前スレ
>>1000 ユーノは本編でやらなかっただけで防御しか使えないわけじゃないんじゃね
本編で使った魔法だけに絞っても普通にシャマルより戦えるキャラだと思うが
まあシャマルが出る時点で防御だけのキャラがって話ではないんだろうけど
つーかシャマルを格ゲーでどうつかうんだろうなあ
>>5 まあ、それもそうか。
つーても、対戦してヴォルケンリッターだのの中でサシで戦えるキャラかといわれたらな…。
格闘ゲームだのでその手のバランスをいうのは野暮の極みではあるが。アンリミとかごついことになってたしw
>>7 ユーノはヴィータと互角だったんだぜ
ヴィータが本気じゃなかったって言うかもしれないけど、それを言うならユーノも万全じゃないし
>>6 旅の鏡を利用しての戦闘じゃないか?
魔力強化した拳を旅の鏡に突っ込み、地獄突きや正拳突きを喰らわせる遠距離格闘したり、
米軍基地から盗んだM16とか、手榴弾、ロケットランチャーを旅の鏡を利用して攻撃とか。
この一大事に出番のないユーノ
“なのはを守る力が欲しい――――――”
それがタタリの呼び水だった
タタリ触媒となったユーノは、独りで闇の書の残滓を回収していくが……
アルフ「残念だけどユーノに出番はないよ」
真面目な話ユーノは地味にできる子だと思ってる
真面目な話、地味だからこそ出番がないわけでな。強いけどいまいち表現しにくいし。
互角は言いすぎじゃないか、流石に。
知っての通り、守りと補助は得意分野だからヴィータ相手でも時間稼ぎは出来る。
でもヴィータがユーノに勝つことは出来ても、ユーノがヴィータに勝つことは出来ないだろうし。
というかヴィータと互角ってことは、なのはさんとも互角ってことになるわけで、そうしたらユーノがなのはさんのパートナーの立ち位置をやめるわけがない。
本当ならばフェイトのようになのはさんと肩を並べて戦いたかったけど、自分の力が及ばないからその辺を諦めたわけだし。
ユーノみたいなバックアップの戦いを描くのはリリなのは向いてないような気がする
ラジオ…杉田カオス
>>5 攻撃魔法を使う必要がある状況で使わない=使えない、と考えるのは妥当じゃないか?
また、使えるなら間違いなくなのはさんに伝授するはず
わざわざ“結界”魔導師なんて設定がされてるのはその為ではないかと
シャマル先生もサポートタイプだが、リンカーコア摘出とか時期によっては闇の書でギガデイン使えたりとか攻撃手段がなかなかエグイ
どっかのマンガで自然界最強は闘争心を植えつけたアルマジロだという話を聞いた
ならば殺意の波動に目覚めたユーノが最強たりえる可能性は十分にある
ゆで理論じゃねえか
>>14 本当ならばフェイトのようになのはさんと肩を並べて戦いたかったけど、自分の力が及ばないからその辺を諦めたわけだし。
そんな設定あったっけ?
なのはみたいな砲撃が出来ないのは確か見たいだけど
あのシーンユーノが逃げてヴィータが追いかけるとかじゃなくて、お互いにばんばんぶつかり合ってなかったっけか
シールドとかバインドとかしか使えなかったとしてもいくらでも戦う手段はあると思う
相手を結界で包み徐々に小さくして最終的には圧殺できるんだよ、きっと。
それかよく二次であるシールドナックル。
案外それであってるかもな
チェーンで引きちぎるとかもやってたっけ
出番がないのはユーノじゃ売れないと思われたんだろ
単に都築が嫌いなだけかもしれないけど
>>22 ユーノって原作者が嫌うようなキャラなのか
>>20 リリカルなのはA'sのサウンドステージMでそんなことを言っていたと思う。
本当はなのはの傍にいて守ってあげたい、とかなのはやフェイト、クロノのような戦場のエースにはなれないとか。
ユーノはおそらく、レイジングハートが色々サポートしてくれるとはいえ魔法に関してまっさらの素人であるなのはへの助言者のポジションだったのでは無いだろうか。
そして、なのはが独学で魔法を学べるようになった事で助言者としての立場は消滅、その上に無限書庫への軟禁、ついでに考古学者への夢の道が開いてしまった。
……ああなるほど、成功者になるのと引き換えに色々失ったのか。
志貴のチョップにも攻撃判定が出るくらいだから、格ゲーなら殴る蹴るでいいのか
ダメージゼロの暗転返し用バインドで火力差を埋めつつ、フェレットがペチペチと戦う
フェレット形態で出たら当たり判定で最強になりそうな気がする
フィレットユーノのディストーションアタック戦法。
卑猥です
>>17 そもユーノまで攻撃魔法使う必要がある場面が無かったからな
「僕にも使えない遠距離砲撃魔法!?」
攻撃全般が使えないって言い方じゃないような
アクセルシューター系が使えるんじゃないの?
まぁユーノは攻撃魔法が使えなくてもその他がチートすぎるからな
出番が減らされた理由のひとつだろうし
>>30 いやいや沢山あったと思うが
ジュエルシードモンスターとか傀儡兵とかヴィータとか
攻撃魔法使えるのになのはに任せて使わなかったんだとしたらユーノは最低だろ
隣で命懸けで戦ってくれてる協力者がいるのに
ユーノは攻撃魔法が使えないor攻撃魔法使えるが、バインド打つ方がマシで素人のなのはにさえ教える価値もないような魔法、と考えられる
でも後者だと敵に対して効くかどうかとりあえず試すくらいはするだろうから、前者の可能性大
それとヴィータ戦のような防戦一方の戦いは互角とは言えないと思う
ラケーテンハンマーを受け止めてたわけでもなかったし
守りの戦いってのはかなり重要だと思うんだが
ユーノというか守りに入った魔導師は格下であっても難しいんじゃないのか?
魔法は防御側のが魔力効率、魔力回収とか有利
隙を出さない相手に短期戦するには、一撃で落とす大魔力を捻出する必要がある
それをいとえば防衛戦されるのもやむ無し
>>33 魔力不適合でMP常に赤ゲージな事を思い出してあげて下さい
魔力足りないんだから一番得意な分野で使うのも攻撃要員は他に居るから足りない所を埋めるのも当然と思うが
あとなのユーVSヴィータって何処のシーンだ
なのは+ユーノは相性としては結構良いんだけどね。
回復したり封時結界張ったりと、無印のように二人だけの状況では、なくてはならないパートナーだと思う。
ただアースラ登場以降は、そういったバックアップが充実しちゃったからねー。
なのはの側に居続けるよりも、知識や検索技術をいかせる無限書庫に行く方がなのはの為になると判断したんだと思う。
もちろん妄想ですが!
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/20(日) 20:48:47 ID:P+EEnOWs
そもそも、戦闘員じゃないやつが、ばりばりの戦闘員と戦ってるんだから、不得意な系統で攻撃する暇とかないだろ。
>>37 戦闘の相性が悪いとは言わないけど、抜群に良いかっていうとあれじゃないか?
ドラクエでいうなら僧侶と魔法使いみたいな本来なら後衛に配置される人達だし。
魔法使いのスカラの性能が馬鹿げてるから、なんとかなってはいるけど。
前衛にフェイト(勇者)やセイバー(戦士)あたりが欲しいところ。
なのは:ドラゴン ユーノ:商人 フェイト:勇者
はやて:賢者 シグナム:バトルマスター ヴィータ:魔法戦士
シャマル:旅の扉 ザフィーラ:戦士 クロノ:魔法戦士 リイン:デバッガー
スバル:武闘家 ティアナ:盗賊 エリオ:戦士 キャロ:魔物使い
セイバー:勇者 アーチャー:モシャス ランサー:バトルマスター
ライダー:魔物使い キャスター:賢者 アサシン:はやぶさの剣
バーサーカー:パラディン ハサン:ミミック ギルガメッシュ:チート
ディル:スーパースター イスカ:*「よくやった!ほめてつかわす」 ランス:レンジャー
志貴:毒針 アルク:カダブウ シエル:パパス「ぬわーーー!!!!」
式:デーモンスピア
リメイクおめ
ユーノバーグのまちへようこそ。
イリヤ「 ゆうべは おたのしみでしたね 」
型月で教導が出来る人って誰だろう
ランサーとかじゃね?<教導
経歴からいうと騎士団とかいたわけだし、後輩に指導ができても不思議ではないと思う。
セイバーは強いけど、指導経験はそんなになさそう。ただしスペック高いから、すぐにできるようになりそうな。
理性があればランスロットもできただろうし。
ディルムウッドもなんかできそうな。
サーヴァントになるのは一流の騎士なり英雄なんだから、少なくとも三騎士になるような者なら平和時のエースの仕事である教導官はむしろ適役ではないかと。
性格的な難はあるかもしれんが、あと王様連中はセイバーを除くと無理だろうとw
しかしなんでかしらんが、英霊エミヤとか教導官とかむいてない気がする。
なんというか、特殊化しすぎているというか…できないはずはないんだが、なんとなく。
>>39 無印みたいな長丁場での話、それも最高の相性とかは言ってないぞー。
戦闘なら、そりゃ何でもできるフェイトとの相性が抜群すぎるだろう……。
>>43 人間限定だとバゼット辺りかなあ。
>>45 バゼットはよほど生徒を選ばないと育てずに潰すタイプだと思う
型月で(教育ではなく)教導なら言峰、荒耶が適性高いんじゃないか?
あとシエル、ランサー
バゼットは根性論の人だからなぁ……
エミヤは口が出るタイプだから相性がモロに出そうだ
正直、天才タイプは教導苦手なんじゃないかと
ことにランサーは自分が戦う事しか考えてなさそうだしな
ゼル爺だな
大成できるかもね
天才が協調性がないとか教えるのが苦手というのは、ある種の凡人の願望のようなところがあるのではないか…
というのはおいといて、ランサーはわりとバイトとか器用にこなしているし、自分の好きなように闘いたいと召喚に応じたキャラではあるけども、それはつまりは生前はそういうことができなかったから、みんなのために踏ん張っていたというのがあると思う。
どっちみち、エースの平和なときの仕事としてそれようの訓練とか理論の勉強したら、性格的な難点はおいといて三騎士はどれもなんとかしそうではあるよ。
三騎士は勉強できるのか?
そういうのハスキル取得とかの成長の制限には引っかからないのかね
それじゃ何も出来ないじゃないか
成長しないってのは身体能力とか魔力とかが向上することはないって話でしょ
4次アサシンなら教導できるんじゃないかね。
たくさん人格あるんだから、一人ぐらい教導向きのやつがいるだろうし
そもそも教育と教導って何が違うんだ?
前に本スレで教官と教導官は違うみたいなレス見た事があるが
新型装備の運用テストや部隊の仮想敵として相手するのが教導隊だっけな
一般的な教官のイメージとしては教育隊ってのがあるらしい
ユーノ・スクライアは悩み苦しんでいた。
高町なのはという少女を魔法の世界に巻き込み、二度と立ち上がれないかも知れない大怪我を負ったこと、その原因が自分である事に。
強くなったなのはに、今の自分が手助けする必要は無い、そう考えて身を引いてしまったことに。
「僕も強くなって、もう一度なのはの横に並ばなきゃ……」
そう考え、攻撃魔法の適性が無い彼が選んだのは、騎士たちのように自分自身の身を鍛える道だった。
悩みながら歩いていたからだろう、気づけば知らない場所に居て、目の前には大きな和風邸宅があり、開いた門からは道場も見えた。だから彼は、立ち寄り、そこにいた人物に『強くなりたいんです』と内心を吐露してしまう。
……と言う感じに、サーヴァントが屯する衛宮家で梁山泊式弟子育成法を身を持って体験するユーノとか。
ユーノをマッチョにする気かよ
なのはクロスにケンイチとのクロスはあったなあ…。
ユーのが鍛える役だったけど。
ま、クロスだからって無理に影響とか力が変わるとかにしなくてもいいとは思うけど、サーヴァントが普通にミッドにいるとかなSSがあってもいいかもしれない。
ロストロギアを爆発させた地球の魔術師のせいで、おかしなことになったミッドチルダ。
四日たつとループする。
あるいは昏睡状態のなのはの夢の中とか。
ユーノはライダーの鎖の扱い方を真似たら、どうにかなりそうな気が。
冒険家×鞭=ロマン
なのはよりもスバル(の中の人)が惚れちゃう
ハリソンフォード的に
>>44 私は人に剣教えるのは全く向いてないって稽古で言ってたな>セイバー
スペック頼りというとアレだが、そういや確かにセイバーのは肉体の性能ありきの剣だったな
>>57 なぜか、ウイグル獄長みたいになったユーノが目に浮かんだ。
>>58 4日目の夜に全滅するミッドとかね。
―――――――――――――――――Dead Bad End
暇なので
プレシア→切嗣
アリシア→イリヤ
フェイト→士郎
にしてみた
………なのはのDVDどこ!?
リニス(´・ω・`)カワイソス
>>65 キー・キャラクターは、はやて
4日間で闇の書666頁を埋めた上に、リイン救出フラグを立てる必要がある
とか良くね?
まさに総力を結集しないと脱出不能
「よし!
>>67が猫耳ならぬ虎耳着けてヒロインになれと言ったから出撃してくる」
この過疎っぷり
やはり型月×リリカルと限定されるときついな
東方やスレイヤーズと合併でもしたらどうか
>>69 この程度の過疎は毎度の事だから。合併とまでは行かない。
このレベルの過疎が普通って相当ヤバイんじゃないの?
向こうから願い下げって言われるわ
型月なのはとのクロスなんて
前にワイルドアームズを混ぜてもいいか聞いてきた奴もいたなぁ。
東方は知らんがスレイヤーズの方は覗いてる俺からすると、もし合併ならかなり嬉しいが無理だろうなぁ。
……そもそも、あっちの過疎はもっとヤバいし。
これほど過疎過疎と好き放題に言われては、黒歴史の小ネタに息を吹きこまざるをえない
ここは下手物でもガンガン晒すべきときか
ガンガンいこうぜ!
>>76 つ みんながんばれ
いや、すまんが文章になってないからすぐに出せるもんじゃないぞ?
枯れ木の賑わいの為、妄想帳からの再利用を決意しただけだから
エクストラのセイバーはアルトリアではないようだね
しかも、素であの恰好をやらかしかねない人物らしい
フェイト・テスタロッサ?
セイバー、セイバーオルタ、セイバーリリィ、セイバーエクストラ
賑やかになってきたなぁ
ときに素朴な疑問なんだけど
HF時の黒化セイバーとホロウの反転セイバーってどっちもオルタなの?
どっちもオルタなんだが
初期のオルタと今のオルタで微妙な違いが出てるからな
昔は感情を一切廃したターミネーターみたいな感じだったが今は反転して暴君に覚醒したようなキャラ
ファミ痛見たがクソゲ臭がプンプンするな>エクストラ
しかしCVに丹下桜使ってるが新主人公かオリ鯖の役か…
ひぐらしと同じでカネのなる木として企業で利用され放題だからな
中途半端な二次創作じみたのも出てくるんだろう
質問があるんだけれども
ホロウのアンリ・マユは第5次聖杯戦争の勝者の為人を反転させたものでいいのかな
とすれば、六課メンバーほかのリリカルキャラクター版もありえるものなのかな
たぶん違うと思う。
前にHollowをやったときに話を見たが、
そうではなかったような。
PC壊れて修理に出して戻ってきた時にインストールしたゲーム
全部消えてしまったので確認できないが。
参考にならず申し訳ない。
ホロウのアンリは昔の聖杯戦争で呼ばれたやつじゃなかったっけ
>>85 もともとはそうなんだが本人の人格が擦り切れてなくなってるんで
>>83の状態になって「人格」を形作ったという話だった
zeroでも切嗣の前に現れた時はアイリスフィールの人格を再現してたんで
>>83のいってることは条件次第で起きなくはないと思う
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 18:25:05 ID:XV54XDBM
なのは母「娘がいつもお世話になっております。」
間桐爺「いえいえ。これはご丁寧に」
89 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/23(水) 19:56:44 ID:M2bFAe3k
>>88 なのはさんが桜ポジション
実にいいじゃないか
雁屋の代わりが士郎さんだな
HFルートのラストのように、なのはに潰されるゾウケンか……ホロウ補正でなのはにいびられるボケ老人じゃないだろうな。
いきなりだがギルは管理局の艦隊を殲滅できると思うか?
条件次第かもしれんが流石に型月贔屓が過ぎるような…
ぶっちゃけ各々の作品によるパワーバランス次第としか……
それこそ条件次第としか言いようが無いがなあ。
不可能ではないのかもしれないかもしれない、てとこじゃね?
物理的には貫けると思うからあとは障壁をどうにかする能力の宝具があるかどうか
ぶっちゃけ慢心と同じくらい可能性のある王だよな、何がでてくるかわからんw
追記、艦隊からの攻撃を考慮にいれてなかった
艦隊規模での作戦行動中に横からふらっときて気まぐれで攻撃(結果的に不意打ち)てな感じのシチュだということにしておこうw
正面衝突だと流石に数と火力に押されるんじゃないかね、エアは知らん
対・艦のバックアップを受けたリンディさん辺りから比較した方がいい気も
てかさりげに大した能力だなリンディさん
>>91 管理局の艦隊がまず最低限地球の核ミサイルに耐えられないと話にならない
私見だけど、ギルがメッシュはフォンノイマンと同じように「あれ(インド神話の核)は爆発がしょぼいから
使わない」とかありそうだが
誤解を招く表現があったので訂正
フォンノイマンは初めての核実験を見て爆発が思っていたよりしょぼいといっただけで、
しょぼいから使わないといってません
アースラなどの戦艦スペックって明言されてなかったような気がしたんだけど比較に出せるようなものなのかなー
自分の場合、アルカンシェルを除くなら主砲の威力も知らない
破壊や空力で制限の大きい大気圏内なら艦隊といえどヴィマーナには手こずるとは思う
宇宙戦なら暫くすれば連携砲撃で撃墜されるはず
正面決戦を唄いつつ、宝具で幻惑しながら空間渡りの鎌で機関を破壊したりするようなGIRUは知らない
物語キャラクターとしてなら、艦隊相手ならギルガメッシュは艦内に行くかな
普段なら勝てない分野の勝負に挑戦するタイプではないので
核は核で単位面積辺りの破壊力じゃ戦車砲にも劣るぜ
実際ソ連の機甲師団でも直撃でもなければ汚染を抜きにすれば生き残るという試算があった気がする
宇宙ならただ熱線出すだけだし
やっぱ射程問題もあるし、正面から撃ち合うのはナンセンスじゃないかね
ヴィマーナって宇宙に出れるのか?
いやリアル伝承だと可能だったみたいだが…
とりあえず月ならいけるぽい
とゆーか、艦隊とかギルガメッシュとか訳判らんもん対決させちゃだめだろう
艦隊っていきなりどうした?
そんなもんより、SLBfbや火龍一閃やギオ・エルガや艦砲やレジアス砲やプレシアサンダーの比較のがありがたいぜ
いいがかりですまんが、型月したらばのランキングから来てる人いないよな?
んもー、またバトルスレ向きな論議をするー。
作中のバランス調整云々とかならともかく、原作描写や設定から本格的に論議したいならバトルスレへ次元転送を推奨するよ。
>艦隊っていきなりどうした?
いや、そういう意見を見かけたもんでついな
LOBのギルが艦隊殲滅してたな
エアで
あれ艦隊だったっけ?
三隻くらいじゃなかった?
艦隊ってほどの数でもなかった気がするぞソレ
あの作品はむしろリリカル勢が凄いっていうか他所のSSの話題は
>>1の語るスレだな!
それより、ナンバーズの二つ名に宝具っぽいルビふってみよーぜ
インド神話の中には、核爆発を思わせる描写があるとか無いとか。
ギルガメッシュなら、それを持っているかもしれないという可能性がありますが。
セイン・ノーヴェ・ウエンディで
3バカトリオ<<ボンクラーズ>>
なんてどう?
分かり易くアトミックバズーカーと言えよ
あれならば艦隊殲滅とかいう眉唾もんの話も俄然、真実味を帯びてくる
ただまあ、管理局の戦力がゼントラーディ級と仮定するとそれでも無理ゲーなんだが
スパロボ?で例えんなw眉唾もなにもSSの話だw
ギルはインド核や古代マシンガンなどフルコンプしてる
ついでに王の財宝は原典補正で勝手に中身が増える
>>107 公式HPのチンク<刃舞う爆撃手>とかか?
どう振れというんだw
ダンシング・ボマーとか英語にしかならんわ
ガンダム0083とマクロスだな
公式HP見てきた
ウーノの「スカリエッティの秘書」にワラタw
こんなん、どんなルビ振るんだww
「スカリエッティの秘書(フォー・ドクター・ビューティ)」
謎の占い師クフリン氏がミッドチルダに緊急来訪!
必ず当たる!槍占い
*「この槍は師匠から受け継いだ古代魔法の逸品……」
*「私が力を込めて廻すことでアナタの“死に易さ”が分かります……」
*「私は危険な職業に就く人ほど占ってさしあげたいと思っております……」
フェイト「へ〜。えー?………おー!」
なのは「ッ!?(嫌な予感がする!)」
ふと思ったが、ヴィヴィオと付き合う男って大変そうだな
クリスマスパーティに招かれた日には・・・
>>116 政略結婚だろ
多分・・・
ミッドの政治体制とか制度がまったくわからないが
>>115 まあ、当たるよね……「因果捻じ曲げて心臓にドスッ!」だけどw
占いならメディ姐さんがいいんじゃない?
「冬木の母」「ズバリ言うわよ?」
119 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/24(木) 20:58:14 ID:yL9bX6NV
「あなたは」「結婚」「出来ない」
百ハサンなら占い師もいるはず
なんだかんだでランサーもルーン魔術でできそう
型月現代でヴィヴィオと同年代な男はゲロス=トリスタンくらいかな?
小ギルは詐欺だから除外
なのはって……StS以降で色々設定が追加されたためか、下手をするとオールドミスとかお局様とか言われるようになりそうだ。
となると、クロノが浮気するか、ユーノが外野の声を振り切って勇気を振り絞るか、とらハ3の主人公が倫理にもとる行為をするかだな。
正義の味方を目指す男とくっつけてみよう
多分そのままじゃ無理だから正義の味方→なのはの味方にジョブチェンジさせて
実はリンカーコアありました設定か、魔術回路とデバイスをリンクできるようにしてなのはと共に前線へ
そして日毎繰り広げられる赤と金のなのは争奪戦・・・あれ?
おそらく激辛麻婆で勝ち残るだろう
なんでそこで麻婆?
そういえばセイバーのバストは一応Bはある可能性が出てきたな、
ワダアルコが「赤セイバーはB→Cにバストアップさせた」と言ったが武内は否定しなかった
型月キャラでなのはと付き合えそうな剛の者はいるだろうか。
……いかん、一癖二癖で済まないようなのがゴロゴロしてる。まずカップリングできない上に、くっ付いたら余波が大きすぎる連中ばかりだ。
別にストーリー上の必然性とか二人がくっつくことの説得力みたいなのを見せてくれれば、なのはさんに男ができてもかまわんのだけど、
隣に並んで共に戦うパートナー的ポジションはフェイトだし、翼を休めて帰ってくる場所、みたいな日常の象徴のキャラはヴィヴィオだしで、
もう正直ユーノじゃ色々と足りん気がするよ。必然性とか説得力とかカタルシスとかが。
真の意味でなのはさんにとって特別になりうるのもヴィヴィオだけだし。
個人的に士郎でなのはさん攻略はアリだけど、なんかセイバールートと凛ルートを足して2で割ったような話になりそうな予感。
でもなのはと士郎って士郎がなのはに惚れることはあっても逆は無さそうだな
百合とかじゃなくて
ユーノとつきあえそうなキャラも探してあげて……いないか
きらびやかな花ほど受け皿は控え目な方が映えるんだよ
なのはみたいなのとくっ付いて一番角が立たないのはやっぱユーノだと思う
なのはと付き合いたい?奴なんているかなあ?
何度でも言う
ユーノは公式で否定されてんだよ
付き合うならTSしたユーノでしょう
ワーカーホリック三人組は・・・
控えめな受け皿?こくとーさんのことですか
ユーノの相手にキャス子さんとかどーですか
ユーノが拾うのでもキャス子さんが拾うのでもどちらでも可w
なのはさんは馬鹿だけど押しが強いキャラなら、「まあいいか」的にゴールインしちゃいそうな気がするなぁ
ええと、例えるなら大佐とコーラサワーみたいに
イスカ「今宵はサンディ・クローズとかいう王が空を翔けて民に施しを与えると聞いたぞ。余もまた空を征く王として負けてはおられん!
というわけで、そなたの娘にこれを献上しよう!」
なのは「空を飛ぶ乗り物とそれを牽く動物、赤いマントを髭のおじさん……。確かに合ってはいるけどね……」
クリスマスですね
お前らの好きななのはもフェイトも今頃、誰かとベッドでぎしぎしやってる頃ですよ
誰かっていうかその二人でセットだろ?あるいはヴィヴィオを間に挟むやもしれんが
まぁオレらにはマスもイヴも関係ないがな
クリスマスにSS投下間に合わせようと思ったけど、ちょっと無理っぽいなあ…。
>>136 思うに、ヘイタロイが枕元に立ってるのではないかな?
クリスマスに役に立ちそうな英霊はいないな
ギルなんかWiiの原典とかいってファミリーコンピューター出しそうだし
昼:言峰教会の聖誕祭
夕:機動六課と翠屋の新人〜パテシエ・シエル〜
夜:おいでませネロ・クロースさん
朝:吸血姫、誕生日を思い出す
ハサン「異教徒共の祭りに参加するのは癪だが……これもヴィヴィオ殿の為。こっそり置くのならば造作もない」
やっぱ思考と肉体の加速も魔法でできるのか
それなんてサイヤ人?
>>143 驚きの速度で起き上がり、サンタを捕獲せんとするフェイト女史
そこで型月設定のみ使った英霊サンタの出番ですよ
世界の全ての子供に一晩でプレゼント配る程度の能力だな
・・・ゴルディアスより強くね?
絶対いるよなサンタ
他の英霊以上に人々に思われてるし
いまいち不明瞭な知名度による能力補正……サンタって、物凄く高いんじゃないだろうか。
そしてあのソリは征服王の戦車に匹敵、あるいはそれ以上の速度で地球を走り回るんだろう。
サンタといえば、なのはさん(9歳)はサウンドステージMでサンタの存在を悉く否定していたな。
「昨今の情報化社会」云々とか子供らしからぬ冷めたことをいいながら。
しかしその伝説(?)故に子どものいるところにしか現れません
しかも寝静まった夜中
>>150 現実的というか夢が無いというか
一般的なようで少し複雑なあの家庭環境で育ったせいか
サンタはいるよ
心に聖霊としてな
今朝、親父に取り憑いて妹にプレゼントあげてた
残念ながら俺の部屋には結界で入れなかったようだ
>>150 あらゆる現実的思考を凌駕し尽くし――――
ここに、幻想を結びサンタと成す――――!
という戯言はさておき、
金色の舟(と書いてソリと読む)に乗って世界中の子供達にプレゼントを配るゴールデンサンタと
それに張り合って戦車を走らせ、子供の部屋にかっ飛んでくるハイテナイサンタを幻視した
寝不足でいろいろと疲れてるみたいだ、寝るわ
つかサンタ、聖杯持ってそう
>>154 地上では赤い外套を翻してサンタ(コピーバカ)が走り回ってたり
で、子供が朝起きると枕元に聖なるナイフが突き刺さってる
ホロウの残骸のように、サンタを夢見る少年少女が尽きない限り、たった一夜だけサンタクロースは無限となる。
モトネタの聖人が悪を拳で粉砕したり
地方によってはナマハゲ的な黒服引き連れてるがな>サンタ
つまりアサシン以上の気配遮断もA以上で持ってるな下手するとEX
英霊じゃ勝てん
最強サンタ伝説もいいが英霊とか魔導師じゃ勝てんとかまで言い出すとちょっとな
すぐにバトルにこじつけるw
なのはじゃ不可能
全ての過程をすっ飛ばして結果だけが認識される
キングクリムゾン的能力を妄想しただけなんじゃよ
過程すべてすっ飛ばすならそもそも戦闘が入り込む余地がないじゃないか。
っていうかサンタは戦闘能力持てないんじゃね?
子供にプレゼントを配ることだけに特化した存在になるような気がする
そもそも戦いに持ち込めそうにないな。
年に一度という制約が付いてるからこそ、その日は無敵な気がする。
ところで追いかけていったフェイトが翌朝、必死になってサンタはいたんだと力説して
フェイトちゃんは可愛いなあ的な視線で埋め尽くされるオチが浮かんだぞ。
無敵以前に戦闘にならない能力を持っているんじゃないか
戦闘時の騒音で子供起こしてしまったらプレゼント配れないじゃないか
そもそも出会ったら幻想が崩壊してしまう……
なのは「早く休まないと……」
はやて「きっと、いたずら妖精(むすめ)に幻覚魔法でも使われてたんやろ」
フェイト「そんなことない!」
フェイト「【サンタは】【いるよ】」
サンタの日も終わったな
次は七福神?
そういえば、なのはクロススレのほうに
サンタに散々な目にあうリリなのメンバーの話があったな。
クロス先がこことは違うが。
サンタはどちらかと言うと、神霊の類だろ。
それよりも、抹茶砂糖仲間が一人増えた模様です。
なのはポータブル2Pカラーで星光の殲滅者噴いた
二次SS向きな素材だなあ
保険の先生は元々親父と正反対に甘いもの好きだしねぇ。リンディ艦長を意識したのかもしれないが。
>>170 普通に聖ニコラウスのお爺さんでは、駄目?
>>173 身体が壊れてるせいで味覚が甘い・辛いの両極しか反応しないって話だったはず
つまり、甘味ばかり目立つのは親父との差別化という名のキャラクター戦略
……カレン、恐ろしい子
花椒常に持ち歩いているしなw
しかしどうしてこう裏に鬱設定を入れてくるのか
月姫2だと既に人の形を保っていないようだし
欧州だと、緑茶に砂糖はよくあるらしい
もういっそのこと時空管理局と魔術協会の橋渡しとして、リンディとマーボー再婚させろよ。
味覚について意気投合するその影に味覚について行けず、カレンとマーボーの嫌味に胃に穴を空けるクロノとフェイトがいるだろうが。
そして今度のセイバーは、さくらちゃんだそうですよ。
なのはさんいろんな意味で最大のピンチか? というか一人称が『余』って……。
激烈に相性が悪そうなんだが
一人称が『余』のセイバー。
一人称が『我』のギルガメッシュ。
……そのうち一人称が『朕』の王様が出てきそうだな。
出来の悪い二次創作じみて来たな、どっちも
星光の殲滅者に雷刃の襲撃者て・・・
セイバーに続いて凛のイロモノ路線も強くなってきてるぜ
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 17:24:19 ID:i+IXDfnK
電脳世界で聖杯戦争の再現?みたいだな。
何をどう再現したら、セイバーがあんなになるんだよ。
別人です人違いです
きのこによれば赤セイバーの正体はあの恰好をやらかすのにふさわしい人物らしい
アーサー♂が出るっぽい情報もあるよ
184 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/27(日) 18:15:20 ID:eGGCqbyd
>>182他人の空似の別人だから
声優が違う人は他人と考えていいらしいよ
つまりは.hackか
>>183 >あの格好をやらかすに相応しい
あのセイバー、透けたスカートからパンツが見えてて一時話題になったが・・
履いてないといえばあの人しかおらんよな
まさか・・・
まさか、雷刃の襲撃者―――――!
するとホームランを期待してていいのかな?
エクスカリバーレーザーのザンバーでホームランか、スカさんが蒸発するわっ!
凛はホロウの頃から既に色物ヒロインじゃないか
>>185-186からとっさに制服王しか連想できんかった
物語のアーサー王は、当時のブリテンの王達の幾人かを統合して作られた人物とも言われています。
可能性の一つとして『赤セイバーはアーサー王の起源の一人』説を挙げてみますか。まず間違いでしょうけど。
エクストラはFate関係なしに雰囲気が好みだ
あれで人間関係が濃密ならいうことなしなんだが
そういえば、アーチャーの服装って「赤原礼装」っていうらしいね
全く別のゲームでのコラボ企画で、アーチャー装備につけられた名前だけど
フェイトのはあれだ……なんか凄く安っぽい2Pキャラ臭がね
顔つきからして『偽者の見本』みたいに見えるのは何故なのか。
キャラデザインの時に一目で偽者と分かるように、と指定でも入っていたのだろうか。
>>192 やばい、以前テレビで見た「パチモノ・ウル○ラマン」みたいだ。
怪獣を集団リンチしてやっつける、あれ(笑)
いや流石にこれは…
なのはさんは完全に別人だな
黒化させるならシグナムとかザフィーラのがよかったんじゃないかなぁ
幼女ではあまり迫力がない
髪バッサリ切るとやはり変わるな。
というかなのはとはやては普通にいそうな感じだがどうもフェイトは落書き感が否めないのは何故だ?
>>197 黒とシアンの色の2色が浮いて見えるからじゃないかな?
もう少し一色ほど加えたら印象変わると思う。
コピーも繰り返すとだんだん粗くなるだろ
闇の書の残骸ではこのくらいのコピーしかできないのかな?
そうは言っても強さがまだわからないけど
一時期、この手の黒なのはの同人があちこちで氾濫してたが・・・
ついに公式デビューか
しかし、たかがコピー風情が「殲滅者」ならオリジナルはどうなっちゃうん?
なのはの最大砲撃魔法がスターライトブレイカーとその発展系なので、二つ名は「破壊者」では?
ディケイドみたいですが、魔王よりはまだマイルド?
>>201 >>201 「魔王」、「覇王」、「超越者」、「上位主」、
「超獣」、「究極体」、「超アニキ」
色々ありますが、何にいたしますか?
ようこそ、素晴らしきこのパチモノ空間へ
言いたかないがフェイトだけ手抜き感が漂う…
元々悪役っぽい黒メインの装備のせいで適当な変える部分が見つからんかったのかな
それにしてもなんで水色なんだろう。まだ赤の方が合うんじゃなかろうか
魔力光はどうなってるのかな
赤だったらヴィータと被るだろ
なるべく被らない色を持ってきただけじゃないか
A’sでなのは・フェイトの偽者が登場した時(ネコが化けてたやつ)
本物と色が逆だったからそこから取ったんじゃないかな
髪型も色素もカッコも違うんじゃ
もはやコピーでも何でもないな
もうコピー三人娘をネコ二十七キャットにいれちまおう
何を言うかね。
皆で言っていたじゃないか。『冥王』と。
いよいよもってなのはさんが小3とは思えなくなってきたぜ
空間把握能力が高い…高いのはわかるが……反応して硬球を素手で受け止めるのはヤバイw
あぁ不破の血か
今更なんだけどTHE BATTLE OF ACESにユーノって出るの?
>>210 俺なら悲鳴を上げるな
ボールの速さしだいだが痛い、かなり
つか運動神経は悪い方じゃなかったっけ…
運動は苦手、となっているし描写もあるが
フェイト曰く「やればできると思う」という旨の評価もされてた
無意識下で(?)視界に存在しているものの状況を同時に把握している、という感じかな
身体能力もそれに追い付いているようだし、普段運動が駄目なのは本人の苦手意識がそうさせているのかも
単に設定無視なだけじゃないの
劇中劇っていう扱いなんだろ?
あるいは設定変わって、昔から完璧超人でしたってことにしたか
規制が酷い中、失礼しますよ
前回の指摘
・多数の誤字
投稿する前に読み直してチェックしているのですが我ながら見落とし多いなぁ…
アグレッサー×→インパルス○ は前編に続き二回目ですが
おかしいと思って見たらプロット段階でアグレッサーって描いちまってましたOrz
・長さ
クオリティUPさせているつもりがお客に食いきれないほどの大盛り焼きソバを出し続けていたというのか……
読んだ人に熱くなって欲しいバトル描写で白けさせては致命的
今、必死で各章のシェイプアップに尽力していますがいきなり大減量もきついので徐々にスリムにしてこうと思います
しかし―――郭海皇が余分な肉を削ぎ落とす時に感じた痛たまれなさが分かるというものですねぇ…
このクロスは書きたい事が多すぎて、それに付随してくる書かなきゃならない事も多いから結構悩みます
では、フェイトルート一章後編、投下します
広大な次元世界を統括すべく結成されたミッドチルダ時空管理局
その彼らの上に特化した存在として立つのがニアSランクの称号を持つ魔道士達だ
局内でもトップレベルの実力を持つ強者達
そしてもはや言うまでもないが、あらゆるコネクションを使い
ニアSクラスを出来得る限り集めて結成されたのが八神はやて率いる機動六課である
彼女達は、後にも先にも 「これ以上はない」 と言われるほどのドリームチームとして
局全域に近年、稀に見る話題を提供する事となった
ことに局員達の口に上る話題でもっとも多かったのがズバリ――誰が一番強いのか?
奇しくもそれはJS事件の頃、6課フォワード陣と言われた新人達が口に出して盛り上がっていた話題でもある
しかしそれはある意味、永久に答えの出ない無意味な論議であっただろう
魔力値やフィジカル値のデータで比べるにしても、数字など所詮は机上の空論に過ぎない
実際の戦いは数値とデータ通りに進む事などほとんど無いのが現状だ
そもそもスターズ副隊長の言葉ではないが、誰が一番か?など何を基準にするかによって変化するもの
考えたところで一様に結論の出る事柄ではなく
仮に腕に覚えのある全ての人間を呼び集めて総当たり戦を開いたとしても――
コンディションや戦う順番などで厳密な上下を導き出すことは難しい
要は無駄な議論というわけだ
――――でありながら、、
武装隊の間ではこういった強さの格付け話は常に耐える事はない
手に武器を持ち、心身を鍛錬する類の人種はそれ故に誰かと
何かと比べ指標とすることで、精神の充足を図っているのかも知れない
話は戻り、その局魔道士達の認識において
現在ミッドチルダで――全宙域に散在している教導隊の怪物達を除けば
最も強いのでは?と噂されているのが名にしおうエースオブエース・高町なのはその人だったりする
勿論、本人は否定している、というよりそんな意見、歯牙にもかけていない
実際、一番強いとされる根拠も何もないのだし
多分に―――そう言われるほどに彼女の人気が凄まじく
多数の人間に支持されているという事に他ならない
対人評価というのはある種、人気に左右される事が多い
どこまでもニュートラルに物事を分析するのは案外に難しいのだ
数々のドラマティックな逸話を持ち、やや童顔でありながらも凛々しさを称えたルックス
そして達成してきた任務の数、困難さ、戦技披露会での圧倒的な強さの女性魔道士
教導において数多くの生徒を一人前の魔道士として排出し、その彼らから軒並み慕われている人徳
これだけの要素を持ち、それが相成り
教導隊全ての総称とされていた「エースオブエース」を己が代名詞としてしまうほどに今や万人に認められる存在となった彼女
本人はアイドルのようなノリで持て囃されるのは困りものだと感じているが
まあ人気、支持率というものは往々にして本人の意図せぬ所で推移が決まってしまうものだ
こればかりは仕方の無い事であろう
だが、、
そうしたある種、祭り上げられたエ−スオブエースの威名と並行するかのように
機動6課において、もしや高町なのはよりも強いのでは?と囁かれる存在があった
それが彼女―――
烈火の将―――――シグナムの存在である
先にあげた高町なのはとは対照的な古代ベルカ式の使い手――「騎士」と称される近接戦闘のスペシャリストである彼女は
とある事情から管理局入りをし、主である八神はやての身を立てるために粉骨砕身、任務に従事する事となった
その質実剛健の働きぶりとは裏腹に、過度に名声が先立ってしまう事はほとんどない
それは夜天の主の僕としての分を弁え、決して表に出たり、目立つ事を良しとしない性格故
また脛に傷持つ彼女の経歴がなのはとは違い、局全体がプロパガンダとして使用するのを躊躇う空気もあったのだろう
だが―――それでも彼女の圧倒的な強さは隠しようがない
「なのはさんも強えけど、俺はシグナム姉さんが負けるところなんて想像出来ねえなぁ…」とは
とある射撃用デバイスの使い手である陸曹の言葉である
実際、武装隊の間で密かに語り草になるほどの剛剣を持つこの女剣士
以前行われた戦技披露会において先のエースオブエースと彼女はぶつかり――
戦技披露は修羅さながらの潰しあいと化していた
魔力ダメージによる攻防などという事実は、衝撃だけで砕けるBJ
吐血しながら相手の肉を、骨を、砕かんと激突する両者の形相によってすっかり忘れ去られ
見物人の顔面を蒼白に染め上げるに十分な、それは紛う事なき「血戦」だった
闘いが終わり、、
10年は使い込まれたボロ雑巾のようになった両者が互いに笑いながら引き上げていったその後――
会場は恐怖と驚愕を称えた沈黙に包まれ、生唾を飲み込む音すらしなかったという
―――それは昔の物語
なつかしくも儚い彼女達の黄金時代
―――そして舞台は現代へ
無限の牢獄に囚われし乙女たち
暗雲立ち込める未来を切り開こうと彼女達はもがく
それは人の記憶に残らぬ物語
それは歴史の記録に記されぬ闘争
剣を持つのは高町なのはをも追い詰める力を持った烈将
かつてない最強の敵を前に今、
――― 眠れる力を解放する ―――
今はもうそう呼ばれなくなって久しい
かつて次元を恐れさせた一騎当千・ヴォルケンリッター
一騎打ちなら負けは無しとまで言われた最強の剣士
烈火の将が炎を纏いて顕現していたのだ
現世でも逢世でもない隔世で
彼女は誰にも見せる事のなかった本当の力を―――解放する
――――――
空からの圧倒的な火力で焼き尽くす――即ち空爆と呼ばれる殲滅戦
本来の航空機動隊の戦い方がこれある
敵を寄せ付けぬ圧倒的なパワー、スピード、防御力
ミッドチルダの犯罪者達を震え上がらせ、抵抗は無意味とまで悟らせるのが管理局武装隊のその力
トップクラスの騎士の手による、凄まじい轟音と爆風を伴った攻撃が――
竜の尾が蜘蛛の子を蹴散らすかのような光景と共になお続く
しかし相手もまた凡庸とは程遠い、星の記憶に刻まれた英霊だ
いずれも一つの時代、永遠に色褪せぬ逸話を創り上げてきた人類史最強の戦士たち
彼らならば騎士――烈火の将シグナムの凄まじい攻勢の隙を突き
己が牙を捻じ込む事も可能だったのかも知れない
だが今、その可能性をゼロにする魔道士・フェイトテスタロッサハラオウンの完璧なフォローの存在があった
拳闘の技術にジャブ(牽制)とストレート(大砲)というものがあるが、今まさにフェイトがジャブでシグナムが特大のストレート
この雌雄一対の役割を微塵の狂いもなく果たし、極大の火力を振り回す将の隙を埋める
最速にして精密な戦力運用を果たすのがライトニング隊隊長にして6課最速の異名を持つ執務官だ
故にもはやライトニング隊には一寸の隙も無く……
勝ち目が無い――サーヴァントにとってはそうとしか言えない戦況だった
フェイト、シグナムの攻勢はまさに王手飛車角取り
そんな決定的優位の元に、
―――残り10minute
最後の攻防の火蓋が切って落とされたのである
――――――
かつてミッドチルダを恐怖で震撼させた聖王の揺り篭が
決して余人の踏み込む事のない次元の狭間にてその身を横たえる
といっても今は本来の10%の性能も持ち得ないレプリカであったが…
形だけは大層なそのハリボテを本拠とする者たち
強大なロストロギアの力によって開催された、死と血に塗れた祭を取り仕切る実行委員は
同時にその祭会場にばら撒かれた無数の宝をあわよくば拾い集めようと目論む、浅ましくも悲しい敗残者たちであった
しかしてその巣窟において――――場違いな男が一人
モニター越しに映る魔道士と英霊の勇姿を、それはもう興味無さげに見つめていた
黒衣のカソックに身を包んだその四肢をソファに横たえ
眼下で行われている凄まじい戦闘を鑑賞する
我ながら良い身分になったものだ、と皮肉げに哂う男の表情にはまともな人間らしい感情が宿っているかも疑わしい
「剣の英霊、あいつ苦しそうだった……」
変わってぽつりと漏れた言葉は男のそれと比べて遥かに高い声だった
それは神父の脇に侍るように控えていた少女のもの
宿敵とサーヴァントの繰り広げる血戦の模様もそっちのけで
先の邂逅で出会った騎士王の安否を気遣うこの少女は戦闘機人のナンバー5・チンク
異邦の客人の世話係に任命され、この物騒な男に付き従う羽目になった狂気の科学者が生み出せし姉妹の5女である
もっとも狂気とやらが生み出したにしてはあまりにも愛くるしい、愛玩人形の如き相貌に人となり
監視も兼ねた重要な任務とはいえ、この男の付き添いなど貧乏くじも良いところであるが
嫌な任務でも腐らずへこたれずに健気にこなす姿は愛らしいの一言では到底片付かない
支援開始
「彼女はどうすれば我らを受け入れてくれるんだろうか
そもそもあいつは大丈夫なのか? 神父」
「私に答えられるわけもなかろう
怪しげな茶番の舞台にサーヴァントを強引極まりない方法で顕現させたのはお前達だ」
「い、いや……確かに……
でも方法については未だ不明な点が多くて…だな」
「そも拾った宝に名前を書いて己が物とする――紛う事なき盗人の所業だ
仮にも私は神の代行者でな
不心得者に口徳を授けるというのも職業柄、抵抗がある」
「……神父の仕える神様は一宿一晩の恩というものを教えてはくれなかったのか?」
頬を膨らませ、床に伏せたまま反論するチンク
その銀の長髪を称えた頭に―――
目の前の皿に盛られた内包物を無言でぶちまける神父、否、人でなし
「へっ………??」
何が起こったのか分からずに
間の抜けた声をあげてフリーズした少女が、
「、ッッッッあづォォォォーーーーーーー!!?」
直後、怪鳥音じみた悲鳴を応接室に木霊させる
ぐつぐつに煮立った湯気放つ餡かけが頭頂部を犯し
後頭部を経てスーツの間から背中に進入
火を司る料理と言われる中華の熱さを文字通り体感した少女が悶絶して転げ回る
銀髪を振り乱して床をのたうち回るその頭からゴロゴロと転がるゴムのような物体は
彼女が「豚のカクニ」と称して神父に出した、セイバーとの友情の証……もとい、滋養豚の残骸だった
「ななな、何てことをするんだっ!?」
「一宿一晩が聞いて呆れる
未だ私はまともな飯の類を何も口にしてはいないわけだが?
客人に生ゴミを食わせる輩が恩義などとよく口に出来た
そんな事であの剣の英霊を手なづけられるものか」
「な、なまっ!? そんな食べもしないで!?」
「生憎、セイバーのように昏倒させられる気はないのでな
全く世話係などとよくも言えた
優秀な機械人形と嘯いてはいるが貴様――その実、何も出来んのではあるまいな?」
「失礼な!! 妹やゼストの世話は全部、私が担当したんだぞ!
料理は初めてだから勝手が分からないが個体の洗浄などは大得意だ!」
機人の誇りは自分が守る
手を腰に当て、ふんぞり返って答える五女
「―――ならば洗浄して貰おうか―――」
「へ……?」
ヒートアップして憤然と神父と相対していた少女が
カエルの詰まったような声を出したその前で、
おもむろに上着を脱ぎ出す神の御使い、言峰綺礼――――
――――――
―――業に入らば郷に従え、とは現地のニンゲンのコトワザ
舞台が辺境の惑星だというのなら嗜み物もそこに合わせるのが粋であろう
男の手に持っているのはサロン・ブランド・ブランブリュット
10年で僅か3回しか造られない幻のシャンパーニュである
その貴重な葡萄酒を片手に黒衣の神父と語り合おうと
部屋を訪れたのは言峰綺礼とは対照的な出で立ちの白衣の男
天才科学者ジェイルスカリエッティその人である
だがしかし、、彼が客間の扉の前まで来た瞬間、
「うわああああああああああん!」
目の前の鉄扉がバタァン!と凄まじい音を放ち、科学者の前で勢い良く観音開きになる
目を白黒させるスカリエッティの前で開け放たれた内側から脱兎の如く逃げ出す影
人外の脚力を発揮し、トップスピードに乗って空気を切り裂き
あっという間に見えなくなったその影の――
後姿と、なびく銀髪だけが辛うじて視界に残る事となった
「ふうむ?」
果たして中で何があったというのか?
塞がった手で器用に扉を開けて中を覗き込むスカリエッティ
「………………取り込み中だったかね?」
「そうでもない
ただ少し考え事がしたかったのでな――小娘には出て行って貰った」
ほどなくお前が来たので何の意味も成さなかったが、と付け加えた神父
鍛え抜かれた強靭な上半身を再びカソックで隠すその仕草の何と絵になる事だろう
「それは済まない事をしたねぇ!
私はてっきりキミが……」
「私が何だ?」
「いや、キミが我が愛しい娘に情欲を催してくれたのではないか、と淡い期待を抱いたのだが」
随分と歪な「淡い」もあったもんである
「しかし姉妹の中でも随一の気骨を持つチンクが
あんな声を発して逃げ惑う事など滅多に無いのだが……どう思う? 綺礼」
「………」
務めとあらば異性に侍り、湯浴みに付き従う事など意にも介さない戦闘機人
そんな彼女を知る博士にはあの嬌声塗れの姿は実に目新しい
生憎、幼女を私物化して侍らせるという世の好事家にとっては狂喜乱舞するようなシチュエーションも
人が幸せだと思う事にとんと無頓着な彼――言峰綺礼には猫に小判としか言いようが無いのだが
「もしかしたらキミを意識しているのかも知れないねぇ
これが噂に聞く思春期というやつか……!」
「気持ちの悪い事を言うな」
「いやいや実に興味深い!私は残念ながらニンゲンというものが今一、理解出来ない!
あの娘たちは悲しいかな外界から閉ざされた純正培養の中で育ってきた!
だから今までは戦闘機人の<人>の部分を学習させるに至らなかったわけだが!」
芝居がかった大仰な仕草でいつもの演説を始める白衣の科学者
「ニンゲン……それもキミほどの強力な毒を持った個体は実に珍しい!
その毒は娘たちにも何らかの影響を与えてくれるらしい! ああ……それは実に喜ばしい事だ
最悪の生きた見本としてキミは極めて良い教材になれるとも!
いっそ義理の娘としてキミにチンクを預けてしまおうか!」
チンク本人が聞いたら泡を吹いて卒倒するような事をしれっとのたまう博士
大事な娘をよりによってこの男に預けるなどろくでなしの極みだが
当人はまた嬉しそうに声を張り上げている
「そう! 大事だからこそキミに預けたい!
私が求めてやまぬ生命の揺らぎ……ッ
ことにキミは他人を揺さぶる事にかけては絶品だ!
ふふふ、つくづくキミに目をつけた私の目に狂いはなかったといえるだろう、ああ言えるとも!」
「お前だけには言われたくないと憤慨すれば良いのか? 私は
まあ否定はせんが」
狂乱の白とは対照的な黒が気の無い返事を帰す
相変わらず人を食った、どこまでが冗談か分からぬ男だった
ある意味、娘の成長を憂い喜ぶ父親に見えない事もないが (それはもう慈愛に満ちた好意的な解釈をもって)
まあ何にせよ、だ
生まれ故郷を遠く離れた地に既に死した身を叩き起こされ
まずさせられる事が家族ゴッコだというのだから良い迷惑である
馬鹿馬鹿しくて溜息も出ない
ことにあの小娘の銀髪を見ていると――どうにも琴線に触れる
家族といえば、亡き自分に代わり新都の教会を取り仕切っている
どうやら自分の種から生成されたらしい銀の長髪の娘がいると聞いたが――
ソレと被って居心地が悪いとでも言うのだろうか?
(―――そんな殊勝な心の持ち主でもあるまい、私は)
本来持ちえぬ記憶でありながらそれは
隔離世に身を置いた事によって男の中に確かに在った
…………だから何だというわけでもない
そのような事実が彼を揺さぶる事もない
そんな常人ならば大いなる心残りになるであろう事象も
余計な荷物くらいにしか思わないのがこの男、言峰綺礼という人物なのだ
―――もはや自分があの世界に戻る事も、影響を及ぼす事もない
相変わらず騒動の黒幕のような位置に座し、以前と同じように高みから駒の蠢く様を見ている
だが今回、自分は何の当事者でもない
この茶番劇において狂言回し以外の役割を担う事もありはしない
以前のような悪意と狂気に満ちた行動力は既に枯れ
暢気に晩酌などを嗜んでいるその目下――
かつての自分の使い走りが悪戦苦闘している様を精気の抜けた双眸にて見下ろすのみであった
(―――それにしてもランサーよ)
自身の、神父と同様の哀れな姿にも気づかず
令呪による縛りから解放され、全力で駆ける男の姿が瞳に映る
旧知より剥ぎ取った下僕の類が
あれほど愉快に笑った所をついに最後まで見る事はなかった
それは自身の手駒であった槍のサーヴァントの本来の気性であろう
そんなザマでも思うままに飛び跳ねられるのがそんなに嬉しいのか…
まるで首輪を外されてはしゃぎ回る犬ッコロだと、にべのない感想を抱くのも忘れない
かつて冬木の地で凌ぎを削ったサーヴァント達が蟲毒の檻にて踊り狂う
聖杯に変わり、英霊召還の無理を押し通すこのオーバーテクノロジーのシステムは
そのまま彼らを好き勝手に弄ぶ傲慢な縛鎖に他ならない
戯れに戯れを塗り込んだその無礼に過ぎる仕様を地球人代表として笑えば良いのか憤れば良いのか
彼らはもはやギルガメッシュの言った通りの―――紛い物の人形だった
ランサー、ライダー、そしてセイバー
正視出来ぬほどに歪になってしまった地球の神秘、幻想の具現たち
何も知らずに舞い狂う彼らもいずれはその袋小路の運命に絶望するのだろう
無表情の男の口元が微かに歪む
「せめてそれまでは足掻いて欲しいものだな
ランサー……せっかく私の手綱から逃れたのだ
ろくに観客を笑わせぬうちに退場する道化もなかろうよ」
含んだ笑いと共に
かつての自分のサーヴァントに彼なりのエールを送る神父
その相貌が―――
矯笑に騒ぐスカリエッティの視界の外で暗く
どこまでも暗く淀み沈むのであった
――――――
果たしてそんな槍兵にとっては全く嬉しくない人物からの応援が彼に届いたか否か
それを推し量れるほどに男は―――生易しい状況に置かれてはいなかった
そんな余計な思案に耽る事を一切許さない怒れる火竜の蹂躙がそこにある
少し前までは林道だったこの地が、既に炎と斬撃による大空襲によって大きく地形を変え
薙ぎ倒された木々のほとんどが高熱で炭化し
今、眼前に広がるのは無残な焼け野原のみ
轟炎の剣士と炎の剣精のデバイス
JS事件における最終決戦で初めてその身を同化させた両者が叩き出した破壊力は
恐らくは全リミッターを解除したなのはと同等以上という、壮絶にして余りある数値を叩き出した
この世にパワーバランスを司る何かが働いているのだとしたら
二者を引き合わせてしまったのは明らかに職務怠慢だと言わざるを得ない
まるで竜種そのもの――
それは正しく人ではない、大空に駆ける飛竜だ
轟々と燃え盛る炎を纏い、生物の頂点に立つ最強の亜種
まさに竜の威厳と変わらぬそれを以って、剣士は二体のサーヴァントを蹴散らし続ける
散らされる側はまるで蜘蛛の子のように圧倒的な火力を凌ぎ続けるしかない
これほどの猛攻を受け続け、決して少なくないダメージの蓄積で流石の英霊も動きが鈍くなっている
電撃使いの雷のダメージは体の外側でなく芯に残り
そして直撃すれば骨も残らぬ剣閃烈火が頭上スレスレを通り過ぎるのも幾度目の事か
このままでは丸焼けになるか塩漬けになるか――
勝機はおろか生還すら絶望的な状況だった
「………」
「ランサー?」
明らかな劣勢において普段は騒がしい槍のサヴァントが沈黙している
訝しむ騎兵
敗色濃厚で意気消沈するとは情けない、と皮肉の一つも投げてやるべくその相貌を覗き見る
果たしてその横顔は―――
「ライダー……………俺はな、一応
何の悔いも未練もなく生涯を終えた英霊って事になってるが――」
憎たらしいほどに、いつも通りの男の顔であった
「何ですか? 藪から棒に
この期に及んで身の上話などされても困りますが」
「まあ聞け」
いつもと変わらぬ、戦いを渇望する戦鬼そのものの姿
それはそうであろう
この男が絶体絶命くらいの状況で弱気になるわけがない
「実はな―――心残りはあったんだよ
心逝くまで戦場で暴れまわったこの身だがよ
そういやドラゴン殺しはまだしてねえなって…」
刻まれた火傷と斬傷が嬉しくてたまらない
敵が想定以上の戦力だったなどと萎える思考を男は微塵も持ち合わせてはいなかった
sien
「命脈尽きてなお、挑む機会を与えてくれた
古今東西の戦の神に感謝するぜ
アレは俺の相手だ―――お前にゃ渡さねえよ」
ここに来てまだ一騎打ちにこだわっていたりする槍兵
仮にこの地で討ち果たされても本望という意思さえ感じ取れる
流石は戦バカ……否、戦ヲタク
とても並の神経では理解できない
(どうしたものか…)
当然、対面のライダーの思考は対照的で、彼女はここで果てる気などはない
戦いに結果以外の意味など求める性分ではないし、この槍兵と一緒に討ち果たされる義理も無い
狂人に付き合って枕を並べて討ち死になど笑い草も良いところだ
唯一心残りなのは頭上――
あの炎の騎士の遥か後方
キッとこちらを見下ろす黒衣の魔道士
もはや到底、あれに手が届く状況ではないのだが……それにしても口惜しい
(ペガサス――)
は、駄目だ……
どこぞのバカ犬の駄目押しで神殿を破られた
自身の体内に残る魔力はほとんどない
弾奏に残った最後の一発――周囲全てが敵であるこんな乱戦ではとても使えない
あの美しい獲物を取り逃がすのは癪だ……
しかしいよいよとなれば隣の男を盾にして撤退を決め込むしかないだろう
(何とか再び彼女らを引き剥がせれば、また話は違ってくるのですが――)
既に佳境に入ったこの戦い
四つの思考が乱れ飛ぶ中、
Last assault 開始後二分 ―――
時限を現す時計の針が五分の一、進んだ事を場に示していた
――――――
軍や、作戦行動を旨とする機動隊において 「アサルト」 とは急襲作戦を意味する言葉だ
敵地に精鋭部隊を送り込み、一気に相手を叩く
その手の作戦の頭文字として流用される用語
ならばまさに今、騎士と魔道士によって展開された攻勢こそ
ラストアサルト――最後の急襲作戦と呼ぶに相応しい
<よっしゃあ絶好調! シンクロもばっちりだぜ!>
「……」
数分という時間は普段ならば瞬く間に過ぎ去ってしまうが
全開を賭して行動した場合、その濃縮された体感時間は驚くほどに長く感じられる
故に肉体の全力を超えた、自身の出力を振るい続けた二分間
10分にも20分にも感じられたその攻勢の第一波
思う存分、サーヴァントを追い散らしたシグナムとアギトが
改めて要した時間に目をやったのが――二分過ぎの事だった
戦況は既に詰めに入った段階で
融合デバイスの少女の口からも 「あとは消化するだけ」 という
どこか弛緩した空気が混ざる
空襲―――抵抗も何も無意味な状況下では頭を垂れるより他の選択を相手に残さない
一方的過ぎる攻防はこちらの緊張感を殺ぎ
逆に敵の心をどうしようもなく折るものだ
普通ならば、このまま相手の気力体力を叩き追って終わらせられる事は間違いない
だが、自身の体に刻まれた数々の傷跡
共に思い出される敵の圧倒的な手腕
「普通」ならばこの初撃で勝負はついているが、ならば相手が「普通」でないならば――?
<こちとら力が有り余ってるんだ!
見てろ……一泡も二泡も吹かせてやるぜ!>
「調子に乗るなアギト」
(わ、、分かってらぁ…)
遠巻きから見てなお、奴らの動きにも目の内に宿った闘志にも衰えはない
果たしてこのまま決めさせてくれのか―――?
騎士の心胆には未だ立ち込めている暗雲が晴れる事は無い
敵も馬鹿ではなく、この期に及んで闇雲に飛び掛ってくるような真似はしない
万全の体制で間を詰めるこちら側に無闇に跳躍すればどうなるか――十分に理解している
だから今は回避の一点張り
凄まじい火力に追い立てられ一方的に削られてほどなく動けなくなるとしても今は頭を伏せ
あるか無いかの一瞬のチャンスを待ち続けている
凄まじい胆力だ……それだけで驚嘆に値する所業
ほどなく迫り来る死に対して、露ほどの恐れも恐慌も抱かぬというのだから人知を逸している
対して、こちらが気をつけるのは今の所、槍兵の投擲のみか
結界に閉じ込められた時に槍兵が見せた、自身の巨大弓に勝るとも劣らぬ一発
あれは撃たせるわけにはいかない……こちらに傾き続ける戦況を一手で引っくり返されてしまうだろう
だが、故に後方より打ち込まれるフェイトの支援射撃は絶妙の一言だった
敵の機動力や反撃の出先を大幅に制限させる事により、切り札の抑止は完璧だった
騎士は攻撃にのみ集中でき、その的を絞るのも容易となっている
相手に付き合って地上に降りて行く必要ももう無い
今ここに訪れるサーヴァント絶体絶命の窮地――
このままではいくら彼らが埒外といえども討ち取られるは必定であった
シグナムが振り被った炎尾の業火を掻い潜る英霊二体
返す刀が再び戻ってくるまで数秒を要すが、その剣士の薙ぎに一拍子遅れ
高速で飛来するフェイトが巨大なザンバーを構えて飛来する
後方支援に徹するかと思いきや、隙を見せれば一足で踏み込んでくるのがこの魔道士の恐ろしいところだ
ソニックインパクトのトップスピードは英霊を凌ぎ、到底カウンターを合わせるどころではない
戦闘機によるぶちかましを髣髴とさせる当たりでランサー、ライダーを吹き飛ばす
再び散り散りにされる蒼と紫
瓦礫と噴煙に塗れながら地面に四足で着地するライダーだったが……その腕に将の蛇腹剣が巻きつく
ジュウ、という肉を焦がす音と匂いと共に、凄まじい牽引力が騎兵の身体を引き摺り始める
そのまま高速で右方に飛び荒び、ライダーの身を引き回し
先ほどの返礼とばかりに力任せに叩きつけるつもりだ
「むう……!」
だが騎兵とてそう簡単に力負けはしない
たたらを踏んで前方に転倒しかけた彼女が四肢を――
否、捕られられた右腕以外の三肢をフル稼働
片腕両足の指を地面に食い込ませて場に踏み止まる
ガクン、という凄まじい抵抗を受け、将が驚くべき手応えに息を呑む
灼熱の蛇腹剣に二の腕を締められながら、食い込む刃を意にも介さず
女怪は右手で剣を掴みながら騎士と互角の力比べに挑んだのだ
「ふッ――」
「こいつ、、!」
脳裏に過ぎるは地球において最もポピュラーな昆虫――
あの甲虫最強の一本角の昆虫もまた、木や地面から引き離される際
そうはさせじと四肢を踏ん張り、驚くべき抵抗を見せるが、まさにそれを彷彿とさせる光景だった
ユニゾンし、出力最大の自分と曲がりなりにも膂力で並んで見せる
改めて思う―――そういう個体なのだ……今、戦っている相手は
<何の! ぶっこ抜いちまえッ!!>
「言われるまでもない!」
旅客機のような轟音を撒き散らし、更なる出力を発揮する空の騎士
女怪の地を食む片手両足がミシミシと悲鳴をあげ、爪にビシリとひびが入る
それでも炎竜を留めようとする彼女はまるで大地に根差した大木のよう
怒れる竜と、その尾を掴んだ魔性の怪物
地上と空中にその身を置いた人外の幻種同士の――剛力比べが始まった
――――――
(っ……シグナムっ!)
止まらぬ連携が――止まった
否、力づくで止めたライダー
雷の魔道士の表情に焦燥が浮かぶ
途切れたコンビネーションの隙を見逃す相手ではない
防戦一転、一気呵成に反撃に出るランサー
10を超える射撃魔法を残らず撃ち落とし、あっという間にフェイトに肉薄してくる
牽制攻撃だけではこの蒼き戦神を押し留める何の役目も果たさない
意を決したフェイトも己がデバイスを近接仕様に組み上げて応戦
二つの影が高速で激突し、すれ違い
空と地上、再び対面に立つ
「世間様に迷惑ばかりかけて来た怪物が――たまには人の役に立つじゃねえか!
そのまま一時でいいから抑えとけ!」
豪壮無纏に槍を回転させ、
「すぐに―――終わるからよ」
フェイトの体に照準をピタリと合わせて構える
凛とした佇まいに淀み無い殺気
対面する魔道士の心胆に氷柱が打ち込まれる
何度相対してもゾクっと総身を貫かれるような感覚にまるで生きた心地がしない
英霊にとって既に敗色濃厚の中で
突破口を開くとするならば、こうして再び一騎打ちに持ち込む事
つまり逆に言えば、こちらはここが踏ん張りどころ――
「………!」
無数の矢を再び装填し、槍兵に突撃を敢行するフェイト
肌にジャストフィットしたボディスーツにスパッツ
露になった肩から二の腕、太股の辺りまでしか覆っていない下半身
奇しくも男のそれに勝るほどの超軽装は、あの騎兵を凌ぐ疾走を見せた彼女の決戦モードだ
「嬢ちゃん――こうなった以上、主義も主張も関係ねえ
一気に叩き潰させてもらうぜ!」
一部始終は男も見ている
速度で言えば自分をも越えるやも知れない相手である事は重々承知
それを―――短時間で倒さねばならない
故に男はいつもの飄々とした笑みを浮かべてはいない
神速を超えた神速にて飛ぶ雷鳥を仕留めんと足を踏み出すは
溢れるほどの殺気纏った槍の魔人
「やれるものならやってみろ…!」
先ほど後れを取ったランサーに再度、臆せず斬り込む魔道士
その顔には気後れなどは微塵も無い
二撃三撃と打ち込みながら、先の二の轍を踏まぬように軌道修正
そこに余分な感情の入り込む隙は無い
スピードと引き換えに失った各種ステータスは決して馬鹿に出来ず
四者の中ではっきりと自分が一番、体力、耐久力では劣っている
故に速度よりも馬力とタフネスがものを言うこうした乱戦下では
間違いなく自分が……一番撃墜される可能性が高い
少しでも気を抜けばバッサリとやられる――だからこその後衛配置
それを崩された以上、決死の覚悟で相手を迎え撃たねばならない
考えている暇などない
あっという間に景色が流れ、色々なものを追いてきぼりにする両者の交錯は既に始まっているのだ
人外領域に踏み込んだその戦闘は、人間である自分が限界の一つ二つ超えて初めて戦いになるレベルだ
無理・無茶などと言ってはいられず、当然のようにレッドゾーンを超えてアクセルを開けていくこの現状
魔法の力でそれを比較的容易に引き出せるとはいえ――裏を返せばその先は、死…
一線を越えれば肉体の崩壊、または電池が切れるように心臓が停止してしまうか――
そんな危険な領域に足を踏み入れて数刻、、いつまで持つのか自分でも分からない
絞り潰されそうな心臓の動悸を無視して押さえ付け、執務官はサーヴァントと交戦する
あらためて対峙すると、同じ軽装でありながら膂力と安定度ではランサーは桁違いだった
ズシンと根を張り構えた時の槍兵はまるで巨大な壁そのもの
残像を引いてそれに向かう最速の魔道士だったが、今の残り戦力で到底崩せる代物ではなく
でありながら、それでも果敢に攻める彼女の凛とした戦意こそ心地よい
男の四方を撹乱しながら一瞬でランサーの後方に回り込み、ノーモ−ションで肩口に鎌を振り下す
「潔さは買うが、甘えッ!
殺気まで消せれば完璧だったがなっ!」
負傷した目を突いた死角からの一撃を
事もあろうに眼で追いもせず、後ろ向きのままに上段で受け止めるランサー
こんなのは時代劇でしか見たことがない
研ぎ澄まされた心眼
相手の行動に対する読み
やはりこの男――最上級の達人だった
しかしこれで終わりではない
途端、ランサーの前方よりフェイトの雷の矢が飛来する
男の後方に回り込む前に既に撃ち放ったプラズマランサーだ
自身の放った弾丸すらをも追い越す速度を持つフェイトだからこそ可能な全方位移動攻撃の真髄
上方の鎌を受けて晒した胴に、このままでは矢が突き刺さるは必定
無防備な胸と腹部に襲い掛かる鋭い先端が勢い良く飛び荒び、ランサーの目前に迫る
「おらあああっ!!」
「うっ!??」
しかし鍔迫り合っていたバルディッシュが前方に引き摺られる
男が、受けた鎌ごと強引に後方のフェイトを引っこ抜き
背負い投げの要領でぶん投げる
視界ごと天地が引っくり返り、軽々と投げ放たれるフェイト
やはりこの程度の思惑に討たれる槍兵ではない
前方に投げ放たれた先には自身の放ったプラズマランサーが今なお飛び向かってくる
このままでは墓穴――己の放った矢に全身を串刺しにされてしまう
「何…!?」
だが、そこで驚愕したのはランサーだった
指向性を持った魔法の矢――それがフェイトのプラズマランサー
コンマの速さで揺れ動く戦況に際し
フェイトの戦術思考は聊かの遅れもなく追随し、修正を開始
衝突する筈だった彼女と無数の雷は、矢の方がまるで意思を持ったように回避
歪な鋭角的な軌道でフェイトの体を避けて、その全てが再び、あらゆる角度からランサーに降り注ぐ
「野郎っ!」
自由になった両手で扇風機のように魔槍を回転させてそれを弾き散らすランサー
だがその最中、敵の様相を見据えて再び舌打ちをする
投げられ、地面と平行に滑空しながら魔道士は手の平をこちらへとかざす
背中と頭を地面に擦るような低空飛行で、逆さまの姿勢のままに打ち放つフェイト18番の砲撃
サンダーレイジが轟音と共に打ち放たれた
「うおっ!?」
これは槍で弾き返すには大きすぎる大砲だ
なりふり構わず地を転がって回避する槍兵のすぐ横を黄金の射線が通り過ぎる
地面をゴロゴロと転がってすぐさま立ち構える槍兵と
こちらも地面を滑って投げの勢いを殺し迎え撃つように立ち上がるフェイト
役不足などと二度と言わせない――
普段は優しくておとなしい性格の彼女だが
突き付けられた屈辱を跳ね除けられないような弱虫では断じてない
その顔、その目には先ほどの槍兵の言葉 「相手にならない」 と断ぜられた事に対する反骨心がありありと浮かぶ
(不足どころか実際、大したタマだぜ…)
どうも誤解されているようだが槍兵とて彼女の業には一目置いているのだ
通常、あれもこれもと手を出せばどっちつかずの中途半端な代物にしかならない
だがあの娘は全範囲、全方位において全ての距離を高い水準でモノにしている
その技量――評価しないわけにはいかない
凌ぎを削るライダーとシグナムの方をチラっと見る男
(あっちは何時まで持つか…
つうか何で宝具を使わねえんだ、あの馬鹿)
立ち塞がる金髪の美貌の少女
英霊とはいえ、これを一息に飲み込む事は至難
ただの人間が英霊に比肩するだけの天才的なセンスを発揮する、などという事が本当にあるのか…?
「ならば是非、とことんまで見せて貰いたいね……なぁ?」
Last assault 開始後三分 ―――
例え刹那の出来事だったとしても……
刃で語り合えるのならば、その時間はかけがえの無い宝である
男は再び槍を唸らせ踏み込む
あいての突撃に合わせ、グラウンダーの低空飛行で地面スレスレを潜りながら、フェイトは槍兵の足元をサイスにて狙う
決して正面からはぶつからない
この男とまともに切り結んだら潰されるだけだ
小さな跳躍でそれを透かし、刺突を飛ばそうとする槍兵
だが上空三方向から牽制の矢を降らせ、敵の攻め手を殺ぐ魔道士
男が射撃を弾いた一瞬の間で、フェイトはミドルレンジにまで後退
三日月の刃――中距離射出魔法・ハーケンセイバーをデバイスの先端から飛ばす
(これは多分、避けられる……けどっ!)
それを追いかけるように飛翔する黒衣
腰の燕尾が突風ではためく
美しいムーンサルトの機動を描き、常に死角へ死角へと回り込むフェイト
その逃げていく金の髪をどこまでも執拗に追いかけるランサーの赤き魔槍の連突も激烈さを増し
セオリー通りだが丁寧に、着実に組み立てられた歯切れの良い攻めを続けるフェイトに対し
常人ならば影すら見えないその軌跡を見切り、徐々に追い詰めていく
支援
(さすが……なら、これで!)
空中で回転し、その遠心力でアッパースイング気味にランサーに叩き付ける
それはサイスの時には感じなかった凄まじい重さを持つ戦斧の一撃だ
「む……!?」
間を詰めようとした男が重い一撃で後方に半歩下がる
状況に応じて変化する武器が攻防においてこれほどに有効に作用するとは…
まるで別の武器を持った何人もの敵を相手にするようだった
当然、持ち主にピーキーな技量を要求するマルチウェポンだが、その点フェイトに何の不足もない
「ロックオン……バルディッシュ!!」
間髪を入れずに大砲の砲身を相手に向けるフェイト
男に命中させるのは困難だろう
しかし―――その背後、
「!! おいライダー! 避けられるなら避けな!」
「――――、!」
炎の騎士と力比べをしていたライダーに向けて叫ぶ
「サンダースマッシャー!!」
と同時に放たれたサンダースマッシャー
同時ロックオンによる砲撃が同一軸線上に並んだサーヴァント二人を薙ぎ払う
一人は中空、一人は必死に身をよじり、金の濁流から命辛々、身をかわす
濛々と立ち込める土煙と周囲を焦がす雷の残滓、バチバチと電磁波が乱れ飛び
必殺の雷撃が、薙いだ刻印を大地に刻み付けるその矢先、
「おおおおっ!!」
「―――、!」
支えを失い、宙に浮いたライダーを踏み止まらせるものはもはや無い
捕らえられた右手ごと、シグナムに振り回されるライダー
その肉体が数回転ほど宙を彷徨い――
「、―――ッッ!」
勢い良く地面に叩き付けられる
ゴシャァッッ、と鈍い音が辺りに木霊し
地面をバウンドして滑り、その衝撃に声の無い苦悶を漏らすライダー
紫の髪が泥に塗れ、無様に這ったその横で――
「おかえり」
「…………」
槍のサーヴァントがばつの悪そうな顔で佇む
「……成果は無しですか」
「―――――俺もなまったもんだぜ」
それは千載一遇のチャンスにも関わらず
それを生かせず再び合流する事に対する苦笑いであろう
圧倒的不利な状況へと逆戻り
後ろ手に頭をボリボリと掻くランサー
ゴール直前で振り出しに戻る双六のやるせなさを存分に感じ取れる瞬間だった
敵も上手い―――
こちらの不仲、コンビネーションの欠落を見抜き
決してばらけないように戦場をコントロールしている
その確実さ、堅牢さはサーヴァントを以ってしても犯せぬというのか…?
「どうにもならんな……いよいよ持ってジリ貧か」
空中でこちらを包囲するように旋回する赤と金色の軌跡を見上げて男が呟く
まるで意志を持った流星のように空に尾を引いて飛ぶ相手の何と華麗で力強い事か
槍兵がいよいよ、いちかばちかの覚悟を決め
騎兵が何とか窮地を脱出しようと画策し、
Last assault 4分経過 ―――
追い詰められているのはサーヴァント
しかして背水の陣を敷いたのは、、
じりじりと相手を攻め立てながら―――
「時限付き」の攻勢を消化していく魔道士と騎士
焼け付く体内を推しての戦いはなお続く
圧倒的火力で捻じ伏せに行き
退路を断って撃ちまくり、
―――しかし未だに決定打を奪えない…
牽制は意味を成さず、大きいのを放っても悉く空を切る
ならその上を……回避の余地の無い
それでいて必殺の一撃を持ってこなければ彼らを倒せない
上空、フェイトとシグナムが短いアイコンタクトを交わし、再び英霊たちに襲い掛かる
彼女らに残された時間は――あと、6分足らず
それまでに、、それまでに敵を沈黙させねば……
――――――
「提案があります」
「あとにしろ」
聖杯戦争に招聘されたサーヴァントである二人――ランサーとライダー
神話において数々の伝説を持つ両者であったのだが
この戦いはそもそも伝説とかいう前に、初歩的な部分で蹴つまづきがあった
言うまでもなくチーム戦では個々の能力よりもパートナーとの相性が重要となってくる
故に思う―――
やはりというか予想通りというか、、つくづく相性が悪すぎると…
敵同士とはいえ、火急の事態で共闘を余儀なくされるケースは決して少なくはない
先ほどまで本気で殺し合っていた者同士が
新たな敵に対して見事な連携を見せて戦う光景というのは珍しくないのだ
例えるならここではないどこか、、
直前まで剣を交えていた騎士と魔道士が意気投合して強大な王と対峙したように――
しかしながら二人は思う……
こいつとは……
どんなに戦いを通じても……
――― 駄目だろうな、と……
「提案があります」
「うるせえな! 今、忙しいんだよ! さっさと言え!」
「では言います―――これでは埒があかない
死ぬほど嫌ですが、貴方に私と協力する権利を与えましょう
何とかして彼女らを分断し、一対一へと持っていく手助けをしなさい」
「オマエな……脳みそ湧いてんのか?
第一、協力などせんでも……うおっとぉ!」
頭上を通り過ぎていく火竜の尾を屈んで交わす二人
背中の肉が焼け焦げて削れる
もう―――長くは持ちそうにない
「協力などせんでも、お前がどっか行きゃ済む話じゃねえのか?」
「済みませんよ――フェイトの射撃は明らかに私と貴方を離脱させまいと放たれています
どうやら向こうは我々が敵同士だと気づいているようですね
袋の鼠は一緒に叩く……彼女らは実によく分かっている」
目の前であれほどの不仲を演じたのだ
こちらの内情など既に知られていて当然である
「感心してる場合か阿呆
敵の思惑が分かっていながら、こっちは足を引っ張り合って何も出来ねえ
これじゃネズミ以下だぜ、俺たちは…」
「このままでは二人揃ってここで倒されますね
サーヴァントが文字通り雁首を揃えて敗北――
初戦敗退の不名誉と相成って、後世に恥を残す事に」
「………」
自嘲気味のライダーの言葉が胸に刺さる
流石にそいつはいただけない………
英霊と言っても千差万別、個人差はあるがそれでも彼らには一様に誇りがある
召還された自分が取るに足らないサーヴァントだった、などという不名誉は彼らにとっては耐え難く
そんな無様な結果を残したくないという感情は全サーヴァント共通の本能のようなものだ
「………一回だ
一回だけ、協力してやる」
このままでは宝具さえ満足に使わぬままに自分たちは討ち取られてしまうだろう
こいつの前で隙を見せてたまるか…と、互いの顔に書いてある通り
宝具はそれを放出した瞬間、彼らに大きな隙を生じさせてしまう
隣にいれば、その隙に乗じて相手を刈り取る事など容易い
ことにサーヴァントなら尚更だ
故にその警戒をどうしても捨てきれない時点で―――このチームの敗退は初めから決まっていたのだ
「決まりですね
私はあの金色の娘の相手をします
文句は無いでしょう?」
「好きにしな―――こちらも好都合だ」
鉄の結束を見せるライトニングの二人に対してのハンデ戦
今にも止めを刺されそうになって
ようやく精一杯の譲歩を見せた両者にインスタントな絆が芽生える
期間限定で心を通わせる即席コンビがこの差し迫った状況に何を齎すのか――
ともあれ、相変わらずの機動力を生かして飛来する騎士と魔道士に
同時に照準を合わせたのがこの瞬間、
「おらっ! 今だ!」
相変わらず間断なく降らせられる剣撃の雨あられ
触れれば即、体のどこかを持っていかれる苛烈な攻撃を掻い潜り
その中の一撃を選んで、まずはライダーがアクションを起こす
シグナムの横薙ぎを避け損ない、紫の肢体が無様に、きりもみ状に吹き飛ばされた
相手の攻撃によって宙に浮かされ――
ついに捕らえた騎士の剛剣が、強敵の片翼をなぎ払っていたのだ
「―――、」
否、、そう見せかけて―――
自分で飛んだ
重爆撃のような衝撃に逆らわず
身を預けるように宙に浮いたライダー
その彼女に向かって槍の男が駆ける!
「……!?」
一足飛びで騎兵に肉迫する蒼い肢体
上空、二人の顔色が変わる
今までとは違う動き、違うリズム
何より互いに敬遠し合っていた相手が、初めてその呼吸を合わせたのだ
無様に飛ばされた筈のライダーがそれを見越したかのように反応
自在に空中で姿勢を変え、駆けつける槍兵に両足を向ける
「飛ぉべぇぇッッ!!!!!!!」
空中で吸い込まれるかのように合身した両サーヴァント
ランサーの飛び蹴りが突き出したライダーの足に炸裂!
両雄の足の裏側―――蹴り足が見事に重なり
ミシミシ、と音を立ててめり込む
その接地面に何キロ、、
いや、何トンの衝撃がかかっている事か
やがてその恩恵を受けたライダーの身体が
ピストンで打ち出された弾丸のように暴発じみた速度で――打ち出されたっ!
「なっ!?」
爆発的な加速で射出された騎兵の髪が尾を引いて
流れ星のように宙に軌跡を描くその様を、場で視認出来たものはいない
二人の英霊の脚力によって齎されたロケットじみた初速、加速は当然のように視認不可能
今の執務官をも遥かに超えた速度にて一瞬で空の相手の間合いを犯したライダーが――己が獲物に組み付かんと迫る
それはニ敵を射抜く見事な軌道
強力なサーヴァント達が初めてチームとして機能した結果だった
先ほどライダーに阻止されなれば実現したかも知れないゲイボルグの軌跡が
皮肉にも邪魔した本人を砲弾としての投擲にて再現される
改めて空の敵を射殺そうと放たれたあれこそ、本当の紫電の煌きというものだろう
この即興のコンビネーションは計算していなかった
いなかったが故に―――回避が間に合わない!
「ぐ、あっ!?」
<シグナム…!? うわぁ!??>
薄紫の髪をはためかせて空を切り裂く騎兵ミサイルが
まずはシグナムに追突し、、あの重厚な空の騎士をあっさりと吹き飛ばす
しえんだぜー
高熱で形成される四枚の羽の一枚を難なくぶち砕かれ、バランスを崩して墜落状態に陥る将
きりもみしながら地面に激突しそうになり、必死でリカバーするが
意識の大半を持っていかれるほどの衝撃は彼女に瞬時の戦前復帰を許さない
そしてシグナムを抜いた騎兵が真に狙うは――
「貴方ですよ――――フェイトッ!!」
後方の司令塔、フェイトテスタロッサハラオウンに他ならない!
敵のまさかのアクションに圧倒的に反応が遅れたのは彼女も同じ
ソニックでの上方への回避行動を辛うじて行えただけでも
魔道士の埒外の反射・行動速度を褒めるべきだろう
紫と黒が光の速さを彷彿とするかのように交錯し
一瞬で頭上へと上昇した魔道士が、あっ!?と息を呑んだ時には――
既に、相手が思うままの成果を得た事に気づかされていた
「っ!」
体の中心をブチ抜かれる最悪の結果は何とか回避した
だがジャラリ、と……右足に生じた違和感
それはすぐに、忌わしき毒蜘蛛の縛鎖が足首に巻きついているという事実を認識させ
アンタッチャブルの領域に達していた執務官が英霊のコンビネーションによって犯された瞬間だった
捕まる=捻り潰される―――それが今の自分の仕様
罠にかかった猫の如く、ほとんど反射的に
最大出力で空中に舞い上がるフェイト
(ここで撃墜されたら全てが台無しになる…!)
バックアップを失った前衛では
あの速い相手を時間内に仕留められる確率は五分以下に落ち込んでしまうだろう
Last assault 5分経過 ―――
雷光がライダーを振り剥がすべく
最大全速にて雲を突き抜け離陸した
――――――
「……ナイスショットってやつか」
瞬く間に視界から消えていった金色と紫の残光を遠目に見つめて男が呟く
「さて……これでようやっと二人きりだ」
「…………」
色々と苦労したがその甲斐あって
男は再び己が望む戦いに戻って来た
邪魔者の入らぬ強敵との一騎打ちこそ武人の華
この槍を向けるに相応しい相手との邂逅を再び果たしたのだ
深く傷ついたその身は人間ならばとうに致命傷……到底戦える身体ではないだろう
十全には程遠いコンディションだが、あの雷の援護さえなければ戦いにはなる
既に切れるカードはほとんど無い
しかし両の手が健在で両の足がまだ動き、一振りの刃がその手にあればそれは万全と同じ事
彼の戦が終わる要因など何一つとしてありはしない
打ち倒される前にこの槍を叩き込めるか否か――要はそれだけだ
これぞ戦――これぞ一騎打ちの醍醐味
ビリビリと身を震わせる緊張感と共に決死の戦場に赴く背中に後退の意思などは微塵も無い
<舐めやがって……大した自信だぜ
あんなザマでまさか勝てると思ってんのか?>
「アギト、、ぬかるな」
<ああ、ぶっ潰す!>
そんな男に対して、己が支配する炎熱の空にて悠然と構えるベルカの騎士
体内が過剰出力によって蝕まれていく苦痛など、その顔におくびにも出さない
「出来れば二人纏めて倒しておきたかったが……虫の良すぎる話か」
目の前の男――己が最強と信じて疑わぬその眼を見据えて呟く
戦場にて背中に下りた死神をも跳ね除ける強さと傲慢さを称えた風貌には
同時に歓喜の色も伺えた
そう……嬉しいのだ
愉しくて、愉しくて仕方が無いのだ
本当に強い相手を前にすると笑いが込み上げてくる
その手の人種の―――持って生まれた性
その想いを理解できてしまうのも彼女が男と同類の個体であるが故か
「元より決死の覚悟でなくては倒せない相手だ……行くぞ!!」
<了解だロード! 本当に強いのはどっちか見せてやるぜ!>
何にせよ半死の男を前に剣を淀めていては剣の騎士の名折れであろう
凝縮に凝縮を重ねた時間が彼女に与えられたリミットの半分を消費した事を知らせた瞬間、
「来なッッ!!」
「応っ!!」
ランサーの怒声に反応するかのように
爆ぜた中空の炎を纏いてシグナムは男に襲い掛かった
Last assault 残り時間は、、―――
――――――
それはさながら黄色の蛍光ペンで思うがままに描いた子供の落書きのような…
天空に浮かび上がった文様は偏に見た人間がそう表現するしかない
歪な光の残滓によって形成されたスケッチブックであった
魔道士が宙空、最大全速で金色の魔力光を振り乱し
狂ったように飛び続ける
敵――サーヴァントライダーを振り払うために我武者羅に
その足首を女怪にしかと掴まれ、凄まじい握力によって
ミシミシとフェイトの足甲に魔の爪が食い込む
―――あっという間の出来事だった
足に鎖を繋がれたフェイトが上空で
何とか敵を振り放そうと飛びながら追随してくる相手に射撃魔法を撃ちまくる
だが、、宙で行動を制限されているにも関わらず
魔道士の一斉射撃がライダーの肉体を捕らえる事はなかった
それは一つに相手の埒外の身のこなしによるものだ
体操選手のように体の捻りや遠心力を駆使して
空中で姿勢制御や軌道変更を行うのは不可能な事ではない
その長髪が、身体を捻る度にゆらゆらと揺れ
まるで揚力を意のままに操る魔術師のように宙を舞い
魔道士の射撃の照準から逃れ、回避する離れ業
全サーヴァント中、もっとも空中戦の得意なライダー故に可能にした彼女なりの飛翔術
空戦魔道士相手にそれを常々行う事は不可能でも、ここ一発――
一度限りの意表をつくくらいには、この騎兵の空に対する地形対応は決して低くは無い
そしてもう一つ…
「なまくら―――
デウスの雷を思わせる手管も、もはや見る影もありませんね」
「くっ………」
そう、本来圧倒的有利な空戦において
フェイトが飛べない相手を撃ち損じる筈が無い
――――――精度が、落ちてきている………
そう、それは魔道士当人の抱える問題が起こした結果に他ならない
……当然だ
サーヴァントの苛烈な攻撃に晒され続けながら、もうどれほどに全力で動き回ったか
人間が全開で動ける時間は驚くほど短い
それは魔力補助を受けた体であっても例外ではなく
折れかかったアバラや左腕の痛みは今や痺れに変わってきている
全身に刻まれた傷跡は治癒魔法が鎮痛の役目も果たせぬほどに体の芯にまで行き渡り
かざした手すらガクガクと震えて照準が定まらない
ガタの来た精密機械ほど当てにならないものはない
シグナムの危惧した通り、もはやフェイトの戦力は
通常の全開状態と比べて半分以下にまで落ち込んでしまっていたのだ
故に毒蜘蛛が、足に巻き付けた糸を凄まじい速さでよじ登ってくるのを
全く防げぬままに再び絶体絶命の窮地に陥ってしまう魔道士
「このっ………はぁッ!」
無軌道に狂ったように飛び続けるその姿は
普段のエリート執務官からは想像もつかないほどにラフで乱雑
死神の手が己が足に手をかけているのだ
もはや格好など気にしていられない
不自然な体勢から黄金の刀身で足元をなぎ払う
いや―――形振り構っていられないのはライダーも同じ
音速を遥かに超えた飛翔に食いつく右手は
まさに藁をも掴む思いで掌握した愛しき獲物の右足だ
逃がさない―――絶対に、、
上下左右に飛び狂う遠心力
Gによってミチミチと軋む腕の第二第三間接の限界をほぼ無視し
魔道士の焦りの反撃を顔を付して待つ
(―――、!)
果たしてそれは遠くないうちに訪れる
精彩を欠く斬撃が頭上から振り下ろされ、そのサイスの刀身を―――
「あっ!?」
驚愕するフェイト
ドシュッッ――!!という鈍い、りんごを串刺すような音が響き
その視界に移ったのは何と……
光の刃を掌で受け止めた紫の女怪の姿!
刃は彼女の手の平を完全に突き破り
鮮血を空に撒き散らし、肉を貫通した刃の根元――
バルディッシュの核の部分をしかと握り締めたライダーの壮絶な笑みを紅く染める
蒼白になるフェイトが一瞬、硬直した間をも逃さない
その体を片腕で毒虫の如く攀じ登り、一気に這い上がってこられてしまう
(し、しまったッ!)
蟷螂や蜘蛛が蝶を捕獲し、止めを刺す光景を
己が肉体で演じる事になったフェイトの心中はいかなるものか
そのしなやかな太腿をフェイトの胴に絡ませて強烈にロックし、ギリギリと締め上げるライダー
まるで大蛇の抱擁――魔道士の喉の奥から声にならない悲鳴が漏れる
ほとんど用を成さなくなったとはいえ、BJの恩恵が無くば一瞬で潰されている
ギリっと歯を食いしばるフェイトの直上
騎兵のもう片方の腕に握られる尖突の短剣が翻る!
狙いは頭部か―――頚動脈ッ!
いずれに被弾しても一撃で終わる急所だ!
反射的にほとんど動かなくなった左手の神経に魔力を叩き込み、首から上をカバー
「っ……ああッ!!!」
その赤い手甲に刃が突き刺さり
腕に凄まじい激痛が走る
左腕を貫かれたのだと思い至る余裕も無い
宙で絡み合う二人の美貌の戦士による
仕留めるか逃れるかの決死の戦いは続く
「は、、は、……はぁ……」
「――――しぶとい
漁師が巨大な鯨を水揚げする時、きっとこんな気持ちなのでしょうね」
「は、……、、く、鯨なんて…
狙う漁師は現代にはほとんどいない…!」
「そうですか
いえ、前に読んだ本にそういう物語があったものですから」
美しき捕食者が蝶を仕留めんと上から覆い被さる
互いの得物を互いの腕で寸止め、絡ませ
両手は塞がれたままに組み付いて飛ぶ二人の女神
その金と紫の髪が中空で絡み合って溶け合う様はイソギンチャクの交わいのように妖艶で
息のかかるほどに接近した両者の息遣いは双方共に荒く乱れ、必死の形相を互いに隠そうともしない
腕力・体力ならば圧倒的にライダーが上だ
だが明らかにフェイトよりも消耗の度合いでは勝っているその身に加え
なにぶん上下左右に揺れ動くGが邪魔をして力を発揮出来ない
(全く、ここまで来て……ファイト一発、ですよ私)
緊張感の無い、どこぞのTVCMの文句を心の中で口ずさむ騎兵
普段は見せぬ芸風が彼女のいっぱいいっぱいぶりを存分に表している
血が足りない
魔力が足りない
眼前に相手の肉体
両手両足は塞がれている
(これでは互いに攻め手がない―――ここは一つ)
獲物を捕らえたはいいが八方塞がりのこの状況で
何かを思い立つライダー
(……く、来る!)
相手の息使いから、敵が何らかのアクションを仕掛けてくる事を察知したフェイトの身が固くなる
四肢を押さえ込まれた状況では魔道士に取れる行動などほとんど無い
相手の束縛が緩んだ瞬間、アーマーバーストで吹き飛ばすのが最善だが――
最小のBJしか纏っていない自分のパージで果たして相手を吹き飛ばせる出力を得られるのか?
絶体絶命の状況に、冷たい汗が全身から滴り落ち、
支援です
「ひゃっ!???」
その右腕に生じた異なる感覚に思わず黄色い声を出してしまう
「………!!!?????」
高速CPUの如く回り続ける思考に割り込んできたバグのようなソレ
目を白黒させたフェイトが目の前の相手を見る
「な、何を…して、、?」
すると唖然とする彼女の目前で
ライダーがこちらの貫かれた左腕から滴り落ちる血に
口付けをして、、舌を―――這わせていた…
「まあ、斃してからいただくのといただいてから斃すの違いですから」
艶かしく動く紫色の唇から這い出るように蠢く舌が
チロチロと――フェイトの手甲の下の傷口を掻き分け、まさぐる
「っ…!!??」
強烈な悪寒に支配されるその全身
戦闘の最中だというのに思考が凍結し、状況を完全に失念
自身の腕に吸い付くライダーのどこかうっとりと上気した表情
絶世の美貌を持つ相手のこの妖艶なる所業を
不覚にも数秒間、なすがままに硬直してしまうフェイト
「面倒です―――止めと補給を同時に済ませましょう」
自分が何をされているのか――
どういう状況なのか――
ここまではっきりとした意思表示をされても――
フェイトは相手がこちらに顔を近づけてくるその瞬間まで「それ」を理解出来なかった
女の甘く、甘美な香りが魔道士の鼻腔をくすぐる
全身がマヒしているのは、傷口から浸透してくるこの騎兵の何らかの媚薬めいたモノによる作用か
そういえば聞いた事がある――
捕食者の甘き毒は獲物を弛緩させ麻痺させる効能があると――
捕食者――捕食………?
極度の疲労も手伝い、得体の知れぬ脱力感に沈みそうになるフェイトの心胆
それを無理やり引き起こしたのは、その言葉の持つ猛烈な嫌悪と寒気を称えた響き
下腹部から競り上がってくるおぞましい感覚と
魂まで犯されていくような恍惚感が彼女の中で鬩ぎ合う
敵の美貌に称えられた、今は隠された両の瞳は―――
ああ、そうか……
ようやっと分かった
比喩でも何でもなく……
本当に―――
――― この人、私を食べる気なんだ…… ―――
両の瞳は、きっと、獲物を飲み込む時の鰐とか鮫とかの目と同じ
獰猛で冷たい光を放っているのだろうとはっきり分かってしまう
「!!!!」
そして冷水を浴びせ掛けられたように強制的に覚醒した魔道士の眼前
口元に二本の鋭い牙を除かせた化生の相貌がフェイトに迫る
接吻をする時のように角度を少しずらして騎兵の口喉が向かう先には自分の頚動脈が、
その恐怖は今までフェイトが味わった事の無いものだった
戦場で敵と刃を交える恐怖ならば彼女はとうに克服している
ならばそれは生物が当たり前のように抱く本能に根差した恐怖――
「あ…」
食物連鎖の下になった瞬間
捕食される、ということ―――
「は………」
もがき、暴れようとする魔道士の肢体は
既に押さえつけられていて首から下は動けない
怖い――恐い――慄い――
ゆっくりと迫る毒牙が凶暴な光を放って迫り来るのに何も出来ない
やめろ――やめろ――やめろ――
空を切るようにバタつかせる足は
完全に密着した敵の身体を蹴り上げる役目すら担えない
フォトンランサー、バリアバースト、ソニックインパクト――
一度、動揺して乱れた思考が織り成す
あらゆる術式はこの状況にとても間に合わない
「はっっっ………」
わななく唇が
震える手足が
見開かれた両目が
相手から離れようと仰け反り続けた上半身が
未だ味わった事のない恐慌と共に、、
「離れろーーーーーーっ!」
爆発する感情を吐露した悲鳴となって場に響き、
ごむっっっっ!!!!!!
、という―――
………形容し難い鈍い音がそれに続いて中天に響き渡る
Last assault 残り、、 ―――
頭突き?
今日はこれまでです
明日、このPCが規制されてなければ続きを投下出来ると思います
残りは今日と同じくらいで今後、だいたい一遍辺りこれ以下の長さにしたいと考えてます
戦闘の過程、心理描写を削って大幅に縮める事は可能ですがバトル物でバトルが味気なくなったら何の価値もないし
キャラの勝敗や優劣をつける際、説明不足で不満を与えてしまわないよう気をつけなければならない
しかし綿密に描写すればするほど戦闘の命であるスピード感がなくなっていくというジレンマ―――正直、苦戦しそうですが
ともあれ頑張っていきますので
変わらず読んで下されば幸いです―――ではまたノシ
>>216 まあ克服したっぽい描写もあるしそもそも才能はあってもおかしくないさ
>>250 乙!
フェイトそんと接触状態だと電気ポケモンのごとく体内放射とか100万ボルトとかが怖そうだなあ
>>250 乙でしたー!
ついに見せた犬と猿のコンビプレイ!
ライダー「私と協力する権利をあげよう!」
フェイトルートはそこはかとなくエロイ!
都築待ってます
球云々
まあ世の中には150キロの硬球に書いてある数字を基礎訓練だとか言って読み取ったうえにキャッチする人もいるから
=B (0M0 )<3!
>>250 乙!
苦渋の思いで文章を削られたことに対して、こんな言い方をするのはよくないかもしれませんが、以前より戦闘の流れがスッキリしたように思います
心理描写などが足りなくて不満に感じるということもありませんでした
双方のファンにとって納得のいく決着と、テンポのいいバトルの両立は難しいのでしょうが、そこに苦心なさっているからこそ作者氏の作品は面白いのだと思います
また、両方の作品に対するリスペクトを感じられるので、作者氏に対して大変良い印象が持てます
大晦日も投下プリーズ!
また忘れるとこだった
追記
言おう言おうと思って忘れていたことをいくつか
×魔道士
○魔導士
こちらも今更ですが、なのはルートのセイバー戦で、なのはがいきなりファイアリングロック解除をするのはおかしいです
セーフティ解除のようなものと誤解なさっていたのではないでしょうか
全部修正すべきだなんて言うつもりはありません。ただ知っておいてもらえればと…
人が少なくなったのかな……
時期が時期だし今はこんなもんだろ
映画が放映される頃になればまた増えるよ
戦場から帰ってきて疲れ果てて寝てたり戦利品の確認に忙しいんだろ
今年は29・30・31日の三連戦だからなあ
まあ紅白とダイナマイト見てて
約束の期日オーバーしたタワケ野郎もいるわけですが、ここに…
重ね重ねご指摘感謝
基本的なところでミスしてるなと実感させられて欝です…
しかもwikiに容量規制のつく前に掲載したものに関しては
下手にいじると上手く収まってるものをわざわざA、B、Cと分ける羽目になっちゃうかも…
出来る限り直していこうと思いますが
では後編続き、投下します
雑巾絞りのように極限まで捻り込んだ全身は
その力を集約させて放つ一撃をことごとく必殺のものとする
彼女の裂帛の気合と共に放たれるそれはまさしく死神の首狩り刃
肘間接を支点に手首のスナップを効かせたその右手から伸びる高速の蛇剣
それは膂力と全身の力を愚直に乗せただけの剛剣とは一線を隔し、しなやかな鞭となって敵に襲い掛かる
ゆうに半径50m弱を扇状に薙ぎ払い、左右、下、に展開
敵の傷ついた目の死角を容易く犯し、襲い掛かる
「―――、!」
だが―――その全てを紙一重
肌一枚の域で掻い潜っている男の姿もまた健在
下唇を噛み締める女剣士
霞を切らされ続けて早幾合、自慢の剛剣が相も変わらず空を切る
野球で言えば果たして何三振したか?とカウントするのも詮無い事だ
そんな冗談にかまけている暇など彼女にありはしないのだから
互いに拮抗する力の持ち主であれば千日手になるのも珍しくは無いが――今はそれではまずい
追い詰めているようでその実、長期戦になれば確実に……である以上
この剣で一刻も早く仕留めなければならない
しかし気負いが先立ち、荒く入った横薙ぎの一閃を、
「そろそろ………行ってみるか、よっと!!」
守り一辺倒だった男が狙い打つ!
改めて前に踏み込み、あろう事か自身の体を取り巻くように飛来する蛇腹剣の
その連結刃全てに突きを叩き込む槍兵
「なに…!?」
豪快でありながら精密極まりない連打は、ライフルの命中率とマシンガンの手数を併せ持つ
防御不可能の鞭が支点の全てを打ち落とされ、弾かれ、力を失って宙にたわむ
その最前尾を――ガツン!と、足で思い切り踏み付けるランサー
「しゃあああ!」
将の右手より伸びた縦横自在だったレヴァンティンの刃の先端が地面に深々と差し込まれる
それはあたかも天へと続くか細い渡橋
その連結刃を踏み台に、男はこちらへと駆け上がってくる!?
「くっ! レヴァンテイン!」
まさかそう来るとは…!
もっとも受け辛いシュランゲフォルムを狙い打たれたショック
信じられない返し手に呆然とする時間
そんなものを男は与えてはくれない
<ja! Schwertform!>
敵に足蹴にされた愛剣が、その屈辱を拭おうとソード型に戻る
だが一瞬早く足場となったアームドデバイスを蹴って跳躍するランサー
跳び上がった槍兵はシグナムの頭上高くに舞い上がり、真紅の魔槍を翻して襲い来る
「貴様っ!」
空の雄が羽を持たぬものに見下ろされる屈辱
そして空戦において頭を取られるという事は即、撃墜に繋がる
油断など微塵も無かったというのに――
攻勢から一転、死の予感を身に叩きつけられる烈火の将
<させるかよぉ!!>
刹那、剣士のものとは違う甲高い声が響く
そして襲い来る男に対し、彼女の背中の二対の羽がオートで作動
頭上に爆炎の弾幕をはり巡らせた
「うおっ!?」
まるで対空地雷か炸裂弾
ユニゾンデバイス・アギトの支援砲火ブレネン・クリューガー
高い対魔力を誇るサーヴァントに対し決して有効打とは言えないが――牽制には十分!
既に剣に戻したレヴァンティンを将は下段から斜め逆袈裟に振り上げる
空中で交差する紅蓮と赤閃は剛と剛の鬩ぎ合い
剣士の刃が相手の脇腹から胸を抜けていき
男の槍の先端がシグナムの視界の右隣を通り過ぎ
ぞぶり、と肩と、首と、頬の肉を殺ぎ落としていく
鉄壁の甲冑――パンツァガイストがまるで発砲スチロールのようにこそぎ取られ
そのまま交差し、切り抜けた両者
炎を被って堕ちて行く男を振り返って見据えながら
自身の流血する肩口を押さえて悔しげに唇を噛むシグナム
「ハァ、ハァ…」
<危ねえ……何やってんだよシグナム!
さっきから全然当たらねえじゃねえか!>
「そうだな」
<そうだなって……何か策があるのかよ!?>
「そんなものは無い」
体内で妖精の焦燥に駆られた声が響く
だがどんなにがなり立てられようが、この騎士が敵と相対する姿勢は変わらない
より強く、より速く――
相棒のフェイトと違い、この愚直な騎士にやれる事などこれしか無いのだから
<ああもう! らしいっちゃらしいけどさぁ!!>
呆れ混じりの悋気を放つ少女
火力だけでも、並べるのも馬鹿馬鹿しいほどの差があるのだ
こちらの一撃がまともに入ればそれだけで終わる
否、まともに入らなくとも繰り出される剣の熱気で相手の肌を焼き、肺を焦がすのだ
楽勝のはずだった
未だに敵が立っている事自体が有り得ない
だのに―――決められない……
未だ敵はそこにいて、クリーンヒットを許さぬままに地を駆け続ける
しつこいとかそういう次元の問題ではない
(もういい加減にしてくれ…!)
アギトの心胆を一言で表すとすればこうだろう
短時間で決められると踏んでいただけに
その驚異的な粘りに対して湧き上がる苛立ちも相当だった
あるいは、感じ始めているのか
横から見たのでは分からかった、向かい合って初めて理解できるものの存在に
「………あの槍投げはどうした、ランサー?
今更、戦力を温存する状況でもないだろう」
らしくもない挑発を飛ばす剣士
堅牢極まりない男の守りを何とかしてこじ開けたいという思い
それには凄まじく危険だが、相手を切り札の使用に踏み込ませるのも一つの手であったのだが、
「奥の手ってのはそうやってブンブン振り回すもんじゃねえんだよ
ありがたみが薄れるだろうが」
「出せないようになってから後悔しても遅いが…
ならばそのまま懐に仕舞っておけ」
吐く言葉にも勢いが無い
互いに精彩を欠いた攻防は悪く言えば泥仕合のような
決め手を欠いた戦況となっている
「易い挑発に乗る相手でもないか」
<何が……足りないってんだ…>
この男を倒すには一体何が?
力か、技か、速さか?
「私にも分からん」
<……しっかりしてくれよ、、不安だよ…>
そう、アギトもようやく気づき始めた
戦いが始まってより薄々と感じていた、この相手の本質
(あるいは物理的な何かでは到底説明できない何か、か…)
力学や常識さえも超越した神的な――
一個体との戦闘というより一つの超常現象と相対しているような――
そんな気分にさせられてしまう
(ふ……オカルトか、、私も青いな)
これほどの相手に見える事など一生を数えてもそうはない
共に全てを武に捧げた者同士、勝敗を超えて通じ合う何かは確かにあった
求めてやまぬ理想の敵との邂逅は千年を捜し求めた恋人との出会いも同じ
ついついその語らいに特別な意味を持たせたくなってしまうのも騎士の性か
「そろそろか」
そんな自分に心の中で苦笑しつつ、己が体内時計に問いかけるシグナム
ここに至って自分の剣は不甲斐無くも相手を捕らえられずにいる
出来ればこの剣で決着をつけたかったが…
それが叶わぬとあらば――次の段階に移行するしかないだろう
<で、でもフェイトの準備がまだ……>
アギトが上空、二つの光が消えていった空を心配そうに見上げて言う
「大丈夫だ、あいつを信じろ」
それは短くも絶対の信頼を称えた言葉
Last assault ジャスト七分 ―――
「やっぱ空の相手に叩き込むのは難しいやな……」
手に持つ槍をどう相手に突き刺すか――槍兵にとってはそれが全て
英雄は巨大な竜や巨人と相対した時、絶望的な戦況に陥っても最後まで戦う
決して諦めずに、いつか目の前の壁が壊れる事を信じて
そんな奴らの相手をさせられる竜の方は
実際のところ大層、不可解で恐ろしかったであろう
相手は戦力はおろか存在そのものが自分の100分の1にも満たないちっぽけな人間なのだ
自身が負けるなどという結果は予想すらしていないだろう
それが叩いても吹き飛ばしても逃げず、潰れず、立ち向かってくる光景を目の当たりにして――
得体の知れぬ神的なモノを相手にした時の恐怖で恐慌状態に陥るのはむしろ自然な事
それは今まさにアギトがこの男に向けた感情と同種のものだ
その、ある種の往生際の悪さこそが英霊の本質
空戦の騎士を空に見上げて、英霊クーフーリンを立たせている原動力に他ならない
「しかし相手だってカカシじゃねえ……
どこぞの騎士王サマみたいに、デンと構えててくれてりゃ
案外、簡単に叩き込めるんだがな」
しかしながら、いかに必殺の牙を持とうと敵に二本の腕と足がある以上、簡単にいく道理は無い
意外にもセイバーのように剣技と防御力に絶対の自信を持っている者の方が
あっさりと発動を許してくれたりするから戦というものは分からない
上空を見上げて苦笑する
あの暴竜に騎士王のようなお行儀の良さを期待するだけ無駄だろう
空の相手の間合いを犯して1〜2秒――決して容易い条件ではない
さっきの跳躍が男の唯一にして最高の機会だったが――それでもタイミングが合わなかった以上、
「いかんな……これはいよいよ持って――」
今こそ覚悟を決める時かと
重い身体を引き摺りながら一歩踏み出す、
その、背中に―――
「――――ぐほおおおおっ!?」
――――何かが、降ってきた
ズシーーン!!という鈍い低音が辺りに響き、
100mを超える超高度から投下されたナニかの下敷きとなるランサー
カピバラのくしゃみのような悲鳴は衝撃音に掻き消され
突きたての餅のようにひしゃげた体が地面にめり込む
「が………こ、この――」
その場に亀裂を
人――二人分の亀裂を生じさせた槍兵と、、そのナニか
既に重症の身体に更に叩き込まれたモズ落とし
うつ伏せに倒れ付す男の頬に、さらりと掛かる紫色の御髪が…
男の口から壮絶な怨嗟の声を漏らさずにはいられない
「オ……オ・マ・エ・な・あッッッ!!!」
そのナニか――残り少ないHPを根こそぎ奪っていった
先ほど空に消えていった光の片方
人の背中をクッション代わりにしている女を跳ね除けて、
「何やってんだこのボケェ!!!
そこまでして俺の邪魔して楽しいか!? ええ?」
槍のサーヴァントは肩を怒らせて立ち上がる
珍しくマジ切れだ
ギリギリと砕けんばかりに食い縛る歯の音が男の憤怒を如実に表している
「おい! 何とか言えこの野郎!」
「―――――」
それもそうだろう
彼にとっては良い戦いの最中に茶々を入れられるのは情事の最中に踏み込まれるのと変わらない
よってこの邪魔ばかりしてくる一日だけパートナーの騎兵を
口汚く罵る言葉が後から後から溢れて止まらない彼を誰が攻められようか?
しかしながら、
「……? おい?」
それに対し、相手から反応が返ってこない事に
荒くなった鼻息は変わらずも怪訝な顔を見せる男
紫の髪に隠された女の顔はよく見えず、その細長い肢体はうずくまったまま
顔を隠すように手を当てているライダーは―――男の叱咤にまるで答えない
「……お前、鼻血でてんぞ?」
「―――、!」
ピクっと反応する騎兵の肩
居心地が悪そうに顔を伏せるその姿は
神話の化生というより羞恥に身を竦ませる女の仕草そのものだ
「…………曲がってませんか?」
「何がだよ」
「…………鼻、」
「ああん?」
チラリと覗かせる顔――
否、その鼻っ柱が赤く腫れ上がっているのが見える
「知るか馬鹿……鏡見ろ鏡」
「生憎、鏡は使わない主義なので」
「知ってるよ
石化しちまうんだろう?」
うずくまったまま、なかなか起き上がらない騎兵
痛みよりもむしろ精神的ショックを受けているようだ
「――窮鼠猫を噛むと言いますが
顔に似合わず過激な真似を……油断しました」
頭上で一体何があったのか
当人達以外に知る由は無いし――そんな場合でもない!!
「ちっ! 馬鹿がっ!!」
相手がこんなおいしい機会を見逃してくれる筈が無いからだ!
「おおおおおおおおおおおおっっ!!」
臓腑の奥からひり出すような咆哮を上げる火竜!
たゆたう四枚の羽が全長10mにも達し、場に彼女の偽り無しの最大出力を現出させる!
これ以上の勝負所はもう無い
レヴァンティンもアギトも軋む身体を推して魔力を増幅させ続け、
融合した三者のコアがレッドゾーンにまで吹け上がる!
その魔力を極限まで燃やし尽くした騎士が全身から山吹色の炎を発し
今、直上にて吼え盛る火飛沫が空一面に広がっていた
「や、べッ!」
「――――、!!」
直視可能なほどの、騎士の全開魔力の顕現
その凄まじさ、輝きの度合い――
下手をすればセイバーの全開魔力放出にも匹敵する
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
――しかして命中率無視の、、
――というより的を絞る意味合いを見出せぬ、、
――― 大爆撃が始まった ―――
――――――
範囲攻撃魔法に匹敵するユニゾンシグナムのラッシュが地表を覆い尽くし
明らかに今までのものとは違う、ある種の決意を含んだ攻撃は
それまで何とか紙一重で直撃を避けてきたサーヴァントにダメ押しの一打を浴びせる
己が肉体のそこかしこでぞぶり、という異様な感触を認めたランサーとライダー
ことに盛大な舌打ち漏らしたのは槍兵だった
「くそ………派手な女だぜ……」
「まったく、お里が知れますね」
「お前が言うなよ」
未だ爆炎と轟音冷めやらぬ大地にて
何十回目かの空爆を身に受けた英霊達
濛々と立ち篭める硝煙と焦げた臭いの充満する大地に投げ出されるのも何回目か
軽口を叩く両サーヴァントの有様はもはや瀕死の重症と呼んでも良い状態だ
ことにランサの、強靭にして最大の武器である両の脚が――――半分以上、炭化してしまっている
これでは動けない
機動力を失った歩兵など、もはや何の役にも立たない
――――勝負あった
(負けた、か――)
その表情はある種、介錯を身に受ける武士の一分を思い起こさせる
往生際の悪さには自信がある彼だったが、この足では正直どうしようもない
残念だがこの戦は――
そこには微塵の恐怖も悔恨も憤怒も見受けられない
炎の騎士の止めの一撃を待つより他に無い体でありながら
利かぬ足でなおも地に伏せるを良しとしない槍の戦士
どうやって立っているのかも分からぬ様だが
それでも両足を大地につき立て、変わらぬ笑みにて頭上を見上げる
しかしながら、
「―――――あん?」
掠れる視線の先に――炎の騎士の姿はなかった
代わりに目に映るのは……ざわめく曇天
雲の上でパチパチと放たれるプラズマ
先ほどの爆炎攻撃の破滅の予感を遥かに凌ぐ―――
「―――ランサー」
「何だよ」
「泣きっ面に蜂、という言葉を知っていますか?」
「知るわきゃねえだろ馬鹿」
空一面に広がる雷雲であった
――――――
「ぅ……」
―――上空
黒衣の魔導士がよろけながらズキズキと痛む額を押さえている
<all right? Sir...>
「平気……ありがとう」
火花のチカチカと飛ぶ、今だ涙の滲んだ両眼で
直下、雲に遮られて見えない大地を見下ろすフェイト
マルチウェポンで多種多様な技能を誇る魔導士であったが
あの絶対の窮地にて出せる技は―――あれしかなかった
相手の牙が首筋に刺さる瞬間、繰り出したのは人類戦史上、もっとも原始的で凶悪な技
――― ZUTUKI (頭突き) ―――
ミッド空戦の極みとされるSランク魔導士の渾身のプラズマパチキ
(………残念ながらそんな技は無い) によって
恐るべき捕食者の魔手を引き剥がす事に成功したのだった
貴重な脳細胞を100万個くらい犠牲にしたが
あのまま吸血されるより遥かにましだろう
改めて女怪のおぞまじき所業に身震いするフェイトだったが、
Last assault 残り3分と20秒、弱 ―――
すぐにその時に備えて雲下
激戦に身を焦がすパートナーの、目視では確認出来ぬ挙動に
全神経を集中させながら、魔導士は……待つ
ゆっくりと、天に己が意思を示すように右手を頭上に掲げながら―――
もしあの騎士が槍兵を抑え損なっていたら、
もしあの騎兵が何らかの方法で戻って来たら、
防御体制を解いた自分は確実に狙い撃ちにされるだろう
(大丈夫……問題ない)
故に何の躊躇いもなく着手できたのは偏に信頼の為せる業――
シグナムならばきっと上手くやってくれる…
10年の歳月が彼女にそう、信じさせたからに他ならない
奇しくも共にシンクロした互いの想い
果たして 「それ」 は確かにフェイトの総身に届く
「!!!」
雲の上と下、姿は確認出来ない状況で
互いの息吹・魔力の迸りだけを頼りに行うノールックコンビネーション
その要―――「爆炎の狼煙」 を確かに確認!
故に絶対の確信と自信を以ってフェイトは詠唱を開始する!
――― アルカス・クルタス・エイギアス ―――
歌うように紡がれる言霊
それに導かれるように彼女の周囲に次々と現れるフォトンスフィア
決め手に欠けると嘆いた筈のフォトンランサーの射出口が再び彼女の周囲に現出
――― 疾風なりし天神、今…導きのもと撃ちかかれ ―――
ただしその数が、規模が、馬鹿馬鹿しいほどに―――今までとは違う…!
吼えるプラズマが、現出するスフィアが
「所狭し」と彼女の周りを埋め尽くす
それはかつてのフェイトの最大最強の広範囲殲滅掃射魔法
かけがえの無い育ての親である、母の使い魔から受け継がれた力
10の年月をかけてその威力も規模も桁違いに磨き上げられた雷神の怒りの豪雨
――― バルエル・ザルエル・ブラウゼル ―――
これぞ防御も回避も為し得ぬ切り札
あの強力な相手を問答無用で倒し得る絶対決戦魔法
圧倒的な装甲の以外では防ぎようの無い――その破滅の名は 、
――― フォトンランサー・ファランクスシフト! ―――
「打ち砕け………ファイア!!!!」
静かながら迅雷の闘志を秘めた叫びを受け取った彼女の眷属たち
主の命を受けた稲妻たちが次々とその意思を持って直下の雲を突き破り、、放射されたのだ!
――――――
「………」
<シグナム……シグナム!>
「…………すまんな…
…………もう、しばらく、、」
時間をくれ、と言おうとして
彼女はその場で激しく咳き込んだ
騎士は戦場から一間ほど離れた宙域にいた
オロオロと心配する妖精の言葉は当然届いていたが
その意を汲んでやれぬほどに―――
<無理しすぎだよ……>
焦燥に焦燥を重ねた容態は深刻に余りあるものだった
こんな姿は敵の目の届かぬここでしか外には出せない
こけた頬、落ち窪んだ目尻……主のあまりの自加虐的な肉体行使に
何で自分のロードはどいつもこいつもこうなんだと閉口せざるを得ないアギトである
自身の魔力の許す限りの猛襲撃をその地に降らし、相手の動きを止めた所で離脱
確かに作戦通りで、己がすべき役目を果たした烈火の将に落ち度はないとしても、だ
落ちかかるブレーカーを必死に支えてやっと立っている様相を見せられては
悲壮な抗議の一つも入れてやりたくなるのがデバイスの心境というものだろう
「………始まったな」
エンプティすれすれの燃料を残し、あとは全てを叩き付けた
崩れ落ちそうになる身体を必死に支えながら、遥かに離れた大地に見るは―――天変地異の具現
フェイトのフォトンランサーのバリエーションにおける最強にして究極の姿
40発以上のフォトンスフィアより毎秒7発という間隔で繰り出される一点集中高速連射撃
その合計、ゆうに1000発を軽く超える雷の矢を場に叩きつける、文字通りの魔導士の切り札である
もはや虫一匹の生存を許さぬ雷神の怒りの鉄槌
雲霞の向こう、遥か上空から無限の如く降り注ぐ雷の豪雨が大地を焼き
無数の剣山のように突き刺さって、プラズマ流を場に発散させて消えていく
<す………凄え、、>
アギトが改めて絶句する
恐らくは時空管理局の魔導士の中においても威力、範囲共に最大クラスの大魔法
これを幼少の時に体得した彼女の才覚にも驚きだが
更にSランク魔道士となったフェイトテスタロッサハラオウンが放つそれは幼い頃のものとは比べ物にならない
そこに降り注いだ現象を「天変地異」と評するのは簡単だった
空を劈き、大地を蹂躙し、生命の息吹を無慈悲な断罪の如く
ゴミクズのように吹き飛ばしている様はまさにそうとしか呼べないモノだった
炎による蹂躙から雷の殲滅へと至ったこの樹峰は
もはや焼け野原と呼ぶのもおこがましい、1000年は復元不能な荒野となってしまうだろう
まさにライトニングの全戦力を投入したフルバーストが、このフィールドに
敵のサーヴァントに降り注ぎ―――全てを終わらせた
――――――
終わった……
問答無用で終わった
無事なはずが無い
ゴキブリの眷属か何かでなければこれで生きている筈が無い
一投が人を打ち倒すに十分な威力を持つフォトンランサーをゆうに1000発以上
長きに渡った戦いを終わりへと導く――導くに十分な
過剰ともいえる火力をそこに集中させたのだ
勝ち負けの問題ではない
相手がその跡形を残しているかを心配させる、
見るものはそんな現状の壮絶さと凄惨さを憂うのみであっただろう
………………
「言うに事欠いてゴキブリだ……?」
そこに佇むシルエット―――
未だ冷め遣らぬプラズマが空気に充満し
視界すら正常に働かないこの空間で
槍を片手に佇む男の影が呆と浮かび上がるまでは――
………………
射撃、砲撃、斬撃――悉く回避してきたサーヴァント達
だが、今度は蟻の子も抜け出せぬ縦断爆撃だ
叩き落とせる数でも間をすり抜けられる頻度でもない
だから目の前に起こっている事実を論理的に説明出来る要素が無い
奇跡――
そう……奇跡でも起こらねば――
こんな、馬鹿な事は有り得ない
………………
「奇跡、ね―――」
苦虫を噛み潰したような顔をしている男
神代においても見劣りしない大魔術だった
冗談抜きでキャスターのサーヴァントに匹敵する代物とすら言えただろう
指摘の通り、本来ならば到底生還できるものではなかったはずだ
だが、、
何故か生き残ってしまう――
戦場でもよくあんな面で迎えられたっけ…と
上空でこちらを、信じられないモノを見るような顔で呆然と見据える騎士と魔導士の顔を眺めて思い出す
何故生きてる?と問われれば……答えようがない
生まれつき、生き汚い性分なのかも知れない
戦いの中で死ぬは本望と言いながら、その身に宿った何かが男を生還させてしまっただけだ
矢避けの加護――
クーフーリンが先天的にその身に宿していた
飛び道具に対する神性防御スキル
投擲型の攻撃に対し、使い手を視界に捉えた状態であれば
余程のレベルでないかぎり彼を貫く事は出来ない
故にそれは微妙な鬩ぎ合いの果ての生還だった――
雲の上にいる魔道士が己が射撃で雲霞に穴を開けたが故に男は彼女の姿を認め
広範囲の全体攻撃に等しい射撃の雨あられを完全に殺しきれぬまでも
無傷の生還には程遠い有様ではあるが、ともかく未だにその場に踏み止まる槍の魔人であったのだ
「…………あーあ――」
しかしてやり切れない男の表情は
絶頂寸前で冷や水を浴びせられた気分を満面に映し出している
確かに己が最後を覚悟した…
自信の認めた相手――シグナムの一太刀であれば、間違いなく終わっていただろう
だというのに意中の相手は既に打ち止めで、意外の相手から放たれたモノで生殺し……
これで己が意の外から拾った生存に素直に喜べるほど男は目出度くはない
「すまんな―――俺だけ生き残っちまってよ」
その後ろ手に倒れているモノを見据えて、ランサーはもう一度大きな溜息をついた
それは四肢を雷槍で串刺しにされたライダーの――亡骸
地面に伏した彼女にもはや精気はなく
生命の息吹を感じられない体を無様に地に横たえていた
あの雷の豪雨に晒された両英雄
だが加護を受けたこの身が逸らした矢まで一手に引き受けなければならなかった騎兵に逃げ場はなく
結果、普通なら避けられるものまで叩き込まれてしまったのだろう
―――不幸な話である
「流れ弾に当たって死ぬ奴の気持ちなんぞ一生分からんが…
まあ、一応謝っとくわ―――――――死んだか?」
槍の柄でごつごつとライダーの頭を小突くが、返事が無い
ただのしかばねのようだ
ピクリとも動かない相棒の容態を無造作に観察し、
「そうか………じゃあ―――しょうがねえな」
結論として、最後の最後まで二人は
互いの足を引っ張り合っての最期を迎える事となった
水と油は組み合わせてはいけない――良い教訓になったというものだ
終幕のクライマックスを迎えた者と偶然で生き延びた者の対照的な姿がそこに在る
本来ならば自分もこうなっていた筈、、
だが自身の変態体質は変えようも無い――難儀な話だった
ほどなく男は何かを受け入れるように、槍を肩で担いで幾度目かの溜息を漏らした
その直後―――
「ランサぁぁぁーーーッッ!!!」
自身の立っていた地を極太の山吹色の光がなぎ払う光景
――恐らくこの現世で最後に見る光景であろう――が
今度こそ自分の番が来たな、と思い至る刹那の瞬に瞳に映し出される
「が、ぐっ――――!!」
その蒼い肢体がずれるように横に飛ばされ
この戦い、初めて苦悶で顔を曇らせる槍兵
狂獣のような叫びを上げて彼に襲い掛かったのは、シグナム
男の空前絶後の生還を呆然と見ていた彼女であったが流石に百戦錬磨
崩れた精神の建て直しも早かった
残っていた予備タンクさえも開け放ち――この戦いの決着の一撃を誰よりも早く撃ち放っていたのだ
「ぐううう、おおおおおお――」
まるで踏ん張りの利かぬ両足は既に地面を食む役割を何ら為さず
頼りの槍で何とか受けるも、今までと違いその衝撃をほとんど吸収できない
ベキベキベキ、と身体の奥底から響く音は粉砕された肋骨か、ヒビの入った背骨か
軋む手足が、焼かれる肉体が、神人形のように浮かされ――男の体は力なく空に投げ出される
――――――
ハッと我に返るフェイト
女剣士の搾り出すような魂の叫びに半ば強制的に心身を揺り動かされ、眼下に捕らえた光景は
ついに将の火竜の尾がランサーを捕らえた場面であった
「は……ぁ、、」
求めていた手応えにようやっと辿り着いたシグナム
だが、ガクガクと揺れる視界に四肢は既にほとんど用を成さなくなり、
喉の奥から込み上げてくる赤の混じった液体は命の危機を報せる警鐘に他ならない
「シグナム……!!!」
フェイトも雲を突き抜け、上空から駆け下りてくる
嗚咽交じりの血反吐をその場で飲み込み、鬼神の形相で敵を睨む騎士
「一人倒したぞ……あと一押しだ!!」
「はい!!!」
そうだ
フルバーストで決められなかった現実を疑うのは後でよい
何しろ一人は――ライダーは倒したのだ
そして埒外の生還を果たしたとはいえ、もはや男の方も風前の灯
こちらが苦しい時は向こうも苦しい
ここで膝を折っては、今までの苦労が全て水泡と帰す!
Last assault 8分経過 ―――
もはや戦闘が出来る状態ではないにも関わらず
その身ごと叩きつけるようにランサーを打ち上げた烈火の将
ここで決めると誓った――ならば決めなくてはならない!
確固たる決意が女剣士に最後の動力を開けさせた
ならば、それに続かなくてどうする!?
大魔法の行使でフェイトももはや出涸らし状態
にも関わらず、黒衣の魔導士が将に続いて飛来する
紫電一閃もプラズマザンバーも、ファランクスシフトでさえ受け切った男
だが今、騎士の何でもない一薙ぎをまともに浴びて容易く宙を飛ぶ
Sien
その肢体、もはや押せば倒れる状態だ
倒す……倒せる!
この男をここで倒し切るッ!!!
「き、効いたぁ……」
男はそれでも最期まで歯向かおうと中空で敵に槍を向けるが、もはや身体が言う事を効かない
その結果は分かりきっていた
雷の蹂躙を無事に潜り抜けたところで、この足では――
加えてライダーが倒された以上、もはや勝算は皆無
えげつない魔術が魔力を直に削り取り
刃と雷撃は彼の肉体を犯し続ける
これより始まるのは一方的な蹂躙……勝利の二文字は既に槍兵の手から零れ落ちたのであろう
「ねじ込みます!!」
「応!」
Last assault 残り一分 ―――
活動限界である10分を使い切ろうとしている――
それを過ぎればフェイトはともかく、シグナムは完全に魔力切れで
もはや指一本、動かす事は叶わなくなるだろう
だというのに――いや、だからこそ
言葉通りの全ての戦力をここに集結し、男に叩きつける!
返す返すも敵に力は感じない
あと一分もあれば―――おつりがくるッ!
「サンダーレイジ!」
詰め将棋のように着実に
山火事のように疾く
終局へと向かう戦場において紅蓮と雷光が踊り狂う
男の足元に打ち込まれるフェイトの雷撃が槍兵を再び打ち上げる
「はああああッッ!!!!」
目を見開き、ランサーに突っ込むフェイトの顔はまるで野生の獣のよう
見る影も無いほどにボロボロの敵
対する自分らも、普段の面影などまるでないボロ雑巾
「――――よう……やってくれるじゃ、ねえか」
「!!」
一瞬、、フェイトの瞳に、その肉体に制止の声がかかる
闘争本能の赴くままに振り上げたザンバーが心内に残した理性に遮られる
管理局局員としての責務
何よりも……どうあっても人を殺傷したくないという優しさが
敵に止めを刺す行為を躊躇わせてしまう
支援
(これほど痛めつければ……もう、、)
「テスタロッサッ!!!!」
その降って沸いた甘さを寸断する騎士の声
下唇を血が滲むほどに噛み締める魔導士
先ほどの戦意とは違う、苦渋に満ちた表情を露にし、
(無理だ……手心を加えてどうにかなる相手じゃない…)
ここで力を緩めればまだ、逆はある――
自身の心臓を握り潰すほどの決意でフェイトは葛藤を噛み砕き、
「あ、ッ……ああああああっっ!!!!!」
巨大なザンバーを無慈悲に打ち上げた
あれほど強かった槍兵がいとも簡単に
砕けたアスファルトと共に天高く舞い上がる
「へ、――――それで、いいんだよ…」
男の呟きは彼女自身の咆哮によって掻き消され、その耳に届く事は無かった
ただ一念――許して欲しい、と…
優しき瞳に謝意を込めて、魔導士は槍の戦士を見送った
「ランサー、、、、、、もらうぞッッッッ!」
そこへシグナムが突進をかける!
浮かせてしまえばサーヴァントといえど空戦魔導士相手に為す術は無いというセオリーを
ライトニングは完全にモノにしていた
そして、ほぼ力を残さぬ相手に空中での三連撃
執拗という言葉では余りあるほどの完璧な詰めによって、
今ここに――槍の魔人に最期の刻を突き付ける!
Last assault ??? ―――
支援
――――――
「あーあ……」
最後の最後で、………………これだ
――――――
支援
――――――
……………え?
その呟きは
戦闘時とは思えぬほどに
間の抜けた響きを以って――
彼女の口から紡がれた
――――――
支援
せん
、、、、、、、、、、、、、
それは遠方で一部始終を見ていた魔導士の眼前で――起こった
相棒の騎士が敵に止めを刺そうと飛び掛る
上空に浮いた槍の男に最期の一撃を浴びせようと剣を振り上げる
相手は既に半死半生
力を残さぬ相手を、更に浮かせ
烈火の将最大の斬撃・紫電一閃にて締めくくる
唇を噛んでそれを見つめるフェイトが抱いた感情は――やはり、命を奪いたくは無い…だった
完全に勝負のついた現状で、出来る事なら死なせたくはないという感情は
心優しい彼女をして決して消せるものではない
その甘さが此度の戦いで何度も自身らを窮地に陥れれてしまった
その負い目から敢えてシグナムの剣を止めなかった
甘い自分を自重する形で、己が感情を押し込めた
でも、やっぱり……何とか一命を取り留めてくれれば、などと思いつつ
そんな事は有り得ない……シグナムの剣がそんな生易しいものではないと重々に理解もしていた
揺れる心の狭間にて――だからこそ……彼女は目を、逸らした
敵が切り伏せられる、その結果から―――視線を背けた
――― 故に当然、その間に起こった出来事を説明する事が彼女には出来ない ―――
「……………」
閉じた瞳は凄惨な結果から逃れたい心の表れでもあり
相手に対する黙祷の意を含んだものでもあった
しかして、、
「……………え?」
その呟きは戦闘時とは思えぬほどに
間の抜けた響きを以って――彼女の口から紡がれた
「………あ」
短い、二秒か、三秒――
閉じていた目を再び開けた彼女――
その光景を眼球が捉え
情報を脳に送り込んでいる現状で、なお、
フェイトテスタロッサハラオウンは目の前で起こった光景を暫く認識できなかった
槍が―――
――― シグナムの胸に突き立っている、という事実を ―――
支援
――――――
「………」
氷のように固まった魔道士の表情の
唇だけが、みるみるうちにカラカラに乾いていく
絶対に有り得ない事でありながら
それは不思議と全てが予定調和の如く自然な光景に思われ
呆気ないほどに当たり前の事に感じられて―――
――― やがて静止した体内時計がゆっくりと動き出す ―――
唇がわななき
下腹部が締め付けられ
全身から血の気が引いていく
震える両手がデバイスを取り落としそうになる
やがて半狂乱の叫びをその口が紡ぐ前に
彼女は、空中で絡み合った剣士と槍兵に向かって、飛び向かおうとした
「うぐっ!!?」
だが、そんなフェイトの体を何かが拘束する
首と胴に巻き付いた金属のそれが
相棒に駆け寄ろうとするフェイトの身体を留まらせ、その場に組み伏せる
「―――敵にトドメを刺さずに放置する……人の事は言えませんね貴方は」
その声は聞き違いようの無いおぞましさを孕んだ声だったけれど
そんな事はどうでもいい
その言葉は初戦の森で自分が口にした皮肉の意趣返しなのだろうけど
そんな事はどうでもいい
全身をハチの巣にされて倒されたはずの敵が再び立ち上がり、自分の事を捕らえていたのだけれど
そんな事はどうでもいい
「教わりませんでしたか? 蛇はしつこいんですよ
もっとも――盾がなければ流石に持たなかった」
何かがあれば隣の男を盾にして逃げおおそうと狙っていたのだろう
女怪はあの時、ランサーを盾にして死角に身を窶し、殲滅から滅びを免れていた
槍兵ですら気づかぬ身のこなしで男に影のようにへばり付き
矢避けの「盾」の恩恵で、飛来する雷撃のほとんどをやり過ごしたのだ
支援
そして今の今まで短時間ながらも体内活動を休止させ
負傷した箇所の治癒を、、最期の締めを行うに足る余力を回復させながら―――
雌伏して待ったのだ、、獲物と再び、二人きりになるその瞬間を
「向こうは向こうなりに色々と伏線を張っていたようですが
駄犬が最後の最後に役に立ってくれましたね……理想的な展開です、ランサー
―――あとは地獄で、意中の相手と続きをするといい」
言葉と共に一瞥したその先で――
蒼と炎熱の騎士が揚力、浮力を失い、絡み合いながらカクンと、、
重力に引かれて崖下へと堕ちて行く
「あ、、、ああ……!!!」
自身に巻き付いた縛鎖が喉に、胴に食い込む事さえ頭にはない
莫迦みたいに前に伸ばした手は当然
相棒の腕を掴む事などかなわない
ようやっと心内から吐露された絶望が確固たるカタチを以って
彼女の心身、表情に作用し――
「シ……シグナムッ!!
シグナムーーーッッ!!!」
彼女に絶叫を上げさせる頃には
既に左胸を貫かれた騎士と男は奈落へと飲み込まれ、、
彼女の視界から消えていた
「あ、、、あああああああっ!!
いやあああああああっっ!!!!」
涙に咽ぶ声が、やがて慟哭となって――
相棒を飲み込んだ渓谷に木霊するのであった
――――――
終わりです
クリスマス&お正月だというのに
まったくめでたくない話を投下するバトルヲタ
きっとその脳みそは正しく腐っているに違いない――
ともあれ次回で、長かったフェイトルート一章も完結です
前に咄嗟に思いついた言葉として 「リリカルブラッド=プロレス」 と記述しましたが………ちょっと違った
目指しているのはデビルメイクライやマトリックスのような問答無用のハイテンションバトルなのです
死力を尽くした戦いでありながら、あまりのカッコ良さに自然とエンターテイメントが成り立つような戦いを是非、活字で表現したいなと…
その理想に少しでも近づければいいと思って筆を取っている次第なのですけど、、、
難しいなぁ……今回、色々と考えさせられました
一月中には完結編を出したいと思っています
ではまたノシ
289 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/01(金) 20:51:38 ID:9iHzlgwR
GJ!!相変わらず面白い!!
乙!
お年玉をありがとう
ランサーはついに真名解放に成功?
次回でベルレと真ソニック出るか?
フェイトルートももうすぐ完結かーと思ったらまだ一章だった
二章〜最終章にママンが絡んでくるのかな
GJ!!
フェイトルートなのにシグナムが輝き過ぎていたことに不安を感じていたが、やはり……
フェイトの物語がここからということなのか
ランサーの溜息は、いい女相手にさえ道連れの槍を突かずにはいられない自分の体に対してか?“勝負”自体は本人も認める負けであったのに……
ライダーは宝具を使う余力はなさそうですが、化生の性質からは油断もできない
スタイリッシュさというかスピード感は今回かなり上がってました
四人(+1)が針の上にいるかのような局面によくあっていたと思います
ただ、前のような肉厚ステーキも嫌いではないので、溜める・語るときにはああいった感じでも個人的に美味しい
改めて、グッジョブでした
リリブラは互いの全力をぶつけ合う戦いがかっこよくて好きですね。真正面から、出し惜しみ無く。
そんなプロレス的、ゲーム的な爽快感が魅力なんだと私は思っています。
その反面、バトルの流れが何となく読めてしまうんですね。
それでも面白くてグイグイ引き込まれるのがリリブラの凄い所なんですけど、あまり長引くと…
野球に例えると、なのはルートが第1試合9回裏で試合終了。第2試合が延長15回裏で試合終了。
フェイトルートは第1試合延長24回表。というような印象。
批判的になってしまってごめんなさい。続き楽しみにしてます。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
リリブラの人、乙でした。
それでは、なのぎる外伝の続きを。
本当は全部書けてから投下したかったんですが、まあ三が日のうちに投下したかったもので。
クライマックス直前まで。
五時五十分投下します。
「一剣は二刀に勝てずとこの国の碩学は言っていたが、二刀は二剣に優るか、試してみるか?」
再び、士郎の姿が消失する。
同時に、ギルガメッシュの手になる剣が左右に振りぬかれた。
両手の剣を広げたその姿勢は、まさに翼を広げた鳳凰の如き威容。
ざっ、と砂地を蹴って二度三度と転び、士郎は態勢を立て直す。
ギルガメッシュとの距離は最初と同じ程度に広がった。おおよそ十メートル。
「避けたか」
と出された声は、しかし揶揄するかのようですらあった。
――今の程度のことは、できて当たり前だぞ?
と言外に言われたかのようだ。
「今のは――」
美由希は神速をかけた己の視界の中で、それをはっきりと目撃した。
迎撃のために打ち振られたギルガメッシュの剣を、必死に制動をかけて逆方向に跳躍して回避した父の姿を。
それが意味していることは多くない。
ギルガメッシュは士郎の神速に対応して剣を振って、それを士郎は飛びのくことでしか受けられなかったという事実は。
「もしかして……」
「速いな」
「恭ちゃん」
「しかも、親父の動きに合わせている――」
恭也が口にした。ひどく重々しい呟きだった。
そして、その内容はより重要だった。
「親父の神速に対応できているのか」
それは――
それでも何か納得いかないことがあるようで、恭也は眉を寄せながら目を細めていた。
◆ ◆ ◆
高町士郎は中段に構えた二刀のそれぞれの刀身に目を走らせてから、今度はゆっくりと間合いを詰めていく。
ギルガメッシュは悠然と立ったままにその接近を待っていた。
神速は肉体に多大な負担を強いる技法であり、そう何度も使えるものではない。ただ処理速度をあげて観ているというだけならまだしも、筋力を引き出すのは御神最高の剣士である高町士郎をして限度があるのだ。
そして、武器の方にも不安がある。
御神流に伝えられる八景はいかなる鍛造になるものかは不明ではあるが、通常の刀よりも黒く重く硬く造られている――だが、それとてもギルガメッシュの手になる神剣を前にしては見劣りする。
閲した月日によって積み重ねられた八景の風格も、天之羽々斬と天之叢雲剣の霊威に到底及びつくものではなかったのだ。
(全力で打ち合えば五合ともたないかな……)
剣士としての直感で、士郎はそれを悟っている。
無論のこと、それは互いの全力をもってしての相気(合気)の状態をさしてであるが――
二剣をぶらさげるようにしているギルガメッシュの目は、全てを見通しているかのように思えた。
士郎は呼吸を整えながら、左手を前にだし、右手を担ぐように構える。
(この一撃が通じないようだったら……)
ドクン、と心臓が高鳴った。
御神流に限らず、相手の技量、風格を看破するための眼力――目付けは剣術において重視されている。
相手の実力を見損なえば、即ち死が待つ。それだけに、鍛え抜かれて生き延びた達人と呼ばれる者の目付けは、時に異能じみた正確さを以って相手の戦力を把握しえる。
まして、数多の戦場を生き抜いた士郎の目付けに、間違いなどあろうはずがなく……。
しかし、その士郎からしても、目の前のギルガメッシュの剣風は理解し難い。
二剣を持つギルガメッシュの肉体には、何処にも筋肉の緊張というものを感じないのだ。
高町士郎という剣客を前にして、この状態は異常といえた。
いかなる使い手、人物であろうと、命の危機を目前にしては落ち着けるはずもないのだ。刃を向けられれば自然と筋肉はこわばり、呼吸は乱れる。
その様子がまるでこの男からは感じられない。
それは、すでに死を当然のものとして受け入れている悟入の境地に達しているのか――
高町士郎になど、まったくなんの脅威も感じていないのか。
恐らく、と前置きをする必要もなく後者であることは解っている。少なくとも、それだけの力はある。高町士郎の必殺の斬撃を二撃までも受け切って、なおかつ反撃をすることのできる達人ならば、自信を持って当然だ。
だが――
何か、違和感を感じた。
どういっていいのか、うまく言えないが。
(一剣は二刀に勝てず……は、確か林羅山が宮本武蔵の肖像画につけた讃辞だったか)
だとすると、二天一流か――と反射的に連想できるが、士郎が知る限りの二天一流の剣客とは風格が異なる。それに、二天一流は大刀小刀の二刀であって、大剣の二本ではない。
日本の武道では現在伝承のあるものでいえば大東流が大刀二本を使い、沖縄の御殿手もまた大刀二本の技があるが――
それらとも、やはり違う。
だとするのなら中国剣術か西洋剣術かだが。
(どれとも違う)
ギルガメッシュという男からは、士郎の知る限りの既存の技術の匂いを感じなかった。
あるいはその名の通りに太古のウルクの豪剣を使うというのか……。
それも何か違うような気がした。
この男からは、武術使いとしての匂いをまったく感じない――
「………………ッッ」
思考はあり得ない答えに到達しかけた。理性が拒絶した。あり得ない。本能が告げる。あり得る。剣士としての経験、技量は「だからどうした」と言った。
相手がなんだろうと、ことここにきて引けるわけがない――!
思考が加速する。
間合まであと二センチというところで旋回しつつ薙旋の形に持ち込んでギルガメッシュの動きを誘導しながら神速を重ねがけて急加速で貫を繰り出して受けられた瞬間に雷徹をかけ衝撃を叩き込んで動きを止めてから、
モノクロの景色の中で、最初の目論見どおりに知ろうが動けたのは薙旋を仕掛けたところまでだった。
御神流 奥技之六 薙旋・改――本来の薙旋は右の抜刀から仕掛ける技であるが、士郎は抜刀を省き、相手の前で一回転することによって抜きつけの形から開始させる。
そこからの四連撃は常人には視認することすらできず、達人であっても対応するのは難しいと思われた。
ギルガメッシュの二剣は下段から撥ね上がる。
右の天之叢雲剣を上に。
左の天之羽々斬を横に。
十字を描くかのように繰り出された、神剣の双撃!
天之叢雲剣は初撃を受け、天之羽々斬は二撃目を撥ね返す。
そこまでは士郎も読んでいた。そこまではされると士郎も考えていた。
三撃目は薙旋の形から外した。本来あり得ぬ動き。急激な制動が体にかかる。負荷が関節を軋ませ、筋肉に悲鳴を上げさせた。血液が偏った。視界がブラックアウトした。
それでも。
刻み込まれた剣士としての動きは貫を、
――仕掛けようとした寸前に、頭上から襲い掛かる双剣を見た。
両手を振り上げて、落とす。
単純極まりない動作だ。
単純極まりない打ち込みだ。
だが、その速さは人間の――いや、御神流の神速をも上回っている!
高町士郎は、背筋を駆け抜ける死神を確かに見た。
◆ ◆ ◆
「父さん………ッ!」
叫び、駆け出そうとした美由希を恭也はかろうじて押さえ込めた。
神速をかけて飛び出そうとしていたのだが、それも彼の神速でどうにかなった。そして、美由希が「離して!」と言う前に戦況はまた変化していた。
「ほう」
とギルガメッシュが、何処か揶揄するような口ぶりをしたのを、二人は聞いた。
「今のを、かわせたか」
「……………なんとか」
打ち下ろされた二剣を、士郎は最初のように受けることなどはせずに必死とも言える機動で後方に飛びのいて回避した――らしい。
御神の剣士たる二人にも、どのような攻防が今の瞬間にあったのかは不明瞭だった。二人が見たのは、振り上げられた二つの剣の軌跡の中に、父がいたということだけである。
士郎は今の瞬間、限界を超えた神速を己にかけたのだろう。
荒い息を吐きながら、十メートルという距離を置いてギルガメッシュを見ている。何処か目の前に断崖があるかのような目で対峙している。
美由希も、恭也でさえも父のこのような様子を初めて見た。
「恭ちゃん……ダメだよ……これは、ダメだよ……」
腕の中で、義妹が唸るように呟いていた。何かを言おうとして、上手く言えないのだと解っていた。何を言おうとしているのかも、恭也には解っていた。
(あの、ギルさんは――)
御神流の神速を、目で見て、そして、打ち込まれてから反応して迎撃している――
武術とは、突き詰めればいかにして相手より先に自分の攻撃を当てる、効かせるということに尽きる。ただそれだけのことに、先人は何千年もの月日を費やしたのだ。
筋力を鍛え、集中力を高め、技術を練り上げ。
御神流も、その中でもっとも重要な技法である神速も、人類の歴史が始まって以来、数多と生まれた「先に効かせる」ための戦闘技術の中のひとつでしかない。
集中力を高めて感覚と運動能力と高めるというそれは、難しくはあってもシンプルな方である。
恐らく、もっとも古い時代の戦士たちがしていたものに近い。
時代が下れば、当然のようにそれに対する返し技、速力に頼らず相手を迎撃する方法、技法が研鑽された。
要は相手の攻撃より先に相手を打てればよい――パラダイムシフトとも言うべき思考の変換は、鍛えてその限度に達せども、到底及ばぬ獣たち、あるいは老いることによる体力の低下という厳然たる事実を克服するために生まれたものとも思える。
結果として生まれたのが、自然体に立ち、相手の攻撃を捌くといういわゆる達人の技だ。
なぜ、自然体で速力に頼らずに相手に応じ切れるのか、このことに関しては、美由希と恭也の二人と同世代の剣客である藤村大河が、「先をとること」と、この時代から何十年か後に表現して述べている。
あるインタビューによると、
『(前略)結局ね、武道ってのは先をとることに終始しちゃうのね。
先手必勝っていうと言葉として軽いけどね。相手より先に動き出しているに越したこたぁないのよ。
後の先とかだって同じだよお。あれは相手の動きを先に見極めちゃうからかわしざまにぱーんと決められるのね。
自然体とかよく言うでしょ。あれが最も人間として自然な状態だっていうでしょ。
ちょっと違うんだなあ。人間、本当に集中してリラックスすると、前屈姿勢とかとるのね。自然体はならないの。
うーんと、あのねー、自然体ってのは、あれはね、まさに「先を取っている」状態なのよ。
向こうが打とうとしているところで、こっちはすでに動いている途中なの。
あれはね、「歩いて」る途中なのだ。自分が常に動いてる途中の中での一点なのだよ、解ったかねワトスンくんっ。(後略)』
と彼女は答えている。
……しかし、彼女の定義でいう「自然体」では、ギルガメッシュはなかった。
それは明らかだった。
ただ、突っ立っている。
それは自然体とは言わない。
そういうのは棒立ちというのだ。
(父さんの動きを見極めて動いてるんじゃない。動いてから、反射神経だけで捌いている――)
藤村大河のいう「見極める」ということは、相手の動きの予備動作、気配を察するということだった。
いかなる生物だろうと達人だろうと、動き出す前に筋肉の弛緩、緊張がある。重心の動きがある。それらを察せないようにするのも技であり、それらを察するのも術であった。
一流のボクサー、剣客は、反射神経などよりもそれらをもって相手に応ずる。なぜならば、同じく一流のアスリート、戦士の動きは人間の反射神経を凌駕したところにあるからだ。
御神の剣士が往時において不敗の戦歴を築き得たのは、そのような基礎的な生物としてのステージを一時的にも神速によって高められたからである。
ギルガメッシュのそれは、神速に似ていて、自然体に似ていて、まったく違っている。
彼は特別な技法を用いてもおらず――
神速に反応して、同等の速度で捌いている。
それは、言うならば生物としての地力の違いがもたらす速力の差だ。
もっと単純にいうのなら、もっと解りやすくいうのなら。
ギルガメッシュという人は、人間以上の生物だということだった。
神速程度の工夫では及ばない、身体能力の差が彼と通常の人間にはあるのだ。
そうとしか思えなかった。
どくん、
と心臓が鳴った。
思考がそこまで至って、結論が間近にまできて、ようやく恭也はあえて遠ざけていた答えが見えた。
結論とは、御神流の剣士では、人間ではアレには勝てないということであり。
答えとは、挑んだ父は敗北して死ぬということだった。
そんなことは――
(解っていたことだろう、高町恭也)
羽交い絞めにしている義妹に、恭也は嘆くように囁きかけた。
「信じるんだ」
目の前で息を整えながら、勝てぬ死の壁へと歩いていく父を。
御神の剣士を。
高町士郎を。
「負けるものか。親父が、父さんが、家族のために戦いに出て、負けるはずなんかあるはずがない――」
◆ ◆ ◆
「存外、しぶといな」
聞こえる。
「ふん。生き汚いのは雑種の常とは言え、まだそのざまで我に挑もうと思っているのか」
うるさい。黙れ。
「見所はある方だと思っていたがな。よもや、我の見立てが間違っていたということもあるまい」
ああ、どういう意味だ。何がいいたいんだ。
「少し、教えてやろう。貴様が使うそれは、まだ不完全だ」
……………。
「肉体の枷を脳の方から外すというアプローチは、間違ってはおらん」
―――――。
「だが、それではまだ物理的に、人間としての生物の限度に達したという程度でしかない」
それ、は……、
「人間以上のモノと対峙するのならば、生物として人間を超えねばならぬ。最低限の、それが道理だ」
どういう――、
「観ているところが違うのだ。貴様は相手を見ているが、まずその前に自分自身を診なくてはならん」
あ、ああ。
「その脚は、本当に闘いのために最善のカタチをしているのか? 腕は? 内臓の位置はそれでいいのか?」
、、、。。//////____
「異形(バケモノ)になることを恐れるな。怪物(バケモノ)を殺す戦士(バケモノ)こそが、」
。。。。。。。。、、、、、、、、!!!
「英雄に至るための、階(きざはし)の一段目だ」
とまあ、とりあえずここまで。
続きは書けたらすぐに投下…したいですが、多分、家のパソコンは規制食らっているので。
避難所の方に投下していると思います。そのときは誰か頼みますw
しかしこー、リリブラ見て思うのは、よくもこのハイペースで書けるもんだということで、なのぎるは外伝あわせてもまだ100kb届かないのに。
リリブラは一話で平均70kbくらいいってるし!
つか改めてすごいな!
自分もそんだけ書きたいんだぜ。
と、忘れないうちに作品解説というか、ちょっと細かいことを。
一番最初の
>「一剣は二刀に勝てずとこの国の碩学は言っていたが、二刀は二剣に優るか、試してみるか?」
は前回の投下の時にうろ覚えで書いてたのを書き直しました。なんというか、ちゃんと資料を読みながらでないといけませんね。
構成とかぐちゃぐちゃなんですけど、全部の投下がおわったら修正もかねて三部構成にしてwikiの編集しなおします。
前回までいれてくださった方には本当にお世話になりました。なんかこっちの半端さが全部悪いです。もう。
あと途中での藤村大河による解説は、某所の某SSからの転載ですが、そっち書いたのも私なんで問題はないです。
ああ、以前に同じ世界というのはそのSSではないです。念のため。
他にも別名で書いてたりしてます。そっちの方です。
それではできるなら今日のうちに、あるいは明日のうちに。
なんとか仕上げたいです。
それではー。
投下お疲れです。ギルも士郎さんもカッケェ!
乙
御神流対ギルってギルがスレイヤーズの魔族みたいに「人間相手には意地でも全力出さない!」
ってなってギルがベコられそうだな
乙!
宝具に頼らず、自身の技量の高さを見せ付けるギルというのは珍しい気がする
次回で完結でしょうか
楽しみにしてます
乙でした
技量つーか基礎力の差だけをまざまざと見せ付けられてる気がする
ギルさんはただ相手に合わせて刀振ってるだけ、と
しかしここの藤ねぇいいこと言ってるのに締まらないw
そういや海鳴も鯖・死徒クラスから神クラスまでゴロゴロいる三咲・冬木もビックリのホットスポットだな
と思ったがどいつもこいつも善人で力を悪用しようって気がまるでない・・・
確かなのは系とは別の型月的に魔法使いレベルの魔法使いもいたよな
とらは設定が生きてるならの話だけど
士郎は一体どうなるんだ
せめて得物の差がなくなれば、反応関係なく技の一つも当てられそうなんだけどな
>>300 GJ!
たしかにギルガメッシュは肉体的ポテンシャルなら英霊でも指折り
しかし、士郎も開祖の時代の回帰を起こして覚醒か
続き待ってます
>>288 GJ!
えーと、この場合アギトはどうなるのか
開放せずとも恐ろしい呪いの槍を食らったが、両者ともプログラム、いやシグナムは生命的になってきて…いや、ユニゾンのダメージ分散があれば……
続き待ってます
単純なダメージを受けたのならユニゾンしてるアギトの方がシグナムよりキツそうかな
真名解放ボルグを受けた場合はどうなるのかわからんね
シグナムは即死で、直接心臓を突かれたわけではないアギトは単純なダメージを受ける、かな?
りリブラといえばはやても心配だけど、キャスターとか大丈夫なんだろうか
あのひと魔術回路つかわないせいかしらんけど、自己魔力生成量がそれほど多くなかったような
>>288 GJ!
しかしリリカルなのは側から見た場合、少なからず萎える結果だと言わざるを得ない
どんなに攻め込んでも結局、宝具一発で逆転されてしまうのでは今までの長い戦いは何だったのか?と
まあそこら辺を納得させるために大量の描写を頑張っておられるのは分かるのですが
>>300 こちらもGJ!
男と男のぶつかり合いは渋いですね
ただ、やはりというかなのぎるでぎるさんと戦う動機付けがどうしても弱くみえる
自殺行為に等しい戦いに望む士郎さんに、いや別に戦わなくて良いのでは?と突っ込み入れたくなっちゃう
家族のために、というのは分かるけど、ここで3人全滅する事になったらそれこそ残されたなのちゃんが絶望の海に沈む事を考えるとね・・・
どんな窮地でも一発逆転。宝具ってのは文字通りの必殺技なんだから仕方ない
じゃあ窮地に立たされて
更に相手が山ほど宝具持ってる場合はどうすんだ…
士郎さんにウロボロスウィルスでも投与するのか?
原作の時点で宝具>>>>英霊だからね
圧倒的不利を一発でひっくり返しちゃうからこそ、宝具足りえるともいえるし
まぁさじ加減しだいか
>>313 そんなのギルしかいなくね
>>311 宝具を使わせず封殺できること封殺することの小さな違いってやつかなと
例えばライダーがくたばってればフェイトと援護で可能性すらなかったろうし
対ランサーならゲイボルクはいつか越えなくちゃならない壁ではあった
まあ、結果は出てないし(実は発動しそこねたりというのもありえる)、まだ一章だしで評価を急ぐ必要はないよ
英霊の白兵戦は基本的に相手に宝具を使わせない、
自分が宝具を使える決定的な隙を作るためだしねえ
宝具ってのは英霊同士ですら出たら勝ち、ってぐらい理不尽の塊だからね
つまりフェイトやシグナムがなにやっても無駄なのか
どうしてそうなる
宝具使ったら終わりなんだからどれだけやっても無駄だろ
そんなのは作者のさじ加減ひとつ
宝具を使わせないように戦わせてもいいし、宝具なんてたいしたことありませんみたいなのもありっちゃあり
ランサーとライダーはすでに宝具を無駄打ちしちゃってるから
ガス欠で打てないって展開もありえるし
充填が十分でない劣化版宝具をリリカル側が真正面から弾き返す展開もありえるし、無駄ではないよ
宝具は出たら勝ちでもあるけど、大抵のは外したら負けってぐらいの燃費の悪さだから
ただ、ランサーだけはそのへんの効率がほとんどチートだからMAX版が打てるかどうかってのは作者の匙にかかってくるけど
ランサーのは対人においては最も効率のいい宝具だからねえ・・・・
セイバーの見立てでは、七回使用してもランサーは魔力補充を必要としないとの事だし
燃費もそうだが、発動前後の隙が一番のネックだしな。特にカラドボルクみたいな
直線攻撃でホーミング無しなんかだと普通に撃っても回避されるだけだし、ゲイボルク
みたいな必中系でも能力値によっては回避されることもある。なにより、聖杯戦争において
宝具の発動は自分の正体を晒す可能性があるため、基本的に相手を必殺できる状況でのみ
使うのが望ましい。それに、宝具と一くくりにいってもそれだけで勝負が決まるような
ものだけでもない(鮮血神殿やらルールブレイカーやら)し、そんなこと言ったら
常時発動系の奴らはそれだけで無敵になるじゃないか。
まあカラドボルグも厄介だけどな
音速超えてるだろうし空間ねじ切りながらくるし・・・
まあ宝具は作者のさじ加減としか言いようがないでしょ
>>323 正体がばれて不利になったやつってのが思いつかないんだがそんなのいたっけ
ランサーとライダーの姿が描かれているので、ちょっとアーチャーの能力を考慮してみる。
狙撃可能な距離は少なくとも四キロ。通常の連射能力の高い矢と、偽螺旋剣のような破壊力の高い矢と、赤原猟犬のよう追尾能力のある矢。特に赤原猟犬はホロウの橋超えで、例え防がれても即座に襲い掛かる姿を見せている。
その反面、防御能力についてはやや貧弱っぽい? アイアスの魔力に対する防御力に期待か。
……セイバーの真似をして、狙撃直後に懐に飛び込むしか有効な手段が思いつかないな。
原作ではいない
宝具云々よりランサーライダーの回避率がビルバイン並で笑えるなw
平地でこれだけ手こずるなら
遮蔽物のある所だと例え空の優位を取っても魔導士に為す術なくね?
>>325 一応そういう場面はないけど、弱点としてはセイバーに対してのグラム、バーサーカー
に対しての天の鎖(対神宝具)などをギルが使ってる場面があるので意味がないともいえない。
直接その英霊に対して有効な手段を持っていなくても、その手段を持っている相手に
リークするなどの手段もあるので名前を隠すことには意味がある。
>>328 アサシンみたいな気配遮断技能抜きだとサーチで相手の場所がわかる魔導士の方が有利だと思う。
セイバーみたいな直感みたいな五感以外の察知する力がないと視覚外から壁抜き攻撃はよけ難い。
ランサーの矢除けも視覚内に入らないといけないし。殺気で回避するのだと限界もあるし。
むしろ遮蔽物を足場にして接近される可能性があるから高度によってはそちらの方が危険。
>>326 >その反面、防御能力についてはやや貧弱っぽい?
双剣で攻撃をいなしたりするのは天才的って言われてたはず
火竜一閃が避けられまくってるのは悲しいが、一撃必殺ならそれも仕方が無いのかも。話の展開的に考えて
紫電一閃とかシュツルムファルケンのユニゾンによる上位版が判明していればなぁ
この技なら倒されても仕方ねぇと思えるような派手なやつ
COMICSのなのはさんとの模擬戦で見せた新技は出て来るんだろうか
>326
失礼。魔術に関する防御、と書くつもりでした。
>>329 そういうのだったらなのはたちが鯖の招待知ってその弱点を突くというのは難しそうだな
アーサーやらヘラクレスやらといった神話の有名人が二十歳かそこらの小娘に苦戦するというのはなんか情けない
ってのも鯖≧魔道士な原因の一つかと
強敵属性は主人公(視点)の違いじゃないのだろうか
なのはは士郎がセイバーボディでスタートしたようなもんだし
ただ、リリブラに関しては作者本人がサーヴァントを敵として設定したって言ってるのは忘れずに
>>331 作中で比較されたエクスカリバーだって距離をとって回避に専念されれば必殺であっても必中ではない
対して実際にダメージを与えてる分しっかり有効打だよ
たぶんリリブラ内のほぼ全員体力300%っぽい雰囲気がなければ、少なくともライダーは完璧死んでる
確かにライダー本体は他のサーヴァントと比べると防御が薄い方だよな
鯖最速の二人が回避に専念して
それでも一方的に削られジリ貧なのだから十分、火竜ツヨスだろ
避けまくって無傷だったらアレだが
何だかんだ言っても鯖が強いのは当たり前だし大歓迎ですだわ
敵っていうのは味方を苦戦させてナンボだし
最近、なのはさんの扱いがめだかちゃんみたいになって来てるとこあるからなのはさんズの苦戦は新鮮で良い
それより問題なのは、今世紀最大の無理ゲーに挑もうとしてるオヤジの方なんだがw
>>336 ライダーは対魔力が強力なだけで、桜がマスターでも耐久力で勝てるのって小次郎くらいだよね。
回避型だから、絨毯爆撃が相手じゃ相性悪いわなあ。
>>338 葛木先生の二の舞にならんことを祈るしかw
ほんと士郎さんはどうなっちまうのかね
今のペースではジリ貧だし、何か策がないと
ギルを戸惑わせ、隙を作るような何か
なのぎる外伝は面白いんだが、士郎さんをイマイチ応援できないのが残念だ
ギルに戦いに挑む理由が弱いせいで、一方的に喧嘩を吹っかけているように見えてしまうし、どちらかが勝ってどちらが死んでも今のなのはにとっては悲しい結果にしかならないから
つーかあのギルはよく神速に対応できるなw
ぎるさん必殺の「よもやここまでガッ――!?」 が炸裂すると睨んでいるのはどうやら俺だけのようだな
>>340 文章力が非常に高くて面白い作品だけに余計、細かい突っ込みどころが気になってしまうな
なのぎるの外伝としてではなく、完全単体で書き上げた方が良かったのかも知れない
魔導師VS魔術師さんみたいに 「父VS王」みたいなノリで
>>341 ギルは超一流サーヴァントと比べると落ちるってだけであって、身体能力も剣技も普通に一級品だからね
>>342 え?普通にそうオチるんじゃないの?w
だって相手が恭也とまでいかずとも士郎パパだし
ゼロ以降妙に持ち上げられてるが
実力を発揮しようがしまいが慢心しようがしまいが
最終的にベコベコにされてこそのギルガメッシュだよ?
ラスボスが強いのはいつか必ず倒されるからだしな
万能キャラは中途半端と紙一重だから万能が許されるってのと似たようなもんか
むしろギルガメッシュが勝つ事の方が番狂わせだと言うのか・・・
馬鹿なッ
なのぎるさんとこのは、きれいなジャイアンならぬきれいなギルガメッシュだからバッドエンド展開にはならないだろー
>>339 あのときの葛木は殺す目をしてたな
ギルが剣で戦ってるぶん、状況は黄理と紅摩のに近いかもしれん
しかし改めて考えると、どっちの世界でも武術修めてる連中は化け物揃いだよねえ。
どんだけ限界突破してんだよと……。
暇潰しに燕を打ち落とそうとしたらいつの間にか刀が分裂するようになったりとかな
>>343 セイバーと葛木先生の展開見るとやっぱりギルが神速に対応できるのは違和感あるな
あれでも直感が無ければ避けられないくらいだったわけだし
まあこれはこれで面白いから良いけど
葛木の例は特殊すぎて当てはまらないかと
パパは体術自体はあそこまで逸脱しとらんみたいだし
撲殺教師は妻の補助があったから・・・・・・
それをおいても菌糸類がやらかしちゃったとこだけどな
どこの暗殺者が透明音速剣の挟み取りなんて訓練するんだって感じだ
士郎パパの場合、あえて最初から神速を使わずに貫とかの直前でいった方がよかったかもしれない
御神の技が見切られてるわけじゃないし
蛇さんはその名の通り蛇の動きだからな
オチがあること(やられ役)前提ならいくら強くてもきにならない自分は変なほうか
最後までいってギルマンセーだったりすると、そのときに初めて違和感を覚えるんだけどw
まあ御神流は踏み込みだけでコンクリ砕けるし瞬発力だけ見ても
鯖と互角以上に渡り合っても不思議じゃないレベルだしな
人としておかしい
>>344 >慢心しようがしまいが
実際に慢心してないギルが負けたシーンがあるわけじゃないからなぁ
>最終的にベコベコにされてこそ
「本編ではどの√でも負けてる、だから他の話でも必ず負けなきゃいけない」ってか?
その理屈だとセイバーとライダー以外は全員負けるしかない運命になるぞ
ホロウの未来でどの鯖にも勝てた可能性があったことが明示されたんだし本編での生死を全てそのままなぞったらクロスの意味がない
>ゼロ以降妙に持ち上げられてるが
ギルが四次の優勝者であることは既に確定済みだったわけだし
景気良い勝ち方をすること自体は不思議じゃないだろう
>>350 蛇が鯖に有効なのは速さとかじゃなくてその特殊さ故なわけだし
ここで比較するには違うんでない
いつからギルはオチ担当になったん?w
あと御神流が鯖と互角以上とは初耳だ
じゃリリカルなのはでも魔導士と互角に戦えたりするん?
vsスレならともかく物語的にはシリアス、ギャグに関係なくオチ担当にならざるをえないだろ
いや、あの人もとは英雄譚の主人公なんですけど…
まぁギルは二次創作では長い間ずーっと最強オリキャラの噛ませ担当だったしな
そう簡単にはイメージ払拭できないってことだろう
もっともそれ言うと今なのは勢を散々苦しめてるランサーとか噛ませ筆頭格なんだけど
ギルガメシュ叙事詩のギルガメッシュならともかくFateのギルは最強かつボスキャラだから表舞台に出てきたらやられてなんぼと言うところがあるんじゃないかな
これは物語的な視点で見てと言うことね
ホロウでは無双してたけどあれはどちらかというと裏方だと思うし
片方があまりに強すぎたり、戦力差が大きすぎたりすると、あぁ弱い方が勝つなと思ってしまうな
そして大抵予想通りになる
結果の見えている勝負の過程をいかに面白く書けるかが書き手の腕の見せ所だろうね
この作品ではもしかしたら強い方が勝つんじゃないか弱い方は勝てないんじゃないか、って思えてしまうような話は燃える
リリブラのなのは&セイバーのタッグマッチは熱すぎ
「勇気ある戦い」が脳内再生される
戦力をまじめに考証して、全力全開で戦闘しても普通に負けるギルなんて面白くないだろ?
というか文句出るだろ?
補正バリバリかけてでも最強最悪の敵として描いて、その上で負けてこそギル
異論は受け付ける
ギルが最初から全開できても倒せそうな奴がいないからな
まあ強すぎるが故に負けるしかないだろ
問題はオチの付け方なんだぜ?
結果よりむしろ、その展開次第で評価が分かれる
ギルに限らず……例えばリィンTと闇の書の闇を士郎や凛が単騎で捻じ伏せた場合
よっぽどの理由付けがないと納得して貰えないのが現実であって
格闘ゲーム版のバーサーカーですらぶち殺す士郎と凛ならいけるはずw
まあ、なのぎる本編では士郎パパもギルも生きているんだけどな
>>350 神速だけど、りりちゃ本編で士郎パパ(全盛期)の神速に対応してる人間がいる時点で、
達人たちの中では突出したものではないのは明らかかと。
というか葛木やら式やらは、普通にそういう領域にいてもおかしくないと思える。
神速使った上でいくつかある奥義とかを使ってようやく最強になってるんじゃないかなあと。
閃だけはどこかツバメ返しに通じるものを感じるけど。
>>368 生きてるから、なんとか収まったってのは確かだろうね。
展開予測するより更新まとうと思う。
真ソニックvsランサーの速さ対決
真ソニックは時に人の反応速度を凌駕するだったっけ?
時にってレベルじゃあ役不足じゃね
というか人の反応速度を超える事自体、そんなに難しくないだろ
その辺は作者の裁量に任せていいと思うけど。強さ議論スレじゃないんだし
劇場公開も近いが、明暗分かれそうで怖いな
個人的には両方成功して欲しいが・・
ギルは服汚れただけで撤退するほど気まぐれな人だしわざわざ負かさなくてもいくらでもやりようがあんじゃね?
ラスボスだから死ぬのは必然って意見もあるが聖杯が現れない限りいても子供と遊んだり釣りするぐらいで特に害のない存在であることはわかってるし
まぁどっちにしろ
>>373の言うとおり俺らにオチ決める権利はないけど
みんなそれだけ楽しみにしてるってことだろう
俺も含めて
劇場版まであと2週間か
なのははラストシーンが綺麗に描かれてればいいな
Fateはギル戦がかっこよければ満足だ
劇場版FateはUBWルート。
確かにギル戦は楽しみですが、『正義のみ方を目指す男』と『正義の味方になってしまった男』の信念をぶつけ合う戦いも見てみたいですね。
……ランサーに助力を願う時の『遠坂はやらないからな』と言うせりふを聞いてみたくもありますが。
カリバーとディバインバスターならカリバーのほうが上に見えてしまう
いきなり何だ?
単なる個人的な感想だろ
聖剣最強エクスカリバーさんがただのDBと比較されるようでは騎士王の落日も近いな
ユーノ「これはいったい……」
『ゲイボルク攻略法ベスト100』瀬譚太
『神の手を突破せよ』台所栄光
『サルでもできる固有結界』笑社
『魔王』菜ノ花
『私が惚れた男たち』運命
『闇の書の救い方』矢上疾風
『ふっ、面白い』銭リッチ
『うっかりは世界を越える』遠坂凛
『わたしはだれ』黒血姫
『混浴のなにが悪い!』作者不明
肩書きなんて関係なくね?
てか怒らせたようならすまない
DBを馬鹿にしたとかじゃないから
ほんと、このスレは強さ論議してる時が一番スレが進むんだからなぁ……。
もうスレチっていうのすら飽きてきたぞ。
原作の描写や設定からして○○のほうが強いだろ的な論議はバトルスレで好きなだけしておくれよ。
ここは双方の作品のキャラを活躍させるクロスなんだからさ。
そうだなスマナイ
DBが強かろうがカリバーが強かろうが関係ないな
ID:j5BRdJbaはわざと煽ってるように見えて気持ちが悪いな
もしくは重度のKY
らっきょクロスが読みたいなぁ
普通に高校生やってるなのはとふじのんの絡みが見てみたい
レッテル貼りですか…
やめてほしいですねw
>>385 面白そうとも思ったが、高校生ななのはが思い浮かばないorz
そもそもあのコ、中卒だし
同級生や近所の人からしてみればなのはって中卒で消息不明な人以外の何物でもないからな
士郎さんは「お宅のお子さんは今何をしているんですか?」って聞かれたらなんて答えてるんだろう
警察関係とか、そんなんかな?
中学卒業してからは海外留学とか、そんな風に答えているんじゃないかな。
高校から海外留学と考えたら問題なしか
海外に行っててたまに帰ってくる不思議なお姉さんとか思われてそうだなw
帰ってくる度に歴戦の傭兵よろしく目が据わっていく近所のお姉さん
子供 「あー、スネークお姉ちゃん帰ってきたんだー」
なのは 「はは・・・」
中学の段階で管理局で仕事してたんだからその頃からたまにいなくなる子扱いだと思うぞ
夏休みとか特にそうなんじゃないか?
まあ、無理に補完するのなら、
「子供の頃から短期的にフェイトちゃんの実家などにステイしていて、中学卒業してからは本格的に海外留学した」
というところだろうな。
海外での学歴だのそういうのは、アリサあたりが用立ててくれているかもしれん。
……いずれ「不思議なお姉さん」には違いないがw
まあ必要ないだけでその気になれば1年かそこらで
アメリカのなんとか大卒とか軽くできそうな程度には頭とコネあるし
別に困らんのだろう
そういえば物理と数学はミッドも同じだったか。
魔法にはそっちが必修とか。
魔法使えなくなっても、アメリカあたりの大学に入るとかできそうだね。
いや、エロパロとかでは、魔法なくなって中卒の経歴で何もできないなのは、というのがたまにでてくるから…。
長期休暇で日本に帰ったなのはが、短期の家庭教師としてふじのんの家に招かれるとかでもありではないかな。
あるいは遠野家に。
>>397 ミッド語は英語に告示していて、ベルカ語はドイツ語に酷似している可能性があるからうまくすればバイリンガル
日本語があるからトライリンガルだろう。
でも、英語とドイツ語が話せるかどうかわからないのは、この手のアニメの宿命。
あとAs時点ではフェイトほどではないにしろ、なのはも相当数学できるみたいだけど、他の科目ってどうだっけ。
コミックが手元にねえorz
>アメリカのなんとか大卒とか軽くできそうな程度には頭とコネあるし
あれ、そんな描写ありましたっけ?
魔法を使うには高校生程度の数学知識があれば上出来(?)みたいな設定だか台詞だかがあったと思うけど
才能もそうだがデカいコネも持ってるのにな
しかも工学系の
戦闘機乗りという選択肢もアリ
>>400 聞いたことないんだが、どこで聞いたかよんだんだ?
>>402 手元に無いんで確認できんけど、コミックでもそんな感じのことに触れてた。
なのはとフェイトが数学の成績がいいことをすずかかアリサに聞かれて、
フェイトちゃんは姉(高校生二年生)の数学の問題まで解けちゃった、的なことを言っていたところから。
魔法自体が数学と関連あるらしいのもその辺りで出てきた筈。
と、ここまで書いてようやく格闘派のスバルや、幼いエリオやキャロも相当数学できておかしくないことに気付いた俺。
ついでに志貴や士郎がその辺りの面子に勉強教わるシーンを想像して吹いた。
理系の方向には強いんじゃないだろうか
文系の方はアレだけど。特にフェイト
>>400 >魔法を使うには高校生程度の数学知識があれば上出来(?)
>みたいな設定だか台詞だかがあったと思うけど
自分の知る限りでは、そういう台詞はない。
原作者がどこかでコメントしているとかならあるかもしれんが。
魔法は理系だとA'sのコミック版でいわれてたが。
高校生の数学とかができるということがすごい、みたいな感じだったな。
多分、二次的、三次的にそこらを伝え聞いて「高校生程度の数学があればできる」と脳内で弄られたのではないかと。
他にソースがなく、もしも本当にそうなら、結構悪質な話だよ。それ。
高校の数学問題が解けるのと高校の数学で十分というのとはまったく別問題だよな
なのはの魔法って確か物理作用を脳内で演算して好き勝手に書き換えて望みの作用を起こしてるとかだろ?
効率が落ちるとはいえデバイスなしでもそんなものの構築・制御とか出来る時点で天才というか、異常な知能なのは確かだと思う
408 :
403:2010/01/10(日) 20:21:00 ID:wc8usZqy
>>404 フェイトは、苦手だけどどんどん良くなってるだったかと。
>>405-406 見直して、勘違い助長させてることにツッコミ入って気付いた。
というのがコミックにあるので、そこから勘違い?と書いた方が良かったorz
なのはよりフェイトの方が数学ができるぽかったが、
なのはは理論でなく感覚で魔法を組むってくらいの天才だから、単純に数学とリリなの魔法を等号で結ぶことも不可能
ある程度関係してはいるだろうけど
>>375 そういやリリブラ番外編でギル側が一度突っかかってきたフェイトを見逃そうとしたけどフェイトがそれを許さなかった場面があったな。
リリカル勢は負けず嫌いなキャラが大半だし「服が汚れるからサヨナラ」なんて却って挑発行為なんじゃなかろうかw
>>409 単純に等号するのは不可能かもしれんが、テストの成績として出ているしな。
魔法は理系とは明言されているし。
>>409 まぁ、数学ができなくてもデバイスに誰かが作った魔法を記憶させておけば使えるからな。
リリカルの戦闘を見るに、射撃とか砲撃、魔力刃、ベルカ関連は数学知識いらない気がする。
魔力を固めて撃てとか剣状にしろ、剣に魔力を溜めて振れって感じ。
>>410 戦闘でボコボコにされ、殺される一歩手前まで行っているときに、
そう言ってギルが帰り始めたら、何も言わないんじゃない?
>>405 成程こっちの勘違いだったか
わざわざ調べて説明してくれてありがとね
あ、高校生程度の云々はこっちの間違いとしてもう一方の
>アメリカのなんとか大卒とか軽くできそうな程度には頭とコネあるし
って方はどこで載ってたん? 誰か教えて
>>414 そっちも調べた限りでは知らない。
恐らく「程度には」というのは書いた人が得た印象での話ではないかと思われ。
印象を言ってるだけので、
>>400のことと違ってスルーしてもいいかと思ってほっといた。
なのはとか関係者がでの程度のことができるのかについては、魔法以外ではほとんど明言されてないので、読み手、書き手の判断の範疇だろうし。
原作資料でこれこれこうあった、という明確な間違いほどには問題視はしなかった。
まあ優秀な魔導師=多分野の天才みたいな描写ならけっこうあるからそれくらいできても不思議じゃない気もする
ベルカ流脳筋は知らん
それとも或いは魔法世界の教育カリキュラムが優れてるのか?
9歳の子供に軍務政務に就くに当たって必要十分な教育を施せてるのは
さあ? 魔導師の資質を持つ者を検査か何かでチェックして、早期教育をさせてるという可能性はあるかもしれん。
魔法なんか使える人間はちゃんと躾とかないと、ひどいことになるからな。
確か何処かの型月となのはのクロスSSでも、そんなことを言及しているのが何処かにあった。
実際の作品設定はよくわからんから、適当でいいとは思うけど。
リリカルで若年就職しているキャラは今のところ魔導師だけだよな
リンカーコアに早期教育を実現させる仕掛けがあるんじゃないかと予想
魔力もない単なる子供は役に立たないってだけな気がするけど…
魔力持ちは戦力になるから早くに確保して教育してるだけでしょ
でも、vividを見る限り魔法を習うのは自主性みたいだよ。
Stヒルデ魔法学院(ヴィヴィオが通っる学校)では、選択授業に応用魔法学なんてのがあるし。
エリオとキャロが管理局魔導師になるのもフェイトは反対したっぽいし
型月×リリカルなのはクロススレ36完全に沈黙!!
では、なのぎる外伝、ラストの前半投下します。
十五分から。
しええうぇええええええええん
◆ ◆ ◆
高町士郎は、まず自分の呼吸を整えることに専念した。
呼吸――ただ、吸って、吐くというそれだけの行為に、人間の一日の消費カロリーの大半が必要とされる。
言い方を変えるのならば、人間という生き物は、ただ呼吸をするためだけに生きているようなものなのだ。
それだけに、古来より呼吸というものを人間は、いや、戦士は追求してきた。
御神流もまた、然り。
また、戦いの機微としての呼吸というものもある。
相手の呼吸を探り、自らの呼吸を隠し。
戦闘者ならば当たり前にするそれは、当然のことながら高町士郎も修めていることだ。
その彼をして、今はその呼吸も乱れて隠すことすらままならなかった。
――神速の限界を超えた動き。
その代償である。
ありえない速度と動きであったと、士郎も思う。
あのタイミングで、あの打ち込み。
ギルガメッシュという男の剣撃の速度は、高町士郎の経験と知識にもないものだった。
それを避けるために搾り出した速さと動きは、単純ながらもかつてどの戦いでも用いたことがないほどにぎりぎりの、限界のものだった。
今までの戦歴において、彼より速く動いた戦士はいる。速度は及ばずとも「読み」の力で彼を上回った者もいる。世界の影には、そのような者たちは多くいた。
潜在能力の解放、病理による異質化した筋繊維、薬物投与による強化、魔法じみた異能の効果、機械仕掛けの機動、修練の果てに辿りついた境地――
そのどれとも違う。
単純に、ただただ単純に、生物としての基本性能が違う。
それらの異形(バケモノ)を打倒した達人(バケモノ)である士郎をして、およそ覚えのない「何か」。
――怪物を超えた怪物。
勝てない、と思った。
その怪物が、静かに口を開いている。
「存外、しぶといな」
荒い息を吐きながら、士郎は黙って聞いた。
「ふん。生き汚いのは雑種の常とは言え、まだそのざまで我に挑もうと思っているのか」
歯を食いしばる。後悔などするまいと思っていた。後悔などしたくないと思っていた。
「見所はある方だと思っていたがな。よもや、我の見立てが間違っていたということもあるまい」
何を言っているのか解らなかった。
「少し、教えてやろう。貴様が使うそれは、まだ不完全だ」
ふらりと、足を進める。
「肉体の枷を脳の方から外すというアプローチは、間違ってはおらん」
痙攣のような衝動が身体を動かしていた。
「だが、それではまだ物理的に、人間としての生物の限度に達したという程度でしかない」
ふと、それが神速のことを言っているのだと思い至る。
「人間以上のモノと対峙するのならば、生物として人間を超えねばならぬ。最低限の、それが道理だ」
足を止めた。彼の言っていることを聞くべきだと思考とは別に身体がそう判断したようだった。
「観ているところが違うのだ。貴様は相手を見ているが、まずその前に自分自身を診なくてはならん」
何を言っているのか士郎の脳みそには解らなかった。解らなかったが、何か魂の奥底に応えるものがある。
「その脚は、本当に闘いのために最善のカタチをしているのか? 腕は? 内臓の位置はそれでいいのか?」
すでに脳みそは考えるのをやめていた。
「異形(バケモノ)になることを恐れるな。怪物(バケモノ)を殺す戦士(バケモノ)こそが、」
魂のみで、士郎は目の前の男を見ている。
「英雄に至るための、階(きざはし)の一段目だ」
古えの英雄王を見ている――
どくん、と何度目かも解らない鼓動が胸を高鳴らせた。
そして、士郎は神速をかけた。
◆ ◆ ◆
――いや、それを神速と呼んでいいものか。
魂からの衝動が身体を突き動かし、それにただ身体が応えただけであるかのようだった。
斬、徹、貫、の基本術理ですらない。
突進しつつ飛針を打ち、鋼糸を飛ばし、蹴り、撃ち、舞った。
ギルガメッシュは僅かに目を細め――
飛針を剣の切先を微かに動かして落とし、鋼糸を一閃で切り払い、蹴りを剣を盾にして受け、斬撃を神剣を叩き込んで迎撃した。
舞うように移動した士郎も視界に捉えたままで、身をよじって対応していた。
(たりない)
狂気の如き衝動に押し潰されかけている、士郎の脳みそにほんのわずかに残された理性が言う。
(ぜんぜんたりない)
何が足りないのか?
脳みそは血が足りないと思った。脳の活動には莫大な酸素と糖分が必要になる。
脳みそは速度が足りないと思った。筋力を発揮するのは筋繊維の収縮の落差が必要になる。
脳みそはカロリーが足りないと思った。身体を動かそうとすれば、それだけの熱量が必要になる。
『自分自身を診なくてはならん』
唐突に、そんな言葉が浮かんだ。
どういう意味なのかは解らなかったが、脳みそは解らないままに自分の身体を診た。
ぼろぼろだった。
つい数年前に爆発を受けてぼろぼろに傷ついた身体だった。
完治はしていたが、度重なる無理な負担は、その体の古傷を開かせようとしているように思えた。
『その脚は、本当に闘いのために最善のカタチをしているのか? 腕は? 内臓の位置はそれでいいのか?』
……ほとんど考えることを放棄している脳みそだったが、続いて思い出した言葉には応えなくてはいけないと思った。
身体は脳みそとは別に動いて、小太刀を振っていた。
ダメだ。
脳みそは思う。
この形はまだ最善ではないと思う。動くためにはもっと適した形があると、そう判断する。それは人間としての思考ではなかったが、脳みそにはもうそこまで理解できなかった。ただ、この筋肉の位置では無理だと思った。
腕もそうだった。こんな筋肉ではダメだ。こんな血管の位置では無理だ。
内臓も、そうだ。重心を十分の一秒単位で操作できれば、もっと自由な機動が可能になるだろうに。
しえん
脳みそはまず血を欲した。そのために必要なのは心臓の鼓動を早めることだった。不随意筋を随意に動かさなければならない。
脳みそはその血の流れを通す血管の位置を動かさないといけないことに気づいた。血管も拡大させないといけない。
脳みそは血の中の栄養を補給せねばならないと思った。肝臓から全ての力を吐き出させないといけない。
それだけのことをするために、高町士郎の脳みそは自らにさらなる負荷をかけなければならなかった。
視界から色が抜け落ちただけでは足りなかった。
理性の大半が抜け落ちただけではまだ足りなかった。
脳みそは戦闘のためのリソースを拡大させるために、もっと削除しなければならないと判断した。
もっと不必要なものを削らなくてはならないと判断した。
高町士郎として培った経験と記憶の中で戦闘のロジックに類するもの以外は全面カット。味覚をカット。嗅覚の半分をカット。聴覚の一部をカット。触覚の半分をカット。
サッカーのルールをカット。
翠屋のメニューをカット。
不破家の家族をカット。
今まで出会って守ってきた人たちをカット。
ご近所の人たちをカット。
常連さんたちをカット。
『あなた』
と声が聞こえたような気がした。
――今まで愛してきた、全ての人たちをカット。
この時、高町士郎は人間ではなくなった。
ただ一つの想いのためだけにすべてを切り捨てた何かになった。
ただ一つの目的のため、そのためだけに生きる存在を人間とはいうまい。
士朗はどうなってしまううんだ
砂煙が舞う。
「たわけが!」
怒号と共に、文字通りの鉄槌が頭上から落ちた。およそ人間が持つことなど考えられない、全長にして五メートルは超えようかという巨大な槌だ。そのようなものを手に戦う者があるとすれば鬼か巨人か。
それが、まったくの虚空から現れて士郎の頭上に落とされた。咄嗟に後ろに跳躍した彼の速度は神速を超えていた。神速を超えていてなお、ギルガメッシュに接近することはできなかった。
鉄槌が落とされた場所から、爆撃のような衝撃が巻き起こる。
だが、それよりもなお激烈な声がその直後に士郎を、この浜辺に立つ三人の御神の剣士を叩いた。
「まだ我を煩わせるか!」
百条の雷光より発する大轟音の如き英雄王の一喝が、夜の海鳴の砂浜に響き渡る。
「愚昧にもほどがあるわ!」
右手になる神剣が輝き――その一閃が緩やかな、しかし長く深い弧の溝を砂浜に刻んだ。かつて大蛇の身より生まれ大蛇を刻んだ神剣の真の力の、ごく一部の開放だった。
士郎は溝の手前で足を止め、また消えた。
英雄王は間をおかずに左の神剣を投擲する。
「この我が手ずから遊んでやっているのだ! 貴様はなけなしの全霊を尽くして挑むが礼儀であろうが!」
それは、彼の遊びのためならば命をかけて当然ということだろうか。
恭也も美由希も、そのあまりにも理不尽なものいいに声も出せなかった。
いや。
――これが全霊ではないというのか?
美由希も恭也も思う。
今の、たった十秒かそこら前に、明らかに士郎は加速していた。間違いない。高町士郎は、通常の神速の及ばない領域に踏み込んでいる。それはもはや、人間と呼べるものではなくなっていた。そう、二人は驚愕とも戦慄ともつかぬ想いで目撃した。
だが。
この男は、違うという。
この男は、これがまだ全力ではないのだという。
その言葉に根拠があるのか、否か。
恭也はあるのだと直感し、美由希はあるのだろうとただ思った。
叙事詩に謳われし英雄ギルガメッシュ――またの名をシャ・ナクパ・イムル――全てを見たる人
彼女は、それを知っていたのだ。
そして。
言った。
支援
しええんn
「――切り捨ておって」
吐き捨てる、という言葉がまさに似合う声だった。
どういう意味があるのか、二人には解らなかった。
士郎がまた停止したのは何故か、誰にも解らない。どうして立ち尽くしたのか、士郎自身にも解らなかったに違いない。
「速さを求めて身軽になるは道理だ。だが、そのために捨てたな。己の魂の一部を、今、お前は捨てたのだぞ!」
怒っている。
この男は、本当に怒っている。
「―――はっ。解ってはいたがな。所詮、人間とは犠牲がなくては生を謳歌できぬ獣だ。それゆえに、生き延びるために己を形作っていたものさえ捨てる。
蜥蜴が尾を切り離すが如く。
当然の犠牲として捨て去るのだ。だがな、代償なくして何も得られるのも道理だが、それを覆すことをせずして、人を超えられるか!」
それは――
「切り捨てるのではなく、背負わねばならぬ。
守るために背負い、戦うために背負い、生きるために背負い、死ぬために背負い、殺すために背負うのだ。
感謝の喜びも、闘争の昂揚も、生存の安堵も、死出の恐怖も、殺人の罪業も。
その全てを背負って立てて、やっと人間以上なのだ。
貴様が今やったことは、獣が獣以下に堕したという、それだけのことにすぎん。
そのざまでは到底、全霊を尽くしているとは言えぬ。
今の貴様に足りぬものは覚悟だ。
誰かのために人を殺すという矛盾を背負って立つ、その覚悟が足りぬのだ」
士郎は立ち尽くして。
「背負い込んだその量が、力となるのだ」
覚悟を、決めた。
脳みそは血を欲した。そのために必要なのは心臓の鼓動を早めることだった。不随意筋を随意に動かした。。
脳みそはその血の流れを通す血管の位置を筋肉を動かして移動させ、脳内麻薬を分泌して血管を拡大させた。
脳みそは血の中の栄養を補給するために胃の内容物を急激に消化させ、肝臓を活性化させた。
そして、それは一瞬で行われた。
この時、高町士郎は人間ではなくなった。
ただ一つの想いのためだけにすべてを懸ける何かになった。
ただ一つの目的のため、そのためだけに生きる存在を人間とはいうまい。
それを、人は、戦士というのだ。
しえn
支援
というわけで、ラストの前半投下。今日中に推敲してラストまで。
エピローグは微妙ですが…。
いや、本当はちゃんと完結してからだすつもりだったんだけど、完全沈黙というのでちょっとかっときてやった。今はちょっと反省してる。
今回の覚悟がなんちゃらはらっきょでの両儀式の自己暗示による変態ですな。
昔の侍は通常でこれができてたというのがこの世界らしいので、神速はこの上にあったというような感じで。
詳細というか言い訳は完結してからで…
しかし、なのぎる本編より長くなってしまったなあ。
では。
さるかな
リロードしてないから変な事に
>>438 乙!GJだった
乙!
しかし熱いギルだw
壁として立ちはだかってやろうという感じに見えるな
士郎さんはどこにたどり着くのか
ラスト後半も楽しみにしてます
GJ!
しかしこのぎるさんは本当にどうしたというのか?
立ち塞がる不逞の輩はゴミのように叩き潰すのがぎるさんなのに・・
戦闘中、ここまで相手に自分の哲学を指南したのは伴侶にしようとしたセイバーくらいだぞ?
・・・あ、そっか
このギル、士郎さんの事好きなんだ
んー、感想ありがとうございますです。
しかし、このギルさんは当初予定のなかった部分なので。
後半の推敲の結果次第では、まとめにいれるときに削ってしまうかもです。
キャラぶれとかそういうのではなくて、バランス的に。
あとの言い訳は、投下後に。
ではー。
おk 待ってますです
GJ!
これで士郎パパにサーヴァント風ステがついたな(マテ
個人的な妄想では超人らしい開祖は普通にこういうこと含めてできたが、時代を下るごとに分派それぞれの特性に合わせて継承・特化・失伝されてったと妄想補完
閃などの身体への負担も少なくなって引退おじさんやリハビリお兄さんにも優しいかも
そして悪びれない英雄王
ホンマぎるさんは善意のお人やで
ところで、なんでギルギルが侍のスキル知ってんの?
昔の人はあふれ出すHON-NOUでやってたの?
>>445 侍に限らず昔の戦士は皆変態してたんじゃない?
一般人ですら昔の方が桁違いに強かった世界観だし
まだ規制が続く…
感想書くのも一苦労だぜ
>>438 乙&GJ
バトル描写を丁寧に描くとどうしても長くなってしまい勝ちですねw
商業ベースならば設定集にでも書いて別売り出来るような背景や薀蓄も
SSでは作品内に収めなければならないという側面ゆえでしょうか
ともあれギルと士郎の剣での語り合い……最後まで見届けたいと思いますw
ふふ…投下直前にハードが飛ぶとか、よく聞くけど、そんなのただの言い訳だと思ってたんだけどさ…。
あと5kb書き足してというところで、とは…ありえませんorz
不幸中の幸い、推敲途中で別に保存したのがあったので、それをなんとか。
急遽予備のマシンのある家まで移動して。
あと二時間か、三時間か。
なんとか書いて投下します。しばしお待ちを。
おおう災難でしたな
もう寝るから朝に起きてから読ませてもらいます
無理はしないでくださいね
おk
待っとります
つ リポビタンD
再開できる時期が長引きそうなときは伝えた方がいいんでしょうか
>>452 できればそうしてもらえると嬉しいです
月姫2の発売を待つくらいには待てますので慌てずに投下してください
キャスターの魔術ってアクセルシューターぐらいかな?
魔術の何がさ?
基本の光弾か?
ところどころうろ覚えだが
威力:一発の魔力は3士郎、直撃でサーヴァントにも致命傷、アーチャー切り払い可能、バゼット暫く打ち払い可能
速射性:シングルアクション、本人曰く剣士の刃に先んじる
連射性:弾幕
対対魔力:神言によりBランク以下の無効化に引っかからない
弾速:特筆する描写はなし
誘導性:ほとんどない、アニメだとバラバラに軌道変更
作品内だとこんなもんだ
直接の比較はいかんともしづらいな
本気火力は某青崎以上、一撃最大のヘカティック・グライアー(灰被りの花嫁)が魔法域(火力系宝具A+程度?)
本人があんなんなので実力の合わせ幅は広い優秀な人材
魔力消費によってはロリ化しても不思議はない、よ
あと家二、三軒消し飛ばす凛の宝石と同等
しかも全力でも本気でもない
まあ、相殺じゃなく凛一人のみ防御する形なら一つの宝石で三発までなら防げるらしいが……
全くわかりやすい奴らだぜ…
まぁ荒れてないしこのぐらいならいいような気もするが
>>453 ではお知らせさせていただきます
Hariyanteを書いていたものですが半年後に再開と言っていましたがさらに伸びてしまいそうです
いつになるか目処が立ちませんがいつか再開したいと思ってます
了解しますた
怖いのはエターです
延期ならいくらでも待てます
月姫2とは気の長い人がいたもんだ
もっともさっちんルート実装を待ってる自分も他人のことはいえんか
>>460 報告あるだけでもうれしいッス
しっかり熟成させてください
ほおら止まっちゃったあ
変に目くじらたてるからあ
>>456 魔法の域も幅が広いからそれだけで火力系宝具A+程度にはならないよ
いや止まってるだろ
ここももう終わりかね…
もう受験やテストだし、一部規制もされてるから多少過疎っても不思議じゃない
>>465 単純な破壊魔術で魔法の域と言われたのがそれだけであること
天馬の突進が火力系A+と勘違いされたときにほとんど魔法の域と言われたこと
これらで推測した
貫通力等を除いた単純な火力だけ見ればB+の投ゲイボルクの上でもおかしくないしね
まあ、概念系だとBの刺ゲイボルクも魔法の域の呪いだけどさ
何気にエクスカリバーは火力がランクで表されるときの説明に挙げられてないのは気になる
確かに勢いは落ちてると思うけど、そもそもこの時期は皆忙しいじゃん
一々
>>466みたいなこと書かれると気持ちが萎えるよ
この程度で止まったとか言われたら俺の他に常駐しているスレなんか……
それはさておき、これくらいのペースになったことなんて過去に何度もあったじゃない
両方とももうじき映画も公開されるしまたなんかネタが公式から出たり、作品が投下されたり
すれば進むよ
>>467 >単純な破壊魔術で魔法の域と言われたのがそれだけであること
それどこでいわれてたっけ?
あとはほとんどの聖剣、魔剣(平均的な宝具?)は魔法の域に近いとかいわれてたっけ
>>470 言われてないな
ただ、破壊魔術とは言われてないがキャスターは魔法を習得してないだけで実力は魔法使いレベル、
人気投票の時某蒼崎でも敵うまいとは言われている
これだな
>なにしろ伝説上に現れる聖剣、魔剣は、ほとんど魔法の域に近いんだもの(凛)
魔術師としての能力は魔法使いと同等もしくは上回るとかだったな
まあそれだけで破壊魔術が魔法の域ってのはズレた解釈じゃないかねえ
カレイドだと魔法の域に近いとかいわれてたけど、本編とは違うしなあ。
まあ結局のところ、戦闘では魔法かどうかが重要なのって対魔力Aを相手にしたときだけだしね。
クロス的にはあんまり関係ないような。
型月能力考察はもうどうでもいいよ、早く新作が見たい
良いじゃん別に
んなこと言いだすとまた止まるぜ
そんなことよりおっぱいの話しようぜ
私奴としてはあんまりおっきいおっぱいはちょっとね
公式貧乳扱いされていたなのはさん(に限った話じゃなくロリキャラ以外全般に言えることだけど)が3期では育ったと明言されていたわけでもないのに、画面上では結構あるように見えたりと
アニメスタッフによるフェイクシルエット(もしくはシルバーカーテン)が著しいのでおっぱい論議はあまり意味をなさなあれ外がピンク色d
個人的見解だと
フェイト>ティアナ>はやて=なのは≧スバル
くらいと見ているが
作画安定する漫画版だとスバル小さいんだよね。アニメだと変動激しいけど
今連載している漫画版のやつだと、なのはさんも結構大きいような。
絵は演出込みなのであてにならない
ティアは着やせするタイプかね
初めはあまり大きいという感じはなかった
スバルに掌握されるまではナ
胸は揉まれると血行が良くなり育ち易くなると言う。
そうか、はやてが貧乳扱いされるのは周囲を揉みまくった反面、自分のを揉んでくれる人が居なかったからか。
揉まれると大きくなるって本当なのかよw
形崩れるからむやみにもまれるのはやめておけ
たしか、乳腺が刺激されて一時的に大きくなるけど、そのうち元に戻るはず。
マジレスしてみる
女性ホルモンが刺激されて長期的な育成にはなる! ……ハズ
まあ所詮は先天的な素質なんですけどね
巨乳か貧乳かなんて
魔導師のリンカーコアと一緒で
胸がないと言われるなのは、凛、イリヤの三人で巨乳と巨乳好きを潰すユニット、魔導三悪魔を結成して欲しい。
>>489 最終決戦は未来のなのはと闘うことになりそうだw
「三人揃って――」
「「「Aカッパーズ!」」」
なのは「貧」
凛「乳」
イリヤ「は」
「「「希少価値だ!!!」」」
アルク「かっこいー!」
>>482 なんだか上の方で漫画版のが作画が安定とか書いてなかったか。
まあ公式では決まっていないのかもな。成長して大きくなったりするかもしれんし。
フリーズ!!
さて…いよいよか
497 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/22(金) 09:43:17 ID:mUWTsHHL
大人ヴィヴィオの方がなのはさんよりいろいろ大きいのは確定なんだがそれ以外はあいまいだな
fateはほとんど3サイズ公表してるけど
なのはキャラはみんな発育がいいからな
発展途上は居ても貧乳はいない。15歳時のなのはさんを除いて
身長は判明してるしそこから脳内保管しよう
身長高いキャラほどおっぱいが大きい
ドラマCDの情報は信用してもいいのか?
たしか、なのははアリサから「スタイルのバランスが良い」
フェイトははやてとシグナムから「あれはすごかった(発育の事だと思う)」って言ってたはず。
>>498 はやてのようなトランジスタグラマもいれば、
なのはのような凹凸無しもいるからなあ。
PSPにて偽はやてさんがエクスカリバーって叫んでましたの巻
しかしマテリアルシリーズは何というか、ギャップ萌え?特にフェイトさん。すごいぞーつよいぞーかっこいいぞー
>>497 なのはさん=クア姉らしいんだよ、身長。
つまり25話での聖王ヴィヴィオにクア姉が腕を組んでいるアイキャッチがそのまま高町親子の身長差となるわけで。
六課陣は意外とっていうかイメージより背が低い感じだな
逆にナンバーズとかはノーヴェ以外けっこう平均してでかい
504 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/23(土) 01:23:23 ID:1jNegFf2
スバルとセイバー(154cm)、シグナムと衛宮士郎、アルクエイド(167cm)、なのはとルヴィア、蒼崎青子(160cm)がそれぞれ同じ位の背丈だな
後の面子は数字がちょっと分からないがティアナが桜か氷室鐘と同じくらい(156〜157cm)だろうか?
設定資料の身長対比図がなのはより下、スバルより上に見えるので
そう言えば最新号辺りのvividで元六課フォワード四人が勢ぞろいするんだよな、
エリオの背どのくらい伸びてるんだろう?
本日、全面戦争勃発
fateはともかくこの歳でなのはを見に行くのはハズイがな
さて、カレイドスコープ十八話『魔槍』の更新準備が出来ました
まってました
では投下開始します
#1
鮮血が描く魔方陣が裏返り、
轟と音を立てて血の神殿が再生すると共に、女の存在が変質する
見開かれた眼は視線が定まらないどころかそもそも眼球の体をなしていない
風も無く、微動だにしていないにも関わらず蠢く髪は、
それ自体がまるで意思を持つ生き物のようだ
それは例えるならば多頭の蛇といったところだろうか
「“業の深い”どころではなかったようですね、これは―――」
アルトリアが苦い顔でそう口にしたところで“ソレ”が大きく声を上げた
「■■■■■■■―――!!!!!」
それが果たしてヒトの声帯から出た声(オト)だったのか
人間には理解し得ない根本的な恐怖を呼び覚ますそれに全員が一瞬身を固くする
餓えた獣が狩を始めるきっかけとしてはそれで十分だったのだろう
硬直から回復するまでの一瞬の間に“ソレ”はディードの肩に食らいついていた
痛覚を脳が認識し、それが悲鳴と言う形で周囲に発せられるまでの間に、
肩口の肉―――否、それを構成するあらゆる組織、
皮膚、脂肪、筋繊維、神経、骨格、血管等に加え、
戦闘機人としての無機的なモノに至るまでのあらゆる要素を喰いちぎり、
腕ごとそれを躯から引き剥がす
「おのれ!」
引き剥がした拍子にのけぞった相手に体ごとぶつかるようにして
アルトリアが“ソレ”をディードから引き離すのにあわせ
「坊主、嬢ちゃん達を連れてさがってろ」
「は、はい!」
男の言葉に、崩れ落ちたディードの体を抱きとめた状態で
半狂乱になりながら彼女に呼びかけ続けるオットーごと
無理矢理引きずるようにして撤退するエリオ
「婦人の扱いにしては少々乱雑ですが、
そういっていられる状況ではありませんね」
「まぁな、宝具でも呼び出してくれた方がよっぽどましだぜ」
その様子を肩越しに一瞥してからおのおの武器を構えなおす
彼らとて“ソレ”に恐怖を感じていないわけではない
だが“ソレ”が人を滅ぼす怪物であるのなら、彼らは“ソレ”らを討ち滅ぼす英雄である
ゆえに彼らは“ソレ”に対して恐れはしても怖気づいたりはしない
「シスターが魔眼に魅入られている上にこの結界だ、
そちらの宝具に掛けての短期決戦になる、行けるかランサー」
「はっ!
てめぇの方こそ借り物がナマクラでしたなんて言い出すんじゃねぇぞ」
剣と槍―――怪物に挑むには些か心もとなく見える得物を手に、
二騎の英雄は臆することなく敵に向けて走り出した
支援であります
#2
「随分とした怪物だな」
ぐったりとテーブルに突っ伏したカリムの容態を確認しながら
モニターを指してユスティーツアが口を開いた
呼吸をするだけで咽喉が焼け、皮膚が火傷のような痛みを訴えてくる
纏っている騎士甲冑の裾がいつの間にか綻んでいる事に気づき、
長くは持たんなと彼女は眉を顰めた
「それで、真名の見当は付きそうなのか騎士はやて?」
「シスターシャッハが相手の目を見たことで石化の術中に嵌ってしまった事と、
通信が拾ったアルトリアの証言から天馬に纏わる伝承を加えて検索したところ―――」
モニターに文字の羅列が並び、ややあって該当項目と言う表記と共にソレが表示された
「ギリシャ神話、ペルセウス伝承の怪物メドゥーサです」
見たものを石に変える能力を持つ魔物
頭髪は無数の毒蛇で、イノシシの歯、青銅の手、黄金の翼をそなえた容姿をもつと言う
「もともとは絶世の美女やったのが女神の不況を買って魔物に落とされた、
と言うのが大筋の伝承ですね」
つまり、あの容姿はもともとのヒトガタと言う訳か
と納得するユスティーツア
「それで、弱点か何かは分かりそうなのか?」
モニターの向こうでは男とアルトリアが“ソレ”と攻防を続けている、
一度だけ手を貸そうかと声をかけたが、
魔眼に対するだけの抗魔力が無ければシャッハの二の舞になると断られた
自分はどちらかと言えば近距離主体、
はやても誤射や巻き添えの無い長距離攻撃は難しい以上、
ここは任せるより他無い
「いやそれが―――伝承によると「鏡で位置を確認しながら曲がった剣で切った」
なんて書かれてありまして―――」
「役に立たんな」
モニターが拾った音声の限りでは男の宝具―――おそらくはあの槍だろう
―――に掛けるつもりらしい
何れにせよこのままでは長時間持たない、
待機中の騎士団の中には既に昏倒するものが続出し始め、
周辺の魔力素そのものが毒物同然の有様を見せ始めている
「やれやれ―――
ところでシスターたちの容態は?」
もう一つ空間モニターを展開し、エリオを呼び出す、
見慣れない人物の登場に面食らった様子のエリオだったが、
見慣れないだけで教会騎士、ソレも重鎮と分かると即座に意識を切り替えた
『シスターシャッハは右足を中心に下半身の三分の一が石化、なおも進行しています、
シスターディードの方は―――』
失血と苦痛から気を失っている様だが
引き千切られた肩口の傷は甚大なわりに出血が少ないと言う
戦闘機人が人と機械の融合と言っても大部分の身体構造は人間に順ずる
腕一本を強引に引き千切られたにしては出血が少なすぎるなと
傷口に応急措置を施す様子をモニター越しに見ながらユスティーツアは気が付いた
「騎士エリオ、
シスターディードの傷口をもう少し丹念に調べてみろ」
視界が赤いゆえに見逃していたようだが良く見ると傷口周辺が何かおかしい
『まず―――バイタル低下、
ディード起きろ、起きろってば』
その指示に何かに気づいたセインが慌ててディードの様子を確認し揺り起こそうとする
一見普通の眼球に偽装されているが彼女たち戦闘機人のそれは並みのセンサー類に勝る
出血は見えないだけで既に多量に及んでいた
ここは血を喰らう異界『他者封印・鮮血神殿』
暴食の様を表しつつある世界は“血が流れ落ちる”前に
ディードの命を喰らい尽くそうとしていた
#3
『そう言う訳で、何とかなりませんでしょうか?』
「それは、心得てはいます、が!」
「ワリイが、そううまく行く、なら!
最初、から、こうは、なってねぇ、な!!」
はやての言葉に二人が答える、
返事が途切れ途切れなのは応戦しながらであるゆえに仕方がない
もはや武器らしい武器を振るう器用さが失われているのか、
攻撃の主力は両手の爪だったが、流れる髪が意思を持って蠢くだけで幾千の凶器と化し
場に張り巡らされた結界と魔眼が二重の重石となって二人を蝕んでいた
この場においてもっとも“魔術に抗う”事に長ける二人がこの様である
内心ランサーはともかくアルトリアの焦りはただ事ではない
それでもその切っ先にぶれが無いのは如何なる鍛錬によるものか
「結界に魔眼、
どちらか一つであればそれほどの苦ではないのですが」
轟と吼える咆哮は完全に獣のそれであり、
器用さも失われた女の動きは人のソレとはかけ離れているが
獣であるが故に的確でもある
怪物は怪物であるが故に人の理には従わない
彼らは彼らの理に則って優れた理性により行動する
それを『本能』と呼ぶのは単に人のおごりに過ぎない
現に、この怪物はここまで人とかけ離れていながらこうして魔術を行使している
siennnnnnnnnn
「埒が明かない……ランサー、
このあたりで一か八か、賭けに出る気は?」
「このままジリ貧よりはマシだな、いいぜやってみな」
アルトリアの目に秘策ありと見て取ってランサーが頷く、
下段に深く構えた剣の切っ先で風が渦を巻く、
だが危機を感じ取ったのか、猛然と“ソレ”が動きを早め飛び回る
「ちっ、めんどくせぇな!」
「場所が広すぎる、せめてもう少し狭ければ……」
『わかった、こっちに任せて』
策の狙いがつけられず思わず口にした言葉に誰かが返事を返す
視線をめぐらすと、いつの間に戻ってきたのか、
オットーが泣きはらした顔のまま頭上に立っていた
彼女とて危険は承知である、
だが、事が一刻を争う状況であり、彼女が戦闘機人である以上、
なにより己が半身の危機とあっては敵前逃亡など出来ようか
シスターシャッハの容態から、自らの身体能力を駆使する前衛ならばともかく、
後衛型の自分ならば魔眼の影響があってもしばらくは戦闘に問題は無いという判断もある
「IS発動―――プリズナーボックス!」
両手から放たれた光が立方体を形作り、数メートル四方の檻を形作る
インヒューレントスキル『レイストーム』による隔離結界
『牢獄の箱(プリズナーボックス)』の名のとおり物理的、魔力的に閉じ込める檻である
檻の力の出所を感じ取り、“ソレ”が狙いをオットーに向ける
隔離された空間の壁を蹴って飛び上がり、腕を振るう
が―――彼女がいるのは隔離された檻の外側である
音を立てて壁に爪が弾かれ、そのまま堕ちるかと思われたその瞬間
「■■■■■■■―――!!!!!」
“ソレ”の両目が異様な色を抱えた
浮かび上がる魔方陣に魔術行使の予兆を感じ反射的に身構えたオットーに向け、
魔方陣が広がっていく
誰が知ろう、その魔術こそ魔眼を封じるために“ソレ”が己自身にかけていた
一つの異界に等しい結界宝具『自己封印・暗黒神殿』である
取り込まれればその意識は歓喜と禁忌の混沌渦巻く悪夢の中に沈み、
同時に外界への能力行使を封じられる
意識の向いていない方向に人は力を使うことは出来ないのだから当然だろう
「おぉぉぉぉぉ!」
だが、その魔力にオットーが囚われる刹那、
後ろから割り込んだ何者かによってソレは遮られた
「エリオ!」
結界の中にストラーダを打ち込み、全力の魔力噴射で“ソレ”を叩き落す、
結果として真正面から『暗黒神殿』に飛び込んだ形となり、
エリオは空中で昏倒することに成った
一方の“ソレ”もストラーダをまともに受けながらも、
なお空中で体勢を立て直し―――
自ら背中を引き裂くと、その背に何かを生み出そうとしていた
「■■■■■■■―――!!!!!」
一声吼えるうちにその身が更なる異形に転ずる
もはやヒトのカタチすら失おうとする“ソレ”の意識は、
ここにおいて単純過ぎる事に、下への配慮を失っていた
「この気を逃す手は無い―――
ランサー、風を踏んで飛べるか?」
「あん?
―――はっ! その程度なら造作もねぇよ」
空中でオットーに捕まれて落下を免れるエリオに心配と敬意を送るのを先送りにしつつ、
アルトリアの提案にランサーは口の端を吊り上げて頷いた
“ソレ”が再び高らかに頭上を目指さんと異形と化した首を上に向けるその真下
檻の中の空気を全てを集めるかのようにアルトリアの剣に風が集う
「風王鉄槌ッ!」
真っ直ぐに振り上げた切っ先の流れにあわせ、
剣に集う風が暴風の束となって頭上に向かう
剣に集う風に一度引き込まれ動きを止めた“ソレ”が、
突き上げる暴風によって檻の天井に叩き付けられる
光を歪めるほどに圧縮された風はもはや空気と言う名の壁である
「■■■■■■■―――!!!!!」
絶叫を上げて異形が尚もがく、
もはや“ソレ”は人の面影など微塵も残らない怪物の有様である
膨張する魔力に檻が悲鳴を上げ、のたうつ髪がそれを破らんと荒れ狂う
その時―――
「暴れまわんのはここらで仕舞いにしようぜ」
一拍置いて、“ソレ”が叩き付けられた天井に、上下逆さに誰かが着地した
吹き上げる風が解け、支えを失った異形が空中に投げ出されるのと同時、
青い疾風が天蓋を蹴る
男の手に構えた魔槍が魔力の猛りを魅せ、解き放つ真名が命と因果を捻り射抜く
「この一撃、手向けと受け取れ―――『刺し穿つ死棘の槍』!!」
天井からの跳躍、交差する最中身を捻って槍をかわそうとする異形に向けて―――否、
異形の心臓を寸分違わず刺し貫いて地面へと叩き落す
地面に叩きつける最中、体内で穂先が弾け心臓を破壊したことで“ソレ”の動きが止まり、
断末魔の悲鳴を上げて、貫かれた心臓を中心にその存在が塵へと還元されていく
「何とか片付きましたね」
「こいつが“生まれたての怪物”で助かった、
完全に化けてたならとっくの昔にここは“形の無い島”そのものになってただろうぜ」
そうなればヒトの身では手に余るというランサーに頷く、
度を越した結界は一つの異界である、真に形を成していれば
踏み入ったものを悉く喰らう“神殿”と化していただろう
そうなれば英霊ですら数刻と持つまい
上空で一部始終を見ながらオットーは目を見張った
編集された映像かと錯覚する程に不自然にそれは“当然の結果”として心臓を貫いていた
竜巻のごとき風を踏んで跳ぶという行為だけですら反則染みた代物であるが、
コレが異常で無くてなんであろう
「オットー!」
呼びかけられて振り向くと、桜色の光が舞い降りてきた
はやての応援要請によってこちらに向かっていたなのはが到着したのである
「これは、出遅れちゃったかな?」
「そうですね」
苦笑するなのはに答えながら檻を解く、
周りを見渡すと血の色が晴れて青い空が見えている
地上では男が空中に出現した石を掴み取っていた
あの二人が何者なのかは知らないがどうやら敵ではなさそうだとなのはは判断した
これで回収したカレイドスコープは三つ、男とライダーのものを合わせれば五つである
『呼び出しといて何やけど、なのはちゃん事後処理頼めるか?』
「は〜い、なんだかすっかり後片付け担当になっちゃってるね私」
いつの間にか開いた空間モニターに映るはやてにそう言い、
とりあえず地上の二人に話を聞こうと、なのはは地上へと降り立った
今回は以上です
乙です。
なのは混みすぎ
そしてファンたちの訓練されっぷりがすさまじかった
グッズすぐ売り切れたし
地元じゃやってないので今日は見にいけませんでしたが、知人が悉く『なのはとFateをハシゴしてくる』と宣言してました。
……羨ましい。
「なのはのお客様は1番シアターに、フェイトのお客様は2番シアターに並んでください」
とか言っててうn?と思ってしまった
そうかUBWも今日だったか
どっちも凄まじいデキだったとよ
共にバトルが凄かったと絶賛
なのはのSLBは三期なのはを超えてたらしいし
Fateのチャンバラの完成度は空の境界を上回ってたとの事
>>519 乙かれー
イイ年して見に行く気満々の奴もいるのだし
そんな事言わずに大スクリーンで見ようぜー
>>519 毎回楽しんでますー。
次回も期待。
>>524 ぬぉぉ、その情報は嬉しい半面見に行けないから辛いぜちくしょぉ!
赤信号 みんなで渡れば 怖くない
SLBはビットも無しにあれ以上ヤバイのか
らっきょ以上のチャンバラとかどんだけー
あぁ受験さえなければ
>>519 GJ!
これはあれだ、ナイスだオットー
遅くなったけど、カレイドスコープの人、乙でした!
ゲイボルクはものごっつい脅威だということを改めて実感しますた。
もうSLBではカリバーに勝てないなどと言わせない フヒヒ
まだ見てないが、劇場版はなのはが130分でFateが107分らしいな
結構な差があるね
デキの方はいかに
どっちも見たけど両方おもしろかったよ
戦闘シーンは燃える
一夜明けて、改めてFateは脚本に突っ込む奴が増えている
対してなのはの方はほぼそんな声無し
なのはファン歪みねぇな
>>531 Fateの戦闘はちゃんと動いてました?
アニメはバーサーカー対アーチャーを見て「ないわあ」と思ったなあ
戦闘大丈夫ですよ
むしろ戦闘がいいです
物語は各自補完て感じでした
ちょこっと感想を見て来たけど、Fateはファンと初見の温度差が凄いな
初見でくるひといるんだw
なのはも戦闘普通に良かったですよ〜
なのはPSP。
マテリアルなのはは普通に格好良い。抱いて。
マテリアルフェイトはまさかのネタキャラ。アホ僕っ娘可愛い。
マテリアルはやては中二ヘタレ。闇統べる王(笑)。
結論として、なのはPSPは面白かった。
つかおもしろい。
マテリアル三人娘とか、もう色々とネタに使えそうで。
つか、いいキャラしてんなあ。本当。
全員似たようなキャラなんだろうなと思ってたわ
マテリアルはネーミング的に不安だったが楽しみになってきた
リインのルートが一番燃えるらしいね
やっぱ非殺傷設定、というか魔法はリスクはあれどかなり器用に調整できる、のかなあ?
市街地をクレーターに変えるような攻撃くらっても相手が生きてたし
そして『ここはリリカルなのはの劇場ではないぞ』噴いた
「Fateだが水樹奈々ちゃんも出ん」もな
アチャ声で言われると破壊力あるなーw
しかし闇統べる王、酷くね?
アレ、統べるというか滑ってるだろ
キャラがあまりにも……過ぎて一連のマテリアル事件がギャグにしか見えない
闇統べる王は言動が中二臭いとか聞いたが…
七夜みたいな感じ?
どっちかっつーと、ギルさまを幾分雑魚っぽくした感じ?
というか、全体的にセリフに何かパロディがぼちぼちとあったような気がしないでもないが…。
もしかしたら、闇統べる王はギルさまがモデルということもあるかもしれんとか適当いってみる。
さすがにそんなはずはないが。
とりあえず小物臭を漂わせながら偉そうだと思ってたら、だいたい合ってる。
劇場版のギル様はザコそのものだったけどな・・・・
仕方ないよ
宇宙の法則で茸作品は愛が勝つんだから
虚淵だと容赦ないけど
容赦ない黒桜を見てみたかったものだ
>>540 ぶっちゃけ威力を視聴的に分かりやすくする為の演出だと思う。
何も壊さずにただ魔力光をフェイトに浴びせたとしても、こっちとしてはディバインバスターとかとどう違うのって思っちゃいかねないし。
物は壊して人を傷つけない、なんて便利設定があったとしてもあの場面じゃその設定にする必要性がないし。
レイハさんが○○ロック解除みたいなことも言ってないしさ。
>>542 リインT+なのは=マテリアルなのは
都古+白レン=マテリアルフェイト
ギル−カリスマ性=マテリアルはやて
こんな感じだと思う。
解説thx
非常にイメージしやすい
闇統べる王カナシスw
王の酒宴に混ぜてみたくなった
いや瞬殺されるから
普通にイラっとくるからアレ
実際マテリアルなのはは素直にかっこいい
でもマテリアルフェイトは存在がギャグだしマテリアルはやては闇統べる王(笑)だからなw
>>545 そんな虚淵がリリカルなのはを書いたらどうなるのか、かなり興味がある。
なのはかフェイトがいじめ抜かれる話ですね
分かります
つかセイバーをいじめるってコンセプトでゼロ書いたってひどいな!
俺、この章を描き上げたら劇場版を見に行くんだ―――
フェイト一章完結編です
ショートエピソード・ライオットレディが入っています
これはリリカルブラッド内でのフェイトのオーバードライブ習得ストーリーであると共に
同内でのフェイトオーバードライブの設定であり
青子さんのアークドライブと同様のものと思っていただければ幸いです
では投下開始します
自在に大空を翔けていたその身体が
あらゆる障害をぶち砕く頑強な四肢が
急速に力を失い、弛緩する
今まで楽に振り払う事の出来た重力の楔に容易く捕まり
大気圏内における法則本来の理に任せて落下する、自分と――敵
信じられない
いや、その思考が事実を正しく認識する暇もない
急速にその身体から逃げていく生命力
自身の胸には、その突き立った結果……
相手の槍が雄々しく突き込まれている事実のみを残す
――― 何故、? ―――
口にしようとした疑問の言葉は
代わりに喉の奥からゴポッと
汚泥のように漏れ出た大量の赤い液体によって遮られる
確かに至高ではなかった
体力が限界であった事やここで決めなくてはならないという焦り
タイムリミットに敵の底知れぬ強さも相まって
最後の一撃に十分な確実性、慎重性を求める事は出来なかっただろう
しかし、最善ではあったはずだ
戦いとは即ちリスクとの戦い
もしもを警戒する事は必要だが、もしもに恐れていては手も足も出せない
故に鳴り響く警鐘を抑え付けての強行が必要とされる場面は間違いなくあるのだ
あの時、男に反撃の余地など無かった
舞い上げられたその身では、地上で放っていたような閃光のような突きは放てない
あの凄まじい投擲にしても彼のあの時の体勢においてはこちらが潰すのはさして難しくなかっただろう
―――今、この場で男に切れるカードは間違いなく「無」かった
それが至った彼女の答えにして、、
「迂闊すぎるぜシグナム―――本当に、残念だ」
男の放った最上級の……毒だった
その毒とは、まず先に 「死翔」 を敢えて見せた事にある
それを最大にして唯一の切り札と相手に思わせる事にあった
自身の最強の牙を呼び水とした――ランサーの心理戦
当然、簡単に罠にかかるような剣士ではなかったが
最後の最後、あらゆる余裕、焦燥、勝利寸前の油断に駆られた極限状態において
それは微かだが確実に、戦士の心に隙間を作った
投擲を警戒し、また槍兵のデッドラインに決して踏み込まぬ距離にて
ランサーの獣じみた戦闘力を何とか押さえつけて来た将であったが
せめて、せめてあと一撃分――その注意深さが持続していれば……この結果には至らなかったはずだ
苦痛を、疲労を飲み込んでこちらに止めを刺そうと真正面から向かい来るシグナムの顔を
最後の最後で勝機を手から零してしまった女の顔を焼き付けるように見据えるランサー
後方斜めの彼の死角から入念な角度にて放たれた紫電一閃
避けるも受けるも不可能な軌道の斬撃は、宝具振るう英霊にとってはやはり…迂闊に過ぎたのだ
あの太刀はもう何度も見てしまっている
瀕死であっても目視でき、タイミングを計るのはさして難しくない
それが軌道を全く変えずに…速度も、威力も、既に無く……
ああ――――故に、、、
かの魔槍こそ人の理より外れた神器 (アーティファクト)宝具と呼ばれる神造兵器に他ならない
その槍の真髄を常識で推し量った――そして読み誤ったシグナムに
魔槍の呪いが降りかかるのはむしろ必然と言えたのだ
――― 刺し穿つ、、 ―――
ゲ イ
空中で下段後ろ手に構えた槍に秘められた真の力は
膨大な出力でも無限航路を描き出す飛距離でもない
集まる禍々しい力が「概念」に変換された時――相手は絶死の瞬間に初めてその理不尽を垣間見る
将と魔道士が積み上げていった勝利のシナリオが
「宝具」という万世理不尽の力によって、
――― 死棘の槍!!! ―――
ボ ル グ
…………いとも簡単に、塗り替えられた…………
何と、呆気ない幕切れか…
己が胸にたすん、と――凶刃の突き立つ音を聞いたのは
その全ての肯定が終了した後
背を向けた男の身体を回り込むように流線上の細い糸が
「槍」 では在り得ぬ角度を以って
ナニよりも速く、その獲物―――敵の心臓に到達
ソレらの工程を全く知覚出来ぬままに……彼女の最上段に振り上げられた愛剣
紅蓮のデバイス・レヴァンティンが、力なく――ダラリと下ろされる
一瞬で戦力を……
いや、生命の源を突き破られた彼女の瞳と
その命を無情にも簒奪した男の瞳が重なる
――― 楽しかった……と、、 ―――
敵の刃に討ち果たされる瞬間、そう思える戦士は幸せだ
今わの際に何の悔いも無く死ぬ事、悔いを残さぬまで戦い果てる事は
禍根が人に、地に、縛する事なく昇華する、戦士の魂の求める理想郷
「お前は、どうだ…? 楽しかったかい?」
本当に良い戦いで、相手は極上の戦士だった
戦に生きる者としてこれ以上望む物もない
槍兵にとってここまで気持ちの良い戦いが出来たのは久しぶりな気がする
ここに来て一瞬にして立場が逆転してしまったが――
先ほどまで屠られるのは自分のはずだった
男も一度はそれを覚悟した
力を合わせ、身を切られ、苦しい中で
それでも決して膝を折らなかった二人の年若き女の戦士たち
それだけでいい……それだけで英霊を倒せる資格は十分にある
ヒュ、ヒュ、と苦しげな吐息を漏らす剣士
何か言いたいのか、遺したいのか
それとも死を正しく受け入れられないのか
このクランの猛犬の背中に土をつける事を一度は許した
その強さ、勇猛さを、勇ましき女たちを称えながら英霊の座に戻ろうと
彼は初め、本当にそう思っていたのだ
「普通に良い女だったからな……お前は
マジでお前になら殺されてもいいかと――」
弱々しく呻く烈火の将が、震える手を男に伸ばす
「だが―――結局、こいつを振るう以上、俺は英霊なんだよ」
英霊は最強にして勝ち続けるからこそ英霊なのだ
センチメンタルな感傷で負けを容れるなど許されない
世界から最も強きけりと祝された絶対の存在は星の記憶がおいそれと負ける事を許さない
彼女のもはや老婆ほどの力も残さない手が、その爪が
ランサーの首に届き、食い込む
やはり潔き死など認めないという事か
残された仲間のために、せめて目の前の相手だけでも道連れに――
既に事切れていてもおかしくないというのに
彼女は最後の最後まで見る者の心を震わせる真の戦士だった
男はなすがまま、抵抗をしない
力を失いつつある彼女の瞳孔から決して目を離さずに、
「悪いな」
一言、呟いて、、
そして目を閉じる
瞬間、槍兵の最後の魔力が迸り、
槍を介して、シグナムの体内で、、数百の棘が………爆ぜた―――
――――――
――光が、疾った
頚動脈がパックリと開き
鮮血が飛び散る
――光が、疾った
次は脾腹だ
光閃が回避よりも早く身体を通り過ぎ、
「―――、か、ふ…」
女神の身体を朱色に汚す
右往左往させられる度に紫の髪が乱れ
血煙に無残に染まっていく
まるで強制的に舞わされているかのような凄惨な光景を
作り出しているのは飛閃する黄金の夜叉だった
何者にも阻まれぬ巨大なザンバーを
精密で一糸乱れぬ先のそれとはあまりに違う、荒ぶる雷の如く振り回す
その冷静さを失い、全く持って読み易い剣筋は――
しかし今のライダーに到底、受けきれるものではなかった
何せランサーの槍術を一時的にとはいえ圧倒した巨剣だ
元より騎兵の持つ短剣で捌けるものではない
予測してなお彼女の反応を超える雷光の切っ先に犯され
深手を負っていくその体はもはや勝負ありと認識するに十分な有様であった
「―――、ハ ―――、ハ」
既にグロッキーのライダーに
普段の魔導士からは決して出る事のない
低くて全く情緒の感じられない声が飛ぶ
「先の二撃は致命傷……
立ち去るのなら見逃す」
散々、なます斬りにした相手にすげなく 「帰れ」 と撤退勧告を突きつけるその無造作さ
その姿に心優しい執務官の面影はもう無い
――それは初めて高町なのはと出会った時の彼女の目に似た、
感情を凍りつかせた者の瞳
大切なもののために容赦なく狂刃を振り下ろす、あの頃の彼女の双眸に酷似する
「―――む、ぅ…」
騎兵の、敵に巻き付け拘束するはずの鎖を
魔導士は逆に渾身の力で引き摺り回す
するとあの強靭な騎兵が逆に振り回されてしまう
前方にたたらを踏んだ相手に強烈な当身を叩き込むフェイト
弾け飛ぶ騎兵
だが自ら放った縛鎖に繋がれ
五間ほど間合いの空いた地点で留まり、その場でうずくまってしまう
朱に染まった全身からポタポタと――血が滲んで落ちる…
「その殺気をランサーにぶつけてやれば大層喜んだものを…
まあ、全ては後の祭りというやつですが――」
「…………黙れ」
「何を……苛付いているのです? フェイト
ようやく邪魔者は消え――二人きりになれたのだから
もう少し目の前の私に集中してくれても良いでしょう?」
「…………黙れ」
ライダーは劣勢だ
それは間違いない
だが未だ壮絶に嗤う魔性には窮地を感じさせない何かがある
むしろ――
「まさか助けに行くおつもりですか?
仲間の騎士の身を案じていると…? ――今更」
むしろ精神的に劣勢に立っているのは攻めているはずの魔導士であった
囁くような声で紡がれた、その言葉を受けた瞬間
フェイトの喉から例えようのない獣のような唸り声が漏れる
その表情が苦渋に歪み、、振るわれる巨大刃に怒りと悲しみと悔恨による危うささえ感じさせている
体内から発する雷迅によって金髪が猫のように逆立つ
もはや彼女の全身――細胞の一片までもが、竜の逆鱗になってしまったかのようだ
「ならば教えてあげましょう――あのランサーの持つ槍
アレは必ず心臓を穿つ魔性の槍と言われています
我らサーヴァントの中でも特に恐れられる、殺しに特化した宝具……
それを受けて生きていられる者はいません―――既に貴方の仲間は、」
「…………ライダー」
「何でしょう」
「………次はこの刃を止められない」
黒曜のデバイスを血が滲むほどに握り締めるフェイト
その手は細かく震え、かけがえのないものを奪っていった敵に
激しい怒りと憎しみを灯さずにはいられない
「……投降しろ、、これが最後だ」
その憎しみに飲み込まれ
敵を惨殺してしまう事は執務官としてあってはならぬ事…
それでも彼女は、目の前の相手に対して「それ」を向けそうになる自分を抑え切れない
「あくまで投降を呼びかけますか……
驕りではないようですね―――あるいは懇願、」
「………」
「この期に及んで私には貴方が泣きじゃくりながら
必死に哀願しているようにしか見えません
来るな、逃げてくれ、と――餓鬼のように石を投げつけてくるのと変わらない」
神話において狩りの対象とされ、逆に幾多の戦士を狩り返して来た
そんな生涯を送ってきた女怪には、フェイトの食い入るような怒りの内にある苦渋
不殺の縛りにおける、切実なる理性と本能との鬩ぎ合いなど理解の及ばぬ感情である
「早い話が―――舐めているのです……この私を
どれほど強かろうと、どれほど凄まじい技を駆使しようと
シマウマの後ろ蹴りを恐れる肉食獣はいませんよ」
そんな躊躇いや葛藤を持ち続ける限り
この神話の怪物を退かせる事など出来るはずが無い
「なら、これで…」
言われるまでもなかった
フェイトとて分かっているのだ――
もう、とっくに潮時なのだと
その潮時を見誤ったからこそ……
取り返しの付かない事態を招いてしまったのだと……
――― 次で終わらせよう ―――
その念と共に――帰還したら、自ら査問にかかり
執務官の職を追われようと厳正な処罰を求めようと心に決めたフェイトが
騎兵に次の言葉を紡がせる前にその姿をフ、と掻き消す
相変わらずの閃光のような剣筋に 「躊躇い」 という枷が今、外された
相手の度重なる挑発など何の盾にもならない
最後の悪足掻きに過ぎぬ妄言ごと、一閃――
彼女の振るうデバイスはここに来て、皮肉にも雷纏った斬 「馬」 刀
ライダー「騎兵」と名乗った彼女を斬り伏せるに何ら不足は無いだろう
その瀕死の身体に終わりを宣告する無慈悲な刃を今、振り下ろし、
「…………、」
フェイトは彼女の――
ライダーの骨肉を――
バターのように切り裂いた
「……………、」
…………………
…………………
「!!?」
、筈だった
冷静にして冷徹に振り下ろされた雷の巨剣が音もなく
否、音を遅らせて袈裟に振り下ろされる
一刀両断、、恐らく即死だろう
せめて痛みを与えずに
相手の命を刈り取った刃が地面に突き立ち
一拍遅れてザシュン、と―――肉を断ち切る無残な音が辺りに木霊する
その凄惨な感触までを頭に思い描き
覚悟を以って振り下ろした……
その冷たい光を放っていた両の眼が、、改めて驚愕に染まる!!
打ち込んだフェイトのザンバーは彼女の予想を違え
地面を穿つ硬い感触も、人間を経つイヤな音も
肉を裂く禍々しい手応えも、その手に伝える事はなかった
絶好のタイミングでライダーの真上から降り注いだそれが
全てを刈り取るはずだった……傷ついた騎兵に受けきる術は無い
即ち次の瞬間、迅雷の太刀が間違いなく対象を切り裂く光景が眼前に広がるはずだったのだ
しかしその場にて顕現したのは惨劇の光景ではなく――
神々しいまでの……
――― 光 ―――
「な……何…?」
<Warning...A crisis approaches you...!>
煌々と照らし出される後光
眼球を焼くほどの光雨を象った何かに対し
彼女のデバイスが最大級の警告を伝えてくる
必殺の巨剣は何かによって苦もなく遮られ
その手応えは、要塞や戦艦の外壁とも、魔導士の魔力シールドとも違う
堅牢とも柔軟ともつかぬ不確かな手応えでありながら――この圧倒的な気配は一体、何なのだ!?
現状を知覚できない魔導士の眼前
ライダーの足元に流れ落ちる大量の血痕が真紅の魔法陣を形成し
そこから発する強烈な光がサーヴァントを守るように包み込む
「少しは学びなさい……フェイト
サーヴァントを前にして絶対などという言葉はない
言ったはずですよ? 貴方は私を舐めていると」
既に後光に遮られ、直視する事も出来なくなった彼女の影が
優しく哀れむようにフェイトに話しかける
ああ、そういえば―――
それはずっと不思議に思っていたのだ…
自己紹介を終えた時に名乗った彼女の「名前」
――― ライダー ―――
そして光の余波が力ある波動の奔流となって
打ち込んだフェイトに逆に降りかかる
「っっあッ!??」
止めに行った魔導士の肢体が
磁石に弾かれたように、勢いよく宙を舞いながら――
――― 「騎」兵 ―――
事ここに至って……
フェイトは初めてその名の持つ本当の意味に――至る
――――――
それは全身に凄まじい水流を叩きつけられたような衝撃だった
こちらが斬った――こちらが攻撃した
既に抵抗の余地の無い相手を切り伏せるために
だのに正体不明の強烈な反発に会い宙を舞ったのはフェイトの方
為す術もなく台風に晒された布切れのように盛大に吹き飛ばされるその体
半きりもみ状態で宙を彷徨う体はまるで闘牛ぶちかましを食らって刎ね飛ばされたかのよう
空中でぐるりと身体を反転させて体制を立て直せたのは彼女ならではだったが
食い縛った口元の端からドロリと――濃密な鉄の味が滲む
宙空に制止しているのすら厳しいのか、ゆっくりと地面に降り立ち
デバイスを杖代わりにして立つ魔導士が、
「それは……、、?」
何だ…?と、怒りも焦りも一瞬忘れて
眼前に相見えるモノに唖然とした声を向けていた
「やっと貴方にこのコを紹介できる」
あのランサーさえいなければもっと早くお披露目出来た筈の――ソレ
負った傷、大量の出血などどこ吹く風で
そこに篭められた万感の念は決して小さなものではないだろう
顕現したのは、彼女のそんな絶対の自信に見合った―――神秘の結晶
大空に雄々しくはためく二条の翼があった――
くもり一つない純白の肢体だった――
大地を踏みしめる揺ぎ無い蹄を称えた四肢だった――
それは―――
しえん
「………ペ、、」
地球にいた頃――
古い神話によく出てくる伝説の一つを彼女は見聞きした事がある
決して長い時間を地球で過ごしたわけではない
そんな彼女ですらが耳に入れざるを得ないほどに
それはあまりにも、あまりにも有名な――
「………ペガ、サス?」
そう、地球の神話にその名を記された天翔ける神馬であったのだ
――――――
―― 天馬伝承 ――
神代における一つの物語
海神によって身ごもっていた、既に邪神と化していたメドゥーサが
とある英雄によって討たれた際
その返り血より生まれ出でたのがこの神馬だと言われている
数々の勇者と共に天空を駆けた、恐らくはギリシャ神話上もっとも有名な幻想種
伝承によって称えられた力は最強の種族とされる竜種とも比肩し
あの騎士王アーサーをも超える神性と護りの加護をその身に秘めている
「これが私の切り札です
我が名の本当の意味――もはやお分かりですね? フェイト」
「………く、、」
そう、痛いほど理解した――ライダーとは即ち騎兵
騎兵とは己が手足となる騎馬を持ちし者
その肌に打ち込んだだけで全身を潰されるほどの衝撃を放つ
護法の守りに覆われた神話に記されし天馬
これが、これこそが彼女のラストカード
そしてあの姿こそ彼女のパーフェクト・フォルム
あれほどの強敵が、今まで本気ですらなく――
今、ようやくその全てを解放したという事なのだ
切り傷から流れる大量の血痕はかの伝説の神獣を召還する呼び水として有効利用されたのか
既にライダーの体に付着してはいない
なるほど、嬉々としてその肌を切らせていたわけだ
こちらに仮初の優勢を味あわせておいてその実、着々とラストでまくる準備をしていたのだから
女神メドゥーサの血潮を糧として生まれた「幻想種」は
場を捻じ曲げるほどの圧力と矮小なヒトの身などとは比べ物にならない存在感を醸し出す
ただ向かい合っているだけで膝をついてしまいかねない神意の力を前にして、跪かない者などいないだろう
フェイトを弾き飛ばした、えもすればその意識を刈り取りかねない光波など
天馬にとっては攻撃・反撃ですらないのだ
天に唾する者がそれを自ら被ってしまうように己が剣の衝撃を叩き返されたに過ぎない
ならば、もしこの神獣が敵意を持って「攻撃」したのなら―――
持つわけがない……薄手のBJしか纏わぬフェイトが、そんなモノに耐えられるはずがない
恐らくは一撃でその体は電車に跳ねられたかのように木っ端微塵に砕かれてしまうだろう
支援。
と、さるくらったかな。
「…………関係、ない…」
「―――ほう」
しかしながら、、
そんな事実を前にして彼女は一瞬の怯みを見せただけ
受けたダメージ――潰された内臓――
そして未知なる神秘を前にして
フェイトはそれがどうしたと一歩、前へ出る
「舐めているのは貴方だ……
私をいつまで震えおののく獲物だと思っている?」
神意に平伏したり神性におののく必要性など、微塵も感じてはいない
その表情は圧倒的な怪異を前にしているにも関わらず、どこか自然で――吹っ切れた感すらあった
「次で貴方を確実に斃す」
彼女は向ける
己が手に持つ巨大な剣を
その刀身が―――柄が、蠕動し、躍動し、
ヴヴヴ、と破滅の振動を開始する
カードの見せ合いにもはや意味は無いと、その双眸が如実に語る
決して人の手には負えぬ神馬を前に負けを容れる気など毛頭ない
そもそも、、
「バルディッシュ・セットアップ」
知った事では無いのだ
地球の伝説の偉大さ強大さなど、ミッド生まれの彼女には
余人でさえ感じ取れる幻想種の気配
火を見るよりも明らかな絶対の死
絶望の具現である宝具の威圧感が――
「…………………オーバードライブ」
―――ただ、フェイトに容易く
最後の枷を外す決心をさせたというだけの話であったのだ
――――――
しえん
Riot Lady ―――
荒涼とした遮蔽物一つない舗装された大地に金の髪をなびかせて彼女は立つ
つま先で2,3、コツコツと地面を叩くその仕草は
入念に足場を確かめる、彼女の癖の一つだ
アスリート・ランナーと同様、誰よりも速く駆ける事こそ彼女のアイデンティティ
ならばそのスタートダッシュに神経を使わぬ道理は無い
前方、地平線が雄大に居を下ろす
どこまでも続くかのような広大な大地を
彼女――フェイトテスタロッサハラオウンは、もう一度見据えて立つ
そこは彼女の他に人影もなく、頬を撫でる風すら吹かない
おおよそ真っ更な不自然過ぎるほどに何もない、人口アスファルト一面の大地だった
不自然なのも無理はない
そのフィールドは人工的に形成されたものであったからだ
ミッド時空管理局が意図的に用意した謂わば多目的フィールド
魔導士のランク所得試験、その他何某かの運用実験などを行う際
彼らはこうした広大な敷地や、大規模な時は廃惑星などを借り切って実験場にしていた
何せミッドの治安を守る魔導士たちが演習やトライアルを行う場は多くて足りるという事は無い
ここはそれらの中でも特に大規模にして頑丈に設計された場所であり
何も無いと思われた更地の遥か上空には様々な角度に幾つものカメラが設置されていて
フィールドの様子を常時、モニター室へと送っていた
「………」
はたして管制塔の中は既にアリの巣状態
そこかしこに設営された計器を行き来しながら目まぐるしく動き回るスタッフ達
その中には後の機動6課専属メカニック・シャリオフェニーノの姿もあった
現場のチーフを任されるようになってまだ日の浅い彼女
後になのはやフェイトと親交を深める事になるが、それはもう少し先の話である
そして更に彼らより一歩離れた所からモニターを
そこに移される金髪の魔導士の姿を見守る二つの影があった
「いよいよか」
「……はい」
スタッフの邪魔にならない位置でトライアルを固唾を呑んで見守る二人とは
戦技教導隊エースオブエース・高町なのはと航空機動隊の騎士・シグナムその人であった
若手の中で最強・最優と謳われた武装隊員の現場見学である
隅に引っ込んでいてもそのオーラは隠しようが無い
はっきり言ってスタッフの緊張の半分は彼女達のせいである
「ドキドキが収まらない……正直きついです
自分があそこに立った方がマシっていうくらい、、」
「ブラスターの完成でお前に大きく水を空けられた…
それからの奴の頑張りを考えるとな
肩に余計な力が入っていなければ良いが」
「……フェイトちゃん」
ニ、三、言葉を交わす二人を尻目に
浮き足立った部下にシャーリーが指示を飛ばす
温厚な彼女が珍しく荒い語気で次々と彼らを配置に付かせ
微細な誤差もないよう再三の注意を促しているその様子
控え室には何と医療班が酸素ボンベ片手に待機しているではないか
その緊迫に満ちた空気が、これから始まる実験が
そんじょそこらの性能テストの域に留まらないものだと告げていた
―――Sランクオーバー魔導士のオーバードライブ・イグニションの機動試験
しかして、それは局においてもっとも危険にして
もっとも事故の多いとされる超難度トライアルの一つ
雷光――フェイトテスタロッサハラオウンの危険に満ちた晴れの舞台であったのだ
「成功すると思うか?」
「五分五分だと思います…………………期待を込めて」
期待を込めて、五分五分――
フェイトを誰よりも認め、信頼している教導官をしてこの言葉である
それがどんなに困難な事か……
見守る高町なのはとシグナムの握る手にも汗が滲んで乾く暇がない
先立って高町なのはが限界突破域に足を踏み入れ
オーバードライブ・ブラスターモードの機動を成功させた事は皆の記憶にも新しい
――蜂の巣を突付いたような大騒ぎになったものだ
20歳足らずの、しかも女性が
ミッド式魔法最高峰の頂についにその手をかけてしまったのだから
しかし、今フェイトが構築しようとしているソレは
高町なのはがモノにしたそれともある種、一線を画すもの――
オーバードライブを成功させるのに必要な物は膨大な出力と、特化したセンスだ
個体のステータスにおいて特異なまでに尖ったメーターを
更に加速・増加させて人為的にグラフを突き破らせる
それが限界突破――選ばれた者しか辿り着けぬ巨峰の頂の全容の一つである
なのはにとっての 「特化」 とは言うまでもなく、持って生まれた巨大砲撃の素質だ
歪なまでに尖ったその才能を磨きに磨いて10年……到達した一つの究極の形がブラスターモード
しかし、同じく10年の歳月をなのはと共に歩んできたフェイトには
それを為すのに決定的に足りないものがあった
彼女は、魔力はあっても出力が足りない……一度に出せる魔力量が乏しいのである
加えて全てを高い次元で纏め上げた彼女の「バランスの良い」ステータスは
それ故に尖った部分がない―――特化した部分が見受けられないのであった
故に、なのはと同じ方法で同等の破壊力を得るオーバードライブの取得は困難を極め――
汎用性に富むフェイトに、一撃必殺モードの習得を諦めさせる声もちらほら出始めていた
そんなモノを身に着けなくても彼女は既に立派な魔導士であり、優秀な執務官だ
何でも出来る彼女が敢えて特化した決戦モードを携え、危険なレッドゾーンに身を置くのはかえってハイリスク
局としても何のメリットもないと、そんな声まで囁かれていた
支援。
そんな折――逆風の中にあり、フェイトは独力にてその道の答えを導き出す
突出した出力任せの力業ではない
網の目のように絡み合った理論によって構築されたロジックの末に行き着いた自己ブースト
誰もが始めに考える、しかし誰もやらない
一寸でも計算が狂えばそれで破綻する
ミッド式魔法を少しでも学んだものならば狂気の沙汰だと哂って諦める、そんな類のモノだった
「頑張れ……フェイトちゃん、、頑張れ」
「………」
この場にいる誰もが皆、半ば諦めていた
初めから成功しないと思っていた
失敗し、力が暴走した時の甚大な被害
Sランク魔導士を傷物にしてしまうかも知れない恐れ
優秀な執務官のまさかの無謀な挑戦への好奇心もあっただろう
ともかくここに集った大半の人間が――そういった目を向けていた事は場を取り巻く空気で明らかだった
そんな中、彼らとは異なる四つの瞳
永遠の親友であり、戦友である二人だけは彼女を信じていた
「OKですフェイトさん! いつでもいけます!」
「うん……ありがとう、シャーリー」
「あ、あの…! 絶対に、無理だけはしないで下さいね!
例え施設を半壊させる事になったとしても、当然貴方の身が最優先ですから!」
「うん……」
だが、良いのだ
フェイトにしてみればその二人が信じてくれれば、それで良い
例え世界中から奇異の視線を向けられようと
友達の――かけがえの無い仲間達の後押しさえあれば、十分過ぎる
トライアル開始前……最後の指示を受けるフェイト
シャリオは既に泣きそうだ
(何で――どうして、この人……こんな穏やかな顔していられるの…!?)
今から暴走炉のメルトダウン並の危険な実験をするというのに
まるで陽気な木漏れ日の下で微笑んでいるかのような
物静かで少し気弱そうに見える魔導士に微笑を向けられて――背筋がゾッとしてしまう
やがてフォールド全体に重低音が鳴り響き
全ての施設が幾十の結界に包まれて、フェイトの立つ大地が完全封鎖される
虚なる無音と化した白一色の世界にて――ゆっくりと目を瞑る黒衣の魔導士
イメージするは――稲妻……
それは彼女に最も慣れ親しんだ力でありながら―――
その本質は人の身では到底、御し得ぬ神の暴力―――
雷撃の術者はその残り滓を拾い集めて
本来のそれの10%ほどを自分の力として行使しているに過ぎない
だが、今―――
―――彼女は本物の稲妻に、、、なろうとしている
「来たッ! 避雷結界、出力120%!」
モニター室でシャリオが叫ぶ
と同時にフェイトがカッと、目を見開いた!
その瞬間、彼女は腕を両側に広げ大の字のように雄大に構える
まるで自身の身に舞い落ちる膨大な力を全て余さず受け止めるかのように
閃光が、白光を帯びた落雷が、彼女の周囲を取り巻き
既に変形を終えたバルディッシュ――彼女の「両の」手に握られたソレに魔力が集束されていく
球の様な汗が彼女の額を、全身を覆う
鬼気迫るその表情がモニター全線に写される
しかしやがて全てのカメラ、衛星の目を焼き尽くすほどの光量が彼女を包み
掌を焼け焦がすほどの雷電を右の手と左の手に集めたフェイトが
それを上空に掲げ、同化させた、瞬間!!
、、、、………………
――― だから… ―――
――― 天才と、狂人は、紙一重だっていうんだ… ―――
その言葉が、その場に集った誰かの口から漏れたのは――
もはや当然の成り行きであったのかも知れない……
「感想は…?」
「………」
立ち会った人間に劇的な思いをさせる時間を、彼女は与えない
派手なエフェクトも、耳を貫く轟音も、悲鳴を上げさせる暇も、何も無い
場に居合わせた教導官、それにベルカの将に対しても――それは同様、、
ただ、一人の魔導士の疾走が
音の域をまた一つ超えたレベルを以って
フィールドに刻み付けた「事実」
その事実に、立ち会った人間は皆一様に声も出せない
固まるという表現を真正しく体現するとすればこうだ
微動だにせぬ立会人達の100を超える瞳が、ただ呆然と見据える――
――― 巨大な三条の地割れが ―――
机上の空論どころか狂気の発想とまで言われた「ソレ」の制御に
フェイトが成功してしまった証であった
支援
「高町教導官」
「鳥肌が、、」
神の悪ふざけの如く、地面を抉り取った三条の地割れは
奇しくも地球の地図の発電所のマークのようであり
その先端で四肢をつき、呼吸困難を起こしてでうずくまっている執務官の
地球生まれの友人にのみ分かる彼女なりの洒落であった
「!! き、救護班っ!! 早く!」
その姿を認め、いち早くフリーズから解放されたシャリオが
スタッフ数名を叩き起こし、酸素ボンベと共に彼女へと向かわせる
「鳥肌が、、立ちました」
持参された担架に乗せられたフェイトがこちらを見て、小さくガッツポーズを取る
それを認めたとき――なのはの声が喉でくぐもって、、少し震えた
驚愕と、感動の混じった溜息が喉から漏れ出
目に貯めた涙が視界を滲ませるほどに溢れてくる
「はは……公衆の面前で、、恥ずかしい…」
気恥ずかしそうに目尻を拭うなのは
対して表面上は顔に出さないが
友にして宿敵の偉業達成に際し、シグナムもまた同じ気持ちなのだろう
「つくづく、よく勝てたなぁ…」
なのはの胸中に浮かぶ郷愁
フェイトと初めて出会ったあの悲しい事件の物語
二人の時間が始めて動き出した、その始まりとなった戦い――
それを思い出しながら、なのはは呟くように語る
「あいつには常時、リミッターがかかっているからな」
「リミッター………、」
「世の中はよく出来ていると思うよ
突出したモノには生まれつき突き抜けないように枷がかかっているものだ
お前で言うフィジカルの弱さ、あいつにとっての非情になり切れぬ優しさ
あいつはな……常に不安に揺れているくらいが <丁度いい> んだ」
「はは、、、言えてますね…」
「私はたまに思うよ……
もしあいつが今と違う道を行き、その心が未だ闇の中で彷徨い続け、
世界と敵対するモノとして育っていたら……管理局にとってどれほどの脅威になったのだろう、とな」
「…………」
想像もしたくない未来だ
狂気に堕ちてしまった母親の元から救い出されたが故に今のフェイトがいる
だがもし異なる未来において、救い出されなかったフェイトがいたならば――
そのもしもは現実のものになっていたかも知れない
「その最悪の未来を回避させた一番の功労者はお前だ
お手柄だぞ、、胸を張れ、高町なのは」
「そ、そんな…」
騎士の茶化すような労いの言葉に顔を赤らめ
恥ずかしそうに目を伏せる教導官である
「私は、何もしていません、、
全部フェイトちゃんの強さです」
「そうか……そうだな」
二人の視線の先に写る心優しき雷光の魔道士
時に「それ」が枷となり、脆き心が棘の頸木のように彼女の足を鈍らせる
それが神が彼女に与えたもうたリミッターとは――言い得て妙なのかも知れない
(シグナムさんの言葉じゃないけれど…)
――本当に世の中は程よいバランスによって成り立っている
この優しい雷光が全てのしがらみを捨てて
己がポテンシャルを解放する事は多分一生無いのだろう
かけがえの無い親友を見つめ、思う高町なのは
願わくば、そのリミッターを彼女が外す機会など永遠に訪れないで欲しいと切に願いつつ、
場には3条に連なった巨大な地割れと――
たった今、「雷速」を以って振るわれた――
バルディッシュ最終・最強形態が、地に雄々しく突き立っていたのだった
――――――
しえん
毎度のことだけど、さるくらったのなら避難所のほうを活やうすることを考えたほうがいいと思う。
違うのなら、まあいいんだけど。
「――――、」
(ランサーでもあるまいし――)
まさかこの身に課せられた闘争の末路が
このような決闘じみた終局によって締められる事になろうとは
馬上の騎兵と剣闘士――
まるで古代ローマのコロッセオの再現ではないか
疾駆する者同士の最後の邂逅は在り得ぬほどに静かで、
(―――、しかし、まあ)
その対峙の只中において騎兵は口元に笑みを灯す
その笑いは今までと違い、決して相手を見下したものではない
Aランク――神話級破壊兵器の中でも最上級の位を冠された己が宝具を過信し、酔っているのでもない
むしろ感嘆と驚嘆の入り混じったもので……
彼女はそのまま魔導士を――いや、魔導士の持つ抱え上げられた「ソレ」をゆうに見上げる
「また大層なモノをお持ちですね――」
それは並の例えで現せる範疇のものではなかった
取りあえず既存の認識を以って言うならば―――それは巨大な剣であろう………
しかし、ならば先ほどと同じだ
身の丈に合わぬほどの光り輝く斬馬刀の威容は確かに凄いが
今更、ライダーが驚くほどのものではない
だからこそ、、今、目の前にあるものは
その巨剣を遥かに凌駕したものでなくてはならないわけで…
天に突き立つ黄金の柱を思わせる極大の「だんびら」は
それを剣と呼ぶにはあまりにも歪で馬鹿馬鹿しくて―――
遥か上空を見上げなければ全貌を視界に納める事も出来ないほどの
小さな塔と呼んでも差し支えの無い、光り輝く黄金の巨大なオブジェ
見上げるライダーの内に秘めた記憶が―――ジクリと胸を焦がす
「血迷ったのかとは問いません
使いこなせるのでしょうね? ソレ――」
主神怒れし時、オリュンポスの御山の頂に激しく降り注ぐ極大の雷――ゴッド・ブレス
まさにそれに勝るとも劣らぬ雷の束を従え、周囲に暴れ狂わせる魔導士
その一本一本が、彼女の体内から抑え切れずに溢れ出る魔力の残滓が巻き起こす余波に過ぎない
そう、これこそ高町なのはのブラスターモードを
制御の難易度において遥かに上回る、彼女の切り札
――― 真・ソニック ―――
その第一の要―――バルディッシュ最終形態・ライオットブレード
もはや並の剣法の構えを取る事すら難儀である超々極大剣がその姿を現したのだ
しえん
ライオット――暴動――の名を関するそれは現状、
個人の持てる最大規模の武装を遥かに凌駕したサイズを叩き出す
恐らくギガノトの巨人ですら持ち得ないほどの下品極まりないサイズのだんびらだ
それを、成人男性よりも遥かに小柄で華奢な魔導士が肩に担いで携える異様な佇まい
あまりにもアンバランスな姿にさしものライダーも言葉を失わずにはいられない
そして変化はもう一つ――
超・音速の二つ名をその身に帯びる事を許された彼女のBJの真なる姿
第二の要―――超軽量ソニックモードに更に改良を加えた特殊剛性BJ
何ら防御力を持たない超軽量スーツに、更に空力――エア・フォースを
過剰に得るための各種微細な形状変更が施され
幼少時のそれを思わせる黒い襞垂れのBJは、かつての物とは明らかに別物の
もはや速度以外の概念を捨て去った、違法改造スレスレの代物――
安全基準などクソ食らえなモノへと成り果てていた
そう、高町なのはとの類似点が、ここ
彼女はオーバードライブ――限界突破の基点となる核の兵装を
一つではなく二つ、、デバイス本体とBJの双方に施していたのだ
――ツイン・ドライブ
出力のみの、、一つを起点とした運用では
どう足掻いても高町なのはの破壊力には届かない
そのセオリーに悩み、苦しみ、まっこうから立ち向かったフェイトが
己の持てる武器を総動員して辿り着いた境地がこれだった
境地とは言っても蓋を開けてみれば簡単な話だ
特化した一が無いのであれば二つを足して届かせる
一つのパラメーターでグラフをはみ出すほどの尖った性能を持たないならば
異なるパラメーターを融合させて、尖突した一つの武器にすればよいという極めて単純な発想
と―――――言うのは、簡単だ
だが、それの実現がどんなに、どれほどに難しいか――
シグナムが最後までそれを温存させようとした理由がここにある
コンビネーションもフォローもない、まさに一撃必殺の太刀を目指したフェイトのそれは
自身の制御限界ギリギリの速度を叩き出すBJに
その超速にて一撃を振るってギリギリ破綻しない程度の巨大な魔力刃を積載した
安全マージンなど一切ない、見ているものをゾッとさせるような無茶苦茶なバランスの元に成り立つものだ
オーバードライブは自身のパラメーターのどれか一つに自己ブーストをかけてグラフを突き破る
グラフを突き破るとは即ち、己が体の内に溜めておける力の限界を超えるという事だ
一つの炉心を過剰燃焼させて叩き出される、その爆発的な火力を制御する事の困難さ
それを十分弱続けただけで、高町なのはは一週間は立つ事も出来ないダメージを心身に負った
そこに費やす集中力は、まるでニトロを汲んだバケツを持って綱渡りをするかの如き消耗を術者に強いるのだ
ましてや、、同時二箇所のブースト点火など正気の沙汰ではない!
単純に考えても難易度は二倍……ニトロバケツを両手に持っての綱渡りだ!
双方の天秤のバランスを少しでも違えば
体内で燃え盛る力は即座に手から零れ落ちて破綻する
少しのミスが、ブレが、彼女の体内で暴れ狂う二対の竜を暴走させて自滅に追いやってしまう
しえん。
考案段階で、実現は不可能と周囲の人間に断ぜられた幻の、真・ソニック構想――
その幻を現実のものとしてしまった瞬間から、、
誰よりも先に、
誰よりも速く、
絶対に回避出来ぬ攻撃を、
一撃必殺の攻撃を、
相手が誰であろうと問答無用で詰める無敵のモードを、
雷速に等しい速度と全てを両断する必殺の太刀の両方を、彼女は手に入れた
出力で劣る身でありながらなのはと同等の力を身につけて――
そして今、宝具にも匹敵する力を具現化させて、フェイトはここに立っている
「………来い、、ライダー」
真なる至高の稲妻
君臨した彼女こそ英霊殺しの雷速の女帝
神話の騎神を眼前に立たせてなお不足無い
迅雷のグラディエイター であったのだ!
――――――
初めからこうしておけばよかった、と――
後悔は決して先に立つことは無いと実感させられずにはいられない言葉が脳裏を過ぎる
戦力を小出しにしてこんな結果を招いてしまった己が愚を噛み締めて
言い知れぬ後悔と、怒りと、悲しみを灯した瞳が、その心情をこれ以上無いほど表している
「フェイト」
どちらかが引き金を引けば即座に終了するであろう
それは金と紫の見目麗しき女神たちの最後の邂逅だった
「最後に一つ聞きたいのですが」
「………」
稲妻の使役者と幻獣を従えし邪神
天馬に跨る紫紺の女怪が紡ぐ最後の言葉が終わった時こそが
この決闘の引き金を引く合図となるのであろう
故に魔導士は黙って耳を傾ける
「貴方は―――人間ではないのですか?」
フェイトは答えない
だがその質問に眉がピクリと動く
「実を言うと私も相当追い詰められていました
ペガサス――この最後の手札を切れたのは
何を隠そう、貴方のおかげなのですよ」
「………」
互いの喉元に拳銃を突きつけた危険な睨み合いでありながら
ライダーはどこか楽しげに、なおも言葉を続ける
支援。
「この身はヒトの血液で生を謳歌するバケモノ――吸血種と呼ばれる生物です
貴方も聞いた事くらいはあるでしょう
先ほど私が貴方の血をいただいた事を覚えていますか?」
「………」
どちらが優勢なのか
どちらが精神的優位に立っているのか
――――分からない…
悠然と構え、微笑みすら称えて言葉を紡ぐライダーか
全ての雑念を遮断して集中の極みにいるフェイトか
「ヒトの体液が内包する魔力を取り込み、私達は己が力とするのです
体液の交換は神聖的な意味を含め、少なくとも384種もの魔的要素を内因している
お分かりですか? 私が血をいただくという事の意味が」
種族によっては血では無いモノを吸奪し、己が糧とするものもいるだろう
逆にヒトの体液を自身に内包させて、契りの証とする場合も多々ある
それは人外の者どもの、おぞましくも神秘に溢れた学問――
「………」
「ですが誰でも、ナニでも良いというわけでは無いのです
家畜の肉の味に鮮度・品質の差異があるように
血液もまた対象によって効能には大いなる差が生じる」
吸血鬼は処女の生き血を特に好むという話がある
性別、年齢、その他に至る何かの要因が、血に品質の差を与えている事は明らかだ
「森での戦い、貴方に止めを刺す瞬間……
私の手を止めさせたのはその匂いでした」
強烈な打撃を食らい、失神したフェイト
確実に絶命させられる筈だったあの時――
凶刃にその身を貫かれる前に復帰出来た不可解な幸運
その理由は――フェイトの血の匂いがライダーの手を止めたが故の事
「総身に痺れが走った―――こんな事は久しく無い…
また、この大地に育まれた命の匂いを全く内包せぬ奇妙さも相まって……
戦いの最中も、気になって仕方がなかった」
その凝縮された濃厚な味わいを感じさせる香りはただ、ただ異質だった
そしてそれに伴う魔力は予想の通り――
微量を口に含んだのみだというのに、その魔力還元量は尽きかけていた騎兵の魔力炉に
最後の宝具を発動させるだけの力を補充させて余りあるものであったのだ
「極上の美酒……極上の美女……ああ失礼、これは男性の場合ですね
ともかく、そんな類のモノに出会った衝撃を受けましたよ」
「………」
「フェイト――正直に言います
私が手ずから見初めた生贄は本当に久しぶりなのです
今この瞬間にも私は貴方を貪りたくてしょうがない」
しえん
「………」
それはある意味、告白のようなもの、なのだろうか?
化生の向ける情熱的な愛情表現はとても扇情的で――
しかし、人間にとっては死とおぞましさを連想させるもの以外の何物でもない
「貴方は何者です? フェイト
サーヴァントでないのは向き合っていれば分かる―――
ならば、人間? 否、現世どころか神代においてもそんな血を身に宿すニンゲンに出会った事は無い
そもそもこの私をここまで追い詰める人間などいてたまるものですか
その戦闘力、宝具に匹敵する力さえ身に秘めている貴方は――」
「………人間だ」
短く、一言で、フェイトは彼女の問いを斬って捨てる
「そうですか」
詮無い態度に身を竦める騎兵
「ライダー、私もお前に聞きたいことがある」
「何です?」
「貴方」ではなく「お前」と――明らかに口調の変わっている魔導士
その双眸にはありありと、彼女自身、滅多に見せぬ敵意が渦巻いている
「お前はそうやって人を食い殺した事があるのか?」
「はい」
「何人、くらい…」
「数え切れぬほど」
あまりにも――あまりにもあっさりと返される事実に
執務官の瞳がカミソリのように研ぎ澄まされていく
嗚呼……両者の間に渦巻く敵意
殺気が加速度的に上がっていく
停戦も和解ももはやありはしない……
刻々と、引き金を引く時限が迫ってくる
もう、止められない―――
「人を家畜扱いしているけど
お前こそ、醜悪な悪鬼だ………」
「いえ、あれは物の例えなのですが―――ともあれ
ようやくそれらしい目を向けてくれましたね……何よりです」
向けられるは怒りと、嫌悪と、少しの恐れ
迎え撃つは傲慢と不遜と、少しの安堵
そう、安堵だ
ようやくこの相手は自分に怒りと恐れを超えた殺意を向けてきてくれた
実際、全く恐がってくれなかったばかりか
こちらを人間みたいに扱って殺さないように剣を振るってくる相手に対し
ランサーほどでは無いが居心地の悪い部分もあったのだ
支援。
些か自信を失いかけていたといってもいい
正直、「怪物」としてはこれはどうか…と考えさせられていた
人に恐怖され、伝説となり、語り告がれたが故に自分は在る
それがこの英霊メドゥーサの存在理由なのだから――
だがその舞台装置も背景も――どうやら完璧に整ったらしい
これが魔物と人との正しい戦の在り方だ
「お前は最悪の相手だった……あらゆる意味で」
「――最高の褒め言葉です」
「もう終わらせる……時間が、無いんだ…」
「はい――いつでも」
ようやく英霊としての宝具を使う事が出来る
本来は寡黙な騎兵も、その心身は高揚せざるを得ない
邪神ではなく、天空にその名を轟かせた美貌の女神メドゥーサの疾駆する姿を
我が誇りと共に披露する事が出来るのだ
雄大に、どこまで雄大に、翼を広げる天馬がまるで覆い被さるようにフェイトの眼前に聳え立つ
対して極限まで腰を落とすフェイトの視線はライダーに向いていない
いや、倒すべき敵という意味ではこれ以上無いくらいの敵意と共に捉えてはいるが
もはや捕らえて裁く犯罪者――人の法に照らし合わせる類のモノではないと理解したが故に
彼女にとってライダーは、もはや障害物以上の価値を見出せない
そう、今フェイトにはその先にこそ見なければならないものがある
彼女はまだ…………希望を捨ててはいなかった
あの敵はこういった…
「心臓を穿つ槍」、と…
ならば、、ならば、、まだ、、
可能性は―――あるのだ…!
様々な思いと
急く意識の全てを
手に持つライオットブレイドに篭めて、
――― 相思う 相殺せしと ―――
互いの表情がこれ以上ないほどに無極と化し
互いの戦意がこれ以上ないほどに同調を果たした時、
「往けッ! ペガサスッ!!」
四肢の蹄が大地を抉り!
大地が轟音のように揺れ動き!
山をも抜くかの如き嘶きと共に先に動いたのが神々しいほどの純白の翼!
支援
互いに疾走する者同士――その激突は力比べの余地を残さない!
聖剣と星光のそれが凄まじい激突を見せ、しかして10数秒の拮抗を許し
周囲に破壊の波を撒き散らしたのに対し
この勝負は間違いなく――瞬きの間で終わる類のものだ
交錯した後、無間の域において
足りぬ方が骨身を砕かれる
臓腑の一片も残さずに塵と化す
両者の戦意が弾けて飛んだ瞬間
騎兵が、天馬が、背負う翼を一面に広げ、その逞しい四肢を総動員させて
ゼロから一気に時速400kmにまで加速する!
ブオア、!と周囲に突風を
否、暴風をはためかせて正面から襲い来る神秘の具現
その威容は、言うなれば押し寄せる津波や雪崩の如き天の裁可に等しきもので
もはや、かよわき獲物ではないと認めたからこそ、英霊として
雷を従えし勇者を全力で迎え撃つ騎兵のサーヴァント!
その手に握られる金の手綱を今、しかと握り締め――!
――― 騎英の疾走 !!!! ―――
ベルレ フォーンッッ!!!
その真名を高々と謳い上げるッッ!
かつてメドゥーサより生まれし天馬がもっとも長い時間
その背に跨る事を許した、とある英雄の名こそ――
騎兵の宝具の起動真言そのものだ!
瞬間、、、
フェイトの眼前に、、、
――― 流星が現れた! ―――
「疾風……迅雷、、」
迎え撃つ雷光もまた、音もなく――
否、音をゆうに置き去りにして――
幾条ものプラズマを従えて唸る
ここに―――
重ねて支援!
二重(ふたえ)の支援!
二つの疾駆が―――次元を切り裂いた
支援どうもです
いや何かね……こちらの保存がおかしいのか
改行が妙な事になっていて手直ししながらの投稿だったので手間を食ってしまった Orz
一章のエピローグ的なものなのでやはり長くなってしまいました
一旦切って、明日以降に一章の結末を落とします
宝具に関しては、この時点ではまさにその「どうしようもなさ」を描写するつもりでした
バトル物を描いている上で、やはりどちらかを負かせてしまう以上
負かせた方のファンの方を不快にしてしまうのは申し訳なく思っています
指摘は甘んじて受けますので宜しく
ではまたノシ
乙でした!
つか相変わらずのボリュームだw
感想はまたあとで。
ではー。
乙!
後でゆっくり読ませてもらいます
GJ!
続きがあるということで、感想は一言
心臓っつうかシグナム姐さん即死してね?どうしてこうなった!?
ペガサス『くそっ、必殺技対決なんか受けられるか!僕は楽屋裏に帰るぞ!』
バルディッシュ『もう…ゴールしてもいいよね…?』
レヴァンティン『台詞を…ください……』
ゲイボルク『空気読んで外れとくべきだったか』
騎英の手綱『宝具は俺だから!天馬じゃねえから!誰だよあいつを宝具っていった奴はぶっ殺してやんよまじで!』
ここまで丁寧に描いておいて、まだ気にするのかと軽く吹いてしまったw
推測ですが、フェイトルートがやたら長いのは、積み上げる必要があるものが多くあったからなんでしょうね。きっちり勝敗をつける以上は。
逆に言えば、読者に気を使いすぎた結果がこの長さで。
私の場合ですが、散り様がかっこよければだいたい満足できると思います。ランサーやアーチャーを好きになったのもそこですし。むしろ見せ場かと。
今回も面白かったです
フェイトルートはシグナムの傷つきっぷりが凄まじいなぁ
ライダーの悪役ぶりは見ててなんか気持ちが良い
乙〜
ここで戦闘系のクロス描いてる人は今、タイムリーで大変ですな
劇場版でのなのはとフェイトの戦闘ははっきり言ってサーヴァント戦超えてる
対してFateも頑張っていたんだが・・何か鯖と人間の戦力の差とか分かってないような
特に型付最強に位置するギルガメの描写が三下過ぎる
初見の人が映画を見比べた場合、間違いなく
ギルガメッシュやセイバーがなのはを完封? ハア?ってなるなw
GJ
シグ姉……(泣)
しかし二次でなのは脳なフェイトさんを多く見ていたせいか
過去のエピソードとか新鮮ですごくかっこ良かったです。
映画を見ないと書いてはいけないレベルにいいできなのか
少し困ったな
映画じゃ士郎が最強だぜw 笑えるほどに
剣技だけでもお前セイバーより強いじゃんってなる
誰かメルブラの設定使って星光さんと雷神ちゃん出してくれないかなぁ。
あ、闇王は別にいいです。
ViVidでエリオが髪形変えてるがランサーっぽくなってる
お前らチケット売り場のお姉さんに平然と「魔法少女リリカルなのは1枚」って言えるわけ?
オレなんかなかなか勇気が出なくて10分ほどうろうろしちゃったぜ
FATEは近くでやってないし
無論言える
一切の躊躇無しにな
やってたら言えるけどね…
近くに映画館ないし、映画見に行ってる時間も取れないし
最近忙しすぎて困る
お前らマジうらやましい
魔法少女一人って言ったらチケットくれたぜ
ま、あの人内心どう思ってんだろう、とか思わなきゃ余裕でしょ
「そんな余分なプライドは狗にでも食わせてしまえ」
「なのは一枚」
チケットを買うのはいいが
別に2枚買ってしまってもかまわんのだろう?
では告知通り続きを……
昨日と同じくらいの長さです
深い山林に囲まれた山の中で
雨露を辛うじて凌げる古びたコテージのベランダにて、
「………」
夜空を見上げる女性が
空に煌く瞬きを手で掬おうと宙に向かって手を伸ばす
当然、その手は満天に届く筈もなく、冷たい夜の空気を掻き回すのみ
遥か天空に鎮座する星々にこの身を届かせる事はおろか――
彼女は仲間や親友や、慣れ親しんだ世界の元に帰る事すら出来ない
「どったの?」
戸の中から同居人
天衣無縫な魔法使いがヒョコッと顔を出す
深刻な面持ちの彼女と対照的なその仕草は
まるでこの世の悩み事という概念から隔離されているかのようだ
「七並べはお嫌い? じゃ、UNOにしようか」
「う、ううん……もういいよ
青子さん強いもの」
既に一ヶ月を超える同居の士が
手持ちの鞄からヒラヒラとカードゲームなどを見せびらかしてくる
だけど………とてもそんな気分にはなれない
彼女の申し出に作り笑いだけを返して
なのはは変わらず雲一つ無い夜空を見上げる
「……何ムクれてんのよ?あのコ」
「極悪過ぎたんじゃないの? 貴方のハートの9止めが」
「負けて癇癪起こすなんて案外、子供ねぇ」
何か後ろで好き放題言われている……
人を肴にケラケラと笑っている性悪魔女と白猫を背に
突如、彼女の胸に去来してきた嫌な小波に身を竦ませずにはいられない
焦ったところで出られるわけでもない
方々手を尽くし、何の手がかりも無い
完全なクローズドサークルに閉じ込められてしまった自分
だからこそ余計に、他の仲間の―――親友の安否が気遣われてしまう
(フェイトちゃん……)
特に今、その心を貫いた嫌な予感は
果たして杞憂なのだろうか? この猛烈な胸騒ぎは…
10年、片時も離れなかった金の髪の少女との仲は既に兄弟同然の絆となって彼女らを結んでいる
どんなに離れていても、例え星の海に隔てられていようと互いの危機を肌で感じ取る――
そんな非科学的な事が現実にあるのだ……この世界には
懐のリボン――片時も身から離さずに持っている、生涯の友との絆の証を握り締め
なのはは言い知れぬ不安にかられた瞳を、今一度夜空へと向ける
奇しくもそれは、異なる大地で魔導師の黒衣が――
天翔ける駿馬の放つ
青白い流星に飲み込まれたのと、同時刻の事であった――
――――――
「……………」
その刹那の瞬間が――
フェイトに全てを理解する時間を与える
もはや敵に叩き落とす以外に用途を為さぬ稲妻の鉄柱を肩に抱え
迎え撃つは巨大な天馬の飛翔の奔流
初動に合わせて最強最速の雷電によって斬って落とさんと身構えた華奢な体躯
そして――そんな、こちらの狙いが分かっているだろうに
敵は悠々と絶対の自信を以って最後の激突の火蓋を切ってきた
「――――、、、」
騎兵の口からフェイトには聞き取れない、何かの呪文のような言葉が紡がれる
同時――相手の腰まで伸びた長髪が一斉に逆立ち
もはや視認出来るほどの青白い魔力をその場に迸らせる
果たしてそれは目の前で、ゼロから時速400kmにまで加速するロケットスタートを切った!
――― 速い! ――
最高速度ならばフェイトの方が上だが
加速性能はこちらと比較してもほぼ互角!
その逞しい四肢が醸し出す馬力、爆発力は人間の並ぶところでは無いというのか
次いでサーヴァントが高らかに――
「――――、!!!」
真名開放と共にその全てを曝け出す
天に地に、謳い上げるように紡いだ彼女の神言――ベルレ、フォーン
次いで眼前に現出した巨大な力
まるで流星そのものであるかのような魔力の塊を見据えた時、
(………バルディッシュ)
壮絶な決意と怒りと、仲間を救わねばという使命感の狭間に追いやられた滓かな理性が――
(ごめん、、私、間違えた、かも…)
こう呟いた
それはシグナムと同様、土壇場で致命的なミスを犯したのかも知れないという予感
フェイトのオーバードライブは「誰よりも速く」、「自身の最強の攻撃を当てる」
二つのプロセスを成し遂げられるが故に最強たりえる電迅の剣だ
だが、敵が彼女最高のアドバンテージたる「スピード」にて並んできた場合――
「誰よりも速く」の要素がまず消える
滑走距離はせいぜい60、70m弱、、加速のみの勝負と相成るこの場面にて
上位幻想種の天馬は雷光に決して劣らぬ疾走を見せる
加えてこの、凄まじい向かい風
恐らくはペガサスの疾走が醸し出す圧倒的な質量と圧力の賜物であろう
その影響も相まってか、こちらが絶好のスタートを切ったとしても加速勝負では――良いとこ五分だ… !
では互角の速度を見せる相手ならばどうなるのか
当然、残り一つの要素 「力」 にて敵と凌ぎを削る事になる
―――空気が震え、敵が接近してくる
故に彼女のありったけ
己の出力を限界以上に高めたオーバードライブ・ライオットのみが
彼女の命運を左右する切り札となるのだが…
しかしその邂逅
早撃ちガンマンのように振り向き様に互いの得物を抜いた瞬間
引き金を引くまでの間にのみ、敵の武器の威容を観察出来る時間が双方に与えられる
ライダーはこちらの武器を見てなお――笑いを崩さなかった
ライオットブレードを間近で見て、それでも正面から勝負をかけてきた
それは多分、勝てると確信して来たから……絶対の自信があったから…
対して今、相手に集約されていく力の凝縮率の……あまりの凄まじさに!
怒りも、悔しさも、戦意すらも凌駕する感情に一瞬だが、確実に溶かされてしまったのはフェイトの方
何をやってもどうしようもない、理不尽な力というものはこの世に確実に存在する
それは、かつて一度だけ――
その身をもって体験した……その奔流を、一度自身の体で受けた……
圧倒的な破壊力を持つとある魔導士の集束砲を
その身に叩き込まれた事のあるフェイトだからこそ、感じ取れてしまう、
なのはと……なのはの集束砲と、同レベル――以上、?
圧壊の力を前にした感覚に他ならない
肌で感じた、Aランク宝具というものの威容
相手を決して許さないと雄々しく立った理性とは裏腹に
本能に刻まれた恐怖が、全身の筋肉を強張らせ、一瞬で鳥肌と冷たい汗を浮かばせる
技も、技術も用を成さない
潰し合いにおいて最後にものを言う問答無用の「力」
技術に秀でた自分が唯一持ちえなかった「出力」という力を補うために
デバイスや自身の特性を最大限に生かし、速度と切れ味を極限まで高めた彼女であったが
やはり圧倒的な、本当の力を前にした場合、その巨大な剣は実はただの誤魔化し
己がコンプレックスを補うためのハリボテに過ぎないのではないか?と、思い悩む事が少なからずあった
彼女は………過去に何度か思い立った事はあるのだ
ライオットと、なのはのスターライトブレイカー
どんな形でも良いから今一度、正面から……ぶつけ合ってみたい、と
局随一とまで噂される規格外の集束砲に、果たして自分はどこまで食い下がれるのだろうか、と――
もっとも実際、Sランク同士のオーバードライブのぶつけ合いなど模擬戦でもそう出来る事ではない
危険が大きいし、それほどの規模の力場に耐えうる結界を張るだけでも大仕事だ
そう簡単に許可の降りる行いではなかった
何より正直―――その結果を知りたいと思う反面、知るのを恐れる自分も確かに存在したからだ
もしあまりにも呆気なく潰されたら、やはり、ショックだろうから
自重と引きの速さで両断する重さと切れ味を両立させた日本刀さながらの雷光の太刀
それは果たして隕石の如き圧倒的な密度と質量を持った「力」に通用するのだろうか?
そこには奇跡、覚醒、奮起、友情、そして逆転などという
都合の良い事態の好転を許すほど甘い要素は無い
現実の戦いはあくまでロジック通りの結果しか叩き出さない
そう、刹那の一瞬にて彼女の全身の毛穴を総じて開かせ冷たい汗を噴き出させた
決意と怒りを一瞬にして溶かしていったモノは、
――― 問答無用の「死」の予感 ―――
そしてフェイトに与えられたその時間の正体こそ、
――― 走馬灯 ―――
絶命を前にした人間に与えられた
最後の時間であったのだ
――――――
―――空間が歪む
余剰の力と力をぶつけ合った場合
極稀に、こういった現象が起こる事がある
上空から観測する者がいるならば
それは金と青白い光が紡ぐ一組の十字架に見えたかも知れない
紫の残光を尾に引く青白い流星と
黄金のプラズマを場に迸らせる稲妻
その激突の余波は一瞬で―――
――― 大地を十文字に断ち割った ―――
駆け抜けた二条の影が巻き起こすソニックブームが付近の崖を削り取り
爆心地より立ち昇る二条の魔力は雲を貫くほどに高く聳え立つ
剣閃一縷にして切り結んだ二人の疾駆者
耳を劈く轟雷、鼓膜を貫く疾走の余波が、
キィィィィ――――――.........ン
、、と
暫く耳鳴りのように辺りに響き渡る
やがて、耳障りなサウンドが空気に溶けてなくなり
周囲を見渡せる余裕を観測者に齎したこの戦場において、、
二つであった人影は――今や、一つ
濛々と立ち込める噴煙の中、彼女はゆっくりと身を起こす
その長い長い、腰まで垂らした髪が………ファサリと、地面を薙いだ
――――――
それを今わの際の光景と――
一瞬でも思った自分を許せなくて
フェイトは裂けるほどに強く、唇をギリっと噛む
ここで、こんな肝心の場面で一瞬でも弱気に駆られた
引こうとした自分にサンダーレイジをぶち込んでやりたい気分だった
相変わらず自分は弱くて、臆病で、
いつだって誰かに助けられたり支えられていなければ立ってもいられない
それを認めて、それも自分だと受け入れた事もある
でも―――この手に剣を取った以上、戦いの人生を選んだ以上
それでは済まされない場面が確実にある事をいい加減……思い知らなければならないのだ!
負けられない戦いがある
自分の敗北が他者の命をも左右する事がある
ならばその日、その時だけは―――強くあれ
相手は外道にして人を食らう悪鬼
かけがえの無い友達を傷つけ奪う者
ならば遠慮する事は無い―――鬼をも食らう雷獣となれ
フェイトの眼前に迫る騎英の疾走――ベルレフォーン
まるであの、全空域から魔力を集束させている高町なのはを前にしたような絶望感は恐らく、虚仮脅しではないだろう
アレがスターライトブレイカーに匹敵するようなものならば――生半なモノでは太刀打ち出来まい
――まだ、大丈夫
――もっと、引き付けて
故に恐らく、同時に放っていたら負けていた
このまま普通に撃てば自分は殺される、、
10年の歳月を経た経験が彼女にそう警告し、踏み止まらせたのだ
故に、僅かながらに許されたこの時間は負けを偲ぶためのものでは断じてなく、勝利のための滑走路
0,01秒以下の凝縮された思考にてフェイトは少しでも
少しでも、敵の「力」に対抗するためのモノを己が引き出しから総ざらいしていく
超巨大剣ならではの独特の構え
腰を更に極限まで絞り込み、自身の身体の後ろに隠すように振り被ったその姿勢
その腰に溜めた捻りを更に溜めて、溜めて、待つ――
速度勝負においては必ずしも、先に疾駆した者が勝つわけではない
助走を敢えて捨て、一瞬に全てを集約させる速さもまた存在する
――即ち、剣術の居合い
後より出でて先に立つ
その鞘にて極限まで力を溜め、鞘走りと共に一気に解放する超速の秘剣
その発動は、遅らせ、瞬の間に凝縮させればさせるほどに、抜き放った時の速度は増していく
「………」
チリチリと、肌を、全身を焼く感覚がフェイトを襲う
敵が迫る…! 何という熱量!!
一旦、身体を変えてやり過ごすという選択をしなかったのは正解だ
あれは到底、背中を見せて逃げられる類のものではない
掠っただけでも身体の半分を削り取っていく代物だろう
当然、シールドなどは紙の盾ほどの役にも立つまい
まさに、まさに、なのはに敗れた時の状況と瓜二つという事だ
だが、バインドで四肢を絡め取られたあの時とは違う
手は動く……足もだ
抗うための剣も手に入れた
恐怖に引きつった顔を浮かべ、為す術もなく堕とされたあの時とは断じて違うのだ
――まだ、まだ間に合う
――極限までひきつけろ
大丈夫、初速で遅れを取る事は無い――!
自身に残ったカートリッジを全て叩き込む
意識が遠のき、内から破裂するような感覚に漏れる嗚咽を必死に噛み殺す
つくづくこのシステムは高町なのはにとっては天啓のような武装だと思う
彼女ならここにきて二倍、三倍の出力増強という苛烈な追い込みも可能だっただろう
だが、自分はダメだ……いわば銃の口径のようなもの
市販のベレッタでマグナムの弾を撃てば銃身は吹っ飛ぶ
一度の放出量の細さをこれほど恨めしいと思った事は無い
限界のコップに更に水増しをするカートリッジを――叩き込めた数はせいぜい、二発…
何の、それがどうした
それで上等
少しでも、少しずつでもいい
足りない部分を埋めろ
出来る事は何でもやるんだ!
重さで適わないなら切れ味を上げろ
もっともっと速度を上げて全てを断ち切れ
刀でダイヤを斬る行為は、無謀で物理的に有り得ない?
否、、極限の技と修練の果てに―――それを成し遂げる者もいるのだ!
神々しいまでに輝く天馬と、それに跨る美しき邪神が鼻先にまで迫る
それでも未だに微動だにしないフェイト
だがその瞳、その佇まいから――無限の宇宙に匹敵する――神域に届くほどの気勢と気迫が充満していくのを感じる
そして――フェイトとライダーが、互いの顔を認識できるほどの距離にまで迫った時、
殺劇の空間に身を委ね
魔導士の身体が圧倒的な熱に覆われた瞬間
青白い流星に包まれながら――フェイトはゆっくりと、目を閉じる
足りるのか――
届くのか――
果たして自身の全てを賭けた剣は
強大な暴力に当たって砕けぬ頑健強固の切れ味を得られたのか?
分からない……
もはや我が手に収めてきたものの中でも例を見ぬ、空前絶後の真っ向勝負
どれだけのものなのか自身、見当もつかない
故にあとは、そう、、
あとは自分との戦い……
これほどに練磨した心でも完全に消す事は出来ぬ、過去の敗北の記憶
あのスターライトブレイカーに刻み付けられたトラウマを、今踏み越えよ――!
自分の10年が試される――
さあ、いよいよだ…!
その一歩を今、踏み出そう!!
「疾風……迅雷、、」
常に彼女の内にあり、彼女に力を与えてくれる大事な人達
その顔を一人一人思い出し――
一心に込めてフェイトは目を見開き
己が全力の言葉を口に出す
そして、、
――――――
二つの疾駆が―――次元を切り裂いた
――――――
巨大なグランドクルスが刻み付けられた
荒廃に破壊を塗りこめたような大地に、
残された人影は、一つ――
濛々と立ち込める噴煙の中、ゆっくりと身を起こす
その長い長い、腰まで垂らした髪が――ファサリと、地面を薙いだ
「…………、」
――――全てが終わり、
雄大な翼を広げた天馬はもう、いない
二条の光に切り裂かれた世界はもはや無音
その只中において――
頬を撫でる―――――「金」の髪が、、
泥に汚れ、苦悶に喘ぐ美麗な顔を……覆って隠す
「は………ぁ、………うぅ、、」
苦しげな吐息で空っぽになった肺に空気を流し込む
荒れ果て、蹂躙の限りを尽くされた大地に
その身を横たえ、弱々しい呻きを漏らしたのは――
黒衣のBJを完全に欠損し、その柔肌の半分以上を晒している
両サイドで留めた髪がほどけ、長髪を腰まで垂らした金髪の魔導士――
「……………生き、て……る、、」
フェイトテスタロッサハラオウンその人であったのだ
酷い、有様だった
今やその四肢、その指一本に至るまで満足に動かせない
ありとあらゆる内蔵が不規則に乱れた挙動を以って内から彼女を責め苛む
「勝っ、た……勝った、のか………?」
脳震盪を起こしたその頭が状況を正しく整理するにはまだ数十秒の時を要し
喉の奥からひり出す様な不自然な呼吸のままに紡がれる言葉は掠れて音にならない
暫く呆然と、その場に横たわり空を見上げる
信じられない―――
言葉にならない、浮遊感にも似た
実感の伴わぬ達成感を彼女は未だに受け止め切れない
本当に自分は、あの凄まじい力に打ち勝てたというのか?
いや、自分がこうしてまだ存命している事が何よりの証なれど………
本当に、本当に、自分はあのスターライトブレイカー並の一撃に並べたというのだろうか?
寒気すら感じない麻痺した肉体、その心身は
燃え盛る炎の中に、迫り来る津波にその身を躍らせて生還したようなもの
今更ながらに凄まじい恐怖を彼女の心が訴える
しかしそれでも、、
(よかった……)
それでも、生を拾えた
素直に嬉しい……
自分はここで死ぬわけにはいかないのだから
ここで何としてでもあの強力な相手を退け
窮地に陥っているであろう仲間を助けに、、
助けに、、――
「………ッ!!!」
ビクンと、半分失神しかけていた体が跳ね上がる
「あ……ぐ、、!」
直後、半強制的な覚醒に際し
麻痺していた身体各種神経が軒並み目を覚まし
フェイトは苦痛に盛大に顔をしかめる
全身を苛む激痛から逃れるように
自身の肩を抱き、身を縮めて寝返りを打つ
その一動作だけで彼女は、残った体力を総動員しなければならなかった
それは当然の事――フェイトも重々承知の上の事だ
魔力エンプティに陥った身体は
当たり前のように、こうなってしまう事を自身の経験から知っていたから
しかもオーバードライブ解放、その他各種様々な追い込みを以って放った一刀
その代償は――決して軽くは無い
そう……もはやこの身体は動けない
動力を伝える機関が軒並み焼きついてしまっていて
最低限の回復まで少なくとも数日以上の時間を費やさねばならないだろう
そう、、動けない、、動かない
だというのに―――
「う、、、ぐうう……」
ここで意識を覚醒せざるを得ない事情が彼女にはあった
ここで倒れ付し、眠るわけにはいかない事情が彼女にはあった
「シ、シグ……ナム」
倒れ、気絶するのは
救助を待つ――待てる人間にのみ許された行為だ
今のフェイトは、違う
彼女は救助される側ではなく、する側
槍で貫かれ、崖に落ちていった騎士を救う為に
フェイトは騎兵の宝具すら凌駕し、踏み超えたのだ
「シグナ、ム……ッ!」
(待ってて下さい……今、、)
今、助けに行く――
彼女の心を占めるはその一念のみ
ズリズリ、と地面に爪を立てて這いながらに進む
華麗、美麗の名を欲しいままにしたSランク空戦魔導士の成れの果て
荒地の凹凸に身が擦れる度に全身に激痛が走る
まるで体内の神経がむき出しになったかのようだ
何の……それくらいが、丁度良い
その痛みがえもすれば手放しそうになる意識を繋ぎ止めてくれる
美しき戦乙女――ヴァルキュリア同士の戦いは――
黄金の稲妻纏う黒衣の女神の勝利に、終わった……?
だがしかし、その姿は落ち伸びる武者のそれと相違なく、、
奈落へと落ちた烈火の将シグナムを求めて――
彼女が安息に身を委ねるには、まだ早急に過ぎる事だった
――――――
それは次元を裂きし創生の光の如き魔力の奔流より
分け放たれ、逆の方角へと飛び荒ぶ事になった影と影
地を這い、遠き奈落へとその身を向かわせるフェイトから遠ざかるように
「彼女」もまた巨大な影となりて上空を飛ぶ
「――――、」
しかしながらその、威容と呼ぶに相応しい神々しい御姿は成りを潜め
大気を余さず掬い取る様なはばたきにも、力が無い
そも、その背に雄大に抱えていた純白の羽が――片方、ごっそりと抉り裂かれていた
弱々しい嘶きと共に、やっとの思いで宙を翔ける幻想に生ける駿馬
その背には、これまた右半身に見るも無残な傷を負った彼の主の姿があった
「――――、、ペガサス」
奇しくも魔導士を落ちた武者と例えたが、こちらもまた見るからに大概な有様だ
歩兵(飛兵というべきか)と騎兵の違いこそあれ、彼女らは共に戦力の全てを使い果たし
戦場から落ち延びる武者に相違無い
「貴方――どういう、つもりです…?」
駿馬の白い背に背負われ
もたれかかるようにその身を預けていたライダーの口から紡がれる
それは憤怒の色を灯した、懐疑の言葉であった
そう、言うまでもない――
彼女の言葉は、この「不可解」な結果に対してのものに他ならない
共に強大な力を携えた者同士の全力の疾走は返す返すも、術者に生還の余地を残さない
故にそれは力の劣る方がその余波を一身に受け――確実に塵と化すはずであった
間違いなくどちらかが死ぬ勝負であったのだ
だのに双方、こうして生きている
この結果が示す事はもはや一つしかなく、
「……無、様な―――」
引いたのだ――どちらかが
いや、「どちらか」などと遠まわしな言い方はすまい
絶対の自信を以ってAランク宝具を解放した騎兵の方が
正面衝突する筈だった軌道を――外した、、
真芯を外した激突は、どちらか一方に叩き込まれる衝撃を脇に逃がし
辛うじて双方、互いの側面を切り抜ける余裕――隙間を残していた
結果、淀まぬ太刀筋にて真芯を切り抜けたフェイトと異なり
側面を向けた――引いてしまったライダーは
分散した力の余波を側面に貰い、こうして右半身に多大な損傷を負ってしまったのである
「私の真名解放に逆らった―――
違いますね………ペガサス……貴方は、」
だが、いかに幻想種と言えど騎兵の手綱が発動してから抗う事は出来ない
故に、初めから―――
その疾走が始まる前から、彼は全霊をかけて軌道を逸らしていた
結果、その見事な羽は無残に削り取られ
ライダーもすれ違い様に高圧電流の塊のような剣に焼かれ
完全に右半身の感覚を喪失
「く、―――」
今もなお手綱に支配された四肢に逆らうかのように
泡を吹いて全霊で離脱していく天馬
予想だにしなかった事態
全幅の信頼を置いていた使い魔のまさかの裏切りにライダーは動揺を隠せない
英霊としての一騎打ちを挑んでおいて、よりにもよって騎兵が騎馬に裏切られるとは――
この無様な結果は所詮、自分は尋常な果し合いなどをする輩とは程遠い
騎士のような一騎打ちを望めるような者とは一線を画す存在だとでもいうのだろうか?
―― しかし原因は、何となくだが理解している ――
何故そんな光景が幻視されたのか分からないが、、
奇しくも今日と全く同じ状況で
自分はあの光の剣閃に、幾度と無くその身を焼かれ――敗れ去ったのではなかったか?
あの金髪の乙女が極大の剣を構えた時
一瞬だが確かに垣間見た、決定的敗北のデジャビュ
金髪の、、剣士の、、ヒカリノ、剣閃、、
その白昼悪夢の如き既視感を駿馬も共に見ていたのだとしたら――
「―――馬鹿な…」
それこそ愚かなことだった
そんな妄執、振り切って然るべき事だったのに、
確かに決闘とは言ったが自分は下手な博打などを打って酔狂に楽しむ趣味はない
断言する……勝機はこちらにあった
あの剣は確かにデウスの雷撃の如き凄まじいものではあったが
それでも聖剣の一撃には及ばなかった筈だ
我が疾走を真正面から斬って捨てたアレこそは
星の瞬きが生み出した最強の神造兵器の性能と
あのセイバーの凄まじい剣戟が合わさって初めて――
地上に並ぶ者なき古今無双の破壊力を発揮するのだ
対して彼女は生粋の剣士では無かった
多大な深手を負わせてもいた
セイバーのエクスカリバーと同等以上のモノを出せるわけがない
あのまま突っ込んでいれば、、競り負ける要素は皆無だった筈だ
―――ライダーの遠目が、遥か後方を見やる
遠のいていく荒野に、その地に四肢を這わせている相手の姿があった
見る見るうちに遠ざかるその愛しき獲物の姿
今からでも戻って、その首筋に牙を突きたてれば――こちらの勝ち…
だのに今の騎兵には地を駆ける逞しい脚力も
疾走する天馬を御する力も既に残っていない
「無念……という言葉の意味が理解できましたよ
フェイト―――悔しい、結果です」
不条理な結果に歯噛みするライダー
土壇場で臆したペガサスの首筋に、ギリリ、と爪を立てる
皮肉なものである
今世最大の疾走者同士の戦いは寸でのところで――
互いの自己のトラウマを揺り動かす事態となり
苦しくもそれを踏み越えた者と、踏み止まってしまった者の差が勝敗を決める事になったのだから
勝敗の悔しさに身を震わせる
こんな感情は初めての事ではないだろうか?
蛇神の化身は屈辱を決して忘れない
いつか、いつかまた、相見えたその時は――
突き立つ剣のように尖った牙を噛み鳴らせて敗辱に震えるその身を抱く
そんな、今は憤怒と復讐に燃える瞳が、
――― ペガサスは―――臆したのではない ―――
あの騎士王の忌わしき黄金の剣に何度と無く薙ぎ払われたその記憶
黄金の剣には決して勝てないという、既成事実を植えつけられた
主を背に頂いておきながら御身を跡形もなく薙ぎ払われた
己を愛してくれる騎手を討たれた駿馬の無念――
いかほどのものか計り知れるものではない
彼は今わの際に思ったのであろう
次は、絶対に主を守る
あのような危機に決して主を飛び込ませはしない、と
――― この駿馬は、宝具の縛りにすら逆らって……主を守ろうとしたのだという事に ―――
改めて彼女が理解するのは………もう少し後の事である
「帰りましょう……サクラの元に
流石に疲ました」
ともあれこの身は聖杯戦争を戦うサーヴァント
いつまでもこのようなわけの分からない場所にいられる身ではない
まずは主の元に戻らねば――
しかし散々たる有様だ
せめて、この出で立ちだけでもどうにかしないと
あの優しいマスターをいたく心配させてしまう
いやその前に兄の方に不甲斐無い結果を罵倒されまくるのが先だろう…
正直、余裕が無い……
あのキーキー声で罵られるのは今は本気で遠慮したい
「―――、ん……」
頭が、朦朧としている
つくづく相当のダメージを受けてしまったのだろう
司会の先がぼやけて蜃気楼のようになっている
その先、あの山を越えて、林道を下った
ふもとにある町が、深山町だ
ライダーは――――そう信じて、疑わない――――
それは、フェイトとシグナムが超えようとして超えられなかった山
その先に世界を構築していない―――盤上の縁
ゆらゆらと流れる蜃気楼に
まるで夏の虫が飛んで火に入るように近づいていくライダー
「―――ん、く……」
頭痛が酷い
フラッシュバックする視界
ぐらぐらと揺れる意識
突如その身を襲う異変にこめかみを抑えて呻くライダー
―――エキストラは舞台裏を知る必要は無い
一幕限りの脚本を演じ切ったその後に
彼らが再び出番を貰える事は無いのだ
「ソレ」に近づくごとに
事切れる寸前のように、力が抜けていく
だのに「ソレ」から目が離せず
破滅に向かって進んでいくその身を止められない
もはやこの世界にお前は用済みだと言うかのように
ナニカ、巨大なナニカが、があの奥から手招きしているかのようだった
「これは―――一体、」
手招きに抗えずに吸い込まれていく、その肢体を、
―――― 待てっっ!!! ―――
押し留めたのは人の声だった
「駄目だ! そっちへ行くな!!サーヴァント!」
「―――――、」
遥か後方よりかけられた言葉にライダーが振り向くよりも早く
その人影は、大空を滑空する百舌のように大気を切り裂いて
「堕ち往く」筈だった騎兵の前に立ち―――前進を止めていた
「サーヴァント・ライダー…!」
「――――、」
その影――短い髪の、、女?
「黙って私に付いて来て貰う……
お前にはもはや他に選択肢は無い」
深く葛んだ黄金の瞳を向けながら――
彼女――戦闘機人トーレは
ライダーの前に佇み、こう言った
――――――
まるで底の見えぬ渓谷
地獄へ通じているのではと感じさせる、とく深き岸壁は
林道の山頂からふもと――最下層まで無慈悲に落ちゆく奈落であった
その、二人の騎士を飲み込んだ深き深き谷の底
躯二つが転がっている事を容易に想像させる現状
しかして騎士はそのような無様な結果を決して許さない
彼らを死地へと誘うのは奈落ではなく――磨き抜かれた互いの刃のみである
光差さぬ暗澹の中においてさえ
二人の騎士の戦いもまた、その多聞に漏れるものではなく
倒した者と倒された者―――双方の勇姿が、今はっきりとその影を写している
倒した者が倒された者の胸から、深々と突き立った刃
真紅の魔槍を、ゆっくりと引き抜いた
「―――、、」
それは持ち主の手にさしたる手応えも与えず
スルリと――弛緩しきった彼女の肢体から容易く引き抜かれ
四肢をダラリと下げたその相手
烈火の将の身体が今、死の棘の頸木から解き放たれて地面にドサリと横たわる
「詮索の必要も無いか――」
魔人の如き太刀と、竜神の如き炎を駆使する凄まじい剣士であった
だがしかし、その光を失った瞳に、もはや倒すべき敵が映る事は無い
その口が再び、不敵な言葉を紡ぐ事も無いのだ
そう、詮索の必要は無い――
その相手に、、彼女に、、
――― 心臓が、なかった ―――
などという事実を、今更詮索して何になる?
槍は確かに心の臓に「近しき」何かに反応し
切っ先は確実にそれを打ち抜いた
だが流石の槍とて無いものは穿てない
その「ある」と錯覚させる何かに反応し、見事食いついたはいいが
結果として――呪いは不発に終わったと言えよう
だが、ゲイボルグの必殺は呪いを退けたくらいでは終わらない
この槍は体内に突き入れられたが最後
穂先から放たれる棘が内部から全身を貫き
相手の生命力を確実に上回るダメージを与える
――― 殺しに特化した宝具 ―――
サーヴァントですら恐れる、一対一では無敵と称される冥府より齎された槍
その魔手から命を拾う術はやはり無いのだ
「お前の事は忘れねえよ」
短いながらも賞賛と敬意を存分に示した言葉だった
戦士にとって心を通わせた強敵を屠るという事は恋人との死別に同義する
命を賭けて殺し(あいし)合った、物言わぬ躯
それが勝者に与えるのは、もはや哀愁以外には無いだろう
力なく横たわる女剣士の横にその身を投げ出している
白銀のデバイスに、男は無言で目を向ける
<、――――、>
散々、自分を痛めつけ、焼き、窮地に陥れた炎の剣
持ち主の手を離れて地に晒されている魔剣レヴァンティン
その地に打ち捨てられるにはあまりに惜しい名剣の柄を男は無造作に握ると
仰向けに寝かされている騎士の前に突きたてる
それは戦士の葬いだ
どこまでも誇り高い、死ぬまで戦い抜いた証として
己が命の尽きる時まで握り続けた剣こそが――この上ない墓標となろう
踵を返すランサー
炭化した足で一体どうやって立っているのか知る由も無い
だが、短い弔辞を唱えたならば
勝者はすぐに敗者の躯から離れるべきだ
それが勝利を収め、敵の命を奪い生き残った者の、戦士としての礼儀であろうから――
それに、、、
「………何だ?てめえは」
その背後――
岩陰からこちらを見据えて佇むその視線に
男は既に次なる戦意を向けていた
その気配は人間のそれとはナニかが違っていたが
自分に気づかせずにここまで背後に接近を許したのだ
只者ではない
男とて馬鹿ではない
この戦いがもはや聖杯戦争とは違う、何か一線を隔す物だと薄々は感づいている
そしてその影にコソコソと隠れて様子を伺っている輩が、事情を知る者である可能性――決して低くはない
「人の正面に立てぬ以上、俺に仇為す者と見なすが……
出て来ねえなら問答無用で打ち抜かれると知れ――不埒者が!」
先の戦が良い戦いであった事は紛れも無い事実だが
ここに来て男は少々、気が立っていた
己が意識すらまばらな戦で女を討ったという事実は今更ながら気分の良い物ではない
何らかの手の企みであるのなら、その首謀者を即刻引きずり出し
洗いざらい吐かせたい衝動に染まっていたとしても不思議ではないだろう
やがて身を潜ませていた影もこれ以上の隠形を無駄と悟ったのか
決して相手の敵意を刺激しないようにその姿を現した
「―――女、かよ」
またか、と――槍の穂先を向けながら顔をしかめる槍兵
「敵意はありません……槍を下ろして下さい
どの道、貴方は今、私と戦える状態に無い」
「一人殺るのも二人殺るのも――ってのはいい加減、勘弁して欲しいが
取りあえず、試してみるか?」
男の前に現れたのは、薄い紫の長髪の女
特に感情を点さぬ表情の希薄な長身の女性
「戦う気は無いと申しました
ともあれ、お手並み拝見……見事です
サーヴァントランサー、私と共に来て頂きたい」
深々と会釈をする、表情に何ら感情を乗せない
群青のボディスーツに身を包んだ戦闘機人セッテが、
「貴方の知りたい事に答えましょう
貴方の主も、我々の元にいる」
向けられた槍を意にも介さずに――男にそう言った
――――――
――― 動かない ―――
――― 動かない ―――
指の一本までその身体に動力が戻らない
巨大な岩を背に背負わされたように重くなった体を引き摺りながらフェイトは
先の戦いに匹敵するほどの苦難の行脚を強いられる事になった
当然だ
魔力エンプティとはそういうものだ
魔導士が最大のリスクとして常に頭に入れておかねばならないタブー
それを犯したこの体が、今やまともに機能するはずがなかった
自身の燃料を使い果たした身体はガソリンの入らない自動車と同じ
動く道理などあるわけが無い
この場で眠ってしまいたい――
気絶を受け入れればどんなにラクだろう――
そんな弱い心に押し潰されそうになる事もはや数十回を超え
その度に重い瞼を開けて、自身の体に爪を突き立てて意識を残す
「バルディッシュ……」
<............>
「………やって……お願い」
<.........Yes sir>
デバイスに何事かを呟く執務官
瞬間、、バシュン!!!!!!!―――
という何かが破裂したような音が無音の大地に木霊する
「………、ッ」
痙攣するかのようにニ、三度ほど跳ね上がるフェイトの肉体
全身の神経に電気を流し、無理やり活を入れたのだ
ショックで極限まで見開かれた目が、口が
再び強い意志を灯して前方を見据え――
魔導士は黒杖を支えに、その場に立ち上がる
ガソリンの無い車だからと立ち往生して助けが来るのを待っていられる身ではない
エンジンがかからないのなら―――手で押していくしかないのだ
ゆっくりと身体を起こし、歩を進ませるフェイト
たたらを踏みながら一歩、転んで、這って、また一歩
動かぬ四肢を無理やり動かすたびに神経が焼ききれそうになる
拒絶反応を起こし、喉の奥から競り上がってくる何かを必死に堪え
動くなと警鐘を鳴らし続ける脳の司令を無視して彼女は一歩、一歩、進んでいく
やがて眼前に、ついに目的地である崖の姿を見据え
シグナムと槍の男がもつれ合って転落して行った奈落へと、
<.........!!>
寡黙なデバイスが思わず息を呑む(?)のも無視して
闇に続く、ほぼ直角の傾斜を彼女は滑り降りる
自在に重力を制御し、大空を飛び回る空戦魔導士
エレベーターのシャフトすら無傷で滑り降りる事など朝飯前の彼女であったが
今のフェイトの有様は、それは滑り降りるというより――転がり落ちるといった方が正しかった
デバイスが必死に彼女を守る
逐電した予備魔力を呼応させ、せめて主の転落死を防ごうと四苦八苦
朦朧とした意識の中で、身を丸まらせて傾斜を転がっていくその身体
突起に必死に爪を立てて――人差し指と中指の爪がはがれた――底へ、底へとその身を誘わせるフェイト
一心不乱――とはよく言ったものだ
その果てに希望が待っていると信じて
その先に助けを求めている仲間がいると信じて
その果てに――
「…………………」
絶望が待っている事を――
敢えて考えずに………
彼女は――辿り着いた
「………………」
かけがえのない戦友の――
その変わり果てた姿の前に
「………………」
左の胸に大きな穴を明けられ
眠るように息を引き取る、彼女の前に、、
辿り着いて……しまったのだ
気力のみで支えていたその体から何か決定的な力が抜けていく
本当に、身体の芯に眠る全てを使い果たし
呆然と、その場で膝をつき――脱力するように、フェイトはうつ伏せに倒れ付す
放心状態で、次の言葉すら出てこない
倒れ付しながら、、
仰向けに寝かされた彼女の――烈火の将の遺体の
身体の上で組まれた手に、自らの手を伸ばす
――― 冷たい ―――
ぶるぶると振るえる手の平が、騎士の手の甲を握った
その朦朧とした意識が最初に思った感想が、、それ…
確かめるまでもない
亡骸の前に突き立てられた彼女の愛剣レヴァンティンが
もうこの女剣士が自らを振るう事などないのだと如実に物語っていたのだった
一縷の望みに全てを託し、辿り着いたのは――やはり最悪の結果
騎兵の言葉を受けて、その真相に覚悟だけは持っていた
だがそれでも――放心したフェイトの瞳に、その心に
今更くべる火などどこにもありはしない
やがて寒風吹き荒ぶ奈落の底――
誰もいない、何もない
光すら差さぬ地に残された二人、、否、一人
手と手のみを繋いだまま、
フェイトは、頬を泥に塗れさせたまま――
肩を震わせて、泣いた―――
しゃくり上げ、顔をくしゃくしゃにして
声も出さずに、何時までも何時までも――
その声の無い慟哭が、、光挿さぬ渓谷にいつまでも、いつまでも木霊するのであった
――――――
―――そうして、どのくらいの時が立ったのか
やがて涙さえも刈れ果てて
フェイトの肢体からも徐々に体温が失われていく
――― このまま死ぬのかな ―――
ぼんやりと、そんな事を思ってしまう
涙で真っ赤に腫らした目尻を拭う事すら出来ない
そんな体をぼんやりと見つめる魔導士
どうしても再び立ち上がる活力が沸いて来ない
故にゆっくりと、その瞳を―――閉じるフェイト
このまま気を失えば、本当に終わりかも知れない
だけどもう、意識を繋ぎ止めておける原動力が無いのだ
―――少し、眠ろう
涙と絶望に染まった相貌がゆっくりと閉じ
戦友の亡骸に覆い被さるように――肉体が弛緩し、
――― …………………… ごつんッ、
「ッ!!!!」
衝撃にビクン、と――意識を強制覚醒させられた
後頭部を襲った突然の痛みに
魔導士の閉じた眼が一瞬にして開く
緩慢に沈みかけた心身に電流のような衝撃が走る
――― おきろ、、馬鹿……重い ―――
そして、、そして……!
その聞き違いようの無い、声が―――
フェイトの耳の奥にまで浸透した事
――― 隊長、福隊長が揃ってこれでは…… ―――
それを夢うつつの事かも知れないと
恐れ、何度も何度も幻聴を疑い――
頬をずらして声のした方を見ずに
震える唇でその名を呼ぼうとした
でも言葉が出てこない
恐くて、、恐ろしくて、、
これが夢幻ならば、もしそうならば
自分のこの抱いた希望を呪わずにはいられない
だからその手を握る
絡んだ手をぎゅっと、力いっぱい握る
するとそれは弱々しくも、確かに呼応するように握り返してきた
「これでは……エリオやキャロに、示しがつかんだろう……」
続いて聞こえる声を受けた時――
それがはっきりと、鼓膜を揺らした時――
フェイトの感情は………弾け、、制御不能になった
咽ぶ声が、言葉にならない
だというのに、その名を叫びたくて
パクパクと口を開く様が金魚のように滑稽で
もはや溢れ出す感情を抑えられずに
魔導士は再び、下を向いて肩を嗚咽に震わせる
「泣くな……馬鹿、、」
「シ……シ、グナムっっ!!」
再び顔を上げ
今度こそ彼女の――かけがえのない戦友の名前を呼ぶ事ができたフェイト
涙で霞んだ視界の先には……将の厳しくも優しい、あの笑みが――
「シグナムぅっ!!!」
嗚咽が、止まらない
しゃくり上げる姿はもう子供のようで、
しかし恥も外聞も、今の彼女の喜びを阻害する権利は無い
絶望に染まった涙を、拭い去る新たな落涙が――
フェイトのくしゃくしゃに歪んだ歓喜の表情から止め処なく溢れ出すのであった
――――――
それは網の目のように複雑に
幾重にも張られた死の檻を掻い潜るような――生還であったのだろう
必ず心臓を貫く槍はシグナムの左胸……人体における心臓を確かに貫いた
しかし彼女は厳密な意味での内蔵や骨子を持たぬ「プログラム」
故に第一の絶命・破壊される心臓がそもそもなかった
しかし槍が心臓の代わりに彼女の内に狙ったもの
ランサーに 「確かに打ち抜いた」 と錯覚させたものは――シグナムのリンカーコア
彼女が魔力によって生成された魔導プログラムであるのなら、コアを破壊されてしまえばひとたまりも無い
その身はやはり消失せざるを得なかった
だが闇の書が消滅し、夜天の主から切り離された事により
彼女らヴォルケンリッターは人の肉を得るに至る
故に魔力コアの消失が即ち本体の消滅という魔導生命体の頸木から逃れ
謂わばヒトの肉体がシグナムを現世に繋ぎ止める要因となった
そして死神の槍の最後の魔手――「死棘」と呼ばれる内部破壊
それは対象の生命力を残らず奪い去り
それに槍の殺傷力を足したダメージを対象に与える恐ろしいものだ
即ち発動=絶死のニ重苦の最後の関門である
だが今の烈火の将には、奇しくも内にもう一つの命が宿っていた
―――融合デバイス・剣精アギト
この魔導デバイスと命を同じくしたユニゾンによって
彼女は一なる命の頸木からも外れ、槍の棘による殺傷は分散
一人を確実に殺す槍も、二人分の命を吹き消すには至らなかったのである
奇跡――
知る人が知ればまさに奇跡と呼ばずにはいられない生還劇であっただろう
二人があの恐るべき槍の仔細を知るに至り
己が胸に打ち込まれた宝具の恐ろしさに身震いする事になるのは大分、先の事である
「バルディッシュ!」
<...in danger sir>
「いいから…! あとありったけの回復と、カンフルを…」
仲間の生存を確認したのだ
よもやここで倒れてなどいられない
もう一踏ん張りの辛抱だ
再びその体に電気ショックと、ありったけの気付けを処そうとするフェイトを、シグナムが止める
「おい……無理はするな
ここまで来て死なれては適わんぞ」
顔をしかめて、満身創痍をおして立ち上がろうとするフェイトを苦笑交じりに見つめる将
もっとも傷の痛みなど先の絶望の心の痛みに比べれば何でもない
まだ少し目に滲む涙をゴシゴシと拭い去り、フェイトは将に肩を貸して担ぎ上げる
人間の身体とは現金なものだ
病は気からとよく言うが、どん底にたゆたうような現実が期せずして見せてくれた希望は
千年の病を患う者でさえ、踊り出す特効薬に他ならない
「敵がまだいるかも知れない
早く安全な所へ身を隠しましょう」
「私はいい……それよりも、アギトを」
懸命に身を起こそうともがくフェイトを見上げ、騎士は一言、静かにそう紡ぐ
すると弱々しい薄紅の魔力光がシグナムの全身を覆い尽くし、散桜のように飛散
胸の上に、傷つき眠る妖精の少女が現れた
ユニゾンが解けたのだ
主と同じくその身は凄惨な傷に覆われており
四対の羽が、子供に戯れに引き千切られたトンボのもののようにズタボロになっているのが痛々しい
絶命の危機が去ったと安堵するのはまだ早い
フェイトもシグナムも、そしてアギトも早くしかるべき所に移送し
処置を施さねばならない事は明らかだ
こうなると麓まで転がり落ちたのが幸いだった
こんな身体でせこせこと山を越えるなど出来るはずが無い
「恐らく岸壁に沿って歩けばふもとの宿につける筈です」
「無人なのが幸いだったな……ありがたく使わせてもらおう」
かくして―――
ライトニングの二人の山越えから始まった
長い、長い一つの戦いが幕を閉じ、
その登った峠を満身創痍で再び降りる事となったフェイトとシグナム
それは期せずして、決して鳥篭から逃がさないと断ずる
何か巨大な壁に跳ね返されたような錯覚すら二人に感じさせる
恐ろしい敵との邂逅
スカリエッティの動向
仲間の安否
そのどれをも確かめる事叶わずに、
おぼつかない足取りで肩を抱き合いながら歩くシグナムとフェイト
暗雲に覆われし渓谷をもう一度振り返り―――その場を後にする
しかしてその不吉な空が占う二人の運命は――
未だ、、光を示す事は無かった
――――――
ライトニングとサーヴァントの初の邂逅から―――二週間が過ぎた
もっとも日が沈んで再び昇る
それがこの世界でも一日と過程出来るならの話だが
ともあれ、それを14回繰り返した頃、ようやくフェイトはその力を取り戻しつつあった
初めは果物すら満足に握れないほどに減退した身体能力も大半が戻り
肉体の過剰運用の代償である筋肉の蠕動、手足の震えもほぼ無くなった
オーバードライブにも色々種類がある
もしなのはのブラスターのように自身の魔力炉を一点集中させて
体内のコアを異常圧縮させて魔力を叩き出すような真似をすれば恐らくこの程度では済まない
下手をしたら自身の魔導士生命を一瞬で奪い去ってしまう――自己ブーストとはそういう類の技だ
対してフェイトの真ソニックは、制御こそ他の追随を許さぬほどの難易度を誇り
失敗すれば、その稲妻で己を焼く諸刃の剣ではあるが、
制御をミスらない限りは、なのはほどの負担を負う事は無い
二つ以上の高炉の同時展開が、期せずして身体の負担を分散させているのだろう
リンカーコアの異常加熱によるオーバーヒートや総魔力の減少などの後遺症に悩まされないのは彼女にとって大きな強みだった
「………」
対して、シグナムは――あれから目を覚まさない
このホテルにやっとの思いで付いた瞬間、事切れたように気を失ってしまった
そのダメージは本来なら、あの地で意識を取り戻せるようなレベルのものではなかったのだ
だというのに、、
彼女はせめてフェイトの足手纏いにはなるまいと、コワれたソフトを強制起動させた
誇り高い騎士である彼女らしいと言うしかない
正体不明の切り札をその身に受けたシグナムとアギトの傷は遅々として塞がらない
本来ならばとっくに治っても良い筈の傷からさえ未だに血が滲んでくる始末
戻ってきた箱庭の町にて――
パートナーの回復もままならないままにフェイトは立ち往生を余儀なくされていた
出来るだけ高級なホテルに居を移し (無断で拝借し) 騎士の看病をする日が続いた
リネンを使い放題なのが助かる
タオルや包帯などは、いくらあっても足りないのだ
定期的に荒い息を繰り返し、その身を横たえる烈火の将に全盛の力強さは微塵も無い
魔導士もあの戦いで限界を超えた
しかしこの騎士は、更に二段、三段とそのリミットを跨ぎ越していたに違いない
今は当然、とてもじゃないが戦える状態ではなかった
「僥倖……だったのかな…?」
しかし、そう、それは想像できないほどの幸運
―――半ば覚悟はしていたのだ
ここに到着し―――いや、到着するまでの間でもいい
間違いなく敵の第二波に襲われると思っていた
あの謎の怪人の襲撃が言わずもがなスカリエッティの手によるものだとしたら見ての通り、効果的面
あの一戦で、自分らは甚大なダメージを被った
初手としてはこれ以上無い戦果を上げさせられた事は疑うべくも無い
これで第二派に詰められたら、もはやお手上げ
――戦う術は無く、流石のフェイトも敵の刃にかからざるを得なかっただろう
いや、酔狂なスカリエッティの事……
もしかしたら殺さずに捕らえてくるかも知れない
虜囚の辱めを受けるだけでなく、あの狂った科学者の事だ
考えるのもおぞましい仕打ちをこの身に強要してくる事は容易に想像できた
場合によっては自分は――それを甘んじて受けるつもりだったのだ
ただし動けぬシグナムの命を保証する代わりに……
執務官の経験で培った交渉術をフル活用し、どんなに最悪の状況となっても
常に一縷の望みを残せるように状況を組み立てていくつもりだった
―――と、そこまでの悲壮な覚悟の元にシミュレーションを立てていただけに……
ここまで敵の襲撃も何事もなく無事でいられた事に些か拍子抜けせざるを得ない
「………」
―――分からない…
―――つくづく敵の狙いは何だったのか…?
―――あの襲撃の意図するものは…?
―――戦闘機人を遥かに超える、あの凄まじい強さを持った敵の正体は…?
「そろそろ動かないと…」
シグナムの看病の片手間でも良い
そろそろ自分なりに捜査を進めていかないと――
何か……嫌な予感がする
そう思い立った彼女が席を立とうとした時、
「!!? ………何、?」
テーブルが―――コトコトと音を立てて、揺れていた
(……地震?)
身構えるフェイト
その揺れは大地の断層同士が擦れ合って生ずる地殻変動に酷似したもの――
なれど彼女は些かも気を緩めない
この無と化した世界
自分とシグナムしかその影を造らない世界にて
ここでどんな事が起ころうと決して不思議ではないからだ
やがて、
(………違う、、これは?)
ヴヴヴ、――と、
大気を震わす歪な振動をその肌に感じ取り――
棚に置かれた缶詰や食器が軒並み地面に落ちる
この揺れは明らかに地震のそれとは何かが違う…?
これはまるで――
そう、フェイトはこの揺れに見覚えがあった
「バルディッシュ……」
――― 次元振 ―――
そうだ
あの次元と次元の狭間が擦れ合う事によって生じる世界の軋み
管理局が定めた次元災害の中でも最悪レベルの大破壊――次元断層をもたらす
その前触れである揺れ、、
フェイトの背筋を冷たい汗が流れ落ちていく
シグナムは今だ意識不明
そんな彼女を一人にするのは避けたい
襲われたら、、一たまりも無い
しかしもし次元断層が実際に起こるような事があれば――
事はそんなレベルですらなくなる
自分やシグナムがどうとか言う以前に
恐らくは地球を含めたこの次元そのものが壊滅的な被害を受ける
当然、捨て置ける筈がない
「すぐ、戻ります…! どうか…」
今だ己に刻まれた傷と戦っている騎士に謝罪しつつ
意を決したフェイトが部屋を飛び出る
時刻は――夜半
夕闇の帳が下りるビル街は本来ならば
不夜城の如く24時間、人がごった返しているのだろう
だがこの街は、人はおろかネズミ一匹もいはしない
疾走するフェイトの影のみが夜のネオンを遮って奔る
「どこだ…揺れの元は…?」
飛翔するその身体があっという間に
付近で一番高い20階相当のビルの屋上に舞い上がり、
魔力サーチを含めた広域探索を開始
どんな時空の歪みも決して見逃さない…
そんな意思の元に、周囲360度に視界を巡らせた―――
「………………」
そして、
フェイトは、
「あれ、は、…………」
見た、
まずは恐らくは揺れの元
空間を裂いたような、、
それはアルカンシェル――管理局の巡洋艦クラス以上に搭載される最強の殲滅兵器
それに酷似した現象が目視数km先で起こっているのを確認した
数Kmは離れているにも関わらず、余波がこちらに届いている
こちらを飛ばそうと吹き荒んでいるのか
深遠に引き寄せているのかすら分からない
この身を締め付けるような歪な力場にフェイトは身を屈ませる
―― 視線は、その、一点から、離さず、に ――
空間を引き裂くような現象は
まるで空に地割れを作ったかのような威容を見せていた
かなり広域に影響を与えているかのような断層
あの地で一体何が――?
何が起こり、そしてナニが棲んでいるのか
余人には想像も出来ない事だった
「……………」
しかしてフェイトは、その一点から、目を、離さない
否―――ハ・ナ・セ・ナ・イ
その凄まじい時空の歪みに―――
いや、いや違う…
そんなものじゃない
彼女が先ほどから、瞬きすら忘れ
目を見開いて見ているものは、そんな――
――― どうでも良いものではなかった ―――
「………………う、そ、、」
カラン、と、手に持ったデバイスを取り落とす
その目に映っていたもの――
フェイトの思考を余さず占めて占領してしまったもの
それは、なつかしき……
「時の……庭園、、」
彼女の生まれ育った――巨大な移動要塞であった
これでフェイトルート一章終わりです
―――そうだ、、映画舘に行こう
ではまたノシ
ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー
支援
乙でしたー。
フェイトとシグナムもなんとか生存でよかったです。
あと、次元断層に時の庭園…そういえばギルさまにあの人をぶつけようとスカは言っていたけど…もしや?
色々と予感を想起させる引きです。
楽しみに次回を待たせていただきます。
イヤッホーイ、規制解除!記念カキコにGJ!双方、痛み分けに終わったか……そしてこのタイミングで出た時の庭園にビックリ。次はママンの出番ですか?
乙!
最低でもシグナムとライダーの二人はお亡くなりになるものと予想してたんですが、そう来たか
今回も面白かったです
終わってみると実にあっけない
宝具出してから即決着とは、やはり理不尽な存在だなぁ
欲を言うと…
フェイトはベルレに対してプラズマザンバーブレイカーを使うと思ってたんですが、うーん
最後くらいは出し惜しみ無しにしてほしかった。決着にしては些か派手さに欠けるな…と
それと、レイハと違ってバルディッシュはフェイトの身体を気遣って出力を抑えたりしているので、そのへんの説明が欲しかったです
プラズマザンバーは溜めがいるからな
最後の戦闘はもう超速のレベルだからそんな暇すら無かったんじゃないか?
あるいはオーバードライブ制御に加えて最大の砲撃撃つ余裕がもうなかったか
乙
プラズマザンバーはバルディッシュザンバーでの技なんだがライオットモードで出せるのかね
フェイトはただでさえ形状多くてその形状から出せる技も決まってるし微妙じゃね?
しかし一章がSLBとエクスカリバーの激突で二章がそれにブチ潰された者同士の戦いとは何という宿縁w
シグナムのゲイボルグ生存過程はなるほどと思った
シグナムって基本的に運はそういい方じゃないし幸運で避けるのは不可能だからな
>>646 出す暇がなかったかなーとは思ったんだけどね。それならそれで一言欲しかった…というのは流石に口煩すぎか
>>647 出せるかわからない一期のシーリングフォームを出したわけだからね。形状どうこうを気にするのは今更だと思うんだ
フェイトさん、SLBがトラウマとか言ってるけど、あなた番外編の釣堀で、なのはからならSLBもご褒美って言ってたじゃないかよぅww
番外編のキャラは総じてネタまみれだから比較にいれちゃだめだろw
アレは本編よりこのスレのネタのが成分多いから信じちゃいかんw
>>645 宝具>英霊と本編でも言ってるけど、単純な性能ならそこまで脅威じゃないと思ってる
ただ本人にとって必殺技であるということが気合・精度的に強さの根底にある気がする
平均的といわれる火力系Bランク宝具でも必殺の意があればより高級の宝具より高い成果を出し得るみたいな
>>641 GJ!
アギトのことすっかり忘れてた・・・
ついでに治癒阻害のことも忘れてた(これも普通は絶死の関門では?)
フェイトVSライダーは勇気による判定一本といったところか
ぺガサスがここまでやったSSがかつてあったろうか?いや、ない
ただ一人戦場に残ったフェイトの目の前に現れた時の庭園
リリブラさんもほんとに不思議な舞台を考えたもんだ
おっと、リリブラ氏へのGJを忘れてたぜ。
相変わらず燃えるバトルでした。
でもいい加減、死人だしてもいいんじゃないだろうか。
散様さえ美しければそのキャラは映えるもんだしさ。
例:なのポマテリアル
『星光の殲滅者』
ああ……。
私は、消えるのですね……。
なに、強い戦士と戦って敗れたのです。
生まれた甲斐はありましたとも。
もし
次に見える事があれば、
今度はきっと
決して砕け得ぬ力をこの手にして、
あなたと戦いたいと思います。
次に私と戦うまで、
あなたの道が、勝利に彩られますように。
それでは……さらばです。
『雷神の襲撃者』
い!!
なんてこった、ここまでかッ!?
ええと、
や、闇は何度でも蘇るぞ!
僕も王への道を諦めたわけじゃない!
いずれ、またきっと!
それから、えーと、えーとッ!
あーー!
『闇統べる王』
ぐぅ……
そ……そんな…ッ……。
ぐぅう……ッ…
あと少し…あと少しで、
決して砕け得ぬ力を…手にできたものを……。
ぐ…うああぁああ〜〜〜ッ!!
星光以外自重しろw
>>652 何それ見てぇwSS書いてくれ
正直、マテリアルは三人ともネタとしか思ってなかったんだが…星光たんかっこいいな
早くPSP買おう
SSって平均で大体何文字くらいなんかね?
その場その人によるんじゃない?
まあここじゃ昨日投稿された作家さんがべらぼうに引き上げてるのは間違いないがw
解けたと思ったらまた規制
この地獄は一体いつまで続くんだ…
>>652 いざ死人出したりするとバトルの勝敗以上に荒れそうだ
鯖やヴォルケンは何となく受け入れられるが、なのはとかフェイトが惨死するとやはり来るものがある
659 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/28(木) 15:28:04 ID:jycT+feN
>>657 その気持ちはわかる
でも少しくらいは脱落者が出た方が…とは俺も思う
やっぱり緊張感が全然違ってくるしね
今死ななくても今後死亡するキャラというのはいそうだけど
ただ、好きなキャラが退場者しなくて良かったとは思うし、ライダーやランサーが他のなのはキャラと絡む可能性が出来たのは嬉しい
難しいとこだな
死ねばいいってもんでもなかろう
どう見てもまだ後で出番ありそうな流れなんだし
なのはにナデシコのダイゴウジガイみたいな死に方させてみたらどうなるか
死んだら敵側のそっくりさんが出てくるのかよ!
って、規制がとけられたか!
長かった!
とりあえず、投下した皆さん乙!
そういう意味じゃマテリアルズはいい素材かもなあ
ギルガメ並みに最終的には倒されるのが役目みたいなもんだし
なんか後腐れもさっぱりさせられそうだし
雷光が出てきた瞬間シリアス崩壊しそうだけどなw
闇はむしろ倒される悪役ポジ合いすぎるけど
Fate勢は本編の影響もあって、この死に方なら許せる、というものがあると思う。
ライダーならFateルート、ランサーならUBWルートとか。リリカルにはそれが無いからな許せないのだろうか?
いや、自分は許せる
ただ、死ぬこと前提で戦ってる作品じゃないのが共通認識部分であるんだと思う
死ぬのに理由が要る作品と要らない作品というか
読者が望んでないというより、作者が死を想定するのに一段ハードルがある感じ
SSなら理不尽すぎる死亡もありっちゃありだと思うけれど
さらに望まぬ裏切りとか記憶操作とかまで進んで……ウヒヒ
リリカルなのはで一番難しいのはデバイス破壊だと思うんですよ?
>>667 ロボットアニメで変形中に攻撃するようなもので一種のタブーなんだよなあ
それにそれをやると基本的に空中戦が主体だから地面に真っ赤な花が咲くし
>668
大体のキャラなら自力で飛行とか出来そうですが。
ヴォルケンリッターやユニゾンデバイスのような存在がいるので、ルールブレイカーやゲイジャルクは禁じ手になるでしょうか。
>>669 リリカル世界は基本デバイスがないと魔法が使えなかったと思うんだが
完了したプログラム的にジャルクは問題ないんじゃね
魔力を絶つのも穂先&接触時だけだし
ルールブレイカーは問答無用だが、あれを発動して刺せるくらいなら……という面もある
>>670 ユーノやザフィーラはデバイスなしだったと思うけど……
>>670 運用そのものにデバイスは要らない
ユーノやザフィーラ、アルフはデバイスを使ってないし、
ヴィヴィオもSSXで検索やるときはまだデバイスの無い状態だった
有った方が手順の省略なんかが出来るのは間違いないけどね
fate extraに言峰がいることが確定(ファミ通参照)
藤ねぇもいるし、探せばマキジとかもいるかもな
あと今回はマスターは全部で128人いるらしい(内何人が実際に登場するかは不明)
ゲームの内容はともかくSS書くのに便利な世界観ではある気がしてきた
リリブラ氏乙です
時の庭園が出るってことはギル様とあの人をぶつけるってことなのでしょうか
そしたらギルガメッシゅルート?
あの人、乗り込んで来た魔導士にアルクェイド投げかましててワロタ
ファンの中で密かに囁かれてた、シリーズ最強は病に犯されてないプレシアって説が出るのも分かる
トキかよw
リリブラのランサーはあのままドクター陣営に突いてくのかな
>>675 本編の戦い方は本来のスタイルじゃないんだっけ?
しかも病気で弱体化してるとなると…
「プレシアは死にかけの状態だったから次元間攻撃魔法(?)が使えたのかも」
みたいなことも何かに書かれてた気がする
いい加減な知識で悪いけど
確かにあったね
ジョインジョインプレシアァ
プレシア「せめて痛みを知ってから安らかに死ぬがよい……」
メディア「させるか!コルキス神拳!」
なのは「これが“天地魔闘の構え”だ」
ヘラクレス「ギリシャ闘士に同じ技は二度通用しない。これはもはや常識」
アルク「真祖玉ー!!」
>>676 テロリストの仲間入り+言峰&スカのパシリとか
五次以上の惨事じゃねーかw
兄貴の明日は・・
>>682 あの状況だとランサーがついてくかはわからないんじゃないか
黒幕見たさに行くかもしれないが、拒絶するかもしれない
ランサーがいかにボロボロでも、下手にゲイボルクの情報があるせいでセッテが強く出られなさそう
行くならチンク虐めの機会も半減するんだが
このあとランサーがスカ陣営に来た場合、チンクと気が合いそうだな
言峰にイジメられた気苦労を持つもの同士だしw
そういえば兄貴って料理できたっけ?
できればチンクの負担が減りそうだし、仮にセイバーがスカさんのとこに顔を出したとき食の面では多少はマシになりそうw
じゃあチンクはホットドッグを用意しないと
例えドクターがランサーの武勇伝(特に女性問題)を教えていたとしても、ナンバーズの情操教育はどこかおかしいのでランサーがいることで発生する可能性のある(貞操の)危機をどれだけ理解しているのかが問題かと。
スカ博士にとっては危機どころか僥倖だろう
つーかシグナムはどうするんだろ
瀕死のまま放置プレイが続きそうだが
ゲイボルクの呪いは槍折ったら消えるのかな?
>>681 ヘラクレスだけはガチだから困るw
>>687 ランサーが特定の子とくっつきそうになる=どっちかが死ぬフラグに思えてならんなあ。
4次も5次も、ランサー女運悪すぎる。
そういやシグナムが昏睡状態のままなのは、ゲイボルグの呪いのせいなんだろうな、やっぱ
兄貴は説得さえ上手くいけばスカ陣営に加わる確率が1番高そうだけど、仇敵というべき言峰がいるからなぁ…
スカさんとの相性も性格的に合いそうにないし、交渉はナンバーズが頑張るしかないか?
>>691 >ランサーが特定の子とくっつきそうになる=どっちかが死ぬフラグに思えてならんなあ。
おい、やめろ。
このスレのSSで何回なのはさんがランサーとキスしてると思ってんだ。
>>693 >兄貴は説得さえ上手くいけばスカ陣営に加わる確率が1番高そう
なんでそうなる?
むしろランサーは一番陣営しにくい気がする
でもシグナム他が生きてるのを知ったらまた戦う為に敵に回ると考えると可能性はむしろ高いかも
697 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2010/01/30(土) 23:27:28 ID:N3WG+0Bk
疑問に思ったんですが、リンカーコアって破壊されても回復するものなんでしょうか?
うろ覚えですが、闇の書の蒐集の時は、一時的に縮小しただけの場合や
書に取り込まれてたのを分離させたりで戻っていたと思うんですけど。
破壊レベルまでいったら普通は直らない
と思ったがバグを内包したプログラム生命体に特殊な舞台装置だ
あのチェス盤ロストロギアの上ならどんな展開だろうと起きそうだな
vivid時のミッドじゃストライクアーツ流行ってるらしいが
あれって試合組むときは魔力とか判定して階級とか分けるんだろうか
さすがにミッド人が身体強化なしに水面爆裂させられるような超人類種てことはないと思うんだが
そういえば、vividのなのはさん、すっかりタフになってたなあ。
やはり訓練の賜物なんだろうか。
それでもやはり高町一族の血なんだろうかw
十年以上、戦う以外の事やって来なかったんだぜ
なのはさん既に影技のスカーフェイスみたいなポジに収まりつつあるな
>>697 なのはやフェイトは根っこから抜き取られても回復してたが、どうだろうね
型月の魔術回路は肉体と魂を繋ぐ道で壊れれば失われるそうですが、リンカーコアは生きていれば回復できる種類の物だとか?
なのは「我が魔法は無敵なの。我が砲撃にかなう者無し。我が魔砲は無敵なの」
深夜のひとときに何をしているんだ2人きりで
そうだそうだ
士郎なんか土蔵に毎晩籠って一人で死ぬほどハアハアしてたってのに
>>706 訓練をハァハァと言い換えるとはなんという上級者w
ドラゴンボールに代表される修行路線は退廃した!
最近のアニメは濃厚な修行シーンがないのに、簡単に強くなる
やっぱり、修行で死にかけたり、腕が一本犠牲になったり、火の中に飛び込んだり、
血尿をだしたり、修行の最中に仲間が死亡確認されたりといったことは必須だろ!?
ランサー「俺のマスターは死んだ。ナノハとの訓練(おはなし)でバゼットは死んだ!」
餡李磨油「死亡確認!!」
バゼット「死ぬかと思いました」
>>708 つNARUTO
作品のテーマにもよるんじゃないか?
ドラゴンボールと違ってリリカルなのははバトルがメインじゃないしな
個人的にはStSでやっとバトルものらしくなったな、という感じだ
それとViVidは修業分がかなり強くなると思う
ネギまあたりも修行はしてるがさらっとその辺流してるな
なのは「考え無しに無茶しても何にもならないよ」
ティアナ「貴方の言う科学的なトレーニングでは辿り着けぬ境地がある」
なのは「所詮、巨凶・高町の血の前では無力なの」
考え無しの修業……
『やせいのげんそうしゅ』を倒したり、動くジャングルに突っ込んだり、弾幕に吹っ飛ばされたり、うっかり世界移動されたり、執事になったりのことかー!!
ティアナさんが劇的ビフォーアフターなってまうでしょう?
5分後に『ネコ歩く◆FGW6MOBt6c』氏の代理投下はいりまーす
100万ヒットまでに新作を出すといったな、ありゃ嘘だ
相も変わらず規制が抜けないですがネコ歩く投下します。どなたか代理投下をお願いします。
あと投下の度に鳥が変わっていますが自分のパソコン及び自分の知識のへっぽこぶりのせいで何度も何度も失っている故の結果です。
とてつもなく申し訳ありません(泣
その国は、あらゆる意味で異質だった。
何がといわれれば、まずは風景だろう。
血と形容するには鮮烈さが足りないがその空は赤く染まり、
どんな世界の住人であれ異常と思えるものであろう。
次にと問われれば、その成り立ちであろう。
世界の成り立ちを明確に証明できるほど人はいまだ高みには達していない。
だが神という唯一の絶対たる存在が数々の世界を創造したと仮定するのならば、
そこは神の思惑をも超えたところより顕れ、
ついには神すらも手がつけられぬとさじを投げたような場所であった。
最後にと聞かれれば、それは住人だろう。
国とはようは人の集まりだ。
どれほど発展し、巨大な街があろうとも、人がいなければそれは廃墟だ。
人がいて、やがて群れをなし、筆頭となる人物を定めてはじめて国となる。
国に住まう住人、場所の気候、資源、諸々の要素によって国の特色が出る。
そしてその国の住人は、やはり異質だった。
全長が異質だった。体型が異質だった。能力が異質だった。性格が異質だった。生態が異質だった。
まるで世界のありとあらゆる「異」なるものを凝縮して生まれたような生命だった。
そもそも生物なのかが疑わしかった。
そんな異質な住人が住まう国の出来などいうまでもない。
ようするに、この国はとてつもなく異質なのだ。
■―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
異質な赤い空に光る蒼いほうき星。空を直進し、曲がり、自在に動くさまは飛行機の演武のよう。
流星の周りには光が明滅している。まるで星を彩るように。銃器とミサイルのデコレーションを付けている。
疾る流星の正体は魔の力を纏い鋼鉄の騎馬を駆る1人の少女。
彩りを飾るのは鋼のボディに乙女のハートを備える一機のメイドロボ。
この異質の地においてなお異質な招かれざるものたち。2人の出遭いが織りなす出来事はやはり異質か、それすら越えた領域か。
知る者は、いまだ現れず。
ネコ歩く:04 唸る鉄拳!飛び出すビーム!あえてジェット・邂逅編
困惑―――現在のスバルの心境を端的に表すならその一言がもっとも適っていた。
ここにいること自体の事態でも混乱しているというのにさらに謎のメイドさんに銃をぶちかまされている。
まだまだ実戦経験が浅いスバルには、いや例え歴戦の経験豊富な魔導士といえども
この状況を冷静に観察できるものだろうか。
だがそれでも不意打ちのロケットランチャーに対し瞬時にウイングロードを展開し回避できたのは
芽吹き出した魔導士としての才能、身体に染みつきはじめた攻撃への条件反射ゆえ。
攻撃を受けてから瞬時に頭を戦闘に切り替え今も絶え間なく続く弾雨を防ぎ切っている。
少女の手に持たれているサブマシンガンが火を吹く。被弾すれば人の体など容易く貫通する威力と速度、
だがいずれもスバルの体を捉えることにはならない。
その名の通りに音速の領域に足を踏み入らんとするマッハキャリバーの前に、
放たれた銃弾はただ蒼い残像を抜けるだけだ。
仮に被弾したとしても、魔導士が身に纏う防護服―――バリアジャケットを貫くには至らない。
魔力で構成されたそれは、見た目よりも遥かに高い防御性能を持つ。
服だけではなく術者の全身を覆っており、空海中を問わずして行動することができる。
強度や性能は術者も魔力量、戦闘スタイルによって分かれる。
例えば砲撃戦を専門としてる高町なのはは防御性を高め移動砲台とすら形容される程堅牢であり、
逆に高速機動戦に重きを置いているフェイトは若干装甲が薄めだがその瞬速を存分に生かせる機動性を誇る。
スバルのバリアジャケットは出力と装甲を併せ持つ、師のなのはにも似た意向、
魔力も意志も込められてない豆鉄砲程度ではその肌血に染めることは出来はしない―――!
「ピピ―――小火器デハ火力不足、重火器ノ使用ヲ申請」
それを知ってか知らずか、銃を捨てた少女は、
まるでそこにあったかのような自然さでロケットランチャーを構え、黒い銃身をスバルへと向ける。
見れば、捨てられた銃も姿が消えていく。魔法に依らない転移装置だろうか。
考察するスバルを尻目に、再び放たれる砲弾。
ロックオン機能により標的を違うことなくスバル目掛けて突き進んでいる。
威力は先程確認済みだ。大地を穿つほどの火力、直撃すればバリアジャケットの上でもただでは済まない。
選ぶは迎撃。右腕を引き、魔力を滾らせる。
「リボルバー……シュート!」
思い切り振り抜いた拳の先を、蒼い衝撃波が征く。進路は当然、迫りくる黒弾。
蒼と黒が触れ合うのも一瞬、空を爆炎が包み、メイドの視界を覆う。
常人には目くらましとして機能するそれも機械にとっては意味を成さないのか。
螺旋を巻く翡翠の瞳は黒煙に紛れて地上に降りた蒼星を見逃さなかった。
やがて煙も晴れ、やはりそこにいたスバル。白い服には煤一つ汚れもなくいまだ健在だ。
初の邂逅と同じ目線にて、改めて少女たちは対峙する。
「白兵戦、用―――」
「待って下さい!!」
遠距離での銃撃は効果なしと見たか、少女が近接戦闘に踏み切ろうとしたのと、
スバルが戦闘を止めようと声を上げたのはほぼ同時。
出鼻を挫かれた形になり、一端機械の少女の動きが止まる。
「時空管理局機動六課、スバル・ナカジマです!こちらに戦う意思はありません、武装を解いて下さい!!」
今一度説得を試みるスバル。この状況は彼女にとってまったく望ましくない事態だ。
この場で戦わなければならない理由を自身は持ち合わせていない。
訳も分からないまま戦闘行為に及ぶのは管理局の魔導士として、
何よりスバル・ナカジマ個人としても受けいられるものではなかった。
だからこうして言葉を投げかける。名を、身分を明かす。
侵入者という物言いといい、有無を言わせずこちらに砲撃をしてきたことといい、
この世界は何やら緊張した事態にあるのかもしれない。
管理局の名を出した以上、あちらも少しは落ち着いてくれるだろう。
少なくとも自分に戦いの意思がないことを示さねばならない。
「オ断リシマス。侵入者ニハモレナク強制退去(オモテナシ)ヲ行ウヨウ、マスターヨリ命令サレテオリマス」
返答は変わらず。相手はあくまで徹底抗戦の構えを崩さない。人のものとは違う、冷えた声で拒否を告げる。
スバルが出会い、拳を交えた戦闘機人は、人体への機械の移植の拒絶反応を防ぐために
「人体を拒絶反応を起こさないように調整した」倫理など投げ捨てるものとするような存在であるが、
それでもベースとなるのは人間、一つの生命なのだ。
だが目の前の少女はそれとは別種だ。そもそも初登場の時点で「変形」をしたものが生命の範疇に収まるかが疑問だし、
人間を人間たらしめる要素、すなわち「感情」をまったく感じられない。
スカリエッティ一味の扱うポッド状の量産兵器、ガジェットドローンと相対してるような感覚だった。
「……っ駄目です!私たちが戦う理由なんてないんです!お願いします、話を聞いて下さい!!」
だからといってスバルも引き下がらない。ここで流されたら絶対に後悔する結果になると、自分の芯の部分が強く叫んでいる。
「―――――――――」
スバルの懇願に一時動きを止めるメイドロボ。しばらくぶりに当たりが静寂に包まれる。
短くも長い沈黙の後、
「―――了解シマシタ。一時戦闘行為ヲ中止シマス」
スバルの言葉が届いたのか、はたまた別の要因か、手に握られていた剣の柄のようなものをしまい込み、停戦を申し入れるメカメイド。
「あ、有難うございます!えっと、あなたは……」
話を聞いてくれると分かってひとまずの休戦に安堵するスバル。
近づこうとしてまだ目の前の少女に名前を聞いてないことを思い出す。
「申レ遅レマシタ。私、遠野インダストリアル開発、ドクターアンバー主任、愉快型都市制圧兵器
メカヒスイト申シマス。以後、オ見知リ置キヲ」
ロングのスカートをつまんで丁寧なお辞儀をするメカメイド。
初対面の相手にも、いや初対面だからこその律儀な態度は成程メイドの名に恥じぬ対応だ。
メイドなどテレビか漫画くらいでしか見たことのないスバルがメイドの何たるかなど知る由もないことだが。
「あ、ご丁寧にどうも…………………………………………って制圧!!?」
やや間を置いて聞き流せない発言に気づき身を強張らせるスバル。今し方襲われた手前自然構えを取ってしまう。
「ゴ安心下サイ。現在制圧プログラムハ停止中デス。今ノ私ハシガナイ一メイドロボニ過ギマセン。
―――オ客様次第デハ再起動ノ準備モアリマスガ」
「………っ」
それが冗談でも脅しでもなく単なる事実であると、
害を為すようなら躊躇なく撃つといっていることにスバルは息を呑む。
自分の行動如何では戦闘も起こり得る。自身にかかった責任を重く感じ、冷静さを取り戻す。
「……それじゃあメカヒスイさん、質問ですけどここは一体何処ですか?」
「ココハパチネコラシキ濡レタ雑巾以下ノ造形物ガ息ヅク地ノ獄(ヒトヤ)、
悪夢巣クウ地下王国、グレートキャッツビレッジ跡地デス」
……なんだろう、途中とびっきり悪意に満ちた言葉が吐かれていた気がする。
声に高低差がない分その部分だけ目立って聞こえる。
「…………はあ……そう……ですか」
(グレートキャッツ……猫が住んでる世界?っていうか楽園なのに地の獄(ごく)で悪夢?
でも跡地って……)
何やら矛盾した言葉だが何故だか妙な説得力を感じる。どうにも、反論しがたい威圧感というか、
現実味が帯びてるというか。
ツッコミ所に溢れた真偽はどうあれスバルには聞き覚えのない名前だった。
地下王国、ということは1世界の限定的な地区の名だろうか。
「失礼デスガ、スバルサマハドンナゴ要デコチラニ越シニナラレタノデショウカ」
頭を捻っているスバルに鋼鉄メイド―――メカヒスイが質問を返す。
「それは―――私にもよく分からないんです。パンダを追っていたらいつの間にかここにいたんです。
どうしてこんな所に来たのか、どうやって元の場所に戻るのかも分からなくて……」
何故自分がここに来たのか、それはむしろスバルが聞きたい位だ。
転移魔法とも次元震による漂流とも違う。原因など、いくら考えても皆目見当もつかない。
「―――ソウデスカ。ソレハ、災難デシタネ」
「はい―――あの、管理局と通信って取れますか?そうすれば何とかなるんですけど……」
とはいえいつまでも悩んではいられない。
目の前のメカの無駄なハイテクぶりから見れば科学技術は相当進んでいることが分かる。
それならば他世界の、特に管理局との通信手段も持ってるかもしれないと望みを掛ける。
「―――最近簡易型ノ転移装置ガ完成シマシタノデ元ノ座標ヲ特定シテモラエバ通信ガ通ル可能性ハアリマス。
デスガ、全テノ行動ノ決定権ハマスターニアリマス。私個人デハ判断シカネルケースノ為、
申シ訳アリマセンガ、スバル様ニハ城マデオ越シ願イシタイノデスガヨロシイデショウカ」
城、というのは遠くにそびえ立つあれのことだろうか。確かにいかにも拠点って感じがする。
いずれにせよスバルに拒む理由などなかった。
「いえ、全然いいですよそれ位、押し掛けてきたのは私なんですし。
むしろ私の方からもお願いします」
意図してないとはいえ許可なく侵入してしまったのは自分だ。
お願いするというのならむしろ自分の方なのだ。
見ず知らずの突然の訪問者にも丁寧に対応してくれる事も含めて、深々と頭を下げる。
「――――――ドウカ頭ヲオ上ゲ下サイ。メイドガオ客様ニ例ヲ尽クスコトハ当然ノ事ナノデスカラ」
そんな行動を前にメカヒスイは、いつもと変わらず、けれど少し困ったような表情でスバルを止める。
それを目にしたスバルは、やはり変わらない笑顔で、
「それじゃあ改めて。よろしくお願いします、メカヒスイさん」
「―――カシコマリマシタ。ソレデハ城ヲオ連レシマス」
そう言って、後ろに直り移動を開始するメカヒスイ。……なにか今、変な違和感があったが気のせいだろう。
踵から出たローラーで走行する後姿を見てスバルは率直な感想を口にした。
「……メイドさんってすごいなぁ」
甚だしい勘違いにツッコミを入れられる人材は、残念ながらこの場にいなかった。
◇―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
所は変わってここは暗い路地裏。陽の光も遮られる人口の樹林。
整備など行き届くわけもなく、人が賑わう道理もなし。
打ち捨てられた投棄物は異臭を醸し出し、さながらそこは獣の腸、異界のよう。
どれほど科学が発展を遂げようと、魔法が知れ渡り広まろうとも、
大きな街というものにはこのような吐き溜めの場所が必ず生まれる。
そんな歴史の漂着地に居を構える者など浮浪者か表に出る顔を持たない者かよほどの変人だが、
そこにいる少女はそのどれとも違っていた。
左右に留めた橙色の髪も、瑞々しさに溢れる肌と肢体も、
肩と腿を曝け出した汚れ一つない服もこの場とはまるで無縁の身なりで、だからこそひどく目立っていた。
「……どう?見つかった、クロスミラージュ?」
≪いえ。スバル・ナカジマ、マッハキャリバー、共に反応感知出来ません≫
「っの……!どこ行ったってのよあのバカは……っ!」
苦虫を潰したような表情、とはこのことか。焦燥した心持ちでティアナ・ランスターは路地裏を彷徨っていた。
現地の局員も到着し、市民の困難が治まっていくのを確認した後、
先んじて犯人を追跡しに行ったスバルと合流するため彼女の魔力反応を頼りに進んでいた。
だが今は当てもなく入り組んだ迷路を右往左往している。
理由は一つ、スバルの魔力反応が急に途切れたからだ。
弱まったのでもなく、何の脈絡もなく消え去ったというのは通常考えられない事態だ。
考えられるとすれば理由は二つ。一つは転送魔法にてどこかへ飛ばされたこと。
だが他者の転送魔法は自身だけが移動するものとは難易度が桁違いだ。
そもそも対象を強制的に転送させるなど本来の使い方と大きく脱している。
それだけの使い手だとすれば一応の辻褄は合うが、それでも矛盾を複数孕んでいる。
そして二つ目は―――対象が物理的に跡形もなく消滅したということ。
それこそありえない事だ。周囲にスバル以外の魔力反応は感じられない。
魔力を伴わない質量兵器の類だとしても、何の痕跡も残さず実行出来るとは思えない。
だがそれでも―――スバルの強さを知り、ありえない可能性とした上で最悪のケースを頭に置いていなければいけない。
いずれにせよ緊急の事態に変わりはない。ティアナの思考は既に「戦闘」のそれに切り替わっていた。
既にバリアジャケットは展開済み、銃型のデバイス、クロスミラージュも二丁両手に握られている。
急ぎながら、だが警戒を怠らずに周囲を探るティアナ。そうして研ぎ澄ました感覚が、
―――コンクリートの木々を掻い潜る影を捉えた。
「――――――そこっ!!」
声とともに過たず放たれる橙色の銃弾。行き先は背後の右斜め、人の姿も影もないあらぬ方向。
そこに待っていたとばかりに白と黒の巨体―――パンダの着ぐるみが飛び込んできた。
無論2人(?)の間に打ち合わせなどあろう筈もない。
通路に潜む気配の動きを先読みし、角から姿を現すタイミングをこちらが見計らって引き金を絞ったに過ぎない。
簡単な説明だが決して容易い行いなどではない。正確に撃ちだす技術はもとより、
相手の出方を想定する戦術眼、思考から速やかに体を稼働させる反応速度、
軽く出しただけでもこれだけの要素を持ち合わせねば可能ではない芸当。
突出した才を持たぬとされる少女が挫折と努力との果てに得た技術だ。
完全に慮外の不意打ちであるはずの光弾を、だが巨体は左の腕で思い切り弾き飛ばす。
非殺傷性とはいえ当たれば昏倒させるだけの重みを持つシュートバレットを、
まるでテニスボールのように着ぐるみがいなす様は、畏怖と滑稽が入り混じった奇妙な感覚を覚える。
しかしその結果として、勢いをスフィアを弾く分に持っていかれ減速、
白黒の着ぐるみは地に落ちることとなった。
元よりティアナは直撃など期待していない。撃った目的は牽制、動きを止めさせることが重要だ。
より研磨すれば正確に当てられただろうが今の自分ではこれ位が限度だ。
「―――止まりなさい」
次の訓練の指標は後回しだ。今行うべきは犯罪者の確保にある。
銃を構え、佇む着ぐるみの前に向き直る。
犯罪者とはいえ無闇に撃つ気はない。それに聞きたいことも多々ある。
犯人を追跡する中でスバルは消息を消した。ならば目の前のモノが関わっていると考えるのが自然だ。
「時空管理局よ。貴方を暴行の現行犯で逮捕するわ。おとなしく捕まるのなら危害は加えません。
それと貴方を追っていたはずの局員をどこにやったかも答えて―――」
言い終えるより前に、丸い拳が腹へと吸い込まれていった。
「―――問答無用って訳ね」
「―――――――――」
だが、拳は届かず、通過点に交差された双銃に阻まれていた。
白昼堂々に犯行に及んだ時点である程度に危険なことは分かっていた。
いつ向かって来ても良いようにクロスミラージュを構えていたのだが、ここまで躊躇なしとは思わなかった。
どうやら想像以上に、このケモノは獰猛らしい。
こうなるともう選択の余地はない。早急にこの猛獣を鎮める必要がある。これ以上他の人間に噛みつかないように。
「それならこっちも力づくで黙らせてもらうわ!」
両手の銃口が、唸りを上げて光を灯す。だがそこから弾が出ることはない。
インファイトに於いて銃は手を塞ぐ枷となりがちだ。
引き金に指をかけ、絞る。それだけの動作で人を殺める銃という兵器だが、
拳が届く程の距離ではその数瞬が致命的な隙となる。
ましてや今は顔が触れるほどのゼロレンジ、おまけに銃身を防御に添えている状態だ。
だが魔導と機械の結晶たるインテリジェントデバイス。
ティアナ・ランスター唯一人のため造み出されたクロスミラージュは弾を撃ちだすだけの銃とは訳が違う。
≪Twin Dagger ≫
低く、意思のある声が銃より響く。刹那、先端より魔力で形成された刃が現われる。
光は銃身からグリップにかけて半円の形状まで伸び、そこからも薔薇の棘が如く幾多の尖りが生えてくる。
ダガーモードへと変形を終えたクロスミラージュ。その光刃は受け止めていた黒い腕へ侵食を開始していた。
「―――――――――」
ブスブスと、煙と綿が燃える匂いを出しながらも、パンダは引く気配を見せない。
むしろより深く、腕を突き出してくる。
「―――っせぇいっ!」
両手を思い切り振り切るティアナ。短刀程の長さの魔力刃でもこの密着状態なら胴まで届く。
だが着ぐるみはそれを読んだか後方に飛び退く。ずんぐりとした胴を刃が掠めるが、大した効果はない。
回避が完了し足に地が付くや否や再度飛び込みにかかる。まるで数秒前の焼き直し。
ただ以前と違う点は、標的は両の腕を左右に広げ、足は強く前へ踏み出していること。
回避も防御も望めない攻防の間隙を突く一撃。貪欲でありながらその手際は俊敏かつ狡猾。
ヒトの虚を突くことに特化した動きで、獣はまた一匹獲物へと牙を立てた。
ただのヒトであれば、立てられたはずだった。
着ぐるみの視界に浮かぶのは橙色の球。魔力スフィアと呼ばれるそれが3つ、高速で自分へ向かっている。
それを見て“彼”は理解した。目の前のモノはただ捕食者に喰われるだけの哀れな肉ではなく、
むしろ己を仕留めにきた狩人であると。
狩る側が罠にかかり狩られる側へと回った瞬間、勝負は決していた。
■―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ティアナが仕掛けた罠は何のことはない。
敵と至近距離に手肉薄している最中、死角となるティアナの背後、丁度頭の位置にスフィアを展開、
相手が引いたと同時に発射したのだ。
そのままでは後頭部に間抜けに誤爆するが、その時点でティアナは前方に体重を預け体を大きく沈めている。
自然光弾は頭上を素通りし、そのまま直線状にいる餓えた獣へと向かうことになる。
敵の獰猛ぶりはもはや疑うべくもない。目の前に肉があればすぐに飛びつく。例え罠があると理解していたとしても。
故に短期決戦に臨んだ。それでもやや確実性に欠ける手だったが、ティアナはあえてこの選択を取った。
ケモノという表現は比喩ではない。動きも本物の野生動物のように俊敏で、力強い。
接近戦に踏み切るのは分が悪く、距離を取ってもあの素早さではクリーンヒットは難しい。
むしろ撹乱戦なら望むところなのだが、それをしなかったのは、早く終わらせたかったという思いだろう。
捕らわれているかもしれない、無二の友達を救いたいという思いが。
自分も人のことは言えないな、僅かな雑念を抱いてしまうティアナ。
手負いの獣を前にそれがどれほど危険なことか知らずに。
「っ!!!」
脊髄反射で右手を前に出す。瞬間、手首に強い衝撃が走る。
バリアジャケットの上からでも響く感触だが後に響く障害にはならない。
だがより忌むべきことは、一丁の銃指から抜け落ちた。こと
「くっ………………」
自分の迂闊さに内心舌打つ。敵の沈黙を確認せずに感傷になど浸った結果だ。
左手に残った銃を構え、目の前に立つ着ぐるみを見据える。
見ればすんぐりとした胴体には2つの風穴が空いている。右腕は焦げ付き、
感触のよさそうな白い毛並みは見る影もなく泥に汚れ、愛らしさなど微塵も消え去っている。
満身創痍に見えるその姿はだがしかし、いまだ肉を求める肉食獣のような姿勢が崩れることなく、
獲物を見据える。
「…………………………」
支援
今にもこちらの喉を食い破らんとしそうな敵を見据えたまま、彼我の戦力を分析する。
機動力―――タイプは陸戦、速さはAランク並。特に至近距離での動きは対応が困難。近接戦闘は避けるべき。
攻撃力―――攻撃手段は徒手空拳のみ。威力もバリアジャケットを抜くには至らないがいずれも急所狙い。
必勝でない限り一撃も喰らわないつもりで対応。
防御力―――特徴なし。着ぐるみにも防御能力は備わっていない様子。
ただし胴部分を貫通してもまるで意に介していない。まだ未知の能力を隠している可能性あり。
備考―――いずれの行動にも魔力反応は感じられない。だが動きは生身の人間の範囲を逸している。
何らかの特殊な体術を持っているのか、それとも人間以外の、機械的な存在か。
対してこちらの状態――肉体に損失なし、防御に回した右手も問題なし。
落としたクロスミラージュは後方、取りに行くのは―――無理。背を回せば途端に突っ込んでくる。
代替手段は既に構築済み、今は好機を待つべき。
最後に対処手段―――相手に接近を許さず、それでいて離脱させない付かず離れずの距離を保ち
中距離戦に臨むのが最上。
少ない時間で得られた情報を端的にまとめ次の行動に移るティアナ。その動きを
「いけないな。まだまだ詰めが甘いね。一発で仕留められないようじゃ狩人失格だぜ?
それじゃ獲物を怒らせるだけだ」
突如聞こえた声が止まらせた。
「………………」
しばし、困惑するティアナ。
まあ着ぐるみである以上中に人がいるのは自然でそれが男であっても何の不思議でもないのだが、
少し皮肉めいた声は思ったよりも若い。自分とそう変りない青年のようだ。声だけは。
「ん?パンダがしゃべるのは珍しいか?ああ珍しいだろうな。少なくとも俺は知らない」
勝手に疑問を投げかけ、勝手に自己完結するパンダ。
見た目と今までの行動と声のギャップが滅茶苦茶でもう何が何やらだ。
「……話せるなら始めからそうしてもらえないかしら。誤解を招いたってお互い損なだけでしょう」
「誤解?そんなもの何処にあるっていうんだ?
俺は喰らい、アンタは狩る。それだけ分かっていれば齟齬なんて起こるはずもないだろう」
ようやく気を取り直し言葉を返すティアナ。今の今まで押し黙ったまま襲いかかり
ここにきてようやく対話を行う相手の意図は読めないものの、
言葉が通じるのであれば交渉の余地はまだ―――ある。
「少し質問をさせてもらうわ。最近街で徘徊する着ぐるみの噂は貴方が原因?」
挑発と取れる発言は無視して会話を続ける。聞きたいことは山ほどある。
会話、というより尋問に近いものだろうが。
「へえ、そりゃおかしいな。俺がここに“いた”のは今日からなんだがね。
いや、影絵である俺に今日も昨日も明日もあったものじゃないんだがね。
そもそもいつどうやってここに来たなんてのがまず疑問だがな。
これはアレか?いつまでもおあずけを喰らってる俺へのご褒美なのかな?」
「……次の質問よ。貴方を追っていたはずの私の仲間はどこへやったのかしら」
「仲間―――ああ、あの女か。さあね、途中まで追われてたんだけど急に消えちまったよ。
ああ、やり合うならあっちの方が面白そうだったかな。空に道を作るなんて俺向きのモノを用意できたんだし」
自分に関係なくスバルは消えた、と男―――声のみで判断するなら―――は言う。
嘘、とするにはあまりにも白々しいが、この時点では真偽は計りかねる。
真実だとしても、忽然と姿を消したなどと到底納得できるものではない。
「さっき、局員に殴りかかったのはどういう訳かしら」
「別に。ただ近づいてきて有無を言わせず連れて行こうとしたから掃っただけだ。
殺人鬼にむざむざ寄って来る方が悪い。ナイフを持ててたら遠慮なく捌いてたね」
……着ぐるみで顔は見えないが、中の人は笑っているとティアナは思った。とても楽しそうに。
近づいてきたから殴った。右を向いたか左を向いたかなんて違いで誰かを襲う理由になる。
それは、理不尽か。不条理か。いずれにせよティアナにとってまるで理解の及ばない。
社会に生きる人であれば、鬱屈した感情を時として他者にぶつけてしまうこともあるだろう。
だがそれを、惜しげもなく、さも楽しそうに振り撒くこいつは一体何だ?
答えは知っている。たった今、本人の口から放たれている。
「殺人、鬼?」
まるで聞き慣れない単語に思わず聞き返す。
意味としては想像に難くはないが、それでも聞き返さざるを得ない言葉だった。
「その通り。この身は鬼を殺す人にして人を殺す鬼、人で無しのロクデナシさ。本職は暗殺だけどね。
……ああそうか。よくよく考えてみれば暗殺者が昼の往来で殺人なんて粗末に過ぎるし、
結果的にはそれでよかったんだな。
そうなると―――今なら絶好の雰囲気だな。深い都会の森に一人彷徨う少女。
シチュエーションとしちゃ最高だ」
親しい友人に語りかけるような口調で、
こいつ(俺)は私(お前)を殺したいと。負い目もなく、誇るように肯定した。
「―――最後の質問よ。この場で私に投降し捕まる気はある?」
これ以上ない敵意の宣言を前にして、だがティアナは管理局の魔導士として、最後の警告をする。
もはや答えなど聞くまでもないが―――出来ればここで頷いて欲しいと、星の空を掴むほどの僅かな望みを込めて。
「ないね。生け捕りにしたきゃ銃なり槍なり持ってきな。
従わないやつは力づく。そんなの、どんな国でも共通事項だろ」
―――それが、再戦の合図だった。
「そう、ならこれで話は終わりよ!」
支援支援
望みは絶たれ、一筋ほどの糸はちぎられた。ならば最早、遠慮は皆無。
残った方の銃から弾が生成、すぐに放たれる。だがその時点で、既に敵は位置から外れていた。
休みなく、続けざまに3発の弾丸を空へ逃げた相手へ撃つ。
正面と左右に一発ずつ、囲い込むように弾き出される。背後には壁で逃げ場はない筈で、
だからこそ次の行動には目を疑った。
壁に足を突き、そのまま垂直に跳んだのだ。壁に対してではない、地面に対してだ。
物理法則など笑い飛ばすような動きは、多種多様な魔法が跋扈するこの世界に於いては珍しいことではないものの、
魔導士でない相手と判断したことが、ティアナの相手の行動の限界を読み誤らせていた。
そのまま標的を失い3方向から来た弾丸は壁へ正面衝突、そのまま消滅―――はしない。
むしろそのまま上方へ回避し敵を追うように上へ跳ね上がっていった。
魔導士の遠距離射撃魔法でスフィアを使うものには誘導性が多く見られる。
各々の魔導士の資質、性質、プログラムによって性能は大きく変化する。
何処までもロックオンしたものを追跡し続ける、あえて誘導性を無視して貫通力を高めるものもある。
前者はミッド式の砲撃魔導士、後者は近接魔導士や、ベルカの騎士などに見られる傾向だ。
ティアナのそれは誘導性はそれほど高くはなく、むしろ直線的なものが多い。
だが直射的な分一発の威力も高く、加えて壁を跳ねて敵の裏を突く「跳弾」を駆使して、
自分と同等の戦闘機人3人という絶対的に不利な戦況の中で、
相手のコンビネーションの欠点と狭い室内を計算して逆転するという快挙を成し遂げている。
今ここでしたのもそれの応用。壁の衝突を利用したイレギュラーバウンドによる追尾。
テニスなどでスマッシュなど強い衝撃を加えた場合ボールの形が変化し選手に予測不可能な軌道を起こすという現象だ。
イレギュラーと名の付く通り方向を計算して打つなど不可能だがそれはあくまで物理のみで動く世界での話。
スフィアの硬度を調整し、指定した方向へ誘導することで起動に指向性を与えた。
口で言うほど易しいものではない。魔法と科学の複合とでもいうべき高度な技術だ。
リアルタイムでの軌道修正を成功させたことを喜ぶ暇などあるはずもなく、
落ちたクロスミラージュを拾いに走るティアナ。
相手ははるか頭上、飛行や遠距離攻撃を持たないのはほぼ確実だ。この好機を逃す手はない。
目前には追尾する魔力弾。避けるか、弾くか、それとも被弾覚悟でこちらへ突っ込んでくるか。
敵が行ったのは3番目、だがティアナの想定と違うのは被弾する気などさらさらなかったことだ。
あろうことか、着ぐるみは壁を走っていた。傾斜もなければ手をかける凹凸もない垂直の壁を
地に着いてるが如く疾駆する。
この獣には重力などという枷はないのか、縦横無尽という言葉がふさわしい動きだ。
下方から向かう追尾弾は今度こそ宙を切り空へ飛び立つ。結果など分かり切っていたのか見向きもせず獲物へひたすら肉薄する。
狩られる側のはずの獲物に土をかけられた屈辱を晴らすにはその血潮で喉を潤す他ないのだ。
振り返るティアナ。だが銃一つでは手負いの猛獣を止めるには至らない。それは既に知っている。
だから、もう一度罠に嵌めることにした。
「―――クロスミラージュ、モードリリース」
≪All right.One-hund Mode≫
静かな宣言。直後、地に置かれていた方のクロスミラージュが光に包まれ、そして消えた。
クロスミラージュは2丁の銃から成っているがデバイス単体としては1丁の銃に過ぎない。
バリエーションに双銃のタイプがある、というだけのことだ。
ツーハンドモードを解除したことにより片割れの銃が消失、1丁のワンハンドモードへと変化した。
「リセット!」
≪Re-Set up.Two-hund Mode≫
高らかな宣言。瞬間、空の右手に馴染みの感触を覚える。顕現したのは、左に持つものと同じ造形。
再びツーハンドモードへと変形、ようやく持主の手に戻り本来の力を発揮するティアナ。
マガジンに込められた魔力の塊、カートリッジが打ち込まれる。身体に魔力が滝の様に流れ込んでいく。
痛みよりも体内に異物が入り込むような不快感を無視し銃把の感触の身に集中する。
退避体制を取るパンダ。だが遅い。どう動こうがこの距離なら確実に避け切れない――――――!
「Fire」
放たれる銃撃。魔力の込められたカートリッジをロードし増強された魔力により数、威力共に先の比ではない。
圧倒的な弾幕を前にして着ぐるみは、見た目にあるまじき軽やかさで身をひねり、受け流しを図る。
弾丸は幾らか体を掠めていく。だが如何せん後手に回ってからの緊急策であり何より距離が近い。
大部分は被弾し、黒を削り、白を黒く染めていく。
最早見た目はぼろ雑巾の様相、それでも獣を停止させるには未だ不足だった。
弾幕を耐えきり獲物へ降下する。ティアナは、力を出し切ったのか動く様子を見せない。
回避のために体をひねった勢いをそのまま利用して、今度は独楽のように縦に回転する。
「悪いね」
太く短い足は全体重と回転の速度の相互により凶器と化し、ティアナへと突き刺さる。
避けることも受けることもなく鉄槌は打ち下ろされ、少女の肉体は砕け散った。
……そう、砕け散った。
ティアナ・ランスターの体は粉々に砕けて消えた。
髪の毛から服の切れ端まで何の痕跡を残すことなく消え去った。
しえん
――――――まるではじめからそこにいなかったかのように――――――
“―――クロスファイアー、シュート”
ふと、そんな声が聞こえた。
声のした方向を振り返る。そこにいたのは今消したはずの少女。
それと、その周囲を囲む、無数と呼ぶに相応しい量の光の雨粒。
成程、さっきもっと早く撃てたはずだったのにそうしなかったのは、それを仕込む準備のためか。
その光景を見て“彼”はようやく思い至った。
今聞こえたのは、突撃を今かと猛りに震わな兵士への合図だったのだと。
声も出ず、頷きもせず、司令官はそれを肯定した。
号令。投射。圧倒的弾幕。
直線に、曲線に蟻も通さぬ筋道で、豹も逃げ切れぬ速度で張られる弾の網。
食欲に目が眩んだ獣に逃げ道などある訳もなかった。
■―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フェイクシルエット。自身の分身を発生させる管理局内においても珍しいとされる幻影魔法。
使われない理由としては「消耗が激しい」「熟練が困難」「結果が浪費の割に合わない」「なんか地味」
などであるが、ティアナはこれを多用している。
理由という程のものはない。というか言ってしまえば「使える」というだけのことだ。
こういうのも才能というものだろうか。実際その方面においてのティアナの才は突出していた。
確かに1つの幻影の魔力消費も低くはなく、物理接触によりすぐ消えてしまう衝撃への脆さ、
多様性故の戦術の組み込みづらさがある。
だがそれらは殆どが己の錬度によって解消できる問題で、ティアナ自身それを克服しつつある。
身に付けようとした切欠は、誰も使おうとしない部門を使いこなすことで自分の力量を知らしめ
兄の無能の烙印を払拭させるというやや不純なものであったが。
「こっちこそ、悪いわね。騙し討ちみたいな真似して」
特に悪びれた様子もなく倒れ伏す着ぐるみへと言葉をかけるティアナ。
今まで散々言ってくれた意趣返しの意味も込めて。
しえんしえん
相手が近距離での銃撃をかわすのにこちらから目を離した一瞬の間にシルエットを生成、
すかさず対象を透明にするオプティックハイドの併用で自分と幻影を入れ替える。
相手が幻影へと攻撃している隙にカートリッジで溜め込んでいた魔力を解放、
中距離誘導射撃魔法で相手を射抜く。
己の持ち得る技術を存分に奮い十分な効果を上げられたことにようやく溜飲が下がるティアナ。
もはや原形を留めぬほどズタズタにちぎれた元・着ぐるみを見下ろす。
やりすぎた、とは思わない。ここまで徹底的に打ちのめしておかないとこの敵は動く事を止めないだろう。
実際に相対しなければ感じられない、草原で植えた肉食獣に睨まれたような生理的な嫌悪感がまだ抜けない。
当然、非殺傷設定は維持しているが暫く意識を戻すことはないだろう。
「結局、何だったのかしら……」
答えなど返ってくるはずもないがずっと引っかかっていた疑問を口にする。
奇異な風貌、ただの暴漢には思えない卓越した動き、自らを殺人鬼とうそぶく“男”。
あらゆる意味で、ただものではない。
件の噂、及びスバル失踪に関わってる可能性は高いだろう。
前者は一致する特徴が多いし、後者は恐らく最後の目撃者だ。
本人が知ろうが知るまいが、何らかの手がかりになるはずだ。
「……まずは連絡が先ね」
とにかく犯人の無力化は成功。失踪の件も含めて本部へ通達するのが第一だ。
事情聴取はその後でも十二分に遅くない。
焦って事を仕損じては得られる情報も得られなくなる。
応援の到着を待つまでの僅かな間に一息をつこうと目を伏せたところで、
「にゃっにゃっにゃっ。ナイフも握れぬ状態とはいえパンダ師匠を屠るとは、
中々やりますなマドモアゼル」
まだ何も終わっていないことをすぐに思い知った。
……to be continued……?
ティアX七とか誰得だって?俺得だよ!
以上、投下終了です。何で規制が解けないのかにゃー
ちなみにこのssのテーマは「シリアスに見せかけたギャグ」です。
時々バトル要素はあるけど基本的にはほのぼの系でいくつもりです。
シリアスななのはさんが見たい人はリリブラ氏他の作者さんのを読もう!
『2日目』は邂逅の日。なのは世界に舞い落ちてきたメルブラキャラとなのはキャラとの出会いの話がメインになります。
次の話でスバル、ティアナ編を終えその次に未だ出てないキャラとあるお方が出会う予定です。
次回よりいよいよアレが出るわけですが今後全くもって自重度は0になるかと思われます。
読む気がある人はそれなりのキャラ崩壊は覚悟していた方がいいかも知れません。
そんなわけで、乞う次回。2月以内に出せたら僥倖です
GJ
相変わらずのセンスに脱帽
メイドとパンダと戯れる魔法少女達のキャットファイト・・・うーん、マンダム
コロシアウ
メルティとStSの組み合わせが最高にツボでした
次回を粛々と待たせていただきます
>なんか地味
んなこたーないw
極めれば最強とまで(ファンの間で)言われてる幻術魔法なのに・・
ティアがいまいち垢抜けないのは自身逃れえぬ根源「HETARE」のせい故か・・・頑張れ凡人
乙〜
ギャグで正解
シリアスで七さんと闘ったらティア脊椎抜かれてまうやろー
しかしどう見ても殺劇武装なのに舞台のせいで安心感が半端ないw
某特攻野郎なみに人の死ぬところが想像出来ない打ち合いにGJを送りたいです
で? 何でパンダなんだ・・・?
GJ
パンダ師匠がやられたようだな
ヤツは裏路地でも最弱
くっくっく……
ぎゃあああああああ
もう迷子はスバルではなくティアナのようですね
続き待ってます
カンフーパンダは七夜だったのか
読み返してるんだが今までで伏線あったっけか?
しかしまったく結末が見えねえ……w
6課はこのまま不思議空間に埋め立てられてしまうのか
格闘技を使うから軋摩か都古の線もあったんだけどね・・軋摩パンダとか萌え、いや燃え過ぎだろ
しかしギャグ展開に必要不可欠なデチューンとはいえナイフも持たせて貰えない七夜カワイソス
まるで爪と牙を抜かれて空手家と戦わされる熊のようだ
あまりに知名度が低過ぎるパンダ師匠
彼の登場はキャラクターマテリアルである
悪い魔女にお兄ちゃんが連れて行かれた少女が弟子入りした、裏の空き地に棲んでるパンダ
「極彩と散れー」
>人間大の、どう見ても着ぐるみの怪しい人。
>背中に七ツ夜の刺繍が入っている。パンダに着ぐるみのクセに、きびきびとしたアクション。
>ちなみに扱う武術は中国拳法ではなくごくフツーの暗殺術。都古の拳法もデタラメはっきょくけんなので、組み手には丁度いい。
>愛らしくも無口、いつも気だるげかつ皮肉屋な殺人鬼。しかしパンダなのでナイフが持てないのであった。
>パンダ師匠曰く、オレは灯油の入ってないストーブのようなものなんだ。
洗脳探偵やらマジカルアンバー、ファンタズムーン、風雲イリヤ城などの世界の住人
額に一つ★、腹にボタンのような三つ●をもつ着ぐるみが外観です
ネコ歩く氏よ、なぜ、こいつ出したし
>>742 そ、そうだったのかー!
ついにネコ的な何かも登場してしまったが
次に6課の前にギャグ要員、もとい刺客として現れるのは誰だろう
洗脳探偵・・割烹着・・それともGなあいつ・・?
きゃー
ブレイブフェニックスに乗って6課にタコ殴りにされる秋葉さま素敵ー
別に、巨大化してしまっても構わないのでしょう?
こんな屋敷にいられますか!私は裏路地に行ってきます!
帰ったら兄さんとパーティーよ!
琥珀?……あなた、よもやそこま、ガ―――――!!!!????
月姫系には色々とイロモノがいるのに、Fate勢には少し、境界はほぼゼロ……知名度や展開の差か?
リリカルとFateをクロスさせるなら……スバルあたりが興味本位でセイバーのアホ毛をふれるのが定番になりそうだ。
それやろうとしたらスバルとセイバーが親しくないといけないだろ
それまでの過程を書くだけで結構な長さになりそう
普通に仲良し設定でもいいんじゃね
たまたま会って意気投合した程度でも
あと、イロモノはメルブラであって月姫じゃないよ?……たぶん
Fateとクロスするなら八神一家が監査として教会に居座るとか
陰謀をめぐらす言峰をよそに、ランサーやギルガメッシュがこたつニート化していく
寝ている親友の乳を弄ぶ汎用人型決戦兵器ですよスバルは
彼女にとってセイバーのアホ毛掴むなんて稚技にも等しい事柄でしょう
問題は、彼女の食欲を満たすようなジャンクフードが大量に用意できるかという事であるが、スバルが行きつけの店に行けば十分確保できそうでもある。
>>751 むしろお店がピンチな感じで?
食材があるうちは売上が伸びる。しかし途切れれば即エクスカリバー。
機動六課備え付けの食堂ならエリオ+スバル、時によっては+ギンガの食欲をカバーできる食材の備蓄があるはず。
ただしハンバーガー用の食材がどれだけあるかは別の話。
漫画『アーネンエルベの日常』を見る限り、食べる量も速度も異常。
ただ、礼儀は正しいうえに出された食べ物は、まずいと言いつつも完食はする。
ただし、金は士朗が代わりに払っていた。
あと、味覚はかなりおかしくなっていて、一般人が一発ノックダウンのサンドイッチを食べて満足していた。
なお、その後瘴気に戻ったセイバーは腹痛を覚えている。
メカヒスイと意思疎通できるとはさすがスバルさん
なのはやフェイトが100人いるのとスバルが100人いる状態をもし作れるなら
スバルの方が世界が平和になる気がする
単に鋼の乙女回路が共鳴しあっただけじゃ
実は、普通のセイバーより黒セイバーとの方が仲がいいスバル。
つまりなのはより星光たんとの方が良い仲を築けるという事ですね
星光さんはキャス子と絡ませたい。
ゴスロリが似合いそうね。
ふと設定見てたらガジェットビームって純粋光学兵器だったのか・・・
弾速遅くね?
アニメの光学兵器の弾速に何を今更……
光速議論で今一番ホットな御坂美琴さんの出番ですかね
しかし、劇場版のなのはとFateがアベレージほぼ互角ってのがドラマティック過ぎる
このスレ的にどっちかが爆死だったら微妙な空気になるとこだったからなw
もし、もし
星光さん達マテリアルシリーズの設定についてkwsk教えて八神先生!
マテリアルたちの設定は、ゲームを買うとかした方がいいなー。
NANOHAwikiでも、まだちょっとデータそろってないみたいだし。
おすすめはしかねるが、実況の動画を見るという手もあることはある。
>>765 ネタバレになっちゃうけどいいのかな?
なのポのストーリーモードは闇の書の闇の残滓がおこした事件。
砕けて散った闇の書の闇がその残骸と断片を集めて復活しようとしている。
欠片はなのは達や八神家等、闇の書に関わった者達の思念を集めてその姿をとる。
それは過去のヴォルケンや1期時代のなのフェイ、父の敵である闇の書に対する心の奥底にある復讐心という感情を表立たせたクロノ等様々である。
(メルブラ以上に使いやすい設定。メルブラだと結局出てくる偽者はワラキーなわけだから対象の完全再現はできないし。)
そして防衛プログラムの構築体マテリアル。
それは闇の書の闇そのものであり、欠片たちと違い、独自の自我も芽生えている。
目的は当然闇の書の闇の復活であり、自らの意志でなのは達に襲い掛かる。
それぞれの性格は
>>547と
>>652を参照。
星光の殲滅者はなのはさんと結構思考シンクロしてて、スムーズに話が進み、お互いに戦って決めようぜ!と実にツーカー。
戦って敗れた場合は潔く負けを認め、その上で次に戦う機会があれば必ず勝つ、と実に武人。
どうみても同一人物です、本当にありがとうございました。
次に雷刃の襲撃者。
憎悪を持ってなのはさんに襲い掛かった雷刃をフェイトやアルフは、あったかもしれないバッドエンドフェイトだと語っていた。
プレシアに捨てられて、なのはさんやクロノ達に合うことが出来なかったらというif。
そのワリにはアホの子だがw
雷刃の襲撃者−アホの子成分=バッドエンドフェイトといったところだろうか。
闇統べる王は皆にも言われているようにかなりの小物で中二病である。
個人的な見解になるけど、こいつはヴィータ曰くクズばかりだったという歴代の闇の書の主の象徴的なキャラなのではないだろうか。
手に入れた力に溺れて王を気取り、他人を塵芥と見下すその姿はまさにクズ。
そんな闇王をヴォルケン達が打ち倒すことで、過去を打ち砕いて未来を歩むということを示唆したかったのではないかと。
実際こいつは八神家ルートでしか出てこないし。
というかマテリアル3人全員と戦うのはザッフィールートのみというね。
ラスボスはリインフォースの欠片だしと、まるでザッフィーが主人公のようだw
闇統べる王はギル様とかぶり過ぎる
台詞の「雑種」を「塵芥」に変えればできあがりって感じがw
カリスマは無いが
闇統べる王は小物だけに、言動が「滑る」わけか。
弱いわけじゃないが、力に見合う態度や言動じゃなくて小物やへたれに見えるってよく聞くな。
はやてルートだと戦闘後に背後から守護騎士四人にフルボッコされるからな、闇さん
そしてリインフォースルートだと逆ユニゾンで圧倒的な能力(ゲーム的にも)を得たリインにフルボッコされる運命だし
実際弱いか?といわれりゃはやてと同等以上の力はあるんだろうが、如何せん王を自称するにはまるで足りないというのが痛い
多分実力あんまり変わらない星光のが凄みがあるし
実際、王様は個人の武力が凄い強くなきゃいけないってわけじゃないが、
型月の王の面子を見ると皆が凄いから確かにと思うw
征服王は、個人の能力で周りを惹きつけて勢力を拡大していったからな……本人以外も凄いのが揃ってあの固有結界を作ってるし。
……夜天の王は『食と人徳』で騎士たちを配下に従えてるっぽいですが。
ゲーム中でのリィンTの強さはどうなの?
対戦だからキャラ性能的にそんな無茶は出来ないだろうけど
やっぱ設定的にはなのはやフェイトより断然強い位置にいる?
風の噂じゃ性能的にはなのはがかなり優遇されてると聞いたが
ゲーム性能的にはなのはさん、星光、はやて、闇王が強い。
リインも強さ上位。
シャマルはマジでマゾキャラ。
なのはさんの速射ディバインバスターが鬼畜過ぎる。
フェイトルートステージ4の星光さんとはやてルートファイナルステージのなのはさんはラスボスすぎた。
5,6回くらい負けたわ。
余談だけど、なのはさんルートの雷刃の襲撃者戦でのなのはさんがちと黒い。
なのはさんの声が微妙に低かったせいかもしれんが。
よく見たら、全然似てないね。
フェイトちゃんはもっと、速いし強い。
おやすみ……
――ふう。
ちなみにフェイトルートで星光さんがフェイトに向けて言った台詞が↓
迷宮の迷い子。
悲しみと痛みに震える弱い魂。
ぬくもりや優しさが本当は怖い。
裏切られるかもしれないからです。
もう一度、私の中へ……
やすらかな永遠を、今度は過たず、あなたに送ります。
あなたのような、壊れそうに弱い魂も、きっと救われます。
フェイトルートファイナルステージの闇の欠片フェイトも裏切られるの怖い、強くなんてなれないよ!と弱音吐きまくり。
ゲームでも相変わらず精神責めされることに定評のあるフェイトそんでした。
何気に最高の精神的陵辱が、なのはに助けられなかったらアホになってたってとこだな
はやてと互角以上ならいくらでもやりようはあると思うんだがなあ
なのにへたれ扱いとか
そんなとこまでギルガメに似てるのかよw
レストリクトロック→溜めバスターの乱用は控えましょう
闇王はギャグにすればきっと輝ける
マテリアル達は出てくるタイミングで設定上の強弱はあると思うんだけどな。
物語後半だと、魔力が集まってるから。
実際、弱体化したとはいえなのはさん達やヴォルケンと普通に戦えるレベルのリインが闇王を見て、
やべえこいつ勝てねぇ、でも主や皆の為に戦うしかねぇ、って玉砕覚悟で向かっていこうとしてた。
最終的にははやてと逆ユニゾンして勝てたけどさ。
だから設定上は強いはずなんだ……設定上は。
闇王の性能は、アニメの闇の書覚醒リインと同等ぐらいって感じなのかね?
闇王さんを舐めちゃいけない。ヤツは寛容さに定評のある9歳時はやてをキレさせた唯一の逸材だぞ
動画で見たけど、アホにもキレてなかった? 「黙れ」って
はやてさん何気に今回キレやすいな
微妙なお年頃なんだよ
寛容と言っても日常でじゃない?ギルガメッシュみたいに人が多すぎるから減らすとか、
他人が死ぬぐらいでなんでそんなに騒ぐんだ?とか言ったら普通に怒りそう。
自分も、元は他人の都合で生贄にされる側だったからとかもありそうだ。
リインとライダーを足したような感じのする星光たん
ライダー要素あるかな?
上でも書いてるようにリイン+なのはさんが近いと思うけど。
ライダーはライダーでも、第四次の征服王のほうでは?
……ハイテナイ要素があったりしないとは思うが。
ゲームやって一番驚いたのはリインのキャラクターだな
やわらかいシグナムかと思ったら滅茶苦茶儚い雰囲気バリバリだった
まあ余命数ヶ月だしね……
クロノのエターナルコフィンかなんかでで一時封印しておいてから再生法を探すことは
出来なかったんだろーかとも思ったが
そういうSSはあってもいいんじゃね?<一時封印
まあクロスでやる必要は限りなくないだろうけど。
キャス子さんがたまたま友達で協力してくれるとかはありか。
「魔術師は等価交換が原則、代償が必要よ」
「家族のためなら」
「いい覚悟だわ。そうね、あの可愛い赤い女の子」
「ヴィータのことですか?」
「あの子を、自由に着せ替えできる権利を私によこしなさい!」
「それ、は――」
「ちなみにデザインはこんなので」
「……」
「どう?」
「了解しました。お願いします。葛木先生の奥さん」
>>788 リィンは原作からして
「神でも悪魔でもいい……頼むから私を止めて」と言って
さめざめと涙に濡れる儚げ系です
神父「ヒーローには救済すべきヒロインが(ry」
なのは「誰か私をヒロインにしてくださいなの……」
なのは以外「なのは(ちゃん)には、ヒーロー以外似合わないよ・・・」
…リリなののヒロインはユーノ君だろうjk
んで月姫はさっちんorシエルでFateはイリヤ
反論はイリヤをタイガーに変えることのみ認める
なのはさん一期の頃から他人助けてばっかで自分が助けられた事はあんまりないんだよな
そういう意味で守られるヒロイン像は思い浮かばない
だいたい勝っちゃいますからね。
負けても不屈の精神で復活したりな
不屈の心って言うけど、何かに屈しそうになるほど大きな壁にぶつかったことって無いよな
諦めない強さは相当なものだが
なんかまだ描ききれてない感じ
その不屈とはどれほどのものなのかを四期で見たい
実の兄からして、
なのはは自分ひとりの迷いや悩み事は誰にも、家族にも話さない。
自分で答えを見つけるから放って置こう。
ってスタンスなわけで。9歳の時点でな。
で、実際に誰にも頼らずに前へ進んじゃう。
なのはさんは好きだけど、この辺は時々不気味に感じるときがある。
相手によっては、共に肩を並べて、もしくは背を預けあって戦うバトルヒロインにはなれるだろうが
守られる儚げヒロインには一生なれないだろうな。
>>800 いやいや、小学三年生の時点で
いきなり魔導士に襲われる→ぶちのめされる
を二回も繰り返してるのはけっこう挫折だと思うんだけど
>>802 いやまぁ確かにそうなんだけどねw
それも自分一人でで解決してしまうんだから小三にしては凄すぎるよ
でもそれとは違うベクトルの不屈が見たい
もっとこう精神にクルような悲惨な目にあってそこから立ち上がってこその不屈、みたいな
力で押し負けるって事はあったが、幼少なのはは力にプライドを持ってる感じじゃなさそう。
だから、力で押し負けたことが挫折と言われると微妙な気がする。
まあアイテム使ったらあっさり戦えるようになった二期はともかく一期の方はじわじわと這い上がっていったね
でもはやてにとってのリイン、フェイトにとってのプレシアみたいな手遅れっていう状況に直面した経験はなかったはずだよね
そういう意味だとはやてやフェイトのが不屈な印象がある
なのはの挫折というと11歳の時に撃墜されたことじゃないかな。
リハビリは身体的にも精神的にもきつかっただろうけど、半年で復帰してるんだよな……
まったく嘆いたり、悲しんだりしない所が凄いと思うけど、
型月関連クロス的に考えるとちょっと精神がおかしいのではと勘ぐりたくなるのは何故なんだろう?w
限界まで辛い目にあったとき、心が折れたが立ち上がれたのがフェイトで、ギリギリ折れなかったのがはやて、みたいな印象
なのはさんはどちらのタイプに当たるのか、はたまたどちらでもないのか
他人でなく自分自身を支える場合、力はどの程度発揮できるのか
フッケバインの揺さ振りにかなり期待してるw
フェイトに二度落されたけど初心者が熟練者に落されたのは挫折とは言わないし
11歳の撃墜事故だって周囲の有り余る期待に答えようと無理した結果だからな
ティアナみたいな頑張っても突き抜けられない才能の壁とか
シンジみたいに無能の烙印を押されて誰にも相手にされないといった感じの挫折感は味わった事はないだろうな
>>809 >初心者が熟練者に落されたのは挫折とは言わないし
それも十分挫折だと思うぞ
それで折れて挫けるやつも山ほどいるんだしな
メガミの漫画で挫折中と聞いたが
このスレ的には正義の味方を目指して世界と契約したけど、結局やることは人殺しばかりの掃除屋だった
とかそのレベルの挫折をいってるんだろうけど、そういうのは作風上無理だと思うぞ。
ただまぁ子供時代からしてどいつもこいつも大人びててメンタル強いやつらばかりの中で
公式に”不屈”のエース・オブ・エースなんてキャッチコピーつけられるくらいなんだから、
2次創作とはいえちょっとさそっとの挫折で折れて欲しくはないのが正直なところ。
在り方的な意味だとなのはさんの天敵はアーチャーかねぇ
>>812 作風云々についてはみんなわかってると思うよ
でも気になるし期待しちゃう
まぁその作風もだんだん変わってきてるけど
3期は重傷者多かったしギン姉なんか腕ちぎれてたし
4期は魔法少女ですらなくなったから何があるかわからん
むしろアーチャーの方が嫌がりそうな
そういう意味ではエミヤズにとって士貴より相性悪そうだ
でも歪みきったような相手にどういう心象を持ってどういう態度とるかは
公式じゃやってないから実際はよくわからんな
都築先生本人が「なのはは必要があれば正義のために仲間も倒す」と何かで語ったらしいですが、エミヤの末路を見せたらどんな反応が起きるだろうかと考えてしまいますね。
恐れてしまうのか、それでも進むのかと。
>>816 それはどこに書いてあったんだ?
初めて聞いたのだが。
多分、都築先生のサイトのweb拍手か何かじゃあないかな。
そういう風に聞いたことがある。
今は見れない。
ただ、そーいうのって微妙にニュアンスが変わって伝わっていくことがあるから、元ソースのコピペが全文欲しいところだよね。
ヴィヴィオと任務でどっち取るかで、次は迷わず任務取るってあれだろ?
あとはそういうなのはを異常に信奉するなのは厨がプッシュしてるだけ
あいつらの言い分だともし本当に必要になったらシーマみたいに毒ガスで大量殺戮だって出来ちゃうんだとよ
任務のために私情を殺せるなのはカッコイイって感じか
>>810 まったく手も足も出なかったのは初回で訓練をつみ始めたら、
戦えたんだから挫折ってのはな微妙な気が。どんなに鍛錬や訓練を積んでも、
戦いには見えず一方的に倒されてもう勝てないって諦めさせられるってのが挫折のイメージ。
なんでもそうだが、それは違うとかこうだとかいう定義論みたいなのになったら、とたんに面倒になるよね。
不屈のエースというからには、色々と辛いことが十年間にあったんだろうしさ。
そこらは適当に脳内補完しとこうぜ。
なのはの不屈さは、やはり衛宮家よりランサーが近いと思う
ただ、中庸より善属性だろうけど
ヘラクレスや英雄王も挫折は経験ありだったっけ
……なのはさんの比較対象が男性ばかりですが、女性らしさは認めてマスヨ?
えーと、バゼットのアトゴウラのダウン復帰はなのは系の不屈じゃないしなぁー
なのはさんは何だかんだで仕事よりも私情を優先しちゃう人だと思ってる
良くないことだと自覚しつつも理想を捨てきれない
多少無茶してでも強引に掴み取る力強さがなのはの持ち味というか
管理局員よりフリーランスの魔導士として活動する方が肌にあってるんじゃないかなーと思ったり
フリーランスと言う単語で、エミヤと一緒に紛争地帯でどっちが先に紛争を止めるか競争するなのはが見えた。
私は正規軍をヤるから、士郎君は革命軍お願いねと。
両方の戦力を奪い取って交渉のテーブルに強制的に着かせるのか
まさにウォーロック(WarRock)だな。
>>827 そこは圧倒的な暴力を背景にした脅迫とかでw
革命軍のTOPや正規軍を動かせる政府の役人に、私はいつでもあなた達をみているよ。
トイレにいるときも、お風呂に入っているときも、買い物しているときも、
恋人などと愛し合ってる時もずっと……いつでも駆けつけられるようにと耳元で囁くw
武力時々、話し合いで紛争解決を二人で数多くなして守護者や英霊になったら、
聖杯戦争で凛にエミヤが召喚された時、弓兵じゃなくて、
紛争解決人のクラスとしてなのはと一緒に召喚され、聖杯戦争も戦争なので解決しますと言い出すw
凛が夢で見る彼等の記憶や足跡は、
OHANASI、それは開戦の合図。
「お話できないなら、お話できるように整えてあげるの」
過去、紛争のあった国に平和をもたらした女性がいた。
これは彼女を祭る為に建てられた銅像に記された彼女の口癖である。
「ちょっと待て、よく考えよう。話せばわかるはずなんだ……辞めるんだ!高町ぃッ!!」
女性の銅像の隣にある、同じ功績を挙げた男性の銅像に記された言葉である。
なのはさんのヴィヴィオ絡みでも仕事で公私混同しないっていうのがどの程度のレベルなのかは結局個人の想像でしか分からんよな。
例えば、
A:ヴィヴィオ他多数が何らかの災害に巻き込まれて救援に向かった時に、救助の優先順位を贔屓したりしない、という現実にも結構いそうな仕事人レベル。
B:再びヴィヴィオが敵に戦力として利用され、ヴィヴィオを殺さなければ大勢の犠牲者が出てしまうため、涙を呑んで冷酷な判断を下せる英雄レベル。
C:3脳のような上層部から悪逆非道な命令をされた時でも、やりたくないけど仕事だから仕方ない、と冷静に処理しちゃうキリングマシーンレベル。
俺としては、たまにこのスレでも挙げられてる武装錬金のキャプテン・ブラボーレベルだと思ってるけども。
アリサをぶんなぐって取っ組み合いして友達になったことが
なのはさんの中で何かを目覚めさせてしまったんだろうなぁ
>>829 任務だからというか、より多くの他人を助けるために
一人の近親者を切り捨てる(かもしれない)というニュアンスなんで多分B
とは言っても、両方助ける方法が1%でもあればそれを選ぶだろうけど
まあそういう選択を強いられまくった後のなのはさんがどうなるのかも見てみたいが
アングラな話で恐縮だけど、ロリショタバトルロワイアルが個人的なイメージに近い
まあ最悪の可能性として、英霊エミヤと同じ道を辿る可能性があるんですよね。
できるなら、士郎にとってHFルートの桜のように、なのはの心も家族や仲間を優先するようになって欲しい物です。
小説版のなのはを読んだ限りでは、なのはは借り物の理想とかそういうのではなく、心底から当たり前のように正しいことを選択している風に見えるけどね。
エミヤとは違う、真正の英霊になるんじゃないかな。
円満に治安を守る業務を果たしながら家族と暮らすという選択肢はなのはには存在しないのだろうか
あとはクロノもそっち系の人だよな
昔は正義の味方目指してて、今もその気持ちは余り変わらないらしいし
実際エイミィとか猫先生いなかったらヤバイ方向行ってたっぽい
なのはさんについての話になると、なんか内容が物騒になるなw
仮にも、女キャラなのに
だって乙女というより漢女だし
>837
漢女……恋姫、真恋姫のアレを思い出した。
なのはさんがアレと共にいるのか、と。
サーヴァントは死んでるから弱い
奪うだけで与えることができない
限界を超えることもできない
一度死んだ者にとって聖杯戦争は舞台劇
だから、聖杯戦争の主役はマスターだ
???
何つーか、劇場版だけ見比べると9歳児の方が凄く見えるんだがw
あと今更だがなのはが運動苦手って嘘だろw
母親以外の実家の家族と父方の親族に比べれば苦手って事では
平均以上の能力を持っている様に見えても、
親戚連中と比べれば下っ端中の下っ端程度の運動能力であるとか
覚醒前のなのはちゃんは、周囲の子供と比べても運動音痴だった…・らしい。
しかしStS時代のなのは様の戦闘力は高い(シグナムとガチバトル可能)し、もしかすると眠ったままの魔力が身体バランスを崩していた可能性は無くも無いかと。
vividにいたっては、なのはさんは基礎訓練ですっかりタフな人になってたしw
というか、フェイトさんが足腰たたなくなるまで訓練ってw
漫画で描かれてた日常でのなのは確かに運動音痴って感じだった
半端な設定だ……
覚醒したって普通レーザーは避けられねえよ・・・
Asのコミックじゃフェイトそんが「実はやればできるだろ?」的なことは言ってたが
どっちかってーと、十年間ずっと訓練漬けでそれのおかげ(プラス膨大な魔力による水増し)
である程度近接戦闘が可能になったってトコじゃない?少なくとも筋肉は後天的にどうにでもなるし。
それはそうとシグナムとのガチバトル可能って公式だっけ?て言うかそれって接近戦で?
一対一での勝負って意味なら近寄られてもすぐに落とされないで距離を離せるからってことじゃ?
接近戦は並みのベルカの騎士相手なら勝てるっていうのは聞いたことあるけど。
>>848のフェイトのセリフからすると元から運動能力があったようにも思えるけど、どちらかといえば
運動能力そのものではなく、空間認識力などの他の能力を上手く活用することで補えるからだと
考えることも出来る。まあ、
>>844の言うとおり、魔力の運用方法を知らないときに膨大な魔力が
運動の際に影響を与えていた可能性もあるけど。
きのこ以上に言う事コロコロ変わるからな都築は
???「双子とメイド、それから金髪。話はそれからだ」
この人は歪みねぇな
あとはセイバー商法に飽きてくれれば
>>849 ガチバトルは漫画版で回想出てた。(1コマだっけ?)
両者出血、しかしまだやれるみたいな。
たったそれだけなので詳しいことは皆目わからんけど、近距離オンリーってことはないかと。
運動能力は漫画版見る限り、小学生の時点じゃダメダメだったのは確かかと。
でも実は隠れていたけど素養があったとか、あるいは努力した結果が今に繋がってるのかな。
どっちにしろ問題の話はフェイトさんスゲー、でもすずかさんもっとスゲーだった気が。
あの話ではすずかの運動能力はフェイトの上を行ったからな。
主人公陣の見せ場を食っちゃったし。
でもすずかの能力がガチなのは間違い無いが。
シグナムとのガチバトルは、メガミマガジンで読みきりで一回やってたねー。
時間はStSの後で。
引き分けだったけど、シグナムがちょっと優勢だったかなー、みたいな。
まあ子供の頃の運動苦手ってのは、そんなあてになるもんじゃないしさ。
訓練とかしたらわりと簡単に伸びる。
無印の頃のなのはさんは筋力こそ足りてない感じだけど、瞬発力というか集中力は凄いって感じだね。
案外、父・兄がなのはに御神流に縛られない人生を歩ませたいと考えて、運動方面を鍛えなかったとか。
元々は本人にも運動系はやる気無かったみたいだしね。
訓練でなのはより、フェイトがへばってんの見て、
高速機動での接近戦を行うのが強みなのに大丈夫なのか?って心配がある。
執務官って戦うだけの戦士じゃなくて、日常の仕事が忙しそうだから仕方ないが。
一日の訓練時間がダンチだからなー
スケジュールの中心が鍛錬のなのはと比較しちゃいかん
ニート王も生前は大変だったろうな
執務官は仕事自体なのが激務なのに対し、教導官は仕事=訓練だからな
多分教導官になってからずっと訓練漬けだぜ。そりゃどんな運動オンチでもタフになれるw
至るまでの過程も見たかったな
むしろ、そんな激務をやって訓練時間が減ってんのに、
戦闘能力が落ちないフェイトが凄いか。
教導隊の訓練はどんなのなんだろう?
後ろからバーサーカーのような屈強な局員が、
斧剣を振り回しながら追っかけ、強制持久走や、
ギルガメッシュの弾幕のようなのを耐え切れとか?w
まあ、通常の局員が任務の合間に戦闘訓練があるとかに対し、教導官は戦闘訓練をつけるのが通常任務みたいなもんだからなー。
必然的に体力もつく。
フェイトさんは訓練こそ教導官に比べて少ないから基礎体力が劣るけど、むしろ最前線で実戦をくぐり続けているのかもしれん。
しかしネタにしやすいとはいえ、リリカル側はなのはさんばかり語られすぎではないか。
なのはさんも好きだが、他のキャラと型月キャラとの絡みも見たいんだ。
上で闇王はギャグにすれば、とかあったが、ランサーズヘブンの釣堀にマテリアル達を放り込んでみてはどうか。
ギャグ空間だからもちろん闇の書の復活云々なんて忘却の彼方。
設定はそれ以上にアルハザードの果てまで空間転移しろ。
釣り知識など何一つ知らない星光さんに、まんざらでもない感じで懇切丁寧に教えてやるアーチャー。
弓「なんだその手つきは。リールの扱いくらいは、さすがに心得ているモノと思っていたが」
星「わかりません……。何も、わかりません」
なんかメチャクチャ速いやつを見つけてランサーに絡む雷刃ちゃん。
雷「見つけたぞっ!今日こそ僕と勝負しろ!かけっこかけっこ!!釣りなんかしてないで僕に構えよ〜!!」
槍「…………不幸だ」
大勢の子供に慕われていて、なんか王様っぽいギルに対抗意識を燃やすけど、カリスマと財力の圧倒的戦力差に愕然とする闇王。
金「よし。次は船を買って、マグロでも釣り上げようではないか。ゆくぞ雑種共!」
闇「わ、我とて負けぬぞ!……えと、よ、よしっ。ママゴトとやらに付き合ってやろうではないか。
子供というのはこういった遊戯を好むのだろう?我は何でも知っておるのだ。早速配役だが、もちろん王様役は我で……
(子供たち闇王に無関心)……あ。お、おい!どこへ行く!?我と公園へ……。
っ……何故我の命を聞かぬのだ……ひっくっ……すん……塵芥の分際で……。
うあああぁああん!!言うこと聞いとくれよ、ちりあくたーー!!!」
闇はもうそんなポジションにしかなれんのかw
士郎あたりが唯一、構ってあげそうだなw
>>10日発売の月刊ニュータイプ3月号に、劇場公開記念として武内崇と「リリカルなのは」の都築真紀氏の対談が掲載されています。
お互いの関わった作品を見終えたばかり、というタイミングで行われた対談ですので、語りに余熱を感じる4ページ。興味のある方は是非チェックしてみてください。
3月26日発売のコンプエース5月号では、この二人によるコラボ企画が予定されています。こちらもどうぞお楽しみに。
コラボ企画はなにをするんだろうか
リリブラさん キモイなのは厨に粘着されとるでーw
闇は、路地裏の下っ端とならいい勝負ができそうだ
ギル+ワカメ=滑る子
>>868 ラスボスのくせに人気投票0票のネロアさんに闇王が負けるわけないだろ!?
負けないぞ!ぜったい負けないぞ!!
>>863 成長後ならいざ知らず、兄貴は幼女に用はないからねえ
まあ性格的に成長後でも微妙か……?
辟易したランサーが霊体化して脱出
雷「幽霊?!」「負けないぞ!僕も透け透けになってやる!!」ヌギッ
そんな子がこの時代には必要だ
リリカルでホロウな日々……朝、なのはさんが起きると目の前にショートカットな自分がいて何故か双子設定で、しかも家族が普通に接しているとか。
そのうち誰かがマテリアルシリーズと三人娘を入れ替えて本編再構成のSS書いたりしそうだな。
三人娘と入れ替えか
星光はあまり問題なさそう
雷刃はプレシアが生かしておくだろうか
闇王はむしろ永久凍(ry
>874
プレシア「アリシアは、アリシアはあんなアホの子じゃない、あの子はアリシアなんかじゃない……」
リニス「あ、アホの子……いえそれは否定できません。それにあの子はアリシアではありません。目を覚ましてくださいプレシア!」
雷刃の襲撃者vs冬木の黒豹
>>874 むしろあまりにアリシアからかけ離れすぎていて、逆にあきらめがつくんじゃなかろうか。
闇王はどうしようもないような気もするが。
星光は剣術修行してそうな気もする。
僕等の正義の味方、衛宮くんだろう。
管理局の訓練は防衛大学校の訓練と比べて生ぬるいというイメージがある
体験者と思われる人の書き込みを見るとね
植田声のツンデレ(?)幼女と対慎二モードの広い心で接してあげていたところを目撃されて、
凛との子供と勘違いされるラブコメ展開ですね、分かります。
星光さんはアサ次郎ポジションにおいておけばどうか。
ホロウでは葛木とキャス子の子供的な扱いを受けられそう。
無言で葛木と並んで茶をすする姿が用意に浮かんでくるなぁ。
その傍らで星光さんに似合う衣装(主にゴスロリ)をノリノリで製作中なキャス子さんもセットで。
そりゃ防衛大みたいなのは、リアルに国防に携わる人らを育成する所なんだから徹底してるよ
管理局みたいに明らかに子供が一緒になってくると
あまりにもハードすぎる訓練の描写はいろんな意味で無理無理
>>881 マスターとの誓いを破り、寺に特攻をかけた剣の英霊が目にしたものは――
…で、やる気無くして、士郎が探しに行くまでも無く衛宮家に帰って来たセイバー
「……明日こそ、明日こそは―――」
みたいなのが何日も繰り返される四コマ漫画のような光景が見えた
>>867 なのはSSの感想wikiのなら、なのぎるのも粘着というか、ひどい感想ついてたな。外伝が蛇足というのは俺も同意だが。
型月とのクロスが嫌いなのがいるんじゃね?
漫画版での訓練は断片的な柄わりとフルボッコになってたのがあったが。
というか非殺傷設定による模擬戦は、あれ怖い…。
防衛大の訓練というのもよく知らんが、どっかの漫画で見た、フル装備で富士山の周り歩くとかなくほどキツそうだったなー。
むしろ死ぬ。
事実、生ぬるいだろ
リアル自衛隊や防衛大の訓練後に、StSのようにヘラヘラ笑ってられる奴はいない
実戦演習だってあんな周囲で祭騒ぎみたいなノリしてると追い出されるわ
シグナムとなのはのマンガのやり取り見てると確かにちゃんちゃらおかしい
訓練の生ぬるさをどうこういうのはスレ違いだろ
なのは厨は泥臭いのは嫌なんだろう。
余裕綽々で光線撃ちまくるオサレ戦闘が大好きなんだよw
例えるなら血の出ない死なないバスタード
馬鹿野郎ッ!
先生が魔法少女かどうかのがデケえよ!
訓練なんてのは効果出てナンボですわ
士郎君の血ヘド吐いた修業よりアーチャーとイチャイチャ決闘してた方が効果あるんですわ
アインナッシュに突っ込んだり弾幕に吹っ飛ばされたり平行世界に送り出されたりしても駄目なんですわ
そもそも士郎君はセイバーにぼこられてただけで大した修行してないという罠
文字通り骨身を削ったZero言峰は人間超えた
?
士郎は魔術訓練で毎晩死にかけてたでしょ
>>890 自殺行為を修行とは言わない
凛にアホですか?と突っ込まれてたろ
苦行なんていりません。
充実した施設と環境で無茶もせず、キソとキホンを延々と繰り返してれば見る見る強くなれます。
>>887 腕を捻り折られても平然としていられる式さんは現実的でかっこいいっすよね
ナイフ一振り一撃必殺なバトルは実に泥臭い
引きこもり茸は痛みがどんなものか知らずに書いてるよね
藤ねえは美人だなぁ
>>894 リスクがリスクとして機能しない口だけ設定満載の都築よりはマシだろw
微妙なリスクばかり並べ立てて、でも決して主人公の足を引っ張る事のない神の手設定。
子供だましにもなりませんよ?
>>895 はやての方が可愛い
この流れ、我の出番か……
' ,:.:.'.;::::::::::::::':,:.:.:.:.'.,
' ,:.:'.;::::::::::::::':,:.:.:.:.'.,
' ,:.:':;::::::::::::::':,:.:.:.:.'., _,r'7 _,,,,,,_
';.:.':;::::::::::::::':,:._;r'''´ /_,r'´ / _________
' ;.:.';:::::::::::::::';.:.'.,,,r'´ _,r''´ ̄ ,,r‐''´
_,r'' ;.:':;:::::::::::::':,:.:'.,_,,r" ,r‐'´, '''''フ
/! ,r" ';.:':;:::::::::::::':,:.:'., _,,r''´ ,r''''´,,,,,,,__
/ レ' ,r'´ ' ;.':;:::::::::::::':,:.'.," _,,,r ' ¨ _,,r‐''''`
/ / / ',:.':.:.:.:.:.:.:.:':.:.'.,____,,,,,,,,,,,,_<_______
,/ , ' / / '.,:.:.:._;,r‐''''¨_,r‐''´-‐''´ミ、_,,,>‐`
. / / / _,r‐''¨__,,,r‐''''''''‐-< ̄ ̄ゝ--ミ、
/ ! ,/ ‐'''¨ ___,,,,...---<` f`ヽ-ヽ_,,ノヽ
ヽ l ! __,,,r''7¨ ̄ ___,,,,--‐‐‐`,' `,'` ̄ !
、ヽ! ` __,/_,,,/ __,,r‐‐`,r‐< ` ´ `ヽ
.ヽ ` 、__,/__,/ __,,..-‐'" / / ○ > ,'i , ' /!`┐
! ヽ __,/^<二--‐‐‐'''''''''''''二=-/ / // ヽ、
ヽ ヽ`ー-..,,___,,,...-‐'7¨ ̄ ヽ_/ ´ `′ `ヽ、
,r` `ヽ、  ̄¨¨''''''‐-- 、 i
/ ,r ヽ、`ー‐---< ̄ ̄ ` !
! i `ー-  ̄¨''‐- 、 /
ヽ ヽ `ー---------< ̄ ` /
ヽ ヽ _,,,..-‐<´ /
ヽ ` 、 r',r'7¨¨''┬' __ _,,/ !
ヽ ヽ、 l ! __,,,ノ / )¨''‐-‐''¨¨ !
ヽ ` ヽ ` -‐''',,r‐''´ l
ヽi、 i 、 、  ̄i¨''''''´ ::.. ヽ ___,,,,,,,,,,,,__
`l i lヽ ヽ、 ヽ,、__ ! ::::.. ヽ __,,,..-‐''¨ ̄::::::::::::::::::::¨''‐-.,_
レ'V ヽ! `ヽ、! ¨''‐ 、! :::::::::... !_,,,,,,,,,,,__ _,r''''¨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
_,,,,..-‐'‐‐‐‐‐‐‐---:::;;、__::.. !;;;;;;;;;;;;;;;;¨>l;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::¨¨''┐ l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::0lー----:::;;;;;__::::::::::::::::::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::`.、
!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::○::::! ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!::::::!:::::::::::::_;r‐‐‐'''''''''''''‐-:、:;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::`.
__ !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;l::::0!__;;;/::::::::::::::::::::::;;;;;;:::::::::`ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::
___,/:: ̄¨ヽ::;;;___:::::::::::::::::::::::::::::::::::::○:::::!-‐、 ヽ---、::::l::::::;!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;::::;;;;::::`ー-、:::::::::::::::::::::::::
>>897 リスクがリスクとして機能しないのは型月も変わらないよ
HFで士郎の体を人形にすり替えてハッピーエンド(?)とか
必中即死攻撃のはずのゲイボルクでセイバーが死ななかったのは何故だったかな。確か運で回避だったか
ご都合主義と主人公補正はどちらにもある
どっちがマシとかはないと思うが
>>899 空気を読んでSSF(すごい下着のフェイトちゃん)を貼っていれば助かったものを
>>900 そうだねw
確かにご都合主義はどちらにもあるねw
チャラいかチャラくないかの違いはあるにせよ。
幼女萌えとかラブコメなんて書き込みした自分のほうがKYみたいな空気だぜ……
幼女は萌えるだろjk
金髪だとなお良し
,.. ------ 、/|
/ ヽ
/ ヽ
| l/‐| /|A/-ヽ _ |
| /━ ━ | /rヽ!
レl′ l レ'_ン`
ヽ t::ュ ノN`
>,..__,..r;;'´l`
lfr;Vゝイ;;;ヾ;`l
|ll|;;|| l ||;;;;;|;ll;|
幼女に萌えるのはいいが―――――別に、燃えてしまっても構わんのだろう?
「現実には」を安易に持ち出してフィクションを批判する人間は、正直どうかと思う。
というかただの煽りじゃないかな。相手にしないほうがいい。
そうでないとしたら、リアルと作劇上のリアリティの区別がつかないかわいそうな子なので、そっとしとこう。
あと、
>>895 S
S
F
先生……マテリアル三人娘と路地裏同盟が対決するSSが見たいです……。
ただ、「現実」を知る人間が書いた作品はひと味違うと思う
最近まじめに術利を展開して話を進めるゲームをしていると「あ、いいなあ」と思った
オサレとか型月とかなのはでもそこら辺はごまかしているから
さすがにその作品も全部を全部を現実に即して戦闘を組み立ててたわけではないが
そこまで現実に拘るんならなのはみたいなファンタジー要素を持った作品は対象がいなんじゃないのか
魔法が出てこない現実的な作品が好きなのに魔法が出てくるなのはや型月を見ているってのはどうなんだろう
なのはだと、三期で管理局が軍に近いから軍事関連を期待しちゃったのがありそうだな。
>>910 私はそういうのより剣や槍を使うなら握り方、構え方、体裁きなどをちゃんとしてほしかったなあ
真剣の握り方は知らないけど剣道をやってた身としては、たいていの作品は握り一つ見てもおかしいことが多いから
>>911 なのはや型月はどう見てもそういうところを求める作品じゃないだろ
どうしてなのはや型月を見ようと思ったのがすごく不思議な人だな
>>911 逆に、通常目線で見たらおかしい使い方でも魔法戦闘では刀剣、武器類の扱い方は、
通常と違うのだって感じで説明とか入れる事ができたかも知れませんね。
>>912 なのはの三期は育てる、教えるってのがテーマの一つだから気になってしまったというのはあるのかも。
型月だとあまりそっちは気にならないが。
>>907 七夜「その勝負、六円で買った」
リーズ「勝負方法はバレンタインチョコにしよう」
>>913 教えると一言でいっても何を、どういうふうに、どこで教えるかで変わってくるだろ
他にも要素があるだろうけどね
それはテーマを読み違えて望まない作品を手に取ったとしか言えないのでは?
少年漫画が読みたいのになんの間違いか少女漫画を買ってしまって頭に来ている、というのに似た感じがする
>>915 教える所によって違うってのもファンタジー要素があるってのも分かる。
だが、三期を見ると、ここはこういう世界なファンタジーなんだよって世界じゃなく、魔法はプログラムで科学の一部など、
俺たちの世界の延長みたいで、軍事関連も俺たちの世界のように軍備を整えたり治安維持をしていて、
軍事や組織ものの色を強めに出してたから、現実の軍事方面のリアルさ(戦力の運用の仕方とか)を強めに求めるってのは駄目なのかな。
まんまリアルさを見せろって言うよりは似非リアルさで素人の俺を騙してくれっ感じだが。
アンソロジーコミックを買ったつもりがヤオイ本だったことがある
小学生の時だったので800円近くの損失は大きかった
>>913 俺はそういう場合は下手に言い訳をせずに、普通に間違えてくれたほうがまだ良いな。
>>916 似非リアルと言うのなら、俺は結構雰囲気は出ていて良かったと思うな。
組織とか俺の想像を広げてくれたし。
>>917 小学生の時に801かwそれはそれは
>>916 どの程度を求めているかはわからないが
リアルさといっても、あれらのバリアジャケットで戦っている時点でへったくれもないと思うのだが。
>>917 おれは昔アンソロ本買おうとしたらエロ本は学生には売れんと言われたことがある
バリアジャケットとかはキャラの特徴付けってので理解はできるし、
軍隊なんだから揃えろよ!とまでは言わないかな。
ホテル防衛で、副隊長じゃなくなのはが出るべきじゃないか?とか、
ライトニングとスターズで分かれたのに、それぞれのチームで協力して行かないで、
隊長と新人で別れちゃうのが残念とか、ティアナ撃墜後に周りに仲間がいるなど云々やってたのに、
最終戦で皆それぞれ行ってしまって戦力分散してしまい、チームワーク戦でやらないで単体で三人の戦闘機人に勝つのって……とかそんな程度。
>>921 ライトニングやスターズは米軍の訓練とかとやる五軍と同じように考えてみたらいいんじゃないかな。
それと新人達のチーム戦はSTSの漫画版の二巻にあったよ。
俺的には決戦では、それぞれが自分の壁をまさしく打ち破ったという事で、かなり良かったと思う。
それに、あれはシャマルさんやザフィーラの助けもあったし。
まあいい加減スレ違の話題と思うから、そろそろやめたらどうかな。
そんなことよりおっぱいの話しようぜ
やだよ変態
避難所がウザ過ぎるな
他所様の作品持ち出して叩きまくってる奴らが都合の良い時だけ善良面
そもそも荒れた時は取りあえずギルガメぶっこんどけとかバカにしすぎだろ
>>922 ごめん・・・あの決戦、コントにしか見えなかった
特にフェイト&エリキャロ
延々と流れるガキ共の卒業生を送る言葉
脅威の数分間フリーズ棒立ちの敵キャラ達
さっさとトドメ刺すなり映像切るなりしろよとw
型月×リリカルなのはクロスの二時創作が叩かれてる
↓
なのはオタうぜぇ
↓
月オタ「そうだ、なのは原作を貶そう」
という解釈でよろしいか
穴だらけの作品を晒されて悔しいからって血迷うなよ恥ずかしいw
>なのはヲタうぜぇ
これに関しては今更だなー
陰湿で卑屈で厨じゃ救いが無いわ
なんでこのスレにいるのか分からないくらい憎々しげに片方の作品を叩きまくる人は、アンチスレ行けば歓迎されるのになぁ。
誰かの行いをなのは(型月)厨と一まとめにして貶したりとか、クロススレではタブーだって分からないのかなぁ。荒れるの分かってるだろうに。
……なんでこのスレこうなっちゃったんだろ。
>>927 アンタは戦隊もの見ても同じような感想抱くのかよ
香ばしい事になってんな……
前は型月側が「なのはなんぞが鯖に勝ちやがったら叩く!」みたいな空気で
それで今度はなのは側がこれみよがしに避難所や外部で型月寄りのSS叩いてるって事?
職人にどうして欲しいっちゅうねん
何か見てると明らかにここの住人さんもいるみたいだが
ここのSSに関しては言いたい事があるならここで言えばいいのにな
>>932 ヒント ねらーは何かをぶっ叩くのが大好き
わざわざ人の目に止まらない場所で引き篭もってやってる時点で予想つくだろ
腐りきってるわ全く・・・
普段ROMだからあまり無責任な事言いたくないが
もし見ている職人がいるならここで描くのはもう止めた方がいいんじゃね?
いくつか楽しみにしてた作品はあるけど・・叩かれるために描いてるんじゃ流石に職人が哀れだ
自分の好きな二次SSが叩かれてファビョッてるのか知らんが、外部サイトのいざこざを持ち込むなっつーの
またその怒りを原作に向けるのはお門違い
二次創作の感想なんて人それぞれ違って当然。クロスなら尚更
自分と合わない意見をスルーできない奴は、自分の意見が全てで正しいとでも思ってるのかね
自分さえ好きならそれでいいだろ
もっと自信を持てよ
UBWは未見なのでノーコメント。
なのはは本編に無かった部分を補完しているものの、劇中で作られた映画という設定なので『おそらく関係者の憶測』というのが難点か。
まあ『リリカルの劇場版を見に来た』という人なら普通に楽しめるとは思うものの、客の中に『なのは(またはフェイト)は俺の嫁』を本気の声で呟くのが何人か居たのが寒かった。
>>931 レンジャーの爽快感とあんな不気味なヒロインが主役のアニメと一緒にすんなよw
>>932 それやっても勝てねーからこいつらw
>>934 火消しUZEEEEE!
もともとお前らが鬱陶しかっただけなんだけどね。
初め、あまりにも惨め無様だったからこれ以上苛めないでおいてやるかと思ったら・・・
ゴキブリみたいにいつの間にかみるみるはこびりやがってw
第一、話の流れからして外部サイトにここSSの感想
勝手に持ち込んでるのはお前らなんだろうがよw
そんなことよりバレンタインに貰えるチョコの数でも数えようぜ
六課じゃシグナムが一番かな
型月だと慎二か一成か
>>936 >陰湿で卑屈で厨じゃ救いが無いわ
それまんまお前のことじゃねーかwww
>>937 なのはさんやフェイト王子も意外といけるかもしれん。
エリオはどのくらいいけるかなぁ。やはりまだ子供だからな。
あ、意外と秋葉が型月一強だったりしてな
エリオは周りに監視されてそうなイメージがある
普通にシンジじゃね
なのはさんやヴィータは教え子からけっこう貰ってそう
そもそもバレンタインの風習がミッドにあるのかどうか…。
六課周りではありそうだな。実際にそういうSSはよく見るが。
型月のクロスでだと、どういう風にできるかね。
ランサーが手を出しすぎてチョコの山に埋もれるとか
クロスには関係ないけど鯖の能力(バレンタイン仕様)なんてバカネタなら
狂:Aランク未満のチョコは全てシャットアウト
弓:無限の義理チョコを内包した固有結界
金:無数の本命チョコを納めていく倉
槍:チョコを渡すという結果を先に作り出す
魔:夫に渡されたチョコにこめられた思いを初期化
とか
なのはの方だとどんなのに変わるだろか
なのはさんに義理チョコなし
どんな相手にも全力全開のチョコを叩きつけるぜ
こんなかんじかも
まぁ好意を前面に押し出して、本命としか思えんような渡し方で男女問わず色んな人に義理チョコを配るなのはさんはガチであるかもしれん。
>>935 公式でパラレル扱いもされてるけどな
劇中作でもありパラレルワールドでもあるという事なんだろうか
まあ劇場版コミックは更にパラレルらしいが
なのは:周囲一帯のカカオを掻き集め一つの本命チョコを形成し打ち出す
ティアナ:本物を当てられたらお一つどうぞ
うーん難しい
なのはは、ミッドの乙女達が丹精こめて作った本命チョコを強奪するように掻き集めて一つのチョコを作るだろw
エリオは、実は御曹司って情報を漏らせば局の幼年からお姉さん、お局まで集って来るさ。
フェイトがホームランで追い返すだろうけど。
>>943 そういやリリブラ氏のはそんなだったな
さすが兄貴フットワークが軽い
>>944 どうあがいてもギルの天敵にならなさそうなアーチャーの能力に泣いた。
義理が本命に勝らないという道理は無いとかいうアーチャー想像すると泣けてくるんだけど
>>952 血の涙ながしながら言ってるんだろうな、たぶんw
まあツンデレチョコの一個くらい貰えそうな気もするけど。
いやいや。
原作において、射出された真作を贋作が打ち倒していたように込められた物はさて置き性能、この場合は味や香りが匹敵しているのでは?
ギルに送られる本命チョコレート……血とか髪の毛とか殺虫剤とか、ヤンデレ系本命チョコも混じってそうだな。
ギル「我を、染めたくば……そ、の……三倍は…持っ、てこ、い……」
空気を読まないタイミングで義理チョコを配りまくり、周りのフラグを破壊するバゼット
バレンタイン・フォームで超短期決戦に挑むフェイト
発想が闇鍋チョコにとり憑かれた少女はやて
こちらをじっと見つめているアーチャー
その全てを超越するシャマルチョコ。
二次捜索補正していなくとも公式コミックなどを見る限り、食べた人間がことごとく顔をしかめる料理を作る人ですし。
シャマルに関しては、未確認だけどCDドラマの方で大分料理が上達しているという話も聞いてるんだけどな。
どうなんだろう。
そこは、ほら。
上達してきても、たまに失敗をやらかすってことにしておけばSS的にオイシイ。
>>956 バレンタイン・フォームときいて、全身チョコまみれと思ったのは私だけでは無い筈!
>>959 多分ここぞというときに失敗するんだな。
シャマル先生はA'sの変装とかどこかズレてるところがある
単純に味オンチなのでは
日付も変わってふと思ったが、海鳴ってけっこうやばい土地なんだろうか?
マスコットのキツネやら頭が悪いだけの白面クラスの妖怪が眠ってたり
まあそういうとらハ設定はなのはにはなさそうだけど
何事もそれなりの場所でないと物語にはなりません
>>962 結構っていうか、普通にやばい土地だと思う
特異点ぶりは確かだと思う。
まあでも交通事故で亡くなった子ども達が、自縛霊になって害を成すような世界観だからねえ。
危険度だけでいえば割と何処でも危険な気もする;
そろそろLyrical Nightの続きとか見たいな。
容量とかあれこれ考えると、早くても次スレになるだろうけど。
なのぎる外伝の完結もまだかな
もっとギャグものが増えるといいな
雑談に埋もれるくらいのしょーもないネタくらいの
誰かが
>>863の話を士郎視点でホロウの一幕っぽく本格的にSS化してくれれば、良い感じのギャグ物ができると思う。
ま、他力本願である限りなにも起こらないよ
だれかよろしく36でもいいんじゃない?
ネタを思いついたことがあるが型月×なのはスレで片方が型月ネタでない時点で
どうしようもない
さらに文才のない自分には
しょーもない小ネタは頭に浮かぶけど文章にできないw
書ける人は凄いわ
ここらで一つ投下が来ないものか…
あせっても仕方が無い。
ここは一つ気長に待とーか。
レス数も容量も残り少ないし。
アギトとユニゾン的に相性がいい型月キャラはだれだろう
あとリインも
アギトは炎系なので空の境界の黒桐鮮花との相性がよさそう。
リインは氷系、いや細かい制御が苦手なはやてのサポートにつける能力だから蒼崎青子とか。
アルバがアギトと相性良かったりして。
ユニゾンじゃないが、シャマルと真アサシンが相性良さそう。
真アサシンがシャマルを抱き込むようにして気配遮断し、
シャマルが旅の鏡を展開して、ワープ妄想心音で殺すと。
アギトはランサーだな
性格とか気質とか他に思い浮かばない
リインは・・・・士郎?
今おもったんだがアギトに紅摩とかどうだろう
能力だからどうなるかわからないが灼熱をブーストさせてみる
596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/02/18(木) 12:46:15 ID:OgcZgUAo
STS最後のSLBは魔力結合できない船の中、塵に等しい魔力で外部からの魔力カットの聖王の鎧の上から格下のロストロギアでも文明滅ぼせるジュエルシードより強力なエネルギーがあるレリックを破壊するほどの威力
正直、ミッド上空で使ったら惑星破壊できると思われ・・貫通しなくても核までいけば連鎖爆発するだろうし
>>979 ?
魔力は十分あったんじゃね
なのは本人と無限に供給受けれるヴィヴィオがばらまいてたんだし
万全な状況かつ物理設定で使ったらどうなるのかは興味があるが
これは書き込みを誘って俺に次スレを立てさせようって腹だな!
任せろ
あーすまん
今携帯なもんでうっかり
お、また携帯規制が解けたか
というわけで
>>983-984乙
>>978 士郎とリインってどんな風だ?
セイバーオルタとアインスで暴虐自殺志願コンビとか
リインとユニゾンの相性がいいとすれば桜かな
梅
確かに桜は水属性になっている……
リイン:シエル
アギト:ランサー
ななこ:ギンガ
梅サンド
闇統べる王「そろそろ我の出番と聞いて」
はやて「……ちょう、黙れ」
>>991 コクトー「君、少し黙れ!!!!!!!!!!」
>>991 雷刃の襲撃者「そうだそうだ!黙れー!」
マテリアルシリーズについてですが、自ら『悪魔でいいよ』と名乗ったなのはが殲滅者。夜天の王であるはやてが『闇統べる王』。
前二者は兎も角、なんでフェイトがアホの子……まさかアホの子こそが彼女の本質?!
よくわからないけど、まぜてまぜてー
みたいな
>>997 士郎「……えっと、わ、わぁ!ままごと楽しそうだなぁ!俺奴隷役やるからさ。泣き止めよ。ほら、ガリガリさんもあるぞ!」
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。