよろしかったでしょうか?」
「え……ううん、紅茶でいいわ。というか、コーヒーは苦手だから…」
「そうですか、それならよかった。僕自身が紅茶を夜に飲まないと眠れないほど好きなものですから、ついコーヒーを失念してしまいました。さあ、どうぞ。お座り下さい」
 右京のそつのない応対と細やかな気配り、そして穏やかな笑顔に、さっきまでの憂鬱はすっかり吹き飛んでしまった。ルイズは勧められるまま椅子に座った。
「これ、誰かに用意してもらったの?」
 彼女は、目の前にあるポットとカップを見ながら尋ねた。もともと、自分の部屋にはなかったものだからである。
「いいえ。厨房に勤めておられる女中の方から道具と茶葉をいただいて、僕が淹れました」
「ふーん、そう…って、ええ!? 外に出たの!?」
 ルイズは思わず立ち上がった。
「ええ。しばらくはお部屋にあるアンティークの調度品を拝見していたのですが、あなたが非常に疲れておいでのようだったので、リラックスできるものがあった方が良いだろうと思いまして」
「あんた、わたしの言いつけを聞いてなかったの!?」
「万が一、僕より先にお帰りになったときのことを考えて留守にする旨のメモを残し、合鍵で施錠して厨房を探しに行きました。帰ってから念のためにお部屋を確認しましたが、なくなった物はありませんでした」
「そういう問題じゃなくて!」
「確かに、あなたからは部屋を出ないように言われていましたが、一度思い立ったら行動せずにいられないのが、僕の悪い癖で…申し訳ありません」
 右京は、かしこまって謝罪した。
 本来のルイズなら、言うことを聞かない使い魔には容赦なくお仕置きをしているところだが、右京のあくまで紳士的な態度を見せられると、その気持ちは削がれてしまった。
いちいち怒る自分が恥ずかしい、貴族としての器が小さいという気持ちにさせられるのだ。
 しかし、このまま右京のペースに乗せられてしまうのも気に入らない。
 しっかりしなさいルイズ! わたしはあいつの主人なのよ。お仕置きはしないにしても、ここで主人らしいところを見せつけておかないと。
 ルイズは、咳払いをして、腕を組んだ。偉そうに振舞おうとする様子は何とも言えず微笑ましい。
「…まぁ、あんたが使い魔として、主人のわたしに気を遣ってやってくれたことみたいだし、その気持ちに免じて、今回は不問に付してあげる。でも…」
 右京にビシッと指差した。
「忘れないで! あんたはわたしの使い魔なんだからね! 使い魔は主人の命令には絶対服従! わかった?」
「はい。お許しいただき、ありがとうございます」
 右京は、穏やかな微笑をたたえて、謝意を示した。
「うん…。そう、わかればいいのよ」
 そう言うと、ルイズは椅子に座り直した。右京の反応には肩すかしをくらったような気分になったが、無視した。
 右京はルイズのカップに紅茶を注いだ。ポットをかなり高い位置に引き上げてまた戻すという、独特なものであった。彼女の分を注ぎ終えると、自分のカップにも同じように注いでいく。
 ルイズは面食らった。自分が見てきた限りで、そんな注ぎ方をしている者は見たことがなかったからだ。
「それでは、冷めないうちにいただきましょう」
 右京も席に着くと、まず香りを楽しみ、それからじっくりと味を楽しむように飲んだ。その表情は、非常に満足そうだった。
 一方のルイズは、右京の独特の注ぎ方のために少し警戒心を抱いていたが、ご満悦の様子を見ておそるおそる口に運んだ。
「…! おいしい…」それが、嘘偽りない彼女の感想だった。
 これまで紅茶は何度も飲んできたが、その中でも1、2を争う美味しさではないか。
「やはりミルクティーにはアッサムですねえ。貴族のご令息やご息女が召し上がるだけあって、香り、味ともに非常に質の高い茶葉です」
「うん、そうねぇ…………はっ!」
 ルイズは、またも右京のペースに乗せられていることに気づいた。
354名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 00:58:01 ID:Cs1DNlSG
バベル面白かった支援
355名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:01:53 ID:Er/HYh7O
しえん
「さて、そろそろ本題に移ってよろしいでしょうか?」
 ティータイムが終わってから、気分がくつろいだルイズに右京が尋ねた。
「本題?」
「ここがどういう世界なのか、なぜ僕がここにいるのか、そして今後僕たちはどう行動するべきなのか…状況をまとめる必要があります」
「ああ…」
 思い出した。
 召喚儀式を終え、ルイズと右京は歩いて校舎へ帰っていた。
 彼女は授業に戻る前に、右京を自室においておくことにした。部屋に向かう道すがら、やたらと質問してくる右京に
「帰ってからきっちり説明してあげるから、おとなしく部屋で待ってなさい! 勝手に出たりしちゃだめよ!」と言い残してきたのだった。
「確かに言ってたわね。わかった。説明してあげる」
 そういうと、ルイズはすっくと立ち上がった。
 さっきまではこの使い魔に圧されていたが、今度はこちらが教える立場だ。それならば自然と主導権を取ることができる。そのためには最初が肝心だ。
できるだけ尊大に、貴族らしく名乗って身分の違い、あるべき主従関係をこの男に叩き込むことだ。
 ルイズは、気取った様子で高らかに名乗りを上げた。
「あんたはもう知ってるでしょうけど、最初に改めて自己紹介しておくわ。わたしはルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。トリステイン魔法学院の二年生で、今日からあんたのご主人様よ」
「ええ。よろしくお願いします、ミス・ヴァリエール」
 右京は、恭しく頭を下げた。
「……」
 ルイズは、再び肩すかしをくらったような気分になったが、やはり無視することにした。
 それから彼女は、今自分たちのいる場所が、ハルケギニア大陸のトリステイン王国内にあるトリステイン魔法学院であり、貴族の子女をメイジにするための公的教育機関であること、
そして自分が行った召喚呪文『サモン・サーヴァント』が原因で、右京が現れたことを説明した。
「なるほど…おそらく、あの鏡のようなものが『サモン・サーヴァント』で使い魔となる生き物を契約者のところへ送る、いわば転送装置だったのでしょうねえ。
そして、それにとびこんでしまったことによって、僕はミス・ヴァリエールの使い魔としてこのハルケギニアに召喚された…」
 右京はいつの間にか立ち上がり、手を後ろに組んで部屋をうろつきながらひとりごちた。
「なにブツブツ言ってるの?」
 なにやら考え込んでしまった右京に、ルイズが話しかける。
 彼はルイズの方に体を向けて、質問を続けた。
「『契約』を行う前に、『召喚した使い魔候補は、やむを得ぬ場合を除いては、変えることは許されない』『人間が使い魔として呼び出されるなんて今までなかった』とおっしゃっていましたが、使い魔として契約する生物は、呼び出す側が選ぶことはできないのですか?」
「選べないわ。『サモン・サーヴァント』は、自分の属性とメイジとしてのレベルに応じて、最も適した生き物が自動的に召喚されるの。
属性はメイジにとって重要だから、召喚された使い魔によって判断するわけ。だいたい選べるんだったら、あんたなんか召喚しないわよ! 
もっとカッコいい、ドラゴンとか、グリフォンとか、マンティコアとかの方がいいに決まってるじゃない!」
「では、使い魔は、全てこのハルケギニアとは違う世界の生き物なのでしょうか?」
「動物も幻獣も、召喚されるのはハルケギニアの生き物よ…っていうか、あんただってそうでしょ?」
 右京は、ここでいったん質問を止めて、考えをまとめた。
「つまり、僕がこの世界に召喚されるという事態は、あなた方にとっても本来ならば起こるはずのない、完全に偶発的な事故だった、というわけですねえ」
 そして、左手のルーンに目をやる。
「僕の左手に刻まれた、この『使い魔のルーン』が『珍しい』というのも、おそらくそこに理由があるのでしょう」
「ねぇ、さっきから何言ってるの?」
 真面目な状況把握の話だったはずが、だんだんおかしな方向に向かっているようにルイズは感じた。
「『この世界』とか『違う世界』とか、まるであんたがハルケギニアの人間じゃないって言ってるように聞こえるけど…冗談でしょ?」
冗談半分の軽い気持ちで、ルイズはそう言った。
 彼女は、右京がトリステインか、あるいは他国かはわからないが、とにかく魔法の存在すらも知らないような田舎から来たのだと考えていた。
 貴族への礼儀やマナー、教養を身につけていることから、どこかの貴族に仕えていたのではないかとも考えたが、それならば魔法を知らないというのは考えにくい。
 たとえ野蛮なゲルマニアの平民上がり――ゲルマニアにはメイジではない平民でも金があれば領地を買い取って貴族になることができる制度があり、
一方トリステインでは法律で平民の領地の購入は禁止されている。この違いにより、トリステイン貴族はゲルマニアを「野蛮」と蔑んでいるのである。もちろん、ルイズも例外ではない――であろうと身分的には貴族だから、
メイジである貴族との付き合いも当然あるはずだ。貴族社会に身を置いている以上は、魔法と無縁でいられることなど、まずありえない。
 そして、魔法をまったく知らないにもかかわらず、メイジの間でしか使われないルーンを右京はなぜか知っているようだった。
 いったい、彼はそれをどこで、どのように学んだのだろうか。ルイズの中で、右京の正体は謎を増すばかりであった。
 しかし、それにしても「別の世界の人間」は突飛な発想だろう。
 そもそも、ハルケギニアとは別の世界が存在するなどルイズは今まで聞いたことも、考えたこともなかった。だから、右京がそんなことを言い出すなんて、何かの冗談としか思えなかった。
 だが、右京は、あくまで真面目だった。
「いいえ。間違いありません。僕はハルケギニアの人間ではありません。地球の島国、日本の東京というところから来た、異世界の人間です」
 右京の両目は、ゆるぎない確信の光に満ちていた。
 ルイズは戸惑った。
チキュー? ニホン? トーキョー? 確かにどれも聞いたことのない地名だ。少なくともトリステインにはない。しかし、それで「異世界から来た」という主張を信じることもできない。
やっぱり冗談のつもりででたらめを言っているのではないか。
さもなくば、おかしくなって妄想を信じ込んでいるのではないか。
「本気で言ってるの? でも、そんなの信じられない…」
「確かに信じがたいことではありますが、これ以外に全てを矛盾なく説明できるものがない以上、たとえどれほど荒唐無稽なものであろうと、これが真実です」
 右京は、静かだが確信に満ちた声で、はっきりと断言した。
「僕は異世界にいるのではないか――中庭で先生や生徒の皆さんの、地球上で可能なトリックや仕掛けでは説明のつかない空中浮遊を見たときにその可能性を考えましたが、
夜になり窓の外を見たとき、僕はそれを確信しました」
「どういうこと?」
 右京は上を指差した。
「月です」
「月?」
 ルイズは首をかしげた。まさか、右京がいた世界とやらには月がないとでもいうのか。
「証拠をお見せしましょう」
 そういうと、右京は懐から小さな機械を取り出した。
「あ、それ…」
 ルイズは、右京が中庭でそれをいじっていたのを思い出した。
「これは、携帯電話というものです」
「ふーん。見たことないわね。それ、どういうマジックアイテム?」
「簡単に言えば、離れた場所にいる人と直接会話できる電話機を携帯可能にした通信端末です。僕がいた世界の科学技術によって開発された機械です」
 ルイズは思わず立ち上がった。その目は期待に輝いている。
「離れてる人と話せるの!? すごいじゃない! 何系統の魔法? ちょっとやってみせてよ!」
「残念ながら、今はその機能は使えません」
「何よそれ! 使えないアイテムなんか持っててどうするの?」
 ルイズはがっかりして、力なく座りなおした。
「僕がこれを出したのは、この中にある写真をお見せするためです」
「シャシン?」
「この携帯電話にはカメラ機能も搭載されていて、人物や風景を撮影し、撮影した画像をデジタルデータとして記録することで、いつでも閲覧することができるのですよ」
「えっと、つまり…気に入った風景を残して、好きなときに見られるってこと?」
「はい」
 ルイズは両手を合わせた。再び目を輝かせる。
「素敵! 二つのことができるマジックアイテムなんて! 何を見せてくれるの?」
 右京が携帯電話をいじった。そして、ある風景を撮影した写真をルイズに見せた。
「この写真を見ていただければ、僕がハルケギニアの人間ではないということがご理解いただけるでしょう」
 彼女は興味津々で画面に見入った。
「へぇ…あ、これあんたが写って……え? うそ、何これ……」
 ルイズが見ているのは、笑顔の右京がきれいな満月の見える夜空の下にいる写真だった。
 そこに写っているものに、彼女は絶句した。
「月が……一つ?」
「その写真は、一昨年の十五夜の日に、中秋の名月の下で撮影したものです」
 右京は失礼、と断って携帯電話を取り上げた。
 ルイズは、ショックのあまり動けなかった。
「そして…」
 右京は窓を開けると、身を乗り出して携帯電話を上に掲げた。
 パシャッ、というシャッター音が鳴った。写真を撮影したようだ。
 窓を閉め、携帯電話をルイズのところに持っていく。
 そして、今撮ったばかりの写真を彼女に見せた。
 それは、ルイズにとっては見慣れた、というより当たり前なので最近はあえて見上げることすらなかった、ハルケギニアの夜空だった。
 その光景は地球のものとは明らかに違っていた。
 ハルケギニアの月は、地球のそれと比べると、優に二倍はあろうかという大きさだった。
 そして、大きさ以上に、ハルケギニアと地球の月には決定的な違いがあった。
「このハルケギニアには、月が二つあります」
 そう、右京が指摘した通り、ハルケギニアには大きさの違う二つの月が隣り合って浮かんでいるのだ。大きいほうは青く、小さいほうは白く光っている。
「そんな…こんなのって…」
 ルイズは、目の前におなじみの二つの月の写真を見せられたことで、目に焼きついて離れない一つの月の写真との反論しようのない差異に、改めて大きな衝撃を受けた。
 頭が真っ白になって、言葉が出てこない。
「仮にどちらかを火星、あるいは金星と考えたとしても、地球ではこのような見え方はしません。未知の惑星とその衛星などというのは論外です」
 右京は、予想しうる反論を自ら提示し、否定していく。
「もう一つ考えられるとすれば、この二つの月が何らかの魔法によって人為的に作られた光景であるという可能性が考えられますが……ミス・ヴァリエール、そのような魔法に心当たりはありますか?」
「……ないわ」
 ルイズは、つぶやくように答えた。
「すなわち、この月が一つしか写っていない写真が、僕がハルケギニアとは別の世界からやってきたという、確たる証拠なのですよ」
 右京が携帯電話を操り、月が一つしかない写真が画面に表示された。
「大丈夫ですか、ミス・ヴァリエール。どうぞ」
 茫然自失とした様子のルイズを気遣い、右京は優しく声をかけた。そして、彼女のカップに紅茶を淹れ、飲むように勧めた。
 ルイズは出された紅茶を一気に飲み干すと、大きくため息をついた。ショックから抜けきったわけではないが、少しは気分が落ち着いたようだった。
「おわかりいただけましたでしょうか? ミス・ヴァリエール」
 右京が確認してきた。
「…正直、信じられないけど…こんな証拠を見せられたらね…」
 ルイズは、今の自分の正直な心境を吐露した。
「お察しします。僕も逆の立場だったならば、きっとあなたと同じことを思うでしょうからねえ」
 いや、それはないだろうとルイズは思った。
 この男なら、あの月が一つしかないシャシンを見せられても、何か思わぬところから、相手がぐうの音も出ないような反論を考えつくのではないだろうか。
 右京の全てを信用するわけではない。しかしルイズは少なくとも、この親子ほども歳の離れた男の驚異的な洞察力、記憶力、そして頭の回転の速さは認めざるをえないことを悟った。
 少しの静寂のあと。
「ミス・ヴァリエール」沈黙を破ったのは右京だった。
「なに?」
「僕を呼び出した魔法…『サモン・サーヴァント』でしたか。もう一度、その魔法を僕に使っていただけないでしょうか?」
 彼は、自分を呼び出した魔法ならば、再びその魔法にかかれば元の世界に帰れるかもしれないから、と提案理由を説明した。
 だが、ルイズは一瞬悩んだ顔になったあと、首を振った。
「無理よ。『サモン・サーヴァント』はあくまで呼び出すだけ。使い魔を元に戻せる呪文なんて存在しないのよ」
「一方通行、というわけですか」
「それに、今は唱えることもできないわ」
「『やむを得ぬ場合』ですね」
「そう。『サモン・サーヴァント』を再び使うには、召喚した使い魔が死ななきゃいけないの」
 やはり右京の記憶力と洞察力は恐ろしい。本当に何も知らないのか疑わしくなるほどに話が早く進んでいく。
 そんな相手に、死んでみる?と冗談めかして付け加える気には、さすがのルイズもなれなかった。
「では、ほかにこの世界と僕のいた世界とを繋ぐような魔法はご存知ありませんか?」
「ないわ。さっきも言ったけど、別の世界なんて聞いたことないし」
「そうですか…。そうなるとやはり、ここであなたの使い魔として仕えながら、自力で帰る方法を探すしかなさそうですねえ」
「そういうことね。わたしも不本意だけど」
 右京の言葉に、ルイズが同意した。
 大変な状況であることは変わりないものの、ともかくこれから二人がどうするべきかは決まった。
 こうなればあとは、細かいところを詰めていくだけである。
 口火を切ったのは、やはり右京だった。
「この世界における使い魔には、どのような役割が与えられるのでしょうか?」
 そうねぇ、と言って少し考えた後、ルイズは答えた。
「まず、使い魔には主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」
「それは、僕が見聞きしたものをあなたも共有できる、ということですか?」
「そうよ。でもあんたは無理みたいね。わたし、なんにも見えないもん」
「申し訳ありません。ほかには何が?」
「主人の望むものを見つけることよ。例えば秘薬とか」
「秘薬といいますと…錬金術におけるいわゆる不老不死の霊薬・エリクサーのようなものでしょうか?」
「不老不死って…。そういうのじゃなくて、特定の魔法を使うときに使用する触媒のこと。硫黄とか、コケとか…」
「なるほど」
 ルイズは頬杖をついた。諦めたように嘆息する。
「あんたに、そんなの見つけられないわよね…。秘薬の存在も知らないもんね…」
「そういったものでしたら、危険な場所でない限りはお役に立てると思いますよ。職業柄、探し物は得意ですからねえ。
もっとも、硫黄のような鉱物の場合は、採掘するための道具が当然必要になりますが」
「いい、いい。期待してないから……。で、これが一番重要なんだけど…」
「ほう。一番重要、ですか」
 右京が身を乗り出した。
「それは、主人を守ること。その能力で主人を敵から守るのが、使い魔の一番の役目なの」
「護衛ですね。そういったことなら、これも職業柄、武道や体術の心得がありますから自信はあります。人間相手なら…」
「じゃあ、大きな幻獣相手ならどう? 無理でしょ?」
「それはさすがに対処のしようがありませんねえ」
 右京は苦笑した。
「だから、あんたができそうなことをやらせてあげる。掃除、洗濯、その他雑用。あんたなら手際よくできるでしょ?」
 ルイズは、ティータイムにおける彼の完璧なふるまいを思い出して言った。
「気を遣っていただき、ありがとうございます。では、それらの合間に帰還方法を探すということでよろしいですね?」
「主人としてはだめ…というべきところだけど、あんたが帰ってくれればわたしも次の使い魔を召喚できるからね。
仕事をおろそかにしないなら許可してあげる。それに、『一度思い立ったら行動せずにいられない』んでしょ?」
 ルイズは、右京の真似をして、彼が言った言葉尻をそのまま返してやった。
 右京にイニシアチブを取られっぱなしだったが、ようやく一矢報いた気分で得意げな表情になる。
 右京は、そんなルイズの気持ちを知ってか知らずか、何か含みのありそうな笑顔を彼女に向けた。
「もういい? いろいろあって、眠くなってきちゃった…」
 ルイズは体を伸ばして、あくびをした。
「ああ、失礼」
 右京が、突然部屋の外に出た。
「ちょっと、どこ行くのよ!?」
「表で待っていますので、どうぞお着替え下さい」
 扉の向こうから右京の声が聞こえた。
 ルイズはしばし考えて、彼の意図に気づいた。
 ああ、着替えを見るわけにはいかないってわけね。まだ着替え始めてもいないっていうのに、ほんとに察しがいいわ。
 それにしても、使い魔のくせに一丁前に紳士気取りだなんて。まあいいけど。
 気にせず、ルイズは着替えることにした。
 ブラウスにスカート、ニーソックスから下着まで脱いで、最後に彼女には少し大きめのネグリジェを頭からかぶった。
「もういいわよ」
 外で待っている使い魔に声をかけた。
 音をさせないようにゆっくりと扉が開かれ、右京が入ってきた。
「それ、明日になったら洗濯しといてね」
 ルイズが下にあるものを指していった。彼女が脱いだ下着類だ。
「かしこまりました。水場はどちらに?」
「校舎から中庭に出るところに、井戸があるわ」
「そうですか。ありがとうございます」
「じゃあ、おやすみ…」
「あ! すみません。あと一つだけ」
 心にひっかかっていたことを思い出した右京が指を立てて、寝ようとするルイズに食い下がる。
「なによ…」
 これまでにないほど、一日にいろいろなことが起こったせいで精神的に疲れていたルイズは、うんざりしたような声をあげた。
「きわめて個人的な興味なのですが、同級生の方があなたのことを“ゼロのルイズ”と呼んでいましたね。どういう意味なのでしょうか?」
 ルイズは不愉快な顔になった。
「おやすみっ!」
 質問に答えることなく、ベッドの中に潜ってしまった。
 右京は「おやすみなさいませ」と小さく返事をすると、視線を下ろし、思案を巡らせた。
 “ゼロのルイズ”は、どうもルイズにとっては嫌な言葉のようだ。
 あだ名だとしたら、子どもの間でよくある、からかいをこめたあだ名なのだろう。
 では、“ゼロ”にはどういう意味がこめられているのか。何が“ゼロ”なのか。
 もしかしたら、違和感を覚えた『あのこと』と関係があるのだろうか……。
 と、そのとき、床に放っておかれた下着類が目に入った。
 ふと、ルイズが風呂に入っていないことに気づいたが、
すぐに、中世ヨーロッパでは“下着を替えること”が“身体を洗う”のと同じくらいの効果をもっていると考えられていたことを思い出した。
 ご主人様・ルイズと使い魔・右京の一日目はこうして過ぎていった。
362名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:18:50 ID:wWdwbZUo
終わりか? 支援が要るか?
以上で、第2話終了です。
例によって、第3話以降は全く未定ですが、少なくとも小ネタ化は
回避できました。重ねて御礼申し上げます。

なお、お話の量としては、原作1巻(フーケ破壊の杖強奪事件)までを書いて
右京さんを元の世界に帰してやりたいと考えております。
そのため、1巻に登場する人物のキャラが変わってしまう方がいるかもしれない
ということだけ、申し上げておきたいと思います。
もちろん、書き続けられればの話ですが(汗)
それでは、またお会いできることを願って。
おやすみなさいませ。
364名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:25:52 ID:R5NVE+6E
召喚されたキャラに影響されて性格が変わるってんなら分かるけど、
そうでもないのに作者の都合で変わるって良いの?
365名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:25:57 ID:Cs1DNlSG
おつおつ。
近頃の規制規制で人離れが進んで退屈気味だったから連載くるのはうれしいねぇ。
366名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:31:43 ID:eLWHa6vP
続いてくれたかー
これからが楽しみだのう
おつー
367名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:32:16 ID:9RFYVLgL
>>364
作者が明示してるだけましじゃろ?
無断で変えられたのだっていくらでもいるんだぜ?
368名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:33:44 ID:LSeIiVC3
プリニーを召喚したルイズとか、もはや原形をとどめてなかったな。

アレはあれでアリだと思ったが。
369名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:39:37 ID:R5NVE+6E
ってことは「アリ」ってことで良いのかな?
370名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:41:38 ID:LSeIiVC3
納得できる理由なり、その超設定を押し通せる勢いがあれば、基本なんでもおk。
自信がないのなら、無難に性格はそのままの方がいいとは思うけどね。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:45:27 ID:9RFYVLgL
>>368
なんか妙に切なかったアレか。
372名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:45:30 ID:R5NVE+6E
なんでもおk!?
……>>1にあるテンプレに書いてないけど、それ本当?
373名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:46:57 ID:o6M9IBdg
じゃあGTAのCJで書いてみるよ
まだやっていないみたいだしな
374名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:51:55 ID:LSeIiVC3
>>372
勢いであり得ない超設定を押し切った例
http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/1798.html

ちなみに、投下された当時非常に高評価だった。
このくらいまでなら前例ありだな。
375名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:54:45 ID:R5NVE+6E
>>374
タイトルだけでワクワクしたw
わざわざwikiから引っ張って来てくれてありがとう!
って小ネタじゃん、小ネタなら緩いのは知ってるよ。
376名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 01:57:22 ID:LSeIiVC3
377名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 02:00:10 ID:R5NVE+6E
>>376
ありがとう。
面白そうだから普通に読んでくるw
378名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 02:33:38 ID:hWbduVvK
相棒の人乙
一つだけ気になったんだが、ハルケにアッサムティーあるのかw
379名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 02:59:56 ID:2hJjl2cZ
>>370
>納得できる理由なり、その超設定を押し通せる勢いがあれば
こう言うの、物凄く難易度高いけどね。
それこそ、やれる物ならやってみろと言うレベルだし。
380名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 04:19:45 ID:oaI8LMC2
>>378
まぁ会話で使用する単語に突っ込んでたら故事由来の二字熟語だっておかしいことになっちゃうし、
ルーンの便利パワーがいい感じに翻訳してくれてるってことでよかろw
381名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 04:38:07 ID:Ns5n31oN
細けえこたあいいんだよ
382名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 05:10:02 ID:yIh4xuXp
多重作品のクロスも禁止されてないしねー。
実際に書いてた人もいる。
完結したのもある。

難易度高いので、みんななかなか書き出さないみたいだけど。
パワーバランスにしても、ゼロの魔王伝とかみたいな、スーパー菊地大戦みたいなシロモノが好評だったことを鑑みれば、実は決定的に重要というわけでもないわな。
つか、あれも続きこないなあ。
383名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 06:24:45 ID:G6lflLJS
>>243
「まかまか」と聞いて思い出したのが、よりによって摩訶摩訶…
花園の妖精さん召喚したら…大惨事だな、うん。
正体アレだし。
384名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 07:29:12 ID:uFRZnubL
オリジナル展開に突っ走った作品もいくつかあるし、
本当に基本的になんでもおkなんだよね、ここ。

ゼロ魔と、クロス先への愛があるなら。
385名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 08:53:24 ID:mtsZdPfG
勢いで押し切った作品といえばやっぱりご立派様だろう
386名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 09:37:52 ID:9dQaNmXr
個人的にいちばん衝撃的だったのはラスボスだった使い魔w
オリジナル版というか、初出版のユーゼスなんで色んな面で人間くささがあって
ネタにまでなった「それも私だ」なんていってたやつとは思えないくらいだ

名バイプレーヤーたるギーシュやおマチさんをどう扱うかでも変わってくる希ガス
かませになったり、善戦したり、泥仕合になったり、ギーシュ戦がクライマックスになったり
387ゼロの視線:2010/02/08(月) 11:27:38 ID:rGzZ5Yah
さてもさてもお久しぶりです皆様
随分とサボっていましたが冨樫のごとく復活いたしました
予定がなければ11:30より投下させてくださいませ
388ゼロの視線:2010/02/08(月) 11:30:36 ID:rGzZ5Yah
かっぽかっぽかっぽ

のどかなあぜ道を、少し大きめの馬車がいく。
後部座席に乗るはキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー、ギーシュ・ド・グラモン、タバサ
そして我等が(?)ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。

御者席に乗っているのはオールド・オスマンの秘書たるミス・ロングビルとルイズの使い魔たるゲンノスケと名乗る黒髪の男。
「だいたい、なんでアンタらがここにいるのよ!」
「あら、ヴァリエールの人間がフーケ討伐なんて面白そうなイベントに首ツッコむんですもの。
 これはもうツェルプストーの者としては豪快に失敗するありさまを特等席で見物しないわけにはいかないじゃない」
「つきあい」
「せ、先日の決闘騒ぎで随分男を下げてしまったのでね。ここはひとつ格好でもつけないと」
「あ、あんたらねぇ・・・・・・・・      ふああああぁ」
「「ふああああああぁ」」
「ねむい」
「夜道は危険、と朝方出立しましたからね。るいずどのも皆も一眠りされては如何かな」
「あー・そうね」
まだ目的地は遠いみたいだし」
(この眠気は異常・・・)
ギーシュはすでに高鼾だ。
危機感を覚えたタバサは周囲にディティクト・マジックを唱えるが反応はない。
(『スリープ・クラウドではない』)
ある意味安心する。
(あ、シルフィードを呼んでおくべきだったか      ・・・?・・・)
最後の意識で、忠実な使い魔に思いを馳せ、そして何かに引っかかりを感じながらもそのまま眠りに身を委ねていくタバサ。


「さて、後ろの者達は皆眠りにつきました。少々のことでは目を覚まされぬでしょう」
「す、凄いですね。それが魔法を使わぬ眠りの術ですか。しかし何故このような真似を?」
女として多少の身の危険を感じ、僅かに眩乃介から距離を置こうとするロングビル。
「多少差し障る会話を致したくて。さて、何ゆえこのような真似をされるのですか?」
「・・・・・・おっしゃる意味が分からないのですが」
「では聞こう。盗みだした『破壊の杖』とやらの隠し場所にこの子らを連れて行きどうしようというのだ?『土くれのふーけ』とやらよ」

「な、なにゆえわたしをフーケよばわりされるのです?全く身に覚えがないのですが」
「ふむ、どう言えばよいのか・・・・・・・『歩く』というのは案外不安定で危ないものでな」
「は?」
突然関係の無い話題を持ち出す眩乃介に戸惑うロングビル。
「片足を上げて前方に向かって倒れこみ、倒れきる前に上げた片足を前に突き出す。はっきり言ってしまえば『歩く』とはそのように危険な物なのじゃ
 故に体格、服装、装備、修練の癖などが歩き方に滲み出る。しかも御主らめいじの使うごーれむとやらは無意識にであろうな、術者と同じ歩き方をしてしまうのじゃ。
 先日のぎーしゅどのとの決闘の際確認した。
 足跡を見ればどのような生を歩んできた人間がどのような思いで歩んでおるのか大体分かる。
「・・・・・・・・」
「故に先日のふーけとやらのごーれむが、お主のものであるのは分かった。
 分からぬのはその目的よ」
「聞いてどうするんだい?」
蓮っ葉なしゃべり方になるロングビル。いやフーケと呼ぶべきか。
「聞いてから決める」


「起きられよるいずどの。間もなく目的地ぞ」
眩乃介の声に目を覚ますルイズ。
周りの三人も大あくびだ。
「あそこがフーケの隠れ家みたいです」
ロングビルの指差す先を見ると森の中、木々の切れ間に小さな屋根が見える。
389ゼロの視線:2010/02/08(月) 11:34:37 ID:rGzZ5Yah


一向は相談し始める。無謀に突っ込むのはげの下の下の下策。
とにかく、あの中にいるのなら奇襲が一番である。
タバサは周囲を軽く偵察してきたロングビルが地面に書いた簡単な地図を元に、自分の考えた作戦を披露する。
まず偵察兼おとりが小屋の様子を探り、中にフーケがいれば挑発して外に出す。
中にいてはゴーレムを作る土が使えないので、いやおう無しに飛び出てくるだろう。
飛び出たところを、魔法の集中砲火でしとめる。
と、そこまで決まったところで、周囲を見回すキュルケ。
「そういえばヴァリエールはどうしたの?」
きょとんとした一行に声がかかる。
「あったわよ、『破壊の杖』よこれきっと」
「アンタ・・・・・・空気読みなさいよちったぁ」

『破壊の杖』らしきものを抱えて得意満面でこちらに歩いてくるルイズ。
やれやれ、といった風情で彼女を見る一行の表情が凍りつく。
「どうしたのよツェルプストー。アタシが『破壊の杖』取り戻したのが悔しいの?」
「う・・・・・・う・・・・・」
「長良川の鵜飼い?」
「後ろ!志村後ろぉ!」
キュルケの絶叫に「誰が志村よ」とか言いながら振り向いたルイズが見たものは、漆黒のローブを纏った男(らしき者)
〈その杖を返せ、それは私のものだ!〉
妙にくぐもった男とも女とも判別しがたい声を響かせながらルイズにつかみ掛る『土くれのフーケ』(らしき者)
と、相手が飛びのいた地面に炎が弾け、投げナイフが数本突き立つ。
〈おのれ〉
その言葉とともに地面が盛り上がり、巨大なゴーレムが形を成していく。
「下がれるいずどの!」
「いやよ!あたしはこれまでさんざ馬鹿にされてきた!
 貴族に平民!果ては姉さまや母さままでもがあたしを侮蔑した目でみるのよ!
 ここでフーケを捕らえれば・・・・・・ケルベロスと称えられた王宮警備隊すらなし得なかった事を
 成し遂げればもう誰もあたしを馬鹿にしたりしない!」
それは血を吐かんばかりの絶叫。
それは愛情に飢えた子供の絶望。
その叫びに眩乃介は思い出す。かつて愛した、今も愛する女性のことを。
伊賀鍔隠れ衆頭領の血を引きながら術はもとより体術もふるわず、ただ血筋のみを評価されていた娘のことを。
390ゼロの視線:2010/02/08(月) 11:37:16 ID:rGzZ5Yah
「されば退け。ここはわしがぬしに勝利をもたらそうぞ」
「え?」
『破壊の杖』をもぎ取り自分を抱え飛びのく眩乃介を、きょとんと見つめるルイズ。
手にした『破壊の杖』の使い方が何故か理解できる事に驚く間もなく、『破壊の杖』いや、ろけっとらんちゃーなるものを眼前のゴーレムにむける眩乃介。
「食らえぃ!」
その掛け声とともに火の玉のような物が飛び、それは驚いた事に巨大なゴーレムの上半身を粉砕する。
〈くっ〉
見事な体術で地面に降り立つ『フーケ』(っぽい者)
「そこ!」〈がああああああ!〉
とっさにキュルケが放ったファイヤーボールが『フーケ』(みたいな輩)を直撃する。
炎に包まれた『フーケ』(決め付けよう)はしばらく地面をのた打ち回ると崩れ落ちていく。
「?」
「これは・・・・・・ゴーレム?」
「やられたわ。何時の間にやらゴーレムに摩り替わって逃げたのね」
即座に地面に耳をつける眩乃介。
「駄目じゃ。複数の足音がここより急速に離れていく。
 おそらくふーけの一味であろう」
「シルフィードで追う」
「東西南北四方へと散っておるでな。しるひーどどのでも捕らえる事適うまい」
「がっでむ!」
「意味は分からんが年頃の娘御がそのような口調するものではない」
「と、いうことは」
「フーケには逃げられちゃったってワケ?」
「任務はフーケを捕らえる事ではない。『破壊の杖』を取り戻すこと」
「つまりはるいずどの、おぬしはりっぱにお役目を果たした、ということよ。
 けるべろすとやらすら出来なかった事を、な」
「あ、あたし・・・・・・が?」
呆然とするルイズ。
「うむ、お主は自らの成した事を誇ってよいぞ」
そして何故だか汗だくのミス・ロングビルと合流した一行は学園へと帰還するのでした。 
391ゼロの視線:2010/02/08(月) 11:38:34 ID:rGzZ5Yah
はいここまでにございます。
機会あらば投下させて頂きますのでまたいずれ
392名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 17:26:20 ID:42EJ/9J2
乙でした。
>「誰が志村よ」
そうそう、志村じゃなくて神楽だよ。
>「がっでむ!」
うぉぉいっ!
 
またいつでも投下しにきてください。
 
あと、毒の爪の人、異世界BASARAの人、魔道書の人、世界最強コンビの人や、規制で投下できずにいる人とかもずっと待ってます。
393名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 21:12:05 ID:cBTN8zoj
視線超乙
まさかの復活に感動を禁じえません。
そしてギーシュ戦にそのような意味をもたせるとはいやはや・・・
いつでも続投お待ちしております。

それとゴーオンジャーの方、銀幕bangでは出番の少なかった三大臣様のご活躍を
なにとぞ、なにとぞ!
394名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 21:54:03 ID:Y2wlKlur
タイトルは失念したんだけど、「ドラッグ オン ドラグーン」からアンヘルとカイム召還したやつ、まとめwikiから消えてるっぽいんだけど、どうなったかわかる?
395名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 22:09:12 ID:GasHBpu2
 ウル魔はロマリア組の出番皆無に近いなあ。
ヴィンダールヴの能力でグドンだのゴモラだのの地底怪獣操って、
地底深くでも採掘できるから、ハイリスクで憎まれ役やらなきゃ
ならない聖地や4の4にこだわる理由があんまないのかも。
 才人も、ウルトラマンAとともに数々の怪獣や宇宙人と戦い抜いてきたが、
それらには平和を守るための使命と誇りがあり、戦う先にある平和を望むことが
できたのだが、目の前のものは、そうした『戦闘』ではなく、人間と人間が
身勝手な理由で無関係な人々を代わりに戦わせる最悪の愚行、『戦争』であった。
 『戦闘』と『戦争』は、似ているようでまったく違う。ウルトラマンと怪獣、侵略者の
戦いには、平和を守る使命、破壊本能、支配欲、生存のためと両者ともに、
もしくは片方だけでもそれぞれちゃんと理由をもっているし、レッドキングと
チャンドラーの縄張り争いにさえ、きちんとした戦う理由があり、そのために自ら血を
流しているから、そこには戦う者の美しさがある。
 ただし、そこに『国』という枠が入ると戦いはその質を大きく変える。
 意思と意思のぶつかり合いであった『戦闘』は『戦争』へと変わり、この戦いでも
一部の忠誠心あふれた貴族を除いては、ほとんどの者が徴兵され、扇動されて
戦っているので、ひとたび心が折れれば、そこには醜悪な本能の露呈しか残らず、
筆舌しがたい苦悶と絶望の場となる。まさに、人間の生み出す中でこれほどの
愚行はほかにない。そんな中で、わずかな慰めがあるとすれば、ウェールズや
アンリエッタがそうしたことを理解しており、自らの身を敵の囮として、戦いを
ほんのわずかでも早く終わらせるように勤めていることだろう。
 そのわずかな一端にルイズたちは触れ、一刻もはやく終わってほしいと心から願った。
 
 しかし、ルイズたちが良心から人々の苦悶に必死に耐えている間にも、
絶望と悲嘆の声を望むものは、さらなる混沌の種をこの戦場にばらまいた。
それは、戦闘開始から一時間ほど後に、両軍の戦闘が硬直状態になったときであった。
「っ? 地震か!?」
 突然城の床が大きく揺れ動いたかと思うと、次いで慌てて駆け込んできた伝令の
兵士によってもたらされた報告が、戦場が最初の変化を遂げたことを告げた。
「ほ、報告します! 突然一階に所属不明のメイジが侵入してきて暴れております。
現在近衛師団が応戦していますが、どうやらスクウェアクラスらしく、こちらのメイジや
兵では太刀打ちできません。至急応援を願います」
「なに!? レコン・キスタにまだそんな戦力があったのか。まさか、レキシントンは囮で、
その隙に我らを襲うのが狙いか」
 ウェールズは想定外の事態に驚いたが、ルイズたちはすでにその相手について
想像がついていた。
「ワルドか……」
 遠見の魔法で確認して、間違いがないことがわかると、奴に手傷を負わされた
ミシェルや、形だけとはいえ婚約者であったルイズの顔に憎憎しげな色が浮かんだ。
アンリエッタや仮面の下のカリーヌも、表情は変えないが心境は同じようなものだ。
「また性懲りもなくやってきたのね。けど、あいつは昨日『烈風』に瀕死の重傷を
負わされたんじゃあ?」
「ヤプールなら、人間の体を一晩で治すなんて簡単だろうぜ。にしても、あの野郎、
ひどいことしてやがる!」
 超獣を次々と作り出し、かつては死者を蘇らせることまでやってのけたヤプール
にとって、人間の命などはとるに足りないものなのに違いない。
 ワルドは、無差別にあらゆる魔法を撃って、食い止めようとしている兵士たちを
蹴散らすだけではなく、抵抗できない者には風を、逃げ出そうとする者には雷を与えて、
死と破壊を振りまいている。むろん、王党派のメイジも食い止めようとしているようだが、
スクウェアクラスの魔力をさらに増大させているワルドには歯が立たない。しかも
その力は、己の欲のために悪魔に魂を売った結果で、裏切り者、卑怯者、あらゆる
悪罵を投げつけてなお余りある。
「ほんの少しでも、あいつに気を許していた自分が腹立たしいわ」
「ああ、見れば見るほどムカつく顔してやがる。だが、よほどワルドの体が
気に入ったんだな。もしかしたら、今ならワルドの体のまま倒すことができる
かもしれない」
 ウルトラマンとて、同化した人間や、人間に変身した状態で殺されたら
ひとたまりもない以上、ワルドの体のままでなら人間の力でも倒せるかもしれない。
才人の言葉でそれを確信したルイズは、すぐに杖を上げていた。
「わたしが行きます!」
「ルイズ!?」
「今、動ける余裕のある戦力はわたしたちしかいません。それに、あいつだけは
わたしのこの手で引導を渡してやらねば気がすみません!」
 幼い頃から優しくしてくれたのは、いずれ利用するためだったと知ったときに、
ルイズのワルドに対する感情は、すべて黒く塗り替えられていた。怒りと悲しみが
渦巻いて、今にも爆発しそうなほどに膨れ上がっていく。しかしそれを聞いて、
アンリエッタは確かに予備戦力として残しておいたが、あの『烈風』でさえ
てこずった相手に本当にぶつけていいのかと、この場になって急に迷いが生じた。
「しかし、相手はただでさえスクウェアメイジ、あなたの力では」
 本来ならアンリエッタはカリーヌに出てもらおうと思ったのだが、残念ながら
昨日の戦いでカリーヌの精神力は空になってしまっていて、一晩の休養では
回復しきれず、並のトライアングルメイジ程度の力にまで落ち込んでしまっていた。
もっとも、使い魔とともに戦えばまた別だが、城の中でラルゲユウスを
暴れさせるわけにはいかない。
 いや、それ以前に、アンリエッタはルイズたちを予備兵力にしたのは冷静に
判断した結果だと自分では思っていたが、ひょっとしたらルイズに目の前で
死なれたくはないというわがままを、無意識にしてしまったのではないかと
湧き上がってきた焦燥感の中で、自己嫌悪に陥りかけていた。しかし、アンリエッタの
意思とは裏腹に、ルイズはまぎれもなくカリーヌの娘であった。
「戦いはメイジのクラスだけで決まるものではありません。わたしには、
わたしにしかない武器、たとえワルドとともに自爆してでも主人のためにつくす、
最強の使い魔がついていますわ!」
「ちょっと待て、それっておれのことか?」
 怒りのボルテージを上げて首根っこを掴んでくるルイズが、なにやら非常に
ぶっそうなことを言っているのに、才人はだめもとでツッコミを入れてみたが、
返ってきたのはやはりの答えだった。
「命をかけて主人を守るのが使い魔の仕事でしょ。あたしがあのバカに
一発入れるまで、何が何でもわたしを死守しなさい。なんのためにあんたを
食べさせてると思ってるの?」
「それを言われるとなーんも言えんなあ」
 自爆しても復活できるのはタロウとメビウスだけだぞと思いつつも、
才人はルイズの性格上、受けた恨みは必ず晴らすとわかっているので、
あきらめも早く、背中のデルフに合図をして、かくなる上はルイズを守って
あのいけすかない中年をぶっ飛ばすかと覚悟を決めた。
「というわけで姫さま、ちょっと行ってぶっとばしてまいります」
「で、ですけれど!?」
「心配いりませんわよ姫さま。わたしたちも行きますから」
 そういつもどおりの口調で割って入ったキュルケとタバサに、ルイズは
今回は意外な顔はしなかったが、ワルドとの因縁は自分の問題だと首を振った。
「あんたたちには関係ないわ、ここで姫さまたちを守っていて」
 するとキュルケは軽くため息をつくと、呆れたように言った。
「はーあ。あんた、たった二人であいつに勝てるつもり? それに、関係に
ついて言うんだったら、あたしもあいつには、ダンケルク号でいらない苦労を
させられた恨みもあるしね。あ、それとも、デートの邪魔されるのはいやだった?」
「なっ、こ、こんなときに何言い出すのよ!」
 そう言われてしまっては、来るなと言えるわけもなかったが、ルイズはいつの間にか
キュルケもタバサも隣にいるのが当たり前にものを考えるようになっていた自分に
気づいて、別の意味で赤面した。けれど、キュルケはそんなルイズの気負いなどは
気づいていないと言わんばかりに、彼女の肩を叩いた。
「それにルイズ、ここでアルビオンやトリステインが万一レコン・キスタの手に
落ちるようなことがあれば、次はゲルマニアやガリアが戦場になることを
忘れたの? わたしたちの働きに、世界の命運がかかっているのなら、
こんな燃えることはないわ。それに、なんにせよ乗り込んだ船を途中で
見捨てるのは心苦しいしね」
 キュルケに合わせてタバサもうなずき、話は決まると、一行はアンリエッタと
ウェールズの護衛をアニエスたちに任せて、階下への階段を駆け下りて行った。
「ご武運を……いえ、始祖ブリミルよ。どうかあの人たちをお守りください」
 大勢の人々に、自分の命令で殺し合いをさせているのに、親友の無事を
祈るのは偽善かもしれないと思いつつも、アンリエッタは心から願った。
『烈風』やアニエスは何も言わずに、彼らと共に戦えないことをふがいなく
思っているミシェルとともに若者たちを見送り、窓外には、被害を受けながらも
まだ戦う六万強の兵と、その上にはレコン・キスタの怨念が宿ったように
砲撃を続けるレキシントンの姿があった。
 
 そのころ、すでにこの城に侵入したワルドは一階、二階の防衛線を突破して、
アンリエッタたちのいる四階へと続く、三階の大ホールに到達し、そこで必死の
防衛線を引く兵士たちを、まるで人体をむしばむウィルスのように圧倒しながら
進んでいたが、そこへやってきた桃色の髪の少女を先頭にした一団が、一錠の薬となった。
「そこまでよ! それ以上の暴虐はわたしたちが許さないわ」
「ほう、また来たな、愚かな人間どもよ!」
 ワルドの前に立ちふさがったルイズたちにワルドの発した第一声は、そこに
いるのがもはやワルドではなく、ワルドの形をした何者かであることを確信させた。
「久しぶりねワルドさま、わたしのことを覚えていらっしゃるかしら?」
「なに……いや、この男の記憶に反応があるな。ルイズ・フランソワーズ、この男の
婚約者か。ふふふ、また会ったね、僕のルイズ、とでも言っておこうか?」
 ルイズの眉に、あからさまに不快な震えが走った。
「あいにくと、婚約は正式に破棄しました。本日まいりましたのは、今日までの
負債を利子つきでお返しするためですわ」
「ほお、だがこの男の記憶では、お前の力はいまだ目覚めてはいないのだろう。
そんな不完全な力で、勝てると思っているのか?」
 そのとき、悠然と余裕を示すワルドの言葉が、怒りと不快感に満ちていた
ルイズの心に一筋の理性の光を差し込ませた。
「目覚めては……? どういうことよ」
「ふふふ、どうやらこの男は貴様を利用して、かなり大それたことを考えていた
らしいな。大方、ともに世界を手に入れようなどとでも言って、そそのかす
つもりだったのだろうが、愚かなことだ」
「わたしの力で、世界を……?」
 困惑が、ルイズの心臓に下手なダンスを躍らせた。目覚めていない力? 
世界を手に入れる? 初歩のコモンマジックすら使えずに『ゼロ』の忌み名
しかない自分に、ワルドはいったい何をさせるつもりだったのだ? ただの
妄想、あるいはワルドに乗り移ったものの口からでまかせか? しかし、
それほどまでしてほしいものがあったから、ワルドは十年以上に渡って
念入りにヴァリエール家に取り入ってきたのではないか? いったい、
自分にはなにがあるというのだ?
「落ち着けルイズ、あいつの口車に乗せられるんじゃねえよ」
「はっ!?」
 自分を見失いかけたルイズを現実に引き戻したのは、またしても才人の、
自分にとって唯一間違いなく存在する頼もしい使い魔の声であった。
「こんな奴の言うことなんか気にすんな。なんのためにここに来たのか
忘れたのかよ? お前はおれが守るから、あの中年に一発くれてやれ」
「そうね、わたしとしたことがうっかりしてたわ。わたしのやるべきことは……」
 すっと、まっすぐに杖の先をワルドに向けると、奴はさらに愉快そうに笑った。
「いいのか? この人間の体を壊せば、貴様の力の秘密はわからなく
なるかもしれんぞ?」
「わたしを見くびらないでほしいわね。自分のことは自分でなんとかするわ。
それに、お前はもう人間じゃない!」
 杖を振るい、ワルドの至近に『錬金』の失敗で爆発を起こさせたのをゴングに、
キュルケとタバサが左右に展開して、ルイズはワルドの正面から、才人に
守られながら戦いが始まった。
「いくわよタバサ!」
 左右からワルドを挟みこみ、息の合った二人のファイヤーボールと
ウェンディ・アイシクルが同時に襲い掛かる。
「こざかしい!」
 しかしワルドは『エア・シールド』でそれを無効にすると、高笑いしながら
ルイズと才人に向かって『ライトニング・クラウド』を放ってきた。
「死ねぃ!」
 雷撃は、至近の床を掘り返しながら一直線に二人に向かい、二人の
すぐそばの柱で爆発して二メイルばかり吹き飛ばした。
「って、おいそれ反則だろ!」
 才人は石や氷とかの類だったらはじきとばす自信はあったが、さすがに
雷を跳ね返すのは無理だった。しかし、さっきのかっこいい台詞はどこへやらで、
「や、やっぱりやめときゃよかったかな!?」
 と、うろたえた才人に手の中のデルフリンガーが叫ぶように語り掛けた。
「心配すんな相棒、おれをあいつの魔法に向けろ!」
「なにっ!?」
「説明してる時間はねえ! また来るぞ!」
「っ! ええい、ちくしょう!」
 また襲ってくるライトニング・クラウドの雷を前に、避ければルイズに直撃する
状態で、才人はせめて避雷針になればとデルフリンガーを前に突き出した。
すると、それまで赤錆が浮いていて一〇〇エキューで叩き売られていた
デルフリンガーの刀身が輝きだし、なんと雷撃を引き寄せるようにして全部
吸い込んでしまったではないか。
「わっはっはっはぁ! どうだ、見たか相棒! これがおれっちの能力よ。
いやあ、ずいぶん長く使ってなかったから完璧に忘れてたわ。それに、
見てみろこの俺さまの美しい姿をよ」
「お前、こいつは!?」
 才人とルイズは、輝きが収まった後のデルフを見て二度びっくりした。
赤さびた二束三文の安物はそこにはなく、今にも油がしたたってきそうな
見事な波紋を浮かべた、白銀の長刀が輝いていたのだ。
「これがおれっちの本当の姿さ。もう何百年前になるか、あんまりおもしれえことも
ないし、ろくな使い手も現れねえんで飽き飽きして、自分で姿を変えてたんだった」
「てめえ! そういう重要なことをなんでさっさと言わねえんだよ」
「だぁーから、忘れてたって言ったろ。俺はお前らと違って寿命がねえからな。
何百年も思い出さなきゃ、そりゃ忘れるさ」
「だからって、そんなすごい機能あるって知ってたら、これまでにも別な作戦の
立てようもあったのによお」
「いや、それについてはほんと悪かったわ。だが、けちな魔法なら俺さまが
みーんな吸い込んでやるから安心して戦え」
「んったく! 後で覚えてろよお前!」
 自分の剣と口げんかしていたアホな時間のうちにも、才人はさらに撃ちかけ
られてきた『エア・ニードル』や『ウィンド・ブレイク』をデルフリンガーで吸収、
あるいははじき返した。とにかく、なんでそんな機能があるのかとか聞きたい
ことは山ほどあるが、今はバルンガみたいなその能力を役立たせてもらおう。
「どうだワルド、お前の攻撃は通用しないぞ」
「ちょこざいな、手加減してやっていれば調子に乗りおって」
 挑発に乗ったワルドは魔法の威力を上げて才人を攻め立てるが、デルフは
つばを激しく鳴らして大笑いしながら、それさえも飲み込んでいく。
「マジですげえなデルフ。よぉし、みんな、一気にいこうぜ!」
「わかったわ!」
 勝機が見えたなら一気にたたみかけるしかない。正面から才人と彼に
守られたルイズ、両側面からキュルケとタバサが同時攻撃をかける。
「こざかしいわ!」
 しかしワルドも自らの周りに空気の防壁を張って守りを固め、さらにその
内側から攻撃をかけてくる。これではデルフリンガーでもやすやすとは突破
することができない。
「さすが、スクウェアクラスは伊達じゃないわね」
「それだけの力、正義のために使ってくれればな」
 一旦引いて態勢を立て直したルイズたちは、あらためて容易ならざる相手
だということに気合を入れなおした。しかし、彼らは知らないことではあったが、
ワルドの魔法のなかでもっとも恐れるべきものである『偏在』だけは、先の
カリーヌ戦のときとは違ってワルドの精神を何者かが完全に乗っ取っているため、
分身体にまでは影響をおよぼすことができないためにコントロールすることができず、
パワーアップしているとはいえ一人だけを相手にすればいいのは非常な幸運といえたのだ。
 トライアングルクラスの炎と雪風、伝説の使い魔の攻防かねそろった剣技、
そして失敗魔法と揶揄されながらも、逆に誰一人真似できない攻撃力を
持つ爆発が、邪悪な風に立ち向かう。
 
 だが、四人の攻撃によって劣勢に近い状態に追い込まれながらも、ワルドの
顔から人を馬鹿にした笑みが失われることがなかった意味を、誰も気づくことは
できなかった。そこに、恐るべき企みが秘められているとも知らずに。
 
 それから十数分、さらに数十分。
 戦闘はワルドとのもの以外にも遠慮なく進行し、王党派軍とレコン・キスタ
艦隊は激しく砲火を散らし、地上の迎撃部隊にも少なからぬ被害を出したが、
レキシントンの護衛についていた護衛艦は全て撃沈し、ただ一隻だけ残り、
他の戦艦とは段違いの耐久力を見せる旗艦レキシントンも、数百門あった
砲門の半数を破壊され、いまや軍隊蟻に取り付かれた猛虎のように、
巨体をもてあましながら、王党派の竜騎士や、対空砲火、遠距離攻撃の
魔法などを受け続けていた。
「敵旗艦はすでに中破、もうこちらにたどり着く余裕はないでしょう。撃沈は、
時間の問題と思われます」
 報告を持ってきた兵士の朗報にも、アンリエッタやウェールズは快哉を
あげたりはしなかった。戦術的に見れば、いかな大型戦艦とはいっても
七万の大軍には勝てないのは最初からわかっていたことだ。
 あの、威容を誇った巨大戦艦も、やはり一隻では圧倒的多数を覆すことは
不可能で、落城寸前の城郭のように全身から炎を吹き上げて、それでも
残った砲門で散発的に攻撃を仕掛けてきているが、それも最後の悪あがきに
近く、もうどんなことをしても逆転は不可能であろう。
 だが、すでに勝負の見えた戦いはともかく、アンリエッタはなおもワルドを
相手に戦いを続けるルイズたちの安否を思う心が、重く強くのしかかっていた。
「やっぱり、ワルドは強かったのね。わたしは、あなたたちを行かせるべきでは
なかったのかもしれない。けれど……」
 義務と私情のはざまで若いアンリエッタは揺れ、この城の中で、今でも足元に
伝わってくる振動に知らされて、遠見の鏡の中で激しく魔法の火花を散らせて、
若い命を危険にさらしている四対一の激闘を見守った。
「ルイズ、頑張って……」
 せめて、無事を祈るだけはと、その小さな声は、アンリエッタの口の中だけで
つぶやかれ、隣にいたウェールズにも聞こえることはなかった。
 だが、古ぼけた城に染み付いた苔のような薄暗い柱の陰から、まるで
地の底から響いてくるような、低く小さいのに、直接頭の中に共鳴する
暗く陰鬱な声が、その場にいた全員の耳に届いてきた。
 
「ふふふ……ずいぶんな偽善ですな、姫様?」
 
「!? 誰だ!」
 とっさに振り向き、剣を、杖を向けた護衛と王族の視線の先には、
誰もいない部屋の隅の暗がりがあった。しかし、その陽光を嫌うような
湿った影の中から、影よりも濃い黒い服とマントをまとい、同じく漆黒の
帽子で顔の半分を隠した老人が、染み出るように歩みだしてきたのだ。
「ほう。一番重要、ですか」
 右京が身を乗り出した。
「それは、主人を守ること。その能力で主人を敵から守るのが、使い魔の一番の役目なの」
「護衛ですね。そういったことなら、これも職業柄、武道や体術の心得がありますから自信はあります。人間相手なら…」
「じゃあ、大きな幻獣相手ならどう? 無理でしょ?」
「それはさすがに対処のしようがありませんねえ」
 右京は苦笑した。
「だから、あんたができそうなことをやらせてあげる。掃除、洗濯、その他雑用。あんたなら手際よくできるでしょ?」
 ルイズは、ティータイムにおける彼の完璧なふるまいを思い出して言った。
「気を遣っていただき、ありがとうございます。では、それらの合間に帰還方法を探すということでよろしいですね?」
「主人としてはだめ…というべきところだけど、あんたが帰ってくれればわたしも次の使い魔を召喚できるからね。
仕事をおろそかにしないなら許可してあげる。それに、『一度思い立ったら行動せずにいられない』んでしょ?」
 ルイズは、右京の真似をして、彼が言った言葉尻をそのまま返してやった。
 右京にイニシアチブを取られっぱなしだったが、ようやく一矢報いた気分で得意げな表情になる。
 右京は、そんなルイズの気持ちを知ってか知らずか、何か含みのありそうな笑顔を彼女に向けた。
「もういい? いろいろあって、眠くなってきちゃった…」
 ルイズは体を伸ばして、あくびをした。
「ああ、失礼」
 右京が、突然部屋の外に出た。
「ちょっと、どこ行くのよ!?」
「表で待っていますので、どうぞお着替え下さい」
 扉の向こうから右京の声が聞こえた。
 ルイズはしばし考えて、彼の意図に気づいた。
 ああ、着替えを見るわけにはいかないってわけね。まだ着替え始めてもいないっていうのに、ほんとに察しがいいわ。
 それにしても、使い魔のくせに一丁前に紳士気取りだなんて。まあいいけど。
 気にせず、ルイズは着替えることにした。
 ブラウスにスカート、ニーソックスから下着まで脱いで、最後に彼女には少し大きめのネグリジェを頭からかぶった。
「もういいわよ」
 外で待っている使い魔に声をかけた。
 音をさせないようにゆっくりと扉が開かれ、右京が入ってきた。
「それ、明日になったら洗濯しといてね」
 ルイズが下にあるものを指していった。彼女が脱いだ下着類だ。
「かしこまりました。水場はどちらに?」
「校舎から中庭に出るところに、井戸があるわ」
「そうですか。ありがとうございます」
「じゃあ、おやすみ…」
「あ! すみません。あと一つだけ」
 心にひっかかっていたことを思い出した右京が指を立てて、寝ようとするルイズに食い下がる。
「なによ…」
 これまでにないほど、一日にいろいろなことが起こったせいで精神的に疲れていたルイズは、うんざりしたような声をあげた。
「きわめて個人的な興味なのですが、同級生の方があなたのことを“ゼロのルイズ”と呼んでいましたね。どういう意味なのでしょうか?」
 ルイズは不愉快な顔になった。
「おやすみっ!」
 質問に答えることなく、ベッドの中に潜ってしまった。
 右京は「おやすみなさいませ」と小さく返事をすると、視線を下ろし、思案を巡らせた。
 “ゼロのルイズ”は、どうもルイズにとっては嫌な言葉のようだ。
 あだ名だとしたら、子どもの間でよくある、からかいをこめたあだ名なのだろう。
 では、“ゼロ”にはどういう意味がこめられているのか。何が“ゼロ”なのか。
 もしかしたら、違和感を覚えた『あのこと』と関係があるのだろうか……。
 と、そのとき、床に放っておかれた下着類が目に入った。
 ふと、ルイズが風呂に入っていないことに気づいたが、
すぐに、中世ヨーロッパでは“下着を替えること”が“身体を洗う”のと同じくらいの効果をもっていると考えられていたことを思い出した。
 ご主人様・ルイズと使い魔・右京の一日目はこうして過ぎていった。
以上で、第27話終了です。
例によって、第30話以降は全く未定ですが、少なくとも小ネタ化は
回避できました。重ねて御礼申し上げます。

なお、お話の量としては、原作1巻(フーケ破壊の杖強奪事件)までを書いて
右京さんを元の世界に帰してやりたいと考えております。
そのため、14巻に登場する人物のキャラが変わってしまう方がいるかもしれない
ということだけ、申し上げておきたいと思います。
もちろん、書き続けられればの話ですが(汗)
それでは、またお会いできることを願って。
おやすみなさいませ。
404名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 22:18:17 ID:q51KNFxL
うぜえ荒らしだなあ
自分の格を下げてる事自覚しろよ
405名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 22:18:41 ID:Mw0ObavB
>>394
お探しのものか分からないけど、同じ組み合わせでキュルケが召喚した作品なら撤退して自サイトで続き書いているらしい。
俺も読みたいんだけど見つけられなかったので、そのうち考えるのをやめた。
406名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 22:18:48 ID:DCUDF9k2
支援はまにあわなんだ。
乙でした。
407名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 22:19:41 ID:Mw0ObavB
>>404
荒らしに格も糞も無い、男は黙ってスルーだ!
408名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 22:24:07 ID:h5gBcxXt
>404
多分名前の方も、そっちの作者さん貶める為のだろしな。気にしないのが一番だろ。
409名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 22:34:40 ID:Y2wlKlur
>>405
あー、それそれ。ありがとう。しかし、自サイトかよ・・。今ググってみたけど、見つからんね。
410名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 23:03:29 ID:eNrMVTqO
>>364
別にいいんじゃね?
ワルドなんかいじられまくりだし。
411虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:26:19 ID:dGbaoq2U
予約無さそうなので、23:30前後に投下します。
412虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:30:49 ID:dGbaoq2U
level-21 「帰還」


 眠る、アルビオンから脱出した後、タバサの使い魔のシルフィードに乗ってトリステインに戻ってきた。
 最後ギーシュのモグラが掘った穴から出てきたのが、タバサと似た長い髪を持つ見知らぬ女だったり。
 それがシルフィードで、風隕竜だったりと驚きもあったが無事に帰ってこれた。
 手紙を確保し、ウェールズ皇太子殿下も連れてくる事が出来た。
 間違いなく任務は大成功だと言って良いと思う、姫様が皇太子殿下を見た時とても驚いて、泣きながら抱きついてたし。
 でも、大成功に導いた人物は、私の使い魔は今だ『アルビオン』に居る。

 すぐに帰ってくるのか分からない、でも起きて待ち続けることは出来ない。
 だから眠り、そうして見る夢は地獄だった。





 瞬時に明確になる意識、眠りから覚めたときには起こらない急激な覚醒。
 瞼を開けば、異常が広がっていた。

『……え?』

 全く見知らぬ場所、正面のみと言う制限された視界の中でも、ここは知らない場所だと言うのが分かる。

『は? え、なに?』

 強いて言えば鉄の箱、透明な蓋で締め閉じられた鋼鉄の箱の中で横たわっていた。

『ちょ、なに? どこよここ!?』

 透明な蓋を隔てて向こう側に見える景色は異質だった、灰色の金属っぽい壁が見える。
 どうしてこんな知らない場所に居るのか、どうしてこんな鉄の箱に入れられているのか。
 困惑の極み、自分の部屋で寝ていたはずなのに!
 瞼を開いて目だけしか動かせない、体の自由が一切聞かない。
 恐怖さえ湧いてくる状況に、ルイズはただ戦戦恐恐として何の手も打てないまま時間が過ぎる。

 何分経ったか、もしかしたら数十秒かも知れないし数時間と言う時間が経ったかも知れない。
 時折透明の蓋の向こう側に見える、見たことがない服を来た人間が走りまわっており。
 それを視界に収めるたび、ルイズは何かされるんじゃないかと怖がる。
 何度かそれを繰り返した後、ようやく変化が訪れた。
 内と外に白い煙を吐き出しながら透明な蓋が上へと開き始める。

『いやっ! 一体何なのよ!?』

 ただの白い煙、中と外の激しい温度差によって生じた白い煙に見える水蒸気を見て半ば錯乱状態に陥る。
 逃げ出そうとしようが体は動かず、恐れながら何が起こるのかただ見ているだけしか出来ない。
 そうして突如視界が動き出す、視界の端々に見える物をルイズは見落として、勝手に自分の体が動いていることにさらなる恐怖を抱える。
 鉄の箱から抜け出して、何か鉄の柱っぽいものを触っていた男がこちらを見ていた。
 その男を視界を外し、左手に視線を落とす。

『……え?』

 それは見た事がある手だった、勿論自分の手とは違う。
 緑色の金属で覆われた手の甲、指先まで全て覆い尽くす黒い手袋なようなもの。
 手の甲を裏返し手のひら、一度握って開く。

『うそ、なんで』

 自分の手ではない、この色、この鎧、これは何度も見た事がある自分の使い魔の手ではないのか。
413虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:31:47 ID:dGbaoq2U
「早く出ましょう、こちらへ!」

 そんな考えを乱すように、先程鉄の柱っぽい物を触れていた、黄色が大部分を占める衣服を着た男が聞いた事が無い言葉で話し走り出す。
 その言葉に頷いたのだろう視界が僅かに揺れ、男の後を追いかける。
 壁しか無い部屋の隅へと走り出し、少しだけくぼんだ壁の前に立てば、小さく赤い光が緑色へと変化して壁が勝手に横へと動いて開いた。

 ここは部屋で、あれは扉で前に立てば勝手に開く魔法の扉だ。

 勿論実際には違うが、科学を知らないルイズからしてみれば一番それがしっくり来る説明だろう。
 そんな魔法の扉を潜って、少々薄暗い廊下へと出る。
 先を走る男に付いて行く自分、いや、自分の使い魔であるチーフが走り追いかけている。

『……これは、夢?』

 指一本自分の意志では動かせず勝手に動く体、これは自分の体ではなくチーフの体だからか。

『……そう、これは夢よ!』

 勿論こんな、全く知らない夢を鮮明に見ている理由など分からないが、無理やり付ける理由も見当たらないのでただの夢だと決めつける。
 心の均衡と言うか、学べ理解出来る事ではないものを分かろうと言うのは中々に難しいこと。
 だったら何も考えずただ見れば良い、この夢が妄想の産物であったとしても、僅かにしか語っていないチーフの事が分かるかもしれないのだからと。
 そう考えて後悔する、ルイズの使い魔たるマスターチーフが何であるのか、しっかりと理解していたなら後悔をせずにすんだかも知れない。
 考えていた思考を切り替え、夢をしっかり見ようと視界を上げれば爆発が起きた。

『ひっ!?』

 自分が起こす失敗魔法ではない爆発、自分が起こす失敗魔法の爆発は自分を傷つけないと漠然とした考えがある物とは違う。
 視界を焼くような赤と橙の閃光とともに、衝撃が体を揺らす。
 廊下を先行して走っていた、チーフを案内していたんだろう男が、爆発で吹き飛ばされる扉と一緒に吹き飛ばされる。
 反射的に吹き飛ばされた男を受け止め、状態を確かめるが。

『……なにこれ』

 自分の、チーフの腕の中で息絶えた男の亡骸があった。
 扉の前でチーフに呼び掛けようとした男は、爆発によって破壊された扉の破片を一身に受け、治癒の魔法でも治せない怪我を負って絶命していた。
 後頭部から背中全体、腕や足にも破片が突き刺さっており、物によっては体を貫通している破片まであった。

『……っ、なによこれっ!!』

 腕の中でゴロリと首が動き、力無い男の瞳と視線が交差する。
 そんな、人の死体など生まれてきてから一度も無いルイズが、何の感情も浮かべぬわけがない。

『いや、イヤッ!?』

 今すぐ手放したい、投げ捨てたい衝動に狩られるも自分の意志で動かせない体。
 ならば見るだけでも止めようとするも、視界は動かず瞼を半分開けたまま死んでいる男の顔へと固定されている。

『イヤ、イヤ、イヤッ! 止めてよ!!』

 強制的に見させる状態に強い嫌悪感と吐き気を覚え、何とか視界を逸らそうとしても変わらず見つめさせられる。
 錯乱するルイズなどお構いなし、ただチーフは男の死体を降ろして寝かせ、右手を男の顔へと被せた。
 そうして額から顎まで右手が動き、右手で隠されていた男の顔が顕になった時は、男の瞼は完全に閉じられていた。
 瞳を閉じさせてからすぐチーフは立ち上がり、隣の通路へと行けるパイプを乗り越える。
 隣の通路へと抜け出て向かおうとしていた同じ方向へと駆け出し、途中通路の壁が爆発して火が吹き上がるが無視して駆け抜ける。
 近づけば勝手に開く扉を二つほど潜り、左へと曲がる通路を見てば、先程死んでしまった男と似た服を着た男たちが手に持つ何かを光らせていた。

『………』

 次々と進んで行く光景に、中々付いていけずに呆然と見るルイズ。
 男たちが持って大きな音と強い光を出す、見たことあるそれを思い出す。
414虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:32:49 ID:dGbaoq2U
『……銃、チーフが持ってた銃……よね』

 人の死を忘れようと、いつか見たチーフが持っていた武器を思い出す。
 視界の中で右から左へと撃つ男たち、対するようにその左側から飛んでくるのは青白い光の玉。

「ッがあ!! た、助けてくれ!!」
「っ!」

 青白い光の玉が橙色の服を着た男の腕に当たり、一瞬で当たった箇所を焼き尽くして炭へと変化させる。
 血も何も出ない、ただ残る炭化した腕を押さえ蹲る男。
 動かないのは致命的だった、男の腕を炭化させた青白い光の玉が踞った男の顔に当たって一瞬で絶命させる。
 悲鳴も出ない、炭化した顔、頭を仰け反らして倒れ伏してピクリとも動かなくなる。

「エイリアンのクソッタレめ!」

 何か叫びながら後退していく男たち。
 一目で死んでいることが分かっているのか、顔を炭化させた男に構わず後退しながら銃を撃つ。

【ahhhh!】

 夢を見始めてまだ一分位しか経っていないのに、見た事も無い人の死体を見せつけられる。
 そんな光景を前に呆然としたルイズを叩き起こす、聞いた事が無い雄叫びが上がった。
 殺した事に対しての雄叫びか、人間には出せない声が通路の先の左側から聞こえてきた。

【ab*nlunN+Wnj!!】

 呆然とするルイズとは裏腹に、迅速に動くチーフ。
 男たちが後退していった右の通路へと素早く駆け出し、背後から飛んでくる青白い光の玉を無視して駆ける。

【nmk,s_*+,/\;go,ma!】

 当たり前に気が付く背後の存在、言葉にならない言葉を吐きながら青白い光の玉を飛ばしてくる。
 その通路の先、反対側でも戦闘が起こり、青白い光の玉が飛んでくる。
 奥で起こる戦闘、黄色の衣服を着た男が青白い光の玉で穿たれ、一瞬で死に至る。
 そしてその男を殺したであろう存在が、奥の曲がり角から姿を表した。

『ッ!?』

 声にもならない悲鳴、それは光沢のある青い鎧を付けた化け物。
 肌の色も人のものと違い、暗い灰色をしている。
 頭も違う、前に伸びるかのように太く長い首の先には顔、猫背のような姿勢にギョロリと丸い瞳を動かして見る。
 口の部分、顎が細長く四つに割れてそれぞれに生える鋭い歯を覗かせる。
 腕もおかしい、二の腕や前腕は変わらないが手の指が少ない。
 人間は五本指であるのに、化け物は四本の指しか無い。

 そうなれば足も人とは違う、くの字である人の足と比べて関節が一つ多い。
 膝の下、脛あたりから更に関節が有り、膝とは逆方向に伸びて足の指らしきものがない、まるで馬の蹄を大きくしたような足先。
 そして体格、2メイルを超えるチーフより大きかった。
 見様によっては細く見える化け物、だがその動きは淀みなくしなやかに体を動かして、応戦していた人間の男を数メイルも殴り飛ばしていた。

 ハルケギニアの亜人とは違う、人形の化け物。
 それがどこか分からない場所で人間と戦い、知らない言葉で話す人間を殺して行っている。
 殴り飛ばされ倒れ込んだ男へ向かって、左手に持つ青い光沢と緑色の光を放つ何かから青白い光の玉を撃ち出し、浴びせかけて男を殺した。

【/;lm,fb[m∂oMm:pi34!!】

 そうして視線が合う、背中に何度も撃ち込まれて死んだ男に興味など無く、通路を走るルイズ、チーフに手に持つ何か、おそらく銃を向けて青白い光の玉を撃ち出した。
415虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:33:54 ID:dGbaoq2U
 







「ッ!?」

 そうして起きる、青白い光が視界を埋め尽くして目覚めた。
 荒い息遣いのルイズ、体が震えていることに気が付き、自分を抱きしめる。

「……何なのよ」

 訳が分からない、眠って気が付けば見知らぬ場所で、気が付けばチーフの視点を見ていて、気が付けば人が死んでいる、気が付けば見た事が無い亜人が居た。
 こんな事があるのだろうか、知らない事を夢で見るなんてあるのだろうか。
 理解出来ない事に大きく息を吐き、はっきりと思い出せる人の死と人形の化け物を忘れようと頭を振る。

「……まだかな」

 学院に帰ってきてから三日が経つ、チーフたちが何時帰ってくるか分からない。
 ここに帰ってこないと言う選択肢はない、無事でいてと言う問いにしっかりと答えたんだから。
 だから待つ、待つしか無いのだと言い聞かせて、部屋の窓へと寄って開ける。
 とうの昔に日が落ちた夜空、明るく輝く双月と満天の星空を見上げる。
 早く帰ってこないかなと、夜空に向かって始祖ブリミルに祈りを捧げる。

「……始祖ブリミルよ、私の使い魔が無事に帰ってきますように」

 指を組んで膝を床に付ける。
 瞼を閉じて、祈りの詞を告げて窓の外から聞こえてくる唸るような音に耳を傾ける。

「……そうそう、こんな音出して走って……」

 呟いてハッして立ち上がる、窓枠に手を掛け乗り出すように外を見た。
 学院の正門、夜も遅いために閉じられている門と、その先に続く道の向こうから二つ一対の光が学院に向かってきていた。
 それを見て慌てて駆け出す、押し飛ばすようにドアを開けて廊下に飛び出し、全力でバタバタと廊下を駆けて階段に躍り出る。
 数十段の段差を下って一階まで降り切り、寮から飛び出す。
 途中何度もこけそうになりながら正門へと急ぎ、門の向こう側で止まるワートホグを見る。

 チーフ! そう叫ぼうとしていきなり目の前に降りてきた人物に遮られた。
 その人物はフライにて飛んできたタバサだった。
 ワートホグが出す音にタバサも気が付き、私と違って魔法を使って降りてきたんだろう。

「何よ、タバサ!」
「その格好は良くない」
「は? その格好……?」
「……寝間着」
「……ッ!!」

 タバサに言われてようやく気付く。
 今現在のルイズの格好は寝間着、半透明の体が透けて見える物だけを着ていた。
 寝間着の他に付けているのは下の下着だけ、つまりはよく見れば見えるのだ。
 帰ってきたと喜び、急ぎ来たのだから自分の格好を忘れていた。

「あ、う……でも……」
「気を付けるべき」

 タバサはそう言いつつ自分のマントを外し、ルイズへと差し出す。
416虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:35:19 ID:dGbaoq2U
「あ、ありがと……」

 小声でぶつぶつが聞こえているのかいないのか、タバサは何事も無く正門へと歩き出す。
 ルイズもマントを羽織って体を隠し、正門へと駆け出す。

「彼は彼女の使い魔、通して問題無い」

 正門の内側、学院敷地内から聞こえてきた声に数名の衛兵が振り返る。

「しかしですな、貴族様。 日が上がるまで開けてはならないと規則が……」

 そう言われても衛兵からしてみれば、不用意に門を開けることが出来ないと伝えるが。

「オールド・オスマンの許可はある、問題は無い」
「早く開けなさい!」

 お構いなしにさっさと開けろと催促、ルイズも続く上に学院長であるオスマンの許可があると言うなら開けなければならないだろう。
 だがもしこれが問題になったとき、責任が振りかかるのは門番の衛兵たち。
 オールド・オスマンの許可があるからルイズやタバサが開けてくれと言っても、衛兵たちは開けることが出来ない。
 直々にオールド・オスマンが来れば話は別だが、現状貴族である二人の命令には従えない平民の衛兵たちだった。

「申し訳ありませんが、それは出来かねます。 直々の命令ならば開けますが……」
「なら確認を取れば良い、貴方達はそうするべき」

 タバサの言葉が信じられないなら、直接聞いて確認を取るべきだろう。

「……分かりました、確認をとってまいりますのでしばらくお待ちを」

 衛兵たちが顔を見合わせた後、一人の衛兵が駆け出していった。
 それから十分ほどして、衛兵が戻ってきた。

「……只今開けますので、しばらくお待ちを」

 許可が得られたのだろう、内と外から衛兵が数人掛かりで門を押し引き始める。
 大きな門であるから、かなりの重量を持っているためにゆっくりとしか開かないが。

「………」

 チーフが手を貸し、動かせば数秒と経たずワートホグが通れるほどに門が開く。

「ワートホグを停めてくる、先に部屋へ戻っていた方が良い」
「……うん」

 重低音を鳴らして、それに驚き仰け反る衛兵たち。
 学院内にワートホグを進め入れ、門を先程と同じように軽く閉める。
 再度停めていたワートホグに乗り込んで、いつもの倉庫へとワートホグを走らせる。
 軍用車のワートホグ、この世界では間違いなくオーバーテクノロジーの塊。
 魔法の錬金では作り上げられないチタニウム合金を基礎とし、熱可塑性プラスチックのポリカーボネートや配線周りのカーボンナノチューブなど。
 元より存在しないタイヤのゴムや動力であるエンジンなど含めれば、希少物質を大量に使用して作り上げられた戦車と見えるかも知れない。
 動かし方やガソリンの調達などの問題もあるために早々使えないだろうが、珍しい物としてコレクションに加えようとする好事家も居るだろう。

 倉庫から女子寮へ、昇降口から階層を上がり、500キログラムの重量で廊下を軋ませながら歩む。
 そうしてルイズの部屋の前で止まり、右手で軽くノックをする。

「開いてるわよ」

 ドアノブを掴み、回して開く。
 中では当たり前にルイズがいて、椅子に座ってチーフの帰りを待っていた。
 同じように、タバサもチーフの帰りを待ちルイズの部屋にいた。
417虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:36:12 ID:dGbaoq2U
「手紙を預かってきた」

 ルイズがなにかもじもじしていたが、気にせず要件を口にする。
 腰のナップサックに手を回して、中から手紙を二通取り出してルイズへと手渡した。

「……これは」

 室内のランプと月明かりを頼りにして、手紙の封に押された封蝋を見てルイズは呟く。
 封蝋として押された紋章はユニコーンと水晶の杖が組み合わされたもの、この紋章を使うことが出来るのは王女であるアンリエッタのみ。
 故にこの手紙はアンリエッタ姫殿下からの物だと分かる、そしてもう一通の手紙の封蝋も見た事がある紋章だった。

「こっちはワルドさまの……」

 ラ・ヴァリエールと領地が隣り合った、ワルド家の紋章だった。
 つまりこっちの手紙はワルド子爵からの手紙。

「これもだ」

 ナップサックとは違う、ルイズの両手の上に乗りきらないの袋をチーフは差し出してくる。

「……なにこれ?」
「姫殿下から渡された」

 テーブルの上に置いて、袋の中身を確かめる。

「……宝石に、金貨?」

 袋の中にはずっしりと、様々な宝石やエキュー金貨が入っていた。
 宝石を換金すればかなりの金額になるだろう、金貨は金貨で結構な枚数が入っている。

「たぶん報酬」
「……そういう事」

 一言タバサ、あの危なかった任務の報酬と言うことだろう。
 これだけ貰うのは逆に気が引ける、報酬を得るためにアルビオンへと行ったわけではないのだが。
 そう考えても口には出さない、自分には必要ないとしっかりと断ったのだから貰うものでもない。
 ルイズはとりあえず報酬の袋から視線を外し、手紙へと移す。
 封を解いて中の手紙を取り出し、読み始める。

 タバサはルイズの後ろに回らないよう、手紙が見えぬよう移動した。

「………」

 読み始めてから数分、姫殿下からの手紙を読み終えたのか閉じて、もう一通の手紙を手に取る。

「……姫様の手紙、チーフにありがとうって。 あとこの宝石や金貨は隙に使っていいって」
「……ああ、ルイズが使えば良い」
「貰えないわよ、私は何も出来なかったんだし」

 属性は虚無である、と言われても今だ魔法が使えないのは事実。
 礼拝堂で襲われた時も、ただ見てるしか出来なかったのだろう。
 子爵からの手紙を開き、取り出して読み始める。

「……チーフ」

 今度は一分も経たずに読み終え、チーフに向かって手紙を差し出す。

「……ルイズ」

 だが受け取らず、手紙からルイズへと視線を移す。
418虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:37:04 ID:dGbaoq2U
「なに?」
「済まないが、文字は読めない」
「……ああ!」

 またルイズもこちらを見て、思い出したように声を上げる。
 チーフはこの世界の言葉を読み解く事が出来ない、だが言葉はなぜか地球のとある言語に非常に似通っており、翻訳機を通せば98パーセント程も通じる。
 これも異常だろう、地球人類とは全く異なる星の生物が、地球にある言語と非常に似通った言葉を話す。
 勿論この星に地球人類が移住した訳ではない、UNSCの植民地でも無い惑星だ。
 可能性としては天文学的な確率、あり得ないと言って全く問題無いレベルの確率。

 無論袂を分かった地球人類、と言う話は無いだろう。
 確かに反乱軍なども存在したが、この世界にそう言った科学技術で作り上げられた機械などは見当たらない。
 例え地球人類が移住してきても、ショウ・フジカワ超光速エンジン、スリップスペースワープ用エンジンを搭載したコロニーシップを使わないと植民地化は難しい。
 コロニーシップを奪われたと言う話も聞いた事はない、また植民地化して移民したと言う話も上がってはいない。

 地球人類、宗教的軍事連合コヴナントに属する種族、そしてはるか昔に超文明として栄えたフォアランナー。
 その三種とも違うだろう第四の文明を持つ異星人、魔法と言う科学では再現出来ないであろう技術を持ち得る種族。
 地球人類が何らかの方法でこの惑星にたどり着き、言葉を伝え広めたと言った方がまだ信ぴょう性が湧く。
 そうでないならばこの惑星で発生した文明の言語は、究極的な偶然によって成り立ったのかも知れない。

「じゃあ読むわね」
「頼む」

 喉を手で押さえ、何度か小さく咳をしたルイズが手紙を読み始める。

『本当なら直接伝えたかったのだけれど、姫殿下や皇太子殿下の護衛があるので抜け出せなかった。
 だから手紙で伝える事にする。


 君の使い魔、マスターチーフのおかげで目標を達することが出来たことを感謝する。
 彼が居なければ僕は皇太子殿下を手に掛けていただろうし、目標を達することが出来なかったかも知れない。
 考えうる最善を実現し、君と姫殿下と皇太子殿下と青い髪の少女を、そして僕までも救ってくれた事に感謝の念が堪えない。
 この手紙を渡す前に彼には何度も感謝の言葉を送ったのだが、もう一度文面でも送らさせて欲しい。
 ルイズ、彼を僕に付けることを認めてくれてありがとう。
 そしてマスターチーフ、僕を信じてくれてありがとう。

 これは良い、いくら言っても尽きない気持ちだからね。
 伝えたい事はまだある、ラ・ロシェールへの街道で僕が君に言った言葉を覚えているかい?
 僕の父とラ・ヴァリエール公爵様が酒の席で戯れで決めた婚約の話だ、これは君の好きなようにして貰って良い。
 婚約通り僕と結婚するか、所詮酒の席の話だから僕と結婚する必要はないと、どちらを選んでくれても構わない。
 ルイズの選んだ事を尊重するよ、結婚するもしないも君次第だ。
 もしかすると、学院で好きな男でも出来たかも知れないからね。

 この二つが伝えたかった事だ、もうひとつ大事な話があるけどこれは二枚目の方で確認してくれ。

 それと二枚目を読む前に確認して欲しい、読む時はルイズとマスターチーフ以外の目や耳に届かないようにして欲しい。
 読み終えて覚えたなら、二枚目の手紙は燃やすなりして誰に目にも触れぬよう処分して欲しい。
 内容は君とマスターチーフに関係する事だと思うから書き記すことにする』

「一枚目はこれで終わり」

 そう言ってルイズは手紙を閉じる。
 それを機にタバサは立ち上がり、呪文を唱えながら杖をゆっくりと振る。
 杖先から光が灯り、室内を満遍なく灯す。
 その後もう一度杖を振れば周囲の音が消える、ディテクト・マジックで魔法による監視が無いか確かめ、サイレントの魔法を使って周囲に音が伝わらないようにした。
419虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:38:11 ID:dGbaoq2U
「終わったら教えて」

 タバサはそのまま部屋から出て行く、気を利かせてのだろう。
 それを確認して、次は窓を締め切る。
 室内はランプの明かりだけで灯され、少々薄暗い手紙の文字が読める程度の明るさ。

「……それじゃあ読むわね」

 何度か深呼吸するルイズ、手紙を開いて読み始めた。

『周囲の目や耳は外したかい? しっかりと確かめてから読んで欲しい。
 それじゃあ二人に伝えたい内容を記す、この事は姫殿下や枢機卿にも話ていない、僕だけしか知らないことだから他言はしないで欲しい。
 まずこの事を知るには僕の過去を話さなければならない、ルイズは憶えていないだろう僕の母に関してだ。
 僕の母は生前『アカデミー』の主席研究員だった』

「……姉さまと同じ、アカデミーの研究員、それも主席?」

 確かルイズの姉妹に姉二人が居たはず、どちらかが今言った通りアカデミーとやらの研究員なのだろう。

「……続けるわ」

『アカデミーに所属している時はハルケギニアの歴史と地学の研究を行っていたよ。
 だがある日を境に母はアカデミーを止めて、屋敷に閉じこもってしまったんだ。
 正確に言うと止めざるを得なかった、その理由は母が心を病んでしまったからなんだ。
 数カ月に渡り屋敷に引き篭もり、最後は階段から落ちて、それが元で死んでしまった。
420虚無と最後の希望 ◆Twi2c6nqJ. :2010/02/08(月) 23:44:44 ID:dGbaoq2U
 アカデミーで歴史と地学を研究していて、ある日突然母は心を病んでしまった。
 屋敷に閉じこもってからは頻りにある言葉を呟いていたよ、当時の僕はそんな母が嫌でたまらなかったんだ。
 屋敷の中をふらふらと彷徨きながら、頻りに僕の名前と始祖ブリミルに祈る言葉ばかり。
 心の傷は水の魔法で治せはしない、元の母に戻って欲しいと願っていたけれど僕にはどうにも出来なかった。
 そんな母を父は彷徨かないよう奥の部屋に閉じ込め、出てこれないようにしたんだ。
 それから母を閉じ込めでてこれないようにして数カ月、僕の十二歳の誕生日のパーティーを開く事になって。

 そんな日に母がどうやってか奥の部屋から出てきたんだ。
 母が心を病んだことは招待した客はみな知っていたけれど、いざそれを目に晒すのは外聞の恥になる。
 それを理解していた僕は母を奥の部屋に連れ戻そうとしたんだ、上も書いた通り当時の僕はそんな母が嫌でたまらなかった。
 だからだろうね、奥の部屋に連れ戻すために階段を登っていた時、突然抱きついてきた母を僕は突き飛ばしてしまったんだ。
 母は階段から転げ落ちたよ、そして派手に転げ強かに叩きつけられて首の骨が折れてしまった。
 対外的には事故と言うことになっているが本当は違う、僕が殺してしまったんだ。

 今でも夢に見るほど覚えているよ、母の首が折れて死んでしまった姿を。
 亡くして気が付いたんだ、その時の僕は母を嫌って居たんじゃなくて愛していたってね。
 ただ子供だったんだ、その位の歳の僕は母の愛情が煩わしく感じてたんだろうね。
 愛していた母を僕が殺してしまった、そのことで心が一杯になって僕までおかしくなりそうだったよ。
 気が付けば母を殺した事を忘れようと魔法の修行に明け暮れていた、そんな事をしたって忘れられるはずが無いのに。

 それから八年間、修行ばかりして一端のメイジとして自信がつき始めた頃だった。
 母のことを振り切りたかった僕は、生前母が使っていた部屋を片付けていたんだ。
 そこで僕は母の日記帳を見つけた、それを見て僕は涙を流したよ。
 書き始めた頃は僕の事ばかり書いてあってね、僕が産まれたことに感動していたりどういう事をしたのか一喜一憂に書いてあったよ。
 悔やんでも悔やみきれない、この事を知っていればあの時母を突き飛ばさずもっと別の、マシな行動を取っていただろう。

 そんな事を考えながら母の日記帳を読み進んでいるうちに、母が心を病んでしまった原因を見つけた。
 日記帳には『許しがたい大きな罪と秘密を知ってしまった』、と書かれていた。
 その日以降の日記帳にはその罪と秘密を恐れる内容になっていた、始祖ブリミルと神に懺悔する事ばかりしか書かれなくなっていた。
 母が恐れた大きな罪と秘密はどんな物なのか書かれていなかったけど、それが母の心を病む原因になったことだけは分かる。

 本来ならば今すぐに領地を国に返上して、サハラへ旅立ち、母が恐れた大きな罪と秘密を暴くことが母への償いとなるだろう。
 そうするべきだと僕自身も分かっている、だけど今だ区切りを付けれず乗り越えることが出来ないんだ。
 だから僕は今だ魔法衛士隊に居座り、国のためと言いつつあのような事を仕出かした。
 虚無に選ばれた君が、エルフが支配する聖地をいずれ君が取り返す時に乗じようとしている小さな男だ。
 罵り蔑んで貰っても構わない、そうなっても仕方ない存在なのだから。

 ルイズに懺悔をしてしまったが、気を悪くしないで欲しい。
 いずれ近いうちに打ち明け、母を殺してしまった事への罰を受けるつもりで居るよ。
 その時までに聖地がエルフに占拠されたままであったなら、罰を受け終えてから旅立つことにする。
421名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/08(月) 23:46:59 ID:tf0o+CUX
しえん
422虚無と最後の希望 代理:2010/02/08(月) 23:53:46 ID:ICM2N4Vy
 
 この事はもう良いか、大事なのは母が呟いていた言葉だ。

 『始祖ブリミルよ、我々は大きな間違いを起こし許されないことをしてしまったのです。
  大いなる神よ、我々は与えられた力を過信し、大いなる神から与えられた使命を擲ってしまったのです。
  おお、始祖ブリミルよ、偉大なる神よ、我々をお許しください』。

 そういつも呟いていた、もう一つは僕の名前を呼びながら。
 『聖地を目指し、始祖と大いなる神に慈悲を求めなさい。 それが我々を救う鍵となるのです』と言っていた。
 虚無を授けた神と虚無を扱った始祖に慈悲を求めよと言っていたから、恐らく虚無を扱える君と関係があるのかも知れない。
 慈悲を求め、救いを得られないならどうなるかは分からない。
 母が恐れ、誰にも言えず心を病むほどの恐ろしいことが起きるのかも知れない。
 だからルイズとマスターチーフ、虚無の魔法の事もあるから必ず心に留めて置いて欲しい。

 もし僕の力が必要になったら何時でも言ってくれ、全力で力添えさせていただく。
 二人に始祖ブリミルの加護があらんことを。

                         ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドより』
423虚無と最後の希望 代理:2010/02/08(月) 23:54:37 ID:ICM2N4Vy
読み終えて、何とも言えない表情をルイズは浮かべる。
 一枚目とは大きく異なる話、トリステインのアカデミー、名前からして国の研究機関に認められ研究を行える題目。
 子爵の母は歴史と地学の研究、その末にハルケギニアに埋もれる闇を目の当たりにしたのだろう。
 ハルケギニア六千年と言う膨大な歴史と、この地に眠る誰も知らない秘密。
 何か危険なものに触れたかのような感覚を得ていた。

「……どうしよう」

 そう言って見上げてくるルイズ、とりあえずやらなくてはいけない事が一つ。

「まずは手紙を処分しよう」
「え、ええ……」

 ルイズは頷き、杖を取り出し。
 他の手紙や袋をテーブルから降ろす。

「……ウル・カーノ、発火!」

 そうして呪文を唱えれて杖を降れば爆発音、二枚目の手紙をテーブルごと破壊して処分する。

「………」
「娘っ子、お前さんの魔法じゃなくて良かったんじゃねぇか?」
「う、うるさいわね!」

 チリチリと破砕面から煙を上げて無残な姿になったテーブル。
 かなり大きな音だったが、サイレントの魔法で部屋の外に漏れてはいないだろう。
 とりあえず煙を上げている部分を手で擦り、木片に赤く篭る熱を揉み消す。
 木片の熱が無くなったことを確認して、部屋の隅に散らばるテーブルだったものを集める。

「どうするかはルイズが考え決めなければならない」

 時間が有ろうと無かろうと、考え選択するのはルイズと言う事。
 中心は使い魔のマスターチーフでは無く、召喚主であるルイズであるからだ。

「……でも、聖地を奪還とか、そんな事をしてたら……」

 見上げてくる瞳は揺らいでいる、どうするべきか迷っているのだろう。
 だから答える。

「……許す限り力を貸そう」
「……そ、そうよね。 貴方は私の使い魔だし!」

 『何が』許す限りなのか、笑みを浮かべるルイズは理解していない。
 お願いしようが命令しようが、その時が来れば必ず帰ると言うことを理解していなかった。
424虚無と最後の希望 代理:2010/02/08(月) 23:56:23 ID:ICM2N4Vy
以上で投下終了です。

代理終了。チーフの人、乙でした
425名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 00:07:07 ID:ETPix0O9
乙です。
今後が気になるぜ
426名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 00:09:48 ID:YhGHhxzi
>>405
ふぁて×小説版仮面ライダー、電脳、あたりでぐぐると幸せになれるかもしれん
絶賛更新停止厨だけどなw
427名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 00:14:10 ID:Z3WcyAE7
爆熱をgoogle先生に打ち込んだら候補の二番目に爆熱の使い魔が出てきた・・・ぱねぇっす
428名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 00:15:59 ID:lGRyqBsH
>>426
ありがとう!
そのレスで、せっかく見つけたのに更新停止中でそのうち考えるのをやめたのを思い出したので引き続き考えるのをやめる作業に戻ります……
429名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 00:16:11 ID:bwgTDRzW
トイストーリーのウッディを召喚
430名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 00:17:39 ID:T13pn16a
最後の希望の方、代理の方お疲れ様でした。
予約なさそうなのでこの後初めてになりますが投下します。
元ネタは1998年、スクウェアから発売された「Brave Fencer 武蔵伝」からです。
初投下故至らぬ点多いと思いますがご容赦ください。
431sage:2010/02/09(火) 00:22:25 ID:T13pn16a
第一章〜旅立ち〜

その1ムサシ登場!! そして旅立ち


小規模なクレーターを前にへなへなと崩れ落ちる少女。
傍らには頭髪の寂しい男性、遠巻きに見つめるのはたくさんの少年少女。
その少女は幾度とない失敗により、爆風と嘲笑を浴びていた。


爆風、というのは彼女の発した魔法によるもの。
というのもピンクブロンドの少女、名をルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
名家ヴァリエール家の三女として、その才を遺憾なく発揮……していない生徒の一人である。
彼女の放つ魔法は、全て爆発という現象に現れる。
『開錠』を行えば扉ごと吹き飛ばし、『錬金』を使えば素材を粉微塵に破砕する。
それ故皆からの嘲りを浴び続ける学院生活を送っていた。
そして、長い一年が終わり進級試験、『春の使い魔召喚』の儀。
皆がルイズが再び一年生となるぞ、と囃し立てていた矢先のことだった。
いよいよ順番が最後、ルイズの番になり、杖を構える。

緊張の為か微かに震える手を振りかざし、呪文を唱え振り下ろし……虚空が爆発した。

まただ、ほらみろと嘲笑の声が飛ぶ。
何度となく、その光景が繰り返される。
次第に少女の慎ましやかながら可憐な容姿は土に塗れていく。
教師の静止も振り切り、傷だらけの体を奮い立たせて杖を振りかざした。
彼女の誇りが、諦めることを許さなかった。

「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ……神聖で美しくそして強力な使い魔よ!」

半ば涙目になりながら詠唱を行う。
決めたのだ。
ここで自分の忌まわしき異名を払拭するのだと。
初めての魔法はここで完成させる!
その思いだけで、彼女は体を動かしていた。

「私の呼びかけに……答えてっ!」
432ルイズ伝:2010/02/09(火) 00:24:38 ID:T13pn16a
杖を振り下ろすと、もう何度も体験した感覚。
目の前が白熱するだけ。
今までにない、一際大きな爆発だった。
いい加減にしろ、驚かせるなと心ない声が飛ぶ。
しかしややあって……皆が、沈黙した。
異様な静けさを感じたルイズが前を向くと、煙に遮られた何者かの陰。

「……やった……」

自分は成功したんだ。
このトリステイン王国の魔法学院に入学してから、ただの一度も成功しなかったこの自分が。
皆に不名誉な二つ名で嘲られ、幾度となく挫けそうになったこの自分が。
皆と同じ魔法を、使えたのだ。
失敗していたら留年となる所だったが、これで再び一年生をやらなくてもいい。
ひどく安堵し、よろよろと立ち上がる。

「……さあ、何なの……?私の、私だけの使い魔!」

期待に小さな胸を膨らませ、埃塗れのブラウスを叩く。
土煙が晴れ、その何者かの姿を初めてその目にした。
何か聞こえる、鳴き声だろうか。
いや、それにしては小さい、よく聞けば穏やかな呼吸音……いや、寝息?

「……子ども?」

驚愕する。
何しろ、目の前にいたのは眠りこけた少年。
小柄なルイズよりさらに頭一つぶんほど小さな少年だった。
しかも、なんともみすぼらしい格好の。

「おい、ぼろを着た子どもだ!」
「ゼロのルイズが物乞いのガキを召喚したぞ!」
「なっ……!」

異変に気がついた生徒達が、召喚対象である少年を見て囃し立てる。
ルイズは頭に血が上りかけたが、しかしよくよく見れば確かに言うとおり。
伸びっぱなしの長髪は頭頂部で束ねてあり、よれよれの上着に足にはボロ靴を履いている。
汚いベルトで留めた見慣れぬ装束を纏い、ひび割れた眼鏡を額にかけていた。
まず、いいところの出ではあるまい。

「おい!失敗したからってその辺の乞食を連れてくるなよー」
「さすがゼロのルイズ」

心無い言葉にきっと振り返るが、言い返すより早くルイズは教師に向けて叫ぶ。

「ミスタ・コルベール、やり直しを……!召喚のやり直しを、させてください!!」
「……残念ですが、それはできません」
「そんな!」

対してコルベールの返答は否定だった。
納得の行かないルイズは尚も迫る。
433ルイズ伝:2010/02/09(火) 00:26:02 ID:T13pn16a
「人間を使い魔にするなんて、聞いたことも……!」
「だとしてもです。人間であろうと、召喚された以上は契約しなければなりません。
 それにこのままではあなたは留年することになってしまいます。私としてもそれはとてもとても悲しいことです」

ルイズの悲痛な訴えにも、教師としてコルベールは首を横に振らざるを得なかった。
この春の召喚の儀式は神聖なもの、やり直しという特例は認められない。
彼女に残された道は、あの少年を使い魔とする他に無いのであった。
聡明な彼女はそのことを重々理解していた。
それ以上食い下がることもなくただただがっくり項垂れることしかできない。
やがて諦めたように、横たわったままの彼女の使い魔となる少年に歩み寄る。

「まったく、どこの子どもよ……なんでこんなチビっこなんかと、私が……」

サラマンダーやら風竜やらの素晴らしい使い魔を目にした後だからか、よけいに落胆は大きい。
やがて大きく溜息をつき、観念したように横たわる少年に顔を近づけた。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え我の使い魔と為せ」

唇と唇がそっと触れ合う。
異性とこんなことをするなんて生まれてこのかた初めてだったので、ひどく動揺する。
だが相手は子ども、それにこれは儀式上必要なことだ。
ノーカンノーカンとクールに振舞ってみるも、なんだかほかほかしてきた。
頬が熱くなっていることを自覚する。
自らぽかぽかと頭を叩いていると、少年が突然叫びをあげる。

「うわっちちちちちちぃーーーっ!!!」
「きゃ!」

思わぬ反応に思わずその場から飛び退いてしまうルイズ。
少年は熱の根源であろう左手を抑えて、熱さの余り転げまわっていた。
朱塗りの篭手を外すと息をふうふうと手の甲に当て続ける。

「だ、大丈夫?使い魔のルーンが刻まれているだけだから、すぐに済むわ」
「なんだぁ……?ここは、どこだ……?」
「ふむ、コントラクト・サーヴァントのほうは問題ありませんね。おめでとう」

やがて少年が大人しくなり、自分の手を見て目を見開く。
近くにいたルイズに気がつくときっと向き直り、ぴょんと軽い身のこなしで立ち上がった。
近づいてくるその身体はやはりルイズよりも小さい。
歳のころは10そこそこであろうか、意志が強そうな眉と瞳をこちらに向けた。

「やいお前!ここはどこだっ!おいらに何をしたっ!?」
「なっ……」
「……ああっ、よく見りゃ手にイレズミなんてしやがって!島流しにあった覚えはないぜっ!」

声変わりも澄んでいないであろうよく通る声で騒ぎ立てる。
明らかな年下、それも乞食かなにか身分の低いであろう者に怒鳴られたことに、
ルイズの頭はかっと熱を持った。

「へっ……平民の分際で、貴族にそんな口の聞き方を!」
「何ィ!?」
「ミス・ヴァリエール冷静に。ふむ、珍しいルーンですね」

肩の荷が降りたコルベールは、とりあえず目の前の少年に対する疑問はさて置いておく。
手早く少年のルーンを書き写して、見物していた皆に呼びかけた。

「これにて召喚の儀式は終了です。各自学院に戻るように」
434ルイズ伝:2010/02/09(火) 00:27:46 ID:T13pn16a
呼びかけるとふわりと宙に浮かび、ここからも見える学院の大きな屋根に向かって飛び立った。
同じく生徒たちも空へと舞い上がるが、意地の悪そうな笑みを浮かべ口々に野次を飛ばす。

「ゼロのルイズ!お前は歩いて来いよ」
「『フライ』も『レビテーション』もロクに使えないんじゃあ仕方ないな!」

嘲笑を浴びるも、今は目の前の少年のことで頭がいっぱいなルイズは振り向きもしない。
しかし少年の方は、空中を見つめて驚いた表情だった。

「あいつら飛びやがった!妖術使いか?」
「……メイジが飛ぶのは当然のことじゃない」
「メイジだかショウワだか知らねえが、いよいよおかしいぜ!ここはどこなんだ?」
「はぁ……とりあえずついてきなさいよ、戻るから」

何も知らない使い魔に、やはり世間にも疎い乞食なのかと頭を抱え込む。
溜息を禁じ得ないが、頭から少しずつ説明してやりながら学院への帰路へついた。

「……でね、あんたは召喚されて、私の使い魔にならなきゃいけないの」
「召喚?おいら、また召喚されちまったってのかっ!?」

また?おかしなことを言うものだ。
そんなにしょっちゅう人間が召喚されるなんて聞いたこともない。
まあ、召喚を理解しているフシは説明が省けて好都合だ。

「物分りがいいじゃない、でね、あんたは私の使い魔として……」
「まあいいや。今度こそとっとと済ませて、こんな世界とはおさらばだぜ」
「ちょちょ、ちょっと。何言ってるのよ」
「ん?」

前言撤回。
自然と帰る流れになったのでルイズは慌てて止める。
この使い魔召喚が理解できていたり放棄する気でいたりといろいろおかしい。
ルイズのフラストレーションが積み上がっていく。

「あんたは私の使い魔をやってもらうのよ!何よおさらばって」
「だから、その用事を済ませりゃ元の世界に戻れるんだろ?」
「元の世界?ああもうわけわからないわね!あんたはずっと使い魔!ずっと!」
「なんだって!?ずっと!?」
「ずっとよ!」
「そんなバカな!」
「知らないわよ!こっちだって、あんたみたいなチビで!
 ヘンなモミアゲな奴なんか!召喚したくなかったわよ!」
「くっまたそう言われるのかよ!?なんだってんだこのチンチクリン!おてんば!」
「キィィィーーーーッ!」

爆発した。
小さいもの同士がぎゃんぎゃんと騒ぎ立てながら追い掛け回したり小突きあったり。
学院に帰るまで、それは続いた。
435ルイズ伝:2010/02/09(火) 00:29:38 ID:T13pn16a
「……ぜい、ぜい、ぜい……」
「おい、大丈夫かい?」
「う、うる……さい……ぜんっぜん……大丈夫、よ……」

はたから見れば本当に子供の喧嘩のようなことを年甲斐もなく延々と続けてしまったルイズは、
やがてゼイゼイと息を整えながらルイズは立ち止まる。
少年はしばらく落着くのを待ってくれていたが、溜息をひとつ大きくついた。

「ま、いいや。終わっちまったことをいつまで言ってもしょうがねえ」
「へ?」
「使い魔だかなんだか知らないけど、おいらがやりゃあいいんだろ?」
「あ、ああそう……なによ急に」

実にあっけらかんと了承してくれたのは意外だった。
子供らしく聞き分けなく反発するか勝手にどこかに逃げ出したりするかと思っていたが。
彼は案外、さっぱりした人物だったのかと納得する。
とりあえずこれで留年する心配はなくなった。

「見たところ、空飛んだりなんだりで面白そうな奴らがいっぱいいるみてえだし」
「面白そうな……魔法をそんな言い方しないでよ、そりゃまいっぱいいるわよ」

少年の顔つきが変わる。
先程までの疑心を帯びたそれではない、もっと単純な感情。
心の奥から湧き出るような、原始的で直情的なその感情。
『楽しんで』いる。
ひとつの冒険は終わった。
しかし、彼の冒険が、また始まるのだ。

「妙にワクワクしちまうぜ!」
「……あんた変な奴ね……名前は?」
「人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るもんだぜ」
「……ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」

少々ムッとしたが、これは正論だ。
若干ぶすっ面で返答する。
大して少年は、立派な髷をガシガシと掻きながら告げた。
後に伝説となる自らの名を。

「おいらはムサシ。よろしくなっ、ルイズ!!」

BRAVE MAGE ルイズ伝 
>はじめから
436ルイズ伝:2010/02/09(火) 00:33:27 ID:T13pn16a
投下終了しました。
初投下ですのでミス、端々の失敗などがありましたらお申し付けくださいませ。
改善に努めます。
この話のために昔大好きだったゲームを引っ張り出してます。やっぱり面白い。
設定が咬み合うんじゃないかなーと思ったのがはじまりでした。
賛否両論ありましょうが、よかったらここで書かせていただきたいと思いました。
サウンドトラックをお持ちの方いらっしゃいますでしょうかねえ…
DISC1の3番を思い浮かべてお読みくださればうれしいです。それをBGMに書いたので。
437紋章伝 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 00:56:45 ID:Yf4m8yUA
−こた……て……
-----…す…て…おね…い……


―お願い!!答えて…っ!!―


「…っ!!?」
「きゅ、急にどうしたの?」

場所は暗闇に染まる石造りの通路。
人の影が1つ。
そして、小さい影がもう一つ。
周りを照らす蜀台の炎に照らされて揺らめくように映っていた。

「え?いや、ハハ…なんでもないよ。
 さ、それよりも目的地はもうすぐだ…!!
 気を引き締めていこう…っ!」
「うん!『世界の一大事』かもしれないんだから早く調べなきゃ!」

ヒューーーーン。
ヒューーーーーーン。

「あれ?なんの音だろ?奥から聞こえてくるよ…」

小さい影が音のする方向へ向かって通路の奥へと進んでいくと、
大広間へと繋がっていた。
辿り着いた小さな影の持ち主は音源の方角を一瞥すると
すぐさま振り返り、後ろを追って走ってきた人影に向かって
オーイッ!と、手を振って呼び寄せた。

「なんだろうね?鏡みたいなのが宙に浮いてる…」

そこには円形状の「鏡のような」平たいモノが淡く白い光を発しながら
地面から手のひら二つ分ほどの間隔をあけて静かに宙に浮かんでいた。

「邪気の類は感じないけど、もしかしたら何かの仕掛けかもしれ…あっ!」

「え?」

人影の持ち主が思案しながら話している最中に小さな影の指先は
淡く光り宙を浮いている「鏡のようなもの」を突く様に触れてしまっていた。

バシュッ。

光が眩く辺り全体を照らす。
その瞬間。

バシュシュッ!!
カラン―…。

人影の持ち主が持っていた蜀台が床に転がる音が大広間に響く。
その時、二つの大小の影は大広間から消え去っていた。
438紋章伝 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 00:58:00 ID:Yf4m8yUA
ロトの紋章外伝 ゼロの使い魔を担いし者
LEVEL01: 使い魔の誕生!!



そこには少女が一人、煙に巻かれながら突っ立っていた。
体型は小柄。と、いうより幼児に近い。
髪は煙に巻かれながらも遠目で確認出来る程の鮮やかな桃色。

ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは両手で握りしめた杖を
前に突き出した体勢のままで震えていた。

場所は、トリステイン魔法学院のすぐ側。
進級試験の一環として、使い魔の召喚と契約の義が行われていたのだが、
この幼児体型のピンク色の髪をした少女、ルイズ自身はことごとく失敗を繰り返していた。
見兼ねた担当教官のコルベールより最後の一回としてラストチャンスを与えられたものの
突き出した杖の先で起きたのは、爆発。
そして煙に巻かれる今に至ることとなった。

「ハハハハハ!
 やっぱりゼロのルイズには無理だったな!!」
「留年決定だなぁ!ゼロな上に留年かぁ〜!!!」

煙にまかれるルイズに向かって罵倒が彼女を囲い込むように立っている群衆から
容赦なくルイズに向かって浴びせられている。

(そ、そんな…なんでよ…)

ルイズは目にうっすらと涙を浮かべながら爆心地をキッと睨めつけながらも
腰から下は力なく地面にゆっくりと落ちていった。

ゴホッ!ゴホ…ッ!!

煙が濃く待っている爆心地の辺りから何やら声のようなものが聞こえてくる。
それにいち早く気づいたコルベールがゆっくりと口に人差し指を当て、
全員に静かにするように合図を送るとポカーンと口を開けて放心して声の方角を
見つめているルイズを含めて回り全体がシーンと静かになり、皆は耳を澄ませていた。

「んもぉ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!一体全体なんなのよぉ…っ!!」
「イタタ…僕にもさっぱり…、っ!!」

ザザッ!!

喋るのを止めるやいなや、目にも止まらぬ素早い動作で背中に掛けられた鞘に収まる剣を
引き抜くと同時に眼光は鋭く周りを見渡し、身体は既に臨戦態勢を整えていた。

「大勢の気配を感じる…!!敵か…っ!?」

色濃く舞っていた煙が晴れると、そこには青空よりも青く蒼く、見る者を魅了するかのような
見事な金縁の装飾に彩られた鎧に身を包み、大型の帯剣と、鎧と同じような色合いで装飾を
施された、これまた見事な盾を構えている、誰が見間違えるはずもない「騎士」の姿が現れた。

「え…?えーっ!?いきなり敵のど真ん中!!?」

そして、その青い鎧と盾と剣を構える「騎士」の肩の上を飛んでいる手の平ほどの大きさの
小さき少女、小妖精(スプライト)が一匹。
439紋章伝 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 00:59:17 ID:Yf4m8yUA


「へ?」


呆けていた桃色の髪の少女ルイズは何とも間抜けな声を上げて地面にへたり込んでいた。

「見ろよ!ルイズの奴、騎士の格好した平民を召喚しやがったぜ!」
「あはは!平民を召喚するなんて流石はゼロのルイズだな!」
「ルイズにはお似合いの使い魔だ!どこに隠れさせていたんだ?ハハハッ」

ルイズを笑い飛ばす野次にハッ!と、我を返しコルベールの方を向く。
だが、コルベールは無言でルイズを一瞥すると直ぐに正面を振り向き「騎士」へと
ゆっくりした歩みで近づいていった。

「私はコルベール。そこでヘタリ込んでいる彼女の教官だ。
 君は呼ばれたんだよ。彼女、ミス・ヴァリエールの使い魔としてね。
 そしてここは、トリステイン魔法学院だ。」

ゆっくりと、そして強い口調でコルベールは「騎士」に話しかけ続けた。

「さて、「騎士」殿は何処(いずこ)の国かどこかに仕えている方なのですかな?」

話しかけられた騎士は敵意を感じなかったのか警戒しながらも剣を鞘に収め、
構えは解いているが依然眼光は鋭く、コルベールとその後ろで囲う様に輪になっている群衆を見つめている。

「僕の名はアルス!カーメン王国のアルスだっ!」
「私はティーエ!小妖精(スプライト)のティーエなんだから!!」

えっへん!と、言わんばかりにティーエは胸を張りアルスの肩の少し上を飛んでいる。
その小さな体の腰には裁縫針のようなものが装備として掛けられていた。

「ふむ・・・。」

コルベールは極めて冷静を装っていたが心中はただならぬ動揺に襲われていた。
もしもこの「騎士」がどこぞの国に属する騎士か、はたまた貴族だったとしたら、
そんな人間を「使い魔」として召喚してしまったとしたら、それは国同士の国際的な大問題となってしまう。
だがしかし、アルスと名乗るこの「騎士」はどうやら違うらしい。

「カーメン…王国…です、か。」

聞いたことのない国の響きがどうにも気になるが、国に仕える者でも貴族でも無さそうである。
「騎士のような」恰好をしているが平民の自警団のようなものだろう。と、そう考えたのである。

「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しを!平民を使い魔にするなど、前例がありません!」

コルベールが今後の流れを思案している最中、いつのまにか隣に立っていた桃色の髪の少女ルイズが
呆けていた顔から今度は顔を真っ赤にさせてコルベールへ抗議の言葉を発していた。
そして、一通りルイズの抗議を聞き終わるとコルベールは首を横に振った。
440紋章伝 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 01:00:04 ID:Yf4m8yUA

「ミス・ヴァリエール。使い魔の召喚は神聖なモノだ。
 やり直しをする訳にはいかない。」

ルイズは言われて、アルスに向き直る。
鬼気迫る顔で近付いてくるルイズにアルスは酷く困惑しているとー…
彼女の顔はみるみるアルスの顔へと下から睨み付けるように接近していた。

「感謝しなさいよね。
 普通ならこんな事、されることは無いんだから。」

「へ?」

ルイズは「これは使い魔だからノーカン、これは使い魔だからノーカン」と
素早く唱えるように呟いて直ぐに契約の呪を紡ぐ。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

口付け。

「え!?ちょ…おまwww」

ティーエが止めに入ろうとした頃にはルイズの口はアルスの口へと運ばれており、
口付けが成され、そして離れようとしていた。

(あぁあ……私のファーストキス…ファーストキスなのよ!それが……!!)
 平民などに奪われるなど、全くもって冗談ではない話である。

「うううううぅぅぅ……」

恨めしそうな顔でアルスをにらみつけているルイズ。
対してアルスは困惑から驚きの表情に。
一体何が起きたのか分らないといった表情になっていた。

「く…っ!」

左手から熱く、鋭い痛みを感じたアルスの表情は苦痛のものへと変わっていた。
右手は左手を押さえ込むようにつかんでいる。

「な、アンタ!アルスに何したのよ!」

怒鳴るようにルイズの眼前を飛んで抗議するティーエに
ルイズは何事もなかったように片手をひらひらと振りながら答える。

「契約のルーンが刻まれているのよ。すぐに痛みも止むわ」
「契約の…ルーン……?」

アルスは怪訝な顔で尋ね返しつつ、自身の左手の甲に目をやった。
441名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 01:00:27 ID:OzFPZqD5
予告抜き

荒らしか
442紋章伝 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 01:03:44 ID:Yf4m8yUA

「ルーン?」

ティーエはアルスの左手に目をやると、
アルスの左手の甲で文字のようなものが青白く淡い光を放ち浮かび上がっていた。

「無事に契約は完了したようだね。
 しかし、珍しいルーンだ。私も見たことがない。スケッチしてもよろしいかな」

コルベールがアルスの左手を掴み上げるとしげしげと刻まれたルーンを見つめる。
暫く食い入るように見た後に、そそくさと書き写した。

「ふむ。ではこれにて、春の使い魔召喚の義は終了とする。各自、次の授業に向かうように」
コルベールから解散の礼を受け、教師と生徒達は召喚したばかりの使い魔を伴って学院の方へと飛ぶ。

「ルイズ!お前は後から歩いて来いよ!」
「そうそう!お前はフライもレビテーションも使えないんだからな!」
「その騎士みたいな成りをした平民の使い魔と一緒にな!」

わざわざ言わなくても良い事を言い残し去っていく生徒達を睨みながら、ルイズは奥歯を噛み締めていた。
取り残されたアルスはそんなルイズを見つめていたが、ルイズが振り返ると少し間を空けて話しかけた。

「で、一体なにがなんやらサッパリなんだけどな…タハハ…」
「・・・はぁ…いいわ、ついてきなさい」

桃色のブロンドヘアの少女ルイズと、騎士のような格好の男アルス。
二人は空を飛んで行った生徒達と同じ方向へ歩き出した。

「フン!感じの悪い女!!」

アルスの後ろをついていくティーエの小さな呟きが暗がり始めた空に消えていく・・・。
443紋章伝 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 01:05:36 ID:Yf4m8yUA
>>441
あー、予告が書き込まれてなかったですねスイマセンorz
ロト紋で書いてみたから貼ってみたw
444名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 01:13:20 ID:lGRyqBsH
投下終了?
445紋章伝 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 01:17:18 ID:Yf4m8yUA
以上で投下終了です。
ロト紋終了後〜紋継ぐのアルスネタで書いてみました。
これから少しずつ投下していく予定です。
ミスも多いかもしれませんが宜しくお願いします。
446名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 01:19:53 ID:n5fvfa4E
wとかorzとか本当に反省してるのかねこいつ
447名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 02:01:39 ID:9l2iHD6p
ageて、それには触れない
指摘されて予告が無かったことを謝罪?したのに、指摘されるまで終了宣言無し
謝罪?レスでorz、wを使用

してるわけ無いな。
448名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 02:57:20 ID:9LI9LPWa
まあ>>1無視は当然荒れるから次から気をつけて下さい
てかネタ以外でセリフに草生やされると違和感が半端ないな
449 ◆tr.t4dJfuU :2010/02/09(火) 03:55:20 ID:/tBNgU6e
せっかく騙り防止のトリップ使うんだからさ、トリップキーにはもうちょっと気を使った方が良いんじゃない?
それに以前にもっと他のことに気を使うべきだと思うけどさ……。
450名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 04:32:40 ID:cRfCTk4I
ムサシ伝の人おつー
難しすぎて最初のボスで断念した記憶がw
ブロスのマンガは読んでたんだけどなー
451名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 04:44:18 ID:cRfCTk4I
>>409
試しに
"キュルケ" "アンヘル"
でググったら一発で出て軽くウケた。転載はしてるけど続けてはいないみたいですな
452名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 05:13:11 ID:LVzTIjUF
ムサシ伝なつかしい
スチームウッドのバルブで何回もやり直したわ
453名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 05:32:27 ID:5iLsA0Sq
FF[体験版が同梱されてたな
スチーム二回目は子供クリアできないと思うんだ
454名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 09:11:40 ID:z16Xum8r
武蔵伝乙。懐かしいw

あのゲームはボス戦、ダンジョン攻略共にマゾだったな
納豆ペーストは常に持っていたぜ
455名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 10:13:26 ID:nkfcdivg
>紋章伝氏
妖精連れた人間が平民扱いなんてスゲーなオイ・・・・・・
456名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 16:28:51 ID:PaNt/+u/
>>455
人間が召喚された時点でルイズの苛立ちが最高潮になって冷静な判断力がキレてたんじゃないの?

そういえばサイヤの使い魔ではわっか付き悟空が最初天使扱いされてたな、というよりその後幽霊とわかった後のタバサの反応のほうが印象的だったが。
その逆がデビルマンで、召喚時点で絶望したのがご立派さま。大当たりは氷竜のルイズか。
457名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 16:33:29 ID:X7zEjDcm
デカいけどただの猫であるブータも大喜びしてたよ
458名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 16:38:19 ID:QJsaLfKG
とりあえず犬猫辺り喚んだなら
メイジとして人並みであるって証拠だから嫌がりはせんだろう。

飛べる幻獣≧飛べない幻獣≧飛べる動物≧飛べない動物>蛙>人間

な価値観な気がする。
459名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 16:47:02 ID:Lr1u+Jlx
>>455
というか、ルイズならどう考えても平民の方には全く目もくれず
妖精が使い魔として召喚されたと大興奮するんじゃね?
あと、幾分かは冷静で頭も回ってるであろうコッパゲが
未知の王国の名を掲げた名乗りを聞いても平民としてスルーというのもかなり不自然だし
何より、マント付きの立派な甲冑に身を包んだ男を初見で「コスプレした平民」だと決めつけて通してるのが…

こういった細かい部分をテンプレで流さず、キャラに合わせたオリ展開交えてくれたら読む方としては楽しめるのにね
460名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 16:53:17 ID:sbtZhTZO
「え!?ちょ…おまwww」の時点で、そんなことはどうでも良くなった
461魔砲の人 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 16:53:35 ID:/Roeo6L/
 毎度、魔砲の人です。

 とりあえず少し短めですが、29話をUPしたいと思います。


 本当は次のエピソードとまとめて一話にする予定だったんですが、ここまで書いて続きを、と思って読み直してみると、どうもここで話終わっちゃってたんですね(笑)

 なので暮れの事情もあって間隔が空いてしまっていることもあり、短めですが切ってしまおうと。


 総テキスト量からすると15k位ですので初期の頃と同じ位なんですが。



 かぶらなければさるさんよけも兼ねて1700少し前から行きます。
462名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 16:55:25 ID:cRfCTk4I
なぁに、なんだってかんだってスパロボよりゃまし
463名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 16:57:05 ID:Cm1QX5NH
魔砲の人待ってたぜえええええええええ!!!!!!111
何かあったら●持ちの俺に任せてくれ
464魔砲の人 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 16:58:34 ID:/Roeo6L/
予約もないみたいなので、投下開始します。
465ゼロと魔砲使い第29話-01 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 16:59:52 ID:/Roeo6L/
第29話 親子



 複数の馬車を連ねた、王の行幸すら思わせる行列が、街道を進んでいた。
 少数だがきわめてよく鍛えられた精兵が、中央部付近の馬車を守るように布陣している。
 これだけの練度の軍を維持できるのは、王家か、トリステインでもごくわずかの大貴族だけであった。普通の貴族ではまず人員か資金かのどちらかで破綻する。
 そんな行列の主は、ラ・ヴァリエール公爵家。トリステイン最大かつ最強の貴族である。
 その権勢は、トリステイン内のもう一つの国家とすら言えるほど。
 ただ、国境を接するゲルマニア・ツェルプストー家との関係や、当主が中央の政治にそれほど関心を持っていなかったため、中央政界でその名が出ることは殆どなかった。
 公爵家自身も、その血統が王家の庶子を源流としているのでなければ、間違いなくその身分は辺境伯であったはずである。
 辺境伯は他国と国境を交える地(=辺境)を治める伯爵(=地方長官・領主)から来た言葉であるが、その成り立ちゆえ名だけではなく軍事的な実力を伴った伯爵として扱われ、実質的な権威は侯爵や公爵に比肩する。
 辺境に位置する田舎ものという意味では決してないので誤解しないように。そもそも侯爵位そのものが辺境伯を元にしていると言われているくらいである。
 すなわち、ヴァリエール家はその血筋に於いても現王家に準ずる高位であり、かつその実力に於いても治世に実を要求される辺境地をきっちり治めている家なのである。
 現トリステイン貴族において、ヴァリエール家に対抗できる家格の家は存在していない。マザリーニ枢機卿などは、本人の言われようとは裏腹に、何度も公爵に中央への参画を要請していたくらいである。
 実際、もし公爵が中央の政治に参画していたならば、枢機卿は彼を宰相にして自分はさっさと引っ込んでいたことであろう。枢機卿も自分が本来いるべきでない位置にいることぐらいは自覚している。
 だが今まで、公爵は自領の経営に専念していて中央に関わる気は全くなかった。枢機卿もルイズに対して事情説明をするように言ったが、彼が政治に関与するのはルイズの事が世に明かされ、玉座に着いた後のことだと思っていた。
 だが、山は動いた。そして山が動いたとしたら、何が起きるのか。
 地震である。人が立つ大地、その安定が根こそぎひっくり返ることになる。
 だが、その振動がトリステイン中央に届くのには、いくばかの余地があった。
 その震源地は、まず娘の通う魔法学院へと向かっていたからである。
 
 
 
 もっとも、その地で起きた地震は、下手をするとトリステイン中央部で起きたものより大きな被害を巻き起こすことになったかも知れない。
 
466ゼロと魔砲使い第29話-02 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 17:01:23 ID:/Roeo6L/
 公爵家の紋章入りの馬車は、カタコトと小さい揺れを伴いながら、のんびりと学院への道を進んでいた。
 中央のきらびやかな馬車は2台。片方に公爵夫妻が、もう片方には末娘とその使い魔が乗っていた。
 馬車はそのほかに使用人や道中の荷物を載せたものなど、後数台連なっている。
 そして娘の乗った馬車の中には、何故か一羽のフクロウが娘の使い魔である女性の肩に止まっていた。
 
 「なのは、トゥルーカスがここにいるっていうことは、やっぱり母様……」
 「ええ、ご想像の通りです」
 「はあ……母様ったら」
 
 娘……ルイズは、出立の準備が整い、使い魔であるなのはと一緒に馬車に乗り込んだ時、そこにトゥルーカス……母親の使い魔であるフクロウがなのはの肩に止まっているのを見てぎょっとした。
 使い魔とその主との間は、ごくまれな例外を除いて感覚が繋がっている。普段ならトゥルーカスは城に残されて、健康に問題のある次女、カトレアの様子を見ているはずである。
 これは母親であるカリーヌがトゥルーカスの力を必要としないかぎりは定番のポジションであった。
 それがここにいる。すなわちそれは。
 「母様……そんなにあたしのことが気になるのかしら」
 不安4割、不審3割、不満3割くらいの微妙な表情でルイズが呟く。だが、意外な答えが使い魔の方から返ってきた。
 「いえ、トゥルーカスがここにいるのは、カリーヌ様がマルチタスクの練習をするためですよ」
 「あ」
 ルイズは思わず馬車の中で体勢を崩してしまった。
 「母様……まだ強くなるつもりなのかしら」
 「実に向上心と克己心にあふれたお方ですよね、カリーヌ様」
 自分にとっては愛するというより恐ろしさの方が先に立つ母親なのに、この使い魔はどういう訳だかその恐ろしい母親にえらく気に入られていた。
 そして本人もまた、あの厳格で恐ろしい母親をまるで親友のように思っているのである。
 舞台となった練兵場の地形が変わるほどの戦いを繰り広げながら、終わった後はまるで生涯の親友同士のようなさわやかな顔でお互いを称え合っていた。
 
 「あなたとの戦いは本当に今までの行き詰まりを解消してくださるわね」
 「こちらこそさすがとしかいいようがありません。出来ればカートリッジも存分に使える全力の環境で戦いたかったです」
 「それはちょっと残念ね。もっとも使われたらこちらの勝ち目がなくなりそうですけど」
 「いえ。確かにつなぎが速くなりますし誘導弾もずっとたくさん出せますけど、カリーヌ様なら多分対抗できるようになると思います。実際今の段階でもマルチタスク無しなのにその実力ですし」
 「そのマルチタスクっていうのは私でも覚えられるの?」
 「ええ。学院でも何人かの子は覚えてますし、ご主人様も既に二分割は完璧ですよ」
 「あら、ルイズも出来るのね。なら私も覚えてみたいわ」
467ゼロと魔砲使い第29話-03 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 17:03:12 ID:/Roeo6L/
 そういえばあのとき、と、ルイズはあまり思い出したくない二人の会話を思い出していた。
 聞いてはいたのだが、その時ルイズは変形した練兵場の惨状に心を奪われていて、その時の二人の会話には大して注意を払っていなかったのだ。
 それでもこうしてしっかり思い出せるのは、実はマルチタスクの成果だったりする。注意を払わずとも、常時周囲を認識・観察し、危機に備えるのはマルチタスクの基本の一つだ。
 それはさておき。
 
 「でもそうするとしばらくトゥルーカスと一緒なの?」
 それはそれでしかたがないが、先も言った通り、母親の使い魔は今のような状況の場合、病弱な姉の様子を見守るために使われることが多い。それをルイズは心配していた。
 幸い、その心配は杞憂であった。
 「いえ、シルフィードと同じで、やり方を覚えてもらえば私がこうしている必要はありません。学院に着く頃までには、トゥルーカスも覚えてくれると思います」
 「そういえばそうだったわね」
 韻竜であるシルフィードは念話で主のタバサと会話できるので、訓練のコツがわかればマルチタスクの習得になのはの手を借りる必要がない。トゥルーカスも同じであった。
 要は日常会話をこなすことの可能な使い魔なら、マルチタスクの練習の相手は可能だということである。
 「ま、今更母様が強くなったとしても、私には関係ないわ。お仕置きされるといっても、元々充分すぎるくらい恐かったんですもの。今更、ね……」
 そう言うルイズの顔は、実に見事に黄昏れていた。
 そんな主を見てくすりと笑うなのは。
 「お母様はちょっと不器用なだけですよ。決してご主人様を憎んでいるわけでも嫌っているわけでもありません」
 「そのくらい判るわよ」
 ルイズはそう言葉を返すと、再び遠い目をしていった。
 「ただ、あの厳格すぎるところだけがどうしても……いくら何でも融通が利かなすぎるわ」
 「そればかりは性格ですから仕方ないかもしれませんね。ほんの少し聞いただけですけど、今も昔も、トリステインの貴族の方々は、どうにもこうにも自分を律せない方がたくさんいたようですし」
 「我慢できずにいろいろやって、その繰り返し、っていうわけ? はあ、勘弁してっていいたいわ」
 ため息をつくルイズ。それを慰めるようになのはが言う。
 「もう少しご主人様が大人になれば判るようになると思いますよ」
 「年齢じゃなくて経験という意味よね、大人って」
 「いえ、この場合は両方ですね。子育てをした経験とかがないと判らないと思いますから」
 それを聞いてルイズは、なのはに義理とはいえ子供がいることを思いだした。
 「ああ、そういうことなのね」
 「そういうことです」
 ルイズはもう一度深々とため息をつく。
 「なのは」
 そう呼びかけた言葉が、何故か妙に重いのを感じて、なのはは少し心の中で背筋を伸ばした。
 「なんでしようか、ご主人様」
 「ここだけの話だけどね、私、母様に甘えた覚えがないの」
 なのはは内心(あらら)と叫んでいた。気の抜けたルイズは、ここにいるトゥルーカスを通じてこの会話がカリーヌに丸聞こえな事をすっかり忘れているようである。
 だが同時にこれもいい機会かと思って、そっとトゥルーカスの体をやや強めに押さえ、すぐ放した。カリーヌ様ならこれで意味が通じるはず、となのはは推察する。
 実際この後、トゥルーカスは見事に『ただそこにいる鳥』になりきった。
 そしてルイズは、内心にたまっていた愚痴をこぼす。
 「なのはと知り合ってから、ようやく判ったっていうか、理解したっていうのか……うまく言葉じゃいえないけど……なのは、あなたは私が遠慮無く寄りかかれる、初めての人だったの」
 
468名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 17:04:13 ID:X7zEjDcm
白い魔王支援
469ゼロと魔砲使い第29話-04 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 17:04:45 ID:/Roeo6L/
 危険な言葉にも聞こえるが、もちろんなのはは誤解したりしない。
 ルイズは公爵令嬢だ。身分制度がきっちりと機能しているこの世界において、ルイズと同格の人物はほぼ存在していない。気負い無くつきあうことが可能な人物は、家族でも厳しいくらいである。
 性格面を抜きにしても、実のところルイズと同格の人物は次女のカトレアしかいないといって過言ではない。長姉エレオノールは直系男子のいない長女であるため、形式的にも一段位が上になるからである。
 それに加えてカリーヌの性格が災いした。規律に厳格すぎるきらいのあるカリーヌは、むしろ身内にこそそれを厳しく適用した。自らが守れないことを他人に強要することが出来ないという、きわめて立派な思考法が裏目に出たともいえる。
 割を喰らったのがエレオノールであり、ルイズだ。元々の気質はともかく、カリーヌのこの性格が、思いっきりこの『規律を越えるはずの家族間の絆』をぶちこわす羽目になった。
 カリーヌには悪いが、この方針は本来子供の自我がきちんと確立してからたたき込むべきものである。それを彼女は自我形成前からやってしまったのだ。
 結果、ルイズは孤立した。もしこれで次姉カトレアの無償の愛がなかったら間違いなくルイズは破綻し、姉エレオノールを上回る凶悪な性格になっていたことはほぼ間違いない。
 エレオノールは姉であったためにカトレアにはすがれなかったが、メイジとしては優秀だったために何とか自我を破綻させずに済んでいる。対してルイズには自己を確立するための柱が何も無いのだ。
 そうなった子供は悲惨である。カトレアがいなかったら、ルイズは他者の攻撃か、何かへの依存を通じてしか自己を確立できなかったことであろう。いろいろな意味で、ルイズはわりと崖っぷちだったのだ。
 そんなルイズが、カトレアに次いで得たものがなのはだった。カトレアの場合、頼り切るには彼女の持つ『病弱』という問題点があった。
 寄りかかりすぎて負担を与えると倒れてしまう。その恐れがカトレアに溺れることに対してブレーキを掛けていた。これもまた皮肉だが、カトレアが健康だったら別の意味でルイズは破綻したかもしれない。
 そしてなのはもまた、ある意味ここしかないという状況で呼ばれていたともいえる。
 年長の大人であることは最低としても、大きな事件を解決し、ヴィヴィオを引き取った後だということが大切であった。
 JS事件を通して、なのはも大きく成長していた。育てること−−教え子たるスバルやティアナへの長期教導を通じて自覚したこと、ヴィヴィオとの出会いと生活。この経験がわずか一年足らずの間に、なのはをずっと大人の女性にしていた。
 もし仮になのはが召喚されたのが六課設立前だったら、ルイズとの関係は今のような被保護者−保護者的なものではなく、むしろ親友的なものになっていた可能性が高い。
 反発することにも、意見するにも、おそらくは遠慮がなかったであろうから。
 ティアナ撃墜騒動や、娘のヴィヴィオとの日常無くして、今のルイズを包む優しさと余裕を持つことは、なのはも出来なかったに違いない。
 
 「なのはが使い魔として出てきて、最初はなんで平民が、としか思わなかったわ。でもあなたは何も言わずに私を受け止めてくれた。最初はとまどったけど、しばらくしてなんか私自身、ずっと落ち着いているのに気がついたの」
 ルイズの目がなのはを見つめる。
 「あなたと一緒に過ごして、私は私とまわりを見る余裕が出来た。魔法を使えなくて悩んでいた私に、希望と自信をくれた。時には無謀な行動をする私を守り、時には私の剣になってくれた」
 なのはも無言でルイズを−−主人を見つめる。
 「おかげで私は気がつけたわ。自分が孤立していないって。自分にも出来ることがあるって。自分もまた、人の役に立てるって。自分が……ここにいていいんだって」
 そんなルイズの告白を受けてか、なのはもぽつりと言葉をこぼした。
 そっと体をなのはの側に寄せ、お互いの体温を感じるようにしながら、なのはは語る。
 「私も、ずっとずっと小さい頃、そんな風に思っていたんですよ」
470ゼロと魔砲使い第29話-05 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 17:05:53 ID:/Roeo6L/
 「なのはが?」
 ルイズの意外そうな言葉に、なのはは小さく頷く。
 「こちらとは全然違う社会なんで判りづらいかもしれませんけど、私も小さい頃、父の怪我とかいろいろあって、まわりに誰もいないも同然な、そんな風に思っていたんです」
 ルイズは少し意外そうになのはの方を見る。それに気がつかないように、なのはは言葉を続ける。
 「いい子にしていなければ、ここにいちゃいけない……今となっては笑い話ですけど、当時は本気でそう思ってました。自分を殺して、常に人の目を気にして、『いい子』に見られるようにする……今思うと、よくできたって思いますよ、我ながら」
 「うわ〜、私には出来そうにないわ。多分無茶苦茶暴れてると思う」
 「ご主人様とは身分とか環境とかが違いますからね」
 そういってなのははルイズに向かって微笑む。
 「何しろ暴れようにも暴れる相手すらいませんでしたから。でも幸い、小学校に入ってすぐ……あ、私たちの世界では、6歳になると学院みたいなところでまとめて教育を受けるんです」
 「へえ、そうなの」
 ルイズは詳しく聞きたいとは思ったものの、さすがに今聞くのは場違いだと感じて流すことにした。
 「そこで喧嘩したりして、友達が出来て、9歳の時に魔法と関わって、フェイトちゃんやはやてちゃん……あ、向こうの親友ですけど、それと友達になって、いろいろあって、今の自分がいるんです」
 そのいろいろを是非とも聞きたい……いや、いずれ聞くと、ルイズは心に誓った。
 しかしそれは今ではない、と改めてその思いを押さえ込む。
 そうルイズが思っている間にも、なのはの言葉は続いていた。
 「ご主人様」
 その口調が、今までの語りとは少し違う気がして、ルイズはちょっと姿勢をあらためる。
 「ご主人様はいろんな事に気がついたのですよね」
 「ええ、まあ……ありがとう」
 「だったらお礼は私じゃなくて、今はまだ知らない人にしてあげてください」
 「へっ?」
 脈絡がないことをいわれた気がして、言葉に詰まるルイズ。だがなのはにはそれがわかっていたらしく、解説するように言葉を続けてくれた。
 「この先ご主人様は、いやが応にも人の上に立ちます。当然、そのつきあいは上からのものになります。時にはひどい扱いをしなければならないことも多いと思います」
 うんうんと頷くルイズ。
 「それでも、人のつきあい方っていうのは、案外変わらないものだったりするんです。要は自分と同じ。自分がいやなことは相手もいやだし、逆もまた然り。例外もありますが、それは見れば判ることです。
 そんな中で、自分がしないといけないことは、要はお返しなんです。
 自分が人からもらったものを、今度は別の人に返してあげる。難しいようですけど、実はそれだけなんですよね」
 それはなのはがまだまだ短い人生の中で会得したこと。
 そしてルイズは、その言葉を胸に刻んだ。
 冷静に考えれば、自分もまた、いろいろな人からいろいろなことを学んでいる。
 愛情。憎悪。侮蔑。差別。感謝。好意。嫌悪。その他諸々。
 受けたものを返し、次に繋ぐ。
 その繰り返しだと。
 そう思えば、難しそうな人間関係も、意外と単純なのだと。
 
 「本当にありがとう、なのは。あなたは私がもらい損ねていたものをくれるみたい」
 「だからこその使い魔なんでしょう、と思います。後、」
 そこでなのはは言葉を切り、ルイズをこづくようにした。
 「なに、なのは」
 「『もらい損ねた』はよくないですよ。カリーヌ様は判りにくいだけで与えていない人じゃありません。正確には『受け止め損ねた』だと思います」
 「……今なら判るけど、判れっていうほうが無理よ」
 「そうかもしれませんね。ものすごく難しいとは、私も思いますから」
 トゥルーカスを通じて娘の本音を聞いているカリーヌに内心謝りつつも、なのははそういって締めくくった。
 
 
 
 「ねぇ、あなた。私って、そんなにきつい母親だったのかしら」
 「……いや、君は優しいよ、充分に」
 「その間が答えを言っていらっしゃるみたいですけど」
 もう一つの馬車の中で夫婦喧嘩が発生しかかったのは、なのは達には内緒である。
471ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 17:09:08 ID:/Roeo6L/
 今回はここまでです。いつも読んでくれていた方には短いかと。

 本来この後夫妻の学院訪問があって、そこでいろいろあるはずだったんですが、内容的にもテーマ的にもごった煮になりそうだと、書いてみてようやく気づきました。

 いえ、当然タバサとかありまして(笑)。



 今月は仕事が落ち着いたので、ペースを上げられそうです。月末までには続きをと思っています。

 それでは。
472魔砲の人 ◆IFd1NGILwA :2010/02/09(火) 17:16:57 ID:/Roeo6L/
魔砲の人です。

いつもだと投稿後に自分でwikiのほうにUpしていたんですけど、今wiki規制がかかっていて自分で上げられませんでした。

どなたかまとめのほうよろしくお願いいたします。
473名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 17:17:32 ID:Cm1QX5NH
乙です
今週中に5回は読み返します
474ウルトラ5番目の使い魔 第87話:2010/02/09(火) 17:32:10 ID:28zJbamL
第89話 親子



 複数の馬車を連ねた、王の行幸すら思わせる行列が、街道を進んでいた。
 少数だがきわめてよく鍛えられた精兵が、中央部付近の馬車を守るように布陣している。
 これだけの練度の軍を維持できるのは、王家か、トリステインでもごくわずかの大貴族だけであった。普通の貴族ではまず人員か資金かのどちらかで破綻する。
 そんな行列の主は、ラ・ヴァリエール公爵家。トリステイン最大かつ最強の貴族である。
 その権勢は、トリステイン内のもう一つの国家とすら言えるほど。
 ただ、国境を接するゲルマニア・ツェルプストー家との関係や、当主が中央の政治にそれほど関心を持っていなかったため、中央政界でその名が出ることは殆どなかった。
 公爵家自身も、その血統が王家の庶子を源流としているのでなければ、間違いなくその身分は辺境伯であったはずである。
 辺境伯は他国と国境を交える地(=辺境)を治める伯爵(=地方長官・領主)から来た言葉であるが、その成り立ちゆえ名だけではなく軍事的な実力を伴った伯爵として扱われ、実質的な権威は侯爵や公爵に比肩する。
 辺境に位置する田舎ものという意味では決してないので誤解しないように。そもそも侯爵位そのものが辺境伯を元にしていると言われているくらいである。
 すなわち、ヴァリエール家はその血筋に於いても現王家に準ずる高位であり、かつその実力に於いても治世に実を要求される辺境地をきっちり治めている家なのである。
 現トリステイン貴族において、ヴァリエール家に対抗できる家格の家は存在していない。マザリーニ枢機卿などは、本人の言われようとは裏腹に、何度も公爵に中央への参画を要請していたくらいである。
 実際、もし公爵が中央の政治に参画していたならば、枢機卿は彼を宰相にして自分はさっさと引っ込んでいたことであろう。枢機卿も自分が本来いるべきでない位置にいることぐらいは自覚している。
 だが今まで、公爵は自領の経営に専念していて中央に関わる気は全くなかった。枢機卿もルイズに対して事情説明をするように言ったが、彼が政治に関与するのはルイズの事が世に明かされ、玉座に着いた後のことだと思っていた。
 だが、山は動いた。そして山が動いたとしたら、何が起きるのか。
 地震である。人が立つ大地、その安定が根こそぎひっくり返ることになる。
 だが、その振動がトリステイン中央に届くのには、いくばかの余地があった。
 その震源地は、まず娘の通う魔法学院へと向かっていたからである。
 
 
 
 もっとも、その地で起きた地震は、下手をするとトリステイン中央部で起きたものより大きな被害を巻き起こすことになったかも知れない。
475ウルトラ5番目の使い魔 第87話:2010/02/09(火) 17:32:55 ID:28zJbamL
 公爵家の紋章入りの馬車は、カタコトと小さい揺れを伴いながら、のんびりと学院への道を進んでいた。
 中央のきらびやかな馬車は2台。片方に公爵夫妻が、もう片方には末娘とその使い魔が乗っていた。
 馬車はそのほかに使用人や道中の荷物を載せたものなど、後数台連なっている。
 そして娘の乗った馬車の中には、何故か一羽のフクロウが娘の使い魔である女性の肩に止まっていた。
 
 「なのは、トゥルーカスがここにいるっていうことは、やっぱり母様……」
 「ええ、ご想像の通りです」
 「はあ……母様ったら」
 
 娘……ルイズは、出立の準備が整い、使い魔であるなのはと一緒に馬車に乗り込んだ時、そこにトゥルーカス……母親の使い魔であるフクロウがなのはの肩に止まっているのを見てぎょっとした。
 使い魔とその主との間は、ごくまれな例外を除いて感覚が繋がっている。普段ならトゥルーカスは城に残されて、健康に問題のある次女、カトレアの様子を見ているはずである。
 これは母親であるカリーヌがトゥルーカスの力を必要としないかぎりは定番のポジションであった。
 それがここにいる。すなわちそれは。
 「母様……そんなにあたしのことが気になるのかしら」
 不安4割、不審3割、不満3割くらいの微妙な表情でルイズが呟く。だが、意外な答えが使い魔の方から返ってきた。
 「いえ、トゥルーカスがここにいるのは、カリーヌ様がマルチタスクの練習をするためですよ」
 「あ」
 ルイズは思わず馬車の中で体勢を崩してしまった。
 「母様……まだ強くなるつもりなのかしら」
 「実に向上心と克己心にあふれたお方ですよね、カリーヌ様」
 自分にとっては愛するというより恐ろしさの方が先に立つ母親なのに、この使い魔はどういう訳だかその恐ろしい母親にえらく気に入られていた。
 そして本人もまた、あの厳格で恐ろしい母親をまるで親友のように思っているのである。
 舞台となった練兵場の地形が変わるほどの戦いを繰り広げながら、終わった後はまるで生涯の親友同士のようなさわやかな顔でお互いを称え合っていた。
 
 「あなたとの戦いは本当に今までの行き詰まりを解消してくださるわね」
 「こちらこそさすがとしかいいようがありません。出来ればカートリッジも存分に使える全力の環境で戦いたかったです」
 「それはちょっと残念ね。もっとも使われたらこちらの勝ち目がなくなりそうですけど」
 「いえ。確かにつなぎが速くなりますし誘導弾もずっとたくさん出せますけど、カリーヌ様なら多分対抗できるようになると思います。実際今の段階でもマルチタスク無しなのにその実力ですし」
 「そのマルチタスクっていうのは私でも覚えられるの?」
 「ええ。学院でも何人かの子は覚えてますし、ご主人様も既に二分割は完璧ですよ」
 「あら、ルイズも出来るのね。なら私も覚えてみたいわ」
476ウルトラ5番目の使い魔 第87話:2010/02/09(火) 17:33:40 ID:28zJbamL
 そういえばあのとき、と、ルイズはあまり思い出したくない二人の会話を思い出していた。
 聞いてはいたのだが、その時ルイズは変形した練兵場の惨状に心を奪われていて、その時の二人の会話には大して注意を払っていなかったのだ。
 それでもこうしてしっかり思い出せるのは、実はマルチタスクの成果だったりする。注意を払わずとも、常時周囲を認識・観察し、危機に備えるのはマルチタスクの基本の一つだ。
 それはさておき。
 
 「でもそうするとしばらくトゥルーカスと一緒なの?」
 それはそれでしかたがないが、先も言った通り、母親の使い魔は今のような状況の場合、病弱な姉の様子を見守るために使われることが多い。それをルイズは心配していた。
 幸い、その心配は杞憂であった。
 「いえ、シルフィードと同じで、やり方を覚えてもらえば私がこうしている必要はありません。学院に着く頃までには、トゥルーカスも覚えてくれると思います」
 「そういえばそうだったわね」
 韻竜であるシルフィードは念話で主のタバサと会話できるので、訓練のコツがわかればマルチタスクの習得になのはの手を借りる必要がない。トゥルーカスも同じであった。
 要は日常会話をこなすことの可能な使い魔なら、マルチタスクの練習の相手は可能だということである。
 「ま、今更母様が強くなったとしても、私には関係ないわ。お仕置きされるといっても、元々充分すぎるくらい恐かったんですもの。今更、ね……」
 そう言うルイズの顔は、実に見事に黄昏れていた。
 そんな主を見てくすりと笑うなのは。
 「お母様はちょっと不器用なだけですよ。決してご主人様を憎んでいるわけでも嫌っているわけでもありません」
 「そのくらい判るわよ」
 ルイズはそう言葉を返すと、再び遠い目をしていった。
 「ただ、あの厳格すぎるところだけがどうしても……いくら何でも融通が利かなすぎるわ」
 「そればかりは性格ですから仕方ないかもしれませんね。ほんの少し聞いただけですけど、今も昔も、トリステインの貴族の方々は、どうにもこうにも自分を律せない方がたくさんいたようですし」
 「我慢できずにいろいろやって、その繰り返し、っていうわけ? はあ、勘弁してっていいたいわ」
 ため息をつくルイズ。それを慰めるようになのはが言う。
 「もう少しご主人様が大人になれば判るようになると思いますよ」
 「年齢じゃなくて経験という意味よね、大人って」
 「いえ、この場合は両方ですね。子育てをした経験とかがないと判らないと思いますから」
 それを聞いてルイズは、なのはに義理とはいえ子供がいることを思いだした。
 「ああ、そういうことなのね」
 「そういうことです」
 ルイズはもう一度深々とため息をつく。
 「なのは」
 そう呼びかけた言葉が、何故か妙に重いのを感じて、なのはは少し心の中で背筋を伸ばした。
 「なんでしようか、ご主人様」
 「ここだけの話だけどね、私、母様に甘えた覚えがないの」
 なのはは内心(あらら)と叫んでいた。気の抜けたルイズは、ここにいるトゥルーカスを通じてこの会話がカリーヌに丸聞こえな事をすっかり忘れているようである。
 だが同時にこれもいい機会かと思って、そっとトゥルーカスの体をやや強めに押さえ、すぐ放した。カリーヌ様ならこれで意味が通じるはず、となのはは推察する。
 実際この後、トゥルーカスは見事に『ただそこにいる鳥』になりきった。
 そしてルイズは、内心にたまっていた愚痴をこぼす。
 「なのはと知り合ってから、ようやく判ったっていうか、理解したっていうのか……うまく言葉じゃいえないけど……なのは、あなたは私が遠慮無く寄りかかれる、初めての人だったの」
477ウルトラ5番目の使い魔 第87話:2010/02/09(火) 17:34:24 ID:28zJbamL
 危険な言葉にも聞こえるが、もちろんなのはは誤解したりしない。
 ルイズは公爵令嬢だ。身分制度がきっちりと機能しているこの世界において、ルイズと同格の人物はほぼ存在していない。気負い無くつきあうことが可能な人物は、家族でも厳しいくらいである。
 性格面を抜きにしても、実のところルイズと同格の人物は次女のカトレアしかいないといって過言ではない。長姉エレオノールは直系男子のいない長女であるため、形式的にも一段位が上になるからである。
 それに加えてカリーヌの性格が災いした。規律に厳格すぎるきらいのあるカリーヌは、むしろ身内にこそそれを厳しく適用した。自らが守れないことを他人に強要することが出来ないという、きわめて立派な思考法が裏目に出たともいえる。
 割を喰らったのがエレオノールであり、ルイズだ。元々の気質はともかく、カリーヌのこの性格が、思いっきりこの『規律を越えるはずの家族間の絆』をぶちこわす羽目になった。
 カリーヌには悪いが、この方針は本来子供の自我がきちんと確立してからたたき込むべきものである。それを彼女は自我形成前からやってしまったのだ。
 結果、ルイズは孤立した。もしこれで次姉カトレアの無償の愛がなかったら間違いなくルイズは破綻し、姉エレオノールを上回る凶悪な性格になっていたことはほぼ間違いない。
 エレオノールは姉であったためにカトレアにはすがれなかったが、メイジとしては優秀だったために何とか自我を破綻させずに済んでいる。対してルイズには自己を確立するための柱が何も無いのだ。
 そうなった子供は悲惨である。カトレアがいなかったら、ルイズは他者の攻撃か、何かへの依存を通じてしか自己を確立できなかったことであろう。いろいろな意味で、ルイズはわりと崖っぷちだったのだ。
 そんなルイズが、カトレアに次いで得たものがなのはだった。カトレアの場合、頼り切るには彼女の持つ『病弱』という問題点があった。
 寄りかかりすぎて負担を与えると倒れてしまう。その恐れがカトレアに溺れることに対してブレーキを掛けていた。これもまた皮肉だが、カトレアが健康だったら別の意味でルイズは破綻したかもしれない。
 そしてなのはもまた、ある意味ここしかないという状況で呼ばれていたともいえる。
 年長の大人であることは最低としても、大きな事件を解決し、ヴィヴィオを引き取った後だということが大切であった。
 JS事件を通して、なのはも大きく成長していた。育てること−−教え子たるスバルやティアナへの長期教導を通じて自覚したこと、ヴィヴィオとの出会いと生活。この経験がわずか一年足らずの間に、なのはをずっと大人の女性にしていた。
 もし仮になのはが召喚されたのが六課設立前だったら、ルイズとの関係は今のような被保護者−保護者的なものではなく、むしろ親友的なものになっていた可能性が高い。
 反発することにも、意見するにも、おそらくは遠慮がなかったであろうから。
 ティアナ撃墜騒動や、娘のヴィヴィオとの日常無くして、今のルイズを包む優しさと余裕を持つことは、なのはも出来なかったに違いない。
 
 「なのはが使い魔として出てきて、最初はなんで平民が、としか思わなかったわ。でもあなたは何も言わずに私を受け止めてくれた。最初はとまどったけど、しばらくしてなんか私自身、ずっと落ち着いているのに気がついたの」
 ルイズの目がなのはを見つめる。
 「あなたと一緒に過ごして、私は私とまわりを見る余裕が出来た。魔法を使えなくて悩んでいた私に、希望と自信をくれた。時には無謀な行動をする私を守り、時には私の剣になってくれた」
 なのはも無言でルイズを−−主人を見つめる。
 「おかげで私は気がつけたわ。自分が孤立していないって。自分にも出来ることがあるって。自分もまた、人の役に立てるって。自分が……ここにいていいんだって」
 そんなルイズの告白を受けてか、なのはもぽつりと言葉をこぼした。
 そっと体をなのはの側に寄せ、お互いの体温を感じるようにしながら、なのはは語る。
 「私も、ずっとずっと小さい頃、そんな風に思っていたんですよ」
478ウルトラ5番目の使い魔 第87話:2010/02/09(火) 17:35:09 ID:28zJbamL
 「なのはが?」
 ルイズの意外そうな言葉に、なのはは小さく頷く。
 「こちらとは全然違う社会なんで判りづらいかもしれませんけど、私も小さい頃、父の怪我とかいろいろあって、まわりに誰もいないも同然な、そんな風に思っていたんです」
 ルイズは少し意外そうになのはの方を見る。それに気がつかないように、なのはは言葉を続ける。
 「いい子にしていなければ、ここにいちゃいけない……今となっては笑い話ですけど、当時は本気でそう思ってました。自分を殺して、常に人の目を気にして、『いい子』に見られるようにする……今思うと、よくできたって思いますよ、我ながら」
 「うわ〜、私には出来そうにないわ。多分無茶苦茶暴れてると思う」
 「ご主人様とは身分とか環境とかが違いますからね」
 そういってなのははルイズに向かって微笑む。
 「何しろ暴れようにも暴れる相手すらいませんでしたから。でも幸い、小学校に入ってすぐ……あ、私たちの世界では、6歳になると学院みたいなところでまとめて教育を受けるんです」
 「へえ、そうなの」
 ルイズは詳しく聞きたいとは思ったものの、さすがに今聞くのは場違いだと感じて流すことにした。
 「そこで喧嘩したりして、友達が出来て、9歳の時に魔法と関わって、フェイトちゃんやはやてちゃん……あ、向こうの親友ですけど、それと友達になって、いろいろあって、今の自分がいるんです」
 そのいろいろを是非とも聞きたい……いや、いずれ聞くと、ルイズは心に誓った。
 しかしそれは今ではない、と改めてその思いを押さえ込む。
 そうルイズが思っている間にも、なのはの言葉は続いていた。
 「ご主人様」
 その口調が、今までの語りとは少し違う気がして、ルイズはちょっと姿勢をあらためる。
 「ご主人様はいろんな事に気がついたのですよね」
 「ええ、まあ……ありがとう」
 「だったらお礼は私じゃなくて、今はまだ知らない人にしてあげてください」
 「へっ?」
 脈絡がないことをいわれた気がして、言葉に詰まるルイズ。だがなのはにはそれがわかっていたらしく、解説するように言葉を続けてくれた。
 「この先ご主人様は、いやが応にも人の上に立ちます。当然、そのつきあいは上からのものになります。時にはひどい扱いをしなければならないことも多いと思います」
 うんうんと頷くルイズ。
 「それでも、人のつきあい方っていうのは、案外変わらないものだったりするんです。要は自分と同じ。自分がいやなことは相手もいやだし、逆もまた然り。例外もありますが、それは見れば判ることです。
 そんな中で、自分がしないといけないことは、要はお返しなんです。
 自分が人からもらったものを、今度は別の人に返してあげる。難しいようですけど、実はそれだけなんですよね」
 それはなのはがまだまだ短い人生の中で会得したこと。
 そしてルイズは、その言葉を胸に刻んだ。
 冷静に考えれば、自分もまた、いろいろな人からいろいろなことを学んでいる。
 愛情。憎悪。侮蔑。差別。感謝。好意。嫌悪。その他諸々。
 受けたものを返し、次に繋ぐ。
 その繰り返しだと。
 そう思えば、難しそうな人間関係も、意外と単純なのだと。
 
 「本当にありがとう、なのは。あなたは私がもらい損ねていたものをくれるみたい」
 「だからこその使い魔なんでしょう、と思います。後、」
 そこでなのはは言葉を切り、ルイズをこづくようにした。
 「なに、なのは」
 「『もらい損ねた』はよくないですよ。カリーヌ様は判りにくいだけで与えていない人じゃありません。正確には『受け止め損ねた』だと思います」
 「……今なら判るけど、判れっていうほうが無理よ」
 「そうかもしれませんね。ものすごく難しいとは、私も思いますから」
 トゥルーカスを通じて娘の本音を聞いているカリーヌに内心謝りつつも、なのははそういって締めくくった。
 
 
 
 「ねぇ、あなた。私って、そんなにきつい母親だったのかしら」
 「……いや、君は優しいよ、充分に」
 「その間が答えを言っていらっしゃるみたいですけど」
 もう一つの馬車の中で夫婦喧嘩が発生しかかったのは、なのは達には内緒である。
479ウルトラ5番目の使い魔 第87話:2010/02/09(火) 17:36:28 ID:28zJbamL
 今回はここまでです。いつも読んでくれていた方には短いかと。

 本来この後夫妻の学院訪問があって、そこでいろいろあるはずだったんですが

 内容的にもテーマ的にもごった煮になりそうだと、書いてみてようやく気づきました。

 当然タバサは死ね。



 今月は落ち着いたので、ペースを上げられそうです。明日までには続きをと思っています。

 それでは。
480名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 17:42:27 ID:2Jq4hHLg
ウルトラの人乙
481名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 17:42:38 ID:QJsaLfKG
また荒らしが来たのね・・・・隙だねぇ。
482名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 17:43:07 ID:aYVLCOWY
お疲れ様でした。
こんなに早く読めるとは。あり方やあり方や





本物ですよね?(最近変なのがわいているので)
483名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 17:45:12 ID:H4j8Cqku
本物ならトリップ付けてくれないかね
484名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 17:49:42 ID:iI4vk8j6
ウルトラ乙

今日も支援が間に合わなかったぜ
485名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 18:06:06 ID:kRn9W50w
本物だったら、ある特定のキャラに対して死ねっていう言葉遣いはしないんじゃないかな……
486名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 18:12:00 ID:dIngJfKW
本物以前に終わり報告文が魔砲の人の改変じゃないか
どう見ても嵐
487名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 18:15:49 ID:OzFPZqD5
大方受験に失敗した受験生が誰でもいいから他人を不快にして溜飲を下げようとかいった
幼稚な動機なんじゃないの
488名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 18:22:26 ID:73lbr5/9
ちょうど、今このスレは停滞気味だからね。
まとめのカウント数もやや減りつつある。
そういう時だから、嫌がらせしてどんどん人がへっていく、自分が何かしたことによって人が不快な気分になっている…というのが実感できやすいとか、そう思ってるのかもしれない。

489名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 18:48:27 ID:uVVX/o0R
最近来たのでわからないんだけど、
こういう輩って前からいたの?


RAVEのハルを召喚と言ってみる。
490名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 18:52:39 ID:KyE/SCcP
憚れるのはモンキー・D・ルフィですね、分かります。と言ってみるw

俺はこういう荒らしは初めてみた。
話題にしても喜ぶだけだと思うけどね。
491名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:08:14 ID:QJsaLfKG
こういう荒らしはちょくちょく来てる。

馬鹿に触るとうつるから触らないように。
492名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:17:07 ID:kwYl91B/
よし、じゃあ病原菌とかそういう危険物召喚で

1.T-ウィルス
2.DG細胞
3.マシンセル
4.バルディエル
5.お化け風邪
6.呪いのビデオとテレビとデッキと都合よく接続されたバッテリー

さぁどれにしようか!!
羅列するうちに気付いたっつーか今更だけど
バンプレのDG細胞の猛威っぷりと派生亜種の多さは凄いw
493名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:19:36 ID:9ZMnEtPs
じゃあBETAで
494名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:21:31 ID:KyE/SCcP
サゾドマ虫で
495名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:30:40 ID:1DmljMsn
>姉エレオノールを上回る凶悪な性格

つまりエレオノールは凶悪な性格だと
496名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:32:56 ID:SbqHyZwc
ゾナハ病で
497名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:35:10 ID:buuRExnv
インベーダーで
498名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:35:51 ID:nbPm8jTo
>>492
ふもっふのフルモンティ・バクテリア……と思ったけど、ハルケの衣服は全部天然素材だな。効果なしw
499名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:37:02 ID:ZB8yJEUP
ウォーダンを召喚し……メイガスとリンクが無いと無理か……
500名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:42:58 ID:4DEQXgXH
プラーガも入れてあげてください
501名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:46:56 ID:+FHDfJfL
>>493
BETAのあ号と反応炉召喚してあ号と契約したらあの物量全部ルイズの支配下とか恐ろしいな
502名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:48:06 ID:kwYl91B/
>>494
人の心があったらあんなもん作れんわぁw
しかし面白そうだ
契約を躊躇って逃げ出すルイズ、追いかける蟲はやがて周辺の蟲と交配し奇跡の繁殖
自室、教室、広場、城下町
ルイズの逃げ場は失われてゆき、やがて・・・
>>498
人知れず肩こりや筋肉痛が魔法学院から消えるだけですなw
普通にありがたい
>>499
小ネタではあったな
W05がエンドレスフロンティアで生存してることがとうとう発覚しましたが
アレも記憶喪失を経て独自の人格を確立したのでしょうか・・・
05も15も07や17のように事故を経て〜となればメイガスの制限は無くなるかもしれません
ルイズとの契約でルーンが刻まれて〜と
メイガスじゃなくてルイズと定期的に接触しないと〜・・・ってそれ普通に原作のサイトまんまですやん!
503名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 19:52:56 ID:WLNgB7E2
ヴァールシャイン「また出番ありそうなので一旦エンドレスフロンティア戻ります」
504名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 20:06:24 ID:oK7MGcPc
>>492
>>呪いのビデオとテレビとデッキと都合よく接続されたバッテリー

それってリングシリーズ原作的にはハルケがマトリックスばりの仮想世界ってことじゃねーかwww
505名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 20:55:05 ID:eoSJwtlQ
呪いのビデオの人は何もつながってないテレビからでもでてこれたような
506名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 20:59:49 ID:AVQo4zzJ
>492
バルディエルは逆に無力化しそうなんだが
507名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:05:48 ID:RPRatvMN
しかし送られてきたデッキはBetamaxだった
508名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:14:18 ID:HrGWTo7r
>>504
まさかこんなところでリングのネタバレを喰らうとは…………
509名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:27:35 ID:pHByXnsd
リングは映画だとホラーだけどループまで見ると完全にSFだしなぁ
貞子召喚しても超能力の使える半陰陽ってぐらいだ
510名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:29:31 ID:H4j8Cqku
半陰陽って、ふたなり?
511名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:30:59 ID:pHByXnsd
ふたなりです。
512名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:36:09 ID:+aTCrZip
>>504
何気にウイルスっていう途中経過もナチュラルにバレしてるなw
513名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:42:01 ID:vpqR576p
ネタバレっつってもどんだけ昔の作品だよって感じだけどなw
514名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:47:04 ID:1DmljMsn
つか、免疫のない未知の世界からのウィルスなんて
真面目に考えたら凶悪以外の何物でもないぞ
まあご都合主義で物語の8割が出来てるゼロ魔の世界なら大丈夫なのかもしれないが
515名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 21:53:40 ID:pbYHYZhK
まあ真面目に考えると、異世界召喚って未知の細菌とかが持ち込まれるからなあ。
そこら辺やると話が重いし、話の展開に必要がないならスルーするしかないよな。
516名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 22:07:42 ID:H9QZ1m/G
外からやってきた人間の持ち込んだウイルスで原住民が全滅した、ってのも
実際に起こりうることだしねぇ

汚物は消毒だー!と炎を振り撒くコルベール先生を想像してしまった
517名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 22:24:53 ID:HrGWTo7r
逆に、サイトが速攻で病死してもいいわけだな。


……って、水魔法で何とかなるんかな?
518名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 22:26:58 ID:kwYl91B/
>>504
ではループから召喚された実体化済みウィルスで
>>506
エヴァ2だとトウジに洗剤で殺される場合があるらしいですね
>>510
他の女性犯して自分のコピーを産ませたり
バースデーか何かだとセルフ妊娠してコピー増産してましたなぁ
・・・・・・避難所逝きかな
>>516
やむをえないというか・・・正しい、一応
でもそういうことする段階って大抵手遅れなんですよね
あとはパラサイトイヴの反乱ミトコンドリアとか
PSの一作目の完全体は本当にホラーでした・・・
519名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 22:30:09 ID:hBVx2caU
ルイズが異世界から召喚を行ったとしても、過去にも虚無の担い手が居たこと、場違いな工芸品の存在、シエスタの祖父、等の存在があるので様々な菌類が既にハルケギニアに存在している可能性は少なく無いかと。
つまり、既に免疫を獲得している可能性も捨てきれないのでは?
520名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 22:36:11 ID:1DmljMsn
ふたなりの美女の貞子がルイズに種付けだと・・・ゴクリ
521名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 22:52:46 ID:GQ1sajJO
ハッタリ仕事しろ。
522名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 22:55:30 ID:QGcZEUcX
つまりヴィンダールヴのそうえもんが使い魔になればいいということか
523名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 23:00:29 ID:+aTCrZip
そうえもんがヴィンダールヴは凶悪過ぎるだろw
基本好き勝手やってる菌を掌握出来るんだぞw
524名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 23:10:01 ID:kmo9ClhH
>>520

貞子だらけのハルケギニアを幻視したw
テファに竜司呼んでもらわないとエライ事にww

パラサイトイヴのイヴ(崩壊前)呼んでルーンで崩壊阻止はアリ?
525名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 23:15:53 ID:sArDfXrG
>>472
うひょー! 魔砲キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
526名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 23:32:08 ID:gFxekyd+
>>499
α外伝のゼンガーじゃ駄目か?
あとウォーダンはメイガスとのリンクは別に必要無かった筈

>>516
南国少年パプワ君思い出した
527名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/09(火) 23:51:56 ID:ZAljV5G4
うっし規制解除
ウイルスとかいうなら菌類でマタンゴを召喚、貴族は飽食だから誰も食わんな
528名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 00:03:49 ID:CGQEtJxJ
キュルケ、タバサ、モンモンの誰か一人が引っかかったら誘惑に負ける自信あるね。
529名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 00:07:28 ID:Q8yTFDMw
菌ってんなら、もやしもんとか……
ハルケギニアに、醤油革命をおこすぜっ
530名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 00:18:17 ID:4H8+1VZo
>>526
α外伝のゼンガーは難ルートエンディングの後、アースクレイドルでぬぼーっとしてるけどな。
531名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 01:50:36 ID:o9YPYf96
>>529
異世界で醤油革命は、エルハザードが既に通過しているw
532名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 02:27:19 ID:h6XL98+A
誰かアニメ史上不幸な主人公と言われる相羽タカヤのSSを書いてくれないかな
533名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 02:37:03 ID:c931yTbN
これ以上彼から何を奪うつもりだ(涙)
スパロボW版ならともかく原作は廃人ENDだぞ。U?黒歴史です。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 02:42:56 ID:YAAsvNPf
>>533
公式で詳細は省くがはあの後奇跡が起きて回復している。

ファンにとにかく評判の悪いUはそれの後の話という設定。
535名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 02:54:02 ID:h6XL98+A
>>533
タカヤが廃人状態で召喚されるってのもオモシロイと思うのだが

U?何ですかそれ?美味しいのですか?
536名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:00:30 ID:YAAsvNPf
てかageないで貰えないか。
537名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:07:23 ID:h6XL98+A
ここはsage推奨なのか
538名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:20:42 ID:aONVBe9k
>>537
>>1を四半世紀ほど凝視してこい。
539名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:26:38 ID:h6XL98+A
>>538
MADE IN HEAVEN!!
時を加速して見てきたぜ
540名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:30:33 ID:h6XL98+A
すまんつい癖でやっちまう( ^ω^)・・・
541名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:33:31 ID:b58vh2uM
なんだ荒らしか
542名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:36:21 ID:YAAsvNPf
ニュー速かVIPに帰れ。
543名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 03:38:57 ID:yJJGMd/X
ν速でもVIPでも
お断りします
   ハハ
   (゚ω゚)
  /  \
((⊂ )  ノ\つ))
   (_⌒ヽ
   丶 ヘ |
εニ三 ノノ J
544名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 04:16:36 ID:MrKhqlU4
AAもやめてください・・・
545名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 07:38:03 ID:AmQfZ974
BYDOもヤバい、マサキもヤバい
546名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 10:18:42 ID:qNl448+Z
一休さん召喚でアンアンの無理難題をとんちで解決するお話はどうかしら
毎度、アゴの割れたアニエスが馬を走らせ一休さんに知恵を拝借に
547名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 10:26:49 ID:cJVF91Lb
アニエス(野田圭一)
の文字が
548名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 10:33:44 ID:FRon7lMX
>>547
なんだその、アトミックパンチやら、サンダーブレークでやたらと声の高くなりそうなキャスト。
549名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 10:34:35 ID:+YERK7o8
>546
実はワルドのあごヒゲを剃ると、ハッキリと割れているとか。
550名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 10:38:36 ID:hDONtx15
こっちは三万隻、向こうは二万席。一隻が一隻を落としたらこっちが一万隻残るではないか!
551名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 10:49:10 ID:J1iu14H9
一休さんよりは一休禅師のほうがはっちゃけててアレがアレであれなんで
キャラクター的にはめっさスゴくて面白いんだよなぁ
ただあまりにもスゴ過ぎて描写ほぼ不可能
18禁な発言も平気で連発するし

何言ってるか分からない人は名作「あっかんべぇ一休」を読むべし
552名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 11:29:57 ID:QpLJVb/0
>>550
聴かせるにはジャッカルが作った曲で十分だ
553名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 11:36:16 ID:e0ebSzbc
>>551
どちて?どちて?とくだらない質問ばかりするうんこみたいな餓鬼に
殺される理由を延々と説きながら池に沈めたりするんだよね。

そりゃ18禁にもなるわ。
554名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 11:37:58 ID:sbhOuTxH
ルイズがコーセルテル的に子竜を育てる展開みたいなのもいいなあ
555名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 11:55:39 ID:DAhzN/X9
>>527
あれ召喚したら、あっという間にトリステイン全土に広がりまくりそうで怖いぞw
556名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 12:15:18 ID:M6QiX7tf
ウルトラセブンより、フック星人召喚。
ルイズ以外全員入れ替わる。
557名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 12:16:43 ID:DAhzN/X9
学院が夜中になると沈むんですね、わかります
558名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 13:05:09 ID:Hediz1AO
右京さんが召喚されたのを見て、ならば似たような属性持ちの
レイトン教授が召喚されてもいいのではないかと思った。
しかし俺が想像しても、ルイズに何か聞かれても「ググれ」で済またり
する様な教授しか…。
559名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 13:07:17 ID:DAhzN/X9
極限流の使い手の英国紳士ですね、わかります
560名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 13:19:45 ID:M6QiX7tf
>>558
ハルケギニアの人々に「○○してほしければ、このクイズに答えてもらおう」
といきなり挑戦されたり、
逆に「○○といえばこんなナゾがあるよ」といってルイズにうっとうしがられる
んですねわかります。

レイトン教授ならハルケギニアのルーン文字を読めそうw
561名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 13:44:46 ID:QBhq9OuZ
右京さんと聞いて某侍魂の喀血剣客を思い出したわけで
あの作品からだと誰呼んでもそれなりにお話動くから作者の力量がもろに出そうだな

…そういえば、ミヅキ召喚の人帰ってこないかなぁ
562名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 14:17:30 ID:pveuTlZX
某凡骨デュエリスト召喚
563名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 14:19:51 ID:08WVO2jf
>>263
一番きれいな召喚パターンはこんな感じか
ルイズ      鬼太郎
ジョゼフ     ねずみ男
ヴィットーリオ 悪魔君
テファ      水木先生ご本人
564名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 14:50:58 ID:XHfwYGJh
ロザリオとバンパイアのメンバーもけっこうカオスになりそうだ
565名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 15:33:55 ID:qADWx3Jk
ねずみ男とキスしたらその時点で死ぬわw
566名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 16:34:25 ID:XHfwYGJh
なぜかギガバトルナイザーを持ったオスマンが浮かんだ…
567名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 17:27:56 ID:qNl448+Z
声優が同じだっけ
568名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 18:01:23 ID:EELNeuz6
>>567
オスマンの中の人の役はすぐに殺されるけどね。
本来の持ち主は宮迫。

ルイズがレイブラッド星人を召喚してレイオニクスになり、
バトルナイザーでゴモラを召喚して戦う
「大使い魔バトル ゼロのギャラクシー」を妄想した。
569名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 18:16:05 ID:djZlwbRS
>>565
いや待て。>>563だとねずみ男とキスしたのはジョゼフだから……
つまり、そのショックで狂王化したと考えればw
570名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 18:38:45 ID:T+7PpYMg
宮迫・・・実写版キャシャーンで一番泣かせてくれた
しかしアクボーンはシリーズで毎度色々な意味で泣かせてくれたな
 初代:ブライキングボスに見捨てられて爆死
 OVA:一話目でキャシャーンに威勢良く挑むも瞬殺
 実写:体を張ってルナを守り最後はブライとルナを繋いだ
 sins:そっくりさんのみ登場実質出番無し
個人的にアクボーンはOVAのシャープなのがビジュアル的に好きだ

それはそうと、アンドロ軍団ってハルケギニアに来たら大儀が無くなるような
sinsのキャシャーン呼んだら決闘イベントでギーシュやギャラリーが全滅しそうだし
そして今思い出したが、sinsのバラシンて再登場を予感させながらあのままフェードアウトしちゃったなぁ
呼んでも問題ないけど意味も無いな
571名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 18:45:11 ID:7oGT/7WF
たった今知った。

ちょっ、ヴァンプ将軍が、正義の味方に転職しちゃったよっ!!
(今週日曜からの新戦隊シリーズのサポート役)
572名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 18:56:31 ID:zxGKRAh+
>>564

あのOPをノリノリで踊るルイズ達しか浮かばねぇww
573名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 19:06:07 ID:7oGT/7WF
>571
サンレッドスレと間違えました。
すいません<m(__)m>
574名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 19:08:10 ID:iExlssVN
>>526
Wシリーズとしてのウォーダンが好ましい
575名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 20:42:48 ID:Ilt9VTjx
ポケモン新しいのが出るな。プレイし終わったら一作書くか
576名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 20:55:58 ID:Ilt9VTjx
おっと
577名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 20:59:57 ID:thuGTo3M
>>568
ルイズがレイブラッド星人に頭からうにょうにょ入られるんですね。
これは新たな黒ルイズ誕生の予感!
578名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 21:15:19 ID:xrnbOJSC
黒ルイズ

ネコババしたり空き缶をお店の中に蹴り入れたり犬を蹴っ飛ばしたらルイズのカラーが黒くなる。

というわけでロックマンことロックンロール召喚
579名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 21:19:27 ID:QBhq9OuZ
ルイズがゲートを開いたらフラッター号が突っ込んでくるのか
…それはソレでありだな
580名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 21:20:54 ID:QpLJVb/0
ギーシュとの戦いが「禁じられた遊び」のノリになりそう
581名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 21:59:04 ID:sLqax7eB
>460
確かに。アレの時点で真面目に書いてるフリをしてる愉快犯に見えてしまう。

そもそも、あの鎧一式……は、王家の戴冠式用のレプリカとしても、アルスの剣は特級のマジックアイテムな訳で。
多分ディテクトマジックの一つもすれば反応あるんじゃないんかなと。
つーか本人も魔力持ってる時点で……なぁ。


>魔砲の人
乙ー。そうか、カリーヌ様やっぱりマルチタスクの練習を……


>554
コーセルテルから子竜が呼ばれたら大変なことになる気がした。特に孵化済みの闇竜。
582名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 22:06:19 ID:6Sy2/ekg
>フラッター号

そうするとイザベラあたりがトロンと子分召喚かな?
ゲゼルシャフト号がプチトロアにめり込んでるあたりで。
すごいことになりそうだ。

そういや、イザベラ様は明確なイラストってあったっけ?
583名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 22:39:52 ID:6R5tY5ym
ゲッター号に見えた。明確にスレ違いだ。
584名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 23:10:21 ID:cLDwfrAX
>>554
蒸気吐きドラゴンのスタンリーはどうだ
585名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 23:11:57 ID:2xHByxvA
>>558
レイトン教授なら「助けを求める女性の声が聞こえた」という理由で
なんの迷いもなく召喚ゲートに入りそうだ。
586名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 23:32:59 ID:G3E0UHvD
>>583
虚無エンドに向けてまっしぐら。
587名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 23:49:54 ID:thuGTo3M
明日は建国記念の日か、国王とか支配者とかの類を召喚するんだったら誰がいいかな?
ドン・ガバチョとかほっといても来るかもしれんが、アンアン以上のトラブルメーカーは間違いないな。
588名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/10(水) 23:59:53 ID:X+P5BTdp
ジョアン・フィゲル
589名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:01:12 ID:/pEYRUEm
レベルEの王子
590名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:05:16 ID:G1a6nuVp
つ ルカ・ブライト
591名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:06:45 ID:h8JhOG16
バカ王子とかレベル高杉だろjk
592名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:07:54 ID:prm3Lsfe
キバヤシ
593名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:08:26 ID:0r7By/zd
ランスのガンジーとか呼んだらルイズからレコンキスタ、ロマリアにジョゼフ間で満遍なく酷い目にあいそう
594名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:10:42 ID:abu/lG5H
ブライト・ノア
595名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:16:06 ID:N6mX92Q7
ここで、平行世界のルイズ・ド・ラ・ヴァリエールを召喚。
596名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:19:39 ID:2jeBs0MN
金髪閣下に一票入れとく
597名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:23:53 ID:wupEy84J
背と胸が大きくて四代属性のスクウェアでグリフォンを使い魔にするが
虚無属性が無くてワルド並みに虚無に執着するルイズか
598名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:31:01 ID:gC+D19ru
王族か…
つドラクエ6の主人公つFF5のレナ、ファリス、ガラフ、クルル
つFF4のエッジ
つ神楽坂明日菜
つ無限のフロンティアの巨乳と腹鬼
つ封神演義の雷震子
つドラクエ2の主人公達
他に居たっけ?
599名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:31:27 ID:C/SUEo2i
召喚剣士ネスカート
600名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:33:12 ID:mRm+GbjI
いや他に居たっけってあーた
601名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:33:47 ID:FL2VELZq
あげたらキリねーよ
602名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:35:02 ID:/pEYRUEm
投下こいっ!
603名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:45:30 ID:2JrQ9D72
スレイヤーズのアメリアが召還された話があったはずだが
604名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:50:40 ID:AkYTef2q
ROからカトリーヌ=ケイロン(MVP)とか召喚してみたいけどどう考えても破壊の杖やら竜の羽衣の代わりが思いつかない。
605名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 00:51:25 ID:prm3Lsfe
サンデーで漫画化される田中マルクス闘莉王ユウジムルザニの出番か

タナカ(*´∀`)       大和魂を大切にする古き良き日本人。帰化はこいつのせい。
マルクス( ゚∋゚)        知性派。常に理論的に物事を考える唯物論者。サッカーには影響してない?
トゥ━━━(゚∀゚)━━━リオ !!!! 基本人格。攻撃大好き。守備はあんまり好きじゃない。つーか嫌い。
ユウジヽ(`Д´)ノ      最も残忍な性格。平気で相手に肘入れるし、味方ですら切れると攻撃する。
ムルザニ(´ι _`  )    守備的な性格。最終ラインで跳ね返してる時はたいていムルザニ。
606名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 01:26:30 ID:pdz20uFR
多重人格かよw
607名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 01:32:12 ID:rlBi1zX7
FSSからアマテラス。

破壊の杖は懐園剣。

竜の羽衣はKOGとラキシス。
608名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 01:37:00 ID:jOzewr0O
よし、そろそろダンテでも勝てないと言われてる最強のマミーベヨ姐さん召還を期待してみる
・・・・ゴメンなんかGoH使うなりなんなり自力で帰りそうなイメージしかなかった・・・
609名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 02:30:55 ID:PX8oYIZ6
>>603
それ、姉妹スレのやつじゃ?
610名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 03:23:28 ID:C/SUEo2i
そろそろ破壊の杖使って自爆するマチルダさんが欲しい
611名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 03:28:33 ID:prm3Lsfe
ジャッキー召喚して破壊の杖の代わりに破壊のメントス
何故かノリノリのミス・ロングビル
612名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 03:52:20 ID:h8JhOG16
王族ならカイムがいるだろカイムが。
613名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 10:24:53 ID:xm/zhdmr
>>608
ベヨ姐さんは強い上に容赦ないからルイズが虚無に覚醒しても活躍できない…
ゼロ魔側とのバランス取るならジャンヌのが適役じゃね?
614名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 10:56:51 ID:Wfl6wzt7
>>610
黒蟻のおマチさんは自爆に近いんじゃない?
615名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 11:10:04 ID:FRG+wyd5
>582
どっかであったような気もせんでもないが…
まあ、覚えてないわけでorz
……マンガ版タバサの冒険には出てるんじゃ?
616名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 11:35:32 ID:/pEYRUEm
イザベラ様は外伝はもちろんのこと、本編にも結構イラストあるよ
617名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 12:44:14 ID:rJv15kLh
>581 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/02/10(水) 21:59:04 ID:sLqax7eB
 >554
 コーセルテルから子竜が呼ばれたら大変なことになる気がした。特に孵化済みの闇竜。

暗竜術で さっさとゲート作って帰るかも。
話を作るなら、交換留学・異世界交流かな?
シルフィードに竜術覚えさせようとするタバサとか。タバサなら、風竜家でも地竜家でも 問題なく馴染めそうだし。
キュルケは当然のように火竜家。モンモンは水竜家もイイけど、木竜家のロイ・ノイコンビと相性が良さそう。
ルイズはどこがいいかなぁ。
618名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 13:11:45 ID:C/SUEo2i
モグラは竜に入りますか?
619名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 13:14:31 ID:mRm+GbjI
もちろん入るだろう
620名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 13:26:20 ID:idLP4DTT
宇宙の竜メタノイドラッケンを召喚
うん、ハルケギニアが食われて終わるな
621名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 14:18:42 ID:2JrQ9D72
>>609
何処かで見たと思ったら、そっちか
小ネタで書かれた話だから続かないのが残念だ
622名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 14:32:05 ID:LIWoT4kG
中身が黄金の龍なダークヘリオスさんを召喚。
勿論最終的には突然ジ・エンブリオンさんが現れ、ルイズは帰りを待ち続けます。
623名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/02/11(木) 14:37:58 ID:EDRTyrpq
歪みきった現代社会に活を入れるべく、そろそろ男達の使い魔が復活する兆しが・・・まったく感じられないのがなんとも残念だ。
624名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 14:44:44 ID:T+HcP3yH
汚れちまった悲しみにー
625名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 14:46:09 ID:mRm+GbjI
俺の青春もー
626名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 16:08:51 ID:H6W/9FXE
なんぼのもんじゃい!
627名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 16:24:42 ID:idLP4DTT
ああ、お前は今まで
628名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 16:29:22 ID:DzehQBcs
続けるんかいっ!

と切ってみる
629名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 16:37:13 ID:w6Tu1W3q
一瞬、トリステイン魔法学院の学院歌を考えちまったじゃねーか。
630名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 16:44:52 ID:MQeWGosR
バズ・ライトイヤー召喚
単体で大気圏突入可能のスペック、強力なレーザービーム
さらに壁をよじ登れたり戦力としては申し分あるまい
631名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 16:56:55 ID:6E2A8LpY
>630
ただしトイ。
632名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 17:01:30 ID:QZULr5vh
ジャック・スパロウ召喚。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 17:02:20 ID:T+HcP3yH
学院歌だと!?知っているのか629!!
634名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 17:21:46 ID:gC+D19ru
>>618

ギーシュがFEの地竜召喚…普通にギーシュ無双だなw
635名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 19:17:41 ID:WzauhYWe
ゼロ魔の世界にリビングデッド系のモンスターってガーゴイルの括りになるのかな。
モンスターファームのデュラハンとか考えたんだが。
636名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 19:53:14 ID:Dj2ZmwfR
ソーディアンのベルセリオスを召喚してルイズ洗脳
ルイズ改造系なのかな
637BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 19:54:10 ID:mNqvPseU
予約なさそうですので2話目を8時くらいから投下致します。
期待している方、そうでない方、いらっしゃいましょうがどうぞよろしくお願いします。
638名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 19:59:23 ID:GSpNI2u0
武蔵伝の人来ましたか
639BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 20:00:33 ID:mNqvPseU
「こいつはすごいや、本当に違う世界なんだな」

初めてヤクイニックに召喚されたときのことを思い出しつつ、ムサシは独り言ちた。
空にぽっかり浮かぶ双月は、らせんの塔へ向かう途中に見た明け方の満月を呼び起こさせる。
自分の胸が疼くのを、僅かに感じた。

「二つのお月様が綺麗だぜ」
「何やってるのムサシ、こっちが私の部屋よ」
「ああ、広いなーここは。お城みてえだぜ」
「お城?あんた……まさか……」
「ん?」
「王宮に盗みにでも入ったことあるの?」
「なっ……誰がドロボーだって!?とんだ濡れ衣だぜっ!」

いつぞやの鐘ドロボーのような扱いをされるのはゴメンだった。
ムサシは遺跡のお宝や英雄として使う権利のある伝説の武具しか頂戴した覚えは無い。

「ウソおっしゃい、あんたみたいなナリの子供がお城に縁があるわけないでしょうよ」
「人を見た目で判断してもらっちゃ困るぜっ!おいらは城住まいだいっ!」
「はぁ!?」

いよいよもってルイズはこの使い魔がわからなくなってきた。
無礼な物言い、粗末な身なり。
かと思えば城に住んでたと言い出す始末。
子供のことだ、嘘をつくのは不思議ではない。
しかし決定的にムサシについての情報が足りない今、信憑性はともあれ詳しく話を聞く必要があった。

「……ともかく、あんたにはいろいろと聞きたいことがあるわ、ほら入って」

一日の終わり、部屋に入る瞬間は多少なりとも開放感に包まれるものだが、今日はここからが本番だ。
そういえば男性を部屋に入れるのは初めてかもしれない、ルイズはふとそう思った。

「ムサシ、あんたは何者なの?」
「何者……って言われてもなあ」
「あんた、『また召喚』って……あのとき言ってたわよね。それが気になってるのよ」
「ああ、そのことか」

ムサシは己の長いというべきか、短いというべきか、おかしな経緯の半生を語った。
ヤクイニックなる王国の姫が行った英雄召喚の儀式によって、自分の生まれた世界から召喚されたこと。
その召喚のショックで、自分の過去に関する記憶はほとんど消えてしまったこと。
過去の英雄、武蔵が魔人を封印するために使ったという光の剣を手に、王国の危機を救ったこと。
640BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 20:02:13 ID:mNqvPseU
「おいらは役目を終わらして帰る途中に、ここに喚ばれたんだ」
「……子供の好きそうなお伽話ね」
「疑ってんのかっ?」

ルイズが頭を抱える。
今の話が作り話だと言われればまあ、納得できないこともない。
10歳そこらの子供だ、夢いっぱいの年頃だろう。
作ろうと思えばいくらでも作れる。
だが、今は判断材料が無い。

「あんたが別の世界から来たって言うなら、証拠とか無いの?」
「なんだよ、疑り深いなあ……ほら、これ見てみろよ」
「……このラクガキがどうしたってのよ」
「あ!おいっ!」

ルイズが手渡された紙切れをぞんざいに放ろうとしたので慌てて制す。
他人には無価値に見える化かもしれないが、これは大切な友達から託されたメモなのだ。

「な、なによ」
「……こいつはおいらの友達が命がけで手に入れた、大事なもんなんだ!乱暴にすんな」

なによ、そんならそうと言いなさいとぶつくさ漏らしながらルイズがもう一度覗き込む。
が、やっぱり妙ちくりんな図形の集合体にしか見えない。

「……やっぱりラクガキじゃない」
「読めないだろ?こいつは、おいらが前にいた世界の文字だ」
「適当言ってんじゃないわよ、あんたがデタラメ書いてるかもしれないじゃない」
「なら、こいつでどうだい」

もう一つ、こちらも古びた紙を見せられる。
今度は図のように文字が規則正しく並んでいる。
文字自体は先程同様さっぱりわからなかったが、ルイズはこの並び方にどこか近視感を抱いた。

「……暦?」
「おお、カンがいいな。こいつはカレンダーって言う日にちと曜日を図にした表だ」
「……今度もラクガキ……にしちゃ綺麗ね」

日数はほぼ同じといったところだが、曜日が一つ少ない。
むろん曜日を一つ数え損ねた子供の贋作とも思われた。
しかし、製紙技術、印刷技術共にここハルケギニアでは類を見ないほどに整っている。
子供のラクガキで片付けるには、できすぎだった。
641BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 20:04:16 ID:mNqvPseU
「うーん。ま、わかったわよ、あんたは違う世界の……」
「やっとわかってくれたか」
「……お城に住み込みの小間使い」
「おい!」
「だってあんた子供じゃないの。国の危機を救うとか、伝説の剣豪だとか。誇張も甚だしいわよ」
「ほんっとーに疑り深いなお前……」
「口を慎みなさい。どっちみち私はご主人様、あんたは使い魔。
 異世界だろうが伝説の剣豪?英雄?だろうが、これは変えられない現実なのよ」

一度引き受けると言ってしまったムサシはぐうの音も出ない。
思えば英雄召喚のときも、こんなふうに理不尽きわまりない冒険のはじまりだったことを思い出す。
いきなりおかしな世界に召喚され、いきなりモミアゲと身長にケチをつけられた。
加えて自分にとって縁もゆかりもまるで無いお国のために、単身命を張ってル・コアール帝国と戦うハメになってしまう。
その上使命を果たさねば帰還は許されない、断ることは許されない言わばこれは脅迫じみた懇願だった。
今回の状況もまた、それに近い。
やっと自分が元いた世界に帰れる、と思った直後に半永久的奴隷として身柄を拘束されるという始末。
今回はもとより帰れない、そしてなにより逃げることもできたのに引き受けてしまった。
ムサシは自嘲めいた笑いを浮かべて思う、自分はとことん安請け合いだなと。
だが、ムサシは英雄召喚同様、腹が立たなかった。実のところ、この状況ですら楽しんでいる。
自分がどうしようもなく愛する「決闘」が、また待っていると体全体が感じている。
新天地には敵がいる。まだ見ぬ強者が待っていると、武者震いがムサシをワクワクでいっぱいにする。
帰れる帰れないは、後回しだ。
もともと、帰れないと言われてハイそうですかという気は毛頭ない。
気ままな冒険はきっと帰還への旅路も兼ねていると、ムサシのカンがそう告げるのだった。
使い魔、という肩書きは少々うっとおしいものの、じき慣れるだろう。
重荷なら何度も背負ってきた。
それにこの世界の最初の知り合いであるルイズという人間は、幼さを感じさせてならない。
アミヤクイ村のテムとミントにも穏やかに接する、ムサシは世話焼きなのであった。

「ったく、しょーがねーなあ。使い魔ってのは何したらいいんだ」

やる気になったと見えてルイズはやっとムサシが自分の立場を理解したかと大いに薄っぺたな胸を張った。
実際はムサシが『面倒見てやってやるか』という思いであるのだが。
記憶が無いとは言え、その実年齢は一回り二回り上なムサシに偉ぶる少女というのは少々面白い光景である。
642BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 20:07:22 ID:mNqvPseU
「えっとね、まず第一に使い魔は主人の目、耳となること。感覚を共有するってやつね」
「へえ、そんなことができるのかルイズは」
「ううん、何も見えない」
「ダメじゃねえか」
「うるさい!次に主人の望む……秘薬の材料、植物とか、苔とか……集めてこれる?」
「ああ、そんならいっぺんやったことがあるぜ」

ムサシが思い出したのは、ヴァンビになってしまうテムくんを救うためにまぼろしの花を回収したこと。
いやしの水もふたご山から汲んできたなあ、と遠き地の情景に思いを馳せた。

「でもおいらこっちの植物とかなんてまるきり知らないなあ」
「ああもう使えないわねえ……これが大事なんだけど、使い魔は主人を守るものなの」
「なんだ、それならムサシさまの得意技だぜっ!」

ルイズは自分より頭一つ分低いムサシの顔を見下ろして、首を横にふった。
そして溜息。

「はいはい頼もしいですこと伝説の剣豪様……」
「あっ!信じてねえなっ?」
「はぁ〜ぁ……あんたみたいなチビには最初から期待なんかしてないわよ」
「ちくしょー、バカにしやがる……」
「いいから、とりあえずあんたの仕事は洗濯、掃除、身の回りの世話。そんくらいできるでしょ」

ムサシもまた溜息をついて後ろを向き、座り込む。情けないことこの上無かった。
まあ子供の姿で信用されないのは仕方ない、英雄召喚のときも最初はそうだった。
前の城暮らしよりは厳しいとは言え、寝床があるだけでもよしとしよう。
しかしながらこの状況、冒険とは程遠く感じられた。
ムサシの行動理念の8割以上を占める『決闘』が見いだせない生活が続きそうである。
それはひどく退屈なものだった。
抵抗としてジト目でルイズを見るもむこうはあくびをするだけである。
643名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:10:08 ID:CZScPVN1
支援
644BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 20:10:18 ID:mNqvPseU
「ふぁあ……眠くなっちゃった、他にもあるけど、細かいことは明日話すわ」
「ああ、そんじゃおやすみ」
「ん」

ルイズがムサシの目も気にせずに薄いネグリジェにさっさと着替える。
少年に退行したムサシにそう羞恥や情欲といった感情は湧かないのだが。
日本男児として、はしたねえなあ、と思ってしまう。

「そういやおいらもこの部屋で寝ていいのか」
「まあね、それで寝床なら……」
「よし、おいらもさっさと寝るぜっ」

使い魔用にと用意していた藁束を指差そうとするルイズ。
しかしムサシは自分の荷物からごそごそと何か取り出すと広げた。

「なによそれ」
「こいつは『伝説のねぶくろ』だぜ!
「伝説?ねぶくろにどんな伝説があんのよ」
「ああ、肌触りといいあったかさといい最高だぜ」
「そ、そんなに?」
「そこいらのベッドより、ぐっすり眠れるぜ!」

ルイズはなんだか羨ましくなってきた。
自分のふかふかのベッドも、肌触りのいいシーツも、少し霞んで見えてしまう。
そんな魅力が伝説という響きに詰まっている。

「つ、使い魔がそんなに上等なモノに寝るなんて生意気よ!ちょーっとご主人様にそれを貸しなさ」
「そんじゃ、おやすみっ!」
「あ、待っ」

とたんに高いびきをかきだすムサシ。早すぎる。
使われること無い藁束が無性に邪魔に思えて、もそもそ起きて片付け始めるルイズ。
終わってからなんで自分がやってるのかと、眠るムサシの頭を腹いせにすぱーんと叩くのであった。
起きなかったけど。
645BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 20:12:21 ID:mNqvPseU


2話目投下終了いたしました。
お楽しみいただければ、と思います。
ムサシはともだちであるジャンが生きてることを知りません。せつない。

今思うと相当豪華なゲームだったのだなあと武蔵伝を振り返って思います。
面白いけどなぜか流行らなかったなあ。でっかいシリーズ。
2も出たけど今ひとつ流行らなかったような……

ところでwikiに乗っかるには何話まで書けば乗るのでしょうか。つまらぬ質問ですいません
646名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:21:57 ID:PWISkZka
乙でした
>>645
ゲーム中ではジャンは死んだものとばかり思っていたら
解体新書で生存が明かされたから今でも知らない人が沢山いそう
あの本にはレノが持っている骨の真実も明かされていたな

647名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:26:39 ID:GSpNI2u0


あー、俺も成長の際のショックで過去の武蔵伝の記憶が飛んでるなー。エンディング後にレイガンドは元の場所に戻った気がするけど、雷光丸はどうなったんだっけなー
648名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:30:14 ID:SnqzkAhp
まとめwikiは気づいた人が載せるのさ
自分でまとめてもいいんだぜ
649名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:44:50 ID:mBEp7C9x

UはやったけどTは知らんかったな〜
650名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:46:54 ID:uTFVODuZ
オマケについてきたエアガイツの体験版ばっかやってた覚えがある
651名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 20:49:14 ID:4gSwifX2
ムサシの人乙!
なんならまとめてくるがタイトルは「BLAVEMAGEルイズ伝」でおk?
そして今回のその2はタイトル無し?
652BLAVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 20:59:12 ID:mNqvPseU
Wikiを読んできましたが、まとめてくれる方が現れたこと至極感謝いたします。
>>651さんのご好意に、甘えさせていただくことにします。大変ありがとうございます。
タイトルはそれでお願いいたします、その2のサブタイトルは『魔法学院の夜』とお願い致します
653名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:19:23 ID:2QJCnLfd
BlaveじゃなくてBraveでは?原作でもそうならすいません。
654B"R"AVEMAGEルイズ伝:2010/02/11(木) 21:22:20 ID:mNqvPseU
ぎゃああ恥ずかしい全回も間違ってたのかしらん
すみません正しくはRが正解です、>>653
655名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:26:29 ID:+RMaIVBg
これはひどいw
656ウルトラ5番目の使い魔 88話 代理:2010/02/11(木) 21:32:58 ID:GICa883y
「こいつはすごいや、本当に違う世界なんだな」

初めてヤクイニックに召喚されたときのことを思い出しつつ、ムサシは独り言ちた。
空にぽっかり浮かぶ双月は、らせんの塔へ向かう途中に見た明け方の満月を呼び起こさせる。
自分の胸が疼くのを、僅かに感じた。

「二つのお月様が綺麗だぜ」
「何やってるのムサシ、こっちが私の部屋よ」
「ああ、広いなーここは。お城みてえだぜ」
「お城?あんた……まさか……」
「ん?」
「王宮に盗みにでも入ったことあるの?」
「なっ……誰がドロボーだって!?とんだ濡れ衣だぜっ!」

いつぞやの鐘ドロボーのような扱いをされるのはゴメンだった。
ムサシは遺跡のお宝や英雄として使う権利のある伝説の武具しか頂戴した覚えは無い。

「ウソおっしゃい、あんたみたいなナリの子供がお城に縁があるわけないでしょうよ」
「人を見た目で判断してもらっちゃ困るぜっ!おいらは城住まいだいっ!」
「はぁ!?」

いよいよもってルイズはこの使い魔がわからなくなってきた。
無礼な物言い、粗末な身なり。
かと思えば城に住んでたと言い出す始末。
子供のことだ、嘘をつくのは不思議ではない。
しかし決定的にムサシについての情報が足りない今、信憑性はともあれ詳しく話を聞く必要があった。

「……ともかく、あんたにはいろいろと聞きたいことがあるわ、ほら入って」

一日の終わり、部屋に入る瞬間は多少なりとも開放感に包まれるものだが、今日はここからが本番だ。
そういえば男性を部屋に入れるのは初めてかもしれない、ルイズはふとそう思った。

「ムサシ、あんたは何者なの?」
「何者……って言われてもなあ」
「あんた、『また召喚』って……あのとき言ってたわよね。それが気になってるのよ」
「ああ、そのことか」

ムサシは己の長いというべきか、短いというべきか、おかしな経緯の半生を語った。
ヤクイニックなる王国の姫が行った英雄召喚の儀式によって、自分の生まれた世界から召喚されたこと。
その召喚のショックで、自分の過去に関する記憶はほとんど消えてしまったこと。
過去の英雄、武蔵が魔人を封印するために使ったという光の剣を手に、王国の危機を救ったこと。
657ウルトラ5番目の使い魔 88話 代理:2010/02/11(木) 21:33:53 ID:GICa883y
「おいらは役目を終わらして帰る途中に、ここに喚ばれたんだ」
「……子供の好きそうなお伽話ね」
「疑ってんのかっ?」

ルイズが頭を抱える。
今の話が作り話だと言われればまあ、納得できないこともない。
10歳そこらの子供だ、夢いっぱいの年頃だろう。
作ろうと思えばいくらでも作れる。
だが、今は判断材料が無い。

「あんたが別の世界から来たって言うなら、証拠とか無いの?」
「なんだよ、疑り深いなあ……ほら、これ見てみろよ」
「……このラクガキがどうしたってのよ」
「あ!おいっ!」

ルイズが手渡された紙切れをぞんざいに放ろうとしたので慌てて制す。
他人には無価値に見える化かもしれないが、これは大切な友達から託されたメモなのだ。

「な、なによ」
「……こいつはおいらの友達が命がけで手に入れた、大事なもんなんだ!乱暴にすんな」

なによ、そんならそうと言いなさいとぶつくさ漏らしながらルイズがもう一度覗き込む。
が、やっぱり妙ちくりんな図形の集合体にしか見えない。

「……やっぱりラクガキじゃない」
「読めないだろ?こいつは、おいらが前にいた世界の文字だ」
「適当言ってんじゃないわよ、あんたがデタラメ書いてるかもしれないじゃない」
「なら、こいつでどうだい」

もう一つ、こちらも古びた紙を見せられる。
今度は図のように文字が規則正しく並んでいる。
文字自体は先程同様さっぱりわからなかったが、ルイズはこの並び方にどこか近視感を抱いた。

「……暦?」
「おお、カンがいいな。こいつはカレンダーって言う日にちと曜日を図にした表だ」
「……今度もラクガキ……にしちゃ綺麗ね」

日数はほぼ同じといったところだが、曜日が一つ少ない。
むろん曜日を一つ数え損ねた子供の贋作とも思われた。
しかし、製紙技術、印刷技術共にここハルケギニアでは類を見ないほどに整っている。
子供のラクガキで片付けるには、できすぎだった。
658ウルトラ5番目の使い魔 88話 代理:2010/02/11(木) 21:34:38 ID:GICa883y
「うーん。ま、わかったわよ、あんたは違う世界の……」
「やっとわかってくれたか」
「……お城に住み込みの小間使い」
「おい!」
「だってあんた子供じゃないの。国の危機を救うとか、伝説の剣豪だとか。誇張も甚だしいわよ」
「ほんっとーに疑り深いなお前……」
「口を慎みなさい。どっちみち私はご主人様、あんたは使い魔。
 異世界だろうが伝説の剣豪?英雄?だろうが、これは変えられない現実なのよ」

一度引き受けると言ってしまったムサシはぐうの音も出ない。
思えば英雄召喚のときも、こんなふうに理不尽きわまりない冒険のはじまりだったことを思い出す。
いきなりおかしな世界に召喚され、いきなりモミアゲと身長にケチをつけられた。
加えて自分にとって縁もゆかりもまるで無いお国のために、単身命を張ってル・コアール帝国と戦うハメになってしまう。
その上使命を果たさねば帰還は許されない、断ることは許されない言わばこれは脅迫じみた懇願だった。
今回の状況もまた、それに近い。
やっと自分が元いた世界に帰れる、と思った直後に半永久的奴隷として身柄を拘束されるという始末。
今回はもとより帰れない、そしてなにより逃げることもできたのに引き受けてしまった。
ムサシは自嘲めいた笑いを浮かべて思う、自分はとことん安請け合いだなと。
だが、ムサシは英雄召喚同様、腹が立たなかった。実のところ、この状況ですら楽しんでいる。
自分がどうしようもなく愛する「決闘」が、また待っていると体全体が感じている。
新天地には敵がいる。まだ見ぬ強者が待っていると、武者震いがムサシをワクワクでいっぱいにする。
帰れる帰れないは、後回しだ。
もともと、帰れないと言われてハイそうですかという気は毛頭ない。
気ままな冒険はきっと帰還への旅路も兼ねていると、ムサシのカンがそう告げるのだった。
使い魔、という肩書きは少々うっとおしいものの、じき慣れるだろう。
重荷なら何度も背負ってきた。
それにこの世界の最初の知り合いであるルイズという人間は、幼さを感じさせてならない。
アミヤクイ村のテムとミントにも穏やかに接する、ムサシは世話焼きなのであった。

「ったく、しょーがねーなあ。使い魔ってのは何したらいいんだ」

やる気になったと見えてルイズはやっとムサシが自分の立場を理解したかと大いに薄っぺたな胸を張った。
実際はムサシが『面倒見てやってやるか』という思いであるのだが。
記憶が無いとは言え、その実年齢は一回り二回り上なムサシに偉ぶる少女というのは少々面白い光景である。
659ウルトラ5番目の使い魔 88話 代理:2010/02/11(木) 21:35:27 ID:GICa883y
「えっとね、まず第一に使い魔は主人の目、耳となること。感覚を共有するってやつね」
「へえ、そんなことができるのかルイズは」
「ううん、何も見えない」
「ダメじゃねえか」
「うるさい!次に主人の望む……秘薬の材料、植物とか、苔とか……集めてこれる?」
「ああ、そんならいっぺんやったことがあるぜ」

ムサシが思い出したのは、ヴァンビになってしまうテムくんを救うためにまぼろしの花を回収したこと。
いやしの水もふたご山から汲んできたなあ、と遠き地の情景に思いを馳せた。

「でもおいらこっちの植物とかなんてまるきり知らないなあ」
「ああもう使えないわねえ……これが大事なんだけど、使い魔は主人を守るものなの」
「なんだ、それならムサシさまの得意技だぜっ!」

ルイズは自分より頭一つ分低いムサシの顔を見下ろして、首を横にふった。
そして溜息。

「はいはい頼もしいですこと伝説の剣豪様……」
「あっ!信じてねえなっ?」
「はぁ〜ぁ……あんたみたいなチビには最初から期待なんかしてないわよ」
「ちくしょー、バカにしやがる……」
「いいから、とりあえずあんたの仕事は洗濯、掃除、身の回りの世話。そんくらいできるでしょ」

ムサシもまた溜息をついて後ろを向き、座り込む。情けないことこの上無かった。
まあ子供の姿で信用されないのは仕方ない、英雄召喚のときも最初はそうだった。
前の城暮らしよりは厳しいとは言え、寝床があるだけでもよしとしよう。
しかしながらこの状況、冒険とは程遠く感じられた。
ムサシの行動理念の8割以上を占める『決闘』が見いだせない生活が続きそうである。
それはひどく退屈なものだった。
抵抗としてジト目でルイズを見るもむこうはあくびをするだけである。
660ウルトラ5番目の使い魔 88話 代理:2010/02/11(木) 21:36:20 ID:GICa883y
「ふぁあ……眠くなっちゃった、他にもあるけど、細かいことは明日話すわ」
「ああ、そんじゃおやすみ」
「ん」

ルイズがムサシの目も気にせずに薄いネグリジェにさっさと着替える。
少年に退行したムサシにそう羞恥や情欲といった感情は湧かないのだが。
日本男児として、はしたねえなあ、と思ってしまう。

「そういやおいらもこの部屋で寝ていいのか」
「まあね、それで寝床なら……」
「よし、おいらもさっさと寝るぜっ」

使い魔用にと用意していた藁束を指差そうとするルイズ。
しかしムサシは自分の荷物からごそごそと何か取り出すと広げた。

「なによそれ」
「こいつは『伝説のねぶくろ』だぜ!
「伝説?ねぶくろにどんな伝説があんのよ」
「ああ、肌触りといいあったかさといい最高だぜ」
「そ、そんなに?」
「そこいらのベッドより、ぐっすり眠れるぜ!」

ルイズはなんだか羨ましくなってきた。
自分のふかふかのベッドも、肌触りのいいシーツも、少し霞んで見えてしまう。
そんな魅力が伝説という響きに詰まっている。

「つ、使い魔がそんなに上等なモノに寝るなんて生意気よ!ちょーっとご主人様にそれを貸しなさ」
「そんじゃ、おやすみっ!」
「あ、待っ」

とたんに高いびきをかきだすムサシ。早すぎる。
使われること無い藁束が無性に邪魔に思えて、もそもそ起きて片付け始めるルイズ。
終わってからなんで自分がやってるのかと、眠るムサシの頭を腹いせにすぱーんと叩くのであった。
起きなかったけど。
661ウルトラ5番目の使い魔 88話 代理:2010/02/11(木) 21:38:31 ID:GICa883y
88話目投下終了いたしました。
お楽しみいただければ、と思います。

最近見つけた理想郷の【ゼロ魔】レイナール一夜城【転生もの?】が面白い!
寝る前だったのに一気に読んでしまった。
662名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:43:26 ID:GSpNI2u0
最近のパターンか?
663名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:43:53 ID:9IDSZ8Bo
乙です

ここ以外のゼロ魔二次作品なら、やる夫板の
【ゼロの】やる夫が召喚されたようです【使い魔】
も面白いですよ
664名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:49:41 ID:a3RQzapW
>>662
友達もいない可哀想な人なんです。

透明あぼ〜んして無視してあげましょう。
665名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:50:23 ID:0z8ytenG
エルドラン召喚で魔法学園がゴウザウラー化。
なんかもういろいろ大惨事。

マッハプテラ:ルイズ
ランドステゴ:キュルケ
サンダーブラキオ:ギーシュ

ザウラージェット:タバサ

マグナザウラー:シエスタ
タルブの村に眠っている。

グランザウラー:ティファニア
マチルダのゴーレムにエルドランが力を与える。
666名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:52:37 ID:WOfKzSym
とても面白いです。
やっぱり、この緊迫感がいいね。

次回も楽しみにしています。
ゆっくり執筆してね!
667名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 21:57:42 ID:MM5WK6Yw
>>665
爆発タバサとな!
668名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:05:18 ID:DAs9s48h
井之頭五郎を召喚しハルケギニアの各地でメシを食う
669名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:23:39 ID:mBEp7C9x
>>667
普段寡黙な人ほどキレたらヤバいって言うしなw
670名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:24:36 ID:C/SUEo2i
>>635
アンデッドは古き水の流れとかそんなとこじゃない?
ただ科学VS魔法をやることがあるせいかアストラル体やミスティックや神聖/邪悪体とかの思念体はでてこないね
671名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:34:18 ID:MQeWGosR
ピカチュウを召喚したらルイズは触れるだろうか?
672名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:37:31 ID:YKcvoqV3
野生のピカチュウなんか大量に要るんだから個体次第
673名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:39:59 ID:u4QPZcj9
>>671
触る事は出来るだろうよ。
無論、触った後のルイズの身の安全は保障出来ないが。
多分いい感じに感電してピンクアフロ一丁上がりだろうね。
勿論口から黒煙を吐き出すのはお約束だ。

まあ、それ以前にちょこまかと素早く動くであろうあの黄色い電気ネズミを
捕まえられるかどうかと言う疑問点があるがそれはさて置く。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:42:15 ID:/pEYRUEm
そして個体値MAXが出るまで延々再召喚するルイズ
675名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:42:28 ID:G1a6nuVp
動物系召喚って
やっぱりルイズが名前付けなきゃ不自然だから
ルイズらしい名前の付け方しなきゃならんのが難しいなw
676名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:44:47 ID:Hzd1z9ZG
>>675
ピカチュウと鳴くからピカチュウ。
契約したけど、電撃でルイズが気を失って、目が覚めたときにはすでにその名前で認知されていたとか。


つけたのは……キュルケあたり?
677名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:45:24 ID:+RMaIVBg
北欧神話とかから、適当に名前持ってくればいいんじゃね

ヴェルダンデとか、モートソグニルとか、そこらへんから名前を引っ張ってきてるし
678名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:46:22 ID:T+HcP3yH
北欧神話で電気・・・トールだな。
679名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:46:37 ID:G1a6nuVp
>>677
それはそれでいいと思うけど、
万一原作で後から登場されたら目も宛てられんなw
680名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:47:49 ID:Hzd1z9ZG
>>679
ハルケギニアだって広いんだし、名前が被ることはそう珍しいことでもあるまい。

同じ名前の存在が出てきたときに、小ネタを挟むぐらいで違和感は消えようさ。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:50:27 ID:3vrofZdN
DQ5のタバサが来たという例があるじゃないか
682名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:54:45 ID:iT/xLh3M
自己紹介しない・できないせいでルイズが名前を付ける必要がある場合の話じゃね
北欧神話にゲリという犬がいたっけ
683名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:55:15 ID:u4QPZcj9
>>676
その流れが一番自然かね。
後はちょっと無理あるかも知れんが、契約した使い魔との感覚の共有云々の設定を
多少ひねって、契約後、頭の中に「○○ 〜ポケモン」みたいな感じで名前や特徴が
頭の中に突然浮かび上がってくるとか。
684名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:56:19 ID:PMFAoWF+
そもそもサイトが来ない時点で正史ではないパラレルワールドのお話なわけだし、
そこまで気にしなくてもいいと思う。
685名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 22:57:27 ID:Hzd1z9ZG
フレキとゲリは狼です。 犬と間違わないで上げてください。
686名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:01:25 ID:Hzd1z9ZG
北欧神話でネズミだとラタトスクかなぁ?
687名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:02:55 ID:JOL14Oz+
ミッ◎ー◎ウス
688名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:03:06 ID:C/SUEo2i
じゃあブリミルがポケモン使ってたってことにしてコルベールが文献から引っ張り出してくればいいんじゃなかろうか
そしてポケモン図鑑(手書き)を持ち歩くルイズ
689名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:03:23 ID:LqN99lM7
連中はハルゲニアにでさえ文句付けにいきかねん
690名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:09:36 ID:T+HcP3yH
ラタトスクはリスなんだがなあ。そりゃ、ネズミ目だけどさ。
名前の意味は走り回る出っ歯だけどさ・・・
691名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:11:43 ID:Hzd1z9ZG
だって、北欧神話でネズミって思いつかないもん。

ピカチュウなら、リスでも通りそうな気がする。
692名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:15:25 ID:sDu+5+SQ
ネズミだから「ねずっちょ」なんてどうだろうか?
693名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:16:19 ID:Hek8NwUu
リスはないな
694名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:17:30 ID:LqN99lM7
電気ネズミは電気ネズミでも、
アニメの主役の特別固体辺りだったらまた話は違ってくるな
695名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:18:13 ID:JOL14Oz+
木の実を抱えたリスを召喚。

「あれはなんなの?」
「よく見てみなさい、ミス・ヴァリエール」
「?? ……クリとリ……」
696名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:18:34 ID:SdMfCyko
>692
学園の宝物庫にはタリスポットがあるのですね。
697名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:21:03 ID:0MEz5hTK
鼠の名前か。ジェリーかミッキーはどうかな。 ああ、後者はミッキー・ロークからもらった名前だ、もちろん。
698名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:21:40 ID:mLRzTJzL
>>695
そして契約しようとするとリスが
「いじめる?シマリスをいじめる?」
699名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:24:07 ID:T+HcP3yH
>>691
まあ俺も北欧以外の神話・伝説の類含めて鼠って言われてぱっと浮かぶのは鉄鼠と火鼠くらいだけどな。
700名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:25:19 ID:sDu+5+SQ
>>698
喋るということで大喜びしてくれるんだろうか
701名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:28:28 ID:V/KDtipt
喋れる以外に何か特技はあったっけシマリス君
702名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:28:29 ID:Hzd1z9ZG
>>699
名無しのチョイ役だと、結構登場するんですけどねぇ。
オオトノクシノミコトの恋の手伝いをしたり、バベルの塔を崩したり。
703名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:36:33 ID:MlI2M9lN
>>701
>>698にあるようなセリフで相手をイラっとさせる
704名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:48:04 ID:PMFAoWF+
>>703
ルイズが動物虐待をしてしまうw
705名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:49:37 ID:wupEy84J
元々人間を虐待する娘なのでまだマシである
706名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:52:19 ID:MQeWGosR
ニャースなら小判が湧き出て来るぜ
707名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:54:21 ID:AkYTef2q
あれ金とかまったく含んでないただの玩具らしいけどな
708名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:56:31 ID:MlI2M9lN
>>705
平民を人間扱いしてくれるだなんて!
709名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:56:35 ID:1jn6YBBR
虐待をする娘っ子、虐待が問題にならない使い魔…生物…なまもの……
パプワ島の奴等がベストかw
710名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:57:37 ID:MlI2M9lN
適当なドMとか、美少女になら何をされても良い!って類を召喚すれば良いのさ
なんかまるっこいのとか
711名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:58:52 ID:/pEYRUEm
彼女募集中のキャラとか
712名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/11(木) 23:59:36 ID:JOL14Oz+
「ラブやん」のカズフサか。やつなら喜ぶぜ。
713名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:00:14 ID:jB1YYEzq
>>710>>711
サイトのことですね、わかります
714名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:01:20 ID:SO/LOs03
街の篠田正志なら
しかも奴はいろんな奴の特技をコピーできる
715名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:03:04 ID:iMst+N5v
>>虐待が問題にならない使い魔
いじめてくん(吉田戦車)なら無問題
716名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:08:00 ID:amiJvari
マモー召喚
ただしウッちゃん
717名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:13:48 ID:0chUFQCV
>>709
あのナマモノで喜ばれそうなやつといえば……見た目的にやはり珍しいタンノ君とイトウ君だなw
二匹揃ってギーシュあたりを追い回しそうだ。
718名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:18:26 ID:FdwdzkUy
リスと言えばFF5Aのソウルイーターを思い出した
契約しようと近寄ったルイズが、ドレインで体力吸われて前歯で抉られる姿が見えた
719名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:24:56 ID:0tEvvuZo
>>714
街の小人なら考えたことがあるがどう転んでもルイズがバットエンド
720名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:26:39 ID:xpAvjPpc
街なら青虫に決まっておろう。馬も面白そうだけど
721名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:37:00 ID:/UQfCE9T
『NEEDLESS』のアダム・ブレイド神父なら
ルイズはど真ん中ストライクだろうから喜ぶだろうな。
むしろ「どうした!? ルイズたんのお仕置きはこんなものかァァ!?」
などと叫びまくって、ルイズをどん引きさせそうw
722名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:37:41 ID:AxijrzfV
ネズミならソニック召喚
剣も振った経験があるし腕力に問題ないとして
一晩かけてハルケを二、三周してチリドッグが無いのに不満を漏らすのが浮かんだ
723名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:43:07 ID:xpAvjPpc
ソニック召喚っつーと、やっぱり最後はヤンデレのルイズに死ぬほど愛されて帰れなかったりするのか

ナイツ・・・は召喚には向かないよなぁ
724名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 00:51:42 ID:SO/LOs03
後年立派に成長したルイズがソニックの世界へ行くんですね
725名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 01:49:23 ID:L6wZb5YQ
ネズミといえばチンプイ
喋るしかわいいし科法使えるし相性は良さそうだ
726名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 02:17:00 ID:0tEvvuZo
魔法ならあのネズミも…
727名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 02:17:48 ID:MdcKlvWJ
メトロポリスからミキマウス・ウォルトディズニーニを召喚。
728名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 02:43:00 ID:Q75O0l/G
>>725
チンプイってあれか…懐かしいな
729名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 02:43:37 ID:g/rZMKIm
>>723
ナイツは夢の世界から出て来れないからなぁ
まあハルケギニアなら大丈夫な気もするけど
730名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 03:17:58 ID:RyXOe+5K
実はハルケギニアは夢の世界だったんだよ!(くわっ!&ワキワキ)
731名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 03:41:17 ID:Ob+LNkh/
>>725
いや、科法は色々不味いわ。
魔法の使えないルイズのコンプレックスを刺激しかねないってのもあるが、
それ以上にほぼ確実に先住魔法扱いされて面倒になるからな。

つーか、チンプイは一応マール星の王室に仕えてる立場だし。
その辺も引っかかってくる。
732名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/02/12(金) 04:05:46 ID:Tpg5549A
ルイズが開いた門はゾンビユニバースに通じてしまい、そこからゾンビスパイディやゾンビハルクなどのゾンビヒーローたちが雪崩れ込んでくる。
次々と食われ、ゾンビ化していくトリステインの住人たち。
感染竜騎士隊が感染したことでゾンビウィルスが世界中に広がりハルケギニアがほんの短い期間で死の世界になってしまう。
もはや貴族も平民も無く、ワルドはわずかに生き残った人々を守りながら戦っていた。
そんなある日、生存者の探索を行っていたワルドは、ゾンビ化したメイジに追いたてられるエルフの少女率いる子供たちを見つける。
追い詰められた少女たちを救うべく攻撃をしかけるワルド。
しかしその刹那、少女の絶叫が新たな異界の門を開き、彼女の使い魔を呼び寄せた。
そこから現れたのは刃が回転する奇妙な剣を片腕につけたボロボロの風体の平民らしき男。
男は周囲を見て叫ぶ「 ま た こ の 展 開 か ! 」

全世界の真面目なマーベルファンの怒号と熱狂的なマニアの支持を受ける
Marvel Zombies最新作。
今度は今度はメディアワークスとの版権交渉が大変だぞ!


『Marvel Zombies vs. Army of Darkness vs. ゼロの使い魔』


という、日本では恐ろしくマイナージャンルとのクロスオーバーを妄想してみました。
何でよりによってワルドかは元ネタを調べると良いよ!
733名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 04:16:43 ID:zGwQtRxM
Fallout3のVault101から来たアイツを主人公にしようかと思ったが、核爆弾を平気で撃つような世界観はさすがにどうかと思った。
おまけにキャラメイクがあるから、幅がありすぎて困る。
734名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 08:43:17 ID:o36QqJbG
マーヴルゾンビーズってマーシャル・ロウ:スーパーバビロンのパクリだよね
735名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/02/12(金) 09:24:53 ID:Tpg5549A
マーシャル・ロウそのものがマーヴルスーパーヒーローのパクりだwww
って言うかこんなマイナーなものとのクロスネタでも通じそうな人がいて良かった。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 09:32:21 ID:PjDkDLFi
>>735
基本的に何でもウェルカムよ
737名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 09:49:19 ID:UUSyudq9
寝付けず、思うままキーを叩いていたら小ネタが出来上がったので投下させていただきます
738名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 09:51:15 ID:UUSyudq9
『彼』の手が、笑顔を忘れた少女の顔に触れる。
「あ……」
タバサは思わず、声を漏らした。
心臓が激しく脈打ち、顔が熱くなる。
この人のおかげで、私は今ここにいる。
『彼』は私の恩人。『彼』は私の勇者様。
『彼』との出会いが、思い出される。



トリステイン魔法学院で、ゼロのルイズとあだ名される少女が召喚したのは、メガネをかけた長身の少年だった。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
そんな声の後、皆が一斉に笑った。
嘲笑の対象となった桃髪の少女は、クラスメイトたちに怒鳴り返していたが、私はそんな声を聞き流す。
平民の使い魔。
特殊な事例のため、ほんの少し気になったが、その時はまだ、私は『彼』に何の感情も抱いてはいなかった。

私が『彼』に興味を持ち始めたのは、使い魔召喚の儀式の翌日。
『彼』とギーシュ・ド・グラモンが起こした決闘騒ぎの時からだった。
香水の壜を拾ったとか、二股がばれたとか、そんなくだらない理由で始まった決闘。
私は親友のキュルケに付き合う形で、本を捲りながらその見物に混ざっていた。
とは言っても、平民と貴族の決闘など、結果はわかりきっている。
私自身、決闘に興味はなかったが、平民の『彼』が勝つことは無いだろうと思っていた。
だが『彼』は、そんな常識を、異能を持って覆した。
迫り来る青銅のゴーレム達に、『彼』はすっと手を伸ばし、短い言葉を発する。
すると一瞬の光の後、彼の腕に巨大な大砲が現れ、砲口から吐き出された鉄塊がゴーレムを一撃で蹴散らした。
杖を手放し、降参するギーシュに、彼は指でメガネの位置を直しながら、何かの数字と、自らの名を名乗った。

それから何日もしないうちに、私は『彼』のさらなる力を目の当たりにする。
決闘騒ぎから数日、巷を騒がす盗賊、土くれのフーケが学院を襲い、宝物庫から秘宝を盗み去る事件が起きた。
『彼』の主であるルイズと、私の親友のキュルケ。
この二人がフーケの討伐に立候補した。
私は友人が心配だったことと、『彼』の能力への興味から杖を掲げた。
だが、フーケ討伐は、私の想像以上に危険なものだった。
フーケの隠れ家らしい廃屋で、早々に目当ての秘宝を発見したはいいが、その直後にフーケの巨大なゴーレムに襲われ、私の魔法も、キュルケの魔法も通用しない。
だが『彼』は、スケート靴の様なもので高速移動し、ゴーレムを翻弄。
ギーシュとの戦いで見せた大砲をはじめ、人の顔を模した立方体や、いくつものブロックが連結したような武器を召喚して、巨大なゴーレムを圧倒した。
その時も、『彼』はメガネを上げながら、何かの数字と名前を名乗っていた。

739名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 09:53:15 ID:UUSyudq9
『彼』の活躍は、それだけに留まらなかった。
アルビオンへの秘密任務では盗賊を蹴散らし、トリステインを裏切った、スクウェア・メイジのワルド子爵さえ倒してのけた。
タルブ戦役においては、未知の機械を操ってアルビオンの竜騎士隊を壊滅させ、アンドバリの指輪で蘇ったウェールズによるアンリエッタ誘拐事件も、『彼』の力で事なきを得た。

アルビオンからの撤退戦。
『彼』はたった一人で七万の軍勢を足止めした。
その後、しばらくの行方不明から生還。
そして、シュバリエの受勲。

まるで物語に登場する英雄のような、『彼』の活躍の数々。
私は次第に、『彼』に興味以外の感情を抱くようになっていった。

そんな折、祖国の王にして、憎き敵である叔父からの無慈悲な命令が届く。
それによる彼と敵対。
そして、任務の失敗。

私は囚われの身となった。

だが、私は『彼』に救われた。
『彼』はあの恐ろしいエルフをも退け、私と私の母を救い出してくれたのだ。
その時もまた、彼はメガネを直して、何かの数字と、自分の名前を名乗った。



740名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 09:55:27 ID:UUSyudq9
そして今、私は『彼』と一緒に、キュルケの実家の一室にいる。
『彼』は私の頬に触れ、私の目を真っ直ぐに見つめながら、今まで私に好意を寄せていたことを、告白した。
メガネの奥の『彼』の知的な瞳に、私は頭がくらくらしそうだった。
嬉しさと恥かしさで顔が熱くなり、頭がとろける様な幸福を感じる。
不意に『彼』の顔が近づく。
私は『彼』に身を預け、ぎゅっと目を瞑った。
私のメガネが、外される。
私は目を瞑ったまま、『彼』の唇の感触を待った。
だが、一向にそれは訪れない。
我慢ができず、私が目を開けると『彼』は――私のメガネにキスをしていた。
それはもう、愛おしそうに。

数秒の混乱の後、私は悟った。

『彼』が見つめていたのは、私のメガネ。
『彼』が好意を寄せていたのは、私のメガネ。
『彼』が救ったのは、私のメガネ。
『彼』が告白したのも、私のメガネ。

恍惚とした表情で、私のメガネに口付ける『彼』。
耐えられなくなった私は、脱兎のごとく逃げ出しながら、人生で一番の大声で叫んだ。

「変態だーーーーーーーーー!!!!」

後ろから、『彼』の声が聞こえた。

「変態じゃない!!! キルノートンだ!! IQ179 キルノートンだ!!!」
741メガネの使い魔:2010/02/12(金) 09:57:05 ID:UUSyudq9
以上、うえきの法則からキルノートンでした
タイトル忘れていました
申し訳ありません
742名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/02/12(金) 10:07:37 ID:Tpg5549A
乙です。てっきり最初はEAT-MANのボルト・クランクあたりを読んでしまったのかと思ったぜ。
743名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 10:18:37 ID:D3LWMA+f

メガネ萌えになったアイツかwww
744名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 10:27:31 ID:71aITQET
メガネッ娘萌えじゃなくてメガネ萌えか
745名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 11:34:38 ID:c+GQ+N5I
ああ、あの眼鏡に接着剤の…
へ、変態だーーーーー!!
746名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 12:02:31 ID:P4cpkb6n
うえきと言えばアノンの人どうなったんだろう
747名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 12:10:01 ID:oDXfdPXZ
隕石に当たって死んだよ
748名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 12:52:18 ID:JM2a+8ZS
飛び散って死んだらしい
749名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 12:59:52 ID:AxijrzfV
野原ひまわり召喚
ルイズ、若くして子持ちに
しかしポテンシャルが馬鹿高いし後でしんのすけ達が血眼で追ってくる
750名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 13:51:33 ID:oKzIJJqT
うえきを知らない俺は、
メガネだけで『メビウスジャンパー』の南雲一文字
を思い浮かべてしまったw

南雲がルイズに召喚されたら、二人ともやり直しを要求しそう。

ルイズ「ミスタ・コルベール!もう一度召喚させてください!」
南雲「私もやり直しを要求する!あの青い髪のメガネっ娘の使い魔にさせろ!メガネの同志よ!」
751名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 14:20:51 ID:pCWf5vn6
南雲でヴァナディールの方のナグモを思い浮かべてしまった・・・別れたい・・・
752名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 14:32:22 ID:KPvH23Cu
>>721
『ゼロ』の使い魔だからちょうどいいな。

とりあえずギーシュは生き残ることから始めないといけない。
ケティとモンモン関連で嫉妬されるし。
753名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 14:39:11 ID:zDcGuisw
魔砲の追加がまだみたいでしたので、wikiの方に追加しておきました
754魔砲の人 ◆IFd1NGILwA :2010/02/12(金) 14:42:18 ID:hFO0Xm5s
>>753

 ありがとうございました。



 まだこちらからは修正も出来ません。規制長引いているのかなあ。
755名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 15:20:29 ID:zVq1m8Sy
         γ⌒ ´´ ⌒\          
        .// ""´ ⌒\ )        
  ∩     i /  \  / ヽ )     ∩  
   l ヽ∩  i   (・ )` ´( ・) i,/   ∩ノ j   脱税王に俺はなる!
   ヽ ノ  l    (__人_).  |   ヽ  ノ    
   | ヽ   \   `ー'   /   /  j    
   \   ̄           ̄   /     
     \              /     
    ハトヤマ=Doramusuko=ルフィ


         ノ´⌒`ヽ  
     γ⌒´      \
    .// ""´ ⌒\  ) 
    .i /  _ノ   ヽ  i )    
    i   (-‐)` ´(‐-)i,/  だめーここは私のスレ〜
    l    (__人_).  |   
    \    i  i   /   
    /    `⌒ (::::)
    ルイズ=ド=ラ=ムスコ=ハトヤマ


      ,..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..         ノ´⌒`ヽ
    /::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)     γ⌒´     \
    |::::::::::/        ヽヽ    // ""´ ⌒\  )
    |::::::::::ヽ ........    ..... |:|   i /  \  / i )
    |::::::::/     )  (.   |    i   (・ )` ´( ・) i,/
   i⌒ヽ;;|■■■■■■■.|    l    (__人_)  |  
   (.      'ー-‐'  ヽ. ー' |    \   `ー'  / 
   ヽ.      /(_,、_,)ヽ  |     `7     〈
    |.    / トエェェェェエイ |    ⊂       ⊃
   ∧ヽ      |ュココココュ| .|    /_____|
  /\\ヽ    ヽニニニニソ/     /   ノゝ/
/::::::::::\ \ヽ. ─── /:::::\  /;;;;;;\_/
756名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 15:25:14 ID:xpAvjPpc
南雲慶一郎がハルケギニアに召喚されたりソルバニアに召喚されたり地球へ送還されたりハルケギニアに召喚されたり…
757名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 15:57:53 ID:2zzr78ij
貴族のどら息子たちがアイアンメイデンされるぞ。
758ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:22:08 ID:D3LWMA+f
小ネタの人乙でした
25分から、長編を投下させていただきます
長編って言っても、二三話で終わると思うのですが……
759ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:23:39 ID:D3LWMA+f
その年に行われた、使い魔召喚の儀式はほぼ成功だった。
とある少女はカエルを召喚。
とある少年はフクロウを召喚。
とある少年は普通よりも大きな種であるモグラを召喚。
とある少女はサラマンダーを召喚。
とある少女は幼生とはいえ風竜を召喚した。

平均的な使い魔や、火竜山脈のサラマンダーや風竜という大物が出たのである。
これだけならば成功だった。
だが、ただ一つ成功ではあるが失敗でもある事があった。

それは一人の少女。
王家の血を引く由緒正しい、国内どころか国外にもその名を轟かせる程に権力のある公爵家の三女として生まれながらも、魔法の才が無い少女だった。
儀式を最初から見守っていた教師、コルベールは知っている。 その少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが、どれほどの努力家であるのかを。
確かにルイズには魔法の才が無い。
だが、ルイズはこの学院に多いただ傲慢な貴族の子弟とは違う。
ややヒステリー気味ではあるが、貴族としての誇りは高く優雅。 貴族である事により親に甘えがちな他の生徒とは違い、向上心がある。
生徒の中では、学力においては間違いなくトップクラスだ。

ただ実力が無い。

ただ、ただただ実力だけが無い。
それはメイジ、つまり魔法が使えてこその貴族であるというトリスティンでは致命的な欠点だった。
どれほどに高い学力を持っていても、魔法が使えなければ意味が全く無い。

まだゲルマニアで生まれた方が幸せだったかもしれない。
トリスティン、それも高名なヴァリエール家に生まれてしまった事が彼女の悲運だった。
いいや、ヴァリエール家だったからこそ彼女は此処までやってこれた。
魔法の成功率がゼロで、どんなに誹謗中傷を受けても立ち上がれた。
ヴァリエール家の三女であるという大きな誇りがあったからこそ、今まで折れずに居れたのだ。
760ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:25:11 ID:D3LWMA+f
 
コルベールはただ祈った。
ルイズの使い魔召喚の儀式が成功するのを。

そして、その願いは始祖ブリミルにも通じたのか、それは起きた。
召喚魔法の失敗が何回目の時だっただろうか。
いつもとはやや違う爆発が起きた。

その爆発の中から現れたのは、十二人とよく跳ねる白と黒の顔ほどもある球体。
二人を除いて同じ服を着ている、ルイズ達より、下手すれば風竜を召喚したタバサより年下の少年達だった。

ルイズは戸惑った。
少年達も戸惑った。

あんた誰、というルイズの台詞と、此処何処、という少年の内一人の台詞が同時に発せられる。
とりあえず、ルイズは少年達の中で唯一マントを着用しているおそらく貴族の少年に訪ねてみたのだった。

――――――

「……というわけなのです」

「なるほどのぅ」
と、オスマンは頷いた。

ルイズが彼らから得た情報は以下の通りである。
一つ。 彼らの内何人かはニホンにあるライモンというチュウガク(平民の学校らしい)に所属している。
一つ。 それ以外の面々はニホンという国の各地から集まった。
一つ。 彼らは全員、サッカーという競技をしている。
一つ。 エイリア学園という宇宙から来たらしい人々と戦っている。
一つ。 さっきまでオキナワでサッカーの練習をしていた。
一つ。 早く戻らなければならない。
一つ。 誰も魔法は使えない。
一つ。 彼らの内一人であるトウコという少女は、ソウリダイジン(国の代表らしい)の娘である。

最後の情報は、自分が貴族であると言った結果返ってきたものである。
向こうは貴族だろうがソウリダイジンだろうが、気にした様子は無かったが。

困ったのでコルベールは、オールド・オスマンに助力を願うという事で保留にした。
肝心のオールド・オスマンも、何か思う所があるらしく保留にさせた。

一番困ったのはルイズである。
召喚に成功したのは嬉しいが、出てきたのは平民、しかも多い。
そのせいで召喚したものの、使い魔としての契約は一切出来なかった。
761ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:26:38 ID:D3LWMA+f
自室に隠ってこれからどうしようと考える。
何はともあれ召喚はしたのだから留年しない様に頼むとコルベールが言ったのは幸いである。
もしも留年だったら、と思うと震えが止まらない。
むしろ喜ぶべきなのだ。 召喚した結果現れたのは、確かに平民の子供達だった、だが成功はしたのである。
もしかしたら、明日の授業からは魔法が成功するかもしれない。
使い魔ではないけど少し元気が出たし、ニホンなんて辺境は知らないけど故郷に帰る手伝いくらいはしてあげるわ、とルイズは思いながら眠りについたのである。

それに使い魔にしたところで、彼らが使い魔の三つ仕事をこなせるとは思えない。
特に三つ目、主人を守る。 多少鍛えてはいるがカラスにも負けそうな彼らでは到底無理だと考えた。

それが大間違いであるのに気付くのは、翌日である。


その頃、張本人である彼らは、オスマンの計らいにより用意された部屋に居た。
十二人の内、眼鏡を掛けた少年がこれは異世界です、ファンタジーなのです! と熱弁を奮っていたが残りの全員は聞いていなかった。

――――――

翌日、事件が起きた。
それはルイズが、キュルケに使い魔について自慢された事でもルイズに使い魔が居ないから励まし半分に軽くからかわれた事ではない。
平民で使い魔ではないとはいえ彼らの姿が見えない事についてコルベールに聞いてみれば、なんと使用人達の所に居ると言われ、いくらなんでもどうして自分に教えてくれなかったのかと少し文句を言った事でもない。
自信を持って錬金の魔法を使ったルイズが、しかしいつもの爆発を起こした事でもない。
762ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:28:54 ID:D3LWMA+f
 
それは、昼食の出来事である。
生徒の一人であるギーシュが落とした香水を、少年達の内一人が拾ってしまった。
何故その、マフラーを着けた少年がそこに居たのかというと、朝食に突然割り込んだのに何もしないのはダメだと少年達のリーダーが言い、それに皆が同意してそれぞれ役割分担をして手伝いをしていたのである。
少年はまず、ギーシュにこれは君のかいと声をかけた。
ギーシュはそれを無視した。
しかし周りに居た友人達はこれはモンモランシーの香水だと口々に言い、一年生の少女がギーシュに泣き付き、別れを告げ涙ながらに去る。
そしてモンモランシーが現れ、殴っていった。

ギーシュは、彼女達は薔薇の価値を分かっていない。
君が機転をきかせなかったからこうなった。
どうしてくれるんだ、と少年に文句を言う。
どう考えても少年は悪くないのにも関わらずだ。

少年は、モテたいからって女の子を泣かせたらダメだよ諭す様に言う。
正論ではある、がギーシュには関係無かった。

そして始まったのが決闘である。
ルイズは急いで駆けつけた。
メイジ相手に何をするの、勝てるわけがないわ、謝りなさいと叫ぶが少年は聞き入れない。
少年の仲間である残りの少年達も、魔法をよく理解していなかったがルイズと似たような心境であったらしい。

もちろんギーシュは聞き入れず、少年も同じだった。
ギーシュは決闘の開始を宣言すると、ゴーレムのワルキューレを作り上げる。
少年達はおぉー、と歓声をあげた。

此処から先をルイズが恐れながら予想したのは、マフラーの少年がギーシュにぼこぼこにされる姿である。
全く同じ姿を、観客やギーシュも予想した。
 
763名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 16:29:45 ID:PjDkDLFi
稲妻十一支援
764ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:30:03 ID:D3LWMA+f
しかし、甘かったのである。

少年は決闘はギーシュが杖を落とせば勝ちなのかと改めて問う。
ギーシュの肯定した瞬間、全ては始まった。
少年は手にした白黒の球体を地面に落とす。
これは少年が持ち込んでも良いかと聞くから、平民にせめて武器を持たせてやろうと思い持たせたのだが、これが完全に命取りとなった。
ギーシュも、当たれば少し痛い程度の玩具で自分が負けるとは思わなかった。

球体が地面に跳ね返った瞬間、少年は急変した。
鋭く雪の様に冷たい風が強く吹き荒れた。
少ししかはねていなかった白い髪が強くはねて、その雰囲気ががらりと変わる。
緑色の目から、炎を宿したかの様なオレンジ色の目へと変わる。
口元に今までとは全く違う攻撃的な笑みをたたえた。

まるで、別人になったかの様に。

確かに驚いたが平民の手品だろうと思い、ギーシュはゴーレムのワルキューレを走らせた。
ギーシュから少年まで五メートル以上。
しかしワルキューレにはたった三歩で詰められる距離だった。

その拳が少年に届くかと思った瞬間、拳が崩壊した。
拳。 否、ワルキューレが。

何事かと目を張るギーシュだが、観客の一人に言われて自分の手元を見る。
薔薇を模した杖が無くなっていた。 途中から、真っ二つに折られて。
万が一、気を抜いて落とさない様に強く握っていたのに。

少年は、決闘が始まる前の穏やかさを取り戻していた。
今のは何だったのだろう、とルイズが思う暇も無い。

一体何が起きたんだ、とギーシュは戸惑う。
観客の一人に指を刺され見た先には、白と黒の球体が転がり跳ねていた。
先程まで少年の足元にあったのに。

まさかアレで蹴ったのか。
いやまさか。
 
765ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:32:17 ID:D3LWMA+f


決闘の後にタバサに言われて真っ二つに折れた杖をもっとよく見てみれば、何故か凍りついている。
まさか先住魔法なのかと驚くギーシュを他所に、タバサは少し考え込んだ。
キュルケが話しかけても考える。

決闘の一部始終をコルベールとオスマンは見ていたが、使い魔のルーンを刻んでいないのでガンダールヴだと判明もしない。
コルベールが、杖をあんな球で真っ二つにするだなんて! と息を荒くする程度だった。

ちなみにマフラーの少年、名を吹雪と言うのだがその少年がただの木の棒を折った程度で少年達は誰も驚かなかった。
むしろギーシュに勝ったのだからまぁそれなりに強いのねと興奮するルイズとは違い、一部を除いて少しだけ微妙そうな表情をしていた。

 
766ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:33:24 ID:D3LWMA+f
終了です
イナズマイレブンから二期の雷門メンバー召喚しました
まだ沖縄で、ギリギリ豪炎寺は居ない事になっています
ありがとうございました
767名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 16:35:37 ID:Q6KJfuZz
庭球王子と渡り合えそうな連中召喚乙でした
768名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 16:35:46 ID:PjDkDLFi
乙でした。ちなみに円堂受けとか、好みはあるんすか?
769ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:37:33 ID:D3LWMA+f
連投失礼します
誤字があったので

先程まで少年の足元にあったのに。
まさかアレで蹴ったのか。

まさかアレで折ったのか。

しかも25分と言いつつフライング……凄く恥ずかしいです
770ゼロのイレブン:2010/02/12(金) 16:41:40 ID:D3LWMA+f
>>768
そういう趣味は無いです
771名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 16:59:16 ID:yLltYFAU
公式でそういうネタがある作品やそういうネタ専門のスレならともかく、
そういうこととりあえず聞いてくる奴ってなんなんだろうな。
772名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 17:08:26 ID:3B1/le45
釣りだろ
773名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 17:36:12 ID:sErafKb9
乙でした。
しかし12人、過去に召喚された中でも最多レベルだな。
774名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/02/12(金) 17:50:19 ID:Tpg5549A
ルイズさんが装甲大義の甲冑を召喚しました。
と言うネタを考えたが、どう考えても

正宗「ギハハハハハハハハ!!ところでどうでも良い事ですが主。腎臓が一つ潰れました」
ルイズ「そう・・・本当にどうでも・・・いいわけあるかああ!!!」

と言うシーンがやりたいだけだった。
775名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 18:21:39 ID:GprrHwNi
けいおん!キャラを召喚。

唯:最初はうろたえるがすぐに慣れそう。ルイズを妹分扱い。
澪:めちゃくちゃ取り乱したり気絶したりで、慣れるのに一番手を焼きそう。
律:ルイズに平気で手を出しそう。
紬:契約のキスでルイズに堕ちそう。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 18:27:21 ID:OfFiKWsR
イレブンときて
コードギアス日本人と天空の11人が浮かんだ俺
後者を呼んだら多分最後はカタストロフだろーなw
777名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 18:40:06 ID:2zzr78ij
カタストロフ・・・つまりハーフエルフを嫁にすると。
778名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 18:49:54 ID:v/1vccUp
カタストロフというと闇属性以外一方的に破壊するA・O・Jが思い浮かぶ
779名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 18:52:04 ID:Q6KJfuZz
とりあえず魚屋の話はもーえーっちゅーに
780名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 19:07:58 ID:Iy7O/WCb
闇属性と聞いてFFTのガフガリオン召喚とか思いついた。
「誰かがやらねばならンのだ!」
「しかしって言うンじゃねぇ!」

じゃなきゃいっそベルセルクのワイアルド召喚とかどうか。
「ワイアルドぱーんち!」(七万人虐殺)
781名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 19:34:01 ID:AxijrzfV
ルパンを召喚したら
フーケは不二子ポジか
782名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 19:39:18 ID:oS6zVCi0
それは既にある
783名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 19:45:47 ID:WW8AkSNh
>>776
俺も一瞬スザクでも召喚されるのかと思ったw
784名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 20:15:02 ID:Wvq93Yck
這い寄れ!ニャル子さんから
ニャルラトホテプことニャル子をですね
785名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 20:17:52 ID:sOrhwNtC
ジパングのイージス艦みらいと角松と他の乗組員を召還したってのはどうだろうか?
原作では出来なかった海戦を派手にやってくれそう
786名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 20:25:27 ID:5YR/5enO
ジパング原作よりさらに補給で苦労しそうだな
それに海まで戦いに来てくれるようなのがいないだろ
ゼロのイレブン乙!
良質のネタごちそうさまでした。
788名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 20:52:36 ID:3Z6BQjI5
そもそも船を海まで運べないだろう
789名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 21:27:41 ID:1oKxI0hp
>>776
最近だと、11eyesでも有りだろうな。
790名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 21:47:43 ID:MyM0I4Q0
>>776
萩尾望都の「11人いる!」が真っ先に頭に浮かんだ俺はいったいどうすれば?
791名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 21:53:41 ID:OfFiKWsR
>>790
続編で結構なチート性能になったタダでも召喚してみよう
時間停止じみたサイコキネシスまで使えるようになったぜ

自分も止まるけどな!!

白号の試験中なら逆召喚が向いてるかもしれんが
正直あの場にルイズがいても意味が・・・
792 [―{}@{}@{}-] 名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:04:36 ID:aP1wBPbC
>>788
そこは風石で頑張ればどうにかなるかな
793名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:11:27 ID:5YR/5enO
船舶として使わずに地上に設置したミサイル発射基地として使った方が早いと思う
794名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:34:03 ID:SO/LOs03
レイズナーから地球に危機を知らせに行く途中のエイジとコズミックカルチャー一行を召喚
フォロンが暴れ出すのが早いかデビッドが殴り掛かるのが早いか
795名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:41:31 ID:RyXOe+5K
>>780
水精霊騎士隊のモットーが「エンジョイ&エキサイティング」に……
796名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:45:29 ID:hP+USE4b
脈絡ないが、右京さん召喚初日の晩飯は
結局抜く羽目になったんだろうか。
797名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:55:43 ID:kYLDGFcL
ダイ・ハードのジョン・マクレーン召喚。
798名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 22:57:13 ID:BTvIGK2K
>779
魚屋……丁度ダンテの『神曲』の、当時のローマ法王を魚屋と非難する部分を読んだ後でね……

今のローマ法王なんか呼んじゃったら暗黒のフォースで吹っ飛ばされる?(マテ
799名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 23:11:30 ID:A2bup+IE
>>774
小ネタでいいから書けばいいんじゃないかな?かな?
800名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 23:13:15 ID:HSDmzW/b
びーふかたすとろふ
801名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 23:14:53 ID:LcLMy/tu
>>798
顔以外は聖職者の鏡なムダヅモの法皇呼べばいいんじゃね?

無能王辺りは麻雀覚えたら暇つぶしに鷲巣麻雀とか始めそうだな
802名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 23:32:52 ID:0chUFQCV
>>801
おい!それじゃあ、今の老魔法王様が聖職者の鏡じゃないって言い草だぞ。
フォース使えたり、イオナズン並みのイオを使えたりするけど、立派な聖職者だよ!
803名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 23:35:46 ID:5LXynah+
最近はジェダイの女に襲撃されたけど赦しちゃうくらい余裕だしな
804名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 23:50:30 ID:Iy7O/WCb
現法王のイカシっぷりは異常。
枢機卿時代の渾名がパンツァーカーディナル(戦車枢機卿)だとか
ユーゲントだったとか
躊躇レスに同性愛は自然に反すると言い切っちゃう辺りとか
性病対策のためのコンドーム配布に反対してたとか
805名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/12(金) 23:53:45 ID:w4VrOyIU
そこらへんは敬虔なカトリックならみんなそう考えてる
聖職者は言わずもがな
806名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 00:05:18 ID:yM4jd/6d
法王のかわりに池(ry
もしくは大(ry
807名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 00:08:45 ID:paHG53IW
せめて
「イスカリオテ(教敵絶滅機関)を作ろう」
ぐらいは言ってくれないと
808名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 00:10:26 ID:zeuplrK4
俺が、俺達が法王だ
809名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 00:39:01 ID:aapP9Bj/
>>807
イスカリオテの存在を信じてないなんてww
何処のお花畑から来ましたかー?
810名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 00:40:16 ID:caKah1z4
>>809
秘密裏に存在しているのと、公に認めるのの間には、広くて埋めがたい溝があるんだよ。
811名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 01:10:28 ID:uoYzlfNM
>>810
北朝鮮による拉致だってほぼ確定的な事実だったのに
北朝鮮が公的に認めるまでは「これはニッテーによる陰謀ニダ!差別ニダ!!」と
と言ってのける馬鹿が日本人にすら居たからな。
812名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 01:33:00 ID:rLDwBixC
ふと思ったんだが、ヤマノボ先生がこのスレやジョジョスレの事を
「俺の作品を踏み台にしてんじゃネェェーーー!」みたいな感じで
快く思ってなかったとしたら、今後の展開で
異世界召喚クロスオーバ物というフォーマットそのものをぶち壊す新設定を出してくる可能性もあるかもだぜ。
例えば「ルイズが召喚出来るのは実は唯一サイトだけで、それ以外の人物は絶対に召喚出来ない。なぜなら(以下、新設定)」みたいな感じで。
この(新設定)の部分が、「実はこの物語は全てルイズの見た夢だった」とか、
「全てはヤマノボ=ド=ブリミルの考えた物語の世界でした」だったりとかするのかもしれん。
813名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 01:37:21 ID:Rr9PFIfR
だったらどうしろと言うの?
814名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 01:38:04 ID:caKah1z4
>>812
そこまで純情な作者はいないと―――思いたいけど、一人実在したからなぁ。
815名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 01:44:56 ID:8raAw+xZ
>>814
一体どうやって二次創作をぶち壊したのか、方法が気になる
816名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 01:48:22 ID:caKah1z4
>>815
突然全部放り投げた。
817名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 02:00:46 ID:zlTn05za
それは守○○天の作者?
818名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 02:58:18 ID:pAwDu4r3
ワリオ召喚
さぞかし契約のキスはニンニク臭いだろうな
819名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 08:02:35 ID:wnp/fay8
ロドリゲス藤波(猿)を召喚。
破壊の杖を始め場違いな工芸品を入手するたび正気に戻る。
弾が切れると猿に戻る。
デルフ他、剣やマスケット銃には見向きもしない。
820名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 08:21:58 ID:eWkuZE5w
ジラーチ召喚。
七日で寝る奴。
821名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 08:22:50 ID:eWkuZE5w
ジラーチ召喚。
七日で寝る奴。
822名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 08:37:52 ID:eWkuZE5w
>>820-821
すいません
823名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 09:54:20 ID:yBX6U8wb
おはようございます。

今から思いつきのネタを投下します。

ちょっと長めですが、よろしくおねがいします。

824【虚無(ゼロ)戦記】:2010/02/13(土) 09:55:21 ID:yBX6U8wb
儒生暦14270
 ラ=グースの僕となったワルド手により、家族を殺され魔法を封じられ、
地球から6000光年離れたハルケギニア宇宙の魔法学園廃墟に封印されたルイズ。

 『魔法を使いたい』ただそれだけの思いを6000年も念じ続けた結果、
ルイズはついに魔法や科学をも越えた超魔法・虚無(デスト・サイキック)能力に覚醒した!

 「ふふ、魔法を使えなくされた私に何が出来ると思う? 」
 「白紙の祝詞を読むことしか出来ない、読み続けたわ。毎日、毎日……」
 「始めのうちは“爆発”を起こすための呪文を唱えるにも長時間かかった」
 
 「この地獄をそのままお返しするわ!
   今度は私が地獄を作る番よ!! 」
 
 さらに同時期、7億のアルビオン邪童艦隊と相討ちになったガンダールブこと
“平賀サイト”を平行世界より召喚、再びガンダールヴとして転生復元! 己の軍団へと編入す。

「お前は一体……まさか!」
「私はあなたと同じ、家族を世界を奴ら奪われた一人。私を呼ぶ時は、ゼロのルイズと呼んで」
「ゼロ……ル…イズ……!! 」
「そう……私は………6000光年の彼方よりこのハルケギニア宇宙に還り、
 そしてこの新たなる虚無(ゼロ)になぐりこむ“虚無(ゼロ)のルイズ”よ!!! 」

 自らを虚無の担い手へと進化させたルイズは太陽系(魔皇星含む)と同じ大きさの
超巨大竜の形をしたオーラ状支配空間を展開、ハルキゲニア宇宙より帰還!
 
 虚無(ゼロ)の軍団、フーケ第246ゴーレム師団と激突。
 これを撃破。
825【虚無(ゼロ)戦記】:2010/02/13(土) 09:56:02 ID:yBX6U8wb
儒生暦14276
 レコンキスタを取り込んだレコンキスタ・ラ=グース。アルビオン宙域に進軍。
 ハルケギニア防護網の一つアルビオン王子、ウェールズがレコンキスタ・ラ=グース殲滅に動く。 
 対するレコンキスタ・ラ=グースは、ラ=グース細胞によって作られた、旗艦レキシントンを送り込む。 
 
 「たった一隻とは、我々王党派もなめられたものだ」
 「行くぞ、プリミル破光壊!! 」

 しかし、ラグドリアン宇宙の神器アンドバリの指輪が、敵の手に渡ったことで戦局は一変。
 虚無(デスト・サイキック)攻撃により、アルビオン軍は壊滅。

 「おのれ、かくなる上はあれを使う! 」
 「あれを使えばウェールズ様のお命が!! 」
 「ならぬ、ここで奴を食い止めねば貴族達に明日は無い」
 「うけてみよ。ウェールズが最後の魔法!! 暗黒劫洞(あんこくどうこう)!! 」

 しかし、レキシントンを倒すこと適わず。アルビオン艦隊旗艦ニューカッスルともども、
80億の兵士がブラックホールに飲み込まれる。
 
儒生暦15411
 アルビオン宇宙艦隊を飲み込み、さらに巨大な力を得たレコンキスタ・ラ=グース、タルブ宙域に侵攻。
 トリスティン女王、アンリエッタこれを迎え撃つ。

 「第二成長期に入ったラ=グースは、すごい勢いで周囲の宇宙を取り込み成長しています」
 「すでに、ラ・ロシェール宇宙が飲み込まれ500億の生命種が消滅しました」
 「皆のもの、後をお願いします。ここは私が食い止めましょう」
 「ヘキサゴンスペルを試すおつもりか……」 

 ヘキサゴンスペル。それは王家の血筋のみが使える究極の魔法。アンリエッタの死をかけた魔法!
 体内に風、風、風。水、水、水の魔法を取り込み巨大な竜巻と化す。
 その竜巻から生まれるエネルギーが、アンリエッタの肉体を変化させ、巨大なエーテルの渦となり全てを破壊する。
 
 「今のアンリエッタ様は、自らの体内から無限の魔力を引き出し自在に操る。まさにプリミルそのもの」
 「しかし、エーテルの器には限界が来る。それは姫様の死。お急ぎください。奴の核を見つけ出し破壊するのです! 」
 「そんな! このレキシントンには核が存在しません。ただの偏在、これだけの偏在を操る術者がいるというの!! 」 
 「ふふふ。私の目的はあくまであなたの力を見極めること。その力見切った!! 」
 「なっ。お前はワルド子爵!!」 

 トリスティン軍、女王アンリエッタの奮戦により優位に立つも、
 偏在空間生物トグラを従えた内通者ワルドの参戦により、エーテルエネルギーを吸収され絶体絶命の危機に陥る。
826【虚無(ゼロ)戦記】:2010/02/13(土) 09:56:44 ID:yBX6U8wb
儒生暦15583
 ゼロの軍団、ラ=グース戦線に参戦。レコンキスタ・ラ=グースの軍団に対し宣戦布告!
 サイト、マッドウイングの末裔シエスタの導きを受け、惑星タルブに眠る竜の衣のナビゲーターとして覚醒。

「サイトさん。これから私はあなたの内なる心に入っていきます。決して拒んではいけません」
「彼の心の中にあるこのルーンがガンダールブの力の源。
 そして、あの巨大な生命体は……。まさか……神(プリミル)!! 」

「ナビゲーター・・・・・・。思い出したぞ、俺たちの祖先はこのタルブに竜を封印した。
 そう、このタルブこそ奴らと戦うための巨大な船。竜の羽衣だったんだ!! 」

 タルブより竜の羽衣飛翔。その余波でレコンキスタ・ラ=グース邪童艦隊7万が粉砕される。
 同時にルイズの虚無、第二段階へと覚醒。
 
「ルイズ。第二の月(セカンドムーン)から敵が侵攻してくる」
「任せて、月もろとも吹き飛ばしてあげるわ! エクスプロージョン!!」

 ルイズの魔法が光速を超えるとき! あらゆる物質は爆裂(エクスプロージョン)!!
 レキシントンを含むレコンキスタ・ラ=グースは、月を含む30天文単位の空間もろとも原子レベルで粉砕される。
 だが、彼らの前に偏在空間生物トグラと同化し、おぞましい化け物となったワルドが立ちふさがる。

「久しぶりだね僕のルイズ。僕は君の許婚いわば家族。家族が争うことなど無意味だとは思わないかい? 」
「ふざけないで! あなたはちい姉さまの耳をぶら下げてこういった
 “姉の悲鳴が聞こえないか、早く虚無の力を見せろ”と
 次に目を抉り取っていったわ“君には血も涙もないのか”と」

「僕も辛かったんだ。ルイズ心を開いて僕を受け入れるんだ」
「ルイズの家族を切り刻んでおいて都合のいい事を言うな!! ルイズ、こいつは敵だ!! 」 
「そうですミスヴァリエール。私は、あなた達の心に触れたとき神を見ました。
 それは巨大な竜、あなたはあんな化け物の仲間じゃない」

 ワルド。太陽系に相当する超巨大トグラ空間を展開。トリスティン軍もろ共竜の羽衣を飲み込もうとする。  
 しかし、ルイズの放つ虚無(デストサイキック)の光に偏在をかき消され、トグラを吸収される。

「僕は、虚無の力であらゆるエネルギーを吸収することが出来るのだ。
 この宇宙を僕のものにしてやる。お前達も飲み込まれろ!! 」 
「なら、私があなたを喰らえばその力は私のものになる。そう、虚無(ゼロ)とは進化による空間の奪い合いよ!!」

「な、何だと! 貴様、進化を武器に使ったというのかぁーーーッ!! 」
「ワルド、あなたをふさわしい場所に送ってあげる……。地獄にねッ!! 」
 
 トグラ空間を吸収したことで、銀河を渡る力を手に入れた竜の羽衣は、ゼロの軍団と共に宇宙の中心へと旅立つ。
 ゼロの軍団によりレコンキスタ・ラ=グース絶滅!
827【虚無(ゼロ)戦記】:2010/02/13(土) 09:57:31 ID:yBX6U8wb
儒生暦15821
 ガリア宇宙消滅!
 
儒生暦16337
 リュティスM51銀河系の戦い(グルノープル戦線)

儒生暦16780
 惑星ネフテスの少数生物エルフ
 ラ=グースと交戦。シャイターンの門の奪回に成功!

儒生暦16783
 ダングルテールの戦いにて虚無を模したブラックホール爆弾を使用。
 ダングルテール、ブラックホールに飲み込まれる。(後のブラックホール・ダングルテールの誕生)
 
儒生暦16800
 ゲルマニア3裂惑星
 皇帝アルブレヒト。神(ラ=グース)の軍団に宣戦布告!!

儒生暦16783
 16899
 エルフ勢。トリスティン軍。ゲルマニア軍。サウスゴーダ429星雲に集結。 
 第一次ゲルマニア3裂惑星大戦勃発。 

儒生暦17008
 トリスティン艦隊8億、アルビオン宙域にて宇宙超魔獣軍団と激突!
 戦いは105年間におよぶ。(アルビオンの戦い)

儒生暦18140
 アルビオン・ラ=グースのデストアンドバリマニューバ(精神破壊波動)のため、トリスティン艦隊一時撤退。

儒生暦18244
 ガリア宇宙最後の女王・タバサこと氷雪王、
 ラグドリアン宇宙より風韻竜シルフィードと共にアルビオン戦線に参戦!!!。
 同時期イザベラ。ジョゼット。キュルケ。カステルモールら氷雪四天王率いる氷雪軍団が集結。

儒生暦19516
 ラ=グース眠りに入る。
 ネフテス老評議会休戦を申し入れるがこれを拒否
 トリスティン総力部隊、双月状星雲に集結。
 ラ=グースへの攻撃を開始
828【虚無(ゼロ)戦記】:2010/02/13(土) 09:58:15 ID:yBX6U8wb
儒生暦19520
 神の軍団次々と敗れ、ラ=グースに撤退。
 これより4万光年攻撃が開始。しかしラ=グースにおよばず。

儒生暦20684
 ラ=グース、成長期が終わり覚醒!!

儒生暦20789
 ルイズ、ゼロの軍団と平行宇宙(SS)艦隊を率いてアルビオンに向かう。
 ダンデルクールの生き残り、アニエスら宇宙銃士隊(コスモドラグーン)合流。
 クギミヤ宇宙の同族と激突。これを大破、殲滅!!

儒生暦21564
 トリスティン艦隊総司令・アンリエッタ女王戦死!!

儒生暦21589
 ルイズが故郷、MF文庫J宇宙消滅!!

儒生暦30458
 氷雪王の軍団、“氷雪の風韻竜・シルフィード”の大軍を率いて外伝星雲に侵攻!!
 
儒生暦35482
 烈風の騎士姫カリン参戦により、外伝星雲消滅!!

儒生暦35670
 虚無(デストサイキック)を操るジョゼフの軍団に立ち向かうルイズとサイト。
 その目の前に突如として惑星ほどもある巨大な剣が現れる。
“剣”は、二人告げる。

『虚無の担い手!! 使い手!! ラ=グースの真理を教えてやる!!
 80億の同志を犠牲にして見たすべてをオメーラにあなたに託す。おいらを受け入れろ!! 』

 デルフ天ブリンガー王降臨!!

虚無(ゼロ)戦記 - 【未完】
829【虚無(ゼロ)戦記】:2010/02/13(土) 09:59:16 ID:yBX6U8wb
以上、石川賢の虚無戦記より、ラ=グース召喚でした。
830名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 10:11:24 ID:fyScA2xD
>>805
つまりカトリック信徒はそろってありゃぁ戦車だと思ってると
831名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 10:22:48 ID:oTGf6VK1
>>818
宝物庫にタックルしかけて宝を奪いまくる姿しか思い浮かばん
832名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 12:22:56 ID:41DXMhOL
GJ! ドワオ噴いたw
833名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 13:40:40 ID:lqv2G5BR
いまさらだけどキルノートンの人乙
一つ気になるんだが、「人の顔をした立方体」ってなんぞ?
無生物を生物に変える力のやつは別人だし…
834名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 14:05:29 ID:TMX2gPYn
>833
今神器一覧見てきたんだが多分「唯我独尊」(マッシュ)だな。四ツ星神器。
835ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/13(土) 14:27:24 ID:IbMZie2x
GJ! 面白い!
すごいセンスを感じた
836名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 14:27:42 ID:jgaTqIEM
ここも酷使様が多いんだな。
837名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 14:49:47 ID:XnkqwTTn
いちいち刺激するなマヌケ。
838名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 15:54:39 ID:99WAJRP0
>>829
乙!

クロス元に興味があったのもあって楽しく読めましたw
ということでクロス元についてはあんまり知らないのですが、プリミルじゃなくてブリミルじゃないですか?

ちなみに、氷雪四天王が読点じゃなくて句点で区切られているのは、もしかしてクロス元へのオマージュだったりするんですか?
839【虚無(ゼロ)戦記】:2010/02/13(土) 17:44:01 ID:yBX6U8wb
>832
ありがとうございます。

>835
まさか、レスをもらえるとは。ファンなので、すごい光栄です。

>838
あ、誤字です。
すみません。
しかも、ハルケギニアが一箇所、ハルキゲニアになってる……ORZ。
四天王にかんしては、ちょっと意識してます。

きっかけは公式アンソロジー2巻のタイトル、“水(ラグース)魔法の章”を見たとき脳内キバヤシが、

「ゼロの使い魔の“虚無”とは、虚無戦記のことだったんだよ!! 」

と叫んだのがきっかけです。
840名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/13(土) 21:42:16 ID:99WAJRP0
>>839
おぉー! そうなんですか!
他と区切りが違って変な感じだなあと思ったので、
何かネタがあるのかなあと思ったのですが、やっぱりあったんですね。
841名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 00:04:51 ID:qcMcBxcn
虚無戦記ww
竜の羽衣=馬頭龍ww
スケールが違いすぎる
842名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 00:38:02 ID:6DKwPMr0
規制のせいか閑散としてるね
40分から代理投下行きます
843代理:ゼロの黒魔道士第68幕 1/10:2010/02/14(日) 00:40:02 ID:6DKwPMr0
Vdayイブです。
チョコの代わりというわけには参りませんが、
ほろ苦ぇSSをお届けできれば、と思います本日にございます。
他予定ございませんようでしたら、19:45ごろより失礼いたします。
応援、支援、罵倒、スルー、義理、本命、友、毒殺、その他諸々、なんでも受け付けてますのでどうぞよろしくお願いいたします。

----

『落ちている』って表現すれば良いのか、
『飛んでる』って言えば良いのか、迷ってしまう。

一番丁度良さそうなのは……『漂っている』かなぁ……?
『霧』よりも濃い、真っ白な世界。
全てがミルクのボウルに落ちてしまったような感じ。
ボクはその中を、漂っていた……

ポツンと、一人ぼっち。
見上げても、見渡しても……一面の白。
衣擦れの音すらしない、静かの海。
……ううん、違う。……なんだろう、少しだけ、音が……
波?……水の音じゃない……もっと、キラキラした……

光の……ざわめき……?


「……――ビ!ビビ!」


押しては返すざわざわという音が、だんだんと大きくなっていって、
ボクを呼ぶ声になっていく。

「……ルイズ……おねえちゃ……ん?」

「――ビビ!?大丈夫!?頭打ってない!?」

開けた視界いっぱいに、ルイズおねえちゃんの心配そうな顔が映る。
もしかしてボク……気を失っていた?

「う、うん……大丈夫……だよね?うん、大丈夫……」

右手、左手、両足と順番に動かしてみる。
何の問題も無し。大丈夫そうだ。

「落ちる途中で、手が離れちゃったから心配したのよ?
 ……あ、デルフもこんなところに落ちてるし……」
「ゴメンね……デルフも……」
「あー、うん、気にすんな。俺っちもボーっとしちまってたしな……
 で?ここが『悪魔の門』の中ってか?」

カタカタと、手の中で笑うデルフに促されるように、ググッと体を反らすようにしてあたりを見回した。
844代理:ゼロの黒魔道士第68幕 2/10 :2010/02/14(日) 00:40:44 ID:6DKwPMr0
……『不思議』っていうのが一番しっくりくると思う。
まず、空は真っ黒な雲の切れ間から、わずかな光が逃げ出すように溢れ出てきている。
暗くて、明るい。
昼なのか、夜なのかも分からない。
それだけで時間が止まっているような気分になる。

その雲も、逆巻いて空に昇っている。
まるで、空に吸い込まれていくような感じ。
切れ端が光にぶつかるたびに、弦楽器をゆっくり弾いたような音がする。
綺麗だけど、どことなく物悲しい。

もっと近くの景色、ボク達が今いる場所も、なんか『不思議』だった。
しっかりとした石畳の道、足下だけを見ればそう見える。
だけど、ちょっと目を遠くにやると、その印象が文字通りにガラリと崩れ落ちている。
宙に浮いた石畳の道。
細い細い、一本道。

道の先の方が、ぐにゃってねじり曲がっていて、その下にまた道が見える。
どうも、橋みたいだ。それが、何本も何本も下へ下へと伸びていっている。
全く違うデザインの、古さも目的も違うっていう風に見える、いくつもの橋。

だけど、みんな目的地は一緒みたいで、ボク達のいる場所から、
光と闇の真ん中、雲が逆巻いた中心へと向かっている。

バブイル?うーん、大きな建物が集まっているのは同じだけど、ちょっと違うかもしれない。
お城って感じもするけれども、なんていうか……そう、不安定なんだ。人が住めそうな場所じゃない。
卵を、縦にまっすぐ置いて、そこの回りに塀や屋根や家を、これでもかってぐらいにまぶすと、こうなりそうだ。
それが、やっぱり家や窓や屋根を彫り込んだ崖の台座に、あぶなっかしく乗っている。
色は、全体的にくすんでいて、古くなった絵や錆ついた彫刻みたい。


「なんていうか……ボロっちいんだか、頑丈なんだか訳分からない建物ね」
「んー……なんつーかこー……妙な『懐かしさ』があんなぁ……?」
「デルフ、あんたも?――妙よね。見たことも無いのに……」

多分、2人の持った感想の理由はとっても単純だと思う。
ボクは……この場所を知っている。
少なくとも、この場所に近い所を知っている。
ちょっとずつ違う風に見えるのは、ガイアとハルケギニアの差なのかなぁって、そう思うんだ。

「ルイズおねえちゃん……デルフ……多分、ここ……」

ここは、きっと……

人が生まれてから死ぬまでの、『記憶』。
それは、ボク達が普段感じることのできるごくごく一部のものらしい。、
まるで『命』が、親から子へと受け継がれるみたいに、
『記憶』もだんだんと未来へと繋がっていく。
そうして、役目を終えた『記憶』は、やがて生まれた場所へと戻っていく。
ここは、そんな場所。

ここは……



ゼロの黒魔道士
〜第六十八幕〜 記憶の還る場所 忘却の夢迷宮
845代理:ゼロの黒魔道士第68幕 3/10 :2010/02/14(日) 00:41:14 ID:6DKwPMr0
「『記憶の場所』?それがここの名前なの?」
「うん……ガイアのより、ずっと入り組んでいるみたいだけど……雰囲気とか、そのまんまだし……」

塀の中、建物の奥はそのものだった。
白と黒だけで色分けされた石造りの壁と床は、ボロボロに崩れかかっている。
ちぐはぐに動きながら、軋んで時を刻む歯車達もそっくりだ。

ここは、ありとあらゆる『記憶』が、集まってできる場所。
それはもう、数えきれないほどの『記憶』が積み重なる場所。
全部の『記憶』は根っこの部分では繋がっているから、
進めば進むほど、なんだか懐かしいような、不思議な気分になる。

「ふーん……なんか、見たことも無いのに懐かしいのはそのせいかしらね?」
「俺っちは覚えがあるのがちらほら……それがいつだったかは思い出せねぇけどな」

アーチ状の橋を越えたら、黒い扉に繋がる螺旋階段。
それをくぐれば砂嵐の街に虹色の海の港町。
その先は燃えてしまった教会……
全然脈絡も無い風景が、ゴチャゴチャの迷路みたいにつながっている。
建物の外なのか、中なのかさっぱり分からない。
全然整理できてない、誰かの頭を歩いているみたいな感じだ。

「んー……やっぱり、ハルケギニアの記憶、なのかなぁ?」
細かい場所まで覚えているわけじゃないけど、
ガイアの『記憶の場所』とはまた違うみたいだ。
そこに生きている人の『記憶』が積み重なる場所なんだから、当然なのかもしれないけど……

「ビビのいたところだと、どういう風だったの?」
「大体、同じかなぁ……違うところっていったら……」

すぐ傍で、レンガ造りの壁がカランっと崩れる。
ガチャンって、金属が地面に叩きつけられたような音。
それと一緒に、風を巻き起こすような翼の音。

「そうそう、こういう風にモンスターが……え!?」
鉄の大きな鎧が、目の前にいた。
その横の真っ黄色の目玉お化けと目が合う。
これって……ガイアのモンスター!?

「っ!?」
「うわぁああああ!!」
「きやあぁあああ!!」
 ・
 ・
 ・
846代理:ゼロの黒魔道士第68幕 4/10 :2010/02/14(日) 00:41:44 ID:6DKwPMr0
「はぁ、はぁ……」
「いきなり出ないで欲しいわよね……ぜぇ……」
「てつきょじんに、アーリマン……」

走って、逃げた。
逃げれば逃げた先にも、沢山モンスターが出てきて……
本当に、「いきなり出ないで欲しい」だ……

てつきょじんも、アーリマンも、ガイアの『記憶の場所』に出てきたモンスターだ。
手ごわいから、あんまり会いたくない。
特に、急いでるときとか……うん、絶対会いたくない。

「でっけぇ亀とか牛みてぇなのも相棒のとこのヤツか?」
「……アダマンタイマイにベヒーモスのこと?うん……」

ベヒーモスが牛みたいっていうのが当たっているかどうかはともかく……
アダマンタイマイもベヒーモスも確かにガイアにいたモンスターだ。

「あとあの緑の!間抜けな顔して針飛ばしてくる奴とか、包丁持ってずりずり近寄ってくるのとか!」
「……サボテンダーに、トンベリ……だよねぇ……うーん」

その2種類も、間違いなくガイアのモンスター……なんだけど……
『記憶の場所』にはいなかったような……?

「……出てくるはずのないモンスターが、出てきている……?」

最初、てつきょじんやアーリマンが出てきたときは、
この場所がガイアの『記憶の場所』と繋がってるってことかなと思ったんだけど、
どうも、違うみたいだ……


「ビビー?さっさと行くわよー?」
「あ……うん!」

「じゃぁ、どこに繋がってるの?」って考えるのは後にすることにした。
この先に、フォルサテがいる。その場所に、繋がっている。
それさえ分かっていれば充分、だよね?


「まったく、どこで何が出るのか分かったもん――じゃっ!?」

瓦礫でできた壁の隙間を越えた、その瞬間だったんだ。


「え!?」
「な、何これ!?」
色のない、枠だけのステンドグラスの影が、青一色に塗られる。
上も右も左も前も後ろも、みんな落ちてきそうなぐらいの青空の色。
白と黒だけで表現されていた世界に、絵具箱をひっくり返したみたいな鮮やかな色。
まるで、空に浮いているような……いや、『まるで』、じゃない。

空に浮いていたんだ。
さっきまで、石畳の上を歩いていたのに、空そのものの中に、ボク達はいた。

「な、何よこれ!?幻か何か?」
「……」

見覚えがある、青い空だった。

そして、気がつくんだ。
847代理:ゼロの黒魔道士第68幕 5/10 :2010/02/14(日) 00:42:27 ID:6DKwPMr0
……これが、あのときに見た青空なんだって……
悲しいぐらいに青かった、あの空なんだって……

パタパタパタって、軽いプロペラの音が飛んでくる。
景色がそれに合わせるように、ゆっくりと流れていく。
ボク達も、景色と一緒に……その『飛空挺』に乗り込んだ。

「ビビが――沢山っ!?」

カーゴシップ……ダリから、リンドブルムへ向かうときに使った、船……
ボクと同じ姿の、ボクと同じ、黒魔道士兵達が、操縦していた船……
黒魔道士兵が操って……新しくできた黒魔道士兵を運ぶために使っていた船……

みんな、兵器として、兵器らしく作られていたから……
話しかけても応えてくれなかったっけ……

そんなことを考えていると……
『アイツ』が……やってきた……

「あ……」

≪あ……あ……≫


幻の中の『ボク』と、声が重なった。
黒い羽を持つ、ボクとよく似た姿の背の高いヤツが、船首に降り立つ。
幻の中のボクは、そいつを見ているだけしかできない。

 ≪ビビ!だいじょうぶっ!?≫

懐かしい声が聞こえる。
ダガーおねえちゃんの声だ。
幻の中のボクにかけられた、優しい声。

でも、幻の中のボクも……今のボクも、黒い羽から目を離すことが、できなくなっていた。

≪どんなヤツが2号を倒したかと思えば、貴様のような小僧とはな!
 この黒のワルツ3号の敵ではないわ!!カカカカカ!
 姫よ、じゃまなやつらを始末するまでそこで待っていろ!!≫


カカカカという、笑い声が、耳にこだまする。
黒のワルツ3号……ボクと、同じ……
いや、ボクよりも、より『兵器らしく』造られた黒魔道士……

幻の中のボクが立ちすくむ。
ダガーおねえちゃんを守る勇気が、足りないから?
黒のワルツ3号が、怖かったから?
……理由は、今でもよく分からない。

分からないままに、そんなボクをかばうように……
船を操っていた黒魔道士のみんなが、ボクと3号の間に立ったんだ……
何も、言わず、ゆっくりと……


≪まさか、かばうつもりか?
 ……気に入らん。何も考えらないただの作り物が一人前に小僧を守ろうというのか?
 ええい、そこをどけ!この黒のワルツに逆らうつもりか!
 おのれ! 黒魔道士兵ふぜいがっ!≫
848代理:ゼロの黒魔道士第68幕 7/10:2010/02/14(日) 00:42:51 ID:6DKwPMr0
黒のワルツ3号の、左手が光る。
『サンダラ』の呪文が、瞬時に唱えられ、甲板の上で弾け飛ぶ。
嵐。
衝撃。
めくれ上がる甲板。
轟音。
焦げる匂い。
激しい向かい風。
震える体。
動かない足。

覚えている。
ボクは、この景色を覚えている。

何も考えられなかった、ボク。
何も言わず、ただただ吹き飛ばされる、黒魔道士さん達……
落ちる。
悲しいぐらいの青空の中、みんな、落ちていく。
タルの中の黒魔道士達も、みんな、みんな……

一言も、しゃべってもくれなかったけど、
あの人達だって、本当は、兵器になんかなりたくなかったはずなのに。
あの人達だって、本当は、戦いたくなんかなかったはずなのに。
あの人達だって、本当は、もっと生きていたかったはずなのに。
もっと色々見たかったはずなのに。
もっと色々聞きたかったはずなのに。
もっと色々歩きたかったはずなのに。
もっと色々知りたかったはずなのに。
もっと、もっと、もっと、もっと。

ボクが、何もできなかったばっかりにあの人達は落ちていく。
悲しいぐらいの青空の下へ、下へ、落ちていく。
ボクを、守るために?
同じ、黒魔道士の、ボクを?
同じ、『作り物』なのに
同じなのに
同じ……なのにっ……

「あ……あぁ……う……」
≪ぅぅうわぁあっ!!≫


幻の中の自分と、ボクが同時に叫んだところで、青空が急に消えた。

元通りの、白と黒の世界。

一瞬の、夢。

……夢って、『記憶』が見せる幻って本当なんだなぁ……

「……」
「ビビ……」
849代理:ゼロの黒魔道士第68幕 7/10:2010/02/14(日) 00:43:51 ID:6DKwPMr0
声が、出せるようになるのに、ちょっと時間がかかってしまった。
……『息がつまる』ってこういうのを言うんだなぁ……

「何度、あのとき、助けられなかったんだろうって思ったのかなぁ……」

心の中を、一気に吐き出したいのに、言葉が出ていかない。
漏れるような息しか、出せない。

「ボク……何であんなに勇気が無かったんだろう……何で……何で……」
「……」

ルイズおねえちゃんの、手があったかい。
その暖かさが、『生きている』ってことなら……

あの人達は、こういう暖かさを、もっと、感じたかったのかなぁって……

苦しい。

胸が、苦しい。心が、苦しい。


「ビビ……えっと、その――っ!?」

ルイズおねえちゃんの、慰めの声は、
今度は薄紅色の景色でかき消されたんだ。

瓦礫の壁が、白いお屋敷の壁に変わって、
灰色だった空が、紅い月の夜空に染まっていく。

ボクにも、どことなく見覚えのある光景……

ここって……ルイズおねえちゃんの……お家?

≪ルイズ、ルイズ、どこへ行ったの?ルイズ!まだお説教は終わっていませんよ!≫
遠くから、声が聞こえる。
ちょっと若いけど、ルイズおねえちゃんのお母さんの声、かな……?

≪ルイズお嬢様は難儀だねえ≫
≪まったくだ。上の二人のお嬢様はあんなに魔法がおできになるっていうのに……≫

渡り廊下の向こうで、お屋敷で働いている人達がしゃべっている。
ルイズおねえちゃんの悪口みたいだ。

……その声に、反応するように、植え込みの影から、
ボクよりも小さな女の子が、走り出した。

景色が、女の子に合わせて走り出す。
ピンクや黄色や赤に咲き乱れた花壇の中を、
真っ白な砂利でしかれた道の上を、
ボクが動いて無いのに、景色が動く。

景色は、お池の真ん中で止まった。
お庭にある、大きなお池。
そこに浮かんだ、小さなボート。
850代理:ゼロの黒魔道士第68幕 8/10 :2010/02/14(日) 00:44:22 ID:6DKwPMr0
……その上で、女の子は泣いていた。
いつかボクが見た、夢の中のように、
女の子は泣いていた。
悔しそうに、苦しそうに、
女の子はただただ泣いていた。

そこに、ふわりと、影が落ちる。
それと同時に、ボクの肩に置かれたルイズおねえちゃんの手が、
強張るように細かく震えた。

≪泣いているのかい?ルイズ≫

ボートに降り立った、影がしゃべる。
若くて、すっきりとした顔立ち。
……なんか、見覚えがある気がするけど、誰だったかが思い出せない。

≪子爵さま、いらしてらしたの?≫

さっきまで泣いてた女の子……昔の、ルイズおねえちゃん、だよね……?
女の子が、嬉しそうな声をあげる。
流しっぱなしにしていた涙をぬぐって、
不安定なボートの上、立ち上がろうとして、少し、よろける。

≪今日はきみのお父上に呼ばれたのさ。あのお話のことでね≫
≪まあ!≫
≪ルイズ。僕の小さなルイズ。君は僕のことが嫌いかい?≫
≪いえ、そんなことはありませんわ。でも……。わたし、まだ小さいし、よく分かりませんわ≫

池の表面に、風が通った足跡が、さざなみのように広がっていく。
赤い月が照らす、優しい優しい景色。
男の人が、小さいルイズおねえちゃんに手を差し伸べる。
優しく、グッと乗り出すように。

≪ミ・レィディ。手を貸してあげよう。ほら、つかまって……
       
              拒むのか!?この俺を、拒むと言うのか!あぁ、そうか!!≫
≪きゃぁっ!≫

景色が、急に入れ替わる。
お庭じゃなくて、白い壁と、ステンドグラスの光がこぼれる、教会の中。
差し伸べられた手は、ルイズおねえちゃんを突き飛ばした。
ルイズおねえちゃんは、もう小さくなくて、真っ白なウェディングドレスを着ていて……

≪クハハハハハハハハハ――ならば、目的の1つは諦めよう!≫

手を伸ばした男は、目が暗く濁って、髭が生えて……
ワルド……ルイズおねえちゃんを、裏切った、ワルドに変わっていた……

≪目的、ですって!?≫
祭壇の横、ルイズおねえちゃんが倒れながら、聞く。
ワルドに、聞く。
ルイズおねえちゃんを、裏切った、ワルドに……
851代理:ゼロの黒魔道士第68幕 9/10 :2010/02/14(日) 00:44:48 ID:6DKwPMr0
≪あぁ、そうさ。この旅には3つの目的があった。1つは、ルイズ、君の力。1つは件の手紙――≫
ワルドの目が、より鋭く、より暗くなる。

≪ワルド子爵、貴様――≫
間に立っていた、ウェールズ王子が、マントの中に手を入れる隙も無く……

カラーンって、軽い音が、教会の床に転がった。
真っ白な床が、鮮やかなまでの赤に染まっていく。


≪――そしてもう1つは、貴君の首だよ、ウェールズ殿下≫


≪い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?≫

『記憶』の中のルイズおねえちゃんの悲鳴が、震えるように幻を包んで、
景色がまた元通りになる。
白と黒の、瓦礫の山。

あの日のアルビオンでも、ずっとずっと昔のルイズおねえちゃんのお家でもなく、今に戻る。

肩の上の、ルイズおねえちゃんの手が、小刻みに震えている。
……ボクは、かける言葉が見つからなかった。
ルイズおねえちゃんが、ボクにかける言葉が無かったみたいに。
アルビオンから脱出するときに、ボクがルイズおねえちゃんに何も言えなかったみたいに。

……でも、ルイズおねえちゃんは、本当に強いと思う。

「――なーんで、あんな男に憧れちゃったのかしらね……」
「ルイズおねえちゃん……」

そう言いながら、ルイズおねえちゃんが、ボクの肩から手を離す。
もう、その手は、震えてなんかいなかった。

「――結局、私の見ていた世界は狭かったのよね。
 目の前の大きな背中に憧れるばっかりで、その先が見えていなかったのよね」

ちょっとだけ、意味が分からない。
でも、ルイズおねえちゃんは、ボクの少し前をゆっくりと歩きながら、
頷きながら笑っていた。

「? どういうこと……?」
「ん?んー……ビビの背中が、ちょうどいいってことよ!」
「わっ!?」
ぽんっと背中を叩かれる。
それがあんまり急だから、こけてしまいそうになった。

「――なるほどなぁ……入って来た奴らの記憶を映すから、『記憶の場所』ってわけだ……」
「う、うん……」

帽子を直しながら、デルフのつぶやきに答えた。
みんなの『記憶』が還る場所、だから、『記憶の場所』。
それは、当然、ボク達の記憶も含まれている。
……ガイアのときは、こんなにはっきり見たり感じたりできなかったけど……
ハルケギニアの『記憶の場所』は、やっぱりガイアのとは違うのかなぁ?

「いや、やっと合点が行ったわ……調子悪ぃわけだな……」

デルフが、ポツリと言葉をこぼした。
852代理:ゼロの黒魔道士第68幕 10/10:2010/02/14(日) 00:45:26 ID:6DKwPMr0
「え?」
「いや、こっちのこと――さっさと行こ……お出ましかよ」

数歩も進まないうちに、また白と黒の世界に、色がにじみ出した。

今度の色は、淡いクリーム色。

「――またっ!?」
「これは……」

「俺の――『記憶』ってヤツよ」

……デルフの記憶は、淡いクリーム色の砂埃の中から、始まった。


----
以上でございます。
原作からは大分剥離しております本作、いよいよそのキモとでも言える部分に入ります。
次回、デルフの記憶(すなわちデルフの過去)、捏造させていただきます。
……原作で描かれて無かったから、妄想してもいいじゃない。と開き直りたい次第です。
でも、きっと色々とツッコまれること必至ですので……
覚悟の上、書いていきたく存じます。
それでは、また次回、よろしくお願いいたします。
お目汚し失礼いたしました。
853名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 00:47:11 ID:6DKwPMr0
以上、代理終了〜
コピペミスって>>848が7/10になってるけど、本文はちゃんとコピペできてる、はず
854名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 12:02:32 ID:Xxh31clj
作者の方も代理の方もお疲れ様でした
855ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/14(日) 14:06:39 ID:YLjtZa8S
代理の方乙です。
こうもすばらしいSSを書けるなんて全くうらやましいです。
これからも頑張ってください。
856名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 14:27:35 ID:1KYA9B9i
黒魔道士の人、代理の人乙でしたー。
デルフの記憶とか、また面白い展開がありそうでwktkです。はい。
857名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 14:55:48 ID:Xxh31clj
そういえば今日は日曜日、ウルトラの日でしたね
期待して待っております
858ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/14(日) 15:42:11 ID:nonx0KPE
皆さんこんにちは、予約なければ87話の投稿いきたいのですがよろしいでしょうか。
問題なければ、15:50より開始いたします。
なお、【虚無(ゼロ)戦記】の人へ、申し訳ないのですが>>835は、私の名を騙った偽者です。
なお>>855も私ではありません。
なぜ私の名を騙ったものが現れるのかはわかりませんが、私は原則投稿のとき以外は
名前を名乗りませんのでスルー願います。
ところで、それとは別に読ませていただきましたが、すごいスケールの大きいお話ですね。
ところでクギミヤ宇宙って……ヤプールでも侵略できなさそうな……でも行ってみたいような。
 
黒魔導師の人も乙でした。
うーん、Yでトンベリマスターに瞬殺された苦い思い出が……
それにしても、記憶の世界とありますが、ラストダンジョンがそれまでのダンジョンの
使いまわしってありますよね。けれど、本当にルイズとビビって支え支えられる最高の
パートナーですね。
次回も楽しみにしています。
859名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 15:48:33 ID:NhpALqQr
>>858
区別するためにできれば次のレスからトリップを付けていただけると助かります
860名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 15:50:26 ID:KrG2vi7f
余程おめでたい人でもない限り分かってるでしょうけどねー
っていうかトリップつけた方がいいような…
861ウルトラ5番目の使い魔 第87話 (1/11):2010/02/14(日) 15:51:12 ID:nonx0KPE
 第87話
 二大超獣エースに迫る!
 
 変身超獣 ブロッケン
 一角超獣 バキシム 登場!
 
 
 このハルケギニアという世界には、誰もが知っている伝説がある。
 六千年の昔、まだ人も獣も混じって暮らす、混沌とした地であったハルケギニアに、
どこからかやってきた神の使い、始祖ブリミルが降り立ち、この地に平和と四系統の
魔法をもたらして、四つの国の基礎をおつくりになったという。
 しかし、始祖ブリミルがどんな人であったのかについては、あまりにも昔のこと
すぎて諸説入り乱れ、信頼できる資料は残されていない。
 ただ、その第一の使い魔にして、生涯その傍らにあって始祖を支え続けたという
伝説のガンダールヴが召喚されたという、数十年に一度の日食の日のことを、
人々は『神の左手の降臨祭』もしくは『日食の降臨祭』と呼び、遠い昔から
祝い続けていた。
 そしてくしくも、今年はその日食の日であり、ハルケギニア中の人々は、
一日限り仕事を忘れて欠けた太陽に祈りを捧げ、その後は飲めや歌えと狂奔する。
半月前に怪獣ザラガスに襲われたトリスタニアの街も、今ではほぼ完全に復興を
とげて、その下町のチクトンネ街にある一番の居酒屋である魅惑の妖精亭でも、
正午近くに予想されている日食に合わせて、この日だけは日中に店を開くために、
店員の女の子たちがジェシカの威勢のいい声に叱咤されながら走り回っていた。
「さあ、みんな! 今日は真昼間からチップをかせげるまたとない掻き入れ時よ、
これを逃したら一生後悔するからね」
「おーっ!」
 才人たちを見送って後も、魅惑の妖精亭は営業を休まずに続け、看板娘の
ジェシカを筆頭に、その父のスカロンのパワーにも引っ張られて集客を続け、
この日も明るい笑顔とともに、大もうけを目指していた。
「さあ妖精さんたち、夜の花は昼間でも輝けるってことを見せてあげましょ。
ウドちゃんカマちゃーん、ドルちゃんがサボった分はお給金から引いておくわよ、
早く呼んでいらっしゃーい。みんな、時間がないから頑張ってね!」
「はい! ミ・マドモワゼル!」
 もとより大半の子たちは行くべきところもないところをスカロンに拾われて、
その器量に惚れこんで少しでも恩を返せればと頑張っているだけに、
大きく明るく返事をして、開店の準備に精を出していく。
「この調子なら間に合いそうね。けど残念ね、正式には聖堂で王族の方々が
そろって祈りを捧げるのに合わせて全国民がお祈りするのに、肝心のアンリエッタ
王女が外征に出ていてお留守だなんて」
「仕方ないわよお父さん。お姫さまにはこの国を守る大切なお仕事があるんだし、
アルビオンが平和になったら、向こうの国からもお客さんがトリステインに来て
くれるかもしれないじゃない」
 相変わらず、初見の人間には到底親子とは映らないほどギャップの大きい
スカロンとジェシカは、外で特別開店の飾りつけをしながら会話に花を咲かせていた。
「あっそうだ、平和になったらいっそアルビオンへ営業へ行きましょうか?」
「あっ、それいいかも! 国の復興のときにはお金も大きく動くしね。それどころか
魅惑の妖精亭アルビオン支店なんてやってみてもいいんじゃない。店の子も増えて、
みんな経験も積んできたからいい機会かもよ!」
「やーん、ジェシカちゃん天才! さすがわたしの娘」
862ウルトラ5番目の使い魔 第87話 (2/11):2010/02/14(日) 15:52:17 ID:nonx0KPE
 なんともたくましく、雑草の花はそれだからこそ美しく輝いて広がっていく。
だがそれも、平和な世の中であればこそで、今おこなわれているアルビオン
内乱が、もし王党派の敗北で終わるようなことがあれば、ここも安全に
商売をしてはいられなくなるだろう。
 立ち話に区切りをつけたスカロンとジェシカは、あらためて空を見上げて、
奇跡を呼ぶという太陽の欠けるときに思いを寄せた。
「もうすぐよね、待ち遠しいわ……それにしても奇跡か……そんな大それたもの
はなくてもいいけれど、誰もがこうしてお日様を見上げられる日が来るといいわね。
こんなささやかなお願い、神様に届くかしら」
「大丈夫よ。こんな世の中だって、神様も今日ぐらいはチップを落としていって
くれるわよ。それにしても暑いわねえ、アルビオンに行ったシエスタたち、
楽しくやってるかしら……」
 この日、アルビオンを含むハルケギニア全土は雲ひとつない快晴、絶好の
日食日和で、大都市から地方の小村まで、誰もが太陽が欠けるという奇跡の
ときを心待ちにしていた。
 魔法学院では使用人たちに特別休暇が与えられ、ラグドリアン湖の湖畔では、
モンモランシーの実家に彼女を送っていく途中のギーシュとリュリュの
三人が湖面に映った太陽を見つめ、タルブ村ではレリアが佐々木の墓に祝いの
酒をかけながら娘たちの無事を祈り、遠く離れたガリアでもホテルの屋上で
イザベラが、日傘の影でメイドに扇であおがせて涼みながらその時を待ち、
エギンハイム村では巨木のてっぺんに作った展望台に翼人と村人が立って、
翼人と人間の両方の作法で祈りを捧げている。
 そして、ハルケギニアを見下ろす、ここアルビオンでも、町々では人々が
神の奇跡に内乱の終わりを願い、おごそかに空を見上げて祈っていたが、
そんな戦火を避けてきた人たちが集まるある町に、ティファニアと子供たち、
そして彼女たちの身を案じて来たロングビルの姿もあった。
「マチルダ姉さん、奇跡って本当かな……?」
「さてねえ、教会の連中は声高に触れ回ってるし、以前にあったときはわたしも
赤ん坊だったから……おっと、そんな悲しそうな顔しないでおくれよ! そうだね、
起きるんじゃないかい」
 ロングビルからマチルダの口調に戻った彼女は、うっかり蓮っ葉な態度を
とってしまったことを慌てて謝った。とはいえ、奇跡にすがりたいのは彼女とて
同じなのだ。このアルビオンを覆う悪意のパワーはすさまじく、とてもではないが
魔法の力すら失った自分などではどうこうすることはできない。
「奇跡、起きるよね?」
 もう一度同じ問いをかけてきたティファニアに、ロングビルは彼女の目と、
その後ろで落ち着かずに遊んでいる子供たちを見渡して、自嘲気味に笑うと
優しく口を開いた。
「あたしの望む奇跡は、あんたたち全員がすこやかにたくましい大人に育って
くれることだけだよ。でもさ、神様ってやつがどんなやつかは知らないけど、
あたしはほとんど一回死んでから帰ってくることができた。だから、案外粋な
ところがあるのかもね」
「え? 一度、何?」
「ああ!! 今のなし、なんにもなかった! なかったからね!」
「はい?」
 危なかった。自分が盗賊をしていて、毎日命の危険に身をさらしていた
というのはティファニアたちには秘密だったのだ。しかし、こうもあっさりと
秘密を口にしそうになるとは、やっぱり自分には盗賊の素質などはなかったのかも
しれない。速めに足を洗えたのは本当に正解だった。
「ごほん、ああ……まあ、奇跡なんて大げさなことを言ってもさ、別にお前は
そんな大それたことを望んでるわけじゃないんだろ。だったらさ、遠慮せずに
神様にお願いしてみな。今日だったら、神様もよく聞いてくれるかもしれないしさ」
「うん、そうだね。ありがとう姉さん、わたし精一杯祈ってみるよ」
 泊まっている宿屋の窓を開けて、ティファニアはエルフであることを隠す帽子を
深々とかぶったまま、両手を合わせて、目をつぶって太陽のほうへと祈った。
「神様お願いです。みんなをどうか無事に帰してきてください。もうこの子たちから
大切な人を奪わないであげてください……」
 ティファニアと子供たちの祈りが天に届くかは、すでに罪深き身となってしまった
ロングビルにはわからなかった。
 
 彼女たちの見上げる空には、太陽と、青と赤の月が輝き、それらの三つの影は
ゆっくりと一つに近づき、ハルケギニアの全ての民が待ちわびる、その瞬間へと
近づいていた。
 
 が、日食が蒼天にこぼれた染みだと悪意で表現するのならば、ただ一箇所、
天の陽気とは裏腹に殺意と邪気で満たされ、今まさに全世界の趨勢を決する戦いが
始まろうとしている場所は確かにあり、それは彼女たちが無事を願う者たちの
いるところであった。
 アルビオン大陸中央部、サウスゴータ地方に聳え立つ小さな古城を踏み壊し、
その巨体を現した超獣にウルトラマンAが立ち向かい、幾年にも渡ってウルトラ兄弟
への怨念を蓄えつつけてきたヤプールは、その邪念を呪いに変えて吐き出した。
 
「ついに現れたなウルトラマンAよ! さあ、闇の底から蘇った悪魔の化身よ。
今こそ復讐を果たすのだぁぁぁっ!」
 
 ヤプールの怨念に満ちた声を受けて、崩れ去った古城の瓦礫を踏みつけながら、
ヤプールのしもべがウルトラマンAをめがけて、雄たけびをあげながら驀進していく。
 奴の名は変身超獣ブロッケン、ヤプールの超獣合成機によって鰐と宇宙怪獣が
合成されて誕生した、身長六五メートル、体重八万三〇〇〇トンにも及ぶ、超獣の
中でも最大級のボリュームを誇る怪物だ。
「シュワッ!」
 だが、ついに正体を現したブロッケンに対して、エースも構えをとって向かえ、
手裏剣を投げつけるように突き出した指先から先制攻撃の光線を放った。
『ハンディシュート!』
 連続発射される小型光線がブロッケンの正面から当たって爆発するが、
巨躯を誇るブロッケンには大して効かずに、怒りに燃えたブロッケンは両腕の爪の
先から破壊光線を撃ち返しながら、うなり声をあげて迫ってくる。しかし、それが
エースの狙いであった。
(そうだ、ついてこい)
 このまま戦えば大勢の人々を踏み潰してしまうだけに、エースは光線を回避しつつ、
慎重に奴を牽制しながら人のごったがえしている戦場から、反対側の平原へと誘導していく。
けれども、いつもとは違って、その心境は決して穏やかではなかった。
(やはり、こいつだったか)
 ブロッケンを前にしたエースの心に、以前戦ったブロッケンとの記憶が蘇る。
ワルドの手にあった目と口から、十中八九と予測をつけていたが、的中したことに
喜びなどはまったくない。なぜなら、こいつはヤプールの操る超獣の中でも、
特にエースがピンチに追い込まれた相手だからだ。
 正面から見据えるだけでも、普通の超獣の二倍はある体格は軽くエースを
見下ろすほどあり、人馬形態の体格と超獣屈指の体重から生み出される
パワーは、それだけでも充分すぎるほど脅威となる。
 しかも、以前はブロッケンは右腕を失っているというハンデを背負っていたが、
今度は万全な状態な上に、ヤプールによってさらに強化されているのに違いない。
 
”はたして勝てるか”
 
 そんな、不吉な考えがエースの心にさしたとき、それを晴らしたのは恐れを
知らない若い声であった。
(ブロッケンか、やっぱりな。ヤプールもとんでもないやつを切り札に出して
きやがったぜ。やっぱ、実際見てみるととんでもない迫力だな。けど、こいつを
倒せばこんなくだらない戦争も終わるんだよな)
(腕にまで目と口があるなんて。まるで、ケンタウロスの体を持つ三頭の
ドラゴンね。それに、よくも姫さまたちを手にかけようとしたわね。もう絶対に
ゆるさないんだから!)
 ブロッケンを見て、その威圧感に圧されながらもやる気を出している才人と
ルイズの勇気が、エースの心にも闘志をよみがえらせてくる。
 そうだ、例え相手がなんであろうと逃げることはできない。そういえば、自分も
北斗星司だったころには猪突猛進くらいで生きてきたが、知らないうちに心に
白髪が増えていたようだ。
(ようし、いくぞ!)
 恨みを込めた遠吠えをあげて迫るブロッケンを、エースは正面から受け止めて、
そのボディに渾身のパンチを打ち込む。避けられない戦いはついに本格的に
その火蓋を切った。
「ヘヤァッ!」
 ブロッケンの鼻から吹き出される高熱火炎をかいくぐり、ブロッケンの左腕を
掴んだエースは、もぎとれるくらいの力を込めてひねり上げ、悲鳴をあげた
奴の頭をあごの下から殴りつける。
 並の怪獣ならばこれだけで軽く脳震盪を起こすだろうが、奴は睨みつけるように
エースを見下ろすと、鞭のように長く伸びた二本の尻尾を振りかざしてエースの
首を絞めようと狙ってきて、チョップで跳ね返したエースに、鋭い牙の生えた口が
ついた腕で噛み付こうとしてくる。
「ヌワァッ!」
 かといって距離をとろうとすれば、爪の先や尻尾の先からの破壊光線で
狙い撃たれ、かわしても至近での爆発がエースを包み込む。
(なんて火力だよ!?)
 近、中距離での攻撃力ではベロクロンさえ上回る破壊力を発揮するブロッケンの
力は、知っていたはずの才人の予測もはるかに超えていた。しかし、エースの
闘志は一人だけのものではない。
(鞭って自分で使うのはいいけど、他人に使われると、どうしてこうむかつくのかしらね)
(だったらお前、おれを殴るのをやめろ)
(いやよ、犬のしつけには鞭が一番だもの。けど、あんたも最近すばしっこくなって
きたから、振りかぶろうとしたらすぐに逃げるから困ったものよ)
 ふっと笑いかけたルイズの言いたいことを、エースは乱暴なたとえだなと内心
苦笑しながらも理解して、もう一度ブロッケンに接近戦を挑んでいった。
865名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 15:57:27 ID:fgCuaS9V
ウルトラ支援
 むろん、飛び道具にも増して現在の地球上で最強の爬虫類である鰐の力を
受け継ぐブロッケンにとって接近戦は望むところで、至近距離での火炎放射と
三つの口で噛み付いてくるが、エースは正面を避けて奴の側面に回りこむ。
しかし、普通なら死角になる場所さえ、ブロッケンは自由自在に動く二本の鞭状の
尻尾で補っていた。それらは、まるで蛇になっているという伝説の怪物キマイラの
尾のように動いて、エースを打ち据えようと振りかぶった。その瞬間。
(今だ!)
 このタイミングを見計らって、エースは奴の尻尾の付け根に渾身のチョップを
打ち込んだ。するとたちまち付け根にある神経節が衝撃で麻痺して尻尾の
動きが止まり、できた隙を逃さずに横から思い切り蹴り飛ばした。
「テェーイ!」
 いくら打たれ強いといっても、生物である以上強いところもあれば弱いところもある。
横合いからキックを決められたブロッケンは勢いよく吹っ飛ばされて、土煙を
巻き上げながら倒れこんだ。ルイズの与えたヒント、鞭は相手に叩きつけるためには
一度振りかぶらなければならないから、その隙をつけという答えが見事的中したのだ。
(ようし、今がチャンスだ!)
 巨体をもてあましたブロッケンは一度倒されると簡単には起き上がれず、
溝にはまった馬のようにもがいており、今ならいけるとエースは横倒しになった
奴の上にのしかかり、マウントポジションからパンチを連続で浴びせかけた。
「デャッ、ダァッ!」
 けれどブロッケンも、痛みを怒りに変えてエースを跳ね飛ばしながら無理矢理
起き上がり、尻尾の先から放つスネーク光線をエースに放ち、当たりはしなかったが
間合いを外し、戦いをもう一度振り出しに戻した。
(さすが、一筋縄でいく相手ではないな)
 態勢を立て直した両者がにらみ合う中を、天空に燃える太陽と、その傍らに並ぶ
二つの月がひときわ熱く、明るく照らし出していた。

 そして、今や両者の戦いは、すべての人間たちにも注目されていた。
「ようし、そこよ。いけーっ!」
「危ない! 後ろから触手がくるぞ」
 離れた丘の上から子供のように声援を送るキュルケと、ブロッケンの動きを
読んで警告を叫ぶアニエスだけではなく、アンリエッタとウェールズが風の
魔法で声を増幅して、全軍に向かって演説していた。
「アルビオンのすべての兵士たち、今、目の前でおこなわれている戦いは
現実です! 聞いてください。このアルビオンで起きている様々な異変や長引く
戦争は、ヤプールが裏で糸を引いていたのです。奴は、わたしたちを抹殺する
ことで、アルビオンはおろか、ハルケギニア全体に終わることのない戦争を
広げようと画策していました」
「諸君、私も気づかされた。これまでの戦いすべてが、敵に仕組まれていた
ことを、我々も、そしてレコン・キスタの貴族たちも、最初から争いを好む者たちに
よって利用されていたのだ。だから、本来我々が争わなければならない
理由などは何もない。我々が無意味に争って、限りなく生まれる悲嘆と憎悪こそが
敵の狙いだったのだ。だからもう、終わらせよう。そして平和な国を取り戻し、
自分たちの家へ、家族の下へ帰ろうではないか!」
867名無しさん@支援いっぱい:2010/02/14(日) 16:00:28 ID:t2ZBB+Ot
 兵士たちの間から、いっせいに天も割れよといわんばかりの大歓声が沸きあがった。
それを受けてアンリエッタとウェールズは叫ぶ。
「あの戦いを見てください。今、この世界は異世界からの侵略者に襲われています。
ですが、異世界からは救世主もやってきてくれました。こうして戦ってくれている彼、
ウルトラマンがそうです。彼はこれまでも、ヤプールの超獣からわたしたちを
守ってくれました。けれど、わたしたちが愚かな争いを続ける限りヤプールは
無尽蔵に力を得ることができます。わたしたちの敵は、わたしたちの生み出す
邪悪な心そのものなのです。そしてこれ以上、悲劇を繰り返さないために
トリステインとアルビオンは、これから手に手をとりあって、争いのない平和な
世の中を作ることを神と始祖に制約します」
「戦争は、今日で終わりにしよう。さあ、みんな、悪魔どもに、もう人間はお前たちの
思惑どおりにはならないということを、教えてやろうじゃないか!」
 大地を揺るがす大歓声がそれに応え、アンリエッタとウェールズは先頭に立って、
最後までこの戦いを見届けようと恐怖心をねじ伏せて、震えそうになるひざを
押さえて立ち、そして後は、飾り物の自分にできるのはこれぐらいしかないと、
アンリエッタは両手を合わせて一心に祈り、その肩を彼女の愛しい人が支えた。
「神よ、どうか悪魔の手からこの世界をお守りください」
 人間の心の光と心の闇、ウルトラマンAとブロッケンの戦いはまさにそれを
現実に顕現したものであった。大地を揺るがし、大気を震わせ、光が舞って
炎が猛る。そんな中でも、大宇宙の神秘はウルトラマンAとヤプールの戦いをさえ
小さいものとあざ笑うように、数十年の長い時を超えて、本来出会うことのない
太陽と月が重なる時を、今ここに作り出した。
「殿下! 太陽が……欠け始めました!」
 気象観測を任務とする兵士のたった一言の叫びが、戦いに心を奪われていた
人々に、はるかな時を超えて起こる最大級の天体現象が、ここにその瞬間を
迎えたことを伝えた。 
「日食が、始まった……」
 昼を照らす太陽と、夜を照らす月が交わるときに生まれる闇の時間、日食。
ハルケギニアの歴史では、始祖の降臨祭に次いで聖なる日と言われ、平和と
幸福を人々が祈るこの日を、戦塵に汚して荒れ狂い、血と死のカーニバルと
化する悪魔を倒すために、その心に光を宿す者たちはあえて剣をとる。
 そして人間たちも、心を持たない臆病者や卑怯者はとうに逃げ去り、残った
勇気ある兵士たちは戦いを終わらせる最後の戦いを見守り、エースの勝利を願い続けた。
「がんばれーっ! ウルトラマーン!」
「化けもんをやっつけてくれーっ! 俺たちが応援しているぞ」
 月に覆われ始めたとはいえ、なお強烈な光を持つ太陽は変わらずにハルケギニアを
照らし続け、祈りをささげるアンリエッタと彼女を守るウェールズを先頭に、二人を
救ってくれたエースの勝利を願う人々を見守っていた。
 
 
 だが、世界に光が満ちようとも悪魔の邪悪な野望の影が晴れることはない。
”フッフッフフフ……今のうちに喜んでおくがいい、愚かな人間どもよ。希望に
満ち満ちたところから突き落とされたときにこそ、その絶望は何倍にも増加する。
さあ、そろそろ第二幕をあげてやろうではないか!”
 ヤプールの暗黒の想念がアルビオンの大気の中を毒の煙のように流れていき、
その怨念の命令を今や遅しと待ちわびていた者は、冷ややかな目ではるかな
天空から戦いを見守っていた。そこは、すでに撃沈寸前になって誰からも
忘れ去られているレキシントン号。すべての砲門を失い、生き残った乗員は
総員退艦の末に、船を見捨てて脱出していった。ボーウッドは戦闘のさなかに
負傷して運ばれていってからは、二度と艦橋に戻ってくることはなかった。
 ……だが、幽霊船のように、ただ浮くだけの無意味な木の塊となったこの船の
艦橋で、たった一人残っていたクロムウェルは、眼下を見下ろしながら薄い笑みを
浮かべて、思わぬ来客を迎えていた。
「ほう、まだ生きていたのか。人間というものは、案外しぶといものだな」
「クロムウェル……貴様、よくも私を殺そうとしてくれたな」
 振り返りもせず、後ろ目で視線を流したクロムウェルの見る先には、ほんの昨晩まで
彼がひざまずいて慈悲をこうていた女、シェフィールドがあちこち引き裂かれた
黒服と、浅からぬ深さを持った赤い傷を全身にまとわされながらも、憎悪に満ちた
目でこちらを眺めていた。どうやって戦場の中を空を飛んでいるこの船に来れたのか
わからないが、いや、人間にしては神出鬼没なこの女のこと、なんらかの仕掛けを
この船にあらかじめ仕掛けていたのかもしれない。
「ふぅ……私は奴に、確実に仕留めろと言っておいたのだが、よく生きていられたものだな」
「あいにくと、手持ちの魔道具のほとんどを使ってしまったけど、やられる寸前に
アンドバリの指輪で仮死状態になってやりすごしたのさ。死んだと思ってとどめを
刺さずに行ってくれたのが幸運だったよ」
「ふっ、ならばそれも本体ではあるまい。我らを出し抜くとは、一応、さすがとだけは
言っておこうか。だが、もうお前にも、愚かなお前の主にも用はない。これまでよく働いて
くれた。礼を言おう」
 すると、シェフィールドの顔に明らかな怒気が浮かんだ。自分のことではなく、自分の
主が侮辱されたことに反応したようだったが、かろうじてそれを押し殺し、尊大な
態度をとる操り人形だと思っていた男を弾劾する。
「貴様、いったい何が貴様をそこまでに変えたのだ? ただの臆病な地方の一司教
でしかなかったお前が! 答えろ、クロムウェル」
「クロムウェル? ふっふっふっ、お前の言うクロムウェルという男はとうの昔に
死んでいるよ。ずいぶん前から入れ替わっていたが、気づかなかった己を呪うのだな」
「っ!……クロムウェルを殺して、成り代わっていたのか」
「そのとおり、お前たちのような愚か者を騙すのはなかなか楽しかったし、長引いた
戦争のおかげでマイナスエネルギーもだいぶ補充できた。まったく感謝に耐えんよ。
もっとも、お前もそこに転がっている愚か者たちのように、これから死ぬのだがな」
 そう言って、あごで床を指した先には、何人もの豪奢な服を着た死体が横たわっていた。
それは、レコン・キスタ派の貴族たちの亡骸、だが戦闘で死亡したのではない。
どの死体にもほとんど傷はなく、それぞれ喉に深々と突き刺さった鋭いダーツが
致命傷となっていた。彼らはもはや敗北が必至だと知ると、よくもこれまで調子の
いいことを言って我らをだましてくれたな、貴様には一足速く地獄へ行ってもらうぞと
目を血走らせて艦橋へつめかけ、そして皆殺しの目にあったのだ。
870名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 16:04:18 ID:NtQMlUYR
支援いたしまする
「まったく、人間というものはつくづく愚かよ。見た目で相手を判断する。そこに
大きな落とし穴があるとも知らずにな……さて、そろそろ私も行かねばならん。
ちょうど太陽も隠れて、闇が濃いよい眺めになってきたことだ。だがその前に、
貴様は消えてもらおうか!」
 クワッ! そう表現するふうにクロムウェルが目を見開いて、口が裂けるくらいに
広げたかと思うと、奴の喉の奥から真っ赤な光がシェフィールドに向かって放たれた。
「くっ!?」
 シェフィールドは貴族たちの死に様から、とっさに腕を喉元にやって守ったが、
赤い光に当てられた腕には、大降りのナイフほどもある巨大なロケットが突き刺さって
打ち抜いていた。だが血は流れずに、シェフィールドの腕が無機質な人形のものに変わる。
「ほう、思ったとおり遠隔操作型の魔法人形か、さすが抜け目がないな。どうだ、
愚か者の主人などは捨てて、我らと手を組まないか?」
「ふざけるな! 私の主人はジョゼフ様ただお一人だ!」
「それは残念、ならばジョゼフに伝えておけ。お前の作ったゲームはなかなか楽しかった。
その礼に、今しばらくの命はくれておいてやる。せいぜい世界が燃え尽きるその日まで
余生を楽しむのだな。フフフ、はーっはっはっは!」
 高笑いをしながら、クロムウェルは次第に不気味な異次元の光に包まれていく。
シェフィールドは、だまされていたことと主を嘲笑されたことに激しい怒りと憎悪を
こめて奴を睨みつけたが、壊れてどんどんただの人形に戻っていく魔法人形では
何もすることができない。だが彼女は人形の口と耳を通して、最後の質問を奴にたたきつけた。
「言え! 貴様の本当の名を!」
 すると、クロムウェルは口元を悪魔のように大きく歪めて笑うと、床に崩れて倒れていく
人形に向かって、人間ではない本当の声で答えた。
 
「私の名はバキシム……ヤプール人だ」
 
 その瞬間、巨大戦艦レキシントン号は地上に落下して燃え上がり、そのどす黒い
火炎の中から、悪魔がその雄たけびをあげた。
「超獣だぁーっ!」
 兵士たちのあいだからあがったその悲鳴こそが、目の前の出来事を何よりも
如実に表現し、そして恐怖と絶望の波が心を支配していく始まりであった。
 
「ゆけぇーバキシム! お前の力でエースを倒し、我らの同胞の悪霊が待つ
地獄へと送り込むのだぁーっ!!」
 
 一角超獣バキシム、けたたましい鳴き声をあげて、太い二本の足に支えられた
蛇腹状の胴体の上に、緑色の瞳のない目を爛々と輝かせたオレンジ色の頭と、
鋭く天を突く一本角をそびえさせて現れたこいつこそが、宇宙怪獣の能力と
地球のイモムシの体を与えられた破壊工作員にして、クロムウェルに成り代わって
アルビオンの人々の運命をもてあそんだ悪魔の正体であり、ウルトラマンAへ
復讐を果たすためのヤプールの切り札だった。
(そんな! ブロッケンに続いてバキシムだって!?)
 巨体ゆえの重量で、地面をへこませながら前進を開始したバキシムを見て、
才人は愕然とした。今でもブロッケンとはやっと互角の勝負をしているというのに、
ブロッケンに続いて超獣屈指の重量を誇るバキシムと戦う余裕などはエースに
残っているはずもなかった。だが、だからこそといわんばかりにバキシムは、
櫛状に鋭いとげの生えた両腕のあいだからミサイルを発射してエースを攻撃してきた。
872名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 16:06:14 ID:D9PtrVlW
支援 久々にするな
「ヘヤァッ!」
 とっさにかわしたエースのいた場所を強烈な威力を持つミサイルが吹き飛ばし、
土と石を草原ごと大量に王党派軍の頭上に降りかからせた。
「まずい! 全軍後退しろ、急げ!」
 ミサイルの破壊力から、離れていても爆風で被害を受けると判断したウェールズは
全軍にそのままの姿勢で後ろに下がることを命じた。なまじきびすを返させると
急いで逃げようとするあまりに混乱が起きる危険性があったからだが、その判断は
正しかった。バキシムのミサイルはベロクロンほどの数は撃てないものの弾頭は
大型で、かつて襲った超獣攻撃隊TACの基地に大打撃を与えているのだが、
彼を信頼する兵士たちは隊列を保ったまま数百メイル後退するのに成功した。
 しかし、バキシムにとっては人間たちなどはどうでもよく、ミサイルに続いて
七万八千トンもある体重を活かしてエースに突進攻撃を仕掛けていった。
もちろん、単純な突進ならばエースにとって避けるのは難しくはないが、華麗に
かわしたと思った瞬間、ブロッケンのスネーク光線がエースの背を打った。
「フワァッ!?」
 死角からの攻撃を受けて、エースはよろけて倒れる。そして、それを見逃す
バキシムではなかった。巨体に似合わずすばやく反転してくると、今度は
鼻の穴からさっきよりも大型のミサイルを発射してきたのだ。
「グォォッ!」
 ミサイルの着弾の爆炎に包まれて、エースから苦悶の声が漏れる。
(いけない、守りに入ったらそのままやられるわ!)
(反撃だ、このままじゃやられる!)
 二大超獣を前に、ルイズも才人も完全に余裕を失って叫ぶが、エースもそれには
同感であった。バキシムとブロッケン、超獣の中でも屈指の火力とパワーを誇る
この二体を相手に、守りに入ったところで防ぎきれるわけがない。
「トォォッ!」
 反撃に出たエースは空中高く飛び、バキシムへ向かって急降下キックをお見舞いし、
蹴倒したところで反転するとブロッケンの首根っこを掴んで投げ捨て、草原を
人工の巨大地震で揺さぶった。
「おおっ、すごい!」
 地面に伏す二匹を見て、兵士たちのあいだから歓声があがる。あんな巨大な
超獣を投げ飛ばすとはやはりウルトラマンはすごい、これならば二匹が相手でも
勝てるかもしれないと。
 だが、奴らは単に巨大で鈍重なだけの怪獣ではなく、その身に極限までの
改造を施されて、全身を武器に作り変えた生きた要塞ともいうべき超獣だった。
二匹は起き上がると、エースから受けた攻撃などはまるで最初からなかったと
いうように、ミサイル、レーザーをSF映画の宇宙戦艦のように雨あられと
エースに浴びせかけたのだ。
「ウワァァッ!!」
 バリヤーを張る暇すらなかった。いや、最初にブロッケンと戦い始めて以来、
消耗を続けていたエースはすでに大量のエネルギーを失っており、この攻撃で
舞い上がる炎の中で、もはやエースのカラータイマーは青い輝きを保っている
ことは不可能になっていた。
874名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 16:08:09 ID:0TdwJxB8
支援。ご本人なら今後はトリつけた方がよろしいかと
(強いっ……)
 月面のように掘り起こされ、焼き尽くされた大地の上にエースはひざを突き、
苦しげに頭を上げて二大超獣を見上げた。この、これがヤプールの切り札か、
かつて戦ったときにも増して両方とも強力になっている。おそらくは、ハルケギニアで
収集したマイナスエネルギーに加えて、かつて倒された奴ら自身の怨念に
よってパワーアップをとげたに違いない。
 
”怨念を晴らすまでは、幾度でも蘇る”
 
 それはまさに、ヤプールの本質そのもの。エースへの怨念を残して、怪獣墓場を
さまよっていた超獣たちの魂は、ここに復讐の機会を得て歓喜に沸き、積み重ねた
怨念を力に変えて、蘇ってきたのだ。
「ふはははっ! エースよ、我らの怨念の深さを思い知れ! そして兄弟たちも
いないこの世界で、なんの助けにもならない非力な人間たちを恨みながら
みじめに死んでいくがいい!」
 異次元空間から、ヤプールの狂喜に満ちた笑い声が響き渡る中で、二大超獣は
力を失いつつあるエースへと向けてミサイルとレーザーの照準を合わせる。
これをまともに受けたら、いかなエースでもひとたまりもない。
 さらに、それにも増して人間たちのあいだにも動揺とともに絶望感が伝染病の
ように速やかに拡大しつつあった。
「ああっ……怪物が、二匹も」
「ウルトラマンも歯が立たないなんて。終わりだ、アルビオンはもう終わりなんだ!」
 恐怖は何よりもたやすく人間の心を支配する。そして理性を麻痺させ、人間を
本能のままに動く獣に変えてしまう。今はまだ、アンリエッタやウェールズが
堤防となって決壊を抑えられているが、もしエースが倒されようものならば、
七万の人間の恐怖はアルビオン全体へと拡散し、この大陸はヤプールの超獣の
恐怖に支配される暗黒の地と化してしまうだろう。
「エース、頑張って」
「立て、立つんだ」
 アンリエッタやアニエスの声が届き、エースは苦しい身を起こして立ち上がる。
だが、ブロッケンはそんなエースをあざ笑うかのようにレーザーを放つ。
「ヘヤァッ!」
 側転でかわしたエースのいた場所で連続した爆発が起こり、距離をおいては
的になるだけと接近しようとしたエースを、バキシムの火炎放射が草原を焼きながら
阻止してくる。
「グワァッ!!」
 七万度もの高熱火炎がエースをあぶり、敵を前にしてエースのひざが大地に
着かれて、体が麻痺したように痙攣して動かなくなってしまう。
(くそっ、離れても近づいても駄目なのか。ちくしょう、おれはこんな大事なときに
役に立てないなんて)
 この二体には死角らしいものが見当たらない。ましてや弱点などもないため、
今回は才人も作戦の立てようがなく、無力感が彼の心を侵していった。
そして無力感は絶望感となり、未来への希望をも黒く塗り込め始める。もしこの
二匹がハルケギニア中で暴れたら……才人とルイズ、二人の脳裏によぎるのは
あの時空間で見た、崩壊して死の街となったトリスタニアの記憶。
(そんな、そんなはずはない、あの未来は消滅したはずよ!)
 エアロヴァイパーによって連れて行かれたあの破滅した未来は、奴の死と
同時に消え去ったはずだ。それに、未来が変えられるということは我夢が
教えてくれたではないか。だがここで負けたら、あの未来へと続く破滅の道が
新たに生まれてしまう。すべての命が滅ぼされ、漆黒の荒野と化したあの世界を
ヤプールに作り出させないためにも。
(ここで、ここで負けるわけにはいかない!)
 かつてをはるかに超える邪念を宿らせて迫るバキシムとブロッケンに、エースは
消えない正義の火を胸のカラータイマーに宿して立ち上がる。しかし、月に侵食
されて光を失っていく太陽のように、破滅の未来は確実に目の前にやってきていた。
 
 
 続く
 
 
今週はここまでです。今回はひときわ多くの方から支援をいただけ、とてもうれしく思います。
まさか騙りがでるとは思ってませんでしたが、トリップをつけたのでこれで見分けが
つくと思います。ご忠告どうもわざわざありがとうございました。
 
さてウルトラマンAとのクロスなのに、意外とこれまで超獣はたいして登場していませんでしたが
今回は超獣の代表格ともいうべきバキシムがとうとう登場させられました。
「私の名はバキシム……」
このセリフを書く事は私にとってひとつの目標でした。
それにしても、私はウルトラシリーズとは幼稚園くらいのころからの付き合いですが、
子供心に、バキシム、ブロッケン、アリブンタはもろにトラウマ怪獣でした。理由は見たことが
ある人ならおわかりになると思いますが、それなのにこいつらかっこいいんだよなあ何回見ても。
アルビオン編はゼロ魔のSSを書く人間にとって、共通の山場のようなもののようなので、
あと少し気合を入れて書いていきます。
877名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 16:30:05 ID:fgCuaS9V
ウルトラの人乙
878名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 16:40:28 ID:D9PtrVlW
乙ッス
879名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 16:41:03 ID:0TdwJxB8
ウルトラの人乙!
特撮は子供にトラウマを植えつけてるよねw
880名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 17:00:50 ID:zruf1wEV
愛と死と憎悪渦巻くトリステイン城下町
非情なる貴族の不正に立ち向かう、心優しきメイジ達
それが彼女ら、ハルケギニア最前線
881名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 17:44:09 ID:mPPzXS2F
>>870
SAGEじゃなくてsageね、半角小文字。
882名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/02/14(日) 18:30:29 ID:K0c3RbdU
         ┌-─-┐
         .l____l
         |::::::::::::::::::::|
       <=────=>
         | ▼▲▼ |      タバサ賛美とオリ主による無双に耽ったあげく、ルイズヘイトの罪に腹まで浸かった春坊どもはスレを見上げてこう叫ぶだろう
        /ヽ・┓┏・/\     「自分の考えた夢設定で新作SSを書いてくれ!」
      _/ :::<i\___/i>:: ヽ_   だから俺はこう答える。「嫌だね」
     /~ \ ::: ('┌-┐')::::/ ~\
    /  <  .(/:::::::|丿 フ  / \
   i ゝ :::::\ \/ソ/::: イ   i
   i   | :::::::::/_/:::::::::: |    i


もうそろそろ春休みも近いから、学校休みになった春坊が増えそうだな。
883名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 18:39:03 ID:VcWTiOsl
>>881
SEGAに見えてしまった件について
884名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 18:45:01 ID:1KYA9B9i
遅くなりましたけど、ウルトラの人乙でした。

騙りはおそらく、とにかく書き手さんのモチベーションを奪うのが目的なんではないかといってみる。
この手の細かい嫌がらせも、積み重なると地味に「くる」からね。

そういうのに負けずに盛り上げていきたいものです。
885名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:07:56 ID:mPPzXS2F
>>883
SEGAに見えてしまったのなら、せがた三四郎と見せかけて湯川専務が召喚されれば良いじゃない。

>>882
春坊とか言いつつAAを使ってるのは何の冗談ですか?
886名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:19:28 ID:IpWT1OPm
AAを使うのが厨房といわれる時代になってしまったのか・・・
887名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:21:52 ID:LKQjXDdG
投下に使うスレではAA自重は普通だろう
888名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:26:07 ID:jpOWIk82
ふと思ったけど、テンプレでミニキャラAAとはいえ、AA使ってるよね。

Part200以上ともなれば、それだけで相当無駄なバイト使ってきたよね。
889名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:32:05 ID:UM/YjaXt
それはそれ、これはこれ!
890名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:38:52 ID:UcXwCJQ7
ん? 投下のあるスレで無駄に容量を食うAAを使うなって話じゃないのか?
ミニキャラAAでどれだけ消費したきたかの積み重ねとか関係あんの?
891名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:42:34 ID:Xy/Hd1RF
なぜかわしい時代になったな
892名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:45:31 ID:b+r5bLDj
な、……え?
893名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:46:24 ID:x2Rrjdmi
>>890
それを言っちゃったらどうせ残り容量が少なくなってきたら次スレに移行しちゃうんだし
一レス容量一杯のAAを貼り付けようと、連投しなけりゃ問題ねーだろって話になっちゃうんじゃね
894名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:50:10 ID:KrG2vi7f
まったくもってなぜかわしい流れだな
895名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:52:19 ID:Xy/Hd1RF
なぜzとgを間違えるんだおれ・・・
896名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 19:55:12 ID:UcXwCJQ7
>>893
そんなポンポンスレ立てられるの?
連投しなくても、スレに来てる人が何人も使ってたらすぐに埋まらない?
盛り上がった時なんかはノリノリになるし、周りが普通にやってりゃ荒らしも埋めやすくなると思うけどな。
897名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 20:05:19 ID:MUD1phIc
ここまで俺の自演
898名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 20:07:00 ID:kFda0KtG
>>1は看板のようなものだし、多少特別扱いで豪華にしてもいいだろ。
899名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 20:08:51 ID:jpOWIk82
まぁ別にいいんじゃないの。
別にスレ立てに限度数があるわけでもないし、ネタAAくらい。
雑談で消費するのも、AAで消費するのも大して変わらない。

エスカレートしたらその時は諌めればいいだけだし。
900名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 20:31:29 ID:L8c2aZkb
遅くなったがウルトラ乙
901名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 20:46:31 ID:KJuuRBeO
そういやテンプレにも無いな
902名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 22:31:43 ID:zruf1wEV
俺が天使になれるなら 望む事は一つさ
903名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 22:43:01 ID:IwB508nE
>>902
見えない翼、はためかせて、キミを守り続けよう
904名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 22:47:15 ID:yEw/p8zn
ウホッ?
905名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/14(日) 23:23:57 ID:a9zQOHAo
同じく、ウルトラの人、乙。

昔、どこかで、「バキシムそっくりのビル」の写真を見た覚えが。
906名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/15(月) 00:12:55 ID:Sj7L9kpO
>>902-903
懐かしいな
俺はQのほうが好きだったが
907名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/15(月) 01:57:00 ID:UsxsZu0v
ルイズがサガフロより妖魔アセルス
ジョゼフがバットマンよりジョーカー(ニコルソンかヒースか大穴mike mateiかは作品の方向による)
ヴィットーリオがFF6よりケフカ(「ちくしょう」イベント前。でないと流石にいきなりハルケ終了)
あるものは支配を
あるものは混沌を
あるものは破壊を欲した
ハルケギニアに未来はあるのか……

ごめんなさいぶっちゃけ高笑い対決が見てみたいだけです
908名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/15(月) 04:42:26 ID:tuWwpKgU
>907
>ごめんなさいぶっちゃけ高笑い対決が見てみたいだけです
四人目は 『白蛇のナーガ』ですか?
909ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:25:35 ID:isEoJnkk
 第69話
 二大超獣エースに迫る!
 
 変身超獣 ブロッケン
 一角超獣 バキシム 登場!
 
 
 このハルケギニアという世界には、誰もが知っている伝説がある。
 六千年の昔、まだ人も獣も混じって暮らす、混沌とした地であったハルケギニアに、
どこからかやってきた神の使い、始祖ブリミルが降り立ち、この地に平和と四系統の
魔法をもたらして、四つの国の基礎をおつくりになったという。
 しかし、始祖ブリミルがどんな人であったのかについては、あまりにも昔のこと
すぎて諸説入り乱れ、信頼できる資料は残されていない。
 ただ、その第一の使い魔にして、生涯その傍らにあって始祖を支え続けたという
伝説のガンダールヴが召喚されたという、数十年に一度の日食の日のことを、
人々は『神の左手の降臨祭』もしくは『日食の降臨祭』と呼び、遠い昔から
祝い続けていた。
 そしてくしくも、今年はその日食の日であり、ハルケギニア中の人々は、
一日限り仕事を忘れて欠けた太陽に祈りを捧げ、その後は飲めや歌えと狂奔する。
半月前に怪獣ザラガスに襲われたトリスタニアの街も、今ではほぼ完全に復興を
とげて、その下町のチクトンネ街にある一番の居酒屋である魅惑の妖精亭でも、
正午近くに予想されている日食に合わせて、この日だけは日中に店を開くために、
店員の女の子たちがジェシカの威勢のいい声に叱咤されながら走り回っていた。
「さあ、みんな! 今日は真昼間からチップをかせげるまたとない掻き入れ時よ、
これを逃したら一生後悔するからね」
「おーっ!」
 才人たちを見送って後も、魅惑の妖精亭は営業を休まずに続け、看板娘の
ジェシカを筆頭に、その父のスカロンのパワーにも引っ張られて集客を続け、
この日も明るい笑顔とともに、大もうけを目指していた。
「さあ妖精さんたち、夜の花は昼間でも輝けるってことを見せてあげましょ。
ウドちゃんカマちゃーん、ドルちゃんがサボった分はお給金から引いておくわよ、
早く呼んでいらっしゃーい。みんな、時間がないから頑張ってね!」
「はい! ミ・マドモワゼル!」
 もとより大半の子たちは行くべきところもないところをスカロンに拾われて、
その器量に惚れこんで少しでも恩を返せればと頑張っているだけに、
大きく明るく返事をして、開店の準備に精を出していく。
「この調子なら間に合いそうね。けど残念ね、正式には聖堂で王族の方々が
そろって祈りを捧げるのに合わせて全国民がお祈りするのに、肝心のアンリエッタ
王女が外征に出ていてお留守だなんて」
「仕方ないわよお父さん。お姫さまにはこの国を守る大切なお仕事があるんだし、
アルビオンが平和になったら、向こうの国からもお客さんがトリステインに来て
くれるかもしれないじゃない」
 相変わらず、初見の人間には到底親子とは映らないほどギャップの大きい
スカロンとジェシカは、外で特別開店の飾りつけをしながら会話に花を咲かせていた。
「あっそうだ、平和になったらいっそアルビオンへ営業へ行きましょうか?」
「あっ、それいいかも! 国の復興のときにはお金も大きく動くしね。それどころか
魅惑の妖精亭アルビオン支店なんてやってみてもいいんじゃない。店の子も増えて、
みんな経験も積んできたからいい機会かもよ!」
「やーん、ジェシカちゃん天才! さすがわたしの娘」
910ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:26:22 ID:isEoJnkk
 なんともたくましく、雑草の花はそれだからこそ美しく輝いて広がっていく。
だがそれも、平和な世の中であればこそで、今おこなわれているアルビオン
内乱が、もし王党派の敗北で終わるようなことがあれば、ここも安全に
商売をしてはいられなくなるだろう。
 立ち話に区切りをつけたスカロンとジェシカは、あらためて空を見上げて、
奇跡を呼ぶという太陽の欠けるときに思いを寄せた。
「もうすぐよね、待ち遠しいわ……それにしても奇跡か……そんな大それたもの
はなくてもいいけれど、誰もがこうしてお日様を見上げられる日が来るといいわね。
こんなささやかなお願い、神様に届くかしら」
「大丈夫よ。こんな世の中だって、神様も今日ぐらいはチップを落としていって
くれるわよ。それにしても暑いわねえ、アルビオンに行ったシエスタたち、
楽しくやってるかしら……」
 この日、アルビオンを含むハルケギニア全土は雲ひとつない快晴、絶好の
日食日和で、大都市から地方の小村まで、誰もが太陽が欠けるという奇跡の
ときを心待ちにしていた。
 魔法学院では使用人たちに特別休暇が与えられ、ラグドリアン湖の湖畔では、
モンモランシーの実家に彼女を送っていく途中のギーシュとリュリュの
三人が湖面に映った太陽を見つめ、タルブ村ではレリアが佐々木の墓に祝いの
酒をかけながら娘たちの無事を祈り、遠く離れたガリアでもホテルの屋上で
イザベラが、日傘の影でメイドに扇であおがせて涼みながらその時を待ち、
エギンハイム村では巨木のてっぺんに作った展望台に翼人と村人が立って、
翼人と人間の両方の作法で祈りを捧げている。
 そして、ハルケギニアを見下ろす、ここアルビオンでも、町々では人々が
神の奇跡に内乱の終わりを願い、おごそかに空を見上げて祈っていたが、
そんな戦火を避けてきた人たちが集まるある町に、ティファニアと子供たち、
そして彼女たちの身を案じて来たロングビルの姿もあった。
「マチルダ姉さん、奇跡って本当かな……?」
「さてねえ、教会の連中は声高に触れ回ってるし、以前にあったときはわたしも
赤ん坊だったから……おっと、そんな悲しそうな顔しないでおくれよ! そうだね、
起きるんじゃないかい」
 ロングビルからマチルダの口調に戻った彼女は、うっかり蓮っ葉な態度を
とってしまったことを慌てて謝った。とはいえ、奇跡にすがりたいのは彼女とて
同じなのだ。このアルビオンを覆う悪意のパワーはすさまじく、とてもではないが
魔法の力すら失った自分などではどうこうすることはできない。
「奇跡、起きるよね?」
 もう一度同じ問いをかけてきたティファニアに、ロングビルは彼女の目と、
その後ろで落ち着かずに遊んでいる子供たちを見渡して、自嘲気味に笑うと
優しく口を開いた。
「あたしの望む奇跡は、あんたたち全員がすこやかにたくましい大人に育って
くれることだけだよ。でもさ、神様ってやつがどんなやつかは知らないけど、
あたしはほとんど一回死んでから帰ってくることができた。だから、案外粋な
ところがあるのかもね」
「え? 一度、何?」
「ああ!! 今のなし、なんにもなかった! なかったからね!」
「はい?」
 危なかった。自分が盗賊をしていて、毎日命の危険に身をさらしていた
というのはティファニアたちには秘密だったのだ。しかし、こうもあっさりと
秘密を口にしそうになるとは、やっぱり自分には盗賊の素質などはなかったのかも
しれない。速めに足を洗えたのは本当に正解だった。
911ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:27:13 ID:isEoJnkk
「ごほん、ああ……まあ、奇跡なんて大げさなことを言ってもさ、別にお前は
そんな大それたことを望んでるわけじゃないんだろ。だったらさ、遠慮せずに
神様にお願いしてみな。今日だったら、神様もよく聞いてくれるかもしれないしさ」
「うん、そうだね。ありがとう姉さん、わたし精一杯祈ってみるよ」
 泊まっている宿屋の窓を開けて、ティファニアはエルフであることを隠す帽子を
深々とかぶったまま、両手を合わせて、目をつぶって太陽のほうへと祈った。
「神様お願いです。みんなをどうか無事に帰してきてください。もうこの子たちから
大切な人を奪わないであげてください……」
 ティファニアと子供たちの祈りが天に届くかは、すでに罪深き身となってしまった
ロングビルにはわからなかった。
 
 彼女たちの見上げる空には、太陽と、青と赤の月が輝き、それらの三つの影は
ゆっくりと一つに近づき、ハルケギニアの全ての民が待ちわびる、その瞬間へと
近づいていた。
 
 が、日食が蒼天にこぼれた染みだと悪意で表現するのならば、ただ一箇所、
天の陽気とは裏腹に殺意と邪気で満たされ、今まさに全世界の趨勢を決する戦いが
始まろうとしている場所は確かにあり、それは彼女たちが無事を願う者たちの
いるところであった。
 アルビオン大陸中央部、サウスゴータ地方に聳え立つ小さな古城を踏み壊し、
その巨体を現した超獣にウルトラマンAが立ち向かい、幾年にも渡ってウルトラ兄弟
への怨念を蓄えつつけてきたヤプールは、その邪念を呪いに変えて吐き出した。
 
「ついに現れたなウルトラマンAよ! さあ、闇の底から蘇った悪魔の化身よ。
今こそ復讐を果たすのだぁぁぁっ!」
 
 ヤプールの怨念に満ちた声を受けて、崩れ去った古城の瓦礫を踏みつけながら、
ヤプールのしもべがウルトラマンAをめがけて、雄たけびをあげながら驀進していく。
 奴の名は変身超獣ブロッケン、ヤプールの超獣合成機によって鰐と宇宙怪獣が
合成されて誕生した、身長六五メートル、体重八万三〇〇〇トンにも及ぶ、超獣の
中でも最大級のボリュームを誇る怪物だ。
「シュワッ!」
 だが、ついに正体を現したブロッケンに対して、エースも構えをとって向かえ、
手裏剣を投げつけるように突き出した指先から先制攻撃の光線を放った。
『ハンディシュート!』
 連続発射される小型光線がブロッケンの正面から当たって爆発するが、
巨躯を誇るブロッケンには大して効かずに、怒りに燃えたブロッケンは両腕の爪の
先から破壊光線を撃ち返しながら、うなり声をあげて迫ってくる。しかし、それが
エースの狙いであった。
(そうだ、ついてこい)
 このまま戦えば大勢の人々を踏み潰してしまうだけに、エースは光線を回避しつつ、
慎重に奴を牽制しながら人のごったがえしている戦場から、反対側の平原へと誘導していく。
けれども、いつもとは違って、その心境は決して穏やかではなかった。
(やはり、こいつだったか)
 ブロッケンを前にしたエースの心に、以前戦ったブロッケンとの記憶が蘇る。
ワルドの手にあった目と口から、十中八九と予測をつけていたが、的中したことに
喜びなどはまったくない。なぜなら、こいつはヤプールの操る超獣の中でも、
特にエースがピンチに追い込まれた相手だからだ。
912ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:27:55 ID:isEoJnkk
 正面から見据えるだけでも、普通の超獣の二倍はある体格は軽くエースを
見下ろすほどあり、人馬形態の体格と超獣屈指の体重から生み出される
パワーは、それだけでも充分すぎるほど脅威となる。
 しかも、以前はブロッケンは右腕を失っているというハンデを背負っていたが、
今度は万全な状態な上に、ヤプールによってさらに強化されているのに違いない。
 
”はたして勝てるか”
 
 そんな、不吉な考えがエースの心にさしたとき、それを晴らしたのは恐れを
知らない若い声であった。
(ブロッケンか、やっぱりな。ヤプールもとんでもないやつを切り札に出して
きやがったぜ。やっぱ、実際見てみるととんでもない迫力だな。けど、こいつを
倒せばこんなくだらない戦争も終わるんだよな)
(腕にまで目と口があるなんて。まるで、ケンタウロスの体を持つ三頭の
ドラゴンね。それに、よくも姫さまたちを手にかけようとしたわね。もう絶対に
ゆるさないんだから!)
 ブロッケンを見て、その威圧感に圧されながらもやる気を出している才人と
ルイズの勇気が、エースの心にも闘志をよみがえらせてくる。
 そうだ、例え相手がなんであろうと逃げることはできない。そういえば、自分も
北斗星司だったころには猪突猛進くらいで生きてきたが、知らないうちに心に
白髪が増えていたようだ。
(ようし、いくぞ!)
 恨みを込めた遠吠えをあげて迫るブロッケンを、エースは正面から受け止めて、
そのボディに渾身のパンチを打ち込む。避けられない戦いはついに本格的に
その火蓋を切った。
「ヘヤァッ!」
 ブロッケンの鼻から吹き出される高熱火炎をかいくぐり、ブロッケンの左腕を
掴んだエースは、もぎとれるくらいの力を込めてひねり上げ、悲鳴をあげた
奴の頭をあごの下から殴りつける。
 並の怪獣ならばこれだけで軽く脳震盪を起こすだろうが、奴は睨みつけるように
エースを見下ろすと、鞭のように長く伸びた二本の尻尾を振りかざしてエースの
首を絞めようと狙ってきて、チョップで跳ね返したエースに、鋭い牙の生えた口が
ついた腕で噛み付こうとしてくる。
「ヌワァッ!」
 かといって距離をとろうとすれば、爪の先や尻尾の先からの破壊光線で
狙い撃たれ、かわしても至近での爆発がエースを包み込む。
(なんて火力だよ!?)
 近、中距離での攻撃力ではベロクロンさえ上回る破壊力を発揮するブロッケンの
力は、知っていたはずの才人の予測もはるかに超えていた。しかし、エースの
闘志は一人だけのものではない。
(鞭って自分で使うのはいいけど、他人に使われると、どうしてこうむかつくのかしらね)
(だったらお前、おれを殴るのをやめろ)
(いやよ、犬のしつけには鞭が一番だもの。けど、あんたも最近すばしっこくなって
きたから、振りかぶろうとしたらすぐに逃げるから困ったものよ)
 ふっと笑いかけたルイズの言いたいことを、エースは乱暴なたとえだなと内心
苦笑しながらも理解して、もう一度ブロッケンに接近戦を挑んでいった。
913ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:29:04 ID:isEoJnkk
 むろん、飛び道具にも増して現在の地球上で最強の爬虫類である鰐の力を
受け継ぐブロッケンにとって接近戦は望むところで、至近距離での火炎放射と
三つの口で噛み付いてくるが、エースは正面を避けて奴の側面に回りこむ。
しかし、普通なら死角になる場所さえ、ブロッケンは自由自在に動く二本の鞭状の
尻尾で補っていた。それらは、まるで蛇になっているという伝説の怪物キマイラの
尾のように動いて、エースを打ち据えようと振りかぶった。その瞬間。
(今だ!)
 このタイミングを見計らって、エースは奴の尻尾の付け根に渾身のチョップを
打ち込んだ。するとたちまち付け根にある神経節が衝撃で麻痺して尻尾の
動きが止まり、できた隙を逃さずに横から思い切り蹴り飛ばした。
「テェーイ!」
 いくら打たれ強いといっても、生物である以上強いところもあれば弱いところもある。
横合いからキックを決められたブロッケンは勢いよく吹っ飛ばされて、土煙を
巻き上げながら倒れこんだ。ルイズの与えたヒント、鞭は相手に叩きつけるためには
一度振りかぶらなければならないから、その隙をつけという答えが見事的中したのだ。
(ようし、今がチャンスだ!)
 巨体をもてあましたブロッケンは一度倒されると簡単には起き上がれず、
溝にはまった馬のようにもがいており、今ならいけるとエースは横倒しになった
奴の上にのしかかり、マウントポジションからパンチを連続で浴びせかけた。
「デャッ、ダァッ!」
 けれどブロッケンも、痛みを怒りに変えてエースを跳ね飛ばしながら無理矢理
起き上がり、尻尾の先から放つスネーク光線をエースに放ち、当たりはしなかったが
間合いを外し、戦いをもう一度振り出しに戻した。
(さすが、一筋縄でいく相手ではないな)
 態勢を立て直した両者がにらみ合う中を、天空に燃える太陽と、その傍らに並ぶ
二つの月がひときわ熱く、明るく照らし出していた。

 そして、今や両者の戦いは、すべての人間たちにも注目されていた。
「ようし、そこよ。いけーっ!」
「危ない! 後ろから触手がくるぞ」
 離れた丘の上から子供のように声援を送るキュルケと、ブロッケンの動きを
読んで警告を叫ぶアニエスだけではなく、アンリエッタとウェールズが風の
魔法で声を増幅して、全軍に向かって演説していた。
「アルビオンのすべての兵士たち、今、目の前でおこなわれている戦いは
現実です! 聞いてください。このアルビオンで起きている様々な異変や長引く
戦争は、ヤプールが裏で糸を引いていたのです。奴は、わたしたちを抹殺する
ことで、アルビオンはおろか、ハルケギニア全体に終わることのない戦争を
広げようと画策していました」
「諸君、私も気づかされた。これまでの戦いすべてが、敵に仕組まれていた
ことを、我々も、そしてレコン・キスタの貴族たちも、最初から争いを好む者たちに
よって利用されていたのだ。だから、本来我々が争わなければならない
理由などは何もない。我々が無意味に争って、限りなく生まれる悲嘆と憎悪こそが
敵の狙いだったのだ。だからもう、終わらせよう。そして平和な国を取り戻し、
自分たちの家へ、家族の下へ帰ろうではないか!」
914ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:30:06 ID:isEoJnkk
 兵士たちの間から、いっせいに天も割れよといわんばかりの大歓声が沸きあがった。
それを受けてアンリエッタとウェールズは叫ぶ。
「あの戦いを見てください。今、この世界は異世界からの侵略者に襲われています。
ですが、異世界からは救世主もやってきてくれました。こうして戦ってくれている彼、
ウルトラマンがそうです。彼はこれまでも、ヤプールの超獣からわたしたちを
守ってくれました。けれど、わたしたちが愚かな争いを続ける限りヤプールは
無尽蔵に力を得ることができます。わたしたちの敵は、わたしたちの生み出す
邪悪な心そのものなのです。そしてこれ以上、悲劇を繰り返さないために
トリステインとアルビオンは、これから手に手をとりあって、争いのない平和な
世の中を作ることを神と始祖に制約します」
「戦争は、今日で終わりにしよう。さあ、みんな、悪魔どもに、もう人間はお前たちの
思惑どおりにはならないということを、教えてやろうじゃないか!」
 大地を揺るがす大歓声がそれに応え、アンリエッタとウェールズは先頭に立って、
最後までこの戦いを見届けようと恐怖心をねじ伏せて、震えそうになるひざを
押さえて立ち、そして後は、飾り物の自分にできるのはこれぐらいしかないと、
アンリエッタは両手を合わせて一心に祈り、その肩を彼女の愛しい人が支えた。
「神よ、どうか悪魔の手からこの世界をお守りください」
 人間の心の光と心の闇、ウルトラマンAとブロッケンの戦いはまさにそれを
現実に顕現したものであった。大地を揺るがし、大気を震わせ、光が舞って
炎が猛る。そんな中でも、大宇宙の神秘はウルトラマンAとヤプールの戦いをさえ
小さいものとあざ笑うように、数十年の長い時を超えて、本来出会うことのない
太陽と月が重なる時を、今ここに作り出した。
「殿下! 太陽が……欠け始めました!」
 気象観測を任務とする兵士のたった一言の叫びが、戦いに心を奪われていた
人々に、はるかな時を超えて起こる最大級の天体現象が、ここにその瞬間を
迎えたことを伝えた。 
「日食が、始まった……」
 昼を照らす太陽と、夜を照らす月が交わるときに生まれる闇の時間、日食。
ハルケギニアの歴史では、始祖の降臨祭に次いで聖なる日と言われ、平和と
幸福を人々が祈るこの日を、戦塵に汚して荒れ狂い、血と死のカーニバルと
化する悪魔を倒すために、その心に光を宿す者たちはあえて剣をとる。
 そして人間たちも、心を持たない臆病者や卑怯者はとうに逃げ去り、残った
勇気ある兵士たちは戦いを終わらせる最後の戦いを見守り、エースの勝利を願い続けた。
「がんばれーっ! ウルトラマーン!」
「化けもんをやっつけてくれーっ! 俺たちが応援しているぞ」
 月に覆われ始めたとはいえ、なお強烈な光を持つ太陽は変わらずにハルケギニアを
照らし続け、祈りをささげるアンリエッタと彼女を守るウェールズを先頭に、二人を
救ってくれたエースの勝利を願う人々を見守っていた。
 
 
 だが、世界に光が満ちようとも悪魔の邪悪な野望の影が晴れることはない。
915ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:31:22 ID:isEoJnkk
”フッフッフフフ……今のうちに喜んでおくがいい、愚かな人間どもよ。希望に
満ち満ちたところから突き落とされたときにこそ、その絶望は何倍にも増加する。
さあ、そろそろ第二幕をあげてやろうではないか!”
 ヤプールの暗黒の想念がアルビオンの大気の中を毒の煙のように流れていき、
その怨念の命令を今や遅しと待ちわびていた者は、冷ややかな目ではるかな
天空から戦いを見守っていた。そこは、すでに撃沈寸前になって誰からも
忘れ去られているレキシントン号。すべての砲門を失い、生き残った乗員は
総員退艦の末に、船を見捨てて脱出していった。ボーウッドは戦闘のさなかに
負傷して運ばれていってからは、二度と艦橋に戻ってくることはなかった。
 ……だが、幽霊船のように、ただ浮くだけの無意味な木の塊となったこの船の
艦橋で、たった一人残っていたクロムウェルは、眼下を見下ろしながら薄い笑みを
浮かべて、思わぬ来客を迎えていた。
「ほう、まだ生きていたのか。人間というものは、案外しぶといものだな」
「クロムウェル……貴様、よくも私を殺そうとしてくれたな」
 振り返りもせず、後ろ目で視線を流したクロムウェルの見る先には、ほんの昨晩まで
彼がひざまずいて慈悲をこうていた女、シェフィールドがあちこち引き裂かれた
黒服と、浅からぬ深さを持った赤い傷を全身にまとわされながらも、憎悪に満ちた
目でこちらを眺めていた。どうやって戦場の中を空を飛んでいるこの船に来れたのか
わからないが、いや、人間にしては神出鬼没なこの女のこと、なんらかの仕掛けを
この船にあらかじめ仕掛けていたのかもしれない。
「ふぅ……私は奴に、確実に仕留めろと言っておいたのだが、よく生きていられたものだな」
「あいにくと、手持ちの魔道具のほとんどを使ってしまったけど、やられる寸前に
アンドバリの指輪で仮死状態になってやりすごしたのさ。死んだと思ってとどめを
刺さずに行ってくれたのが幸運だったよ」
「ふっ、ならばそれも本体ではあるまい。我らを出し抜くとは、一応、さすがとだけは
言っておこうか。だが、もうお前にも、愚かなお前の主にも用はない。これまでよく働いて
くれた。礼を言おう」
 すると、シェフィールドの顔に明らかな怒気が浮かんだ。自分のことではなく、自分の
主が侮辱されたことに反応したようだったが、かろうじてそれを押し殺し、尊大な
態度をとる操り人形だと思っていた男を弾劾する。
「貴様、いったい何が貴様をそこまでに変えたのだ? ただの臆病な地方の一司教
でしかなかったお前が! 答えろ、クロムウェル」
「クロムウェル? ふっふっふっ、お前の言うクロムウェルという男はとうの昔に
死んでいるよ。ずいぶん前から入れ替わっていたが、気づかなかった己を呪うのだな」
「っ!……クロムウェルを殺して、成り代わっていたのか」
「そのとおり、お前たちのような愚か者を騙すのはなかなか楽しかったし、長引いた
戦争のおかげでマイナスエネルギーもだいぶ補充できた。まったく感謝に耐えんよ。
もっとも、お前もそこに転がっている愚か者たちのように、これから死ぬのだがな」
 そう言って、あごで床を指した先には、何人もの豪奢な服を着た死体が横たわっていた。
それは、レコン・キスタ派の貴族たちの亡骸、だが戦闘で死亡したのではない。
どの死体にもほとんど傷はなく、それぞれ喉に深々と突き刺さった鋭いダーツが
致命傷となっていた。彼らはもはや敗北が必至だと知ると、よくもこれまで調子の
いいことを言って我らをだましてくれたな、貴様には一足速く地獄へ行ってもらうぞと
目を血走らせて艦橋へつめかけ、そして皆殺しの目にあったのだ。
916ゼロの黒魔道士第69幕:2010/02/15(月) 06:32:34 ID:isEoJnkk
「まったく、人間というものはつくづく愚かよ。見た目で相手を判断する。そこに
大きな落とし穴があるとも知らずにな……さて、そろそろ私も行かねばならん。
ちょうど太陽も隠れて、闇が濃いよい眺めになってきたことだ。だがその前に、
貴様は消えてもらおうか!」
 クワッ! そう表現するふうにクロムウェルが目を見開いて、口が裂けるくらいに
広げたかと思うと、奴の喉の奥から真っ赤な光がシェフィールドに向かって放たれた。
「くっ!?」
 シェフィールドは貴族たちの死に様から、とっさに腕を喉元にやって守ったが、
赤い光に当てられた腕には、大降りのナイフほどもある巨大なロケットが突き刺さって
打ち抜いていた。だが血は流れずに、シェフィールドの腕が無機質な人形のものに変わる。
「ほう、思ったとおり遠隔操作型の魔法人形か、さすが抜け目がないな。どうだ、
愚か者の主人などは捨てて、我らと手を組まないか?」
「ふざけるな! 私の主人はジョゼフ様ただお一人だ!」
「それは残念、ならばジョゼフに伝えておけ。お前の作ったゲームはなかなか楽しかった。
その礼に、今しばらくの命はくれておいてやる。せいぜい世界が燃え尽きるその日まで
余生を楽しむのだな。フフフ、はーっはっはっは!」
 高笑いをしながら、クロムウェルは次第に不気味な異次元の光に包まれていく。
シェフィールドは、だまされていたことと主を嘲笑されたことに激しい怒りと憎悪を
こめて奴を睨みつけたが、壊れてどんどんただの人形に戻っていく魔法人形では
何もすることができない。だが彼女は人形の口と耳を通して、最後の質問を奴にたたきつけた。
「言え! 貴様の本当の名を!」
 すると、クロムウェルは口元を悪魔のように大きく歪めて笑うと、床に崩れて倒れていく
人形に向かって、人間ではない本当の声で答えた。
 
「私の名はバキシム……ヤプール人だ」
 
 その瞬間、巨大戦艦レキシントン号は地上に落下して燃え上がり、そのどす黒い
火炎の中から、悪魔がその雄たけびをあげた。
「超獣だぁーっ!」
 兵士たちのあいだからあがったその悲鳴こそが、目の前の出来事を何よりも
如実に表現し、そして恐怖と絶望の波が心を支配していく始まりであった。
 
「ゆけぇーバキシム! お前の力でエースを倒し、我らの同胞の悪霊が待つ
地獄へと送り込むのだぁーっ!!」
 
 一角超獣バキシム、けたたましい鳴き声をあげて、太い二本の足に支えられた
蛇腹状の胴体の上に、緑色の瞳のない目を爛々と輝かせたオレンジ色の頭と、
鋭く天を突く一本角をそびえさせて現れたこいつこそが、宇宙怪獣の能力と
地球のイモムシの体を与えられた破壊工作員にして、クロムウェルに成り代わって
アルビオンの人々の運命をもてあそんだ悪魔の正体であり、ウルトラマンAへ
復讐を果たすためのヤプールの切り札だった。
(そんな! ブロッケンに続いてバキシムだって!?)
 巨体ゆえの重量で、地面をへこませながら前進を開始したバキシムを見て、
才人は愕然とした。今でもブロッケンとはやっと互角の勝負をしているというのに、
ブロッケンに続いて超獣屈指の重量を誇るバキシムと戦う余裕などはエースに
残っているはずもなかった。だが、だからこそといわんばかりにバキシムは、
櫛状に鋭いとげの生えた両腕のあいだからミサイルを発射してエースを攻撃してきた。
917ゼロの黒魔道士第69幕
「ヘヤァッ!」
 とっさにかわしたエースのいた場所を強烈な威力を持つミサイルが吹き飛ばし、
土と石を草原ごと大量に王党派軍の頭上に降りかからせた。
「まずい! 全軍後退しろ、急げ!」
 ミサイルの破壊力から、離れていても爆風で被害を受けると判断したウェールズは
全軍にそのままの姿勢で後ろに下がることを命じた。なまじきびすを返させると
急いで逃げようとするあまりに混乱が起きる危険性があったからだが、その判断は
正しかった。バキシムのミサイルはベロクロンほどの数は撃てないものの弾頭は
大型で、かつて襲った超獣攻撃隊TACの基地に大打撃を与えているのだが、
彼を信頼する兵士たちは隊列を保ったまま数百メイル後退するのに成功した。
 しかし、バキシムにとっては人間たちなどはどうでもよく、ミサイルに続いて
七万八千トンもある体重を活かしてエースに突進攻撃を仕掛けていった。
もちろん、単純な突進ならばエースにとって避けるのは難しくはないが、華麗に
かわしたと思った瞬間、ブロッケンのスネーク光線がエースの背を打った。
「フワァッ!?」
 死角からの攻撃を受けて、エースはよろけて倒れる。そして、それを見逃す
バキシムではなかった。巨体に似合わずすばやく反転してくると、今度は
鼻の穴からさっきよりも大型のミサイルを発射してきたのだ。
「グォォッ!」
 ミサイルの着弾の爆炎に包まれて、エースから苦悶の声が漏れる。
(いけない、守りに入ったらそのままやられるわ!)
(反撃だ、このままじゃやられる!)
 二大超獣を前に、ルイズも才人も完全に余裕を失って叫ぶが、エースもそれには
同感であった。バキシムとブロッケン、超獣の中でも屈指の火力とパワーを誇る
この二体を相手に、守りに入ったところで防ぎきれるわけがない。
「トォォッ!」
 反撃に出たエースは空中高く飛び、バキシムへ向かって急降下キックをお見舞いし、
蹴倒したところで反転するとブロッケンの首根っこを掴んで投げ捨て、草原を
人工の巨大地震で揺さぶった。
「おおっ、すごい!」
 地面に伏す二匹を見て、兵士たちのあいだから歓声があがる。あんな巨大な
超獣を投げ飛ばすとはやはりウルトラマンはすごい、これならば二匹が相手でも
勝てるかもしれないと。
 だが、奴らは単に巨大で鈍重なだけの怪獣ではなく、その身に極限までの
改造を施されて、全身を武器に作り変えた生きた要塞ともいうべき超獣だった。
二匹は起き上がると、エースから受けた攻撃などはまるで最初からなかったと
いうように、ミサイル、レーザーをSF映画の宇宙戦艦のように雨あられと
エースに浴びせかけたのだ。
「ウワァァッ!!」
 バリヤーを張る暇すらなかった。いや、最初にブロッケンと戦い始めて以来、
消耗を続けていたエースはすでに大量のエネルギーを失っており、この攻撃で
舞い上がる炎の中で、もはやエースのカラータイマーは青い輝きを保っている
ことは不可能になっていた。