アニメキャラ・バトルロワイアル3rd part16
ライダーは負傷した藤乃を連れ、駅から離れ北上した。
傷ついた肉体の休息、来るべき放送に備え、どこか比較的安全な場所を見つけようと辺りを見回した。
その時、黄金の鎧に身を包んだ男が彼女の前に現れた。
「是非もなしッ!女であれ子供であれ、この織田信長が蹂躙してくれるわぁあっ!!」
ライダーをしてひるませる、魔王の咆哮が響いた。
◆
真田幸村とその宿敵、伊達政宗。そして手負いとは言え、戦国最強と呼ばれる本多忠勝。
その三人をもいとも容易く払いのけた織田信長だ。
手負いの真田幸村1人に苦戦を強いられたライダーが彼に勝てる道理もなかった。
魔王の咆哮に、一瞬ひるんだライダー。
――その隙が決定的だった。
信長は大地を蹴り、瞬く間にライダーへと肉薄。
彼の得物、右手の長刀”物干し竿”と左手の妖鎌”桜舞”が陽光を浴び、銀色の閃光をきらめかせる。
一方、対峙するライダーは武器を何も持たないどころか、意識の朦朧とした手負いの少女をその両手に抱えている。
――刹那。
魔王の一閃が降り降ろされる。
ライダーは己が保身の為、抱えた藤乃の身を投げた。
浅上藤乃はもはや役に立たない。
ならば、せめて盾としてその最後の役目を与えようと。
雷光の如く下された魔王の一撃が、藤乃の体を一刀両断。
ここに浅上藤乃は、何が起こったかを認識する間もなくその命を落とした。
◆
手負いの手駒と引き換えに、最初の一撃は防いだ。
銃痕に痛む両足を酷使し、信長から距離を置くライダー。
その右手には天の鎖が信長目がけて、さながら蛇のごとくうねる。
それに呼応するかのように、信長のマントは意志を持ったかの如く、襲い来る鎖の蛇を払いのける。
マントと鎖は絡み合い、互いに速度を奪い合い地に堕つ。
鎖を一度引き戻さんと、ライダーは天の鎖を己の元に引き寄せる。
その瞬間、魔王は動いた。
鎖に絡んだマントとその鎖を寄せる力を自身の体に受け、光速の速さでライダーへと迫る。
もはや、得物を持たぬ騎乗の兵に太刀打ちする術はなかった。
石化の魔眼も、神速で迫る魔王の瞳を捉えらることもできない。
風とともに駆け抜けた白銀の閃光がライダーの首を刎ねる。
ここに、騎乗兵のサーヴァントは果てた。
◆
油断も慢心もなき第六天魔王は、言の葉一つ洩らすことなく二人の魔女を刈った。
今の彼には、他者との戦いに余興がてらの対話など存在しない。
その瞳に映る生あるものは例外なく殺すのみ。
生きとし生きるものすべてを殺戮し、己に恥辱を与えた帝愛をも徹底的に蹂躙し尽くす。
それこそが第六天魔王織田信長の野望。
二つに分断され、無残な骸へと果てた少女。
肉体は消滅し、その名残は首輪だけとなった女。
信長は、その傍らにあるデイパックを回収する。
そして、12時間の時は満ちた――
神を気取った愚者の声が、魔王へのもとへと降りかかる。
【浅上藤乃@空の境界 死亡】
【ライダー@Fate/stay night 死亡】