アニメキャラ・バトルロワイアル3rd part16
平沢唯、福路美穂子ネタ投下します
暖かな日差しが木々に影を落とし、その狭間から漏れでた柔らかな光が唯と美穂子を包む。
美穂子は、自分の膝の上で眠り続ける唯の頭を撫でながら、思う。
この幸せがいつまで続くのか、と。
この脈動することを忘れた心臓が、身体が、いつまでもつのか、と。
幸せを感じる心はあれど、あの不安なれど恍惚とする鼓動は、最早美穂子の身体から消え失せた。
一旦死んだ己の身で唯一鼓動するのは左肘から醜く膨れ上がった獣の腕のみ
いつこの奇妙なバランスが崩れ、唯を守ることが、この幸せを感じることが出来なくなってしまうか分からない。
竹井久との逢瀬が儚く消え去ったいま、美穂子は幸せへの渇望は、刹那的なものへと変わっていった。
三年間ひたすら待ち続け求め続けた思いが、バトル・ロワイアルという狂気に破滅された。
その悔しさが、その怒りが、後悔が、美穂子を支配していた。
もうあんな思いはしたくない。
もうあんな後悔はしたくない。
もう二度と愛する人を、手に入れないまま失いたくない。
そう、今この腕の中にある唯を手に入れずにして、死にたくはない、そして失いたくはないのだ。
◇
わたし、福路美穂子は欲張りなのでしょう。
唯ちゃんに膝枕しながら思うことは、
唯ちゃんを独り占めしたい。唯ちゃんをわたしだけのものにしたい。
と、言うことだけでした。
行き過ぎた独占欲は身を滅ぼすと、お伽話や大人は諭すけれど、
今のわたしにとって、そんなお話はもはや空虚に過ぎなかった。
三年の間思い続けた上埜さんと、これから楽しくお話出来るお友達になれる。
そう思った矢先に突然に失い、
この一年間、分身とも思いながら見守りつづけてきた華菜も、同時に奪われ、
わたしを護ると言ってくれた片倉さんも、あっという間に殺された。
そう、殺された。
このくだらないゲームに。
だからわたしはもう、迷わない。
愛する者は、愛してくれる者は残らずその場でモノにする。
後悔などもうしたくない。
肌と肌を触れ合う機会を逃してたまるものか。
唇と唇が触れ合う瞬間を逃してたまるものか。
少しでも自分が生きた証を、自分が愛した証を残してやる。
わたしはそう決意すると、唯ちゃんの唇に指を押し当てた。
柔らかい感触が、わたしの指を支配する。
痺れに似た感覚が、脳髄にまで到達し陶酔する。
もう私に押しとどまる理由など無かった。
この柔らかくて暖かい唯ちゃんを諦めるなんて、出来ない。
手に入れずに死ぬなんて、出来ない。
ゆっくりと唯ちゃんの頭を私の膝から静かに下ろすと、
わたしは唯ちゃんの身体に覆いかぶさる。
それだけで、もうなんともいえない幸福感が、わたしの鼓動から見離された身体を支配する。
嗚呼、なんという幸福感。なんという暖かさ。なんという柔らかさ。
その感覚を感触をもっと味わいたく思った私は、さらに身体を密着させる。
唯ちゃんの肩が、膝が、肘が、おでこが、そして胸が、
私の身体に触れ、柔らかさを発揮しつつ、静かに私の浸蝕を許す。
二つの身体は、今やひとつに繋がった。
唯ちゃんの左腕、その指を自らの指と絡み合わせる。
唯ちゃんの手は、やはり暖かくて柔らかかった。
命を凝縮したかのように朱を帯びたそれは、最早わたしには感じることの出来ない鼓動に溢れていた。
私に鼓動が戻っていたのなら、早鐘を打つような脈動が、うるさく全身を支配していたはずだ。
だがいまの私にはそれが、ない。
全身は悲しい静寂に包まれていた。
でも嬉しいと思うことは、出来る。
幸せだと感じることは、出来る。
むしろ、鼓動に邪魔をされないのは僥倖ではないのか。
わたしは逆にそう思いながら、唯ちゃんの指の感触を楽しみながら、
ようやく本来の目的である、唯ちゃんの唇に意識を集中した。
吐息がリズミカルに吐き出される唇は、今のわたしには見て輝かしく見えた。
上埜さん、ごめんなさい。
私の初めては、貴方ではなく、唯ちゃんに捧げます。
そう懺悔して、ゆっくりと私の唇を、唯ちゃんのそれに重ねあわせる。
唇の先がまず、触れ合う。
それだけで、頭の中がジンジンする。
下腹部から脳髄にいたるまでが、幸福感に包まれる。
唯ちゃんの唇への浸蝕は、さらに続く。
こんな幸せを一気に味わうなんて、
もったいなく、て今までの私だったら出来なかっただろう。
でも、いまのわたしは躊躇しない。
そのまま推し進める。
唇の全てが重なりあい、歯と歯が小さな衝突を果たした。
静かに、さらに深く、浸蝕するため舌を伸ばす。
私の口腔内に収まった、自律する物体が、
もう聖域とすら言える唯ちゃんの身体の中に、殺到する。
唯ちゃんの歯を、歯の裏を、口の中を、そして、
舌。
私の舌と、唯ちゃんの舌が、てろてろと絡み合う。
息が苦しいのか、わずかに身じろぐ唯ちゃんの身体をなんとか抑え、
逃さないように力を入れる。
私の大きいだけの胸が、唯ちゃんの整った美しい胸を押しつぶす。
私は何度目か分からない絶頂を迎えた。
唇をあわせ、舌を絡ませながら、私の慕情はどんどんと膨らんでいく。
唯ちゃんのことが、好きだ。
大好きだ。
愛している。
もっと好きだ。
ずっと好きだ。
誰よりも愛している。
誰よりも私のものにしたい。
独占欲とろくでもない愛欲に、この美しい唯ちゃんを穢してしまうのが惜しい。
しかし、惜しんでいては私が、この幸福を得る事は出来ない。
そんなのはもう嫌だ!
わたしは何度も何度も唯ちゃんを求めた。
舌を絡ませ、唇を吸い、指を絡ませ、胸を胸で擦り合う。
本当に、幸せだ。
もうこのまま死んでも構わない。
いや死んだら、この幸福を何時までも味わうことは出来なくなる。
そんなのは嫌だから、まだ死にたくない。
いつまでも死にたくない。
しわくちゃのおばあさんになりながら、
暖かな日差しのなか、縁側で、二人で、指を絡ませながら死ぬまで、
この幸福を味わっていたい。
唯ちゃんと添い遂げたいと、私の中に欲が出てくる。
だが、添い遂げるには唯ちゃんの気持ちも必要だ。
唯ちゃんがうなづいてくれたらいいが、
もし、女の子同士の恋愛を許容してくれなかったら、どうしよう。
それは嫌だ。
第一、唯ちゃんの気持ちを、まだわたしは確かめてない。
わたしとの恋愛など考えられない、と言われたらどうしよう。
それは本当に、嫌だ。
考えたくもない。
しかし、もっと幸福を、幸せを、気持ちよくなるには唯ちゃんの気持ちが、一番重要だ。
唯ちゃんが起きたら、気持ちを確かめなくては。
怖い。
どうしようも無く怖い。
そうだ、考えてみれば、
寝ている間に、このような破廉恥な真似をされて、喜ぶ女の子が居るだろうか?
自分の預かりしらない間に、己の身体を蹂躙されることを許してくれる女の子が、居るだろうか?
やはり、取り返しが付かないことをしてしまった。
わたしは唯ちゃんに嫌われてしまう。
そんなのは嫌だ!
そうだ。黙っていよう。
黙っていれば気づかない。
そしてまた、寝ている間にこのように蹂躙すればいい。
今度は互いの衣服を捨て去り、直接肌と肌をふれあおう。
唯ちゃんに嫌われるのは嫌だから。
そうだ、それがいい。
わたしはそう思うと、唯ちゃんの唇から口を離した。
唯ちゃんの吐息が、またリズミカルに吐き出される。
唯ちゃん、またしようね。
わたしは、そう、微笑みかけた。
以上でネタ投下終了します