あの作品のキャラがルイズに召喚されました part266

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1名無しさん@お腹いっぱい。
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part265
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1263046588/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/


     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。



.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 15:40:22 ID:Pq0FuoT/
テンプレは>>1で終わりです。
3名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 19:24:29 ID:4YsVamXO
>>1
4ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 20:42:22 ID:rCX2sbV8
 >>1の方、スレ立て乙でした。

 えー、それではフラゲした新刊の感想をば、短めに。

 設定関連では致命傷は……まあ他の作家の方にはかなりキツかろうなあというのもありましたが、私にとっては何とかなるレベルです。あくまで『私にとっては』ですが。
 で、何と言うか、こう、私の話で割とメインに据えているキャラがですね、まあその、ええ、うん。思わずリアルで『ぐおぉぁぁああああ!!』と叫んでしまったと言いましょうか。
 18巻を読んだ方は、頷いてくれると思いますww

 そんな感じでした。
 はい、ワケが分かりませんね。

 それでは他にご予約の方がいなければ、20:50より第45話の投下を行います。
5名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 20:43:51 ID:BvguTGz1
やった!朴念仁来た!これで勝つる!
6ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 20:50:00 ID:rCX2sbV8
「ぅ……ぐ、くっ!」
 痛む身体に鞭を打って、アニエスはよろめきながらも立ち上がる。
 戦闘に関わらずに倒れていた分、彼女はこの場にいる誰よりも正確に状況を把握していた。
 ユーゼスの乱入によって、この場はかなり乱れている。
 もしかすればこの『乱れ』に乗じて形成を逆転出来るかもしれない。
 好機と言っていいだろう。
 だが、この状況を好機とするには致命的な問題が一つあった。
「ま……待てゴッツォ、お前の勝てる相手では……!」
 そう、メンヌヴィルとユーゼスの実力差だ。
 女子生徒の軍事教練のついでにユーゼスに稽古をつけるようになって二ヶ月が経過しているが、その間にアニエスは一つの事実に突き当たっていた。
 あのユーゼスという男には、剣や格闘などの『戦いの才能』が無い。
 無論、まったくのゼロという訳ではないし、自分が稽古をつけ始めた当初よりも腕は多少上がっている。
 しかし何と言うか……向いていない。
 ことあるごとに自分で『私は研究者です』などと言っていたが、最近になってアニエスもようやくその言葉の意味を理解してきた。
 とにかくやたらと理論づくで、直感や賭けといったものをせず、絶対に危ない橋を渡ろうとしない。
 最大限に良く言えば『詰めチェスのような』、普通に言えば『消極的な』、悪く言ってしまえば『引っ込み思案な』戦い方しかしないのである。
 しかも戦闘に関してはほぼ素人同然なので、詰め方もロクに分かっていないと来た。
 本人もそれは自覚しているようだが、直すつもりはないらしい。
 何でも『こう見えても長く生きているもので、今更生き方や考え方を変えろと言われても無理があります』だそうだ。
 それを聞いたアニエスは、思わず『お前は年寄りか』と言いながらユーゼスの頭を叩いたのだが……。
 まあ、ともかく。
 ユーゼスの具体的な実力の指標としては、『アニエスと木剣を使った試合を二十回行って十三敗六分け、最後の一勝が出来るか出来ないか』と表現すれば分かりやすいだろうか。
 そんなユーゼスが、アニエスが完敗したメンヌヴィルに戦いを挑んでいる。
 これはもう自殺行為に等しい。
 よって、当然のこととしてユーゼスを止めるべく声を上げたのだが。
「な、何……?」
 アニエスの予想に反して、ユーゼスは善戦していた。
 メンヌヴィルが放った炎弾を、その爆発の際の衝撃も計算に入れて素早く回避し。
 左手の鞭で攻撃を加え、隙あらば踏み込んで剣を突き込み。
 炎を避け切れないと判断するや、剣を使ってその炎を切り払っている。
「……!?」
 まるで別人だ。
 自分の知っているユーゼス・ゴッツォは、あれほど素早く、鋭く、そして強力な戦いをする男ではない。
 あのユーゼスと自分が戦えば、ほぼ確実に負ける。そんな印象すら抱いてしまうほどに今のユーゼスは普段の姿とかけ離れていた。
「変わった点は……いや、しかし……」
 木剣から真剣に持ち替えたからと言って、何かが劇的に変わるわけでもないはずだ。
 いや、それ以前にあの剣は何なのだろう。
 自分の持っていた剣はメンヌヴィルの炎を受けて飴細工のように捻じ曲がったと言うのに、ユーゼスの剣は曲がるどころか歪みの一つも見当たらない。
 一体どんな材質で出来ているのだろうか。
「いや……」
 この際、考えるのは後回しだ。
7ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 20:52:10 ID:rCX2sbV8
 先程ユーゼスはメンヌヴィルに対して『報いを受けてもらう』と言っていたが、ある意味で今回の一件の責任は自分にある。
 アニエスがアンリエッタより命じられた任務は、全部で四つあった。
 一つ目は名目通りの軍事教練。
 二つ目はメイジの数が半数以下になってしまった学院の警備。
 三つ目は魔法学院に置いてある巨大なマジックアイテム……ジェットビートルの調査、可能ならば接収。
 ここまではユーゼスが以前に予想した通りであるし、アンリエッタだけではなく宮廷の人間たちも知っていることだ。
 そして四つ目の任務だが、これは少々不可解だった。

 ―――「ルイズとその姉であるエレオノール殿の動向を監視なさい。エレオノール殿に対しては、わたしの名前でアカデミーから魔法学院に出向するように取り計らいます。……あまり表立って調べるわけにもいきませんので、秘密裏に行うように」―――

 他でもないアンリエッタ直属の女官と、アカデミーの主席研究員の姉妹を監視することに何の意味があるのかは分からなかったが、所詮自分は軍人だ。
 命令の意味など、その命令を出す人間が分かっていれば良い。
 ……個人的には“二十年前のアカデミー”についての調査も行いたかったのだが、いくら主席研究員とはいえ、さすがに二十年も前のことではどうにもならなかったらしい。
 ともあれアニエスは『王宮に対してやや斜に構えた面がありますが、おおむね問題ないように思えます』とか『妹の使い魔とことあるごとに一緒にいますが、特に怪しい動きはありません』と言った報告書をアンリエッタに送りつつ、学院で過ごしていた。
 そこにこの事件である。
 普通に考えれば、人質を取られた程度で軍は撤退などしない。
 しかし九十人もの貴族の子弟が人質になってしまったとなれば、あるいはその可能性も考えられる。
 そして現在、学院の警備を任されているのはアニエスなのだ。
 『アニエスのせいでトリステインは撤退する破目になった』と言う輩が出ても不思議はないし、そのせいでシュヴァリエの称号を剥奪されることも有り得るかも知れない。
「……………」
 宮廷内の地位になどさして興味はないが、自分には死んでも果たさねばならない目的がある。
 そのためには、どうしてもある程度の身分が必要だ。
 せっかく女王直属の銃士隊隊長にまで登りつめたと言うのに、こんなところでつまづいてたまるか。
 この件の責任の一端が、自分にあるのならば。
 解決のための努力を惜しんでいる場合ではない。
「ぬ……っ、……銃士隊! 誰でもいい、人質のロープを解いて食堂から脱出させろ!!」
 ふらついたままで叫ぶアニエス。
 幸いにして敵のメイジたちは突然の乱入者の登場と、その乱入者が隊長をある程度追い詰めている光景を目にして、やや浮き足立っているようだ。
 隙を突くならば、今しかあるまい。
「……!」
「う、ぅ……っ」
 アニエスの言葉を受け、手指を激しく損傷してうずくまっていた銃士隊の隊員たちが動き始めた。
 あまりの激痛や指を失ったショックからほぼ戦闘不能ではあったが、彼女たちは決して行動不能というわけではない。
 また今までダウンしていたので敵からも戦力外と見なされており、近くに敵はまったく存在していなかった。
「ぁ……っ、くぅっ!!」
 苦労しつつも片手で剣を抜いて、女子生徒たちを縛るロープを切断していく銃士隊員たち。
 解放された女子生徒たちは取り上げられていたた杖を奪回し、他の人質のロープを解いたり、負傷した銃士隊に治癒の呪文を唱えたりしていた。
 だが、そんな光景を敵が黙って見ているわけもなく。
「ハッ!」
「む……」
 メンヌヴィルは目くらましのような炎撃をユーゼスに放ち、距離を取る。
 そして瞬間的に身体を反転させ、その杖を救出されつつある女子生徒たちへと向け……。
「フン、そうそう上手く行くと、」
「……思わないことだな」
「ぐっ!!?」
 強引ながらも再び身体をひねり、背後からの襲撃者に向けて炎を放つメンヌヴィル。
 だが襲撃者である銀髪の男は驚異的な反応速度でそれを回避し、あまつさえ横薙ぎの一撃すら加える。
「……………」
 メンヌヴィルは訝しげな顔でまた間合いを取り、ユーゼスに話しかけた。
「その速度ととっさの動きの素早さ……。……貴様、本当に人間か?」
「……温度感知のレベルが人間の範疇を逸脱しているお前にだけは言われたくないセリフだな」
(どっちもどっちだ)
 内心で呟くアニエス。
 いずれにせよ、今の状況でメンヌヴィルに対抗が出来るのはユーゼスしかいない。
 歯がゆくはあるが、ここはあの男に任せることにしよう。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 20:52:42 ID:BkaIzGnq
ほんとデルフ涙目だよなw
9ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 20:54:00 ID:rCX2sbV8
「そぉらっ!」
「……!」
 炎が飛び、剣が走り、ロープと見まごう長さの鞭が舞う。
 ユーゼスとメンヌヴィルの戦いは、ほぼ拮抗していた。
 メンウヴィルが放つ炎はことごとく回避され、ユーゼスが放つ剣や鞭の攻撃もまたほとんど完璧に避けられ、それが延々と続いているのだ。
 互いに決定打のないまま、既に十分ほどの時間が経過しようとしている。
 そんな中でユーゼスは、一つの結論を出していた。
(……勝てないな)
 メンヌヴィルの放つ攻撃はほぼ分析済みだ。
 繰り出される炎の出力、平均的な効果範囲、有効射程などは把握しているし、『どの部分にどれだけ当たったらどうなるか』の大まかな予想もついている。
 更にメンヌヴィル自身の戦闘能力も加味した上で、ユーゼスは先の結論を出した。
「ハッ!!」
「ええい……!」
 例の『爆発する炎弾』が鉄の杖から飛び出てユーゼスを襲う。
 爆発の威力は、戦う前から分かっている。
 それに加えてガンダールヴのルーンによる身体能力や反応速度の強化により、わずかながら余裕を持って回避行動を取ることが出来る。
 と言っても。
 その余裕はあくまで『わずかながら』であって。
「ぬ……、ぅ!」
 予想していた威力と、実際の威力との、多少の誤差によってくつがえるほどのものでしかなかった。
「ちぃ!」
「くっ!?」
 読み切れなかった爆発の余波を受けながら、ユーゼスは鞭を振るってメンヌヴィルを攻撃する。
 ……秘密結社ダークの雑兵アンドロイドや、フーマの戦闘員であるミラクラー程度ならば一撃で倒す自信があったのだが、その一撃はアッサリと回避されてしまった。
 いや、よく見ればメンヌヴィルも完全に回避したというわけではなく、腕に僅かなかすり傷を負ってはいる。
 攻防は一進一退と言っていいかも知れない。
 しかし、これではいずれ負ける。
 ユーゼスがメンヌヴィルに勝っている点は、ルーンの効果によって上昇した身体能力と反応速度のみだ。
 こちらの手持ちの武器が剣と鞭だけなのに対して、向こうは『魔法』という飛び道具……いや汎用攻撃方法を有しているし、何より温度感知能力のせいで死角というものがない。
 そして何より『戦闘経験』や『勘や直感』という点において、どうしようもない差が存在している。
 自分にサイコドライバーのような念動力の類があればまだどうにかなった可能性はあるが、ないものをねだっても仕方がない。
 ……イングラム・プリスケンを作り出したときには脳を改造して念動力を使えるようにはしたのだが、だからと言って自分の脳に変な改造などしたくはないのである。
 閑話休題。
 ともかく、このままでは負ける。
 決定的な隙でも作ってくれれば話は違ってくるのだが、そうそう上手くもいくまい。
 そもそもああいう戦闘に没頭するタイプがまた別の何かに気を取られることなど、ほとんどないはずだ。
(……いや)
 そう決め付けるのも早計か。
 ユーゼスの経験上、深く考えないで放たれた言葉でも、意外と言われた人間の心をえぐったりするものである。

 ―――「てめえこそ……弱くて愚かな人間そのものだ! その事実から……てめえは逃げてるだけだ!!」―――

「……………」
 愚にもつかない回想はともかく。
 間合いはお互いそこそこに離れており、今は取りあえずの小康状態。
 ある意味で好機だ。
(では、取りあえず会話をしてみるか)
 そう思い立ち、ユーゼスは返答を期待しないでメンヌヴィルに話しかけた。
10ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 20:56:00 ID:rCX2sbV8
「……人質がほぼ全員逃げてしまったが、これからどうするつもりだ?」
「ん?」
 戦闘相手からいきなり話しかけられたことを怪訝に思ったのか、メンヌヴィルの表情が疑問のそれに変わった。
 しかし気を取り直したのか、すぐにニヤリと笑みを浮かべると楽しそうに問いかけに応じ始める。
「いや、むしろ好都合だ」
「ほう」
 狙い通りと言えばそうだが、ある意味では予想を裏切って会話に乗ってきた。
 ユーゼスは少々驚きつつも、話の続きを促す。
「どういう意味だ?」
 食堂の中を見回してみれば、確かに人質として捕らえられていた女子生徒や教師たちは逃げ出している。
 あとは銃士隊とキュルケ、そして復帰したタバサがメンヌヴィルの部下たちと戦っているくらいだ。
「個人的には人質を取るのは好きではない」
「……ふむ」
 意外にも武人タイプの人間だったのだろうか。
 しかしそうすると今までの言動や行動などとかなり矛盾があるような……。
 などとユーゼスがメンヌヴィルの発言について考えていると、メンヌヴィル自身から発言の意味が告げられた。
「……ああ、そうだ。そんな手間をかけるなら、丸ごと焼いてしまえばいいんだからな!!」
「……………」
「いやはや、本当に……逃げてくれて、感謝する! これで『逃げる相手を止めるため』という大義名分が立ってくれた! そうだなぁ、つい手元が狂ってしまったり、勢いあまって焼きすぎてしまっても仕方がないよなぁ、この場合は!!」
「成程な」
 納得の言葉を呟くユーゼス。
 メンヌヴィルの理屈に納得したわけではない。
 メンヌヴィルがどのような人間なのかについて納得したのである。
「ハハハハ!! 隠れたガキを探して、見つけ出して、一人ずつ焼いていくのが良いか!? それともまた一箇所に集めてから、まとめて焼いた方が良いか!? 悩みどころだな! ……お前はどっちが良いと思う!!?」
 戦闘狂とは違う。
 殺人狂とでも表現するべき人種。
(このようなタイプは初めてだな)
 戦いにある種のルールのようなものを持つタイプなら何人か知っている。
 光明寺博士の脳が入っていた時のハカイダーや、ネロス帝国の暴魂トップガンダー、凱聖バルスキー、あとはトレーズ・クシュリナーダなどがそうだった。
 だが、この男のそれはそういう『こだわり』や『プライド』、『美学』などとは全く違う。
 焼きたいから焼いて、殺したいから殺す。
(『欲求に忠実』と言えば聞こえはいいかも知れないが……)
 要するにただ自制心がないだけだな、とユーゼスは結論づけた。
 ……この殺人欲求を上手くコントロール出来さえすれば、あるいは使える手駒になったかも知れないが……まあ、それは無意味な仮定である。
 とにかく人間的な特徴はおおむね掴んだ。
 あとはそれを戦術に組み込めれば……。
「待て」
 そう思案し始めたところで、ユーゼスでもメンヌヴィルでもない、第三者の声が響いた。
「……む?」
「んん?」
 その声を聞いて、ユーゼスはいつの間にか自分の隣に何者かが立っていることに気付く。
(!? コルベールだと?)
 自分と一緒に食堂に来ていたはずの中年教師。
 トラウマか何か知らないが、食堂に入りもせずに硬直していたはずのその男は無表情にメンヌヴィルを見据えている。
「……………」
 付け焼き刃とは言えそれなりに訓練を受けてきた自分が、今の今までほとんど気配を感じなかった。
 素人に出来る芸当ではあるまい。
 少なくとも、自分を超える技量を持っていることは確定的だ。
 とは言え、なぜこのタイミングで出て来たのだろうか。
11ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 20:58:00 ID:rCX2sbV8
 と、その時。
「おお、お前は……!」
 いきなりメンヌヴィルが見えないはずの目を見開いてコルベールを凝視しだした。
「お前は!! お前は!! お前はぁ!!!」
 まるで気でも触れたかのように喚くメンヌヴィル。
 その顔と声には、まぎれもない歓喜の色が浮かんでいる。
「探し求めていた温度ではないか! お前は!! お前はコルベール!! 懐かしい! コルベールの声ではないか!!!」
「……………」
 声を張り上げるメンヌヴィルとは対照的に、コルベールの表情は硬いまま。
 ただ、じっと盲目のメイジを見ていた。
「俺だ! 忘れたか!? メンヌヴィルだよ隊長殿!! おお……久し振りだ!!」
 感極まりでもしたのか、メンヌヴィルは両手を広げてまで喜びを表現する。
 しかしコルベールはその言葉に眉をひそめ、表情を苦々しげなものへと変えていった。
「……………」
「何年振りだ!? なあ、隊長殿!! 20年だ!! そうだ! 覚えているだろう、あのダングルテールを!!」
 ガタ、と。
 食堂のどこかで誰かが身動きをする。
 メンヌヴィルとコルベール、そしてユーゼスはその音に構わず会話を続けた。
「それにしても……魔法学院にいるということは、何だ? 隊長殿、今は教師なのか!? クク、これ以上おかしいことはないぞ!!」
「……………」
「貴様が教師とはな! 一体何を教えるのだ!? 『炎蛇』と呼ばれた貴様が……、ハ、ハハ!! ハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」
「……ふむ」
 やたらと笑い続けるメンヌヴィルを見て、さすがにユーゼスもコルベールの過去が気になってくる。
 するとメンヌヴィルはそんな銀髪の男の様子に気付いたのか、さも面白そうにその疑問の回答をよこした。
「お前にも説明してやろう。この男はな、かつて『炎蛇』と呼ばれた炎の使い手だ。特殊な任務を行う隊の隊長を務めていてな……、女だろうが子供だろうが、構わずに燃やし尽くした男だ」
(……要するにただの虐殺か)
 しかも『任務』で、命令されてのことらしい。
 国家転覆クーデターとか、無差別テロとか、四桁か五桁くらいの人間を『死んだ方がマシ』な状態にしたとか、もっと取り返しのつかないことでもしたのかと思っていたのに、何となく拍子抜けである。
 ヒイロ・ユイあたりのガンダムパイロットなど、ガイアセイバーズに参入する前にはタイムスリップした40年前で破壊活動を行ったりと、もっと凄いことをやっていたものだが。
 いや、ヒイロの場合はリリーナ・ピースクラフトを殺せなかったのだから、ある意味アレよりは優秀か。
「そして俺から両の目を……光を奪った男だ!!」
 全身から狂気をにじませながら、メンヌヴィルは言葉を続ける。
「会いたかった……会いたかったぞ隊長殿!! 会って礼がしたかったんだ!! 俺はあれから20年かけて腕を磨いてきた!! 隊長、お前と思う存分、心ゆくまで互いを焼き尽くしあうためにだ!!!」
「……………」
 沈黙を続けるコルベール。
 その噛み締めた唇の端からは、赤い血が一筋流れている。
 ユーゼスはそんな彼から明確な『何か』を感じ取っていた。
 闘気ではない。東方不敗やドモン・カッシュが放っていたものとは明らかに異質のものだ。
 狂気でもない。目の前のメンヌヴィルのような気が触れかねない危険性もなさそうである。
 殺気でもない。この男は殺人を忌避している。ならば明確な『殺意』というものを持ちたがらないはずだ。もっとも、ユーゼスはそこまで深くコルベールのことを知っているわけではないが。
 強いて言うなら『鬼気』だろうか。
 ハルケギニアに召喚される以前のことも含めてそれなりに場数を踏んでいる自分だから何とか耐えられるものの、普通の人間なら恐怖で身がすくみかねないほどの凄絶な空気である。
 そう分析していると、おもむろにコルベールが口を開いた。
「……お前はあの時に殺しておくべきだったな。あの時の私の甘さが、結果として私の教え子たちを危険に晒してしまった」
12名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 20:58:17 ID:9BwgJ8Qf
支援
13名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 20:58:19 ID:KSuDwdea
支援!!
14ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 20:59:55 ID:rCX2sbV8
(ふむ)
 教え子のため。
 葛藤から抜け出し、この場に立つ決意をさせた要因はそれか。
 おそらくコルベールは食堂に立つメンヌヴィルの姿を見て、自分が過去に犯した罪を突きつけられたようにでも感じたのだろう。
 それゆえの葛藤。
 そして現在の守るべき対象がその『過去の罪』によって傷付けられようとしている。
 だからこの場に立った。
 ……つまり葛藤を作り出したのがメンヌヴィルなら、葛藤から抜け出すきっかけとなったのもメンヌヴィル。
 何とも因果なものだ。
 まあ、動機は人それぞれでいいのかも知れない。
 ユーゼスとて『よく分からない理由』でこの場に飛び出してきたのだから。
「ハハハハッ! 何だ、そうつれないことを言うな隊長殿!! こっちは何も後悔してないんだ! 光を失ったこと、貴族の名を捨てたこと、人殺しになったことも含めて全部!! ……唯一の心残りはお前に礼を言えなかったことだが、それもここで叶う!!」
 一方メンヌヴィルは、ますます嬉しそうになってコルベールの言葉に応じる。
 そしてまた杖を構えて戦闘態勢に移行するが、その杖の先はコルベールではなく、
「……執心していたミスタ・コルベールではなく、私を狙うのか?」
「ああ、そうだ。隊長殿との戦いに集中するためにも、ここで中途半端なままなのは気持ちが悪いからな!」
「…………まったく」
 メンヌヴィル流のこだわりによって、ユーゼスが再び標的となってしまった。
 ―――コルベールとの戦いに集中している隙を突いて殺そうか、などと考えていたのに、プラン崩壊もいいところだ。
「そういうわけだ、隊長殿! 非常に申し訳ないのだが、ここは先約を果たさせてもらう! なあに心配するな、コイツを片付けたらすぐにお前の相手をしてやるからなぁ!!」
「待て、お前は私が……」
「……お前こそ待て、ミスタ・コルベール」
 なおも自分が戦おうとするコルベールに対し、ユーゼスが制止をかける。
「あまりあの男の言葉に反発して、下手に機嫌を損ねられても困る。今は取りあえず提案に乗っておくべきだろう。……『今』はな」
「……『今』?」
「そう。『今』、『この瞬間』は奴に付き合えばいい」
「…………。そうか」
 それで納得したのか、コルベールは数歩ほど下がる。
 ユーゼスは今の言葉に『戦いがそれなりに進んだら不意打ちしろ』というメッセージを込めたつもりだが、果たしてコルベールに伝わっただろうか。
 何せコルベールとは連携どころか、普段の生活においてもロクに会話もしていなかったのだ。
 ちゃんと意思の疎通がなされたか、かなり不安が残る。
 もっとも……。
(なされていなければ、いないなりに対処のしようはあるか)
 それに、どうせなら自分の手でメンヌヴィルを始末したいという気持ちは少なからずある。
 あの男に対する不愉快さや怒り、苛つきのようなものはまだ健在だ。
 では。
「はっ!」
「うぉっと!!」
 いきなり鞭を振るってみたが、首をわずかにかすめる程度で終わってしまった。
 相変わらず旗色はやや悪い。
 さて、これからどうしたものか。
「フン……、お前とはもう少し遊んでいてもよかったんだが、聞いての通り大本命が出て来てしまったんでな。悪いがここで終わりにさせてもらうぞ!!」
 言うが早いか、今度はメンヌヴィルの攻撃が始まった。
「!」
 先程までの炎の比ではない。
 この後にコルベールとの戦いが控えていることを本当に理解しているのか、と思うほどの苛烈さだ。
 魔法を繰り出すペース、炎の温度、攻撃の効果範囲、『炎弾』の爆発の威力、全てがコルベールが現れる以前を凌駕している。
 これでは『旗色がやや悪い』どころではない。
15ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 21:01:40 ID:rCX2sbV8
「チ……イッ!」
「どうした、どうした、どうしたぁ!!?」
 さすがにさばき切れなくなり、飛んで来る火の粉がユーゼスの皮膚をあぶる。
(ええい……!)
 このような回避主体ではなく防御主体の戦いの場合は、オリハルコニウムの剣ではなくデルフリンガーの方が適しているのだが……いや、あの剣のことはもう考えないようにしよう。
 とにかく、このままでは押し切られる。
 所詮、にわか仕込みに少々の能力強化が加わった程度では、本物の戦士には勝てないようだ。
 ここはコルベールの援護を期待したいところだが、どうやら隙をなかなか見つけられないらしい。
「ハハ、ハハハハハ!!」
 メンヌヴィルが魔法を唱えながら笑っている。
 どうにも癇に障る笑い声だった。
「コイツが終わったら次は隊長殿!! 隊長殿が終わったら……そうだ、その余韻に浸りながら逃げていった女どもを焼いて回ろう!! ハハハハ!!!」
 聞いてもいないのに嬉々として今後の予定を喋り始めるメンヌヴィル。
 そのセリフと詠唱の間隙を突けないものかと試みるユーゼスだったが、それは失敗に終わった。
「俺に突っかかってきた、あの気の強い女などは焼き甲斐がありそうだ!! ああ、どんな香りがするんだろうなぁ……!!」
「―――――!」
 ユーゼスの表情がわずかに強張る。
 あの気の強い女。
 おそらくはエレオノールのことだろう。
「……………」
 瞬間。
 食堂に入る前に見た、銃士隊の女の死体が頭をよぎった。
 そして、頭の中で勝手にそれとエレオノールの姿が重なる。
「……っ」
 ギリ、と歯を食いしばる。
 あの銃士隊隊員の二つの死体を見た時にはほとんど何も感じなかったのだが、不思議なことに『そういうシチュエーション』を思い浮かべるだけでふつふつと何かが湧き上がってくる。
 そしてそれに合わせて、左手のガンダールヴのルーンの輝きも強まっていった。
「ふうぅぅ……」
 大きく息を吐きながら、ユーゼスはメンヌヴィルと距離を取る。
 理由は知らないが……いや理由などこの際どうでもいい、とにかくテンションは最高値だ。
 今なら、出来るかも知れない。
「……………」
 過去にこの目で見た、そして実際に一撃を受けもした、かつての友の攻撃。
 その動きをなぞるようにして剣を横に構え、それに左手を添える。
「ん? 何だ?」
 メンヌヴィルが怪訝な顔つきになったが、構うことはない。
 今は自分のやりたいようにやればいいのだ。
「……はあぁぁあ!」
 左手がオリハルコニウムの剣の腹を滑っていく。
 それとともに、ガンダールヴのルーンの光がその刃へと移っていった。
「……!」
 そしてユーゼスの左手がオリハルコニウムの刃を滑り終えると、色鮮やかに輝く光の剣が誕生する。
(成功だ……!)
 やはりユーゼスの目論見どおり、感情の起伏によって出力値が左右されるガンダールヴのルーンと、精神感応金属であるオリハルコニウムは相性がいい。
 先の戦闘では出来なかったことを考えるに、これを行うには相当テンションを高めなければいけないようではあるが、とにかく今は成功したことを喜ぼう。
16名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:03:27 ID:9BwgJ8Qf
支援
17名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:03:29 ID:QPhhrLzI
なんと デルフが せつなげに こっちを見つめている 

思い出してあげますか?

支援
18ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 21:03:30 ID:rCX2sbV8
「ふっ!」
 『光の剣』を振るユーゼス。
 この『光の剣』のモデルはギャバンやシャリバン、シャイダーなどが使っていた宇宙刑事のレーザーブレードである。
 やり方に特にコツがあるわけではない。
 何のことはない、念の扱い方さえ知っていればおそらく誰にでも出来ることだ。
 ユーゼスはいわゆる『念動力』……サイキッカーやサイコドライバーのような力は持ち合わせていないが、念の扱い方それ自体は心得ていた。
 実際、並行世界のユーゼス・ゴッツォも念動力こそ持っていなかったが、その念でリュウセイ・ダテなどを圧倒している。
「剣の温度が上がった……? 貴様、一体何をしている!?」
「……そうか、お前は『視認』が出来ないのだったな」
 ならば今起こっている現象を理解出来るはずもないか。
 ―――まあ、メンヌヴィルが理解しようがしまいが、やることは一つだ。
「この……っ!!」
 苦虫を噛み潰したような顔で、メンヌヴィルが炎を放つ。
 つい先程までの攻撃と何ら見劣りすることのない、触れれば途端に焼死するであろう炎だ。
 その速度は決して遅くはない。
 むしろ速い。
 だが、今のユーゼスにとっては遅かった。
「はあっ!」
「うっ!!?」
 ユーゼスは炎をほぼ完璧に回避し、同時に踏み込んで一気に距離を詰める。
 恐ろしく身体が軽い。
 それに反応速度も飛躍的に上昇している。
(これが常時出せれば、苦労はせんのだが……)
 そんな感想を抱く余裕すら生まれるほどだ。
 オリハルコニウムの剣は、今や自分の一部であるかのように調和している。
 さて。
 それでは不愉快さの原因であると思われる、この盲目の男を始末するとしよう。
「………」
「ぬ、ぉお……!!」
 再び踏み込み、メンヌヴィルの懐に飛び込むユーゼス。
 対するメンヌヴィルは、防御のために杖を構えかけるだけで精一杯という様子だ。
(遅いな)
 ある種の優越感を味わいつつ、ユーゼスは剣を構える。
 そしてかつての友であり、敵であった銀色の戦士がそうしていたように剣を振り抜いた。
「―――デッド・エンド・スラッシュ!!」
 ザンッ!!!
19名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:05:02 ID:BkaIzGnq
必要気力140ってとこだろうかw
ますますデルフの存在意義がw支援
20ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 21:05:05 ID:rCX2sbV8
「ガッ……、ッ! ぁ……あ……?」
 持ち上げられていた鉄の杖ごと、メンヌヴィルの身体が切り裂かれる。
 直後、派手に血しぶきが舞った。
「ぁ…………、ぐ、……ぉ、た、た……ぃ、っちょ、……ぅ…………」
 コルベールの方に手を伸ばそうとして、そのまま倒れるメンヌヴィル。
 食堂の床が、彼の血で染まっていく。
「……ふむ」
 つい先程までユーゼスの敵だったモノは、もうピクリとも動かない。
 切り裂いた部位や角度、深さ、およびあの出血の量からして……。
「死んだか」
 取りあえずは一段落と考えていいだろう。
 向こうに目をやれば、隊長がやられた光景を目の当たりにしたメンヌヴィルの部下たちが動揺して浮き足立っており、キュルケやタバサ、銃士隊の面々、更に回復したアニエスまでもが加わって、明らかな劣勢に追い込まれ始めていた。
 ……ちなみにユーゼスはメンヌヴィルを倒した時点で個人的な目的は果たされたので、参戦はしていない。
 大勢は既に決した。
 あとは度が過ぎるほどに油断するか、余程のイレギュラーな事態が発生しない限りは大丈夫なはず。
「む……」
 気がつけば、剣の光は消えていた。
 どうやらそう長く持続するものではないようだ。
 まあ、いつまでも延々と光り続けられても困るが。
「……………」
 それでは銃士隊やキュルケたちの戦いでも眺めるか、と後ろに下がろうとして、ユーゼスは物言わぬメンヌヴィルのすぐそばに立つコルベールに気付いた。
「……蛇になりきれなかったな。副長」
 複雑そうな表情で呟くコルベール。
 元上司としては、色々と思うところがあるのだろう。
 自分もギャバンに40年ぶり(しかもタイムスリップして来たので向こうは若いままだった)に会った時はかなり複雑な心境を抱いたので、気持ちは分からないでもない。
 しかし自分の技をモデルに使われたと知ったら、あの男はどんな顔をするのだろうか。
「ゴッツォ君」
「む?」
 しんみりしかけていると、コルベールに話しかけられた。
 まあ、ここでコルベールと話をしておくのも悪くはないかも知れない。
 そう思って、ユーゼスはその呼びかけに応じる。
「どうした、ミスタ・コルベール」
「いや……結局、私はほとんど役に立たなかったからな。せっかく遠回しに『不意打ちを仕掛けろ』と言われたというのに、最後まで手が出せなかった。すまない」
「確かにな」
 ハハハ、と苦笑する禿げた頭の中年教師。
 だが……とユーゼスは思う。
 確かにコルベールは、メンヌヴィルとの戦いにおいて直接的には役に立たなかった。
 しかし自分がガンダールヴのルーンの力を引き出せたのはある意味メンヌヴィルの言葉によるもので、そのメンヌヴィルの言葉を引き出したのはコルベールの存在があったからだ。
 ……いや、それを言うのなら、そもそも20年前のダングルテールとやらでコルベールがメンヌヴィルを殺していれば、また違った状況になっていただろうが……。
 いずれにしても、メンヌヴィルが存在しようがしまいがアルビオンによる魔法学院の襲撃は行われていただろう。
 さらにメンヌヴィルとはおそらく関係のない場面、食堂に向かう前の火の塔近くの戦いにおいて、ユーゼスはコルベールに命を救われている。
(そう言えば、まだその礼を言っていなかったか)
 ユーゼスはコルベールに向き直り、あらためて礼を言うべく彼へと近付く。
 その時。
「……のんきに話している場合か?」
 やたらと殺気だった様子のアニエスが二人の前に現れた。
21ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 21:07:00 ID:rCX2sbV8
「む?」
 食堂でのメイジたちとの戦いは、いつの間にか銃士隊側の勝利で終わっていた。
 殺気だっているのは、その戦闘が終った直後だからだろうか。
(いや、それにしてはまだ戦闘態勢を解いていない)
 稽古とは言え、何度もアニエスと打ち合っているユーゼスには分かる。
 この女から出ている殺気は本物だ。
 だが、これほどまでの殺気を向けられる覚えがユーゼスにはない。
 ……まさか、今しがた見せた『光の剣』が原因なのでは―――などと考えを巡らせていると、アニエスはユーゼスではなくコルベールに剣を突きつけた。
「貴様が……アカデミーの実験小隊の隊長か?」
 そのアニエスの言葉を聞き、コルベールは真剣な顔になって頷く。
「そうだ」
「王軍資料庫の小隊名簿を破ったのも、貴様だな?」
「……そうだ」
(用があるのはミスタ・コルベールか)
 安堵するとともに、剣呑な空気もひしひしと感じたので数歩ほど下がるユーゼス。
 一方でアニエスとコルベールの会話は、そんな銀髪の男には構わずにどんどん進んでいく。
「教えてやろう。私はダングルテールの生き残りだ」
「…………そうか」
 ダングルテール。
 メンヌヴィルが話していた、20年前にコルベールが滅ぼした村。
 その生き残りが、このアニエスだと言う。
「なぜ我が故郷を滅ぼした? 答えろ!」
「……命令だった」
「命令?」
「……疫病が発生した、と告げられた。焼かねば被害が広がると……そのように告げられた。仕方なく焼いた」
「馬鹿な……。それは嘘だ」
「…………ああ。後になって私も知った。要は『新教徒狩り』だったのだ。私は毎日、罪の意識にさいなまれた。奴の……メンヌヴィルの言った通りのことを、私はしたのだ」
「っ……」
 アニエスの剣を持つ手が震えている。
 どうやらかなり感情が高ぶっているらしい。
「女も、子供も、見境なく焼いた。……許されることではない。忘れたことは、ただの一時とてなかった。私はそれで軍を辞めた。二度と炎を……、破壊のためには使うまいと誓った」
「……それで、貴様が手にかけた人が帰ってくると思うか?」
「…………。いや、思わん」
 チャキ、と両手で剣を構えなおすアニエス。
22ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 21:09:00 ID:rCX2sbV8
 彼女は強張った顔で話し始めた。
「20年だ……。20年間、私はこの日のために生きてきた。ずっとこの日を待っていた」
「……………」
「ダングルテールを襲撃するように指示したリッシュモンは殺した。お前やあのメンヌヴィルという男以外の、実験小隊の生き残りも殺して回った」
 腰を落とし、刺突の構えを取る。
「それも貴様で最後だ……。……さあ、我が故郷の仇! 討たせてもらうぞ!!」
(ならば私は完全に無関係だな)
 ユーゼスは一連の話を聞いて、もう二、三歩ほど下がった。
 おそらくはこれからアニエスとコルベールとで戦うのだろうが、それに巻き込まれてはたまらない。
 ……命を救われたコルベールに借りを返したいという気持ちもないではないが、いくら借りを返すとは言え、それで怪我をしたり命を落としたりするリスクを考えれば、嫌だと言わざるを得ない。
 借りを返すのならば、もっと安全に返したいというのがユーゼス・ゴッツォの偽らざる本音だった。
「……………」
「―――――」
 そんなユーゼスの心境など露知らず、アニエスとコルベールの間の空気が張り詰めていく。
 アニエスはいつでも飛びかかれるようにタイミングを計っており。
 コルベールはいつでも迎え撃つことが出来るように杖に炎をチラつかせている。
 そして。
「う……ぉぉおおおおおおおおっっ!!!」
「!」
 叫びと共に、アニエスがコルベールへと突進していった。
 防御や回避など全く考えていない、『刺し違えること』を前提とした攻撃。
 やられる方にとって、これほど恐ろしいことはあるまい。
 なにせ向こうは死を覚悟しているのだから、ちょっとやそっと攻撃したくらいでは勢いを鈍らせることすら出来ないのだ。
「―――――」
 しかしコルベールは特に慌てた様子もなく、極めて冷静な様子で杖を突き出す。
 その杖の先端からはコルベールの細い身体や、普段の温和な様子からは想像も出来ない巨大な炎の蛇が出現し……それを見たアニエスはますます踏み込みを鋭くした。
「む?」
 何かに気付いたユーゼスが疑問の声を上げかけるが、もう遅い。
 アニエスがコルベールの懐に入り込む。
 互いにとって必殺の間合い。
 そんな空間の中、コルベールはアニエスよりも一瞬早く杖を振って、
「―――――」
 そのまま杖を投げ捨てた。
「!!??」
 困惑するアニエス。
 だが手遅れだ。
 ドスッ
「ぐ……ぅ、っ……」
「な―――」
 既に十分過ぎるほどの加速がついていたアニエスの身体は止まらず、そのままコルベールの胸に復讐の刃を突き立てる。
 コルベールは刺された箇所は無論のこと、口からもゴボリと大量の血を吐き出し……。
「っ…………、」
 そのままアニエスにもたれ掛かるようにして、倒れていった。
23ラスボスだった使い魔 ◆Vxqagm.6NNBM :2010/01/22(金) 21:10:40 ID:rCX2sbV8
 以上です。

 16巻で才人がドゥドゥーに使った『光る刀』を読んだ時に「コイツは使えるかも」と思ってましたが、ようやくそれを実行に移すことが出来ました。
 で、やっぱりこの一族の必殺技ときたならば『デッド・エンド・なんちゃら』だろうと考えた次第です。
 ……まあ、OGシリーズを久し振りにプレイしたら、また「コイツは使えるかも」と思ったってだけなのですがw

 ちなみに現在のユーゼスの戦闘力を不等式とかで現しますと、

 特撮モノのヒーロー>特撮モノの怪人>ガンダ全開ユーゼス>特撮モノの戦闘員≒ガンダ発動してないユーゼス

 このくらいです。
 なお、宇宙刑事のレーザーブレードをモデルにしたと書いてはおりますが、劇中でユーゼスが使った技とギャバンダイナミックあたりをぶつけ合わせた場合には確実に後者が勝ちます。

 さて、これで書き溜めていた分は消化してしまいましたので、次回の投下までにはまた間が空くことになると思います。
 EXCEED発売までには次話を書き上げたいな、と考えておりますが、さて。

 それでは皆様、支援ありがとうございました。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:12:21 ID:BkaIzGnq
ラスボス氏乙!
ギーシュとどっこいだったユの字も強くなったな
25名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:13:24 ID:QPhhrLzI

やっぱりアニエスさんは監視も命令されてたか
26名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:30:03 ID:DU6Gcx8Q
コルベールせんせぇぇぇぇぇ?!
SeeDに引き続き、まさかラスボスでもコルベール先生の命の火がッ?!
27名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:32:43 ID:2kSA7vGG
ラスボスの人乙
ほんとこいつらはデッドエンド好きだよな
28名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:50:37 ID:cm+R9UYQ
ラスボスさん乙
戦闘員以上怪人未満…またなんとも微妙な強さw
29名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:52:35 ID:KuskIWqq
ラスボスさん乙!
未来を変えようと積極的に過去に介入してましたっけ
ヒイロたち・・・カトルにいたっては街中にゼロ放置しましたっけなぁ
いやぁ懐かしい
>ほんとこいつらはデッドエンド好きだよな
やがてこのユーゼスも余裕で繰り出せるようになったら「フフフ・・」が・・・

しかし先生・・・見事にクリーンヒットしてしまったか
まぁ大丈夫・・・大丈夫・・・だよな?

そしてこないだのSeeDではメテオだったわけですが
[のメテオが思い出せないのでZやDFFで想像してしまいましたが
いずれにしてもラスボスさんとこのワルドほどじゃないにしろオーバーキルですなぁ
DFFの不完全詠唱だとたいてい命中しないんだよなぁ
30名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 21:58:44 ID:TGSSjEgZ
乙ー
電波人間タックルくらいの強さ?
31名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 22:17:05 ID:C6CHU2Vt
ラスボスさん乙
冥界に行けとかも好きですよねw
32名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 22:23:38 ID:QEXD9nw9
うはー
ラスボス乙!
33名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 22:25:06 ID:9BwgJ8Qf
ラスボスの人、乙であります
ユーゼスの、なんとも微妙なポジションの強さがw
でも、熱血になって暴走するって言うのも無理だから、あれぐらいなのか……
コルベール先生の無事を祈っております
34名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 22:32:30 ID:nnVEQt9V
投下乙ー

そのうちブチ切れて神様なっちゃわないかとひやひやしたw
35名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 22:32:55 ID:e54jyO0H
ラスボスの人

フフフ……デッド・エンド・乙


まぁ、本編でだってあれで生きてたんだから、きっと……

……けど、あれってキュルケが居たからだよな。
こっちではフラグ立った覚え無いし……うーん、やばいかも。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 22:50:04 ID:fkVq9eRl
スパロボZのグローリー・スターを召喚したら
37名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 23:01:17 ID:KuskIWqq
>>36
ジャパニメーション大好きのトビー大喜び
順序的に決闘イベントでデンゼル死亡・・・あれ?埋められない溝が出来てしまう・・・

ふと偽トビーのアレとゾンビウェールズのイベントが被りかけたような気がした
38名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 23:08:12 ID:xP8pACPz
ラスボスの人乙でした〜。

まあ、あれだね、ユーゼスは今回の事もカトレアに話す事になるんだろうか?
前回でどこまでゲロする羽目になったか想像するだけで愉しいんだけどさあw
39名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 00:53:14 ID:FQTCzMGd
ラスボスの人乙です。

デッドエンドスラッシュはまあ、
OG’sでシシオウブレードをイングラムに使わせれば言うから特に違和感無しw。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 01:56:52 ID:OPKMMjfI
諸君らが愛してくれたデルフの出番は消えた!何故だ!?
41名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 02:56:34 ID:Sxz16HNs
ノボル神が困ったからさ
42名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 07:43:46 ID:C0op6Uy5
>>36
ギーシュ「まずは君の心と身体に貴族に対する礼儀というものを刻み付ける!!」
シエスタ「いやぁぁぁぁぁぁ助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
コルベール「だめだ、ここからでは間に合わん」

・・・最終回一話前くらいで死にますね

えー、じゃあ発想を変えてルイズが悲しみの乙女のスフィアを召喚同化
虚無の威力に補正かかります
必要イベントも揃ってる感じだし
でも最終的にアサキムに勝てる気はしないぜ
43名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 11:28:08 ID:XNrC+LTQ
ルイズがセッちゃんの「不幸になれば不幸になるほど強くなるスキル」を修得すると申したか
44名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 11:29:34 ID:+sO8HA9u
「獅子咆哮」みたいだな
45ゼロと女神の戦士(仮称):2010/01/23(土) 12:54:41 ID:b9nObagY
ペガサス星矢(原作終了後)を召喚する話を書こうと思います。
いろいろと考えてみたらこれが一番書きやすそうだったので。
46名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 13:22:06 ID:A9Xe9ynB
虚無だってまあ負の感情チャージでパワーうpだから似たようなもんじゃね?
47名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 14:29:53 ID:MjI/acaj
>>45
頑張って書いてください。
ところで、星矢って結局どうなってるんだろう
48名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 14:45:37 ID:YPler/zp

アルビオンは大量の風石によって浮いていて、
いつかハルケギニアのおよそ5割近くがアルビオンのように浮遊大陸と化し、

そして風石が消費されて支えきれなくなったら落ちてくる。


どうすんだよ、この設定……。
49名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 14:57:09 ID:nth2Qg4c
>>47
どの星矢?
車田版なら作者が富樫よろしく放り出して逃げた
LCなら全開バリバリ進展中
岡田版は・・・・・・・どうだったっけ?
50名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 15:03:47 ID:A9Xe9ynB
>>48
虚無の使い魔は人間なのに呼ばれるのが人間じゃないご立派とかな場合ならそんなん無視してOKじゃね
大体ころころ後付けがでるんだから全部の設定なんて追っかけてたらきりが以下略
51ゼロと女神の戦士(仮称):2010/01/23(土) 15:17:26 ID:b9nObagY
>>49
時期的にはハーデスと戦った後で車椅子生活をしている。
52名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 15:34:00 ID:Vyhx0689
廃人状態だと復帰するまでの過程必要になるけどそういうのはすっ飛ばして欲しいので
死んでた人間が召喚されて助かってるってパターン宜しく精神肉体共に復帰してる状態にしてくれ
53名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 15:37:34 ID:Vyhx0689
そういや聖衣は生きている的には聖衣のみ召喚で聖闘士ルイズってのも
タバサはキグナスでキュルケがフェニックスの聖衣召喚
アンドロメダとドラゴンは誰にするか……
54名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 15:51:08 ID:nth2Qg4c
アンドロメダ・・・・・・テファ?「来ないでください・・・・誰も傷つけたくないんです」
ドラゴンシエスタにフェニックスはコルベールがいいと思う


で、ヒドラのギーシュ
55名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 16:04:31 ID:+sO8HA9u
いや蟹だろう
56名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 16:07:42 ID:Vyhx0689
ハゲのフェニックスは嫌だー
57名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 16:12:57 ID:PNBX+6W5
>>53
きちんと鍛えてないと扱える代物じゃないだろあれは。
つーか、それ以前に聖闘士、それも最悪黄金の人達辺りが世界の壁を乗り越えて
全ての聖衣を取り戻しに来るフラグが立ってるのがな。
まあ、そうなったらその時点でルイズ達終了確定だが。
あんなもん勝てる相手じゃない。
やらかした事が事だけにもう話し合いが通じる状況じゃないし。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 16:29:01 ID:nth2Qg4c
でもカリン母さんなら扱えそうな気がする
それにデスマスク以外なら事情を説明すれば聖衣返せば許してくれるんじゃなかろか


空気読めないルイズがいらんコトほざきそうな・・・・・・
59名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 16:31:51 ID:/UzfVq7I
それ以前に、私利私欲に走った人間が聖衣箱あければ
パンドラの箱よろしく怨念・悪霊が飛び出してくるんだ。
#一巻の魔鈴さんの話ね。

召喚直後のルイズが開けたら黄金の襲来待たずにトリスティン自体終わりじゃね?
60ゼロと女神の戦士(仮称):2010/01/23(土) 17:59:19 ID:b9nObagY
>>52
>>57
>>59
色々と意見ありがとうございます。
もうちょっと考えてから書いてみますね。

個人的には蛇使い座の聖衣をフーケに着せてみたい。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 18:14:36 ID:+sO8HA9u
ここだとsageなくてもいいらしいけど、やっぱりsageといた方が角は立たないと思うよ。
あと書き上がってから名乗って! 投下来るのかとオモタよ!
62名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 18:49:39 ID:4rD+m6j7
>>60
なんでずーっとageてるの?
テンプレすら読んでないの?

>>61
「sageなくてもいいらしい」ってどういうことだ?
63名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 18:52:50 ID:+sO8HA9u
>>62
…あれ。少し前にageるのsageるので揉めた時にそんな結論になってた気がしてたけど気のせいだったみたいだ。
テンプレはもう長いこと読んでなかった。ごめんなさい
64名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 18:57:00 ID:4rD+m6j7
>>63
それがいつの話だか知りやせんが、テンプレにはキッチリと書いてありますぜ旦那。
・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。

書き上がってから名乗って欲しいってのは同意w
65名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 18:58:38 ID:XNrC+LTQ
今夜は投下あるかなー
66名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 19:26:42 ID:izeJoR4F
新作発売直前記念ってことで、アルトネリコ2よりルカ&クローシェ召喚を書こうかなと
需要?なにそれおいしいの?
67ゼロと女神の戦士:2010/01/23(土) 19:30:05 ID:b9nObagY
投下します。
「聖闘士星矢」(原作終了後)からペガサス星矢を召喚


ゼロと女神の戦士

風を感じた。まるで母親に頭を撫でられたような優しい風。いや、その表現はおかしいかもしれない。
何故なら彼には母親の記憶がないからだ。あるのは・・・
優しかった姉、星華。
厳しく頼りがいのある師、魔鈴。
力を合わせて戦った熱き血潮の兄弟たち、紫龍、氷河、瞬、一輝。
そして・・・女神。


「沙織さん!」
「きゃっ!」
彼は目覚めた。すぐ横には驚いて尻餅をつく少女。周囲には少女と似たようなマントを身につけた大勢の人々。何かがおかしい。
(何で俺はこんなところにいるんだ。冥界は、ハーデスはどうなったんだ?)
彼はゆっくりと立ち上がると、そばにいる少女に声をかけた。
「悪い、驚かせちまったな、ここは何処なんだ?まさかエリシオンなんかじゃないよな?」
立ち上がらせようと手を差し出す。すると少女はその手を撥ね除け、一気に立ち上がると彼に向かって怒鳴り始めた。
「な、なななな何が"悪い"よ!いきなり大声で叫んで、訳の分かんないこと言って、何でアンタみたいなのが召喚されるのよ!」
「え、召喚?」
それを合図にしたかのように、クスクスと笑い声がし始めた。それはやがて大笑いへと変わる。
「さすがゼロのルイズ!そんな変な平民を召喚するなんてな」
「傑作すぎて笑いが止まらないぞ」


「・・・・・・くっ」
ルイズと呼ばれた少女は服の端を握りしめて必死で耐えている。彼にはこの状況がまるで理解できなかったが、この少女が悲しんでいることは理解できた。
「お前ら!何がおかしいんだ!よってたかってこの子を虐めるのは止めろ!」
「うるさいな、平民は黙ってろ!」
「そっちこそうるせぇ!平民とかどうとか言いやがって、これ以上この子を虐めるんだっら俺が相手になるぜ!」
ルイズは顔を上げて彼を見た。彼の顔にはルイズを助けようとする意思がはっきりと見て取れた。
「あ、アンタ・・・」
ルイズにも他の生徒にも、彼が発した言葉は予想外すぎる物であった。今にも争いが起こりそうな雰囲気の中、教師のコルベールが彼に話しかけた。
「あの、すみませんが」
「ん、誰だアンタ」
「私はこの生徒達の引率をしているコルベールという者です。突然の事で驚かれているとは思いますが、まずは私の話を聞いていただきたい。あなたはここにおられるミス・ヴァリエールの"使い魔"として召喚されたのです」
彼は数秒考えた。だがこれっぽっちも考えがまとまらなかった。召喚、使い魔、見事にさっぱりである。
「な、なあアンタ、えっと」
「コルベールです。そうだ、良ければあなたの名前も教えてもらえますかな?」
彼は名乗った、聖闘士として名乗り続けた自分の名前を。
「俺はペガサスの聖闘士、星矢だ」


今度はルイズとコルベールが首をひねる番となった。
「"ペガサスのせいんと"って、アンタ何者なの?」
「はて、"せいんと"とは何なのですかな」


星矢、星矢、答えて星矢・・・・
68ゼロと女神の戦士:2010/01/23(土) 19:32:25 ID:b9nObagY
以上です。当然ですがまだ続きます。

>>61
>>62
>>64
変な書き込みをしてしまってすみませんでした。
69名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 19:33:25 ID:wYL3MrHE
とりあえず、sageられない奴は嵐扱いで放置でいいよね。
70名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 19:41:28 ID:CfzYD5wP
自分としては興味あるんだが、一応テンプレを読んでおくべきだな
それとある程度書き溜めてから投下したほうがいい
71名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 19:44:32 ID:4rD+m6j7
いや、こいつ何にも知らんだけじゃないか?

>>68
ここ2ちゃんねるだって分かってる?
もしかして検索していきなり来たから分かってなかったりするのかな?
とりあえず、書き込むときには名前の横にあるE-mailって所にsageって書いてね。
それが出来たら>>1にあるルールを読んで、理解できたら参加してね。
72名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 19:46:41 ID:+sO8HA9u
・・・優しい人が多いなオイw
73名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 19:48:47 ID:4rD+m6j7
>>72
個人的には、理想郷さんで忌憚のない感想を頂いた方が彼の為だとは思いますけどねw
74名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:09:08 ID:X8SLRzg6
初見さんだし無下に扱うのもなんだろ。
一応こっちは楽しませてもらってる側だ。
それなりの礼儀はとらんと。



そういやウル魔の人こえねな。
今回はやすみだっけ?
75名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:12:56 ID:GBj6tALr
おちついてきょうはなんようびかかくにんするんだ
76名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:24:31 ID:/7HUuCrO
今日は土曜だねw
77名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:31:51 ID:rRbRK78x
>>48はどういう意味?と想いながら新刊手にとってタイトルで解ってしまった…。
ひどいネタバレしやがって…畜生! 明確なルールでなくても、そこらは考えて欲しかったんだぜ。

バラすにしても程度というのがあるだろうに。
ネタバレ






エレオノールは処女



くらいならまだしも。
78名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:41:02 ID:4rD+m6j7
>>74
ageながらそんなこと言われても、本人にしか見えんわw
礼儀の話をするならテンプレすら理解してない上に、何が問題だったのかを理解せず形だけの謝罪をしてage続けてる奴にもしてやってくれよw

>>77
きっと新刊では空から女の子が落ちてきたり、ミス・シュヴルーズ(正体はフーケに続いて盗賊)に「40秒で支度しな!」とか言われるんだよ!
79名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:50:29 ID:+E3jXo7V
これで1話か
いわゆる作家気取りって奴・・・?
80名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 20:58:20 ID:qAY+/qjk
残念だがこれはまとめサイトには載らない
81SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2010/01/23(土) 20:58:26 ID:6ne8bi7P
他にいらっしゃらなければ21:00より、参ります。
82SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2010/01/23(土) 21:00:03 ID:6ne8bi7P
mission 16 Never Look Back


 この年、トリステイン、ゲルマニアの両国は、不況だった。
 得るものの少なかった戦役によって財政は逼迫し、それが農民達へのしわ寄せとなって現れていたのだ。
 上納分どころか、自分たちが食べる分でさえ確保が難しい状況にあって、領主達は税を納めろとしつこく詰め寄ってくる。
 トリステイン、ラ・ヴァリエール公爵のように、公明克つ有能な領主等は逆に私財を切り崩して領民を餓えさせぬように施策を行ったが、大半の貴族達はそうした義務を忘れ、ただ権利のみを求めたため、多くの農民が食うに困る生活を送ることとなった。
 そんな時期に、ゲルマニアの一角でその事件は起こった。
 その家も多分に漏れず、税を納められない家だった。
 取り立てに来た役人が、しきりに祖母を殴打し続けるのを見ていられなくなった孫の少年は、数ヶ月前村を訪れたおかしな二人組に教えられた技を使った。すなわち、擬似魔法だ。
「ドロー ファイア」
 炎に撃たれた役人は男爵家の三男坊であり、ドットとはいえ火メイジであった。すかさず杖を抜き、生意気にも刃向かった少年に自身の炎を浴びせてやろうと詠唱を始めた。だが
「ドロー ファイア」
 二度目の擬似魔法は的確にその手の杖に当たり、役人は杖を取り落としてしまった。
 慌てて杖を拾おうと伸ばした手は、少年の足で踏みつけられ、逃げようにも手が押さえつけられて身動きが取れぬ状況で三度目の炎をその身に受けた。
「ドロー ファイア」
 役人は死んだが、付き従っていた衛兵は生きてその場を逃げ出した。
 メイジを殺してしまった。
 すぐさまその事実が村全体を駆けめぐり、意見は真っ二つに割れた。
 その少年を領主に突き出すことで事態の安静を計ろうとする者と、こうなったからには徹底的に戦うべきだと主張する者。
 前者は年寄り達であり、後者は年若い、特に当の少年と親しく、同じく擬似魔法を身につけていた青少年達だった。
 この二派と、子供達と親達、どちらに付くべきかと悩む中年層が、何かを決定するよりも早く、衛兵達に知らせを受けて領主が派遣した一個小隊が派遣されてきた。
 メイジ三名を含むその部隊を、制止も聞かずに青年達がいくらかの犠牲を払いつつも撃退してしまったことで、事態は加速度的に悪化していくこととなる。


 そんな事件より一月。二週間前に、恐れていた事態が発生したと認識したスコールだったが、結局何も出来ないままようやくに戦場跡の一つへ訪れていた。
「……酷い有様だな」
 戦場跡というものは得てして悲惨なものだが、それでもアニエスにとってこれまで以上に悲惨な光景と見えた。
 肉が炎で焼かれ、凍り付けのまま砕かれたらしい死体が腐臭を放つ。
 そんな場所が、これまでの10倍はあった。魔法が蔓延化した結果だろう。
「奴らめ、本気でメイジを滅ぼせるとでも思っているのか?」
 ガリア王ジョゼフの企図した通り、火種が付いてあっという間にゲルマニア全体へ燃え広がった反乱の炎。発端となった土地の名前をとって『ポツダムの旗』を名乗り、ある程度のまとまりと統率を持つ軍のようになった彼らの掲げる目標は、メイジを排除した世界だ。
83SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2010/01/23(土) 21:03:13 ID:6ne8bi7P
「現実問題として到底不可能な事だと理解している奴も居るだろうが、否と言えない状況なんだろう」
 一種の集団的ヒステリーが引き起こされていると言えるだろう。元よりゲルマニアの非メイジ階層は他の国に比べて上昇志向が強い。そこへ、今回の事件だ。思ったよりも戦えている自分たちに不可能はないと酔ってきている可能性がある。
「せめて、ゲルマニア一国で事が収まってくれれば良いが……」
 現状を考察した二人の結論として、ゲルマニアは――少なくとも現行の王朝は――敗北するというのはほぼ確定事項と見ている。
 系統魔法と擬似魔法が直接戦った場合、ハルケギニアで入手出来る擬似魔法の関係上からも、そもそもの威力からも、擬似魔法側に勝ち目はない。
 だが、今回は数が違いすぎた。
 『ポツダムの旗』のほぼ全ては擬似魔法の使える者達で構成されている。対するメイジ側の軍勢は一般の兵士達からかなりの数の脱走兵が出て、更にその大半が反乱軍に合流するという有様だった。
 誰だって勝てる方に付くし、何より今回、実情はどうあれ『ポツダムの旗』は平民対貴族という名目を掲げている。貴族方に付きたがる平民は少ない。
 結果、前衛を務めるべき兵士が居ないままに、メイジ達は必死に詠唱を行いながら擬似魔法と雨のように降ってくる矢にその身を晒すこととなったのだ。
 スクウェア・クラスのメイジ等ならば、一度に十数名を屠って見せたが、数十名を前にしては風の前の塵に同じ。
 唯一優位を保って戦えたのはドラゴンやマンティコア、グリフォンに乗って空を駆ける騎士達だったが、歩のない将棋は負け将棋。結局防衛対象を守りきることが出来ずに戦略的敗退を続けていた。
 そしてこの戦場は、ゲルマニアの帝都ヴィンドボナの目と鼻の先。今頃帝都では包囲作戦が展開されているだろう。
(空路からの補給はあるだろうが……それもいつまで保つか)
 艦隊そのものが押さえられるのも時間の問題かも知れない。
「レオンハート、思い詰めた顔をして居るぞ」
「ああ……俺に責任がない、と言ってしまうのは簡単だが、全く無関係の事態でもないからな」
「決めたんだろう。お前は介入しない、と」
「……そうだ」
 以前から想定を続けていた、今回の事態。いざ直面してスコールの出した結論は不干渉だった。
 擬似魔法がこのハルケギニアにあって異質だと言ってしまうのは簡単だ。だが、ジョゼフによって拡散された擬似魔法を今更どうやって無くせと言うのか?
 擬似魔法を完全消滅させるのは、平民の大半を殺すことと同義といえる。そんなこと誰にも出来やしないし、出来たとしても、結局はメイジ達とて困るのだ。
 かといって彼らと同調するのもまた論外だ。メイジを排除すればハルケギニアが立ちゆかなくなるのも自明の理である。故に選んだ選択肢。現状に対しての不干渉の立場。
 だがこれがもし、本気で一方が一方を全滅させるような意図を持ったのならば……。
「……行こう。任務があるからな」
 踵を返してスコールはラグナロクへと歩き出す。
 現在のゲルマニアで大半の傭兵は『ポツダムの旗』についており、オーク等は放っておかれっぱなしだ。元々、そうした連中に対処するため、という名目で触れ回っていた擬似魔法を、使える者の悉くが反乱軍の方に加わっているのだから、バカバカしい話だ。
 故に現状にあってスコールのやることに変わりはなかった。


 北方の雄ゲルマニア帝国は、事実上壊滅した。
 皇帝とその家族はアルビオンのゲルマニア占領地に落ち延び、大半の貴族も近隣諸国へ亡命。残ったのは、反乱当初から『ポツダムの旗』に荷担した目端の利くメイジと、元々貴族の地位を持っていなかった傭兵メイジだけ。
 それ以外のものは皆、戦死するか粛正されていた。
 現在『ポツダムの旗』は、ゲルマニアを抑えたことで今は内政に力を向けている。
 だが、完全制圧を成したとき、彼らはどのような対外交渉を行うのか?
 半年前のレコン・キスタはアルビオンを抑えた後、トリステインへとその牙をむけた。
 メイジの排除を謳う彼らが同様の行動に出るのは、より可能性として高いと言えるだろう。
84SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2010/01/23(土) 21:04:13 ID:6ne8bi7P
 ゲルマニアを討ち滅ぼした敵。現在のトリステインが太刀打ちするのは難しいだろうことは想像に難くない。
 そう推測しているトリステインの宰相マザリーニ枢機卿が進めているのが、傭兵スコール・レオンハートとその相棒のアニエスの抱き込みである。
 四ヶ月前、魔法学院で発生した事件により、傭兵アニエスの目的を銃士隊より聞き知ったマザリーニはすぐさま旧魔法研究所実験小隊の面々及びあの事件関係者の現在の状況を調べさせてみて、愕然とした。
 20年の間に病死や事故死、戦死したものを除いて、ここ半年の間に全ての者が死んでいる。それも、原因不明の突然死やコルベールと同じく空から降り注いだ隕石によって死んだ者が大半なのだ。
 偶然と呼ぶには余りにも不可解すぎる出来事だ。
 ハルケギニアでも流れ星が隕石の見え方の一つだという概念はあるし、空から降ってきた石、として好事家には高額で取引されたりもしている。
 それらの大半は偽物らしいが、それは今は関係ない。どちらにしろこうも頻繁に隕石が落ち、その全てが一定の関係者というのはもはや不可解の域を超えている。考えられるのは……
(擬似魔法には、隕石すら操れる力もあると言うのか……!)
 それはマザリーニにとっては戦慄すべき事実であった。明らかになりつつあるその力が『ポツダムの旗』共々自分たちに向けられると思うとゾッとする。
 だが、ここで改めて思い直してみれば、スコール・レオンハートは消極的で過ぎるほどにトリステインに、政治に関わろうとはしていなかった。
 何か別のことをたくらんでいるのではないかとかえって疑りもしたが、今回の件で判ったことの一つに「やろうと思えばとっくに自分は殺されている」という事実がある。それも、誰にも証拠は掴ませないままで、だ。
 ここまでくればほとんど確信じみてくる。あの男に国をどうこうしようという気は全くない。
 ならば政治屋としてのマザリーニが腐心すべきは、何とかしてスコールをトリステインの側に引き込み、新政ゲルマニアに対抗する手段を模索するのみという訳だ。
 もちろん責め立てたのでは却って反心を招くだけ。ならば彼らが欲しがる何かを用意しなければなるまい。シュヴァリエという一種政治的地位は以前あっさりと蹴っている。ならばやはり金か。それも、しっかりとつなぎ止めておけるほどの大金を……。
「宰相閣下」
 そんなところへ、書簡が届けられた。
「教皇猊下から?」
 枢機卿であるマザリーニだ。もちろん年に何通か、形式・実務を問わず教皇庁との手紙のやり取りはある。しかし教皇自身の名で来るのは珍しい。
 だが、こんな状況下だ。『ポツダムの旗を名乗る異端者達に云々』という内容であろう、と当たりを付けて封を切って読み進めていく。と、見る間にマザリーニの顔色は変わっていった。
「何だ、これは!?」


 自身の計画通りゲルマニアで反乱が起きたと知り、ガリア王ジョゼフは快哉を叫んだ。
 彼の予測の通り、集団戦法をとれば擬似魔法は十二分に系統魔法と渡り合ってみせ、ついにゲルマニア皇帝はまだ勢力の残っている占領地であるアルビオンへ脱出。ここに事実上ゲルマニア帝国は崩壊した。
 このままで行けば小国のトリステインもそのまま併呑するだろうと思えたが、そこで横槍が入った。
「まだだ!まだそれは早すぎるぞ、教皇っ!」
 ロマリア教皇からトリステイン王宮、そして各貴族へと送られた手紙の内容を知ってジョゼフは顔をしかめた。
 その書簡に曰く、
『今代のトリステインにはより王に相応しい者が居る。それは虚無の系統を継ぐラ・ヴァリエール公爵の三女である。現在ゲルマニアにて発生している邪教を信望する異端者達に対抗するため、彼女を頂点としてトリステインはすぐに大勢を整えよ』
という通達だった。
 普通ならば、教皇とはいえ他国の指導者から王位について口を挟まれれば内政干渉に当たり、一顧だにされないどころか大顰蹙を買うところであろうが、今回は事が事だ。
 虚無が現れたのならば、成る程その者を王位に付けるのが妥当であろうと考えるのがブリミル教徒であり、ハルケギニアの常識なのだ。恐らくトリステインはこの流れで固まるだろう。
85名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:04:58 ID:a8kGU3/A
お前ら!何がおかしいんだ!よってたかってID:b9nObagYを虐めるのは止めろ!
これ以上この子を虐めるんだっら俺が相手になるだっら!
86SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2010/01/23(土) 21:05:18 ID:6ne8bi7P
 報告を受けて、つまらなそうに頬杖を付きながら、ジョゼフは盤上のビショップをつま弾いて倒した。
 ジョゼフとてルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの事は前々から知っていた。教皇も同じだろう。だが、今トリステインが虚無の下に一丸となられては、ゲルマニアの反乱軍は壊滅・分散しかねない。
 ジョゼフの企図した、ハルケギニア全土を巻き込む戦乱へ持ち込むには、まだ擬似魔法の勢力が不安定なのだ。
 これから面白くなるはずだったところで水を差され、胸に抱き始めていた興奮も冷めたジョゼフだったが、もちろん教皇からの介入を予想していなかったはずもない。その為に、アレを温存してきたのだ。
 投入時をここと見定め、ゲルマニアの『ポツダムの旗』へ移送する手配を行った。


 教皇からの直接の書簡に、度肝を抜いたトリステインの貴族達だったが、その中でも憤りを示したのは彼らだけだった。
「なんという……何ということをしてくれたのだ、猊下は!?」
 一躍時の人となった少女の親、ラ・ヴァリエール公爵その人である。
「ルイズが……あの子が虚無……!?」
 夫が読み終えた後の手紙を受け取って、夫人もまた言葉を失っていた。
 手紙にはルイズが虚無であるという理由・根拠についても事細かに述べられていた。
 普通の系統魔法が使えぬ事、使う魔法使う魔法が爆発してしまうこと、王家の血を引いていること、それら全てが、確かにルイズと一致していた。
 公爵は娘達があまり大っぴらに社会で動くことを快く思っていなかったが、それは別に男尊女卑だとかそんなつまらない理由からではない。
 世の中というものはそうきれい事ばかりが通用するものではなくて、時として望まないながらも人の恨みを買ったり、誰かの陰謀に巻き込まれたりしてしまうものだ。
 特に政治というものはその色が強く、王族なんてその渦中も渦中。ど真ん中だ。
 現在の国際情勢、虚無という特殊性を考えれば、ルイズがその渦中に放り込まれることは避けられまい。
「……トリスタニアへ行く」
「お待ち下さい」
 眉根をつり上げ、それだけ言った公爵に夫人が声をかける。
「止めないでくれ、カリン。猊下からの書状と現在のトリステインの情勢ではもはや流れは決まったようなもの。せめて、せめてあの子の手助けだけでもしなくては」
「ええ、ですから、私も参ります」


今回はここまで。
田舎故まだまだ新刊入手には時間がかかりそうですが、何かエライことになってるみたいですね。
こちらに反映するかどうかはまだまだ情報不足で決めかねていますが、どちらにしろストックが尽きてきているのでまたしばらく休ませてもらいます。
……結構書きためたつもりだったんだけど一月もたないか……
では、また。
87名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:06:05 ID:a8kGU3/A
あっ、シコールさん投下中にすんませんした!
自己投影キャラでのハルケギニア凌辱オナニーの邪魔しちゃいましたかね?
88SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2010/01/23(土) 21:07:23 ID:6ne8bi7P
しまった、本文もう1パート入れ損なってました。ここまでで今回分です。↓

「あり得ることなのか?」
 疑問をありありと顔に浮かべてスコールは尋ねるが、別にアニエスだってハルケギニアの判断基準全てを知っているわけではない。
「普通は、無いのだがな。このような事……」
 答えるアニエスの方も考え込みながら応じる。
「だが、噂通りあのヴァリエール公爵の三女が虚無であるというのなら、隣国でメイジが排除されようとしている異常事態にあって、そこに対抗するのに虚無を頭に据えるというのは判る話だ。
 我々にとってはそれだけ始祖の存在は大きい」
 虚無の曜日、教会へ行ったアニエスと買い物を済ませてきたスコールが語り合う午後の酒場。教会で仕入れてきたアニエスの情報は大きく社会を揺るがすものだった。
(始祖ブリミルに、虚無……)
 スコールでもある程度のことは流石に知っている。6000年前に現れた最初のメイジだとか、4つの使い魔を従えたのだとか。
 だが、それよりも今問題なのは、現実としての虚無メイジの戦闘力だ。もし、これが『魔女』に匹敵するようなものであるなら、ゲルマニアの反乱軍は皆殺しにだってされかねない。そうなれば今度は擬似魔法が徹底的に悪者扱いされる可能性も出てくる。
 広めたのはスコールでないにしろ、ハルケギニアで最初に擬似魔法を用いたのは間違いなくスコールなのだ。事は無関係ではない。
(一度オダイン博士の意見も聞いた方が良いか)
 アニエスも伝説以上のことは知らないと言っているが、あの研究者なら何か知っているかもしれない。
89名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:08:54 ID:a8kGU3/A
乙でシコー!
90SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger:2010/01/23(土) 21:09:10 ID:6ne8bi7P
>>87
いえ、ミスは誰にでもあることですので、お気になさらず。
91名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:10:48 ID:a8kGU3/A
ミスしたら直さないとダメですけどね
投下する場所の選択とかね
92名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:18:49 ID:l/uI90Ni
Seedの人乙でした。

此処に来てようやくゼロ魔メインキャラが動き始めたようですが、この状況でルイズ大丈夫なのか?

ルイズは精神的な成長してない&状況受身だし、アンリエッタは完全にお飾り。下手したらこれで失脚?
キュルケはゲルマニア反乱の煽りを受けてそうだし、タバサに至ってはスコールとの繋がりが皆無・・・。

これだけ見ると絶望的やね・・・
次回も楽しみにしています。
93名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:20:45 ID:a8kGU3/A
シコールでSeedって上手いタイトルだよね。
94名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:25:55 ID:jPVCjsts
投下乙です。
さてここからルイズはどう動くか…
95名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:28:05 ID:A9Xe9ynB
ルイズは正直トップに立っちゃいけない類の人間だろ・・・・
まああの世界の王族関係者はろくでなしだらけだからしょうがないが
96名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:32:44 ID:wYL3MrHE
あの年頃ならから回るのは普通だし、知識はあるんで、経験を積めば悪くないレベルの為政者になりうる可能性はあると思うが。

逆に、あの年ですでに完成している方が、長期的には失敗フラグが立っていると思う。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:39:16 ID:oobX0mUf
ラチェット&クランクシリーズからキャプテン・クォーク召喚
ハッタリとコケオドシと他人の成功横取りライフで
たちまちハルケでも一躍ヒーローデビューするだろうな
98名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:39:32 ID:XNrC+LTQ
スコール乙。

>>96
よく「アンリエッタは17歳だから仕方ない」って擁護を見かけるが、それって免罪符になりえるのか?
99名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:43:30 ID:wYL3MrHE
>>98
なんない。
ただ、ルイズの場合まだ父親もいるし、そのあたりを任されているわけじゃないんで、この場合は免罪符になる。

逆に言うと、父親が責任を取れる範囲内なら、ルイズが失敗しても、それは問題ではない。
問題になるとしたら、それは父親の能力不足の方。

後見人というのは、そういうものだ。
100名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 21:53:53 ID:XNrC+LTQ
アンリエッタは一応正式な女王なんだから責任はちゃんと発生するのね。

で、ルイズはいきなり「はい、アンタ虚無だからこれから女王ね」って言われたわけか。
そりゃ確かに責任はないわな。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:27:14 ID:M25/W3/2
一番のろくでなしはマリアンヌだけどな
102名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:30:11 ID:Vyhx0689
可愛いから許す
103名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:32:08 ID:FTTkkrIh
ウドか春日か
104名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:33:08 ID:rRbRK78x
Seedの人乙

>>98
免罪符って言い方も微妙だが。
まあ、免罪符にはならない。
ただ、そういう擁護は話の流れとして「アンリエッタは生まれながらにして責任ある立場にたってはいけないダメ人間である」というのを言ってる人間がいた場合にでていることが多い。
原作中では一応、国を維持できているわけで、過剰に人格批判とか能力のダメ出しまでするほどまでの批判はどうなんだというような、そういう反発みたいなのがあってでてきた云ではある。
だから、「17才だから仕方ない」というのをアンリエッタ擁護の免罪符にしているという認識そのものからして、何処かズレてると思う。
105名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:36:22 ID:TPZdUGy2
まあもともと国内事情的にも対外関係的にも詰み寸前だからな、17の小娘程度にどうこうできるほど甘い状況じゃない
106名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:41:41 ID:Vyhx0689
メタな事言うとアンリエッタは主人公に助けてもらう必要がある駄目な子のほうが
主人公=俺視点的に気持ち良い
107名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:45:16 ID:XNrC+LTQ
お姫さまはお姫様のままの方がいい、ってことなのかなあ。
108名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:54:29 ID:Vyhx0689
まあそういうのばっかだと飽きるから今度は自立心と能力を備えたお姫様が台頭し、
そっちが飽きられると駄目王女が可愛いと好まれるってローテ現象が起こるもんだと
109名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 22:59:13 ID:wYL3MrHE
カリンママぐらいだからな、機械仕掛けの神になれそうなのが。
そのカリンママも、担当しているのは戦闘だけだし。

実際、本気どうどうしようもなくなると、上の人が出てきて強引に解決 → 主人公たちのミスに対して説教
というテンプレでもつくらないと、十代のガキに政治ごっこなんかやらせられん。
110名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 23:04:03 ID:hvtheYUb
そもそも、国力が衰退しつつある現在のトリステインを最低でも維持しつつ他国と渡り合えるのがマザリーニ枢機卿以外に居るのだろうか。
王妃は王位に就こうとしない、王女は必要な教育が足りない、宮廷は足の引っ張り合い……彼が居なくなったら詰みのような気がする。
111名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 23:07:20 ID:rRbRK78x
まあ、為政者にとって一番必要なのは、運のよさだなんて何処かの誰かも言ってたが。
その伝から云えば、友人に虚無がいて忠誠心の高くてサポートしてくれるマザリーニがいて。
なんだかんだと自分の手足となって動いてくれるアニエスがいる…というのは、客観的にみてかなり恵まれているというか凄く運がいいw

まあそれはそれとして、最新刊が出るたびに設定の関係でモチベおとす人がいるのでは心配になる昨今。
自分でも何か書いた方がいいかなあと思いつつ、ネタは…刀語くらいしかない。
大河SSとして12ヶ月として完成させられたらかっこいいんだけど、さすがに無理が…。
112名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 23:07:57 ID:FTTkkrIh
>>111
完成してから投下すれば……!
113名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 23:22:22 ID:A9Xe9ynB
まあ、原作からして偶然探してた王子様が空賊になって襲ってきてくれたりする話なんだから
あまり根をつめて考えないほうがいいかもしれない
114名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 23:30:07 ID:XNrC+LTQ
>>113
それを言っちゃあ御仕舞いよ。
しかし作家にとっては根をつめて考えなきゃいけない問題だったりするから困る。
115名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:01:37 ID:GALiOwZF
>>113
ここまで来ると偶然ではない・・・・ もはや『必然』――!!
116名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:20:15 ID:Kkqvn84V
遍在で思ったんだが、カリンママが南斗聖拳なり北斗神拳なり使えたらえらい事になるなぁ。
基本性能そのままのが5人同時奥義とかマジ洒落ならん。
117名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:24:43 ID:hX7zkY38
遍在で思ったんだが、カリンママがかめはめ波なりガイバーユニットなり以下略
118名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:36:11 ID:gBC+f8T+
偏在で思ったんだが、ワルドが(ry
119名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:37:21 ID:Bccf1+uu
偏在で思ったんだが、カリンママが天津飯の四身の拳を使えたらえらい事にならない
基本性能四分の一のが四人同時に太陽拳くらうとマジ洒落ならん。
120名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:43:15 ID:iRoI7crZ
普通に偏在の魔法はチートすぐるw
ただでさえ手ごわいスクエアメイジの戦力が数倍になるんだから。

まあそれだけに、ワルドはライバルとして重宝しているようだけどw
121名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:48:04 ID:hX7zkY38
銃器とかも分身出来るなら無茶な戦闘力になるなあ
122名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 00:57:03 ID:7yeaYhId
投下予定ないなら代理行くけどいいかな? かな?
123疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 00:59:41 ID:7yeaYhId
第二章 錠剤

   0

パラベラム/[Parabellum]――自分の殺意や闘志を、銃器の形にして物質化することが、可能な特殊能力、およびその能力者。
124疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:00:24 ID:7yeaYhId
   1

 広場の全てを一瞬、多い尽くすほどの爆風が巻き起こった。煙が風と共に広場を蔽い、広場にいる人々の視界を包み隠す。
 まだ召喚されたばかりの使い魔たちが音と閃光に驚き暴れまわる。体の小さな使い魔は体の大きなから逃げ惑い、一部の能力を持った使い魔の能力で吹き飛ばされたりもしている使い魔もいる。
 コルベールも吹き飛ばされて、ルイズから数メイル離れた場所で目を回している。
 もちろん、ルイズも例外ではなく、爆風で一瞬宙に浮いた気がした。反転した景色を眺めていたルイズには確かな確信があった。

 召喚は、成功したのだ。

 今までとは違う確かな手ごたえが、杖を持つ腕に残っていた。杖にはまた一つ、努力の証である焦げた跡が増えていた。今までは腹立たしかったこの傷も、今はなんだか微笑ましい。
 地面に叩きつけられた衝撃は、想像以上で息ができなくなる。体のあちこちが痛む。
 ルイズはふらふらと立ち上がった。召喚を行った場所は、爆発の煙でまだ何も見えない。
 少しずつ煙が晴れていく。

「ゼロ、いい加減にしろよ!」
「また、ゼロの仕業・・・・・・?」
「おい、誰か、僕の使い魔を知らないか!? 三毛猫なんだけど、まだ子猫なんだ!」
 混乱から立ち直り始めた生徒は、自分の使い魔を宥めている。中にはまだ何が起こったのか、理解できていない頭の回転が遅い者や、もしくはそれどころでは無い者もいる。
 そのような嘲笑や罵倒の類が浴びせかけられている当人は、上の空で広間の中央を見つめていた。
 ルイズは爆発では混乱しなかったが、『その後』のことで混乱していた。
125疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:01:09 ID:7yeaYhId
 煙が晴れたあとの草原、いや、爆発で草はほとんど残っていないので地面と表現するのが正しいだろう。その地面にはルイズの召喚した使い魔がいた。これも正しくない。正確には『あった』。
 そこには奇妙なものがあった。
 見た目は植物の種に近い。ルイズの小指の爪より一回りほど小さな白い粒。
 皮だろうか。その『種』は半透明の白い皮らしきものに包まれている。ガラスに近い光沢があり、僅かだが光を反射している。大きさは測ったかのように一揃いで、形も綺麗な四角形。端はギザギザとしているが、それもまた整った大きさで揃えられている。
 植物を使い魔にした例が無いわけではないが、それは希少な亜人の使い魔よりも更に希少だ。歴史の中でも片方の指で納まるほどの人数しかいないのではないだろうか。知識は人一倍持ち合わせてるルイズでもその程度しか知らない。
 またそういった使い魔にしても、魔力を持ち合わせたりした特殊な植物である。種の使い魔など聞いたこともなければ、見たことも無い。そしてこの『植物の種らしき』ものもルイズの知らない種類だ。
126疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:01:41 ID:7yeaYhId
――でも、卵を召喚したメイジはいるんだっけ?

 昔、読んだ本に出てきたあるメイジは一抱えもある卵を召喚したとかなんとか。確か生まれてきたのは、王冠のような背びれを持つ鯉だったか。
 確かに『植物の種』は異常なほど珍しい使い魔ではあるが、『有り得ない』というほどではない。
 だがルイズの召喚した使い魔は有り得ない。
 なぜならその『植物の種』のようなものが『六つ』あるのだ。
 横に二つ、縦に三つ。
『使い魔は一人につき一体』。一体、という表現がこの使い魔にも当てはまるかどうかは、わからないが『六体』というのは有り得ない。
 それともこの使い魔は葡萄やベリーのように六粒で一つの果実なのだろうか。
 わからないことが多すぎる。

――これは一体・・・・・・?

「あいたた、腰を打ってしまいました・・・・・・ミス・ヴァリエール、大丈夫ですか?」
 コルベールが腰を擦りながら、ようやくルイズのもとにやってきた。
「え、ええ、コルベール先生・・・・・・」
 ルイズはというと、こちらもまだ混乱から抜けきっていない。
「これは一体なんでしょう・・・・・・?」
「うん? 召喚できたのですか? 少し待ってください」
127疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:02:15 ID:7yeaYhId
「皆さん! 落ち着いて! 各自、自分の使い魔を宥めてください! くれぐれもほかの生徒の使い魔を襲ったりしないように見ていてください」
 声を張り上げて生徒を落ち着けるコルベール。もういい年なのに。
 風のメイジならば魔法を使い、声を大きくすることもできるが、コルベールは生憎と火のトライアングルだ。決してメイジとして、力量は低くない。だが系統魔法には得手不得手がはっきりとしている。
 東方の地に住むエルフや一部の亜人が使うという先住魔法ならば話は別だろうが。
「さて、ミス・ヴァリエール。召喚には成功したのですか?」
「ええ・・・・・・ですがこれは一体どういうことでしょう?」
「これは、植物の種・・・・・・・ですかな? 私は知らない種類ですが、六つですか。ふむ、確かに植物を使い魔にした例が無いわけではないですが、これはまたずいぶんと変り種ですね。・・・・・・あ、いや、今のは、わざとではありませんぞ」
 さすが魔法学院の教師だろうか。少し眺めただけで、ルイズと同じ結論に至った。まぁ、ほかにいくつも可能性があるわけではないが。
 召喚したのはこれに違いないし、召喚した以上はこれがルイズの使い魔である。
「しかし、召喚した以上はこれがあなたの使い魔です。よかったですね、私は正直、ひやひやしてましたよ。コントラクト・サーヴァントはもう済ましたか?」
「いえ、まだです」
 そうだ。まだコントラクト・サーヴァントを行わなくてはならない。

――少し期待していたものとは、違うけど私は使い魔を召喚できたんだ。私は、魔法を使うことができたんだ!

 同級生の眼鏡の子が召喚したような風竜やツェルプストーが召喚したようなサラマンダーを望んでいなかったと言えば嘘になる。
 しかし、これは『コレ』でアリだ。むしろ見方を変えればアタリとも言える。まさに前代未聞の使い魔。うん、悪くない。
128疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:02:50 ID:7yeaYhId
   2

――ん?

 何かが頭の中で警鐘を鳴らしている。何が危険だというのか?
 使い魔の召喚についに成功し、これで『ゼロ』の二つ名からも・・・・・・。
「・・・・・・」
 そうだった。ルイズの二つ名は『ゼロ』。魔法率0%。今は違うが。
 しかし、魔法が失敗するという特徴と併せ持つルイズの性質。
 失敗した魔法は、爆発するのだ。
 本来、こんな現象が起こることは無い。普通のメイジが魔法に失敗しても、魔力が霧散し魔法の効果が全く現れないか、出力が足りず本来よりも弱い威力しか出ないというだけだ。
 しかしルイズは、なぜか爆発する。
 コモンだろうが、風だろうが、火だろうが、土だろうが、水だろうが、ことごとく完膚なきまでに爆破する。
 それはいい。いや、よくは無いが今は置いておこう。
 問題は『コントラクト・サーヴァント』も魔法なのだ。
 つまり、失敗する可能性がルイズには少なからずある。
 サモン・サーヴァントのおまけのような魔法とはいえ、魔法は魔法である。
 もしも、失敗すれば始めて成功した証である使い魔は、ルイズが今まで錬金をかけた小石たちと同じく跡形も無く爆破されるだろう。
 それにコントラクト・サーヴァントはほかの魔法と決定的に違う点がある。
 杖を必要としない。これは系統魔法ではコントラクト・サーヴァント以外では有り得ない。
 ではどうやって魔法を使っているのか?
 代わりの媒体を使っているというだけである。それは唇。スペルを唱え、口付けを交わすことで召喚を行うのだ。
 もしも、失敗すればどうなるか。それは手に持つ杖が雄弁に語っている。いや、それよりもひどいことになるんだろう。杖は振ればいいが、コントラクト・サーヴァントは触れるのだ。
 失敗すればどうなるか。想像するのも恐ろしい結果になるだろう。
 ルイズは恐怖する。

――もしも、もしも失敗したら・・・・・・・?

 種を持つ手が震える。口の中が乾く。背中はもう嫌な汗で濡れている。泣きそうだ。

「ミス・ヴァリエール?」

 コルベールの声にルイズはハッと我に返った。

――私は今、何を考えていた?

「早くコントラクト・サーヴァントを。もうずいぶん予定を押しています」
 コルベールの声には若干、苛立ちが感じられる。
 それもそうだろう。予定は狂い、コルベール自身もルイズの爆発で被害を被っている。腰の痛みはしばらくは引かないだろう。

――私は、私だけは私を信じると誓ったじゃないか。
129疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:03:21 ID:7yeaYhId
「ええ、わかりました」

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、五つの力を司るペンタゴン。このものに祝福を与え、我の使い魔となせ・・・・・・」

 ルイズは口付けをした。その姿はまるで、忠誠を誓う騎士のようだった。
 爆発は起きず、ルイズが口付けをした『種』のうち一つにルーンが刻まれた。
「ふむ・・・・・・コントラクト・サーヴァントは無事、成功しましたね。しかし、ルーンが細かすぎて、これではスケッチできませんな。・・・・・・まぁ、いいでしょう。もう戻って構いませんよ」
「・・・・・・はい」

 サモン・サーヴァントは成功した。コントラクト・サーヴァントも成功した。
 ルイズの今までの人生で一番の快挙と言えるだろう。
 ただ・・・・・・これは植物の種などではない。

 ルイズが召喚した使い魔、それは『薬』であった。
 契約のルーンの効果なのか口付けをした瞬間、膨大な情報がルイズの頭の中に流れ込んできた。
 あまりに大量の情報の波で混乱する頭の中で、ルイズはただ一つ確信していることがあった。

 この使い魔はルイズに力を与えてくれる。それだけは痺れたような頭の中で確信があった。
 ルイズは流れ込んできた様々な言葉の中で、ある言葉を呟いてみた。

「・・・・・・パラベラム」
 それは、悪くない響きだった。
130疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:03:52 ID:7yeaYhId
   3

 日は沈み、空は黒の帳に包まれる。空には星が散りばめられ、学院からは灯りが洩れている。それらを夜空に浮かぶ双月の光が優しく照らす。
 夕餉を早々と済ませて、ルイズは自分の部屋へと戻った。
 体をベッドへと投げ出し、意味もなく天井を見上げた。上質な素材を使ったベッドはボフッと音を立て、ルイズを受け止める。
部屋の明かりをつけていないため、部屋を満たすのは月明かりだ。
 ルイズの頭の中には渦巻くのは、もちろん使い魔のこと。
 まるで初めから知っていたような感覚で契約の時に知ったことは突拍子の無いことばかり、そして何より性質が悪いのはそれが、嘘では無いと心の奥の理屈では説明できない部分で納得していること。
 ルイズの使い魔、これはハルケギニアにあるものではない。
 ルイズの住む世界とは違う、月が一つしかない異世界の物質だ。
 もちろん、植物の種などではない。これは薬である。
 ハルケギニアで薬といえば平民が使う薬草などを乾燥させ、粉末にした粉薬が一般的である。貴族や金持ちの商人などは水のメイジが作るポーションを使う。
 こちらは少ない例外を除いて、液体である。色や香りは千差万別であるが、効果は粉薬などとは比較にならない。
 同級生の中にはこのポーションを作るのに、秀でた水のメイジもいる。彼女は、ドットなので効果の高いポーションなどはまだ作れないが、香水を作ることを得意としている。香水も広い意味ではポーションに分類される。
 しかし、これはルイズたち、ハルケギニアの人間には未知の製法で作られた薬『錠剤』である。

 この時点で重要なのは『錠剤』ではない。確かに特異ではあるが、それは今問題ではないのだ。
 では何が問題か。
 もちろん、この『錠剤』の効果である。 
 これはある種の『炸薬』。この錠剤を飲むことで、《パラベラム》という能力に目覚めるきっかけになる。

《パラベラム》とは何か?
 それは《サイコバリスティック・ファイアアームズ》。略して《P.V.F》。意味は『精神弾道学の火器』だ。
 人間の持つ精神力、それに武器としての形を与え、純然たる力とする能力。それを扱うことのできる能力者が《パラベラム》である。
 自らの精神を力とする点は、魔法とよく似ているかもしれない。だがこのような能力はもちろん、ハルケギニアには存在しない。異世界のそれも稀有な能力なので、当たり前といえば当たり前だが。

 これは《パラベラム》となる薬。水無し一錠で効果あり。
 だが、これには多大なリスクを伴う。
《パラベラム》としての素質が無い人間が飲むと、脳が死ぬ。
 脳死。そういう意味では、確かにこれは『植物の種』とも呼べるかもしれなかった。脳が死んだ人間は植物と大差は無い。
 
 ルイズは悩んだ。
 自分は魔法が使えない。それなのに貴族、しかも名門の娘だ。なにもかもちぐはぐだ。
 自分に残されたのは、ほんの少し自分に残された誇りと歪んだプライド。周囲への劣等感に両親の重圧、平民の嘲り、そして何よりもルイズ自身への怒り。
 そんなルイズの元に差し出された力。
 自分はこの力をどう扱うべきか。

 ルイズは杖を取り出し、スペルを唱えた。
 レビテーション。対象は部屋の隅に積まれた藁。『普通』の使い魔が召喚したら、寝床にしてやるつもりで用意したものだ。
 予想通り、吹き飛んだ。もしかしたら、サモン・サーヴァントが成功したので、魔法が少しでも使えるようになっているのではないか、という期待があったが、見事に砕けた。
 『ゼロ』だということは変わっていない。
131疾走する魔術師のパラベラム 代理:2010/01/24(日) 01:04:31 ID:7yeaYhId
 手に握る使い魔を改めて見る。
『メイジの実力を見るには、その使い魔を見よ』これは使い魔がメイジを実によく表すものだからだ。
 例えばキュルケ。火のトライアングルである彼女の実力は、使い魔のサラマンダーを見れば察することができる。

――じゃあ私は?

 これからも私は魔法が使えないだろう。『ゼロ』と呼ばれ、無力さに打ち震え、自分自身に怒りを向ける。ありありと想像できる。それがルイズの今までだったから。
 だが、この錠剤を飲むのは躊躇われる。
 素質が無ければ死んだも同然。さらに《パラベラム》の力は異端だ。ハルケギニアにおける宗教の力は大きい。
 六千年も前の始祖を崇めて、寄付と称して私腹を肥やす。そんな腐った神官が力を持っている。どうしようもない。

 何もかも無力がいけない。無力は、悪だ。
 私は魔法が使えない。貴族が力を持っているのは、魔法が使えるからだ。

――私は・・・・・・力が欲しい。

 力が欲しい。それがルイズのシンプルな答え。

――それに、

 ルイズは六つある錠剤から一つを千切る。プチと小気味のいい音を立てて、錠剤は簡単に外れた。
 横のギザギザに爪を立て、皮を裂く。中のルーンの刻まれた一粒が、ルイズの手に転がった。
「このまま死んでも・・・・・・」
 ルイズはその白い錠剤を口へ放り込み、飲み下した。
 すぐに薬の効果は現れ、うなじから頭頂にかけて、悪寒にも似た衝撃が走る。
 めまい、そして耳鳴り。
 それと同時に左手が熱を帯びる。錠剤に刻まれていたルーンがルイズの左手の甲へと移っていく。
 焼き鏝を押し付けられたような痛みに、歯を食いしばって耐える。
 汗が体中から滲み出て、呼吸が苦しくなる。
 心臓の鼓動はどんどん早く、激しくなっていく。
 ルイズは気を失う寸前に一言、呟いた。
「くだらない人生ダラダラ続けるより、マシよ」
132名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 01:05:02 ID:7yeaYhId
ここまで、代理終了です
133名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 01:36:58 ID:iRoI7crZ
おつ。だけど確認してないけど、第二章まで、先にwikiに登録されてなかったかな。
134名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 01:40:34 ID:K4Pi3+kt
投下&代理乙
クロス先知らんけど、先が楽しみだ。
135名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 02:16:21 ID:7yeaYhId
>>133
お、ホントだ
作者氏が先に登録したみたい
136ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 02:40:25 ID:UrvdK1/z
あけましておめでとうございます(遅い)

空いてるようなので45分頃から投下したいと思います
137ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 02:46:27 ID:UrvdK1/z


「……はあ」
 魔法学院本塔にある図書室の一角、ほどよく陽のあたるテーブルに頬杖を付いてエリスは物憂げな溜息を吐き出した。
 ルイズの使い魔として負った仕事と給仕達の手伝いをあらかた終えた彼女は、ここでハルケギニアについての勉強をするのが日課だった。
 本来ならここで勉強をするのは彼女一人だけではなく柊も一緒のはずだったのだが、彼は今この学院にはいない。
 エリスの主人――という事になる――ルイズと共に王都トリスタニアに赴いているのだ。
 しかもその用向きは買物なのだそうで、柊は勿論としてルイズも"その類"の心持ちはないのだろうが……一人取り残されたエリスとしては暗澹とした気持ちになるしかなかった。
 昼を過ぎた暖かな日差しがどこか恨めしい。
 エリスは手にしていたペンを中空でさまよわせると、もう一度溜息をついた。
「……何回溜息をつく気だい?」
「! あっ……ロングビル先生」
 不意に声をかけられてエリスは大袈裟に肩を震わせると、声の主――ロングビルを振り返った。
 彼女はエリスの言葉に軽く眉を歪めると、眼鏡を軽く押し上げて口を開いた。
「先生ってのは……まあいいか」
 ロングビルは言いながらエリスの対面に座ると、テーブルに広げられている何冊かの本と紙を覗き込んだ。
「で、ちゃんと終わったのかい?」
「あ、はい。それはもう」
 エリスから手渡された紙をしばし見つめた後、ロングビルは満足そうに小さな笑みを浮かべた。
「上等。あんたはヒイラギと違って優等生だね。座学だけならここの生徒に混じっても問題ないぐらいだよ」
「あはは……ありがとうございます」

 柊とエリスがハルケギニアの事を学ぶにあたってまず必要になったのが、教わる教師である。
 何しろこの世界の知識が皆無な上に文字を学ぶ事から始めなければならないのだ、口語で翻訳ができるにしても誰かに教わった方が遥かに効率がいい。
 だが、それにもっとも適任であるルイズは学生の身分であるため時間をそうそう作ることはできなかった。
 学院に務める教師達は総じて柊達には否定的――厳密に言うなら平民に教えるのが嫌なのだろう――で、好意的といっていいのはコルベールとシュヴルーズくらいのものである。
 殊にコルベールは自ら協力を願い出たのだが……とある事情で柊達は彼を避けていた。
 そんな訳で実質候補はシュヴルーズ一人だけとなった訳だが、一人だけに任せるのも申し訳ないし彼女も教師である以上ルイズと同様に時間を取り辛い……という事で白羽の矢がたったのがロングビルだった。
 教師などしたこともない、と当初ロングビルは渋ったのだが、その次の日に何を思ったのか唐突にエリス達の教師役を引き受けたのである。
 「秘書の仕事は、暇がないといえるほどに忙しい訳ではないので」とロングビルは語ったが、真の理由は別にあった。
 エリス達の相手をしていれば、隙があれば(なくても)セクハラを仕掛けてくるオスマンと日がな一日同じ部屋で過ごす必要がないからだ。


138名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 02:48:01 ID:iRoI7crZ
しえん
139ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 02:49:15 ID:UrvdK1/z

 

「ロングビル先生って、本当に先生やったことないんですか?」
「ないよ。はっきり言って柄じゃないしね……ここの秘書ができてるのも、学院長があんなだからさ」
 尋ねてきたエリスにロングビルは苦笑を漏らしながら返した。
 ルーンの確認の際にバレてしまった事もあって、ロングビルはエリスといる時だけは本来の砕けた口調で話している。
 柊がいる時は固い口調と取り澄ました態度であるため、彼は彼女の事を典型的な堅物教師と思っていて少し苦手のようだ。
 しかしこうやって普通に喋っているロングビルを見ると、表情自体は秘書の時のそれより険が入っているが空気が柔らかくなっているのがわかる。
 凛とした大人の女性、というよりは気風のいいお姉さん、といった印象だ。
 エリスはなんとなく、柊の姉である柊 京子を思い出した。
「でも、なんだか慣れてる感じがしました」
「ん……字を教えたりってのは初めてって訳じゃないしね」
 言ってからロングビルははっと気付き、僅かに眉根を寄せて顔を背けた。
 首を傾げて見つめるエリスに、彼女は僅かに視線をさまよわせてから言葉を継ぐ。
「……。ここに来る前に世話になってた村でね、その……そういうのをやった事があるんだよ」
「村の子供達に教えてたり、とかですか?」
「まあ……そんな感じかな」
 ロングビルはどことなく奥歯に物が挟まった感じで曖昧に頷き、軽く頭を掻いた。
(何やってるんだ、あたしは……)
 久しぶりに素の口調で会話をしているので気が緩んでいるのだろう、どうにも迂闊な事を口走ってしまう。
 そもそもが目先の厄払いでこんな役を引き受けてしまったのが迂闊の始まりなのかもしれない。
 ロングビルは一つ大きく息を吐いて気を引き締めると、改めてエリスに顔を向けた。
 それを勉強の再開と受け取ったエリスが僅かに身体を揺らしてかしこまる。
「もう文字は大体読めるだろうから、後は知識を広げるだけだよ。幸いここは本には事欠かないからね、好きなのを読んどきな」
「はい」
 勘違いにかこつけてロングビルはエリスに読解が容易な本の区画を教えると、早々に退散しようと席を立った。
 と、そこに。
「おや、ミス・ロングビルにエリスさんではありませんか」
「あ……」
 教師専用の区画である『フェニアのライブラリィ』から本を抱えたコルベールが現れた。
 彼はきょろきょろと辺りを見回すと、本を小脇に抱えて二人の下に歩み寄ってくる。
「ヒイラギくんはいないようですな。どうにも私は彼に避けられているようで……今は空いているので?」
「……はあ、まあ」
 退出しようとしていた手前勉強中です、とは言えずロングビルは諦めたように言った。
 するとコルベールは目を輝かせて、複雑な表情を浮かべているエリスに一歩詰め寄る。
「そうですか! ならばちょっとお話を伺ってもよろしいですかな?」
「うぅ……はい、私にわかる事なら……」
「ありがたい! 以前から是非とも貴女達とじっくり話し合ってみたいと思っていたのですよ! 何しろかのロバ・アル・カリイエからの来訪者ですからな!」
 困っている、としか表現できない顔で渋々と答えたエリスには気にも留めず、コルベールは嬉々として二人に椅子を勧めるのだった。

 柊とエリスがコルベールを避けていたのはまさにこの一点なのである。
 二人に好意的であった事から見ても彼個人は悪い人物ではない、というのは理解していた。
 が、彼は研究者気質があるらしく、未知の文化を持つというロバ・アル・カリイエの事に関して興味津々だったのだ。
 無論そんな場所の事を知っているはずもない二人としては下手に誤魔化すわけにもいかず避け続けていたのだ。
 柊はなりふり構わずあれこれと適当にはぐらかして逃げたし、エリスは自分の仕事にかこつけて距離を保ち続けた。
 しかし、今回ばかりはもう逃げられそうになかった。

140ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 02:51:38 ID:UrvdK1/z
 


「何しろ彼の地はサハラを挟んでおりますゆえ、ヒトもモノもとかく流れてきませんでな。文献なども諸々あって実態が掴みづらいのです。
 一体彼の地は如何なる所なのか……是非とも教えていただきたいのです」
「うぅっ……」
 禿げ上がった頭をつるりと撫でてコルベールが深々と頭を垂れるが、エリスは小さく呻くことしか出来ない。
 柊やルイズに助けを求めようにも彼等は今学院には居らず、唯一の味方かもしれないロングビルは諦めたように息を漏らすばかり。
 出身を偽った事は自分が異世界の人間である事を隠すためなので仕方ないにしても、そこから更に嘘を重ねる事はなるべくしたくなかった。
 だからこそ二人はコルベールから距離を置いていたのだが、最悪の状況で捕まってしまった。
「いやいや、難しく考える必要はないんですぞ? 何でも良いのです。どんな場所に住んでいたとか、どんなものがあったとか。
 エリスさんはヒイラギくんを先輩と呼んでおりましたが、あなた方はこの学院のような場所に通っておったのですかな?
 平民でも通える学校のようなものがロバ・アル・カリイエにはあるのですか?」
「そ、それは……っ」
 矢継ぎ早に飛んでくる質問にエリスは追い詰められた。
 下手な事を言えばボロがでて怪しまれるかもしれない。かと言って沈黙を保っていても、やはり怪しまれるだろう。
 孤立無援の状況にエリスは耐えられず――
「ご、ごめんなさいっ!」
 小さく叫んでテーブルにぶつける勢いで頭を下げた。
 唐突といえば唐突な謝罪にコルベールは首を傾げる。
 エリスは顔を上げると、泣きそうな顔で小さく漏らした。
「私……私と柊先輩はロバ・アル・カリイエから来たんじゃないんです」
「……なんですと?」
 エリスの告白にコルベールは目を丸めた。
 エリスの脇でロングビルが、彼女を見つめたまま僅かに眉を寄せる。
「いや、しかし……ではあなた方は何処からこの学院に召喚されたと……?」
 コルベールが怪訝そうな表情で顎に手を添える。
 ロバ・アル・カリイエでないとすればハルケギニアの四国のいずれかだろうか。
 だがそれなら使い魔や文字を読めないのはともかく、一般常識やメイジなどを知らないという事はありえない。
 もっとも、よくよく考えれば交流が密でないとはいえ絶無でもないロバ・アル・カリイエの人間だとしてもハルケギニアの事を全く知らないというのもおかしい話なのだが。
 覗き込むように見やるコルベールの視線を受けてエリスは僅かに怖気付いたが、彼女は少しの沈黙の後搾り出すように声を出した。
「……私達はファー・ジ・アースっていう所から来たんです」
「……ファー・ジ・アース?」
 小さく漏らしたロングビルに、エリスはしおらしく頷く。
 コルベールは首を捻ってしばし黙考すると、力なく首を左右に振った。
「そのような地名は聞いた事がありませんが……よもや貴女方はロバ・アル・カリイエをそう呼んでいるのでは?」
「違います、そうじゃなくって……」
 言ってしまうか一瞬迷いはしたが、エリスは意を決して打ち明ける事にした。
 紆余曲折はあったもののルイズだって信用してくれたのだ、この二人も信じてくれるかもしれない。
 一縷の望みを託して、エリスはコルベールを真っ直ぐに見据えて口を開いた。
「トリステインとかガリアとかの場所の名前じゃないんです。この『ハルケギニア』とは別の世界――『ファー・ジ・アース』っていう世界から来たんです」
「べ、別の世界……!?」
 コルベールとロングビルの表情が凍りつく。両者は絶句してエリスを凝視し、彼女は視線に耐えられず顔を俯けてしまった。
 握り締めた自分の両手をじっと見つめたまま、エリスは二人の言葉を待った。
 ……が、いつまで経っても声をかけられることはない。
 彼女が恐る恐る顔を上げると、それまでの興味本位ではない真剣な表情でコルベールが口の中でぶつぶつと何事かを呟いていた。
「あ、あの……?」
 おずおずとエリスが声をかけると、コルベールははたと気付いてエリスを見やった。

141ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 02:53:45 ID:UrvdK1/z
 

「別の世界……異世界。ふむ……興味深い」
「……え?」
 予想しない反応にエリスは思わず呆けた声を上げてしまった。
 そんな事を意にも介さず、コルベールは眼鏡をぐいと押し上げて、まるで生徒に講釈するように語り始めた。
「伝承の上ならば異世界はハルケギニアでも語られておりますな。最たるものは死後の天上世界と呼ばれるヴァルハラですが……他にも咎人の堕ちるニブルヘイム、理想郷アスガルド、妖精郷や影の国などもあります。
 しかしながらハルケギニアのように人間が生活し社会を築く『現実的』な異世界というものは寡聞にして聞きません」
「えっと、あの……」
「ふむ……異世界! その発想はなかった! ですがそう考えれば確かに腑に落ちる事もあるのです!」
 コルベールは力強く言いながらびしりとエリスを指差した。
 思わずびくりと震える彼女を他所に彼は更にまくし立てる。
「貴女方の服装を始めとした諸々の言動、これは別の地方などといった『異境』というよりは根本的に『異質』と言ったほうがしっくりとくるのです。
 なるほど、異世界ですか……我々の世界とは異なった理が支配する世界が存在すると。実に興味深い……!」
「……」
 なにやら自分の世界に入り込んでしまったコルベールにエリスは何も言えなくなってしまった。
 とにかく、信じてくれた……という事でいいのだろうか。
 エリスは一方で黙りこくったままのロングビルに眼を向けた。
 個人的にはコルベールよりも親交が深かった彼女の反応の方がある意味では気になる。
 ロングビルと目が合った瞬間、何故か彼女は派手に肩を揺らした。
 ロングビルは世話しなく視線を左右させると、珍しく焦った風な挙動を見せて取り繕うように言った。
「い、異世界ね……夢があっていいんじゃないかな……?」
「……?」
 ルイズのように頭ごなしに全否定する訳でもなく、コルベールのように簡単に信じる訳でもない。
 何とも奇妙なロングビルの反応にエリスは首を傾げてしまった。
「エリスさん!」
「は、はいっ!?」
 唐突に声をかけられてエリスは反射的に席から立ち上がってしまった。
 すると同じように席を立っていたコルベールがテーブル越しに身を乗り出し、爛々と輝く眼でエリスを見つめていた。
「貴女やヒイラギくんがロバ・アル・カリイエの人間でないことはわかりました。しかし異世界の住人とやらならば尚更詳しく話を伺いたい!」
「えぇっ!?」
 どうやら信じてくれたのは確かだが、今度は別の方向でやぶ蛇だったようだ。
 むしろより強い好奇の目線でもってエリスを捉え、テーブルに乗り上げるような勢いで詰め寄ってくる。
「ファー・ジ・アースというのはどのような世界なのですか? どんな社会や国家があってどんな生活をしているのでしょう?
 魔法はあるのですか? そういえばヒイラギくんはミスタ・グラモンとの決闘の時に奇妙な光を出しておりましたが、アレはファー・ジ・アースの魔法なのですか?」
「あ、あの……っ」
 興味の矛先が変わっただけで内容はまったく変わらない詰問にエリスは仰け反るように後ずさる。
 そして彼女はコルベールの意気込みに耐えられず、
「……わ、私よりも柊先輩の方が詳しいですから、先輩に聞いたほうがいいと思います!」
 丸投げしてしてしまった。
「ふむ、そうですか!」
 コルベールは大きく頷くと、ようやく乗り出した身体を引いて席に落ち着き、夢心地に息を吐いた。
 解放されたエリスも安堵の溜息をついて椅子に座りなおし、心の中で「ごめんなさい、先輩……」と謝った。
 トリスタニアから帰ってきた後に柊がこうむるだろうコルベールからの質問攻めを思うと罪悪感が絶えないが、今現在の辛苦を耐え抜くことはできそうもない。
「そうだ、決闘で思い出しました。一つだけ聞いてもよろしいですかな?」
「はい?」
 いくらか落ち着きを取り戻したコルベールの声にエリスは現実に引き戻され、首を傾げながら彼を見やる。
 そしてエリス……と、話題についていけずどこか冷めた表情のロングビルの視線を受けながら、コルベールは言った。
「……エリスさんは、『破壊の杖』というものをご存知ですか?」

142ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 02:56:40 ID:UrvdK1/z
 

「……はい?」「!?」
 謎の単語にエリスは頭に疑問符を浮かべ、ロングビルは眼を見開いてコルベールを凝視した。
「先日のヒイラギくんとミスタ・グラモンの決闘の折、学院長が『破壊の杖』がどうのと言っておられたのですよ。
 なるほど確かにアレはこちらでは見られぬ奇妙な代物ですし、もしやロバ・アル・カリイエ……いや、ファー・ジ・アースでしたかな。そちらに関わりのあるものではないかと」
「……いえ、聞いたことないです」
 午前中のシエスタさんからも似たような感じの質問をされたな、と思い出しながらエリスは答えた。
 コルベールは残念そうに「そうですか」と呟くと、ふと何かに気付いたように視線をエリスからそらした。
 つられて視線を追ってみれば、今まで全く話に加わっていなかったロングビルが興味深そうな視線を二人に向けていたのだ。
「ロングビル先生?」
「ど、どうかなさいましたか、ミス・ロングビル?」
 視線の意味を勘違いしたのか、コルベールが僅かに上ずった声で尋ねるとロングビルは彼に向かって小さく微笑む。
「いえ。わたくし、マジックアイテムに少々興味がありまして……よろしければ詳しくお話を伺いたいのですわ」
 いつもの『秘書』の顔に戻してロングビルがそう言うと、コルベールは年甲斐もなく頬を染めて照れくさそうに頭をかく。
「そんな事なら喜んで! ……とはいえ、なんともこう口で説明するのが難しい代物でして、奇妙としか……」
「それなら絵でも描いてみたらいかが? もしかしたらエリスさんも思い当たるかもしれませんわ。ファー……ファー・ジ・アース? では別の名前なのかもしれませんし」
「む……それはそうかもしれませんな! では失礼して……」
 コルベールは何故か嬉しそうにテーブルに広げられていた書き取り用の紙を取ると、羽ペンで何やら書き始めた。
 覗きこむようにロングビルが席をコルベールの隣へ移すと、彼は雷に打たれたように大きく震えて顔を赤らめる。
 エリスはそんな風に顔を使い分けているロングビルを、やっぱり大人の人なんだなと半ば感心する思いで眺めやっていた。
「それにしても、『破壊の杖』などが納められているだけあって宝物庫は頑丈ですのね。外からしか見ておりませんがわたくし感心しましたわ」
「それはもう、スクエア・メイジが何人も寄り集まって徹底的に処理を施しましたからな!」
 ロングビルの興味を引けて嬉しさ極まっているのか、コルベールは絵を描きながら立て板に水のごとく知識を披露し始める。
 宝物庫は魔法に関しては万全だが、物理的な衝撃にはほとんど対抗策が練られていないとか。
 なのでトライアングル以上のメイジが創るような強大なゴーレムならば理論的には破壊可能だとか。
 いやはやこれだから魔法のことにしか眼を向けないメイジは視野が狭いのだとか、何とか。
(いいのかなぁ……)
 これは機密漏えいとかいう奴なのではないのだろうか。
 教師同士なので問題はないのだろうが……。
 口を挟めずにエリスはぼんやりと見守ることしかできなかった。
「できましたぞ。大体こんな感じですな」
 ややあって絵を完成させたらしいコルベールが満足そうに息を吐き出した。
 ロングビルは身を乗り出してその絵を覗き込むと、眉を潜めて首を捻った。
「これは……杖、なのですか?」

143ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 02:58:58 ID:UrvdK1/z
 

 コルベールの言う通り、それは奇妙としか言いようのないものだった。
 見ようによっては杖に見えない事もないだろうが、直線的な造形は『杖』と呼ぶよりも『棒』と呼んだほうが正しいような気がする。
 それにやけに太い。石突だろう先端部分もそうだが、上に行くにしたがって次第に更に太くなっている。
 コルベールはロングビルの反応をさもあらんと頷いて返し、学者が知識を披露する時特有の得意げな顔で口を開いた。
「形もそうですが、大きさも奇妙ですぞ。絵だけではわかりませんが、目算で2メイル以上はありますからな」
「……2メイル以上?」
 大きな杖、で真っ先に思いつくのは先日の決闘の際に闖入した青髪の生徒が持っていた杖だ。
 身の丈を越える大きな杖であるが、彼女が小柄なこともあるので精々は1.7〜1.8メイルといった所だろう。
 2メイル以上では大男が持ったとしても余りある上、この絵のような造形では取り回すのも一苦労な代物だ。
 いわば鉄塊を振り回すに等しい。およそ『杖』として使えるようなものとは思えなかった。
「秘宝ゆえ詳しく検分することはできませんが、材質も奇妙なのです。おそらくは金属なのでしょうが、見た目よりも遥かに軽い!
 まあ大きさが大きさだけにそれなりの重さはありますが、それでも鉄や銅のそれとは比べ物になりません!」
「はあ……」
 ますます訳がわからなくなってロングビルは曖昧に頷くことしかできなかった。
 確かにハルケギニアでは見られないものなので、コルベールがロバ・アル・カリイエやら異世界とやらのものと疑うのも納得というものだ。
「細かい所はともかく、大方はこのような感じなのですが……どうですかな、エリスさん。これに見覚えがありますか?」
 コルベールは満を持してといった風に絵をエリスに向かって差し出した。
 彼女は手にとってその絵を見やり――眼を見張った。
「……え? これって……」
 驚きと共に食い入るように絵を凝視する。
 エリスの反応に見守っていた二人が僅かに身を乗り出したが、当のエリスはそれを気にする余裕もなくコルベールの描いた『破壊の杖』に見入っていた。
「な、なんで……」
 呻くように小さく漏らす。
 この絵からでは細かいディテールまでは窺えないが、全体的なフォルムは彼女の知るあるモノに似ていたのだ。
 それは彼女の親友であり、仲間でもあった緋室 灯が使っていた――



 ※ ※ ※


144名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 02:59:03 ID:iRoI7crZ
しえん
145ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 03:01:55 ID:UrvdK1/z
 

「流石に三時間はきついわ……」
 トリスタニアから学院へと戻った柊はルイズと共に彼女の部屋に赴き、買い込んでいた衣装箱の山を月衣から取り出していた。
 月衣に納められた物品は大きさは問わないものの重量はそのままであり、要するに柊は衣装箱を抱えたまま三時間馬に乗っていたに等しい。
 ラース=フェリアで何度か経験はあるものの乗馬になれない柊にとってはかなりの重労働だった。
「流石にクローゼットにしまうのはそっちでやってくれよな」
「わかってるわよ」
 肩を回しながら柊が言うと、ルイズはしばし衣装箱の山を観察したあと、その中から箱を三つ引き出した。
「これはあんたのね。あと……この二つは月衣の方に入れといて」
「?」
 乱雑に投げ渡された比較的小さめの箱を受け取りながら柊は首を捻る。
 ルイズが指し示した残る二つの衣装箱は、よくよく見てみると他のものより大きめで包装も過剰だ。
 何か特別なものなのだろうか。
「早くしてよ。エリスが戻ってきちゃうじゃない」
「あぁ、別にいいけど……」
 訳のわからないまま柊はその二つの衣装箱を月衣に納める。
 流石に二着では重さは全く大した事はなかった。
「その二つは明日使うから、そうね……昼食の後に部屋に来て」
「……明日使うんなら置いといていいんじゃねえのか?」
「いいの! ゲボクはつべこべ言わずに黙って言うとおりにしてなさい!」
「へいへい……」
 嘆息交じりに答えながら柊は改めてルイズの部屋を見回した。
 最初に部屋に泊まってから三日程で(決闘の褒章で)ギーシュの部屋に居候する事になったのでルイズの部屋に来るのはおおよそ一週間ぶりになる。
 流石にそれぐらいで何が変わるというものでもなかったが――強いて変化を上げるなら、彼女が勉強に使っているだろう机だ。
「……なんか本が増えてねえか?」
「……!」
 脇にある本棚に空きはほとんどないので、図書館あたりから持ってきたのだろう。
 題名を覗き込もうとしたが、未だ習得したとは言いがたい柊の読解能力ではいまいち読み取れない。
 興味本位で手を伸ばして見たが、それを遮る形でルイズが立ち塞がった。
「……わ、わたしはあんたと違って学生なんだから、勉強してて当たり前でしょ!」
 そう言われると柊としては納得せざるを得ない。
 柊は小さく息を吐くと、腕組みして肩を怒らせているルイズを見やった。
「勉強はいいんだけどさ……ちょっとはこっちの方も手伝ってくれよ。何しろ俺等は文字を覚えることから始めないといけないんだしさ」
「……」
 ルイズはぐっと言葉を詰まらせると、柊と同じように腕を組んでそっぽを向いてしまった。
「図書館使う許可は取ってあげたじゃない。使い魔でもない平民のあんたをここに置いてあげて、情報の場を提供してるだけでも破格の扱いなのよ?」
「……」
 視線を合わせようともしないで吐き捨てるルイズに柊は溜息をつき、肩を落とした。
 彼女の態度はどうにも埒があかない。学院長のオスマンの前で責任をとると言い切った時の彼女とは大違いだった。
 本格的に彼女からの協力は諦めた方がいいのかもしれない……とそんな事を考えていると、
「柊先輩っ!」
 普段の彼女らしからぬ、乱暴な勢いでドアが開かれてエリスが駆け込んできた。

146ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 03:04:02 ID:UrvdK1/z
 

「おう、エリス。ただいま」
「あ、お帰りなさい……な、なんですかこれ?」
 慌てて姿勢を正してお辞儀をしたあと、エリスは部屋の真ん中に置かれた衣装箱の山を見て眼を丸くした。
「服よ。買ってあげるって言ってた奴」
「え? あ、ありがとうざいます……えっ?」
 至極当たり前と言った風に告げたルイズにエリスは反射的に礼を言い、そして眉を潜めた。
 それはそうだろう、せいぜいがバッグ一抱えといった所が関の山な一般人のエリスでは、文字通りで山のような衣装箱など想定できるはずもない。
 ……もっとも、その値段を聞いたら驚くどころか卒倒するかもしれないが。
「ところで、何かあったのか? 随分焦ってるみたいな感じだったけど」
「……あ! 先輩、これ……っ」
 柊に言われて思い出したのか、エリスは慌てて持っていた紙――コルベールが描いた『破壊の杖』の絵を柊に差し出した。
 それを手渡された柊は軽くそれを観察し、あっさりと答える。
「なんだ、箒じゃねえか。エリス、お前絵が上手いんだな」
「箒?」
 ルイズが柊の手から紙を奪い取ってそれを見やり、首を傾げる。
「……これのどこが箒なの?」
「いや、掃除に使う箒じゃなくってな。ガンナーズブルームっつって……俺等の世界で使ってるマジック・アイテムみたいなもんだ」
「またその手の代物……?」
 胡散臭げに眉をしかめるルイズを他所に、柊はエリスに目を向けて少し困ったように告げた。
「エリス、あんまこういうのを描くってのは――」
「ち、違います! それ、私が描いたんじゃないんです!」
「……は?」
 そしてエリスは事情を二人に話し始めた。
 勉強中にコルベールに会って追求から逃れられず、異世界のことを話してしまったこと。
 宝物庫に納められているという『破壊の杖』のこと。
 そしてコルベールが描いた『破壊の杖』の絵が、柊達の見ているものであること。
 聞くに従って柊の表情が真剣になり、そして思案顔に変わっていく。
 エリスが異世界に関して話してしまった点については、一度渋い顔をして見せたが特に咎めることはなかった。
 何しろ柊自身、彼のような類の人間に追及されたら誤魔化しきれないのがわかっていたから逃げていたクチなのである。
 むしろ目的であるファー・ジ・アースへの手がかりが降ってきたので瓢箪から独楽というべきかもしれない。
 とはいえ、仮に『破壊の杖』が本当に箒――ガンナーズブルームだったとしてもそれ自体は重要ではなかった。
 柊達がこのハルケギニアにいる以上、ゲートなり何なりでファー・ジ・アースと繋がる事は確かなのだ。
 それ以前に人なり物なりが辿り着いていてもおかしな話ではない。
 重要なのはそれが単体できたのか、それとも持ち主ごと来たのか。そして後者ならばその持ち主は今何処にいるのか……である。
「あの爺さんに話を聞いてみるか……」
「それなんですけど、コルベール先生やロングビル先生が学院長に話を通してくれてるそうです。戻ったら伝えて欲しいって」
「マジか! すげえな、何か道が開けてきたぞ……!」
「それじゃ私、先生達に言ってきますね」
「頼む。ありがとな、エリス」
 柊が喜色を称えて言うと、エリスは嬉しそうに微笑んでからぺこりと頭を下げて部屋から出て行った。
 膨らんできた期待感で平手を撃つ一方で、脇で話を聞いていたルイズの表情はどこか暗かった。
「……どうかしたのか?」
「……。なんでもない……」
 怪訝そうに窺う柊に、ルイズは呟くように小さく答えた。
 


 ※ ※ ※


147ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 03:06:25 ID:UrvdK1/z
 

 学院長室を訪れた柊達三人を待ち受けていたのは、部屋の主たる学院長――オールド・オスマンの仏頂面だった。
 彼は柊達がロングビルに先導されて入室したのを見届けると、脇に立っているコルベールを一瞥して苦々しく口を開いた。
「研究熱心なのは構わんが、いささか口が軽くなるのが玉に瑕じゃのう」
「それは返す言葉もありませんが……しかし彼等が異境の地に迷い込んでいるのは事実なのです。帰る手助けをするのは人として当然でしょう」
「キミは『破壊の杖』やら異世界やらの話を聞きたいだけじゃろ?」
 オスマンが言うとコルベールはうっと言葉を詰まらせ、愛想笑いをしながら視線を反らしてしまった。
 改めてオスマンは柊達に視線を送ると、溜息混じりに口を開く。
「やはりと言うべきか何というか、君達も異世界とやらの人間だったんじゃのう」
「……知ってたのか?」
「グラモンの馬鹿息子との決闘であたりはつけておった。後の行動も大方『彼』と同じだったしの」
 オスマンの声に柊の眉がわずかに揺れる。
 柊は一歩前に進み出ると、コルベールが描いた『破壊の杖』の絵を示しながら言った。
「とりあえず、これが本当に俺達の世界のものか確認させてくれねえか」
「致し方あるまいな」
 柊の言葉を受けてオスマンは立ち上がり、柊達を先導して宝物庫へと案内した。

 錠を開け、扉を開いてから彼は振り返り柊とエリス、ルイズ、そして付いてきたコルベールとロングビルを順繰りに見やる。
「柊くんとエリスくん、それと……主人たるミス・ヴァリエールは聞いておくべきじゃろうな。残りはここで見張っておくよう」
「そんな殺生な!」
 一緒に話を聞けると思っていたコルベールが悲鳴を上げるが、それには構わずオスマンは柊達を宝物庫へと招き入れて扉を閉めた。
 念のために懐から杖を取り出して扉にロックをかける。
 雑多に納められた数々のお宝を物珍しそうに眺める三人を促し、彼は数多の杖が飾られている一角へと案内した。
 名前の彫られたプレートを見るまでもなく、目的のものはすぐに見つかった。
 ソレは他のどんな杖よりも大きく、飾られている場所を占有していたからだ。
 壁に立てかけられて固定されている『破壊の杖』を見てルイズは純粋に驚きを露にした。
 エリスと柊も別種ではあったがやはり驚きを覚え、そして妙な懐かしさを感じてしまった。
 なにしろ異世界で自分達の世界のモノを見ることになるとは思わなかったのだ。
「どうかね?」
 後ろから届く確認の声に、柊は大きく頷いてから手を伸ばした。
「間違いねえ。これはファー・ジ・アースの箒――『ガンナーズブルーム』だ」
 箒(ブルーム)と通称される、ウィザード達が世界を侵す侵魔に対抗するために作り上げた個人兵装。
 緋室 灯が使用しているモノとは少々ディテールが異なるが、基本的な構造は間違いなく箒のそれだ。
 少々古ぼけているので少し前の世代のものなのかもしれない。
 柊が軽く表面をなぞると、埃の取れた地金に刻印が見えた。
 擦り切れかけた黒塗りの斧のペイント、その刃をなぞるように刻まれた文字は[Kill'em All !!]。
 対侵魔組織の巨大派閥である『絶滅社』のロゴである。
「コレを使ってた奴はどうしたんだ? さっき学院長室で『彼』って言ってたよな」
 オスマンを振り返って柊が尋ねると、彼は懐かしむように虚空を眺めながらそれに答える。
「そうさの、もう三十年ほど前になるか……ここから山を一つ越えた辺りの森に散策に出ておったら、ワイバーンに出くわしたんじゃ。
 明らかに生息域からは離れておったが、運が悪かったんじゃろうの。
 ……元より幻獣種と単身でやりあうなど分が悪すぎるが、ソイツはとにかく凶暴で手が負えんかった。
 精神力も尽き果ててもうダメかと思った時――『彼』が武器も持たずにふらりと現れおった」
「……じゃあ、学院長はその方に助けられたんですか?」
 エリスが呟いた言葉に、オスマンは何故か黙り込んでしまった。
 首を捻る一同を他所に彼は僅かに顔を俯かせ、肩をわなわなと震わせながら、低い声で言った。
「……いや。殺されかけた」
「はあっ!?」


148ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 03:08:35 ID:UrvdK1/z
 

 その男は虚空から『破壊の杖』を取り出すと、柊が決闘の際に放ったのと似たような光(おそらくプラーナだろう)を纏わせて杖を振るい、ワイバーンを木っ端微塵に吹き飛ばした。
 そして彼はそれを喜ぶでもなく、呆気に取られるしかできないオスマンを振り返り――まるで人形のような顔つきで『破壊の杖』をオスマンに突きつけたのだ。

「ワイバーンを一撃で粉砕する超ド級の危険物を人様に向けてきおったのじゃぞ!? しかもフォートレスだのエミュレイターだの訳のわからんことを言いおってからに!!
 いたいけなジジイに対して何たる仕打ち! こいつはメチャ許せんよなぁ!!」
「落ち着け爺さん!?」
「落ち着いてください!?」
 ガクガクと激しくヘッドバンギングしながら叫ぶオスマンに思わず突っ込みながらも、柊はなんとなく状況を理解した。
 おそらくその彼はハルケギニアを侵魔の張った異空間――月匣(フォートレス)だと思ったのだろう。
 既に異世界に関して知識と耐性があったヒイラギならばともかく、普通のウィザードならいきなりこんなファンタジー世界に放り出されればそれを想定するはずだ。
 もしこれが緋室 灯だったならまず間違いなく威嚇としてガンナーズブルームをぶっ放す所までいったはずだ。
 そういった意味ではオスマンは幸運だった。
「お、おぉ……ふぅ。大丈夫じゃ、わしはクールじゃよ……」
 どうにか平静を取り戻したオスマンは改めて話を再開した。

 その後何とか状況を理解してもらって和解はしたらしい。
 しかし彼は激しい戦闘を行っていたのか、酷い怪我を負っていた。
 一応命を救われた事になるのでオスマンはその男を学園に連れ帰り治療する事にしたのである。
 怪我は大きかったものの幸いにして命は取り留めた。
 しかし事情を聞いても彼は頑として自らの事を話さなかった。
 オスマンが聞き出せたのはかろうじて彼が『ハルケギニアではない場所』から来たという事だけだった。
 そして彼は傷が快復すると、柊達と同じように文字を学びながら元の場所に戻る方法を探し始めたという。

「……で、そいつは今どうしてんだ? まさか戻る方法を見つけて帰ったのか?」
 ようやく目的の話題になってきて柊はオスマンに詰め寄った。
 しかし彼は悲しそうに首を左右に振ると、
「亡くなった。一ヶ月程後の事じゃ」
「……何かあったのか?」
「何もなかった。彼は図書室に篭って調査し通しとったんで、何も起こりようがない。一週間ほどが経って、彼は唐突に倒れたのじゃ」
 原因はまったくわからなかった。
 出会った時に負っていた傷は総て治療したし、毒の類に冒されているという事もなかった。
 しかし彼は一向に快調の兆しを見せずどんどん衰弱していき……そのまま息を引き取ったという。
 結局彼は、オスマンに詳しいことを何も語らずに逝ってしまった。
「高名な水メイジに診せたところ、何やら身体の水の流れが人間とは思えないほど異常じゃったと言っておったが……」
「……!?」
 それまで沈黙を保っていたルイズの顔色が変わった。
 彼女は柊を押しのけてオスマンに詰め寄ると、酷く切羽詰った様子で訴える。
「オールド・オスマン! それって、病気か何かだったんですか!?」
「わからんよ。さっぱりお手上げじゃ……彼は自分で持っとった薬を飲んでおったがわし等には渡してくれなんだし、結局効かなかったようじゃがの」
「薬……!?」
 ルイズは呻くように言うと、次いで柊を振り返った。
 そして今度は柊に向かって言う。
「柊、何か知らないの!? あんたの世界の人間だったんでしょ!?」


149ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 03:12:17 ID:UrvdK1/z
 

 今まで見たこともない、張り詰めた表情のルイズを見てエリスは困惑しながら柊に眼を向けた。
 彼は顎に手を当ててしばし思案すると、オスマンに向かって尋ねる。
「あんたが会ったそのウィザード……なんつうかこう人形みたいな感じじゃなかったか? 表情が読めないっていうかそもそも感情がないっていうか」
「む……その通りじゃ。何を言ってもほとんど表情を見せぬし、最初顔を見たときはガーゴイルかと思ったぐらいじゃ」
 言い当てられて驚きを見せたオスマンから目を離し、柊はガンナーズブルームを見やる。
「……絶滅社の強化人間か人造人間だな。多分調整ができなくなったから……」
 侵魔に抗するために人為的な投薬と強化処理を施したウィザード――それが強化人間や人造人間である。
 強化人間である緋室 灯に代表されるように、彼女等は通常のそれに比して高い戦闘能力を得られる一方で、
感情や形成人格の欠損・日常に対する適正の欠如・過剰強化による精神肉体への悪影響などといった副作用も抱えてしまう。
 これらを緩和するために必要なのが『製造元』で行う調整作業だ。
 この作業は強化度合いによって頻度も異なる。
 緋室 灯は月に何度か絶滅社で調整をしているし、酷い例では調整を行ってなお『耐用年数』が二十年に満たない個体も存在するという。
 現在のファー・ジ・アースでさえそうなのだから、三十年前ではより調整作業は必須のものだっただろう。
 当然の事ながら、異世界では調整などできようはずもなかった。
「調整? その調整っていうのをすれば、病気が治るの?」
「根治はできねえかもしれねえけど……調整を受けてる限りなら、まあ魔王とドンパチやらかすぐらいには元気だな」
「そう……ファー・ジ・アースにはそんなのがあるの……」
「……ルイズさん?」
 エリスは先程からどうにも様子がおかしいルイズを心配そうに覗き込んだが、彼女は逃げるようにエリスから顔を逸らすと引き下がってだんまりを決め込んでしまった。
 柊とエリスと互いに顔を見合わせて首を捻るが、思い当たる事がある訳もない。
「……まあともかく。わしの知っておる『破壊の杖』にまつわる由来はこれくらいじゃな」
「あ、あぁ、すまねえ。参考になった……」
 参考にはなったが、手がかりは結局何一つ得られなかった。
 やはり地道に探すしかないということなのだろう。
「ありがとうございます、学院長」
 折り目正しく頭を垂れるエリスにオスマンは一つ頷くと、ふと思い出したように『破壊の杖』に歩み寄った。
「一つ聞いておきたいことがあるんじゃが、よいかね?」
「俺にわかる事なら……」
「この『破壊の杖』は、まだ"使える"のかね?」
「……」
 持ち主のウィザードが亡くなった後に状態保全の魔法である『固定化』を施したが、何をどうやっても彼が使っていた時のような力は発揮されなかったらしい。
 柊は許可を得てガンナーズブルームを抱え上げると、軽く状態を確認する。
 そして囁くように二言三言何かを呟くと、首を左右に振った。
「ダメだな、使えねえ……少なくともこの世界の人間には無理だし、俺とエリスにも無理だ」
 躯体内部に施されている圧縮弾倉――月衣の技術を応用して空間を圧縮し、その中に弾頭を収めている――にはまだ十分に弾が残ってはいた。
 だが、弾倉から弾を取り出すためにはロックを解除するキーコードが必要になるのだ。
 知っているコードをいくつか試してみたが、弾倉が開放されることはなかった。
 大抵は規格ごとに統一されているが三十年前ならコード自体違う可能性は高いし、個人で設定していたら事実上本人以外には扱えない。
 ガンナーズブルームの機構に詳しい人間ならともかく、その分野に詳しくない柊ではコレを使うことは出来ない。
 ――もっとも『武器』としての機能が使えないだけで、『箒』が『箒』と呼称される所以といわれている機能については問題ないようだが。

150ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 03:15:11 ID:UrvdK1/z
 


 ガンナーズブルームを元の場所に戻しながら答えた柊を見ながら、オスマンはふむと顎に手を添えた。
 しばし何やら考えるような素振りを見せると、彼は柊に向かって口を開く。
「なら、この『破壊の杖』はキミに預けよう」
「え!? これってここのお宝みたいなモンだろ!? いいのかよ!」
「構わんよ。元々わしの私物のようなものじゃし、あのような危険な力が不埒者に使われるのを防ぐためにここに収めたんじゃからな。
 使えぬというなら、これはもうわしの恩人の形見でしかない」
 言いながらオスマンは『破壊の杖』に手を添え、昔を懐かしむように眼を細めて言葉を続けた。
「それに、彼も生前はキミと同じように元の世界とやらに帰ろうとしておったが、結局それは叶わなんだ。
 ならばせめて、これだけでも故郷に帰してやってくれんか」
「……。わかった」
 老人の言葉に柊は静かに頷くと、ガンナーズブルームを手に取った。
 それはウィザードとして鍛えた柊であってもそれなりに取り回すのに慣れがいるほどに重量がある。
 だが、この重みは単にモノ自体の重さだけではないような気がした。
「少々かさばるが、君なら大丈夫じゃろう?」
「ああ、大丈夫だ。ちゃんと元の世界に返すからよ」
「他にもいくつか彼の遺品があるが……それはどうするね? 結構な大きさの水晶なんじゃがのう」
「……。いや、それはいいよ」
 言いながら柊はガンナーズブルームを月衣の中に収納した。
 オスマンの言っているそれはおそらく特殊弾頭――魔力水晶弾だろう。ガンナーズブルーム使いなら持っていてもおかしくはない。
 通常弾が使えなくともそれがあれば射撃武器としての運用は可能だ。
 ……が、柊はそれを貰おうという気はまったく起きなかった。
 もとより柊の専門は剣であって射撃武器は好みではないし、何よりそれではオスマンに伝えた言葉も渡してもらった意図にも悖ってしまう。
 オスマンは像が揺らいで虚空に消えていくそれを名残惜しそうに見届けた後、三人を眺めやって告げる。
「この事はくれぐれも内密にの。ミス・ロングビルは規則や何やと喧しかろうし、コルベールに至っては言わずもがなじゃからの」
「……わかりました」
「けどよ、いくらなんでもあんなのがなくなったらすぐにバレるんじゃねえの?」
「何、近いうちに模造品でも作って飾っておくわ。どうせ誰にも使えんのじゃから、それで十分じゃろ」
 闊達と笑いながら言ってのけるオスマンに三人は顔を見合わせると、呆れたように溜息をついた。
 ともかく、これ以上ここで得られそうな情報はありそうにない。
 三人はオスマンに促され宝物庫を後にした。
 部屋を出る間際、ふと思い出したように柊はオスマンに向かって言った。
「……今度時間がある時でいいから、その人の墓とかに案内してくれねえかな。ちゃんと挨拶しときてえから」
「……お安い御用じゃ」
 照れくさそうに言う柊をまじまじと見やった後、オスマンは破顔して彼の肩を叩いた。


151ルイズと夜闇の魔法使い ◆73M7D8ljuU :2010/01/24(日) 03:16:32 ID:UrvdK1/z
今回は以上。
一応言っておくとガンナーズブルームの弾倉設定はオリジナルです。
アニメにてあかりんが弾頭を月衣から取り出すような描写がなされていましたが、ゲーム的には通常弾頭は所持品には含まれません
また、同じくゲーム的に「その手の消耗品は切れることはなく常に十分な量が確保されている」ともされています
じゃあその『十分な量の弾頭』をどこに持っているの? という事で捏造してみました
なお、装弾数は百億万発です
152名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 03:18:39 ID:iRoI7crZ
しえん
153名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 03:23:47 ID:iRoI7crZ
と、最後の支援はまにあわなんだ。
乙でした。
154名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 03:40:26 ID:473DgRvm
乙でした

百億万発www
155名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 04:45:32 ID:xCuam01a
乙ー
どこのコスモガンだそりゃw
156名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 07:18:24 ID:+wJnNe4c
乙です。
これはラジオドラマでエリスが言ってた願望が適うフラグか?
157名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 08:54:46 ID:F8VohJJO
NPCの中身は全部田中天か
158名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 09:37:46 ID:lIV4jE1T
下がる男おつでしたー。

やはりガンナーズブルーム……30年前の仕様ならばオールドブルームの可能性大でしょうが、破壊の杖=箒でしたか。
強化人間の状態を、身体の水の流れが異常という言わせるあたりも芸が細かくて◎です。
しかし……何でだろう、日常パートでそれほど不幸じゃない柊連司って軽い違和感が(マテ



>>なお、装弾数は百億万発です

ザコ戦では弾切れしない。しかし「これが最後の一発、絶対に外さない!」という大詰めの演出をすることで
かっこよく決めることも出来ます。……ということですね、FEAR系TRPGらしく。
何せ、終わりなき戦国してる世界では手裏剣やクナイすら「弾切れ」せずに、延々と投げれますからw
小説版では、予備弾倉まで使い切ってガンナーズブルームを鈍器代わりにしてたあかりん居ましたが、
あれも大量のザコをシーンの外で掃討してたって演出ですしねぇ。



>>「何、近いうちに模造品でも作って飾っておくわ。どうせ誰にも使えんのじゃから、それで十分じゃろ」

ゴーレム襲撃前に「破壊の杖」が譲渡されることも数少ないでしょうが、さらに模造品にすり替え……。
おマチさん……何となくガンバレ。
159名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 10:23:58 ID:UQLyZ1vv
世闇の人、乙でしたー。
幾つかの伏線がどう昇華されるのか気になりますね。その考察も『百億万発』のワンフレーズで吹き飛びましたが。

話は変わりますが、今朝の仮面ライダーWを見たらアニエスさんにアクセルメモリとアクセルドライバーが似合いそうだと思いました。
160名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 11:22:04 ID:nNCgPQjV
夜闇の人、乙っす!
30年前というと竜作さんや孤高の錆色アンコウが現役だったころですな

そういや武器についてる安全装置の電子ロックとかガンダールヴ補正で解除出来るのかな?
161名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 11:49:47 ID:+z03pGaD
>>155
コスモガンだって魂数はある。ゲームでは無限だけど。
まあ六連波動砲に比べればましか。
162名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 13:18:50 ID:LEnOiY8z
>>161

六連波動砲ってヤマトですか?
あれがハルケギニアに来たら、コルベールとかが狂喜しそうですな。
163名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 13:20:28 ID:9UizYezX
>>159
やめて。アニエスさんのバイクモードがネタにされちゃうからやめて
164名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 13:51:38 ID:rxqDhRaT
>>163
「アニエスさんのバイクモード」ってのが何かわかりませんが電人ザボーガー召喚
165名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 14:05:32 ID:F4EKGF7a
ボーガーとな?
魅惑の妖精亭の斜向かいに出来た居酒屋に殴りこみかけて潰したりするのか
166名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 14:40:54 ID:+bq/MuRe
散々何度も痛い目に遭って色々バラされもしていおるのに、何でまだ続けようと思うのだろう

それだけネットサクセスというものへの憧れが強くて暇なのか
167名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 14:45:07 ID:KnjLDsMQ
>>165
この常識知らずのボーグ馬鹿!
168名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 14:52:13 ID:LyQxxt84
アニエスさんにバイクみたいに乗るだと
なんと卑猥な
169名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 14:59:09 ID:UCMgRx78
むしろバイクみたいに乗られたいです
170名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 15:29:37 ID:Wz6VxYkH
俺もFF13のシヴァみたいなの想像してしまった

・・・今度はミカベルのラダマンティス思い出しちゃった
171名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 15:44:03 ID:HPRDsg0V
ウルトラのひとそろそろかな
172名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 16:41:01 ID:Jo/VQSSp
>>169
バイクの硬さに失礼
173ウルトラ5番目の使い魔:2010/01/24(日) 16:42:26 ID:XFt1bhVV
>>171
わざわざお待ちいただきありがとうございます。
皆さんこんにちは、昨今世の中では珍獣ハンターが怪獣ハントをするようなぶっそうなご時世ですが、
皆さまの家の下に地底怪獣や、超古代文明の遺跡などは眠っていませんか。
もし、心当たりがありましたら、今すぐに地球防衛軍へご連絡を。
さて、84話の投下準備できましたのでフォース・ゲートオープンよろしいでしょうか。
問題なければ、10分おきまして、16:50より開始いたします。
174名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 16:50:20 ID:HPRDsg0V
>>173
ウチの近所に宇宙人が浮浪者の子供と一緒に住んでいる!
これからリンチしに行ってきます

支援
175ウルトラ5番目の使い魔:2010/01/24(日) 16:52:11 ID:XFt1bhVV
 第84話
 双月に抱かれた星 (後編)
 
 高次元捕食体 ボガールモンス
 宇宙大怪獣 ベムスター
 ウルトラマンジャスティス 登場
 
 
 深夜、地球でいえば午後十時ごろにアルビオン王党派軍は後方五リーグにある
小城の補給基地へと撤退を始めた。テントは折りたたまれて馬に積まれ、
その他大砲などの兵器や道具も持ち運べるものは人力や馬で運ばれたが、
破損しているものや移動不能なものは破壊された。
 そんな中を、ルイズたち一行はウェールズやアンリエッタたちの本営から
少し遅れて徒歩で着いていっていたが、陣地が置かれていた草原を離れる前に、
才人は草原の向こうの木陰に向かって独り言のように話しかけた。
 
「これが終わったら、必ず戻ってくるからな」
 
 その先には、時空間から持ち帰った、とある日本海軍兵から預かったゼロ戦が
静かに鎮座しているはずだった。
 あのとき才人とルイズを乗せたゼロ戦は、多数のリトルモアを撃ち落したものの、
弾切れと再度のエンジントラブルに襲われて、王党派陣営から少し離れた
森のそばに着陸していた。
「あちゃあ、完全にエンジンが焼けちまったか」
 コクピットから這い出してきた才人は、とうとう白煙を上げて動かなくなってしまった
栄エンジンを見上げてため息をついた。時空間からここまでよく働いてくれたが、
どうやら点火プラグまでいかれてしまったようで、本格的な修理を施さなくては
もう動きそうもなかった。
 とはいえ、このハルケギニアで精密機械であるゼロ戦のエンジンを修理する
部品を手に入れることは実質不可能なので、感謝する意味合いで才人は
ゼロ戦に向かって手を合わせたが、その頭上を甲高い鳴き声と空気を切り裂く
飛行音が通り過ぎていったとき、見上げた彼の耳朶をルイズの声が遅れて打った。
「サイト、怪獣が落ちていくわ!」
 そして二人は変身することになり、アンリエッタたちを助けることに成功するが、
いずれなんとかしてゼロ戦は回収しておかねばならないだろう。
 
 
 やがて名もない小さな城に着き、簡単な食事をいただいた才人とルイズは
一行と別れて、古ぼけたバルコニーから二人で空を眺めていた。
176ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (2/14):2010/01/24(日) 16:54:20 ID:XFt1bhVV
「きれいな空だな」
「ええ、今日は月が二つ揃った満月ね」
 天空には、地球では決して見られない赤と青の色の月が満天の星空を
背に輝いており、その幻想的な風景には、普段顔をあわせれば憎まれ口を
叩き合っている二人といえども、魂を奪われて見入らずにはいられなかった。
 だが、この美しい星空も、夜が明ければまた血みどろの死闘が始まる前の、
つかの間の平穏であることを誰もが知っていた。
「明日で、終わるのよね」
 ぽつりとつぶやいたルイズの言葉に才人は答えなかった。明日、夜が明ければ
レコン・キスタ軍は最後の攻撃を仕掛けてくるはずだ。むろん、そのときには
ヤプールも逃げ延びさせたワルドなど、あるだけの駒を使って攻撃をかけて
くるだろう。ワルドに乗り移ったもの……それの正体については見当がついて
いるが、カリーヌと戦ったときにはワルドの能力を利用するために本来の力を
抑えられていたが、次は確実にワルドという余計な殻を捨て去ってくるであろうし、
ほかにもまだ奥の手があるかもしれない。これまでの超獣や宇宙人とは明らかに
違うであろう敵に、果たして勝てるだろうか。
 けれど、そうして物思いにふける才人に、ルイズは同じように空を見上げながら
穏やかに話しかけた。
「ねえサイト、覚えてる? フリッグの舞踏会のときもこんなきれいな夜空だったわね」
「忘れるもんか、あんな大騒ぎ……」
 そう言うとサイトは、自分の手のひらを見つめて、あのときルイズといっしょに
学院の外の原っぱで踊ったときのことを思い出した。
「わ、わたくしと踊っていただけますこと、ジェントルマン」
 二人で大勢の生徒たちや怪獣たちといっしょに踊ったときは、本当に楽しかった。
 あのときは、お互いにぎこちかったと思うが、今ははたしてどうなのだろう……
二人は考えて、互いの顔を見合わせるとほおを赤らめて視線を逸らし、
しばらくうつむいて沈黙が続いた。
「そうね……けど、きっと明日には終わるわよ。きっと始祖がお導きになってくださるわ」
「ずいぶん確信的に言うな?」
 やたら自信たっぷりに言うルイズに、才人は怪訝な顔をしたが、彼女はブリミル教に
ついてまだ無知な才人のために、指をぴんと立てて講義を始めた。
「明日はね。数十年に一回の皆既日食の日なのよ。始祖ブリミルは伝説によれば
四人の伝説の使い魔を連れていたっていうけど、それぐらいは知ってるでしょ?」
「ああ、学院長やコルベール先生からいくらか聞いたけど、名称不明なのが
一人と、ミョズニなんとかとヴィンダールヴだっけと、それからこれだろ?」
 左手の甲をかざして見せる才人のそこには、あらゆる武器を扱ったといわれている
伝説の使い魔の一つ『ガンダールヴ』のルーンが刻まれていた。
「ええ、その四人の使い魔を率いて、始祖はこの地に平和をもたらしたと伝説には
あるけれど、その一人が始祖の元に現れたのが日食のときだったのよ」
「なるほど……で、どれが?」
「くしくもあんたと同じガンダールヴらしいわ。伝説によれば、『その者はあらゆる
武器を使いこなし、その命を始祖の盾として守り抜いたる気高き勇者。しかして
無数の魔なるものが立ちはだかり、この地に滅びが迫りしときに、天より光ありて
一つとなり、魔を鎮め、邪を滅ぼした』、本当はもっと細かいんだけど、大まかに
言うとこんなところね」
 指を立てて、博士のようなしぐさで話すルイズは、小難しい伝説をスラスラと
詰まることもなく言い切って才人を感心させた。
177ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (3/14):2010/01/24(日) 16:55:35 ID:XFt1bhVV
「すごいもんだな。それ、ハルケギニアじゃみんな知ってるのか?」
「まさか、聖職者でもない限り、使い魔たちの名前くらいしか知りゃしないわよ。
学院の図書館で、ガンダールヴに関することや魔法の記録をいろいろと
調べているうちに自然とね。まあ、六千年も前の話なんで資料も乏しかったん
だけど、さすが資料庫としては国内有数のところだから無駄に知識は増えたわよ」
「ほう、ほう」
 そこで、才人はさすが勉強家のルイズだと普通に感心したのだが、ルイズの
ほうはここまで言って気づかない才人の鈍さに内心いらだちを覚えていた。
自分の使い魔がこんなでなければ、誰がわざわざガンダールヴのことなどを
調べるだろうか、伝説などいうやっかいなルーンが、才人にどんな悪影響を
与えるかもしれないと、どれほど心配したと思っているのだ。そして、これだけのことを
調べるのに何百冊の本を積み重ねるはめになったのかと、いっそぶちまけて
やりたい衝動にかられたが、そうすれば負けたも同然だと妙なプライドに阻まれて
思いとどまった。
「ふん、けど大体の資料ではガンダールヴはあらゆる武器を使いこなして始祖を
守ったというのは共通してるわね。あと、勇敢で気高く、始祖の信頼もほかの
三人よりも厚かった。誰かさんとは大違いよね」
「大きなお世話だ。それで、ほかには何かあるのか?」
「それより古い本はあったにはあったけど、記述はまちまちで信頼性には
欠けるわね。中にはうら若き美女で始祖の恋人だったなんてのもあったけど、
こりゃ眉唾もいいところだし、ただいくつかの資料では一度始祖を守って命を
落としたけれど、天から舞い降りてきた光に新たな命を与えられて蘇り、
邪悪な軍勢によって敗滅寸前だった始祖と仲間たちを救ったとあるんだけど、
これ、どう思う?」
「どうって、言われてもな……」
 あいまいに答えたが、才人の脳裏には以前ラグドリアン湖で水の精霊から
聞いた話が蘇っていた。
 
(もはや我の記憶すらかすむ、今からおよそ六千年の昔、この地を未曾有の
大災厄が襲った。無数の怪物が大地を焼き尽くし、水を腐らせ、空を濁らせ、
世界を滅ぼしかけたとき、その者は光のように天空より現れ、怪物達の怒りを鎮め、
邪悪な者達を滅ぼして世界を救った。彼がいなければ、我もお前達もこの世には
存在しなかっただろう)
 
 その話と今ルイズから聞いたガンダールヴの伝説はあまりにも合致している。
しかもそのとき水の精霊は、ウルトラマンAがその存在とよく似ていたと言っていた。
「六千年前に、大変なことが起きていたのは事実みたいだな」
178名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 16:55:40 ID:F4EKGF7a
久しぶりのウルトラ支援
179ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (4/14):2010/01/24(日) 16:56:56 ID:XFt1bhVV
 頭の中でたどりついた結論を才人はあえて言わなかった。確たる証拠が
あるわけではなかったし、何より自分ごときがわかることがルイズにわからない
はずがないと思ったからだ。
「そうね、わたしたちの想像を超えた何かが……その証拠に、ガンダールヴに
関する記述はヴィンダールヴやミョズニトニルンに比べて多いし、ブリミル教では
毎年年末に始祖がこの地に降り立った日を記念して、始祖の降臨祭が
おこなわれるんだけど、使い魔で降臨が祝われるのはガンダールヴだけなのよ」
「なんか、今まで多少強くなるくらいにしか考えてなかったけど、ずいぶんと大変な
もんだったんだな、このルーンって」
「かもしれないわね。そして、そんなものを呼び出しちゃったわたしも、いったい
なんなのかしらね」
 伝説の重さと、不条理な現実に圧迫されているのはルイズも同じであった。
答えがあるものならば、今すぐにも教えてもらいたい。しかし、それを知って
しまったときに自分はどうなるのか、それもまた恐ろしかった。
 けれど、そんなルイズの不安の雲を払ったのは、またも才人の緊張感を欠いた声だった。
「ふぅ……けどまあ、そんなすごいものをもらったならもうけものと思っとくか。
何の役にも立たないただの模様だったらダサいだけだからなあ」
「はぁ……あんたほんと事の重大さがわかってないのねえ」
「そう言ってもな、いくら考えたって、六千年前にタイムスリップできるわけじゃないし、
なるようにしかならないんじゃねえのか?」
 ため息とともに、ルイズは悩みを共用してくれないかと思った自分の考えを
まるめてくずかごに投げ捨てると、答えが出るはずのない思考の堂々巡りを打ち切った。
「ま、わたしが考えてわからないものがあんたにわかるはずもなかったわね。
わたしが悪かったわ、ごめんなさい」
「お前、それおれをバカにしてるだろ」
「あら、それぐらいはわかるのね。そういえばずいぶん話が脱線しちゃったけど、
日食のこの日だけはどんな争いもやめて祈りをささげるのが慣例になってるの、
もちろん敵は罰当たりにもそんなことにはお構いなしで攻めてくるでしょうけど、
過去にも日食の日にはいろんな奇跡が起こったと言い伝えられてるから、
始祖はきっと見守ってくださってるわよ」
 才人はウルトラの父降臨祭と似たようなものかと思った。もちろん重要性には
歴然たる違いがあるだろうが、偉人の生誕日を記念化する風習はハルケギニアでも
変わらないらしい。
 才人は、空に向かって祈りをささげるポーズをとるルイズを見ながら、自分は
正月には神社に初詣に行き、お寺に高校の合格祈願に行き、クリスマスを
祝ってついでに財布に貧乏神を引っ張ってくる節操なしの日本人だけども、
世界平和を頼むのだったら文句はないだろうと、ルイズのまねをして祈った。
 だが、そうして祈る二人を才人の背で見守っていたデルフリンガーは、鞘の中で
じっと物思いにふけっていた。
180名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 16:57:23 ID:ydgao6Ls
支援
181ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (5/14):2010/01/24(日) 16:58:20 ID:XFt1bhVV
(懐かしい話を聞かせてもらったぜ。そうか、あれからもう六千年なのか……
ずっと忘れていたが、我ながらよく生きたもんだ。ブリミルも、ほかの連中も
もう顔も思い出せねえが、いい奴らだったな……)
 単なるインテリジェンスソードと思われていた一本の剣の中に蘇った記憶が、
果たして真実であるのか、それとも年月の磨耗が呼んだ妄想の産物であるのか、
六千年という年月はあまりにも長すぎ、確かめる術はなかった。
 
 そしてそれから、じっとお祈りを数分続けた頃だろうか、そこへ唐突に沈黙を
無遠慮に破る明るい声が響いてきた。
「やっほー、こんなところにいたのね、探したわよ」
 その声にはっとして振り向くと、そこにはキュルケたちがいつものように
みんな揃って立っていた。
「あら、デートの最中にお邪魔しちゃったかしら?」
「そ、そんなんじゃないわよ!」
「照れるなっての、いやあいい雰囲気だったから声をかけるか悩んだんだけど、
いつまで待ってもキスの一つもする気配がないからじれったくなってね」
「なっ!?」
 どうやら最初からずっと見られていたらしい。二人とも、さっきよりさらに顔を
赤らめて、無邪気な覗き魔を睨みつけたが、当の本人はそ知らぬ顔。
「で、わ、わざわざ雁首そろえて何の用よ」
「ごあいさつね。仮にも生死を共にした戦友じゃない、辛気臭いのは嫌いだから
パーッと飲もうと思って誘いに来たんだけど、余計なお世話だったかしらね」
「……」
 どう考えても翌日は二日酔いで戦いどころではなくなると思うのだが、二人は
呆れても返す言葉が浮かんでこなかった。いや、というよりもキュルケには
いつも一歩も二歩も先を行かれて、会話でまともにペースを握れたことはなかった。
まったく生来の陽の気質とでも言おうか、どんな暗い舞台でも彼女がいれば
たちまち軽歌劇のようになるのだから不思議なものだ。
 そんなキュルケの後ろには、いつものようにタバサがいて、じっと無表情
ながらもこっちを見ていた。
「……や、やあ」
「……うん」
 どうもタバサを相手にしては、これまでうまく会話ができた思い出がない。けど、
何かがあったときには必ずそばにいてくれた。才人にとってもルイズにとっても、
タバサの存在は最初はキュルケの付属物のようなものだったが、今では余計な
言葉を交わさなくても、必要なことはわかりあえるようになってきた……気がする。
”相変わらず何を考えてるのかよくわからない子だけど……まあ、詮索する必要もないわね”
 ぺちゃくちゃしゃべるばかりが友達ではないと、最近になってルイズも思うように
なっていた。彼女が自分たちをどう思っているのか、よくわからないが、少なくとも
こうしてここにいてくれるということは、自分たちを悪く思っているわけではないと
いうことだろうし、いつか本当に分かり合えるときが来るだろう。
182ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (6/14):2010/01/24(日) 16:59:53 ID:XFt1bhVV
 頭をかきながらそんなことを思っていると、いくらかの荷物を抱えたロングビルが
二人に話しかけてきた。
「すみませんが、私はお先にここを失礼させていただきます」
「ロングビルさん?」
「やっぱりテファたちが心配ですし……やっぱりここは、私には居心地が悪いですから」
 そういえばロングビルはアルビオンの前王によって地位を剥奪されたのだった。
理性では直接関係のないウェールズを憎んではいないのだろうが、やはり王党派の
元にいることはつらいのだろう。そう理解した二人は、引き止めることなく道中の
無事を祈って送り出した。
 そして最後に……
「よかったですね、ミシェルさん」
 そこには、長年の心の鎖から解放されたミシェルが、穏やかに微笑を浮かべていた。
「ああ、隊長のはからいで、この戦いが終わったら、私はしばらく身を隠すことになった。
当分会えなくなるかもしれんが、おかげで胸のつかえが下りたような気がする。
思えばずいぶん遠回りをしてしまったように思えるが、やっと私は自分自身に帰れたようだ」
「別に、ミシェルさんはずっとミシェルさんですよ」
「いや、もしお前たちと出会うのがもっと遅かったら、私は妄信のままにトリステインを
滅ぼす企てに邁進し、目的のためなら手段を選ばないワルドのような卑劣漢に
成り下がっていたかもしれない。私を闇の中から引き上げてくれたのは、お前だ、サイト」
 その瞬間、星の光に照らされて、夏の風を受けてわずかに青い髪を揺らして
微笑んだミシェルの顔が、妖精のように美しく輝いていたように才人は思った。
「いや、おれは……その」
 どぎまぎして、ルイズになに動揺してんのよと足を踏まれながらも、才人は
自らのやったことに一片の後悔もなかった。
 
”ウルトラマンは、困った人を絶対見捨てない”
 
 それが才人にとっての正義感の源泉であり、行動の大原則だった。
 誰しもが心に宿しているヒーローが教えてくれる勇気や優しさを忘れずに、
目の前の人を救うためにその心を尽くす。ただそれだけのことである。
 けれども、救われた者にとってはその人こそがすなわちヒーローである。
ミシェルは才人のすぐ前に立つと、照れてだらしない顔をしている才人に笑いかけた。
「お前には、大きな借りができてしまったな、何度も命と心を救われた。本当に、
どうやって返せばいいのか、大きすぎるくらいにな」
「いやいいですって、見返りなんかが欲しくてやった……んむっ!?」
 才人の言葉は最後まで続けられることはなかった。いや、それどころか周りで
見守っていたルイズやキュルケ、タバサでさえあまりのことに絶句して、
酸欠の金魚のように口を無意味に開け閉じすることしかできないでいる。
183名無しさん@支援いっぱい:2010/01/24(日) 17:01:12 ID:mdt3HAoG
 
184ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (7/14):2010/01/24(日) 17:01:16 ID:XFt1bhVV
「キ、キ、キキキキ……」
 なぜなら才人の口は、別のもので塞がれていた。
「あら……まあ」
 それはとてもやわらかくて温かく、才人にとっては人生二度目の経験。
「……大胆」
 才人はまるで石像のように硬直して動けない。それもそのはず、彼にとって
ミシェルのとったその行為は完全に予想外で、目の前にちらつく彼女の顔を
見つめるしかできず、現状を理解したのは数秒の間をおいてのルイズの絶叫を
待ってからであった。
 
「キキキキ……キスしたぁーっ!!」
 
 時間にしてたっぷり十秒ほど、ミシェルは突然才人の体を抱きしめて唇と唇を
合わせていたのだった。もちろん、ルイズたちの目の前で、堂々と、誰にも
止める暇などはない一瞬の早技であった。
 愕然とするルイズ、だが彼女の絶叫が響き終わると、ミシェルはようやく
茫然自失としている才人から離れて、指を彼に突きつけて宣言した。
「いいか、これで借り一つチャラだからな! わかったな」
「あ……い、が」
 才人はなにかしゃべりたいのだろうが、脳がパンク状態の上に舌がもつれて
単語の一つもつむぎだすことはできず、ルイズもどうすればいいのか割り込む
方法を思いつけなかった。しかしミシェルは才人の答えを待たずにきびすを返すと、
大股で帰っていきかけたが、途中で思い出したように止まり、最後にそんな
才人にもしっかりと聞こえるように大声で言い残した。
「ま、まだ借りは残ってるから、この続きはトリステインに帰ってからしてやる! 
だから絶対に死ぬなよ、私も生き残るからな!」
 それだけ言うと、ミシェルはこちらが言葉をかける間もなく、とても怪我人とは
思えないくらいに軽やかに立ち去っていった。
 残されたのは、現実についていけてない才人とルイズと、二人を温かく
見守っているキュルケとタバサの四人だけ……才人とて、キスされただけで
KOされてしまうほどウブではないが、完璧にふいを突かれた上に、これまで
高圧的だった女性が優しくなるようになるとのギャップルールや、何より
ミシェルが本来持っていた魅力が解放されたのも加わって、ものの見事に
心を奪われてしまっていた。
 だがやがて夏風が、一回二回と彼らのほてった頬をなでていき、三回目
あたりでやっと我に返った二人の反応は例のごとくであった。
「この……続き……? はっ!?」
 才人は唇に残る心地よい余韻をも消し去るような、グローザムも真っ青の
絶対零度の殺気とゼットンの火球をもしのぐ超高熱の激怒のオーラを感じて、
油の切れたロボットのように首をきしませながら振り返ると、そこには悪魔がいた。
185ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (8/14):2010/01/24(日) 17:02:45 ID:XFt1bhVV
「サーイートー!」
「あ……ルイズ」
 鬼神も退く『烈風』の遺伝子を受け継ぐ者の、バーストモードの放つオーラは
母親のそれと比較しても、なんら遜色のないすさまじいもので、それは才人に
一切の弁明も説得も無意味だと確信させるものがあった。
「あ……こりゃ……死ぬな」
 ルイズの杖に、これまでのどれとも比較にならないほどの魔力が集中し、
その目標はただしく才人のみを向いていた。
「ル、ルイズ落ち着いて……」
「もう、手遅れ」
 キュルケとタバサの声も、もはや届かない。そして、ありったけの悲しみと
嫉妬とその他もろもろのやけくそを詰め込んだ、ルイズ究極最大の失敗魔法が、
すべてを巻き込んで解放された。
「この、馬鹿犬ーっ!!」
「ほげーっ!!」
 その瞬間、はや敵襲かと全軍が錯覚するほどの大爆発が、小さな古城の
一角を完全に消滅させ、少年一人と巻き添えを食った少女二人が救護所に
担ぎこまれたのが、この日の最後のイベントとなった。ただしルイズにとって
イベントの開催費用は安くなかったが。
「ルイズ、この大馬鹿者が!」
「ごめんなさいお母様、ごめんなさーいっ!!」
 当然のごとく激怒したカリーヌに雷を落とされる結果となったが、そのときは
幸いにもすぐにアンリエッタが止めに入ってくれたために、大きなこぶを作らされたが
魔法の行使だけはなくてすんだ。もっとも、そのときカリーヌにそんな魔法を
使う余力などは残っていなかったのだが。
 その後、陣営の一角に食事と睡眠のための場所をもらったルイズたちは、
明日の戦闘には参加せずに、不測の事態、つまりヤプールが攻撃を仕掛けて
きたときのために遊軍として待機することになった。これはまだ若いルイズたちに
人殺しを経験させたくないというアンリエッタの温情と、宇宙人や超獣に対抗が
可能なのは彼ら以外にないと思われたからだ。
 それから夜が更けた後に、ルイズと才人の姿はまだ救護所にあった。
 才人はまだ目を回したまま簡易ベッドに横になっており、ルイズは水のメイジが
足りないので、頭に大きな湿布を貼り付けて、自分のせいで何も悪くないのに
いまだに意識を取り戻さない才人を看護していた。
186名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 17:03:28 ID:4qauoLTY
ぼくらのエース支援
187名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 17:04:34 ID:U9LwSWSG
支援
188ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (9/14):2010/01/24(日) 17:07:12 ID:XFt1bhVV
「……」
 間抜けな寝顔を見ていると、思い出し怒りが湧いてくるが、今度母の怒りを
買ったら命の危険があるので、生存本能がかろうじてストップをかけていた。
「ほんとに……お人よしもたいがいにしなさいよね」
 才人のしたことは正しいことだということはわかっている。わかっているのだが、
才人のそばに自分以外の女の子がいると、自分でもどうしようもなくなるのだ。
 けれど、もしさっき二人でいるときにキュルケたちが来なければ、自分は
才人と何ができたか? ミシェルの半分でも勇気がもてただろうか……
「来年も、いっしょに踊ってくれる?」
 ルイズはそう言いたかったが、言ってしまえばそれがなぜか永遠に叶わなく
なるような気がして、どうしても口に出せなかった。
 
 
 ゆっくりと流れる時間とともに、二つの月だけはいかなる者をも平等に照らして
夜空に輝き続けている。
 
 
 一方そのころ、月が天頂に輝き草木も眠る時刻に、レコン・キスタ軍も出て行って
もぬけの殻となったアルビオンの首都ロンディニウムを見渡せる山の頂に、
闇夜と同化するような黒い服をまとって、街の郊外に突き刺さる、全長一〇〇メイル
にもなる巨大な岩の柱をじっと見つめている人影があった。
「やはり、あれが怪獣たちをこの星に呼び寄せている元凶か」
 月を覆っていた雲が晴れて、その人物、ジュリの顔が明らかになる。彼女は
エースと話して、この星を襲っている異変の現況が異次元人にあることを知ってから、
その侵略を阻止することに目的を切り替えて、以前にロンディニウムに立ち寄った
ときに見かけたこの石柱を再度調べるために戻ってきたのだが、それは案の定であった。
 これは巧みなカモフラージュを施してあって、人間の目にはただの岩石にしか
見えないだろうし、ジュリも最初はたんなる隕石かと思っていたが、よく透視すると
宇宙鉱物でできており、微弱な脳波にも似たシグナルを出している以上、
これこそが侵略兵器に間違いはなかった。
「また怪獣が来る……」
 ジュリの超知覚は、すでにこの恒星系に突入してきた何匹かの宇宙怪獣を
捉えていた。いずれはこんなものではなく、もっと大群をもって星を埋め尽くす
ほどの数がやってくるだろう。そうなる前に、この星の生態系を守るために、
宇宙全体の生態系のバランスを崩さないために、そして宇宙の秩序を崩すものを
許さない宇宙正義を貫くために、誰の目にもとまらずに、ウルトラマンジャスティスの
孤独な足音が夜空に響く。
 だが、その前に立ちはだかる者が姿を現した。
「貴様か、やはり生きていたな」
 ジュリの黒服と対照的な白衣をまとい、暗い影をまとった笑みを浮かべた女、
高次元捕食体ボガールは、あのときにメタリウム光線とビクトリューム光線を受けて
滅び去ったと思われていたが、やはりしぶとくも生き延びていたのだ。
「ク……アノトキハ、ヨクモヤッテクレタナ」
 ジュリの言葉にボガールは、あのときのダメージなどはまったく感じさせない
不敵さをもって、以前のように腕をだらりと垂れ下がらせ、しかし目にだけは
陰湿な輝きを宿らせて答えた。
189ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (10/14):2010/01/24(日) 17:08:37 ID:XFt1bhVV
「なるほど、お前があれの番人ということか、確かに貴様にとっては都合の
いい代物だろうが、破壊させてもらうぞ」
「コレイジョウ、オマエニショクジノジャマハサセナイ」
 鋭く睨みつけるジュリに対して、ボガールも殺意をみなぎらせた視線で応える。
いつの間にか、両者の周りには微細なエネルギーが飛び交い、隙あらば
いつでも襲いかかれる態勢をどちらもとっていた。
「あくまでこの星の環境を破壊しようというのならば、今度はもう容赦はしないぞ。
宇宙の秩序を守るために、お前をこの星から逃しはしない」
「フ……コンドハ、ワタシガオマエヲクウ」
 食欲の権化であるボガールと、宇宙の秩序の守護者であるジャスティスの
間に妥協点などは最初からあるはずもなく、ボガールは食事を邪魔する
ジャスティスを抹殺するために、人間体であるボガールヒューマンから、
一気に怪獣体へと巨大化をはじめた。しかし、その姿は以前のボガールの
ものではなく、さらに体格や腕も巨大に鋭角的になり、背中に無数の鋭いとげの
生えた翼のようなものが備わった凶悪なものに変わっていたのだ。
「やはり、脱皮して変貌を遂げていたか。ならば、これ以上巨大化する前に処理する」
 かつて宇宙の破壊者となったサンドロスに猶予を与えてしまったがために、
宇宙の各地に甚大な被害を与えてしまった過ちを繰り返さないため、ジュリも
ブローチの変身アイテム・ジャストランサーを手に取り、光に包まれて
ウルトラマンジャスティスに変身する。
「シュワッ!」
 黄金の光に包まれて現れた巨人と、ボガールが進化をとげて変貌した強化形態、
ボガールモンスが夜闇の郊外を舞台にして、新たなる戦いの幕を上げた。
「ヘヤッ!」
 第一撃を放ったのはジャスティスだった。さらなる異形と化したボガールに
恐れを抱かずに懐に飛び込んで、ボディに両鉄拳を叩き込み、隕石が落ちたような
轟音を深夜の街に響き渡らせる。
 しかし、先制攻撃を許したとはいえ、ボガールモンスはかつてもグドンやツインテール
などの強力怪獣をほんの数分で叩きのめしてしまったほどに強力なパワーを
秘めており、さらにボディもその程度では充分なダメージにならずに、かぎ爪を
振り上げてジャスティスを攻め立て、回り込まれそうになれば鞭のように自在に
動く尻尾を使って接近をはばんだ。
 その激闘は、はじまったばかりだというのに大地を揺るがし、眠りについていた
ロンディニウムの市民たちを夢の世界から引きずり戻した。
「か、怪獣だぁーっ!」
 これまで怪獣の出現は地方のみで、大都市圏にはまったく現れていなかった
ロンディニウムの市民たちにとっては、初めて目にする、ドラゴンなどとは比較に
ならない巨体を持つ大怪獣の姿と、それと戦う巨人の姿は、街全体を惰眠から
覚まさせるのにほとんど時間を要せず、彼らは一目散に逃げ出した。
 しかし、初めて見るということは同時に危機感も乏しいということで、郊外で
激闘を繰り広げる両者の姿に、無謀な好奇心を持つ者も少なからずいたのである。
190ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (11/14):2010/01/24(日) 17:10:14 ID:XFt1bhVV
「おい、もっと近くに行って見ようぜ」
 若者を中心にした男女が、紙芝居を追いかける子供のように口々に声を
掛け合って、恐怖感もかけらもなく走っていく。それは、地球やトリステインの
常識で見れば最悪の愚行であったのだが、そのことをまだ知らない人々は、
目の前のことを、檻の中で猛獣同士を戦わせる見世物のように思った代償を
高い見物料で支払わされる結果となった。
 戦いのさなかで、ボガールモンスは素早く動き回るジャスティスを接近戦では
捉えられないと判断し、頭部の後ろから突き出た発光器官から、雷撃のような
破壊光線を放って攻撃したが、これもまたジャスティスを捉えることはできなかった。
だが悪いことに、外れて流れ弾となったこれのその先は不運にも大勢の人々が
駆け巡っている大通りがあって、光線は通りの両側に連立している、石とレンガ
造りの建物を直撃した結果、人々の上に何百キロもある破片を降り注がせたのだ。
 それにより、お祭り騒ぎは一瞬にして阿鼻叫喚のちまたと化した。目の前を
いっしょに走っていたはずの兄弟や恋人が、一抱えほどもある岩の下敷きになり、
即死を免れた者の中にも、腕や足をつぶされて悲鳴をあげる者が続出し、
彼らはやっと自分たちが地獄の釜のふちにいることを知ったのである。
「に、逃げろぉーっ!」
 人の流れの向きが逆になり、享楽が狂乱に変わると同時に、人々はようやく
一目散に避難を始めた。むろん、この街の被害はそれで終わらず、アイのときの
ような悲劇がいくつも量産されたのだが、そんな中でも勇敢な人々はいた。
「待ってくれ! 置いていかないでくれ!」
 足を建物の破片につぶされて動けない男が、見向きもせずに通り過ぎていく
群集にすがりつくように上げた声に応えたのは、どこにでもいるような中年の
太った男であった。
「待ってろ、すぐに助けるからな!」
 彼は二百キロはありそうな大岩の下に、柱の残骸らしい太い棒を差し込むと、
崩落した建物から火の手が上がりかけている横で、一心に岩をどかすと
男に手を貸した。
「急いで逃げよう、肩を貸すから掴まれ」
「お、恩に着るよ」
 その男は、いつもならば酒場の陰で飲んだくれているのが似合うような
さえない脂ぎった顔だったが、助けられた男には、そんなものがなぜか
この上なく頼もしく見えた。
 また、別の場所では寝たきりで逃げられない老婆を、普段はやっかいもの扱い
している孫の少年が背負って走ったり、混乱の中でも最後まで残って市民の
誘導に当たっていた衛士がいたことを、救われた人々は生涯忘れることはなかった。
 むろん、ことはそれほど単純ではなく、岩の下敷きになった死体から金品を
抜き取ろうとしたり、混乱に乗じて火事場泥棒を働こうとしたりした馬鹿者の
醜悪極まる話や、それを食い止めようとした衛士隊の活躍など、善悪美醜様々な
エピソードが生まれ、人々は初めて味わう怪獣災害の恐ろしさと共に、それらを
記憶していくことになる。
 だが、人々に死と恐怖を撒き散らし続けるボガールモンスの無差別攻撃を、
ジャスティスは可能な限り食い止めようとしていた。
191ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (12/14):2010/01/24(日) 17:11:34 ID:XFt1bhVV
『ジャスティスバリア!』
 手を前にかざして作り出した金色に輝く半円球のドームが、街へ向かおうとしていた
ボガールモンスの光線をはじき返して無効化していく。この一撃も、もしジャスティスが
食い止めなければ数百人規模で死傷者が出ていただろう。
「ジュワッ」
 バリアを解除したジャスティスは、ボガールモンスに組み付くと、街から
引き離そうとして押し込むが、ボガールモンスも進化して増大したパワーで
そうはさせまいと押し返す。
 命を滅ぼそうとするボガールと、正義と同じく命を守ろうとするジャスティスは、
決して相容れることはないまま、戦いはさらに激しさを増していく。
 ボガールモンスのパワーにまかせた打撃を受け止めたジャスティスは、巨体を
持ち上げて放り投げたが、飛行能力を持つボガールモンスはひらりと地上との
激突を避けて着地し、戦いは振り出しに戻って永遠に続いていくかに思われた。
 しかし、戦いが長引くにつれて地力の差がじわじわと現れ始めた。
「グウウ……」
 いつの間にか、ボガールモンスは全身に受けた打撃によって体力を削り取られて、
対するジャスティスはほとんど無傷でカラータイマーも青のままだった。
 この差がついた原因は大きく分けて二つある。一つは、ボガールモンスは体格が
大きくなったために、ボガールに比べて攻撃力は上がっていたが、当然の引き換え
としてスピードが犠牲になっており、対して速攻と重い一撃が持ち前のジャスティスは、
かつてメビウスとヒカリが超高速飛行で翻弄して戦ったときのように、ヒットアンドウェイを
繰り返したために確実なヒットを与えられなかったこと。もう一つは、ボガールモンスは
ジャスティスの実力をかつて戦ったメビウスやヒカリと同程度と見積もっていたが、
数千数万年に渡って一人で宇宙の秩序を守ってきたジャスティスが積み重ねてきた
戦闘経験は彼らの比ではなく、想定以上に強すぎたのだ。
「コンナハズデハ……」
 強くなったはずの自分の力がまるで通用しないことに、ボガールモンスは
焦りを覚えたが、ボガール一族の中でもいまや伝説となっている最強形態ならば
ともかく、第二形態程度ではジャスティスに勝ち目がないことは自分でもわかっていた。
(とどめだ)
 ボガールモンスが弱ったことを見て取ったジャスティスは、躊躇無く必殺の
ビクトリューム光線の体勢に入った。エネルギーが収束し、回避したり受け止める
だけの余力がなくなったボガールモンスへ照準を合わせる。
 しかし、とどめの一撃が放たれようとした瞬間、ボガールモンスはおどろおどろしい
声で呪いの言葉を吐き出した。
「イイノカ? オマエノスキナイノチガ、タクサンシヌゾ?」
「ヘヤッ?」
 その言葉に不吉なものを感じたジャスティスはとどめの一撃を反射的に止めて、
そして透視能力でボガールモンスの体内をスキャンすると、驚くべきことがわかった。
192ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (13/14):2010/01/24(日) 17:13:01 ID:XFt1bhVV
〔高エネルギーが、体内を循環している。捕食した怪獣のものか〕
 そう、ボガールモンスの体内にはこれまで食らった怪獣から奪った高エネルギーが
満ち溢れており、それにひとたび引火でもしたら、今の状態ならこのアルビオン大陸の
半分が吹き飛ぶほどの、まさに動く水爆と化していたのだ。
「ソレデモ、コウゲキデキルカ?」
 ジャスティスは、ボガールモンスが自分の弱点を知って、それを利用しようとしている
ことを知った。おそらく奴は、かつて地球でメビウスとツルギに倒されたときの自分の
記憶から、自らの体が持つ特性を知ったのだろう。
 だが、それでジャスティスは攻撃ができなくなるだろうともくろんだボガールモンスは
発光器官からの光線をジャスティスに浴びせかけたが、ジャスティスはそれを
避けるとボガールモンスの前に高速移動して顔面を蹴り飛ばし、さらに腹の下から
担ぎ上げると石柱に向かって放り投げた。
「セヤアッ!」
 油断していたところに容赦ない攻撃を食らい、ボガールモンスはたまらずに
投げ飛ばされて、ぶっつけられた石柱の下敷きになってしまった。
「キサマ、コノホシノイノチモマキゾエニ?」
 激突させられた石柱の下から這い上がってきたボガールモンスは、ジャスティスの
加減のなさから、人間の犠牲をいとわずに自分を倒そうとしているのかと思った。
しかし、かつて戦ったメビウスやヒカリとは違う能力をジャスティスは持っていた。
「ハアッ!」
 精神を集中させ、エネルギーを解放したジャスティスと、それを受けたボガールモンスと
石柱が金色の光に包まれて消えたかと思うと、次の瞬間にはロンディニウム郊外から
一挙にハルケギニアの二つの月の一つへとテレポートしていた。
「コ、ココハ?」
〔あの星の衛星の一つだ。ここでなら、遠慮なく貴様を爆破できる〕
 ウルトラマンジャスティスは、ウルトラ兄弟らと違ってほとんど単独で宇宙の秩序を
守る使命を帯びているために、その移動能力は桁外れで、異次元空間への
瞬時の移動すら自在に可能で、かつてスコーピスに追われて全滅寸前だった
ギャシー星人の宇宙船団を救った際には超空間航行中の円盤の前に突然現れている。
 今までとは逆に、荒涼とした砂漠の空に青く輝く星が見える月面上へと移された
ことで戸惑うボガールモンスに、ジャスティスは攻撃を再開した。
「デュワッ!」
 強烈な威力を秘めたパンチがボガールモンスの顔面を打って火花を散らし、
巨体を持ち上げてそのまま月面に叩きつける。
 もちろんボガールモンスも必死で抵抗を試みて、腕力と光線で迎え撃つが、
そのことごとくを見切られて、内部のエネルギーはまだ無事だが外皮は見るも
無残にボロボロにされていた。
 その一方的な展開には、ボガールを苦労して再生させたヤプールも失望を
禁じえなかったであろうが、この世界のウルトラマンの実力をなめていたことは
間違いはなかった。
193名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 17:13:53 ID:q99C6vHj
待ってたよー支援
194ウルトラ5番目の使い魔 第84話 (14/14):2010/01/24(日) 17:13:55 ID:XFt1bhVV
 そして、ボガールモンスを月面に新たなクレーターができるほどに強烈に
叩き付けたジャスティスは、奴といっしょにテレポートさせてきた時空波放出の
発信機である石柱が、戦いのどさくさにまぎれて飛んで逃げようとしている
ことに気づくと、逃がしはせぬぞと睨みつけた。
「ハアアッ!」
 ジャスティスの眼前に金色に輝くエネルギーが収束していき、両腕を
同時に前に突き出すと、そのエネルギーは両拳の先から奔流となって
撃ち出されていった。
『ビクトリューム光線!』
 大破壊力の一撃を撃ち込まれた巨大石柱は、表面に細かい亀裂を生じさせて、
その亀裂が内部から輝いたかと思った瞬間に、大爆発を起こしてただの砂へと
返っていった。
〔これで、あとはお前だけだ〕
「オマエ……ヨクモ」
 ボガールにとっては、労せずして餌場を肥やせる願ってもない道具を破壊された
だけに、その怒りはすさまじかったが、ジャスティスをひるませることはできなかった。
 だが、このまま戦い続ければジャスティスの勝利は間違いなしと思われたが、
卑怯なボガールは、時空波を放つ岩塊の力を借りなくても怪獣を呼び寄せることの
できる能力を使って、すでに宇宙のかなたからハルケギニアを目指していた
宇宙怪獣をこの月へと呼び寄せていた。
(あれは?)
 ジャスティスの目に、こちらをめがけて一直線に飛んでくる、平たい体と
緑色の表皮を持った怪獣の姿が映り、超高速で飛行してきたそいつは
頭の上に生えている一本角から、黄色い破壊光線をジャスティスめがけて
放ってきた。
「シュワッ!」
 とっさにかわしたジャスティスのいたところへ、光線は命中して月の
岩と砂を巻き上げる。
 そして、その怪獣は明らかにジャスティスを敵と認識したように、一気に
突進してくると、高速でジャスティスに体当たりをかけてきた。
「ゼヤアッ!」
 避けきれないと判断したジャスティスは、その怪獣を受け止めると、
突進の勢いを利用してハンマー投げのように放り投げたが、そいつは空中で
器用に姿勢を整えると、月の上に降り立ち、先が鋭い爪になった腕を振り上げて、
五角形の幾何学模様をした腹を見せつけながら威嚇をかけてきた。
(この怪獣……強い)
 ジャスティスは、その怪獣の自信にあふれた姿から、おそらくは過去にも
相当な数の怪獣や宇宙人と戦い、勝利してきたのだろうと推測し、それは
まったく間違ってはいなかった。
 この怪獣のもう一つの地球での名が語られるとき、そこに戦慄を
覚えない者はいない。かつてMATをあわや全滅寸前にまで追い込み、
ウルトラマンジャックを一方的に叩きのめした強豪中の強豪。
 その名は、宇宙大怪獣ベムスター、かに座の爆発によって生まれ、
水素、窒素、ヘリウムなどのガスをエネルギー源にする、強力無比な大怪獣だ。
 
(厳しい戦いになりそうだな……)
 
 ハルケギニアをかなたに見やる、誰一人見届ける者も知る者もいない
荒涼とした月の世界で、ウルトラマンジャスティスの孤独な戦いは続く。
 
 
 続く
195ウルトラ5番目の使い魔 あとがき:2010/01/24(日) 17:16:46 ID:XFt1bhVV
以上です。支援してくださった方々、今回もありがとうございました。
新刊出ましたね。今回もまた、いろいろと新設定が出ましたが、幸いうちのほうはプロットを
変えねばいけないようなことはなさそうなのでほっとしています。
というわけで今回からアルビオン編、もう一つの決着戦の開始です。
ちなみに、今回登場させる怪獣は初期案ではボガールモンスと月怪獣ペテロを予定していましたが、
考えてみたらスタンダードモードでもコスモス・エクリプスモードと同等の実力を持つジャスティスの
相手にはちとなりえそうもないので急遽変更いたしました。
さて、次週は二大凶悪怪獣VSウルトラマンジャスティス、決戦です。
196名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 17:18:46 ID:F4EKGF7a
ウルトラ乙

ベムスターキター
197名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 17:52:41 ID:yj5ML3Gl
ナックル星人召喚でカトレアとサイト殺しを
198名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 17:56:40 ID:ZU/9uGuk
ベムスターってメジャーだけど強豪だっけ?
それ以降の帰マン怪獣から比べると強さはむしろ平均以下なような
199名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 18:02:18 ID:F4EKGF7a
コレに負けてウルトラブレスレット貰ったんじゃなかったっけ?
タイラントの胴体にも使われてるし
200名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 18:04:20 ID:ydgao6Ls
ウルトラの人乙
201名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 18:33:53 ID:bupn5iCq
超闘士激伝でも闘士怪獣になってる、メジャー怪獣だし。十分強豪怪獣だと思うよ<ベムスター
202名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 19:37:21 ID:LyQxxt84
負ける

じゃあパワーうpしないといけね

太陽までいってちょっとパワーうpしてくる

やべー近づきすぎて太陽に引き込まれる

セブンが来て助けてくれる&ブレスレット渡す

ちょっとブレスレットでベムスター殺してくる
203名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 21:06:05 ID:zBTmj8qg
ブレスレット受け渡し時

セブン「これさえ身につけておけば、いかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう」


……『互角』じゃダメなんじゃないのかなぁ、と思ったものでした。
204名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 21:27:33 ID:/DH6rJRp
ベムスターってウルトラマンSTORY0で星喰ってなかったっけ?
これはハルケの月片っぽオワタ
205赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 21:54:56 ID:7qVMEir0
どうもお久しぶりです。
予定が無ければ、年明け一話目を10:00から投下します
206赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:00:20 ID:7qVMEir0
最初は、ほんのちょっとの違和感だった。
二人の姉と比べて、魔法の覚えが悪い。幼いながらも、彼女はその現実を認識していた。
『心配する事は無い、良くある事だ』
最初だけは周囲の人間もそうやって彼女を慰めた。
だが、姉たちが自らの系統を見出した時期になっても尚、杖を振り、起きるは爆発のみ。
日に日に、周囲の視線は厳しくなる。長女には辛辣な言葉を浴びせられ、母親に至っては体罰も厭わなくなる。
使用人達も上辺ではへりくだって彼女に接していたが、無能魔法使いと舐めてかかっているのは明らかだった。
少女は焦った。必死で文献を漁った。必死で知識を溜め込んだ。来る日も来る日も杖を振った。
それでも、願いは始祖に届かない。焦りは、何時しか恐怖へと成り代わった。
読み込んできた無数の本を思い起こしても、爆発しか起こさないメイジなどという記述に覚えはない。

ならば、自分は何だ? 

年を経て形を成してきた疑問は、少女を奈落へと突き落とす。
もう、安住の地は存在しなかった。
心優しい次女の胸に抱かれても、凛々しい婚約者に愛を囁かれても、心の奥底で火種が燻る。
少女は、半狂乱になって探した。自分の居場所を。

そして少女は、ある考えに至る。
有りのままの自分に居場所が無いのなら、“殻”を被ってしまえば良い――『無能』と言う名の、みすぼらしい“殻”を。
遂に、彼女は世界へと降り立った。『無能』の“殻”を通してみた景色は、どうしようもなく辛く、苦しかった。
しかし、少女は耐えた。殻を被って初めて、自分は世界に認められるのだから。

もう、その殻は無い。

『君は『無能』なんかじゃない――只、『異常』なだけだ』

一振りの太刀にも似た言葉の羅列が、少女を覆う全てを切り裂き、中身を無理矢理引き摺り出した。
暴れても、泣き叫んでも、掴む手は緩まない。それは最早救いの手とは程遠い、地の底へ誘おうとする悪魔の手だった。

殻の中から、何かが覗いた。
醜かった。この世の全ての穢れを濃縮したかの様なモノが這い出てきた。
それには頭があった。胴体があった。手があった。足があった。顔があった。髪があった。

それは、自分だった。


207赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:00:59 ID:7qVMEir0
「嫌アアアアァァァァアアアアアアアァァッ!」

歪な叫び声と共にルイズはベッドから跳ね起きた。
呼吸が上手く定まらない。肩で大きく息をして、虚ろな目で辺りを見回す。
目に映るは、普段とは違う自分の部屋。
机や椅子は引っくり返り、衣服は破られ、小物も無造作に散らばっている。
香水や化粧品の瓶も割れ、それらの混ざり合った刺激臭が彼女の鼻腔を刺す。
その刺激のお陰か、やっと意識が明瞭としてきた。恐怖で埋め尽くされた頭に理性が蘇る。
同時に、自分の身に起こった出来事も。
夢のように朧げではなく、はっきりと。

あの後、ルイズは逃げる様に自分の部屋へと帰り、そして、暴れた。
視界に入るものを全て投げ、重い物は引っくり返し、ひたすらに暴れた。
感情の赴くままに。恐怖に追い立てられるままに。
その後は、只泣いた。
声を殺すどころか、張り上げて泣いた。体中の水分を絞り尽くすほどに泣いた。

気が付いたら、泣き疲れて眠っていた。

「……まるで、赤子じゃない」

いや、赤子だったら、どんなに良かっただろう。
何を考えることも出来ず、只日々を暮らすだけで良いのだから。
『自分』がそこに居るという事実。それだけで毎日を笑って過ごせていたのだから。
しかし、成長した精神はそれだけで己の存在を肯定できるほど優しくは無い。

―――『普通』って感覚は、捨てるんだよ

不意に、浮かんだ。
網膜に焼き付けられた、赤眼と牙が。
鼓膜に刻まれた、彼の言葉が。
208赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:03:25 ID:7qVMEir0
「ひッ………!」

 身体の芯が射竦められる。耳の奥が揺さぶられる。
 涙と汗でじっとりと濡れた衣服の向こうに感じる鼓動が、普段の数倍速くなっていた。

 見透かされた。
 『殻』を被っていた筈なのに。
 ちゃんと『無能』を演じていた筈なのに。
 深く深く押し込めた筈なのに。

 いやだ。

 いやだイヤだ嫌だ厭だ否だイヤダイヤダイヤダ―――

 もう、戻りたくない。
 まるで、世界の全てに嫌われた様な。
 まるで、世界で一人になった様な。
 不安感、恐怖感、否定感、憂鬱感、嫉妬感、劣等感、異常感、
 ありとあらゆる負の感情を一辺に感じていた、あの頃には。

 虚無だ。
 自分の周りには、虚無しか存在しない。
 完全な無。
 完全な『ゼロ』

「……はは………」

 自嘲気味な笑いが漏れる。
 なんと言う皮肉だ。必死になって被っていた『殻』。それが壊れて初めて、その名の通りの存在になってしまったのだから。

 狂ってしまえば楽になることは分かっている。
 しかし、常識に囲まれて育った精神が、一部の人間から向けられた優しさが彼女を引き止める。
 只、彼女にはそれも救いの手には思えなかった。
 鎖だ。それは彼女を『普通』へと繋ぎ止める鎖だ。
 彼の言う通りだ。これでは前にも後ろにも進めない。
 手を振り払い、皆を騙し自分を誤魔化して世界へと存在し続けるか。
 鎖を引き千切り、壊れては居ても安らかな世界へと手を引かれていくか。

「……選べる訳、無いじゃない」

――もう、いい。
――何も考えたくない。

 ルイズは、静かに顔を伏せ――

 そこに、扉を叩く音が響いた。

209赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:04:36 ID:7qVMEir0
――誰よ。

 ルイズは、少しだけ顔を上げ、扉を一瞥する。
 あの男が帰って来たのだろうか。だとしたら、開ける気は無い。
 怒っているのではない。恐いのだ。
 彼が――『異常』が作り出す、世界の全てが。

 そうこうしている内に、扉が更に強く叩かれる。
 ルイズはベッドに潜り、毛布を頭から被った。扉の軋む音が彼女の鼓膜を揺らす。

――何よ。
――もう、ほっといてよ……!

 暫く音は鳴り続けていたが――急に、静寂が訪れる。
 続いて、カチャリと小気味良い音が響いた。

――……え!?
 
「何で……」
 
 鍵は確かに掛けたはずだ。思わず、布団を跳ね除け顔を上げる。
 
 まず目に入ったのは、目の眩む様な紅蓮の髪。
 それに続く、艶かしい褐色の肌。
 野蛮なゲルマニア人。炎のトライアングルメイジ。ルイズの、ヴァリエール家の仇敵――

 『微熱』のキュルケが、そこに居た。


210赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:05:53 ID:7qVMEir0
 昼下がり、『ヴェストリの広場』には今迄に類を見ないほどの生徒がひしめき合っていた。
 『風』と『火』の塔に挟まれたそこは、中庭ではあるが西向き故に、日中でも光が射す事は殆ど無い。
 普段は誰一人として立ち寄ることは無いその場所に集まる、野次馬達の目的は一つ。

 ふと、喧騒に包まれた群集が一転静まり返り、割れるように道を開く。
 その中を、期待侮蔑興奮、そして少々の恐怖を孕んだ視線を浴びながら、異形の青年は軽やかに歩を進める。

 広場の中心に陣取る金髪巻き毛の少年――ギーシュはその姿を認めると、手にした薔薇を高々と掲げ、宣言した。

「諸君! 決闘だッ!」

 瞬間、辺りが歓声の渦に飲み込まれる。青年――クリストファーは五月蝿そうに顔を顰めた。
 対するギーシュは観衆へと優雅に手を振って応えている。余裕綽々。決闘と言う言葉に反して張り詰めた雰囲気は微塵も感じられない。
 ふと、ギーシュは手を止めた。喋るから静まるようにとの合図だ。ざわめきが徐々に鎮火する。

「取り敢えず、逃げずに来た事だけは誉めてあげようじゃないか、平民君」

 周囲が一様に黙ったのを確認し、ギーシュはクリストファーに挑発を投げ掛ける。
 それでも彼は、顔に浮かんだ笑顔を崩さない。

「随分と集めたもんだねぇ。一人で来るのがそんなに恐かったかな?」

 目には目をとばかりに、あっさりと挑発を返されるギーシュ。顔に浮かんでいた笑みが強張った。
 鼻を鳴らして、薔薇をクリストファーに突きつける。

「ルールは至って単純だ。参ったと言った方が負け。……そうそう、君にハンデも用意しなければね。僕だけは、この薔薇――そう、僕の杖だ。コイツを落としても敗北としよう」

 相手は平民だ。これ位のハンデは有って然るべきだろう。
 優位性を見せながら叩き潰してこそ、このショーは映えるものだ――そう考え、ギーシュは言葉を紡ぐ。
 しかし、その言葉を聞いてクリストファーは笑顔で物騒な提案を口にした。

「別に死んだら負けでも構わないけど?」

211赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:07:03 ID:7qVMEir0
「な……!?」

 広場を、騒々と言葉が行き交う。平民風情が何を抜かすと鼻で笑う輩もいれば、クリストファーの動じない態度に一抹の不安を見せる者もいた。
 動揺を見せてしまった事を後悔しながら、ギーシュは精一杯の虚勢を張る。

「……悪いが、僕には平民の死体をここに居る淑女達に晒す趣味は無いのでね。やりたければ、勝手にするといいさ」

 そう言って、ギーシュは薔薇を振る。花弁が一枚地面に落ち、瞬く間に甲冑を纏う女性を象った。
 初めて、クリストファーの顔に一抹の驚きが表れる。
 ギーシュは満足気にクリストファーへと語り掛けた。

「僕はメイジだ。故に魔法を使う。二つ名は『青銅』。この青銅のゴーレム、ワルキューレが君のお相手をしよう――よもや、卑怯とは言うまいね?」

 クリストファーは、呆けたようにワルキューレを見ていたが――
 やがて、手を叩いて笑った。

「ハハッ! 凄いな! どうやってるんだい? 物理法則とか完全に無視じゃないか!」

 あくまで、彼は余裕な態度を崩さない。
 ギーシュは思わず歯軋りをした。馬鹿にされたと思ったのだ。

「行け、ワルキューレ! あの男に礼節というものを叩き込んでやれ!」

 怒号と同時に、ワルキューレが駆ける。速い。並みの人間以上だ。
 瞬く間にクリストファーの眼前に迫り、青銅の拳が唸りを上げる。

――もらった……!

 ギーシュは内心で喝采をあげる、が――
 クリストファーは、ワルキューレに向かって真っ直ぐに直進してきた。

212赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:08:09 ID:7qVMEir0
「何!?」

 予想外の動きに、ギーシュの思考が硬直する。
 普通ならば引いて避けるのが戦闘の筋。これでは、自分から殴られに行っているようなものだ。
 案の定、クリストファーの眼前まで拳が迫り――

 そこで彼は、更に加速した。

――!?

 打撃のタイミングを外されたパンチが、空しく空を切る。
 態勢を立て戻すよりも前に、クリストファーはワルキューレの懐に潜り込む。
 だが、それでも止まらない。装飾の施された甲冑に足をかけ、ワルキューレを『駆け上がる』。
 そしてワルキューレの頭部を抱え込み――

 ガギンッ! と何かが砕ける音が響く。
 クリストファーはワルキューレを乗り越え、背面に降り立った。
 ――ワルキューレの頭部を、抱えたまま。

 首を失ったワルキューレはそのまま膝をつき、地面へと倒れた。
――『瞬殺』。
 ギーシュだけでは無い。その場に居た全員の頭に、その言葉が浮かぶ。
 広場中の人間の驚愕を一身に集め――クリストファーは、大きく溜息を吐いた。

「あー、その、御免。前言撤回」

 持っている首を弄びながら、彼は言葉を吐き出した。

「――これじゃあ、応急措置にもなんないや」

213赤目の使い魔-10:2010/01/24(日) 22:13:27 ID:7qVMEir0
以上で終了です。
ああ、10話で終わらせるつもりだったのに……
次回こそ、決闘編を終わらせねば

ではまた。
214名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 22:14:01 ID:DYOvbAhW
乙です!
次も楽しみだー
215名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/24(日) 22:41:42 ID:wY5AOaUo
流石日曜日。大量投下乙!


ところで、劇場版なのは見てきた。なかなか良かった。
という訳で、劇場版も公開されたことだし魔砲の人と幼なのは人帰ってこないかなぁ。
216名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:22:16 ID:wlPGvRdh
新刊、amazonで頼んだら発売前日に届いたので読んだが・・・こりゃあ影響大きそうだなぁ・・・

魔砲の人は14巻までの設定に限定してるからいいとして、ジルの人やその他の作家さん達は大変そうだ。
217名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:29:38 ID:Cl1PkTpT
かなり初期の段階で最新刊の方向性にシフトするのは
そんなに難しくなさそうだから
そういう方向性の作品が増えそう
218名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:32:12 ID:Q3FRn/tk
そもそも現在進行形の作品の2次創作で全ての設定を合わせようってのは無理な話
今から書く人はともかく、今書いてる人は無理のない範囲で取捨選択するだろ
219名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:32:39 ID:qPYS1Y0z
拾えない設定は割り切るのが一番でしょう
「○巻時点までで判明していた設定を使ってます」とか言って
220名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:35:48 ID:OXVq3ksy
>>219
クロスオーバー系の二次創作だと、双方の設定を100%忠実に守るなんて端から不可能だしね。
221名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:37:17 ID:5PU5/e/D
注意書きでそれ言っても「せめて最新刊までは読め。書くのはそれからだ」とかいわれちゃう世の中じゃ・・・
222名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:43:18 ID:l0c2CmSn
>>219
萌え萌えさんみたいに明言してないけど明らかにコミック版の設定でやってる人は
影響は少なそうだね。
コミック版はコミック版でぶっ飛んだ描かれ方しているところもあるけど。
223名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 00:43:31 ID:OXVq3ksy
>>221
書き始める前には、現行巻はすべて読むのは当然だろうし、
そのうえで多少の解釈やら、クロス先に合わせた設定の微調整は必要だろう。

それすら認めない狂信者は確かに一定数いるけど、そういうバカは無視するしかないでしょ。
224名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 01:05:01 ID:V1/4Au+V
           ノ´⌒`ヽ
       γ⌒´      \
      .// ""´ ⌒\  )
      .i / ⌒  ⌒   i )
       i  (・ )` ´( ・)  i,/  使い魔が全部やったことで 
      l  (_人__)   |   私は何も知りません
      \  'ー ´   ノ
       / /V▼V◎ヽ\
       |. |丶|.▲ | ./ l |
ルイズ=フランソワーズ=ドラムスコ=ハトヤマ


        ,..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..
      /::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)
      .|::::::::::/        ヽヽ
    。 |:::::::::ヽ ........    ..... |:|
    ||  |::::::::/    )  (.  .|| 
    ||/〔.|」;|  -=・=‐  .‐=・-.|  
    〔 ノ´`ゝ   'ー-‐'  ヽ. ー' |
    ノ ノ^,-,、.   /(_,、_,)ヽ  |  
   /´ ´ ' , ^ヽ / ___    .|  あれは偏在がやったこと
   /    ヽ ノ'"\ノエェェエ>   |    俺はなにも知らない
  人    ノ \/ ー--‐   /|:\_
 / \__/:::\  ___/ /:::::::::::::
   ::::::::::::::::::::::::|\   /  /:::::::::::::::::
        閃光のドワル
225名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 01:05:57 ID:u91XS2Nq
くそwポッポは平気だったのにドワルで噴いちまったw
226名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 01:38:13 ID:eChnOd7s
>>224
AA貼るなよ。
つーか政治関係のネタは無意味に荒れる原因になるから持ち込むな。
227名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 02:36:21 ID:WzaxBiR0
>>223の一行目
それ「二次創作は作者が全部書け」って言ってるのと一緒。
二次なんて知らぬ存ぜぬ忘れた気にしないが当たり前。
228名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 03:04:13 ID:dGBhOHOY
ゼロ魔もクロス元も尊重しないといけないここでそれは無いわw
「知らぬ存ぜぬ忘れた気にしないが当たり前」の所でどうぞ。
229名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 04:39:49 ID:0G0qLneE
「書き始める前には、現行巻はすべて読むのは当然」=「二次創作は作者が全部書け」ってどういうこと?
よく分からんけど、ここはゼロ魔とのクロススレだし、ヤマグチノボル作品とのクロスしか認めないってこと?
230名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 05:16:25 ID:YSmXiRTI
政治系コピペの乱舞は運営に知られたら一発で規制とか聞いた
231名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 05:27:14 ID:qPYS1Y0z
…アヤシイウワサのでき方を垣間見た気分だ
232名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 07:02:22 ID:6m5WY/vh
>>227
よくわからんが、1巻しか読まないで初めてもいいってことか?
233名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 07:19:34 ID:UV0F9Roy
今はまだ良いけど、ハルケが将来的に発展していったらこういうクズ政治家出てきそうだよな
234名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 07:56:49 ID:WzaxBiR0
>>229 作者=原作者で。
>>223が「二次創作なら既刊と全ての設定を合わせて当然」と言ってるようにみえたんだ。
このスレでは既刊の分の設定は知っておいてほしいね、ということだね。ごめん。
235名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 08:46:11 ID:1cSjyCXh
確かこのスレで連載している作者さんだったと思うのですが、原作が進んでいるうちに設定が変わって、このSSは「〜巻までの設定で連載を続けます」と宣言してましたね。
最新巻まで読んでいる事は望ましいですが、必ずしも最新巻での設定を使わなければならないわけでは無いかと。
要は作者さんたちが楽しんで書けるかどうか、という事で。
236名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 09:02:31 ID:WrIZ/B91
魔砲の人みたいにゼロ魔世界のルーツを独自に解釈してそこに切り込む話を書くと
どうしてもそうならざるを得ない。というかそれはそれで面白いしね。
今から書き始めたのに既出の設定をあえて無視する、ってのだと賛否ありそうだが。
237名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 09:10:23 ID:sAfLeFUi
細けえこたあいいんだよ
238名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 10:33:52 ID:DAPZDjNn
ゼロ魔を見もしないファンじゃない奴が便乗創作活動する場所じゃあ無いってこった
239名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 10:38:22 ID:Fa+NAHE4
原作小説最新刊まで読むのは大前提
240名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 11:37:14 ID:of3qKJNU
つまり修正不可な設定が出たら途中終了するのが当然てことだな
241名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 11:40:28 ID:9qDlqLa6
釣りにしてもつまんねー流れだな。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 13:42:44 ID:qvCpjYpm
シザーマン召喚で書いてみる
243名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 14:25:16 ID:Ww71XS+Y
>>184
そういやサイトって本番はないけど、ルイズのほかにもシエスタ、キュルケ、タバサ、アンリエッタとのきなみやってるキス魔だよな
それにルイズにファーストキス奪われたときも意外と冷静だったし、元々そういう素質はあったのかも。
もしおれだったら鼻血吹いて倒れるぞ。
244名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 14:28:37 ID:Q3FRn/tk
>>242
一度クローゼットに隠れてやり過ごしたルイズがもう一度同じところに隠れて扉越しにブッスリですね、分かります
245名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 16:05:21 ID:0G0qLneE
>>236
既出の設定をあえて無視するというか、「都合が悪いから原作を改変します。」ってことだもんね……。

>>234
なるほど、そういう食い違いがあったのか。
全部を合わせるって無理だし、そりゃ反論するよねw
サイト以外が召喚された時点で違っちゃってるし、サイト以外が召喚されたことで大なり小なり物語も変わってくるしね。

そうそう「既刊の文の設定は知っておいて欲しいね」ってことだと思うよ。
もうちょっと強く「当然」と言っても良いかもしれないけどw
ここはゼロ魔の世界を舞台にしたクロスだし、そこのことはちゃんと知っておくべきだよね。
>>238も言ってるようにお気に入りのキャラや作品の踏み台にするだけなら、他に行くべきだ。
もちろん逆にクロス元をなおざりにしても否定されるだろうけど。
246名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 16:08:54 ID:5PU5/e/D
俺はキャラがつかめてるならいいよ派
全部読んでても名前だけの別人出される方が嫌だ
247名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 16:12:37 ID:qPYS1Y0z
おもしろけりゃいいよ派
まぁ例えば俺TUEEEEな話とかに面白い話はあんまりないわけだけど
248名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 16:52:28 ID:zMlpESAi
わたしも面白ければいい派ではあるのですが、一人一人面白いと感じるポイント、
面白さを損なうと感じるポイントが違いますからね

面白くてもキャラ改変が著しかったらアレですし
249名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:05:18 ID:zMlpESAi
追加
キャラ改変が著しくても「ゼロのガンパレード」のような傑作もあって難しいものです
250名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:08:08 ID:Ww71XS+Y
キャラがつかめてるかというと、
サイトは猪突盲信の正義バカ、ルイズはツンデレの空気読めない箱入り娘
タバサは無口っ子でテファは胸革命、スケベジジイのオスマンと、産業革命コルベールを追うアニエスと、
アンアンビッチで、ほれ薬のモンモンとギーシュのバカップル、フーケ、ワルドはかませ犬、黒幕ジョゼフと陰険教皇
こんなところですかね。
251名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:09:31 ID:j5nY1H2x
面白かったらいいよ。って実は設定厳守よりもハードル高いよな。
明確な基準は無いし、面白いかなんて人によって変わってくる。
それに裏を返せば、つまらなかったらだめよん。ってことだしなw

>>246
それ二行目の奴が全部読んでるなんて言っても誰も信じないだろw
252名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:10:24 ID:Ioo6jH5h
説得力が全て。
作者すら理解しきれていない説得力のない改編は叩かれるし
どんだけ元と別人でも変化の過程に納得のいく理由があるなら許される
253名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:16:46 ID:WqVSZ+ce
はい、自己アピールの時間はこれで終了です。
254名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:43:44 ID:m6+OcZNV
フリータイム、告白タイムと続きます。
255名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:52:21 ID:V1/4Au+V
            ノ´⌒`ヽ
        γ⌒´      \   
        // ""´ ⌒\  )  
       .i / ⌒  ⌒   i ) 
        i  (・ )` ´( ・) i,/   ママのお金を使って
        l .::⌒(_人_)⌒:: |  スレの流れをチェンジ!
        \   ヽ_./   /
         7       〈
       , -‐ (_)      i. |
       l_j_j_j と)   .⊂ノ
ルイズ=ドラムスコ=ハトヤマ


      ,.--‐‐‐‐‐‐--..,.      
    /:ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)   
    |::::/  .......   ...... ヾ     
     |:::::〉    ) (    |     
∩  (6;;;|  -=・= ヽ=・=‐|   ∩. 原作など金でどうとでもなる
.| ヽ∩ ヽ.   'ー'/(,、,.) ー | ∩ノ j. 
 ヽ ノ. |     / rェェェィ  | ヽ  ノ
 | ヽ  ヽ      ヽニニソ /  /  j  
 \  ̄           ̄   /  
  \             /  
        ドワル
256名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 17:53:36 ID:m6+OcZNV
ドワルてwwww
257名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 18:04:05 ID:o0aB3KEe
今回ので明らかになったアレを見ると
アビスとのクロスがありかなぁ、とか思った
デスティニーとの場合は浮いた土地を消滅させちゃうしw
ルークとかアッシュとかの人今でも待ってまーす

しかし、ファンタジーモノの常識に照らせば悪党ポジな教皇とかがわりと普通にいい人ぽいのも意外ちゃ意外でした
大抵宗教組織とかって悪者なんだけどねぇ
<運命の方舟>くらいだよ、俺の知る限り綺麗な宗教?は(裏はあったけど)
258名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 18:19:38 ID:lOWwa8C3
仮面ライダーインペラーの佐野を召喚
金で次々と契約者を変えていく
259名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 18:22:03 ID:S0gX8j/E
男ともちゅーしまくりなんですね。
260名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 18:59:28 ID:r3J91KJi
勇者ハーメル(ハーメルンのバイオリン弾き)は、男にキスを去れて血の涙を流していたな……
たとえ相手がルイズ(異性)であっても、大事な誰か以外にキスをされれば暴走するような……谷仮面のような存在は召喚されたら面白いかもしれない。
261名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 19:07:06 ID:AVGVCcFy
まあ契約できてもチャルラリラーされてルイズが地獄の筋肉痛を味わう事になるけどな。
262名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 19:08:07 ID:m6+OcZNV
>>260
長い方の長門とか?
263名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 19:54:04 ID:l0c2CmSn
40サンチ砲搭載艦はもう召喚されてるな。
264名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:20:04 ID:/hTjITCh
最近おもろいのある?
俺はこれをすすめる

ハレルヤ! 魔法が消える日 訣別
265名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:36:29 ID:T+przjQJ
そんなゴミ薦めるなよ
荒らしだろおまえ
266名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:39:40 ID:/hTjITCh
感想が多いってことはそれだけ何か訴えるものがあるってことだろ
空気のような作品よりよほどいい
267名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:49:21 ID:Tuuknr3Z
ちゃんと感想の中身を見た上で言ってんの?
268名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:55:30 ID:kmTzaV61
そんなことよりおっぱいだッッッ!!
269名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 21:58:38 ID:Ib6dJ1tR
作品の感想なら毒吐きスレでやれ
270名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 22:05:06 ID:5PU5/e/D
しかし大隆起は、強いだけの戦闘キャラでもどう仕様も無いな
271名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 22:11:56 ID:RVQ+O5lY
強さも一定以上なら、地盤削りまくって、風石全部取り除けばおk
272名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 22:23:14 ID:o0aB3KEe
FF13にうってつけのファルシが居たが
異世界に来てまで働いてくれるだろうか
契約洗脳が有効かどうか怪しい
273名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 22:37:59 ID:FK2oiF2F
地下の風石は、ほらあれだ。精霊魔法使える人が来たら何とでもなる気がする。
274名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 22:48:14 ID:Q2yzucr7
ワロスだかワルドって呪文を唱えれば消えるんじゃね?
275名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 22:58:48 ID:o0aB3KEe
>>273
と、トータルヒーリング・・・?
276名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:02:19 ID:IPM4Tsvr
>>273
なんでか知らないが覚羅が思い浮かんだ
277名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:06:23 ID:DqOPMEBT
精霊魔法…マスクドシャンハイ? ちょっと違うか
278名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:11:54 ID:Yww/XcmN
ベルニッチ?
279名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:23:41 ID:dwe0/awB
>>273
か、風の契約者<コントラクター>?
召喚した時点で荒れそうだ
280名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:39:29 ID:g603pOji
じゃあもうサイバスター召喚しようぜ
281名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:45:58 ID:Q3FRn/tk
鏡が現われるより早く明後日の方向に飛んでいってしまいました
282名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:46:51 ID:AVGVCcFy
サイバスターって自力で異世界行き来出来なかったっけ。
283名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:47:03 ID:NlqbKTdq
>>280
アニメ版からですねわかります
284名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:53:59 ID:fmT//0xu
風なら仮面ライダーWでしょう
デルフを選ぶのはインテリソードに興味を持ったフィリップだろうな
285名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:58:11 ID:g603pOji
>>284
興味を失ったらすぐポイですね、わかります。
286名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/25(月) 23:59:58 ID:qPYS1Y0z
聖痕……
287名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 00:01:08 ID:cZXznlhz
大パン一発で死んだヒューイさんも。
288名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 00:07:50 ID:iPm81Ww+
>>285
もう少しマシな女かと思ったが、興味が失せた
289名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 00:09:03 ID:v5AswK4p
風なら通りすがりのサラリーマンもいるぜ!
千切れたワルドの腕でブレイドとか使ってくれるはず!
290名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 00:19:40 ID:Ddci75ly
グラマラスな年下の女の子を召喚すると、良い感じにルイズが惨めになっていいなw
ダイの大冒険のマァム(14)とか、聖闘士星矢の佐織(13)とか。

最近のだとバンブーブレードBの大城戸ユウ(12)なんてどうだろうか?
見た目大人(身長170cmオーバー)で胸もかなりあるのに中身がまるっきり子供w
幼馴染のケンちゃん(11)が一緒に召喚されてフォローしてあげないといけないレベルw

うん、ユウちゃんに脳天からの水平チョップをかますルイズとタバサが容易に想像できるなww
291名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 00:20:08 ID:8+3xCj7W
>>279
召喚された和麻さんと妙な反応起こしてハルケギニア連鎖崩壊とかなったら笑うw
ぷよぷよの何連鎖みたいな?
292名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 00:27:06 ID:Z1qwAWTS
>>290
逆に合法ロリやロリババァを召喚すれば安心・・・って使い魔は主人のバロメーターだから逆に絶望するか
293名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 00:32:08 ID:OEfSw+8R
じゃあ類友でドSのメイゼルとか
294名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 01:13:07 ID:mS2XnPvD
海外ファンタジー小説、ベルガリアード物語・マロリオン物語から弟子級魔術師召喚とか考えたのだが。

        ょ
・ガリオンを召喚んだ場合
 「セ・ネドラの若い頃みたいだ」とかイチャイチャ展開が出来るかと思ったが、
 十代半ばから現実政治家やってたガリオンがアンリエッタに切れる可能性 大
          ょ
・ベルガラスを召喚んだ場合
 ロングビルの尻撫でたりして楽しそうかと思ったが、
 あまりにも魔術を舐めた社会制度に切れる可能性 大
         ょ
・ベルディンを召喚んだ場合
 切れる可能性 大

                 ょ
・番外 テファがダーニクを召喚んだ場合
 女子供ばかりのところに、家具の修繕から家屋の建て増しまでできるダーニクが来てくれて最高だ!
 夜にはテファとダーニクでハープとリュートの演奏会だぜ! と思ったが、
 元の世界でポルガラが切れて大都市とか山脈を破壊する可能性 大
295名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 01:23:13 ID:YOWtcVE/
まとめから来ました
一つ質問させてください
アノンの法則って終わったんですか?まだ続きますか?
296名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 01:25:05 ID:OylAPFIb
終わったよって言ったら帰ってくれる?
297名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 01:35:21 ID:v5AswK4p
>>295
質問前にテンプレくらい読もうね。
298名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 01:37:46 ID:JsLdWzMR
まかり間違ってゴルゴが召喚されたとしよう
奇跡的に契約も出来たとしよう
そして刻まれるガンダのルーン

……なんかあんまり強化される余地がなさそうな気がするんだが
299名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 01:47:33 ID:tAlTmBVR
どうがんばってもキスしようとして首筋に手刀をくらうルイズしか想像できないw
300名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 02:22:04 ID:JvWslsVX
なんかやたら新規が入りにくい空気が発生してるんだが… まあいいや
アルトネリコ2よりルカ&クローシェ姉妹を召喚
問題なければ2:30ごろから投下します

こういうのははじめてなんで、何か問題あれば優しく指摘してくれると助かります
301世界を繋ぐ虚無の少女の召喚詩:2010/01/26(火) 02:32:32 ID:JvWslsVX
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!」
可愛らしい、だが力強い言葉と共に呪文が唱えられる。
「神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!!」
己の力を証明するために。
「私は心より求め、訴えるわ!」
不名誉な「ゼロ」の二つ名を返上するために。
「我が導きに、答えなさい!!」
そして…… それは成った。


−世界を繋ぐ虚無の少女の召喚詩−


世界中を冒険するようになってから、なかなか足を運ぶ機会のない自室へとクローシェは歩を進める。
たとえなかなか足を運べずとも、やはり自分の部屋と言うものは落ち着くものだ。
「ふぅ、やっと終わったわ」
ここは大鐘堂・御子室。メタ・ファルスの地で最も尊い命である御子、クローシェ・レーテル・パスタリエの私室。
だが、この部屋の住人は現在は二人である。
「おかえり〜、クローシェ様」
ルカ・トゥルーリーワース。
元々は片田舎のミント区に住むごく普通の少女−カリスマダイバーズセラピストとして名を馳せてはいたが−
であったが、紆余曲折を経て、現在では二人の御子の一人として世界中の人々を纏める立場にある。
「公務お疲れ様、大変だったでしょ?」
「大丈夫よ。今までだってずっとやってきたことだもの」
「それが凄いんだよね。私にはとても無理。三日と持たないよ」
「何を言ってるの、ルカ。いずれあなたにも公務を覚えてもらうわよ」
「ええ〜、無理だよ無理! 私には政治家の才能なんてないもん!」
「ちょっと! 勝手に人のことを政治家にしないで!」
とたんに口喧嘩を始める二人。とはいっても、見る人が見れば本気で喧嘩をしているわけではないのは明白だ。
一通り言葉が出尽くすと、ルカがふと言葉を漏らした。
「ねえ、クローシェ様。メタファリカで生まれる大地ってどんなのだろうね」
「そうね… きっと、緑があふれた素晴らしい理想郷になるわ」
「そうだね… うん、そうなるといいね!」
「なに言ってるの。わたしたちがそれを作るのよ」
「あはは、そうだね。……頑張ろうね、レイカちゃん」
「ええ。もちろんよ、お姉ちゃん……」

その後も他愛のない話を続けていた二人だったが。
「あれ?」
ふと辺りを見回したルカが、不思議な声を上げる。
「どうしたの、ルカ?」
「ほら、あそこ…… あんなところに鏡なんてあったっけ?」
クローシェが辺りを見回すと、たくさんのぬいぐるみなどが目に付く。
この部屋は、本来の住人の趣味が強く反映されている。そう、クローシェはファンシーグッズが大好きだった。
だが、部屋の一角に、本来なら存在しないはずのものを確認した。
「変ね。姿見ならこっちにあるのに」
「誰かが持ってきたのかな?」
「さあ、どうかしら」
クローシェが近づいてみる。爆発する様子も、危険人物が潜んでいる様子もない。
「特に変なところもなさそうだけど」
そしてそのまま指を触れてみると…… 指がそのまま鏡の中に入り込んだ。
「えっ!?」
そのまま吸い込まれるように体が鏡にめり込んでいく。すでに肩の辺りまでが鏡の中に入っている。
「クローシェ様!!」
あわててクローシェの手を引っ張るが、びくともしない。むしろどんどん入り込んでいる。
そしてクローシェの体がすべて吸い込まれ… ルカの体も鏡の中へ消え去った。
後には、主を失った部屋だけが残された。
302名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 02:32:40 ID:u3m48WRD
テンプレも読めないアホは叩かれるというただそれだけ
新規さん自体は歓迎じゃぜ?
303世界を繋ぐ虚無の少女の召喚詩:2010/01/26(火) 02:34:54 ID:JvWslsVX
派手な爆発により巻き上げられた粉塵が視界を塞ぐ。
だが、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールには確かな手ごたえがあった。
これまでに何度もサモン・サーヴァントに失敗した。両の手で数え切れなくなってからは、何度失敗したか数えてはいない。
粉塵が収まれば、失敗の痕跡がそこかしこに広がっていることだろう。
だが、ルイズは諦めなかった。何度失敗しようと諦めずに挑戦し続けた。
そして、これまでで最大規模の爆発と、体中を駆け巡る謎の達成感。ルイズは成功を確信した。
「さあ、姿を現しなさい! 私の使い魔!!」

粉塵が徐々に収まり、その場にあったのは…… 人影だった。
「人間だ」
「ゼロのルイズが人間を召喚したぞ!」
「さすがはゼロだ!」
「いくら召喚できないからって人間攫ってくるなよな!」
ルイズのクラスメイトたちはそれぞれに嘲笑、蔑みの言葉をルイズへと投げかける。
だが、粉塵が晴れて視界がはっきりしてくると、その声は次第に驚きと戸惑いへと変わっていった。
「お、おい、あれって貴族じゃないか?」
「だけど、杖をもってないぞ?」
「服装も見たことないな。まさか、異国の貴族なのか?」
「それにしてもなんていうか… 凛々しいな」
「ああ、あのレイピアで弄られたいわ…」
などと、困惑と興味の入り混じった様々な言葉が飛び交う。……一部に変態的な発言が混じっていたことには触れずにおこう。

(召喚には成功した… けど、これってどうなの?)
先ほどまでの高揚感などすべて吹き飛んでしまった。あるのはただ困惑のみ。
(人間? ドラゴンでもグリフォンでもなく、まして動物ですらない。ただの人間を使い魔に?)
教師であり、この儀式の監督官であるコルベールも驚きを隠せなかった。もっとも、その驚きの質はルイズや周りの生徒たちのそれとは些か違ったが。
「ふむ、まさか人間が召喚されようとは。私も数多くの使い魔を見てきたが、こんなことははじめてだ」
ということは、やり直しだろうか。
ルイズはすがるように、コルベールを見るが。
「しかし、これは伝統的な儀式です。例外は認められませんよ、ミス・ヴァリエール」
釘を刺されてしまった。ルイズの想いなどお見通しということらしい。
でも、と気を引き締める。
(そうよ、逆に考えれば、貴族を使い魔にするなんて凄いことじゃない)
「よろしいですね。では、早く契約を。『コントラクト・サーヴァント』を」
(使い魔さえ持てれば、私がゼロじゃないって証明になるもの。この際どんな使い魔でもいいわ)
そして、ルイズは召喚された人物へと歩み寄る。その様はまさに鬼気迫る光景であった。

ここで、ルイズはふたつのミスを犯した。
それは、召喚された人物とのコンタクトを取ることを怠ったこと。
そして、その傍らにもうひとつの人影があったことに気が付かなかったこと。
304名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 02:35:59 ID:OylAPFIb
正直スマンかった支援
305世界を繋ぐ虚無の少女の召喚詩:2010/01/26(火) 02:37:44 ID:JvWslsVX
ルカが意識を失っていた時間はほんの一瞬。
(あれ… 私どうしたんだっけ?)
意識を失う直前のことを思い返し、重要なことを思い出す。
(そうだ、クローシェ様!)
辺りを見回すと、そばにクローシェが立っている事が確認できた。と同時に、自分がどうやら尻餅を付いているらしいという事も分かった。
無理な体勢でクローシェを引っ張ったことが原因であろう。
だが、そんなことは些末事と言わんばかりに、周囲の光景に目を見張った。
(なに… ここ)
あたりには、一面緑の草原が広がっている。だが、滅び行く世界であるメタ・ファルスには、そんな場所は存在しない。
そして、自分たちの周囲には少年少女が、不思議な服装を身に纏い、手にはやはり不思議な杖を持って立っている。
隣を見れば、クローシェも同じように驚きの表情と共に周囲を見渡している。
(なんだろう… これって夢?)
ふとそう思ってしまったことも、無理からぬことだろう。

そのとき、視界の端で一人の少女が動いた。
それだけなら問題はないはずであった。しかし、そのときの少女の様子は普通ではなかった。
その鬼気迫る表情は、ともすれば敵意とも取られかねないものだった。
そして、それはどうやら傍らのクローシェに向けられているらしい。
ずんずんとクローシェに近づいてくる。しかし、クローシェの方を見れば、どうやらまだ混乱から抜け出せていないようだ。何の反応もない。
「クローシェ様、危ない!!」
瞬間、ルカは弾かれた様に動いた。それはまさに、妹を思う姉の想いのなせる業か。
クローシェを突き飛ばす。結果、ルカの体がクローシェの居た場所にとどまる形となった。
そして、ルイズが、もといルイズの唇が迫る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。このものに祝福を与え、我の使い魔となせ……!」


あとは『コントラクト・サーヴァント』の呪文を唱え、キスをする。それだけで、彼女は私の使い魔となる。
だが、素直に「使い魔になってほしいからキスして」なんていっても断られるに違いない。
しかも、相手は貴族かもしれない。下手なことをして、政治的な問題にでも発展したらことだ。
ここは先手必勝! まず契約を済ませてからじっくり話をしよう。
この契約には主人を好きになる効果が含まれている。だからきっと何とかなる!

などという思考をルイズが行っていたかは不明である。しかし、結果としてルイズは契約を優先した。
もちろん、切羽詰っているルイズに、目の前の彼女の隣にいる人間のことなど目に入らない。
当然、彼女が動き出そうとしていることに気づくはずもない。
「クローシェ様、危ない!!」
声は耳に届いていたはずだが、今のルイズにその言葉の意味を考える余裕などない。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。このものに祝福を与え、我の使い魔となせ……!」
だから、契約のキスを交わす直前、目の前の女性が消え、代わりに別の女性が現れたとしても、とっさに反応することが出来ず……


こうして、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールとルカ・トゥルーリーワースの間に使い魔の契約が結ばれた。
306世界を繋ぐ虚無の少女の召喚詩:2010/01/26(火) 02:40:30 ID:JvWslsVX
以上、初回なので若干短めですが終了です

にしても、投稿してみるとなんか微妙に見にくい気が… スペースの空け方とか工夫した方がいいのかな?
307名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 03:46:22 ID:FLSV79bb
セリフ(キャラの思考も)と地の文との間を一行空けると良い

あと、無理に1レス内に詰め込む必要はないから、
場面が変わったり、キリが良かったりしたならば、レスを分けると見やすいし分かりやすい
308名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 04:47:05 ID:uuKWfo9X
小分けにせずできるだけ纏めてレス数を減らさないと、連投規制に引っかかる場合がある。
また投下待ちの人がいた場合、投下時間が余計にかかるので迷惑がかかる。

あと、>>307の言うような無駄な改行は無いほうが良い。
309名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 05:02:30 ID:HG1KGTZg
見事に反対の意見が(笑)
自分は>>308 の意見に賛成、スカスカなのは嫌
気になった部分は文の終わりが『った。』なのが多すぎない?ちょっと気になる。
310名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 05:22:47 ID:LTWLpKpb
同じく>308に賛成。
現行スレや避難所のスレで投下されている作品にパーっと目と通して、気に入ったのを手本にしても良いかもねん。
311名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 06:14:53 ID:DlMnS6y1
投下乙
312名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 08:03:03 ID:8fIdsu/2
乙。

どうでもいいが、何で新規さんは投下前にいちいち「初めてなんです」とか付けるんだろう。
処女じゃあるまいし。
313名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 08:04:41 ID:elWy20os
慣れてないことを明言して予防線張るのは悪いことじゃないだろ
314名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 08:19:10 ID:PdWH+0Rm
投下乙。

文章の読みにくいのは、改行などによって解決するけど、それがいやな場合、文をつめていく場合は、
文頭の段落を落とすと少し読みやすくなると思うよ。
 こんな感じで。

まあさまざまなスタイルはあるけど。

自分にあったものを工夫するのが楽しいよね。

315名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 08:33:50 ID:IWTTyK5V
投下乙。今後も楽しみにしてるぜ

>>312
そりゃお前、処女作だからだろう
316名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 08:36:19 ID:Z1qwAWTS
処女作ていうより童貞作っていた方がニュアンス的に正しいと思うんだよね
317名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 08:57:52 ID:j8NBvpcr
それよりもエレ姉様の始めてを取ってくれて愛し合って結婚してくれる
使い魔はいないだろうか
318名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 09:15:31 ID:IZgS1ETb
>>317
今のところ鉄骨入りの朴念仁に期待するか自分で書くしかない
319名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 09:31:35 ID:W+xAUhX2
>>316
バカヤロウ!
処女作って言ったらまだ荒削りでも読む気が湧くような響きだが
童貞作って言ったら読む気も無くなるだろうが!
320名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 09:35:24 ID:oiqxwcJs
精通作とか
321名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 10:22:12 ID:thoWcd17
ところで小ネタで旧ファミ通のゲーム帝国から語り部を召喚というのは需用あるだろうか?
322名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 10:55:03 ID:AwrWoXSK
自分はTRPG「深淵」から、白き仮面の獣師レディアスを召喚の話を作りたいと思っているのだが
何か意見とかあるかな。作品自体マイナーだからないか…
323名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 11:03:17 ID:pQZUD+ou
てす
324名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 11:04:21 ID:pQZUD+ou
おお、規制解除
>>322
やめてー!ファンタジーにヤンデレな奥さんがやって来るからやめてー!
325名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 11:39:31 ID:lz9zEjC/
遅レスだが>>294
ガリオン召喚は考えたことがあるな。
彼の口癖は、ハルケギニアにおいても響き渡るに違いない。

どうせ呼ぶならミンブル人最強の騎士を呼んでみるのも面白いかもしれん。
ガンダールヴの補助効果を加えれば、彼なら七万くらい無双できる。
326名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 12:17:25 ID:I6tPKG46
実は始祖はベルガラスでした
327名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 12:21:39 ID:mS2XnPvD
ベルガラスが始祖だったらロマリアがビール火山とストリップ工場の聖地になっているはずなのでないな。
328名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 12:31:29 ID:mS2XnPvD
今考えているネタで、ラジオ番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』から、
『知人の宮坂さん』を召喚というのがあるのだが。


小沢昭一が知人の宮坂店長がルイズに召喚された顛末を語るという
超展開ゆえ、泣きながらゴミ箱に投入し申した。
329名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 13:29:13 ID:W+xAUhX2
小沢一郎召喚なら見たい
330名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 13:37:24 ID:iPm81Ww+
小沢昭一って、マイトガインに出てくる刑事だっけ?
331名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 13:44:37 ID:2vpD0OVh
そっちの一郎は実在の人部だからNG
小泉ジュンイチローなら大丈夫じゃないかな。

ハードルは高いが。
332名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 13:47:46 ID:Rw1CmsOv
そもそも麻雀のない世界に麻雀漫画のキャラを呼んでどうするんだ?
シエスタの曽祖父が伝説の雀士だったりするのか?
333名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 13:51:24 ID:2vpD0OVh
つむやつまざるや!?とかご無礼とか、あんた背中がすすけているぜ、とかが
口癖の曾お祖父さんですね、判ります。

ジョセフとシャルルのおヒキきは誰になるんでしょうね。
334名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:01:35 ID:VkyV0rkg
魔法とは麻雀の事だったんだよな世界でおk
335名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:03:54 ID:Rw1CmsOv
つーかメイジなら錬金でツモ牌の書き換え、
捨て牌の書き換えとか当たり前のようにやれるわけだが。
336名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:07:39 ID:s6bQv4bE
杖持って呪文唱える必要があるから普通にすりかえるより目立つと思うんだけど
337名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:10:31 ID:UGnRYKx4
ハチワンダイバー呼んで将棋しようぜ
338名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:10:40 ID:Rw1CmsOv
手の中に隠せるサイズの杖を
こう、左手で握って理牌してるふりをしながら杖を振るわけだよ。。
気付かれないように小声で呪文唱えるのはタバサがやってるし。
上家が対面の山からツモる瞬間なら口が動いてるのも見えない、と。
339名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:11:55 ID:OylAPFIb
>>321
俺が大喜び
340名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:13:07 ID:UGnRYKx4
>>321
俺も見たい
341名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:27:36 ID:s6bQv4bE
>>338
牌に固定化すれば問題無さそうだな
342名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 14:45:17 ID:odweHNe3
オールライダー超スピンオフから鳴滝さん召喚したら

File01
陳情! ゼロの使い魔外伝 キュルケの冒険!!
File02
チェック! 才人のパーカーはメイド・イン・シエスタ?
File03
ガチ! あのゼロ大運動会!(荒らしの前編・過疎の後編)
File04
どれだ! 釘宮理恵、ツンデレ大全!
File05
呪文! エクスプロージョンは巻きで唱えろ!!

こんなか
343名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:00:30 ID:6HHdv0L4
巻き巻きしてるぅ?
344名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:01:13 ID:voDmiN7d
仮面ライダーカブトから天道総司召喚
学院内でタバサとシエスタとで店開いて焼き蕎麦パン売り出し
またワルドとルイズを賭けた料理勝負をしたりと
345名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:05:38 ID:dMv3SqUt
スウィートホームからまみやふじん召喚
るいず は きょむの まほうをとなえた!
しかし こころのちからがたりない!
346TALES OF ZERO:2010/01/26(火) 15:09:05 ID:lUli9iXn
お久しぶりです、テイルズの作者です
第四話を15分頃に投稿します
347名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:11:44 ID:DlMnS6y1
>>343
うるせぇ節分はまだだぞ
348TALES OF ZERO 1/10:2010/01/26(火) 15:16:07 ID:lUli9iXn
第四話 謎の少女タバサ


「…これでよし、と。」
魔法学院の救護室…そこにクラース達の姿があった
決闘で疲れた才人を手当てしてベッドに寝かせ、ひと段落した所である
「グミが効いているから傷もそれ程酷くはない…2、3日休めばすぐに全快するだろう。」
クラースは振り返って、後ろにいるルイズとシエスタにそう伝える
それを聞いたシエスタの表情が、ぱあっと明るくなった
「そうですか…良かった、本当に。」
「それにしても…クラースって器用よね、サイトの手当て殆ど一人でやっちゃうし。」
ルイズの言うとおり、これまでの才人の処置をしたのはクラースだった
シエスタは必要な道具を集め、ルイズは見ているだけだった
「簡単なものならな…旅をしていた頃は、生傷が絶えなかったからな。」
ふーん、とルイズはそれで納得すると、才人へと近づいた
そして、その寝顔を覗き込んでみると…
「すー、すー……。」
ベッドに眠らされた才人は、今は静かな寝息をたてて眠っている
「ぐっすり寝ちゃって…あれだけ心配させておいて、何だか腹立つわ。」
ルイズは手を才人の顔へと伸ばし、その頬を抓った
ほんの少しだったが、才人は痛がる素振りも見せずに眠り続ける
「才人は精神力を使い切った状態だからな…ちょっとやそっとじゃ起きないぞ。」
クラースの言葉を聞いても、ルイズは止めずに才人の頬を引っ張り続ける
そんな彼女の行動に、クラースとシエスタは呆れた視線を送る
「慣れない事をやって疲れているんだ…静かに眠らせてやれ。」
「ミス・ヴァリエール、子どもじゃないんですから…。」
「うっ…わ、解ってるわよ、それくらい!!」
二人の言葉に、ルイズは少し怒鳴る口調で返すと、才人の頬から手を離した
しばらく黙っていたルイズだったが、今度はクラースの方を向く
「ねぇ、クラース…聞いても良い?」
「ん、何だ?」
先程とは違った真面目な顔に、クラースはルイズの質問を受け付ける
「さっきの決闘でサイトが見せたあれ…一体何なの?何か剣から出してたし…」
「あれか…あれは私の仲間だった青年が使っていた剣術でな、アルベイン流剣術と言うんだ。」
「アルベイン流剣術?」
鸚鵡返しで尋ねるルイズに、クラースは頷いて答える
「ああ、とても強力な剣術で…魔法にも引けをとらない程の力を持っているんだ。」
「嘘、魔法にも負けないなんて…そんな馬鹿な話、あるわけ…。」
ルイズの常識から考えれば信じられない事だが、あれを見ては納得するしかない
ドットとはいえ、ギーシュをその剣技で倒してしまったのだから
「(あれってアルベイン流剣術って言うんだ…あの人と同じだから、何か関係があると思ったけど。)」
隣で話を聞いていたシエスタは別に驚く様子もなく、昔の事との関係について考えていた
「しかし…私には解らんな、何故才人がアルベイン流剣術を使えたのか…。」
呟くように自身の疑問を告げるクラースに、ルイズとシエスタは疑問を浮かべる
それに答えるように、クラースはそのまま話を続ける
「才人が剣を持ったのはあれが二度目…一回目は、重さから満足に振る事も出来なかったんだ。」
なのに、才人は剣を持った途端、まるで使い慣れたかのように剣を巧みに使っていた
それに、彼は別世界の人間…アルベイン流剣術に触れる機会も無かった
「でも、現に才人は剣を使って、ギーシュを…。」
「そうなんだが…一体才人に何が…。」
考え込むクラース…ふと、自分の左手に刻まれたルーンを見た
同時に、図書館前でコルベールが言っていた事を思い出す
「(そう言えば、コルベール教授はこれが伝説の使い魔のルーンだと言っていたな。)」
それに、最初に此処へ来た時、メイジが使い魔と契約すると特殊な力が使い魔に宿ると言っていた
なら、自分と同じルーンが刻まれている才人がアルベイン流剣術を使えたのは、このルーンが力を与えたのでは…
「ルイズ、実は……」
クラースがこの事を話そうとした時、ぐぅっとお腹のなる音が救護室に響いた
349TALES OF ZERO 2/10:2010/01/26(火) 15:18:11 ID:lUli9iXn
最初それが何なのか気づかず、クラースは首を傾げた
数秒後、突然ルイズが顔を真っ赤にしてお腹を抑える
「もしかして…ミス・ヴァリエール、お腹が空いているんですか?」
最初に気づいたシエスタの指摘に、更に赤くなるルイズ…当たりらしい
もう、時刻は夕方…そろそろ、夕食の時間が来る頃だ
「なら、何か食べる物を持ってきますね…皆さん、今日は大変でしたから。」
シエスタはそう言うと、扉を開けて救護室から出て行った
扉が閉じられた後、しばしの沈黙が続く
「……それでルイズ、実は…。」
「ねえ、クラース…。」
やがて、再度クラースが口を開くが、その前にルイズが割り込んだ
二度目の彼女からの問いかけにどうした、と言って先に話すよう進める
「サイトが決闘の時に言ってたんだけど…私、魔法が上手く使えるかもしれないって本当?」
才人の奴、あの事を話したのか…ルイズの言葉にクラースはゆっくりと頷く
「ああ、私の推測だがな…君は多分、力を上手くコントロール出来ないだけなんじゃないか?」
「そう、なの?私はよく解らないんだけど…。」
呪文を唱えれば、魔法は発動せずに爆発ばかり…周囲も、自分でさえもその理由は解らなかった
だが、クラースの言葉が正しいのなら…
「じゃあ、その力をコントロールする方法って?どうすれば私魔法が使えるようになるの?」
期待の眼差しを向けながら尋ねるルイズだが、クラースは首を横に振る
「すまないが、その方法が何なのか今の私には解らん…此処の魔法の原理については知らないからな。」
「何よ、それ…期待するような事言って…。」
クラースの返答に、期待を持っていたルイズは落ち込んだ
結局、私なんて…と、ルイズは俯いて自身を自嘲するように呟く
「ルイズ…そんなに自分を自嘲するもんじゃないぞ。」
クラースはそんなルイズに歩み寄ると、その肩に手を置いた
「君はまだ良い…失敗しているとはいえ、魔法を扱える素質はあるのだから。」
「クラース?」
クラースの口調に疑問を感じたルイズは、顔を上げて彼の顔を見る
今、目の前にいるクラースの表情は、優しさと憂いを帯びていた
「ルイズ、私はな…昔、魔術に憧れていたんだ…限られた者のみが使える力を、何時か私もと思って…。」
そして、自身の過去をゆっくりと語って聞かせる…ルイズはそんなクラースの言葉を、黙って聞く
「そして、色々あって辿り着いたのが召喚術だった…私は召喚術を扱える事に誇りを持っている…。」
しかしな…とそこで少し区切った後、クラースは言葉を続けた
「結局、その力は契約した者の力であって私の力ではない…私は所詮、彼女達の力を借りているだけなんだ…。」
それが、召還術と魔術の違い…クラースが授業の時に、才人に言いたかった事だった
「…っと、これは君にとっては贅沢な悩みだと思われるかな?」
「…本当にそうよ、贅沢すぎる悩みだわ。」
ルイズはクラースの気持ちを察してか、敢えて普段どおりの口調で返した
そうだな…と、クラースは憂いを帯びた笑みを浮かべる
「……ねぇ、クラース、私に魔法をコントロールする方法を教えてくれない?」
少しの間をおいて、ルイズはクラースに頼み込んだ
「いや、だから私は此方の魔法の事は詳しくは…。」
「それは解ってるわよ、こっちの魔法の事とかあんたが知りたい事を色々教えてあげるわ。」
だから、私にも教えて…と、ルイズは必死にクラースに頼み込む
誰もが自分の魔法について諦めた、自分自身も…
だけど、この人なら…と、彼女はクラースに一筋の希望の光を見ていた
「ルイズ……解った、必ずとはいかないが、出来る限りの事はしよう。」
彼女に希望を持たせてしまった以上、断るわけにはいかない
寄り道になってしまうが、ミラルドならきっと許してくれるだろう
「なら、まずは文字を教えてくれないか…此処の文字は私の所とは違うようだからな。」
「文字、ね…良いわ、だったら明日からバシバシ教えてあげるから。」
ルイズの言い方に、お手柔らかに頼むよ、と言ってクラースは笑った
それに釣られて、ルイズも笑う…これで、話はひと段落がついた
「さて、話は纏まった所で…ルイズ、実は…。」
ようやくクラースが本題に入ろうとした時…直前でクラースは言葉を止めた
350TALES OF ZERO 3/10:2010/01/26(火) 15:20:04 ID:lUli9iXn
「何、どうしたの…そう言えば、さっきから話したい事があるみたいだったけど?」
ルイズが尋ねるが、クラースは黙ったまま何も言わない
そんな彼の顔を覗き込むと、表情が固まっている
「クラース?」
「ん…あ、すまない…急に外の空気が吸いたくなったからな、話は後にしよう。」
今気付いたという感じに答えると、クラースはルイズの横を通って扉に手を掛ける
「少ししたら帰る…それまで才人の事を見ていてくれ。」
「あっ…ねぇ、ちょっと!!」
ルイズが呼び止めようとするが、それより早くクラースは出て行ってしまった
残されたルイズは呆然と、彼が出て行った扉を見つめるだけだった
「…もう、あんな切り方されたら気になるじゃない!!」
クラースの行動に憤慨したルイズは、腕を組んで一人文句を言った
その直後、突然ノックも無しに扉が開いた
クラースが戻ってきたのか、と思ったのだが…

「はぁい、ダーリン♪」

入ってきたのは、褐色の肌に赤い髪をした少女…キュルケだった
突然の訪問者に、ルイズは呆気に取られた顔になる
「キュルケ、どうして此処に…それより、ダーリンって誰よ!!」
「ダーリンはダーリンよ。私、ダーリンに会いに来たの…ねぇ、ダーリンは何処?」
ルイズの問いかけに対し、キュルケはそう答えて再度尋ねてくる
だから…と、ルイズが怒ろうとすると、キュルケは眠っている才人を発見した
「あっ、もう一人のダーリンは此処にいたのね。ねぇ、ダーリン♪」
そう言うや否や、キュルケは眠っている才人へと駆け寄る
「もう一人って…まさかキュルケ、あんた…。」
ルイズは嫌な予感がした…この女がこんな態度をするという事は…
「そうよ、私恋しちゃったのよ…ミスタ・レスターとサイトに!!」
やっぱり…それを聞いて、ルイズは頭が痛くなってきた
「あの決闘の場に私もいたんだけど…ミスタ・レスターの魔法とサイトの剣技…二人とも、本当に格好良かったわ。」
まるで、イーヴァルディの勇者のように…と、手を組んで目を輝かせる
「私の内にあるこの想いは恋よ、これが恋じゃなければ何だと言うのかしら?」
「何時もの色ボケでしょ、まったくあんたは見境も無く…。」
ルイズの言葉に対しても、キュルケは気にせずに言葉を続ける
色々と自分の想いを告げているようだが、ルイズはそれを無視した
「あのねぇ、クラースは今出かけてて、サイトは寝てるの。解ったらさっさと…って、ちょっと!!」
ルイズが気付いた時、キュルケは自身の唇を才人に近づけていた
あと少しという所で、ルイズは彼女の襟首を掴んで才人から引き離す
「あん…ちょっと、何するのよルイズ!?」
「それはこっちの台詞よ、私の使い魔に何する気!?」
「勿論、目覚めのキスよ。眠れる王子はお姫様のキスで目覚めるって相場が決まってるのよ。」
「普通逆でしょ、それ!!」
それでも諦めないキュルケは、再度才人へのキスを決行しようとする
それを引っ張って止めるルイズ…何時しか二人は取っ組み合いになった
「邪魔しないでよ!!」 
「この色ボケ女!!」
そんなこんなで取っ組み合いが続き…上を制したのはキュルケだった
にやりと勝ち誇るキュルケ…と、その時またもや扉が開いた
「失礼、ミスタ・レスターが此処にいると聞いたのだ…が?」
入ってきたのは、コルベールだった
ガンダールヴの説明の為、クラースを呼びに来たのだが…

「「あっ…」」

ルイズもキュルケも、二人は同じタイミングでコルベールと目があった
乱闘で乱れた髪、肌蹴た衣類、ルイズを抑えつけるキュルケ…
三人の間の時間が、少し止まった
351TALES OF ZERO 4/10:2010/01/26(火) 15:21:53 ID:lUli9iXn
「ミ…ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー…怪我人の前で、何て破廉恥な事を…。」
「ち、違います、これは…ってあんたもどきなさいよ。」
何時までも上に乗っかっているキュルケを押しのけ、ルイズは何とか弁明しようとする
だが、コルベールは誤解したまま、ルイズに説教を始める
「良いですか、二人とも…人と人が愛し合う事には様々な形があるのは解ります。ですが、此処は学院の、怪我人がいる救護室であって…。」
「ですから、違うんですミスタ・コルベール。ツェルプストーが私の使い魔を…。」
「あら、別に私はこういうのも悪くないわよ。」
「話をややこしくしないで!!」
この状況を楽しんでいるのか、余計な事を言い出すキュルケにルイズは叫ぶ
そんな時、またもや救護室の扉が開いた
「すいません、遅くなりました。マルトーさんが沢山持たせてくれたから…。」
三人目の来訪者は、大き目のバスケットに沢山の食べ物を入れたシエスタだった
ルイズとキュルケを説教するコルベールを見て、目をパチクリさせる
「あれ、ミスタ・コルベールにミス・ツェルプストー…サイトさんのお見舞いに来たんですか?」
「え…ええ、そうよ、そんな感じで。」
「私は学院長にミスタ・レスターを呼ぶよう言われたのだが…所で、彼は今何処に?」
学院長の用事を思い出したコルベールは、説教を置いてルイズに尋ねる
「え、えっと…ですから、クラースなら外に…。」
「失礼するよ。」
ルイズが説明しようとすると、キザったらしい声と共にまた扉が開いた
4人目の訪問者は、才人・クラースと決闘をしたギーシュだった
手には、薔薇の花束が掴まれている
「ギーシュ、あんた何しに此処へ…。」
「此処に君達がいると聞いてね…これを彼に…。」
そう言うと、ギーシュはルイズに薔薇の花束を渡す
そして今度は、隣にいるシエスタの方を振り向いた
「君、シエスタと言ったね…昼間は失礼な事をして本当にすまなかった、許してくれ…。」
ギーシュは床に片膝をつくと、頭を下げてシエスタに謝罪した
「えっ、そんな…困ります、貴族様に謝られるなんて…。」
貴族が平民に頭を下げて謝罪する…絶対に有得ない事だ
そんなギーシュの謝罪に、シエスタはおろおろとするばかりだった
その様子を、ルイズは呆然となって見つめていた
「ギーシュ、確かにあんたにサイトからの伝言は伝えたけど…意外と素直に謝るのね。」
「ふっ、僕だって貴族の端くれだ…約束くらいは守るさ。」
そう言うと、一本の薔薇を取り出してポーズを決める
良いところあるじゃない、とルイズは思った…相変わらずキザだが
「所で、ミスタ・レスターは?彼にも一言お詫びをと思ったんだが…」
ギーシュがクラースの行方を尋ねると、他の三人も一斉にルイズを見た
ルイズは一度息を吐くと、彼らに聞こえるように告げる

「だから、クラースは……。」

……………

一方、その頃…話題となっているクラースは決闘の舞台となったヴェストリの広場にやってきていた
決闘の名残であるワルキューレの残骸や、魔神剣の後などがそのまま残されている
「(シエスタの話だと、此処はあまり人気がないらしいからな…。)」
だから、何があっても大丈夫だろう…そう思いながら、クラースは空を見上げた
もうすぐ夜になる…空の上には、この世界特有の二つの月が輝こうとしているのが見える
クラースは二つの月を見つめながら息を吸い…そして吐いた
「……それで、何時までそうしているつもりなんだ?」
そう言いながら、クラースは後ろを振り返る…そこには、一本の木が生えていた
「隠れてないで出てきたらどうだ?私に用があるのだろう?」
クラースが再度呼びかけると、ゆっくりと木の後ろから誰かが姿を現した
出てきたのは、長い杖を持った青髪の少女…タバサだった
352TALES OF ZERO 5/10:2010/01/26(火) 15:24:09 ID:lUli9iXn
「…どうして気づいた?気配は消していたのに…。」
ある程度近づき、間合いを取った上でゆっくりとタバサは口を開く
「伊達に32年は生きてないさ…最も、途中までは解らなかったな。」
救護室で、クラースは自分を誰かが見ている事を悟った…それが彼女だろうという事も
その真意を確かめる為に、この人気のない場所までやってきたのだが…
「で、用件は…話は一応終わったと思うのだが…。」
クラースの問いかけに対し、タバサは沈黙を保ったままだった
そして、返答の変わりに杖先をクラースに向ける
「おいおい、穏やかじゃないな…私の返答が気に入らなかったのか?」
「確認する…貴方は人間?それともエルフ?」
クラースの言葉を無視して、タバサは問いかける
彼女の言葉に内心驚くが、心の内を見せないように平静を保つ
「私はエルフではないな…ほら、耳だって尖ってないだろ?」
そう言いながら、自身の耳を指差す…が、タバサは杖を下ろさない
「なら、何故先住の魔法が使える?昼間の決闘のあれは先住の魔法…精霊の力だった。」
「ほぅ…驚いたな、シルフが風の精霊だと解ったのか?」
最初から知っていた才人とルイズ以外は気づかなかったのに…この少女は侮れない
相変わらず杖を突きつけ続ける彼女に、クラースは答える事にした
「質問に答えるとするなら…長年の研究の成果だな、わが師にして友である男が追い求め…私が完成させた、な。」
そう言って、帽子のつばをギュっと握り締める…まるで何かを忘れないように
それを聞いたタバサは少し黙った後、話を続けた
「…では、貴方はエルフではない?」
「そうだ…だが、何故エルフに拘るんだ?」
このハルケギニアでは、人間とエルフは宿敵同士だという事はルイズから聞いている
だが、彼女が自分に対して接触を行ったのは、それが理由ではないように思えた
クラースの問いに対し、話すべきか迷う素振りを見せたが、やがて口を開く
「昼間の話…私の大切な人の心を奪った秘薬は、エルフによって作られたと聞いている。」
「成る程…だから、私が知っているかもしれないとつけていたのか。」
こくん、とタバサは頷いた
「それで…貴方は知っている?」
「そうだな…エルフが作った秘薬か…そうなると、心当たりは幾つかあるにはあるが…。」
エルフ関係の知り合いは何人かいるが、異世界の知識が通用するかどうかは解らない
その他の可能性についてももう一度考えてみるが、それらを試すには…
「まず、私の故郷に帰る方法を探さないといけなくなるからな…悪いが、君の役に立てそうにない。」
「そう…なら、別に気にしなくて良い。これは私の問題だから…貴方は故郷に帰るつもり?」
「ああ、私には待っている人がいるし…何より、才人を彼の家に帰してやりたい。」
クラースは自身が才人を手違いで召喚した事、送還中にルイズに召喚された事をタバサに話した
送還術を使えると聞いて、タバサは少しだけ驚いた表情を見せた
「召喚した使い魔を、元の場所に戻す…そんな方法を編み出すなんて…。」
「色々と特殊な手順を踏んでだがな…あれを編み出すのにも、色々と苦労したが…。」
それを聞いたタバサは、杖を下ろして手を唇に当てて無表情のまま考える
しばらく考えた後、自身が選んだ選択をクラースに告げた
「なら…貴方が故郷に帰れる方法を探すのに、私も協力する。」
「良いのか?随分と時間が掛かるだろうし、無駄足を踏む可能性だってあるんだぞ。」
「私の大切な人の心を取り戻す可能性があるのなら、試してみる価値はある。」
そう答えたタバサの瞳には、普段とは違う感情の色が感じられた
クラースとしては、彼女の助力を得られるのは有難いと思った
彼女なら、優秀な助手として期待できそうだ
「そうか…なら、協力をお願いしよう。よろしく頼む。」
クラースはタバサに手を差し伸べる…タバサもゆっくりと、自身のその手をクラースに伸ばした
二人が握手を交わそうとしたその時、二人を巨大な影が覆った
「何だ、急に暗く……。」
「駄目なのねちびすけ、その人と戦っちゃ駄目なのね!!」
影が差したかと思えば、今度は女の子の声が聞こえてくる
クラースが上を見上げると、すぐ真上に青い竜が浮遊していた
353TALES OF ZERO 6/10:2010/01/26(火) 15:25:20 ID:lUli9iXn
「なっ…竜か、何故こんな所に!?」
即座に本を取って構えるクラースは、シルフを呼び出そうとする
だが、タバサが杖を差し出して止めた
「心配しなくて良い…この竜は私の使い魔。」
「使い魔だって?」
タバサの言葉にクラースがよく見ると、足の裏に使い魔の証であるルーン文字が刻まれていた
それまで浮遊していた竜はゆっくりと、二人の前へと降り立つ
「この人、人間なのに風の精霊様を使役しているのね。だからあんたでも…きゅい!?」
使い魔の竜が喋っている途中なのに、タバサは持っている杖でポカッと殴った
辺りを見回して自分達以外がいない事を確認すると、竜に向かって口を開いた
「此処で喋るの禁止。」
続いて、竜に向かってタバサはそう言いつけた
でも…と言いたそうな竜を、タバサはじっと見つめる事で黙らせた
「心配しなくても、私はこの人に戦いを挑んだりしない。」
そして、タバサはクラースと戦わない事を伝えて、竜を落ち着かせる
その光景を、クラースは驚いた表情で見ていた
「驚いたな…魔法使いは様々な使い魔を使役しているとは聞いたが、まさか韻竜とはな。」
「貴方の故郷にもいるの?」
「ああ、それなりにな…敵として戦ったり、共に戦ったりした事はある。」
かつての戦いを思い返しながら、クラースは答える
「彼女が貴方の事を教えてくれた…彼女は風の韻竜だから。」
「そうなのね、イルククゥは風韻竜だからすぐに解ったのね。でも、貴方が風の精霊様を呼び出した時は驚いたのね。」
人間なのにすごいのね、と何度も使い魔の竜…イルククゥはクラースを称賛する
それをタバサが再度杖で叩いて、にらみつける事で黙らせた
「それと…このハルケギニアでは、韻竜は絶滅したとされている…だから、この事は秘密にして欲しい。」
「成る程…絶滅種となれば、色々と貴重な存在だろうからな…解った、約束する。」
それを聞いて、納得したタバサは再度イルククゥを見据えた
「それで、私に何の用?」
タバサが尋ねると、イルククゥは何も言わずに何かを口に咥えて彼女に渡した
それは手紙らしく、態々届けに来たらしい…タバサはそれを黙って受け取る
そして、封を開けると中の手紙を黙々と読んでいく
「手紙か…誰からのものなんだ?」
「…任務。」
クラースの問いにぽつりと呟くと、タバサはイルククゥの背中に乗った
そして耳元で何か呟くと、イルククゥは翼を広げる
「私はいかなければならない…話はまた次に。」
「お、おい、ちょっと待て。任務とは一体……。」
クラースが問いかけようとするが、イルククゥはタバサを乗せてゆっくりと上昇していく
どうやら、何か事情が出来たようだが…
「………。」
クラースは空へ飛んでいくイルククゥを見つめていたが、やがて本を取り出した
本を開くと、召喚術の詠唱を始める
「………シルフ!!」
クラースが詠唱を終えると、彼の周囲にシルフ三姉妹が姿を現した
「セフィ、ユーティス、フィアレス…頼む。」
クラースが頼み込むと、彼女達はその言葉の意味を理解して風を吹かせる
風はクラースを包み込むと、彼の体を飛翔させた
そして、宙に浮いていくクラースは、飛んでいこうとするタバサと目をあわせる
「おいおい、ちょっと待て…碌に説明もないまま行かれては困るな。」
流石のタバサもこれには驚いたらしく、目を丸くしていた
そんな彼女の驚きをよそに、クラースはタバサの後ろに降り立つ
「君にも色々あるようだが、これからは協力するんだ…出来れば、話して貰えないか?」
初めて会った時から思っていたが、彼女は唯の女子学生ではない
何も知らずに彼女を助手にしたくはないクラースは、彼女の素性について尋ねた
少しの沈黙を続けるタバサは、クラースに顔を見せずに口を開いた
「時間が惜しい…このまま目的地に向かう、その途中で説明する。」
それでもいい…とタバサに尋ねられ、クラースは黙って頷く事で答える
それに納得したタバサはイルククゥに囁き、更に上へと飛翔する
二人を乗せた風韻竜は、夜になりつつある大空に向かって飛んでいった
354名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:26:58 ID:IhrF4XoU
しえん
355TALES OF ZERO 7/10:2010/01/26(火) 15:28:05 ID:lUli9iXn
「なるほど、そういう事か……。」

ハルケギニア上空…クラースとタバサはイルククゥに乗って移動していた
その途中で、約束通りクラースは彼女から詳しい事情を聞いていた
「辛いな…両親の仇の命令を聞き、無理難題な任務をこなすというのは。」
彼女はこれから行くガリア…トリステインの南にある大国の王族だったという
だった…というのは、後継者争いに敗れた事により、王家の資格を剥奪されたのだ
父親は殺され、母親は心を狂わされた…彼女が助けようとしているのは、母親だった
「でも、やらなければ…母の心を取り戻す事も、父の仇を討つ事も出来ない。」
残った彼女は、仇からの任務をこなすという日々を送っていた
王家で無理難題な出来事が起こると、彼女に押し付けるのだという
成さなければ自分と、母の命の保障はない…
「すまんな、そういう事情があるとも知らず、執拗に君の事を尋ねてしまって…。」
「気にしなくて良い、これは私の問題だから…任務についても貴方は別に協力しなくても良い。」
クラースの同乗を許したのも、自分の事情を話す時間が惜しかったからだ
自身が仕事を終えるまで、何処かで待ってもらうつもりなのだが…
「いや、折角ついてきたんだ…私で良ければ、君の力になろう。」
「でも……。」
「君は私に力を貸してくれるといった…なら、私が君に力を貸したって良いじゃないか。」
そう告げるクラースは、自分がこんなにもお人よしだったかと内心驚いていた
きっと、クレスとミントの影響だろうな…とそう思った
「(あの二人は、本当にお人よしだったからな…迷子の子を送り届けたり、少年に林檎を何個も買ってやったり…。)」
あの頃を思い返していると、タバサが此方をじっと見ているのに気づいた
照れ隠しのつもりで、クラースは軽く咳払いをする
「それに、このハルケギニアがどんな所なのかこの目で見るのも悪くない…私達はまだ此処の事をよく知らないからな。」
そう言って、イルククゥの下に広がるハルケギニアの大地を見つめる
今はすっかり夜の暗闇に包まれているので、下は真っ暗でよく見えないが…
そんな時、クラースの腹の音が鳴った
「おっと、すまない…そう言えば、夕食はまだ食べてなかったな。」
確か、ライスといたのりがあったな…と呟いて、道具袋からごそごそと何かを取り出す
そして、手元で何かしらの動作を行い…
「…よし、出来た。」
「それは?」
タバサが振り返ると、クラースの手には三角をした何かがのっていた
どうやら食べ物らしいが、タバサは見た事がないものだった
「これか?これはおにぎりといってな、ライスを握ったものだが…ハルケギニアにはないのか?」
タバサはこくんと頷く、するとクラースは作ったおにぎりを彼女に差し出した
「なら、食べてみるか?簡単なものだが、美味いぞ。」
クラースから差し出されたそれを、タバサは黙って受け取る
少し匂いをかいでみると、ほんのりと塩の匂いがした
「大丈夫だ、毒は入ってない…それに、手だってちゃんと綺麗だぞ。」
笑いながらそう答えるクラース…やがてタバサはおにぎりを一口食べた
初めての食感と共に、塩の味がする…これは…
「……美味しい。」
「そうか、それは良かった。」
ぽつりと呟いた感想に、クラースは笑みを浮かべると自身もおにぎりを食べた
いつの間にか、何個もおにぎりを作っている
「……もう一つ、貰っても良い?」
「ああ、別に良いぞ。」
本を読む事の次に食べる事が好きなタバサは、おにぎりをもう一つ貰った
「わたしもわたしも、それ頂戴なのね。」
今度はイルククゥが、おにぎりを求めて首を伸ばしてきた
彼女にもおにぎりを渡すと、それは一口で食べられてしまった
そして二人と一匹の竜はガリアへと向かっていくのだった
356TALES OF ZERO 7.5/10:2010/01/26(火) 15:30:11 ID:lUli9iXn
『ガリア王国』
クラース「そう言えば、これから行くのはガリア王国…という国だったな。」
タバサ「そう…トリステインの南に位置する、ハルケギニア最大の国…現王ジョゼフ一世が治めている。」
クラース「君の父上の兄君…つまり、伯父上が統治しているわけだな。」
タバサ「彼等にとって、私は肉親関係じゃない…ただの使い捨ての駒にすぎない。」
クラース「そうか…それで、君に与えられた任務とは?」
タバサ「それは解らない…会って話を聞かないと。」
クラース「まずはガリアへ…というわけだな、今は到着するのを待つか。」
『召喚術の使い方 シルフの場合』
クラース「あっ、しまったな。」
タバサ「どうしたの?」
クラース「ルイズや才人に出かけてくるのを言うのを忘れていたな。」
クラース「才人は良いとして,ルイズが黙ってはいないだろうな…迂闊だった。」
タバサ「悪いけど、トリステインに戻れない…時間が惜しい。」
クラース「それは解っている…うーん…シルフに伝言を頼んでみるかなぁ…。」
タバサ「精霊を…伝言板扱い…。」
イルククゥ「きゅい、きゅい…やっぱり只者じゃないのね、この人間。」
『憧れの外の世界』
イルククゥ「きゅいきゅい、人間が風の精霊様を使役するなんて…やはり外の世界は凄いのね。」
クラース「そう言えば、君は絶滅したと言われる韻竜だそうだな…ほかにも仲間はいるのか?」
イルククゥ「いるのね、人目のつかない場所でひっそりと暮らしているのね。」
イルククゥ「でも、ずっと退屈な生活だったのね…だから、何時か独り立ちしたいと思っていたのね。」
クラース「だから、タバサのサモン・サーヴァントに応えたわけだな。」
イルククゥ「けど、このちびすけは扱いが悪いのね…人前では喋るなだの、ご飯はちゃんとくれないだの、韻竜を何だと思って…。」
タバサ「………。」
クラース「まあ、君も私も召喚されてから間もない…ゆっくりと、信頼関係を築けば良いさ。」
イルククゥ「このちびすけと信頼関係を…つくれるのか、不安なのね。」
『鳴子の音』
タバサ「貴方がつけているそれ…それは何?」
クラース「これか?これは鳴子と言ってな、風を受けるとカチャカチャと音が鳴るんだ。」
タバサ「何故…そんな物を?」
クラース「私の研究の成果によると、精霊はこの音が好きらしい…シルフからの評価も良かったぞ。」
タバサ「本当に?」
クラース「本当だとも。なら証拠を見せよう………シルフ!!」
セフィー『何用ですか、マスター?』
クラース「すまないな、シルフ…この私の鳴子だが、どう思う?」
セフィー『鳴子、ですか?風に吹かれた時に鳴るその音は、とても心地良いものです。』
ユーティス『うん、聞いていて気分が落ち着くよ。』
クラース「な?」
タバサ「何も、わざわざ呼んで証明しなくても…。」
フィアレス『こうして風を吹かすと、いい音が出るんだよ…それ!!』
クラース「どわあああああああああ!!!!!!」
セフィー『ああ、マスターが…。』
ユーティス『フィアレス、強すぎだよ、マスターを飛ばしてどうするのさ』
フィアレス『ご、ごめんなさ〜い、マスター、大丈夫ですか〜〜〜。』
タバサ「………精霊と付き合うのも、大変。」
357TALES OF ZERO 8/10:2010/01/26(火) 15:32:45 ID:lUli9iXn
道中様々な事があったが、クラース達はようやくガリア王国へと到着した
王都リュティスのヴェルサルテイル宮殿…その中央グラン・トロワから離れにあるプチ・トロワ
イルククゥはそのプチ・トロワの前庭へと降り立った
「此処からは私一人で行く…貴方は此処で待っていて欲しい。」
「解った、彼女と一緒に待っているよ。」
タバサは一人、イルククゥから降りると入り口へと向かって歩き出す
すると、入り口を警護している衛兵達が彼女を出迎える
「来たな、姫殿下がお待ちだ…後ろにいるのは?」
「私の使い魔…それと、彼は知り合いのメイジ。」
クラースとイルククゥの事を説明すると、衛兵が何人か前に出てクラース達を見張った
何もしなければ、大丈夫…タバサは視線を送り、クラースは黙って頷く
「さあ、中へ…お前の使い魔と知り合いとやらは我々が監視しているからな。」
こくん、と頷くと黙ってタバサは建物の中へと入っていた
ゆっくりと、奥の王女の部屋まで歩いていく
「………。」
タバサが歩いていると、周囲の衛兵やメイド達がちらちらと彼女を見る
中にはヒソヒソと話をする者もいる…タバサには慣れた光景だった
そんな時、柱の影から出てきた誰かとぶつかってしまった
「あっ…ごめん、大丈夫?」
尻餅をついてしまったタバサを、ぶつかった相手が心配して声をかけてくる
自分に声をかける人がいた事に少し驚きながら、タバサが顔を上げる
そこには自分と同い年くらいの少年の姿があった
「大丈夫…問題ない。」
そう答えて自分で立ち上がると、タバサはぶつかった少年を見た
少年は金髪に、この辺りでは見ない不思議な格好をしていた
タバサはこの少年を知らない…新しく入ってきた召使だろうか
「貴方は?」
「僕?僕はロア、イザベラの使い魔なんだ。」
よろしくね、と言って少年…ロアは手を差し伸べた
自然と、タバサも手を差し出して彼と握手を交わす
「ごめんね、よそ見していたから…此処はバンエルティアより広いから迷ったんだ。」
そう言って辺りを見回すロア…本当に道に迷っているらしい
何故こんな少年が自分のいとこであり、この国の王女であるイザベラを呼び捨てにするのか…
そもそも、彼女の使い魔とは…色々と気になる事はあるが、任務の方が先だ
「悪いけど、私は行く…イザベラ王女に呼ばれているから。」
「イザベラの所に行くの?だったら、一緒に行っても良いかな?」
僕もイザベラの所に行きたいんだ…と言って、持っている小さな袋を見せる
どうやら、それを彼女に渡したいらしい。タバサは黙って頷くと同行を許可した
そして二人で王女の部屋に向かう…その途中で、タバサはロアに質問する
「貴方は王女の使い魔だと言った…本当に?」
「うん、僕も良く解らないけど…皆の所に戻る途中にイザベラが僕を呼んだんだって。」
皆…家族の所に戻る途中で、サモン・サーヴァントによって召喚されたのだろうか?
しかし、彼は今自分が置かれている状況を苦には思っていないようだった
「コントラクト・サーヴァントって言うのしてないから、正式な使い魔じゃないらしいけど…帰る当てが見つかるまで、此処で働いているんだ。」
「そう……。」
タバサはロアの顔を見る…その表情は、純真な心を表しているようだ
このガリアの現状やいとこの性格から考えると、何故そんな表情でいられるのか不思議だった
そんな事を考えていると、ようやく二人は王女の部屋の前へと到着した
「此処…此処が王女の部屋。」
「うん、そうだね、見覚えがあるよ。ありがとう…えっと…。」
「…タバサ。」
「タバサって言うんだ…ありがとう、タバサ。」
ロアは笑顔でタバサに感謝した…心の中に暖かさを感じる笑顔だった
そして、ロアが部屋への扉を開けると…彼の顔に何かがぶつかった
358名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:41:32 ID:1iLNiaHZ
支援
359名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:48:39 ID:FYIqx/8a
さるったか?
360名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:49:30 ID:FYIqx/8a
235 :TALES OF ZERO 作者:2010/01/26(火) 15:38:27 ID:EsfaLP/M
すいません、さるさん受けて投稿不能になりました
何方か代理投稿お願いします

代理入ります
361TALES OF ZERO(代理) 9/10:2010/01/26(火) 15:50:15 ID:FYIqx/8a
「あっ…。」

そんな間抜けな声を出したのは、奥にいるドレスを着飾った少女だった
彼女こそ現国王ジョゼフ一世の娘であり、この国の王女イザベラである
手には卵が握られており、ロアにぶつけられたのも卵だった
「ろ、ロア…何であんたが先に入ってくるんだよ!?」
どうやら、今の卵はタバサにぶつけるつもりだったらしい
ロアは卵の黄身で汚れた顔を拭うと、ゆっくりとイザベラの元へと歩み寄った
そして、彼女の傍まで歩み寄ると…
「卵を粗末にしちゃ駄目だよ。」
そう言って、イザベラを注意した…その言葉に、イザベラの肩の力が抜ける
「あ、あんたね…私はこの国の王女なんだ。だから、あんたみたいな奴が軽々と…。」
「駄目だよ。」
少し力を込めたロアの発言に、うっとイザベラは声を漏らす
そして、彼の真剣な眼差しを受け、耐え切れなくなった彼女は…
「わ……解った、解ったよ、私が悪かったよ。」
これで良いんだろ、とイザベラは謝罪した
それを聞いて納得したロアは、持っていた小さな袋を彼女に差し出す
「はい、これ…食後のおやつのクッキーだよ。」
イザベラが受け取った袋を開けると、確かに中にはクッキーが入っていた
その匂いをかいだ後、一つを口の中に放り込んだ
「……うん、美味い。本当にあんたの作るものは美味しいねぇ。」
「ありがとう。」
タバサは驚いた…あのイザベラが人に謝り、褒めている事に
しばらくクッキーを味わっていたイザベラだが、タバサがいる事に気付いて、顔を硬直させる
「あっ、あんた…ち、違うんだよ、これは…ロアのクッキーが美味しいから…って、そうじゃなくて!!!」
イザベラは何とか普段どおりにしようと怒り出し、袋を投げ捨てようとする
だが、一歩手前で留まると、ロアに押し付けた
もういらないの、と尋ねるロアをイザベラは睨み付ける
「ロア、これから私は仕事なんだ、あんたはあっちに行ってな。」
「うん。」
素直に返事を返すと、ロアは隅の方に歩いていった
一呼吸置いた後、イザベラはタバサを見据える
「ふん、ようやく来たようだね…遅いから寝ちまう所だったよ。」
何時もの嫌な笑みを浮かべて、タバサに嫌味を言おうとする
しかし、タバサは別に気にすることもなく、ロアに視線を向ける
「彼…あなたの使い魔というのは本当?」
「なっ…ち、違うよ、ちゃんと契約してないから、あいつは唯の召使さ。」
どうやら、知られたくない事だったらしい…イザベラはロアをにらんだ
だが、ロアは笑顔のままで、イザベラは肩を下げるしかなかった
「と、兎に角…これが今回のあんたの任務だ、さっさと行っちまいな。」
早くタバサを退出させたいイザベラは、任務内容が書かれた書簡を彼女に押し付けた
黙って受け取ったタバサはそれ以上問いただす事無く退出しようとすると、ロアが駆け寄ってくる
「待って…これからお仕事するの?」
ロアの問いかけに黙って頷くタバサ…すると、ロアは袋を取り出して彼女に渡した
「これ…薬とか色々入っているから、良かったら使って。」
「ちょっとロア、私の許可なく勝手に人形娘に差し入れなんかするんじゃないよ。」
「あっ、そうなんだ…じゃあ、良いかな?」
イザベラの言葉に、ロアは振り返って彼女に許可を求めた
まさか、本当に許可を求めるなんて…イザベラはあ、うと言葉を捜す
「だ、だから、こいつには……ああ、もう、良いよ、そいつにやっちまいな。」
結局、その純真さに耐え切れなかったイザベラは許可を与えてしまう
本人が良いと言ったので、タバサも遠慮なく袋を受け取る
「くぅぅぅ…人形娘、あんたも受け取ったらさっさと出ていきな、早く!!!」
ヒステリックに叫ぶイザベラに、タバサは何も言わずに部屋を後にした
行ってらっしゃい、と去っていくタバサに向かってロアは手を振った
362TALES OF ZERO(代理) 10/10:2010/01/26(火) 15:50:55 ID:FYIqx/8a
「翼人退治?」

王都リュティスから離れた、街道の外れに在る小さな森の傍…
プチ・トロワを出たクラース達はそこで野宿をし、タバサが任務内容を話していた
「そう…今回の任務はエギンハイム村近くの森の一角を占拠する翼人達を討伐する事。」
ガリア王国アルデラ地方エギンハイム村…そこが次の目的地だった
そこは『黒い森』と呼ばれる、ゲルマニアとの国境沿いを覆う森林地帯がある
エギンハイム村の村民達は、そこで伐採した木を売って生活しているらしいが…
「その翼人達が村の秩序を脅かしているから退治しろ、ってわけか。」
タバサの話では、翼人はこのハルケギニアに数多くいる異種族のうちの一つらしい
その名の通り羽の生えたヒトで、森林などに生息する
また、エルフと同じ先住の魔法の使い手で、平民では歯が立たないそうだ
「秩序を乱すか…彼等の生息地に手を伸ばしたから、反撃を受けているんじゃないのか?」
「そうだとしても、これは任務…私はやらなければならない。」
どんな事情があろうともしても、任務である以上はやるしかない
例え、翼人全てを相手にする事になったとしても…
「貴方がやりたくないのなら、私一人でする…貴方は待っていれば良い。」
「そうは言ってない…だだ、無益な争いなら、しないほうが良いってだけさ。」
そう言って、クラースは枯れ枝を焚き火の中に放り込んだ
パチパチっと、炎の中で枯れ枝は燃えていく
「豊かさを求める事は悪くはない…それで世界は発展していくのだからな。」
だがな…とそこで一度区切ると、話を続ける
「豊かさを追い求めるばかりでは、何時かは過ちを犯す…償えない程の大きな過ちを…私の世界もそうだった。」
「私の…世界?」
「ああ、いや…私の故郷の話だ…正確には、そうなりそうだったと言うべきかな。」
クラースの言い方にタバサは疑問を浮かべるが、彼ははぐらかすだけだった
そう言えば…と、タバサは衛兵が話してくれた事を思い出した
「最近、翼人だけでなく魔法を操る、巨大な斧を持った怪人が現れると聞いた。」
「魔法を操る、巨大な斧を持った怪人だって!?」
過剰に反応するクラース…彼のその様子に、タバサは首を傾げる
「何か知っている?」
「あ、いや…そんな奴に該当する人物を知っているんだ…私が会ったのは偽者だがな。」
最後の方だけぽつりと呟きながら、クラースは答える
そう、あの巨大な斧を持ち、ロングウェーブをした超人
その話は、戦闘中にアイテムや魔法を使う事を許さない、あの男の事を言っているようだった
「そう…でも、これは未確認の情報で、エルフだとも、二人組みだとも言われている。」
そうなると、ますます解らなくなってくる
翼人に、謎の人物…一体何が待ち受けているのだろうか
ただ、確かにいえるのは、この件は一筋縄ではいかないだろうという事だ
「兎に角、明日の朝早くに出発する…今日はもう休む。」
「そうだな…では、私が火の番をしよう…君は寝ると良い。」
この辺に獣はあまりいないが、用心に越したことはない
因みに、イルククゥは既に眠っている
クラースの言葉に、タバサは頷いて毛布を被り、杖を持ったまま横になった
「眠れないなら、御伽話でも聞かせようか?私の故郷に古くから伝わる話があるからな。」
「……じゃあ、聞かせて欲しい。」
冗談のつもりで言ったのだが、意外と素直に返されたのでクラースは驚く
どうしようか迷っていると、タバサはジッと此方に視線を向けてくる
「そ、そうか…じゃあ、話そうかな…昔々、これは遠い昔の話…。」
観念したクラースはタバサに語って聞かせる…『月の精霊様』と呼ばれる、御伽話を
タバサは子ども扱いされたので、ちょっと困らせるつもりで言ったのだが、段々と物語の中に入り込んでいった


それは昔々、悪い人々が世界に毒を撒き散らし、月の精霊様を捕らえたお話…

そして、月の精霊様と、精霊様に恋をしてしまった兵士のお話…

その物語を語り終える頃にはタバサは眠り、クラースは火の番を続ける

こうして、ハルケギニアの夜は更けていくのだった
363名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:51:37 ID:FYIqx/8a
代理終わり
364名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 15:55:07 ID:FYIqx/8a
ってスマン後書きが残ってた

239 :TALES OF ZERO 後書き:2010/01/26(火) 15:53:00 ID:EsfaLP/M
以上で投稿終了です、久々の第四話でした
本当ならもっと早く投稿したかったのですが、パソコンが壊れてしまいまして…
画面が映らなくなったので、今は知り合いのパソコンを借りての投稿です
でも、そんなに借りられないので、次の投稿は数ヶ月ぐらい先になるかもしれません
新しいのを買うつもりなので…すいません

さて、本編の方ですが…今回はタバサと翼竜人のストーリーに沿って物語が展開しています
シルフィードはまだ召喚してすぐという事で名前はイルククゥのまま、タバサとも親しくありません
そして、今回登場した少年ロアは、漫画版TOW2の主人公です
小説や漫画、ドラマCD等の設定も使っていくつもりなので、彼に登場してもらいました
また、クラースの過去についてもドラマCDの設定を使っています
さて、次回はエギンハイム村…そこでテイルズキャラが登場します
ヒントは最後のクラースとタバサの会話に…では、次回また会いましょう
365名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 16:09:50 ID:lkwFlTRh
投下&代理乙
強力若本
366321:2010/01/26(火) 16:18:34 ID:thoWcd17
短いが小ネタでゲーム帝国の語り部召喚書けたぜ。
10分くらいしたら投下しる。
367ゲーム帝国ハルゲギニア出張版:2010/01/26(火) 16:30:16 ID:thoWcd17
悪魔のジジイと一杯やったあと千鳥足で歩いていたら目の前に鏡のようなモノが現れて
吸いこまれると見知らぬ場所に居た。はて、此処はどこであろうか?

級友を大切にせよ
●学校に通う少年少女よ。勤勉なるヤングメンよ。
級友を馬鹿にして見くだしてはならぬ。
級友が苦しんでいる時こそ励まし応援してやるのだ。
だからあの先公のハゲが増してるよなーでは無いと申すのだこのイカレポンチが!

●アンタ、誰よ?
(トリステイン ルイ中略ル)
●拙者こそ帝国で一番多くの文章を書いている人物であり弊社であり拙者でありすなわち語り部。
貴様のもの言いは無礼な上に名前が長いので罰として本名中略の刑。ざまみよ。

●サモンサーバントで平民を呼びだしてどうするの?
(トリステイン 生徒A)
●そのような場合は体育館の裏へ呼びだしてチョメチョメしてホニャララしたあと放置。

●もう一度召喚させてください!
(トリステイン ルイ中略ル)
コンティニューであるな。筐体に礼をしたあとコインいっこ入れるが吉なり。

●あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんな事されるなんて、普通は一生無いんだから。
(トリステイン ルイ中略ル)
●ああ、羞じらいを知らぬ淑女よ、人前で接吻など求めるものではない。
最近の若者の乱れに総統が降臨あそばされた。見よ!
「良い良い良い(残響音含む)
チュウチュウチュウ(アレ含む)」
む。総統はお歓びである。やって良い。どうした、やらぬのか、ん?

●あいつ、フライはおろかレビテーションすら出来ないんだぜ。
(トリステイン 生徒B)
●空を飛ぶなど全然大したことはなく我が帝国の偉大なる皇帝などは箱の中から幽体離脱するほどの
強者であり夜中飛び回るので我らが総統などは恐怖の余りちびってしまい大迷惑なり。
368ゲーム帝国ハルゲギニア出張版:2010/01/26(火) 16:32:29 ID:thoWcd17
●月が2つなんて当たり前じゃない。
(トリステイン ルイ中略ル)
●月が2つなど全然大したことは無く偉大なる帝国ではお月さん発生装置により256個のお月さんがあり
夜中でも昼間のような明るさでありわりと不評。

●綺麗ね・・・。何の系統の魔法で動いているの?風?水?
(トリステイン ルイ中略ル)
否、気合で動いておる。

●見てよ見てよ、この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火虫亀山脈のサラマンダーよ? 
ブランドものよー。好事家に見せたら値段なんかつかないわよ!
(ゲルマニア 微熱)
●コナミ謹製の名作シューティングゲームであるな。良い。パロディウスやツインビーなども試し報告せよ。

●俺のラッキーがヘビに食われた! ラッキーが!
(トリステイン 生徒C)
●さようであるか、それはラッキーであったのう。南無ー。

●暇だからといって、わたくしのお尻を撫でるのはやめてください。
(アルビオン おマチさん)
●「やめぬめぬめぬ(残響音含む)
うひひひひひひひ(またアレ含む)」
見よ、我らが偉大なる総統は最強に強まったスケベであらせられるためブタ箱で臭いメシを食うハメにおなりになった。

●大変なことなど、あるものか。すべては小事じゃ。
(トリステイン 学院長)
●さよう。世界が滅びようが半鐘が鳴ろうが八兵衛がうっかりしようが大したことはないのだ。

●貴族の方々にお出しする料理の余りモノで作ったシチューです。よかったら食べてください。
(トリステイン メイド)
●何を言うかこのたわけめ!厨房の賄いこそ男の食い物!余りものこそ兄貴の食物!女子供は食堂で喰え!



369名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 16:32:33 ID:J+CXUNMu
>>367
爪がのび太らどうする?
370ゲーム帝国ハルゲギニア出張版:2010/01/26(火) 16:34:19 ID:thoWcd17
【悪魔の安楽椅子】
■彼女に浮気がバレないか心配です。
(トリステイン 青銅)
●そいつぁ何だな、若いのに良くやるね。
まあ俺様も若い頃はやんちゃだったけどな。
でだ、バレる時はバレるってモンさね。
で、バレた時は貴族っぽく
『薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね』
だとか、
『お願いだよ。咲き誇る薔薇のような顔を、そのような怒りでゆがませないでくれよ。
僕まで悲しくなるじゃないか』
とか言ってはぐらかすのが良いんじゃねーかな。
上手い言い訳が思い付かなかったら俺様に相談しな。
悪いようにはしねえからよ。

■出番を盗られたような気がします。
(東京都 平賀才人)
●そうか、残念だったな。まあコッチで一杯やろうぜ。



《女神の四の字固め》
■彼氏が浮気してるような気がします。
(トリステイン 香水)
●アンタ、バカね。そんなのしてるに決まってるじゃない。
それでもってバレた時にキザっぽく
『薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね』
だとか、
『お願いだよ。咲き誇る薔薇のような顔を、そのような怒りでゆがませないでくれよ。
僕まで悲しくなるじゃないか』
とかはぐらかそうとするに決まってるわよ。
「適当言ってんじゃねー」って叱っておやり。
それでトドメのチョップ一発で仲直りすればいいわ。
男の子はみんなスケベちゃんだから浮気するもんなよ。
あたしがやられたら絶対赦してやらないんだけどね。
おほほほほほほ。

■ピンクのあの娘に罵られてぇ。うっ。
(トリステイン ラブリーマリコルヌ)
●出たわね変態ちゃん。あっちへお行き。しっしっ。
371名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 16:37:27 ID:OylAPFIb
なんか懐かしいw
てっきり単行本の日記風味にくるかと思ったらこうきたかw
372ゲーム帝国ハルゲギニア出張版:2010/01/26(火) 16:37:31 ID:thoWcd17
以上で終了なり。

>>369
●どうもせぬ。貴様で勝手に青猫ロボに相談するがよい。
373名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 16:39:05 ID:J+CXUNMu
ゲーム帝国乙!再現度たけぇw
374名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 16:54:18 ID:10fnZRGe
本当に懐かしいなw
というか総統や女神さまだけでなく、このスレでは陰が薄い主人公までいるよwww
375名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 16:54:33 ID:thoWcd17
さすがに語り部の部分の行合わせまでは手が回らなかった。
この手法だと何巻になっても書きつづけられるかな?
誰か続き勝手に書いて(笑)
376名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 17:14:29 ID:cTAYx4Ss
テイルズの人、乙
ゲームはやったことないけどクラースがいい主人公してた。おにぎり食べたくなってきたな。
しかしあのイザベラが……ロアってすげー。
タバサの冒険は、吸血鬼編はあっても翼人編は書いてくれる人が少ないので楽しみに待ってます。
377名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 17:16:55 ID:SQoJdHb9
乙、えらい懐かしいものを見たw
378名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 17:56:08 ID:7NEpuO+M
懐かしすぎるw
この再現度の高さは帝国の宝
379名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 18:44:30 ID:fgbHASPm
●おじいさんが座る時に言う「よっこいショット」の破壊力はどれくらいあるんですか?
380名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 18:50:01 ID:CtwAI/cF
1~23番の二次創作小説SS(Side Story)のコミケや通販予定はないでしょうか?

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE 〜輝く季節へ〜 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。) SS
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
8. Dies irae
9. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒 SS
10. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世 SS
381名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 18:50:53 ID:CtwAI/cF
11. TYPE-MOON
(1) 逆行最強化断罪スーパー慎二がペルセウスを召還する SS
(2) 凛がイスカンダルを召還するSS
(3) 逆行最強化慎二 OR 四季が 秋葉,琥珀 OR 凛を断罪する SS
(4) 憑依最強化慎二 OR 四季が 秋葉,琥珀 OR 凛を断罪する SS
12. ゼロの使い魔
(1) 原作知識有 助演 憑依転生最強化SS
(ウェールズ、ワルド、ジョゼフ、ビダーシャル)
(2) 原作知識有 オリキャラ 憑依転生最強化 SS
(タバサ OR イザベラの 双子のお兄さん)
13. とある魔術の禁書目録
(1) 垣根 帝督が活躍する OR 垣根帝督×麦野沈利 SS
(2) 原作知識有 垣根帝督 憑依転生最強化 SS
(3)一方通行が上条当麻に敗北後もし垣根帝督がレベル6実験を受け継いだら IF SS
14. GS美神
(1) 逆行最強化断罪 横島×ダーク小竜姫のSS(非ハーレム 単独カップリング ルシオラ も除外 )
382名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 18:54:09 ID:CtwAI/cF
15. EVA
(1) 逆行断罪スーパーシンジ×2番レイ(貞本版+新劇場版)のSS
(2) 一人目のレイが死なないで生存そのまま成長した一人目のレイが登場する(二人目のレイは登場しない)
P.S
エヴァンゲリオンのLRSファンフィクションで、レイの性格は大体二つに分かれます。
1.白痴幼児タイプのレイ
LRSファンフィクションで大体のレイはこの性格のように思えます。
白痴美を取り越して白痴に近いレイであり、
他人に裸や下着姿を見せてはいけないという基本的な常識も知らず、
キスや性交等、性に関する知識も全然無いか、それともほとんどありません。
このタイプの場合、逆行物では、シンジがレイに常識や人間の感情等を一つ一つ教えていくという「レイ育成計画」になってしまいがちです。
このタイプは、アニメのレイに近いと言えるでしょう。
2.精神年齢が高く、大人っぽいレイ
1番の白痴幼児タイプとは違って、他人に裸や下着姿を見せてはいけないという
基本的な常識くらいはあり(見られたとしても恥ずかしく思ったりはしないが)、
キスや性交等、性に関する知識は理論的に知っており、自分の自我が確立している、
(命令には絶対服従だが)感情表現がより豊富です。
このタイプの場合、 コミックスのレイに近いと言えるでしょう。
383名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 18:55:11 ID:CtwAI/cF
16. BlackCat
イヴ×リオンのSS
17. 鬼切丸
鬼切丸×鈴鹿のSS
18. MURDER PRINCESS
カイト×ファリスのSS
19. 式神の城
玖珂光太郎×結城小夜 OR 玖珂光太郎×城島月子のSS
20. 大竹たかし DELTACITY 全2巻
21. ヴァンパイア十字界
蓮火 × 花雪 OR 蓮火 × ブリジット
22. 地獄少女
(1) 不合理な 地獄少女の被害者(e× 看護婦,1期の看護婦、2期の 拓真を助けに来てくれた若い刑事,秋恵) 家族・恋人が 地獄通信に 地獄少女と仲間たちの名前を書くSS
(2) 極楽浄土の天使 OR 退魔師が 地獄少女と仲間たちを断罪するSS
(3) 拓真の 地獄少年化SS
二籠の最終回で拓真が地獄少年になるのかと思ってたんですが・・
地獄少年 ジル : 所詮この世は弱肉強食。 強ければ生き弱ければ死ぬ。
拓真 : あの時誰も僕を守ってくれなかった。
守ってくれたのはジルさんが教えてくれた真実とただ一振りの超能力
・・・だから 正しいのはジルさんの方なんだ。
23. 真・女神転生CG戦記ダンテの門
ダンテ× ユーカのSS
384名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 18:57:42 ID:OylAPFIb
テイルズの人乙ー
なんというカオスの予感w いいぞもっとやれw
385名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 19:02:29 ID:thoWcd17
>>379
●最強に強まった老人から発せられる気合の打撃であるな。
孫を甘やかしすぎて両親が困るほどの威力がありちびっ子に大人気。
あと貴様はスレ違いであり貴様はなでなでしてチョメチョメしてホニャララしたあと
銃殺後ほったらかしの刑。

>>380
●そのような事は弊社では知らぬぞんぜぬ解りませぬ。
なんだったらその金さんって遊び人を此処へ連れてきてもらおうじゃねえか!
我ながら何を言ってるのかさっぱり解らぬ。

っていうかジョセフが登場した場合、
■俺は地獄が見たいだけなのだ。
(ガリア 無能王)
●そうかい、そいつぁ気が合うね。
俺様んとこへ来な。色々案内してやるぜ。
一緒に酒でも飲もうや。

って、悪魔さんに軽く流される気がする。
386名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 19:16:21 ID:SQoJdHb9
>>385
すげぇなw
楽しそうで真似したいんだが、数回しか読んでないからそこまでそれっぽくかける気がしないw
387名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 19:25:15 ID:jf8XUpnL
魔夜峰央の魔界の大公爵アスタロト召喚したら
使い魔になってくれるんだろうか
388名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 19:41:05 ID:10fnZRGe
やめとけ、あの悪魔は義理堅いところもあるが怒らせると容赦なく地獄に落とすぞ
(文字通りに)
389名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 20:01:26 ID:N4hGXK+v
>>388
魔界から姿を隠してる一時期なんかだと、使用人ごっこくらいはやってくれそう
使い魔とか言い出したら生きたまま地獄に行くことになるが
390名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 20:39:12 ID:+8PpaFEO
ゲーム帝国懐かしいな。
是非に続きを書いてほしい。


だが、原子力分が足りない。
391名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 20:43:25 ID:jf8XUpnL
一応契約を重んじる悪魔だから
使い魔召喚を願いを叶えて欲しい目的だと認識してたら
「願いを言え、娘!どんな願いであろうと叶えてやろう!」と自分から言い出して
その願いが使い魔だったらルイズが死ぬまで仕える羽目になるかもしれない
392名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 21:09:53 ID:Ob9RwqK8
>>385
面白かった、乙!
393名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 21:46:17 ID:/4NaaAs0
代わりにパタリロを使い魔として押し付けて解決しそうだな
394名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 21:48:47 ID:voDmiN7d
ノートの記憶が無い時期の夜神月呼ぼうぜ
395名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 22:46:23 ID:10fnZRGe
>>393
まあ、あっちの方が小銭で言う事聞かせられるからいいんじゃね?
396名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 22:50:39 ID:HS9biG8D
>>395
とはいえパタリロ8世はガンダ補正がどうでもよくなるくらいのチート生物だからなぁ。
397名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:01:39 ID:Ob9RwqK8
>>394
宝物庫にはデスノートがあって、手にした瞬間に悪くなると共に帰れなくて涙目になるのかw
世界の為とかじゃなくて、神になるだけならハルケギニアの方が楽?
398名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:07:07 ID:5AU5zp1D
>>397
ネットもテレビもないから無理。
399名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:07:14 ID:VkyV0rkg
使い魔の自動翻訳機能の所為でノートへの記述と思考が噛み合わずに誰も殺せなくなるんだよ
400名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:17:52 ID:drivQm4r
テイルズの人乙でした〜〜〜♪
テイルズで好きなのはクラースとすずなんですよね、自分。
そういえば、ファミ通文庫の琥珀の回廊ではクラースはオリジナルの精霊と契約してましてしたっけ。
SFC版のみの召喚獣・カメレオンとか。
すずが主役の魔剣忍法帖じゃクラースは死後に精霊王にもなってたな。

あとは、他の歴代テイルズに出た精霊達と契約出来るのか気になりますね。
セルシウスやヴェリウス、レムにゼクントゥスとか。
ワルキューレ(ヴァルキリー)もいましたっけ。

http://www8.plala.or.jp/satosa/index2.html
http://www8.plala.or.jp/satosa/klarth/memo2.html
ここが参考になるかと。
401名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:45:20 ID:H66SXTL5
ちょいとビデオ整理してて思ったんだがソウルテイカーのキョウスケや
ナースウイッチの面々召喚とか…

ってテイカーだとキョウスケがエイリアンだから色々めんどい事になるかも、、妹が中に居るし
ナースウイッチだとゼロ魔の展開ガン無視してこよりと小麦のドタバタバトルに終始して巻き込まれたトリスティンの面々の喜劇モノになるかも
402名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:47:35 ID:iPm81Ww+
アイマスキャラが召還されたことってあったっけ?
403名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:56:55 ID:GGNHt84g
はぅぅ、メイドかぁいいよぉ〜!とシエスタをお持ち帰りする使い魔が
404名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/26(火) 23:58:18 ID:VHC8qkci
ジョゼフが攻殻SACから合田一人召喚
なぜか電脳化していて個別の11人ウイルスに感染して英雄をプロデュースされるクロムウェル
405名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 00:05:56 ID:GXeeEEqF
電脳化なしでもミョズの力とガリアの技術で水と催眠洗脳駆使してやりそうだ
406名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 00:41:45 ID:ikWpejZW
パタリロは強力すぎる
主の下苦労するのに慣れていて、知力体力容姿選りすぐりのエリートのタマネギならどうだろうか

バンコラン菌がハルケに蔓延しちまうか
407名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 00:48:23 ID:bQyB1SN5
虚無バカ日誌
408名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 00:49:57 ID:8RZoKpuf
虚無キチルイズ
409名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 00:54:29 ID:N8YpwQHA
ルイズの夢の中でボートで釣り糸を垂らしてるオッサンとジイサンが余裕で想像出来たわwww
410名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 01:01:49 ID:6o7h0Aip
そういやギーシュはバンコランの眼光にやられるんだろうか
411名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 01:04:10 ID:s4j3zBCT
精鋭黒タマ部隊
412名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 01:05:21 ID:s4j3zBCT
スーパーキャットか間者猫でも呼べばどうだ
プラズマXってのもいたな
強力すぎるから娘のプララのほうを…
413名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 01:45:15 ID:6VeT0AoN
タマネギの労働条件が激悪すぎて、感謝されそうなぐらいだよなぁ。

>>406
間違いなく、モンモン涙目。

バンコランの知り合いのCIA人なんだっけかな。
あの人、ロリコンだから喜びそうじゃね?
414名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 01:54:42 ID:or/vRXmX
>>408
ハルケギニアの河川や海を舞台にした
矢口テイスト溢れる本格的な釣りモノ作品は確かに見てみたい気がする…。
三平には是非とも現代日本が培った釣り技術を遺憾なく発揮して「おらTURYYYYY!!」して欲しいね。
ブリミルが釣りキチで始祖の秘法も全部釣り道具(始祖の釣り指南書とか)だったり、
デルフも剣じゃなくて錆びた釣竿だったりしそうw
(勿論佐々木さんとかオスマンの恩人も釣りキチ)

登場人物全員がなんだかんだで釣りを中心に物事を考えていて、
ラ・ロシェールに行った先でワルドがせっかくだから渓流釣りしていこうとか言い出して
三平と腕比べをしたりするかもとか、色々妄想してしまうよ。
415名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 02:01:40 ID:ikWpejZW
>>413 バンコランの知り合いのCIA人
アーサー・ヒューイットだな。ヒューイットはもっと幼くないと駄目だろう

S国諜報部員氷のミハイルは体温を下げられるからメイジ扱いされるかもしれないな
しかしパタリロのwikiみて登場キャラのチートっぷりに頭痛くなってきた
未来を完全に予知するザカーリとか敵に回したらどうしろと
416名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 02:08:29 ID:6VeT0AoN
>>415
となると、ターゲットはタバサか。
……エルザとか見たらどうなんだろうな。
417名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 12:21:27 ID:l/O0Vhrb
あの人、一度CIA裏切って幼女とロシアに行こうとした前歴あるから
下手するとあっさりルイズ見捨てかねんw
418名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 14:08:29 ID:d0iS9Q8f
そこはそれ、ルーンの好感度補正で
ペドからロリに・・・
419名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 14:11:25 ID:6o7h0Aip
好みの幼女見つけたら根性でルーン補正乗り越えるわ
420名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 15:03:16 ID:EW6durZo
>>414
マジで面白そうだwwwwwww見てぇwwwww
421名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 17:15:56 ID:sjJ80QkS
>>401
キョウスケというとやっぱしスパロボのしか出てこない俺

アインスケを召喚して魔法学院を中心に侵食汚染が進んで・・・・・・
最期はヴィットーリオが命がけで世界扉発動してルイズとアインスケを異世界に放逐
行き先はOG地球のサイトの目の前

シャドウミラーがハルケに来たらどうなるのだろ
422名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 17:24:22 ID:pruLQECW
一人ぽつんと来てもたいして何も出来ないとみた
423名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 17:41:17 ID:e8pJgD/i
これはラミア召喚フラグですか?
424名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 17:53:59 ID:eSVJeDkY
>>421
キョウスケ召喚ならあるよ。絶賛更新停止中だけどね
425名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 17:55:08 ID:DNE8DbXa
スパロボの敵キャラには「召喚してはいけない」スペックや思想の持ち主が結構多いと思うのですが。

まあ、たまにSF系ファンタジーにある、貴族や騎士がロボットを持っているようなストーリーに「固定化」を組み合わせれば、結構な数の機動兵器がハルケギニアにあってもおかしくは無いかと。たとえば転移中に行方不明になったシャドウミラーのゲシュペンストとか。
426名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 18:00:43 ID:u43rUl7Y
キョウスケ・・・
ジャスティス学園にいたな
427名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 18:07:23 ID:SaSz7VS7
>>414
ファンタジー世界の水域にはあまり近づきたくない気がする。
何が釣れるか分かったもんじゃないw
428名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 18:09:49 ID:iagwywDG
新刊設定だが、ウルトラセブンから核怪獣ギラドラスを召喚して風石全部食って地上に運ばせれば解決じゃね?
429名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 18:44:36 ID:mF8Buoy7
荒崎キョウスケ
鬼柳京介
430名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 19:09:55 ID:9KflklyX
地縛神もセットで憑いて来るのか
431名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 19:12:06 ID:p7uNO15o
セットで付くのはロリとショタ
432名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 19:20:33 ID:EDwJoW9h
スパロボからなら失敗つながりでデュミナスを。R版から。
433名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 19:21:19 ID:9dHo4Yyu
>>425
人外も数多いが人間で筆頭はシュウだな
奴の性格上使い魔になんてされたら確実に抹殺対象認定だ
ラスボスの人はテファのとこに呼ばれたからまあ穏やかにすごしてるがルイズじゃ・・・
434名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 19:28:10 ID:vIr0nweb
>>433
フォルカ以外の修羅の面々も、自分より弱い奴に従おうとか、社会秩序を気にかけようとかいう心構えはないぞ。
435名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:00:27 ID:KsQQklMA
スパロボのボスキャラなら…
教皇が、ビアン・ゾルダーク博士を召喚。
で、最新刊の「世界の終わり」を予測して、
『ハルキゲニアに逃げ場無し!』
との主張を掲げて DCを結成。世界征服を開始。
(真の目的は、迫り来る危機を乗り越えられる人材の育成)
436名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:07:08 ID:cYQdfGT+
>>421
シャドウミラーはマジダメ。ヴィンデルの野望が達成出来てしまう。
オリジナル加えてアクセルとラミア同時に裏切らせても、ハルケギニアの戦力じゃ太刀打ち出来ん。
437名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:07:50 ID:BUUmWVEY
教皇と一緒なら普通に統一できるだろうから無理に征服する必要ない
むしろαみたいな感じになるのでは
438名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:16:26 ID:vIr0nweb
>>436
ハルケギニアの技術力じゃ、元の世界に逆侵攻するための戦力を整えられない気が。
ヘリオス=オリンパスがいるのかどうかはともかく、仮にいないとなると、そもそも元の世界に帰れないし。

仮にいた場合……なんとなく、コルベールの元同僚というポジションにいそうな気がするけど。
439名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:20:19 ID:cYQdfGT+
>>438
ギリアムが必要なのはOG版の影鏡だけで、Aなら「完全な一致を望めない」ボソンジャンプを参考にしたとはいえ単独で完成させてるぜ。
足りない戦力は余所の世界から持ってこれちまう。
440名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:23:07 ID:IK8tIM6U
>>438
凄腕の土メイジで「コールゲシュペンスト!」っていうと20mくらいのゴーレムが出てくるとな
441名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:23:40 ID:9dHo4Yyu
平行世界にはきっと巨乳で魔法の天才でおしとやかなルイズも・・・
あれカトレアだなこれ
442名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:29:01 ID:vIr0nweb
>>439
世界扉を参考にして……ギリギリあり?
ハルケギニアじゃ戦争をあおっても得るものがないだろうし……

なんとなく、聖地からアインスケが出てきそうな気もするし。
443名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:29:47 ID:la5o8Ahr
ワルキューレに殴られ続けるラッセル
444名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:50:54 ID:cYQdfGT+
不屈無しで10ですね、判ります。
445名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:53:29 ID:mF8Buoy7
>>441
チ○コが生えたルイズもいたりして
446名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:54:40 ID:9dHo4Yyu
>>445
男であの性格だったら救いようがないぞw
447名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 20:58:03 ID:mXEs15W2
M字ハゲのエリートな王子になるだけさ
448名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 21:00:09 ID:gpn3koRL
>>438
Wシリーズにハルケ魔法の力をつけるとかして個人戦闘力は上がりそうだな
449名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 21:14:57 ID:lrdVuZOj
もういっそのことマシンナリーチルドレンの3人でも召喚しちまおうぜ
450名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 21:15:47 ID:qPLYND9C
     コ
チンポ娘なルイス君か……ありだな!
451名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 21:25:58 ID:fFktE0UA
ルイズ「魔法学院は男子校よ?」
452名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 21:30:49 ID:Wcp9HXlW
タバサ君は俺がいただいていきますね
453名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 21:42:50 ID:HZ9YyG8z
こんな可愛い子が女の訳(ry
ですねわかります
454名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:00:17 ID:+d1O/4Jh
>>447
料理の得意な海の王だったり、料理が不味いと女将を呼びだす海原の雄大な山だったりも?
455名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:07:20 ID:HZ9YyG8z
>>414
ワルドの杖は釣竿兼用とか
メイジはレビテーションでルアーの動きとかも
自在にコントロール出来て便利そうやね
456名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:13:01 ID:+d1O/4Jh
水中で魚や餌の動きが見れる水系統の使い魔持ちが圧倒的に有利か
457名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:25:44 ID:HT9phHn5
つライトニング〜
電気ってらくよね
458名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:26:52 ID:yxr4rK1w
ロビンが生餌ルアー扱いと申したか
459名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:28:31 ID:qPLYND9C
釣りキチルイズなら理想郷にあったなw
460名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:28:43 ID:8RZoKpuf
土魔法でガッチンコ漁を行う極悪非道メイジ・フーケとの対決!
461名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:29:04 ID:wJaD7oTl
そこはブリミル教でむやみな乱獲を禁止しておけば


…いっそブリミルが釣りキチならいいんじゃね?
462名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:38:18 ID:2PrWl7xn
マザリーニやヴァリエール公爵も国政を放り出して釣りに出かけます
463名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:43:51 ID:+d1O/4Jh
戦争も釣った数やら上から3番目までの重さ勝負になったりねw
464名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:48:10 ID:qPLYND9C
東方からやって来た偉大なメイジ「ヒロキ・シュバリエ・ド・マツカタ卿」とかいるんだろうかw
465深淵 零:2010/01/27(水) 22:48:28 ID:s4j3zBCT
えー、マイナーな作品ながら。
TRPG「深淵」より、『白き仮面の獣師』レディアスを召喚。
ということで、作品を投稿させていただきたく。

なお時間としては、小説「火龍面舞」開始の直前あたり(まだレディアスは五体満足)を
想定しております。

他にご予約などなければ、23:00からということで。
466名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 22:55:31 ID:+7Q32Pl8
天気快晴
467深淵 零:2010/01/27(水) 23:00:15 ID:s4j3zBCT
01 白の黒剣
血が一滴、したたった。
無明の闇から、
今、何かが誕生し、
世界に波紋をもたらしていく。
468深淵 零:2010/01/27(水) 23:04:14 ID:s4j3zBCT
(…何だ、これは……)
メジナに程近い遺跡の奥で、一人の男が当惑していた。


男は黒く長い髪に白い肌、白い法衣を着ている。
背はかなり高く、やや薄い唇が酷薄そうな印象を与えている。
白い肌は北原から中原にかけて広がるサイン人によく見られる特徴だが、
黒く長い髪は金髪碧眼の多いサイン人としては珍しい。
何よりも目立つのは、顔の上半分を覆う白い仮面である。
一体如何なる仕掛けがあるのか、瞳の色すらも判別できない。
胸には支配と創造を司るとされる黒剣座の魔道師の証である、黒き剣の紋章が輝いていた。

男の名はレディアス=イル=ウォータン。
かつてはグラム山の魔道師学院で修行を積んだ魔道師であったが、道を踏み外した。
その後様々な経緯を経て、今はメジナで傭兵として日々の生活を送っていた。

今回レディアスが受けたのはこの遺跡の調査である。
伝書史であるアンウェンという傭兵も同行している。
依頼人である貴族は金払いがよく、事前にかなりの額を前渡ししてくれた。
お陰で充分な準備を整えて調査に当たることができたが、拍子抜けするほど危険に出会わず、
最深部までの調査を終えることができた。

「楽ないい仕事だったな。帰ったら《黒き盾》ででも祝いをしないか?」
前を行くアンウェンが振り返って笑いかける。

南西地方から流入してきたエザク人の血を引く浅黒い肌と瞳を持つこの若者は、
レディアスと同様メジナの街を根城にする傭兵だ。
本人は、「自分は手紙と幸福を人々に届ける伝書史だ」と主張しているのだが、
傭兵仕事の割合の方が多いのが実情であった。

レディアスとはこれまでにも何度か仕事を共にこなしてきた仲で、
その異様な気配ゆえに人が寄り付かず、自分から近づこうともしない仮面の魔道師にとって
数少ない友人であった。
469深淵 零:2010/01/27(水) 23:06:28 ID:s4j3zBCT
「そうだな……」
レディアスも微かに口元に笑みを浮かべる。

魔道師としての活動には何かと金がかかる。
まして魔道師の総本山であるグラム山の魔道師学院から睨まれている異端の魔道師では、
いくら金があっても足りることはない。
危険な任務で割に合わない報酬しか得られないこともざらな傭兵生活では、
今回のような仕事は実にありがたいのだ。

「悪くない話だが、辞めておこう。
 さしたる用もないのに《仮面の魔道師》に居座られては、品のいい客人が寄り付くまい。
 亭主の機嫌を無駄に損ねることもなかろうよ」

《黒き盾》は石造りの都メジナでも五指に入る豪華な宿だ。
貴族や商人の好む会合場所で、普段は自分達のような身分のものには縁がない。
せいぜい依頼人の指定で訪れる程度だ。

「私は《小鹿亭》でのささやかな祝いで構わん。それより《まじない小路》で必要な、――?」

(……せよ……)

突然、レディアスは誰かに呼ばれたような感覚を味わった。
(何だ……女の、いや、少女の声?)
自分の感覚にしたがって振り向くと、そこには……、
大きな銀の鏡面が出現していたのだ。
470深淵 零:2010/01/27(水) 23:08:27 ID:s4j3zBCT
「おいレディアス、一体そりゃ何なんだ?」
背中からアンウェンが問いかけてくる。

アンウェンは鏡を目にした瞬間にレディアスの前に飛び出して剣の柄に手をかけたが、
何も危険が起こらないのを見て取ると、少し下がってレディアスに調査を一任した。
突然姿を現した宙に浮かぶ銀の鏡…とくれば明らかに魔法的なものだろう。
レディアスに任せておけば問題ないはずだ。

だが、魔法に関しては極めて博識なこの友人は、先ほどから鏡を前にして首を傾げるばかりだ。

「………わからんな」

強い魔力を持つ鏡であるのは確認したが、如何なる星座の魔力なのか、
どういった術なのかさえまるで掴めないのだ。
こんな鏡を一瞬に、魔力の流れも感知させずに出現させる呪文は聞いたことがない。

「鏡…となると、古鏡座の呪文か?先ほどの声…鏡を介して声を遠隔地に送る術か何かか…。
 ……しかし、私を相手にそんなことをする相手に心当たりはない…な」

魔道師学院の仕業ということも考えられなくはないが、
彼らが自分に伝言なり命令なりがあるなら通火座の幻視者に通達させればよいだろう。

通火座の魔道師たちは、魔法の力に親しむ者達が頻繁に行う、
未来を予知し魔法の力を感じ取る幻視、あるいは、
未来の断片を魔法の力の流れから読み取ろうとする夢歩きと呼ばれる行為の達人だ。
驚くほど詳細に未来を見通す彼らならば、幻視を通して伝言を伝えることは容易なはずだ。
自分の現在の所在を割り出すこともできよう。

こんなわけのわからない術を使って、切れ切れのメッセージを送る必要などないのだ。

「おいおい、あんたでもわからないのか?それじゃ、依頼人から文句がくるぜ」

こんな謎めいた鏡を放置しては、依頼人は遺跡内の調査や危険の排除が完了したとは認めまい。

しばらく見ていると、唐突にふっと鏡が消える。
だが一分もしないうちに再び同じ鏡が姿を現す。
ためしに場所を移して見ると、必ずレディアスのすぐ傍に鏡が現れた。
その度に、レディアスの耳には先ほどの切れ切れの声が聞こえるのだ。

(五つの……)

(運命に………従い……)
471深淵 零:2010/01/27(水) 23:10:31 ID:s4j3zBCT
「おいレディアス。この鏡はあんたに気があるみたいだな」

冗談めかしてそういったが、アンウェンの顔は笑っていない。
何者かがレディアスを狙っているのではないかと心配しているのだ。
この友人が後ろ暗い過去を持っていることは知っている。
誰から命を狙われていてもおかしくない立場にあるのだ。

「心配は要らん。…この鏡の『向こう』を幻視(み)てみよう、しばらく待っていてくれ」

理由はわからないが、この鏡を作り出している術者は自分に関わろうとしているようだ。
その強さすらわからぬ未知の魔性の存在に対する幻視や夢歩きを行うことはかなりの危険を伴う。
ここは無視するという手もあるが、依頼の件もある。
あえて誘いに乗り、相手の正体を見極めてやろう。

レディアスはそう考えをまとめると、鏡とその声に意識を向けた。
魔力の流れを読み取り、その先にあるものを幻視しようと試みる。



……
(深い…なんだ、この黒い海は……)
(まさかこれは、深淵? 深淵の向こうに、何がある…)


……
「……もう一度だけ……お願いします……」

深い深淵の波間の向こうで、うっすらと必死に誰かを呼ぶ女の姿…。

彼女は嘲笑を受け、孤独で、必死に誰かを求めている…。

(誰かを……私を? 深淵の向こうから、私を呼ぶ女……)
(まさか………彼女のわけはない。あの声は違ったし、彼女が私を呼ぶはずはない。 しかし……)

思い出すのは、自らが生贄として捧げた女。

レディアスは、その女の必死の嘆願に誘われるように、半ば夢現に、無意識に、鏡に触れた。

そして……。


「………レディアス? おい、どこだ?」

眩い光の収まったあとには仮面の魔道師も銀の鏡もなく。
呆然としたアンウェンだけが遺された。



……
「……アンタ、誰?」
472深淵 零:2010/01/27(水) 23:12:05 ID:s4j3zBCT
『白き仮面の獣師』レディアス=イル=ウォータン
年齢:29才(推定寿命:59才) 出身地域:北原 出身階級:農民
解説:白き仮面で顔を隠した黒剣の魔道師にして、異端の魔獣製作者である獣師。
体格…04/01 筋力…09/03 反応…10/03
知性…20/06 意志…10/04 社交…16/05
生命力…13 精神力…30 行動値…13 縁故総数…21
防具
なし
技能
夢歩き4 建築1 交易語1 上代語1 土鬼語1 ハルケギニア語(会話)1
地域知識1 生物知識(人間2、動物2、植物2) 魔法知識5 社交知識(魔法2)
武器/戦闘技能
回避:2+0=2
格闘:1+0=1 効果値0打
短剣:2+0=2 効果値2 吸収値2 硬度12
長剣:1+3=4 効果値3 吸収値4 硬度20
魔法
黒剣:判定値5/刻印:胸の黒い痣
刻印の付与(10) 治癒(2) 位置の支配(4) 物質の創造(5)
成長の支配(2) 生命の創造(特殊) 支配の声(2) 獣師ブラーツの召喚(18)
ブラーツの魔獣生成呪文全般(特殊) 《混沌の六魔獣》の召喚(特殊)
翼人:判定値1/刻印:右目の白い斑点
凶眼(2)
原蛇:判定値1/刻印:上腕に蛇の鱗
深淵閉鎖(2) 大いなる深淵の召喚(4) 深淵への送還(特殊)
所持金:銀貨100枚
装備:死の呪縛の仮面 短剣 長剣 法衣 魔法水晶 剣王草 銀鱗貨 退魔護符(戦車1点)
縁故:死の呪縛の仮面(6) 獣師ブラーツ(5) 生贄に捧げた恋人/サイア(5)
運命:「34」死の約定/獣師ブラーツ 「14」依存症/死の呪縛の仮面

※死の呪縛の仮面※
レディアスの心身を呪縛するために魔道師学院が身に付けさせた白い仮面。
顔の上半分を多い、瞳までも見えなくする。
翼人の魔力が込められており、魔獣の生成や召喚を行うと仮面は着用者を殺す。
着脱は自由だが、精神的な依存を起こさせるため僅かに外すだけでも喪失感に苦しむこととなる。
473深淵 零:2010/01/27(水) 23:16:30 ID:s4j3zBCT
ちょっと短いですが、プロローグとして初回は以上なのです。

なお、「白き仮面の獣師」のデータはRole&Roll49に収録されておりますが、
時間的にちょっとずれているのと小説その他を参考にして、
ベースとして参考にしつつも若干変更を加えております。

では、また。
474名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:20:05 ID:lrdVuZOj
……何が何だか分からない……。
475名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:24:54 ID:Wcp9HXlW
ステータス表示しちゃうなんて、レモンちゃん恥ずかしい///
476名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:38:18 ID:TQud6kvA
>>414
なんだがボーグ脳の香りが…
477名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:39:16 ID:AKLZRe+W
結構面白そうじゃん
確かにちょっと短いけど

早いうちの投下期待してる
478名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:42:33 ID:skWTtw6i
>>414
「お前たちの文化は我々と同化する。抵抗は無意味だ」
こうですか分かりません
479名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:46:11 ID:hY6f13ja
新作は大歓迎、まだよくわかんないから続きに期待
ところで題名でもめたウルトラセブン召喚のは結局どうなったの?
480名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:48:31 ID:2PrWl7xn
同化といえばフェストゥム
481名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:51:35 ID:xU3DVfUo
ロボ談義有ったけどスパロボの奴ならズフィルードクリスタル有ればどうとでもなりそうな気がする
後龍虎王系の半生態ロボとかスレードゲルミルとかソウルゲイン系

龍虎雀武王と東郷氏とかテファの剣と化したα外伝ゼンガーとか、ルイズと漫才するアホセルとか…
面白そうだけど敵に困りそうだなぁ
482深淵 零:2010/01/27(水) 23:51:47 ID:s4j3zBCT
>>475
まあそう思われるのも無理ないのですが。

先述の通り「白き仮面の獣師」の公式なデータはRole&Roll49に収録されておりますんで、
私の書いたものではそれとは若干異なってるということを示すため乗せさせていただきました。
あと、所持品や魔法なんかは後で際限なく「実はこれを持ってました」みたいなことにしたくなってしまう誘惑が起こりそーなので。
召喚された時点でレディアスはこれだけしか持ってません、とはっきりさせとく意味です。
所持品が剣王草とか若干多くて豪華なのは、本文中にあるとおり遺跡に潜るにあたって前金で準備を整えたためですな。
とはいえ、チート性能な魔剣とか無茶なものは持ってませんのでご安心を。
483名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:54:12 ID:ic4vT0fW
おつ
484名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:55:41 ID:+d1O/4Jh
>>479
1.作者が暗黙の了解を貰ったと発言
2.当然「どうしてそれが分かるのか」と突っ込まれる
3.「ここで聞いたらスルーされたので、暗黙の了解を貰ったと認識した」と返答
4.埒が明かないからか、本家が登場し「暗黙の了解などしていない」と発言
5.忘れたけど、何か他のにタイトルを変更
6.その後に投下されることもなく、今>>479が質問

うろ覚えだけどこんな感じ
485名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/27(水) 23:58:00 ID:+d1O/4Jh
>>481
> 面白そうだけど敵に困りそうだなぁ
やっぱこれだよね……
それまでスパロボから持ってくると、ゼロ魔キャラ置いてけ堀でスパロボinハルケギニアになりやすいから避けたいしね。
486名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 00:40:12 ID:44aKHmix
シャルルを乗っ取り悪魔の門から出ようとするペルフェクティオ
サンダーバードのアクイラ
火韻竜のイグニス
バジリスクのコンターギオ
吸血鬼のウンブラ
487名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 00:45:06 ID:BqvrrJmx
>>486
そういやウンブラには幼女の設定が有るとか言ってたしエルザにしてもよさそうだな
ただペルさん来たらマジで洒落にならんぞ
488名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 00:53:12 ID:6bsbyXSB
単独で大隆起を解決できそうなキャラいるかな?
489名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 00:53:43 ID:JCKdMNDV
隆起具合で負けないご立派様なら或いは……
490名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 00:58:26 ID:yMhq+LuG
愛の唇星人かねぇ…
491名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 00:58:38 ID:/djRWuZI
>>485
もう見てないが種のところのがまさにそれになってなかったか
ルイズとかがスパロボの機体に乗るのも違和感があるわw

ペルさんなら文明レベルにあわせた形態を取るとかでいけるかもしれんが
ルイズが誰を召喚するかだな、サイトじゃきつすぎるだろう
492名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:02:42 ID:MuIdjLQu
>>488
硬い地盤を掘り進み、発掘作業できるような強キャラならおk
493名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:04:52 ID:JCKdMNDV
>>492
つまりホリススムの出番だな。
494479:2010/01/28(木) 01:05:06 ID:rBWRnaXs
>>484
どうも感謝。内容は期待してたから続きがないのは残念。
しかし大隆起の問題はウルトラマンAは地底に潜れないからやばいな。
495名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:07:36 ID:caHw+/sI
一応、素人でもある程度戦闘できるOSにはなっているから、ルイズでも戦闘ができないわけじゃないはずだけどね>スパロボの機体
でも、だからこそ一部のトップレベルのパイロットの領域にたどりつくには、圧倒的な才能と努力が必要だろうけど。
496名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:08:52 ID:3PQLOIOx
>>492
ドリルだな
497名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:12:43 ID:d5+YTEaJ
>>491
>種のところ

kwsk
498名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:16:26 ID:yMYT6hZB
>>492
マシンロボ(クロノスの方)のロッド・ドリルが真っ先に思いついた。
499名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:22:16 ID:UIQW7J22
二世村正+湊斗光
重力操作でなんとか。
500名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:24:36 ID:nLDfmpUd
>>488
ブルース・ウィルスとスティーブン・タイラーのコンビなら……!

>>491
同じくkwsk
501名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:32:27 ID:HAQ6FqpK
>>492
ゲンバー大王・・・!
502名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:33:15 ID:dc/uRlBd
ガンガンレオン、ガンレオン
503名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:35:58 ID:e6mn1jfi
アマ公、はいたな。止まってるけど
504名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:39:49 ID:yMhq+LuG
>>503
よく考えたらあいつ存在自体が先住魔法だよな
505名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:40:18 ID:nLDfmpUd
>>501
なんか復活するらしいな。
506名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 01:50:34 ID:i31QSGOf
アギラ・セトメをミョズにしてアンドバリ使いまくる
507名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 07:53:42 ID:5Hn3jbPg
つまり、とうとうヴェルダンデ主役巻の可能性が出てきた、ってことか……。
508名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 08:24:53 ID:0ka2HJd9
>>492
「俺を誰だと思ってやがる!」
509名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 08:45:09 ID:4KlyWKV9
>>495
ブレンパワードみたいな感応性の高いユニットなら普通にいけるかもしれん。
510名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 08:53:42 ID:s6FcWCgl
スパロボαのグルンガスト弐式には知識の無い主人公が載っても操縦方法が理解できるシステムがあった。
グレンラガンも「気合で分かる」操縦システムだった。
探せばそれなりにあるかもしれないな。
511名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 09:56:37 ID:LZ04ZOWN
そこでモビルトレースシステムですよ

鍛えてない人間が使うと全身の骨が砕ける代物だけどな!
512名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 09:58:32 ID:uDW8rTAA
>>510
いや、弐式、Mk-UはT-LINKシステムの使える念動力者限定だって。
513名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 09:59:47 ID:3eoIcHOn
>>488
大隆起を災厄ではなく、ハルケギニア存続のために必要なこととするキャラを呼ぼう。
1000年女王とか。
514名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 10:03:42 ID:k07rOZsp
>>510
弐式は念動力者でないと扱えないT−LINKシステムがあったから
念動力者なら素人でもある程度操縦できるが、そうでないと動かすことも出来ない
グレンをはじめとしたガンメンは螺旋力を扱えるように
先祖の代に遺伝子改良されてるあの世界の人間だから
螺旋力を通じて気合いで動かせる
あの手のものでもそういった裏設定があるから
なかなか難しい
もっと昔の70、80年代のロボなら本当にノリと気合いで動かしてるのも多いから
そっちから当たったほうがいいかもしれん
515名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 10:05:46 ID:xwGaw4w/
電童はどうよ? 何も知らん子供ふたりで四苦八苦してた気が
516名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 10:07:18 ID:6wNM1TPL
>>512
グルンガスト弐式は量産を前提とした機体だから、T−LINKシステムはあくまで操縦補助に留まる。
念動力がなくとも、念動フィールドが展開できないだけで操縦は可能だよ。
517名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 10:28:32 ID:3SH9e/ye
もういいから舞浜サーバ内蔵ゼーガペインとドヴァールカー呼んで積層QLでエナジー問題オッケー、
キョウちゃん以外データなんで備品扱いで群像劇オッケーにしようぜ。
キスしてグッバイありとあらゆるもの。
518名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 10:31:13 ID:m1mBVEFW
>516
ラッセルを載せたときの安心感は異常だからな、バリアないのに。
519名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 10:33:18 ID:m1mBVEFW
そういえばゾイドジェネシスのゾイドは
ゾイドに選ばれさえすれば動かせる代物だったような
520名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 11:08:02 ID:MGvKu5oZ
キムタク首相を呼んでハルケ改革を
521名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 11:24:54 ID:yMhq+LuG
ゾイドに限らず少年向けロボットアニメの主役はうっかり戦いにまきこまれる人が多い気がする
522名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 11:32:45 ID:RJmnXSlC
主人公が元々乗る事前提、もしくはそのレア才能持ち、
ってのはお約束だからな。

そのテンプレじゃないアニメっていうとロボものじゃないけどジリオンかな。
30ぐらいじゃないと知らない人が多いアニメだろうけど。
523名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 11:45:08 ID:wrlvhmaR
もうワタルから魔神よんでこようぜ
丸魔神なら自分の意思あるし、操縦もある程度適当でも従ってくれるだろ
524名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 11:47:00 ID:Ft6kIkiu
ゾイド喚んでも地磁気が強い星じゃないと動けないという……
525名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 11:51:58 ID:WYtBC7k8
NTとやらならMSをあっさりと動かせる。
人類の革新たるNTがハルケから生まれてもいい。地球生まれのNTだっているし。

なんせサルだってNTになるご時世だし。
526名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 11:54:41 ID:wrlvhmaR
そうそう、伝説巨神とどつきあうNTも居るし
527名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 12:08:52 ID:0ka2HJd9
そういや砂漠の御曹司の「宇宙の心」って一体何なんでしょう
やっぱNT?
528名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 12:18:53 ID:tPPcJbLz
>>521
そこはほら、金田一とかコナンとか東原みたいに不幸を呼び寄せるのと同じだろ
529名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 12:56:47 ID:fBXMvKci
>>527
宇宙の心=ヒイロだったらしいよ
530名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 13:17:01 ID:MGvKu5oZ
ヒーロー戦記のギリアムに飛ばされた後のアムロ達を呼べば
アムロはルイズに
ダンはジョゼフに
てつをはテファの所へ着くんだろうか
531名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 13:49:38 ID:5xuLQNbG
てつをは呼ばれても周りそっちのけで例のセリフは吐いてそそくさと怒りながら元の世界に帰っていく
532名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 14:10:02 ID:0VnR5wa8
昔、小ネタでてつを呼ばれて大暴れして一瞬で帰っていく作品があったが
まとめに収録されなかったんだよな。もったいない
533名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 15:16:26 ID:lH6n6AhG
>>532
何part目か分かる?unkerとかに残ってればサルベージできるかもしれない。
534名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 15:36:56 ID:HAQ6FqpK
その時、不思議なことが起こった!
535名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 16:17:24 ID:4S4wF5qi
>>525
同系統の技術系統に触れていた人間と一緒にしちゃだめだろ
俺たちは飛行機がスロットルでエンジン動いて操舵で向きを変えるって知ってるけど
江戸時代の人は当然そんなことわからないのと一緒で
536名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 16:29:41 ID:rBWRnaXs
いっそギアはオートマでアルチハンド操作の初心者に優しいロボットでも召喚したら?
小柄じゃなきゃ乗れないって欠点もルイズなら問題ないし、いざとなったらつるのが助けに来るだろ。
537名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 16:41:38 ID:R6oDmciU
ザブングルとかボスボロットとかガソリンで動く上にハンドル操作だぜ?
漫画版のガンダムとかはボタン押すだけで勝手に動くこととかもあるし
538名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 16:50:37 ID:p2EOQxSZ
EXCEEDが出てしばらくしたらハーケン&アシェン召喚が書かれそうな勢いだな
539名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 16:52:39 ID:C2kEre8d
>>508
シャ、シャフト!
540名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 17:08:18 ID:y54oa1TK
>>538
EXCEEDの目玉はむしろそっちよりアホセル隊長だろ
541名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 17:35:12 ID:bMBD0x2g
ナイトスクリームや熱気バサラ召喚とな?
542名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 17:45:16 ID:+xuAdOh8
>>537
ええい このスイッチだ!
543名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 17:47:33 ID:R6oDmciU
>>542
くそっ しょうがねえな
零戦の代わりに機動兵器置いても動かせなさそうなのが問題すぎるな
544名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 17:53:02 ID:/RqP0rtG
>>510
それなら龍虎王とかの方が良いんじゃね?
機体と意思の疎通を取って思い道理に動くってタイプだ

問題は強念者じゃないと生命力吸われるって事だな…
後はナデシコのエステバリスなんかはIFS付ければ幼児でさえ扱える機体だけど、
バッテリーが30分しか持たない
いっそ相転移エンジン載ってる月面フレームって手も有るけど26M前後の巨体で更に自重で殆ど動けないなんて事に…

もうユーチャリス喚べば楽なんだろうけどそれはそれで問題だらけだ
545名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 17:54:17 ID:SUB7P9Os
>>542-543
宇宙でズゴックが出てくる冒険王verか。
546名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:02:12 ID:j9UYbmYc
>>517
ドヴァールカーがヴァルガーに見えて、
魔獣戦士ルナヴァルガーからブレインなしのヴァルガーを召喚して合体。
とか想像してしまった。
問題は、ハルケギニアの魔法だとルイズが人間の姿になれなくて、アルビオンにいけないことだが。
547名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:04:05 ID:4qI0xTuc
ゲッターを喚べば操縦とエネルギーは平気だな。 叫んでスイッチ押せば武装は使えるし
548名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:11:30 ID:B/q+2Kzz
>>546
>ドヴァールカーがヴァルガーに見えて
それが更にドゥルガーに見えて
昼夜で性転換二重人格とふたなり姫とかガチレズ賞金稼ぎとその相棒とかが召喚されるのを想像して
なんだ、けっこうアリじゃね?とか思ったり
549名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:31:45 ID:0ka2HJd9
>それが更にドゥルガーに見えて

やめてカリ・ユガの光輝やめて
フルコンプ出来る方がおかしいよアレ
550名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:33:40 ID:MGvKu5oZ
ハルケもプラモシミュレーション世界の一部としてプラモ京四郎召喚
551名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:42:08 ID:w5/WcUag
その場合ミョズはサッキー竹田か?
552名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 18:57:23 ID:0ka2HJd9
>>547
でもゲッター線さまのご機嫌損ねたらソッコー滅ぼされるぞ
553名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:13:04 ID:vTFd826C
何で「素人でも動かせるロボットを挙げてくスレ」になってんの?
554名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:16:39 ID:C2kEre8d
それを「ルイズに召喚させたらどうなるか?」までやってればokですね、分かります。
555名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:21:21 ID:xwGaw4w/
目を子供の如く輝かせたコルベール先生に取られそうな悪寒
556名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:22:33 ID:WYtBC7k8
ブレンパワードを呼んで

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「姑息よ!キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー!」

富野語になるハルケ住人。
まあ、他の作品でも代用できるけど。
しかしルイズはオルファンに乗って人類を巻き込むエクソダスする!
557名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:37:04 ID:Sz376UE4
成る程、崩壊する大陸からのエクソダスか。
558名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:41:19 ID:44aKHmix
虚無の魔法はオーバースキルみたいなもんか
559名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:42:33 ID:5xuLQNbG
ルイズ「なんとぉーー!」
560名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:46:45 ID:0ka2HJd9
メインヒロインのはずなのに影が薄くて出番が少なくて人気イマイチな現状からのエクソダス

ルイズ「オーバースキルで・・・・・・・胸をおおきくぅーーーーーーー!」
561名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:53:41 ID:PtwdNeJt
>>560
???「そんなに胸が好きかっ!」
562名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:55:22 ID:nJLRjLAg
元々使い魔っぽいのが召喚されたらどうなるかな?
管狐とか護法童子とか式神とか……
563名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:55:24 ID:WYtBC7k8
>>561
サイト「好きさー!」
564名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 19:57:37 ID:wusue1KR
くっ
565名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:00:25 ID:tdVgYbuT
富野語とな

ルイズ「魔法が使えないぐらいで!」
ギーシュ「決闘だって言ってんだよぉ!」

色々考えたがアンリエッタがビッチポジ以外思いつかぬ
566名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:02:52 ID:MGvKu5oZ
もう富野本人を召喚しちゃえよ
567名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:03:29 ID:SUB7P9Os
心を読む敵に、心を読むのが嫌になるような妄想を繰り広げるんですね。
そしてそれが周囲に・・・・・・
568名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:04:51 ID:tdVgYbuT
富野呼ぶぐらいならハヤオ・ミヤザーキ呼んで
ロリ左翼系軍オタの怒涛の原作レイプを堪能


な、なんだ貴様らうわなにをやm
569名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:09:26 ID:0ka2HJd9
ルイズがサイトとワルドを戦わせて「勝った方を愛してやる」とか言っときながら
勝ったサイトを殺そうとするんですね、判ります
570名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:10:33 ID:4qI0xTuc
>>553
ルイズ達でも乗れる機体を挙げとけば、誰か書いてくれるんじゃないかという淡い機体。もとい期待
>>552
解釈次第だけどルイズの性格はゲッター線に選ばれそうな気がする。 そして最終的にはエンペラーに乗り、並行世界のルイズやリョウ達と時天空打倒の旅に出て 終了。
571名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:14:11 ID:44aKHmix
>>567
ルイズ!ルイズ!ルイズ!(ryのコピペを叫ぶんですね。
572名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:19:36 ID:0ka2HJd9
>>568
間違えてゴロー・ミヤザーキを呼んでしまいました
573名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:40:00 ID:HyutAHng
まあ、ツトムじゃないだけ由としろ。
574名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:52:22 ID:dc/uRlBd
マモル・オシイ
ヨウコ・カンノ
クニオ・オオガワラ
マモル・ナガノ
ヨシカズ・ヤスヒコ
ヒデアキ・アンノも追加で
575名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:54:54 ID:YCyAFttJ
そうだ、スパロボやろう
576名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:56:36 ID:fZncOj70
>>544
別に虚無=強念者ってことでも構わないと思う。
577名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:57:39 ID:uIikB+un
結局、ハルキゲニアは精霊の力を消去する装置が欲しいんだろ
で、エルフは聖地に人間を寄せ付けたくない
だったら、エルフが消去装置を人間に渡せば済むんじゃね?

もっとも、今後は
エルフ「精霊を殺すことになる、それは世界の滅びを意味する」
貴族「いや世界より先にこっちが滅びるから」
と、ますます話がまとまらなくなることも考えられるが

そこをサイトが逆転アイデアで解決
主人公ハーレムにエルフも加わってめでたしめでたし
というとこか

その後ノボルは
「第二部、地球人がハルケギニアに侵攻してきたぞ。
 もう俺はハルケギニア人なんだ。
 エルフやメイジを束ね、精霊の力を借りて戦おう!」
という、あう゛ぁたーな物語に進めるのだった


どんとはらい
578名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 20:58:34 ID:xwGaw4w/
カツヒロ・オオトモも欲しいぞ
579名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:02:29 ID:jzF1ff6k
埋蔵風石はドラえもんの落としたバイバインによって増殖したもの
580名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:06:01 ID:d5+YTEaJ
>>577
普通こういう場合に出てくる「装置」って手のひらサイズのコンパクトな物じゃなくて
もっと大掛かりなロストテクノロジーの遺産(=遺跡)というのが王道じゃないか?
遺失技術で作られた大規模施設なら当然ハルケギニア諸国の技術力では移設も
不可だろうし、魔法装置の周辺地域を平和裏に割譲するという方策でも、装置が発動
したら精霊の力を抑制してしまうため、それに依存したエルフの文明圏は致命的な
ダメージを受けることになるから、結局エルフは反対せざるを得ない。
581名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:12:58 ID:zF97Cw7C
>>577
そうだね覇王翔吼拳を使わざるを得ないね
582名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:13:00 ID:e6mn1jfi
なんなんだこの流れ。
それじゃあオジサンはまぬけ時空発生装置とか提唱しちゃうぞー
583名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:16:18 ID:rBWRnaXs
コスモクリーナーDみたいに、使おうと思ったらとんでもない欠陥があったとかいう展開になるんじゃないの
584名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:25:37 ID:Y8vJXpXF
精霊皆殺しにするような装置なんぞ使ったら色々と人間社会にも波紋が出そうな気がするけどね
ラグドリアン湖の水の精霊が死んだら交渉役のモンモン家あたりはモロ影響受けそうだし
585名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:27:03 ID:iw3qwE9F
範馬勇次郎なら地面殴って隆起止めるよ
586名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:28:45 ID:uIikB+un
それがブリミルがエルフのガンダールヴに裏切られた理由かもね
587名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:29:56 ID:4S4wF5qi
ここで配下精霊150万を超えるエーテルの精霊使い覚羅が
588名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:32:02 ID:Y8vJXpXF
勇次郎ならきっと何かオーラみたいなので精霊を失禁させるぐらいやるだろう

刃牙関係なら片足無くす前の烈かガイア、本部あたりがガンダールヴのルーンが生かせそうだな
589名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:37:17 ID:RJmnXSlC
ルイズが喚ぶのがガンダルーヴ出なくても支障はないわけで。

まぁガリア王がちょっと面倒になるかな。(IFスレでそういう展開のがあった)
590名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:38:07 ID:YCyAFttJ
ルイズ「あ、あんた感謝しなさいよね!貴族にこんな事ぶべらッ!」
勇次郎「ぬるいッ!!!」


ファーストKILLからはじまるー♪
591名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:39:54 ID:B/q+2Kzz
水の精霊・・・・・・狂乱家族日記の水の宇宙人と混じったらどうなることか
592名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:46:35 ID:3eoIcHOn
>>591
いっそのこと、惑星ソラリスのアレとか……
593名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:48:56 ID:B/q+2Kzz
>>592
果ては旧エヴァ劇場版のLCLとか!!

・・・ライブ・ア・ライヴの液体人間とか・・・・・・
ここまで考えてふと、アキラを召喚してた場合モンモンがあの場で要らない子になるという展開が
594名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:50:44 ID:e6mn1jfi
元ゲーではアキラが要らない子なのにな
595名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:52:05 ID:39dYgEGF
>>593
モンモンなんて最初からいr
596名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:53:01 ID:Y8vJXpXF
アキラは万能型だしな
攻撃から回復まで一通り技が揃ってる

オルステッドは前にきてたが止まってるな
彼はこれ以上地雷女の姫に振り回されるのは懲り懲りだろうしハルケギニアには来ないほうがいいな
597名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:54:59 ID:5Hn3jbPg
>>595
脇役でも一応は全巻皆勤賞のギーシュなのに、その恋人のはずのモンモンは……。
598名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:55:55 ID:wtZbOC8t
液体人間W1号「ア・・・アンリエッタハ・・・ゲンキニ・・・シテ・・・イル・・・カ・・・?」
599名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 21:58:42 ID:YCyAFttJ
ワルド「あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!」
600名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:00:50 ID:+iDBKkJ+
既に小ネタでもあったな>アキラ

オディオも召喚されて完結していたし…
601名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:02:59 ID:Ps/JuKJ3
トカ&ゲーを召喚……ジョゼフが
ガリアの隠し球、もとい危険球としてハルケギニアで暗躍するトカしないトカッ!

ヴェルサルテイル宮殿改め科学大迫力研究所になっているトカ
602名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:04:26 ID:U1EetQ66
>>591
ここはスピカ人で
603名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:19:13 ID:nJNqD56l
80年代8bit時代のスーパースター
マット・ハザードを召喚
604名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:28:34 ID:ZhrIyBEc
銀英伝のグリルパルツァー召喚という妄想が浮かんだ
浮遊大陸アルビオンに感動し、以後、同国で風石研究に一生を捧げる
……使い魔になりゃしない
異世界の地理学者が見るアルビオンってのも一興か?

軍務が恋人、バイエルラインに嫁探しの機会を与えようか

などと考えてみたが、主要登場人物に比べて少ない情報がネックになりそう
物語を作るに、最低でも、シェーンコップやオーベルシュタイン程度は欲しいな
605名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:41:12 ID:+hHbeXGN
ラスボスのユーゼスのような、学者系のキャラが召喚されたなら結構面白いことになるかもしれない。
ハルケギニアに宗教や思い込み、慣例ではなく観測に基づいた物理が研究されたら、魔法の使い勝手とかが変わりそうですし。
ただ独自解釈が過ぎると問題になるかもしれないから、加減が難しいでしょうが。
606名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:45:34 ID:fRPQtFdn
妖怪人間召喚
亜人やエルフがいるとはいえハルケギニアで彼らが受け入れられるかどうか
607名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:46:09 ID:C2kEre8d
>>588
ガンダールヴのルーンには公園を作り出す能力まであるのか……
608名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:51:07 ID:dc/uRlBd
ハルケにゼラバイア襲来、
そこでルイズが召喚するはサンジェルマン城
609名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 22:59:43 ID:yMhq+LuG
経験者がいるかは分からないがみんなdeクエストのキャラなんか良さそうだな
杖の代わりに印象(シギル)を使うものが魔法だって説明すればメイジ扱いされそうだ。
ガンダールブのルーンはその前進の象形(グリフ)だって考えたら喜ぶやついそうだしw
610名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:02:12 ID:SUB7P9Os
>>580
いやいや、ここはあれだよ。
サイトパパはファンタジー大嫌いだったんだけど、実は好きの裏返しで秘めた願望がハルケギニアを創ってたんだよ。
611名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:03:29 ID:RJmnXSlC
>>610
宇宙英雄物語?

ァッキン
612名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:04:25 ID:x44kUCwP
弊社、ゲーム帝国ネタを書いた者だが、ハルケギニアをハルゲギニアって書いてるわ・・・
613名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:06:08 ID:e4rTIZhV
誤植は文化
614名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:07:09 ID:U1EetQ66
「魔王ブリミルよ、お前を解き放つ!」って言っちゃったせいで魔法が使えなくなるハルケギニア
615名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:07:44 ID:S1t4jGAe
馬鹿もん。語り部で誤植と言えば強引な理屈で煙に巻け。
……そんなんだったよな?ゲーム帝国。
616名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:09:30 ID:fRPQtFdn
大便我慢の刑とか
617名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:10:40 ID:4S4wF5qi
>>610
聖地がクラートゥでデルフがテ・オ・カロアかw ゴート役はだれになるんだろう
618名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:17:32 ID:x44kUCwP
あと、続き書いてたらタバサへの刑罰がめちゃくちゃ酷い事になった・・・
619名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:22:00 ID:C2kEre8d
>>618
楽しみにしている読者がいるのにネタバレをするだなんてー
620名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 23:25:14 ID:C2kEre8d
>>609
> 杖の代わりに印象(シギル)を使うものが魔法だって説明すればメイジ扱いされそうだ。
メイジ扱いされるかな?
621名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:03:05 ID:eT/u1XIu
>>608
初っ端からグラヴィゴラスとゴッド&ソル勢ぞろいはまずい
せめてGフォートレス(+カイザー&グランディーバ)とエイジ達をルイズが
サンジェルマン城とグランΣを世界扉or他の虚無って感じにしないとパワーバランス的にヤバイ
622名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:19:10 ID:8+4DYV4K
終わりのクロニクルから佐山御言を召喚

・・・マリコルヌとオスマン辺りが尻神信仰に目覚めるな。間違いない
そしてハルケギニアに吹き荒れる「まロい」の概念・・・
623名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:21:03 ID:tNkUq/Qu
FF4のゴルベーザなんてどうよ?
タイトルは「使い魔になってくれますか?」で
624名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:21:53 ID:44Im+eiB
「いいですとも!」

〜完〜
625名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:27:33 ID:/MKNz00T
>>601
ギャグ要素が強すぎるせいで忘れがちだがトカ博士の技術力は本物だぞw
つーか僕らに勇気を教えてくれたデッカイ人ことプルコギドンはマジでやばい。
暴走したらハルケで止められる人いないかもしれん……助けてウルトラマン!
626名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:28:34 ID:DKgUiOC6
奴隷人生を〜考えさせるん♪
627名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:29:19 ID:DKgUiOC6
ごめんなさい誤爆です
628名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:29:42 ID:UjkJdotN
>>620
言われてみると知と法則を司る粒子イーサに干渉するとか先住魔法に近いかもなあ
629名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:32:28 ID:bRvsz4Wp
>>622
新庄とセットじゃないと干乾びてしまいそうだ
テファに呼んでもらえばいいか
630名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:36:03 ID:Vr/lYqYk
>>628
ハルケギニアじゃ杖を使う魔法以外はヤバイんじゃね?
631名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 00:40:56 ID:RtlOv/qG
>>626
テニスの王子様を召喚とな
632名無しさん@お腹いっぱい:2010/01/29(金) 02:00:07 ID:jQtPhbh+
OOガンダムから戦争屋サーシェスを召喚。
…………ハルゲニア全土が戦火に飲まれそうだ。
633名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 03:06:09 ID:r1/Z8qZJ
ルーン発動状態のサイトなら勇次郎よりも強いよな
634名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 03:08:56 ID:ScS+41Tq
もしそうであっても絵面的に勝つ姿が思い浮かばないな
635名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 03:11:24 ID:uH4FzgKi
今の勇次郎は刃牙のリアルシャドーで小規模な地震を起こすレベルだぞw
636名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 03:20:38 ID:a3xL6cpE
勇次郎が召喚された話は理想郷にありましたぞ。

いつもの如くオーガはその腕力でハルケギニアを黙らせておりました。
637名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 03:33:17 ID:uH4FzgKi
urlか検索ワードを教えておくれ
638名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 04:08:37 ID:r1/Z8qZJ
サイトが勇次郎よりも強いならサイトはアメリカに友好条約を結ばせることが可能で
全男はサイトにある種の憧れを抱くわけだ
639名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 04:51:21 ID:NgkE5v4c
>>631
あいつらは下手な格闘漫画・アニメよりも強そうだからな…
一人ダブルスとか揚句の果てには恐竜を絶滅させるイメージを写すスマッシュやら…

一発ネタなら面白そうだけど
640名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 06:19:34 ID:gj1LmsXB
ヤムチャと勇次郎理論を思いだした
641名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 07:00:25 ID:gyvyvw7j
正直勇次郎は過大評価されすぎな気がする
642名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 07:21:02 ID:44Im+eiB
勇次郎ならしょうがない≒塾長ならしょうがない
みたいな感じであろ
643名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 07:57:22 ID:7QubVURq
妖精ナビィ召喚

「何もわからないよ!」
644名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 08:33:27 ID:R6GlLmmZ
あちこちのフィクションから戦争馬鹿を召喚。

「よう、首輪付き」
「ところがぎっちょん!」
「諸君、私は」
「近衛衆兵、前へ」

みんなは何人わかったかな?
645名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 10:44:06 ID:cqPKeYfM
ひろししかわからねえ…
646名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 10:56:01 ID:u3djSUO7
ユニコーンガンダムとバナージ召喚
647名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 11:02:09 ID:rI++mcTu
最新刊のハルケ大陸総ラピュタ化の危機を取り入れた作品が
現れるのは・・・まだずっと先の事になりそうだな
648名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 11:46:24 ID:okIdD9Fe
>>613
>誤植は文化
その言葉が真実かどうか・・・・・確かみてみろ!
649名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 11:49:51 ID:UjzV/sih
ザンギュラのダブルウリアッ上
650名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 12:12:14 ID:6pTCVDh5
ハルケ大陸総ラピュタ化したら各国から一人代表選んで代理戦争させたらいいんじゃね
「第一条!頭部を破壊されたら失格!」
651名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 12:28:10 ID:VPH9kEs9
ACfAから水没王子召喚。
ラドグリアン湖にてメインブースターが以下略。
テルミドールとしてレコンキスタへ。
キャラの外見は作者が補完。

オリキャラでは無い。
フロム脳だ。
652名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 12:28:19 ID:gEVdDeHu
>>645
クィックストライクの飛田だろ
653名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 12:38:28 ID:R6GlLmmZ
>>651
私の 一部の 汚染された 重要アルテリア施設に 君の掃射砲による 
極めて危険な 同時攻撃を よろしく頼む

私に 侵入し

激しく頼む

全てを君に託す
654名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 12:51:02 ID:rI++mcTu
>>650
ネオトリステインとかネオガリアかwwww
ちょうど才人とルイズがラブラブ拳出来そうだしなw
655名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:06:04 ID:r1/Z8qZJ
その頃には二人とも死んでるだろ
656名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:08:47 ID:s4xmFSjc
久しぶりに帰ってきた
なんか面白い作品とか来た?
657名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:10:05 ID:u3djSUO7
仮面ライダーZOこと麻生勝召喚
ネオ生命体倒したらすぐバイクで帰りそうだ
658名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:17:35 ID:j3nSkr1s
ディケイド版は知らんがオリジナルのネオ生命体ことドラスは
生命維持のために定期的に調整用プールにつからんと死ぬぞ
659名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:30:05 ID:UjkJdotN
>>643
Z注目で爆発魔法の命中率UPというわけか
660名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:35:16 ID:rI++mcTu
>>656
デビルマンの不動明が召喚される話と、
ギーシュが黒バラ女王(アンパンマンに登場したキャラ)を召喚する話が
最近の新作の中ではかなりオススメだよ。
661名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:38:51 ID:OwA8txpR
>>651
>>653
干<いい尻だな! 気に入った!!

興<頼む、ハメさせてくれ

古王<所詮はハメるしかないのさ、だろう?
662名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 13:50:05 ID:cE0RMz9u
>>658
固定化でもかけとけば大丈夫
663妹が使い魔 代理:2010/01/29(金) 13:51:05 ID:lZAdlEON
どうも、流れを切ってすいませんが、特に投下予約等なければ代理投下を5分後あたりから開始します。
664妹が使い魔 代理 1:8:2010/01/29(金) 13:55:58 ID:lZAdlEON
妹が使い魔
今日は、トリステイン魔法学院の春の使い魔召喚の儀式である。
生徒はサモン・サーヴァントをやりコントラクト・サーヴァントをして自分の使い魔にしていった。
しかし、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは違った。
何回もサモン・サーヴァントを行っても成功する気配がない。
「もうやめとけよルイズ!お前には召喚はできないから!」
「うるさいわね!今集中しているから話しかけないで!」
「集中しているとか言っている割には、その額から出ている汗半端じゃないわよ」
「うっ・・・うるさいわねキュルケ!今度こそはちゃんと召喚するわよ!それもとびっきり強い奴をね!」
ルイズは、思った何でもいいから召喚されてともうゼロのルイズなんて呼ばせないために私に召喚されなさいと。
「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」
そして起こる大爆発、今までルイズが起こした爆発の中でも、過去最大なんじゃないかってほどの爆発だった。
「そ・・・そんな・・・」
ルイズは、最後のチャンスを失った、これまでがんばってきたのも全て無駄になった。
(結局私はゼロだったの?本当に何もできないただのダメ人間なの?)
悔しさ、惨めさ、恥ずかしさ、自分の使えなさに、ルイズは崩れ落ちるように膝をついた。
そして、両目から出るいくつもの涙が地面を濡らしていった。

「ミス・ヴァリエール。残念ですが・・・」
コルベールは少女の肩に手を置いてそう言った。
彼女は魔法はできないが学力は学校の中でもトップクラスだ。
ただ魔法が使えないからと、周りから「ゼロのルイズ」の最悪な称号をもらってしまった可哀想な少女だ。
コルベールは、ルイズの努力を知っていた、だから彼女にはこの試験を、通ってほしかった。
「ミス・ヴァリエール、今日は本調子じゃなかったんですよ。また明日に試験をやりましょう」
「はい・・・」
また明日・・・ほんとに召喚なんてできるのかとルイズは自暴自棄になっていた。
そんなことを思っていると、爆発の煙の中から、
「いたたた・・・なんなの?いきなり光に包まれたと思ったら爆発するなんて聞いてないよ?」
「ふぇ?」
ルイズは、変な声を出して煙のほうを見た。
そこには、赤い服をきた金髪の少女がいた。
「やったの・・・私ちゃんと召喚できたの?」
状況が把握できすトコトコと自分が召喚したと思われる少女のほうへ歩いて行った。
665妹が使い魔 代理 2:8:2010/01/29(金) 13:56:40 ID:lZAdlEON
「?・・・お姉さん誰?もしかしかしてお姉様の友達?それとも私の遊び相手?」
「・・・やった・・・」
「え?」
「やったわ!私ちゃんと召喚できたんだ!ヒャッハー!わが世の春が来たー!」
などと分らぬ言葉を言って金髪少女に抱きついた。
「マジかよ!あのルイズが召喚に成功したぜ?」
「でも見てみろよただの幼い女の子だぜ?多分どっかの平民の子だぜ」
しかしルイズにはそんなことどうでもよかった、自分にも魔法が使えた、自分はゼロなんかじゃない。そのことが証明されただけでもルイズは嬉しかった。
「うぅ・・・苦しい・・・苦しいよお姉さん(汗)」
「あっごめんなさい!私召喚できたからつい嬉しくなっちゃって!」
「召喚?」
「そうあなたは私に召喚されたの!だから私の使い魔になってね!」
「使い魔?てことはお姉さんが私の主になるの?」
「そういうことになるわね」

フランは考えた、どうしてこうなったのかと。
今朝、今日こそは外に出ようと地下牢の扉を抜け、飛んで行ったらそこにはお姉様、咲夜、中国(美鈴)、パチュリーが玄関前に立っていた。
まただ、何時もこの四人は邪魔をする・・・ただ私は、外に出て皆と遊びたいだけなのに。
外の人を殺さない、ギュッとしてドカーンなんかやらないといってもお姉様は許してくれなかった。
こうなってしまうと、実力行使するしかない、何時も通りスペルカードを出し発動しようとしていたら、光に包まれてしまって今に至るわけである。
(使い魔か〜私が使い魔になるなんて言ったらお姉様怒るよね〜でもお姉様は495年間私を閉じ込めたんだから少し我が儘言ってもいいよね?)
「良いよ、私お姉さんの使い魔になってあげる!」
「そう?じゃあさっそくコントラクト・サーヴァントをしましょうか、その前にあなたの名前は?」
「私の名前はフラン、フランドール・スカーレットだよ!」
「フランね・・・良い名前だわ、私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・・・長ったらしいからルイズでいいわよ」
などと話が盛り上がっていると、ハゲ教s(ry、ミスタ・コルベールが、
「お話が盛り上がっているところ申し訳ないですが、そろそろコントラクト・サーヴァントをやりませんか?」
「あっいけない!じゃあフランこっちに来て」
「なになに〜何やるの〜?」
「契約をするのよ、フランが私の使い魔ってことを分るようにするためにね」
666妹が使い魔 代理 3:8:2010/01/29(金) 13:58:25 ID:lZAdlEON
「へぇーじゃあ早くやろうよー」
「分っているわ、そう急かさないの・・・我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
と、唱えてフランに口づけをした。
「んっ・・・もう使い魔にするための契約は終わったの?」
「終わったわよ右手を見てみなさいそのルーンが使い魔って印よ」

フランは右手を見た、すると変な紋章が出ていた、これがルーンなのかーとフランは思った。
「ほう、珍しいルーンですね、他のルーンは白いのに君のは少し紅く発光しているとは、」
少し写させてくださいと言って、コルベールは紙にルーンを写した。
フランは何この人、おおこわいこわいと思いながら、大人しくしていた。
「ありがとうございます、珍しいルーンだったもので・・・おや?ミス・フラン背中にあるものは何ですか?」
ルイズは、背中?と思いフランの背中を見てみると一本の枝から色んな色の水晶みたいな物が付いていた。
「フランその背中から出ている物は何なの?」
「これは翼だよ、綺麗でしょー」
「そうねぇこんな綺麗な翼初めて見t(ryって翼!?」
「そうだよ、翼だよ、何か変なことでもある?」
「変な所って・・・あなた人間なのに翼が生えてるっておかしいでしょ!」
そう言うと、フランは少し怒った口調で、
「私は人間じゃないよ、吸血鬼、吸血鬼だよ!」

そう言ったら、その場にいる全員の動きが止まり、顔から血の気が無くなった。
「吸血鬼って・・・」「下がってください!ミス・ヴァリエール!」
強い口調でコルベールは言い、杖をフランにかざした。
彼女が召喚を成功し、契約も成功したのは自分自身にとってもとても嬉しいことだ。
しかし、召喚の相手が吸血鬼なら話は別だ、こっちの世界の吸血鬼は先住魔法を使い、血を吸って、吸われた者を自分の奴隷グールにしてしまう恐ろしい生物だ。
「まって・・・まってください!コルベール先生!」

ルイズは、庇う様にフランの前に立った。
「退きなさい!ミス・ヴァリエール!彼女は吸血鬼なのですよ!」
「分っています!でも召喚された者は絶対に使い魔にしなくてはならないと先生は言ったじゃないですか!」
「うっ・・・言いましだが・・・」
「だからフランは私の使い魔です!私がちゃんと面倒を見ますからお願いします!」
667妹が使い魔 代理 4:8:2010/01/29(金) 13:59:39 ID:lZAdlEON
「・・・分りました、ミス・ヴァリエールでは、彼女のことはあなたにお願いします、後、この事は学院長に報告しときますがよろしいでしょうか?」
「分りました、ありがとうございます!」

ルイズは心から安心した、自分の使い魔が吸血鬼だったのは驚いたが、考えてみればこんなにも心強い使い魔はいない。
オークよりも強く何といっても先住魔法が使えるのだ。
「はぁ一時はどうなる事かと思ったけど何とかなったようね」
「ごめんなさいルイズ・・・」
「? なんでフランが謝るのよ」
「だって、私が召喚されたからルイズは怒られたんでしょ?私が来なければ怒られずに済んだのに・・・」
フランは、そう言って自分が穿いているスカートをキュッと握って今にも泣きそうな顔をしている。

ルイズは、その顔を見て、鼻血が出そうになったが出ないように鼻を押さえて、
「あれは怒られたんじゃなくて頑張ってフランの面倒を見てくださいねって、言われたの、別にあなたに怒っていたわけじゃないわよ」
「本当?」「ええ本当よ」「ホントにホント?」「ホントにホントよ」
「ありがとうルイズ!大好き!」
と言って、ルイズに抱きついたフラン。
(何この可愛さ!圧倒的だな!フラン!私はもう駄目だ・・・)
「わっルイズ!鼻血出てるよ!」
「ふぅ・・・安心して大丈夫だからあなたが圧倒的だったからつい出ちゃったわ」
「「お前は何を言っているんだ?」」←コルベール&フラン


今日は先生が、
「みなさん、疲れているでしょうから今日はこれで終わりにします」
と言って、解散になって今は自分の部屋にいる。
他の生徒はフライの魔法で飛んで行って、
「ルイズは歩いてこいよ!」
「それかそのかわいい吸血鬼に運んでもらったらどうだwww」
生徒はまだ、ルイズが吸血鬼を召喚したなんて信じていない、信じたくはないのだ。
なんで、ゼロのルイズが吸血鬼なんか、あいつには相応しくないとか、思っているのだろうとルイズは思った。
「それじゃあ、帰りましょうかフラン?」
「歩いて帰るの?あの人たちみたく飛んでいけばいいのに」
668妹が使い魔 代理 5:8:2010/01/29(金) 14:01:10 ID:lZAdlEON
「うっ・・・私は飛びたくても飛べないの!魔法が使えないから!フランが私を背負って飛んで行けるなら早く部屋に着くんだけど、あなたの翼、飛べそうにないもの」
「むぅ、ちゃんと飛べるよ!ほら!」
翼を数回羽ばたかせるとフワッと浮いたと思ったらフランの姿が見えなくなった。
「あれ?ちょっと、フラン?どこに行ったのよ?」
と、ルイズが空を見上げて探していると、後ろからドンっと何かがぶつかった。
「痛!何なのよ・・・って私飛んでる!?」
「言ったでしょ?私は空飛べるって」
ぶつかったのはフランだった、そして、フランがルイズをお姫様抱っこして空を飛んでいる。
「フラン凄いわあなた、こんなに早く飛んで、前に飛んで行ったキュルケ達をもう通り過ごしちゃったわ!」
「こんなのまだまだだよ、もっと早く飛べるよ!」
「えっ?いっいや、フランこの速さでもきついのにもっと速くなったら・・・」
「よーし!飛ばすぞー!」
「いや――!」


「ひどい目にあったわ・・・」
「ごめんなさい・・・」
「ああ、いいのよ、」気にしないで」(なでなで)←フランの頭をなでている
(その顔やられると、怒るに怒れなくなっちゃうのよねー)
「〜♪(なでられて嬉しがっている)そういえば、使い魔ってどんなことをやるの?」
「そう言えば、言ってなかったわね、じゃあ今から教えてあげるわ」
こうして、使い魔とは何か、使い魔の仕事をフランに丁寧に教えていった。
「で、他には秘薬集めがあって・・・ちょっとフラン聞いてるの?」
「聞いてるよ〜ただちょっと眠いだk・・・zzzz」
「寝るな!てかあんた、吸血鬼だから夜は寝ないんじゃないの?」
「吸血鬼でも眠くなるの!」
「まだ説明してないことがいっぱいあるのよ!」
「えーじゃあ早く説明してよ〜」

「これが一番重要なんだけど、私の護衛、私の身の回りの世話をしてほしいの」
「んー身の回りの世話って私も、咲夜とかメイド妖精とかにしてもらっていたし出来ないよ」
「あなた、家事洗濯出来なさそうだったからその回答は予想の範囲内よ」
「でもメイド妖精や咲夜って誰?フランってどこから来たの?」

「私は、幻想郷っていう所から来たの」
「幻想郷?」
「そう幻想郷、そこの紅魔館っていう屋敷に私とお姉様と咲夜とパチュリーその他諸々と暮らしてたの」

「そうだったの・・・そこでの生活は楽しかった?」
ルイズは何の悪気も無く質問するとフランは顔を俯かせて静かに話しだした。
「・・・楽しくなんかなかったよ」
「えっ・・・」

「ルイズは何百年も牢獄に幽閉されたことある?」
などと、あり得ない質問が返ってきた。
「あっ・・・あるわけないじゃない!第一人間は何百年も生きれないわ」
「私はあるよ・・・495年間ずっとお姉様にそこに入れられて。私は何度も言ったここから出して皆と遊びたい、皆と一緒に暮らしたいって・・・」
段々と声に震えが出てきてフランの真紅の瞳から涙がぽろぽろと出て重力に従い地面に落ちていった。

「でもダメだった、お姉様は外は危険だ。貴女が行くと問題が起きるって言って絶対に外にも館の中にも出してくれなかった。」
「495年間も・・・」
ルイズは混乱していた。吸血鬼だからそこの幻想郷を支配しているのかと思っていたら吸血鬼でさえも危険な所に住んでいたんだなんてと思った。
そんなに危険な場所なら、幽閉するのは致し方ないと思ったがさすがに495年も閉じ込めるのはいくら何でもやりすぎだと思った。

「お姉様は紅魔館の主だからその命令には逆らえないから従ってきた。でもその命令に従うのも限界になってきてこっそりと牢獄を抜け出して館の中を初めて探索したの・・・でも」
「でも・・・?」
669妹が使い魔 代理 6:8:2010/01/29(金) 14:03:01 ID:lZAdlEON
「お姉様に見つかったの、お姉様はとても驚いていたわ。でも段々と、瞳が怒りの目になっていって・・・殴られたの。」



レミリア「フラン!あなたって子はどうして約束が守れないの!」
フラン「痛っ・・・ごっごめんなさいお姉様!でも、私外が見たくて・・・」
「・・・フラン?私にそんな口よく聞けたわね?」
次の瞬間、フランは腹に強烈な痛みが走った。
「ぐっ・・・痛いよお姉様、もうこんな事しないから許して・・・」
フランは懇願した。しかし、レミリアは殴ることをやめなかった。
「あんたがいなければ・・・あんたさえいなければこんな館に暮らしてスキマや紅白に怯えながら暮らすことなんてなかった!」

メキッ

「ぎゃあああー!腕が!腕が!」
レミリアはフランの腕を何も躊躇もなく踏みつけて折った。ただ怒りにまかせて折った。フランは腕など折ったことがなく初めて知る激痛だった。
「腕が折れたくらいで何騒いでるのかしらこの吸血鬼は」
「吸血鬼?お姉様、私の名前で呼んでよフランって」
「私には妹などいないお前はただの吸血鬼だ。今から殴り蹴り蹂躙されるバカな吸血鬼だよ。ふふふ・・・」
この言葉を聞いてフランは思った、私は愛されてなどいなかった。ただ目障りだから幽閉されていただけだったのだと。


「それから、お姉様に殴られて、蹴られて、引きずられて、壁に打ち付けられて、炎で燃やされ、水をかけられ、また殴られて、羽をもぎ取られて、足と腕の骨を折られて・・・何度もごめんなさいって言っても一向に止めてくれなかった。
ごめんなさい御免なさいご免なさいゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・」
「もうやめて!」
ルイズはそう叫び、フランに抱きついた。
「もういいのよフラン・・・そんなこと話さなくても。今この世界にそのお姉様はいないわ。もしそのお姉様が来たら私が倒してやるわ」
そう言って優しくフランの頭を撫でた
「私はそんなことしない、フランが外で遊びたいって言ったら私も一緒に遊ぶわフランの自由に生きていいのよ?」

「自由に生きていいの?私生きていいの?」
「もちろんじゃない!なんて言ったって貴女は私の使い魔なんだから!」
「うっ・・・う・・うう・・うわあああああん!」
フランは思いっきり泣いた、今は夜で近所迷惑だがそんなこと気にもせず泣いた。それを止めないでルイズは、ギュッと抱きしめた。
この子にはもうつらい目にあって欲しくない、元気に外で遊んで欲しいと心から願った。
670妹が使い魔 代理 7:8:2010/01/29(金) 14:03:51 ID:lZAdlEON
「うっ・・・何て悲しい話なのかしら・・・そう思わない?タバサ?」
「ぐすっ・・・コクコク(頷いている)」
「ってちょっと!人が感極まって泣こうとしてるのに何でキュルケとタバサが部屋にいるのよ!てか、何時からいたのよ!?」
「吸血鬼でも眠くなるの!って所から」
「ほぼ全部じゃない・・・」
タバサが説明して肩をガクッと落とした。
「あなた達は誰?」
ルイズの後ろに隠れて顔を出しフランは言った。

「私はキュルケ、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。キュルケって呼んでねフラン♪」
「私はタバサ・・・」
「わっ私はフラン・・・フランドール・スカーレットと言います。よろしくです・・・」
そう言うと、ルイズの後ろに隠れてしまった。どうやら泣かれていたのを見られて恥ずかしがっているらしい。

「かっ・・・可愛いいいい!」
「コクコク!(激しく同意している)」
などと言ってキュルケ・タバサが発狂してフランに抱きついてきた。
「きゃ!」
「あーん、可愛過ぎる!ねぇルイズ、フランを私の使い魔にして良い?」
「だっダメに決まってるでしょうが!このバカチンが!」
「えーケチ・・・じゃあ友達になっていい?」
「友達?」
また変なことを企んでいるんでないかと、ルイズは怪しんだ。

「別に変な意味とかはないわ、たださっきの話を聞いたら友達になってあげなくちゃって・・・いやならなくてはいけないと思ったのよ」
「ふーん、タバサも?」
「コクコク・・・あと吸血鬼に興味がある」
タバサらしいと言えばタバサらしい意見だ。それを聞いていた、フランは
「友達になってくれるの?二人とも」
「だからそう言ってるじゃないもうあなたとは友達よ♪」
「コク・・・」
671名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 14:05:13 ID:D37H6+El
会話文多いよ
672妹が使い魔 代理 8:8:2010/01/29(金) 14:05:24 ID:lZAdlEON
「あっありがとう!キュルケ!タバサ!」
あのとびっきりの殺人スマイルでフランは二人に駆け寄って抱きついた。
(何て子なの・・・この私をドキドキにさせるなんて、フラン恐ろしい子!」
(予想以上にダメージが大きい・・・もっと見たいけどこっちの身が持たない)
キュルケは鼻血が出そうなのを抑え、タバサは顔を赤らめているが冷静に殺人スマイルの威力を分析している。
その時ルイズは、
「やっぱり、フランの笑顔は凄い威力だわ!鼻血が止まらないわ!・・・寝る場所は一緒のベッドで寝ましょう!そして風呂は一緒に入りましょう!フラン!あぁ風呂のこと考えたらまた鼻血が・・・」
「「「お前は何を言っているんだ?」」」←フラン・キュルケ・タバサ
「ねえフラン、その後もお姉さんにやられたの?」

キュルケが言いにくそうに聞いてきた。しかし、フランは
「あの後はね、直ぐに折られた腕や足、羽か治ったから私も怒ってお姉様をボコボコにしたわ!」
どうだ、と胸を張って見せた。
「えっ・・・あの後お姉さんに虐められて悲しい時を過ごすんじゃないの?」
ルイズかあわてて聞いてきた。
「まさか、あの後、咲夜やパチュリーに聞いたらお姉様は私の能力が怖くて幽閉してたそうよ。まったく可愛いんだからお姉様は」
「可愛らしいって自分の妹を虐めるなんてとても恐ろしい姉だわ」
「そっ・・・そうよ!」
思い当たる節でもあるのかルイズはビクッとなって頷いた。

「フランの能力ってなんなの?」
タバサが興味津々で聞いてきた。
「私の能力はありとあらゆるものを破壊する程度の能力」
「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力?」
ルイズたちはさっぱり分らなかった。
「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力とは、打撃による破壊活動ではなく、全ての物には力を加えれば物を破壊できる「目」が存在しており、離れた物の「目」を自身の手の中に移動させることができ、
強く握ることで爆発(破壊)させてしまう能力のことを言うのよ。別名ぎゅっとしてドカーン!」wiki参照
「「「怖っ!!」」」
ルイズたちは、改めて目の前いる少女が吸血鬼だと自覚した。見た目は幼い少女なのだが、吸血鬼でそんな能力ももっていたら姉も怖がって幽閉するのも頷ける。
「でも、ちゃんと練習して能力も自由に使えるしルイズたちには、絶対に使わないよ!」

「それを聞いて安心したわ・・・ねぇもっとその幻想郷のことについて話してよ」
ルイズがそう言うと、キュルケもタバサも聞きたいと言ってきた。
「良いよ!じゃあまず紅魔館に来た巫女の話をしてあげる!」
こうして、少女3人吸血鬼一人の夜は賑やかに過ぎていった。








次回予告?
フランにとって初めての学校生活、初めての授業・初めての食堂・初めて見た女ったらし、初めて尽くしのフラン訪れる、トリステイン初の弾幕ごっこ!そんな彼女に救世主?ヒント:饅頭っぽい奴
次回!妹が使い魔
フラン「貴様はいままで食べたパンの枚数を覚えているか?」
ゆっくり「いや、自分米派なので」
フラン「(´・ω・`)」
お楽しみに!
673妹が使い魔 代理:2010/01/29(金) 14:07:58 ID:lZAdlEON
これにて、妹が使い魔第一話終了です。
なにぶん初めて書いた作品ですので誤字脱字があるかと思います。


作者の方、乙でした。
原作は知りませんが、テンポがよくて楽しめました。
674名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 14:08:54 ID:NaHPLb45
相棒の杉下右京が召喚される話はあるだろうなと思ってたら、
意外なことになかった。
トリックとか推理が難しいのかも。

舞台が中世ヨーロッパなので、いろんなことに感激する右京さんと、
「恥ずかしいからやめなさいよ!」と止めるルイズを想像したw
あと、米沢的な役割で意外と活躍するコルベールとか、右京さんがいなくなって騒ぎになってる警視庁とか。
675名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 14:20:33 ID:P3srdMD+
技術云々はともかくとして
元ネタが何かとか本スレの>>1にちゃんと目を通してから投下してほしい
676名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 14:40:55 ID:tcnQC53L
スルーだな、論外
677名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 14:48:45 ID:pwYZyDr/
小学生の文章かと思った
678名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 15:17:29 ID:pRWtxAoc
あれ、フランちゃん太陽大丈夫なの?
679名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 15:26:02 ID:l8Lm3UIr
色々とうんこ過ぎてワロタwww
680名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 15:58:58 ID:XTonx4+y
ちょっと言い過ぎじゃないか? いくらここが良作ばかりだといっても誰も彼もにハイクオリティを求めるのは酷だろ
まあ元ネタを書かなかったのはミスとしてもまあまあ楽しかった。
あと・・・は……が基本な。続きに期待してます。
681名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 17:07:36 ID:OCKKiyG+
すまん・・・評価したいがかなり苦しい!
682名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 17:32:10 ID:RvdQn4/Z
踊る大捜査戦での名台詞「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きているんだ!」。
右京さんは刑事なので事件に関わっても別段おかしくは無いが――下手な探偵を呼ぶと「死神」呼ばわりされかねないんですよね……
683名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 17:32:30 ID:JCDvZOon
途中台本形式っぽくなってるし、論外だろ
684名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 17:38:24 ID:Vr/lYqYk
>>680
基本的にテンプレすら読んでない思われる奴が相手ならどこでもそういうもんじゃね?
緊張してるだとか初心者だとか盾にするアホがいるけど、それなら最低限のことくらい調べとかないと……。
685名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 17:40:54 ID:Vr/lYqYk
>>683
元ネタが書いてないのは代理さんのミスで、避難所のスレでは書いてあったりするんじゃないかと覗きに行ったら、一つ前のSSが似たようなこと言われてて苦笑いした。
686名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 17:41:20 ID:hlo4hS0k
こんな時こそスルーの魔法だ
687名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 17:54:17 ID:ffPQWjos
>>673
「お遊戯的なことなら、チラシの裏でやってくんない?」
688ゼロニスター 代理:2010/01/29(金) 18:18:44 ID:lZAdlEON
私は気に入ったんだけど、評価は人それぞれですね。
とりあえずゼロニスターさんが来ていましたので、また代理投下を5分後から開始したいのですが、よろしいでしょうか。
689ゼロニスター@ 代理:2010/01/29(金) 18:24:00 ID:lZAdlEON
「ゼロニスター Vol.5」

 ハルケギニア最強殺人鬼決定戦の予選は、「メダル集め」である。
 森の中に落ちているメダルを拾う他、他人を殴ったりどついたりして奪うのもありとされている。
 相手が死んでも同様である。

「う……、うう……」
 森の中の岩が転がる一角に、負傷した参加者の女性が倒れ呻き声を上げていた。
 そこに長剣を背負った小太りの男が歩み寄っていく。
「誰にやられたのかは知らねーが……、メダル1枚持ってるじゃねえか。悪いが俺がいただいていくぜ……。へへへ……」
 笑みを浮かべつつ男が女の手首に巻かれたホルダーのメダルに手を伸ばした時、
『うおーっ!!』
 雄叫びと共に木陰からルイズ・サタニスターが踊り出た。
「そいつは囮だよ、間抜け〜っ!!」
「あんたが持ってるメダル全部出しなさい!!」
「ぐわ〜っ!!」
 と男を袋叩きにしてメダルを巻き上げると1枚だけ男のホルダーに残して地面に転がし、
「次の獲物を待つわよ、ルイズ、シエスタ」
 再度木陰に隠れたのだった。
「うう……」

 同時刻、1人の男が鎌を片手に藪を分け入り歩いていた。
「ちくしょう……、全然メダル落ちてねえじゃねえか。くそっ……、くそっ……。だいたいこのデリバリー・ヘル様の得意分野は『毒入り食品』による攻撃であって、こういう状況は想定しては……」
 そう呟きつつ汗を拭っていたデリバリー・ヘルの視線が、1本の木に止まる。
「!! 木の幹に……はまってやがる!」
 にやりと笑いメダルに手を伸ばすデリバリー・ヘル。とその時、
「へへ……、見つけられると結構楽しいな。ようやく2枚目……」
 ――ドッ……
 突然聞こえた鈍い音にデリバリー・ヘルが見下ろすと、鎖に繋がった鎌の鋭い刃が彼の胸を貫通していた。
「な……!?」
 驚愕の表情になったデリバリー・ヘルの背後にビダーシャルが降り立ち、手にした鎌とデリバリー・ヘルの胸に刺さった鎌とを繋ぐ鎖でデリバリー・ヘルの体を宙吊りにする。
「おげえええ!!」
 ――ザン!
 そして鎖のもう片方の端に繋がっていた鎌の刃が、空中でデリバリー・ヘルの腹を狙い撃ちにしてとどめを刺した。
「がふっ!」
 絶命したデリバリー・ヘルの体が地面に落下するのを横目で確認しつつ、ビダーシャルはにやりと笑みを浮かべる。
「本当はじわじわ殺(や)るのが好きなんだけど」
690ゼロニスターA 代理:2010/01/29(金) 18:24:56 ID:lZAdlEON
 ビダーシャルがデリバリー・ヘルを血祭りにあげているとも知らず、ルイズ・ナックルスター・シエスタは倒木に腰かけ戦利品のメダルの枚数を数えていた。
「メダルが8枚になったわ! 想像以上にちょろかったわね」
「規定枚数をクリアしたからお二人とも予選合格ですね。もうスタート地点に引き返してもいいのでは?」
「駄目よ。3人で本選に出るんだからあと1枚は稼がないと。1人3枚が最低条件なんだから」
「……は?」
 ナックルスターの言葉の意味を一瞬理解できなかったシエスタだったが、ナックルスターは彼女の顔を正面から覗き込み、
「あたしはあんたにも本選で戦ってもらうつもりでいる」
「ははは。またまたあ〜、冗談きついですよ、ミス・ナックルスター」
 にこやかに笑みを浮かべたシエスタ。しかしルイズ・ナックルスター共にその表情は真剣以外の何物でもない。
「馬鹿言わないでくださいよ!! 私はただのメイドで……」
「だったら何? メイドの身で殺人者となる奴は世にいくらでもいる。だったら殺人者を倒すメイドだっていてもいいはず」
「それに私達だって好んで2人だけで戦い続けてるわけじゃないわ。同志が多ければ私達も助かるのよ」
「『才人』があたし達を襲った時、あんたはあたし達を庇ってくれたけど、あんた本当はあの時可能なら戦いたかったんでしょう? 敵わないのがわかってるからやらなかっただけで」
「それは……。でも私には力なんて……」
「そんなもん『ズル』すればいいのよ」
「フェアプレー精神にのっとった殺人鬼なんていないんだからね」
 ルイズはそう言いつつシエスタに何かを投げ渡した。
「!?」
 放り投げられたそれをシエスタは反射的に受け取って、その後それに視線を向けて戦慄した。
「こ……、これは……!?」
 それはナックルスター・ルイズが身につけている物とまったく同じダブルヘッド・クロスだったのだ。
「ダブルヘッド・クロスよ。シエスタにも作ってあげたわ」
「あたしのナックルを少しだけ削って溶かして……ね」
 そう言って腕に装着しているナックルをシエスタに見せるナックルスター。
 それを見た瞬間、シエスタは自分に渡されたダブルヘッド・クロス(正確にはその材料であるナックルスターのナックル)が恐るべき代物である事を思い出した。
「え……、ち……、ちょっと待ってください……。確かそのナックルには……、無数の怨霊が……!!」
「耐えてちょうだい、シエスタ!!」
 次の瞬間、シエスタの周囲を取り巻く空気が一変した。
 形容し難い表情に顔を歪める無数の半透明な生首達が、シエスタの周囲にまとわりついたのだ。
「ぎっ……、ぎゃあああああ!!」
691ゼロニスターB 代理:2010/01/29(金) 18:25:45 ID:lZAdlEON
 舞台は変わって、ちょっとした広場に1本立っている大木を望む藪の中。
 そこに隠れているブラッドロリータが、大木の傍で彼女に背を向け立っている2人の男の様子をじっと伺っていた。
(何ぼーっとしてんのかね、大の男2人が。隙だらけだっつーの)
 2人が完全に油断している事を確信し、ブラッドロリータは2人の前に踊り出る。
「ヘイ!! おとなしくメダルを出しな!! もたもたしてっと1滴残らず血を――」
 そこまで言ってブラッドロリータは絶句した。
 2人の背中に隠れて見えなかったが、大木からはデリバリー・ヘルの生首と腕を鎌に尖った木の杭と共に鎖・臓物で残虐にくくりつけた物がぶら下がっていたからだ。
「………!!」
『………』
 しばらく続いていた沈黙は、ブラッドロリータがやっとの思いで吐き出した一言で破られる。
「な……、何これ……」
「誰かが仕掛けた『罠(トラップ)』だよ……。歩いてたら急にこいつが降ってきたんだ。ギリギリでかわす事はできたが……」
「これ作った奴絶対おかしいぜ。『楽しみながら作りました』って感じが伝わってくるんだよ、これ見てるとよ……」
「いくらなんでもえぐすぎる……。やる気なんか消し飛んだぜ」
 男達は自分のホルダーを取り出し、ブラッドロリータの足元に放り投げた。
「メダルが欲しいんなら持ってけよ」
「俺らは必要無くなった」
「殺人鬼にもレベルの違いというものが存在する事を思い知らされたぜ。正直なところもうやってられん」
「怖気づいたと思われようがかまわねー。とにかく俺達はもう嫌だ」
 そして2人はそのままくわえ煙草で広場から去っていったのだった。
「………!」
 1人残されたブラッドロリータは、まだ見ぬ強敵の存在に戦慄していた……。
692ゼロニスターC 代理:2010/01/29(金) 18:26:38 ID:lZAdlEON
 話を再度シエスタに戻す。
 高台の岩場に挟まれた谷間のような場所をシエスタは1人歩いていた。
 そしてそのシエスタをメンヌヴィル・飴姫・石牙のマリコルヌが見下ろしている。
「サタニスターがいつも連れ歩いてる……、『シエスタ』ってガキだぜ!」
「なぜ1人で歩いてるんだ、武器も無しに?」
「重要なのは、こっちは『サイト』をサタニスターにやられてるって事よ。サタニスターにも仲間を失ってもらわないと……割に合わないさね」
「それにあの小娘……」
「メダルを持っている」

「はっ!」
 ただならぬ殺気を感じてシエスタが振り返った時、頭上から飴姫が踊りかかってきた。
「死ねえ小娘っ!! 飴姫ブレードっ!!」
 飴姫が大きく右腕を振った瞬間、液状の刃がシエスタめがけて飛来した。
 しかし刃がシエスタのいた場所を通過した時には、既にシエスタは飴姫の背後に回っていた。
「馬鹿なっ!?」
「!!」
 だがそのシエスタのさらに背後にいた人影が、彼女を羽交い締めにした。
「僕の名は石牙のマリコルヌ!! お前の頭をビスケットみたいに噛み砕いてやろうか!!」
693ゼロニスターD 代理:2010/01/29(金) 18:27:29 ID:lZAdlEON
 大口を開けたマリコルヌの顔を横目に見つつ、シエスタはダブルヘッド・クロスを渡された時のサタニスター達の言葉を思いだしていた。
「シエスタ!! 怨霊どもには『目的』がある!!」
「まずはその『目的』をシエスタも理解するのよ!!」
「うわあああ!」
 ルイズ・ナックルスターの言葉も耳に入らない様子で、シエスタは頭を抱えうずくまっていた。
 その脳内では歪んだ生首達がひっきりなしに喚き声を上げている。
(暴れさせろ!!)
(誰でも言いから殺させろ!!)
(相手は誰でもいい!!)
(俺達に……敵を与えろ!!)
 その言葉の中に隠された怨霊達の「目的」に気付き、シエスタははっとする。
(あっ……!!)
「気をつけるんだよ……。こいつらと『組む』には意志の強さが重要になる」
「精神力の弱い人間が組もうとすれば、逆に『取り込まれる』わ。自分の体をコントロールできず主従が逆転するのよ!!」
 するとシエスタが脂汗をかきつつも顔を上げ、ルイズ・ナックルスターを見上げた。
「今……、連中を押さえつけました。怨霊の呻き声が、止んだ……!!」
「………!!」
「でも……、わずかな土嚢でかろうじて濁流をせき止めてる感覚です。ほんのささいなきっかけで決壊しそうな感じがします……!! ミス・ナックルスター、ミス・ヴァリエール……。しばらく1人にしてください。一緒にいない方がいいです……!!」
 そしてシエスタは立ち上がり、そのまま1人森の奥に消えていった。
(シエスタ……)
(あいつは一瞬だけ……、あたし達を襲おうとした……!!)
694ゼロニスターE 代理:2010/01/29(金) 18:28:11 ID:lZAdlEON
「うわああああ〜っ!!」
「!!」
 叫び声を上げつつ、羽交い絞めにされたままの体勢から体を捻り腕を伸ばしてマリコルヌの頭部に手をかける。
「ふん!」
 ――ダンッ
「ぐえっ!」
 そしてそのまま力任せにマリコルヌを引き剥がし、地面に叩きつけた。
「マリコルヌ!!」
「マジか!? あの小娘!!」
 驚愕の声を上げた飴姫・メンヌヴィル。
 しかしシエスタの勢いは止まらない。
「ああああああ〜っ!!」
 ――ドンッ!
「ゲボッ!!」
 倒れたマリコルヌに手刀を叩き込み、鈍い音と共に血を吐かせた。
 動かなくなったマリコルヌにメンヌヴィルが歩み寄り、首の辺りを触り始める。
「首の骨を……折りやがった……!!」
 今まで以上に殺気を強めている目の前の飴姫・メンヌヴィル以上に、シエスタは初めて人間の命を奪った自分自身に戦慄していた。
「あんたを許すわけにはいかなくなったわ」
「俺らの仲間をこんな目に遭わせてくれるとはな……。どうしてくれるんだ、てめー」
 あまりに理不尽な敵意にシエスタは顔をしかめる。
(自分達からしかけてきたのに……!!)
695ゼロニスターF 代理:2010/01/29(金) 18:29:05 ID:lZAdlEON
 ――ガシャーン
「あーっ! ちょっとシエスタ、どうしてくれんのよーっ」
 シエスタを含む数人の男女が集まっている室内で、頭に花飾りを着けた少女が壊れた筆箱片手に喚き声を上げていた。
「あたしの筆箱壊れちゃったじゃないのーっ! 弁償!! 弁償!!」
「あーあ、シエスタはどうしようもねーなあ〜っ。ひでー事するぜーっ。物を大事にする精神の欠片もねえ〜っ!!」
「わ……、わざと私の体に当てて落としたのに……」
 一緒にいた少年の非難にシエスタは反論するも、
「はあーっ!? 言い訳してんじゃねーよ!! 明日までに50エキュー持ってきな!!」
「ぎゃはは、5エキューの筆箱なのに!! シエスタむごーっ!!」

『!!』
 飴姫・メンヌヴィルは目を見開いた。
 シエスタは毅然とした表情で2人を見据え、戦闘体勢を取っていたのだ。
(こいつらに負けるわけにはいきません……!!)
696ゼロニスター 代理:2010/01/29(金) 18:30:36 ID:lZAdlEON
以上、代理完了です。作者様、乙でした。
697名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 19:31:42 ID:cq0peIBr
>>687
小ネタのデトロイト・トリステイン・シティがあのノリで長編化したら面白そうだよな。 と強引に繋げる
698名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 20:15:48 ID:WW8zrOuF
コンビニDMZより店長召喚。
ハルキゲニア初のコンビニ開店。
699名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 20:30:44 ID:0TeFMp9k
>>698

それも面白そうだが、迷彩君の方が面白そうな希ガス。
700名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:05:58 ID:zepC1DZ/
NIA_7から謎のインド人よぶほうが
701名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:25:05 ID:3wWuF3G+
店長喚ぶならアニメ店長だろ。

兄沢が偶然の召喚の筈なのに、平然とトリステイン店の店長やったり、どっからか商品持ってきたり。
702名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:27:40 ID:ssug8qvD
ならここはデッドラの店長で
魅惑の妖精亭でチュレンヌ一味にThisisMyStore!!叫んであのエグい改造カートで突っ込んで行く姿を想像した
703名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:31:07 ID:WW8zrOuF
>>701
腐女子アンアン再誕か……
704名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:32:40 ID:XTonx4+y
>>701
そしてなぜかこなたが買い物に来てたり
705名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:34:51 ID:R6GlLmmZ
デッドラと聞いて

教皇が例のカルト教祖呼んじゃって信仰が変容。
ロマリアの連中が黄色いレインコートで自爆攻撃とかしてくるようになる
706名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:41:02 ID:VB3QQelx
>カルト教祖
ラ○ス=ク○イン?
とか普通に出てきました

もしくはカギ爪かタカヤ(ブレードでもノノリリでもよっしゃああああでも無い方の)
707名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:53:14 ID:YnOK8FkS
>>706
ラクスは外伝設定だとコーディを洗脳することができるらしいからな
恐ろしい事には一部ナチュラルにも効果がある
708名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:53:55 ID:u3djSUO7
リボンズ「感謝して欲しいな、君がその虚無の力を手に入れられたのは僕のお陰なんだよ?」
709名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:54:38 ID:R6GlLmmZ
正直なんであんなヌルい思想であんなに影響力があったのかわからぬ。
あれか。馬鹿しかいない太陽系かなんかか。
710名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:55:27 ID:R6GlLmmZ
すんません、少し考えが漏れた。
711名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 21:59:08 ID:g/wzZoPi
終末戦争をあの間隔で二回もやれば、正反対に振り切れるぐらいの反動はつくと思う。
712名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 22:02:03 ID:zepC1DZ/
全滅が文字通り全滅な世界だからな
軍事的な知識の蓄積0
713名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 22:07:03 ID:u5cW8azi
人格や言動はあれなのに人望を集める人間って歴史上でもたまに居るよ。
大概出自がよかったりするのが理由だけど、名門の子弟がみな人望があるわけでもないし、
その辺はやっぱりカリスマってやつなのかなあ。
714ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part15:2010/01/29(金) 22:25:57 ID:Mtff1vOG
22:35から投下します
ギーシュがアンパンマンの黒バラ女王を召喚した話です。
(劇場版恒例のシリアスなアンパンマンを意識してました)

〜ギーシュくん は ルイズちゃん に とりついた くろバラじょおう と けっとう を することになりました〜
//補足:これまでに描写したルイズの体の変化
//関節が外れて手足、首の筋肉が伸びきる
//首の長さ約10cmUP, 手足の長さ約20cmUP, 身長153サント→約180サント
//黒髪化(足元までの長さ, 前髪はそのまま), 赤瞳化, 青白い灰色の肌
//顔立ちと声は変化無し(女王の台詞はルイズの声で喋ってます)
715名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 22:32:51 ID:KX9ov1TV
>>714
それはもう『人間に似たカタチの何か』なんじゃないのかな支援。
716ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part15:2010/01/29(金) 22:35:18 ID:Mtff1vOG
「ぷっ! あは、あはははは」
 女王はギーシュの言葉を聞くと、吹き出すように笑い始めた。
 そして、女王はルイズ長く伸びた首をギーシュの前に差し向けた。
「お前は、ほんっとうに馬鹿な子だねぇ……」
 舐めるようにギーシュを眺めると、右耳を真下に傾けたルイズの顔が彼の左の耳元に静かに口を寄せる。
 垂れ下がる黒い長髪が彼の肩を覆った。
「だぁーーーっ!!!」
「わひぃぃぃ!!」
 突如ルイズの口から発せられた轟音に、ギーシュは悲鳴を上げながら右に倒れた。
「お前ごときがこの私に決闘を申し込むだと?」
 女王はしゃがみ込むように倒れた彼を睨み付けると、青白い右手を宙に掲げた。
「それ」
 ルイズの人差し指の黒い爪が彼の胸の中心を切り裂いた。
 指先全体を包むように分厚く伸びた獣のような爪には彼の血と肉、そして僅かに削れた胸骨の破片がこびり付いている。
「ぐああああああああ!!」
 真っ赤な縦線を肌蹴たシャツの間に入れられて、ギーシュは胸を抑え、背を丸くしたままその場に蹲った。
717ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part15:2010/01/29(金) 22:37:42 ID:Mtff1vOG
「御目出度い子だねぇ、今の私になら勝ち目があるとでも思っていたのかい?」
 吐き捨てるように言い放つと、女王はその場から立ち去ろうとした。
 しかし、女王が後ろに振り返ると、そこには2メイル程の大きさの青銅のゴーレム・ワルキューレ二体が女王の往く手を遮るように立ち塞がっていた。
「ギーシュ……お前、自分が何をしようとしてるかわかってるのかい?」
 女王は、自分の背に向けられたワルキューレの槍に構うことなくギーシュの方に向き直った。
「この体はお前の友達のものじゃなかったのかい?」
 半開きの目でギーシュを見下ろすルイズの顔がニヤリと笑った。
「か、彼女は命を懸けて貴族の誇りを守り抜いた……! 僕はそれを汚す君を許せない!」
 彼は腰を上げて立ち上がると、造花の杖を女王に向けた。
「だから僕は、彼女と同じ貴族として、君と戦わずにはいられない!」
 拙くも力強い彼の言葉に、女王の表情が変わった。

---

「好きにおし。お前との決闘ごっこ、受けてやろう」
「い、いくぞぉぉ!」
 女王がそう呟くと否や、ギーシュはルイズの足元の土を錬金で砂に変えて巻き上げた。
 女王は目を瞑ると左手で両目を隠し、視界が潰されるのを防いだ。
718ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part15:2010/01/29(金) 22:38:38 ID:Mtff1vOG
「む!」
 足がバネの様に縮み、ルイズの体が後方に跳ね上がる。
 砂煙を吹き払いながら振り下ろされた四本の青銅の剣が互いに衝突した。
「ほ!」
 地面に着地したルイズの体は、風に撓る草花の様に揺れていた。
 後方から高速で突き出される二本の槍、左右から横薙ぎに迫る二本の青銅のハンマー。
 それら全ての攻撃を、女王はルイズの体を植物のようにうねらせて巧みに回避していた。
「ほほほ、全然当たらないねぇ」
 四体のワルキューレは可動部が摩擦熱で高温になる程激しい攻撃を女王に与えている。
 前方にいた剣を持ったワルキューレ四体が攻撃に加ることで、攻撃の激しさは一層増した。
 しかし悠然と身を翻す女王に対して、ワルキューレが繰り出す技の数々は悉く的を外れるばかりだった。
 音速を超えて動く物体を見極めるだけの動態視力を持つ女王にとっては、ワルキューレ達の攻撃をかわすことなど容易かったのだ。
「小うるさい蛆蟲共めが。そぅれ!」
 ルイズの右手が一体のワルキューレの左手を掴んだ。
 すると、ルイズの右腕が筋肉を捻じらせながら凄まじい勢いで時計回りに回転した。
 そのワルキューレは左腕を肘関節の部分から取り外され、そのままバランスを崩して転倒した。
「はぁーーっ!」
 女王の左側に立っていたワルキューレの足が蹴り払われた。
 倒れ込むワルキューレの両腕を女王が捕らえた。
 そして女王はルイズの右足を軸にすると、ワルキューレは倒れ落ちる勢いを回転力に変え、他の二体のワルキューレの足元に投げ飛ばされていった。
719ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part15:2010/01/29(金) 22:39:42 ID:Mtff1vOG
 激突の衝撃で三体のワルキューレが崩れ落ちる。
 前倒れになったワルキューレ達が残りの四体のワルキューレの女王の間を隔てた。
「フッ……」
 女王はルイズの長い髪を掻き上げ、汗一つ掻いていない冷たい表情で笑った。
 人差し指を立てたルイズの右手が天高く突き上げられる。
 その瞬間、黒い爪の先から黒い電流が上空に発せられた。
 そして瞬く間も無く、女王の周囲に無数の黒い稲妻が降り注いだ。
 雷が落とされた範囲は半径500メイル程に亘った。
 女王は目の前にいるワルキューレ達だけではなく、先ほどから姿を見せていないギーシュも鉄化させようとしていた。
 辺りに静けさが戻ると、女王はルイズの首を捻らせて周囲を見渡した。
 ところが、八体の鉄化したワルキューレが目の前に倒れてはいるものの、女王はギーシュの姿を見受けることはできなかった。
「さては逃げたね。まったく、情けない。自分から勝負を挑んできた癖に……ん?」
 女王が溜息混じりに愚痴を零していると、鉄化したはずのワルキューレの一体の背中が僅かに揺れた。
 女王は不思議そうな顔をしてそのワルキューレを眺めている。
 すると突然、そのワルキューレが立ち上がり、女王に向かって飛び掛かった。
720ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part15:2010/01/29(金) 22:42:47 ID:Mtff1vOG
「何ぃ!?」
 予想外の事態に慌てふためく女王は成す術無く青銅の剣で切り裂かれた。
 体を引き伸ばし、筋力を常人以上に引き上げていただけのルイズの身体は、左肩から右脇腹にかけて大きく抉られている。
「い、痛ぁぁああああい!!」
 ルイズのディスペルによって一瞬で身体を消し去られたときとは違い、人間の肉体のまま致命傷を受けた女王は耐え難い激痛を感じていた。
「うがあああああああああ!!」
 ルイズの体は赤い血の代わりに紫色の炎を傷口から噴出させている。
 その時、女王の意識はこの世界から飛びかけようとしていた。

//以上です。
//当然ですが死人はでませんし、ルイズも最後は無傷でハッピーエンドを迎えます
721名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 22:48:27 ID:KX9ov1TV
乙。

なんかえらい壮絶な戦いだな。
722ギーシュ・ド・グラモンと黒バラ女王 part15:2010/01/29(金) 22:51:43 ID:Mtff1vOG
ぎゃああああああああああ!!!
重大なミスがあった。
>>720
 予想外の事態に慌てふためく女王は成す術無く青銅の剣で切り裂かれた。
//ではなく、鉄化した青銅の剣で切り裂かれた。なのです。
723名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 22:56:19 ID:+9ySLFbC
乙でした
血ではなく炎が出るあたりがアンパンマンキャラだな
724名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 23:24:50 ID:spOJvwQ5
劇場版仮面ライダー観て、久々にハマった
誰か書いてくれないかな
725名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 23:27:06 ID:UTPFDCut
ゼロの赤ずきんを読んで初めてここに来ました。宜しくお願いします
726名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 23:49:09 ID:KL1dDj6S
ライダーの話はほとんど休載だな
ディケイドとか風見とかの話の続き見たいが
727名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 23:51:37 ID:MRzEemLM
>>725
よーし、sageろ
話はそれからだ
728名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/29(金) 23:51:39 ID:uh7Tctd7
ライダーは流行もんていうか1年たてば話題性が激減するからな…
TVでライダーのキャラが固まる→盛り上がってくる→ここのSSにも登場する→そろそろ次のライダーの季節
729名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:05:12 ID:mMkW5aNa
仮面ライダー○○・・・なんて強さだ。
シャドームーンを一方的にボコボコにしたWだけは許せねえ。
730名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:05:40 ID:b9AI4K0Y
ダンジョン商店会の人帰ってきてほしいぜ
731名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:10:45 ID:bxnJhK+j
Wikiからきますた

超電磁砲から御坂美琴呼んだら楽しそうなキガス。

電化製品とかも使えるし……
732名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:13:34 ID:nwVXLMTf
フランドール召喚…お嬢様ってあんなだっけ?
733名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:20:13 ID:hliX5cwP
黒薔薇の人来てた
実に乙です
734名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:21:35 ID:JmVb98Uv
>>729
バイオライダーもΦにやられたしなw
ていうか何で普通に蹴りが効いたんだろう?
735名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:24:11 ID:jG72rJDz
>>731
どう考えても従う可能性の方が少ないって言うか、それ以前に下手すると召喚のゲートにレールガン叩き込んで
その向こうにいるルイズが直撃食らって終了なんてオチすらありえるからなぁ。

少なくとも、んな物がいきなり現れたら誰かの能力か何かと疑うだろうから、幾ら性格的にやや直情径行気味な
美琴でもいきなりそれに飛び込むなんて愚を冒すとは思えないね。
736名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:26:45 ID:2tQf3Hg0
上条さんを召還



右手だけ召還拒否って引きちぎれて死亡
737名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:28:13 ID:7xrjrGTW
冷静に考えたら、ルイズたちの所業は酷い人権蹂躙なわけで、
使い魔契約に納得するのはよっぽどお人好しかお馬鹿か
元の世界が絶望的に酷いとこだったかじゃないかと愚考。


そうだ、パラノイアからトラブルシューターを呼ぼう。
738名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:30:06 ID:qmYxHnaX
>>734
あの赤い円錐状のでガッチリ固定してたからじゃね?
それにクリムゾンスマッシュって打撃技ってよりは光学系の技らしいし。

しかし仮にルイズがライダーになったとして、どんな戦い方するんだろうなぁ。
739名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:33:13 ID:HDifyv53
>>734
555のポインターロック機能で動きを完全に封じたからじゃね
それに555の蹴りは打撃と言うよりは毒攻撃だからな
>>735
ゲートにいきなりレールガンはないだろw
何これ?ってちょっと触ったら引き込まれて召喚!とか
上条さん追っかけて全力疾走してたら突然目の前にゲートが!→召喚、とか
やりようはいくらでもあるよ
740名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:34:27 ID:yIniMr76
パラノイアかぁ
あれってリプレイとかあるのん?
741名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:37:29 ID:qmYxHnaX
上条さんの前に召喚ゲート出現
 ↓
何だこりゃ? と原作の才人よろしくボールペンを入れてみたり『手で触ってみたり』する
 ↓
ゲート消滅


こんな流れしか思い浮かばねぇ……。
つーか上条さんがそれをクリアして無事に契約したとしても、上条さんは迂闊に手も洗えないよね。
742名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:38:04 ID:7xrjrGTW
> パラノイアリプレイ

ネット上でも結構ある。
さらに某ニコニコではアイドルマスターのキャラがパラノイアをプレイしている、
という設定のリプレイ(?)まである。チヒャーさんマジヤバス。
743名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:38:51 ID:tkuJuNU+
>>734
ゲル化してたらロックも防げたかもしれないけど普通の状態でくらったからな

>>738
狂蛇の使い魔でタイガになってたな
744名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:40:25 ID:HDifyv53
>>741
消える→キス→消える→キス

ルイズに何度もキスをさせる上条さんが流石過ぎて泣けてくる
745名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:40:49 ID:mMkW5aNa
何を言ってるんだ>>734>>738>>739
RXのチート能力を忘れたのか?
あれはやられたふりだ。
RXはいつもの超推理能力を駆使して黒幕を見出し、やられたふりをして他のライダーを助けていたんだ。
最後に勢揃いしたのが証拠だよ。

ということでRXを呼ぼう。
ワルド戦
魔法が全部やつの体を突き抜けてしまうぞ!!
タバサママ
俺はバイオライダーに変身して抗体を作ることが出来る。
ジョゼフ
加速を使っても普通に反応される。
746名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:41:05 ID:pe9gwt3S
「ようこそ、使い魔」
「私のことですか?」
「その通りです、平民。ハルケギニアにおいては、ゲートをくぐったものはみな使い魔です」
「使い魔とはなんですか」
「使い魔は貴族に仕える忠実な…………」






「使い魔、あなたは幸福ですか」
「もちろんです、ご主人さま。幸福でいることは使い魔の義務です」
747名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:43:09 ID:dGBbR9p2
むしろ一回目はああやって効く
二度目戦う時はその時奇跡が起こって生き延びてて登場、そして更に克服して適応した新変身モードが追加されてる
それがRX
748名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:44:10 ID:7xrjrGTW
逆にチート要素ないキャラとかどうよ。

デモンズソウルの主人公とか。

ギーシュ戦ぼこられ死
フーケ戦踏み潰され死
対ワルド魔法直撃
「心が折れそうだ……」

アーアー(デンデン)アーアー(デンデン)アーアーアーアーアー
「ここからが本当のゼロの使い魔だ……」
749名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:45:00 ID:i1QCG9pj
上条にゃ治癒魔法効かねーしルーンも水系もムリw
右手に体が触れ続けてる訳だし
750名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:46:21 ID:lZvjEHzv
デスノートからニア召喚
部屋から滅多に出ずルイズの部屋が玩具ルーム化
751名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:46:41 ID:yIniMr76
>>742
いやそうではなく。「ここ」に引っ張ってこれそうなリプレイってこと。
パラノイアマスターは好きだけどさ
752名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:48:33 ID:7xrjrGTW
>>751
そういう意味か。
そこはNPC引っ張ってくるとかいっそのことコンピュータ様呼んじゃうとか
適当にサイコロ振ってキャラ作っちゃうとかDO?
753名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:50:31 ID:1Iabe6sE
クラッシュが召喚されたらどんな扱いになるんだろうか
754名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:52:07 ID:qmYxHnaX
>>744
ルイズ「五つの力を司るペンダゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!」
 ↓
ちゅっ
 ↓
当麻「むぐっ!? ちょ、いきなり何を……ぐっ、ぐあぁあああ!! 左手が熱いぃぃいい!!」
 ↓
思わず右手で左手を掴む上条さん
 ↓
当麻「あれ、痛みが消えた? うーん、何だったんだ……」
 ↓
コッパゲ「む? ルーンが刻まれていないな。仕方がない。ミス・ヴァリエール、もう一度コントラクト・サーヴァントだ」
 ↓
ルイズ「ええー!? ああもう、五つの力を(ry」
 ↓
以下無限ループ



……こんな感じ?
755名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 00:56:37 ID:U98m8efO
ルイズ「この馬鹿犬!馬鹿犬!馬鹿犬っ!!」

男「痛い痛い!ルイズ様痛いいた 私だ」

ルイズ「お前だったのか」

ブリミル「また騙されたな」

ルイズ「全然気付かなかった」

ブリミル「私の勝ちだな」

ルイズ「私の負けだ」

ブリミル「暇を持て余した」

ルイズ「神々の」

ルイズ・ブリミル「「遊び」」
756名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 01:14:27 ID:5E2I9EEP
>>754の後だから似たようなネタかと思ったら、まさかのコント改変ネタで噴いたw
757名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 01:15:37 ID:VbTD8RyI
ブリミルさん何やってんすかwww
758名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 01:19:13 ID:pe9gwt3S
ってかしつこいよ、このネタ
759名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 01:46:04 ID:5E2I9EEP
まぁ、既出は既出よね
760名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 01:58:50 ID:5yeMx/IJ
>>752
>適当にサイコロ振ってキャラ作っちゃうとかDO?
……それ「ネット上の」じゃダメな理由の一つでもある「オリキャラ」ってやつでないの?
761名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 01:59:00 ID:rhw31FQ5
しかし不覚にも吹いた……何か悔しいw
762名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 03:04:50 ID:dGBbR9p2
>>749
それはあくまでもあの世界の魔法とかに対しての現象だから
ハルケのは全部素通りする可能性がかなり高い
763名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 03:58:56 ID:2EZcYHXF
有効かどうかは五分五分じゃないか?
764名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 04:02:04 ID:BudycJyi
うん。
「かなり高い」とか言われてもな。
765名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 04:09:06 ID:yIniMr76
100パーセント、そこそこ以上に有効でしょうよ
書き手はそれを望んで召喚するんだもの
766名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 04:32:50 ID:N3rlk6Sv
そもそも、幻想殺し自体よくわかんない部分もあるしね。

治癒魔法だって、ピンポイントで秘薬を塗った部分だけに作用するのか、
無関係に体全体に効果があるのかで、解釈が変わるわけだし。
767名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 05:31:02 ID:k9bwDjHk
避難所に代理希望居るんだが
俺携帯だから誰か頼む
768名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 06:17:25 ID:ZYOlLvTW
自分じゃ出来ない奴が、頼まれもしないのに他の人に「代理頼む」って言うのウザイ
769名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 06:27:13 ID:k9bwDjHk
すまんこ
家に居たら俺がやるんだが‥
770名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 06:42:47 ID:ZYOlLvTW
家に帰っても投下されてなかったら自分で投下すれば良いじゃない……
771ゼロ 青い雪と赤い雨 8話:代理:2010/01/30(土) 07:15:42 ID:DS8+zyrq
深夜、まるで流れる風さえも眠ってしまったかの様な静寂の中に、尋常ではない衝撃が響いた。
その轟音はかの雷神の槌を思わせる程で、夢の世界での生活を満喫していた生徒達は、強制的に現実に引き戻される事となった。
その中でも幾分寝起きが良い物は即座に外に飛び出し、その原因を知る事ができたが、知る事が出来た者の方が不幸であったかもしれない。
それは30メイルはあろうかという巨大なゴーレムであった。

『土くれのフーケ』そう呼称される盗賊がいる。
強力な固定化を物ともせず、錠前や壁を『錬金』で土くれに変質させてしまう事からそう呼称される様になった。
しかしその手口に一貫性がある訳ではなく、先述の様な巨大なゴーレムを操り屋敷を粉々にして盗み出す等の手口が用いられる事も多々あった。
そして、誠に不名誉な事にトリステイン魔法学院の宝物庫もその一例に加えられてしまったという訳である。
―――決闘の際の流れ弾によって大きな亀裂が入っていた という原因もあるのだが。

そして誰にとっての不幸かは知らないが、何者かが宝物庫から何かを持ち去る所を目撃したのが、
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、その人であった。

即座にその現場に共に居合わせたタバサ・キュルケは、更に轟音を聞きつけてルイズの元に現れたアトリを伴いオールドオスマンへ報告へ行く。
教師達の不手際、怠慢を叱責した後にオールドオスマンは高らかに、且つ威厳を持って告げる。

「では、捜索隊を編成する。我と思う者は杖を掲げよ」

即座に揚がった杖が1つ。
燃え上がる様な髪を持った少女、キュルケの物である。
「やめとけ、何が起こるかわからねぇんだ。」
「あら♪アトリったら私の事心配してくれるの?さすがダーリンね♪でもだからって態々この私の目の前で盗んでくれた盗賊に落し前をつけない訳にいかないでしょう?」
そう言い放つ彼女の灼眼は文字通り、灼熱の炎を湛えているかの様であり、「この女はもう止まらない」と周囲を諦めさせるのに十分な説得力を持っていた。
それを一瞥したタバサがため息交じりに杖を掲げる。
「キュルケが心配」
「お前ら・・・じゃぁ勝手にしな」
「ええ、勝手にさせて貰うわ」
「・・!おい、お前も行く気かよ」
キュルケとタバサの意思が揺らがないとみて突き放したアトリであったが、
ルイズが杖を上げると驚き(焦り?)を隠せずにいる。
ルイズにとってはそれが見ていて面白かったのだろう、その表情は「いたずら娘」のそれにたちかわっている。
「いい?アトリも来るのよ!私の使い魔なんだからね!」
「チッ・・・しょうがねぇな」
人が忠告してやったのによ・・・、と思わないでもないが、
杖を軽く自分の顔に向け、上目使いにそうのたまう小さなご主人に、使い魔はぶっきら棒に応えるのだった。
772ゼロ 青い雪と赤い雨 8話:代理:2010/01/30(土) 07:17:47 ID:DS8+zyrq
余談になるが、アトリが主より命ぜられている事はこれまで、「主の身を守る」という一点のみであった。
即ち召喚されてから1週間強、仕事を呼ばれる様な事は何もしていなかった事になる。
本来ならば職務怠慢との誹りを免れ得ない所である。が、「身を守る様な状態にならない」事が一番良いのであり、
よってこれは怠慢ではない。というルイズの自己完結によって事なきを得ていた訳であった。
しかし遂に今、ここにアトリ脱NEET宣言が発令されたのだ。

閑話休題

明朝、既にその場所を突き止めていたミス・ロングビルと共に一行は、雲一つない晴天の中、馬車で出発する事となった。
有数の貴族が揃い踏みでの馬車での移動ではあるが、
本を読む者、手綱を握る物、誘惑する者、制止する者、何を考えているか解らない者。
五者五様ではあったが、傍目にも"優雅"という言葉に似つかわしいと言える者は皆無であった。

暫く馬車を進めると開けた場所に出た。森の中の空き地と言った風情であり、彼女達の眼には中央に廃屋が映るのみである。

「付近の農家からの聞き込みでは、ここである事はほぼ間違いありません。」
とのミス・ロングビルの言を受け、一先ず茂みに身を隠し軍議―――もとい井戸端会議を開始する。
相手は『土くれのフーケ』用心するに過ぎたるはない。


「奇襲が一番」
とはタバサの言である。幼い体躯に似つかわしくない無機的な光彩を放つ瞳を持つ少女は、慣れた手つきで作戦を説明する。
その概要はこうである。
まず偵察係兼囮が小屋の中を視認、中にフーケがいるのであれば小屋ごと攻撃する。
居ないのであれば、それはまた追って考えればよい。
居た場合、廃屋は間違いなく壊れるであろうが、持ち主から苦情がくれば弁償すればいい。
貴族達にとっては造作もない事であるし、何よりそれくらいの経費は学園から出て然るべきである。
問題は最も危険な偵察任務を誰が行くかという事である。
773ゼロ 青い雪と赤い雨 8話:代理:2010/01/30(土) 07:20:16 ID:DS8+zyrq
「俺がやるぜ」
「アトリ、危ないわよ!」
いつも気丈な鳶色の瞳が、今は心配の色で塗り潰されている。
「ったく・・・お前がやったら危なくなくなる訳でもねぇだろう、俺なら大丈夫だ」
「でも――――」
使い魔の気づかいが嬉しくない訳では無いが、それで心配が薄れる訳ではない。
ルイズは即座に反語を口にしたが、アトリの優しい表情と頭に置かれた手がそれを遮った。

ずるい。 ルイズはただそう思った。
その顔されたらもう何も言えなくなってしまう。
叱る訳にもいかない。
ずるい。

「彼が適任」
「そうね♪ダーリンなら万が一攻撃されても平気そうだし」
ルイズの気も知らないで、蒼氷色の灼熱色の対照的な瞳を持った少女達が追認する。
ギーシュとの決闘を目の当たりにした2人に心配する気配は無い。


結論から言ってしまえば廃屋には何者も存在しなかった。
「誰もいねぇよ」
そうつまらなそうに呟いて中に入っていくアトリに続いて、キュルケとタバサが中に入っていく。
ルイズは表を見張り、ミス・ロングビルは「辺りを偵察してきます。」と廃屋の裏の方へ向かった。
「手掛かりを探す」
「手掛かりっていってもねぇ・・・・」
廃屋の中は外見通りあまり広くなく、そこにあるのはチェストと小さないすと机、そして簡素なベッドだけであった。
そして意外にもあっけなく「伝説の剣」はそのチェストの中から見つかってしまった。
タバサはそれを無造作に持ち上げると同行していたアトリとキュルケに見せる。
実戦向きに作られた物なのだろう、装飾等がされている訳ではなかったが、
それは"伝説の剣"と呼ぶに相応しい重厚な井出達の鞘に包まれた、恐らく大剣であった。
「あっけないわね!」
キュルケが叫ぶのとほぼ同時であった。
廃屋が音を立てて崩れだした。
30mを超えるゴーレムが現れ、その大きな腕を廃屋にたたきつけたのである。
廃屋は粉々に砕け散り、辺りに破片が飛散した。
ルイズは果敢にも魔法にて攻撃を仕掛ける。
「ファイヤーボール!」
しかし、ルイズのルーンの詠唱の帰結する先は常に爆発である。
今回もその例に漏れる事は無く、無情にもあらぬ方向で爆発が起きたのみであった。
774ゼロ 青い雪と赤い雨 8話:代理:2010/01/30(土) 07:22:26 ID:DS8+zyrq
「嫌よ、私は戦う」
キッとゴーレムを睨みつけながらルイズは続ける。
「私は貴族よ。魔法が使える者を、貴族と呼ぶんじゃないわ」
ルイズは杖を握りしめる力を強める。 「敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ! 」
そして杖を振り下ろす。

これが彼女が小さな頃、姉にが呼んでくれたおとぎ話の世界であったならば、
ルイズは今魔法を成功させてゴーレムを倒し、ハッピーエンドとなっただろう。
しかし現実は非情である。結果は変わることはない。
またもあらぬ方向で爆発が起きるのみであった。

すかさずルイズは次の呪文を詠唱しはじめる。
しかしゴーレムがそれを待ってやる道理があろうはずは無い。
ゴーレムがその巨大な腕をルイズに叩きつけんと振り上げたその時―――



ルイズの視界の外、アトリの背に、烈しい光彩を放つ大輪が咲き誇っていた。

775ゼロ 青い雪と赤い雨 8話:代理:2010/01/30(土) 07:25:57 ID:DS8+zyrq
お久しぶりです。8話はここまでになります。
鋼の錬金術師の旧グリードで新しいのを書こうかとも思ったのですが、
完結していない自分の作品を終わらせるのが先だと思い続きを書きました。
約1年ぶりに描いたので正直納得行かない点も多々ありますが、
修正すればする程可笑しくなっていく気がしたのでとりあえず投稿してみました。
質問なんですが、誰かが召喚する訳でもなく、ハルケギニアの住人としてオリジナルキャラを出すのはアリですか?
最後まで出てくるキャラになりそうなんですが、駄目ならプロット練り直します。

以上になります。よろしくお願いします。


--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ということで代理も終了です。
オリキャラの召喚が禁止のこのスレで、最後まで出てくる+プロットに関わる程のオリキャラはさすがに不味いと思います……。
776名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 10:40:56 ID:knZq8Fo0
>>754
上条さんきたssは長らく更新停滞しているからなあ……
上条さん不幸だから、あらかじめ左手を右手でつかんでいたら、額や胸にルーンが刻まれて、
毎回、ルーンが刻まれる場所をはずしまくるんですね。
777名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 10:52:07 ID:JmVb98Uv
50分からSS投下よろしいですか?
オーディンスフィアのオズワルドネタで〜使い魔契約までです

ちょっと自分の文体を変えてみたり挑戦してみたい書き方を試したりと色々と実験をする目的で書いたので
連載するかどうかは分かりません
778序章:2010/01/30(土) 10:57:34 ID:JmVb98Uv
──ある男がお前の命と引き換えに、剣に闇の力が宿るよう願ったのだ……

争いの城下に戦士達の剣戟と哮り声、革命軍と王女軍の戦いは革命の失敗という形で幕を下ろそうとしていた。 その只中を一人の剣士が暗い死を背負い彷徨っていた。
剣士オズワルド「目がかすむ……メルヴィン……どこだ」
死神を見てからだ、体の自由が利かない。 よりによって養父メルヴィンの念願である革命を成すためのこの戦い、この魔剣は課せられた使命を果たすことができないのか。

──時は来たり。 お前に力を与えるモノが、お前の命を蝕み始めたぞ……

ただ養父のため多くの命を奪ってきた。 竜を殺し、魔王の軍勢を殺し、輝かしい武勲を立ててきた。 しかし今その力を出し切れないまま、革命は終わろうとしている。
魔剣は小さな妖精の娘に後れをとり革命軍はもはや総崩れだ。 革命軍の盟主たるメルヴィンも無事ではあるまいが、せめて見つけ出さなければ、大切な父親を。

オズワルドは王の間に弱々しい父の気配を感じ、最後の力で歩を進めた。
剣士オズワルド「メルヴィンか? 見えない」



779序章:2010/01/30(土) 10:58:15 ID:JmVb98Uv


盟主メルヴィン「っ……その様子では、時間切れだな……役立たずめ、こんな時に潰れてしまいおって」
割れそうな心に動揺が走る。
盟主メルヴィン「魔剣の次の使い手を、もっと早く用意しておくべきだった……」
剣士オズワルド「俺のかわりだと? メルヴィン、本当に魔剣のために俺の命を」
力無く問うオズワルドに、死にゆく野心家は嘲りの笑みを零す。
剣士オズワルド「嘘だっ! そんな……」
剣士オズワルド「……俺はお前の何なんだ? 答えろっ!メルヴィン!」
盟主メルヴィン「ハッ、ハハハ……ハハハハ…ハ、お前は、私の持ち駒に過ぎない……捨て駒だ。 私が、王に…なるための……」
最期にそう言い放ち、魔剣士の養父は、魔剣士の所有者だった男は、天に名を返した。

残る革命軍を狩ろうと、押し寄せる兵士達の足音が聞こえる。
全てを失った絶望の中、再びあの死神が見える。
──その剣は死の国へと通じ、使い手はいずれ死の国の女王に正体を奪われるだろう……

780第一幕:2010/01/30(土) 11:00:43 ID:JmVb98Uv
 舞台は学舎、その立派な石造り景観はちょっとした城のようだ。 日は高く、空は青く突き抜けている。
 薄毛の教師に引率され16〜7歳の生徒たちが校庭に集まっている。 その中にひと際真剣な眼差しで佇む少女がいた。


教師コルベール「今日はいよいよ召喚の儀式です。 この使い魔召喚の儀式は神聖なものであり、
           これから貴方がたがメイジとして生きていくのに一生涯のパートナーが決まる重要な…… 」
コルベール先生の揚揚とした挨拶が続く。 彼の演説がこの心を追いつめる。
 私は魔術師の名門ヴァリエール家の三女"ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール"、この儀に失敗は許されない……たとえ今までただの一度も魔法を成功させた事が無いとしても。
同級生達は薄毛の教師の演説を「早く終わらないか」と雑音のように聞き流している。 もう自分の使い魔を召喚したくてたまらないといった様子だ、そして彼らは当然のように召喚に成功するのだろう。
教師コルベール「 ……では、これより春の使い魔召喚の儀式を始めます。 皆さん一人ずつ順番にお願いします。」
 召喚の儀式が始まった。 召喚に成功した誰かの歓喜の声が響いている。 心を惑わされるな!集中するんだ!儀式を成功させるために!

教師コルベール「では次、ミス・ヴァリエール。 サモン・サーヴァントを行ってください。」
 緊張に鼓動が高まる、唾を飲み込み覚悟を決める、気が遠くなりそうな一歩を今踏み出す。  そして静かに目を閉じて……
781第一幕:2010/01/30(土) 11:01:46 ID:JmVb98Uv
生徒ルイズ「宇宙の果てのどこかにいるわたしの僕よ。 神聖で美しく、そして、強力な
 使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ……我が導きに応えなさい!!!」

そして扉は開かれた。 まばゆい光と共に何かの影が現れたのだ。 全てが報われたかのように安堵が訪れ、期待に心は躍った、しかし……
生徒A「なんだ?あれは」
生徒B「ルイズが召喚したのは……人のようだけれど」

 そこに現れたのはぐったりと動かない少年だった、歳の頃は私たちと同じくらいだろう。 死んでいるのだろうか?いや、辛うじて生きてはいるようだ。
 黒い鎧に禍々しい剣、平民の兵士? 失敗だ!サモン・サーヴァントで人間を呼び出すなんて聞いたことが無い。 しかし更に不安を掻き立てるのは……
教師コルベール「ミス・ヴァリエール……」
 皆の空気が重い。 いつもならば私の失敗を楽しそうに囃し立てる同級生たちが黙っている。
 私の召喚した平民は、白髪に端正な顔を有した少年はしかし、どこか不吉で穢らわしい死とでもいうべき臭いを纏っていた。
782第一幕:2010/01/30(土) 11:03:08 ID:JmVb98Uv

しばし沈黙の後、コルベール先生が口を開いた。
教師コルベール「 ……何にせよ、サモン・サーヴァントは成功しました。 ミス・ヴァリエール契約の儀を行ってください」
生徒ルイズ「ミスタ・コルベール! やり直させてください! 平民を使い魔にするなんて、聞いたことがありません! それに……」
教師コルベール「それはできない。春の使い魔召喚の儀式が神聖な儀式だということは、勉強熱心な君はよく知っているだろう。例外は認められない」
生徒ルイズ「しかし!」
教師コルベール「ミス・ヴァリエール、これは伝統なんです」
生徒ルイズ「……」

 大事な使い魔召喚を失敗した失望と不吉な少年への不安の中、私は彼の白髪をかき分けて整った顔を露わにさせると    ……口づけをした。
783名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 11:07:38 ID:JmVb98Uv
以上です
本当に久々の投下だから1レスに対する文章量とか全体の長さとかミスった…

とりあえずギップル真っ青のポエム文、一人称、状況説明は最初の舞台設定を除きキャラクターの独白のみで構成をやってみました
本当はモロに戯曲の脚本ぽく、会話文と超簡潔な説明文のみで作ったのですが>>683のレスにビビって急遽
少し小説っぽく書き直しましたw
784名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 11:48:09 ID:OgITsEen
ああいう口汚いのはスルーでいいですけど
ここの民度もだいぶ下がったからな
785名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:05:17 ID:8Zpwvh5J
そういうこと以前に文章が書けてないものはゴミだろ。
公開しても恥ずかしくない程度のラインにも達していないSSは荒れる元にしかならんし。
餓鬼や厨は一年ROMって、文章の勉強しろ。
786名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:08:39 ID:2tQf3Hg0
会話だけでもいいんだよ、それも表現方法の一つだから。ただし面白くかければな
普通の文章書こうとして台本形式になっちゃいました、ってのは認めないけどな
787名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:14:10 ID:36dQ0uwE
前書きと後書きを見てスルーよゆうでした
788名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:16:38 ID:l2K18MpL
ちょw俺が書いたほうがまだマシだぞww

書かないけど
789名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:19:48 ID:DR3v9Xav
元ネタしらんけど面白かった
恥ずかしいくらいのクサいの好きよw
790名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:23:31 ID:36dQ0uwE
頑張って作った手料理がカップラーメンよりマズかったら料理人やめるべきだと思う
791名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:23:30 ID:8qVjurR0
じゃあ話を変えよう。
まえ言ってたロボット系の召喚でクロノアイズをルイズが呼び出す!
歴史の真実を色々把握したルイズは最後はマンティコア隊の宿舎の横で
若かりし気ころの父親と母親の乳繰り合いを眺めながら時空監視員として生活をする。
792名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:34:11 ID:7RS26m0E
過去の歴史の詳細があまり明かされて無いので殆どが創作つうか捏造になるな
793名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 12:37:06 ID:zAle7TFV
長谷川祐一ナイズされるとルイズとタバサが脱がされるぞw
あのセンセーぺたん娘ダイスキだからな!

んでロボネタ。
ふと呂布トールギスはガンダというより憚られるものだよなぁ…とか思いついて
もうみんな呂布で良いよね!とか発展した。
こんな感じで
ガンダ:真・三国無双呂布
ヴィンダ:恋姫呂布
ミョズ:三国志大戦呂布(プレイヤー補正付き)
憚られる:蒼天呂布

あれトールギス何処行った?
794名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 13:00:11 ID:nwVXLMTf
長谷川祐一と聞いて、ダイソードの世界に魔法学院ごと逆召喚される展開を想像したw
795名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 13:08:06 ID:lZvjEHzv
空想科学大戦シリーズの猫柳田博士を召喚して
ゼロ魔の世界にリアリズムを追求させれば
796名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 13:20:06 ID:7xrjrGTW
長谷川先生は触手界の重鎮ですぞ!
タバサ触手攻め長谷川絵での想像余裕でした
797名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 14:12:41 ID:PgjCETyh
>>783
とりあえず消えろよ
798名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 14:13:34 ID:RuMdi6Pq
マップス勢なら人外も多いからルイズは喜ぶな
799名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 14:24:17 ID:qmYxHnaX
しかしあの長谷川節とも言えるセリフ調を再現できる人がいるのだろうか。
800名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 14:38:55 ID:tqV9Gu92
「ツンデレ?」
「ツンデレ
 ツンデレ」

よっしゃあ!出来た!
801名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 14:49:29 ID:rhw31FQ5
>>800
あってるけど違うwww

「始祖よ この戦いは人間の手で片をつけます
 どうか、お手をお貸しにならないで――――」

でよかったんだっけ
802名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:04:16 ID:mMkW5aNa
フーケ辺りに、盗賊らしく頂いていく!!
って言わせればOK。
803名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:06:15 ID:wcxwniCJ
>>802
ルイズたち悪役じゃんよw
804名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:09:31 ID:runeFq5S
ゼロの黒魔道士最高!!
続き楽しみにしてます!!
805名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:09:32 ID:mMkW5aNa
ルイズたちはあれだ・・・青いF91に乗ってる連邦軍ポジションで。
806名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:14:47 ID:JDqHgPPo
長谷川先生で異世界物ならダイソードだと思う。
先生の異世界物は、短編でも結構面白いものが多かったな。
エロ漫画の単行本に乗っていた、ハリアー乗りが異世界でドラゴンと戦う話とかは地味によかった。
ツルペタに目が行きがちだけれど、先生のボーイミーツガールは王道だと思うよ。
807名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:26:04 ID:LHWqoH5j
だが男の子は触手ミーツガールも好きなんでな!
808名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:35:15 ID:8qVjurR0
タバサがハリソンとF91召喚するのも悪くは無い。
809名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 15:43:10 ID:40msyG8X
ハリソンは生粋のロリコンだからタバサが危険だ!?
810名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 16:12:02 ID:V4a56CNG
しかしコンパチヒーローのF91が召喚される
811名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 16:16:16 ID:lZvjEHzv
召喚とは違うけどウルトラマングレートと同化するルイズとか見たい
傍から見たら独り言にしか聞こえないのがいい
812ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:40:12 ID:+310DuhW
各所で本編ネタに対するツッコミ吹きすさぶ中、いかがお過ごしでしょうか?

もう、本ネタから逸脱してしまい、我道を進むしかない黒魔にございます。

さて、そんな次第ですが、投下させていただきとうございます。16:50ごろより、失礼させていただきます。
よろしくお願いいたします。
813ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:50:00 ID:+310DuhW
投下開始でございます
----
ワイヤーの上、ルイズおねえちゃんを抱えたまま、滑る。
火花が散る靴の裏が、焼けつくように熱い。

でも、そんなことも気にならない。
……絶対に許せない。
フォルサテ、待っていろ!!


ゼロの黒魔道士
〜第六十七幕〜 Dive Into The Heart


「よい……しょっと!」
ワイヤーを伝った先は、バブイルの身体の一部、
尖塔の一番先っぽの部分。

「よーし、行くわよっ!ビビ!」
「うんっ!!」
帽子を、深く、深く被り直す。
ここから、フォルサテのいる場所まで。
決して近くは無い。でも、遠くも無い。

自分のためだけに、みんなの命をもてあそぶ……
フォルサテ、絶対に、許すもんか!

「で、ビビ!どっち行けばいいの?」
「……ぇ」
……そういえば……

 “バブイルの中に、あいつらがいる場所へ繋がる扉があるはずだ。
 『悪魔の門』……言葉そのままだね”

……もしかして……これだけしか、手掛かりが、無い……?

「――と、とにかくここじゃ無さそうだし、降りればいいわけよ、ね!?」
「う、うん……」
いきなり、失敗しちゃったなぁ……

でも、『悪魔の門』って言うぐらいだし……
真っ黒で、大きい。多分、そうだと思う。
思うんだけどなぁ……
だけど、絶対に見つける。見つけてやるんだ。

 ・
 ・
 ・

「これを、降りればいいのよね、きっと!」
「……グルグルしそう」
尖塔の中は、長い長い螺旋階段になっていた。
二重螺旋、って言うのかな?
階段が二重になっていて、同じようにグルグルした長いのが、
ボク達が下っている反対側の壁に寄り添うように伸びている。
それにしても、長い。
これだけの高さの尖塔だから、当たり前といえば当たり前なんだろうけど……
814ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:51:02 ID:+310DuhW
「急ぎましょ!ビビ、あいつ許せないんでしょ?」
「……うん!」
そうだ。
そんなこと考えている場合じゃないんだ。
『悪魔の門』を急いでみつけないと……!

「あ、ちょ、ちょっと!?
 ビビ、焦りすぎないでよ!?なんか危なっかし……
 きゃっ!?だ、大丈夫っ!?」
……焦りすぎは、危険。そう思うんだ。
流石に、二段飛ばしで降りるのは無茶みたい……
『心は熱くても、頭は冷静に』……うん、その通りだ。気を付けなきゃ……

「もー……しっかりしなさいよねっ!
 これから、すっごいヤツと戦わなきゃいけないんだから、怪我されたら……」
そう言って、ルイズおねえちゃんが伸ばした手に捕まろうと、手を伸ばす……

そのときだった。
尖塔の壁が、大砲の弾をぶつけられたように、弾け飛んだ。
「きゃぁっ!?」
「う、うわっ!?」
「GRRRRRRR……GWOOOOOOOOOOOO!!」
折りたたまれた翼を広げて、
銀竜が、その姿を現した。
壁をぶち破って、ボク達を、襲いに?
こんなところで、やられるわけには、いかない!

「デルフっ!!」
「……」
「デルフ?」
デルフを握り締める。でも、なんだろう、いつもと、違う。
確かに、『ガンダールヴ』の力が湧いてはいるけど……
でも、こう……返ってこない、って感じ。
デルフが、応えてくれない。
シェルがかかった相手に、魔法攻撃をしているような、そんな手ごたえの無さ。
どうしたの?デルフ?本当に、どうしたの?

「び、ビビ、前っ!!」
「う、うわっ!?」
ガキンって目の前で、牙むき出しの口が閉じられる。
危ない。帽子の端っこが、銀竜の鼻先に触れて揺れた。

「デルフ、どうしたのっ!変だよっ!?」
「……あ、あぁ……」
「GWOOO!」
「っ!!せいっ!!」
デルフを振り上げて、叩きつける。
ギンッと、金属と金属が触れあうような音。
硬い。こいつの皮、プロテスがかかっているのかって思うほどに、硬い。
……でも、それ以上に、デルフから力が引き出しきれていない。
いつもだったら、金属相手にだって、傷をつけるぐらいの力は出せるはずなのに……

「くっ……」
「GWRAAA!!」
まずい、避けきれない。防ぎきれない。
思わず目をつむってしまいそうになる……
815ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:52:02 ID:+310DuhW
「『錬金』っ!!」
響いたものは、爆音。
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?」
胴体の大部分を失って、銀竜は苦しみもがいていた。
その体を乗り越えて、ルイズおねえちゃんがこっち側に降りてくる。
「ビビ、大丈夫っ!?」
「る、ルイズおねえちゃん……」
すごい。ルイズおねえちゃんの魔法、本当にすごい。
どんな魔法障壁や皮の厚さも貫いてしまう爆発なんて、聞いたことが無い。
「……わ、悪ぃな、娘っ子……はは……」
それに比べて、デルフの声が本当に弱々しい。
どうしちゃったって言うんだろう、ホント……

「悪ぃな、じゃないわよ!ったく……ビビ、怪我無いわね?」
「う、うん……っ!?ルイズおねえちゃん!!」
「GRRRRR……」「GWOOOO!!」
最初の銀竜の開けた穴から、二体、いやもっと多くの銀竜が入ってきた。
完全に……狙いは、ボク達だ……!

「嘘でしょっ!?」
「ルイズおねえちゃん、急ぐよっ!!」
「あ、当たり前よぉおおっ!!」
二段飛ばしなんて、そんな生易しいものじゃない。
ほとんど、転んでいるのか落ちているのか分からないほどの速さで、
ボク達は螺旋階段を下って行ったんだ……

----
ピコン
ATE 〜セイヴ・ザ・クイーン〜

少女が率いるコンツェルト。
手にはナイフを振りかざし。
「いいかい、面で潰すんだよっ!両翼は平民どもの保護っ!」
少女の指揮で、戦局が動く。
王様の馬と王様の家来、全部揃えて大防戦。

「はっ!水メイジ、前へっ!!」
「回復魔法――放てっ!!」
大通りに溢れ満ちるは、ガリアの命脈、シレ川の水。
悪しき者は押し流し、弱き者を救わんとする、護国の大波。
無理矢理、合わぬ魂を与えられ暴走した屍共は、
その狂えし鼓動を『整えられ』、元の死骸へとその身を戻す。

だが、数が多い。
幾重にも重なる陣容は、兵の身体そのものを盾としていた。

盾の後ろより、飛び出す1体。
向かって左翼、屍にしては素早い動き。
タンタンタタンッと足運び、踊り上がるは敵の影。
1人漏らせば速いもの、左翼の戦列が乱れ出し、
抜け出た屍数十人、そろいもそろって醜悪なる面の皮。
元より死人、死など恐れず、一直線に少女の方へ。
衛兵共が留めようとするも、本能のままに動く者と比すれば反応は遅い。
彼らが最も守らねばならぬ人、その場所まで、最初の一人が辿りつく。

「イザベラ様っ!!」
叫んだころにはもう遅く、唱うる呪文が間に合うべくも無し。
間の抜けた面して、君主の名を呼ぶことが精一杯。
イザベラは呆れる。
本当に馬鹿ステルモール、既成概念とやらにとらわれた頑固者である。
816ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:53:04 ID:+310DuhW
第一、だ。
「ふんっ!!」
誰が、助けて欲しいなんざ泣きごとを言った?
守られるべき少女は、自ら短剣を振るう。
水晶の粉、とでも例えるべきか、水魔法と風魔法の生む剣技。
それが襲撃者の身体に触れるか触れないかという刹那の間に、
斬という音すら立てず、ただただ包みこむように、屍を四散させしめた。

「お、おぉ……」
「――意外って顔だねぇ?無能王の娘はやっぱり無能だとでも思ったかい?」
自嘲気味の皮肉。
これぐらいは言わせてもらっても問題あるまい。
事実、今まで魔法を行使する姿など見せたこともなく、
我儘で、怠惰な、能無し王族と思われていたのはまず間違いないのだから。

「い、いえ、そそそんなめっそうもっ!?おそれ多い――」
「ふんっ!あたしは寛大だからね!どう思われたって構わないさねっ!
 あんたはせいぜい無能呼ばわりされないように働きなっ!」

ならば、そのギャップを利用する。
『不良と捨て犬の法則』という奴の変形バージョンだ。
普段無能である者が、緊急時にあり得ない働きをしてみせる。
兵の支持と士気を上げるのに、そこそこ役立つだろう、というわけだ。

「は、はっ!!」
良い返事。相手を信頼しきった完璧な返礼。効果アリ。
普段からこうして良い返事をしてくれりゃぁいいものだが、
我儘勝手な自分の下ではそうもいかないか。
イザベラは自嘲の笑みを浮かべようと――
「――っ」
ぐらり。
水の中に入ったように、視界が揺らぐ。
地に立ってはいるが、それが足で立っているのか腹で立っているのかすら分からない。
目まいや立ちくらみ、それに類してはいるが、
そんなチャチなものでは無いということを、イザベラは歪む景色の中冷静に判断した。

「(少々、ご無理が祟りましたな)」
囁くように、声が響く。
心に直接届く声。
それが、壊れそうになった五感の中で、リンと鈴の音のように響く。

「(あんたは黙ってなっ!ここが踏ん張りどころなんだよっ!!)」

心の中で返答を。
悪態ではあるものの、イザベラは感謝していた。
その声に、しがみついてよりかかる。
そうすることで、呼吸が整い、なんとか視界が戻ってくる。
声の主に、直接触れ、握り締める。
手にした短刀、そのものに。
『地下水』。
裏社会じゃちょっとは名の知られた暗殺者の正体が、
握った物の精神を操ってしまう短剣だなんて知ってるのはそう多くない。
インテリジェンス・ソードならぬインテリジェンス・ナイフといったところだろうか。

「(必死な姿、応援したいのは山々ですがね。ご忠告申し上げたいことが)」
「(何だってのさ?くだらないことだったら聞かないよ)」
「(俺の言うことが下らないわけないでございましょ?
  あんた様の魔力のコトさ。残り良いトコ2,3発ってとこでしょうね)」
817ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:54:09 ID:+310DuhW
こいつの強みはそれだけではない。
持った者のポテンシャル、すなわち潜在魔力を引き出し、
自由自在に四系統全ての魔法を使うことができるのだ。
『親譲りの無能』とさえ評されるイザベラからすらも引き出すのだから、
その力は大した物だと言えるだろう。

だが、それとて無尽蔵に、とはいかない。
所有者の精神力を確実に食い潰し、やがて使い果たす。
無から有を為す、どんな幻想であっても、それはあり得ないことなのだ。


「(……はっ、そんなことかい)」
「(それ以上無理すると……最悪、身体が壊れちまいますよ、ってハナシだ。
  あんたは嫌いだが、操りやすい体が減るのは嫌なんでね。一応警告させてもらいますよ)」

所詮、ナイフ。
操る者がいなければ文字の通りに手も足も出ないということは重々承知している。
だからこその忠告だ。
地下水にとってみれば、今彼を持つ少女は、ほどよい『宿主』というだけで、別段こだわる必要は無い。

「ハッ!上等じゃぁないか!!」
「ど、どうされました!?」
そのイザベラが、突如吠えた。
喉を震わし、声に出し、気を吐いた。
目まいが何だと言うのだ、身体が何だと言うのだ、とばかりに。

「(上等、でございますか?)」
「(馬鹿にされっぱなしってのはね、我慢ならないんだよ!見返して、やりきって死ねるんなら本望さね!)」

イザベラという女性。
彼女の行動原理をシンプルに形容するならば、『理により無理を通す』というところであろうか。
元々、父に似てチェスの腕前も悪くない。
頭そのものは至極真っ当で、有能であるはずなのに、
あえて無能で無謀を振る舞い続けたことには、それなりの理由が存在する。

あらゆる点で従姉妹であるシャルロット、すなわちタバサに劣り、
父であるジョゼフからは無視をされ、
家臣達はそろいもそろって腹に一物を持ってゴマをするおべっか野郎か、
あるいはあからさまに嫌悪し、心で中指立てて厭々つき従うよう輩ばかり。

そんな彼女にとって、我儘は、唯一許された自己主張だったのだ。
簒奪者の娘と蔑まれ、無能の姫と軽んじられ、似合わぬ冠を嘲笑われた彼女は、
ともすればたやすく折れる心を、無理矢理傲慢に振る舞うことで支えていた。
それが、彼女なりの理であり、無理であっても通さねばならぬ道理であった。
王家のものとして、屈することは許されぬ。
折れた膝には、やがて有象無象が群がり、国そのものが蝕まれるからだ。

そのために、従姉妹にも辛く当った。
嫉妬が無かった、とは言うまい。
明らかに、イザベラはシャルロットを羨んでいた。
イザベラ自身、シャルロットを虐めるときにドス黒い優越感が、心の飢えを満たしたことを認める。
だが同時に、襲いかかったのはいつも決まって、虚しいばかりの罪悪感。
悔いることも許されぬ立場であり、役柄を演じてしまった彼女にとって、
それは自ら背負った磔の十字架であった。
818ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:55:19 ID:+310DuhW
埋まることのない罪の意識は、やがて決壊を迎える。
決定的な事由、火竜山脈における『季節外れの不死鳥の卵』捜索依頼である。
腐れ坊主共との会話の端で出た言葉に、何故乗ってしまったのか。
ロマリアの思惑通りに任務を思いつき、それを指示してしまうという愚行を、何故犯してしまったのか。
クジャから通信で事の顛末を聞いた後、イザベラは一人部屋で泣いた。
たまりにたまった感情が、高慢という仮面で押し隠した全てが、雫となって溢れ出た。
許せなかった。
彼女を全てにおいて凌駕するくせに、彼女に忠実に尽くそうとする従姉妹、シャルロットが。
彼女にとって大切な家族であるのに、無視をし続けた父王、ジョゼフが。
そしてもちろん、彼女自身が。
今までタバサを、彼女の大事なシャルロットを、何度となく死地に遣わせながら、
いざ死の危機に瀕したと聞き、狼狽し涙した、自分自身が。

だからこそ、彼女は今一度、無理を通す。
それが彼女の理であり、通すべき道理だからだ。
その傲慢ぶりを、もう一度だけ発揮する。
これが最期だ。
その後は、罪を償うために修道院にでも入ってやってもいいだろう。
その前に、修道院を取り仕切るロマリアのクソッタレどもの大掃除だ。
あぁ畜生。生臭坊主共め!
ことにかいて、このガリア王の娘であるイザベラ様を騙して、
大事な大事なシャルロットを、虚無だかなんだか知らないが餌扱いしやがっただと?
許せるわけが、無い。

「(またご無茶を……)」
「(あら、無茶しすぎたときには、あんたが止めると思ってたんだけど?)」

ロマリアの糞共に一泡食わせるってことならば、何だって利用してやるつもりだった。
自分の身体?安い代償だ!
彼女は、王女である。
王女の所有物は、己の肉体のみにあらず。
国家そのものが彼女の血肉であり、そこに住む人民こそ魂なのだ。

だから、イザベラはもう1度ギュッと地下水を握り締めた。
信頼と、覚悟を伝えるために。

「(……裸踊りでもさせて、ですか?)」
「(ブッ!?それを今言う!?
  ――あのときの辱め、ここで償えなきゃ溶かして鍋にでもしてやるよっ!
  そうならないよう、知恵と魔力をあたしから絞りだしなっ!!)」
「(上等、でございますな)」

ナイフとの会話にケリをつけ、
もう1度、彼女は大通りを見渡した。
守るべき地が、今飲みこまれている。
守るべき、王女の地が。

「馬鹿ステルモール!前に出るよっ!自陣にひきこもってるだけじゃ守れるもんも守れやしないからねぇっ!」
「は、はっ!ま、前とはっ」
「正面から堂々とッ!行くよっ!!」

王女は、王女らしくあるべし。
大臣の小言がふと思い出される。
いいだろう。王女らしく振る舞ってやる。
覇道たる大通りの真ん中を、堂々と。これ以上、王女らしいものはあるまい?
イザベラは、彼女の中の王女を守るため、
王女と王女の血肉を守るため。
819ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:56:45 ID:+310DuhW
威風堂々、立ち向かうのだ。
----
ピコン
ATE 〜フレイムタン〜

真っ赤な舌が、廊下を這って襲い来る。
骨をも焼き焦がす炎。

だがコルベールは、臆しない。
唱える呪文は最小限。
力を力で抑えるのではなく、力を技で撃ち払う。

剣を交えるがごとく、炎の波が重なって、
火の粉をふりまき爆ぜて散る。

「ふふ、やるな」
火の粉の向こうに、敵の顔。
かつて己が焼いた、部下の顔。
生徒を焼こうとした、敵の顔。

あのとき、確実に命を奪っていれば……
いや、過去を省みてなんとする。コルベールは自身を諌めた。
見つめるべきは、現在。炎の中の、敵。

メンヌヴィルの次の動きを見て、コルベールは撥ねた。
窓を突き破り、その向こうへ。
刹那、業を焼き尽くす地獄の舌が、廊下を満たす。
壁も天井も焼きつくし、ズ、ズ、ズと学院が崩れる。

窓から逃げたコルベールは、そのまま広場の方へと逃げた。
距離をとらねば。
戦闘を続けていた者と、長年遠ざかっていた者では差。
コルベールはそれを確かに実感していた。

火の魔法が、他の魔法と圧倒的に違う点。
それはこと戦闘において『小細工が必要ない』ことだ。
振ればそのまま敵を払い、撃てばそのまま敵を穿つ、まさに破壊の象徴。
その意味において、メンヌヴィルは最高クラスの炎の使い手となっていた。
一切の小細工を打ち捨てた力そのもの、
かつてコルベールが持っていた、非情なる力そのものに。

「どうした!隊長殿?逃げ回るばかりではないか、えぇ?
 いつの間にチキンに成り下がってしまったんだ!?」

闇から、声が届く。
学院の壁に反射し、重なる。
輪唱のように、笑い声がこだまする。
どこだ、敵はどこだ。
宵闇の中見渡しても見えぬ。
それは敵も同じ、と言いたいところだが、そうはいかぬ。
相手は盲人。元より闇の中の住人。
暗がりのみを友として、牙を磨き続けた獣。

ジリッと音がする。木の葉が燃える微かな音。
身を、よじる。

焼き焦がす熱。
質量のある炎。
圧倒的な破壊力。
かすっただけで、重心が崩される。
820ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:57:48 ID:+310DuhW
「惜しい!マントが焦げただけか!
 しかし次は体だ! 貴様の燃え尽きる匂いを嗅がせてくれよ、えぇ!?
 この、オレに!オレを!感じさせてくれよ!ははははははははははははは!!」
「くっ……」

逃げる。
逃げる。
闇の中、コルベールは逃げる。

やがて出るのは中庭の1つ。
見通しが効く。これだ。
少しでも、闇の中で盲人相手に勝機を見出すとすれば、
見通しの良い場所に出ねば話にならない。

それでも、中庭を囲むように、植え込みの藪。
隠れる場所は、無くは無い。
ドッドッドッと、心音が上がる。
これからの一足一挙動が、ある意味で賭けなのだ。

「最高の舞台を用意してやったよ、えぇ?隊長殿……
 鬼ごっこはもうお終い。残念だぜ、えぇ?楽しい時間はあっと言う間だな!」
どこから聞こえるのか、皆目検討はつかない。
中庭が、濛々と立ち上るメンヌヴィルの熱気と殺気に満たされたかのようであった。

「なぁ、メンヌヴィルくん。お願いがある」
「悪いんだが、焼き加減はウェルダンに決めているんでね、えぇ?
 焼き始めの場所ぐらいは聞いておいてやるさ。なぁに、昔馴染だろう、えぇ?」

息をするのを、忘れそうになる。
コルベールは、溜息のように短く息を吐き出し、吸い込んだ。

「降参して欲しい。私はもう、魔法で人を殺さぬと決めたのだ」

だからこそ、教師になった。
破壊以外の、炎の使い道を、考え教えるために。

「おいおいおい……学校ってのは生徒だけじゃなく、先生も馬鹿になっちまうものか、えぇ?
 いいか? 俺は、お前が見える。 お前は、俺が見えない。 理解したか、えぇ?
 どう逆立ちしたって、貴様に勝ち目は無いだろうが!」
「そこを曲げてお願い申し上げる。このとおりだ」

見えぬ相手なれど、頭を垂れて願う。
半分は、本気。彼の本心からの願い。
だが、もう半分は、冷静な武人であったころの非情な思惑。
すなわち勝機を誘うための、演技。

「――なぁ、隊長殿?いぃや、もうあんたは俺の憧れた隊長殿じゃねぇや、えぇ!?
 腑抜けだ!あぁ、糞ったれの間抜け野郎だ!脳味噌までとろけ切ったボケ爺だ!
 そんなお前を、二十年間追い続けた俺も同じって言いたいのか、えぇ!?」

案の定、である。メンヌヴィルが吼えた。
相手の激昂。これがコルベールの狙った勝機だ。
怒り狂った獣は、攻撃が単調になりやすい。
コルベールの狙いはそこにあった。

ただ、誤算があるとすれば。
821ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 16:58:48 ID:+310DuhW
「……決めたぜ。お前が来ないってんならよ、えぇ?
 俺様は好きな物は先に食う方なんだがよ……貴様が腰抜けなせいで優先順位が変わっちまった。
 ガキ共の柔肌の方が燃やし甲斐があるってもんだぜ、えぇ?」
「っ!!」

コルベールは、教師だ。
仮面の演技が、いつしか本物となり、
愛すべき生徒達に、馬鹿にされながらも囲まれて、
コルベールは今や心身共に教師だ。
だから、怒る。
大きな誤算。それは自らの怒りを制御しきれぬこと。
コルベールは、かつての武人としての冷静な頭脳ではなく、
愛すべき生徒を守る教師の魂を、今燃やしていた。

「お?いいねぇ!そうだよ!怒りだ!その怒りを感じさせてくれよ、えぇ!?
 お前の大切な生徒だろ?ほぅら、もっともっとだ!もっと実感させてくれよ!」
「いいえ……あなたには、もう感じることすらできないでしょう」
「だろうなぁ!お前が黒っ焦げの炭になっちまうのはもうすぐだもんな!ははははは!」

小細工無用、力と力が、ぶつかり合う。
魔法学院の中庭で、今また、炎と怒りが交差する。


----

「……ぜぇ……ぜぇ……や、やめて欲しいわね、ホント……」
尖塔を降り切った先、出口の光が見えたのはいいけど、
その先がまた酷かった。
「……ゾンビと……銀竜……こんなに……」
街の中……ボロボロだから、多分遺跡だと思うけど……
そこら中を、モンスターが埋め尽くしている。
エンカウントしないで、先に進むのは、かなり厳しい。
そもそも、建物の壁を見ても分かるけど、
この街は迷路みたいに入り組んでいる。
これじゃ、どっちに行けば『悪魔の門』かだなんて……

「……右、だな……」
「デルフ?」
デルフが、小さくポツンと呟いた。

「右だ……相棒、多分右、だぜ……そこに例の『門』があらぁ……」
「どーしてあんたに分かるのよ?」
ルイズおねえちゃんが、疑わしそうに聞く。
……そうだよ、ね……?なんで、デルフがそんなこと知ってるの……?

「分かんねぇ……ちくしょ、こう、うまく言えないんだがよぉ……
 頭が割れそうだわ……頭なんざ無ぇけど……はは……」
デルフの声が、苦しそうに聞こえる。

「……右、だったね」
「ビビ!?あぁ、もう!勝手に行かないでよっ!!」
ボクは、デルフの相棒で、
相棒っていうのは、お互いを信用しなくちゃいけない。
だから……行くべき道は、はっきりしていた。
822ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 17:00:22 ID:+310DuhW
「はぁああっ!!」
「『錬金』っ!『錬金』っ!!『レビテーション』っ!!」
「GROWWWW!?」「GYAAAAM!!」
かき分けて、かき分けて、進む。
ちょっとずつ、それでも、確実に。
その先の道を、信じて。
 ・
 ・
 ・

しばらく進むと、何だか、空気が濃くなったような感じがしたんだ。
「ビビ、あれっ!!」
「……? !! 『虹』!?」
建物の影に隠れて分かりにくかったんだけど、間違いなく、『虹』だった。
歪んだ色が、幾重にも重なって、それが柱みたいに、空の高くまで伸びて……
いや、違う。
空から、伸びてきて、地面に向かっている?
まるで、何かに、吸い込まれるかのように……

「『悪魔の門』って、あの先じゃない!?」
「……うん!!」
確かに、それっぽい。
魂を飲み込むなんて、いかにも『悪魔』って感じがする。
それに、この空気の濃さ……大きな魔力の存在がすぐ傍にあるって感覚。
いかにも、って感じだ。

「行くわよっ!!」
「うんっ!!」
まだまだ襲い掛かるゾンビを振り払って、ボク達は遺跡の奥へ奥へと進んでいった。

 ・
 ・
 ・

「これが……『悪魔の門』っ!?」
『虹』の柱の下の端っこ、それは、思ってたものとは大分様子が違っていた。
まず、その色は真っ黒なんかじゃなく、真っ白に輝いていた。
『虹』のいくつもの光が、赤や緑や青や黄色、そんな色の光がいくつも重なって白く光って見える。
その光が、大きく広がって、扉というか、鏡というか……これだと、まるで……
「『召喚の扉』……?」
そう、ボクがこの世界に呼ばれたときにくぐったような、召喚の扉にそっくりだ。
白く光って……
あ、と思い出したんだ。
この光って、『輝く島』のものに似ているんだってことに、やっと気がついた。
テラから漏れ出た、テラやガイアの魂の光……『輝く島』の光そのものじゃないか。

これが、悪魔の門なら、この先に……!

「――で、どうする、ビビ?」
「……決まってる、でしょ?」
「GWAAAMM!」「GRLLLLLL!!」
背後からは、まだまだ銀竜やゾンビ達がこっちに向かってきているのが分かる。
ボクは、デルフを握りなおして、反対の手で、ルイズおねえちゃんの手を、しっかりと握った。
離れないように、しっかりと。
「……行くよ!」
「えぇ!悪い奴らを倒しに、ね!!」

襲い掛かるモンスター達をボク達は振りきって、
光の中へと、飛び込んだ。
その先に待つ物がなんだろうと、構うことなく……
823ゼロの黒魔道士 ◆ICfirDiULM :2010/01/30(土) 17:01:24 ID:+310DuhW
----
以上、でございます。
次回からラストダンジョンへと流れ込むわけですが、
今更ながら、本編に対する本作品のスタンスをば。
クロス元のFFの方もそうなんですが、基本『拾えるネタは拾っていく』という姿勢で参ります。
これは、使えるネタさえあれば、『○○巻までのネタ』と区切る度胸が無いというのと、
最新作・巻でも使えそうなネタあらばガンガン拾っていくという心づもりでございまして、
それにより少しでもおもしろくなればいいなぁ、なんてなことを考えております。
……少々、本編と剥離・矛盾する点がありますことはご勘弁を……ワルドとかジョゼットとかジュリオとかーorz

まぁ、さておき、いよいよラストダンジョンでございます。後戻りはできません。

=ァ 興味無いね
    嫌いだから毒吐いちゃうもんねー、ケッ!
    暇だから読んでやらんこともない
  
そんな感じでよろしくお願い足します。
では、お目汚し、失礼いたしました。
824名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 17:14:45 ID:b/1EnMu7
乙、後戻り出来ないこの状況
セーブファイルの予備を作るのは最早常識

もうジェイドやシルクスの塔の悪夢はごめんこうむる

「さぁ行こうよみんな」
次回も楽しみに待っております
825名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 18:40:11 ID:yIniMr76
イザベラがかっこいい、だと…?
乙です。次回も待ってます!
826名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 18:47:50 ID:GJji6spT

そうか、では氷の洞窟の悪夢を・・・・

マインドフレア先生とダークウィザード先生はトラウマ
827名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 19:34:51 ID:V4a56CNG
なんかイザベラが好きになってきた自分が居るぞ
828名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 19:48:31 ID:OxoYx9Yh
wikiが消滅してるんだけどどうなってるの?
829名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 19:51:49 ID:ywZ4jIMz
鯖落ちしてんだろ、いちいち喚くんじゃねーよカス
830名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 20:19:03 ID:zr/HS+Qv
>>829
いや、鯖落ちの前に「全ページが消失した」状態になってたんで俺も何ごとかと思った。
今は回復してるようだからまあいいんだけど。
831名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 20:36:37 ID:wA50F3/B
劇場版の予告だな
832名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 21:46:25 ID:sIFQsBaS
>>823
逃がさん・・・お前だけは・・・
833名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 21:46:43 ID:W6hfVd08
ドロッセルお嬢様とゲデヒトニスを召喚したいがディズニーだから困る。
834名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 21:50:13 ID:2tQf3Hg0
モンモランシーとフーケのゴーレムで代用すればおk
835名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 22:40:58 ID:z9fIz/7x
久々の投下ラッシュに乗り遅れたorz
836名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 22:59:47 ID:YLFBBnDr
SEEDの人まだ〜?
837名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:00:41 ID:hliX5cwP
>>833
召喚したとしてもだぜ
あのノリと間とエスプリっぽいものを文章で再現するのは難しくないか

魔法の国ザンスからドオア召喚とかどうだろう

「彼女の欠点は?」 
「つるぺたなんだ」
「…!あ、あんた何してるの?!」
「黙っててよ、君の悩みを解決してあげようってんだから。つるペたってどういう意味?」 
「この年頃にあるべき胸がないってことだよ。そんなことも分からんのか、マヌケ」

みたいな会話でルイズを懐柔する…ねーよなー
838名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:12:45 ID:DqM/nsxr
>>836
>>86
839名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:13:00 ID:+310DuhW
>833
「キスね」
「キスでございますね、お嬢様」
「ファーストだったわね」
「はい、初めての貴重なヴァージンキッスでございました」
「奪われたか」
「強奪された、と言い変えてもよろしいかと」

「な、何くっちゃべってるのよ!?ゴーレム!?」

うーん、召喚シーンの会話がちょっとしか浮かばない……センス無いなぁ、俺w
人間と機械が戦争してる世界なんだよな、元ネタ?
840名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:17:49 ID:U6jzBTwi
あああなんも書いてないからなんか書こうと思ってたネタ忘れてしまった……
wikiが不調っぽいからわからないけどコブラとかって召喚されてたっけ?
841名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:21:19 ID:Vv6c/Z1j
欝フラグブレイカーとして活躍しそうだな
842名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:24:43 ID:z9fIz/7x
小ネタで大活躍だったぞ、コブラ
843名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:28:43 ID:b/1EnMu7
>>832

「ワグナス!異次元から脱出できたと思ったら子供の使い魔になれとか言われた!!」
「ダンターグめ!だからあんな露骨に怪しい鏡に触れるなと言ったのだ!!」
「・・・奴を責めることは出来まい、むしろクジンシーにマリオネット使って鏡に突入させるのが遅れたボクオーンが悪い」
「分かっておったけどワシの所為かよ、まぁとりあえずここはノエルが使い魔になれば万事解決じゃね?」
「では俺に床で寝食してなすすべも無いままピンクブロンドの下僕として戦い死ねというのか!?」
「そうじゃ、それがハルケギニアの貴族の言う『正しい使い魔の在り方』じゃ」
「火トカゲやモグラには出番も与えずレギュラーの座に居座ったままでか」
「ノエルお兄様!とりあえずこの場の男どもはみんな私の術中に落ちましたわ!!」
「行くか」
「ああ」
「見ていろ」
『必ず探し出して復讐してやる・・・!!』

七英雄が元の世界に戻れると信じて・・・!!<ご愛読ありがとうございました>



思いつくまま書いた、反省はしてます、ごめんちゃい
844名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:38:55 ID:2tQf3Hg0
>>839
ゼロ魔のストーリーが全然進まなそうだなw
845名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 00:37:59 ID:kpYm0eiH
いっそこのノリで各巻ごとに話まとめていけば楽に短編できそうなもんだがな
846名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 00:47:53 ID:AH63vuFV
フラグと言ったらまじんプラナの主人公、フラグビルダーの有人を思い出すな
フラグを立てたヒロインの数知れず、ハルケギニアでも物凄い事になりそうだ

ただ家の倉がハルケギニアに普通に通じてて連れ戻されそうな気もする
847名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 00:49:24 ID:+fRZkCzb
>>845
ディズニーだから止めろってw
そういう事を言いだすのすら止めて欲しいわw
848名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 00:50:46 ID:z2c01w45
>>839
物語の4万8千年以上前に動植物やら自然環境が壊滅、人間は自分たちの統治をロボットに託す。
しかし2万年ほど前に、人類は貴族化したロボットの支配に対し反乱を起こして戦争となった……という設定みたいね

つまりドロッセルは貴族のお嬢様
849名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 01:14:10 ID:d72mV/x2
>>843
例のコラ画像が出てくるからやめてくれ
850名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 01:28:47 ID:+cKpcyEk
>>843
クジンシーの扱いが酷いな。
まぁ、元はただの会社員で当初は七英雄のほぼ全員に不要発言されてたり
他ゲームのゲスト参戦で他の七英雄が高コストの中一人だけ低コストだったりと公式でも扱いが酷いがな。
851名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 01:59:17 ID:Xh2q22g6
七英雄言われると七英雄物語思い出す
852名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 02:04:37 ID:DUgjpTmj
半熟英雄
853名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 02:07:07 ID:NeD8n/7f
アフランシ・シャア召喚
854名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 02:57:59 ID:SpfrufxR
まとめwikiが見えないんだが何かあったのか?
855名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 03:20:29 ID:puLgZgL0 BE:1586441647-PLT(12077)
wiki見れなくなったな
856名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 06:35:29 ID:C0BZqFgE
利用者側(俺たちね)の問題だったら、避難所の運営かwikiスレに報告があるんじゃね?
ググっても分からなかった場合に、一人が「見れない」と報告するか誰も報告しないかで良い。
何も出来ない奴らが見れない見れない言ってても見苦しいだけじゃん?
857名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 08:17:51 ID:BoRfbHg7
メンテ中じゃなかったっけ?
他のところでもこんなことがあったような
858名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 08:24:37 ID:V25B8gNJ
ホント、いちいちうるさいな。
859名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 10:29:09 ID:rD0BIMVJ
携帯からだけど メンテは終わってるようだけど

http://www1.atwiki.jp/guide/m/pages/1957.html?guid=on
860名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 11:20:31 ID:0uBRfWDa
スレイヤーズクロススレにて、次スレを建てる事が決まり、まとめも作ろうかって話になったんだが、
はっきり言ってまとめを作らなくてはいけないような長編はないんだ

ただ、いくつか短編(小ネタ)は投下されていて、このまま消えるってのも勿体無い
良かったらこちらのまとめに入れさせて貰えないだろうか
861名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 11:27:32 ID:wT55CSTu
ファイアボールのノリを再現するなら話の間が十数年開くので
最終話の頃には百年以上経っててルイズの曾孫辺りとじゃれ合ってることになるな
862名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 11:29:05 ID:TsTsXBzk
スレが別ならまとめも別でやってくれ
863名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 11:29:34 ID:C0BZqFgE
作ろうかって話になったなら作れよ。
864名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 11:33:58 ID:C0BZqFgE
>>861
いい加減にディズニーの話やめろよ
なんでだんだん具体的にSSを書くような内容になってんだ
それこそスレもまとめも別に作って勝手にやってくれ
>>862
今もスレが別のをまとめてるぞ
865名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 11:47:46 ID:SzKKps+v
初期の別派生で同時期にスレが彼方此方で立った関係で別スレのも補完してるのと事情が違うだろ
866名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 11:58:49 ID:CbRHCNmI
>>745
そういやそうだよな。ゴルゴムの仕業だ!とかたまに脈絡なかったしw
RX本編でも死んだふりしたことあるしな。
ディケイドとRXの戦いを見直してたらやられたとき体の色がゲル化状態の色だった。
それにあの戦いって一度ダウンさせられたらそれで終わりみたいだったから
スクリーンに起き上がるRXが映ってた気がする、はっきり見えなかったけど。
867名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 12:34:47 ID:0iYDb6M5
新スレ立てて纏め作るなら別でやるべきかと
スレゼロスレの作品って短編より連作の1話2話だけで止まってるって感じだから
受け入れてもエタる作品のリストが増えるだけになるし

流石に埋まると同時に消滅(スレ統合)なら反対はしないけどさ
スレ続けるって言うなら責任持とうよ
868名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 16:14:10 ID:S9xoMklS
「何某の仕業」ネタでは絶対に忘れてはならない奴が居る
電人ザボーガーだ
869名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 16:17:30 ID:a13noEfj
>>868
おっとチャージマン研を忘れてもらっちゃ困るだろ、jk
870ウルトラ5番目の使い魔:2010/01/31(日) 16:46:31 ID:6syzbWiL
黒魔道士の人、乙でした。なんか、このイザベラさまのファンになっちゃいそうです。
 
さてどうも、いつもお世話になっています。
85話の投下準備完了しましたので、これから開始してもよろしいでしょうか。
問題なければ、16:50よりはじめます。
871ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (1/12):2010/01/31(日) 16:51:29 ID:6syzbWiL
 第85話
 蒼月の激闘
 
 高次元捕食体 ボガールモンス
 宇宙大怪獣 ベムスター
 ウルトラマンジャスティス 登場
 
 
 月にはウサギがいて餅をついていると、昔の日本の人々は夜空にロマンを追い、
近代になって月が岩と砂ばかりの荒涼たる世界であると知っても、その強い
思念は、多少はた迷惑な怪獣を生み出すほどに、宇宙の銀世界にひときわ美しく
輝く地球の兄弟星に思いを寄せてきた。
 そうした人間の思いは、時空を超えたハルケギニアの人間にも同じように
宿っており、彼らから見れば夜空に美しく映える青と赤の月は、むしろ余計な
科学的知識がない分、見上げた人々はそこに神秘と敬意を抱き、はるか天上の
神の世界に思いをはせていった。
 
 だが、いまや美と神秘の象徴であった月は、宇宙正義と宇宙悪とが雌雄を
決する血みどろの死闘場と化そうとしていた。
 
「ヘヤッ!」
 右腕を引き、左拳を前に突き出すファイティングポーズをとって油断なく構える
ウルトラマンジャスティスの目の前には、二匹の大怪獣が立ちはだかって
隙を狙っていた。
 一匹は、高次元捕食体ボガールの進化体ボガールモンス、ヤプールによって
再生され、ハルケギニアを餌場として着々と力をつけてきたボガールは、
捕食活動を妨害し続けるジャスティスを倒すために第二形態に進化して挑んだが、
ジャスティスの実力はその想像をはるかに超えており、宇宙のかなたから
新たな怪獣を呼び寄せた。そのもう一体の異形の鳥形怪獣こそ、かつて
ウルトラ兄弟を数度にわたって苦しめ続けた、宇宙大怪獣ベムスターだ。
 
「シュワッ!」
 しかし、相手が何であろうと先手必勝を旨とするジャスティスは、見たことのない
相手であろうと、反撃をさせずに倒してしまえばよいと、ベムスターへ向かって
高速移動で距離をつめて先制攻撃のパンチを繰り出した。
「ゼワッ!」
 掛け声とともにベムスターの左肩付近に命中したパンチが火花を上げる。
それでも、かつてMATの大型ミサイル攻撃にもまったくダメージを負わなかった
ベムスターの堅固な皮膚は、ジャスティスの一撃をも衝撃を緩和して受け取め、
反撃として鋭い一本爪のついた腕を振り下ろしてきた。
(防御力、パワーともにかなりのものだ。だが、恐れるほどではない)
 打撃を受け止めたジャスティスは、冷静にベムスターの力量を分析していき、
今のところは、これまでに戦った敵をしのぐほどではないと判断して、警戒は
続けながら打撃戦を続けていく。
872名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 16:52:40 ID:71/ip0eV
うおー
ウルトラ支援だ!
873ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (2/12):2010/01/31(日) 16:53:25 ID:6syzbWiL
「ヘヤアッ!」
 ボディに連続でパンチを打ち込み、かと思えば足払いを食らわせて月面上に
転がして、背中から抱えて投げ飛ばす。その隙をついてボガールモンスが
破壊光線を撃ってきても見切って回避し、反撃に放った光弾が奴の翼の
一部を抉り取って爆発する。
 もちろん、二体の怪獣は怒りに燃えて反撃するが、ジャスティスは正面から力で
ねじ伏せる。ウルトラ戦士にも戦うスタイルがあり、ウルトラマンのような
万能タイプをはじめとして、セブンのようなテクニカルファイター、タロウのような
パワーファイターと様々だが、ジャスティスはまぎれもなく重量級の戦いを
得意とするヘビー級のストロングファイターであった。
「デヤアッ!」
 渾身の力を込めたダブルパンチが六万一千トンのベムスターの体を、木の葉の
ように軽々と吹き飛ばす。
「デリャァッ!」
 間髪いれずにボガールモンスにも反撃や逃げる隙も与えずに、急速に間合いを
詰めてジャスティススマッシュの至近距離からの連射で痛めつけて、ふらついた
ところで強烈な回し蹴りをくわえてなぎ倒した。
 この、あまりにも一方的な展開をもしジャックやメビウスが見ていたら、その強さに
唖然としていただろう。それほどに異世界の存在であるジャスティスは、
戦闘能力にかけてとぴ抜けていた。
 青い星と赤い月を背にして悠然と立ち、ジャスティスは一見ダンスを踊るように
ふらふらと起き上がってくるボガールモンスを見据えると、両腕を上げて躊躇なく
必殺光線のエネルギー充填の体勢に入った。
「アレハ……」
 ボガールモンスは、一度食らって九死に一生を得た破壊光線の威力を思い出して
戦慄した。あのときは、かろうじて脱皮に成功して離脱できたが、まともに直撃
されていたらひとたまりもなかったであろう。それは進化体となった今でも
そうは変わらないが、だからこそ奴はこの怪獣を呼び寄せたのだ。
 空間移動する隙を与えまいと睨みつけるジャスティスの前で、ボガールモンスは
同じようにふらついているベムスターの後ろに隠れるように回りこんだ。
(ぬ? 手下を盾にするつもりか)
 別に珍しいことではない。追い詰められて仲間を見捨てたり、身代わりにしようとする
宇宙人や怪獣などは人間に限らずごまんといる。そんな共通の醜悪な心根を持つ
破壊者たちをジャスティスは全宇宙で見てきており、だからこそ容赦などする気は
毛頭なく、丸ごと吹き飛ばすべく全力で一撃を放った!
 
『ビクトリューム光線!』
 
 サボテンダーやレッサーボガールを欠片も残さず粉砕した金色のエネルギー流が
一直線にベムスターに向かう。だが、ベムスターがなぜ宇宙大怪獣と呼ばれるのか、
そのゆえんをまだジャスティスは知らなかった。
874ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (3/12):2010/01/31(日) 16:55:10 ID:6syzbWiL
 奴は、真正面からくるビクトリューム光線に対して避けるどころか、五角形が
連なった模様をした腹を突き出すと、その中央部に開いた口に、エネルギー流を
まるで換気扇に吸い込まれていく煙のように軌道を変えて飲み込んでしまったのだ。
(なにっ!?)
 光線を避けたりバリアで跳ね返すならともかく、吸収してしまったことには
ジャスティスも驚いた。だがこれこそがベムスター最大の特徴であり、歴代の
ウルトラ戦士や防衛チームに恐れられた理由なのだ。
 ベムスターは頭についている特殊合金をも食いちぎる口のほかにも、腹に
ついている五角形の吸引アトラクタースパウトという口からあらゆる物体や、
エネルギーさえも吸い取り、体内にあるベムストマックと呼ばれる強力な胃袋で
瞬時に消化して自らのエネルギーに転換してしまう機能を持っており、
この吸収能力のすさまじさは、ジャックのスペシウム光線やメビウスの
メビュームシュートさえも飲み込んでしまったことから証明されている。
 そして、それはすなわち光線技が戦いの決め手であるウルトラ戦士にとって、
まさに天敵ともいえるほどの封じ手になり、今ビクトリューム光線を吸収した
ベムスターは、そのエネルギーを変換することによって宇宙空間を長期間
飛んできて消耗した分を補給し、元気いっぱいとなってジャスティスに
反撃を開始した!
「ヌウォッ!」
 口ばしを突きたてながら突進してきたベムスターを受け止めきれずに、
月面にこすった足跡をつけながらジャスティスは後退した。しかも、ベムスターは
これまでの恨みを晴らすかのように、防御のあいだをかいくぐって打撃を
いれてきて、たまらず距離をとろうとすると奴の頭部に生えている一本角からの
破壊光線、『ベムスタービーム』がジャスティスを吹き飛ばした。
(……やってくれる)
 ダメージを受けながらも、ジャスティスは冷静さを失わずに立ち上がり、
目の前の怪獣を見据えた。まさか、ビクトリューム光線を吸収してしまうとは
思わなかった上に、そのエネルギーが付加された奴のパワーは先程より
跳ね上がっている。
(こんな怪獣がいたとは……!)
 ベムスターは爪を振り上げて、ジャスティスが与えたダメージがなかった
かのように威嚇のポーズをとってくる。最初に見たときに感じた、この怪獣の
自信の理由はこれだったのかとジャスティスは理解した。おそらくは光線だけ
ではなく、火炎や冷凍ガス、カッター光線などの、通常は決め手とされる武器は
ことごとく吸収できるのだろう。これならば、どんな怪獣や宇宙人が相手でも、
最初からきわめて有利に戦える。
 その証拠に、ベムスターの種族は地球をはじめ、宇宙のあちこちに
度々出現して、その最初の一匹がウルトラマンジャックと戦ったのを皮切りに、
その後ウルトラマンタロウ、メビウス、ヒカリとも同種族が戦っているが、
どれも人間の援護やほかのウルトラマンの助力を得てようやく勝てていて、
ウルトラマンが単独で勝利できた例は、ナックル星人が再生させて、
初代とまったく同じシチュエーションでジャックにぶつけた一体を例外として、
実はただの一回も存在しないのである。なにせ、こちらの武器も必殺技も、
なにもかも吸収してエネルギーにしてしまうために手の出しようがないのだ。
875ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (4/12):2010/01/31(日) 16:57:19 ID:6syzbWiL
 必殺光線を連射し、エネルギーを消耗したジャスティスに対して、エネルギーを
吸収したベムスターは元気を増してジャスティスに襲い掛かる。
「ヌワッ、ヌォォッ!」
 鋼鉄をも噛み砕くベムスターの口ばしがジャスティスをつつき、隙を見て
鋭い爪がわき腹や腰を刺し貫こうと狙ってくる。
 また、当たり前のことだがボガールモンスも見物に徹しているわけはなかった。
雷型の破壊光線がベムスタービームと共同でジャスティスに炸裂し、
たまらずによろめいたところで、ベムスターと挟み撃ちにする形で太い腕を
振りかざして接近戦を挑んでくる。
「ヌグゥゥッ!」
 万全の状態ならばこの二体を相手でもジャスティスは問題なく戦えただろうが、
ビクトリューム光線二発の消耗は少なくはなかった。そしてとうとう、これまでの
ハルケギニアでの戦いでは、一度も点滅することのなかったカラータイマーが
赤く鳴り始めてしまった。
「ソロソロアブナイヨウダナ?」
 赤く輝くカラータイマーの点滅が、ウルトラマンの命の灯であることは地球人に
限らず多くの宇宙人に知られており、ジャスティスのエネルギーが残りわずか
だということをそれで知ったボガールモンスは恨みを込めてほくそえんで、
さらに嬉々としてジャスティスを痛めつける。
「……」
 だが、それとてもジャスティスの闘志を折ることはできていなかった。二大怪獣の
猛攻にさらされながらも、じっとその攻撃を耐え、受け流しつつ、エネルギーの
消耗を抑えながら逆転のチャンスを狙い続けていた。
 むろん、ウルトラマンといえども痛みも苦しみも人間同様に存在するので、
その、強靭な精神力は、「さすが」の一言では到底言い表せないほどだったが、
二匹の怪獣は水に落ちた犬に石をぶつけて遊ぶ残忍な子供のように、
一方的にジャスティスをなぶることに狂奔し、はさみ打って抵抗ができないように
しながら、爪で、牙で、角で、さらに光線を撃ちまくる。煮え湯を飲まされ続けた
憎しみと、本来持っていた残忍性、そしてもう一つの目的を達せられそうだという
興奮が、ボガールモンスを駆り立てていた。
「オマエ、ワタシノゴチソウニナレ」
 ボガールモンスの背中についている翼状の器官が巨大化し、食肉植物の葉の
ように大きく広がる。そのグロテスクな姿には、それがなんであるかを知らなくても、
少しでも想像力を持つものであれば、その目的と用途を戦慄と共に悟っただろう。
ボガールの目的は、その始まりから帰結にいたるまで食事をすること以外にはない。
その対象は怪獣にとどまらず、生物であるのなら一切の差別なく食いつくし、
はてはウルトラマンとてその例外ではない。
(私を食う気か……)
 以前の戦いでウルトラマンAを捕食しかけた奴の捕食器官も、本体と同じく進化を
遂げて巨大化し、いまやウルトラマンすら簡単に飲み込んでしまえるくらいに
開いて、背中からジャスティスを食い殺そうと迫った。
「オマエ、ウマソウ、ズットタベタカッタ」
 鞭のように自在に動く尻尾でジャスティスの体を捕獲し、捕食器官で覆いつくす
ようにボガールモンスは迫った。かつて地球に出現したときはメビウスに目をつけて、
ツインテールを囮に使ってまでおびき出し、その後も執念深く狙い続けてついに
果たせなかっただけに、捕食対象としてのウルトラマンにはまだ強い執着を持っていた。
これでジャスティスを食えば、奴は次にベムスターをも捕食しにかかり、あとは
ハルケギニアはおろか、あらゆる星々の生命という生命を滅ぼしにかかるだろう。
まさに、宇宙の全てを食い尽くすまで収まらない食欲の権化。
876ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (5/12):2010/01/31(日) 16:58:39 ID:6syzbWiL
 そしてついに、ジャスティスの体が引きずり込まれるようにして捕食器官に
挟み込まれてしまうと、ボガールモンスは勝利と食事にありつける喜びに、
歓喜の叫びをあげた。だが、奴は食欲に忠実なあまりに、自らの敵が何者であるかを
破壊の快楽の向こうに忘れ去ってしまっていた。
「ヌゥン! デヤァァッ!!」
 突然、収縮しかけたボガールモンスの捕食器官が膨れ上がったかと思うと、
水素ガスを詰め込んだ気球に火がついたかのように、猛烈という言葉すら
生ぬるい大爆発をあげて吹き飛んだ! 
 それは、その瞬間をハルケギニアから見上げたならば、一瞬月が光ったように
見えたであろうほどの火炎を吹き上げ、その火炎の中心部から炎をまとって
現れた戦士の姿を見たとき、背中を丸ごと粉砕されてもだえるボガールモンスは、
狩る者と、狩られる者の立場が逆転したことを知った。
 月面を力強く踏みしめ、何人にも屈しない絶対正義の使徒は今、その胸を
覆うプロテクターを通常の銀色から、邪悪を焼き尽くす太陽の光のような
まばゆい金色に輝かせた、新たな形態にチェンジしていたのだ。
 
『ウルトラマンジャスティス・クラッシャーモード』
 
 それは、ジャスティスが基本形態のスタンダードモードから、本気での戦いを
決意したときにのみ見せる最強の戦闘形態。この二大怪獣を宇宙に逃せば、
また数え切れないほどの命が犠牲になる。それを防ぐために、通常は封印し、
宇宙を荒らしまわった異形生命体サンドロスとの戦いのときでさえ使わなかった、
この力を解き放ったのだ。
「ハアッ!」
 二匹の怪獣を見据え、両腕を左右に大きく開いたジャスティスの腕の先から
光が漏れて、一瞬ジャスティスが光の十字架となったかのように思えると、
さらに両腕を下回りにゆっくりと回していくにつれ、金色に輝くエネルギーが
頭上に光の玉となって収束し始めた。
「コレハ……!?」
 本能的にボガールモンスは、これがビクトリューム光線さえはるかにしのぐ
ほどの超エネルギーを秘めた一撃の前兆だと予知して戦慄した。そして、
再びベムスターを盾にしようとその背後に身を隠し、ベムスターはさらなる
エサを得れる興奮から、捕食者がすぐそばにいることも知らずに、腹の口を
開いて待ち構える。これでは、むざむざとエネルギーを食われるだけだが
ジャスティスはそんなものは見えていないといわんばかりに、エネルギーの
集中をやめない。
「シュワッ……」
 膨大なエネルギーがジャスティスの頭上で、まるで真夏の太陽のように
赤々と燃え上がりながら収束し、解放のときを待っている。
 ここは、一人のウルトラマンと、二匹の怪獣のほかは生命の兆しも見えない
荒涼たる月の世界、誰一人見守る者もなく、見届ける何者もない世界で、
ジャスティスはその身に背負う使命を果たすべく、収束した全エネルギーを
腕を振り下ろすと同時に、煮えたぎる太陽のプロミネンスのような光線に
変えて解き放った!
 
『ダグリューム光線!!』
 
 光の竜のような光芒は狙いたがわずに立ちはだかるベムスターの腹の口に
命中して、吸引アトラクタースパウトに吸い込まれていく。
877ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (6/12):2010/01/31(日) 17:00:17 ID:6syzbWiL
「グフフ……バカメ」
 同じ失敗を二度するとはと、ボガールモンスはせせら笑った。ベムスターは
注ぎ込まれ続けるエネルギーを着々と吸い込み続けて、歓喜の叫びを
高らかにあげている。
 しかし、ジャスティスはカラータイマーの点滅が上がっていってもダグリューム光線を
発射する手を止めない。それは、正義は悪に対しては絶対に背を向けてはならないからだ!
「ヌォォォォォッ!」
 全身の力を込めたダグリューム光線がなおもベムスターに注ぎ込まれ続けると、
やがてベムスターの体に変化が現れ始めた。その体にわずかな亀裂が生じて
木漏れ日のように光が漏れ出したかと思うと、それは一筋、二筋とベムスターの
全身に広がっていき、その後ろに隠れていたボガールモンスをも明るく照らし始めたのだ。
「コ、コレハッ!?」
 ベムスターを倒す方法は大きく分けて三つある。一つは吸収されることのない
物理的な攻撃で攻めることで、ウルトラマンジャックがウルトラセブンから与えられた
新兵器・ウルトラブレスレットの光の剣、ウルトラスパークで切り裂いたことが
これに当たる。
 二つ目は、吸収する隙を与えずに一気に大威力の攻撃を叩き込むことで、
GUYSが粘着弾で腹の口を封じようとした作戦や、ウルトラマンヒカリが
ホットロードシュートで倒したときがそれだ。
 そして最後の一つは、ZATがウルトラマンタロウをも倒したベムスターを
完全撃破したエネルギー爆弾作戦のときのように、吸収しきれないような
エネルギーを叩き込んで内部から吹き飛ばすことだ!
「ヌォォッッッ!!」
 さらに力を増したダグリューム光線が吸引アトラクタースパウトに吸い込まれたとき、
とうとうベムストマックの許容量をも超えたエネルギーは、さしずめ凝縮された
ウラニウムが臨界点を超えたときのように、白光となってすべてを覆い尽くした。
 
「…………」
 
 ベムスターが溜め込んだジャスティスのエネルギーと、ボガールモンスが
溜め込んできた怪獣たちの膨大なエネルギーは一つとなり、無音の世界を
光速で駆け巡ると、月面の1/3を、この星が悠久の時の中で刻んできた
無数のクレーターを、形も残さないほどの大爆発となった。
 二大怪獣も、ジャスティスも炎は厚くて姿は見えない。この大爆発のことは、
ハルケギニアでも肉眼ではっきりと確認できており、翌日の日食のこととも
合わせて、神が見せた奇跡の前兆ではないかと、しばらく人々の口を騒がせる
ことになる。しかし、月の地形をも変えてしまうほどの爆発の中で、ジャスティスは
二大怪獣といっしょに吹き飛んでしまったのだろうか?
 
 月は猛火に包まれて、その火炎の中にはまったく生命のきざしは見えない。
けれど、今は青い月が赤い光で照らすハルケギニアの、どことも知れない森の
一角に、亜空間から光粒子が漏れ出したのに続いて、ジュリが次元の穴から
ワープアウトしてきた。
878ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (7/12):2010/01/31(日) 17:02:05 ID:6syzbWiL
「はあ、はぁ……どうやら、成功したようだな」
 地面の上に降り立ったジュリは、呼吸を整えると、一本の大きな木の根元に
疲れきった体を横たえた。
 あの、二大怪獣が大爆発したタイミングで、火炎はジャスティスが飛んで逃げても
逃げ切れないほどの勢いで広がっていたが、間一髪のところで、彼女は残った
エネルギーを使って、ハルケギニアまで瞬間移動することに成功したのだ。
 ただし、そのために消耗したエネルギーは大きく、ジャスティスはウルトラマンの
姿を保っていることさえ不可能になり、ワープアウトした時点でジュリの姿に戻り、
さらにワープした地点もアルビオンからは大きくずれて、トリステインかゲルマニアか、
ガリアかすらわからなかった。
「少し、無理をしすぎたか……ここまで消耗するとは」
 強大な力には、それに見合った代償が必要になる。ジャスティスにとってもそれは
変わりはなく、圧倒的な強さを誇るクラッシャーモードやダグリューム光線も、通常は
封印されて使わないのは、その強さと引き換えにエネルギーの消耗は莫大で、
多用すればジャスティス自身の生命にも関わるためだ。
「回復には、最低四、五日はかかるか。それまでは戦えないな」
 エネルギーを使いすぎたウルトラマンは、時間が経てば回復するが、かつて
ダメージが溜まりすぎて死亡しかけたセブンのように、無理をすればそれだけ
命を削ってしまう。周りは静まり返った森で、人間の気配はなく、人里から大きく
離れているということだけはわかったが、この星には危険な生物が地球以上に
あふれており、人間の盗賊程度だったら今の状態でも問題ないが、オーク鬼などの
大群にでも襲われたらさすがに危ない。
 ジュリは、ともかく今は下手に動き回らずに回復を待つべきだと目をつぶろうと
思ったが、悪い予感というものはほとんど予知に近い的中率を持つらしく、人間の
匂いを嗅ぎ取ったらしい狼の群れが闇の中からうなり声をあげて現れた。
「やれやれ……」
 ため息をついてジュリは立ち上がると、相当に飢えているらしくよだれを垂らしながら
近づいてくる狼の群れを見下ろした。見たところ、数は三〇匹前後、いつもであれば
相手にもならないが、人間でいえばフルマラソンの後にも匹敵するほどに疲れきった
今では、寿命が削れる程度の無茶をしなければ切り抜けられまい。
 が、無理を押して立ち向かおうとしたジュリの前で、狼たちの反対方向から
闇を裂いて小さな赤い光が飛んできたかと思うと、群れの中で特に大きな狼に
突き刺さった。
「矢か……いや」
 その赤い光の正体が、矢に取り付けられた導火線の火だとわかったときには
突き刺さった矢は真っ赤な炎をあげて爆発し、その狼を尻尾の先などのわずかな
肉片を残して粉砕し、さらにそいつがこの群れのボスだったようで、ほかの狼たちも
一気に散を乱して逃げ出していった。
「おいあんた、そんなところで何してるんだい?」
 振り返ってみると、そこには革の胴着やよれた綿のズボンなどのみすぼらしい、
いや、この森の中では機動性と保護色をかねているのだろうと思われる服を
着た女が、今使ったと思われる弓を持って立っていた。
879ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (8/12):2010/01/31(日) 17:03:05 ID:6syzbWiL
「人間か……」
「おいおい、助けてやったのに第一声がそれかい。まあこんなところじゃ亜人と
間違えても無理はないけどさ、確かにあたしは人間さ、それで満足かい?」
 黒い髪を短く刈りそろえて顔にわずかにかけたその女性は、興味と警戒心を
半分ずつ込めた目でこちらを見ていたが、ジュリはそれがヤプールの刺客や、
知能の低い亜人種ではなく、本当に単なる人間だとわかるとほっと息をついた。
「すまないな、おかげで助かった」
「なあに、たまたま通りすがっただけさ。それにしても、あんたこそこんなところに
何の用だい。このファンガスの森は今でこそ落ち着いてるけど、それでも
狼や熊が頻繁にうろついてるんだよ」
 月明かりの中を歩いてくるにつれて、その女性の容姿も詳しくわかってきた。
先の服装や髪の色に加えて、よく日焼けした顔立ちにはわずかに少女っぽさが
残っており、見るところまだ十代の後半から二十代の前半あたりだろう。
だがそれよりも、彼女が手に持った弓につがえられた矢の先端部には、火薬筒と
思われる円筒が取り付けられており、見かけに不釣合いなほどの重装備が
ジュリの目を引いた。これならば重さで射程距離は落ちるだろうが、命中すれば
熊であろうと一発で仕留められるだろう。
「お前、兵士か?」
「ん? ああ、これのことかい。あいにくと、あたしはただの狩人さ。昔ここじゃ
ちょいと面倒な獲物を狩ってたから、ないと落ち着かなくてね。それよりも、
いいかげんこっちの質問にも答えなよ。変わったかっこだけど、一番近い街からも
一〇リーグ以上離れたこんな辺ぴな場所に何のようだい?」
「……旅の途中で、どうやら道を間違えたらしくてな」
 あながち嘘でもない答えを返すと、若い女は愉快そうに笑った。
「あっはっはっは! それでこんなところまで迷い込んでくるとは、たいした
方向オンチだねえ。けどまあ、ここにはわざわざ物取りが狙いにくるような
もんは何にもないし、信じてやるよ。で、お前さんこれからどうするんだい?」
「……今は特に目的はない。また、足のままに旅するだけだ」
 これは嘘ではない。当面の目的であるボガールの撃破はなったものの、
まだこの星は異次元人ヤプールの侵略対象にされている以上、見過ごす
わけにはいかないのだ。
 しかし、そう言って立ち去ろうとしたジュリを、女は呼び止めて言った。
「待ちなよ、今この森を無理に抜けようとすれば、また獣どもがわんさかと
集まってくるよ。見たところ、体調もよくなさそうだし、この近くにあたしの
家があるから休んでいきなよ」
「お前は、こんなところに住んでいるのか?」
「まあね、話せば長いが、誰にだって事情ってものはあるだろ。んで、どうするかい? 
小さいとこだが、メシと寝床くらいは用意してやるよ」
 その申し出を、ジュリは受けるか否かと考えたが、受ける以外に今は安全な
選択肢はないと判断した。どのみち変身もままならない今の状態では無理に
出回ったとしても何もできないだろう。休めるうちに休んで、体調を万全にするのも
また戦いのうち、無理をするにも時と場合がある。
880名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 17:03:34 ID:FllN8MWq
支援
881ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (9/12):2010/01/31(日) 17:04:23 ID:6syzbWiL
「わかった、やっかいになろう」
「そうかい、じゃあついてきな。こっちだ」
 若い女は了承を得たことで軽く笑うと、指を立てて方向を示して、先に立って
歩き始めた。森の下草や木の葉、腐葉土が踏み鳴らされて特有の音を立てる。
しかし、いくらか歩く中でジュリは女の足音が右と左でわずかに違うことに気づき、
足首を見てみると、彼女の左足のズボンのすそからは、足首の代わりに木の棒が
伸びていて、それが義足だとわかった。
「お前、その足は?」
「ん? へえ、これに気づくとはあんたもなかなかだねえ。なに、昔大物と
やりあったときにね……」
 失われた左足に視線をそそぐ彼女の目に、一瞬感傷めいた光が浮かんだ。
「おっと、そういえば、さっきからお前だのあんただのと、まだ名前も聞いてなかったね」
「……ジュリ」
「そうかい、よろしくな。あたしの名は……」
 そのとき、再び一陣の風が流れ去り、森の木々と木の葉を揺らしていった。
 ファンガスの森は静まり返り、この森の唯一の住人と、その客人をじっと見守る。
 ガリアの辺境に位置し、今やその名を知る者も少ないこの森に、名乗りあった
二人は立ち、やがてまた歩き始める。やがて青い月の炎も薄まり、双月も沈み行く中で、
ウルトラマンジャスティスの戦いは、この日一つの終わりを迎えた。
 
 
 だが、そんな激闘があったことなどはハルケギニアの誰一人として知る者はいない。
大部分の人々にとって、その夜はいつもと変わらず月が照り、被災したロンディニウムも
しだいに混乱から静けさへと移り変わり、やがて時間が日付を一日進ませる頃には、
あわただしすぎる一日に疲れきった人々は、安らぎの世界へと落ちていっていた。
 けれども、安らぎを与える宵闇も、この世界を滅ぼそうとする悪の胎動を止める
ことはできなかった。
 王党派のこもった小城から北に五〇リーグ離れたところに、戦艦レキシントンを
はじめとしたレコン・キスタ艦隊は、給弾艦から最後の補給を受けて、貴族は
在りし日の甘い夢に逃げ込み、平民たちはどうやって勝ち目のないこの戦いから
逃げ出そうかと、密談や、脱出の準備をひそかに進めて、それをする気もない者は
惰眠にすべてを預けて眠っていた。
 そんな中で、いまや千名強にまで落ち込んでしまったレコン・キスタを率いる
立場にあるクロムウェルは、自室にシェフィールドを招いて密約を交わしていた。
「おお、それは本当ですか! でしたら、間違いなく勝利することができましょう」
「そうよ、あのお方はすでに全軍に出撃を命じたわ、計画が成功した暁には、
約束どおりこの大陸はあなたのもの、ですからはげむことね。これがお前に
与える最後のチャンスよ」
 シェフィールドは突っ伏して土下座するクロムウェルに、自らの指にはめた
『アンドバリの指輪』をかざして、その指輪の宝石が放つ光を照らすと、
クロムウェルは大仰に喜んだしぐさを見せて、何度もひれ伏して見せた。
「いいこと、もう一度確認するけど、この世にある四つの系統の魔法の中で、
水の力は生命の活動をつかさどるわ、普通はそれを人体の治療などに
役立てるものだけど、水の力にはさらなる奥があるわ、それは何?」
「ははあ、禁術とされていますが、水魔法には人間の精神に作用し、
感情を操作したり、記憶を書き換えたりするものがあります」
882名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 17:04:35 ID:cZU/RMgd
支援
883ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (10/12):2010/01/31(日) 17:05:40 ID:6syzbWiL
 模範解答をいただいたシェフィールドは、口元をゆがめてクロムウェルを
見下ろしながら、アンドバリの指輪を軽くなでた。彼の言った禁術とは、
簡単な例をあげれば、以前モンモランシーが製造に失敗して大事件を
巻き起こした惚れ薬のように、人間の心を操ってしまう魔法や魔法薬の
ことを言い、これは実際的に麻薬にも等しい危険物なために、世界中で
厳しく規制されている代物であるが、シェフィールドの考えていることは
その程度の生易しいものではなかった。
「そう、ご名答。そしてこのアンドバリの指輪に込められている水の魔力は、
人間の扱うそれとは比較にならないほどのパワーを秘めてるわ。これを、
これから私が王党派の城の水源に使って、その水を飲んだ人間を狂わせて
暴れさせるから、あなたはその混乱をついて我らの艦隊と挟み撃ちで
一気に王党派を殲滅なさい。いいわね?」
「ははあ、重ね重ねのご温情、決して無駄にはいたしませぬ」
「期待しているわよ」
 とは言ったものの、シェフィールドの目はすでにクロムウェルを見ては
いなかった。あの激戦で、いったいなにがどうなったのか理解を超えた
ことが続いたが、とにもかくにも戦いを引き分けに持ち込んだクロムウェルに、
ジョゼフは最後の利用価値を見出しただけだった。
「もうレコン・キスタを動かすのも飽きた。そんな国の行く末などに最初から
興味もないし、そろそろ広げたおもちゃは行儀よくおもちゃ箱に戻すとしようか」
 あくびをしそうな様子で、ジョゼフは無駄に状況がややこしくなって、
死に石ばかりでこれ以上盤を動かしにくくなったアルビオンをさっさと
片付けようと、シェフィールドにアルビオンでの最後の仕事をさせるとともに、
ガリアの一個艦隊にすでに出撃を命じていた。ただし、シェフィールドの
言葉どおりにレコン・キスタを勝たせるつもりはなかった。
「アンドバリの指輪の効果で、小僧と小娘の軍が混乱して、じじいの
艦隊が喜んで攻撃しているときに、我が艦隊が割って入ってレキシントンを
沈めれば、アルビオンとトリステインに同時に恩を売れる。どうやら
トリステインの小娘は侮れぬ才覚の持ち主らしいからな。俺の差し手に
充分になる前に死なれては、後がゲルマニアの成り金やロマリアの
坊主だけでは面白くないからな」
 自分が世界を盤にしてのゲームを楽しむにしても、相手がそれなりに
いなくては張り合いがない。腕に自信のある差し手ほど、強い敵を求める。
どこの世界に、幼児を殴り飛ばして喜ぶ格闘家や、サルを相手に知識を
披露する学者がいるか、より楽しいゲームのために、まず敵を育てる。
クロムウェルは、そのための捨て石でしかなかった。
 けれども、相手を捨て駒と思っているのはなにもシェフィールドだけではなかった。
彼女が計略を実行に移すために立ち去った後で、クロムウェルは大きく口元を
歪めて、ふっとせせら笑っていた。
884ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (11/12):2010/01/31(日) 17:07:12 ID:6syzbWiL
「ふふ……愚かな人間め」
 人形遣いの優越感に浸っている者は、自らも操り人形に過ぎないとは考えも
しないものだ。これまでシェフィールドの優越感をくすぐりながら、あの手この手で
時間を引き延ばし、レコン・キスタを動かしてきたが、アルビオン全土を
壊滅させる作戦も失敗した今、それも終わりに近づいてきている。
「しかし、この期に及んでアンドバリの指輪か、さてどうしたものかな」
 アンドバリの指輪のことは、クロムウェルもよく知っている。元々水の精霊の
有していた秘宝であるあれは、普通の人間が使っても上級の水魔法に
匹敵するくらいの真似ができるが、どういうわけかあの女が使えばノーバや
ブラックテリナの規模には及ばなくても、多数の人間を操作することができるようだ。
だが、アンドバリの指輪の効力を多少惜しいと思うクロムウェルを一喝するように
ヤプールの声が響いた。
「何を迷っているのだ! 我らの目的を忘れたのかぁ!」
 瞬間的に個室は異次元空間となり、ヤプール人は自らの計略のために
邪魔になったシェフィールドを排除するために、クロムウェルに命令を与える。
「いいか、人間どもを追い詰めれば必ずウルトラマンAは現れてくるだろうが、
ここで余計な真似をされて、いらぬ混乱が起きては面倒だ。あの女を始末しろ」
「はっ、しかしあの女の策を用いれば、この世界にさらなる混乱をもたらす火種と
することもできましょうが?」
「エースへの復讐に比べれば、人間の世界のことなど二の次だ! 積もり積もった
我らヤプールの怨念を、今こそ晴らすのだぁー!」
 ヤプールの怨讐がこもった声とともに異次元空間は掻き消え、クロムウェルは
元の部屋の中に立っていた。ただ、そこにはさっきまではいなかった、もう一人の
長身の男の影が現れていたが。
「戻ったか、傷の具合はどうだ?」
「ふ、人間の体を修復するなど造作もないこと。ただ、この体の元の人格は、
役に立たないので封じ込めてあるがな」
「そうか、ならさっそくだがウォーミングアップをかねて仕事に行ってきてもらおうか」
 月光のみが明かりとなる部屋の中に、二人の男の影が揺れて、一つが消えた。
 
 そして、それから数時間後、王党派陣営の拠点である城に流れ込む、地下水脈の
源泉となる深山の湧き水に、シェフィールドの姿はあった。
「ここね」
 そこは、平時であれば清らかな山水を求めて人々が集うであろうが、戦時である
今は誰もいない。というより、水源であるここに万一毒が投げ込まれたときのために、
一個小隊分の兵士が駐留していたが、シェフィールドがアンドバリの指輪の光を
向けると、全員が一瞬にして倒されていた。
 しかし、そのまま水源に向かおうとしたシェフィールドは、闇夜の中から染み出るように
姿を現した男に阻まれて立ち止まった。
「お前は……ワルド子爵」
「こんばんわ、ミス・シェフィールド」
 不敵な笑いを浮かべながら、ゆるやかに両手を広げて立ちはだかるワルドの姿は、
すでにカリーヌにやられた外傷は完全に消え去り、以前となんら変わらぬ様相で
そこに存在していた。
885ウルトラ5番目の使い魔 第85話 (12/12):2010/01/31(日) 17:08:44 ID:6syzbWiL
「なんのご用ですの?」
 口元にだけは笑みを浮かべ、親密そうに、かつ目にだけは警戒心を宿らせながら
問いかけるシェフィールドに、ワルドは喉を鳴らして笑った。
「いえいえ、私の主はもうあなた様に大変お世話になりましたが、そろそろ男らしく
独立独歩していこうと決意されましてね。それで、ごあいさつにと参ったしだい」
 そのとき、シェフィールドの目の下の筋肉が微妙に震えたが、夜闇のせいで
ワルドには見えなかった。
「へえ、あのクロムウェルがねえ。それで、私の助けはもういらないということなのかしら?」
「はい、ですからここはお引取りいただきたく存じます。あなた様と主様には……」
「その必要はないわ!」
 ワルドが言い終える前に、シェフィールドの額に魔法文字のルーンが輝いたかと
思った瞬間、彼女はアンドバリの指輪をワルドに向けて、その光を放っていた。
「うぉぉっ……」
 ワルドの体が倒れこみ、にぶい音を立てるとシェフィールドはせせら笑った。
「フン、メイジ風情が楯突こうなどと百年早いわ。最初から杖を持っていなかったのが
あなたの敗因ね。さて、あの小心者が裏切るとは思わなかったけど、お前なら
手駒としてそこそこ優秀でしょうから、しばらくは私の道具にしてあげるわ」
 シェフィールドはつまらなさそうにつぶやくと、ワルドを使って裏切り者を始末
させるために、再びアンドバリの指輪を向けた。だが、彼女が指輪の効力を
使う前に、倒れていたワルドが起き上がって笑った。
「ふむ、生体組織を遠隔操作する類の道具か、確かに中々強力ではあるようだな」
「な……なんだと!?」
 シェフィールドは、首を鳴らしながら平然としているワルドに、初めて平静を乱して
後ずさり、手の中の指輪を見つめた。
「ば、馬鹿な……この、アンドバリの指輪で操れない人間などいるわけが……」
「ふっふっふ。そう、確かに人間なら操れるだろうが、あいにく私には効かないようだね」
「なにっ!? ま、まさか!」
 人間になら効果がある。しかし、このワルドには通用しないということは、彼女の
脳裏に不吉な仮説を立てさせた。
「ふふふ。さて、ではご苦労をかけさせましたお詫びにそろそろお休みいただきましょうか。
永遠に、ね」
 ワルドが笑い、両手の手袋に手をかけたとき、泉に一陣の風が吹いて木の葉を
巻き上げ、かなたの空へと運び去っていった。
 
 善も悪も関係なく、人々の運命の糸はねじれ、からまりながら、切れなかった
ものは前へ前へと伸びていく。その先にある何かを求めて。
 そして、宵闇の封印が太陽によって破られた、いつもと何も変わらない快晴の
夏の日の朝が明け、この日、二年近くに渡ったアルビオン王国の内乱は、最後の
戦いの幕を上げた。
 
 
 続く
886ウルトラ5番目の使い魔 あとがき:2010/01/31(日) 17:11:27 ID:6syzbWiL
以上です。
今回も支援をいただけたお三方、どうもありがとうございました。
それから、毎週まとめに登録してくださる方も、この場を借りてお礼申し上げます。
 
しかし今回の新刊議論は長いですね。まあ、MAC全滅!! にも似た想像を絶する
展開だからいたしかたありませんが、私はどっちかといえばタバサの冒険のほうが
愛読なので、こっちのほうが盛り込んでいきたいです。

最近は、とうとうファイルが四冊目になったウルトラマンオフィシャルデータブックと
同じく、資料もかねて双月の騎士のコンプリートブックを探してるんですが、どこも
売り切れでがっかりしています。短編小説とかミシェルさんの全身画とか見たいのに……
まぁ、棚にずらっと売れ残っているよりはいいかもしれませんが。
 
ですが、次回からは正真正銘アルビオン編最終決戦です。
887名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 17:13:52 ID:71/ip0eV
ウルトラ乙

なんかガリア組が手玉に取られてるw
888名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 17:45:15 ID:SGt/Wiem
唐突だけどワルドがルイズに惚れ薬盛ったらアルビオン編ってもっと楽しくなりそう
889名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 17:46:49 ID:cZU/RMgd
ウルトラの人乙
890名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 19:15:45 ID:ZE1VTJgs
>>888
他の誰か(召喚されたキャラでも、ゼロ魔キャラでも)がルイズが惚れ薬を盛られた事に気付き、
尚且つその効果を早急に消去出来る手段が無ければ目も当てられない事になるけどな。
それらを大体結婚式の前辺りまでに全てこなせなければ自発的にルイズがワルドの許、つまり
敵側に行ってしまい、しかも場合によっては向こうの尖兵として牙を剥いてくるのが避けられなくなる訳だし。
891名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 19:22:45 ID:joMByF4m
でもそれって使い魔キッスすれば解決じゃね?あの力は少なくとも虚無より強いみたいだし

しかしそれまでの展開が熱そうだな
892名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 19:28:24 ID:3/VZve/Q
そのまま敵に回るでもいいんじゃね?
ザブングルのエルチみたいに
召喚される奴がチートならこういう感じでハンデをつけるとか
893名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 19:59:57 ID:tYkqWlVy
末娘の虚無系統と国に対する裏切りが同時に発覚したヴァリエール家
一体、どうなってしまうのか!?(ガチンコ風)
894名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:01:18 ID:Tg7AgcRV
まとめwikiが何故か見れないのは俺だけ?
895名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:03:23 ID:1d/Mxq7Y
ああお前だけだから失せろカス
896名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:04:39 ID:tYkqWlVy
>>894
お前だけじゃないから安心するんだぜ!
>>854-859
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1233565334/687-688

> 今回ネットワークの変更を行っているため、ユーザ様の環境により、閲覧に時間がかかる可能性があります。
wikiとか全然分からん俺としてはこれなのかなぁ……って感じだぜ!
897名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:13:22 ID:nytAFVQB
>>890
ルイズじゃなくて、使い魔(女性)がワルドに惚れちゃう展開もアリじゃね?
898名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:14:19 ID:wT55CSTu
イケメンだからな
惚れっぽいやつなら仕方ない
899名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:14:41 ID:fFERawE5
ワルドに惚れたヤンデレがルイズを惨殺すると申したか
900名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:16:57 ID:Tg7AgcRV
>>896
短時間にインターネッツの怖さと温かさを味わったぜ
そして始祖ブリなんとかとおまえに感謝
901名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:19:33 ID:tYkqWlVy
>>900
俺も遠回しに少しは調べてから物言えカスって言ってるから気にすんな!
902名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:21:44 ID:14hZbjr9
精霊使いより今日からマ王のキャラのほうがゼロ魔には合いそうだな
903名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:26:40 ID:xjRpttRW
480KBを超えてるのでシエスタのお願いを聞いてきます。
904名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:30:55 ID:xjRpttRW
次スレ立てれちゃった。
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1264937258/l50

昨日アホな出オチスレを立てたばかりだったから、まさか叶えられるとは思わなかった。
しかし願いは叶えてやった、では、さらばだ!(空中で身体が四散する)
905名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:57:14 ID:j54oZXvG
ウル魔乙です
ミシェルさんの全身画ならファミ通.comの双月の騎士のページで確認できたと思います
自分もギムリ、レイナールの資料が欲しい…
906名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 20:57:37 ID:joMByF4m
身体がバラバラになるシエスタは何の子孫ですか?
907名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:01:24 ID:sU0/ZU6n
チェーンソーで?
908名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:04:14 ID:71/ip0eV
千壱将軍だな
909名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:07:05 ID:FllN8MWq
>>905
ギムリとレイナールなら三美姫コンプリートに載ってるだろ。
910名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:16:46 ID:j54oZXvG
>>909
マジか
レイナールはチョイ役だから載ってるとは思っていたけど
ギムリもとは

ありがとう
911名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:26:36 ID:p5lshEGy
>>906
バラバラの実を食べたか、ミートくんの子孫
912名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:29:46 ID:fFERawE5
>>906
ハニワ幻人と戦ってるに決まってるだろ……
常識的に考えて
913名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:33:52 ID:PHQKnEh7
反○隆史こと鬼塚英吉を召喚
奴なら喜んでルイズのパンツを洗うどころか盗みかねん。
914名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:36:29 ID:xGKMnQ9/
>>905
ちょっと「ゼロの使い魔 ミシェル」で検索してみたら、ルイズ・ミシェルって名前の人が実在してて驚いた。
もしかしたらアニメオリジナルでルイズとからめるシナリオでもあったのかねえ。

しかし立ち絵で比較するとエレ姉のないぶりがよくわかる。
915名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 21:50:31 ID:FXKjiGe3
>>913
ギーシュは食堂で即ボッコボコだなw
916名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 22:37:10 ID:71/ip0eV
決闘の宣言どころか魔法を使う前にボッコボコにされると
917名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 23:01:57 ID:SXgp/u/Y
まとめwikiつながるのに時間かかるどころか
すぐ切断される、なにおれが悪いの?
918名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 23:19:52 ID:FA7/uzk/
ggrksと言いたいところだがほんの20レス前も読まない奴は回線切れ
919名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 23:27:09 ID:wOptjrXb
>>904
>(空中で身体が四散する)
クリリンのことかーーっ!!
920名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/31(日) 23:53:29 ID:AFKUXWNm
>>919
オリハルコン製のキングでは?
921名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 00:19:40 ID:TwLu/4xJ
ルイズにナメックから地球帰還時悟空
ジョゼフに18号
教皇に17号
テファにセル(卵)

精神と時の部屋ナシで悟空ひとりににどこまで出来るか考えてたけど、心臓病で死亡安定だった
922名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 04:03:48 ID:zlJux7wq
そこま、水の秘薬でなんとかなったということで。
923名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 04:19:46 ID:yfU336gD
カトレアすら治せてないというのに
924名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 05:16:48 ID:zlJux7wq
遺伝子疾患とウイルス性の伝染病を同じ次元で語るなよ。
925名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 06:43:08 ID:01HP9KC0
下手すりゃ悟空の病気でハルケギニアがヤバイ
926名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 09:01:48 ID:sflaNFdz
まあ、アレだ

テファ逃げて超逃げて
927名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 11:31:05 ID:FTjIAaKo
無難にシエスタをサイヤ人とのクォーターにしておくか
928名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 13:02:03 ID:K2vX6a/a
>>904
よくもコマク様を!
929名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 13:38:38 ID:bEZfIvq1
むしろフリーザを召喚させてみたい。
即ハルケギニアを花火にさせない為に何か理屈をつけて力を制限させにゃならんだろうが。
930名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:05:36 ID:AtDbblnU
>>929
前に呼ばれた作品があったが、フリーザ様がルイズごときに従うのはありえないし、でなければ単なる虐殺ものにしかならないかと
いうことで批判轟々でつぶされた。
ドラゴンボールに限らず強”すぎる”キャラっていうのは、よほど個性的な展開にしない限り召喚時に「ゼロのルイズがすごい使い魔を呼んだぞ!」で
盛り上がったあとは無双にしかならないからやりづらいんだよな。
931名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:08:04 ID:sU0MGVJF
それ以前に、微塵にも面白くなるとは思えない

キャラ破壊させるなら別だがな
932名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:10:33 ID:Le2kIWk3
「るいずととら」は面白かった
933名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 16:37:08 ID:JqA1A8QF
サイヤの使い魔は面白いぞ
934名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 17:48:12 ID:s/TMSo6f
フリーザ様はギャグ世界のキャラを見ると逃げ出すお茶目な存在だけどな
935名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 17:56:37 ID:TwLu/4xJ
フリーザ様というとなろうにコナンとのクロスがあったな。つまんなかったけど
936名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 18:12:31 ID:YJy7fVNb
超遅いけど赤目の使い魔の人乙
自分の好きな原作とのクロスはやっぱ嬉しいね
937名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 18:24:49 ID:c91HGFQw
仮面ライダーアギトこと津上翔一召喚
魔法学院食堂がレストランAGITΩにされる様子が目に浮かぶ
938ウルトラ5番目の使い魔:2010/02/01(月) 18:25:22 ID:60tqBqtC
>>905
わざわざありがとうございました。ミシェルさんはヴァイシュバでカードは持ってるんですけど、顔のアップばかりですからね。
けど、小さな画像でしたのでやはり本がほしいです。あ、決してやましい意味ではなくて。
才人×銃士隊は、アイデアがよく出るほうなのでアルビオン編が終わりましたら、お絵かき掲示板の三人の絵に負けないような
話をまた書きたいと思っています。
 
86話以降の執筆も順調ですので、日曜日にはまた投稿できると思います。
今度登場する超獣は、もう想像がついている人もおられると思いますが、”あいつ”です。
939名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 20:51:12 ID:PKUoNDBO
ボクらの太陽からおてんこさまとヴァナルガンド召喚
ヴァナルガンドvsハルケギニア連合 なんてもんを幻視した
940名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 21:05:28 ID:/l5n7X+K
>>939
はい、お約束通りにザナルカンド召喚に見えました!!

・・・間違ってないんだよね、都市を召喚ってスケールがでかいんだけど
エボン=ジュが断崖の祈り子で召喚してるザナルカンドをルイズが更に召喚・・・
わけが分からない展開だが、コルベール先生的にはOKかね
アーロンと親父とエボン=ジュ涙目だけど
941名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 21:41:37 ID:r+Roc0Wc
ヴァナルガンドってフェンリル狼だったっけな
942名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 22:03:18 ID:mC2TBDAP
>>935
褒めるならまだしも貶すなら外部サイトの作品を話に出すなよ……
943名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 22:26:37 ID:h5L+f9/O
>>941
フェンリルの別名だな。破壊の杖って意味。
弟が大地の杖を意味するヨルムンガンド。
・・・ヘルにあたるのはまだ出てないよな?
944名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/01(月) 22:54:14 ID:BtU8IvbM
スクエニのDS用ゲーム、ブラッド・オブ・バハムート。基本的に巨大な敵は倒されたあと『都市』の土台になっていたんでしたっけね……
一応生物ですし、確かに召喚可能かもしれませんが……普段どこに居る事になるんだろう。
945名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 13:48:03 ID:evZQq2WK
シエスタ「ヴァリエール様たちだけに良い思いはさせませんよ!」
マルトー「ハルケギニアがダメになるかならないかの瀬戸際なんだ、やってみる価値ありますぜ!」
946名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 16:51:45 ID:6ok3PKFx
「我らの〜」以外にはまったく出番のないマルトーさん乙
947名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 20:58:33 ID:0gLgPs8p
最近の原作では存在自体を忘れられてるマルトーさん乙
948名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 21:11:02 ID:dQioXSGo
それでも料理人キャラなら、きっとギーシュより先にマルトーに喧嘩売ってくれる筈

ところでどうして料理漫画の人はこの世のありとあらゆる揉め事を料理で解決しようとするのか
949名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 21:19:33 ID:aX9uvXHb
麻雀漫画の住人が、全てのもめ事の決着を、麻雀で着けようとするのと同じ原理です。
950名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 21:23:23 ID:sjvpN695
コロコロのタイアップ漫画の悪口はそこまでだ
951名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 21:34:00 ID:Un2cJTbf
>>948
更に揉め事を起こす名前が調味料の人もいるけどな
喚んでしまったらギーシュがモンモンと子作りしてしまう
952名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 21:34:55 ID:Cs1GqhH0
格闘職人マルトー
953名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 21:40:33 ID:evZQq2WK
愛の戦士パトリック・コーラサワ―召喚
生命力は折り紙付き
エレ姉様とフラグ立てつつも大佐との愛を貫く
それか別の意味での愛の戦士グラハム・エーカー召喚
954名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 21:50:48 ID:B+0Bu6im
コーラサワー……お馬鹿キャラとして愛されていながら、要所要所で美味しい所を持っていき、しかもギャグ属性を持った上で主人公たちを差し置いてエピローグで結婚式を挙げた、ある意味影の主人公か。
……いかん、どう考えても自分の妄想力ではサイトのスペックアップ版にしか思えない。
955名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 22:30:31 ID:OHW10FuP
異能生存体みたいだった奴か
956名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/02(火) 23:12:46 ID:qIXKLd/9
>954
誰が考えても概ねそうだと思います。エレ姉様もルイズも大胸ではarim
957名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:14:20 ID:dbQQ99KJ
>>948
おいおい。喧嘩売る料理人なんてどっかの中華料理人くらいなもんだろ。
呼んだら学院の使い魔たちが大変なことになってしまうけど。


ああ、他にもいたな。喧嘩売る料理人。
定職屋の子供に得意料理のスパゲッティで勝負を挑んだ・・・
958名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:26:33 ID:gQ8sPjl1
ボーグバトルで決着を付けよう!
959名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:28:45 ID:GzH3/pWW
>>957
どこぞの戦艦に乗っている料理人は?
960名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:44:35 ID:2+r67LZ3
『聖☆お兄さん』のブッダとイエスを召喚。
961名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 00:46:25 ID:dbQQ99KJ
>>960
小ネタですでに。
962名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 11:14:40 ID:k/386Qe6
>>954
実はダブルオーの名前付き登場人物で過去に全然とらわれず
常に未来を見てたのはコーラサワーだけなんだぜ。
だからあのEDは必然でもあったと思う<<幸せのコーラサワー
963名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 11:18:52 ID:fgXIMXBD
実はコーラはすごいやつだったのか
964名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 11:57:04 ID:nxDe1YpR
戦艦に乗ってるコックは喧嘩じゃなくて戦争になっちゃうから・・・
965名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 12:38:03 ID:jdzQQA4y
>>962
にしてはスペシャルエディションでの扱いはひどいわ>コーラ
初登場シーンではあの名台詞なしでエクシアに切り倒されるし
顔が出たと思ったら他の名前ありキャラとちがってテロップでないし。
966名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 13:08:57 ID:9Ql9M13S
料理人ときて麦わら海賊団の暴力コックを言い出さないとは何事だ。
もっともフーケ戦でアウトだろうけど……
さらにカマバッカ王国後だったら最悪なことに……
967名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 13:52:46 ID:NkKPtmD5
>>959
ナデシコの不幸な主人公を思い出したのは俺だけ
あの人に限っては、ハルケギニアにいたほうが絶対幸せになれると断言できる
968名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 14:05:18 ID:HqS5Zw+r
>>967
彼を喚ぶともれなく変な中がスレに来るから勘弁。
969名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 14:33:36 ID:NkKPtmD5
まあそれは分かるんだが
というかその手の人たちって何故か黒い方目当てなのが分からん
黄色い頃のオタクでヘタレだがお人よしな頃の方の彼が懐かしい

第一話でアイちゃんごと呼ばれてれば、アイちゃんは説明おばさんにならなくて済むし
料理はマルトーさんに弟子入りすればいいし、ボソンジャンプも出来ないままで
(実際はどうだか知らんが異世界だから出来ないという設定にすれば)いい事ずくめだw

ナデシコ世界は天才科学者とボソンジャンプの第一人者がいなくて
戦争が中々終わらんだろうけど、とことんまでやった方が後々のために良さそうな気がする
というかあの二人が幸せならいいんだよ俺はwww
970名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 15:06:45 ID:He/Zu8AP
どんな屈強な料理人も某輸入雑貨屋にかかればアームロックで即終了するだろう
971名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 15:23:10 ID:LHqA4b9G
972名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 15:38:14 ID:dbQQ99KJ
>>959
>>966
おいおい、そいつらの喧嘩売るってそのまんまの意味じゃないか。
料理人の喧嘩っていったら料理勝負だろ。
973名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:00:56 ID:vd4WZx8N
喰えるだけでも有りがたや
974名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 17:28:54 ID:9Ql9M13S
>>973
その人呼んだら学院の料理が全部ゲテモノになるだろうが。
975名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 19:09:27 ID:b0CuzagU
ワンピースのはコックじゃなくて料理もできる海賊だから
976名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 23:02:52 ID:LM8pkQ29
虚無の担い手が○○縛りで使い魔を召喚。コック縛りが出ているようですけど、呼んではならない職業ってあるんですかね?
例えば……爆れつハンターの面々のように、魔法使いを狩る事を仕事にしている人たちとか。
977名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 23:20:55 ID:+XNRZGH4
ここから微妙に残った容量使い切るのは誰だ選手権が
978名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 23:48:31 ID:fBb8nG9s
私です
979名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/03(水) 23:50:01 ID:OIJfA3in
???「虚無のドーピングコンソメスープだ…」
980名無しさん@お腹いっぱい。
500KBならあの作者が帰ってくる