アニメキャラ・バトルロワイアル3rd part12

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569ひとりにひとつ ◆zsYinY96dc


―――シャワーを浴びるのはいつくらいぶりだろう
そう考えてつい先日合宿所で露天風呂に入ったばかりだということに気づいた
もはやものすごく遠くのことのような気がして愕然とする
多くのことが片目の少女の周りで起き続けていた
カッターナイフとホッチキスの少女・小十郎との出会い…別れ
眼帯の女性・そして池田と竹井の死
たった六時間。麻雀にして6半荘。一日の学校生活にも満たない時間
急激な変化はしかし受け入れるしかない現実として福路に突きつけられ続けている
一旦精神の平衡を崩してしまった片目の少女は、だが今では冷静さを取り戻していた
―――あんな夢を見るということはやっぱり私は殺し合いを望んでいないってことだわ
夢が天からの差し出し物だというロマンチシズムを横に置くと
所詮夢は自分の中の考えを投影したものでしかない
判断材料を集め最良の選択をし続ける
それが麻雀でいう推し引きであり
風越のキャプテンはその選択において、おそらくは世界でも最高峰のセンスを持っていた
そこに対してある程度の自負はある
だからこそ竹井に夢の中であんな台詞―名門風越のキャプテン―を言わせたのだ、と
―――でも風越の制服を着た上埜さん、可愛かったな
微笑を浮かべながら身体についた泡をくまなく洗い流しシャワーの栓を締める
自分の中の考えは決まった
何のことは無い。今まで通りだ

殺し合いには乗らない
政宗に刀を返す
全員が帰ることの出来る手段を探す

あとは自分を保護してくれたトレーズというあの青年についてだ
目に付いた人間全てを殺すという人には見えなかった
殺そうとすればいつでも殺せるはずだった自分を保護した点から言ってもコレは間違いない
身のこなしから言って小十郎と同じく軍人、それも物腰から言ってかなり偉い人だろう
身の起こし方の不自然さから過去に大怪我を、それも命に関わる重傷を負っている
隙なく自分を観察していたあの瞳から見て元々は慎重な人物なのだろう
動作の端々から動揺が見られたから、もしかしたら既に見知った人を失っているのかも
とにかくも彼に対して自分の出来ることなどたかが知れている
だが問答無用で殺されることは、無い
なら彼の質問には全て真摯に、自分の知っていることを全部伝えるべきだろう

脱衣所には黒を基調とした服と白い布地が置いてあった
やたらとボディラインを強調した服だがそれは問題ない
福路にとって不思議だったのは白い布地だ
「なにかしら?穴が三つ開いてるけど…髪留め?」
かなり伸縮性のある布らしく、見た目小さいその布地は片腕一本分には伸びた
しげしげと眺めた挙句布地はとりあえず無視することにする
ブラジャーが無いことには大変なことになるので
やや残念ではあるが今まで着けていたものを使うことにした
―――それにしても
手のひらの小さな布地を見つめて思う
「かなり風習の違う世界の人なのでしょうか?」