アニメキャラ・バトルロワイアル3rd part12

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568ひとりにひとつ ◆zsYinY96dc





「"ゼロ"であるならばあのまま轢殺するべきだったのかもしれないな」
剣をしっかりと抱きしめながらベッドの上で気絶している少女を肩越しに見つつ仮面を脱ぐ

しかしそれはエレガントではない

トレーズにとって理由はそれだけで十分だった
トレーラーの巨体を縦横無尽に暴れさせたため周囲に甚大な被害を及ぼしたが
彼の矜持を守ることにはどうやら成功したらしい
少女の身体は血まみれではあるが、その多くは額からの出血であり
おでこにバッテン印を作るだけで怪我の処置は済んだ
むしろ予想以上に血を失っているらしく輸血作業に時間をとった
適応する保存期間内の血液があった事は僥倖という他ない
「上埜さん…」
何度となく少女が呟く
参加者リストに名前がないことからおそらくは少女の恋人であろう
なんにせよ、彼女が意識を取り戻さないことにはどうしようもない
全てはこのスリーピングビューティの本質を見極めてからだ

ふと少女の瞳に涙が浮かんだ為それをスッと指で掬う
「う…ん…」
どうやら気がついたようだ
まるでおとぎ話そのものだな
微笑しゼロの仮面とマントをカーテンの内に隠す